第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、当社、連結子会社111社及び関連会社14社で構成され、自動車、産機・軸受及び工作機械の各事業に係る製品の製造販売を主な事業としており、当社グループの主な事業内容は以下のとおりであります。(2026年3月31日現在)
なお、以下の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「5.事業セグメント」における事業区分と同一であります。
事業の系統図は以下のとおりであります。

(注) * JTEKT SALES EUROPE B.V.は、2025年4月22日付でJTEKT EUROPE BEARINGS B.V.が商号変更したものであります。
4 【関係会社の状況】
2026年3月31日現在
(注) 1 連結子会社及び持分法適用関連会社の「主要な事業の内容」欄には、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「5.事業セグメント」に記載された名称を記載しております。
2 *1:特定子会社であります。
3 *2:有価証券報告書を提出しております。
4 *3:富奥捷太格特轉向系統(長春)有限公司は、2025年9月3日付で、一汽光洋轉向装置有限公司が商号変更したものであります。
5 議決権の所有(被所有)割合の( )内は間接所有割合で、内数を記載しております。
6 *4:JTEKT AUTOMOTIVE NORTH AMERICA, INC.については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
さらに、当社グループが掲げる将来像の実現に向け、「Yes for All, by All! みんなのために、みんなでやろう」を共通の価値観として位置づけております。この価値観を日々の判断や行動につなげるため、2026年に「ジェイテクトグループ行動規範」を策定し、MVV(Mission, Vision, Value)の実践と定着に継続的に取り組んでおります。
これからもMVVを企業経営の軸とし、モノづくりとモノづくり設備で培ってきた強みを結集して、グループの総力を最大限発揮する「全員参加」により、社会に最適なソリューションを提供し続けてまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、効率性と収益性を重視した経営を実現するため、ROE、PBR、事業利益率を経営上の目標の達成状況を判断するための重要指標と位置づけております。また、経営状況を把握する指標として、売上収益、事業利益、損益分岐点売上比率、棚卸資産回転数、NET DEレシオ、ROA、ROIC等の実績を用いております。
(3) 長期的な会社の経営戦略
社会を取り巻く環境は、地政学リスクの高まり、温暖化等に代表される環境問題やエネルギー資源の枯渇、新興国の経済発展・人口増加に伴う水・食料の不足、先進国での高齢化等、様々な課題が顕在化しております。各産業分野で社会の持続的な成長に向けてテクノロジーにより社会的課題の解決が図られている中で、当社グループの売上収益の約8割を占める自動車産業においても、100年に一度の大変革期と言われているとおり、自動運転や電動化等、CASEに代表される技術革新が急速に進んでおります。また、カーボンニュートラルに向けた再生エネルギーの活用や水素社会の実現に向けた取組みも着実に前進しております。
これらの取り巻く環境の変化に対応し、社会課題の解決を成長につなげていくため、「JTEKT Group 2030 Vision」のもと、第二期中期経営計画(2024~2026年度)に沿った戦略を着実に推進しております。

<中期経営計画>
2021年から2030年までの10か年を、3年、3年、4年の三期に分け、2024年から2026年度を第二期中期経営計画の期間として、「既存事業の成長と新規事業の育成」をテーマに各施策を進めております。既存製品の高付加価値化により成長への原資を生み出し、その原資をもとに新領域へチャレンジするという両輪で、企業価値向上を実現いたします。そのための重点施策と位置付けた「ソリューションの創出力強化」、「競争力の強化」、「グローバル体制の再構築」により、成長への足場固めを図ります。加えて、経営基盤を強化するために、「人と現場中心の経営」、「カーボンニュートラルの推進」、「キャッシュアロケーション・株主還元」にも注力してまいります。
当社は、2030年に目指す姿を実現するためのメインドライバーは「ソリューションプロバイダーへの変革」であると捉えております。ソリューションを創出できる仕組みづくりを着実に進め、グループ全体が持つ技術や社員一人ひとりの強みを掛け合わせたジェイテクトならではのソリューションで社会に貢献してまいります。
(4) 経営環境
当連結会計年度の世界経済は、欧州・中国経済の停滞や地政学リスクの高まりが懸念される中ではありましたが、個人消費や設備投資は堅調に推移し、全体としては緩やかな回復基調を維持いたしました。当社の事業領域においては、米国の関税政策や中国を中心とした競争環境の激化等の厳しさが増す中、付加価値の高い製品の市場投入や、欧州構造改革の断行、原価改善活動の推進により、収益性の改善を図ってまいりました。
(5) 優先的に対処すべき課題
当社は「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」というMissionのもと、中長期的に目指す姿として2030 Vision「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」を掲げております。事業で培った技術を活かして新たな価値を創造し、社会課題の解決に貢献したいと考えております。目指す姿を実現するため、技術やモノづくりを支える多様な人財を活かして稼ぐ力を強化し、ソリューションプロバイダーとしての価値創出に取り組んでまいります。
① 稼ぐ力の追求
中長期的な収益力を強化するため、利益率・資本効率にこだわった取組みを現場レベルの改善まで落とし込んでまいります。併せてAIやデジタルの活用により、あらゆるプロセスのリードタイム短縮に向け、全員参加で取り組んでまいります。
また、データ経営と業務プロセス改革に向けた取組みであるJ-REBORNを通じ、意思決定に必要なデータの整備を進め、効率的かつ迅速な意思決定を行うことで収益最大化を図ってまいります。
② ソリューションビジネスの実装
ソリューション提案をビジネスとして成立させ、持続的な企業価値向上を実現してまいります。その一つとして、製造現場へのソリューション提供ビジネスを構想しております。自社で積み重ねてきた技術や設備を掛け合わせ、自動化や工場マネジメント、CNソリューション等のソリューションビジネスにより「稼ぐ力」を強化してまいります。こうした実例を積み重ね、価値創出のプロセスを確立し、ジェイテクトならではのソリューションで社会に貢献してまいります。
③ グローバルビジネスの最適化
欧州構造改革の推進のほか、生産性低下によるコスト増加が課題であった北米地域では、タスクフォースチーム活動の成果により、生産性改善が進んでおります。地域ごとの戦略は着実に進行しておりますが、さらにグローバルでの経営資源の最適配分を進め、ジェイテクトグループ全体の競争力強化に注力してまいります。
④ 安全・品質へのこだわり
安全に正しい仕事ができる環境の整備や、不正を起こさない風土の醸成を一段と進め、確かな安全と品質の確保に引き続き努めてまいります。当社では2025年度に休業災害ゼロを達成いたしました。今後はグループ全体に取組みを展開してまいります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。なお、各項目の目標については、達成を保証するものではありません。
(1) 当社のサステナブル経営
当社の事業活動は、株主・投資家のほかお客様、仕入先様、従業員や地域社会のみなさまといった多くのステークホルダーに支えられております。加えて、当社がこれからも安定して事業活動を展開していくためには、人々が安心して生活できる豊かな地球環境が大前提にあるものと考えております。そこで当社は「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」という当社のMission(存在意義)に則り、事業活動を通じて当社のステークホルダーが直面する社会課題の解決に取り組むことで、社会とともに持続的な成長を遂げたいと考えております。また、当社が変化の激しい外部環境の中でも企業として成長を続け、上記のような社会課題の解決に貢献していくためには、その源となる人的資本や知的資本等、非財務資本の増進を図ることが不可欠であります。
当社は、このように社会課題の解決と非財務資本の増進によって企業価値の長期的な向上を目指す、サステナブル経営を推進してまいります。
① サステナビリティ推進体制
当社は、取締役会を頂点とするコーポレート・ガバナンスの体制を構築しておりますが、サステナビリティに関する活動方針の決定、社内取組みの監督と助言については、社外役員を含む取締役会構成員全員に加えて経営役員及びCxO(社内各機能の最高責任者)を委員とするサステナビリティ委員会において主に行っております。
サステナビリティ委員会で議論されたテーマは、関連する業務を行う主管部署において取組みとして具体化され、事業活動に反映されております。これらの事業活動は統合報告書「ジェイテクト・レポート」、コーポレート・ガバナンスに関する報告書、有価証券報告書や当社企業ウェブサイト(https://www.jtekt.co.jp/sustainability/)等を通じて情報開示しております。
これらの情報開示の主要なものは、経営管理本部の関係部署を中心として運用される情報開示委員会において、ステークホルダーに適時適切かつ過不足なく伝わるかという観点から内容や表現の適否について議論した上で社外へと開示されます。開示された情報に対するステークホルダーからのフィードバックはサステナビリティ委員会において報告され、次なる取組みの基盤としております。

② マテリアリティの特定
当社は、JTEKT Group 2030 Vision及び第二期中期経営計画の策定を受け、2024年度に当社のマテリアリティを見直し、具体化いたしました。具体化にあたっては、それぞれの社会課題が当社事業に与える影響(財務マテリアリティ)と当社事業が社会に与える影響(インパクトマテリアリティ)の両面からジェイテクトが優先的に取り組むべきものを評価・特定するダブルマテリアリティの考え方を採用しております。社会課題の評価にあたってはIRO評価(影響度、リスク、機会)を用い、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)の策定する基準や欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)等を参考に、ジェイテクトのMVV及び第二期中期経営計画において重点実施事項として掲げた事項との関係性を意識して、当社の事業戦略において必要不可欠と考えるものをマテリアリティとして特定しております。
マテリアリティ特定のプロセスとして、サステナビリティ委員会における当社経営陣による検討と並行して、当社のステークホルダー及びステークホルダーとの関わりが深い社内の専門部署と対話を行いました。最終的なマテリアリティの特定は、社外役員を含む取締役会構成員が一堂に集うサステナビリティ委員会で行われております。

<ジェイテクトのマテリアリティ>
・技術で創るソリューション
・安全快適の提供
・人と現場を支えるモノづくり
・デジタル化と情報セキュリティ
・低炭素社会の構築
・循環型経済への貢献
・自己実現できる人づくり
・挑戦を楽しめる職場づくり
・持続可能なバリューチェーンの維持
・ステークホルダーに誠実な企業文化
なお、当マテリアリティは数多く存在する社会課題のなかから、ジェイテクトが事業活動を通じて優先的に解決に貢献したいと考えるものであり、それ以外の社会課題が当社と無関係と考えるものではありません。当社はコンプライアンス(法令遵守)やCSR(企業市民としての役割・責任)を通して、マテリアリティ以外の社会課題に対しても、貢献してまいります。
以下では、このような当社マテリアリティを中心としたサステナブル経営のテーマを環境、社会、ガバナンスの観点から整理して記載しております。
(2) 環境
当社は「未来の子どもたちのために豊かな地球を守る」ことを経営上の重要なテーマとしており、2016年に策定した「環境チャレンジ2050」では「製品・技術」「低炭素社会の構築」「循環型経済の構築」「自然共生・生物多様性」「環境マネジメント」として環境経営に関する行動計画の5つの柱を明記いたしました。本項では、これらの取組みのうちマテリアリティとしている地球温暖化防止(低炭素社会の構築)、循環型経済への貢献について取り上げております。
① 地球温暖化防止
地球温暖化による気候変動は、氷河の融解や海面水位の変化、洪水や干ばつ等の影響、食料生産や健康等、人間への影響だけでなく陸上や海の生態系にも影響を及ぼしております。当社は、このような気候変動による負の影響を緩和するため、事業における中長期の気候関連リスクと機会を特定して影響を定量的に把握し、事業戦略に反映していくことが持続的に成長できる企業の条件であると考え、マテリアリティの1つである「低炭素社会の構築」に取り組んでおります。
なお、当社は、2018年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」への賛同を表明いたしました。以下TCFDの考え方に基づいて開示いたします。
(a) 戦略
当社は、「環境チャレンジ2050」に基づき、5年ごとに「環境行動計画」を策定し、毎年の会社目標へ反映させる形で活動を推進しております。これら一連の数値目標は中長期的な環境経営の根幹となっております。
当社はTCFD提言に基づき、脱炭素社会への移行による影響が想定される1.5℃(2℃未満)シナリオと、気候変動が進展し、物理的な影響が顕著になる4℃シナリオという複数のシナリオを使用し、分析を行いました。分析にあたっては、CO2排出量を2013年度比60%削減とする目標年の2030年度と、「環境チャレンジ」の目標年である2050年度における事業への影響を予想し、項目別にリスク・機会として特定いたしました。これらのリスクの最小化、機会の最大化を図るため戦略へ反映しております。
■使用したシナリオ
■リスク機会一覧
(注)1 時間軸 短期:現在~2026年 中期:2030年 長期:2050年
2 影響度評価は以下のとおり設定しております。
大: 影響額が100億円超のもの
中: 影響額が10億円~100億円以内のもの
小: 影響額が10億円以内のもの
1.5℃(2℃未満)シナリオにおいて想定される主なリスクとして、炭素税をはじめとする規制の導入・強化を背景とした操業費の増加や、自動車の燃費・排ガス規制の強化による内燃機関車向け製品の売上減少等を特定いたしました。これらのリスクを回避するために、生産プロセスの省エネ化や物流の改善、製品開発の加速等を行う必要があると考えております。一方、内燃機関車からBEV(電気自動車)やFCEV(燃料電池車)への移行は、当社事業の機会としても捉えております。当社は現在、電動車向けベアリングや耐水素ベアリング、次世代車と内燃機関車に共通する製品であるステアリングシステムや駆動部品を展開しております。2025年4月にリリースした軸受一体型歯車「JTEKT Integrated Gear Bearing®」(以下、JIGB®)は減速機の車両搭載性の向上や電費の向上を目的として開発しました。従来、機能要件が異なることからギヤとベアリングは別々の部品として組み込まれており、サイズダウンやトルク損失の低減に課題がありました。新開発したJIGB®はギヤとベアリングを一体化することで、ユニットの小型化とトルク損失の低減を実現しました。今後はこれらの製品の販売や新製品の研究開発に一層注力し、市場拡大を図ります。
(b) ガバナンス
当社では、取締役社長が委員長を務める「ジェイテクト環境委員会」を中心とした環境経営の推進体制を構築しております。「ジェイテクト環境委員会」は年2回開催し、会社方針に基づいて目標値を設定するほか、方策の審議・決定及び進捗状況の管理を行っております。同委員会での審議の結果は、内容に応じて「サステナビリティ委員会」に報告され、監督を受けるとともに、対策に予算措置が必要な場合は経営役員会、取締役会に上程し、経営陣の審議を経て経営戦略に反映しております。
また、「ジェイテクト環境委員会」の下部組織には環境専門部会を設置し、省エネ/資源循環/生産技術革新/エネルギーインフラ/物流/技術・研究/バリューチェーン等、スコープ3排出量の削減も含めた気候変動への対応について、各分野における実務的な検討、評価を行っております。工場レベルの体制としては、各工場において工場長を委員長とした「工場環境保全委員会」を組織しており、隔月の委員会においてCO2排出量をモニタリングしております。
その他グループを横断した環境取組みを実現するため、「グローバルジェイテクトグループ環境連絡会」を設置しており、国内・海外グループ各社の取組みの振り返りや次年度の取組み計画の審議、環境マネジメントに関する意見交換等を行っております。さらに2021年度からは社長直轄の「カーボンニュートラル戦略室」を設置し、事業本部間の意思疎通の円滑化を進めておりましたが、2025年度よりサーキュラーエコノミーに関しても戦略立案・推進するため「CN・CE戦略室」に、2026年1月からはCNソリューションの事業化を推進するため「CN・CE戦略部」に組織改正し、自社で培ったカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーのソリューションを通じてお客様や社会の課題解決へ貢献してまいります。
(c) リスク管理
当社は、環境リスクを全社レベルのリスクマネジメント体制へ統合し、管理しております。環境リスクについては、「サステナビリティ委員会」が特定・評価・管理のプロセスを担っております。「サステナビリティ委員会」では、「ジェイテクト環境委員会」や顧客からのニーズや社外評価、社会動向等から発生したリスクの識別・評価を行い、影響度、重要性、脆弱性、発生可能性の観点から優先順位付けした上で、回避・軽減等の対策を決定・登録・管理しており、今後の取組みについて全部署へ共有しております。また、重要リスクについては定期的に取締役会に報告しております。
(d) 指標と目標
当社は「環境チャレンジ2050」で掲げている環境負荷の極小化に向け、2035年までに生産(スコープ1+スコープ2)におけるCO2排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を設定しております。また、中期目標の「2030年マイルストーン」としてCO2排出量を60%削減(2013年度比)するとともに、国内外のグループ会社を含め、当社グループ全体でCO2低減活動を進めております。
この中期目標はパリ協定が求める水準と整合しており、科学的な根拠に基づく目標設定が認定されるSBT(Science Based Targets)認定を2024年7月に取得しております。
■中長期目標
■スコープ別CO2排出量 (単位:千t-CO2)
※国内グループ16社、海外グループ28社に加えて、その他関連会社を含めて算出しております。
当社は、気候変動への対応に関する取組みが高く評価され、国際環境非営利団体CDPによる「2025年気候変動」部門の調査において8段階評価中、最上位の評価となるAに3年連続で認定され、リーダーシップレベルの評価を獲得いたしました。
② 循環型経済への貢献
循環経済ビジョン2020(経済産業省)では、従来の「環境活動としての3R(リデュース・リユース・リサイクル)」から、設計や仕組みづくりにアプローチし、廃棄物が出ないようにする「経済活動としての循環経済」への転換を推し進めていくことが求められており、2024年の循環型経済形成推進基本計画では、事業者に対して、再生材や再生可能資源を使用するといった環境に配慮した事業活動により、次世代につながる持続的発展に不可欠な社会的責務が求められております。欧州では「ELV指令(ELV: End-of-Life Vehicles)」と「型式認証の再使用、再利用、再生の可能性に関する指令(3R指令)」を1つにまとめて規則化した「ELV規則案」が2023年に発表、2025年に合意され、自動車は再生材の使用促進や廃棄時の環境負荷低減が求められており、国内では2025年の法改正により再生資源の利用の義務化や環境配慮設計の促進が図られております。当社ではこれまでも、環境配慮設計や自社製品のリマン・リビルド活動、産業廃棄物のリサイクル化を通じて、循環型経済の構築に取り組んできました。今後も環境対応製品対策部会による、製品の小型・軽量、高効率化と資源循環に配慮した環境配慮型の製品開発の推進や、生産環境改善部会による事業活動における廃棄物の削減及びマテリアルリサイクルの推進等、各環境専門部会の活動を通じてサーキュラーエコノミーの実現に貢献してまいります。
当社は、このような考え方のもと、「循環型経済への貢献」を低炭素社会の構築に並ぶマテリアリティとしております。
(a) 戦略
当社では、「環境チャレンジ2050」に基づき、5年ごとに「環境行動計画」を策定し、毎年の会社目標へ反映し、廃棄物及び水使用量の削減活動を推進しております。
世界的な人口増加や経済成長に伴う消費拡大により世界の資源採掘量及び廃棄物量は増加傾向にあり、その枯渇も懸念されております。このような状況において、当社の継続的な事業活動のためには生産に必要な副資材使用量及び廃棄物の削減が不可欠と考え、特に排出量の多い汚泥、廃油を重点品目に指定し、優先的に改善を行うとともに金型の長寿命化の取組みを行い、副資材使用量の削減活動を推進しております。
また、事業を継続する上で必要な良質な淡水は、その利用が制限された場合には当社の生産工程である熱処理、洗浄工程等の稼働に多大な影響を与える可能性があるため水使用量削減に向けた取組みが必要となります。当社は、特に水ストレス地域であるインド・メキシコに対して水使用量の削減目標を設定する等、取組みを進めております。
さらに、こうした従来からの取組みに加えて、より一層の製品の小型・軽量化、製品原材料の再生材使用率向上、廃棄物のマテリアルリサイクル化の推進等の取組みを進めるために、2030年を目標年とする新たな「環境行動計画」の作成を通じて検討を進めております。
(b) ガバナンス
当社では、取締役社長が委員長を務める「ジェイテクト環境委員会」を中心とした環境経営の推進体制を構築しております。「ジェイテクト環境委員会」は年2回開催し、会社方針に基づいて目標値を設定するほか、方策の審議・決定及び進捗状況の管理を行っております。同委員会での審議の結果は内容に応じて「サステナビリティ委員会」に報告・審議されるとともに、対策に予算措置が必要な場合は経営役員会に上程し、経営陣の審議を経て経営戦略に反映しております。
また、廃棄物のマテリアルリサイクル化の推進や水使用量の削減については、「ジェイテクト環境委員会」の下部組織である環境専門部会の一つである「生産環境改善部会」、より一層の製品の小型・軽量化、製品原材料の再生材使用率向上については、「環境対応製品対策部会」や「バリューチェーン部会」を担当部会とし、経営役員である全社環境総括役員を筆頭として、取組みの進捗確認、議論、審議等を行っております。2021年に設置した社長直轄の「カーボンニュートラル戦略室」は、2025年度よりサーキュラーエコノミーに関しても戦略立案・推進するため「CN・CE戦略室」に、2026年1月からはCNソリューションの事業化を推進するため「CN・CE戦略部」に組織改正し、自社で培ったカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーのソリューションを通じてお客様や社会の課題解決へ貢献してまいります。
(c) リスク管理
「①地球温暖化防止(c)リスク管理」の記載をご参照ください。
(d) 指標と目標
当社は「環境チャレンジ2050」で掲げている環境負荷の極小化に向け、内製生産高当たり廃棄物量/水使用量の原単位削減目標を設定し、2025年環境行動計画に基づく目標として2018年度比7%削減を目標として取り組んできました。その結果廃棄物量は27.8%削減、水使用量は30.1%削減しております。加えて、これまでサーマルリカバリーが進められてきたプラスチック廃棄物について、更なる環境負荷の低減/資源の有効活用を図るため、2025年環境行動計画に基づく目標としてプラスチック廃棄物のマテリアルリサイクル率を35%とする目標を立てておりましたが、結果39.7%まで向上しております。
また、5年ごとに「環境取組みプラン」を策定し、毎年の会社目標へ反映させる形で、活動を推進しております。
さらに、製品原材料については、当社製品の主原料である鉄を中心に、事業活動の持続可能性や競争力の観点も考慮したうえで、再生材の比率を高めていきたいと考えております。
このような取組みが高く評価され、国際環境非営利団体CDPによる「2025年水セキュリティ」部門において、上位2番目の評価となるA-に認定されました。
(3) 社会
当社は、JTEKT Group 2030 Visionに基づきソリューションプロバイダーへの変革を経営戦略としておりますが、その実現の原動力は人財であるという理解のもと、連動した人財戦略として「人と現場中心の経営」をテーマとしております。これに基づき、マテリアリティとして「自己実現できる人づくり」「挑戦を楽しめる職場づくり」を特定しており、その具体化のための社内環境整備、人財育成及び多様性の確保と尊重に関する様々な取組みを行っております。
社内環境の整備については、従業員の安全を第一としております。機械製造業を主要な事業とする当社においては、工業機械や化学物質の取扱いにあたって従業員の安全・健康への危険が伴います。このような危険から従業員を保護し、安心して働ける環境を維持することは、人づくり、職場づくりの前提として重視しております。また、従業員のモチベーションやパフォーマンス向上にも従業員の健康が欠かせないものと考え、より積極的な健康経営を推進しております。
また人財育成については、個々の能力向上に加えて、取り巻く環境の変化に対応できるよう様々な育成プログラムを提供するとともに、人財の多様性を確保し誰もが活躍できる組織を目指します。
本項では、このような考え方に沿って「労働安全衛生」「健康経営」「人財育成」と「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」に加え、昨今サステナブル経営において重視される「ビジネスと人権」の取組みについて取り上げております。なお、当社の人財戦略に関しては、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1) 人材戦略に関する基本方針等」も参照ください。
① 労働安全衛生(社内環境整備①)
当社は「自己実現できる人づくり」「挑戦を楽しめる職場づくり」というマテリアリティの前提として「安全第一」を掲げ、価値ある製品を提供するための基盤となる従業員の心身の安全(労働安全衛生)をサステナブル経営上の重要テーマの1つとしております。
(a) 戦略
当社グループでは「全ての災害は必ず防ぐことができる」を安全衛生理念とし、全従業員が一体となって全員参加の安全衛生活動や快適な職場環境づくりに取り組んでおり、安全衛生理念を表したグローバルメッセージ"All for One in Life"のもと、命と健康を中心に置いた活動を通じて災害ゼロ実現を目指しております。

(b) ガバナンス
当社は、健康で安全・安心な働きやすい快適な職場環境づくりを目指して、取締役社長を委員長とし、経営層を含めた各工場・事業所の安全衛生業務事務局メンバーで構成された「全社安全衛生委員会」を設け、国内外のグループ会社を含めた安全・衛生の一元管理体制を構築しております。この「全社安全衛生委員会」は、期央・期末の年2回開催され、安全スコアの振り返りや従業員の声に基づき、安全・衛生・防火に関する方針展開と進捗状況の確認を実施し、その結果は全従業員に展開されております。
また、「全社安全衛生委員会」の活動を補う組織として、「安全衛生推進会議」を毎月開催し、安全に関するトップメッセージ、年度方針の進捗状況のフォローに加え、災害事例の情報共有や再発防止対策の検討や展開も行っております。さらに工場を含む各事業所においては、事業所長を委員長にした各事業所単位での「安全衛生委員会」を設置し、各種安全衛生活動の実施・確認や、労使の協力による課題の対策を積極的に行っております。

(c) リスク管理
当社は、従業員の労働災害や業務上の疾病による労働損失、職場環境の不安全や管理不足による評価の悪化、さらには従業員のモチベーション低下を重要なリスクと捉えております。このため、労働災害の未然防止に重点を置いた取組みを継続的に実施しており、2025年度において休業災害0件を達成することができました。
全社的には災害件数や休業度数率を災害の程度に応じて分類・管理し、個別の災害についてはその要因を分析しております。重大な怪我に結び付きやすい災害を重点6災害として分類し、重点的に対策を行っており、中でも「挟まれ・巻き込まれ」による災害は発生頻度が高く、特に対策を進めております。リスクがある設備に対しては、リスクレベルによるランク付けとラベル表示を行い、現地現物でリスクの明確化を推進しております。また、リスクレベルの高い設備については、改善に向けた計画の立案から推進まで全社一丸となって継続的かつ計画的に取り組んでおります。
さらに、労働災害発生時の対応については、展開方法や宛先等の具体的な手順を社内規程で定め全社的に共有することで、報告の漏れを防ぎ、徹底した情報共有を迅速に行っております。
各工場では「労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)」の考え方に基づき管理体制を構築し運用するとともに、各現場単位でリスクアセスメントによるリスク管理を行い、労働災害の未然防止に取り組んできました。
今後はリスク管理の高度化に向け、ISO45001の考え方に基づく管理体制の構築を開始し、2026年度の認証取得を目指しております。

(d) 指標と目標
当社では、前述の「全ての災害は必ず防ぐことができる」という安全衛生理念に基づき、事業活動における重大災害(死亡災害)をはじめとするあらゆる災害の予防を目標としており、重大災害(死亡災害)の件数及び、休業度数率(休業1日以上を計上)を指標として定めております。
② 健康経営(社内環境整備②)
当社では、従業員の健康づくりに投資することが従業員のエンゲージメントやパフォーマンス向上につながり、結果的に企業の持続的成長による企業価値向上につながると考え、人的資本の価値を最大化し、中長期にわたって企業価値・事業競争力を高めるための経営基盤強化として健康経営を推進しております。
(a) 戦略
当社は、「健康宣言」に基づき、「従業員の心身の健康増進」を重要な経営戦略の一つに設定し、健康習慣等の実践状況と休職状況等の両面で総合的に評価し、PDCAサイクルを回す取組みを実践しております。また、2025年度にはMission, Vision, Valueに基づき「ジェイテクトグループ健康経営推進方針」を策定しました。健康経営の考え方や目指す姿を明確化・共有化することで、グループ全体としての取組みを更に推進していきます。
健康宣言
ジェイテクトグループ健康経営推進方針
(b) ガバナンス
当社は、取締役社長を責任者とする経営層が中心となり、人事機能部署、ジェイテクト労働組合、健康保険組合で組織する「健康経営推進体制」を中核に、関係者が一体となって健康経営を推進しております。また、取締役社長を委員長とする「全社安全衛生委員会」では健康経営施策の計画・結果等を報告し、各施策について承認を得た上で、各職場や従業員に展開しております。
健康経営推進体制

(c) リスク管理
当社は、従業員の健康問題による労働損失を重要なリスクと捉え、アブセンティーズム(健康問題による欠勤)の低減に重点を置いた取組みを実施しております。具体的には精神系疾患による休務者数や休務日数で評価を行い、メンタルヘルス不調者対応や生活習慣病の予防・改善、健康意識向上に注力しております。これら各施策を通じて、従業員一人ひとりが健康にいきいきと働ける会社を目指します。
(d) 指標と目標
当社では、健康経営の取組みにあたって様々な管理指標を設定しておりますが、その成果を測る指標の一つとして健康経営度調査の結果を採用しております。健康経営度調査とは経済産業省主催で毎年実施している健康経営の取組み状況に関する調査で、自社の健康経営に対する客観的な評価を確認することができると考えております。
当社では2025年度までにこの調査で上位評価である500位以内に入り、「健康経営優良法人 ホワイト500」の認定を取得することを目標に掲げて活動を進めた結果、2024年度に引き続き2025年度も「健康経営優良法人2026 ホワイト500」を取得することができました。

③ 人財育成
当社は、競争環境、労働環境をはじめとした取り巻く環境が急速に変化していく中で、これらの環境変化に対応しつつ組織として成果を出し続けるためには、従業員一人ひとりが自ら学び、主体的に成長することが必要であると考え、人財育成を「自己実現できる人づくり」というマテリアリティに基づく重要なテーマの1つに設定して取組みを行っております。
(a) 戦略
人財育成方針
<事技職従業員の人財育成>
OJT、Off-JT、キャリア開発の3つの柱で構成しており、OJTでは、対話と実践を通じてメンバーの主体性を引き出すための定期的な面談やOJTトレーナー制度を実施しております。Off-JTでは、当社の仕事の基本である「問題解決力」を強化する研修を軸として、職位別、年齢別、テーマ別研修等、体系的に実施するとともに、自発的な学びの促進のため、e-ラーニングによる選択型教育を実施しております。また、JTEKT Group 2030 Visionの実現に向け、2025年4月より事技職新入社員向けのモノづくり研修を導入いたしました。この研修を通して全ての事技系社員がモノづくりの基礎を学ぶことにより、お客様の困りごとに寄り添ったソリューションの提案ができる人財づくりを推進いたします。キャリア開発では、従業員の自己実現のため、キャリア面談やサクセッションプラン、社内公募制度があり、従業員の価値観に応じて自発的なキャリア選択が可能な環境を整備しております。
<技能職従業員の人財育成>
全社教育、職場教育、自己啓発の3つの柱で構成しております。全社教育では、高等学園での教育を基礎とするキャリア開発プログラム(階層別教育)のほか、職場リーダー養成のためのTWIトレーナー(監督者訓練指導員)・リーダー養成講習、新任監督者に向けた研修では、生産調査部と連携しトヨタ生産方式(TPS)の実践訓練を実施する等、理解度向上に力を入れております。また自己啓発では、国家技能検定、QC検定、自主保全士等の取得に挑戦できるよう支援しております。
(b) ガバナンス
人財育成に関する取組みの状況や課題については「サステナビリティ委員会」にて報告をし、社外役員を含めた取締役、監査役及び経営役員らによる監督・助言を受けております。
(c) リスク管理
日本国内における少子化、要求される人財の高度化や雇用の流動化の中で事業活動に必要かつ有用な人財の確保は困難の度を増しており、当社は、人財の育成は事業継続の根本的な課題の一つと認識しております。このような考え方のもと、当社は心身両面での人財の育成に取り組んでまいります。
<高いモチベーション維持と能力向上>
人財育成、評価、処遇の3要素を有機的に結びつけ、入社後継続して高いモチベーションを維持しながら能力向上を図れるよう、各種人事制度を関係づけて構築しております。
(d) 指標と目標
当社は、従業員一人ひとりの問題解決力の向上を重要なテーマと位置付けております。そのため、入社後3年と主任(係長級の役職)登用時にかけて段階的に実施するOff-JTの問題解決研修を、対象従業員全員に受講させることとしております。人財育成の主要な指標・目標として、本研修への参加率を掲げております。
④ DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)
当社は、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)を、企業の持続的成長に不可欠な取組みの一つと考えております。様々な背景や経験を持つ社員が力を発揮することが、事業の成長や新たな価値につながるとの認識のもと、人財戦略として「人と現場中心の経営」を掲げ、マテリアリティである「自己実現できる人づくり」及び「挑戦を楽しめる職場づくり」の実現に向けて取組みを進めております。
また、こうした取組みをグループ全体でより一体的に推進するため、従来のD&Iの考え方を発展させ、エクイティ(公平性)の観点も取り入れた「ジェイテクトグループDE&I方針」へと見直しを行いました(2025年度策定)。当社グループのMissionの実現に向けて、社員一人ひとりが力を発揮し、いきいきと働ける職場づくりを重視しております。
当社では、多様性とは性別や国籍といった属性だけでなく、価値観や経験、働き方の違いも含めたものと捉えております。一人ひとりが「Only One」の存在として尊重され、自分らしく働けることが組織の強みにつながると考えております。
(a) 戦略
当社では、DE&Iを人事施策にとどまらず、事業の競争力を高めるために重要な取組みと位置付けております。
また、必要な人財の多様性を確保しながら、一人ひとりに適した機会や環境を整備することで「全員参加」が進み、それぞれが力を発揮できる「全員活躍」につながると考えております。
さらに、当社が目指す「ソリューションプロバイダー」としての事業展開においては、多様化・高度化する顧客ニーズに応えることが重要であり、そのためには多様な視点や発想を取り入れることが不可欠であると考えております。こうした観点から、DE&Iの推進は、顧客に新たな価値を提供し続けるための基盤となるものと位置付けております。
また、現状、女性管理職比率等については引き続き改善の余地があると認識しており、より多様な視点を意思決定に取り入れていくことが課題の一つであります。このような状況を踏まえ、2025年度は多様性理解の促進と働きやすい環境づくりに向け、複数の取組みを体系的に推進しました。
まず、ジェンダーバイアスを含むアンコンシャス・バイアスに関する理解を深める活動を実施し、社員一人ひとりが無意識の偏見に気づき、行動を見直すきっかけづくりを行いました。加えて、月経等の女性特有の健康課題についての理解を促進するため、本社では生理痛疑似体験イベントを実施し、工場においても同様の体験を含む研修を展開しました。これにより、職場全体での相互理解の醸成を図っております。さらに、女性が大半を占める旧一般職社員に対しては、キャリア形成支援研修を実施しました。これは2024年度に総合職と一般職を統合したことを踏まえ、今後のキャリア選択の幅を広げることを目的としたものであります。また、不妊治療と仕事の両立を支援するため、新たに休暇休職制度を設ける等、制度面の整備にも取り組みました。加えて、職場での対話を通じて心理的安全性の高い環境づくりを推進するため、管理職に対して心理的安全性に関する研修を継続的に実施しております。また、障がいのある方の採用及び定着支援の強化にも取り組み、多様な人財が安心して働き、それぞれの強みを発揮できる環境づくりを進めております。
ジェイテクトグループDE&I方針
(b) ガバナンス
DE&Iに関する状況や課題については、「サステナビリティ委員会」にて報告し、その監督・助言を受けるとともに、取組み状況の進捗については関係本部の役員に適宜報告をしております。また、女性管理職比率、男性の育児休業取得率等の重要指標については適切に対外公表を行っております。
2025年度には、DE&Iの取組みをより着実に推進していくため、専門組織として「DE&I推進課」を設置しました。各部門とも連携しながら、取組みの定着と実効性の向上を図っていきます。
(c) リスク管理
多様な人財の視点が十分に活かされない場合、意思決定が偏ることにより、新たな事業機会を十分に捉えられない可能性があると考えております。また、環境変化や顧客ニーズの多様化に対する対応力の低下につながり、中長期的には競争力の低下を招くリスクがあると認識しております。加えて、人財確保の観点においても、多様な人財が活躍しにくい環境は、採用競争力の低下や人財の定着率の低下につながる可能性があります。また、差別やハラスメントの発生等により、事業活動に関わる人の尊厳や人格が損なわれることは、人権の観点から重要なリスクであると認識しております。
一方で、多様な人財がそれぞれの強みを発揮できる環境を整えることにより、顧客ニーズへの対応力の向上や、新たな発想による価値創出、現場における改善力の向上等につながると考えております。当社では、心理的安全性の確保やハラスメント防止の徹底に加え、DE&I方針に基づく取組みを通じて、多様な人財が活躍できる環境づくりを進めることで、これらのリスクの低減と機会の創出に取り組んでおります。
(d) 指標と目標
当社では、DE&Iの取組み状況を確認するため、以下を主要指標として設定しております。
女性管理職比率:2026年度 3%以上(当社単体)
男性の育児休業取得率:2026年度 65%以上(当社単体)
これらの指標を通じて、ジェンダーギャップの是正状況を継続的に確認するとともに、組織の状態を把握していきます。
⑤ ビジネスと人権
人権の尊重はサステナブル経営に不可欠であり、また従業員エンゲージメント等にも直結する重要な要素と考えております。そのため、「自己実現できる人づくり」「挑戦を楽しめる職場づくり」「持続可能なバリューチェーンの維持」といった当社マテリアリティの要として、ビジネスと人権の課題に取り組んでおります。
あわせて、当社グループが目指すソリューションプロバイダーとして、顧客や社会から信頼され続けるためにも、人権尊重の取組みは重要な基盤であると認識しております。
(a) 戦略
当社では、「ジェイテクトグループ人権方針」に基づき、人権教育や啓発活動、サプライヤーとの連携、人権デューデリジェンス体制の構築を進めております。
同方針の策定にあたっては、人権インパクト・アセスメントを実施し、「強制労働・奴隷的拘束」「児童労働」「差別」「ハラスメント」の4つを当社グループにとって優先的に対応すべき人権リスクとして特定し、重点取組み課題としております。
具体的な取組みとして、社内、連結子会社のほか、国内の主要仕入先に対して人権リスク調査を実施し、その結果のフィードバックを行う等、サプライチェーンを含めた人権リスクの把握に努めております。
また、2024年度からは国内の全従業員を対象に「おたがいを尊重しよう月間」と題した取組みを実施し、全ての職場においてアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)について対話する研修を行っております。こうした取組みを通じて、「差別」や「ハラスメント」といった人権リスクを未然に防ぎ、日常業務の中で人権に配慮した判断や行動ができる職場風土の醸成を図っております。
(b) ガバナンス
当社の人権尊重に関する取組みについては、「サステナビリティ委員会」にて報告・審議を行っており、取組み状況の進捗については関係本部の役員に適宜報告しております。
引き続き、関係部門が連携しながら取組みの実効性向上に努めております。
(c) リスク管理
あらゆる人権リスクにおいて対応が不十分な場合には、レピュテーションの低下や調達取引への影響、各国における法令対応リスクに加え、人財の確保や定着への影響等が生じる可能性があると認識しております。また、グローバルに事業を展開する当社においては、地域や事業特性に応じた様々な人権リスクが存在することも把握しております。
こうしたリスクが顕在化した場合には、事業活動や企業価値に影響を及ぼす可能性もあると認識しております。
そのため、人権方針に基づき人権デューデリジェンスを適切に実施し、人権リスクの把握、予防、是正に継続的に取り組んでおります。
人権取組みの全体図

(d) 指標と目標
当社は、人権デューデリジェンス等により人権侵害の発見と予防に取り組んでおり、当社事業活動に関連する重大な人権侵害の発生を指標として、これを発生させないことを目標としております。
(4) ガバナンス
当社は、ジェイテクトのMVVを実現し、非財務資本の適切な増進とステークホルダーの抱える社会課題の解決に貢献するサステナブル経営にあたって経営戦略に基づく事業プロセスが正常に機能し、不正を起こさないことが前提と考えて「ステークホルダーに誠実な企業文化」をマテリアリティとしております。この観点から、経営基盤としてリスク管理とコンプライアンス(法令及び社内規程等の事業活動に関わるルールの遵守)を重視しております。
また、複雑化する社会において適切に自社の状況を把握し、効率的に経営にフィードバックするとともに業務の改善につなげるためには事業のデジタル化が不可欠と考えております。特に昨今の発展が目覚ましいAIについては、業務効率向上に寄与する一方、サイバー攻撃等の高度化にも影響する可能性があります。このような外部環境のもとデジタル化に伴い今後更にリスクとして注視が必要になる情報セキュリティについても重視しており、「デジタル化と情報セキュリティ」をマテリアリティに掲げております。
① コンプライアンス
当社は、コンプライアンスが企業価値を支える前提・基礎であり、「JTEKT Group 2030 Vision」を実現するために不可欠なものであるという前提のもと、「ステークホルダーに誠実な企業文化」というマテリアリティに基づく重要なテーマに位置付けております。
(a) 戦略
当社では、「JTEKTグローバル・コンダクト・ガイドライン」を役職員の行動指針として、継続的なコンプライアンス・プログラムを実施しております。このコンプライアンス・プログラムにおいては、毎年の実施計画に基づき、全ての役職員に対し、時々の事例をもとにしたコンプライアンス教育、啓発活動を行うとともに、各階層及び役割に応じた教育を実施しております。また、社内各部署及び国内外のグループ会社におけるコンプライアンスの体制整備、運用、各施策の実施等の状況を定期的にモニタリングしております。さらに、社内各部署の従業員に対し、継続的に品質不正やハラスメント等のコンプライアンス違反に関するアンケートを実施し、一つ一つの声に対し丁寧に対応することで、早期対策と未然防止に努めております。
当社は、これらの成果をもとに次年度の実施計画を立案するというプロセスを繰り返すことで、コンプライアンス違反のない事業活動を目指しております。
(b) リスク管理
当社の多岐にわたる事業活動においては各種法令による規制を受けるほか、社会の一員として要求される社会規範のレベルは高いものであり、これらに違反する事態の発生は大きなリスクであると理解しております。その中でも、主力製品の性質及び多くの国と地域に顧客をはじめとするステークホルダーを有することに鑑み、公正な取引慣行の遵守が強く求められているとの考えから、当社は、カルテル行為と腐敗行為(贈収賄や横領等)の防止及び取引適正化に特に重点を置いております。取引適正化については、当社のシステム設定の不備により、取引先様に支払うべき代金から銀行振込手数料の定額を差し引いていたことが下請代金の減額に当たると認定され、2025年に公正取引委員会より勧告を受けました。当社は、対象となる取引先様に対して認定相当額及び法定の遅延損害金を支払い、さらに振込手数料を当社負担とする運用に変更することで、損害の補填と再発防止に努めております。
当社は、これらリスクの顕在化を未然に防止し、早期に発見するため、前述のコンプライアンス・プログラムの実施に加え、当社グループの誰もが利用できるグローバル内部通報制度を整えるとともに、社外ステークホルダーからの苦情等を受け付ける各種窓口を設置することで、日々リスク管理に努めております。
(c) ガバナンス
以上のコンプライアンスに関する取組みの状況及び課題については、内部監査部門及び監査役による監査を受けるとともに、取締役会及び取締役をはじめとする経営層が出席する経営会議において報告され、確認を受けております。
(d) 指標と目標
当社は、継続的な施策の実施によって違反行為の発生リスクを低減し、独自に設定する重要法令違反(カルテル行為、腐敗行為等を含む当社が独自に設定する事項)を発生させないことを目標としております。
② 情報セキュリティ
当社は、会社情報、お客様情報の取扱いに対し、様々な情報技術ネットワークやシステムを利用しております。また、グループ製品には、モビリティの運転支援機能や各種サービスに貢献する様々な情報技術システムが利用されております。今後、当社の長期的な成長には経営と事業のデジタル化が不可欠であるとの認識のもと、その裏返しともいえる、これらの情報技術ネットワークやシステムに対するサイバー攻撃に対処し、当社やお客様、バリューチェーンの安全と事業継続を確保するため、情報セキュリティを重視しております。
(a) 戦略
当社は、情報セキュリティの継続的な対策強化に取り組むとともに、安心安全なITデジタル基盤の醸成を目指し、「ジェイテクトグループ 情報セキュリティに関する方針(ポリシー)」を策定しております。当該方針に基づき、グループを含めたセキュリティガバナンスの強化、グローバル標準への対応、セキュリティ人財育成により、情報セキュリティ体制の維持・構築とセキュリティレベルの向上を推進しております。
(b) ガバナンス
当社は、CISO(最高情報セキュリティ責任者)を任命し、ITデジタル本部内に情報セキュリティ推進部を設置しております。このCISOと情報セキュリティ推進部が中心となり、経営管理本部や各事業本部、生産技術本部等の社内機能と連携して様々な情報技術システムの利用や、製品に搭載される情報技術システムに対する安全性確認、及びその脅威に対する情報収集・展開をグループ全体で実施し、早期検知及び対応できる体制の構築に努めております。
(c) リスク管理
企業に対するサイバー攻撃による情報リスクへの脅威は増加しており、いくら安全対策が施されていても、情報システムの障害発生や機密情報が外部流出するリスクは排除できません。さらには、バリューチェーンを含めた事業活動が一時的に中断するリスクも存在いたします。このような事態となった場合には、グループの事業活動の停滞や社会的信用低下により、グループの財務状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、情報技術ネットワークやシステム利用においては、必要な防御策を施した上で、攻撃による侵入や不正通信を監視し、万が一の場合に対応できる体制を整備するとともに、最新の脅威に柔軟に対応するため、脅威インテリジェンスの導入や業界組織及び官民連携組織からの情報入手に努めております。また、当社製品の開発においてもサイバー攻撃等のリスクを考慮した設計、開発を行っており、脆弱性等のリスクが発見された場合に対応できる体制も整備しております。
なお、バリューチェーンも含めたリスクに対しては、2022年より仕入先との対話を通じた対策強化の取組みを継続して実施しております。
(d) 指標と目標
事業継続・生産計画への影響、損害額、社会に対するインパクト等を勘案した独自の基準に基づく「重要インシデント」を指標として設定し、これを発生させないことを目標としております。
(5) サステナビリティに関する指標と目標
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が中・長期的観点も含め連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、次のとおりであります。
なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、中期・長期計画の達成を妨げるリスクをグループ全体で統合的に管理することを目的に、リスク管理の最高責任者であるCRO(チーフリスクオフィサー)を議長とするリスク管理委員会を設置しております。具体的には、国内外のグループ会社までを対象とした「リスク管理規則」に基づき、事業軸・機能軸・地域軸の観点から、外部及び内部の環境変化を踏まえたリスクアセスメントを年1回以上実施しております。その中で、以下の5つのカテゴリーに関連するリスクを洗い出しております。
1.法規制・関連違反
2.信用・信頼棄損
3.オペレーション
4.戦略
5.ガバナンス
これらのリスクについては、リスク対策を講じていない場合の影響度に、これまでの対策によるリスクの抑制・軽減効果を加味した「重要度」と、リスクの「発生可能性」の2軸で評価を行い、総合的な優先度に基づいて、管理レベルを複数段階に分けて対応しております。評価結果はリスク管理委員会で審議され、特に対応が必要とされるリスクは以下の「(1)最重点リスク」として特定しております。特定した最重点リスクには、それぞれ統括責任者を任命し、組織横断的なリスク対応を推進するとともに、定期的に進捗状況を確認しております。また、最重点リスクの管理にあたっては、①リスク対応の目標・主要施策が明確に定められていること、②全社的にリスク対応方針決定・進捗確認を行う推進体制・会議体・組織が機能していること、の2点を充足基準として設定し、リスクの管理レベルの妥当性を継続的に検証しております。
加えて、「(1)最重点リスク」以外の事業上のリスクについても把握に努め、リスクの低減を図っております。これらのリスクのうち主要なものについては「(2)その他の主要なリスク」として後述しております。
なお、前述の「(1)最重点リスク」と「(2)その他の主要なリスク」に対して、以下に記載する種々の対策を講じておりますが、それらが有効に機能しない場合等には、リスクが解消できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
リスクヒートマップ

(1) 最重点リスク
(2) その他の主要なリスク
① 市場及び事業に関するリスク
(自動車業界及び自動車市場への依存)
当社グループは、ステアリングシステム、駆動部品、ベアリング及び工作機械等の製造販売を主な事業としております。
このうち、ステアリングシステム及び駆動部品は、ともに大半を自動車業界向けに製造販売しております。ベアリングは各産業において広く使用される部品でありますが、当社グループでは、その売上収益の過半が自動車業界向けであります。また、工作機械につきましても、その受注は自動車業界からのものが中心であります。なお、当社の筆頭株主であるトヨタ自動車株式会社との取引金額は、連結売上収益の21.2%を占めております。このような当社グループの事業構造から、当社の売上収益及び事業利益は自動車市場の需要動向によって影響を受ける関係にあります。
当社グループは、日本をはじめグローバルな自動車の需要見通し及び顧客より提示される自動車の販売見通し等を総合的に検討・判断した上で経営資源の効率的な投入を行っております。また、ベアリング及び工作機械における自動車業界以外の幅広い顧客層の維持に努めているほか、現代において解決が求められる社会課題に対し、当社グループがこれまで培ってきた技術の活用を提案するために、様々な新規事業を企画し、自動車以外の業界に対しても展開しております。しかし、これらの取組みが必ず功を奏する保証はなく、当社グループの売上収益減少や投下資本の回収の遅れにつながることがあります。
これらのことから自動車業界及び自動車市場の動向は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(価格競争)
当社グループ製品の市場における価格競争は大変厳しいものとなっております。特に中国自動車メーカーの車両の過剰生産や低価格攻勢は、世界市場における価格競争を一段と激化させております。
このような状況下でも、当社グループは、「JTEKT Group 2030 Vision」のもと、既存製品の高付加価値化や、新領域への挑戦を推進し、技術開発力とコスト競争力の両立に努めております。また、当社グループが大切にする価値観である「本気」と「対話」を通じて顧客の「潜在ニーズ」を発掘し、絶え間ない技術革新と製造原価低減を図っております。
また、自動車業界においては、電動車の普及速度やパワートレーン構成(BEV、HEV、PHEV、FCEV、内燃機関車等)が、各国の政策、環境規制、エネルギー価格、顧客ニーズ等により地域ごとに異なる様相を見せております。こうしたパワートレーン構成の変化は、当社グループの製品ごとの需要量、販売価格及び収益構成に影響を及ぼし、価格競争の激化又は採算性の低下につながる可能性があります。
加えて、自動車業界における車両の電動化の進展や環境規制の強化、関税政策の変動、新興メーカーの台頭等、外部環境の変化は当社グループの競争力に更なる影響を及ぼす可能性があり、当社グループが競争力を維持できない場合、市場シェアの喪失や収益性の低下に直結する可能性があります。
(新製品開発)
当社グループは、斬新で魅力ある新製品・新技術の開発に邁進し、顧客からの支持をいただいてまいりました。今後も製品開発力の強化はもちろんのこと、生産準備期間の短縮、コストの低減、品質の向上等、様々な面から施策を講じて顧客の要求を満たすために努力してまいります。
しかし、これら開発には多くの資金と資源を投入する必要がある一方で、顧客からの支持を得て売上につながる確実な保証はありません。また、顧客からは一層の技術の高度化、開発期間の短縮等を求められ、当社グループは同種製品を扱う競合先との激しい開発競争に晒されております。そのため、当社の施策が将来にわたって常に競合先を上回る競争力を保持し続けることができるという保証はありません。
当社グループが業界と市場の変化に対応しきれず、あるいは必要十分な資源を投入することができないことにより、競合先よりも魅力ある新製品を開発できない場合には、中長期的な市場シェアの縮減や製品の売上減少につながり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(原材料や部品の調達)
当社グループは、製品の製造に使用する原材料や部品その他の多くを外部の事業者からの供給に頼っております。なお、代替困難な重要仕入先の経営悪化・廃業に起因する供給途絶リスクについては、「(1) 最重点リスク ④重要仕入先の経営悪化による供給途絶」に記載のとおり別途管理しております。
ここでは、それ以外の広範な調達リスクとして、市況の変化等による価格の高騰や品不足、供給元の生産能力不足、工場火災のような事故や地震のような自然災害の発生等の様々な要因により、半導体その他の主要な原材料や部品の調達に支障をきたすことがあります。
このようなリスクを回避するため、当社グループでは、各種の原材料や部品等を複数の事業者から調達し、安定的な供給の維持を図っております。
しかし、供給元の選択肢は限定的である場合もあり、供給が不安定となるリスクを完全に払拭できるものではありません。このようなリスクが顕在化した場合、製品の生産不能による売上収益の減少や顧客に対する供給責任の履行困難、製造原価の上昇による収益性の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(品質問題)
当社グループは、「品質」を経営の最重要事項の一つとして掲げ、顧客から認められた世界水準を満足する品質管理基準に則って製品を製造しております。また、品質問題の発生に備え、製品保証引当金による会計上の手当、保険加入による製造物責任等のリスクヘッジも行っております。
しかしながら、製品の開発・製造等における品質上のリスクの全てを将来にわたって完全に排除することは困難であり、また、リスクヘッジのための諸施策をもってしても、大規模なリコール等への対応や製造物責任等に基づく高額の賠償請求に対して、その全てをカバーできないことも想定されます。さらには、製品の品質不良が原因となって災害や人身事故等が発生した場合には製品、ひいては当社グループ自体の社会的信頼の低下を招き、顧客との取引停止等につながることがあります。
これらに伴う支出及び品質問題に起因する社会的信頼の低下や顧客との取引停止等は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(知的財産権)
当社グループは、これまでの製品開発において蓄積してきた技術・ノウハウを当社の知的財産権として適切に保全、活用しております。しかしながら、これらの技術・ノウハウは、特定の国・地域においてはその法制度上の制限等により、知的財産権としての完全な保護を受けることが困難な場合があります。このような場合には、第三者が当社グループの知的財産権を使って類似した製品を製造する等の行為を十分に阻止できない可能性があります。
また、当社グループは第三者の知的財産権を尊重し、紛争等に巻き込まれることを防止するため、第三者知的財産権の事前調査等の対策を行っております。しかしながら、全世界の全ての権利を完璧に把握することは困難であり、将来的に当社グループの製品において第三者の知的財産権が発見され、製品の製造販売に支障をきたす可能性は排除できません。
これら知的財産権に内在する問題に起因する、製品販売の機会喪失や、第三者からの損害賠償請求等に基づく支出によって、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(戦略的提携及び企業買収)
当社グループは、事業拡大や競争力の強化等を目的として、M&Aや資本参加、資本提携等を行うことがあります。これらの企画においては事業戦略上の意義を確認し、リスクを踏まえた慎重な検討により最善と考える方法を選択し、また、実現した後は当初の目的を達成できるよう努めておりますが、その全てが計画通りに成功を収める保証はありません。
これら企画の目標達成が遅延、不可能となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 経済のリスク
(海外事業展開)
当社グループは、多様な顧客のニーズに対応し、また、事業活動上のリスクを分散するため、グローバルな事業展開を行っており、連結売上収益に占める海外売上収益の割合は60.5%を占めております。米州、欧州、アジア等多くの国・地域で製品の生産と販売活動を行っており、また、取引先も多岐の産業分野に属しているため、グローバルベースの経済状況変化は勿論のこと、当社グループが生産、販売を行っている特定の国・地域の経済状況の変動や、取引先の属する産業の景気変動が、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(為替レートの変動)
連結財務諸表作成にあたり、現地通貨で作成される海外関係会社の財務諸表を円換算しているため、現地通貨における価値が変わらなくとも、当社グループの連結財務諸表は為替レートの変動による影響を受けます。
また、当社グループが日本で生産し、輸出する事業においては、円高の進行により価格競争力の低下を招く可能性があります。一方、急激な円安進行は、原材料や物流、エネルギー等の調達コスト高騰を招く可能性があります。海外で使用する原材料等の現地調達比率の向上や為替予約等により当該リスクの軽減を図っておりますが、全てのリスクを排除することは困難であります。従いまして、当社グループの財政状態及び経営成績等は、為替レートの変動による影響を受ける可能性があります。
③ 政治・規制・法的手続・災害等に関するイベント性のリスク
(災害・地域紛争等)
当社グループは、東海・東南海・南海地震や暴風、豪雨等の大規模自然災害、世界規模の感染症拡大(パンデミック)の発生等の可能性に備え、これらの災害による被害を最小限に抑えるため、事業活動への影響を考慮し、異常事態への対応体制や緊急時の事業継続計画(BCP)策定・見直し、サプライチェーンの強化、ITインフラの強化等の施策を継続的に講じております。
しかしながら、これら施策によっても災害発生によるリスクを完全に排除することは困難であります。また、顧客又は供給元の罹災等、当社グループによる施策のみでは回避しきれない事象も存在します。
これら災害が当社グループに与える影響は多岐にわたり、顧客の生産停止等による需要の停滞、労働力及び原材料等の不足による供給停止又は世界景気の後退等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、近年は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の不安定化、台湾海峡を巡る緊張の高まり、米中間の対立及び各国の保護主義的政策の強化等、国際的な政治・経済情勢の不確実性が高まっております。これらの事象が拡大又は長期化した場合には、原油・天然ガスをはじめとするエネルギー価格や原材料価格の高騰、国際物流の停滞、輸出入規制・経済制裁の強化、為替・金利・金融市場の変動、又はサプライチェーンの寸断等を通じて、当社グループの生産・販売・調達活動に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、各地域における政治・経済情勢、自然災害、感染症、物流及び調達環境等に関する情報の把握に努めるとともに、必要に応じて調達先の複数化、代替輸送手段の検討、在庫水準の見直し、BCPの実効性向上等の施策を講じております。しかしながら、これらのリスクが顕在化した場合には、自動車業界をはじめとする産業全体の需要停滞、部品・原材料等の調達遅延、製品供給の停止又はコスト上昇等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、これらのリスクによる具体的な影響額の算定は、現時点では困難であります。
(環境規制)
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、廃棄物処理、有害物質の排除、土壌・地下水汚染等に関する日本及び諸外国の環境に関する規制を受けており、それらを遵守するために必要な経営資源を投入しております。また気候変動をはじめとした地球環境問題は、その課題の解決に貢献できれば好影響を及ぼす可能性がある一方、対応を誤れば将来にわたり当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性もあります。
当社グループは、製品の生産工程において、温室効果ガス、産業廃棄物、環境負荷物質等の発生を極力抑えるよう設計・製造の各段階で対策を講じておりますが、これらの対策により、現在及び過去の生産活動に関わる環境への影響を完全に排除することは困難であり、規制や市場の要求が厳格化した場合や、当社グループの活動に起因して環境への悪影響が発生したと判明した場合には、必要な対策を講じるために費用負担が増加することが見込まれます。
特にカーボンニュートラルへの対応が不十分と評価された場合には取引の継続にも関わる可能性があり、これらの事態が、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(法的手続・訴訟紛争)
当社グループは、事業運営に関連して各国の法令の適用を受けており、これらを遵守しつつ企業価値の向上に努めることを責務と考えております。また、事業遂行の過程で関わる顧客をはじめとする第三者との間では、公正で相互利益を基礎とした関係の構築を重視しております。当社グループでは、このような企業としてのあり方の実践のため、法令違反を未然に防止するための仕組みづくり、定期的な社内点検や役職員に対する教育等を継続して実施しております。
しかしながら、これらの取組みをもってしても、当社グループの事業活動に伴い、各国各種の法令等への違反や利害の対立に起因する訴訟紛争が発生する可能性を、完全に排除することはできません。
既存又は将来の法令違反に対する処分及び訴訟紛争により、制裁金等又は損害賠償責任等を負担するに至った場合の支出、さらには法令等に違反したことによる社会的信用の低下に起因する様々な結果は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(安全保障・貿易管理)
当社グループの工作機械をはじめとする製品は、多くの国と地域での輸出関連法規により規制される貨物に該当しており、これらの法規制への適切な対応が不可欠となっております。近年、米中対立の激化や経済安全保障政策の強化、半導体・先端技術の輸出管理強化等に加え、米国を含む各国において、関税措置、輸出入規制、経済制裁等の通商政策が見直される動きが強まっております。これらの政策変更により、自動車・自動車部品、鉄・アルミ等の原材料及びその派生品、工作機械その他の当社グループ製品又は部品に対する追加関税、輸出入規制、取引制限等が導入又は強化された場合、当社グループの調達コスト、販売価格、取引条件、サプライチェーン及び顧客需要に影響を及ぼす可能性があります。加えて、レアアース等の重要鉱物資源は特定国への供給依存度が高く、輸出規制の強化や供給制約が生じた場合には、当社グループの製品に使用されるモーター、センサー、電子部品等の調達にも支障をきたすおそれがあります。
当社グループは、法令遵守の徹底を最優先とし、社内外の専門リソースを活用して最新の規制動向及び通商政策の変更を継続的にモニタリングするとともに、グループ内での情報共有・教育、輸出管理体制の見直し、リスクアセスメントの実施、取引先への適切な指導・協力体制の構築、必要に応じた調達・生産・販売体制の見直し等に努めております。
しかしながら、国際情勢の急激な変化や、各国政府による予期し得ない規制強化・新規制の導入、関税措置の変更、又は特定国・地域への輸出入制限措置等が発生した場合、当社グループの事業活動やサプライチェーンに影響が及ぶ可能性があります。これにより一部製品の輸出停止や納期遅延、受注減少、調達コスト又は販売価格の上昇等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(経営成績等の状況の概要)
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは「JTEKT Group 2030 Vision」の達成に向け、第二期中期経営計画(2024〜2026年度)に基づき、ソリューションプロバイダーへの変革を進めております。当連結会計年度は第二期中期経営計画の中間年度として、本計画に沿った戦略を具現化させてまいりました。
① ソリューション創出力の強化
(a) Mission、Vision、Valueを発表し、浸透活動に注力
2025年5月に、企業経営と事業運営の軸となる考え方として、ジェイテクトグループのMission、Vision、Value(以下「MVV」)を発表いたしました。社内においては、対外発表前からMVVの意義や考え方への理解を深める活動を行っておりましたが、発表後も職場での対話型の「MVV浸透月間」の実施や研修プログラムへの組み入れ等、定着に向けた取組みを強化してまいりました。社員一人ひとりがMVVを日々の業務に落とし込み、活用できるよう継続的に浸透活動に努めてまいります。
(b) イノベーション本部を設立
ソリューションプロバイダーへの変革を実現させるため、その基盤となる体制づくりを着実に進めてまいりました。2025年1月には、ソリューションビジネスの確立をリードする組織としてソリューション共創センターを立ち上げておりましたが、2025年7月に、これに研究開発機能を統合し、イノベーション本部を設立いたしました。イノベーション本部には幅広い技術や高度な専門知識を有する人財を集結させており、これらの人財が中心となって社内外の技術をつなぐことで、新たな価値創造を加速させてまいります。
② 競争力の強化
(a) Syncusteer™及びPairdriverⓇが量産車に初採用
当社が開発した、次世代のステアリングシステムであるリンクレスのステアバイワイヤシステムSyncusteer™が、トヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ自動車」)が発売したLEXUS初のBEV専用モデル「RZ」に搭載されました。操舵ユニットと転舵ユニットの機械的な接続構造がない同システムは、運転の快適性と車両設計の柔軟性に優れ、モビリティの可能性を向上させる製品であります。
また、自動運転システムと人の操舵を自然につなぐ協調操舵技術であるPairdriverⓇがトヨタ自動車の「新型RAV4」の操舵制御機能として初めて量産車に搭載されました。PairdriverⓇは、高精度な舵角制御により、目標軌道への高い追従性と滑らかな操舵介入を実現いたしました。今後PairdriverⓇは「人とシステムの直感的なコミュニケーション」による新しい運転支援体験を通じて、これまでにない安全・安心、快適な運転環境を提供してまいります。
今後も、ジェイテクトグループが持つコンピタンスを掛け合わせ、モビリティ社会の未来に貢献してまいります。
(b) 第5世代低トルク円すいころ軸受が2025年超モノづくり部品大賞「モビリティー関連部品賞」を受賞
第5世代低トルク円すいころ軸受「LFTⓇ-V」が、日刊工業新聞社主催2025年超モノづくり部品大賞において「モビリティー関連部品賞」を受賞いたしました。LFTⓇ-Vは、自動車のトランスミッションやデファレンシャル等に使用され、損失トルクを前世代製品比最大15%低減させた低トルク化と軽量化により、燃費向上とCO₂排出量削減に貢献いたします。大きな社会課題であるカーボンニュートラルの実現を支える製品としてお客様や外部機関から高く評価されております。
(c) ジェイテクトサーモシステム、先端半導体に貢献する熱処理装置を発売
グループ会社のジェイテクトサーモシステムが、先端半導体パッケージ用熱処理装置の新製品として「SO2-60-F」を発売いたしました。本製品は、今後ニーズが広がるAIや5G通信に用いられる大型基板向けの熱処理装置であります。今後もジェイテクトグループ各社が持つ豊富なコンピタンスを掛け合わせ、更なる成長が期待される半導体産業にグループ一体となって貢献してまいります。
(d) 市販ビジネス強化のためベトナムに新拠点を開設
近年、産機分野及びアフターマーケットにおけるベアリング需要が伸長しているベトナムでの販売網強化を目的に、ベトナムのハノイとホーチミンに市販ビジネスの新拠点を開設いたしました。アフターマーケット事業においては、迅速かつ的確な対応を可能とするため、販売ネットワークの拡大を進めるとともにベアリングに加え自動車部品等の市販品の拡大を進めております。新拠点を活用し、グローバル市場でのお客様のニーズに応えてまいります。
(e) 専門知識不要でAI活用機会を広げる「AIエージェント構想」を発表
誰もがAIを業務アシスタントとして当たり前に活用できる「AIエージェント構想」を発表し、デジタルを活用した業務効率向上や、新たな技術や製品の開発を推進しております。
「AIエージェント構想」は、第二期中期経営計画で掲げるデジタルモノづくりの取組みの一つであり、2つのフェーズで構成されております。第1フェーズの「AI活用プラットフォームの構築」では、ユーザーがノーコードで、画像認識や生成AI等を組み合わせて活用できる環境を整備いたします。第2フェーズでは、ユーザーの指示に応じてAIエージェントが必要なアプリケーションやデータを自律的に選定する「AIエージェントの実装」を目指し、2027年4月までに誰もが専門知識不要でAIを活用して業務効率を高め、画期的なソリューションを提供できる体制を構築してまいります。
③ グローバル体制の再構築
(a) 欧州構造改革を着実に実行
市場低迷が続き収益体質改善が急務である欧州地域では構造改革を推進しており、2025年度には、欧州ニードルローラーベアリング事業の譲渡手続きを完了させたほか、欧州顧客向け自動車事業の譲渡に関する基本合意を発表いたしました。これら欧州構造改革の効果により、将来的な欧州地域の収益体質は大きく改善が見込まれます。残りの構造改革も着実にやり切り、2027年度の黒字化を目指してまいります。
④ 人と現場中心の経営
(a)生産現場等でデジタル活用が活発化、生産性改善に貢献
社員のITリテラシーの向上と、デジタルによる業務効率化を目指し、「デジタル祭り」と銘打った全員参加のデジタル化促進活動を進めております。この活動は、製造現場でも活発に取り組まれており、デジタルに強みを持つ人財が現場をリードし、各工程にデジタルやAIを取り入れる動きが広がっております。デジタルの活用事例は社内の専用サイトや展示会イベントを通じて横断的に広がっており、現場発のデジタル改善が会社全体の生産性向上に寄与する好循環につながっております。
⑤ カーボンニュートラルの推進
(a) 花園工場にCNプラントを新設、水素の地産地消でカーボンニュートラル実現を加速
カーボンニュートラル実現に向け、花園工場に再生可能エネルギー由来の水素を生成・供給する「CNプラント」を新設いたしました。併せて、水素を燃料とする「水素バーナー式アルミ溶解保持炉」を設置し、2026年夏頃の運用開始に向けた準備を進めております。これにより「CNプラント」では太陽光発電を用いた水電解でグリーン水素を製造し、工場内に整備した専用配管設備を通じて供給された水素を製造工程で使用する水素の地産地消が実現いたします。今後は効果を検証し、他工場のアルミ鋳造工程等へ展開することで、Scope 1、2におけるCO₂排出削減を更に加速させてまいります。
(b) タイ現地法人がタイ王国エネルギー省から表彰
タイの現地法人であるJTEKT (THAILAND) CO., LTD.(以下「JTC」)は、再生可能エネルギー導入の取組みが評価され、タイ王国エネルギー省より再生可能エネルギー分野において表彰を受けました。JTCでは、2017年から太陽光発電設備を導入し、同拠点内で使用する電力の約15%を賄うことで、CO₂排出量削減に貢献しております。グループ一丸となって、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの課題に取り組み、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
当連結会計年度の連結業績につきましては、次のとおりであります。
円安効果や日本・北米で販売が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ、売上収益は405億53百万円(2.2%)増収の1兆9,249億50百万円となりました。事業利益は、円安や増収、原価改善の効果等により107億41百万円(16.5%)増益の756億79百万円となりましたが、中期経営計画に沿って推進した欧米の構造改革に係る費用の計上等により、営業利益は136億5百万円(35.4%)減益の248億47百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は17億38百万円(12.7%)減益の119億74百万円となりました。
なお、事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出したものであります。また、売上収益事業利益率は3.9%と前連結会計年度より0.5ポイント上昇しております。
セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。
① 自動車
売上収益は、欧州・中国での販売減少があったものの、円安の効果に加え、日本や北米等で販売が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ338億54百万円(2.5%)増収の1兆3,670億5百万円となりました。事業利益は、米国での関税の影響はあるものの、販売増加に加え、円安や原価改善の効果等により、前連結会計年度に比べ83億73百万円(21.8%)増益の467億17百万円となりました。
② 産機・軸受
売上収益は、北米やアジア等で販売が増加したものの、欧州ニードルローラーベアリング事業の譲渡手続きが完了したこと等により、前連結会計年度に比べ52億円(1.5%)減収の3,470億67百万円となりました。事業利益は、米国での関税の影響はあるものの、円安や原価改善、構造改革の効果等により、前連結会計年度に比べ25億61百万円(29.6%)増益の112億10百万円となりました。
③ 工作機械
売上収益は、日本や北米を中心に販売が増加し、前連結会計年度に比べ118億99百万円(6.0%)増収の2,108億77百万円となりました。事業利益は、販売増加の効果はあるものの、費用の増加等により、前連結会計年度並みの174億40百万円となりました。
財政状態につきましては、次のとおりであります。
当連結会計年度末における資産は、その他の金融資産の減少等があったものの、有形固定資産や現金及び現金同等物の増加等により、1兆5,776億96百万円と前連結会計年度末に比べ123億4百万円の増加となりました。
負債につきましては、売却目的で保有する資産に直接関連する負債の増加等があったものの、営業債務及びその他の債務や社債及び借入金の減少等により、7,524億65百万円と前連結会計年度末に比べ354億56百万円の減少となりました。
また、資本につきましては、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上やその他の資本の構成要素の増加等により、8,252億30百万円と前連結会計年度末に比べ477億61百万円の増加となりました。
なお、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の2,340円55銭から2,482円33銭に増加いたしました。
また、社債及び借入金につきましては、2,171億22百万円と前連結会計年度末に比べて233億52百万円減少しました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(3) 長期的な会社の経営戦略」や「(5) 優先的に対処すべき課題」に記載しております様々な取組みにより、第二期中期経営計画の目標達成につなげてまいります。
(2) キャッシュ・フローの状況
連結キャッシュ・フローにつきましては、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の計上の他、棚卸資産や営業債権及びその他の債権の減少等により、当連結会計年度は1,084億95百万円の資金の増加となりました。(前連結会計年度は802億38百万円の資金の増加)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入等があったものの、有形固定資産の取得による支出等により、当連結会計年度は527億4百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は759億36百万円の資金の減少)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や配当金の支払等により、当連結会計年度は469億77百万円の資金の減少となりました。(前連結会計年度は520億76百万円の資金の減少)
これらに換算差額を加算した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,375億50百万円となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
(1) 生産実績
(注) 1 金額は平均販売価格によっております。
2 上記の金額には、外注加工費及び購入部品費が含まれております。
(2) 受注実績
当社グループの販売高の大部分を占める、自動車業界向け部品については、納入先から提示される生産計画を基に、当社グループの生産能力等を勘案して生産を行っております。
なお、工作機械の受注実績は以下のとおりであります。
(3) 販売実績
(注) 主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針及び、将来に関する仮定及び報告期間末における見積りの不確実性の要因となる事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「2.作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」及び「3.重要性がある会計方針」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 売上収益
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ405億53百万円(2.2%)増収の1兆9,249億50百万円となりました。
セグメント別に見ると次のとおりであります。
「自動車」は前連結会計年度に比べ338億54百万円(2.5%)増収の1兆3,670億5百万円となりました。地域別の主な内訳は、日本5,289億41百万円(168億7百万円、3.3%の増収)、北米3,230億88百万円(285億75百万円、9.7%の増収)、アジア・オセアニア3,211億31百万円(85億7百万円、2.6%の減収)であります。
「産機・軸受」は前連結会計年度に比べ52億円(1.5%)減収の3,470億67百万円となりました。地域別の主な内訳は、日本1,496億74百万円(95百万円、0.1%の増収)、北米935億66百万円(22億64百万円、2.5%の増収)、アジア・オセアニア594億45百万円(25億86百万円、4.5%の増収)、欧州323億56百万円(104億10百万円、24.3%の減収)であります。
「工作機械」は前連結会計年度に比べ118億99百万円(6.0%)増収の2,108億77百万円となりました。地域別の主な内訳は、北米1,087億62百万円(91億97百万円、9.2%の増収)、日本813億60百万円(40億20百万円、5.2%の増収)、アジア・オセアニア192億85百万円(13億94百万円、6.7%の減収)であります。
② 事業利益
当連結会計年度の事業利益は、前連結会計年度に比べ107億41百万円(16.5%)増益の756億79百万円となりました。
セグメント別に見ると次のとおりであります。
「自動車」は、米国での関税の影響はあるものの、販売増加に加え、円安や原価改善の効果等により、前連結会計年度に比べ83億73百万円(21.8%)増益の467億17百万円となりました。
「産機・軸受」は、米国での関税の影響はあるものの、円安や原価改善、構造改革の効果等により、前連結会計年度に比べ25億61百万円(29.6%)増益の112億10百万円となりました。
「工作機械」は、販売増加の効果はあるものの、費用の増加等により、前連結会計年度に比べ30百万円(0.2%)増益の174億40百万円となりました。
③ その他の収益・その他の費用
その他の収益は、固定資産売却益及び受取保険料の減少により、前連結会計年度に比べ20億47百万円(25.6%)減少の59億49百万円となりました。
その他の費用は、事業構造改善費用の増加等により、前連結会計年度に比べ222億99百万円(64.7%)増加の567億82百万円となりました。
④ 金融収益・金融費用
主に為替影響により、金融収益は、前連結会計年度に比べ80億16百万円(93.8%)増加の165億63百万円となり、金融費用は、前連結会計年度に比べ25億86百万円(15.1%)減少の145億53百万円となりました。
⑤ 親会社の所有者に帰属する当期利益
上記の要因等により、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ17億38百万円(12.7%)減益の119億74百万円となりました。
当社グループは、2030年の目指す姿を達成するための第二期中期経営計画期間の目標を以下のとおりとしております。
第二期中期経営計画(期間:2024~2026年度)の目標及び実績
なお、これらの目標につきましては、達成を保証するものではありません。
(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、投融資、研究開発費等の長期資金需要と、当社製品製造のための材料及び部品購入等の運転資金需要であります。
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持及び健全な財政状態の維持を財務方針としております。
現金及び現金同等物等の流動性資産に加え、営業活動によるキャッシュ・フロー、市場あるいは金融機関からの資金調達を通じ、現行事業の推進と事業拡大に必要となる資金を確保できる状況と考えております。
また、グループ各社に偏在する余剰資金の相互融通を図る等、資金効率の向上に努めております。
5 【重要な契約等】
当社は、第二期中期経営計画で掲げるグローバル体制再構築の一環として、主に欧州顧客向けに自動車部品の製造販売事業を行う連結子会社7社(以下「譲渡対象会社」)の譲渡(以下「本件譲渡」)に向け、ドイツのミュンヘンに本社を置く投資会社DUBAG Investment Advisory GmbHが独占的に運用助言を行うLEOIII.-VV25-A GmbHと基本合意(※1)をしております。
1.譲渡の理由
当社は、2024年度から2026年度の第二期中期経営計画において、グローバル体制の再構築による経営・事業体制の強化を進めております。欧州市場においては事業の整理・統合を進め、収益体質の改善により、黒字化を目指しております。
今後も当社は、各地域の市場環境に応じた最適な戦略と事業編成によって、体質改善を進めるとともにお客様のニーズに応えるソリューションを提案してまいります。
2.譲渡対象会社の概要
① JTEKT EUROPE S.A.S. (※2)
② JTEKT COLUMN SYSTEMS FRANCE S.A.S.
③ JTEKT CZECH REPUBLIC S.R.O. (※4)
④ JTEKT AUTOMOTIVE MOROCCO S.A.S.
⑤ JTEKT TORSEN HOLDINGS S.A.
⑥ JTEKT TORSEN EUROPE S.A.
⑦ JTEKT TORSEN NORTH AMERICA, INC.
※1 本基本合意は、プットオプション契約と呼ばれるもので、本プットオプション契約に基づき、LEO III.-VV25-A GmbHは、本譲渡について確約するものであります。なお、2026年5月26日(現地時間)付で、本基本合意の全ての権利義務について、LEO III.-VV25-A GmbHより譲渡を受けたLEO III.-VV25-B SASと譲渡契約を締結しております。
※2 JTEKT EUROPE S.A.S.は、本件譲渡に先立ち、本件譲渡の対象外となるテクニカルセンター機能の一部を、新規設立する当社の100%子会社へ譲渡する予定であります。なお、財務状況については、JTEKT EUROPE S.A.S.全体の数値を記載しております。
※3 JTEKT COLUMN SYSTEMS FRANCE S.A.S.の全株式は、現在当社の100%子会社(間接所有分を含む)であるフランスのJTEKT COLUMN SYSTEMS EUROPE S.A.S.が保有しておりますが、本件譲渡に先立ち、全株式が譲渡対象会社であるJTEKT EUROPE S.A.S.に譲渡される予定であります。
※4 JTEKT CZECH REPUBLIC S.R.O.は、本件譲渡に先立ち、本件譲渡の対象となる事業を分割し、譲渡対象会社であるJTEKT EUROPE S.A.S.の新設子会社へ事業譲渡する予定であります。その後、JTEKT EUROPE S.A.S.は、譲渡対象外となる事業を保有する分割後のJTEKT CZECH REPUBLIC S.R.O.の全持分を当社に譲渡する予定であります。なお、財務状況については、JTEKT CZECH REPUBLIC S.R.O.全体の数値を記載しております。
※5 有限会社であるため、1株当たり情報の記載を省略しております。
※6 JTEKT TORSEN NORTH AMERICA, INC.の全株式は、現在当社の100%子会社(間接所有分を含む)であるアメリカのJTEKT AUTOMOTIVE NORTH AMERICA, INC.が保有しておりますが、本件譲渡に先立ち、全株式が譲渡対象会社であるJTEKT TORSEN HOLDINGS S.A.に譲渡される予定であります。
6 【研究開発活動】
当社は、JTEKT Group 2030 Visionで掲げる「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」の実現に向け、研究開発活動を推進しております。
軸受及び工作機械を起点としたトライボロジー、材料、システム制御等の基盤技術を競争優位の源泉と捉え、AI等のデジタル技術との融合により、既存事業の競争力強化と成長領域に向けた新たな価値創出を図っております。
当連結会計年度においては、製品単体にとどまらず、システム・ソリューションとしての研究開発を進め、量産開始、車両採用等、社会実装の段階に到達した成果を創出しました。
また、カーボンニュートラルや安全・安心の実現といった社会課題への対応を重要なテーマと位置付け、事業成長につながる技術の開発に取り組んでおります。
あわせて、デジタル技術の活用による開発プロセスの高度化・効率化を進めるとともに、中長期的な成長を見据えた新規・先行領域への研究開発投資を継続しております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は56,471百万円であり、各セグメントにおける研究開発活動の状況は、次のとおりであります。
(1) 自動車
自動車事業では、電動化及び高度運転支援・自動運転の進展を背景に、ステアリング及び駆動関連技術の高度化と、ソフトウェアを起点とした機能価値の創出に取り組みました。これにより、安全性・快適性の向上に加え、次世代モビリティに求められる新たな価値提供の実現を推進しております。あわせて、カーボンニュートラルへの対応として、エネルギー効率の向上及び環境負荷低減に貢献する技術開発を進めました。
当連結会計年度の主な成果としては、以下のとおりです。
・リンクレスステアバイワイヤシステム「Syncusteer™」※1(量産開始)
高度運転支援・自動運転への対応として、操舵ユニットと転舵ユニットとの機械的接続を排除したシステムを開発し量産化を実現しました。
・自動操舵制御システム「Pairdriver®」(量産開始)
安全性とユーザビリティを両立するAD/ADAS機能を実現するため、低速から高速、自動車専用道路から市街地までの幅広い走行環境に対応可能な操舵制御技術を開発し量産化を実現しました。
・コラム同軸操舵アクチュエーター(人とくるまのテクノロジー展2025に出展)
ドライバーの負担軽減を目的に、商用車における運転支援及び自動運転機能への適用を想定したアクチュエーター技術の開発を推進しました。
・電動パワーステアリング(EPS)次世代仕様の開発
電動化に伴う車両重量の増加を抑制するため、小型で軽量かつグローバル生産が可能な次世代EPSの開発を推進しました。
・HUB-LFT®※2(量産開始)
低電費・カーボンニュートラルへの貢献及び低損失駆動技術の実用化に向け、更なる低トルク化製品を開発し量産化を実現しました。
・高圧水素減圧弁/リリーフ弁 ラインアップ拡充(人とくるまのテクノロジー展2025出展)
多様な使用条件への対応と水素利活用の拡大に向け、高圧水素関連機器の開発を推進しラインアップを拡充しました。
・CVJ※3の製品開発・シリーズ化
小型乗用車から大型商用車まで幅広い車両ニーズに対応するため、CVJのシリーズ化開発を推進しました。
※1:Syncusteer™(シンカステア):SYNC(シンクロ/同調・協調)とUS(お客様/ジェイテクト製の)、そして STEER(操舵) を組み合わせた造語で、ジェイテクトの商標として出願中
※2:LFT®:Low Friction Torqueの略で、ジェイテクトの登録商標
※3:CVJ:Constant Velocity Jointsの略で等速ジョイントの総称
(2) 産機・軸受
産機・軸受事業では、第二期中期経営計画の基本戦略に沿って、環境対応強化及びBEV・半導体等の成長領域を中心に、顧客の課題解決に資する研究開発を進めております。
当連結会計年度の主な成果としては、以下のとおりであります。
・第5世代 低トルク円すいころ軸受 LFT®-V(超モノづくり部品大賞 モビリティー関連部品賞受賞)
低損失化による燃費・電費性能向上に資する軸受技術確立のため、要素技術を高度化し、量産車両への適用を達成しました。
・超高速回転深溝ボールベアリング
モーターの小型化・軽量化に寄与する技術確立を目的として、トップクラスの超高速回転に対応した軸受を開発しました。
・軸受一体歯車 JIGB®※4の開発
機能統合による小型化・高信頼性を実現するため、ギヤに求められる靭性と軸受に求められる耐久性を両立する構造設計及び材料技術を確立しました。
・ONI BEARING®搭載 ボトムブラケット※5の開発
高効率回転と取り付け利便性向上の両立を目的として、軸受機構をユニット化した製品を開発、実用化しました。
・シール付アンギュラ玉軸受(人とくるまのテクノロジー展2025に出展)
次世代モビリティ(eVTOL等)向け軸受技術の確立を目的として、低トルク・低昇温・長寿命を実現した非接触シール構造の軸受を開発しました。
・半導体製造装置向け軸受製品(展示会出展)
半導体製造工程の厳しい環境条件に対応する高機能軸受技術群の拡充を目的として、高温・真空環境に対応するセラミック軸受、薄肉軸受、搬送ロボット用軸受ユニットを開発しました。
※4:JIGB®:JTEKT Integrated Gear Bearing®の略
※5:ボトムブラケット:ロードバイクのペダルのクランク軸を支え、スムーズに回転させるユニット部品
(3) 工作機械
工作機械事業では、市場環境の変化に対応し、販売機会の創出と製品の付加価値向上を目的として、製品ラインアップの高度化及びデジタルサービスの拡充を通じ、ターンキーソリューションの提供に向けた研究開発を推進しております。
当連結会計年度の主な成果としては、以下のとおりであります。
・統合設計ツール「TOYOPUC-Manager」(株式会社ジェイテクトエレクトロニクス)の開発
設計効率向上と開発リードタイム短縮を目的として、設計・保守のシームレス化を実現するツールを開発しました。
・半導体向け装置・ソリューション展開(SEMICON Japan 2025出展)
AI・5G普及に伴う半導体需要拡大への対応力強化のため、熱処理装置「SO2-60-F」(株式会社ジェイテクトサーモシステム)、研削盤「DDT832」「DXSG320」「R631DF」(株式会社ジェイテクトマシンシステム)及び、ビトリファイド結合ダイヤモンド砥石「nanoVi」(株式会社ジェイテクトグラインディングツール)を開発しました。
・技能伝承のデジタル化技術確立 (2025年度(第21回)精密工学会技術奨励賞受賞)
技能伝承の効率化に資する技術の確立を目的として、熟練技能者の知見とその思考過程を形式知化する加工ノウハウモデリング技術を開発しました。
・研削加工の自動化・高精度化 (メカトロテックジャパン2025出展)
労働力不足や技能継承課題への対応と微細・高精度加工ニーズへの対応のため、CNC円筒研削盤「G1P25G」(株式会社ジェイテクト)及び「KCL50」(株式会社ジェイテクトマシンシステム)を開発しました。
・電池製造分野への展開
コスト・リードタイム制約への対応と高品質生産の両立に向けた基盤構築のため、「Swiftfab Energy Systems株式会社」の設立に合意し、電池製造におけるターンキーソリューションの提供を志向しました。
(4) その他新領域
当社は、社会及び事業環境の変化を踏まえ、持続的な社会価値の創出と事業成長の実現を目的として、これまでに培ってきた多様なコンピタンスを社会課題と結び付け、新たな価値の創出に取り組んでおります。
これらの活動を推進するため、既存事業に関連する基盤研究及び将来課題に対応する研究開発センターと、社会課題の解決に向けたソリューション共創センターを統合し、新たにイノベーション本部を設立しました。
また同本部では、課題設定から開発着手、社会実装に至る各段階において、提供価値、市場性及び事業性等を多面的に評価する仕組みを整備し、開発テーマの創出の高度化及び先行投資判断の適正化に取り組みました。
当連結会計年度における主な成果は、以下のとおりであります。
◆蓄電デバイス(Libuddy®)
・リンクレスステアバイワイヤシステムのバックアップ電源の用途として、車載向けの高信頼性と安定した電力供給の両立に向けて研究開発を行い、当該用途において高信頼蓄電技術の実用化に至りました。
・さらに、性能向上に向けた研究開発を進めるとともに、再生可能エネルギーの活用や、自動車以外のモビリティ分野を含む様々な用途において、適用可能性の実証及び検証を進めております。
◆水素・環境関連技術
・花園工場にCNプラントを新設
電力のピークカット及びエネルギー最適利用を可能とする統合エネルギー技術の確立を目的として、蓄電及び水素を組み合わせたエネルギーマネジメント技術の研究開発を推進し、工場規模でのグリーンエネルギー地産地消の実証を実施しました。
製造された水素は工場に設置された水素バーナー式アルミ溶解保持炉で利用され、これらの取組みは中部圏低炭素水素認証制度に基づき認定を受けました。
なお、本成果は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業において得られたものであります。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資につきましては、財務体質の改善・既存領域の競争力強化に向け、投資案件の精査や投資原単位の見直し等を継続するとともに、新規領域やカーボンニュートラル・DX等の戦略投資を行ってまいりました。
その結果、当連結会計年度の設備投資の総額は82,294百万円となりました。
セグメントごとの設備投資につきましては、次のとおりであります。
自動車におきましては、生産能力・技術開発力の増強等により52,376百万円となりました。
産機・軸受におきましては、生産能力・技術開発力の増強等により14,804百万円となりました。
工作機械におきましては、製造設備の更新等により15,113百万円となりました。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
2026年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
2 *:一部の土地について賃借しており、面積については[ ]で外書きしております。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
(2) 国内子会社
2026年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
2 *:一部の土地について賃借しており、面積については[ ]で外書きしております。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
(3) 在外子会社
2026年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
2 現在休止中の主要な設備はありません。
3 【設備の新設、除却等の計画】
重要な設備の新設等
当社グループの設備投資については、今後の生産計画、需要予測、利益に対する投資割合等を総合的に勘案して計画しております。
当連結会計年度末現在における重要な設備の新設等に係る投資予定金額は730億円であり、その所要資金については、主に自己資金を充当する予定であります。
2026年3月31日現在
(注) 1 *:計画完成後の生産能力は、当連結会計年度末と、ほぼ同程度の見込みであります。
2 経常的な設備の更新のための除・売却を除き、重要な設備の除・売却の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 自己株式の消却による減少であります。
(5) 【所有者別状況】
2026年3月31日現在
(注) 1 自己株式は237,613株であり、「個人その他」に2,376単元及び「単元未満株式の状況」に13株含まれております。なお、2026年3月31日現在の実質的な所有株式数は237,613株であります。
2 「その他の法人」の中には、証券保管振替機構名義の株式が16単元含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注) 1 2026年6月4日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、三井住友信託銀行株式会社及びその共同保有者である三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びアモーヴァ・アセットマネジメント株式会社が2026年5月29日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日時点における共同保有者の実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、当該報告書の内容は以下のとおりであります。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2026年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式が1,600株(議決権16個)含まれております。
2 「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式13株が含まれております。
② 【自己株式等】
2026年3月31日現在
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当期間における保有自己株式数には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り及び買増しによる株式数は含めておりません。
3 【配当政策】
当社は、安定的な配当の継続を基本に、業績及び配当性向等を総合的に勘案の上、配当を実施してまいりましたが、前事業年度に発表した第二期中期経営計画期間(2024~2026年度)において、長期安定的な株主還元を目指して、DOE(親会社所有者帰属持分配当率)2~3%を目安とすることを決定いたしました。これは、市場環境の変化による短期での利益変動に左右されず、継続的に還元を実施するという当社の意思表明であります。
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。また、このほかに基準日を定めて剰余金の配当をすることができる旨、及び会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定めることができる旨定款に定めております。
当事業年度の配当金につきましては、期末配当金は1株につき普通配当30.00円(中間配当金(1株につき30.00円)を含めた年間配当金は1株につき60.00円、DOEは2.5%)といたしました。
また、自己株式取得に関しても、第二期中期経営計画期間において、目指すべき資本構成とのバランスを考慮しながら取得規模を検討し、機動的な取得を実行する方針であります。
内部留保資金につきましては、将来の成長に向けた投資等、今後の事業展開に充当することにより、株主のみなさまのご期待にお応えしてまいりたいと考えております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
(参考)DOE・1株当たり配当金の推移

4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
記載内容については、別段の記載がない場合は有価証券報告書提出日現在における状況であります。
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、変化の目まぐるしい経営環境のなかでも事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し、社会とともに持続的に成長していくことで長期的な企業価値の向上を実現に取り組んでおります。そのためには株主やお客様をはじめ、仕入先様、地域社会、従業員といったステークホルダーとの対話を通して当社の目指す姿を明確にし、透明公正かつ迅速果断な意思決定を可能とすることが不可欠と考え、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでおります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は取締役会を毎月開催し、法令で定められた事項のほか、会社方針、事業計画等、経営の重要事項を決議するとともに、取締役の職務執行を監督しております。なお、当社取締役会議長は、取締役会長である旨を定めておりますが、現在は取締役会長が不存在のため取締役社長 近藤禎人が務めております。さらに、取締役会の監督機能を強化するために、独立性を有する社外取締役2名を選任しております。取締役会の前には社外取締役及び社外監査役が一堂に会する「社外役員連絡会」を開催し、取締役会議案について説明し、他の重要な経営課題と併せて共有することで、議案への理解を深めるとともに、取締役会に先立つ議論の場としております。また、取締役会の下部機構として経営役員会、経営会議や全社登録会議を設け、個別事項の審議の充実を図るとともに、経営役員・幹部職の業務執行を監督しております。また、全社登録会議の一つである情報開示委員会においては、法令等で定める重要情報だけでなく、企業価値向上に資する情報の開示方針を定め、適切な情報開示を通じたステークホルダーとの対話につなげております。加えて、取締役社長及び独立社外取締役で構成する「役員報酬案策定会議」及び「役員人事案策定会議」を設置し、取締役の報酬及び取締役・監査役候補の指名並びに経営役員・幹部職の選任に関する検討の客観性を高めております。
当社は監査役会設置会社として、社外監査役2名(独立性を有する社外監査役1名)を含む4名体制で取締役の職務執行を監査しており、監査役室に専任スタッフを配置し、監査の実効性を確保しております。なお、監査役会の議長は、常勤監査役 佐野眞琴が務めております。内部監査については、社長直轄の監査部が各機能・事業部門の業務執行及び内部統制の有効性等を監査し、その結果を取締役会及び監査役会に報告することで、監査の独立性を確保しております。会計監査においては、監査役が会計監査人から報告及び説明を受け、監査の方法及び結果の相当性と会計監査人の独立性を確認しております。また、これらの監査の実効性を高めるよう、監査役、会計監査人、監査部は、定期的に協議の場を設けて情報交換を実施し、相互連携を行っております。

※取締役会及び監査役会の構成員については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の「(2) 役員の状況」及び「(3) 監査の状況」に記載のとおりであります。
(a) 取締役の定数及び選任の決議要件
当社は、取締役の定数については15名以内とする旨定款に定めております。
また、当社は取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
(b) 株主総会決議を取締役会で決議できるとした事項
当社は、株主への機動的な利益還元ができるよう、剰余金の配当等、会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定めることができる旨定款に定めております。
また、当社は取締役及び監査役が職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の同法第423条第1項の責任を、法令の限度において免除することができる旨定款に定めております。
(c) 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の特別決議事項の審議を円滑に行うことができるよう、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う旨定款に定めております。
③ 企業統治に関するその他の事項
当社が、業務の適正を確保するための体制として、取締役会において決議した「内部統制システムの整備に関する基本方針」及びその運用状況の概要は、以下のとおりであります。
(a) 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
1)役員倫理規則を、全ての役員等に周知し、法令・定款等に則って行動するよう徹底します。また、役員研修等の場において、役員に課せられた義務と責任や適用される法令・ルール等について教育します。従業員にはCSR(企業の社会的責任)の考え方、企業行動規準及びJTEKTグローバル・コンダクト・ガイドラインに基づき、定期的に法令遵守等に関する教育を実施します。
2)経営役員及び幹部職/基幹職(領域長以上)から任命されたリスクマネジメントオフィサーが責任者となり、部署長を通じて各機能・事業部門ごとにコンプライアンスを推進します。法務部は、コンプライアンス推進体制の整備、啓発活動や法律相談対応といった施策を通じて、リスクマネジメントオフィサーや各職場での活動をサポートします。また、これら施策の成果はリスクマネジメントオフィサーによって点検され、コンプライアンス違反の状況と改善について、経営会議で報告し、審議したうえで、反省点を次年度の計画に反映します。
3)内部監査については、社長直轄の監査部が各機能・事業部門の業務執行及び内部統制の有効性を監査し、その結果を取締役会及び監査役会に報告することで、監査の独立性を確保します。
4)企業倫理に係る内部通報は、社内外に設置する企業倫理相談窓口やハラスメント相談窓口等を通じて受け付け、通報者の利益を保護しつつ、未然防止と早期解決を図ります。また、本制度が機能していることを定期的に確認し、自浄作用が十分発揮され、風土として根付くように努めます。
5)自治体が定める暴力団排除条例を遵守し、社会の秩序や安全を脅かす反社会的勢力・団体に対して、会社組織として毅然とした態度で臨み、一切の関係を遮断します。総務機能は、警察や外部の専門機関、有識者と連携し、反社会的勢力に関する最新情報の一元管理、不当要求対応マニュアルの整備・推進を行います。これを受けて各事業場の不当要求防止責任者は、担当部署を通じて、リスク発生時の速やかな情報展開を図るとともに啓発活動を継続して展開し、被害の未然防止に努めます。
(b) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役の職務執行に係る情報は、その保存・管理に関する規程を制定し、当該規程に基づき、適切に保存・管理します。
(c) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
1)予算制度・稟議制度等により、組織横断的な牽制に基づいた業務の執行を行い、重要案件については、社内規程に基づいて、取締役会・経営役員会等の役員会及び全社登録会議へ適時適切に付議します。
2)会社方針に基づき、各担当部署がリスク管理を行い、内部監査部門・専門部署が監査活動を実施します。
(d) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
1)取締役の職務執行上の意思決定は、取締役会・経営役員会・経営会議で構成する役員会に加え、組織横断的な全社登録会議において、適切な相互牽制のもと総合的な検討を経て行います。
2)幹部職/基幹職(領域長以上)に業務執行権限を与えて機動的な意思決定を図る一方で、取締役及び経営役員は、各機能・事業本部の長として経営・執行の両面から幹部職/基幹職(領域長以上)の職務執行を指揮・監督します。
3)MVVの実現に向けて、長期の目標を定め、中期経営計画で具体的な戦略・道筋を明確にします。毎年、外部環境の変化を織り込み、進捗状況等を評価し、本部単位で策定する年度実施計画へ落とし込むことで着実に推進します。また、MVVを明示し、全従業員に周知することにより、グループの一体感の醸成を図っております。
(e) 当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
経営における理念の共有のために、CSR(企業の社会的責任)の考え方・企業行動規準を国内外の子会社へ周知します。また、子会社管理に係る関係部署の体制と役割を明確にし、事業軸及び機能軸の両面から子会社を指導・育成します。主要な子会社については、取締役会が、内部統制システム整備の基本方針を策定し、その運用状況を定期的に点検するよう、指導します。
1)子会社の取締役等及び使用人の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
重要事項についての事前協議・報告制度及び経営課題検討会・戦略会議等を通じて、子会社の経営・事業活動を適切に管理・監督します。また、主要な子会社については、子会社における意思決定プロセスが適正に機能していることを確認します。
2)子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
JTEKTグループ経営管理ガイドラインを国内外の子会社に展開し、内部統制システムの整備を求めます。また、安全、品質、環境、災害、財務等の重大なリスクについては、子会社から当社に速やかに報告することを求めるとともに、グループ経営上の重要事項は、当社の経営会議等で審議します。
3)子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
MVV、中期経営計画等を、国内外の当社子会社へ周知します。また、当社同様、中期経営計画等に基づき進捗状況を定期的に点検します。
4)子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
JTEKTグローバル・コンダクト・ガイドラインを当社グループ共通の行動規範として共有します。法務部等の専門部署は、国内外の子会社に対し、コンプライアンス体制の整備を求め、各社の実情に合わせた支援をします。また、当社が提示する点検表に基づき、定期的にコンプライアンス点検を実施し、法令遵守を徹底します。
(f) 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
監査役の職務を補助すべき組織として監査役室を設置し、専任の使用人を置きます。
(g) 前号の使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役室員の人事については、事前に常勤監査役の同意を得ます。
(h) 取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制、その他の監査役への報告に関する体制
1)取締役は、その担当に係る業務執行について、担当部署を通じて適時適切に監査役に報告するほか、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは直ちに監査役に報告します。
2)当社及び子会社の取締役及び使用人は、監査役の求めに応じ、定期・随時に、監査役に業務の報告をします。
3)内部通報制度を主管する法務部は、監査役との定期・随時の会合を通じて、通報内容を適時適切に監査役に報告します。
4)取締役会において、常勤監査役による監査役活動報告を聴取します。経営トップは、監査役が指摘する経営上の課題・リスクについて、対策必要な項目の責任役員を指名し、その執行状況をフォローします。
5)監査役へ報告した者が、当社又は子会社において不利な取扱いを受けないことを確保します。
6)監査役会又は常勤監査役からの求めに応じ、監査役の職務の執行に必要な予算を確保します。また、社内規程に基づき、予算外の案件を含め、費用の前払又は償還並びに債務の処理を行います。
(i) その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
1)取締役会・経営役員会等の主要な役員会及び業務会議には監査役の出席を得るとともに、監査役による重要書類の閲覧及び会計監査人との定期・随時の情報交換の機会を確保します。
2)経営トップとの定期・随時の懇談の機会を確保します。
④ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しております。当該保険契約では、被保険者が会社の役員等の地位に基づき行った行為(不作為を含みます。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や訴訟費用等が填補されます。ただし、贈収賄等の犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は填補対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じております。
当該役員等賠償責任保険契約の被保険者は当社及び当社子会社の役員(経営役員含む)であり、全ての被保険者について、その保険料を全額当社が負担しております。
⑤ 取締役会・指名委員会・報酬委員会等の活動状況
当社は、取締役会において経営に関する重要事項の決定及び各取締役、経営役員等の業務の執行を監督するとともに、任意の委員会として取締役社長及び独立社外取締役で構成する「役員報酬案策定会議」及び「役員人事案策定会議」を設置し、取締役の報酬及び取締役・監査役候補の指名並びに経営役員・幹部職の選解任に関する検討の客観性を高めております。当事業年度における活動状況については、以下のとおりであります。
(a) 取締役会の活動状況
(b) 主な任意に設置する委員会の活動状況
(c) 役員の出席状況
(注) 1 *1:2025年6月25日開催の定時株主総会で就任後の回数を記載しております。
2 *2:2025年6月25日開催の定時株主総会で退任するまでの回数を記載しております。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
2026年6月19日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりであります。
男性8名 女性2名 (役員のうち女性の比率20.0%)
(注) 1 取締役 池田育嗣及び取締役 櫻井由美子は社外取締役であります。
2 監査役 松井靖及び監査役 宮川明子は社外監査役であります。
3 取締役 池田育嗣、取締役 櫻井由美子及び監査役 宮川明子は、株式会社東京証券取引所等の定めに基づく独立役員であります。
4 任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までであります。
5 任期は、2022年3月期に係る定時株主総会終結の時から4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までであります。
6 任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までであります。
7 任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までであります。
8 当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、補欠監査役1名を選任しております。補欠の監査役の略歴は以下のとおりであります。
② 社外役員の状況
当社の社外取締役は2名、社外監査役は2名であります。
社外取締役 池田育嗣は、住友ゴム工業株式会社の特別顧問及びグローリー株式会社の社外取締役を兼務しておりますが、両社と当社との間には特別な関係はありません。また、当社株式を保有しておりますが、その他当社と本人との間に人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。同氏は当社に対し独立性を有しており、経営者として、モノづくりに携わってきた豊富な経験と高い見識を活かし、当社の持続的な企業価値向上に向けた経営の監督を行っていただくため、社外取締役に選任いたしました。
社外取締役 櫻井由美子は、監査法人伊東会計事務所において、1996年4月に公認会計士登録、1999年12月に退職した後は2000年1月より櫻井由美子公認会計士事務所代表を務めております。また、2019年6月より当社社外監査役でありました。当社株式を保有しておりますが、その他当社と本人との間に人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。また、ダイコク電機株式会社の社外取締役及びフタバ産業株式会社の社外監査役を兼務しておりますが、同社と当社との間には特別な関係はありません。同氏は当社に対し独立性を有しており、公認会計士として培われた財務及び会計に関する幅広い知見と社外役員としての会社経営に携わってきた豊富な経験と高い見識を活かし、当社の持続的な企業価値向上に向けた経営の監督を行っていただくため、社外取締役に選任いたしました。
社外監査役 松井靖は、株式会社デンソーの代表取締役副社長であります。同社は当社との間で製品の購入、販売の両面で取引を行っておりますが、それぞれ同社及び当社の連結売上収益等の1%未満であります。また同社と当社は、過去に相互に保有していた相手方の株式を全て売却し、いわゆる株式持ち合いの関係を解消しております。その他、当社と本人との間に人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はなく、同氏は当社の定める独立性の判断基準に照らして独立性を有しております。同氏の機能部門・事業部門での幅広い経験及び経営者としての豊富な経験と高い見識を当社の監査に反映していただくため、社外監査役に選任いたしました。
社外監査役 宮川明子は、丸の内会計事務所(現 有限責任監査法人トーマツ)に入社し、1998年5月に公認会計士登録、2018年5月に退職した後は2018年8月より宮川明子公認会計士事務所代表を務めております。当社株式を保有しておりますが、その他当社と本人との間に人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。また、野村不動産ホールディングス株式会社及びアサヒグループホールディングス株式会社の社外取締役を兼務しておりますが、両社と当社との間には特別な関係はありません。同氏は当社に対し独立性を有しており、公認会計士として培われた財務及び会計に関する幅広い知見を当社の監査に反映していただくため、社外監査役に選任いたしました。
池田育嗣、櫻井由美子及び宮川明子は、株式会社東京証券取引所等の定め及び当社独自の判断基準に基づき一般株主との利益相反が生じるおそれがないと判断し、当社の独立役員に指定しております。
なお、当社が社外取締役を含む非業務執行取締役及び社外監査役との間で締結した責任限定契約の概要は次のとおりであります。
社外取締役を含む非業務執行取締役及び社外監査役は、本契約締結後、会社法第423条第1項の責任について、その職務を行うにつき善意でありかつ重大な過失がなかったときは、会社法第425条第1項に定める額を限度として損害賠償責任を負担するものとする。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
財務報告に係る内部統制についての内部監査、監査役監査及び会計監査を効率的・効果的に行うため、監査役、会計監査人、監査部は、定期的に協議の場を設けて監査計画や監査実施状況等についてコミュニケーションを実施し、相互連携を図っております。またその内容は適宜、常勤監査役を通じ社外取締役に説明され、情報の共有と意見交換がなされております。これらに加え、社外監査役は監査計画、監査及びレビューの結果、金融商品取引法上の内部統制について会計監査人及び監査部から監査役会等において報告及び説明を受けるほか、監査法人の品質管理体制の監査、棚卸監査への立会等を行っております。さらに、会計監査人と経営管理・営業・事業本部の各担当役員等は、事業戦略及びリスク要因等についてのコミュニケーションを実施しており、その結果は監査役、監査部にも共有されております。
金融商品取引法上の内部統制については、経理部を始めとする内部統制部門が、自律的に整備・運用する体制をとっております。各内部統制部門が自己点検を実施し、それを踏まえて監査部が全社レベルでの内部統制の有効性について内部監査を行い、その結果を適宜、代表取締役及び監査役、会計監査人に報告するとともに、毎年5月の取締役会へ内部統制報告書の提出について付議しております。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
(a) 監査役監査の組織、人員及び手続
当社は、監査役制度を採用しており、2025年6月25日開催の第125回定時株主総会以降、監査役4名(社外監査役2名を含む)は、監査役会が定めた監査の方針及び監査実施計画等に従って監査活動を実施しております。監査役の補助として監査役室に専任のスタッフを設置し、監査の実効性を確保しております。
(b) 監査役及び監査役会の活動状況
当事業年度において監査役会を合計13回(原則として月1回)開催し、1回当たりの所要時間は約60分でした。個々の監査役の出席状況については以下のとおりであります。
(注) 公認会計士として財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
監査役会における具体的な検討内容は、監査の方針、監査実施計画、監査役会の実効性向上、内部統制システムの整備・運用状況、監査上の主要な検討事項(KAM)、会計監査人の監査の方法及び結果の相当性等であります。常勤監査役の主な活動として、取締役等との意思疎通、取締役会その他重要な会議への出席、重要な決裁書類等の閲覧、本社及び主要な事業所における業務及び財産状況の調査、子会社の取締役及び使用人並びに監査役等との意思疎通や子会社からの事業報告の確認、会計監査人及び内部監査部門からの監査の実施状況及び結果についての報告の確認を行っております。社外監査役は、重要な会議への出席の他、常勤監査役と十分に意思疎通を図り連携した上で、会計監査人及び内部監査部門からの監査の実施状況及び結果についての報告の確認を行っております。
② 内部監査の状況
当社における内部監査は、社長直轄の監査部が、各機能・事業部門の業務執行及び内部統制の有効性等を監査し、その結果を代表取締役及び取締役会並びに監査役及び監査役会に報告することで、監査の独立性を確保しております。同部門の人数は11名であります。
監査役、会計監査人、監査部は、定期的に協議の場を設けて情報交換を実施し、相互連携を行っております。具体的な内容は「(2) 役員の状況 ③社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係」に記載のとおりであります。
③ 会計監査の状況
(a) 監査法人の名称
PwC Japan有限責任監査法人
(b)継続監査期間
57年
(注)上記記載の期間は、調査が著しく困難であったため、PwC Japan有限責任監査法人の前身である監査法人中央会計事務所の設立以後の期間について調査した結果について記載したものであり、継続監査期間はこの期間を超える可能性があります。
(c) 業務を執行した公認会計士
公認会計士 齋藤勝彦、有岡照晃、川曲弘城
監査年数はそれぞれ2年、6年、2年であります。
(d) 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士8名、公認会計士試験論文式試験合格者3名、その他15名であります。
(e) 監査法人の選定方針と理由
監査役会は会計監査人の候補者から会計監査人を選定する際には、「会計監査人の評価・選定基準」で定める事項より選定しております。
監査役会は会計監査人を毎期「会計監査人の評価・選定基準」で定める事項により評価し、会計監査人の再任が不適当と判断した場合は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定いたします。
また、監査役会は会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると認められる場合は、監査役全員の同意に基づき会計監査人を解任いたします。
(f) 監査役及び監査役会による監査法人の評価
監査役及び監査役会は「会計監査人の評価・選定基準」に基づき、会計監査人による自己評価結果、経理部門及び内部監査部門による会計監査人の評価結果を聴取の上、会計監査人の評価を毎期行っております。今年度の評価の結果、再任が相当と判断しております。
④ 監査報酬の内容等
(a) 監査公認会計士等に対する報酬
当社及び連結子会社が監査公認会計士等に対して報酬を支払っている非監査業務の内容は、以下のとおりであります。
前連結会計年度
会計事項及び情報開示に関する助言・指導、コンフォートレター作成業務等
当連結会計年度
会計事項及び情報開示に関する助言・指導等
(b)監査公認会計士等と同一のネットワークに対する報酬((a)を除く)
当社及び連結子会社が監査公認会計士等と同一のネットワークに対して監査報酬を支払っている非監査業務の内容は、以下のとおりであります。
前連結会計年度
会計事項及び情報開示に関する助言・指導等
当連結会計年度
会計事項及び情報開示に関する助言・指導等
(c) その他重要な監査証明に基づく報酬の内容
前連結会計年度
該当事項はありません。
当連結会計年度
該当事項はありません。
(d) 監査報酬の決定方針
当社は、監査報酬の決定に際しては、監査公認会計士等より年間の監査計画の提示を受け、その監査内容、監査日数等について当社の規模・業務特性に照らして妥当性を検討し、監査公認会計士等と協議することとしております。また、その内容について監査役会の同意を得ております。
(e) 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の監査計画に「重点監査項目」、「会計監査人再任に際して通知した改善要望事項への対応」、「監査の効率化に向けた取組み」が盛り込まれていることより監査計画は妥当と判断し、報酬の前提となる見積りの算出根拠を精査し監査報酬額が相当であることを認め、会計監査人の報酬等のうち当社が支払うべき報酬等に関する同意をしております。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当社は取締役の個人別報酬等の内容に係る決定方針(以下、決定方針)を定めております。決定方針については以下「報酬決定方針及びプロセスについて」に記載のとおりであります。
当社の取締役報酬は固定報酬と業績連動報酬(金銭報酬)及び業績連動報酬(株式報酬)で構成されており、その割合は基準指標達成の場合で、70%:20%:10%程度となるよう設定しております。
当社は2023年9月29日開催の取締役会において、当該決定方針を決議しております。当該取締役会の決議に際しては、あらかじめ決議する内容について、取締役社長及び独立社外取締役で構成される役員報酬案策定会議へ諮問し、答申を受けております。
(報酬決定方針及びプロセスについて)
基本報酬となる固定報酬は、役職及び職責ごとに月額の基準額を設定しております。また、取締役の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることで持続的に企業価値向上を図るため、業績連動報酬を設定しております。業績連動報酬額算定の基礎としては、各期における事業利益並びに安全及び品質についてのKPI達成度を指標としております。当該指標を選定した理由としては、主として本業の経営状況を明確に示す指標であること並びに当社の重要方針である安全及び品質の状況をはかる指標として適当であると考えているためであります。なお、当事業年度の事業利益の実績は756億79百万円であります。さらに取締役に対しては、株主との一層の価値共有を進めることを目的に譲渡制限付株式報酬を導入しており、上記の事業利益に連動する報酬のうち、50%について中長期のインセンティブとして株式報酬を付与しております。なお、監査役には業績連動報酬の支給はありません。
取締役の報酬額については、2021年6月25日開催の第121回定時株主総会において、金銭報酬総額上限 [取締役 年額800百万円(うち社外取締役 年額100百万円)]を定めております(使用人兼務取締役の使用人分給与は含まない)。また、当該金銭報酬とは別に、株式報酬について2021年6月25日開催の第121回定時株主総会において年額100百万円以内、株式数の上限を年150千株以内と決議しております(社外取締役及び監査役は対象外)。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は9名(うち社外取締役は3名)であります。株式報酬の主な内容は以下のとおりであります。
監査役の報酬については、独立した立場で経営の監査を担うため、固定の月額報酬のみとしており、株主総会の決議によって定められた報酬の範囲内において、監査役の協議で決定しております。その報酬額については、2012年6月27日開催の第112回定時株主総会において金銭報酬総額上限 [月額20百万円(年額240百万円)] を定めております。当該定時株主総会終結時点の、監査役の員数は5名(うち社外監査役は3名)であります。
取締役の個人別の報酬額については、取締役会の委任決議に基づき取締役会議長である近藤禎人(取締役社長)が具体的な内容を決定しております。その権限の内容は、月額報酬と賞与(金銭報酬及び株式報酬)の決定となります。
これらの権限を委任した理由は、当社グループを取り巻く環境、経営状況等を熟知しており、総合的に取締役の報酬額を決定できると取締役会が判断したためであります。
当該権限が取締役会議長によって適切に行使されるよう、取締役社長及び独立社外取締役で構成される役員報酬案策定会議での審議・答申を経て取締役の個人別の報酬額を決定する等の措置を講じており、当該手続きを経て取締役の個人別の報酬額が決定されていることから、取締役会はその内容が決定方針に沿うものであると判断しております。
当事業年度(2026年3月期)における当社役員報酬等の額の決定過程については、下記内容にて役員報酬案策定会議で妥当性を確認した上で決定しております。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注) 1 役員ごとの報酬等の額につきましては、1億円以上を支給している役員がいないため、記載を省略しております。
2 上記の株式報酬の額は、事後交付型の株式報酬として付与する譲渡制限付株式に係る当事業年度中の費用計上額であります。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、以下のとおり定めております。
a.純投資目的である投資株式
有価証券の価値の変動又は配当により利益を受けることを目的とする投資株式
b.純投資目的以外の目的である投資株式
上記a以外の目的で保有する投資株式
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
(1) 保有方針
当社は、政策保有株式について、取引先との長期的・安定的な関係の維持・強化を目的に、中長期的な企業価値向上の観点から保有し、保有目的に沿わなくなった銘柄や、保有に伴う便益・リスクが資本コスト等に見合っていないと判断した銘柄については縮減を検討してまいりましたが、第二期中期経営計画期間(2024~2026年度)において、ソリューションプロバイダーへの変革を目指す中で推進していく「成長投資の必要資金を創出する」ことを目的として、政策保有株式(上場株式)の「保有ゼロ化」を方針として掲げております。また、非上場株式についても、事業の親和性を考慮しながら保有意義について改めて議論を進め、出資先企業と丁寧な対話を重ね、縮減を検討してまいります。
(2) 政策保有株式の縮減状況
当事業年度においては、出資先企業との対話を通じて十分な理解を得た上で、前事業年度末時点で保有していた政策保有株式(上場株式)10銘柄のうち、7銘柄の全株売却と1銘柄の一部売却を行いました。
■政策保有株式(上場株式)の銘柄数の推移

(3) 保有継続可否に関する取締役会等における検証内容等
政策保有株式毎に保有目的の適切性や経済合理性について毎年取締役会において検証しております。具体的には、当該株式の保有によって得られる便益や発行会社のROEが当社の資本コスト等に見合っているかを判定した上で、保有の適否を検証しております。
(4) 政策保有株式に係る議決権行使の基準
当社は、政策保有株式の議決権行使について、次のとおり定めており、この基準に則り適宜対応してまいります。
当社は、当該企業が反社会的行為を行っておらず、かつ株主還元が社会一般と比較して著しく不相当と認められる等、株式利益を軽視していない限り、基本的に企業経営者による経営判断を尊重する。企業又は企業経営者による不祥事及び反社会的行為が発生した場合には、コーポレート・ガバナンス上、重大な問題が発生しているとみなし、コーポレート・ガバナンスの改善に資する内容で議決権を行使する。
(5) 政策保有株主から自社株式の売却等の意向が示された場合の対応方針
当社は、当社の株式を政策保有株式として保有している会社(政策保有株主)からその株式の売却等の意向が示された場合には、当該意向を尊重いたします。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
該当事項はありません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性は、保有に伴う便益・リスクが資本コスト等に見合っているかの検討により検証しております。
2 「-」は当該銘柄を保有していないことを示しております。
3 特定投資株式は、いずれも貸借対照表計上額が資本金額の100分の1以下でありますが、当社が保有する特定投資株式の全ての銘柄について記載しております。
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの
該当事項はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループは「技術をつなぎ、地球と働くすべての人を笑顔にする」をMission(会社の存在理由、使命)として掲げ、その実現のために目指すべき姿を2030 Vision「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来をつくるソリューションプロバイダー」としております。このようなソリューションプロバイダーへの変革、ソリューション型ビジネスの実践により、顧客と社会の課題を解決することで社会と当社グループがともに持続的に成長することができる事業環境を整え、中長期的な企業価値の向上を目指しております。
経営戦略としてのソリューションプロバイダーへの変革を実現する原動力は人財であるという理解のもと、連動した人財戦略として「人と現場中心の経営」をテーマとしております。さらに2025年に見直しを行った「ジェイテクトのマテリアリティ」には「自己実現できる人づくり」と「挑戦を楽しめる職場づくり」を特定しており、これに「やりたいことができるしくみづくり」を加えて、人財戦略の柱としております。
具体的には、従業員一人ひとりの個性と強みを基礎としてWill(やりたいこと)を尊重しつつ経営戦略と整合するように、最適配置と能力向上に努めております。例えば、ソリューション型ビジネスの実践のため個々人に求められる能力として、顧客や社会の本質的な課題を見極める力(問題発見能力)を重視し、その向上のための社内研修やOJT(On the Job Training)を実施しております。また、自動車の電動化や自動化をはじめとするモビリティ社会の高度化、拡大に対応し、社会から求められるモノづくり企業であり続けるため、機械・電気・制御という現代の機械設計に不可欠のスキルをマルチに有する高度人財の育成と採用に取り組んでいるほか、昨今の発展が目覚ましいAIの活用も含めたデジタル人財への発展的成長を促すため「デジタル祭り」と称して全社的な取組みを推進し、とくに製造現場のデジタル化による品質確保、業務効率化を実現しております。
当社グループの従業員の給与・報酬の額や内容の決定に関する方針として、物価動向や経済情勢、労働市場において競合する他社の動向等、当社グループを取り巻く経営環境と業績を踏まえ、労使間の真摯な対話を経た上で、従業員とその家族が充分な生活を維持できる水準(生活賃金)を確保することを基本としております。個々人の評価については、経営戦略から落とし込まれた各職場の年間計画に基づいて本人とともに設定した目標の達成度により当年度の給与・報酬額を決定する業績貢献度評価と本人の業務に対する姿勢が経営戦略と合致しているかを評価して給与水準に関連する職能資格等のランク設定を行う行動評価の2つの評価を実施しております。また、高度な専門技術を有する人財の貢献に報いるため、基幹職(管理職)制度とは別に職務内容を明確に定義して高い目標と対価を設定するプロフェッショナル職制度を設ける等、従業員のモチベーション維持・向上につながる人事制度の構築に努めております。
また、従業員一人ひとりの活躍がチームとして、企業としての目的である経営戦略(Mission、Vision)の実現に貢献できるように、従業員の日々の心がけ(Value)として「Yes for All, by All!」を掲げるとともに、その考え方を全社で共有して企業文化として定着させる浸透ツール「ジェイテクトグループ行動規範」を2026年に策定いたしました。
2030 Visionでは、これらの取組みの成果を総合的に測るものとして従業員エンゲージメントを取り上げており、eNPSを指標(KGI)として野心的な目標を設定しております。
そのほか本項に取り上げたもの以外の人財戦略に関する取組み、指標と目標については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(2) 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であります。
2 従業員数欄の( )内は、臨時従業員の平均雇用人員で、外数を記載しております。
(2) 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であります。
2 従業員数欄の( )内は、臨時従業員の平均雇用人員で、外数を記載しております。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) *1:「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
*2:「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
*3:労働者の男女の賃金の差異の要因につきましては、次のとおりであります。
正規雇用労働者につきましては、賃金は性別に関係なく同一の基準を適用しており、同一職位では男女の賃金の差異はありませんが、相対的に上位の職位に男性が多いため、差異が生じております。
2024年度より人事制度を改定し、総合職(主に基幹的業務に従事)と一般職(主に定型的業務に従事)を統合した事技職に変更しております。改定前の一般職は女性が大半を占めておりましたが、改定後は職群の区別による業務範囲の限定が解消され、女性がこれまで以上に上位の職位に就きやすい制度になっております。これにより、これまで以上に本人の能力に見合った昇格・登用が可能になっております。今後も、社員一人ひとりの能力に応じた公正な評価・登用を推進し、ジェンダーギャップの解消に向けた取組みを継続してまいります。
② 連結子会社
(注) *:「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、PwC Japan有限責任監査法人により監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、会計基準等の内容を適切に把握し、また、会計基準等の変更等について的確に対応する体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構に加入し、同法人が主催するセミナーへ参加しております。
4 IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備
当社は、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに準拠したグループ会計方針を作成し、IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
②【連結損益計算書】
③【連結包括利益計算書】
④【連結持分変動計算書】
⑤【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社ジェイテクト(以下「当社」という。)は、日本に所在する株式会社であります。本連結財務諸表は、当社及び連結子会社並びに関連会社(以下「当社グループ」という。)に対する持分により構成されております。
当社グループは、自動車、産機・軸受及び工作機械の各事業に係る製品の製造販売を主に行っております。事業の詳細は、注記「5.事業セグメント」に記載しております。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、国際会計基準審議会により発行されたIFRSに準拠して作成しております。本連結財務諸表は、2026年6月18日に取締役社長 近藤禎人によって承認されております。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円(百万円単位、単位未満切り捨て)で表示しております。
(4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しております。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える主な判断及び見積りは以下のとおりであります。
・金融商品の公正価値(注記「3.重要性がある会計方針 (5)金融商品」及び「25. 金融商品」)
・棚卸資産の評価(注記「3.重要性がある会計方針 (6)棚卸資産」及び「9. 棚卸資産」)
・有形固定資産及び無形資産の耐用年数及び残存価額の見積り(注記「3.重要性がある会計方針 (7)有形固定資産及び (8)のれん及び無形資産」、「11. 有形固定資産」及び「12. のれん及び無形資産」)
・有形固定資産、のれん及び無形資産の減損(注記「3.重要性がある会計方針 (10)非金融資産の減損」、「11. 有形固定資産」及び「12. のれん及び無形資産」)
・確定給付制度債務の測定(注記「3.重要性がある会計方針 (12)従業員給付」及び「20. 従業員給付」)
・製品保証引当金(注記「3.重要性がある会計方針 (13)引当金」及び「21. 引当金」)
・リストラクチャリング引当金(注記「3.重要性がある会計方針 (13)引当金」及び「21. 引当金」)
・繰延税金資産の回収可能性(注記「3.重要性がある会計方針 (15)法人所得税」及び「19. 法人所得税」)
(5) 会計方針の変更
当社グループは、当連結会計年度より強制適用となった基準書及び解釈指針を適用しております。適用による当社グループへの重要な影響はありません。
(6) 表示方法の変更
連結キャッシュ・フロー計算書
前連結会計年度において独立掲記していた「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「無形資産の取得による支出」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において「投資活動によるキャッシュ・フロー」に表示していた「無形資産の取得による支出」△3,221百万円及び「その他」△549百万円は、「その他」△3,770百万円として組み替えております。
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループが支配する企業であります。
支配とは、企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、その企業に対するパワーを通じてそれらのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。子会社の会計方針は、当社グループが適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて変更しております。全ての子会社は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで連結の対象に含めております。連結財務諸表の作成にあたり、連結会社間の内部取引高、内部取引によって発生した未実現損益及び債権債務残高を相殺消去しております。支配を喪失しない子会社に対する当社グループの所有持分の変動は、資本取引として会計処理しております。当社グループの持分及び非支配持分の帳簿価額は、子会社に対する持分の変動を反映して調整されますが、非支配持分の調整額と受取対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本の部に直接認識しております。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益として認識しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが財務及び営業の方針に重要な影響力を有しているが支配はしていない企業であり、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から喪失する日まで、持分法により処理しております。関連会社の会計方針が、当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、当社グループが適用する会計方針と整合させるため、必要な修正をしております。持分法の下では、投資額は当初は原価で認識し、それ以後は、当社グループ持分取得後の関連会社の損益における当社グループ持分相当額を当社グループの純損益に計上しております。関連会社のその他の包括利益のうち当社グループの持分相当額は当社グループのその他の包括利益に計上しております。また関連会社からの受取配当金や債権は投資の簿価からの控除として認識しております。関連会社の損失に対する持分相当額が投資額を超過するまで当該持分相当額は純損益に計上し、更なる超過額は当社グループが損失を負担する法的又は推定的義務を負うあるいは企業が関連会社に代わって支払う範囲内で損失として計上しております。重要な内部取引に係る未実現損益は、関連会社に対する持分比率に応じて相殺消去しております。関連会社の、取得日に認識した資産、負債及び偶発負債の正味の公正価値に対する持分を取得対価が超える額はのれん相当額として投資の帳簿価額に含めており、償却はしておりません。
(2) 企業結合
企業結合は取得法によって会計処理しております。
取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社グループが発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定しております。企業結合に関連して発生する取引費用は、発生時に費用処理しております。企業結合において取得した識別可能な資産及び負債は、取得日の公正価値で測定しております。当社グループは非支配持分を、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例割合のいずれかで測定するかについて、個々の取引ごとに選択しております。
取得対価が、識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合、その超過額をのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに差額を連結損益計算書において利得として計上しております。なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しており、当該取引からのれんは認識しておりません。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レートを用いて当社グループの各機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しております。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に再換算しております。再換算及び決済により発生した換算差額は、その期間の純損益で認識しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債は、取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含め、期末日の為替レートで日本円に換算しております。在外営業活動体の収益及び費用は、平均為替レートで日本円に換算しております。換算差額が生じた場合、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体が処分され、支配が喪失された場合には、累積換算差額を処分した期に純損益に振り替えております。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資からなっております。
(5) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
当社グループは、金融資産をその性質・目的により、償却原価で測定する金融資産、FVTOCIの金融資産及びFVTPLの金融資産に分類しており、当初認識時において分類を決定しております。通常の方法による金融資産の売買は、取引日において認識又は認識の中止を行っております。
ⅰ) 認識及び測定
(償却原価で測定する金融資産)
当社グループは以下の条件がともに満たされる場合に償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている場合
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる場合
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時において、公正価値に対して、取得に直接起因する取引コストを加えた額で測定し、当初認識後は、実効金利法により償却原価で測定しております。
(FVTOCIの金融資産)
当社グループは当初認識時に、資本性金融商品への投資における公正価値の変動をその他の包括利益として認識することに指定し(取消不能)、当該指定を継続的に適用しております。FVTOCIの資本性金融商品は当初認識後に公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えており、事後的に純損益に振り替えることはありません。
(FVTPLの金融資産)
償却原価で測定する金融資産及びFVTOCIの金融資産を除く金融資産は、公正価値で測定し、その変動を純損益として認識しております。
ⅱ) 金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、又は、当該金融資産の所有に係るリスク及び便益を実質的に全て移転する取引において、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、当該金融資産の認識を中止しております。
ⅲ) 償却原価で測定する金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産について、毎期末日に予想信用損失に対する貸倒引当金を評価して認識しております。
期末日に、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識後に著しく増大している場合には、予測情報を含めた合理的で裏付け可能な情報を全て考慮して、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。そのような情報には、特に、以下の指標が組み込まれております。
・外部信用格付(入手可能な範囲)
・事業状況、財務状況又は経済状況の実際の又は予想される不利な変化のうち、借手が債務を履行する能力に著しい変化を生じさせると予想されるもの
・同一の借手の他の金融商品に係る信用リスクの著しい増大
一方、信用リスクが当初認識後に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
ただし、営業債権については、上記に関わらず常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
② 非デリバティブ金融負債
当社グループは、当初認識時に公正価値から取引費用を直接控除して認識し、当初認識後は、実効金利法により償却原価で測定しております。当社グループは、契約上の義務が免責、取消又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。
③ デリバティブ
当社グループは、為替及び金利の変動リスクをヘッジするために、先物為替予約、通貨スワップ、金利スワップをヘッジ手段として採用しております。また、バーチャル電力購入契約に基づき発電事業者との間で行うキャッシュ・フローの決済に関連してデリバティブを認識しております。これら全てのデリバティブについて、デリバティブ契約の当事者となった時点で資産又は負債として当初認識し、公正価値により測定しております。ヘッジ会計を適用する取引については、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係及び種々のヘッジ取引の実施に係るリスク管理目的や戦略について文書化を行っております。また、ヘッジ開始時及びヘッジ期間中に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するために非常に有効であるかどうかについても継続的に評価を行っております。当社グループは、ヘッジ会計を適用している重要な取引はありませんが、重要性のある外国為替及び金利リスクに対して、デリバティブを使用して経済的にヘッジしております。これらのリスクとデリバティブの詳細は、25.金融商品に記載しております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で評価しております。取得原価は、購入原価、加工費及び現在の場所及び状態に至るまでに要した全ての費用を含んでおります。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額であります。取得原価は、主として総平均法により、工作機械等の製品及び仕掛品については個別法により算定しております。
(7) 有形固定資産
有形固定資産は原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び土地の原状回復費用及び資産計上すべき借入費用が含まれております。これらの資産の減価償却は使用可能となった時点より開始され、以下の見積耐用年数にわたって定額法により行っております。
建物及び構築物 3年から50年
機械装置及び運搬具 3年から15年
その他 2年から20年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、毎期末に見直しております。有形固定資産は、処分時、又は継続的な使用もしくは処分から将来の経済的便益が期待されなくなった時に認識を中止しております。有形固定資産の認識の中止から生じる利得又は損失は、当該資産の認識の中止時に純損益に含めております。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは企業結合時に認識しております。
当初認識時におけるのれんの測定については、「(2)企業結合」に記載しております。
② 自己創設無形資産
開発活動で発生した費用は、以下の全ての条件を満たしたことを立証できる場合にのみ、資産計上しております。
・使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
・無形資産を完成させ、さらにそれらを使用又は売却するという企業の意図
・無形資産を使用又は売却できる能力
・無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
・無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
・開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力
開発資産の当初認識額は、上記の全ての条件を満たした日から開発完了までに発生した費用の合計であります。
上記の資産計上の条件を満たさない開発費用及び研究活動に関する支出は、発生時に費用処理しております。
これらの開発資産の償却は、当該プロジェクトが終了した時点より開始され、当該開発資産が正味のキャッシュ・インフローをもたらすと期待される期間にわたって定額法により行っております。なお、見積耐用年数及び償却方法は、毎期末に見直しております。
③ その他の無形資産
耐用年数を確定できる無形資産は、当該資産が使用可能になった日から見積耐用年数にわたり、定額法で償却し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示しております。
その他の無形資産は主に自社利用のソフトウエア及び顧客関連資産であり、見積耐用年数は5年としております。見積耐用年数及び償却方法は毎期末に見直しております。
耐用年数を確定できない無形資産は、償却を行わず減損テストの上、取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示しております。減損テストは、毎年又は減損の兆候が存在する場合はその都度、個別に又は各資金生成単位で実施しております。
(9) リース
当社グループは、契約の開始時に、当該契約がリース又はリースを含んだものであるかどうかを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでおります。
① 借手リース
リース期間の開始日において、使用権資産及びリース負債を認識しております。使用権資産はリース期間の開始日において取得原価で測定しております。リース期間の開始日後においては、原価モデルを適用して、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除し、リース負債の再測定についての調整を加え測定しております。
原資産の所有権がリース期間の終了時までに借手に移転する場合、又は使用権資産の取得原価が購入オプションを行使することを反映している場合には、使用権資産をリース期間の開始日から原資産の耐用年数の終了時まで定額法で減価償却しております。それ以外の場合は、リース期間の開始日から使用権資産の耐用年数又はリース期間の終了時のいずれか早い時まで定額法で減価償却をしております。
リース負債は、リース期間の開始日において同日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しております。リース期間の開始日後においては、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減しております。リース負債を見直し又はリースの条件変更を反映するか、又は改定後の実質上の固定リース料を反映するようにリース負債を再測定し使用権資産を修正しております。なお、短期リース及び少額資産のリースについては、支払リース料をリース期間にわたり定額法により費用認識しております。
② 貸手リース
原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんど全てを移転する場合には、ファイナンス・リース取引に分類し、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんど全てを移転するものではない場合には、オペレーティング・リース取引に分類しております。ファイナンス・リース取引においては、リース期間の開始日において、ファイナンス・リースに基づいて保有している資産を連結財政状態計算書に認識し、それらを正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として表示しております。その後、正味リース投資未回収額に対する一定の期間リターン率を反映するパターンに基づいて、リース期間にわたり金融収益を認識しております。また、当連結会計年度に係るリース料をリース投資未回収総額に充当して元本と未稼得金融収益の両方を減額しております。オペレーティング・リース取引においては、対象となっている原資産を、原資産の性質に応じて連結財政状態計算書に認識し、受取リース料をリース期間にわたり定額法により収益認識しております。
(10) 非金融資産の減損
当社グループは、棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産について、毎期末日に各資産又は資産が属する資金生成単位に対して減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合には、減損テストを実施しております。のれん、耐用年数を確定できない無形資産及びいまだ使用可能ではない無形資産については、毎年及び減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。減損テストの方法としてはその資産の回収可能価額を見積っております。個々の資産について回収可能価額を見積ることができない場合には、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積っております。全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を算定して判断しております。回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定しております。資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産について減損を認識し、回収可能価額まで評価減しております。また、使用価値の評価における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前の割引率を使用して、現在価値まで割り引いております。処分コスト控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用しております。のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかについて評価を行っております。そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻し入れております。
(11) 売却目的で保有する資産
継続的な使用よりも売却により主に回収が見込まれる資産又は資産グループのうち、期末日後1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する資産又は処分グループとして分類しております。売却目的で保有する資産は減価償却又は償却は行わず、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しております。
(12) 従業員給付
① 退職後給付
ⅰ) 確定給付型制度
当社グループでは、確定給付型の退職年金及び退職一時金制度を設けております。
確定給付型制度に関連する連結会社の純債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割り引くことによって算定しております。この計算は、毎年、年金数理人によって予測単位積増方式を用いて行っております。制度資産の公正価値は当該算定結果から差し引いております。確定給付型制度が積立超過である場合には、確定給付資産の純額を当該確定給付資産の積立超過額又は資産上限額(アセット・シーリング)のいずれか低い金額で測定をしております。割引率は、将来の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の利回りに基づいております。数理計算上の差異は、その他の包括利益として認識し、即時に利益剰余金に振り替えております。過去勤務費用は純損益として認識しております。
ⅱ) 確定拠出型制度
確定拠出型制度の退職給付に係る費用は、従業員がサービスを提供した期間における費用として認識しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。
賞与については、当社グループが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的及び推定的債務を負っており、かつその金額が信頼性をもって見積ることができる場合、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
③ その他の長期従業員給付
当社グループは、一定の勤続年数に応じた特別休暇や報奨金制度を有しております。その他の長期従業員給付に対する債務額は、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として稼得した将来給付の見積額を現在価値に割り引いた額で計上しております。割引率は、債務と概ね同じ満期日を有する期末日の優良社債の利回りを使用しております。
(13) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務が存在し、当社グループが当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、債務の金額が信頼性をもって見積りができる場合に認識しております。引当金の貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
主な引当金の計上方法は以下のとおりであります。
製品保証引当金
製品保証費用には、主にエンドユーザーからの修理依頼に基づく修理費用と、自動車メーカー等の顧客が決定したリコールを含む不具合対応に基づく対象車両等の修理費用があります。
上記のうち、不具合対応に基づく製品保証引当金は、過去に当社グループが製造した製品に関して自動車メーカー等の顧客が不具合の修理対応を行った場合等に、当社グループが負担すると合理的に見込まれる金額に基づき算出しております。
算出にあたっては、a.対象となる車両等の製品台数、b.1台当たりの修理単価、c.不具合対応の実施率、d.自動車メーカー等の顧客との負担金額の按分見込み割合をそれぞれかけ合わせて行っております。
これらの前提条件は、製品不具合の原因に照らして修理に係る工数の見積りや自動車メーカー等の顧客との交渉結果等の見積りを行う必要があることから、相対的に不確実性が高くなります。
当社グループは、製品保証費用の算出に係る前提条件の見積りは合理的であると判断しております。
ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により、実際の製品保証費用が見積りと異なり、結果として製品保証引当金の追加計上又は戻入が必要となる可能性があります。
リストラクチャリング引当金
当社グループは、詳細かつ公式な事業構造改革計画を有しており、かつ事業構造改革が開始あるいは開始により影響を受ける関係者に公表された時点で、当該計画により当社グループが負担すると合理的に見込まれる金額をリストラクチャリング引当金として計上しております。
当該引当金は、リストラクチャリングに必然的に伴うものであり、かつ、企業の継続的活動とは関連がない直接の支出のみを含みます。
当社グループは、リストラクチャリングに伴う支出の見積りは合理的であると判断しております。
ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により、実際のリストラクチャリング費用が見積りと異なり、結果としてリストラクチャリング引当金の追加計上又は戻入が必要となる可能性があります。
(14) 売上収益
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務に配分する
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する
当社グループは、自動車及び産機・軸受における電動パワーステアリングシステム、ステアバイワイヤシステム、ドライブシャフト、ITCC、ローラーベアリング、ベアリングユニット、その他各種ベアリング等の製品の販売、工作機械における研削盤、マシニングセンタ、工業用熱処理炉等の製品の販売及び関連サービスを提供しております。当社グループにおける報告セグメントは、「自動車」、「産機・軸受」及び「工作機械」で構成されております。
「自動車」、「産機・軸受」及び「工作機械」の販売については、主に完成した製品を顧客に供給することを履行義務としており、原則として、製品の納入時点において支配が顧客に移転して履行義務が充足されると判断し、当時点において収益を認識しております。「工作機械」の関連サービスは、据付、試運転等のサービスを顧客に提供することを履行義務としており、当社グループが顧客との契約に基づき当該サービスを提供した時点で履行義務が充足したと判断し、当時点において収益を認識しております。これらの履行義務に対する対価は、履行義務充足後、別途定める支払条件により概ね1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
また、一定の売上収益を達成した販売代理店へ支払う報奨金については、毎期末に見積額を算出し、当期の売上収益から控除しております。
(15) 法人所得税
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本の部又はその他の包括利益として認識される項目を除き、純損益として認識しております。
当期税金は、期末日時点において施行又は実質的に施行される税率を乗じて算定する当期の課税所得に係る納税見込額あるいは還付見込額の見積りに、過年度の納税調整額を加えたものであります。繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異に対して認識しております。
経営者は適用される税制に解釈を必要とされる状況について、税務申告に対するポジションを定期的に評価しております。また経営者は税務当局に納付されると予想される額に照らして、適宜納税のための引当金を計上しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを回収できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識し、繰延税金負債は、原則として将来加算一時差異について認識しております。なお、繰延税金資産は毎期見直され、税務便益の実現が見込めないと判断される部分については減額しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識により生じる将来加算一時差異
・会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引(企業結合取引を除く)によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異について、当該一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得が稼得される可能性が高くない場合、又は予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が高くない場合
繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末において制定、又は実質的に制定されている税法に基づいて、資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率によって測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しております。
連結財政状態計算書の繰延税金資産の金額は、22,377百万円であります。これは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の総額と同一納税主体の繰延税金負債との相殺後の金額であります。
この中には、主に欧州顧客向けに自動車部品の製造販売事業を行う連結子会社7社の譲渡に向けた基本合意に伴い、当社においてスケジューリング可能となった一時差異に係る金額が含まれております。また、翌連結会計年度以降において、当該一時差異が解消することにより、税務上の繰越欠損金が生じる見込みであります。
繰延税金資産は、将来課税所得の見積額及び将来加算一時差異に基づいて、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金を使用できるだけの課税所得が獲得される可能性が高い範囲内で計上しており、将来課税所得の見積額は事業計画を基礎とし、これには、売上収益、変動費率及び固定費の主要な仮定が含まれます。
当社グループは、繰延税金資産の算出に係る前提条件の見積りは合理的であると判断しております。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により、翌連結会計年度の連結財務諸表において、繰延税金資産を回収可能額まで取崩す可能性があります。
(16) 政府補助金
政府補助金は、当社グループが補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に補助金収入を公正価値で測定し、認識しております。収益に関する政府補助金は、補助金で補填することが意図されている関連コストを費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益として認識しております。資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。
(17) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する潜在株式の影響を調整して計算しております。
4.未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改定が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、2026年3月31日現在において当社グループが適用していない主なものは以下のとおりであります。
なお、適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で合理的に見積ることはできません。
5.事業セグメント
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役等が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、市場別の事業本部を置き、各事業本部は取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは事業本部を基礎とした市場別セグメントから構成されており「自動車」、「産機・軸受」及び「工作機械」の3つを報告セグメントとしております。
なお、「自動車」は、売上収益の推移等の経済的特徴が概ね類似している事業セグメント「ステアリング」及び「駆動」の2つのセグメントを集約しております。
「自動車」はステアリング、駆動系部品等の自動車業界向け製品の製造販売をしております。
「産機・軸受」は産業機械用ベアリング等の製造販売をしております。
「工作機械」は工作機械、制御機器、工業用熱処理炉等の製造販売をしております。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「3.重要性がある会計方針」における記載と同一であります。セグメント間の内部売上収益又は振替高は、市場価格、総原価を勘案して、毎期価格交渉の上、決定しております。報告セグメントの利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出した事業利益ベースの金額であります。なお、事業利益は事業セグメントごとの営業活動から生じる損益であり、管理会計の区分に従って営業上の取引を集計し、本社部門費については経理部門において適切な方法で事業セグメントに配賦しております。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) セグメント利益(△損失)の調整額534百万円は、セグメント間取引消去であります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) セグメント利益(△損失)の調整額310百万円は、セグメント間取引消去であります。
(3) 製品及びサービスに関する情報
注記「26.売上収益」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(4) 地域に関する情報
① 外部顧客に対する売上収益
(注) 1 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2 欧州につきましては、売上収益の一国に係る金額が連結売上収益の10%を超える国はありません。
② 非流動資産
(注) 1 持分法で会計処理されている投資、その他の金融資産、繰延税金資産を含んでおりません。
2 非流動資産は無形資産と有形固定資産の合計であります。
(5) 主要な顧客に関する情報
当社グループの主要な顧客はトヨタ自動車㈱及びそのグループ会社であり、全ての報告セグメントにおいて売上収益を計上しております。
6. 企業結合
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりであります。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりであります。
9.棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりであります。
費用として認識された棚卸資産の評価減の金額は以下のとおりであります。
(注) 費用として認識された棚卸資産の取得価額は「売上原価」及び「その他の費用」に含まれております。
10.売却目的で保有する資産
売却目的で保有する資産及び直接関連する負債の内訳は以下のとおりであります。
(1) 売却目的で保有する資産
(単位:百万円)
(2) 売却目的で保有する資産に直接関連する負債
(単位:百万円)
前連結会計年度における売却目的で保有する資産及び直接関連する負債は、「産機・軸受」セグメントに帰属する欧州のニードルローラーベアリング事業について、売却の意思決定を行ったことから売却目的保有に分類したものであります。当該資産については、売却コスト控除後の公正価値が帳簿価額を下回っているため、売却コスト控除後の公正価値により測定しております。これにより認識した損失10,418百万円を連結損益計算書の「その他の費用」に計上しております。公正価値は、売却価額を基礎としており、当該公正価値のヒエラルキーはレベル3であります。
当連結会計年度における売却目的で保有する資産及び直接関連する負債は、「自動車」セグメントに帰属する主に欧州顧客向けに自動車部品の製造販売事業を行う連結子会社7社について、売却の意思決定を行ったことから売却目的保有に分類したものであります。当該資産については、売却コスト控除後の公正価値が帳簿価額を下回っているため、売却コスト控除後の公正価値により測定しております。これにより認識した損失18,895百万円を連結損益計算書の「その他の費用」に計上しております。公正価値は、売却価額を基礎としており、当該公正価値のヒエラルキーはレベル3であります。
11.有形固定資産
(1) 有形固定資産の増減明細
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減及び帳簿価額は以下のとおりであります。
取得原価
減価償却累計額及び減損損失累計額
(注) 減価償却費は、連結損益計算書上、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。
帳簿価額
(2) 減損損失
当社グループでは、事業用資産については製品グループを基礎とし、遊休資産については物件ごとに、また一部子会社の資産については会社単位でグルーピングを行い、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資金生成単位の回収可能価額を見積っております。回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。なお、使用価値の算定において、貨幣の時間的価値及び当該資金生成単位の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。見積将来キャッシュ・フローに利用した事業計画は、主要な仮定に該当し、経営環境等の企業要因に関する情報や販売戦略を考慮して見積られた将来の売上予測や過去実績を踏まえた事業利益等に基づいており、経営陣によって承認されております。
減損損失として認識した金額は、前連結会計年度が14,327百万円、当連結会計年度が7,142百万円であり、連結損益計算書の「その他の費用」に含めております。なお、この金額には無形資産に係る減損損失も含まれております。
前連結会計年度における減損損失のうち主なものは、機械装置及び運搬具8,739百万円であります。このうち、主なものとしてルーマニア子会社の「産機・軸受」セグメントに帰属する事業用資産(簿価2,762百万円)について、欧州構造改革の一環としての事業の見直し等に伴い減損の兆候が認められ、今後の業績の見通し及び回収可能性を考慮した結果、全額を減損損失として計上しております。
回収可能価額は主に使用価値の算定に基づいて決定しております。使用価値は、5年間の事業計画と成長率を基礎とした見積将来キャッシュ・フローを、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算定しております。
当連結会計年度における減損損失のうち主なものは、機械装置及び運搬具3,898百万円であります。このうち、主なものとしてフランス子会社の「自動車」セグメントに帰属する事業用資産(簿価2,777百万円)について、欧州における市場環境の変化による需要減少が事業活動に大きな影響を与えたことにより減損の兆候が認められ、今後の業績の見通し及び回収可能性を考慮した結果、1,399百万円を減損損失として計上しております。
回収可能価額は主に使用価値の算定に基づいて決定しております。使用価値は、5年間の事業計画と成長率を基礎とした見積将来キャッシュ・フローを、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算定しております。
(3) 担保資産
担保に供している有形固定資産の帳簿価額は以下のとおりであります。
12.のれん及び無形資産
(1) のれん及び無形資産の増減明細
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減及び帳簿価額は以下のとおりであります。
取得原価
償却累計額及び減損損失累計額
(注) 償却費は、連結損益計算書上、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。
帳簿価額
(2) のれんの減損テスト
当社グループでは、のれんの減損テストにおいて、事業用資産については製品グループを概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させる最小の資金生成単位として、のれんを配分しております。なお、一部子会社の資産については会社単位を資金生成単位としております。のれんを含む資金生成単位は、減損の兆候の有無に関わらず、年1回減損テストを行っております。実施時期は、関連する事業計画の策定時期を勘案して資金生成単位ごとに個別に決定し、毎期継続して適用しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるのれん残高について、主なものは、自動車事業におけるJTEKT INDIA LTD.の取得に伴い認識されたのれん、㈱ジェイテクトコラムシステムグループの取得に伴い認識されたのれんであります。
のれんの資金生成単位(又はそのグループ)への配分額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
JTEKT INDIA LTD.については、のれんが配分された資金生成単位(又はそのグループ)の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値を使用しており、当該処分コスト控除後の公正価値の算定にあたっては、JTEKT INDIA LTD.の株価を使用しております。仮に株価が43.9%(前連結会計年度は56.2%)下落した場合、減損損失が発生します。
㈱ジェイテクトコラムシステムグループについては、のれんが配分された資金生成単位(又はそのグループ)の回収可能価額は、主に使用価値の算定に基づいて決定しております。使用価値は、5年間の事業計画を基礎とした見積将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定しております。事業計画は、当該事業の将来の予測に関する経営陣の評価と過去の実績に基づき、外部情報及び内部情報を使用して作成しており、経営陣によって承認されております。5年間を超える見積将来キャッシュ・フローは、将来の不確実性を考慮して成長率をゼロと仮定し見積っております。また、割引率は、当該資金生成単位(又はそのグループ)の税引前加重平均資本コスト14.0%~14.5%(前連結会計年度は14.0%~18.1%)を使用しております。
なお、減損判定に用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変動した場合においても、重要な減損が発生する可能性は低いと判断しております。
13.リース
借手の開示
当社グループでは、短期リース及び少額資産リースを除く全てのリース取引を使用権資産として認識しております。
使用権資産は、連結財政状態計算書上、有形固定資産に含めて表示しております。
当社グループは、建物等の資産を賃借しており、リース契約の一部については、延長オプション及び解約オプションが付与されております。また、リースによって課されている制限又は特約はありません。
当社グループの使用権資産の原資産別の推移は以下のとおりであります。
帳簿価額
短期リース及び少額資産リースを費用として認識した金額は以下のとおりであります。
(注) 短期・少額資産リース料は、連結損益計算書上、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。
リースに係るキャッシュ・アウトフローは以下のとおりであります。
リース負債に係る金利費用は以下のとおりであります。
リース負債の返済予定は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
14.子会社及び関連会社
当連結会計年度末における主要な子会社は、以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、個々に重要性のある非支配持分を有する子会社、関連会社及び共同支配企業は該当ありません。
個々に重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額は以下のとおりであります。
個々に重要性のない関連会社の当期包括利益の持分取込額は以下のとおりであります。
15.その他の金融資産
(1) その他の金融資産の内訳は以下のとおりであります。
株式及び出資金は主にFVTOCIの金融資産、定期預金・短期貸付金は主に償却原価で測定する金融資産、デリバティブ資産はFVTPLの金融資産に分類しております。
(2) FVTOCIの金融資産の主な銘柄及び公正価値は以下のとおりであります。
株式は、主に取引・協業関係・金融取引関係の維持・強化等を目的として保有しております。
保有資産の効率化及び有効活用を図るため、FVTOCIの金融資産の売却(認識の中止)を行っております。売却時の公正価値及び売却に係る累積利得又は損失の合計額は以下のとおりであります。
FVTOCIの金融資産について、認識された受取配当金は以下のとおりであります。
16.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりであります。
17.社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は以下のとおりであります。
(注) 「平均利率」については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。
社債の発行条件の要約は以下のとおりであります。
(注) (内書)は、1年以内の償還予定額であります。
担保に係る債務の金額は以下のとおりであります。
18.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は以下のとおりであります。
19.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳及び増減は以下のとおりであります。なお、当社は第2の柱の法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して認識及び情報開示に対する例外を適用しております。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異は以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社は子会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、報告期間末において配当することが予定されている未分配利益に係るものを除き、繰延税金負債を認識しておりません。これは、当社が一時差異の取崩しの時期をコントロールする立場にあり、このような差異を予測可能な期間内に取崩さないことが確実であるためであります。前連結会計年度及び当連結会計年度において、繰延税金負債を認識していない子会社に対する投資に係る将来加算一時差異はそれぞれ、84,912百万円及び73,345百万円であります。
(2) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は以下のとおりであります。
(3) 実効税率の調整
各年度の法定実効税率と平均実際負担税率との差異について、原因となった主要な項目の内訳は以下のとおりであります。
法定実効税率は、日本における法人税、住民税及び事業税に基づき、前連結会計年度において30.2%、当連結会計年度において30.2%と算定しております。
ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
(4) グローバル・ミニマム課税による上乗せ課税
当社が所在する日本において、令和5年度税制改正により、グローバル・ミニマム課税に対応する法人税が創設され、それに係る規定を含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律3号))が2023年3月28日に成立しております。当連結会計年度より、実効税率が15%以下のいくつかの国に所在する子会社が上乗せ課税の対象となりましたが、当社グループの連結財務諸表に与える影響額に重要性はありません。
(5) 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社及び一部の国内子会社は、グループ通算制度を適用しております。また、法人税及び地方法人税に係る税効果会計に関する会計処理及び開示については、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)を適用しております。
(6) 法人税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立され、2026年4月1日以後に開始する連結会計年度より「防衛特別法人税」の課税が行われることとなりました。これに伴い、前連結会計年度末の繰延税金資産の金額(繰延税金負債の金額を控除した金額)が164百万円、その他の資本の構成要素が616百万円、法人所得税費用が452百万円それぞれ減少しております。
20.従業員給付
(1) 退職後給付
当社グループは、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しております。確定給付制度における給付額は、勤続年数と資格に応じて付与されるポイントの累計数や給与と勤務期間に基づき設定されております。確定給付制度は、当社グループと法的に分離された単一の年金基金によって管理されております。退職一時金制度では、給与と勤務期間に基づいた一時金を支給しております。また、一部の国内制度には退職給付信託が設定されております。
① 確定給付制度
確定給付制度債務及び制度資産の調整表は以下のとおりであります。
確定給付制度債務の現在価値の変動は以下のとおりであります。
制度資産の公正価値の変動は以下のとおりであります。
翌連結会計年度における予想拠出額は2,123百万円であります。
制度資産の主な内訳は以下のとおりであります。
投資方針
当社グループの制度資産運用に関する基本方針は、確定給付企業年金規約に規定した年金給付及び一時金等の支払を将来にわたり確実に行うために、許容されるリスクの範囲内で、必要とされる総合収益を長期的に確保することを目的としております。目標とする収益率は、将来にわたって健全な確定給付企業年金運営を維持するために必要な収益率、具体的には年金財政上の予定利率を上回ることを目標としております。
その運用目標を達成するための資産構成は、基本方針と適合したものであることを当社グループ及び運用受託機関の双方が確認することとしており、また、資産構成割合は、必要に応じて見直しを行うものとしております。基本方針は当社グループの状況、当社グループを取り巻く制度や環境の変化に応じて変更することができるものとしております。
数理計算の仮定の主要なものは以下のとおりであります。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度及び当連結会計年度でそれぞれ15.6年及び15.5年であります。
当社グループの重要な数理計算上の仮定に対する感応度分析は以下のとおりであります。
感応度分析は、数理計算に用いた基礎率が0.5%変動した場合に確定給付制度債務の現在価値に与える影響を示しております。
② 確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として認識した金額は以下のとおりであります。
(2) 従業員給付費用
連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用は以下のとおりであります。
21.引当金
引当金の内訳は以下のとおりであります。
(注) リストラクチャリング引当金は、主に欧州子会社の「自動車」セグメントにおける事業構造改革に伴うものであります。
22.資本
(1) 資本金及び資本剰余金
会社法では、株式の発行に対しての払込又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
前連結会計年度及び当連結会計年度における授権株式数は、1,200,000,000株であります。
全額払込済みの発行済株式数の期中における変動内訳は以下のとおりであります。
(注) 当社の発行する株式は、全て権利内容に制限のない無額面の普通株式であります。
(2) 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。
積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取崩すことができることとされております。
(3) 自己株式
会社法では、株主総会の決議により分配可能額の範囲内で、取得する株式数、取得価格の総額等を決定し、自己株式を取得することができると規定されております。また、市場取引又は公開買付による場合には、定款の定めにより、会社法上定められた要件の範囲内で、取締役会の決議により自己株式を取得することができます。
自己株式の期中における変動内訳は以下のとおりであります。
23.配当金
配当金の支払額は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
24.株式報酬
(1) 制度内容
当社は、当社グループの経営環境や短期・中長期の業績状況を反映し、株主との価値共有の推進と企業価値の持続的な向上を目的として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。本制度は、当社の取締役(非業務執行取締役を除く。以下、「対象取締役」という。)に対して譲渡制限付株式の付与のために金銭債権を報酬として支給し、対象取締役が、当該金銭債権の全部を現物出資として払込み、当社の普通株式について発行又は処分を受けるものであります。当社は、対象取締役との間で、譲渡制限付株式割当契約(「以下、「本割当契約」という。)を締結し、対象取締役は本割当契約により割当を受けた日より30年の期間(以下、「譲渡制限期間」という。)、本割当契約により割当を受けた当社の普通株式について、譲渡、担保権の設定その他の処分ができません。(以下、「譲渡制限」という。)譲渡制限は、譲渡制限期間中、継続して当社の取締役の地位にあったことを条件として、本割当株式の全部について、譲渡制限期間の満了をもって解除されます。又は、対象取締役が、当社の取締役の地位から任期満了その他正当な事由(死亡による退任の場合を含む)により退任した場合には、対象取締役の退任の直後の時点をもって解除されます。また、譲渡制限期間中に、法令違反その他当社取締役会が定める事由に該当する場合、割当株式の全部を当社が無償取得する仕組みとしております。
(2)期中に付与された株式数と公正価値
(注) 付与日の公正価値は当社株式の市場価格に基づき算定しております。
(3) 株式報酬に係る費用
株式報酬に係る費用は、前連結会計年度が23百万円、当連結会計年度が26百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。
なお、費用の額は当連結会計年度の事業利益に基づいて算定しております。
(4) 株式報酬に係る負債
株式報酬に係る負債は、前連結会計年度が23百万円、当連結会計年度が26百万円であり、連結財政状態計算書の「引当金(流動負債)」に含まれております。
25.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、持続的な企業価値の向上と安定的な配当の継続を見据え、財務健全性の確保と資本効率の向上を図ってまいります。そのために、原価改善をはじめとした収益力強化と事業資産の圧縮等の資産効率向上の取組みにより、資金の確保と有利子負債の削減を行ってまいります。
また、持続的成長のために、研究開発やIT、人づくり、仕組みづくり等の経営基盤強化のための先行投資に加え、新規事業や成長市場へ戦略的に投資を行ってまいります。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2) 信用リスク
信用リスクは、保有する金融資産の相手先が契約上の債務に関して債務不履行になり、当社グループに財務上の損失が発生するリスクであります。具体的には当社グループは次のような信用リスクに晒されております。まず、当社グループの営業債権及びその他の債権は、顧客及び取引先の信用リスクに晒されております。また、政策的な目的のため保有している株式等は、発行体の信用リスクに晒されております。
さらに、当社グループが為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引については、これらの取引の相手方である金融機関の信用リスクに晒されております。
①リスク管理
営業債権について、各社ごとの与信管理規程等に基づいて、取引先に対して与信限度額を設定し、取引先の財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図るため、期日経過債権の回収期間、経験値並びに現在の経営環境や将来の見通しを含む様々な要因を考慮し、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行っております。当社グループの債権について、特定の相手先又はその相手先が所属するグループに対して、過度に集中した信用リスクは負っておりません。信用リスクでは当社グループのデリバティブ取引の相手先は、信用度の高い金融機関であるため、相手方の契約不履行による信用リスクは、ほとんどないと判断しております。また、当社グループは、余資運用・デリバティブ取引について、信用リスクの発生を未然に防止するために、各社の社内規程及びこれに付随して細目を定める各規定に基づき、経理部門が、当該案件ごとに権限規程に定める決裁権者による稟議決裁を受け、格付の高い金融機関との間でのみ行うこととしております。
②営業債権
当社グループは、営業債権の予想損失の測定にIFRS第9号「金融商品」の単純化したアプローチを適用しております。予想信用損失は全ての営業債権に対し、全期間貸倒引当金を使用しております。貸倒引当金は36か月間にわたる売上の支払プロファイルとこの期間内の対応する実績信用損失を基に決定された予想損失額で測定されます。客先の債権決済能力に影響するマクロ経済的要因を考慮し、関連性のある現在及び将来の経済状況を反映するために、実績損失率を調整しております。
③償却原価で測定するその他の金融資産
償却原価で測定するその他の金融資産については、信用リスクが著しく増加していると判断したものは無く、その帳簿価額に対する信用リスクに重要性はありません。
金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財務諸表に表示されている減損後の帳簿価額であります。
貸倒引当金の増減は以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、貸倒引当金に重要な影響を与える帳簿価額の著しい変動はありません。
営業債権の年齢分析及び予想信用損失は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(3) 市場リスク
① 為替変動リスク
ⅰ) 為替リスク管理
当社グループは、グローバルな事業活動を展開しており、機能通貨以外の通貨で実施する取引から発生する為替変動リスクに晒されております。為替変動リスクを管理するため、為替予約や通貨スワップ等を利用し、為替変動リスクをヘッジしております。
ⅱ) 為替感応度分析
当社グループが期末日において保有する外貨建て金融商品において、期末日における為替レートが、米ドル、ユーロに対してそれぞれ1%円高となった場合に税引前利益に影響を与える金額は以下のとおりであります。この分析は、為替変動リスクの各エクスポージャーに1%を乗じて算定し、各為替レートの変動が他の変数(他の為替レート、金利等)に与える影響はないものと仮定しております。当該分析は前連結会計年度と同一の基礎に基づいて実施しております。
② 金利変動リスク
ⅰ) 金利リスク管理
変動金利の有利子負債は、金利の変動リスクに晒されておりますが、このうち長期のものの一部については、支払金利の変動リスクを回避し、支払利息の固定化を図るために、金利スワップ取引を利用しております。
ⅱ) 金利変動エクスポージャー
金利変動リスクを管理するために、金利スワップ取引を利用し、金利変動リスクをヘッジしております。そのため、当社グループにおける金利変動リスクに対するエクスポージャーは限定的であり、金利変動に対する影響は軽微であります。
当社グループでは、デリバティブに対して、ヘッジ会計を適用している個別、又は集計された重要な取引はありません。ヘッジ会計に指定されていないが、外国為替及び金利リスクを経済的にヘッジするために使用されているデリバティブは以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
③ 資本性金融商品の価格変動リスク
当社グループは、事業上の関係等を有する企業の上場株式を保有しており、資本性金融商品の価格変動リスクに晒されております。当社グループは、上場株式の公正価値の変動状況を継続的にモニタリングしております。
資本性金融商品の感応度分析
当社グループが各連結会計年度末において保有する資本性金融商品について、上場株式の株価が1%下落した場合に連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果考慮前)に与える影響は以下のとおりであります。
(4) 流動性リスク
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行するにあたり、支払期日にその支払を実行できなくなるリスクであります。当社グループは、主な短期的な資金需要として、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払等を見込んでおります。当社グループの短期的な資金調達の源泉は主に営業活動によって獲得した現金及び金融機関からの借入れや直接金融市場からの資金調達に依存しております。当社グループは、かかる流動性リスクに備えるため、定期的に手元流動性及び有利子負債の状況等を把握し、資金調達計画を作成するとともに、手元資金とコミットメントラインで手元流動性を確保しております。なお、当社グループは、複数の主要金融機関と良好な関係を維持しております。
当社グループの金融負債の残存契約満期金額は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(5) 公正価値測定
① 公正価値ヒエラルキー
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のように分類しております。
レベル1:活発な市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
レベル間の振替が行われた金融商品の有無は毎期末日に判断しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
② 公正価値の測定
ⅰ) 現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務
短期間で決済されるため、公正価値と帳簿価額が近似していることから、帳簿価額によっております。
ⅱ) 社債及び借入金
社債は、市場価格のあるものは市場価格に基づき、市場価格のないものはその将来キャッシュ・フローを新規に同様の社債発行を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。短期借入金は、短期間で返済されるため、公正価値と帳簿価額が近似していることから、当該帳簿価額によっております。長期借入金は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の借入れを行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
ⅲ) その他の金融資産、その他の金融負債
上場株式は、連結会計年度末の市場価格によって算定しております。非上場株式及び出資金は、類似会社の市場価格に基づく評価技法、純資産に基づく評価技法等、適切な評価技法を用いて測定した価格により算定しております。なお、観察不能なインプットである非流動性ディスカウントは30%としております。これらの公正価値の測定は社内規程等に従い投資部門より独立した管理部門が実施しており、当該測定結果について適切な権限者が承認しております。債券は、活発でない市場における同一資産の市場価格に、発行元の将来の収益性の見通し等の観察不能なインプット情報を加味して算定しております。レベル2に分類されるデリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は、取引金融機関から提供された金利等観察可能な市場データに基づき算定しております。レベル3に分類されるデリバティブには、バーチャル電力購入契約に基づく再生可能エネルギーの固定価格と市場変動価格との差額から生じるキャッシュ・フローの決済に関連して認識したデリバティブが含まれております。公正価値は割引キャッシュ・フロー法を用いて算定しており、主な仮定として電力の予測市場価格及び予測発電量が考慮されております。敷金及び保証金は、返還予定時期に基づき国債の利率で割り引いた現在価値により公正価値を算定しておりますが、当該公正価値と帳簿価額が近似していることから、当該帳簿価額によっております。信託受益権は、短期間で決済されるため、公正価値と帳簿価額が近似していることから、帳簿価額によっております。
③ 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーは以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
④ 経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正価値
経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーは以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
各報告期間における、レベル3に分類された金融商品の増減は以下のとおりであります。
その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書上、「FVTOCIに指定した資本性金融商品への投資による損益」に含めております。
26.売上収益
(1) 収益の分解
当社グループは、注記「5.事業セグメント」に記載のとおり、「自動車」、「産機・軸受」及び「工作機械」の3つを報告セグメントとしております。売上収益の推移等の経済的特徴が概ね類似している事業セグメント「ステアリング」、「駆動」の2つのセグメントを集約し、報告セグメント「自動車」としております。顧客との契約から生じた収益は当社グループの事業拠点の所在地に基づき地域別に分解しております。これらの分解した収益と各報告セグメントの売上収益との関連は以下のとおりであります。
また、当社グループではリース事業に係る収益の金額をその他の源泉から生じた収益として認識しておりますが、その他の源泉から生じた収益の額に重要性はありません。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(2) 契約残高
顧客との契約から生じた債権及び契約負債の残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
顧客との契約から生じた債権は、「営業債権及びその他の債権」に、契約負債は、「営業債務及びその他の債務」に、連結財政状態計算書上、計上しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された収益について、期首時点で契約負債に含まれていた金額はそれぞれ、3,246百万円及び3,594百万円であります。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、契約負債の残高に重大な変動はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
当初の予想期間が1年を超える残存履行義務に配分した重要な取引価格はありません。
なお、当社グループは実務上の便法を適用し、当初の予想期間が1年以内の残存履行義務に関する情報は記載しておりません。
また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
27.販売費及び一般管理費
「販売費及び一般管理費」のうち、主要な費目は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
28.研究開発費
連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる研究開発費は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
29.その他の収益及び費用
(1) その他の収益
「その他の収益」の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(2) その他の費用
「その他の費用」の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 前連結会計年度の事業構造改善費用は、欧州においてニードルローラーベアリングの製造販売事業を行う連結子会社3社の譲渡に伴う費用であります。当連結会計年度の事業構造改善費用は、主に欧州顧客向けに自動車部品の製造販売事業を行う連結子会社7社の譲渡に伴う費用であります。
30.金融収益及び費用
「金融収益」及び「金融費用」の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
31.1株当たり利益
親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は以下のとおりであります。
32.その他の包括利益
(単位:百万円)
33.財務活動に係る負債
財務活動から生じた負債の変動は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 長期借入金及び社債は、1年内返済又は償還予定の残高を含んでおります。
34.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
関連当事者との取引は市場価格・総原価を勘案して、毎期価格交渉の上、行われております。
関連当事者との取引は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
当社グループの主要な経営幹部に対する報酬は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
35.コミットメント
有形固定資産の取得に関する契約上のコミットメントは、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
36.後発事象
該当事項はありません。
(2) 【その他】
① 当連結会計年度における半期情報等
② 重要な訴訟事件等
該当事項はありません。
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
事業年度末日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2 棚卸資産の評価基準及び評価方法
総平均法による原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)
ただし、工作機械等の製品及び仕掛品については個別法による原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しております。
3 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法を採用しております。
4 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
事業年度末現在に有する債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 役員賞与引当金
役員の賞与の支出に充てるため、支給見込額に基づき計上しております。
(3) 製品保証引当金
製品納入後に発生する製品保証費用の支出に充てるため、過去の実績を基礎にして当事業年度に対応する発生予想額を計上しております。
(4) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、当事業年度末において発生していると認められる額を計上しております。
退職給付引当金及び退職給付費用の処理方法は以下のとおりであります。
(a) 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
(b) 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異については、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年又は15年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
過去勤務費用については、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(3年)による定額法により費用処理しております。
未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の貸借対照表における取扱いが連結財政状態計算書と異なります。
(5) 環境対策引当金
建物及び設備等に使用されているアスベスト及びポリ塩化ビフェニル(PCB)の除去、処分等に係る支出に備えるため、今後発生すると見込まれる費用を計上しております。
(6) 事業構造改善引当金
事業構造の改善に伴い発生する損失に備えるため、今後発生すると見込まれる費用を計上しております。
5 収益及び費用の計上基準
当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務に配分する
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する
当社は、自動車及び産機・軸受における電動パワーステアリングシステム、ステアバイワイヤシステム、ドライブシャフト、ITCC、ローラーベアリング、ベアリングユニット、その他各種ベアリング等の製品の販売、工作機械における研削盤、マシニングセンタ、工業用熱処理炉等の製品の販売及び関連サービスを提供しております。当社グループにおける報告セグメントは、「自動車」、「産機・軸受」及び「工作機械」で構成されております。
「自動車」、「産機・軸受」及び「工作機械」の販売については、主に完成した製品を顧客に供給することを履行義務としており、原則として、製品の納入時点において支配が顧客に移転して履行義務が充足されると判断し、当時点において収益を認識しております。「工作機械」の関連サービスは、据付、試運転等のサービスを顧客に提供することを履行義務としており、当社が顧客との契約に基づき当該サービスを提供した時点で履行義務が充足したと判断し、当時点において収益を認識しております。これらの履行義務に対する対価は、履行義務充足後、別途定める支払条件により概ね1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
「自動車」及び「産機・軸受」製品の国内の販売において、出荷時から当該製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合には、出荷時に収益を認識しております。また、製品の海外の販売において、船荷証券の発行日(B/L date)に収益を認識しております。
なお、一定の売上収益を達成した販売代理店へ支払う報奨金については、毎期末に見積額を算出し、当期の売上収益から控除しております。
6 重要なヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
振当処理の要件を満たしている為替予約については振当処理を、特例処理の要件を満たしている金利通貨スワップ及び金利スワップについては特例処理を行っております。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段…先物為替予約取引、金利通貨スワップ及び金利スワップ取引
ヘッジ対象…外貨建金銭債権債務、借入金の元本部分、及び変動金利の借入金利息
(3) ヘッジ方針
市場相場変動に伴うリスクの軽減を目的として利用する方針であります。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ手段及びヘッジ対象に関する重要な条件が同一であり、かつ相場変動又はキャッシュ・フロー変動リスクを完全に相殺するものと想定されるため、有効性の判定は省略しております。
(重要な会計上の見積り)
(1) 製品保証引当金
① 製品保証引当金計上額
② 製品保証引当金の見積りの方法
製品保証費用には、主にエンドユーザーからの修理依頼に基づく修理費用と、自動車メーカー等の顧客が決定したリコールを含む不具合対応に基づく対象車両等の修理費用があります。
上記のうち、不具合対応に基づく製品保証引当金は、過去に当社が製造した製品に関して自動車メーカー等の顧客が不具合の修理対応を行った場合等に、当社が負担すると合理的に見込まれる金額に基づき算出しております。
③ 当社が負担すると合理的に見込まれる金額の算出の基礎数値
算出に当たっては、a.対象となる車両等の製品台数、b.1台当たりの修理単価、c.不具合対応の実施率、d.自動車メーカー等の顧客との負担金額の按分見込み割合をそれぞれかけ合わせて行っております。
④ 翌事業年度の財務諸表への影響
当社は、製品保証費用の算出に係る前提条件の見積りは合理的であると判断しております。
ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により、実際の製品保証費用が見積りと異なり、結果として製品保証引当金の追加計上又は戻入が必要となる可能性があります。
(2) 関係会社への貸付金に対する貸倒引当金
① 貸倒引当金計上額
② 関係会社貸付金の評価方法
関係会社貸付金の評価につきましては、関係会社の財政状態及び経営成績を考慮し、期末日時点の対象会社の債務超過金額及び支払能力を総合的に勘案した上で、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。
③ 評価に使用した基礎数値の決定方法
債務超過金額については、決算日までに入手し得る対象会社の直近決算時の純資産額を使用しております。また、回収不能見込額の算定にあたり、各関係会社で作成され、取締役会等で承認された事業計画を考慮しております。当該予測には、経営環境等の関係会社を取り巻く外部要因に関する情報や販売戦略を考慮して見積られた将来の売上予測や事業利益率等の仮定が含まれます。
④ 翌事業年度の財務諸表への影響
各関係会社の事業計画に含まれる将来の売上予測や事業利益率等には、各種会計上の見積りを含みます。当該見積りについて、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において貸倒引当金の追加繰入又は戻入を計上する可能性があります。
(3) 繰延税金資産
① 繰延税金資産計上額
当事業年度の貸借対照表の繰延税金資産の金額は、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の総額113,053百万円から評価性引当額65,625百万円を控除した金額と、繰延税金負債との相殺後の金額であります。この中には、主に欧州顧客向けに自動車部品の製造販売事業を行う連結子会社7社の譲渡に向けた基本合意に伴いスケジューリング可能となった一時差異に係る金額が含まれております。また、翌期以降において、当該一時差異が解消することにより、税務上の繰越欠損金が生じる見込みであります。
② 繰延税金資産の評価方法
繰延税金資産は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の見積額及び将来加算一時差異に基づいて、一時差異等のスケジューリングの結果、将来の税金負担額を軽減する効果を有する範囲内で計上しております。
その判定過程では、将来減算一時差異等の解消見込年度、解消見込額のスケジューリングを行い、一時差異等加減算前課税所得の発生年度や金額の見積りを考慮しております。
③ 評価に使用した基礎数値の決定方法
繰延税金資産の評価に使用した一時差異等加減算前課税所得の基礎となる事業計画には、売上高、変動費率及び固定費の主要な仮定が含まれます。
④ 翌事業年度の財務諸表への影響
当社は、繰延税金資産の算出に係る前提条件の見積りは合理的であると判断しております。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により、翌事業年度の財務諸表において、繰延税金資産を回収可能額まで取崩す可能性があります。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日 企業会計基準委員会)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日 企業会計基準委員会)等
(1) 概要
国際的な会計基準と同様に、借手の全てのリースについて資産・負債を計上する等の取扱いを定めるもの。
(2) 適用予定日
2028年3月期の期首より適用予定であります。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当財務諸表の作成時において評価中であります。
(追加情報)
該当事項はありません。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に係る注記
主なものは以下のとおりであります。
2 保証債務
関係会社等の銀行借入金等に対する保証債務及び保証予約は以下のとおりであります。
(損益計算書関係)
※1 関係会社に係る注記
主なものは以下のとおりであります。
営業外費用の「貸倒引当金繰入額」は、関係会社への貸付金に対するものであります。
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は、以下のとおりであります。
おおよその割合
※3 事業構造改善費用の内容は、以下のとおりであります。
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
欧州においてニードルローラーベアリングの製造販売事業を行う連結子会社3社の譲渡に伴う費用であります。
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
主に欧州顧客向けに自動車部品の製造販売事業を行う連結子会社7社の譲渡に伴う費用であります。
(有価証券関係)
前事業年度(2025年3月31日)
子会社株式及び関連会社株式
(注) 上記に含まれない市場価格のない株式等
当事業年度(2026年3月31日)
子会社株式及び関連会社株式
(注) 上記に含まれない市場価格のない株式等
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。また、法人税及び地方法人税に係る税効果会計に関する会計処理及び開示については、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)を適用しております。
(企業結合等関係)
該当事項はありません。
(収益認識関係)
「(重要な会計方針) 5 収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位 百万円)
(注) 1 「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額であります。
2 「減価償却累計額」には、減損損失累計額が含まれております。
3 当期増減額のうち主たるものは以下のとおりであります。
(主な増加内容)
(主な減少内容)
【引当金明細表】
(単位 百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当及び募集新株予約権の割当を受ける権利
(4) 当社に対して、株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。

