第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1.国際財務報告基準(以下「IFRS会計基準」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2.臨時雇用人員数は、従業員数の[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
3.2022年9月に当社はシオノギ感染症研究振興財団に係る三井住友信託銀行株式会社の信託(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託口))に当社株式9百万株(株式分割前は3百万株)を処分しておりますが、当該当社株式を自己株式として処理しています。そのため、1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定において、当該株式数を控除しております。
4.当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割を行っております。第157期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益を算定しております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1.臨時雇用人員数は、従業員数の[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。なお、第160期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。
3.当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割を行っております。第157期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。また、第160期の1株当たり配当額は中間配当額を株式分割前の85円00銭、期末配当額を株式分割後の33円00銭とし、年間配当額は単純合算額である118円00銭として記載しております。
4.第161期の1株当たり配当額71円00銭のうち、期末配当38円00銭については、2026年6月24日開催予定の定時株主総会の決議事項になっています。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社39社、関連会社6社及び共同支配企業2社(2026年3月31日現在)より構成されており、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一セグメントであります。
主要な会社は次のとおりであります。
当社、シオノギファーマ株式会社、シオノギヘルスケア株式会社、シオノギテクノアドバンスリサーチ株式会社、鳥居薬品株式会社、シオノギビジネスパートナー株式会社、Shionogi Inc.、Qpex Biopharma, Inc.、
Tetra Therapeutics Inc.、Shionogi-Apnimed Sleep Science, LLC、Shionogi B.V.、ViiV Healthcare Ltd.、
台湾塩野義製薬股份有限公司、北京塩野義医薬科技有限公司、塩野義(香港)商業有限公司、
塩野義有限公司、その他32社
事業の内容と当社グループ各社の当該事業における位置付けを事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

(注)1.連結子会社27社、関連会社4社及び共同支配企業1社は小規模のため表中には表示しておりません。
2.当社は、2026年4月6日付でShionogi-Apnimed Sleep Science, LLCの持分を追加取得し、同社を連結子会社としました。さらに、2026年6月1日付で当社および当社の連結子会社であるShionogi Inc.との間で締結した出資契約に基づき、同社はShionogi Inc.の完全子会社となりました。
4 【関係会社の状況】
(注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.特定子会社に該当しております。
3.上記以外に連結子会社が27社、持分法適用関連会社が1社及び持分法適用共同支配企業が1社ありますが、いずれも事業に及ぼす影響度が僅少であり、かつ全体としても重要性がないため、記載を省略しております。
4.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。
5.当社は、2026年4月6日付でShionogi-Apnimed Sleep Science, LLCの持分を追加取得し、同社を連結子会社としました。さらに、2026年6月1日付で当社および当社の連結子会社であるShionogi Inc.との間で締結した出資契約に基づき、同社はShionogi Inc.の完全子会社となりました。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社および連結子会社、以下「SHIONOGI」という)が判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
■経営の基本方針
SHIONOGIは、「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬(ヘルスケアソリューション)を提供する」ことを基本方針(SHIONOGI Group Heritage)として掲げております。その実現のためには、革新的な新薬を創製し製造するとともに、益々多くの人々にその品質と安全性に関する科学的に裏付けられた正確な情報を提供し使っていただかなければなりません。そして、SHIONOGIのあらゆる人々が持つ知識と技術を日々向上させることが、すべてのステークホルダー(顧客、株主・投資家、社会、従業員など)の利益の拡大につながるものと考えております。
■2030年に成し遂げたいビジョン(SHIONOGI Group Vision)
SHIONOGIは、「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」ことをSHIONOGI Group Visionとして掲げ、事業変革に取り組んでおります。先進諸国における社会保障費の増加に対する懸念の高まりや医療ニーズの高度化、多様化が進む中で懸命にこれに対処し、人々の健康と持続可能な社会の実現に貢献し続けることがSHIONOGIの社会的使命であると認識しております。一方で医療用医薬品ビジネスには、主力製品の特許切れという事業のサステイナビリティに関わる課題が常に存在します。SHIONOGIは医療用医薬品を提供する従来型の「創薬型製薬企業」から、幅広いヘルスケアサービスを提供する「HaaS(Healthcare as a Service)企業」へと自らを変革し、社会に対して新たな価値を提供し続けていくことで、患者さまや社会の抱える困り事をより包括的に解決したいと考えております。そのためには、創業来培ってきた創薬型製薬企業としての創造力と専門性に基づいた強みをさらに進化させ、異なる強みを持つ他社・他産業から選ばれる「協創の核」として、ヘルスケア領域の新たなプラットフォームを構築していかなければなりません。
SHIONOGIは、SHIONOGI Group Visionの実現に向け、変化を恐れず多様性を受容し、既成概念を超えて自らを「Transform」することに、取り組んでまいります。

■経営環境及び経営戦略
グローバルでビジネスの環境は複雑さを増し、将来の予測が困難な状態にあります。世界人口の増加と高中所得国における少子高齢化の進行、地球規模で起こる気候変動等の環境変化とそれらに伴う疾病構造やヘルスケアに求められるニーズの変化、AIの飛躍的な進化、人々の価値観の多様化、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)によるパンデミックを契機とした創薬の研究開発の進め方やグローバル展開の考え方の変革等、ヘルスケア産業を取り巻く外部環境は急速に変化しております。また、医療保険財政のひっ迫に伴い先進諸国で薬剤費抑制への圧力が強まる中、我が国においては2021年度より、これまで2年に一度であった医療用医薬品の薬価改定が毎年施行されるなど、製薬企業の経営を取り巻く環境は一層厳しさを増しております。さらには、経済・技術・安全保障などの分野における大国同士の主導権争いや、米国による関税措置などの自国優先の動きに加え、ロシアによるウクライナへの侵略の長期化・中東対立の拡大などの地政学リスクの高まりを受け、諸外国におけるビジネスの展開や医薬品原材料の調達・供給の難度化と停滞のリスクなども日々顕在化してきております。このような外部環境の急速な変化によりビジネスの予見性がグローバル規模で低下する状況においては、イノベーションへの投資を継続しながらも、事業を安定的に運営することがこれまで以上に求められます。
こうした厳しい環境下においても、SHIONOGIは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬ゾコーバの開発に率先して取り組み、これまでにないスピードで創薬から臨床開発、承認申請へと進め、緊急承認を取得するなど、社会の安定化のために一定の成果を示すことができました。また、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)フランチャイズについては、HIVとともに生きる人々のニーズに応える2剤のみからなるより安全な経口剤の浸透と、さらに根源的なニーズに対応できる長時間作用型注射製剤(Long Acting Injectable:LAI製剤)の発売により、これまで経口薬が中心であった市場をLAI製剤に置き換えていくViiV Healthcare Ltd.(以下、ViiV Healthcare)の画期的な戦略が着実に成果を上げております。その結果、当社がViiV Healthcareに導出したカボテグラビルを含むLAI製剤のCabenuva(治療薬)とApretude(予防薬)の販売が順調に拡大し、今後も安定的な成長が期待できる見通しとなりました。
当社グループは、SHIONOGI Group Visionを実現するために、2020年に中期経営計画「Shionogi Transformation Strategy 2030(STS2030)を発表し、様々な取り組みを進めてまいりました。そして、STS2030を策定してから2023年までの3年間の取り組みによる成果や学びをもとに、SHIONOGI Group Visionの実現に向けた道筋をより明確にするため2023年6月にSTS2030をアップデートし、STS2030 Revisionとして再策定いたしました。
■STS2030 Revisionの概要
STS2030 Revisionでは、2023年度から2025年度の3ヵ年をSTS Phase2と位置付け、変革による成長を加速させることを目指してまいりました。また、2026年度から2030年度までをSTS Phase3として計画を策定し、実行していくこととしておりました。

STS Phase1では、自社創製品の販売拡大と医療用医薬品以外の製品・サービスの進展、さらにガバナンスの強化を通じて主要KPIを概ね達成することができました。STS Phase2では「感染症領域を中心としたグローバルでのトップラインの成長」と「積極投資による成長ドライバーの育成を実現すること」を基本方針とし、3つの柱である「HIVビジネスの更なる成長」、「急性呼吸器感染症事業」、「新製品・新規事業拡大」を通じて、成長を加速させていく方針で取り組みを進めました。その結果、2022年度に創業来過去最高の売上収益と営業利益を達成し、さらに、2023年度から2025年度まで3期連続で過去最高を更新し続けることができました。特に、2025年度には売上収益およびすべての利益項目で過去最高の業績を達成するなど、着実な成長を実現しております。
■SHIONOGI Group Visionの実現に向けて
このようにSHIONOGI Group Visionの実現に向けて着実な成長を続ける中で、STS Phase2の最終年度に当たる2025年度に、当社は2026年度以降のさらなる飛躍的な成長を見据え、大規模な事業投資を複数実行いたしました。
その実行に至った背景には、当社の収益基盤であるHIV事業が、中長期にわたり安定した収益基盤となる見通しが一層確かなものとなったことがあげられます。HIV事業においてViiV Healthcareの戦略が奏功し、LAI製剤の市場浸透が順調に進展するとともに、さらなる成長を担う第3世代のインテグラ―ゼ阻害剤S-395598/VH4524184の開発が大きく進展いたしました。経口剤によるPhase2a試験において、優れた抗ウイルス効果と良好な安全性、さらに既存のインテグラーゼ阻害剤とは異なる耐性プロファイルを確認することができました。さらに、6ヵ月に1回(年に2回のみ)の投与で治療が期待できる良好な臨床試験結果も公表されました。こうした進展を受け、ViiV Healthcareとのパートナーシップのさらなる深化とHIV領域へのコミットメントの強化を目的に、ViiV Healthcareへの追加出資を決定いたしました。
さらに、中長期の成長の源泉となる自社創薬力と重要な事業基盤の1つである国内事業の強化を目的とした日本たばこ産業株式会社の医薬事業(以下、JT医薬事業)と傘下の鳥居薬品株式会社(以下、鳥居薬品)、Akros Pharma Inc.(以下、Akros社)を一体で獲得するM&Aの実施、米国における販売力の強化と感染症領域に続く成長領域としての希少疾患事業の確立を目的に、田辺ファーマ株式会社(以下、田辺ファーマ)から筋萎縮性側索硬化症等の治療薬であるエダラボンの事業買収を行いました。これら3つの大きな事業投資により、当社の今後の成長に向けた事業基盤の獲得と経営基盤の強化が順調に進展いたしました。
当初、STS2030 Revisionでは、2026年度から2030年度までをSTS Phase3として、2026年度に新たな計画を公表する予定でした。しかし、上記の積極的な事業投資を進めたことで、当社の経営を取り巻く前提は大きく変化しております。このため、2026年度については、一連の事業投資によって獲得した事業基盤を、将来の成長に向けて確実に定着させることに注力する一年と位置付けております。こうした考えのもと、新たな中期経営計画については、その先の成長を見据え、2027年4月以降に公表することを予定しております。
■SHIONOGIの重要課題(マテリアリティ)とSTS2030 Revisionとの関係
SHIONOGIは事業活動を通じて社会課題や医療ニーズに応え、社会に必要とされる企業として成長し、その成果をステークホルダーと共有していくことを目指しております。その実現のため、SHIONOGIを取り巻く環境を捉え、環境変化に対する機会と脅威の評価およびSHIONOGIの現状や課題などの分析を通じて重要課題(マテリアリティ)を特定しております。これらのマテリアリティのうち、2030年までのSHIONOGIの成長や社会からの要請を考慮し、特に欠かせない要素をSTS2030 Revisionの戦略に組み入れております。
マテリアリティの詳細については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
※マテリアリティの特定プロセスおよびリスクと機会の分析・評価に関する詳細については、Webサイトをご覧ください。
https://www.shionogi.com/jp/ja/company/strategy/important-issues.html
(2) STS2030 Revision で優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
マテリアリティの中で特に重視している課題は「感染症の脅威からの解放」であり、その実現こそが感染症のリーディングカンパニーとしてのSHIONOGIの使命であると考え、STS2030 Revisionでは感染症領域における種々のヘルスケア課題の解決と持続可能なビジネスモデル構築を目指しております。また、「健やかで豊かな人生への貢献」についても重視するマテリアリティの1つと据え、従来注力領域に掲げていた「精神・神経疾患」と「疼痛」にこだわらず「認知症」、「肥満症」、「子どもの疾患・希少疾患」や「睡眠障害」といった社会的影響度の高いQOL(Quality of Life)疾患にフォーカスし、誰もが自分らしく生き生きとした生活を送ることができる社会の実現に貢献いたします。
■社会課題の解決を通じた価値創造
①感染症の脅威からの解放
SHIONOGIは、60年以上にわたって感染症の研究・開発を続けており、これまで多くの感染症治療薬を社会に提供してまいりました。長い活動で培われた感染症領域への深い理解や化合物・病原体のライブラリなどの強みをベースに、今後もアンメットニーズの充足に貢献するソリューションを提供することができるものと考えております。
世界をCOVID-19のパンデミックの脅威から一日でも早く解放することを最優先に、COVID-19に対する治療薬とワクチンの開発に取り組みました。この経験とノウハウを活かして、今後出現する可能性のある変異株、コロナウイルスによる次のパンデミックに対しても有効な広域コロナウイルスワクチンの創製にも取り組んでおります。さらに、島津製作所との合弁会社である株式会社AdvanSentinelによる下水疫学調査サービスの提供、COVID-19診断薬の開発や供給など、感染症のトータルケア(治療のみではなく未病、予防、診断、予後なども含めた疾患全体のケア)の実現に向けた製品・サービスの整備を行いました。引き続き、ゾコーバのエビデンス構築、小児や予防などへの適応拡大により、いまだ満たされていないニーズの充足に貢献するとともに、感染症のトータルケアをグローバルに展開することで、トップラインの成長と持続可能なビジネスモデルの構築を目指してまいります。
また、世界三大感染症についても、HIVのみならず、結核やマラリアなど、治療に長期間を要する感染症にコミットすることで、感染症のリーディングカンパニーとしての使命を果たしてまいります。
さらに、SHIONOGI単独では対応が難しい感染症に対しても、社会とともに課題を解決するための仕組みの構築に取り組んでまいります。薬剤耐性(AMR)は、サイレント・パンデミックと称され、喫緊かつグローバルな脅威として徐々に認知が高まっておりますが、将来的な脅威の拡大が危惧されているにもかかわらず、創薬の難易度や投資が回収できないといったビジネスリスクの為に世界的に新規治療薬の開発が停滞している現状があります。こうした中でSHIONOGIは、AMRに対する有望な治療選択肢として、世界で初めてのシデロフォアセファロスポリン抗菌薬であるセフィデロコルを創出しました。さらに、Qpex Biopharma, Inc.(以下「Qpex社」)を完全子会社化することで広域阻害スペクトラムを有するβ-ラクタマーゼ阻害剤を獲得するとともに、新たな研究拠点であるQpex US Lab.を開設するなど、抗菌薬研究開発のケイパビリティ強化および米国でのネットワーク強化に取り組んでおります。加えて、低・中所得国を含む世界中の国々の感染症治療薬へのアクセス改善を目的に、MPP(Medicines Patent Pool)とパートナーシップを形成し、GARDP(Global Antibiotic Research and Development Partnership)、CHAI(Clinton Health Access Initiative)との間でも提携契約を締結しております。
②健やかで豊かな人生への貢献
SHIONOGIは、誰もが自分らしく生き生きとした生活を送ることができる社会の実現を目指し、社会的影響度の高いQOL疾患をSTS2030 Revisionで注力する領域として掲げ、すでに研究開発を進めていた精神・神経疾患、疼痛だけでなく、睡眠障害や難聴などの特にアンメットニーズの高い領域のパイプラインの開発を進めております。2024年度には不眠症治療薬「クービビック®錠25mg 50mg」、2025年度にはうつ病治療薬「ザズベイ®カプセル30mg」の国内販売を開始いたしました。加えて、鳥居薬品の完全子会社化によって、アレルギー、皮膚疾患領域の豊富な製品群を獲得することで、QOL疾患領域での取り組みを拡大しております。
また、HaaS企業としてのさらなる成長を実現するため、医療用医薬品を軸としたソリューションのプラットフォームを提供し、より多くの患者さまのニーズに応えるための取り組みを進めております。2024年度には小児期における注意欠如多動症(ADHD)に対するデジタル治療用アプリ「ENDEAVORRIDE(エンデバーライド)®」の国内製造販売承認を取得するとともに、サスメド社の不眠障害用アプリやFRONTEO社と共同で会話型認知機能検査用AIプログラム医療機器の開発などにも取り組み、患者さまのニーズに寄り添うHaaS構想の具現化を進めております。また、一人ひとりの児童生徒に合致した適切な教育プランを教員に提案する教育支援サービスを提供するYui Connection株式会社の設立、ピクシーダストテクノロジーズ社との連携による音刺激を活用した認知症機能改善に向けた取り組みの推進、2025年度はFRONTEO社との共同によるあたまの健康度判定Webアプリケーション「トークラボKIBIT」の提供開始と保険付帯サービスとしての社会実装など、HaaS実現に向けた環境整備を進展させることができました。今後も、治療薬の提供にとどまらず、革新的な治療選択肢やサービスの開発・提供を通じて患者さまとそのご家族、さらには周囲で支援しておられる皆さまの困りごとを解決し、QOLや社会の生産性向上に貢献してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
STS2030 Revisionでは、達成すべき財務経営指標として3つの成長性指標と3つの株主還元指標を設定しております。成長性指標については、トップラインの成長を優先して進めていくことから売上収益、またその成長をグローバルに成し遂げていくことから海外売上高 CAGR(Compound Annual Growth Rate:年平均成長率)、そして成長に向けた積極的な投資を行っていくことと稼ぐ力を測るためにEBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:利払い・税引き・償却前利益、コア営業利益に減価償却費を加えた利益)の3つを設定しております。また、株主還元指標として、事業成長と財務施策の観点からEPS、DOE、ROEの3つを継続して設定しております。
※1 当社は、2025年5月12日に開示いたしました2024年度決算において、2025年度目標の主要業績評価指標(KPI)のうち、売上収益を5,500億円から5,300億円、EBITDAを2,000億円から1,960億円に修正いたしました。また、海外売上高CAGRについては、2026年度以降のさらなる成長を見据え再設定する予定です。
※2 当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割を行っております。2025年度目標のEPSには株式分割後の数値を記載しております。
当社は、2025年度に大規模な事業投資を複数実施し、新たな成長フェーズへと歩みを進めております。そのため、経営指標についても、今後公表予定の新中期経営計画での更新を予定しております。今後も、取り組むべき施策をひとつひとつ着実に実行するとともに、さらなる収益ドライバーを確立するためのM&Aや導入、提携などの事業開発機会の探索を継続し、強固な財務基盤を活かして各案件の価値に見合った投資を積極的に実行していくことで、経営指標の達成を目指してまいります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
SHIONOGIのサステイナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてSHIONOGIが判断したものであります。
(1)サステイナビリティに関する考え方
SHIONOGIは、事業の成長と社会の持続可能性の両立に向けて、SHIONOGIと社会の双方にとっての重要課題(マテリアリティ)を特定するとともに、SHIONOGI Group Visionの中でSDGs達成への貢献を謳い、取り組みを推進しております。また、経済、社会、環境等に対し企業責任を果たすために、多様なステークホルダーとの連携強化にも注力しております。
(2)サステイナビリティに関する取組
事業の成長と社会の持続可能性の両立のためには、前項「STS2030 Revisionで優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」にて記述した価値創造に関する取り組みに加え、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの推進が重要であると認識しております。SHIONOGIでは、自社にとっての重要性および社会・地球環境にとっての重要性の観点から、事業の成長と持続可能な社会の実現に向けて特に対処すべき課題として、気候変動対応を含めた「環境への配慮」ならびに、「成長を支える人材の確保」を認識し、解決に向けた取り組みを推進しております。
a.ガバナンス
SHIONOGIでは、サステイナビリティに関する経営上の重要事項について、経営会議および取締役会にて審議・決議しております。また、担当役員である執行役員の責任のもと、サステイナビリティ推進部と各組織が連携することで、サステイナビリティに関する取り組みと体制強化に向けた全社の活動を推進しております。
マテリアリティごとに指標を設定した上で、半期に一度、各指標に対する取り組みの進捗状況を経営会議および取締役会に報告し、意見や助言を受け、取り組みに反映しております。さらに、個別のサステイナビリティに関する事項について、重要な意思決定を伴う場合には、経営会議や取締役会に諮り、審議を行っております。
SHIONOGIの全社のコーポレート・ガバナンス体制の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。
b.戦略
SHIONOGIは事業活動を通じてヘルスケア社会課題を解決するとともに持続可能な社会の実現に貢献することで、社会に必要とされる企業として成長し、その成果をステークホルダーと共有することを目指しております。
この事業活動の根底には「SHIONOGIは、常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」 という基本方針(SHIONOGI Group Heritage)の考えが根付いており、この基本方針に基づき、中長期的に目指す姿としてSHIONOGI Group Visionを定めております。このSHIONOGI Group Visionの実現に向け、社内外の環境変化を捉え、リスクと機会・その時間軸の分析・評価を実施することで、SHIONOGIのマテリアリティを特定し、「顧客・社会に新たな価値を創出する」、「持続可能な社会へ貢献する」、「経営基盤を強化する」という3要素に整理して、各活動を推進しております。また、特定したマテリアリティを踏まえて、成長戦略である中期経営計画 STS2030 Revisionを策定しております。

STS2030 Revisionの詳細およびSHIONOGIの重要課題(マテリアリティ)とSTS2030 Revisionとの関係性については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
※重要課題(マテリアリティ)の特定プロセスおよびリスクと機会の分析・評価に関する詳細については、Webサイトをご覧ください。
https://www.shionogi.com/jp/ja/company/strategy/important-issues.html
なお、経営環境及び経営戦略の項で記載した通り、当社の経営を取り巻く前提が大きく変化したことに伴い、マテリアリティの見直しを進めております。新たなマテリアリティについては、2027年4月以降に新中期経営計画と併せて公表することを予定しております。
c.リスク管理
サステイナビリティに関連するリスク管理は全社的なリスクマネジメント体制に組み込まれております。具体的には、サステイナビリティを含む事業等へのリスクおよび機会を特定し、それぞれのリスクごとに責任管掌・リスクオーナーを任命し、不確実性を機会として活かす、あるいは低減するための対応計画を推進しております。リスク管理の詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
d.指標及び目標
SHIONOGIでは、各マテリアリティにおいて、経営会議および取締役会にて審議を経て決定したマテリアリティ指標を設定しております。
さらに、半期に一度、マテリアリティ指標に対する取り組みの進捗状況を経営会議および取締役会に報告しております。各マテリアリティ指標の進捗を管理・モニタリングすることで実効性を確保しております。
※各マテリアリティに関する指標および主な取り組み実績の詳細については、Webサイトをご覧ください。
https://www.shionogi.com/jp/ja/company/strategy/important-issues.html
(3)環境への配慮(気候変動)
①環境への配慮に対する考え方
SHIONOGIは、自然資本を投入し事業を営む企業グループとして、地球環境の保全を通じた持続可能な社会の実現を私たちが果たすべき重要な責務と認識しております。SHIONOGIは、「SHIONOGIグループEHS※1ポリシー」および「SHIONOGIグループEHS行動規範」に基づき、統括EHS管理機能を整備するとともに、「AMR」「気候変動」「省資源・資源循環」「水」「環境マネジメント・ガバナンス」の5つの課題を環境面において優先的に取り組む重要課題として「環境マテリアリティ」に特定しております。また、中長期かつ戦略的な取り組みを行うための指標として、2035年度を最終年度とした「SHIONOGIグループEHS行動目標」を設定しております。
特に、環境マテリアリティにも特定している「気候変動」については、2050年にカーボンニュートラルを実現するための中間目標である「2035年度 自社CO2排出量 60%減(2019年度基準)」を実現するため、脱炭素の取り組みを強化しております。その一環として、SHIONOGIは、2022年3月にTCFD※2提言への賛同を表明し、TCFDコンソーシアムに加盟しております。TCFD提言に基づく対応として、事業活動に影響を与える気候変動のリスク・機会の特定、財務影響評価などを実施し、その結果を以下の通り開示しております。なお、2025年度以降に実施した、鳥居薬品およびJT医薬事業の買収、田辺ファーマからのエダラボン事業の買収に伴う気候変動関連情報への影響については、2026年度中に再評価を行い、開示する予定です。
※1 EHS:Environment, Health and Safety(環境および安全衛生)
※2 気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures): G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するため設立された組織
■TCFD提言に基づく情報開示
a.ガバナンス
気候変動リスクへの具体的な対応策は統括EHS管理機能においてその進捗を管理しております。全社的なリスクマネジメント体制における当該テーマのリスクオーナーでもある執行役員サステイナビリティ経営本部長を統括EHS責任者に任命しており、統括EHS責任者が「SHIONOGIグループ中央EHS委員会」および「省エネ委員会」の委員長を務めております。これら合計して年4回以上の頻度で開催される各委員会の決定事項は代表取締役社長に報告するとともに、上位の審議体に諮る必要がある事項については事前に経営会議に上程し、取締役会決議等の機関決定を得るなど、より深い議論が尽くされる体制を整備しております。

b.戦略
2022年度には、気候変動に関するリスクと機会を評価・特定するため、1.5℃シナリオ(パリ協定に沿った温室効果ガス排出削減が進み、気温上昇が産業革命前から1.5℃に抑えられる持続可能な未来)と、4℃シナリオ(排出削減が進まず、気温が4℃上昇する深刻な影響が想定される未来)という2つの温度帯を用いたシナリオ分析を実施しました。これにより、財務影響の評価やリスク対応方針の立案など、気候変動戦略の検討を行いました。2025年度には、特定されたリスク・機会に関する財務影響の評価について、事業の進捗状況や為替変動などの外部要因を考慮し、一部見直しを実施しております。
1.5℃および4℃シナリオを用いたSHIONOGIの気候変動に関するリスク・機会の評価結果は下表のとおりです。財務影響が相対的に大きい気候変動に起因するリスク・機会として、1) カーボンプライシング導入、2)局所的な異常気象・気温上昇による原材料調達への影響、3)海面上昇、の3つを特定しております。評価時の試算では、仮に特定したすべてのリスク・機会が顕在化することを想定した場合において、中期経営計画STS2030の最終年度である2030年に目標としていたコア営業利益に与える財務的な負の影響は約10%程度にとどまることを確認しております。従って、2023年6月に改訂したSTS2030 RevisionではSTS2030と比較してさらなる収益の拡大を目標としておりますが、今後想定され得る気候変動シナリオに対する事業のレジリエンスは担保されていると判断しております。
・SHIONOGIの気候変動に関するリスク・機会の評価概要
(注) 1.財務影響: 大:100億円以上、中:10億円以上~100億円未満、小:10億円未満。ただし、2025年度期中に実施した、鳥居薬品およびJT医薬事業の買収、田辺ファーマからのエダラボン事業の買収に伴う気候変動関連情報への影響については、加味しておりません。
2.SHIONOGIのScope1-3を対象としたワーストケースとして、約98億円と想定しております。IPCC1.5℃特別報告書を参考に、炭素税を21,719円/tCO2と社内設定して試算しております。
3.品質試験で用いるライセート試薬が調達できず、主力医薬品の一部が出荷停止する場合を想定しております。
4.ワーストケースとして、工場等の拠点移転が発生する場合を想定しております。
※詳細については、Webサイトをご覧ください。
https://www.shionogi.com/jp/ja/sustainability/environment/performance/climate/tcfd.html
c.リスク管理
気候変動のシナリオ分析では、気候変動が事業活動に影響を与える「移行リスク」「物理リスク」「機会」を網羅的に抽出し、抽出した各項目の財務影響と事業のレジリエンスを1.5℃、4℃のシナリオに分けて評価したのちに、対応優先度の評価と対応方針および対応策の立案を行っております。また、気候変動を含む将来の事業環境に重大な影響を与える可能性のあるリスク・機会については全社的リスクマネジメント体制の中で影響度・発生可能性などを勘案した上で、その対応策の着実な実行を管理しております。これらリスクの特定から対応策の立案・推進に至る過程および重要な事項は、経営会議および取締役会に報告しております。
d.指標及び目標
中長期的な目標であるSHIONOGIグループEHS行動目標の一部に、気候変動に関するリスク低減を目的とした指標として「温室効果ガス(CO2)の排出の削減」を掲げております。また、2050年のカーボンニュートラルを目指した2030年度温室効果ガス排出削減目標としてSBT(Science Based Targets:科学的根拠に基づいた排出削減目標)を設定しております。この目標は2021年6月にSBTイニシアチブからの承認を取得しております。
SBTの2030年度達成目標に向けて、SHIONOGIグループ各事業所への段階的な再生可能エネルギー由来の電力の導入を進めており、2025年度末時点で塩野義製薬の主要サイト(本社、油日研究センター、CMCイノベーションセンター、医薬研究センター)に加え、シオノギファーマ株式会社の主要工場である摂津工場、金ケ崎工場(全体の25%)、徳島工場(2025年12月より)への導入を完了しております。また、各事業所における節電や省エネルギーの取り組みの推進も図ったことで、2025年度の自社排出は2019年度比で26.8%の削減となりました。引き続き、SBTならびに「SHIONOGIグループEHS行動目標」のもと、シオノギファーマの主要工場への導入を進めていくとともに、サプライチェーン排出の削減にも取り組むことで、SHIONOGIの脱炭素目標達成に向けた活動を推進してまいります。
・温室効果ガス(CO2)排出量削減に向けた中長期目標
・再生可能エネルギー由来の電力の導入実績・計画
・温室効果ガス実排出実績の推移
目標設定している各項目については、括弧内に2019年度実績に対する比率を併記しております。
(注) 1.「塩野義製薬株式会社 統合報告書 2025」に記載した2024年度のScope1、Scope2およびScope3のカテゴリー1の温室効果ガス排出量データに対して第三者保証を受けております。
2.第三者保証を受けていない速報値です。今後、Scope1、Scope2、およびScope3のカテゴリー1の温室効果ガス排出量データについては、第三者保証を取得する予定にしております。2025年度の第三者保証を取得した確定値につきましては、2026年9月発行予定の当社統合報告書をご参照ください。
3.対象範囲は、SHIONOGIグループ(海外グループ会社(オフィス系)を除く):国内SHIONOGIグループおよび南京工場(南京長澳製薬有限公司)です。2025年度は期中で加入したJT医薬事業および鳥居薬品の実績は含めておりません。
4.対象範囲は、塩野義製薬株式会社およびシオノギファーマ株式会社です。2022年度より消費税等を考慮した原単位を用いて算出しております。これに伴って、2021年度以前の排出量も消費税を考慮した原単位を用いて再計算しております。
5.「カテゴリー2・3・4・5・6・7・12」の合計です。自社の企業活動に含まれない、もしくは、他カテゴリーで計上した「カテゴリー8・9・10・11・13・14・15」を除外しております。対象範囲は、国内SHIONOGIグループです。2025年度は、期中に加入したJT医薬事業に関連する固定資産(主に研究所)の取得により、Scope3カテゴリー2が一時的に大幅増加しております。
・エネルギー消費量、電力使用量、再生可能エネルギー由来電力導入量の推移(注1)
目標設定している再生可能エネルギー由来導入率については、括弧内に導入比率を併記しております。
(注) 1.対象範囲は、SHIONOGIグループ(海外グループ会社(オフィス系)を除く):国内SHIONOGIグループおよび南京工場(南京長澳製薬有限公司)です。2025年度は期中で加入したJT医薬事業のおよび鳥居薬品の実績は含めておりません。
2.「塩野義製薬株式会社 統合報告書 2025」に記載した2024年度の総エネルギー消費量データに対して第三者保証を受けております。
3.第三者保証を受けていない速報値です。今後、総エネルギー消費量データおよび再生可能エネルギー由来電力使用量データについては、第三者保証を取得する予定にしております。2025年度の第三者保証を取得した確定値につきましては、2026年9月発行予定の当社統合報告書をご参照ください。

※活動進捗については、Webサイトをご覧ください。
https://www.shionogi.com/jp/ja/sustainability/environment/performance/climate.html
(4)成長を支える人材の確保(人的資本の拡大)
a.戦略
SHIONOGI Group Visionの実現およびその先の持続的な企業価値の向上に向けた、イノベーション創出およびグローバルな事業展開を主要な柱とするSTS2030 Revision達成には、これを支える人的資本への継続的な投資が不可欠であると考えております。
SHIONOGIでは「人が競争力の源泉」という人材育成理念のもと、目指すべき人材像 (SHIONOGI Way) 「他者を惹きつける強みを持ち、貪欲に知識とスキルを高めつつ、積極的に挑戦しやり遂げる人」を定め、自律的な学びによる成長を後押しし、グローバルな競争に勝ち抜ける強い個人の育成と多様な人材を活かす組織の構築に取り組んでおります。特に、SHIONOGIにおける各種職種に求められるスキルおよびスキルレベルを定義し、マネジャーによる従業員一人ひとりのアセスメントを通じて、従業員のスキルレベルの可視化を進めております。本アセスメント結果を踏まえ、SHIONOGI Group Visionの実現に向けて、不足する人材やスキルを補うための社内人材の育成支援および外部人材の採用を推進しております。
また、SHIONOGIは、従業員がSHIONOGI Group HeritageおよびSHIONOGI Group Visionに共感し、その理解を深めることが、ステークホルダーに対する主体的な貢献意欲を高めることにつながり、ひいてはSTS2030 Revision達成およびその先の持続的な企業価値の向上に寄与するものと考えております。このため、人的資本の拡大、特に従業員エンゲージメントの向上を重要な経営指標の1つと位置付けております。こうした考えのもと、ライフスタイルやキャリア志向の多様化に対応し、従業員エンゲージメントを高めることで戦略実行力の最大化を図るため、働きやすい環境の整備、やりがいの向上および健康増進に向けた取り組みを推進しております。具体的には、所定労働時間の短縮、スーパーフレックスタイム制、在宅勤務、選択週休制度(週休3日)、兼業・副業の許可、自己啓発を支援する様々な制度の導入等、多様な人材が活躍できる環境整備を進めております。また、従業員の健康保持・増進の観点では、「SHIONOGIグループ健康基本方針」のもと、健康経営の推進に取り組んでおり、執行役員を健康経営執行責任者とし、産業医、看護職、塩野義健康保険組合、労働組合等と協働した体制を構築し、健康課題の設定とその改善に向けた各種施策の実行を推進しております。
これらの取り組みを通じて、従業員がSHIONOGI Wayを体現し、SHIONOGI Group Visionの実現に主体的に貢献する人材の育成等を図ることで、人的資本の持続的な拡大と企業価値の向上を目指しております。

b.指標及び目標
人材の育成および社内環境整備に関する方針に関する指標の内容ならびに当該指標を用いた目標および実績
(注) 1.当社グループでは人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針に関わる指標については関連する指標データ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上の指標に関する目標および実績は国内グループ連結(当社および国内連結子会社)におけるものを記載しております。
2.2025年度より、JT医薬事業の承継に伴う従業員が提出会社の従業員に含まれることとなりました。また、同年度より鳥居薬品が国内グループ連結の対象となったことから、これらを2025年度の実績および目標に反映しております。一方で、従業員・管理職の教育受講率に関わる2025年度実績には鳥居薬品を含めておらず、健康診断受診率、ストレス反応偏差値および喫煙率に関わる2025年度実績には、鳥居薬品ならびにJT医薬事業の承継に伴う従業員を含めておりません。
3.提出会社での実績は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2)従業員の状況」に記載しております。
4.従業員数は翌年度4月1日時点により算出しております。部下を持つ職務の者を管理職としております。
5.当該年度に誕生した子どもを有する従業員のうち、育児休業を取得した従業員の割合を記載しております。
6.組合員を対象とした自発的な学びを支援する制度(年間30万円を上限とする)。2025年度から対象を管理職に広げております。
7.メンタルヘルス研修(セルフケア、ラインケア)および毎年テーマを設定して実施する健康関連研修の受講率のうち最小値を記載しております。
8.2023年度実績より算出条件が変更になっております。
9.当社は引き続き健康経営を重要な経営課題と位置付け、喫煙率低減に向けた施策を推進するとともに、事業承継に伴う喫煙率への影響を踏まえて適切な目標水準の設定について検討を進めております。
3 【事業等のリスク】
リスクマネジメント体制
SHIONOGIは、事業機会の創出およびリスクの回避や低減など適切なマネジメントを行うとともに、パンデミック、自然災害、テロやサイバー攻撃などのクライシスマネジメントも含めたグループ全体のビジネスリスクを統括する全社的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)体制を経営戦略・経営基盤の重要な仕組みとしております。
全社的リスクマネジメントの運用・管理は、トップダウンおよびボトムアップの両面から実施しております。戦略の意思決定に内在するリスクや戦略の遂行を阻害するリスクを「事業戦略上のリスク」、経営目標を支える業務遂行に影響を与えるリスクを「事業遂行上のリスク」と分類し、責任の明確化および対応状況の透明化を図ることで包括的なリスク管理を行っております。
「事業戦略上のリスク」は、四半期ごとに経営会議で議論を行い、リスクリストの更新、対応すべきリスクの特定および責任管掌の任命を行うことで対応しております。責任管掌は他管掌を含む関連組織と連携を図りながらリスク対応計画の立案・推進を行い、経営会議へ進捗状況を報告しております。また、変化のスピードが速くリスクの全容や当社への影響が明確ではない外部トレンドについては、継続的な情報収集とタイムリーな議論を通じてリスクの兆しを捉え、対応すべきリスクの特定や責任管掌の任命に繋げております。
「事業遂行上のリスク」は、各組織がリスクオーナーとなり、組織の目標達成に向けた計画立案・推進を自律的に推進しております。各管掌は自管掌下の重要リスク状況をモニタリングするとともに、必要に応じて「事業戦略上のリスク」として経営会議へエスカレーションする責務を担っております。
リスクマネジメント事務局は経営会議でのリスクマネジメント運営事務局として、国内外の主要子会社を含む重要リスクおよび対応状況の取りまとめ、事業戦略上のリスクのうち特に経営への影響の大きな最重要リスクの特定などの議題設定に関わる事務的機能を担うとともに、外部トレンドや環境変化のリサーチおよび経営陣へのタイムリーな提供を通じて、リスクマネジメント議論の高度化と活性化を図っております。
これらSHIONOGIが対応すべき事業戦略上のリスクやそれらへの対応状況は、半期に一度、経営会議・取締役会にて確認・モニタリングを行うことで、実効性を確保しております。
クライシスマネジメント/BCP
クライシスマネジメントについては、危機管理規則等に基づき、事業継続計画を含む総合的な管理体制のもと、人命を尊重し、地域社会への配慮、貢献および企業価値毀損の抑制を主眼とした管理を推進し、クライシスが発生した場合には速やかに対処し、当該クライシスを克服するよう努めております。
また、リスクマネジメントの実効性を高めるため、「内部統制システムの整備・運用に関する基本方針」に基づき業務の適正を確保する体制の整備・運用にも注力しております。
これらの活動は定期的に経営会議および取締役会に報告され、取締役より助言を得ることで改善を図るなど、リスクマネジメント活動を監督する体制を構築しております。
なお、文中の将来に関する事項およびリスクは、当連結会計年度末現在において判断したものです。

1.事業戦略上のリスク
(1) 感染症領域・QOL疾患領域・希少疾患領域を中心としたグローバルな成長
<概要>
感染症領域は、人々の生命を脅かす深刻な課題であり、社会的意義が極めて高い一方で、感染症の流行状況や公衆衛生政策、適正使用の要請等により収益が変動しやすく、市場の予見性が相対的に低い特性があります。
SHIONOGIでは、このような特性を踏まえ、マテリアリティに「感染症の脅威からの解放」を定め、感染症領域をグローバルにおける中核事業として継続的に成長させることに取り組んでおります。同時に、超高齢社会の進展やライフスタイルの変化を背景として、人々の健康寿命の延伸や生活の質(QOL;Quality of Life)の向上に対するニーズの高まりを重要な社会課題と捉え、マテリアリティに「健やかで豊かな人生への貢献」を定めております。このマテリアリティの実現に向けて、グローバルでの事業拡大を加速させております。
SHIONOGIは、感染症領域における「薬剤耐性(AMR)」、「HIV」、「急性呼吸器感染症」、QOL疾患領域における「うつ」、「睡眠障害」、「難聴」、希少疾患領域における「脆弱X症候群」、「ポンペ病」、「筋萎縮性側索硬化症」等において、医薬品を起点としながら、疾病の予防、診断、治療、予後管理等を包括的に支えるヘルスケアソリューションの創出に取り組むことで、感染症の流行に左右されにくい、より安定的かつ持続可能な収益基盤の構築を目指しております。
これまでSHIONOGIは海外展開品の多くをパートナー企業との提携を軸に取り組み、製品売上高の一部からロイヤリティーを取得してきました。ViiV Healthcareへの追加出資を行うなど、HIV事業を中心に今後もこうしたパートナーとの関係を良好に保ちつつ、SHIONOGI創製品の欧・米・亜における開発、薬事申請ならびに承認取得、マーケティング・販売などの事業活動や、低・中所得国への展開など医療アクセスの向上に向けた活動を行うことで、感染症領域でのグローバル展開を強化しております。
こうした活動に加えて、鳥居薬品およびJT医薬事業の買収、田辺ファーマからの筋萎縮性側索硬化症等治療薬エダラボン事業の買収等を通じて、製品ポートフォリオの拡充、研究開発力および販売力の強化を進めるとともに、さらなる欧米を中心としたグローバル展開を見据えた事業基盤整備を進めております。
しかしながら、これら注力する疾患領域における成長戦略が当初計画通りに進捗しない場合、将来に期待されていた収益成長が実現しない可能性があり、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
<主なリスク認識>
・感染症領域において、HIV領域やAMR領域等の売上が競争環境の変化や市場構造の変化により低下し、成長力が低下するリスク
・ワクチンや新規治療薬の研究開発が遅延または失敗し、感染症およびQOL疾患領域双方で販売計画が後倒しとなるリスク
・米国での医薬関連政策の実行による薬価や市場環境の変化により、期待したエダラボン事業の成長が実現されないリスク
・QOL疾患領域において実施したM&Aに関し、統合(PMI)が計画通りに進まない、または期待した事業価値・シナジーが創出できないリスク
・HaaS(Healthcare as a Service)ソリューションの開発・社会実装が想定通りに進まず、感染症領域およびQOL疾患領域における販売シナジーが十分に発揮されないリスク
・米国をはじめとする海外市場において、販売体制の構築や人材確保が計画通りに進まず、感染症領域およびQOL疾患領域での販売機会を逸失するリスク
<主な対応・取り組み>
・鳥居薬品およびJT医薬事業、エダラボン事業等の買収に伴うPMIの着実な推進と、感染症およびQOL疾患領域双方における事業価値最大化
・ViiV Healthcareへの増資を通じたHIV領域への継続的なコミットメント強化
・備蓄やサブスクリプション償還モデルの拡大など、各国政府や規制当局との交渉
・感染症およびQOL疾患領域におけるワクチン・新規治療薬開発への重点的なリソース配分
・複数疾患領域を横断した疾患戦略の見直しによるシナジー創出
・HaaSソリューションの開発・拡充に向けた社内外連携の強化
・欧米を中心としたグローバル開発・承認申請の実施と海外生産・流通・販売体制のさらなる整備
・日本市場における主力製品の販売拡大
(2) パイプラインの拡充
<概要>
SHIONOGIは、マテリアリティとして「感染症の脅威からの解放」および「健やかで豊かな人生への貢献」を掲げ、これら2つの社会課題の解決と持続的な成長の両立に向けて、研究開発パイプラインの拡充と質的高度化に取り組んでおります。
感染症領域においては、米国にShionogi Qpex lab.を開設し、細菌感染症治療薬を中心とした研究体制を強化するとともに、アカデミアやベンチャー企業、米国政府機関等との連携を通じて、外部知を積極的に取り込み、創薬のスピードおよび成功確率の向上を図っております。これにより、AMRを含む感染症領域における中長期的な研究開発基盤の強化を進めております。
一方で、近年実施してきたM&Aやイン・アウトライセンス等を通じて一定の事業成長の道筋が見えつつある中、既存の研究資産や人材のシナジーを最大化し、全体最適の視点でパイプラインおよび創薬プログラムを見直し、強靭で持続可能なポートフォリオへと進化させていくことが重要であると認識しております。
特に、QOL疾患領域および希少疾患領域の強化を進めるとともに、HIV領域における競争優位性の維持・強化、ならびに感染症領域全体におけるパイプラインの強化が重要な課題となっております。
また、このように不確実性の高い中、創薬の成功確率を高めて医療ニーズを満たす魅力あるパイプラインを形成していくためには、SHIONOGIが培ってきた感染症や低分子医薬品の研究開発技術に加えて、新規モダリティの獲得や、従来の医薬品のパテントに基づく収益に偏重したビジネスモデルを転換し、ワクチンおよび舌下免疫療法の強化や新しいヘルスケアサービスの提供に挑戦することが重要と認識しております。さらに、それらを支える基盤として、専門性を有する人材の継続的な育成と、領域横断的な知見の蓄積が不可欠であることから、人材ローテーション等を通じて、創薬力および開発力の底上げにも取り組んでおります。
医療用医薬品ビジネスとそれ以外のビジネスとのバランスを図ることでパテント切れによる収益の変動を緩和することが必要と考えておりますが、これらの取り組みが十分に進まない場合、それを担う人材育成が想定通りに進まない場合には、中長期的な成長力の低下や将来の競争優位性の確立が困難となり、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
<主なリスク認識>
・希少疾患領域やHIV領域等におけるパイプラインが戦略的に連結されず、当社ならではの中長期的な強みや競争優位性が構築できないリスク
・外部連携や研究体制強化が想定した成果に結びつかず、研究開発のスピードや成功確率が向上しないリスク
・研究開発を担う専門人材が特定領域に固定化することにより、次世代を担う人材が育成されず、パイプラインの進化や新規価値創出が停滞するリスク
・既存技術の陳腐化により競争優位性のあるパイプラインの拡充が図られないリスク
<主な対応・取り組み>
・M&Aおよび提携案件を踏まえた、パイプラインおよび創薬プログラムの全体最適化に向けた戦略の見直しの実施
・HIV領域における競争優位性維持に向けた継続的な研究開発投資
・QOL疾患領域における重点テーマの明確化と、ポートフォリオ再構築による研究開発資源の最適配分
・Shionogi Qpex lab.を含む感染症研究体制の強化と、アカデミア・ベンチャー企業・政府機関等との連携推進
・ワクチン事業を含む複数の研究開発領域における人材ローテーションを通じた、専門性と領域横断的視点を併せ持つ人材の育成
・新たなモダリティ・技術への挑戦
(3) 人的資本マネジメント
<概要>
SHIONOGIが事業モデルの転換を図り、STS2030 Revisionで目標とする成長を実現していくためには、従業員一人ひとりが変革を牽引する「競争力の源泉」となり、SHIONOGIがそうした強みを持つ多様な人材の集団として構成されている必要があります。
近年、M&Aや事業提携等を通じて組織が拡大する中で、より一層多様な価値観、経験、専門性を持つ人材がSHIONOGIグループに加わっており、これらの人材を融合させ、一体感のある組織として機能させていくことが重要な経営課題となっております。特に、再統合を予定しているシオノギファーマや、新たに加わる鳥居薬品、JT医薬事業、田辺ファーマ等の従業員が安心して能力を発揮できる環境を整備するとともに、SHIONOGIファミリーとしての一体感の醸成や、新たな文化・風土の形成を進めていくことが、今後の成長において一層重要となっております。
また、事業成長を図る過程においては、これまでに経験のない領域への挑戦や、新たなケイパビリティの獲得が不可欠であり、従業員一人ひとりが変化を前向きに捉え、自律的に挑戦し続けられる組織であることが求められております。そのため、専門性や役割に応じた能力開発に加え、柔軟な人材登用や、挑戦を後押しする風土の醸成にも取り組んでおります。
さらに、これらすべての取り組みの基盤として、従業員の心身の健康の維持・向上や、研究・製造現場における作業者の安全確保が重要であると認識しており、安心して働き続けられる環境整備を継続的に推進しております。
しかしながら、人的資本マネジメントの取り組みが十分に機能せず、人材の融合や育成、挑戦する文化の定着が進まない場合には、事業戦略の実行力が低下し、将来的な成長力や競争優位性が損なわれる可能性があります。
<主なリスク認識>
・M&A等を契機として組織構造や文化が変化する中で、従業員エンゲージメントが低下し、組織の一体感が損なわれるリスク
・多様な人材が有する専門性や強みが十分に発揮されず、個人および組織全体のパフォーマンスが低下するリスク
・将来のSHIONOGIを担うコア人材の計画的な育成・輩出が進まず、事業成長の遅れや中長期的な事業停滞に陥るリスク
・優秀な人材が成長機会や挑戦機会を見いだせず、流出してしまうリスク
・失敗を恐れて挑戦を避ける風土が定着し、変化への適応力を失うリスク
<主な対応・取り組み>
・継続的なエンゲージメントサーベイの実施と、その結果を踏まえた改善施策の推進
・M&A後の人材融合を意識した社内コミュニケーションの活性化と、相互理解を促進する取り組み
・専門性の深化と領域横断的な経験の両立を目的とした人材配置・育成施策の推進
・挑戦を評価し、学びにつなげる人事制度・評価制度・表彰イベントの運用
・従業員の健康維持・増進に向けた取り組みおよび作業者の安全確保を目的としたEHSマネジメントの継続的な強化
(4) DX変革の実現
<概要>
SHIONOGIは昨今の技術革新やそれを取り巻くダイナミックな環境変化を機会と捉えており、STS2030 Revisionにおいて、意思決定のスピードを加速させ、データに基づく新たな価値創造を実現するため、あらゆる活動でデジタルトランスフォーメーションに取り組むことを大きなテーマとして掲げております。従来のビジネスモデルの変革が求められる中、AIやITを活用した生産性の向上は必須であり、その実現に向けた取り組みの停滞が生じた場合には、SHIONOGIの業績のみならず企業価値向上に重要な影響を及ぼす可能性があります。
<主なリスク認識>
・AIやIT活用が個別業務の効率化にとどまり、業務プロセス全体の変革や意思決定の高度化につながらないリスク
・DX推進を担う人材やデジタルケイパビリティが十分に育成・確保できず、変革が停滞するリスク
・グローバルで統一されたIT基盤やデータ利活用基盤の整備が遅れ、事業間・地域間での連携やシナジーが創出できないリスク
・既存業務や従来のやり方への依存から変革が進まず、競争力のある業務プロセスへの転換が実現できないリスク
<主な対応・取り組み>
・グローバルIT基盤の構築
・AI創薬の実践、AI活用による市中在庫予測などのビジネスモデル/オペレーション変革
・疾病の診断・治療を目的とした医療機器プログラム(SaMD)、疾患検知アルゴリズムの開発
・業務効率化と新たな価値創造を実現するデータ利活用基盤の整備
・デジタルコア人材を輩出する育成施策の実施
(5) 地政学・地経学的不確実性への対応
<概要>
SHIONOGIは、STS2030 Revisionの実現に向けてグローバル化を推進しており、グローバル開発の推進、販売国・地域の拡大、イン・アウトライセンスの実行など、事業活動のグローバルな広がりと複雑化が進んでおります。
一方で、世界的な政治・社会情勢の変化を背景として、各国における政治不安や経済情勢の悪化、社会的混乱、地域紛争の発生や長期化、さらには各国・地域間における地政学的緊張の高まり等により、投資や輸出入に関する規制、関税や通商政策の変更、各種取引に関する規制強化など、事業活動を取り巻く不確実性が増大しております。
SHIONOGIは、こうした地政学あるいは地経学的な不確実性の高まりを経営上の重要なリスク要因として認識しており、社会情勢や政策動向を的確に把握し、その事業への影響を評価するとともに、必要な対策を迅速に講じることで、グローバルな事業運営の継続性を確保し、患者さまへの医薬品への安定的なアクセス確保に努めております。
しかしながら、想定を超える不測の事態が生じた場合には、研究開発、製造、物流、販売等の事業活動に影響を及ぼし、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。
<主なリスク認識>
・各国・地域における政治・経済情勢の急激な変化や社会的混乱、紛争の発生・拡大により、事業活動の継続や拡大が制約されるリスク
・地政学・地経学的緊張の高まりに伴う投資規制や経済制裁、各種取引規制の強化により、導出入や提携を含む事業戦略の実行が遅延または困難となる、あるいはコスト増加や供給制約が生じるリスク
・物流の混乱や供給網の分断等により、医薬品の安定供給や患者さまへのアクセス確保に支障を来すリスク
<主な対応・取り組み>
・世界各国・地域における政治、経済、社会情勢や地政学的動向に関する継続的なモニタリングと、その事業影響の評価
・地政学的リスクを踏まえた事業計画・投資計画の柔軟な見直しと、リスク顕在化時における迅速な意思決定体制の維持・強化
・研究開発、製造、物流、販売におけるグローバルな事業運営体制の強靭化を通じた、医薬品の安定供給および患者さまへのアクセス確保
2.事業遂行上のリスク
(1) 品質 ・製品安全
<概要>
SHIONOGIは医薬品等の製造管理および品質管理の基準(GMP)や医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン等の薬事関連法規に準拠した厳格な品質管理体制のもと製品の製造および委託製造を行っております。また、厚生労働省、米国食品医薬品局(FDA)や欧州医薬品庁(EMA)等の所管当局の査察を受け、製造販売の認可を取得しております。市販後は、安全性情報を収集し、医薬品の安全性確保および適正使用のために必要な対策を実施しておりますが、製品・サービスによっては世界的に審査基準が未策定な分野も存在することから、所轄官庁との個別議論により製品・サービスそのものの安全性の確保に努めております。また、医薬品を含む製品・サービスを適切に使用していただくことも重要であるため、顧客に対する当該疾患に関する情報発信・啓発を実施しております。しかし、何らかの原因により、品質不良やロット不適が発生するなどの品質問題が発生した場合、医薬品や製品サービスに対して予期せぬ副作用や不具合の発生および副作用報告の漏れや遅延、不具合への対応の遅れ等が発生した場合、あるいは当社からの情報発信内容に誤りがあった場合、以下のリスクが想定されます。
・承認書と製造実態の不整合による品質不良、出荷停止、回収、行政処分による業務停止等
・データ完全性の不備による回収や当局査察での重大な指摘
・製品の販売中止や回収
・健康被害に関する損害賠償訴訟の提起
・業績やレピュテーションへの影響
<主な対応・取り組み>
・SHIONOGIグループ品質ポリシーの制定・推進
・Quality Cultureの醸成活動等の推進
・製造所監査等を通じた管理監督活動
・副作用や不具合等の安全に関する情報を適切に収集・分析・評価・報告する体制の強化およびシステムの構築
・全従業員・経営陣を対象とした品質・製品安全に関する教育の実施
(2) グローバルサプライチェーンマネジメント
<概要>
SHIONOGIは、医薬品の安定供給を通じて社会的責任を果たすとともに、事業活動を安定的に遂行するため、グローバルに展開するサプライチェーンの強靭化に取り組んでおります。
大地震や暴風雨、洪水等の自然災害やパンデミックの発生、さらには米国におけるバイオセキュア法の成立や地政学的緊張の高まり等により、原材料や製商品を取り巻くサプライチェーン環境は不確実性を増しております。また、人権や環境に対する社会的要請の高まりを背景に、サプライヤーを含めたサプライチェーン全体におけるサステイナビリティへの配慮が一層重要となっております。
こうした環境変化を踏まえ、SHIONOGIでは、安定的な原材料調達の確保、代替サプライヤーの選定、適切な在庫水準の確保等を通じて供給途絶リスクの低減を図っております。一方で、過剰な在庫の積み上げや調達コストの急激な上昇は、事業収益や資本効率に影響を及ぼす可能性があることから、安定供給の確保とコストコントロールの両立が重要な経営課題であると認識しております。
SHIONOGIは、サプライチェーン上のリスクを多面的に把握し、事業上の影響と社会的影響の双方を考慮した対応を進めることで、環境・人権への配慮と事業の持続可能性を両立させたグローバルサプライチェーンマネジメントを推進しております。
しかしながら、これらの取り組みが十分に機能せず、外部環境の急激な変化に対応できない場合には、以下のリスクが想定されます。
・工場の操業停止
・原材料や製商品の調達困難
・卸物流網の寸断ならびに情報の停滞
・医薬品の安定供給に対する重大な影響・過剰在庫やコスト負担増加による収益性や資本効率の低下
・社会的評価やレピュテーションの毀損
<主な対応・取り組み>
・保有在庫量の適正化の推進
・一部製品に含有される原薬の国内製造体制の構築
・製品の安定供給のための原材料調達先分散(地政学的リスクの高い原材料のセカンドベンダーの選定)
・優先して供給すべきBCP品目の設定および定期的な見直し
・サプライヤーに対するデューディリジェンスならびに監査の実施と改善要求
(3) ITセキュリティ・情報管理
<概要>
SHIONOGIは、医薬品の研究開発、製造、供給および医薬品情報の適切な情報の提供を通じて、人々の生命と健康を支える社会的責任を担っております。これらの事業活動を安定的かつ継続的に遂行するためには、個人情報を含む機密情報の適切な管理と、ITシステムの安全かつ安定した運用が不可欠です。当社は、グローバルで事業を展開する中、アウトソーシング先を含め多様なITシステムやデジタル基盤を利活用しておりますが、近年、日本企業を標的としたサイバー攻撃は増加・高度化しており、医療・製薬業界においても基幹システムの停止や情報漏洩を狙った攻撃が顕在化しております。
医薬品は社会に不可欠なインフラであり、製品の供給や医薬品情報、個人情報の提供・収集が停止した場合、患者さまや医療現場に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、サイバーセキュリティ上の脅威は、単なるITリスクの課題にとどまらず、事業継続や社会的信頼に直結するリスクであると認識しております。このようなリスク認識のもと、グループ全体で強固かつ信頼性の高いITセキュリティ体制の構築・運用や情報管理および内部統制の強化に継続的に取り組んでおります。
しかしながら、これらの取り組みが十分に機能せず、従業員およびアウトソーシング企業などの不注意または故意による行為、あるいは悪意を持った第三者によるサイバー攻撃や不正アクセス等が発生した場合以下のリスクが想定されます。
・基幹システムや重要システム停止による事業の継続困難
・個人情報を含む機密情報の流出・毀損
・損害賠償請求や行政対応等の法的・社会的責任の発生、事後対応に関わる費用負担増加
・医薬品の供給や情報提供への影響による社会的信頼・レピュテーションの低下
・上記に伴う業績への悪影響
<主な対応・取り組み>
・グループ従業員に対する情報管理や個人情報の重要性に対する認識や個人情報保護に関する法令遵守の必要性およびSHIONOGIグループグローバルプライバシーポリシーについての教育・啓発の徹底
・セキュリティおよび内部不正防止を含む情報セキュリティ管理体制の継続的な強化
・サイバー攻撃や大規模災害などの危機事象発生に備えたIT-BCP体制のさらなる強化
・ITインフラの整備、情報セキュリティ基盤の強化・運用プロセスの改善
・グローバルセキュリティアセスメントの結果に基づくグループ全体でのネットワーク体制の強化
(4) コンプライアンス
<概要>
SHIONOGIは、コンプライアンスを企業の存続と持続的成長を支える根幹と捉え、すべての事業活動の基盤に据えております。また、法律、規則および規制の遵守にとどまらず、社会規範の遵守や企業・社会人としての倫理的行動を含むものと捉え、グループ全体でその徹底を図っております。近年、事業のグローバル化や事業領域の拡大、組織構造の複雑化に加え、社会やステークホルダーから企業行動に対する目線が一層厳しくなる中、今後、コンプライアンス上の問題がより顕在化しやすい環境になることが予想されます。
このような環境下において、事業活動遂行における法令違反、社会規範の逸脱、倫理に反する行為・行動が生じた場合には、社会的評価やステークホルダーからの信頼を損なうのみならず、事業の継続や企業価値に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、これらを重要な経営リスクとして認識しております。
具体的には、ビジネスプロセス全体を通じて潜在的なコンプライアンスリスクを把握し、各組織が主体的に対応する体制を整備するとともに、健全で透明性の高い企業風土の醸成に継続的に取り組んでおります。
しかしながら、内外の環境変化や不正・不祥事の兆候の早期把握の遅れ等によるコンプライアンス上の問題が顕在化した場合等は、以下のリスクが想定されます。
・レピュテーションの低下
・ステークホルダーからの信頼の失墜
・経営成績および財政状態の悪化
<主な対応・取り組み>
・SHIONOGIグループ コード・オブ・コンダクトの制定・推進・浸透
・Global Compliance & Quality Weekを通じた、グループ全従業員のコンプライアンス意識の強化
・組織の構成に応じたコンプライアンス推進体制の運用
・代表取締役会長兼社長 CEOを委員長としたコンプライアンス委員会の開催(年4回)
・コンプライアンス委員会活動状況の取締役会への報告(年2回)
・全従業員対象のコンプライアンス意識調査の実施と各組織への分析結果のフィードバック
・行動に迷った際に、立ち止まって自らの行動の是非を見つめ直すための5つのチェック項目に関するグローバル全従業員への教育の実施
・執行役員、本部長・グループ会社社長、組織長等を対象とした階層別研修の実施
(5) 環境
<概要>
SHIONOGIは、医薬品の研究、開発、製造および供給等の事業活動をグローバルに行う過程において施設・設備の使用や原材料・エネルギーの消費等を通じて環境や生態系に影響を及ぼす可能性があることを認識しております。また、近年の気候変動の進行や自然災害の激甚化は、事業活動そのものに影響を及ぼすリスク要因を伴っており、これらの環境課題への対応を適切に行うことは、安定的な事業運営を維持する上で重要な前提条件となっております。さらに、原材料調達や取引先を含むバリューチェーン全体においても環境への負の影響が生じる可能性があり、調達・取引の側面からも環境配慮が重要であると認識しております。自社を含むバリューチェーンでの環境関連の事故や規制違反、ならびに環境負荷低減の対応の遅れは、操業停止や追加的な対策費用の発生、法的責任の拡大、さらには社会的評価の低下を通じてSHIONOGIグループの業績や企業価値に影響を及ぼす恐れがあることから、環境に関するリスクを重要な経営リスクとして認識しております。このような背景を受け、EHSガバナンス体制のもと、「SHIONOGIグループEHS行動目標」を中長期目標として掲げ、バリューチェーン全体で「気候変動」「省資源・資源循環」「水」「AMR」を中心に、環境負荷低減の活動を推進しております。合わせて「SHIONOGIグループ調達ポリシー」「SHIONOGIグループビジネスパートナーに求める行動規範」を制定の上、サプライヤーと協働したエンゲージメントを通じて環境リスクの低減に継続して取り組んでおります。
しかしながら、環境に関する事故やステークホルダーとのトラブルの発生、規制強化や社会的要請への変化等への対応が不十分となった場合、以下のリスクが想定されます。
・重大な環境事故や人権侵害、法令違反等に伴う、施設・設備の稼働停止や操業制限
・対策・復旧/改修費用の発生、増加
・損害賠償訴訟の提起、補償費用の支払い
・規制対応や追加的コストの増加による収益性の低下
・社会的評価やレピュテーションの低下を通じた企業価値への悪影響
<主な対応・取り組み>
・SHIONOGIグループのポリシーの制定・運用による環境および人権に関するガバナンスの強化
・環境および安全衛生(EHS)統括管理体制の整備
・環境マテリアリティならびにEHSに関する中期行動計画の推進
・各事業所における、ISO14001、ISO45001ならびにそれらに準じたEHSマネジメントシステムの運用強化
・関連法令の遵守に加え、より厳しい自主管理基準・目標を策定した環境対応の取り組み推進
・取引先への環境リスクの評価ならびにエンゲージメント・監査を通じた改善要請の実施
(6) 人権
<概要>
SHIONOGIの価値創造の源泉は、SHIONOGIグループで働く人材にほかなりません。多様な個性と価値観を尊重し合い、互いに切磋琢磨できる環境を整えることが、イノベーションの創出と持続的な成長につながると考えております。この認識のもと、適正な労働慣行の確立や機会均等の取り組み推進、安全で公正な職場環境の整備等の人権課題に取り組むことが、企業成長を支える人材の確保につながります。
合わせて、医薬品の研究、開発、製造および供給等の事業活動をグローバルに展開する中で、取引先や地域社会を含むバリューチェーン全体においても人権への影響が生じる可能性があります。これらの影響を適切にマネジメントすることが、事業継続・成長には不可欠であると認識しております。
近年の事業のグローバル化やサプライチェーンの複雑化に伴い、人権インシデント発生時の影響範囲が拡大する可能性があります。加えて、種々の事業投資により事業領域が拡大する中で、新たな人権リスクが顕在化する可能性も高まっております。従業員に関しては、ハラスメントや差別、長時間労働、安全配慮の不足等の発生が、人材のエンゲージメント低下や人材流出につながり、事業運営・成長に影響を及ぼすリスクとなり得ます。このため、当社グループでは、従業員および取引先や委託先を含めたバリューチェーン全体での人権配慮の重要性を一層強く認識しております。
具体的には、強制労働や児童労働の排除、差別の防止、多様性を尊重した公正な処遇、安全で健康的な労働環境の確保、地域社会への配慮を含む、様々な人権課題への対応が求められております。これらへの対応が不十分であった場合、法令違反や社会的信頼の低下を通じて、事業継続および企業価値に影響を及ぼす可能性があります。
このような認識のもと、当社は、「SHIONOGIグループ人権ポリシー」を策定し、事業活動を通じて影響を受ける可能性のあるすべての人々を対象とした人権尊重に取り組むとともに、「SHIONOGIグループ調達ポリシー」「SHIONOGIグループビジネスパートナーに求める行動規範」を制定し、ビジネスパートナーとの継続的なエンゲージメントにより、人権侵害リスクの低減を図っております。
しかしながら、人権侵害に関わる事象の発生やそれに伴うステークホルダーとのトラブルの発生、規制強化および社会的要請への変化等への対応が不十分となった場合、以下のリスクが想定されます。
・人権侵害、法令違反等に伴う操業制限・停止
・損害賠償訴訟の提起などの法的リスクの顕在化
・顧客・提携先からの是正要求、取引条件の悪化、選定除外により事業機会の減少
・労務慣行違反の発生による従業員のエンゲージメント低下、人材流出、人材確保の困難化
・人材成長や能力発揮の阻害によるイノベーション創出力や中長期的な競争力の低下
・社会的評価やレピュテーションの低下を通じた企業価値への悪影響
<主な対応・取り組み>
・「SHIONOGIグループ人権ポリシー」の制定・運用による人権に関するガバナンスの強化
・公正・適正な評価・報酬制度の確立
・同一労働同一賃金をベースとした人事制度の運用
・各地域での定められた最低賃金を上回る生活賃金の提供
・フレックスタイム制度、在宅勤務制度等多様な働き方が可能な環境支援
・安全で健康な職場環境の整備
・サプライヤーを含むバリューチェーン全体における人権課題リスクアセスメントの実施
・サプライヤーとの定期的なエンゲージメントや監査、改善要請の実施
(7) 他社とのパートナーシップ
<概要>
SHIONOGIは事業価値を最大化していく上で、他社とのパートナーシップを重要な経営戦略の1つとして位置付けております。
感染症領域においては、HIVやAMRをはじめとする分野で、研究開発、製造、販売、アクセス拡大に至るまで、自社単独では実現が困難な価値創出を、製薬企業、バイオベンチャー、各国政府や国際機関等との協業を通じて推進しております。また、QOL疾患領域においては、エダラボン事業の買収や希少疾患パイプラインの進展を背景に、専門性や技術を有する外部パートナーとの連携を通じて、研究開発力や事業展開力の強化を図っております。
近年、事業領域の拡大やM&Aの進展に伴い、パートナーの種類や関係性は一層多様化しており、共同研究やライセンス契約に加え、事業提携、アライアンス、政府・公的機関との協働など、協業の形態も複雑化しております。こうしたパートナーシップを適切にマネジメントし、相互の強みを活かしながら価値の最大化を図ることが、感染症領域およびQOL疾患領域の双方でのグローバルな成長において重要であると認識しております。
しかしながら、パートナーとの役割分担や責任範囲の認識の齟齬、情報管理の不備、協業関係の変化等により、下記のリスクが想定されます。
・事業成果やシナジーの低下
・自社の技術、ノウハウ、機密情報の外部流出
・自社による意図しない他社技術の無断利用や知的財産の侵害による訴訟
・他社による機密情報の漏洩によるブランドイメージやレピュテーション、投資家からの信頼の低下
<主な対応・取り組み>
・パートナーとのコミュニケーションを通じた、戦略・役割分担の明確化と信頼関係の維持・強化・秘密保持契約やライセンス契約等における知的財産権、情報管理、損害賠償に関する条件の明確化
・導出入やM&A、アライアンス等における知的財産・法務・財務の観点を含めたデューディリジェンスの実施
・情報の最小化やアクセス制御等を通じたデータ・情報管理体制の強化
・パートナー企業のガバナンス、財務状況、コンプライアンス体制等に関する定期的な評価・監査の実施
・課題やリスクの早期把握を目的としたパートナーシップ全体のモニタリング体制の構築
(8) 知的財産
<概要>
SHIONOGIの製品や研究開発成果は、知的財産権(特許権等)や技術、ノウハウ等の無形資産によって保護されることで、競争優位性を確保し、将来の収益創出につながっております。
現在、鳥居薬品およびJT医薬事業の買収、エダラボン事業の買収等により、事業領域や研究開発の形態が多様化しており、今後、保有する知的財産の十分な保護が困難となるおそれや、第三者の知的財産権を侵害する可能性も高まっております。また近年、事業買収や共同研究、ライセンス取引等を通じたオープンイノベーションの進展やグローバル市場における競争の激化により、知的財産を巡る権利関係や契約関係が一層複雑化している傾向にあります。それに伴い、知的財産権の帰属や有効性を巡る係争・紛争リスクが高まるとともに、想定外の知的財産侵害が生じる可能性も増加しております。このような認識のもと、知的財産を中長期的な価値創造を支える技術資本の1つとして位置付け、その適切な保護・活用と侵害リスクの低減に取り組んでおります。
しかしながら、SHIONOGIが保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合、あるいはSHIONOGIの製品が第三者の知的財産権を侵害した場合には、以下のリスクが想定されます。
・知的財産権による保護が失われることによる競争優位性の低下、期待される収益の減少
・知的財産権をめぐる係争や訴訟の発生および対応にかかる費用の発生・増加
・損害賠償金の支払い
・当該製品の製造販売の差止めや事業活動の制約
・これらに伴う企業ブランドやレピュテーションの低下
<主な対応・取り組み>
・知的財産権の適切な権利化と管理体制の整備、第三者による権利侵害に対する継続的な監視
・事業活動における、侵害予防調査の実施
・導出入やアライアンス活動における知的財産デューディリジェンスの実施など、侵害予防のための体制の整備
・IPランドスケープの活用による知的財産情報の分析・利活用を通じた、事業戦略および研究開発戦略の高度化
・知的財産および無形資産に関するe-learning等を通じた従業員教育の継続的な実施
(9) 制度・行政
<概要>
医薬品事業は、各国・地域の政策により様々な規制を受けております。医療保険財政のひっ迫に加え、米国インフレ抑制法(IRA)や最恵国待遇政策(MFN)等により、特に先進諸国で薬剤費抑制の圧力がさらに強まる可能性があります。また、米国をはじめとする世界各国での政権変化に伴う政策、国際関係への影響を注視する必要があります。我が国においては、高齢化進展に伴う医療費増加を見越した医療保険制度改革や毎年の薬価改定など、行政施策の動向がSHIONOGIの業績に影響を与える可能性があります。また、医薬品の開発、製造などに関連する国内外の規制の変更、事業活動および社会的責任に対する情報開示に関わる法制化により、追加的な費用や新たな対応が発生する可能性があります。それらが顕在化した場合、以下のリスクが想定されます。
・医療用医薬品事業の予見性の低下
・創出したイノベーションの価値と乖離した薬価の算定
・医薬品、ワクチン等の研究開発の遅れや供給不安
・医薬品、ワクチン等の売上高・利益の減少
・レピュテーションや投資家からの信頼の低下
<主な対応・取り組み>
・革新的な医薬品やヘルスケアサービスの創出と社会が許容できる価格での提供
・創出したイノベーションの価値を示すエビデンスの構築
・業界団体活動を通じ、イノベーションの価値を訴求する取り組みの推進
・薬価制度や医薬品等の研究開発・製造・販売の各種規制などに関する最新情報の入手と迅速な対処
・説明責任を果たすための取り組みの推進と情報開示の強化
上記の重要なリスクに加え、訴訟、パンデミック・自然災害、金融市場・為替動向など、SHIONOGIの経営成績および財務状態に影響を及ぼす可能性のある様々なリスクが存在します。ここに掲載されたものが、SHIONOGIのすべてのリスクではありません。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、当社グループの事業は、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一セグメントであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績等
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は2兆5,768億70百万円で、前連結会計年度末に比べて1兆415億21百万円増加となりました。
非流動資産は、ViiV Healthcareへの追加出資により持分法適用関連会社となったことから、持分法で会計処理されている投資が増加となりました。また、鳥居薬品の連結子会社化やJT医薬事業の吸収分割に伴う有形固定資産やのれん、無形資産の増加により1兆2,665億35百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,896億90百万円増加となりました。なお、当該のれんや無形資産等の金額については取得原価の配分が完了していないため、暫定的に算定された金額であります。流動資産は大型投資に伴う借入により現金及び現金同等物の増加、3ヶ月超の定期預金(流動資産のその他の金融資産に含みます)、営業債権の増加等により1兆3,103億35百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,518億31百万円増加となりました。
資本については1兆6,862億5百万円となりました。配当金の支払及びその他の資本の構成要素の減少の一方で、当期利益の計上等により、前連結会計年度末に比べて3,237億8百万円増加となりました。
負債については8,906億65百万円で、前連結会計年度末に比べて7,178億13百万円増加となりました。
非流動負債は632億35百万円で、繰延税金負債の増加等により前連結会計年度末に比べて197億75百万円増加となりました。流動負債は8,274億30百万円で、大型投資に伴う借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べて6,980億37百万円増加となりました。
b.経営成績
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)の経営成績は、以下のとおりであります。
なお、2025年9月より鳥居薬品を連結範囲に含めております。また、2025年12月よりJT医薬事業を吸収分割により承継しております。
(単位:百万円)
※1 コア営業利益:営業利益から非経常的な項目(減損損失、有形固定資産売却益など)を調整した利益
※2 Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:コア営業利益に減価償却費を加えた利益
売上収益は4,997億円(前期比14.0%増)となりました。海外事業およびロイヤリティー収入の安定した成長に加え、JTグループの医薬事業(JT医薬事業、国内グループ会社である鳥居薬品、米国グループ会社のAkros社)のM&Aにより鳥居薬品を連結子会社化し売上収益を計上したことで、国内事業も大きく拡大しました。これらの結果、各事業が順調に進展し、当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度を上回り、4期連続で過去最高を更新しました。
利益面につきましては、米国事業における新製品の上市に向けた準備、成長に向けた事業投資に伴うPMI※などに積極的に取り組んだ結果、前連結会計年度に比べて販売費及び一般管理費を中心に費用が増加したものの、営業利益は1,667億円(同6.5%増)となり4期連続で過去最高を更新しました。また、税引前利益につきましては2,389億円(同19.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,052億円(同20.4%増)、EBITDAにつきましては1,877億円(同4.7%増)となりました。
当連結会計年度は、2030年Visionの実現に向け、事業の拡大とグローバル化に向けた大規模な事業投資を実施しつつ、売上収益および各利益項目すべてにおいて過去最高業績を達成することができました。
※ Post Merger Integration:企業買収後の統合プロセス
・国内医療用医薬品
国内の医療用医薬品の売上収益は1,235億円(前期比25.0%増)となりました。2025年9月1日に鳥居薬品を連結子会社化したことで、同社の売上を7ヵ月分計上しています。加えて、塩野義製薬および鳥居薬品の注力製品を、両社でコ・プロモーションすることによって、それぞれの強みを活かした営業活動を推進し、相互補完的に医療機関への情報提供を強化したことによって、売上収益の拡大を実現しました。
製品別にみると、急性呼吸器感染症薬の売上収益は338億円(同34.8%減)となりました。前連結会計年度と比較してCOVID-19の流行が極めて低調に推移したことから、抗新型コロナウイルス薬ゾコーバの売上は減少しました。一方で、冬季におけるインフルエンザ流行の拡大に伴い、抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザの売上は増加しました。両薬剤ともに、それぞれの治療薬市場において、高いマーケットシェアを維持し続けることで、一定の売上収益を計上しましたが、急性呼吸器感染症領域全体の売上収益は前連結会計年度を下回る結果となりました。一方で、QOL疾患領域においては、不眠症治療薬クービビックについて、発売から1年が経過し、14日間の投薬期間制限が解除されたことから処方機会が拡大し、売上収益は26億円(同224.1%増)と前連結会計年度を大きく上回りました。さらに、2026年3月には、新規作用機序を有するうつ病治療薬ザズベイの販売を開始しました。
・海外子会社および輸出
海外事業における売上収益は650億円(前期比9.9%増)となりました。欧米においてはセフィデロコル(米国の製品名:Fetroja、欧州の製品名:Fetcroja)の販売が好調に推移し、米国事業は287億円(同22.9%増)、欧州事業は208億円(同23.4%増)の売上収益となりました。中国事業は62億円(同28.3%減)の売上収益となりました。これは、医療費抑制政策による影響を受けた後発医薬品の売上減少が主な要因です。一方で、2026年1月にグラム陰性菌による複雑性尿路感染症を適応としてセフィデロコルの承認を取得したほか、2025年5月にはオピオイド誘発性便秘症治療薬ナルデメジンの新薬承認申請が受理されるなど、新薬事業への転換に向けた取り組みを着実に進めました。
・ロイヤリティー収入およびViiV Healthcareからの配当金収入
ViiV Healthcareからのロイヤリティー収入は、 経口2剤合剤や長時間作用型製剤(Long Acting Injectable:LAI製剤) の力強い成長により2,613億円(前期比8.7%増)となりました。その他のロイヤリティー収入は、スイス F. Hoffmann-La Roche Ltd に導出した抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザの売上が堅調であったことに加え、2025年12月1日に事業買収により当社が承継したJT医薬事業関連のロイヤリティーが新たに計上されたことから、173億円(前期比304.9%増)と大幅に増加しました。ViiV Healthcareからの配当金は、同社の事業が順調に進展したことで524億円(同30.0%増)となりました。
・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しましたとおり、当社グループは、2023年6月にSTS2030を改定し、STS2030 Revisionとして再策定しました。
STS2030 Revisionでは、達成すべき財務経営指標として3つの成長性指標と3つの株主還元指標を設定しました。成長性指標については、トップラインの成長を優先して進めていくことから売上収益、またその成長をグローバルに成し遂げていくことから海外売上高 CAGR(Compound Annual Growth Rate:年平均成長率)、そして成長に向けた積極的な投資を行っていくことと稼ぐ力を測るためにEBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization:利払い・税引き・償却前利益、コア営業利益に減価償却費を加えた利益)の3つを設定しております。また、株主還元指標として、事業成長と財務施策の観点からEPS、DOE、ROEの3つを継続して設定しております。
当社は、2025年度に大規模な事業投資を複数実施し、新たな成長フェーズへと歩みを進めております。そのため、経営指標についても、今後公表予定の新中期経営計画での更新を予定しております。今後も、取り組むべき施策をひとつひとつ着実に実行するとともに、さらなる収益ドライバーを確立するためのM&Aや導入、提携などの事業開発機会の探索を継続し、強固な財務基盤を活かして各案件の価値に見合った投資を積極的に実行していくことで、経営指標の達成を目指してまいります。
※1 当社は、2025年5月12日に開示いたしました2024年度決算において、2025年度目標の主要業績評価指標(KPI)のうち、売上収益を5,500億円から5,300億円、EBITDAを2,000億円から1,960億円に修正いたしました。また、海外売上高CAGRについては、2026年度以降のさらなる成長を見据え再設定する予定です。
※2 当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割を行っております。2025年度目標のEPSには株式分割後の数値を記載しております。
c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加や売上債権の増加、法人所得税の支払額の増加等の一方で、税引前利益の増加等により、前連結会計年度に比べて181億12百万円多い2,135億72百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、持分法適用会社株式の取得による支出や定期預金の増減等により、前連結会計年度に比べて3,900億56百万円多い5,061億37百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入により、前連結会計年度に比べて6,642億29百万円多い5,993億21百万円の収入となりました。
これらを合わせた当連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額は3,366億2百万円の増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、7,113億97百万円となりました。
〔キャッシュ・フロー指標のトレンド〕
(注) 親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。
② 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 金額は、正味販売見込価格により算出したものであります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績は次のとおりであります。
(注) 1.金額は、実際仕入額によっております。
2.当連結会計年度における著しい変動の要因は、鳥居薬品およびJT医薬事業を取得したことによるものです。
c.受注状況
当社グループは、主として販売計画に基づいて生産計画をたてて生産しております。
当社及び一部の連結子会社で受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1.販売金額は、外部顧客に対する売上収益を表示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要性がある会計方針及び見積りの詳細等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」をご参照ください。
5 【重要な契約等】
1.当社の当連結会計年度における重要な契約等は次のとおりです。
(1) 技術導入等
(2) 技術導出等
(3) 共同開発及び共同販売
(4) 企業・株主間のガバナンスに関する合意
当社は、一般財団法人シオノギ感染症研究振興財団(現・公益財団法人シオノギ感染症研究振興財団、以下、当財団)を設立するにあたって、三井住友信託銀行株式会社を受託者、株式会社日本カストディ銀行を再信託受託者、当財団を受益者とする他益信託(以下、本信託)を設定し、本信託は当社株式を取得しております。本信託契約において、本信託の設定対象となる当社株式の議決権については、信託期間を通じて、議決権を行使しない旨が合意されております。
①契約の概要
②合意の目的
本信託の設定の目的は、当財団がその設立の目的に沿った社会貢献活動を継続的、安定的に行うためのものであります。上記の目的に照らし、本信託の設定対象となる当社株式の議決権の行使については制限を設けております。
③取締役会における検討状況その他の当社における合意に係る意思決定に至る過程
2022年5月11日開催の取締役会において、当財団の設立及び本信託の設定について決議いたしました。
④合意が当社の企業統治に及ぼす影響
本信託の設定対象となる当社株式は900万株であり、当社の企業統治に及ぼす影響は限定的であると認識しております。
(5) ローン契約と社債に付される財務上の特約
(注)インタレストカバレッジレシオ=(営業利益+受取利息+受取配当金)/支払利息
(6) その他
当社は、2026年2月20日開催の取締役会において、当社の完全子会社である鳥居薬品株式会社を吸収合併することを基本方針として決議しました。また、2026年4月27日開催の取締役会において、2027年4月1日を効力発生日として吸収合併することを決議し、吸収合併契約を締結しました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 38.後発事象」に記載しております。
2.連結子会社の当連結会計年度における重要な契約等は次のとおりです。
(1) 技術導入等
(2) 技術導出等
(3) 共同販売
(4) その他
6 【研究開発活動】
当連結会計年度は、重点領域である感染症領域および社会的影響度の高いQOL疾患領域のプロジェクトを中心に、研究開発活動を積極的に推進しました。
(1) 研究
サルベコウイルス亜族全般(SARSコロナウイルス(SARS-CoV-1)および 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を含むウイルス群)に対して、ウイルスの働きを抑える抗体を誘導することで、感染症の発症を予防するワクチンであるS-567123の研究が進展し、第1相臨床試験を開始しました。本ワクチンは、ウイルスの変異が生じにくい領域を標的とした抗体を誘導することから、SARS-CoV-2の新たな変異株への効果も期待される次世代型のワクチンです。
また、アルツハイマー型認知症の症状改善を目的とした治療薬候補であるS-898270についても研究が進展し、第1相臨床試験を開始しました。本剤は、神経・シナプス機能の亢進を介した認知機能改善が期待されます。
これらの研究活動の推進に加え、低分子創薬を中心とした自社創薬力の強化を目的として、JTグループ医薬事業のM&Aを実施しました。本M&Aを通じて、経験豊富なメディシナルケミスト(創薬化学研究者)等の多くの専門人材の拡充に加え、JT医薬事業が保有するAIや量子コンピューター等の先端技術プラットフォームを獲得・統合することで、創薬基盤の強化を実現しました。創薬型製薬企業としての強みをさらに高め、グローバルで競争力のある自社製品の創出を目指します。
(2) 開発
感染症領域においては、COVID-19に対する経口の抗ウイルス薬であるエンシトレルビル(日本での製品名:ゾコーバ)のグローバル第3相曝露後発症予防試験(SCORPIO-PEP試験)の良好な結果に基づき、COVID-19の予防を適応として米国で承認申請を実施し、米国FDAにより申請が受理されました。その後、2026年5月29日付で、COVID-19予防の適応において米国で承認を取得しました。欧州においては、曝露後予防および治療の両方の適応で承認申請を行いました。あわせて、国内では曝露後予防に関する承認を取得するとともに、小児(6~11歳)を対象とした治療での製造販売承認申請を実施しました。さらに、年齢層の拡大(0~5歳)に向けて 第3相臨床試験を開始しました。
また、COVID-19に対する次世代の抗ウイルス薬Secutrelvirについては、経口薬による治療適応取得に向けて、第2相臨床試験において良好な試験結果を取得し、第3相臨床試験の準備を進めました。さらに感染予防を目的とした長時間作用型製剤における曝露前予防の適応取得に向けた開発も進展しました。
SARS-CoV-2の変異株であるJN.1系統に対応したCOVID-19予防ワクチンのS-268024については、第3相臨床試験において主要評価項目を達成し、有効性および良好な安全性が確認されました。この結果をもとに、国内で製造販売承認事項一部変更申請を行いました。
抗インフルエンザウイルス薬バロキサビルマルボキシル(日本での製品名:ゾフルーザ)については、国内で小児患者への投与を想定した顆粒剤の製造販売承認を取得しました。これにより、より幅広い患者層への治療選択肢の提供が可能となりました。
多剤耐性菌を含むグラム陰性菌感染症を対象とした注射用抗菌薬であるセフィデロコルについては、中国において、複雑性尿路感染症を適応として承認を取得しました。
社会的影響度の高いQOL疾患領域においては、希少疾患であるポンペ病を対象とした低分子の経口治療薬候補であるS-606001のグローバル第2相臨床試験を開始しました。本疾患は筋力低下や呼吸機能障害を伴う遺伝性代謝疾患であり、既存治療では十分に満たされていないアンメットニーズが存在しており、本剤は新たな治療選択肢として期待されています。
新規作用機序を有する経口うつ病治療薬であるズラノロン(日本での製品名:ザズベイ)については、国内で製造販売承認を取得しました。本剤は、1日1回14日間の経口投与により効果を発揮する薬剤です。国内第3相臨床試験において、投与開始後2日からプラセボに対して有意なうつ症状改善効果を示したことから、即効性が期待されます。
固形がんを対象にした抗CCR8抗体であるS-531011については、第1/2相臨床試験の第1相パートの結果を取得し、第2相臨床試験を開始しています。
また、JTグループ医薬事業のM&Aの実施に伴い、旧JT医薬事業および鳥居薬品の有する複数の有望な開発品を獲得しました。
こうした活動の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は122,843百万円となりました。
開発品(2026年5月12日現在)
<導出品>
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループ(当社及び連結子会社)では、販売拡大、原価低減、新製品の発売及び研究開発等の活動を円滑に行うため、生産設備、研究設備及び営業設備に継続的な設備投資を実施しております。
当連結会計年度は、研究設備や生産設備を中心に前連結会計年度比5,983百万円(48.7%)増の18,268百万円の設備投資を実施しました。
所要資金につきましては、いずれの投資も主に自己資金及び補助金を充当しております。
なお、生産能力に重要な影響を及ぼすような固定資産の売却、撤去又は滅失はありません。
2 【主要な設備の状況】
当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりであります。
(1) 提出会社
(注) 1.「その他」には、建設仮勘定、使用権資産及び投資不動産等を含めております。
2.従業員数は就業人員数であります。臨時従業員(定年後再雇用者、契約社員等)数は、[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
3.ワクチン生産設備は一部未稼働の状況であり、事業所名は未定です。
(2) 国内子会社
(注) 1.「その他」には、建設仮勘定、使用権資産及び投資不動産等を含めております。
2.従業員数は就業人員数であります。臨時従業員(定年後再雇用者、契約社員等)数は、[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
3.提出会社において土地を一括管理しており、摂津工場及び金ケ崎工場の土地は提出会社における帳簿価額及び面積を記載し、尼崎事業所(CMCイノベーションセンター敷地内)は「-」表示としております。
(3) 在外子会社
該当する事項はありません。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループ(当社及び連結子会社)の設備投資につきましては、今後の需要予測、新製品の開発状況、既存設備の更新の必要性等を踏まえ、投資による効果を総合的に勘案して計画しております。なお、設備計画は原則的に各社が個別に策定しておりますが、グループ全体で重複投資にならないよう、提出会社を中心に調整を図っております。
当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、拡充等に係る投資予定金額は37,005百万円であり、既支払額5,770百万円を差し引いた31,235百万円は、主に自己資金及び補助金でまかなう予定であります。
現在実施中の重要な設備計画は、当社グループにおける研究設備、生産設備等の拡充を目的とした計画であり、下記のとおりであります。
(1) 提出会社
該当する事項はありません。
(2) 国内子会社
(3) 在外子会社
該当する事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
2011年度新株予約権
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1.新株予約権の割当ての対象者およびその人数ならびに割り当てた新株予約権の数は次のとおりです。
当社取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く。以下同じ。) 3名 252個
当社執行役員(取締役兼務者を除く。以下同じ。) 9名 270個
新株予約権1個当たりの目的となる株式の数(以下「付与株式数」という。)は、300株であります。
2.新株予約権を割り当てる日(以下、「割当日」という。)後、当社が普通株式につき、株式分割(当社普通株式の無償割当を含む。以下、株式分割の記載につき同じ。)又は株式併合を行う場合には、新株予約権のうち、当該株式分割又は株式併合の時点で行使されていない新株予約権について、付与株式数を次の計算により調整いたします。
また、上記の他、割当日後、当社が合併、会社分割又は株式交換を行う場合およびその他これらの場合に準じて付与株式数の調整を必要とする場合、当社は、当社の取締役会において必要と認められる付与株式数の調整を行うことができるものといたします。
なお、上記の調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てるものといたします。
3.① 発行価格は、割当日における新株予約権の公正価額と新株予約権の行使時の払込額(1株当たり1円)を合算しております。
なお、新株予約権の割り当てを受けた者(以下、「新株予約権者」という。)は、新株予約権の公正価額相当額の払い込みに代えて、当社に対する報酬債権と相殺しております。
② 新株予約権の行使時に新株予約権者に交付される株式は、すべて自己株式を予定しており、これにより新規に発行される株式はありません。
なお、自己株式により充当させる場合は、資本組入を行いません。
4.① 新株予約権の行使期間内において、新株予約権者である取締役は、当社取締役の地位を喪失した日の翌日から10日(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)を経過する日までの間に限り、新株予約権を一括してのみ行使できるものといたします。
② 新株予約権の行使期間内において、新株予約権者である執行役員は、当社執行役員を退任した日又は当社との雇用契約(定年後の再雇用に係る雇用契約を除く。)が終了した日のいずれか遅い日の翌日から起算して10日(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)を経過する日までに限り、新株予約権を一括してのみ行使できるものといたします。
なお、新株予約権者の執行役員が新たに当社取締役に選任された場合は、取締役の退任時まで行使できないものといたします。
③ 新株予約権者が死亡した場合、その者の相続人は、当該被相続人が死亡した日の翌日から6ヶ月を経過する日までの間に限り、本新株予約権を行使することができるものといたします。
④ その他の権利行使の条件は、当社と新株予約権者との間で締結した「新株予約権割当契約書」に定めるところによるものといたします。
5.当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割もしくは新設分割(それぞれ当社が分割会社となる場合に限る。)、株式交換もしくは株式移転(それぞれ当社が完全子会社となる場合に限る。)(以上を総称して以下、「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生日の直前の時点において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という。)を保有する新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を本新株予約権の発行要領に準じた条件に基づきそれぞれ交付することといたします。ただし、本新株予約権の発行要領に準じた条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものといたします。
6.2024年8月30日開催の当社取締役会の決議に基づき、2024年10月1日をもって普通株式1株を3株に分割したことにより、「新株予約権の目的となる株式の数」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格および資本組入額」が調整されております。
2012年度新株予約権
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1.新株予約権の割当ての対象者およびその人数ならびに割り当てた新株予約権の数は次のとおりです。
当社取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く。以下同じ。) 2名 316個
当社執行役員(取締役兼務者を除く。以下同じ。) 11名 475個
新株予約権1個当たりの目的となる株式の数(以下「付与株式数」という。)は、300株であります。
(注) 2.から(注) 6.については、「2011年度新株予約権」の注記に同じです。
2013年度新株予約権
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1.新株予約権の割当ての対象者およびその人数ならびに割り当てた新株予約権の数は次のとおりです。
当社取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く。以下同じ。) 2名 172個
当社執行役員(取締役兼務者を除く。以下同じ。) 12名 267個
新株予約権1個当たりの目的となる株式の数(以下「付与株式数」という。)は、300株であります。
(注) 2.から(注) 6.については、「2011年度新株予約権」の注記に同じです。
2014年度新株予約権
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1.新株予約権の割当ての対象者およびその人数ならびに割り当てた新株予約権の数は次のとおりです。
当社取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く。以下同じ。) 2名 178個
当社執行役員(取締役兼務者を除く。以下同じ。) 11名 246個
新株予約権1個当たりの目的となる株式の数(以下「付与株式数」という。)は、300株であります。
(注) 2.から(注) 6.については、「2011年度新株予約権」の注記に同じです。
2015年度新株予約権
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1.新株予約権の割当ての対象者およびその人数ならびに割り当てた新株予約権の数は次のとおりです。
当社取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く。以下同じ。) 3名 99個
当社執行役員(取締役兼務者を除く。以下同じ。) 11名 112個
新株予約権1個当たりの目的となる株式の数(以下「付与株式数」という。)は、300株であります。
(注) 2.から(注) 6.については、「2011年度新株予約権」の注記に同じです。
2016年度新株予約権
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1.新株予約権の割当ての対象者およびその人数ならびに割り当てた新株予約権の数は次のとおりです。
当社取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く。以下同じ。) 3名 85個
当社執行役員(取締役兼務者を除く。以下同じ。) 10名 88個
新株予約権1個当たりの目的となる株式の数(以下「付与株式数」という。)は、300株であります。
(注) 2.から(注) 6.については、「2011年度新株予約権」の注記に同じです。
2017年度新株予約権
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1.新株予約権の割当ての対象者およびその人数ならびに割り当てた新株予約権の数は次のとおりです。
当社取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く。以下同じ。) 3名 85個
当社執行役員(取締役兼務者を除く。以下同じ。) 12名 108個
新株予約権1個当たりの目的となる株式の数(以下「付与株式数」という。)は、300株であります。
(注) 2.から(注) 6.については、「2011年度新株予約権」の注記に同じです。
② 【ライツプランの内容】
該当する事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当する事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当する事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1.自己株式の消却による減少であります。
2.自己株式の消却による減少であります。
3.株式分割(1:3)によるものであります。
(5) 【所有者別状況】
(注) 1.自己株式29,656,758株は、「個人その他」欄に296,567単元および「単元未満株式の状況」欄に58株含めて記載しております。
2.上記「その他の法人」欄には、証券保管振替機構名義の株式が120単元含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注) 1.2015年3月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、SMBC日興証券株式会社、株式会社三井住友銀行及び株式会社関西アーバン銀行の3社連名により、2015年2月27日現在でそれぞれ次の通り当社の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在の株式の名義人その他が確認できないため、上記大株主の状況には含めておりません。なお、当該大量保有報告書の内容は次のとおりであります。
2.2023年6月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、野村アセットマネジメント株式会社、ノムラインターナショナルピーエルシー(NOMURA INTERNATIONAL PLC)の2社連名により、2023年6月15日現在でそれぞれ次の通り当社の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在の株式の名義人その他が確認できないため、上記大株主の状況には含めておりません。なお、当該大量保有報告書の内容は次のとおりであります。
2023年6月15日現在
3.2025年1月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、国際投資一任業務会社ブラックロック・ジャパン株式会社、関係会社11社連名により、2024年12月31日現在でそれぞれ次の通り当社の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在の株式の名義人その他が確認できないため、上記大株主の状況には含めておりません。なお、当該大量保有報告書の内容は次のとおりであります。
4.2025年9月19日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、三井住友信託銀行株式会社、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びアモーヴァ・アセットマネジメント株式会社の3社連名により、2025年9月15日現在でそれぞれ次の通り当社の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在の株式の名義人その他が確認できないため、上記大株主の状況には含めておりません。なお、当該大量保有報告書の内容は次のとおりであります。
2025年9月15日現在
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注) 上記「完全議決権株式(その他)」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が12,000株(議決権の数120個)含まれております。
② 【自己株式等】
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 1.当事業年度における取得自己株式は、譲渡制限付株式の無償取得によるもの15,285株、単元未満株式の買取に よるもの2,096株であります。
2.当期間における取得自己株式は、単元未満株式の買取によるもの141株であります。
3.当期間における取得自己株式には2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況および保有状況】
(注) 当期間における保有自己株式数には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる取得株式は含まれておりません。
3 【配当政策】
当社グループは、成長投資と株主還元のバランスを取りながら企業価値の最大化を図り、中長期的な利益成長を株主の皆さまに、ともに実感していただける施策を推進しています。配当につきましては、DOE4%以上を指標に、企業価値の成長に応じて安定的に高めていくことを目指しております。
2026年3月期期末配当につきましては、前事業年度より5円増配の1株当たり38円を予定しております。これにより、中間配当と合わせた年間の配当金は1株当たり71円となる予定です。
内部留保資金につきましては、ヘルスケアサービスを提供する「HaaS(Healthcare as a Service)企業」へと変革するため、国内、海外ともに「感染症の強みを活かした地域拡大」と「収益ドライバーの確立」に向けた積極投資を行ってまいりたいと考えております。
なお、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことができる旨を定款に定めており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
(注) 当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりであります。期末配当に関する配当金の総額32,679百万円および1株当たり配当額38円については、2026年6月24日開催予定の定時株主総会の決議事項となっております。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、経営理念である「SHIONOGIの基本方針」に基づき、有用で安全性の高い医薬品の提供にとどまらず、顧客ニーズに応じた様々なヘルスケアサービスを提供することで世界の人々の健康と医療の向上に貢献し、質の高い生活の実現に寄与することが社会的使命であると認識しております。
コンプライアンスの徹底を図り、この使命を果たしていくことが持続的な企業価値の向上につながるという確固たる信念の下、ステークホルダーの皆さまとの建設的な対話を通じて、事業環境の変化に対応し続けるために必要な施策を講じ、透明で誠実な経営を実践してまいります。
② 会社の機関等について
当社は、事業のグローバル化や規模の拡大を見据えてこれらの統治体制を進化させ、取締役会における代表取締役に対する監督機能を更に強化し、その上で、取締役会で執行側に委任する事項と取締役会で決議する事項を峻別し、各ステークホルダーとのバランスを考慮した中長期的な全社戦略の議論への注力と意思決定の迅速化のための権限委譲を可能にする体制を整えるとともに、監査等委員会がその権限を背景に、内部監査部門を活用しながら、執行側の意思決定プロセス全般をより強力に監視・監督することを目的として、2025年6月18日の定時株主総会において、監査等委員会設置会社への移行を内容とする定款の一部変更が決議され、監査等委員会設置会社へ移行しております。取締役会は、提出日現在、監査等委員でない取締役を6名、監査等委員である取締役を5名の体制とし、11名中3名を女性とし、外国籍の取締役1名を含めて多様性の確保に努めております。取締役11名のうち過半数である7名の社外取締役の選任により、より公正かつ効率的な経営を進めるための体制を維持し、社外取締役7名は、いずれも独立役員として当社の果たすべき企業責任を認識し、透明性の高い経営に貢献しております。
当事業年度においては、取締役会は、安藤圭一取締役が議長を務めており、原則月1回開催し、臨時開催を含め14回開催しております。具体的には、コーポレート・ガバナンスや全社リスクマネジメント、重要な契約締結などの経営に影響を及ぼす重要事項の意思決定を行い、また、コンプライアンス活動や各業務執行部門の業務執行の進捗状況などの報告を受けることで、職務の執行の監督を行っております。いずれの取締役会においても役員の出席率は100%であります。
なお、当社は、2026年6月24日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役(監査等委員である取締役を除く)7名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと当社の取締役は12名(内、独立社外取締役8名)となります。その構成は「(2)役員の状況 ①役員一覧 b.」に記載のとおりであり、取締役会の議長は取締役 安藤圭一であります。
さらに、取締役会の諮問機関として、過半数の社外役員により構成される指名諮問委員会、報酬諮問委員会を設けております。当事業年度において、指名諮問委員会は、藤原崇起社外取締役を委員長とし、安藤圭一社外取締役、尾崎裕社外取締役、廣瀬恭子社外取締役、後藤順子社外取締役、手代木功取締役および岸田哲行取締役(監査等委員会設置会社移行前の委員は、安藤圭一社外取締役、尾崎裕社外取締役、髙槻史社外取締役、藤原崇起社外取締役、手代木功取締役、岸田哲行監査役および後藤順子社外監査役)で構成され、3回開催されております。社外の取締役を含めた取締役会の専門性のバランスや経営支援部門の強化、研究活動の推進などの観点からの執行役員の選任、代表取締役の業績評価や取締役の選任基準などについて議論が行われております。また、社長のパフォーマンスレビューの実施、執行役員のサクセッションシートの作成を行い、さらには、取締役会での提案や報告、理事との懇談会等を通じて、社外役員が各本部長および主要な組織長と対話する機会を設定し、経営人材の育成および適性の確認を行っております。また、当事業年度において、報酬諮問委員会は、尾崎裕社外取締役を委員長とし、安藤圭一社外取締役、藤原崇起社外取締役、廣瀬恭子社外取締役、後藤順子社外取締役、手代木功取締役および花﨑浩二取締役(監査等委員会設置会社移行前の委員は、安藤圭一社外取締役、尾崎裕社外取締役、髙槻史社外取締役、藤原崇起社外取締役、手代木功取締役、岡本旦監査役および後藤順子社外監査役)で構成され、3回開催されております。なお、当該報酬諮問委員会については、監査等委員会設置会社移行前に開催されたものも含んでおります。報酬水準や各種報酬比率の確認、2024年度の取締役および執行役員の業績評価、2025年度の業績評価指標、株式報酬制度を含めた役員、執行役員および従業員の報酬制度のあり方などについて議論が行われております。いずれの委員会においても委員の出席率は100%であります。上記の通り、当社は、2026年6月24日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役(監査等委員である取締役を除く)7名選任の件」を上程しておりますが、当該議案が承認可決されますと、指名諮問委員会および報酬諮問委員会とも現委員に加えて、芳井敬一社外取締役が両委員会の委員に就任いたします。
当社は、激変する事業環境にタイムリーに対応し、機動的かつ柔軟な業務運営を行うため、執行役員制度を導入しております。業務の執行を審議する機関として、社内取締役および業務執行の責任者にて構成される経営会議を設け、原則毎週開催しております。経営会議では業務の執行に関する案件から経営の重要事項にわたって審議を尽くしております。
業務の執行は、研究開発に携わる創薬研究本部、製薬技術研究本部、医薬開発本部、医薬品の情報伝達を行う医薬事業本部、ヘルスケアに係る情報の収集分析を行い、製品価値・企業価値の最大化を図るヘルスケア戦略本部、新たな事業基盤であるワクチン事業の確立・推進を行うワクチン事業本部、最適な経営資源の配分と活用に向けた全社戦略立案を担う経営戦略本部、ステークホルダーズとのエンゲージメントの強化を担うサステイナビリティ経営本部、IT/デジタル技術によるデータ活用基盤を構築し、ヘルスケアソリューションの創出を目指すDX推進本部、信頼される品質の製品・サービスの提供のためコンプライアンス遵守体制の強化を担う信頼性保証本部、2025年12月にJT医薬事業を承継したことにより加わった研究開発に携わる医薬総合研究所および開発事業本部の12本部からなる業務執行体制を構築し、これらの本部を4つの主要なバリューチェーン毎に管掌する体制を敷いております。業務の執行にあたっては、経営会議において十分に審議を行い、経営に大きな影響を及ぼす事項については取締役会で意思決定を行っております。
当社は、監査等委員会設置会社への移行に伴い、取締役および各組織が実施する業務の適法性、妥当性を確保するため、監査等委員会および内部監査部門である内部統制部が適宜連携して職務の執行状況の監査を実施し、代表取締役との意見交換および取締役会への報告を通じて、必要な措置を講じる体制を構築しております。監査等委員会は、常勤の監査等委員である取締役2名、監査等委員である社外取締役3名で構成され、後藤取締役が委員長を務めております。監査等委員会は、「監査等委員会監査等基準」に則った業務監査、会計監査を通じて、取締役および各業務執行責任者の実施した業務の適法性、妥当性についての検証を行っており、会計監査人から会計監査の内容について報告を受けるとともに、意見交換を実施する等の対応を行っております。また、常勤の監査等委員である取締役は経営会議などの重要な会議に出席し必要な意見を述べており、監査等委員会室と共に、監査等委員会での審議の充実を図っております。さらには、内部統制部からも内部監査の内容について定期的に報告を受けるとともに、意見交換を実施する等の対応を行っており、適宜、監査等委員会から指示を行うことにより、監査等委員会、会計監査人、内部監査部門の連携を図っております。
③ 取締役会全体の実効性の分析・評価
2025年度の取締役会全体の実効性につきまして、当社が制定した「コーポレート・ガバナンスに対する基本的な考え方」に基づく「6.取締役・取締役会(1)体制、(3)役割・責務、(6)運営」を中心に、各取締役に対してアンケートおよびヒアリングを実施し、取締役会におきまして分析・評価いたしました。その結果の概要は以下のとおりです。
1.体制について
専門性や経験を含む様々な要素および多様性の観点から、外国人や女性の取締役が就任するなど、現時点で必要な体制は確保されていると評価しておりますが、将来に向けた課題として、2025年度に実施した積極的な事業投資による当社ビジネスの拡大・変化を踏まえ、本格化するグローバル化への対応、専門性を含む多様性の観点から必要なスキルを持つ人材の登用、また、サクセッションの観点から、次世代経営人材候補者の具体的な育成プランの検討の必要性などが挙げられました。
今後の事業展開の状況、方向性を踏まえながら、引き続き、更なる体制の強化に向けて検討してまいります。
2.役割・責務について
2025年度において監査等委員会設置会社に移行し、業務執行に対する監督機能が一層強化されたものと考えております。取締役会において監査等委員会での審議内容や提言、報告事項を開催の都度共有することで、業務執行状況に対する取締役間での情報格差の縮小に努めると同時に、取締役会としてより注視すべき事項が明確になるなど、取締役会全体の議論の活性化に繋がっております。また、取締役会および関連する会合において、個別の重要案件や次期中期経営計画、経営幹部の育成状況などの審議や意見交換がなされるとともに、コンプライアンス、リスクマネジメントに係る報告を定期的に受けることで、取締役会として適正な監督機能、助言機能が発揮できているものと評価しております。
今後の課題として、社内外の事業環境変化を踏まえ、ビジネスリスクやマテリアリティの再検討、グループ体制の変化に伴う人的資本戦略の再構築などの審議に注力していくことなどが挙げられました。
引き続き、取締役会の役割・責務をより一層果たしていくべく、監査等委員会との役割分担を最適化したうえで、当社の中長期的な企業価値向上に繋がる機能の強化について検討してまいります。
3.運営について
取締役会での審議の更なる活性化・効率化において、引き続き取締役会の議題における事前説明が定例で開催されるとともに、取締役会にて決議された事項の進捗について適宜報告を受けました。また、取締役会以外のオフサイトが拡充され、更なる議論の深化、情報共有の充実が図られるとともに、臨時取締役会を適宜開催するなど機動的な運営がなされ、中長期的な経営戦略に大きな影響を及ぼす重要案件の審議が迅速に行われた点を評価しております。
今後の課題として、2025年度に決議された重要案件の進捗管理の他、中長期的な経営戦略に係る議論充実のためのアジェンダ整理と審議事項に対する事前共有方法の見直し、審議時間の確保などが挙げられました。また、更なる議論の充実に向けて、当社グループのビジネスの方向性に即した情報提供機会や事業所見学の実施などの意見・要望が出されました。
引き続き、取締役会の運営の充実に向けて検討してまいります。
④ 内部統制システムの整備の状況等について
当社の内部統制システムに関する基本方針は以下のとおりであり、当該方針に則り、内部統制システムの整備を図っております。
「内部統制システムの整備・運用に関する基本方針」
当社は、役員・従業員が、経営理念であり価値観である「SHIONOGIの基本方針」を共有し、コンプライアンスを遵守して職務を遂行することにより、透明で誠実な経営を推進してまいります。
この職務の遂行の実効性を高めていくことを目的として、以下に示すとおり業務の適正を確保するための体制を整備・運用いたします。
1.取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
当社グループは、常に顧客、社会、株主、従業員の4つのステークホルダーの立場をふまえ社会の期待に応えるため透明で適正な経営を推進します。
そのために、会社の経営理念として定めた「SHIONOGIの基本方針」や役員・従業員の行動のあり方を定めた「SHIONOGIグループ コード・オブ・コンダクト」の徹底を図ることで企業の存在意義を浸透させるとともに、企業倫理に関しては社会人として恥じることのない行動を重視しています。さらには、代表取締役が統括するコンプライアンス委員会において、事業活動における法令遵守と倫理的行動の確保をより高めるための諸施策を策定し推進しています。
また、反社会的勢力に対しては、「SHIONOGIグループ コード・オブ・コンダクト」に基づき、これらに付け入る隙を与えず常に毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断します。
コーポレート・ガバナンス体制は、監査等委員会設置会社の機関設計のもとに過半数の社外取締役で構成する取締役会および監査等委員会を設け、株主をはじめとする各ステークホルダーのバランスを考慮した中長期的な全社戦略の議論への注力と、意思決定の迅速化のための権限委譲を可能にする体制としております。なお、任意の機関として指名諮問委員会、報酬諮問委員会を設置しています。こうした体制のもと、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ることを念頭に、「コーポレート・ガバナンスに対する基本的な考え方」を制定し、最良のコーポレート・ガバナンスの実現に向けて実践しています。具体的な職務の執行においては、透明性およびトレーサビリティを確保するため組織長決裁から取締役会決議に至る意思決定と進捗およびその結果を追跡するプロセスを確立し、実態を検証することにより、公正・迅速・果断な職務の実行を推進しています。
取締役会は、モニタリングボードとしての機能を充足するため、執行に任せるべき議案と取締役会が議論すべき議案を判断・峻別したうえで、経営に関する特に重要な事項について取締役会規則に則り多角的な経営判断に基づいた意思決定を行うとともに、職務の執行状況をタイムリーに把握、監督し、法令・定款違反行為を未然に防止します。取締役は、他の取締役の法令・定款違反行為を発見した場合は、直ちに取締役会に報告し、その是正を図ります。
社外取締役は、独立役員として当社の果たすべき企業責任を認識し、専門知識に基づき透明性の高い経営に貢献します。代表取締役は、財務報告の信頼性を確保するため、財務報告に係る内部統制の整備・運用を推進し、内部統制の有効性について適切に評価・報告を行います。
監査等委員会は、内部監査部門を活用しながら、取締役の職務執行について監査を行い、取締役は監査に協力します。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
当社は、取締役の職務執行に係る情報セキュリティ体制を整備し企業秘密、機密情報、知的財産等の情報資産を中心として適切に管理・運用するためのポリシーや手順を設け、情報資産へのアクセス制限や暗号化を実施するなど利活用の厳格化と保護に努めています。また、情報資産の電磁的記録、電子署名等への対応を図るとともに取締役会議事録、経営会議議事録、コンプライアンス委員会議事録、代表取締役を決裁者とする決裁情報等は、保存媒体に応じて適切かつ確実に保存・管理することとし、法令・規則等で定められた期限を遵守し、閲覧可能な状態を維持します。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社グループは、「SHIONOGIグループ リスクマネジメントポリシー」に則り、事業機会の創出およびリスクの回避や低減など適切なマネジメントを行うとともに、パンデミック、自然災害、テロやサイバー攻撃等のクライシスマネジメントも含めたグループ全体のビジネスリスクを統括する全社的リスクマネジメント(Enterprise Risk Management)体制を経営戦略・経営基盤の重要な仕組みとします。本体制においては当社およびグループ会社の各組織が意思決定と業務執行に係るリスクを認識し、主体的に管理し対応策を講じることを基本としています。全社リスク管理機能は、経営会議および取締役会に対して、年間の全社的リスクマネジメント計画について期初に活動案を提示し承認を得るとともに、その対応状況等のモニタリングを行っています。また、必要に応じて適宜その進捗を報告し、フィードバックを基に更なる課題の抽出と改善に向けた活動を推進します。
クライシスリスク管理については、危機管理規則等に基づき、事業継続計画を含む総合的な管理体制の整備、推進を図り、人命を尊重し、地域社会への配慮、貢献および企業価値毀損の抑制を主眼とした管理を推進し、クライシスが発生した場合には、速やかに対処し、当該クライシスを克服することに努めます。そのためにクライシス発生を想定した各種訓練を、経営層を含めた全社で継続的に実施しています。
なお、内部統制部(内部監査部門)は、社内の様々なリスク管理について、下記7のとおり、独立した立場で検証・評価を実施しています。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社においては、経営の執行、監督の役割を明確にするとともに、機動的かつ柔軟な業務運営を行うため執行役員制度を導入しています。職務の執行に関する重要事項については、定期的(毎週)に開催される経営会議において十分に議論し、その審議をふまえて取締役会において意思決定を行います。
取締役会の決議および経営会議の審議事項は、業務執行を担う関係部門の組織長等に速やかに伝達され、職務権限規則、業務分掌規則に則り適切な者がその権限と責任の範囲において、職務の執行を円滑に実施する手続きを行います。
当社における職務の執行は、常にビジネスリスクを想定し、プラスのリスク(攻めのリスク、事業機会)とマイナスのリスク(守りのリスク)を一体として捉え、ビジネスリスクレベルに基づく意思決定の基準を設定し、機会を逸することのないように留意します。
5.使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
コンプライアンス委員会を中心に、「SHIONOGIグループ コード・オブ・コンダクト」に則り、事業活動における法令遵守と倫理的行動の確保をより高めるための諸施策を推進します。
コンプライアンス委員会の事務局を法務・コンプライアンス部に置き、コンプライアンス教育およびハラスメント教育などを行うとともに、各業務執行部門におけるコンプライアンスおよびハラスメントなどに対するリスク管理を支援します。
また、内部統制システムの実効性を検証するため、内部監査部門による内部監査を充実させ、モニタリングを強化するとともに、内部通報窓口を十分に活用し、不祥事の未然防止、早期発見および再発防止に努めます。
6.当社及びグループ会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社およびグループ会社は、グループ全体の企業価値の向上を図り、社会的責任を全うするため、当社の基本方針、SHIONOGIグループ コード・オブ・コンダクトの周知を行います。
取締役は、グループ会社から業務の執行状況について報告を受け、当社の基本方針、SHIONOGIグループ コード・オブ・コンダクト、経営計画等の実現に向け、「SHIONOGIグループ会社管理規則」に基づきグループ会社を適切に管理し、育成します。
グループ各社においては、上記に準拠した事業運営を行うことにより、適正かつ効率的に業務を推進します。
グループ各社の業務執行については、事業部門並びに管理部門が適正な事業運営の管理・支援を行い、コーポレートガバナンス部が統括管理部門として全体管理を行います。
また、内部監査部門が内部監査を通じてグループ各社の業務の適正性、有効性を確認するとともに、経理財務部員および内部監査を担う部員をグループ各社の監査役として派遣し監査を実施します。
7.監査等委員会の職務を補助すべき使用人(補助使用人)の他の取締役(監査等委員である取締役を除く)からの独立性並びに補助使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
当社は、監査等委員会の職務を補助するため、複数名の使用人によって構成される監査等委員会室を設置します。
監査等委員会室に所属する補助使用人は、監査等委員会の指揮命令に服するとともに、監査等委員会の指揮命令が代表取締役の指揮命令と相反する場合は、監査等委員会の指揮命令を優先するものとし、また、監査等委員会室の長の人事評価・人事異動・報酬については、あらかじめ監査等委員会の同意を要することとして、補助使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く)からの独立性を確保した体制とします。また、当社は、監査等委員会の職務を補助すべき使用人に関し、監査等委員会の指揮命令に服する旨を当社の役員および使用人に周知徹底します。
なお、内部監査部門に所属する使用人の長の人事評価・人事異動・報酬についても、あらかじめ監査等委員会の同意を要することとし、内部監査部門の取締役(監査等委員である取締役を除く)からの独立性を確保した体制としております。
8.取締役及び使用人が監査等委員会に報告をするための体制その他の監査等委員会への報告に関する体制並びに監査等委員会に報告した者が当該報告をしたことを理由として不利な取り扱いを受けないことを確保するための体制
当社は、監査等委員である取締役が経営会議等の重要な会議に出席し、業務執行と管理に関わる情報、内部統制の実効性に関わる情報を適時に入手できる体制を構築します。
監査等委員会が選定する監査等委員は、当社およびグループ会社の取締役・業務執行責任者等に対して、業務執行の状況について、直接報告を求めることができます。なお、当社グループの役員および使用人は、当社もしくはグループ会社に著しい損害を及ぼす恐れや事実の発生、信用を著しく失墜させる事態、法令違反などの不正行為や重大な不当行為等が判明した場合は、書面もしくは口頭にて速やかに監査等委員会に報告します。
当社は、監査等委員会への報告を行った当社およびグループ会社の役員および使用人に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取り扱いを受けないことを保証します。
9.監査等委員の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査等委員がその職務の執行について、当社に対し費用の前払い等の請求をしたときは、当該請求に係る費用または債務が当該監査等委員の職務の執行に必要でないと認められる場合を除き、速やかに当該費用または債務を処理します。
10.その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査等委員会は、監査の実施および助言・勧告を行うにあたって、会計監査人や内部監査部門との連携を図るとともに、代表取締役と定期的に会合を持ち意見を交換することにより、監査の実効性を高めます。
また、監査等委員会は、グループ全体の監査の実効性を確保することを目的として「グループ会社監査連絡会」を定期的に開催し、各グループ会社の経営状況や監査状況に関する意見交換を行います。
⑤ 責任限定契約の内容の概要
当社は、各社外取締役および各監査等委員である取締役との間に、会社法第423条第1項の賠償責任について、法令に定める要件に該当するときは、当該賠償責任を法令に定める責任限度額に限定する旨の契約(責任限定契約)を締結しております。
⑥ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険(D&O保険)契約を保険会社との間で締結しており、被保険者の範囲は当社および当社子会社の取締役および監査役です。これにより役員等がその職務の執行に起因して保険期間中に損害賠償請求された場合の損害賠償金および争訟費用等(ただし保険契約上で定められた免責事由を除きます)を当該保険契約により塡補することとしております。なお、当該保険契約の保険料は全額を当社が負担しております。
⑦ 取締役の定数および選任の決議要件
当社の取締役の定数は取締役(監査等委員であるものを除く)8名以内、監査等委員である取締役7名以内とする旨を定款に定めております。
また、当社の取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、および取締役の選任は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
⑧ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができる旨を定款に定めている事項
1.自己株式
当社は、機動的な資本政策を行うため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議により市場取引等により自己株式を取得することができる旨を定款に定めております。
2.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
当社のコーポレート・ガバナンス体制の模式図は以下のとおりです。

(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
a.提出日現在の当社の役員の状況は、以下のとおりであります。
男性8名 女性3名 (役員のうち女性の比率27.3%)
(注) 1.取締役 安藤圭一、取締役 尾崎裕、取締役 藤原崇起および取締役 廣瀬恭子は、監査等委員でない社外取締役であります。
2.取締役 奥原主一、取締役 髙槻史および取締役 後藤順子は、監査等委員である社外取締役であります。
3.監査等委員でない取締役の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会の終結の時から、2026年3月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。
4.監査等委員である取締役の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会の終結の時から、2027年3月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。
5.当社は法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備えて、会社法第329条第3項に定める補欠の監査等委員である取締役1名を選任しており、当該選任の効力は、2027年の当社第162回定時株主総会開始の時までであります。補欠の監査等委員である取締役は、次のとおりであります。
b.2026年6月24日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く)7名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、当社の役員の状況は以下のとおりとなる予定です。なお、役員の役職等につきましては、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しております。
男性9名 女性3名 (役員のうち女性の比率25.0%)
(注) 1.取締役 安藤圭一、取締役 尾崎裕、取締役 藤原崇起、取締役 廣瀬恭子および取締役 芳井敬一は、監査等委員でない社外取締役であります。
2.取締役 奥原主一、取締役 髙槻史および取締役 後藤順子は、監査等委員である社外取締役であります。
3.監査等委員でない取締役の任期は、2026年3月期に係る定時株主総会の終結の時から、2027年3月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。
4.監査等委員である取締役の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会の終結の時から、2027年3月期に係る定時株主総会の終結の時までであります。
5.当社は法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備えて、会社法第329条第3項に定める補欠の監査等委員である取締役1名を選任しており、当該選任の効力は、2027年の当社第162回定時株主総会開始の時までであります。補欠の監査等委員である取締役は、次のとおりであります。
② 社外取締役の状況
監査等委員でない社外取締役は4名、監査等委員である社外取締役は3名です。取締役11名のうち過半数である7名の社外取締役の選任により、より公正かつ効率的な経営を進めるための体制を維持し、社外取締役7名は、いずれも独立役員として当社の果たすべき企業責任を認識し、透明性の高い経営に貢献しております。
なお、当社は、2026年6月24日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く)7名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、社外取締役は上記7名に加えて、監査等委員でない社外取締役1名が新たに就任いたします。これにより、当社の監査等委員でない社外取締役は5名、監査等委員である社外取締役は3名となり、取締役12名のうち8名の社外取締役の選任により、より一層公正かつ効率的な経営を進めるための体制といたします。新任の社外取締役候補1名は、以下のとおりであります。
「独立社外役員の要件および独立性判断基準」
≪要件≫
① 経営に関する経験や専門的知識に基づく優れた識見や能力を備え、それらを適切に発揮できる
② 社外役員としての役割を認識し、時機を失することなく当社経営陣に忌憚のない意見・提言ができる
③ 当社経営陣のみならず、ステークホルダーの皆さまに真摯に向き合う人格を有する
④ 一般株主と利益相反のおそれがなく、当社と社外役員個人との間に利害関係がない
≪独立性判断基準≫
① SHIONOGIグループの主要株主(総議決権の10%以上の株式を保有する株主もしくは上位5位内の株主)、もしくは、当該主要株主が法人・機関等である場合には当該法人・機関等の取締役・監査役・執行役員または社員でないこと
② SHIONOGIグループが主要株主(総議決権の10%以上を保有する会社もしくは上位5位内の会社)である会社の取締役・監査役・執行役員または社員でないこと
③ SHIONOGIグループの主要な取引先の取締役・監査役・執行役員または社員でないこと
なお、「SHIONOGIグループの主要な取引先」とは次のいずれかをいう
a.SHIONOGIグループの直近事業年度を含む過去3年の事業年度の平均において、SHIONOGIグループからの当該取引先への支払額が、SHIONOGIグループの連結売上高の2%以上となる取引先
b.SHIONOGIグループの直近事業年度を含む過去3年の事業年度の平均において、SHIONOGIグループによる当該取引先からの受取額が、SHIONOGIグループの連結売上高の2%以上となる取引先
④ SHIONOGIグループを主要な取引先とする取引先の取締役・監査役・執行役員または社員でないこと
なお、「SHIONOGIグループを主要な取引先とする取引先」とは次のいずれかをいう(⑤が適用される場合は除く)
a.当該取引先の直近事業年度を含む過去3年の事業年度の平均において、当該取引先からのSHIONOGIグループへの支払額が、当該取引先の連結売上高の2%以上となる取引先
b.当該取引先の直近事業年度を含む過去3年の事業年度の平均において、当該取引先によるSHIONOGIグループからの受取額が、当該取引先の連結売上高の2%以上となる取引先
⑤ 本人がコンサルタント、会計専門家もしくは法律専門家である場合、本人もしくは本人の所属する法人・機関等が、SHIONOGIグループから本人の役員報酬以外に以下の報酬を受け取っていないこと
a.(個人の場合)年間1,000万円以上の報酬
b.(法人・機関等の場合)本人の所属する法人・機関等の直近事業年度を含む直近過去3年の事業年度の平均において、当該法人・機関等の連結売上高の2%もしくは年間1,000万円のいずれか高い方の額以上の報酬
⑥ SHIONOGIグループから年間1,000万円以上の寄附を受けている法人・団体等に属していないこと
⑦ SHIONOGIグループの社外役員の在任期間が通算して10年を超えていないこと
③ 社外取締役または監査等委員である社外取締役による監督または監査と内部監査、監査等委員会監査および会計監査との相互連携ならびに内部統制部門との関係
社外取締役は、原則月1回開催される取締役会への出席を通じて、監査等委員会の年度毎の監査計画上の基本方針・重点監査項目や内部統制の整備・運用状況等に関する報告を受けることにより、また、適宜行われる取締役等との意見交換等を通じてSHIONOGIグループの現状と課題を把握し、取締役会において意見を表明しております。
監査等委員である社外取締役は、原則月1回開催される取締役会および監査等委員会に出席し、取締役、常勤監査等委員および使用人等から監査等委員会監査、会計監査、内部監査およびコンプライアンス・リスク管理を始めとする取締役の業務執行状況や内部統制の実施状況等の報告を受け、必要に応じて説明を求めるほか、意見を表明するとともに、監査等委員会として取締役会に提言を行っております。
(3) 【監査の状況】
① 監査等委員会監査の状況
当社における監査等委員会は、監査等委員である取締役5名からなり、このうち3名は社外取締役です。社内出身の取締役 岸田哲行および取締役 花﨑浩二は、財務・会計、人的資本開発、研究・開発、生産、販売等に精通しており、それぞれ常勤の監査等委員に選任されています。監査等委員である社外取締役 奥原主一および社外取締役 後藤順子は、公認会計士の資格を保有し財務・会計に関する深い知見を有しており、社外取締役 髙槻史は弁護士の資格を保有し企業法務に精通しております。また、監査等委員会を補佐する組織として、複数名の使用人によって構成される監査等委員会室を設置しております。監査等委員会監査について監査方針、職務の分担等を定め、各監査等委員および監査等委員会室から監査の実施状況および結果について報告を受けるほか、取締役等および会計監査人からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めることとしております。さらに、内部統制部(内部監査部門)から、内部監査の実施状況および結果について報告を受け、連携を図るとともに、監査計画の立案に際しても、重点監査項目やリスク認識等について事前に意見交換・協議を行い、監査の実効性の向上に努めております。
2025年度において、監査等委員会は12回開催(監査等委員会設置会社への移行前に開催された監査役会2回を含む)されており、各監査等委員の出席率は100%となっております。また、監査等委員会と会計監査人との間で監査計画の相互確認を行い、期中レビュー結果、期末決算監査状況・期末監査結果等について報告を受け、会計上のリスク等に関して適宜意見交換を行っております。
監査等委員会は、監査等委員会が定めた監査等委員会監査の基準に準拠し、監査の方針、職務の分担等に従い、取締役、内部統制部その他の使用人等と意思疎通を図り、情報の収集および監査の環境の整備に努めるとともに、以下の方法で監査を実施しております。
a.取締役会その他重要な会議や定期的に開催される管掌報告会・管掌会議等に出席し、取締役および使用人等からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、重要な決裁書類等を閲覧し意思決定の状況について確認するとともに、本社および主要な事業所において業務および財産の状況を調査いたしました。また、子会社については、子会社の取締役および監査役等と意思疎通および情報の交換を図り、必要に応じて子会社の株主総会・事業報告会に出席する等により事業の報告を受けるとともに、「グループ会社監査連絡会」を定期的に開催する等、グループ全体の監査状況を確認しております。
b.事業報告に記載されている「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するための体制」に必要なものとして、会社法施行規則第100条第1項および第3項に定める体制の整備に関する取締役会決議の内容および当該決議に基づき整備されている体制(内部統制システム)について、取締役および使用人等からその構築および運用の状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め意見聴収し、監査意見を表明いたしました。
c.会計監査人が独立の立場を保持し、かつ、適正な監査を実施しているかを監視および検証するとともに、会計監査人から職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めました。また、会計監査人から「職務の遂行が適正に行われることを確保するための体制」(会社計算規則第131条各号に掲げる事項)を「監査に関する品質管理基準」(企業会計審議会)等に従って整備している旨の通知を受け、必要に応じて説明を求めました。
以上の方法に基づき、監査等委員会は、当事業年度に係る取締役の職務の執行について確認を行うとともに、事業報告およびその附属明細書、計算書類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書および個別注記表)およびその附属明細書ならびに連結計算書類(連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結持分変動計算書および連結注記表)について検討しました。
<監査等委員会の実効性の分析・評価>
監査等委員会設置会社へ移行した初年度にあたる2025年度において、監査等委員会の実効性を評価するため、全監査等委員に対してアンケートによる自己評価とヒアリングを実施しました。アンケートおよびヒアリングの結果は監査等委員会にて討議し、評価結果や課題は取締役会に報告・提言のうえ、次年度の監査計画や運営改善に反映しております。今後も評価結果や認識された課題を踏まえ、取締役会の運営改善ならびに監査等委員会の実効性の更なる向上に努めてまいります。
(評価結果)
社外取締役が委員長を務める体制のもと、組織的な運営体制が確立され、取締役会への報告・提言を通じた監督機能が適切に機能していることを確認しました。監査等委員会は実効性が確保されていると評価しております。
(認識された課題と次年度の取組)
当社の事業拡大に対応した監査体制の確保が課題として認識されました。2026年度は、内部監査部門との連携を強化し、事業環境の変化に応じた監査活動を推進してまいります。
② 内部監査の状況
当社における内部監査は、他の執行部門から独立した内部統制部(2026年6月19日現在17名)が内部監査規程に準拠して実施しております。内部統制部では、日頃から重要な業務執行会議や意思決定プロセス等をモニタリングすることで潜在的なリスクの早期発見およびその検証・評価に取り組んでおります。それにより抽出されたリスクを基に監査計画を策定し、代表取締役の承認および監査等委員会の同意を得て、取締役会へ報告することとしております。その監査計画に沿って、被監査部門の業務全般に対する内部監査ならびに内部統制評価(J-SOX評価)等を実施することにより、被監査部門における内部統制の整備・運用状況の適正性を検証・評価しております。また、内部監査機能を設置している子会社から、内部監査の状況について定期的に報告を受けております。さらに、子会社監査役との連携により子会社におけるリスクの顕在化や問題事象が懸念される場合は、直ちに内部監査を実行できる体制を構築しています。監査結果については、被監査部門へ伝達し意見を交わすことで内部統制の改善を図るとともに、代表取締役のみならず、取締役会および監査等委員会へ直接報告することで内部監査の実効性を確保しております。また、財務報告の信頼性に係る内部統制評価や内部監査活動については、会計監査人とも定期的に情報共有を行い、相互連携にも努めております。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b.継続監査期間
1960年以降
上記は当社において調査可能な範囲での期間であり、実際の継続監査期間は上記を超える可能性があります。
c.業務を執行した公認会計士
北池 晃一郎
中澤 直規
d.監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士15名、その他25名であり、その他は公認会計士試験合格者、システム専門家等であります。
e.監査法人の選定方針と理由
当社では、会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると認められる場合には、監査等委員会は監査等委員全員の同意により会計監査人を解任する方針です。
また、当社が定めた会計監査人を適切に評価するための「会計監査人の評価基準」に照らして、職務遂行の適正性が確保されないと認められる場合には、監査等委員会の決議により会計監査人の不再任の決定を行う方針です。
当第161期において、監査等委員会は、会計監査人から職務の執行状況について報告を受けるとともに、説明を求め、「会計監査人の評価基準」に基づき適切なプロセスを経て、厳正に評価を実施し協議いたしました。その結果、再任を相当とする監査等委員会の決議に至りました。
f.監査等委員会による監査法人の評価
監査等委員会は、監査等委員会が策定した「会計監査人の評価基準」に基づき、監査等委員会の職務を補助すべき使用人を関連部署から複数選任し、監査等委員会の指揮命令下において監査等委員会による会計監査人評価を実施いたしました。評価にあたっては、品質管理、監査チームの独立性・専門性、報酬等につき、評価を実施し、監査実績も踏まえた上で総合的に判断し、再任の決定に至っております。当社を担当する監査チームについては、妥当なメンバー配置が行われ、監査法人からの専門性・能力の維持向上の機会の提供などが行われています。また、監査業務も妥当なリスク分析に基づく監査が実施されており、監査等委員会のみならず経営層や社内関連部門(経理財務部・内部統制部)とのコミュニケーションもとられています。監査等委員会への報告内容や質問への回答、日常の関連部門(経理財務部・内部統制部)との関係において、大きな課題は認められません。また、監査法人の品質管理の体制、独立性を保持するための取り組み等の妥当性を確認しています。以上のように、当社担当の監査チームの陣容・活動ならびに監査法人の体制・態勢に特段の問題はないものと判断しております。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(EYグループ)に対する報酬(a.を除く)
(注) 非監査業務の内容は、主にアドバイザリー業務です。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d.監査報酬の決定方針
会計監査人から監査計画の説明を受け、当社の事業規模、業務の特性、監査時間等を総合的に勘案した上で、監査等委員会の同意を得て決定することとしております。
e.監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
取締役が提案した会計監査人に対する報酬等に対して、監査等委員会は、会計監査人から監査計画(方針、項目、チーム体制、予定時間、前期からの変更点等)および報酬見積額の説明を受け、前期の計画と実績、報酬額、時間当たり報酬単価等の比較に加え、社内関係部門の見解を確認し検討した結果、報酬等の額は妥当と判断し同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針の内容および決定方法
取締役報酬については、株主総会の決議により定められた報酬総額の範囲内において、毎月定額で支給する基本報酬、各事業年度の業績等に応じて決定される賞与および2018年度から導入した譲渡制限付株式報酬(中期業績連動型、長期型)で構成されております。なお、監査等委員である取締役および社外取締役は基本報酬のみとしております。
基本報酬については経営環境や世間動向を勘案した上で取締役の職位や役割に応じた基本報酬テーブルを元に決定しております。
賞与は事業年度ごとの業績向上に対する意識を高めるため業績指標(営業利益、連結当期純利益、その他取締役としての職務執行に対する総合業績評価)を反映した現金報酬とし、短期的なインセンティブとして各事業年度の目標利益の達成度等の業績に応じた算定テーブルに基づいて決定し、毎年6月に支給されます。当事業年度の業績指標の実績としては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。
株式報酬については、各取締役の職位や役割に応じた付与テーブルに基づいて毎年7月に付与されますが、特に中期業績連動株式報酬では、STS2030 Revision(2023~2030年度)のうちPhase2の2023~2025年度の3年間の付与分に対して2025年度の達成状況から売上収益、海外売上高CAGR、EBITDA、ROE、当社を含む同業他社11社中の株主総利回り順位(相対TSR)を定量的指標として用い、ESG・コンプライアンスおよび投資の状況を考慮して業績評価を実施し、譲渡制限解除の割合(100%~0%)を決定します。また、譲渡制限解除時に金銭報酬として譲渡制限解除時の株価換算による株式報酬額の50%を支給します。
業務執行取締役の報酬種類別の割合については、当社と同程度の事業規模や関連する業種・業態に属する企業をベンチマークとする報酬水準を踏まえ、報酬諮問委員会において検討を行い、取締役会は報酬諮問委員会の答申内容を尊重し、当該答申で示された種類別の報酬割合となるよう報酬制度等の内容を決定しております。その決定方針については、「取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針」に記載のとおりです。また、2021年2月22日開催の取締役会決議に基づき、基本報酬および賞与の個人別報酬額等の決定については最高経営責任を持つ者による評価および決定が適切であると考えることから、代表取締役会長兼社長CEO 手代木功に委任されており、報酬諮問委員会は、委任するにあたっての方針・基準を審議し、その結果を取締役会に答申し決議を受けるとともに、委任を受けた代表取締役会長兼社長CEO 手代木功は、当該答申ならびに取締役会決議の内容に従って決定をしなければならないこととしております。
なお、報酬等の種類ごとの比率の目安は、より業績を重視し株主さまの視点に立つよう、2021年度から中期業績連動株式報酬テーブルの改定を実施した結果、KPI100%達成を前提として、基本報酬:業績連動報酬等:非金銭報酬等はほぼ1:1:1となるよう制度設計しております。
(注)業績連動報酬等は、役員賞与であり、非金銭報酬等は、譲渡制限付株式です。
この結果、当事業年度の基本報酬の割合は、当期利益目標の達成状況や株式報酬における株価の影響もあり、36%程度となっております。取締役会は、取締役会および報酬諮問委員会における審議や報告等を通じて、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容は決定方針に沿うものであることを確認しております。
当社の報酬諮問委員会は取締役会の諮問機関として構成メンバーの過半数を社外取締役が占め、社外取締役が委員長を務めております。役員報酬については、同委員会において十分な審議を行っており、また、取締役および執行役員の報酬制度のあり方や諸課題を検討するとともに、報酬等の水準を毎年確認し、次年度の報酬体系、業績評価制度等を審議しております。
株主総会の決議による役員報酬限度額は、取締役(監査等委員である取締役を除く)は年額2,000百万円以内(2025年6月18日定時株主総会決議:当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役は除く)の員数は6名(うち、社外取締役は4名)、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まない)、監査等委員である取締役は年額750百万円以内(2025年6月18日定時株主総会決議:当該定時株主総会終結時点の監査等委員の員数は5名)です。なお、譲渡制限付株式報酬は、取締役(監査等委員である取締役、社外取締役を除く)を対象として、発行または処分される当社の普通株式の総数は年250,000株以内、譲渡制限付株式を付与するために支給する金銭報酬債権の総額は取締役における他の報酬と合わせて年額2,000百万円以内(2025年6月18日定時株主総会決議:当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役、社外取締役を除く)の員数は2名、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まない)です。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
(注) 1.当社は、2025年6月18日開催の第160回定時株主総会終結の時をもって、監査等委員会設置会社に移行しております。「監査役」の報酬等は当該移行前の期間に係るものであり、「取締役(監査等委員)」の報酬等は当該移行後の期間に係るものであります。
2.株主総会の決議による役員報酬限度額は、取締役(監査等委員である取締役を除く)は年額2,000百万円以内(2025年6月18日定時株主総会決議:当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役を除く)の員数は6名(うち、社外取締役は4名))、監査等委員である取締役は年額750百万円以内(2025年6月18日定時株主総会決議:当該定時株主総会終結時点の監査等委員である取締役の員数は5名)です。また、取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く)の非金銭報酬等については、譲渡制限付株式報酬であり、年250,000株以内(2025年6月18日定時株主総会決議:当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く)の員数は2名)です。
3.上記の「業績連動報酬等」の額は、当事業年度に係る役員賞与引当金繰入額であります。
4.上記の「非金銭報酬等」の額は、当事業年度に費用計上した額であります。
5.「その他」欄には、外国籍の取締役のフリンジ・ベネフィット相当額を記載しています。なお、海外に駐在することにより発生する追加の費用等に関して、駐在をしていない場合において想定される報酬額を確保することを目的とした、国際間異動に伴う税額調整等の金額(121百万円)は含んでおりません。
6.上記支給額のうち、現地通貨で支給した報酬等については、2025年度期中平均社内為替レートにより円換算しています。
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等
(注) 1.連結報酬等の総額が1億円以上である者に対して限定して記載しております。
2.上記の「業績連動報酬等」の額は、当事業年度に係る役員賞与引当金繰入額であります。
3.上記の「非金銭報酬等」の額は、当事業年度に費用計上した額であります。
4.「その他」欄には、フリンジ・ベネフィット相当額を記載しています。なお、海外に駐在することにより発生する追加の費用等に関して、駐在をしていない場合において想定される報酬額を確保することを目的とした、国際間異動に伴う税額調整等の金額(121百万円)は含んでおりません。
5.上記支給額のうち、現地通貨で支給した報酬等については、2025年度期中平均社内為替レートにより円換算しています。
[中期業績連動株式報酬の業績評価について]
中期業績連動株式報酬の解除の割合(解除率)の決定に関して、2023年度から2025年度の3年間の付与分については、報酬諮問委員会の答申を踏まえ、2023年10月31日の取締役会でその評価指標と評価プロセスが決議されております。「売上収益」、「海外売上高CAGR」、「EBITDA」、「ROE」、「相対TSR」の5つを定量指標として評価を決定し、次いでそれに「ESG・コンプライアンス」、「投資」の状況の評価を反映して最終評価を定め、解除率を決定することにしております。
上述の指標は以下の通りです。
*2022年度を起点
**相対TSRについては2023年度から2025年度の3年間で算出
さらに、ESG・コンプライアンスおよび投資の状況を報酬諮問委員会で審議し反映したうえで総合的に判断した結果、解除率を90%とすることとし、2026年5月12日開催の取締役会にてこれを決議いたしました。
なお、2026年度を起点とする中期業績連動株式報酬の評価項目・評価方法等につきましては、次期中期経営計画立案状況を見ながら精査したのち、適切な時期に報酬諮問委員会で審議し、取締役会で決議する予定です。
[取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針]
1.基本方針
当社の取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして十分に機能するよう株主利益と連動した報酬体系とし、個々の取締役の報酬の決定に際しては各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本方針とする。具体的には、業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬等(金銭報酬としての賞与)および株式報酬により構成し、監督機能を担う監査等委員である取締役および社外取締役については、その職務に鑑み、基本報酬のみを支払うこととする。
2.基本報酬(金銭報酬)の個人別の報酬等の額の決定に関する方針(報酬等を与える時期または条件の決定に関する方針を含む。)
当社の取締役の基本報酬は、月例の固定報酬とし、役位、職責に応じて当社の業績、従業員給与の水準、他社水準をも考慮し設定した基本報酬テーブルに基づき、決定するものとする。
3.業績連動報酬等ならびに非金銭報酬等の内容および額または数の算定方法の決定に関する方針(報酬等を与える時期または条件の決定に関する方針を含む。)
業績連動報酬等は、事業年度ごとの業績向上に対する意識を高めるため業績指標(KPI)を反映した現金報酬とし、各事業年度の連結営業利益ならびに連結当期純利益の目標値に対する達成度合いに応じて算出された額を賞与として毎年6月に支給する。目標となる業績指標とその値は、中期経営計画と整合するよう計画策定時に設定し、適宜、環境の変化に応じて報酬諮問委員会の答申を踏まえた見直しを行うものとする。
非金銭報酬等は、譲渡制限付株式とし、在籍を要件とする長期型株式報酬制度と業績に連動する中期業績連動型株式報酬の二本立てとする。長期型株式報酬制度は、報酬諮問委員会の審議を経て取締役会で役位、職責に応じて決定された株式報酬テーブルに基づいて付与個数を決定する。
中期業績連動型株式報酬は報酬諮問委員会の審議を経て取締役会で役位、職責に応じて決定された株式報酬テーブルに基づいて付与個数を決定する。譲渡制限付株式を毎年7月に付与し、STS2030 Revision(2023~2030年度)のうちPhase2の2023~2025年度の3年間の付与分に対して2025年度の達成状況から業績評価を実施し、譲渡制限解除の割合(100%~0%)を決める。また、譲渡制限解除時に金銭報酬として譲渡制限解除時の株価換算による株式報酬額の50%を支給する。業績評価については、売上収益、海外売上高CAGR、EBITDA、ROE、当社を含む同業他社11社中の株主総利回り順位(相対TSR)を定量的指標として用い、ESG・コンプライアンスおよび投資の状況を考慮して、総体的な評価を報酬諮問委員会にて審議したのち、取締役会にて決定する。
4.金銭報酬の額、業績連動報酬等の額または非金銭報酬等の額の取締役の個人別の報酬等の額に対する割合の決定に関する方針
業務執行取締役の報酬種類別の割合については、当社と同程度の事業規模や関連する業種・業態に属する企業をベンチマークとする報酬水準を踏まえ、報酬諮問委員会において検討を行う。取締役会(5.の委任を受けた代表取締役)は報酬諮問委員会の答申内容を尊重し、当該答申で示された種類別の報酬割合となるよう報酬制度等の内容を決定し、その趣旨に沿って個人別の報酬額を決定することとする。
なお、報酬等の種類ごとの比率の目安は、基本報酬:業績連動報酬等:非金銭報酬等=1:1:1とする(KPIを100%達成の場合)。
(注) 業績連動報酬等は、役員賞与であり、非金銭報酬等は、譲渡制限付株式である。
5.取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する事項
個人別の報酬額については取締役会決議に基づき代表取締役がその具体的内容について委任をうけるものとし、その権限の内容は、基本報酬テーブルに基づく各取締役の基本報酬の額ならびに各取締役の担当事業の業績を踏まえた賞与の評価配分とする。
報酬諮問委員会は、代表取締役に委任するにあたっての方針・基準を審議し、その結果を取締役会に答申し決議を受けるとともに、上記の委任をうけた代表取締役は、当該答申ならびに取締役会決議の内容に従って決定をしなければならないこととする。
また、株式報酬は、報酬諮問委員会の答申を踏まえ、取締役会で株式報酬テーブルに基づいた取締役個人別の割当株式数を決議する。
なお、これとは別に監査等委員である取締役の報酬の決定については、監査等委員会で協議して決定する。
報酬諮問委員会は7名の委員からなり過半数を社外取締役が占め、社外取締役が委員長を務める。報酬諮問委員会では上記のほか、取締役および執行役員の報酬等に関する諸課題を検討するとともに報酬等の水準を毎年確認し、次年度の報酬体系、業績評価制度等を審議する。
④ 使用人兼務役員の使用人分給与のうち重要なもの
該当事項はございません。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
経済合理性及び戦略妥当性の2つの観点から、当社グループの企業価値を高め、持続的な企業価値の向上に資すると判断される場合のみ、当該企業の株式を保有します。このため純投資目的の株式は保有いたしません。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
経済合理性及び戦略妥当性の観点から保有の要否を判断することとし、毎年取締役会にて個別の政策保有株式について、保有目的、保有に伴う便益・リスク・資本コスト等を総合的に検証しております。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額に関する情報
特定投資株式
(注) 1.取引金額等は非開示情報であり、定量的な保有効果の記載が困難なため、保有の合理性を検証した方法を記載しております。
2.保有先企業は当社の株式を保有しておりませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
① 人材戦略
人材戦略については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)成長を支える人材の確保(人的資本の拡大)」をご参照ください。
② 従業員給与等の決定方針
基本的考え方
当社は、STS2030 Revisionの達成に向けて、イノベーション創出およびグローバルな事業展開を支える人材の確保・育成を重要な経営課題と位置付けております。経営戦略の実現には、優秀で多様な人材の確保と、その能力の最大限の発揮が不可欠です。従業員給与等は、「チャレンジ」と「やりがい」を中核コンセプトとした人事制度に基づき、経営戦略と人材戦略を連動させるかたちで設計されております。
職務等級制度に基づく報酬設計
当社の人事制度は、職務等級制度を基軸としており、年齢や性別等の属性にかかわらず職務内容と成果に基づいて処遇を決定しております。各職務等級で求められる職責と期待される行動が明確に定義されており、これらに基づいた適正な評価と格付けを実施しております。この設計により、従業員が自らの現在の立ち位置と期待される役割を明確に認識することができ、より高い目標への主体的なチャレンジを促しております。単年度での昇降格を可能とする柔軟な仕組みにより、成長と成果を速やかに処遇に反映させております。
市場競争力を備えた給与水準
給与水準の決定にあたっては、当社が事業展開する地域における外部労働市場調査を基準としており、優秀な人材を確保・定着させるための競争力のある水準を設定しております。同時に、社内における公平性を重視し、職務内容が同等であれば、性別・年齢・国籍等の属性にかかわらず賃金に不当な差異が生じない設計となっております。また、すべての従業員に対し、法定最低賃金を上回る給与水準を保障しております。
評価と報酬の連動
当社では、職務責任の大きさに基づく基本給、ならびに行動評価に基づいた処遇調整により、複合的で透明性のある報酬体系を運用しております。特に、全社戦略と個人目標を連動させることで、個々の従業員の成果が直接的に企業価値向上へ貢献することを実現させております。また、賞与については、会社および各事業部門の業績成果を賞与原資に反映させる業績連動型の仕組みを採用しております。これにより、従業員の努力や成果が企業の成長と連動して適切に評価・還元される構造となっております。
継続的な処遇改善
当社は、従業員が安心して働く環境整備と人材確保競争力の維持を目指し、継続的な給与改善に取り組んでおります。経営環境や労働市場の変化を踏まえた定期的な給与水準の検討により、全従業員の生活基盤を支えるとともに、変動する採用環境における競争力を確保しております。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員数であります。臨時雇用人員(定年後再雇用者、契約社員等)数は、[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.当社グループ(当社および連結子会社)の事業は、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売ならびにこれらの付随業務を事業内容とする単一セグメントであります。当社グループの従業員はすべて医薬品事業に属しております。
3.従業員数が前連結会計年度末と比べて1,268人増加しております。主な要因は、2025年9月に鳥居薬品が連結子会社になったことおよび2025年12月にJT医薬事業を吸収分割したことによるものです。
② 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員数であります。臨時雇用人員(定年後再雇用者、契約社員等)数は、[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与、基準外賃金および法定外福利厚生を含んでおります。
3.当社の事業は、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売ならびにこれらの付随業務を事業内容とする単一セグメントであります。当社の従業員はすべて医薬品事業に属しております。
4.従業員数が前事業年度末と比べて679人増加しております。主な要因は、2025年12月にJT医薬事業を吸収分割したことによるものです。
5.2025年度より、日本たばこ産業株式会社から承継した従業員のデータを含めて算定しております。平均勤続年数は日本たばこ産業株式会社への入社時点から起算しており、平均年間給与は、同様の性質を有する給与項目を対象として算出しております。
③ 労働組合の状況
当社の労働組合は、塩野義製薬労働組合と称し、連結子会社6社および関連会社1社の労働組合とともにSHIONOGIグループ労働組合連合会を組織し、上部団体である「薬粧連合(医薬化粧品産業労働組合連合会)」に加盟しております。
塩野義製薬労働組合の組合員数は、2026年3月31日現在2,448名、SHIONOGIグループ労働組合連合会の組合員数は3,673名です。
労使は相互信頼を基盤に、健全な関係を持続しております。
④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
a.提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.従業員数は2026年4月1日時点により算出しております。部下を持つ職務の者を管理職としております。
4.以下の前提に基づき算出しております。
対象期間:2025年度(2025年4月1日~2026年3月31日まで)
賃金:基準給与、基準外給与、賞与、法定外福利厚生を含み、退職手当を除いております。
正規雇用労働者:出向者については、社外への出向者を除き、他社からの出向受入者を含んでおります。
パート・有期労働者:嘱託、パート・アルバイト、再雇用者(フルタイム・パートタイム)を含み、派遣社員を除いております。
5.男性労働者の育児休業取得率の詳細
b.連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成 3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.従業員数は2026年4月1日時点により算出しております。部下を持つ職務の者を管理職としております。
4.以下の前提に基づき算出しております。
対象期間:2025年度(2025年4月1日~2026年3月31日まで)
賃金:基準給与、基準外給与、賞与、法定外福利厚生を含み、退職手当を除いております。
正規雇用労働者:出向者については、社外への出向者を除き、他社からの出向受入者を含んでおります。
パート・有期労働者:嘱託、パート・アルバイト、再雇用者(フルタイム・パートタイム)を含み、派遣社員を除いております。
5.シオノギテクノアドバンスリサーチ株式会社のパート・有期労働者における男女間の賃金差異は、主に雇用区分の構成差によるものです。再雇用者において、相対的に賃金水準の高いフルタイム勤務者が男性に偏在していることが、差異の主な要因となっております。
6.鳥居薬品株式会社のパート・有期労働者における男女間の賃金差異は、主に雇用区分および職位構成の差によるものです。契約社員において管理職の割合が高く、特に男性に偏在していることに加え、賞与支給対象者の比率が高いことから、平均賃金が相対的に高い水準となっております。
7.男性労働者の育児休業取得率の詳細
<男女の賃金差異について>
SHIONOGIグループでは、職務等級制度を軸とした人事制度を導入・運用しており、年齢や性別等の属性にかかわらず、職務に応じた処遇としております。そのため、処遇は男女同一であり、同一職務レベルにおける報酬体系において男女間で差異を設けておりませんが、職責・賃金が高い職務における女性比率が男性に比べ低いこと等から差異が生じております。差異の解消に向けて、性別にかかわらず活躍できる環境を整備してきた結果、女性マネジャー比率は上昇しております。引き続き、女性活躍推進の取り組みを推進してまいります。女性活躍推進の目標については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
提出会社における各種比率データ
(注) 2025年度より、監査等委員会設置会社への移行に伴い、取締役の人数が変更されております。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際財務報告基準(以下「IFRS会計基準」という。)に準拠して作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は以下のとおりであります。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、又は会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同機構の主催するセミナー等に定期的に参加しております。
(2) IFRS会計基準の適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRS会計基準に基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRS会計基準に準拠したグループ会計方針及び会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
② 【連結財政状態計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
塩野義製薬株式会社(以下「当社」という)は日本に所在する企業であります。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を主な事業としております。登記上の本社の住所は、ウェブサイト (https://www.shionogi.com) で開示しております。
2.作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRS会計基準に準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRS会計基準に準拠して作成しております。
当社は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定を適用しております。
当社グループの連結財務諸表は、2026年6月18日に代表取締役会長兼社長 CEO 手代木 功によって承認されております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、「3.重要性がある会計方針」に記載している公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満の端数を切り捨てて表示しております。
(4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表の作成において、経営者は、収益、費用、資産及び負債の報告金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことを要求されております。しかし、これらの見積り及び仮定に関する不確実性により、実際の業績は見積りとは異なる場合があります。また、見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。これらの見直しによる影響は、見直しを行った会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。
経営者が見積り及び判断を行った項目の内、重要なものは以下のとおりであります。
・非金融資産の減損(注記3.重要性がある会計方針 (5) 有形固定資産、(6) のれん、(7) 無形資産、(10) 非金融資産の減損、注記11.有形固定資産、注記12.のれん、注記13.無形資産参照)
連結財政状態計算書において、有形固定資産156,519百万円、のれん35,061百万円、無形資産173,553百万円を計上しております。これらの資産の減損テストにおける回収可能価額の算定において、事業計画における売上予測及び割引率、上市前の製品についての規制当局による販売承認の可能性等において仮定を設定しております。これらの見積りは将来の経済状況の変動によって影響を受け、回収可能価額が低下する場合には、減損損失を計上する可能性があります。
・JT医薬事業の取得により識別した無形資産の公正価値測定(注記3.重要性がある会計方針 (7) 無形資産、(10) 非金融資産の減損、注記13.無形資産参照)
企業結合により取得した無形資産は、当初取得日における公正価値で認識しています。
当社は、JT医薬事業の取得取引に際し、導出先との導出契約から生じるロイヤリティー収入について、無形資産として公正価値で測定しており、連結財政状態計算書において45,532百万円を計上しております。尚、取得原価の配分が完了していないため、当該公正価値の測定は、暫定的な会計処理に基づくものであります。
当該無形資産の公正価値は、主として将来キャッシュ・フロー及び割引率等の観察可能な市場データに基づかないインプットを用いる評価技法(超過収益法)により算定しております。
当該公正価値測定における重要な仮定は、導出先における各製品の将来売上予測であります。当該売上予測は、競合製品の販売動向、競争環境の変化及び導出先の販売戦略の影響を受けるものであります。
これらの見積りは、事業環境の変化や競争状況の変化等により影響を受け、無形資産の回収可能価額が低下する場合には、減損損失を計上する可能性があります。
(5) 未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた新基準書および新解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりです。この基準書を適用することによる連結財務諸表への影響は検討中です。
(6) 表示方法の変更
(連結財政状態計算書)
前連結会計年度において、「その他の非流動資産」に含めていた「持分法で会計処理されている投資」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しております。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財政状態計算書において「その他の非流動資産」に含めていた10,429百万円は、「持分法で会計処理されている投資」に組替えて表示しております。
3.重要性がある会計方針
以下に記載されている会計方針は、他の記載がない限り、連結財務諸表に記載されているすべての期間において継続的に適用しております。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループが、企業(投資先)への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合は、投資先を支配していると判断しております。
子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、当社グループの連結財務諸表に含めております。
決算日が異なる子会社の財務諸表は、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
子会社に対する所有持分の変動で支配の喪失とはならないものは、資本取引として会計処理しております。非支配持分の修正額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引により生じた未実現損益は連結財務諸表の作成に際して消去しております。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営の方針に関する意思決定に対して、重要な影響力を有するが、支配的持分は有しない企業をいいます。当社グループが議決権の20%から50%を保有する場合には、重要な影響力があると推定しております。共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が経済活動に対する契約上合意された支配を共有し、その活動に関連する戦略的な財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者全ての合意を必要とする企業をいいます。
当社グループが有する関連会社と共同支配企業に対する投資については、持分法によって会計処理しています。
③ 企業結合
企業結合は、取得法を適用して会計処理をしております。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は原則として当初測定日の公正価値で測定しております。
のれんは、企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能な資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定しております。企業結合で移転された対価は、取得企業が移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び取得企業が発行した資本持分の取得日における公正価値の合計で計算しております。
当社グループは非支配持分を公正価値もしくは被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分相当額で測定するかについて、企業結合ごとに選択しております。
企業結合に関連して発生した仲介手数料や助言費用等の取得関連費用は発生した期間に費用として処理しております。
なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しており、当該取引からのれんは認識しておりません。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートで機能通貨に換算しております。
決算日における外貨建貨幣性項目は、決算日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の算定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に再換算しております。
当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産、及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体の換算
在外営業活動体の資産及び負債は、決算日の為替レートで、収益及び費用は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートで換算しております。当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。
在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連した換算差額の累計額を処分した期の純損益に振り替えております。
(3) 収益
当社グループでは、IFRS第9号に基づく利息及び配当収益等を除き、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する。
また、独立した履行義務であるライセンスを供与する約束については、ライセンスを顧客に供与する際の企業の約束の性質が、顧客に以下のいずれを提供するものなのかを考慮して、ライセンスが顧客に一時点で移転するのか一定の期間にわたり移転するのかを判定しております。
① ライセンス期間にわたり存在する当社グループの知的財産にアクセスする権利
② ライセンスが供与される時点で存在する当社グループの知的財産を使用する権利
ライセンスを顧客に供与する際の企業の約束の性質が、ライセンス期間にわたり存在する当社グループの知的財産にアクセスする権利を顧客に提供するものと判定された場合には、ライセンスを供与する約束を、一定の期間にわたり充足される履行義務として会計処理しております。
ライセンスを顧客に供与する際の企業の約束の性質が、ライセンスが供与される時点で存在する当社グループの知的財産を使用する権利を提供するものと判定された場合には、ライセンスを供与する約束を、一時点で充足される履行義務として会計処理しております。
ただし、上記にかかわらず、売上高ベース又は使用量ベースのロイヤリティーに係る収益は、以下の事象のうち遅い方が発生する時点又は発生するにつれて認識しております。
① その後の売上又は使用が発生する。
② 売上高ベース又は使用量ベースのロイヤリティーの一部又は全部が配分されている履行義務が充足(又は部分的に充足)されている。
(4) 法人所得税
法人所得税は当期税金と繰延税金との合計額であります。
① 当期税金
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、決算日までに制定又は実質的に制定されたものであります。純損益として認識される当期税金には、その他の包括利益又は資本において直接認識される項目から生じる税金及び企業結合から生じる税金を含んでおりません。
② 繰延税金
繰延税金は、決算日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として、すべての将来加算一時差異について認識しておりますが、それぞれ以下の場合には繰延税金資産又は負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から一時差異が生じる場合
・企業結合でない取引で、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から一時差異が生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異に関しては、当社グループが一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債は、決算日における法定税率又は実質的法定税率及び税法に基づいて一時差異が解消される時に適用されると予想される税率で算定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上の強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課されている場合、相殺しております。
③ グローバル・ミニマム課税
当社グループは、IAS第12号「法人所得税」で定められる一時的な例外措置を適用し、グローバル・ミニマム課税制度から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債について認識及び開示を行っておりません。
(5) 有形固定資産
有形固定資産の認識後の測定方法として、原価モデルを採用しております。有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用が含まれております。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産は、それぞれ見積耐用年数にわたり、定額法で減価償却しております。
主要な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 2~60年
・機械装置及び運搬具 2~17年
なお、減価償却方法、残存価額及び耐用年数は毎年見直し、必要に応じて改定しております。
(6) のれん
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
のれんは償却しておりません。
(7) 無形資産
無形資産の認識後の測定方法として、原価モデルを採用しております。無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
個別に取得した無形資産は取得原価で測定し、企業結合により取得した無形資産の取得原価は取得日の公正価値で測定しております。
内部発生の開発費用は資産として認識するための基準がすべて満たされた場合に限り無形資産として認識しておりますが、臨床試験の費用等、製造販売承認の取得までに発生する内部発生の開発費用は、期間の長さや開発に関連する不確実性の要素を伴い資産計上基準を満たさないと考えられるため、発生時に費用として認識しております。
製品及び技術の導入契約や企業結合に伴い取得した製品や研究開発にかかる権利のうち、研究開発の段階にあり、未だ規制当局の販売承認が得られていないものは、仕掛研究開発資産として「製品に係る無形資産」に含めて計上しています。
取得した仕掛研究開発資産に関する支出は、当社グループに将来の経済的便益をもたらすことが期待され、かつ、識別可能である場合にのみ資産として計上しており、これには第三者に支払われた契約一時金及び目標達成時のマイルストン支払が含まれています。
耐用年数が確定できる無形資産は、各資産の耐用年数にわたり、定額法で償却しております。これらの資産の償却は、使用可能となった時点から開始しております。
主な無形資産の種類別の耐用年数は、以下のとおりであります。
・製品に係る無形資産 4~15年
・ソフトウエア 5年
なお、償却方法、残存価額及び耐用年数は毎年見直し、必要に応じて改定しております。
ただし、未だ使用可能ではない無形資産は、未だ使用可能な状態にないため、償却しておりません。
(8) リース
① リースの識別
契約の開始時に、契約がリースであるか又は契約にリースが含まれているか否かを判定しております。
特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約は、リースであるか又はリースを含んでおります。
② 借手
当社グループは、リース開始日において、使用権資産及びリース負債を認識しております。ただし、短期リース及び原資産が少額であるリースについては、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識することを選択しております。
使用権資産は原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しております。使用権資産の減価償却は、原資産の所有権をリース期間の終了時までに借手に移転する場合又は使用権資産の取得原価が購入オプションを借手が行使するであろうことを反映している場合には原資産の耐用年数の終了時まで、それ以外の場合には、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方まで行っております。
リース負債は、開始日において、同日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定し、その後の期間において、リース負債に係る金利及び支払われたリース料を反映するようにその帳簿価額を減額しております。
③ 貸手
当社グループは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するものではないリースをオペレーティング・リースに分類しております。
オペレーティング・リースによるリース料は、定額法又は他の規則的な基礎のいずれかで収益として認識しております。
(9) 投資不動産
投資不動産とは賃貸収益もしくは資本増価又はその両方を目的として保有する不動産であります。
投資不動産の測定は、有形固定資産に準じております。
(10) 非金融資産の減損
非金融資産(棚卸資産及び繰延税金資産を除く)については、資産又は資金生成単位の減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額を見積り、減損テストを実施します。
のれん及び未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年一定の時期に減損テストを実施しています。さらに、減損の兆候がある場合は、その都度減損テストを行っています。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額で算定されます。使用価値は、資産又は資金生成単位から生じると見込まれる将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引くことにより算定されます。
資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、差額を減損損失として純損益で認識しています。
のれん以外の減損損失については、過年度に減損損失を認識した資産又は資金生成単位については、当該減損損失の戻入の兆候の有無を判断しています。戻入の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を超える場合には、減損損失の戻入を行っています。減損損失の戻入額は、過年度に減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額を上限として、純損益で認識しています。のれんの減損損失については、戻入を行っていません。
(11) 棚卸資産
棚卸資産は主として、商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品から構成されております。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い金額で測定しております。取得原価には原材料、直接労務及びその他直接費用並びに関連する製造間接費が含まれており、原価の算定にあたっては、総平均法を用いております。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
(12) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3カ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(13) 資本
① 普通株式
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果調整後)は資本から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、その直接取得費用(税効果調整後)を含む取得原価を資本から控除しています。
自己株式を売却した場合には、受取対価を資本の増加として認識しています。
(14) 従業員給付
① 退職後給付
(ⅰ)確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて個々の制度ごとに算定しております。割引率は、将来の給付支払見込日までの期間に対応した連結会計年度の末日時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定しております。確定給付制度が積立超過である場合には、将来掛金の減額又は現金の返還という形で利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としております。確定給付制度に係る再測定は、発生した期に一括してその他の包括利益で認識し、直ちに利益剰余金へ振り替えております。
(ⅱ)確定拠出制度
確定拠出型の退職後給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期に費用として計上しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付は、割引計算をせず、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。賞与及び有給休暇費用は、それらを支払う法的債務又は推定的債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積もられる金額を負債として認識しております。
(15) 株式報酬
持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度並びに譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。
ストック・オプション制度につきましては、2018年度より付与を行っておらず、全てIFRS会計基準移行日前に権利確定しております。当社グループはIFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」の免除規定によりIFRS会計基準移行日前に権利確定した資本性金融商品にはIFRS第2号「株式に基づく報酬」を遡及適用しておりません。
譲渡制限付株式報酬制度は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。譲渡制限付株式報酬の公正価値は、付与日における当社普通株式の公正価値を参照して測定しております。
また、現金決済型の株式報酬制度として、株価連動型報酬を採用しております。
現金決済型の株式報酬については、支払額の公正価値を負債として認識し、負債が決済されるまで、当該負債の公正価値の変動を純損益に認識しております。
(16) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領することに合理的な保証が得られた場合に公正価値で認識しております。
資産に関する政府補助金は、繰延収益として認識し、当該資産の見積耐用年数にわたって規則的に純損益にて認識しております。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益にて認識しております。
(17) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、合理的に見積り可能な法的又は推定的義務を現在の負債として負っており、当該義務を決済するために経済的便益の流出が生じる可能性が高い場合に認識しております。
引当金は、報告期間の末日における現在の義務を決済するために必要な支出(将来キャッシュ・フロー)の最善の見積りを行い測定しております。貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合には、見積もられた将来キャッシュ・フローをその金額に固有のリスクを反映させた税引前の割引率で割り引いた現在価値で測定しております。時の経過に伴う割引額の戻しは、金融費用として認識しております。
(18) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
金融資産のうち、営業債権を発生日に認識しております。その他のすべての金融資産は当該金融資産の契約当事者となった取引日に当初認識しております。
金融資産は、当初認識時に、償却原価で測定する金融資産と公正価値で測定する金融資産に分類しております。
この分類は、金融資産が負債性金融商品か資本性金融商品かによって以下のように行っております。
(a) 負債性金融商品である金融資産
以下の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
また、以下の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
上記のいずれにも該当しない場合には、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(b) 資本性金融商品である金融資産
原則として、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
ただし、売買目的で保有するものを除く資本性金融商品については、資本性金融商品ごとに、当初認識時においてその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類することが認められております。
金融資産は、原則として、公正価値に、当該金融資産に直接帰属する取引費用を加算した金額で測定しております。
ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権は取引価格で測定しております。
また、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、その取引費用は発生時に純損益で認識しております。
(ⅱ)事後測定
(a) 償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定し、利息は「金融収益」として純損益に認識しております。必要な場合には減損損失を控除しております。
(b) 公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類することを選択した資本性金融商品については、公正価値の変動額はその他の包括利益に認識し、累積利得又は損失は、認識を中止した場合に利益剰余金に振り替えております。ただし、配当金は純損益として「金融収益」に認識しております。
また、負債性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると分類したものについては、公正価値の変動額は、減損損失(又は戻入)及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止又は分類変更が行われるまで、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止を行う際には、過去に認識したその他の包括利益を純損益に振り替えております。
上記以外の資産については、公正価値の変動額は純損益に認識しております。
(ⅲ)減損
償却原価で測定する金融資産及び、負債性金融資産のうちその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産については、毎期、当該資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを判定し、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無に応じて、次の金額を貸倒引当金として認識しております。
(a) 信用リスクが当初認識時点から著しく増加していない場合
12ヵ月の予想信用損失と同額
(b) 信用リスクが当初認識時点から著しく増加している場合
全期間の予想信用損失と同額
ただし、営業債権及びリース債権については、上記にかかわらず、常に全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を認識しています。
予想信用損失の金額は、契約に従って当社グループに支払われるべきすべての契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるすべてのキャッシュ・フローとの差額の現在価値として算定しております。
貸倒引当金の繰入額は、純損益に認識しております。貸倒引当金を減額する事象が発生した場合は、その戻入額を純損益に認識しております。
(ⅳ)認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合において、認識を中止しております。
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
金融負債は、当初認識時に、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。金融負債は、当社グループが当該金融負債の契約当事者になる取引日に当初認識しております。
金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除しております。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のように測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得及び損失は、「金融収益」又は「金融費用」として純損益に認識しております。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
公正価値で測定しております。公正価値の変動額は、純損益に認識しております。
(ⅲ)認識の中止
金融負債は、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効になった場合に認識を中止しております。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替変動リスクをヘッジするために、為替予約等のデリバティブを利用しております。
これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識し、その後も公正価値で事後測定しております。デリバティブの公正価値の変動は、原則として、純損益に認識しております。
ただし、当社グループは、一部のデリバティブについて、キャッシュ・フロー・ヘッジの指定を行っており、ヘッジ会計に関する要件を満たす場合、ヘッジ手段であるデリバティブに係る公正価値の変動額のうち、有効な部分はその他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益に認識しております。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。
ただし、予定取引のヘッジがその後に非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、当該非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。
④ 金融保証契約
金融保証契約とは、負債性金融商品の当初又は変更後の条件に従った期日が到来しても、特定の債務者が支払を行わないために保証契約保有者に発生する損失を契約発行者がその保有者に対し補填することを要求する契約です。
これら金融保証契約は当初契約時点において、公正価値により測定しています。当初認識後は、公正価値で測定されるものを除き、貸倒引当金の額と当初認識額から認識した収益の累計額を控除した額のうち、いずれか高い方で測定しています。
4.セグメント情報
(1) 報告セグメントに関する情報
当社グループは、医療用医薬品の研究開発、仕入、製造、販売並びにこれらの付随業務を事業内容とする単一事業であります。製品別の販売状況、会社別の利益などの分析は行っておりますが、事業戦略の意思決定、研究開発費を中心とした経営資源の配分は当社グループ全体で行っており、従って、セグメント情報の開示は省略しております。
(2) 製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスごとの外部顧客への売上収益は、「5.売上収益」に記載のとおりであります。
(3) 地域に関する情報
売上収益及び非流動資産の地域別内訳は、以下のとおりであります。
① 売上収益
(注) 1.売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.日本以外の区分に属する主な国又は地域は、以下のとおりであります。
(1) 欧州・・・・・イギリス、スイス等
(2) 北米・・・・・アメリカ等
(3) その他・・・・アジア等
② 非流動資産
(注) 1.非流動資産は、資産の所在地により、国又は地域に分類しており、金融商品及び繰延税金資産を除いております。
2.日本以外の区分に属する主な国又は地域は、以下のとおりであります。
(1) 欧州・・・・・イギリス等
(2) その他・・・・アジア等
(4) 主要な顧客に関する情報
売上収益が当社グループ全体の売上収益の10%以上の相手先は、以下のとおりであります。
5.売上収益
(1) 売上収益の内訳
前連結会計年度及び当連結会計年度における売上収益の内訳は、以下のとおりであります。
連結損益計算書の「売上収益」は、顧客との契約から認識した収益及びその他の源泉から認識した収益であります。その他の源泉から認識した収益に重要性はありません。また、「4.セグメント情報」に記載のとおり、当社グループは、セグメント情報の開示は省略しております。
当社グループの売上収益は、以下の内容から構成されております。国内医療用医薬品の売上収益には、日本国内における医療用医薬品の販売収入、コ・プロモーション契約に係る報酬が含まれております。輸出及び海外子会社の売上収益には、輸出取引による医療用医薬品等の販売収入、海外子会社での医療用医薬品等の販売収入及び医療用医薬品等に係るロイヤリティー収入が含まれております。製造受託の売上収益には医薬品原薬の製造受託に係る収入が含まれております。一般用医薬品の売上収益には、当社ならびに国内子会社における一般用医薬品の販売収入及びロイヤリティー収入が含まれております。ロイヤリティー収入には、当社及び国内子会社における医療用医薬品等に係るロイヤリティー収入が含まれております。その他の売上収益には、診断薬の販売収入及び国内子会社の売上収益等が含まれております。
日本国内及び海外における医療用医薬品及び一般用医薬品の販売においては、同一国内における販売については、契約上別途定めのない限り、顧客に製品が到着した時点、輸出販売については、貿易上の諸条件等に基づき顧客が当該製品に対する支配を獲得したと認められる時点で履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で売上収益を計上しております。また、取引の対価は、履行義務の充足後、概ね4ヵ月以内に受領しております。
なお、一部の取引においては、当社グループの製品の販売促進を目的として、関連する製品の販売数量等に基づき顧客にリベートを支払うことがあり、対価の額に変動性があります。変動対価の金額は契約条件等に基づき見積もり、取引価格を調整しております。しかし、顧客に支払うリベートの金額は合理的に見積り可能であることから、通常、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じることはなく、変動対価の見積りが制限されることはないと判断しております。
また、当社グループが販売する製品には、顧客が返品権を有するものが含まれております。これらの製品については、返品見込額を予想返品率に基づいて算定し、売上収益の金額から控除するとともに、同額の返金負債を計上しております。また、当社グループが販売する製品は、その性質上、再販売等が困難であるため、返金負債の決済時に顧客から製品を回収する権利についての資産は認識しておりません。
医薬品原薬の製造受託においては、原則として顧客に医薬品原薬が到着した時点で履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で売上収益を計上しております。また、取引の対価は、履行義務の充足後、概ね2ヵ月以内に受領しております。
ライセンス供与においては、ライセンス契約の相手方に対して、当社グループの保有する特許権等の知的財産を使用する権利を付与しております。当社グループは、これらの契約で供与する知的財産に重大な影響を与える活動を行う予定はないため、履行義務は一時点で充足されると判断しております。ライセンス供与は、顧客にライセンスを供与した時点で履行義務が充足されると判断し、当該履行義務の充足時点で売上収益を計上しております。
ライセンス供与の対価は、主に、契約締結時に受領する契約金、研究開発の進捗や売上高等の所定の条件を満たした場合に受領するマイルストン及び関連する製品の売上高または販売数量等に基づく一定料率のロイヤリティーとして、それぞれ対価の受領要件を満たした後、概ね2ヵ月以内に受領しております。
ライセンス供与の対価のうち、マイルストンは、所定の条件を満たした場合に受領することができますが、当該条件を満たすか否かは不確実であるため、当社グループが権利を得ると見込まれる対価の金額に変動性があります。対価が変動性のある金額を含んでいる場合には、権利を得ることとなる対価の金額を見積り、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めることとされております。マイルストン受領の条件は、ライセンス供与後の顧客の判断や行動に依存しており、不確実性が長期間にわたり解消しないものであるため、不確実性が解消される際に、収益の重大な戻入れが生じる可能性があります。そのため、所定の条件を満たした場合にマイルストンを受領するライセンス供与取引においては、変動対価の見積りが制限されております。
ただし、ライセンス供与の対価のうち、売上高ベースまたは使用量ベースのロイヤリティーは、その後の売上または使用が発生するか、売上高ベースまたは使用量ベースのロイヤリティーの一部または全部が配分されている履行義務が充足(または部分的に充足)されているか、いずれかのうち遅い方が発生する時点でまたは発生するにつれて売上収益を計上しております。
なお、契約開始時において、当社グループの製品またはサービスを顧客に提供する時点と顧客が当該製品またはサービスに対して支払を行う時点との間の期間が1年以内になると見込まれる場合には、重大な金融要素の影響を調整しないことを選択しております。
また、当社グループでは、製品保証もしくは類似の権利の付された製品の販売は行っておりません。
(2) 契約残高
契約残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において契約資産の残高はありません。
顧客との契約から生じた債権について認識した減損損失は、「32.金融商品」に記載のとおりであります。
売上収益のうち、期首時点の契約負債残高に含まれていた金額は、前連結会計年度394百万円、当連結会計年度246百万円であります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、過年度に充足した履行義務に関して認識した売上収益は、それぞれ248,238百万円及び279,255百万円であります。これらは、ライセンスを供与した時点で履行義務を充足したライセンス契約に係る対価のうち、前連結会計年度又は当連結会計年度において所定の条件が達成され、当社グループが受領することが確定したマイルストン及びロイヤリティーを売上収益として計上したものであります。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループは、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」第121項の実務上の便法を適用し、当初の予想残存期間が1年以内の残存履行義務に関する情報は開示しておりません。また、当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引はありません。なお、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(4) 顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産はありません。なお当社グループは、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の償却期間が1年以内である場合には、これらのコストを発生時に費用として認識することを選択しております。
6.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
7.その他の収益及びその他の費用
(1) その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりであります。
(注)1.当連結会計年度の「負ののれん発生益」は、JT医薬事業およびAkrosの企業結合により計上したものであります。
2.前連結会計年度の「減損損失戻入」については、「13.無形資産」に記載しております。
(2) その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりであります。
(注)1.前連結会計年度及び当連結会計年度の「減損損失」については、「11.有形固定資産」、「12.のれん」、「13.無形資産」に記載しております。
2.前連結会計年度の「特別退職金」は、子会社への転籍制度に係るものであります。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、独立掲記していた「訴訟関連費用」は金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度においては「その他」に含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表注記の組替えを行っております。この結果、前連結会計年度において、「訴訟関連費用」に表示していた208百万円は、「その他」として組み替えております。
8.金融収益及び金融費用
(1) 金融収益
金融収益の内訳は、以下のとおりであります。
(2) 金融費用
金融費用の内訳は、以下のとおりであります。
9.繰延税金及び法人所得税
(1) 繰延税金
① 繰延税金資産及び繰延税金負債の内訳及び増減内容
(ⅰ)前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) その他には在外営業活動体の換算差額のほか、企業結合等に伴う増減が含まれております。
(ⅱ)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) その他には在外営業活動体の換算差額のほか、企業結合等に伴う増減が含まれております。
② 未認識の繰延税金資産
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金及び将来減算一時差異、繰越税額控除は、以下のとおりであります。
③ 未認識の繰延税金資産と繰越期限
(ⅰ)繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限は、以下のとおりであります。
(ⅱ)繰延税金資産を認識していない繰越税額控除の金額と繰越期限
繰延税金資産を認識していない繰越税額控除の金額と繰越期限は、以下のとおりであります。
④ 未認識の繰延税金負債
当社は子会社の投資に係る将来加算一時差異については、当社が一時差異の取崩しの時期をコントロールでき、このような差異を予測可能な期間内に解消しない可能性が高い場合には、繰延税金負債を認識しておりません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、繰延税金負債を認識していない子会社の投資に係る将来加算一時差異は、それぞれ6,513百万円及び36,916百万円であります。
(2) 法人所得税
① 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は、以下のとおりであります。
当期法人所得税には、従前は税効果未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれております。これに伴う当期法人所得税の減少額は、前連結会計年度2,878百万円、当連結会計年度158百万円であります。
繰延法人所得税には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額と、繰延税金資産の評価減又は以前に計上した評価減の戻入により生じた費用の額が含まれております。これに伴う繰延法人所得税の減少額は、前連結会計年度5,708百万円、当連結会計年度77百万円であります。
② 適用税率の調整
法定実効税率と実際負担税率との差異について、原因となった主要な項目の内訳は、以下のとおりであります。
当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は前連結会計年度は30.6%、当連結会計年度は30.6%となっております。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
10.1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(注)1.逆希薄化効果を有するため、希薄化後1株当たり当期利益の算定から除外した金融商品はありません。
2.2022年9月に当社はシオノギ感染症研究振興財団に係る三井住友信託銀行株式会社の信託(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託口))に当社株式9百万株(株式分割前は3百万株)を処分しておりますが、当該当社株式を自己株式として処理しています。そのため、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定において、期中平均普通株式数から当該株式数を控除しております。
3.当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合をもって株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益を算定しております。
11.有形固定資産
(1) 取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりであります。
① 取得原価
(注) 当連結会計年度における「企業結合による取得」については、「37.企業結合」に記載しております。
② 減価償却累計額及び減損損失累計額
③ 帳簿価額
(注) 1.建設中の有形固定資産項目に関する支出額は、上記の中で、建設仮勘定として記載しております。
2.有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含めております。
3.当連結会計年度に減損損失を計上しております。詳細については、「(2) 減損損失」をご参照ください。
(2) 減損損失
有形固定資産は、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っております。遊休資産等については、個々の資産ごとに減損の要否を検討しております。
当連結会計年度において、有形固定資産に対して認識された減損損失は2,034百万円であります。その主な内訳は、研究開発活動および生産活動に係る資産について、将来見込みの変更によるものであります。
12.のれん
(1) 取得原価、減損損失累計額の増減並びに帳簿価額
のれんの取得原価、減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりであります。
① 取得原価
② 減損損失累計額
③ 帳簿価額
(2) のれんの減損テスト
各資金生成単位に配分された主なのれんの帳簿価額は以下のとおりであります。
(注)当連結会計年度に減損損失を計上しております。詳細については②に記載しております。
① 塩野義製薬株式会社を中心とする医薬事業
回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。
使用価値は、過去の知見と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された1年間の事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、税引前加重平均資本コストを基に算定した税引前割引率(前連結会計年度7.3%、当連結会計年度7.6%)により現在価値に割り引いて算定しております。事業計画の期間を超えるキャッシュ・フローは、資金生成単位が属する市場の長期平均成長率をもとに仮定し算出しております。(前連結会計年度0%、当連結会計年度0%)
使用価値は当該資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、使用価値の算定に用いた重要な仮定(割引率、成長率)が合理的な範囲で変動したとしても使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと考えています。
② 中国医薬事業
回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。
使用価値は、過去の知見と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された5年間の事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、税引前加重平均資本コストを基に算定した税引前割引率(前連結会計年度13.2%、当連結会計年度14.7%)により現在価値に割り引いて算定しております。事業計画の期間を超えるキャッシュ・フローは、資金生成単位が属する市場の長期平均成長率をもとに仮定し算出しております。(前連結会計年度2.0%、当連結会計年度2.0%)
減損テストの結果、当連結会計年度において、中国医薬事業における将来の収益性低下が見込まれ、使用価値が当該資金生成単位の帳簿価額を下回ったことから、当該のれんにつき減損損失3,946百万円を計上しております。
③ 米国医薬事業
回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。
使用価値は、過去の知見と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された5年間の事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、税引前加重平均資本コストを基に算定した税引前割引率(前連結会計年度15.9%、当連結会計年度16.1%)により現在価値に割り引いて算定しております。事業計画の期間を超えるキャッシュ・フローは、資金生成単位が属する市場の長期平均成長率をもとに仮定し算出しております。(前連結会計年度2.1%、当連結会計年度2.3%)
使用価値は当該資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、使用価値の算定に用いた重要な仮定(割引率、成長率)が合理的な範囲で変動したとしても使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと考えています。
13.無形資産
(1) 取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額
無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりであります。
① 取得原価
(注) 当連結会計年度における「企業結合による取得」については、「37.企業結合」に記載しております。
② 償却累計額及び減損損失累計額
③ 帳簿価額
(注) 1.無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」、「研究開発費」及び「製品に係る無形資産償却費」に含めております。
2.各連結会計年度末において重要な自己創設無形資産はありません。
(2) 重要な無形資産
連結財政状態計算書に計上されている重要な無形資産は次のとおりです。いずれも、製品に係る無形資産に含んでおります。
(注) 1.当連結会計年度に減損損失を計上しております。詳細については、「(3) 減損損失」をご参照ください。
2.S-812217(Zuranolone)は当連結会計年度に製品名「ザズベイ」として日本での製造販売承認取得により、仕掛研究開発資産から販売権に振り替えております。
3.2025年12月の企業結合により取得したJT医薬事業買収により識別した販売権です。詳細については、「37.企業結合」をご参照ください。
(3) 減損損失
無形資産は、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っております。なお、仕掛研究開発資産及び個別に管理を行っている販売権については個々の資産ごとに減損の要否を検討しております。無形資産に係る減損損失は連結損益計算書の「その他の費用」に含めております。
前連結会計年度において、無形資産に対して認識された減損損失は471百万円であります。その主な内訳は販売許諾契約の解消に伴うものであります。
当連結会計年度において、無形資産に対して認識された減損損失は28,932百万円であります。その主な内訳は GRT7039(Resiniferatoxin)およびBPN14770(Zatolmilast)の開発計画の見直しに伴い、回収可能価額をゼロとして評価したことによる減損損失26,115百万円であります。
仕掛研究開発資産の回収可能価額は処分費用控除後の公正価値を用いて評価しております。公正価値は超過収益法により測定しており、重要な仮定は、上市前の製品についての規制当局による販売承認の可能性、上市後の販売予測の構成要素である想定販売単価、マーケットシェアを加味した想定患者数及び超過収益の現在価値を算定する際の割引率であります。このうち、割引率は加重平均資本コストを基礎として算定しており、公正価値の算定に使用した割引率は以下のとおりであります。
公正価値のヒエラルキーはレベル3に分類しております。なお、公正価値ヒエラルキーについては、「32.金融商品」に記載しております。
(4) 減損損失の戻入
前連結会計年度において、過年度減損損失を計上した販売権を他社に譲渡したことにより、217百万円を戻し入れました。当該戻入は連結損益計算書の「その他の収益」に含めております。
14.投資不動産
(1) 取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減
投資不動産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は、以下のとおりであります。
① 取得原価
(注) 当連結会計年度における「企業結合による取得」については、「37.企業結合」に記載しております。
② 減価償却累計額及び減損損失累計額
(2) 帳簿価額及び公正価値
投資不動産の帳簿価額及び公正価値は以下のとおりであります。
投資不動産の公正価値は、主として外部の不動産鑑定士による評価に基づく金額(指標等を用いて自社で調整を行ったものを含む)であります。
投資不動産の公正価値ヒエラルキーは、観察可能でないインプットを含むことからレベル3に分類しております。なお、公正価値ヒエラルキーについては、「32.金融商品」に記載しております。
(3) 投資不動産からの収益及び費用
前連結会計年度及び当連結会計年度において、賃貸料収入を生み出さなかった投資不動産から生じた直接営業費の金額に重要性はありません。
15.資本的支出コミットメント
資産の取得に関するコミットメントは、以下のとおりであります。
(注) 当社グループは、複数の第三者と共同研究・共同開発に関する提携契約や、製品・技術の取得に関する契約を締結しています。これらの契約の下で、当社グループは、契約で定められた特定の目標が達成された場合、又はその他の一定の条件が満たされた場合に、それらの達成されたマイルストンに応じて一定の金額を支払う義務を負っています。
上記の表に記載された金額は、すべてのマイルストンが達成された場合の最大の支払額であり、現在価値への割引はされておらず、リスクについても考慮されていません。マイルストンの達成は不確実性が非常に高いため、すべての支払義務が生じる可能性は低く、実際の支払額は大幅に異なる可能性があります。
16.リース
当社グループでは、主に資産の入替に係る柔軟性の確保、資産管理に係る事務負担の軽減や資金の効率的な運用等を目的として、事務所用及び従業員の居住用の建物等の不動産、OA機器及びセキュリティ機器等の備品等の賃貸借契約、営業用車両のリース契約並びに特定の倉庫施設の利用契約を締結しております。これらの契約のうち、特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するものについては、リースである又はリースを含んだものであると判断し、リースの開始日において使用権資産及びリース負債を認識しております。ただし、短期リース及び原資産の価値が少額であるリースについては、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
上記の契約のうち、主に不動産の賃貸借契約には、当社グループの事業拠点や人員の配置の柔軟性を確保すること等を目的として、当社グループがリースを延長又は解約するオプションが付されております。
このうち、リースを延長するオプションは、契約対象資産の事業遂行上の必要性、代替資産の取得の難易度やオプションの行使条件等を総合的に勘案し、行使する必要があると判断した場合にはこれを行使することとしております。なお、リースを延長するオプションを行使して延長可能な期間及び当該延長可能期間におけるリース料は、通常、当初の契約期間及びリース料と同一又は近似しております。
また、リースを解約するオプションは、リースを延長するオプションと同様に、必要があると判断した場合に行使されることがあります。
リースを延長するオプション及び解約するオプションは、いずれも、その行使の可能性を毎期見直しております。この見直しによる財務上の影響は、前連結会計年度及び当連結会計年度のいずれにおいても軽微であります。
なお、当社グループの変動リース料又は残価保証を含む契約に重要性はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における使用権資産の内訳は、以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額、リースに関連する費用及びキャッシュ・アウトフローは、以下のとおりであります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるリース負債の満期分析は、「32.金融商品」に記載のとおりであります。
17.その他の金融資産
(1) 内訳
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりであります。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
当社グループは、主に投資先との取引又は事業上の関係の維持・強化を目的として保有している株式等への投資を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に指定しております。
① 公正価値の内訳
主な銘柄の公正価値は、以下のとおりであります。
(ⅰ)前連結会計年度(2025年3月31日)
(ⅱ)当連結会計年度(2026年3月31日)
② その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の認識の中止
当社グループは、資産の効率化を目的とする売却等により認識の中止を行っております。なお、当連結会計年度における認識の中止には、株式の追加取得によりViiV Healthcare Ltd.が関連会社となった事が含まれております。
処分時の公正価値及び累積利得又は損失は、以下のとおりであります。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の認識を中止した場合、連結財政状態計算書の「その他の資本の構成要素」に認識されていた累積利得又は損失を「利益剰余金」に振り替えております。
③ 受取配当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に関する受取配当金の内訳は、以下のとおりであります。
18.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において費用計上した棚卸資産の金額は、それぞれ63,316百万円及び79,752百万円です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において費用として認識した棚卸資産の評価減又は評価減の戻入金額は、それぞれ509百万円及び2,698百万円です。
19.営業債権
営業債権の内訳は、以下のとおりであります。
(注) 前連結会計年度末における、1年を超えて回収されると見込まれる金額は9,567百万円であります。
当連結会計年度末における、1年を超えて回収されると見込まれる金額は5,243百万円であります。
20.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。
21.その他の資産
その他の資産の内訳は、以下のとおりであります。
(注) 注記「2.作成の基礎 (6)表示方法の変更」に記載のとおり、前連結会計年度において、「その他」に含めていた「持分法で会計処理されている投資」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、「その他」に含めていた「持分法で会計処理されている投資」10,429百万円を控除して表示しております。
22.払込資本及びその他の資本
(1) 資本金
授権株式数及び発行済株式数の増減は、以下のとおりであります。
(注)1.当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら制限のない無額面の普通株式であり、全額払込済であります。
2.当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。
3.前連結会計年度の発行済株式総数の期中増減は株式分割による増加593,088,130株、自己株式の消却による減少10,842,100株であります。
(2) 自己株式
自己株式数の増減は、以下のとおりであります。
(注) 1.前連結会計年度の期中増減は、株式分割による増加25,961,756株、単元未満株式の買取による増加2,908株、譲渡制限付株式報酬制度における無償取得による増加2,525株、自己株式の消却による減少10,842,100株、譲渡制限付株式報酬としての処分による減少74,100株、新株予約権行使による減少800株であります。
2.当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。
3.当連結会計年度の期中増減は、譲渡制限付株式報酬制度における無償取得による増加15,285株、単元未満株式の買取による増加2,096株、譲渡制限付株式報酬としての処分による減少200,400株、新株予約権行使による減少105,000株であります。
4.2022年9月に当社はシオノギ感染症研究振興財団に係る三井住友信託銀行株式会社の信託(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託口))に当社株式9,000,000株(株式分割前は3,000,000株)を処分しておりますが、当該当社株式を自己株式として処理しています。そのため前連結会計年度及び当連結会計年度末残高において、三井住友信託銀行株式会社の信託(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託口))が保有する当社株式9,000,000株(株式分割前は3,000,000株)を含めて表示しております。
(3) 剰余金
① 資本剰余金
資本剰余金の内容は以下のとおりであります。
(ⅰ)資本準備金
日本における会社法では、株式の発行に際しての払込み又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、資本金として計上しないこととした金額は資本準備金として計上することが規定されております。
(ⅱ)その他資本剰余金
一定の資本取引並びに資本金及び資本準備金の取崩し等によって生じる剰余金を計上しております。
② 利益剰余金
利益剰余金の内容は以下のとおりであります。
(ⅰ)利益準備金
日本における会社法では、資本準備金を除く資本剰余金と利益準備金を除く利益剰余金から、剰余金の配当として処分される金額の10分の1を、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金にそれぞれ繰り入れることが規定されております。なお、一部の在外子会社においても現地の法律に基づき同様の積み立てが要求されております。
(ⅱ)その他利益剰余金
当社グループの稼得した利益の累計額であります。
(4) その他の資本の構成要素
その他の資本の構成要素の内訳及び増減内容は、以下のとおりであります。
23.配当金
(1) 配当の総額及び1株当たり配当額
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)2024年6月20日定時株主総会及び2024年10月28日取締役会決議による配当の総額には、シオノギ感染症研究振興財団に係る三井住友信託銀行株式会社の信託(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託口))が保有する当社株式に対する配当金255百万円がそれぞれ含まれております。
当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。1株当たり配当額につきましては、当該株式分割前の配当金の額を記載しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注)2025年6月18日定時株主総会及び2025年10月27日取締役会決議による配当の総額には、シオノギ感染症研究振興財団に係る三井住友信託銀行株式会社の信託(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託口))が保有する当社株式に対する配当金297百万円がそれぞれ含まれております。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)2025年6月18日定時株主総会決議による配当の総額には、シオノギ感染症研究振興財団に係る三井住友信託銀行株式会社の信託(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託口))が保有する当社株式に対する配当金297百万円が含まれております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1.2026年6月24日開催の定時株主総会の決議事項となっております。
2.2026年6月24日定時株主総会決議による配当の総額には、シオノギ感染症研究振興財団に係る三井住友信託銀行株式会社の信託(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託口))が保有する当社株式に対する配当金342百万円が含まれております。
24.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下のとおりであります。
25.従業員給付
(1) 退職後給付
当社はキャッシュバランスプラン(市場金利連動型年金)、退職一時金制度及び確定拠出年金制度(前払退職金との選択制)を採用しております。一部の国内連結子会社は退職一時金制度、確定拠出年金制度を採用しております。また一部の連結子会社は確定拠出型の制度を設けております。
制度資産は健全な運用を基礎としておりますが、金融商品に係る投資リスクに晒されております。また、確定給付制度債務は割引率等の様々な年金数理計算上の仮定に基づき測定されているため、それらの仮定の変動によるリスクに晒されております。
確定拠出年金制度については、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度であります。
① 確定給付制度
(ⅰ)退職給付に係る負債及び資産
退職給付に係る負債及び資産の内訳は、以下のとおりであります。
(注) 将来掛金が減額されない又は返還されないために経済的便益が利用できないことから、当社グループの確定給付制度の一部にて資産上限額の設定及び負債の算定を行っております。
(ⅱ)確定給付制度債務
確定給付制度債務の現在価値の増減は、以下のとおりであります。
確定給付制度債務の現在価値の計算に用いた重要な数理計算上の仮定は、以下のとおりであります。
期末日時点で重要な数理計算上の仮定(割引率)が変動した場合の確定給付制度債務に与える影響は、以下のとおりであります。当該分析は、他のすべての変数が一定であると仮定しております。
また、確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度15.8年、当連結会計年度14.6年であります。
(ⅲ)制度資産
制度資産の公正価値の増減は、以下のとおりであります。
(注) 当社グループは、翌連結会計年度に965百万円の掛金を拠出する予定であります。
制度資産の主な分類ごとの内訳は、以下のとおりであります。
(注) 1.一般勘定は、生命保険会社により一定の予定利率と元本が保証されております。
2.その他には、主としてオルタナティブが含まれております。
3.確定給付企業年金に係る規約に定めるところにより、年一回以上、定期的に掛金を拠出する必要があります。当該掛金の額は、給付に要する費用の額の予想額及び予定運用収入の額に照らし、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、予定利率、予定死亡率、予定脱退率、その他の給付に要する費用の額の予想額の算定の基礎となる率に基づき計算されます。また、当該掛金の金額は、5年ごとに財政再計算が行われます。さらに、給付に充てる積立金の額が最低積立基準額を下回っている場合は、一定の金額を掛金として拠出することが求められます。
制度資産は当社グループより法的に分離されており、資産運用受託者は制度資産に対し責任を負い、年金制度加入者等に対する忠実義務、分散投資義務等の運営上の責任、及び利益相反行為の禁止を義務付けられております。
制度資産の運用は、年金給付等の支払を将来にわたり確実に行うため、許容されるリスクのもとで必要とされる総合収益を長期的に確保することを目的としております。また掛金等の収入と給付支出の中長期的な動向とその変動を考慮するとともに、制度資産の投資収益率の不確実性の許容される程度について十分な検討を行うこととしております。この目的、検討を踏まえ、投資対象としてふさわしい資産を選択するとともに、その期待収益率・リスク等を考慮した上で、将来にわたる最適な資産の組み合わせである基本資産配分を策定しております。
(ⅳ)資産上限額の影響
② 確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として認識した金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ4,651百万円及び5,673百万円であります。
(2) その他の従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度において連結損益計算書に含まれる人件費の金額は、それぞれ76,202百万円及び90,008百万円であります。
26.株式報酬
当社は、ストック・オプション制度、並びに譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。また、海外居住者となる執行役員に対し、現金決済型の株価連動型報酬制度を採用しております。
(1) ストック・オプション制度
当社は、当社取締役及び執行役員が株価上昇によるメリットのみならず株価下落によるリスクを当社株主と共有することで、取締役及び執行役員の中長期的な業績向上と企業価値向上に対する貢献意欲や士気を一層高めることを目的として、当社取締役及び執行役員に対して株式報酬型ストック・オプションとして新株予約権を発行しております。なお、2018年度よりストック・オプション制度に代わり譲渡制限付株式報酬制度を採用しているため、前連結会計年度及び当連結会計年度に付与したストック・オプションはありません。
(a) ストック・オプション制度の概要
(注) 付与数は、株式数に換算して記載しております。
この制度には権利確定条件は付されておりません。
新株予約権の行使期間内において、取締役の地位を喪失した日、執行役員を退任した日又は当社との雇用契約が終了した日の翌日から起算して10日を経過する日までの間に限り、一括してのみ行使できるものとしております。
新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は、300株であります。ただし、当社が普通株式につき、株式分割(当社普通株式の株式無償割当てを含む)又は株式併合を行う場合には、一定の算式により付与株式数を調整いたします。
2024年8月30日開催の当社取締役会の決議に基づき、2024年10月1日付をもって普通株式1株を3株に分割したことにより、付与数が調整されております。
(b) ストック・オプション数の変動及び加重平均行使価格
(注)1.期中行使されたストック・オプションの権利行使日の加重平均株価は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ2,354円及び2,356円であります。
2.加重平均残存契約年数は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ18.7年及び17.9年であります。
(c) 期中に付与されたストック・オプションの公正価値の測定方法
前連結会計年度及び当連結会計年度に付与したストック・オプションはありません。
(2) 譲渡制限付株式報酬制度
当社は、社外取締役を除く取締役及び当社執行役員並びに当社組織長(以下「対象者」)に対する中長期的な業績目標達成に向けたインセンティブの付与及び株主価値の共有を目的として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。
(a) 譲渡制限付株式報酬制度の概要
本制度は、一定期間継続して当社の取締役及び取締役を兼務しない執行役員を務める事を条件とする「長期株式報酬」と、当該条件に加えて当社の中長期的な企業価値向上に向けた業績目標の達成を条件とする「中期業績連動株式報酬」により構成されます。
対象者は、本制度に基づき当社から支給された金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行又は処分を受けることとなります。
また、本制度による当社の普通株式の発行又は処分に当たっては、当社と譲渡制限付株式報酬の支給を受ける予定の対象者との間において、以下の①~④等の内容に含む譲渡制限付株式割当契約が締結されることを条件といたします。
① 一定期間、本株式に係る第三者への譲渡、担保権の設定その他一切の処分を禁止すること。
② 一定の事由が生じた場合には当社が本株式を無償取得すること。
③ 譲渡制限期間中継続して、当社の取締役、取締役を兼務しない執行役員及び組織長のいずれの地位にあったこと。
④ 中期業績連動株式報酬については、③の条件に加え、自己資本利益率(ROE)その他当社の取締役会があらかじめ設定した業績目標達成度に応じた数の本株式について、譲渡制限期間が満了した時点をもって譲渡制限を解除すること。
譲渡制限期間につきましては、本制度の導入目的である株主価値の共有を長期にわたって実現することを主たる目的とする長期株式報酬については30年、中期経営計画の業績目標達成に向けたインセンティブとなることを主たる目的とする中期業績連動株式報酬については3年としております。
なお対象者が、当社の取締役、取締役を兼務しない執行役員及び組織長のいずれの地位からも任期満了又は定年その他正当な事由により退任又は退職した場合には、対象者の退任又は退職の直後の時点をもって、譲渡制限を解除することとしております。
公正価値の測定方法は、取締役会決議の日の前営業日の東京証券取引所プライム市場における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として算定しております。
(b) 期中に付与された株式数と公正価値
(3) 株式報酬費用
株式報酬費用の内訳は以下のとおりであります。
(注) 現金決済型株式報酬は、海外居住者となる執行役員に対して、行使価格と権利行使日の株価との差額を現金で支払うものであります。新株予約権の行使期間内において、執行役員を退任した日の翌日から起算して10日を経過する日までに限り、一括してのみ行使することができます。なお、執行役員が取締役に就任した場合、その退任時まで行使することはできません。
現金決済型報酬制度から生じた負債の帳簿価額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ60百万円であります。
27.営業債務
営業債務の内訳は、以下のとおりであります。
28.政府補助金
連結財政状態計算書の「その他の非流動負債」及び「その他の流動負債」に含まれている繰延収益として認識した政府補助金の金額は、以下のとおりであります。
資産に関する政府補助金は、主に有形固定資産の購入のために受領したものであります。
上記の政府補助金に付随する未履行の条件又はその他の偶発事象はありません。
収益に関する政府補助金は、主に研究開発活動に係るものであります。この政府補助金は利用した時点でその関連コストと同額を純損益にて認識しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ3,494百万円及び7,793百万円を研究開発費から控除しております。
29.社債及び借入金
借入金の内訳は、以下のとおりであります。
(注)1.平均利率については、当連結会計年度末残高に対する加重平均利率を記載しております。
2.返済期限は、当連結会計年度末残高に対する返済期限を記載しています。
30.引当金
引当金の内訳及び増減内容は、以下のとおりであります。
資産除去債務の内容は、建物等の不動産賃貸借契約に伴う原状回復費用です。当該資産除去債務は、主に使用見込期間を取得から9年と見積り、割引率は2.185%を使用して計算しております。
31.その他の負債
その他の負債の内訳は、以下のとおりであります。
32.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、経営の健全性・効率性を堅持し、持続的な成長を実現するため、安定的な財務基盤を構築及び維持することを資本リスク管理の基本方針としております。
当該方針に沿い、競争力のある製品の開発・販売を通じて獲得している潤沢な営業キャッシュ・フローを基盤として、事業上の投資、配当等による株主還元、借入返済を実施しております。
当社グループが資本管理において用いる主な指標は、以下のとおりであります。
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・市場価格の変動リスク等)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。
また、当社グループは、主に医薬品の製造販売事業を行うための事業計画に照らして、必要な資金は自己資金及び銀行借入を利用しております。一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用しております。デリバティブは、後述するリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。
(3) 信用リスク
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。当社は、社内で定められた手順に従い、営業債権について、経理財務部及び関連部署が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。連結子会社についても、当社の管理規程により、同様の管理を行っております。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における営業債権のうち、それぞれ58.8%及び49.2%は特定の大口顧客に対するものであります。
また、デリバティブ取引は、カウンターパーティーの信用リスクに晒されております。デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、信用度の高い金融機関とのみ取引を行っております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている信用リスクに晒される金融資産の減損後の帳簿価額により表されております。
金融保証契約の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、「36.偶発債務」に記載の保証債務の金額であります。
① 貸倒引当金の認識及び測定
当社グループでは、営業債権、リース債権とその他の金融資産に区分して、貸倒引当金の金額を算定しております。いずれの金融資産についても、契約で定められた弁済条件を履行できない場合を債務不履行として取り扱っております。
(ⅰ)営業債権及びリース債権
常に全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上しており、同種の資産の過去の貸倒実績等に基づいて貸倒引当金の金額を見積っております。
(ⅱ)その他の金融資産
通常、12ヵ月の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上しており、同種の資産の過去の貸倒実績等に基づいて貸倒引当金の金額を見積っております。
ただし、弁済期日の経過日数が30日を超えた場合には、原則として、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増加したものとして取り扱い、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上しており、個別の資産ごとの回収可能性に基づいて貸倒引当金の金額を見積っております。
なお、いずれの資産についても、長期間の期日経過となっている、債務者が債務超過又は法的・形式的に経営破綻している等の理由から回収可能性が特に懸念される金融資産は、信用減損金融資産として取り扱い、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上しており、個別の資産ごとに回収可能性を検討して貸倒引当金の金額を見積っております。
また、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の帳簿価額を直接減額し、対応する貸倒引当金の金額を減額しております。
② 貸倒引当金の増減
前連結会計年度及び当連結会計年度における貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。
(ⅰ)営業債権及びリース債権に対する貸倒引当金
(ⅱ)その他の金融資産及び金融保証契約に対する貸倒引当金
なお、いずれの資産についても、前連結会計年度及び当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
(4) 流動性リスク
流動性リスクは、当社グループが、期限の到来した金融負債の返済義務を履行できなくなるリスクであります。当社は、各部署からの報告に基づき経理財務部が適時に資金繰計画を作成・更新することにより流動性リスクを管理しております。
主な金融負債の期日別残高は以下のとおりであります。
① 前連結会計年度(2025年3月31日)
② 当連結会計年度(2026年3月31日)
なお、満期分析に含まれているキャッシュ・フローが、著しく早期に発生すること、又は著しく異なる金額で発生することは見込まれておりません。
また、金融保証契約については、上記に含まれておりません。金融保証契約は、その履行請求に基づき支払義務が発生します。履行請求に基づく最大金額は、「36.偶発債務」に記載の保証債務の金額であります。
(5) 市場リスク
① 為替変動リスク
グローバルに事業を展開していることから生じている外貨建ての営業債権債務、予定取引及びグループ会社に対する貸付金及び借入金は、為替変動リスクに晒されております。当社は、外貨建ての営業債権債務等について、通貨別に把握した為替変動リスクに対して、為替予約取引及び通貨オプション取引を利用してヘッジしております。
(ⅰ)為替変動リスクに対するエクスポージャー
為替変動リスクのエクスポージャー(純額)は以下のとおりであります。なお、デリバティブ取引により為替変動リスクがヘッジされている金額は除いております。
(ⅱ)為替感応度分析
感応度分析は、期末に保有している外貨建の金融商品を対象に、1円円高になった場合に税引前利益に与える影響額を示しております。本分析においては、その他すべての変数は一定のものと仮定しております。
② 市場価格の変動リスク
当社グループは、債券や取引先企業等の株式を保有しており、市場価格の変動リスクに晒されております。当社グループは、定期的に公正価値や発行体(取引先企業)の財務状況を把握し、また、株式については保有状況を継続的に見直すことにより管理しております。
(6) 金融商品の公正価値
① 公正価値と帳簿価額の比較
債券(非流動)の公正価値は、主に取引所の価格又は取引金融機関から提示された価格に基づいて算定しております。
上記以外の金融商品の公正価値は、帳簿価額と近似しております。
② 公正価値のヒエラルキー
金融商品の公正価値のヒエラルキーは、次のとおり区分しております。
レベル1:活発な市場における無調整の相場価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外で、直接又は間接的に観察可能な価格により測定された公正価値
レベル3:観察可能でないインプットを含む、評価技法を用いて測定された公正価値
公正価値のヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しております。
(ⅰ)前連結会計年度(2025年3月31日)
(ⅱ)当連結会計年度(2026年3月31日)
(注) 1.レベル1の金融資産には、上場株式等が含まれております。
2.レベル2の金融資産は、社債等の債券であります。また、レベル2の金融負債は、為替予約取引等のデリバティブ金融負債であります。これらの公正価値は、取引先金融機関から提示された価格に基づき算定しております。
3.レベル3の金融資産は、主として非上場株式及び出資金であります。これらの公正価値は、純資産価値に基づく評価技法、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法又はその他の評価技法を用いて算定しております。担当者が関連する社内規程に従い、又は外部の評価専門家を利用し、リスク、特徴及び性質を適切に反映できる評価技法を決定した上で公正価値を算定しております。また、公正価値の算定にあたっては、将来キャッシュ・フロー及び割引率等の観察可能でないインプットを用いております。割引将来キャッシュ・フローに基づく公正価値の算定にあたっては、各製品のピークセールスの仮定を用いており、各製品のピークセールスが上昇(低下)した場合には公正価値が増加(減少)する関係にあります。なお、各製品のピークセールスが1%上昇または低下した場合の前連結会計年度末における公正価値に与える影響額は以下のとおりであります(レベル3の金融資産の重要性が低下したため、当連結会計年度末における記載を省略しております)。
また、前連結会計年度において8.4%~8.5%の加重平均資本コストを用いており、加重平均資本コストが上昇(低下)した場合には公正価値が減少(増加)する関係にあります。なお、加重平均資本コストが1%上昇又は低下した場合の前連結会計年度末における公正価値に与える影響額は以下のとおりであります(レベル3の金融資産の重要性が低下したため、当連結会計年度末における記載を省略しております)。
4.条件付対価は、研究開発の状況等に応じて支払うマイルストンであり、その公正価値は、当該研究開発が成功する可能性や貨幣の時間的価値を考慮して計算しています。重大な観察可能でないインプットである研究開発が成功する可能性が高くなった場合、公正価値は増加します。
③ レベル3に区分された金融商品の期首残高から期末残高への調整表
公正価値ヒエラルキーのレベル3に区分される公正価値測定の期首残高と期末残高の調整表は、以下のとおりであります。
(注) 1.連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。
2.連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定した資本性金融商品の公正価値の純変動額」及び「在外営業活動体の外貨換算差額」に含まれております。
3.保有株式の上場廃止による振替であります。
4.持分法で会計処理されている投資等への振替であります。
(7) デリバティブ及びヘッジ会計
当社は、外貨建金銭債権債務及び予定取引に係る為替変動リスクを回避する目的で為替予約取引及び通貨・金利オプション取引を行っております。為替変動リスクによるキャッシュ・フローの変動をヘッジしている期間は最長で約16ヵ月であります。
デリバティブ取引については、社内で定められた手順に従い、通常の取引範囲内で為替予約取引及び通貨オプション取引を利用しております。経理財務部が当該取引を行っており、その結果については経理財務部が定期的に取締役会に報告する事により取引情報の管理を行っております。なお、連結子会社はデリバティブ取引を行っておりません。
ヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジされているリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、原則として、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しております。なお、当社は有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要なヘッジの非有効部分が発生しないと想定しております。
また、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性及びリスク管理戦略に照らして適切なヘッジ比率を設定しております。
① 連結財政状態計算書におけるヘッジ会計の影響
前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてヘッジ指定されている重要なデリバティブは、以下のとおりであります。
(ⅰ)前連結会計年度(2025年3月31日)
(ⅱ)当連結会計年度(2026年3月31日)
デリバティブ資産又はデリバティブ負債は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」にそれぞれ含めております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、継続しているヘッジに係る「キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分」の残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分の認識の基礎として用いたヘッジ対象及びヘッジ手段の公正価値の変動の記載は省略しております。
② 連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響
前連結会計年度及び当連結会計年度における、ヘッジ会計を適用したことによる純損益及びその他の包括利益への影響は、以下のとおりであります。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
(ⅰ)前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(ⅱ)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
③ ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
(ⅰ)前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
(ⅱ)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
(8) 財務活動から生じる負債の変動
財務活動から生じる負債の変動は、以下のとおりであります。
33.主要な子会社
(1) 主要な子会社
当連結会計年度末における当社の主要な子会社は、以下のとおりであります。
なお、当社にとって重要性のある非支配持分を有する会社はありません。
(2) 非支配持分の取得に伴う親会社の所有持分の変動
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社グループは、連結子会社である塩野義(香港)商業有限公司および平安塩野義(中国)有限公司の非支配持分を取得し、完全子会社化しました。これに伴い、資本剰余金が3,607百万円増加し、非支配持分が16,596百万円減少しております。
なお、平安塩野義(中国)有限公司は2025年4月1日付で塩野義有限公司に社名変更しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
企業結合により変動しております。詳細については、「37.企業結合」に記載しております。
34.持分法で会計処理されている投資
(1) 重要な関連会社
当社グループにとって重要な関連会社は以下のとおりであります。
(2) 重要な関連会社の要約財務情報
ViiV Healthcare Ltd.の要約財務情報と、同社に対する投資の帳簿価額との調整表は以下のとおりであります。
(注)1.当社グループは2026年3月31日より持分法を適用しており、当連結会計年度においては、持分法投資損益を計上していません。このため、要約連結財政状態計算書のみ開示しております(要約連結損益計算書及び包括利益計算書の開示を省略しております)。
2.当連結会計年度において資産及び負債の特定を精査しており、取得原価の配分が完了していないため、現時点で入手可能な合理的な情報に基づき暫定的な会計処理を行っております。
(3) 個々には重要性がない関連会社及び共同支配企業に対する投資の合算情報
個々には重要性のない関連会社及び共同支配企業への投資の帳簿価額並びに当期包括利益(当期損益及びその他の包括利益)に対する持分は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
35.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
当社グループと関連当事者との間の取引及び営業債権の残高は、以下のとおりであります。主要な子会社および関連会社については、「33.主要な子会社」、「34.持分法で会計処理されている投資」に記載しております。
① 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社グループとその他の関連当事者との取引高及び債権債務残高で重要なものはありません。
② 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注)価格その他の取引条件は、交渉の上、適正な価格で決定しております。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
当社グループの主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。
(注)1.「その他」は、外国籍の取締役のフリンジ・ベネフィット相当額であります。なお、海外に駐在することにより発生する追加の費用等に関して、駐在をしていない場合において想定される報酬額を確保することを目的とした、国際間異動に伴う税額調整等の金額(121百万円)は含んでおりません。
2.上記支給額のうち、現地通貨で支給した報酬等については、2025年度期中平均社内為替レートにより円換算しています。
36.偶発債務
下記の会社の債務に対して債務保証を行っております。
(単位:百万円)
(注)1.国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)から医療研究開発革新基盤創成事業として締結された環境整備契約に基づく債務であります。
2.当社グループ以外の2社と連帯保証を行っております。
37.企業結合
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社は、2025年5月7日開催の取締役会において、鳥居薬品株式会社(以下、鳥居薬品)の普通株式を金融商品取引法による公開買付け(以下、本公開買付け)により取得すること、日本たばこ産業株式会社(以下、日本たばこ産業)の医薬事業(以下、JT医薬事業)を会社分割(簡易吸収分割)により当社へ承継すること(以下、本吸収分割)及び米国子会社Shionogi Inc.によるAkros Pharma Inc.(日本たばこ産業の100%孫会社、以下、Akros)の発行済株式全部の譲受(以下、本株式譲受)に関する合意書を締結することを決議しました。
当社は、2025年5月8日から、本公開買付けを実施しておりましたが、本公開買付けの決済の開始日である2025年6月25日付で鳥居薬品を持分法適用関連会社としました。
鳥居薬品は、2025年9月1日開催の臨時株主総会において、日本たばこ産業が所有する鳥居薬品の普通株式の全ての取得(以下、本自己株式取得)を実行することについて決議し、同日、本自己株式取得の効力が発生いたしました。これにより、本自己株式取得の実行日である2025年9月1日付で、鳥居薬品は当社の子会社となりました。
2025年12月1日付で、簡易吸収分割によりJT医薬事業の当社への承継を完了するとともに、JT America Inc.からの本株式譲受によりAkrosはShionogi Inc.の子会社となりました。
鳥居薬品
1.企業結合の概要
(1)被取得企業の名称および事業の内容
被取得企業の名称 鳥居薬品株式会社
被取得企業の事業の内容 医薬品の製造・販売
取得日 2025年9月1日
(2)企業結合を行った主な理由
当社グループは、中期経営計画であるSTS2030 Revisionの取り組みの中で、「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」というビジョンの実現のために、JT医薬事業との協業に関しての検討を2024年初頭より進めてまいりました。検討の結果、当社グループによるJT医薬事業の取得、Akros及び鳥居薬品の完全子会社化は当該ビジョン実現のための意義が大きいと考えております。
JT医薬事業が研究開発を担う一方で、鳥居薬品が製造・販売及びプロモーション活動を担い、両社で一体的なバリューチェーンを構築することで効率的な協業体制を確立しております。鳥居薬品は皮膚疾患領域、アレルゲン領域及び腎・透析領域に強みを持つ製薬企業であり、中長期事業ビジョン「VISION2030」の達成及び2030年以降の持続的成長を確実なものとするべく、「既存製品及び開発品の価値最大化」及び「新規導入品の獲得」に注力しております。
本取引後は、診療科、施設に対する当社と鳥居薬品の異なる強みが統合され、情報提供の範囲が広がり、かつ医師のニーズにあった適切な情報提供が実現すること、将来の開発パイプラインについてグローバル展開の可能性が高まり、国内外での研究開発・販売データの収集及び評価を積み重ねることで販売強化に繋がること、当社の製造施設を活用することで、製品の増産などのフレキシブルな生産体制を自社において確立することができること等のシナジーが期待できることから、鳥居薬品の親会社であった日本たばこ産業から鳥居薬品が自己株式を取得することにより、当社グループの子会社化に至りました。
(3)取得した資本持分の割合
2.被取得企業の取得対価の公正価値
既保有持分の公正価値 69,754百万円
3.取得日現在における取得資産、引受負債及び支払対価の公正価値
(単位:百万円)
(注)1.当連結会計年度において資産及び負債の特定を精査しており、取得原価の配分が完了していないため、現時点で入手可能な合理的な情報に基づき暫定的な会計処理を行っております。なお、当連結会計年度末までに新たに入手した情報に基づき、暫定的な公正価値を修正しております。主な内容は、その他の非流動資産が7,036百万円、棚卸資産が3,141百万円、その他の非流動負債が2,102百万円増加し、無形資産が3,501百万円減少しております。その結果、のれんが3,947百万円減少しております。
2.無形資産は主に販売権であります。
3.のれんの内容は、主に期待される将来の収益力に関連して発生したものであります。なお、認識されたのれんのうち、税務上損金算入が見込まれるものはありません。
4.非支配持分は、支配獲得日における識別可能な被取得企業の純資産に、企業結合後の非支配持分比率を乗じて測定しております。
4.取得関連費用
791百万円
取得関連費用は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれています。
5.取得に伴うキャッシュ・フロー
6.段階的に達成された企業結合
段階取得に係る差損に重要性はありません。
7.業績に与える影響
当該企業結合に係る取得日以降に生じた売上収益及び当期利益はそれぞれ40,548百万円及び4,176百万円であります。また、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の当連結会計年度の売上収益及び当期利益はそれぞれ527,766百万円及び206,962百万円 (プロフォーマ情報)であります。
なお、当該プロフォーマ情報は監査法人による監査証明を受けておりません。
8.追加取得
2025年10月に、2025年9月に連結子会社化した鳥居薬品の株式をスクイーズアウト手続によって追加取得いたしました。当該取得は本自己株式取得と単一の取引として会計処理することが適切であると判断しております。
その結果、当社の鳥居薬品に対する持分比率は86.34%から100.00%に増加しております。
スクイーズアウト手続により追加取得した鳥居薬品の株式の取得対価は11,026百万円であり、追加取得に伴い非支配持分が7,884百万円減少し、のれんが3,142百万円増加しております。
JT医薬事業
1.企業結合の概要
(1)被取得企業の名称および事業の内容
被取得企業の名称 日本たばこ産業株式会社
被取得企業の事業の内容 医薬事業
取得日 2025年12月1日
(2)企業結合を行った主な理由
JT医薬事業は、1987年の事業参入以来、安定的な研究開発投資を重ね、ファースト・イン・クラスの低分子創薬に向け、医療用医薬品の研究開発に取り組んできました。現在は「科学、技術、人財を大切にし、患者様の健康に貢献します。」という事業Purposeのもと国際的に通用するオリジナル新薬の創製を目指し、主に日本たばこ産業が研究開発を行う一方で、鳥居薬品が製造、販売及びプロモーション活動を担うことで、両社で一体的なバリューチェーンを構築し、グループ内でのシナジーを最大限に発揮しながら事業運営を行っております。JT 医薬事業は「循環器・腎臓・筋」「免疫・炎症」「中枢」の3領域を重点研究開発領域としており、低分子創薬に特化した研究開発や国内外研究開発拠点の連携による効率的かつスピーディーな臨床開発を強みとしております。また、早期に患者さまに自社で創製した新薬を届けるために、自社での開発推進に加え、グローバルメガファーマへの導出や提携を積極的に行っております。
当社のビジョンの実現のために、低分子創薬に強みを持ち、高い研究開発技術を持つJT医薬事業を当社が承継することにより、両社が保有する有力なパイプライン開発の加速及び当社の医薬品製造機能と連携体制構築による効率的かつスピーディーな事業運営が可能になるとの結論に至りました。当社といたしましては、本件は「日本発の革新的な医薬品を世界に届けるリーディング・カンパニー」を誕生させ、世界中の患者さま、人々の健康に貢献する企業として、持続可能で健全な社会の実現に寄与するものであると考えております。
2.被取得企業の取得対価の公正価値
取得対価の公正価値 4,271百万円(運転資本等調整後)
3.取得日現在における取得資産、引受負債及び支払対価の公正価値
(単位:百万円)
(注)1.当連結会計年度において資産及び負債の特定を精査しており、取得原価の配分が完了していないため、現時点で入手可能な合理的な情報に基づき暫定的な会計処理を行っております。なお、当連結会計年度末までに新たに入手した情報に基づき、暫定的な公正価値を修正しております。主な内容は、無形資産が33,351百万円、有形固定資産が9,538百万円、その他の非流動負債が26,023百万円増加しております。その結果、負ののれん発生益が23,515百万円増加しております。
2.無形資産は主に販売権であります。
3.取得した資産の公正価値測定にあたり、無形資産及び有形固定資産(土地・建物)の評価益を認識したこと等を理由として、取得した純資産の公正価値が取得対価を上回ったため、本吸収分割により負ののれん発生益43,781百万円が発生しています。発生した負ののれん発生益を連結損益計算書の「その他の収益」に計上しております。
4.取得関連費用
708百万円
取得関連費用は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれています。
5.取得に伴うキャッシュ・フロー
6.業績に与える影響
当該企業結合に係る取得日以降に生じた売上収益及び当期利益はそれぞれ8,265百万円及び△298百万円であります。また、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の当連結会計年度の売上収益及び当期利益はそれぞれ529,422百万円及び208,370百万円(プロフォーマ情報)であります。
なお、当該プロフォーマ情報は監査法人による監査証明を受けておりません。
Akros
1.企業結合の概要
(1)被取得企業の名称および事業の内容
被取得企業の名称 Akros Pharma Inc.
被取得企業の事業の内容 海外における臨床開発と共同研究・新規技術案件探索
取得日 2025年12月1日
(2)企業結合を行った主な理由
JT医薬事業の「1.企業結合の概要 (2)企業結合を行った主な理由」を参照ください。
(3)取得した資本持分の割合
2.被取得企業の取得対価の公正価値
取得対価の公正価値 4,238百万円(運転資本等調整後)
3.取得日現在における取得資産、引受負債及び支払対価の公正価値
(単位:百万円)
(注)1.当連結会計年度において資産及び負債の特定を精査しており、取得原価の配分が完了していないため、現時点で入手可能な合理的な情報に基づき暫定的な会計処理を行っております。なお、当連結会計年度末までに新たに入手した情報に基づき、暫定的な公正価値を修正しております。主な内容は、その他の非流動資産が211百万円減少しております。
2.取得した資産及び引き受けた負債について、企業結合に伴い公正価値で測定し支払対価と比較した結果、発生した負ののれん発生益を連結損益計算書の「その他の収益」に計上しております。
4.取得に伴うキャッシュ・フロー
5.業績に与える影響
当該企業結合に係る取得日以降の損益情報及び当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の損益情報は、連結損益計算書に与える影響額に重要性が乏しいため、記載を省略しております。
38.後発事象
(鳥居薬品株式会社の吸収合併)
当社は、2026年2月20日開催の取締役会において、当社の完全子会社である鳥居薬品株式会社(以下、鳥居薬品)を吸収合併(以下、本合併)することを基本方針として決議しました。また、2026年4月27日開催の取締役会において、2027年4月1日を効力発生日として吸収合併することを決議しました。
1.本合併の目的
当社は、「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という基本方針のもと、国内事業のさらなる発展と、より多くの患者さまに必要とされる医薬品をお届けする体制の強化を目的として、2025年5月8日より鳥居薬品に対する公開買付を開始し、2025年9月1日に同社を完全子会社化しました。以降、塩野義製薬と鳥居薬品は、それぞれの異なる強みを活かし、医薬品の情報提供活動強化および拡大を通じて、両社の主力製品をこれまで以上に多くの患者さまにお届けする体制の構築に取り組んでいます。また、鳥居薬品が専門性を有するアレルゲン領域や皮膚疾患領域は、高いアンメットニーズが存在し、当社の注力領域の一つである感染症領域とは異なり、流行による影響を受けにくい領域です。これらの領域において患者さまのニーズに応え続けることにより、当社グループの国内事業における安定的な事業基盤の確立にも貢献しています。
こうした取り組みを今後さらに加速させ、より一層医療への貢献を果たしていくためには、両社の連携を一層強化し、迅速な意思決定のもとで、統合シナジーを最大化する段階への移行が重要であると判断し、当社は2026年2月20日開催の取締役会において、本合併の基本方針として決定しました。その後、当該基本方針に基づき検討を進めた結果、2026年4月27日開催の取締役会において、本合併について決議するとともに、同社との間で吸収合併契約を締結しました。
2.本合併の要旨
(1)合併の日程
吸収合併契約締結に関する取締役会決議日 :2026年4月27日
吸収合併契約締結日 :2026年4月27日
合併期日(効力発生日) :2027年4月1日(予定)
※なお本合併は、当社においては会社法第796条第2項に規定する簡易合併に該当し、鳥居薬品においては会社法第784条第1項に規定する略式合併であるため、いずれも本合併契約承認の株主総会を経ずに行います。
(2)合併の方式
当社を存続会社、鳥居薬品を消滅会社とする吸収合併です。
(3)合併に係る割当ての内容
鳥居薬品は当社の完全子会社であるため、本合併による新株式発行及び金銭等の割当はありません。
(4)合併に伴う新株予約権および新株予約権付社債に関する取扱い
該当事項はありません。
3.本合併後の状況
本合併による当社の商号、所在地、代表者の役職・氏名、事業内容、資本金および決算期についての変更はありません。
4.今後の見通し
本合併は、当社と当社の完全子会社との合併であるため、当社連結業績への影響は軽微です。
(エダラボン事業の承継完了およびRadicava事業会社設立)
当社は、2025年12月22日に開催された取締役会において、田辺ファーマ株式会社(以下、田辺ファーマ)が開発・販売する筋萎縮性側索硬化症(ALS)等治療薬エダラボン(日本での製品名「ラジカット」、米国での製品名「Radicava」)の日米を含むグローバルでの全権利の獲得に関する契約締結について決議しました。2026年4月1日を効力発生日として、筋萎縮性側索硬化症(ALS)等治療薬エダラボン(日本での製品名「ラジカット」、米国での製品名「Radicava」)の主要国・地域における知的財産権、販売権等を含むすべての権利の当社への移行を完了しました。
また、本取引に伴って新設されたRadicava事業会社が、当社の米国グループ会社である Shionogi Inc. の完全子会社として、同日付けで事業を開始いたしました。
1. Radicava事業会社の概要
* 当事業会社は単一の法人を社員とする社員管理型LLC(Solo member managed LLC)として設立されており、個人が代表者として就任する形態ではありません。
2. 今後の見通し
2027年3月期以降の連結業績への影響については現在精査中です。
(Shionogi-Apnimed Sleep Science, LLCの連結子会社化)
当社は、2026年3月23日に開催された取締役会において、当社の持分法適用関連会社であるShionogi-Apnimed Sleep Science, LLC(以下、SASS社)を連結子会社とすることを決議するとともに、Apnimed, Inc.との間で、同社が保有するSASS社の持分の取得に関する持分譲渡契約を締結しました。その後、2026年4月6日付で、持分を100百万ドルで取得しました。
2027年3月期以降の連結業績への影響については現在精査中です。
なお、当該取引に関しては、IFRS第3号「企業結合」の規定に基づき、取得した活動及び資産の統合された組み合わせは事業に該当しないと判断し、資産の取得として会計処理いたします。
(2) 【その他】
① 当連結会計年度における半期情報等
(注)2022年9月に当社はシオノギ感染症研究振興財団に係る三井住友信託銀行株式会社の信託(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託口))に当社株式9百万株(株式分割前は3百万株)を処分しておりますが、当該当社株式を自己株式として処理しています。そのため、基本的1株当たり中間(当期)利益の算定において、期中平均普通株式数から当該株式数を控除しております。
② 重要な訴訟
・当社は、2021年8月、ブラジルにおいてドルテグラビルナトリウム(日本販売名:テビケイ)のPartnership for Productive Development(PDP)を取得したBlanver S.A.およびLafepeに対し、ViiV Healthcare CompanyおよびGlaxoSmithKline Brazil Ltda.と共同で、当社がViiV Healthcare Companyと共有するドルテグラビルナトリウムの物質の特許権に基づき、特許侵害訴訟を提起いたしました。
・当社は、2023年2月、米国においてバロキサビルマルボキシル(販売名:XOFLUZA)の後発品申請を行ったNORWICH PHARMACEUTICALS, INC.およびALVOGEN PB RESEARCH & DEVELOPMENT LLCに対し、HOFFMANN-LA ROCHE INC.およびGENENTECH, INC.と共同で、当社が保有するバロキサビルマルボキシルの物質特許等のオレンジブック記載の特許権に基づき、上記後発品申請に基づくFDA承認の有効日がオレンジブック記載の特許満了日より早くならないこと等を求める特許権侵害訴訟をデラウエア州地区連邦地方裁判所に提起いたしました。その後、2025年7月に和解に至りました。
・当社は、2024年4月、カナダにおいてドルテグラビルナトリウム、アバカビル硫酸塩及びラミブジンの配合剤(販売名:TRIUMEQ)の後発品申請を行ったJAMP PHARMA CORPORATIONに対し、ViiV Healthcare Company及びViiV Healthcare ULCと共同で、当社がViiV Healthcare Companyと共有するドルテグラビルナトリウムの物質特許及びViiV Healthcare Companyが保有するドルテグラビルナトリウムの合剤特許に基づき、当該特許満了前の実施行為の差し止めを求める特許権侵害訴訟をトロントのカナダ連邦裁判所に提起いたしました。その後、2025年7月に和解に至りました。
・当社は、2024年10月、米国においてバロキサビルマルボキシル(販売名:XOFLUZA)の後発品申請を行ったNORWICH PHARMACEUTICALS, INC.およびALVOGEN PB RESEARCH & DEVELOPMENT LLCに対し、HOFFMANN-LA ROCHE INC.およびGENENTECH, INC.と共同で、当社が保有するバロキサビルマルボキシルの製剤(錠剤)特許のオレンジブック記載の特許権に基づき、上記後発品申請に基づくFDA承認の有効日がオレンジブック記載の特許満了日より早くならないこと等を求める特許権侵害訴訟をデラウエア州地区連邦地方裁判所に提起いたしました。その後、2025年7月に和解に至りました。
・当社は、2025年10月、米国においてドルテグラビルナトリウム(販売名:TIVICAY)の後発品申請を行ったAurobindo Pharma Ltd.およびAurobindo Pharma USA Inc.に対し、ViiV Healthcare CompanyおよびViiV Healthcare UK (No.3) Limitedと共同で、当社がViiV Healthcare Companyと共有するドルテグラビルナトリウムの結晶の特許権に基づき、上記後発品申請に基づく FDA承認の有効日が結晶特許満了日より早くならないこと等を求める特許権侵害訴訟をデラウエア州地区連邦地方裁判所に提起いたしました。
・当社は、2025年12月、米国においてドルテグラビルナトリウム(販売名:JULUCA)の後発品申請を行ったZudus Pharmaceuticals (USA) Inc.、Zydus Lifesciences Global FzeおよびZydus Lifesciences Limitedに対し、ViiV Healthcare Company、ViiV Healthcare UK (No.3) LimitedおよびJanssen Sciences Ierland Unlimited Conpamyと共同で、当社がViiV Healthcare Companyと共有するドルテグラビルナトリウムの結晶、ViiV Healthcare Companyが保有するドルテグラビルナトリウムの合剤およびViiV Healthcare CompanyとJanssen Sciences Ierland Unlimited Conpamyが保有するドルテグラビルナトリウムの製剤の特許権に基づき、上記後発品申請に基づく FDA承認の有効日が上記特許満了日より早くならないこと等を求める特許権侵害訴訟をデラウエア州地区連邦地方裁判所に提起いたしました。
・当社のグループ会社(鳥居薬品)が販売する経口そう痒症改善剤「レミッチ® OD錠」に関し、用途特許(以下「本件特許権」という。)を保有する東レ株式会社(以下「東レ」という。)が、後発品を販売する沢井製薬株式会社(以下「沢井製薬」という。)及び扶桑薬品工業株式会社(以下「扶桑薬品」という。)に対し、本件特許権侵害行為による損害賠償を裁判所に求めておりましたが、2025年5月に知的財産高等裁判所にて、沢井製薬及び扶桑薬品に対して損害賠償金を支払うことを命じる判決が言い渡されました。沢井製薬及び扶桑薬品は、最高裁判所に上告しており、現時点では本訴訟の最終的な判決の結果を予想することは困難です。なお、本判決により認められた損害賠償金は、当社のグループ会社と東レで折半することで基本的に合意しています。
・2026年4月1日現在、Shionogi Inc.は、米国におけるラジカバ経口液剤の新薬承認申請(NDA)および関連特許を含む、ラジカバ経口液剤に関連する資産の所有権および支配権を取得しました。
2023年7月より、田辺ファーマ株式会社(旧田辺三菱製薬株式会社)は、米国におけるエダラボン(商品名:RADICAVA ORS®)のジェネリック医薬品申請に関連して、Cipla USA, Inc.、Apotex Corp.、Lupin Limited、Sandoz Inc.、Zydus Pharmaceuticals (USA) Inc.およびそれらの関連子会社・関連会社に対し、デラウェア州および/またはニュージャージー州の連邦地方裁判所に特許侵害訴訟を提起しました。本訴訟は、RADICAVA ORS®に関する特許権に基づくものであり、ジェネリック医薬品申請に対するFDA承認の有効日が、主張されている特許の有効期限よりも前にならないことを確保することを目的としています。
また、田辺ファーマ株式会社は、2025年4月より、Shanghai Auzone Biological Technology Co., Ltd.、Azurity Pharmaceuticalsおよびそれらの関連子会社・関連会社に対し、米国デラウェア州および/またはニュージャージー州の連邦地方裁判所において、特定のエダラボン含有製剤の米国における販売承認を求める「505(b)(2)」申請に関連して、特許侵害訴訟を提起しました。これらの訴訟は、ラジカバ経口液剤を対象とする特許権に基づくものであり、505(b)(2)申請に対するFDA承認の有効日が、主張されている特許の有効期限よりも前にならないことを確保することを目的としています。
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
【製造原価明細書】
製造原価明細書脚注
※1 製造経費のうち、主なものは次のとおりであります。
2 原価計算の方法
組別工程別総合原価計算を行っております。
(かつ標準原価計算制度によっております。)
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
① 有価証券の評価基準及び評価方法
子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
その他有価証券
(市場価格のない株式等以外のもの)
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しております。)
(市場価格のない株式等)
移動平均法による原価法
(投資事業有限責任組合及びそれに類する組合への出資(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの))
組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっております。
② 運用目的の金銭信託の評価基準及び評価方法
時価法
③ デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法
④ 棚卸資産の評価基準及び評価方法
総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)
2.固定資産の減価償却の方法
① 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法。なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
建物 2~50年
機械及び装置 4~17年
② 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法。なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(主として5年)に基づいております。
③ リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産の減価償却の方法については、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
3.引当金の計上基準
① 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
② 賞与引当金
従業員の賞与支給に充てるため、支給見込額に基づき計上しております。
③ 役員賞与引当金
役員の賞与支給に充てるため、支給見込額に基づき計上しております。
④ 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
1) 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
2) 数理計算上の差異、過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用については、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により費用処理しております。数理計算上の差異については、各事業年度の発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしております。
4.収益及び費用の計上基準
約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することとしております。
5.外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。
6.重要なヘッジ会計の方法
① ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっております。
② ヘッジ手段とヘッジ対象
・ヘッジ手段……為替予約取引及び通貨オプション取引、金利スワップ取引
・ヘッジ対象……外貨建金銭債権債務及び予定取引、借入金
③ ヘッジ方針
当社は外貨建金銭債権債務及び予定取引に係る為替変動リスクを回避する目的で為替予約取引及び通貨オプション取引を行っております。また、借入金に係る金利変動リスクを回避する目的で金利スワップ取引を行っております。
④ ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ対象のキャッシュ・フロー変動とヘッジ手段のキャッシュ・フロー変動とを比較し、両者の変動額等を基礎にして、ヘッジ有効性を評価しております。
(重要な会計上の見積り)
JT医薬事業の取得により識別した無形固定資産の時価測定
企業結合により取得した無形固定資産は、当初取得日における時価で認識しています。
当社は、JT医薬事業の取得取引に際し、導出先との導出契約から生じるロイヤリティー収入について、無形固定資産として時価で測定しており、貸借対照表において45,532百万円を計上しております。尚、取得原価の配分が完了していないため、当該時価の測定は、暫定的な会計処理に基づくものであります。
当該無形固定資産の時価は、主として将来キャッシュ・フロー及び割引率等の観察可能な市場データに基づかないインプットを用いる評価技法(超過収益法)により算定しております。
当該時価測定における重要な仮定は、導出先における各製品の将来売上予測であります。当該売上予測は、競合製品の販売動向、競争環境の変化及び導出先の販売戦略の影響を受けるものであります。
これらの見積りは、事業環境の変化や競争状況の変化等により影響を受け、無形固定資産の回収可能価額が低下する場合には、減損損失を計上する可能性があります。
(表示方法の変更)
(貸借対照表)
前事業年度において、投資その他の資産「その他」に含めていた「関係会社長期貸付金」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の貸借対照表において投資その他の資産「その他」に含めていた590百万円は、「関係会社長期貸付金」に組替えて表示しております。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示したものを除く)
※2 有形固定資産の取得価額から控除している圧縮記帳額は次のとおりであります。
3 保証債務は次のとおりであります。
下記の会社の債務に対して債務保証を行っております。
(注)1.国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)から医療研究開発革新基盤創成事業として締結された環境整備契約に基づく債務であります。
2.当社以外の2社と連帯保証を行っております。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。
※3 負ののれん発生益
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
JT医薬事業の企業結合により計上したものであります。
※4 減損損失
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
販売許諾契約の解消に伴うものであります。
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
販売許諾契約の変更に伴うものであります。
※5 特別退職金
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
子会社への転籍制度に係るものであります。
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(収益認識関係)
「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.売上収益」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(企業結合等関係)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社は、2025年5月7日開催の取締役会において、日本たばこ産業株式会社(以下、日本たばこ産業)の医薬事業(以下、JT医薬事業)を会社分割(簡易吸収分割)により当社へ承継すること(以下、本吸収分割)に関する合意書を締結することを決議しました。
2025年12月1日付で、簡易吸収分割によりJT医薬事業の当社への承継を完了いたしました。
1.企業結合の概要
(1)被取得企業の名称および事業の内容
被取得企業の名称 日本たばこ産業株式会社
被取得企業の事業の内容 医薬事業
取得日 2025年12月1日
(2)企業結合を行った主な理由
JT医薬事業は、1987年の事業参入以来、安定的な研究開発投資を重ね、ファースト・イン・クラスの低分子創薬に向け、医療用医薬品の研究開発に取り組んできました。現在は「科学、技術、人財を大切にし、患者様の健康に貢献します。」という事業Purposeのもと国際的に通用するオリジナル新薬の創製を目指し、主に日本たばこ産業が研究開発を行う一方で、鳥居薬品が製造、販売及びプロモーション活動を担うことで、両社で一体的なバリューチェーンを構築し、グループ内でのシナジーを最大限に発揮しながら事業運営を行っております。JT 医薬事業は「循環器・腎臓・筋」「免疫・炎症」「中枢」の3領域を重点研究開発領域としており、低分子創薬に特化した研究開発や国内外研究開発拠点の連携による効率的かつスピーディーな臨床開発を強みとしております。また、早期に患者さまに自社で創製した新薬を届けるために、自社での開発推進に加え、グローバルメガファーマへの導出や提携を積極的に行っております。
当社のビジョンの実現のために、低分子創薬に強みを持ち、高い研究開発技術を持つJT医薬事業を当社が承継することにより、両社が保有する有力なパイプライン開発の加速及び当社の医薬品製造機能と連携体制構築による効率的かつスピーディーな事業運営が可能になるとの結論に至りました。当社といたしましては、本件は「日本発の革新的な医薬品を世界に届けるリーディング・カンパニー」を誕生させ、世界中の患者さま、人々の健康に貢献する企業として、持続可能で健全な社会の実現に寄与するものであると考えております。
2.被取得企業の取得対価の時価
取得対価の時価 4,271百万円(運転資本等調整後)
3.取得日現在における資産、負債及び支払対価の時価
(単位:百万円)
(注)1.当事業年度において資産及び負債の特定を精査しており、取得原価の配分が完了していないため、現時点で入手可能な合理的な情報に基づき暫定的な会計処理を行っております。
2.無形固定資産は主に販売権であります。
3.取得した資産の時価測定にあたり、無形固定資産及び有形固定資産(土地・建物)の評価益を認識したこと等を理由として、取得した純資産の時価が取得対価を上回ったため、本吸収分割により負ののれん発生益44,608百万円が発生しています。
4.取得関連費用
708百万円
取得関連費用は、損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれています。
5.取得に伴うキャッシュ・フロー
6.業績に与える影響
当該企業結合に係る取得日以降に生じた売上高及び当期純利益はそれぞれ8,265百万円及び△298百万円であります。また、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の当事業年度の売上高及び当期純利益はそれぞれ529,422百万円及び208,370百万円(プロフォーマ情報)であります。
なお、当該プロフォーマ情報は監査法人による監査証明を受けておりません。
(重要な後発事象)
「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 38.後発事象」をご参照ください。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注)1.当期減少額」欄の( )内は内数で、当期の減損損失計上額であります。
2.当期増加額のうち主なものは次のとおりであります。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
重要な訴訟
「1 連結財務諸表等 (2) その他 ② 重要な訴訟」をご参照ください。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 電子公告は、当社のウェブサイト(https://www.shionogi.com)に掲載しております。
ただし、電子公告によることができない事故その他のやむを得ない事由が生じたときは、日本経済新聞に掲載して公告いたします。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度(第160期)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 2025年6月19日関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2025年6月19日関東財務局長に提出
(3) 半期報告書及び確認書
(第161期中)(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日) 2025年11月7日関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第7号(吸収分割の決定)に基づく臨時報告書であります。
2025年5月7日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2(譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分)に基づく臨時報告書であります。
2025年6月18日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)に基づく臨時報告書であります。
2025年6月19日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号(特定子会社の異動)に基づく臨時報告書であります。
2025年9月1日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号(特定子会社の異動)及び第7号の3(吸収合併の決定)に基づく臨時報告書であります。
2025年11月10日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第16号(連結子会社の事業の譲受)及び第16号の2(連結子会社による子会社の取得)に基づく臨時報告書であります。
2025年12月26日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号(特定子会社の異動)及び第7号の3(吸収合併の決定)に基づく臨時報告書であります。
2026年2月20日関東財務局長に提出
(5) 臨時報告書の訂正報告書
2025年5月7日提出の企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第7号(吸収分割の決定)に基づく臨時報告書の訂正報告書であります。
2025年9月25日関東財務局長に提出
2026年2月20日提出の企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号(特定子会社の異動)及び第7号の3(吸収合併の決定)に基づく臨時報告書であります。
2026年4月27日関東財務局長に提出
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当する事項はありません。