第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。
2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社を有していないため記載しておりません。
3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第72期から第74期については潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったことから期中平均株価が把握できないため、第75期及び第76期については潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
4.第72期から第75期については当社株式は非上場であるため株価収益率を記載しておりません。
5.第72期、第73期及び第75期の1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。
6.第74期の1株当たり配当額は臨時配当であります。
7.第72期及び第73期については、キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。
8.従業員数は就業人員であり、臨時の雇用者数の年間平均雇用人数は〔 〕に外書きで記載しております。
9.第74期から第76期の財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、太陽有限責任監査法人により監査を受けておりますが、第72期及び第73期の財務諸表については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を受けておりません。なお、第73期の計算書類については、会社法第436条第2項第1号の規定に基づき、太陽有限責任監査法人の監査を受けております。
10.当社は、2025年4月17日付で普通株式1株につき20株の割合で株式分割を行っておりますが、第74期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
11.第72期から第76期の株主総利回り及び比較指標は、2026年4月24日に東京証券取引所スタンダード市場へ上場したため、記載しておりません。
12.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
ただし、当社株式は、2026年4月に東京証券取引所スタンダード市場に上場されており、それ以前の株価については該当事項がありません。
2 【沿革】
1893年3月、創業者である吉田熊太郎は、現在の奈良県葛城市において、日本酒の製造・販売を目的として当社の前身である「吉田熊太郎商店」を創業いたしました。
その後、1950年5月に事業拡大のため当該事業を法人化し、商号を「梅乃宿酒造株式会社」といたしました。
梅乃宿酒造株式会社設立以後の当社に係る経緯は、次のとおりであります。
3 【事業の内容】
当社は、「新しい酒文化を創造する」をパーパス(目的)として、酒類の製造及び国内外での販売等の事業を行っております。
当社は、創業者が吉田熊太郎商店として事業を開始した1893年3月より日本酒の製造販売を行っております。日本酒蔵としては後発となりますが、酒の品質にこだわり、戦後復興の景気を捉えることで地元ブランドの日本酒蔵として認知度を向上させてまいりました。高度経済成長期には大手メーカーの日本酒が人気となり、これに伴って「桶売り」(造った酒を他の酒蔵に売り、買い手の商品として販売する商慣習)の需要が拡大しました。当社は当該需要を獲得すべく思い切って生産設備に投資を行い、旺盛な日本酒需要を背景に事業を拡大いたしました。
しかし、高度経済成長期が一段落した1970年代を境に日本酒の消費量は減少に転じ始めました。「桶売り」の需要に減少がみられる中、当社は、次なる戦略として自社ブランドへの回帰を目指し、当時はまだ幅広く知られていなかった吟醸酒造りに進出いたしました。必ずしも地酒蔵にとって良い環境とはいえない中にありながら、当社は吟醸酒ブームに乗ってブランド力を高めることに成功しました。吟醸酒を展開する一方、まだ吟醸酒が広く飲まれていなかった地元奈良向けには本醸造酒の製造販売を開始するなど、時代・地域に応じたニーズを捉えながら事業を継続してまいりました。
現在では当社のように一年を通して日本酒を製造する例も増えましたが、日本酒は元来季節商品です。秋を迎えるころに準備に取りかかり、冬に仕込み、春になって新酒の出荷が始まると4月から10月は休蔵期に入るというサイクルでした。そのため、年間を通じて安定した収入が得られないことが、経営を難しくしていました。当社は、1990年代後半から2000年にかけて、この課題を打開すべく、当時話題となっていた微発泡酒の開発・販売など、業績の平準化に向けた取り組みを行っておりました。
そのような取り組みの中で、当社にとって大きな転機となったのが、現在の主力商品である日本酒リキュールへの進出の第一歩である梅酒の製造販売です。まだ梅酒といえば自宅で漬けるものといったイメージが強かった中、当社は酒類等製造免許の規制緩和を機に2001年にリキュールの製造免許を取得し、日本酒蔵としては先駆的であった日本酒仕込みの梅酒の製造販売をスタートさせました。これは、ライフスタイルの変化から、ライトリカーの市場拡大を早期に察知したためです。
当時は業界から非常識とされたリキュールへのチャレンジでしたが、この梅酒が大きなヒットとなり、更なる事業拡大の契機となったほか、日本酒蔵にありがちであった季節的な業績変動を克服するなど、経営の安定にもつながりました。
その後も、当社は、日本酒の可能性を広げるべく、様々な果実リキュールの新作を開発し、飲酒カテゴリーの多様化といったマーケットの変化に柔軟に対応しながら事業の拡大を続け、現在は、伝統の日本酒造りを軸としつつ、果実をふんだんに使用した「あらごしシリーズ」をはじめとする日本酒リキュールを販売アイテムの中心として様々な商品を展開し、当事業年度の売上高は3,091,141千円、売上総利益率は56.1%と、清酒製造者、リキュール製造者の平均を上回る(注1)収益性を有するに至っております。とりわけ、リキュール製造者平均を上回る理由については、「(1) 商品の特徴」に記載のとおり、当社が一定のシェアを有していることで、価格をコントロールしやすい状況にあるためであると考えております。
近年では、日本酒造りで培った技術と業種平均を上回る収益性という2つの基盤を活用し、「驚きと感動で世界中をワクワクさせる」のミッションのもと、大和の地酒造りというアイデンティティを守りながらも、お酒の新たな可能性を開拓すべく既存の常識にとらわれない新商品開発に挑戦し、消費者との共創を重要視し、「私たちの挑戦が世界の新たなスタンダードを創り出す」というビジョンの達成に向け、事業に邁進しております。また、日本の酒文化を世界に伝えるべく海外展開にも力を入れております。
(注)1.清酒製造者平均の酒類事業売上高は715百万円、売上総利益率は25.6%、リキュール製造者平均の酒類事業売上高は6,573百万円、売上総利益率は39.9%(出所:国税庁「酒類製造業及び酒類卸売業の概況(令和7年アンケート)」)
当社の2021年6月期以降の業績推移は以下のとおりであります。以下の売上高に基づき算出した2022年6月期から2026年6月期までの売上高成長率(平均成長率)は15.5%となります。
(金額単位:百万円)
*1 2021年6月期から2023年6月期の財務数値については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を受けておりません。なお、2023年6月期の計算書類については、会社法第436条第2項第1号の規定に基づき、太陽有限責任監査法人の監査を受けております。
*2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年6月期の期首から適用しており、2022年6月期以降に係る財務数値及び比率については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。
(1) 商品の特徴
① 定番商品
当社は、日本酒及び「梅乃宿の梅酒」や「あらごしシリーズ(後述)」等の果実をつけ込んだ日本酒リキュールを中心として製造販売するほか、ジン等のスピリッツの製造と販売を行っております。また、事業拡大の一環として、酒粕、ドレッシング等の発酵をテーマとした食品を国内に向け販売しております。
品目別の特徴といたしまして、日本酒は、少量・高品質にこだわり、純米大吟醸、純米吟醸などの高級酒カテゴリーをはじめとした特定名称酒(精米歩合や原料等、一定の条件に適合した清酒)に集中して製造販売しております。
日本酒の醸造に用いる米は、主として雄町米、山田錦などの酒造好適米を用い、特定名称酒等の規格に応じた精米を行ったのち、少量で高品質な醸造を行っております。日本酒造りでは、酒造好適米の品質が日本酒の品質に直結するため、契約農家、生産地を訪問し、生育状況など、リアルタイムな情報交換を行い、高品質な原料米の入手体制を整えております。前述のとおり、当社は純粋な日本酒に留まらず様々な商品を展開しておりますが、努力を惜しまず日本酒の品質を追求し続けております。その結果、これまでに、モンドセレクション金賞、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)トロフィ、ワイングラスで美味しい日本酒アワード金賞などをはじめとする受賞歴(注3)を有しております。これらの受賞は、当社の品質へのこだわりが客観的に認められた証であり、一定の目的を達成したものと捉え、現在は出品に伴うコスト工数を踏まえ、酒類アワード等への出品は休止しております。現在は、この実績により培われた高い品質基準を堅持しつつ、限られた経営資源をよりお客様への価値提供と事業拡大に集中させるため、外部コンテストへの出品は見合わせております。
当社の日本酒は、これまでも上記のような評価をいただいておりますが、特に2025年10月28日の高市早苗首相とドナルド・トランプアメリカ合衆国大統領の首脳会談後の昼食会では、当社の「葛城 純米大吟醸」がメニューに採用されるという栄誉を得ました。
(注)3.モンドセレクション2022:最高金賞「葛城 純米大吟醸」、金賞「白鳳 大吟醸」、モンドセレクション2023:金賞「葛城 純米大吟醸」、第16回フェミナリーズ世界ワインコンクール2022:日本リキュール部門金賞「梅乃宿 ゆず酒」、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2022:トロフィ「梅乃宿 Unfold SAKE」、金賞「梅乃宿 紅梅 純米」、IWC2023:トロフィ「梅乃宿 純米吟醸」、銅賞「梅乃宿 純米大吟醸 山田錦」、Kura Master2023:金賞「葛城 純米大吟醸」、ワイングラスで美味しい日本酒アワード2023:金賞「梅乃宿 紅梅 純米」
リキュールについては、奈良県産を中心とした国産の梅の実を用いて仕込んだ梅酒及び、現在の主力ブランドである果肉をふんだんにブレンドした「あらごしシリーズ」を中心に展開しております。当社は、10種類以上のフルーツリキュールを製造し、製造に関する20年以上の経験を有しております。当社商品は、自社製造の日本酒仕込みによる、アルコール感が優しく飲みやすい商品であり、2024年時点で、国産リキュール市場(注4)において当社は16.7%のシェアを占めております(出所:株式会社富士経済「2026年食品マーケティング便覧No.3」)。
梅酒については、日本酒をベースとして青梅・完熟梅などをバランスよくブレンドし、丁寧に熟成させ飲みやすさを追求しております。
(注)4.ここでは、株式会社富士経済「2026年食品マーケティング便覧No.3」におけるリキュール類(スピリッツに果実やハーブの香りをつけ糖質などを添加したアルコール飲料のうち、アルコール度数10%未満の缶チューハイ等の割らずにそのまま飲めるものを除いたもの)のうち、国産のものからレモンサワーの素を除いた金額を果実リキュールの市場規模としています。また、シェアは直近の実績値である2024年の当該市場規模を分母とし、当社の2024年における年間のリキュールの売上高を分子として算出しております。
「あらごしシリーズ」は梅酒を漬けた後の果肉成分をブレンドした梅酒である「あらごし梅酒」を皮切りに、現在では「あらごしゆず」、「あらごしみかん」等、ラインナップを拡充し、アルコールライトユーザーをターゲットに展開しております。リキュールカテゴリーにおきましては、果汁をブレンドしたものを主として様々な商品が販売されておりますが、当社の「あらごしシリーズ」は、製法上の工夫により食感も味わうことができるほどの果実感を残していることを特徴としております。多様な果実を用いた商品をラインナップすることにより、様々な趣味嗜好・食文化・シーンに対応できることから、グローバルでも展開が見込めます。
リキュールに用いる原料は、国内・海外の原料を、産地・品種・品質などの観点から選定し、原料メーカーより調達しております。特に、当社の基幹ブランドである、あらごし梅酒などのあらごしシリーズにおいては、果肉分が特徴となることから、異物混入防止等を含め、品質検査を徹底しております。
なお、当社商品は香料、保存料、着色料を使用しておりませんが、20年以上の製造経験により培った技術により新鮮な果実を感じさせる色彩を保ったまま商品化しており、見た目にも楽しめる商品となっております。
(日本酒)

(リキュール)

② 新商品
当社の考える「新しい酒文化の創造」には、日本酒の「おいしさ」を追求しながらも「楽しさ」を探っていくことが欠かせません。当社は、日本酒蔵としていち早く日本酒リキュールの製造に着手するなど、日本酒の新たな可能性にトライしてまいりました。その革新の精神を受け継ぎ、酒造りで培ってきた伝統的な技術を基礎としつつ、日本酒の多様な楽しみ方を提案し、日本酒の魅力を次の世代に引き継ぐため、既存の枠にとらわれない新たな商品の開発に力を入れております。
近年の新商品例としましては、2022年7月よりECショップのリニューアルに合わせて、果肉をふんだんに使用したリキュールである「大人の果肉の沼」シリーズを「PARLORあらごし」ブランドとして展開開始いたしました。
「大人の果肉の沼」シリーズ第一弾の「PARLORあらごし 大人の果肉の沼「いちご」」は、「いちご果肉をそのまま食べるようにたのしめる」コンセプトのリキュールであり、いちごジャムを思わせる大粒の果肉感と「とろっと感」を特徴としております。当該商品は、そのネーミングとヴィジュアルのインパクトが相俟って、SNS等で多数の反響を獲得いたしました。「大人の果肉の沼」シリーズは、第二弾「マンゴー」(2023年6月)、第三弾「もも」(2024年4月)と順次展開しており、現在当社オンラインショップにて販売上位の商品となっております。2026年6月期におきましても、同シリーズ「大人の果肉の沼いちご」のクリスマス限定ラベルを投入するなど、継続的な話題化を図っております。
また、健康志向の高まりや飲酒に対する社会的な認識の変化により日本のみならず世界中でノンアルコールドリンクの人気が高まっている社会背景の中、「あらごしシリーズと同様の味わいのノンアルコールドリンクが欲しい」というお客様の声に応えて、2024年11月より「梅乃宿ノンアルコールあらごしゆず」を北海道エリアにおいて先行販売を行い、2025年4月より「梅乃宿ノンアルコールあらごしもも」をラインナップに加えて、全国展開を行いました。
2026年6月期の新商品としましては、国内における日本酒需要の低迷を受け、独自のブレンド技術を結集した「果本酒」を2025年7月に発売いたしました。「あらごしシリーズ」等の開発ノウハウを応用し、日本酒本来の味わいと華やかな果汁感を併せ持つ商品となっております。さらに、国内BtoB市場においては、2025年6月期に発売した「甘くておいしいトマト」に続き、2025年9月に「甘くておいしいキャロット&オレンジ」を発売し、商品ラインナップの強化を推進いたしました。
新たな取り組みといたしまして、2026年6月にはプレミアム梅酒「AFULL 刻覚(あふる ときさめる)」を発売し、ハイブランドラインナップ展開を開始し、高付加価値商品による新たな顧客層の開拓に取り組んでおります。
また、海外市場においては、中国経済の停滞、イラン情勢の不透明な状況が続く中、北米市場、中華圏市場の拡大のほか、新たな販路の拡大等に取り組んでおります。
こうした新商品は自社ECショップ等を中心にSNS等を通じたマーケティングを駆使して販売してまいります。ユニークかつインパクトのある新商品が創出する話題性は、リアルとデジタル両面でコミュニケーションを生み出すことが期待できます。こうした取り組みを通じて、新鮮な酒体験を提供することが、中長期的に酒文化の更なる充実・進化につながるものと考えております。
当社の新商品開発は、企画から開発までをスピーディーに行い、ECショップやSNS等を通じてリアルタイムに反響を確認しながら、トライ&エラーを反復するモデルとなっております。スピード感のある商品開発の継続により、歴史ある日本酒蔵のイメージにとらわれない果敢な商品を世に送り出し続けることを通じて、「クラフト感(注5)」のある酒蔵としての当社ブランドを確立し、新たな顧客基盤やファンの開拓につなげております。
こうした新商品開発においても、原材料である酒の調達、迅速かつ連続的な試行錯誤の実行、品質の追求等の様々な面において、当社が自社で日本酒を製造しており、技術と経験を十分に蓄積している酒蔵である点が、有利に働くものと考えており、確かな伝統に裏打ちされた信頼感と遊び心あふれるクラフト感を両立することが、「梅乃宿」のユニークなブランディングにつながるものと考えております。
(注)5.「クラフト」は、「クラフトビール」のブーム等により用いられるようになった言葉であり、元来の「手作り」だけではなく、酒業界では「小規模」「個性的」「新規性」等のイメージを伴って用いられます。クラフトサケブリュワリー協会は「クラフトサケ」を「日本酒(清酒)の製造技術をベースとして、お米を原料としながら従来の「日本酒」では法的に採用できないプロセスを取り入れた、新しいジャンルのお酒。」と定義しております。
(2) 生産体制
当社では、製造を自社にて行っております。現在の製造拠点は、2022年7月に移転した新蔵(現本社所在地)であり、新設備による蔵内の温度管理や衛生管理の精度向上により、天候や微生物の混入など外的要因に左右されることなく、より衛生的で安定した品質の酒造りを実現するとともに、作業の大幅な効率化も実現いたしました。
また、酒造りには杜氏と蔵人たちが出稼ぎで蔵に入り、酒造りの本番である冬季だけ働くという伝統がありますが、当社では、労働力不足の時代に即した人材の確保、技術の継承、働きやすさの確保等の観点から、2017年以降杜氏制度を廃止し、当社従業員である蔵人全員での酒造りへ転換しております。
それに伴い、杜氏の勘と経験に頼っていた酒造りから、これまで収集してきた日本酒醸造時の温度経過・成分などの分析値などのデータを活用した酒造りへの転換に取り組み、同一製品の味の再現精度の向上等、品質の安定化を実現しております。また、当社は、日本酒のみを製造する酒蔵と異なり、日本酒リキュールを製造していることから、リキュールに用いられる多様な副原料の特徴に応じた最適な日本酒を常に模索しております。こうした日常的に行われる探索的な酒造りを通じて蓄積される様々なデータの有効活用により、「ねらった味」に辿り着く酒造りの一層の合理化、品質向上が可能となるものと考えております。
さらに、当社は、生産性の向上、労務負荷の低減、製造原価の削減、製品品質の安定化などの課題解決に向けて、製造施設の機械化、自動化の推進にも取り組んでおります。近年では酒瓶梱包ラインへのロボットの導入、ラベル貼り工程の自動化等を行い、今後も更なる効率化に向けて検討を進めております。
(3) 販売体制
当社の主要マーケットは、2026年6月期において国内マーケット75.1%(内訳、BtoB:60.8%、BtoC:14.3%)、海外マーケット24.9%の構成比となっております。詳細は以下のとおりであります。
① 国内マーケット
当社の国内販売は、酒販店などの酒類専門業者、問屋業の卸売業者へのBtoBと、直営店やEC販売でのBtoCのチャネルを有しております。
BtoBにつきましては、当社は、定価販売を行う専門店を中心とした展開を行ってまいりました。長年にわたる当社の品質管理や納期遵守の徹底による安定感が、取引先との信頼関係構築につながり、現在では国内取引企業1,000社超のネットワークを有しております。
BtoBは当社の「あらごしシリーズ」のヒットを牽引する販売基盤であり、リキュールの販売が中心となっております。近年におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、酒販店の取引先である料飲店が大きな打撃を受けておりましたが、取引先と連携しながら新規料飲店の開拓など再興を進めているところであります。また、近年では、量販店を通じた販路拡大にも取り組んでおり、国内大手顧客の開拓を行い大規模商談の獲得にも成功しております。
BtoCの売上については、酒類を含む食品、飲料市場のEC化率は5%未満と未だ低い水準にあるとされており(出所:経済産業省 令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査))、今後の市場規模拡大が期待されます。当社では、当該市場のポテンシャルを引き出すべく、2022年7月に自社ECサイトをリニューアルし、EC映えのする新商品の投入とSNS等を活用したプロモーション施策を展開しております。また、ECでの販売については、自社ECショップのほか、Amazon、楽天等の外部が運営するECモールへも出店し、BtoC市場の間口獲得を推進しております。
当社は、自社ECサイトの魅力度を高め、今後の当社売上の柱へ成長させるために、EC専用商品の企画開発・販売、SNS等の活用による新規顧客の獲得、会員サイト・コミュニティサイトを活用した情報提供や消費者とのコミュニケーション深化によるリピーター獲得などの施策を引き続き推進してまいります。また、ECの強化と同時に、2022年の新蔵移転時に直営店を併設し、日本酒蔵の見学や梅酒づくり体験、年2回の当蔵の開放イベント等を通じ、観光需要を掘り起こすとともに体験価値を提供し、消費者と直接の接点を持つための取り組みを進めております。
当社と消費者とのコミュニケーション強化は、消費者の声を活かした商品開発等につながる他、BtoBの商流においても、消費者の声を反映した取引先との交渉を可能にします。こうした、BtoBとの間でのシナジー創出に向けたBtoC基盤の強化のため、EC、商品開発、広告、販促、SNS、PR機能を同組織下に配置し、企画から実行、検証までを迅速に行い得る体制を構築しております。
② 海外マーケット
当社は、2002年より輸出事業を開始いたしました。輸出開始から20年以上が経過し、現在ではアメリカ合衆国・中華人民共和国・香港・台湾・ドイツ・オーストラリア・マレーシア・イギリスなど24の国又は地域に販路を展開しております。
海外売上高の主な構成といたしましては、輸出先ではアジアが41.6%、北米が18.6%、欧州が11.7%、オセアニアが6.8%、その他の地域が8.5%となっており、空港免税店向けの販売が12.8%の比率となっております。
当社の海外販売のうち、87.7%をリキュールが占めております(2026年6月期)。これは、主要輸出国の中国、香港、台湾に加えて、近年注力している欧米、オセアニアなどにおいて、みかん、ゆず等の果実を用いた日本産リキュールが希少である中、果実をふんだんに用いた当社の商品が評価され、徐々に拡大を続けているものであり、各地域への定着及びアジア圏をはじめ、その他輸出国への市場拡大を見込んでおります。
世界的な和食ブームや、和食のユネスコ無形遺産登録もあり、今後も日本製品の需要には期待できるものと考えております。当社は、各輸出国の代理店との連携、大型量販店の開拓、代理店を通じた料飲店の開拓等の施策を進めてまいります。
各国の嗜好性の違いについては把握が進んできており、専用商品の開発も行いながら、当社シェアの拡大に向けた活動も継続して実施いたします。また、当社はインバウンド需要においても積極的に取り組んでおり、関西国際空港、成田国際空港、新千歳空港などの国際空港にある免税店向けの商品ラインナップを充実させることで、訪日観光客からの需要獲得を推進しております。さらに、北米におきまして、ジン、ウォッカの販売を開始するなど、日本酒、リキュールにとどまらない顧客獲得策を実施しております。
なお、海外への販売に関しましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (6) 海外市場に対するリスク」に記載いたしましたとおり、テロ、戦争・伝染病等の社会的混乱、政治的な要因による経済摩擦の発生等の要因が業績に影響を及ぼすリスクがあります。近年においても、福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出に関連して、中国での販売が困難になる等の事象が発生いたしました。特定の国又は地域におけるかかる事象や景気の変動が業績に悪影響を及ぼすリスクに対処するためにも、新規国の開拓には積極的に取り組んでおります。
近年の海外売上高の推移は以下のとおりです。
(金額単位:百万円)
* 海外売上高には免税店を含む空港向けの販売の全部又は一部が含まれます。空港向けの販売は重要性の増加に応じて管理区分を変更しており、2025年6月期から、国内商社経由の空港向けの販売については、免税店向けの販売が含まれないため、国内での販売(BtoB)として管理しております。そのため、2025年6月期以降は、国内商社経由での空港向けの販売額は含まれておりません。
(4) 事業成長モデル
当社は、BtoB事業とBtoC事業間に好循環を創出する「UMENOYADO LOOP」を事業成長モデルに掲げ、更なる成長を目指しております。これは、BtoB事業を大きな売上を獲得する場、BtoC事業を新しいチャレンジの場と位置付け、BtoB事業において大規模生産する定番商品の販売から獲得する安定的な収益を、BtoC事業での新たなマーケティング・商品開発に投資し、その成果としての認知拡大や新商品をBtoB事業に波及させることで、さらなるBtoB事業の販路・売上拡大につなげるサイクルを循環させるものです。
[UMENOYADO LOOPの概念図]

「UMENOYADO LOOP」におけるこのような好循環を創出・強化するうえで、当社は、消費者との共創が重要であると考えております。当社は、「生活者共創型マーケティング」の場を構築し、自社サイトやSNS等を通じてファンとコミュニケーションをとりながら、消費者のファン化を推進し、良好な関係を築いたうえで、その生の声を生かしながら商品を開発し、ファンと共に価値を創り上げる体験を提供することを通じて、ファンコミュニティの更なる強化・拡大を図ります。
[生活者共創型マーケティングの概念図]

[事業系統図]

4 【関係会社の状況】
該当事項はありません。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社は、「新しい酒文化を創造する」ことをパーパスとし、「驚きと感動で世界中をワクワクさせる」ことをミッションに掲げ、「私たちの挑戦が世界の新しいスタンダードを創り出す」ことをビジョンに定め、カテゴリー・名称といった、お酒の概念にとらわれることなく、おいしさを求めながら楽しさも探求することにより、誰もがおいしく、楽しいと感じるお酒を生み出し、飲む人を笑顔にする、人を幸せにする酒づくりに挑戦いたします。
当社の価値観、行動指針は以下のとおりであります。
進化 :失敗を恐れず挑戦し、変わり続けることを楽しむ
団結力 :皆を思いやり、絆を深め、同じ方向を向く
誠実 :規律を守り、ホスピタリティを持ち、小さな約束も守る
情熱 :何事も自分事として能動的に捉え、高い志を持って行動する
本質思考:前例に頼らず、プロ意識を持って考え尽くす
遊び心 :完璧に捉われず、好奇心やユーモアを大切にし、梅乃宿を楽しむ
このような理念に基づき、お客様の価値軸に寄り添いながらも、常に新しい発信と価値提案を続けることにより、顧客満足度の向上を継続させ、当社の社会的価値の向上とともに企業価値の最大化を図り、持続的な発展を目指すものであります。
(2) 経営環境
当社を取り巻く環境は、以下のとおりであります。
① 国内酒類市場
全体として、国内酒類市場は縮小傾向が続いており、これは人口の減少や、少子高齢化や若年層の飲酒離れ等の要因によるものと考えております。また、消費者の嗜好の多様化により酒類もバラエティ化が進み、市場の細分化や商品の改廃を伴う回転が加速しております。
近年では、特に新型コロナウイルス感染症をきっかけとした生活様式や働き方の変化が、酒類の消費に影響を与えております。特に、小売市場においては、コロナ禍にEC市場が消費者の新たな購買チャネルとして急成長を遂げました。当該傾向は、自宅での食事や娯楽を楽しむ「イエナカ消費」のニーズとともに、新たな市場として、今後も拡大がみこまれるものと考えております。また、近年、ユニークな副原料等を用いた酒が注目されるようになり、2022年には「クラフトサケブリュワリー協会」が設立されるなど「クラフトサケ」ジャンルが認知されつつあります。こうした小ロットの商材はECを通じた販売と親和性が高いものと考えており、当社でも「クラフト感」のある新商品開発に力を入れながらBtoCの強化に取り組んでおります。
個別の市場に目を移すと、国内飲食店市場については、円安を背景にした物価上昇を受けて、価格改定による顧客単価の上昇が売上の増加要因となる一方、物価上昇に伴う消費者の節約志向等により、コロナ禍から回復してきた顧客数に頭打ちの傾向が見られる環境の中、訪日外国人客が過去最高となるなどのプラス要因により、2025年は外食産業全体で業態問わず売上高が前年を上回る状況となりました(出所:一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査令和7年(2025年)年間結果報告」)。
酒類販売業者を通じた家庭向け販売市場におきましては、コロナ禍に喚起された需要が継続する傾向にあり、引き続き堅調であるものと考えております。また、国内のEC市場につきましては、酒類を含む食品、飲料市場のEC化率は5%未満と未だ低い水準にあるとされておりますが、市場規模は2024年において前年比6.36%増加しており(出所:経済産業省 令和6年度デジタル取引環境整備事業「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」)、今後の市場規模拡大が期待できる状況にあります。
② 海外酒類市場
海外向けの酒類販売市場は成長を続けており、2025年年間の日本産酒類の輸出金額は1,495億円と過去最高額を更新いたしました。当社は、日本政府の日本産酒類の輸出拡大施策や、和食のユネスコ無形遺産登録等の好材料を追い風に、今後も輸出市場の拡大が期待できるものと考えております。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化による世界経済の不安定化、中国国内の経済動向、米国の通商政策の影響などの不確定要素もあり、国際情勢によって不測の影響を受けることも考えられます。
日本産酒類の輸出先を国別にみると、中国、アメリカが最大市場であり、韓国、台湾、シンガポール、香港がそれに次ぐ構図となっております(出所:国税庁「最近の日本産酒類の輸出動向について(2026年2月作成)」)。
③ 生産面
製造面においては、原材料費・包材費・人件費等の生産コストの上昇、物流費の高騰など原価を圧迫する要因が増加の一途をたどっております。原材料においては、生産者の減少が続いており、供給減少に伴う調達量・価格面での競争が激化しております。
また、売上増加に比例した製品の増産にともない、人員の確保も必要となりますが、生産年齢人口の減少によって人員確保も容易ではない状況にあります。つきましては、生産設備の更新・増強による効率化を推進するとともに、生産性向上に向けた設備投資等の対策を継続してまいります。
(3) 中長期的な経営戦略と対処すべき課題
当社は、中期的な経営目標として、「①より多くの人に梅乃宿を」、「②ブランド戦略の明確化」、「③革新の連続」、「④丁寧な酒造りの磨き込み」、「⑤組織力の底上げ」等の各種施策の遂行に取り組んでまいりました。
具体的な戦略と課題は以下のとおりであります。
① 「より多くの人に梅乃宿を」
国内BtoBにおきましては、品質管理・納期遵守の管理体制の徹底・向上の姿勢を維持し、より多くの取引先様との信頼関係を維持・強化しながら、既存顧客の取扱いアイテムの増加を図るために提案力の強化を図ります。また、新規顧客の開拓に向けた施策として、当社の得意先である酒販店の顧客である飲食店の開拓に向けた導入提案の支援等の取り組みを行います。こうした取り組みを通じて、既存顧客との関係強化と売上最大化、新規顧客の拡大を着実に進めてまいります。
また、近年進めてきた大手量販店等の大口クライアントへのアプローチを継続し、海外展開への足掛かりとしながら、定番商品の更なる国内シェア拡大を目指し、日本酒リキュールとして第一想起されるブランドとしての立ち位置を強固なものとしてまいります。
加えて、国内では飲酒量の総量に減少の傾向がみられる中、少量の質の高いお酒を楽しむ顧客ニーズへの対応も重要であると考えており、高価格帯商品による贈答ニーズなど、高付加価値な酒類の需要を取り込むべく、プレミアムラインの拡大に向けた取り組みを行っております。
海外展開に関しましては、2025年12月末時点で、24の国又は地域へ輸出を実施するに至っております。海外については、引き続き主力顧客との関係強化、新規顧客の開拓に注力し、各国の輸出代理店との関係強化を通じて現地販売網の構築を進めてまいります。また、新型コロナウイルスの影響で、一時的にインバウンド需要は停滞しておりましたが、当社は国内主要国際空港の免税店向けの販売強化を実施しており、訪日観光客の取り込みから、現地での購買活動の推進につなげ、市場開拓を進めております。現在の当社主力輸出先は、中国、香港、台湾、アメリカとなっており、当該国への輸出の推進については今後も継続してまいりますが、経済情勢・国際情勢のリスクを鑑み、注力国の範囲を広げ、次世代の柱となる国との取引強化を推進してまいります。
地域別には、アジアでは中国、台湾、香港を中核市場に位置づけしながら、インド、シンガポールを含むASEAN、韓国など、成長国での取引拡大を推進します。北米では、代理店を通じたリキュール販売の強化により、量販店、専門店の両軸で取引の拡大を目指します。欧州においては、ドイツとフランスを中核に据え、高付加価値市場でのブランド浸透を推進します。そして、オセアニアでは、オーストラリアを拠点市場としながら、ニュージーランドへの販路拡張をはかり、南半球市場への展開を強化する方針です。その他の地域としましては、西アジア(中東)地域への進出に向けた開拓活動等を続けてまいります。また、コストコの海外店舗への展開を開始しており、今後は、導入国数を増加させ、販路拡大を図ってまいります。
以上のほか、海外展開に関しましては、越境ECについても可能性があるものと考えており、広告拡大による顧客獲得、EC販売の拡大を、代理店経由の輸出拡大と並行して推進してまいります。
BtoCにおきましては、当社の商品開発力を武器に引き続きユニークな商品を展開しながら、ECサイト、SNS、会員型コミュニティの好循環を軸に進めてまいります。ECサイトを通じた販売については、2022年7月の自社ECサイトリニューアルを機に、商品ラインナップと、広告戦略をより密接に連動させた販売体制を構築し、専用商品の開発と認知度向上や顧客獲得のためのSNS等を活用したマーケティング・プロモーションを実施した結果、順調に顧客基盤を拡大しつつあります。今後は、会員型コミュニティ「梅乃宿KURABU」等を活用し、飲用体験の共有をはじめとするユニークな酒類体験を提供してまいります。お客様とのエンゲージメントを高めることで、顧客ロイヤリティの醸成に努めてまいります。
また、2022年7月に新蔵内に開設した直営店は、新蔵をお客様と当社の接点として有効活用するために、現地で商品を販売するだけではない店舗運営を行っております。「魅せる」酒蔵として、観光需要の拡大をはかり、蔵開きなどのイベントの開催、蔵見学・梅酒作り体験など「体験型」酒蔵として、幅広い世代、属性の顧客獲得に向けての施策を継続的に推進してまいります。
さらに、当社が拠点とする奈良地域においては、「飛鳥・藤原の宮都」の世界遺産登録に向けた動きなど、観光及び地域活性化への期待が拡大しております。当社におきましても、これを契機と捉え、地域社会との共生を深めるとともに、直営店をはじめとする体験型・発信型拠点の魅力を高め、国内外からの観光客(インバウンド含む)の積極的な誘致を推進いたします。地域資源や歴史・文化と連動した取り組みを通じて、独自のブランド価値向上と直売事業の成長を図ってまいります。
② 「ブランド戦略の明確化」
当社は、日本酒製造から生業を開始し、現在の主力はリキュール製造となっております。近年は、国内におけるこれまでの酒販店を中心とした販売、海外における代理店を通じた輸出といったBtoBチャネルに加え、EC・直営店のBtoCチャネルの強化に取り組む中で、各チャネルに対して適切にブランド・商品を選定し販売するために、チャネルごとに価値機軸を明確にし、ブランドラインナップの整理を実施し、商品の棲み分けを行ってまいりました。
今後は、それぞれの販売チャネルに対し、それぞれの顧客に対する価値機軸に基づいた提案を実施するとともに、高付加価値化を含め適切にプロダクトラインナップの強化をはかり、当社への信頼感を高めてまいります。さらに、BtoCチャネルにおける直接的なお客様とのコミュニケーション結果をダイレクトにBtoBチャネル向けの商品・ブランドに反映させることができる点が当社の強みであり、このBtoB、BtoCチャネルのシナジー効果を売上拡大につなげてまいります。
③ 「革新の連続」
当社は、伝統的な酒文化を継承しつつ、日本酒リキュールの製造販売にいち早く取り組むなど、革新の歴史を有しております。今後も、当該革新の精神を受け継ぎ、日本酒、リキュールにおいて引き続き思い切った新商品を開発する他、日本酒、リキュール以外の商品開発や食品等の新領域への展開を進めております。
当該取り組みにおいては、当社の商品開発における独創性やスピード感、BtoCを通じて獲得した「ファン」基盤等を活用し、既存概念にとらわれない酒文化の創出に取り組んでまいりたいと考えております。
④ 「丁寧な酒造りの磨き込み」
当社は、過去20年にわたり、酒造りにおける各工程のデータを記録し、蓄積してまいりました。この資産を基に、製造工程の視える化を推進することで、日本酒製造業における伝統的な杜氏制度を廃止するに至りました。杜氏の勘と経験ではなく、過去のデータに基づいた仕込み経過の予測により、出来上がりの品質のばらつきを低減し、高品質かつ再現性のある日本酒造りが実現いたしました。さらに、2022年7月の蔵移転により、最先端の製造体制を構築することができ、温度管理や、衛生管理の精度が向上し、天候や目的外の微生物の混入などの外的要因に左右されない安定的な生産体制を構築しております。2023年6月には「大阪版食の安全安心認証」を取得し、社外の視点でも評価を得ております。
今後も、現在進行形で蓄積しているデータを活用し、高品質かつ再現性のある製造技術に磨きをかけるとともに、既存設備の自動化・高速化を含めた生産能力の拡大、生産効率の向上、品質の向上に向けた設備更新を行い、経営の効率化と職場の働きやすさ向上に取り組んでまいります。
また、生産体制の向上とともに、教育体制、組織強化をはかりお客様へより安全安心な商品を提供してまいります。
⑤ 「組織力の底上げ」
当社が掲げるミッションである「驚きと感動で世界中をワクワクさせる」の実現のためには、社員一人ひとりが「ワクワク」していなければ、お客様を「ワクワク」させることはできないと考えており、働き方の改革を進めてまいりました。特に日本酒製造分野におきましては、従来の杜氏を中心とする生産体制や冬季集中型の季節労働的勤務体制を抜本的に刷新いたしました。日本酒製造従事者につきましても一般社員と同等の労働環境を整備し、実効性の高い働き方改革を推進しております。
さらに、単に“楽しく働く”のではなく、社員が同じベクトル、高いモチベーションで、強い組織を構築してこそ当社のミッションが実現するととらえて、組織力の底上げにつながる制度改革を推進しております。年齢給制度の廃止を伴う人事評価制度の改定を行い、組織ビジョンと社員各人の目標・目的を明確化し、結果に対する評価の一元化とともにチャレンジ風土の醸成と社員のキャリアパス、成長の支援を強化いたしました。2023年4月には機能組織の改編による、権限・責任の委譲を通じたガバナンス強化を実施いたしました。これは組織の機能の最適化と同時に組織の強化を図るものであります。働きやすさと業務の効率化を実現するためにIT化を推進し、必要最低限の人員で業務を遂行できる筋肉質な組織づくりに向けた体制整備も進めております。
具体的には、障がい者雇用、国境を越えた採用、男女の区別のない採用、人事考課による昇進、女性の産休後の復職支援、男性の育児休暇取得制度、扶養する小学生以上を対象とした就学支援手当の拡充のほか、昨今の物価上昇などの社会情勢を加味したベースアップの実施などの組織を支える人への支えを強化してまいります。
また、当社は日本酒業界以外の人材採用にも積極的に取り組んでおります。これまでに、菓子業界、厨房機器業界等、異業種からの人材を迎え入れ、新たな視点からのビジネスの磨き込みに取り組んでまいりました。
今後も、持続的成長を可能とする組織文化の醸成に向けた働き方の改革を継続しつつ、売上拡大の一翼を担う営業部門の強化、事業の拡大を支えるマーケティング部門の強化、商品開発機能の進化、社内の最適な統制の持続に向けた管理部門の強化、グローバル展開を支える人材の国際化など、一層の組織強化を推進してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、EBITDA(税引前利益に、特別損益、支払利息、減価償却費を加えて算出される利益)、BtoC売上、海外売上及びROE(自己資本利益率)の4つをKPIとして、設定しております。
各指標の詳細につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みは以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) ガバナンス
当社では、持続可能性の観点から企業価値の向上のため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役社長吉田佳代(戸籍上の氏名:濱渕佳代)がサステナビリティ課題に対する最終責任を有しております。また、取締役会において、サステナビリティに係る当社の在り方、課題の識別を行う目的で、必要に応じて、以下の内容について協議を行っております。
・中長期的な視点に立ち、サステナビリティに関する重要課題の特定
・サステナビリティに関する重要課題のリスク
当社は2023年6月30日をもって、監査等委員会設置会社に移行しております。監査等委員会は、取締役会の監督責任と権限を有しておりますので、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督機能を有しているものであります。
(2) 戦略
当社では、サステナビリティを推進し企業の社会的責任を果たすため、社会課題の解決に向けたテーマを以下の3点から整理し、SDGs(持続可能な開発目標)活動を推進してまいりました。
① 「人と働き方」(人材方針)
一企業として社会に貢献するためには、まず従業員の幸せと働きがいの実現が不可欠と考えております。
当社の経営基盤の源泉は「人材」であり、海外市場の拡大に向けた国際社会での競争力の強化の側面からも、人材の多様性の確保ならびに人材育成は重要課題と認識しております。
多様な人材を確保・育成するためにはより働きやすい労働環境を整備する必要があります。そのために、当社が行った重要な改革のひとつが杜氏制度の廃止であります。
従来、日本酒は、製造責任者である杜氏と製造担当である蔵人たちが、出稼ぎで日本酒蔵に入り、冬季だけ働くという、いわゆる杜氏制度と呼ばれる方法で製造し、また、宿直を伴う夜間作業を必要としておりましたが、安定した雇用確保や時代に即した働き方を実現するため、分析機器の導入とデータに基づく製造体制の確立、夜間作業を無人化する機械の導入のほか、さまざまな業務の効率化などを推進することで、杜氏制度を廃止し、社員による日本酒製造を行っております。
その他の労働環境の改善としましては、蒸米を持ち上げるためのホイストの導入、完成品を段ボールに詰め込み、また、詰め込んだ段ボールをパレットに積み上げるためのケーサー・パレタイザーの導入などによる重労働負荷の軽減を行っております。当社はこれに留まらず、今後も、自動化設備を積極的に導入し、生産効率を向上させると同時に、労働負荷の軽減、安全性の向上に取り組んでおります。
また、従業員が働きやすく、働きがいのある環境を整備するため、全従業員を対象とした健康診断、予防接種の実施等の健康管理の充実、業績連動を含む賞与の充実を進めてまいりました。
現在の目標としましてはダイバーシティの更なる推進を掲げており、グローバル展開を支える人材の国際化、中長期的な女性管理職の育成と登用を進めてまいります。
a. ダイバーシティの推進
当社は1990年代から外国人・女性蔵人を採用するなど、国籍や性別によらず、酒造りへの情熱を持った人材を積極的に採用してきております。中長期的な企業価値の向上のためには、多様な人材がシナジーを生むととらえ、経験・価値観・性別・国籍・年齢など多様な人材について、単なる労働力の枠を超えて、新卒を対象とした採用に加え、即戦力として期待される中途採用を実施しております。
なお、当社は常時使用する労働者数が法定基準未満であるため第4「従業員の状況等」における各指標の数値開示は省略しておりますが、中長期的な企業価値向上の観点から女性管理職の育成や男性の育児休業取得を積極的に促進しており、実質的なダイバーシティ推進に継続して取り組んでまいります。
また、障害者雇用・高齢者雇用も推進し、働きやすい職場環境の実現に向けても制度・環境の整備を推進しております。また、女性、子育て世代が働きやすい環境づくりとして、女性の産後復帰支援や児童手当、就学手当等の充実を図っております。
b. 人材育成
当社の人材育成の方針としましては、各個人の目標と向上心の醸成のための目標管理制度やキャリアプラン、スキルに応じたコース選択制度を導入するなど、従業員一人一人が働きがいをもって能力を最大限発揮し、平等に成果を評価し、評価に応じ報酬等へ反映させる仕組みを整備しております。
従業員教育制度については、必要なスキル・部門に応じた専門スキルを身につけさせること以外に、職位、職能ごとのステップとキャリア形成を目的とした研修を実施し、継続的な育成に取り組んでおります。
さらに、若年層の定着率の向上、能力開発を目的として、新入社員、30歳未満の若手社員を対象とした、キャリア形成プログラム、リスキリングなどの研修を実施しております。
また、中期的な次世代のリーダー育成を目的として、MBA(経営学修士)プログラムに就学するための社内奨学金制度を創設し、当社の組織変革と継続した発展を担う人材の強化に取り組んでおります。
② 「原材料と環境への取り組み」(気候変動対策)
当社は、気候変動を重要リスクと位置付けており、中長期的な視点での検討を進めております。気候変動は、当社が仕入れる農産物原材料(米・果実など)の生産に大きな影響を及ぼし得るものと考えております。当社は、産地における収量及び収量の変化等について中長期的な情報収集と予測を行い、原材料調達に関わるリスクの低減に活かしております。
また、気候変動リスクに対する社会的責任を果たすべく、環境保全への主な取り組みとして以下の活動を実施しています。
a. 副産物の有効活用
梅酒を仕込んだ際の副産物である梅の実をペースト状に加工し梅酒にブレンドする再利用も兼ねて商品化した「あらごし梅酒」の販売、日本酒を仕込んだ際の副産物である酒粕を販売するほか、肥料、飼料として活用する等、廃棄物削減のための活動を行っております。
b. エネルギー使用の効率化
化石燃料の使用削減ならびに二酸化炭素排出量削減に向けて、社内フォークリフトの電動化、営業車のハイブリッド化、高効率ガスボイラーへの更新及びデマンド管理による節電等、エネルギー使用効率化に向けた各種施策を推進しております。
c. 資源の有効活用
当社は、持続可能な社会の実現に向け、事業活動における資源の価値を最大化し、廃棄物ゼロを目指す「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の考え方を推進しています。製造現場から排出される原材料の一斗缶や、社内で使用した段ボール、古紙については、貴重な資源として細分化した分別を徹底しています。これらを確実にリサイクルルートへ乗せることで、埋め立てや単純焼却による環境負荷を抑えられるものと考えております。
また、主力商品の容器として、洗浄して繰り返し使用可能な「リユース瓶」を積極的に採用するとともに、物流工程では繰り返し使用できるプラスチック製の通い箱(P箱)を広く活用しています。こうした取り組みにより、使い捨てとなる梱包資材の使用量を抑制し、廃棄物の発生そのものを低減する「リデュース」を実践しています。
③ 「地域社会との共生」(地域振興)
当社は、創業の地である奈良県において130余年、事業活動を行っております。当社では、事業継続を間接的に支えていただいた地域への感謝の念を込めて、様々な地域貢献活動を実施しております。これは、地元とのコネクションを維持・強化し、地元との共創による価値創造を可能にするなど、社会貢献だけでなく当社の企業価値向上にも資する取り組みであると考えております。
具体的な活動といたしましては、地域社会との関係を強化するため、福祉施設との連携、地域清掃活動、杜氏会との連携、地元企業とのコラボレーション、スポーツ・文化活動への協賛、蔵開きイベントなどの活動を実施しております。
また、次世代の育成のため、小中学生向けの蔵見学・体験プログラムを実施するなど、奈良県が誇る酒文化の継承に取り組んでおります。
さらに、当社が事業活動を行うことが、原材料の地元調達による地産地消の推進、地域雇用の創出、地域産業の活性化への貢献となるものと考えております。
(3) リスク管理
当社は、サステナビリティ関連のリスク及び機会を経営戦略に直結する重要事項と捉え、以下のプロセスを通じて識別、評価及び管理を行っております。
毎週開催される「部長会」(管理職クラスの会議)において、各部門の責任者が事業運営上の変化や外部環境の動向を報告いたします。具体的には、人的資本(採用・労働環境)、原材料(農産物の調達状況)、地域社会との関係性、及び環境負荷(資源の再利用状況)などの観点から、サステナビリティに関連するものを含め、潜在的なリスクと事業機会を抽出しております。
「部長会」で報告された内容は、常勤取締役及び各部門長で構成される「リスク・コンプライアンス委員会」にて、「発生可能性を識別し活動中の事項」及び「発生前のリスク低減活動」に大別し、検討・集約・統合されます。同委員会では、特定されたリスク及び機会について、発生可能性や事業継続への影響度、財務的インパクト、並びにブランド価値への影響等の多角的な視点から分析いたします。また、判定された重要リスクについては、担当部門において具体的な低減活動や対策を策定し、同委員会がその進捗を継続的にモニタリングいたします。
「リスク・コンプライアンス委員会」での討議・協議内容は定期的に取締役会へ報告され、取締役会は特定されたリスクについての対応状況を確認し、リスク管理の状況をモニタリングしております。取締役会はリスクの状況を踏まえて、必要に応じて速やかに対応すべき課題についての経営判断、指示を行うほか、中長期的な課題について議論を行い、中期経営計画等の戦略立案への反映状況を検討するなどしております。
サステナビリティについては全社的な取り組みでありますが、上記の「部長会」及び「リスク・コンプライアンス委員会」の事務局を管理部が務めていることから、管理部を推進部署としております。
(4) 指標及び目標
当社は、上記「(2)戦略」に記載したダイバーシティの推進および人材育成について、本書提出日現在において具体的な数値目標は設定しておりません。 当社事業は一般消費者の生活に密着した商品を扱っており、かつ海外事業の拡大を推進していることから、多様な価値観の受容および人材の多様化(ダイバーシティの推進)は中長期的な企業価値向上に向けた重要課題であると認識しております。この認識のもと、グローバル展開を支える人材の国際化や、中長期的な女性管理職の育成・登用を基本方針として推進しております。
一方で、当社は比較的小規模な組織構成であり、従業員総数が限られていることから、女性役員や女性管理職の比率・人数等の数値指標につきましては、1名の異動や登用により指標が大きく変動する特性を有しております。そのため、形式的な数値目標の設定ではなく、実質的な人材育成や働きやすい職場環境の整備を優先することが妥当であると判断し、現時点では数値目標の設定を見送っております。
今後は、事業規模の拡大状況や組織構造の変化、並びに各種認定制度等の活用状況に応じ、有効な指標および数値目標の設定について継続的に検討を進めてまいります。
3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 国内景気の動向及び飲酒人口減少 (発生可能性:高、発生時期:長期、影響度:中)
当社の主力ブランド「あらごしシリーズ」は、国内販売が中心となっております。海外市場の拡大を図っておりますが、国内の景気の変動や、日本の人口の減少以外にも、特に高齢者のアルコール離脱、若年層のアルコール離れによる飲酒人口の減少により、想定以上にアルコール消費量が減少した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 消費者の嗜好の変化について (発生可能性:高、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、果実をふんだんに使用した「あらごしシリーズ」をはじめとする日本酒リキュールを販売アイテムの中心としております。当社の扱うアルコール飲料を含む食料品は、消費者の嗜好の変化による影響を受けやすく、消費者の嗜好の変化も早い分野であると考えております。当社は、アルコール飲料を中心としながら、ノンアルコール飲料も含めて、消費者の需要を捉えた商品を開発すべく研究開発を行っておりますが、仮に、当社が消費者の需要動向にあった商品開発が行えなかった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 気候変動と原料の調達 (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
主力ブランドの「あらごしシリーズ」や、日本酒は、国内・海外の産地より厳選し、原料を調達しております。調達に関しては、産地・生産者と、品質、供給量について密に情報交換を実施し、安定的な原料の確保を念頭に実施しております。加えて、調達先の拡大など、中長期の計画に対応できるよう、安定確保のための活動に取り組んでおります。
しかし、予期せぬ天候不順、病虫害による不作、災害などにより、必要調達量が大幅に確保できなかった場合、また、これに連動した大幅な原料価格の高騰が生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 主力包材の調達 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の商品は、液体であるという商品特性上、包材として容器が不可欠となっております。中でも、瓶は主要な容器となっておりますが、日本国内においては、瓶の製造メーカーは限られており、特に、大容量の瓶は生産キャパシティに限界があります。当社は、事業計画と連動した調達に向けて、供給元との連携強化に努めており、さらには国内外含めた調達先の拡大等を推進いたしますが、何らかの理由により当社が必要とする瓶等の供給が受けられず、主力包材の供給が滞ることが続いた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 自然災害・感染症の流行等 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、奈良県葛城市に本社機能を有する工場を構えております。当社では、大規模地震等の自然災害、伝染病等の流行等に伴う事業活動の停止に備え、工場設備の耐震補強や適切な市場在庫の確保、早期復旧体制の整備を進めております。また、出荷拠点を外部に備え、機能の分散化にも努めておりますが、想定を超えた災害・新興感染症の流行等が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 海外市場に対するリスク (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、中華圏や北米市場をはじめ、欧州・オセアニア等を含む20以上の国及び地域へ輸出を展開しており、販売構成比における海外市場の比率は年々高まってきております。当社では特定国への依存度を低減させるため、新規販路の開拓や輸出国・地域の多角化を進めております。
しかしながら、海外市場への展開にあたっては、テロ・戦争・感染症の流行等による社会的混乱、米国の通商政策を含む国際貿易摩擦の発生、主要輸出国における景気減速、並びに予期し得ない法律・規制・税制の変更や関税の引き上げ等のリスクが存在いたします。さらに、特定の国や地域における政治的判断等に起因する輸入規制・不買運動等が生じた場合、当社の事業活動や製品輸出が制限される可能性があります。
これら不可抗力による事象や特定の国・地域における環境変化が顕在化した場合には、当社の海外事業の拡大計画に遅延が生じ、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報セキュリティ (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、販売、管理などの業務運営や、通信販売等により、多数のお客様の個人情報を取得し、情報システム上で管理しております。適切な情報管理、セキュリティ対策は実施しておりますが、停電、災害、コンピュータウイルス、不正アクセス、機器のトラブルなど予測の範囲を超える事態により、情報の消失・流出などの問題が発生した場合、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(8) 人材の確保・育成 (発生可能性:中、発生時期:短期~中期、影響度:中)
当社が今後事業拡大を図る上では、人材の確保・育成が不可欠であると認識しております。これは、パート・アルバイト等の多様な働き方とともに、外国人労働者、再雇用を含めた高齢者雇用等の活用が必要であると認識しております。
今後、人口減少による労働力不足により人材獲得競争が激化し、景気回復、消費者物価指数の上昇などによる賃上げ圧力の増大などに起因した労働コストの大幅な上昇により、人材の確保や社内人材の育成が困難になった場合、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(9) 生産体制 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の生産体制は、一部の委託製品を除き、日本酒・リキュール等すべての酒類製品を1拠点で製造しております。
当社工場内におきましては、突発かつ長期的に生産設備が停止することがないよう、定期的な設備点検等を実施しております。しかしながら、天災等による予期せぬ生産設備の稼働に対する影響を排除できるものではなく、不測の事態が発生した場合、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(10)在庫リスク (発生可能性:中、発生時期:短期、影響度:小)
当社は、販売予測に基づく適切な在庫管理を行うことにより、過剰在庫の発生及び品切れによる販売機会の逸失がないよう努めておりますが、販売予測を誤った場合には過剰在庫又は在庫不足となり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)業績の季節偏重について (発生可能性:高、発生時期:短期、影響度:小)
当社の販売するアルコール飲料は、忘年会シーズンや年始を控えた12月がハイシーズンとなっております。当社は、通年にわたって楽しんでいただける商品を開発するなど、業績の季節変動の影響を軽減すべく事業を推進しておりますが、営業又は製造上の理由でハイシーズンの需要を十分に獲得できなかった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)競合について (発生可能性:中、発生時期:中長期、影響度:小)
国内には多数の酒造業者があり、活発な競争環境にあるため、当社は常に競合リスクに晒されております。この点、当社は、創業約130年と後発事業者でもあることから、酒造業界での生き残りのため、日本酒イコール清酒のイメージにとらわれず、日本酒蔵としては先駆的に梅酒(リキュール)の製造販売に進出するなど、大手メーカー等とは異なるブランドの確立に向けて様々な挑戦を行ってまいりました。そのことが奏功し、現在では業界内で一定の地位を確保できているものと考えております。また、酒造には製造免許等による規制があり、過去と比較すると緩和されているものの、新規参入は必ずしも容易ではありません。
今後、想定外の未知の革新的な競合企業の登場により、当社ブランドの相対的な地位が変化し、存在感が低下するなどの事態が生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、当社としましては、市場の動向を適切に把握し、引き続き「新しい酒文化の創造」に向けて十分な努力を継続することにより競合リスクに対応できるものと考えております。
(13)食品の安全性・衛生管理及び製造物責任 (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、食品の安全性・衛生管理を重要課題と認識しております。取り組みとしましては、梅乃宿商品安全方針を制定し、継続的に製品の品質管理・衛生管理体制の向上に努めるほか、衛生管理のフレームワークを導入する目的で、2023年6月に大阪版食の安全安心認証制度の認証を取得しております。しかしながら、異物混入や健康被害を与える可能性のある製品、表示不良製品の流通等重大な品質問題が発生した場合、処理・解決のための多額のコスト負担の発生や、当社の品質への対外的な評価の毀損に伴う受注の減少、製造物責任賠償等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(14)法的規制 (発生可能性:中、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、酒税法上の製造免許をうけて酒類製造を行っております。この製造免許の品目範囲(清酒、リキュール、焼酎乙類、甘味果実酒、雑酒、スピリッツ、その他醸造酒)において使用できる原料、アルコール度数などを適切に管理し製造するとともに、酒税も適切に納付しております。当社は、酒税関係法令を遵守する社内管理体制の整備に努めており、免許の停止・取り消しになる事由は発生しておりません。しかしながら、酒税法第12条で規定される偽りその他不正行為などの酒類製造免許の取消し事由に抵触し、免許の停止・取り消しとなった場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
また、酒税法の改正によって税率が改正された場合、基本的には販売価格に反映して対応する方針ですが、販売価格の改定が当社商品の需要に影響を及ぼす可能性があります。さらに、税率の改正に伴い、販売価格の改定が円滑に実施できなかった場合、当社の利益率が悪化するなど、当社の業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
酒税法の製造免許のほか、当社は、下表のとおり、食品衛生法上の営業許可をうけております。衛生的な環境での生産に細心の注意を図るため、大阪版食の安全安心認証制度の認定を受けるなどし、社内管理体制の整備・強化に努めており、これまで免許の停止・取り消しになる事由は発生しておりません。しかしながら、食品衛生法に規定される事項に違反し、違反事実から当社の営業の継続が不適当であると判断された場合や危害発生の状態が継続していると判断された場合等、食品衛生法第60条に基づき営業許可の停止・取り消しとなった場合、当社の業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
当社は、酒税法、食品衛生法のほか、製造物責任法、不当景品類及び不当表示防止法、中小受託取引適正化法等幅広い法令等の規制をうけており、それらに従い法令遵守の管理体制のもと、事業活動を行っております。現時点で法令違反による処罰・処分を受けておりませんが、今後何らかの理由により法令違反が発生し、処罰・処分等の制裁を受けた場合には、当社に対する社会的信用が毀損して受注活動に影響が及ぶ等、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(15)飲酒に対する社会的規制について (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、酒文化は人々に楽しさをもたらすものであると考え、新しい酒文化を創造していくことをパーパスとして掲げております。その一方で、アルコールには過度の摂取に伴う健康面、社会面での悪影響が従来から指摘されております。
こうしたアルコール関連の問題について、WHO(世界保健機関)は2010年に「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」を採択し、わが国でも2014年に「アルコール健康障害対策基本法」が施行され、2024年には厚生労働省より「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」が公表されるなど、アルコール関連問題について、取り組みが行われているところです。
当社としても、不適切なアルコールの摂取については問題であるものと認識しており、酒類の製造・販売事業者として、社会的な責任を果たすべく、広告宣伝・マーケティング等の活動を適切に行う努力を行いながら、社会動向を注視し、情勢の変化に対応していく方針であります。
当社としては、現時点では、飲用アルコールに関して直ちに規制が強化される深刻な事態に陥ることは想定しておりませんが、長期的にみて、何らかの事情による社会的機運の高まり等により、酒類の製造、販売、飲酒等に関する規制が強化される可能性は考えられます。当該規制が、酒類の販売活動ないしは需要そのものに影響を及ぼすものである場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(16)訴訟に関するリスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:不明)
現在、当社の業績に重要な影響を及ぼす係争や訴訟は提起されておりませんが、取引先とのトラブルの発生等、何らかの問題が生じた場合には係争や訴訟に発展する可能性があり、その内容及び結果によっては、当社の業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(17)風評リスク (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、インターネットを通じ商品の販売を行うとともに、SNS等により広告・宣伝を実施しております。現在のところ、消費者による当社商品の購買に著しく影響を及ぼす評価はありませんが、今後、作為的なものを含めた当社及び当社商品等の評判を下落させる風評があった場合、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(18)当社株式の流動性について (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は2026年4月24日に東京証券取引所スタンダード市場へ上場いたしました。今後は、当社大株主からの売出し、株式報酬制度の活用等を用いた流通株式数の増加など、これらを組み合わせて流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により流動性が低下する場合には、上場維持基準に抵触し、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(19)大株主について (発生可能性:低、発生時期:特定時期なし、影響度:小)
当社の代表取締役社長である吉田佳代(戸籍上の氏名:濱渕佳代)は、資産管理会社であるグッドフィールド・ビーチサイド株式会社の持分も含めて、本書提出日現在で発行済株式総数の42.6%を所有しております。
同人は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同人は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(20)ファンド株主について (発生可能性:中、発生時期:短期~中期、影響度:中)
当社は、日本成長投資アライアンス株式会社からの事業支援を受ける目的で、同社が組成するファンドより純投資を目的とした出資を受けており、2026年6月期末現在においては、当社発行済株式の16.0%を同社の組成するファンドが保有しております。
また、本書提出日現在において、同社より社外取締役である中坪武之の派遣を受けております。
同社の組成するファンドは、本書提出日以降の一定時点において当社株式を売却することが想定されますが、その処分方法や時期によっては、当社株式の需給バランス及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。
当社が株主の株式売却方針を管理することはできず、また、当該リスクが顕在化した場合の影響等を合理的に予測することは困難ですが、当社はファンド株主と適切な意見交換を行い、健全な関係を維持しつつ一般株主の利益に配慮した保有・処分の方針となるよう努めてまいります。
(21)配当政策について (発生可能性:低、発生時期:中長期、影響度:小)
当社は、株主への還元を重要な経営課題と認識しております。一方で、当社は現在、成長過程にあることから、一定の内部留保を将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資に充当し、より一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながるとも考えております。
この点、当社は、成長投資のための内部留保を充実させ、財務健全性を維持しながらも、資本効率を一定以上に保つことを目安として留保と分配のバランスを取りながら、継続的かつ安定的な配当を行うことを検討していく方針です。
しかしながら、当社の事業が計画とおりに進展しない場合や、業績が悪化した場合には配当を行わない、或いは公表している配当の予定額を減ずる可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ307百万円増加の6,368百万円となりました。これは主に瓶詰め作業の生産効率化・省力化を目的とした果汁液充填設備、生産現場の高温対策として空調設備の導入のほか、第二蔵の用地取得及び造成費用を中心とした有形固定資産の増加392百万円及び棚卸資産の増加93百万円等によるものです。
(負債)
負債につきましては、前事業年度末に比べ34百万円減少の2,833百万円となりました。これは、長期借入金の返済による減少236百万円があったものの、未払金の増加39百万円、未払法人税等の増加75百万円及び上場に伴う株主優待引当金の増加15百万円等があったことによるものです。
(純資産)
また、純資産につきましては、前事業年度末に比べ341百万円増加の3,534百万円となりました。これは主に、当期純利益322百万円の計上による利益剰余金の増加によるものであります。
② 経営成績の状況
わが国経済は、堅調な企業の設備投資や拡大基調にある賃金上昇等を背景に、緩やかな回復傾向にあります。物価高の長期化を受けて財消費など一部に弱い動きがみられるものの、所得環境の改善に支えられる形でサービス消費等の回復基調が続いており、好調な企業収益を起点に物価高を上回る賃上げや設備投資の拡大などの前向きな動きが広がることで今後も内需主導により緩やかな回復が続く見通しです。
一方で、年度後半にかけてアメリカ合衆国・イラン間の地政学リスクが急速に緊迫化したことで、原油価格や物流コストが再度高騰し、原材料費やエネルギー価格の上昇が企業収益を圧迫する要因となりました。また、アメリカ合衆国の通商政策の進展やそれに伴う影響の不透明感や為替相場の激しい変動など、わが国経済を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。
このような経営環境の下、当社は、人口動態やライフスタイルの変化により多様化する酒類市場において、消費者への新たな価値軸を提案する高付加価値商品の提供を推進するために、経営資源の最適化を図り商品の安定供給に取り組んでまいりました。
また、当社は当事業年度である2026年4月24日に東京証券取引所スタンダード市場へ株式上場を果たしました。上場企業としての社会的信用力の向上と経営基盤の強化を背景に、さらなるブランド力の強化や事業規模の拡大に向けた各種施策を推し進めてまいりました。
国内BtoB市場においては、昨年来の大型量販店との取引において商品ラインナップの強化等を推進するなど、販売拡大に向けた取り組みを継続的に推進してまいりました。特に、新たな取り組みとして、2026年6月にはプレミアム梅酒「AFULL 刻覚」を発売し、ハイブランドラインナップ展開を開始し、高付加価値商品による新たな顧客層の開拓に取り組んでおります。また、海外市場においては、中国経済の停滞、イラン情勢の不透明な状況が続く中、北米市場、中華圏市場の拡大のほか、新たな販路の拡大等に取り組んでおります。
BtoC市場では、EC事業においてCPA(Cost per Acquisition:広告における顧客獲得単価)抑制による事業収益確保に向けた各種施策を進めるなど、収益力の強化を図っております。
また、本年2月には、長引く原材料費・燃料費及び物流費の高騰に対応し、将来にわたる品質維持と安定供給体制を堅持するため、当社の主力商品である「あらごしシリーズ」の価格改定を実施いたしました。この改定にあたっては、長年培ってきたブランドへの信頼を背景に、お取引先様及び消費者の皆様から一定のご理解をいただくことができ、収益構造の健全化に向けた大きな進展となりました。
さらに、奈良からお酒の新しい楽しみ方を提供する活動の一環として「奈良エクスペリエン酒」と題し、奈良の銘店、観光地とのコラボレーションを進め、お酒で奈良を盛り上げる活動を推進し、新たな視点による「お客様へのワクワクの提供」とともに、新たなニーズの深耕を進めております。
また、加速度的に変化する社会に対応するため、優秀な人材の採用や製造ライン改良工事、新型ラベラー機の導入など、「人、モノ、新技術」への投資を積極的に行い、今後の持続的な成長につながる取り組みを推進しました。
以上の結果、当事業年度の売上高は3,091百万円(前年同期比15.1%増)となりました。営業利益は465百万円(前年同期比46.8%増)、経常利益は444百万円(前年同期比45.1%増)、当期純利益は322百万円(前年同期比33.6%増)となりました。
なお、当社は酒類製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度に比べて191百万円減少し、1,324百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は686百万円(前事業年度は250百万円の収入)となりました。これは主として税引前当期純利益442百万円、減価償却費218百万円、株主優待引当金の増加15百万円、上場費用19百万円、売上債権の減少25百万円、仕入債務の増加23百万円、未払消費税等の増加38百万円などの資金増加要因と、棚卸資産の増加93百万円、法人税等の支払額58百万円などの資金減少要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、618百万円(前事業年度は246百万円の支出)となりました。これは主に、生産効率に資する機械及び装置、生産環境改善に資する空調設備のほか、第二蔵の用地取得及び造成費用を中心とした有形固定資産の取得による支出605百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、259百万円(前事業年度は242百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済236百万円等によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当事業年度における生産実績は次のとおりであります。なお、当社は酒類製造販売事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
(注)生産実績を示す金額は製造原価によっております。
b. 受注実績
当社は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当事業年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社は酒類製造販売事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
(注)主要な販売先の記載については、総販売実績に対する販売先別の販売実績割合が100分の10未満であるため記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は、3,091百万円となり、前事業年度に比べ406百万円増加(前事業年度比115.1%)となりました。これは主に、国内BtoBが中・大手酒販店との取引により増収となったほか、海外において北米・台湾をはじめとする売上の増加、インバウンド需要継続により空港免税店における売上が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は1,356百万円(前事業年度比114.1%)となりました。これは主に、設備の導入による人件費の改善、水道光熱費の削減等を進めたものの、材料の値上がりの影響を受けたものであります。
以上の結果、当事業年度の売上総利益は1,734百万円(前事業年度比116.0%)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,268百万円(前事業年度比107.7%)となりました。これは主に、効率の良い広告運用に努めることで広告宣伝費を抑制した一方で、事業拡大に向けた人材確保のため、人件費が増加したことによるものです。
以上の結果、当事業年度の営業利益は465百万円(前事業年度比146.8%)となりました。
(営業外損益・経常利益)
当事業年度の営業外収益は6百万円、営業外費用は28百万円となりました。これは主に、受取利息、受取配当金、支払利息を計上したことによるものであります。この結果、当事業年度における経常利益は、444百万円(前事業年度比145.1%)となりました。
(特別損益・当期純利益)
当事業年度において特別利益は2百万円、特別損失は3百万円となりました。これは主に補助金収入、製品開発契約解約損、固定資産除却損を計上したことによるものであります。法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を119百万円計上した結果、当事業年度における当期純利益は、322百万円(前事業年度比133.6%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性について
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」の記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローを運転資金の主たる財源とし、これに金融機関からの調達資金を加えて、設備投資資金を賄い、資金の流動性を確保しております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては業績に大きく影響を与える以下の4つをKPIとして、設定しております。
当事業年度におきましては、前事業年度と比較して、各指標はいずれも上昇しております。その主な要因は以下のとおりです。
当事業年度のEBITDAは、前事業年度を140百万円上回る671百万円(前事業年度比126.3%)となりました。これは「② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載のとおり、主に当事業年度の営業利益が前事業年度の営業利益を148百万円上回ったことによるものです。
BtoC売上は、前事業年度を32百万円上回り443百万円(前事業年度比107.8%)となりました。これは、自社EC及びAmazon等のモールでの販売が好調に推移したことに加え、直営店におきましても観光需要等の取り込みが好調につながったことによるものです。
海外売上は、前事業年度を289百万円上回り770百万円(前事業年度比159.6%)となりました。これは、北米の前事業年度において現地における当該商品の消化が進まず新たな大口の出荷がかなわなかったものが、当事業年度においてはこの在庫滞留が解消されたことにより順調な受注につながったこと、台湾において現地での導入が進んだことにより受注の増加につながったことなどの要因が大きかったことによるものです。
ROEにつきましては、前事業年度を1.7ポイント上回る9.6%となりました。これは、「② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載のとおり、当期純利益が前事業年度を上回ったことが主な要因です。
5 【重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
当社は、「新しい酒文化を創造する蔵」の代名詞ともいえる商品を開発し、「驚きと感動で世界中をワクワクさせる」べく、日々、新商品・既存商品のリニューアルといった、商品の研究開発活動に取り組んでおります。
研究開発体制といたしましては、マーケティング部内の「企画・開発課」で行っており、お客様の声・対外的な反応・商機をとらえ、クイックに反応できる、商品の企画開発体制としております。これにより、変化の早いマーケットに対応して、ニーズを吸い上げ、スピード感をもって商品を市場へ投入できる体制となっております。
また、基幹ブランドである「あらごしシリーズ」をはじめとするリキュール類を中心とした商品開発においては、マーケティング思考を重視し、企画と開発が両輪となり、お客様のブランド価値向上を目指して実施しております。
当事業年度において、当社が支出した研究開発費の総額は6,792千円であり、46の企画に基づいて242の試作品を作成し、その中から厳選した13の商品(試作品の5.4%)を販売開始いたしました。
販売チャネル別の主な研究開発の状況は以下のとおりです。
(1) 国内
当事業年度は、当社が長年にわたり培ってきた製造技術を結集させたプレミアム梅酒「AFULL 刻覚(ときさめる)」を、梅酒のフラッグシップとして発売し、ハイエンドユーザーをターゲットとした新たな顧客層の開拓を進めるための高付加価値商品を発売しております。
また、前事業年度に発売した「甘くておいしいトマト」に続き、健康イメージのある素材を使用し、新たなニーズに向けて訴求できる商品、「甘くておいしいキャロット&オレンジ」を発売する等、前事業年度から引き続き、健康志向ニーズ開拓に向けた商品を提案してまいります。
(2) 海外
当事業年度は、海外展開に関しましては、現地ニーズに応じたリキュール・ジン等の専用商品を開発し、需要の取り込みを推進する商品を発売しております。空港免税店におきましても、インバウンド需要にマッチする商品仕様の開発を進めるなど、引き続き、現地のニーズにマッチした商品の開発、発売を継続してまいります。
(3) EC事業
当社のEC事業における商品開発では顧客の体験価値を中核に据え、単なるアルコールの飲用にとどまらない独自の価値を創出し、お客様の生活に驚きと感動を与える新提案を推進しております。
当事業年度においては、EC事業において、SNS等でご好評をいただいている「PARLORあらごしシリーズ」の「大人の果肉の沼いちご」のクリスマス限定ラベルを限定発売いたしました。さらに2025年7月には、国内における日本酒需要の低迷を受け、独自のブレンド技術を結集した「果本酒」を発売いたしました。「あらごしシリーズ」等の開発ノウハウを応用し、日本酒本来の味わいと華やかな果汁感を併せ持つ商品となっております。
また、健康志向の高まりを背景に大きく成長しているビネガードリンク市場を受け、果実によるフルーティーな香りと味わいを感じながらもビネガーの爽やかな酸味とキレの良さが心地よく続くザクロ酢のお酒「Fru:Vie(フルービー)カシス&ザクロ酢」を発売いたしました。
今後も、EC事業をさらに飛躍させるために、お客様とダイレクトにコミュニケーションした結果を新商品開発に反映させ、スピード感ある研究開発により、消費者ニーズを捉え、期を逃さず、さらなる成果を上げてまいります。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社は、生産設備の能力増強、効率化を目的とした設備投資を継続的に実施しております。当社は酒類製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当事業年度におきましては、第2蔵用地取得及び造成のほか、生産効率向上に資する機械及び装置への設備投資を行った結果、設備投資の総額は605百万円となりました。
具体的な内容といたしましては、本社と同一市内である奈良県葛城市内に位置する広さ約18,000平方メートルの土地のほか、瓶詰作業における作業自動化を目的とした設備導入等であります。
2 【主要な設備の状況】
(注) 1.現在休止中の主要な設備は、旧本社工場の日本酒製造設備であります。なお、第二蔵の土地については、当事業年度において今後の事業拡大に向け取得した保有資産(全社資産)であります。
2.本社工場の土地の一部([ ]内:2,852㎡)を賃借しております。年間賃借料は3,060千円であります。
3.帳簿価額のうち、その他は工具、器具及び備品、ソフトウエア及び建設仮勘定の合計であります。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社の設備投資については、事業拡大の状況、内外の経済情勢及び投資効率等を総合的に判断の上、計画することとしています。なお、重要な設備の新設、除却等の計画は次のとおりであります。
(1) 重要な設備の新設等
(注)1.第二蔵建設に向けた用地取得に伴う造成工事の完了予定年月であります。なお、第二蔵の建物・設備等の計画につきまして、現在のところ具体的な建設予定時期、金額等は決定しておりません。
2.完成後の増加能力については、合理的な算出が困難なため記載しておりません。
(2) 重要な設備の除却等
経常的な設備更新のための除却等を除き、重要な設備の除却の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1.自己株式の消却による減少であります。
2.新株予約権の行使によるものであります。
3.会社法第447条第1項の規定に基づき、今後の資本政策の柔軟性及び機動性を確保するため、資本金の額を減少し、その他資本剰余金へ振り替えたものであります(減資割合83.2%)。
4.株式分割(1:20)によるものであります。
(5) 【所有者別状況】
(注)1.「個人その他」には、梅乃宿酒造持株会213,840株、2,138単元が含まれております。
2.上記のほか、単元未満株式のみを所有する株主が325名存在しております。
(6) 【大株主の状況】
2026年6月30日現在
(注) 1.当社は自己株式を所有しておりません。
2.グッドフィールド・ビーチサイド株式会社は濱渕佳代(吉田佳代)及びその近親者の資産管理会社であります。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
② 【自己株式等】
該当事項はありません。
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項はありません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
該当事項はありません。
3 【配当政策】
当社は、株主への還元を重要な経営課題と認識しております。一方で、一定の内部留保を将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資に充当し、より一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する利益還元をより大きくすることにつながるとも考えております。
この点、当社は、将来的な事業展開に備え、経営基盤の強化を図りつつ業績向上に努めることを資本政策の基本的な方針としております。利益配分については、更なる成長に必要な投資財源を内部留保で確保しつつ、経営基盤の強化と株主還元の両立を図っていくことを想定しております。配当につきましては、当期純利益や財政状態、投資計画を含む中長期的な業績見通し及びキャッシュ・フロー等を総合的に勘案し、継続的かつ安定的な還元を行う方針としております。具体的な株主還元数値につきましては、配当性向40%、自己株式取得10%程度を目安とし、これらを合わせた総還元性向50%を目標としております。
当事業年度の配当につきましては、中間配当は実施せず、2026年8月10日付公表のとおり1株当たり21円44銭とすることを、同日開催の取締役会において決議しております。
また、配当につきましては、毎年6月30日を基準日とした年1回の期末配当のほか、毎年12月31日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めており、これらの剰余金の配当の決定機関については、会社法第459条の規定に基づき取締役会としております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「新しい酒文化を創造する」のパーパス(目的)のもと、アルコールシーンを通じてお客様に新しい価値を提供することを目指しており、株主、お客様、取引先、従業員等すべてのステークホルダーを尊重し、社会、地域の発展とともに当社の持続的な成長と企業価値の最大化に努めるため、迅速かつ合理的な意思決定体制及び、業務効率化を図りつつ、チェック機能とコンプライアンス体制を強化するコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。コーポレート・ガバナンス体制において、その有効性をより高度に発揮できるように、監査等委員会設置会社を採用し、社外取締役の招聘、執行役員制の導入、取締役の人員の適正化、経営会議体の充実などに取り組んでおります。また、コンプライアンス体制につきましても、コーポレート・ガバナンスの根幹であるとの認識に基づき、法令を遵守することはもとより、社会規範を尊重し、企業の社会的責任を意識した企業倫理を確立してまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、取締役の職務執行の監査等を行う監査等委員を取締役の構成員とすることにより、取締役の監督機能を通じて一層のコーポレート・ガバナンス体制の強化を図るために、2023年6月30日開催の臨時株主総会の承認をもって、「監査役設置会社」から「監査等委員会設置会社」に移行しております。当社のコーポレート・ガバナンスに係る組織体制の概要は以下のとおりであります。

a. 取締役会
当社の取締役会は、監査等委員である取締役を含む8名(うち社外取締役4名)により、構成されております。迅速な経営判断を行うため、定時取締役会を毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。法令、定款に定められた事項のほか、取締役会規程、職務権限規程に基づき重要事項を決議し、取締役の業務執行状況についても適切に監督する体制を確保しております。
(議長:代表取締役社長 吉田佳代(戸籍上の氏名:濱渕佳代) その他の構成員:専務取締役 二宮充、取締役 松浪雄二、社外取締役 中坪武之、常勤監査等委員である取締役 髙橋利光、監査等委員である社外取締役 嶌川安雄、監査等委員である社外取締役 中井哲也、監査等委員である社外取締役 佐々木育子)
b. 監査等委員会
当社の監査等委員会は、常勤監査等委員である取締役1名、監査等委員である社外取締役3名で構成されております。監査等委員は原則として全員が取締役会に出席しております。監査等委員会は毎月1回開催し、各取締役からの聴取、重要な書類の閲覧を実施し、業務執行の状況を監査するとともに業務監査及び会計監査の有効性を確保しております。
(委員長:常勤監査等委員である取締役 髙橋利光、その他の委員:監査等委員である社外取締役 嶌川安雄、監査等委員である社外取締役 中井哲也、監査等委員である社外取締役 佐々木育子)
c. 報酬委員会
当社は、取締役の報酬の決定に関する手続きの公正性・透明性・客観性を確保するため、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役4名(うち独立社外取締役3名)及び代表取締役社長からなる報酬委員会を設置しております。報酬委員会では、取締役会からの諮問に応じ、各取締役の報酬のほか、取締役会からの諮問を受けた事項について審議し、答申を行います。報酬委員会は、社外取締役の中から委員長を選出し、社外取締役4名を含む5名で構成されております。
(委員長:監査等委員である社外取締役 嶌川安雄、その他の構成員:代表取締役社長 吉田佳代(戸籍上の氏名:濱渕佳代)、社外取締役 中坪武之、監査等委員である社外取締役 中井哲也、監査等委員である社外取締役 佐々木育子)
d. 指名委員会
当社は、取締役候補の選定に関する手続きの公正性・透明性・客観性を確保するため、取締役会の任意の諮問機関として、監査等委員である取締役4名(うち独立社外取締役3名)及び代表取締役社長からなる指名委員会を設置しております。指名委員会では、取締役会からの諮問に応じ、各取締役、執行役員及び顧問の選任のほか、取締役会からの諮問を受けた事項について審議し、答申を行います。指名委員会は、社外取締役の中から委員長を選出し、社外取締役3名を含む5名で構成されております。
(委員長:監査等委員である社外取締役 嶌川安雄、その他の構成員:代表取締役社長 吉田佳代(戸籍上の氏名:濱渕佳代)、監査等委員である取締役 髙橋利光、監査等委員である社外取締役 中井哲也、監査等委員である社外取締役 佐々木育子)
e. 部長会
当社の部長会は、業務執行の推進を目的として、代表取締役社長、専務取締役、監査等委員でない取締役、執行役員を含む各部門長で構成され、原則として週1回開催しております。部長会では、各部門の業務執行を含む全社的な情報共有を行うとともに、当社の組織、運営、その他の経営に関する重要な事項の審議を行っております。
(議長:代表取締役社長 吉田佳代(戸籍上の氏名:濱渕佳代)、その他の構成員:専務取締役 二宮充、取締役 松浪雄二、社外取締役 中坪武之、執行役員 古澤幸彦、執行役員 桝永剛、執行役員 浦正和、各部門長)
f. リスク・コンプライアンス委員会
当社のリスク・コンプライアンス委員会は、代表取締役社長、専務取締役、取締役、執行役員を含む部門長で構成され、代表取締役社長吉田佳代(戸籍上の氏名:濱渕佳代)が委員長を務め、原則として、3カ月に1回開催しております。当社を取り巻く社内外のリスクに対する管理体制の強化と想定されるリスクの抽出や、管理体制の状況把握と、対策の協議及びコンプライアンスに対する事項等の検討、審議を行っております。
(委員長:代表取締役社長 吉田佳代(戸籍上の氏名:濱渕佳代)、その他の委員:専務取締役 二宮充、取締役 松浪雄二、社外取締役 中坪武之、常勤監査等委員である取締役 髙橋利光、執行役員 古澤幸彦、執行役員 桝永剛、執行役員 浦正和、各部門長)
g. 内部監査
当社は、会社の規模が比較的小さいため独立した内部監査部門は設けておりません。内部監査は、管理部長を責任者とし、自己監査を回避するため管理部内に設置している監査室に所属する1名が管理部以外の内部監査を担当し、管理部への内部監査については、専務取締役の二宮充が担当しております。内部監査は内部監査規程に基づき、各部門の業務活動に関して、運営状況、業務実施の有効性及び正確性等を、年間計画に沿って監査しております。監査結果及び是正状況は代表取締役社長に随時報告し、監査等委員会及び会計監査人と連携して活動しております。
h. 会計監査人
当社は、太陽有限責任監査法人との間で監査契約を締結し、適時適切な監査が実施されております。なお、同監査法人及び当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社との間には、特別な利害関係はありません。
③ 企業統治に関するその他の事項
a. 内部統制システムの整備の状況
当社は、会社法及び会社法施行規則に基づき、取締役会において「内部統制システムの基本方針」を定める決議を行い、以下のとおりに定め運用しております。
(内部統制システムの基本方針)
Ⅰ 当社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
1.当社は、コンプライアンスを経営上の最重要課題と位置付け、当社の取締役及び使用人が法令及び定款を遵守し、健全な社会規範の下にその職務を遂行するための行動規範として、リスク・コンプライアンス規程、その他の規程を制定する。
2.当社の内部監査部門は、コンプライアンス担当部署と連携の上、当社に対する内部監査を実施する。
3.当社は、取締役及び使用人が、リスク・コンプライアンス委員会に対して直接通報を行うことができる内部通報制度を設置する。
Ⅱ 当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
当社は、取締役会等の重要な会議の議事録のほか、各取締役が職務権限規程に基づいて決裁した文書等、取締役の職務の執行に係る情報は、文書管理規程に基づき、文書又は電磁的媒体に記録し、保存する。当社の取締役及び監査等委員は、文書管理規程に従い、常時、これらの文書等を閲覧できるものとする。
Ⅲ 当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
1.当社は、当社のリスク管理について定めるリスク・コンプライアンス規程において、当社全体のリスクを網羅的・統括的に管理する。
2.当社は、不測の事態や危機の発生時に当社の事業の継続を図るため、当社のコンティンジェンシープランである「業務継続計画 (BCP)」を策定し、当社の役員及び使用人に周知する。
Ⅳ 当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
1.当社は、三事業年度を期間とする中期経営計画を策定し、当該中期経営計画を具体化するため、毎事業年度ごとの当社の重点経営目標及び予算配分等を定める。
2.当社は、取締役の職務権限と担当業務を明確にするために、取締役会規程のほか、組織規程、職務分掌規程、職務権限規程、稟議規程を制定する。
Ⅴ 当社の監査等委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項
監査等委員会からその職務を補助すべき使用人を置くことを求められた場合は、取締役会は、監査等委員会と協議の上、他職務との兼務又は専属にて当該職務を補助するための使用人を指名する。
Ⅵ 当社の監査等委員会の職務を補助すべき使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査等委員会の求めにより指名された補助使用人は、監査等委員会の職務を補助するに際しては、監査等委員会の指揮命令に従い、これを優先して行うものとし、当該補助使用人の人事異動・人事評価等については、あらかじめ監査等委員会の同意を要することとする。
Ⅶ 当社の監査等委員会への報告に関する体制
1.当社の取締役及び使用人は、法令等の違反行為等、当社に著しい損害を及ぼす恐れのある事実については、発見次第、直ちに当社の監査等委員会に対して報告を行うこととする。
2.当社の内部通報制度の担当部署は、当社の役員及び使用人からの内部通報の状況について、定期的に監査等委員会に対して報告を行う。
Ⅷ 当社の監査等委員会に報告した者が当該報告したことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当社は、監査等委員会へ報告を行った当社の取締役及び使用人に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行うことを禁止し、その旨を当社の取締役及び使用人に周知徹底する。
Ⅸ 当社の監査等委員の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査等委員がその職務の執行について当社に対して会社法第399条の2第4項に基づく費用の前払い等の請求をしたときは、担当部署において審議の上、当該請求に係る費用又は債務が当該監査等委員の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかにこれに応じるものとする。
Ⅹ その他当社の監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
1.代表取締役社長は、監査等委員会と定期的に会合を持ち、会社が対処すべき課題、監査等委員会の環境整備の状況、監査等委員会の監査上の重要課題等について意見交換を行う。
2.当社は、監査等委員会が、独自に弁護士との顧問契約を締結し、又は、必要に応じて専門の弁護士、公認会計士の助言を受ける機会を保障する。
Ⅺ 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方とその整備状況
1.当社は、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力及び団体とは一切の関係をもたない。
2.不当な要求がなされた場合には、所轄警察署並びに顧問弁護士等と常に連携を保ち、何らかの要求あるいは接触等があった際には、適宜適切かつ毅然と対応する。
3.新規契約先に対しては、取引開始時に反社会的勢力との関係が一切ない旨を書面で相互に誓約することを求めるとともに、過去の記事検索及びインターネット検索により反社会的勢力との関係がないことの確認を行い、既存契約先に対しても同様の確認を行うものとする。
b. リスク・コンプライアンス管理体制の整備の状況
当社は、経営の安定性、健全性が企業価値の向上において重要な課題であると認識し、全社的なコンプライアンス体制の整備、維持、強化が不可欠であると認識しております。リスク・コンプライアンス規程に基づき、リスク・コンプライアンス委員会において、経営上重要なリスクについて把握・分析を行い、対応策の検討とリスク低減と防止に努めております。社内におけるコンプライアンス遵守を実現させるために各種規程等を整備し、適正な運用を行うとともに、内部監査人が、その運用の適切性・有効性を検証しております。さらに企業倫理の確立とコンプライアンスの徹底のために、社内研修を実施し、役員・従業員の意識向上のための教育を継続してまいります。
c. 責任限定契約の内容と概要
当社は、会社法第427条第1項及び当社定款の規定に基づき、取締役(業務執行取締役等を除く。)との間に、任務を怠ったことによる損害賠償責任を限定する契約を締結しております。なお、当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、法令が定める額としております。
d. 役員の定数
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は7名以内、監査等委員である取締役は4名以内とする旨を定款で定めております。
e. 取締役の選任の決議要件
当社の取締役の選任決議について、株主総会で議決権を行使できる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数の決議によって選任する旨を定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票の方法によらない旨を定款に定めております。
f. 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める特別決議要件は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上にあたる多数をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
g. 取締役の責任免除
当社は、取締役が期待された役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む)の損害賠償責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めております。
h. 剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等、会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨定款に定めております。これは、自己株式の取得や剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、機動的な資本政策並びに利益還元を行うことを目的とするものであります。
i. 中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を可能にするため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
j. 自己株式の取得
当社は、企業環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行のため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得できる旨を定款に定めております。
④ 取締役会の活動状況
1.取締役会
当事業年度(2025年7月1日から2026年6月30日まで)において当社は取締役会を月1回以上開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。なお、佐々木育子は2025年9月26日をもって当社取締役に就任しておりますので、就任後に開催された取締役会の出席状況を記載しております。
取締役会の主な審議・決議事項は、法令及び定款に定められた事項のほか、社内規程の改廃、重要な設備投資・処分に関する審議等であります。
2.報酬委員会
当事業年度(2025年7月1日から2026年6月30日まで)において当社は報酬委員会を2回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。なお、佐々木育子氏は2025年9月26日をもって当社取締役に就任しておりますので、就任後に開催された報酬委員会の出席状況を記載しております。
報酬委員会の主な審議事項としては、取締役、執行役員の報酬額案(算定方法を含む)、その他取締役会から諮問を受けた事項等があります。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
a.2026年9月24日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりであります。
男性6名 女性2名(役員のうち女性の比率25.0%)
(注) 1.取締役 中坪武之、嶌川安雄、中井哲也及び佐々木育子は、社外取締役であります。
2.取締役の任期は、2025年9月26日開催の定時株主総会終結の時から選任後1年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会の時までであります。
3.取締役(監査等委員)の任期は、2025年9月26日開催の定時株主総会終結の時から選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の時までであります。
4.当社は、業務執行の効率性を強化するため、執行役員制を導入しており、次の3名を選任しております。
上席執行役員 営業本部長マーケティング部長 古澤 幸彦
執行役員 製造部長 桝永 剛
執行役員 経営管理部長 浦 正和
5.代表取締役社長吉田佳代(戸籍上の氏名:濱渕佳代)の所有株式数には、同氏が議決権の過半数を有する資産管理会社(グッドフィールド・ビーチサイド㈱)が所有する当社株式1,885,040株を含んでおります。
b.2026年9月28日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)5名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、当社の役員の状況は以下のとおりとなる予定です。なお、役員の役職等につきましては、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しております。
男性7名 女性2名(役員のうち女性の比率22.2%)
(注) 1.取締役 中坪武之、嶌川安雄、中井哲也及び佐々木育子は、社外取締役であります。
2.取締役の任期は、2026年9月28日開催の定時株主総会終結の時から選任後1年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会の時までであります。
3.取締役(監査等委員)の任期は、2025年9月26日開催の定時株主総会終結の時から選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の時までであります。
4.当社は、業務執行の効率性を強化するため、執行役員制を導入しており、次の1名を選任しております。
執行役員 製造部長 桝永 剛
5.代表取締役社長吉田佳代(戸籍上の氏名:濱渕佳代)の所有株式数には、同氏が議決権の過半数を有する資産管理会社(グッドフィールド・ビーチサイド㈱)が所有する当社株式1,885,040株を含んでおります。
② 社外役員の状況
当社は、社外取締役4名(うち監査等委員である取締役3名)を選任しております。
当社は、取締役会における意思決定と職務執行の適正性を確保するとともに、監査等委員会による取締役会の監視・監督の実効性を高めるため、社外取締役を選任しており、選任理由は以下のとおりです。
社外取締役中坪武之は、長年にわたり金融機関等で培われた経験・見識ならびに、各社の社外取締役を歴任し、経営全般に対する高い見識を有しており、当社の経営の強化に活かしていただくとともに、監督機能を適切に発揮いただくため社外取締役として選任しております。
社外取締役嶌川安雄は、当社の社外監査役、株式会社南都銀行における長年にわたる金融機関等経歴を通じて培われた経験・見識を有しており、経営・財務戦略に対する監査・監督に活かしていただくため、監査等委員である社外取締役として選任しております。
社外取締役中井哲也は公認会計士・税理士として培われた財務及び会計に関する専門的な知見及び他社での経営経験を経営全般に対する監査・監督機能の強化に活かしていただくため、監査等委員である社外取締役として選任しております。
社外取締役佐々木育子は弁護士として培われた法務面の専門的な知識及び他社での社外役員としての経験を経営全般に対する監査・監督機能の強化に活かしていただくため、監査等委員である社外取締役として選任しております。
社外取締役は当社株式を有しておらず、現在、当社と社外取締役との間に、人的関係、資本的関係、取引関係その他の利害関係はありません。
なお、当社は、社外取締役嶌川安雄、中井哲也、佐々木育子の3名を、一般株主との利益相反が生じるおそれのない独立役員として、株式会社東京証券取引所に届け出ております。
③ 社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員会による監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会、報酬委員会に出席するとともに、必要に応じ部長会、リスク・コンプライアンス委員会等社内の重要な会議に出席し、重要な事項等に関する報告を受け、公正な立場から意見陳述するとともに取締役の職務執行状況を監督しております。
当社の社外取締役は4名(うち3名が監査等委員)であります。社外取締役は、取締役会や報酬委員会等の重要会議への出席を通じて取締役の職務執行を監督しているほか、監査等委員である社外取締役は、監査等委員会への出席を通じて、内部監査、常勤監査等委員による監査、会計監査及び内部統制に係る報告を受け必要な意見を述べております。さらに、監査等委員会、内部監査部門、会計監査人の三者で行われる連絡会を通じて、相互に監査計画や監査結果を共有するとともに、適切な意見交換及び情報共有を行い、監督・監査機能の向上を図っております。
(3) 【監査の状況】
① 監査等委員会監査の状況
当社の監査等委員会は、社外取締役3名を含めた4名で構成され、うち1名が常勤であります。社外取締役監査等委員中井哲也は、公認会計士の資格を有し、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
監査等委員は、月次の取締役会に出席し、業務の意思決定並びに業務の執行状況について、法令・定款に違反していないかなどのチェックを行うとともに監査等委員会監査を定期的に実施し、代表取締役への監査報告を行っています。また、その内容は対象部門にフィードバックされ、問題点の改善状況について再度報告を求めています。
当事業年度(2025年7月1日から2026年6月30日まで)において当社は監査等委員会を17回開催しており、出席状況及び審議事項については次のとおりであります。なお、社外取締役監査等委員の佐々木育子は、2025年9月26日開催の定時株主総会にて監査等委員に就任したため、就任以降の出席状況について記載しています。
イ.出席状況
ロ.具体的な検討事項
監査等委員会の活動としましては、取締役会や適宜重要な会議に出席し、意見交換を行うなどして取締役の職務執行状況を監査する他、常勤監査等委員が実施している日常的な監査活動の結果を踏まえ、内部監査部門、会計監査人と連携を図りつつ、コンプライアンスやリスク管理を含む内部統制システムの運用状況の監査を行っています。
また、常勤監査等委員は、日常的な役職員とのコミュニケーションを通じた情報収集、取締役会以外の重要な会議への出席、重要書類の閲覧、部門長や監査室との意見交換を含む現場の実地監査等を行い、これらの情報を監査等委員全員で共有することを通じて、監査等委員会の監査の実効性を高める活動を行っています。
② 内部監査の状況
当社は、会社の規模が比較的小さいため独立した内部監査部門は設けておりません。内部監査は、管理部長を責任者とし、自己監査を回避するため管理部内に設置している監査室に所属する1名が管理部以外の内部監査を担当し、管理部への内部監査については、専務取締役の二宮充が担当しております。
内部監査は、「内部監査規程」に基づき、各業務執行部門の監査を定期的に実施しております。内部監査には、常勤の監査等委員である取締役も適宜参加して実施し、その結果を代表取締役に報告し、必要に応じて取締役会及び監査等委員会へ報告することとし、指摘事項の改善状況を管理しています。
また、公正な経営を実現するため、会計監査人より適正な会計処理や内部統制についての助言を受け、コーポレート・ガバナンスの確立に努めています。
監査等委員と内部監査人は、内部監査人から監査等委員へ内部監査結果の報告を行い、監査状況、指摘事項及びその改善状況について随時意見交換を行い、監査の有効性・効率性を高めています。また、必要に応じて両者が協力して共同の監査を実施しています。
なお、内部監査人は、会計監査人との間において、内部監査及び内部統制システムの運用状況に関して随時協議及び意見交換を実施しております。
監査等委員、内部監査人は、会計監査人との連携を図るため、三様監査会を適宜実施し、監査結果及び内部統制やリスクに関する重要事項を共有し、意見交換を行っております。
③ 会計監査の状況
a. 監査法人の名称
太陽有限責任監査法人
b. 継続監査期間
4年間
c. 業務を執行した公認会計士
指定有限責任社員 業務執行社員 児玉秀康
指定有限責任社員 業務執行社員 吉永竜也
d. 監査業務に係る補助者の構成
会計監査業務の補助者は太陽有限責任監査法人に所属する公認会計士4名、その他の補助者8名であります。
業務を執行した公認会計士及び監査業務に係る補助者と当社の間には、特別な利害関係はありません。
e. 監査法人の選定方針と理由
公益社団法人日本監査役協会が公表する「会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針」を参考に、会計監査人に対して品質管理が適切であること、独立性及び専門性を有していること、監査計画・監査報酬が妥当であること及び監査実績等を総合的に勘案し、選定しております。
監査等委員会は、会計監査人の職務の執行に支障がある場合等、その必要性があると判断した場合は、会計監査人の解任又は不再任に関する議案を決定し、取締役会は、当該決定に基づき、当該議案を株主総会に提出いたします。
また、監査等委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合は、監査等委員全員の同意に基づき、会計監査人を解任します。この場合、監査等委員会が選定した監査等委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨と解任の理由を報告いたします。
f. 監査等委員及び監査等委員会による監査法人の評価
監査等委員会は、公益社団法人日本監査役協会が公表する「会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針」に基づき、会計監査人の品質管理体制の整備・運用状況、独立性及び専門性等により、会計監査人を総合的に評価しています。
なお、監査等委員会は、当事業年度において会計監査人が実施した監査方法及び監査結果について、相当であると判断しています。
④ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬の内容
(注) 監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
当社における非監査業務の内容は、新規上場に伴うコンフォートレターの作成業務であります。
b. 監査公認会計士等と同一のネットワークに対する報酬(aを除く)
該当事項はありません。
c. その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d. 監査報酬の決定方針
監査報酬につきましては、監査計画、監査日程等を総合的に勘案し、代表取締役社長が監査等委員会の同意を得たうえで決定しています。
e. 監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査等委員会は、公益社団法人日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、監査項目別監査時間及び監査報酬の推移並びに過年度の監査計画と実績の状況を確認したうえで、当事業年度の監査計画の内容、報酬見積り額の算出根拠等の適切性・妥当性を検討した結果、会計監査人の報酬等について会社法第399条第1項の同意を行っています。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬は、基本報酬、当該事業年度の業績に連動した賞与と業績連動型報酬によって構成されております。
基本報酬は、株主総会で決議された年間の報酬限度額の範囲内で支給することとしており、賞与については当社の業績・経済情勢等を勘案したうえで、役位・職責に応じて取締役会で決定しております。
業績連動報酬に係る業績目標は、取締役及び執行役員の事業活動の成果を考慮した経営指標を基に、それぞれ設定した目標値を採用しております。各事業年度の目標値は目標達成時を100%としております。
業績連動報酬の算定については、EBITDAを指標とし、事業年度予算の超過分の15~25%を算定基礎金額とし、取締役及び執行役員の業績目標の達成値に基づき分配する形式をとり、報酬委員会で決定しております。
監査等委員である取締役の報酬は、その役割と職務を勘案し基本報酬のみで構成され、株主総会で決議された年間の報酬限度額の範囲内で、その職責に応じて監査等委員が協議し決定しております。
なお、決定方針の決定及び各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の具体的な報酬等の額の決定に当たっては、取締役会の諮問機関であり、代表取締役社長及び監査等委員である取締役を含む社外取締役4名で構成する報酬委員会において協議し、取締役会にて決定しております。
取締役(監査等委員である取締役を除く。)の基本報酬及び賞与の報酬限度額は、2023年6月30日開催の臨時株主総会において年額100百万円以内と決議されております。当該株主総会終結時点における取締役(監査等委員である取締役を除く。)の員数は3名(うち社外取締役は1名)であります。
報酬委員会は、取締役及び執行役員についての報酬制度に関する基本方針案、個人別の具体的報酬額案等を取締役会の諮問に応じて審議し、取締役会に対して助言・提言を行うこととしています。当事業年度において報酬委員会は2回開催しております。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
③ 役員ごとの報酬等の総額等
報酬等の総額が1億円以上ある者が存在しないため、記載しておりません。
④ 使用人兼務取締役の使用人給与のうち重要なもの
該当事項はありません。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式とし、それ以外の目的で保有する投資株式を純投資目的以外の目的である投資株式とすることとしています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、財務基盤の確保や発行会社との取引関係の維持・強化又は取引・協力関係の構築が見込め、当社の中長期的な企業価値の向上に資すると認められる場合や、地域業界基盤の発展に資すると判断した場合に純投資目的以外の目的である投資株式を保有する場合があります。
また、毎年、個別の純投資目的以外の目的である投資株式について、保有目的や資本効率等の経済合理性の観点から保有の適否を取締役会で検証しております。その結果、保有継続の妥当性が認められた銘柄については継続保有いたしますが、課題が認められた銘柄については発行会社と資本効率や中長期的な企業価値向上に向けた改善について対話を行い、改善の見込みがないと判断した場合は、市場への影響等を考慮のうえ売却等を進める方針としております。
b. 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c. 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 定量的な保有効果については記載が困難であるため、記載しておりません。なお、保有の意義については、取引先等との取引関係等を踏まえて保有に伴うリスクと便益を勘案し、当社の中長期的な企業価値向上に資するか否かという観点から検討しております。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
当社は、「新しい酒文化を創造する」というパーパス(目的)のもと、従業員一人ひとりがその能力を最大限に発揮し、「驚きと感動で世界中をワクワクさせる」というミッションを実現できる活力ある組織づくりを目指しております。当社の価値観である「進化」「情熱」「団結力」「本質思考」「誠実」「遊び心」を人事政策にも反映し、以下のとおり人材の育成及び社内環境整備に関する方針を定め、様々な取り組みを推進しております。
(1) 人材育成に関する方針
当社の経営基盤の源泉は「人材」であり、人材の多様性の確保及び人材育成を重要課題と認識しております。
① 採用方針 国籍、性別、年齢、障がいの有無等にとらわれることなく、多様な人材が活躍できる場を提供することを目指し、新卒・中途・障がい者採用など幅広い層を対象とした採用活動を行っております。経験や能力に加え、当社の理念への共感や高い倫理観、コミュニケーション能力といった人物面を重視した採用を行っております。
② 人材教育・育成 従業員一人ひとりの能力開発を支援し、常に成長し続けることができる環境を提供するため、新入社員研修、階層別研修、職種別研修、社外研修など、多様な研修制度を設けております。また、若年層の定着率向上と能力開発を目的としたキャリア形成プログラムや、次世代のリーダー育成を目的としてMBA(経営学修士)プログラムに就学するための社内奨学金制度を創設し、継続的な成長と組織変革を担う人材の強化に取り組んでおります。
③ 人材配置と評価制度 年2回実施する人事面談を通じて従業員の希望や適性を把握し、適材適所の人員配置を行っております。特に新卒採用者にはジョブローテーションを実施し、組織全体のチームワーク活性化と個人の能力発揮を促しています。また、公平かつ客観的な人事評価制度と能力給を導入し、従業員の貢献意欲とモチベーションの向上を図っております。会社の利益が従業員の利益と一体となるよう、決算賞与制度等を通じた還元も実施しております。
(2) 社内環境整備に関する方針
多様な人材を確保・育成するため、働きやすい労働環境の整備とダイバーシティの推進に積極的に取り組んでおります。
① 働き方改革の推進と労働環境の改善
安定した雇用の確保や時代に即した働き方を実現するため、伝統的な杜氏制度を廃止し、データに基づく製造体制の確立や機械の導入による社員主体の酒造りへ転換いたしました。夜間作業の無人化や、ホイスト・パレタイザー等の自動化設備の導入により、従業員の重労働負荷の軽減と安全性の向上を実現しております。また、多様なライフステージに応じた働き方を支援するため、家族の通院付き添いや学級閉鎖による子どもの見守り、孫の行事参加などを目的とした独自の有給休暇制度である「ワークライフサポート休暇」を創設しております。さらに、製造現場における冷房設備の導入など、快適で安全な職場環境の整備にも継続的に取り組んでおります。こうした従業員の健康と働きやすさを追求する取り組みが評価され、2026年3月には「健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)」に認定されております。
② ダイバーシティの推進
当社は1990年代から外国人や女性の蔵人を採用するなど、多様な人材の活用を推進してまいりました。中長期的な企業価値向上のため、性別や国籍、経験を問わない採用に加え、障がい者雇用や高齢者雇用も積極的に推進しております。また、女性や子育て世代が働きやすい環境づくりとして、女性の産後復帰支援に加え、小学生から大学生のお子様の就学支援として独自の手当支給を実施しております。さらに、男性の育児休業取得を推進させ、従業員全体のワークライフバランスの向上に努めております。
(2) 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況
(注)1.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.当社は酒類製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2) 労働組合の状況
当社において、労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。
(3) 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異
当社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象(常時使用する労働者数101人以上の事業主等)に該当しないため、記載を省略しております。
第5 【経理の状況】
1 財務諸表の作成方法について
当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、事業年度(2025年7月1日から2026年6月30日まで)の財務諸表について、太陽有限責任監査法人の監査を受けております。
3 連結財務諸表について
当社は、子会社がありませんので、連結財務諸表を作成しておりません。
4 財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っております。具体的には会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、財務・会計専門情報誌の定期購読及び監査法人等が主催するセミナーへの積極的な参加を行っております。
1 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
【製造原価明細書】
(注) ※1 主な内訳は、次のとおりであります。
(原価計算の方法)
当社の原価計算は、総合原価計算による実際原価計算であります。
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
当事業年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)
④ 【キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は、主として移動平均法により算定しております。)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2 棚卸資産の評価基準及び評価方法
通常の販売目的で保有する棚卸資産
評価基準は原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)
(1) 商品・原材料・貯蔵品
移動平均法
(2) 製品・仕掛品
移動平均法
3 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定率法を採用しております。ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備は除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は次のとおりであります。
建物 3~38年
構築物 7~50年
機械及び装置 2~12年
車両運搬具 2~6年
工具器具備品 2~15年
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
なお、主な償却年数は次のとおりであります。
ソフトウエア(自社利用分) 5年(社内における利用可能期間)
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
4 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 賞与引当金
従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額に基づき当事業年度に見合う分を計上しております。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しております。
なお、退職給付引当金及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。
(4) 株主優待引当金
株主優待制度に基づき株主に呈上する各種特典等の支出に備えるため、翌事業年度における発生見込額のうち、当事業年度の負担に属する金額を計上しております。
5 収益及び費用の計上基準
当社は、酒類の製造・販売や商品の卸売を行っており、国内販売取引における主な履行義務は、顧客に商品を引き渡す義務であり、国内販売取引において商品の納品時に商品の支配が顧客に移転すると判断しておりますが、出荷から顧客への支配の移転までの期間が通常の期間であることから、重要性等に関する代替的な取扱いを適用し、出荷時に収益を認識しております。
海外の顧客への商品及び製品の販売については、主にインコタームズ等で定められた貿易条件に基づき、運送人引渡時点等の時点で商品の支配が顧客に移転すると判断していることから、取引条件に基づく引渡等の時点で収益を認識しております。
また、収益は、顧客との契約において約束した対価から、第三者のために回収する消費税等を控除した金額で算定しております。
自社ECサイトにおける販売時にポイントを付与するカスタマー・ロイヤルティ・プログラムでのサービスの提供において、当社が付与したポイントのうち、顧客が使用していないポイントについては履行義務を充足していないため、将来の失効見込みや利用実績率等を考慮して算定された独立販売価格を基礎として取引価格を配分した金額で契約負債を計上し、ポイントが使用された時点又は失効した時点で履行義務を充足したと判断し、収益を認識することとしています。
なお、取引の対価は、履行義務を充足してからごく短期間に受領しており、重要な金融要素は含んでいません。
6 外貨建の資産又は負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。
7 キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期的な投資からなっております。
(重要な会計上の見積り)
前事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
1.繰延税金資産の回収可能性
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額 98,203千円
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。これらの見積りは将来の不確実な経済状況及び会社の経営状況の影響を受け、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。また、税制改正により実効税率が変更された場合に、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
2.固定資産の減損
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社は、事業用資産について、会社資産が一体となってキャッシュ・フローを生成していることから1つの資産グループとし、遊休資産については、個別資産ごとのグルーピングを行っています。
固定資産の減損の兆候の有無の判定にあたっては、資産グループごとに割引前将来キャッシュ・フローを合理的に見積り、その回収可能性について検討しております。これらの仮定は将来の不確実な経済状況及び会社の経営状況の影響を受け、翌事業年度以降の財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
当事業年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)
1.繰延税金資産の回収可能性
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額 102,027千円
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。課税所得が生じる可能性の判断においては、事業計画を基礎として将来の課税所得の見積額及び将来減算一時差異の解消見込額を算定しております。当該事業計画における主要な仮定は、売上高の成長率や販売管理費の見通し等であります。これらの見積りや主要な仮定は将来の不確実な経済状況及び会社の経営状況の影響を受け、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。また、税制改正により実効税率が変更された場合に、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
2.棚卸資産の評価
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額 1,004,320千円
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社は、棚卸資産について収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価しております。通常の営業循環過程から外れた棚卸資産については、将来の販売予測に基づく販売可能数量及び販売時期を考慮して正味売却価額を見積もっております。
この見積りにおける重要な仮定は、各商品群に係る将来の販売予測であります。当該販売予測は、過去の販売実績、市場動向、販売計画、得意先の需要見込み等を総合的に勘案して策定しております。
なお、将来の酒類市場の需要動向、消費者の嗜好の変化、経済環境の変動、販売戦略の変更等により、販売予測の前提となる状況が変化した場合には、棚卸資産の評価額の見直しが必要となる可能性があり、翌事業年度の財務諸表において棚卸資産評価損の追加計上又は戻入等が発生し、当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)
ほか、関連する企業会計基準、企業会計基準適用指針、実務対応報告及び移管指針の改正
(1) 概要
国際的な会計基準と同様に、借手のすべてのリースについて資産・負債を計上する等の取扱いを定めるもの。
(2) 適用予定日
2028年6月期の期首より適用予定であります。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
当該会計基準等の適用による財務諸表に与える影響については、現時点で評価中であります。
・「後発事象に関する会計基準」(企業会計基準第41号 2026年1月9日)
・「後発事象に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第35号 2026年1月9日)
(1) 概要
「後発事象に関する会計基準」等は、後発事象の定義、会計処理及び開示等を取り扱う包括的な会計基準を設定することを優先的な課題とし、日本公認会計士協会 監査・保証基準委員会 監査基準報告書560実務指針第1号「後発事象に関する監査上の取扱い」で示されている会計に関する内容を原則として踏襲して企業会計基準委員会に移管することを基本的な方針として、表現の見直し及び後発事象の評価期間の整理を行うとともに、財務諸表の公表の承認に関する注記を新たに求める等、後発事象に関する会計処理及び開示について定めたもの。
(2) 適用予定日
2028年6月期の期首より適用予定であります。
(貸借対照表関係)
※1 担保資産及び担保付債務
担保に供している資産及び担保付債務は次のとおりであります。
(注) 長期借入金には1年内返済予定の長期借入金を含んでおります。
※2 棚卸資産の内訳は次のとおりです。
※3 圧縮記帳額
国庫補助金等の受入により取得価額から控除している圧縮記帳額は次のとおりであります。
4 当座貸越契約
当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行4行と当座貸越契約を締結しております。これらの契約に基づく借入未実行残高は次のとおりであります。
(損益計算書関係)
※1 顧客との契約から生じる収益
売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載しておりません。顧客との契約から生じる収益の金額は、財務諸表「注記事項 (収益認識関係) 1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。
※2 期末棚卸高は収益性の低下による簿価切下げ後の金額であり、次の棚卸資産評価損が売上原価に含まれております。
※3 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は、次のとおりであります。
※4 一般管理費に含まれる研究開発費の総額は、次のとおりであります。
※5 固定資産売却益の内容は、次のとおりであります。
※6 固定資産売却損の内容は、次のとおりであります。
※7 固定資産除却損の内容は、次のとおりであります。
(株主資本等変動計算書関係)
前事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
1 発行済株式に関する事項
(注) 普通株式の発行済株式総数の増加5,722,724株は、2025年4月17日付けで普通株式1株につき20株の割合をもって実施した株式分割による増加であります。
2 配当に関する事項
該当事項はありません。
当事業年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)
1 発行済株式に関する事項
2 配当に関する事項
(1)配当金支払額
該当事項はありません。
(2)基準日が当事業年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌事業年度となるもの
(キャッシュ・フロー計算書関係)
※ 現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係は、次のとおりであります。
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社は、資金運用は安全性の高い金融資産で行い、資金調達は主に銀行等金融機関からの借入により行っております。なお、デリバティブ取引等の投機的な取引は行わない方針であります。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク並びにリスク管理体制
営業債権である売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。当社は、与信管理規程及び債権回収マニュアルに従い営業債権について担当部署が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。
投資有価証券は主として株式及び社債であり、上場株式については四半期ごとに時価の把握を行っております。また、社債については発行体の信用リスクに晒されており、財務状況等の変化の把握に努めることにより軽減を図っております。
営業債務である買掛金及び未払金は、ほぼすべてが1カ月以内の支払期日であります。
長期借入金の使途は、設備投資資金であります。長期借入金は金利の変動リスクに晒されており、金利の状況を見つつ、固定金利の期間を設定するなどの方法で軽減を図っております。
(3) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。当該価額の算定においては一定の前提条件を採用しているため、異なる前提条件によった場合、当該価額が異なることもあります。
2 金融商品の時価等に関する事項
貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりであります。
前事業年度(2025年6月30日)
(*1) 「現金及び預金」、「売掛金」、「買掛金」、「未払金」、「未払法人税等」、「預り金」については、現金であること及び短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似することから記載を省略しております。
また、「リース債務」については金額的重要性が乏しいことから、記載を省略しております。
(*2) 市場価格のない株式等は、上表には含まれておりません。当該金融商品の貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
(*3) 1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めて表示しております。
当事業年度(2026年6月30日)
(*1) 「現金及び預金」、「売掛金」、「買掛金」、「未払金」、「未払法人税等」、「預り金」については、現金であること及び短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似することから記載を省略しております。
また、「リース債務」については金額的重要性が乏しいことから、記載を省略しております。
(*2) 市場価格のない株式等は、上表には含まれておりません。当該金融商品の貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
(*3) 1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めて表示しております。
(注1) 金銭債権及び満期がある有価証券の決算日後の償還予定額
前事業年度(2025年6月30日)
当事業年度(2026年6月30日)
(注2) 長期借入金、リース債務の決算日後の返済予定額
前事業年度(2025年6月30日)
当事業年度(2026年6月30日)
3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1) 時価で貸借対照表に計上している金融商品
前事業年度(2025年6月30日)
当事業年度(2026年6月30日)
(2) 時価で貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前事業年度(2025年6月30日)
当事業年度(2026年6月30日)
(注) 時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
投資有価証券
上場株式は相場価格を用いて評価しております。上場株式は活発な市場で取引されているため、その時価をレベル1の時価に分類しております。社債は、その将来キャッシュ・フローと国債の利回り等適切な指標に発行体の信用スプレッドを上乗せした利率を基に割引現在価値法により、また非上場投資信託は取引先金融機関から提示された価格等に基づき算定しており、レベル2の時価に分類しております。
長期借入金
長期借入金の時価は、元利金の合計額と、当該債務の残存期間及び信用リスクを加味した利率を基に、割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しております。
(有価証券関係)
1 その他有価証券
前事業年度(2025年6月30日)
当事業年度(2026年6月30日)
2 事業年度中に売却したその他有価証券
該当事項はありません。
(退職給付関係)
1.採用している退職給付制度の概要
当社は、従業員の退職給付に充てるため、非積立型の退職一時金制度を採用しております。
当社が有する退職一時金制度は、簡便法により退職給付引当金及び退職給付費用を計算しております。
2.確定給付制度
(1) 簡便法を適用した制度の、退職給付引当金の期首残高と期末残高の調整表
(2) 退職給付債務の期末残高と貸借対照表に計上された退職給付引当金の調整表
(3) 退職給付費用
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(収益認識関係)
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
前事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
(注)売上高は販売先の所在地を基礎として、地域別に分解しております。
当事業年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)
(注)売上高は販売先の所在地を基礎として、地域別に分解しております。
2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は「注記事項(重要な会計方針)5.収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当事業年度末において存在する顧客との契約から翌事業年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
(1) 顧客との契約から生じた債権の残高等
前事業年度に認識した収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は8,345千円であります。過去の期間に充足した履行義務から認識した収益はありません。
なお、自社ECサイトにおける販売時にポイントを付与するカスタマー・ロイヤルティ・プログラムでのサービスの提供において、当社が付与したポイントのうち、顧客が使用していないポイントについては履行義務を充足していないため、将来の失効見込みや利用実績率等を考慮して算定された独立販売価格を基礎として取引価格を配分した金額で契約負債を計上し、ポイントが使用された時点又は失効した時点で履行義務を充足したと判断し、収益を認識することとしていましたが、2025年6月30日をもってポイント交換及び同サービス提供を終了したため、2025年6月30日をもって契約負債を全額取り崩しております。
これにより、当事業年度において期首現在の契約負債残高はありません。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
当社では、残存履行義務に配分した取引価格については、当初に予想される契約期間が1年を超える重要な契約がないため、実務上の便法を適用し、記載を省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社は、酒類製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
【関連情報】
前事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
1 製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1)売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎として国内、海外に分類しております。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3 主要な顧客ごとの情報
売上高に対する割合が10%を超える顧客がないため記載を省略しております。
当事業年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)
1 製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1)売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎として国内、海外に分類しております。
(2)有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3 主要な顧客ごとの情報
売上高に対する割合が10%を超える顧客がないため記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。
【関連当事者情報】
1 関連当事者との取引
財務諸表提出会社と関連当事者との取引
財務諸表提出会社の役員及び主要株主(個人の場合に限る)等
前事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)
(注)1.吉田暁は、代表取締役吉田佳代の実父であり、当社の元代表取締役として企業経営に携わってきた実績及び長年の経験、知見並びに幅広い人脈等を活かして、当社に対して助言等を行っております。
2.委嘱する業務内容を勘案し報酬委員会の意見も聴取のうえ、適切と考える額としております。
当事業年度(自 2025年7月1日 至 2026年6月30日)
(注)1.吉田暁は、代表取締役吉田佳代の実父であり、当社の元代表取締役として企業経営に携わってきた実績及び長年の経験、知見並びに幅広い人脈等を活かして、当社に対して助言等を行っております。
2.委嘱する業務内容を勘案し報酬委員会の意見も聴取のうえ、適切と考える額としております。
2 親会社又は重要な関連会社に関する注記
該当事項はありません。
(1株当たり情報)
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2.当社は、2025年4月17日付けで普通株式1株につき20株の割合で株式分割を行っております。前事業年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
3.1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
4.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
⑤ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注) 1.無形固定資産の金額が資産総額の1%以下であるため、「当期首残高」、「当期増加額」及び「当期減少額」の記載を省略しております。
2.当期増加額のうち主なものは次のとおりであります。
3.当期減少額のうち主なものは次のとおりであります。
【社債明細表】
該当事項はありません。
【借入金等明細表】
(注) 1.リース債務の「平均利率」については、リース料総額に含まれる利息相当額を控除する前の金額でリース債務を貸借対照表に計上しているため、記載を省略しております。リース債務以外の「平均利率」については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。
2.長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)の貸借対照表日後5年内における1年ごとの返済予定額の総額
【引当金明細表】
(注) 1. 貸倒引当金の「当期減少額(その他)」欄の金額は、一般債権の貸倒実績率による洗替額であります。
2. 賞与引当金の「当期減少額(その他)」欄の金額は、支給見込額と実際支給額との差額であります。
【資産除去債務明細表】
該当事項はありません。
(2) 【主な資産及び負債の内容】
① 現金及び預金
② 売掛金
相手先別内訳
売掛金の発生及び回収並びに滞留状況
(注) 上記金額には消費税等が含まれております。
③ 棚卸資産
④ 買掛金
(3) 【その他】
当事業年度における半期情報等
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を有しておりません。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券届出書及びその添付書類
有償一般募集増資(ブックビルディング方式による募集)及び株式売出し(ブックビルディング方式による売出し)。2026年3月25日 近畿財務局長に提出。
(2) 有価証券届出書の訂正届出書
上記(1)に係る訂正届出書を2026年4月8日及び2026年4月16日 近畿財務局長に提出。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。




