第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
(注)1.国際会計基準(以下、「IFRS会計基準」)に基づいて連結財務諸表を作成しています。
2.百万円単位で記載している金額は、百万円未満を四捨五入して表示しています。
3.基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益については、親会社の所有者に帰属する当期利益の数値を基に算出しています。
4.基本的1株当たり当期利益の算定及び1株当たり親会社所有者帰属持分の算定において、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、期中平均発行済株式総数及び期末発行済株式総数から当該株式数を控除しています。
5.当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っています。第49期の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して、1株当たり情報を算定しています。
6.第50期及び第53期の株価収益率については、基本的1株当たり当期損失であるため記載しておりません。
7.「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 43.追加情報(不適切な会計処理等について)」に記載のとおり、当社は2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置し、第三者委員会より2026年2月27日に調査報告書、同年4月17日に、最終報告としての調査報告書(追補)を受領しました。また、当社は品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査や貿易取引及び関税に係る諸問題等の社内調査等を実施しました。調査報告書において、当社及び当社グループ会社において多岐にわたる拠点で不正及び誤謬による多数の不適切な会計処理が指摘されており、当社は、自己点検の結果を含む第三者委員会の最終報告を踏まえ、過年度において重要性の観点から訂正を行っていなかった事項や調査の過程で追加的に判明した事項に関連する誤謬の訂正も含め、これらの不適切な会計処理等に伴う虚偽表示を遡って修正再表示しております。
(2)提出会社の経営指標等
(注)1.当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っています。第49期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり情報を算定しています。なお、第52期の1株当たり配当額は、中間配当額の40.00円と期末配当額の20.00円の合計値としています。当該株式分割を踏まえて換算した場合、中間配当額は20.00円となるため、期末配当額の20.00円を加えた年間配当額は1株につき40.00円となります。
2.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。また※印は、2024年10月1日付で行った株式分割による権利落後の最高株価及び最低株価を記載しています。
3.1株当たり当期純利益の算定及び1株当たり純資産額の算定において、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、期中平均発行済株式総数及び期末発行済株式総数から当該株式数を控除しています。
4. 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第53期は1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
5.第53期の株価収益率、配当性向については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
6. 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第5 経理の状況 注記事項(追加情報)(不適切な会計処理等について)」に記載のとおり、当社は2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置し、第三者委員会より2026年2月27日に調査報告書、同年4月17日に、最終報告としての調査報告書(追補)を受領しました。また、当社は品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査や貿易取引及び関税に係る諸問題等の社内調査等を実施しました。調査報告書において、当社及び当社グループ会社において多岐にわたる拠点で不正及び誤謬による多数の不適切な会計処理が指摘されており、当社は、自己点検の結果を含む第三者委員会の最終報告を踏まえ、過年度において重要性の観点から訂正を行っていなかった事項や調査の過程で追加的に判明した事項に関連する誤謬の訂正も含め、これらの不適切な会計処理等に伴う虚偽表示を遡って修正再表示しております。
2【沿革】
3【事業の内容】
当社グループ(当社、連結子会社341社、持分法適用関連会社4社を中心に構成)は、精密小型モータ、車載用製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品等の製造・販売を主な事業内容としています。
当社は、IFRS会計基準に準拠して連結財務諸表を作成しており、関係会社の範囲についてもIFRS会計基準の定義に基づいています。セグメント区分に関しては、6つの報告対象セグメントにより構成されています。
各セグメントの内容は次のとおりです。なお、このセグメント区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の連結財務諸表注記に掲げるセグメントをはじめ、本有価証券報告書の当連結会計年度に関するセグメントの区分と全て同一です。
当社グループの主要な製品の内容に係る当社及び主要な連結子会社の位置づけは次のとおりです。
[事業系統図]

4【関係会社の状況】
(1)連結子会社
(注)1.特定子会社に該当しています。
なお、その他に含まれる会社のうち特定子会社に該当する会社は次のとおりです。
ニデックヨーロッパ㈱
2.子会社の議決権に対する所有割合の( )内は、間接所有の割合で内数です。
3.2026年3月31日現在、債務超過の金額が100億円以上である会社及び債務超過の金額は、以下の通りです。
4.ニデックモータ㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
(2)持分法適用関連会社
持分法適用関連会社が4社ありますが、重要性が乏しいため記載を省略しています。
第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、2025年10月28日に東京証券取引所より特別注意銘柄に指定されました。当社グループにおける不適切な会計処理及び品質・検査に関する不適切な行為により、株主、投資家、お客様、お取引先その他の関係者の皆様の信頼を大きく損ねたことを、経営として重く受け止めています。
当社は、「必ず正しく」を経営の最優先方針に据え、過年度の会計処理を検証・訂正し、正確かつ透明性のある財務情報を開示するとともに、原因究明と責任の明確化を進め、改善計画に基づく再発防止策をグループ全体で実行しています。その第一歩として、取締役会の独立性と監督機能を高める新たな取締役体制に移行するとともに、執行体制も大幅に刷新しました。
また、従来の業績至上主義と過度なトップダウンから脱却し、各事業が事業環境と自らの実力に即した計画を主体的に策定し、健全な議論と検証を経て実行する経営への転換を進めています。現在、一日も早い信頼回復を目指し、改善計画に基づく各施策を着実に実行するとともに、その実効性を継続的に検証し、内部管理体制の適切な整備及び運用に取り組んでいます。こうした取組みを通じて、特別注意銘柄の指定解除に向け、グループの全役職員が一体となって改善を進めています。
さらに、従来掲げてきたConversion2027を見直し、2026年度から2030年度を対象期間とする“Re-Definition”ニデック経営改革5カ年プランの基本方針を2026年5月13日に公表しました。現在、この基本方針に基づき、各事業の戦略及び計数計画を含む中期経営計画の策定を進めています。
①組織風土とガバナンスの刷新
当社は、今般の会計不正及び品質に関する不適切な行為の背景に、短期的な利益を優先し、目標未達を許容しない企業風土、特定の経営者への権限集中、内部統制およびグループ会社管理の脆弱性があったと認識しています。これを踏まえ従来のトップダウンから、経営を担う経営層と現場の従業員が双方向の対話を通じて一体となった組織へ転換を図り、自由闊達で透明性が高く、全社員がやりがいや社会的意義を感じて業務に取り組む組織・風土へと変革を進めてまいります。トップ自らが対話の先頭に立ち、社員と直接対話を行うタウンホールミーティングの開催や、社員の声を経営に直結させるため「声を発することで会社が変わる」文化の醸成に向けた「Culture Transformation Lab」の活動に取り組んでおります。また、研修・教育プログラムの展開も強化し、全世界の経理、営業・購買、生産管理従事者に向けた継続的な教育プログラムを展開しております。これにより、短期的な数値目標による過度なプレッシャーを排除し、健全な成長を促すガバナンス体制を全拠点に定着させてまいります。このような取り組みを通じて、部署間・拠点間の横断的な連携を強化するとともに、心理的安全性の確保と自由で風通しのよい風土を醸成し、失敗や懸念、不正の兆候を隠さず報告・是正できる仕組みを構築します。
②取締役体制の刷新と監督機能の強化
第三者委員会の報告書における、監査等委員および社外取締役の牽制機能の不全や、役員の多様性不足に関する指摘を重く受け止め、取締役の専門性の多様化を通じた監督機能の強化を図ります。具体的には、取締役のスキルマトリクスに新たに「企業経営経験」や「資本市場に対する知見」を追加しました。この新基準に基づき、企業再建やガバナンス改革において豊富な実務経験を有する経営経験者や、機関投資家としての視点を持つ専門家等を社外取締役に選任しております。また、取締役会の独立性と業務執行に対する監督機能をより一層強化するため、取締役会議長を独立社外取締役の中から選定する体制へと移行し、持続的な企業価値向上を支える強固な取締役体制を構築します。執行体制についても、高い倫理観とコンプライアンス意識、組織構築・人材育成、将来を見据えた戦略立案・実行力を重視する選任基準に改め、選任・解任プロセスの透明性と客観性を高めています。取締役会による監督と執行側の責任を明確に分け、重要な経営課題とリスクを適時に共有・審議する体制を定着させてまいります。
③企業価値向上に向けての“Re-Definition”ニデック経営改革5カ年プラン
正しい経営の再構築を起点に、高収益構造への転換と真のグローバル企業への変革を図るべく、事業ポートフォリオの見直しや事業再編、成長領域への投資を組み合わせた事業の選択と集中を強化し、グループ全社の経営資源の再配分と抜本的な構造改革を推し進め、ROICを向上させることで企業価値の最大化に取り組みます。
(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
当社は、2026年5月13日に公表した「“Re-Definition”ニデック経営改革5か年プラン」において、①5本柱を軸とした事業の再編、②事業ポートフォリオ見直し、③グループ再編、④全社IT基盤改革を迅速に着手します。現在、これらの方針を基礎として、各事業の成長性、収益性、資本効率及び実行可能性を改めて検証し、2026年度から2030年度を対象とする中期経営計画の策定を進めています。なお、これらの5本柱は、2030年度に向けた中長期の事業戦略及び経営管理の方向性を示すものであり、当連結会計年度における財務報告上の報告セグメントとは異なります。今後の事業運営及び経営管理体制を踏まえ、5本柱を軸とした業績管理及び資源配分の仕組みを段階的に構築してまいります。
①5本柱を軸とした事業の再編
現在法人別に保有している販社や工場などを5本柱に合わせて集約することで、事業内容に応じたグループ管理を強化します。今後、当社は5本柱を構成するBetter Life、Electrification & Energy Infrastructure、Digital Society Solutions、Advanced Manufacturing Solutions、Mobility Innovationを軸に事業再編を推進します。ニデックのグループ各社に点在していた強みを、グループ全体で横断的に活用し、協業とシナジーの発揮による事業の拡大を目指します。同時に、顧客目線・要望を意識し、グループ内の強みを結集し、新たな価値を創出します。
これらの5つの事業領域において、グローバル本社(HQ)がコンプライアンス、ポートフォリオマネジメント、キャピタルアロケーションなどを立案し、各柱で連結事業のアカウンタビリティを負う構造へ転換を図ることで、資本市場に対して説明責任を果たす、グローバルで強力なガバナンス体制を構築します。
②事業ポートフォリオの見直し
当社の強みであるモノづくり技術を再認識し、長年培ってきた技術力、豊富な経験、知見を再確認し、成長性と収益性観点から事業ポートフォリオの抜本的な組み換えを実行します。成長領域は、AIデータセンターやエネルギー、半導体関連等で高収益性と市場成長が見込まれ、これらの領域には積極的に投資を行い、ソリューション等新しいビジネスモデルへの展開を図ります。新規領域への投資は技術革新や社会変革をチャンスと捉え、高成長市場に新規領域を設定し、現有の自社開発技術を基盤として、今後の成長が見込まれる新たな分野への事業展開に取り組みます。他方、低成長や収益性の低い事業については、事業の撤退や売却を速やかに進めます。
これらの施策を通じて、ROICをはじめとする資本効率及びキャッシュ創出力の継続的な向上を図り、持続的な企業価値の向上を目指します。また、財務健全性を確保しながら、成長投資と株主還元の適切なバランスを図ります。
③グループ再編
事業ポートフォリオの見直しを踏まえて全社的な構造改革を実行し、ガバナンス強化、固定費削減・ROIC向上に努めます。
2026年5月に公表した経営改革方針では、2026年3月時点で248ある拠点を160~180拠点に、353ある法人を160~180法人に集約することを目標として掲げています。今後、各拠点及び法人の事業上の必要性、顧客対応、供給体制、法務・税務、システム並びに再編コスト等を検証し、事業継続とリスク管理に支障を生じさせないことを前提として、順次再編を進めます。
④全社IT基盤改革
グループIT基盤の刷新と全社共通エンジニアリングプラットフォームの導入により、正しい経営の基盤構築と業務効率化を同時に実現すべく取り組んでまいります。IT基盤の刷新においては、個社毎に分断されていたシステムを全社および5本柱で統合し、内部統制の強化と経営情報の可視化を具現化するため、今後5年間で積極的にIT投資を実施します。これにより、正しい経営を支える強固な基盤を構築するとともに、業務効率の大幅な改善を図ります。また、全社共通エンジニアリングプラットフォーム(One Nidec Motor Engineering Agent)を導入します。各事業領域を跨いでグループ内のモータに関するエンジニアリング知見を網羅的に紐付け・共有することで、モノづくりを支える強固な基盤を構築してまいります。
上記の一連の経営改革を実行するために、当社では新規事業領域の強化に向けたM&Aや、事業再編、拠点の統廃合のために事業売却を効果的に活用し、事業ポートフォリオの組み換えを機動的に行い、事業の選択を強化してまいります。
ESGの取り組みについて
当社は現在、ステークホルダーの皆様からの信頼回復と経営基盤の再構築を最優先課題と位置付けております。従来のサステナビリティ推進体制を根本から見直し、経営陣の強いコミットメントのもとで重要課題(マテリアリティ)の再特定と経営計画への統合を進めることで、より実効性の高いガバナンス体制へと進化させ、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。詳細につきましては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(3)改善計画・状況報告書の実施状況
①会計問題の概要
当社に係る会計不正問題により、株主、投資家の皆様をはじめ、関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、心より深くお詫び申し上げます。
当社は、過年度において、複数の国内外の連結子会社を含むグループ内で、不適切な会計処理及び貿易取引上の問題が発生したことが判明し、2025年3月期有価証券報告書の連結財務諸表について監査意見を表明しない旨の監査報告書を受領しました。また、これら一連の事態を受け、株式会社東京証券取引所より当社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められたことから、2025年10月28日付で特別注意銘柄に指定されました。これを受けて、当社は、特別注意銘柄の指定解除に向け、内部管理体制等の抜本的な改善を目的として、2026年1月28日付で「改善計画・状況報告書」、同年4月27日付で「改善計画・状況報告書(改訂版)」を株式会社東京証券取引所へ提出しました。
「改善計画・状況報告書(改訂版)」については、2025年11月に設置したニデック再生委員会によるヒアリング結果に基づき改善計画を策定した後、2026年2月27日及び同年4月17日に受領した第三者委員会の調査報告書の内容を踏まえて、不適切な会計処理・内部統制の不備に繋がる原因を再検討し、原因の分析及びその分析に基づいた再発防止に向けた改善措置の改訂版を策定しました。
原因分析については、2026年4月27日付「改善計画・状況報告書(改訂版)」のとおり、(1)成長を示し続けるための過度な株価至上主義、(2)短期的な利益を最優先し、目標未達を許容しない企業風土、(3)永守氏への権限集中と同氏の意向を優先する風土、(4)ガバナンスの脆弱性、(5)内部統制の脆弱性、(6)グループ会社管理体制の脆弱性の6つの構造的・複合的な要因が重なり合って生じたものと考えています。
②改善計画書に記載している改善措置の進捗状況について
当社は、特別注意指定銘柄の解除に向けて4月27日付で公表しました「改善計画・状況報告書(改訂版)」について適宜対応を進めております。改善措置の進捗状況は以下のとおりです。
1)FIR事案(FIR 社に関する貿易取引上の問題及び関税問題)に係る改善措置・状況
(ⅰ)コンプライアンス最優先の意識/企業風土の醸成
(a)当社取締役会から当社グループ内に対する明確なメッセージの発信
2025年9月26日付で当社取締役会からコンプライアンス違反に対する厳格な姿勢と迅速な対応方針を中核とするコンプライアンス最優先の明確なメッセージを発信しており、また、経営トップからグローバル幹部に対して、コンプライアンス最優先を企業文化として根付かせることを経営の最優先課題とすること、全役職員が高い倫理観、誠実性を持って自律的に行動することの明確なメッセージを継続的に発信しています。
第三者委員会の調査報告書受領の翌日である2026年3月4日や新年度開始日の4月1日には、経営トップより全役職員に対して正しさを最優先にすること等のメッセージを映像で配信しました。加えて、2026年7月に実施したグループ全役職員向けコンプライアンス研修においては、コンプライアンスの重要性について映像でメッセージを発信しています。
(b)人事処分を通じたコンプライアンスを最優先にした対応の必要性の周知徹底
第三者委員会による調査結果及びその他の社内調査結果も踏まえて、厳正な人事処分を実施しています。その内容を従業員にも公表することで、コンプライアンスを最優先にした対応の必要性の周知徹底を図ります。
(c)法務・コンプライアンス部門の機能強化
内部通報対応及び調査については、法務・コンプライアンス部門において、2025年7月1日付でCLO(Chief Legal Officer:最高法務責任者)と、同年10月1日付で部長クラスに、それぞれ新たに社内弁護士を配置し、専門知識を活用して対応できる体制を整備しました。
(ⅱ)組織・体制の強化
(a)貿易コンプライアンス体制の強化
2025年12月1日付で、関税専門家(WCO(世界税関機構)勤務経験者)を当社貿易コンプライアンス室長(貿易管理室を改組)として任命するとともに、貿易規制分野の進展状況を統括する専門家及び有識者からなるグローバル貿易戦略チームを設置しました。また、米国に係る全ての貿易手続について、米国関税の専門家が複数所在するニデックホールディングアメリカ㈱ 法務部が主体となって一元的に管理し、米国におけるトレードコンプライアンスに関する権限もニデックホールディングアメリカ㈱に付与しました。
(b)グローバルコンプライアンス体制の強化
CLO(Chief Legal Officer:最高法務責任者)の役職を設けて専門的知見と経験を有する人物を配置するとともに、北米にコンプライアンス専門家を配置しました。当社コンプライアンス部と各地域のコンプライアンスオフィサーとの会議を、2025年10月から2026年9月にかけて計38回実施しました。主なアジェンダは各地域における内部通報対応状況の確認、コンプライアンス関連施策に関する情報連携(規程の改訂、当社で策定した対応マニュアルの共有、全従業員向け研修の進捗確認等)などです。また、CLO及びCCO(Chief Compliance Officer:最高コンプライアンス責任者)に対しては、週報や隔週のコンプライアンス部内会議でリスク情報を共有しており、グローバルで通報案件や課題に迅速に対応できるように体制を強化しております。
(ⅲ)手順・規程・仕組みの改善
(a)当社グループの報告体制の改善
FIR事案では情報伝達の停滞が生じましたが、今後は同様の情報伝達の停滞を防ぐため、下記を規程で明文化しました。
ⅰ)各地域コンプライアンスオフィサー及び当社コンプライアンス部が重要なリスク情報を把握した場合は、直接当社の最高コンプライアンス責任者(CCO)に報告すること。
ⅱ)各地域コンプライアンスオフィサーが法令違反行為及び法令違反のおそれがある行為を認識した場合は、当社コンプライアンス部に報告すること。
(b)当社グループの法務・コンプライアンス部門間の情報共有
海外の法務・コンプライアンス担当者と定期的な情報共有の場を設け、その情報を当社の法務・コンプライアンス部門内の主要メンバー間で共有します。訴訟案件に関するリスク情報の報告については、直近では7月に第1四半期末時点の訴訟情報を各地域法務担当者から収集し、法務部内で共有しました。また、2026年4月に実施されたグローバル会議では、CLOや米国統括会社の法務コンプライアンス部門の最高責任者、主要地域の地域コンプライアンスオフィサー、主要国の法務部門の責任者等が参加し、3日間にわたって各部門の活動内容や活動実績、事業部紹介等の情報共有や、今後解決すべき課題、施策にかかる協議を行いました。
(c)内部統制の適切な整備
四半期決算ごとに行う経理部門から法務部に対するリスク情報の問い合わせは、グローバルベースに拡大し、経理部門が認識している重要なリスク情報が網羅的であるかどうかを確かめるプロセスを導入しました。
法務部が各地域法務担当者から報告を受ける訴訟案件に関するリスク情報について、一覧性のあるデータベースを構築してリスク分析も実施するようにし、その情報を経理部門に共有する体制を整備しました。2026年7月には、当社法務部が各地域法務担当者から2027年3月期第1四半期末時点の訴訟情報を収集し、480件の訴訟案件を当社経理部門に共有しました。共有を受けた当社経理部門は、請求金額、訴訟の進捗状況、発生可能性その他の重要性を踏まえ、重要な案件については、必要な引当金等が適切に計上されているか又は連結財務諸表上、開示が必要な案件が無いかを個別に確認しています。さらに、内部通報に関する情報についても、当社コンプライアンス部が通報者特定につながり得る情報を削除、編集等し、閲覧権者を限定した上で、2026年1月から9月にかけて、四半期に1度以上の頻度で当社経理部門に共有しました。
(ⅳ)FIR社における改善措置
(a)体系的な研修教育体制
米国関税法遵守の周知徹底のため、米国関税専門の弁護士に委託して、貿易コンプライアンスの専門研修を継続的に実施しています。
具体的には、事案発覚直後の2025年7月にFIR社の調達部門や物流部門等を対象として再発防止を目的とした教育を実施しました。また、2026年3月には、最新の米国関税制度の修得を目的とした研修を貿易コンプライアンスに関わる部門を対象として実施しました。
また、FIR社を含むグループ全体の取り組みとして、2026年5月には、貿易に関与する役職員を対象として、違反事例を通じたリスクの理解と社内の運用体制および相談・報告ルートの周知を図ることにより、現場での適切な判断と行動の定着を目的としたe-ラーニング研修を実施しました。加えて、同年同月に、貿易管理に関する遵守事項を業務プロセス別に一覧化したマニュアルや、注意すべき事項をまとめたハンドブックを展開し、社内ポータルに掲載しました。
(b)原産国表示判定に係る内部統制
FIR社において、米国輸出に関する原産国表示判定に関する内部統制が適切に整備されていなかったため、これらの内部統制を整備し運用を開始しております。具体的には、ニデックグローバル貿易管理基本規程第10条を新たに規定し、米国向け貨物の原産国判定において、ニデックホールディングアメリカ㈱ 法務部との連携、及び外部の貿易管理専門家との協議を必須とするプロセスを整備しました。これにより、最新の法令や重要な部品・BOM(部品構成表)の変更を適時に反映し、専門的知見に基づいた正確な原産国判定を継続的に行う体制を構築しております。
(v)FIR事案の調査等踏まえた貿易コンプライアンスに係る追加改善措置
(a)貿易コンプライアンスに関するe-ラーニング研修の実施
2026年5月に、違反事例に関する相談・報告ルートを改めて周知するとともに、貿易に関与する役職員を対象として、貿易コンプライアンスに関するe-ラーニング研修を実施しました。これにより、貿易管理に携わる役職員に対し、遵守すべき基本事項の理解を改めて促すとともに、違反又はその懸念を認識した場合に適切に相談・報告することの重要性について周知徹底を図りました。
(b)「関税対応マニュアル」及び「関税対応ハンドブック」の整備・展開
2026年5月には、原産地国判定、関税分類及び自由貿易協定に関する業務について、貿易管理上の遵守事項を業務プロセス別に整理した「関税対応マニュアル」及び実務上注意すべき事項を取りまとめた「関税対応ハンドブック」を新たに作成し、関係者へ展開しました。これにより、従来、各拠点や担当者の知識・経験に依存する部分があった貿易管理業務について、実務において参照すべき共通ルールを明確化し、業務の標準化に向けた取組みを進めています。
(c)コンプライアンスの重要性についての継続的な発信
2026年7月に実施したグループ全役職員を対象とするコンプライアンス研修において、改めてコンプライアンスの重要性について映像メッセージを発信しました。貿易管理に直接携わる従業員に対する専門的な教育に加え、グループの全役職員に対してコンプライアンスを事業活動の前提として徹底することの重要性を改めて発信することで、グループ全体におけるコンプライアンス意識の一層の浸透を図っています。
(d)SOP(標準業務手順書)の整備・展開
上記の教育・ルール整備にとどまらず、各拠点の実際の業務プロセスにおいて貿易コンプライアンスの実効性を確保するため、本社部門が主体となって各拠点の貿易管理プロセスを確認し、把握した課題の改善及びSOP(標準業務手順書)の整備・展開・定着に取り組んでいます。
特に米国においては、関税調査を過去の申告誤り及び財務影響を確認するための調査にとどめず、貿易管理体制そのものを改善する機会と位置付け、本社の貿易管理担当者が現地担当者及び関係部門と一体となり、実際の輸入取引及び業務プロセスの確認、必要な情報の収集・検証並びに判明した課題の是正を進めてきました。
こうした本社・現地一体での取組みを通じ、現地担当者が実際の取引に即して関税分類、原産地国判定等の貿易管理実務に関する知識・経験を蓄積するなど、現地における実務対応力の向上にもつなげています。また、実際の業務プロセスを踏まえて課題を把握・改善する経験を重ねることで、各拠点の実態に即したSOPの整備及び実効的な運用に活用できる知見・ノウハウを蓄積しています。
現在、米国を含む各グループ拠点において、プロセスの確認・是正やSOPの整備を並行して進めています。今後は、各拠点での取組みや米国で得られた知見・ノウハウを相互に活用しながら、業務手順の標準化とその定着・運用状況の継続的な確認を進めることで、教育・ルール整備から実際の業務プロセスへの定着まで、一連の改善措置を継続的に運用し、グループ全体の貿易コンプライアンスの実効性を高めてまいります。
(ⅵ)人事処分
第三者委員会による調査結果及びその他の社内調査結果を踏まえて、FIR社に関する責任の明確化を行い、既に主要な責任者は解雇もしくは辞任にて4名が退職しております。その他の対象者に対しては、書面での戒告処分や口頭での厳重な処分を行う予定です。
2)不適切な会計処理の疑義を踏まえた改善措置
(i)中期経営計画策定のプロセスの再整備
(a)中期経営計画策定のルールの再定義や明文化
中長期的な視点での競争力強化と事業成長を実現することを目指し、研究開発など具体的な実効性を伴う戦略を明確に示すべく、事業本部・国内グループ会社が、CFO・CMO・CDO・CTOといった当社グループ全体に横串を通す機能を担う役職員とも連携し、計画の立案及び検証を行うことを含め、成長を実現するための中期経営計画の実現可能性を高めるルールとなる中期経営計画策定規程を2026年6月に新設し、その後、中期経営計画策定ポリシーとして当社グループ各社への周知を完了しました。これに基づき、2026年度より中期経営計画策定プロセスの運用を開始しています。
(b)中期経営計画検討体制(チーム制)の構築
個々の事業本部・国内グループ会社における責任者が、中期経営計画を自ら策定し、機関決定を経て、その実行に責任を負うことを明確化しました。
また、そうした責任者を支援するチーム体制を構築し、チームによる十分な議論を経た上で個々の事業本部・国内グループ会社が計画を策定する体制を整えるとともに、当社事務局及び当社グループ全体に横串を通す機能を担う役職員が、各チーム及び実務担当者と連携して計画を検討する体制も整備しました。加えて、中期経営計画の策定に当たっては、社内での有為な人材の知見を広く集約するとともに外部専門家の知見も活用しながら進めております。
(c)中期経営計画策定プロセスの強化
全社としての経営の方向性を定め、かかる方向性に基づき、個々の事業本部・国内グループ会社の業績責任を担うチームで十分な戦略議論を行い、合理的な中期経営計画となるようプロセスを改めました。各事業本部・国内グループ会社が当社に対して説明責任を果たしたうえで機関決定(経営会議・取締役会承認等)を行うことで、当社の一部の経営層による属人的・恣意的な計画の策定や変更の防止を進めております。そして、これらの施策に基づき、2026年度において、既に策定済の2027年度までの計画の見直しと2028年度以降の計画の策定を進めております。具体的には、2026年5月13日に公表した“Re-Definition”ニデック経営改革5カ年プラン(FY26-30)を基に、同月29日の経営会議及び同年6月3日の取締役会において中期経営計画策定の方向性及び検討プロセスを協議し、同月に事業本部、当社グループ会社の長及び当社経営層が参加する説明会を開催して策定プロセスを開始しました。現在は、事業特性が共通する事業をまとめた新たな事業軸である「5本柱」(Better Life、Electrification & Energy Infrastructure、Digital Society Solutions、Advanced Manufacturing Solutions、Mobility Innovation)の枠組みの下、各事業領域に設置した戦略検討チームが主体となり、「5本柱」の長の意向のみで計画を定めるのではなく、市場環境、自社の強み・技術要素、同一事業領域に属する会社間のシナジー等を検証しながら中期経営計画の策定を進めています。
例えばある事業での戦略議論においては、従来の売上規模の拡大と製品のフルラインナップ整備を前提とした取組みに対し、製品ごとのポートフォリオを再検討し、競争力の低い製品については選択と集中への転換を検討するなど事業の競争力を踏まえた議論を進めており、外部専門家の知見も活用し、実態や将来予測を踏まえながら、自らの意思で成長に向けた計画を検討している事例として把握しております。加えて、ガバナンス向上や全体最適を目的とした組織体制・経営モデルの変革という観点からも、法人の統廃合、生産事業所の最適化、販社及び工場のコストセンター化といった施策の検討を進めております。
(ⅱ)事業計画策定プロセスの再整備
(a)事業計画策定のルールの再定義
2026年3月に事業計画管理規程を新設し、事業計画管理ポリシーとして当社グループ各社への周知を完了しました。これらについては2026年度より運用を開始しており、2027年度の事業計画に反映される予定です。
(b)事業計画検討体制(チーム制)の構築及びプロセスの強化
2026年1月に、改善計画・状況報告書記載の考え方に基づく事業計画策定プロセスの説明会を実施し、各事業本部・国内グループ会社において事業計画の策定を開始しました。同月末から2月初旬にかけて、各事業本部・国内グループ会社と当社との間で、策定プロセスの進捗確認並びに疑問・懸念の解消を目的とした進捗確認会を実施しました。
その後、2026年3月に事業計画共有会を開催し、親和性のある事業ごとに外部環境や事業特性に照らした計画の合理性を相互に確認しました。これらのプロセスを経て、同月28日の経営会議及び同月31日の取締役会において総連結計画を協議し、2026年度事業計画を承認しました。
策定過程では、一部の経営層による非現実的な目標設定を改めることと、成長に向けて健全な挑戦を追求することは両立すべきであるとの議論や、保守的な計画ではなく自らの意思でチャレンジを検討する事例も報告されました。各事業の従来の実態は一様ではないことを踏まえ、各事業による主体的な計画策定と当社による合理性の検証を進めてまいります。
今後の事業計画策定、予実管理及び事業評価を適切に運用する上での根拠文書となる事業計画管理規程を2026年3月に新設し、事業計画管理ポリシーとして各当社グループ会社への周知が完了しております。事業計画の基礎となる中期経営計画の策定が完了したのち、2027年度の事業計画より運用します。
(ⅲ)予実管理プロセスの適正化
(a)予実管理における業績管理値の変更
事業部門の判断を伴う月次見込値を日次で報告する管理体制及び業績会議を2025年9月末に廃止し、2026年4月実績以降は、簡易連結による月次財務実績値を中心とした新たな予実管理を開始しています。2026年4月分については同年5月29日の経営会議及び同年6月3日の取締役会に、同年5月分については同年6月24日の経営会議及び同年7月8日の取締役会に、それぞれ報告しました。
同年6月分以降については、2026年3月期および2027年3月期第1四半期の決算と整合した財務実績値での予実管理が可能となり次第報告を行い、以降は通常の報告サイクルで予実管理を行う予定です。
(b)実績分析及び対策の検討、次期計画精度向上
2026年3月に新設した事業計画管理規程に基づき、同年度の予実管理に関する具体的なプロセス及びフォーマットを含むガイダンスを整備し、各事業本部・国内グループ会社への周知を完了しました。2026年4月実績以降、上記(a)に記載した予実管理において、計数に加えて各事業本部・国内グループ会社による事業状況分析も報告対象とし、経営会議において討議を行っています。
また、2026年9月には事業ごとに通期見通し確認会を開催し、2026年度事業計画に対する直近時点の見通し・確度及び計画策定時からの状況変化等について討議し、その結果を取り纏めた総連結の通期見通しを同月9日の経営会議及び30日の取締役会に報告しました。乖離理由の分析、挽回余地の検討及び計画見直し等についても、決算と整合した通常の報告サイクルにおいて、四半期予実管理会議での確認・協議を実施する予定です。
(ⅳ)業績評価基準の見直し
(a)計数項目の見直し
2026年3月に新設した事業計画管理規程において、事業本部・グループ会社の事業評価指標を売上高、営業利益、FCF(フリーキャッシュフロー)及びROIC(投下資本利益率)と定め、各事業本部・グループ会社が事業特性に応じて所定の範囲内で評価比重を申告し、当社による検証を経て決定する仕組みを明文化しました。これにより、利益目標達成のみに対する過度に厳しいプレッシャーが生じることを抑止します。
(b)評価項目の追加
事業計画管理規程に基づく新たな事業評価の考え方及びプロセスについて、各事業本部・国内グループ会社に対する説明会を実施しました。また、2026年度の事業計画策定に並行し、中長期を見据えた課題と目的に対応する手段として複数の中長期重点施策を事業本部・グループ会社自身で策定し、またそれらについて2026年度内に到達すべきマイルストーンと評価基準についても設定しました。
決算と整合した通常の報告サイクルにおいて、上記(ⅲ)(b)に記載した予実管理会議にて売上高・営業利益に加えてFCF及びROICを含む指標について協議するとともに、中長期重点施策の進捗状況について、短期的な利益目標達成のみならず中長期的な会社の成長に向けた取り組みの進捗状況を確認いたします。
また、事業年度終了後には、上記(a)で記載した財務指標とともに中長期重点施策について通年での検証・評価を行い、経営会議等への報告及び戦略上の議論に活用いたします。
(ⅴ)経理機能の事業部門からの独立性の確保
(a)経理機能の独立性の確保
不適切な会計処理の発生を防止するため、経理機能の事業部門からの独立性を確保し、正しい会計処理を行うことを最優先とする体制の整備を進めました。その一環として、当社は、2026年2月に事業本部及び国内グループ会社に対し、経理機能と事業管理機能の役割を明確化するため、業務分掌規程や職務記述書の見直し及び改訂を行うよう通知しました。これを受け、事業本部及び国内グループ会社各社は、業務分掌規程や職務記述書を改訂し、2026年4月以降は、当社の経理担当役員の下、適切な制度決算を担う経理機能と経営戦略実行のモニタリング等を担う事業管理機能に分化しています。また、事業本部及び国内グループ会社の経理機能を当社の経理機能の管掌下に置くとともに、人事面についても当社が関与する体制としました。具体的には、事業本部及び国内グループ会社のCEOがCFOの選解任を決定する場合は、当社CFOが事前にその内容を確認し、特に解任の場合にはその理由の妥当性を確認することとしました。また、事業本部及び国内グループ会社の経理責任者に対する人事評価については、事業本部及び国内グループ会社のCFOが評価結果及びその理由を当社CFOに報告する義務を負うものとし、当社CFOが評価の公正さと適正さを確認できる体制としました。これらの人事プロセスの変更は2026年4月に事業本部及び国内グループ会社各社に対して通知しています。当該プロセスを通じて、CFO及び経理責任者が不当な評価や解任を受けることを防止し、経理組織が事業部門の業績目標や意向から独立して適切な会計判断を行える状態を確保することで、経理部門が事業部門と一体となって利益目標の達成を目指すという従前の構造を解消し、第2線のディフェンスラインとして適切に牽制機能を発揮することを目指しています。
さらに、業績が目標未達か過達かに関わらず、組織として正しい実績値を報告できる体制を担保するため、デュアルレポートラインを2026年4月に整備しました。具体的には、事業本部及び国内グループ会社のCFOのレポートラインは、所属組織のCEO及び当社CFOとしました。また、事業本部及び国内グループ会社の経理責任者のレポートラインは、所属組織のCFO及び当社経理責任者としました。
上記内容については、当社から、事業本部及び国内グループ会社各社に対してデュアルレポートに関するインストラクションを展開し、経理機能の独立性を確保する体制として運用の定着を図っています。本体制の整備により、当社CFO及び当社経理責任者と、事業本部及び国内グループ会社各社のCFO及び経理責任者との間で、直接的なコミュニケーションが定常的に図られるようになりました。特に、事業本部及び国内グループ会社各社のCFO及び経理責任者は、月1回の業務報告を通じて、それぞれが管掌する業務の運営状況、認識している課題及び重要な論点等を当社CFO及び当社経理責任者に直接報告し、必要な助言及び支援を受けるとともに、今後の対応方針等について相互に意見交換を行っています。これにより、業績の達成状況にかかわらず正しい実績値を率直に報告・共有できる環境が醸成されつつあり、経理機能の独立性確保にとどまらず、適正な会計処理を尊重する組織風土の改善にも寄与しているものと認識しています。
(b)経理リソースの確保
経理税務部の連結会計グループの人員リソースの補強は途上にありますが、引き続き新卒及び中途採用に加え、他部門からの配置転換等を通じて、連結会計グループの人員体制の補強を進めてまいります。
もっとも、当面は改善施策の実行や、現行決算対応等に人員が割かれるため、決算品質を確保するための当面の対応として、外部専門人材を活用した決算対応体制を敷いており、実際の連結決算業務も外部リソースの関与を得て進めております。これにより、当社の人員リソースのみでは対応が困難な決算実務やレビュー機能が補完され、外部の客観的知見も踏まえた決算品質の確保を図っています。あわせて、比較的引継ぎが容易な業務については経理税務部内の他グループ及び経営管理部からの協力を得るとともに、連結決算の実務経験を有する事業部やグループ会社への出向者等による支援も活用することで、組織全体としての決算対応力の底上げを図っています。
また、今後1~2年程度かけて外部専門人材の指導による経理人材の育成も踏まえ、徐々に内製化・自走化を図るとともに、並行して経理業務の集約化・効率化の施策を実行します。
(c)経理に関する意識改革・教育
経理部門及びその他の部門に対する意識改革・教育を実施しています。2026年3月には、投資家・市場をはじめとするステークホルダーに対して誠実に対応し、適正な財務報告を行うことの重要性やコンプライアンスに対する基本姿勢を周知徹底するため、経営トップから全従業員に向けてトップメッセージを発信するとともに、経営幹部、経理業務に従事する役職員、購買・生産管理部門及び営業部門に従事する役職員約12,000名を対象に、投資家・市場に対する誠実な姿勢の徹底、適正な財務報告の確保及びコンプライアンスに対する理解と意識の向上を目的としたe-ラーニング研修を実施しました。具体的には、会計不正に至った背景及びその社会的影響について理解を深めるとともに、実際に発生した会計不正事案を題材として、現場において認識すべき会計上・決算上のリスクの兆候や、それらを把握した場合に求められる適切な行動の在り方について、ケーススタディ形式で学習しました。これは第三者委員会から提言のあった投資家・市場に対する誠実さの徹底に資するものと判断しています。
また、2026年9月には、会計不正の再発防止に向けて、当社グループの経理部門に従事する従業員を対象としたe-ラーニング研修を実施しました。本研修は、会計不正事案及び再発防止策に対する理解を深めるとともに、経理人材として求められる行動原則を周知・浸透させ、経理部門として適正な決算及び財務報告を担保することを目的としたものです。単なる知識習得にとどまらず、経理従事者一人ひとりが果たすべき役割を理解し、日々の決算・財務報告業務において適切な判断と行動を実践できるよう、意識付けを図りました。
これらの研修は、一過性の取り組みにとどめることなく、今後も継続的かつ反復的に実施していく方針であり、次回は2027年2月頃の実施を予定しています。こうした継続的な取り組みを通じて、当社グループの経理部門をはじめとする全社の財務報告に対する意識及び感度を持続的に高め、会計不正の再発防止に資する研修としての実効性の確保に万全を期してまいります。
(d)経理ガバナンスの強化
経理ガバナンスの強化を図るため、会計自己点検(第三者委員会の管理・監督の下、大部分のグループ会社における2020年3月期から2026年3月期第1四半期までの会計処理の適切性を調査する取組み)の経験により、当社・事業本部・国内グループ会社、その傘下会社が効率的・効果的にコミュニケーションを図る関係性が構築されつつあり、NIAP(Nidec global Accounting Policy)(2017年のIFRS導入に伴い規程化され、グループ全社への展開・運用が行われているグループ会計方針です)の展開等の各種施策を着実に実行しています。
また、2026年3月期末決算より、各グループ会社の決算において生じ得るリスク情報を当社経理税務部へ報告するプロセスを新たに構築したことにより、減損リスクをはじめとする各社の重要な会計上・決算上のリスク情報を、当社において一元的に把握・管理することが可能となりました。そして、事業管理機能を担う経営管理部が、この新たなプロセスを通じて集約されたリスク情報に関して、事業環境の変化や財務データ等を統合的に分析し、当初の事業計画や投資計画が現場の実情に基づいた実現可能性の高いものとなっていたかどうかを適切に評価するとともに、経理税務部とも情報連携を図っています。さらに、重要な会計上・決算上のリスク情報については、当社CFOが、経営会議及び取締役会に適時に共有する体制としており、2026年3月期末及び2027年3月期第1四半期に関する重要な会計上・決算上のリスク情報については、2026年8月26日開催の経営会議において共有しています。加えて、当社CFOが、グループ横断的な観点からの分析・対応を行い、当社・事業本部・国内グループ会社の各CFO・経理責任者・事業管理責任者と定期的(年に3回程度)なミーティングを実施することにより横串機能の強化も図っていきます。直近では、2026年4月にミーティングを実施し、当該プロセスの趣旨を共有しており、2026年12月上旬に開催を予定しているミーティングにおいて、重要な会計上・決算上のリスク情報及び再発防止策の運用状況等について共有・確認を行う予定です。
また、投資家・市場に対して誠実な財務報告を行う前提として、会計監査人に対して適正かつ透明性のある情報提供を行うことが不可欠であることに鑑み、重要な会計上・決算上のリスク情報を適切なタイミングで会計監査人とも共有する運用としており、2026年3月期末及び2027年3月期第1四半期の状況も決算期間中に適宜共有しています。これにより、監査上の重要な判断に影響を与え得る情報が網羅的かつ遅滞なく会計監査人に伝達される体制を確保しています。
これらの取組みにより、当社グループ全体の経理ガバナンスの高度化を図るとともに、不適切な会計処理の未然防止及び早期是正の実効性を高めています。
(ⅵ)会計方針の明確化と運用の適正化
(a)グループ会計方針の見直し、例外申請の廃止
グループ会計方針の見直しについては、本事案及び各事業の実態に基づき2026年6月に実施しました。具体的には、従前は必ずしも明確でなかった会計処理の判断基準について、2026年3月以降、事業本部及び国内グループ会社各社との間で複数回にわたるコミュニケーションを実施し、事業実態に即した具体的なガイダンスを追加することにより、判断指針の明確化を図っています。また、NIAPの運用形骸化の要因となっていた例外申請は2026年3月期末決算から廃止しており、例外申請を認めない運用を継続しています。今後も、当社経理部門がNIAPの運用状況を継続的に確認し、必要に応じてガイダンスの整備や改訂を行うことにより、会計処理のばらつき、不適切な拡大解釈及びNIAPからの逸脱の防止を徹底します。
(b)グループ会計方針の展開
M&Aで取得したグループ会社を含めた全グループ会社に対してNIAPの内容の周知徹底を図っています。具体的には、事業本部・国内グループ会社のCFO及び経理責任者に対して2026年6月に実施した説明会や全ての事業本部・国内グループ会社に対して2026年6月及び7月に発出した通達を通じて改訂後のNIAPを展開するとともに、社内情報基盤上にも掲載することで、経理部門に限らず広く関係者への浸透を図っています。特にグローバルの経理メンバーに対する説明会の実施に当たっては、従来のような通訳を介した説明にとどまらず、経理税務部の責任者が日本語及び英語を用いて直接説明を行い質疑応答にも対応しました。これにより、NIAP改訂の趣旨や具体的な判断基準、実務上の留意事項をより正確に伝達し、NIAPのより一層の理解促進及び浸透を図りました。
また、四半期決算ごとに当社経理税務部からレポーティングパッケージ提出会社に対して発出している決算上のトピックスや留意事項に関する通達においても、NIAPに基づく処理の徹底を継続的に周知しています。直近では、2026年9月に2027年3月期第2四半期決算に向けた通達を発出しており、NIAPの周知徹底を図っております。なお、レポーティングパッケージ提出会社がサブ連結(子会社グループで連結決算をした上でレポーティングパッケージに入力し報告)の親会社である場合は、サブ連結親会社がサブ連結子会社へ展開するようにしています。
これらの取り組みを継続することにより、グループ全体としての会計処理の一貫性の確保を図っています。
(c)グループ会計方針の準拠性の宣誓
2027年3月期第1四半期より、各グループ会社がレポーティングパッケージ提出前にNIAPへの準拠性を確認・宣誓するプロセスを導入し、運用しています。具体的には、本事案における会計自己点検の結果等に基づき作成した主要な会計論点のチェックリストを用いて、事業本部・国内グループ会社の経理責任者がNIAPへの準拠状況を確認の上、宣誓する運用としています。
(d)事業本部・国内グループ会社に対するレビュー
各グループ会社が適切に決算を行っているかを当社経理部門が四半期ごとにレビューすることにより、事業本部・国内グループ会社の経理部門に対する監督の強化を図っています。レビュー対象には、レポーティングパッケージ提出会社に加え、サブ連結の単位に含まれる子会社も含めており、グループ全体をカバーすることとしています。本レビューでは、NIAPの正しい理解のもと、各グループ会社から当社経理税務部に報告される決算上のリスク情報が適時に連携され、会計上の対応状況や会計監査人との協議状況が継続的にモニタリングされる体制を通じて、決算品質の向上及び本社の監督機能の強化を図ることを目的としています。
具体的には、各四半期の決算期末前と決算期中において、各グループ会社から報告される決算上のリスク情報の提出状況や記載内容を確認し、不備があれば各拠点に個別に連絡のうえ、必要に応じて更新・再提出を依頼しており、2026年3月期末決算から運用を開始しています。さらに、各四半期の決算後に各拠点における重要な会計判断を明文化した文書を収集し、必要項目が適切に記載されているかをモニタリングします。本手続は2026年12月から運用を開始する予定です。
(ⅶ)企業風土の変革
(a)企業風土改革を推進する新組織の設立
企業風土改革を戦略的かつ機動的に推進し、意思決定プロセスの透明性と迅速性を向上するため、2026年2月1日より、CHRO(Chief Human Resource Officer:最高人事責任者)直下に新組織(Culture Transformation Lab)を設立しました。Culture Transformation Labでは、グループ会社にて製品開発・人事責任を担ってきた人物を組織長とし、共に若手の親睦会本部会長を務めた人物が専任でチームリーダを務めています。
Culture Transformation Labの設立以来、CEOやCHROとの定例会、グループ各社との定例会、親睦会やグループ各社の労働組合等との定例会を設け、意見収集を進めています。
今後も、これらの各種会議体を定例的に開催し、従業員から寄せられた意見を継続的に収集・審議するとともに、経営層への確実な伝達と迅速な意思決定を通じて、施策への反映を進めてまいります。
(b)階層別企業風土研修の実施
永守氏の掲げる経営理念の影響を見直すべく、当社では「挑戦への道」の朝の輪読を廃止し、永守氏の価値観や意向が強く反映された社内の掲示物(ポスター等)についても、国内外全拠点で、撤去を実施しました。
企業風土改革の取組みに関する社員の理解を促進し、当社のあるべき姿の土台となる「正しい姿」の共通認識を浸透させ、行動変容につなげることを目的として、役員・管理職・一般社員(従業員層)を対象としたオンライン研修を、2026年7月30日に国内外主要グループ会社に向けて展開しました。
(c)社員との対話機会の創出
主要拠点ワークショップ及び拠点インタビュー、経営層が参加するタウンホールミーティング等を通じたコミュニケーションを実施します。
参加者間で意見を共有し相互理解を深める場を整備するとともに、企業風土について考え、望ましい姿や行動について意見交換・議論できる仕組みを整備しました。2026年9月末時点で、国内本社を含む国内15社、海外28社においてワークショップ及び拠点インタビューを実施しています。
経営層自らが国内外の各拠点を訪問し、自らの変革の意思を伝えるとともに、現場社員の生の声に耳を傾けるタウンホールミーティングを実施しています。
なお、タウンホールミーティングにおいて経営層に寄せられた意見を収集し、ワークショップで収集した意見と同様に、施策の検討につなげています。施策の内容に応じてCEO・CHROとの定例会の機会を活用し、適宜承認を得ることで迅速な意思決定を図り、関係部門の協力を得ながら実現に向けた取組みを推進しています。2026年8月末時点で、経営トップのタウンホールミーティングを国内外で延べ21拠点にて実施しました。
また、施策の検討・実施状況については、社内ポータルサイト「NiDEPO」に定期的に掲載することで、意見がどのように検討・反映されているかを把握できるようにしています。
(d)経営層による行動変革
改善計画・状況報告書(改訂版)に記載した上記(a)から(c)の活動の他にも、当社では企業風土変革に必要と認めた施策を実施しています。当社経営層と社員それぞれによる行動変革施策の実施状況は、本(d)及び下記(e)のとおりです。
第三者委員会の設置後、経営トップから全従業員に向けたトップメッセージを継続的に発信し、率直に意見を表明することを呼びかけています。こうした継続的に発信されるメッセージが従業員により伝わりやすくなるよう、毎月実施している全体会同において経営層のメッセージを発信する際には、資料の投影のみならず登壇者の表情がわかる映像を映し、内容によっては経営トップのみならず担当役員自らが登壇して従業員に直接説明するよう、運用を変更しました。また、「『永守氏の会社』からの脱皮」を実現し、新たな経営体制の下で当社グループの変革を着実に推進するため、経営トップを中心として、今後の改革の方向性および当社グループが目指すべき姿を示す「Re-Definition宣言」を策定し、2026年4月1日に社内に発表しました。策定したRe-Definition宣言を受けて、当社の今後の方向性の共有及びRe-Definition宣言の浸透等を目的とした役員合宿を開催しました。本合宿には海外拠点の役員含む、当社の役員が全員参加し、グローバルな視点も踏まえながら、当社グループの目指すべき姿や今後の企業風土変革の進め方等について、活発な議論を行いました。
なお、Re-Definition宣言は、あくまで現時点における当社グループの方向性を暫定的に再定義したものです。当社では、これを基礎として、より根本的な企業理念(パーパス)の検討も併せて進めており、2026年度中の策定を目指しています。
(e)社員による行動変革
社員から収集した意見を反映した施策も実施しています。例えば、社員間のコミュニケーションにおける心理的負荷を軽減し、相互に意見を述べやすい職場環境を醸成することを目的として、役職や立場にかかわらず「さん」付けで呼び合う取組みを推進しました。
また、従業員の声に従って働く環境の整備を推進することで、当グループの細部にまで浸透していた短期利益やコスト削減を最優先する価値観からの脱却を図るとともに、会社が一人ひとりを大切にし、その声を尊重する姿勢を具体的な形で示しています。併せて、社員同士の自然な交流やコミュニケーションが生まれやすい職場環境づくりを進めています。
さらに、社員間のつながりを一層強固にし、日常のコミュニケーションを活性化させることを目的として、会社として敢えて感謝を伝える機会を設ける「感謝ウィーク」を実施しました。普段は感謝を伝える機会が少ないなかで、会社が主体的にその場を用意することで、社員間のつながりを深め、普段のコミュニケーションのあり方そのものを変えていきたいとの狙いによるものです。その結果、多くの感謝のメッセージが寄せられ、社員からは「普段はなかなか伝える機会がなかったため、良い取組みだった」との声も寄せられました。
(f)本社各部門・グループ会社・グローバル各社での活動
上記(a)から(e)の活動は当社の各部門やグループ会社、グローバルの各社にも少しずつ広がっており、当社では、その状況を社内外に示しています。
Culture Transformation Labによる活動と並行して、当社の各部門及びグループ会社においても、それぞれの職場の課題に応じた改善活動が始まっています。当社総務部では、社員から寄せられた意見を踏まえ、執務室内で軽食を購入できるサービスを導入しました。
当社の小型モータ事業本部並びに国内グループ会社であるニデックプレシジョンやニデックドライブテクノロジー等では、Culture Transformation Labとは別に、企業風土変革を推進するため、それぞれの組織や職場が抱える課題を踏まえた施策を主体的に検討し、実行する取組が始まっています。これらの取組とCulture Transformation Labは適宜連携し、情報連携等を通じて相互の施策推進を加速させています。
こうした取組みを受けて、「これまで接する機会の少なかった役員が現場に足を運び、直接対話してくれるようになったことで、会社が変わろうとしていることを実感するようになった」との声も寄せられています。
変革の動きは、国内にとどまらずグローバルにも広がり始めています。これまで各地域・拠点を中心に運営されてきた人事機能について、グローバルで相互に連携する取組を進めています。その一環として、各地域・拠点の人事担当者が一堂に会し、相互理解を深めるとともに、今後のグローバルな連携強化に向けて意見交換を行うイベントを開催しました。あわせて、Culture Transformation Labがこうしたグローバルに連携する人事機能との結びつきを一層強めることにより、各国の人事機能と歩調を合わせ、人事領域における企業風土変革を力強く推進してまいります。
また、本件事案を教訓として、各拠点においても自主的な取組が進められています。例えば、車載事業本部傘下のニデック自動車モータ(浙江)では、改善計画書を中国語に翻訳した上で、本件事案を自拠点にも関わる課題として捉え、その内容を共有するとともに、自拠点における課題や今後の取組について議論する勉強会を実施しました。
この他にも、小型モータ事業本部傘下のニデックフィリピンでは、Re-Definition宣言を受けて、利益偏重から脱却し、正しさと品質を前面に打ち出した拠点方針を策定し、当該会社の全体朝礼で共有したうえで、各部への展開を依頼しました。
(g)実施状況の透明性確保
Culture Transformation Labにて検討し、各部門・各グループ会社で実施している施策は、社内ポータルサイト「NiDEPO」にて公開し、検討状況や対応の方向性を順次更新しています。これにより、社員から寄せられた意見への対応状況を社員自身が把握できるようにし、社員からの意見の取扱手続の透明性の向上を図っています。
さらに、改革の状況や今後の取組み、その進捗を社外のステークホルダーに対しても継続的かつ透明性をもって発信することを目的として、2026年7月9日に「Nidec Journal」を立ち上げました。同媒体を通じて改革の進捗や具体的な取組みを継続的に発信することにより、当社グループへの理解の促進および信頼の回復・向上につなげてまいります。このように、当社グループでは、企業風土変革に向けた各種取組を進めており、現時点では限定的ながらも、その変化を実感する社員の声や具体的な事例が徐々に現れ始めています。
一部の社員からは、「会社が取り組んでいることが以前よりも見えるようになり、身近なところでも変化が起き始めていることから、今後の変革に期待している」との声が寄せられています。
もっとも、当社は、企業風土が変わり始めているとはいえ、すべての人がその変化を実感している状態にまでは至っていません。ワークショップ等では、「Culture Transformation Labが活動していることは認識しているものの、自分たちの職場や会社が変わったとは感じられない」との声も寄せられています。現時点で生じている変化は、一部の職場や社員が変化の兆しを感じ始めた段階にとどまり、現場において具体的な変化を実感できていない社員も依然として多いものと認識しています。
そうした認識の下、社員の意識や職場の実態を定量的に把握するため、2026年10月にエンゲージメントサーベイを実施する予定です。エンゲージメントサーベイについては、これまで各社が個別に実施していた事例はあったものの、グループ全体でグローバルに統一して実施するのは、今回が初めての取組みです。
今後は、同サーベイの結果を分析し、明らかとなった課題に対応する改善活動を立案するとともに、引き続き社員から寄せられる声を具体的な施策につなげ、その進捗及び結果を社員に示してまいります。
当社グループは、経営層が率先して変革の姿勢を示すとともに、社員一人ひとりが自ら考え、行動することを促し、経営層と社員の双方から企業風土改革に向けた取組を着実に進めてまいります。また、これらの取組を一過性のものとすることなく、各施策の実施状況や効果を継続的に検証し、その結果を踏まえて必要な見直しや改善を重ねてまいります。こうした取組を継続的に積み重ねることで、社員一人ひとりの意識や行動の変化につなげるとともに、それらを組織全体に定着させ、当グループ全体の企業風土の変革を推進してまいります。
(ⅷ)グループガバナンス体制の再構築
2026年4月に当社グループ全体に適用するグループガバナンスの考え方を示した基本原則としてグループガバナンスポリシーを策定し、グループ全体に展開・周知しました。
また、2026年4月にグループグローバル基準の稟議事項決裁者一覧を策定し、当社グループ内の各法人で行われる一定金額以上の重要な投資・費用支出については事前に当社の承認を得るルールを明確にしました。
グループガバナンスポリシー等の当社グループの全法人に周知すべき規程等(グループポリシー)については、通達で各法人に伝達するだけでなく、グループ各社からアクセス可能な社内ポータルサイト(NiDEPO)に掲載するとともに、それぞれの規程を策定・発出する主管部門が中心となって説明会・説明動画配信等の周知活動を行いました。また各法人で規程等の周知を担当する役員・管理職から、グループポリシーの周知の必要性を理解した旨の確認(アンケートへの回答)を行い、当社グループの全法人にグループポリシーが周知されるように促しております。
(ⅸ)コンプライアンス教育の充実
(a)入社時・定期研修におけるコンプライアンス教育の充実
2026年1月より、毎月入社する中途入社社員に対し、対面又はオンラインでのコンプライアンス研修を実施しています。加えて、2026年6月の新任マネジメント層向け研修の一環として、新規昇格者を対象としてコンプライアンスの観点で管理職に期待される役割や、管理職として特に気を付けるべき重要なトピックスを学ぶコンプライアンス研修をオンラインで実施しました。
(b)グループ全体へのコンプライアンス教育の徹底と本事案の継続的な周知
2026年3月には、経営幹部、経理業務に従事する役職員、購買・生産管理部門及び営業部門に従事する役職員約12,000名を対象に、投資家・市場に対する誠実な姿勢の徹底、適正な財務報告の確保及びコンプライアンスに対する理解と意識の向上を目的として、e-ラーニング研修を、実際に発生した会計不正事案を題材として実施しました。
グループ全体でのコンプライアンス意識の継続的な維持を目的として、2026年7月に、グループの全役職員を対象として、本事案における経緯、原因、教訓等を役職員に周知し、本事案を題材としたコンプライアンス教育をオンラインで実施しました。これは第三者委員会から提言のあった投資家・市場に対する誠実さの徹底にも資するものと判断しています。
(ⅹ)人事評価制度の見直し
(a)業績以外の目標設定と評価の徹底
人事評価制度の見直しに関しては、管理職の目標設定項目の見直しに加え、人材情報の一元管理並びに人事評価および従業員育成の強化に向けて、グローバル人事システムの導入を決定し、導入準備を進めています。
(b)制度理解向上施策の実施
適正な人事評価の運用の徹底に向けて、2026年3月に当社の全従業員向け説明会を実施するとともに、評価者に対しては、4月に目標設定研修を、9月に評価者研修を実施しました。また、国内グループ各社においても、従業員向け説明および評価者向けに同様の研修を4月と9月に実施しています。4月の目標設定研修、9月の評価者研修では、適切な目標設定の考え方や評価制度の趣旨、公平・公明・公正な評価の実施方法に加え、評価者として求められる役割や評価結果のフィードバックについて取り上げました。あわせて、管理職層の目標設定時に必須としたコンプライアンスに関する目標についても研修内容に含め、業績面のみならずコンプライアンスを重視し、常に正しいことを優先して判断・行動することを求める内容としています。さらに、当社の管理職には近年実施できていなかった階層別研修を実施し、管理職としての役割の再認識や、人材育成、組織運営に対する意識向上を図りました。部長クラスでは「組織風土診断」を活用して自組織の課題分析と職場実践計画の策定を行い、グループリーダー、チームリーダークラスでは「リーダーシップ診断」を通じて自身の強みや課題を把握し、組織運営や人材育成に関する実践的な内容としています。
また、適正な人事評価運用が行われているかを継続的にモニタリングするため、2026年5月から6月にかけて、グループ会社における評価シートを対象に、今期の目標設定方針に沿った目標設定が行われているかをサンプリングベースで確認し、必要に応じて修正を行いました。あわせて、グループ各社の管理職の目標設定内容やウェイト配分についても確認を実施し、グループで定める方針との整合性が確保されているかを検証するとともに、適切な運用がなされていない従業員に対しては人事部門から是正を促すなど、運用の徹底を図りました。さらに、2026年12月には目標設定及び評価面談に関するアンケートを実施し、評価制度の趣旨に沿った評価運用がなされているかを確認するとともに、その結果を踏まえ、必要に応じて制度や運用方法の改善策を検討・実施します。
(xi)取締役会・監査等委員会の実効性向上
(a)業績目標の妥当性に対する取締役会の監督の実効性向上
事業計画の策定及び計画の進捗状況のフォローアップのため、2026年3月に取締役会規程を改訂し、事業計画に関連する取締役会付議事項を整理するとともに、「取締役会審議スケジュール」を取締役会の承認のもとで策定し、事業計画に係る審議を取締役会にて行う仕組みを整備しました。
これらに基づき、2026年度事業計画を3月31日の取締役会に付議し、審議・決議しております。当該取締役会審議においては、経営リスクの織り込みや、各事業からのボトムアップの情報を中心に策定した計画に対する評価などが審議されました。
事業計画の進捗状況のフォローアップについては、2026年4月分については同年5月29日の経営会議及び同年6月3日の取締役会に、同年5月分については同年6月24日の経営会議及び同年7月8日の取締役会に、それぞれ報告しました。
(b)重要リスク情報共有体制の整備と監督機能の強化
2026年5月にリスク管理規程と危機管理規程を見直し、取締役会に報告すべき重要なリスク情報の定義や報告要否判断の基準を明確に定めました。また2026年3月に取締役会規程を改訂し、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会及び最高コンプライアンス責任者(CCO)が把握したリスク情報の中で、取締役会に報告すべき重要なリスク情報が検出された場合には、当該重要なリスク情報を取締役会へ報告することを定め、重要なリスク情報が取締役会に確実に報告される体制を構築しました。なお2026年9月末までの期間においては、重要なインシデント(例:台湾子会社におけるランサムウェア被害)の取締役会への報告は、執行側報告事項の一部として担当役員から行われており、リスク管理委員会・コンプライアンス委員会からの重要リスク情報の該当案件の報告はありませんでした。
また、経理部門(CFOライン)で確認した重要リスク情報の状況について、2026年8月26日にグループ経営会議、9月3日に取締役会への報告を行いました。今後も四半期ごとに報告する予定です。グループ経営会議を重要な事業リスクや経営課題を幅広く議論する場としたことから、グループ経営会議における議論の結果は取締役会にも共有しています。直近では、2026年7月8日開催の取締役会において、執行側報告事項としてリスク案件(台湾子会社におけるランサムウェア被害、特定事業に係る事業リスク)について報告を行いました。またグループ経営会議の議事録を取締役全員に共有ドライブを通じて共有することにより、グループ経営会議で議論されたリスクを取締役が把握することが可能になっています。なお、監査等委員はオブザーバーとしてグループ経営会議に毎回出席しており、執行側の審議状況や重要リスク情報を直接把握できる機会として活用しております。
加えて、社外取締役のみの意見交換を定時取締役会終了後にランチミーティングとして実施しております。
(c)監査等委員会の実効性向上
経営管理監査部から監査等委員会への内部監査結果(監査実施内容・結果の概要、主な発見事項等)の定期的な報告(年4回:2026年4月22日・7月22日開催の監査等委員会にて報告実施済)、監査等委員会・経営管理監査部・会計監査人の三者による統制上の課題の共有等を目的とした定期的な意見交換会(年4回:2026年4月22日・7月22日に実施済)を行っています。また、監査等委員会監査(業務監査)の一環として業務執行取締役及び執行役員との意見交換の強化を図りました(2026年2月7日・5月8日・8月4日にCLO、4月4日・7月8日にCFO代行、6月3日・9月3日にCEOとの意見交換を実施済)。
(d)取締役の専門性の多様化による監督機能の強化
2026年5月9日の指名委員会において、「取締役に求める専門性と経験」を示すスキルマトリクスを見直し、これに基づき選任取締役候補者案を決定し、同年5月13日の取締役会にて答申報告しました。具体的には、社外取締役については、特に重視するスキルとして「法務・コンプライアンス」「財務・会計」「ガバナンス・リスク管理」「企業経営経験」「資本市場に対する知見」を充足する人材の選任を検討すること、また、社内取締役については、コンプライアンス及びリスク管理面からの問題提起を十分に行うため管理系担当である執行役員の取締役への登用を検討することが含まれています。
上記、指名委員会の答申に基づき取締役会にて選任取締役候補者を決定し、2026年6月開催の定時株主総会において提案した結果、当社が提案したすべての取締役候補の選任が承認されています。新たな取締役会の構成については、2026年5月27日付「第53期定時株主総会招集ご通知」及び同年6月18日付「第53期定時株主総会決議ご通知」記載のとおりです。
(e)社外取締役をサポートする体制の拡充
取締役会事務局の機能を強化するため、2026年6月1日付で取締役会室を新設しました。
また、社外取締役から外部専門家を活用する場合の窓口を担うことを取締役会室の業務分掌として明記しました。一例として、取締役監査等委員から日本監査役協会への加盟・研修受講の要望があった際に、取締役会室が窓口として対応し、協会加盟等の橋渡しをしました。
加えて、先の定時株主総会で選任された社外取締役就任時のサポートとして、2026年6月以降、執行側から会社・組織概要、事業内容、当社が抱える課題とその対策進捗、経営改革5か年プランなどについて、複数回の情報提供を行いました。
(xii)執行役員指名の基準見直しと実効性の強化
(a)選任基準の見直し・解任基準の策定
執行役員の選任基準を、当社グローバル経営幹部及び国内グループ会社CEOにグローバルかつ統一的に適用される選任基準へとアップデートし執行役員規程を改訂しました。具体的には、執行役員の要件として、高い倫理観とコンプライアンス意識、組織構築と人材育成を通じたリーダーシップ、将来を見据えた戦略立案・実行等の観点を追加し、当社グローバル経営幹部及び国内グループ会社CEOにも適用されるよう、適用範囲を拡大しました。加えて、経営環境に応じて特に重要視すべき点を指名委員会で審議し、選任判断に反映する運用としています。さらに、執行役員の解任基準も策定し、選任基準を満たさない事象が生じた場合や不正の行為又は法令もしくは社内規程に違反する重大な事実が生じた場合には解任の審議を行えるようにしています。
(b)執行役員選任プロセスの実効性向上
指名委員会では、より客観的かつ透明性の高い選任プロセスの構築に向けて、新たな選任基準を2026年4月に策定しました。なお、その策定に先立って2026年4月選任時の執行役員候補者については、外部アセスメントを実施しております。また、今後も指名候補者に関するコンプライアンスチェック結果、社内における評価・実績情報、外部アセスメント結果等を体系的に指名委員会へ提供し、より多面的な観点から選任判断を行う体制を整備していきます。さらに、指名委員である社外取締役から、指名委員会と指名候補者との面談等の機会を充実させる必要がある旨の指摘があったことも踏まえ、執行役員を選任する際には早期の段階から候補者との面談を実施しています。加えて、取締役会の事前説明会での事案説明や、拠点訪問時にはランチミーティングなど、候補者との接点を充実させることで、候補者に対する理解を深める運用としています。
(xiii)役員報酬評価基準と報酬決定プロセスの実効性強化
(a)役員報酬評価基準の見直し
役員報酬評価基準の見直しについては、役員報酬評価基準の再設計を行い、STI(短期インセンティブ)では単年度の売上・営業利益・FCF(フリーキャッシュフロー)に加えて、2026年度は内部管理体制の視点からの要素も組み込んだ新たな役員報酬評価基準を同年3月に策定し、プロセスや中長期の観点への意識付けを行っています。また、当社グループ全体における報酬体系の一貫性を確保するために、2026年4月に役員報酬評価基準をグローバルに統一し、適用範囲を拡大しました。今後は、これらの施策の運用状況や有効性を検証するとともに、事業環境や経営課題の変化も踏まえながら、最適な報酬制度のあり方について継続的に検討し、必要に応じて見直しを行ってまいります。
(b)報酬決定プロセスに関する実効性の向上課題と対応策
報酬委員会については、2026年度に入ってから、新たな報酬委員会規程のもとで4月から6月までに計3回開催しました。
報酬委員会では、検討対象となる候補者の状況に応じてポジション別の役員報酬のベンチマーク情報とを比較し適正水準を検討しました。また、国内グループ会社のCEOの報酬額案を当社人事部門に集約し、グループ全体で新たに規定した統一基準を用いて算定されていることを確認し、報酬委員会への報告を行い、議事録に残すことによって実効性強化と透明性確保を図りました。
なお、国内グループ会社の執行役員報酬の検討・決定についても、グループ全体で新たに規定した統一基準を用いて算定した報酬額案を当社人事部門から各社に提示し、各社が報酬基準に基づいて妥当性を検討しています。検討の際に必要に応じて各社が報酬額を調整して当社に報告し、当社人事部門による過去の報酬実績との比較や各社が調整した理由等の確認を経て各社の役員会でそれぞれ決定しました。
(xⅳ)内部監査体制の強化
(a)監査等委員会との連携による独立性の強化
四半期に1回以上、経営管理監査部から監査等委員会への報告を開始しており、2026年4月及び7月に報告の場を設けました。具体的には、経営管理監査部より監査等委員会に対して、当年度の内部監査計画及び期中までに実施した内部監査結果の報告を行っています。
また、経営管理監査部と監査等委員会との間の定期的な情報連携を通じ、経営管理監査部の独立性が担保されている環境になっていることを監査等委員会が確認できるようにし、過去に行われていた特命監査のような位置付け不明な活動や監査におけるヒアリング議事録の一部が削除されるといった不適切な内部監査活動が二度と行われないよう体制を構築しております。
さらに、(ⅺ)(c)に記載のとおり、三様監査による監査機能の向上を図るため、監査等委員会、経営管理監査部、外部の会計監査人との連絡会を四半期に1回開催することとし、2026年4月及び7月に実施しました。具体的には、監査等委員会、経営管理監査部、及び外部の会計監査人よりそれぞれの監査計画の説明や情報共有の在り方等を協議し、3者間による監査機能の向上に努めております。
レポーティング体制を実質的なものとするため、人事権の一部を監査等委員会が掌握することで、経営管理監査部の独立性を強化しています。具体的には、経営管理監査部長の採用及び異動にあたっては、監査等委員会の事前同意を必要とすることを監査等委員会規程に明記し、当該規程に沿った運用を2026年4月より開始しております。
(b)内部監査の対象法人の拡大と監査品質の向上
新規採用及び配置転換により内部監査人員の増強を図ることで、毎年の監査対象の法人数を増やし、十分な内部監査が実施できる内部監査体制を構築することといたします。具体的には、2026年4月以降、新たに4名が内部監査人員に加わっております。
また、2026年4月に経営管理監査部内に新設した企画管理グループにおいて、各内部監査項目のチェックリストの作成や監査調書の共通化を図っています。さらに内部監査の高度化に向け、従来属人的であったリスク評価の客観化・標準化を目的として、監査計画段階にグループ会社を対象としたリスクスコア算出等を行うデータ分析ツールの機能の実装を推進しております。加えて、監査状況の可視化および関連データの一元管理に向け、ITシステムを含むツールの導入検討に着手しており、機能の整理や活用可能性の検討を行っています。
2026年度の内部監査については、2026年9月末時点で、32法人の往査を行っており、10月以降に追加で48法人に往査する予定です。また、概ね3年で全てのグループ会社に対して往査を伴う内部監査を完了させる計画としています。さらに、内部監査での発見事項は定期的に経営管理監査部でフォローアップし、必要に応じて本社業務主管部門とも連携のうえ、グループ全体のガバナンス改善を促します。これに加えて、2026年5月より改善計画・状況報告書(改訂版)に記載した改善施策を中心に会計以外の業務領域に対する内部監査を開始しています。これは、業務主管部門(第2線)によるモニタリングを「第3線」としてモニタリングすることを目的としており、改善計画・状況報告書(改訂版)に記載した改善施策を中心に、2026年度より以下の施策を内部監査項目として追加しています。
・事業計画に係る体制整備、策定プロセス、及び承認プロセス
・予算実績管理差異分析プロセス
・経理機能の独立性及び経理ガバナンス
・企業風土改革の推進プロセス
・危機管理対応に係る体制整備及びレポートライン
・規程新設・改訂プロセス
・コンプライアンス(貿易コンプライアンス含む)の体制整備
・コンプライアンス研修の実施状況
・当社及び国内グループ会社に対する人事評価制度の改定プロセス
・当社及び国内グループ会社に対する執行役員選任プロセス
・当社及び国内グループ会社に対する役員報酬決定プロセス
・内部通報に係る調査体制の整備、マニュアル整備、及びレポートライン
(xⅴ)内部通報制度の改善
(a)グローバル共通の内部通報制度の見直し・従業員への周知
内部通報制度の実効性を向上させるために、コンプライアンス関連規程を見直し、コンプライアンス違反の疑義について全ての役職員に通報義務を課すとともに、同義務の違反者に対して懲戒処分を科す可能性があることを明確にしました。また、通報制度に対する認知度を向上させ、臆することなく通報制度を利用することができるよう、各種コンプライアンス関連の研修の際に通報者保護を含む内部通報制度について周知を徹底するとともに、グループ各社に内部通報制度に関するポスターを再配布し、各社にて掲示を行いました。上記施策における内部通報制度や通報者保護に関する教育の実施により制度の認知度が向上した結果、2026年第1四半期の内部通報の件数は、前年同期と比較して93件増加し、141件となりました。(増加の要因には、経営トップメッセージの発信や意見箱の設置等の複数の施策の影響があると考えられます。)今後も引き続き、研修等の場を通じて制度の浸透を図ってまいります。
(b)グループ会社独自の窓口運用状況の把握・グループ会社の対応状況の確認
国内グループ会社及びその傘下のグループ会社からの通報状況や調査進捗状況の報告について、2026年4月から運用を開始し、同年7月には、四半期に一度の定期報告をグループ各社から受領して適時適切な対応がなされているかについてモニタリングを行っています。7月に実施した2026年度第1四半期において報告を受けた内部通報は30件で、直ちに本社からの介入が必要な通報案件はありませんでした。
(c)適切な通報対応に向けた情報連携
当社コンプライアンス部では、監査等委員会への内部通報に関する報告を2025年10月から2026年8月にかけて、計4回実施しました。さらに、常勤監査等委員に対しては、内部通報の状況を月次で報告する運用を2026年7月から開始しました。
(xⅵ)通報対応体制の強化
(a)通報対応担当者向けのマニュアル整備と教育
通報対応における質のばらつきをなくすため、内部通報を受けた後に調査対応を行う担当者等が利用することを目的としたマニュアルの整備を行いました。具体的には、法令要求事項の記載にとどまらず、調査を行うための実務に資する情報として事案発覚、事実解明、是正までの担当者が必要となる業務内容や要領の文書化を行いました。また、作成したマニュアルを当社コンプライアンス部以外にも、地域コンプライアンスオフィサー及び各法人に配置しているコンプライアンス責任者・推進者等へ展開し、並行して、内容理解を深めるための研修を2026年4月に実施しました。
さらに、2026年7月に、国内グループ会社の通報対応担当者を対象として、内部通報対応時に直面する判断に迷う場合の対応について外部専門家から具体的なケースを交えて学ぶオンライン研修を行いました。以降も同様の教育を継続していきます。
(b)調査体制の拡充
上記調査において、当社及びグループ会社内の調査対応リソース不足や専門性不足により十分な調査が適時に実施されないという事態が生じないよう、調査業務に専門性のある外部の弁護士事務所等と提携を行い、徹底した事実解明と是正を行える体制を構築しました。社内外から寄せられる情報につきましては、引き続き幅広く収集し、丁寧に精査・調査を行うとともに、状況に応じて迅速かつ適切に対応してまいります。
また、財務上の影響が見込まれる事項については、必要な財務上の対応を含め、より一層信頼性の高い体制の構築に努めてまいります。
(xⅶ)懲罰の厳格化
懲戒基準・運用プロセスの厳格化
懲戒基準の厳格化、運用プロセスの変更については、2026年4月に、社員向け説明資料を作成し社内ポータルでの案内に加えて、メールでの案内も行うとともに、拠点及び各社への説明会を実施し、周知徹底を図りました。さらに、退職者面談等の内部通報窓口以外の場で得られた情報を基に関係部署との連携や調査・懲戒に至る仕組みを策定し2026年5月より運用を開始しています。
現在は、当社及び国内グループ会社との間で、懲戒委員会にかかった事案の内容について当社人事部とコンプライアンス部に報告することとし、情報共有することによって公平・公正な処分と再発防止の意識向上に努めています。
また、発生した懲戒事案を題材とした研修については、各年度において年1回受講することを必須とし、2026年度は、当初予定していた執行役員・管理職を対象とした研修から対象範囲を広げ、当社グループ全従業員を対象にしたコンプライアンス研修の一環として7月に実施しました。
(xⅷ)責任の明確化
当社は、2026年3月13日付で取締役会及び監査等委員会の決議により、外部専門家のみで構成される「役員責任調査委員会」を設置しました。
当社グループにおける一連の会計不正問題に関し、当社の現旧の取締役、監査役又は執行役員において、その職務執行に関して任務懈怠責任があったか否かを含め法的責任の有無について、当該対象者と利害関係を有しない外部の専門家で構成される役員責任調査委員会にて現在も調査・検討を行っております。当社は、役員責任調査委員会の報告・提言に基づき、損害賠償請求その他法的措置を行うべきか判断する予定です。これらの対応を通じて、当社はガバナンス体制の抜本的強化及びコンプライアンスの徹底を図り、信頼回復に向けた取組みを着実に進めてまいります。また、執行役員より下の階層の職員及び当社グループ会社の役職員については、事実に基づき、厳正な処分を実施しています。
(第三者委員会の調査報告書等を受けての人事対応)
2026年3月3日付「第三者委員会の調査報告書の公表及び当社の対応に関するお知らせ」に記載のとおり、多岐にわたる拠点で多数の会計不正が長期にわたり行われてきたことが判明したことを受け、当社元取締役会長 小部博志、当社元副社長執行役員(小型モータ事業本部長、グループ会社担当) 北尾宜久、当社元常務執行役員(最高財務責任者) 佐村彰宣、当社元顧問(機械事業本部長) 西本達也が全ての役職について2026年3月3日をもって辞任しました。また、2026年3月2日付で業務を停止した当社元専務執行役員(家電・車載事業統括本部長) Valter Taranzano(バルター タランザーノ)については、4月17日付「第三者委員会の調査報告書(最終報告)の受領及び当社の対応に関するお知らせ」に記載のとおり、3月23日をもって退任しています。
また、取締役及び執行役員(※役職は2026年4月27日時点)の報酬を以下のとおり自主返上しています。
(4)特別注意銘柄の指定について
当社は、2025年10月27日に、株式会社東京証券取引所より、当社株式を2025年10月28日を以って特別注意銘柄に指定する旨についての通知を受けています。
①特別注意銘柄指定の理由
株式会社東京証券取引所から以下の指摘を受けています。
ニデック株式会社(以下「同社」という。)は、2025年6月27日に、イタリア子会社における貿易取引上の問題等についての調査のため2025年3月期有価証券報告書の提出期限を同年9月26日まで延長した旨の開示を、同年9月3日に、新たに見つかった中国子会社における購買一時金に関する不適切な会計処理の疑義及び同社やグループ会社において各々の経営陣の関与又は認識の下で資産の評価減の時期を恣意的に検討していた疑義の調査のため第三者委員会を設置した旨の開示を行いました。
同社は、その後同年9月26日に、「有価証券報告書等に関する重要なお知らせ」として第三者委員会による調査等は継続中であり、その影響を連結財務諸表等に反映していない状況で同有価証券報告書を提出した旨並びに内部統制に重要な不備があった旨の開示を、また、「意見の表明をしない」旨が記載された監査報告書を添付した同有価証券報告書の提出を行いました。
これらの開示及び提出等により、以下の事項が明らかとなりました。
・同有価証券報告書について、提出期限を約3か月延長したにもかかわらず「意見の表明をしない」旨が記載された監査報告書を添付して提出しており、過年度決算訂正のおそれも含め、適正な決算内容を開示できていない状態が継続していること
・最初の問題の発覚以降、調査の追加を繰り返す事態となっており、相応の期間が経過した現時点においても第三者委員会の調査等の終了時期が不明なままで、決算スケジュールがいつ頃正常な状態に回復するのかの見通しを投資者に対して示せていないこと
・第三者委員会の調査が完了していない現時点においても、既に全社的な内部統制(情報と伝達)と経理決算プロセスに係る内部統制の不備が検出されており、同社の財務報告に潜在的に重要な影響を及ぼす可能性が高いと考えられることから開示すべき重要な不備に該当すると同社が判断していること
本件は、投資者が適切な投資判断を行うにあたっての前提となる有価証券報告書の財務諸表等に添付される監査報告書の監査意見が意見不表明となったものであり、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特別注意銘柄に指定することとします。
なお、同社の第三者委員会の調査は継続している状況であり、その調査結果によって、今後新たな事実の判明や過年度の決算内容の訂正の可能性があることから、日本取引所自主規制法人は、同社に対する会社情報の開示に係る審査及び実効性の確保に係る審査を継続します。同社に新たな問題が判明した場合には、追加的な措置等を講じる場合があります。
②特別注意銘柄指定日
2025年10月28日(火)
③特別注意銘柄指定期間
2025年10月28日から原則1年間とし、1年後に当社から内部管理体制確認書を提出、株式会社東京証券取引所が内部管理体制等の審査を行い、内部管理体制に問題があると認められない場合には指定が解除になります。一方で、内部管理体制に問題があると認められる場合には、原則として上場廃止となります。
ただし、指定から1年経過後の審査において、内部管理体制等が適切に整備されていると認められるものの、適切に運用されていると認められない場合(適切に運用される見込みがある場合に限ります。)には、特別注意銘柄の指定を継続し、当該指定の継続を決定した日の属する事業年度(当該指定の継続を決定した日から当該事業年度の末日までの期間が3か月に満たない場合は当該事業年度の翌事業年度)の末日以降の審査までに、内部管理体制等の運用状況の改善を求められ、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認める場合にはその指定が解除されます。一方で、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認められない場合には上場廃止となります。
なお、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認めるものの、経過観察の対象銘柄に該当する場合には、最長3事業年度、指定が継続され、その間同審査が行われます。
④特別注意銘柄の指定解除に向けた進捗状況について
2026年4月27日に公表した改善計画・状況報告書(改訂版)に記載している改善措置の実施状況は適宜進めております。実施状況についての詳細は、(3)改善計画・状況報告書の実施状況をご参照ください。
また、第三者委員会の調査報告書については、2026年4月17日に受領しており、第三者委員会の調査は完了しております。
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当報告期間中に顕在化した一連の会計不正および品質問題等、企業倫理およびガバナンスにおける重大な課題を受け、当社グループは現在、全社を挙げた信頼回復と健全な経営基盤の再構築を最優先で推進しております。
持続可能な経営の前提となる信頼の土台を再構築するにあたり、当社グループは従来のサステナビリティ推進体制および「重要課題(マテリアリティ)」のあり方を過去の経緯にとらわれることなく見直し、現在、来年度からの新たなサステナビリティ経営体制における運用に向けて再特定を完了させるプロセスに着手しております。本再特定プロセスにおいては、経営陣自らの強いコミットメントのもと、国内外のグループ全従業員からの意識・課題の吸い上げをはじめ、顧客、取引先、株主・投資家、および社外の客観的な有識者に対する多角的な直接ヒアリングや調査を順次実施いたします。社内外から寄せられる期待や要請を真摯に受け止め新たなマテリアリティを特定するとともに、それらを経営と統合することにより実効性の高いサステナビリティ経営を確立してまいります。
これら一連の特定プロセスおよび今後のサステナビリティ経営の推進につきましては、社外取締役が過半数を占める「サステナビリティ委員会」の委員構成を2026年6月18日付で全面的に刷新し、マテリアリティ特定プロセスの各主要フェーズにおいて同委員会が関与し、実効性を厳格に監督いたします。また、執行機関である「サステナビリティ推進会議」における協議結果を同委員会へ報告・上程する従来の体制をより実質的に機能させてまいります。
なお、2021~2025年度(5年間)を対象としたマテリアリティに関する目標および活動結果は下表の通りです。現在再考中の新たなマテリアリティにつきましては、特定プロセスが完了次第、次期の有価証券報告書及びホームページ等を通じて速やかに開示いたします。
(注)1.女性役員:執行役員以上(社外取締役含む)を指しています。
2.女性管理職候補:管理職一歩手前のポジションに就く女性社員を指しています。
(1)TCFDガイドラインに基づく気候変動対策
気候変動はNIDECの財務状況に正負両面の影響を及ぼし得る事象であり、新たな技術・製品需要の創出機会を提供する一方、以下のリスクへの対策が不十分な場合は事業活動に重大な悪影響を与える可能性があります。
「移行リスク」(気候変動に関わる政策及び規制、技術開発、市場動向、市場評価等の変化に起因する間接的損失リスク)
・炭素税その他脱炭素社会実現へ向けた各国のエネルギー転換施策への対応が遅れることによる税負担の上昇
・既存製品・サービスに適用される規制の厳格化や新基準への不適合に伴う市場機会の損失及びコンプライアンスコストの増加
・世界的「電化」傾向に起因する電子部品原材料(希少鉱物、鋼材、その他ハイエンドアルミや銅等の非鉄金属)の入手困難あるいは調達コストの上昇
・新たな低炭素製品が要求する代替原材料の研究・開発の遅れ及び付帯コストの増加
・非効果的な気候変動対策に起因する企業価値の低下とそれに伴う投資誘引力の減退及び信用格付けの低下
「物理的リスク」(気候変動がもたらす災害等による直接的損失リスク)
・台風・多雨等がもたらす広域水害の頻発による事業活動の停止
・渇水による事業活動への制約
・気温上昇による健康被害
・上記事由によるサプライチェーンの混乱
当社は、これら諸リスクが事業へ与え得る影響を把握し対策を策定するためのプロセスとしてTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)ガイダンスに沿った機会・リスクシナリオ分析を実施しています。
①ガバナンス
NIDECは2022年4月にTCFD提言への賛同を表明して以来、同イニシアティブに沿って気候関連リスク・機会の分析並びに財務インパクトの把握に努めています。それらの取り組みを通じて得られた結果は、サステナビリティ推進会議及びサステナビリティ委員会における議論を経て経営戦略に反映されます。
②戦略
NIDEC連結売上高の95%以上を占める事業領域から選抜した経営幹部並びに実務担当者が多様な視点から気候変動インパクトを議論し、以下の手順に沿ってシナリオ分析を実施しました。
〈シナリオ分析ステップ〉
ステップ1 シナリオ分析の前提条件の決定
シナリオ分析を進めるに当たり次のような前提条件を決定
シナリオ
・移行リスクシナリオ(2℃/1.5℃シナリオ)
・物理的リスクシナリオ(4℃シナリオ)
時間軸
短期:2025年 中期:2030年 長期:2050年
対象範囲
NIDEC連結売上高の95%以上を占める事業領域
ステップ2 気候変動リスク・機会の把握
TCFD提言を参考に、事業への潜在的気候変動リスク・機会を列挙
ステップ3 事業インパクト評価
事業への影響度、リスク・機会が顕在化する時期、早期対応の必要性の観点から事業インパクト評価を実施し、主要な気候変動リスク(炭素税の導入、洪水被害)については定量評価を実施
ステップ4 対応策の検討
事業インパクトが大きいと判断した気候変動リスク・機会について対応策を検討
(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策
(参考)事業インパクトの定量評価
*「炭素税導入」に伴う財務的影響試算につきましては、2022年度の燃料使用量実績データの精緻化を反映した再計算を経て、前提となる2030年度CO2排出量目標を従来の610千t-CO2から570千t-CO2へ変更いたしました。これに伴い、財務影響額につきましても124億円から117億円へ更新しております。
③リスク管理
NIDECは連結グループ全体を俯瞰するグローバルリスク管理体制の枠組みに気候変動リスクを織り込み、その特定・評価から改善活動に至るプロセスを管理しています。リスク管理体制の詳細につきましては「第2 事業の状況 3事業等のリスク」をご参照ください。
④指標と目標
NIDECは気候変動対策に関する指標・目標をマテリアリティ項目「脱炭素社会の実現」「水リスクへの対応」の枠組みにおいて次のように設定・管理しています。
脱炭素社会の実現
1)事業活動で排出するGHGsの削減
・2025年度総連結の再エネ導入比率を40%にする
再生可能エネルギー導入比率につきましては、欧州等における再エネ電力市場の急速な構造変化(市場価格の乱高下やマイナス価格発生リスクの深刻化等)を踏まえ、調達スキームにおける経済的合理性と長期的リスクを慎重に再評価・精査した結果、一部の大型調達計画を見直したこと等により、当初目標を下回る見込みとなっております。今後は市場の健全化とボラティリティを見極めつつ、オンサイト発電や受電構造の最適化等、経済性と環境性を両立させた確実な調達手法への切り替えを進めてまいります。
・TCFD提言に沿った気候変動シナリオの年次開示を行う。
気候変動シナリオ分析を実施し、財務影響額の試算を含む開示を完了しました。
2)製品を通じた脱炭素化への貢献
当社は以下製品の提供を通じて自動車・二輪車が走行中に排出するCO2の削減に貢献する目標を設定し取り組んでまいりましたが、需要の減速、価格競争激化に伴う不採算機種の整理・縮小、並びに顧客生産計画変更等により、期初想定を大幅に下回る結果となりました。現在次世代モデルの開発を含む対策を通じ、中長期的貢献に向けた目標の再構築を進めています。
水リスクへの対応
1)全生産拠点における水リスク・アセスメントを実施する。
各取り組み結果その他詳細については当社ウェブサイトの「環境保全活動第七次中期計画及びマテリアリティの取り組み進捗」をご参照ください(現時点では2024年度の実績を掲載しています。2025年度の実績は2026年10月末頃に同ホームページにて開示いたします。)
https://www.nidec.com/jp/sustainability/nidec-sustainability/materiality/action/
(2)人的資本拡充に向けた取り組み
当社の持続的な成長と企業価値向上を牽引する人材戦略、ならびに人的資本に関するガバナンス体制や指標及び目標につきましては、『第4 提出会社の状況』『5 従業員の状況等』の『(1)人材戦略に関する基本方針等』をご参照ください。
3【事業等のリスク】
(1)リスク管理体制と運用状況
当社は、2026年4月27日付で公表した「改善計画・状況報告書(改訂版)」に基づき、グループ全体におけるリスク情報の把握、報告、審議及びモニタリングの体制・プロセスを見直しました。具体的には、重要なリスク情報の報告ルートの明確化、取締役会への重要リスク情報の報告及び内部監査によるリスク管理体制の確認等を含む新たな運用を順次開始しています。これにより、リスク発生時の対応力不足による損失拡大等を防止するとともに、危機事象の発生時においても事業継続及び早期復旧を可能とする実効性のある体制及び仕組みを構築し、その実効性の向上に取り組んでいます。当社は、これらの体制及びプロセスの運用状況を継続的にモニタリングし、その結果及び事業環境の変化を踏まえて、ガバナンスの強化と企業価値の向上を図るとともに、グループの持続的な成長及びステークホルダーからの信頼獲得・向上を目指しています。
図1 全社リスク管理体制図

上記管理体制図に掲載された組織等の役割は、以下のとおりです。
・取締役会
「年次活動基本方針及び年次活動計画」や「委員会運営に係るKPI」などのリスク管理に関する重要事項について、レビュー及び承認を行います。また、リスク管理委員会からの定期報告を受け、リスク管理体制の適切な運営状況や重大インシデントの傾向等に対する監督機能を発揮します。さらに、全社的なリスク管理の枠組みを定める「ニデックグローバルリスク管理基本方針」や「リスク管理規程」の改廃に係る決議を行います。
・経営会議
グループ経営の業務執行に係る意思決定機関として、リスク管理委員会から付議・報告される重要なリスクの評価結果及び対応戦略について審議し、経営資源の配分を含む対応方針を決定します。また、決定した対応戦略に基づく施策の進捗状況をモニタリングし、事業運営への影響が重大なリスクについては、取締役会に対して適時に報告を行います。
・リスク管理委員会
リスク管理最高責任者を委員長とし、担当業務におけるリスクに対する管理体制や実務実態に即した議論の促進を担う委員により構成されます。グループ経営の業務執行及び専門的な目線で議論し、リスク管理に必要な資源配分の適切性を常時見直します。また、重要なリスクに対する対応の戦略等について経営機関への諮問又は審議を行うとともに、委員会の運営状況や課題、重大インシデントの傾向等を取締役会へ定期的に報告します。
・リスク管理責任者
Nidecグループにおけるリスク管理活動について責任を負い、リスク管理活動を推進します。リスク管理委員会の委員長として委員会を主催し、議論を統括するとともに、経営会議や取締役会等の経営機関への報告の役割を担います。
・リスク管理委員会事務局(リスク管理室)
当社のリスク管理委員会の事務局業務を担い、委員長の指示により、委員会の招集手続き、事務処理及び議事録の作成等を担当します。また、グループグローバル業務主管部署と協力し、下位階層(事業本部・グループ会社本社階層および拠点・事業所階層)における体制の整備に関する支援を行います。
・リスク管理推進責任者/リスク管理マネジャー
リスク管理の各階層において、事業本部・グループ会社本社階層(L2)の「リスク管理推進責任者」、および拠点・事業所階層(L1)の「リスク管理マネジャー」として、それぞれの階層におけるリスク管理活動について責任を負い、リスク管理体制の整備と推進を行います。
・グループグローバル業務主管部署
各担当役員(CxO)の管掌のもと、担当業務領域のリスクオーナーとして、当該領域のリスク情報の集約・分析及びモニタリングを行うとともに、リスク管理体制の整備に関してニデックグループに対する指導及び支援を担います。
(2)事業等のリスク
NIDECの経営成績、株価、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてNIDECが判断したものです。
1)ガバナンスリスク
※特別注意銘柄指定による上場廃止リスクへの対応
当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)特別注意銘柄の指定について」に記載のとおり、株式会社東京証券取引所より特別注意銘柄に指定されています。指定を受けた理由、指定日及び指定期間の詳細については、同項をご参照ください。
当社は、同項に記載のとおり、特別注意銘柄の指定解除に向け、内部管理体制等の改善に取り組んでいます。ただし、株式会社東京証券取引所の有価証券上場規程に基づく審査の結果、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認められない場合には、当該指定が継続され、又は当社株式が上場廃止となる可能性があります。当社は、指定解除に向け、内部管理体制等の実効性を確保するための取組を着実に推進してまいります。
2)経営戦略リスク
3)事業運営リスク
4)偶発的リスク
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 43.追加情報(不適切な会計処理等について)」に記載のとおり、当社は2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置し、第三者委員会より2026年2月27日に調査報告書、同年4月17日に、最終報告としての調査報告書(追補)を受領しました。また、当社は品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査や貿易取引及び関税に係る諸問題等の社内調査等を実施しました。調査報告書において、当社及び当社グループ会社において多岐にわたる拠点で不正及び誤謬による多数の不適切な会計処理が指摘されており、当社は、自己点検の結果を含む第三者委員会の最終報告を踏まえ、過年度において重要性の観点から訂正を行っていなかった事項や調査の過程で追加的に判明した事項に関連する誤謬の訂正も含め、これらの不適切な会計処理等に伴う虚偽表示を遡って修正再表示しております。
以下の分析数値等はこれらの修正再表示を反映した第52期連結会計年度の連結財務諸表をもとにしたものとなっております。
(1)重要性のある会計方針及び重要な見積り
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定により、IFRS会計基準に準拠して作成しています。
この連結財務諸表の作成において、連結決算日における資産・負債の金額と連結会計年度の収益・費用に影響を及ぼす見積り・判断・仮定が必要となります。これらの実際の結果は見積り・判断・仮定と異なる場合があります。
もし会計上の見積りが行われる時点で高い不確実性に対する見積りを作成しなければならない場合、その会計上の見積りは、直近の会計期間にて合理的に見積った見積りや、該当する発生期間において合理的に見積ることができる場合とは異なり、財政状態やその変化、経営成績に重要な影響を与えると予想されます。
重要性のある会計方針及び重要な見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載しています。
(2)経営成績の状況
当連結累計期間の世界経済は、インフレ抑制のための各国政策等により全体として底堅く推移し、緩やかな回復が見られました。一方で、米国の通商・関税政策の影響や中東地域における地政学的リスクの高まり、金融市場の変動等により、依然として不透明な状況が続いています。
このような経済状況の中、当社及び当社グループの製品グループ別の取り組みについては次のとおりです。
まず、精密小型モータは、水冷モジュールやニアライン用途のHDD用モータをはじめとするAI社会を支えるデータセンター向け各製品群において、市場の爆発的成長を支えるべく求められる進化に対応した製品の開発及び販売拡大に取り組んでいます。これらの取り組みに加え、不採算機種の見直しにも取り組むことで収益性の更なる押し上げを進めています。
次に、車載においては、多種多様な製品や関連モジュールを通じて、モビリティの電動化・自動化の推進に貢献するモビリティイノベーションを引き続き市場に提供しながらも、不採算機種の受注見直しや固定費削減を徹底することで収益性の改善に取り組んでいます。また、家電産業事業本部(ACIM)に車載オーガニック(既存事業)の統合を進めると共に、2025年4月1日付でニデックモビリティ株式会社とニデックエレシス株式会社が合併する等、組織運営体制の再構築を通じた事業再編を推進しています。
家電・商業・産業用では、データセンターの非常用電源向け発電機やグリーンイノベーションの進展に伴うバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の需要が引き続き右肩上がりで推移しています。これらの旺盛な需要に応えるためにインド・フランス・北中米にて生産能力の増強投資を鋭意進めると共に、バリューチェーンの下流領域の保守・点検等のリカーリングビジネスも強化を図っています。
機器装置については、世界的に「省人化・無人化」や「高速化・高精度化」を志向した設備投資が進む中、受注の獲得に注力しています。近年のM&Aによって取得した企業とグループ各社とのシナジーを創出しながら、設備投資需要を着実に捉え世界のモノづくりを牽引する存在を目指します。
当社及び当社グループは、引き続き高い技術力とモノづくり力を活かし、サステナブルな循環型社会の実現に貢献するリーディングカンパニーとして、高収益を生み出し続けることを追求していきます。
当連結会計年度における主な経営成績は次のとおりです。
当期の継続事業からの連結売上高は、前期比3.9%増収の2兆7,087億5百万円となりました。
営業損益は、当期に非金融資産の減損損失6,321億35百万円を計上した結果、前期比6,472億円減少の5,189億78百万円の損失となりました。
税引前当期損益は、為替差益約147億円を計上した影響も含め、前期比6,207億90百万円減少の4,962億14百万円の損失、親会社の所有者に帰属する当期損益は前期比6,492億96百万円減少の5,646億24百万円の損失となりました。
当期の対米ドル平均為替レート(1ドル当たり150.77円)は前年比約1%の円高、対ユーロ平均為替レート(1ユーロ当たり174.79円)は前期比約7%の円安となりました。
なお、当期の売上高、営業損益への為替影響は下記のとおりです。
- 売上高:前期比約1億円の減収
- 営業損益:前期比約30億円の減益
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)総売上高は外部顧客に対する売上高とセグメント間の売上高の合計です。
「SPMS」の総売上高は4,069億83百万円(前年度比112億88百万円増)、営業利益は628億44百万円(前年度比184億58百万円増)となりました。
「AMEC」の総売上高は3,700億83百万円(前年度比151億30百万円増)となりました。営業損益は、当期に非金融資産の減損損失183億87百万円を計上した結果、250億89百万円(前年度比251億42百万円減)の損失となりました。
「MOEN」の総売上高は7,065億29百万円(前年度比1,286億97百万円増)となりました。営業損益は、前期にニデックPSAイーモーターズ連結子会社化に伴う段階取得に係る差益を計上した結果に加え、当期に非金融資産の減損損失1,162億87百万円を計上した結果、725億73百万円(前年度比1,414億92百万円減)の損失となりました。
「ACIM」の総売上高は4,439億91百万円(前年度比238億58百万円減)、営業損益は、当期に非金融資産の減損損失2,988億円を計上した結果、2,893億33百万円(前年度比3,250億1百万円減)の損失となりました。
「機械事業」の総売上高は2,115億88百万円(前年度比53億2百万円減)、営業損益は前期に非金融資産の減損損失952億77百万円を計上した結果に加え、当期に非金融資産の減損損失70億27百万円を計上した結果、138億27百万円(前年度比710億99百万円増)の損失となりました。
「グループ会社事業」の総売上高は6,353億47百万円(前年度比307億26百万円減)、営業損益は、当期に非金融資産の減損損失1,896億99百万円を計上した結果、1,317億11百万円(前年度比2,108億86百万円減)の損失となりました。
製品グループ別の経営成績は次のとおりです。
(単位:百万円)
「精密小型モータ」製品グループの売上高は前期比2.2%増収の4,986億96百万円となりました。HDD用モータの売上高は前期比9.8%増収の1,101億52百万円となりました。その他小型モータの売上高は前期比0.2%増収の3,885億44百万円となりました。営業利益は前期比51.3%減益の299億95百万円となりました。
なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。
- 売上高:前期比約2億円の増収
- 営業利益:前期比約7億円の増益
「車載」製品グループの売上高は前期比7.7%増収の7,183億9百万円となりました。営業損益は当期に非金融資産の減損損失2,310億85百万円を計上した結果、前期比2,757億91百万円減少の2,505億36百万円の営業損失となりました。
なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。
- 売上高:前期比約71億円の増収
- 営業損益:前期比約27億円の減益
「家電・商業・産業用」製品グループの売上高は前期比5.0%増収の1兆1,046億5百万円、営業損益は当期に非金融資産の減損損失3,351億39百万円を計上した結果、前期比3,587億79百万円減少の2,511億24百万円の営業損失となりました。
なお、当期の売上高、営業損益への為替影響は下記のとおりです。
- 売上高:前期比約108億円の減収
- 営業損益:前期比約13億円の減益
「機器装置」製品グループの売上高は前期比3.8%減収の2,987億82百万円、営業損益は前期比636億79百万円増加の9億30百万円の営業損失となりました。
なお、当期の売上高、営業損益への為替影響は下記のとおりです。
- 売上高:前期比約31億円の増収
- 営業損益:前期比約1億円の増益
「電子・光学部品」製品グループの売上高は前期比0.7%減収の845億60百万円、営業利益は前期比81.8%減益の24億15百万円となりました。
なお、当期の売上高、営業利益への為替影響は下記のとおりです。
- 売上高:前期比約3億円の増収
- 営業利益:前期比約1億円の増益
「その他」製品グループの売上高は前期比6.3%増収の37億53百万円、営業利益は前期比279.1%増益の5億8百万円となりました。
(3)財政状態の状況
NIDECの現金及び現金同等物は、当連結会計年度末は8,522億4百万円であり、前連結会計年度末は2,462億54百万円で6,059億50百万円増加いたしました。この主な要因は、営業キャッシュ・フローが2,342億18百万円の収入と財務キャッシュ・フローが4,182億46百万円の収入となった一方で、有形固定資産の取得等による投資キャッシュ・フローが1,362億38百万円の支出となったことによります。また、手元現金の有効活用のため、日本、中国及び米国等各地域内においてキャッシュマネジメントシステム(CMS)を活用したグループ間での余剰資金活用を継続しており、更に各国を結ぶCMSを既に導入し、全世界ベースでCMS網を拡大させています。なお、当連結会計年度末時点において、現金及び現金同等物の約48%を日本以外の子会社で保有しています。
NIDECの資金の効率化を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のノーショナルプーリングシステムを特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限に参加会社は借入を行っています。そのため、現金及び現金同等物に含まれる銀行預金には、単一の会計単位として認識したノーショナルプーリングシステムにおける預入金及び借入金の純額が含まれています。
グループ会社間での送金には、一部の特定された状況下において制限事項があります。特定地域における送金制限は、資金の効率的なグループ内移動、特に海外子会社から当社への送金を妨害する場合がありますが、後述の継続的なキャッシュ・フロー、外部借入を通じて流動性の需要を満たすように努めています。なお、この制限によるNIDECの流動性や財政状態、経営成績への重大な影響はございません。
短期借入金は前年度比4,933億16百万円増加の5,870億26百万円となりました。当連結会計年度末時点での短期借入金は主に銀行からの円建の借入で構成されています。
1年以内返済予定長期債務は前年度比691億39百万円減少の951億6百万円となりました。これは主に1年内返済予定長期借入金への振り替えにより404億40百万円増加、1年内返済予定社債への振り替えにより200億円の増加、1年内返済予定社債の償還により1,310億40百万円減少したことによります。当連結会計年度末時点での1年以内返済予定長期債務は主に、無担保社債で構成されています。
長期債務は前年度比500億35百万円増加の4,312億72百万円となりました。これは主に1年内返済予定長期借入金への振り替えにより404億40百万円の減少、借入により957億71百万円増加したことによります。当連結会計年度末時点での長期債務は主に、銀行からの円建の借入及び無担保社債で構成されています。
社債について、期末時点で連結財政状態計算書に含まれる額面総額は次のとおりです。
なお、上記社債は2019年3月に関東財務局長へ提出した2019年4月5日から2020年4月4日の期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書及び2020年4月に関東財務局長へ提出した2020年4月9日から2021年4月8日期間に有効となる3,000億円の社債発行登録書及び2022年4月に関東財務局長へ提出した2022年4月9日から2024年4月8日の期間に有効となる6,000億円の社債発行登録書を基に発行しています。本発行登録は、資金調達手段の多様化による財務安定性の向上を企図し、金融機関からの間接金融による資金調達等と合わせて、NIDECの必要資金を機動的に調達できる体制を構築することを目的としています。NIDECの無担保資金調達の大部分は、当社が調達した後、それぞれのグループ会社の資本要件を満たすために貸与しています。NIDECは、資金調達コストの低減及び十分な信用枠を維持し、グループ会社全体の機動的な資金を確保いたします。
NIDECは、将来のM&A、研究開発活動、設備投資のために追加融資を検討しています。また、今後もM&A、研究開発活動、及び設備投資を機動的に行う基盤構築のため、追加的な資金を得ることを検討しています。
2025年5月27日開催の取締役会において、2025年5月28日から2026年5月27日の期間に13百万株及び350億円を上限とする自己株式の取得が決議されていましたが、2025年10月23日の取締役会において、自己株式の取得を中止することが決議されています。当プログラムにおいて2025年5月28日から2026年10月23日の期間には自己株式の取得はありませんでした。
NIDECは、これらの資金源と営業活動から得るキャッシュ・フロー及び未実行の与信枠は、将来の資金需要に十分対応するものであると考えています。
NIDECの資産合計残高は、前期末(2025年3月末)比1,878億57百万円増加の3兆1,076億21百万円となりました。これは主に現金および現金同等物が6,059億50百万円増加した一方で、有形固定資産が2,187億89百万円、のれんが1,854億56百万円減少したことによります。
負債合計残高は、前期末比6,898億60百万円増加の2兆3,428億95百万円となりました。これは主に営業債務及びその他の債務が892億42百万円増加し、有利子負債が4,742億13百万円増加したことによります。
ワーキングキャピタル(流動資産-流動負債)は5,982億88百万円で前年度比1,382億41百万円の増加となりました。また、売上債権(営業債権及びその他の債権)回転率(売上高÷売上債権)は3.7で、前年度比0.1ポイントの減少となりました。棚卸資産回転率(売上原価÷棚卸資産)は3.9で、前年度比0.0ポイントの増加となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、4,456億50百万円減少の7,941億64百万円となりました。これは主に利益剰余金が5,807億60百万円減少し、在外営業活動体の換算差額を主因にその他の資本の構成要素が1,349億26百万円増加したことによります。親会社所有者帰属持分比率は25.6%(前期末42.5%)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
①資金需要の状況
NIDECの資金需要は、主に設備投資・研究開発費・材料購入のための支払・従業員への給料、賃金やその他人件費の支払・関係会社に対する投資・長期及び短期債務の返済・自己株式の取得があります。当連結会計年度末時点において、NIDECは営業債務及びその他の債務を7,047億12百万円、短期借入金を5,870億26百万円、1年以内返済予定長期債務を含む長期債務を5,263億78百万円保有しています。
当連結会計年度の設備投資による支払は1,304億82百万円であります。また、当連結会計年度末の固定資産購入契約残高は286億36百万円であります。
当連結会計年度の研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は1,298億87百万円であります。
②資金調達の状況
NIDECの必要資金については、営業活動によるキャッシュ・フローに加えて、良好な取引関係にある複数の金融機関からの借入や国内社債発行登録枠に基づく社債の発行等により調達を行っており、資金調達手段の多様化を図っています。また、流動性リスクに備えるため取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、当面の運転資金及び設備資金に加え、一定の戦略的投資機会にも備えられる現預金水準を確保しています。なお、グループ会社については原則として金融機関からの資金調達を行わず、統括会社のキャッシュマネジメントシステム等を利用したグループ内ファイナンスにより、資金調達の一元化と資金効率化を継続して推進しています。
(5)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
5【重要な契約等】
(1)相互技術供与契約
(注)※1.当社が対価を年2回、継続して支払う契約です。
※2.当社が対価を一括して支払う契約です。
(2)株式譲渡契約
(Changzhou Xecom Energy Technologies Co., Ltd.)
当社の中国子会社であるNidec Appliance Controls (Qingdao) Co., Ltd.は2025年7月8日付で中国のスクロールコンプレッサーの設計・製造を行うChangzhou Xecom Energy Technologies Co., Ltd.の持分100%取得を完了しました。
なお、同日付で商号をNidec Scroll Technology (Changzhou) Co., Ltd.に変更しています。
①目的
当社は家電・商業・産業用モータ事業を戦略的に重要な事業のひとつとして位置づけ、成長、強化に努めてきました。係る戦略的方針の下、家電用モータ事業に関しては、2010年1月に買収したSole Motorsの事業、2019年7月に買収したエンブラコ事業により当社の冷蔵庫用コンプレッサ事業の更なる拡大を目指して進めていました。この度、スクロールコンプレッサー技術取得に伴い、冷凍庫分野での存在感を拡大・強化し、更には空調及びヒートポンプ市場の新規分野への参入が可能となりますので、当該市場への事業拡大と成長に努め、ニデックグループ全体の売上・利益貢献に努めていきます。
②Changzhou Xecom Energy Technologies Co., Ltd.の概要
(3)コミットメントライン契約
当社は2025年11月4日付で当社の主要取引銀行である株式会社三菱UFJ銀行及び株式会社三井住友銀行との間で、コミットメントライン契約を締結しました。
①コミットメントライン契約締結の目的
機動的かつ安定的な資金調達手段を確保し財務基盤の強化を図るためです。
②コミットメントライン契約の概要
(注)2026年3月31日時点で、これらのコミットメントライン契約は上記②の財務制限条項に抵触しておりますが、未使用であり、また、有価証券報告書提出日現在において、株式会社三菱UFJ銀行及び株式会社三井住友銀行のそれぞれから、財務制限条項等の抵触に起因して発生する期限の利益喪失請求権を放棄する旨の承諾を得ております。
6【研究開発活動】
ニデックグループは、部品(コンポーネント)単体の供給にとどまらず、ハード・ソフト統合システム及びソリューションの提供へとビジネスモデルを拡大する戦略を技術面から牽引し、製品の高付加価値化を目指しています。個別部門の枠を超えた「共通技術プラットフォーム」を構築し、製品・生産技術を共有資産化することで開発効率の最大化を図っています。また、これらの成長戦略を支える強固な基盤として、投資対効果(ROIC)の高い無形資産へ経営資源を厳選・集中させる投資規律の強化に取り組んでいます。
これらを踏まえ、今後本格化する社会変革の課題(脱炭素、AI社会、労働不足等)を技術で解決するため、「5つの注力事業領域(事業5本柱)」へ研究開発リソースの重点配置を進めています。
① Electrification & Energy Infrastructures
再生可能エネルギーの普及を促進するスマートグリッドや、BESS(系統用蓄電システム)、発電機・制御インバータ等のエネルギー変換技術の深化に向けた研究開発を行い、持続的な成長を支える基盤技術の構築を進めています。
② Digital Society Solution
データセンターの急務のテーマである熱マネジメントに対応するAIサーバ水冷システムや冷却ファン、半導体前工程・後工程(パッケージング)装置及び検査治工具等、市場成長率が極めて高い領域の技術開発へリソースの集中投下を進めています。
③ Advanced Manufacturing Solutions
工作機械やプレス機械装置等の既存の基盤事業における更なる高効率化・付加価値向上を図りつつ、ヒューマノイドロボット、精密減速機、アクチュエータ、3D計測機器等の自動化技術を次世代の成長ドライバーとして育成するための開発を推進しています。
④ Better Life
商業施設向けの空調(HVAC)やエレベータ、生活家電等の領域において、モータ技術の更なる高効率化と熱マネジメント技術の統合を進め、収益基盤を支える基幹技術の維持・向上に取り組んでいます。
⑤ Mobility Innovation
汎用車載部品における設計共通化と開発コスト削減を進める一方、次世代モビリティであるeVTOLやドローン等、厳格な安全・法規制基準(AS9100やIATF16949等)が必要とされる高信頼性・高付加価値市場向けの先進技術開発へ注力を強めています。
当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、1,298億87百万円です。
これらの注力領域における事業創出を技術面から支えるため、各事業本部内の開発部門に加えて、中長期的な全社技術の開発と、各事業部やグループ会社との共同研究・開発受託を担う、全社共通の研究開発部門を配置しています。
「製品技術研究所」は、将来の事業創出に不可欠な「回るもの・動くもの」「熱マネジメント」「エネルギー変換」の3つのコアコンピタンスを深化させ、電子回路、熱、騒音・振動、制御といった要素技術における技術優位性の維持・向上に取り組んでいます。また、「生産技術研究所」は、AI、ロボティクス、自動化技術、精密金型技術、データ解析、シミュレーション等を駆使し、既存の枠組みにとらわれない生産技術の革新を推進しています。
両研究所は、部門やBU(事業部)の垣根を越えた「共通技術プラットフォーム」を具現化する核としての機能強化を進めています。技術重複やリソースの分散を解消・集約し、グループ全体での資産共有を推進することで、新たな成長領域への多角展開を支え、企業価値の最大化を技術面から牽引することを目指しています。
更に、グループ全体の製品・システム開発を確実かつ迅速に進めるため、CTO主導による「R&Dガバナンス」の構築を進めており、データに基づく客観的な管理体制への移行を図っています。当社グループが創業以来培ってきた広範な技術資産をデータとして「見える化」し、事業5本柱の技術ニーズと照らし合わせることで、自社の強みや不足している技術領域を客観的に評価・検証するプロセスを進めています。これにより、部門間で生じがちであった技術開発の重複を解消してリソースの分散を防ぐと共に、成長に必要な領域へ研究開発費を優先的に投入し、投資効率の最大化を図っています。
当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、58億14百万円です。
セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は次のとおりです。
(1)SPMS
当セグメントにおいては、「循環型社会」の実現に向け、カーボンニュートラルやCO2排出量削減をはじめとする環境配慮型の事業活動を推進すると共に、独自の高効率技術・製品を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
主な研究開発対象は次のとおりです。
・精密小型モータ分野における基礎・応用研究
HDD用スピンドルモータをはじめとする精密小型DCモータ及びファンモータ等、精密小型モータ全般にわたる基礎・応用研究を推進すると共に、各生産・開発拠点への技術的支援を行いました。
・サーマルソリューション(液冷技術)領域の開発加速
データセンターにおける消費電力増大という社会課題に対応するため、AIサーバをはじめとする高性能演算サーバ(CPU、GPU、メモリ等)向けの高効率冷却ソリューションとして、CDU(冷媒分配機)、QD(クイック・ディスコネクト)、LCM(液冷モジュール)の開発を推進いたしました。
信頼性面においては、In-Rack型CDUにおいて累計1万台以上の出荷実績(2026年3月末時点)を積み上げ、市場における技術的優位性を確立しています。
また、MCデジタル・リアルティ社のデータセンター内「DRIL(Digital Realty Innovation Lab)」においてIn-Row型CDUの稼働を開始したほか、Google社が提唱しOCP(Open Compute Project)規格に準拠した「Deschutesプロジェクト」対応In-Row型CDUの開発を完了し、国際会議「Super Computing 2025(SC25)」に出展いたしました。
今後も、より高効率かつ高信頼性を備えたIn-Rack型及びIn-Row型CDUの製品ラインアップ拡充を図り、省エネルギー化に貢献してまいります。
・既存コア技術の高度化及び新領域への展開
空冷サーバ向け冷却ファンモータにおいて、更なる高効率・高風量・高風圧及び静音化を図る技術開発を継続しています。
AIサーバの普及に伴い需要拡大が見込まれるデータストレージ領域向けとして、次世代HDD用モータの研究開発を推進したほか、次世代の成長領域としてフィジカルAI領域への応用研究にも着手いたしました。
当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、354億87百万円です。
(2)AMEC
当セグメントにおいては、脱炭素社会の実現に貢献する電気自動車(EV)及びハイブリッド自動車(HEV)向けの駆動用をはじめとする各種車載用システム・アクチュエータに関し、新製品の開発、新機種の量産化及び製品品質の向上を目的とした研究開発活動を推進しています。
主な研究開発対象は次のとおりです。
・駆動系及び電源統合システムの開発
- コスト競争力の強化と構造刷新:中国市場をはじめとするグローバル市場での価格競争力向上を目指し、部品点数の大幅削減及び新たな水冷方式を採用した水冷ユニットの開発を推進いたしました。
- システム統合化(上位システム化):モータ・減速機・インバータを一体化した従来の「3in1」システムから、インバータ、オンボードチャージャー(OBC)、パワーディストリビューションユニット(PDU)等の電源システムまでを統合した、より高付加価値な上位システムの技術開発を進めています。
- 地政学リスクへの対応とグローバル展開:先進冷却技術の導入を進めると共に、サプライチェーンのリスク低減を目的とした重稀土類フリー磁石の採用や、グローバル市場への供給を視野に入れた製品展開を図っています。
- 市場ニーズへの柔軟な対応:EV市場の動向変化に対応するため、強電系製品技術を応用・転用したHEV向け製品の開発も並行して推進し、市場変化に対するリスク分散を図っています。
・シャシー及び先進安全システムの開発
- バイワイヤ技術への対応:先進運転支援システム(ADAS)の進展に伴い、電動パワーステアリング(EPS)や電気機械式ブレーキ(EMB)等のバイワイヤシステムに向けたハンドホイールアクチュエータ等の開発を進めています。
- 高機能アクチュエータの開発:特に中国OEMにおける高度機能の採用拡大に対応するため、アクティブサスペンションシステム向けアクチュエータモータの開発に注力いたしました。
・パワートレイン及び高効率モータの開発
- 高電圧化とコスト最適化:800V高電圧システムに対応した電動牽引モータの開発を進めると共に、VAVE(バリュー・アナリシス/バリュー・エンジニアリング)手法を活用し、次世代設計の最適化を実施いたしました。
- 汎用モータ群の次世代化:フェライト系及びネオジム系材料を用いた次世代ブラシ付きDC(BDC)モータの開発に加え、汎用ブラシレスDC(BLDC)モータの共通設計及びパワーパック化をグローバルに推進しています。
・流体システム及び統合熱管理システムの開発
- 既存ラインアップの収益性強化:サプライチェーン全体でのVAVE活動の徹底により、機械式オイル/クーラントポンプ及び従来型電動ポンプの量産プロジェクトにおけるコスト競争力を維持・強化いたしました。
- 次世代電動ポンプの製品化推進:次世代電動オイル/クーラントポンププラットフォームの開発を加速し、試作(Bサンプル)段階まで開発成熟度を高めました。
- 統合熱管理システムへの進出:EVの航続距離延長や環境負荷低減に寄与するR290自然冷媒を用いた電動冷媒コンプレッサー、及び車両全体の統合熱管理(熱マネジメント)システムの開発に着手いたしました。
当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、290億76百万円です。
(3)MOEN
当セグメントにおいては、脱炭素社会への移行、AIの進化、ならびに省人化・省エネルギー化といった世界的な潮流を背景に、再生可能エネルギーの普及を支える蓄電システム(BESS)や、需要が急増するデータセンターに不可欠なバックアップ電源用発電機、省人化に直接寄与する自動搬送ロボット向けモジュール等、現代の市場及び社会ニーズに即した研究開発活動を行っています。また、将来の社会の発展を見据え、次世代モビリティの可能性を切り拓く電動垂直離着陸航空機(eVTOL)向けモータ及び制御装置の研究開発にも注力しています。
主な研究開発対象は次のとおりです。
・電力変換ソリューション
‐ バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)
‐ 電力品質安定化システム
・産業用・データセンター用発電機
‐ 産業/商業/住宅/建設用発電機
‐ 通信基地局用発電機
・産業用オートメーション
‐ 自動搬送ロボット駆動機構モジュール
‐ ロボットアーム向け関節モジュール
・建機・商用車電動化装置
‐ 多目的車両(Utility Task Vehicle)、ゴルフカート用モータ・ギア・制御装置
‐ 大型トラクションモータ
‐ マテリアルハンドリング、高所作業車用モータ・ギア・制御装置
・駆動装置
‐ 小型汎用ドライブ
‐ ポンプ用及び空調等各種産業向けドライブ
‐ インフラ用高出力ドライブ
・エレベータ
‐ MRL(マシンルームレス・エレベータ)用スリム巻上機、貨物エレベータ用ギアレス巻上機
‐ 制御機器及び周辺機器
‐ 巻上機及び制御機器のパッケージソリューション
・電気自動車関連部品
‐ EVトラクションモータ
・その他、新市場向け開発製品
‐ 電動垂直離着陸型航空機用モータ・制御装置
当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、200億27百万円です。
(4)ACIM
当セグメントにおいては、脱炭素化、省エネルギー、電化、快適性・信頼性の向上、ならびにライフサイクルコストの低減といった市場及び社会ニーズに対応するため、家電製品、業務用機器、商業用冷凍・空調、住宅・産業用途に向けた高効率モータ、ポンプ、冷蔵庫、冷凍用コンプレッサー、コンデンシングユニット、ECファン、電子制御装置、電子駆動装置、インバータ、及びモータ・ドライブ統合システム等の研究開発活動を推進しています。
主な研究開発対象は次のとおりです。
・家庭用及び業務用電化製品向け技術の開発
- 洗濯機、乾燥機、食器洗浄機、冷蔵庫、冷凍庫、フードサービス機器、業務用機器及び医療機器等に向け、モータ、ポンプならびにモータ制御統合ソリューションの開発を実施いたしました。
- エネルギー効率の追求、低騒音化、小型化、熱性能向上及び高い信頼性の確保に重点を置いて研究開発を推進いたしました。
・冷凍・空調・換気機器向け技術の開発
- 住宅用及び商業用の冷凍・冷蔵設備、ヒートポンプ、空調・換気システムに向け、コンプレッサー、コンデンシングユニット、一体型冷凍ユニット(モノブロック)、ECファン、コントローラ及び電子基板等の開発を推進いたしました。
- 可変速制御技術、モジュール構造の採用、ならびに自然冷媒対応ソリューションの開発に注力いたしました。
・産業・インフラ向け製品及びシステムの開発
- 一般産業用途(ポンプ、コンプレッサー、ファン、クレーン、エレベータ等)をはじめ、風力発電、石油・天然ガス、船舶、鉄道及び航空宇宙分野向けに、高効率規格(IE3、IE4、IE5)対応モータ、高効率誘導モータ、同期モータ、大型インバータ、組み込み型可変速ドライブ(VFD)、ブレーキモータ、ギヤードモータならびにパワーエレクトロニクスソリューションの開発を行いました。
・新技術及び電化(エレクトリフィケーション)推進領域:
- 輸送用冷凍ユニット、商用車、ならびに中型旅客機向け電気推進システム等に使用される電動モータ、インバータ及び関連駆動技術の開発等、先進的な取り組みを推進いたしました。
当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、130億17百万円です。
(5)機械事業本部
当セグメントにおいては、人手不足解消に必要不可欠なロボットや自動化設備のキーコンポーネントである減速機関連製品の開発を日本、中国及びドイツで行っており、プレス機関連製品については、小型高速精密プレス機から超大型サーボプレス機、更には周辺機器である高速送り装置まで幅広い製品ラインナップの開発を日本、アメリカ、スペイン及びドイツにて行っています。工作機械関連製品については、自動車・自動車部品、金型、建設機械、電気・精密機械向けの工作機械の開発を日本で行っています。
主な研究開発対象は次のとおりです。
・減速機関連製品
独自の歯車設計及び加工技術を核に、産業用減速機とその周辺機械の高性能・高機能化に向けた研究開発に注力しています。日本・アジア・欧米市場をターゲットに、一般産業用から少子高齢化に伴う労働力不足対策として需要が高まるロボット向け精密制御用まで、幅広い製品開発を展開しています。
- 精密制御用製品(波動歯車・内接式遊星等)
協働ロボットの関節駆動に適したマルチセンサ内蔵の「Smart FLEXWAVE」や、産業用ロボット・工作機械・半導体製造装置等の成長分野に向けた中型減速機「KINEX」シリーズ展開を進めています。この減速機構造では困難とされてきた静音化を実現したサンプル機を2025年12月のIREXで展示し高い注目を集めました。
- 一般産業用製品(高精度遊星等)
高効率で豊富なバリエーションを持つ「VRシリーズ」や「エイブル減速機」の開発に注力しています。搬送装置、包装機、AGV(無人搬送車)駆動装置、半導体製造装置等に向け品揃えを拡充し、拡販を図っています。
・プレス機関連製品
プレスラインの効率的な運用やメンテナンスコストの削減を目指した、予防・予兆保全システムの研究等を行っています。2025年7月にはプレス・板金・フォーミング展「MF-TOKYO 2025」に出展し、リンクプレスとして世界最速の 3,000spm を実現した新製品「SX-8-360」を初披露しました。
・工作機械事業
今後も成長が見込まれる中国、インドを中心に海外市場をターゲットとして自動化、高精度化、複合化、大型化/微細化等、キー技術を各製品に展開して開発を推進しており、日本、中国、欧州、アメリカ等で展示会への出展を行っています。
- 歯車機械
EV化やロボット等の分野における高精度減速機の需要増加に対応するため、加工機本体、加工技術、ソフトウエアに加え、ワーク搬送や計測等の周辺アプリケーションを統合した自動化・システム化の開発を推進しています。2025年6月には「切削面取一体型ホブ盤 GE25CF」の販売を開始いたしました。
また、独自の特許技術により高い市場シェアを有する内歯車研削盤についても、次世代EV用変速機をターゲットとし、更なる高精度・高能率加工技術の開発を加速しています。
- 大型機
EVやエネルギー市場で伸長するワークの大型化・高精度化に取り組んでいる門形5面加工機では、世界的に需要が急増中のデータセンター用発電機の大型エンジンを効率的に加工できるアタッチメント類の開発を推進しています。また、自動車向け金型の生産性向上のためデジタルツイン技術や制御ソフトの研究開発に注力しています。
- レーザ加工機
日本国内でいち早く市場投入した微細レーザ加工機及び金属3Dプリンタの普及に伴い、更なる技術開発を推進しています。
微細レーザ加工機では、半導体製造プロセスや精密金型で小径化が進んでいる微細穴の高精度化・高速化への対応を進めています。
また、金属3Dプリンタにおいては、日本国内でも導入事例が出始めている産業機械や航空機分野等の顧客ニーズに対応するため、実用化及び機能向上に向けた研究開発を行っています。
- マシニングセンタ
付加価値の高い5軸加工機、複合加工機の本体開発と共に自動化、省人化に注力しています。2024年にJIMTOF(日本国際工作機械見本市)に出展した立形5軸マシニングセンタVB-X650に付属した立体パレットシステムの機種展開を行っており、歯車加工機能を追加した複合加工機「マルチタスクギヤセンタMGC300」の販売を開始しました。
- 旋盤
タレット旋盤の優れた加工スピードと複合加工機ならではの高い汎用性を兼ね備えた、ミドルクラスの工具主軸型複合加工機「TEX-2500S」を開発し、2025年9月の欧州国際工作機械見本市(EMO 2025)に出展し、販売を開始しました。
当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、26億1百万円です。
(6)グループ会社事業
当セグメントでは、多様な分野で製品を開発しています。
モータ技術及びサーボ技術を融合させた「カラクリ・トロニクス」製品として、ステッピングモータ、スマートフォン・ゲーム関連製品、モータ駆動ユニット製品群、ならびにシステム機器関連の開発を行っています。開発におきましては、「魅力のある製品開発と将来に向けた開発体制の構築」を基本方針に掲げ、成長分野への経営資源の集中投資と、将来的な「生産性2倍・不具合ゼロ」の実現に向けた開発基盤の強化を推進しています。
車載分野では、電動化・電装化の進展と同時に車両価格に見合った機能のニーズが高まっており、インターネット接続可能な車両ではサイバーセキュリティ機能の搭載ニーズがあります。高性能化と低コスト化のため一定の機能を統合したゾーンECUやアクチュエータ用ECU、HEV用DC-DCコンバータの開発に注力しています。海外開発体制の整備や要求管理ツールの導入を通じ、自動車メーカーのニーズにも柔軟に対応しています。
電子機器関連市場では、AIサーバ向け製品分野の設備投資が拡大傾向であり、新型検査装置の開発を行っています。
空調・家電用モータでは、省エネ・省材料とモータ性能向上のため、磁気回路・制御回路の改良や巻線材料を銅からアルミへ置き換える取り組みを行っています。新興国へのエアコン普及に伴い、使用環境の多様化に合わせたモータ構造や保護回路の見直しにより堅牢性を高めた製品の開発を行っています。また、この技術を業務用エアコン向けの中大型ファンモータに応用展開することで、全世界の省エネ化需要に対応する展開を行っています。
産業用モータでは、効率性とカスタマイズ性を両立させた製品開発を進めており、特に防爆性能やブレーキ機能を有した特殊モータの開発を行っています。
主な研究開発対象は次のとおりです。
・自動車のボディ制御
- ボディコントロールモジュール
- パワーウィンドウスイッチを含むドア周辺制御ユニット
- 二輪車用スマートエントリーシステム
・パワーエレクトロニクス事業
- 電動パワーステアリングECU
- 電動車向けDC-DCコンバータ
- 車載充電器
・その他車載機器
- 電動オイルポンプ/電動ウォーターポンプ
- 電動アクチュエータ
- センシング用超広角レンズモジュールの雨滴除去
・スマートフォン・ゲーム
- スマートフォン用光学手ブレ補正
- 制振用3軸・多自由度アクチュエータ
- 触覚デバイス(2軸及び3軸アクチュエータ)
・モータ駆動ユニット
- 車載サーマルマネージメント
- 小型モータ、アクチュエータ、センサ、制御ソフト等を統合した製品群
・センシング装置
- 圧力センサ(半導体装置、データセンター冷却装置)
- LiDAR用ポリゴンミラー
-トルクセンサ/6軸力覚センサ(協働ロボット)
- 高分解能磁気式ロータリーエンコーダー
・システム機器
- 各種カードメディアに対する周辺機器のセキュリティ強化機器
- 電子決済端末(小売り/流通向け、鉄道/交通向け)
- 液晶・有機ELディスプレイ用FPD搬送ロボット(大気・真空)
- トラクションモータ用試験ベンチ
・半導体関連装置
- 半導体ウエハ・基板用光学式自動検査装置
- 半導体パッケージ用電気検査装置
- AIサーバ用基板検査装置
- 半導体搬送ロボット制振制御、内製DDモータ搭載(真空)
- 半導体ロードポートモジュール(LPM)
・空調・家電用モータ
- 家庭用・業務用エアコン向けファンモータ
・産業用モータ
- ポンプ(汎用ポンプ、油圧ポンプ、医療器用ポンプ、等)
- ファン・ブロワ(送風機、シロッコファン、冷却塔、等)
- 荷役搬送機器(クレーン、ホイスト、巻上げ機、ローラーコンベア用モータ、等)
- 防爆環境機器(粉砕機、撹拌機、計量器、等)
当連結会計年度における研究開発活動に係る支出額(無形資産に計上された開発費の支出額を含む)は、238億65百万円です。
第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当連結会計年度中の設備投資の総額は130,482百万円となりました。主なものは、海外子会社の生産能力増強のための投資です。
セグメント別の設備投資額は、次のとおりです。
2【主要な設備の状況】
NIDECにおける主要な設備は次のとおりです。
(1)提出会社
(注)1.帳簿価額は、日本の会計基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しています。
2.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計です。
3.従業員数の( )は、年間平均臨時従業員数を外書きしています。
(2)国内子会社
(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計です。
2.従業員数の( )は、年間平均臨時従業員数を外書きしています。
3.土地の[ ]は、借地面積(単位千㎡)を外書きしています。
4.ニデックアドバンステクノロジー㈱、ニデックコンポーネンツ㈱については、子会社を一括して情報を記載しております。
(3)在外子会社
(注)1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計です。
2.従業員数の( )は、年間平均臨時従業員数を外書きしています。
3.土地の[ ]は、借地面積(単位千㎡)を外書きしています。
4.ニデックホールディングアメリカ㈱、ニデックグローバル・アプライアンス・ブラジル社、台湾瀧澤科技股份有限公司、ニデックCCI股份有限公司については、子会社を一括して情報を記載しております。
3【設備の新設、除却等の計画】
NIDECの設備投資については、景気予測、業界動向、投資効率等を総合的に勘案して策定しています。設備計画は原則的に連結会社各社が個別に策定しています。
なお、当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、除却計画は次のとおりです。
(1)重要な設備の新設等
(2)重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
②【発行済株式】
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)株式分割(1:2)によるものです。
(5)【所有者別状況】
(注)1.自己株式44,590,187株は、「個人その他」に445,901単元を、「単元未満株式の状況」に87株を含めて記載しています。
2.上記「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ1,425単元及び44株含まれています。
(6)【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注)1.所有株式数は、千株未満を切り捨てて表示しています。
2.㈱三菱UFJフィナンシャル・グループから2025年11月17日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2025年11月10日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けていますが、㈱三菱UFJ銀行を除き、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりです。
3.三井住友信託銀行㈱から2025年7月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2025年7月15日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けていますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりです。
4.ベイリー・ギフォード・アンド・カンパニーから2022年11月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2022年11月15日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けていますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりです。当社は2024年10月1日付で普通株式を1株につき2株の割合で分割していますが、所有株式数については、当該株式分割前の所有株式数を記載しています。
5.キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニーから2020年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2023年9月13日付で訂正報告書が提出されています。2020年3月31日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けていますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
なお、当該変更報告書の訂正報告書の内容は次のとおりです。当社は2020年4月1日及び2024年10月1日付で普通株式を1株につき2株の割合で分割していますが、所有株式数については、当該株式分割前の所有株式数を記載しています。
6.野村證券㈱から2024年9月24日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、2024年9月13日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けていますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
なお、当該大量保有報告書の内容は次のとおりです。当社は2024年10月1日付で普通株式を1株につき2株の割合で分割していますが、所有株式数については、当該株式分割前の所有株式数を記載しています。
7.ブラックロック・ジャパン㈱から2025年11月5日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、2025年10月31日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けていますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
なお、当該大量保有報告書の変更報告書の内容は次のとおりです。
8.Oasis Management Company Ltd.から2026年3月11日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、2026年3月4日現在でそれぞれ次のとおり株式を保有している旨の報告を受けていますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況は、株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
なお、当該大量保有報告書の内容は次のとおりです。
(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
(注)1.「完全議決権株式(その他)」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が142,500株、ニデックドライブテクノロジー㈱名義(2003年10月1日付で当社と株式交換をした際の失念株分)の株式が900株含まれています。また、「議決権の数」欄には、同機構名義の完全議決権株式に係る議決権の数1,425個、ニデックドライブテクノロジー㈱名義(2003年10月1日付で当社と株式交換をした際の失念株分)の議決権の数9個が含まれています。なお、当該ニデックドライブテクノロジー㈱名義の株式900株(議決権の数9個)については、同社は実質的には株式を保有していません。
2.「単元未満株式」の欄の普通株式には、当社所有の自己株式87株が含まれています。
3.「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、役員報酬BIP信託が所有する当社株式1,138,000株(議決権の数11,380個)及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式532,200株(議決権の数5,322個)が含まれています。
4.「完全議決権株式(自己株式等)」欄は、全て当社所有の自己株式です。
②【自己株式等】
(注)上記自己株式には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式は含まれていません。
(8)【役員・従業員株式所有制度の内容】
①当社グループの取締役等に対する業績連動型株式報酬制度
当社グループは2018年度より、当社の取締役(グローバルグループ代表(当時)、社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)、執行役員及び同等の地位を有する者(以下、「当社取締役等」)、並びに当社主要グループ会社の取締役(社外取締役を除く)及び執行役員(以下、「グループ会社取締役等」、当社取締役等と合わせて「対象取締役等」)を対象として、業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」)を導入していましたが、2024年6月18日開催の第51期定時株主総会において、本制度の内容の一部を変更しました。
1)制度の概要
本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下、「BIP信託」)の仕組みを採用します。BIP信託は、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)制度及び譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度と同様に、役位及び業績目標達成度等に応じて対象取締役等に当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付及び給付する、役員向けの株式報酬制度です。
2)信託契約の内容
(注)上記において予定されている時期については、適用法令等に照らして適切な時期に変更されることがあります。
3)対象取締役等に取得させる予定の株式の総数
1,137,600株(3年分・グループ会社分を含む)
(注)上記株式数は、2024年10月1日付で実施した株式分割(1株を2株に分割)後の株式数で表示しています。
4)本株式所有制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
対象取締役等のうち受益者要件を満たす者
②国内外の当社グループ幹部に対する業績連動型株式付与制度
当社は、2018年4月24日開催の取締役会において、国内外の当社グループ幹部(以下、「グループ幹部」)を対象とする業績連動型株式付与制度(以下、「本制度」)の導入を決議していますが、2024年3月2日の取締役会において、本制度の内容の一部を変更しました。
1)制度の概要
本制度は、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下、「ESOP信託」)の仕組みを採用します。ESOP信託は、米国のESOP制度を参考にした従業員インセンティブ・プランであり、役職及び業績目標達成度等に応じてグループ幹部に当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付及び給付する、株式付与制度です。
2)信託契約の内容
(注)上記において予定されている時期については、適用法令等に照らして適切な時期に変更されることがあります。
3)グループ幹部に取得させる予定の株式の総数
529,000株(3年分・グループ会社分含む)
(注)上記株式数は、2024年10月1日付で実施した株式分割(1株を2株に分割)後の株式数で表示しています。
4)本株式所有制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
グループ幹部のうち受益者要件を満たす者
2【自己株式の取得等の状況】
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
(注)2025年10月23日開催の取締役会において、2025年5月27日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得を中止することを決定いたしました。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注)当期間における取得自己株式には、2026年7月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含まれていません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)1.当期間における取得自己株式には、2026年7月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含まれていません。
2.自己株式には役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式を含めておりません。
3【配当政策】
当社の配当政策は、安定配当を維持しながら連結純利益の状況に応じて配当水準の向上を図ると同時に、企業体質の一層の強化と積極的な事業展開の促進に備えて内部留保を充実することとしています。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としています。これらの剰余金の配当の決定機関は、取締役会です。
当連結会計年度においては、第三者委員会による調査及びその他の社内調査等並びに品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査の結果として、過年度の財務諸表に訂正すべき重要な虚偽表示が識別されることが見込まれていたため、2025年9月30日を基準日とする利益剰余金の配当(中間配当)及び2026年3月31日を基準日とする利益剰余金の配当(期末配当)を無配とすることを取締役会にて決議しました。
なお、上記の第三者委員会による調査及びその他の社内調査等並びに品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査は完了しており、当連結会計年度の連結財務諸表にはこれらの調査結果を踏まえた過年度決算の修正に係る影響額を反映しています。
第三者委員会による調査及びその他の社内調査等並びに品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 43.追加情報」に記載しています。
4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
会計不正問題への対応につきまして、株式会社東京証券取引所より当社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められたことから、2025年10月28日付で特別注意銘柄に指定されました。これを受けて、当社は、特別注意銘柄の指定解除に向け、内部管理体制等の抜本的な改善を目的として、改善計画・状況報告書を作成し、2026年1月28日付で株式会社東京証券取引所へ提出いたしました。
その後、2026年4月17日に独立した第三者委員会より調査報告書の最終版を受領したことを受け、認定された事実、原因分析及び再発防止に向けた提言を真摯に受け止め、当初の計画をより実効性の高いものへとアップデートした改善計画・状況報告書の改訂版を、2026年4月27日に公表しています。また、2026年9月30日時点の改善計画・状況につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)改善計画・状況報告書の実施状況」に記載しています。
品質に関する不適切行為の疑いにつきましては、当社及びグループ会社が製造する一部の製品について、お客様の確認を受けずに行われた部材・工程・設計等の変更等の不適切行為の疑いが判明いたしました。
調査委員会による徹底した調査に加え、当社内に改善推進本部を立ち上げ、お客様との適時適切なコミュニケーションを行うとともに、実効的な再発防止策を検討・実施します。
取締役会の機能を実効的に発揮できるよう、多様な知識、経験、専門性等を持ち合わせた取締役を株主総会において選任いただき、取締役会構成の見直しを実現しました。新たな取締役会において、当社が追求するコーポレート・ガバナンスのあり方を速やかに議論し、その内容を「コーポレート・ガバナンス・ポリシー」に反映し、よりよいものへと見直した上で、状況に変化が生じた際には適時に開示してまいります。
当社は一連の事案に真摯に向き合い、従来の経営理念を全面的に見直し、正しさと誠実さを最優先として、「風土・制度・プロセス」の観点から経営基盤の抜本的な強化に取り組んでいます。透明性の高いガバナンス体制を再構築し、ステークホルダーの皆様から信頼いただける会社への再生を実現してまいります。
②企業統治の体制
1)企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社の主な機関としましては、会社法に規定する取締役会、監査等委員会及び会計監査人のほか、執行機関としてグループ経営会議を設置しています。また、取締役会の諮問機関として指名委員会、報酬委員会を設置しています。
取締役会は、経営に関わる重要な事項についての意思決定、業務執行の監督に関して、2026年9月30日現在、過半数を独立社外取締役で構成する取締役12名で行っています。監査等委員会は、監査等委員である取締役5名で取締役の職務執行の監査を行うと共に会計監査人から監査報告を受けています。取締役と監査等委員である取締役は、当社と特別な利害関係が無く独立性の高い社外取締役を招聘することにより、経営に対する監査・監督機能を強化しています。監査等委員でない社外取締役は5名選任しており、豊かな経験と高い見識に基づき、客観的・中立的な立場から経営に関わる重要な事項について意思決定を行うと共に業務執行の監督を行っています。また、監査等委員である社外取締役は5名選任しており、豊かな経験と高い見識に基づき、客観的・中立的な立場から経営を監査・監視しています。
グループ経営会議は業務執行上の意思決定機関として原則月2回開催され、社長が議長を務め、取締役会付議事項の事前審議ほか、全般的業務執行方針や計画の審議及び個別重要案件の審議・決議を行います。
指名委員会及び報酬委員会は従来より委員の過半数を独立社外取締役にて構成しておりましたが、更なる公正性・透明性・客観性の充実を図るため、2026年6月18日開催の定時株主総会以降、両委員会とも独立社外取締役5名で構成されています。指名委員会では、取締役及び執行役員等の選任に係る基本方針や基準、候補者案の決定等について、取締役会の諮問に応じて審議を行い、その結果を取締役会に対して答申しています。報酬委員会では、役員報酬に係る基本方針や報酬体系等について、取締役会の諮問に応じて審議を行い、その結果を取締役会に対して答申しています。
更に経営の効率性を高めるため、執行役員制と事業本部制を採用しています。執行役員制により、企業の経営・監督に法的な責任を負う取締役と業務執行を担当する執行役員との役割分担を明確にし、取締役会の役割を全社的な経営判断に集中させ議論を活発化するとともに、取締役から執行役員への権限委譲による意思決定の迅速化を図っています。また、事業本部制により経営責任の所在を明確にし、実効的な内部統制体制の維持・強化を図っています。これらに加え、当社は、チーフオフィサー制を導入しています。各機能のリーダー(CxO)を中心に新たにグローバル本社体制を構築し、グループ会社も含めた「全体最適」を追求するための横串機能の体制強化を図っています。
(注)監査等委員である社外取締役は、2026年6月18日開催の定時株主総会において、社外取締役(常勤監査等委員)4名が就任し、5名となっています。
[取締役候補者の選任基準]
当社は、取締役の選任・解任基準に関し、倫理観やコンプライアンス、健全な経営規律及び中長期的な人材育成等の観点を含めた基準に2026年4月1日付で改定するとともに、企業の経営経験、会計に関する専門性等を取締役会の構成要件として明確化し、取締役選任・解任プロセスの透明性と一貫性の確保を図っています。
<取締役選任方針>
当社グループのグローバルな競争力の強化と事業を通じた社会課題の解決による持続的な企業価値の向上を目的とし、高い企業倫理・コンプライアンス意識をもって経営の健全性・透明性の向上に貢献できる人材を、当該ポストに関する選任基準等を踏まえ、選任するものとする。
なお、取締役会の機能を効率的・効果的に発揮できるよう、知識、経験、専門性の多様性を考慮し、取締役全体の構成を踏まえ選任する。
<取締役候補者選任基準>
取締役候補者(監査等委員である取締役を含む)は、次の全てを満たす者であることとする。
(ⅰ)人格、見識に優れ、市場規律を尊重し、高い倫理観を有すること。
(ⅱ)中立的かつ客観的な視点に立ち、公正な判断を下し、執行に対して実効性のある監督及び経営戦略の方向性決定を果たすことができること。
(ⅲ)幅広いステークホルダーの期待に応え、当社の強みを生かしながら、当社グループの持続的な発展及び中長期的な企業価値向上に資する十分な経験と専門性を有し、取締役会において積極的な助言及び意見具申ができること。
(ⅳ)会社法第331条第1項に定める取締役の欠格事由に該当しないこと。
(ⅴ)社外取締役候補者については、前項に加えて、「社外取締役の独立性判断基準」で定める独立性判断基準を満たしていることとする。
(ⅵ)社内取締役候補者については、第1項に加えて、経営決定の実行と業務執行の監督を両立できる資質を有すること。
<取締役解任基準>
(ⅰ)選任基準を明らかに満たしていない事象が発覚した場合。
(ⅱ)不正の行為又は法令もしくは定款等の社内規定に違反する重大な事実が生じた場合。
<社外取締役の独立性判断基準>
当社は、次のいずれにも該当しない場合に独立性を有するものと判断しています。
(ⅰ)関係会社所属歴:現在又は過去10年間において、当社又は当社の連結子会社(以下、総称して「当社グループ」という)の業務執行者(注1)であった者
(ⅱ)主要株主:当社の総議決権の10%以上を直接又は間接に保有する株主、又はその業務執行者
(ⅲ)主要取引先とする者:当社グループを主要な取引先とする者(注2)又はその業務執行者
(ⅳ)主要取引先:当社グループの主要な取引先(注3)又はその業務執行者
(ⅴ)多額報酬専門家:当社グループから、役員報酬以外に、過去3事業年度以内に年間1,000万円を超える、又は当該団体の総収入の2%を超える金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家(当該者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者)
(ⅵ)役員相互派遣:当社グループから取締役・監査役(常勤・非常勤を問わない)を受入れている者の業務執行者
(ⅶ)関係監査法人:当社グループの会計監査人に所属する者
(ⅷ)多額寄付先:当社グループから、過去3事業年度以内に年間1,000万円を超える、又は寄付先の総収入の2%を超える寄付又は助成を受けている組織の業務執行者
(ⅸ)近親者:上記(1)から(8)までのいずれかに該当する者(重要な者に限る)の配偶者又は二親等内の親族
(ⅹ)在任期間:当社の社外取締役としての通算の在任期間が10年を超えること
(ⅺ)前各号に定めるほか、一般株主との間に利益相反が生じる恐れがあると合理的に判断される特段の事情を有する者
(注)1.業務執行者とは、業務執行取締役、執行役、執行役員その他の法人等の業務を執行する役員及
び使用人をいう。
2.当社グループを主要な取引先とする者とは、過去3事業年度のいずれかにおいて、その者の年
間連結売上高の2%以上の支払を当社グループから受けている者をいう。
3.当社グループの主要な取引先とは、過去3事業年度のいずれかにおいて、当社の年間連結売上
高の2%以上の支払を当社グループに行っている者をいう。
2)企業統治に関するその他の事項
当社は、次のような体制を構築しています。
(ⅰ)当社及び当社子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
法令・諸規則、社内規則・基準、社会倫理規範等を遵守することにより社会の信頼を獲得すると同時に役職員の倫理意識を高め、企業の誠実さを確立すべく次の体制を確保しています。
・当社は、ニデックグループのコンプライアンスに関する基本的な考え方並びに組織及び運営方法等を定め、法令等に基づく適正な業務執行とそのプロセスの継続的な検証と改善を通じてコンプライアンス体制の確立と意識の徹底を図ることを目的として「ニデックグループコンプライアンス規程」を定めています。
・当社は、社長の下に最高コンプライアンス責任者を議長とするコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関する基本方針を策定し、ニデックグループのコンプライアンス状況を監視しています。
・具体的な行動指針として、「ニデックグループコンプライアンス行動規程」を作成し、ニデックグループの全ての役職員に周知徹底しています。
・コンプライアンス推進活動の一環として、「ニデックコンプライアンス・ハンドブック(オンライン版)」を作成・活用する等して、コンプライアンス研修をグループ各社に実施し、グループ各社の役職員のコンプライアンス意識の向上に努めています。
・コンプライアンス徹底のためにニデックグループを対象とする内部通報制度(Nidec Global Compliance Hotline)を設置し、法令・社内規則違反に関する社員からの報告や問題提起を奨励すると共に、通報者の保護を図っています。
・このような活動を推進するため、当社に設置したコンプライアンス部とニデックグループの各地域(米州・中国・欧州・東南アジア)に置いた地域コンプライアンスオフィサーが連携して、グループ各社のコンプライアンスを確保する体制(グローバル・コンプライアンス体制)を構築しています。
・コンプライアンス違反に関しては、コンプライアンス部又は内部通報窓口への報告・通報等に基づき調査・解決し再発防止を図っています。コンプライアンス違反事案のうち、処分が必要なものは、懲戒委員会若しくは取締役会の審議を経て処分を決定しています。
・当社は、本社各部門からグループ全体の内部統制システム構築の指導・支援を実施すると共に、適法・適正で効率的な事業運営を管理・監査しています。
・当社及び当社子会社の内部監査部門は、グループ各社の内部監査を実施し、業務の改善策の指導及び支援助言を行っています。
(ⅱ)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役及び執行役員の職務の執行に係る文書については、「文書規程」により保存年限を定めて整理・保存するものとし、監査等委員は常時閲覧可能です。
(ⅲ)当社及び当社子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・当社は、ニデックグループのリスク管理体制確立のため「リスク管理規程」を制定し、リスク管理委員会とリスク管理室を設置しています。リスク管理委員会はリスク管理に関する年度方針を策定し、その下に当社リスク主管部署の部門長及びグループ各社がリスクの管理・対応・報告の徹底を図るための年度計画を作成・実行しています。リスク管理室はこれを支援し経過報告を集約する一方、経営管理監査部がこのリスク管理体制の整備状況を適宜監査しています。
・日常のリスク管理に関して定めた「リスク管理規程」とは別に、リスクが顕在化し現実の危機対応が必要となった際に備え、ニデックグループ全体の危機管理について記載した「危機管理規程」を定めています。
・当社は、ニデックグループ全体の情報セキュリティリスクの管理のため、情報セキュリティに関する基本的な考え方並びに管理体制及び運営方法等を定め、企業活動を行う上で重要な経営資産であるニデックグループの情報資産を適切に保護すると共に、その適正な使用を行うことを目的として「情報セキュリティ基本規程」を定めています。
・当社は、取締役会の下に最高情報セキュリティ責任者(CISO)を委員長とする情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティに関する基本方針を策定し、情報セキュリティ諸施策の遂行状況を監督、指導しています。
・当社に設置する情報セキュリティ管理部門は諸施策実施の支援並びに情報セキュリティに関する事故又は問題発生時における対応を行う一方、経営管理監査部は情報セキュリティ監査の実施、指導及び支援を適宜行っています。
(ⅳ)当社及び当社子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・当社では、「取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制」の基礎として、執行役員制度を採用し、業務執行権限を執行役員に委譲しています。取締役会は、当社の経営方針及び経営戦略等に係る重要事項を決定し、当社執行役員の選任・解任と業務執行の監督を行っています。
・ニデックグループでは、業務処理の判断及び決定の権限関係を明確にして経営効率と透明性の向上を図るため、稟議事項及び稟議手続きについて「稟議規程」を定めています。
・ニデックグループでは、重要な情報については、各種会議等で迅速に報告・共有し、その議事録は各部門長に配信され日々の業務に活用しています。また必要に応じて、グループ経営会議の場でも幅広く討議・共有します。
(ⅴ)当社子会社の取締役の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する事項
・当社の取締役及び執行役員は、ニデック国内グループ会社の非常勤取締役を兼務して国内グループ各社の取締役会に出席し、四半期ごとにグループCEO会議を開催する等、グループ内での経営方針・情報・課題の共有化と指示・要請の伝達を効率的に実施しています。
・グループ各社の業務を所管する管理部署は、グループ各社との連携強化を図ると共に、経営内容を的確に把握するため、必要に応じて社内会議に出席し、経営状況や課題の確認を行っています。
(ⅵ)監査等委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項並びに当該使用人の他の取締役(監査等委員である取締役を除く)からの独立性及び監査等委員会の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
・監査等委員会の要請に従い経営管理監査部は監査等委員会が求めた事項の監査を実施し、その結果を監査等委員会に報告しています。
・当該監査においては監査等委員の指揮命令の下にその職務を補助しています。その報告に対して他の取締役(監査等委員である取締役を除く)及び執行役員は一切不当な制約をしていません。
(ⅶ)当社グループの取締役及び使用人並びに子会社監査役又はこれらの者から報告を受けた者が当社監査等委員会に報告をするための体制及び通報者保護の体制
・当社取締役及び執行役員又は使用人は、当社監査等委員会に対して法定の事項に加え、全社的に重大な影響を及ぼす事項、内部監査の実施状況、内部通報制度による通報状況及びその内容を速やかに報告しています。報告の方法については、他の取締役(監査等委員である取締役を除く)及び執行役員と監査等委員会との協議により決定する方法によっています。
・当社経営管理監査部は、定期的に当社監査等委員会に対する報告会を実施し、ニデックグループにおける内部監査の結果を報告しています。
・当社コンプライアンス部は、ニデックグループの役職員からの内部通報の状況について、定期的に当社監査等委員会に対して報告しています。
・ニデックグループでは、グループ全社を対象とする内部通報制度(Nidec Global Compliance Hotline)において通報者が報告をしたことを理由として不利益を被らないよう通報者保護を図っています。
(ⅷ)監査等委員の職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る)について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
・当社監査等委員会は、監査等委員会規程及び監査等委員会監査等基準に従い、監査費用の予算等の監査等委員がその職務を執行する上で必要と認めた事項について、独立して決議する権限を有し、緊急又は臨時に支出した費用については、事後、会社に償還を請求することができます。
(ⅸ)その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・監査等委員は経営陣と意見交換を実施します。
・監査等委員は毎月の活動を監査報告書にまとめ、取締役会に報告します。
・監査等委員は各社の現場にも足を運び入れ、業務監査等を実施します。
3)取締役会の活動状況
当社は取締役会を原則として毎月1回開催し、必要に応じて随時開催することとしています。当事業年度においては取締役会を34回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりです。
(注)1.開催回数が異なるのは、就任時期の違いによるものです。
2.2025年6月20日開催の定時株主総会における取締役及び取締役(監査等委員)の異動は次のとおりです。
(1)社外取締役(常勤監査等委員)に吉井浩氏が新たに選任され、就任しています。
(2)村上和也氏は、取締役(監査等委員)を辞任しました。
3.永守重信氏は、2025年12月19日付で取締役を辞任しました。
4.小部博志氏は、2026年3月3日付で取締役を辞任しました。
5.佐藤慎一氏、小松弥生氏、酒井貴子氏は、2026年6月18日付で社外取締役を退任しました。
6.落合裕之氏は、取締役(監査等委員)を2026年6月18日付で退任しました。
7.山田文氏、豊島ひろ江氏、梅田邦夫氏は、社外取締役(監査等委員)を、2026年6月18日付で退任しました。
8.江良明嗣氏、小泉愼一氏、佐久間総一郎氏、西浦裕二氏、山本良一氏は、2026年6月18日開催の定時株主総会で新たに選任された取締役であるため、当事業年度における出席状況は記載していません。
9.天野秀樹氏、岸波みさわ氏、長谷川充弘氏、山崎武氏は、2026年6月18日開催の定時株主総会で新たに選任された取締役(監査等委員)であるため、当事業年度における出席状況は記載していません。
取締役会における具体的な検討内容は次のとおりです。
取締役会では、法令で定められた事項及び会社経営・グループ経営に関する重要事項等、取締役会規程に定めた事項を決定すると共に、取締役及び執行役員から職務執行状況の報告を受けること等により、取締役及び執行役員の職務執行を監督しています。
4)取締役会の実効性評価
当社は、取締役会全体がその役割・責務を適切に果たしているかを検証し、機能向上につなげるため、第三者機関を活用した取締役会の実効性評価を実施しています。
(i) 評価の実施と認識された課題
当事業年度においては、過年度における不適切な会計処理や品質に関する不適切行為の疑い等の発生を受け、取締役会の監督機能が十分に発揮されていなかったという深刻な課題が浮き彫りとなりました。第三者委員会等の調査報告並びに実効性評価の過程において、特定の個人への権限集中に対する牽制機能の不足、執行側からの重要リスク情報の共有不足、及び中長期的な経営戦略に関する議論の不足等が、取締役会の実効性を阻害する主要な要因であったと認識しています。
(ⅱ) 課題に対する改善策
これらの評価結果と認識した課題を踏まえ、当社は「改善計画・状況報告書」に基づき、次の抜本的な改善策を実行しています。
• 取締役会構成の見直し:多様な知識、経験、専門性を有する社外取締役を増員し、客観的・中立的な監督機能を強化しました(2026年6月定時株主総会にて実施)。
• 社外取締役へのサポート体制強化:情報の非対称性を解消し、重要リスク情報等を適時適切に共有するため、専任組織として「取締役会室」を新設しました(2026年6月)。
• 審議事項の見直しと重要リスク管理:事業計画の前提条件や目標の妥当性に対する監督を強化するとともに、重要なリスク情報が取締役会に確実に報告される体制・規程を整備しました。
当社は、これらの改善策の運用状況を継続的にモニタリングし、次回の実効性評価を通じて更なる改善を図ることで、透明性の高いガバナンス体制の再構築とステークホルダーからの信頼回復に努めてまいります。
5)指名委員会の活動状況
2025年4月1日より2026年3月31日までの期間において当社は指名委員会を6回開催しており、個々の指名委員の出席状況については次のとおりです。
(注)1.指名委員会の更なる公正性・透明性・客観性の充実に向けて社外取締役のみの委員構成とするため、岸田光哉氏は2026年3月26日付で指名委員を退任しています。
2.吉井浩氏は2025年6月20日付で指名委員に就任しています。
3.小松弥生氏、酒井貴子氏、山田文氏は、2026年6月18日付で指名委員を退任しています。
4.山本良一氏、小泉愼一氏、佐久間総一郎氏、西浦裕二氏は2026年6月18日付で指名委員に就任しているため、当事業年度における出席状況は記載していません。
指名委員会における具体的な検討内容は次のとおりです。
指名委員会では、特定の個人に依存しない持続可能な経営体制の確立、及び指名委員会の実効性を強化する取り組みとして、グローバル共通の取締役及び執行役員の選任基準の新たな策定と、指名委員会における審議対象の見直し、透明性と客観性を担保した選定プロセスの強化を行いました。具体的には、過去の実績を重視した従来の選任基準から、倫理観やコンプライアンス、市場規律の観点を含めた選任基準を新たに策定するとともに、執行役員選任の審議対象をこれまでの社長・副社長から執行役員へと拡充し、経営陣として適切な人材か多角的に評価を行っています。また、選任プロセスについても見直しを行い、2026年度の取締役・執行役員体制の選任にあたっては、新たな選任基準に照らし合わせて候補者を検討し、指名委員による面談のほか、過去の懲罰等のコンプライアンスチェック、及び社内候補人材については外部アセスメント結果等の多角的な情報も踏まえて、指名委員会にて複数回にわたって慎重に審議を重ね、取締役・執行役員を選任しています。
6)報酬委員会の活動状況
2025年4月1日より2026年3月31日までの期間において当社は報酬委員会を6回開催しており、個々の報酬委員の出席状況については次のとおりです。
(注)1.永守重信氏は2025年6月20日付で報酬委員を退任しています。
2.吉井浩氏は2025年6月20日付で報酬委員に就任しています。
3.岸田光哉氏、佐藤慎一氏、酒井貴子氏、山田文氏は、2026年6月18日付で報酬委員を退任しています。
4.西浦裕二氏、小泉愼一氏、佐久間総一郎氏、山本良一氏は2026年6月18日付で報酬委員に就任している ため、当事業年度における出席状況は記載していません。
報酬委員会における具体的な検討内容は次のとおりです。
報酬委員会では、短期業績偏重の組織文化からの脱却と、当社グループの役員報酬に関する透明性と一貫性を確保する取り組みを進めました。報酬委員会の審議対象をグループ全体の観点から拡大するとともに、報酬制度の設計(報酬連動指標、報酬構成の妥当性等)や個別報酬額等を審議しています。審議内容の詳細については、「第4 提出会社の状況」『4 コーポレート・ガバナンスの状況等』の「(4)役員の報酬等」をご参照ください。
7)責任限定契約の内容の概要
当社は社外取締役及び社外取締役(監査等委員)との間で損害賠償責任を限定する契約を締結しています。その内容の概要は次のとおりです。
・社外取締役及び社外取締役(監査等委員)が任務を怠ったことによって当社に損害賠償責任を負う場合、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度としてその責任を負う。
・上記の責任限定が認められるのは、社外取締役及び社外取締役(監査等委員)が責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がないときに限るものとする。
8)補償契約の内容の概要
当社は、2026年6月18日開催の定時株主総会時点の取締役及び同日時点の執行役員を対象に、会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しています。本契約の規定に基づき、かつ法令に反しない範囲内で、本職務の執行に関連して補償対象者に生ずる費用又は損失を、補償対象者に対して補償することとします。ただし、本契約に基づく補償の範囲は、本契約締結後の職務執行に関する費用等に限られるものとします。当該補償契約では、当該会社役員による報告、損害軽減及び情報提供に関する義務を定めており、これらに反した場合において補償されないこと、法令違反の行為であることを認識して行った行為に起因して生じた損害は補償されないこと等、一定の制限があります。又、補償実行後に補償が不適切であったことが判明した場合には、当社が当該会社に対し補償金の全部又は一部の返還を要求することができるものとします。
9)役員等賠償責任保険契約の内容の概要
ⅰ)被保険者の範囲
当社グループの取締役、監査役、執行役員、フェロー、会計参与、管理監督者の地位にある従業員(既に退任したもの及び保険期間中の当該役職に就くものを含む)、及びこれらの相続人。
ⅱ)保険契約内容の概要
被保険者がⅰの立場での業務につき行った行為(不作為を含む)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を補償するもの。ただし、贈収賄等の犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正が損なわれないように措置を講じている。保険料は全額会社が負担する。
③取締役に関する事項
1)取締役の定数
当社の監査等委員でない取締役は15名以内、監査等委員である取締役は5名以内とする旨定款に定めています。
2)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、監査等委員である取締役と監査等委員でない取締役とを区別して行う旨定款に定めています。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨定款に定めています。更に、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、株主総会において補欠の監査等委員である取締役を選任することができ、補欠の監査等委員である取締役の選任に係る決議が効力を有する期間は、当該決議後2年以内に終了する最終の事業年度に関する定時株主総会の開始の時までとする旨定款に定めています。
④株主総会決議に関する事項
・当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号並びに会社法第454条第5項に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨定款に定めています。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものです。
・当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
(2)【役員の状況】
①役員一覧
男性11名 女性1名 (役員のうち女性の比率8.3%)
(注)1.所有株式数は、2026年3月31日現在における株式数を、千株未満を切り捨てて表示しています。
2.取締役 吉井浩氏、山崎武氏、江良明嗣氏、小泉愼一氏、佐久間総一郎氏、西浦裕二氏、山本良一氏、天野秀樹氏、岸波みさわ氏及び長谷川充弘氏は、社外取締役です。
3.2026年6月18日開催の定時株主総会の終結の時から1年間
4.2025年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
5.2026年6月18日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
②社外取締役及び監査等委員である社外取締役
取締役12名のうち社外取締役は10名(うち監査等委員である社外取締役は5名)です。
社外取締役は、経営や法律の分野における専門的知識や経験に基づき、客観的・中立的な立場から経営に関わる重要な事項について意思決定を行うと共に業務執行の監督を行っています。
社外取締役は、当社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係がなく、一般株主との利益相反を生じるおそれのない、独立性の高い人材とするために、当社の定める社外取締役の独立性判断基準を基に選任しており、社外取締役全員について独立役員として東京証券取引所に届け出ています。(社外取締役の独立性基準については、4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)参照)
2026年6月18日開催の株主総会終結後の社外取締役10名につき、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との関係は次のとおりです。
社外取締役(常勤監査等委員)の吉井浩氏は、財務省にて大阪国税局長等の要職の経歴を有しています。現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役(常勤監査等委員)の山崎武氏は、㈱日立製作所の業務執行者を務めていました。同社グループと当社グループとの間には、製品の販売・購入等の取引関係がありますが、同氏は既に同社の業務執行者でなく、取引の規模は、同社グループの過去3事業年度における連結売上高の2%未満の取引であり、かつ当社グループの過去3事業年度における連結売上高の2%未満の取引であるため、同氏の独立性に問題はないと考えます。その他についても、現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役の江良明嗣氏は、ブランズウィック・グループ㈱の業務執行者を務めています。同社グループと当社グループの間には、過去3事業年度以内にアドバイザリー契約に基づく取引関係がありましたが、当該取引関係は当社のM&Aに関連する海外における競争法対応に係る同社グループ海外法人との間の一時的なアドバイザリー契約によるものであり、同氏は当該海外法人に所属しておらず、当該契約に基づく業務に同氏の関与はありません。また、同社グループの過去3事業年度における連結売上高の2%未満の取引であり、かつ当社グループの過去3事業年度における連結売上高の2%未満の取引であるため、同氏の独立性に問題はないと考えます。その他についても、現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役の小泉愼一氏は、東レ㈱等にて要職の経歴を有し、他事業会社の社外取締役等を現任しています。現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役の佐久間総一郎氏は、新日鐵住金㈱(現 日本製鉄㈱)の業務執行者を務めていました。同社グループと当社グループの間には、製品の販売等の取引関係がありますが、同氏は既に同社の業務執行者ではなく、取引の規模は、同社グループの過去3事業年度における連結売上高の2%未満の取引であり、かつ当社グループの過去3事業年度における連結売上高の2%未満の取引であるため、同氏の独立性に問題はないと考えます。その他についても、現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役の西浦裕二氏は、三井住友トラストクラブ㈱の業務執行者を務めていました。同社の属する三井住友トラストグループと当社グループとの間には、証券代行業務の委託等の取引関係がありますが、同氏は既に同社の業務執行者ではなく、取引の規模は、同グループの過去3事業年度における連結経常収益(連結売上高に相当)の2%未満の取引であり、かつ当社グループの過去3事業年度における連結売上高の2%未満の取引であるため、同氏の独立性に問題はないと考えます。その他についても、現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役の山本良一氏は、J.フロント リテイリング㈱の業務執行者を務めていました。同社グループと当社グループとの間には、製品の販売等の取引関係がありますが、同氏は既に同社の業務執行者ではなく、取引の規模は、同社グループの過去3事業年度における連結売上高の2%未満の取引であり、かつ当社グループの過去3事業年度における連結売上高の2%未満の取引であるため、同氏の独立性に問題はないと考えます。その他についても、現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役(監査等委員)の天野秀樹氏は、有限責任あずさ監査法人等にて要職の経歴を有し、他事業会社の社外取締役等を現任しています。現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役(監査等委員)の岸波みさわ氏は、金融機関の投資銀行部門にて要職の経歴を有し、他事業会社の社外取締役等を現任しています。現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
社外取締役(監査等委員)の長谷川充弘氏は、検事として広島高等検察庁検事長等の要職の経歴を有し、法律事務所の特別顧問等を現任しています。現在及び過去において、当社と社外取締役本人及びその所属する法人団体等との間には特別の利害関係はありません。
なお、各社外取締役の経歴及び所有する当社株式の数は、「①役員一覧」に記載しています。
以上のとおり、当社と特別な利害関係が無く独立性の高い社外取締役を招聘することにより、経営に対する監督機能を強化し経営の透明性・客観性を高めています。
(3)【監査の状況】
①監査等委員会監査の状況
1)監査等委員会監査の組織、人員及び手続
監査等委員会は5名(5名全員監査等委員である社外取締役)で構成され、監査等委員会が定めた監査の方針及び実施計画に従って取締役の職務執行の監査を行い、監査報告書を作成しています。監査等委員会の議長を務める天野秀樹氏は、公認会計士として、監査法人において副理事長等の要職を歴任し、財務会計及び内部統制に関する専門知見と豊富な実務経験を有するものです。岸波みさわ氏は、金融機関の投資銀行部門において、財務戦略、資本政策等に関する豊富なアドバイザリー経験を有しており、資本市場や企業再建に関する専門知見を有するものです。長谷川充弘氏は、検事としての要職を歴任し、証券取引等監視委員会委員長として、市場規律維持や財務報告の信頼性確保、内部統制の検証に関する実務経験と深い識見を有するものです。山崎武氏は、前職にて常勤監査役を務め、組織の実務的な監査体制の構築と運用を主導する等、高い知見と豊富な経験を有するものです。吉井浩氏は、財務省等で要職としての経歴があり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有するものです。監査等委員5名全員は、会社法第2条第15号及び第331条第6項に規定する社外取締役です。監査等委員である社外取締役は、財務会計や法律の分野における専門的知識や経験に基づき、客観的・中立的な立場から経営を監査・監視しています。なお、監査等委員である社外取締役は、当社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係がなく、一般株主との利益相反を生じるおそれのない、独立性の高い人材とするために、東京証券取引所の独立役員の独立性に関する判断基準を参考に選任しており、経営に対する監査・監視機能を強化し経営の透明性・客観性を高めています。また、監査等委員である社外取締役5名は、独立役員として東京証券取引所に届け出ています。
(注)1.2026年6月18日開催の定時株主総会において、山崎武氏は、社外取締役(常勤監査等委員)に選任され就任し、天野秀樹氏、岸波みさわ氏、長谷川充弘氏は社外取締役(非常勤監査等委員) に選任され就任しました。
2.社内取締役(常勤監査等委員)であった落合裕之氏及び社外取締役(非常勤監査等委員)であった山田文氏、梅田邦夫氏は2026年6月18日付で取締役(監査等委員)を退任し、社外取締役(非常勤監査等委員)であった豊島ひろ江氏は辞任しました。
2)監査等委員及び監査等委員会の活動状況
監査等委員会は、原則として毎月1回開催し、必要に応じて随時開催することとしています。当事業年度である2025年度においては監査等委員会を合計24回開催しており、個々の監査等委員の出席状況については次のとおりです。
(注)1.開催回数が異なるのは、就任時期の違いによるものです。
2.吉井浩氏は、2025年6月20日開催の定時株主総会で新たに社外取締役(監査等委員)に選任され就任しました。
3.社内取締役(常勤監査等委員)であった村上和也氏は、2025年6月20日付で取締役(監査等委員)を退任しました。
4.2026年6月18日開催の定時株主総会において、山崎武氏は、社外取締役(常勤監査等委員)に選任され就任し、天野秀樹氏、岸波みさわ氏、長谷川充弘氏は社外取締役(非常勤監査等委員) に選任され就任しました。
5.社内取締役(常勤監査等委員)であった落合裕之氏及び社外取締役(非常勤監査等委員)であった山田文氏、梅田邦夫氏は2026年6月18日付で取締役(監査等委員)を退任し、社外取締役(非常勤監査等委員)であった豊島ひろ江氏は辞任しました。
監査等委員会の活動の概要は次のとおりです。
監査等委員会における具体的な検討内容は次のとおりです。
当社監査等委員は、監査等委員ではない社外取締役と共に取締役会の議案の確認を行っています。また、監査等委員全員が取締役会に出席し、取締役会において十分な議論に基づく意思決定がなされていることのモニタリングを実施しています。
監査等委員会は、代表取締役社長執行役員等の執行役員から直接ヒアリングを実施しています。常勤監査等委員は、月次役員会等の重要な会議に出席するほか、重要な稟議書類等を閲覧しています。また、ニデックの取締役・執行役員及び主要な使用人に対するヒアリング等の方法により、業務執行の状況等を監査し、その結果を監査等委員会に報告すると共に、事業リスクに関する重要な問題等を必要に応じて取締役会へ報告しています。
また、監査等委員会は、当社経営管理監査部及び当社会計監査人と情報共有及び意見交換をすると共に、常勤監査等委員は、内部監査部門である経営管理監査部との間で毎月監査情報の交換を行っているほか、経営管理監査部から監査等委員会に対しても定期的並びに必要に応じて報告を求めています。
監査等委員会は会計監査人との間で、四半期ごとの会合に加え、必要に応じ会合を行っており、監査及びレビュー結果、監査体制、監査計画、監査実施状況等について情報・意見交換を行っています。本年度は、2025年6月18日付「有価証券報告書の提出日の変更について」にて開示したとおり当社連結子会社である「FIR社」に関する貿易取引上の問題が発覚致しました。また、同年9月3日にFIR社の問題とは別に不適切会計の疑義が生じたことから第三者委員会を設置致しました。また、同年10月28日には当社株式は特別注意銘柄への指定を受けております。これを受け当社は特別注意銘柄指定の解除に向け2026年1月28日「改善計画・状況報告書」を東京証券取引所に提出致しました。また、同年2月27日には第三者委員会から調査報告書を受理しました。これら一連の事態に対応し、監査等委員会はマネジメントから随時詳細に報告を受けるとともに、会計監査人からも監査の進捗状況等について随時報告を受けており、マネジメント、会計監査人と連日緊密なコミュニケーションをとってまいりました。監査等委員会における会計監査人との連携については次のとおりです。
会計監査人との連携
このうち、KAM(監査上の主要な検討事項)については、選定の段階から会計監査人と議論を深め、必要に応じて説明を求め意見交換を行う等対応しました。また、その他の重要事項については、執行部門及び会計監査人より詳細な説明を受け質疑を行いました。
また、監査等委員会は、従前から会計監査人の監査の方法及び結果の相当性の判断を行う上で、会計監査人の独立性が確保されているかについての確認を行ってまいりましたが、特に、2023年1月以降は、ニデックグループが会計監査人又はそのネットワーク・ファームから非保証業務の提供を受ける場合には、係る業務提供に合意する前に、まず会計監査人が独立性に問題がないことの判断を行った上で、個別に監査等委員会による了解を行うとの手続きを実施しています。
これらのほか、監査等委員会は、監査等委員でない取締役等の選任及び報酬等について、取締役会の諮問機関である指名委員会並びに報酬委員会での議論の確認を含めて検討を行い、監査等委員会としての意見を決定しています。
②内部監査の状況
1)内部監査の組織、人員及び手続
当社では、経営管理監査部の人員36名が監査計画に基づいて内部監査を実施し、ニデックグループに対して業務の改善策の指導及び支援・助言を行っています。また、内部統制等に関して識別した問題点については、必要に応じて経営者及び各種会議へ報告・説明し、関係部署への改善の徹底を図っています。
2)内部監査、監査等委員会監査及び会計監査の相互連携
当社経営管理監査部は、当社監査等委員会に対し、定期的に当社グループにおける内部監査の結果を報告しています。また、当社監査等委員会との間で、必要に応じて意見交換、情報共有を行い、監査等委員会の要請に従い実地監査を行っています。更に、会計監査人より監査結果の報告を受け、意見交換、改善事項等の提言を受けています。なお、第3線を充実する観点から、2026年4月に、会計監査人・経営管理監査部・監査等委員会の三者での三様監査連絡会を設置し、連携の強化に努めております。
3)内部監査の実効性を確保するための取組
上記1)及び2)で述べたとおり、当社の内部監査部門である経営管理監査部は、体制面・運営面で独立性を確保すると共に、監査結果等について、代表取締役社長及び監査等委員会等に対して直接報告を行うことにより、内部監査の信頼性・実効性を確保しています。
③会計監査の状況
1)監査法人の名称
会計監査について、当社はPwC Japan有限責任監査法人と監査契約を締結し、会社法監査及び金融商品取引法監査を受けています。PwC Japan有限責任監査法人は、独立の第三者としての立場から財務諸表監査を実施し、当社は監査結果の報告を受け、意見交換、改善事項等の提言を受けています。
2)継続監査期間
41年
(注)上記記載の期間は、調査が著しく困難であったため、当社が株式上場した時期を踏まえて調査した結果について記載したものであり、継続監査期間はこの期間を超える可能性があります。
3)監査業務を執行した公認会計士
4)監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 234名、その他 501名
5)監査法人を選定した理由及び評価
監査等委員会にて当社の財務・経理関係部門及び内部監査関係部門並びに会計監査人から情報を収集した上で、監査に関する品質管理基準に基づき監査体制が整備されていること、又会計監査人の監査の対応等を相当と認め、現任会計監査人を再任することが適当であると判断しました。
6)監査等委員会が行った提出会社の監査法人の評価内容
監査等委員会は、監査法人の品質管理の状況、監査チームの独立性・専門性、監査報酬の妥当性、監査等委員・経営者とのコミュニケーション状況、グループ監査の体制等をふまえ、再任の要否を検討しています。また、監査等委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当し、解任が相当と認められる場合には、監査等委員全員の同意により会計監査人を解任します。会計監査人に適正な監査の遂行に支障をきたす事由が生じたと認められる場合等には、監査等委員会は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任の議案の内容を決定します。以上を踏まえ、当事業年度の会計監査人の職務執行に問題はないと評価し、再任を決議しています。なお、当事業年度の会計監査人は、2月27日第三者委員会報告を受領したのちに、業務執行社員が1名を除き全員交代し、体制を一新しております。
④監査報酬の内容等
1)監査公認会計士等に対する報酬
(前連結会計年度)
当社は会計監査人に対して、公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務(非監査業務)である「台湾における個人所得税関連業務」を委託し、その対価を支払っています。
(当連結会計年度)
非監査業務に基づく報酬は、該当事項はありません。
2)監査公認会計士等と同一のネットワーク(プライスウォーターハウスクーパース・インターナショナル・リミテッドのメンバーファーム)に対する報酬
(前連結会計年度)
連結子会社における非監査報酬の内容は、税務関連業務等です。
(当連結会計年度)
当社における非監査報酬の内容は、税務関連業務です。
連結子会社における非監査報酬の内容は、税務関連業務等です。
3)監査報酬の決定方針
監査報酬の決定方針については、監査計画の妥当性等を検証した上で決定しています。
4)監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査等委員会は、監査計画、監査の実施状況、当事業年度の監査計画に係る監査時間・配員計画から見積られた報酬額の算出根拠等について、内部統制に不備がある中、必要とされる監査業務量を踏まえ、監査業務と報酬との対応関係が詳細かつ明瞭であることから合理的なものであると認め、会社法第399条第1項に基づき、同意しています。
(4)【役員の報酬等】
①役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項及び決定プロセス
1)決定の方針及び決定プロセス
(ⅰ)基本方針
当社の役員報酬は、グローバルな競争力の強化と事業の持続的な成長を目的とし、次の方針に基づき決定するものとしています。
・企業価値向上へのモチベーションを高めるものであること
・優秀な経営人材確保に資するものであること
・当社の企業規模と事業領域において適正な水準であること
・過度なリスクテイクを誘引しないものであること
(ⅱ)報酬構成の概要
<取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)>
2026年度からの取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)の報酬は、①年間基本報酬、②短期インセンティブ、③中長期インセンティブで構成されます。
①年間基本報酬は、市場水準を参考に、報酬委員会の答申に基づき取締役会で決定された報酬レンジに従い、ポジションの役割、職責の大きさ、企業業績への貢献度、リテンションリスク等を総合的に勘案して個別に決定されます。
②短期インセンティブは、年間基本報酬に報酬委員会の答申に基づき取締役会で決定された係数を乗じた金額を基準とし、実際の支給額は、当年度の目標達成率に応じて変動するものとします。具体的な評価項目と評価割合は次のとおりです。

③中長期インセンティブは、業績連動型株式報酬で支給され、対象期間を連続する3事業年度とし、職位及び毎年度の連結売上高・連結営業利益の計画達成度及びESG評価における目標達成銘柄数に応じて0(不支給)から2倍の範囲で変動するポイントを付与し、対象期間経過後に、付与されたポイントの累積値に基づいて算出される数の当社株式の交付及び当社株式の換価処分金相当額の金銭の給付を行っています(1ポイント=1株)。

代表取締役社長執行役員の場合、①基本報酬、②短期インセンティブ、③中長期インセンティブの割合は、概ね「5:3:1.5」です。
2025年度までの取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)の報酬は、①職位に応じた基本報酬、②短期インセンティブ、③中長期インセンティブで構成されていました。短期インセンティブについては、毎年度の連結売上高・連結営業利益の計画達成度、役員の業績等を考慮した上で決定し、変動報酬の中間値(固定報酬の50%)に対して0(不支給)から2倍までの範囲で変動していました。
<社外取締役(監査等委員である取締役を除く)>
社外取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、その独立性を確保するため固定報酬のみとし、月例で支給しています。ただし、議長又は任意の委員会の委員等、各取締役の責務に応じて議長手当や委員会手当等を加算支給しています。
<監査等委員である取締役>
監査等委員である取締役(社外取締役も含む)の報酬は、その独立性を確保するため固定報酬のみとし、会社法第361条第3項の定めに従い、監査等委員である取締役の協議により個別の報酬等を決定しています。
(ⅲ)報酬の決定プロセス
取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の年間基本報酬及び短期インセンティブの額については、本方針に定める基準に従って、任意の諮問機関である報酬委員会の答申を踏まえ、取締役会が決定しています。又、中長期インセンティブの内容についても、同様に報酬委員会の答申を踏まえ、取締役会が決定しています。
(ⅳ)報酬の没収等(クローバック・マルス)
年間基本報酬及び短期インセンティブについては、会社に重大な損害を与えた場合は、対象者の同意を得て減額することがあります。
又、中長期インセンティブについては、受益権確定日以降、株式交付対象者が職務や社内規程への重大な違反等の非違行為があった場合、会社は、その者に対して賠償を求めることができます。
2)業績連動型株式報酬の内容
当社グループは2018年6月20日開催の第45期定時株主総会決議に基づき、業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」)を導入し、2024年6月18日開催の第51期定時株主総会決議に基づき同制度を改定しています。本制度の対象者は当社取締役(社外取締役及び監査等委員である者を除く)、執行役員及び同等の地位を有する者(以下、「当社取締役等」)、並びに当社の主要グループ会社の取締役(社外取締役を除く)及び執行役員(以下、「グループ会社取締役等」、当社取締役等と併せて「対象取締役等」)です。業績目標の達成度等を測る指標は、年度計画で掲げる連結売上高及び連結営業利益の計画達成度及び、主たるESG評価(MSCI、FTSE、CDPの3銘柄)における目標達成銘柄数で構成されています。具体的には、下記の方法に基づき、連続する3事業年度(2025年3月で終了する事業年度から2027年3月で終了する事業年度までの3事業年度とし、信託期間の延長が行われた場合には以降の3事業年度を対象とします。以下、「対象期間」)に関して対象取締役等に付与するポイント数(株式数)を算定の上、確定します。原則として累積したポイント数に相当する株式数が対象期間終了後の7月に対象取締役等に交付されます。なお、原則として、当該ポイントに対応する株式の50%(単元未満株数は切り捨て)については株式を交付し、残りについては納税資金確保の観点から売却の上、金銭で支給します。
なお、当社は同様の株式交付制度を当社の幹部社員の一部にも導入しています。
<業績連動型株式報酬に係る指標>
(ⅰ)基準ポイントの業績連動に使用する指標及び評価ウェイト
(注)1.億円単位で記載している金額は、億円未満を切り捨てて表示しています。
2.当該事業年度における業績連動型株式報酬評価指標の目標値につきましては、2025年4月24日に公表しました連結通期業績見通しに基づき数値を記載しています。
3.当該事業年度に係る業績連動型株式報酬の評価並びに交付・支給の取扱いにつきましては、過年度決算修正の内容及び責任調査委員会の調査結果等を踏まえ、報酬委員会での審議及び取締役会において慎重かつ適切に検討を行う予定であります。そのため、本有価証券報告書提出日現在において、当該事業年度に係る最終的な株式の交付数及び評価確定に基づく支払い等は確定していません。
(ⅱ)指標の選択の理由
上記指標は、当該指標の目標達成が当社の中長期的な企業価値向上に繋がる指標であると考えているため選択しています。
(ⅲ)当該報酬の額の決定方法
当社は対象取締役等に対して、対象取締役等の役位に応じた基準ポイントに対して上記指標の計画達成度に応じて0%~200%の業績連動係数を乗じることにより、業績連動ポイントを算出し、当該ポイントを毎年付与、累積加算します。原則として累積したポイント数に相当する株式数が対象期間終了後の7月に対象取締役等に交付されます。ただし、対象期間中に非居住者になる場合や死亡した場合、任期満了により退任した場合等はこの限りではありません。
3)当事業年度に係る監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると 取締役会が判断した理由
取締役の個人別の報酬等の内容決定に当たっては、報酬委員会が原案について決定方針との整合性を含め総合的に検討を行っており、取締役会としてもその答申内容を尊重した上で審議・決定を行っているため、決定方針に沿うものであると判断しています。
②役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定に関与する委員会
1)委員会の名称:報酬委員会
2)報酬委員会で議論された主な内容
2025年5月、6月、2026年1月、2月、3月に開催し、次の内容について議論しています。
・監査等委員ではない取締役及び執行役員等の報酬体系及び報酬決定の方針
・監査等委員でない取締役、執行役員報酬の内容
③役員の報酬等に関する株主総会の決議年月日及び当該決議の内容
1)監査等委員でない取締役等
(注)上記株式数は、2024年10月1日付で実施した株式分割(1株を2株に分割)後の株式数で表示しています。
2)監査等委員である取締役
④提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)1.金銭報酬は、固定報酬と変動報酬で構成されています。
2.当該事業年度に支給された報酬は、従前の役員報酬制度に基づき、固定報酬は役位に基づき決定、変動報酬は2024年度の連結売上高・連結営業利益の計画達成度・役員の業績等を考慮し、決定したものです。2026年3月13日開催の取締役会及び監査等委員会において設置を決定した役員責任調査委員会の結論と整合性を保って、必要な法的措置を講じます。
3.社外取締役は、その独立性を確保するため固定報酬のみとしています。
4.上記には、当該事業年度中に退任又は辞任した次の取締役を含んでおります。
・2025年6月20日開催の第52期定時株主総会終結の時をもって退任した村上和也氏
・2025年12月19日付で辞任した永守重信氏
・2026年3月3日付で辞任した小部博志氏
5.2026年6月18日開催の第53期定時株主総会をもって退任した取締役7名(落合裕之氏、佐藤慎一氏、小松弥生氏、酒井貴子氏、山田文氏、豊島ひろ江氏、梅田邦夫氏)及び2026年9月29日付で辞任した岸田光哉氏については、当事業年度末現在において在任しているため、上記表中の「対象となる役員の員数」に含まれております。
6.2018年6月20日開催の第45期定時株主総会において、業績連動型株式報酬制度の導入を決議されています。上記は日本基準により当事業年度に費用計上した金額を記載しています。なお、社外取締役は制度の対象外となっています。
7.上記の業績連動型株式報酬の金額には、役員責任調査委員会の調査対象となっている役員に係る引当額が含まれます。当該報酬の具体的な支払い及びその内容については、同委員会の調査結果並びにそれに基づく当社の判断を踏まえ、今後慎重に検討・決定する予定であるため、現時点で支払いが確定したものではありません。
(5)【株式の保有状況】
①投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、次のとおりとしています。
純投資目的:専ら株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的とするもの。
純投資目的以外:貸借対照表に計上されている投資有価証券に該当する株式のうち、保有目的が「純投資目的以外の目的」であるもの。
②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
1)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
政策保有株式に関する方針
当社は事業上やその他分野で取引・協力関係にある企業と将来にわたり取引・協力関係の維持・強化を図ることで中長期的な観点から事業の安定化等を通じ当社の企業価値向上に資すると期待される株式を保有しています。なお、個々の政策保有株式については、毎年取締役会において、保有目的等の定性面に加え、保有に伴う便益等を経済合理性の観点から定量的に検証し、保有の意義が希薄と考えられる株式については縮減を図っています。
2)銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
3)特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
③保有目的が純投資目的である投資株式
④当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの
該当事項はありません。
5【従業員の状況等】
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
①人材戦略
当社は、人的資本を当社グループの第2創業期における成長戦略の礎として位置付けています。過年度において、複数の国内外の連結子会社を含むグループ内で、不適切な会計処理及び貿易取引上の問題が発生したことに起因する一連の事態を受け、企業再生を推進していくうえで「Re-Definition宣言」を発表し、「ガバナンス強化」「人材育成」「企業風土改革」に重点をおいて人的資本拡充に向けて取り組みを進めています。
(注)人的資本に関する以下の指標については、特に記載がない限りニデック(株)の数値(2026年3月末時点)を掲載し、小数点第2位を四捨五入しています。なお、過年度掲載していた一部の指標については、当社ウェブサイト等を通じて速やかに開示する予定です。また、2026年度以降の目標値については、事業戦略とのシナジーを考慮したうえで検討を進めています。
<ガバナンスの強化>
人的資本経営の強固な基盤を構築するうえで、経営陣の監督・執行体制を強化するため、取締役会構成の刷新とあわせ、指名委員会・報酬委員会の機能と実効性を抜本的に見直し、グローバル統一の公正かつ透明性の高い役員ガバナンスを推進しています。
1)「取締役構成の見直し」
企業再生に向けたガバナンス改革を推進するうえで、経営の透明性・客観性を高め、実効性のある監督体制を再構築するため、取締役会の構成を全面的に刷新しました。(2025年度に新取締役体制の構成・指名プロセスを検討・審議し、2026年6月18日開催の第53期定時株主総会付にて選任)当社の取締役会は12名(社外取締役10名、社内取締役2名)で構成しております。取締役会の機能を実効的に発揮できるよう、上場企業の経営経験者や会計専門家を含む社外の人材を中心に多様な候補者を選任し、経営陣からの独立性を強化した取締役会を構築しております。幅広い多様な分野における知識・経験、市場規律の尊重、ステークホルダーとの対話の重視、高い企業倫理・コンプライアンス意識を備えた人材によるバランスの取れた構成、また、国際的な知見や経験を有した者や女性の取締役を選任し、国際性やジェンダーを含む多様性の確保にも配慮しております。
2)「指名委員会・報酬委員会の実効性の強化」
当社では、取締役会の諮問機関として「報酬委員会(2021年2月~)」「指名委員会(2022年11月~)」を設置しています。両委員会はすべて独立社外取締役にて構成しています。グローバルでの競争力強化と事業を通じた社会課題の解決による持続的な企業価値向上を目的として、取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準・候補者案の決定等や役員報酬に関して、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることで、公正性・透明性・客観性を担保し、当社のコーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ることを目指しています。
(ⅰ)「指名委員会」では、取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準及び社長をはじめとする重要ポジションのサクセッションプラン等を審議しています。2025年度については、指名委員会の審議対象ポジションを見直すとともに、取締役・執行役員の選任及び解任基準の改定を行いました。具体的には、過去のパフォーマンスを重視した従来の選任基準から、高い倫理観とコンプライアンス意識、組織構築と人材育成を通じたリーダーシップ、将来を見据えた戦略立案・実行等の観点を重視した基準とし、当社グローバル経営幹部及び国内グループ会社CEOにも適用されるよう、適用範囲の拡大を行っています。また、選任プロセスとして、指名委員の面談のほか、過去の懲罰歴等のコンプライアンスチェック、および社内候補人材については外部アセスメント結果等の多角的な情報も踏まえて、指名委員会にて複数回にわたって慎重に審議を重ね、取締役・執行役員を選任しました。(2026年6月18日定時株主総会時点)
(ⅱ)「報酬委員会」では、役員の報酬に係る報酬決定方針の策定、報酬制度の設計(業績目標の設定、業績連動報酬の合理性、報酬構成の妥当性、報酬制度に基づく個別報酬額)等を審議しています。2025年度については、報酬委員会の審議対象ポジションを見直すとともに、役員報酬評価基準の見直しを行いました。具体的には、短期業績への偏重を是正すべく、STI(短期インセンティブ)において売上・営業利益・FCF(フリーキャッシュフロー)に加え、非財務要素を組み入れた新たな評価基準を策定し、当社グローバル経営幹部及び国内グループ会社CEOにも適用されるよう、グローバル統一の報酬体系としての拡大を行っています。また、報酬決定プロセスとして、会社の経営状況や各種ベンチマークデータ等の適時適切な情報提供を通じて報酬委員の関与を大幅に強化し、主体的かつ慎重な審議を重ねることで、グループ全体における報酬決定の透明性と公正性を確保しました。
当社グループのグローバルでの競争力強化と事業の持続的な成長・発展につなげるべく、取締役・執行役員のマネジメントの観点からもグループ経営・グループガバナンスをより一層強化していきます。
<人材育成>
当社の持続的成長と企業変革を牽引する人材の育成に向け、多様性を生かした多層的な人材開発を展開しています。地域や事業の枠を超えて、次世代の経営幹部候補の発掘・育成・登用を通じて人材パイプラインを強化するとともに、日本地域を中心とした全社員の階層別の育成支援に取り組み、自律的に学び、挑戦し続ける人材の育成と組織能力の最大化を図っています。
1)「次世代経営幹部候補の発掘・育成・登用」
当社グループが持続的な成長を遂げる上で、安定した経営継承および経営幹部人材のパイプライン確立を最重要課題と位置付けています。これまでもグループ全体の重要ポストの可視化を進めるとともに、実践的なタフアサインメントや幹部候補者向け研修の機会を通じた戦略的な早期開発に取り組んできました。
特に2024年度からは、事業や地域の枠を超えてグループ内の人事責任者が集結する「グローバル人事戦略コミッティ」を発足させました。現在はグローバル人事組織としての運営に移行しておりますが、同コミッティの取り組みを通じて、組織や地域を問わず、グループ全体における次世代リーダー候補人材の把握・可視化を強力に推進しました。この取り組みが実を結び、2025年4月1日には将来の役員候補を明確化し計画的に育成していく「理事制度」を新設、同コミッティで発掘・可視化された人材を中心に当時11名を理事に任命しました。さらに、2026年4月1日時点でこのうち5名(うち外国籍3名)が新たに役員へ登用されました。一連のプロセスにより、グローバルで多様な人材が着実に経営中枢へと登用される実績が生まれています。
さらに2026年度以降は、新役員体制のもとで理事制度の位置づけを再整理するとともに、グローバル含めた当社の役員が集まって次世代の経営幹部候補の特定、及び育成のあり方について議論を重ね、役員自らが次世代人材の育成を進めていくプロセスに着手しています。また、育成メニューの一つである幹部研修においても、従来実施してきた「グローバル経営大学校」や各事業本部が独自に実施してきた幹部研修を全面的に見直し、既存の研修で得た知見や枠組みを活用しながらグローバルレベル、地域レベルで幹部研修を整備し、グループ一体での幹部研修体系の構築を進めています。
今後も、適時適切なサクセッションプランの運用と、内部人材の計画的な開発・登用を基本としつつ、多様な視点と高度なマネジメント力を備えた経営体制の構築を強力に推進していきます。
2)「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の開発」(日本地域を中心とした取り組み)
当社グループでは、個々の社員の特性を理解し、尊重することで、社員各々の専門性が発揮され、グループ全体の業績向上及び将来のリーダーを担う人材の候補者開発に繋がると考えています。そのため、様々な人材開発施策を通じて、社員が自律的に成長するために学習意欲を高めることや、個々人のニーズに合うよう幅広く学習機会を提供することを目指しています。今後も、キャリアの状態に応じた次の役割別の研修機会、及び個別の学習ニーズに合わせた開発施策・機会の提供に注力します。
(ⅰ)管理職層に対しては、自己のリーダーとしての強み、弱みを洗い出すための研修を実施しています。研修の結果として作成される個人別のフィードバックレポートを本人及び上司にも共有し、OJTに活用できるようにしています。
(ⅱ)担当者層においては、新卒入社者に対して約2年間の若手育成プログラムを実施し、実務遂行力やビジネスパーソンとしての基礎的な力を養成するための各種研修を実施しています。このプログラム期間は、研修だけでなく、職場にて具体的な開発計画を立て、OJTにより現場での経験を通じた人材開発にも取り組んでいます。
(ⅲ)階層別に各種研修の機会を提供するほか、キャリア開発支援(上司・若手向けキャリア研修やキャリアプランシート、定期的な1on1ミーティング等)を通じて、各個人が学習意欲を高めるための内省を促進する機会を設けています。
(ⅳ)社員全般に対しては、社員個人が自らの学習ニーズに沿った通信教育(修了者への補助あり)等を受講できるスキルアップ支援プログラムを用意しており、個々人の能力向上、リスキリングの促進にも取り組んでいます。
(注)キャリア意識:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたは、キャリアの方向性を描いていますか?」の設問に対し、5段階評価のうち「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合
2025年度の主な研修の事例
(注)1.新入社員研修:学生から社会人への切り替えと、社会人に必要な知識・スキルを学びながら、マインドセットを行う。
2.若手育成プログラム:新卒入社後の2年間で、計5回の研修とeラーニングを通して社会人基礎力の理解を深め、職場での課題解決を通してこれらの定着を図る。
3.技術者レベルアップ教育:業務に直接必要なモータに関する要素(メカ、磁気、電気・電子、制御等)に加え、品質向上、原価低減、短納期開発による利益貢献につながる幅広い知 識の習得を図る。
4.MOT研修:技術に基づいた新規ビジネスを立ち上げるために必要な考え方やマーケティング・戦略立案の方法を学ぶ。
5.システムズエンジニアリング研修:製品のモジュール化、システム化に対応するための設計手法や組織運営などを学び、新規ビジネス、事業をリードするための手法を身につける。
<企業風土改革と社員エンゲージメントの向上>
企業再生に向けた抜本的な改革を断行するうえで、過去の短期利益最優先や「もの言えぬ風土」からの完全な脱却を図り、「必ず正しく」行動することを最優先とする新たな企業風土の再構築が不可欠です。当社では、変革の方向性として「風土」「制度」「プロセス」を見直して正しい仕組みを再構築し、「必ず正しく」行動することを最優先にする企業を目指します。社員一人ひとりが健全な倫理観とコンプライアンス意識を胸に、率直な意見表明や問題提起を臆することなく行える、オープンで透明性の高い組織風土を実現し、社員と会社のエンゲージメント向上に繋がるよう、多面的な施策を展開しています。

1) 企業風土改革の推進組織の設立と双方向コミュニケーションの創出
(ⅰ)企業風土変革を戦略的かつ機動的に推進するため、2026年2月1日付で最高人事責任者(CHRO)直下に専任組織「Culture Transformation Lab(カルチャー・トランスフォーメーション・ラボ)」(以降、Lab)を設立しました。双方向の対話や、透明性のある自由闊達なコミュニケーション風土の醸成を目指して、同組織が牽引役となり、社員自身の主体的な参画を重視した様々な取り組みを行っています。具体的には、社員・労働組合組織からの意見を確実に経営層へ伝達し、迅速に施策へ反映する体制を構築しています。社員からの意見や対応状況は社内ポータルサイト上で公開して透明性を担保し、社員の声によって当社が変化していく様子を実感できるよう、着実に実績を積み重ねています。
(ⅱ)経営トップ自らが国内外の各拠点を訪問し、変革の意思を伝えるとともに現場社員とともに対等な立場で意見交換を行う「タウンホールミーティング」を定期開催しています。毎月当社グループ全拠点を繋いだ全体会同を実施し、会社状況や経営方針の共有、および社内ポータルサイトに設置された「意見箱」の主要な意見について経営トップ自らが回答するなど、経営層と社員の双方向コミュニケーション機会を強化しています。
(ⅲ)当社の社員代表組織である親睦会との間には、双方向での情報共有・意見交換の場として月1回定例会、および年2回社員満足向上委員会を開催し、社員にとって働き甲斐のある職場環境について親睦会と会社が定期的な議論を交わしています。さらに、Lab主催による「ワークショップ」や「拠点インタビュー」を当社グループ主要拠点で順次開催し、トップダウンに偏らない双方向の対話の場を創出しています。(2026年9月末時点で、当社を含む国内グループ会社15社、海外28拠点においてワークショップ及びインタビューを実施。)ワークショップ等で抽出された課題や意見は各拠点長や経営層に適切に共有し、改善のアクションに繋がるように働きかけを行っています。
2) コンプライアンス遵守評価制度の見直し・研修の強化
企業再生に向けて、全社員がコンプライアンス遵守を徹底し、中長期的な企業価値向上や人材の成長に資する行動が習慣化するよう、人事制度や社員研修を通じた取り組みを強化しています。
(ⅰ)2026年度から日本地域の評価制度の見直しを行い、短期業績に偏重しがちな企業風土を是正するため、コンプライアンスの観点・中長期的な人材育成やプロセスを評価する観点を重視し、従来の評価項目に「組織マネジメント(人材育成・能力開発・組織開発)」を管理職の目標設定項目として新設しました。さらに「短期的な成果」だけでなく「将来につながるプロセスや仕組み」「人材強化」「正しい行動」を正当に評価に組み込むことで、社員と組織の健全な成長に資する評価制度へと改定しました。
(ⅱ)コンプライアンス遵守の風土醸成に向けて、全社員が「正しい行動」をとるための共通の知識を習得し、体現していくため、コンプライアンス教育を2025年度に再構築しました。執行役員、管理職、中途入社者等の階層別の研修のほか、品質、購買、営業、貿易コンプライアンス等の機能別コンテンツや社内ルール等の知識も含めて、当社グループの企業運営において重要なコンプライアンスルールを理解するための教育ラインナップを整備しました。今後は、全社員が本コンプライアンス研修の受講・理解を徹底し、実際の行動で体現できるよう一連のプロセスを着実に推進していきます。
3)組織パフォーマンスサーベイの活用と現場主導による職場環境改善
日本地域の全社員を対象とした「組織パフォーマンスサーベイ」を継続的に実施し、職場のエンゲージメント、心理的安全性、コンプライアンス意識の浸透度などを定量的に把握・分析しています。 サーベイ結果を踏まえ、各職場において課題や目指すべき姿を本音で話し合う「職場ワークショップ」を開催しています。これにより、各組織が自律的に課題を特定し、現場主導で具体的な職場環境・風土の改善アクションを継続実行するサイクルを定着させています。今後は、日本地域だけでなくグローバル全体での社員エンゲージメントの状況を可視化し、会社全体での取り組みとなるようスコープを拡大していきます。
(注)1.ビジョンの浸透度:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたの職場では、会社の経営理念やビジョンが共感されていますか?」の設問に対し、5段階評価のうち「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合
2.連携・コミュニケーション:「組織パフォーマンスサーベイ」における、連携やコミュニケーションに関する合計30設問の5段階評価の平均点
3.エンゲージメント:「組織パフォーマンスサーベイ」における、エンゲージメントに関する合計19設問の5段階評価の平均点
2025年度目標に掲げていた「ビジョンの浸透度」については達成できませんでした。今後の対応として、会社の存在意義を明確にする「パーパス」の策定に向けて取り組みを進めております。パーパス策定のプロセスや策定後の取り組みを通じて、改めて社員一人ひとりが当社グループで働く意味や理由を見つめ直すとともに、企業活動とパーパスを結び付けながら社員コミュニケーションに努めることで、ビジョンの浸透促進を図ります。
4)ダイバーシティ&インクルージョン
当社グループは、世界40か国以上に拠点を持つグローバル企業として成長をし続けています。国を跨いだ社員の往来、交流を行っていますが、多様性のあることが当たり前な組織(職場)・労働環境の整備を進めることで、世界情勢・市場の変化に対しても迅速に対応できる組織・人材となることを目指しています。
(ⅰ)多様な社員の活躍を促進し、組織全体で新たな価値を創造していく上で、属性を問わず実績を評価する組織風土をはじめ、柔軟な働き方や多様性を受け入れる組織整備を進めています。
(a)2005年頃からダイバーシティ推進に取り組み、各種制度拡充やキャリア支援等を行っています。その結果、育児休暇からの復帰率向上や女性の管理職、管理職候補層の増加、男性の育児参画度の向上等が成果として出ています。また、女性社員を中心に、働き方やキャリア等をテーマにしたワークショップや、当社グループの海外事業所の現地幹部社員も含めたメンターとのメンタリング等を実施しており、集中的にキャリア開発支援、動機付けを行っています。当社では今後も女性活躍推進を重要課題と位置づけ、女性管理職比率について、当社では2025年度で9.4%(女性従業員比率20.8%)となっており、2025年度目標として掲げていた9%を達成しました。
(b)LGBTQ社員に対する取り組みとして、当社の就業規則では、性差・性的指向・性自認等に関係なく人格を尊重し、互いに一致協力することを明文化しており、その一環として配偶者に適用される人事規程を同性パートナーにも適用しています。
(c)外国籍の執行役員5名(2026年6月18日の当社定時株主総会時点)を登用しており、採用においては国籍関係なく採用を推進し、留学生の採用数は年々増加傾向となっています。性別だけでなく、国籍をはじめとした個人の属性や価値観にかかわらず人材が活躍できる会社を目指して働き方の柔軟性の確保に努めています。
(注)日本地域の育児休業に関する指標は2024年度から集計を開始しています。
(ⅱ)当社の持続的な成長を実現するに当たり、社員の健康と働き甲斐を重要な源泉と位置づけ、多様な人材が活躍できる職場づくりと、社員が長く活躍できる持続可能な働き方が不可欠であるという考え方に基づき、健康経営に取り組んでいます。生産性向上の観点では、心身の健康を維持・増進することで、欠勤や休職等による損失の最小化や健康問題によるパフォーマンス低下の防止を図っています。健康上の高リスク者への対策として、健康診断結果に応じた個別保健指導の実施や精密検査受診勧奨等を効果的に実施するほか、傷病の発生予防として、当社産業医・保健師によるオンラインセミナーの実施により社員の健康リテラシーを高めると共に、敷地内完全禁煙の実施や運動習慣の推奨を通じて社員の行動変容を図っています。メンタルヘルス対策として、ストレスチェック実施後集団分析等、フォロー強化を進めています。加えて、労働安全の観点から、管理職を含む従業員の労働時間を管理し、長時間労働に伴う健康障害発生リスクの抑制に努めています。
(注)1.欠勤率、性別ごとの月平均残業時間については2024年度から集計を開始しています。
2.2024年度は健康増進プログラムの内容及び集計方法を変更したことに起因して実績値が低下しています。
(ⅲ)多様な人材が活躍する上で、安全・安心な職場づくりが必要不可欠と考え、労働災害の防止の取り組みやコンプライアンス体制の整備にも努めています。
(a)当社グループ全拠点において社員の安全確保を最優先の課題と位置づけ、国内事業所では安全確保に向けた施策を審議する安全衛生委員会を組織しています。
(b)諸法令・規則、社内規則・基準、社会倫理規範等の遵守やそのための従業員教育を徹底することにより、役員及び従業員の倫理意識を高め、安全で良好な職場環境づくりを進めるべく、役員・社員を対象とした研修等をはじめとしたコンプライアンス活動を継続的に実施しています。また、当社グループ全ての取締役・役員・従業員が利用できる内部通報窓口及び外部に第三者窓口を設置し、誰もが安心できる職場環境づくりに努めています。
②従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針
従業員の報酬については、外部市場水準を踏まえ、必要に応じたベースアップ等により競争力のある処遇を目指しています。報酬は主として月例給与及び業績連動賞与で構成され、会社業績と個人業績の双方を反映して決定されます。
(2)【従業員の状況】
①連結会社の状況
(注)従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。
②提出会社の状況
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。
2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでいます。
③労働組合の状況
当社及び当社の連結子会社(以下、「NIDEC」)のうち、一部の連結子会社において労働組合が結成されています。
労使関係については良好であり、特記すべき事項はありません。
④管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
1)提出会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3.パート・有期労働者には定年後再雇用の社員を含んでいます。
当社はジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入しており、年齢に関わらず「職責・職務(責任)の大きさ」、「成果」に応じて処遇を行っています。
2)国内連結子会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
第5【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成に関わる前提について
当社は、2025年9月3日に第三者委員会を設置し、第三者委員会より2026年2月27日に調査報告書を受領し、同年4月17日に最終報告としての調査報告書(追補)を受領しました。調査報告書では、当社及びグループ会社の多岐にわたる拠点で経営者の関与又は認識のもとにおいて、売上の早期計上、引当金の過少計上、棚卸資産の過大計上や固定資産の減損回避およびコストの資産計上といった不適切な会計処理が行われた旨が記載されております。さらに調査報告書では、当社及びグループ会社の経営者又は経理担当者が、会計監査人の同意を得るために、会計監査人に対して、不正確又は誤解を招く情報を提供したり、関連文書を隠蔽したり、改ざんされた記録を提供したりしていたことが確認されております。なお、第三者委員会が特定した事実に基づく不適切な会計処理等は、連結財務諸表及び財務諸表において修正されています。
しかしながら、当社及びグループ会社において、不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部を特定し、適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置を進めているものの、その一部は完了しておりません。その結果、不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部は、現時点においてもなお、当社及びグループ会社の財務報告プロセスにおいて責任ある立場を担っております。
第三者委員会の調査報告書において識別された事項は、相当な期間にわたり統制環境に内部統制の重要な不備があることを示しており、経営者による内部統制の無効化リスクが十分に軽減されていないことを含め、財務報告に係る当社のガバナンス及び統制環境が有効に機能しているかについて、重大な懸念を生じさせております。また、この状況は、不適切な会計処理等に関与した役職員が提出した、又は当該役職員が回答又は作成、又はレビューし、会計監査人に対して提出した記録、資料及び情報等の信頼性並びに会計監査人に対する経営者からの陳述の信頼性にも影響を及ぼしております。
不適切な会計処理等に関与した役職員の適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置が行われているものの、人事的是正措置の一部が完了しておらず、また、後任者についても財務報告に係る責任を引き継いだうえでその職責を適切に遂行していることが十分に確認できていないことから、未発見の虚偽表示が連結財務諸表及び財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性がありますが、その影響を反映させる場合における連結財務諸表項目、財務諸表項目及び金額並びに注記が明らかでないため連結財務諸表及び財務諸表には反映しておりません。
これらの詳細につきましては、連結財務諸表の「連結財務諸表注記(コーポレート・ガバナンスに関する当社の是正状況について)、及び、財務諸表の「注記事項(コーポレート・ガバナンスに関する当社の是正状況について)」に記載しております。
2.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS会計基準」)に準拠して作成しています。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
3.比較情報の修正再表示について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 43.追加情報(不適切な会計処理等について)」並びに「注記事項 (追加情報)(不適切な会計処理等について)」に記載のとおり、当社は2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置し、第三者委員会より2026年2月27日に調査報告書、同年4月17日に、最終報告としての調査報告書(追補)を受領しました。また、当社は品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査や貿易取引及び関税に係る諸問題等の社内調査等を実施しました。調査報告書において、当社及び当社グループ会社において多岐にわたる拠点で不正及び誤謬による多数の不適切な会計処理が指摘されており、当社は、自己点検の結果を含む第三者委員会の最終報告を踏まえ、過年度において重要性の観点から訂正を行っていなかった事項や調査の過程で追加的に判明した事項に関連する誤謬の訂正も含め、これらの不適切な会計処理等に伴う虚偽表示を遡って修正再表示しております。
以下の前連結会計年度の連結財務諸表及び前事業年度の財務諸表はこれらを反映した修正再表示後の数値を記載しております。
4.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、PwC Japan有限責任監査法人による監査を受けています。
5.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。その内容は、具体的には次のとおりです。
(1)会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、セミナー等へ参加することを含め、社内における専門知識の蓄積に努めています。
(2)IFRS会計基準に基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRS会計基準に準拠したグループ会計方針を作成し、これに基づき会計処理を行っています。グループ会計方針は、国際会計基準審議会(IASB)が公表するプレスリリース及び基準書を随時入手し、最新の基準についての情報の把握並びに当社への影響の検討を行い、適時適切に内容を更新しています。
1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
(コーポレート・ガバナンスに関する当社の是正状況について)
連結財務諸表注記43.追加情報(不適切な会計処理等について)「(1)第三者委員会による調査について」に記載しているとおり、当社は、2025年9月3日に第三者委員会を設置し、第三者委員会より2026年2月27日に調査報告書を受領し、同年4月17日に最終報告としての調査報告書(追補)を受領しました。調査報告書においては、当社及びグループ会社の多岐にわたる拠点で経営者の関与又は認識のもとにおいて、売上の早期計上、引当金の過少計上、棚卸資産の過大計上や固定資産の減損回避およびコストの資産計上といった不適切な会計処理が行われた旨が記載されております。さらに調査報告書では、当社及びグループ会社の経営者又は経理担当者が、会計監査人の同意を得るために、会計監査人に対して、不正確又は誤解を招く情報を提供したり、関連文書を隠蔽したり、改ざんされた記録を提供したりしていたことが確認されております。なお、第三者委員会が特定した事実に基づく不適切な会計処理等は、連結財務諸表において修正しております。
また、同注記「(2)品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査について」に記載しているとおり、当社は、品質管理に関する不適切行為の疑義に係る調査を完了し、複数の生産拠点において試験・検査記録の偽造、不適合材料の無許可使用が識別されております。さらに、同注記「(3)その他の社内調査等について」に記載しているとおり、当社は、貿易取引及び関税に係る諸問題等の調査を完了し、輸入取引に関する関税の過少申告等が識別されております。なお、これらの関連する費用、負債及び注記は、連結財務諸表において修正しております。
しかしながら、当社及びグループ会社において、同注記(1)ないし(3)に記載している不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部を特定し、適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置を進めているものの、その一部は完了しておりません。その結果、不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部は、現時点においてもなお、当社及びグループ会社の財務報告プロセスにおいて責任ある立場を担っております。
第三者委員会の調査報告書において識別された事項は、相当な期間にわたり統制環境に内部統制の重要な不備があることを示しており、経営者による内部統制の無効化リスクが十分に軽減されていないことを含め、財務報告に係る当社のガバナンス及び統制環境が有効に機能しているかについて、重大な懸念を生じさせております。また、この状況は、不適切な会計処理等に関与した役職員が提出した、又は当該役職員が回答又は作成、又はレビューし、会計監査人に対して提出した記録、資料及び情報等の信頼性並びに会計監査人に対する経営者からの陳述の信頼性にも影響を及ぼしております。
不適切な会計処理等に関与した役職員の適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置が行われているものの、人事的是正措置の一部が完了しておらず、また、後任者についても財務報告に係る責任を引き継いだうえでその職責を適切に遂行していることが十分に確認できていないことから、未発見の虚偽表示が連結財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性がありますが、その影響を反映させる場合における連結財務諸表項目及び金額並びに注記が明らかでないため連結財務諸表には反映しておりません。
1.報告企業
ニデック㈱(以下、「当社」)は日本に所在する株式会社であり、東京証券取引所に株式を上場しています。登記されている当社の本社及び主要な事業所の住所は、ホームページ(https://www.nidec.com/jp/)で開示しています。
連結財務諸表は、2026年3月31日を期末日とし、当社及び当社の連結子会社(以下、「NIDEC」)並びにNIDECの関連会社に対する持分により構成されています。NIDECは、主に以下の製品の設計、開発、生産及び販売に従事しています。
①精密小型モータ(HDD用モータ、ブラシレスモータ、ファンモータ、振動モータ、ブラシ付モータ、水冷モジュール、モータ応用製品等)
②車載(車載用モータ、自動車部品、トラクションモータシステム)
③家電・商業・産業用(家電・商業・産業用モータ及び関連製品)
④機器装置(産業用ロボット、カードリーダ、検査装置、プレス機器、変減速機、工作機械等)
⑤電子・光学部品(スイッチ、センサ、レンズユニット、カメラシャッター等)
⑥その他(オルゴール、サービス等)
2.作成の基礎
(1)連結財務諸表がIFRS会計基準に準拠している旨の記載
NIDECの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、IFRS会計基準に準拠して作成しています。
(2)測定の基礎
連結財務諸表は、注記「3.重要性のある会計方針」で記載のとおり、デリバティブ金融商品、退職後給付における確定給付制度の制度資産及び公正価値で測定する金融商品等の一部の資産及び負債を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3)表示通貨及び単位
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈の無い限り、百万円未満を四捨五入して表示しています。
(4)会計方針の変更
(交換可能性の欠如-IAS第21号の修正)
当社グループは当連結会計年度よりIAS第21号「外国為替レートの変動」(2023年8月公表)を適用しています。
ただし、上記の基準書の適用による当社グループの連結財務諸表に与える重要な影響はありません。
(5)未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている基準書及び解釈指針の新設又は改訂のうち、NIDECが早期適用していない主なものは次のとおりです。新しいIFRS会計基準適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
3.重要性のある会計方針
適用する重要性のある会計方針は、連結財務諸表に記載されている全ての期間に適用しています。
(1)連結の基礎
この連結財務諸表は、NIDECの財務諸表並びに関連会社の持分相当額を含んでいます。
①子会社
子会社とは、NIDECにより支配されている企業をいいます。企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合、NIDECはその企業を支配していると判断しています。子会社の財務諸表は、NIDECがその子会社に対する支配を獲得した日から当該支配を喪失する日まで連結の対象に含めています。
子会社が適用する会計方針がNIDECの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っています。
当社グループ内の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
NIDECは子会社株式の追加購入又は一部売却を行うことがあります。支配が継続する子会社に対するNIDECの持分変動は、資本取引として会計処理しています。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益で認識しています。
②非支配持分
連結子会社の非支配持分は、NIDECの持分とは別個に識別されています。非支配持分は、当初の企業結合日での持分額及び企業結合日からの非支配持分の変動から構成されています。包括利益は非支配持分が負となる場合であっても親会社の所有者と非支配持分に帰属させています。
③関連会社
関連会社とは、NIDECがその企業の財務及び経営方針に対して重要な影響力を行使する能力を有しているものの、支配していない企業をいいます。
関連会社については、NIDECが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって処理しています。当該投資には、取得時に認識したのれんが含まれています。
(2)企業結合
企業結合は支配獲得日に取得法によって会計処理しています。取得関連費用は発生時に純損益として処理されます。企業結合において取得した識別可能資産、並びに引き受けた負債及び偶発負債は、取得日の公正価値で測定されます。
移転された対価、被取得企業の非支配持分、及び段階取得の場合にはNIDECが以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日における公正価値の合計額が、取得した識別可能な純資産の公正価値を超過する額は、のれんとして計上されます。割安購入により、この金額が取得した被取得企業の識別可能な純資産の公正価値を下回る場合、差額は連結損益計算書で直ちに純損益として直接認識されます。
非支配持分は、NIDECの持分とは別個に識別されます。被取得企業に対する非支配持分の測定については、以下のいずれかを個々の企業結合取引ごとに選択しています。
①非支配持分を公正価値で測定
②被取得企業の識別可能な資産・引受負債の純額に対する非支配持分の比例割合で測定
企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、暫定的な金額で会計処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、暫定的な金額の遡及修正を行います。
NIDECと非支配持分の所有者との間で行われる子会社持分取引について、子会社に対する支配の喪失を伴わない場合には、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額を資本剰余金に計上し、のれん、又は利得及び損失としては計上していません。
(3)外貨換算
①機能通貨
NIDECグループ内の各企業はそれぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しています。
②取引及び残高
外貨建取引は、取引日の為替レート、又は、それに近似する為替レートにより機能通貨に換算されます。取引の決済並びに外貨建貨幣性資産及び負債の期末日の為替レート、公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債の当該公正価値の算定日の為替レートによる換算から生ずる為替差損益は、有効なキャッシュ・フロー・ヘッジとして資本で繰延べられる場合を除き、連結損益計算書の純損益で認識しています。
③在外営業活動体
在外子会社及び関連会社の財務諸表項目の換算については、資産及び負債を決算日の為替相場により円貨に換算し、収益及び費用を為替相場が著しく変動している場合を除き、期中平均相場により円貨に換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しています。在外営業活動体を処分し、支配又は重要な影響力を喪失する場合には、この営業活動体に関連する為替換算差額の累積金額を、処分に係る利得又は損失の一部として純損益で認識しています。
(4)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、現金、随時引き出し可能な預金及び取得日から3ヶ月以内に満期の到来する流動性の高い投資で、表示された金額に換金可能であり、かつ、満期まで短期間であるため、金利の変化による価値変動が僅少なものから構成されています。NIDECの資金の効率化を高めるため、海外子会社を含めたグループ間のノーショナルプーリングシステムを特定の金融機関と構築しており、特定の金融機関に対する預入総額を上限に参加会社は借入を行っています。当システムは、会計上は単一の会計単位として認識しています。
(5)棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定し、原価の算定に当たっては、平均法を使用しています。ただし、顧客との契約に基づくFA機器等の生産に関連する仕掛設備は個別法を使用しています。また、正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しています。
(6)有形固定資産
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体、除去及び原状回復に関する初期見積費用及び資産計上の要件を満たす借入費用を含めています。
当初取得以降に追加的に発生した支出については、その支出により将来の経済的便益がNIDECに流入する可能性が高く、金額を信頼性をもって測定することができる場合にのみ、当該取得資産の帳簿価額に算入するか個別の資産として認識するかのいずれかにより会計処理しています。他の全ての修繕並びに維持に係る費用は、発生時の費用として処理しています。
取得原価から残存価額を控除した償却可能額は、各資産の見積耐用年数にわたって定額法で減価償却しています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は次のとおりです。
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(7)のれん及び無形資産
①のれん
のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しています。のれんは償却を行わず、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻入は行っていません。
当初認識時における測定については、(2)企業結合 に記載しています。
②無形資産
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
個別に取得した無形資産は当初認識時に取得原価で測定されます。企業結合で取得した無形資産は、無形資産の定義を満たし、識別可能であり、かつ公正価値が信頼性をもって測定できる場合、のれんとは別個に識別され、取得日の公正価値で認識されます。
新しい科学的又は技術的な知識や理解を得るために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用処理しています。
開発活動に対する支出については、次のすべての要件を立証できた場合に限り資産として認識し、その他の支出はすべて発生時に費用として認識しています。
・使用又は売却に利用できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
・無形資産を完成させ、使用するか又は売却するという意図
・無形資産を使用又は売却できる能力
・無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
・無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
・開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力
耐用年数を確定できる無形資産は見積耐用年数に基づき主として定額法で償却しています。主な無形資産の見積耐用年数は次のとおりです。
有限の耐用年数を有する無形資産の見積耐用年数及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
耐用年数を確定できる無形資産について、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しています。耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については、償却せず、年1回(1月1日)の減損テストを行うほか減損の可能性を示す事象が発生又は状況が変化した時点で減損テストを行います。
(8)リース
契約の開始時に特定された資産の使用を支配する権利が一定期間にわたって対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しています。
①借手
契約がリースであるか又はリースを含んでいる場合、リース開始日において使用権資産及びリース負債を連結財政状態計算書に計上しています。
使用権資産の測定においては、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除し、リース負債の再測定について調整した金額で表示しています。取得原価には、リース負債の当初測定の金額、リース開始日以前に支払ったリース料、当初直接コストを含めています。使用権資産は、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い期間にわたって、定額法で減価償却を行っています。当社グループが借手として購入オプションを行使することが合理的に確実である場合には、原資産の耐用年数にわたって使用権資産を償却しています。
リース負債は、リース開始日における未決済リース料の割引現在価値として当初測定しており、リースの計算利子率(当該利子率が容易に算定できる場合)又は当社グループの追加借入利子率を用いて割り引かれます。
リース期間はリースの解約不能期間にリース期間を延長するオプション及び解約するオプションを考慮し決定しています。なお、リース期間が12ヶ月以内のリース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産とリース負債を認識せず、リース期間にわたり定額法により費用として認識しています。
②貸手
当該リース取引のうち、所有に伴うリスクと経済価値を実質的に全て当社グループから移転しているものはファイナンス・リースに分類し、ファイナンス・リース以外のリースはオペレーティング・リースに分類しています。
ファイナンス・リースについては、正味リース投資未回収額をリース債権(「営業債権及びその他の債権」勘定に表示)として認識し、受取リース料総額をリース債権元本相当部分と利息相当部分とに区分し、受取リース料の利息相当部分への配分額は、利息法により算定しています。
オペレーティング・リースについては、受取リース料をリース期間にわたって純損益にて認識しています。
(9)政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られたときに公正価値で認識しています。
政府補助金が費用項目に関する場合は、当該補助金の金額を関連費用から控除しています。資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しています。
(10)非金融資産の減損
NIDECは各年度において、各資産についての減損の兆候の有無の判定を行い、何らかの兆候が存在する場合又は毎年減損テストが要求されている場合、その資産の回収可能価額を見積っています。のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は、少なくとも年1回、また、減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを行っています。
個々の資産について回収可能価額を見積ることができない場合には、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積っています。開発資産については各開発プロジェクトを資金生成単位としており、開発プロジェクトごとの計画(売上高、原材料費、減価償却費予測を含む)を用いて、回収可能価額を算定しています。
回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定しています。資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産について減損を認識し、回収可能価額まで評価減しています。
また、使用価値の評価における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割引いています。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかについて評価を行っています。そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻し入れています。
(11)金融商品
①当初認識
金融資産は、NIDECが金融商品の契約上の当事者になった時点(取得日)で認識しています。ただし、営業債権及びその他の債権は発生日に当初認識しています。金融負債は、NIDECが発行した負債性金融商品については発行日、その他の金融負債はNIDECが契約の当事者になった時点(取引日)で認識しています。
金融資産及び金融負債は、当初認識時において公正価値で測定しています。金融資産の取得及び金融負債の発行に直接起因する取引コストは、純損益を通じて公正価値で測定する(以下、「FVTPL」)金融資産及びFVTPLの金融負債を除き、当初認識時において、金融資産の公正価値に加算又は金融負債の公正価値から減算しています。なお、NIDECは現在、FVTPLの非デリバティブ金融負債は保有していません。FVTPLの金融資産の取得に直接起因する取引コストは純損益で認識しています。
②非デリバティブ金融資産
NIDECは当初認識時に、非デリバティブ金融資産を、償却原価で測定される金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される(以下、「FVTOCI」)金融資産及びFVTPLの金融資産に分類しています。
(償却原価で測定される金融資産)
金融資産は、以下の要件を満たす場合に償却原価で事後測定しています。
・NIDECが、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高に係る利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
償却原価で測定する金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用を含む)で当初認識し、当初認識後は実効金利法を用いて帳簿価額を算定しています。また、償却原価で測定する金融資産に係る利息発生額は連結損益計算書の金融収益に含めて表示しています。
(FVTOCIの金融資産)
1)FVTOCIの負債性金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて保有されている場合
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる場合
FVTOCIの負債性金融資産に係る公正価値の変動額は、減損利得又は減損損失及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止が行われるまで、その他の包括利益として認識しています。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、過去に認識したその他の包括利益は純損益に振り替えています。
2)FVTOCIの資本性金融資産
NIDECは当初認識時に、売買目的以外で保有する資本性金融資産に対して、公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(撤回不能)を行う場合があります。
FVTOCIの資本性金融資産は当初認識後に公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えており、事後的に純損益に振り替えることはありません。ただし、FVTOCIの資本性金融資産からの配当金については、金融収益の一部として純損益で認識しています。
(FVTPLの金融資産)
上記の償却原価で測定する区分の要件を満たさない金融資産のうち、FVTOCIの金融資産を除く金融資産はFVTPLの金融資産に分類されます。資本性金融資産は、NIDECが当初認識時に公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(撤回不能)を行う場合を除き、FVTPLの金融資産に分類されます。
FVTPLの金融資産は当初認識後に公正価値で測定し、その変動を純損益で認識しています。
③償却原価で測定される金融資産の減損
償却原価で測定される金融資産について、毎期末日に予想信用損失に対する損失評価引当金を評価して認識しています。
期末日に、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識後に著しく増大している場合には、予測情報を含めた合理的で裏付け可能な情報を全て考慮して、当該金融商品に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。そのような情報には、特に、以下の指標が組み込まれています。
・外部信用格付(入手可能な範囲)
・事業状況、財務状況又は経済状況の実際の又は予想される不利な変化のうち、借手が債務を履行する能力の著しい変化を生じさせると予想されるもの
・同一の借手の他の金融商品に係る信用リスクの著しい増大
一方、信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
ただし、営業債権については、上記にかかわらず常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
予想信用損失又は戻入れの金額は、減損損失又は減損戻入として、純損益に認識しています。
④非デリバティブ金融資産の認識の中止
NIDECは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、又は、当該金融資産の所有に係るリスク及び便益を実質的に全て移転する取引において、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、当該金融資産の認識を中止しています。移転した金融資産に関してNIDECが創出した、又はNIDECが引き続き保有する持分については、別個の資産・負債として認識しています。
⑤非デリバティブ金融負債の事後測定及び認識の中止
NIDECはデリバティブ以外の金融負債として、営業債務及びその他の債務、並びにその他の金融負債を有しており、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。また、償却原価で測定する金融負債に係る利息発生額は連結損益計算書の金融費用に含めて表示しています。
当該金融負債は義務を履行した場合、もしくは債務が免責、取消し又は失効となった場合に認識を中止しています。
⑥デリバティブ及びヘッジ会計
NIDECは、為替、金利及び商品価格の変動によるリスクを管理するために、先物為替予約、金利スワップ、通貨スワップ、商品先物契約等のデリバティブを利用しています。NIDECはデリバティブを売買目的で保有していません。
デリバティブ取引は公正価値で当初認識し、関連する取引費用は発生時に純損益で認識しています。当初認識後は公正価値で測定し、その変動は基本的に当期の純損益で認識しています。ただし、ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ手段のキャッシュ・フローの変動により相殺される程度を客観的に判定し、ヘッジの有効性があると認められる場合にはヘッジ会計を適用することもあります。
当初にデリバティブをヘッジ指定する時点において、ヘッジ取引に係るヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスクの管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略、及びヘッジ関係の有効性の評価方法、有効性及び非有効性の測定方法は、全て文書化しています。具体的には、以下の項目を全て満たす場合に、ヘッジが有効と判断しています。
・ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること
・信用リスクの影響が、当該経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと
・ヘッジ関係のヘッジ比率が、企業が実際にヘッジしているヘッジ対象の量と企業がヘッジ対象の当該量を実際にヘッジするのに使用しているヘッジ手段の量から生じる比率と同じであること
ヘッジの開始時及び継続期間中に、ヘッジ取引に利用しているデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺する上で有効性があるか否かを評価しています。ヘッジの有効性がないか、又はなくなったと判断した時点で、将来に向かってヘッジ会計を中止します。
キャッシュ・フロー・ヘッジの会計処理は次のとおりです。
デリバティブを、認識済み資産・負債、又は当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、「キャッシュ・フロー・ヘッジ」として、その他の資本の構成要素に含めています。デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ非有効部分は、即時に純損益で認識しています。
キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが当期利益に影響を及ぼす期間と同一期間において、連結包括利益計算書においてその他の包括利益から控除し、ヘッジ対象と同一の項目で当期利益に振り替えられています。ただし、ヘッジ対象である予定取引が非金融資産(棚卸資産、有形固定資産等)もしくは負債の認識を生じさせるものである場合には、それまで資本に繰り延べていた利得又は損失を振り替え、当該資産もしくは負債の測定額に含めています。
ヘッジ会計の要件を満たさない場合、ヘッジ手段が失効、売却、終了又は行使された場合、あるいはヘッジ指定が取り消された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しています。ヘッジ会計を中止した場合、すでにその他の包括利益で認識したキャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、予定取引が当期利益に影響を与えるまで引き続き計上しています。予定取引の発生が予想されなくなった場合は、キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、即時に純損益で認識されます。
(12)法人所得税等
①当期税金
法人所得税費用は、当期税金と繰延税金から構成されています。これらは、直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しています。
報告期間の期末日の未払法人所得税及び未収法人所得税は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。税額の算定に使用する税率及び税法は、決算日までに制定又は実質的に制定されたものです。
その他の包括利益に認識される項目に関する当期税金は、その他の包括利益として認識しており、資本に直接認識される項目に関する当期税金は、資本として直接認識しています。
未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法的強制力のある権利が存在し、かつNIDECが純額により決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合には、未収法人所得税と未払法人所得税は相殺しています。
②繰延税金
繰延税金資産及び繰延税金負債は、帳簿価額と税務上の資産と負債との間の将来調整一時差異に係る税効果において資産負債法により認識されています。繰延税金資産及び繰延税金負債の測定に当たっては、一時差異等が解消されると見込まれる年度における課税所得に適用されると予想される法定実効税率を使用して測定されます。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、各報告期間の期末日ごとに回収可能性について見直しを行い、課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産を減額しています。
また、未認識の繰延税金資産についても各報告期間の期末日でその回収可能性について再検討され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しています。
繰延税金負債は、以下を除き、原則として、全ての将来加算一時差異について認識しています。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上していません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引によって発生する資産及び負債の当初認識から生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予見可能な範囲内に一時差異が解消されない可能性が高い場合
繰延税金資産と繰延税金負債は非流動資産又は非流動負債として表示しています。
また、繰延税金資産及び繰延税金負債は、未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ以下のいずれかの要件を満たす場合のみ相殺しています。
・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、同一の納税主体に対して課された法人所得税に関するものである場合
・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、別々の納税主体に対して課された法人所得税に関するものであり、その納税主体が未収法人所得税と未払法人所得税を純額により決済すること、又は資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合
経済協力開発機構(OECD)によって合意されたグローバル・ミニマム課税のうち、所得合算ルール(IIR)に係る取り扱い(令和5年税制改正「所得税法等の一部を改正する法律」)に基づき、国別に算定された実効税率が基準税率(15%)を下回る場合、国別に集計された純所得(利益)に対する基準税率に至るまでの税額を、最終親会社である当社が日本において申告・納税することとなっています。
なお、本ルールに関連する税法から生じる、法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債の認識及び開示に関する例外規定を適用しており、繰延税金資産及び繰延税金負債は当連結会計年度末時点において認識していません。
(13)従業員給付
①短期従業員給付
短期従業員給付である賃金及び給料、社会保険料並びにその他の非貨幣性給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しています。
賞与については、NIDECが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しています。
なお、賞与支給対象期間が連結会計期間と一致している当社及び一部子会社については、当連結会計年度末において賞与引当金は計上していません。
②退職後給付
NIDECは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を運営しています。
確定給付制度に係る資産又は負債の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除したものであり、資産又は負債として連結財政状態計算書で認識しています。この計算による資産計上額は、制度からの返還または将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としています。確定給付制度債務は、予測単位積増方式に基づいて算定され、その現在価値は、将来の予想支払額に割引率を適用して算定しています。割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の利回りを参照して決定しています。勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る純利息費用は純損益として認識しています。数理計算上の差異、純利息費用に含まれる部分を除く制度資産に係る収益及び資産上限額の影響の変動については、それらが生じた期間において「確定給付制度に係る再測定」としてその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金へ振り替えています。
確定拠出型の退職給付に係る費用は、支払期日に拠出金を費用として認識しています。
(14)引当金
NIDECは、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、債務の決済を要求される可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼できる見積りが可能である場合に引当金を認識しています。
主な引当金の説明は次のとおりです。
製品保証引当金
NIDECは、ある一定期間において、一部の製品及びサービスに対する保証を行っているため、過去の実績額及び将来の見込みに基づき製品保証額を合理的に見積り製品保証引当金を計上しています。これらの経済的便益の流出は概ね翌年度に発生するものと見込まれます。
契約損失引当金
NIDECは、契約に基づき、当該契約による義務を履行するための不可避的なコストが、当該契約により受け取ると見込まれる経済的便益を上回る場合、不利な契約として契約損失引当金を計上しています。当該不利な契約による経済的便益の流出が生じる時期は、製品を販売するために不可避な開発費や資材費を支出する時期であり、主に連結会計年度末より1年を経過した後の時期として見込んでいます。
(15)株式に基づく報酬
NIDECは、業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」)を導入しています。本制度として持分決済型と現金決済型を採用しています。
①持分決済型
本制度により算定された持分決済型の株式報酬は、受領したサービスを付与日における当社株式の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しています。
②現金決済型
本制度により算定された現金決済型の株式報酬は、受領したサービスを負債の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しています。なお、当該負債の公正価値を期末日及び決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しています。
(16)収益認識
NIDECは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
①物品の販売
精密小型モータ、車載、家電・商業・産業用の一部、機器装置の一部、電子・光学部品の製造・販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。
②工事契約
家電・商業・産業用の一部、機器装置の一部については工事契約が存在し、財又はサービスに対する支配が一定の期間にわたり移転することから、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断しています。当該履行義務は完全な充足に向けての進捗度を合理的に測定できることから、報告期間の末日現在の進捗度をもって収益を認識しています。進捗度の測定についてはインプット法の使用が適切であると考えており、契約ごとの見積総原価に対する発生原価の割合を用いています。
③契約資産及び契約負債
契約資産は顧客に移転した財又はサービスと交換に受け取る対価に対する権利のうち、時の経過以外の条件付きの権利です。契約負債は財又はサービスを顧客に移転する前に、顧客から対価を受け取っている又は対価の支払期限が到来しているものです。
④顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
顧客との契約を獲得するための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分を資産として認識しています。顧客との契約を獲得するための増分コスト及び契約履行コストは、契約に基づくサービスが提供される期間にわたって償却しています。
顧客との契約を獲得するための増分コストは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。契約履行コストは、顧客との契約を履行する際に発生したコストのうち、他の基準の範囲に含まれない、契約又は企業が具体的に特定できると予想される契約に直接関連し、将来において履行義務の充足(又は継続的な充足)に使用される企業の資源を創出するか又は増価するものです。
(17)借入費用
意図された使用又は販売が可能になるまでに相当の期間を必要とする資産の取得、建設又は生産に直接起因する借入費用は、意図された使用又は販売が可能となるまで当該資産の取得原価の一部として資産計上しています。その他の借入費用は、発生時に連結損益計算書に費用として認識しています。
(18)資本金、資本剰余金及び自己株式
①普通株式
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、取引コストは、関連する税効果を控除後に資本剰余金から控除しています。
②自己株式
再取得された自己の資本性金融商品(自己株式)は取引コストを含む支払対価で評価し、資本から控除しています。当社の自己株式の購入、売却又は消却においていかなる利得及び損失も損益としては認識していません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本剰余金として認識しています。
(19)公正価値の見積り
NIDECは、デリバティブ金融商品及び公正価値で測定する金融商品を、期末日時点の公正価値で測定しています。公正価値の定義、及び測定に利用するインプット(諸般の仮定)については、注記「36.公正価値」を参照ください。
経常的に公正価値で認識されている資産及び負債について、NIDECは、各期末日までに区分を再評価することにより、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振り替えが生じていないかを判断しています。
(20)1株当たり利益
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を報告期間の自己株式を調整した普通株式の加重平均発行済株式数で除すことにより計算しています。
希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、加重平均発行済株式数に転換社債や新株予約権等の潜在普通株式からもたらされる希薄化の影響を考慮していること以外は、基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益の計算と同様です。
4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定
連結財務諸表の作成は、経営者による決算日における資産・負債の報告金額並びに偶発的な資産・負債の開示、報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要としています。実際の結果は、それらの見積りと異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直され、会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間と将来の会計期間において認識されます。
翌連結会計年度において資産や負債の帳簿価額に重要な修正を生じる要因となる著しいリスクを伴う判断及び見積りは次のとおりです。
・非金融資産の減損(注記「3. 重要性のある会計方針(10)」、注記「16. 非金融資産の減損」)
・債権の回収可能性(注記「3. 重要性のある会計方針(11)」、注記「10. 営業債権及びその他の債権」、注記「40. 金融商品」)
・退職給付に係る負債 (注記「3. 重要性のある会計方針(13)」、注記「24.従業員給付」)
・繰延税金資産の回収可能性の評価 (注記「3. 重要性のある会計方針(12)」、注記「26. 法人所得税」)
・引当金(注記「3. 重要性のある会計方針(14)」、注記「27. 引当金」)
・金融商品の公正価値(注記「3. 重要性のある会計方針(19)」、注記「36. 公正価値」)
・偶発負債(注記「3. 重要性のある会計方針(14)」、注記「41. 偶発負債」)
5.セグメント情報
(オペレーティング・セグメント情報)
NIDECの事業セグメントは、NIDECの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営者が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているセグメントです。NIDECは、現在の利益管理単位である事業本部及び国内グループ会社を報告セグメントとしています。なお、事業セグメントの集約は行っていません。
NIDECのオペレーティング・セグメントの内容は次のとおりです。
セグメント別の外部顧客に対する売上高及びその他の財務情報は次のとおりです。
・外部顧客に対する売上高
(注)非継続事業に分類した事業は含まれていません。
当連結会計年度及び前連結会計年度において、連結売上高の10%を超える特定の顧客グループへの売上はありません。
・セグメント間の売上高
(注)非継続事業に分類した事業は含まれていません。
・セグメント損益
(注)1.消去又は全社には、各報告セグメントに帰属しない全社費用が当連結会計年度において49,751百万円、前連結会計年度において16,140百万円含まれています。全社費用の主な内容は、基礎研究費及び本社管理部門費です。
2.非継続事業に分類した事業は含まれていません。
3.当連結会計年度において、AMECセグメントで非金融資産の減損損失18,387百万円、MOENセグメントで非金融資産の減損損失116,287百万円、ACIMセグメントで非金融資産の減損損失298,800百万円を計上しています。
・減価償却費
(注)各セグメントの減価償却費には無形資産の償却費等も含まれていますが、連結キャッシュ・フロー計算書上の有形固定資産減価償却費には無形資産の償却費等が含まれていません。従って、当該金額を控除しています。
NIDECでは、前連結会計年度において、AMECセグメントで減損損失19,490百万円、機械事業セグメントで減損損失95,277百万円を計上しています。当連結会計年度において、AMECセグメントで減損損失18,387百万円、MOENセグメントで減損損失116,287百万円、ACIMセグメントで減損損失298,800百万円、グループ会社事業セグメントで減損損失189,699百万円を計上しています。また、前述の減価償却費及び減損損失以外に重要な非資金項目はありません。セグメント間の取引は市場価格にて行われています。
(関連情報)
・製品別売上高情報
製品別売上高情報は次のとおりです。
(注)1.「精密小型モータ」は、「HDD用モータ」及び「その他小型モータ」により構成されており、「その他小型モータ」は、ブラシレスモータ、ファンモータ、振動モータ、ブラシ付モータ、水冷モジュール、モータ応用製品等により構成されています。
「車載」は、車載用モータ、自動車部品、EVトラクションモータシステムにより構成されています。
「家電・商業・産業用」は、家電・商業・産業用モータ及び関連製品により構成されています。
「機器装置」は、産業用ロボット、カードリーダ、検査装置、プレス機器、変減速機、工作機械等により構成されています。
「電子・光学部品」は、スイッチ、センサ、レンズユニット、カメラシャッター等により構成されています。
「その他」は、オルゴール、サービス等により構成されています。
2.非継続事業に分類した事業は含まれていません。
・地域別情報
地域別の売上高及び非流動資産は次のとおりです。なお、売上高は外部顧客に販売している連結会社の所在国をベースにしています。
売上高
(注)各区分に属する主な国は、次のとおりです。
その他アジア:タイ、韓国、インド
欧州 :フランス、ドイツ、イタリア
その他 :ブラジル、メキシコ、カナダ
非流動資産(有形固定資産・のれん・無形資産・長期前払費用)
(注)各区分に属する主な国は、次のとおりです。
その他アジア:ベトナム、タイ、シンガポール
欧州 :フランス、イタリア、ドイツ
その他 :ブラジル、メキシコ、カナダ
6.非継続事業
当社は、ワールプール社の保有するコンプレッサー事業Embraco(以下、「エンブラコ社」)の買収の条件として、コンプレッサー事業(セコップ社)の売却を欧州委員会から命じられました。当社は欧州委員会からの命令に従い、セコップ社に対する実効的な支配権を経営の独立執行者(Hold Separate Manager)及び監視機関(Monitoring Trustee)へ2019年4月12日に譲渡しました。この結果、当社はセコップ社に対する実効的な支配権を喪失したことにより、セコップ社を連結の範囲から除外し、これによる損失を連結損益計算書上、継続事業から分離し非継続事業に分類しました。そして、当社は、2019年9月9日にセコップ社をOrlando Management AGが投資助言するESSVP IV L.P.、ESSVP IV (Structured) L.P.及びSilenos GmbH & Co. KG(以下、総称して「ESSVP IV」)に譲渡(以下、「本取引」)しました。本取引は、売却価額の価格調整等についてOrlando Management AG並びに譲渡先関係者との協議の結果、合意に至らず、2021年1月12日にドイツ仲裁協会に仲裁裁判の申し立てを行い、セコップ社と仲裁を開始しました。約26か月間協議の末、2023年3月にセコップ社と和解合意に至り、仲裁が終了しました。しかしながら、一部の売却コストについては今後も発生する見込みです。
(1)本取引の理由
当社は、家電・商業・産業用モータ事業を戦略的に重要な事業のひとつと位置づけ、成長、強化に努めてまいりました。セコップ社は家庭用・商業用冷蔵庫のコンプレッサーの開発・製造・販売を行っており、2017年のセコップ社買収によりグローバルアプライアンス部門は、売上高の飛躍的な成長機会が期待できる冷蔵庫市場に本格的に参入しました。しかしながら、当社によるワールプールのコンプレッサー事業エンブラコ社の買収に関する欧州委員会の条件付承認を2019年4月12日に取得し、セコップ社を譲渡することとなりました。更に、ESSVP IVがセコップ社の適切な購入者であることについての欧州委員会からの認可取得を経て、2019年6月26日に欧州委員会よりエンブラコ社買収認可を取得しました。本取引は、当社がセコップ社を適切な購入者に売却するという、当該承認の条件に基づいて行われたものです。
(2)譲渡した相手会社の名称及び本取引の時期
(3)子会社の名称、事業内容及び当該子会社が含まれていたセグメントの名称
(4)子会社に対する持分の推移
(5)非継続事業からの損益
(注) 2019年4月12日において、セコップ社に対する実効的な支配権の喪失により、連結の範囲より除外しています。
(6)非継続事業から生じたキャッシュ・フロー
(注) 1.2019年4月12日において、セコップ社に対する実効的な支配権の喪失により、連結の範囲より除外しています。
2.投資活動によるキャッシュ・フローには、セコップ社の売却に関連する入出金額が含まれています。
7.企業結合
2025年7月8日に、NIDECは中国のChangzhou Xecom Energy Technologies Co., Ltd.(現 Nidec Scroll Technology (Changzhou) Co., Ltd.)の出資者から、Scroll社の持分100%を6,049百万円(現金支払済分5,710百万円、未払分339百万円)で取得しました。Scroll社は、エアコン・ヒートポンプ及び冷凍庫用の高性能スクロールコンプレッサーの設計・製造を行っています。本件取引を通じて、冷凍庫分野での存在感を拡大・強化し、更には空調及びヒートポンプ市場の新規分野への参入が可能になると考えています。この企業結合によるNIDECの財政状態及び経営成績に与える重要な影響はありません。
(買収価額の資産負債への配分)
前連結会計年度のLinear Transfer Automation Inc.並びにその関連会社のLinear Automation USA Inc.及びPresstrader Limitedの株式取得により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が当第2四半期連結会計期間に完了しました。これにより前連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっています。
前連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による前連結会計年度の連結財政状態計算書への影響額は次のとおりです。
(単位:百万円)
のれんの増減については、注記「15.のれん及び無形資産」に記載しています。なお、上記無形資産は下記で構成されています。
(単位:百万円)
前連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による前連結会計年度の連結損益計算書への影響額は次のとおりです。
(単位:百万円)
当連結会計年度のChangzhou Xecom Energy Technologies Co., Ltd.(現 Nidec Scroll Technology (Changzhou) Co., Ltd.)の株式取得により取得した資産、引き継いだ負債に関する公正価値評価が2026年度第1四半期連結会計期間に完了しました。これにより当連結会計年度の連結財務諸表については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっています。
当連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による当連結会計年度の連結財政状態計算書への影響額は次のとおりです。
(単位:百万円)
のれんの増減については、注記「15.のれん及び無形資産」に記載しています。なお、上記無形資産は下記で構成されています。
(単位:百万円)
当連結会計年度の買収により取得した資産、引き継いだ負債の修正による当連結会計年度の連結損益計算書への影響額は次のとおりです。
(単位:百万円)
8.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は次のとおりです。なお、現金及び現金同等物は、償却原価で測定される金融資産に分類しています。
銀行預金には、単一の会計単位として認識したノーショナルプーリングシステムにおける預入金及び借入金の純額が含まれています。
現金同等物は、主に3ヶ月未満の定期預金及び短期投資で構成されています。
9.キャッシュ・フローに関する補足情報
キャッシュ・フローに関する補足情報は次のとおりです。
10.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は次のとおりです。なお、営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定される金融資産に分類しています。
11.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は次のとおりです。
12.棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりです。
当連結会計年度に費用として認識された棚卸資産の取得価額は主に「売上原価」に含まれています。棚卸資産の評価損の金額は、前連結会計年度7,100百万円、当連結会計年度10,287百万円です。
13.その他の流動資産
その他の流動資産の内訳は次のとおりです。
14.有形固定資産
連結財政状態計算書の「有形固定資産」の内訳は次のとおりです。
使用権資産の増減表については、注記「39.リース」を参照ください。
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は次のとおりです。
(取得原価)
(減価償却累計額及び減損損失累計額)
(帳簿価額)
(注)「建設仮勘定」には、建設中の有形固定資産に関する支出額が含まれます。
有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれています。また、有形固定資産の減損損失は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれています。
15.のれん及び無形資産
連結財政状態計算書の「のれん」及び「無形資産」の内訳は次のとおりです。
使用権資産の増減表については、注記「39.リース」を参照ください。
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減、並びに帳簿価額は次のとおりです。
(取得原価)
(償却累計額及び減損損失累計額)
(帳簿価額)
(注)その他の主な内容は、商標権です。
無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれています。また、無形資産の減損損失は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれています。
16.非金融資産の減損
(1)減損損失
当社は、減損損失の算定にあたって概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとして識別される資産グループの最小単位を基礎としてグルーピングを行っており、主に事業を資金生成単位としております。企業結合で取得したのれんは、企業結合のシナジーから便益が生じると期待される資金生成単位(グループ)に配分しております。なお、減損損失は連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれています。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)上記の他、各報告セグメントに帰属しない全社の建物で減損損失を4百万円計上しています。
1.機械事業セグメントのニデックドライブテクノロジーに係るのれん及び関連設備等の減損
機械事業セグメントに係るニデックドライブテクノロジーのれんについて、減速機事業及びプレス事業の収益性の悪化を受けて事業計画等を見直したうえで減損テストを実施した結果、同資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、関連するのれん、機械及び装置などの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。のれん204億65百万円及び機械及び装置270億40百万円を含む当該減少額を減損損失として952億77百万円計上しました。
回収可能価額は使用価値により算定し、事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フロー、成長率及び割引率を主要な仮定としております。使用価値の算定に用いた税引前の割引率は16.19%、成長率は1.40%であります。
2.AMECセグメントのEVトラクションモータ事業及びBSG事業の関連設備等の減損
AMECセグメントのEVトラクションモータ事業及びBSG事業について、収益性の低下により継続して営業損失を計上したことを受けて事業計画等を見直したうえで減損テストを実施した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、同資金生成単位の固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、機械及び装置174億6百万円を含む当該減少額を減損損失として194億90百万円計上しました。
回収可能価額は、過去の経験と外部の情報を反映させて作成し、残存耐用年数に基づいた期間の事業計画(売上高予測及び費用予測を含む)を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割引いた使用価値にて算定しております。使用価値の算定にあたって用いた割引率については、同資金生成単位の税引前の加重平均資本コストを基礎にした割引率8.31%及び9.34%を使用しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注)上記の他、各報告セグメントに帰属しない全社の建物で減損損失を85百万円計上しています。
1.ACIMののれん及び関連設備等の減損
ACIMに係るのれんについて減損テストを実施した結果、家電用モータの中国での過当競争により競争力が落ち込んだことによる収益性の悪化に起因して、同資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、関連するのれん、機械及び装置などの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。のれん1,166億74百万円、機械及び装置742億91百万円及び商標権368億19百万円を含む当該減少額を減損損失として2,988億円計上しました。
回収可能価額は使用価値により算定し、事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フロー、成長率及び割引率を主要な仮定としております。使用価値の算定に用いた税引前の割引率は13.21%、成長率は2.41%であります。
2.ニデックモビリティののれん及び関連設備等の減損
グループ会社事業に含まれるニデックモビリティに係るのれんについて減損テストを実施した結果、北米事業の収益性の悪化に起因して同資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、関連するのれん、機械及び装置などの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。のれん379億2百万円及び機械及び装置122億40百万円を含む当該減少額を減損損失として731億26百万円計上しました。
回収可能価額は使用価値により算定し、事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フロー、成長率及び割引率を主要な仮定としております。使用価値の算定に用いた税引前の割引率は9.99%、成長率は1.70%であります。
3.Nidec-PSA emotorsののれん及び関連設備等の減損
MOENに含まれるNidec-PSA emotorsに係るのれんについて減損テストを実施した結果、EVの成長減速に伴う収益性の悪化に起因して同資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、関連するのれん、機械及び装置などの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。のれん109億41百万円、機械及び装置335億31百万円及び建設仮勘定290億75百万円を含む当該減少額を減損損失として1,162億87百万円計上しました。
回収可能価額は使用価値により算定し、事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フロー、成長率及び割引率を主要な仮定としております。使用価値の算定に用いた税引前の割引率は9.53%、成長率は2.61%であります。
4.ニデックインスツルメンツののれん及び関連設備等の減損
グループ会社事業に含まれるニデックインスツルメンツに係るのれんについて減損テストを実施した結果、アジア市場での競争激化による収益性の悪化に起因して、同資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、関連するのれん、機械及び装置などの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。のれん310億67百万円及び機械及び装置104億49百万円を含む当該減少額を減損損失として560億72百万円計上しました。
回収可能価額は使用価値により算定し、事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フロー、成長率及び割引率を主要な仮定としております。使用価値の算定に用いた税引前の割引率は13.47%、成長率は1.78%であります。
5.ニデックテクノモータののれん及び関連設備等の減損
グループ会社事業に含まれるニデックテクノモータに係るのれんについて減損テストを実施した結果、中国市場での競争激化による収益性の悪化に起因して、同資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、関連するのれん、機械及び装置などの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。のれん20億49百万円及び機械及び装置202億5百万円を含む当該減少額を減損損失として268億1百万円計上しました。
回収可能価額は使用価値により算定し、事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フロー、成長率及び割引率を主要な仮定としております。使用価値の算定に用いた税引前の割引率は12.54%、成長率は1.70%であります。
6.ニデックパワートレインシステムズののれん及び関連設備等の減損
グループ会社事業に含まれるニデックパワートレインシステムズに係るのれんについて減損テストを実施した結果、中国市場での競争力が落ち込んだことによる収益性の悪化に起因して、同資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、関連するのれん、機械及び装置などの帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。のれん10億38百万円及び機械及び装置183億78百万円を含む当該減少額を減損損失として281億23百万円計上しました。
回収可能価額は使用価値により算定し、事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フロー、成長率及び割引率を主要な仮定としております。使用価値の算定に用いた税引前の割引率は8.77%、成長率は1.70%であります。
(2)のれん等の減損テスト
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の資金生成単位(グループ)への配分額は、次のとおりです。
のれん
耐用年数を確定できない無形資産
耐用年数を確定できない無形資産の内容は、主に商標権です。これらの商標権は企業結合時に取得したものであり、事業が継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できない無形資産と判断しています。
NIDECは、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産の減損テストを少なくとも年に1回行い、更に減損の兆候がある場合には、その都度、減損テストを行っています。
減損テストの回収可能価額は、過去の経験と外部の情報を反映して作成され、経営者が承認した5年を限度とする事業計画(売上高予測及び費用予測を含む)と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割引いた使用価値にて算定しています。のれんの減損テストにおいて用いる割引率は、各資金生成単位グループの税引前の加重平均資本コストを基礎に算定し(8.77%~17.11%)、成長率は、各資金生成単位グループの属する産業もしくは国における長期の平均成長率を勘案して決定しています(1.70%~2.61%)。
のれんに重要性のある資金生成単位グループにおいて回収可能価額の算定に使用している割引率及び成長率は次の通りであります。
個別に重要なのれんを含む資金生成単位グループは減損テストに用いた主要な仮定が合理的な範囲で変化したとしても、重要な減損損失の発生は低いと判断しています。
17.その他の投資
その他の投資の帳簿価額の内訳は次のとおりです。
NIDECが保有する公正価値で測定する金融商品のうち、主として取引関係の維持、強化を目的として保有する投資については、その保有目的に鑑み、FVTOCIの資本性金融資産に指定しています。当該FVTOCIの資本性金融資産は主に普通株式であり、主な株式銘柄及び公正価値の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
期中に処分したFVTOCIの資本性金融資産は次のとおりです。
18.その他の非流動資産
その他の非流動資産の内訳は次のとおりです。
19.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は次のとおりです。なお、営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定される金融負債に分類しています。
NIDECは、第三者金融機関との間でサプライヤー・ファイナンス契約を締結しています。NIDECはサプライヤー・ファイナンス契約に基づき、各仕入先に対する営業債務について、請求書受領後59日から365日の範囲で設定された期日に第三者金融機関に対して支払いを行っています。なお、サプライヤー・ファイナンス契約の対象ではない比較可能な営業債務は通常、請求書受領後20日から365日に支払いを行っています。仕入先は、自らの裁量により、第三者金融機関から割引条件にて早期に支払いを受けることが可能です。NIDECは、サプライヤー・ファイナンス契約に関連して担保資産の提供や第三者による保証は行っていません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、サプライヤー・ファイナンス契約に係る金融負債の期末残高は、それぞれ90,432百万円及び108,039百万円です。この残高のうち、仕入先に対してすでに支払われた金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ86,061百万円及び101,723百万円であり、これらの金額は連結財政状態計算書の営業債務及びその他の債務に含まれています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、サプライヤー・ファイナンス契約に基づく金融負債に、重要な非資金的変動はありません。
NIDECが締結しているサプライヤー・ファイナンス契約は、支払業務の効率化を図り、仕入先に対して通常の支払期日よりも早期の支払いを可能にすることを主な目的としていることから、当社グループはサプライヤー・ファイナンス契約による重大な流動性リスクを抱えていません。
20.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は次のとおりです。
21.その他の流動負債
その他の流動負債の内訳は次のとおりです。
22.短期借入金及び長期債務
(1)短期借入金
短期借入金の内訳は次のとおりです。
当連結会計年度末におけるNIDECの未使用借入枠は1,822,916百万円です。この融資・信用枠により、NIDECは一般に適用されている利率で短期の資金調達を行うことができます。
なお、上記金額には、資金使途がM&A関連の取引に限定された借入枠1,100,000百万円含まれています。また、上記金額に含まれる借入枠600,000百万円については当連結会計年度末において財務制限条項に抵触しているものの、有価証券報告書提出日までに、金融機関より当該財務制限条項等の抵触に起因して発生する期限の利益喪失請求権を放棄する旨の承諾を得ております。
(2)長期債務の内訳
長期債務の内訳は次のとおりです。
(3)長期債務の年度別返済予定額
長期債務の年度別満期返済予定額は次のとおりです。
(注) 契約上のキャッシュ・フローを記載しています。
日本の銀行との取引約定書として、銀行からの短期及び長期借入金については、NIDECは当該銀行から要求があれば、現在及び将来の債務に対して直ちに担保(当該銀行に対する預金を含む)を提供し、あるいは保証人を立てる義務を負っています。
(4)差入担保資産
該当事項はありません。
(5)差入担保資産に対応する債務
該当事項はありません。
23.財務活動から生じた負債の調整表
財務活動から生じた負債の調整表は、次のとおりです。
(単位:百万円)
24.従業員給付
(1)退職後給付
①確定給付制度
当社及び一部の子会社の年金及び退職金制度では通常、従業員に対して退職時点における給与と勤続年数又はこれらを基礎とするポイントに基づいて計算された退職一時金又は年金の受給資格を付与します。定年前に退職した場合の最低支給額は通常、自己都合による退職に基づいた金額となります。定年を含む会社都合による退職の場合は加算金を加えた額が支給されます。確定給付制度により、価格変動リスク、金利リスク、余命率リスク等の数理計算上のリスクに晒されています。
確定給付制度の連結財政状態計算書上の金額は次のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
確定給付制度に関して、連結損益計算書上、費用として認識した金額は次のとおりです。
(単位:百万円)
確定給付制度債務の現在価値に係る変動は次のとおりです。
(単位:百万円)
制度資産の公正価値に係る変動は次のとおりです。
(単位:百万円)
NIDECは、翌連結会計年度において確定給付制度に対し約1,186百万円の拠出を見込んでいます。
資産上限額の影響の増減は次のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
資産カテゴリー別の制度資産(国内制度)の公正価値は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1.前連結会計年度は約75%を国内債券、約25%を外国債券、当連結会計年度は約79%を国内債券、約21%を外国債券に投資しています。
2.前連結会計年度は約10%を国内株式、約52%を海外株式、約16%を国内債券、約4%を外国債券、当連結会計年度は約1%を国内株式、約62%を海外株式、約2%を国内債券、約1%を外国債券に投資しています。
資産カテゴリー別の制度資産(海外制度)の公正価値は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1.全て外国債券に投資しています。
2.前連結会計年度は約57%を海外株式、約8%を外国債券、当連結会計年度は約63%を海外株式、約37%を外国債券に投資しています。
NIDECは将来にわたって年金給付、一時金給付の支払いを行うため、許容できるリスクの下で必要とされる収益を長期的に確保することを基本方針としています。実際の資産運用に当たっては上記の方針に適合する最適な資産の組み合わせである基本ポートフォリオを策定しています。その実際運用収益は検証され、必要に応じて基本ポートフォリオの見直しを行っています。
NIDECの資産ポートフォリオは大きく3つの資産区分に分類されます。約5%を資本性金融商品で運用し、約10%を負債性金融商品で運用し、約85%を合同運用信託や生保一般勘定等のその他資産で運用しています。
資本性金融商品は証券取引所に上場されている株式です。負債性金融商品は国内外の国債、公債及び社債から構成されています。その他資産に含まれる合同運用信託については資本性金融商品及び負債性金融商品で運用され、上記の資本性金融商品及び負債性金融商品と同内容で構成されています。また、その他資産に含まれる生保一般勘定は一定の予定利率と元本が保証されています。
給付債務の見積りに使用した数理計算上の仮定は次のとおりです。
重要な仮定に対する確定給付制度債務の感応度は、連結財政状態計算書で認識される退職給付に係る負債を算定する際に使用される方法と同一の方法を用いて算定されており、分析の対象となる数理計算上の仮定以外の全ての数理計算上の仮定が一定であることを前提としています。なお、感応度分析の作成に使用された方法及び仮定について、前連結会計年度から変更はありません。
主要な数理計算上の仮定が変動した場合に、各連結会計年度末の確定給付制度債務が変動する額は、次のとおりです。なお、昇給率については重要な変動を見込んでいません。
(単位:百万円)
確定給付債務の加重平均デュレーションは次のとおりです。
②確定拠出制度
確定拠出年金制度への拠出に係る費用認識額は前連結会計年度7,791百万円、当連結会計年度7,869百万円であり、翌連結会計年度に約7,976百万円の拠出を見込んでいます。
25.その他の資本の構成要素及びその他の包括利益
その他の資本の構成要素(税引後)の変動は次のとおりです。
(単位:百万円)
非支配持分を含むその他の包括利益の当期発生額及び組替調整額、並びに税効果額は次のとおりです。
(単位:百万円)
26.法人所得税
(1)法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は次のとおりです。
(単位:百万円)
当期法人所得税には、第2の柱の法人所得税に係る税金費用が含まれており、前連結会計年度の計上金額は10百万円、当連結会計年度の計上額は277百万円です。
(2)法定実効税率と連結損益計算書上の法人所得税費用の実効税率の差異
NIDECは、所得に対する種々の税金を課されており、当連結会計年度における国内の法定実効税率は約30.5%となりました。法定実効税率と連結損益計算書上の法人所得税費用の実効税率との差異の内容は次のとおりです。
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立し、2026年4月1日以後開始する連結会計年度より「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。
これに伴い、2026年4月1日以後開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、国内の法定実効税率を30.5%から31.4%に変更し計算しています。なお、この税率変更による影響は軽微です。
(3)繰延税金資産及び繰延税金負債の主な発生原因及び増減内容
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な発生原因別の内訳及び増減は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
その他の内容は、主に企業結合及び在外営業活動体の換算差額によるものです。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
その他の内容は、主に企業結合及び在外営業活動体の換算差額によるものです。
NIDECは、繰延税金資産の認識に当たり、将来減算一時差異又は繰越欠損金の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しています。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮しています。
NIDECは、認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が認識できる期間における将来課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性は高いと判断しています。ただし、認識可能と考えられる繰延税金資産の金額は、控除可能である期間における将来課税所得見込が減少すれば、同様に減少することとなります。繰延税金資産は回収可能性の評価により、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ130,226百万円及び280,494百万円減額しています。
(4)連結財政状態計算書における繰延税金資産及び繰延税金負債
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は次のとおりです。
(単位:百万円)
(5)繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異等
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金は次のとおりです。
(単位:百万円)
NIDECは、一部の税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異について、繰延税金資産を認識していません。これらは、主に国内子会社にて発生した繰越欠損金に係るものです。NIDECはこうした繰延税金資産の回収可能性を評価するため、当該子会社を個別に分析し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しています。将来の課税所得の発生可能性が高くないため繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ595,483百万円及び1,186,783百万円です。将来減算一時差異は現行の税法上は失効することはありません。
(6)繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の失効期限
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の失効期限は次のとおりです。
(単位:百万円)
(7)繰延税金負債を認識していない将来加算一時差異
前連結会計年度末において、NIDECは一部の子会社等の投資に係る将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識していません。これは、NIDECが一時差異の取崩しの時期をコントロールする立場にあり、このような差異を予測可能な期間内に取崩さないことが確実であるためです。前連結会計年度末において、繰延税金負債を認識していない子会社等の投資に係る将来加算一時差異は、771,145百万円です。
当連結会計年度末において、繰延税金負債を認識していない子会社等の投資に係る将来加算一時差異に重要性はありません。
27.引当金
引当金の内訳及び増減は次のとおりです。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
製品保証引当金
NIDECは、ある一定期間において、一部の製品及びサービスに対する保証を行っているため、過去の実績額及び将来の見込みに基づき製品保証額を合理的に見積り製品保証引当金を計上しています。これらの経済的便益の流出は概ね翌年度に発生するものと見込まれます。
契約損失引当金
当連結会計年度において、車載インバータ事業における契約損失引当金は、2025年4月1日残高に48,546百万円、2026年3月31日残高に71,042百万円がそれぞれ含まれています。
NIDECでは、契約に基づき、当該契約による義務を履行するための不可避的なコストが、当該契約により受け取ると見込まれる経済的便益を上回る場合、不利な契約として契約損失引当金を計上しています。
NIDECにおいては、特定の取引先と販売契約などの合意に基づき、将来の販売台数及び販売単価を事前に決定していますが、契約を履行するためのコストは開発費、資材費、為替等の変動リスクに晒されています。当連結会計年度末において、契約損失引当金の測定のための主要な基礎数値を見直した結果、一部の契約について契約による義務を履行するための不可避的なコスト(開発費、資材費、その他変動経費等)が、合意された販売台数及び販売単価に基づく経済的な便益を上回ることが見込まれることから、当該不利な契約に係る引当金の繰入額21,530百万円を計上しました。
当該不利な契約による経済的便益の流出が生じる時期は、製品を販売するために不可避な開発費や資材費を支出する時期であり、主に当連結会計年度末より1年を経過した後の時期として見込んでいます。
なお、当該合意内容のその後の更新等に基づき、販売台数及び販売単価並びに関連するコストが変動することにより、翌期以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
その他の引当金
その他の引当金は主に賞与引当金、有給休暇引当金等により構成されています。これらの経済的便益の流出は概ね翌年度に発生するものと見込まれます。
28.株式に基づく報酬(業績連動型株式報酬制度)
NIDECは中長期的な企業価値拡大に向けて、対象取締役等の報酬と当社の株式価値との連動性をより明確にし、中期経営計画における業績目標達成等の意欲を高めること及び対象取締役等による自社株保有の促進を通じて持続的な企業価値(株式価値)向上への貢献意欲を高めることを目的として、業績連動型株式報酬制度を導入しています。
対象取締役等に対して、持分決済型としてBIP信託及びESOP信託の仕組みを採用しています。また、一部の海外居住者に対しては、現金決済型として当社株価を基礎とする金額で現金を支給する株式報酬制度を採用しています。
本制度は、連続する3事業年度を対象期間とし、対象期間に渡り継続して勤務していることが権利確定条件となり、業績目標達成度に応じて、各連結会計年ごとに付与ポイント数を確定いたします。
持分決済型の株式に基づく報酬に関して、前連結会計年度で計上された費用は△50百万円であり、当連結会計年度で計上された費用は297百万円です。
付与されたポイントの付与日の公正価値及びポイント数の変動は次のとおりです。付与日の公正価値は、付与日の当社株式の株価に近似していると判断されたことから、付与日の株価を使用して算定し、予想配当を考慮に入れた修正及びその他の修正は行っていません。
NIDECは2024年10月1日付で普通株式1株につき、2株の株式分割を行っていますが、以下については当該株式分割の影響を反映していません。
なお、第1期(2018年度~2020年度を対象とした期間)に付与したポイントは1ポイント当たり4株、第2期(2021年度~2023年度を対象とした期間)及び第3期(2024年度~2026年度を対象とした期間)に付与したポイントは1ポイント当たり2株の交付となります。
第1期(2018年度~2020年度を対象とした期間)
(注)前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるポイントの残存契約年数は0年です。
第2期(2021年度~2023年度を対象とした期間)
(注)前連結会計年度末におけるポイントの残存契約年数は0年です。
第3期(2024年度~2026年度を対象とした期間)
BIP信託として保有する株式は、前連結会計年度末は1,138,016株であり、当事業年度末は1,138,016株です。ESOP信託として保有する株式は、前事業年度末は532,292株であり、当事業年度末は532,292株です。
(注)当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して、「BIP信託及びESOP信託として保有する株式」を算出しています。
現金決済型の株式に基づく報酬に関して、前連結会計年度で計上された費用は△28百万円であり、当連結会計年度で計上された費用は95百万円です。また、前連結会計年度末において認識された負債は95百万円であり、当連結会計年度末において認識された負債は143百万円です。
29.資本金及び剰余金等
(1)資本金
当社の前連結会計年度及び当連結会計年度における発行可能株式総数、発行済株式総数及び変動は次のとおりです。
(注)1.上記の発行済株式総数に含まれる自己株式数は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、46,261,077株及び46,260,495株です。
2.当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行いました。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたものと仮定して株式数を算定しています。
(2)資本剰余金及び利益剰余金
資本剰余金は主に資本準備金から構成されています。前連結会計年度及び当連結会計年度における資本剰余金の変動は次のとおりです。
(単位:百万円)
利益剰余金は、利益準備金及びその他利益剰余金から構成されています。
わが国の会社法では、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、各事業年度に剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金又は利益準備金として積立てることが規定されています。
(3)自己株式
(注)1.当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行いました。2024年3月31日に当該株式分割が行われたものと仮定して株式数を算定しています。
2.前連結会計年度に取得した自己株式7,772百万円については、会社法及び会社計算規則に基づき算定される分配可能額を超過して取得されていたことが判明しました。取得した自己株式は、連結持分変動計算書の自己株式の取得及び前連結会計年度末の残高に含まれています。
30.配当金
所有者への分配として認識された普通株式に関する配当額は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)1.2024年5月24日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金19百万円が含まれています。
2.2024年10月23日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金33百万円が含まれています。
3.当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っています。1株当たり配当額については、当該株式分割前の配当金の額を記載しています。
4.前連結会計年度に実施した剰余金の配当46,021百万円は、会社法及び会社計算規則に基づき算定される分配可能額を超過していたことが判明しました。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注)1.2025年5月27日取締役会決議による配当の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金33百万円が含まれています。
2.当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っています。1株当たり配当額については、当該株式分割後の配当金の額を記載しています。
3.当連結会計年度に実施した剰余金の配当22,960百万円は、会社法及び会社計算規則に基づき算定される分配可能額を超過していたことが判明しました。
配当の効力発生日が当連結会計期間末日後となるものは該当ありません。
31.売上収益
(1)売上収益の分解
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1.外部顧客に対する売上高を表示しています。
2.( )内は、一定の期間にわたり履行義務を充足する工事契約から生じる収益で内数です。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1.外部顧客に対する売上高を表示しています。
2.( )内は、一定の期間にわたり履行義務を充足する工事契約から生じる収益で内数です。
NIDECは、精密小型モータ、車載製品、家電・商業・産業用製品、機器装置、電子・光学部品等の製造・販売を主な事業内容にしています。これらの事業から生じる収益は、顧客との契約に基づき、計上しています。また、変動対価等を含む収益の額に重要性はなく、重要な金融要素は含まれていません。
①精密小型モータ
精密小型モータ製品グループにおいては、HDD用モータ、その他小型モータの製造・販売を行っています。その他小型モータは、ブラシレスモータ、ファンモータ、振動モータ、ブラシ付モータ、モータ応用製品等により構成されています。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。
②車載製品
車載製品グループにおいては、車載用モータ及び自動車部品の製造・販売を行っています。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。
③家電・商業・産業用製品
家電・商業・産業用製品グループにおいては、家電・商業・産業用モータ及び関連製品の製造・販売を行っています。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。顧客との契約の一部については工事契約が存在し、財又はサービスに対する支配が一定の期間にわたり移転することから、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断しています。当該履行義務は完全な充足に向けての進捗度を合理的に測定できることから、報告期間の末日現在の進捗度をもって収益を認識しています。進捗度の測定についてはインプット法の使用が適切であると考えており、契約ごとの見積総原価に対する発生原価の割合を用いています。
④機器装置
機器装置製品グループにおいては、産業用ロボット、カードリーダ、検査装置、プレス機器、変減速機等の製造・販売を行っています。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。顧客との契約の一部については工事契約が存在し、財又はサービスに対する支配が一定の期間にわたり移転することから、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断しています。当該履行義務は完全な充足に向けての進捗度を合理的に測定できることから、報告期間の末日現在の進捗度をもって収益を認識しています。進捗度の測定についてはインプット法の使用が適切であると考えており、契約ごとの見積総原価に対する発生原価の割合を用いています。
⑤電子・光学部品
電子・光学部品製品グループにおいては、スイッチ、センサ、レンズユニット、カメラシャッター等の製造・販売を行っています。このような販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。
⑥その他
その他製品グループにおいては、サービス等を提供しています。サービス等については、サービス等の提供が完了した時点において履行義務が充足されると判断しています。従って、サービス等の提供時点で収益を認識しています。
(2)契約残高
契約資産及び契約負債の残高は次のとおりです。
(単位:百万円)
契約資産は、主に一定の期間にわたり履行義務を充足する工事契約から生じる収益と交換に受取る対価に対する権利のうち、債権を除いたものです。契約資産は、顧客が対価を支払う前もしくは支払期限が到来する前に、財又はサービスに対する支配が移転した時に計上しています。また顧客に対価を請求する時点でその権利が時の経過だけが要求される無条件な状態となったと判断し、債権に振り替えています。
契約負債は、主に顧客からの前受金に関するものです。契約負債は、財又はサービスに対する支配が顧客に移転する前に、顧客から対価を受領した時に計上し、履行義務を充足し財又はサービスに対する支配が顧客に移転した時に収益に振り替えています。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度の期首時点の契約負債残高は、それぞれ前連結会計年度及び当連結会計年度の収益として認識しています。なお、当連結会計年度における、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額には重要性はありません。
(3)顧客との契約の獲得又は契約履行のためのコストから認識した資産
顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の残高は次のとおりです。なお、当該資産の償却費の金額は当連結会計年度184百万円、減損損失の金額は当連結会計年度204百万円であります。
(単位:百万円)
(4)残存履行義務に配分した取引金額
工事契約に関する残存履行義務に配分した取引金額及び充足時期は次のとおりです。なお、個別の予想契約期間が1年以内の取引は含んでいません。
(単位:百万円)
32.営業費用
当連結会計年度の営業費用(売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費)には、有形固定資産減価償却費80,612百万円、その他の償却費22,270百万円、従業員給付費用534,032百万円が含まれています。また、前連結会計年度の営業費用(売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費)には、有形固定資産減価償却費82,943百万円、その他の償却費19,811百万円、従業員給付費用474,761百万円が含まれています。
33.金融収益及び金融費用
(1)金融収益
金融収益の内訳は次のとおりです。
(2)金融費用
金融費用の内訳は次のとおりです。
34.1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益(△損失)及び希薄化後1株当たり当期利益(△損失)の算定上の基礎は次のとおりであります。
(注)基本的1株当たり当期利益(△損失)及び希薄化後1株当たり当期利益(△損失)の算定において、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、加重平均株式数から当該株式数を控除しています。
35.デリバティブ
NIDECは為替、金利及び商品価格の変動によるリスクを管理するために、先物為替予約、金利スワップ、通貨スワップ、商品先物契約等のデリバティブを利用しています。NIDECはデリバティブを売買目的で保有していません。また、NIDECはデリバティブの契約相手が契約を履行しなかった場合に生じる信用リスクにさらされていますが、契約相手の信用度が高く、そのようなリスクは僅少であると考えています。
(1)キャッシュ・フロー・ヘッジ
NIDECは一部の購入契約等の予定取引に関し、為替レート及び商品価格の変動によるキャッシュ・フローの変動を抑える目的で、先物為替予約及び商品先物契約を利用しています。
(2)ヘッジ指定されていないデリバティブ
NIDECはデリバティブに対して、ヘッジ会計を適用することができない、もしくは適用することを選択しないことがあります。これらの公正価値の変動は「為替差損益」、「デリバティブ関連損益」に計上されます。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているデリバティブは次のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
ヘッジとして指定されていないデリバティブは次のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の帳簿価額は次のとおりです。
(単位:百万円)
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているデリバティブの損益への影響は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
前連結会計年度及び当連結会計年度にヘッジの効果が有効でないため、又はヘッジの有効性の評価から除外されたために損益に計上された金額に重要性はありません。
当連結会計年度末において、予定取引に係るNIDECの将来キャッシュ・フローの変動をヘッジする最長期間は
約23ヶ月です。
ヘッジとして指定されていないデリバティブの損益への影響額は次のとおりです。
(単位:百万円)
36.公正価値
公正価値は、測定日における市場参加者間の通常の取引において、資産の売却により受け取るであろう価格又は負債を移転するのに支払うであろう価格と定義されます。
なお、公正価値ヒエラルキーは、以下のように定義付けられています。
レベル1-活発な市場における同一の資産・負債の市場価格
レベル2-活発な市場における類似の資産・負債の市場価格、活発でない市場における同一又は類似の資産・負債の市場価格、観察可能な市場価格以外のインプット、相関関係その他の方法により観察可能な市場データに裏付けられるインプット
レベル3-観察が不能なインプット
NIDECは、各期末日までに区分を再評価することにより、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振り替えが生じていないかを判断しています。
(償却原価で評価される金融商品の公正価値)
(単位:百万円)
金融商品の公正価値の見積り方法は次のとおりです。
(1)短期投資及び短期貸付金、短期借入金
通常の事業において、ほとんどの短期投資(定期預金)、短期貸付金、短期借入金はきわめて流動性が高く、その簿価はおおむね公正価値と同額です。
(2)長期投資
長期投資の公正価値は、主に業績連動型株式報酬制度に伴う信託金であり、期待される将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引いた金額で見積っており、レベル2に分類しています。
(3)長期貸付金
長期貸付金の公正価値は、期待される将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引いた金額で見積っており、レベル2に分類しています。
(4)長期債務
長期債務(含1年以内返済予定長期債務、除リース負債及び社債)の公正価値は、それらと類似した負債をNIDECが新たに借入れる場合に適用される利子率を使って、将来の返済額を現在価値に割り引いた金額で見積っており、レベル2に分類しています。
(5)社債
NIDECが発行した社債(含1年以内償還予定社債)の公正価値は、活発でない市場における同一負債の市場価格により評価しており、レベル2に分類しています。
なお、「現金及び現金同等物」、「営業債権及びその他の債権」、「営業債務及びその他の債務」については短期間で決済され、帳簿価額と近似しているため、上記の表には含めていません。
(経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類)
以下は金融商品を当初認識した後、公正価値で測定された金融商品の分析です。
分析に使用する公正価値ヒエラルキーの各レベルに分類された、金融資産及び金融負債の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)前連結会計年度においてレベル1、レベル2及びレベル3の間における振り替えはありません。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注)当連結会計年度においてレベル1、レベル2及びレベル3の間における振り替えはありません。
レベル1の有価証券や商品先物等のデリバティブ金融商品は主に時価のあるもので、十分な取引量と頻繁な取引がある活発な市場における調整不要な市場価値で評価しています。
レベル2の有価証券は、活発でない市場における同一資産の市場価格により評価しています。レベル2のデリバティブは先物為替予約等のデリバティブ金融商品であり、取引相手方又は第三者から入手した相場価格に基づき評価され、外国為替レート及び金利等の観察可能な市場インプットを使用した価格モデルに基づき定期的に検証しています。
レベル3の有価証券は、主に非上場株式により構成されています。非上場株式の公正価値は、割引キャッシュ・フロー・アプローチ等を適用して算定しています。レベル3の有価証券について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の重要な公正価値の変動は見込まれていません。
レベル3に分類されている金融商品の調整表は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)連結包括利益計算書の「FVTOCI資本性金融資産の公正価値の純変動」及び「在外営業活動体の換算差額」に含まれています。
37.関連当事者との取引
(1)報告期間中に行われた、関連当事者との取引は次のとおりです。
(製品及びサービスの販売)
(単位:百万円)
(注)※1.当社大株主が議決権の過半数を所有している会社
※2.当社大株主が理事長を兼任している財団
※3.当社大株主が理事長を兼任している法人
※4.当社大株主が代表理事を兼任している財団
関連当事者に対する製品及びサービスの販売の取引条件は、市場価格を勘案して個別に協議の上、決定しています。
(製品及びサービスの購入)
(単位:百万円)
(注)※5.当社大株主が代表社員を兼任している会社
関連当事者からの製品及びサービスの購入の取引条件は、市場価格を勘案して個別に協議の上、決定しています。学校法人永守学園への共同研究費の支払いについては、両者協議の上で締結した共同研究契約に基づき決定しています。
(製品及びサービスの販売及び購入から発生した未決済残高)
(単位:百万円)
関連当事者に対する債権については、当連結会計年度末及び前連結会計年度末において、損失評価引当金は認識していません。また、関連当事者に対する債権について、当連結会計年度及び前連結会計年度において認識された費用はありません。
(2)NIDECの主要な経営幹部に対する報酬は、次のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度においては、主要な経営幹部の範囲を取締役およびNidecの経営会議に参画する執行役員としていましたが、当連結会計年度において主要な経営幹部の範囲を執行役員以上としています。
38.子会社及び関連会社
(1)企業集団の構成
NIDECの主要な製品グループ毎の構成は、以下の通りです。
①「精密小型モータ」製品グループにおける主要な子会社は、HDD用モータを製造するニデックエレクトロニクスタイランド㈱、その他小型モータを販売するニデックモータ(香港)有限公司です。
②「車載」製品グループにおける主要な子会社は、車載用モータ等の製造を行うニデック自動車モータ(浙江)有限公司です。
③「家電・商品・産業用」製品グループにおける主要な子会社は、販売拠点であるニデックホールディングアメリカ㈱です。
④「機器装置」製品グループにおける主要な子会社は、工作機械等の製造を行うニデックマシンツール㈱です。
⑤「電子・光学部品」製品グループにおける主要な子会社は、産業用ロボット等の製造を行うニデックインスツルメンツ㈱です。
⑥「その他」製品グループにおける主要な子会社は、オルゴールを製造するニデックインスツルメンツ㈱です。
(2)重要な非支配持分を有する子会社
重要な非支配持分を有する子会社はありません。
(3)重要でない関連会社の合算情報
(単位:百万円)
(単位:百万円)
39.リース
1.借手側
NIDECは、リース契約を締結し一部の資産を賃借しています。リースに係る概要は次のとおりです。
(1)使用権資産の帳簿価額
(単位:百万円)
(注)1.連結財政状態計算書上で土地、建物、機械及び装置、車両及び運搬具は「有形固定資産」に含まれます。
2.連結財政状態計算書上でソフトウエアは「無形資産」に含まれます。
3.その他にはリース契約の解約等が含まれています。
(2)リース負債
(注)連結財政状態計算書における表示項目「1年以内返済予定長期債務」「長期債務」に含みます。
(3)純損益で認識された金額
(4)連結キャッシュ・フロー計算書で認識された金額
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースのキャッシュ・アウトフローの合計は、それぞれ12,852百万円、12,455百万円です。
2. 貸手側
(1)オペレーティング・リース
NIDECは建物及び設備の一部を賃貸しています。受取賃貸料は前連結会計年度及び当連結会計年度は、それぞれ49百万円、40百万円です。
解約不能期間が残っているリースにおける将来の最低受取賃貸料は次のとおりです。
(2)ファイナンス・リース
NIDECは設備の一部を賃貸しています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末のファイナンス・リース契約に係るリース投資未回収総額と正味リース投資未回収額及びこれらの調整額は、次のとおりです。
ファイナンス・リースに係る収益の内訳は、次のとおりです。
40.金融商品
(1)資本管理
NIDECは、持続的な企業価値の向上と総還元性向50%を見据えて、資本効率と財務健全性を両立した最適な資本構成を、資本管理の基本方針としています。
NIDECの親会社所有者帰属持分比率及び親会社所有者帰属持分当期利益率は次のとおりです。
なお、NIDECが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2)信用リスク管理
NIDECは、営業債権に関する債務不履行を「債務者である顧客が債務を履行せず回収が不能となること」と定義しています。そのためNIDECは、営業債権について、債務者の財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図るため、与信管理規定に従い、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理しています。
なお、NIDECでは、特定の相手先に対する過度に集中した信用リスクはありません。
金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財務諸表に表示されている減損後の帳簿価額となります。
各年度末において期日が経過している債権の年齢分析及び、予想信用損失は次のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
資産から直接控除した損失評価引当金の増減は次のとおりです。
(単位:百万円)
(3)流動性リスク管理
NIDECは、運転資金や設備投資資金の調達を、金融機関からの借入や直接金融市場からの資金調達に依存しています。金融市況の変化やその他の要因により金融機関が貸付枠、信用供与枠額や条件を圧縮した場合、NIDECの財政状態が悪化した結果、信用格付機関がNIDECの信用格付けを大幅に引下げた場合、又は、経済状況の後退により投資家の意欲が減少した場合、NIDECが必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない可能性があります。
このような流動性リスクに対応するため、NIDECは、定期的に手元流動性及び有利子負債の状況等を把握し、資金調達計画を作成しており、作成した計画に従って機動的な資金調達が可能となるよう、取締役会で借入枠設定の承認を行っています。さらに、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結することにより、流動性リスクの低減を図っております。
NIDECの長期債務の年度別満期返済予定額については、「22.短期借入金及び長期債務」を参照ください。
(4)市場リスク管理
①為替リスク管理
NIDECの海外売上の大部分は米国ドル・ユーロ・人民元・タイバーツ等の外貨で構成されており、円に対する各通貨の下落はNIDECの売上・営業利益・当期利益等に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、在外子会社の財務諸表の連結に際しても為替変動の影響が生じます。
これらの為替リスク管理のため、NIDECは通貨ごとの金銭債権債務バランスのコントロールや売上・仕入通貨のマリー等のナチュラルヘッジを基本としています。なお、一部取引については為替変動の影響を抑制するため先物為替予約等を利用しています。
NIDECが連結会計年度末において保有する外貨建金融商品において、その他全ての変数を一定とすることを前提に、米国ドル、ユーロに対してそれぞれ1%円高となった場合に、連結損益計算書の税引前利益に与える影響は次のとおりです。
(単位:百万円)
②金利リスク管理
NIDECは重要性のある有利子資産を有していないため、NIDECの損益及びキャッシュ・フローが市場金利に左右されることは実質的にありません。
NIDECは有利子負債を保有しており、それらの金利変動やキャッシュ・フロー増減リスクを管理するため、金利スワップ取引等を利用すると共に、金利の動きを適宜モニタリングしています。その結果、利息の支払いがNIDECに与える影響は小さいため、金利感応度分析は行っていません。
③株価変動リスク管理
NIDECが保有する株式については、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、評価損益を把握しているほか、発行体との関係を勘案の上、保有状況を継続的に適宜見直しています。
NIDECが連結会計年度末において保有する上場株式において、市場価格が10%下落した場合に、連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果考慮前)に与える影響は次のとおりです。
(単位:百万円)
41.偶発負債
当連結会計年度末において、NIDECはBid bonds(入札保証)、Advance payment bonds(前払金保証)、Performance bonds(契約履行保証)、Warranty bonds(契約不適合保証)及びPayment bonds(支払保証)に関連して総額64,433百万円の偶発負債を有しています。これらは主にNIDECのプロジェクトに関連するパフォーマンスに対して負うものであり、現在実行中、もしくは保証期間中のものです。NIDECは現在、これらの保証に抵触するような重要な要求は認識しておらず、また今後、重要な要求をされるような事象も認識していません。
2025年10月30日付で設置した「ニデック再生委員会」による内部管理体制の改善の一環として実施した品質総点検の結果、NIDECが製造する一部の製品において、顧客の確認を受けずに行われた部材・工程・設計等の変更等の不適切行為が判明しました。
当社は、より詳細な事実関係の解明、原因究明及び実効的な再発防止策の検討等を目的として、社外弁護士を委員長とする外部専門家で構成される調査委員会を2026年5月13日に設置し、2026年9月2日に調査報告書を受領しました。NIDECは、その調査結果を踏まえ、本事案が判明した製品に関係する顧客に対し順次ご連絡及びご説明を行い、今後の対応について協議を進めています。
当連結会計年度末までに判明している品質に関する不適切行為に係る点検・是正措置に係る費用等については、引当金の認識規準を満たすものは合理的に見積り、当連結会計年度に製品保証引当金として計上しています。しかしながら、顧客との協議は継続中であり、今後の協議の結果次第では、顧客補償、損害賠償、点検・是正措置に係る費用等の費用が発生し、将来の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がありますが、引当金の認識規準を満たしていないため、当連結会計年度における連結財務諸表には反映していません。
また、MOENセグメントにおいて、前連結会計年度に仕入先から請求された購買契約に基づく求償について和解が成立したため、当連結会計年度において未払金4,207百万円を計上しています。
42.コミットメント
決算日以降の支出に関するコミットメントは次のとおりです。
(単位:百万円)
43.追加情報
(不適切な会計処理等について)
(1)第三者委員会による調査について
当社は、当連結会計年度において、当社及び当社グループ会社の経営陣の関与又は認識の下で、資産性にリスクのある資産に関する評価減の時期の恣意的な調整等の連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼす可能性のある不適切な会計処理の疑義を認識したため、当社から独立した第三者委員会による客観性のある調査を行う必要があると判断し、2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置しました。当社は、同第三者委員会に対して、不適切な会計処理の疑義に係る事実関係の調査、不適切な会計処理が判明した場合の影響額の算定、不適切な会計処理が判明した場合の原因の究明及び再発防止策の提言、その他、第三者委員会が必要と認めた事項の調査を委嘱しました。
また、当社は第三者委員会の管理・監督の下、外部専門家が各手続内容を確認して客観性を担保する仕組みを確保した上で、当社及び当社グループ会社のうち、地域の統括会社、休眠会社、清算中の会社、シェアードサービスといった、当社による業績管理の対象とならない一部の拠点を除く288社を対象として、2019年度から2025年度第1四半期までの会計処理の適切性を調査する自己点検を実施しました。自己点検は、第三者委員会の調査の過程において識別された、売上の早期計上、引当金の過少計上、棚卸資産の過大計上や固定資産の減損回避およびコストの資産計上といった不適切な会計処理の類型、一般的に想定される不適切会計の論点、及びニデックグループにおける過去の会計不正又は不適切会計の事案の手法を踏まえた手続チェックリストの作成、それをもとに各拠点担当者による点検、他拠点担当者によるクロスチェック及び外部専門家による確認作業であり、保守的な観点から、第三者委員会の調査対象期間(2020年度から2025年度第1四半期まで)から更に1年遡る形で実施しました。
当社は、第三者委員会より2026年2月27日に調査報告書を受領し、同年4月17日に、最終報告としての調査報告書(追補)を受領しました。
調査報告書において、当社及び当社グループ会社において多岐にわたる拠点で不正及び誤謬による多数の不適切な会計処理が指摘されており、当社は、自己点検の結果を含む第三者委員会の最終報告、品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査及びその他の社内調査等を踏まえ、過年度において重要性の観点から訂正を行っていなかった事項や調査の過程で追加的に判明した事項に関連する誤謬の訂正も含め、これらの不適切な会計処理等に伴う虚偽表示を遡って修正再表示しております。また、当連結会計年度の連結財務諸表等における虚偽表示を修正しております。
当該虚偽表示の修正に係る営業利益の影響額は、当連結会計年度66,201百万円、前連結会計年度△109,615百万円であり、2025年度第2四半期末の連結財務諸表の純資産に与える累積影響額は△482,457百万円であります。
また、当社財務諸表におけるこれらの修正による影響を勘案すると、2022年3月期に実施した自己株式取得31,413百万円、2023年3月期に実施した剰余金の配当及び自己株式取得の総額94,014百万円、2024年3月期に実施した剰余金の配当及び自己株式取得の総額41,244百万円、2025年3月期に実施した剰余金の配当及び自己株式取得の総額53,793百万円、2026年3月期に実施した剰余金の配当22,960百万円は、いずれも会社法及び会社計算規則に基づき算定される分配可能額を超過していたことが判明しました。
なお、当社は、当該虚偽表示の修正に関連して、金融商品取引法に基づく開示規制違反に該当するとして、当局による調査や課徴金納付命令の対象になる可能性があり、調査が行われる場合には、調査への協力など適切に対応してまいります。一方、現時点では、当該事項が当社及び当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響を合理的に見積もることは困難なため、連結財務諸表には反映しておりません。
(2)品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査について
2025年10月30日付で設置した「ニデック再生委員会」による内部管理体制の改善の一環として、各生産拠点における従業員へのヒアリング、工程変更・設計変更等に関する記録の照合、及び全従業員を対象とした品質管理に関する懸念の情報提供を受け付ける通報窓口(品質意見箱)の開設等の方法により実施した品質総点検の結果、当社及び当社グループ会社が製造する一部の製品について、顧客の確認を受けずに行われた部材・工程・設計等の変更等の不適切行為の疑義が判明いたしました。
複数の拠点において不適切行為の疑義が報告されたことから、より詳細な事実関係の解明、原因の究明及び製品品質へのコミットメントを強化するための実効的な改善策の検討のために、同種事案の調査に豊富な経験や専門性を有する外部専門家によって構成される調査委員会を2026年5月13日に設置し、2026年9月2日に調査報告書を受領しました。
調査委員会による調査の結果、当連結会計年度末までに判明している品質に関する不適切行為に係る点検・是正措置に係る費用等については、合理的に見積り、当連結会計年度に製品保証引当金として計上していますが、連結財務諸表への影響額は限定的であります。また、顧客との協議は継続中であり、今後の協議の結果次第では、顧客補償、損害賠償、点検・是正措置に係る費用等の費用が発生し、将来の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、偶発負債として注記を行っています。(注記「27.引当金」、注記「41.偶発負債」参照)
(3)その他の社内調査等について
当社は、以下のような事案(貿易取引及び関税に係る諸問題等)について国際貿易法及び関税法の経験を有する外部専門家への依頼を含む社内調査等を実施し、その影響額を適切に連結財務諸表に反映しています。
①関税問題に関する社内調査
当社は、当社のイタリア連結子会社であるNIDEC FIR INTERNATIONAL S.R.L.FIR社(以下「FIR社」といいます。)において、関税分類、原産地国、通商優遇協定に基づく特恵適用及び輸入価格に関する米国への輸入申告において誤謬があった可能性が高い件について、社内調査の一環として外部専門家による調査を実施しました。当該調査は完了しており、2021年4月1日から2025年9月30日までの期間を対象として、利息を含め6.8百万ドル(約991百万円)の追加納税を行い、2025年12月2日に米国関税庁より、自主申告の審査が終了したとの連絡を受領しました。なお、当該事項については、連結財務諸表に適切に反映しています。
また、FIR社以外における貿易コンプライアンス上の類似問題の有無等について外部専門家に委嘱して調査を行ったところ、当社グループの対米輸出において原産地国表示の誤りが発見されました。これを受けて、当社各拠点からの対米輸出(過去5年間)に係る主要な輸入拠点の全取引を対象として統計的サンプリング調査を実施した結果、米国への輸入申告における関税分類、原産地国、通商優遇協定に基づく特恵適用及び輸入価格に関し、一部に誤りがあることが判明しました。その結果、米国の主要拠点であるNIDEC MOTOR CORPORATION及びNIDEC GLOBAL APPLIANCE NORTH AMERICAをIOR(Importer of Record)とする輸入取引に関する追加関税については、利息を含めて70.7百万ドル(約10,667百万円)と算定され、2026年8月に自主申告を行いました。当該自主申告については、米国税関当局による審査が完了していないため、当社は、外部専門家による調査結果に基づき、利息を含めて70.7百万ドル(約10,667百万円)と算定され、連結財務諸表に適切に反映しています。その他の米国輸入拠点については、財務的影響の重要性を踏まえて選定した5拠点を対象としてNMC及びNGANAと同様に統計的サンプリング調査を実施し、抽出された取引において識別された申告誤りを対象取引に反映する方法により、影響額を16.6百万ドル(約2,502百万円)と見積もり、連結財務諸表に適切に反映しています。21拠点についてもサンプル調査を進めており、現時点で合理的に見積もられる影響額を連結財務諸表に適切に反映しています。今後、これら26拠点について追加関税に係る自主申告を行う予定です。
さらに、対米輸出取引にとどまらず、米国向け輸入取引以外のグループ内取引についても、関税リスクの有無を確認するための調査・分析を実施しました。具体的には、対象取引を整理した上で、取引内容の分析やアンケート・インタビュー等による詳細調査を行い、確認された事項について会計・税務・法務の観点から影響を分析しております。その結果、重大な財務影響を及ぼす事案は確認されませんでした。
②ニデックエレシス株式会社に関する社内調査
当社の連結子会社であるニデックエレシス株式会社(現ニデック株式会社車載事業本部インバータ事業部)において、過年度の中国への輸出取引に際して、中古品の無償取引における申告価格を正当な理由なく適正金額より低く関税申告していたことが疑われる事案について、社内調査の一環として外部専門家による追加調査を実施しました。当該調査は完了しており、連結財務諸表への影響は限定的であります。
③スイス連結子会社に関する社内調査
当社のスイス連結子会社が必要な登録をせずに輸出取引を行っていた事案について、社内調査の一環として外部専門家による追加調査を実施しました。当該調査は完了しており、連結財務諸表への影響はありません。
④中国連結子会社に関する社内調査
内部通報により、当社の中国連結子会社が過年度を含む連結会計年度に源泉所得税を意図的に過少申告していた疑いを認識したため、社内調査の一環として外部専門家による調査を実施しました。当該調査は完了しており、調査の結果、従業員(管理職)による源泉所得税の意図的な過少申告及び根拠不明の引当金計上が確認されましたが、これらの問題による連結財務諸表への影響は限定的であります。
(4)不適切な会計処理等が行われた背景及び再発防止策について
上述の通り、第三者委員会による調査及びその他の社内調査の結果、ニデックグループにおいて多岐にわたる拠点で不正及び誤謬による多数の不適切な会計処理が発見されました。
発見された会計不正の内容としては、将来の使用見込み及び販売見込みが極めて低く、資産性がない原材料及び製品等に資産性が認められると偽って、棚卸資産の評価損を計上しなかった事案、固定資産に関する減損テストの前提とされた売上計画の中に、実現確度が低い案件を含め、減損を回避した事案、付随費用として固定資産に計上することが適切ではない人件費を固定資産に計上し、減価償却を通じて費用化することにより、費用計上時期を先延ばしにしていた事案、ニデックの連結決算に際して、子会社が個別財務諸表で計上していた政府補助金の返還等に係る引当金を、連結財務諸表において不正に戻し入れていた事案、本来収益計上が許されない性質の補助金であるにもかかわらず、その性質を偽り収益計上した事案、不良債権の貸倒引当金を適切に計上しなかった事案など、誤謬による不適切な会計処理も含め多岐に及んでいます。
第三者委員会の調査の結果、発見された会計不正はいずれも、業績目標、特に営業利益目標の達成に向けた強すぎるプレッシャーを背景に行われた不正であると結論づけられました。ニデックグループにおいては、創業者である永守氏の強力なリーダーシップの下、長年にわたり「赤字は悪」であるとの考え方が徹底され、業績目標が必達のものとして捉えられていたことが企業文化としてあり、ニデックグループの業績目標は、長年にわたり、永守氏によるトップダウンで決定され、各事業部門や子会社に割り当てられていたが、それは、投資家目線でどの程度の成長が求められているかといった観点から決められた目標であり、事業部門や子会社の実力を超えるものでありました。その上で、永守氏は、事業部門や子会社を所管するニデック本社の執行役員やCFOに対して、業績目標を達成するよう強いプレッシャーをかけており、ニデック本社の執行役員らに対する業績プレッシャーは、そのまま事業部門や子会社の幹部に対する業績プレッシャーへと繋がっていきました。また、このような状況下において、内部監査部門や経理部門等の管理部門による牽制機能も十分に果たされていませんでした(内部統制の機能不全)。このように、強すぎる業績プレッシャーがニデックグループ全体にかかることにより、また内部統制が十分に機能しないことにより、多岐にわたる拠点で多数の会計不正が行われました。
当社は、再発防止及び内部管理体制等の抜本的な改善を目的として、改善計画・状況報告書(以下「改善計画書」といいます。)を作成し、2026年1月28日付で株式会社東京証券取引所へ提出しました。
その後、当社は改善計画書に基づいて是正措置の整備・運用に取り組んできましたが、2026年2月27日及び4月17日に第三者委員会より受領した調査報告書並びにその他の社内調査結果を踏まえて、改善計画の再検討・見直しを実施しました。これらの内容と是正措置の進捗状況を反映した改善計画書(改訂版)を作成し、株式会社東京証券取引所へ提出いたしました。
当社は、内部管理体制等の改善並びにガバナンス及び組織風土の改革を実行し、その実行状況を継続的にモニタリングするとともに、当社の役職員一丸となってこの改善計画(改訂版)を実行してまいります。
改善計画の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」において記載しています。
(5)修正再表示に伴う主な影響
(6)表示期間より前の期間に与える主な累積的な影響額
上記の不適切な会計処理等について、前連結会計年度(第52期)の期首より前の期間に係るもの(自己点検の対象期間である第46期を含む。)については、その累積的影響額を前連結会計年度の期首の利益剰余金に反映しております。この結果、前連結会計年度の期首の利益剰余金が356,433百万円減少しております。
(特別調査費用等)
当社グループでは、2025年度第2四半期までに不適切な会計処理が行われていたことが判明いたしました。
これらの不適切会計事案等について、第三者委員会及び社外の独立した弁護士及び公認会計士等の外部専門家による調査費用、その調査結果を踏まえた適切な会計処理への修正のための決算対応費用、過年度を含む複数の会計期間にわたる連結財務諸表等及び財務諸表等に対する追加監査報酬等が発生し、当連結会計年度及び当事業年度に30,522百万円を販売費及び一般管理費に計上しています。ただし、外部専門家から支援される改善活動は継続しているため、最終的な計上額は増加する見込みです。
44.重要な後発事象
(1)車載インバータ事業における契約条件の変更
当社は、AMECセグメントの車載インバータ事業に帰属する契約について、2026年9月に顧客との間で供給期間の短縮と供給義務台数の減少の合意等、契約条件の変更に関する覚書を締結いたしました。当該契約変更により、2026年3月31日以降の決算において、当該契約に関連して計上している契約損失引当金は減少することが見込まれる一方、当社が原材料を調達しているサプライヤーからの求償請求に関連する引当金の計上が見込まれております。有価証券報告書提出時点において、これらの引当金の減少・計上の影響額は調査中となっております。
なお、当該契約変更は当連結会計年度末後に成立したものであるため、当連結会計年度の連結財務諸表には反映しておりません。
(2)米国における関税還付手続の開始
米国において国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき課された関税が連邦最高裁判所により無効と判断されたことを受け、当社の一部の米国子会社において、当該関税に係る約70百万米ドルの還付申請手続を開始しております。
なお、当該手続は継続中であり、米国税関・国境警備局(CBP)による審査を経て還付の可否及び還付額が決定されることから、最終的な還付額および還付時期は確定しておりません。
45.連結財務諸表の承認
連結財務諸表は、2026年9月30日に、当社の代表取締役常務執行役員(最高コンプライアンス責任者 兼 最高人事責任者)南井正之、社長執行役員(最高経営責任者 兼 最高技術責任者)戒田理夫及び、執行役員(最高財務責任者代行)中川一夫によって承認されております。
(2)【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(コーポレート・ガバナンスに関する当社の是正状況について)
「注記事項(追加情報)(不適切な会計処理等について)」に記載しているとおり、当社は、2025年9月3日に第三者委員会を設置し、第三者委員会より2026年2月27日に調査報告書を受領し、同年4月17日に最終報告としての調査報告書(追補)を受領しました。調査報告書においては、当社及びグループ会社の多岐にわたる拠点で経営者の関与又は認識のもとにおいて、売上の早期計上、引当金の過少計上、棚卸資産の過大計上や固定資産の減損回避およびコストの資産計上といった不適切な会計処理が行われた旨が記載されております。さらに調査報告書では、当社及びグループ会社の経営者又は経理担当者が、会計監査人の同意を得るために、会計監査人に対して、不正確又は誤解を招く情報を提供したり、関連文書を隠蔽したり、改ざんされた記録を提供したりしていたことが確認されております。なお、第三者委員会が特定した事実に基づく不適切な会計処理等は、財務諸表において修正しております。
しかしながら、当社及びグループ会社において、不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部を特定し、適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置を進めているものの、その一部は完了しておりません。その結果、不適切な会計処理等に関与、指示、又は認識していた、あるいは会計監査人に対して虚偽の説明を行った役職員の一部は、現時点においてもなお、当社及びグループ会社の財務報告プロセスにおいて責任ある立場を担っております。
第三者委員会の調査報告書において識別された事項は、相当な期間にわたり統制環境に内部統制の重要な不備があることを示しており、経営者による内部統制の無効化リスクが十分に軽減されていないことを含め、財務報告に係る当社のガバナンス及び統制環境が有効に機能しているかについて、重大な懸念を生じさせております。また、この状況は、不適切な会計処理等に関与した役職員が提出した、又は当該役職員が回答又は作成、又はレビューし、会計監査人に対して提出した記録、資料及び情報等の信頼性並びに会計監査人に対する経営者からの陳述の信頼性にも影響を及ぼしております。
不適切な会計処理等に関与した役職員の適切な人事的是正措置を決定するための評価及び人事的是正措置が行われているものの、人事的是正措置の一部が完了しておらず、また、後任者についても財務報告に係る責任を引き継いだうえでその職責を適切に遂行していることが十分に確認できていないことから、未発見の虚偽表示が財務諸表に重要かつ広範な影響を及ぼす可能性がありますが、その影響を反映させる場合における財務諸表項目及び金額並びに注記が明らかでないため財務諸表には反映しておりません。
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1)有価証券の評価基準及び評価方法
①子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
②その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
(2)デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法
(3)棚卸資産の評価基準及び評価方法
移動平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)
2.固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産(リース資産を除く)
定額法
なお、主な耐用年数は次のとおりです。
建物 2~50年
機械及び装置 2~10年
(2)無形固定資産(リース資産を除く)
定額法
なお、のれんの償却については、5年の定額法で償却することとしています。
また、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(主に5年)に基づく定額法を採用しています。
(3)リース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法
3.引当金の計上基準
(1)貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2)賞与引当金
従業員の賞与支給に充てるため、支給見込額に基づき計上しています。
なお、賞与支給対象期間が会計期間と一致しているため、事業年度末において賞与引当金は計上していません。
(3)退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、当事業年度末において発生していると認められる額を退職給付引当金又は前払年金費用として計上しています。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしています。
過去勤務費用については、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による按分額を費用処理しています。
(4)製品保証引当金
販売した製品及びサービスに関する補償費用の支出に備えるため、今後支出が見込まれる金額を計上しています。
(5)関係会社事業損失引当金
関係会社の事業に伴う損失に備えるため、当該関係会社の財政状態等を勘案して、当社が負担することとなる損失見込額を計上しています。
(6)債務保証損失引当金
関係会社への債務保証等に係る損失に備えるため、被保証者の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しています。
(7)契約損失引当金
契約に基づき、当該契約による義務を履行するための不可避的なコストが、当該契約により受け取ると見込まれる経済的便益を上回る場合、不利な契約として契約損失引当金を計上しています。当該不利な契約による経済的便益の流出が生じる時期は、製品を販売するために不可避な開発費や資材費を支出する時期であり、主に事業年度末より1年を経過した後の時期として見込んでいます。
4.収益及び費用の計上基準
商品又は製品の販売等に係る収益については、顧客との販売契約に基づいて商品又は製品等を引き渡す時点において、顧客が当該商品又は製品に対する支配を獲得して充足されると判断し、引き渡し時点で収益を認識しています。取引価格は、インセンティブや売上割引等の変動対価を考慮して算定しています。
当社の取引に関する支払条件は、通常、短期のうちに支払期日が到来し、契約に重要な金融要素は含まれていません。
5.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1)繰延資産の処理方法
支払時に全額費用として処理しています。
(2)外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。
(3)グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しています。
(重要な会計上の見積りに関する注記)
会計上の見積りにより当事業年度に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があるものは、次のとおりです。
(1)関係会社株式及び関係会社出資金の評価
1.当事業年度の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
当事業年度において、実質価額が取得原価の50%超下落した関係会社株式及び関係会社出資金(ACIM事業に関連する子会社の持分を直接ないし間接的に保有するニデックヨーロッパ株式会社の株式を含む)について、関係会社株式評価損183,543百万円(前事業年度2,739百万円)及び関係会社出資金評価損2,223百万円(前事業年度28,171百万円)を「特別損失」に計上しております。
なお、関係会社に対する債権の回収不能見込額3,249百万円(前事業年度21,753百万円)を「貸倒引当金」として計上しております。また、債務保証に係る損失に備えるため、将来の損失負担見込額24,528百万円(前事業年度2,931百万円)を「債務保証損失引当金」として計上しております。さらに、関係会社の財政状態を勘案し、当社が負担することとなる損失見込額28,397百万円(前事業年度34,174百万円)を「関係会社事業損失引当金」として計上しております。
2.財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
市場価格のない関係会社株式及び関係会社出資金については、取得価額と各社の純資産金額に基づく実質価額(取得価額に超過収益力等が反映されている関係会社株式及び関係会社出資金については、取得時の事業計画と実績及び最新の事業計画との比較等により超過収益力等の毀損の有無を評価し、実質価額を算定している。)を比較し、実質価額が取得原価の50%超下落した場合には、実質価額まで減損処理をしております。ただし、実質価額が取得価額に比して50%超下回るものの、関係会社にとって実行可能で合理的な事業計画があり回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合には減損処理を行わない方針としております。また、当該関係会社に対する債権の回収不能見込額及び当社が負担することとなる損失見込額は、「(重要な会計方針)3. 引当金の計上基準」に基づいて、「貸倒引当金」、「債務保証損失引当金」及び「関係会社事業損失引当金」として計上しております。
3.翌事業年度の財務諸表に与える影響
当社は上記の判断基準を合理的なものであると考えておりますが、市場の変化や予測できない経済及びビジネス上の前提条件の変化によって、実質価額や事業計画に重要な影響があった場合は、上記の関係会社株式及び関係会社出資金等の評価に影響を及ぼす可能性があります。
(2)契約損失引当金
貸借対照表において契約損失引当金として当事業年度に71,211百万円計上しています。
会計上の見積りの内容については、「連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定 引当金」をご参照ください。
(追加情報)
(不適切な会計処理等について)
(1)不適切な会計処理等の内容について
「1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 43.追加情報(不適切な会計処理等について)」に記載のとおり、当社は2025年9月3日に日本弁護士連合会が定める「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に準拠した第三者委員会を設置し、当社は、第三者委員会より2026年2月27日に調査報告書を受領し、同年4月17日に、最終報告としての調査報告書(追補)を受領しました。また、当社は品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査や貿易取引及び関税に係る諸問題等の社内調査等を実施しました。
調査報告書において、当社及び当社グループ会社において多岐にわたる拠点で不正及び誤謬による多数の不適切な会計処理が指摘されており、当社は、自己点検の結果を含む第三者委員会の最終報告を踏まえ、過年度において重要性の観点から訂正を行っていなかった事項や調査の過程で追加的に判明した事項に関連する誤謬の訂正も含め、これらの不適切な会計処理等に伴う虚偽表示を遡って修正再表示しております。また、当事業年度の財務諸表等における虚偽表示を修正しております。
当該虚偽表示の修正に係る営業利益の影響額は、当事業年度△1,219百万円、前事業年度△3,380百万円です。なお、品質に関する不適切行為の疑義に対する社内調査や貿易取引及び関税に係る諸問題等の社内調査等の結果、当社の財務諸表に与える影響はありません。
調査結果及び修正再表示については、「1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 43.追加情報(不適切な会計処理等について)」をご参照ください。
(2)修正再表示に伴う主な影響
(3)表示期間より前の期間に与える主な累積的な影響額
上記の不適切な会計処理等について、前事業年度(第52期)の期首より前の期間に係るもの(自己点検の対象期間である第46期を含む。)については、その累積的影響額を前事業年度の期首の利益剰余金に反映しております。この結果、前事業年度の期首の利益剰余金が129,778百万円減少しております。
(従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引について)
当社は2018年度より業績連動型株式報酬制度及び業績連動型株式付与制度を導入しています。
1.取引の概要
業績連動型株式報酬制度は役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下、「BIP信託」)の仕組みを採用しています。BIP信託は、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)制度及び譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度と同様に、役位及び業績目標達成度等に応じて社外取締役を除く取締役、執行役員及び同等の地位を有する者に当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付及び給付する制度となります。
業績連動型株式付与制度は株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下、「ESOP信託」)の仕組みを採用しています。ESOP信託は、米国のESOP制度を参考にした従業員インセンティブ・プランであり、役職及び業績目標達成度等に応じて幹部社員に当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付及び給付する制度となります。
上記の制度は、グループ一体となって新中期戦略目標(Vision 2025)の実現及び中長期的な企業価値拡大に向けて、業績目標達成等の意欲を高めることを目的としており、新中期戦略目標で掲げる連結売上高及び連結営業利益の目標達成度に応じて報酬が変動する仕組みとなっています。
2.信託に残存する自社の株式
役員報酬BIP信託、株式付与ESOP信託の会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取り扱い」(実務対応報告第30号 平成27年3月26日)を適用し、信託に残存する当社株式を信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く)により、純資産の部に自己株式として計上しています。なお、当該自己株式の帳簿価額は、前事業年度末7,777百万円、当事業年度末7,766百万円、株式数は前事業年度末1,672,696株、当事業年度末1,670,308株です。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社項目
関係会社に対する金銭債権及び金銭債務は次のとおりです。
※2 預り金
前事業年度(2025年3月31日)
預り金には、キャッシュマネジメントシステムの導入による関係会社からの預託資金68,933百万円と、預託契約による関係会社からの外貨建預託資金55,547百万円(293,032千USD及び72,387千EUR)が含まれています。
当事業年度(2026年3月31日)
預り金には、キャッシュマネジメントシステムの導入による関係会社からの預託資金78,988百万円と、預託契約による関係会社からの外貨建預託資金58,839百万円(290,833千USD及び67,286千EUR)が含まれています。
※3 圧縮記帳額
固定資産の取得価額から控除した圧縮記帳額及びその内訳は次のとおりです。
※4 貸出コミットメント
当社は、子会社とグループキャッシュマネジメントシステム等に係る基本約定等を締結し、貸付限度枠を設定しています。これらの契約に基づく貸付未実行残高は次のとおりです。
グループキャッシュマネジメントシステム及び金銭消費貸借契約に係る貸付未実行残高の総額を表示しています。
5 偶発債務
次の子会社等の借入債務等に対して、債務保証を行っています。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引に係るものは次のとおりです。
※2 開発試作品の売上原価相当分を販売費及び一般管理費(研究開発費)等から振り替えています。前事業年度及び当事業年度の他勘定受入高は次のとおりです。
※3 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度7%、当事業年度5%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度93%、当事業年度95%です。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりです。
※4 固定資産売却益の内訳は次のとおりです。
※5 関係会社事業損失引当金戻入額は、当社子会社の債務超過額に対して計上していた関係会社事業損失引当金の戻入益であります。
※6 関係会社貸倒引当金戻入額は、関係会社に対する貸付金等に対して、貸倒引当金を戻入処理したものであります。
※7 固定資産処分損の内訳は次のとおりです。
※8 関係会社株式評価損及び関係会社出資金評価損は一部の関係会社株式及び関係会社出資金の実質価額が著しく低下したことに伴い、当社所有株式及び出資金を評価減したものです。
※9 特別損失の特別調査費用等30,522百万円はNIDECにおいて発生した不適切な会計処理に関する特別調査委員会による調査費用及び過年度決算対応関連費用等を計上したことによる損失であります。
※10 関係会社事業損失引当金繰入額は、関係会社債務超過額に対して計上した関係会社事業損失引当金の繰入額であります。
※11 関係会社貸倒引当金繰入額は、関係会社に対する貸付金等の回収不能見込額の繰入額であります。
※12 債務保証損失引当金繰入額は、当社の子会社の債務保証について計上しております。
(株主資本等変動計算書関係)
1. 前事業年度に取得した自己株式7,772百万円については、会社法及び会社計算規則に基づき算定される分配可能額を超過して取得されていたことが判明しました。取得した自己株式は、株主資本等変動計算書の自己株式の取得及び2025年3月31日の残高に含まれています。
2. 前事業年度に実施した剰余金の配当46,021百万円は、会社法及び会社計算規則に基づき算定される分配可能額を超過していたことが判明しました。
3. 当事業年度に実施した剰余金の配当22,960百万円は、会社法及び会社計算規則に基づき算定される分配可能額を超過していたことが判明しました。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2025年3月31日)
当事業年度(2026年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(注)当事業年度においては、税引前当期純損失が計上されているため記載を省略しております。
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しています。又、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
(企業結合等関係)
共通支配下の取引等
当社は、2025年3月8日開催の取締役会における決議に基づき、2025年5月1日を効力発生日として、当社の完全子会社であるニデックモビリティ株式会社のインバータ事業を承継する吸収分割を行いました。
1.取引の概要
(1)対象となった事業の名称及び当該事業の内容
ニデックモビリティ株式会社におけるインバータ事業
(2)企業結合日
2025年5月1日
(3)企業結合の法的形式
当社を承継会社とし、ニデックモビリティ株式会社を分割会社とする吸収分割
(4)結合後企業の名称
結合後企業の名称に変更なし
(5)その他取引の概要に関する事項
本吸収分割を通じて、経営資源の効率的利用を図り、車載事業の一層の強化と 自律成長の加速で、更なる収益力の向上を目指します。
2.実施する会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)等に基づき、共通支配下の取引として処理します。
(収益認識関係)
当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
(i)物品の販売
精密小型モータ、車載、家電・商業・産業用、機器装置の製造・販売については、物品の引き渡しが完了した時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しています。従って、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。
(ⅱ)契約資産及び契約負債
契約資産は顧客に移転した財又はサービスと交換に受け取る対価に対する権利のうち、時の経過以外の条件付きの権利です。契約負債は財又はサービスを顧客に移転する前に、顧客から対価を受け取っている又は対価の支払期限が到来しているものです。
(ⅲ)顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
顧客との契約を獲得するための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分を資産として認識しています。顧客との契約を獲得するための増分コスト及び契約履行コストは、契約に基づくサービスが提供される期間にわたって償却しています。
顧客との契約を獲得するための増分コストは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。契約履行コストは、顧客との契約を履行する際に発生したコストのうち、他の基準の範囲に含まれない、契約又は企業が具体的に特定できると予想される契約に直接関連し、将来において履行義務の充足(又は継続的な充足)に使用される企業の資源を創出するか又は増価するものです。
(重要な後発事象)
当社は、AMECセグメントの車載インバータ事業に帰属する契約について、2026年9月に顧客との間で供給期間の短縮と供給義務台数の減少の合意等、契約条件の変更に関する覚書を締結いたしました。当該契約変更により、2026年3月31日以降の決算において、当該契約に関連して計上している契約損失引当金は減少することが見込まれる一方、当社が原材料を調達しているサプライヤーからの求償請求に関連する引当金の計上が見込まれております。有価証券報告書提出時点において、これらの引当金の減少・計上の影響額は調査中となっております。
なお、当該契約変更は当事業年度末後に成立したものであるため、当事業年度の財務諸表には反映しておりません。
④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注)1.当期増加額の主なものは、次のとおりです。
土地 向日町ニデックパーク 1,546百万円
2.「当期首残高」、「当期減少額」及び「当期末残高」欄の[ ]内は内書きで、土地の再評価に関する法律(平成10年法律第34号)により行った土地の再評価実施前の帳簿価額との差額です。
3.百万円未満を四捨五入して表示しています。
4.「当期減少額」欄の()内は内書きで、減損損失の計上額です。
【引当金明細表】
(注)貸倒引当金の当期減少額は、洗替による戻入額です。
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3)【その他】
該当事項はありません。
第6【提出会社の株式事務の概要】
(注)1.当社定款の定めにより、単元未満株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利以外の権利を有していません。
2.単元未満株式の買取の請求は、証券会社等の口座管理機関(特別口座の場合は、上記三井住友信託銀行株式会社)を通じて行うものとします。
第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1)有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度(第52期)(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)2025年9月26日関東財務局長に提出
(2)内部統制報告書
2025年9月26日関東財務局長に提出
(3)訂正発行登録書
2025年6月24日関東財務局長に提出
2025年6月30日関東財務局長に提出
2025年11月14日関東財務局長に提出
2025年12月22日関東財務局長に提出
(4)半期報告書及び確認書
第53期中(自 2025年4月1日至 2025年9月30日)2025年11月14日関東財務局長に提出
(5)臨時報告書
2025年6月24日関東財務局長に提出
2025年11月14日関東財務局長に提出
2025年12月22日関東財務局長に提出
2026年6月22日関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書です。
(6)自己株券買付状況報告書
報告期間 (自 2025年9月1日 至 2025年9月30日)2025年10月6日関東財務局長に提出
報告期間 (自 2025年10月1日 至 2025年10月31日)2025年11月7日関東財務局長に提出
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。