第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 当社は、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して連結財務諸表を作成しています。
2 売上収益には、消費税等は含まれていません。
3 当社は、2023年9月30日を基準日、2023年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益(△損失)(親会社の所有者に帰属)および希薄化後1株当たり当期利益(△損失)(親会社の所有者に帰属)については、第98期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出しています。
4 第102期の株価収益率については、基本的1株当たり当期損失であるため記載していません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 売上高には、消費税等は含まれていません。
2 第98期より年2回配当を実施しています。
3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載していません。
4 当社は、2023年9月30日を基準日、2023年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。1株当たり純資産額および1株当たり当期純利益又は当期純損失(△)については、第98期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出しています。
5 第100期の中間配当額は株式分割前の87円、期末配当額は株式分割後の39円とし、年間配当額は単純合計である126円と記載しています。
6 第100期より、特別利益および特別損失の一部について表示方法の見直しを行い、それぞれ営業外収益、営業外費用に変更したため、第99期についても当該表示方法の変更を反映した組替後の数値を記載しています。
7 最高株価・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。なお、第100期の株価については株式分割後の最高株価および最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価および最低株価を( )内に記載しています。
8 第102期の株価収益率および配当性向については、1株当たり当期純損失であるため記載していません。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成しており、関係会社の情報についてもIFRSの定義に基づいて開示しています。
当社グループは、当社および国内外346社の関係会社(連結子会社282社、持分法適用会社64社)により構成され、事業別には、二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびパワープロダクツ事業及びその他の事業からなっています。
二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびパワープロダクツ事業及びその他の事業における主要製品およびサービス、所在地別の主な会社は、以下のとおりです。
(注) 主な会社のうち、複数の事業を営んでいる会社については、それぞれの事業区分に記載しています。
事業の系統図は、以下のとおりです。(主な会社のみ記載しています。)

4 【関係会社の状況】
(連結子会社)
(注) 1 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
2 アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッドは、連結売上収益に占める売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。)の割合が10%を超えています。同社の売上収益は所在地別北米セグメントの売上収益(セグメント間の内部売上収益または振替高を含む。)の90%を超えているため、主要な損益情報等の記載を省略しています。(その関係会社を含む。)
3 ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドは、債務超過会社であり、2026年3月末時点で債務超過額は 183,680百万円です。
4 ホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダは、債務超過会社であり、2026年3月末時点で債務超過額は 19,721百万円です。(その関係会社の持分相当額を含む。)
5 その他に含まれる会社のうち特定子会社に該当する会社は、以下のとおりです。
ホンダエアロ・インコーポレーテッド、ホンダエアクラフトカンパニー・エル・エル・シー、ホンダバンク・ゲー・エム・ベー・ハー、ホンダターキー・エー・エス、ピー・ティ・ホンダ・プレシジョン・パーツ・マニュファクチュアリング、ホンダフィリピンズ・インコーポレーテッド、台灣本田股份有限公司、ホンダリーシング(タイランド)カンパニー・リミテッド、ホンダモトール・デ・アルヘンティーナ・エス・エー、ホンダコンポーネンツ・ダ・アマゾニア・リミターダ
6 その他に含まれる債務超過会社の債務超過額は、2026年3月末時点で、以下のとおりです。
ホンダエアロ・インコーポレーテッド 60,960百万円(その関係会社の持分相当額を含む。)
ホンダエアクラフトカンパニー・エル・エル・シー 291,793百万円(その関係会社の持分相当額を含む。)
7 その他258社の内訳は国内の二輪販売会社1社、四輪販売会社9社、その他の国内連結子会社41社およびその他の海外連結子会社207社です。
(持分法適用会社)
(注) 1 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
2 Astemo㈱は、当連結会計年度において、日立Astemo㈱が商号変更したものです。
3 その他54社の内訳は国内の四輪販売会社1社、その他の国内持分法適用会社14社およびその他の海外持分法適用会社39社です。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」という。)が判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。詳細は「3 事業等のリスク」を参照ください。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、「人間尊重」と「三つの喜び」(買う喜び、売る喜び、創る喜び)を基本理念としています。「人間尊重」とは、自立した個性を尊重しあい、平等な関係に立ち、信頼し、持てる力を尽くすことで、共に喜びをわかちあうという理念であり、「三つの喜び」とは、この「人間尊重」に基づき、お客様の喜びを源として、企業活動に関わりをもつすべての人々と、共に喜びを実現していくという信念であります。
こうした基本理念に基づき、「わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす」という社是を実践し、株主の皆様をはじめとするすべての人々と喜びを分かち合い、企業価値の向上に努めていきます。
当社グループは、「夢」を原動力に、独創的な技術とアイデアによってモビリティを進化させ、より良い社会をリードする総合モビリティカンパニーでありたいと考えています。「環境」「安全」という二つの大きな社会課題を解決に導きつつ、総合モビリティカンパニーとして幅広いモビリティやサービスを通じ、2023年にグローバルブランドスローガンである、「The Power of Dreams」を再定義して明確に示しました。人々の「時間や空間の制約からの解放」、そして「人の能力と可能性の拡張」という価値を提供していきたいと考えています。当社グループは、これからも「夢」を原動力に、独創的な技術とアイデアを遺憾なく発揮して挑み続けていきます。

(2) 経営環境および対応の方向性
当社グループを取り巻く経営環境は、大きな転換期を迎えています。価値観の多様化や、高齢化の進展、都市化の加速、気候変動の深刻化、さらに電動化、自動運転化、IoTといった技術の進化による産業構造の変化が、グローバルレベルで進んでいます。また、ウクライナ、中東および南シナ海情勢等の国際情勢や各国の通商政策において不透明な状況が続くなど、地政学的リスクも顕在化しています。そのような中、将来の成長に向けては、提供価値の質の向上に継続的に取り組むとともに、企業活動に関わるすべてのステークホルダーと、長期的な社会課題を解決するための、積極的な関係構築が求められます。
四輪事業においては、長期的視点ではEV(電気自動車)が最適解であると考え、その普及に向けて大きく舵を切りましたが、米国での化石燃料に対する規制の緩和やEV補助金の見直しなどにより、EV市場の拡大スピードが鈍化しています。これらの事業環境の変化に柔軟に対応できなかったこと、関税影響によるICE(内燃機関)/ハイブリッド車の収益悪化など、さまざまな要因が重なり、当社グループの四輪事業は極めて厳しい収益状況に陥ることとなりました。急激な事業環境の変化にフレキシブルに対応すべく、戦略枠組みの再整理と競争力の再構築を進めています。生産体制について、米国オハイオ州の完成車工場では、余剰能力をすべてICE/ハイブリッド車に充てるとともに、北米の全工場でハイブリッド車が生産できるようにするなど、米国でのEV市場の拡大スピードの鈍化を踏まえてリソース配分を見直し、ハイブリッド車を強化していきます。国別には、当社グループの主要市場である日本や米国に加え、市場の拡大が見込まれるインドでの事業を強化するため、モデルラインアップ拡充やコスト競争力の強化を図ります。その他のアジア各国においても、次世代ハイブリッド車の発売やリソース配分の見直しによる競争力強化に取り組みます。また、カナダでの包括的バリューチェーン構築のプロジェクトは、無期限での凍結とし、今後の調達戦略を引き続き検討していきます。
二輪事業は、人口増加や経済成長を背景に、インドをはじめとするグローバルサウスを中心に需要拡大が続いています。長期的視点では、EVが最適解であると考えていますが、電動車需要が想定以上に拡大していない実態を踏まえ、各地域の実情やお客様のニーズに応じた形で、電動二輪車のラインアップ拡充に加え、ICE車においても燃費性能の向上や、フレックスフューエルモデル(注)の展開を推進しています。当社グループは、この成長市場のダイナミズムを確実に捉え、競争力ある商品の機動的な投入とお客様に寄り添った質の高いサービスの提供により、市場の成長をリードしていきます。
パワープロダクツ事業及びその他の事業においては、長期的には世界的なカーボンニュートラルに向けた動きは今後も変わらないと考えていますが、環境規制の緩和や通商政策の変更などにより、電動化の進展は一部の市場で緩やかになっています。市場環境の多面的な変化に対応するためにも、ICEと電動の両軸を戦略的に強化し、柔軟性の高い事業基盤を構築していく必要があります。当社グループは、今後ICE事業のさらなる体質強化によって安定的な収益基盤の確立を図るとともに、電動化および将来技術への資源投入を加速し、次世代を見据えた競争力の向上に取り組みます。
(注) ガソリンとエタノールを混合した複数種類の燃料(混合比の異なる燃料)を使用できる内燃機関車のこと。
(3) 財務戦略
企業価値の向上のためには、財務・非財務資本を活用し、キャッシュ・フローの持続的な成長と資本効率の向上を実現する必要があると認識しています。この実現のために、「中長期での戦略的な資源配分」「資本コストを意識した経営の強化」「積極的な対話による経営の質・透明性の向上」に取り組んでいきます。
当社グループは、「2050年に当社グループの関わるすべての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現」という目標を定め、その実現に向けては、乗用車をはじめとする小型モビリティの領域において、長期的視点ではEVが最適解であると考え、その普及に向けて大きく舵を切りました。しかしながら、米国での関税政策の変更に伴うICE/ハイブリッド車の事業への影響や、EV開発へのリソースシフトの影響によるアジアでの商品競争力の低下、および新興EVメーカーの台頭による競争激化により、直近では四輪事業の収益性が悪化しています。加えて、米国では化石燃料に対する規制の緩和やEV補助金の見直しなどにより、EV市場の拡大スピードが鈍化しています。
このような市場環境変化を背景とした商品投入計画の見直しの一環として、当連結会計年度を通じて、一部のEVモデルの上市および開発中止、特定のアライアンス契約に基づき共同開発したEVモデルの製造終了や生産台数の減少を決定してきました。さらに、2026年3月12日に、四輪電動化戦略の見直しを行い、上記に加えて北米で生産予定であったEVモデルの上市および開発中止などを決定しました。また、ソニーグループ㈱との共同支配企業であるソニー・ホンダモビリティ㈱と共同開発し、当社の北米子会社が製造受託予定であったEVモデルはソニー・ホンダモビリティ㈱において上市および開発中止が決定されました。中国においては、EV市場の成長が継続する中、新興EVメーカーの台頭により競争が激化しています。こうした厳しい競争環境下において、EVモデルの商品投入計画の見直しを行いました。これにより、四輪事業では、当連結会計年度の連結損益計算書において1兆5,778億円の損失および費用を認識し、さらに追加的な費用または損失が2027年3月期以降に発生する可能性があります。
これらのEV関連損失の発生や、足元の急激な事業環境の変化にフレキシブルに対応すべく、戦略枠組みの再整理と競争力の再構築を進めています。今回のEVラインアップの縮小に伴うリソース配分の見直しにより、ハイブリッド車モデルのラインアップ拡充やコスト競争力の強化を図ります。

1.中長期での戦略的な資源配分
(原資創出)
足元3年間は上記の四輪事業体質の再構築に集中的に取り組み、その後の2年間は、この体質をベースに事業環境に応じて柔軟かつ機動的に商品投入し、四輪事業をさらなる成長軌道にのせていきます。EV関連損失の解消、体質改革の深化や注力地域を中心とした新商品ラインアップの拡充により、四輪事業の収益は飛躍的に改善する見込みとし、盤石な収益性を持つ二輪事業や金融事業のさらなる成長を積み上げることで、2029年3月期には、過去最高となる営業利益の達成、2031年3月期には従前からの目標であるROIC(投下資本利益率)(注1)10%の実現をめざします。
(注) 1 (親会社の所有者に帰属する当期利益+支払利息(金融サービス事業を除く事業会社))÷投下資本(注2)
2 親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債(金融サービス事業を除く事業会社)、期首期末平均により算出しています。
(資源投入)
2029年3月期までの3年間においては、投入資源を当初のEV向けからハイブリッド車へシフトしEV投資は3年間で0.8兆円規模にコントロールします。一方、ソフトウェアには1兆円、ICE/ハイブリッド車に4.4兆円を投入し、これら合計の3年間の資源投入額は合計6.2兆円とします。その稼ぎを示すR&D調整後営業CF(注)は、四輪事業の黒字化と二輪事業の強いキャッシュ創出力により、投資と株主還元を両立します。2030年3月期以降は、EVの需要動向を見極めながらEV投資の判断を行い、自前化にこだわらず外部リソースの積極的な活用により、投資効率のさらなる改善を図ります。
(注) 研究開発費控除後の営業キャッシュ・フロー(金融サービス事業を除く事業会社の営業キャッシュ・フロー+
研究開発支出-開発資産への振替額)
(株主還元)
成果の配分については、株主の皆様に対する利益還元を、経営の最重要課題の一つとして位置付けており、今後もDOE(調整後親会社所有者帰属持分配当率)(注)3%を目安として安定的・継続的な配当を実施します。
(注) DOE(調整後親会社所有者帰属持分配当率)のベースとなる「親会社の所有者に帰属する持分」は為替や市場環境の影響に
よる変動の大きい「その他の資本の構成要素」を除外した調整後の数値を基にします。
2.資本コストを意識した経営の強化
環境変化に柔軟かつ適切に対応し企業価値の向上を実現するため、資本コストを意識した経営の浸透を図るとともに、時間軸を踏まえた複数シナリオを持ち、柔軟な資源配分を行っていきます。変革期においては、将来に向けた投資が先行しますが、正味現在価値(NPV)を活用し資本コストを踏まえた投資判断を実施するとともに、経営の守るべきラインとして、資本コストを上回る全社ROICをめざします。
3.積極的な対話による経営の質・透明性の向上
投資家や個人株主をはじめとしたステークホルダーの皆様に、経営の方向性が正しく理解され評価いただけるよう、経営陣が主体となり、イベントや個別面談を通じて、これまで以上に積極的な対話を行っていきます。これらの対話を通じて、経営陣や各領域技術責任者から成長戦略に向けた想いをお伝えするとともに、資本市場が当社グループに求めていることを直接把握し、経営や事業戦略へ生かすことで、企業価値の継続的な向上を実現し、ステークホルダーの皆様からも存在を期待される企業であり続けていきたいと考えています。
(4) 優先的に対処すべき課題
持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を当社グループのめざす方向性に照らし、優先順位を付けた上で注力領域から特定し、「重要テーマ」を決定しています。具体的には「環境」と「安全」に加え、当社グループの成長の原動力である「人」と「技術」、またすべての企業活動の総和ともいえる「ブランド」の5つです。こうした非財務領域の取り組みを財務戦略と連携させることで、社会的価値・経済的価値の創出を実現していきます。
<5つの重要テーマ>
① 環境負荷ゼロ社会の実現
当社グループは、持続可能な企業活動をめざし、それぞれが連鎖している環境負荷を網羅的に低減する取り組みに向けて、全社の重要テーマの一つを「環境負荷ゼロ社会の実現」と設定しています。「環境負荷ゼロ社会の実現」に向けて、2050年の二酸化炭素排出量実質ゼロ、カーボンフリーエネルギー活用率100%、サステナブルマテリアル使用率100%をめざす姿として、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」を中心にして、取り組んでいます。
詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
② 交通事故ゼロ社会の実現
当社グループは、2050年に全世界で、Hondaの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします(注1)。また、そのマイルストーンとして2030年に全世界でHondaの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者半減をめざします(注2)。これらは、新車だけでなく、登録・届出されたすべてのHondaの二輪車・四輪車が対象となります。
(注) 1 Hondaの二輪車・四輪車に乗車中に発生した交通事故(歩行者、自転車等の他者との衝突を含む)。
ただし、故意による悪質な交通ルール違反や、飲酒・薬物等の使用により自ら正常な運転能力を欠いた状態での事案は
除外する。
2 2020年比で2030年に全世界でHondaの二輪車・四輪車が関与する1万台当たりの交通事故死者数を半減。
詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
③ 人的資本経営の進化
当社グループの人的資本経営とは、全社の方針である「自由な移動の喜びをサステナブルに創造し、夢に向かって動き出そうとする人のパワーになる」の実現に向けて、人と組織の力を引き出し、お客様価値の創出を通じて、将来の競争力と企業価値向上につなげていく取り組みであり、中長期・短中期の観点から達成すべき二つの人材マテリアリティ(注)を設定しています。
(注) マテリアリティ: 持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、当社グループのめざす方向性に照らし優先順位を
付けたうえで選定した「重要テーマ」において、特に注力していくべき課題。
詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
④ 独創的な技術の創出
モビリティの可能性の拡張と将来の環境負荷ゼロ、交通事故死者ゼロ社会の実現に向けて、注力領域を定めた上で、各領域のエキスパートが技術開発をリードしています。また、世界中のさまざまな研究機関と共同研究を行うことで、グローバルでの知の探究と結集を図っています。ベンチャリングなどを通じた社外との連携強化も技術創出の取り組みです。社内外の知識・経験・ノウハウを結集して企業の競争力を高めるべく、2021年にコーポレートデベロップメントを担う部門を立ち上げ、機能の強化を続けてきました。さらに当社グループは、従業員の持つ独創的なアイデアや技術を起点としたボトムアップ式の新規事業創出にも力を入れており、社会課題の解決と新しい価値の創造に挑戦しています。
⑤ ブランド価値の向上
Hondaのブランドは、創業時よりお客様とともに歩み続けたあらゆる企業活動の積み重ねによって形づくられてきました。100年に一度ともいわれる大きな変革期を迎えている中で、Hondaブランドをさらに輝かせ、将来にわたってその価値を高め続けていくことは、極めて重要な課題の一つです。そのために当社グループは、2001年に策定されたグローバルブランドスローガン(GBS)「The Power of Dreams」を2023年に再定義し、改めて「全てのブランドマネジメントの起点」として位置付けました。当社グループは今後もGBSをブランドマネジメントの基軸に、さまざまな製品・サービス、企業活動を通じて、それぞれが持つブランドの個性と当社グループとしての価値ある一貫性を融合させ、Hondaブランド全体のさらなる価値向上を図っていきます。ブランドマネジメントにおいては、Hondaブランド独自の個性に基づき、「企業として共通する価値観や思想」と「商品・サービスの多様性・独自性」との間に相乗効果を生み出すことが重要と考えています。この一環として、グローバルでブランドに価値ある共通性をもたらすために、さまざまな発信・ブランディングを実践する際の指針となる「ブランドアセット」の整備・拡充に取り組んでおり、当社グループに関わるすべての仲間が自律的にブランドの質を高めていける環境の構築をめざしていきます。
以上のような企業活動全体を通した取り組みを行い、株主、投資家、お客様をはじめ、広く社会から「存在を期待される企業」となることをめざしていく所存でございます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。詳細は「3. 事業等のリスク」を参照ください。
(1) サステナビリティ関連財務開示
①ガバナンス
(ガバナンス機関)
当社グループは、「基本理念」、「社是」および「運営方針」の3つから構成されている「Hondaフィロソフィー」に根ざした企業活動を推進しています。当社グループでは、長期経営方針や中期経営計画は経営会議や取締役会で承認・決議しています。
気候変動問題などへの対応を含む重要事項の最終的な監督機関は取締役会であり、経営会議では取締役会の決議事項等について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議しています。
また、事業活動に伴う多様なリスクへ対応し、社会と当社グループの持続的な発展に向けた事業運営を監督する観点から、「ESG・サステナビリティ」を必要スキルの1つとして定めています。当社グループは、人の自由な移動をサステナブルに提供していくための課題として、2050年に「Hondaの関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現」と「交通事故死者ゼロ」をめざしております。そのため、環境(気候変動問題を含む)や安全、人権など、ESG・サステナビリティのテーマに精通した知見が必要であると考えており、これらの考え方を踏まえて取締役を選任しています。
取締役のスキル開発については、環境負荷ゼロ社会の実現や交通事故ゼロ社会の実現といった重要テーマの取り組みに関する取締役会での定期的な報告等を通じて理解を深めています。
また、社外取締役の機能発揮のため、取締役会室が中心となり社外取締役へのサポートを行っています。詳細は「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況」を参照ください。
非財務の経営管理指標(注)については、取締役会において年1回、経営会議においては年1回から3回を目安に進捗状況を確認しています。
当社グループでは、環境負荷ゼロ社会の実現や交通事故ゼロ社会の実現といった重要テーマについて、長期経営方針や中期経営計画の承認や、リスク管理のプロセスおよび関連する方針の監督において考慮しており、意思決定にあたっては、環境負荷低減等の社会課題への対応と収益性のバランスや、他の経営課題との関係も含めて、経営会議や取締役会で多角的に検討し、意思決定に反映しています。
取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPIは、取締役会や経営会議が進捗を定期的にモニタリングすることで、経営ガバナンスの強化をはかっています。
財務指標および非財務指標に連動した役員報酬制度については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」を参照ください。
(注) 経営管理指標:取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPI
(経営者の役割)
各本部・統括部や各子会社では、全社の長期経営方針や中期経営計画に基づき、実行計画・施策を企画・推進し、重要事項については経営会議で適宜、報告・承認されています。
「環境」「安全」「人材」「人権」「労働安全衛生」「品質」「サプライチェーン(購買・物流)」などの各領域では、会議体を設け、情報共有や議論などを通じてグローバルマネジメントを推進しています。また、気候変動問題への対応など、部門をまたぐ重要課題については経営メンバーが直接指揮を執る「部門横断タスクフォース」を 組成し、実行計画・施策の検討提案を適宜行い、重要事項については経営会議で報告・承認されています。
また、各領域に関するコンプライアンスやリスク管理については、当社の内部統制システム整備の基本方針に基づいて運用されています。


②リスク管理
「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」を制定し、リスクを能動的にコントロールすることで、「持続的成長」や「経営の安定化」につながる活動を行っています。リスクマネジメントオフィサーの監視・監督のもと、当社グループの有形・無形の資産、企業活動、ステークホルダーに重大な被害・損失を与え、企業経営に影響をもたらす可能性があるものと定義したリスクを分類・管理・対応しています。各組織でリスクの特定・評価を実施し、その評価結果をもとに各本部のリスクマネジメントオフィサーが「本部重点リスク」を特定しています。また、社内のリスク認識に加え社外のリスクトレンドも反映し、コーポレートとして重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論を行っています。リスクマネジメントに関する重要事項については、リスクマネジメント委員会で審議しており、実施内容については経営会議で適宜報告されています。
③戦略
当社グループは、「環境」と「安全」は何よりも真摯に向き合うべき社会課題であると捉えています。それぞれ 「環境負荷ゼロ社会の実現」、「交通事故ゼロ社会の実現」をテーマに掲げ、実効性ある施策をスピーディーに展開していきます。
(環境戦略)
当社グループはすべての企業活動において環境負荷があることを認識しています。課題達成のためには企業活動を製品ライフサイクルに合わせた各工程に分けて、それぞれの環境負荷を考えることが重要です。当社グループが認識する主な環境負荷として、「温室効果ガス排出」・「化石燃料由来のエネルギー使用」、大量な「資源採掘・廃棄」、そして「生物多様性への影響」を設定しました。
当社グループは、持続可能な企業活動をめざし、それぞれが連鎖している環境負荷を網羅的に低減する取り組みに向けて、全社の重要テーマの1つを「環境負荷ゼロ社会の実現」と設定し、環境負荷への対応を4つのマテリアリティ(注)として定めています。
(注) 持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、当社グループのめざす方向性に照らし優先順位を付けたうえで選定した 「重要テーマ」において、特に注力していくべき課題

Triple Action to ZERO
「環境負荷ゼロ社会の実現」に向けて、2050年の二酸化炭素排出量実質ゼロ、カーボンフリーエネルギー活用率100%、サステナブルマテリアル使用率100%をめざす姿として、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」を中心にして、取り組んでいます。
「Triple Action to ZERO」の各取り組みは密接に関連しており、それぞれの連鎖を考慮してシナジー効果の最大化を目指していきます。またこの取り組みは、国際的な要求が高まっている、生物多様性の保全を含む自然共生にもつながると考えています。その推進においては「自然に根差した解決策」(注)も考慮していきます。
(注) 自然生態系を保全・再生しながら社会課題への対応を進める取り組み(Nature-based Solutions(NbS))

マテリアリティ達成に向けた主要施策とマイルストーン
当社グループはパリ協定(注)を支持し、環境負荷ゼロ社会の実現に向けて、2050年に「Hondaの関わる全ての製品と企業活動全体を通じてカーボンニュートラルを実現する」ことをめざします。
当社グループは、環境領域の4つのマテリアリティのうち、カーボンニュートラルに向けて「気候変動問題への対応」と「エネルギー問題への対応」について優先度をあげて取り組んでいます。優先的な実行施策として製品使用のCO2排出削減と企業活動のCO2排出削減を主要施策とし、より具体的な取り組みにつながる施策に細分化して取り組んでいます。具体的には、各事業領域の個別の製品群についてのCO2排出や、各々の製品工場や製造設備のCO2排出を積みあげ、製品・工場ごとのCO2排出削減量の把握につなげています。
当社グループは、地域ごとの市場環境、需要動向を見極めながら、EV、ハイブリッド車、カーボンニュートラル燃料、カーボンオフセット技術などを組み合わせた多角的なアプローチを加速させます。
マテリアリティ「資源の効率利用」に紐付く、長期的な負荷低減施策については、当社グループとして既存の枠組みを超えた新たな取り組みが必要となる施策もあります。現在は、製品ライフサイクルにおける資源の採掘(上流)から廃棄(下流)工程における、将来のCO2排出削減への準備の段階にあり、これらの取り組みは、マテリアリティ「生物多様性の保全」など自然への影響を考慮しながら進めていくことも重要と認識しています。当社グループは「2050年カーボンニュートラル」に向けた取り組みのみならず、「環境負荷ゼロ社会の実現」のために長期的な視点を持って将来への取り組みを継続していきます。

(注) パリ協定では、世界共通の長期目標として、産業革命前からの平均気温の上昇を2℃より十分下方に保持し、1.5℃に抑える努力を追求することが目的とされています。
(安全戦略)
当社グループは、Honda安全3つの要素として掲げる「人の能力(啓発活動)」、「モビリティの性能(技術開発)」、「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」をそれぞれ進化させ、組み合わせることでさまざまな要因により引き起こされる事故に対応しています。
2030年に向けた重要課題は、新興国における二輪車関与の死亡事故削減です。この課題に対応するため、「人の能力(啓発活動)」においては、インストラクターの養成や交通教育センター(注1)での企業向けの研修、個人向けのスクールを積極的に展開します。
「モビリティの性能(技術開発)」においては、二輪車では、ABSやCBS(注2)などの先進ブレーキシステム、視認性・被視認性を高める灯火器の採用を拡大します。四輪車では、新興国で二輪検知機能付「Honda SENSING」を、また、先進国で「Honda SENSING 360」をはじめとする先進運転支援システム(ADAS)の普及や機能進化を地域の実情に合わせて推し進めます。「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」においては、交通安全に関する国連などの国際的な機関との連携を強化しています。当社グループの長年の安全活動から培われた知見やノウハウを、こうした機関を通じて、新興国を中心とした各国へ提供することで制度改革、啓発、インフラ整備などの安全政策を支援します。
2050年に向けた大きな課題として、歩行者、自転車利用者、二輪車のライダーなどの交通弱者の死亡事故を削減する必要があります。この課題に対応するため、「交通エコシステム(協働、システム/サービス開発)」の取り組みを加速させます。具体的には、「安全・安心ネットワーク技術」の研究開発と、社会実装に向けた技術の標準化を推し進めます。
「安全・安心ネットワーク技術」は、通信を介した情報提供により、事故リスクが生じる前に各交通参加者が自ら備え、対処できるよう支援する技術です。
(注) 1 交通安全に関する社内外の指導者養成や、企業・学校・個人のお客様に安全運転教育を行う当社グループの施設
(注) 2 コンバインドブレーキシステム
④指標及び目標
(環境目標)
当社グループは、「環境負荷ゼロ社会の実現」に向けて、取り組みを実行していきます。管理指標および目標値については以下のとおりです。
当社グループでは、当連結会計年度および当連結会計年度の末日から当有価証券報告書提出日までの期間に、2031年3月期を目標年度とする目標を見直しました。
製品CO2排出原単位削減率については、二輪事業で34.0%から15.0%へ、四輪事業で27.2%から13.6%へ、パワープロダクツ事業で28.2%から13.4%へ変更しています。これらの変更は、市場環境の変化や通商政策動向の変化等により、パワートレーンポートフォリオと商品投入計画を見直したことによるものです。
また、これまで当社グループは電動製品販売比率を指標として掲げてきましたが、市場環境・顧客ニーズ・事業性の変化が複雑化している状況も踏まえ、手段の一つである電動製品の販売ではなく、より本質的なアプローチである、社会全体での温室効果ガス排出量削減へ活動の幅を広げていくことに致しました。この考えに基づき、経営管理指標は従来の電動製品販売比率から、今後はライフサイクル全体での温室効果ガス排出総量削減率へとシフトしていくことを前提に、2036年3月期を目標年度とする具体的な目標値の検討を進めていきます。
さらに、当社グループは「資源の効率利用」に関する2050年のめざす姿と連動した、より本質的でチャレンジングな目標を設定しました。
2031年3月期の目標として、KGIを「取水総量削減率(BAU(注)比)」から「工業用取水量削減率」に、「廃棄物総量削減率(BAU比)」から「工業系廃棄物削減率(焼却・埋立処理)」に変更しました。また、KPIに「再生材・バイオマス材使用率」を新たに設け、目標値を定めました。
(注) 2031年3月期生産計画を基に、削減に向けた対策・施策を行わないと仮定した場合の推計値(Business As Usual)
(安全目標)
当社グループは、2050年に全世界で、Hondaの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします(注1)。また、そのマイルストーンとして2030年に全世界でHondaの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者半減をめざします(注2)。これらは、新車だけでなく、登録・届出されたすべてのHondaの二輪車・四輪車が対象となります。
2030年のマイルストーンの実現に向けて、四輪車では、衝突安全性能の強化や先進運転支援システム(ADAS)の進化・普及を推進するとともに、二輪車ではABSやCBSなどの先進ブレーキシステム、視認性・被視認性を高める灯火器の採用を拡大します。これらの進捗状況を把握するため、管理指標(KPI)として、先進国の四輪車(注3)における「Honda SENSING 360」、新興国の四輪車(注4)における「Honda SENSING」、新興国の二輪車(注5)における先進ブレーキシステム(ABS/CBS)など先進安全装備適用率を設定し、目標値を定め、着実に推進します。
指標と目標
(注) 1 Hondaの二輪車・四輪車が関与する交通事故:Hondaの二輪車・四輪車に乗車中に発生した交通事故(歩行者、自転車等の他者との衝突を含む)。ただし、故意による悪質な交通ルール違反や、飲酒・薬物等の使用により自ら正常な運転能力を欠いた状態での事案は除外する。
(注) 2 2020年比で2030年に全世界でHondaの二輪車・四輪車が関与する1万台当たりの交通事故死者数を半減。
(注) 3 日本、米国、中国、欧州
(注) 4 代表測定国:インド、インドネシア、マレーシア、タイ、ブラジル
(注) 5 代表測定国:インド、インドネシア、ベトナム、タイ、ブラジル
(2) 人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標
① 戦略
<当社グループの人的資本経営・人材戦略>
当社グループの人的資本経営とは、全社の方針である「自由な移動の喜びをサステナブルに創造し、夢に向かって動き出そうとする人のパワーになる」の実現に向けて、人と組織の力を引き出し、お客様価値の創出を通じて、将来の競争力と企業価値向上につなげていく取り組みです。Hondaはこれまでも、「人間尊重」を中心に、一人ひとりの内発的動機を起点として、多様な個が融合し、新たな価値を生み出すことを重視してきました。
一方で、当社グループを取り巻く事業環境は、市場構造の変化、技術進化の加速、AI前提の業務・意思決定への転換、不確実性の高まりなどにより、大きく変化しています。加えて、事業戦略の見直しや財務状況の変化を踏まえ、経営資源の配分や事業運営のあり方についても、従来以上に選択と集中が求められる局面にあります。こうした環境下においても、当社グループは、人と組織への取り組みを短期的な収益状況に応じて変動させる対象ではなく、中長期的な競争力を支える重要な基盤と位置づけ、人的資本の価値最大化に継続して取り組んでいきます。
そのため人的資本についても、従来の状態把握や注力領域への投入状況にとどまらず、人と組織への取り組みがお客様価値の創出にどのようにつながっているかを、より一貫して捉えていく必要があります。こうした認識のもと、当社グループでは、人的資本経営において中長期・短中期の観点から達成すべき二つの人材マテリアリティ(注1)を設定しています。
一つ目は、中長期の視点での「従業員の内発的動機の喚起と多様な個の融合」です。一人ひとりがHondaを通じて実現したい夢を持ち、その挑戦がお客様価値の創出につながる状態をめざすとともに、多様な個が尊重され、安心して意見を交わし、力を発揮できる組織風土の醸成を進めています。これは、Hondaらしい価値創出の源泉である人と組織の力を、永続的に高めていくための重要な取り組みです。
二つ目は、短中期の視点での「将来の競争力を支える人と組織基盤の強化」です。事業環境が大きく変化し、短期的な業績変動や不確実性が高まる局面においても、将来の価値創出を支える人材基盤の構築を止めないことが重要であると考えています。そのため、当社グループでは人材に関する取り組みを短期的な収益状況に応じて見直すものではなく、将来の競争力を形づくる先行投資として位置づけ、その水準と継続性を把握していきます。
さらに、人材マテリアリティごとに主要テーマを設定し、経営管理指標(注2)および2031年3月期までの目標、ならびに注力して取り組むべき施策を定めることで、その実現に向けた活動を推進しています。なお、2025年3月期から「人・組織」についての重要課題を検討する経営会議の諮問機関を設け、経営戦略・事業戦略と人材戦略の連動を一層高めています。
(注) 1 マテリアリティ:持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、当社グループのめざす方向性に照らし優先順位を付けたうえで選定した「重要テーマ」において、特に注力していくべき課題。
(注) 2 経営管理指標:取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPI。戦略に基づく指標ごとに対象範囲を設定し、グローバル(国内労働協約適用会社および海外連結子会社)と日本(国内労働協約適用会社)に区分しています。
② 指標及び目標
<人材マテリアリティ(中長期観点):従業員の内発的動機の喚起と多様な個の融合>
- 主要テーマ①価値創出行動を促す人マネジメントの進化と組織活性化
・経営管理指標(KGI)および実績/目標
(注) 1 本指標の対象範囲は日本国内の労働協約適用会社および海外連結子会社です。
(注) 2 2027年3月期より算定方法を見直しているため、2026年3月期の実績値および目標値は参考値として従来の算定方法による値を記載しています。
・経営管理指標(KGI)の考え方
当社グループではHondaを通じて実現したい夢を持ち、それに向けて挑戦する意思があることに加え、お客様視点に立って行動していること、ならびに上司がその挑戦を後押ししていることが、価値創出行動の発現において重要であると考えています。当社グループはこれまでもお客様視点を重視してきましたが、事業環境や経営課題の変化を踏まえ、これまで以上にその重要性を高め、人的資本の取り組みと価値創出とのつながりをより明確に把握していく必要があると考えています。こうした考えのもと、従来の「従業員の内発的動機」および「マネジメントの支援意欲・後押し」に加え、「お客様視点の価値創出行動」をより明示的に反映した指標として、従業員エンゲージメントスコアを設定しています。これにより、Hondaの核である「夢」を起点としながら、その挑戦がお客様価値の創出につながっている状態を継続的に把握していきます。
・計算式
各地域で実施している従業員サーベイ(1回/年)における、「高い目標に向けて挑戦する意思」、「お客様視点に立った行動」および「上司による挑戦への積極的な支援」に関する三つの設問について、各設問の肯定的回答率(5段階中4と5の回答割合)を用いて算出しています。
なお、2027年3月期より、お客様視点の価値創出行動をより明示的に反映するため、「お客様視点に立った行動」に関する設問を追加するなど、算定方法を見直しています。
- 主要テーマ②多様な個が融合し活躍できる組織風土の醸成
・経営管理指標(KPI)および実績/目標
(注) 女性管理職数比率は国内労働協約適用会社のみを対象とした指標
・経営管理指標(KPI)の考え方
(インクルージョンスコア)
当社グループでは、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の実現を通じて、多様な個が尊重され、受け入れられ、安心して力を発揮できる状態を、価値創出を支える重要な基盤であると考えています。こうした考えのもと、職場におけるインクルージョンの浸透度を把握するため、インクルージョンスコアを設定しています。
(女性管理職数比率)
日本においては、女性管理職数比率を、多様な人材の登用・活躍状況を示す補完的な指標として活用しています。これにより、組織風土としてのインクルージョンの浸透度に加え、多様性の進展状況についても継続的に確認していきます。
・計算式
(インクルージョンスコア)
各地域で実施している従業員サーベイ(1回/年)において「多様性受容度」「組織内での帰属意識・個の発揮」「心理的安全性」に関する設問スコアの平均値より算出しています。
(女性管理職数比率)
日本において2021年3月期時点の女性の管理職数に対する倍数。
<人材マテリアリティ(短中期観点):将来の競争力を支える人と組織基盤の強化>
- 主要テーマ③将来の価値創出を支える人的資本投資
・経営管理指標(KPI)および実績/目標
・経営管理指標(KPI)の考え方
当社グループでは、将来の競争力を支える人と組織基盤を強化するためには、人材施策の取り組みを、単年度の収益状況に応じて変動する対象ではなく、将来の価値創出に向けた先行投資として継続することが重要であると考えています。こうした考えのもと、全社として人材にどの程度資源を投下しているかを把握するため、人的資本投資額を設定しています。
また、経営管理指標としては全社で実施する人的資本投資の総額を捉え、その内数として注力領域への投資額を把握することで、人材投資の総量と重点配分の双方を継続的に確認していきます。
・計算式
人的資本投資額は、採用、育成、配置・活用支援、定着、HRインフラ整備等に係る投資額を合算して算出しています。なお、注力領域への投資額については、人的資本投資額の内数として別途把握しています。
(3) 気候変動対応 (TCFDに基づく気候関連財務情報開示)
当社グループは金融安定理事会(FSB:Financial Stability Board)により設置されたTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同しており、TCFDが提言する情報開示フレームワークに沿った開示を行っています。
①ガバナンス
「(1)サステナビリティ関連財務開示 ①ガバナンス」を参照ください。
②リスク管理
当社グループでは、リスクマネジメント委員会において事業運営上重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論などを行っています。気候変動関連リスクである、気候変動に起因する環境規制に関わるリスクや自然災害等リスクについてもこの管理・監視項目の中で把握し、組織特性を踏まえたより効果的なリスクマネジメント活動の展開をはかっています。コーポレート戦略本部では、全社重点リスク等の社内のリスク認識に加え、社外のリスクトレンドも反映のうえ、TCFD提言に基づいたシナリオ分析を行い、気候変動関連リスクを評価・特定しています。気候変動関連リスクに関するシナリオ分析の結果は、リスクマネジメント委員会へ共有しています。気候変動関連リスクへの対応は、コーポレート戦略本部、事業本部、地域本部を中心に、各本部・統括部、各子会社および「部門横断タスクフォース」で推進しています。気候変動関連リスクへの対応を含むリスクマネジメントに関する重要事項については、リスクマネジメント委員会で審議しており、実施内容については経営会議で適宜報告されています。リスクマネジメント活動におけるリスク評価・管理プロセスについては「(1) サステナビリティ関連財務開示 ②リスク管理」を参照ください。
③戦略
(気候関連のリスク及び機会の識別)
当社グループの事業活動および見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスクおよび機会を、移行リスクについては、低炭素社会への急速な移行が進展する1.5℃シナリオ、物理リスクについては気候変動対策が十分に進まない4℃シナリオを想定し、以下のとおり識別しています。
<主なリスク>
<主な機会>
(注) 1 当社グループは、戦略的意思決定に用いる計画期間との整合性を鑑みて、これらのリスクおよび機会の影響が生じると合理的に見込み得る時間軸を以下のとおり定義しています。
短期:当連結会計年度末から1年以内(年度ごとの実行計画期間) 中期:短期終了後から2031年3月期まで(中期経営計画期間) 長期:中期終了後から2050年(カーボンニュートラルの実現に向けた基準年)
(注) 2 当社グループは、リスク及び機会の影響度として、財務的影響が算定可能なものは金額基準を、その他は定性的な閾値を適用し、評価を実施しています。
大:1,000億円以上または全社規模の影響 中:100億円以上1,000億円未満または複数地域にまたがる影響 小:25億円以上100億円未満または特定の地域内での影響
(ビジネスモデル及びバリューチェーンに与える影響)
<気候関連のリスク及び機会が集中している部分>
当社グループの温室効果ガス排出量の大半は、製品使用時におけるCO2です。このため、気候関連の移行リスクのうち、燃費規制未達による罰金支払いや販売停止のリスクについては四輪事業に、また、燃費規制強化等によるICE新車販売台数減のリスクについては二輪事業および四輪事業に、気候関連のリスクおよび関連する機会が集中していると認識しています。
当社グループの温室効果ガス排出量の残りは、企業活動による直接排出および間接排出ならびに資源採掘・廃棄等に関わる排出です。これらの領域に、炭素税や排出権取引(ETS)の導入による費用負担増のリスクおよび関連する機会が集中しています。
また、当社グループは製造工程において水利用を伴う事業モデルであることから、自然災害に伴う水リスクを主な気候関連の物理的リスクとして認識しています。当社グループの完成車工場が所在する地域のうち、インド、タイ、ベトナムおよびメキシコについては洪水リスクが高く、物理的リスクが集中している地域であると認識しています。
<気候関連のリスク及び機会が現在・将来へ与える影響>
当社グループは2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、影響度の大きい製品使用のCO2排出と、自社企業活動の責任領域である企業活動のCO2排出の削減をマイルストーンに設定し、優先的に推進しています。
自動車業界を取り巻く環境は日々激しく変化し、環境規制の変化や通商政策動向の変化など、事業環境の不透明さが増していますが、中長期的に燃費規制やZEV規制が強化された場合は、ICEの新車販売台数の減少や、規制未達による罰金等や販売停止のリスクが生じる可能性があります。
当社グループは地域ごとの市場環境、需要動向を見極めながら、EV、ハイブリッド車、カーボンニュートラル燃料、カーボンオフセット技術などを組み合わせた多角的なアプローチを加速させます。
また、自社の企業活動に伴うCO2排出については、今後導入が予想される炭素税・排出権取引(ETS)の導入により、税務負担など財務面での影響を受けるリスクがあります。
自社企業活動の責任領域である企業活動のCO2排出削減に対しては、①生産効率の向上と省エネルギー施策の実施、②生産設備の電化、③再生可能エネルギーの活用を3つの主な技術・ノウハウとして、自社の企業活動によるCO2排出削減を実施していきます。
加えて、自社の企業活動だけではなく、素材・部品調達から設計・開発・生産・輸送・販売・使用・廃棄段階に至るまでのライフサイクル全体を対象とし、グローバルに展開する多くのパートナーとともにCO2削減の施策に取り組んでいきます。
(戦略及び意思決定に与える影響)
<気候関連の移行リスク及び機会への対応>
当社グループは、2050年のカーボンニュートラル実現にむけて、EVをはじめとする電動化を長期的な気候関連の機会として位置付けています。一方で、当社グループでは足元需要動向を見据えたパワートレーンポートフォリオの見直しを行い、当面は需要の高いハイブリッド車を主軸に環境対応を行うため、開発・生産リソースを再配分する意思決定を行っています。
これらの意思決定にあたっては、電動化によるCO2排出削減の加速と、市場環境との間で生じるトレードオフを考慮しています。
当社グループでは、地域ごとの市場環境や、需要動向を見極めながら、EV、ハイブリッド車、カーボンニュートラル燃料、カーボンオフセット技術などを組み合わせた多角的なアプローチを加速させます。EVについては、さらに競争力のあるEVハードウェアプラットフォームの導入や全固体電池の研究開発についても引き続き進めていきます。また、短中期的には内燃機関搭載製品の販売も継続する計画であることから、二輪・四輪・パワープロダクツ製品の環境性能向上にも継続的に取り組みます。
製品の電動化によってCO2排出削減は進みますが、各国・地域の再生可能エネルギーの普及・適用状況によっては、電動製品使用によるCO2排出が残ります。また、既存車も含めた内燃機関搭載製品に関しては、カーボンニュートラル燃料の普及へ対応していくことも必要と認識しています。
そのために当社グループは、製品使用段階におけるCO2排出削減に取り組むとともに、再生可能エネルギーの自社利用だけにとどまらず、エネルギーのクリーン化の促進に向けた渉外活動にも取り組んでいきます。当社グループは、お客様へのクリーンエネルギー供給に直接的に携わることも視野に入れながら、社会全体のクリーンエネルギー化の拡大に貢献していきます。
当社グループは、実質的なCO2排出ゼロに到達した生産拠点を「カーボンニュートラル工場」と定義し、企業活動のCO2削減の取り組みを進めています。四輪車の生産拠点である埼玉製作所完成車工場では①生産効率の向上と省エネルギー施策の実施、②生産設備の電化、③再生可能エネルギーの活用という3つの主な技術・ノウハウを適用することで、2026年3月期第4四半期より当社グループ初のカーボンニュートラル工場を実現し、操業しています。当社グループは、全世界の四輪生産拠点でカーボンニュートラル工場を実現することをめざし、取り組みを進めていきます。
2050年カーボンニュートラルに向けた移行計画については、「(1)サステナビリティ関連財務開示 ③戦略」を、投入資源に関しては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照ください。
<事業別の主な対応計画・進捗>
二輪事業では、2025年11月のEICMA(ミラノショー)で初の電動モーターサイクル「Honda WN7」を公開し、欧州市場への供給を開始しました。2026年1月には固定式バッテリー搭載の「Honda UC3」をタイとベトナムで発売しました。両国では固定式バッテリー搭載車用の二輪CHAdeMO充電ステーションを整備しながら、交換式バッテリーステーションの設置も進め、充電インフラの拡充を図ります。
四輪事業では、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、市場環境の変化に柔軟に対応しながら、電動製品の普及による確実なCO2削減を推進しています。
EV領域では、2025年9月に発売した「N-ONE e:」を皮切りに、2026年には「Super-ONE」を日本、英国、アジア各国で順次展開します。さらに、2027年にはグローバル戦略車「Honda 0 α」を日本やインドを中心に投入します。一方で、高効率なハイブリッド技術の活用も強化しています。2025年9月発売の「PRELUDE」に加え、独自に開発を進める次世代のハイブリッドシステム技術を応用し、特に北米市場で需要の高い中・大型車セグメントを中心に適用を拡大します。
<気候関連の物理的リスクと適応策>
当社グループでは「AQUEDUCT」や「Water Risk Filter」などの評価指標に、浸水解析(CaMa-Flood(注))やハザードマップによる評価補正を行い、洪水などによる操業リスクを評価し、評価結果は、拠点ごとの対策検討や改善計画の立案に活用しています。
物理的リスクの高い地域にある各拠点では、事業への影響を軽減する措置として、拠点建設時の高低差確保、増水時における下水管等からの逆流防止策の実施に加え、内水氾濫防止に向けた排水能力の強化などの対策を実施しています。また、渇水や枯渇リスクについては、節水対策や、取水/排水規制が厳しい地域に対するリサイクル設備の導入等で対策をしています。これらの取り組みにより、拠点ごとの操業リスク軽減を図っています。
(注) CaMa-Flood:河川流量や氾濫を推定するための全球規模の氾濫解析モデル
(気候レジリエンス)
当社グループは、当連結会計年度における気候関連リスク評価プロセスの一環として、毎年気候関連のシナリオ分析を実施しています。当有価証券報告書に記載の内容は直近の報告期間に実施した分析結果に基づいています。
<シナリオ分析の概要>
当社グループでは、気候変動が事業に与える影響を評価・考察するため、パリ協定の目標である「産業革命前からの気温上昇を1.5℃未満に抑える」ことを想定した政策移行の影響が大きいシナリオ(1.5℃シナリオ)および環境規制が強化されず物理リスクが高まるシナリオ(4℃シナリオ)を選択し、シナリオ分析を実施しています。
シナリオ分析では、対象範囲を当社グループの二輪・四輪・パワープロダクツ事業に加え、これら事業が活動する拠点とし、気候変動関連移行リスクと物理リスクならびに機会を検討のうえ、シナリオ下における中長期の財務的影響を可能な限り定量化しました。なお、影響度の定量化において、移行リスクは中期および長期、物理リスクは長期の時間軸を用いています。
各シナリオ下において想定される主要な仮定は以下のとおりです。
■ 1.5℃シナリオ
1.5℃シナリオでは、IEA(国際エネルギー機関)の「Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)」およびIPCC(気候変動に関する政府間パネル)のAR6「SSP1-1.9」の報告内容を参考にしました。本シナリオでは、長期的には世界全体で2050年カーボンニュートラルに向けた施策が推進され、新技術の開発や利用の促進により脱炭素製品が広く普及することや、再生可能エネルギーの利用が拡大することが想定されます。EV普及の前提となる各地域での環境規制の変化などによるEV市場拡大スピードの鈍化や通商政策動向の変化など、事業環境の不透明さが増していますが、長期的には燃費・ZEV規制が強化され、先進国を中心にEVやFCEVの需要が増加すると想定されます。
■ 4℃シナリオ
4℃シナリオはIPCCのAR6「SSP3-7.0」を参考にしました。本シナリオでは、温室効果ガス排出が高水準で継続することにより気温上昇が進行し、その結果、台風や洪水等の極端な気象現象の頻発化・激甚化、降雨パターンの変化や海面上昇など、物理的リスクの顕在化が進展することが想定されます。
④指標及び目標
当社グループの気候関連目標は以下のとおりです。
(温室効果ガス排出目標)
当社グループは、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指して、当社グループのスコープ1、スコープ2温室効果ガスおよびスコープ3温室効果ガス排出(カテゴリー11)を対象として、2031年3月期を目標年度とする目標を設定しています。
企業活動CO2排出総量削減率は、総量ベースの絶対量目標として設定しています。
本目標はパリ協定を踏まえ、2020年3月期比で温室効果ガス排出量を46%削減することをめざすものであり、CO2(二酸化炭素)、CH₄(メタン)、N₂O(一酸化二窒素)、HFCs(ハイドロフルオロカーボン類)、PFCs(パーフルオロカーボン類)、SF₆(六フッ化硫黄)およびNF₃(三フッ化窒素)を対象としたスコープ1の温室効果ガス排出量ならびにスコープ2の温室効果ガス排出量(マーケット基準)に対して設定しています。
設定においては、科学的根拠に基づくCO2削減目標(Science Based Targets、以下 SBT)のセクター別炭素アプローチを用いておりませんが、SBTのクロスセクター絶対量削減アプローチを用いて算出しています。
また、当社グループは、影響度の大きい製品使用段階におけるCO2排出への対応に向けて、CO2に関するスコープ3温室効果ガス排出(カテゴリー11)を対象として製品CO2総量目標および製品CO2排出原単位削減率(2020年3月期比)目標を設定しています。
当該目標は、パリ協定の考え方およびSBTにおけるセクター別炭素アプローチを参考にしています。
当社グループは、様々な施策や工夫を行い、CO2排出の抑制や削減に取り組んでいますが、CO2排出のゼロ化が困難なものも一部想定されるため、どうしても排出されるCO2については、高品質なクレジットなどの活用も選択肢の一つとして考え、気候変動への対応を進めていきます。
<目標設定、レビュー、モニタリング方法>
当社グループがめざす姿を実現するため、2050年での野心的目標の達成に向けた注力すべき重要テーマを設定し、5年おきに10年後の目標を設定した上で、毎年、単年での目標設定と戦略の策定・実行・評価を行っていく経営管理としています。
当社グループは、目標に対する進捗を把握するため、各管理指標を設定しており、取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPIは、取締役会や経営会議が進捗を定期的にモニタリングすることで、経営ガバナンスの強化を図っています。
また、当社グループは、取締役会および経営会議によるモニタリング機能を発揮し、事業環境の変化を踏まえ、適宜目標の変更要否について検討を行っています。なお、上記の目標および目標設定の方法論について、第三者の認証を受けていません。
当連結会計年度および当連結会計年度の末日から当有価証券報告書提出日までの期間の気候関連の目標見直し内容は、「(1)サステナビリティ関連財務開示 ④指標及び目標」を参照ください。
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社グループでは、リスクマネジメント委員会において事業運営上重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論などを行っています。以下のリスクも同委員会で審議のうえ特定されたものです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
(1) 地政学的リスク
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、それらの国や近隣地域での関税、輸出入規制、租税を含む現地法令・制度・協定・商習慣の変化、戦争・テロ・政情不安・治安の悪化、政治体制の変化、ストライキなど様々なリスクにさらされています。これら予期せぬ事象が発生し、政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりに伴いサプライチェーンが寸断されるなど、事業活動の遅延・停止が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
その中でも、主に①経済安全保障、②国家間・地域紛争、③人権に関する法規の3つの地政学的リスクを認識しています。これらの地政学的リスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、人的資本経営の進化、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。これらの地政学的リスクが将来及ぼしうる各地域の事業規模については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」を参照ください。
① 経済安全保障
<リスク>
各国において重要資源・部品、先端技術などに対する輸出入規制、ブロック化を促進する政策の強化の動きが活発化しています。
2025年に米国にて様々な政策転換がなされており、各国の通商政策において不透明な状況が続いています。当社グループにおいても各国による関税影響および輸出規制に伴う半導体の供給不足に伴う事業影響が当連結会計年度に発生しました。
各国において輸出入および環境規制などに関する政策が変更された場合、生産活動の停滞や遅延、開発・購買・営業などの事業活動にかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。なお、米国における政府方針転換や市場環境の変化を受け、当社は当連結会計年度を通じてEVモデル商品投入計画の見直しや四輪電動化戦略の見直しを行いました。本リスクへの対応については(4)市場環境変化リスクを参照ください。
<対応策>
当社グループにおいては、国内および海外の各部門が連携し各国の政策動向などの情報収集・モニタリングするインテリジェンス機能を強化するとともに、当社グループの事業に影響を与える可能性がある案件が確認された場合は、リスクマネジメント委員会が先行的に検討を行うことで、早期にリスクヘッジできる体制を構築しています。
② 国家間・地域紛争
<リスク>
ウクライナ、中東および南シナ海等、国際情勢の見通しが不透明な状況が続いています。新たな紛争が発生および長期化した場合、発生した国や地域のみならず、それ以外の国や地域でも、人的および物的被害、サプライチェーンの寸断あるいは調達価格の高騰、事業活動の停止などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。なお、中東情勢の影響もあり世界的に材料価格が高騰しており、当社の業績にも悪影響を及ぼすことが見込まれます。
<対応策>
当社グループにおいては、国家間・地域紛争の動向などの情報収集・モニタリングするインテリジェンス機能を強化するとともに、当社グループの事業に影響を与える可能性がある事象が確認された場合は、「人命・安全の確保」および「社会からの信頼の維持」を前提としたうえで、当社グループの会社資産・体制の保全、事業継続をはかるための対応を迅速に行っています。
③ 人権に関する法規
<リスク>
各国において、企業に人権の取り組みを求める法規の制定が進んでおり、サプライチェーン全体での人権リスク対応の必要性が急速に高まっています。これらの法規に対して適時適切な対応が出来なかった場合、ブランドイメージや社会的信用の低下に加え、当社グループの生産活動の停滞や遅延、開発・購買・営業などの事業活動にかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、「Hondaフィロソフィー」に掲げる人間尊重の基本理念のもと、事業活動において影響を受けるステークホルダーの人権を尊重する責任を果たすため、「Honda人権方針」を定めています。本方針に基づき、人権デューデリジェンス、適切な教育・啓発活動の実施など、各国法規を踏まえ自社およびサプライチェーンにおける取り組みを行っています。
(2) 購買・調達リスク
<リスク>
当社グループは、良い物を、適正な価格で、タイムリーにかつ永続的に調達することをめざして、多数の外部の取引先から原材料および部品を購入していますが、製品の製造において使用するいくつかの原材料および部品については、特定の取引先に依存しています。効率的かつ適正なコストで継続的に供給を受けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。それらの要因のなかには、取引先が継続的に原材料および部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって、当社グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。
取引先から原材料および部品が継続的に供給を受けられなかった場合、原材料および部品の価格が上昇した場合、もしくは主要な取引先を失った場合、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。なお、一部の原材料および部品において価格上昇が既に発生しており、また、電動化の加速により、バッテリーに用いられるニッケル、リチウム、コバルトの需要が急拡大する中、鉱物資源などの供給不足によるバッテリー価格の高騰やAI技術の発展等に伴う半導体・メモリ等供給不足も懸念されています。特に、中国における希土類(レアアース)の輸出規制に関して、当社グループへの影響を精査しています。また、取引先から供給された部品に起因する当社グループ製品の品質不具合が発生した場合、お客様の安心、安全を脅かすとともに当社グループのブランドイメージが毀損され、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
これらの購買・調達リスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
<対応策>
当社グループにおいては、事業、業績への影響を最小化するため、サプライチェーンの見直しおよび強化を継続的に行っています。部品の供給状況についてモニタリングを行い、当社グループの生産などの事業活動に悪影響を与える可能性がある事象が発生した場合には、取引先と連携し事業継続の観点から事業、業績への影響を最小化するための対応を速やかに実施しています。
(3) 情報セキュリティリスク
<リスク>
当社グループは、委託先によって管理されているものを含め、事業活動および当社製品において様々な情報システムやネットワークを利用しています。特にAI技術の活用を含む自動運転や安全運転支援システム、デジタルサービスに代表されるソフトウェア領域のニーズが高まっています。
当社グループにおいてAIを活用した技術研究にも取り組んでいますが、AIには生産効率向上の側面も期待している一方で意図せぬ第三者の権利の侵害や誤情報の拡散、情報漏洩等へつながる恐れもあります。加えて、サイバー攻撃は攻撃手法の高度化、複雑化が進んでおり、その攻撃対象は世界各国に渡っています。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
また、近年世界各国で個人情報保護規則が急速に整備されています。新たな価値創造への取り組みにおいては、従来の事業と比べ取り扱う個人情報の量と質が異なる可能性があるため、個人情報保護に向けた対策の重要性は高まっています。
当社グループ、取引先および委託先におけるサイバーセキュリティリスクのほか、機器の不具合、管理上の不備や人為的な過失、さらには自然災害やインフラ障害等の不測の事態により、当社グループの重要な業務やサービスの停止、機密情報・個人情報等の漏洩、不適切な事務処理、あるいは重要データの破壊、改ざん等が発生する可能性があります。
このような事象が起きた場合、ブランドイメージや社会的信用の低下、影響を受けた顧客やその他の関係者への損害責任、制裁金の支払い、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、事業、業績への悪影響を最小化するため、情報システムのセキュリティに関する管理体制および基準を定めています。本基準に基づき、ハード面およびソフト面でのセキュリティ対策を実施し、情報システムのセキュリティ強化を図っています。なお、サイバーセキュリティリスクに対しては、上記に加え、品質改革本部ならびにコーポレート戦略本部内にそれぞれ設置している主管部門を中心に、業務・生産システム、ソフトウェア、品質などの領域を横断する対応体制を構築しています。
また、法規を踏まえた規程・手順書などの整備、対応フロー策定、サイバーセキュリティに関する演習を通じた改善点の検証・対策、人材育成などを行っているほか、セキュリティ情報およびイベント情報の管理、悪意のあるアクティビティの監視のためのソリューションを活用し、サイバー攻撃の脅威および脆弱性の監視・分析を行っています。なお、サードパーティのパッケージ製品やクラウドサービスの導入に際しては、定められたセキュリティ基準に基づいてリスクを評価し、導入判断および導入後の年次確認を行っています。
生産設備やサプライヤーへのサイバー攻撃に対しても同様に、国内外の各拠点の生産設備やサプライヤーのセキュリティ対策状況についての検証を行うとともに、検証結果を踏まえ、セキュリティ情報およびイベント情報の管理、悪意のあるアクティビティの監視のためのソリューション導入支援等のセキュリティ強化に向けた対策を行っています。このようなセキュリティ強化のための活動については、セキュリティに関するコンサルティング会社や外部スペシャリストと業務委託契約を締結し、支援を受けています。
また、各国における個人情報保護規則やサイバーセキュリティ関連法規に対しては、現行の規制のほか、今後施行が見込まれている規則の動向などの情報収集・モニタリングを実施したうえで対応を行っています。
なお、当社グループに重大な影響を与えるサイバー攻撃に関するセキュリティインシデントが発生した場合には、リスクマネジメントオフィサーの監視、監督のもとグローバル危機対策本部を設置し、サイバーセキュリティリスクに対する主管部門が中心となり迅速に実態把握を行ったうえで、影響を最小化するための対応を全社横断的な観点で実施します。
(4) 市場環境変化リスク
<リスク>
当社グループは、世界各国で事業を展開しており、市場の長期にわたる経済低迷、消費者の価値観、ニーズの変化や、燃料価格の上昇および金融危機、原材料の高騰・供給量低下による製品価格上昇などによる購買意欲の低下、他社との競争激化は、当社グループの製品の需要低下につながり、当社グループの事業、業績、将来戦略に悪影響を与える可能性があります。
特に中国企業等の新興勢力の台頭などによる競争激化、北米や欧州における環境政策の変化、米国政府による追加関税導入に伴う世界的な貿易戦争や輸入規制の拡大等、自動車業界は大きな変革期にあり、将来の確実な予測は困難な状態にあります。このような市場環境変化を背景として、当連結会計年度を通じてEVモデルの商品投入計画の見直しや四輪電動化戦略の見直しを行いました。当該見直しに関する損失および費用につきましては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 財務戦略」を参照ください。当社グループがこれら市場・需要の変化に競争力をもって適切に対応できない場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
これらの変化に適応すべく、優先的に対処すべき課題として5つの重要テーマを策定し、注力領域の人材の量的・質的充足等の対応を進めています。詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」を参照ください。
(5) 他社との業務提携・合弁リスク
<リスク>
当社グループは、相乗効果や効率化などを期待、もしくは事業展開している国の要件に従う場合に、他社と業務提携・合弁による事業運営を行っています。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みを進めるにあたっては、業務提携・合弁の活用は不可欠と考えており、今後も業務提携・合弁を進めていきます。
業務提携・合弁において、当事者間における利害の不一致、利益や技術の流出、意思決定の遅れ、業務提携・合弁先の業績不振が生じた場合、あるいは業務提携・合弁の内容に関する変更や解消が生じた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、中長期の事業戦略に基づき業務提携・合弁の戦略を議論・策定したうえで、デューデリジェンスを通じた情報収集・リスク検証を行っています。契約締結後においても業務提携・合弁に関する運営状況のモニタリングを行い、当社グループの事業、業績への影響が発生する可能性がある場合には、業務提携・合弁先と連携し影響を最小化するための対応を行っています。
(6) 環境に関わるリスク
<リスク>
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、気候変動、資源枯渇、大気汚染、水質汚染、生物多様性などをはじめとする環境に関する様々なリスクの可能性を認識しています。また、これらに関する様々な政策および規制の適用を受けています。
その中でも気候変動および燃費・排出ガスに関する政策および規制について、世界各国で見直しが実施もしくは今後予定されています。見直しの動向によっては、二輪事業、四輪事業、パワープロダクツ事業及びその他の事業において、生産・開発・購買・営業などにかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
これらの環境に関わるリスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
なお、気候変動に関するリスクと機会については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 気候変動対応(TCFDに基づく気候関連財務情報開示)」を参照ください。
<対応策>
当社グループにおいては、製品だけでなく企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロ社会の実現に向け、カーボンニュートラル、クリーンエネルギー、リソースサーキュレーション、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」に関する取り組みを行っています。詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 気候変動対応(TCFDに基づく気候関連財務情報開示)」を参照ください。
また、上記の政策および規制に対しては、国内および海外の各部門が連携し情報収集・モニタリングを実施するとともに、それらの状況に基づく最適な生産・開発体制の構築などの対応を行っています。
(7) 知的財産リスク
<リスク>
当社グループは、長年にわたり、自社が製造する製品に関連する多数の特許および商標を保有し、もしくはその権利を取得しています。当社グループにおいては、「新たな成長・価値創造を可能とする企業への変革」を支えるため、パワーユニットのカーボンニュートラル化、エネルギーマネジメントシステム、リソースサーキュレーション、自動運転・安全運転支援システム、IoT・コネクテッドを注力領域として選定しています。これらの特許および商標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、関連リスクの対策の重要性は高まっています。
当社グループの知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは、広範囲にわたり当社グループの知的財産権が違法に侵害されることによる競争力の低下、さらにはAIの導入による意図せぬ第三者の知的財産権の侵害などに起因する訴訟もしくは特許権侵害訴訟による製造・販売の差し止めや高額の損害賠償金、ライセンス料の請求によって、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、外部の専門家、取引先と連携し、特許保有者からの特許権侵害訴訟を想定した対策を実施しています。また、関連法規の動向を注視・分析し、将来の法的手続で不利な判断がなされた場合など当社グループの事業、業績への悪影響が発生する可能性がある場合には、影響を最小化するための対応を行っています。
(8) 自然災害等リスク
<リスク>
地震、風水害、感染症などの発生時に当社グループの拠点や従業員が被害を受け、生産・開発・購買・営業などの事業活動の停止・遅延が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。また、これらの事象によって取引先が被害を受けた場合、あるいはインフラの停止が発生した場合にも、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
加えて、世界各国において、気候変動の影響などにより気象災害が激甚化・頻発化しており、この傾向は今後も継続すると予想されます。その結果、これらの災害が当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、事業、業績への影響を最小化するため、これらの事象のリスク評価や事業継続計画(BCP)の策定および定期的な見直しを行っています。また、各国で顕在化した事象に基づき、対応体制および規程・手順書の見直し、訓練実施による改善点の検証・対策などを行っています。
なお、当社グループに重大な影響を与える事象が発生した場合には、グローバル危機対策本部を設置し、各地域の情報収集および影響の最小化に向けた対応を全社横断的な観点で実施します。
(9) 金融・経済リスク
<リスク>
① 経済動向、景気変動
当社グループは、世界各国で事業を展開しており、様々な地域、国で生産活動を行い、製品を販売しています。これらの事業活動は経済低迷、景気変動などの影響を受けることで、市場の縮小による販売台数の減少、部品調達価格および製品の販売価格の上昇、信用リスクの上昇、資金調達金利の上昇などに繋がる可能性があります。その結果として当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
② 為替変動
当社グループは、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品の多くを複数の国に輸出しています。各国における生産および販売では、外貨建てで購入する原材料および部品や、販売する製品および部品があります。したがって、為替変動は、購入価格や販売価格の設定に影響し、その結果、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、金融・経済などの動向をモニタリングし当社グループに対する事業影響を把握するとともに、事業計画に反映し、対応を実施しています。
(10) 金融事業特有のリスク
当社グループの金融サービス事業は、お客様に様々な資金調達プログラムを提供しており、それらは、製品の販売をサポートしています。しかしながら、お客様は当社グループの金融サービス事業からではなく、競合する他の銀行およびリース会社等を通して、製品の購入またはリースの資金を調達することができます。当社グループが提供する金融サービスは、残存価額および資本コストに関するリスク、信用リスク、資金調達リスクなどを伴います。お客様獲得に関する競合および上記金融事業特有のリスクは、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(11) 法務リスク
当社グループは、訴訟、関連法規に基づく様々な調査、法的手続を受ける可能性があります。係争中、または将来の法的手続で不利な判断がなされた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(12) 退職後給付に関わるリスク
当社グループは、各種退職給付および年金制度を有しています。これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。確定給付制度債務および確定給付費用は、割引率や昇給率などの様々な仮定に基づいて算出されています。仮定の変更は将来の確定給付費用、確定給付制度債務および制度への必要拠出額に影響を与えることにより、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(13) ブランドイメージに関連するリスク
当社グループのブランドに対するお客様や当社グループを取り巻く社会からの信頼・支持が、企業の永続性において重要な要素の一つとなっています。このブランドイメージを支えるため、製品の品質や法規制への対応、リスク管理の実施、内部統制の充実などあらゆる企業活動において常に社会からの信頼に応えられるように努めています。しかしながら予測できない事象により、当社グループのブランドイメージを毀損した場合や迅速で適切な情報発信などの対応が実施出来なかった場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
これらのブランドイメージに関連するリスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、ブランド価値の向上への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
なお、当社が過去に販売した四輪車について、型式指定申請時の認証試験に関する不適切な事案があったことを確認し、2024年5月31日に国土交通省に報告しました。今後もコンプライアンスおよびガバナンスの強化をはかり企業活動を行っていきますが、類似した事案が発生した場合には、当社グループのブランドイメージを毀損し、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。なお、これらの事案による法務リスクについては、「(11) 法務リスク」を参照ください。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度の当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」という。)を取り巻く経済環境は、ウクライナ、中東および南シナ海情勢等の国際情勢や各国の通商政策において不透明な状況が続き、一部の地域において弱さがみられるものの、全体としては緩やかな持ち直しが続きました。米国では、設備投資の拡大や堅調な個人消費により、景気は緩やかな拡大が続きました。欧州では、各国間でペースに差があるものの、景気の持ち直しの動きがみられました。アジアの景気においては、インドでは拡大、インドネシアでは緩やかな回復が継続しました。中国、タイでは、景気の持ち直しは限定的でした。日本では、設備投資や個人消費を中心に内需が下支えし、景気は緩やかな回復が継続しました。
主な市場のうち、二輪車市場は前連結会計年度にくらべ、ブラジル、インド、ベトナム、インドネシア、タイで拡大しました。四輪車市場は前連結会計年度にくらべ、タイ、インド、中国、欧州、ブラジルでは拡大しましたが、米国、日本では概ね横ばい、インドネシアでは縮小となりました。
このような中で、当社グループは、「夢」を原動力に、独創的な技術とアイデアによってモビリティを進化させ、より良い社会をリードする総合モビリティカンパニーでありたいと考えています。従来より経営の重要テーマとして掲げてきた「環境」と「安全」に加え、当社グループの成長の原動力である「人」と「技術」、またすべての企業活動の総和ともいえる「ブランド」の5つの非財務領域を重要テーマとして選定し、財務戦略と連携させることで社会的価値・経済的価値の創出に努めてまいりました。研究開発面では、安全・環境技術や商品の魅力向上、モビリティの変革にむけた先進技術開発に、外部とのオープンイノベーションも活用し、積極的に取り組みました。生産面では、生産体質の強化や、グローバルでの需要の変化に対応した生産配置を行いました。販売面では、新価値商品の積極的な投入や、グローバルでの商品の供給などにより、商品ラインアップの充実に取り組みました。
当連結会計年度の連結売上収益は、四輪事業における減少や為替換算による減少影響などはあったものの、二輪事業における増加などにより、21兆7,966億円と前連結会計年度にくらべ0.5%の増収となりました。
営業損失は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、EV関連損失の影響や関税影響などにより、4,143億円と前連結会計年度にくらべ1兆6,278億円の減益となりました。税引前損失は、EV関連損失の影響などにより、4,033億円と前連結会計年度にくらべ1兆7,209億円の減益、親会社の所有者に帰属する当期損失は、4,239億円と前連結会計年度にくらべ1兆2,597億円の減益となりました。なお、EV関連損失の影響については、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報」を参照ください。
事業の種類別セグメントの状況
(二輪事業)
二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加などにより、4兆188億円と前連結会計年度にくらべ10.8%の増収となりました。営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、販売影響や売価およびコスト影響による利益増などにより、7,319億円と前連結会計年度にくらべ10.3%の増益となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車(二輪車・ATV・Side-by-Side)販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。
(四輪事業)
四輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の減少や為替換算による減少影響などにより、13兆8,633億円と前連結会計年度にくらべ2.2%の減収となりました。営業損失は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、EV関連損失の影響や関税影響などにより、1兆4,111億円と前連結会計年度にくらべ1兆6,549億円の減益となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。また、当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジット等が、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して提供された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていませんが、Hondaグループ販売台数には含めています。
(金融サービス事業)
金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、リース車両売却売上の減少や為替換算による減少影響などはあったものの、オペレーティング・リース売上の増加などにより、3兆5,294億円と前連結会計年度にくらべ0.6%の増収となりました。営業利益は、諸経費の増加などにより、2,755億円と前連結会計年度にくらべ12.7%の減益となりました。
(パワープロダクツ事業及びその他の事業)
パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、3,849億円とほぼ前連結会計年度並みとなりました。営業損失は、パワープロダクツ事業の販売影響による利益増などはあったものの、諸経費の増加や為替影響などにより、106億円と前連結会計年度にくらべ12億円の悪化となりました。なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、372億円と前連結会計年度にくらべ16億円の改善となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社のパワープロダクツ販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社のパワープロダクツ販売台数です。なお、当社は、パワープロダクツを販売している持分法適用会社を有しないため、パワープロダクツ事業においては、Hondaグループ販売台数と連結売上台数に差異はありません。
所在地別セグメントの状況
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 国又は地域の区分の方法および各区分に属する主な国
(1) 国又は地域の区分の方法……………地理的近接度によっています。
(2) 各区分に属する主な国………………北米:米国、カナダ、メキシコ
欧州:英国、ドイツ、ベルギー、イタリア、フランス
アジア:タイ、中国、インド、ベトナム、マレーシア
その他の地域:ブラジル、オーストラリア
2 各セグメントの営業利益(△損失)の算出方法は、連結損益計算書における営業利益(△損失)の算出方法と一致しており、持分法による投資損益、金融収益及び金融費用および法人所得税費用を含んでいません。
3 消去の金額は、セグメント間取引消去によるものです。
(日本)
売上収益は、四輪事業における減少などにより、5兆4,492億円と前連結会計年度にくらべ2.4%の減収となりました。営業損失は、EV関連損失の影響などにより、7,650億円と前連結会計年度にくらべ9,561億円の減益となりました。
(北米)
売上収益は、四輪事業における減少や為替換算による減少影響などにより、12兆8,819億円と前連結会計年度にくらべ1.7%の減収となりました。営業損失は、EV関連損失の影響や関税影響などにより、2,273億円と前連結会計年度にくらべ6,625億円の減益となりました。
(欧州)
売上収益は、四輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、1兆155億円と前連結会計年度にくらべ7.3%の増収となりました。営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、販売影響や売価およびコスト影響による利益増などにより、158億円と前連結会計年度にくらべ197.5%の増益となりました。
(アジア)
売上収益は、二輪事業における増加などはあったものの、四輪事業における減少などにより、4兆8,804億円とほぼ前連結会計年度並みとなりました。営業利益は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、EV関連損失の影響や販売影響による利益減などにより、3,525億円と前連結会計年度にくらべ13.6%の減益となりました。
(その他の地域)
売上収益は、二輪事業における増加などにより、1兆4,323億円と前連結会計年度にくらべ16.8%の増収となりました。営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、販売影響による利益増などにより、2,140億円と前連結会計年度にくらべ20.3%の増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5兆1,184億円と前連結会計年度末にくらべ5,896億円の増加となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対する各キャッシュ・フローの増減状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、1兆1,352億円となりました。この営業活動によるキャッシュ・インフローは、部品や原材料の支払いの減少や金融サービスに係る債権の回収の増加などにより、前連結会計年度にくらべ8,431億円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、8,521億円となりました。この投資活動によるキャッシュ・アウトフローは、持分法で会計処理されている投資の取得による支出の減少などにより、前連結会計年度にくらべ898億円の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果減少した資金は、369億円となりました。この財務活動によるキャッシュ・アウトフローは、資金調達に係る債務の返済の減少などはあったものの、資金調達による収入の減少などにより、前連結会計年度にくらべ3,173億円の増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
(生産実績)
(注) 1 生産台数は、当社および連結子会社の完成車の生産台数の合計です。
2 二輪事業には二輪車、ATVおよびSide-by-Sideが含まれています。
3 パワープロダクツ事業及びその他の事業にはパワープロダクツの生産台数を記載しています。
(受注実績)
見込生産のため、大口需要等の特別仕様のものを除いては、受注生産はしていません。
(販売実績)
仕向地別(外部顧客の所在地別)売上収益は、以下のとおりです。
(注) 各事業の主要製品およびサービス、事業形態につきましては、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報」を参照ください。
(2) 経営成績等の状況の分析
当社グループは2050年に、製品だけでなく企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロ社会、全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします。詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」と「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
これらの目標の実現に向けて、適切なタイミングでの戦略的な投資が必要不可欠であると考えています。当社グループは、四輪事業のICE/ハイブリッドモデルの安定した事業基盤及び、二輪事業、金融サービス事業の強固な収益力とキャッシュ創出力を活用し、「知能化」領域への資源投入を継続してくとともに、「電動化」については、短期的な需要の変動を踏まえつつ、需要が再び拡大に転じるタイミングを見据え、長期的な仕込みを継続していきます。
当社グループが展開する事業は厳しい経済・社会環境下に置かれており、その収益性はさまざまな要因により左右されます。足元では、中東における地政学的リスクの高まりや各国の政策動向に関する不確実性が高まっており、当社グループもその動向を注視しています。
このような事業環境変化を背景とし、米国でのEV市場環境変化を踏まえた商品投入計画の見直しの一環として、当連結会計年度を通じ、一部のEVモデルの上市および開発中止、特定のアライアンス契約に基づき共同開発したEVモデルの製造終了や生産台数の減少などを決定してきました。当社グループが認識している課題、リスク事象の詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」「3 事業等のリスク」を参照ください。それらへの対処の過程、結果により販売台数の増減や追加費用などが生じ、将来の収益性に重要な影響を及ぼす可能性があると考えます。
以降の経営成績等の状況の分析は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えた事象や要因を経営者の立場から分析し、説明したものです。
なお、この経営成績等の状況の分析に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、リスクと不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
① 経営成績の分析
当社グループの業績
当連結会計年度の連結売上収益は、四輪事業における減少や為替換算による減少影響などはあったものの、二輪事業における増加などにより、前連結会計年度にくらべ増収となりました。
営業損失は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、EV関連損失の影響や関税影響などにより、減益となりました。
二輪事業の概要
当連結会計年度の連結売上台数は、トルコなどで販売が減少したものの、インドやブラジル、フィリピンなどで増加したことにより、1,467万3千台と前連結会計年度にくらべ7.2%の増加となりました。
四輪事業の概要
当連結会計年度の連結売上台数は、アジア地域などで販売が減少したことにより、271万1千台と前連結会計年度にくらべ4.5%の減少となりました。
パワープロダクツ事業及びその他の事業の概要
当連結会計年度のパワープロダクツ事業の連結売上台数は、欧州地域などで販売が増加したものの、アジア地域などで減少したことにより、358万9千台と前連結会計年度にくらべ3.0%の減少となりました。
(当連結会計年度の連結業績の概況)
売上収益
当連結会計年度の連結売上収益は、四輪事業における減少や為替換算による減少影響などはあったものの、二輪事業における増加などにより、21兆7,966億円と前連結会計年度にくらべ1,078億円、0.5%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約2,554億円、約1.2%の増収と試算されます。
営業費用
営業費用は、22兆2,109億円と前連結会計年度にくらべ1兆7,356億円、8.5%の増加となりました。売上原価は、EV関連損失の影響や関税影響などにより、18兆1,934億円と前連結会計年度にくらべ1兆1,686億円、6.9%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、諸経費の増加などにより、2兆4,768億円と前連結会計年度にくらべ1,258億円、5.4%の増加となりました。研究開発費は、EV関連損失の影響などにより、1兆5,406億円と前連結会計年度にくらべ4,411億円、40.1%の増加となりました。
営業損失
営業損失は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、EV関連損失の影響や関税影響などにより、4,143億円と前連結会計年度にくらべ1兆6,278億円の減益となりました。なお、為替影響約770億円の減益要因を除くと、約1兆5,507億円の減益と試算されます。
ここで記載されている変動要因の各項目については、当社が現在合理的であると判断する分類および分析方法に基づいています。なお、一部の分析項目において、当社および主要な連結子会社を対象に分析しています。
・「為替影響」については、海外連結子会社の財務諸表の円換算時に生じる「為替換算差」と外貨建取引から生じる「実質為替影響」について分析しています。「実質為替影響」については、米ドルなどの取引通貨の、対円および各通貨間における為替影響について分析しています。
・「売価およびコスト影響」については、販売価格の変動影響、コストダウン効果および原材料価格の変動影響などを対象に分析し、当該項目に影響する「為替影響」は除いています。
・「販売影響」については、連結売上台数や機種構成の変化に伴う利益の変動、金融サービス事業の売上収益の変化に伴う利益の変動に加え、その他の売上総利益の変化要因を対象に分析し、当該項目に影響する「為替影響」は除いています。
・「諸経費」については、販売費及び一般管理費の前連結会計年度との差から、当該科目に影響する「為替換算差」を除いて表示しています。
・「研究開発費」については、研究開発費の前連結会計年度との差から、当該科目に影響する「為替換算差」を除いて表示しています。
また、為替影響を除いた試算数値は、当社の連結財務諸表の金額とは異なっており、IFRSに基づくものではなく、IFRSで要求される開示に代わるものではありません。しかしながら、これらの為替影響を除いた試算数値は当社の業績をご理解いただくために有用な追加情報と考えています。
税引前損失
税引前損失は、4,033億円と前連結会計年度にくらべ1兆7,209億円の減益となりました。営業利益の減少を除く要因は、以下のとおりです。
持分法による投資損益は、EV関連損失の影響などにより、1,630億円の減益要因となりました。
金融収益及び金融費用は、デリバティブから生じる損益の影響などにより、699億円の増益要因となりました。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「22 金融収益及び金融費用」を参照ください。
法人所得税費用
法人所得税費用は、502億円(貸方)と前連結会計年度にくらべ4,648億円の減少となりました。また、当連結会計年度の平均実際負担税率は、前連結会計年度より19.0ポイント低い12.5%となりました。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「23 法人所得税 (1) 法人所得税費用」を参照ください。
当期損失
当期損失は、3,530億円と前連結会計年度にくらべ1兆2,560億円の減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期損失
親会社の所有者に帰属する当期損失は、4,239億円と前連結会計年度にくらべ1兆2,597億円の減益となりました。
非支配持分に帰属する当期利益
非支配持分に帰属する当期利益は、709億円と前連結会計年度にくらべ37億円、5.5%の増益となりました。
(二輪事業)
連結売上台数は、アジア地域で増加したことなどにより、1,467万3千台と前連結会計年度にくらべ7.2%の増加となりました。二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加などにより、4兆188億円と前連結会計年度にくらべ3,922億円、10.8%の増収となりました。なお、販売価格の変動はあったものの、売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約4,322億円、約11.9%の増収と試算されます。
営業費用は、3兆2,869億円と前連結会計年度にくらべ3,237億円、10.9%の増加となりました。売上原価は、連結売上台数の増加に伴う費用の増加などにより、2兆7,663億円と前連結会計年度にくらべ2,733億円、11.0%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、諸経費の増加などにより、4,186億円と前連結会計年度にくらべ531億円、14.6%の増加となりました。研究開発費は、1,019億円と前連結会計年度にくらべ27億円、2.6%の減少となりました。
営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、販売影響や売価およびコスト影響による利益増などにより、7,319億円と前連結会計年度にくらべ684億円、10.3%の増益となりました。
日本
2026年3月期二輪車総需要(注)は、約35万台と前連結会計年度にくらべ約5%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「スーパーカブ50」の増加などはあったものの、「Dio110」の減少などにより、20万5千台と前連結会計年度にくらべ8.5%の減少となりました。
(注) 出典:JAMA(日本自動車工業会)
北米
主要市場である米国の2025年(暦年)二輪車・ATV総需要(注)は、約66万台と前年にくらべ約7%の減少となりました。
当連結会計年度の北米地域の連結売上台数は、主に米国において、「GROM」の減少などにより、53万8千台と前連結会計年度にくらべ1.8%の減少となりました。
(注) 出典:MIC(米国二輪車工業会)
二輪車・ATVの合計であり、Side-by-Side(SxS)は含まない。
欧州
欧州地域の2025年(暦年)二輪車総需要(注)は、約114万台と前年にくらべ約12%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「PCX」の減少などにより、40万7千台と前連結会計年度にくらべ14.3%の減少となりました。
(注) 1 英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、ポルトガル、オランダ、ベルギー、オーストリアの10ヵ国の合計、当社調べ(ICE車の合計であり、EV/EM/EB(注2)は含まない。)
2 EM:Electric Moped(電動モペッド)、最高速度25km/h~50km/hのカテゴリー。
EB:Electric Bicycle(電動自転車)、最高速度25km/h以下のカテゴリー。
電動アシスト自転車は含まない。
アジア
最大市場のインドの2025年(暦年)二輪車総需要(注1)は、約1,924万台とほぼ前年並みとなりました。その他アジア地域主要国の2025年(暦年)二輪車総需要(注2)は、中国などで減少したものの、パキスタンなどで増加したことにより、約1,841万台と前年にくらべ約3%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、インドにおける「Activa」シリーズや「SP」シリーズの増加などにより、1,131万台と前連結会計年度にくらべ6.8%の増加となりました。
なお、持分法適用会社であるインドネシアのピー・ティ・アストラホンダモーターの販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、「Stylo160」や「Vario125」の増加などにより、約494万台と前連結会計年度にくらべ約1%の増加となりました。
(注) 1 当社調べ(ICE車の合計であり、EV/EM/EBは含まない。)
2 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、パキスタン、中国の7ヵ国の合計、当社調べ(ICE車の合計であり、EV/EM/EBは含まない。)
その他の地域
主要市場であるブラジルの2025年(暦年)二輪車総需要(注)は、約196万台と前年にくらべ約14%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける「Pop 110i ES」や「CG160」シリーズの増加などにより、221万3千台と前連結会計年度にくらべ19.8%の増加となりました。
(注) 出典:ABRACICLO(ブラジル二輪車製造者協会)
(四輪事業)
連結売上台数は、アジア地域や北米地域で減少したことなどにより、271万1千台と前連結会計年度にくらべ4.5%の減少となりました。四輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の減少や為替換算による減少影響などにより、13兆8,633億円と前連結会計年度にくらべ3,058億円、2.2%の減収となりました。なお、販売価格の変動はあったものの、売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約2,229億円、約1.6%の減収と試算されます。セグメント間取引を含む四輪事業の売上収益は、14兆1,669億円と前連結会計年度にくらべ3,009億円、2.1%の減収となりました。
営業費用は、15兆5,780億円と前連結会計年度にくらべ1兆3,540億円、9.5%の増加となりました。売上原価は、EV関連損失の影響や関税影響などにより、12兆5,051億円と前連結会計年度にくらべ9,492億円、8.2%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、品質関連費用を含む諸経費の減少などにより、1兆6,663億円と前連結会計年度にくらべ407億円、2.4%の減少となりました。研究開発費は、EV関連損失の影響などにより、1兆4,065億円と前連結会計年度にくらべ4,455億円、46.4%の増加となりました。
営業損失は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、EV関連損失の影響や関税影響などにより、1兆4,111億円と前連結会計年度にくらべ1兆6,549億円の減益となりました。
各カテゴリ別の販売台数構成比は概ね以下のとおりです。(小売販売台数ベース)
パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):前連結会計年度36%、当連結会計年度35%
ライトトラック(SUV・ミニバン等):前連結会計年度56%、当連結会計年度57%
軽自動車:前連結会計年度8%、当連結会計年度8%
四輪事業における主要な製品は以下のとおりです。
パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):
「ACCORD」シリーズ 、「CITY」 、「CIVIC」シリーズ 、「FIT」シリーズ
ライトトラック(SUV・ミニバン等):
「CR-V」シリーズ 、「FREED」 、「ZR-V」シリーズ、
「ODYSSEY」 、「PASSPORT」 、「PILOT」 、「VEZEL」シリーズ
軽自動車:
「N-BOX」
カテゴリ別の収益性を決定する要因はさまざまですが、販売価格は重要な要素の一つと考えています。上記カテゴリごとの販売価格については、各モデルによって異なるものの、全体的には、ライトトラックは比較的高く、軽自動車は比較的低い傾向があります。
車両の貢献利益も各モデルによって異なりますが、一般的にライトトラックは販売価格が高いことから貢献利益も高く、軽自動車は販売価格が低いことから貢献利益も低い傾向があります。例えば、当社グループの主要な販売地域である日本市場と米国市場における、当連結会計年度のカテゴリ別の貢献利益は、ライトトラックは全カテゴリ平均と比較して約15%高く、パッセンジャーカーは約5%低く、軽自動車は約70%低いと試算されます。上記の貢献利益は売上収益から販売量に比例して発生すると考えられる材料費を控除した金額の台当たり金額と定義して算定したものです。
日本
2026年3月期四輪車総需要(注1)は、約453万台と前連結会計年度にくらべ約1%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数(注2)は、「WR-V」の減少などにより、51万5千台と前連結会計年度にくらべ4.5%の減少となりました。
当連結会計年度の生産台数は、70万7千台と前連結会計年度にくらべ2.1%の増加となりました。
(注) 1 出典:JAMA(日本自動車工業会:登録車+軽自動車)
2 当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジット等が、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して提供された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていません。
北米
主要市場である米国の2025年(暦年)四輪車総需要(注)は、約1,635万台と前年にくらべ約2%の増加となりました。
当連結会計年度の北米地域での連結売上台数は、「PROLOGUE」や「PILOT」が減少したことなどにより、160万5千台と前連結会計年度にくらべ3.0%の減少となりました。
当連結会計年度の北米地域での生産台数は、155万2千台と前連結会計年度にくらべ3.5%の減少となりました。
(注) 出典:Autodata
欧州
欧州地域の2025年(暦年)四輪車総需要(注)は、約1,327万台と前年にくらべ約2%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「CITY」の減少などにより、9万台と前連結会計年度にくらべ3.2%の減少となりました。
(注) 出典:ACEA(欧州自動車工業会)乗用車部門(EU27ヵ国、EFTA3ヵ国、英国)
アジア
アジア主要市場の2025年(暦年)四輪車総需要(注1)は、台湾やインドネシアで減少したものの、インドやベトナムなどで増加したことにより、約923万台と前年にくらべ約4%の増加となりました。
中国の2025年(暦年)四輪車総需要(注2)は、約3,460万台と前年にくらべ約10%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数の合計は、インドネシアにおける「BRIO」や「HR-V」の減少などにより、34万3千台と前連結会計年度にくらべ13.6%の減少となりました。
なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、「BREEZE」の減少などにより、58万6千台と前連結会計年度にくらべ25.4%の大幅な減少となりました。
アジア地域の連結子会社の当連結会計年度の生産台数(注3)は、37万5千台と前連結会計年度にくらべ21.1%の大幅な減少となりました。
なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の当連結会計年度の生産台数は63万7千台と前連結会計年度にくらべ17.0%の減少となりました。
(注) 1 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インド、パキスタン、台湾の合計、当社調べ
2 出典:CAAM(中国汽車工業協会)
3 タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、インド、パキスタン、台湾の合計
その他の地域
主要市場であるブラジルの2025年(暦年)の四輪車総需要(注)は、約255万台と前年にくらべ約3%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける「WR-V」の増加などにより、15万8千台と前連結会計年度にくらべ0.6%の増加となりました。
当連結会計年度のブラジル工場での生産台数は、10万2千台と前連結会計年度にくらべ3.2%の増加となりました。
(注) 出典:ANFAVEA(ブラジル自動車製造業者協会:乗用車+軽商用車)
(金融サービス事業)
当社グループは、製品販売のサポートを主な目的として、日本・米国・カナダ・英国・ドイツ・ブラジル・タイにある金融子会社を通じて、顧客に対する金融サービス(小売金融、オペレーティング・リースおよびファイナンス・リース)および販売店に対する金融サービス(卸売金融)を提供しています。
金融サービスに係る債権およびオペレーティング・リース資産残高の合計は、16兆3,272億円と前連結会計年度末にくらべ1兆6,504億円、11.2%の増加となりました。また、前連結会計年度末の為替レートで換算した場合、前連結会計年度末にくらべ約6,025億円、約4.1%の増加と試算されます。
金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、リース車両売却売上の減少や為替換算による減少影響などはあったものの、オペレーティング・リース売上の増加などにより、3兆5,294億円と前連結会計年度にくらべ217億円、0.6%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約500億円、約1.4%の増収と試算されます。セグメント間取引を含む金融サービス事業の売上収益は、3兆5,327億円と前連結会計年度にくらべ205億円、0.6%の増収となりました。
営業費用は、3兆2,572億円と前連結会計年度にくらべ606億円、1.9%の増加となりました。売上原価は、リース車両売却売上の減少に伴う費用の減少や為替影響などにより、2兆9,361億円と前連結会計年度にくらべ489億円、1.6%の減少となりました。販売費及び一般管理費は、諸経費の増加などにより、3,211億円と前連結会計年度にくらべ1,096億円、51.8%の増加となりました。
営業利益は、諸経費の増加などにより、2,755億円と前連結会計年度にくらべ401億円、12.7%の減益となりました。
(パワープロダクツ事業及びその他の事業)
パワープロダクツ事業の連結売上台数は、アジア地域で減少したことなどにより、358万9千台と前連結会計年度にくらべ3.0%の減少となりました。パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、3,849億円とほぼ前連結会計年度並みとなりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約39億円、約1.0%の減収と試算されます。セグメント間取引を含むパワープロダクツ事業及びその他の事業の売上収益は、4,203億円と前連結会計年度にくらべ57億円、1.4%の増収となりました。
営業費用は、4,310億円と前連結会計年度にくらべ69億円、1.6%の増加となりました。売上原価は、為替影響などにより、3,280億円と前連結会計年度にくらべ48億円、1.5%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、諸経費の増加などにより、708億円と前連結会計年度にくらべ38億円、5.7%の増加となりました。研究開発費は、321億円と前連結会計年度にくらべ16億円、4.9%の減少となりました。
営業損失は、パワープロダクツ事業の販売影響による利益増などはあったものの、諸経費の増加や為替影響などにより、106億円と前連結会計年度にくらべ12億円の悪化となりました。なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、372億円と前連結会計年度にくらべ16億円の改善となりました。
日本
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジン(注)が増加したことなどにより、30万台と前連結会計年度にくらべ7.9%の増加となりました。
(注) 相手先ブランドで販売される商品に搭載されるエンジン(OEM:Original Equipment Manufacturer)
北米
当連結会計年度の連結売上台数は、芝刈機が減少したことなどにより、92万7千台と前連結会計年度にくらべ9.1%の減少となりました。
欧州
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが増加したことなどにより、71万2千台と前連結会計年度にくらべ9.4%の増加となりました。
アジア
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、129万5千台と前連結会計年度にくらべ8.4%の減少となりました。
その他の地域
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが増加したことなどにより、35万5千台と前連結会計年度にくらべ5.0%の増加となりました。
② 重要な会計上の見積り
当社および連結子会社は、IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債および収益・費用の報告額ならびに偶発資産・偶発債務の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した報告期間およびその影響を受ける将来の報告期間において認識されます。
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りおよび仮定に関する情報は、連結財務諸表注記の「2 作成の基礎 (6) 見積りおよび判断の利用」を参照ください。
③ 流動性と資金の源泉
(資金需要、源泉、使途に関する概要)
当社および連結子会社は、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持および健全なバランスシートの維持を財務方針としています。当社および連結子会社は、主に二輪車、四輪車およびパワープロダクツの製造販売を行うとともに、製品の販売をサポートするために、顧客および販売店に対する金融サービスを提供しています。生産販売事業における主な運転資金需要は、製品を生産するために必要となる部品および原材料や完成品の在庫資金のほか、販売店向けの売掛金資金です。また設備投資資金需要のうち主なものは、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充のための必要資金です。また、当社グループは、「夢」を原動力に、独創的な技術とアイデアによってモビリティを進化させ、より良い社会をリードする総合モビリティカンパニーでありたいと考えています。「環境」「安全」という二つの大きな社会課題を解決に導きつつ、総合モビリティカンパニーとして幅広いモビリティやサービスを通じ、2023年にグローバルブランドスローガンである「The Power of Dreams」を再定義して明確に示しました。人々の「時間や空間の制約からの解放」、そして「人の能力と可能性の拡張」という価値を提供していきたいと考えています。こうした環境・安全の実現に向けて中長期での戦略的な資源配分を実施していきます。
なお、2029年3月期までの3年間においては、投入資源を当初のEV向けからハイブリッド車へシフトしEV投資は3年間で0.8兆円規模にコントロールします。一方、ソフトウェアには1兆円、ICEやハイブリッド車に4.4兆円を投入し、これら合計の3年間の資源投入額は合計6.2兆円とします。上記取り組みに関する資源配分の計画に関しては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 財務戦略 1.中長期での戦略的な資源配分」を参照ください。
生産販売事業における必要資金については、主に営業活動から得られる資金、銀行借入金および社債の発行などによりまかなっています。なお、当社は、2022年3月期において、環境と安全への取り組みに対する支出の一部を社債発行により調達するためのサステナブル・ファイナンス・フレームワークを設定し、資金使途をそのフレームワークに準じた環境事業に限定する米ドル建てグリーンボンドを、総額27.5億米ドル発行しました。当連結会計年度末の米ドル建てグリーンボンドの債務残高は17.5億米ドルです。これらを踏まえ、現在必要とされる資金水準を十分確保していると考えています。これら生産販売事業の資金調達に伴う当連結会計年度末の債務残高は1兆2,388億円となっています。また、顧客および販売店に対する金融サービスでの必要資金については、主にミディアムタームノート、銀行借入金、金融債権の証券化、オペレーティング・リース資産の証券化、コマーシャルペーパーの発行および社債の発行などによりまかなっています。これら金融子会社の資金調達に伴う当連結会計年度末の債務残高は12兆2,527億円となっています。
当社および連結子会社の借入必要額に、重要な季節的変動はありません。
今後も必要資金と手元資金の状況を鑑みながら、必要に応じて資金調達を検討していきます。
(流動性)
当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物5兆668億円は、主に米ドル建てと円建てを中心としていますが、その他の外貨建てでも保有しています。
当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、売上収益の約2.8ヵ月相当の水準となっており、当社および連結子会社の事業運営上、十分な流動性を確保していると考えています。
しかしながら、景気後退による市場の縮小や金融市場・為替市場の混乱などにより、流動性に一部支障をきたす場合も考えられます。このため、特に当連結会計年度末で9,175億円の短期債務を負う金融子会社では、継続的に債務を借り換えしているコマーシャルペーパーについて、代替流動性として合計1兆7,698億円相当の契約信用供与枠(コミットメントライン)を保有しています。さらに、有価証券報告書提出日現在、当社および連結子会社は世界的に有力な銀行と契約に基づかない信用供与限度額を十分に設定しています。
当社および連結子会社の当連結会計年度末の資金調達に係る債務は、主に米ドル建てを中心としていますが、円建てやその他の外貨建てでも保有しています。
資金調達に係る債務の追加情報については、連結財務諸表注記の「15 資金調達に係る債務」および「25 金融リスク管理」を参照ください。
また、当社および連結子会社が発行する短期および長期債券は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード・アンド・プアーズおよび格付投資情報センターなどから、2026年3月31日現在、以下の信用格付を受けています。
なお、これらの信用格付は、当社および連結子会社が格付機関に提供する情報または格付機関が信頼できると考える他の情報に基づいて行われるとともに、当社および連結子会社の発行する特定の債券に係る信用リスクに対する評価に基づいています。各格付機関は当社および連結子会社の信用格付の評価において異なった基準を採用することがあり、かつ各格付機関が独自に評価を行っています。これらの信用格付はいつでも格付機関により改訂または取り消しされることがあります。また、これらの格付は債券の売買・保有を推奨するものではありません。
④ 簿外取引
当社および連結子会社は、さまざまな保証契約を結んでいます。これらの契約には販売店に対する貸出コミットメントおよび一部の関連会社の銀行借入に対する保証が含まれます。詳細は連結財務諸表注記の「25 金融リスク管理 (4) 信用リスク」を参照ください。
⑤ 契約上の債務
当連結会計年度末における契約上の債務は、以下のとおりです。
(注) 1 当社および連結子会社の発注残高は、設備投資に関するものです。
2 2028年3月期以降の拠出額は未確定であるため、確定給付制度への拠出は、次連結会計年度に拠出するもののみ記載しています。
⑥ 市場リスクに関する定量および定性情報の開示
連結財務諸表注記の「25 金融リスク管理 (2) 市場リスク」を参照ください。
5 【重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
当社および連結子会社の研究開発は、先進の技術によって、個性的で国際競争力のある商品群を生み出すことを目的としています。製品に関する研究開発につきましては、当社のほか、㈱本田技術研究所、ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シーを中心に、また、生産技術に関する研究開発につきましては、当社のほか、ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シーを中心に、それぞれ現地に密着した研究開発を行っています。
当社は2025年4月に電動事業開発本部にある四輪事業戦略統括部とSDV事業開発統括部を四輪事業本部に統合するとともに、四輪開発本部の新設および二輪・パワープロダクツ電動事業統括部を二輪・パワープロダクツ事業本部に統合しましたが、2026年4月1日より、グローバルでの事業環境が想定以上のスピードで変化する中で、市場・技術動向をこれまで以上に的確にとらえ、独自技術や新しい価値を最適なタイミングで市場に届けられるよう、四輪開発本部ならびに四輪事業本部の組織運営体制の変更を行いました。魅力ある商品を生み出し続けることができる研究開発組織へと進化させ、さらなる競争力の向上を図るため、四輪開発本部と、四輪事業本部にあるSDV事業開発統括部の研究開発機能を、㈱本田技術研究所へ移管しました。また、SDV事業開発統括部の事業機能を事業戦略統括部に再編し、SDV事業開発統括部を発展的に解消しました。さらに、二輪・パワープロダクツ事業の電動化戦略が実行段階へ移行したことを受け、これまで電動事業とICE事業に分けていた営業・事業戦略・開発機能をそれぞれ統合しました。電動事業とICE事業を一体で運営することでリソースを最適配分し、カーボンニュートラルへの取り組みを継続するとともに、さらに競争力のある商品を継続的に生み出すことをめざします。
当連結会計年度に発生した研究開発支出は、1兆1,748億円となりました。
また、当社および連結子会社では研究開発支出の一部について、無形資産に計上しています。連結損益計算書に計上されている研究開発費の詳細については、連結財務諸表注記の「21 研究開発費」を参照ください。
セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。詳細は「3 事業等のリスク」を参照ください。
(二輪事業)
二輪事業では、「チャレンジする組織風土を最大化し、今後の環境変化を乗り越え、手の届く価格で、お客様に喜んでもらえる商品を創造し続けられるものづくり集団となる」を方針として、研究開発活動に取り組んでまいりました。
主な成果として、水冷・4ストローク・DOHC・直列4気筒・999㎤エンジンを搭載した、大型ロードスポーツモデル「CB1000F」を2025年11月に、「CB1000F」をベースに、ヘッドライトカウルや専用カラーステッチシートなどを装備した「CB1000F SE」を2026年1月に日本にて発売しました。「CB1000F」は、Hondaを代表するプロダクトブランド「CB」のフラッグシップモデルとして、Hondaスポーツバイクラインアップの「進化する基準」である「CB」の最新の回答として具現化したモデルです。「CB1000F SE」は、「CB1000F」をベースに、外観と装備の充実をはかり、所有感のさらなる向上をめざした仕様としています。「CB1000F」「CB1000F SE」では、バルブタイミングおよびリフト量を最適化した新設計カムシャフトを採用し、低回転から高回転まで、谷のないスムーズな出力特性としています。また、左右2気筒ごとに異なるバルブタイミングとすることに加え、エアファンネルを新設計し、低中回転域でのトルクフルなセッティングにするとともに、鼓動感のある重厚な排気音をめざしました。さらに、トランスミッションは1,2速をローレシオ化することで駆動力を高めるとともに、低速時の取り回しやすさに配慮しています。また、高速巡航時のエンジン回転をおさえるなど、気負わず扱いやすい変速比としています。
さらに、2025年11月にイタリア・ミラノで開催された「EICMA 2025」にて、水冷・4ストローク・DOHC・直列4気筒・1000㎤の高性能エンジンを搭載した、スポーツツアラー「CB1000GT」を世界初公開しました。「CB1000 HORNET」に搭載し力強さで定評の水冷・4ストローク・DOHC・直列4気筒・1000㎤エンジンをベースに、専用のFI(フューエルインジェクション)セッティングとTBW(スロットルバイワイヤ、以下 TBW)システムを採用し、力強い出力特性を維持しながら、スロットルの開け始めの出力をより滑らかにすることなどにより、長距離ツーリングでライダー、パッセンジャーの疲労を軽減し、快適性に寄与しています。また、サスペンションには、幅広い走行シチュエーションや積載状況に対応する、電子制御サスペンションEERA(注1)(Electronically Equipped Ride Adjustment)を標準装備し、車体姿勢、ECUのエンジン制御情報、車輪回転速度などから走行状態を把握し、前後サスペンションの減衰力を最適化することで、路面状況に適した高度な減衰力自動調整を可能としています。
加えて、電子制御過給機付きV型3気筒エンジンを搭載したプロトタイプモデル「V3R 900 E-Compressor Prototype」を初公開しました。エンジンは、一昨年「EICMA 2024」で世界初公開した水冷75度V型3気筒エンジンをそのままに、排気量を900ccとし、スリム&コンパクトを追求しました。また、二輪車として世界初(注2)の電子制御過給機の採用により、エンジンへの過給を任意にコントロールすることで、低回転からハイ・レスポンスなトルクを実現しました。これにより、900ccの排気量でありながら1200cc相当のパフォーマンスを実現し、環境性能にも貢献する仕様を目標としています。
2026年3月に大阪で開催された「第42回大阪モーターサイクルショー2026」にて、コンセプトモデル「CB400 SUPER FOUR E-Clutch Concept」「CBR400R FOUR E-Clutch Concept」を公開しました。両モデルともに、ファンライドの最大化をめざした車体/足まわりからなる新プラットフォームに、新設計の直列4気筒エンジンを搭載しました。また、クラッチコントロールを自動制御する「Honda E-Clutch」やダイレクトなスロットルレスポンスに寄与するTBWなど各種の電子制御技術を採用し、より上質なライディング体験を提供します。
さらに、TBWと組み合わせた「Honda E-Clutch」を「CB750 HORNET」「XL750 TRANSALP」に搭載し、2026年4月に「CB750 HORNET E-Clutch」「XL750 TRANSALP E-Clutch」として発売しました。TBWと「Honda E-Clutch」の協調、制御技術により、スロットルを開けた際のバタフライバルブ開度やエンジン反応の最適化を図り、ライダーの技能や走行環境にあわせて、より柔軟かつ快適なクラッチ操作やスロットルワーク実現に寄与しています。シフトダウンの際は、半クラッチ制御にTBWがエンジン回転数を合わせることで、短時間で回転差を吸収し、変速ショックの低減を図っています。また、急減速時や、路面の段差などによってリアタイヤが跳ねる場面では、前後輪の車輪速差からリアタイヤが跳ねている可能性を検出し、半クラッチ制御を介入させることで、車体挙動の安定化を図っています。搭載レイアウトは、従来の「Honda E-Clutch」に対し、リフト機構を2軸化することで、クラッチアクチュエーターを前方に配置することを可能とし、エンジンの構造を大きく変更することなく、システムのコンパクト化を実現しています。
「環境負荷ゼロ社会の実現」へ向けた取り組みとして、2040年代には全ての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することを目標にしています。この目標を達成するため、今後の環境戦略の主軸として二輪車の電動化に取り組んでおり、2024年を電動二輪車のグローバル展開元年と位置付け、電動二輪市場への参入を本格化しています。
2025年11月にイタリア・ミラノで開催された「EICMA 2025」にて、初の電動モーターサイクル「Honda WN7」を一般公開しました。「Honda WN7」は、搭載性に優れた軽量コンパクトな水冷・インバーター一体型モーターを専用開発しました。最高出力は50kWで排気量600ccのICE車相当、最大トルクは100Nmで1000ccのICE車に匹敵する性能をそれぞれ発揮し、街中での発進・停止時や郊外でのクルージング時でも、ゆとりのある走行を実現します。モーターからの出力は新規開発したギアボックスを介してベルトドライブに伝達され、リアタイヤを駆動させるとともに、静粛性にも貢献しています。駆動バッテリーは、新規開発した9.3kWhの固定式リチウムイオンバッテリーを採用し、バッテリーの充電には急速充電を可能にするCCS2(注3)規格と一般家庭にある普通充電Type 2(注4)規格を採用することで、急速充電器では30分でバッテリー残容量20%から80%まで充電でき、外出先で素早く充電し待機時間のストレスを軽減します。また、普通充電では残容量0%から100%まで2.4時間以内(注2)で完了し、フル充電時の航続距離は140km(WMTCモード)です。「Honda WN7」はHondaの二輪車生産におけるマザー工場として位置付けている熊本製作所にて生産し、電動化が進むグローバル市場に順次供給します。また、「Honda WN7」は2026年3月に、国際的に権威のあるデザインアワードのひとつである「iF デザインアワードゴールド」のプロダクトデザイン部門において、最高賞となる「iF デザインアワードゴールド」を受賞しました。
さらに、2026年3月に日本において、着脱式バッテリーを動力用電源に採用した、原付一種(第一種原動機付自転車)の電動二輪パーソナルコミューター「ICON e:」を発売しました。動力用電源には着脱式バッテリーを採用し、充電は持ち運びにも便利なコンパクトな充電器を用いて、車載状態とバッテリー単体の二通りの方法を可能としています。後輪にコンパクトなインホイールモーターを採用し、パワーコントロールユニットがモーター出力を効率的に制御することで、一充電あたりの走行距離81km(30km/h 定地走行テスト値)を実現することで、クリーンで静かな走行を可能にしています。
また、2026年2月にタイにおいて、固定式バッテリーを搭載した排気量110cc相当の電動二輪パーソナルコミューター「Honda UC3」を発売しました。動力用電源には、Hondaで初めてとなる固定式LFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーを採用しました。モーターは、Honda独自の開発・生産となるホイールサイドモーターを採用し、最大出力6.0kWを発揮します。また、回生制御や磁気回路構造の最適化により、高効率化を図ることで一充電あたりの航続距離122km(注5)を実現しています。「Honda UC3」は、今後、ベトナムへの投入を予定するなど、Hondaはグローバルで電動二輪車を毎年投入する予定で、お客様のニーズに応える幅広い商品ラインアップを展開します。
二輪事業に係る研究開発支出は、1,123億円となりました。
(注) 1 EERAはAstemo株式会社の登録商標
2 当社調べ(2025年11月時点)
3 Combined Charging System Type2の略称、電気自動車急速充電器用コネクターの仕様
4 200V、充電ガン使用時
5 タイにおけるWMTCモード1での認定値
(四輪事業)
四輪事業では、「魅力ある強い商品のために総合力を発揮し、ものづくりプロセスの深化により、四輪事業を永続的に成長させる」を方針として研究開発に取り組んでまいりました。
主な成果として、2025年9月に6代目となる新型「PRELUDE」を発売しました。新型「PRELUDE」では、Honda独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」に、Honda車として初となる制御技術「Honda S+ Shift」を採用しました。モーター駆動でありながら仮想の8段変速で加減速時に緻密にエンジン回転数をコントロールし、あたかも有段変速機があるかのようなダイレクトな駆動レスポンスと鋭いシフトフィールを実現し、ドライバーとクルマが一体化するような、爽快で意のままの走りをめざしました。Hondaはこの「Honda S+ Shift」を、新型「PRELUDE」を皮切りに、順次ハイブリッドモデルへ搭載していく計画です。
2025年11月には2020年代後半に投入予定の電動車向け次世代技術を公開した「Honda四輪技術ワークショップ」を開催しました。2027年以降に投入するハイブリッドモデルに採用予定の次世代プラットフォームでは、高いボディー剛性と軽量化を高次元に両立させる技術や、共用率を向上させたモジュラーアーキテクチャーなど、さまざまな革新技術を組み合わせることで、ドライバーが軽快で爽快な走りを実感できる、Hondaならではの「操る喜び」をさらに高めていきます。特に、ダイナミクス性能を左右する操縦安定性の新たな指標として「新操安剛性マネジメント」を確立しました。ボディー剛性の最適化により、車体を軽量化すると同時に、コーナーリング時に車体がしなるような挙動を与えることで、タイヤへの荷重をコントロールし接地力を向上させ、これまでにない操縦安定性と軽快で気持ちの良い走りを実現します。これに加え、Hondaは、力強い走行性能、牽引性能に、環境性能を兼ね備えるDセグメント以上の大型車向けハイブリッドシステムを開発しています。高効率と低コストを高次元に両立した新開発のドライブユニットやバッテリーパックを備えた次世代の大型ハイブリッドシステムとして、2020年代後半に、大型車への底堅い需要がある北米市場に商品投入することをめざしています。
EVでは、2025年9月に新型軽乗用EV「N-ONE e:」を発売しました。Hondaのパッケージングの基本思想である「M・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想」(注1)により広い室内空間を実現しながら、EVならではの力強くクリーンな走りと静粛性、そして日常使いに安心感をもたらす航続距離295km(注2)の実現により、幅広いお客様に支持されるスタンダードなEVとなることをめざした軽乗用EVです。なお、「N-ONE e:」は、2025~2026 日本自動車殿堂カーオブザイヤー(主催:特定非営利活動法人 日本自動車殿堂)を受賞しました。
また、2025年10月に開催された「Japan Mobility Show 2025」においては、小型EV「Super-ONE Prototype」と、次世代EV「Honda 0 α」のプロトタイプを世界初公開しました。「Super-ONE Prototype」は、環境性能や日常での使い勝手の良さに加え、小型EVとしての軽快な走りによる「操る喜び」に、五感を刺激する演出を加えることで、刺激的で高揚感あふれる走行体験を提供します。専用に開発した「BOOSTモード」では、出力を拡大しパワーユニットの性能を最大限に引き出すとともに、仮想有段シフト制御とアクティブサウンドコントロールシステムの連動により、あたかも有段変速機を備えたエンジン車のような迫力あるサウンドと鋭いシフトフィーリングを演出します。これにより、視覚や聴覚、そして加速感や振動などの体感を通じてドライバーの感性を刺激し、高揚感のあふれるEVの走行体験を提供します。「Super-ONE Prototype」の量産モデルは、2026年より日本を皮切りに、小型EVのニーズの高い、英国やアジア各国などで発売を予定しています(注3)。また、「Honda 0 α」の量産モデルは、「Honda 0 シリーズ」の開発アプローチである「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」を具現化した技術を搭載し、2027年から日本やインドでの販売を予定しています。
Hondaは、これからもカーボンニュートラル達成に向けた取り組みを推進していきます。
四輪事業に係る研究開発支出は、1兆292億円となりました。
(注) 1 M・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想:人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小にというHondaの
クルマづくりの基本思想
2 一充電走行距離(国土交通省審査値)WLTCモード 295km:一充電走行距離は定められた試験条件での値。お客様の使用
環境(気象、渋滞等)や運転方法(急発進、エアコン使用等)に応じて一充電走行距離は大きく異なる
WLTCモード:市街地、郊外、高速道路の各走行モードを平均的な使用時間配分で構成した国際的な走行モード
3 量産モデルの社名は地域によって異なり、日本やアジア大洋州では「Super-ONE」、アジア大洋州の一部の国では
「Honda Super-ONE」、英国では「Super-N」として発売予定
(パワープロダクツ事業及びその他の事業)
パワープロダクツ事業では、「暮らしの“未来”を創造し「役立ち」と「喜び」を更なる高みへ」を方針として、研究開発活動に取り組んでまいりました。
主な成果として、2025年5月に高い加速性能と燃費性能でご好評をいただいている4ストローク船外機「BFシリーズ」に、V型8気筒300馬力エンジンを搭載した大型船外機「BF300」を発売しました。「BF300」は、Honda船外機のフラッグシップモデル「BF350」用に専用設計されたV型8気筒エンジンをベースとし、排気量4,952㎤、最大出力300馬力による力強いパワーと豊かなトルクを発揮します。高出力でありながらレギュラーガソリンでの航行が可能なほか、O₂センサーを使用し燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック機能により高い燃費性能を実現しています。
船外機以外については、小型除雪機シリーズにハイブリッド除雪機「HSS960i」「HSS1370i」を新たに追加し、正転オーガ(注1)搭載の「Jタイプ」は2025年7月、クロスオーガ(注2)搭載の「JXタイプ」は2025年9月に発売しました。「HSS960i」「HSS1370i」の2機種は、除雪部をエンジン、走行部をモーターで駆動するHonda独自のハイブリッドシステムを採用し、スムーズな走行と作業負荷に応じた速度制御が可能で、使い勝手の良さとパワフルな除雪性能を両立します。また、2機種それぞれに設定した「JXタイプ」には、硬雪の除雪作業をさらに容易にするHonda独自の除雪機構「クロスオーガ」をHondaのハイブリッド除雪機として初めて搭載しました。さらに同タイプには、「電動オーガハイト」機能を装備したことで、除雪作業に不慣れな方でも、雪の深さに合わせて手元のスイッチで簡単にオーガの高さを調整することができます。
さらに、2025年10月に米国ケンタッキー州ルイビルで開催された「Equip Exposition 2025」にて、Hondaが開発・販売する商品で初となる電動乗用芝刈機「ProZision」シリーズとして、芝刈り作業を自動運転で行う「ProZision Autonomous」、手動で行う「ProZision」の2機種を世界初公開しました。「ProZision」シリーズは、これまでHondaが芝刈機の研究開発で培ってきた高度な芝刈り技術に加え、最新の自動化・知能化技術を搭載した乗用芝刈機です。造園作業の過酷な条件にも対応する高い走破性と、MicroCut®ツインブレードを生かした高い刈り取り性能を実現しました。「ProZision Autonomous」では、GNSS(Global Navigation Satellite System)(注3)で正確な自己位置を認識しながら、予め作業者が設定した芝刈り経路やパターンを記憶し、高精度に再現することで自動運転での芝刈り作業を実現します。その際、搭載されたレーダー、LiDARにより周囲360度のセンシングを行い、地形の変化や障害物を検知し、自動で走行経路を判断することで、作業者が乗車することなく安全な刈り取り作業と高品質な芝の仕上がりを可能としています。
航空機においては、Honda独自の最先端技術を開発して、空の世界においても新しい価値を創造し、長期的な観点から航空機ビジネスを成長させていくためのビジネス基盤の構築をしてまいりました。
2025年10月に「HondaJet」が、ベリーライトジェットカテゴリー内のツインエンジンジェット機として世界で初めて、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel、以下 SAF)を100%使用した試験飛行に成功しました。SAFは航空領域でのCO₂排出量を削減し、カーボンニュートラルを達成する手段の1つとして注目されています。SAFの利用はASTM Internationalによる認可制となっており、既存のジェット燃料へSAFを混合できる含有率の上限が定められています。現在の上限は50%となっていますが、本試験飛行では、100%SAF使用時のエンジン性能、燃焼特性、飛行システムへの影響などについて包括的な技術評価を実施し、将来的なSAF利用拡大に向けた重要な検証データを取得しました。本結果は、SAF普及に向けた技術的課題の特定および解決に向けて大きな進展となるものであり、当社の中長期的な環境戦略および製品競争力強化にも寄与するものです。
また、2026年2月に「HondaJet Elite Ⅱ」に搭載される緊急自動着陸システム(Emergency Autoland、以下 EAL)について、米国連邦航空局(FAA)の認証を取得しました。これにより「HondaJet Elite Ⅱ」は、ベリーライトジェットカテゴリーにおけるツインエンジンジェット機として、EALを搭載する世界初のモデルとなります。EALは、何らかの理由でパイロットによる継続的な操縦・運航が困難な緊急事態において、航空機を自動で最寄りの空港に着陸・停止させるシステムです。専用ボタンの操作による手動での起動に加え、システムがパイロットの異常を検知した場合など、EALによる操縦が適切と判断した場合にも自動的に起動します。EALが作動すると、現地の航空交通管制機関へ緊急事態を自動的に通知します。その後、天候や地形、燃料残量、滑走路条件などを踏まえて最適な着陸先となる空港を選定し、目的地までの飛行経路を設定することで、機体は進入経路に沿って自動航行し、着陸・停止します。緊急事態が発生してから機体停止に至るまで、システムが自律的に運航・制御を行い、緊急時でも安心・安全な運航を実現します。今回の米国連邦航空局によるEALの認証取得を受け、まずは米国において、本システムを搭載した「HondaJet Elite II」の販売を開始するとともに、既にお客様へ納入済みの「HondaJet Elite II」を対象にアフターサービスを通じた本システムの提供を開始します。また今後は、「HondaJet Elite II」の販売を行っている日本を含むグローバル各国においても、航空局認証を取得後、順次提供を予定しています。
パワープロダクツ事業及びその他の事業に係る研究開発支出は、332億円となりました。
(注) 1 雪をかき集める刃(オーガ)が正転する機構
2 雪をかき集める刃(オーガ)が雪を取り込む正転と除雪機の浮き上がり抑える逆転を同時に行う機構
3 衛星測位システムの総称
次世代技術分野においては、2025年4月から10月に開催された「大阪・関西万博」にて、モビリティロボット「UNI-ONE」の新型を出展しました。「UNI-ONE」はHondaのロボティクス研究で培った、座ったまま体重移動するだけで移動でき、両手が自由に使える着座型のモビリティロボットです。2023年以降、さまざまな企業や施設へ有償試験導入し、ユーザーニーズへの対応や事業性に関する検証を行ってきました。これらの検証を通して、人混みの中でも「UNI-ONE」と歩行者が共存でき、歩行と比較してユーザーの疲労度が大幅に軽減できたという検証結果を得られています。新型「UNI-ONE」はこれまでの検証を踏まえて、走行時のハイポジションモードに切り替わる際のふらつきを抑えて乗りやすくし、走行可能な傾斜路の勾配を10度まで拡大しました(旧型は6度まで)。また航続距離も10kmに拡大しており(旧型は8km)、実用性を向上させています。
2025年6月には、自社開発の再使用型ロケット(注)の実験機(全長6.3m、直径85cm、重量Dry900kg/Wet1,312㎏)を用いて、Hondaとして初となる離着陸実験に成功しました。今回、ロケットを再使用するために必要な、上昇・下降時の機体の安定性や着陸機能などの要素技術の実証を目的とした離着陸実験をHondaとして初めて実施しました。その結果、目標とした機体の離着陸挙動の作動(到達高度271.4m、着地位置の目標との誤差37cm、飛行時間56.6秒)、上昇・下降時のデータ取得を実現し、実験は成功を収めました。この実験の成功について、日本の宇宙輸送能力拡大への寄与、宇宙アクセスの自立性確保や国際競争力強化への貢献などが評価され、内閣府主催の「第7回宇宙開発利用大賞」において内閣総理大臣賞を受賞しました。Hondaが取り組むのは、カーボンニュートラル社会をめざすHondaのモビリティとして、ロケット機体の再使用技術だけでなく、再生可能燃料(バイオメタン/グリーンメタン)を使用することで、宇宙領域においても「サステナブルな輸送」に貢献できる「サステナブルロケット」の実現です。次の技術開発目標である2029年の準軌道への到達能力実現に向け、引き続き取り組んでいきます。
なお、これらの取り組みに係る研究開発支出は各事業に配分されています。
(注) 再使用型ロケット(Reusable Launch Vehicle, RLV)とは、使い捨てが主流である従来のロケット(Expendable Launch Vehicle、
ELV)とは異なり、同一の機体を用いた短時間での繰り返し運用ができるロケットです。打ち上げられた後、機体の一部または全
部が地上に帰還・着陸します。
当連結会計年度末時点において、当社および連結子会社は、国内で12,200件以上、海外で24,900件以上の特許権を保有しています。また、出願中の特許が国内で4,300件以上、海外で10,400件以上あります。当社および連結子会社は、特許の重要性を認識していますが、特許のうちのいくつか、または、関連する一連の特許が終了または失効したとしても、当社および連結子会社の経営に重要な影響を及ぼすことはないと考えています。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度は、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などを行いました。
なお、当連結会計年度の設備投資実施額は751,380百万円となり、前連結会計年度にくらべ213,953百万円増加しました。
セグメントごとの設備投資は、以下のとおりです。
(注) 上記の表には、無形資産を含めていません。
二輪事業では、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などにより104,457百万円の設備投資を実施しました。
四輪事業では、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などにより627,753百万円の設備投資を実施しました。
金融サービス事業では、193百万円、パワープロダクツ事業及びその他の事業では、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに研究開発施設の拡充などにより18,977百万円の設備投資を実施しました。
オペレーティング・リース資産については、主に金融サービス事業におけるリース車両の取得により、2,764,248百万円の設備投資を実施しました。
なお、設備の除却、売却等については、重要なものはありません。
2 【主要な設備の状況】
当連結会計年度末における当社および連結子会社の主要な設備は、以下のとおりです。
(1) 提出会社
(2) 国内子会社
(3) 在外子会社
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定は含まれていません。
2 提出会社には、㈱本田技術研究所などの連結子会社に対する土地、建物などの賃貸物件が含まれています。
3 連結会社以外の者から賃借している主な設備には、店舗、社宅および駐車場などがあります。
なお、提出会社および子会社が連結会社以外の者から賃借している土地面積については、上記の表の( )内に記載しており、外数です。
4 連結会社以外の者に賃貸している重要な設備はありません。
5 国内子会社および在外子会社の帳簿価額については、IFRSに基づく数値を記載しています。
3 【設備の新設、除却等の計画】
次連結会計年度(自 2026年4月1日 至 2027年3月31日)の設備投資は1,250,000百万円を計画しています。
新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などを計画しています。
セグメントごとの設備投資計画は、以下のとおりです。
(注) 1 経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
2 所要資金については主に自己資金および借入金などで充当する予定です。
3 オペレーティング・リースに係る設備投資は、上記の金融サービス事業における設備投資計画に含まれていません。
4 上記の表には、無形資産を含めていません。
二輪事業では、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などに、199,900百万円の設備投資を計画しています。
四輪事業では、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などに、1,034,300百万円の設備投資を計画しています。
金融サービス事業では、1,500百万円、パワープロダクツ事業及びその他の事業では、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに研究開発施設の拡充などに、14,300百万円の設備投資を計画しています。
当連結会計年度において、新たに確定した重要な設備の新設等に係る計画は、以下のとおりです。
当社の連結子会社は、当連結会計年度において、当社の関連会社が所有する四輪事業の建物を購入し、貸手として当該関連会社に12年間リースする取引を実行することに合意しました。なお、2026年5月において、当該合意に基づき、当社の連結子会社と当該関連会社との間で資産の購入金額および年間リース料が合意されました。この購入金額は、2,530百万米ドルです。
当連結会計年度において、新たに確定した重要な設備の除却等に係る計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注) ADR(米国預託証券)をニューヨーク証券取引所に上場しています。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 株式分割(1:3)によるものです。
2 自己株式の消却によるものです。
(5) 【所有者別状況】
2026年3月31日現在
(注) 1 証券保管振替機構名義の株式7,500株は、「その他の法人」の欄に75単元含めて表示しています。
2 自己株式634,998,187株は、「個人その他」の欄に6,349,981単元、「単元未満株式の状況」の欄に87株をそれぞれ含めて表示しています。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注) 1 モックスレイ・アンド・カンパニー・エルエルシーは、ADR(米国預託証券)の預託機関であるジェーピー モルガン チェース バンクの株式名義人です。
2 2025年9月19日付で公衆の縦覧に供されている、三井住友信託銀行株式会社から提出された大量保有報告書において、2025年9月15日現在で次のとおり当社株式を保有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末における実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主の状況には含めていません。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2026年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託が所有する当社株式2,952,600株(議決権の数29,526個)、および株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託が所有する当社株式2,468,600株(議決権の数24,686個)と、証券保管振替機構名義の株式7,500株(議決権の数75個)が含まれています。
2 「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式87株およびBIP信託が所有する当社株式81株と、ESOP信託が所有する当社株式91株が含まれています。
② 【自己株式等】
2026年3月31日現在
(注) 各社の自己名義所有株式数は、100株未満を切捨て表示しています。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
① 執行役に対する株式報酬制度(役員報酬BIP信託)
当社は、国内居住の執行役を対象に、中長期での企業価値の持続的な向上に対する貢献意識をより高めるとともに、株主の皆様との利益共有をはかることを目的とした株式報酬制度(以下1において「本制度」という。)を2019年3月期から導入し、2022年3月期および2025年3月期に本制度の継続を決議しています。
1 本制度の概要
本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)を用いた株式報酬制度です。BIP信託は、米国の業績連動型株式報酬(Performance Share)および譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)と同様に、役位および当社の業績や企業価値等の経営上の指標の達成度または成長度に応じて、執行役に対し当社株式および金銭の交付および給付を行う仕組みです。
2 信託契約の内容
3 執行役に取得させる予定の株式の総数
2,603千株(2025年3月期からの3事業年度を対象とする予定総数)
4 本株式報酬制度による受益権及びその他の権利を受けることができる者の範囲
執行役のうち受益者要件を満たす者
② 従業員に対する株式交付制度(株式付与ESOP信託)
当社は、当社の従業員である執行職を対象に、役員と執行職が一体となり重要テーマの取り組みを加速させ、社会的価値・経済的価値の創出をより一層後押しすることを目的とした株式交付制度(以下1において「本制度」という。)を2025年3月期から導入しています。
また、これらの取り組みをより一層加速させ、役員、執行職および管理職が一体となって中長期の社会的価値・経済的価値を創出していくために、2026年3月期から一部の管理職を本制度の対象者としています。
1 本制度の概要
本制度は、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下「ESOP信託」という。)を用いた株式交付制度です。ESOP信託は、米国のESOP制度を参考にした従業員インセンティブ・プランであり、ESOP信託が取得した当社株式を、株式交付規程に基づき執行職および一部の管理職に交付する仕組みです。
2 信託契約の内容
3 従業員に取得させる予定の株式の総数
2,335千株(2025年3月期からの3事業年度を対象とする予定総数)
4 本株式交付制度による受益権及びその他の権利を受けることができる者の範囲
執行職および一部の管理職のうち受益者要件を満たす者
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注) 1 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの当該決議に基づく
取得による株式は含まれていません。
2 取得自己株式には、BIP信託およびESOP信託が取得した当社株式は含まれていません。
3 2024年11月6日開催の取締役会において、取得期間を2024年11月7日から2025年10月31日までとする旨を決
議しておりましたが、2024年12月23日開催の取締役会において、同日付で上記決議に基づく自己株式の取得を
中止することを決議しています。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 1 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の
買取りによる株式は含まれていません。
2 取得自己株式には、BIP信託およびESOP信託が取得した当社株式は含まれていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における処理自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の
売渡しによる株式は含まれていません。
2 当期間における保有自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の
買取りおよび売渡しによる株式は含まれていません。
3 処理自己株式数および保有自己株式数には、BIP信託およびESOP信託が保有する当社株式数は含まれていま
せん。
3 【配当政策】
当社は、グローバルな視野に立って世界各国で事業を展開し、企業価値の向上に努めています。成果の配分にあたりましては、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題の一つとして位置づけており、長期的な視点に立ち将来成長にむけた内部留保資金や連結業績などを考慮しながら決定していきます。配当は、DOE(調整後親会社所有者帰属持分配当率)3.0%を目安に安定的・継続的に行うよう努めていきます。今後も一層の資本効率の向上と、配当水準の更なる充実をめざしてまいります。
また、機動的な資本政策の実施などを目的として自己株式の取得も適宜実施していきます。
内部留保資金につきましては、将来の成長に不可欠な研究開発や事業拡大のための投資および出資と健全な財務体質の維持に充てていきます。
当社の剰余金の配当は、中間配当と期末配当の年2回の配当を基本的な方針としています。配当の決定機関は、取締役会としています。
当事業年度の1株当たりの年間配当金につきましては70円としました。なお、半期毎の配当金は、中間配当金35円、期末配当金35円となりました。
(注) 1 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、上記のとおりです。
2 DOE(調整後親会社所有者帰属持分配当率)のベースとなる「親会社の所有者に帰属する持分」は為替や市場環境の影響による変動の大きい「その他の資本の構成要素」を除外した調整後の数値を基にします。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、基本理念に立脚し、株主・投資家の皆様をはじめ、お客様、社会からの信頼をより高めるとともに、会社の迅速・果断かつリスクを勘案した意思決定を促し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をはかることで、「存在を期待される企業」となるために、経営の最重要課題の一つとして、コーポレートガバナンスの充実に取り組んでいます。
当社は、経営の監督機能と執行機能を明確に分離し、監督機能の強化と迅速かつ機動的な意思決定を行うため、過半数の社外取締役で構成される「指名委員会」、「監査委員会」、「報酬委員会」を有し、かつ取締役会から執行役に対して大幅に業務執行権限を委譲可能な指名委員会等設置会社を採用しています。
株主・投資家の皆様やお客様、社会からの信頼と共感をより一層高めるため、四半期ごとの決算や経営政策の迅速かつ正確な公表など、企業情報の適切な開示を行っており、今後も透明性の確保に努めていきます。
② 会社の機関の内容

なお、本体制図上は、取締役会の構成員を「取締役12名(うち社外取締役6名)」、指名委員会の構成員を「取締役5名(うち社外取締役4名)」、報酬委員会の構成員を「取締役4名(うち社外取締役3名)」と記載していますが、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役11名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決された場合、提出日現在の構成員に対し「取締役11名(うち社外取締役6名)」となり、定時株主総会終了後の取締役会決議後の指名委員会の構成員は「取締役4名(うち社外取締役4名)」、報酬委員会の構成員は「取締役4名(うち社外取締役4名)」となる予定です。
<取締役会>
取締役会は、6名の社外取締役を含む12名の取締役によって構成されています。
取締役会は、株主からの負託に応えるべく、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、経営の基本方針その他経営上の重要事項の決定を行うとともに、取締役および執行役の職務執行の監督を行います。また、法令・定款に定められた事項のほか、取締役会規則で定めた事項を審議・決定し、それ以外の事項は代表執行役または執行役に委任しています。
上記の役割を果たすため、取締役候補者は、性別・国籍等の個人の属性に関わらず、会社経営や法律、行政、会計、教育等の分野または当社の業務に精通するとともに、人格・見識に優れた人物とし、その指名にあたり指名委員会はジェンダーや国際性、各分野の経験や専門性のバランスを考慮しています。
2026年6月18日(有価証券報告書提出日)現在の構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
当社は、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役11名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決された場合、提出日現在の構成員に対して取締役10名(うち社外取締役6名)が再任され、四竈真人氏は、取締役として新たに選任され、当社の取締役会の構成員は、以下のとおり11名となる予定です。また、同日付で、國分文也氏は、取締役会議長を担当する予定です。
なお、当社は取締役会の機能の現状を確認し、さらなる「取締役会の実効性の向上」と「株主・ステークホルダーの理解促進」につなげることを目的に、毎年度、取締役会全体の実効性の評価を実施しています。当事業年度の取締役会の実効性評価の方法および結果の概要は以下のとおりです。
当事業年度は、評価にあたり、前回同様、取締役の自己評価を行いました。自己評価は、取締役に対して実施したアンケートとヒアリングの結果をもとに、取締役会で審議・決定しました。アンケートの質問項目は、外部の弁護士の監修のもとで設定し、またヒアリングおよび結果の集計は外部の弁護士により実施しました。
取締役会の実効性評価の結果、取締役会の実効性が概ね適切に確保されていることを確認しましたが、各事業戦略の着実な実行と、果断かつ透明性を持った意思決定実現のため、ガバナンス体制の強化を実施しました。
適時・適切なアジェンダセッティングや経営上の重要事項に関するタイムリーな情報提供および事務局の強化により取締役会の更なる実効性の向上を図ってまいります。
<指名委員会>
指名委員会は、株主総会に提案する取締役の選任および解任に関する議案の内容の決定、その他法令または定款に定められた職務を行っています。指名委員会は、社外取締役4名を含む5名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。
2026年6月18日(有価証券報告書提出日)現在の構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
2026年6月26日開催予定の定時株主総会終了後の取締役会決議後の構成員については以下のとおりとなる予定です。
<監査委員会>
監査委員会は、株主からの負託に応えるべく、会社の健全で持続的な成長を確保するため、取締役および執行役の職務執行の監査その他法令または定款に定められた職務を行っています。監査委員会は、社外取締役3名を含む5名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。なお、当社は、監査の実効性を確保するため、取締役会の決議により常勤の監査委員を選定しています。
2026年6月18日(有価証券報告書提出日)現在の構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。(2026年6月26日開催予定の定時株主総会終了後の取締役会決議後も以下構成員となる予定です。)
取締役 小川陽一郎氏は公認会計士として豊かな知識と経験を有しており、また、取締役 森澤治郎氏は、当社および当社の子会社における財務・経理部門において十分な業務経験を有しており、両氏は会社法施行規則第121条第9号において規定される「財務及び会計に関する相当程度の知見を有しているもの」に該当します。また、当社の監査委員会は、小川陽一郎および森澤治郎の両氏を、米国企業改革法第407条に基づく米国証券取引委員会規則において規定される「監査委員会における財務専門家」に認定しています。なお、現在の監査委員5名全員は、米国証券取引委員会規則において規定される独立性を確保しています。
その他、監査委員会の活動状況の詳細については、「(3) 監査の状況」を参照ください。
<報酬委員会>
報酬委員会は、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容の決定、その他法令または定款に定められた職務を行っています。報酬委員会は、社外取締役3名を含む4名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。
2026年6月18日(有価証券報告書提出日)現在の構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
2026年6月26日開催予定の定時株主総会終了後の取締役会決議後の構成員については以下のとおりとなる予定です。
<組織運営体制>
「二輪・四輪・パワープロダクツ事業のさらなる競争力向上」とモビリティを通じて「世界中へ自由な移動の喜びをサステナブルに提供すること」の実現をめざした運営体制を構築しています。
事業軸では、製品別の中長期展開を企画する四輪事業本部および二輪・パワープロダクツ事業本部を設置しています。各事業本部がグローバルでのリソースコントロールを行い、各地域における新たな成長・価値創造と事業運営の効率化をリードしています。
機能軸では、コーポレート戦略本部、コーポレート管理本部、四輪生産本部、サプライチェーン購買本部、および品質改革本部を設置し、各事業で直面する課題を横串で捉え、最適な対応を即断即決できる体制を構築しています。
特に四輪領域においては、㈱本田技術研究所に量産開発と将来研究の領域を集約し、商品力強化のために、技術テーマの選択から商品投入までを一体で捉え、一気通貫でスピーディーに環境変化に対応できる体制へと変更し、魅力ある商品を生み出し続けることができる研究開発体制としています。
各本部・法人が連携しながら、「存在を期待される企業」をめざしています。
<執行体制>
当社は、地域や現場での業務執行を強化し、迅速かつ適切な経営判断を行うため、地域・事業・機能別の各本部や主要な組織に、代表執行役からの権限委譲を受け、担当分野の業務を執行する責任者として、執行役その他業務執行責任者を配置しています。
<経営会議>
当社は、原則として代表執行役および執行役から構成される経営会議を設置し、取締役会の決議事項等について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議しています。
2026年6月18日(有価証券報告書提出日)現在の構成員については以下のとおりです。
2026年6月26日開催予定の定時株主総会終了後の取締役会決議後の構成員については以下のとおりとなる予定です。
なお、各事業を強化し、世界での最適な事業運営を円滑に遂行するため、各領域におかれた事業執行会議等が、経営会議から委譲された権限の範囲内で、各領域における経営の重要事項について審議しています。
<現状の体制を採用している理由>
当社は、経営の監督機能と執行機能を明確に分離し、監督機能の強化と迅速かつ機動的な意思決定を行うため、過半数の社外取締役で構成される「指名委員会」、「監査委員会」、「報酬委員会」を有し、かつ取締役会から執行役に対して大幅に業務執行権限を委譲可能な指名委員会等設置会社を採用しています。
<責任限定契約の内容の概要>
当社は、全ての社外取締役との間で、会社法第427条第1項および当社定款第27条第2項に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任について、同法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする旨の責任限定契約を締結しています。
<補償契約の内容の概要>
当社は、全ての取締役および執行役との間で会社法第430条の2第1項に基づく補償契約を締結しており、同項第1号に定める費用を法定の範囲内において当社が補償することとしています。
<役員等賠償責任保険契約の内容の概要>
当社は、会社法第430条の3第1項に基づき、全ての取締役および執行役が被保険者に含まれる役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者が負担することとなる法律上の損害賠償金・争訟費用を当該保険契約により補填することとしています。
③ 内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備状況
当社の取締役会は、内部統制システム整備の基本方針について、以下のとおり決議しています。
1 執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
法令や社内規則の遵守等の当社役員および従業員が守るべき行動の規範を定め、周知徹底をはかる。
コンプライアンスに係る内部通報体制を整備する。
コンプライアンスに関する事項を統括する執行役を設置し、コンプライアンスに関する体制を整備する。
2 執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
執行役の職務の執行に係る情報については、管理方針を定め、適切に保存および管理を行う。
3 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
経営上の重要事項に関しては、会議体においてリスクを評価、検討した上で決定する体制を整備する。
リスク管理に関する事項を統括する執行役を設置するとともに、リスク管理に関する規程を定め、リスク管理体制を整備する。
4 執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
地域・事業・機能別の各本部や主要な組織に、代表執行役からの権限委譲を受け、担当分野の業務を執行する責任者として、執行役その他業務執行責任者を配置するとともに、当該責任者に授権される権限の範囲と意思決定のプロセスを明確にして、迅速かつ適切な経営判断を行える体制を整備する。
また、効率的かつ効果的な経営を行うため、中期経営計画および年度毎の事業計画などを定め、その共有をはかるとともに、その進捗状況を監督する。
5 当社および当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社の役員および従業員の行動の規範ならびに内部統制システム整備の基本方針を子会社と共有するとともに、子会社を監督する体制を整備し、当社グループとしてのコーポレートガバナンスの充実に努める。
子会社における経営の重要事項などを当社に報告する体制を整備する。
当社の定めるリスク管理方針を子会社と共有するとともに、子会社からの重要リスクの報告に関する規程を定めるなど、当社グループとしてのリスク管理体制を整備する。
当社グループにおける法令違反などの問題を早期に発見し、対応するため、当社グループとしての内部通報体制を整備する。
当社グループとしての内部監査体制の充実をはかる。
(注) 上記において、「当社グループ」とは、当社および当社子会社から成る企業集団を意味しています。
6 監査委員会の職務を補助すべき取締役および使用人に関する事項、当該取締役および使用人の執行役からの独立性に関する事項ならびに当該取締役および使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
取締役会直属のスタッフ組織を設置し、監査委員会へのサポートを実施する。
7 取締役、執行役および使用人が監査委員会に報告をするための体制ならびに当該報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
監査委員会に対して、当社や子会社の役員および従業員が報告を実施するための体制を整備する。また、当該報告を行ったことを理由に不利な取り扱いを行わない。
8 監査委員の職務執行について生ずる費用の処理に係る方針、その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員の職務執行に必要な費用は、法令に則って会社が負担する。
その他、監査委員会の監査が実効的に行われるために、必要な体制を整備する。
上記内部統制システム整備の基本方針に基づく、当社の体制整備および運用状況の概要は以下のとおりです。
1 執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
「Honda行動規範」を制定して、法令遵守などに関する当社の方針と役員および従業員が実践するべき誠実な行動を明確にし、役員研修、入社時研修および階層別の従業員研修の機会を通じて、周知徹底をはかっています。
また、当社は、法令遵守その他コンプライアンス(贈収賄防止、インサイダー取引禁止など)に関する規則などを定め、関連する研修を実施しています。
内部通報窓口として、企業倫理改善提案窓口を設置しています。窓口は、社内に加え、弁護士事務所による社外窓口も設けており、提案者保護などを含む運用規程を定めて運営しています。
取締役会決議に基づき、取締役 代表執行役副社長をコンプライアンス&プライバシーオフィサーに任命しています。なお、2026年6月26日開催予定の定時株主総会および当該株主総会終了後の取締役会決議後も「取締役 代表執行役副社長」となる予定です。
コンプライアンス&プライバシーオフィサーを委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関する重要事項の審議を行っています。
2026年6月18日(有価証券報告書提出日)現在のコンプライアンス委員会の構成員については以下のとおりです。(2026年6月26日開催予定の定時株主総会終了後の取締役会決議後も以下のとおりとなる予定です。)
2026年3月期において、コンプライアンス委員会を7回(定期委員会4回、臨時委員会3回)開催し、内部統制システムの整備・運用状況、企業倫理改善提案窓口の運用状況、コンプライアンス向上に係る施策などを審議しました。
各部門は、法令遵守について、コントロールセルフアセスメント(CSA)の手法を用いた検証を行い、その結果について、監査統括部による内部監査を実施しました。
2 執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
当社における情報管理の方針は、「文書管理規程」により定められており、執行役の職務の執行に係る情報の管理方針も規定されています。
取締役会および経営会議の議事録は、上記規程に従い、開催毎に作成され、担当部門により永年保存されています。
また、指名委員会、監査委員会および報酬委員会の議事録についても、上記規程に従い、開催毎に作成され、担当部門により10年間保存されています。
なお、会社情報の不正な使用・開示・漏洩を防止し、機密情報および個人情報を適切に取り扱うための「グローバル・コンフィデンシャリティ・ポリシー」や「グローバル・プライバシー・ポリシー」などを整備し、社内研修などを通じて、従業員などへの周知徹底をはかっています。
これらの情報管理に関する責任者として、コンプライアンス&プライバシーオフィサーを設置しています。
3 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
経営上の重要事項は、取締役会、経営会議、事業執行会議、地域執行会議などで各審議基準に従って審議され、リスクを評価、検討した上で決定されています。
取締役会決議に基づき、リスクマネジメントオフィサーとして、執行役常務 四輪事業本部長兼統合地域本部長を任命しています。なお、2026年6月26日開催予定の定時株主総会および当該株主総会終了後の取締役会決議後も、「執行役常務 四輪事業本部長兼統合地域本部長」となる予定です。
リスクマネジメントオフィサーを委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、リスクマネジメントに関する重要事項の審議を行っています。
2026年6月18日(有価証券報告書提出日)現在のリスクマネジメント委員会の構成員については以下のとおりです。
2026年6月26日開催予定の定時株主総会終了後の取締役会決議後の構成員については以下のとおりとなる予定です。
2026年3月期において、リスクマネジメント委員会を7回開催し、当社グループの重要なリスクの特定、対応、対応状況の確認などを実施しました。
「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」を制定し、ビジネスリスク、災害リスクなど、当社におけるリスク管理の基本方針、リスク情報の収集および発生時の対応体制などを規定しています。
各部門は上記規程に従い、定期的にリスクアセスメントなどを行っています。
重大なリスクについては、リスクマネジメントオフィサーにより、その対応状況が監視、監督されており、必要に応じてグローバル危機対策本部を設置します。
(注) 上記において、「当社グループ」とは、当社および当社子会社から成る企業集団を意味しています。
4 執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
地域や現場での業務執行を強化し、迅速かつ適切な経営判断を行うため、地域・事業・機能別の各本部や主要な組織に、代表執行役からの権限委譲を受け、担当分野の業務を執行する責任者として、執行役その他業務執行責任者を配置しています。
経営の重要事項を決定する機関として、取締役会のほか、経営会議や事業執行会議などが設置されており、各審議基準により執行役その他業務執行責任者に授権される権限の範囲と意思決定のプロセスが明確になっています。また、指名委員会等設置会社を採用し、取締役会の監督機能を強化するとともに、意思決定のさらなる迅速化のため取締役会から経営会議への権限委譲の拡大をはかっています。
取締役会が経営ビジョンおよび全社中長期経営計画を決定し、各本部長をはじめとする業務執行責任者を通じて全社で共有しています。
取締役会は、全社中長期経営計画および年次の事業計画について、定期的にそれぞれ進捗の報告を受け、その執行状況を監督しています。
5 当社および当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社の内部統制の担当部門が、直接または地域統括会社を通じて「Honda行動規範」および内部統制システム整備の基本方針の子会社への周知をはかっています。
また、当社は、法令遵守その他コンプライアンス(贈収賄防止、インサイダー取引禁止など)に関するグローバルポリシーなどを定め、そのポリシーに基づいた各子会社の規程を定めるよう求めています。また、各社においては、それらの規程に関する研修を実施しています。
上記の取り組みも含め、各子会社は、各国の法令や各社の業態に合わせた内部統制体制を整備、運用し、当社にその状況を定期的に報告しています。
子会社の監督責任を担う責任者は、各子会社の事業に関連する領域を管轄する執行役その他業務執行責任者の中から選定しています。当該責任者は、担当する子会社から、事業計画や経営状況などに関して定期的に報告を受け、事業管理関連部門やその他の関連部門と連携して、担当する各子会社を監督しています。
当社は、子会社の経営の重要事項に関して、当社の審議基準に従った当社の事前承認または当社への報告を求めており、子会社は当社の要請を含めた自社の決裁ルールの整備を行っています。
子会社は、当社の「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」に基づき、規模や業態に応じたリスク管理体制を整備しており、重大なリスクについては当社に報告しています。なお、当社のリスク管理の担当部門が、子会社のリスク管理体制の整備、運用状況を確認しています。
当社の企業倫理改善提案窓口が、当社および子会社からの内部通報を受け付けるとともに、地域統括会社やその他の主要な子会社は、自社の内部通報窓口を設置しています。
社長直轄の監査統括部が、当社各部門の内部監査を行うほか、主要な子会社に設置された内部監査部門を監視、指導するとともに、必要に応じて子会社に対する直接監査を実施しています。
6 監査委員会の職務を補助すべき取締役および使用人に関する事項、当該取締役および使用人の執行役からの独立性に関する事項ならびに当該取締役および使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
取締役会および指名・監査・報酬の各委員会の職務を補助する専任の組織として取締役会室を設置しています。なお、監査委員会を専任で補助する使用人であることをより明確にするため、2025年4月1日付で監査委員会事務局を設置しています。
取締役会室に所属する従業員は、取締役会および各委員会の指揮命令下で職務を遂行しています。また、監査委員会事務局に所属する従業員は、その人事評価および人事異動等について監査委員会の同意を必要としており、執行役からの独立性および監査委員会からの指示の実効性を確保しています。
7 取締役、執行役および使用人が監査委員会に報告をするための体制ならびに当該報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
監査委員会への報告基準として「監査委員会報告基準」を定め、監査委員会に対して、当社の各担当部門が、当社や子会社などの事業の状況、コンプライアンスやリスク管理などの内部統制システムの整備および運用の状況などを定期的に報告するほか、会社に重大な影響を及ぼす事項がある場合には、これを報告しています。
監査委員会に報告を行った者に対して、当該報告を行ったことを理由に不利な取扱いは行っていません。
8 監査委員の職務執行について生ずる費用の処理に係る方針、その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員の職務執行に必要な費用を会社として負担するため、年度毎に、監査委員会からの提案に基づいて必要な予算を確保しています。
監査委員会は、内部監査部門である監査統括部と緊密に連携して、当社や子会社などの監査を実施するほか、常勤の監査委員2名を設置し、必要に応じ、経営会議その他の重要な会議に出席しています。
<反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方およびその体制整備状況>
当社は、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して毅然とした姿勢を貫くことを基本方針とし、対応総括部署を定め、警察等の関連する外部機関と連携して対応しています。
④ 定款の定め
<取締役会にて決議できる株主総会決議事項>
機動的な資本政策および配当政策が遂行できるようにするため、剰余金の配当等について、取締役会の決議によって決定することができる旨を定款で定めています。
また、取締役および執行役が期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項に基づき、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役および執行役(取締役および執行役であった者を含む。)の損害賠償責任を会社法で定める範囲内で免除することができる旨を定款に定めています。
<株主総会の特別決議要件>
定足数の確保をより確実にするため、株主総会における特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。
<取締役選任の決議要件>
取締役の選任の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めています。(取締役の選任の決議は、累積投票によらないこととしています。)
<取締役の定数>
当社の取締役は、15名以内とする旨を定款で定めています。
⑤ 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況
<株主総会の活性化および議決権行使の円滑化に向けての取り組み状況>
<IRに関する活動状況>
<ステークホルダーの立場の尊重に係る取り組み状況>
当社では「ステークホルダーとの対話」が、当社の取り組みに対するより正しい理解につながるとともに、社会環境の変化やリスクを把握できる有益な手段でもあると考えています。こうした認識のもと、当社の事業活動により影響を受ける、もしくはその行動が事業活動に影響を与える主要なステークホルダーと社内各部門がグローバルでさまざまな機会を通じて対話を実施しています。その一環として、当社のめざす姿・提供価値をステークホルダーの皆様にご理解いただくために統合報告書「Honda Report」を、そしてサステナビリティに関する考え方や取り組みを、ESGの観点で網羅的にまとめたESG各領域の実績報告を主体とする「Honda ESG Report」を発行し、それぞれ当社ウェブサイトにて公開しています。
<企業情報の開示>
決算発表や財務報告書による企業情報の開示にあたっては、取締役 代表執行役社長および執行役 最高財務責任者による開示内容の正確性・的確性の確認を補佐するために、「ディスクロージャー委員会」を設置し、開示内容について審議しています。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
(i)2026年6月18日(有価証券報告書提出日)現在の役員の状況は以下のとおりです。
男性23名 女性3名 (役員のうち女性の比率12%)
a. 取締役の状況
(注) 1 取締役 酒井邦彦、國分文也、小川陽一郎、東和浩、永田亮子および我妻三佳の各氏は、社外取締役です。
2 取締役の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会の終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会の終結
の時までです。
3 ( )内記載の株式数は、役員報酬制度のうちLTI(Long Term Incentive)の基準額に応じて付与されたポイントに対し、業績評価による変動幅の下限に相当する株式数を記載しています。詳細については、「(4) 役員の報酬等」を参照ください。
b. 執行役の状況
(注) 1 執行役の任期は、選任後、2026年3月期に係る定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時
までです。
2 当社は、環境変化に柔軟かつスピーディに対応する役員体制への進化を目的に、2020年4月より執行職制度
を導入しています。執行職は、経営の指示・監督のもと、各担当する領域の業務執行の責任者として会社の運
営に携わっています。
3 ( )内記載の株式数は、役員報酬制度のうちLTI(Long Term Incentive)の基準額に応じて付与されたポイントに対し、業績評価による変動幅の下限に相当する株式数を記載しています。詳細については、「(4) 役員の報酬等」を参照ください。
(ii)当社は2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役11名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決された場合、当社の役員の状況は以下のとおりになる予定です。
なお、当該定時株主総会の直後に開催予定の取締役会の決議事項の内容(役職名等)も含め記載しております。
男性21名 女性3名 (役員のうち女性の比率13%)
a. 取締役の状況
(注) 1 取締役 酒井邦彦、國分文也、小川陽一郎、東和浩、永田亮子および我妻三佳の各氏は、社外取締役です。
2 取締役の任期は、2026年3月期に係る定時株主総会の終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会の終結
の時までです。
3 ( )内記載の株式数は、役員報酬制度のうちLTI(Long Term Incentive)の基準額に応じて付与されたポイントに対し、業績評価による変動幅の下限に相当する株式数を記載しています。詳細については、「(4) 役員の報酬等」を参照ください。
b. 執行役の状況
(注) 1 執行役の任期は、選任後、2027年3月期に係る定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時
までです。
2 当社は、環境変化に柔軟かつスピーディに対応する役員体制への進化を目的に、2020年4月より執行職制度
を導入しています。執行職は、経営の指示・監督のもと、各担当する領域の業務執行の責任者として会社の運
営に携わっています。
3 ( )内記載の株式数は、役員報酬制度のうちLTI(Long Term Incentive)の基準額に応じて付与されたポイントに対し、業績評価による変動幅の下限に相当する株式数を記載しています。詳細については、「(4) 役員の報酬等」を参照ください。
② 社外取締役の状況
<社外取締役>
当社では、豊富な経験と高い見識を有し、社外の独立した立場に基づき、客観的かつ高度な視点から、広い視野に立って、当社の経営全般を監督いただける方を社外取締役に選任しています。社外取締役は2名以上とし、かつ取締役会の3分の1以上は、当社の「独立性判断基準」を満たす独立社外取締役で構成することとしています。
なお、現在の社外取締役6名全員は、当社の「社外取締役の独立性判断基準」を満たしており、いずれも当社との間に特別な利害関係はなく、一般株主との利益相反が生じるおそれはないと考えています。これを踏まえ、当社は、この6名全員を東京証券取引所の規程に定める独立役員として、同取引所に届け出ています。
また、社外取締役は、当社以外の上場会社の役員を兼務する場合、当社の職務に必要な時間を確保するため、当社の他に4社までに限るものとしています。
2026年6月26日開催予定の定時株主総会にて、当社が提案する議案「取締役11名選任の件」が承認可決された場合の各社外取締役の選任理由については以下のとおりです。
監査委員である社外取締役は、下記「(3) 監査の状況」の「① 内部監査、会計監査および監査委員会の監査の状況」に記載のとおり、会計監査人、内部監査部門および統制部門と連携をはかっています。
<社外取締役のサポート体制>
当社では、社外取締役に対して、取締役会室が中心となり、社外取締役の機能発揮のため、以下のようなサポートを行っています。
<社外取締役の独立性判断基準>
当社取締役会は、社外取締役が、東京証券取引所の定める独立性基準に加え、以下に定める要件を満たすと判断される場合に、当社に対し十分な独立性を有していると判断します。
1 本人が、現在または過去1年間において、以下に掲げる者に該当しないこと。
(1)当社の大株主(注1)の業務執行者(注2)
(2)当社の主要な取引先(注3)の業務執行者、または当社を主要な取引先とする会社の業務執行者
(3)当社グループの主要な借入先(注4)の業務執行者
(4)当社の法定監査を行う監査法人の業務執行者または当社の監査業務の担当者
(5)当社から役員報酬以外に多額(注5)の金銭等を得ているコンサルタント、会計専門家または法律専門家
(法人、団体等である場合はその業務執行者)
2 本人の近親者(注6)が、現在または過去1年間において、1(1)ないし(5)に該当しないこと。
(注)1 大株主とは、事業年度末において、総議決権の10%以上の株式を直接または間接的に保有する株主をい
う。
2 業務執行者とは、業務執行取締役および執行役ならびに執行役員等の重要な使用人をいう。
3 主要な取引先とは、当社の取引先であって、その年間取引金額が当社の連結売上収益または相手方の連
結売上収益の2%を超えるものをいう。
4 主要な借入先とは、当社グループが借入れを行っている金融機関であって、その総借入金残高が事業年
度末において当社または当該金融機関の連結総資産の2%を超える金融機関をいう。
5 多額とは、当社から収受している対価が年間1千万円を超えるときをいう。
6 近親者とは、本人の配偶者または二親等内の親族をいう。
(3) 【監査の状況】
① 内部監査、会計監査および監査委員会の監査の状況
<内部監査>
監査統括部は62名で構成され、取締役会および社長に直接報告する位置づけの独立した内部監査部門として、当社各部門の内部監査を行うほか、主要な子会社に設置された内部監査部門を監視・指導するとともに、適宜、子会社の直接監査を実施するなどして、Hondaグループとしての内部監査を充実させ、戦略目標達成やリスク対応を一層確実なものにすることに努めています。
監査統括部は、内部監査規程や各事業年度の年間監査計画について、監査委員会の意見を聴取し、経営会議および取締役会で承認を受けています。また、監査の実施結果や部門運営の基本事項について、経営会議、監査委員会および取締役会に定期的に報告を行っています。
<監査委員会監査>
a.監査委員会の組織、人員および手続
監査委員会の組織、人員および手続については、「(1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照ください。
b.当事業年度における監査委員会の活動状況
その他、当事業年度において、監査委員会は、監査委員会が定めた監査委員会監査基準、監査の方針、業務の分担などに従い、以下の主な活動を通じて取締役および執行役の職務執行の監査を行いました。
<会計監査>
当社は、有限責任 あずさ監査法人による会社法、金融商品取引法および米国証券取引法に基づく会計監査を受けています。
有限責任 あずさ監査法人による継続監査期間は21年です。
継続監査期間は、現任監査人である有限責任 あずさ監査法人が当社の有価証券報告書に含まれる連結財務諸表および財務諸表の監査を継続実施した期間について記載したものです。なお、同監査法人が所属するネットワークであるKPMGは当社の米国SEC登録目的の監査を1962年より継続実施しています。
有限責任 あずさ監査法人においては、会計監査業務を執行した公認会計士3名(近藤敬、鎌田健志および野間公平)とその補助者101名(公認会計士27名、その他74名)の計104名が監査業務に従事しました。
<相互連携>
監査委員会は、会計監査人、内部監査部門および統制部門との間で、以下の主な活動を通じて連携をはかっています。
<監査法人の選定方針と選定した理由>
a.会計監査人を選定した理由
当社グループは、複数の事業をグローバルに展開しており、財務情報の国際的比較可能性の向上および均質化、財務報告の効率性向上の観点から、国際会計基準を採用しています。また、当社株式は東京証券取引所に加え、ADR(米国預託証券)によりニューヨーク証券取引所に上場しています。
これらに対応できる監査体制、独立性および専門性を有し、監査の品質管理状況、監査報酬水準等を考慮し、適切な監査の実施が可能な監査法人と判断したことから、有限責任 あずさ監査法人を会計監査人に選定しています。
当社監査委員会は、以下の「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」に基づき、当事業年度における会計監査人の監査職務遂行状況等を確認しました。その結果、会計監査人には、当該方針に該当する事象は認められないことから、有限責任 あずさ監査法人を2027年3月期の会計監査人として、解任もしくは不再任しないこととしました。
b.「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」の内容
当社監査委員会は、会計監査人に、重大な法令違反や監査品質の著しい低下などの、会計監査人としてふさわしくないと判断される事象が認められた場合、会社法に定められた手続きに従って会計監査人の解任をする、または株主総会に提出する会計監査人の解任もしくは不再任に関する議案の内容を決定します。
<監査委員会による監査法人の評価>
当事業年度において、当社監査委員会は、会計監査人の再任の適否について、日本監査役協会の定める実務指針に基づき会計監査人の評価項目を定め、執行役、社内関係部署および会計監査人から必要な資料を入手しかつ報告を受け、会計監査人の職務遂行状況、監査体制、独立性および専門性などが適切であるかに関し、評価を行いました。
② 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬の内容
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMG)に属する組織に対する報酬の内容(a.を除く)
上記a.およびb.の報酬に関する前連結会計年度および当連結会計年度における非監査業務の内容は、会計事項や情報開示に関する助言および指導などです。
③ その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
④ 監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士等に対する監査報酬の決定にあたっては、会計監査人と協議のうえ、当社の規模・特性、監査日程等の諸要素を勘案しています。また、当社は、会計監査人の独立性を保つため、監査報酬については、監査委員会による事前同意を得ることとしています。
⑤ 監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当事業年度において、当社監査委員会は、執行役、社内関係部署および会計監査人からの必要な資料の入手や報告の聴取を通じた前事業年度の監査実績の検証と評価を基準に、当事業年度の会計監査人の監査計画の内容、報酬の前提となる見積りの算出根拠を検討した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項および第4項の同意を行いました。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の個人別の報酬等の決定方針の決定方法
当社は、コーポレートガバナンスの要諦である役員報酬を当社の基本理念、経営方針およびめざす姿の実現に向けた重要な原動力と捉えています。取り巻く環境が大きく変化する中で、全社ビジョンの達成に向け、スピード感を持って変革を推し進めていくための適切なリスクテイクを促し、かつ経営責任を的確に反映する制度内容とするため、以下の決定方針を報酬委員会にて定めています。
1 当社の役員報酬制度は、企業価値の継続的な向上を可能とするよう、短期のみでなく中長期的な業績向上への貢献意欲を高める目的で設計され、職務執行の対価として毎月固定額を支給する月度報酬と、当該事業年度の業績に連動したSTI(Short Term Incentive)および中長期の業績と連動したLTI(Long Term Incentive)によって構成されます。
2 月度報酬は、報酬委員会で決議された報酬基準に基づいて毎月固定額を支給します。
3 STIは、各事業年度の業績を勘案して、報酬委員会の決議によって決定し、支給します。
4 LTIは、持続的な成長に向けた健全なインセンティブとして機能するよう、報酬委員会で決議された基準および手続に基づいて中長期の業績と連動して自社株式および金銭を支給します。
5 執行役を兼務する取締役および執行役の報酬は、月度報酬、STIおよびLTIによって構成され、報酬委員会によって決議された報酬基準に基づいて構成比率を定めています。構成比率は、役位ごとの経営責任の重さに応じて変動報酬の比率を高めています。
6 社外取締役その他執行役を兼務しない取締役の報酬は、月度報酬のみで構成されます。
7 LTIの対象とならない取締役および執行役においても、自社株式の保有を通じて株主目線に立った経営を実現し、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促進するため、報酬のうち一定程度を役員持株会に拠出し、自社株式を取得することとします。
8 取締役および執行役は、LTIとして取得した自社株式および役員持株会を通じて取得した自社株式について、納税資金確保を目的とする売却として当社が定める場合を除き、在任期間に加えて退任後1年間は継続して保有することとします。
② 報酬水準の考え方
当社の取締役および執行役の報酬水準は、外部調査機関の客観的な報酬データおよび外部コンサルタントからの情報提供等を活用し、同規模の日系グローバル企業20~30社程度をピアグループとした調査・分析を行い、多様で優秀な人材を確保するための競争力のある水準を設定します。また経営環境の変化に対応し、適宜見直しを行うものとします。
なお、2026年3月期の報酬水準の設定においてピアグループの見直しを検討していましたが、経営環境の変化等を踏まえ、見直しは見送ることを報酬委員会にて決定しました。
③ 報酬構成
当社の執行役の報酬は、月度報酬、STIおよびLTIによって構成され、企業価値の継続的な向上に向けたインセンティブとしての観点から、役位ごとの経営責任の重さに応じたSTIおよびLTIの比率を設定します。
1 執行役報酬制度の概要
2 月度報酬
月度報酬は、職務執行の対価として役位に応じた固定額を金銭にて毎月支給します。
3 STI
STIは、各事業年度の会社業績および各執行役の個人業績を勘案し、金銭にて年1回支給する業績連動報酬です。
具体的な計算方式としてはSTI標準額に対して会社業績係数を用いて支給水準を定めた上で、個人業績係数を掛け合わせ最終的な支給金額を決定します。
会社業績係数は、各事業年度における企業価値に対する貢献度合いをはかる重要指標である連結決算の営業利益率および親会社の所有者に帰属する当期利益をKPIとし、KPIの達成度に応じて0~150%の範囲で変動します。
個人業績係数は、各執行役の役割に応じ設定した個別目標の達成度に応じて80~120%の範囲で変動します。社長の評価は報酬委員会が決定し、社長を除く執行役については社長が評価を行った上で、報酬委員会で決定します。
会社業績係数(変動幅・・・0~150%)
個人業績係数(変動幅・・・80~120%)
4 LTI
LTIは、中長期での企業価値の持続的な向上に対する貢献意識をより高めるとともに、株主の皆様との利益共有をはかることを目的として、財務および非財務の業績に連動した株式を信託の仕組みを通じて支給する非金銭の業績連動報酬です。
毎年4月に、役位別の基準額に応じたポイントを付与し、ポイント付与から1年後に業績に連動したポイント相当分の株式を支給します。また、交付された株式には譲渡制限期間を設け、原則として当社の取締役および執行役のいずれの地位からも退任する時点で譲渡制限を解除します。また、LTIとして取得した自社株式は、納税資金確保を目的とする売却として当社が定める場合を除き、在任期間に加えて退任後1年間は継続して保有することとします。
業績評価は、重要テーマの取り組みを加速させ、社会的価値・経済的価値の創出をより一層後押しすることを目的とし、中長期での企業価値向上に対する貢献度合いをはかる重要指標により行います。財務指標は、2031年3月期に掲げるROIC目標の達成に向けて取り組むべき重要指標である連結営業利益率および親会社の所有者に帰属する当期利益をKPIとし、非財務指標は、重要テーマに直結する指標であるブランド価値、CO2総量および従業員エンゲージメントをKPIとし、株価指標は社会的価値・経済的価値の創出に対する市場評価を反映する指標である株主総利回りをKPIとして、それぞれの評価対象年度の実績に応じて40~240%で変動します。
(注) 非財務指標については以下の指標を基に評価を行います。
・ブランド価値:第三者の調査会社による当社のブランド価値調査
・CO2総量:日本(世界)共通のCO2排出量算定方法に基づく企業活動および製品のCO2排出量
・従業員エンゲージメント:第三者の調査会社による従業員活性度調査
<2024年3月期以前のLTI>
毎年4月に、役位別の基準額に応じたポイントを付与し、ポイント付与から3年後に業績に連動したポイント相当分の株式を支給します。このため、2026年3月期までの業績は、2024年3月期以前のLTIにも反映されます。 また、交付された株式には譲渡制限期間を設け、原則として当社の取締役および執行役のいずれの地位からも退任する時点で譲渡制限を解除します。また、LTIとして取得した自社株式は、納税資金確保を目的とする売却として当社が定める場合を除き、在任期間に加えて退任後1年間は継続して保有することとします。
業績評価は、中長期での企業価値向上に対する貢献度合いをはかる重要指標により行います。財務指標は、連結営業利益率および連結税引前利益をKPIとし、3事業年度における成長度に応じて50~150%で変動します。非財務指標は、ブランド価値、SRI指標および従業員活性度をKPIとし、評価対象年度の目標値に対する達成度に応じて50~150%で変動します。
(注) 非財務指標については以下の指標を基に評価を行います。
・ブランド価値:第三者の調査会社による二輪、四輪、パワープロダクツ事業に対する調査
・SRI指標:Dow Jones Sustainability World Index
・従業員活性度:第三者の調査会社による各地域の従業員活性度調査
また、LTIの対象とならない国内非居住の執行役についても、LTIで用いる業績評価に基づき、同等の報酬額の加減算を行うこととしています。
5 STIおよびLTIの支給実績
当事業年度におけるSTIおよびLTIについて、外部環境の変化に対応し、インセンティブとして適切に機能するため、以下の点を報酬委員会にて決定しました。
・事業年度開始時に設定した報酬水準が経営環境の変化に適さないことから、役位ごとに定める報酬構成割合に関わらず、代表執行役のSTIおよびLTIの基準額を見直すこと
・2026年3月期の目標値が報酬制度策定時の想定を大きく下回ったことから、目標に対する達成度から導き出される業績連動係数に対し、当初目標からの乖離度を掛け合わせて減じることで、最終的な業績連動係数を決定すること
・四輪電動化戦略の見直しに伴う損失の責任を明確化するため、上記の業績連動係数の算定結果に関わらず、代表執行役社長および代表執行役副社長のSTIを不支給とすること
結果、代表執行役の報酬において、STIについては基準額に対して100%の減額、LTIについては2024年3月期から2026年3月期までを評価期間とする2024年3月期の付与ポイントが業績連動係数61%、2026年3月期を評価期間とする2026年3月期の付与ポイントが業績連動係数40%での支給としています。
専務以下の執行役の報酬において、STIについては基準額に対して50.7%の減額、LTIについては2024年3月期から2026年3月期までを評価期間とする2024年3月期の付与ポイントが業績連動係数82%、2026年3月期を評価期間とする2026年3月期の付与ポイントが業績連動係数43%での支給としています。
④ クローバック
当社は、米国証券取引委員会規則およびニューヨーク証券取引所規則に準拠したクローバックポリシーを有しています。
当社は、その財務諸表の訂正が必要となった場合、当社の執行役に対して給付または交付されたSTIおよびLTIのうち、当該訂正後の財務諸表を前提とすれば給付または交付されたSTIおよびLTIを超える部分すべてについて、原則として、これを合理的に迅速に返還させるものとしています。また、当社は、当社の執行役に一定の非違行為、任務懈怠、法令違反等があった場合、報酬委員会の決定により、当該執行役に給付または交付されたSTIおよびLTIの一部または全部を合理的に迅速に返還させるものとしています。
返還の対象となる報酬は、当該財務諸表の訂正が必要となったまたはその他の返還事由の発生した事業年度および直前の3事業年度に給付または交付されたSTIおよびLTIとし、当該期間中に執行役に就任していた者に対しては、退任後であっても報酬の返還を求めるものとしています。また、返還を求めるLTIには、株式交付前のポイントおよび譲渡制限期間中の株式を含めるものとしています。
⑤ 非金銭報酬等に関する事項
持続的な成長に向けた健全なインセンティブとして機能するよう、報酬委員会で承認された基準および手続に基づき、中長期の業績と連動して当社株式と当社株式に生じる配当を交付および給付しています。
⑥ 報酬委員会の概要および活動内容
報酬委員会は、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容の決定、その他法令または定款に定められた職務を行っています。報酬委員会は、社外取締役3名を含む4名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。
2026年3月期は合計10回の報酬委員会を開催し、全委員とも出席率は100%でした。
2026年3月期に議論された主な事項は以下のとおりです。
・基本方針・年間活動計画
・役員実績評価
・STI・LTI業績評価基準
・LTIおよび株式交付規程
・報酬水準 等
⑦ 当事業年度に係る取締役および執行役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると報酬委員会が判断した理由
当社は、報酬水準、報酬構成および業績連動報酬の目標設定等と役員の報酬の決定に関する基本方針との整合性について、外部環境との比較や外部コンサルタントからの情報提供も踏まえて多角的に検証・審議しています。
このことから、報酬委員会は当事業年度に係る取締役および執行役の個人の報酬の内容が決定方針に沿うものであると判断しています。
⑧ 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額および対象となる役員の員数
(注) 1 上記の取締役には執行役を兼務する取締役5名は含まれていません。
2 上記については、当事業年度において、当社が当社役員に対して支給した報酬等の金額を記載しており、2025
年4月7日付で辞任により退任した執行役を兼務する取締役1名に対する基本報酬の支給額を含んでいます。
3 執行役のSTIは、2026年5月11日開催の報酬委員会にて決議された支給金額を記載しています。なお、四輪電
動化戦略の見直しに伴う損失の責任を明確化するため、代表執行役社長および代表執行役副社長のSTIを不支給
としています。
4 LTIの総額は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託に関して当事業年度中に付与した株式交付ポイントに
係る費用計上額であり、非金銭報酬等に該当します。
5 業務外の不適切な行為による執行役を兼務する取締役の辞任を重く受け止め、代表執行役社長の基本報酬につ
いて、月額報酬の20%を2ヵ月間、自主返上しています。上記の基本報酬は、当該自主返上を踏まえた金額を記
載しています。
⑨ 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額および種類別の額
(注) 1 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
2 上記の固定報酬については、当該役員に対する当事業年度の支給額であり、STIについては、2026年5月11日
開催の報酬委員会にて決議された支給金額、LTIについては、BIP信託に関して当事業年度中に当該役員に付与し
た株式交付ポイントに係る費用計上額を記載しています。なお、四輪電動化戦略の見直しに伴う損失の責任を明
確化するため、代表執行役社長および代表執行役副社長のSTIを不支給としています。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を得ることを目的とする株式を純投資目的である投資株式として区分し、それ以外の株式を保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式として区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式については、中長期的な観点で、取引の性質や規模等に加え、保有に伴う便益やリスクなどを定性、定量両面から検証し、株式保有の必要性を判断しています。また、取締役会において、その保有の必要性を検証しています。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 定量的な保有効果については記載が困難です。保有の合理性は各銘柄について、中長期的な観点で取引の性質や規模等に加え、保有に伴う便益やリスク等を検証し判断しています。
2 ㈱椿本チエインは、2026年1月1日付で大同工業㈱と株式交換しています。これに伴い、保有していた大同
工業㈱の普通株式1株に対して㈱椿本チエインの普通株式0.65株を割当交付されています。
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの
該当事項はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
<当社グループの人的資本経営・人材戦略>
「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標」を参照ください。
<従業員給与等に関する方針>
当社は事業戦略と連動した人材戦略の一環として従業員給与等の方針を定めています。
給与制度の根幹となる考え方は「実力主義」であり、意欲の高い多様な人材が最大限能力を発揮できる制度とすることで、人材の確保と定着を支える基盤と位置づけて運用しています。
一般従業員については、能力・実績主義の考え方に基づき、発揮した能力や成果と行動プロセスの両面から評価し処遇する制度を導入しています。
賃金においては、全従業員が安心して働ける環境を整えるとともに、中長期的な事業環境などを踏まえて労使交渉を行い、決定しています。
賞与については、短期の業績に対する適切な配分において労使交渉を行い、決定しています。
管理職については、役割を重視するトランスフォーメーション職と能力発揮を重視するイノベーション職の2つの給与体系とし、それぞれの職種に適した実力主義の制度を導入しています。
また、管理職の賃金は、市場との比較により対他競争力ある水準とするとともに、管理職の一部には株式報酬制度を導入し、中長期の企業価値向上へのコミットメントを高めています。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
(注) 従業員数は就業人員です。また、( )内に臨時従業員の平均人数を外数で記載しています。
② 提出会社の状況
(注) 1 従業員数は就業人員です。また、( )内に臨時従業員の平均人数を外数で記載しています。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。
③ 労働組合の状況
提出会社、連結子会社ともに、労使関係は安定しており特記すべき事項はありません。
提出会社の状況
④ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容
当社は使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しています。当該役員・従業員株式所有制度の内容について「1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容 ② 従業員に対する株式交付制度(株式付与ESOP信託)」に記載しています。
⑤ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
a.提出会社
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合については、当事業年度末日を基準日としています。また、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、当事業年度を対象期間としています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年(平成27年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年(平成3年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年(平成3年)労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出したものです。過年度に出生した子に係る育児休業等の取得者を含めて算定しているため、取得率が100%を超える場合があります。
4 当社の労働協約適用会社である㈱本田技術研究所、㈱ホンダ・レーシング、学校法人ホンダ学園、㈱ホンダアクセスを含んでいます。
b.主要な連結子会社
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合については、当事業年度末日を基準日としています。また、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、当事業年度を対象期間としています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年(平成27年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年(平成3年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年(平成3年)労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。過年度に出生した子に係る育児休業等の取得者を含めて算定しているため、取得率が100%を超える場合があります。
4 連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年(昭和51年)大蔵省令第28号、以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年(昭和38年)大蔵省令第59号、以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表および事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けています。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。その内容は、以下のとおりです。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入するなど、情報収集に努めています。
(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っています。また、IFRSに基づいて連結財務諸表を適正に作成するため、IFRSに準拠したグループ会計方針および関連する会計指針を作成し、これらに基づいてグループで統一した会計処理を行っています。
(3) 取締役 代表執行役社長および執行役 最高財務責任者による開示内容の正確性・的確性の確認を補佐するために、「ディスクロージャー委員会」を設置し、開示内容について審議しています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
(単位:百万円)
【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
③ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
【連結財務諸表注記】
1 報告企業
本田技研工業株式会社(以下「当社」という。)は日本に所在する企業です。当社および連結子会社は、二輪車、四輪車、パワープロダクツなどの開発、製造、販売を世界各国で行っています。また、これらの事業における販売活動をサポートするために、顧客および販売店に対して金融サービス事業を営んでいます。主な生産拠点は、日本、米国、カナダ、メキシコ、中国、インド、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、ブラジルにあります。
2 作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第312条の規定により、連結財務諸表をIFRSに準拠して作成しています。
(2) 測定の基礎
当社の連結財務諸表は、連結財務諸表注記の「3 重要性がある会計方針」に別途記載している一部の資産および負債を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3) 機能通貨および表示通貨
当社の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈のない限り、百万円未満を四捨五入して表示しています。
(4) 表示方法の変更
(連結キャッシュ・フロー計算書)
前連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローの「その他(純額)」に含めていた「有形固定資産及び無形資産売廃却損益」は金額的重要性が増したため、当連結会計年度においては独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローの「その他(純額)」22,065百万円は、「有形固定資産及び無形資産売廃却損益」22,079百万円および営業活動によるキャッシュ・フローの「その他(純額)」△14百万円として組替えています。
(5) 未適用の新たな基準書および解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書および解釈指針のうち、適用が強制されないため当連結会計年度末において適用していない基準書および解釈指針は、以下のとおりです。
当社および連結子会社は、当該基準書の適用が当社の連結財務諸表に与える影響について、現在検討中です。
(6) 見積りおよび判断の利用
当社および連結子会社は、IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債および収益・費用の報告額ならびに偶発資産・偶発債務の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した報告期間およびその影響を受ける将来の報告期間において認識されます。
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針の適用に際して行った判断に関する情報は、以下のとおりです。
・連結子会社、関連会社および共同支配企業の範囲 (注記3(1),3(2))
・開発から生じた無形資産の認識 (注記3(8))
・リースを含む契約の会計処理 (注記3(9))
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りおよび仮定に関する情報は、以下のとおりです。
・オペレーティング・リース資産の残存価額 (注記3(6))
・償却原価で測定する金融資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類した負債性証券の評価 (注記6,7,8)
・金融商品の公正価値 (注記26)
・棚卸資産の正味実現可能価額 (注記9)
・非金融資産の回収可能価額 (注記11,12,13)
・引当金の測定 (注記17)
・確定給付負債(資産)の測定 (注記18)
・繰延税金資産の回収可能性 (注記23)
・偶発債務により経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性および規模 (注記28)
3 重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
当社の連結財務諸表は、当社および当社が直接または間接に支配する連結子会社、ならびに当社および連結子会社が支配するストラクチャード・エンティティの勘定を全て含んでいます。全ての重要な連結会社間の債権・債務残高および取引高は、当社の連結財務諸表作成にあたり消去しています。
支配とは、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、その投資先に対するパワー(関連性のある活動を指図する能力)を通じてそれらのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。当社および連結子会社は、支配の有無を、議決権または類似の権利の状況や投資先に関する契約内容などに基づき、総合的に判断しています。
ストラクチャード・エンティティとは、議決権または類似の権利が支配の有無の判定において決定的な要因とならないように設計された事業体をいいます。当社および連結子会社は、ストラクチャード・エンティティに対する支配の有無を、議決権または類似の権利の保有割合に加え、投資先に対する契約上の取決めなどを勘案して総合的に判定し、支配を有するストラクチャード・エンティティを連結しています。
連結子会社の財務諸表は、支配を獲得した日から支配を喪失した日までの間、当社の連結財務諸表に含めています。連結子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該連結子会社の財務諸表を調整しています。
支配の喪失に至らない連結子会社に対する当社の所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。また、連結子会社に対する支配を喪失した場合には、残存する持分を支配を喪失した時点の公正価値で測定したうえで、支配の喪失から生じた利得および損失を純損益として認識しています。
(2) 関連会社および共同支配企業に対する投資(持分法で会計処理されている投資)
関連会社とは、当社および連結子会社が財務および営業の方針決定に対して重要な影響力を有しているものの、支配または共同支配を有していない企業をいいます。
共同支配企業とは、当社および連結子会社を含む複数の当事者が共同支配の取決めに基づき、それぞれの当事者が投資先の純資産に対する権利を有している場合の当該投資先をいいます。共同支配は、契約上合意された支配の共有であり、関連性のある活動に関する意思決定に、支配を共有している当事者全員の一致した合意を必要とする場合にのみ存在します。
関連会社および共同支配企業に対する投資は、投資先が関連会社または共同支配企業に該当すると判定された日から該当しないと判定された日まで、持分法で会計処理しています。持分法では、投資を当初認識時に取得原価で認識し、それ以降に投資先が認識した純損益およびその他の包括利益に対する当社および連結子会社の持分に応じて投資額を変動させています。持分法の適用に際し、持分法適用会社となる関連会社または共同支配企業が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社または共同支配企業の財務諸表を調整しています。
関連会社または共同支配企業に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、残存する持分を公正価値で測定したうえで、持分法の適用を中止したことから生じた利得または損失を純損益として認識しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引が発生した時点の為替レートで当社および連結子会社の各機能通貨に換算しています。外貨建債権債務は、報告期間の期末日の為替レートで当社および連結子会社の各機能通貨に換算しています。この結果生じる損益および決済時の為替換算による損益は、純損益として認識し、連結損益計算書の金融収益及び金融費用のその他(純額)に含めています。
② 在外営業活動体
在外の連結子会社、関連会社および共同支配企業(以下「在外営業活動体」という。)の財務諸表項目の換算については、資産および負債は報告期間の期末日の為替レートにより、また、収益および費用は機能通貨が超インフレ経済国の通貨である場合を除き、対応する期間の平均為替レートにより円貨に換算しています。この結果生じる換算差額はその他の包括利益に認識し、連結財政状態計算書のその他の資本の構成要素に含めています。在外営業活動体を処分し、支配、重要な影響力または共同支配企業の取決めを喪失した場合は、この在外営業活動体に関連する換算差額の累積額を純損益に振り替えています。
(4) 金融商品
金融商品とは、一方の企業にとっての金融資産と、他の企業にとっての金融負債または資本性証券の双方を生じさせる契約をいいます。当社および連結子会社は、契約の当事者となった時点で、金融商品を金融資産または金融負債として認識しています。なお、金融資産の売買は、取引日において認識または認識の中止を行っています。
① デリバティブ以外の金融資産
当社および連結子会社は、当初認識時に、デリバティブ以外の金融資産を償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
当社および連結子会社は、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時点、または、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、リスクと経済的便益を実質的にすべて移転した時点で、金融資産の認識を中止しています。
(償却原価で測定する金融資産)
当社および連結子会社は、契約上のキャッシュ・フローを回収することを事業上の目的として保有する金融資産で、かつ金融資産の契約条件により特定の日に元本および元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しています。償却原価で測定する金融資産は、顧客との契約から生じる営業債権を除き当初認識時に公正価値で測定し、顧客との契約から生じる営業債権は当初認識時に取引価額で測定しています。償却原価で測定する金融資産は、当初認識後は実効金利法による償却原価により測定しています。
(公正価値で測定する金融資産)
当社および連結子会社は、償却原価で測定する金融資産以外の金融資産を、公正価値で測定する金融資産に分類しています。公正価値で測定する金融資産は、さらに以下の区分に分類または指定しています。
(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産)
負債性証券のうち、契約上のキャッシュ・フローを回収することと売却の両方を事業上の目的として保有する金融資産で、かつ金融資産の契約条件により特定の日に元本および元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該負債性証券は、当初認識時に公正価値で測定し、当初認識後の公正価値の変動を、減損利得または減損損失および為替差損益を除き、その他の包括利益として認識しています。当該負債性証券の認識の中止が行われる場合、過去にその他の包括利益に認識した利得または損失の累計額を資本から純損益に振り替えています。
また、投資先との取引関係の維持または強化を主な目的として保有する株式などの資本性証券について、当初認識時に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定した資本性証券は、当初認識時に公正価値で測定し、当初認識後の公正価値の変動をその他の包括利益として認識しています。ただし、当該資本性証券から生じる配当金については、原則として、純損益として認識しています。当該資本性証券の認識の中止が行われる場合、過去にその他の包括利益に認識した利得または損失の累計額を直接利益剰余金に振り替えています。
(純損益を通じて公正価値で測定する金融資産)
当社および連結子会社は、公正価値で測定する金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類または指定しなかった金融資産を、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で測定し、当初認識後の公正価値の変動を純損益として認識しています。
(現金及び現金同等物)
現金及び現金同等物は、現金、随時引き出し可能な預金、および容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない流動性の高い短期投資により構成されています。当社および連結子会社は、取得日から3ヵ月以内に満期の到来する極めて流動性の高い債券および類似金融商品を現金同等物としています。
② デリバティブ以外の金融負債
当社および連結子会社は、デリバティブ以外の金融負債を、当初認識時に公正価値で測定し、当初認識後は、実効金利法による償却原価により測定しています。
当社および連結子会社は、契約上の義務が免責、取消しまたは失効した時点で、金融負債の認識を中止しています。
③ デリバティブ
当社および連結子会社は、為替リスクおよび金利リスクを管理する目的で、種々の外国為替契約および金利契約を締結しています。これらの契約には、為替予約、通貨オプション契約、通貨スワップ契約および金利スワップ契約が含まれています。
当社および連結子会社は、これらのすべてのデリバティブについて、デリバティブの契約の当事者となった時点で資産または負債として当初認識し、公正価値により測定しています。当初認識後における公正価値の変動は、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定しているデリバティブを除き、直ちに純損益として認識しています。
④ ヘッジ会計
為替リスクおよび金利リスクに対処するため、当社は一部の通貨スワップをキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定しています。
ヘッジの開始時に、ヘッジを行うための戦略に従い、リスク管理目的、ヘッジされるリスクの性質、およびヘッジ手段とヘッジ対象の関係について文書化しています。さらに、ヘッジの開始時および継続的に、ヘッジ手段がヘッジ対象取引の変動を相殺するのに有効であるかどうかを評価しています。
(キャッシュ・フロー・ヘッジ)
キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段として指定されたデリバティブについては、公正価値の変動額のうち、有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分は即時に純損益として認識しています。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えています。
ヘッジ会計の要件を満たさない場合、ヘッジ手段が失効、売却、終了または行使された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しています。ヘッジ会計が中止された場合、既にその他の包括利益に認識したキャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益の残高を、将来キャッシュ・フローが発生するまで引き続き計上しています。
ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生が予想されなくなった場合は、キャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益の残高は、即時に純損益に振り替えられます。
⑤ 金融資産および金融負債の相殺
当社および連結子会社は、金融資産および金融負債について、資産および負債として認識された金額を相殺するため法的に強制力のある権利を有し、かつ、純額で決済するか、もしくは資産の実現と債務の決済を同時に実行する意思を有している場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で表示しています。
(5) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうち、いずれか低い額により測定しています。棚卸資産の取得原価には購入原価、加工費が含まれており、原価の算定に当たっては原則として先入先出法を使用しています。加工費には通常操業度に基づく製造間接費の配賦額を含めています。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想販売価額から、完成までに要する見積原価および販売に要する見積費用を控除して算定しています。
(6) オペレーティング・リース資産
当社および連結子会社は、原価モデルを採用し、オペレーティング・リース資産を取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で表示しています。
当社および連結子会社は、オペレーティング・リースとして貸与している車両について、当初認識時に取得原価で測定し、リース契約で定められている期間にわたり、残存価額まで定額法によって減価償却しています。
米国に所在する当社の最も重要な金融子会社においては、オペレーティング・リース開始時に、将来の中古車価格の見積りに基づいて、リース車両の契約上の残存価額を設定しています。リース車両については、契約上の残存価額と見積残存価額のいずれか低い価額までリース期間にわたり均等償却をし、少なくとも四半期に一度、見積残存価額を見直しています。なお、見積残存価額の修正については、オペレーティング・リース資産の減価償却費として、残存リース期間にわたり均等償却しています。車両をリースしている顧客は、リース期間満了時において、そのリース車両を契約上の残存価額で買い取るか、もしくは販売店に返却する選択権を持っています(リース期間満了前にリース車両を買い取る場合は、契約上の未払残高で買い取ります)。リース車両を返却された販売店は、リース期間満了時に顧客から返却されたリース車両を契約上の残存価額で買い取るか、市場価格で買い取る選択権を持っています(リース期間満了前にリース車両を買い取る場合は、契約上の未払残高で買い取ります)。リース車両を返却された販売店がリース車両を買い取らなかった場合は、市場のオークションによってリース車両を売却します。
見積残存価額は以下の2つの重要な構成要素に基づいています。
① 予測リース車両返却率、すなわちリース期間満了時に、顧客から金融子会社に返却されると予測されるリース車両の割合
② リース期間満了時における予測市場価額
これらの見積りにあたっては、一般的な経済指標、新車および中古車の外部市場情報ならびに過去の実績等のさまざまな要素も勘案しています。
(7) 有形固定資産
当社および連結子会社は、原価モデルを採用し、有形固定資産を取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で表示しています。
当社および連結子会社は、有形固定資産を当初認識時に取得原価で測定しています。有形固定資産の取得後に発生した支出については、その支出により将来当社および連結子会社に経済的便益がもたらされることが見込まれる場合に限り、有形固定資産の取得原価に含めています。
当社および連結子会社は、土地等の減価償却を行わない資産を除き、各資産について、それぞれの見積耐用年数にわたり、見積残存価額まで定額法によって減価償却しています。
有形固定資産の減価償却費を算定するために使用した主な見積耐用年数は、以下のとおりです。
有形固定資産の減価償却方法、耐用年数および残存価額は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更が必要な場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって調整しています。
連結財政状態計算書上の有形固定資産には、リース取引による使用権資産が含まれています。
使用権資産の会計処理については、「3 重要性がある会計方針 (9) リース」を参照ください。
(8) 無形資産
当社および連結子会社は、原価モデルを採用し、無形資産を取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で表示しています。
(研究開発費)
製品の開発に関する支出は、当社および連結子会社がその開発を完成させる技術上および事業上の実現可能性を有しており、その成果を使用する意図、能力およびそのための十分な資源を有し、将来経済的便益を得られる可能性が高く、信頼性をもってその原価を測定可能な場合にのみ、無形資産として認識しています。
資産計上した開発費(以下「開発資産」という。)の取得原価は、上記の無形資産に関する認識要件を最初に満たした時点から開発が完了した時点までの期間に発生した費用の合計額で、製品の開発に直接起因する全ての費用が含まれます。開発資産は、開発した製品の見積モデルライフサイクル期間(主に2年~6年)にわたり定額法で償却しています。
研究に関する支出および上記の認識要件を満たさない開発に関する支出は、発生時に費用として認識しています。
(その他の無形資産)
当社および連結子会社は、その他の無形資産を当初認識時に取得原価で測定し、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で償却しています。その他の無形資産は、主に自社利用目的のソフトウェアであり、その見積耐用年数は概ね3年~5年です。
無形資産の償却方法および耐用年数は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更が必要な場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって調整しています。
(9) リース
当社および連結子会社は、契約の開始時に、契約がリースであるまたはリースを含んだものであるか判定します。特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約は、リースであるかまたはリースを含んでいます。使用期間全体を通じて特定された資産の使用からの経済的便益のほとんどすべてを得る権利と、特定された資産の使用を指図する権利を借手が有している場合に、資産の使用を支配する権利が移転すると判定されます。
① 借手としてのリース
当社および連結子会社は、使用権資産およびリース負債をリース開始日に認識しています。
当社および連結子会社は、使用権資産を当初認識時に取得原価で測定しており、当該取得原価は、主にリース開始日以前に支払ったリース料を調整したリース負債の当初認識の金額、借手に発生した当初直接コスト、原資産の解体および除去費用や原状回復費用の見積りの合計で構成されています。当社および連結子会社は、リース構成部分と非リース構成部分を含んだ契約について、非リース構成部分を区別せずに、リース構成部分と非リース構成部分を単一のリース構成部分として会計処理しています。
当社および連結子会社は、原価モデルを採用し、使用権資産を取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で表示しています。当初認識後、リース開始日から原資産の耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早い方まで定額法を用いて減価償却しています。原資産の見積耐用年数は、「3 重要性がある会計方針 (7) 有形固定資産」を参照ください。
リース負債はリース開始日現在で支払われていないリース料の現在価値で当初認識しています。当該リース料は、リースの計算利子率が容易に算定できる場合には、当該利子率を用いて割引いていますが、そうでない場合には、当社および連結子会社の追加借入利子率を使用しています。リース負債の測定に含まれているリース料は、主に固定リース料(延長オプションの行使が合理的に確実である場合の延長期間のリース料を含む)、解約しないことが合理的に確実である場合を除いたリースの解約に対するペナルティの支払額で構成されています。
当初認識後、リース負債の残高に対して一定の利子率となるように算定された金融費用を増額し、支払われたリース料を減額しています。リース負債は、延長オプションや解約オプションの行使可能性の評価に変更が生じた場合に再測定しています。
リース負債が再測定された場合には、リース負債の再測定の金額を使用権資産の修正として認識しています。ただし、使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額され、さらにリース負債を減額する場合は、当該再測定の残額を純損益に認識しています。
② 貸手としてのリース
当社および連結子会社は、リースを含む契約について、原資産の所有に伴うリスクと経済的価値のほとんどすべてを借手に移転するリースをファイナンス・リースに分類し、その他のリースをオペレーティング・リースとして分類しています。サブリースは、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類しています。
当社の金融子会社は、車両のリースを行っています。ファイナンス・リースに係る顧客からの受取債権は、リース投資未回収総額をリースの計算利子率で割引いた現在価値で当初認識し、連結財政状態計算書上の金融サービスに係る債権に含めています。オペレーティング・リースとして貸与している車両は、オペレーティング・リース資産として連結財政状態計算書に表示しています。
契約がリース構成部分と非リース構成部分を含んでいる場合には、契約における対価をIFRS第15号に従い配分しています。
(10) 減損
① 償却原価で測定する金融資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類された負債性証券
当社および連結子会社は、営業債権以外の償却原価で測定する金融資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類された負債性証券の減損に係る引当金については次の3つのステージからなる予想損失モデルにより測定しています。
ステージ1 当初認識以降に信用リスクが著しく増大していない金融資産に対する12ヵ月の予想信用損失
ステージ2 当初認識以降に信用リスクが著しく増大したが、信用減損はしていない金融資産に対する全期間の予想信用損失
ステージ3 信用減損金融資産に対する全期間の予想信用損失
営業債権の減損に係る引当金については常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
全期間の予想信用損失は金融資産の予想存続期間にわたるすべての生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失であり、12ヵ月の予想信用損失は全期間の予想信用損失のうち報告日後12ヵ月以内に生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失です。予想信用損失は契約上のキャッシュ・フローと回収が見込まれるキャッシュ・フローの差額を当初の実効金利で割引き、確率加重した見積りです。
(金融サービスに係る債権 - クレジット損失引当金)
当社の金融子会社は、金融サービスに係る債権の予想信用損失をクレジット損失引当金として計上しています。
信用リスクが著しく増大しているかの判定にあたり、顧客に対する金融債権については、個別的にも集合的にも評価しています。個別的な評価は延滞状況に基づいています。過去の実績では30日以上支払いを延滞した顧客に対する金融債権は貸倒れの可能性が高くなっているため、30日以上期日を超過している場合に信用リスクが著しく増大しているとみなしています。集合的な評価は当初認識した会計期間、担保の形態、契約期間、クレジットスコア等のリスク特性が共通するグループごとに当初認識時からの予想債務不履行率の相対的な変化に基づき行っています。販売店に対する金融債権については、信用リスクが著しく増大しているかの判定は販売店ごとに行われており、支払状況のほか、財政状態の変化や財務制限条項の順守状況等の要素を考慮しています。
金融サービスに係る債権に関する債務不履行の定義は、各金融子会社の内部リスク管理の実務によって定められています。米国に所在する当社の最も重要な金融子会社においては、60日の期日超過を債務不履行とみなしています。60日以上期日を超過している顧客に対する金融債権については、担保車両の差押えを含む回収活動を強化しており、債務不履行の顧客に対する金融債権を信用減損しているとみなしています。販売店に対する金融債権は販売店の重大な財政的困難、債務不履行や延滞等の契約違反、破産等、当初の契約条件に従ってすべての金額を回収できないという証拠が存在する場合に、信用減損しているとみなしています。
当社の米国の金融子会社は、顧客に対する金融債権のうち回収不能と見込まれる部分について、期日を120日超過した時点または担保車両を差し押さえた時点で直接償却しています。履行強制活動が行われる期間や方法は、様々な法的規制により制限されますが、未回収残高は通常、直接償却後も数年間は履行強制活動の対象となります。回収不能額の見積りには、履行強制活動による回収見込額が反映されています。販売店に対する金融債権は回収するという合理的な予想を有していない場合に直接償却しています。
当社の米国の金融子会社において、顧客に対する金融債権に係る予想信用損失の測定は、リスク特性が共通するグループごとに行われ、過去の実績、現在の状況、失業率、中古車価格、消費者の債務返済負担などの将来予測に基づく要素を反映しています。
② 非金融資産および持分法で会計処理されている投資
当社および連結子会社は、棚卸資産および繰延税金資産以外の非金融資産(主に、オペレーティング・リース資産、有形固定資産および無形資産)について、各報告期間の期末日において、資産が減損している可能性を示す兆候の有無を評価しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を算定し、当該資産の帳簿価額との比較を行うことにより、減損テストを行っています。
持分法で会計処理されている投資は、減損の客観的な証拠が存在する場合に、投資全体の帳簿価額を単一の資産として減損テストを行っています。
資産または資金生成単位の回収可能価額は、売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としています。使用価値は、資産または資金生成単位から生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値として算定しています。資金生成単位は、他の資産または資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の識別可能な資産グループであり、個別の資産について回収可能価額の見積りが不可能な場合に、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額を算定しています。
資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合に、当該帳簿価額を回収可能価額まで減額するとともに、当該減額を減損損失として純損益に認識しています。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、当該単位内の各資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しています。
過去に減損損失を認識した資産または資金生成単位について減損損失が既に存在しないか、あるいは減少している可能性を示す兆候がある場合で、当該資産または資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を上回るときは、減損損失を戻入れています。この場合、減損損失を認識しなかった場合の減価償却または償却控除後の帳簿価額を上限として、資産の帳簿価額を回収可能価額まで増額しています。
(11) 引当金
当社および連結子会社は、過去の事象の結果として現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を認識しています。
引当金は、報告期間の期末日における現在の債務を決済するために要する最善の見積りで測定しています。なお、貨幣の時間的価値に重要性がある場合には、債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で引当金を測定しています。現在価値の算定に当たっては、貨幣の時間的価値および当該債務に特有のリスクを反映した税引前の利率を割引率として使用しています。
(12) 従業員給付
① 短期従業員給付
給与、賞与および年次有給休暇などの短期従業員給付については、勤務の対価として支払うと見込まれる金額を、従業員が勤務を提供した時に費用として認識しています。
② 退職後給付
当社および連結子会社は、確定給付制度および確定拠出制度を含む各種退職給付制度を有しています。
(確定給付制度)
確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額を、負債または資産として認識しています。確定給付制度が積立超過である場合は、制度からの返還または制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値を資産上限額としています。
確定給付制度債務の現在価値および勤務費用は、予測単位積増方式を用いて制度ごとに算定しています。割引率は、確定給付制度債務と概ね同じ支払期日を有し、かつ、給付の支払見込みと同じ通貨建ての優良社債の報告期間の期末日における市場利回りに基づいて決定しています。確定給付負債(資産)の純額に係る純利息費用は、確定給付負債(資産)の純額に割引率を乗じて算定しています。
制度改定や制度縮小により生じた確定給付制度債務の現在価値の変動として算定される過去勤務費用は、制度の改定や縮小が発生した時に、純損益として認識しています。
確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値の再測定に伴う調整額は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
(確定拠出制度)
確定拠出制度については、確定拠出制度に支払うべき拠出額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
(13) 資本
① 普通株式
当社が発行した普通株式は資本として分類し、発行価額を資本金および資本剰余金に含めています。
② 自己株式
当社および連結子会社が取得した自己株式は、取得原価で認識し、資本の控除項目としています。自己株式を売却した場合は、受取対価を資本の増加として認識し、帳簿価額と受取対価の差額は資本剰余金に含めています。
(14) 収益認識
① 製品の販売
製品の販売は、二輪事業、四輪事業、パワープロダクツ事業及びその他の事業に区分されます。各事業におけるより詳細な情報については、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報」を参照ください。
当社および連結子会社は、製品に対する支配が顧客に移転した時点で収益を認識しています。この移転は、通常、顧客に製品を引渡した時点で行われます。収益は、顧客との契約で明確にされている対価に基づき測定し、第三者のために回収する金額を除いています。契約の対価の総額は、すべての製品およびサービスにそれらの独立販売価格に基づき配分され、独立販売価格は、類似する製品またはサービスの販売価格やその他の合理的に利用可能な情報を参照して算定しています。
当社および連結子会社は、販売店に対して奨励金を支給していますが、これは一般的に当社および連結子会社から販売店への値引きに該当します。また、当社および連結子会社は、販売店の販売活動をサポートするため、顧客に対して主として市場金利以下の利率によるローンやリースを提示する形式の販売奨励プログラムを提供しています。このプログラムの提供に要する金額は、顧客に提示した利率と市場金利の差に基づいて算定しています。これらの奨励金は、取引価格の算定における変動対価として考慮されることとなり、製品が販売店に売却された時点で認識する売上収益の金額から控除しています。売上収益は、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しています。
製品の販売に係る対価の支払は、通常、製品に対する支配が顧客に移転してから30日以内に行われます。
なお、製品の販売における顧客との契約には製品が合意された仕様に従っていることを保証する条項が含まれており、当社および連結子会社は、この保証に関連する費用に対して製品保証引当金を認識しています。当該引当金に関するより詳細な情報については、連結財務諸表注記の「17 引当金」を参照ください。
② 金融サービスの提供
金融サービスに係る債権の利息収益は、実効金利法によって認識しています。金融サービスに係る債権の初期手数料および初期直接費用は、実効金利の計算に含めて、金融債権の契約期間にわたって認識しています。
当社の金融子会社が提供する金融サービスにはリースが含まれています。ファイナンス・リースに係る受取債権の利息収益は、実効金利法によって認識しています。なお、当社および連結子会社が、製造業者または販売業者としての貸手となる場合、製品の販売とみなされる部分について、売上収益と対応する原価を製品の販売と同様の会計方針に従って認識しています。オペレーティング・リースから生じる収益は、リース期間にわたり定額法によって認識しています。
(15) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金と繰延税金から構成されています。当期税金と繰延税金は、直接資本またはその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益で認識しています。
当期税金は、当期の課税所得について納付すべき税額、または税務上の欠損金について還付されると見込まれる税額で測定しています。これらの税額は、報告期間の期末日において制定または実質的に制定されている税率および税法に基づいて算定しています。
繰延税金資産および負債は、報告期間の期末日における資産および負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との差額である一時差異ならびに税務上の繰越欠損金および繰越税額控除に関する将来の税務上の影響に基づいて認識しています。なお、繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金および繰越税額控除について、将来それらを利用できる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識しています。
連結子会社および関連会社に対する投資ならびに共同支配企業に対する持分に関する将来加算一時差異については、当該一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合は、繰延税金負債を認識していません。また、連結子会社および関連会社に対する投資ならびに共同支配企業に対する持分に関する将来減算一時差異については、当該一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な将来において実現する可能性が高い範囲でのみ繰延税金資産を認識しています。
繰延税金資産および負債は、報告期間の期末日に制定または実質的に制定されている税率および税法に基づいて、資産が実現する期間または負債が決済される期間に適用されると予測される税率で測定しています。繰延税金資産および負債の測定に当たっては、報告期間の期末日において当社および連結子会社が意図する資産および負債の帳簿価額の回収または決済の方法から生じる税務上の影響を反映しています。
繰延税金資産の回収可能性は、各報告期間の期末日において見直し、繰延税金資産の一部または全部の税務便益を実現させるのに十分な課税所得の稼得が見込めないと判断される部分について、繰延税金資産の帳簿価額を減額しています。
繰延税金資産および繰延税金負債は、当期税金に対する資産と負債を相殺する法律上の強制力のある権利を有しており、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、または異なる納税主体に課されている場合でこれらの納税主体が当期税金に対する資産と負債を純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しています。
当社および連結子会社の税務処理を税務当局が認める可能性が高くないと判断した場合に、不確実性の影響を財務諸表に反映しています。
当社および連結子会社は、2023年5月23日に公表された、「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号の改訂)」を適用し、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定または実質的に制定された税法から生じる法人所得税(適格国内最低トップアップ税を含む)に関する繰延税金資産および繰延税金負債について認識および開示を行っていません。
(16) 1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を対応する期間の加重平均発行済普通株式数で除して算定しています。
4 セグメント情報
当社のセグメント情報は、経営組織の形態と製品およびサービスの特性に基づいて4つに区分されています。二輪事業・四輪事業・金融サービス事業の報告セグメントに加え、それ以外の事業セグメントをパワープロダクツ事業及びその他の事業として結合表示しています。
以下のセグメント情報は、独立した財務情報が入手可能な構成単位で区分され、定期的に当社の最高経営意思決定機関により経営資源の配分の決定および業績の評価に使用されているものに基づいています。また、セグメント情報における会計方針は、当社の連結財務諸表における会計方針と一致しています。
各事業の主要製品およびサービス、事業形態は以下のとおりです。
(1) 事業の種類別セグメント情報
前連結会計年度および当連結会計年度における当社および連結子会社の事業の種類別セグメント情報は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 各セグメントの営業利益(△損失)の算出方法は、連結損益計算書における営業利益(△損失)の算出方法と一致しており、持分法による投資損益、金融収益及び金融費用および法人所得税費用を含んでいません。また、各セグメントに直接賦課できない営業費用は、最も合理的な配賦基準に基づいて、各セグメントに配賦しています。
2 各セグメントおよび消去又は全社の資産の合計は、連結財政状態計算書の総資産と一致しており、持分法で会計処理されている投資、デリバティブ資産および繰延税金資産などを含んでいます。また、消去又は全社に含まれる金額を除く、各セグメントに直接賦課できない資産については、最も合理的な配賦基準に基づいて、各セグメントに配賦しています。
3 セグメント間取引は、独立企業間価格で行っています。
4 資産の消去又は全社の項目には、セグメント間取引の消去の金額および全社資産の金額が含まれています。全社資産の金額は、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、それぞれ979,954百万円、
976,245百万円であり、その主な内容は、当社の現金及び現金同等物、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産です。
5 製品保証引当金繰入額は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ454,502百万円、319,613百万円であり、主に四輪事業に含まれています。
6 費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ120,919百万円、49,804百万円であり、主に四輪事業に含まれています。
7 資本的支出には、使用権資産は含まれていません。
8 当連結会計年度において、主に四輪車部品の製造・販売を行う子会社グループに係る資産および負債をIFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従い、売却目的で保有する処分グループとして分類しています。これに伴い、当連結会計年度において、関連する減損損失48,328百万円を認識し、連結損益計算書の売上原価に計上しています。当該処分グループが帰属する報告セグメントは、主に四輪事業です。なお、当連結会計年度末の減損損失認識後の当該処分グループに分類された資産は、連結財政状態計算書のその他の流動資産に含まれており、その帳簿価額は106,097百万円です。また、当該処分グループに分類された負債は、その他の流動負債に含めていますが、その金額に重要性はありません。なお、当該処分グループに含まれる資産および負債の各クラス別の残高にいずれも重要性はないため、記載を省略しています。
(2) 製品およびサービスに関する情報
前連結会計年度および当連結会計年度における当社および連結子会社の製品およびサービス別に区分した売上収益の金額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(3) 地域に関する情報
前連結会計年度および当連結会計年度における当社および連結子会社の所在地別に区分した売上収益および非流動資産(金融商品、繰延税金資産および確定給付資産の純額を除く)の金額は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(4) EV市場環境の変化を背景とした四輪事業に係る影響
当社は、「2050年にHondaの関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現」に向け、四輪事業のEV化の取り組みを進めてきました。しかしながら、当社を取り巻く事業環境は日々激しく変化し、先行きが不透明な状況が続いています。米国では、EV補助金の見直しや、化石燃料規制の緩和などが進み、EV市場の拡大スピードが鈍化しており、EV販売台数の減少や販売奨励金の増加などの影響が生じています。このような市場環境変化を背景とした商品投入計画の見直しの一環として、当連結会計年度を通じて、一部のEVモデルの上市および開発中止、特定のアライアンス契約に基づき共同開発したEVモデルの製造終了や生産台数の減少を決定してきました。さらに、2026年3月12日に、四輪電動化戦略の見直しを行い、上記に加えて北米で生産予定であったEVモデルの上市および開発中止などを決定しました。また、当社と当社の共同支配企業が共同開発し、当社の北米子会社が製造受託予定であったEVモデルは、共同支配企業において上市および開発中止が決定されました。中国においては、EV市場の成長が継続する中、新興EVメーカーの台頭により競争が激化しています。こうした厳しい競争環境下において、EVモデルの商品投入計画の見直しを行いました。
これにより、当社および一部の連結子会社は、当連結会計年度の連結損益計算書において売上原価に1,047,918百万円、販売費及び一般管理費に7,889百万円、研究開発費に397,870百万円、持分法による投資損益に124,128百万円の損失および費用を認識しました。これらの損失および費用は四輪事業に含まれています。当該損失および費用の内訳は以下のとおりです。
非金融資産の減損損失および除却損失
非金融資産の減損損失(521,377百万円)および除却損失(331,426百万円)は主に下記の項目により構成されており、当連結会計年度の連結損益計算書において売上原価に454,933百万円、研究開発費に397,870百万円それぞれ計上されています。
・非金融資産の減損損失(521,377百万円):主に製造終了または上市および開発中止を決定した北米のEVモデルに関する有形固定資産およびその他の非流動資産(製造設備等)に対する減損損失、北米において製造終了を決定したEVモデルおよび中国の一部EVモデルに関する無形資産(開発資産)に対する減損損失によって構成されています。これらの非金融資産の回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値で測定していますが、売却および他への転用は困難であるため、処分コスト控除後の公正価値はゼロとして評価しています。観察可能なインプットが存在しないため、公正価値ヒエラルキーはレベル3です。
・除却損失(331,426百万円):上市前に開発中止が決定された北米のEVモデルなどに係る無形資産(開発資産)の認識の中止による損失によって構成されています。
なお、当社は、当連結会計年度において、当社の共同支配企業が上市および開発中止を決定したEVモデルに関連し、当社の北米子会社において発生した専用設備投資等の支出に対する当該共同支配企業からの補填について、支配を共有している当事者との間で合意しました。当社の北米子会社は、当該合意に基づき、当該共同支配企業からの補填を未収入金(営業債権)および売上原価に66,492百万円認識しています。また、当社の共同支配企業において認識された当該補填費用については、持分法による投資損益に含まれています。
持分法による投資損益
持分法による投資損益(124,128百万円)には、上記の当社の共同支配企業で認識された補填費用に加え、中国における一部の共同支配企業に係る持分法で会計処理されている投資に対する減損損失90,882百万円が含まれています。
EV関連損失に係る引当金
EV関連損失に係る引当金には、EV市場環境の変化や四輪電動化戦略の見直しに伴い認識された引当金が含まれており、当該引当金の繰入額(667,366百万円)は、主に以下の項目で構成されます。
・特定のアライアンス契約に関して、関税、EVの税制優遇措置廃止、排出規制の緩和等を含む米国政府の政策転換、生産台数の減少に伴う経済的便益の減少およびコストの上昇等により、不利な契約の引当金の繰入を106,296百万円計上しています。
・EVモデルに関連して他社と締結した契約から生じる損失または費用に関する引当金の繰入を561,070百万円計上しています。当該損失または費用には、業務提携契約や部品の供給および調達に関する契約に関する補償などが含まれます。
なお、四輪電動化戦略見直しに関する後発事象については、連結財務諸表注記の「31 重要な後発事象」を参照ください。
5 現金及び現金同等物
前連結会計年度末および当連結会計年度末における現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
当社および連結子会社が保有する現金同等物は、主にマネー・マーケット・ファンドおよび譲渡性預金です。なお、当連結会計年度末における売却目的で保有する資産は、連結財政状態計算書において、その他の流動資産に含まれています。
6 営業債権
営業債権は償却原価で測定する金融資産に分類しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における営業債権の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度における営業債権に係る貸倒引当金の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
7 金融サービスに係る債権
当社の金融子会社は、製品の販売をサポートするために、顧客および販売店に対して様々な金融サービスを提供しており、これらの金融サービスに係る債権を以下のように区分しています。
顧客に対する金融債権
小売金融:主に、顧客との割賦契約に係る債権から構成されます。
ファイナンス・リース:主に、顧客との解約不能な車両のリース契約に係る債権から構成されます。
販売店に対する金融債権
卸売金融:主に、販売店の在庫購入のための融資に係る債権および販売店への貸付金から構成されます。
金融サービスに係る債権は主に償却原価で測定する金融資産に分類しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における金融サービスに係る債権の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(ファイナンス・リースに係る債権)
前連結会計年度末および当連結会計年度末におけるファイナンス・リースに基づくリース料債権の期日別の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
貸手のリース活動の性質およびリスク管理戦略については、「3 重要性がある会計方針 (9) リースおよび(10) 減損」を参照ください。
(クレジット損失引当金)
前連結会計年度および当連結会計年度におけるクレジット損失引当金の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
クレジット損失引当金の詳細は、連結財務諸表注記の「25 金融リスク管理 (4) 信用リスク」を参照ください。
8 その他の金融資産
前連結会計年度末および当連結会計年度末におけるその他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の金融資産に係る貸倒引当金の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度のその他の金融資産に係る貸倒引当金は、主に信用減損金融資産に対するものです。
前連結会計年度末および当連結会計年度末におけるその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定した資本性証券の主な銘柄は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
当社および連結子会社は、資産の効率化や取引関係の見直し等を目的として、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定した資本性証券の売却(認識の中止)を行っています。
前連結会計年度および当連結会計年度における認識の中止時の公正価値および資本でその他の包括利益として認識されていた累計利得または損失は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
9 棚卸資産
前連結会計年度末および当連結会計年度末における棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度において、費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ120,919百万円、49,804百万円です。
10 持分法で会計処理されている投資
前連結会計年度末および当連結会計年度末における関連会社および共同支配企業に対する持分の帳簿価額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
当社は、主に中国における一部の共同支配企業に係る持分法で会計処理されている投資について、中国における競争激化に伴う当連結会計年度における著しい収益性の悪化等により、減損の客観的な証拠が存在すると判断したため、当連結会計年度において減損テストを実施しました。新たな事業予測による使用価値に基づいて回収可能価額を算定した結果、当連結会計年度において、減損損失90,882百万円を計上しました。当該減損損失は、連結損益計算書の持分法による投資損益、セグメント情報の四輪事業に含まれています。なお、当該回収可能価額の測定の前提となった事業計画は経営者による最善の見積りによるものですが、当該見積りが事後的に変更された場合には、回収可能価額および認識される減損損失の金額に影響を及ぼす可能性があります。
なお、前連結会計年度において、重要な減損損失はありません。
前連結会計年度および当連結会計年度における関連会社および共同支配企業の当期包括利益に対する当社および連結子会社の持分は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度における関連会社に関する合算財務情報は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度における共同支配企業に関する合算財務情報は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
11 オペレーティング・リース資産
当社および連結子会社は、主に車両を貸与しています。
前連結会計年度および当連結会計年度におけるオペレーティング・リース資産の取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額は、以下のとおりです。
(取得原価)
(単位:百万円)
(減価償却累計額および減損損失累計額)
(単位:百万円)
(注) 当連結会計年度におけるその他には、主にEVに係るリース車両の見積残存価額の低下による減損損失が含まれています。
(帳簿価額)
(単位:百万円)
(将来受取リース料)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における、オペレーティング・リースに係る将来受取リース料の受取期間別の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
上記に記載されている将来受取リース料の金額は、必ずしも将来の現金回収額を示すものではありません。
(リース収益)
前連結会計年度および当連結会計年度におけるオペレーティング・リースのリース収益はそれぞれ1,256,945百万円、1,383,758百万円です。
12 有形固定資産
前連結会計年度および当連結会計年度における有形固定資産の取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額は、以下のとおりです。
(取得原価)
(単位:百万円)
(減価償却累計額および減損損失累計額)
(単位:百万円)
(帳簿価額)
(単位:百万円)
有形固定資産の購入に関する発注契約については、連結財務諸表注記の「28 契約残高および偶発債務」を参照ください。
EV関連の減損損失の詳細については、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報 (4) EV市場環境の変化を背景とした四輪事業に係る影響」を参照ください。
(使用権資産)
連結財政状態計算書上の有形固定資産には、リース取引による使用権資産が含まれており、主に四輪事業に関連するものです。
当社および連結子会社は主に延長および解約オプションを含む店舗、社宅、駐車場に対するリース契約を締結しています。リース契約は各社で管理されており、その条件は個別交渉されるため、多様な契約条件を含んでいます。延長および解約オプションは、各社のマネジメントが事業上の柔軟性を高めるために設けたものです。
前連結会計年度および当連結会計年度における使用権資産の帳簿価額の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
13 無形資産
前連結会計年度および当連結会計年度における無形資産の取得原価、償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額は、以下のとおりです。
(取得原価)
(単位:百万円)
(償却累計額および減損損失累計額)
(単位:百万円)
(帳簿価額)
(単位:百万円)
開発資産の償却費、減損損失ならびに除却損失は連結損益計算書の研究開発費に、開発資産以外の無形資産の償却費は連結損益計算書の売上原価、販売費及び一般管理費ならびに研究開発費にそれぞれ含まれています。
無形資産の購入に関する発注契約については、連結財務諸表注記の「28 契約残高および偶発債務」を参照ください。
EV関連の減損損失および除却損失の詳細については、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報 (4) EV市場環境の変化を背景とした四輪事業に係る影響」を参照ください。
14 営業債務
営業債務は償却原価で測定する金融負債に分類しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における営業債務の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
15 資金調達に係る債務
資金調達に係る債務は償却原価で測定する金融負債に分類しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における流動負債に区分される資金調達に係る債務の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における流動負債に区分される資金調達に係る債務(非流動負債からの振替を除く)の加重平均利率は、以下のとおりです。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における非流動負債に区分される資金調達に係る債務の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における非流動負債に区分される資金調達に係る債務(流動負債への振替を含む)の利率および返済期限の要約は、以下のとおりです。
(担保差入資産)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における資金調達に係る債務に対する担保差入資産は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
金融サービスに係る債権およびオペレーティング・リース資産は資産担保証券の担保として供されています。その他の項目は主に銀行等借入金の担保として供されています。
日本における慣行として、銀行借入金については一般的な契約に基づき行われており、現在および将来に発生する債務について、銀行の請求に基づき担保の設定または保証の差入れの義務があります。また、当社および連結子会社が支払遅延あるいは債務不履行に陥った場合、銀行は、全ての債務について、銀行預金と相殺する権利を有しています。
(財務活動から生じた負債の調整表)
前連結会計年度および当連結会計年度における財務活動から生じた負債の内訳および増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) デリバティブ金融負債(△資産)は、当社および当社の金融子会社が長期資金調達に係る債務の元本および利息の支払いの為替変動リスクをヘッジするために保有しており、元本および利息の支払いに対応するキャッシュ・フローは、それぞれ財務活動によるキャッシュ・フローおよび営業活動によるキャッシュ・フローに含めています。
16 その他の金融負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末におけるその他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
17 引当金
当連結会計年度における引当金の内訳および増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における引当金の流動負債、非流動負債の残高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 1 当社および連結子会社は、将来の製品保証に関連する費用に対して製品保証引当金を認識しています。製品保証に関連する費用には、(i)保証書に基づく無償の補修費用、(ii)主務官庁への届出等に基づく無償の補修費用が含まれています。
(i)保証書に基づく無償の補修費用は、製品を販売した時点で認識しており、過去の補修実績、過去の売上実績、予測発生台数および予測台当たり補修費用等を含む将来の見込みに基づいて見積っています。
(ii)主務官庁への届出等に基づく保証項目に関連する費用のうち、四輪車の主要な生産拠点の製品販売分については、製品を販売した時点で包括的に製品保証引当金を測定しています。
具体的には、過去の実績に基づき製品1台当たりについて販売後に発生すると見込まれる金額(台当たり市場措置額)を見積り、過去の販売台数に乗じることによって製品保証引当金を測定しています。台当たり市場措置額は、製品の平均使用年数等に基づく過去の一定の期間において発生した費用実績によって計算しています。当該見積額は過去の実績に基づき測定していることから、台当たり市場措置額の実績と見積りに差が生じる場合があり、将来の報告期間において製品保証引当金の計上額が修正される可能性があります。見積りと実績の差の主な要因は、台当たり市場措置額の見積りと補修に係る部品や労務費等の発生実績に差が生じることによるものです。
上記の包括的に測定した製品保証引当金に加えて、一部の届出等に基づく保証項目に関連する費用については、その性質や規模に応じて適切と判断された場合に、個別に製品保証引当金を測定しています。個別に測定する製品保証引当金は、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、予測発生台数および予測台当たり補修費用等を含む将来の見込みに基づいて見積っています。
その他の生産拠点の製品販売分については、当該届出等に基づく保証項目ごとに個別に製品保証引当金を測定しています。
これら(i)および(ii)の製品保証に関する引当金の金額は、顧客および販売店からの請求等に応じて取崩されるものです。製品保証引当金については、その金額の一部が取引先との合意により補填される見込みです。当連結会計年度末において、製品保証引当金に関連して補填されると見込まれている金額は116,067百万円です。
2 当連結会計年度末において、金額的重要性が増したことにより、前連結会計年度末では「その他」に含めていたEV関連損失に係る引当金を別掲しています。これに伴い、2025年4月1日残高を組替えて表示しています。
EV関連損失に係る引当金には、主に以下のものが含まれます。
(i) アライアンス契約に係る不利な契約に対する引当金
当該引当金は、2025年4月1日残高に52,199百万円、2026年3月31日残高に86,302百万円がそれぞれ含まれています。
当社および連結子会社は、共同開発したEVモデルの供給を提携先から一定期間にわたって受ける特定のアライアンス契約を締結していますが、当該契約による義務を履行するための不可避的なコストが、当該契約により受け取ると見込まれる経済的便益を上回る場合、不利な契約として引当金を認識、測定しています。関税、EVの税制優遇措置廃止、排出規制の緩和等を含む米国政府の政策転換、生産台数の減少に伴う、経済的便益の減少およびコストの上昇等により、当連結会計年度において不利な契約に係る引当金の繰入額106,296百万円を計上しました。なお、当該不利な契約による経済的便益を有する資源の流出が生じる時期は、当連結会計年度末日より1年以内であると見込んでいます。
(ii) EVモデルに関連して他社と締結した契約から生じる損失または費用に関する引当金
当該引当金は、2026年3月31日残高に561,195百万円含まれています。
当社および連結子会社は、提携先や取引先等との間でEVに関連する共同開発や部品調達に関する契約およびEVモデルの供給を受ける契約などを締結しており、一部の契約には、最低購入数量に満たない場合や発注キャンセルした場合に補償を支払う条項が含まれています。当該業務提携や契約等に関し、当連結会計年度における北米で生産予定であったEVモデルの上市および開発中止、ならびに特定のアライアンス契約に基づき共同開発したEVモデルの製造終了や生産台数の減少などの決定に伴い、当連結会計年度末までに一部の提携先と補償協議を開始しています。当該業務提携や契約等から生じる追加支出に関する損失または費用については、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、その金額について信頼性をもって見積もることができる費用について、引当金を計上しています。当連結会計年度において当該引当金の繰入額561,070百万円を計上しました。当該引当金は、協議状況等を考慮のうえ測定しており、経済的便益を有する資源の流出が生じる時期は、他社との協議の進展や状況の変化により影響を受けます。
補償に関連した当社の関連当事者とのコミットメントの内容については、連結財務諸表注記の「30 関連当事者」を参照ください。
18 従業員給付
(1) 退職後給付
当社および連結子会社は、各種退職給付および年金制度を有しており、ほぼ全ての日本における従業員および一部の海外の従業員を対象としています。当社および日本の連結子会社は、日本の確定給付企業年金法に基づくキャッシュバランスプラン類似制度またはその他の確定給付型年金制度を設けています。また、当社および一部の連結子会社は、退職年金制度に加え退職一時金制度を設けており、これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。これらの制度に加え、一部の北米の連結子会社は、健康保険や生命保険等の制度を退職後の従業員に提供しています。
当社が設けている年金制度は、当社より法的に独立したホンダ企業年金基金によって運営されており、基金の理事は、法令、法令に基づき行われる厚生労働大臣または地方厚生局長の処分、規約および代議員会の議決を遵守し、基金のために忠実にその職務を遂行する義務を負っています。当社には、ホンダ企業年金基金に対する掛金の拠出が要求されており、将来にわたってホンダ企業年金基金が定める掛金の拠出義務を負っています。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。
① 確定給付制度債務と制度資産
前連結会計年度および当連結会計年度における当社および一部の連結子会社の確定給付制度債務の現在価値および制度資産の公正価値の変動は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末の確定給付負債(資産)の純額に含まれる退職給付に係る資産は、それぞれ185,835百万円、187,988百万円であり、連結財政状態計算書において、その他の非流動資産に含まれています。
② 制度資産の公正価値
当社および連結子会社の国内制度および海外制度に係る資産運用方針は、従業員の将来の給付を確保するため許容されるリスクのもとで中長期的に総運用収益の最適化をはかるべく策定されています。制度資産は、資産配分目標に基づいて主に国内外の株式および債券に幅広く分散投資されており、リスクの低減を図っています。資産配分については、長期的なリスク、リターンの予想および各資産の運用実績の相関に基づき、中長期的に維持すべき配分の目標を設定しています。この資産配分目標は、制度資産の運用環境等に重要な変化が生じた場合には、適宜見直しを行っています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における国内制度および海外制度の制度資産の公正価値の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
③ 数理計算上の仮定
前連結会計年度末および当連結会計年度末における確定給付制度債務の現在価値の算定に用いた重要な数理計算上の仮定は、以下のとおりです。
④ 感応度分析
前連結会計年度末および当連結会計年度末における割引率が±0.5%変動した場合の確定給付制度債務に与える影響は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
感応度分析は、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、当社が合理的に考えうる数理計算上の仮定の変化による確定給付制度債務の変動を示したものです。これらの分析は、あくまで試算ベースであり、実際の結果はこれらの分析と異なる可能性があります。また、昇給率については変動を見込んでいません。
⑤ キャッシュ・フロー
当社および一部の連結子会社の制度資産への拠出額は、従業員の給与水準や勤続年数、制度資産の積立状態、数理計算等様々な要因により決定されます。また、確定給付企業年金法の規定により、ホンダ企業年金基金では、将来にわたって財政の均衡を保つことができるよう、5年毎に報告期間の期末日を基準日として掛金の額の再計算を行っています。当社および一部の連結子会社は、積立金の額が最低積立基準額を下回る場合には、必要な額の掛金を拠出する場合があります。
当社および一部の連結子会社は、次連結会計年度において国内制度に拠出する金額を16,611百万円、海外制度に拠出する金額を30,261百万円と見積っています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、以下のとおりです。
(2) 人件費
前連結会計年度および当連結会計年度における連結損益計算書に含まれる人件費は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
人件費には、給与、賞与、法定福利費および退職後給付に係る費用などを含めています。
19 資本
(1) 資本の管理
当社および連結子会社は、グローバル規模での成長を通じた企業価値向上のために、設備投資および研究開発投資等を行っています。これらの資金需要に対応するために、資金調達に係る債務および資本の適切なバランスを考慮した資本管理を行っています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における資金調達に係る債務および資本の残高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(2) 資本金
前連結会計年度および当連結会計年度における当社の発行可能株式総数および発行済株式総数は、以下のとおりです。
(単位:株)
(注) 当社は、2026年2月10日の取締役会の決議に基づき、2026年2月27日付で自己株式747,000,000株を消却しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における発行済株式は、すべて払込済です。
(3) 資本剰余金および利益剰余金
資本剰余金は、資本取引から生じた金額のうち資本金に含まれない金額で構成され、主な内訳は資本準備金です。日本の会社法は、株式の発行に対する払込みまたは給付に係る金額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りを資本準備金に組み入れることを規定しています。資本準備金は、株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
利益剰余金は、利益準備金とその他の剰余金により構成されます。日本の会社法は、利益剰余金を原資とする配当を行う日において、配当額の10分の1を、資本準備金および利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金または利益準備金として積み立てることを規定しています。利益準備金は、株主総会の決議により、取り崩すことができます。なお、一部の海外の連結子会社についても、各国の法律に基づき、同様の利益準備金を積み立てることが定められています。
当連結会計年度末の利益剰余金には、持分法適用関連会社および共同支配企業の未分配利益に対する当社および連結子会社の持分相当額293,864百万円が含まれています。
(4) 自己株式
前連結会計年度末および当連結会計年度末における当社および連結子会社が保有する当社株式の総数は、以下のとおりです。
(単位:株)
日本の会社法では、株主総会の決議により分配可能額の範囲内で、取得する株式の数、取得価額の総額などを決定し、自己株式を取得することができます。また、市場取引または公開買付による場合には、定款の定めにより会社法上定められた条件の範囲内で、取締役会の決議により自己株式を取得することができます。
(5) その他の資本の構成要素
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の資本の構成要素の内訳ごとの増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(6) その他の包括利益
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の包括利益の内訳と対応する税効果額(非支配持分を含む)は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度における非支配持分に含まれるその他の包括利益の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(7) 剰余金の配当
当社は、剰余金の配当について、日本の会社法の規定に基づいて算定される分配可能額の範囲内で行っています。分配可能額は、日本において一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠して作成された当社の会計帳簿における利益剰余金の金額に基づいて算定されます。
前連結会計年度および当連結会計年度における利益剰余金を原資とする配当の金額は、以下のとおりです。
① 配当金支払額
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
② 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が当連結会計年度末後となるもの
20 売上収益
(1) 収益の分解
当社のセグメント情報は、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報」に記載のとおり、4つに区分されています。
前連結会計年度および当連結会計年度における仕向地別(外部顧客の所在地別)に分解された売上収益および分解された売上収益と各セグメントの売上収益の関係は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(2) 契約残高
前連結会計年度末および当連結会計年度末における顧客との契約から生じた債権および契約負債は、以下のとおりです。
前連結会計年度および当連結会計年度に認識した収益のうち、期首時点の契約負債残高に含まれていたものはそれぞれ343,681百万円、365,951百万円です。なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、過去の期間に充足(または部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額に重要性はありません。また、当社および連結子会社における契約資産の残高に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
前連結会計年度末および当連結会計年度末における未充足(または部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額および収益の認識が見込まれる期間別の内訳は、以下のとおりです。
上記の表には、当初の予想期間が1年以内の残存履行義務に関する情報および収益認識が制限されている変動対価の金額の見積りは含めていません。
(4) 顧客との契約の獲得または履行のためのコストから認識した資産
前連結会計年度末および当連結会計年度末における顧客との契約の獲得のためのコストから認識した資産は、以下のとおりです。
当社および連結子会社は、顧客との契約を獲得するための増分コストおよび契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分を資産として認識しています。顧客との契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。契約の獲得のためのコストから認識した資産については、連結財政状態計算書上は主にその他の非流動資産に計上し、契約に基づくサービスが提供される期間にわたって償却しています。なお、契約の履行のために発生したコストから認識した資産の額に重要性はありません。
前連結会計年度および当連結会計年度における当該資産の償却額はそれぞれ66,438百万円、74,799百万円です。
21 研究開発費
前連結会計年度および当連結会計年度の研究開発費の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
EV関連の減損損失および除却損失の詳細については、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報 (4) EV市場環境の変化を背景とした四輪事業に係る影響」を参照ください。
22 金融収益及び金融費用
前連結会計年度および当連結会計年度における金融収益及び金融費用の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
23 法人所得税
(1) 法人所得税費用
前連結会計年度および当連結会計年度における税引前利益(△損失)および法人所得税費用の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
当社および国内の連結子会社の法定実効税率は前連結会計年度および当連結会計年度において30.2%です。日本の法定実効税率と平均実際負担税率との差異は、以下のとおりです。
(2) 繰延税金資産および繰延税金負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度における繰延税金資産および繰延税金負債の増減のうち、連結損益計算書で法人所得税費用として認識された金額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しています。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得およびタックス・プランニングを考慮しています。当社および連結子会社は、過去の課税所得水準および繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産は、回収される可能性が高いものと考えていますが、当社および連結子会社を取り巻く市場の動向や為替変動などの経済情勢により、将来課税所得の予測の不確実性は増大します。なお、前連結会計年度末および当連結会計年度末の繰延税金資産のうち、それぞれの前連結会計年度または当該連結会計年度に損失が生じている納税主体に帰属しているものは、それぞれ637百万円、103,123百万円です。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の失効期限別の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産を認識していない繰越税額控除の失効期限別の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末の連結子会社に対する投資および共同支配企業に対する持分に係る繰延税金負債を認識していない一時差異の合計は、それぞれ8,127,532百万円、9,268,070百万円です。
24 1株当たり当期利益
前連結会計年度および当連結会計年度における基本的および希薄化後1株当たり当期利益(△損失)(親会社の所有者に帰属)は、以下の情報に基づいて算定しています。なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、希薄化効果のある重要な潜在的普通株式はありません。
25 金融リスク管理
(1) リスク管理に関する事項
当社および連結子会社は、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品を複数の国で販売しています。その過程において、当社および連結子会社は、事業活動から生じる営業債権、金融サービスに係る債権、営業債務および資金調達に係る債務等を保有し、当該金融商品を保有することで市場リスク、信用リスクおよび流動性リスクにさらされています。
当社および連結子会社は、定期的なモニタリングを通じてこれらのリスクを評価しています。
(2) 市場リスク
当社および連結子会社は、為替または金利の変動により金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが変動するリスクを有しています。
当社および連結子会社は、主に、為替または金利の変動により将来キャッシュ・フローが変動するリスクを低減するために、為替予約、通貨オプション契約、通貨スワップ契約および金利スワップ契約などのデリバティブ取引を行っています。
デリバティブ取引については、リスク管理方針に従い、実需の範囲で行っています。また、当社および連結子会社は、売買目的でデリバティブを保有していません。
① 為替リスク
当社および連結子会社は、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品の多くを複数の国に輸出しています。各国における生産および販売では、外貨建てで購入する原材料および部品や、販売する製品および部品があります。したがって、為替変動は、当社および連結子会社の収益またはその保有する金融商品の価値に影響を及ぼす可能性があります。
為替予約および通貨オプション契約は、外貨建取引(主に米ドル建)の為替レートの変動リスクを管理するために行っています。
(為替感応度分析)
当社および連結子会社が前連結会計年度末および当連結会計年度末において保有する金融商品の為替リスクに対する感応度分析は、以下のとおりです。なお、感応度分析は、為替以外のその他の全ての変数が一定であることを前提として、米ドルに対して日本円が1%円高(上昇)となった場合における税引前利益への影響を示しています。
(単位:百万円)
② 金利リスク
当社および連結子会社は、主に債務契約および金融サービスに係る債権に関連する金利変動リスクを有しています。当社および連結子会社は、コマーシャルペーパーのような短期調達資金に加え、固定または変動金利の長期債務を保有しています。通常、金融サービスに係る債権は、固定金利です。金利スワップ契約については、主に金融サービスに係る債権の金利変動に対するリスクを管理し、金融収益と金融費用を対応させることを目的としています。通貨スワップ契約は、上記の金利スワップ契約を他通貨間で行う際のもので、為替変動リスクのヘッジ機能を併せもつものです。
(金利感応度分析)
当社および連結子会社が前連結会計年度末および当連結会計年度末において保有する金融商品の金利リスクに対する感応度分析は、以下のとおりです。なお、感応度分析は、金利以外のその他の全ての変数が一定であることを前提として、金利が100ベーシス・ポイント上昇した場合における税引前利益への影響を示しています。
(単位:百万円)
③ 株価リスク
当社および連結子会社は、市場性のある資本性証券を保有していることから価格変動リスクを有しています。市場性のある資本性証券は、売買以外の目的で保有しており、主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(3)キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社は、一部の資金調達を外貨建社債により行っており、金利リスクおよび外貨建取引の為替リスクにさらされています。当該リスクを抑制するため、通貨スワップを実施して支払金利および為替レートの固定化を図っており、キャッシュ・フロー・ヘッジに指定してヘッジ会計を適用しています。 なお、当社は、通貨スワップに係る外貨ベーシス・スプレッドをヘッジ手段としての指定から除外し、ヘッジのコスト処理を行っていますが、当該ヘッジコストについて、その他の包括利益および純損益への組替調整額として処理した金額に重要性はありません 。
当社は、ヘッジ比率を1:1に設定しており、通貨スワップの重要な契約条件をヘッジ対象の条件と整合させる方針を有しています。 ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性を、関連するキャッシュ・フローの通貨、金額および発生時期に基づいて判断しています。また、当社は有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要な非有効部分は発生しないと想定しています。
当連結会計年度末におけるヘッジ手段として指定された項目に関する金額は以下のとおりです。
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(注) 1 なお、当社が金利リスクおよび為替リスクによるキャッシュ・フローの変動をヘッジしている期間は、最長で約10年です。
2 なお、当期に発生した重要な非有効部分はありません。
当連結会計年度末における、継続しているヘッジに係る「キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金」の残高(税効果考慮後)は、以下のとおりです。
なお、当連結会計年度において、ヘッジ会計を適用しなくなったヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金に残っている残高はありません。
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(4) 信用リスク
当社および連結子会社は、相手方が債務を履行できなくなることにより、財務的損失を被るリスクを有しています。デリバティブ以外の金融資産については、与信管理規程に従ってリスクの低減を図っています。また、デリバティブについては、契約相手を既定の信用基準に該当する国際的な有力銀行や金融機関に限定することでリスクの低減を図っています。
当社および連結子会社の信用リスクは、主に、金融サービスに係る債権に関して発生しています。顧客に対する金融債権に係る信用リスクは、一般的な経済動向によって影響を受けることがあります。失業率の上昇などの経済情勢悪化は貸倒れのリスクを高め、中古車価格の下落は、担保の回収による補填金額を減少させる可能性があります。当社の金融子会社は、信用リスクに影響を与えると考えられる審査基準のモニタリングおよび見直し、見積損失を考慮した契約金利の設定、損失を最小化する回収努力を通じ、顧客に対する金融債権に係る信用リスクに対処しています。販売店に対する金融債権に係る信用リスクは、販売店の財務体質、担保の価値、販売店の信用力に影響を与える可能性のある経済要因などにより影響を受けます。当社の金融子会社は、融資前に実施する販売店の財務体質の包括的な審査、支払実績と既存の融資に対する弁済能力の継続的なモニタリングなどを通じ、直面する信用リスクに対処しています。
また、当社および連結子会社は、さまざまな保証契約を結んでいます。これらの契約には販売店に対する貸出コミットメントおよび一部の関連会社の銀行借入に対する保証が含まれます。当社の金融子会社は、販売店に対する貸出コミットメント契約に基づき、貸付金の未実行残高を有しています。これらの貸出コミットメント契約には、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれるため、必ずしも貸出実行されるものではありませんが、貸出実行後に販売店が債務を履行できなくなることにより、財務的損失を被るリスクを有しています。また、一部の関連会社が銀行借入について債務不履行に陥った場合、当社は保証を履行することが要求されます。当連結会計年度末において、当該関連会社は予定された返済を行えると考えられるため、当該支払義務により見積られる損失はありません。
① 信用リスク・エクスポージャー
前連結会計年度末および当連結会計年度末における支払期日を過ぎた金融サービスに係る債権の年齢分析は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における顧客に対する金融債権のうち小売金融の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 当社の金融子会社は小売金融に係る債権の予想信用損失を集合的に測定しており、当該債権の残高を信用リスクごとの等級に直接配分していないことから、小売金融に係る債権について予想信用損失モデルのステージ毎の総額を表示しています。
当社の金融子会社は、販売店毎に各社の財政状態などを踏まえて等級を設定しています。等級については、少なくとも年に一度見直しを行い、リスクの高い販売店については、より高い頻度で見直しを行っています。
以下の表は、販売店に対する金融債権および貸出コミットメントの残高を、等級を基にグループA、グループB、2つのグループに分類して表示しています。リスクの低い販売店に対する残高をグループAに分類し、残りの残高をグループBに分類しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における、販売店に対する金融債権の残高および貸出コミットメントに対する割引前の将来最大支払額の等級別の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末における、一部の関連会社の銀行借入に対する保証に基づく割引前の将来最大支払額は、46,848百万円です。
② 保証として保有している担保
当社の金融子会社は顧客に対する金融債権については、通常、販売した製品を担保として保有しています。販売店に対する金融債権については、販売した製品に加えて、販売店のその他の資産を担保として保有しています。担保が信用リスクをどの程度軽減しているかは、担保回収時の未回収債権残高に対する、担保の価値に影響されます。帳簿価額を上回る部分を除くと、前連結会計年度末および当連結会計年度末における信用減損した顧客に対する金融債権に対する担保の見積公正価値は、それぞれ概ね帳簿価額の80%、80%であり、信用減損した販売店に対する金融債権に対する担保の見積公正価値は、それぞれ概ね帳簿価額の100%、100%です。担保が信用リスクをどの程度軽減しているかは、担保を回収できるか否かにも影響されます。
(5) 流動性リスク
当社および連結子会社は、コマーシャルペーパーの発行、銀行借入金、ミディアムタームノート、社債の発行、金融債権の証券化およびオペレーティング・リース資産の証券化等により資金を調達しており、資金調達環境の悪化などにより支払期日にその支払を実行できなくなるリスクを有しています。
当社および連結子会社は、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持および健全なバランスシートの維持により、流動性リスクに対処しています。
生産販売事業における必要資金については、主に営業活動から得られる資金、銀行借入金、社債の発行およびコマーシャルペーパーの発行などによりまかなっています。また、顧客および販売店に対する金融サービスにおける必要資金については、主にミディアムタームノート、銀行借入金、金融債権の証券化、オペレーティング・リース資産の証券化、コマーシャルペーパーの発行および社債の発行などによりまかなっています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における当社および連結子会社のコマーシャルペーパープログラムおよびミディアムタームノートプログラムに関する発行限度額のうち、未使用の金額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
これらのプログラムにより、当社および連結子会社は市中金利で資金調達を行うことができます。
当社および連結子会社は、景気後退による市場の縮小や金融市場・為替市場の混乱などにより、流動性に一部支障をきたす場合に備え、主に継続的に債務を借り換えているコマーシャルペーパーについて、代替流動性として十分な契約信用供与枠(コミットメントライン)を有しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における当社および連結子会社の金融機関からの契約信用供与枠(コミットメントライン)のうち、未使用の金額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
通常、この契約信用供与に基づく借入は、プライムレート(最優遇貸出金利)で行われます。
(金融負債の満期分析)
① デリバティブ以外の金融負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末における非デリバティブ金融負債の期日別の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
その他の金融負債には、リース負債が含まれています。前連結会計年度末および当連結会計年度末のリース負債の期日別の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
② デリバティブ金融負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末におけるデリバティブ金融負債の期日別の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
26 公正価値
(1) 公正価値ヒエラルキーの定義
当社および連結子会社は、公正価値の測定に使われる評価手法における基礎条件を次の3つのレベルに順位付けしています。
レベル1 測定日現在において入手しうる同一の資産または負債の活発な市場における公表価格
レベル2 レベル1に分類される公表価格以外で、当該資産または負債について、直接または間接的に市場で
観察可能な基礎条件
レベル3 当該資産または負債について、市場で観察不能な基礎条件
これらの基礎条件に基づき測定された資産および負債の公正価値は、重要な基礎条件のうち、最も低いレベルの基礎条件に基づき分類しています。なお、当社および連結子会社は、資産および負債のレベル間の振替を、振替のあった報告期間の期末日に認識しています。
(2) 公正価値の測定方法
資産および負債の公正価値は、関連市場情報および適切な評価方法を使用して決定しています。
資産および負債の公正価値の測定方法および前提条件は、以下のとおりです。
(現金及び現金同等物、営業債権、営業債務)
これらの公正価値は、短期間で決済されるため、帳簿価額と近似しています。
(金融サービスに係る債権)
金融サービスに係る債権の公正価値は、主に類似の残存契約期間の債権に対し適用される直近の利率を使用し、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引くことによって測定しています。したがって、金融サービスに係る債権の公正価値の測定は、レベル3に分類しています。
(負債性証券)
負債性証券は、主に投資信託、社債、地方債およびオークション・レート・セキュリティで構成されています。
活発な市場のある投資信託の公正価値は、市場における公表価格に基づいて測定しています。したがって、活発な市場のある投資信託の公正価値の測定は、レベル1に分類しています。
社債や地方債の公正価値は、金融機関等の独自の価格決定モデルに基づき、信用格付けや割引率などの市場で観察可能な基礎条件を用いて測定しています。したがって、社債および地方債の公正価値の測定は、レベル2に分類しています。
当社の連結子会社が保有するオークション・レート・セキュリティはA格からAAA格で、保証機関による保険および教育省や米国政府による再保険がかけられており、約95%は米国政府によって保証されています。オークション・レート・セキュリティの公正価値は、市場で観察可能な基礎条件に加えて、各オークションの成立確率のような市場で観察不能な基礎条件を用いる、第三者機関の評価を使用しています。したがって、オークション・レート・セキュリティの公正価値の測定は、レベル3に分類しています。
(資本性証券)
活発な市場のある資本性証券の公正価値は、市場における公表価格に基づいて測定しています。したがって、活発な市場のある資本性証券の公正価値の測定は、レベル1に分類しています。
活発な市場のない資本性証券の公正価値は、主に割引キャッシュ・フロー法、類似企業比較法またはその他の適切な評価方法を用いて測定しています。したがって、活発な市場のない資本性証券の公正価値の測定は、レベル3に分類しています。なお、活発な市場のない資本性証券について、取得原価が公正価値の最善の見積りを表す場合には、取得原価をもって公正価値としています。
レベル3に区分された資本性証券の公正価値の測定に関する重要な観測不能な基礎条件は、割引キャッシュ・フロー法においては将来キャッシュ・フローの見積りおよび割引率、類似企業比較法においては類似企業の株価純資産倍率です。公正価値は将来キャッシュ・フローの増加(減少)、割引率の低下(上昇)および類似企業の株価純資産倍率の上昇(低下)により増加(減少)します。当該公正価値測定は、適切な権限者に承認された連結決算方針書に従い、当社および連結子会社の経理部門担当者等が評価方法を決定し、公正価値を測定しています。
(デリバティブ)
デリバティブは、主に為替予約、通貨オプション契約、通貨スワップ契約および金利スワップ契約で構成されています。
為替予約および通貨オプション契約の公正価値は、為替レートや割引率、ボラティリティなどの市場で観察可能な基礎条件に基づいて測定しています。通貨スワップ契約および金利スワップ契約の公正価値は、金利や為替レートなどの市場で観察可能な基礎条件を使用し、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引くことによって測定しています。したがって、デリバティブの公正価値の測定は、レベル2に分類しています。
デリバティブの評価については、契約相手先の信用リスクを考慮しています。
(資金調達に係る債務)
資金調達に係る債務の公正価値は、条件および残存期間の類似する債務に対し適用される現在入手可能な利率を使用し、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引くことによって測定しています。したがって、資金調達に係る債務の公正価値の測定は、主にレベル2に分類しています。
(3) 経常的に公正価値で測定する資産および負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末における経常的に公正価値で測定する資産および負債の測定値の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
前連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
前連結会計年度および当連結会計年度における経常的に公正価値により測定するレベル3の資産および負債の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 前連結会計年度および当連結会計年度の純損益に含まれる利得または損失は、連結損益計算書の金融収益及び金融費用 その他(純額)に含まれています。
2 前連結会計年度および当連結会計年度の資本性証券のその他の包括利益に含まれる利得または損失は、連結包括利益計算書の純損益に振り替えられることのない項目のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の純変動に含まれています。
(4) 償却原価で測定する金融資産および金融負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末における償却原価で測定する金融資産および金融負債の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
上記の表には、償却原価で測定する金融資産および金融負債のうち、帳簿価額が公正価値と近似するものを含めていません。
27 金融資産および金融負債の相殺
前連結会計年度末および当連結会計年度末における金融資産および金融負債の相殺に関する情報は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2026年3月31日)
(単位:百万円)
金融資産および金融負債の相殺の要件を満たさないため相殺していない金融商品に関する相殺の権利は、通常、倒産その他の事由により取引先が債務を履行できなくなるなどの特定の状況が発生した場合にのみ強制力が生じるものです。
28 契約残高および偶発債務
(1) 契約
(発注契約)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における設備投資の発注残高およびその他契約残高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(2) 損害請求および訴訟
当社および連結子会社は、さまざまな訴訟および損害賠償請求の潜在的な義務を負っています。当社および連結子会社は、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を計上しています。当社および連結子会社は、定期的に当該引当金を見直し、訴訟および損害賠償請求の性格や訴訟の進行状況、弁護士の意見などを考慮して、当該引当金を修正しています。
製造物責任(PL)または個人傷害に関する損害賠償請求または訴訟に関して、当社および連結子会社は、一般的な損害や特別な損害について原告側が勝訴した判決による債務および裁判のための費用は、保険および引当金で十分に賄えるものと考えています。いくつかの訴訟では懲罰的な損害賠償が申し立てられています。
弁護士と相談し、現存する訴訟および損害賠償請求に関連する知る限りの全ての要素を考慮した結果、これらの訴訟および損害賠償請求は当社および連結子会社の財政状態および経営成績へ重要な影響を与えるものではないと考えています。
(エアバッグインフレーターに関連する損失)
当社および連結子会社は、エアバッグインフレーターに関連した市場措置を実施しています。当該案件に関連し、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる製品保証費用について、引当金を計上しています。新たな事象の発生等により追加的な引当金の計上が必要となる可能性がありますが、現時点では、将来の引当金の金額、発生時期を合理的に見積ることができません。
29 ストラクチャード・エンティティ
当社および連結子会社は、IFRS第10号「連結財務諸表」に基づき、ストラクチャード・エンティティに対する支配についての検討を行っています。当社および連結子会社は、ストラクチャード・エンティティに対する支配の有無を、議決権または類似の権利の保有割合に加え、投資先に対する契約上の取決めなどを勘案して総合的に判定し、支配を有するストラクチャード・エンティティを連結しています。
当社の金融子会社は、流動性の確保および資金調達の目的で、定期的に金融債権およびオペレーティング・リース資産の証券化を行っています。証券化された資産は、資産担保証券を発行することを目的に設立したストラクチャード・エンティティに譲渡されます。当社の金融子会社は、金融債権およびオペレーティング・リース資産の受益権に対する支払いの延滞や不履行を含むサービス業務の権利を保持することにより、当該ストラクチャード・エンティティの経済実績に最も重要な影響を与える活動を指揮する能力を有していると判断しています。また、当社の金融子会社は、当該ストラクチャード・エンティティの劣後持分の一部を保有することにより、当該ストラクチャード・エンティティの潜在的に重要な損失を負担する義務および様々な便益を享受する権利を有していると判断しています。したがって、当社は当該ストラクチャード・エンティティを実質的に支配しているとみなし、当社が支配を有するストラクチャード・エンティティとして連結しています。
なお、当該資産担保証券の所有者は、業界の慣行において、当社の金融子会社が当該ストラクチャード・エンティティに提供する表明事項および保証事項を除き、当社の金融子会社の債権一般に対して遡及権を有しません。
前連結会計年度末および当連結会計年度末において、重要な連結対象外のストラクチャード・エンティティはありません。
30 関連当事者
(1) 関連当事者との取引
当社および連結子会社は、関連会社および共同支配企業から、原材料、部品およびサービスなどについて仕入れており、また、製品、生産用部品、設備およびサービスなどを売上げています。関連会社および共同支配企業との取引は、独立企業間価格を基礎として行っています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における関連会社および共同支配企業に対する債権債務の残高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度における関連会社および共同支配企業との取引高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(コミットメント)
当社の連結子会社は、当社の関連会社との間で部品の供給および調達に関する契約を締結しています。一部の契約では、契約に定められた期間において当社の連結子会社が当社の関連会社から購入する部品の最低購入数量が定められており、最低購入数量に満たない場合は、当社の連結子会社が当該関連会社に補償を支払う義務を有しています。当連結会計年度において、当社が発表した四輪電動戦略の見直しに伴い、補償の協議を行っています。当連結会計年度において計上した当該補償に関する引当金については、連結財務諸表注記の「17 引当金」を参照ください。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
前連結会計年度および当連結会計年度における当社の取締役および執行役に対する報酬は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(3) 主要な連結子会社
2026年3月31日現在、主要な連結子会社は、以下のとおりです。
(注) 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
31 重要な後発事象
四輪電動化戦略見直しに関する後発事象
当社および連結子会社は、取引先との間で部品調達に関する契約を締結しています。当連結会計年度において、北米で生産予定であったEVモデルの上市および開発中止を決定しました(詳細は連結財務諸表注記の「4 セグメント情報 (4) EV市場環境の変化を背景とした四輪事業に係る影響」を参照ください)。当該決定に伴い、当社および連結子会社は、次連結会計年度において、取引先で生じる影響を把握する目的の調査を開始しています。今後の調査および取引先との協議の状況に応じて、取引先に対する追加支出が発生する可能性がありますが、取引先への影響について現在調査中であり、当該支出による当社および連結子会社の財政状態および経営成績へ与える影響額を見積ることはできません。なお、モデル開発中止時の対応については、取引先との協議が必要であり、また対象となる金額を合理的に見積ることができないことから、当連結会計年度末においては引当金を認識していません。
関連会社からの資産の購入
当社の連結子会社は、当連結会計年度において、当社の関連会社が所有する建物を購入し、貸手として当該関連会社に12年間リースする取引を実行することに合意しました。2026年5月において、当該合意に基づき、当社の連結子会社と当該関連会社との間で資産の購入金額および年間リース料が合意されました。なお、資産の購入金額は2,530百万米ドルです。
32 連結財務諸表の発行の承認
連結財務諸表の発行は、2026年6月18日に当社の取締役 代表執行役社長である三部敏宏および執行役 最高財務責任者である川口正雄によって承認されています。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法については、以下のとおりです。
① 満期保有目的の債券は、償却原価法(定額法)により評価しています。
② 子会社株式および関連会社株式は、移動平均法による原価法により評価しています。
③ その他有価証券のうち市場価格のない株式等以外のものは、時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)により評価しています。
④ その他有価証券のうち市場価格のない株式等は、移動平均法による原価法により評価しています。
(2) デリバティブは、時価法により評価しています。
(3) 棚卸資産は、先入先出法に基づく原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)により評価しています。
2 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法は、定額法を採用しています。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法は、定額法を採用しています。
(3) 所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産の減価償却方法は、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しています。
3 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金は、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 製品保証引当金は、製品の無償補修費用の支出に備えるため、以下の金額の合計額を計上しています。
① 保証書に基づく無償の補修費用として、過去の補修実績に将来の見込みを加味して算出した保証対象期間内の費用見積額
② 主務官庁への届出等に基づく無償の補修費用として、見積算出した額
(3) 賞与引当金は、従業員に対して支給する賞与に充てるため、賞与支払予定額のうち当事業年度に属する支給対象期間に見合う金額を計上しています。
(4) 役員賞与引当金は、役員賞与の支出に備えるため、支給見込額に基づき計上しています。
(5) 役員株式給付引当金は、役員に対する当社株式および金銭の交付および給付に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
(6) 従業員株式給付引当金は、従業員に対する当社株式および金銭の交付および給付に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
(7) 関係会社事業損失引当金は、関係会社の事業に係る損失に備えるため、当該会社の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しています。
(8) 退職給付引当金は、従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しています。
過去勤務費用については、その発生時の従業員の平均残存勤務期間による按分額を費用処理しています。数理計算上の差異については、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間による按分額をそれぞれ発生の翌事業年度より費用処理しています。
4 収益及び費用の計上基準
製品の販売は、二輪事業、四輪事業、パワープロダクツ事業及びその他の事業に区分されます。
当社は、製品に対する支配が顧客に移転した時点で収益を認識しています。この移転は、通常、顧客に製品を引渡
した時点で行われます。
(重要な会計上の見積り)
当社は、財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債および収益・費用の金額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した事業年度およびその影響を受ける将来の事業年度において認識されます。
財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りおよび仮定に関する情報は、以下のとおりです。
1 棚卸資産の評価
会計上の見積りおよび仮定に関する情報については、注記事項の「(重要な会計方針) 1 資産の評価基準及び評価方法」を参照ください。
2 製品保証引当金の算出
会計上の見積りおよび仮定に関する情報については、連結財務諸表注記の「17 引当金」を参照ください。
3 退職給付引当金の算出
会計上の見積りおよび仮定に関する情報については、連結財務諸表注記の「18 従業員給付」を参照ください。
4 繰延税金資産の回収可能性
会計上の見積りおよび仮定に関する情報については、連結財務諸表注記の「23 法人所得税」を参照ください。
(未適用の会計基準等)
「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)
1 概要
国際的な会計基準と同様に、借手のすべてのリースについて資産・負債を計上する等の取扱いを定めるものです。
2 適用予定日
2028年3月期の期首より適用予定です。
3 当該会計基準等の適用による影響
当該会計基準等を適用することにより、財務諸表に与える影響額については、現時点で評価中です。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権および金銭債務は、以下のとおりです。
2 保証債務等は、以下のとおりです。
(1) 保証債務
以下の関係会社等の銀行借入金等に対して債務保証を行っています。
前事業年度(2025年3月31日)
当事業年度(2026年3月31日)
(2) 保証類似行為
当社は、連結子会社の資金調達に係る信用を補完することを目的に連結子会社との間で合意書(キープウェル・アグリーメント)を締結しています。当該連結子会社の対象債務残高は、以下のとおりです。
前事業年度(2025年3月31日)
当事業年度(2026年3月31日)
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引に係るものは、以下のとおりです。
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目および金額ならびにおおよその割合は、以下のとおりです。
おおよその割合
※3 当事業年度の関係会社株式評価損は、一部の関係会社株式の実質価額が著しく低下したことに伴い、当社所
有株式を評価減したものです。
※4 当事業年度の移転価格税制調整金は、四輪電動化戦略の見直しに伴い北米地域子会社で発生した損失または
費用のうち、事前確認制度で申請された移転価格算定手法に基づき当社が支払う調整額を特別損失に計上し
たものです。
(株主資本等変動計算書関係)
自己株式数は、以下のとおりです。
(注) 1 当社は、当事業年度において、取締役会の決議に基づき、自己株式453,777,400株を市場買付により取得しています。
2 当社は、2026年2月10日の取締役会の決議に基づき、2026年2月27日付で自己株式747,000,000株を消却しています。
3 期末自己株式数には、BIP信託およびESOP信託が保有する当社株式が含まれています。前事業年度および当事業年度の期末自己株式数に含まれるBIP信託が保有する当社株式数はそれぞれ3,450,671株、2,952,681株、ESOP信託が保有する当社株式数はそれぞれ1,820,672株、2,468,691株です。また、当事業年度において売却または交付により減少したBIP信託が保有する当社株式数は497,990株、ESOP信託が保有する当社株式数は89,881株です。
(有価証券関係)
前事業年度(2025年3月31日)
子会社株式および関連会社株式
(注) 上表に含まれない市場価格のない株式等
当事業年度(2026年3月31日)
子会社株式および関連会社株式
(注) 上表に含まれない市場価格のない株式等
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、以下のとおりです。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳は、以下のとおりです。
(注) 当事業年度は、税引前当期純損失を計上しているため記載していません。
3 法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年(令和3年)8月12日)に従って、法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理ならびに開示を行っています。
(1株当たり情報)
(注) 1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)は、期中平均発行済株式数に基づき算出しています。
1株当たり情報の算定において、BIP信託およびESOP信託が保有する当社株式を自己株式として処理していることから、期末株式数および期中平均株式数から当該株式数を控除しています。前事業年度および当事業年度のBIP信託が保有する当社株式の期末株式数はそれぞれ3,450,671株、2,952,681株、ESOP信託が保有する当社株式の期末株式数はそれぞれ1,820,672株、2,468,691株です。前事業年度および当事業年度のBIP信託が保有する期中平均株式数はそれぞれ3,150,312株、3,063,298株、ESOP信託が保有する期中平均株式数はそれぞれ1,367,738株、2,423,335株です。
前事業年度および当事業年度の期中平均発行済株式数はそれぞれ4,671,383,489株、3,997,276,887株です。
なお、前事業年度および当事業年度に、希薄化効果のある潜在的普通株式はありません。
(重要な後発事象)
会社分割
当社は、2026年2月10日開催の取締役会において、当社が有する四輪開発およびSDV(注)開発機能を当社の連結子会社である株式会社本田技術研究所へ承継する会社分割(以下「本会社分割」という。)を決議し、2026年4月1日を企業結合日として本会社分割を行いました。
(注) SDV:ソフトウェアデファインドビークル
1 本会社分割の目的
四輪の研究開発機能について、当社の量産開発と株式会社本田技術研究所の将来研究が分離した運営体制から、技術テーマの選定・商品投入に至るまでを一体で捉え、一気通貫で推進する体制へと移行するため、当社の四輪開発およびSDV開発機能を株式会社本田技術研究所へ移管することに至りました。本会社分割により、市場環境の急速な変化に柔軟かつ迅速に対応し、魅力ある商品を継続的に創出できる研究開発基盤の強化を図ります。
2 本会社分割
(1) 取引の概要
① 結合当事企業およびその事業の内容
被結合企業(分割会社)
名称:本田技研工業株式会社
事業の内容:二輪事業、四輪事業およびパワープロダクツ事業及びその他の事業の生産販売等
結合企業(承継会社)
名称:株式会社本田技術研究所
事業の内容:二輪事業、四輪事業およびパワープロダクツ事業及びその他の事業の研究開発等
② 企業結合日
2026年4月1日
③ 企業結合の法的形式
当社を分割会社とし、株式会社本田技術研究所を承継会社とする簡易吸収分割
④ 結合後企業の名称
株式会社本田技術研究所
(2) 実施する会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)および「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2024年9月13日)に基づき、共通支配下の取引として処理します。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注) 1 当期首残高および当期末残高については、取得価額により記載しています。
2 「当期減少額」欄の( )は内数で、減損損失の計上額です。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
(1) 当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に提出した書類
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、以下の書類を提出しています。
① 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 第101期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 2025年6月18日関東財務局長に提出
② 内部統制報告書及びその添付書類
2025年6月18日関東財務局長に提出
③ 半期報告書及び確認書
第102期中(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日) 2025年11月11日関東財務局長に提出
④ 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号(代表執行役の異動)の規定に基づく臨時報告書
2025年4月8日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)の規定に基
づく臨時報告書
2025年6月24日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号(特定子会社の異動)の規定に基づく臨時報告書
2025年12月17日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号および第19号(当社および連結会社の財政状態、経営成
績およびキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象の発生)の規定に基づく臨時報告書
2026年3月13日関東財務局長に提出
⑤ 自己株券買付状況報告書
2025年7月15日関東財務局長に提出
2025年8月8日関東財務局長に提出
2025年9月12日関東財務局長に提出
2025年10月15日関東財務局長に提出
2025年11月14日関東財務局長に提出
2025年12月15日関東財務局長に提出
2026年1月15日関東財務局長に提出
(2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
連結子会社のうち、主要な連結子会社以外のものに係る管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、以下のとおりです。
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合については、当事業年度末日を基準日としています。また、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、当事業年度を対象期間としています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年(平成27年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年(平成3年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年(平成3年)労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出したものです。過年度に出生した子に係る育児休業等の取得者を含めて算定しているため、取得率が100%を超える場合があります。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。