第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2 第26期の株価収益率について、基本的1株当たり当期損失であるため記載しておりません。
3 本有価証券報告書における第22期から第25期の連結財務諸表は、連結の範囲の見直し等を反映して訂正しておりますが、「従業員数」については、各会計年度末時点の情報の入手が困難であり、訂正後の連結の範囲に基づく数値を算定することができないため、訂正前の有価証券報告書に記載した数値を記載しております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 第23期の1株当たり配当額60円には、記念配当4円を含んでおります。
2 第26期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
3 第26期の株価収益率及び配当性向については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
5 第26期の期首から子会社からの受取配当金の表示方法を営業外収益から売上高へ変更しており、第25期に係る主要な経営指標等については、当該表示方法の変更の内容を反映した後の指標等となっております。なお第22期から第24期の経営指標等については上記の表示方法の変更の内容を反映しておりません。
2 【沿革】
〔旧大同酸素株式会社の沿革〕
〔旧共同酸素株式会社の沿革〕
3 【事業の内容】
当「エア・ウォーター」グループは、当社、連結子会社206社、持分法適用会社53社の合計260社で構成され、デジタル&インダストリー、エネルギーソリューション、ヘルス&セーフティー、アグリ&フーズ、並びにその他の事業に関する製品・商品の製造・販売を行っております。
当グループが営んでいる主な事業内容と当社及び関係会社の当該事業における位置付けは次のとおりであります。以下の事業区分はセグメント情報における事業区分と同一であります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5.事業セグメント」をご参照ください
事業の系統図は次のとおりであります。

4 【関係会社の状況】
(注) 1 「議決権の所有割合」欄の(内書)は間接所有であります。
2 「関係内容」欄の役員の兼任の(内書)は提出会社において執行役員又は従業員であるものの数であります。
3 エア・ウォーター東日本㈱、エア・ウォーター西日本㈱、エア・ウォーター・エンジニアリング㈱、エア・ウォーター・ガスプロダクツ㈱、エア・ウォーター・ライフソリューション㈱及びAIR WATER INDIA PVT. LTD.は特定子会社に該当します。
4 ㈱歯愛メディカルは、2025年10月14日付で当社の連結子会社となっており、2025年12月15日付で東京証券取引所スタンダード市場への上場を廃止しております。
5 K&Oエナジーグループ㈱は有価証券報告書を提出しております。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの経営理念は、次のとおりであります。
「創業者精神を持って、空気、水、そして地球にかかわる事業の創造と発展に、英知を結集する」
当社グループの事業の原点は、社名に冠した「空気」と「水」であり、このかけがえのない地球の資源を活かして事業を創出し、社会や人々の暮らしに貢献していくことが当社グループの使命であります。当社グループは、この経営理念の下、目まぐるしく変化を続ける経営環境の中でグループの総合力を発揮し、社会の発展に役立つ多種多様な製品・サービスを提供する企業であり続けることを目指しております。
(2) 対処すべき課題
当社グループにおける不適切な会計処理により、株主、投資家、お客様、従業員をはじめとするあらゆるステークホルダーの方々に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、心より深くお詫び申し上げます。
当社は、2025年7月に、連結子会社において在庫を巡る不適切な会計処理を自主点検により発見いたしました。その後、社内調査を進める中で、同年9月に複数の連結子会社および当社の事業部門でも在庫や貯蔵品等で不適切な会計処理を発見し、会計監査人による監査の実施過程でもこれらの会計処理に対し指摘を受けました。
これを受け、2025年10月に、独立した外部専門家(弁護士および公認会計士)からなる特別調査委員会を設置して当社グループ全体を対象にした調査を開始するとともに、同年11月に取締役会の諮問機関として経営改革委員会を設置し、同委員会からの答申を受け、社外取締役からの取締役会議長選任および経理・財務統括責任者の設置等の経営体制の一部見直しを実施いたしました。その後、2026年4月3日付で公表した「特別調査委員会による調査報告書の公表に関するお知らせ」のとおり、特別調査委員会による調査の結果、2019年度から2025年度上半期までの期間において、当社グループにおいて不適切な会計処理が行われていた事実に加え、その一部に経営トップやマネジメント層の関与が認められました。また、特別調査委員会からは、一部調査未了であった事項につき、2026年6月19日付で追加調査報告書を受領しております。さらに、不適切会計事案に係る責任の明確化を図るため、2026年6月19日開催の取締役会および監査役会において責任調査委員会の設置を決定いたしました。同委員会において、当社の現旧の取締役および監査役の法的責任の有無について調査・検討を行っており、その報告・提言を踏まえ、必要な対応を検討してまいります。
また、本件を受け、当社は2026年5月1日付で東京証券取引所より特別注意銘柄に指定されております。当社は、特別注意銘柄の指定解除に向け、特別調査委員会の調査報告書において指摘された原因分析および再発防止策の提言を踏まえ、企業風土、ガバナンスおよび内部管理体制等の改善を目的とした改善計画を策定することとし、その策定および「改善計画・状況報告書」の提出に向けた基本方針を2026年5月29日付で「改善計画の策定方針に関するお知らせ」として公表いたしました。この策定方針に基づき、当社は企業風土改革、経営体制・ガバナンスの適正性、役員体制(取締役・監査役)および選任プロセス、グループ全体の内部管理体制(内部監査・子会社管理を含む)の整備・運用等について、外部専門家の支援も受けながら再発防止策ならびに改善計画を策定し、改善計画・状況報告書を2026年7月31日付で公表いたしました。
当社は調査報告書に示された原因分析および提言を真摯に受け止め、経営の最優先課題として再発防止策を不退転の決意をもって実行し、社会的信頼の回復に向け、当社グループを挙げて取り組んでまいります。
①特別調査委員会による調査概要
特別調査委員会は、不適切な会計処理に関する事実関係の解明、類似事象の有無およびグループ全体への波及状況の確認、財務影響額の算定、原因分析ならびに再発防止策に関する提言等を目的として調査を実施しました。調査は、関係者へのヒアリング、資料の精査、デジタル・フォレンジック等の手法により行われ、当社は、同委員会から2026年2月12日に調査報告書(2026年2月9日時点)、2026年3月31日に調査報告書、2026年6月19日に追加調査報告書を受領しました。
②調査により判明した主な内容
調査の結果、売上又は利益目標の達成に対する当社経営トップによる過度なプレッシャーを背景に、当社並びに相当数の子会社及び関連会社において、在庫の過大計上、資産評価損の先送り、売上の過大計上及び先行計上、不要な取引先を介在させた売上の嵩上げ、引当金の計上回避、資産性のない支出の資産計上等、売上や利益を嵩上げする目的で、様々な手法による不適切な会計処理が広範に行われていることが発見されました。特に、エア・ウォーター防災株式会社においては、仕掛品の過大計上、売上の期間帰属の操作、原価付替による利益操作等の不適切な会計処理のほか、これらの不適切な会計処理を隠蔽するための証憑の偽造が行われていました。また、株式会社日本海水においては、工場設備の定期修繕費及び労務費の恣意的な固定資産計上、本来純額で表示すべき代理人取引における売上の総額表示、事業部間における原価付替等による不適切な会計処理が行われていました。
③原因分析
業績目標の達成を最優先する企業文化とトップダウンによる組織マネジメント、経理・管理機能の未整備と内部統制システムの実効性不足、会計リテラシーの低さと上場企業グループに必要な倫理感の欠如といった複数の要因※が重なり、結果として、長期間にわたり不適切な会計処理が看過されやすい環境が形成されていました。
※不適切な会計処理が発生した複数の要因
(1)業績目標の達成を最優先する企業風土の下、現場に過度な業績プレッシャーが生じ、意見や問題意識を率直に表明しにくい状況があったこと
(2)成長戦略やM&Aの進展に対し、管理体制やルールの整備が十分に追いついていなかったこと
(3)経営トップおよびマネジメント層による会計処理への関与のあり方や、内部統制の実効性に課題があったこと
(4)不適切な処理が業務フロー上、是正されにくい構造となっていたこと
(5)会計やコンプライアンスに関する知識・意識(会計リテラシー)や、上場企業グループとして求められる自覚・理解が十分に共有されていなかったこと
(6)管理部門・内部監査部門によるモニタリング機能や、取締役会による監視・牽制機能、監査役会による監督機能が十分に機能していなかったこと
(7)財務報告責任の認識・体制上の問題があったこと
④再発防止策
上記の原因分析を踏まえ、「企業風土改革」「ガバナンス改革」「経営管理基盤、内部統制の再構築」「全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)」の4項目を柱とする再発防止策を策定し取り組みを進めております。
(1)企業風土改革
当社は、コンプライアンスを最重視し、「健全で風通しがよく、正しい行動を促す」企業風土に向けた抜本的改革が必要であると考え、経営トップ(代表取締役)が企業風土改革に向けた覚悟を表明するとともに、経営理念やパーパスを再認識し、従業員との直接対話によるグループ全体への浸透を図っております。また、組織の役割、管掌とその責任を明確化し、報告プロセスを再構築しております。コンプライアンス最重視の経営体制の構築の観点からは、経営トップ・マネジメント層の意識の向上・強化を図り、グループ全社に向けた経営トップ・マネジメント層による継続的発信、グループ会社従業員との直接対話による意思の共有と従業員の意識向上に努めております。さらに、心理的安全性が確保された組織作りと、誰もが互いを尊重し合い、自由闊達に意見を言える風土の醸成に向けて、コミュニケーションの改善に取り組んでおります。その他、適切な業績目標の設定と過度な業績プレッシャーの排除、教育・研修(倫理・会計リテラシー)の抜本強化、内部通報制度の強化に取り組んでおります。
(2)ガバナンス改革
当社は、取締役会においてグループ全体の内部統制上の問題点を抽出・把握し、改善に向けたガバナンス体制を再構築するなど、取締役会の監督機能を強化するための取り組みを進めております。また、経営トップの重要意思決定に対する監督・牽制機能を強化するために、取締役会議長を独立社外取締役から選任するとともに、これを支える事務局体制を整備いたしました。さらに、監督機能強化を意図した取締役構成へ見直すべく、管理・監督機能強化を推進する取締役を選任するとともに、独立社外取締役の増員および独立社外取締役の比率を高めることとし、2026年6月29日開催の第26期定時株主総会において取締役選任議案が原案とおり承認されたことにより、取締役8名中5名が独立社外取締役となりました。
監査役会の監査機能を強化するために、リスクベースに基づく監査計画の見直しや、監査補助者の配置、また必要に応じて外部の不正・会計専門家を活用していくなど、監査役会の体制・機能強化に取り組んでおります。さらに、常勤監査役の増員や財務・会計の専門家である公認会計士および危機管理・コンプライアンスに関する高度な見識と豊富な経験を有する人材の新たな招聘による監査役体制の強化を図ることを目的に監査役候補者を選任し、第26期定時株主総会において監査役選任議案が原案とおり承認されたことにより、監査役6名中3名が独立社外監査役、常勤監査役は3名となりました。
指名・報酬委員会は、独立社外役員のみのメンバー構成に変更するとともに、その役割を強化し、取締役選任プロセスの明確化やCEOサクセッションプランの全体像の構築などに取り組んでおります。また、取締役の質の向上のため、外部機関が提供する研修プログラムに、社内外の現任取締役および新任取締役が継続的な受講を目的とした、研修・教育計画を策定し、実施しております。
(3)経営管理基盤、内部統制の再構築
当社は、事業部門に対する管理・牽制機能を強化するため経理・財務統括責任者を設置いたしました。また、会計および開示実務に関する十分な知識・経験を有する人材の配置・増員や、分掌・承認・牽制が整備された業務プロセスの再構築、経理部員に対する継続的な教育・研修の実施など、経理部を中心とした管理部門の機能強化に取り組んでおります。
内部統制の強化に向けては、子会社における業務フローの整備や、上場企業の子会社として適切な会計業務を行うための十分な知識・経験を有する人材の配置・増員、在庫および売上管理等の不適切な会計処理がされうる領域の定期的な妥当性検証とモニタリングの実施など、グループ全体を俯瞰した内部統制の再構築を行っております。また、内部監査室に内部監査業務を適切に遂行できる十分な知識・経験を有する人材を配置・増員し、内部監査室メンバーに対して継続的な研修を実施するなど、内部監査機能の強化に取り組んでおります。
(4)全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)
当社は産業ガスを祖業とし、関連する産業分野の裾野の広さを活かして多角化を進め、全天候型経営による安定を追求してまいりました。一方で、多角化の広がり・グループ会社数の増加に伴って、自社グループのコアコンピタンスが不明瞭になったことも事実であり、全社戦略を見直すうえで、今一度グループの強みを再定義する必要があると認識しております。当社のコアコンピタンスを見直す場として、全社事業戦略会議を開催し、経営トップ、事業責任者だけでなく、社外を含む取締役も参加し、当社のコア/ノンコアを再定義するとともに、全社事業戦略を定量的、定性的に議論し、決定いたします。
また、コアコンピタンスを活かした「既存事業の深化」と「新規事業の進化」を念頭に、事業ポートフォリオ改革を推進してまいります。2026年2月よりポートフォリオ管理委員会を発足し、当社ポートフォリオの評価軸を定めるとともに、事業性・コアコンピタンス・ガバナンスなどの観点から各事業の取組み方針(成長/改善/統合等)および今後の全社戦略における各事業の位置づけについて協議しております。戦略的な投資配分について、事業領域毎の投資可能枠の設定や、ガバナンス強化、IT・技術開発投資など、当社の成長に欠かせない領域の投資枠についても、同管理委員会での議論を開始しております。
さらに、事業性のみならずグループ全体のガバナンスの観点からもグループ会社の適正化・再構築を行います。グループ会社全社に対して上場企業基準のグループガバナンスの徹底を最重要視し、その方策の一つとして事業特性が同じ会社の統合を進めます。一方で当社のコアコンピタンスに合致せず、事業撤退の判断となった会社はベストオーナーに対し適切なプロセスを経て事業譲渡を推進し、2028年度中の完了を目標といたします。
当社は、上記の4項目を柱とする再発防止策の実行を、グループ一体となって推進し、経営の透明性と健全性を高め、社会的信頼の回復に全力を尽くしてまいります。

なお、各セグメントの取り組みは、次のとおりであります。
(デジタル&インダストリー)
産業ガス分野では、鉄鋼・化学などの素材分野向けを中心に国内の産業ガス需要が減少基調にある中で、地域供給ニーズへの高い対応力・競争力を活かして、各種ガスの安定供給及び新規需要の獲得に努めております。また、中東情勢の影響による原油価格高騰に伴い、電力費や物流費の上昇が見込まれる中で、これらのコストアップ影響を反映した価格マネジメントに取り組んでおります。
半導体・エレクトロニクス分野では、生成AI向けを中心とする先端半導体工場の増強・拡大に対応した大型プラント投資や新規取引先の開拓により、ガス需要の取り込みを進めております。あわせて、特殊ケミカル及び同供給装置、ガス精製装置、関連工事など、半導体製造プロセスを支えるグループ商材・サービスをトータルソリューションで提供できる強みを活かし、最先端ニーズから周辺分野まで幅広い需要に対応することで、事業拡大を図ってまいります。
グローバル分野では、当社が国内で培ってきた強みや知見を活かし、新市場における成長拡大と高い収益性の実現を目指しております。一方で、各国の政策動向等に起因する地政学リスクを背景とした事業環境の変化や、国内とは異なる商慣習・市場特性・ボラティリティに適切に対応していく必要があります。インドの産業ガス分野は、政府による積極的なインフラ投資政策を背景に、鉄鋼をはじめとしたガス需要の拡大が見込まれることから、オンサイト供給案件の新規獲得や自社液化ガス工場の稼働によるローリー・シリンダー事業の拡充を進めてまいります。北米の産業ガス分野は、現地ディストリビューターとの連携やM&Aを通じて事業展開エリアを拡大するとともに、自社プラントの設置によりメーカーとしての事業基盤の確立を進めております。これにより、産業ガスの製造から販売まで一貫した事業インフラの構築を推進してまいります。高出力UPS(無停電電源装置)分野では、データセンターや半導体工場のBCPに不可欠なバックアップ電源ソリューションを提供しており、需要拡大を背景とした新規受注の獲得により成長を目指してまいります。
(エネルギーソリューション)
産業ガス分野では、液化炭酸ガス・ドライアイスの原料となる排ガスCO2の調達先(製鉄所や化学プラント等)の統廃合が進み、業界全体において生産数量が減少傾向にある中で、国内外からのバックアップを含めた安定供給体制の構築・維持に努めております。また、こうした原料調達の難化により製造原価や横持ち物流費の上昇が進む中で、こうしたコストアップ影響を反映した適正な価格マネジメントを徹底するとともに、生産工場プロセスの省人化をはじめとする生産性向上にも引き続き取り組んでおります。
低炭素・脱炭素分野では、社会のカーボンニュートラル実現に向けて、北海道において家畜ふん尿由来のクリーンエネルギーである液化バイオメタンの製造・販売を行っております。また、低濃度排ガスCO2から液化炭酸ガス・ドライアイスを製造する小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」や、垂直ソーラー発電システム「VERPA」など、脱炭素ソリューションの社会実装化に注力しております。
エネルギー分野では、北海道を中心としたLPガス・灯油供給において、人口減少を背景に需要・消費が減少傾向にあるほか、地方販売店の人手不足や後継者不在による廃業も顕在化しつつあります。こうした中で、販売店の商権取得等による直販体制の強化と全体数量の維持・拡大に努めるとともに、IoT技術を活用した配送の効率化など、収益力の強化に取り組んでおります。
(ヘルス&セーフティー)
医療分野では、病院をはじめとする医療機関において、物価・人件費・エネルギーコストの上昇を背景に消耗材の使用抑制等の動きが見られる中で、ガス・機器・材料の供給ならびに病院設備工事を含めたトータルソリューションの提供に努めております。医療機関向け製品供給においては、医療用ガスの供給基盤を活かして医療現場のニーズを把握し、最適な医療機器・医療材料まで総合的に提案・提供しております。中長期の成長に向けては、健康寿命の延伸や在宅医療体制の構築といった社会的ニーズを踏まえ、人々の健康増進、リハビリによる予後の改善、在宅患者のQOL(生活の質)向上につながる医療機器や介護用製品の開発体制の強化を進めてまいります。SPD(病院物品物流管理)や病院向け滅菌受託といった医療現場のサポートにおいては、低収益取引の見直しや効率化を進めてまいります。手術室の改修など病院設備工事においては、直接受注による収益力の強化に取り組んでまいります。
防災分野では、データセンターや電力施設向けのガス消火設備工事の需要が高まる中で、新規案件の獲得による事業拡大を推進するとともに、旺盛な需要に即応できる工事人員体制の強化を図ってまいります。
コンシューマーヘルス分野では、グループリソースの最大活用やサプライチェーンの拡充等により事業体制の強化を進めるとともに、衛生材料・注射針の販売拡大、化粧品・エアゾール受託増を通じて事業拡大及び収益力の強化に取り組んでまいります。
(アグリ&フーズ)
農産分野では、天候影響等に伴う豊作・不作や市場価格変動が主要なリスク要因となる中、作物ごとの圃場(契約農場)の拡大を通じて全体調達量の安定確保を図ることで、ボラティリティの低減に取り組んでおります。また、当社のロジスティクス分野が有する全国ネットワークを活かし、原料野菜の調達や青果流通・加工・販売におけるサプライチェーンネットワークの構築を強化し、安定供給の維持と事業拡大を図ってまいります。
食品分野では、食肉加工品の原料輸入において、為替変動リスクをヘッジするとともに、原材料費・労務費・物流費・エネルギーコスト等の上昇に対しては、適時適正な価格改定によりコストアップ影響の吸収に取り組んでおります。
飲料分野では、消費者向け製品価格の上昇が消費マインドの低下につながることで、飲料の受託生産数量の減少に直結するリスクを内包しております。また、各種コストの上昇が進む中、適正な収益水準の確保に向け、契約価格の見直しに随時取り組んでおります。あわせて、飲料製造における充填ラインの増強による生産性向上等を通じ、収益力の強化を進めてまいります。
(その他の事業)
ロジスティクス分野では、中東情勢の影響による原油価格高騰に伴い、軽油価格(トラック燃料費)の上昇が大きなリスク要因となる中、最適な軽油調達方法の判断や、荷主への価格転嫁の申し入れを含め、適切なタイミングを見極めながら対応を進めております。
電力分野では、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)により売電価格が一定程度保証されている一方で、発電燃料となるPKS(パームヤシ殻)や木質ペレットは海外から輸入しており、PKS市況や海上輸送運賃の変動に伴う調達価格の変動が大きなリスク要因となっています。こうした中で、計画外停止の最小化による安定操業の維持や、荷揚港湾施設の運用改善、為替変動リスクのヘッジ、燃料調達先の多角化や燃料ミックスの見直し等を複合的に推進することにより、稼働率の向上、原価低減及びコスト変動リスクの低減を図ってまいります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、経営理念「創業者精神を持って空気、水、そして地球にかかわる事業の創造と発展に、英知を結集する」の下、「空気」と「水」を事業の原点とし、このかけがえのない地球の資源を活かして事業を創出し、社会や人々の暮らしに貢献しております。
当社グループは、パーパス(存在意義)である「地球の恵みを、社会の望みに。」をSDGsコミュニケーションコンセプトとして掲げ、空気や水に代表される地球資源を活用し、技術やビジネスモデル、ノウハウを掛け合わせることで、人々の暮らしや産業になくてはならない製品、サービス、ソリューションを生み出してまいりました。当社グループの事業活動を継続するためには、その源泉となる地球環境に対して持続可能な事業活動でなくてはなりません。
そのような中、2019年7月には、2050年の当社グループのあるべき姿として、サステナブルビジョン「地球、社会との共生により循環型社会を実現する」を定め、その実現のために国際社会が目指すSDGsを2030年のマイルストーンとして位置づけ、2021年10月には、「エア・ウォーターグループ環境ビジョン2050」を制定しました。これらの方針の下、気候変動やスマート社会に対応する「地球環境」と、人生100年時代や世界人口の増加に対応する「ウェルネス(健やかな暮らし)」の軸に沿って、経営資源である多様な事業、技術、人材を活かしてグループシナジーによる新事業を創出しながら、経済価値と社会価値の両面から企業価値を向上すべく、事業活動を通じてSDGsに取り組み、社会課題解決への貢献を果たしていきます。
同時に、サステナブルビジョン実現に向けて、地球、社会とともに将来にわたり持続的に存続、発展するための重要課題として、7つの「マテリアリティ」である「気候変動への挑戦」「環境保全と資源循環の推進」「地域社会の持続可能な発展への貢献」「ウェルネス(健やかな暮らし)の創出」「人が育つ風土の醸成と働く人々のWell-beingの向上」「強靭な事業基盤への変革」「ガバナンスのさらなる向上」を2025年度に再特定しました。これまでのマテリアリティは制定から4年以上経過しており、社会課題の変化や事業環境の認識をふまえ、また、外部評価機関による評価などを考慮して、取締役会での議論を経て見直しを行いました。その結果、7つのマテリアリティを特定し、それぞれにKPIを設定して、具体的な取り組みを進めております。マテリアリティの特定プロセス、KPIおよび取り組みは、当社ウェブサイトにおいて開示しております。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/materiality.html
当社グループは、この中で特に「気候変動への挑戦」「環境保全と資源循環の推進」と「人が育つ風土の醸成と働く人々のWell-beingの向上」を企業価値に大きな影響をもたらす要因として捉えております。
(1)ガバナンス
当社グループは、気候変動や資源不足などの環境問題、人と自然との共存、人材の多様性や人的資本への投資、地域社会への貢献、健康寿命の延伸、食料の安定供給等、サステナビリティに関わる重要課題について事業横断的な取り組みを統括するため、2025年度からサステナビリティ推進委員会を設置しました。サステナビリティ推進委員会は、方針の策定や各担当部門における取組状況の把握および管理、また、サステナビリティに関する情報開示等を行います。中長期的な経営課題への対応方針や取組計画等については、最高経営委員会で審議し、その中で重要な事項は取締役会に報告され、取締役会は報告された内容に対し適切に監督する体制を構築しております。取締役会は3か月に1回以上開催しており、サステナビリティに関する知識・経験を有する取締役も含まれております。取締役会ではサステナビリティに関わる重要課題への取り組みだけでなく、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応の観点からも監督を行っております。

その中で気候変動と自然資本に関しては、カーボンニュートラルに向けた先進的かつ戦略的な取り組みにより、エア・ウォーターグループ全体の脱炭素を推進するためにカーボンニュートラル推進部を設置し、当社グループの気候変動と自然資本対応活動推進のための諸施策を立案・実施しているほか、当社グループ内に気候変動と自然資本対応の取り組みの浸透を図るとともに、方針の周知と進捗の確認を行っております。また、気候変動および自然資本に関わる課題解決の取り組みの具体的な内容については事業グループ・ユニットにカーボンニュートラル推進責任者を選任し、全社的な推進を行っております。
(2)リスク管理
当社グループでは、経営の健全性・安定性を確保しつつ企業価値を高めていくために、業務やリスクの特性に応じてリスクを適切に管理し、コントロールしていくことを経営上の重要課題の一つとして認識し、リスクマネジメント体制を整備しております。
サステナビリティ重要課題におけるリスクと機会については、2025年度にサステナビリティ推進委員会においてその抽出・検討を行い、事業への影響度の大きい重要リスク及び機会を特定し、その対応策の策定と実行管理を行いました。サステナビリティ推進委員会で審議したリスクと機会を最高経営委員会及び取締役会に付議・報告する体制としております。
また、気候変動並びに自然関連のリスクと機会については、「カーボンニュートラル推進部」が金融安定理事会(FSB)「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」並びに「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」の推奨する分析手法に基づいて、事業グループのカーボンニュートラル推進責任者と共に評価・分析する体制としております。
(3)戦略、指標及び目標
1.気候変動に関する取り組み
1-1.戦略
気候変動問題は当社グループが取り組むべき社会課題であると同時に大きな事業機会と捉え、マテリアリティの一つとして事業戦略との統合を進めております。具体的には自らのGHG排出量削減という<責務>と製品・事業を通じた社会のGHG排出削減という<貢献>の両面からサプライチェーン全体でカーボンニュートラルに取り組んでおります。
また、脱炭素化を加速し、持続可能なビジネスモデルへの転換を促すための効果的な手段として、目に見えないCO2の価値を金銭的指標で評価し、事業や投資に潜在的に含まれるCO2排出コストを可視化するインターナルカーボンプライシング(ICP)制度の運用を2024年度から開始しました。
なお、当社グループは、2021年8月、TCFDの提言に賛同を表明、提言に沿った気候変動関連の重要情報を当社ウェブサイトにおいて開示しております。本項目は、その抜粋を掲載しております。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_and_tnfd_recommendations.html
1) 責務
当社グループは自らが排出するGHGの削減として、2030年の30%削減目標達成までの道筋や課題、期日などを明確化するためにロードマップを策定しております。このロードマップに基づき、以下の削減方針によりGHG排出量を削減いたします。2025年12月より山口県防府市の防府工場でオンサイトPPAスキームを活用した太陽光由来電力の調達を開始しております。これにより、当社グループとして年間約4,000t-CO2のGHG排出量削減となる見込みです。さらに、当社グループの㈱日本海水讃岐工場(香川県坂出市)の石炭火力発電所を木質バイオマス発電所へと転換する計画を進めており、2026年度着工・2028年度運転開始を予定しています。当バイオマス発電所の稼働により、坂出市全体のCO2排出量の約17%に相当する削減効果を見込んでいます。
また、当社グループは2025年3月にScope3(自社の事業活動を通じた他社のGHG排出量)の削減方針を定め、サプライチェーン全体でのGHG削減に取り組んでいきます。
<GHG排出量の削減方針>
2) 貢献
製品・事業を通じた社会のGHG排出削減は社会課題の解決に通じる取り組みと考えており、この社会課題解決力を示す指標としてGHG削減貢献量を設定し、2030年度に700千t-CO2/年以上の達成を目指しております。
当該目標の達成に向け、地域ごとに特色あるエネルギー資源の活用を推進しています。垂直ソーラー発電システム「VERPA」の拡販や、家畜ふん尿由来のバイオメタンを都市ガス導管へ混入・供給する地産地消型モデルの構築、未利用天然ガスを活用したCO2フリー水素サプライチェーンの構築に取り組んでおります。
3) インターナルカーボンプライシング(ICP)
カーボンニュートラルに向けた投資を促進するため、当社グループでは2024年度よりICPを反映した内部収益率を算出し、投資判断の一つの指標としております。2025年度からは先進国では18,000円/t-CO2、途上国では5,000円/t-CO2として、国際的な炭素価格高騰と地域格差を反映することで事業活動の脱炭素に関する行動変容を促進いたします。
4) シナリオ分析によるリスクと機会の検証
気候変動という予測困難で不確実な事象に関するリスクと機会を特定し、それらのリスクと機会がどのように事業の戦略に影響を与えるのかを確認するためにシナリオ分析を行いました。2024年度に実施した、全ての事業ユニットとその他主要事業を対象とする、世界の気温が今世紀末に産業革命前と比較して1.5℃上昇するシナリオ「1.5℃シナリオ」、4℃上昇するシナリオ「4℃シナリオ」を用いた分析結果について、2025年度は見直しを行い、事業への影響について再分析しました。また報告対象は短期(2025~2027年)、中期(2028~2030年)、長期(2031~2050年)を想定しております。
シナリオ分析の結果、リスク・機会ともに「1.5℃シナリオ」の方が影響は大きいが、「1.5℃シナリオ」、「4℃シナリオ」のいずれも十分な対応策や機会獲得・拡大を見込んでおり、不確実な長期的な将来に対し、当社の基本戦略は十分なレジリエンスを有していることを再確認しました。なお、リスクは機会とトレードオフの関係にあると認識しており、例えば炭素税の影響を全社共通のリスクとしておりますがGHG削減ロードマップに基づくGHG排出量の削減をコストの低減につなげることで当社の市場での競争力を強化してまいります。事業部門ごとのシナリオ分析の詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_and_tnfd_recommendations/tcfd_tnfd_01.html
気候変動に関するリスクと機会一覧(抜粋)
(注) 1 長期:2031年~2050年(サステナブルビジョン2050)
中期:2028年~2030年(経営計画terrAWell30)
2 大:売上収益/コスト 100億円以上 中:売上収益/コスト 10億円以上100億円未満
1-2.指標及び目標
1) 気候変動の指標(GHG排出量)
当社グループでは、気候変動に係るリスクと機会を測定・管理するための指標として温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1,2,3)を選定しております。算定は2020年度からGHGプロトコルを参考にして行っております。
2) GHG排出量の削減目標
① Scope1,2の削減目標
当社グループは2030年度における削減目標を2020年度比で30%削減することを定め、2021年度より自社のGHG排出量の削減に取り組んでおります。※国内連結会社のエネルギー起源CO2が対象。
② Scope3の削減目標
当社グループは2030年度における削減目標を2024年度比で売上原単位30%削減することを定め、2025年度よりサプライチェーン排出量の削減に取り組んでいきます。※国内連結会社のカテゴリ1(購入した製品・サービス)とカテゴリ11(販売した製品の使用)の合計が対象。
3) GHG排出量の実績
GHG排出量の詳細については、当社WEBサイトをご参照ください。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/esg_data.html
(注) 1 Scope1,2(エネルギー起源CO2)の算定対象は2025年12月末時点における連結対象会社としております。一部の連結会社においては、データの収集基盤が整備途上にあり、全連結会社を対象とした網羅的な集計が困難であるため、対象範囲を固定して算定しています。今後は対象範囲を拡大し、全連結会社による算定を進めてまいります。
2 2022年度以降、旧エア・ウォーター&エネルギア・パワー山口㈱は連結対象外のため算定対象に含めておりません。
3 Scope2の国内は各拠点の契約電力会社の事業者別排出係数で算定しております。海外はIEA公表の国別排出係数で算定しております。
4 Scope3の算定対象は2025年12月末時点における国内の連結対象会社としております。確定値はウェブサイトにて公表予定です。今後は対象範囲を拡大し、国内の全連結会社による算定を進めてまいります。
Scope1,2排出量のエネルギー種別について、当社グループは産業ガスを製造する工場において原料空気から酸素・窒素・アルゴンを分離・精製するために、多くの電力を使用しており、電力使用が排出量の8割以上を占めております。またScope3については、各カテゴリの中で購入した製品・サービスに伴い排出されるGHG(カテゴリ1)が約5割と最も多く、次いで、販売した製品・サービスの使用に伴い排出されるGHG(カテゴリ11)が多くなっております。Scope別ではScope3が最も多く、サプライチェーン排出量の約7割を占めております
4) GHG排出量の削減状況
① Scope1,2の削減状況
2025年度のScope1,2排出量は、省エネ設備への更新及び再エネの導入などの削減施策、エネルギー使用量の低下により国内のエネルギー起源CO2において、基準年度比で11.9%削減、前年度比で9.3%削減となっております。
② Scope3の削減状況
2025年度の売上原単位は、基準年度比で約8.9%増加となっています。今後はサプライヤーとの連携や低・脱炭素製品の販売により、削減を推進してまいります。
2.自然資本に関する取り組み
2-1.戦略
当社グループは「地球の恵みを、社会の望みに。」というパーパスのもとで事業を行っており、事業活動において直接的・間接的に自然資本に依存しております。また、生物多様性の保全と自然資源の持続可能な利用は気候変動対策とともにグローバルでの重要な課題であると考えております。そこで2021年には生物多様性に関する基本方針を定め、自らの生産活動に伴う環境への悪影響の低減という<責務>と製品・事業を通じた環境課題の解決という<貢献>の両面から取り組んでおります。今後、この生物多様性についての取り組みを加速させるために、2025年5月、TNFD提言への賛同を表明し、TNFDの提言に沿った自然関連の重要情報を当社ウェブサイトにおいて開示しております。
本項目は、その抜粋を掲載しております。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_and_tnfd_recommendations.html
1) 責務
責務として水資源の保全、廃棄物量の削減など環境負荷の低減を行っております。特に全社的な管理指標である水使用量原単位および廃棄物排出量原単位が大きい事業については、原単位削減の具体施策を明確化したロードマップに基づいた取り組みを行い、削減目標達成を実現します。ロードマップ詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_and_tnfd_recommendations.html
2) 貢献
貢献としては、工場の有毒な排気ガスを無害化する排ガス処理装置、汚濁水を処理するREADシリーズ、半導体工場から排出される溶剤・リン酸の再生品としての提供により環境課題の解決に努めております。
3) LEAPアプローチによるリスクと機会の検証
TNFDが2023年9月に開示枠組みの正式版である最終提言書を開示したことから、TNFDの推奨するLEAPアプローチに従って、事業活動における自然資本への影響と生態系サービスへの依存に対するリスクと機会の分析を実施しました。
2024年度に当社グループの各事業の生産活動(直接操業)について自然への依存関係と影響のスクリーニングをTNFDの推奨するENCOREを用いて分析し、重要度をVH(とても高い)からVL(とても低い)までの5段階で評価して一覧表(ヒートマップ)にまとめました。また、重要度がVH(とても高い)またはH(高い)と評価された項目がある事業の生産工場について、TNFDが推奨するIBATで法的保護地域など自然保護のため重要な地域(要注意地域)との近接度合いを調査しました。2025年度は、重要度が高く、要注意地域と近接する工場のある、肉の加工・保存業、清涼飲料製造業、バイオマス発電事業に対して、リスクと機会の特定と評価、財務影響評価、対応策の再検討を行いました。
リスクと機会の再分析の結果、当社の自然資本に対するリスクと機会について、リスクの方が機会より財務影響が大きいものの、リスクへの十分な対応策や機会獲得が見込まれていることを確認しました。
事業部門ごとのリスクと機会分析の詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_and_tnfd_recommendations/tcfd_tnfd_03.html
自然資本に関するリスクと機会一覧(抜粋)
(注) 1 長期:2031年~2050年(サステナブルビジョン2050)、中期:2028年~2030年(経営計画terrAWell30)
短期:2025年~2027年(中期経営計画terrAWell30 2nd stage)
2 大:売上収益/コスト 100 億円以上 中:売上収益/コスト 10 億円以上 100 億円未満 小:売上収益/コスト 10 億円未満
2-2.指標及び目標
1) 自然資本の指標と目標の設定
当社グループの自然への依存と影響を調査した結果、重要度が高い項目は、自然が浄化し供給する水への依存、自然の行う地下水位の調整、自然が供給するバイオマス燃料への依存、工場が排出する廃棄物による自然への影響、バイオマス燃料燃焼で発生する大気汚染物質による自然への影響でした。このうち全社的に幅広く関連するものは自然から供給される水と工場から排出する廃棄物に関わるものです。
このことを踏まえ、当社グループは2025年度より自然関連リスクに関する全社的な管理指標を水使用量原単位と廃棄物排出量原単位としました。また、目標をそれぞれ2021年度比で2030年度に10%削減することとしております。
2) 自然資本の指標の実績
自然資本に関するデータの詳細については、当社WEBサイトをご参照ください。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/esg_data.html
<自然資本のリスクの指標と目標達成状況(2025年度)>
(注) 算定対象は国内の主要連結会社としております。
当社グループの産業廃棄物は、バイオマス発電に伴うばいじんと燃え殻が全体の半分以上を占めており、続いて製塩やマグネシウム化合物工場から排出される汚泥、食品や飲料製造工場から排出される動植物性残渣が多くなっております。
また、水(淡水)使用量は工業用水が約半数を占め、続いて飲料事業で使用される地下水、上水の順になっております。
3) 従来の廃棄物に関する管理指標達成状況
廃棄物排出量に関する目標は従来、2030年度においてリサイクル率80%を掲げており、2025年のリサイクル率は78%となっております。
<廃棄物に関する従来目標の達成状況>
3.人的資本に関する取り組み
3-1.戦略
当社グループは「多様な事業・人材・技術」を創造的に掛け合わせることで生み出されるシナジーによって、『社会課題の解決を通じた新たな企業価値の創造』を目指しております。そのなかでも重要となるのが「人材」であります。「人を活かす経営」が当社グループの人的資本経営の基軸にあります。とりわけ「次世代経営人材の育成」「多様性の尊重(DE&I)」「リカレント教育」「健康経営の推進」の4つの取り組みを重視し、「自主自立」「個の尊重」「人が育つ風土の醸成」を人事基本方針に掲げながら、人事戦略を推進しております。
複雑化する社会課題に向き合い、答えを出していくためには、多様な人材が自らを高め、磨き続ける必要があります。3年前から社内公募制度を導入し、グループ規模の人材流動化の推進、チャレンジを促す人事制度への刷新などを進めて参りました。2024年度にはグローバル人材育成に向けた取り組みとして、新入社員の海外研修導入や、グループ一体での人的資本経営の推進を目的として、主要グループ会社合同で初めてのエンゲージメントサーベイを実施しております。2026年は、不適切会計処理事案を受けて、当社グループにおいては、「コンプライアンス最重視」を大前提とし、再発防止に向けた抜本的な改革を最優先としております。具体的な再発防止施策として、全グループ従業員を対象に企業倫理および会計リテラシーの研修を実施しており、今後も階層別教育の刷新によりグループ一体となり将来の成長を牽引する経営人材の育成はもとより、倫理観の醸成やコンプライアンスリテラシーの向上を急務として推進して参ります。
1) 人材育成方針
当社グループは、「人を活かす経営」の実現に向け、新たな成長を牽引できる経営人材を育成・輩出するとともに、当社では従業員に挑戦の機会を提供し、従業員個人も会社もともに発展できる好循環を創出するため、採用から育成、人材配置までの一貫した体制の整備を進めています。2025年度は88名の新入社員を迎え、約4ヶ月間に渡る国内研修(現場実習を含む)を実施しました。また、前年度からの継続開催となる新入社員向け海外研修には45名が参加し、アメリカ・インドでの2ヶ月間の現地研修を通じてグローバル事業の理解とキャリア検討を行う機会を設けました。中堅層~マネジメント層に対しては、グループ横断での階層別研修の実施や年代別キャリア研修を実施し、エア・ウォーターグループでの幅広い活躍の可能性について考える機会を提供しました。社内公募制度を用いた自立的な異動ローテーションも継続実施しており、多様な経験を有する従業員によるグループを横断した活躍の場が広がっています。これらに加え、評価者・被評価者研修の実施により評価の納得性を高め、効果的なフィードバックにつなげる取り組みも継続実施しています。このような従業員の自立的なキャリア形成の支援を通して人材の多様性の促進を図ると共に、積極的な挑戦による登用・ 抜擢が行われる風土を醸成していきます。
2) 社内環境整備方針
さまざまなライフイベントを迎える従業員が、それぞれの能力を最大限に発揮するためには、「安心して働ける職場環境づくり」が求められます。当社はこれまで、育児中の従業員を支援する育児休業制度、短時間勤務制度、子の看護休暇制度に加え、配偶者転勤時の休職を認める配偶者休職制度、ジョブリターン制度を整備してきました。2023年より当社のワークライフバランス推進に関する取り組みが評価され、プラチナくるみんマークを取得・維持しております。一方で、急速な高齢化により、介護保険制度上の要支援・要介護認定者数が急速に増加しているわが国では、介護をしながら働く従業員の就業をいかにサポートしていくかが大きな社会課題となっております。そこで2024年よりグループの全従業員を対象とした介護支援に関する相談窓口や介護セミナー、介護について意見交換できる座談会を定期開催しており、グループ全体で取り組みを進めるとともに、福利厚生制度を見直し、介護により就業が制限される従業員にも多様な就業支援を行い、継続してキャリアを形成できる環境を整備していきます。このほか、柔軟な働き方を通じた生産性の向上を図るため、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入しております。
3-2.指標及び目標
◇女性活躍の推進
多様性ある組織の構築によって企業が一層の成長をしていくために、女性活躍推進法に基づく行動計画では、重点取り組みとして、女性管理職比率を10%以上とする目標を掲げております(2025年度実績:5.9%)。2025年度のメンター制度においては、係長層の女性社員のみならず新任女性管理職もメンティーに加えることで、新任女性管理職が抱えやすいロールモデルの不在によるキャリア不安の払しょくや、マネジメント上の課題へのフォローとなる場を設けました。その他、社外の女性リーダー育成プログラムへの継続派遣を通し、マネジメント層候補となる人材の育成強化を図っています。今後もこれらの取り組みを継続した上で、新たな取り組みとして候補者の上司への研修を通して周囲の意識変化にも取り組んでいきます。また、将来的な女性管理職登用を見据えた取り組みとして、女性社員の積極的な採用と女性主任・係長層の登用も進めております。新卒採用者に占める女性比率目標40%以上に対し、25年度は50%と目標を上回る結果となっております。女性主任・係長層は2025年度末で30.6%と3割を超え、着実に育成が進んでおります。

(注)人的資本に関する連結数値目標は、現在検討中のため、単体数値として記載。
◇男性育児休業・休暇の取得推進
2025年度の男性社員の育児休業・休暇取得率は83.3%であり、2024年度から11.9%の上昇となりました。また、育児休業・休暇の平均取得日数は、6ヶ月以上の取得者が複数名いたことから50.1日と大きく伸長し、過去最長の結果となりました。グループ各社への出向者の取得率および取得日数も伸長しており、エア・ウォーターグループとして男性育児休業・休暇の取得を着実に推進しています。今後はさらに取得のしやすい環境を作るため、グループを横断して各社人事部門と連携し、課題共有および施策展開を検討してまいります。

(注) 1 上記「育休」には、育児休業(育児・介護休業法第2条に基づく休業)および育児休暇
(年休特別積立規則に基づく育児を目的として取得する5日以上の休暇)を含みます。
2 人的資本に関する連結数値目標は、現在検討中のため、単体数値として記載。
3 【事業等のリスク】
当社グループの事業展開上、事業の状況、経理の状況等に変動を与え、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 当社のリスクマネジメント体制
当社グループの事業活動において、事業を取り巻く様々なリスクを適切に把握・評価し、未然防止および影響の最小化を図るため、「リスクマネジメント・コンプライアンス部」がその統括部門として、当社及び子会社を横断的に管理する体制としております。
情報セキュリティ、知的財産、海外事業展開および契約などに関わる個別リスクについては、それぞれの担当部門において、社内規程の制定、マニュアルの作成ならびに教育研修の実施などを行うとともに、事前審査や決裁制度を通じて当該リスクを管理する体制としております。また、リスクマネジメント・コンプライアンス部を事務局とするリスクマネジメント委員会を定期的に開催し、当グループにおける主要なリスクの把握とその対策状況についての検討などを行い、グループ全体におけるリスク管理体制の強化を推進しております。海外子会社については、当該会社を管理する事業ユニットと連携し、リスクマネジメント体制を構築しております。各海外子会社を対象に、年一回、リスクの特定、影響度合いと発生確率に応じたリスクの分析・評価、リスク対応策の検討という一連のプロセスでリスクアセスメントを実施し、その結果を踏まえてBCP(事業継続計画)を策定しております。リスクマネジメント・コンプライアンス部では、これらのリスクアセスメントおよびBCPに対して指導・助言を行うことにより、全社的なグローバルリスクを管理しております。
また、事業活動への影響が大きいと想定されるリスクが発生した場合には、「危機管理規程」に基づき、直ちに危機管理委員会を社内に設置し、発生したリスクに対し迅速かつ適切に対処する体制を整えております。

(2) 事業等のリスク
※特別注意銘柄指定による上場廃止リスクへの対応
2026年4月30日、株式会社東京証券取引所より、当社株式を2026年5月1日付で特別注意銘柄への指定、上場契約違約金の徴求を行う旨についての通知を受けました。特別注意銘柄指定期間は、2026年5月1日から原則1年間とし、1年後に当社から内部管理体制確認書を提出、株式会社東京証券取引所が内部管理体制等の審査を行い、内部管理体制に問題があると認められない場合には指定が解除になります。一方で、内部管理体制に問題があると認められる場合には、原則として上場廃止となります。ただし、指定から1年経過後の審査において、内部管理体制等が適切に整備されていると認められるものの、適切に運用されていると認められない場合(適切に運用される見込みがある場合に限ります。)には、特別注意銘柄の指定を継続し、当該指定の継続を決定した日の属する事業年度(当該指定の継続を決定した日から当該事業年度の末日までの期間が3か月に満たない場合は当該事業年度の翌事業年度)の末日以降の審査までに、内部管理体制等の運用状況の改善を求められ、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認める場合にはその指定が解除されます。一方で、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認められない場合には上場廃止となります。なお、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認めるものの、経過観察の対象銘柄に該当する場合には、最長3事業年度、指定が継続され、その間同審査が行われます。
当社としては、2026年4月3日付公表の通り、特別調査委員会の調査報告書で指摘された発生原因および提言を踏まえ、「企業風土改革」「ガバナンス改革」「経営管理基盤、内部統制の再構築」「全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)」の4項目を柱とした再発防止策に取り組んでおります。
このたび、特別注意銘柄に指定されたことから、上記再発防止策の各事項が十分であるかを再検討するとともに、企業風土改革、経営体制・ガバナンスの適正性、役員体制(取締役・監査役)及び選任プロセス、内部管理体制(内部監査・子会社管理を含む)の整備・運用等について、再発防止策で検討がなされていない項目も含めて、外部専門家の支援も受けながら改善計画を策定し、改善計画・状況報告書を提出予定です。
当社は企業風土、ガバナンスおよび内部統制の抜本的な見直しと強化を経営の最優先課題として進めるとともに、今後も再発防止策の着実な実行と、その進捗状況の適切な開示を通じて、信頼回復に全力を尽くしてまいります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度の売上収益は1兆667億9千5百万円(前期比5.3%増)、営業損失は371億5千7百万円(前期は625億3千8百万円の営業利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は639億4千9百万円(前期は399億2千9百万円の親会社の所有者に帰属する当期利益)となりました。
なお、2025年10月9日付「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」で公表した当社における在庫等に関する不適切な会計処理につきましては、特別調査委員会による調査結果等を踏まえ、必要な対応を進めております。
当該不適切会計に伴う影響については、特別調査委員会による調査結果に加え、自主点検対応(決算数値及び会計処理の再点検を含む)の結果を踏まえ、これらを併せた一時影響額を当期及び過年度の業績に反映しております。また、これらに係る調査関連費用として130億3千6百万円を計上しております。
また、過去の投資案件について、事業環境及び将来収益性を踏まえて事業計画を見直し、回収可能性を検討した結果、海外事業を中心としたのれん及び固定資産等に係る減損損失として1,079億8千1百万円を計上しております。
その他、新規連結に伴う段階取得差益として123億2千5百万円を認識しております。
セグメントの業績及び概況につきましては、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。詳細は「5.事業セグメント」の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
<デジタル&インダストリー>
当セグメントの売上収益は3,299億3千8百万円(前期比4.2%減)、営業損失は408億8千8百万円(前年同期は301億1千3百万円の営業利益)となりました。
インダストリアルガスユニットは、エアセパレートガスをはじめとする各種産業ガスの価格マネジメント効果が業績に寄与しました。
ガスプロダクツユニットは、鉄鋼オンサイトにおいて、一部高炉の停止等により、ガスの供給量が減少しました。
デジタルユニットは、生成AI向け半導体関連の旺盛な需要を背景に、先端半導体向けのガス供給に加え、半導体製造装置向け熱制御装置等の販売が増加しました。機能材料分野は、シール材や基礎化学品の販売回復に加え、価格マネジメントの進展により、順調に推移しました。
グローバルエンジニアリングユニットは、インド事業では、鉄鋼向けオンサイトプラントや自社液化ガスプラントの新規立ち上げ等でガス供給体制を強化した一方で、顧客高炉のメンテナンス長期化等により、プラント稼働は期を通じて不安定に推移しました。北米事業では、産業ガスは地域販売を中心に底堅く推移しましたが、低温機器は米国政策の影響を受けた水素関連需要の減少等を踏まえ、一部事業の見直しを行いました。高出力UPSでは、DRUPS(ロータリー式無停電電源装置)は幅広い地域・業種で受注が進み堅調に推移しましたが、非常用発電機は中国勢との競争激化等により低調に推移しました。
なお、当セグメントにおいては、グローバルエンジニアリングユニットにおけるのれん及び固定資産の減損損失を織り込んでおります。その他、低温機器の一部撤退費用を一時影響額として含んでおります。
これらの結果、売上収益は前期を下回り、営業損失となりました。
<エネルギーソリューション>
当セグメントの売上収益は985億2百万円(前期比6.3%増)、営業利益は63億9千4百万円(同21.4%減)となりました。
エネルギーソリューションユニットは、LPガス・灯油ともに販売単価の改定や付帯サービス料金の見直し効果が寄与したほか、主力である家庭向けの販売数量が増加しました。
グリーンイノベーションユニットは、炭酸ガスでは原料ガス不足の影響を受ける中で安定供給に努めたほか、価格マネジメント効果等も加わり、順調に推移しました。水素はデータセンター需要を背景とした電子産業向けを中心に販売数量が拡大しました。
なお、当セグメントにおいては、グリーンイノベーションユニットにおける固定資産の減損損失による一時影響額を織り込んでおります。
これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
<ヘルス&セーフティー>
当セグメントの売上収益は2,684億7千1百万円(前期比21.8%増)、営業利益は103億9千5百万円(同13.0%減)となりました。
メディカルプロダクツユニットは、医療用酸素の新規獲得など販売強化に努めたものの、全体としては供給減となりました。加えて、医療機器や消耗材も販売減となるなど、病院・医療市場における需要減の影響を受け、総じて厳しい状況で推移しました。
防災ユニットは、電力関連施設やデータセンター向けのガス消火設備工事が好調に推移しました。また、病院設備工事においてもメンテナンスサービスの受注強化に努めるなど、全体を通して堅調に推移しました。
在宅ヘルスケアユニットは、注射針の生産・販売増に加え、コンシューマ向け衛生用品の販売も順調に推移しました。
デンタルユニットは、歯科業界の高度デジタル化を背景に、歯科材料ならびに口腔医療向けデジタル成形機器の取り扱いが増加しました。また、当第3四半期より、歯科材料・用品の通信販売事業を新規連結しております。
なお、当セグメントにおいては、デンタルケアユニットを中心としたのれん等の減損損失による一時影響額を織り込んでおります。
これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
<アグリ&フーズ>
当セグメントの売上収益は1,529億8千8百万円(前期比2.2%増)、営業利益は36億6千4百万円(同26.5%減)となりました。
アグリユニットは、青果小売では店舗運営の合理化を進めた一方で、青果流通では北海道産の馬鈴薯の販売が期後半に一転して大きく減少し、期全体としては横ばいで推移しました。
フーズユニットは、大手量販店向けを中心にハム・デリカの販売強化を進めたほか、コンビニエンスストア向けスイーツの生産性改善が進展するなど、堅調に推移しました。
飲料ユニットは、主要顧客向けの清涼飲料水の生産が伸長するなど、堅調に推移しました。
なお、当セグメントにおいては、フーズユニットを中心としたのれん等の減損損失による一時影響額を織り込んでおります。
これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
<その他の事業>
当セグメントの売上収益は2,168億9千4百万円(前期比5.4%増)、営業利益は14億7千5百万円(同80.3%減)となりました。
海水事業は、製塩では期後半から価格マネジメントによるコスト上昇分の吸収に取り組んだほか、水処理工事では受注案件の増加などにより、堅調に推移しました。
電力事業は、小名浜バイオマス発電所の主要な発電燃料であるPKS(パーム椰子殻)調達価格が安価に推移したほか、計画外停止ゼロにより安定稼働しました。
専門商社事業は、電子部品や先端半導体向けの受注増を中心に、堅調に推移しました。
物流事業は、食品物流の主要顧客における受託料金の適正化が進展したほか、米穀物流の新規受託などにより、堅調に推移しました。
一方、インフレ及び円安の進行等の経営環境の著しい悪化等により、エア・ウォーター小名浜バイオマス電力株式会社及び株式会社日本海水TTS苅田パワーでは、減損損失を計上しました。
これらの結果、売上収益は前期を上回りましたが、営業利益は前期を下回りました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
② 受注状況
製品のほとんどが見込生産であります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2) 財政状態
(資産の部)
総資産は、棚卸資産の増加などにより前連結会計年度末に比べて61億7千7百万円増加し、1兆2,162億8千7百万円となりました。
(負債の部)
負債は、社債及び借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べて534億3千万円増加し、8,053億1千6百万円となりました。
(資本の部)
資本は、親会社の所有者に帰属する当期損失の計上などにより前連結会計年度末に比べて472億5千3百万円減少し、4,109億7千万円となりました。
以上の結果、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の1,929.76円から1,702.38円に減少しております。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の36.5%から32.1%となりました。なお、親会社所有者帰属持分当期利益率は前連結会計年度9.2%から△15.4%となっております。
(3)キャッシュ・フロー
① 資本政策の基本的な考え方
当社は、持続的な成長を通じた中長期的な企業価値向上のため、財務の健全性を維持しつつ、資本効率性及び収益性を重視した財務運営を行っております。ROE及びROICを重要な経営指標と位置付け、各資本政策の基本的な考え方に記載のとおり、事業の収益力及びキャッシュ・フロー創出力の向上、事業ポートフォリオの見直し、投資規律の徹底並びに運転資本の最適化を推進してまいります。
当連結会計年度においては、既存事業の収益性改善及び運転資本の最適化に取り組むとともに、投資有価証券及び有形固定資産の売却、債権流動化等を通じ、資産効率の向上及び財務基盤の強化を図りました。今後も、資本効率性及び収益性を重視し、キャッシュ・フロー創出力の向上に取り組んでまいります。
資金配分につきましては、規律ある投資判断を前提に、成長投資を継続しつつ、財務の健全性及びキャッシュ・フローの状況を踏まえ、業績に見合った安定的な株主還元を行ってまいります。
なお、当事業年度の配当金につきましては、当期損失を計上したものの、財務状況、キャッシュ・フロー及び株主還元の継続性等を総合的に勘案し、1株当たり年間配当額を75円といたしました。
次期配当予想につきましては、現在、新経営方針、事業戦略及び事業ポートフォリオ見直し等の内容を踏まえ、株主還元方針を含めて検討を進めていることから、現時点では未定としております。合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示する予定です。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益及び減価償却費等から法人所得税の支払等を差し引いた結果、前連結会計年度に比べ148億4千5百万円収入が増加し、1,075億8千3百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ283億3千5百万円支出額が増加し、886億1千1百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済等による支出が増加したものの短期借入金の純増により、前連結会計年度に比べて225億5千3百万円支出額が減少し、57億8百万円の支出となりました。
(現金及び現金同等物)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ139億1千2百万円増加し、871億3千9百万円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
中長期的に企業価値を高めていくために必要な成長投資の資金については、事業で創出されるキャッシュ・フローを充当し、不足する分は銀行借入或いは社債発行による負債調達を基本としております。
手元資金については、資金効率を重視し事業継続に必要な適正水準を維持する方針としております。なお、資金の機動的かつ安定的な調達により、財務基盤の安定化を図ることを目的として、取引銀行3行との間に総額1,130億円のシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結しております。
成長投資については、経済活動の停滞が長期化した局面に備えて十分な財務の安全性を維持するため、今後のM&A投資及び設備投資は、事業環境の変化を慎重に見極めながら厳選してまいります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
翌連結会計年度の事業環境については、インフレや大幅な為替変動に加え、米国関税政策の動向を中心に経済活動における不確実性が世界的に高まるなど、不透明な経済環境が当面の間継続することを仮定しております。その前提に基づき、当連結会計年度において会計上の見積りを行った結果、当連結会計年度における連結財務諸表に及ぼす影響は軽微なものと判断しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要性がある会計方針」に記載しておりますが、特に以下の重要性がある会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 非金融資産の減損
当社グループは決算日において、棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。のれんは償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としており、資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、 当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。使用価値の算定に際しては、資産の耐用年数や将来キャッシュ・フロー、成長率、割引率等について一定の仮定を用いております。
これらの仮定は過去の実績や当社経営陣により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定しておりますが、事業戦略の変更や市場環境の変化等により影響を受ける可能性があり、仮定の変更が必要となった場合、認識される減損損失の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎決算日に見直し、税務便益の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。
当社グループは、将来の課税所得及び慎重かつ実現性の高い継続的なタックス・プランニングの検討に基づき繰延税金資産を計上しており、回収可能性の評価に当たり行っている見積りは合理的であると判断しておりますが、見積りは予測不能な事象の発生や状況の変化等により影響を受ける可能性があり、実際の結果が見積りと異なる場合、認識される費用及び計上される資産に重要な影響を及ぼす可能性があります。
5 【重要な契約等】
(財務上の特約が付された金銭消費貸借契約)
当社及び連結子会社の借入金のうち、以下の金銭消費貸借契約については財務上の特約が付されております。
具体的な財務上の特約については以下①~⑥のとおりです。
① 各連結会計年度の末日における連結財政状態計算書に記載される資本合計の金額を直前連結会計年度の末日における連結財政状態計算書に記載される資本合計の金額の75%以上に維持すること。かつ、契約締結直前の連結会計年度の末日における連結財政状態計算書に記載される資本合計の金額の75%以上に維持すること。また、契約によっては、各連結会計年度の末日における、連結の貸借対照表に記載される純資産の部の金額を直前連結会計年度の末日における連結の貸借対照表に記載される純資産の部の金額の75%以上に維持すること。かつ、契約締結直前の連結会計年度の末日における連結の貸借対照表に記載される純資産の部の金額の75%以上に維持すること。
② 各事業年度の末日における当社の貸借対照表に記載される純資産の部の金額を直前事業年度の末日における当社の貸借対照表に記載される純資産の部の金額の75%以上に維持すること。かつ、契約締結直前の事業年度の末日における当社の貸借対照表に記載される純資産の部の金額の75%以上に維持すること。
③ 各事業年度の末日における借入人単体の貸借対照表の純資産の部(一定の調整後)の金額を2023年3月決算期末日における貸借対照表の純資産の部(一定の調整後)の金額の80%以上に維持すること。
④ 各事業年度の末日における保証人単体の貸借対照表の純資産の部の金額を2019年3月決算期末日における貸借対照表の純資産の部の金額の50%以上に維持すること。
⑤ 各連結会計年度の末日における連結損益計算書に記載される経常損益を2期連続して損失としないこと。また、契約によっては、各連結会計年度の末日における連結損益計算書に記載される営業損益ないし税引前当期純損益に一定の調整をした金額が2期連続マイナスでないこと。
⑥ 各事業年度の末日における借入人単体又は保証人単体の損益計算書における経常損益を2期連続して損失としないこと。
財務上の特約の付されている借入に関する契約は以下のとおりです。
なお、借入人㈱日本海水TTS苅田パワー、保証人㈱日本海水のコミットメント付タームローンによる借入については、借入人である㈱日本海水TTS苅田パワー及び保証人である㈱日本海水に付された財務制限条項に抵触しておりますが、現時点では期限の利益喪失条項を適用する旨の通知は受けておりません。
財務制限条項欄に記載されている①~⑥の数字は、上記の財務上の特約に該当する①~⑥を示しています。
6 【研究開発活動】
当連結会計年度の研究開発活動につきましては、主要グループ会社と連携し、エア・ウォーターグループの新事業創出に向けた技術開発を推進いたしました。また、研究開発基盤の強化を目的として、「海水技術研究所」「再生医療研究所」「ガス技術研究所」の3つの研究所を新設いたしました。この3つの研究所は、未来志向で「エア・ウォーターの未来を創造」し、継続して社会に貢献し発展していくための長期的な研究開発を推進する組織として位置付けております。
(海水技術研究所)
グループ会社である㈱日本海水およびタテホ化学工業㈱の技術を軸に、海水の恵みを社会に届ける研究開発に取り組むことを目的として設立いたしました。海水に秘められた多様な資源の活用可能性を追求し、エア・ウォーターグループの多様な事業基盤と融合させることで、食糧・資源・エネルギー・環境などの社会課題解決に挑み、海水に関連する先端的な技術と知見を中核とした研究開発を推進しております。
(再生医療研究所)
先端医療の企業・団体が集積する神戸医療産業都市内の「国際くらしの医療館・神戸」に設置いたしました。グループ会社であるエア・ウォーター・アエラスバイオ㈱が2020年に世界で初めて実用化した「歯髄再生治療」の実績を基盤に、歯髄幹細胞を用いた神経系治療を中心とした再生医療技術の開発を、各医療機関と協力して進めております。当連結会計年度は、脊髄損傷治療に対する歯髄幹細胞の培養技術を確立し、厚生労働省にて治療計画が受理されたほか、脳梗塞治療や疼痛治療への適用拡大にも取り組んでおります。さらに、脂肪幹細胞等を用いた再生医療の実用化研究にも着手しており、幹細胞を用いた再生医療関連事業の拡大を通じて、人々のウェルネスに貢献してまいります。
(ガス技術研究所)
当社グループの発展の源泉であるガス基幹技術の深化と応用拡大を担い、エアセパレートガス以外の機能性ガスの可能性を追求し、エア・ウォーターならではのガス技術を獲得することを目指して設立いたしました。
今後発展する分野への適用を見据えたガスアプリケーションの開発を推進し、新規事業につながる製品・技術を生み出すことを目指しております。
各事業グループの開発センターは、短中期の事業課題に取り組むため、主要グループ会社と連携し技術や商品の開発を推進しております。
当連結会計年度は、ライフスタイルの多様化や予防意識の高まりに伴い、幅広い世代で「ウェルビーイング」実現へのニーズが拡大する中、医療費増や食料問題などの社会課題解決が急務となっていることを踏まえ、ヘルスケア開発センターと農業・食品開発センターの二つの開発センターを統合し、ヘルス&セーフティー・アグリ&フーズを横断的に活動する「ウェルネス開発センター」を設置いたしました。医食同源の考えに基づき、医療と食の融合を通じた豊かな社会生活の実現に向けた新規事業の創出を進めてまいります。
研究所、開発センターともに、ガス関連技術と事業グループのコア技術を磨きながら、事業部門との密接な連携のもと、事業の継続的な成長と社会に貢献できる新事業成果の創出に取り組んでまいります。
事業グループごとの研究開発活動につきましては、次のとおりであります。
(デジタル&インダストリー)
・当社の祖業である産業ガス事業において、中核商材の一つである空気分離装置について、国内外の半導体市場や製鉄オンサイト市場等に向け、従来よりも更に高効率なガス製造プラントを展開していくことを目指し、プロセス技術開発を推進しております。特に、消費電力の削減を図ることで、事業採算性の向上だけでなく、産業ガス製造工程におけるCO2排出量の削減に貢献してまいります。
・精密研磨に使用されるパッド材に関して、パワー半導体やデータセンター向けの需要拡大を踏まえ、SiCウエハ用精密研磨パッドおよびハードディスク用スエードパッドのさらなる高性能化に向けた技術開発を進めております。
・次世代のクリーンエネルギーとして期待されているアンモニア(NH3)のサプライチェーン構築に向け、当社が加盟する脱炭素産業熱システム技術研究組合(DITS)の支援のもと、アンモニアガスを供給するためのアンモニア蒸発システムの開発を推進しております。加えて、アンモニアを利活用するための技術ソリューションとして、アンモニア分解技術開発にも取り組むなど、将来の燃料用途アンモニア市場の形成に備える技術基盤構築を図っております。
・データセンターの高性能化やEV向け材料など、エレクトロニクス分野の需要拡大に対応するため、半導体・二次電池関連の材料開発を推進しております。当連結会計年度は、エレクトロニクス分野の材料開発機能を電子・機能材料開発センターに集約し、研究開発の効率化および高度化を進めております。
・エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル㈱では、2025年1月に開所した「湘南イノベーションラボ」への拠点集約が完了し、技術の集中・高度化による開発速度の向上を図るとともに、お客様からの高機能化ニーズへの対応を進めてまいります。
・成長著しい半導体パッケージ市場へ向け、高い信頼性を実現するための高機能材料の開発に注力しております。
・脱炭素社会でますます重要となる蓄電デバイスについて、リチウムイオン電池高性能化のための電解液添加剤の開発の他、リチウムイオン電池及びナトリウムイオン電池で寿命・容量を向上させることが可能な負極用真球状ハードカーボンの材料開発を推進しております。
・脱炭素社会の実現に向け、10%以下の低濃度排ガスからCO2を分離回収するシステムの開発を進めております。効率的に分離を行える新規開発触媒の開発に成功し、2030年の社会実装に向け継続的な技術開発、プロセス設計を進めてまいります。
(エネルギーソリューション)
・2030年までに2013年と比べてCO2を46%削減するという政府方針の実現に向けて、カーボンニュートラルエネルギー関連技術について、産・官・学との連携を通じて、技術の蓄積、洗練、高度化を推進しております。
・家畜糞尿などに由来するバイオガスを活用した新たなバイオエネルギーサプライチェーンの構築に取り組んでおります。バイオガスを用いて液化バイオメタン(LBM)に加工することでLNGの代替燃料として活用する実証を完了し、2024年5月よりバイオメタンの商用販売を開始しております。さらに、2026年3月、JAXA宇宙戦略基金事業に採択され、ロケット燃料向けの高効率大型液化バイオメタン製造プラントを北海道鹿追町に建設する計画であります。
・バイオメタンの原料となるバイオガスを製造するためのバイオガスプラントについても、中小規模の酪農家をターゲットとしたユニット型バイオガスプラントの開発を行っており、2026年度中の上市を目指しております。ユニット型バイオガスプラントは、現地工事を最小化することで従来よりもイニシャルコストを低減させるとともに、発酵槽の増設、移設が可能なサステナブルプラントをコンセプトとしております。今後も自治体や企業とのさらなる連携を通じて、環境負荷の少ない地産地消エネルギー社会の実現に貢献してまいります。
・NEDO脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業として、「バイオエネルギーローカルサプライチェーンを実現するための未利用資源からのバイオメタン製造システム実証研究(インド)」を進めております。インドに適したユニット型バイオガスプラントを開発し、インドでのバイオメタン事業化に向けて、取組みを推進してまいります。
・NEDO水素社会構築技術開発事業として、「豊富町未利用天然ガスを活用した地域CO2フリー水素サプライチェーンの構築」を進めてまいりました。国内で初となる、DMR(Direct Methane Reforming)法を用いた商用規模のCO2フリー水素製造の実証を戸田工業株式会社とともに北海道豊富町で実施いたしました。引き続き、カーボンニュートラルへの貢献に向けた一つのソリューションとなるよう、取組みを推進してまいります。
・脱炭素社会の実現に向け、低濃度CO2回収・利活用に関する技術を推進しております。エア・ウォーターグループは、CO2の回収・精製・液化・輸送・利用一連の技術の深耕と同時に大学との共同研究により、新規の低濃度CO2回収技術の研究開発を行っております。様々な需要に対応した適切な回収・利活用技術を提供するために、今後も継続的に技術開発を行ってまいります。
・2022年に開発を完了した小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」回収ユニットの商用初号機、2号機を北海道及び東京都のお客様へ納入いたしました。また、「NEDO グリーンイノベーション基金(以下、GI基金)事業/廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現」にて、カナデビア株式会社が受託した「CO2高濃度化廃棄物燃焼技術の開発」の再委託を受け、焼却炉排ガスからCO2を分離回収するシステムを開発し、2026年度に技術実証を実施する予定です。さらに、CO2回収に係るエネルギーの省力化を目的とし、「GI基金事業/CO2の分離回収等技術開発プロジェクト」において、「Na-Fe系酸化物による革新的CO2分離回収技術の開発」を推進しており、大阪・関西万博において実証展示を行いました。低濃度ボイラー排ガスから回収したCO2は、液化炭酸やドライアイス原料として万博会場内で活用するとともに、大阪ガス株式会社が技術実証を行ったメタネーションプロセスの原料ガスとしても利用されました。本技術を用いたCO2回収装置は2027年度の商用化を目指しており、引続き技術開発を推進してまいります。
ヘルス&セーフティおよびアグリ&フーズにまたがるウェルネス分野では、新設したウェルネス開発センターを中心に、医療の技術を基盤に、既存事業の深化とウェルネス領域での新規市場開拓を両輪とし、社会課題解決と企業価値向上を目指して以下に注力しております。
(ヘルス&セーフティ)
・「個人特性に基づく最適な健康・行動変容支援」を目標に、生体・行動・心理データを統合する基盤技術の開発を推進しております。共創拠点であるエア・ウォーター健都を活用し、地域や企業との強固な協働を通じた実環境下での検証サイクルを高速化しております。これにより、単一の製品提供にとどまらない、顧客生涯価値(LTV)を最大化する統合的ソリューションを構築し、持続的な収益機会を創出してまいります。
・光学技術を応用した先端医療機器の研究・開発や、将来の在宅医療に向けたIoTプラットフォームを駆使した病院と在宅のシームレスなネットワーク作りに必要なデバイスやサービスに向けて研究・開発を行っております。国内医療費の適正化という社会課題の解決に寄与すると同時に、医療事業における競争優位性をさらに強固なものにしてまいります。
・歯髄再生治療の症例数の拡大に伴い、エア・ウォーター・アエラスバイオ株式会社が細胞治療用に提供する歯髄幹細胞の有用性が認知され、医療機関および研究機関からの歯髄幹細胞の活用ニーズも増加しております。このような事業環境の変化を踏まえ、再生医療研究所では、歯髄幹細胞の投与安全性に関するエビデンスの拡充を進めているほか、歯髄再生治療に関する研究知見を応用したインプラント体の開発、歯髄幹細胞を用いた脊髄損傷や認知症、自閉症などの重篤疾患への適用研究を開始しております。これらの取り組みにより、当社の祖業であるガス技術を活用し、将来の疾患に備える細胞保管サービス「アエラスバイオ歯髄幹細胞バンク™」のさらなる発展に寄与してまいります。
(アグリ&フーズ)
・農産物の未利用部位から高い付加価値を生み出す研究を推進しております。みかんの皮を活用したシニア犬の認知症緩和に関する東京大学との共同研究は安全性試験をクリアし(2026年3月国際誌掲載)、2026年秋の新製品上市に向け開発が進行中です。また、自社の冷凍加工過程で生じる副産物であるかぼちゃの種わたを用いた家畜用飼料についても帯広畜産大学等と連携し、独自の高付加価値素材として応用展開を図ってまいります。
・陸上養殖事業では、「地球の恵みファーム・松本」にて、酸素供給機能と脱炭酸機能を一体化したモジュール式システムの試作および実証を進めております。当該システムは、中小規模プラントへの導入を念頭に、メンテナンス性の向上およびランニングコストの低減を図った構成としており、現場環境に応じた柔軟な運用と効率的な設備利用の実現を目指しております。 また、サクラマスの陸上養殖による量産化については、前年度に飼育試験に成功したことを踏まえ、本年度より事業化を見据えた飼育ノウハウの蓄積および生産体制の確立に向けた取り組みを進めております。 さらに、「杜のサーモンプラント」において養殖したサーモンを「恵望サーモン」のブランドとして道内での販売を開始いたしました。これにより、生産から販売までを一貫して担う体制の構築を進め、陸上養殖事業におけるバリューチェーン全体の高度化を図っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は5,102百万円であり、デジタル&インダストリーが1,771百万円、エネルギーソリューションが481百万円、ヘルス&セーフティーが2,059百万円、アグリ&フーズが368百万円、その他の事業が421百万円であります。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度における設備投資の総額(無形資産を含む)は、73,606百万円でありその主なものはデジタル&インダストリーにおける高圧ガス製造設備の建設や、インド及びアメリカのオンサイトガス供給設備などであります。
セグメントごとの設備投資額(無形資産を含む)は、デジタル&インダストリーで39,116百万円、エネルギーソリューションで6,910百万円、ヘルス&セーフティーで5,978百万円、アグリ&フーズで8,086百万円、その他の事業で8,392百万円、全社資産で5,122百万円となりました。
なお、「設備の状況」に記載の金額には消費税等は含まれておりません。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
2026年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額には、日本基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しております。
2 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
3 帳簿価額のうち「その他」は「工具、器具及び備品」及び「無形固定資産」等の合計であります。
4 土地の面積欄の( )内数字は外書で連結会社以外からの借用面積であります。
(2) 国内子会社
2026年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
2 帳簿価額のうち「その他」は「工具、器具及び備品」及び「無形資産」等の合計であります。
3 従業員数の( )は、臨時従業員数を外書しております。
(3) 在外子会社
2026年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
2 帳簿価額のうち「その他」は「工具、器具及び備品」及び「無形資産」等の合計であります。
3 従業員数の( )は、臨時従業員数を外書しております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
重要な設備の新設等の計画は以下のとおりであります。
(2) 重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
※当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2026年6月30日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注) 1 新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株とする。
2 (1) 新株予約権者は、上記「新株予約権の行使期間」の期間内において、当社の取締役の地位を喪失した日の翌日(以下、「権利行使開始日」という。)から5年間に限り、新株予約権を行使することができる。
(2) 上記(1)に関わらず新株予約権者は以下の①又は②に定める場合(ただし、②については、上記「組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項」に従って新株予約権者に再編対象会社の新株予約権が交付される場合を除く。)には、それぞれに定める期間内に限り新株予約権を行使できるものとする。
①行使期間の最終日の1年前に新株予約権者が権利行使開始日を迎えなかった場合には、行使期間最終日の1年前の翌日から行使期間最終日まで
②当社が消滅会社となる合併契約承認の議案、又は当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画承認の議案につき当社株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要な場合は、当社の取締役会決議がなされた場合)
当該承認日の翌日から15日間
(3) 新株予約権者が新株予約権を放棄した場合には、かかる新株予約権を行使することができないものとする。
(4) その他の新株予約権の行使の条件は、当社と新株予約権者との間に締結する新株予約権割当契約に定めるところによる。
3 当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下、「組織再編成行為」という。)をする場合において、組織再編成行為の効力発生日の直前において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という。)を保有する新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編成行為の条件等を勘案の上、上記「新株予約権の目的となる株式の数」に準じて決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、以下に定める再編後払込金額に上記(3)に従って決定される当該各新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。再編後払込金額は、交付される各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる再編対象会社の株式1株当たり1円とする。
(5)新株予約権を行使することができる期間
上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編成行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
上記「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」に準じて決定する。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。
(8) 新株予約権の取得条項
残存新株予約権の取得条項に準じて決定する。
なお、残存新株予約権の取得条項は次のとおり。
以下の①、②、③、④又は⑤の議案につき当社株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要の場合は、当社の取締役会決議がなされた場合)は、取締役会が別途定める日に、当社は無償で新株予約権の全部を取得することができる。
①当社が消滅会社となる合併契約承認の議案
②当社が分割会社となる分割契約もしくは分割計画承認の議案
③当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画承認の議案
④当社の発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当社の承認を要することについての定めを設ける定款の変更承認の議案
⑤新株予約権の目的である株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当社の承認を要することもしくは当該種類の株式について当社が株主総会の決議によってその全部を取得することについての定めを設ける定款の変更承認の議案
(9)その他の新株予約権の行使の条件
上記「新株予約権の行使の条件」に準じて決定する。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
発行価格 1,519.6円
資本組入額 759.8円
払込金総額 6,154百万円
割当先 SMBC日興証券株式会社
(5) 【所有者別状況】
2026年3月31日現在
(注) 1 自己株式529,862株のうち、5,298単元は「個人その他」の欄に、62株は「単元未満株式の状況」の欄に含めております。なお、自己株式529,862株は株主名簿上の株式数であり、2026年3月31日現在の実質的な所有株式数は528,862株であります。
2 「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ289単元及び73株含まれております。
3 単元未満株式のみを有する株主数は、8,100人であります。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注) 1 日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)及び㈱日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数は、すべて信託業務に係るものであります。
2 ㈱三井住友銀行の所有株式数には、同行が退職給付信託の信託財産として拠出している株式3,000千株が含まれており、その議決権行使の指図権は同行に留保されております。なお、当該株式に関する株主名簿上の名義は「㈱SMBC信託銀行(㈱三井住友銀行退職給付信託口)」であります。
3 三井住友信託銀行㈱から2025年12月4日付で関東財務局長に提出された大量保有報告書の変更報告書により、2025年11月28日現在で三井住友信託銀行㈱他2名の共同保有者がそれぞれ以下のとおり当社株式を保有している旨が記載されているものの、三井住友信託銀行㈱を除き、当社として当事業年度末における実質所有株式数の確認ができませんので、上記「大株主の状況」には株主名簿上の所有株式数を記載しております。
なお、当該変更報告書の内容は以下のとおりであります。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2026年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、株主名簿上は当社名義になっておりますが、実質的に所有していない株式1,000株が含まれております。また、「完全議決権株式(その他)」欄の議決権の数には、同株式に係る議決権の数10個は含まれておりません。
2 「完全議決権株式(その他)」及び「単元未満株式」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ28,973株(議決権289個)及び73株含まれております。
3 「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式62株、大平産業㈱が他人名義で保有している相互保有株式6株、㈱ガスネット所有の相互保有株式36株、森脇産業㈱が他人名義で所有している相互保有株式27株、東邦酸素工業㈱が他人名義で所有している相互保有株式45株が含まれております。
② 【自己株式等】
2026年3月31日現在
(注) 1 株主名簿上は当社名義になっておりますが、実質的に所有していない株式が1,000株あります。なお、当該株式は「① 発行済株式」の「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式に含まれております。
2 大平産業㈱及び森脇産業㈱及び東邦酸素工業㈱が株式の一部を他人名義で所有している理由等
3 当事業年度末における自己株式数は、以下のとおりであります。なお、当事業年度末日時点においては、信託に残存する当社株式はありません。
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
(注)当期間における取得自己株式には、2026年7月1日から有価証券報告書提出日までに単元未満株式の買取りにより取得した自己株式は含まれておりません。
会社法第155条第13号による取得
(注)1 譲渡制限付株式報酬として割り当てた普通株式の一部を無償取得したものであります。
2 当期間における取得自己株式には、2026年7月1日から有価証券報告書提出日までの無償取得による自己株式は含まれておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当期間における保有自己株式数には、2026年7月1日から有価証券報告書提出日までに単元未満株式の買取りにより取得した自己株式並びに単元未満株式の売渡し及びストックオプションの権利行使により処分した自己株式は含まれておりません。
3 【配当政策】
当社は、持続的な企業価値の向上を図るべく成長戦略の実行及び経営基盤の強化を進めるとともに、株主への利益還元を経営の最重要課題の一つとして位置付けております。
剰余金の配当につきましては、中長期的な成長に向けた戦略的投資及び財務健全性とのバランスを勘案しながら、安定的かつ継続的な株主還元を基本方針としております。
当社は、会社法第459条に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当を行う旨を定款で定めており、毎年9月30日及び3月31日を基準日とした年2回の配当を行うこととしております。
上記の基本方針に基づき、当事業年度の期末配当金は、1株当たり37円50銭といたします。この結果、年間配当金は中間配当37円50銭をあわせて、1株当たり75円となりました。
なお、基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
なお、次期配当予想につきましては、(3)キャッシュ・フロー ① 資本政策の基本的な考え方に記載の通り、 現在、新たな経営方針、事業戦略及び事業ポートフォリオの見直し等を踏まえ、株主還元方針を含めて検討していることから、現時点では未定としております。合理的な算定が可能となった時点で速やかに開示する予定です。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、社会的良識に従った公正な企業活動を行い、株主や顧客の皆様、地域社会、従業員等あらゆるステークホルダーから信頼されることが、企業の持続的発展と企業価値の最大化に不可欠であると考えております。そして、内部統制システムを含めたコーポレート・ガバナンスの充実は、ステークホルダーの信頼を獲得し、企業の社会的責任を果たすうえで、最も重要な経営課題であると認識しております。
当社は、的確な経営の意思決定、それに基づく適正かつ迅速な業務執行並びにそれらの監督・監視が十分に機能する経営体制を構築するとともに、幅広い情報公開によって経営の透明性を確保することにより、コーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
1.企業統治の体制の概要
当社は、取締役会において経営の重要な意思決定、業務執行の監督を行い、監査役が取締役会等重要会議への出席等を通じて取締役の職務の執行を監査する監査役会設置会社であります。
当社のコーポレート・ガバナンス体制における各機関及び部門の概要は、次のとおりであります。
(a)取締役会
当社の取締役会は、提出日(2026年7月31日)現在、社内取締役3名(うち女性0名)、社外取締役5名(うち女性2名)の計8名で構成され、法令又は定款に定める事項のほか、当社グループの経営及び業務執行に関する重要事項について決定並びに報告がなされ、取締役相互の監督及び監視に係る機能を果たしております。また、当社では、社外取締役5名を選任し、外部の客観的な視点から当社の経営に有益な助言等をいただくことにより、経営監督機能の強化に努めております。
なお、変化の激しい経営環境下において最適な経営体制を機動的に構築することを可能とし、かつ事業年度毎の取締役の経営責任をより明確化するため、取締役の任期は1年としております。
有価証券報告書提出日現在の取締役会の構成員は以下のとおりであります。
取締役会議長 千歳喜弘(代表取締役 社長執行役員)
その他の構成員 唐渡有、西村浩和、芳賀裕子(社外取締役)、ロッシェル・カップ(社外取締役)、
加藤三紀彦(社外取締役)、松下満俊(社外取締役)、川崎真一(社外取締役)
(b)最高経営委員会
当社グループの広範囲にわたる事業領域における的確かつ迅速な意思決定を支える機関として、社内取締役と各事業部門の責任者等で構成する最高経営委員会を原則として月1回開催しております。最高経営委員会は、広範囲かつ多様な見地から取締役会の付議事項について事前審議を行うほか、当社グループの業務執行に関する重要事項について審議を行っております。
有価証券報告書提出日現在の最高経営委員会の構成員は以下のとおりであります。
最高経営委員会議長 千歳喜弘(代表取締役 社長執行役員)
その他の構成員 唐渡有、西村浩和、松林良祐、道志年章、小林靖司、堤宏記、林邦広、秋田正倫、
稲垣雄一、白岩啓孝、相良均、大橋一元、光村公介、三橋敏宏、北川裕二、重藤順子、森誠治、吉田康晃
(c)監査役・監査役会
当社の監査役会は、提出日(2026年7月31日)現在、社内監査役3名(うち女性1名)、社外監査役3名(うち女性0名)の計6名で構成されております。また、当社では、社外監査役3名を選任し、外部の客観的な視点から当社の監査に有益な助言等をいただくことにより、経営の監視・監督機能の強化に努めております。各監査役は、監査役会が定めた監査の方針、監査の基準等に従い、取締役会その他の重要な会議に出席するなどの方法により経営執行状況の把握と監視に努めるとともに、財務報告に係る内部統制を含めた内部統制システムの整備・運用状況等の監視及び検証を通じて、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合し、会社業務が適正に遂行されているかを監視しております。また、監査役は、会計監査人及び内部監査部門からその監査の状況及び結果について定期的に報告を受けるとともに、情報・意見交換を行っております。
有価証券報告書提出日現在の監査役会の構成員は以下のとおりであります。
監査役会議長 重藤順子(常勤監査役)
その他の構成員 森誠治(常勤監査役)、吉田康晃(常勤監査役)、林醇(社外監査役)、
岩﨑淳(社外監査役)、樋口建史(社外監査役)
(d)指名・報酬委員会
当社は、2022年8月4日に取締役会の諮問機関として任意の指名・報酬委員会を設置しました。その目的は、 取締役の指名・報酬等に係る取締役会の機能の独立性及び客観性を高めるとともに説明責任を強化し、当社コーポレート・ガバナンスの充実を図るためであり、取締役の選解任案をはじめ、取締役の報酬制度や評価に関する 事項等を審議しております。
有価証券報告書提出日現在の指名・報酬委員会の構成員は以下のとおりであります。
指名・報酬委員会委員長 芳賀裕子(社外取締役)
その他の構成員 ロッシェル・カップ(社外取締役)、加藤三紀彦(社外取締役)、
松下満俊(社外取締役)、川崎真一(社外取締役)
2.企業統治の体制を採用する理由
当社では、変化の激しい経営環境下において経営の迅速性と機動性を確保することができ、また、前記1に記載したコーポレート・ガバナンス体制により、経営に対する監視・監督機能の客観性並びに中立性を十分に確保することができると判断しているため、監査役会設置会社制度を採用しております。
③ 内部統制システムの整備の状況
当社は、当社及び子会社の業務の適正を確保するための体制の構築に関する基本方針を以下のとおり定め、この基本方針により構築する体制の下で、当社及び子会社の業務の適正性並びに効率性の確保に努めております。
(a)取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ.コンプライアンス体制の基礎として、当社グループの役員及び従業員が法令等を遵守し、社会倫理を尊重した行動を実践するための行動指針となる「エア・ウォーターグループ倫理行動規範」を制定し、社会倫理と遵法精神の教育啓蒙並びに法令遵守に関するルールの整備を進める。
ロ.当社グループにおけるコンプライアンス上の問題を一元的に管理する統括部署として、代表取締役の直轄組織である「リスクマネジメント・コンプライアンス部」を設置し、取締役又は執行役員の中からその責任者を任命する。また、コンプライアンスに関する重要事項の協議を行う機関として「コンプライアンス委員会」を設置するほか、当社グループの役員及び従業員がコンプライアンス上疑義のある行為等を知った場合に、職制ルートを介さず、直接「リスクマネジメント・コンプライアンス部」及び社外弁護士等に報告、相談を行うことが出来る内部通報制度を整備し、運用する。
ハ.取締役は、定期的又は必要に応じて随時開催する取締役会において、業務執行の状況を報告するとともに、相互にその業務執行を監督する。また、監査役は、監査役会が定めた監査役監査基準に基づき、取締役会その他の重要な会議に出席するほか、子会社を含む業務執行状況の調査等を通じて、取締役の職務執行について監査する。
ニ.内部監査部門である「内部監査室」は、内部監査規程及び内部監査計画に基づき、当社グループの業務活動について社内規則及び法令に対する遵守状況等を内部監査する。また、内部監査の結果については、代表取締役並びに監査役に報告する体制とする。
ホ.当社グループは、独占禁止法の遵守について、定期的に外部専門家からの助言を受け、役員及び従業員に対する独占禁止法に関する教育を継続的に実施するほか、同業他社との接触等の統制を徹底するとともに、「リスクマネジメント・コンプライアンス部」が当社グループにおける独占禁止法の遵守に関する社内規程の運用及び遵守状況のモニタリングを定期的に実施する体制とする。
(b)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役会議事録、稟議決裁書類等の取締役の職務執行に係る情報については、文書又は電磁的媒体に記録し、文書管理に関する社内規程等に基づき、適切かつ確実に保存及び管理する。また、取締役、監査役又は内部監査部門がこれらの文書等の閲覧を要請した場合には、直ちに提出できる体制とする。
(c)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
イ.当社グループの事業活動において特に重要なリスクであると認識しているコンプライアンス、保安防災及び環境保全に係るリスクについては、「リスクマネジメント・コンプライアンス部」がその統括部門として、当社グループを横断的に管理する体制とする。
ロ.情報セキュリティ、品質管理、知的財産及び契約等に係る個別リスクについては、それぞれの担当部門を設置し、社内規程の制定、マニュアルの作成並びに教育研修の実施等を行うとともに、事前審査や決裁制度を通じて当社グループにおける当該リスクを管理する体制とする。
ハ.「リスクマネジメント・コンプライアンス部」を事務局とする「リスクマネジメント委員会」を定期的に開催し、当社グループにおけるリスク管理の状況を把握するとともに、当社グループにおけるリスク管理の強化を推進する体制とする。
ニ.事業活動への影響が大きいと想定されるリスクが発生した場合には、「危機管理規程」に基づき、直ちに危機管理委員会を社内に設置し、発生したリスクに対し迅速かつ適切に対処する体制とする。
(d)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
イ.当社は、適正かつ効率的な職務の執行を確保するための組織規程、職務権限規程において業務分掌並びに意思決定に関する権限を定め、各取締役、執行役員及び理事等の権限と責任の明確化を図る。また、子会社においてもこれに準拠した体制を構築する。
ロ.取締役会で選任された執行役員及び理事等への権限委譲により、広範囲にわたる事業及び業務領域における意思決定の迅速化と業務執行責任の明確化を図る。なお、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制を機動的に構築するため、取締役、執行役員及び理事等の任期は、それぞれ1年とする。
ハ.一定規模以上の事業については、ユニット制を導入し、各ユニット長がその事業執行について権限を委譲される一方で、関連する子会社を含めた連結業績について責任を負う体制とする。
ニ.取締役会において中期経営計画を定め、それに基づく主要経営目標を設定する。併せて年度毎のユニット別、事業部門別、子会社別の事業戦略並びに利益計画を設定し、その実績を月次単位で管理することにより、効率的な取締役の職務執行を確保する。
(e)当社並びにその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
イ.監査役及び内部監査部門である「内部監査室」は、子会社の監査役と連携して子会社の監査を定期的に実施し、当社グループにおける業務執行の適正を確保する。
ロ.子会社に、原則として当社から取締役及び監査役を派遣して業務執行の適正と監督機能の実効性を確保する。
ハ.関係会社規程において各子会社を主管する担当部門のほか、各子会社が当社に対して報告並びに事前承認を求めるべき事項を明確化し、子会社から当社への報告体制を整備するとともに、子会社に関する一定の重要事項については当社の取締役会においても審議する。
ニ.金融商品取引法に基づき、当社グループの財務報告の信頼性と適正性を確保するため、財務報告に係る内部統制の体制構築に関する基本計画を定め、これに基づき有効かつ適正な評価ができる内部統制システムを構築し、適切に運用する。
(f)監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項並びに当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査役の職務を補助する使用人を配置する。当該使用人は、業務執行上の指揮命令系統には属さずに監査役の指揮命令に従うこととし、当該使用人の任命、異動、評価等に関しては、監査役会の事前の同意を得たうえで決定するものとする。
(g)当社並びに子会社の取締役及び使用人等が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制
イ.監査役が、重要な意思決定のプロセスや業務執行の状況を詳細に把握するため、取締役会その他の重要な会議に出席するほか、稟議決裁書類その他の業務執行に関する文書等をいつでも閲覧し、必要に応じて取締役及び使用人にその職務執行の状況報告を求めることができる体制とする。
ロ.取締役及び使用人は、監査役又は監査役会に対して、法定の事項に加えて、当社グループの経営に重要な影響を及ぼすおそれのある事実、内部監査の実施状況並びに監査の必要上において報告を求められた職務執行の状況について、速やかに報告する体制とする。
ハ.当社の監査役への報告を行った当社グループの取締役及び使用人に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行わない。
(h)監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
当社は、監査役が職務執行について生じる費用の前払又は償還等請求をしたときは、当該監査役の職務執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理する。
(i)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役が、代表取締役、会計監査人、内部監査部門並びに子会社の監査役と定期的に意見交換の機会を持ち、監査上の意見及び情報の交換を行うことにより監査の実効性を確保できる体制とする。
当社のコーポレート・ガバナンス体制(内部統制システムの概要を含む。)についての模式図は、次のとおりであります。

※上記の図表は、提出日(2026年7月31日)現在の状況を表示しています。
④ 取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を月1回以上開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。
(注) 全回数が異なるのは、就任時期または退任時期の違いによるものであります。
当事業年度における具体的な検討内容は、中期経営計画・予算・決算、マテリアリティ、グループガバナンス、子会社再編、上場子会社方針、設備投資等であります。
⑤ 指名・報酬委員会の活動状況
当事業年度において当社は指名・報酬委員会を計14回開催しており、個々の構成員の出席状況については次のとおりであります。
(注) 全回数が異なるのは、就任時期または退任時期の違いによるものであります。
当事業年度における具体的な検討内容として、社内取締役及び社外取締役の指名候補案、報酬方針並びに制度、役員の選解任基準、後継者計画、評価制度、指名手順の確認について審議検討を行っております。
⑥ 責任限定契約
当社は、各社外取締役及び各監査役との間に、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の損害賠償責任について、その職務を行うにつき善意でありかつ重大な過失がないときは、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする旨の契約を締結しております。
⑦ 役員等賠償責任保険契約
当社は、当社の会社法上の取締役および監査役並びに当社の執行役員制度上の執行役員、理事を被保険者とする、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、会社訴訟、第三者訴訟、株主代表訴訟等により、被保険者が負担することとなった争訟費用および損害賠償金等を填補の対象としております。ただし、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置として、被保険者による犯罪行為等に起因する損害等については、填補の対象外としております。
⑧ 取締役の定数
当社の取締役は20名以内とする旨を定款で定めております。
⑨ 剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定めることとする旨を定款で定めております。これは、株主への利益還元を含めた資本政策を機動的に行うことを目的とするものであります。
⑩ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑪ 取締役選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めております。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款で定めております。
⑫ 取締役の責任免除
当社は、取締役(取締役であった者を含む。)の会社法第423条第1項に定める責任につき、善意でかつ重大な過失がない場合は、取締役会の決議によって、法令が定める限度額の範囲内でその責任を免除することができる旨を定款で定めております。これは、取締役が職務を遂行するにあたり、期待される役割を十分に発揮できるようにするためであります。
⑬ 監査役の責任免除
当社は、監査役(監査役であった者を含む。)の会社法第423条第1項に定める責任につき、善意でかつ重大な過失がない場合は、取締役会の決議によって、法令が定める限度額の範囲内でその責任を免除することができる旨を定款で定めております。これは、監査役が職務を遂行するにあたり、期待される役割を十分に発揮できるようにするためであります。
(注)当社は2026年7月1日付で事業本部制へ移行しており、本記載中の「ユニット」および「ユニット
長」は、それぞれ現在の「事業本部」および「事業本部長」に相当します。また、同日付で理事制度
を廃止しております。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
1.2026年7月31日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりです。
男性11名 女性3名 (役員のうち女性の比率21%)
(注) 1 取締役芳賀裕子氏、ロッシェル・カップ氏、加藤三紀彦氏、松下満俊氏及び川崎真一氏は社外取締役であります。
2 監査役林醇氏、岩﨑淳氏及び樋口建史氏は社外監査役であります。
3 取締役の任期は、2026年3月期に係る定時株主総会休会の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4 監査役の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2028年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
5 芳賀裕子氏の戸籍上の氏名は林裕子であります。
6 所有株式数には、当社グループの役員持株会における本人の持分を含めた実質所有株式数を記載しております。
② 社外役員の状況
1.社外取締役及び社外監査役の員数並びに当社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係
提出日現在、社外取締役は5名、社外監査役は3名です。
なお、当社と各社外取締役及び各社外監査役との間には、社外役員の独立性に影響を及ぼす人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。
2.社外取締役及び社外監査役が当社の企業統治において果たす機能及び役割並びに選任状況に関する当社の考え方
社外取締役芳賀裕子氏は、企業戦略の研究者としてM&Aやコーポレート・ガバナンス等に関する専門的な見識を有していることに加えて、経営コンサルタントとして培われた豊富な経験ならびに専門機関における実践的な研修等で得た高い見識を有しており、これらの経験と見識を活かし、当社の経営全般に対して有益な助言等を行うなど、当社の社外取締役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
社外取締役ロッシェル・カップ氏は、異文化理解やグローバルな視点を有していることに加えて、日本および米国における経営コンサルタントとして培われた豊富な経験と高い見識を有しており、これらの経験と見識を活かし、当社の経営全般に対して有益な助言等を行うなど、当社の社外取締役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
社外取締役加藤三紀彦氏は、日本特殊陶業㈱において米国子会社のController・CFOを歴任し、ブラジル子会社社長として海外事業の経営を担うなど、グローバルな財務および経営に関する豊富な経験を有しております。さらに、同社の本社において経営戦略の立案・推進に携わるとともに、取締役常勤監査等委員として経営監督の経験も有しており、これらを当社経営に活かしていただけるものと考え、当社の社外取締役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
社外取締役松下満俊氏は、会社法務に精通した弁護士としての豊富な経験と高い見識を有しております。さらに、複数の企業で社外役員を歴任しており、企業経営の監督に関する十分な知見を備えていることから、これらを当社経営に活かしていただけるものと考え、当社の社外取締役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
社外取締役川崎真一氏は、大阪ガス㈱において新技術研究所等でガス・エネルギー分野、材料分野の研究開発および事業化に従事した後、エネルギー技術研究所長として技術戦略の中枢を担うなど、研究開発から実装・事業化までを一貫して推進してきた実績を有しております。さらに、㈱KRIの代表取締役社長として技術と経営の双方の視点から組織を牽引してきた実績も有しており、これらを当社経営に活かしていただけるものと考え、当社の社外取締役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
社外監査役林醇氏は、裁判官および弁護士としての豊富な経験と高い見識を有しており、これらの経験と見識を活かし、当社の業務執行における適正性確保に有用な指摘・提言を行うなど、当社が期待する監査機能を十分に発揮しており、当社の社外監査役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
社外監査役岩﨑淳氏は、公認会計士として監査法人における長年の監査実務経験に加え、複数の企業において社外監査役および社外取締役を歴任するなど、財務・会計および内部統制に関する豊富な経験と高度な専門的知見を有しております。さらに、公認会計士事務所の所長として多数の企業経営に関与した実績を有し、これらの知識と経験を活かし、当社の業務執行における適正性確保に有用な指摘・提言を行っていただくことが期待できることから、当社の社外監査役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
社外監査役樋口建史氏は、長年にわたり警察行政に携わり行政機関等で要職を歴任し、警視総監や警察庁生活安全局長として、危機管理やコンプライアンスに関する高度な見識と豊富な経験を有しております。さらに、複数の企業において社外監査役および社外取締役を務めた実績を有しております。これらの知識と経験を活かし、当社の業務執行における適正性確保に有用な指摘・提言を行っていただくことが期待できることから、当社の社外監査役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
3.社外取締役及び社外監査役を選任するための当社からの独立性に関する基準又は方針の内容
当社は、社外取締役及び社外監査役の当社からの独立性に関する基準として、次のとおり、「社外役員の独立性に関する判断基準」を定めております。
《社外役員の独立性に関する判断基準》
当社は、社外取締役及び社外監査役(以下、総称して「社外役員」という。)又は社外役員候補者が、次の各要件のいずれにも該当しないと判断される場合には、当社に対し十分な独立性を有しているものと判断する。
1)当社及び当社の子会社(以下、総称して「当社グループ」という。)の業務執行者(※1)又は過去10年間において当社グループの業務執行者になったことがある者
2)過去10年間において当社グループの非業務執行取締役又は監査役になったことがある者については、その就任前の10年間において当社グループの業務執行者になったことがある者
3)当社グループを主要な取引先とする者(※2)又はその業務執行者
4)当社グループの主要な取引先である者(※3)又はその業務執行者
5)当社の主要株主(総議決権数の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者。以下同じ。)又はその業務執行者
6)当社グループが主要株主となっている者の業務執行者
7)当社グループの会計監査人である監査法人に所属する者
8)当社グループから役員報酬以外に、多額(※4)の金銭その他の財産上の利益を受けている弁護士、公認会計士、税理士又はコンサルタント等(当該財産上の利益を受けている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者をいう。)
9)当社グループから多額(※4)の寄付又は助成を受けている者又はその業務執行者
10)当社グループの業務執行者が他の会社の社外役員に就いている場合における当該他の会社又はその親会社もしくは子会社の業務執行者
11)過去3年間において上記3)から10)までのいずれかに該当していた者
12)上記1)から11)までのいずれかに該当する者が重要な業務執行者(※5)である場合において、その者の配偶者又は二親等以内の親族
但し、上記の各要件のいずれにも該当していない場合であっても、独立役員としての責務を果たせないと判断するに足る事情があるときには、当該社外役員を独立役員に指定しないことがある。
※1 業務執行者とは、法人その他の団体の業務執行取締役、執行役、執行役員、業務を執行する社員、理事、その他これらに準
じる者及び使用人等の業務を執行する者をいう。
※2 当社グループを主要な取引先とする者とは、その者の過去3事業年度のいずれかにおいて年間連結売上高の2%以上の支払いを当社グループから受けた者をいう。
※3 当社グループの主要な取引先である者とは、当社の過去3事業年度のいずれかにおいて年間連結売上高の2%以上の支払いを当社グループに行っている者、又は当社の直近事業年度末における連結総資産の2%以上を当社グループに融資している者をいう。
※4 多額とは、過去3事業年度の平均で、個人の場合は年間1,000万円以上、法人、組合等の団体の場合は当該団体の連結売上高もしくは総収入金額の2%に相当する額又は年間1,000万円のいずれか高い方であることをいう。
※5 重要な業務執行者とは、業務執行者のうち、業務執行取締役、執行役、執行役員及び部門責任者等の重要な業務を執行する者をいう。
(注)上記の「事業年度」は、個人の場合には、所得税の計算の対象となる年度と読み替える。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制
部門との関係
当社は、社外取締役が独立の立場から経営の監督機能を発揮できるよう、監査役、内部監査部門及び会計監査人との連携の下、随時必要な資料提供や事情説明を行う体制をとっております。また、社外監査役は、監査役会及び取締役会への出席はもとより、代表取締役、内部監査部門、会計監査人等との面談を通じて、当社グループにおける業務の適正性を確保するための体制等の整備状況を確認するほか、重要会議等における質問や発言等を通じて、多角的な視点から経営監視機能を果たしております。
(3) 【監査の状況】
1.監査役監査の状況
a.監査役監査の組織、人員及び手続
監査役監査については、社外監査役3名を含む監査役6名(前期比1名増)により実施しております。社内監査役3名の内、重藤順子氏は当社の内部監査部門の長及び当社の関係会社を管理統括する部門の長の経験、森誠治氏は経営管理部長及び財務戦略室長としての経験、吉田康晃氏は公認会計士としての会計に関する専門的知見、並びに当社上場子会社であった企業における取締役としての業務執行経験を有しております。また社外監査役3名の内、林醇氏は法律の専門家として、裁判官及び弁護士としての豊富な経験を有しております。岩﨑淳氏は、公認会計士として監査法人における長年の監査実務経験に基づく財務及び会計に関する高度な知見に加え、複数の企業において社外監査役および社外取締役を歴任するなどの経験を有しており、樋口建史氏は、警視総監や警察庁生活安全局長等を歴任するとともに、複数の企業において社外監査役および社外取締役を務めた実績を有しております。
各監査役は取締役会に出席し、取締役会の意思決定並びに各取締役の職務執行について、その適法性を監査するとともに、取締役の職務の執行に関して直接意見を述べております。
b.監査役及び監査役監査の活動状況
各監査役は、監査役会が定めた監査の方針及び計画に従い、取締役会その他の重要な会議に出席するほか、重要な決裁書類等を閲覧し必要に応じて指導するとともに、業務執行状況の聴取等を通じて、各取締役が行う意思決定の過程及び内容を恒常的に確認しております。また、代表取締役、内部監査部門、会計監査人等との面談を通じて、当社グループにおける業務の適正性を確保するための体制等の整備及びその運用状況を確認しております。
3名の常勤監査役は、分担して主要なグループ会社の監査役を兼務することにより、各社の経営状況の把握に努め、連結グループ全体の監査を実効あるものとしております。また、非常勤監査役3名は、当社及びグループ会社の現場に出向き、事業の活動状況の把握に努めております。
その他、各監査役は会計監査人より四半期毎のレビュー状況等の会計監査について適時に報告を受け、意見交換を行い、監査品質、監査効率の向上に努めております。
当事業年度における各監査役の取締役会及び監査役会の出席状況は以下のとおりであります。
監査役会における具体的な検討内容は以下の通りです。
決議事項:監査計画の作成、監査役の選任議案の同意、監査役の報酬の配分、会計監査人の再任・報酬議案の同意、監査役会の監査報告書の作成、常勤監査役の業務分担及び主要グループ会社の監査役兼務先の決定等
協議事項:取締役会の議案の検討(M&A戦略、業務提携、設備投資、中期経営計画、予算・決算等)、主要グループ会社の監査状況について協議、代表取締役との意見交換、社外取締役との意見交換等
報告事項:会計監査人の監査報告(KAMに関する意見交換を含む)、コンプライアンス室のコンプライアンス事案に関する活動報告(内部通報制度運用含む)、内部監査室の内部監査に関する活動報告、最高経営委員会の議事内容に関する監査役会議長報告、職務権限決裁報告書の閲覧、事業拠点の視察等
2.内部監査の状況
内部監査については、内部監査部門である内部監査室(提出日現在18名)は、当社グループにおける法令及び社内諸規則の遵守状況のほか、業務プロセスの適正性と妥当性について定期的に監査を実施しております。また、内部監査室は、財務報告の信頼性と適正性を確保するための内部統制システムの構築及び運用状況についての有効性の評価について、主管部門としての役割を果たしております。
また、安全・衛生推進部(提出日現在6名)にて安全・衛生と環境を、リスクマネジメント・コンプライアンス部(提出日現在4名)にてリスクマネジメント及びコンプライアンスを、それぞれ当社グループを横断的に管理、統制する専任部署として設置しております。
なお、それぞれの内部監査によって当社の経営に重要な影響を及ぼすおそれのある事実が確認された場合には、代表取締役及び監査役に適宜、報告する体制としております。さらに、最高経営委員会及び取締役会に対し、業務監査等の結果、及びコンプライアンス事案について年2回の定期報告を行っております。
監査役と内部監査部門の連携状況については、監査役と内部監査部門である内部監査室は、それぞれの監査の実効性を確保するため、定期的に会合を持つほか、必要な都度、情報交換や意見交換を行っております。また、監査役は、内部監査室より、内部監査の実施状況及び監査結果について説明を受け、意見交換を行うほか、必要に応じ、内部監査室に対して調査を求めております。
監査役と会計監査人の連携状況については、監査役と会計監査人である有限責任 あずさ監査法人は、定期的に会合を持つほか、必要な都度、意見交換を行っております。監査役は、会計監査人より、その監査計画、監査の実施状況並びに四半期レビュー結果及び期末の監査結果(財務報告に係る内部統制監査を含む。)について説明を受け、意見交換を行っております。また、監査役からは、会計監査人に対し、監査役監査の計画、実施状況及び結果を説明し、意見交換を行っております。
3.会計監査の状況
a. 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b. 継続監査期間
42年間
c. 業務を遂行した公認会計士
龍田佳典、小池亮介、江﨑真護
d. 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士716名、その他551名であります。
e. 監査法人の選定方針と理由
当社は、会計監査人の選定及び評価に関しては、監査の品質管理に関する取り組み状況が十分であること、国際的なネットワークを有していること、監査の独立性が担保されていること等を総合的に検討し、問題なしと判断したので、有限責任 あずさ監査法人を選任及び再任をしております。
f. 監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社の監査役及び監査役会は、監査法人の評価を行っており、有限責任 あずさ監査法人について、監査の品質は十分であり、会計監査人としての適格性及び独立性を害する事由等の発生はなく、適正な監査の遂行が可能であると評価しております。
4.監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
(注) 当連結会計年度の監査証明業務に基づく報酬には、当社の過年度訂正に係る監査業務に対する報酬903百万円
が含まれております。
前連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、主に再生可能エネルギー促進賦課金減免申請に関する確認業務であります。連結子会社における非監査業務の内容は、財務デューデリジェンス業務であります。
当連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、主に再生可能エネルギー促進賦課金減免申請に関する確認業務であります。
b. 監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGメンバーファーム)に対する報酬(a.を除く)
前連結会計年度
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務に関するアドバイザリー業務に係るもの等であります。
当連結会計年度
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務に関するアドバイザリー業務に係るもの等であります。
c. その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前連結会計年度
当社の連結子会社であるHITEC Holding B.V.及びその連結子会社は、Deloitte & Touche LLPに対して監査証明業務に基づく報酬として71百万円、AIR WATER AMERICA INC.及びその連結子会社は、Baker Tilly US, LLPに対して監査証明業務に基づく報酬として37百万円を支払っております。
当連結会計年度
当社の連結子会社である㈱歯愛メディカル及びその連結子会社は、アーク有限責任監査法人に対して監査証明業務に基づく報酬として83百万円、HITEC Holding B.V.及びその連結子会社は、Deloitte & Touche LLPに対して監査証明業務に基づく報酬として76百万円、AIR WATER AMERICA INC.及びその連結子会社は、Baker Tilly US, LLPに対して監査証明業務に基づく報酬として42百万円を支払っております。
d. 監査報酬の決定方針
当社は、監査日数、当社の規模・業務の特性等の要素を勘案して、監査報酬を決定しております。
e. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務執行状況及び報酬見積りの算出根拠などを確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等について適切であると判断したため、会社法第399条第1項の同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当社は、取締役会決議に基づき、当社の取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を図り、各々の取締役がその果たすべき役割を最大限発揮するためのインセンティブとして十分に機能するとともに、優秀な人材を確保・維持できる報酬体系とし、個々の取締役の報酬の決定に際しては各取締役の役割と責任及び業績を踏まえた適正な水準とすることを基本方針としており、具体的には、取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬等及び株式報酬(社外取締役を除く。)により構成しております。
基本報酬は、月例の固定報酬とし、当社の事業内容及び経営環境における各種ファンダメンタルズや、役位、職責に応じて他社水準、当社の業績、従業員の水準をも考慮しながら、総合的に勘案して決定いたします。
業績連動報酬等は、事業年度ごとの業績目標を達成するための短期インセンティブとして業績指標を反映した現金報酬とし、各事業年度の連結売上収益・営業利益、各部門の目標(部門毎の営業利益、ミッション)等に対する達成度合いに応じて算出された額を賞与として毎年、一定の時期に支給いたします。目標となる業績指標とその値は、経営計画と整合するよう計画策定時に設定し、適宜、環境の変化に応じて見直しを行います。
非金銭報酬等は、譲渡制限付株式とし、中長期的な企業価値向上に向けた取り組みや株主の皆様との一層の価値共有を促進することを目的として、一定の譲渡制限期間を設けたうえで、当社普通株式を交付いたします。
譲渡制限付株式は、原則として毎年、当社と付与対象者との間で譲渡制限契約(譲渡制限付株式割当契約)を締結したうえで、役位に応じて決定された数の当社普通株式を交付するものとし、株主価値の共有を中長期にわたって実現するため、譲渡制限期間は、株式交付日から取締役又はその他当社取締役会で定める地位のいずれも退任又は退職する日までの期間といたします。
取締役の報酬の構成割合については、同業種あるいは同規模の他企業の報酬水準レンジとの妥当性を踏まえ、基本報酬、業績連動報酬等、非金銭報酬等それぞれについて、7対2対1の割合を目安としております。
なお、社外取締役及び監査役の報酬については、基本報酬のみとしております。また、各監査役の報酬額については、株主総会の決議により定めた報酬総額の範囲内で、監査役の協議により決定しております。
② 役員の報酬等についての株主総会の決議に関する事項
取締役の金銭報酬の額は、2022年6月28日開催の第22期定時株主総会において年額1,130百万円以内(うち社外取締役分は80百万円以内)と決議いただいております(使用人兼務取締役の使用人分給与は含まない。)。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は11名(うち社外取締役は4名)であります。
また、当該金銭報酬とは別枠で、2019年6月26日開催の第19期定時株主総会において、取締役(社外取締役を除く。)に対する株式報酬として年額100百万円以内、株式数の上限を年125,000株以内と決議いただいております。当該定時株主総会終結時点の取締役(社外取締役を除く。)の員数は18名であります。
監査役の金銭報酬の額は、2025年6月26日開催の第25期定時株主総会において年額120百万円以内と決議いただいております。当該定時株主総会終結時点の監査役の員数は5名であります。
③ 取締役の個人別の報酬等の内容の決定に係る委任に関する事項
取締役の報酬等の総額については、あらかじめ株主総会において決議された報酬限度額の範囲内で、取締役会の任意の諮問機関であり独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会において十分な審議の上で作成した案について、2025年6月の取締役会において決定し、各取締役への具体的な支給時期および配分については、最高経営責任者(CEO)であり、代表取締役会長であった豊田喜久夫に一任することとしておりました。その権限の範囲は、各取締役の基本報酬および賞与の額ならびに譲渡制限付株式の数であります。これらの権限を委任した理由は、当社全体の業績を俯瞰しつつ各取締役の担当領域や職責の評価を行うには最高経営責任者(CEO)が最も適していたからであります。
その後、2026年6月29日開催の取締役会において、取締役報酬の決定プロセスの一層の客観性および透明性の向上を図るため、独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会の審議・答申を経て、取締役会が個別に決定する運用へ変更いたしました。
取締役の報酬等は、株主総会で承認された報酬限度額の範囲内で、取締役会が定める報酬方針および報酬基準に基づき決定しております。報酬基準については、外部報酬サーベイ、市場水準、経営環境および役割・責任の大きさ等を総合的に勘案し、指名・報酬委員会が原案を策定したうえで取締役会において決定しております。また、取締役の報酬は、基本報酬、業績連動報酬および非金銭報酬(株式報酬)により構成しており、固定(基本報酬)と変動(賞与・株式報酬)の報酬比率については、代表取締役は概ね4:6、代表取締役以外の社内取締役は概ね6:4とし、社外取締役は固定(基本報酬)のみとしております。
指名・報酬委員会は、報酬方針および報酬基準に基づき各取締役の報酬案を作成しており、その関与により報酬決定プロセスにおける客観性および透明性を確保しております。取締役会は、同委員会の答申内容が当社の報酬方針に沿うものであることを確認しており、取締役の個人別の報酬等の内容は当該方針に沿うものであると判断しております。
④ 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)1 業績連動報酬等として取締役に対して賞与を支給しております。
2 非金銭報酬等は、譲渡制限付株式報酬制度に基づく当事業年度における費用計上額を記載しております。
3 上記には、2025年12月3日付で辞任した取締役1名並びに2026年2月13日付で辞任した取締役1名
を含んでおります。
4 上記の非金銭報酬等の額は、当社が豊田喜久夫氏より無償取得した譲渡制限付株式報酬69,989株相当額の
うち、当事業年度に交付した16,592株(36百万円)を控除して記載しております。
5 上記のほか、2025年12月3日付で当社代表取締役会長を辞任し、同日付で相談役に就任した豊田喜久夫氏に
対し、相談役報酬として27百万円を支払っております。なお、同氏は2026年3月31日付で相談役を辞任して
おります。
6 今回の不適切会計事案に関する処分を目的として、2026年4月以降、取締役および監査役に対し、月額報酬
の全部または一部を自主返上する措置を実施しております。
⑤ 役員ごとの連結報酬等の総額等
(注) 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しております。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が専ら株式の価値の変動又は配当によって利益を受けることを目的とする株式を純投資目的である株式とし、それ以外を純投資目的以外の目的である投資株式と区分しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
(保有方針)
当社は、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式を、取引先との関係維持・拡大並びに取引機会の創出を目的として保有しております。新規取得及び保有継続の是非については、保有先企業との取引関係、提携・協業等の協力関係等が中長期的に当社グループの企業価値の向上に資するかどうかを判断基準としております。
当社を取り巻く環境の変化によって、これらの目的が極度に縮小したり、消失する場合には、当該株式は処分することになります。その場合は、マーケットに大きな影響を与えないように計画的・定期的な処分を実施する方針です。
また、当社が投資株式を保有している当該株式発行会社が、当社の株式を保有している場合(いわゆる持合株式)において、先方が当社株式の売却意向を示された場合には、その意思を尊重いたします。
(保有の合理性を検証する方法)
当社は、個別の銘柄ごとに、当社グループとの営業取引の便益と配当金の合計が当社の資本コストに見合っているか、及び中長期的に当社グループの企業価値の向上に資するという保有目的に沿っているかを精査し、毎年、取締役会において検証を行っております。
保有の意義や合理性が認められない銘柄は売却し、縮減するなど見直しております。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注)1「―」は、当銘柄を保有していないことを示しております。
2 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
3 定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性は保有に伴う便益やリスクが当社の資本コストに見合っているのか、及び中長期的に当社グループの企業価値の向上に資するという保有目的に沿っているかを精査し、2026年1月の取締役会において検証しております。
4 当社株式の保有の有無については、銘柄が持株会社の場合はその主要な子会社の保有分を勘案し記載しております。
5 三井化学㈱は、2025年12月31日を基準日として普通株式1株を2株とする株式分割を行っております。
6 日本製鉄㈱は、2025年9月30日を基準日として普通株式1株を5株とする株式分割を行っております。
7 小池酸素工業㈱は、2025年3月31日を基準日として普通株式1株を5株とする株式分割を行っております。
みなし保有株式
(注)三井化学㈱は、2025年12月31日を基準日として普通株式1株を2株とする株式分割を行っております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループは多様な事業を基盤としつつ、経営戦略と両輪をなす人事戦略を進めております。人的資本を企業価値の中核と位置づけ、グループ横断での人材活用と成長機会の提供により、企業価値向上を図ってまいります。さらに、継続する物価高をはじめとする外部環境を踏まえた適正な賃金水準の維持・向上に努めることで、従業員の意欲向上と持続的成長の実現を目指してまいります。
(2) 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数であり、従業員数欄の(外書)は、当連結会計年度の平均臨時雇用者数であります。
(2) 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 平均勤続年数、平均年齢及び平均年間給与は出向受入者を除いて算出しております。
4 使用人のみを対象としたストックオプション制度や株式報酬制度はございません。なお、役員を対象とした株式報酬制度については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「23.株式報酬」に記載しております。
(3) 労働組合の状況
労使関係については、特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「―」は男性の育児休業取得の対象となる従業員がいないことを示しております。
3 女性の賃金が男性より低い(男性平均年間給与比60.5%)理由は、女性の平均年齢は38.1才と男性よりも約7才若いこと及び女性管理職比率が5.9%であることが要因となっております。
女性管理職比率の向上については、様々な取り組みを継続して行っております。
②連結子会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「―」は男性の育児休業取得の対象となる従業員がいないことを示しております。
3 男性育休取得率の算出については、厚生労働省の方針に基づいており、前年度以前に配偶者が出産した社員が当該年度に育児休業等を取得した場合は取得率が100%を超える場合があります。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っております。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、又は会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入しております。また、監査法人や専門的情報を有する団体等が主催するセミナーへの参加や会計専門誌の定期購読等を行うことにより連結財務諸表等の適正性確保に取り組んでおります。
4.IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備
当社は、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに準拠したグループ会計マニュアルを作成し、IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
エア・ウォーター㈱(以下、「当社」という。)は日本に所在する株式会社であります。当社の登記している本社の住所は、大阪市北区であります。
当社及び子会社(以下、「当社グループ」という。)の連結財務諸表は、3月31日を期末日とし、当社グループ並びに当社グループの関連会社及び共同支配の取決めに対する持分により構成されております。
当社グループは、デジタル&インダストリー、エネルギーソリューション、ヘルス&セーフティー、アグリ&フーズ並びにその他の製品・サービスの製造・販売を行っております。各事業の内容については、注記「5.事業セグメント」に記載しております。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。当社は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしていることから、同312条の規定を適用しております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」に記載している退職給付に係る負債(資産)及び公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示しているすべての財務情報は、百万円未満を切り捨て表示しております。
(4) 連結財務諸表の承認
当社グループの連結財務諸表は、2026年7月31日に当社代表取締役社長執行役員によって承認されております。
(5) 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
当社グループの連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行う必要があります。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りが変更された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の判断、見積り及び仮定に関する主な情報は、以下のとおりであります。
・非金融資産の減損(「13.非金融資産の減損」)
・繰延税金資産の回収可能性(「15.法人所得税」)
・引当金(「18.引当金」)
・確定給付制度債務の測定(「21.従業員給付」)
・偶発負債(「38.偶発事象」)
当社グループは会計上の見積りの前提として、次期(2027年3月期)の事業環境については、国内外における経済情勢や市場動向等を踏まえた不確実性が引き続き存在するものと仮定しております。
なお、見積りの前提に変化が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。
(6) 未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた主な公表済基準書及び解釈指針のうち、当連結会計年度末において未適用の主な基準書は下記のとおりであります。なお、適用による連結財務諸表への影響は検討中であります。
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、その企業を支配していると判断しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループで統一された会計方針に基づき作成された各グループ企業の財務諸表を用いております。子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。
子会社の決算日が当社グループの連結決算日と異なる場合には、連結決算日現在に実施した仮決算に基づく子会社の財務諸表を使用し、連結を行っております。
子会社の連結は、当社グループが子会社に対する支配を獲得した日から開始し、子会社に対する支配を喪失した日に終了いたします。
当社グループ間取引、並びに当該取引から発生した債権債務残高及び未実現損益は相殺消去しております。
支配の喪失を伴わない子会社に対する持分の変動があった場合には、資本取引として会計処理を行い、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
支配を喪失した場合には、当社グループは残存する投資の支配を喪失した日の公正価値で測定し認識しております。支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益として認識しております。
子会社の純資産に対する非支配持分は、当社グループの持分とは別個に識別しております。なお、子会社の包括利益は、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが当該企業に対し、財務及び営業の方針決定に重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配を有していない企業をいいます。
当社グループは、関連会社に対する投資を、持分法を用いて会計処理しております。
持分法において関連会社に対する投資は、取得時に取得原価で認識され、取得後の関連会社の純資産の変動に対する当社グループの持分を調整して、連結財政状態計算書に計上しております。
連結損益計算書には関連会社の業績に対する当社グループの持分を反映させております。関連会社のその他の包括利益に認識される金額に変動がある場合には、当該変動に対する当社グループの持分はその他の包括利益で認識しております。
当社グループと関連会社との間の取引から生じる未実現損益に対する当社グループの持分を消去するため、連結財務諸表において調整を行っております。
他の株主との関係等により、決算日を統一することが実務上不可能であるため、決算日の異なる持分法適用会社に対する投資を有しており、決算日の相違により生じる重要な取引又は事象がある場合には、必要な調整を行っております。
関連会社に対する重要な影響力を喪失した場合、当社グループは残存する投資を重要な影響力を喪失した日の公正価値で測定し認識しております。重要な影響力の喪失から生じた利得及び損失は純損益として認識しております。
③ 共同支配の取決め
共同支配の取決めとは、関連性のある活動に係る意思決定について支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする取決めをいいます。
ジョイント・ベンチャー(共同支配企業)とは、取決めに対する共同支配を有する当事者が、当該取決めの純資産に対する権利を有している場合の共同契約をいいます。
当社グループは、ジョイント・ベンチャーに対する持分を有する場合、当該持分を、持分法を用いて会計処理しております。
ジョイント・オペレーション(共同支配事業)とは、共同支配を有する当事者が共同支配の取決めに関連性のある資産に対する権利及び負債に対する義務を実質的に有している事業をいいます。
当社グループは、ジョイント・オペレーションに対する持分を有する場合、当該ジョイント・オペレーションに係る投資については、共同支配の営業活動から生じる資産、負債、収益及び費用のうち、当社グループの持分相当額のみを認識しております。
ジョイント・オペレーションとの取引、並びに当該取引から発生した債権債務残高及び未実現損益は、相殺消去しております。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。
移転した対価は、取得企業が移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び取得企業が発行した資本持分の取得日における公正価値の合計で計算しております。
被取得企業に対する非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の公正価値に対する非支配持分割合相当額のいずれかにより測定しております。
企業結合に伴って発生した取得関連コストは、発生時の費用として認識しております。
当社グループが事業を取得する場合、取得日における契約条件、経済状況及び関連する諸条件に基づき、取得資産及び引受負債の分類及び指定を行っております。また、取得した識別可能資産及び引受負債は、原則として、取得日の公正価値で測定しております。
企業結合が段階的に行われた場合、被取得企業に対する支配獲得前に保有していた持分を取得日に公正価値で再評価し、その評価差額は純損益として認識しております。
取得日以前にその他の包括利益に計上されていた被取得企業の持分の金額は、取得企業がその持分を処分した場合と同じ方法で会計処理しております。
のれんは、移転した対価と非支配持分として認識された金額の総額が識別可能取得資産及び引受負債の純額を超過した額として測定しております。
移転した対価と非支配持分として認識された金額の総額が、識別可能取得資産及び引受負債の純額を下回る場合、その差額は純損益として認識しております。
当初認識後、企業結合で取得したのれんは償却せず、当初認識した金額から減損損失累計額を控除した金額で表示しております。また、のれんの減損テストについては、毎年かつ減損の兆候が存在する場合はその都度行っております。
(3) 外貨換算
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。また、当社グループ内の各企業はそれぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しております。外貨建取引は、取引日における直物為替相場又はそれに近似するレートにより機能通貨に換算しております。
外貨建ての貨幣性資産及び負債は、期末日の直物為替相場により機能通貨に換算しております。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。外貨建ての公正価値で測定される非貨幣性資産・負債は、その公正価値の測定日における直物為替相場により機能通貨に換算しております。外貨建ての取得原価に基づいて測定される非貨幣性項目は、取引日における直物為替相場により機能通貨に換算しております。非貨幣性項目の換算に係る換算差額は、通常、純損益として認識しますが、当該非貨幣性項目に係る利得又は損失がその他の包括利益に認識される場合には、換算差額もその他の包括利益に認識しております。
(4) 金融商品
① 金融資産(デリバティブを除く)
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、営業債権を、これらの発生日に当初認識しております。その他のすべての金融資産は、当社グループが当該金融資産の契約当事者となった日に当初認識しております。
当社グループは、金融資産を、(a) 償却原価で測定される金融資産、(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産、(c) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しており、この分類は金融資産の当初認識時に決定しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融商品の取引コストは発生時に純損益で認識し、その他のすべての金融商品については、公正価値に取引コストを加算した金額で当初測定しております。ただし、営業債権については取引価格で測定しております。
(a) 償却原価で測定される金融資産
負債性金融商品は、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づ いて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
負債性金融商品は、次の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収及び金融資産の売却を目的とした事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
投資先との取引関係の維持又は強化を主な目的として保有する株式などの資本性金融商品は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産として指定し、当該指定を継続的に適用しております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
ただし、純損益を通じて公正価値で測定しない金融資産に対し、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産として指定することにより、会計上のミスマッチを除去又は大幅に低減する場合には、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産として指定する取消不能な選択をする場合があります。
(ⅱ) 事後測定
金融資産は当初認識後、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産については、実効金利法による償却原価で測定しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産(資本性金融商品)
公正価値で測定し、その変動額はその他の包括利益として認識しております。
ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品については、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には利益剰余金に振り替えております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産を譲渡し、ほとんどすべてのリスクと経済価値が移転した場合に、金融資産の認識を中止しております。
当社グループがリスクと経済価値のほとんどすべてを移転しないが保持もせず、譲渡した金融資産を支配し続ける場合には、継続的関与の範囲内において当該金融資産の認識を継続しており、その場合には、関連する負債も認識しております。
(ⅳ) 減損
当社グループは、金融資産の減損の測定にあたっては、期末日ごとに償却原価で測定する金融資産に当初認識時点からの信用リスクの著しい増加があるかどうかに基づいております。
なお、償却原価で測定する金融資産について、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。ただし、営業債権については、当初から残存期間にわたる予想信用損失を認識しております。
一方、当初認識時点から信用リスクの著しい増加があった場合には、残存期間にわたる予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。
信用リスクが著しく増加しているか否かは、デフォルトリスクの変化に基づいて判断しており、デフォルトリスクに変化があるかどうかの判断にあたっては、主に延滞(期日超過情報)を考慮しております。
当社グループにおいて、債務者の重大な財政的困難、契約上の支払の期日経過が長期間延滞するなど金融資産の見積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える事象が生じた場合に債務不履行が生じていると判断しております。
いずれの金融資産についても、債務者の深刻な財政難、債務者の破産等の法的整理の手続の開始等の場合には、信用減損金融資産として取り扱っております。
また、予想信用損失は、貨幣の時間的価値、過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測等についての、報告日において過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を反映する方法で見積っております。
また、予想信用損失は、契約上受け取ることのできる金額と、過去の信用損失等に基づいて受取りが見込まれる金額との差額の割引現在価値に基づいて測定しております。
なお、法的に債権が消滅する場合等、債権の回収が合理的に見込めない場合には、金融資産の帳簿価額を直接償却しております。
② 金融負債(デリバティブを除く)
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、デリバティブ以外の金融負債を償却原価で測定される金融負債に分類しており、この分類は金融負債の当初認識時に決定しております。すべての金融負債は、当社グループが契約当事者となった日に当初認識しております。
(ⅱ) 事後測定
償却原価で測定される金融負債は、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失は、純損益として認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
当社グループは、金融負債の義務の履行、免除、又は失効、並びに大幅に異なる条件による交換、又は大幅に異なる条件に変更した場合に認識を中止しております。
(ⅳ) 非支配株主へ付与されたプット・オプション
非支配株主に対してプット・オプションを付与した場合は、当該プット・オプションに係る非支配持分の認識を中止し、当該プット・オプションの償還金額の現在価値を金融負債として認識するとともに、差額を資本剰余金として処理しております。当初認識後の変動については資本剰余金に認識しております。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスクや金利リスクをヘッジするために、為替予約、金利スワップ契約のデリバティブを利用しております。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しております。
デリバティブの公正価値変動額は純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しております。
当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ会計を適用しようとするヘッジ関係並びにヘッジを実施するにあたってのリスク管理目的及び戦略について、公式に指定及び文書化を行っております。当該文書は、具体的なヘッジ手段、ヘッジ対象となる項目又は取引並びにヘッジされるリスクの性質及びヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺する際のヘッジ手段の公正価値変動の有効性の評価方法などを含めております。当社グループは、ヘッジ開始時及び継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するために有効であるかを評価しております。具体的には、ヘッジ対象とヘッジ手段との間の経済的関係が相殺をもたらす場合においてヘッジが有効であると判断しております。
ヘッジ会計に関する厳格な要件を満たすヘッジは、国際財務報告基準第9号「金融商品」に基づき以下のように分類し、会計処理を行っております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに純損益として認識しております。
その他の包括利益に計上したヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識している金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。
ヘッジ手段が失効、売却、又は他のヘッジ手段への入替えや更新が行われずに終了又は行使された場合、若しくはリスク管理目的の変更等ヘッジ会計が中止された場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識されていた累積損益は、予定取引が発生するか又は発生が見込めなくなるまで引き続き資本に計上しております。
一方、予定取引の発生がもはや見込まれない場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。
④ 金融商品の公正価値
期末日現在で活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表価格又はディーラー価格を参照しております。
活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法又は取引先金融機関から提示された価格等を参照して算定しております。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費、及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のすべての原価を含めております。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額とのいずれか低い額で測定しております。原価の算定にあたっては、主として加重平均法を使用しております。また、正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しております。
(7) 有形固定資産
当社グループは、有形固定資産の測定に原価モデルを採用しております。
有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用、並びに資産計上の要件を満たす借入コストを含めております。
土地以外のすべての有形固定資産については、見積耐用年数にわたり、主として定額法で減価償却を実施しております。有形固定資産の見積耐用年数及び償却方法は、期末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
主な有形固定資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
建物及び構築物 2-65年
機械装置及び運搬具 2-50年
工具、器具及び備品 2-38年
(8) 無形資産
当社グループは、無形資産の測定に原価モデルを採用しております。
無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識に際し取得原価で測定し、企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。なお、内部創出の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として認識しております。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却し、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。耐用年数を確定できる無形資産の見積耐用年数及び償却方法は、期末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
主な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
ソフトウェア 1-10年
その他の無形資産 2-50年
耐用年数が確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産のうち、商標権については、事業が継続する限り基本的に存続するため、将来の経済的便益が流入する期間が予見できないと判断し、耐用年数を確定できないものと判断しております。
耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については、償却を行わず、毎期個別に又は各資金生成単位で減損テストを実施しております。さらに、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。
(9) リース
① 借手としてのリース
当社グループは、契約開始時に、契約にリースが含まれているか否かを判断しております。
リースの開始日において、使用権資産及びリース負債を認識しております。
使用権資産は開始日において取得原価で当初測定しております。この取得原価は、リース負債の当初測定額に、開始日又はそれ以前に支払ったリース料を調整し、発生した当初直接コストと原資産の解体及び除去、原資産又は原資産の設置された敷地の原状回復の際に生じるコストの見積りを加え、受領済みリース・インセンティブを控除して算定しております。開始日後においては、原価モデルを適用して、取得価額から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しております。原資産の所有権がリース期間の終了時までに借手に移転する場合又は、使用権資産の取得原価が購入オプションを行使することを反映している場合には、使用権資産を開始日から原資産の耐用年数の終了時までに定額法により減価償却しております。それ以外の場合は、開始日から使用権資産の耐用年数又はリース期間の終了時のいずれか早い時まで定額法により減価償却しております。使用権資産の見積耐用年数は、自己所有の有形固定資産と同様に決定しております。さらに、使用権資産は、(該当ある場合)減損損失によって減額され、特定のリース負債の再測定に際して調整されます。
リース負債は、開始日において同日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しております。開始日後においては、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映させて帳簿価額を増減しております。リース負債を見直した場合又はリースの条件変更が行われた場合には、リース負債を再測定し使用権資産を修正しております。
リース負債の測定に含めるリース料総額は、以下で構成されます。
・固定リース料(実質的な固定リース料を含む)
・指数又はレートに基づいて算定される変動リース料。当初測定には開始日現在の指数又はレートを用いる
・残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額
・当社グループが行使することが合理的に確実である場合の購入オプションの行使価格、延長オプションを行使することが合理的に確実である場合のオプション期間のリース料、及びリースの早期解約に対するペナルティの支払額(当社グループが早期解約しないことが合理的に確実な場合を除く)
リース負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。指数又はレートの変動により将来のリース料が変動した場合、残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額の見積りが変動した場合、又は購入、延長、あるいは解約オプションを行使するかどうかの判定が変化した場合、リース負債は再測定されます。
このようにリース負債を再測定する場合、対応する修正は使用権資産の帳簿価額を修正するか、使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額されている場合には損益として認識しております。
当社グループは、リース期間が12か月以内の機械の短期リース及び少額資産のリースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しております。当社グループは、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
② 貸手としてのリース
オペレーティング・リースによるリース料について、リース期間にわたって定額法により連結損益計算書に認識しております。
③ セール・アンド・リースバック取引
セール・アンド・リースバック取引は売手である借手から買手である貸手への資産の譲渡が売却に該当するか否かを国際財務報告基準第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下、「IFRS第15号」という。) に基づいて判断しております。資産の売却に該当する場合は、売手である借手は、リースバックから生じた使用権資産を、資産の帳簿価額に基づき測定し、リースバックされなかった部分の損益のみを認識しております。資産の売却に該当しない場合は、売手である借手は、譲渡した資産を引き続き認識するとともに、譲渡収入と同額の金融負債を認識し、金融取引として処理しております。
(10) 非金融資産の減損
① 非金融資産の減損
当社グループは、期末日時点で資産に減損の可能性を示す兆候の有無を判定しております。減損の兆候がある場合、及び資産に年次の減損テストが必要な場合、当社グループはその資産の回収可能価額を測定しております。資産の回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い金額としており、個々の資産について回収可能価額を測定することができない場合には、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を測定しております。資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識しております。使用価値の測定にあたっては、貨幣の時間価値及びその資産に特有のリスクについて現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いて、見積将来キャッシュ・フローの割引現在価値を計算しております。
また、処分コスト控除後の公正価値の測定にあたっては、インカム・アプローチ(割引キャッシュ・フロー法)又はマーケット・アプローチ(類似企業比較法等)を使用しております。
なお、将来キャッシュ・フローの見積りは、経営者により承認された事業計画を基礎としており、事業計画の予測の期間を超えた後の将来キャッシュ・フローは、個別の事情に応じた長期平均成長率をもとに算定しております。
のれんは、取得日以降企業結合のシナジーによる便益が生じると期待される個々の資金生成単位に配分しております。
のれん又は耐用年数を確定できない無形資産、及び未だ使用可能でない無形資産は、減損の兆候がある場合又は少なくとも年次で、減損テストを実施しております。
② 減損の戻入れ
のれん以外の資産に関しては、期末日時点で過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかについて評価を行っております。そのような兆候が存在する場合は、当該資産、資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、当該資産、資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却累計額控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻し入れております。なお、減損損失の戻入れは、純損益として認識しております。
のれんについては、減損損失の戻入れを行っておりません。
(11) 売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
非流動資産(又は処分グループ)の帳簿価額が、継続的使用よりも主として売却取引によって回収が見込まれる場合に、「売却目的で保有する非流動資産」に分類しております。なお、1年以内に売却の可能性が非常に高く、かつ当該資産(又は処分グループ)が現在の状態で直ちに売却可能である場合にのみ、上記要件に該当するものとしております。売却目的保有に分類した非流動資産(又は処分グループ)については、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しております。
売却目的保有に分類した資産のうち有形固定資産及び無形資産については、減価償却又は償却を行っておりません。
非継続事業には、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成単位が含まれており、当社グループの1つの事業を構成し、その1つの事業の処分の計画がある場合に認識しております。
(12) 借入コスト
意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産に関して、その資産の取得、建設又は製造に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。なお、その他の借入コストはすべて、発生した期に費用として認識しております。
(13) 従業員給付
① 退職給付
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しております。
確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を使用して制度ごとに個別に算定しております。
割引率は、期末日時点の優良社債の利回りに基づき算定しております。
確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した純額にアセットシーリングの影響を加味して資産又は負債として認識しております。
確定給付制度に係る負債又は資産の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識した後、直ちに利益剰余金に反映しております。また、過去勤務費用は、発生した期の費用として処理しております。
確定拠出型の退職給付に係る掛金は、従業員が勤務を提供した期間に費用として認識しております。
② その他の長期従業員給付
退職後給付制度以外の長期従業員債務として、一定の勤続年数に応じた特別休暇や年休特別休暇制度を有しております。
その他の長期従業員給付に対する債務額は、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として稼得した将来給付の見積額を現在価値に割り引いた額で計上しております。
(14) 引当金
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の債務(法的又は推定的)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
貨幣の時間価値の影響に重要性がある場合には、債務を決済するために必要となると見込まれる支出の現在価値で測定しております。現在価値の算定には、貨幣の時間価値と負債に固有のリスクについての現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いております。
(15) 資本
① 普通株式
普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、その支払対価を資本の控除項目として認識しております。
自己株式を処分した場合には、帳簿価額と処分時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。
(16) 株式報酬
当社は、持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。
ストック・オプションは、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。ストック・オプションの公正価値は、付与日において、ブラック・ショールズモデルを用いて測定しております。
譲渡制限付株式は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。譲渡制限付株式報酬の公正価値は、付与日において、付与した資本性金融商品の公正価値を参照して測定しております。
(17) 収益
IFRS第15号の適用に伴い、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、「デジタル&インダストリー」「エネルギーソリューション」「ヘルス&セーフティー」
「アグリ&フーズ」の事業、及び「その他の事業」を営んでおります。
「デジタル&インダストリー」は、主に酸素・窒素・アルゴン等の産業ガスの製造・販売及び、機能材料等の製造・販売並びに、北米やインドをはじめとした海外における産業ガスの製造・販売、高出力UPS(無停電電源装置)事業を展開しております。
「エネルギーソリューション」は、主にLPガス・灯油の販売及び、LNG関連機器の製造・販売事業並びに炭酸ガス・水素ガスの製造・販売等の事業を展開しております。
「ヘルス&セーフティー」は、主に酸素等の医療用ガス、歯科材料、衛生材料、注射針、エアゾール製品等の製造・販売並びに、病院設備工事、病院サービス、在宅医療等の事業を展開しております。
「アグリ&フーズ」は、主に青果物の加工・流通及び冷凍食品・食肉加工等の製造・販売並びに清涼飲料水の製造受託を展開しております。
「その他の事業」は、一般貨物・食品・医療・環境等の物流サービスを展開する物流事業、業務用塩やマグネシア等を製造・販売する海水事業、木質バイオマスによる電力事業、エレクトロニクス関連専門商社事業等から構成しております。
① 物品の販売
製品の引渡時点において、顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断し、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。
② 役務の提供、機器工事契約
当社グループでは、以下の要件のいずれかに該当する場合には、サービスに対する支配を一定の期間にわたり移転するため、一定の期間にわたり当社グループの履行義務が充足されると判断し、履行義務の進捗度に応じて収益を認識しております。進捗度の測定方法は、顧客に移転する財又はサービスの性質を考慮しております。
・顧客が当社グループの履行によって提供される便益を、当社グループが履行するにつれて同時に受け取って消費する
・当社グループの履行が、資産(例えば、仕掛品)を創出するか又は増価させ、顧客が当該資産の創出又は増価につれてそれを支配する
・当社グループの履行が、当社グループが他に転用できる資産を創出せず、かつ、当社グループが現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を有している
上記の要件を満たさない場合には、役務提供の完了等により当社グループが顧客から対価の支払を受ける権利を得た時点で、当社グループの履行義務が充足されると判断しているため、当該時点で収益を認識しております。
また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。
なお、製品の販売契約における対価は、製品に対する支配が顧客に移転した時点から概ね1年以内に回収しており、重要な金利要素は含んでおりません。
(18) 政府補助金
政府補助金は、当社グループが補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを、費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益として認識しております。
資産に関する政府補助金は、補助金を繰延収益として認識し、関連する資産の耐用年数にわたり、規則的に純損益に認識しております。
(19) 法人所得税
当期及び過去の期間に係る当期税金は、税務当局に対して納付(又は税務当局から還付)されると予想される額で算定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、期末日において制定され又は実質的に制定されているものを使用しております。
繰延税金は、期末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との差額(一時差異)に基づいて算定しております。
原則として繰延税金負債はすべての将来加算一時差異について認識し、繰延税金資産は将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識しております。
ただし、例外として以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・将来加算一時差異がのれんの当初認識から生じる場合
・企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得(又は欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識から生じる場合
繰延税金負債は原則として全ての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異について認識しております。
繰延税金資産及び負債の帳簿価額(未認識の繰延税金資産を含む)については、期末日ごとに再検討を行っております。繰延税金資産及び負債は、期末日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、当該資産が実現する又は負債が決済される期の税率を見積り、算定しております。
IAS第12号「法人所得税」で定められる例外措置を適用し、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債について認識及び開示を行っておりません。
(20) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益の金額は、当社の普通株主に帰属する当期利益を、その期の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益の金額は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
4.追加情報
(不適切な会計処理について)
当社は2025年7月、連結子会社である日本ヘリウム株式会社で在庫を巡る不適切な会計処理が行われていることを発見しました。その後の社内調査を進めるなかで、2025年9月、同じく連結子会社であるエア・ウォーター・エコロッカ株式会社、エア・ウォーター・メカトロニクス株式会社、及び当社プラントガス部でも、在庫や貯蔵品等に係る不適切な会計処理が判明し、会計監査人による監査の実施過程でも、これらの会計処理に対して指摘を受けました。こうした状況を受け、当社は、社外の弁護士・公認会計士のサポートの下、社外監査役主導の社内調査を進めてきましたが、上記4案件において当社役職員の関与の可能性が生じるとともに、同様の事象が当社及び他のグループ会社で発生していないか、さらに十分な調査が必要となったため、2025年10月9日、外部専門家で構成される特別調査委員会を設置いたしました。
その後、当社は特別調査委員会から2026年2月12日に調査報告書(2026年2月9日時点)、2026年3月31日に調査報告書、2026年6月19日に追加調査報告書を受領しました。その結果、売上又は利益目標の達成に対する当社経営トップによる過度なプレッシャーを背景に、当社並びに相当数の子会社及び関連会社において、在庫の過大計上、資産評価損の先送り、売上の過大計上及び先行計上、不要な取引先を介在させた売上の嵩上げ、引当金の計上回避、資産性のない支出の資産計上等、売上や利益を嵩上げする目的で、様々な手法による不適切な会計処理が広範に行われていることが発見されました。特に、エア・ウォーター防災株式会社においては、仕掛品の過大計上、売上の期間帰属の操作、原価付替による利益操作等の不適切な会計処理のほか、これらの不適切な会計処理を隠蔽するための証憑の偽造が行われていました。また、株式会社日本海水においては、工場設備の定期修繕費及び労務費の恣意的な固定資産計上、本来純額で表示すべき代理人取引における売上の総額表示、事業部間における原価付替等による不適切な会計処理が行われていました。
当社は、特別調査委員会の調査結果を踏まえ、過年度の会計処理の適正性について、当社による追加的な自主点検を実施しました。その結果、不適切な会計処理を是正したことに伴う固定資産の減損損失の計上漏れ、関係会社投融資に係る評価損の計上漏れなどが新たに判明しました。そのため、過去に提出済みの有価証券報告書、半期報告書及び四半期報告書に含まれる連結財務諸表等について、これらの不適切な会計処理に伴う虚偽表示を遡って修正する必要があると判断し、有価証券報告書等の訂正報告書を提出しております。また、当連結会計年度の連結財務諸表等における虚偽表示を修正しております。
このうち、売上収益に関する虚偽表示の修正額は、当連結会計年度△64,714百万円(うち△57,789百万円が純額表示への修正、557百万円が期間帰属の修正)、前連結会計年度△62,859百万円(うち△55,962百万円が純額表示への修正、△5,880百万円が期間帰属の修正)であり、修正対象となった取引は多数に及んでおります。また、不適切な会計処理を隠蔽するための証憑の偽造が行われていたエア・ウォーター防災株式会社について、連結財務諸表に含まれる同社の当連結会計年度の売上収益は25,176百万円、売上原価は16,722百万円、前連結会計年度の売上収益は23,760百万円、売上原価は16,918百万円であります。
なお、当社は、過去に提出済みの有価証券報告書等の訂正に関連して、金融商品取引法に基づく開示規制違反に該当するとして、当局による調査や課徴金納付命令の対象になる可能性があり、調査が行われる場合には、調査への協力など適切に対応してまいります。一方、現時点では、当該事項が当社グループの財政状態及び経営成績に与える影響を合理的に見積もることは困難なため、連結財務諸表には反映しておりません。
(特別調査費用等及び過年度決算訂正関連費用)
当社グループでは、2026年3月期第2四半期(中間期)決算において不適切な会計処理が行われていたことが判明いたしました。
これに伴い、社外の独立した弁護士及び公認会計士等の外部専門家で構成される特別調査委員会の調査費用及び過年度決算訂正に関する費用が発生しています。また「企業風土改革」「ガバナンス改革」「経営管理基盤、内部統制の再構築」「全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)」の4項目を柱とする再発防止策の検討、および改善計画・状況報告書策定に際し外部専門家から支援を受けることによる費用が発生し、当連結会計年度に13,036百万円を販売費及び一般管理費に計上しています。
上記のほか、翌連結会計年度において本報告書提出日時点までに約11,226百万円の費用が発生しており、翌連結会計年度に費用として計上する予定です。ただし、外部専門家から支援される改善活動は継続しているため、最終的な計上額は増加する見込みです。
5.事業セグメント
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別に包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
従って、当社グループは製品・サービス別の事業セグメントから構成されており、報告セグメントを「デジタル&インダストリー」「エネルギーソリューション」「ヘルス&セーフティー」「アグリ&フーズ」「その他の事業」の5区分としております。
「デジタル&インダストリー」は、主に酸素・窒素・アルゴン等の産業ガスの製造・販売及び、機能材料等の製造・販売並びに、北米やインドをはじめとした海外における産業ガスの製造・販売、高出力UPS(無停電電源装置)事業を展開しております。
「エネルギーソリューション」は、主にLPガス・灯油の販売及び、LNG関連機器の製造・販売事業並びに炭酸ガス・水素ガスの製造・販売等の事業を展開しております。
「ヘルス&セーフティー」は、主に酸素等の医療用ガス、歯科材料、衛生材料、注射針、エアゾール製品等の製造・販売並びに、病院設備工事、病院サービス、在宅医療等の事業を展開しております。
「アグリ&フーズ」は、主に青果物の加工・流通及び冷凍食品・食肉加工等の製造・販売並びに清涼飲料水の製造受託を展開しております。
「その他の事業」は、一般貨物・食品・医療・環境等の物流サービスを展開する物流事業、業務用塩やマグネシア等を製造・販売する海水事業、木質バイオマスによる電力事業、エレクトロニクス関連専門商社事業等から構成しております。
(2) 報告セグメントの変更等に関する事項
当連結会計年度より、従来「その他の事業」に区分していた海外産業ガス(インド・北米)、高出力UPS事業及び国内のエンジニアリング事業を「デジタル&インダストリー」に、「デジタル&インダストリー」に区分していた炭酸・水素事業を「エネルギーソリューション」に、「デジタル&インダストリー」に区分していたマグネシア事業及びエレクトロニクス関連向け専門商社事業を「その他の事業」に移管しました。
なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
(3) 報告セグメントに関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表作成のために採用している会計処理の方法と同一であります。
報告セグメントの利益は営業利益であります。セグメント間の内部売上収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 セグメント間の内部売上収益又は振替高の調整額△36,859百万円はセグメント間取引消去であります。
2 セグメント利益の調整額△106百万円は、セグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない当社本社部門の損益に係るものであります。
3 セグメント資産の調整額173,998百万円の内容はセグメント間資産の消去及び各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。全社資産の主なものは、報告セグメントに帰属しない現預金、金融資産、全社共有設備等であります。
4 減損損失の調整額3百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。
5 持分法による投資利益の調整額1,762百万円は、各報告セグメントに配分していない全社利益であります。
6 資本的支出の調整額3,085百万円は主に報告セグメントに帰属しない全社資産等であります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1 セグメント間の内部売上収益又は振替高の調整額△31,939百万円はセグメント間取引消去であります。
2 セグメント利益又は損失(△)の調整額△18,197百万円は、セグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない当社本社部門の損益に係るものであります。
3 セグメント資産の調整額194,649百万円の内容はセグメント間資産の消去及び各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。全社資産の主なものは、報告セグメントに帰属しない現預金、金融資産、全社共有設備等であります。
4 減損損失の調整額504百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。
5 持分法による投資利益の調整額△21百万円は、各報告セグメントに配分していない全社利益であります。
6 資本的支出の調整額5,122百万円は主に報告セグメントに帰属しない全社資産等であります。
(4) 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(5) 地域ごとの情報
① 売上収益
外部顧客からの売上収益の地域別内訳は、以下のとおりであります。
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎としております。
② 非流動資産
非流動資産の地域別内訳は、以下のとおりであります。
(6) 主要な顧客ごとの情報
売上収益の10%以上を占める単一の外部顧客が存在しないため、記載を省略しております。
6.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財政状態計算書における現金及び現金同等物の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上の現金及び現金同等物の残高は一致しております。また、現金及び現金同等物は、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
7.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりであります。
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
8.棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりであります。
費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ2,528百万円及び119百万円であります。なお、これらの金額は売上原価に含まれております。
9.その他の金融資産
(1) 内訳
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりであります。
株式はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に、預金及び貸付金は償却原価で測定される金融資産に、デリバティブ資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に、その他は純損益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産4,470百万円(前連結会計年度は9,671百万円)、純損益を通じて公正価値で測定するその他481百万円(前連結会計年度は489百万円)及び償却原価で測定される金融資産7,863百万円(前連結会計年度は8,422百万円)にそれぞれ分類しております。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
すべての株式は、主に取引関係の維持強化のために保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に指定しております。
① 主な銘柄及び公正価値
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の主な銘柄及び公正価値は、以下のとおりであります。
② 受取配当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に関する受取配当金の内訳は、以下のとおりであります。
③ 認識を中止したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の一部は、取引関係の見直し等の観点から期中に処分しております。処分時の公正価値、処分時の累積利得又は損失は以下のとおりであります。
その他の資本の構成要素として認識されていた累積損益は、売却した場合及び取得原価に比し公正価値が著しく下落した場合にその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えており、当連結会計年度において、3,869百万円(前連結会計年度は1,602百万円)をその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えております。
10.その他の資産
その他の資産の内訳は以下のとおりであります。
11.有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減並びに取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりであります。
(注) 有形固定資産の帳簿価額に含まれる使用権資産については、「14.リース」に記載しております。
(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度において、有形固定資産の取得原価に含めた重要な借入コストはありません。
12.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減並びに取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりであります。
(注) 無形資産の償却費は、連結損益計算書において「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、重要な自己創設無形資産はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、費用として認識した研究開発費は、それぞれ5,032百万円及び5,102百万円であります。
13.非金融資産の減損
(1) 減損損失
減損損失は、連結損益計算書の「売上原価」又は「販売費及び一般管理費」、「その他の費用」に計上しております。
前連結会計年度(2025年3月31日)
デジタル&インダストリーに属するDohmeyerHolding BVBAでは、創業者への全株式売却による事業撤退の意思決定を行ったこと等から、関連する資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額しており、のれんについては1,691百万円の減損損失を計上しております。当該回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値(売却見込額)に基づいて評価しております。観察不能なインプットを含む評価技法を使用しているため、公正価値のヒエラルキーはレベル3に分類しております。
ヘルス&セーフティーに属する湖北爱沃特医疗气体有限公司では、中国における新工場の建設遅延に伴う建設コストの上昇や原材料費及び人件費が高騰したこと等から当初の事業計画を下回る結果となりました。その結果、関連する資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しており、1,422百万円の減損損失を計上しております。当該回収可能価額は、使用価値によって測定しておりますが、将来キャッシュ・フローに基づく評価額がマイナスであるため、割引率に係る記載を省略しております。
アグリ&フーズセグメントにおける冷凍ブロッコリー事業の将来の事業計画を見直した結果、買収時に想定していた超過収益力が低下したため、関連する資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、のれんについて889百万円の減損損失を計上しております。回収可能価額は、インカム・アプローチ(割引キャッシュ・フロー法)を使用した処分コスト控除後の公正価値を基に測定しており、当該公正価値測定のヒエラルキーはレベル3に分類しております。処分コスト控除後の公正価値の見積りにおいては、事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フロー及び割引率(税引前)17.8%といった主要な仮定を使用しております。
その他の事業に属する宏廣新技股份有限公司では、自社製造の電子工業用特殊ガスの事業立ち上げの遅れにより将来の事業計画を見直した結果、関連する資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しており、1,464百万円の減損損失を計上しております。当該回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値を基に測定しており、重要性の高い資産については主にコストアプローチを用いた第三者による不動産鑑定評価額に基づいて評価しております。再調達価額等の観察不能なインプットを含む評価技法を使用しているため、公正価値のヒエラルキーはレベル3に分類しております。
その他の事業に属する株式会社PTXでは、足元の事業計画において営業損失が見込まれること等から、関連する資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額しており、のれんについては908百万円の減損損失を計上しております。当該回収可能価額は、使用価値によって測定しておりますが、将来キャッシュ・フローに基づく評価額がマイナスであるため、割引率に係る記載を省略しております。
当連結会計年度(2026年3月31日)
デジタル&インダストリーに属するAir Water India Private Limitedでは、インドにおける産業ガス市場を取り巻く事業環境の変化を踏まえ、将来の需要動向に伴う販売数量及び販売価格の不確実性や主要顧客とのガス供給契約の更新が見込まれない可能性の影響を将来の事業計画に反映させることになったことから、買収時に想定していた超過収益力が低下しました。
その結果、のれん及び関連する資産の帳簿価額と回収可能価額との差額46,352百万円を減損損失として計上しており、のれんの帳簿価額21,912百万円全額の減損損失を計上しております。また、のれんの帳簿価額を超える金額について関連する資産を減損した結果、残高は27,166百万円となっております。
当該資金生成単位の回収可能価額は、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値により算定しておりますが、回収可能価額の算定手法の選択には経営者の判断を伴います。また、当該将来キャッシュ・フローの見積りは、主要顧客との契約更新見通し、販売数量及び販売価格を主要な仮定としております。
当連結会計年度の使用価値の算定に使用した割引率は、税引前加重平均資本コストの17.0%であります。なお、経営者が承認した5年間の事業計画を超える期間のキャッシュ・フローについては、長期成長率4.9%を使用して算定しております。
デジタル&インダストリーに属するPower Partners Private Limitedでは、他の競合メーカーによる東南アジアの無停電電源装置市場への参入により入札や価格競争が激しくなっており、買収時に想定していた超過収益力が低下しました。その結果、関連する資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、のれんについて4,627百万円の減損損失を計上し、のれんの残高は3,661百万円となっております。当該回収可能価額は、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値により算定しており、当該将来キャッシュ・フローの見積りには、過去の経験と外部環境を考慮して将来の売上収益を主要な仮定としております。当連結会計年度の使用価値の算定に使用した割引率は、税引前加重平均資本コストの16.0%です。なお、キャッシュ・フローの見積りにおいて、経営者が承認した5年間の予測を超える期間におけるキャッシュ・フローについては成長率を2.0%として使用価値を算定しております。
デジタル&インダストリーに属するAmerican Gas Products, Inc.では、米国におけるヘリウム市況を勘案し、価格下落リスクを将来の販売予測に織り込んだ結果、買収時に想定していた超過収益力が低下しました。その結果、関連する資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、のれんについて3,680百万円の減損損失を計上し、のれんの残高は3,137百万円となっております。当該回収可能価額は、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値により算定しており、当該将来キャッシュ・フローの見積りには、過去の経験と外部環境を考慮して将来の売上収益を主要な仮定としております。当連結会計年度の使用価値の算定に使用した割引率は、税引前加重平均資本コストの15.2%です。なお、キャッシュ・フローの見積りにおいて、経営者が承認した5年間の予測を超える期間におけるキャッシュ・フローについては成長率を2.2%として使用価値を算定しております。
デジタル&インダストリーに属するPhoenix Welding Supply LLC.では、米国アリゾナ市場における競合他社によるバルクガスの供給状況を勘案し、将来の販売計画を見直した結果、買収時に想定していた超過収益力が低下しました。その結果、関連する資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、のれんについて2,741百万円の減損損失を計上し、のれんの残高は1,778百万円となっております。当該回収可能価額は、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値により算定しており、当該将来キャッシュ・フローの見積りには、過去の経験と外部環境を考慮して将来の売上収益を主要な仮定としております。当連結会計年度の使用価値の算定に使用した割引率は、税引前加重平均資本コストの15.3%です。なお、キャッシュ・フローの見積りにおいて、経営者が承認した5年間の予測を超える期間におけるキャッシュ・フローについては成長率を2.2%として使用価値を算定しております。
デジタル&インダストリーに属するHitec Holding B.V.では、脱炭素に対する長期的な取組みの後退という世界的な動向を踏まえ、無停電電源装置の需要動向に対する不確実性を将来の販売予測に織り込んだことから、買収時に想定していた超過収益力が低下しました。その結果、関連する資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、のれんについて5,577百万円の減損損失を計上し、のれんの残高は1,194百万円となっております。当該回収可能価額は、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値により算定しており、当該将来キャッシュ・フローの見積りには、過去の経験と外部環境を考慮して将来の売上収益を主要な仮定としております。当連結会計年度の使用価値の算定に使用した割引率は、税引前加重平均資本コストの17.6%です。なお、キャッシュ・フローの見積りにおいて、経営者が承認した5年間の予測を超える期間におけるキャッシュ・フローについては成長率を2.0%として使用価値を算定しております。
ヘルス&セーフティーに属する株式会社歯愛メディカルでは、当連結会計年度中の連結子会社化後、当社グループとのシナジーに係る経営戦略の精査を行い、事業計画の一部見直しが生じたことから、買収時に想定していた超過収益力が低下しました。その結果、関連する資産及びのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、のれんについて12,980百万円の減損損失を計上し、のれんの残高は14,443百万円となっております。当該回収可能価額は、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値により算定しており、当該将来キャッシュ・フローの見積りには、過去の経験と外部環境を考慮して通信販売事業の売上高成長率を含む将来の売上収益を主要な仮定としております。当連結会計年度の使用価値の算定に使用した割引率は、税引前加重平均資本コストの16.4%です。なお、キャッシュ・フローの見積りにおいて、経営者が承認した5年間の予測を超える期間におけるキャッシュ・フローについては成長率を2.0%として使用価値を算定しております。
アグリ&フーズに属するEcofroz. S.A.では、天候不順等の影響による品質低下リスクを将来の冷凍ブロッコリー事業の販売予測に織り込んだ結果、買収時に想定していた超過収益力が低下しました。その結果、関連する資産及びのれんの帳簿価額と回収可能価額との差額3,099百万円を減損損失として計上しており、のれんの帳簿価額1,611百万円全額を減損しております。また、のれんの帳簿価額を超える金額については、関連する資産を減損しております。当該回収可能価額は、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値により算定しており、当該将来キャッシュ・フローの見積りには、過去の経験と外部環境を考慮して将来の売上収益を主要な仮定としております。当連結会計年度の使用価値の算定に使用した割引率は、税引前加重平均資本コストの18.2%です。なお、キャッシュ・フローの見積りにおいて、経営者が承認した5年間の予測を超える期間におけるキャッシュ・フローについては成長率を1.5%として使用価値を算定しております。
その他の事業に属するエア・ウォーター小名浜バイオマス電力株式会社では、インフレ及び円安の進行による経営環境の著しい悪化が認められたため減損の兆候を識別し、回収可能価額が関連する資産の帳簿価額を下回ったため、差額を減損損失として4,692百万円計上しております。
当該回収可能価額は、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値により算定しており、当該将来キャッシュ・フローの見積りには、過去の経験と外部環境を考慮して将来の原材料輸入価格を主要な仮定としております。当連結会計年度の使用価値の算定に使用した割引率は、税引前加重平均資本コストの5.0%です。なお、キャッシュ・フローの見積りにおいて、固定価格買取制度(FIT)の適用が認定されていることから、経営者が承認した5年間の予測を超える期間におけるキャッシュ・フローについてはFIT期間における将来キャッシュ・フローにより算定しており、成長率を0%として使用価値を算定しております。
その他の事業に属する株式会社日本海水TTS苅田パワーでは、急激な円安の進行及び発電効率の改善が認められないことが判明したことから減損の兆候を識別し、回収可能価額が関連する資産の帳簿価額を下回ったため、差額を減損損失として3,760百万円計上しております。
当該回収可能価額は、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値により算定しており、当該将来キャッシュ・フローの見積りには、過去の経験と外部環境を考慮して将来の原材料輸入価格を主要な仮定としております。当連結会計年度の使用価値の算定に使用した割引率は、税引前加重平均資本コストの4.7%です。なお、キャッシュ・フローの見積りにおいて、固定価格買取制度(FIT)の適用が認定されていることから、経営者が承認した5年間の予測を超える期間におけるキャッシュ・フローについてはFIT期間における将来キャッシュ・フローにより算定しており、成長率を0%として使用価値を算定しております。
(2) のれんの減損テスト
企業結合で取得したのれんは、企業結合のシナジーから便益が生じると期待される資金生成単位に配分しております。資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額(減損損失認識後)は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
のれんが配分された資金生成単位の回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い金額としております。
使用価値は、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、現在価値に割り引いて測定しております。事業計画は外部情報に基づき、過去の経験を反映したものであり、使用価値は原則として5年を限度としております。なお、見積期間を超えるキャッシュ・フローは、資金生成単位が属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積った成長率をもとに算定しております。売上収益の拡大等の計画には不確実性を伴い、これらの経営者による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。割引率(税引前)は、各資金生成単位の税引前加重平均資本コスト等を基礎に算定しており、前連結会計年度8.2%~22.1%、当連結会計年度9.0%~24.9%を用いております。割引率の決定にあたり採用した計算手法及びインプットデータの選択には高度な専門性を伴います。
なお、一部の資金生成単位は、株式市場における取引価格を基礎とした処分コスト控除後の公正価値を採用しており、当該公正価値は、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価手法により測定しております。処分コスト控除後の公正価値の測定にあたり採用した計算手法及び市場価格に対する調整の要否の判断には高度な専門性を伴います。
重要なのれんが配分された資金生成単位である㈱歯愛メディカルにおいて、のれんを14,443百万円計上しております。㈱歯愛メディカルは将来キャッシュ・フローに基づく使用価値によって評価を行っております。当該将来キャッシュ・フローの見積りには、過去の経験と外部環境を考慮して通信販売事業の売上高成長率を含む将来の売上収益を主要な仮定としております。当連結会計年度の使用価値の算定に使用した割引率は、税引前加重平均資本コストの16.4%です。なお、キャッシュ・フローの見積りにおいて、経営者が承認した5年間の予測を超える期間におけるキャッシュ・フローについては成長率を2.0%として使用価値を算定しております。当連結会計年度において回収可能価額は帳簿価額と等しく、仮に税引前加重平均資本コストが1%上昇した場合には、3,355百万円の減損損失が生じる可能性があります。
14.リース
(1) 借手のリース
① リースに関連する費用、キャッシュ・フロー及び使用権資産の増加
リースに関連する費用、キャッシュ・フロー及び使用権資産の増加は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1 変動リース料は太陽光発電設備の電力購入契約(PPA)における電力使用量等に連動したリース料であります。
2 セール・アンド・リースバック取引から生じた利得又は損失は重要ではありません。
② リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額
(単位:百万円)
③ 有形固定資産及び無形資産の帳簿価額に含まれる使用権資産の残高
有形固定資産及び無形資産の帳簿価額に含まれる使用権資産の帳簿価額及び増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
④ リース負債の満期分析
(単位:百万円)
(単位:百万円)
⑤ 借手におけるリース契約の補足情報
a.借手のリース活動の性質
当社グループは、事務所、土地、製造設備、車両等の一部を解約可能又は解約不能な契約に基づき賃借しております。リースの契約条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっております。
b.延長オプション及び解約オプションについて
当社グループにおいては、各社がリース管理に責任を負っており、リース条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっております。
延長オプション及び解約オプションは、当社グループの不動産及び設備に係るリースに多く含まれており、これらの条件は、契約管理の観点から運用上の柔軟性を最大化するために使用されます。
その多くは、1年間ないし原契約と同期間にわたる延長オプション、また6ヶ月前から1年前までに相手方に書面をもって通知した場合に早期解約を行うオプションとなっております。
これらのオプションは、リース契約主体が不動産及び設備を事業に活用する上で、必要に応じて使用されております。
c.残価保証について
当社グループのリース契約には残価保証が含まれているものがあります。当該残価保証について、当社グループがリース期間満了時に支払う見込まれる金額を使用権資産に含めており、一部は使用権資産の償却費として、一部はリース負債から生じる借入利息として、費用化しております。
d.セール・アンド・リースバック取引について
当社グループはガス供給設備等をセール・アンド・リースバック取引により、リースしております。当該契約について、セール・アンド・リースバック取引が売却である場合、当社グループは原資産の認識を中止し、リースバックから生じた使用権資産を、原資産の従前の帳簿価額のうち当社グループが保持する使用権の割合で算定された額で認識しており、リースバックされなかった部分から損益を認識しております。
15.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳及び増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
繰延税金資産及び負債の増減内容は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(2) 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の金額と失効予定は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
繰延税金資産を認識していない繰越税額控除の金額と失効予定は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
当社グループは日本国内において、グループ通算制度を適用しておりますが、上記には同制度の適用外である地方税(住民税及び事業税)に係る繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金の金額を含めておりません。地方税(住民税及び事業税)に係る将来減算一時差異の金額は、当連結会計年度末において54,593百万円(前連結会計年度末は10,082百万円)であり、繰越欠損金の金額は、当連結会計年度末において91,245百万円(前連結会計年度末は36,238百万円)であります。なお、地方税に係る繰越欠損金の期限切れは10年であります。
(3) 将来の課税所得に依拠した繰延税金資産
当連結会計年度及び前連結会計年度において税務上の繰越欠損金を認識している会社があり、それらの税務上の繰越欠損金については、前連結会計年度において将来の課税所得の発生が見込まれる範囲内で繰延税金資産を2,396百万円認識しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の発生の有無に依存しておりますが、繰延税金資産の認識にあたって使用した将来の課税所得は、経営者が承認した事業計画のもとで想定されたものであり、過去の計画と実績の推移からその実現可能性は高いことから、繰延税金資産の回収可能性に問題はないと判断しております。
(4) 繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異
前連結会計年度、当連結会計年度において、繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異はありません。
(5) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1 OECDは第2の柱モデルルールを公表しており、日本においては令和5年度税制改正により、グローバル・ミニマム課税に対応する法人税が創設され、それに係る規定を含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号))が2023年3月28日に成立しており、前連結会計年度より適用されております。この税制による当社の連結財務諸表への影響は軽微であります。
2 繰延税金費用には、従前は税効果未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額と、繰延税金資産の評価減又は以前に計上した評価減の戻入れにより生じた費用の額が含まれております。これに伴う当連結会計年度における繰延法人所得税の増加額は19,584百万円(前連結会計年度における増加額は2,474百万円)であります。
3 「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立したことに伴い、2026年4月1日に開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、法定実効税率を30.6%から31.5%に変更して計算しております。なお、この税率変更による影響は軽微であります。
(6) 適用税率の調整
当連結会計年度及び前連結会計年度において、当社グループは、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は30.6%となっております。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
継続事業における各年度の法定実効税率と平均実際負担税率との調整は以下のとおりであります。平均実際負担税率は税引前当期利益に対する法人所得税の負担割合を表示しております。
16.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定される金融負債に分類しております。
17.社債及び借入金
社債及び借入金は、債権流動化に伴う支払債務を除き償却原価で測定しております。
(1) 内訳
(注)1 「平均利率」は、借入金等の期末残高に対する表面金利の加重平均利率を記載しております。
2 社債の発行条件の要約は以下のとおりであります。
3 ㈱日本海水TTS苅田パワー(保証人:㈱日本海水)の長期借入金には財務制限条項が付されております。下記の財務制限条項に抵触したため、連結財政状態計算書上、長期借入金を前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ14,833百万円及び13,350百万円を流動負債として表示しております。
① 各事業年度の末日における借入人単体の貸借対照表の純資産の部(一定の調整後)の金額を2023年3月決算期末日における貸借対照表の純資産の部(一定の調整後)の金額の80%以上に維持すること。
② 各事業年度の末日における保証人単体の貸借対照表の純資産の部の金額を2019年3月決算期末日における貸借対照表の純資産の部の金額の50%以上に維持すること。
(注) ( )内は1年以内の償還予定額であります。
(2) 担保に供している資産
連結グループにおいて担保に供している資産及びそれに対応する債務は以下のとおりであります。
担保に供している資産
担保付債務
(3) 財務制限条項等の特約条項
2025年3月31日及び2026年3月31日における非流動負債の長期借入金の一部について財務制限条項等の特約条項が付されております。
当該財務制限条項等の特約条項に抵触した場合には、該当する契約上の債務について期限の利益を喪失する可能性があります。
主なものは以下のとおりであります。
財務制限条項等
① 各連結会計年度の末日における連結財政状態計算書に記載される資本合計の金額を直前連結会計年度の末日における連結財政状態計算書に記載される資本合計の金額の75%以上に維持すること。かつ、契約締結直前の連結会計年度の末日における連結財政状態計算書に記載される資本合計の金額の75%以上に維持すること。また、契約によっては、各連結会計年度の末日における、連結の貸借対照表に記載される純資産の部の金額を直前連結会計年度の末日における連結の貸借対照表に記載される純資産の部の金額の75%以上に維持すること。かつ、契約締結直前の連結会計年度の末日における連結の貸借対照表に記載される純資産の部の金額の75%以上に維持すること。
② 各事業年度の末日における当社の貸借対照表に記載される純資産の部の金額を直前事業年度の末日における当社の貸借対照表に記載される純資産の部の金額の75%以上に維持すること。かつ、契約締結直前の事業年度の末日における当社の貸借対照表に記載される純資産の部の金額の75%以上に維持すること。
③ 各連結会計年度の末日における連結損益計算書に記載される経常損益を2期連続して損失としないこと。また、契約によっては、各連結会計年度の末日における連結損益計算書に記載される営業損益ないし税引前当期純損益に一定の調整をした金額が2期連続マイナスでないこと。
④ 各事業年度の末日における当社の損益計算書における経常損益を2期連続して損失としないこと。
なお、当社は財務制限条項等の特約条項が付されたコミットメントライン契約を締結しておりますが、2025年3月31日及び2026年3月31日における借入残高はありません。
18.引当金
(1) 増減明細
引当金の増減は、以下のとおりであります。
引当金の連結財政状態計算書における流動・非流動の区分は、以下のとおりであります。
(2) 引当金の内容
当社グループは、不動産賃借契約等に伴う原状回復義務等につき、有形固定資産の除去に要する将来キャッシュ・フローを見積り、使用見込期間に対応した割引率で割り引いた金額を資産除去債務として計上しております。当該見積りの基礎となる主要な仮定は、有形固定資産の除去に要する将来キャッシュ・フロー及び使用見込期間となっております。将来キャッシュ・フローの見積りは、過去における原状回復工事の実績額、原状回復サービスを行う業者等の第三者からの情報等に基づいております。使用見込期間は、主に過去の使用実績に基づき決定しております。資産除去債務の履行時期を予測することや将来の最終的な除去費用を見積ることは不確実性が伴うため、翌連結会計年度に係る連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
工事損失引当金は、損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事契約について、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失を計上しております。
その他には、ポイント引当金、製品保証引当金等が含まれております。ポイント引当金は、当社グループが運営するポイントサイトにおいて、会員へ付与したポイントの利用に備えるため、将来利用されると見込まれる額を計上しております。なお、当該ポイントの会員による利用には不確実性があります。
19.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下のとおりであります。
デリバティブ負債は純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に、その他は主に償却原価で測定する金融負債にそれぞれ分類しております。リース負債に係る情報は、「14.リース」をご参照ください。
20.その他の負債
その他の負債の内訳は以下のとおりであります。
21.従業員給付
(1) 退職給付制度の概要
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しております。
当社及び連結子会社の確定給付企業年金制度のうち、主なものはキャッシュバランスプランを導入しております。給付額は、勤続期間、加入者の職務基準資格別基準給与及び市場金利の動向に基づいた再評価率により計算された利息に基づき設定されております。積立金の管理及び運用に関して、運用受託機関と年金信託契約及び生命保険契約を締結しており、運用受託機関は所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っております。また退職給付一時金制度(非積立型制度であるが、退職給付信託を設定した結果、積立型制度となっているものがあります。)では、退職給付として、勤続期間と給与、又は在職中の成果等を踏まえたポイント等の諸条件に基づいた一時金を支給しており、一部の連結子会社は、中小企業退職金共済制度、特定退職金共済に加入しております。
(2) 確定給付制度
① 連結財務諸表において認識した金額
確定給付制度の連結財政状態計算書上の金額は、以下のとおりであります。
確定給付制度に関して、連結損益計算書上、費用として認識した金額は、以下のとおりであります。
② 確定給付制度債務の現在価値の調整表
確定給付制度債務の現在価値に係る変動は、以下のとおりであります。
③ 制度資産の公正価値の調整表
制度資産の公正価値に係る変動は、以下のとおりであります。
④ 制度資産の公正価値の種類別内訳
制度資産の公正価値の種類別内訳は、以下のとおりであります。
⑤ アセット・シーリングの影響の変動
アセット・シーリングの影響の変動は以下のとおりであります。
⑥ 数理計算上の仮定
確定給付制度債務の現在価値の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は、以下のとおりであります。
主要な数理計算上の仮定である割引率が変動した場合、確定給付制度債務の現在価値は前連結会計年度末及び当連結会計年度末において以下のとおり変動します。この感応度分析は、分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。
⑦ 資産・負債マッチング戦略
当社グループの制度資産の運用方針は、確定給付制度債務の給付を将来にわたり確実に行うために、許容されるリスクの範囲で、必要とされる総合収益を中長期的に確保することを運用目的としております。制度資産については、運用目標を達成するために策定した政策アセットミックスの資産配分目標に基づき、国内外の株式、債券及び生保一般勘定に幅広く分散投資を行い、リスクの低減を図っております。
資産配分については、中長期的なリスク、リターンの予想及び各資産の運用実績の相関に基づき、中長期的に維持すべき配分を設定しております。資産配分の見直しについては、環境の著しい変化があった場合など、必要に応じて適宜見直しを行うことにしております。
⑧ 確定給付制度の将来キャッシュ・フローに与える影響
(i) 確定給付制度への拠出は、将来にわたって年金財政の均衡を保つことができるように定期的に財政再計算を実施して掛金を定めております。財政再計算においては、掛金の設定に係る計算基礎率(予定利率、予定死亡率、予定脱退率など)を見直し、掛金の妥当性を検証しております。
(ii) 翌連結会計年度の拠出額は449百万円と予想しております。
(iii) 確定給付制度債務に係る加重平均デュレーションは、当連結会計年度は主に11.8年(前連結会計年度は主に12.6年)であります。
(3) 確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として計上された金額は、当連結会計年度は2,557百万円(前連結会計年度は2,208百万円)であります。
(4) 従業員給付費用
連結損益計算書上、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計は、当連結会計年度は165,978百万円(前連結会計年度は153,074百万円)であります。
22.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び自己株式
(注) 1 発行済株式は全額払込済みとなっております。
2 自己株式の期中増減は、ストック・オプションの権利行使、譲渡制限付株式報酬としての処分などによるものであります。
(2) 資本剰余金
通常の新株の発行及び新株予約権の行使による新株の発行の際に資本金に組み入れなかった資本準備金とそれ以外のその他資本剰余金からなります。
日本の会社法では、株式の発行に対しての払込又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
(3) その他の資本の構成要素
① 確定給付制度の再測定
確定給付制度の再測定は、期首時点の数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額及び数理計算上の仮定の変更による影響額であります。これについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えております。
② 在外営業活動体の換算差額
外貨建てで作成された在外営業活動体の財務諸表を表示通貨である日本円に換算する際に生じた為替換算差額であります。
③ その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動
公正価値の変動をその他の包括利益を通じて測定すると指定した金融商品の公正価値による評価額と取得価額の評価差額であります。ただし、既に認識が中止されたもの及び公正価値が著しく低下することにより利益剰余金に振り替えられたものを除きます。
④ キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の変動額の有効部分
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の純変動額の累積額のうち、ヘッジが有効と認められる部分からなります。
⑤ 新株予約権
当社は新株予約権方式によるストック・オプション制度を採用しており、会社法の規定に基づき、新株予約権を付与しております。新株予約権としてその他の資本の構成要素に計上している金額は、それらの公正価値に基づく金額であり、また、それらの契約条件等は、「23.株式報酬」に記載しております。
⑥ 持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分
持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、確定給付制度の再測定、及び在外営業活動体の換算差額が含まれております。
(4) 利益剰余金及び配当金
① 利益剰余金
当連結会計年度以前に純損益として認識されたもの及びその他の包括利益から振り替えられたものからなります。
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。
積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当することができ、また株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
② 配当
(ⅰ) 配当金支払額
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 配当金の総額には、持株会信託が保有する自社の株式に対する配当金28百万円を含めております。
(注) 配当金の総額には、持株会信託が保有する自社の株式に対する配当金14百万円を含めております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(ⅱ) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
23.株式報酬
当社は、株式報酬型ストック・オプション制度並びに譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。
(1) 株式報酬型ストック・オプション制度
株式報酬型ストック・オプション制度の目的は、当社の業績と株式価値との連動性をより一層強固なものとし、取締役が株価上昇によるメリットのみならず株価下落によるリスクまでも株主と共有することで、中長期的に継続した業績向上と企業価値増大への意欲や士気を高めることであります。なお、譲渡制限付株式報酬制度の導入に伴い、既に割当て済みのものを除き、2019年以降、当社の取締役(社外取締役を除く)に対する株式報酬型ストック・オプションのための新株予約権の新たな割当ては行わないこととしております。
① ストック・オプションの契約条件等
(ⅰ) 付与対象者
当社取締役(社外取締役を除く)
(ⅱ) 権利確定条件
当社取締役の地位を喪失したこと
(ⅲ) 付与されたストック・オプションの権利行使期間
付与日から20年以内の期間において、権利確定後5年以内
(ⅳ) 決済方法
株式決済
② ストック・オプション数及び加重平均行使価格
(注) 1 ストック・オプションは、すべて権利行使価格1株当たり1円で付与しております。
2 当連結会計年度の権利行使時点の加重平均株価は2,078.7円(前連結会計年度は1,916.2円)であります。
③ 期末未行使ストック・オプションの行使価格の範囲及び加重平均残存期間
当連結会計年度における、未行使のストック・オプションの行使価格は1円(前連結会計年度は1円)であり、加重平均残存期間は2.3年(前連結会計年度は2.9年)であります。
(2) 譲渡制限付株式報酬制度
当社の取締役(社外取締役を除く)、当社の役付執行役員及び当社の役付執行役員相当の理事等並びに当社子会社の取締役を対象に、株価変動のメリットとリスクを株主の皆様と共有し、株価上昇及び企業価値向上への貢献意欲を高めるため、譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。
期中に付与した譲渡制限付株式の内容は下記のとおりであります。
(注) 豊田喜久夫氏に付与した譲渡制限付株式報酬69,989株は、同氏の取締役辞任に伴って無償取得しております。
(3) 株式報酬費用
当連結会計年度における、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれている株式報酬制度に係る費用は87百万円(前連結会計年度は98百万円)であります。
24.金融商品
(1) 資本管理
当社グループの資本管理方針は、投資家、債権者及び市場の信頼を維持し、将来にわたってビジネスの発展を持続するための強固な資本基盤を維持することであります。経営陣は、普通株主への配当水準のみならず、ROEやROICを用いて資本効率性も監視しております。
当社グループは、2030年度に向けて社会課題の解決を通じた新たな価値の創造として、経済価値と社会価値の両面から企業価値の向上に取り組んでおります。今後さらなる収益性・資本効率性を重視し、中長期的には、ROEを12%以上・ROICを8%以上の水準とするべく取り組んでまいります。
当社グループのROEとROICは以下のとおりであります。
(注)1 親会社所有者帰属持分当期利益率= (親会社の所有者に帰属する当期利益÷親会社の所有者に帰属する持分
(期首期末平均))
2 投下資本利益率=(営業利益×(1-税率))÷(資本合計+有利子負債)(期首期末平均)
3 当連結会計年度は当期純損失であるため、ROEおよびROICは「-」と表記しております。
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・市場リスク)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。デリバティブは、営業上の輸出入取引における為替リスク及び長期借入金の金利変動リスクを回避するためのみに利用し、投機を目的にデリバティブ取引を行っておりません。
(3) 信用リスク
① 概要
当社グループの営業活動から生じる債権である営業債権及びその他の債権並びに契約資産は、顧客の信用リスクに晒されております。当該リスクに関しては、当社グループの社内規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を適宜把握しております。デリバティブ取引の執行・管理については、為替予約を伴う輸出入取引を行う場合には、所定の社内規程に基づき稟議決裁を行い、財務部門が実施しております。金利スワップ取引及び金利オプション取引を伴う長期借入金により資金調達を行う場合には、財務部門の申請により、所定の社内規程に基づき稟議決裁を行い、その内容は取締役会に報告しております。当社グループが利用しているデリバティブ取引につきましては、いずれも大手金融機関を利用しており、信用リスクは限定的と考えております。また、関係会社等の借入について債務保証を行っておりますが、信用リスクは限定的と考えております。
なお、特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を要する信用リスクの過度な集中はありません。
金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている減損後の帳簿価額であります。債務保証の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、「38.偶発事象」に記載の保証債務の金額であり、そのリスクは僅少であります。
② 予想信用損失から生じた金額に関する情報
貸倒引当金の対象となる資産の残高は以下のとおりであります。
本表における同一区分内における金融資産の信用リスク格付けは概ね同一と判断しております。
(4) 流動性リスク
① 概要
当社グループは、借入金及び社債により資金を調達しておりますが、それら負債は、資金調達環境の悪化などにより支払期日にその支払を実行できなくなる流動性リスクに晒されております。
当社グループは、グループ財務業務基本方針に基づき、年度事業計画に基づく資金調達計画を策定するとともに、当社財務部門は、定期的に、手許流動性及び有利子負債の状況等を把握・集約し、当社の取締役会に報告しております。
なお、当社グループの一部の銀行借入には、一定の資本水準の維持等を要求する財務制限条項が付されております。当社グループは、当該条項にて必要とされる水準を維持するようにモニタリングしております。
② 満期分析
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。
「その他の金融負債」にはリース負債が含まれております。なお、リース負債の期日別残高は、注記「14.リース」に記載しております。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
③ 貸出コミットメント
報告日現在におけるコミットメントラインの総額及び借入未実行残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(5) 市場リスク
① 概要
当社グループは、事業活動を行ううえで為替変動、金利変動などの市場の変動に伴うリスクに晒されております。市場リスクを適切に管理することにより、リスクの低減を図るよう努めております。また、当社グループでは、市場リスクを適切に管理する目的で主に為替予約、金利スワップなどのデリバティブ取引を利用することがあります。デリバティブ取引の執行・管理については、その目的、利用限度額、取引の範囲、組織体制などを定めた社内規程に従っており、実需に基づいたリスクの回避に限定して利用しております。当社グループでは投機目的でのデリバティブの利用は行わない方針であります。従って、当社が保有するデリバティブの公正価値の変動は原則として、対応する取引の公正価値の変動又はキャッシュ・フローの変動を相殺する効果を有しております。
② 為替リスク
当社グループは、海外でも事業活動を行っており、外貨建取引において、為替相場の変動によるリスクに晒されております。当該外国為替相場の変動リスクを低減するために、必要に応じ為替予約を利用してヘッジしております。
(a) 為替リスクに対するエクスポージャー
リスク管理方針に基づいて当社グループの経営陣に提供されている為替リスクに対するエクスポージャーに関する定量的データの要約は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(b) 為替リスクの感応度分析
為替変動が純損益及び資本に与える影響は軽微であるため、感応度分析は省略しております。
③ 金利リスク
当社グループは、借入金及び社債のうち、変動金利によるものは金利変動リスクに晒されております。当社グループは、当該リスクをデリバティブ取引(金利スワップ取引)によりヘッジしております。
(a) 金利リスクに対するエクスポージャー
当社グループの金利リスクに対するエクスポージャーは以下のとおりであります。なお、エクスポージャーの金額は、デリバティブ取引により金利変動リスクがヘッジされている金額を除いております。
(単位:百万円)
(b) 金利リスクの感応度分析
金利変動が純損益及び資本に与える影響は軽微であるため、感応度分析は省略しております。
④ 株価変動リスク
当社グループは、主に取引先企業等との関係の強化・維持を目的として事業運営上の関係を有する企業の株式を保有していることから、株価の変動リスクに晒されております。なお、株式については定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また、取引先企業との関係を勘案して保有状況を定期的に見直しております。
(a) 株価変動リスクの感応度分析
当社グループが期末日現在において保有する資本性金融商品の市場価格が10%変動した場合に、資本が受ける影響は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ3,909百万円及び5,717百万円であります。
ただし、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(6) デリバティブ及びヘッジ会計
① ヘッジの概要
当社グループは、外貨建債権債務、外貨建予定取引、社債及び借入金に係る金利変動リスク及び為替変動リスクをそれぞれヘッジするため、為替予約及び金利スワップを利用しており、ヘッジの要件を満たすものについてはヘッジ会計を適用しております。また、投機目的のためのデリバティブ取引は行わない方針であります。
デリバティブ取引の執行・管理については、為替予約を伴う輸出入取引を行う場合には、所定の社内規程に基づき稟議決裁を行い、財務部門が実施しております。金利スワップ取引を伴う長期借入金により資金調達を行う場合には、財務部門の申請により、所定の社内規程に基づき稟議決裁を行い、その内容は取締役会に報告しております。当社グループが利用しているデリバティブ取引につきましては、いずれも大手金融機関を利用しており、信用リスクはほとんどないものと考えております。
ヘッジ有効性評価の目的上、ヘッジ対象とヘッジ手段との間の経済的関係を判断するに当たっては、価値の変動に対して高度に相殺効果を有すると予想されるかどうかに基づいております。当社グループは、為替予約のうち、スポットレートの変動のみをヘッジ手段に指定し、ヘッジ対象とヘッジ手段の主要な条件は一致しておりますので、ヘッジ関係にその存続期間中に影響を与えると予想されるヘッジ非有効部分の主な発生原因は限定的であります。また、金利スワップ取引については、変動金利を固定化するために使用しており、ヘッジ対象とヘッジ手段の主要な条件は一致しておりますので、ヘッジ関係にその存続中に影響を与えると予想されるヘッジ非有効部分の主な発生原因は限定的であります。
なお、デリバティブの帳簿価額は、連結財政状態計算書上「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」に計上された金額であり、満期までの期間が1年超の金額は非流動資産又は非流動負債に分類しております。
② ヘッジ手段として指定した項目に関する情報
ヘッジ手段が連結財政状態計算書に与える影響は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
③ ヘッジ対象として指定した項目に関する情報
ヘッジ対象が連結財政状態計算書に与える影響は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
④ ヘッジ会計の適用による連結損益計算書及び連結包括利益計算書に与える影響
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたヘッジ手段が連結損益計算書及び連結包括利益計算書に与える影響は、以下のとおりであります。なお、ヘッジ非有効部分の金額に重要性はありません。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1.税効果考慮前の金額であります。
2.組替調整額の連結損益計算書及び連結包括利益計算書上の主な表示科目は「金融費用」であります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1.税効果考慮前の金額であります。
2.組替調整額の連結損益計算書及び連結包括利益計算書上の主な表示科目は「金融収益」であります。
⑤ ヘッジ会計を適用していないデリバティブ
当社グループは、ヘッジ会計の要件を満たさない場合においても、経済的に合理的である場合にはデリバティブ取引を利用しております。当該デリバティブ取引の公正価値の変動は純損益として認識しております。
(7) 金融商品の公正価値
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、公正価値測定に用いたインプットのレベル区分に基づき、以下のいずれかに分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、直接又は間接的に観察可能な価格で構成されたインプット
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプット
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、報告期間の末日時点で発生したものとして認識しております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
① 公正価値で測定されていない金融商品
公正価値で測定されていない主な金融商品に係る公正価値の測定方法は、以下のとおりであります。
a.長期貸付金
元利金の合計額を同様の新規貸付を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっております。
b.社債
元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いて算定する方法によっております。
c.長期借入金
元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっております。
公正価値で測定されていない金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。なお、帳簿価額と公正価値が近似している金融商品については、次表に含めておりません。
a.前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1年以内に回収、1年以内に返済及び償還予定の残高を含んでおります。
b.当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1年以内に回収、1年以内に返済及び償還予定の残高を含んでおります。
② 公正価値で測定される金融商品
公正価値で測定される主な金融商品の測定方法は、以下のとおりであります。
a.デリバティブ
レベル2に分類されるデリバティブは、金利や為替レート等の観察可能なインプットを用いて割引現在価値法等により算定しております。
b.資本性金融商品
資本性金融商品の公正価値については、レベル1に分類される上場株式については取引所の市場価格、レベル3に分類される非上場株式については、合理的に入手可能なインプットにより、類似企業比較法又はその他適切な評価技法を用いて算定しております。なお、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント等を加味しております。
c.負債性金融商品
負債性金融商品の公正価値については、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、純資産価値に基づく方法、オプション評価モデルを基礎としたバックソルブ法及びその他の適切な評価方法により見積もっております。
公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分類した、公正価値で測定される金融商品の内訳は、以下のとおりであります。
a.前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
b.当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
レベル3に分類される金融商品は、主に非上場株式により構成されており、適切な権限者に承認された公正価値測定に係る評価方法を含む評価方針及び手続に従い、評価者もしくは外部の評価専門家が対象となる各金融商品の評価方法を決定し、公正価値を算定しております。その結果は適切な権限者がレビュー、承認しております。
レベル3に分類された金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の増減は見込まれておりません。
レベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりであります。
(注) 1 純損益を通じて公正価値を測定する金融資産に関するものであり、連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。純損益に認識された利得又は損失のうち、連結会計年度末において保有する金融資産に係るものは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ889百万円、△7,401百万円であります。
2 連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動」に含まれております。
3 当社は、2021年11月に、米国での水素サプライチェーンの事業化を推進すべく、米国における統括管理子会社であるAir Water America Inc. を通じて、米国カリフォルニア州で水素ステーションの開発・運営を手掛ける最大手のFirst Element Fuel, Inc.(以下「FEF社」)より50百万ドルの優先株式を引き受け、2023年10月に32百万ドルの融資を実行しております。また、2025年12月に32百万ドルの融資を優先株式に転換しております。
当連結会計年度において、FEF社の経営状況悪化に伴い策定した経営再建計画を公正価値等に反映させ、優先株式(負債性金融商品)の帳簿価額を8,284百万円、長期貸付金の帳簿価額を3,902百万円それぞれ切り下げ、当該損失を連結損益計算書の金融費用(その他の金融費用)に計上しております。なお、当該公正価値はオプション評価モデルを基礎としたバックソルブ法により見積もっております。
また、優先株式(負債性金融商品)の帳簿価額の切り下げ8,284百万円は純損益に、2025年12月において転換した融資の優先株式への転換は長期貸付金の帳簿価額の切り下げ後の残高2,377百万円についてその他の増減に含めております。
(8) 認識の中止の要件を満たさない金融資産の譲渡
当社グループでは売上債権の一部について、手形の裏書等の方法により流動化を行っております。しかし、当該流動化債権の中には、債務者が支払を行わない場合に、当社グループに遡求的に支払義務が発生するものがあり、このような流動化債権については、金融資産の認識の中止の要件を満たさないことから、認識の中止を行っておりません。
前連結会計年度末において、このような譲渡資産を連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権」に593百万円計上し、また、当該資産の譲渡時に生じた入金額を「社債及び借入金」(流動負債)に同額計上しております。これらの公正価値は帳簿価額と合理的に近似しております。なお、当連結会計年度においては、認識の中止の要件を満たさない金融資産の譲渡はありません。
25.売上収益
(1) 収益の分解
当社グループは、製品・サービス別の事業セグメントから構成されており、「デジタル&インダストリー」「エネルギーソリューション」「ヘルス&セーフティー」「アグリ&フーズ」「その他の事業」の5つの報告セグメントより生じた顧客との契約から生じる収益を売上収益として計上しております。
当社グループの売上収益は、「物品の販売」、「機器工事」、「役務の提供」の3つの種類に分解し認識しております。その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益が含まれております。これらの分解された収益と当社グループの報告セグメントとの関連は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。当該区分変更に伴い、前連結会計年度の収益の分解については、変更後の報告セグメントの区分に基づき表示しております。報告セグメントの
変更に係る詳細は「5.事業セグメント」の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(2) 収益を理解するための基礎となる情報
「連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (17) 収益」に記載のとおりであります。
(3) 当連結会計年度及び翌連結会計年度以降の収益の金額を理解するための情報
① 契約資産及び契約負債の残高等
顧客との契約から生じた契約残高の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
連結財政状態計算書において、顧客との契約から生じた債権は営業債権及びその他の債権、契約資産はその他の流動資産、契約負債はその他の流動負債に含まれております。
契約資産は一部の機器工事の製造及び販売において履行義務の進捗度に応じて認識したものであり、履行義務の充足部分と交換に受取る対価に対する権利のうち、時の経過以外の条件付きの権利であります。契約資産は、対価に対する権利が無条件になった時点で債権に振り替えられます。契約負債は財又はサービスを顧客に移転する前に、顧客から対価を受け取っている又は対価の支払期限が到来しているものであります。
当連結会計年度の期首時点で契約負債(流動)に含まれていた金額のうち当連結会計年度に収益として認識されなかった金額に重要性はありません。
また、当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
② 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループの主な履行義務は当初の予想期間が1年以内の契約の一部であるため、当連結会計年度末現在で未充足(又は部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額に関する開示は省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(4) 顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。また、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約の獲得の増分コストを発生時に費用として認識しております。
26.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
27.その他の収益及び費用
その他の収益の内訳は、以下のとおりであります。
その他の費用の内訳は、以下のとおりであります。
28.金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は、以下のとおりであります。
金融費用の内訳は、以下のとおりであります。
その他の金融費用については、24.金融商品 (7) 金融商品の公正価値 ② 公正価値で測定される金融商品に記載しております。
29.売却目的保有に分類される処分グループ及び非継続事業
(1) 非継続事業の概要
産業ガス、医療ガス関連事業、海外貿易事業等を取り扱うその他の事業の連結子会社について、当該事業の譲渡を行った結果、2018年12月に事業活動を終了し、2024年12月にこれに伴う清算が完了しており、前連結会計年度において、かかる損益を非継続事業に分類しております。
(2) 非継続事業の損益
(3) 非継続事業のキャッシュ・フロー
(4) 売却目的保有に分類された処分グループ
売却の可能性が非常に高く、かつ1年以内に引渡しが予定されているため、売却目的保有に分類された処分グループは以下のとおりです。
当連結会計年度末において、デジタル&インダストリーグループに所属する連結子会社が保有する資産及び負債を売却目的で保有する処分グループに分類しております。これは、株式の売却交渉の結果、当該事業に関する資産及び負債に対する支配の喪失が1年以内に見込まれることによるものです。
当該処分グループについて、売却コスト控除後の公正価値が帳簿価額を下回っているため、売却コスト控除後の公正価値により測定しております。これにより認識した損失809百万円を連結損益計算書の「その他の費用」に認識しております。なお、公正価値は、売却価額を基礎としており、当該公正価値のヒエラルキーはレベル3であります。
売却目的で保有する処分グループに分類された資産及び負債の内訳は以下のとおりです。
30.その他の包括利益
31.1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益
(2) 基本的1株当たり利益及び希薄化後1株当たり利益の算定上の基礎
① 普通株主に帰属する利益
② 期中平均普通株式数
(注) 当連結会計年度において、希薄化性潜在的普通株式が101千株ありますが、逆希薄化効果を有するため、希薄化後1株当たり当期損失の計算から除外しています。
32.キャッシュ・フロー情報
(1) 非資金取引
主要な非資金取引の内容は次のとおりであります。
(2) 財務活動に係る負債の変動
財務活動に係る負債の変動は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
33.子会社
主要な子会社の状況については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、個々に重要性のある非支配持分を有する子会社はありません。
34.企業結合
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
記載すべき重要な事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月期)の企業結合の概要は以下のとおりであります。
当社は、2025年8月7日に公表した株式会社歯愛メディカルに対する株式公開買付け(TOB)が成立し、同年10月14日に同社株式を追加取得しました。
これにより、当社の議決権所有割合は38.29%から78.65%に増加したため、同社は当社の連結子会社となりました。
その後、同社株式を非公開化するため、同社において2025年11月25日に臨時株主総会を開催し、株式併合の決議が実施されました。
その結果、同社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に該当することとなり、2025年12月15日をもって東京証券取引所スタンダード市場において上場廃止となりました。
(1) 株式取得の概要
①相手企業の名称:株式会社歯愛メディカル
②事業の内容:通信販売事業、大型医療機器販売事業、CAD/CAM関連事業、通販型新電力事業、デジタルソリューション事業
③企業結合日:2025年10月14日
④議決権付資本持分の割合:取得前 38.29%、取得後 78.65%(その後株式併合により77.78%)
⑤被取得企業の支配獲得方法:現金を対価とする株式取得
(2) 株式取得の目的
当社グループのヘルス&セーフティー(医療関連)事業は、医療用酸素のリーディングカンパニーとして医療用ガスの供給をはじめ、医療機関や介護施設、患者さまのご自宅などで使用される医療機器や介護用製品といった関連事業を拡大しています。
歯愛メディカルとは2016年に資本業務提携契約を締結しています。同社は通販ビジネスにおいて顧客ニーズを捉えた提案力を活かし、全国の歯科医院の約9割(6.5万軒)との取引実績を持ち、歯科技工所や一般病院、動物病院、介護・福祉施設等の事業を拡大しています。同社と当社で合弁出資するエア・ウォーター・アエラスバイオでは、2020年より世界初の歯髄再生治療の実用化に取り組み、2024年末には治療実績が100症例を超えるなど、最先端の再生医療として認知度や期待が高まっています。
このように歯科事業分野においてシナジーの創出を実現してきましたが、当社は歯愛メディカルとのさらなる連携強化と歯科・医療分野にとどまらないシナジー最大化を目指し、同社の非公開化により、グループ一体となって事業推進体制の構築を目指すことを決定しました。これにより、長期的視点での投資やDX推進、成長戦略を迅速かつ確実に実施し、グループ全体の企業価値向上を図っていきます。
(3) 取得価格
(4) 取得関連費用
当取得に直接要した費用として、アドバイザリー費用等132百万円を費用として処理しており、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上しております。
(5) 段階取得に係る差益
当社が支配獲得時にすでに保有していた株式会社歯愛メディカルに対する資本持分を支配獲得日の公正価値で再測定した結果、12,325百万円の段階取得差益を認識し、連結損益計算書上の「その他の収益」に計上しております。
(6) 取得した資産及び引き受けた負債
(注)取得した営業債権及びその他の債権の公正価値は8,848百万円であります。契約上の未収金額は8,907百万円であり、回収が見込まれない契約上のキャッシュ・フローの見積りは59百万円です。
(7) 取得に伴い発生したのれん
(注)1 非支配株主持分は、支配獲得日における識別可能な被取得企業の純資産額の公正価値に、非支配株主に個別に帰属する部分を除き、企業結合後の持分比率を乗じて測定しております。
2 のれんは、歯愛メディカル社グループの今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力の合理的な見積りにより発生したものであります。認識されたのれんのうち、税務上損金算入が見込まれるものはありません。
(8) 当社グループの業績に与える影響
当連結会計年度の連結損益計算書に認識している、取得日以降における被取得企業の売上収益および当期利益はそれぞれ52,594百万円、1,063百万円です。なお、当期利益には、取得日に認識した無形資産の償却費等が含まれております。
仮に企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報(プロフォーマ情報)は、売上収益及び当期損失はそれぞれ1,113,259百万円、△64,369百万円です。なお、当該プロフォーマ情報は監査を受けておりません。
35.関連当事者
(1)関連当事者との取引
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 2025年12月3日に当社代表取締役会長を辞任した豊田喜久夫の実兄であります。
2 報酬額については、業務内容を勘案し決定しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1 2025年12月3日に当社代表取締役会長を辞任した豊田喜久夫の実兄であります。
2 報酬額については、業務内容を勘案し決定しております。
(2)主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。
(注) 1 上記のほか、2025年12月3日付で当社代表取締役会長を辞任し、同日付で相談役に就任した豊田喜久夫に対し、相談役報酬として27百万円を支払っております。
なお、同氏は2026年3月31日付で相談役を辞任しております。
2 当連結会計年度の非金銭報酬には、豊田喜久夫から無償取得した譲渡制限付株式報酬69,989株相当額のうち、当連結会計年度に付与した16,592株相当(36百万円)を含めておりません。
36.持分法で会計処理されている投資
(1) 重要な関連会社
当社グループにおける重要な関連会社は、K&Oエナジーグループ㈱(報告日12月31日)であります。当期において重要性が増したことから、IFRS第12号の要求に基づき、当期より個別の要約財務情報を開示しております。
K&Oエナジーグループ㈱は、主に日本でガス事業、ヨード事業等の製造・販売を営んでおり、当社グループの戦略的供給業者の一つであります。K&Oエナジーグループ㈱は東京証券取引所に上場しております。
K&Oエナジーグループ㈱の要約財務情報と当社グループの持分の帳簿価額との調整表は以下のとおりであります。なお、財政状態計算書については12月31日の財務情報、損益計算書及び包括利益計算書項目については、同社の12月31日に終了する報告期間の12カ月の財務情報を記載しております。
(注) 投資の市場価格に基づく公正価値であり、公正価値ヒエラルキーはレベル1であります。
(2) 重要性がない関連会社
37.コミットメント
有形固定資産の取得に係るコミットメントは、以下のとおりであります。
38.偶発事象
(1) 保証債務
金融機関からの借入金に対する債務保証は、以下のとおりであります。
(2) 偶発負債
2025年7月、産業廃棄物処理業を営んでいる連結子会社の株式会社リプロワークにおいて廃棄処理を行ったPC用記憶媒体(HD)がネットオークションで販売され、当該HDに保存されていた個人情報が流出するという事案が生じました。提出日現在において、当社としては当該個人情報流出による二次被害は認識しておりません。また、2026年6月に、被害を受けた病院が株式会社リプロワークを廃棄物処理法違反により刑事告発した旨が報道されました。
現時点では当該事案が株式会社リプロワーク及び当社グループの財政状態や経営成績に与える影響を合理的に見積もることは困難なため、連結財務諸表には反映しておりません。
39.後発事象
(多額な資金の借入)
当社は、運転資金の確保及び財務基盤の安定化のために、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを目的として、2026年1月30日開催の取締役会の決議に基づき、2026年2月12日付で、総額113,000百万円のシンジケート方式によるコミットメントライン契約を締結しております。このコミットメントライン契約に基づき、以下の通り借入を実行いたしました。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
(注) 第1四半期連結累計期間に係る財務情報に対するレビュー :無
第3四半期連結累計期間に係る財務情報に対するレビュー :有
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
(2) その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は、全部純資産直入法により処理し、売却原価は、移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2 デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法
3 棚卸資産の評価基準及び評価方法
(1) 商品及び製品
総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)
(2) 仕掛品
総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)
ただし、未成工事支出金は個別法による原価法
(3) 原材料及び貯蔵品
総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)
4 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産除く)
定額法
(2) 無形固定資産(リース資産除く)
定額法
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零(残価保証がある場合は、残価保証額)とする定額法
5 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 役員賞与引当金
役員に対する賞与の支給に備えるため、当事業年度末における支給見込額を計上しております。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、当事業年度末において発生していると認められる額を計上しております。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
数理計算上の差異については、各期の発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数による定額法により、原則として、それぞれ発生の翌期から費用処理をしております。
過去勤務費用については、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数により費用処理しております。
(4) 関係会社事業損失引当金
関係会社の事業による損失に備えるため、当社が負担することとなる損失見込額を計上しております。
(5) 債務保証損失引当金
債務保証に係る損失に備えるため、被保証先の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しております。
6 収益及び費用の計上基準
当社は、主に「デジタル&インダストリー」、「エネルギーソリューション」、「ヘルス&セーフティー」、「その他の事業」を営んでおります。「デジタル&インダストリー」は、酸素・窒素・アルゴン等の産業ガスの製造・販売のほか高圧ガス関連設備工事及びガス発生装置の製作・据付をしております。「エネルギーソリューション」は、LPガス・灯油・LNG等の石油製品等の販売をしております。「ヘルス&セーフティー」は、酸素・窒素等の医療用ガスの製造・販売のほか各種医療機器、病院設備工事等の事業を展開しております。「その他の事業」は、上記以外の事業を行っております。
(1)物品の販売
製品の引渡時点において、顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断し、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。
また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。
(2)役務の提供、機器工事契約
役務の提供及び機器工事契約については、一時点で充足される履行義務として、引渡し又は工事が完了した時点で収益を認識しております。
また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。
なお、製品の販売契約における対価は、製品に対する支配が顧客に移転した時点から概ね1年以内に回収しており、重要な金利要素は含んでおりません。
(3)受取配当金
受取配当金は、配当金の効力発生日をもって収益を認識しております。
7 ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっております。なお、振当処理の要件を満たしている為替予約につきましては、振当処理を行うこととしております。
また、特例処理の要件を満たしている金利スワップにつきましては、特例処理を行うこととしております。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
(3) ヘッジ方針
当社は、取組方針として、為替及び金利変動等のリスクを回避するためにのみデリバティブ取引を利用することとしております。利用に際しては、社内規程に基づきデリバティブ取引を行い、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジしております。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ手段とヘッジ対象に関する重要な条件が同一であり、ヘッジ開始時及びその後も継続して相場変動等を相殺するものと見込まれるため、ヘッジの有効性の判定は省略しております。
8 その他財務諸表作成のための重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(2) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより当事業年度に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があるものは以下のとおりであります。
1. 関係会社株式の減損
(百万円)
非上場の関係会社に対する投資等、市場価格のない株式について、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときには、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、実質価額まで減額処理しております。なお、企業買収において超過収益力等を反映して取得した非上場の関係会社株式については、発行会社の財政状態の悪化がないとしても、超過収益力等の減少に伴う実質価額の大幅な低下が将来の期間にわたって続くと予想され、超過収益力等が見込めなくなった場合には、実質価額が著しく低下している限り、実質価額まで減額処理しております。
関係会社における事業計画の未達等により、実質価額の回復可能性が十分に裏付けられていると判断できない場合、翌事業年度の財務諸表において、関係会社株式の金額に重要な影響を与える可能性があります。
2. 繰延税金資産の回収可能性
(百万円)
繰延税金資産はその回収可能性を評価し、将来減算一時差異等のうち将来にわたり税金負担額を軽減することが認められる範囲内で計上しております。事業計画の前提条件の変化等により繰延税金資産の回収可能性が低下した場合、翌事業年度の財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、繰延税金資産は繰延税金負債と相殺した上で、貸借対照表には繰延税金負債として前事業年度6,956百万円、当事業年度13,363百万円計上しております。
(表示方法の変更)
当社は、2025年10月1日付でAWIデジタル&インダストリーグループ・ガスプロダクツユニット内の産業ガス事業の一部を会社分割により、当社の完全子会社であるエア・ウォーター・ガスプロダクツ㈱に承継させていることに伴い、グループ管理業務の対価としての子会社からの受取配当金の重要性が高まったと考え、当事業年度より表示方法の変更を行っております。
従来、子会社からの受取配当金を「営業外収益」の「受取利息及び受取配当金」に含めて計上しておりましたが、「売上高」として計上する方法に変更しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前事業年度の損益計算書において「営業外収益」の「受取利息及び受取配当金」に含めていた24,928百万円は、「売上高」として組み替えております。
(追加情報)
(不適切な会計処理について)
連結財務諸表「注記事項 4.追加情報(不適切な会計処理について)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権と金銭債務
2 偶発債務
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高は次のとおりであります。
※2 売上高に含まれる子会社受取配当金の金額は次のとおりであります。
※3 販売費及び一般管理費の主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりであります。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2025年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2026年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前事業年度(2025年3月31日)
上記の他、土地再評価差額金に係る繰延税金資産が3,033百万円あり、評価性引当額3,033百万円を計上しております。
また、土地再評価差額金に係る繰延税金負債が578百万円あります。
当事業年度(2026年3月31日)
上記の他、土地再評価差額金に係る繰延税金資産が2,477百万円あり、評価性引当額2,477百万円を計上しております。
また、土地再評価差額金に係る繰延税金負債が576百万円あります。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
(注)当事業年度は、税引前当期純損失が計上されているため記載しておりません。
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(企業結合等関係)
共通支配下の取引等
当社は、2025年10月1日を効力発生日として、当社デジタル&インダストリーグループ・ガスプロダクツユニット内の産業ガス事業の一部を会社分割により、当社の完全子会社であるエア・ウォーター・ガスプロダクツ株式会社(以下、AWガスプロダクツ)へ承継させました。
1.取引の概要
(1) 対象となった事業の名称及びその事業の内容
ガスプロダクツユニット内の産業ガス事業の一部
(2) 企業結合日
2025年10月1日
(3) 企業結合の法的形式
当社を吸収分割会社とし、AWガスプロダクツを吸収承継会社とする吸収分割(簡易吸収分割)
(4) 結合後企業の名称
エア・ウォーター・ガスプロダクツ株式会社
(5) その他取引の概要に関する事項
これまで、当社が産業ガス製造プラントを資産保有し、AWガスプロダクツが当社からの業務受託によりプラントの操業管理等を行う体制としていましたが、この度、鉄鋼向けオンサイトガス供給プラントを中心とした産業ガス事業をAWガスプロダクツに集約することで、各種産業ガス製品の製造、販売、物流、保守の一貫体制を構築してまいります。
本会社分割は、産業ガス製造に関わる事業構造改革の一環として、当社デジタル&インダストリーグループ・ガスプロダクツユニット内の産業ガス事業の一部をAWガスプロダクツに承継させるものです。
2.実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共通支配下の取引として処理しております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「(重要な会計方針)6 収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
(重要な後発事象)
連結財務諸表「注記事項 39.後発事象」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注) 1 当期増加額の主なものは、次のとおりであります。
2 当期にオンサイト事業を分割したことに伴い、以下の資産が減少しております。
事業譲渡した主な資産の種類及び帳簿価額
3 「当期減少額」欄の () 内は内書きで、減損損失の計上額であります。
4 土地の当期首残高、当期減少額及び当期末残高の[ ]内は内書きで、土地の再評価に関する法律(1998年3月31日公布法律第34号)により行った事業用土地の再評価実施前の帳簿価額との差額であります。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社は単元未満株式についての権利を定款に定めております。当該規定により単元未満株式を有する株主は、その有する単元未満株式について、以下の権利以外の権利を行使することができません。
(単元未満株式についての権利)
第7条 当会社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4) 単元未満株式の買増しを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。