注記事項
本報告書の省略表記
EBITDA+Sの算式
2026年3月期より、名称を調整後EBITDAから変更しました。算出式は従来から変更なく、営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)+株式報酬費用±その他の営業収益・費用です。
期中平均為替レート
将来見通しに関する注意事項
本報告書には、将来の見通しに関する記述が含まれています。将来の見通しに関する記述には、別段の記載がない限り当連結会計年度末現在における当社が入手可能な情報並びに当社の計画及び見込みに基づいた当社の想定、将来の見通し及び推測が含まれますが、これらが達成される保証はありません。経済状況の変化、個人ユーザーの嗜好及び企業クライアントのニーズの変化、他社との競合、法令、ソフトロー又は実務慣行の変化を含む法規制の変化、為替レートの変動、気候変動を含む地球環境の変化、大規模自然災害の発生その他の様々な要因により、将来の予測・見通しに関する記述は実際の業績と大幅に異なる場合があります。したがって、将来見通しに関する記述に過度に依拠することのないようお願いします。当社は、適用される法令又は証券取引所の規則により要求される場合を除き、本報告書に含まれるいかなる情報についても、今後生じる事象に基づき更新又は改訂する義務を負うものではありません。
外部資料に関する注意事項
本報告書には、当社が事業を行っている市場に関する情報を含む、外部の情報源に由来し又はそれに基づく情報が記述されています。これらの記述は、本報告書に引用されている外部の情報源から得られた統計その他の情報に基づいており、それらの情報については当社は独自に検証を行っておらず、その正確性又は完全性を保証することはできません。
補足情報
・本報告書における表の単位は、別途記載がない限り10億円です。
・本報告書における数値の比較は、別途記載がない限り前年同期との比較です。
・本報告書における会社名は、特段の記載がない限りは2026年3月31日現在で記載しています。
第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注1) 当社は、IFRSに基づいて連結財務諸表を作成しています。
(注2) 従業員数には臨時従業員は含みません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注1) 従業員数には臨時従業員は含みません。
(注2) 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部における株価を、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場における株価を記載しています。
2 【沿革】
(注1) *は連結子会社(2026年3月31日現在)です。
(注2) 表内の「現」は、2026年3月31日現在の名称です。
(注3) QRコードは㈱デンソーウェーブの登録商標です。
3 【事業の内容】
当社グループは、1960年に日本において大学新聞に企業の求人広告を掲載し、学生に求人情報を提供することから始まりました。設立以来、主に個人ユーザーと企業クライアントを結びつけるプラットフォームを創造し運営しています。
現在は、テクノロジーとデータを活用し、マッチングの更なる効率性向上と高速化に注力し、グローバル市場における個人ユーザーに最適な選択肢を提供し、企業クライアントの更なる業務効率化を支援しています。
また当社グループは、個人ユーザーのプライバシー保護を含めたデータセキュリティ・プライバシー対応の強化を企業活動の重要な基盤として位置づけ、体制や施策を整備しています。
当社グループは、HRテクノロジー、人材派遣及びマーケティング・マッチング・テクノロジーの3つの戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、以下「SBU」)ごとに統括会社を設置した経営体制により、各SBUが迅速に事業戦略を遂行すると同時に、当社グループ経営戦略であるSimplify Hiring、Help Businesses Work Smarter、そしてProsper TogetherをSBU間で連携しながら遂行しています。当社が持株会社としての機能の集中と強化を図り、戦略の策定と推進、適切なグループガバナンスやモニタリングの実行により、更なる企業価値の向上を実現することを目指しています。当連結会計年度末において当社の連結子会社は218社、関連会社は6社です。
なお、当社グループは2025年4月1日付で、マッチング&ソリューション事業(2026年3月期からマーケティング・マッチング・テクノロジー事業に名称を変更)のうち人材領域をHRテクノロジー事業に移管しました。
(1) セグメント別事業内容
① HRテクノロジー事業
HRテクノロジー事業は、Indeed、国内人材紹介サービス及びその他の関連する事業で構成されています。
Indeedは求職者と企業をつなぐオンライン求人マッチング・採用プラットフォームであり、「We help people get jobs」をミッションとして掲げています。
Indeedは、アグリゲート技術を活用した求人検索モデルから求職者と企業クライアントを繋ぐ人材マーケットプレイスへの進化に向けた取組みを通じて、6億6,500万件を超える求職者のプロフィール(注1)を有し、年間350万社(注2)の企業クライアントが利用する世界最大の求人情報サイト(注3)になっています。
Indeedでは、求職者が求人情報を見つけ、応募したり、経歴書及びプロフィールを開示し、企業情報やそのレビューを調べ、スケジュールを設定し、ビデオ面接や電話面接を受けることができるようにする等、求職活動を支援する一連の機能を提供しています。企業クライアントは、求人広告の掲載や、候補者のプロフィールの閲覧、候補者とのコミュニケーション、Glassdoor上を含めた採用のための企業ブランディングをプラットフォームを通して行うことで、より効率的に幅広い求職者へのアプローチが可能になります。
Indeedは、AIを利用したマッチングや、ペイフォーパフォーマンスモデル又はサブスクリプションモデルを採用するサービス、また、ソーシング、スクリーニング、採用候補者とのやり取りや面接といった採用プロセスに係るサービスを提供することによって、企業クライアントが効率的に採用候補者を見つけることを支援しています。その結果、Indeedは膨大な独自の求人・採用データを活用し、求職者が仕事を見つけ、企業クライアントが優秀な人材を見つけることができる、グローバル人材マーケットプレイスを構築しています。
日本では、リクナビNEXTやタウンワーク等の当社グループ内ジョブボード並びに当社グループ以外のジョブボードとAirワーク 採用管理をはじめとする採用管理システム(以下、ATS)とをつなぐ求人配信プラットフォームであるIndeed PLUSを通じて、求職者へのリーチを拡大しています。現在、リクナビNEXTやタウンワーク等、リクナビを除くすべてのジョブボードがHRテクノロジー事業のIndeed PLUS利用ジョブボードとなっており、これにより、最大で国内主要求人サイト利用者の約7割(注4)にリーチすることが可能になりました。
また、リクルートエージェントを通じて国内人材紹介サービスも提供しています。当社グループのマッチングエンジンを活用し、経歴書のスクリーニング等これまで人が手作業で行っていた工程の効率化を進めています。
(注1) 社内データに基づくIndeed上で2026年3月31日までに登録された、メールアドレス認証済みの求職者のグローバル累計アカウント数
(注2) 2026年3月時点における直近12ヶ月のグローバルでのアクション数に基づく社内データ
(注3) comScoreに基づく2026年3月の訪問数
(注4) ㈱ヴァリューズ シェア調査 2024年6月(日本国内の主要求人サイトを1年に2日以上利用しているユーザーのうち、Indeed・タウンワーク・とらばーゆ・はたらいく・フロム・エーナビ・リクナビNEXT・リクナビ派遣を利用しているユーザーの割合。人材紹介等を除いた約60サイトを競合求人サイトとし、PC・スマートフォン間の重複は加味せず集計)
② 人材派遣事業
人材派遣事業は、日本並びに欧州、米国及び豪州で構成され、事務職派遣、製造業務・軽作業派遣及び各種専門職派遣等の人材派遣サービスを提供しています。労働者の派遣に際しては、予め派遣スタッフを募集・登録し、当該登録者の中から派遣先企業の希望する条件に合致する派遣スタッフを人選し、当社グループとの間で雇用契約を締結した上で、派遣先企業へ派遣しています。
人材派遣事業は人材マッチングサービスの提供で完結せず、派遣スタッフの就業期間中、その稼働時間に応じた派遣スタッフの給与を含む派遣料金が当社の売上収益として継続的に計上されることが特徴です。また、派遣スタッフは一般的に自宅周辺地域での就業を希望する傾向にあることから、各地域に営業拠点を構え、地域の企業クライアントと派遣スタッフをマッチングさせる、ローカルマッチングが重要なビジネスモデルです。
国内、海外共にマーケット特性に応じて組織をユニット単位に区分し、権限移譲により、各ユニットがマーケットに最適な戦略を実行することによって、利益の最大化を目指すユニット経営を推進しています。
③ マーケティング・マッチング・テクノロジー事業
マーケティング・マッチング・テクノロジー事業は、主に日本国内で事業を展開する、美容・旅行・飲食そしてSaaSからなるライフスタイル領域、住宅領域及び自動車、結婚、教育等からなるその他領域で構成されています。個人ユーザーと企業クライアントを繋げる事業分野別のバーティカルに特化したマッチングプラットフォームと、企業クライアントに向けた業務支援SaaSを運営しています。
代表的なマッチングプラットフォームとして、ライフスタイル領域は美容のHotPepper Beauty、旅行のじゃらん、飲食のHotPepperグルメ、住宅領域はSUUMOがあります。
オンライン移行当初から従量課金モデルを採用した旅行以外の多くの領域や分野では、課金体系は、マッチングプラットフォームへの期待アクション数とその獲得コストに応じて複数の料金プランを用意した「期待アクション数別プラン」を採用しています。また、当連結会計年度に、当事業プラットフォーム上でのマッチングを通じて購買に至った合計金額である流通取引総額(Gross Merchandise Value)に応じて当社が対価をいただく「GMV連動モデル」の導入を始めており、美容分野では2026年1月から「期待アクション数別プラン」に加えて「GMV連動モデル」を開始しました。
また、決済アプリであるAirペイ、POSレジアプリであるAirレジ等、13のAir ビジネスツールズに加えて、各事業分野のマッチングプラットフォームに付随した業務支援SaaSを提供することで、企業クライアントの事業運営を支える「エコシステム」を構築し、AIとデータの活用によって企業クライアントの収益性と生産性の向上を同時に実現することを目指しています。
なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断しています。
(2) 事業系統図

4 【関係会社の状況】
(1) 連結子会社
(2) 持分法適用関連会社
(注1) 主要な事業の内容欄にはセグメントの名称を記載しています。
(注2) 議決権の所有割合欄の(内書)は間接所有です。
(注3) 特定子会社です。
(注4) 重要な債務超過の状況にある関係会社はありません。当社グループ内での借入金等がある関係会社は、当該借入金を控除した負債から算定した純資産額を用いて、重要な影響を与える債務超過の有無を判定しています。
(注5) Indeed, Inc.、㈱リクルート及び㈱スタッフサービスについては、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。なお、下記はいずれも単体決算数値であるため、当社が各子会社を買収した際に生じたのれん、無形資産及び当該無形資産に係る償却費を含んでいません。
(注6) 当社の51job, Inc.の発行済株式総数に係る持分比率は39.9%です。
Indeed, Inc.の数値は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」に反映されているIFRSによるものであるため、経常利益は記載していません。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営の基本方針
ビジョン・ミッション・バリューズ
当社グループの経営理念として、基本理念、ビジョン(目指す世界観)、ミッション(果たす役割)、バリューズ(大切にする価値観)を掲げています。
当社グループは、個人ユーザーと、企業クライアントの双方に対してより多くの最適なマッチングソリューションを提供する、マーケットプレイスビジネスモデルを通してこれらの実現を目指してきました。
現在は、当社グループが培ってきた経験を活かして開発したAIを活用することで、マッチングの更なる効率性向上と高速化に注力し、個人ユーザーに対して最適な選択肢を提供し、企業クライアントに対して更なる業務効率化を支援しています。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、長期的な利益成長と企業価値及び株主価値の最大化に向け、新規事業投資や研究開発、M&A等の成長投資を機動的且つ積極的に実行していきます。そのための主な経営指標をEBITDA+Sと設定し、EBITDA+Sの達成度を役員の報酬に連動させることにより、株主の皆様との価値共有を促進しています。
(3) 経営戦略
当社グループは、テクノロジーの進化等により急速に変化する事業環境に対応し、グローバル市場におけるニーズやビジネス機会をいち早く捉え、迅速な意思決定の下で、企業価値及び株主価値の最大化に取組んでいます。
HRテクノロジー事業及び人材派遣事業が、グローバル人材マッチング市場において、またマーケティング・マッチング・テクノロジー事業が日本において、インターネット広告事業にとどまらず、AIとテクノロジーを駆使して企業クライアントの業績向上及び生産性改善をサポートするソリューションプロバイダーに進化することを目指しています。
加えて、不確実性が高まる中で持続的な企業価値向上を目指すためには、健全なガバナンスの基で、企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、すべてのステークホルダーとの共存共栄を目指す必要があると考えています。そのため、環境・社会・ガバナンスについて具体的な目標を掲げ、社内外ステークホルダーとの対話を重視しながら、その実現に向けて取組んでいます。
当社グループ全体の経営戦略と対処すべき課題は、以下のとおりです。
Simplify Hiring - 人材マッチング市場における採用プロセスの効率化
当社グループは、求人広告及び採用ツール市場、人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、採用オートメーション市場及び人材派遣市場の総称を人材マッチング市場と定義し、求職者がより速く容易に仕事を得られることや、企業クライアントの採用に係るコストと時間を削減することを通じた人材マッチング市場における採用プロセスの効率化に取組んでいます。
当社は、Simplify Hiringの実現に向けて、人材マッチング市場全体をターゲットとして当社グループの人材関連事業全体で連携を更に強化し、一体的に運営することが不可欠であると考えています。Indeed PLUS、そして人材紹介事業を通じて、当社は、これらの事業を一体的に運営することで、採用効率が向上し、グローバルなHRマッチング市場に効果的に対応する能力が加速されると考えています。
当社グループは、事業を展開しているすべての人材マッチング市場において、数多くある採用プロセスを自動化し、マッチングの質とスピードの向上に取組んでいます。各サービスが持つ膨大なデータをAIや機械学習技術と組み合わせて活用することで、採用プロセスを簡素化し、求職者と企業クライアントにさらなる価値を提供することを目指しています。長期的には、ボタンをクリックするだけで完了するような、より速く効率的で、公平な求職者と企業クライアントのマッチングを目指します(注1)。
HRテクノロジー事業は、グローバルで展開する世界有数のオンライン求人マッチング・採用プラットフォームであるIndeedとGlassdoor(注2)や、日本で展開する求人配信プラットフォームであるIndeed PLUSを含む、求職者と採用企業からなるグローバル人材マーケットプレイスを運営しています。Simplify Hiring戦略推進の中心的な役割を担っており、求職者と中小企業や大企業、派遣会社といった事業規模を問わず数多くの企業クライアントのマッチングを可能にしています。
HRテクノロジー事業のオンライン求人マッチング・採用プラットフォームに掲載されている求人は、公開情報からアグリゲートされたもの、ATSを通じて投稿されたもの、企業クライアントにより直接プラットフォームに投稿されたものがあり、求人件数は2,000万件以上(注3)にのぼります。より簡単で速く、また、一人ひとりに合った求職活動を支援するため、求人情報の検索やレコメンデーション、プロフィールの作成や経歴書の掲載、キャリアアドバイス、動画や電話による面接の設定や実施等、求職活動に関わる一連のツールを提供しています。
企業クライアントに対しても同様に、AIを活用して、より簡単で速く、また、一社一社に合わせた採用活動を支援するソリューションを提供しています。HRテクノロジー事業のオンライン求人マッチング・採用プラットフォームは、求人広告の掲載や採用のための企業ブランディング等を通して、様々な求職者へのアプローチを可能にしています。また、ペイフォーパフォーマンスモデルあるいはサブスクリプションモデルのソーシング、スクリーニング、採用候補者とのやり取りや面接といった採用プロセスに係るサービスを提供することで、効率的な採用活動を支援しています。
Indeedを採用のために毎年利用する企業クライアントは350万社(注4)あり、Indeed上で作成された求職者のプロフィールは6億6,500万件以上(注5)にのぼります。
人材マーケットプレイスの効率性と有効性を高めるためには、求職者と企業クライアントをマッチングするプロセスの改善が不可欠です。そのためには、予測AIや機械学習技術を活用し、過去のデータとリアルタイムの活動情報を分析することで求職者と企業クライアントの行動を予測し、求職者には最適な求人のレコメンデーションを、企業クライアントには最適な候補者リストを提供することが必要です。加えて、この改善を可能にするためには、大規模言語モデルに基づきレコメンデーションの背景を説明するなど、新しい体験を提供する生成AIの活用によって、当社サービスの人材マーケットプレイスにおける求職者と企業クライアントとのエンゲージメントを高めることも不可欠です。
求職者がログインをしてプロフィールを作成することで、当社サービスは求職者のスキルや好みをより深く理解することができ、よりパーソナライズされた求人情報を提供することができるようになります。これにより、求職者はより良いユーザー体験を得られるだけでなく、より効率的に適切な就職の機会を見つけることができるようになります。
更に、当社サービスがマッチング成立あるいは不成立の要因を理解することも、求職者と企業クライアントそれぞれにとって極めて重要だと考えています。当社の人材マーケットプレイスでは、求職者と企業クライアントの間で、メッセージのやり取り、電話、応募書類の提出、面接の申し込みや返信のリマインド、採用オファー等のやり取りが行われています。また、外部ATSとの連携を増やすことで、更に多くのデータをIndeedプラットフォームに集約し、マッチング精度の向上に取組んでいます。マーケットプレイス上でのやり取りを、採用プロセスにおけるそれぞれのステップごとに追跡することで、求職者と企業クライアント双方の視点から、何故次のステップに進むことができたのかという貴重な情報を得ることができます。
採用プロセスの効率化の進捗度合いを表す指標は、Indeed上における1分当たりの平均採用者数(注6)であると考えています。この指標はマッチング精度の向上、採用プロセスの自動化、企業クライアントとの関係性の深化の進捗を計るものであり、これら要素の改善はさらなる採用者数の増加に繋がります。2025年の1分当たりの平均採用者数は、社内測定に基づくと31名となりました。
また、Simplify Hiringを実現することを目指し、当社グループ全体が保有する企業クライアントとの関係性、オフライン、オンラインを合わせたすべてのユニークなデータを活用したAIテクノロジーを活用し、グループの人材関連事業全体でマッチングエンジンの進化に取組んでいます。
この一例が、Indeed PLUSです。Indeed PLUSは、当社のオンライン求人マッチング・採用プラットフォームに関するテクノロジーの強みと、タウンワークやリクナビNEXTをはじめとする、日本国内のジョブボードに蓄積されたデータや知見を組み合わせた求人配信プラットフォームで、日本国内の求職者と企業クライアントのマッチングをより効率化するサービスです。日本国内のジョブボードのうち、リクナビを除くすべてのジョブボードは既にIndeed PLUS利用ジョブボードとなっています。Indeed PLUSにより、求職者はより多くの求人の中から仕事を選択することが可能になり、また、企業クライアントもより多くの候補者の中から求める人材を、より速く、効率的に採用することが可能になります。
また、人材紹介サービスであるリクルートエージェントでは、当社グループのマッチングエンジンを活用し、経歴書のスクリーニング等これまで人が手作業で行っていた工程の効率化を進めています。日本市場で60年以上人材マッチングビジネスを運営してきた当社のノウハウと、Indeedのテクノロジーや膨大な量のデータを連携させ、日本国内でのSimplify Hiring戦略を積極的に進めていきます。
更に、人材派遣事業では、当社グループが持つ独自のマッチングエンジン等のテクノロジーを活用することに注力しています。従来の人材派遣の事業プロセスにデータの活用や自動化を導入することで、企業クライアントにより良い採用体験を、派遣社員にはより良い求職体験を提供していきます。マッチングの精度とスピードを改善し、派遣社員の定着率を向上させ、手作業のプロセスを自動化することで、人材派遣市場をリードする最も革新的なプラットフォームとなることを最終目標としています。
当社は、2025年のグローバル人材マッチング市場の規模を、2024年の推測規模(注7)から微減となる3,020億米ドル程度と推計しています。この減少は主に人材派遣市場の縮小を背景としたもので、その他の市場規模は概ね横這いと推定しています。詳細は注記をご覧ください。
人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、また採用オートメーション市場に含まれる社内の採用プロセスは、候補者のソーシングやスクリーニング、面接の設定、候補者の選定や採否決定のため、歴史的に手作業に大きく依存する業務プロセスであるとされてきました。当社グループはデータや自動化を活用し、これらの作業を効率化するソリューションを、業界平均よりも低価格で採用担当者や企業経営者に提供することを目指します。それによって、当社がサービスを提供する企業クライアント数を更に増やし、採用予算のうち、より多くのシェアを獲得することを目指します。
求人広告及び採用ツール市場
2025年における求人広告及び採用ツール市場の市場規模は、Staffing Industry Analysts(SIA)の推計に基づき、グローバルでの年間売上金額ベースで340億米ドル程度(注9)と推定しています。
人材紹介市場
正社員を雇用者に紹介することで手数料が発生する人材紹介市場における多くのサービスは、属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルを採用しており、2025年におけるグローバルでの市場規模を、年間売上金額ベースで710億米ドル程度(注11)と推定しています。
エグゼクティブサーチ市場
管理職が対象となるような、特定の役割を担う従業員候補者のサーチに報酬が発生するエグゼクティブサーチ市場では、多くのサービスが人材紹介市場と同様に属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルを採用しており、2025年におけるグローバルでの市場規模を、年間売上金額ベースで240億米ドル程度(注11)と推定しています。
人材派遣市場
2025年における人材派遣市場の市場規模は、グローバルでの年間売上金額ベースで5,220億米ドル程度(注13)、売上金額から派遣スタッフの給料や関連する費用を控除した売上総利益金額は940億米ドル程度(注13)と推定しています。
また、人材プラットフォーム(注17)、人材派遣プラットフォーム(注18)及びVMS/FMS(注19)における2025年のグローバルでの年間推定売上、並びにMSP(注20)及びRPO(注21)により代替可能な企業クライアントのリソースの年間推定金額(自動化によって得られる企業クライアントのコスト削減効果を考慮)もこの市場に含まれています。伝統的な人材派遣市場とこれらの市場の関連性及び人材派遣のサービスプロバイダーがこれらの市場のサービスの一部又は全部を提供する頻度を考慮し、当社はこれらの市場を人材派遣市場として統合することが適切であると考えています。
よって、2025年のこれらの市場規模の合計は約1,050億米ドル(注13)であると推定しています。
採用オートメーション市場
当社が既に一部で事業展開を行っている採用オートメーション市場は、2025年において、680億米ドル程度(注15)の市場規模であると推定しています。市場規模は、企業クライアントが人材採用のために社内リソースに費やしている金額を基に、その金額のうちどの程度が第三者による採用オートメーションサービスによって代替可能であるかを推定することに加え、自動化によって得られる企業クライアントのコスト削減効果を考慮した上で算出しています。更に、採用プロセスにおいて現在使用されている自動化ツールをより包括的に含めるため、この市場には、ATS市場における2025年のグローバルでの年間推定売上(注22)と身辺調査のうち、第三者によるサービスによって代替可能な社内リソースの年間推定金額(注23)も含まれます。
Help Businesses Work Smarter - 日本国内企業クライアントの生産性及び業績向上
Help Businesses Work Smarterは、マーケティング・マッチング・テクノロジー(MMT)事業が推進する、日本国内の企業クライアントの生産性及び業績向上に貢献し、その持続的な成長を実現することで、中長期的に当社の売上収益の増大を図るという戦略です。
MMT事業は、バーティカルに特化したマッチングプラットフォーム及びそれに付随する業務支援SaaSや、バーティカルを問わない業務支援SaaSのAir ビジネスツールズを提供しています。それらが構築するエコシステムで企業クライアントの事業運営に係るすべての経済活動を支える業務を循環、完結させることでこの戦略を実現します。
MMT事業のマッチングプラットフォームでは、9,865万(注1)のアカウント基盤を持つ「リクルートID」の個人ユーザーと約98万の企業クライアント(注2)の膨大なマッチングをタイムリーに創出しています。企業クライアントから業務支援SaaSを通じて連携された予約枠や、モノ・サービス等の情報に対する、リクルートIDを保有する個人ユーザーのアクション、例えば美容院の予約や新築マンションの資料請求によりマッチングが実現しています。特にMMT事業の顧客基盤の大半を占める中小規模の企業クライアントにとって、当社プラットフォームは、集客から問い合わせや予約管理、決済までを効率的に完結可能な、業務のデジタル化を実現するインフラとして貢献しています。
また、当社はマッチングプラットフォームと業務支援SaaSを通じて蓄積される、予約・決済に関するデータだけではなく、対面接客履歴といったオンライン上にない独自のデータを活用し、AIを用いたサービス内容や価格の改善提案を行います。
個人ユーザーは、「リクルートID」にアカウント登録することで、当社のマッチングプラットフォームでのアクションに応じてポイントが付与されます。このポイントプログラムの活用を促進することで、バーティカル間の相乗効果を創出しており、バーティカルプラットフォームの併用を示すクロスユース率(注3)は4分の3を超え、強固なユーザー基盤に基づくアクションを創出しています。
個人ユーザーのアクション数(注4)は、2017年度の約1.9億件から、2025年度には約4.0億件に増加しました(キャンセル除く)。今後はアクションデータやマッチングテクノロジーを駆使してマッチングプラットフォームの提供価値と利便性を向上させ、アクション数の増加を目指します。
「マッチングプラットフォームに蓄積される独自のデータを活用したAIによる改善提案」と「リクルートIDを保有する個人ユーザー基盤から創出されるアクション」を掛け合わせることにより、当社は当社マッチングプラットフォーム上でのマッチングを通じて購買に至った合計金額である流通取引総額、すなわち企業クライアントのGross Merchandise Value(GMV)の最大化を実現します。
現在は、多くのバーティカルで、企業クライアントの期待アクション数とその獲得コストに応じて月額固定で課金する「期待アクション数別プラン」を提供しています。今後は、美容分野を皮切りに、複数のバーティカルで、GMVに応じて当社が対価をいただく「GMV連動型」の収益モデルを段階的に追加していきます。こうした収益モデルの進化とAI活用によるGMV拡大を掛け合わせることで、AIの進化を企業クライアントと当社の双方の中長期的な成長をけん引する重要なドライバーとしていきます。
当社は、それぞれのバーティカルの事業環境の変化、個人ユーザーの多様化するニーズやAIの普及による情報収集や比較に関する行動変容及び企業クライアントへの提供価値の変化に対応し、各バーティカルごとにビジネスモデルを進化させます。これによりHelp Businesses Work Smarterを推進し、「日本中の企業クライアントの稼ぐ力を高める」ことで当社の売上収益増大を図ります。
Prosper Together -ステークホルダーとの共存共栄を通じた持続的な成長
当社は、企業活動全体を通じて社会にポジティブなインパクトを与え、すべてのステークホルダーと共存共栄を目指していくことが、当社の持続的な成長に繋がると考えています。当社では、不確実性が高い環境のなかで、より事業戦略とサステナビリティの取組みを一体的に推進すると共に、地域ごとの事業環境や社会課題に即して取組みを進めています。2031年3月期に目指す環境・社会・ガバナンスの目標に向けた、2026年3月期(注1)の進捗は以下のとおりです。
環境(Environment)
短期目標として定めた、当社グループの事業活動におけるカーボンニュートラルは、2022年3月期より5期連続して、2026年3月期も達成する見込みです(注2,3)。そして、2031年3月期までに目指すバリューチェーン全体を含めたカーボンニュートラル(注2,4)に向けても、SBTiの短期目標に基づいて温室効果ガス(GHG: Greenhouse Gas)排出量削減を進めており、2025年度までの目標を大幅に超えて削減する見込みです。
当社のGHG排出量の95%以上(注5)を占めるスコープ3については、パートナーと共に排出量を精緻化する取組みを進めています。一例として日本では、パートナーと連携して、システム開発プロジェクト単位でGHG排出量を算定し、その算定結果に対して第三者保証が取得されました(注6)。今後は、主要パートナーにモデルケースを展開することで、バリューチェーン全体の排出量を精緻化するとともに、削減に向けた取組みを進めていきます。
また、企業の環境に対する取組みを評価する国際的な非営利団体であるCDPにより、気候変動分野における課題解決と開示の透明性におけるリーダーシップが認められ、2023年より3年連続で、2025年も最高評価であるAリスト企業に選定されました(注7)。
社会(Social)
世界で人材マッチング事業を展開する当社グループとして、人々にとって欠かせない生活基盤である「仕事」の領域で、すべての求職者に雇用機会を提供し、就業までに掛かる期間を短縮することで社会にインパクトを創出していくために、2031年3月期に向けた2つの目標を掲げています。
1点目の2031年3月期までに「就業までに掛かる時間」を半分にする目標に向けては、Indeed上の求人における「採用までに掛かる時間」を指標として短縮に向けた取組みを進めています。2025年度にその測定方法を従来の平均値から国際的なベストプラクティスにも沿う中央値へ変更しました(注8)。そして、2025年12月時点の「採用までに掛かる時間」は30日となり、2024年12月時点から6日増加しました(注8)。これは、米国のマクロ経済環境の影響が要因の1つです。
一方で、厳しいマクロ経済環境下においても、当社の有料ソリューションやプロダクトイノベーションが「採用までに掛かる時間」の短縮に寄与することがわかっています。例えば、米国において、Premium Sponsored Jobsを利用してIndeedに直接掲載された有料求人における「採用までに掛かる時間」は、無料求人と比較して50%短いといった結果が得られています(注9,10)。
更なる「採用までに掛かる時間」の短縮に向けては、AI等を活用したプロダクトを通じて、初期段階の選考効率化、マッチングの高度化、応募後の求職者と雇用主間のやり取りの円滑化を進めています。例えば、Indeed Smart Screening機能を通じて、選考の初期段階で、雇用主が定めた要件に基づいて候補者を探しやすくする仕組みを提供しています。最終的な選考判断は雇用主が行う前提で、要件に沿った候補者を効率的に確認できるため、選考に掛かる時間の短縮につながります。本機能を提供している米国での初期テストでは、この機能を利用した雇用主の「採用までに掛かる時間」が平均20%短縮されました(注11)。
当社は、こうした取組みを通じて、求職者が就業するまでのプロセスを、より速く、シンプルに、もっと身近にするとともに、求職者と雇用主のより良いマッチングを実現することで、社会への貢献と持続的な事業成長の両立を目指していきます。
あわせて、労働市場には、ジョブマッチングの速度と精度を向上するだけでは解決することが難しい数多くの障壁が存在しています。そこで、2031年3月期までに累計3,000万人の障壁に直面する求職者の就業を実現するという2点目の目標を定め、学歴や障がい等の6つの障壁の低減に取り組んでいます。特に、学歴等の従来の形式的な要件だけでは見えにくい、仕事やトレーニング等を通じて求職者が得たスキルを基に選考する「スキルファースト採用」の拡大を進めています(注12)。
具体的には、AIを活用したJob Description GeneratorやIndeed Smart Sourcingなどの機能を通じて、スキルや経験に基づく求職者と雇用主のより適切なマッチングを支援しています。このような取組みに加えて、Opportunity@Work、国際移住機関(国連関連機関)、Hidden Disabilities Sunflowerなど世界各地の団体と連携した取組みも進めています。
これらの取組みの結果、2026年3月期までに累計で約1,880万人の障壁に直面する求職者の就業を実現しました(注13,14)。引き続き、インクルーシブでスキルファーストな採用を促進することで、労働市場の障壁の低減に取り組んでいきます。
また、当社グループでは、創業以来、従業員一人ひとりの違いを大切にし、その好奇心から生まれるアイデアや情熱に投資することで、新たな事業やサービスを生み出してきました。この考えに基づき、2031年3月期までに当社グループ全体における上級管理職・管理職・従業員それぞれでジェンダーパリティを目指す目標(注15)に向けて取り組んでいます。
グループ全体の目標達成に向けては、地域ごとに異なる課題を踏まえた取組みが重要であると考えています。例えば、ジェンダーギャップが大きい日本を中心に事業を展開する㈱リクルートでは、管理職要件の明文化等を通じて候補者拡大に取り組むとともに、コーチングメソッドを取り入れた人材育成プログラムを展開しました。これらの取組みの結果、女性管理職比率は、継続して向上しています(注16)。
ガバナンス(Governance)
当社は、経営の透明性と健全性を向上し、経営の意思決定の質を上げるためには、様々なスキルや経験、バックグラウンドを持つメンバーで取締役会を構成することが重要であると考えています。
2031年3月期までに当社の取締役及び監査役全体のジェンダーパリティを目指す目標に向けては、当社の中長期戦略の実現に向けて必要となるスキルやバックグラウンドを検討した上で、取締役候補の検討を継続しています。
(4) キャピタルアロケーション方針
当社のキャピタルアロケーションは、以下を優先順位として設定しています。
- 既存事業の継続的な成長に資する開発費用及びマーケティング費用
- 安定的な1株当たりの配当の継続的な実施
- 人材マッチング市場におけるHRテクノロジー事業を中心とした戦略的M&A
- 市場環境及び財務状況の見通しを考慮した上での自己株式取得
また、個別の投資案件の実行の是非を判断する際には、資本コストを上回るハードルレートを適用する等、資本効率を重視し、ROEを意識した経営に取組んでいます。なお、2026年3月期のROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は31.0%でした。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社は、企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、すべてのステークホルダーと共存共栄を目指していくことが、当社の持続的な成長に繋がると考えています。そこで当社では、サステナビリティに関する取組みを経営戦略の1つとして位置付け、2021年5月に「サステナビリティへの目標」として、2031年3月期(注1)に向けた具体的な時間軸と目標を定め、取組みを進めています。
なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが本報告書提出日現在に合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1) サステナビリティ全般に対する対応
① ガバナンス
当社では、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会での審議を踏まえて、サステナビリティに関する取組みに必要な体制整備を行い、その取組みを取締役会において監督しています。サステナビリティ委員会では、サステナビリティ関連のインパクト、リスクと機会を識別・評価し、ネガティブインパクトの緩和とポジティブインパクトの拡大、リスク低減と機会獲得に向けた方針、戦略及び計画について議論し、関連する指標および目標の確立を審議します。取締役会では、その進捗とともに、対応策を含めた事業計画や投融資を確認し、これらを監督しています。
そして、サステナビリティ委員会の社内委員である各SBU統括会社のCEOを兼務する当社執行役員は、各SBUにおけるサステナビリティ戦略及び計画を策定し、事業運営の中でネガティブなインパクト、リスクを低減し、ポジティブなインパクト、機会を獲得するための取組みを進めています。
また、当社のサステナビリティに関する取組みは、サステナビリティ担当執行役員を責任者として進めています。当該責任者は、取締役会に対して、サステナビリティに関する取組みについて報告します。そして、当該責任者の配下にサステナビリティ所管部署を設置し、当社グループのサステナビリティ関連情報の収集、インパクト、リスクと機会の識別及び評価、その対応方針と戦略の検討、施策の推進及び進捗管理、ステークホルダーとの対話等を行います。
② リスク管理
当社では、毎年、サステナビリティに関するステークホルダーの関心テーマを収集し、社会潮流の変化を分析します。そして、サステナビリティ委員会において、サステナビリティ関連のインパクト、リスクと機会を識別・評価し、対応すべき課題について審議しています。また、サステナビリティ関連のリスクは、当社グループ全体のリスクマネジメントプロセスに統合して評価し、リスクマネジメント委員会において、包括的且つ一元的に管理しています。サステナビリティ関連の中長期的なリスクと機会についてはサステナビリティ委員会に委任され、具体的な議論を行います。その結果はリスクマネジメント委員会に連携され、取締役会に報告されます。
サステナビリティ関連のインパクト、リスクと機会の管理体制(役割と会議体)

サステナビリティ委員会及びリスクマネジメント委員会については、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」「(1) コーポレート・ガバナンスの概要」「① 企業統治の体制の概要等について」を、気候関連のリスク管理については本項目「(2)気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に沿った情報開示」「② リスク管理」を、人的資本に関するリスク管理については本項目「(3)人的資本の強化に向けた社内環境整備・人材育成」「② リスク管理」をあわせてご参照ください。
③ 戦略
(a) マテリアリティ(重要性)評価のプロセス
当社では、サステナビリティに関する戦略の立案に向けて、サステナビリティ関連のインパクト、リスクと機会を識別・評価し、当社にとって重要性がある項目を特定しています。2026年3月期は、当社が社会や地球環境に対して与える影響(インパクト)と当社財務に対する影響(財務影響)の2軸で評価するダブルマテリアリティの考え方に基づき、以下のプロセスでマテリアリティ(重要性)の判断を実施しました。
ステップ1:サステナビリティ項目の抽出
評価対象となるサステナビリティ項目の詳細かつ包括的なリストを作成しました。リストの作成にあたっては、外部機関が定める国際基準及び業界基準(注2)を参考にしました。
ステップ2:サステナビリティ項目の評価
ステップ1で抽出した各サステナビリティ項目について、ダブルマテリアリティの考え方に基づき、インパクトと財務影響の2軸で評価を行いました。インパクトの評価においては発生可能性と深刻度(範囲・規模・是正困難度)について、財務影響の評価においては発生可能性と影響金額について、それぞれ採点を行い、採点結果を総合して優先順位付けを行いました。採点にあたっては、従業員・個人ユーザー・投資家等・NGO/NPO等の多様なステークホルダーとのエンゲージメントを通じて得たフィードバックを活用しました。また、AIをはじめとする技術革新を含む社会潮流の変化を反映すべく、国際機関やNGO/NPO等が公表している情報を参照しました。
ステップ3:マテリアリティ(重要性)の判断
ステップ2の評価結果が事業実態に即していることを、各SBU統括会社のCEO及びサステナビリティ担当役員が確認しました。その上で、社外の有識者が参加するサステナビリティ委員会での審議を経て、当社取締役会においてマテリアリティ(重要性)を決議しました。
上記の評価プロセスを通じて特定されたサステナビリティ関連の重要性があるインパクト、リスクと機会は以下のとおりです。
リクルートグループのマテリアリティ(重要性)

サステナビリティ関連の重要性があるインパクト、リスクと機会
(b) サステナビリティに関する取組
当社では、上記のマテリアリティ(重要性)評価を経て特定された、サステナビリティ関連の重要性があるネガティブインパクトの緩和とポジティブインパクトの拡大、リスク低減と機会獲得に向けて、管理体制の整備、方針策定、戦略・計画立案を推進しています。また、取締役会の諮問機関である各委員会での審議を踏まえて取組みを進め、取締役会にて進捗確認をしています。
1. 気候変動
当社は、すべての企業活動はあらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であってはじめて成り立つと考え、様々な活動を行っています。特に気候変動対策については重要テーマと位置づけ、当社グループ全体で温室効果ガス排出量のカーボンニュートラル達成に向けた目標を定め、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗管理と議論をしていきます。当社の気候変動に対する取組みについては、本項目「(2) 気候変動への対応」をご参照ください。
2. 人的資本
当社グループでは、従業員の意欲を最大化することを改めて経営の重要テーマとし、特にインクルージョン&ビロンギングと従業員の職場におけるウェルビーイング、内発的動機を引き出す社内環境整備と人材育成に取組んでいます。当社の人的資本に対する取組みについては、本項目「(3) 人的資本強化に向けた社内環境整備・人材育成」もあわせてご参照ください。
3. 人権
当社は、当社グループの役員と従業員、当社グループ会社の派遣サービスに登録している方々を直接の保護の対象と位置付けて「リクルートグループ人権方針」を掲げています。また、その中に個人ユーザーの人権をより尊重する方法を追求し、サービスを進化させていく方針を含めています。人権方針は、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて決議しています。
4. データセキュリティ・データプライバシー
当社は、データセキュリティ・データプライバシー対応を当社グループの重要課題と定め、保有するデータを重要性に応じて分類し、事業内容や国・地域ごとの法規制や保護すべき情報資産の特性に応じて必要な体制や施策を整備しています。また、リスクマネジメント委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認と議論をしています。詳細は「3 事業等のリスク」をご参照ください。
5. 労働市場の流動性
世界で人材マッチング事業を展開する当社グループは、人々にとって欠かせない生活基盤の一つである「仕事」の領域で、すべての求職者に雇用機会を提供し、就業までに掛かる期間を短縮することで社会にインパクトを創出することを目指しています。データやテクノロジーを活用してプロダクトを常に進化させるとともに、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認と議論をしています。詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3) 経営戦略」「Prosper Together -ステークホルダーとの共存共栄を通じた持続的な成長」をご参照ください。
6. 労働市場に存在する障壁
当社は、労働市場には求職者と仕事のマッチングスピードと精度を向上するだけでは解決できない、多くの障壁が存在すると考え、より良い生活を支える仕事との出会いを増やすことで、より公平で持続的なソーシャルインパクトの創出を図っています。プラットフォームの進化を含む自社の施策によって障壁の低減に取り組むとともに、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認と議論をしています。詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3) 経営戦略」「Prosper Together -ステークホルダーとの共存共栄を通じた持続的な成長」をご参照ください。
7. 企業倫理
当社グループでは、コンプライアンスを法令遵守の枠を越えて企業と個人が適正な行動を行うことで社会的な期待や要請に応えていくことであると位置づけ、事業活動の大前提としています。企業倫理の徹底のため、従業員教育等の施策、内部通報窓口の設置を行うとともに、コンプライアンス委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認と議論をしています。詳細は、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」「(1)コーポレート・ガバナンスの概要」「②内部統制システム整備の状況」をご参照ください。
8. コーポレート・ガバナンス
当社は、取締役 兼 常務執行役員 兼 COOを、サステナビリティ推進を含めたコーポレート・ガバナンスの責任者と位置づけ、指名・ガバナンス委員会及び報酬委員会での審議を踏まえて、取締役会にて適切なコーポレート・ガバナンス体制や役員報酬のあり方を確認しています。当社のコーポレート・ガバナンス方針及び役員報酬については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。
④ 指標及び目標
当社では、2021年5月に、経営戦略の1つとして「Prosper Together - ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長」を加え、地球環境や社会へのポジティブなインパクトを拡大するための具体的な指標と目標を定めた「サステナビリティ目標」を発表しました。特に、当社グループが事業として携わっている「仕事」は、人々にとって欠かせない生活基盤です。そこで、サステナビリティ目標の中では、特にS(社会)の領域で事業を通じたインパクトを創出していくことで、主要な機会の獲得を目指しています。
E:Environmental 環境
すべての企業活動は、あらゆる生命の生存基盤である地球環境が健全であってはじめて成り立ちます。当社グループでは、気候変動対策として、温室効果ガス(GHG: Greenhouse Gas)排出量の削減に取組みます。
環境に関する目標
・2022年3月期中に、当社グループの事業活動(注4)において、カーボンニュートラルを目指す
・2031年3月期までに、当社グループの事業活動を含むバリューチェーン全体(注4)において、カーボンニュートラルを目指す
また、2031年3月期までに目指すバリューチェーン全体を含めたカーボンニュートラル(注4)に向けては、2015年12月に採択されたパリ協定が求める、地球の平均気温上昇を産業革命前と比べて1.5度未満に抑えることを目指す削減水準に沿って3カ年目標(注5)を定めて推進してきました。この3カ年目標の最終年度である2025年3月期の排出量において、大幅に削減を達成し、さらなる排出量削減に向けて取組みを加速しています。また、気候変動への対策に向けて、プロダクトやサービスを通じた貢献も進めていきます。当社の気候変動に対する取組みについては、本項目「(2) 気候変動への対応」をご参照ください。
S:Social 社会
OECDの調査によると、3カ月間収入が無い状態が続くと約40%の人々が貧困に陥ってしまう(注6)ことが分かっています。そこで、働きたいのに就業できない人を無くすことを目指して、求職者と仕事のマッチングを圧倒的に速くすることで失業期間の短縮に貢献します。また、雇用市場にはマッチングの効率化だけではすぐに解決することが難しい、様々な就業への障壁が存在します。そこで、当社グループでは、テクノロジー活用とパートナーシップを通じてこの障壁を低減することで、あらゆる人々の就業機会を拡大し、その失業期間の短縮に貢献します。
ソーシャルインパクトに向けた目標
・2031年3月期までに、就業までに掛かる時間(注7)を2022年3月期比で半分に短縮することを目指す
・2022年3月期から2031年3月期までに、雇用市場にある障壁を低減することで累計3,000万人(注8)の採用を支援することを目指す
また、当社では、創業以来、従業員一人ひとりの違いを大切にし、その好奇心から生まれるアイデアや情熱に投資することで新たな事業やサービスを生み出してきました。そこで、従業員の価値創造への意欲を最大化することを改めて経営の重要テーマとし、インクルージョン&ビロンギングに取組みます。特に、ジェンダーについては当社グループ全体で目標を定め、取組みを加速します。
従業員に関する目標
・2031年3月期までに、当社グループ全体における上級管理職・管理職・従業員(注9)それぞれにおいてジェンダーパリティを目指す
従業員に関する詳細は「第4 提出会社の状況」「5 従業員の状況等」「(2)従業員の状況」「⑥ 従業員構成に関する状況」を、当社の人的資本に対する取組みについては、本項目「(3) 人的資本強化に向けた社内環境整備・人材育成」もあわせてご参照ください。
G:Governance ガバナンス
経営の透明性と健全性を向上し、経営の意思決定の質を上げるために、様々なスキルや経験、バックグラウンドを持つメンバーで取締役会を構成すること(注9)が重要であると考えています。特にジェンダーについては目標を定めて取組みます。
経営体制に関する目標
・2031年3月期までに、当社の取締役会構成員(注10)のジェンダーパリティを目指す
2026年3月期の実績については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)経営戦略」「Prosper Together - ステークホルダーとの共栄を通じた持続的な成長」をご参照ください。
(2) 気候変動への対応
当社では、地球環境の保全は、持続的な企業価値の向上に向けてステークホルダーと共存共栄をする上で重要な企業活動の基盤であると定めています。その上で、特に気候変動については、2031年3月期までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラル(注1)を目指す目標を定めて、温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)の排出削減を進めています。その一環として、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、本項目にて、そのフレームワーク(注2)に沿って気候変動への移行計画に関する開示を行っています。
① ガバナンス
(1)で記載のサステナビリティに関するガバナンスの一環として、気候変動に対するガバナンスを行っています。責任者であるサステナビリティ担当執行役員は、取締役会に対して、気候変動によるリスクや機会の評価、リスク低減と機会の獲得方法について報告します。また、当該責任者配下のサステナビリティ所管部署において、当社グループの環境関連情報の収集、GHG排出量削減の進捗管理、気候変動によるリスクや機会の識別及び評価、その対応方針の検討及び推進、ステークホルダーとの対話や関連調査を行います。
② リスク管理
前述のサステナビリティに関するテーマの一環として、気候変動によるリスク及び機会を特定・評価し、管理しています。リスク管理に対する取組みについては、本項目「(1)サステナビリティ全般に対する対応」「②リスク管理」をご参照ください。
③ 戦略
a. 戦略の前提
当社は、気候変動によって平均気温が4℃上昇することが世界に大きな影響を及ぼすことを認識し、気温上昇を1.5℃未満に抑制することが重要であると考えています。そこで、複数の気候変動シナリオ(4℃と1.5℃)に基づき、2031年3月期までの短期・中期・長期のリスクと機会の発生可能性と財務影響を評価し、主要なリスクの低減及び機会の獲得に向けた対策を取締役会において確認しています。また、シナリオ分析においては、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)(注1)や国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)等の国際機関及びそれに準ずる調査機関が発行するレポートを参照しています。
b. 気候変動による主要なリスク
当社がシナリオ分析を経て特定した主要なリスクとその発生可能性、財務影響は以下のとおりです。財務影響は項目ごとに試算しており、金額根拠の確度が比較的高いと考えられる炭素税のみ数値で示しています。
今後も、前述のガバナンス体制の下で気候変動が当社グループに及ぼす影響を注視し、継続的に評価の見直しと情報開示を充実させていきます。
c. 気候変動による主要な機会
当社グループが特定した主要な機会とその発生可能性、財務影響は以下のとおりです。
本シナリオ分析を通じて、当社が定める3つの経営戦略であるSimplify Hiring、Help Businesses Work Smarter そしてProsper Togetherを推進することが、気候変動に対するレジリエンスを高め、主要リスクを低減し、機会を獲得することに繋がることを確認しました。今後も気候変動に関する社会やステークホルダーの動向を注視し、その変化を捉えて当社グループの機会としていくことで、労働市場のレジリエンスと持続可能性の向上に貢献したいと考えています。具体的な取組みについては、本項目「(1)サステナビリティ全般に対する対応」「サステナビリティ目標」をご参照ください。
④ 指標・目標と実績
a. 指標
当社では、GHGプロトコルに則った温室効果ガス排出量(Scope1,2,3の絶対量(注1,2))を、気候関連のリスクと機会を管理する指標に定めています。
b. 目標
当社は、2021年5月に発表したサステナビリティ目標において、2022年3月期までに自らの事業活動におけるカーボンニュートラル(注1,3)、2031年3月期までにバリューチェーン全体におけるカーボンニュートラルを目指す目標を経営戦略として定めています(注2,3)。そして、カーボンニュートラルの達成に向けては、SBTi(Science Based Targets initiative)より認定を取得した以下の「1.5℃目標」(注4)に基づき排出削減を進めると共に、残存排出量のオフセットを行います。
・スコープ1+2(注1):GHG排出量を2031年3月期までに46.2%削減 (基準年2020年3月期)
・スコープ3(注2):GHG排出量を2031年3月期までに30%削減 (基準年2020年3月期)
c. 実績
当社では、2020年3月期より、GHGプロトコルに則ったGHG排出量の算定を開始し、2025年3月期の事業活動を通じた排出量(Scope1+2)は6,122t-CO2(前年比-15%)(注5)でした。このスコープ1及び2のGHG排出量については第三者保証(注6)を取得しています。また、短期目標である2024年3月期事業活動におけるスコープ1及び2のカーボンニュートラルは、計画どおり達成しています(注1,3)。
(3) 人的資本の強化に向けた社内環境整備・人材育成
当社では、人的資本の強化を重要な企業活動の基盤として定め、持続的な企業価値の向上に向けた社内環境の整備と人材育成を進めています。
① ガバナンス
当社は、グループの基幹組織設計と主要ポストのサクセション、従業員のインクルージョン&ビロンギング向上に向けた風土醸成を主軸に人的資本強化に向けたガバナンスを行っています。経営戦略の実現に向けた基幹組織と人事については、指名・ガバナンス委員会での諮問を経て、取締役会において決議しています。また、当社グループの主要事業や機能トップといった主要ポストのサクセションに向けては、経営戦略会議の諮問機関として「人材開発委員会」を設置し、当社CEOが議長となり、戦略ビジネスユニット(SBU: Strategic Business Unit) ごとにサクセション議論とその進捗確認を行なっています。ポストごとに求める職務要件や人材要件を定め、短期・中長期の候補者を選定し、候補者の強みと課題を明らかにした上で育成計画を議論します。そして、年に1回、育成状況の進捗確認を行うことで取組みを加速しています。従業員に向けた施策については「(1)サステナビリティ全般に対する対応」「③戦略」「(b) 企業活動の重要基盤」を、また従業員については「第4 提出会社の状況」「5 従業員の状況等」「(2)従業員の状況」「⑥ 従業員構成に関する状況」をご参照ください。
また、取締役 兼 COOは、取締役会に対して、人的資本に関するリスクや機会の評価、その対応策を含んだ組織人事案について報告します。また、当該責任者の配下に人事所管部署を設置し、経営戦略の実現に向けて最適なグループストラクチャーや基幹人事の検討、主要ポストのサクセション、従業員のインクルージョン&ビロンギング向上に向けた風土醸成の推進等を行います。
人的資本強化に向けたグループ推進体制

② リスク管理
人的資本に関する中長期的なリスク及び機会の議論は人材開発委員会に委任され、リスク低減と機会獲得に向けた組織人事案に関する具体的な議論を行い、その結果は取締役会に報告されます。また、人的資本に関するリスクについてはリスクマネジメント委員会に連携され、取締役会に報告された上で、当社グループ全体のリスクマネジメントプロセスに統合して評価し、リスクマネジメント委員会において包括的且つ一元的に管理しています。
③ 戦略と指標及び目標
当社は、グループの基幹組織設計、主要ポストのサクセションと様々なスキルやバックグラウンドを持つ候補者の選定の方針をガバナンスした上で、事業の成功に向けては、ビジネスモデルや事業戦略と人材・組織戦略との合致(アラインメント)が何よりも重要であると考えています。そこで当社では、組織人事に関する主要な権限をSBUに移譲し、事業戦略との接続を強化しています。各SBUでは、事業成功に向けて重要な人的資本に関する指標や目標を定めて取組みを進めていますが、当社が最も重視するインクルージョン&ビロンギングの向上については、グループで指標と目標を定めて取組みを加速しています。
a. 従業員の好奇心や情熱を最大化する
当社は、創業以来、大切にする価値観(バリューズ)として「個の尊重 - Bet on Passion」を掲げ、従業員一人ひとりの違いを尊重し、その好奇心から生まれるアイデアや情熱に投資することで、新たなサービスや事業を生み出してきました。そこで、従業員一人ひとりの好奇心や情熱こそが競争優位の源泉であると考え、個人の内発的動機を高めるための社内環境整備を行っています。
まず、個人の違いを尊重する起点として、「リクルートグループ人権方針」では、企業活動において階級や人種、肌の色、性別、言語、宗教、ジェンダー、年齢、政治的・その他の意見、国民的若しくは社会的出身、国籍、財産、性的指向、性自認、障がい、出生等を理由とした差別や人権侵害を行わないように努め、すべての人々に平等な機会を提供し、その人らしい生き方や働き方を尊重することを定めています。そして、グループ共通の課題であるジェンダーについては、経営戦略の一環として指標と目標を定め、サステナビリティ委員会での審議を踏まえて、取締役会にて進捗確認をしています。具体的な指標・目標については「(1)サステナビリティ全般に対する対応」「④指標及び目標」を、また従業員については「第4 提出会社の状況」「5 従業員の状況等」「(2)従業員の状況」「⑥ 従業員構成に関する状況」をご参照ください。
従業員の内発的動機の向上に向けて、当社及び主要な国内連結子会社では報酬決定の基本方針として「Pay for Performance」を掲げています。従業員(注1)に対して、年齢や入社年次、性別等に関わらず、期待される役割の大きさとそれに対する成果で報酬を決定する「ミッショングレード制」を導入しています。半年ごとに、個人の能力の見立てに基づき期待成果を定め、担う職務の価値を設定します。その職務の価値でグレード(ミッショングレード)が決定されるため、ハイプロフェッショナルを含む多様なキャリアパスにおいて、高い価値の職務を担う個人にはそれに応じた高い報酬が設定されます。これにより、スピーディーで柔軟な人材任用と、一人ひとりが能力をいかんなく発揮できる組織風土を維持・促進しており、これらは当社グループの持続的な成長を支える重要な基盤となっています。
また、当社グループでは、このような仕組みに加え、人的資本及び知的財産への投資の一環として、個人の内発的動機を最大限に引き出す組織文化の醸成に継続的に取組んでいます。その実現に向けて、例えば、当社及び国内外の主要子会社では従業員エンゲージメント・サーベイを行い、従業員のエンゲージメント向上に向けて対処すべき課題を把握し、組織風土を継続的に改善するサイクルを実施しています。
各SBUにおける組織文化の醸成に向けた取組みは以下をご確認ください。
HRテクノロジーSBU
HRテクノロジーSBUは、当社グループが保有する膨大なデータとテクノロジーを活用して、より効率的な求職活動及び採用活動を実現するためのオンライン求人マッチング・採用プラットフォームを運営しています。この事業成功に向けては、世界中から、エンジニアをはじめとした優秀な人材を獲得し、中長期的な事業価値向上に向けて従業員の意欲を高めていくことが重要です。
そこで、2021年より、役員や従業員を対象とした株式交付制度(Employee Stock Ownership Plan信託)を導入し、グローバルに展開する上場テクノロジー企業と比肩する採用競争力を確保するとともに、当社の中長期的な企業価値向上に向けた貢献意欲を高めています。また、主要子会社であるIndeedでは、従業員のパフォーマンス向上やイノベーションの促進、そしてキャリアアップの支援を目的に、様々な研修プログラムを提供しています。たとえば「Indeedスキルアカデミー」と呼ばれる学習プラットフォームを通じて、従業員は複数のメンバーから成るコミュニティにおいて同僚や専門家から学ぶ、あるいは自分のペースで学ぶ等、自分で学ぶ環境を選択し、継続して学習できるようになりました。また、「Boost Apprenticeship Program」ではエンジニア以外の従業員がエンジニア職に就けるスキルを習得することができる研修を提供しています。
従業員の働く意欲を高めるために、従業員データを活用して、採用から退職までの従業員ライフサイクル全体における従業員エクスペリエンスの向上にも取組んでいます。また、従業員主導で会社横断の課題を解決するために組成されているインクルージョン・ビジネス・リソース・グループ(IBRGs)と連携して、様々なマイノリティ従業員のエクスペリエンス改善を目指しています。
そして、様々な働き方のニーズに応えるために、従業員の健康やワークライフバランス、ウェルビーイングを高めるための制度や仕組みを整備しています。例えば、必要に応じて有給を追加取得できるオープン有給休暇制度を設定しています。また、快適な在宅勤務に向けた周辺機器の提供や、オフィスにフィットネススペースを用意する等によって快適なワークプレイスの実現を支援しています。
人材派遣SBU
人材派遣SBUは、多くの国や地域や業界で、求職者に就業機会を、企業クライアントに柔軟な労働サービスを提供し、EBITDA+Sマージンの維持改善を通じて安定的な事業運営を目指しています。この実現に向けては、対峙する地域や市場ごとに、EBITDA+Sマージンを最大化するために最適な意思決定を、柔軟且つ迅速に行うことが重要です。
そのため、SBU配下の子会社に「ユニット経営」と呼ばれる経営手法を導入しています。「ユニット経営」では、権限移譲されたユニットの長が、自分のユニットを独立した会社のように運営します。ユニットごとの自由裁量を促すことで責任者の当事者意識を高め、迅速で質の高い意思決定を促進する仕組みです。この経営手法によって、従業員は、成果に向けて意思決定をする権限を持ち、高い貢献意欲を持つとともに、リーダーとして意思決定力を高める機会を得ています。
また、多彩な意思決定ボードであることを重視し、主要ポストのサクセションプランニングではさまざまな強みをもつ候補者を確保したうえで、採用や任用を議論する仕組みを導入しています。あわせて、会社や国を超えてSBU全体で多彩なリーダーを育成するためのグローバルメンター制度を導入しています。
あわせて、国や地域を超えて主要子会社においてエンゲージメントサーベイを導入し、従業員のエンゲージメントを定点把握することで、組織風土を継続的に改善するサイクルを実施しています。
マーケティング・マッチング・テクノロジーSBU
マーケティング・マッチング・テクノロジーSBUでは、日本を主な市場として、販促オンラインプラットフォームやSaaSソリューション等を運営しています。これらの事業成功に向けては、従業員のアイデアや情熱から生まれる市場ニーズを捉えたプロダクトやサービス開発を促進することに加えて、進化を続ける個人が集まりチームとしての力を最大化することが重要です。
そこで、「価値の源泉は人」を基本方針として、年齢や入社年次、経験に関係なく従業員の可能性に期待して求める役割と報酬を決める「ミッショングレード制度」、従業員の意志を起点として仕事を通じた能力開発を行う「Will-Can-Mustシート」、組織全体で従業員の進化に向けた機会提供を議論する「人材開発委員会」、自ら手を挙げて仕事機会を獲得する社内異動の仕組みである「キャリアウェブ」、自ら発見した社会の不や違和感から新規ビジネスを創造する「Ring」、イノベーティブな仕事とナレッジを共有する「FORUM」を軸として人材マネジメントを行うことで、従業員と組織の自律的な進化を促進しています。
また、事業戦略の実現に向けては、ポストごとに人材要件を定めて人材獲得と育成を進めています。キャリア採用はもちろん新卒採用においても、ビジネスグロース、プロダクトグロース、エンジニア、データスペシャリスト、デザイン、ファイナンスといった職種別採用を行うことで、個人の志向やスキル、経験を活かした活躍を促進しています。
そして、能力開発を促進する配置やミッションアサインといったOJTと、それをサポートするOFF-JTを組み合わせて育成を進めています。OFF-JTとしては、プロダクト開発者向けのITブートキャンプ研修や、役割変更後の早期立ち上がりを支援するトランジション研修等様々なプログラムを用意しています。
あわせて、「公園(CO-EN/Co-Encounter)」をコンセプトとして、一人ひとりの好奇心や情熱を起点に組織や会社の垣根を超えた協働や協創を生み出し、価値創造につなげる場を目指しています。その実現に向け、個人とチームが自律的に生産性高く働き、創造性を最大限発揮できるように、副業兼業や再入社等を通じて社外で自己実現することも応援する環境を整備し、様々な働き方のニーズに応えています。
また、2006年にはインクルージョン推進の専門組織を立ち上げ、様々な従業員の「働きやすさ」向上に向けた制度やサポート体制の整備を進めてきました。そして、2021年からは、従業員一人ひとりの活躍を推進する「働きがい」の向上に向けて、まずはジェンダーについて管理職比率の目標を定めて取組みを加速しています。その一つである「管理職要件の明文化」では、女性と男性の両方の管理職候補者が増え、多様なリーダーが生まれる兆しが出てきています。また、エンゲージメントサーベイを含めた様々な従業員データを用いて人的資本を可視化することで、その強化に向けた取組みを加速しています。
b. 社会の「不」の解消に向けて、組織を変え続ける
また、当社では「新たな価値の創造 - Wow the World」を掲げ、社会の「不」を解消するために従業員が生み出すプロダクトやサービスを起点に、市場環境の変化にあわせて組織を変容(トランスフォーメーション)し続けてきました。当社では、従業員を起点にした価値創造サイクルを強化し、会社を変容し続ける力を経営における重要なスキルであると定め、社内・社外問わずすべての取締役会メンバーに求めるスキルとして「トランスフォーメーション」を特定しています。取締役会のスキル要件については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 」「(1) コーポレート・ガバナンスの概要 」「① 企業統治の体制の概要等について」を、具体的な指標・目標については本項目「(1)サステナビリティ全般に対する対応」「④指標及び目標」「G:Governance ガバナンス」をご参照ください。
リクルートグループの価値創造サイクル

当社グループの人的資本については「Recruit Group Profile」「リクルートの人的資本経営」(https://recruit-holdings.com/files/sustainability/data/Recruit_insideout2025_ja.pdf#page=30)を、人的資本に関するデータや詳細施策については「サステナビリティデータブック」の「社会」「人的資本」(https://recruit-holdings.com/ja/sustainability/data/、2026年7月・2027年1月の年2回更新予定)をご参照ください。
(注1) 該当する従業員は、期間の定めの無い無期雇用の従業員及び期間の定めのある有期雇用のうち一部の雇用形態の従業員です。
3 【事業等のリスク】
(1) リスクマネジメント体制
① リスクマネジメントに関する規程
当社では、当社グループ全体のリスクマネジメントの体制を体系的に定める「リクルートグループリスクマネジメント規程」や、重大案件の迅速な報告及び情報共有を行うことを目的とした「リクルートグループエスカレーション細則」を制定し、グループ全体のリスクマネジメントを、当社グループの事業の継続及び安定的な発展を確保するために重要なものと捉えて積極的に取組んでいます。
② リスクマネジメント委員会
当社は、取締役会の諮問機関としてリスクマネジメント委員会を設置しています。当社のリスクマネジメント委員会は、当社の取締役及び執行役員が参加し、各SBUのリスクマネジメント状況のモニタリングを行い、その状況及び当社におけるリスクマネジメント状況も踏まえてグループリスクマップを基に、当社グループを取り巻くリスクについての包括的な議論を行っています。その上で、当社のリスクマネジメント委員会においてグループトップリスクを選定し、その対応策やモニタリングの方針を決定しています。
③ 当社及びSBUにおけるリスクマネジメント体制
当社は、取締役 兼 常務執行役員を、リスクマネジメント本部担当として配置しています。当社は、リスクへの対応のポイントが日本と海外とで差異があると考えていることから、リスクマネジメント本部配下にJapan担当とInternational担当の執行役員を配置し、それぞれの特性に応じて、グループトップリスクへの対応を行っています。加えて、当社の内部監査所管部署においてグループトップリスクへの対応状況の業務監査を円滑に実施することができるよう、当社のリスクマネジメント所管部署は当社の内部監査所管部署とも適時に情報共有を行い、連携をしています。
また、SBUにおけるリスクマネジメント体制は以下のとおりです。
a. SBU統括会社では、当該SBUにおけるリスクマネジメント担当役員を任命し、当該SBUにおける子会社の事業に関連するリスクマネジメントの状況のモニタリングを行っています。これに加え、SBU統括会社は、それぞれSBUリスクマネジメント委員会を半期に一度開催し、SBUを取り巻くリスクを包括的に確認して議論を行うとともに、SBUのトップリスクの選定と対応策の決定を行い、それらのリスクの状況のモニタリングを行っています。
b. SBUリスクマネジメント委員会には当社のリスクマネジメント本部担当取締役 兼 常務執行役員も参加し、SBUにおけるリスクマネジメント状況を確認しています。各SBUの子会社においては、リスクの洗い出しや重要性の判断、対応策の実施等、リスク管理を実施することとしています。
当社のリスクマネジメント委員会の事務局を担うリスクマネジメント所管部署は、これらのリスクマネジメント活動について、定期的に当社の取締役会に報告し、取締役会が当社グループを取り巻くリスクの状況や対応状況について、適切にモニタリングできる体制を整えています。
当社グループのリスクマネジメント体制図

(2) 当社グループのトップリスクと主な対応策
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」)に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、当社の取締役及び執行役員が特に注力して対応が必要であると認識するグループトップリスクとそれに対する主な対応策は以下のとおりです。
このリスクについての詳細な説明は、本項目「(3) 当社グループの経営成績等に影響を与える重要なリスク」「 ⑨データセキュリティ・データプライバシーに関連するリスク」をご参照ください。
(注) 上記は、本報告書提出日時点において、グループトップリスクによる、当社が想定する当社グループの経営成績等への影響を低減するために有効と判断した対応策のうち主要なものを記載したものです。しかし、人為的なミスや内部者の意図的な行為により情報漏洩が発生する場合、オンラインで提供するプロダクトやシステムに重大なバグや欠陥が生じる場合等、上記の対応策が奏功しない可能性があり、また、係る対応策を有効に実施したとしてもリスクが一切消滅することを保証するものではありません。更に、将来データプライバシーの保護に関する法令等が改正され、又は新たな不正アクセス方法やコンピュータウイルスが開発される等により、リスク自体の重要性や内容が変化し、又その対応策の有効性が低下する可能性があります。
(3) 当社グループの経営成績等に影響を与える重要なリスク
上記の当社グループトップリスクを含む、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があると当社の経営陣が認識するリスクの詳細は以下のとおりです。但し、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの経営成績等に影響を与える重要なリスク一覧
① 景気の動向等のマクロ環境に関するリスク
当社グループの業績は、一般的に日本、米国、欧州及び豪州を中心とする各国の景気等の経済情勢、社会情勢及び地政学的状況に影響されます。特に、HRテクノロジー事業及び派遣事業で構成される人材マッチング事業は、経済情勢の不透明感又は悪化に伴う企業の雇用環境の変化の影響を受けます。また、マーケティング・マッチング・テクノロジー事業においても、経済情勢等の変動により個人ユーザーの消費が低迷すること等に伴って、企業クライアントが広告宣伝費を削減する可能性があります。
近時の急激な物価上昇や日本における長期的な少子高齢化及び総人口の減少、長期間にわたった日本銀行によるマイナス金利政策の終了などの金融政策の変更、米中間の政治的経済的対立や米国による対外政策・経済制裁を含む通商・安全保障政策の動向、米国における関税政策、移民政策の転換、DEI政策の変化等、当社グループが事業を展開する各国の経済情勢の不確実性が高まっていることや、原油価格の高騰を引き起こしている中東情勢の悪化と長期化、エネルギー価格の大幅な上昇や金融市場の変動を引き起こしているロシア・ウクライナの軍事衝突の長期化、及びそれに関連して実施されているロシアへの国際的制裁措置の影響、中国経済の先行き不透明感、台湾・北朝鮮及びパレスチナ情勢を含む中東諸国の地政学的リスクの増加等、グローバルの経済情勢等が及ぼす影響も懸念されます。経済情勢等の停滞・悪化や新たな感染症の拡大により当社グループのサービスに対する需要が低迷する場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
HRテクノロジー事業においては、企業クライアントの採用需要の低下が見られる場合、同事業の業績に影響を与える可能性があります。足元では、米国において、採用数と離職数が共に歴史的な低水準で推移する「低採用・低離職」の状況が定着し、企業の採用意欲は慎重になっています。米国外の多くの地域でも求人数は緩やかに減少しており、今後係る傾向が継続する場合、長期間に亘り同事業の業績に影響を与える可能性があります。
日本における人材派遣事業については、当連結会計年度において派遣労働者受入れの需要が増加傾向にありました。一方で、欧州、米国及び豪州については、不透明な経済状況を背景に派遣労働者受入れの需要が低下していますが、当連結会計年度の下半期においては、特定の地域や職域において売上収益に回復の兆しが見え始めています。依然として経済環境は不透明であり、当該回復が継続するかは予断を許さない状況にあります。今後係る傾向が継続したり、日本においても同様の傾向が見られる場合には、売上収益が減少し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
また、マーケティング・マッチング・テクノロジー事業においては、住宅ローンに係る日本国内の金利の変動や、旅行、外食等日常的な消費活動に対する根本的な意識の変化が生じる等、これらのサービスの需要が変化する場合に、同事業の業績に影響を与える可能性があります。企業クライアントによる広告出稿の停止が継続したり低価格プランへ移行する傾向が継続する等の場合、また、企業クライアントの売上収益自体が減少する場合に、当社の売上収益が減少し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
② 競合に関するリスク
当社グループの各事業が事業展開を行う市場には、複数の競合他社が存在する上、参入障壁が必ずしも高くない事業も存在するため、他業種の事業者等を含む新規参入者による市場への新規の参加が比較的容易であり、競争はより激しくなる傾向にあります。これらの市場の中には、テクノロジーの重要性が高く、テクノロジーの進歩が非常に速いものがあるため、当社グループが技術革新に対応できない場合や競合他社が技術革新に成功した場合、業界の動向が一変し、当社グループが大きく市場シェアを失う可能性や当社グループの将来の事業展開が著しく困難となる可能性があります。
これらの市場においては、ブランド・ロイヤリティ、法規制及び大きな資金力や既存の顧客基盤等により競争上の優位性を維持することが必ずしも容易ではありません。当社グループの競合他社の中には、グローバルに事業展開を行う巨大テクノロジー企業を中心に、テクノロジー、ビジネスモデル、資金力、価格競争力、グローバル又は特定の地域における認知度、既存ユーザー層の厚さ、クライアントとの関係、人材の確保、独自のサービス及び営業・マーケティング力それぞれの点において、現在当社グループより優位に立つ事業者も存在します。このような競合環境において当社グループが競争力を維持できない場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
更に、当社グループが、個人ユーザー及び企業クライアントのニーズ又は嗜好の変化等に対応できないこと、その提供するサービスの機能向上を図れないこと、当社グループの提供するサービスについて競合他社との十分な差別化を図れないこと、競合他社が当社グループより低い価格で同水準のサービスを提供すること、競合他社が個人ユーザーの嗜好にあったサービスを導入すること、競合他社間が合併・統合等により競争力を高めること及び規制環境の変化等に対応できないこと等によっても、当社グループの競争力を維持できなくなる可能性があります。また、企業クライアントが自らユーザー基盤を確立し、当社グループのサービスを利用しなくなる可能性もあります。
当社グループは、特に日本では、マーケティング・マッチング・テクノロジー事業の多くの主要事業において既に高い市場シェアを獲得しているため、それらの領域において更なる成長を達成する難易度は高く、クライアントが当社グループに支払う広告宣伝費を維持又は増加できない場合や、当社グループが過去に取引実績がなかったクライアント等に対する新規開拓が進まなかった場合には、当社グループが持続的な成長を達成することは困難となる可能性があります。仮に当社グループが市場シェアを維持又は増加するために価格を下げ、又は新サービスを導入する場合には、当社グループの事業の収益性が低下する可能性があります。
③ 個人ユーザー・企業クライアントのニーズの変化に関するリスク
当社グループが競争力や市場シェアを維持するためには、個人ユーザー及び企業クライアントのニーズの変化に対応する必要があります。また、昨今、従来のマスメディアによる情報発信だけでなく、インターネット・SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等により、リアルタイムでの情報発信が行われていることや、技術革新により多様なサービスが比較的少額の投資で短期間に個人ユーザーに普及し得ること、新たなデバイスや技術の普及によりユーザー・エクスペリエンスが大きく変わり得ること等により、個人ユーザーのニーズの移り変わりや、これを受けた企業クライアントのニーズの変化は非常に激しくなっています。
また、HRテクノロジー事業やマーケティング・マッチング・テクノロジー事業においては、当社グループのオンラインプラットフォームへの広告出稿が売上収益の多くを占めますが、一部のサービスにおいては企業クライアントのニーズに即するために出稿期間を短期に設定することも可能であるため、当社グループのサービスを継続的に使用しない可能性や、他のプラットフォーマーへの乗り換えが容易になる可能性があります。
当社グループがこのような個人ユーザー及び企業クライアントのニーズの変化を的確且つ迅速に把握できない場合や、個人ユーザー及び企業クライアントのニーズに対応する当社グループのサービスの適切なタイミングでの改良又は開発及びサービスの提供ができない場合並びにこれらのニーズにより合致したサービスが他社により新たに開発された場合、個人ユーザー及び企業クライアントそれぞれのニーズと利害のバランスの取れたサービスを提供することができない場合には、個人ユーザー及び企業クライアントが当社グループのサービスから離れ、当社グループの市場シェアの縮小や売上収益の減少、又はそれに対応した値下げ等による利益率の低下、係る利益率の低下に対応するためのビジネスモデルの改良又は開発が成功しないこと等により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
④ 技術革新によるリスク
テクノロジー業界においては、技術革新のサイクルが極めて速く、競合他社が使用するテクノロジーが個人ユーザー及び企業クライアントのニーズに影響することから、当社グループが競争力を維持するためには、将来における技術革新を予測して、新たなテクノロジーへの投資と導入・事業化を継続的に行う必要があります。さらに、近年AIや機械学習等の新技術が急速に進化していることを認識しています。AIを含む技術革新に関しては、以下のような様々なリスクが伴います。
・当社グループが技術革新や業界標準技術のトレンドを正確に予測することができず、結果として当社グループが採用又は開発した新技術等が、そもそも事業化できない、又は使用可能となってもその時点では陳腐化、競争力低下等が生じているリスク
・高度な専門性や斬新なアイデアを創出する技術者又はマネジメントを確保又は育成できない、又は係る技術者の確保又は育成に多額の費用が発生するリスク
・技術革新に対応するために必要なシステム・技術インフラを維持又は更新できない、そのために多額の費用が発生する、又は適切なシステム・技術インフラの取捨選択に失敗するリスク
・6G等の新たな通信技術や端末や業界標準技術の多様化及び進化に対応した改良が適時に行えない、又は既存のシステム又は設備等の改良や新たな開発等により多額の費用が発生するリスク
・AIや機械学習等の新技術を適用した商品又はサービスに、想定していないバグ、欠陥又は不備が発生し、法的・社会的基準から逸脱するコンテンツを生成した結果、当社グループのブランドの価値及び信用が毀損するリスク
・AIや機械学習等の新技術をいち早く開発・導入した企業や、新技術をより効果的に利用する企業との間で新たな競争が生じるリスク
・個人ユーザー及び企業クライアントにとって利便性の高い汎用的なAIの普及により、当社グループのサービス(外部事業者の提供するAIツールに依拠したサービスを含む)の利用者が減少する又はサービス自体が代替されるリスク
これらの各要因により、当社グループが追加の費用の支出を余儀なくされ、又は技術革新に対応することが困難となる場合、個人ユーザー及び企業クライアントが当社グループのサービスから離れ、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
⑤ 事業戦略に関するリスク
当社グループは、急速に変化するインターネット事業環境等に対応し、グローバル市場におけるニーズやビジネス機会をいち早く捉え、迅速な意思決定の下で、企業価値及び株主価値の最大化に取組むため、事業価値の拡大に取組んでいます。
各事業においては、広範で地理的にも多様な事業ポートフォリオの構築を通じた持続可能な成長を志向していますが、このためには既存事業の拡大に加え、戦略的な提携や買収の慎重な実施を含む新規事業への参入が必要です。しかし、変化が極めて速く不確実性の高い事業環境において、将来の業績や市場環境の正確な予測及びこれに基づく有効な戦略の策定は極めて困難であるため、当社グループの予測や各種施策が有効であるとの保証はなく、また、以下に記載するリスク要因を含む様々なリスク要因が存在するため、当該事業戦略が当社グループの将来の業績の向上につながらない可能性や、将来において当該事業戦略の変更を余儀なくされる可能性があります。
HRテクノロジー事業
Indeedを中心に買収等の成長投資による事業規模の拡大を含め、グローバルHRマッチング市場での持続的な成長を企図しています。しかし、当社グループの成長は経済全体の成長及び雇用状況に大きく依存しています。加えて、売上収益の成長性は、顧客層の拡大、有料求人広告数の増加、採用プロセスの自動化を通じた収益性の向上に影響されます。また、人材マッチング市場の中で、HRテクノロジー事業が市場シェアを拡大できるかにも影響されます。
また、当社の採用オートメーションに係るサービスは、企業クライアントの採用オートメーションの活用に対する意欲が当社の予想を下回るといった、様々な要因により、当社が現在想定している速度で成長しない可能性があります。
また、テクノロジーの進化に伴い個人ユーザーや企業クライアントが新たに抱える課題(AIやbotを利用した大量の求人応募による企業クライアント側の負担増等)への対処が遅れる可能性があり、米国においてはこのような課題に対処するためにAI等の新しいテクノロジーを用いること自体が、規制上の監視および訴訟リスクにさらされています。これらに加え、当社グループによる新しいテクノロジーの導入や活用の遅れ、人材市場における個人ユーザー及び企業クライアントのニーズの急激な変化、テクノロジーの進化に伴う新たな法規制の導入や競争環境の激化等により、当社グループが事業機会を捉え収益化することができない可能性があります。
人材派遣事業
グローバルレベルで事業の収益性の向上を図ります。しかし、当社グループが事業展開する主要な法域における法規制の強化等により、収益性が想定どおりに向上しない又は悪化する可能性があります。
マーケティング・マッチング・テクノロジー事業
主に日本国内の企業クライアントを対象に、テクノロジーやデータを駆使したオンラインプラットフォームや業務・経営支援ツールであるSaaSの提供等を行っています。
しかし、当社グループが新規の個人ユーザー及び企業クライアントを獲得できない、又は競合他社よりも魅力的・革新的なサービスを提供できないことにより、当社グループが提供するオンラインプラットフォームやSaaSが個人ユーザー及び企業クライアントに採用されない若しくは採用されるために多額の費用を要する可能性があります。
また、人材マッチング市場においては、市場における当社グループの存在感の拡大を目指して投資を行います。現在、当社グループは、HRテクノロジー事業及び派遣事業において人材マッチング事業を展開していますが、求人広告及び採用ツール市場、人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、人材派遣市場並びに採用オートメーション市場において、テクノロジーの活用により業務プロセスを自動化・効率化し、より費用対効果が高くより高い生産性をもたらすマッチングソリューションの拡大を続けることを目指しています。
しかし、係るソリューションの開発や導入ができない可能性や人材市場の急激な変化に対応できない可能性、当社グループのソリューションが市場に受け入れられない可能性、係るソリューションの提供に必要な投資を回収できない可能性があります。
更に、当社グループは、人材マッチング市場において、従来の人的作業によらずに先端的なテクノロジーや大量のデータ、エージェンティックAIを駆使して、企業クライアントの採用活動を自動化するという長期ビジョンを掲げていますが、効率的なソリューションが開発できない、係るソリューションの収益化のための需要が足りない、又は法令による規制等により、当社グループが当該長期ビジョンを達成できる保証はありません。また、業務プロセスの効率性を高めるソリューションを提供していくことにより、当社グループが運営している人材紹介や人材派遣等の既存事業と、新規に開始又は拡大する事業が競合関係になる場合、当社グループの既存の事業の収益性が低下する可能性があります。
当社は社外の第三者のデータ及び独自の市場調査及び仮定に基づき、当社の事業が展開可能な市場に関する市場規模を推定しています。しかし、いかなる推定も、確実に実現可能であることを示すものではありません。特に、採用オートメーション市場に関しては、当該市場がいまだ形成途上にあるため、係る市場における事業機会を推定することが困難です。その結果、当社事業の成長機会が想定を下回る可能性があり、係る成長機会を追求するために結果として誤った資源配分を行う可能性があります。
加えて、新規事業の展開全般については、当社グループが新規に開始し又は拡大した事業に対する個人ユーザー及び企業クライアントのニーズが想定を下回り又はその嗜好や需要が変化した場合、新たな国又は事業への参入やそのための人材確保・育成に要する費用が想定よりも増加する場合、当該市場での競争が激化した場合、個人ユーザーに対する訴求力や取引する企業クライアント数を増加させるための施策が不十分である場合等には、既存事業の拡大や新規事業の開発のための投資に見合った収益を得られない可能性があります。
逆に、当社グループが新規に開始し又は拡大した事業が当初期待していた効果をあげることができなかった場合や当該事業の成長余力が低いと判断した場合には、これらの事業の撤退や事業の縮小を行うことにより、費用又は損失が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、これらの事業についての撤退や縮小についての判断が遅れた場合には、損失の計上が長期化し、また、撤退等に要する費用や損失が増加する可能性があります。
⑥ 買収・投資活動等に伴うリスク
当社グループでは、長期的な利益成長の実現に向け、海外での事業展開、新規ユーザーの獲得、新規サービスの展開、既存サービスの拡充、関連技術の獲得等を目的として、買収や出資、協業・提携を機動的且つ積極的に実行しており、今後も、将来の当社グループの業績や企業価値の向上に貢献すると判断した場合には、これらを実行していきます。
買収や出資における対象会社の選定においては、対象会社の事業計画とそのリスク等を予測して行いますが、これらの予測を誤る場合には、買収した企業が期待された収益やシナジーを生み出さず、当該買収等により生じた投資の回収に想定以上の期間を要する可能性や、投資の回収を図れない可能性があります。
特にテクノロジー企業の買収や出資については、対象会社のテクノロジーが初期段階に留まることや技術革新が急速に発生し得ることから、係る買収・出資においては、上記のリスクはより高まる可能性があります。加えて、適切な対象企業又は合弁パートナーを見つけることができないこと、受入可能な取引条件を交渉・合意できないこと、買収資金を調達できないこと、必要な同意や許可等を取得できないこと、法令上の問題を解決できないこと等の理由に基づき、買収、合弁事業その他の提携行為を行うこと自体ができない可能性があります。
この他、革新的なテクノロジーや人材の獲得等を目的に、社歴が浅く経営管理体制が不十分な企業を買収する場合や、利益を計上していない企業を買収する場合、十分なデューディリジェンスが実施できない場合には、想定していなかった又は想定していた金額以上の債務の存在やコンプライアンス上の問題点が買収後に判明する可能性があります。
また、当社グループが対象企業の支配権を有しない案件においては、出資先の経営に対して十分なコントロール又はモニタリングができない可能性や、事業開始後に経営方針の相違等から期待した収益が得られない可能性があります。
更に、買収や協業・提携の実施には、事業・テクノロジー等の統合や期待したシナジーの実現が困難となる可能性や多額の費用が発生する可能性、協業先・提携先に対して、当社グループの保有するノウハウやマネジメント・人材・取引先が流出する可能性、各国における法規制、労使関係、文化、言語等の違いや政治・経済情勢により買収等の実施又はその後の対象会社の経営が困難となる可能性、買収や投資のために借入が増加する可能性があります。
また、将来的に各合弁パートナーとの間で何らかの理由により協業・提携関係に支障をきたすような事態が発生した場合、当該事業の経営成績等に影響を与え、又は当該事業の継続が不可能になる可能性があります。当社グループのHRテクノロジー事業においては、革新的なテクノロジーや人材の獲得を目的に、比較的社歴の浅く利益を計上していない企業の買収・出資が増加することが見込まれますが、係る買収・出資においては、上記の各リスクはより高まる可能性があります。
⑦ グローバル展開に伴うリスク
当社グループは、米国、欧州、豪州及びアジア諸国等多くの国と地域で事業を展開しています。
当社グループがこれらの多様な国と地域で事業を展開する上では、又は既に事業を展開していた国と地域以外にも新たに事業を展開していく上では、各国・地域の政治情勢、経済情勢、法規制、税制、当局による監督、商慣習及び文化の差異、個人ユーザー及び企業クライアントの嗜好、インターネット・モバイル機器の普及状況、労働問題、言語の差異、国際関係の悪化、訴訟の多発、外資規制、人材確保の困難性、海外における当社グループの知名度の相対的な低さ、多様な国・地域における事業のモニタリングの困難性等、事前に想定することの困難な様々な課題に対応する必要があります。
これらの課題に適時適切に対応できない場合、各国・地域の事業展開において当社グループが期待する成果を上げられず、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
⑧ 人材確保・労務環境リスク
当社グループが、競争上の優位性の確保、事業環境の変化への対応又は持続的な成長を可能とするためには、マネジメント・技術・営業等の様々な分野において優秀な人材を確保し且つ育成する必要があります。近年、特にHRテクノロジー事業及びマーケティング・マッチング・テクノロジー事業において、AIの領域を含む優秀なIT技術者の確保及び育成が重要となってきていますが、係るIT技術者の確保又は育成ができない場合や優秀な人材を確保するため従業員の報酬・賃金水準が上昇する場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
また、マネジメントや技術者を含む重要な人材が競合他社等に流出した場合や、当社グループが想定するよりも多くの離職が生じ、新たな人材を確保できない場合には、当社グループの競争力や社会的信用が悪化し、経営成績等に影響を与える可能性があります。
また、労働人口の減少等により従業員の採用・育成が厳しい状況に陥った場合、採用コスト・人件費の増加や、人材確保に向けた戦略に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが良好な職場環境やリモートワーク等、従業員にとって柔軟な職場環境を整備できない場合には、優秀な人材の採用や確保に影響を及ぼすことやイノベーションを阻害すること等により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
更に、当社グループの人材派遣事業においては、当社グループが派遣する社員が安全且つ衛生的に働ける職場環境が派遣先において整備されていない場合、派遣社員の心身の健康や安全が損なわれ、当社グループの経営成績等やブランド及び社会的信用に影響を与える可能性があります。
⑨ データセキュリティ・データプライバシーに関連するリスク
当社グループは、その事業の運営に際し、個人ユーザー又は企業クライアントその他の関係者の個人情報及び機密情報を大量に保有しています。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」(以下「個人情報保護法」)、欧州連合(EU)の「欧州連合一般データ保護規則」、米国カリフォルニア州の「California Consumer Privacy Act」(「California Privacy Rights Act」による改正部分を含む)等、各国・地域の個人情報に関する法律が適用されます。
これらの法規制の中には、データセキュリティシステムが不十分であることが判明した場合に、データの流出について重大な制裁金や直接責任を課すものがあります。また、これらの法規制は、法域ごとに異なるものとなる可能性や、近年の個人情報及び機密情報の管理に対する意識の高まりから内容が複雑化しており、その遵守や事業運営のための費用が増加する可能性があります。更に、これらの個人情報等の取扱いに関する法規制には、制定又は施行されてからの期間が短いため当局の解釈及び運用が必ずしも明確でないことがあり、係る解釈や運用によっては、当社グループの従来の情報の取扱いと整合しない可能性があります。
一方で、当社グループの事業において個人情報や機密情報等を含むデータやそれを管理・運用するテクノロジーの重要性は高まる傾向にあり、当社グループのサービスにおけるデータの運用が意図せず法規制の違反や個人ユーザー又は企業クライアントの不利益又は不信感を招き、当局から業務停止命令、罰金その他の処分を受ける可能性、個人ユーザー又は企業クライアントから訴訟を提起される可能性や当社グループのブランドの価値及び信用が毀損する可能性があります。
また、個人情報等の取扱いに関する法規制が今後より厳格となる場合又は当社グループが法規制の違反若しくは社会的な意識の高まりその他の理由に基づき個人情報や機密情報等の管理・運用に関する当社グループの方針の変更を余儀なくされる場合には、情報の活用に対する制約が増すことにより、当社グループのサービスの品質が低下し、個人ユーザー又は企業クライアントが減少する可能性や、多種且つ大量の個人情報を用いて事業を展開する当社グループの優位性が失われ若しくは経営戦略の見直しを迫られる可能性があります。
更に、第三者によるセキュリティ侵害、ソフトウエアのバグ、ハッキング、従業員の故意又は過失等によって、当社グループが保有する個人ユーザー又は企業クライアントその他の関係者の個人情報や機密情報の外部流出又は不正使用等が発生した場合、当社グループは個人ユーザーや企業クライアント等に対する損害賠償責任を負うとともに、当局から業務の停止につながり得る行政処分等を受ける可能性がある等、当社グループの事業、社会的信用及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
⑩ 情報システムに関するリスク
当社グループでは、システムトラブルの発生可能性を低減するためのシステムやセキュリティの強化等の対策を行っていますが、その事業の運営において情報ネットワーク及びコンピュータシステムを多岐にわたり使用しているため、災害・事故等による通信ネットワークの障害、ハードウエアやソフトウエアの欠陥や事故によるシステム障害、過失や妨害行為、コンピュータウイルスや第三者による不正アクセス等のサイバーアタックが生じた場合、システムや通信ネットワークが使用できなくなることや、当社グループが保存する当社の個人ユーザー又は企業クライアントの個人情報及び機密情報が喪失又は流出することにより、当社グループの事業運営、社会的信用及び経営成績等に影響を与える可能性があります。更に、業界全体の脆弱性が、当社の事業及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
また、当社グループのマーケティング・マッチング・テクノロジー事業においては、企業や店舗で必要な会計・決済等の機能に関するクライアントの経営・業務効率を改善するサービスとして、Air ビジネスツールズ等のSaaSソリューションを提供していますが、これらのシステム障害等やサービスの中断等が発生した場合には、当社グループがこれにより個人ユーザー又は企業クライアントに対する損害賠償責任や補償金の支払い等を負担する可能性があることに加え、当社グループが提供するサービスへの信頼喪失を招き、当社グループの事業及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、システムの運用やメンテナンス等の一部を第三者に委託し、それらへの依存度が増加していくことが予想されるため、システムの不具合等について当社グループ自身で対処できない可能性が高まりつつあります。更に、情報インフラの構築、運用、拡張に係るシステム投資や維持費用が将来大幅に増加する可能性もあります。
⑪ 当社グループが提供するアプリケーションの欠陥等によるリスク
当社グループは、様々なサービスをアプリケーション等のソフトウエア及びデバイスを通じて個人ユーザーや企業クライアントに提供しています。これらの開発過程において検証やテストを実施し、動作確認には万全を期していますが、サービス提供開始後に、ソフトウエアやデバイスに重大なバグや欠陥が発生し、当社グループのサービスの一部又は全部を正常に提供することができない可能性、個人ユーザーや企業クライアントのデータの消滅や書換えその他係るデータを適切に保護できない可能性、第三者によるデータの不正入手、取引停止等が発生する可能性があります。
また、当社グループの提供する一部のサービスにおいては、オンライン上でのユーザー獲得、オンライン予約管理、POSレジ、決済等のクライアントが事業を運営する上での主要な機能全般をカバーするため、アプリケーションの欠陥等が発生した場合、クライアントに重大な損害が生じる可能性や、個人ユーザー又は企業クライアントの機密情報や個人情報が喪失又は流出する可能性があります。
これらの影響により、当社グループに対する訴訟や損害賠償請求が提起され、又は行政処分が課される等、当社グループの事業、社会的信用及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 法規制に関するリスク
当社グループは、自らが事業を展開する国又は地域の法令等を遵守する必要があります。個人情報保護、データ保護、電気通信、消費者保護、労働及び職業紹介・人材派遣関連法令、人権、反贈収賄、税務、競争関連規制(独占禁止規制)等、当社グループに適用される法令等に違反した場合、当社グループの事業運営、業績及び社会的信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、一定の事業を行う上では各国・地域の許認可等を取得するとともに、当局の監督を受けることがありますが、当社グループが係る許認可等を失い又は当局から業務停止命令、罰金、その他の処分を受ける場合には、対象事業を営むことができなくなる可能性があります。
更に、将来当社グループに適用される法令等の新設又は改正、司法・行政解釈等の変更がある場合、複雑化する法規制への対応の遅れや、それにより当社グループが事業機会を逸する可能性や、当社グループの事業運営、社会的信用及び経営成績等に影響を与える可能性があります。また、近時、企業と人権問題に関する活発な議論がなされていますが、当社グループが人権に関する法令に関して適切に対応できない場合、当社グループのブランドに影響を与える可能性があります。
当社グループの事業に適用される法令等には、主として以下のものがあります。
HRテクノロジー事業
HRテクノロジー事業は、米国の「Communications Decency Act」、「California Consumer Privacy Act(「California Privacy Rights Act」による改正部分を含む)」、「Telephone Consumer Protection Act」、「Wiretap Act」、「Stored Communications Act」、「Fair Credit Reporting Act」、その他類似の法規制(バイオメトリクスに関するものも含みます。)、EUの「欧州連合一般データ保護規則」、「デジタルサービス法」、「デジタル市場法」、日本の「個人情報の保護に関する法律」や「職業安定法」、英国や他の国の類似の規制の適用を受け、又は受ける可能性があります。当社グループが、職業安定法等に違反した場合には、事業に必要な許認可が取り消されたり、業務停止命令や業務改善命令を受ける可能性があり、また、関連法令の改正により、当社グループが受け取る手数料に変更が生じる場合があります。加えて、オンライン求人マッチング・採用プラットフォーム及び求人配信プラットフォームサービスを提供する当該事業は、各国の競争関連規制の適用を受けるため、当社グループのルールに基づき、どの企業に対して、当社グループのサービスを利用させるかの判断に関連して、優越的地位の有無や当該地位の濫用について調査対象となり、濫用と判断された場合に罰金が課せられる可能性があります。
また、EUにおいては、包括的なAI規制である「European Artificial Intelligence Act」が発効され、禁止されるAI利用行為に関する規制や汎用目的AIに関する規制等の生成AIに関する一定の規制が段階的に施行されております。米国においては政権交代に伴い「The Executive Order on the Safe, Secure, and Trustworthy Development and Use of Artificial Intelligence」が撤回され、「REMOVING BARRIERS TO AMERICAN LEADERSHIP IN ARTIFICIAL INTELLIGENCE」との大統領令が発令されました。例えばコロラド州やニューヨーク市などのいくつかの米国の州や都市では、雇用の決定におけるAIおよびAIツールに関する規制が施行又は施行に向けた準備がなされており、雇用におけるAIの使用に対する規制が増加する傾向が続くと予想しています。これらの規制は、既存または将来の事業運営に負担をかける可能性があります。さらに、米国の裁判所または規制当局は、採用選考や職務経歴の確認にAIツールが使用された場合、そのAIツールの利用者に加え、当社グループのようなAIツールの提供者も米国の公民権法や障害者保護法並びに「Fair Credit Reporting Act」の対象となると判断する可能性があります。これにより、事業運営に追加の負担がかかり、罰金や訴訟を含む規制措置にさらされる可能性があります(既に米国では他の事業者に対して、このような訴訟が提起されています)。このように、AI(特に雇用の決定において用いられる場合)に関する規制の不透明感が増している状況です。
これらの法令が施行・改正された場合や法令に関する行政解釈又は司法解釈が変更された場合、また、係る変更を受けて実務の運用が変更された場合、HRテクノロジー事業の事業内容に制約が生じ、又は当該法令の改正への対応に時間やリソースを要する結果、当社グループの事業運営や経営成績等に影響を与える可能性があります。例えば、現在、米国では、プラットフォーマーが取り扱う消費者の個人データについて消費者に広範な権利(AIによってなされた判断からオプトアウトする権利を含みます。)を与える新しい法案(American Privacy Rights Act)が連邦レベルで議論されています。また、EEOC(米国雇用機会均等委員会)は、企業が候補者のアセスメントを実施する場合、場合によっては当該企業が職業紹介事業者としての義務を負う可能性を示唆しており、これは候補者と企業のマッチングを行う当社のビジネスに更なる規制を課すことになる可能性があります。
加えて、「デジタルサービス法」については、Indeedがオンラインプラットフォーム(online platforms)に該当する結果、ユーザーに表示されるオンライン広告の透明性を確保すること等の同法に基づく義務が課されます。また、EUでのユーザー数の増加により、更に重い義務が課される超巨大オンラインプラットフォームに指定された場合には、当社グループの事業運営や経営成績等に影響を与える可能性があり、現在の傾向が続けば、係る義務の基準値を超える可能性があります。
更に、個人情報を取り扱う企業に対して新たにデータセキュリティ及びデータプライバシーに関する義務を課す様々な新法や法案の提案が行われており、係る新法が当社グループの事業に影響を与える可能性があります。
加えて、立法機関は、Indeedが提供するサーチエンジンのようなデジタル・マーケットプレイスを有する企業を調査研究しており、係るマーケットプレイスにおいて自己のプロダクトを販売する企業に制約を課す可能性があります。
また、現在、HRテクノロジー事業に適用のある法令以外にも、テクノロジー分野における法令の整備は十分に進んでおらず、欧州や米国においてはテクノロジー分野に関する規制を強化する動きもあり、将来、HRテクノロジー事業に適用される法令が新たに制定され、規制が強化される可能性もあります。例えば、個人ユーザーの行動履歴情報を収集・分析し、広告に反映することを規制する法規制が新たに制定された場合、HRテクノロジー事業を従来どおりに遂行することができなくなり、HRテクノロジー事業の事業運営や経営成績等に影響を与える可能性があります。
人材派遣事業
人材派遣事業における国内派遣領域については、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に基づき、労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っています。
また、人材派遣事業の海外派遣領域は、事業展開する各国・地域の規制に従い業務を遂行しています。一例として米国では、派遣事業に関する連邦法の他、州法により規制が行われています。
日本及び海外における人材派遣事業において、当社グループによる法令違反等が発生した場合又は派遣事業者の欠格事由に該当する場合には、許可の取消し、業務停止命令又は業務改善命令等の対象となる可能性があります。また、欧州においては上述の「European Artificial Intelligence Act」が施行されたことを受け、新たな規制や法対応に時間やリソースを要する結果、当社グループの事業運営や経営成績等に影響を与える可能性があります。
また、日本における労働関連法令の改正により、コンプライアンスに係る多額の費用が発生するとともに、規制違反のリスクが高まる可能性があります。なお、当社人材派遣事業の日本事業領域における子会社である㈱リクルートスタッフィング及び㈱スタッフサービスは、2026年6月2日、独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会の立入検査を受けました。違法行為が認められた場合、その処分の内容や関係する当事者の対応によっては、当社グループの事業、社会的信用及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
マーケティング・マッチング・テクノロジー事業
マーケティング・マッチング・テクノロジー事業においては、個人ユーザー及び企業クライアントの情報を取り扱っており、「個人情報の保護に関する法律」等の各国の個人情報保護法制の適用を受けます。
また、企業や店舗で必要な会計・決済等の機能に関するクライアントの経営・業務効率を改善するサービスとして、Airペイを提供していますが、当該サービスについては、「割賦販売法」の適用を受けています。更に、決済サービスとして株式会社リクルートMUFGビジネスがCOIN+を提供していますが、同社は、前払式支払手段発行者及び資金移動者の登録等を行っており「資金決済に関する法律」の適用を受けています。当該サービスについても、一定の要件を満たさない場合には登録の取消し、業務停止命令又は業務改善命令の対象となる可能性があり、また、関係諸法令の改正により、当社グループが提供するサービスが制限を受ける場合があります。
⑬ 訴訟等によるリスク
当社グループは、その事業活動の遂行過程において、個人ユーザー、企業クライアント及び競合他社その他の関係者から、当社グループが提供するサービスの不備、採用選考のAIツールに関する規制、派遣社員も含む労働者の労務管理、個人情報及び機密情報の漏洩若しくは特許又はその他の知的財産の侵害又は当社グループのプラットフォームにおける個人ユーザーの不適切な投稿やクライアントによる違法出品若しくは虚偽誇大広告等に関する訴訟その他の法的手続を提起され、また当局による捜査や処分等の対象となり、これらの法的手続に関連して多額の費用を支出し、また、事業活動に支障をきたすおそれがあります。
係る法的手続は長期且つ多額となることがあり、また結果の予測が困難となる場合があり、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの社会的信用及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
⑭ 当社グループのブランド・社会的信用に関するリスク
当社グループの事業活動において、当社グループのブランドは重要な影響力を有していると認識しています。当社グループの提供サービスに不備がある場合、当社グループの情報セキュリティに問題が生じた場合、当社グループのブランドの価値の維持及び強化のための投資が十分でない場合、競合他社がより競争力のあるブランドを確立した場合に加え、当社グループに不利なメディア報道があった場合、更にはインターネットやSNSで根拠の乏しい風説が流布された場合等に、当該内容が真実か否かにかかわらず、当社グループのブランドの価値が毀損される可能性があります。
更に、当社グループの従業員による不正行為、当社グループの雇用環境に関する従業員又は派遣社員からのクレーム、当社グループへの訴訟の提起等によっても、当社グループのブランドの価値が毀損されることがあります。更に、当社グループの事業においてテクノロジーやデータの重要性は高まる傾向にあり、当社グループのサービスにおいて使用されるAI等のアルゴリズムや、当社グループ又は他社によるデータの運用・管理が予期せぬ結果を招き、当社グループのブランドの価値が毀損される可能性があります。
また、当社グループ自身による行為だけでなく、当社グループの個人ユーザー及び企業クライアントによって、当社グループの提供するオンラインプラットフォームにおいて、不適切な投稿、求人を装ったフィッシング詐欺等、第三者の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等を侵害する行為及び詐欺その他の法令違反行為が行われた場合、当該行為者だけでなく、当社グループもサービスの提供者として責任を問われ、当社グループに対して損害賠償請求訴訟が提起され、又は当社グループのブランドの価値が著しく毀損される可能性があります。
更に、第三者が無断で当社グループのサービスと同一又は類似の名称を使用してサービスを行った場合にも、当社グループのブランドの価値が毀損される可能性があります。このようにして当社グループのブランドの価値が毀損された場合、個人ユーザーや企業クライアントによる当社グループのサービスの利用が減少すること等によって、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
⑮ 外部事業者への依存に関するリスク
当社グループのHRテクノロジー事業及びマーケティング・マッチング・テクノロジー事業における一部のサービスでは、主にインターネット上でのユーザー獲得において、グローバルに事業展開する巨大企業が提供する検索エンジンサービスを活用しており、今後、当該検索エンジン運営者による検索に関するアルゴリズムの変更又は競合他社の動向等によって、検索結果の表示が当社グループにとって有利に働かない状況が生じる可能性があります。このような場合には、当社グループが運営するインターネットサイトにおけるユーザー獲得の効率が低下し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、当社グループの一部のサービスでは、外部事業者の大規模言語モデルや他のAIツールに依拠しており、当該外部事業者の提供するサービスが悪化した場合や当該外部事業者によるサービス提供が制限された場合、当社のAI製品に影響する可能性があります。また、当社グループのサービスにおいて利用するAIツールを提供する外部事業者が、当社グループの競合になる可能性もあります。
また、当社グループは、当社グループのサービスを提供するためのアプリケーションを、グローバルに事業展開する大手テクノロジー企業やプラットフォーム運営事業者を通じてユーザーに提供しており、更に、当社グループの一部のサービスについては、当社グループの企業クライアントへの営業活動等に関し、外部の販売代理店を利用しており、また、当社グループのオペレーションにおいては、外部事業者の提供するデータセンターやデータサーバー、クレジットカード会社等の決済処理サービスを利用しています。
しかし、これらの外部事業者において、サービス提供を中断・中止する場合やネットワークの質が低下する場合、これらの外部事業者との関係が終了又は悪化する場合、これらの外部事業者による個人ユーザーや企業クライアントに関するデータの保護が十分でない場合、使用料・手数料の値上げその他当社グループに追加的な費用が発生する場合には、当社グループの事業に影響を及ぼし、営業力が減退する等、当社グループの事業の縮小又は中断、個人ユーザーや企業クライアントの喪失又は減少、競合他社へのノウハウの流出、新たな競合他社の参入等に繋がる可能性があります。
更に、当社グループが事業の一部を委託する外部事業者等に対するモニタリングが不十分であることにより、外部事業者における労務問題その他の法令違反等に対して適時適切に対応できなかった場合には、当社グループの社会的信用を毀損し、又はクライアントとの関係を悪化させ経営成績等に影響を与える可能性があります。
また、当社グループの提供するオンライン上のサービスについては、インターネットサービスプロバイダーや通信事業者等の外部事業者に依存しています。これらの事業者が、ネットワークインフラやクッキー等の利用を制限する措置を講じる場合や、当社グループの事業が展開されている法域で政府がインターネットへのアクセスを制限する場合には、当社グループの個人ユーザー及び企業クライアントが減少し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
⑯ 広告・マーケティング活動に関するリスク
当社グループは、成長戦略の一環として、新規又は既存のサービスの認知度の維持・向上や、個人ユーザー及び企業クライアントの拡大を目的として、広告・マーケティング活動を積極的に行っています。
特にインターネットユーザーの多くは、検索サイトやスマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末等)におけるアプリケーション等を利用して必要な情報を入手しているため、特に当社グループのHRテクノロジー事業やマーケティング・マッチング・テクノロジー事業においては、各サービスのユーザー獲得効率は、検索エンジンの表示結果やスマートデバイスのアプリケーションの利用状況等に大きく影響されます。人材派遣事業においても、特に労働者が不足している市場では、派遣労働者の登録者数増加のためのマーケティング活動の成否が重要です。
また、当社グループにとってより有利な検索結果を表示させるために検索エンジン運営者に手数料を支払うこととなる可能性や、テレビ・オンラインでの広告宣伝費等、当社グループが個人ユーザーや企業クライアントとの接点を多く確保するために要する費用が将来更に増加する可能性、係る広告宣伝費の増加が当社グループの事業拡大に有効に機能しない可能性もあります。
⑰ 自然災害、感染症の伝染及び有事に関するリスク
地震、台風及び津波等の自然災害、火災、停電、感染症の伝染並びにサイバー攻撃、戦争及びテロ攻撃等が発生した場合、当社グループのサービスや業務に従事する従業員、業務委託先の従業員、派遣社員が大量に罹災・罹患することや、各国政府における非常事態宣言や外出禁止等の措置に伴う業務の制限、地震等による当社設備の停止・損壊等により、当社グループのサービス提供、その他事業運営に影響が生じ、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
特に、これらの自然災害又は有事等により、当社グループのITシステムに障害等が生じた場合や、データサーバーが機能不全に陥る場合、インターネット関連サービスの提供が困難となり、当社グループの個人ユーザー及び企業クライアントの満足度が低下し、当社グループの事業運営、社会的信用及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらの影響が広範囲にわたる場合には、復旧に相当の時間及び費用を要する可能性があり、また障害が発生した期間やその後において正常なサービスの提供に支障が生じる可能性があります。
また、大規模な自然災害等が発生した場合、当社グループの企業クライアントの事業の中断や休止等並びに個人ユーザーのライフイベント活動の休止や日常消費活動の縮小等の二次的影響が生じ、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
⑱ 資産の減損等に関するリスク
当社グループは、買収に伴い発生するのれんや無形資産を含む資産を連結財政状態計算書に計上していますが、急激な景況の悪化や事業環境、競合状況の変化、法規制の変更、当社の事業戦略の変更、資産の処分、当社グループの戦略の変更、金利上昇等により当該のれんや無形資産等の資産の価値が下落した場合には、減損損失を計上する可能性があります。
当社グループが買収した又は今後買収する子会社の中には、スタートアップ等事業の収益化が実現していない段階にあり、成長投資の成果が発現し投資に見合うキャッシュ・フローが生じるまでには一定期間を要するものも含まれるため、当該買収に伴い発生するのれんや無形資産等について、当社の連結損益計算書において減損損失が計上される可能性があります。同様に、当社グループが主として投資目的から非支配株主として保有する関連会社株式についても、当該関連会社の業績によっては、当社の連結損益計算書において減損損失が計上される可能性があります。
また、当社グループは、長期的・持続的に成長するために、業務提携等、事業戦略上取引関係等の維持・強化の必要性があると考えられる上場会社を含む相手企業の株式を政策保有株式として保有しています。当社グループは、原則として保有するすべての株式を公正価値で評価しており、当該株式の公正価値が著しく下落した場合、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。
⑲ 税務に関するリスク
当社グループは、日本をはじめ、事業を展開している各法域において、法人税をはじめとした各種の税制の対象となっています。当社グループの連結ベースでの課税額や実効税率は、これらの法域でその年度に適用される税制、繰延税金資産や負債の評価方法、課税所得の額とその関連法域毎の配分状況等の影響を受けます。
これらの法域での政治経済状況等により税制関連法令の改正や解釈変更が実施された場合に、課税額や実効税率が上昇し、また各国における税制の相違により当社グループが求められる対応が複雑となり、これに対応するためのコストが増加する等、当社グループの財政状態及び業績に影響が及ぶリスクがあります。例えば、経済協力開発機構(OECD)は、税源浸食と利益移転(BEPS)プロジェクトに取り組んでおり、当社が事業を行っている多くの国において納税義務決定に係る既存の枠組みが様々な点で変更される可能性があります。OECDは現在多国籍企業に対する市場国への課税権の分配(第一の柱(Pillar 1))及びグローバル・ミニマル課税の枠組みに関するモデルルール(第二の柱(Pillar 2))を公表しておりますが、このような枠組みにより当社の納税義務が変更された場合、当社グループの財政状態及び業績に影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループは、グローバルに事業を展開しており、適用される各国の移転価格税制等の国際税務リスクについて細心の注意を払っていますが、税務当局との見解の相違により、結果として追加課税が発生する可能性があります。
更に、当社グループは、定期・不定期に関連税務当局による税務調査の対象となっており、それらの時期や結果の予測は困難です。
これらの税務上のリスクが発現した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
⑳ 為替変動リスク
当社グループの海外事業の取引は、主に米ドル、ユーロ及び豪ドル等の外貨建てで行われており、近年は外貨建ての取引が占める割合が増加しています。当社グループの連結財務諸表、中間連結財務諸表及び四半期連結財務諸表では、海外子会社の現地通貨建ての資産及び負債を各中間期末日又は四半期末日の直物為替レートにより、収益及び費用は、取引日の直物為替レート又はそれに近似するレートにより日本円に換算しています。
これらの要因により、当社グループの連結財務諸表、中間連結財務諸表及び四半期連結財務諸表は、為替レートの変動による影響にさらされており、為替レートの変動は、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループでは為替変動リスクを軽減するため、通貨スワップや為替予約等のデリバティブ契約を締結することがありますが、為替リスクを完全に回避できる保証はなく、為替変動によっては当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
更に、為替変動により当社グループが事業を営む国・地域におけるマクロ経済環境が悪化する場合や、当社グループによる海外事業の買収・提携等に係るコストが増加する場合等には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
当社グループの事業資金及び投資資金の一部は、金融機関からの借入や社債の発行等により調達しています。このため、景気の後退、金融市場の悪化、金利の上昇、当社グループの信用力の低下や格付けの引き下げ、業績及び事業環境の悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達を行えない可能性があります。
また、金融機関からの借入や社債等には各種コベナンツが規定されている場合もあり、当社グループの業績、財政状態又は信用力の悪化等の要因でいずれかのコベナンツへの抵触が不可避な場合には、これらの条項に基づき残存する債務の一括返済を求められる可能性や、金利及び手数料率の引上げや新たな担保権の設定を求められる可能性があります。
これらの要因により、当社グループが今後資金調達を望ましい条件で実行できない場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、目標とする経営指標の見込みや財務方針等を掲げる場合がありますが、係る経営指標の見込みや財務方針等は、本「事業等のリスク」に記載の各リスクに係る多くの前提に基づいて作成されています。
また、変化が極めて速く不確実性の高い事業環境において、将来の業績や市場環境の正確な予測及びこれに基づく有効な戦略の策定は極めて困難であるため、当社グループの予測やそれに対応する各種の施策が有効であるとの保証はなく、当社グループがこれらの経営指標の見込みや財務方針等を達成できない可能性があります。
当社の株価は、過去において急激に変動したことがあり、今後も、本「事業等のリスク」に記載の各リスクの発現をはじめとして、当社グループの業績、業績予想、配当や自己株式の取得等の株主還元策に関連する変化、更には外部メディアによる報道、当社株式の需給関係に相応の影響を与え得る当社株式の売却等により変動する可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の分析
① 連結経営成績の概況
当連結会計年度の売上収益は3.9%増の3兆6,973億円となりました。HRテクノロジー事業、人材派遣事業、マーケティング・マッチング・テクノロジー事業のすべてが増収となりました。
当連結会計年度の営業利益は28.5%増の6,305億円となりました。税引前当期利益は22.3%増の6,446億円、当期利益は21.7%増の4,966億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は21.6%増の4,969億円、基本的1株当たり当期利益は28.9%増の349.78円となりました。
当連結会計年度のEBITDA+Sマージンは21.5%、EBITDA+Sは17.0%増の7,943億円となりました。
重要な会計方針、見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。
連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については主に「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」に記載しています。重要な見積り及び仮定については主に「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 重要な会計上の判断、会計上の見積り及び仮定」に記載しています。なお、のれんの減損テストで用いた主要な仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 11 のれん及び無形資産」に記載しています。
また、見積り及び仮定は、過去の実績や、合理的だと考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいています。しかし、これらの見積り及び仮定には不確実性が存在するため、翌期以降の連結財務諸表において認識する金額と異なる場合があります。
② セグメント業績の概況
当連結会計年度よりマッチング&ソリューション事業はマーケティング・マッチング・テクノロジー事業に名称を変更しています。
また、2025年4月1日付で、旧マッチング&ソリューション事業における人材領域をHRテクノロジー事業に移管しています。
以下では、上記の移管が前連結会計年度に行われたと仮定して、当連結会計年度実績との比較を行っています。
HRテクノロジー事業
当連結会計年度の売上収益は6.3%増の1兆4,584億円、米ドルベース売上収益は7.6%増の96.7億ドルとなりました。
米国の売上収益は、採用需要が停滞する中、マネタイゼーションの進化により米国平均単価成長率(注)が17%となった結果、7.6%増の8,016億円、米ドルベースで8.8%増の53.1億ドルとなりました。
欧州及びその他の売上収益は、17.8%増の3,085億円、米ドルベースで19.2%増の20.4億ドルとなりました。
日本の売上収益は4.6%減の3,482億円、米ドルベースで3.2%減の23.1億ドルとなりました。
当連結会計年度のEBITDA+Sマージンは、人件費の減少を含む効率化が進捗したことにより37.7%となりました。当連結会計年度のEBITDA+Sは、21.5%増の5,499億円となりました。
(注) 米国売上収益を米国求人総数で除した、米国Indeed上の求人1件当たりの平均売上収益を米国平均単価、当該数値の前年同期比増加率を米国平均単価成長率と定義しています。米国平均単価は英語で"US Average Revenue per Job Posting on Indeed"と表記し、その略称を"US ARPJ"としています。なお、米国求人総数はIndeedの経済研究部門であるIndeed Hiring Lab が算出する、米国Indeedに掲載された求人件数です。
人材派遣事業
当連結会計年度の売上収益は、2.2%増の1兆7,034億円となりました。
日本の売上収益は5.2%増の8,468億円、欧州、米国及び豪州の売上収益は0.6%減の8,565億円となりました。
当連結会計年度のEBITDA+Sマージンは、5.9%となりました。当連結会計年度のEBITDA+Sは、2.4%増の997億円となりました。
マーケティング・マッチング・テクノロジー事業
当連結会計年度の売上収益は、美容を含むライフスタイル領域(注)がけん引し、4.7%増の5,646億円となりました。
ライフスタイル領域の売上収益は6.6%増の2,938億円となりました。住宅領域の売上収益は4.5%増の1,569億円、その他の領域の売上収益は0.2%増の1,138億円となりました。
当連結会計年度のEBITDA+Sマージンは、27.4%となりました。当連結会計年度のEBITDA+Sは、13.0%増の1,549億円となりました。
(注) ライフスタイル領域は美容、旅行、飲食分野とAirビジネスツールズを含む業務支援SaaSを合計した領域です。
③ 資本の財源及び資金の流動性
基本方針
当社は、企業価値向上に繋がる戦略的投資への機動的な対応と円滑な事業活動に必要な流動性の確保のため、資金調達が必要な際には適切な格付及び財務の健全性を維持しつつ、グローバルな金融市場からの負債による資金調達を活用することを基本方針としています。
自己資本は、適切な資本効率を維持しつつ、成長投資の機会等に対して機動的に対応できる財務基盤を整えること及び事業活動や資産のリスクと比較して十分な水準を維持します。
資金使途
運転資金、法人税の支払い、各セグメントにおけるM&A及び資産取得等による外部資源の獲得や設備投資、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式の取得等に資金を充当しています。
資金調達
運転資金及び投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としていますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済及び償還時期等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。
外部資金調達を行う運転資金のうち、原則として、短期の運転資金については、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー又はその組み合わせにより調達することとしています。中長期の運転資金については、金融機関からの借入、社債又はその組み合わせにより調達することとしています。なお、当社は、機動的な資金調達を可能とするため、2,000億円(当連結会計年度末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。
また、当社は、流動性を確保し、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関4社と当座貸越契約を締結しています。なお、当連結会計年度末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、当該契約に基づく借入実行残高はありません。加えて、当社は総額2,000億円のコミットメントライン契約を締結しています。当連結会計年度末において、当該コミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。これらにより、当社は事業環境の大きな変化の際にも十分な流動性が確保できると考えています。
格付
当社は、格付機関から長期格付を取得しています。当連結会計年度末における格付は、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱:A、ムーディーズ・ジャパン㈱:A3、㈱格付投資情報センター(R&I): AA、及び㈱日本格付研究所:AA+でした。また、当社は、R&Iから短期格付:a-1+を取得しています。
キャッシュマネジメント
当社は、当社グループ全体の資金効率を最大化するため、法制度上許容され、且つ経済合理性が認められることを前提として、当社グループ内での資金貸借の実施を外部借入よりも優先しています。
当社は、当社及び財務統括子会社にキャッシュマネジメントを集約することにより、当社グループが保有する現金及び現金同等物の機動性の確保を図っています。
なお、一部の国・地域における資本規制やその他の制約、又は金額的重要性の観点から、すべての通貨・資金が当該枠組みに含まれているわけではありませんが、これらは当社グループ全体の流動性に重要な影響を与えるものではありません。
資金運用
資金運用は、投機目的で行わず、リスク分散を意識して行うこととしています。運用商品は、元本割れのリスクが低く、且つ流動性の高い金融商品のみに限定しています。
④ 連結財政状態の概況
当連結会計年度末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、当該契約に基づく借入実行残高はありません。加えて、当連結会計年度末時点における2023年9月29日に締結した総額2,000億円のコミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。
なお、当社は2,000億円(当連結会計年度末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。
⑤ 連結キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度の自己株式の取得による支出は、6,787億円となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載に馴染まないため、省略しています。
② 販売実績
本項目「(1) 経営成績等の分析」に記載のとおりです。
5 【重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
当連結会計年度の研究開発費は1,459億円となりました。主な内訳は、新プロダクトの開発や新しいテクノロジーを活用した既存プロダクトの改善に係るエンジニア及びテクノロジー開発担当者の人件費であり、その大半はHRテクノロジー事業に関連するものです。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資については、総額で878億円であり、主としてリース契約の更新等に伴う使用権資産の増加及びソフトウエアの開発・取得によるものです。
(1) HRテクノロジー事業
当連結会計年度の設備投資は、諸設備の拡充等に伴い、100億円の資産の受入を実施しました。なお、重要な設備の除却又は売却はありません。
(2) 人材派遣事業
当連結会計年度の設備投資は、リース契約の更新等に伴う使用権資産の増加等及びソフトウエアの取得等に伴い、223億円の資産の受入を実施しました。なお、重要な設備の除却又は売却はありません。
(3) マーケティング・マッチング・テクノロジー事業
当連結会計年度の設備投資は、ソフトウエアの開発・取得等に伴い、555億円の資産の受入を実施しました。なお、重要な設備の除却又は売却はありません。
(4) 全社共通
重要な設備の取得及び除却又は売却はありません。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
純粋持株会社であり、主要な設備はありません。
(2) 国内子会社
(注1) 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品等の合計です。
(注2) 従業員数欄の[外書]は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。
(3) 在外子会社
(注1) 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品等の合計です。
(注2) 表に記載されている数値は、RGF OHR USA, INC.及びその子会社等並びにIndeed Ireland Operations Limited及びその子会社等の金額を含めた合計額です。
(注3) 表に記載されている数値は、RGF Staffing B.V.、RGF Staffing France SAS、RGF Staffing Germany GmbH、RGF Staffing the Netherlands B.V.及びUnique NV他53社の金額を含めた合計額です。
(注4) 従業員数欄の[外書]は、臨時従業員の年間平均雇用人員です。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
該当事項はありません。
(2) 重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注1) 単元株式数は100株です。
(注2) 提出日現在の発行数には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれていません。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
当社は、ストックオプション制度を採用しています。当該制度は、会社法に基づき、新株予約権を発行する方法によるものです。(注1)
本報告書提出日現在において決議しているストックオプションの付与対象者の区分及び人数
(注1) 2021年6月17日に開催された当社の定時株主総会にて、取締役(社外取締役を除く。)に対する報酬等として年額14億円以内の報酬内(1年間に付与する新株予約権の総数上限18,000個、新株予約権の目的となる株式数は1個当たり100株の予定。)でストックオプションとして、新株予約権を発行することについて決議しています。
(注2) 新株予約権を割り当てる日において、既に執行役員を退任している者1名についても、2015年3月期業績連動報酬としての株式報酬型ストックオプションとして付与しているため、執行役員に含めて記載しています。
当事業年度末及び提出日の前月末現在における新株予約権等の状況
・2013年6月20日定時株主総会及び2013年7月31日取締役会決議
(株式報酬型ストックオプション(2013年8月31日発行))
・2014年6月26日定時株主総会及び2014年11月13日取締役会決議
(株式報酬型ストックオプション(2014年12月26日発行))
・2015年8月10日取締役会決議
(株式報酬型ストックオプション(2015年9月25日発行))
(注1) 新株予約権1個につき目的となる株式数(以下「付与株式数」)は、以下のとおりとする。
2013年・2014年決議分:3,000株
2015年決議分:300株
なお、当社が、当社普通株式につき、株式分割(当社普通株式の株式無償割当てを含む。以下、株式分割の記載につき同じ。)又は株式併合を行う場合、付与株式数を次の算式により調整し、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切捨てるものとする。
また、上記のほか、付与株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、当社は取締役会の決議により合理的な範囲で付与株式数の調整を行うことができる。
(注2) 当社が、以下に定める組織再編行為をする場合、組織再編行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」)を有する新株予約権者に対し、会社法第236条第1項第8号イ、ニ又はホに掲げる株式会社(以下、本注記において「再編対象会社」と総称する。)の新株予約権を、次の条件にて交付するものとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅するものとする。但し、次の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
組織再編行為
- 合併(合併により当社が消滅する場合に限る。)
- 株式交換(当社が完全子会社となる場合に限る。)
- 株式移転(当社が完全子会社となる場合に限る。)
・交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数を交付する。
・新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
・新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、目的である株式数につき合理的な調整がなされた数(以下「承継後株式数」)とする。但し、調整により生じる1株未満の端数は切捨てる。
・新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、当該各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる株式1株当たりの払込金額を1円とし、これに付与株式数を乗じた金額とする。
・新株予約権を行使することができる期間
上表「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のいずれか遅い日から、「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。
・新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
下記により決定する。
(a) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果生じる1円未満の端数は、これを切り上げるものとする。
(b) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記(a)に記載の資本金等増加限度額から上記(a)に定める増加する資本金の額を減じた額とする。
・譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の承認を要する。
・新株予約権の取得条項
新株予約権の目的である株式の内容として当社が株主総会の決議によってその全部を取得することについて定めを設ける定款変更承認の議案、当社が消滅会社となる合併契約承認の議案、又は当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画承認の議案が当社株主総会決議により承認された場合(株主総会決議が不要な場合は、当社取締役会決議により承認された場合)は、当社取締役会が別途定める日に、当社は無償で新株予約権を取得することができる。
・新株予約権の行使条件
上表「新株予約権の行使の条件」に準じて決定する。
・新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に1株に満たない端数が生じた場合
これを切捨てる。
(注3) 当社は2014年7月31日付で株式1株につき10株の株式分割を行っています。これにより2013年決議分については「新株予約権の目的となる株式の数」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の価格及び資本組入額」が調整されています。なお、2014年決議分の当初付与株式数は、当該株式分割による調整後の数です。
(注4) 当社は2017年7月1日付で株式1株につき3株の株式分割を行っています。これにより「新株予約権の目的となる株式の数」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されています。
・2019年7月16日取締役会決議
(ストックオプション(2019年7月31日発行))
・2020年7月8日取締役会決議
(ストックオプション(2020年7月27日発行))
・2021年7月14日取締役会決議
(ストックオプション(2021年7月29日発行))
・2022年7月8日取締役会決議
(ストックオプション(2022年7月25日発行))
・2023年7月11日取締役会決議
(ストックオプション(2023年7月26日発行))
・2024年7月9日取締役会決議
(ストックオプション(2024年7月24日発行))
・2025年7月9日取締役会決議
(ストックオプション(2025年7月24日発行))
(注1) 新株予約権1個につき目的となる株式数(以下「付与株式数」)は、100株とする。
なお、当社が、新株予約権を割り当てる日(以下「割当日」)後、当社普通株式について株式分割(当社普通株式の株式無償割当てを含む。以下、株式分割の記載につき同じ。)又は株式併合を行う場合、次の算式により付与株式数を調整し、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切捨てるものとする。
調整後付与株式数=調整前付与株式数×株式分割・株式併合の比率
また、割当日後、当社が合併又は会社分割を行う場合その他これらの場合に準じて付与株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、当社は、合理的な範囲で付与株式数の調整を行うことができるものとする。
(注2) 当社が、以下に定める組織再編行為をする場合、組織再編行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」)を有する新株予約権者に対し、会社法第236条第1項第8号イないしホに掲げる株式会社(以下、本注記において「再編対象会社」と総称する。)の新株予約権を、以下の条件にて交付するものとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅するものとする。
組織再編行為
- 合併(合併により当社が消滅する場合に限る。)
- 吸収分割(当社が分割会社となる場合に限る。)
- 新設分割
- 株式交換(当社が完全子会社となる場合に限る。)
- 株式移転
但し、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
・交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数を交付する。
・新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
・新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、上記(注1)に準じて決定する。
・新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上、新株予約権の行使に際して出資される財産の株式1株当たりの価額(以下「行使価額」)を調整して得られる組織再編後の行使価額に、上記「新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数」に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。
・新株予約権を行使することができる期間
上表「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のいずれか遅い日から、上表「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の末日までとする。
・新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
下記により決定する。
(a) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果生じる1円未満の端数は、これを切り上げるものとする。
(b) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記(a)に記載の資本金等増加限度額から上記(a)に定める増加する資本金の額を減じた額とする。
・譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の承認を要する。
・新株予約権の行使条件
上表「新株予約権の行使の条件」に準じて決定する。
・新株予約権の取得に関する事項
新株予約権者が権利行使をする前に、上表「新株予約権の行使の条件」の定め又は新株予約権割当契約の定めにより新株予約権を行使することができなくなった場合は、当社は、取締役会が別途定める日をもって、当該新株予約権を無償で取得することができる。
・新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に1株に満たない端数が生じた場合
これを切捨てる。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 自己株式の消却によるものです。
(5) 【所有者別状況】
(注) 自己株式28,856,988株は「個人その他」288,569単元、「単元未満株式の状況」に88株含まれています。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注1) 自己株式(28,856,988株)には、役員報酬BIP信託により当該信託が保有する株式(2,918,255株)、並びに株式付与ESOP信託に係る信託口が保有する株式(44,515,581株)は含まれていません。
(注2) 2025年9月19日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、三井住友トラスト・アセットマネジメント㈱並びにその共同保有者であるアモーヴァ・アセットマネジメント㈱が2025年9月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況では考慮していません。なお、当該報告書の内容は以下のとおりです。
(注3) 2026年4月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、野村アセットマネジメント㈱が2026年3月31日現在で以下の株式 を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況では考慮していません。なお、当該報告書の内容は以下のとおりです。
(注4) 2025年4月3日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、ブラックロック・ジャパン㈱並びにその共同保有者であるBlackRock Advisers, LLC、BlackRock Financial Management, Inc.、BlackRock (Netherlands) BV、BlackRock Fund Managers Limited、BlackRock Asset Management Canada Limited、BlackRock Asset Management Ireland Limited、BlackRock Fund Advisors、BlackRock Institutional Trust Company, N.A.及びBlackRock Investment Management (UK) Limitedが2025年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況では考慮していません。なお、当該報告書の内容は以下のとおりです。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2026年3月31日現在
② 【自己株式等】
2026年3月31日現在
(注) 上記の他、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託に係る株式が当社の連結財務諸表上、自己株式に計上されています。当該株式及び単元未満株式を含めた連結財務諸表上の自己株式数は76,290,824株です。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
役員・従業員株式所有制度の内容は以下のとおりです。
・当社及び当社グループ会社の取締役及び執行役員等(以下「取締役等」)を対象とした、信託を活用した株式報酬制度(以下「本株式報酬制度」)。
・HRテクノロジーSBUの従業員を主な対象とした、当社の株式を用いた株式交付制度(以下「本株式交付制度」)。
① 取締役等を対象とした株式報酬制度について
導入の目的
役員報酬の長期インセンティブプランとして、取締役等の報酬と当社の株式価値との連動性をより明確にすることで、中長期的な企業価値増大への貢献意識を高めることを目的としています。2016年より当社の取締役等を対象として導入し、2018年より当社グループ会社の取締役等を対象として加えました。
制度の概要
本株式報酬制度は、役員報酬Board Incentive Plan信託(以下「BIP信託」)の仕組みを採用しています。BIP信託とは、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)制度及び譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度と同様に、役位や、業績連動型とする場合には業績目標の達成度等に応じて、当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」)を取締役等に交付又は給付(以下「交付等」)する制度です。当社は、毎年、新たなBIP信託の設定、又は当初の信託期間の満了前に既存のBIP信託の変更及び追加信託を行うことにより、本株式報酬制度を継続的に使用することを予定しています。
信託契約の内容
(注1) 2018年5月17日設定分を変更及び追加信託したもの。
(注2) 2016年11月11日設定分を変更及び追加信託したもの。
(注3) 2017年5月15日設定分を変更及び追加信託したもの。なお、上記は2026年6月24日開催予定の第66回定時株主総会に付議する第3号議案が原案通り承認された場合の内容を記載していますが、信託契約の変更日及び株式の取得時期については、適用法令等に照らして適切な時期に変更されることがあります。第66回定時株主総会前の内容は、信託契約の変更日は2026年5月18日、信託の期間は2017年5月15日〜2029年8月末日、信託金の金額は5億円(うち当社取締役分を含まない)、株式の取得時期は2026年5月20日でした。
(注4) 2020年2月17日設定分を変更及び追加信託したもの。
(注5) 2020年5月28日設定分を変更及び追加信託したもの。
本信託に拠出される信託金の予定額及び本信託から交付等が行われる当社株式等の予定株数
当社の取締役(社外取締役を除く)を対象者として、事業年度ごとに本信託に拠出される信託金の合計額及び1事業年度当たりに本信託から交付等が行われる当社株式等の総数は、以下の上限に服するものとします。
- 合計上限額
33億円
- 合計上限株数
1,000,000株
(注) 2026年6月24日開催予定の第66回定時株主総会に付議する第3号議案が原案通り承認された場合の内容を記載しています。2026年3月期末日時点では、合計上限額は20億円、合計上限株数は700,000株でした。
本株式報酬制度による受益権その他の権利を受け取ることができる者の範囲
当社及び当社グループ会社の取締役等のうち受益者要件を満たす者
(ご参考)当事業年度中にBIP信託から役員に交付された株式の状況は以下のとおりです。
② 従業員を対象とした株式交付制度について
導入の目的
従業員の中長期的な企業価値増大への貢献意識を高め、企業価値を最大化していくことを目的として、2021年より本株式交付制度を導入しました。
グローバルに展開するテクノロジー上場企業は、従業員報酬の一部として株式交付制度を既に広く活用しており、HRテクノロジーSBUの従業員を主な対象とした本株式交付制度の導入は、当社の今後の採用活動にも大いに資すると考えられます。
制度の概要
本株式交付制度では、株式付与Employee Stock Ownership Plan信託(以下「ESOP信託」)と称する仕組みを採用します。ESOP信託とは、従業員インセンティブ・プランであり、ESOP信託が取得した当社株式を、本株式交付制度導入にあわせて定める株式交付規程に基づく一定の要件を充足する従業員に交付するものです。当社は、本株式交付制度を継続的に実施することを現時点において想定しており、今後もESOP信託による当社株式の取得を検討していきます。
信託契約の内容
(注) 2021年5月25日設定分を変更及び追加信託したもの
本株式交付制度による受益権その他の権利を受け取ることができる者の範囲
主にHRテクノロジーSBUに所属する従業員のうち受益者要件を満たす者
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注1) 2025年4月25日開催の取締役会において、取得し得る株式の総数を52,000,000株から62,000,000株に拡大する決議を行いました。
(注2) 2025年6月26日開催の取締役会において、2025年3月3日から2025年12月23日までとしていた取得期間を、2025年6月26日までに短縮する決議を行いました。
(注) 2026年2月9日開催の取締役会において、2025年10月17日から2026年4月30日までとしていた取得期間を、取得完了日(2026年2月4日)までに短縮する決議を行いました。
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの取得による株式は含まれていません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注1) 当期間における保有自己株式数には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めていません。
(注2) 上記保有自己株式数の他、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託に係る株式が当社の連結財務諸表上、自己株式に計上されています。当該株式を含めた当連結会計年度末における自己株式数は76,290,824株です。
3 【配当政策】
当社は、持続的な利益成長と企業価値向上に繋がる戦略的投資を優先的に実行することが、株主共通の利益に資すると考えています。加えて、当社は、株主に対する利益還元もキャピタルアロケーションの重要な施策の1つとして認識し、中長期的な資金需要・財務状況の見通しを踏まえつつ、安定的な1株当たりの配当を継続的に行うよう努めていきます。
なお、自己株式の取得については、市場環境及び財務状況の見通し等を踏まえ、実施の是非について検討します。
2026年3月期の配当は、1株当たり25.0円(うち、中間配当12.5円、期末配当12.5円)としました。
当社は中間期末日及び期末日を基準に年2回剰余金の配当を行う方針としています。
剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によることとしています。
来期の配当は、1株当たり26.0円(うち、中間配当13.0円、期末配当13.0円)を予定しています。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① 企業統治の体制の概要等について
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
取締役会は、リクルートグループ経営理念に基づいて、長期的に発展し、従業員・個人ユーザー・企業クライアント・株主・取引先・NPO・NGO・国・行政及び地域社会等、すべてのステークホルダーにとって魅力的な企業として継続的に企業価値及び株主価値を向上させていく上で、コーポレート・ガバナンスを重視しています。
また当社は、持続的な企業価値向上のためには、すべてのステークホルダーとの共存共栄を、健全なガバナンスの下で目指していくことが重要であると考えています。その実現のため、サステナビリティ目標を掲げるとともに、コーポレート・ガバナンスを企業活動の重要な基盤として定めて取組んでいます。
企業統治の体制の概要
当社は、機関設計として監査役会設置会社を選択しています。株主が選任した監査役が、取締役会から独立した機関として取締役の職務執行を監査する監査役制度を基礎として、経営の透明性、健全性、及び効率性の向上を図るコーポレート・ガバナンス体制の構築と強化に取組んでいます。具体的には、独立性の高い社外取締役・社外監査役の複数任用や、取締役会の諮問機関として指名・ガバナンス、報酬、コンプライアンス、リスクマネジメント及びサステナビリティ等の委員会を任意設置しています。なお、指名・ガバナンス、報酬委員会については、独立社外取締役が委員長を務め、且つ、社外委員が過半数を構成することで、独立性を強化しています。
また取締役会は、毎年、取締役会の実効性の分析・評価を実施し、その中で、多様なステークホルダーの観点での審議が適切に行われているかを確認するとともに、改善に向けた取組みを行っています。
加えて当社は、迅速な意思決定や業務執行機能の強化を目的に、執行役員を配置するとともに、CEOの諮問機関として経営戦略会議を設置しています。経営戦略会議では、CEOが業務執行上の重要な課題について決定するに当たり、必要な事項の協議を行っています。また、当社グループは、戦略的なマネジメント単位として戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、以下「SBU」)を設置し、SBU配下の子会社及び事業を統括する会社として、SBU統括会社を設置しています。当社の取締役会は、経営の基本方針や重要事項を決定し責任範囲を明確にした上で、経営戦略会議や各SBU統括会社の取締役会等に対して業務執行の決定に関する一定の権限を委譲しています。
当社は、迅速な意思決定及び効果的な内部統制の両面で、当社の企業統治を充分に機能させていくことを企図しています。
コーポレート・ガバナンス体制図

各SBUの統括会社は、以下のとおりです。
- HRテクノロジーSBU : RGF OHR USA, INC.
- 人材派遣SBU : RGF Staffing B.V.
- マーケティング・マッチング・テクノロジーSBU : ㈱リクルート
SBUにおける重要な意思決定は、SBU統括会社の取締役会で行っています。SBU統括会社の取締役会は、原則として、当社から派遣される非業務執行取締役が過半数を占める構成としています。また、各SBUの責任者は、当社の執行役員が兼任しています。
取締役会
・取締役会の役割
取締役会は、中長期的な企業価値及び株主価値向上を実現させるために以下に関する責任を担っています。
- 経営の基本方針の決定
- 経営監督
- グループに大きな影響を与えうる業務執行の決定
- 法令で定められた専決事項の決定
取締役会は、少なくとも3カ月に1回以上開催しています。また、取締役会から各取締役・執行役員に対する権限委譲の考え方として、一定金額以上の投資案件や基幹人事等の、当社のコーポレート・ガバナンス及び連結業績に多大な影響を与えうる議案については取締役会において決裁し、それ以外の議案については、可能な限り経営戦略会議等で決裁する運用としています。権限委譲の範囲については決裁権限表を制定の上、権限配分の実効性を随時見直し、取締役会にて毎年度に1回以上の改定を決議しています。
・取締役会の構成
本書提出日時点において、取締役会は、8名の取締役及び4名の監査役で構成しており、うち4名は独立社外取締役、2名は独立社外監査役です。
当社は、取締役会において様々なスキルや経験、バックグラウンドを持つメンバーを維持・拡充することが取締役会の議論の質的向上に寄与し、当社の長期的成長に向けたイノベーション促進に不可欠であると考えています。
また、取締役会の規模としては、質の高い議論を行える適正規模にすることが望ましいと考えています。そのため、当社定款において取締役の人数を11名以内と定めています。
加えて、取締役会議長とCEOを別の人物が務める体制としています。取締役会議長とCEOの役割を分離することで牽制機能がより発揮され、ガバナンス強化に寄与するものと考えています。
・取締役の選定方針
取締役候補者の選定においては、スキル、リーダーシップ、パーソナルバックグラウンド、判断力、人格、見識及び経験等が重要であると考えており、性別、年齢、国籍、人種といった属性の区別なく、取締役の職務と責任を全うできる候補者を選定する方針です。また、現任取締役の再任にあたっては、上記要素に加えて、任期、業績、取締役会における貢献度等も考慮します。これらの取締役候補者は定時株主総会において個人単位で選任されます。
また、現任取締役の再任にあたっては、上記要素に加えて、任期、業績、取締役会における貢献度等も考慮します。これらの取締役候補者は定時株主総会において個人単位で選任されます。
当社では、経営の意思決定の質を更に高めるために、様々なスキルや経験、バックグラウンドを持つメンバーで取締役会を構成することが重要であると考えており、特にジェンダーについては目標を設定し進めます。当社の監査役を含む取締役会構成員のジェンダーパリティ実現に向けて、定時株主総会の選任議案を上程することを目指します。
本書提出日時点では、取締役会構成員12名のうち4名が女性となっています。
また、当社は業務執行から一定の距離を置く独立性の高い社外取締役の構成比率を取締役の員数の3分の1以上とする方針です。この方針に則り、本書提出日時点において、取締役8名のうち4名を独立社外取締役として東京証券取引所に届出を行っています。社外取締役候補者の選定にあたっては、上述の選定方針に加えて、グローバル企業や上場企業での経営経験の有無を重視しています。
独立社外取締役については、当社の経営の監督に加えて、以下の役割を期待しています。
- グローバル企業や上場企業の経営経験を通じ、当社に必要な中長期的な企業価値及び株主価値の向上に向けた助言をいただく
- 社外取締役が委員長・委員を務める指名・ガバナンス、報酬の2つの委員会を通じ、取締役及び執行役員の選解任、報酬、評価に関する事項の検討に主体的に関与いただく
- 取締役と会社の間で利益相反の可能性のある事項については、決裁機関を取締役会とし、独立社外取締役・社外監査役のいる場で利益相反の可能性のある業務の執行を監督いただく
また、当社は、上述の役割を果たせるように、以下の取組みを実施しています。
- 取締役・執行役員による適切なリスクテイクを支える環境整備の一環として、コンプライアンス委員会及びリスクマネジメント委員会の議論内容について、取締役会に適宜共有した上で、議論を行う
- 取締役会において様々なステークホルダーの観点から発言いただくために、サステナビリティ委員会の議論内容や株主からの意見について、取締役会で適宜共有した上で、議論を行う
加えて、業務執行には携わらない、インターネットビジネスにおける高い知見を有する非業務執行取締役を1名選任しています。
なお、2026年6月24日開催予定の定時株主総会において第1号議案「取締役8名選任の件」及び第2号議案「監査役1名及び補欠監査役1名選任の件」をそれぞれ提案しています。当該議案が原案どおり承認可決された場合においても、取締役会における人数・女性比率・独立社外取締役の比率に変更はありません。
・取締役会の活動内容
取締役会は、社外取締役による問題提起を含め自由闊達で建設的な議論・意見交換を尊ぶ気風の醸成に努めています。特に社外取締役の専門性・経験の高い分野等においては、積極的に発言・助言を求めています。
取締役会の参加者が自由闊達で建設的な議論を行えるように、以下の取組みを実施しています。
- 取締役会の資料については、少なくとも開催3営業日前にドラフト段階の資料を配布しています。
- 取締役会の資料に加え、議案の趣旨を取りまとめたサマリーを、開催3営業日前を目途に事務局から参加者に提供しています。加えて、議長、独立社外取締役、非業務執行取締役に対しては、事務局から議案内容を事前説明しています。
- 取締役会の開催スケジュールは前年度に年間スケジュールを決定するとともに、重要な審議事項については、期初に起案時期を確定しています。
- 取締役会の開催頻度、審議項目及び審議時間については、当期の実績や翌期以降の戦略等に鑑み、毎期見直し、適切に設定しています。
また、取締役会とは別に取締役会の参加者が自由な議論を行う会議を実施し、取締役会開催と同程度の時間を費やし、活発な意見交換を行う等努めています。
・取締役会の具体的な検討事項
業績やリスク等の業務執行状況のモニタリングに加えて、当事業年度に開催した取締役会における具体的な検討事項は以下のとおりです。
- 事業ポートフォリオ戦略の進捗管理
- サステナビリティ戦略の進捗管理
- 資本政策及び株主還元の検討
事業ポートフォリオ戦略の進捗管理は、経営戦略として掲げている「Simplify Hiring」及び「Help Businesses Work Smarter」に関して、戦略の進捗及び推進方針を審議しました。詳細は、「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)経営戦略」をご参照ください。また、リスクマネジメント委員会の審議内容を踏まえ、戦略の推進を阻害し得るリスク及び対応方針について審議しました。詳細は「第2 事業の状況」「3 事業等のリスク」「(2)当社グループのトップリスクと主な対応策」及び「(3)当社グループの経営成績等に影響を与える重要なリスク」をご参照ください。
サステナビリティ戦略の進捗管理は、経営戦略として掲げている「Prosper Together」に関して、サステナビリティ委員会の審議内容を踏まえ、サステナビリティ目標の達成に向けたサステナビリティ活動の進捗及び計画について審議しました。詳細は「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)経営戦略」をご参照ください。
資本政策及び株主還元としては、安定的かつ継続的な配当に加えて、市場環境及び財務状況の見通しを考慮した上での自己株式取得の検討を行い、決議しました。詳細は、以下URLをご参照ください。
https://recruit-holdings.com/ja/newsroom/20250425_0001/
https://recruit-holdings.com/ja/newsroom/20250808_0001/
https://recruit-holdings.com/ja/newsroom/20250925_0001/
https://recruit-holdings.com/ja/newsroom/20251016_0001/
https://recruit-holdings.com/ja/newsroom/20260331_0001/
・取締役会全体の実効性に関する分析・評価
総評
当社は毎年、取締役会全体の実効性を分析・評価し、発見された課題に対する改善策を検討・実施しています。
2026年3月期の取締役会の分析・評価の結果、取締役会は、監督及び業務執行に係る意思決定の両面において適切な役割・責務を果たしており、実効性が高いと結論づけました。
すべてのステークホルダーにとって魅力的な企業として継続的な企業価値及び株主価値を向上させていくために、このプロセスを通じて発見された課題を踏まえ、取締役会の実効性の更なる向上に取組んでいきます。
手法
分析・評価の手法として、取締役会事務局が中心となって取締役及び監査役へアンケートを実施し、社外取締役・社外監査役から個別に意見を聴取しています。その分析結果を取締役会にて審議した上で、翌期のアジェンダ設定や各種施策へ反映させています。
当社は、自社の状況を深く理解した取締役・監査役による自己評価の有効性が高く、又、取締役会でオープンな議論ができている旨を前年度の取締役会の実効性評価で確認できていることを踏まえ、この手法を採用しています。
アンケートの設問内容:
- 取締役会の役割・責任の妥当性
ⅰ 取締役会の役割・責務の妥当性
ⅱ 株主及び株主以外のステークホルダー視点での審議の適切性
- 経営体制の妥当性
ⅲ 取締役会の機関設計の妥当性
ⅳ 取締役会の構成(総数/独立役員比率/ジェンダー比率)の妥当性
ⅴ 取締役会メンバーの資質・知見の妥当性(スキル・マトリックス)
- 取締役会の審議の有効性
ⅵ 社外取締役による監督・助言機能の有効性
ⅶ 業務執行取締役間の牽制・監督・協働機能の有効性
ⅷ 取締役会における議論の質と量の妥当性、環境整備の有効性
- その他
ⅸ その他、取締役会全体の実効性において考慮すべき事項
2025年3月期の分析・評価を踏まえた取組み
2025年3月期の分析・評価を受けて優先的に取り組んでいく事項とされた施策、「事業ポートフォリオ戦略とそれに伴うリスクマネジメント」「資本市場戦略」及び「サステナビリティトランスフォーメーション」について議論を行い、以下のような取組みが進んでいます。
- 2025年4月に日本における事業について組織再編を実施しました。具体的には、人材領域をHRテクノロジー事業に統合し、販促領域をマーケティング・マッチング・テクノロジー事業に改組し、両領域における更なる成長の加速を推進しました。また、AIの進化が当社グループの事業戦略に与える機会と脅威に関する議論を深めました。
- キャピタルアロケーション戦略及びネットキャッシュターゲットに基づき、資本効率の向上と株主還元の充実を目的として、総額7,000億円の株主還元を実施しました。この結果、2026年3月末時点でのネットキャッシュは約7,500億円となりました。
- 資本市場との建設的な対話を促進し、事業戦略の透明性を高めるため、HRテクノロジー事業におけるKPI(US ARPJ成長率等)やマーケティング・マッチング・テクノロジー事業におけるEBITDA+Sマージンの中期目標等を新たに開示しました。
- サステナビリティ戦略「Prosper Together」に基づき、GHG排出削減や就業までにかかる時間の短縮など、2031年3月期目標への進捗をモニタリングしました。また、SSBJ等による将来的な非財務情報開示義務化を見据え、開示及び保証に向けた体制整備や準備を計画的に推進しました。
- 取締役会全体の事業理解を深めるため、オンサイトミーティングを継続的に実施しました。加えて、米国オースティン(Indeed本社等)への視察を行い、最先端の技術動向や現場実態に即した知見の強化に努めました。
2026年3月期の取締役会全体の実効性の分析・評価結果を踏まえた施策
2026年3月期の実効性の分析・評価を通じて、今後更に取締役会の実効性を高めるため、下記の取締役会の審議の一層の充実に向けた施策を優先的に取組んでいく方針を取締役会にて確認しました。
- 事業環境の変化を踏まえた成長戦略の点検を行うとともに、昨年度と同様に重要な議論テーマである「事業ポートフォリオ戦略とそれに伴うリスクマネジメント」「資本市場戦略」及び「サステナビリティトランスフォーメーション」について、より深く審議を行っていくこと。
- オンサイトミーティングの開催回数を増やすことで、対面ならではの深度ある議論を促進すること。これに加え、事業現場視察の機会を継続的に提供することで、取締役・監査役の事業理解度を高め、取締役会全体における牽制・助言機能をより充実させること。
- 取締役会と指名・ガバナンス委員会が連携し、中長期成長戦略の実現に資する取締役会の構成における知見と、バックグラウンドの更なる向上を図るとともに、安定的かつ実効的な業務執行体制の構築に向けた議論を継続すること。
監査役会
・監査役会の役割
監査役会は、以下に関する責任を担っています。
- 監査計画に基づいた取締役会の職務遂行及び内部統制システムの整備・運用状況等の監査
- 会計監査人の適正性及び職務遂行状況の評価
すべての監査役は、取締役の職務執行の監督のために取締役会に参加しています。加えて、経営戦略会議において、少なくとも1名以上の常勤監査役の参加を成立要件とすることで、監督機能の強化を図っています。
また、監査役会は、原則として月1回開催しています。
・監査役会の構成
監査役会は4名の監査役で構成しており、うち2名は社外監査役です。なお、監査役会の構成員の半数以上を社外監査役としなければならない法令要件を欠くことになる場合に備え、補欠監査役を1名選任しています。
・監査役の選定方針
監査役候補者の選定を行うに当たっては、適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有する適任者を選定する方針です。当社グループの事業理解が深い2名の常勤監査役に加えて、社外監査役として、法律専門家及び財務・会計の専門家をそれぞれ1名選任しています。
すべての監査役は、当社の費用負担で、財務・会計・法務等の監査に必要な知識を随時アップデートする取組みを行っています。具体的には、日本監査役協会や外部監査人から提供される研修・勉強会等への参加を通じて、最新の会計基準や監査上の重要事項に対する理解を深めています。
取締役会の諮問機関: 指名・ガバナンス委員会、報酬委員会
取締役及び執行役員の指名、評価、報酬決定にあたっては、透明性及び客観性を高めるために、取締役会の諮問機関である任意の指名・ガバナンス委員会、報酬委員会において、社外委員を中心に審議を行う方針です。
具体的な手続きとして、毎期、独立役員である社外取締役が議長を務める指名・ガバナンス委員会、報酬委員会にて審議し、取締役会にて決議しています。各委員会の役割は以下のとおりです。
・指名・ガバナンス委員会
以下のテーマについて審議を行います。
- CEOの選解任
- CEOの後継者計画
- 取締役候補者・執行役員・専門役員の選解任プロセス
- 取締役候補者の選任要件・候補者
- 統治形態・取締役会構成等のガバナンス体制
当事業年度に開催した委員会における主な審議内容は以下のとおりです。
CEOの選解任については、当社の中長期戦略の推進状況や業績等を踏まえその機能を十分発揮しているかを審議し、翌事業年度についても現CEOを再任する原案を、取締役会に上申しました。CEOの後継者計画については、経営戦略に基づいて定めた人材要件を前提に、現任の交代時期を見据えた後継者候補の育成計画とその進捗について、妥当性を確認しました。
取締役候補者・執行役員・専門役員の選解任プロセスについては、中長期的なガバナンス方針とCEOサクセッションのタイミングを勘案しながら、ベストな経営体制について協議しており、指名・ガバナンス委員会では、選任の原案作成から取締役会での決議までのプロセス全体の妥当性について審議しました。なお、取締役・執行役員・専門役員の解任については、法令に違反する等により当社の企業価値を著しく毀損したと認められる場合等に検討することとしています。取締役候補者の選任要件・候補者については、社外取締役の後継者計画を重点項目として掲げ、重視すべき人材要件や検討プロセスについて審議しました。
統治形態・取締役会構成等のガバナンス体制については、取締役会の実効性評価の結果を参照しながら、中長期的な進化に向けた方針について審議しました。
・報酬委員会
以下のテーマについて審議を行います。
- 取締役及び執行役員の報酬決定に関する方針・報酬制度・評価制度
- 取締役の個別報酬額及び個別評価
- 取締役以外の執行役員の個別報酬額の決定プロセス及び個別評価の決定プロセス
- リクルートグループ全体の株式報酬の上限金額
当事業年度に開催した委員会における主な審議内容は以下のとおりです。
取締役及び執行役員の報酬決定に関する方針・報酬制度・評価制度に関しては、翌事業年度における報酬水準について、直近事業年度における国内外の同業種・同規模企業の役員報酬水準データ等を参照して決定しました。その中で、今後もグローバルな市場で事業を成長させ、当社グループの企業価値を高め続けるためには、グローバル市場での豊富な知見、経営経験を持つ優秀な人材を機動的に確保していくことが重要と判断し、取締役に対する株式報酬制度の金額の上限を改定する株主総会議案について審議しました。
取締役の個別報酬額及び個別評価に関しては、当事業年度における個別評価について、対象となる業務執行取締役本人は退席した上で、個人ごとに事業年度開始時に定めたミッションに基づき振り返りを行いました。代表取締役2名の個人業績評価については、委員長を務める独立社外取締役が、業務執行取締役と常勤監査役へのヒアリングを行った上で、報酬委員会で審議するための原案を策定しました。また、翌事業年度の業務執行取締役の個別報酬については、対象者本人は退席した上で、個人ごとに翌事業年度に実際に期待する役割等を議論して決定しました。取締役以外の執行役員の個別報酬額の決定プロセス及び個別評価の決定プロセスについては、報酬委員会で審議し取締役会で決議した報酬制度・評価制度に則って、経営戦略会議で決定することを確認しました。
リクルートグループ全体の株式報酬の上限金額については、中長期的な事業戦略の一層の推進に向けて最適な対象者の範囲や、翌期の業績見通し等を考慮しながら、適切な上限金額について審議しました。
当社の役員報酬の方針や実績について、詳細は本項目「(4) 役員の報酬等」をご参照ください。
取締役会の諮問機関: その他の委員会
・コンプライアンス委員会
取締役会の諮問機関。委員長は代表取締役社長 兼 CEO。当社グループのコンプライアンスに関するテーマ及び施策についての審議を行う委員会。当社管理部門及び当社子会社より収集した情報を基に、当社グループにおけるコンプライアンスの実効性の評価や活動計画の決定・点検を行い、コンプライアンス風土推進のための方針や活動案を取締役会に報告します。
・リスクマネジメント委員会
取締役会の諮問機関。委員長はリスクマネジメント本部担当取締役 兼 常務執行役員。当社グループのリスクに関する重点テーマ及び施策についての審議を行う委員会。各SBUのリスクマネジメント状況のモニタリング及び当社グループとして特に注視すべきリスクの識別・決定を行った上で、グループ重点リスクテーマをまとめ、取締役会に報告します。
・サステナビリティ委員会
取締役会の諮問機関。委員長はサステナビリティ担当取締役 兼 常務執行役員。当社グループのサステナビリティ活動に関する戦略策定及び進捗管理等の審議を行う委員会。CEO、会長、サステナビリティ担当取締役と各SBU統括会社を担当する執行役員に加えて、社外の有識者が参加します。
すべてのステークホルダーとの共存共栄を目指して、経営戦略として掲げているProsper Together(サステナビリティ目標)の達成に向けた取組み等、当社グループの重要なサステナビリティ課題について議論します。委員会での議論を踏まえ、取締役会にて当社グループのサステナビリティ活動の進捗確認と計画の決議を行った上で、具体的な活動を推進します。
当事業年度は合計2回サステナビリティ委員会を開催しました。委員会における主な審議事項は以下のとおりです。
- サステナビリティ目標の進捗報告と議論
- 社会潮流に基づく当社が対応すべきサステナビリティ課題の更新
サステナビリティ課題の潮流については、当事業年度は、サステナビリティ目標の進捗確認、日本や欧州を中心に法制化が先行するサステナビリティ情報開示規制への対応状況の確認等について議論しました。
審議内容は取締役会に上申され、決議されています。
その他の諮問機関
・経営戦略会議
CEOの諮問機関。議長はCEO、構成員は業務執行取締役、コーポレート機能を担当する執行役員及び常勤監査役。投資案件や人事等の議案のうち、取締役会から権限委譲された事項等について審議を行う会議
・人材開発委員会
経営戦略会議の諮問機関。当社の執行役員が参加し、当社グループの基幹人材の育成計画、配置及び育成状況についての審議を行う委員会
・倫理委員会
取締役会及び経営戦略会議の諮問機関。当社従業員等の懲戒処分の事前審議を行う委員会
本書提出日時点の取締役会、監査役会、経営戦略会議、各委員会の構成
(注1) 監査役は、日本の会社法上、取締役の職務執行を監査する者として取締役会への出席義務があります。
(注2) 2026年6月24日開催予定の定時株主総会において第1号議案「取締役8名選任の件」及び第2号議案「監査役1名及び補欠監査役1名選任の件」がそれぞれ原案どおり承認可決された場合の取締役会、監査役会、経営戦略会議、各委員会の構成も上記のとおりです。
2026年3月期の取締役会、監査役会、各委員会の開催及び各構成員の出席状況
(注) 2025年6月26日開催の定時株主総会で当社取締役に選任されて以降、合計7回の取締役会、合計2回の指名・ガバナンス委員会、合計2回の報酬委員会を開催。
取締役会メンバーのスキル・マトリックス
2026年6月24日開催予定の定時株主総会において第1号議案「取締役8名選任の件」及び第2号議案「監査役1名及び補欠監査役1名選任の件」がそれぞれが原案どおり承認可決された場合における当社の取締役会の構成、並びに各取締役及び監査役が備えるスキルは以下のとおりです。
当社では、会社経営の観点から、当社の中長期的な経営戦略の実現に際し、特に重要度が高いスキルを指名・ガバナンス委員会で審議した上で、取締役会にて決議しています。

・スキルの選定理由
- 企業経営
当社は東京証券取引所プライム市場に上場し、幅広い事業を世界60カ国以上で展開しています。そのため、当社の持続的な成長に向けては、多様なステークホルダーからの期待を受けて事業ポートフォリオマネジメントを行う企業経営スキルが必要となることから「企業経営」を重要なスキルとして特定しています。
- 財務・会計
当社は長期的な企業価値及び株主価値の最大化に向けて、新規事業投資や研究開発、クロスボーダーM&A等の成長投資を機動的且つ積極的に実行しています。取締役会においても、企業戦略を実現するためのファイナンス戦略が重要となることから「財務・会計」を重要なスキルとして特定しています。
- 法務・リスクマネジメント
当社は、当社グループの継続的且つ安定的な成長を確保するためにリスクマネジメント体制を体系的に定め、関連する法令等を遵守しつつ積極的なリスクマネジメントに取組んでいます。取締役会においても、効果的なリスクマネジメント方針を決定し、監督を行うために必要となることから「法務・リスクマネジメント」を重要なスキルとして特定しています。
- グローバルビジネス
当社グループは世界60カ国以上の国・地域で事業やサービスを運営しています。そのため、経営に関わる重要な決定を行う上で重要なスキルとして「グローバルビジネス」を特定しています。
- テクノロジー
当社グループは、テクノロジーとデータを活用することでマッチングの更なる効率性向上と高速化を実現し、個人ユーザーに最適な選択肢を提供し、企業クライアントの更なる業務効率化を支援することを目指しています。そのため、取締役会において経営に関わる重要な決定を行う上で重要なスキルとして「テクノロジー」を特定しています。
- 人材ビジネス
当社グループでは、求人広告及び採用ツール市場、人材紹介市場、エグゼクティブサーチ市場、採用オートメーション市場及び人材派遣市場の総称を人材マッチング市場と定義し、求職者がより速く容易に仕事を得られることや企業クライアントの採用に掛かるコストや時間を削減することを通じて、人材マッチング市場における採用プロセスの効率化に取組んでいます。そのため、取締役会において経営に関わる重要な決定を行う上で重要なスキルとして「人材ビジネス」を特定しています。
- サステナビリティ
当社グループでは、企業活動全体を通じて社会や地球環境にポジティブなインパクトを与え、すべてのステークホルダーと共存共栄を目指していくことが、当社の持続的な成長に繋がると考え、経営戦略の1つに定めています。そのため、取締役会において経営に関わる重要な決定を行う上で重要なスキルとして「サステナビリティ」を特定しています。
- トランスフォーメーション
当社は創業以来、「まだ、ここにない、出会い。」の実現に向けて、新しい価値の創造を通じて社会の不(不満・不便・不安)を解消するために事業ポートフォリオを組み替え、持続的な成長を実現してきました。新たな価値の創造に向けて自らが変容し続けることこそが当社のDNAであると考え、「トランスフォーメーション」を社内・社外を問わず取締役会メンバーに共通の重要なスキルとして特定しています。
② 内部統制システム整備の状況
当社及び当社子会社の業務の適正を確保するための体制(2026年3月11日開催の取締役会で決議)の内容は、以下のとおりです。
当社の取締役及び使用人並びに当社子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・機関設計
- 当社は、社外取締役を含む取締役会を設置し、当社グループ全体における重要な意思決定を行います。
- 当社は、社外監査役を含む監査役会を設置しています。当社の各監査役は、当社監査役会が定めた監査基準の下当社の取締役会その他重要会議への出席及び業務執行状況の調査等を通じ、当社の取締役の職務執行の監査を行います。
- 当社は、社外取締役を委員長とした指名・ガバナンス委員会及び報酬委員会を設置し、当社の取締役及び執行役員の指名又は選任、評価及び報酬等について審議を行います。
- 当社は、SBU統括会社の取締役会の過半を構成するように取締役を派遣し、SBU統括会社の経営を監督します。
・内部監査
- 当社に代表取締役社長 兼 CEO直轄の内部監査所管部署を設置し、当社グループの役職員等による業務が法令、定款又は規程に違反していないか監査します。
・倫理綱領・社内規程
- 当社は、「リクルートグループ倫理綱領」を制定し、当社グループのすべての役職員等に周知しています。
- 当社は、当社子会社の自主独立の精神を尊重しつつ、一体的なグループ経営を実現するため、意思決定、投資管理、ファイナンス、人事管理、リスクマネジメント及びコンプライアンス等に関する当社グループ統一の規程として「リクルートグループ規程」を制定しています。
・コンプライアンス体制
- 当社は、当社グループのコンプライアンスに関する基本方針を定める「リクルートグループコンプライアンス規程」を制定しています。当社の取締役会は、当社グループ全体におけるコンプライアンス責任者を任命した上、コンプライアンス所管部署を設置し、当社グループのコンプライアンスに関する基本方針の決定及び実効性のモニタリングを行います。また、当社の代表取締役社長 兼 CEOは、自らが委員長となってコンプライアンス委員会を開催し、各SBUにおけるコンプライアンスの実効性の評価を行った上、経営戦略会議において当社グループ全体のコンプライアンスの活動計画の決定を行います。
- SBU統括会社の取締役会は、各SBUにおけるコンプライアンス責任者を任命した上、コンプライアンスに関する基本方針の決定及び実効性のモニタリングを行います。また、SBU統括会社の代表取締役社長は、自らが委員長となってコンプライアンス委員会を開催し、SBUにおけるコンプライアンスの実効性の評価や活動計画の決定・点検を行います。
- 当社子会社の代表取締役社長は、各社におけるコンプライアンス責任者を任命した上、各社におけるコンプライアンスの実効性の評価や活動計画の決定・点検を行います。
・内部通報
- 当社及び当社子会社は、内部通報窓口及び職場のハラスメントに関する相談窓口等、当社グループの役職員等が内部統制に関する問題を発見した場合に、迅速に当社又は当社子会社のコンプライアンス所管部署に情報伝達する体制を構築しています。報告又は通報を受けたコンプライアンス所管部署は、その内容を調査し、対応策を当社グループ内の関係部署と協議の上決定し、実施します。
・教育
- 当社及び当社子会社は、倫理綱領及び社内規程の遵守等を図るために、役職員等に対して、必要な教育を企画し、実施します。
・懲戒
- 当社及び当社子会社は、法令違反、社内規程違反その他コンプライアンス違反行為が明らかになった場合には、当該行為に関与した役職員等に対し、厳正な処分を課すものとしています。
・反社会的勢力との取引遮断
- 当社及び当社子会社は、反社会的勢力との取引関係を含めた一切の関係を遮断する体制を構築しています。
当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
「文書及び契約書管理規程」を制定し、これに基づき、株主総会議事録、取締役会議事録及び経営戦略会議議事録等、取締役の職務の執行に係る文書を関連資料と共に保存します。
前項に定める文書の保存年限及び保存部署については、「文書及び契約書管理規程」に定めています。当社の取締役又は監査役から閲覧の要請があった場合に閲覧が可能である方法で保存します。
当社グループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社は、当社グループのリスク管理を体系的に定める「リクルートグループリスクマネジメント規程」及び「リクルートグループエスカレーション細則」を制定しています。
当社の取締役会は、当社グループ全体におけるリスクマネジメント責任者を任命した上、リスクマネジメント所管部署を設置し、当社グループのリスクマネジメントに関する基本方針の決定及びリスクマネジメント状況のモニタリングを行います。また、リスク統括所管部署担当取締役を委員長とするリスクマネジメント委員会において、各SBUのリスクマネジメント状況のモニタリング及びリスクの識別を実施します。その結果を受けて経営戦略会議において当社グループとして特に注視すべきリスクの識別・決定とその低減策について検討を行います。
SBU統括会社の取締役会は、SBUにおけるリスクマネジメント責任者を任命した上、SBUのリスクマネジメントに関する基本方針の決定及びリスクマネジメント状況のモニタリングを行います。また、SBU統括会社の各統括機能の責任者が参加するリスクマネジメント委員会において、自SBUのリスクマネジメント状況のモニタリング及び特に注視すべきリスクの識別・決定を行います。
当社子会社の代表取締役社長は、各社におけるリスクマネジメント責任者を任命した上、各社におけるリスクの洗い出し及び重要性の判断を行い、リスク管理について最終責任を負います。
当社は、当社グループ全体に影響が及ぶような重大な事案が発生した場合には、危機対策本部を立ち上げ、対応を進めることとしています。
当社の取締役及び当社子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社の取締役会又は経営戦略会議は、当社グループの経営目標を定め、浸透を図るとともに、この目標の達成に向けて当社グループの各部門が実施すべき具体的な目標を定めます。当社の各部門の担当執行役員は、この目標の達成に向けて、効率的な達成の方法を定め、実行します。
当社の取締役会は、定期的に当社グループの目標達成状況をレビューし、効率化を阻害する要因を排除又は低減する等の改善を促すことにより、目標達成の確度を高め、当社グループ全体の業務の効率化を実現します。
当社は、当社CEOの諮問機関として経営戦略会議を設置し、当社グループ全体の経営に関して必要な事項の協議を行います。
その他、当社の取締役会又は経営戦略会議の諮問機関として、サステナビリティ委員会等の専門性を持った委員会を設置します。
財務報告に係る内部統制の信頼性の確保のための体制
当社は、「J-SOX基本規程」を定め、金融商品取引法に定める内部統制報告制度に準拠した財務報告に係る内部統制システムの構築を図ります。
当社子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
当社は、当社内に、各SBUを統括する部門を設置します。当社子会社の取締役等は、各統括部門の求めに応じ、定期的に業績及び事業戦略の遂行状況を報告します。
当社は、SBU統括会社の取締役等と、定期的に経営状況の共有を図るほか、随時当社グループの経営にかかわる方針の協議を行います。
当社は、当社グループの子会社管理を体系的に定める「リクルートグループグループマネジメント規程」を定め、これに基づき、当社子会社に対し、重要事項について当社の決裁を得ること又は当社の関連部署との事前確認又は事後報告を義務付けます。
当社の監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
当社は、当社の監査役の職務を補助する者として「監査役補佐担当」を任命し、正式に人事発令を行います。
前号の使用人の当社の取締役からの独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
当社の監査役補佐担当は、監査役の職務を補助するに際しては、監査役の指揮命令にのみ従うものとし、その任命、異動、評価及び懲戒については、当社の監査役又は監査役会の意見を尊重するものとしています。
当社の監査役への報告に関する体制
当社の役職員等及び会計監査人は、監査役に次に定める事項を報告します。報告の方法については、会議、面談、電話又は電子メール等により随時報告できるように体制を整備します。
- 経営状況として重要な事項
- 会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事項
- 内部監査状況及びリスク管理に関する重要な事項
- 重大な法令及び定款違反
- その他内部統制上重要な事項
当社の監査役及び内部監査所管部署は、SBU統括会社やその配下会社の取締役又は監査役と随時連携し、定期的に情報共有します。
前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当社は、「リクルートグループコンプライアンス規程」において、誠実に通報したことを理由に、通報者に対し解雇又は不当な配置転換等の不利益な処遇をしてはならないことを定めます。
当社の監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
当社は、当社監査役が職務の執行上必要としてあらかじめ予算を計上した費用について負担するほか、当社監査役は、緊急又は臨時に要する費用についても当社に請求することができ、当社はこれを負担します。
その他当社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
当社の監査役及び監査役会は、当社の代表取締役社長 兼 CEO及び会計監査人とそれぞれ定期的に意見交換会を開催します。
③ 取締役・監査役等との契約
非業務執行取締役等との責任限定契約について
当社は、非業務執行取締役及び監査役の全員との間において、会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく賠償責任の限度額は、法令の定める最低責任限度額です。なお、当該責任限定は、当該役員が責任の原因となった職務の遂行について善意で且つ重大な過失がないときに限り認められます。
役員等賠償責任保険契約(D&O保険)
当社は、グローバルな事業展開を推進しているため、高い水準で知見・経験、人脈を持つ国内外の優秀な経営人材の獲得や経営人材が萎縮せずに職務執行できることを主な目的として役員等賠償責任保険契約を締結しています。当該契約は、当社及び子会社(その総資産額が当社の連結総資産額の25%超の子会社又はその有価証券が米国で公開取引をされている子会社を除きます。)の取締役、監査役、執行役員及びこれらの相続人並びに従業員等を被保険者としています。保険料は全額当社が負担しており、職務執行によって保険期間中に損害賠償請求を受けた場合に生じた損害賠償金及び争訟費用等が当該契約により填補されます。但し、故意の義務違反、犯罪行為等の不正又は不適切な行為を原因とする損害賠償請求は、当該契約により填補されません。
④ 定款に定める事項について
取締役の定数
当社の取締役は11名以内とする旨を定款に定めています。
取締役選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、株主総会において、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数によって選任する旨を定款に定めています。なお、取締役の選任決議は、累積投票によらない旨を定款に定めています。
株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨を定款に定めています。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものです。
自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めています。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものです。
取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款に定めています。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するに当たり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たし得る環境を整備することを目的とするものです。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
2026年6月24日開催予定の定時株主総会において第1号議案「取締役8名選任の件」及び第2号議案「監査役1名及び補欠監査役1名選任の件」がそれぞれ原案通り可決された場合における当社の役員(取締役及び監査役)は、以下のとおりであり、取締役会における人数・女性比率・独立社外取締役の比率に変更はありません。
本書提出日現在における役員の略歴は下記の通りです。
男性 8名 女性 4名 (役員のうち女性の比率 33.3%)
(注1) 取締役泉谷直木氏、小寺剛氏、本田桂子氏及びKatrina Lake氏は、社外取締役です。
(注2) 監査役小川陽一郎氏及び名取勝也氏は、社外監査役です。
(注3) 2025年6月26日から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。なお、2026年6月24日開催予定の定時株主総会において第1号議案「取締役8名選任の件」を提案しています。本議案が承認可決された場合における任期は2026年6月24日から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
(注4) 2024年6月20日から2028年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
(注5) 2022年6月21日から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。なお、2026年6月24日開催予定の定時株主総会において第2号議案「監査役1名及び補欠監査役1名選任の件」を提案しています。本議案が承認可決された場合における任期は2026年6月24日から2030年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
(注6) 表中の所有株式数は、2026年5月末日現在です。リクルートグループ役員持株会における本人の持分及び米国預託証券(ADR)による所有分を含んでいます。
(注7) 取締役本田桂子氏は、2026年6月26日開催の㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ定時株主総会にて社外取締役を退任予定です。
② 社外役員の状況
当社では、中立性があり様々な分野での経験を豊富に有する社外役員を選任し、且つ各人が当社の期待する社外役員としての機能及び役割を十分に果たしていると考えています。
取締役及び監査役の選定方針については、「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ①企業統治の体制の概要等について」の「取締役の選定方針」及び「監査役の選定方針」をご参照ください。
また、社外役員の選任理由、及び重要な兼職の状況、社外役員との関係及び所有株式数については、本項目「①役員一覧」をご参照ください。なお、いずれの社外取締役・社外監査役も、当社及び当社グループ会社に在籍したことはありません。
社外役員の活動状況
2026年3月期における社外役員の活動状況は以下のとおりです。
当事業年度開催の取締役会、監査役会、各委員会への出席状況については、「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ① 企業統治の体制の概要等について」の「2026年3月期の取締役会、監査役会、各委員会の開催及び各構成員の出席状況」に記載のとおりです。
社外役員の独立性基準
当社は、金融商品取引所の定める独立性基準に加え、原則として、以下のすべてを満たす候補者を東京証券取引所の有価証券上場規程に定める独立役員に選定する方針です。
- 候補者又は候補者が業務執行者である法人が当社株式を保有する場合は、議決権所有割合で10%を超えないこと
- 直近事業年度の取引において、候補者又は候補者が所属する法人への売上が、当社グループの連結売上収益の1%未満であること
- 直近事業年度の取引において、当社グループへの売上が、候補者又は候補者が所属する法人の連結売上収益の1%未満であること
社外役員と内部監査、監査役監査及び会計監査等との相互連携
- 社外取締役は、取締役会において内部監査部、監査役及び会計監査人並びに内部統制部門から適宜報告を受けて相互の連携を図っています。加えて、取締役会の諮問機関である指名・ガバナンス委員会、報酬委員会において委員長もしくは委員として参加することで、当社経営の透明性と公平性の向上を図っています。
- 社外監査役は、監査役会において他の監査役、会計監査人及び内部監査部から適宜それぞれの監査の方法と結果について報告を求めるほか、適宜個別に情報交換を行い相互の連携を図っています。また、社外監査役としての独立した立場から、内部統制の整備及び運用状況を監視、検証し、監査の過程において必要に応じて内部統制部門の報告を受けています。
③ 役員(取締役・監査役)に対するサポート・トレーニングの方針
トレーニングの方針
新任の取締役・監査役に対しては、就任時に会社概要、経営戦略、財務戦略、リスクマネジメントポリシー、重点監査項目等の基本情報を共有しています。就任後も、例えば会社法等の制度変更があった際は、必要に応じて外部専門家を招いた勉強会を開催する等、当社は継続的に取締役・監査役の知見を更新する機会を設けています。加えて、拠点訪問を通じた事業理解の促進の場を適宜設けています。社外役員に対しては、主要事業の事業戦略を担当執行役員から共有する等の取組みや、当社グループのナレッジシェアリングイベントへの招待等を通じて、企業文化、事業、従業員等に対する理解促進の機会を提供しています。また適宜、経理財務やリスクマネジメント等のテーマを取り扱う外部セミナーへの参加や、外部講師を招いての勉強会を開催しています。
社外取締役へのサポート体制
取締役会事務局にて、社外取締役が業務執行取締役の業務執行を適切に監督できるよう、各種のサポートを行っています。具体的には、取締役会の議案概要の事前説明や関連情報等の情報提供を行っています。
社外監査役へのサポート体制
社外監査役に対しては、常勤監査役及び監査役補佐担当が、監査役会等の場で、社外監査役が参加しないが重要度の高い会議について、資料及び議論内容の共有を行う等、社外監査役が適切且つ迅速に監査を行うに当たって必要なサポートを行っています。また、監査役を設置している子会社からは、当社の監査役会に対してレポートを行う仕組みを構築しているほか、監査役会として、子会社の訪問や経営者インタビューを通じた事業コンディションの確認等も行っています。
社外取締役及び社外監査役が必要な連携を図るための施策
上記に加えて、社外取締役及び社外監査役が必要な連携を図るための様々な施策を講じています。主な施策は以下のとおりです。
- 社外取締役間での連携に際しての取りまとめを担う社外取締役を指定し、取締役及び執行役員との連絡・調整や監査役又は監査役会との連携に係る体制を整備しています。
- 必要に応じ、取締役会終了後に社外取締役及び社外監査役のみのミーティングを設けることで、社外取締役及び社外監査役がその独立性に影響を受けることなく、情報収集力を強化できるよう連携を図っています。
- 取締役会において、内部監査部門が作成する年度の内部監査計画を決議するとともに、半期ごとに内部監査報告を受けることで、内部監査部門との連携を図っています。
④ 執行役員一覧
当社では、執行役員を配置しています。取締役 兼 業務執行役員を含めて執行役員は10名で構成されており、2026年4月1日以降におけるそれぞれの役職及び担当は、以下のとおりです。
(3) 【監査の状況】
① 内部監査、監査役監査及び会計監査の相互連携
当社の監査体制は、監査役監査、監査法人による専門的な立場からの会計監査を主体とした監査及び内部監査から構成される三様監査を採用しています。
監査役監査及び会計監査は法定監査であり、内部監査は経営トップの意志に基づき、内部統制システムについて独立的評価を行うとともに社内不祥事を防止することを主眼とする任意監査です。内部監査部、監査役及び会計監査人との相互連携については、監査役会において会計監査人及び内部監査部から適宜それぞれの監査の方法と結果について報告を求める他、主として常勤監査役が定期的に、個別に情報交換を行っています。内部監査部においても、監査役ないし監査役会から要請があった場合には、適宜報告及び情報交換を行う他、会計監査人とも個別に情報交換を行っています。また、内部監査、監査役及び会計監査人の三者合同による会議を開催し意見交換できる機会を設けています。
② 内部監査、監査役監査、会計監査の状況及び内部統制部門との関係
内部監査
代表取締役社長 兼 CEO直轄の内部監査部を置き、公認会計士・公認内部監査人(CIA)・公認情報システム監査人(CISA)・米国公認会計士等の資格を有する者を含む従業員20名(2026年4月1日時点)によって内部監査を行っています。内部監査部は、業務監査及び財務報告に係る内部統制に関する監査を主たる業務として、年度監査計画に基づき、当社グループを対象に内部監査を実施しています。内部監査の結果は代表取締役社長 兼 CEOに報告するとともに、監査役会及び取締役会に共有しています。内部統制の整備・運用状況について、代表取締役社長 兼 CEOの指揮下で独立の立場から評価を実施し、不備を発見した場合は被監査部門及び内部統制部門に通知し、改善を促しています。改善状況のフォローアップも実施し、当社グループの業務が適正に行われるよう努めています。
監査役監査
監査役監査については、4名の監査役(うち社外監査役2名)で監査役会を構成し、監査役会は原則として月1回開催しており、監査の方針と職務の分担を定め、監査計画に基づいて取締役の職務執行を監査しています。
特に、当社グループ全体の内部統制、コンプライアンス及びリスク管理体制等に関しては、重点的に監査を行っています。また、当社の監査役は、会計監査人からの定期的な監査報告に加えて主要な子会社の監査役等から国内外関係会社に対する監査結果について定期的に報告を受ける等、子会社の監査役等との情報の共有及び連携を図ることにより、監査活動の十分な時間確保や不正不備・問題点の早期把握と対応勧告等を含めた監査の有効性及び効率性の向上に努めています。
当社の監査役及び監査役会は、取締役の職務の執行に対する監査の一環として、内部統制の整備及び運用状況を監視及び検証し、監査の過程において必要に応じて内部統制部門及び内部監査部門の報告を受けています。また、当社は、社外監査役を含むすべての監査役の職務を補助するために監査役補佐担当を任命しています。
③ 監査役会の出席状況及び主な活動状況
2026年3月期(2025年4月1日〜2026年3月31日)における監査役会の開催回数は、17回です。
また、監査役会への監査役の出席状況及び主な活動状況は、次のとおりです。
2026年3月期における監査役会の具体的な検討事項
当事業年度における監査役会の具体的な検討事項は、法令及び定款に定めのある監査役会として協議すべき基本事項のほか、常勤監査役及び関連部門による報告内容に基づく監査上の重要事項について討議及び意見交換を行いました。
監査上の重要事項としては、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上の観点から次の3点を重点監査項目と設定し監査を実施しました。
- 経営執行におけるコーポレートガバナンスの透明性
- 戦略ビジネスユニットである各SBUの事業戦略に適合したガバナンスの適切さ
- 過信や予断のない内部統制及びグループトップリスク対策の進捗
重点監査項目に加え、監査上の基本事項として取締役の職務執行、業務執行及び内部統制、会計監査の3領域についてのリスクや課題を検討し、年間の監査計画を定め監査活動を展開しました。
これらの基本事項に基づき実施した主な監査活動は以下のとおりです。
主な監査活動
会計監査の状況
監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
継続監査期間
1984年以降
業務を執行した公認会計士
松岡 寿史
齋田 毅
馬野 隆一郎
本橋 正史
監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 19名、その他 33名
監査法人の選定方針と理由
当社は、品質管理体制、独立性及び専門性の有無、当社がグローバルに展開する事業分野への理解度等を総合的に勘案し検討した結果、EY新日本有限責任監査法人を会計監査人として選定しています。
監査役会による監査法人の評価
当社の監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目のいずれかに該当すると認められる場合には、監査役全員の同意により会計監査人を解任します。また、上記の場合のほか、会計監査人の適格性、独立性を害する事由の発生等により、適正な監査の遂行が困難であると認められる場合には、監査役会は、会計監査人の解任又は不再任を株主総会に提案します。
監査役会は、上記方針に基づき会計監査人を評価しています。監査役会は、会計監査人からの定期的な監査報告の場における議論を通じて、会計監査人の職務遂行の適正性を評価しています。あわせて、会計監査人の独立性確保に関する報告を受けると同時に、その場での意見交換を通じて、会計監査人の独立性及び専門性の確認を行っています。また、会計監査人への年次評価として、監査役会は経理部門と共に評価基準を作成し、会計監査人の事業執行現場における監査業務の実態を調査把握し、評価を行っています。
その他
会計監査人及び当社監査に従事する会計監査人の業務執行社員と当社の間には、特別な利害関係はありません。また、会計監査人は、代表取締役から提出された内部統制報告書を受け、内部統制監査を実施し、内部統制の整備及び運用状況を監視及び検証し、監査の過程において必要に応じて内部統制部門の報告を受けています。あわせて会計監査人は、経営者等とのディスカッションを実施し、事業内容や経営環境等の動向といった概括的な状況を理解し、内部統制や不正リスクについての経営者の評価を理解する等を行っています。
④ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
b. 監査公認会計士等と同一のネットワーク(Ernst & Young)に属する組織に対する報酬(a.を除く)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、各種アドバイザリー業務等です。
その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士等に対する監査報酬は、前連結会計年度までの監査内容及び監査公認会計士等から提示された当連結会計年度の監査計画の内容等を総合的に勘案して決定しています。
監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社監査役会は、監査計画における監査時間及び監査報酬の推移並びに過年度の監査計画と実績の状況を確認し、報酬額の見積りの妥当性を検討した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行っています。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員報酬の方針
2027年3月期における役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針は以下のとおりです。
役員報酬の基本方針
当社の役員報酬制度は、以下を基本方針としています。
・グローバルに優秀な経営人材を確保できる報酬水準とする
・役員を目標達成に動機づける、業績連動性の高い報酬制度とする
・中長期の企業価値と連動する報酬とする
・報酬の決定プロセスは、客観的で透明性の高いものとする
報酬水準
国内外の同業種・同規模企業の役員報酬水準をベンチマークとして設定しています。
具体的には、ベンチマーク企業における同等ポストの報酬水準を外部のデータサービス等から取得した上で、より適切な水準とすべく、当社において実際に期待する役割等の個別事情を勘案して、各役員の報酬水準を設定しています。
なお、当社の役員だけでなく、SBU配下の重要なポストに関しても、同様の方法で報酬水準を決定することとしています。
報酬構成
当社の役員報酬は、「固定報酬(金銭)」「短期インセンティブ(金銭)」「長期インセンティブ BIP信託(株式)」「長期インセンティブ ストックオプション(株式)」の4つの要素で構成されており、各報酬の目的、支給方法等については、以下のとおりです。
優秀な経営人材を確保し、堅実な職務遂行を促すことを目的とした報酬です。個々の役員が担う役割に応じて設定した基準額を月例按分し、金銭にて毎月支給します。
役員を単年度の目標達成に動機付けることを目的とした報酬です。個々の役員が担う役割に応じて設定した基準額に、当社の重要な経営指標であるEBITDA+Sの成長率と、個人業績評価を連動させて、支給額を決定します。具体的な支給方法は、基準額を当期に毎月支給した上で、業績連動による加減算額を翌期に支給又は徴収しています。短期インセンティブ支給額の算出方法は以下のとおりです。
(注) 2027年3月期を業績評価の対象期間とする短期インセンティブの支給額を算出するために使用するEBITDA+Sの定義は以下のとおりです。
EBITDA+S = 営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)+株式報酬費用±その他の営業収益・費用
なお、前3期平均より低いEBITDA+Sとなることが予め見通される場合、基準額から想定される減算額を差し引いた金額を当期に支払う支給方法を選択する場合があります。
個人業績評価については、事業年度開始前の報酬委員会にて役員個人ごとに期待する役割をミッションとして定めた上で、事業年度末の報酬委員会で振り返りを行い評価を決定しています。
役員を中長期的な企業価値の向上に動機付けることを目的とした報酬です。役員に、将来的に株式を受け取る権利を保有させることで、持続的な企業価値向上への貢献を促します。個々の役員が担う役割に応じて設定した基準額に相当する当社株式を取得して信託口座に保管し、原則として退任時に交付します。
役員を中長期的な企業価値の向上に動機付けることを目的とした報酬です。役員に株価が上昇した場合にのみ利益を得られる権利を保有させることで、更なる株主価値及び企業価値向上への貢献を促します。個々の役員が担う役割に応じて設定した基準額に相当するストックオプションを割当て、取締役会が定める一定の期間が経過した後、ストックオプションを行使することにより当社株式を割当日の当社株式の終値で取得することが可能です。
ストックオプションを行使することができる期間は、新株予約権の割当日の属する事業年度の開始日から1年以上経過後、割当日から10年以内の範囲とします。また、全てのストックオプションの行使が可能となるのは、原則として割当日の属する事業年度の開始日から3年以上経過後とします。
なお、当社は、SBU統括会社の社長/CEOを当社執行役員としており、上記と同様の報酬構成を適用した上で長期インセンティブ(株式報酬)を高い比率で設定することで、長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高めることを目指しています。
また、当社は、グローバルに優秀な経営人材を確保するために、日本と雇用慣習や法令が大きく異なるマーケットの基準に合わせて採用した人材である場合に、上記と異なる報酬構成又は方針を適用することがありますが、独立社外取締役を委員長とし、且つ構成員の過半数を社外委員とする報酬委員会が、必要不可欠と判断した場合のみとします。なお、この場合に、BIP信託において、在任中に株式を交付することがありますが、交付時期は、付与の対象となる事業年度の開始日から3年以上経過後(注)とします。
(注) 2026年6月24日開催予定の第66回定時株主総会に付議する第3号議案が原案通り承認された場合の内容を記載しています。2026年3月期末日時点では、2021年6月17日開催の第61回定時株主総会で承認された内容が有効であり、在任中に株式の交付等を行う場合の交付時期は、付与の対象となる事業年度の開始日から2年以上経過後(株式の交付等が複数回行われる場合は、交付等が完了するまでに要する平均期間は2年以上)でした。
支給割合
取締役(社外取締役を除く)の報酬は、外部のデータベースサービスを基に設定したベンチマークを参考にしつつ、役位が上がるにつれ、インセンティブ、特に長期インセンティブの比率を高く設定しており、以下の支給割合に業績連動指標等を反映して決定します。
社外取締役及び監査役については、独立した客観的な立場からの監督機能を重視し、業績に連動しない固定報酬のみとしています。
2027年3月期における支給割合は以下を予定しています。

(注1) 上記は、業績連動指標等を反映する前の構成比率です。
(注2) 取締役(社外取締役を除く)の支給割合は、対象者4名の平均値を記載しています。
(注3) 2026年3月期における取締役(社外取締役を除く)の報酬の支給割合は、固定報酬(金銭報酬)14%、短期インセンティブ(金銭報酬)11%、BIP信託(株式報酬)51%、ストックオプション(株式報酬)24%でした。社外取締役及び監査役の支給割合は、固定報酬(金銭報酬)100%でした。
ガバナンス
役員の報酬等の妥当性や透明性を高めるために、取締役会の諮問機関として、独立社外取締役を委員長とし、且つ構成員の過半数を社外委員とする報酬委員会を設置しています。役員の個別報酬額については、株主総会において承認された報酬枠の範囲内で、取締役については報酬委員会の答申を踏まえて取締役会にて、監査役については監査役の協議に基づき決定しています。
なお、社外からの客観的視点及び役員報酬制度に関する専門的知見を導入するため、外部の報酬コンサルタントを起用し、その支援を受け、外部データ、経済環境、業界動向及び経営状況等を考慮し、報酬水準及び報酬制度等について検討することとしています。
また、当社は、役員の在任期間中に職務や社内規程等への重大な違反があった場合には、長期インセンティブ報酬の全部、又は一部の支給を制限あるいは返還を請求するクローバック条項を設定しています。
役員報酬等に関する株主総会の決議年月日及び当該決議の内容は以下のとおりです。
取締役
(注1) 2026年6月24日開催予定の第66回定時株主総会に付議する第3号議案が原案通り承認された場合の内容を記載しています。2026年3月期末日時点では、2021年6月17日開催の第61回定時株主総会で決議された内容が有効であり、合計上限額は20億円、合計上限株数は700,000株、決議時の員数は4名でした。
(注2) ストックオプション1個当たりが目的とする株式の数は100株としています。
監査役
役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定権限を有する者及び委員会等の手続の概要
役員の個別報酬額については、報酬委員会の答申を踏まえ、取締役については取締役会にて、監査役については監査役の協議に基づき、株主総会決議の範囲内で決定します。また、役員報酬の決定に関する方針及び報酬制度の内容についても、報酬委員会で審議して策定された報酬計算ロジックにより機械的に算出された報酬レンジに基づき、取締役会にて決定します。
なお、代表取締役以外の取締役の個別報酬額については、効率的な取締役会運営を実現するため、報酬委員会の答申を尊重して決定することを条件に、その決定権を取締役会から代表取締役社長 兼 CEO(2026年3月期については出木場久征)に委任し、当該委任に基づき同氏が決定しています。
② 役員報酬の実績
2026年3月期における役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注) 上記の報酬等の額は、IFRSに基づき算定した数値を記載しています。
会社別の連結報酬等の額
(注) 上記の報酬等の額は、IFRSに基づき算定した数値を記載しています。
従業員兼務役員の従業員給与のうち重要なもの
従業員兼務役員が存在しないため、記載していません。
2026年3月期に支給した業績連動報酬に係る指標の目標及び実績
2026年3月期に支給した短期インセンティブ(金銭報酬)に係る指標の目標及び実績は以下のとおりです。
(注1) 短期インセンティブには、上記以外に、個人業績評価を反映します。
(注2) 短期インセンティブは、連結EBITDA+Sの前3期平均からの成長率に連動しているため、2022年3月期から2024年3月期までの3期の連結EBITDA+Sの平均値を目標として記載しています。
(注3) EBITDA+Sの注釈は、本文書の冒頭に記載しています。
2027年3月期に支給予定の業績連動報酬に係る指標の目標及び実績
2027年3月期に支給予定の短期インセンティブ(金銭報酬)に係る指標の目標及び実績は以下のとおりです。
(注1) 短期インセンティブには、上記以外に、個人業績評価を反映します。
(注2) 短期インセンティブは、連結EBITDA+Sの前3期平均からの成長率に連動しているため、2023年3月期から2025年3月期までの3期の連結EBITDA+Sの平均値を目標として記載しています。
(注3) EBITDA+Sの注釈は、本文書の冒頭に記載しています。
当事業年度の報酬等の額の決定過程における取締役会及び委員会等の活動内容
報酬委員会については、当事業年度においては2回開催しており、いずれの回も同委員会の構成員全員が出席し、審議しました。審議内容等の詳細は、本項目「(1) コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。当事業年度に開催した取締役会のうち、役員報酬に係る事項については2回の協議をしました。
取締役の報酬等の内容の決定に当たっては、報酬委員会が原案について決定方針との整合性を含めた多面的な検討を行っているため、取締役会も基本的にその答申を尊重し決定方針に沿うものであると判断しています。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準・考え方等
当社は、株式を取得し保有する目的に応じて、投資株式を以下2種類に区分しています。
純投資株式
当社は、専ら株式の価値の変動又は配当によって利益を受けることを目的とする投資株式を「純投資株式」として区分しています。当社グループには該当事項はありません。
純投資目的以外の投資株式
純投資目的以外の投資株式は、政策保有株式、事業開発目的投資株式、みなし保有株式に分類されます。
当社グループは、業務提携等、戦略上重要な取引関係等の維持・強化のために保有する投資株式を政策保有株式として区分しており、当社及び㈱リクルートが保有する株式が該当します。
また、コーポレートベンチャーキャピタルを通じて保有する投資株式は、主として非上場株式であり、新領域事業の創出や最先端のテクノロジーの獲得等を目的として保有しています。そのため、かかる投資株式を事業開発目的投資株式に区分しており、RYK Capital Partners Limitedなどが保有する株式が該当します。
みなし保有株式について、当社グループには該当事項がありません。
保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、原則として政策保有株式を縮減していくことを方針としています。当社が保有する政策保有株式について、個別銘柄ごとに経済的価値と資本コストの見合いを定量的に検証するとともに、戦略的な関係性・重要性や、環境、社会及びガバナンス等の定性的な観点を総合的に勘案し、保有の適否を検証しています。取締役会にて年1回精査し、これらの観点に合致しないと判断された株式は縮減する方針としています。
なお、事業開発目的投資株式については、新領域事業の創出や最先端のテクノロジーの獲得等を目的として保有していますが、その保有目的を達成ないし喪失した場合、経済的価値の最大化等を考慮の上、売却する方針としています。
当社グループにおける政策保有株式の保有状況
当社及び㈱リクルートが保有する政策保有株式の状況は以下のとおりです。その合計額は、2026年3月末において440億円で、連結資本合計の2.8%です。2026年3月期に売却した政策保有株式は7銘柄であり、その合計額は216億円です。
政策保有株式の議決権の行使については、議案内容を精査し株主価値の向上に資するものか否かを判断した上で、適切に議決権を行使します。当該議案が株主利益を著しく損ねる内容である場合は、肯定的な判断を行いません。議案について反対票を投じた場合は、取締役会にその旨を報告するほか、行使先との建設的なコミュニケーションを通じて改善を促します。
当社は、当社の株式を政策保有株式として保有している会社からその株式の売却等の意向が示された場合には、取引の縮減を示唆する等により売却を妨げる行為は行いません。
また、当社は、政策保有株主との間で、取引の経済合理性を十分に検証しないまま取引を継続する等、会社や株主共同の利益を害するような取引を行っていません。
② ㈱リクルートホールディングスにおける純投資目的以外の投資株式(政策保有株式)
提出会社及び連結子会社のうち、最大保有会社である当社の2026年3月末時点における保有状況については以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 株式数が増加又は減少した銘柄には、株式の新規公開、株式の併合、株式の分割、株式移転、株式交換、合併等による変動を含みません。
特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
(注1) 事業戦略上、取引関係等の維持・強化を主たる保有目的としており、個々の保有については多角的に検討しており、具体的な定量数値の開示は困難であることから省略しますが、保有継続の合理性については、個別銘柄ごとに経済的価値と資本コストの見合いを定量的に検証するとともに、戦略的な関係性・重要性や、環境、社会及びガバナンス等の定性的な観点を総合的に勘案し、保有の適否を検証しています。
(注2) 保有先企業は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
③ RYK Capital Partners Limitedにおける純投資目的以外の投資株式(事業開発目的投資株式)
提出会社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社の次に大きい会社であるRYK Capital Partners Limitedの2026年3月末時点における保有状況については以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 株式数が増加及び減少した銘柄には、株式の新規公開、株式の併合、株式の分割、株式移転、株式交換、合併等による変動を含みません。
④ ㈱リクルートにおける純投資目的以外の投資株式(政策保有株式)
提出会社及び連結子会社のうち、㈱リクルートの2026年3月末時点における保有状況については以下のとおりです。
なお、㈱リクルートは、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社の次に大きい会社でないため、法令上の開示義務はありませんが、政策保有株式の保有会社としての重要性に鑑み、継続的な情報開示の観点から以下のとおり記載しています。
(単位:百万円)
(注) 株式数が増加及び減少した銘柄には、株式の新規公開、株式の併合、株式の分割、株式移転、株式交換、合併等による変動を含みません。
特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
(注1) 事業戦略上、取引関係等の維持・強化を主たる保有目的としており、個々の保有については多角的に検討しており、具体的な定量数値の開示は困難であることから省略しますが、保有継続の合理性については、個別銘柄ごとに経済的価値と資本コストの見合いを定量的に検証するとともに、戦略的な関係性・重要性や、環境、社会及びガバナンス等の定性的な観点を総合的に勘案し、保有の適否を検証しています。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループにおける人材戦略に関しては、「第2 事業の状況」「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 」「(3) 人的資本の強化に向けた社内環境整備・人材育成」をご参照ください。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
(注1) 従業員は当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員です。臨時従業員は含みません。
(注2) 臨時従業員は、当連結会計年度の臨時従業員の年間平均雇用人員です。
(注3) 臨時従業員はアルバイト等を含み、派遣社員を除いています。
(注4) 全社(共通)として記載されている従業員は、主に持株会社である当社のファイナンス及びリスクマネジメント等の管理部門の従業員です。
② 提出会社の状況
(注1) 従業員は当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員です。臨時従業員は含みません。
(注2) 臨時従業員は、当事業年度の臨時従業員の年間平均雇用人員です。
(注3) 臨時従業員はアルバイト等を含み、派遣社員を除いています。
(注4) 全社(共通)として記載されている従業員は、主に持株会社である当社のファイナンス及びリスクマネジメント等の管理部門の従業員です。
(注5) 前事業年度に比べ従業員数が14人増加しています。これは主に、SBU横断プロジェクトの立ち上げや、コーポレートブランドマネジメント機能の移管等によるものです。
③主要な国内連結子会社(㈱リクルート)の状況
(注1) 従業員は当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員です。臨時従業員は含みません。
(注2) 臨時従業員は、当事業年度の臨時従業員の年間平均雇用人員です。
(注3) 臨時従業員はアルバイト等を含み、派遣社員を除いています。
④ 労働組合の状況
労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しています。
⑤ストックオプション制度及び株式報酬制度
当社グループは、取締役および執行役員等を対象にストックオプション制度および株式報酬制度を導入しています。ストックオプション制度の詳細については、「1 株式等の状況」「(2) 新株予約権等の状況」「① ストックオプション制度の内容」をご参照ください。
株式報酬制度については、取締役及び執行役員等を対象とした役員報酬Board Incentive Plan信託に加え、主にHRテクノロジーSBUの従業員を対象とした株式付与Employee Stock Ownership Plan信託を導入しています。これらの詳細については、「1 株式等の状況」「(8) 役員・従業員株式所有制度の内容」をご参照ください。
⑥ 従業員構成に関する状況
当社グループでは、創業以来、従業員一人ひとりの違いを大切にし、その好奇心から生まれるアイデアや情熱に投資することで新たな事業やサービスを生み出してきました。あわせて、当社グループでは人権方針を定め、企業活動において差別や人権侵害を行わないよう努めるとともに、すべての人々に公平な機会を提供し、その人らしい生き方や働き方を尊重することを目指しています。当社グループの人的資本や人権に対する考え方や取組みについては「第2 事業の状況」「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
これらの方針のもとで、当社グループでは、属性や就労における制約等に関わらず、誰にとっても働きやすく働きがいのある職場の実現に向けて取り組んでいます。そして、2021年5月にすべての従業員の価値創造への意欲を最大化することを改めて経営の重要テーマと位置付け、ジェンダーパリティを目指す方針を定めて取組みを進めてきました。取組みの進捗については「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(3)経営戦略」「Prosper Together - ステークホルダーとの共存共栄を通じた持続的な成長」をご参照ください。
当社グループ各階層における女性比率の推移(各年度期初時点)

2026年4月1日時点の当社グループ(注1)の従業員、管理職、上級管理職に占める女性の割合は以下のとおりです。
(注1) 当社グループとして提出会社、SBU統括会社及び各SBU配下国内外の主要連結子会社を集計しています。「管理職」及び「上級管理職」の定義は、それぞれ注3、注4のとおりであり「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下「女性活躍推進法」)に基づく「一般事業主行動計画等に関する省令」の「管理職」の定義(課長級及び課長級より上位の役職(役員を除く)にある労働者の合計)とは異なります。
(注2) 当社グループから他社への出向者を除き、他社から当社グループへの出向者を含む就業人員です。なお、実態をより適切に反映し、開示の一貫性及び網羅性を向上することを目的として、2026年4月1日より集計範囲の見直しを行いました。従来は従業員に占める女性の割合は主として無期雇用従業員を対象として集計していましたが、変更後は、無期雇用従業員に加えて有期雇用従業員等を含むすべての従業員を対象として集計しています。2026年4月1日時点の数値は変更後の定義に基づいて算定しており、変更前の定義に基づいて算定した数値(51.7%)から増加しています。
(注3) 管理職の定義は、各社の管理区分に基づいて、部下を持つすべての従業員を示し、委任契約役員を含みます。なお、HRテクノロジー事業のうちIndeed, Inc.及び同社と共通の人事制度を適用する一部子会社では、2024年5月に意思決定の迅速化とシンプル化を目指して管理範囲と階層構造を見直し、この過程で管理職の定義が役割に基づくものに変更され、主にR&D職の従業員の一部が管理職から一般従業員に分類が変更されました。表中及びグラフ中の2024年4月1日時点以前の管理職に占める女性の割合の数値は上記の変更前の定義に基づいて算定しています。また、2025年4月1日以降の数値は変更後の定義に基づいて算定されています。
(注4) 上級管理職は、提出会社及びマーケティング・マッチング・テクノロジー事業においては執行役員及び専門役員、HRテクノロジー事業と人材派遣事業においては主要子会社社長及び重要機能トップマネジメントを示しています。
(注5) グラフ中の2025年4月1日以前の数値は、精査の結果前事業年度以前に任意開示した数値を一部修正していますが、差分は軽微です。
当社の管理職に占める女性の割合、男性の育児休業等の取得率、男女間の賃金の差異は以下のとおりです(注1)。
(注1) 当社は女性活躍推進法及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」)」に基づく公表義務はありませんが参考情報として任意開示しています。
(注2) 管理職とは部下を持つ従業員であり、委任契約役員を除きます。当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員を対象に女性活躍推進法の規定に準じて算出しています。2026年4月1日時点。
(注3) 当社の労働者の大部分は㈱リクルートからの出向者で構成され、出向者の報酬は当社が定めるミッショングレードと基準に従って決定しています。このような就労と報酬決定の実情を踏まえ、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含めて集計しています。従って、後述する㈱リクルートが算定対象としている当該会社の労働者名簿に記載されている従業員(以下「原籍者」)のうち、当社に出向している従業員を含めて集計しており、当社の原籍者のみを対象に集計した場合は数値が異なります。
(注4) 育児・介護休業法に準じて「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則(以下「育児・介護休業法施行規則」)」第71条の6第2号の育児休業等の取得割合を、当連結会計年度を対象に算出しています。また、育児休業等には法令で定められた育児休業及び出産育児を目的とした休暇制度等を含みます。
(注5) 女性活躍推進法の規定に準じて、当連結会計年度を対象に算出しています。
(注6) 無期雇用従業員とは期間の定めの無い従業員です。
(注7) パートタイム・有期雇用従業員等は、無期雇用従業員の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に試算しています。
また、女性活躍推進法及び育児・介護休業法に基づいて開示する国内の主要な連結子会社における管理職に占める女性の割合、男性の育児休業等の取得率、男女間の賃金の差異は以下のとおりです。
その他23社(注7)
(注1) 主要な事業の内容欄にはセグメントの名称を記載しています。
(注2) 管理職は部下を持つ従業員であり、委任契約役員を除きます。当該会社から他社への出向者を除き、他社から当該会社への出向者を含む就業人員を対象に女性活躍推進法の規定に基づき算出しています。2026年4月1日時点。
(注3) 当該会社の原籍者を対象に集計しています。育児・介護休業法の規定に準じて、育児・介護休業法施行規則第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を、当連結会計年度を対象に算出しています。育児休業等には法令で定められた育児休業及び、出産育児を目的とした休暇制度等を含んでいます。
(注4) 当該会社の原籍者と当該会社を通じて他社に派遣されている労働者を含み、当該会社に派遣されている労働者を含まずに、当連結会計年度を対象に女性活躍推進法の規定に基づき算出しています。そのため、人材派遣セグメントの連結子会社は、当該会社を通じて他社に派遣されている労働者を含んでいます。
(注5) 無期雇用労働者とは期間の定めの無い従業員です。
(注6) パートタイム・有期雇用労働者等は、無期雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に試算しています。
(注7) 連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては「第7 提出会社の参考情報」「2 その他の参考情報」に記載しています。
今回示した男女間の賃金の差異について、当社及び主要な国内連結子会社では「Pay for Performance」を基本方針とし、無期雇用労働者については、年齢や入社年次等に関わらず、期待される役割とそれに対する成果の大きさで従業員の報酬を決定する「ミッショングレード制」を導入しているため、同一のミッショングレードや評価において男女間での賃金格差はありません。
そのため、男女間の賃金差異の主要な要因は、より高いミッショングレードや管理職の女性割合が低いことであると考えています。そこで、当社グループがジェンダーパリティの実現に向けた取組みを加速することで、高度プロフェッショナル人材を含めたより高いミッショングレードを担う比率の向上を目指しています。
またこの取組みを通じて、働く場所や時間等をより柔軟に選択できる環境を整備し、すべての従業員にとって更に働きやすく働きがいのある職場とするために創意工夫を凝らすことは、更に幅広い人材が活躍できる組織への進化に繋がると考えています。「仕事」に関わる事業を展開する当社グループとして、誰もが自身の可能性を最大化できる社会の実現に向けて、事業やサービスを含めた企業活動全体を通じて貢献していきます。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」)第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、以下のとおり連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。
(1)会計基準等の内容又はその変更等について適切に把握できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ
加入しています。また、専門的情報を有する団体等が主催する研修に参加しています。
(2)IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随
時入手し、最新の基準に関する情報を把握するとともに、IFRSに準拠するための社内規程やマニュアル等を整備し、
それらに基づいて会計処理を行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書】
③ 【連結包括利益計算書】
④ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1 報告企業
㈱リクルートホールディングス(以下「当社」)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業です。当社の登記されている本社及び主要な事業所の住所は、ホームページ(https://recruit-holdings.com/)で開示しています。当社及びその子会社(以下「当社グループ」)の事業内容及び主要な活動は、「5 事業セグメント」に記載しています。
当連結会計年度の連結財務諸表は、2026年6月18日に代表取締役社長 兼 CEO 出木場 久征、常務執行役員 兼 CFO 荒井 淳一及び執行役員 トレジャリー・経理・税務担当 森 暁彦によって承認されています。
2 作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。当社は、連結財務諸表規則第1条の2第1号の「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、連結財務諸表規則第312条の規定を適用しています。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、「3 重要性がある会計方針」に記載しているとおり、公正価値で測定している金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3) 機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しており、百万円未満の端数を切捨てています。
(4) 未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設又は改定が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当連結会計年度において当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりです。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
3 重要性がある会計方針
以下の会計方針は、他に記載がない限り、本連結財務諸表に記載されているすべての期間に適用しています。
(1) 連結の基礎
本連結財務諸表は、当社グループの財務諸表及び関連会社の持分相当額を含んでいます。子会社及び関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社及び関連会社の財務諸表の調整を行っています。当社グループ内の債権債務残高及び取引高並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、且つ投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、その企業を支配していると判断しています。子会社については、当社グループが支配を獲得した日を取得日とし、その日より当社グループが支配を喪失する日まで連結しています。決算日が異なる子会社の財務諸表は、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しています。支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動については資本取引として会計処理し、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の株主に帰属する持分として資本に直接認識しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益で認識しています。子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させています。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが重要な影響力を有しているが、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。関連会社については、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法を適用して会計処理しています。
(2) 企業結合
当社グループは、取得法を適用して各企業結合を会計処理しています。企業結合で移転された対価は、移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び取得企業が発行した資本持分の取得日の公正価値の合計額として測定され、該当する場合は条件付対価を含めています。
企業結合により取得した識別可能な資産及び引き受けた負債を、取得日の公正価値で測定しています。企業結合における取得関連費用は発生時に費用処理しています。取得日時点における移転された対価、すべての非支配持分の金額及び以前に保有していた被取得企業の資本持分の総額が、識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日における正味の金額を超過した差額を、のれんとして認識しています。
企業結合の当初の会計処理が本連結財務諸表の承認日までに完了しない場合、当社は、完了していない項目については暫定的な金額で報告しています。その後、新たに入手した支配獲得日時点に存在していた事実と状況について、支配獲得日時点に把握していたとしたら企業結合処理の認識金額に影響を与えていたと判断される場合、測定期間の修正として、支配獲得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正します。測定期間は支配獲得日から最長で1年間としています。
(3) 外国為替レート変動の影響
当社の連結財務諸表は、各社の機能通貨に基づく財務諸表を基礎に作成しています。
外貨建取引は、取引日における直物為替レートを適用することにより、当社グループの各機能通貨に換算しています。外貨建の貨幣性資産及び負債は、決算日の直物為替レートにより機能通貨に換算しています。取得原価で測定している外貨建非貨幣性項目は、当初取引日における為替レートで機能通貨に換算しています。公正価値で測定している外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の測定日における直物為替レートで機能通貨に換算しています。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。但し、非貨幣性項目に係る利益又は損失がその他の包括利益に計上される場合は、為替差額もその他の包括利益に計上しています。
在外営業活動体の資産及び負債は、決算日の直物為替レートにより、収益及び費用は、取引日の直物為替レート又はそれに近似するレートで換算しています。その換算差額はその他の包括利益として認識しています。在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連する累積換算差額を処分時に純損益として認識しています。
(4) 金融商品
① 金融資産
a. 金融資産の認識、分類及び測定
金融資産は、当社グループが金融商品の契約上の当事者になった時点で認識しています。当社グループは、すべての金融資産を当初認識時に公正価値で測定し、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTOCI金融資産)又は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(FVTPL金融資産)に分類しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
当社グループは、以下の条件を満たす金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
- 契約上のキャッシュ・フローの回収を保有目的とする事業モデルに基づいて、資産を保有していること
- 金融資産の契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローが生じること
償却原価で測定する金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識し、当初認識後は実効金利法による償却原価から減損損失を控除した金額で認識しています。また、利息収益及び認識の中止に係る利得又は損失及び減損損失は金融損益として認識しています。
(b) FVTOCI金融資産
ⅰ. FVTOCI負債性金融資産
当社グループは、以下の条件を満たす負債性金融資産を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産(FVTOCI負債性金融資産)に分類しています。
- 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成する事業モデルに基づいて、資産を保有していること
- 金融資産の契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみのキャッシュ・フローが生じること
FVTOCI負債性金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識し、当初認識後の公正価値の変動(減損損失を除く。)をその他の包括利益において認識し、その累計額は認識の中止を行う際に純損益に組替調整額として振替えています。また、利息収益及び認識の中止に係る利得又は損失及び減損損失は金融損益として認識しています。
ⅱ. FVTOCI資本性金融資産
当社グループは、公正価値で測定する金融資産のうち、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をした資本性金融資産については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産(FVTOCI資本性金融資産)に分類しています。なお、当社グループは、原則としてすべての資本性金融資産をFVTOCI資本性金融資産に指定しています。FVTOCI資本性金融資産は、公正価値に取引費用を加算して当初認識しています。当初認識後の公正価値の変動及び認識の中止に係る利得又は損失はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素に認識後、直ちに利益剰余金に振替えています。FVTOCI資本性金融資産に係る受取配当金は、当該配当金が明らかに投資の取得原価の回収を示している場合を除いて、配当受領権が確定した時点で金融収益として認識しています。
(c) FVTPL金融資産
当社グループは、上記の償却原価で測定する金融資産又はFVTOCI負債性金融資産に分類されない負債性金融資産及びデリバティブを、FVTPL金融資産に分類しています。FVTPL金融資産は、公正価値で当初認識し、当初認識後の公正価値の変動及び売却損益は売上収益又は金融損益として認識しています。
b. 金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産又はFVTOCI負債性金融資産について、予想信用損失に基づき損失評価引当金を認識しています。当社グループは、報告期間の末日ごとに、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかを評価しています。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増加していない場合には、12カ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。信用リスクが著しく増加しているか否かは、デフォルトリスクの変化に基づいて測定しています。但し、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの増減にかかわらず、全期間の予想信用損失を簡便的に過去の信用損失の実績等に基づき測定しています。
c. 認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅したか、あるいは、金融資産が譲渡され、その金融資産の所有に係るリスク及び経済価値のほとんどすべてが移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しています。移転した金融資産に関して当社グループが創出した又は当社グループが引き続き保有する持分については、別個の資産及び負債として認識しています。
② 金融負債
a. 金融負債の認識、分類及び測定
金融負債は、当社グループが金融商品の契約上の当事者になった時点で認識しています。当社グループは、すべての金融負債を当初認識時に公正価値で測定し、償却原価で測定する金融負債又は純損益を通じて公正価値で測定する金融負債(FVTPL金融負債)に分類しています。
(a) 償却原価で測定する金融負債
当社グループは、以下のものを除くすべての金融負債を、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
- FVTPL金融負債(デリバティブ負債を含む。)
- 金融保証契約
- 企業結合において認識した条件付対価
償却原価で測定する金融負債は、公正価値に取引費用を減算して当初認識し、当初認識後は実効金利法による償却原価で認識しています。
(b) FVTPL金融負債
FVTPL金融負債は、公正価値で当初認識し、当初認識後の変動はヘッジ会計の要件を満たしている場合を除き、金融損益として認識しています。
b. 認識の中止
当社グループは、金融負債の義務が履行されたか、免除された又は失効した場合に当該金融負債の認識を中止しています。
③ 金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、且つ純額ベースで決済する又は資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で認識しています。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
a. デリバティブ
当社グループは、主に金利及び為替レートの変動によるリスクに対処する目的でデリバティブ契約を締結しています。これらのデリバティブは、契約が締結された日の公正価値で資産又は負債として当初認識し、当初認識後は報告期間の末日の公正価値で測定しています。デリバティブの公正価値の変動額(デリバティブ評価損益)は、ヘッジ会計を適用していない場合は、直ちに純損益として認識しています。なお、為替レートの変動によるリスクに対処する目的のデリバティブの公正価値の変動額は、連結損益計算書において外貨建貨幣性項目の為替レートの変動により生じる為替差額(為替差損益)と相殺して表示しています。
b. ヘッジ会計
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計の要件を満たしている場合において、以下のとおり分類し、会計処理を行っています。
(a) キャッシュ・フロー・ヘッジ
一部のデリバティブをキャッシュ・フロー・ヘッジとして会計処理をしています。デリバティブの公正価値の変動額のうちキャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識し、その累計額をその他の資本の構成要素として認識しています。その他の資本の構成要素として認識された金額は、ヘッジ対象が純損益として認識される場合に、その影響を相殺するよう純損益に振替えています。また、キャッシュ・フロー・ヘッジの非有効部分は直ちに純損益として認識しています。
(b) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資ヘッジから発生する換算差額については、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様の方法で会計処理をしています。ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち、有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分は純損益として認識しています。在外営業活動体の処分時には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積換算差額を純損益に振替えています。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許預金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、且つ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3カ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(6) 有形固定資産
有形固定資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除却及び原状回復費用の見積額を含めています。減価償却費は、償却可能価額を各構成要素の耐用年数にわたり定額法により算定しています。減価償却方法、耐用年数及び残存価額は各年度末に見直しを行い、変更がある場合には、会計上の見積りの変更として、見積りを変更した期間及び将来に向かって適用しています。主な耐用年数は以下のとおりです。
- 建物及び構築物: 2年~50年
- 工具、器具及び備品: 2年~20年
(7) 無形資産
無形資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しています。また、のれんとは別に企業結合で取得した識別可能な無形資産は、支配獲得日の公正価値で測定しています。
研究活動から生じた支出は、発生時に費用計上しています。開発活動から生じた支出は、以下のすべてを立証できる場合に限り、資産計上しています。
- 使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
- 無形資産を完成させ、更にそれを使用又は売却するという企業の意図
- 無形資産を使用又は売却する能力
- 無形資産が可能性の高い将来の経済的便益を創出する方法
- 無形資産の開発を完成させ、更にそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
- 開発期間中に無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
耐用年数を確定できる無形資産の償却費は、償却可能価額を耐用年数にわたり定額法により算定しています。償却方法及び耐用年数は各年度末に見直しを行い、変更がある場合には、会計上の見積りの変更として、見積りを変更した期間及び将来に向かって適用しています。なお、耐用年数を確定できない無形資産については償却を行っていません。主な耐用年数は以下のとおりです。
- ソフトウエア: 5年
- 顧客関連資産: 2年~15年
(8) リース
当社グループでは、契約開始時に、その契約がリースであるか否か又はその契約にリースが含まれているか否かを契約の実質を基に判断しています。
リース負債はリース開始日より認識し、リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、残存リース料を借手の追加借入利子率を用いて算定した割引現在価値で測定しています。開始日後においては、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減し、リースの条件変更等に伴って必要に応じて再測定しています。また、リース期間については、リースの解約不能期間にリース期間を延長するオプション(当該オプションを行使することが合理的に確実である場合)及び解約するオプション(当該オプションを行使しないことが合理的に確実である場合)を考慮し決定しています。
使用権資産の測定には原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。取得原価には、リースの開始日におけるリース負債の当初測定額に前払リース料からリース・インセンティブを控除したものを調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを含めています。また、使用権資産に係る減価償却費は、リース期間にわたり定額法により算定しています。リース期間は、リースの延長・解約オプションの行使の可能性に影響を与えるような重大な事象又は状況の重大な変化が生じたとき等に見直しを行い、変更がある場合にはリース負債を再測定し、原則として使用権資産の金額を調整しています。
なお、少額資産のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しています。
(9) 非金融資産の減損
当社グループでは、決算日に資産が減損している可能性を示しているか否かを判定し、減損の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額に基づき減損テストを実施しています。耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産は、償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しています。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方で測定しています。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及びその資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算定しています。
個々の資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を純損益(その他の営業費用)に認識しています。過年度に減損損失を認識した資産については、決算日において、減損の戻入れの兆候の有無を判定しています。減損の戻入れの兆候があり、個々の資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を上回る場合には、回収可能価額と過年度に減損損失が認識されていなかった場合の償却又は減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失の戻入れを認識しています。
(10) のれん
のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した金額で測定しています。のれんは、企業結合によるシナジーから便益を享受できると期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しています。のれんが配分される資金生成単位又は資金生成単位グループについては、のれんが内部管理目的で監視される最小レベルの単位に基づき決定し、事業セグメントの範囲内となっています。
当社グループは、各年度の一定の時期及び配分された資金生成単位又は資金生成単位グループに減損の兆候がある場合にはその時点で、減損テストを実施しています。減損テストにおいて資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その差額を、原則として減損損失として認識します。減損損失は、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分されたのれんの帳簿価額から減額し、次に資金生成単位又は資金生成単位グループにおけるその他の資産の帳簿価額の比例割合に応じて各資産の帳簿価額から減額しています。のれんの減損損失は純損益(その他の営業費用)に認識し、その後の期間に戻入れは行っていません。
(11) 売却目的で保有する非流動資産
継続的使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産又は資産グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、且つ現状のままで直ちに売却可能で、当社グループの経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産又は処分グループとして分類しています。売却目的で保有する非流動資産は減価償却又は償却を行わず、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しています。
(12) 引当金
当社グループは、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、且つ当該債務の金額について信頼できる見積りが可能である場合に引当金を認識しています。貨幣の時間価値が重要な場合には、決済のために要すると見積もられた支出額の現在価値で測定しています。現在価値の算定には、貨幣の時間価値の現在の市場評価とその負債に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いています。
(13) 退職後給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として、確定拠出制度及び確定給付制度を設けています。
① 確定拠出制度
確定拠出型の退職給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期間に純損益として認識しています。
② 確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を使用して制度ごとに個別に算定し、費用として認識しています。割引率は、将来の毎年度の給付支払い見込み日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した決算日時点の優良社債の利回りに基づき算定しています。また、確定給付負債の純額に係る利息の純額は、売上原価又は販売費及び一般管理費として計上しています。当期に発生した確定給付負債の純額の再測定額はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素に認識後、直ちに利益剰余金に振替えています。
(14) 資本
① 資本金及び資本剰余金
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、その発行に直接起因する取引費用(税効果考慮後)は発行価額の割合に応じて資本金及び資本剰余金から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、その取得に直接起因する取引費用(税効果考慮後)を含む支払対価を、資本の控除項目として認識しています。自己株式を売却した場合、受取対価を資本の増加として認識しています。
(15) 株式に基づく報酬
当社グループは、以下の持分決済型の株式報酬制度を導入しています。
① 持分決済型のストック・オプション
当社グループは、当社の取締役、執行役員、専門役員(以下執行役員及び専門役員を総称して「執行役員等」)及び上級職員に対するインセンティブプランとして、持分決済型のストック・オプションを付与しています。当社グループは、ストック・オプションの対価として受領したサービスは費用として認識し、対応する金額を資本の増加として認識しています。当該費用は、付与日におけるストック・オプションの公正価値によって見積っています。公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズモデル等を用いて算定しています。
② 持分決済型の役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託
当社グループは、当社及び当社グループ会社の取締役及び執行役員等へのインセンティブプランとして、持分決済型の役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託を導入しています。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値を参照して測定しており、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
③ 持分決済型の株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託
当社グループは、当社グループ会社の従業員へのインセンティブプランとして、持分決済型の株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託を導入しています。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値を参照して測定しており、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。なお、付与日における公正価値は、株式の市場価格に予想配当を考慮に入れた修正を行い、算定しています。
(16) 収益認識
当社グループでは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。なお、各事業の収益認識の詳細は、「20 売上収益」に記載しています。
ステップ1: 顧客との契約を識別します。
ステップ2: 契約における履行義務を識別します。
ステップ3: 取引価格を算定します。
ステップ4: 取引価格を契約における履行義務に配分します。
ステップ5: 履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識します。
契約獲得のための増分コストのうち、回収可能と見込まれる部分について資産(以下「契約獲得コストから認識した資産」)を認識しています。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。
契約獲得コストから認識した資産については、当該資産の償却期間が1年以内である場合を除き、当該資産に関連するサービスの顧客への移転に合わせて規則的に償却しています。当該資産の償却期間が1年以内である場合は、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」で規定される実務上の便法を適用し、契約獲得のための増分コストを発生時に費用処理しています。
(17) 法人所得税
法人所得税は、当期税金費用及び繰延税金費用の合計金額です。これらは、その他の包括利益又は資本において直接認識される項目から生じる税金及び企業結合から生じる税金を除き、純損益として認識しています。
① 当期税金費用
当期税金費用は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額を、決算日までに制定又は実質的に制定された税率(及び税法)を使用して測定しています。
② 繰延税金費用
繰延税金費用は、決算日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定しています。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び税務上の繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識しています。繰延税金負債は、原則として、すべての将来加算一時差異について認識しています。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産を認識していません。
- 企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えず、且つ同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
- 子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異に関して、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
また、以下の一時差異に対しては、繰延税金負債を認識していません。
- のれんの当初認識から生じる場合
- 企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を与えず、且つ同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
- 子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異に関して、一時差異の解消時期をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
単一の取引から資産と負債の両方を同額で認識する特定の取引については、認識される資産に係る将来加算一時差異に対し繰延税金負債を、認識される負債に関する将来減算一時差異に対し繰延税金資産を、それぞれ当初認識する方法を採用しています。
繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定又は実質的に制定されている税率(及び税法)に基づいて、資産が実現する又は負債が決済されるときに適用されると予想される税率を使用して算定しています。繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、且つ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体、又は、純額ベースでの決済を行うことを意図している異なる納税主体に課されている場合に相殺しています。
また、国際会計基準第12号「法人所得税」の一時的な救済措置に応じて、第2の柱モデルルールを導入するための税法により生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関する認識及び情報の開示に対する例外規定を適用しています。
(18) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して算定しています。
4 重要な会計上の判断、会計上の見積り及び仮定
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定の設定を行っています。
見積り及び仮定は、過去の実績や、合理的だと考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいています。しかし実際の結果は、その性質上、見積り及び仮定と異なることがあります。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間及び将来の期間において認識しています。
連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定は、以下のとおりです。
(1) 金融商品の公正価値の測定方法
特定の金融商品の公正価値は、観察不能なインプットを含む評価技法に基づき算定されています。観察不能なインプットは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。当連結会計年度の金額は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に含まれています。
(2) 有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産の減損
当社グループは、有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産について、「3 重要性がある会計方針」に従って、減損テストを実施しています。減損テストにおける回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー予測に含まれる成長率や割引率等の仮定に基づいて算定されています。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定されますが、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。当連結会計年度の金額は、連結財政状態計算書の「有形固定資産」、「使用権資産」、「のれん」及び「無形資産」に計上されているとおりです。なお、のれん及び無形資産の詳細は「11 のれん及び無形資産」に記載しています。
(3) 確定給付制度債務の評価
当社グループは、退職給付制度として確定給付制度を設けています。当該制度に係る確定給付制度債務の現在価値及び関連する勤務費用等は、割引率や死亡率等の数理計算上の仮定に基づいて算定されています。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定されますが、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。当連結会計年度の金額は、連結財政状態計算書の「退職給付に係る負債」に計上されているとおりです。
(4) 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び税務上の繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる時期及び金額に基づき算定されています。課税所得が生じると見込まれる時期及び金額は、経営者の最善の見積りと判断により決定されますが、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があります。当連結会計年度の金額は、連結財政状態計算書の「繰延税金資産」に計上されているとおりです。
5 事業セグメント
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているセグメントです。当社グループは、事業の種類別にHRテクノロジー事業、人材派遣事業及びマーケティング・マッチング・テクノロジー事業の3つを事業セグメントとしており、報告セグメントもこれらと同一です。
HRテクノロジー事業は、米国、欧州及びその他並びに日本の3つの事業領域で構成されています。人材派遣事業は、日本並びに欧州、米国及び豪州の2つの事業領域で構成されています。マーケティング・マッチング・テクノロジー事業は、ライフスタイル領域、住宅領域及びその他の領域の3つの事業領域で構成されています。なお、これらの事業の詳細は、「20 売上収益」に記載しています。
当社グループのガバナンス体制の変更に伴い、2025年4月1日付で、マッチング&ソリューション事業における人材領域をHRテクノロジー事業に移管しています。また、当連結会計年度よりマッチング&ソリューション事業はマーケティング・マッチング・テクノロジー事業に名称を変更しています。なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の報告セグメントの構成に基づき作成しています。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告セグメントの利益はEBITDA+S(営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)+株式報酬費用±その他の営業収益・費用)です。なお、当連結会計年度より、従来開示していました調整後EBITDAはEBITDA+Sに名称を変更しています。EBITDA+Sの算出式は従来の調整後EBITDAの算出式と同一です。
調整額の外部顧客からの売上収益には、特定の報告セグメントに配分されない収益が含まれており、セグメント利益には、各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれています。全社費用は、主にセグメントに帰属しない一般管理費です。セグメント間の内部売上収益又は振替高は市場実勢価格に基づいています。なお、セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象とはなっていないため記載していません。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 減価償却費及び償却費は、使用権資産の減価償却費を除いた金額です。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 減価償却費及び償却費は、使用権資産の減価償却費を除いた金額です。
(3) 製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しています。
(4) 地域に関する情報
① 外部顧客への売上収益
(注) 売上収益は、外部顧客の所在地に基づき分類しています。
② 非流動資産(金融資産及び繰延税金資産を除く)
(5) 主要な顧客に関する情報
前連結会計年度及び当連結会計年度において、外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の「売上収益」の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
6 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりです。
(注) 現金及び現金同等物は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
7 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりです。
(注1) 営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
(注2) 2024年4月1日における顧客との契約から生じた債権(売掛金)の残高は464,510百万円です。
8 その他の金融資産
(1) その他の金融資産の内訳は以下のとおりです。
(注1) 資本性金融資産は、原則としてその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(注2) 負債性金融資産のうち、公社債等はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に、転換社債及び企業クライアント向けフィンテックサービスにより取得した金融資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(注3) デリバティブ資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(注4) 差入保証金は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
株式等の資本性金融資産は、主に投資先との取引関係の維持強化を目的として保有しており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の内訳は以下のとおりです。
活発な市場のある資本性金融資産の主な銘柄及びそれらの公正価値は以下のとおりです。活発な市場のない資本性金融資産は、主にインターネット関連分野への投資で構成されています。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
9 その他の資産
その他の資産の内訳は以下のとおりです。
(注) 契約資産は、履行義務を充足したが、未だ請求していない対価に対する当社グループの権利に関連するものであり、当社グループの権利が無条件になった時点で顧客との契約から生じた債権(売掛金)に振替えられます。当社グループの主要な履行義務に関する情報については、「20 売上収益」に 記載しています。なお、2024年4月1日における契約資産の残高は9,745百万円です。
10 有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減、取得原価並びに減価償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりです。
帳簿価額
取得原価
減価償却累計額及び減損損失累計額
(注) 減価償却費は、主に連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上しています。
11 のれん及び無形資産
(1) のれん及び無形資産の帳簿価額の増減、取得原価並びに償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりです。
帳簿価額
取得原価
償却累計額及び減損損失累計額
(注1) ソフトウエアは、主に自己創設ソフトウエアです。
(注2) その他には、主に商標権が含まれています。
(注3) 償却費は、主に連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(注4) 前連結会計年度及び当連結会計年度において費用として認識した研究開発費は、それぞれ168,384百万円、145,920百万円です。
(2) 重要な無形資産
無形資産のうち、重要なものは、RGF Staffing B.V.の株式取得により発生した顧客関連資産(前連結会計年度24,855百万円、当連結会計年度16,538百万円)であり、当連結会計年度における残存償却期間は、4年です。
(3) のれんの減損テスト
当社グループは、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っており、原則として、経営管理上の事業区分を考慮しています。また、企業結合のシナジーから便益を得ることが見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに対して、のれんを配分しています。
HRテクノロジー事業では、各社間におけるシナジーから便益を得ることが見込まれており、それを考慮してのれんを内部管理目的でモニタリングしていることから、HRテクノロジー事業全体を単一の資金生成単位グループとして減損テストを実施しています。人材派遣事業では、各社特有の事業環境があること等を考慮して、原則として各社を資金生成単位又は資金生成単位グループとして減損テストを実施しています。
各資金生成単位又は資金生成単位グループののれんの残高は以下のとおりです。
なお、当社における重要なのれんは、HRテクノロジー事業に関連するもの及びRGF Staffing B.V.の株式取得により発生したものです。
当社グループは、のれんは減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しています。
のれんの減損損失は、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しています。回収可能価額は使用価値により算定しています。使用価値は、各資金生成単位又は資金生成単位グループにおいて経営者によって承認された事業計画に基づく5年間の税引前の将来キャッシュ・フロー予測等を現在価値に割り引いて算定しています。
5年間の将来キャッシュ・フロー予測は、業界の将来の趨勢に関する経営者の評価と過去のデータを反映したものに加え、市場成長率を含む外部情報及び内部情報に基づき作成しています。将来キャッシュ・フロー予測が対象としている期間を超える期間については、資金生成単位又は資金生成単位グループの属する国、産業の状況を勘案して決定した成長率を用いて予測した将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて、継続価値を算定しています。税引前の割引率は加重平均資本コストを基礎とし、貨幣の時間価値及びその資産の固有のリスクを考慮して算出しています。
資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額の算定に利用している主要な仮定は以下のとおりです。
RGF Staffing B.V.に関連するのれんについては、当連結会計年度において回収可能価額は帳簿価額を5,024百万円上回っています。当連結会計年度における成長率は直近の予算・予測が対象としている期間を超えてキャッシュ・フロー予測を推定するために用いた成長率であり、仮に成長率が0.2%低下した場合、又は割引率が0.1%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性があります。この他、5年間の予測の対象期間においては平均2.9%の成長を見込んでいます。RGF Staffing B.V.以外ののれんの減損テストについては、減損テストに用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、重要な減損が発生する可能性は低いと判断しています。
(4) のれん及び無形資産の減損
のれん及び無形資産の減損損失は、連結損益計算書の「その他の営業費用」に計上しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において重要なのれん及び無形資産の減損損失はありません。
12 リース
(1) リースの概要
当社グループは、オフィスビル等を貸借して使用しています。リース契約には更新オプションを含むものがあります。また、リース契約によって課された重要な制限(追加借入及び追加リースに関する制限等)はありません。
(2) リースに係る費用の内訳は、以下のとおりです。
(注) 原資産が少額のリースについては、リース料をリース期間にわたり定額法により費用認識しています。
(3) 使用権資産の内訳は、以下のとおりです。
(注) 使用権資産の増加額は、前連結会計年度37,498百万円、当連結会計年度28,749百万円です。
(4) 潜在的に晒されている将来キャッシュ・アウトフローのうちリース負債の測定に反映されていないもの
潜在的に晒されている将来キャッシュ・アウトフローのうちリース負債の測定に反映されていないものについて、重要なものはありません。
(5) リースに係るキャッシュ・アウトフロー
リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、前連結会計年度53,547百万円、当連結会計年度54,690百万円です。
13 法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は以下のとおりです。
(注) 当社グループは、繰延税金資産の認識に当たり、将来加算一時差異、将来課税所得及びタックスプランニングを考慮しています。
繰延税金資産及び繰延税金負債の増減の内訳は以下のとおりです。
(注) その他には在外営業活動体の換算差額等が含まれています。
(2) 連結財政状態計算書上で繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異等
連結財政状態計算書上で繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効期限別内訳は、以下のとおりです。
(3) 連結財政状態計算書上で繰延税金負債を認識していない将来加算一時差異
繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の金額は以下のとおりです。これらは当社グループが一時差異の解消時期をコントロールでき、且つ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識していません。
(4) 法人所得税費用の内訳
(注) 2025年7月4日に制定された米国税法の改正により、米国内における研究開発費の即時損金算入(以下「本改正」)が再導入されました。当連結会計年度において、当期税金費用は本改正に伴う課税所得の減少による当期納税額の減少を含んでいます。また、繰延税金費用は米国子会社における研究開発費に係る繰延税金資産の取り崩しに伴う増加を含んでいます。なお、本改正による税金費用合計への影響はありません。当期納税額の減少に伴う納税済税額の還付請求権は、その他の流動資産に含まれている未収還付法人所得税として計上しています。
(5) 法定実効税率と実際負担税率の調整表
(注) 当社は、主に法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は前連結会計年度及び当連結会計年度において30.6%となっています。但し、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。
14 営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりです。
(注) 営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
15 その他の負債
その他の負債の内訳は以下のとおりです。
(注) 契約負債は、履行義務の充足前に対価を受領しているものであり、当社グループが契約に基づき履行義務を充足した時点で収益として認識しています。当社グループの主要な履行義務に関する情報については、「20 売上収益」に記載しています。2025年4月1日時点で保有していた契約負債に関しては主に当連結会計年度の収益として認識しています。また、当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から、取引価格の変動等により、当期認識した収益の額に重要性はありません。なお、2024年4月1日における契約負債の残高は70,101百万円です。
16 引当金
引当金の内訳及び増減は、以下のとおりです。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注1) 当社グループは、販売促進を目的とするポイント制度により付与されたポイントの使用に備えるため、過去の実績を基礎として将来使用されると見込まれる金額をポイント引当金として計上しています。会員によるポイントの使用金額又は時期については、不確実性があります。
(注2) 当社グループが使用するオフィスの賃貸借契約等に伴う原状回復義務に備えて、過去の実績及び第三者の見積り等に基づき将来支払うと見込まれる金額を計上しています。原状回復に係る支出は、主に1年以上経過した後になることが見込まれていますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
17 従業員給付
(1) 退職後給付
当社グループは、退職給付制度として、退職一時金制度、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けています。
退職一時金制度は、外部積立を行わず、内部積立のみをもって一時金を支払う非積立型の制度です。退職一時金は各社の就業規則等の退職金規程に基づき給与や勤務期間、勤続した各年に獲得したポイント、その他条件に基づいた金額が支払われます。
当社グループの一部の子会社は、確定給付企業年金制度を設けており、勤続した各年に獲得したポイントに基づいた一時金又は年金が支給されます。確定給付企業年金制度において、法令及び規約を遵守し、加入者のために忠実に積立金の管理及び運用に関する業務を遂行する責任を負っています。
① 確定給付制度から生じた連結財務諸表上の金額
連結財政状態計算書で認識した確定給付負債及び資産の純額は以下のとおりです。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは以下のとおりです。
② 確定給付制度債務の調整表
確定給付制度債務の現在価値の変動は以下のとおりです。
(注) 確定給付制度債務に係る数理計算上の差異は、財務上の仮定の変化等により発生しています。
③ 将来キャッシュ・フローへの影響
a. 数理計算上の仮定
主要な数理計算上の仮定(加重平均)は以下のとおりです。
b. 感応度分析
数理計算上の仮定が変化した場合の期末の確定給付制度債務の現在価値の変動は以下のとおりです。
この分析は、その他の変数が一定との前提を置いていますが、実際には独立して変化するとは限りません。
なお、マイナスは確定給付制度債務の現在価値の減少を、プラスは確定給付制度債務の現在価値の増加を表しています。
④ 確定拠出制度への影響
前連結会計年度及び当連結会計年度における当社グループの確定拠出年金制度の拠出に係る費用計上額は、それぞれ97,179百万円、101,091百万円です。連結損益計算書の「売上原価」並びに「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(2) 従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「売上原価」並びに「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計額は、それぞれ2,092,700百万円、2,087,775百万円です。
18 資本及びその他の資本項目
(1) 授権株式数及び発行済株式数
授権株式数及び発行済株式数の増減は以下のとおりです。
(注1) 当社の発行する株式は、全て権利内容に何ら限定のない無額面普通株式であり、発行済株式は全額払込済みです。
(注2) 前連結会計年度における発行済株式数の減少は、2025年3月12日開催の取締役会決議に基づく自己株式の消却85,929,800株によるものです。
(注3) 当連結会計年度における発行済株式数の減少は、2026年3月11日開催の取締役会決議に基づく自己株式の消却91,408,000株によるものです。
(2) 自己株式
連結財政状態計算書に計上している自己株式には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式が含まれています。
自己株式の内訳及び増減は以下のとおりです。
連結財政状態計算書に計上している自己株式の帳簿価額の内訳は以下のとおりです。
(3) 資本剰余金
会社法では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されています。資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。なお、資本剰余金の期末残高が負の値になる場合は、利益剰余金から振替を行い、資本剰余金をゼロとしています。
(4) 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当することができ、また株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
19 配当金
配当金の支払額は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金630百万円が含まれています。
(注2) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金817百万円が含まれています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注1) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金729百万円が含まれています。
(注2) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金671百万円が含まれています。
配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは以下のとおりです。
(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金592百万円が含まれています。
20 売上収益
(1) 分解した収益とセグメント収益の関連
主要な財・サービスのライン及びセグメント収益の関連は以下のとおりです。
当社グループはHRテクノロジー事業、人材派遣事業及びマーケティング・マッチング・テクノロジー事業の3つの事業を当社の取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために定期的に検討を行う対象としていることから、これら3事業で売上収益を計上しています。
「5 事業セグメント (1) 報告セグメントの概要」に記載のとおり、当社グループのガバナンス体制の変更に伴い、当連結会計年度よりマーケティング・マッチング・テクノロジー事業における売上収益をライフスタイル領域、住宅領域及びその他の領域の3つに分解して表示しています。なお、前連結会計年度の売上収益については、変更後の報告セグメント及び事業領域の構成に基づき作成しています。
これらの事業から生じる収益は主に顧客との契約に従い計上しており、売上収益に含まれる変動対価等の金額に重要性はありません。また、約束した対価の金額に含まれている重要な金融要素はありません。
① HRテクノロジー事業
オンライン求人マッチングプラットフォームを運営し、個人ユーザーの求職活動及び顧客の求人活動を支援するサービスを提供することで、顧客より対価を得ています。オンライン求人マッチングプラットフォームにおいて、顧客が有料広告を出稿し、個人ユーザーが有料広告を通じて当該顧客の求人情報にアクセスした時点で当該履行義務は充足されるため、同時点で収益を認識しています。
当社グループは、社員の中途キャリア採用を希望する顧客に対し、求める人材要件を整理した上で、職務経歴・スキル・志向の合った候補者を選定し、転職希望者を紹介する人材紹介サービスを提供しています。当社グループは、紹介した転職希望者の入社をもって、顧客から紹介料を得ています。人材紹介サービスについては、契約に基づき個々の採用の成立に関するサービスの提供を行う義務を負っています。当該履行義務は、個々の入社時点で充足されるため、同時点で収益を認識しています。
また、当社グループは、顧客に対しサブスクリプション型サービスを提供することで対価を得ています。当該サービスには、求職者プロフィールのデータベースへのアクセス権や候補者へのメッセージ送信ツールに加えて、当社グループが運営する各サイトにおける自社ブランドの管理やデータ分析を統合的に行うプラットフォームの利用権が含まれています。当該履行義務は時の経過につれて充足されるため、当該契約期間に応じて均等按分し収益を認識しています。
② 人材派遣事業
当社グループは、事務職、製造業務・軽作業、各種専門職等の人材を顧客に派遣する人材派遣サービスを提供しています。人材派遣サービスについては、契約に基づき労働力を提供する義務を負っています。当該履行義務は、派遣スタッフによる労働力の提供に応じて充足されると判断し、派遣スタッフの派遣期間における稼動実績に応じて収益を認識しています。
③ マーケティング・マッチング・テクノロジー事業
美容、旅行、飲食等を含むライフスタイル領域及び住宅領域に関する情報を、当社グループが運営するオンラインプラットフォームに掲載し、サービス利用・商品購入を検討する個人ユーザーへ提供することで、顧客より広告掲載料を得ています。
オンラインプラットフォームへの広告掲載については、期間保証型の広告サービスについて、契約で定められた期間にわたり、広告を掲載する義務を負っています。当該履行義務は時の経過につれて充足されるため、当該契約期間に応じて均等按分し収益を認識しています。
また、取引の成約やサービスの利用実績等に基づき対価を得るトランザクション課金型のサービス等を提供しています。これらのサービスについては、顧客に対する役務提供の完了又は取引の成立等をもって履行義務が充足されるため、当該事象が発生した一時点において収益を認識しています。
(2) 契約残高
顧客との契約から生じた債権(売掛金)については「7 営業債権及びその他の債権」、契約資産については「9 その他の資産」、契約負債については「15 その他の負債」にそれぞれ記載しています。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループは、実務上の便法を使用し、個別の予想契約期間が1年内の契約及び履行したサービスに応じて請求する権利を有する金額で収益を認識する契約については、開示を省略しています。なお、当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引はありません。
(4) 顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
前連結会計年度及び当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。
21 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりです。
22 その他の営業費用
その他の営業費用の内訳は以下のとおりです。
(注) 前連結会計年度において、HRテクノロジー事業におけるセグメント従業員の約8%にあたる1,000名程度の人員削減に伴う従業員給付費用13,517百万円が含まれています。
当連結会計年度において、HRテクノロジー事業におけるセグメント従業員の約6%にあたる1,300名程度の人員削減に伴う従業員給付費用18,369百万円が含まれています。
23 金融収益
金融収益の内訳は以下のとおりです。
(注) 受取利息は主に償却原価で測定する金融資産から生じています。
24 その他の包括利益
その他の包括利益の各項目の内訳とそれらに係る税効果額(非支配持分を含む。)は以下のとおりです。
25 1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり当期利益の金額及び算定上の基礎は以下のとおりです。
(2) 希薄化後1株当たり当期利益の金額及び算定上の基礎は以下のとおりです。
26 株式報酬
(1) ストック・オプション制度
① ストック・オプション制度の概要
当社はストック・オプション制度を採用しており、当社の取締役、執行役員、専門役員(以下執行役員及び専門役員を総称して「執行役員等」)及び上級職員に対してストック・オプションを付与しています。
ストック・オプションは、当社の株主総会において承認された内容に基づき、当社の取締役会で決議された対象者に対して新株予約権として付与されています。
当社のストック・オプション制度は、持分決済型の株式報酬として会計処理されています。
なお、当社は2014年7月31日付で普通株式1株につき10株の、2017年7月1日付で普通株式1株につき3株の株式分割を行っています。各連結会計年度のストック・オプションについては、当該株式分割調整後の数値を記載しています。
当連結会計年度に存在する株式報酬契約は以下のとおりです。
(注1) 原則として、権利確定日まで継続して勤務していることが権利確定条件となっており、付与日から勤務期間に応じて段階的に権利が確定します。
(注2) 権利行使期間は割当契約に定められた期間であり、その期間内に新株予約権が行使されない場合は、当該新株予約権は失効します。
(注3) 新株予約権の新株予約権者は、新株予約権を行使することができる期間内において、取締役及び執行役員等のいずれの地位も喪失した日から10日を経過する日までに限り、新株予約権を行使することができます。
(注4) 新株予約権の新株予約権者は、新株予約権を行使することができる期間内において、取締役、執行役員等及び上級職員のいずれの地位も喪失した場合、その日から3年以内又は新株予約権の行使期間の終期のいずれか早い日までに限り、新株予約権を行使することができます。
② 付与されたストック・オプションの公正な評価単価の見積方法
ストック・オプション1単位の公正価値の見積りはブラック・ショールズモデルを適用することにより計算しています。前連結会計年度及び当連結会計年度における期中に付与されたストック・オプションの付与日加重平均公正価値は、それぞれ3,046円、3,247円です。
期中に付与されたストック・オプションについて、ブラック・ショールズモデルに使用された仮定は以下のとおりです。
(注) 上場来の日次株価実績に基づき算出しています。
(注) 上場来の日次株価実績に基づき算出しています。
③ 株式に基づく報酬費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれる、ストック・オプション制度による費用計上額は、それぞれ938百万円、838百万円です。
④ ストック・オプションの数の変動及び加重平均行使価格
期中に行使されたストック・オプションの行使日における加重平均株価は、前連結会計年度11,385円、当連結会計年度7,791円であり、加重平均残存契約年数は、前連結会計年度7.5年、当連結会計年度6.6年です。
ストック・オプションの数の変動及び加重平均行使価格は以下のとおりです。
(2) 役員報酬BIP信託
① 役員報酬BIP信託の概要
当社グループは、当社及び当社グループ会社の取締役及び執行役員等へのインセンティブプランとして、持分決済型の役員報酬BIP信託を用いた株式報酬制度を導入しています。
本制度は、取締役及び執行役員等の報酬と当社の株式価値との連動性をより明確にし、中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高めることを目的としています。本制度は、役位や、業績連動型とする場合には業績目標達成度等に応じて、当社株式を取締役及び執行役員等に交付又は給付する制度で、持分決済型の株式報酬として会計処理されています。
② 株式に基づく報酬費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれる、役員報酬BIP信託による費用計上額は、それぞれ2,473百万円、2,406百万円です。
③ 役員報酬BIP信託に基づき期中に付与された当社株式の公正な評価単価の測定方法
期中に付与された当社株式の加重平均公正価値は、以下の前提条件に基づき、算定しています。
(注1) 株式付与については、その公正価値の評価に際して、観察可能な市場価格を基礎として測定しています。
(注2) 原則として、権利確定日まで継続して勤務していることが権利確定条件となっています。
(3) 株式付与ESOP信託
① 株式付与ESOP信託の概要
当社グループは、当社グループ会社の従業員等へのインセンティブプランとして、持分決済型の株式付与ESOP信託を用いた株式交付制度を導入しています。本制度は、従業員等の報酬と当社の株式価値との連動性をより明確にし、中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高めることを目的としています。本制度は権利確定期間に応じて当社株式を従業員等に交付又は給付する制度で、持分決済型の株式報酬として会計処理されています。
② 株式に基づく報酬費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれる、株式付与ESOP信託による費用計上額は、それぞれ77,017百万円、60,594百万円です。
③ 株式付与ESOP信託に基づき期中に付与された当社株式の公正な評価単価の測定方法
期中に付与された当社株式の加重平均公正価値は、以下の前提条件に基づき、算定しています。
(注1) 株式付与については、その公正価値の評価に際して、観察可能な市場価格を基礎として測定しています。また、予想配当を公正価値の測定に織り込んでいます。
(注2) 原則として、権利確定日まで継続して勤務していることが権利確定条件となっています。
27 金融商品
(1) 資本管理
資本管理に関する詳細は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の分析 ③ 資本の財源及び資金の流動性」に記載のとおりです。
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・価格リスク)に晒されています。そのため、財務上のリスクのモニタリングを行い、リスクを回避又は低減するための対応を必要に応じて実施しています。また、当社グループは、デリバティブ取引を為替リスク又は金利リスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針です。
(3) 信用リスク管理
当社グループの営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されています。当社グループは、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図るため、新規取引先等の審査を行っています。また、営業債権については、取引先ごとに期日及び残高の管理を行い、主要な取引先については、状況を定期的にモニタリングしています。
当社グループは、社内規程に従い、資金運用やデリバティブ取引を格付の高い金融機関との取引や債券での運用に限定しています。また、相手先ごとの与信枠の上限を設定しており、特定の相手先に対する過度に集中した信用リスクはありません。保証債務を除き、当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは連結財政状態計算書に表示される金融資産の減損後の帳簿価額です。
① 損失評価引当金の調整表
② 信用リスク・エクスポージャーの評価
営業債権及びその他の債権
単独の相手先又はその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクを有していません。
(4) 流動性リスク管理
当社グループは、各社が適宜に資金繰り計画を作成・更新し収支の状況に応じた手元流動性を確保すること、キャッシュプーリングの仕組みを通じてグループファイナンスを実現すること等により、流動性リスクを管理しています。また、当社グループは流動性リスクへの更なる備えとして、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しています。
金融負債の期日別残高は以下のとおりであり、契約上のキャッシュ・フローは利息支払額を含んだ割引前のキャッシュ・フローを記載しています。
(注) キャッシュ・フローが発生すると見込まれる期間及び純損益に影響を与える期間はほぼ同時であると予測されます。
(5) 為替リスク
① 為替リスク管理
当社グループの活動は、グローバルな事業展開から生じる外貨建債権債務及び在外営業活動体に対する純投資に係る為替変動リスクに晒されています。
これらのリスクに関して、外貨建債権債務のキャッシュ・フロー変動リスクや公正価値変動リスク、及び在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクを軽減するため、必要に応じて為替予約等を利用してヘッジを行っています。
② 為替感応度分析
各報告期間において、円が米ドルに対して1%円高になった場合の、当社グループの税引前利益に与える影響額は、以下のとおりです。計算に当たり使用した通貨以外の通貨は変動しないものと仮定しています。当該分析には機能通貨建ての金融商品並びに在外営業活動体の資産及び負債を円貨に換算する際の影響は含んでいません。
なお、円が米ドルに対して1%円安となった場合の、当社グループの税引前利益に与える影響額は、ほかのすべての変数が一定の場合、以下の表と同額で反対の影響があります。
(6) 金利リスク
① 金利リスク管理
有利子負債に係る金利が変動金利である場合、スワップ取引等を利用して利息の一部もしくは全部を固定化しています。このため、支払金利の変動による当社グループの税引前利益に与える影響は僅少であることから、金利感応度分析の開示は省略しています。
(7) 価格リスク
① 価格リスク管理
当社グループは、資本性金融商品から生じる市場価格の変動リスクに晒されています。資本性金融商品については、定期的に市場価格や発行体の財務状況等を把握し、発行体との関係性を勘案しながら保有状況を継続的に見直しています。
② 価格感応度分析
各連結会計年度末において、活発な市場のある資本性金融資産の公正価値が一律10%下落した場合のその他の包括利益に与える影響額(税効果考慮前)は、以下のとおりです。
(8) デリバティブ及びヘッジ会計
① リスク管理方針
当社グループでは為替リスクや金利リスクをヘッジするために、デリバティブを利用しています。デリバティブは実需を伴う取引に限定し、投機目的では保有していません。当社グループは、市場リスクに対してナチュラルヘッジを活用できない場合に、リスク管理方針に基づきヘッジ指定を行い、ヘッジ会計を適用しています。
当社グループは事業活動上で発生する金利リスクや為替リスクを軽減するために、キャッシュ・フロー・ヘッジを適用しています。また、在外営業活動体に対する純投資に係る為替変動リスクをヘッジするために、純投資ヘッジを適用しています。これらのヘッジに関して、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか、あるいは、密接に合致しているかについての定性的評価、あるいはヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動を相殺しあう関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しています。非有効部分の発生が見込まれるヘッジ関係については、定量的な手法で非有効金額を算定しています。当社グループは有効性の高いヘッジを行っており、非有効部分の金額に重要性はありません。
ヘッジ会計を適用するデリバティブは、リスク管理方針の下に管理を行い、リスクの一部もしくは全部に対してヘッジを行っています。
② ヘッジ対象として指定した項目が連結財政状態計算書に与える影響
純損益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いた公正価値の変動の記載は省略しています。
③ ヘッジ会計の適用による連結損益計算書及び連結包括利益計算書に与える影響
28 公正価値測定
(1) 公正価値の測定方法
① 資産
現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権については、短期間で決済されるものであり、帳簿価額が公正価値に近似しています。その他の金融資産の公正価値は以下を除き、将来キャッシュ・フローを、資産の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、帳簿価額は公正価値に近似しています。
資本性金融資産及び負債性金融資産
資本性金融資産及び負債性金融資産のうち活発な市場のある銘柄の公正価値は、市場価格に基づいて算定しています。資本性金融資産及び負債性金融資産のうち活発な市場のない銘柄の公正価値は、主に直近の独立した第三者間の取引価格又は割引キャッシュ・フロー法に基づいて評価しています。
デリバティブ資産
デリバティブ資産の公正価値は、主に取引金融機関から提示された価格に基づいて算定しています。
② 負債
営業債務及びその他の債務については、短期間で決済されるものであり、帳簿価額が公正価値に近似しています。長期借入金の公正価値は、将来キャッシュ・フローを、新規に同様に借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しています。その他の金融負債の公正価値は以下を除き、将来キャッシュ・フローを、負債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、帳簿価額は公正価値に近似しています。
デリバティブ負債
デリバティブ負債の公正価値は、主に取引金融機関から提示された価格に基づいて算定しています。
(2) 公正価値ヒエラルキー
当社グループにおける公正価値の測定レベルは、市場における観察可能性に応じて次の3つに区分しています。
レベル1: 活発に取引される市場における公表価格により測定された公正価値
レベル2: レベル1以外の、観察可能な価格を直接、又は間接的に使用して算定された公正価値
レベル3: 重要となる観察不能なインプットを含む評価技法から算定された公正価値
公正価値測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度においてレベル1、2及び3の間の重要な振替はありません。なお、当社グループは、各ヒエラルキー間の振替を、振替を生じさせた事象が発生した報告期間の末日において認識しています。
① 経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債のレベル別の内訳
金融商品の公正価値ヒエラルキーのレベル別の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
レベル1の資本性金融資産には、活発な市場のある株式が含まれています。負債性金融資産には、外国債が含まれています。
レベル2のデリバティブ資産及びデリバティブ負債は、為替レートの変動によるリスクに対処するためのデリバティブ金融商品です。
レベル3の資本性金融資産には、主に活発な市場のない非上場株式が含まれています。負債性金融資産には活発な市場のない転換社債及び企業クライアント向けフィンテックサービスにより取得した金融資産が含まれています。
公正価値ヒエラルキーレベル3に区分される金融資産及び金融負債について、前連結会計年度及び当連結会計年度における期首残高から期末残高への調整表は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注1) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結損益計算書の「売上収益」、「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。
(注2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて測定する資本性金融資産の公正価値の純変動」に含まれています。
(注3) 負債性金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得に関するものです。
(注4) 負債性金融資産については、主に純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の回収に関するものです。
② 償却原価で測定する金融資産及び金融負債
償却原価で測定する金融資産及び金融負債の帳簿価額と公正価値は近似しているため、開示を省略しています。
29 キャッシュ・フロー情報
財務活動に係る負債の調整表
財務活動に係る負債の変動は以下のとおりです。
30 関連当事者取引
(1) 関連当事者との取引
関連当事者との取引(連結財務諸表において消去されたものを除く。)については、重要な取引等がないため、記載を省略しています。
(2) 経営幹部に対する報酬
当社の取締役に対する報酬は、以下のとおりです。
31 主要な子会社
当社の主要な子会社は、以下のとおりです。
32 偶発事象
公正取引委員会による立入検査
2026年6月2日、当社人材派遣事業の日本事業領域における子会社である㈱リクルートスタッフィング及び㈱スタッフサービスは、独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会の立入検査を受けました。現在、当該検査に全面的に協力しており、その結果及び影響額を合理的に見積ることは現時点では困難です。
33 後発事象
(1) 自己株式の取得
当社は、2026年3月31日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式の取得について決議し、以下のとおり実施しました。
① 自己株式の取得を行う理由
当社は、持続的な利益成長と企業価値向上に繋がる戦略投資を優先的に実行することが、株主共通の利益に資すると考えています。
今般当社は、当社のキャピタルアロケーションの方針に則り、資本効率の向上と株主還元の充実を目的として、今後の投資余力、株価水準、市場環境及び財務状況の見通し等を勘案し、自己株式取得の実施(以下「本自己株式取得」)を決議しました。
本自己株式取得により取得した自己株式は、新株予約権行使時の株式の交付、当社グループの従業員を対象とした当社普通株式を用いた株式報酬、当社普通株式を対価とした戦略的M&Aに活用する可能性や、消却する可能性があります。
② 2026年3月31日開催の取締役会での決議内容
③ 2026年5月31日現在における取得状況(受渡ベース)
(2) 公正取引委員会による立入検査
2026年6月2日、当社人材派遣事業の日本事業領域における子会社である㈱リクルートスタッフィング及び㈱スタッフサービスは、独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会の立入検査を受けました。現在、当該検査に全面的に協力しており、その結果及び影響額を合理的に見積ることは現時点では困難です。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
有価証券の評価基準及び評価方法
① 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
② その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産
定額法
主な耐用年数は次のとおりです。
建物 8~18年
工具、器具及び備品 2~10年
(2) 無形固定資産
定額法
主な償却年数は次のとおりです。
ソフトウエア(自社利用分) 5年(社内における利用可能期間)
3 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の特定債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 役員退職慰労引当金
役員の退職慰労金の支給に備えるため、内規に基づく期末要支給見込額を計上しています。
(3) 役員報酬信託引当金
役員への将来の当社株式の給付に備えるため、株式交付規程に基づき、役員に割り当てられたポイントに応じた株式の給付見込額を基礎として計上しています。
4 重要なヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しています。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
(ヘッジ手段) (ヘッジ対象)
為替予約 在外子会社等に対する持分への投資
(3) ヘッジ方針
為替変動リスクをヘッジする目的で、為替予約取引を行っています。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジの開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ手段のキャッシュ・フロー変動の累計とヘッジ対象のキャッシュ・フロー変動の累計を比較して有効性を判定しています。
5 収益及び費用の計上基準
(1) ロイヤリティー収入
当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1: 顧客との契約を識別します。
ステップ2: 契約における履行義務を識別します。
ステップ3: 取引価格を算定します。
ステップ4: 取引価格を契約における履行義務に配分します。
ステップ5: 履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識します。
当社が権利を有するリクルートブランドを、当社グループ会社に対して使用する権利を許諾し、当社はその対価としてロイヤリティー収入を得ています。当社は契約で定められた期間にわたり、当社グループ会社に対してリクルートブランドを使用許諾する義務を負っています。当該履行義務は時の経過につれて充足されるため、契約期間に応じて収益認識しています。
(2) 関係会社受取配当金
子会社及び関連会社からの配当金は配当金の効力発生日をもって認識しています。
6 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
重要な外貨建資産及び負債の本邦通貨への換算の基準
外貨建金銭債権債務は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。
(重要な会計上の見積り)
(関係会社株式の評価)
1 財務諸表に計上した金額
2 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
関係会社株式には、前事業年度末日及び当事業年度末日現在、RGF Staffing B.V.に対する投資402,140百万円が含まれています。当社は、買収時に見込んだ超過収益力を反映した実質価額を帳簿価額と比較し、実質価額の著しい低下の有無を判定しています。RGF Staffing B.V.及びRGF Staffing B.V.傘下の人材派遣子会社各社の買収時点で見込んだ事業計画に基づく超過収益力には、各社がそれぞれ担当する国において有している顧客基盤及びブランド力、会社グループの他の人材派遣子会社での経験に基づいて蓄積したノウハウを相互に活用することにより得られるシナジーが反映されています。
実質価額に反映されている超過収益力が毀損していないかどうかの検討に当たって、連結財務諸表作成におけるのれんの減損テストに使用されたものと同様の事業計画に基づく5年間の将来キャッシュ・フロー予測、その後の期間の成長率や割引率を考慮しています。将来キャッシュ・フロー予測は、主として市場成長率に影響を受けます。(連結財務諸表注記「11 のれん及び無形資産 」「(3) のれんの減損テスト」を参照。)
2025年3月31日及び2026年3月31日時点における評価の結果、実質価額は帳簿価額に比して著しく低下していないため、RGF Staffing B.V.株式の減損処理は不要と判断し、評価損は計上していません。
なお、当該超過収益力を加味した実質価額に著しい低下が生じているかの判定に当たって使用した事業計画は、経営者による最善の見積りに基づき作成されています。
(表示方法の変更)
(損益計算書関係)
前事業年度において、営業費用のその他に含めて表示していた採用費は、重要性が増したため、当事業年度より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の損益計算書において、営業費用のその他に含めて表示していた222百万円は、採用費として組み替えています。
(未適用の会計基準等)
(リースに関する会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日 企業会計基準委員会)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日 企業会計基準委員会) 等
(1) 概要
企業会計基準委員会において、日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組みの一環として、借手の全てのリースについて資産及び負債を認識するリースに関する会計基準の開発に向けて、国際的な会計基準を踏まえた検討が行われ、基本的な方針として、IFRS第16号の単一の会計処理モデルを基礎とするものの、IFRS第16号の全ての定めを採り入れるのではなく、主要な定めのみを採り入れることにより、簡素で利便性が高く、かつ、IFRS第16号の定めを個別財務諸表に用いても、基本的に修正が不要となることを目指したリース会計基準等が公表されました。
借手の会計処理として、借手のリースの費用配分の方法については、IFRS第16号と同様に、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、全てのリースについて使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルが適用されます。
(2) 適用予定日
2028年3月期の期首より適用予定です。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
「リースに関する会計基準」等の適用による財務諸表に与える影響額については、現時点で評価中です。
(追加情報)
(役員報酬BIP信託)
当社は、当社及び当社グループ会社の取締役、執行役員及び専門役員へのインセンティブプランとして、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託を用いた株式報酬制度を導入しています。
1 取引の概要
連結財務諸表注記「26 株式報酬」に記載しています。
2 信託に残存する当社株式
信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額により、純資産の部に自己株式として計上しています。前事業年度及び当事業年度における当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、それぞれ13,471百万円、2,873,714株及び15,808百万円、2,918,255株です。
(株式付与ESOP信託)
当社は、当社グループ会社の従業員等へのインセンティブプランとして、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託を用いた株式交付制度を導入しています。
1 取引の概要
連結財務諸表注記「26 株式報酬」に記載しています。
2 信託に残存する当社株式
信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額により、純資産の部に自己株式として計上しています。前事業年度及び当事業年度における当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、それぞれ312,997百万円、57,914,467株及び240,583百万円、44,515,581株です。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する資産及び負債
区分掲記されたもの以外で各科目に含まれているものは、次のとおりです。
(単位: 百万円)
2 偶発債務
下記関係会社の債務に対して次のとおり保証を行っています。
(単位: 百万円)
3 当座貸越契約及び貸出コミットメント
当社は、流動性を確保し、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しています。
事業年度末における当座貸越契約及び貸出コミットメントに係る借入未実行残高等は次のとおりです。
(単位: 百万円)
4 自由処分権を有する担保受入金融資産
(単位: 百万円)
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高
(単位: 百万円)
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載していません。
なお、市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額は次のとおりです。
(単位: 百万円)
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(単位: 百万円)
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(単位: %)
(重要な後発事象)
自己株式の取得
連結財務諸表注記「33 後発事象」に記載しているため、記載を省略しています。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位: 百万円)
【引当金明細表】
(単位: 百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができません。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて、募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
(1) 当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に提出した書類
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
① 有価証券報告書及びその添付書類
事業年度 第65期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 2025年6月23日関東財務局長に提出。
② 内部統制報告書及びその添付書類
2025年6月23日関東財務局長に提出。
③ 半期報告書
第66期中(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日) 2025年11月6日関東財務局長に提出。
④ 確認書
事業年度 第65期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 2025年6月23日関東財務局長に提出。
第66期中(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日) 2025年11月6日関東財務局長に提出。
⑤ 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号(関係会社受取配当金の計上) の規定に基づく臨時報告書
2025年4月4日関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号(関係会社受取配当金の計上) の規定に基づく臨時報告書
2025年5月12日関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果) の規定に基づく臨時報告書
2025年6月27日関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2(新株予約権の発行) の規定に基づく臨時報告書
2025年7月9日関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号(特定子会社の異動) の規定に基づく臨時報告書
2026年1月22日関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号(関係会社受取配当金の計上) の規定に基づく臨時報告書
2026年3月19日関東財務局長に提出。
⑥ 臨時報告書の訂正報告書
2025年7月9日提出の臨時報告書に係る訂正報告書
2025年7月24日関東財務局長に提出。
2026年1月22日提出の臨時報告書に係る訂正報告書
2026年3月27日関東財務局長に提出。
⑦ 自己株券買付状況報告書
2025年7月10日、2025年9月10日、2025年10月10日、2025年11月13日、2025年12月10日、2026年1月15日、2026年2月12日、2026年3月11日、2026年4月10日、2026年5月15日及び2026年6月10日関東財務局長に提出。
⑧ 訂正発行登録書(普通社債)
2025年4月4日、2025年5月12日、2025年6月27日、2025年7月9日、2025年7月24日、2026年1月22日、2026年3月19日、2026年3月27日関東財務局長に提出。
(2) 従業員構成に関する状況
連結子会社のうち、主要な連結子会社以外のものに係る管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異は、次のとおりです。
(注1) 主要な事業の内容欄にはセグメントの名称を記載しています。
(注2) 管理職は部下を持つ従業員であり、委任契約役員を除きます。当該会社から他社への出向者を除き、他社から当該会社への出向者を含む就業人員を対象に女性活躍推進法の規定に基づき算出しています。2026年4月1日時点。
(注3) 当該会社の原籍者を対象に集計しています。育児・介護休業法の規定に準じて、育児・介護休業法施行規則第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を、当連結会計年度を対象に算出しています。育児休業等には法令で定められた育児休業及び、出産育児を目的とした休暇制度等を含んでいます。
(注4) 当該会社の原籍者と当該会社を通じて他社に派遣されている労働者を含み、当該会社に派遣されている労働者を含まずに、当連結会計年度を対象に女性活躍推進法の規定に基づき算出しています。そのため、人材派遣セグメントの連結子会社は、当該会社を通じて他社に派遣されている労働者を含んでいます。
(注5) 無期雇用労働者とは期間の定めの無い従業員です。
(注6) パートタイム・有期雇用労働者等は、無期雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に試算しています。
(注7) 当社グループのガバナンス体制の変更に伴い、2025年4月1日付で、マッチング&ソリューションSBU(現 マーケティング・マッチング・テクノロジーSBU)の人材領域を、㈱リクルートから㈱インディードリクルートパートナーズ及び㈱インディードリクルートテクノロジーズに吸収分割によって移管し、人員の一部を承継しました。当連結会計年度において原籍者が存在しないため、男性の育児休業等の取得率及び男女間の賃金の差異については記載を省略しています。一方、管理職に占める女性の割合については、2026年4月1日時点における状況に基づき算出しています。
(注8) RGFタレントソリューションズ㈱は、株式譲渡により、2026年4月1日付で当社の連結子会社ではなくなりました。管理職に占める女性の割合は同社が公表した2025年12月時点の実績を記載しています。
(注9) 「-」は、男性の育児休業等取得率においては当連結会計年度に配偶者が出産した男性従業員が存在せず算定不能な場合、男女間の賃金の差異の項目においては当連結会計年度を通じて対象となる男性従業員もしくは女性従業員のいずれかがなく算定不能な場合を示しています。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。























