第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1.第126期より国際財務報告基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2.当社は、2021年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき3株の割合で、2024年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき5株の割合で、それぞれ株式分割を行いました。「1株当たり親会社所有者帰属持分」、「基本的1株当たり当期利益」及び「希薄化後1株当たり当期利益」につきましては、第126期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しております。
(注) 1.第126期の米国会計基準に基づく連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
2.当社は、2021年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき3株の割合で、2024年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき5株の割合で、それぞれ株式分割を行いました。「1株当たり株主資本」、「1株当たり当社株主に帰属する当期純利益」及び「希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益」につきましては、第126期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1. 当社は、2021年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき3株の割合で、2024年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき5株の割合で、それぞれ株式分割を行いました。これに伴い「1株当たり純資産額」、「1株当たり当期純利益」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」は、当該株式分割が第126期の期首に行われたと仮定して算定しております。
2. 第126期の1株当たり配当額145.00円は、2021年10月1日付による株式分割前の中間配当額100.00円と株式分割後の期末配当額45.00円です。
3. 第129期の1株当たり配当額86.00円は、2024年10月1日付による株式分割前の中間配当額70.00円と株式分割後の期末配当額16.00円です。
4. 第130期の1株当たり配当額36.00円のうち、期末配当額20.00円については、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の決議事項になっています。
5. 最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所市場第一部におけるものです。なお、第126期及び第129期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社はIFRSによって連結財務諸表を作成しており、当該連結財務諸表を基に、関係会社についてはIFRSの定義に基づいて開示しております。「第2 事業の状況」及び「第3 設備の状況」においても同様です。
2026年3月31日現在、当社グループは、TDK株式会社(当社)及び連結子会社152社、持分法適用関連会社6社により構成されており、「受動部品」、「センサ応用製品」、「磁気応用製品」、「エナジー応用製品」のセグメント区分及びそれらに含まれない「その他」の製造と販売を営んでおります。
事業内容と当社及び関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりです。
企業集団等について図示すると次のとおりです。

4 【関係会社の状況】
(注) 1.主要な事業の内容欄には、事業の種類別セグメントの名称等を記載しております。
2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合を内数で示しております。
3.役員の兼任等には当社執行役員を含めて記載しております。
4.*1:特定子会社に該当しております。
5.*2:Amperex Technology Limited の売上高は、連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等
① 売上高 545,592百万円 ②税引前利益 164,722百万円 ③当期利益 157,206百万円
④ 資本合計 331,816百万円 ⑤資産合計 615,321百万円
6.上記はIFRSで要求される開示の一部であり、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記31 子会社」で上記を参照しております。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループの経営の基本方針
当社は、東京工業大学(現 東京科学大学)で発明された磁性材料フェライトの工業化を目的としたベンチャー企業として、1935年に設立されました。社是である「創造によって文化、産業に貢献する」という創業の精神に基づき、独創性をたゆまず追求し、イノベーションの推進により創造した新たな価値(製品・サービス)の提供を通じて、企業価値を高めてまいりました。また、当社グループは、今後も株主及び投資家、顧客、取引先、従業員、地域社会等のすべてのステークホルダーの満足と信頼、支持を獲得できるよう努めるとともに、事業活動を通じて社会的課題の解決に取り組むことによって、持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
(2) 当社グループの中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
① 長期ビジョン
世界経済は、技術を含む経済安全保障を巡る覇権争いを背景とした米中関係の緊張の高まりとそれに伴う規制強化等による経済圏の分断、中東情勢の緊迫化等地域紛争によるエネルギー調達リスクがもたらす原油価格の高騰やサプライチェーンの寸断リスクといった危機に直面しております。しかしながら、このような危機に直面してもなお、地球温暖化への対策、エネルギー安全保障等の観点から、再生可能エネルギーへのシフト及び脱炭素化への流れは今後も継続することが予想されます。また、データセンター、スマートグラス(AR)、AIスマートフォン、ヒューマノイドロボット、ADAS(先進運転支援システム)、半導体製造装置等のAIに関連した社会の変革が加速することが予想されます。
このような中、当社グループは「創造によって文化、産業に貢献する」という社是の基で、事業を通じて社会の変革に貢献するため、2024年に長期ビジョンを制定いたしました。
<長期ビジョン>

当社グループは、長期ビジョン実現のため、「変化を先んじて検知できる地位獲得」と「変化に迅速に対応できる仕組みの確立と運用」に取り組んでまいります。「変化を先んじて検知できる地位獲得」を目指し、材料、プロセス、ソフトウェア等の領域で培った強み(知的資本・製造資本・自然資本)をさらに深化させるとともに、新たな強みを探索し、電子デバイス領域でのリーディングポジション(社会関係資本・知的資本)を確立するための各種施策に取り組みます。また、「変化に迅速に対応できる仕組みの確立と運用」を目指し、獲得した「変化を先んじて検知できる地位」を活かし、未来構想力の強化と、多様で優れた人財の獲得・育成に注力することで、構想した未来を迅速かつ効率的に実現する実行力(人的資本・知的資本)を強化いたします。これらの取り組みにより、恒常的な投資余力(財務資本)を確保し、最適な投資を実現することで、「変化を先んじて検知できる地位」をさらに高めることを目指してまいります。
② 重要課題(マテリアリティ)
昨今の世界情勢を概観いたしますと、米中間の政治的緊張が続く中で、米国は中国への半導体等の輸出規制を継続しており、また、世界各国からの輸入品に対する追加関税措置を行うなどの政策も進めております。これに対して、中国は報復関税措置や重要鉱物の輸出規制を行い、経済分野における分離が進行しており、この分離はサプライチェーンに大きな影響を与え、今後の世界経済の成長に負の影響を及ぼす可能性があります。また、AIの活用が広がることに伴う電力需要の増加が予想される一方で、ロシアによるウクライナ侵攻が4年にわたり継続していることや中東情勢の緊張等の複合的な要因により、エネルギーを取り巻く動向は不安定な状況が続いております。
このような社会や産業構造を取り巻く変化の中でも、エレクトロニクス市場においては、データセンターやサーバーのみならず、エッジAI端末、AIを搭載する自動車やインフラ、半導体製造装置等も今後大きな成長を遂げていくと見ています。社会へのAIの浸透・拡大が、当社のさまざまな事業において成長ドライバーと目されることから、当社ではAIに関連する幅広いマーケットを「AIエコシステム市場」と定義しています。このAIエコシステム市場に関連した事業の多くは、既に事業ポートフォリオマネジメントにおいて「成長領域」に位置づけていますが、今後は戦略投資枠も活用しながら、それらの事業に対しより積極的な投資を実行していく考えです。

当社グループは、企業価値をさらに向上させるため、長期ビジョンに基づき、当社グループが取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を設定しております。この重要課題では、「事業活動による価値創造と競争優位の確立」のために、「顧客価値の創出と強固な信頼関係の構築」、「社会のTransformation実現に貢献するR&D」及び「高品質な製品の安定供給と生産の高効率化」を取り組むべき3つの領域として設定いたしました。また、これらを支える「未来を構想し実現する経営基盤の強化」として、「競争力を生み出し続ける多様な人財の活躍推進と育成による変革」、「グループガバナンスの高度化」、「社会・環境課題解決の遂行」の3つを取り組むべき領域として設定いたしました。それぞれの領域においてテーマを定め、各テーマにおいて具体的な施策を実行してまいります。例えば、「グループガバナンスの高度化」においては、事業ポートフォリオの継続的改善とEmpowerment & Transparencyの2つのテーマを定め、事業ポートフォリオの継続的改善のテーマに対しては、事業ポートフォリオマネジメント体制の確立とその継続的な運用を行ってまいります。このように、重要課題への取り組みを推進し、事業活動による価値創造サイクルを継続的に循環させることで、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
また、財務面においては、事業リスクを考慮した経営資源の配分とフリー・キャッシュ・フローの拡大を行い、資本効率・株主還元・財務の健全性のバランスを適正化することで、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を支える強固な財務基盤の構築を目指してまいります。
③ 中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)
2025年3月期から開始した中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)は、長期ビジョンを実現するための3年間の活動計画として、長期ビジョンからバックキャストする形で策定いたしました。中期経営計画期間は、長期ビジョンの実現に向けた、事業基盤強化(主力事業の収益力強化、課題事業への対処)の期間と位置づけております。
企業価値向上のためには、フリー・キャッシュ・フロー創出の最大化、資本コストの低減、期待成長率の向上が重要であると考えております。この考えに基づき、中期経営計画においては、以下の施策を3本柱といたしました。
1.キャッシュ・フロー経営の強化
2.事業ポートフォリオマネジメントの強化 (ROIC経営の強化)
3.フェライトツリーの進化 (未財務資本*の強化)
これら3つの施策を踏まえ、財務的価値の追求だけでなく、将来の財務的価値の源泉となる未財務的価値も追求し、短中期的な業績目標達成と長期的に価値を生み出し続けるための取り組みを両立することにより、持続的な企業価値の向上を図る、という考え方のもとで、中期経営計画における経営指標として、以下のとおり、財務指標に加えて、未財務指標を設定いたしました。
*一般的には「非財務資本」と呼ばれる、技術力、組織力、人的資本、顧客基盤等を将来キャッシュ・フローを生み出す資本と考え、「未財務資本」と表現しております。
<中期経営計画における経営指標一覧>
※1 事業ROA(ROIC)に関する詳細については、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容「経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。
※2 SBTiは、企業が科学的に根拠のある環境目標を設定することを支援しているイニシアチブです。パリ協定で示された「世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃以内に抑える」という目標の達成に向け、SBTiは企業が目標設定の際に使用できる基準を提供しています。当基準に基づき算定された段階的に必要なCO2排出量削減率を2027年3月期目標値として定めております。なお、当社は、SBTiによるSBT認定を2024年6月に取得しました。また、2026年3月期実績値については、2026年7月以降、他の開示書類にて開示予定です。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<サステナビリティ全般>
(1) ガバナンス
当社グループは、TDKグループの事業を通じて、TDK自身の持続可能性(長期的な企業価値の向上)と社会の持続可能性の同期化を図ることを目的として、執行役員 戦略本部長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しています。
サステナビリティ委員会は原則として年4回開催とし、ⅰ)全社の重要課題(マテリアリティ)及び関連するリスクと機会、ⅱ)サステナビリティ関連規制への対応、並びにⅲ)その他ESGに関する重要テーマについて協議するほか、施策推進のために必要な支援を行います。
サステナビリティ委員会における活動や協議された課題などは、経営会議及び取締役会に報告されます。経営会議は、報告結果について審議することで、業務執行状況を管理しております。また、取締役会は、サステナビリティ委員会からの報告・審議をもって、経営陣の業務執行の監督を実施しております。
(2025年度サステナビリティ委員会の主な議題)
(報酬に関する開示)
執行役員を兼ねる取締役及び執行役員に対しては、事後交付型株式報酬のうち、中期経営計画の業績目標達成度に応じて算定される当社株式及び金銭を対象期間終了後に交付する類型の業績連動発行型株式報酬としてパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)を定めており、未財務指標として気候変動及び人的資本に関する指標を評価指標に含めております。詳細については、第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等 をご参照ください。
(2) リスク管理
当社グループは、持続的成長を目指す上で、組織目標の達成を阻害する要因(リスク)に対し、全社的に対策を推進し、適切に管理する全社的リスクマネジメント(ERM)活動を実施するため、社長執行役員CEOが指名した執行役員を委員長とするERM委員会を設置しております。同委員会では、全社のリスクの分析評価を行い、対策が必要なリスクを特定するとともに、リスク対策を主導するリスクオーナー部門の割当等、全社的リスクマネジメントを推進しております。個々のリスクに対しては、割り当てられたリスクオーナー部門がリスク対策の実施を主導し、その対策状況については、委員会にてモニタリングを行います。委員会によるリスク分析評価や重要なリスクの対策状況については、経営会議において審議し、取締役会に報告しております。
気候変動を含む環境に関するリスク、人財獲得と人財育成に関するリスク、人権に関するリスクなど、サステナビリティに関連するリスクについても、リスクオーナー部門及び担当執行役員を割り当てております。
サステナビリティ関連のリスク及び機会は、サステナビリティ委員会で協議され、必要に応じて、経営会議及び取締役会に報告されております。
<気候変動>
具体的な活動の目標として、「TDK環境ビジョン2035」を策定し、原材料の使用から製品の使用・廃棄に至る、ライフサイクル的視点での環境負荷の削減に取り組んでおります。
2023年7月には、日本国内すべての生産開発拠点の電力の100%を再生可能エネルギー由来とし、2024年度は、グループ全体での再生可能エネルギー由来電力の導入率は61.2%となり、中間目標であった2025年度の導入率50%という目標を前倒しで達成しました。引き続き長期目標である2050年度100%を目指して推進していきます。
(1) ガバナンス
(取締役会による気候関連リスクの監督)
TDKでは、Chief Officer of Quality, Safety & Environmentが気候変動問題を含むグループ環境活動の責任者となり、品質保証本部安全環境グループを中心に、TDKグループ環境活動の推進と支援を行っております。TDKグループ環境活動において経営上重要な内容については、サステナビリティ委員会での協議の上、経営会議及び必要に応じて取締役会で審議・意思決定を行っております。
(気候変動関連リスクの評価と管理に関する経営者の役割)
・責任
企業の社会的責任に関して、地球環境との共生は、経営上の重要課題と認識し、社長執行役員CEOにより任命されたChief Officer of Quality, Safety & Environmentが、気候変動を含む環境経営全般の責任を担うこととしています。また、その下に位置する、品質保証本部安全環境グループ長に気候変動を含めた環境管理に関する実行責任が与えられています。TDKグループは「TDK環境ビジョン2035」(自然の循環を乱さない環境負荷で操業を目指す、ライフサイクル的視点でのCO2排出原単位を2035年までに半減)の実現に向けて、すべてのビジネスグループ、部門、サイト、製造子会社、本社機能が一致団結して取り組んでいます。
なお、気候変動を含む環境リスクのうち、重要事項については、サステナビリティ委員会やERM委員会での協議の上、経営会議及び取締役会に報告しています。
・責任内容
品質保証本部安全環境グループが、気候変動を含むTDKグループ全体の環境目標を設定するとともに、TDKグループ全体の環境に関するリスクの特定を実施しています。なお、ERM委員会は、「Enterprise Risk Management Regulation」に従って全社リスクを特定し、全社リスクの一部として気候変動関連問題を取り扱っています。
・モニタリング
気候変動を含む環境活動の実績については、サステナビリティ委員会で報告されるとともに、Chief Officer of Quality, Safety & Environmentによるマネジメントレビューを実施して、主要KPIの報告や中長期目標の策定、省エネにかかわる投資など、環境活動推進上の重要事項について審議、決定を行っています。また、上記マネジメントレビューで経営に重要な影響を及ぼすと判断された案件(ビジョン、大型投資など)については、サステナビリティ委員会での協議の上、経営会議及び必要に応じて取締役会で審議をしています。
(2) リスク管理
経営上重要なリスクについては、ERM委員会において包括的なリスクの一部として評価されます。評価した内容により、全社で取り組むリスクについては、経営会議で承認のうえ、ERM委員会で対策の進捗を確認するとともに、対策完了時は、経営会議の承認を得ています。
(3) 戦略・指標と目標
TDKでは、2024年度より、今後10年を通じてTDKが標榜するありたい姿として、長期ビジョン「TDK Transformation」を新たに策定し、「独自の材料・プロセス・ソフトウェアを組み合わせた電子デバイスで、テクノロジーの進化と社会の変革を加速し、サステナブルな未来の実現に貢献します」、「自己を変革し続け、世界のお客様と共に成長するNo.1パートナーになります」を掲げております。この長期ビジョンには、社会のTransformationへの貢献という意味と、社内、すなわち当社自身がTransformし続けていくという2つの意味があります。この2つのサイクルを加速させ、サステナブルな未来の実現に貢献するという想いをこめています。
これを実現するために重要課題(マテリアリティ)を再設定するとともに、気候変動への取り組みとして2050年CO2ネットゼロ社会実現に向け温室効果ガス削減活動を強化し、気候変動対策を推進します。
-シナリオ分析結果-
環境省が公表した、「TCFDシナリオ分析実践ガイド」に沿い、下記の前提条件のもと、シナリオ分析を実施しました。
(前提条件)
想定期間 :2030年度
対象範囲 :TDKグループ全体
採用シナリオ:1.5℃シナリオ(IEA-NZE)、4℃シナリオ(IEA-CPS、STEPS、RCP6.0)
以下、シナリオ分析を基に特定した、主なリスクと機会になります。脱炭素政策による各国の規制が厳しくなる1.5℃シナリオ下では、移行リスクが発生し、炭素価格付けの導入や、再生可能エネルギーのコストが増加する可能性を認識しました。それぞれのリスクに対する2030年の財務影響としては、炭素価格では114億円、再生可能エネルギーでは155億円と予測しています。また、TDKの注力市場の一つである、自動車市場において、自動車のEVシフトが進展し、EV関連製品の販売機会拡大や、電池関連のリスク・機会の可能性も認識しました。
一方、4℃シナリオでは、異常気象頻発による洪水発生リスクがより高まる可能性も認識しました。
※ 時間軸:「短期」は1年未満、「中期」は1~3年未満、「長期」は3~20年を想定しています。
TDKは、「TDKグループのマテリアリティ」のなかで2050年CO2ネットゼロ実現を目指すことを表明するとともに、「TDK環境ビジョン2035」のなかで「ライフサイクル的視点でのCO2排出原単位を2035年までに半減(2014年度対比)」を掲げています。このビジョンのもと、2025年までの環境基本計画として「TDK環境・安全衛生活動2025」の活動項目と目標値を定め、進捗を管理しています。2024年6月にNear Term目標及び2025年2月にネットゼロ目標のSBT認定を取得しました。
※ 2025年度実績は、2026年7月以降、第三者検証後にサステナビリティWEBサイトにて公開予定です。
※ 連結ベースで算出しております。

※ 2025年度実績は、2026年7月以降、第三者検証後にサステナビリティWEBサイトにて公開予定です。
※ 連結ベースで算出しております。
[ご参考]
なお、TCFDに基づく情報開示に加えて、2023年9月に公表されたTNFD(Task Force on Nature-Related Financial Disclosures: 自然関連財務情報開示タスクフォース)の最終提言を受け、生物多様性を含む自然資本全般に対して依存、インパクト、リスク、機会について、ガイダンスに沿った分析や評価及び情報開示を開始しています。
<人的資本の現在地と認識している課題>
当社グループは、グローバル展開やM&Aを通じて事業領域を広げ、多様な人財が活躍する企業グループへと発展してきました。その中で、人的資本についても量・質の両面で基盤は着実に拡充してきた一方、今後の成長と変革を見据えたとき、さらなる高度化が求められる局面にあると認識しています。
第一に、当社グループを取り巻く事業環境は、技術革新の加速や事業のグローバル化・複雑化により、変化のスピードと不確実性が高まっています。このような環境においては、自ら変革を構想し実行できる人的資本の重要性が一層高まっています。また、経営戦略と人財戦略のより強い連動を図り、事業の変革を迅速かつ着実に推進していくためには、個々の人財の能力に加え、それを組織として発揮できる仕組みの高度化が求められています。
第二に、当社グループは事業の成長及びグローバルな展開の中で、多様な背景や専門性を有する人財や能力を蓄積してきました。また、これに加えてM&A等を通じた外部人財との融合も進める中で、人的資本の多様性を一層広げてきました。こうした多様性は当社グループの重要な強みである一方で、それぞれの経験や知見を組織全体の学習や将来の人財育成へとより体系的につなげていく余地があると認識しています。今後は、個々の人財の力を点として活かすにとどまらず、それらを有機的に結び付けることで線や面としての価値創出へと昇華させていくことが重要であると考えています。
第三に、こうした人的資本の活用や育成の在り方は、事業ポートフォリオの進化や新たな成長機会の創出と密接に関係しています。人的資本が戦略と一体となって機能することで、既存事業の競争力強化にとどまらず、新たな価値創造へとつながっていくことが期待されます。
当社グループは、これらの論点を制約や課題としてのみ捉えるのではなく、人的資本のマネジメントを戦略的に進化させることで、企業価値を一段高めていくための重要なテーマであると位置付けています。こうした認識を踏まえ、経営戦略と連動した人財戦略の構築と実行に取り組んでいます。
※経営戦略と連動した人財戦略の詳細は、「第4 提出会社の状況」の「5 従業員の状況等」をご参照ください
(1) ガバナンス
当社グループは、人財戦略を経営戦略と一体的に推進するため、グローバルで統合された人事ガバナンス体制を構築しております。当社グループのグローバル人事機能は、社長執行役員CEO直属のCHROが直轄する組織であり、取締役会に対して「人財戦略」を立案・実行する責任を負っています。CHROは経営チームの一員として、経営戦略と人財戦略の連動を担い、経営の意思決定に対して人的資本の観点からの提言を行っております。取締役会はコーポレートガバナンスの観点から、次期CEOや経営チームのサクセッションプランを含む人財に関する重要事項について監督機能を担っており、企業価値向上に向けた人的資本の適切な活用及びリスクの管理状況を確認しております。
また、CHROは執行役員及び各ビジネスカンパニー・本部長と連携しながら、人財戦略の進捗及び重要施策について経営会議において定期的に報告・討議を行っております。その他、当社グループではグローバル・地域・拠点の各レベルにおいて人事機能を配置し、グループ全体で横断的に連携する体制を構築しております。これにより、事業ニーズに即した人財戦略及び人事施策を迅速かつ一貫して展開しております。
(2) リスク管理
当社グループは、人的資本に関するリスクを経営上の重要リスクの一つと認識し、継続的なモニタリング及び改善を実施しております。その一環として、人的資本に関する指標については、経営会議及び取締役会に報告を行っており、経営会議において改善策等に関する議論が実施されています。具体例として、定期的に実施しているエンゲージメントサーベイの結果をもとに、従業員の意識や組織状態の把握するとともに、必要な改善施策の検討・実行が経営会議の場で行われています。さらに、当該サーベイの結果を役員報酬の評価指標に組み込むことで、経営における関与度を高めるとともに、改善策の実効性向上を図っています。また、人的資本に関するリスクを全社的なサステナビリティ及び経営リスクの枠組みの中で統合的に把握しております。
さらに、人財戦略の重点施策については、重要課題(マテリアリティ)との関連付けのもとで定期的に評価・見直しを行い、グループ全体で共有することにより、リスクの早期把握及び適切な対応を図っております。 これらの取り組みにより、人財の定着・育成・多様性確保等に関するリスクを低減し、持続的な企業価値向上の実現を目指しております。
(3) 指標及び目標
当社グループの人財戦略は、「Human Capital as Change Driver(変革の原動力としての人的資本)」、「Value Creation through TDK United(価値創造を生む組織と文化)」、「Advancement in Technical Capability(戦略実行に資する能力の高度化)」の三つの観点から構成されており、これらの実行を通じて、中長期的な企業価値の向上を図っております。また、これらの戦略の進捗及び成果を把握するために、対応する指標及び目標を設定し、継続的にモニタリングしております。
①Human Capital as Change Driver/Advancement in Technical Capability(変革の原動力及び戦略実行力の源泉となる人的資本の強化)
経営戦略の実行及びTransformationの推進にあたり、環境変化を起点に自ら構想し実行に移すことができる人財の育成に加え、それを組織として支える人財基盤の強化を重視しております。このため、変革を牽引する中核人財の創出及びその裾野となる人財層の拡充を一体的に捉え、指標を設定しております。
②Value Creation through TDK United(価値創造を生む組織と文化)
多様な人財がつながり合い、主体的に価値創造へ参画する組織の実現を目指しております。これは「TDK United」の考え方に基づくものであり、多様性とエンゲージメントの両立が重要であると認識しております。このため、組織の多様性の確保及び従業員の主体的参画の状況を把握するための指標を設定しております。
当社グループは、これらの指標を通じて人財戦略の進捗を定量的に把握し、経営環境の変化や戦略の進展に応じた見直しを行うことで、人的資本マネジメントの高度化及び企業価値の持続的な向上を図ってまいります。
*長期は約10年間(2024年度~2033年度)、中期は約3年間(2024年度~2026年度)を想定
** 一部の事業が対象
3 【事業等のリスク】
当社グループは、持続的成長を目指す上で、組織目標の達成を阻害する要因(リスク)に対し、全社的に対策を推進し、適切に管理する全社的リスクマネジメント(ERM)活動を実施しております。当社グループのリスクマネジメントの基本方針は、機会とリスクの適切な把握と対応により、グループ内の各組織が企業価値創造のための適切なリスクテイクを行うこと、及び企業価値の毀損を防止することの両立を図ることです。
このERM活動に関する施策を検討・実施し、リスクマネジメント活動を強化するため、社長が指名した執行役員を委員長とする経営会議の直接管理の委員会であるERM委員会を設置しております。ERM委員会は、リスクマネジメント活動における各組織の役割を明確化し、リスクの識別~評価、対策の検討~実行~モニタリング、改善までの一連のリスク管理活動のPDCAサイクルの推進を行っております。これらリスクマネジメント活動は、取締役会及び経営会議による監督に加え、経営監査グループのERM委員会会議へのオブザーバー参加、及び常勤監査役による監査によって、適切に機能していることが確認されています。

リスクの評価として、当社グループの重要課題(マテリアリティ)を達成するための施策の実行を阻害するリスクを重要リスクとしてまず抽出します。さらに、前事業年度に実施されたリスク評価(リスクが顕在化した場合の影響度及び想定される発生頻度)について、内部及び外部の環境変化を踏まえて検証を行い、必要に応じて評価結果を見直し、影響度及び発生頻度の二軸からなるリスク・ヒートマップを更新し、このヒートマップ上で影響度及び発生頻度がともに高いと評価されたリスクについても、経営への影響の大きさを踏まえて重要リスクとして位置づけます。
これら重要リスクのうち、社内の管理体制の充実により、リスクの顕在化する可能性を低減、または顕在化した場合の影響度を低減することが可能と考えられるリスクについては、各リスクオーナー及びERM委員会がリスクに対する管理体制が十分であるかを評価しています。これらリスクの評価結果や対策状況については、経営会議において審議し、取締役会に報告しております。また、期中においても、ヒートマップの妥当性について1回以上検証し、必要な場合は残余リスクの評価の見直しを行っております。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において判断した記載としております。また、各リスクが顕在化する時期を合理的に予測することは困難です。
(1) 経済動向変化によるリスク
当社グループが事業展開しているエレクトロニクス業界は、最終製品の主たる消費地である米国、欧州、中国をはじめとするアジア及び日本の社会・経済動向に大きく左右されます。さらに、それらの国または地域には、政治問題・国際問題や経済の浮沈といった様々なリスク要因が常に存在しております。当社グループではこれらの世界のリスク動向を注視し適時対策を講じておりますが、常に十分かつ適時の対策を講じられる保証はなく、またこのような経営環境の変化が予想を超えた場合等において、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
経済動向変化による当社グループの業績へのマイナス影響を最小限に留めるべく、製造拠点の最適化、設備投資計画の精査、本社業務効率の改善等の経営体質改善の各種施策を実施しております。
(2) 為替変動によるリスク
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、連結ベースでの海外売上高比率は93%に達し、取引通貨の多くは米ドル、ユーロ等、円以外の通貨であります。これらの通貨に対する急激な円高の進行は売上高や利益の減少等、損益に影響を与えますが、当該リスク軽減のため、当社グループでは外貨建原材料購買の増大や海外拠点で消費する資材の現地調達化を進めております。また、海外における投資資産や負債価値は、財務諸表上で日本円に換算されるため、為替レートの変動の結果、換算差による影響が生じます。米ドル、ユーロ、それぞれの通貨が1円円高となった場合の当社グループの営業利益に対する影響は、おおよそ米ドルで20億円の減益、ユーロは3億円の減益と見ております。為替レートの変動に対応するため、外貨建資金調達及び為替予約契約の締結等の対策は講じておりますが、急激または大幅な為替レートの変動等は、当社グループの財政状況及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
海外子会社と本社(日本)間の取引は原則として現地通貨で行うことで海外子会社の為替変動リスクを低減し、これを本社に集約し日本から包括的に為替予約等を行うことで為替変動リスクを低減することに努めております。海外子会社も必要に応じて為替予約等を活用し為替リスクを低減しております。また営業利益への為替影響額縮小の為、ドル建て購買、円・人民元建て販売取引を推進しております。
(3) 金利変動によるリスク
当社グループはその時々において銀行預金や国債等の金融資産及び銀行借入金や社債、リース負債等の負債を保有しております。これらの資産及び負債にかかる金利の変動は受取利息及び支払利息の増減、あるいは金融資産及び金融負債の価値に影響を与え、当社グループの財政状況及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
支払利息の金利上昇リスクに対しては、社債や銀行借入による低利かつ固定金利の資金調達で、金利変動リスクの低減を図っております。受取利息の金利下落リスクに対しては、元本保証を重視し、運用は定期預金を主とし、金利動向を見ながら金利上昇局面では比較的短期の、金利下落局面では比較的長期の運用を行うことでリスクをコントロールしております。
(4) 自然災害及び感染症によるリスク
当社グループは、国内外において多数の製造工場や研究開発施設を有しております。各事業所では、不慮の自然災害や感染症発生等に対する備えとして、防災・防疫対策や電力不足に対する自家発電設備の導入等を施しておりますが、想定を超えた大規模な地震や津波、台風や洪水、火山の噴火等の自然災害やそれに起因する大規模停電、電力不足等によって大きな被害を受ける可能性があります。それらの影響を受け、製造中断、輸送ルート寸断、情報通信インフラの損壊・途絶及び中枢機能の障害もしくは顧客自身に大きな被害が生じた場合など、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、感染症の感染拡大によって、景気の悪化や、当社事業所の閉鎖もしくはサプライチェーンの混乱が起こった場合などには、業績に大きな影響を及ぼす可能性も考えられます。
(主要な対応策)
当社グループでは、有事の際に製造拠点が早急に生産を再開できるよう主要事業ごとにBCP(事業継続計画)の策定とBCM(事業継続マネジメント)活動の推進、定着化を進めており、同様に、営業や本社スタッフ機能においてもBCPを策定し、会社全体としての機能が停止しないような備えを有しております。災害発生時のサプライチェーン確保の面では、大規模な災害により業務継続できなくなった場合でも、BCPで定める手順に則り、供給者への支払いや部材の供給継続等の非常時優先業務について代替拠点での継続ができる準備を進めております。
また、初動対応に関しては、全世界的に、有事の際の被害状況を迅速に把握する目的で、当社グループ海外現地法人と本社間で迅速に情報共有できるシステムを導入しております。
感染症に関しては、当社グループ各事業所においては通常の感染対策体制を維持するとともに、感染拡大やクラスター発生時においては新型コロナ感染症対策で培った感染予防体制を実行してまいります。
(5) 国際的な事業活動におけるリスク
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、連結ベースでの海外売上高比率は93%に達しております。
対象となる多くの市場や、今後経済発展が見込まれる新興国では、不安定な政情、戦争やテロといった国際政治に関わるリスク、為替変動、関税引上げや輸出入制限といった国内政治・経済に起因するリスク、文化や慣習の違いから生ずる労務問題や疾病といった社会的なリスクが、顕在化する可能性があります。また、商習慣の違いにより、取引先との関係構築においても未知のリスクが潜んでいる可能性があります。こうしたリスクが顕在化した場合、生産活動の縮小や停止、販売活動の停滞等を余儀なくされ、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
特に当社グループの中国向け売上高は連結売上高の55%となっております。同国へ進出している得意先及び現地企業への供給体制を確立するため、中国に製造拠点を数多く有しており、その結果、中国拠点による生産額は、当社グループ全体の約62%となっております。
同国にて上記のような政治的要因(法規制の動向等)、経済的要因(成長の持続性、電力等インフラ整備の状況等)及び社会環境における問題事象が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
国際的な事業活動におけるリスクに対しては、本社に設置したガバメントリレーション機能と米州、欧州、中国の各地域本社により各地域のリスク関連情報や各国法規制動向の把握及び分析を行っております。また、南アジア、東南アジア及びオセアニア地域におけるリスク情報の収集・分析体制の強化を図るため、本年4月にアジア・パシフィック本社を新たに設置するなど、体制整備を進めております。
特に、近年の米中関係をはじめとするグローバルな地政学リスクについては、重要リスクと認識し対応を進めております。また、当社グループでは需要地における生産を原則としつつも、生産拠点の配置については、カントリーリスクやその他の要因も考慮し、適宜見直しを行っております。こうした拠点戦略最適化を進めてはおりますが、中国依存度に関しては、当社グループが中国に保有する有形固定資産が、2025年3月期の3,911億円から2026年3月期は5,383億円と連結総有形固定資産残高に対する比率で6%の増加(38% ⇒ 44%)となっています。
ロシアのウクライナ侵攻への対応では、事変発生以来ロシア及びベラルーシでの事業活動凍結を継続しております。
(6) 人権に関するリスク
近年、欧州を中心に人権に関するデューデリジェンスを企業に義務付ける法規制の導入・強化が進むとともに、投資家、顧客、従業員等のステークホルダーから、企業に対する人権尊重への取り組みに対する期待が一層高まっています。このような環境下においては、自社のみならずサプライチェーン全体を含めた人権リスクの把握および適切な対応が、継続的な事業運営における重要な前提条件となっています。
当社グループは、「人権の尊重」をマテリアリティに位置づけ、重要な経営課題と認識し、「TDKグループ人権ポリシー」に従い、各種の取り組みを推進しております。しかしながら、当社グループまたはサプライチェーン上において、児童労働、強制労働や外国人労働者への差別、労働災害等の労働安全衛生上の不備等の人権に係る問題等が生じた場合には、当社グループの社会的信用の低下、取引停止、事業活動の制約等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当社グループは、こうした法規制やステークホルダーからの要請に適切に対応出来ない場合、法令違反や対応コストの増加、人材の流出、ビジネス機会の喪失等を通じて、中長期的な事業運営及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
当社グループは、「TDKグループ行動規範」において人権の尊重にコミットしており、児童労働及びあらゆる種類の強制労働を含む非人道的な労働を明示的に禁止しております。また「TDKグループ人権ポリシー」において、人権の尊重に向けた当社の基本的な考え方及びアプローチを明示しています。
加えて当社グループは、TDKグループの「重要課題(マテリアリティ)」の一つとして「人権の尊重」を設定し、人権推進のための社内体制や仕組みの構築を進めています。具体的には、自社従業員及びサプライチェーンに関する人権デューデリジェンスの実施、サプライチェーン上の各種調査や監査、人権侵害に関する通報のための仕組みの構築・運用、並びにステークホルダーとのコミュニケーション等を行っています。これらの過程において、「TDKグループ行動規範」からの逸脱行為があると判断した場合には、是正に必要な措置を講じています。
また、サプライチェーンも含むあらゆる事業活動の中で、RBA(Responsible Business Alliance)行動基準に則った自己評価や監査、トレーニング及び対話を通じて、課題の把握と継続的な改善に取り組んでいます。サプライチェーンにおいては、「TDKグループ取引先行動規範」を制定し、サプライヤーに対して同規範への同意を求めています。
さらに、法令規則・規制の変更や強化に関しては、各国法令、社会情勢及び顧客の動向などに注視し、変化に合わせた迅速な対応を行う体制を整えることで、人権リスクの低減を図っております。
(7) 気候変動を含む環境に関するリスク
地球温暖化の一因とされる温室効果ガスの排出量は増加の一途をたどっており、2015年12月COP21で採択された「パリ協定」に代表されるように、気候変動への危機感は高まってきております。気候変動は当社グループにとって重要な課題であり、2019年5月に賛同を表明したTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、環境担当役員が責任者となって気候変動関連情報の開示を進めるとともに、分析と対策を実施しております。
また、当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、廃棄物処理、製品に含有する化学物質など、様々な環境法令の規制を受けております。当社グループでは、これら法令を遵守し、事業活動を進めておりますが、環境規制が強化され、これに適応するための費用の増大が予想され、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
当社グループでは、近年、気候変動や資源循環と事業との調和に関して重要性を強く認識するとともに、それらを事業の機会とリスクと捉え、各取り組みを進めております。この他、世界的に大気・水質及び土壌汚染防止の取り組みを取り巻く科学・規制・社会のそれぞれの分野で起きているもしくは起こりうる課題を把握し、サステナビリティマネジメントグループが中心となり、リスクと機会を整理した上で、重要事項に優先的に取り組み、PDCAサイクルを継続的に回し改善を目指しています。
なお、気候変動関連のリスクと機会、及び主な対応策については、第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組の<気候変動>に記載しております。
(8) 税務に関するリスク
当社グループは、世界各国に製造拠点・販売拠点を有しており、グループ会社間の国際取引も多く発生しております。グループ会社間の国際的な取引価格に関しては、適用される各国の移転価格税制や関税法の観点からも適切な取引価格となるよう細心の注意を払っております。しかしながら、税務当局または税関当局との見解の相違等により、取引価格が不適切であるとの指摘を受け追加の税負担が生じる可能性があります。また、世界各国の租税法令ないしその解釈運用の発効、施行、導入及び改廃等により、当社グループに税負担増が生じる可能性があります。
また、繰延税金資産については、将来の課税所得の見通し及び税務上実現可能と見込まれる利益計画に従い、回収可能性の評価を定期的に行っております。将来において利益計画が実現できない場合、または租税法令ないし税務執行の発効、施行、導入及び改廃等により回収可能性の評価を見直した場合、回収する可能性が高くなくなった部分を減額することにより、法人所得税費用が増加する可能性があります。
上記のような事態が生じた場合、当社グループの財政状況及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
グループ会社間の国際取引におけるリスクに関しては、四半期ごとに当社グループ内の移転価格モニタリングを行い、リスクが高いと判断されればリスク低減のため方策を講じております。また、商流の変更時や新規取引開始の際にも税務リスク分析を行い、必要に応じて対応を進めております。
租税法令またはその解釈運用の発効、施行、導入に伴うリスクに関しては、本社と各地域本社の間で情報交換を行い、各国の税制改正の情報を事前に把握し、当社グループへの影響を見極めることに努めております。
(9) 技術革新・新製品開発におけるリスク
当社グループでは、価値ある新製品をタイムリーに世に送り出すことが企業収益向上に貢献し、さらに継続的な新製品開発が企業存続の鍵となるものと確信しております。魅力的で、革新的な新製品の開発による売上高の増加が、企業の成長にとって重要な役割を担っていると考えており、この点を経営戦略の主題として新製品の開発に取り組んでおります。しかしながら、変化の激しいエレクトロニクス業界の将来の需要を的確に予測し、技術革新による魅力的な新製品をタイムリーに開発・供給し続けることができるとは限りません。当社グループの開発部門において実施している市場の動向分析に基づく継続的な研究開発体制の見直しや、開発テーマの選択と集中を進めるための開発マネジメントが有効に機能しない場合等には、販売機会喪失により将来市場はもとより既存市場さえも失うリスクもあります。
また、当社グループでは、多種多様な製品を世界中の国・地域で開発・生産・販売しており、それら事業活動を通して得たデータは当社の資産と言えます。しかしながら、これらデータを適切に蓄積し、開発・営業・マーケティング部門と連携して魅力的な製品の開発・販売に活用できない場合には、業績及び成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
新製品開発にあたっては、個々の開発テーマの開始、継続、終了までを関係機能参加のもとデータを活用しながら検討し、新製品の市場性を見極めて製品化を進めております。製品の企画、設計、試作、製造の各段階においては設計審査を通じて厳格なリスク評価を実施しています。また、セールス&マーケティング本部及び技術・知財本部CTOオフィスを中心とした全社横断体制での的確な市場動向の把握と全社技術戦略に基づく新製品開発への素早いフィードバックを図り、市場変化への対応を進めております。
さらに、コーポレートベンチャーキャピタル機能を担うTDK Venturesを通じて出資したベンチャー企業との協業により新技術の動向を早期に察知し、技術ロードマップを補強して新たな市場への進出に取り組んでおります。
(10) 価格競争に関するリスク
当社グループは、競争が激化しているエレクトロニクス業界において、スマートフォンに代表されるICT市場、今後一層の電装化が進展する自動車市場、太陽光発電・風力発電等のエネルギー関連市場等多岐にわたる市場で電子部品の展開を行っております。同業界においては、価格による差別化が競争優位を確保する主たる要因の一つであり、有力な日本企業や韓国、台湾及び中国等の海外の企業を交えた価格競争は熾烈を極めております。
当社グループでは、こうした市場競争に対して継続的なコストダウン施策の推進や収益性向上に努めておりますが、市場からの価格引き下げの圧力はますます強まる傾向にあり、こうした価格動向が業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
当社グループの各事業において、高付加価値製品の創出により価格競争回避に努めるとともに、コストダウン施策を継続的に実施しております。また、全社的に資本効率及び収益性の向上を図り、価格低下による業績への影響を最小限に留めるよう努めております。
(11) 原材料等の調達におけるリスク
当社グループは、原材料等を複数の外部供給者から購入し、適時、適量の確保を前提とした生産体制をとっておりますが、原材料等は代替困難な限られた生産国、供給者に依存する場合があります。例えば、磁気応用製品のマグネットに用いられるジスプロシウム等の重希土類は中国に、エナジー応用製品の二次電池に用いられるコバルトは紛争地域であるコンゴ民主共和国に、その生産を依存しております。これらの原材料等については、複数の調達ルートを確保する他、使用量削減にも取り組んでおります。コバルトを含む紛争地域及び高リスク地域からの鉱物に関しては、「責任ある鉱物調達」に関するポリシーを制定し、持続可能かつ責任ある鉱物だけがサプライチェーンで使われることとなるよう商業上合理的な範囲で最大限の努力をしております。
しかしながら、各国の輸出入規制や供給者の被災及び事故等による原材料等の供給中断、品質不良等による供給停止、さらに製品需要の増加による供給不足等が発生する可能性があります。また、海外生産拡大に伴う現地調達においては海外の諸情勢によって悪影響を受ける場合があり、特に昨今の中東情勢の緊迫化といった地政学リスクの高まりにより、原油をはじめとするエネルギー資源や原材料の調達が困難になる可能性があります。これらが長期にわたった場合、生産体制に影響を及ぼし、顧客への供給責任を果たせなくなる可能性があります。市場における需給バランスが崩れた場合、原材料価格の高騰や原油をはじめとする燃料価格の高騰による製造コストの増大が想定されます。また、調達した原材料等に、紛争鉱物や児童労働などの問題が潜むことが確認された場合、原材料の変更や調達先の変更などが必要となり、製品の生産や供給に影響を及ぼす可能性があるとともに、社会的な信用が低下する恐れがあります。こうした状況が生じた場合は、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
原材料の調達リスク(供給の中断、停止、不足)については随時モニタリングを行い、関連事業部門と情報を共有化する一方、マルチソース化や長期供給契約の締結等によってリスク回避のための対策を進めております。
現地調達を進めている材料・装置・部材などについては、材料の源流調査の過程で知り得た商社のネットワークを利用して他国の状況把握に努める一方、他国からの調達可能性を調査検討しリスク回避に備えております。
紛争鉱物については、“責任ある鉱物調達”の枠組みに沿って精錬所調査を行っております。その他、サプライチェーンにおけるCSR遵守状況(人権、環境、安全衛生等)についても定期的に確認しております。
(12) 顧客の業績や経営方針転換等に関するリスク
当社グループは、主にエレクトロニクス市場や自動車市場の顧客に電子部品を供給する企業間取引をグローバルに展開しております。
多様な顧客と取引を行うと共に、顧客の信用リスク評価を勘案して取引条件を設定する等のリスク低減を図っておりますが、それぞれの顧客の業績及び経営戦略の転換等、当社グループがコントロールし得ない様々な要因によって大きな影響を受ける可能性があります。また、顧客の業績低迷による購買需要の減少や調達方針の変更による納入価格の強い引き下げ要請や、契約の予期せぬ終了等による過剰在庫の発生や収益性の悪化の可能性があります。
国内外での異業種や競合企業による顧客企業のM&Aにより企業再編が行われた場合、注文が著しく減少し、もしくは取引すべてが消滅する等、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性もあります。
なお、2026年3月期において、当社グループの連結売上高の10%を超える顧客グループは1グループあります。この顧客グループに対する売上は、主にエナジー応用製品によるものであり、売上高は4,664億円(当社グループの連結売上高に対する比率は19%)です。
(主要な対応策)
当社側が当該顧客向け専用の設備投資をする場合に、一定量の製品買取責任を課す契約を締結する等リスクの低減を図っております。
業界再編の動きについては常に感度高く情報収集に努めるとともに、重要顧客が絡む業界再編の動きに対しては、当社が積極的に再編に関与することを含めた複数のシナリオを想定し、リスクの低減・回避を図っております。
(13) コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、事業展開している国内外において、事業や投資関連、電気製品の安全性関連、国家間の安全保障及び輸出入関連、また、商行為、反トラスト、特許、製造物責任、環境及び税金関連等の、様々な規制の遵守を求められております。当社グループは、GCCO(グローバル・チーフ・コンプライアンス・オフィサー)及び日本のほか世界4地域のRCCO(リージョナル・チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を任命し、当社グループ及びそれを構成する役員、従業員が世界共通の規範に基づきコンプライアンスに則した行動をするための体制や仕組みの構築を推進するとともに、TDKグループ行動規範を定め、誠実で公正、透明な企業風土を醸成するよう努めております。さらに、当社グループが定める社内規程やそれら規程に基づいた手順・プロセスに対しても、当社役員・従業員による遵守を徹底しております。当社グループでは、ガバナンス方針である“Empowerment & Transparency”(権限委譲と透明性の確保)に基づき、各グループ会社がそれぞれの個性を活かせるよう、グループの一員が最低限守るべきルールをまとめた「グローバル共通規程」を整備・運用し、本社部門により遵守状況をモニタリングしております。しかしながら、このような施策を講じても関連する規制や規程への抵触や、役員、従業員による不正行為は完全には回避できない可能性があります。このような事象が発生した場合、当社グループの社会的な信用が低下し、顧客からの取引停止や多額の課徴金・損害賠償の請求等により、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、将来において、さらなる規制強化が行われる可能性があり、その場合には規制対応のための多額な費用負担や、その規制に適応し得ない場合にはビジネスからの部分的撤退等が必要になるなど、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
当社グループでは、コンプライアンスに関するリスク低減とコンプライアンス・カルチャー醸成に向け、以下の活動を実施しております。
・当社グループのグループ・ガバナンス基本方針に基づいた「グローバル共通規程」の策定・運用、及び本社部門による各グループ会社の遵守状況のモニタリング
・外部専門家を活用した社内調査
・社長及び各グループ会社責任者からコンプライアンス徹底のメッセージを発出
・講義形式及びオンラインによる教育啓蒙の実施
・米国司法省の求める基準に基づく社内ルールの策定と運用
(14) 製品の品質に関するリスク
当社グループは、国内外生産拠点において、国際品質マネジメント規格(ISO9001、IATF16949やその他の適用ある規格)や技術革新著しいエレクトロニクス業界の顧客が求める基準に従い、多様な製品の品質マネジメントを行っております。また、独自に保有する品質技術や過去から蓄積する品質トラブルデータを活用し、製品の企画、設計、試作、製造の各段階での設計審査、内部品質監査、購入先監査・指導、工程管理等を通じて製品の信頼性や安全性を確保できるよう、開発上流段階から品質を作り込む品質保証体制の構築を図っている他、各拠点における生産現場での積極的なデジタル活用も推進しております。
しかしながら、品質上の不具合(規制物質含有やソフトウェア製品における脆弱性を含む)や、それに起因するリコールが発生し得ないとは限りません。当社製品のリコールや製造物責任の追及がなされた場合、回収コストや賠償費用が発生し、また販売量が減少する恐れがあります。さらに当社ブランドを冠した製品の品質上の不具合によりブランドの信用が失墜し、企業としての存続を危うくする事態を招くことも想定されます。このように、重大な品質問題が発生した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
当社グループでは、品質不具合発生のリスク低減のために、設計、材料、プロセス、管理の視点から、様々な施策を実施しております。
特にICやソフトウェアを組み込んだ製品が増加していることから、IC解析技術の強化、ソフトウェア脆弱性対策の強化にも取り組んでおります。また、2026年9月より部分適用となる欧州サイバーレジリエンス法(CRA)への対応を図るべく運用体制の構築を進めています。
(15) 知的財産におけるリスク
当社グループは、事業収益に貢献する戦略的知財活動として当社製品の機能、デザイン等に関する特許、ライセンス及び他の知的財産権(以下、「知的財産権」と総称します。)のポートフォリオの管理・取得によるその強化と活用に努めております。
しかしながら、特定の地域では、その地域固有の事由によって当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があり、第三者が知的財産を無断使用して類似した製品を製造することによって損害を受けることもあり得ます。
一方では、当社グループの製品・工程等が第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受ける可能性もあります。当社グループがかかる侵害をしたとして第三者から訴えられた場合、訴訟活動や和解交渉が必要になり、そのための費用が発生する他、これらの係争において、当社グループの主張が認められなかった場合には、損害賠償やロイヤリティの支払が必要になることや、市場そのものを失う等の損失が発生する恐れがあります。
このように、知的財産権についてこれらの問題が発生した場合には、事業展開、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
第三者が当社の知的財産を無断使用するケースに関しては、商取引ウェブサイトにおける当社ブランドの不正使用や模倣品販売を監視する仕組みを構築し運用しております。
一方、当社グループでは他者が所有する知的財産権を尊重することを全社知財方針として掲げ、製品開発においては事前に調査、予防、解決策を講じることによって知的財産権侵害リスクの低減に取り組んでおります。
(16) 情報セキュリティにおけるリスク
当社グループは、事業を展開する上で、顧客及び取引先の機密情報や個人情報及び当社グループ内の技術情報を含む機密情報や個人情報を有しております。これらの情報は、外部流出や破壊、改ざん等が無いように、グループ全体で管理体制を構築し、徹底した管理とITセキュリティ、施設セキュリティの強化、従業員教育等の施策を実行しております。しかしながら、外部からの攻撃や、内部的過失や盗難、役員・従業員の故意的な行動等により、これらの情報の流出、破壊もしくは改ざんまたは情報システムの停止等が生じる可能性があります。
このような事態が生じた場合には、信用低下、被害を受けた方への損害賠償等の費用の発生、当社グループが取り扱う製品の優位性の低下、または業務の停止等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
当社グループでは、外部からのサイバー攻撃に備え、情報セキュリティ専門業者による脆弱性診断を実施し不具合があれば改善し、管理面ではNIST(National Institute of Standards and Technology:米国標準技術研究所)のフレームワークに基づき、当社グループ全体で情報セキュリティ体制の強化を推進しております。
当社グループ内部からの情報流出防止対策としては、機密データのフォルダ単位によるアクセス制限、AIを活用した不審なデータの送受信の検知、USBメモリ・SDカード等持ち出し可能媒体の使用制限や、退職予定者による当社グループの機密情報の持ち出し防止のための施策、従業員への情報セキュリティ教育を徹底しております。また万が一、情報セキュリティ上の被害が発生した場合に備え、迅速に復旧するための体制をグローバルで強化しております。更には、グループ全体を対象としたサイバー保険に加入しております。また、当社グループ内の取り組みに加え、サプライヤー等の取引先からの情報流出を防ぐため、取引先に対して情報セキュリティ管理の改善支援を行い、サプライチェーン全体の情報セキュリティの管理レベルを向上させる取り組みも実施しております。
(17) 人財獲得と人財育成に関するリスク
当社グループは、世界中の30以上の国と地域で事業活動を推進しており、日本以外の拠点の従業員数は全従業員数の約89%となっております。変化の激しいエレクトロニクス業界において継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した多様な人財及び経営戦略やグローバルな組織運営といったマネジメント能力に優れた人財の獲得、育成を継続的に推進していくことが重要となります。
しかしながら、必要な人財を継続的に獲得し定着させるための競争は厳しく、日本国内においては、少子高齢化や労働人口の減少等、また、中国等の海外拠点においても、雇用環境の変化が急速に進んでおり、人財獲得や育成が計画どおりに進まなかった場合、長期的視点から、事業展開、業績及び成長に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
当社グループでは人財獲得のために新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開しております。
また、目標管理制度に基づいた公平な評価・処遇制度の充実などの仕組みの構築により、従業員のエンゲージメントを高め、人財の定着を図っております。さらには、自律型人財やグローバル人財を育成し、当社グループの価値観、知識及びモノづくりのDNAを伝える教育プログラムの充実を図っております。これらの教育プログラムには、現在のグローバルキー人財や将来の経営層候補、その他各階層に対する教育も含まれております。
(18) 新規市場・事業参入やM&A等に関するリスク
当社グループは、競争が激化するエレクトロニクス分野において、持続的な成長を実現するため、既存事業における新規市場(地理的及び用途的)の参入や、新事業の参入に積極的に取り組んでおります。また、新規市場・事業参入に必要な技術や顧客資産などの獲得や、事業の競争力強化の上で、有効な手段となる場合はM&Aも積極的に活用しています。
新規市場・事業参入やM&A等に当たっては、事前に当社グループの事業ポートフォリオとの関連性や、関連する各国の法規制動向、M&Aに伴うリスク分析結果等を十分に考慮し進めるべく努めております。
しかしながら、事前の調査・検討にもかかわらず、市場や技術並びに法規制動向等の著しい変化等により、当社グループの業績や成長及び事業展開等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
当社グループでは、新規市場・事業参入やM&A等の際には、当社グループの目指すべき姿や成長戦略と整合しているか、また実現可能な事業計画であるか、関連する各国のリーガルリスクの所在やその対応状況などについて、事業部門や本社機能のみならず、必要な場合は外部専門家による検証を行っております。また、M&Aにおいては、買収後統合(PMI)を円滑に進め統合シナジーを最大限発揮するために、実施すべき事項とその達成時期の標準的なターゲットを定めております。
(19) 非金融資産の減損損失のリスク
当社グループは、競争が激化しているエレクトロニクス業界での競争優位性を確保及び確立するため、当社の創業時の事業であるフェライトの生産によって獲得した素材技術とプロセス技術を軸としつつ、時には事業の成長加速のためのM&Aも実施し、事業ポートフォリオを充実させて参りました。また、生産能力向上、品質向上または生産性向上などのため製造設備などの設備投資を継続的に行っております。その結果、有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産などの非金融資産を多額に有しております。多種多彩な事業や資産を持つことはリスク分散に繋がる一方、事業や資産のポートフォリオの効率性を継続的に改善できなかった場合は、当社グループの収益に多大な影響を及ぼす可能性があります。2026年3月31日現在、当社グループの、有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産の総額は1兆5,365億円であり、そのうち179億円は高周波部品事業の有形固定資産であり、987億円はMEMSセンサ事業に配分されているのれんです。
有形固定資産、使用権資産及び特定の識別可能で耐用年数を確定できる無形資産については、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額に基づく減損テストを実施しております。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年同じ時期に減損テストを実施しており、さらに減損の兆候が存在する場合は、その都度減損テストを実施しております。
かかるテストの結果、資産、資金生成単位または資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識します。多額の減損損失を認識した場合、当社グループの財政状況及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(主要な対応策)
当社グループでは、事業の収益性及び成長性を考慮した事業ポートフォリオ・マネジメントを導入し、選択と集中による投資判断を行い、将来の減損リスク発生を回避するよう努めております。
また、減損リスクの高い課題事業については、期初よりモニタリングを行い業績改善計画の進捗を確認、当該事業部門と本社部門が連携し事業収益性回復の可能性を検討します。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、貿易摩擦の激化や中東地域における地政学的リスクの高まりにより不安定な状況が継続しました。為替レートは、対ドルを中心に前期と比べ円高傾向で推移しました。
当社の連結業績に影響を与えるエレクトロニクス市場では、ICT(情報通信技術)関連製品の生産が前期比で堅調に推移し、データセンター向けニアライン用HDD(ハードディスクドライブ)の需要も引き続き高水準を維持しました。また、産業機器市場では、再生可能エネルギー向けの需要が底堅く推移しました。一方で、自動車市場においては、BEV(電気自動車)の需要の低迷が継続し、期初想定を下回る部品需要となりました。
このような経営環境の中、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
2026年3月31日現在の資産合計は、前連結会計年度末に比べ873,759百万円増加し、3,541,415百万円から4,415,175百万円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ481,471百万円増加し、1,730,161百万円から2,211,630百万円となりました。
資本合計は、前連結会計年度末に比べ392,289百万円増加し、1,811,254百万円から2,203,545百万円となりました。
b.経営成績
当社の連結業績は、売上高2,504,820百万円(前連結会計年度2,204,806百万円、前連結会計年度比13.6%増)、営業利益272,415百万円(同224,192百万円、同比21.5%増)、税引前利益276,810百万円(同237,808百万円、同比16.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益195,663百万円(同167,161百万円、同比17.0%増)、基本的1株当たり当期利益103円09銭(同88円10銭)となりました。
当連結会計年度における対米ドル及びユーロの平均為替レートは、150円76銭及び174円76銭と前連結会計年度に比べ対米ドルで1.2%の円高、対ユーロで6.7%の円安となりました。これらを含め全体の為替変動により、約25億円の減収、営業利益で約106億円の減益となりました。
当社グループの事業は、「受動部品」、「センサ応用製品」、「磁気応用製品」及び「エナジー応用製品」の4つの報告セグメント及びそれらに属さない「その他」に分類されます。
受動部品セグメントの連結業績は、売上高は593,201百万円(同559,639百万円、同比6.0%増)、セグメント利益は41,831百万円(同34,072百万円、同比22.8%増)となりました。
センサ応用製品セグメントの連結業績は、売上高は224,623百万円(同189,472百万円、同比18.6%増)、セグメント利益は20,748百万円(同4,983百万円、同比316.4%増)となりました。
磁気応用製品セグメントの連結業績は、売上高は262,903百万円(同223,637百万円、同比17.6%増)、セグメント利益は26,951百万円(同3,377百万円、同比698.1%増)となりました。
エナジー応用製品セグメントの連結業績は、売上高は1,370,304百万円(同1,176,499百万円、同比16.5%増)、セグメント利益は246,682百万円(同234,448百万円、同比5.2%増)となりました。
4つの報告セグメントに属さないその他は、売上高は53,789百万円(同55,559百万円、同比3.2%減)、セグメント損失は10,230百万円(同4,437百万円)となりました。
地域別売上高の状況は、次のとおりです。
国内における売上高は、前連結会計年度の174,415百万円から5.2%増の183,460百万円となりました。磁気応用製品セグメントが増加しました。
米州地域における売上高は、前連結会計年度の140,109百万円から3.8%増の145,419百万円となりました。センサ応用製品セグメントが増加しました。
欧州地域における売上高は、前連結会計年度の175,168百万円から3.4%増の181,201百万円となりました。磁気応用製品セグメントが増加しました。
中国における売上高は、前連結会計年度の1,192,472百万円から15.6%増の1,378,025百万円となりました。センサ応用製品セグメントが増加しました。
アジア他の地域における売上高は、前連結会計年度の522,642百万円から18.0%増の616,715百万円となりました。磁気応用製品セグメント及びエナジー応用製品セグメントが増加しました。
この結果、海外売上高の合計は、前連結会計年度の2,030,391百万円から14.3%増の2,321,360百万円となり、連結売上高に対する海外売上高の比率は、前連結会計年度の92.1%から0.6ポイント増加し92.7%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得たキャッシュ・フローは、507,672百万円となり、前連結会計年度比61,833百万円増加しました。これは主に、当期利益の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用したキャッシュ・フローは、377,751百万円となり、前連結会計年度比132,909百万円増加しました。これは主に、固定資産の取得の増加によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用したキャッシュ・フローは、64,747百万円となり、前連結会計年度比78,586百万円減少しました。これは主に、長期借入金の返済額の減少によるものです。
これらに為替変動の影響を加味した結果、2026年3月31日現在における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比145,468百万円増加して842,775百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、下表のとおりです。
(注) 1.金額は販売価格により算出しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、下表のとおりです。
(注) 金額は販売価格により算出しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、下表のとおりです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお文中の将来に関する事項は、2026年3月31日現在において判断したものです。
① 重要な判断を要する会計方針及び見積り
重要な判断を要する会計方針とは、その適用にあたり不確実な事象について見積りを要し、経営者の主体的、複雑かつ高度な判断が要求される会計方針です。
IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債及び収益・費用の報告額並びに偶発資産・偶発負債の開示に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っております。実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
以下は、会計方針を網羅的に記載したものではありません。重要な会計方針及び見積りについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の見積り及び判断、3.重要性がある会計方針に詳しく開示しております。
当社グループが、重要な判断を要する会計方針として認識した項目は次のとおりです。
非金融資産の減損
2025年3月31日及び2026年3月31日現在、当社グループの非金融資産のうち、有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産の総額はそれぞれ1,317,379百万円及び1,536,545百万円であり、総資産のそれぞれ37.2%、34.8%に相当します。当社グループは、その回収可能性が経営成績に及ぼす影響の大きさを考慮し、有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産の減損は当社の連結財務諸表にとって重要であると認識しております。
当社グループは、有形固定資産、使用権資産及び特定の識別可能で耐用年数を確定できる無形資産につき、減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額に基づく減損テストを実施しております。また、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年同じ時期に減損テストを実施しており、さらに減損の兆候が存在する場合は、その都度減損テストを実施しております。減損テストの結果、資産、資金生成単位または資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識します。
経営者は、回収可能価額の見積りは合理的であると判断しておりますが、事業遂行上予測不能の変化に起因して回収可能価額が当初の見積りを下回った場合、資産の評価に不利な影響が、また、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響が生じる可能性があります。当社グループは、製品の将来の収益性や投資の回収可能性を十分考慮した上で投資を行っております。
棚卸資産の評価
棚卸資産は、取得原価または正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しております。予想される陳腐化について、将来の需要予測に基づき、取得原価と正味実現可能価額の差額が棚卸資産の帳簿価額から減額されます。当社グループは、過去の需要や将来の予測に基づき、棚卸資産の過剰及び陳腐化の可能性を考慮し帳簿価額の見直しを行っております。さらに、既存及び予想される技術革新の要求は、棚卸資産の評価に影響を与えます。正味実現可能価額の変動が当社グループの経営成績に影響を与えるため、棚卸資産の評価は重要であると認識しております。実際の需要が予想されたものより著しく低い場合は、棚卸資産の過剰及び陳腐化に関する棚卸資産の評価について追加的な調整が必要となり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に著しく不利な影響を及ぼす可能性があります。
過去の見積りの妥当性について、当社グループは四半期ごとに見積りと実績を比較し検討しております。例えば、特に技術革新がめまぐるしい一部の事業の運営においては、顧客が求める高性能製品へのタイムリーな対応が求められており、四半期ごとに棚卸資産の陳腐化評価を行っております。
確定給付制度債務
従業員の確定給付費用及び確定給付制度債務は、保険数理人がそれらの数値を計算する際に使用する基礎率に基づいております。基礎率には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等が含まれます。使用した基礎率と実際の結果が異なる場合は、その差異をその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えられるため、包括利益、利益剰余金及び帳簿上の債務に影響を与えます。当社グループはこれらの基礎率が適切であると考えておりますが、実際の結果及び基礎率の変更による差異は将来における確定給付費用及び確定給付制度債務に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度の連結財務諸表の作成において、当社グループは割引率を国内の制度及び海外の制度においてそれぞれ3.4%及び4.6%に設定しております。割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の利回りを参照して決定しております。
割引率の減少は、確定給付制度債務の増加をもたらす可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の一部または全部が、将来の課税所得を減額できるまたは税額を控除できる可能性が高いかどうかを考慮しております。繰延税金資産の最終的な回収可能性は、一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除が将来減算される期間における課税所得の水準により決定されます。当社グループは、回収可能性の評価に当たって将来加算一時差異の解消時期、将来の課税所得の予測及び税務戦略を考慮しております。認識された繰延税金資産については、過去の課税所得の水準及び繰延税金資産が控除可能な期間における将来の課税所得の予測に基づき、回収される可能性が高いと考えております。しかしながら、将来の利益計画が実現できない、もしくは達成できない場合、または当社グループがその他の要因に基づき繰延税金資産の回収可能性評価を変更した場合、回収する可能性が高くなくなった部分を減額することが必要となります。
引当金及び偶発負債
当社グループは、過去の事象の結果として現在の法的または推定的義務を有しており、義務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、かつその義務の金額について信頼性のある見積りが可能な場合に引当金を認識しております。貨幣の時間価値の影響が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及びその負債に特有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割り引いております。
当社グループは、製品・工程等が第三者の知的財産権を侵害した場合や通常の事業活動を営む上で、様々な訴訟や賠償要求を受ける可能性があります。当社グループは、専門家と相談の上、こうした偶発負債が重要な影響を及ぼす可能性を評価しており、不利益な結果を引き起こす可能性が高く、かつその金額を合理的に見積もることができる場合には、当該引当金を計上します。発生した引当金は見積りに基づいており、将来における偶発負債の発展や解決に大きく影響されます。これらの引当金は、期末日における不確実性を考慮した最善の見積りにより算定しておりますが、予測不能な事象の発生や状況の変化等により影響を受ける可能性があり、実際の結果が見積りと異なる場合、計上される引当金の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績及び経営成績に重要な影響を与えた要因
当社グループの連結業績に影響を与えるエレクトロニクス市場では、ICT関連製品の生産が前連結会計年度比で堅調に推移し、データセンター向けニアライン用HDDの需要も引き続き高水準を維持しました。また、産業機器市場では、再生可能エネルギー向けの需要が底堅く推移しました。一方で、自動車市場においては、BEV(電気自動車)の需要低迷が継続し、期初想定を下回る部品需要となりました。
このような経営環境のなか、ICT市場及び産業機器市場における部品需要が堅調に推移し、全てのセグメントにおいて前連結会計年度比増収となりました。その結果、当連結会計年度は13.6%の増収となりました。
営業利益については、堅調なICT市場向け製品の出荷増に加え、合理化や前期に行った構造改革効果等もあり、前連結会計年度比21.5%の増益となり、売上・利益とも過去最高を更新しました。
対ドル等の為替変動により、売上高は約25億円の減収、営業利益で約106億円の減益となりました。この影響を含み、売上高は2兆5,048億円、前連結会計年度比3,000億円、13.6%の増収、営業利益は2,724億円、前連結会計年度比482億円、21.5%の増益、税引前利益は2,768億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,957億円、基本的1株当たり当期利益は103円09銭となりました。
為替の感応度については、営業利益において、円とドルの関係では1円の変動で年間約20億円、円とユーロの関係では約3億円と試算しております。
営業利益482億円増益の主な要因は、次のとおりです。

全セグメントで販売数量増加により、1,286億円の増益となりました。合理化コストダウン188億円、前連結会計年度実施の構造改革に伴う効果59億円による増益の一方、売価値引き影響が532億円の減益影響となっています。販管費は、新技術や新製品の開発等を加速している二次電池を中心に、R&D費用の増加もあり446億円増加しました。また、前連結会計年度に発生した一時収益の減少影響33億円、構造改革費用の減少66億円、さらに円高為替影響106億円の減益影響もありましたが、販売数量増加効果により、全体で482億円の増益となりました。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、現預金、短期投資、有価証券等を含む流動性資金は、月次連結売上高の2.5ヶ月以上を維持するよう努めております。具体的には日本、米国、欧州、中国及びアセアンの各地域においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入しグループ資金効率の向上を図っております。2026年3月31日現在の流動性資金の残高は円換算で979,402百万円であり、月平均売上高の4.2ヶ月相当の流動性を確保しております。地政学的リスクによる世界経済の不確実性等(米中関係、ウクライナ・中東問題等)が当社グループの資金繰りに及ぼす影響に備え、流動性資金の拡充、金融機関からの借入金長期化、コマーシャルペーパーや社債の発行による調達の多様化など、対策を講じております。
当社グループの運転資金需要は主に、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用のほか、販売費及び一般管理費、さらには継続的な新製品開発に向けた研究開発費であります。また、長期性の資金需要は、エレクトロニクス市場における急速な技術革新や販売競争の激化に的確に対応するための設備投資やさらなる成長戦略に向けたM&A等によるものです。
資金の調達方針としては、短期運転資金については自己資金、金融機関からの短期借入及びコマーシャルペーパーを基本とし、設備投資や長期性資金につきましては、金融機関からの長期借入、社債での調達を基本としております。当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は615,971百万円となっております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2027年3月期を最終年度とする中期経営計画でのベースとなる長期ビジョン「TDK Transformation」の実現に向けて、「キャッシュ・フロー経営の強化」「事業ポートフォリオマネジメントの強化(ROIC経営の強化)」「フェライトツリーの進化(未財務資本の強化)」を基本骨子とし、全社戦略・事業戦略・機能戦略を現場レベルの各施策にまで有機的につなげて展開することと同様に、全社レベルの達成状況から現場レベルの達成状況まで客観的につなげて管理可能とする指標が必要となります。
当社グループでは、当社グループ独自の付加価値指標として、利払前税引後利益と各事業の事業用資産に対して最低限求められる収益(株主資本コスト)を比較するTVA(TDK Value Added)を採用しております。このTVAに結びつくロジックツリーで、各事業の収益性評価や事業資産の効率性評価、キャッシュの獲得能力の評価などを実施するとともに、現場の各種施策及び特性に合わせたKPIにまで要素分解しモニタリングします。これによって長期ビジョン実現を全社一丸となって推進していくと同時に、投資効率の管理強化により設備投資等の選択と集中につなげます。
中期経営計画では、当社グループ独自の付加価値指標であるTVAとより相関の強い全社投下資本利益率ROIC及びセグメント別事業ROA (投下資本利益率ROIC)の目標を設定し、目指すべき資本収益性達成に向けた管理運用を進めています。当連結会計年度における全社ROIC実績は7.5%(>WACC 7.0%)となり、2027年3月期は8%以上、長期的には12%以上を目指します。なお、2025年3月期及び2026年3月期セグメント別事業ROA(投下資本利益率ROIC)実績については以下のとおりとなります。
(セグメント別事業ROA)
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(受動部品セグメント)
受動部品セグメントは、①コンデンサ ②インダクティブデバイス ③その他受動部品で構成され、売上高は593,201百万円(前連結会計年度559,639百万円、前連結会計年度比6.0%増)、セグメント利益は41,831百万円(同34,072百万円、同比22.8%増)、セグメント資産は1,007,684百万円(同948,865百万円、同比6.2%増)となりました。
当セグメントの概況を事業別にみますと、次のとおりです。
コンデンサは、セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ及びフィルムコンデンサから構成され、売上高は、257,472百万円(同234,260百万円、同比9.9%増)となりました。インダクティブデバイスの売上高は、216,210百万円(同204,282百万円、同比5.8%増)となりました。その他受動部品は、高周波部品及び圧電材料部品・回路保護部品で構成されており、売上高は、119,518百万円(同121,097百万円、同比1.3%減)となりました。
セラミックコンデンサは、自動車市場及び産業機器向け販売が増加し増収ながら、平均売価低下の影響もあり減益となりました。アルミ電解コンデンサ及びフィルムコンデンサは、再生エネルギー向けやAIサーバー向け等の産業機器市場向けの販売が増加し増収、事業ポートフォリオマネジメントの一環として、上期を中心に構造改革費用28億円を計上しながらも増益となりました。
インダクティブデバイスは、自動車市場向けおよび産業機器市場向けの販売が増加し増収ながら、製品ミックスの悪化もあり若干の減益となりました。
高周波部品は、ICT市場向けおよび産業機器市場向けの販売が減少したものの、収益は改善しております。圧電材料部品・回路保護部品は、産業機器向けの販売が増加し増収増益となっています。
(センサ応用製品セグメント)
センサ応用製品セグメントは、温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサで構成され、売上高は224,623百万円(同189,472百万円、同比18.6%増)、セグメント利益は20,748百万円(同4,983百万円、同比316.4%増)、セグメント資産は420,745百万円(同399,595百万円、同比5.3%増)となりました。
温度・圧力センサは、自動車市場向け販売が増加し増収ながら、製品ミックスの悪化等により減益となりました。
磁気センサは、TMRセンサにおいてスマートフォン向けの販売が増加、また自動車向けの販売も増加し、磁気センサ全体で増収増益となりました。
MEMSセンサは、マイクロフォンがICT市場向けの販売が増加していることに加え、モーションセンサが産業機器向けで販売増加となり、MEMSセンサ全体で増収、前連結会計年度の赤字から黒字転換し、センサ全体の収益向上に大きく貢献しました。
(磁気応用製品セグメント)
磁気応用製品セグメントは、HDD用ヘッド、HDD用サスペンション、マグネットで構成され、売上高は262,903百万円(同223,637百万円、同比17.6%増)、セグメント利益は26,951百万円(同3,377百万円、同比698.1%増)、セグメント資産は613,605百万円(同530,045百万円、同比15.8%増)となりました。
HDD用ヘッド、HDD用サスペンションにおいては、データセンター向けニアライン用HDD向けの販売数量がHDD用ヘッドで約14%、HDD用サスペンションで約35%の増加となり、大幅な増収増益となりました。
マグネットは自動車市場向けの販売が増加し増収、品質改善等のコスト改善効果もあり赤字が縮小しています。
(エナジー応用製品セグメント)
エナジー応用製品セグメントは、エナジーデバイス(二次電池)、電源で構成され、売上高は1,370,304百万円(同1,176,499百万円、同比16.5%増)、セグメント利益は246,682百万円(同234,448百万円、同比5.2%増)、セグメント資産は2,686,182百万円(同1,944,197百万円、同比38.2%増)となりました。
エナジーデバイス(二次電池)においては、スマートフォン向け小型電池が新モデルの販売効果等もあり増収、中型電池も産業機器市場向けの販売が増加し、二次電池全体で増収増益となりました。
産業機器用電源は、需要に緩やかな回復傾向がみられ増収増益となりました。
(その他)
4つの報告セグメントに属さないその他は、メカトロニクス(製造設備)、スマートフォン向けカメラモジュール用マイクロアクチュエータ等で構成され、売上高は53,789百万円(同55,559百万円、同比3.2%減)、セグメント損失は10,230百万円(同4,437百万円)、セグメント資産は97,296百万円(同68,657百万円、同比41.7%増)となりました。
メカトロニクスは、産業機器市場向けの販売が減少しました。
スマートフォン向けカメラモジュール用マイクロアクチュエータは、ICT市場向けの販売が増加しました。
5 【重要な契約等】
クロスライセンス契約
6 【研究開発活動】
(1) 研究開発活動
当社グループの研究開発活動は、AI(人工知能)をはじめ進化が加速するエレクトロニクス分野へ対応するため、継続的に新製品開発の強化拡大を進めており、GXとDXを支える最先端技術により、社会の変革に貢献するとともに、当社グループ自身の変革も続けてまいります。加えてマーケティング機能との連携を強化し、今後の成長が期待される製品の開発に注力しております。従来からのICT、自動車、産業機器・エネルギーの3市場に加えて、特にAIデータセンターなどAI技術を取り巻く幅広いマーケットを指す「AIエコシステム市場」に注目し、当社グループが強みとしているモノづくり力を最大限に活かした製品開発を行うことで、電子デバイスの高付加価値化、高機能化、省エネルギー化に貢献してまいります。
これらの注力する市場の変化を捉えた技術戦略を基に、今後の成長が大いに期待されるセンサ・アクチュエータ、次世代電子部品を戦略成長製品と位置づけて、独自の材料・プロセス・ソフトウェアを組み合わせた電子デバイスで、テクノロジーの進化と社会の変革を加速し、サステナブルな未来の実現に貢献することを目指しております。
受動部品事業分野では、コア技術を活かした次世代積層セラミックチップコンデンサやインダクタ製品並びにEMC対策部品などの小型化、高性能化を進めております。また、高周波化が進むモジュール製品に適した部品の開発も強化しております。次世代電子部品としては、薄膜技術、材料技術、Roll to Roll 技術などを融合させ、多様化する市場のニーズに応える高付加価値製品開発を推進しております。
センサ応用製品事業分野では、センサ素子の高性能化に加えて、さまざまなアプリケーションに対応するセンサソリューションを提供するために、センサシステム、ソフトウェアの開発を進めております。
磁気応用製品事業分野では、次世代高記録密度ヘッドの開発を強化しております。高性能希土類磁石においては、地政学的リスクを考慮し、希土類元素使用量の削減に向けた開発を行っております。
エナジー応用製品事業分野では、次世代リチウム電池材料の開発や、省エネルギーが訴求される社会情勢に適した高効率電源の開発にも注力し、二酸化炭素排出量の削減も進めております。
本社研究開発機能では、それぞれの市場分野に対応した専門性の高い技術者たちが自由な発想で研究開発を展開できるように、日本、北米、欧州、アジアの4極に開発拠点を置き、戦略成長製品の開発に注力しています。また、First to marketの考えのもと、各地域の最先端企業や研究開発機関との連携による製品開発を展開しております。特に、センサはAIの活用に伴うデータ社会の拡大には欠かせない重要なデバイスであり、その実現に必要な技術資産を有する企業との協業も視野に入れながら、革新的な次世代製品創出、新しいプラットフォームの提供を目指してまいります。その取り組みの例として、センサ等のハードウェアとソフトウェアを組み合わせたエッジAIソリューション、スマートグラス向けコアデバイスの事業化を行っております。特に、次世代ICTデバイスとして期待するスマートグラス向けソリューションの事業部を新設し、視線意図検出のアルゴリズムと関連デバイスの製品化や、超小型・高解像度のフルカラーレーザーモジュールの開発を加速していきます。一方で、連続的な進化を実現するために、全社共通の基盤技術である材料技術、プロセス技術、製品設計技術、生産技術、評価・シミュレーション技術に磨きをかけ、中長期における全社開発テーマを加速する様に支援しています。
今年度の研究成果として、電子工学と磁性材料を組み合わせたスピントロニクスの現象を利用して高速な光検知ができる、超小型のスピンフォトディテクタを開発し、学校法人日本大学と共同で動作実証に成功しました。生成AIの性能向上を実現させるために不可欠となるAIデータセンター向け光電融合デバイスやスマートグラスへの応用が期待されています。また、大規模な演算処理を必要としない高速・軽量なリアルタイム学習機能を特徴とする、小脳を模したアナログリザバーAIチップを国立大学法人北海道大学と共同で開発しました。この成果と加速度センサを組み合わせたフィジカルAI向けエッジAIセンサシステムのデモにより、CEATEC AWARD2025イノベーション部門賞を受賞しました。
当社グループの研究開発活動において、優秀な人財の確保と人財育成、及び最先端技術の導入、そして当社グループが保有していない技術については国内のみならず海外の公的機関、大学、研究機関との産学官アライアンスを積極的に進めております。特に、国立大学法人東京科学大学や国立大学法人秋田大学とは、独自性の高い共同研究や組織的連携を進めております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、前連結会計年度比14.2%増の289,668百万円(売上高比11.6%)であります。
(2) 知的財産活動
当社グループは、知財戦略と事業戦略のアライメントを重視し、知財活動を展開しています。経済産業省が発表した「価値協創ガイダンス2.0」に基づき、知的財産を「企業固有の価値創造ストーリー」の中で位置づけ、知財投資が事業競争力の強化と成長にどのように結びつくかを明確化することに注力しています。
当社グループは、「材料技術」「プロセス技術」「評価・シミュレーション技術」「製品設計技術」「生産技術」を5つのコアテクノロジーとして定義しています。これらの技術特性に応じて、特許による権利化とノウハウによる秘匿化を戦略的に使い分けることで、競争優位性を確保しています。特に、知的財産に関連する情報を収集・分析し、これらの情報を事業戦略の重要な素材として利用するIPインテリジェンスを強化し、IPランドスケープの活用を推進しています。
当社グループでは、「Empowerment & Transparency(権限委譲と透明性の確保)」をガバナンス方針とし、本社の知的財産権センターがハブとなりつつ、各拠点の独自性を尊重した知財活動を推進しています。各地域の市場特性や技術動向に最適化された活動を自律的に実践することで、事業の変化に即応した知財戦略を実現しています。このようなグローバルな知財ネットワークの強化を通じて、当社グループの持つ多様性を成長に結びつけています。
当社グループはまた、知的財産権の侵害に対して、司法手続を含む適切な措置を講じることにより、事業を保護しています。このような知財活動を通じて当社グループは事業競争力を維持・向上させ、持続的な成長を実現しています。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループでは、エレクトロニクス市場における急速な技術革新や販売競争の激化に的確に対応するため、当連結会計年度において、298,591百万円の設備投資を実施しました。
そのうち、受動部品部門においては、40,239百万円の設備投資を実施しました。これらはインダクティブデバイス、セラミックコンデンサの増産・生産合理化を主たる目的としております。
センサ応用製品部門においては、17,184百万円の設備投資を実施しました。これらは各種センサ製品の増産を主たる目的としております。
磁気応用製品部門においては、33,342百万円の設備投資を実施しました。これらはHDD用ヘッド、HDD用サスペンションの増産及び次世代製品対応を主たる目的としております。
エナジー応用製品部門においては、193,090百万円の設備投資を実施しました。これらは二次電池の革新技術製品対応を主たる目的としております。
その他部門においては、1,726百万円の設備投資を実施しました。
本社・開発機能においては、13,010百万円の設備投資を実施しました。主として、社内ITインフラ構築及び基礎研究開発のための投資です。
2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりです。
(1) 受動部品
① 提出会社
② 国内子会社
③ 在外子会社
(2) センサ応用製品
① 提出会社
② 在外子会社
(3) 磁気応用製品
① 提出会社
② 在外子会社
(4) エナジー応用製品
① 国内子会社
② 在外子会社
(5) 全社(共通)及びその他
① 提出会社
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループは、多種多様な事業を国内外で行っており、2026年3月31日現在においてはその設備の新設・拡充の計画を個々のプロジェクトごとに決定しておりません。そのため、事業の種類別セグメントごとの数値を開示する方法によっております。当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充)は370,000百万円であり、事業の種類別セグメントごとの内訳は次のとおりです。
(注) 経常的な設備の更新のための除却及び売却を除き、重要な設備の除却及び売却の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
②【発行済株式】
(注) 1.提出日現在の発行済株式のうち725,000株は、事後交付型株式報酬として自己株式を処分した際の現物出資 (金銭報酬債権1,295百万円)によるものであります。
2.「提出日現在発行数」欄には、2026年6月1日から本有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により 発行された株式数は含まれておりません。
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
会社法に基づき発行した新株予約権は、次のとおりであります。
a.2010年5月26日取締役会決議
(対取締役は2006年6月29日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 2021年7月28日開催の取締役会決議に基づき、2021年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で、2024年7月30日開催の取締役会決議に基づき、2024年10月1日付で普通株式1株につき5株の割合で、それぞれ株式分割を行いました。これにより、「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
b.2011年5月25日取締役会決議
(対取締役は2006年6月29日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) については、a.2010年5月26日取締役会決議(対取締役は2006年6月29日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)の(注)に同じ。
c.2012年6月21日取締役会決議
(対取締役は2006年6月29日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) については、a.2010年5月26日取締役会決議(対取締役は2006年6月29日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)の(注)に同じ。
d.2013年6月19日取締役会決議
(対取締役は2006年6月29日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) については、a.2010年5月26日取締役会決議(対取締役は2006年6月29日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)の(注)に同じ。
e.2014年6月18日取締役会決議
(対取締役は2006年6月29日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) については、a.2010年5月26日取締役会決議(対取締役は2006年6月29日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)の(注)に同じ。
f.2015年7月31日取締役会決議
(対取締役は2015年6月26日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1.各新株予約権の目的である株式の数(以下、「付与株式数」という。)は100株とする。ただし、新株予約権を割り当てる日以降、当社が当社普通株式の株式分割(当社普通株式の株式無償割当てを含む。以下、株式分割の記載につき同じ。)または株式併合を行う場合には、次の算式により付与株式数の調整を行い、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
また、上記のほか、決議日後、付与株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、合理的な範囲で付与株式数を調整する。
2.2021年7月28日開催の取締役会決議に基づき、2021年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で、2024年7月30日開催の取締役会決議に基づき、2024年10月1日付で普通株式1株につき5株の割合で、それぞれ株式分割を行いました。これにより「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」が調整されております。
3.当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割もしくは新設分割(それぞれ当社が分割会社となる場合に限る。)または株式交換もしくは株式移転(それぞれ当社が完全子会社となる場合に限る。)(以上を総称して以下、「組織再編行為」という。)をする場合には、組織再編行為の効力発生日(吸収合併につき吸収合併がその効力を生じる日、新設合併につき新設合併設立株式会社の成立の日、吸収分割につき吸収分割がその効力を生じる日、新設分割につき新設分割設立株式会社の成立の日、株式交換につき株式交換がその効力を生じる日及び株式移転につき株式移転設立完全親会社の成立の日をいう。以下同じ。)の直前において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という。)を保有する新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権をそれぞれ交付することとする。ただし、以下の各号に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約または株式移転計画において定めることを条件とする。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、上記(注)1.に準じて決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、以下に定められる再編後行使価額に上記(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。再編後行使価額は、交付される各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる再編対象会社の株式1株当たり1円とする。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
以下に準じて決定する。
①新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果生じる1円未満の端数は、これを切り上げる。
②新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記①記載の資本金等増加限度額から上記①に定める増加する資本金の額を減じた額とする。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要する。
(8) 新株予約権の取得条項
新株予約権の取得条項は定めないものとする。
(9) その他の新株予約権の行使の条件
上記「新株予約権の行使の条件」に準じて決定する。
g.2016年6月17日取締役会決議
(対取締役は2015年6月26日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1~3については、f.2015年7月31日取締役会決議(対取締役は2015年6月26日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)の(注)1~3に同じ。
h.2017年6月16日取締役会決議
(対取締役は2015年6月26日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1~3については、f.2015年7月31日取締役会決議(対取締役は2015年6月26日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)の(注)1~3に同じ。
i.2018年3月23日取締役会決議
(対取締役は2015年6月26日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1~3については、f.2015年7月31日取締役会決議(対取締役は2015年6月26日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)の(注)1~3に同じ。
j.2015年6月26日定時株主総会承認に基づく2018年6月20日取締役会決議(対取締役、株式報酬型)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1~3については、f.2015年7月31日取締役会決議(対取締役は2015年6月26日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)の(注)1~3に同じ。
k.2019年3月26日取締役会決議
(対取締役は2015年6月26日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1~3については、f.2015年7月31日取締役会決議(対取締役は2015年6月26日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)の(注)1~3に同じ。
l.2015年6月26日定時株主総会承認に基づく2019年6月19日取締役会決議(対取締役、株式報酬型)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注) 1~3については、f.2015年7月31日取締役会決議(対取締役は2015年6月26日定時株主総会承認に基づく、対執行役員は当該決議に基づく、株式報酬型)の(注)1~3に同じ。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1.2021年7月28日開催の取締役会決議に基づき、2021年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行いました。
2.2024年7月30日開催の取締役会決議に基づき、2024年10月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行 いました。
(5)【所有者別状況】
(注) 1.上記「その他の法人」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が、45単元含まれております。
2.自己株式45,705,760株は、「個人その他」に457,057単元を含めて記載しております。
(6)【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注) 1.上記のほか、自己株式が45,706千株あります。
2.2020年5月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、大和アセットマネジメント株式会社が2020年5月15日現在で以下のとおり株式を保有している旨が記載されておりますが、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
3.当社は、2021年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行いましたが、上記(注)2における大量保有報告書に係る保有株券等の数については、当該株式分割前の数を記載しております。
4.2022年11月2日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、野村アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者1社が2022年10月26日現在でそれぞれ以下のとおり株式を保有している旨が記載されておりますが、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
5.2023年10月16日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、三菱UFJ信託銀行株式会社及びその共同保有者2社が2023年10月9日現在でそれぞれ以下のとおり株式を保有している旨が記載されておりますが、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
6.当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いましたが、上記(注)2、4及び5における大量保有報告書に係る保有株券等の数については、当該株式分割前の数を記載しております。
7.2025年4月3日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、ブラックロック・ジャパン株式会社及びその共同保有者9社が2025年3月31日現在でそれぞれ以下のとおり株式を保有している旨が記載されておりますが、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
8.2025年9月19日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者1社が2025年9月15日現在でそれぞれ以下のとおり株式を保有している旨が記載されておりますが、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
(注) 「完全議決権株式(その他)」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が4,500株含まれております。また、「議決権の数」欄には、同機構名義の完全議決権株式に係る議決権の数45個が含まれております。
②【自己株式等】
2【自己株式の取得等の状況】
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3)【株主総会決議または取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日から本有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含んでおりません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1.当期間における処理自己株式には、2026年6月1日から本有価証券報告書提出日までに処理した株式は含んでおりません。
2.当期間における保有自己株式には、2026年6月1日から本有価証券報告書提出日までに取得または処理した株式は含んでおりません。
3【配当政策】
当社は、中長期的な企業価値の向上を実現することが株主価値の拡大に繋がるとの認識のもと、1株当たり利益の成長を通じて、配当の安定的な増加に努めることを基本方針としております。また、2025年3月期を初年度とする中期経営計画において、配当性向35%を目安として配当を実施することを株主還元方針としております。このような方針の下、当社は、持続的な成長を目指し、実現した利益の事業活動への再投資を実施したうえで、連結ベースの親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)や親会社所有者帰属持分配当率(DOE)の水準、事業環境の変化等を総合的に勘案し、配当を行うことといたします。
当社は、期末及び中間の年2回、剰余金の配当を行うことを基本方針としており、それぞれの配当の決定機関は、期末については定時株主総会、中間については取締役会であります。
当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループの持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上を実現するための基本的な考え方は、次に掲げるとおりです。
a.東京工業大学(現 東京科学大学)で発明された磁性材料フェライトの工業化を目的としたベンチャー企業として1935年に設立された当社の社是である「創造によって文化、産業に貢献する」という創業の精神に基づき、独創性をたゆまず追求し、イノベーションの推進により創造した新たな価値(製品・サービス)を提供する。
b.株主及び投資家、顧客、取引先、従業員、地域社会等のすべてのステークホルダーの満足と信頼、支持を獲得できるよう努めるとともに、事業活動を通じて社会的課題の解決に取り組むことによって、持続可能な社会の発展に貢献する。
c.当社グループを構成するすべての役員及び従業員は、TDKグループ行動規範を尊重し、遵守して活動する。
d.社会の一員としての自覚を常に持ち、法令を遵守し、社会的規範、文化及び慣習等を尊重する企業文化及び風土の醸成に努める。
e.ステークホルダーに対し積極的に、かつ網羅性・的確性・適時性・公平性・整合性をもった情報開示を行うことにより、説明責任を果たす。
f.取締役会を構成する取締役及び監査役並びに執行役員等の執行側は、それぞれの職責に基づき、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上という共通の目的に向けて取り組む。この目的の達成のために取締役会が共有する考えや文化は次のとおりとする(ボード・カルチャー)。
・相互が深い信頼関係と健全な緊張関係を構築し維持する。
・迅速かつ自律的な意思決定を促す権限委譲と業務執行における透明性の確保の両立を図る(Empowerment & Transparency)。
・取締役会における議論は企業価値に資する本質的な議論であるべきとの前提に立ち、社内・社外、取締役・監査役の区別に関わらず、それぞれの立場から大局的な観点で積極的かつ多様な発言・議論を行う。
・執行側は取締役会の意見を経営の向上の契機と真摯に捉え、必要な施策を行い、取締役及び監査役はその支援並びに監督・監査を通して、さらなる企業価値の向上を目指す。
なお、当社は、当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方・方針として、「TDK コーポレート・ガバナンス基本方針」を定め、当社のウェブサイトに掲載しております。
■「TDK コーポレート・ガバナンス基本方針」
https://www.tdk.com/ja/ir/governance/basic/index.html
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は監査役会設置会社であります。当社は、これまでにコーポレート・ガバナンスの強化のための様々な施策を行ってまいりました。2002年にはガバナンス改革として、経営の監督と執行を明確に分離する目的で、執行役員制度を導入し、同時に取締役の人数を大きく減らしました。加えて、株主の信任に応える体制を強化する目的で、取締役の任期を2年から1年に短縮するとともに、社外取締役を積極的に招聘してまいりました。
また、当社は、取締役会の諮問機関として3つの委員会(指名諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会)を設置し、経営の監督機能を強化するための仕組みを強化しております。
さらに、「TDK コーポレート・ガバナンス基本方針」の中で、取締役の過半数を独立社外取締役とすることや、取締役会の議長は原則として独立社外取締役が務めることを定め、実践しております。
このように、当社は従来からの監査役制度をベースに、新たなコーポレート・ガバナンス強化の仕組みを導入していくことで、経営の健全性・遵法性・透明性を継続して確保する体制を実現していくことができると考えております。
a.取締役会の構成
取締役会を少人数構成とすることにより、経営の迅速な意思決定を図るとともに、利害関係のない独立した社外取締役を招聘し、経営の監督機能を強化しております。また、取締役の過半数を独立した社外取締役とすることを基本方針とし、取締役会議長は、監督と執行の明確な分離を図る観点から、原則として独立した社外取締役が務めております。さらに、取締役に対する株主の信任機会を事業年度ごとに確保するため、取締役の任期を1年としております。
■取締役会の構成(提出日(2026年6月17日)現在)
※ 2026年6月19日開催予定の第130回定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役7名選任の件」を提案しておりますが、当該議案が承認可決された後の取締役会の構成に変更はありません。
■取締役会の開催実績・出席状況(2026年3月期)
※ 2025年6月の取締役就任後
■取締役会の運営方針(2026年3月期)
■取締役会における主な議案(2026年3月期)
上記の他、事業案件、設備投資、事業提携等
b.監査役会の構成
利害関係のない独立した社外監査役を招聘し、経営の監視機能を強化しております。
(監査役監査の状況は(3)[監査の状況]に記載のとおりです。)
■監査役会の構成(提出日(2026年6月17日)現在)
c.取締役会諮問機関の概要
<指名諮問委員会>
独立社外取締役を委員長とし、過半数の委員を独立社外取締役で構成しております。同委員会は、取締役及び監査役並びに執行役員の指名に関し、期待される要件を審議の上、候補者を推薦することで、取締役及び監査役並びに執行役員の選任の妥当性及び決定プロセスの透明性の確保に寄与しております。また、同委員会は、毎期、社外取締役及び社外監査役の兼任状況について確認を行うとともに、社外役員候補者(現任の任期中における独立性の状況変化の場合を含む)の独立性を調査・審議し、その内容を総合的に判断した上で、取締役会へ審議結果を報告しております。
■指名諮問委員会の構成(提出日(2026年6月17日)現在)
※ 2026年6月19日開催予定の第130回定時株主総会後、指名諮問委員会の構成に変更はありません。
■指名諮問委員会の開催実績・出席状況(2026年3月期)
■指名諮問委員会における主な議案(2026年3月期)
<報酬諮問委員会>
独立社外取締役を委員長とし、過半数の委員を独立社外取締役で構成しております。同委員会は、取締役及び執行役員並びに主要子会社の社長及びそれに準ずる役員の報酬の仕組みと水準を審議し、取締役会に答申することで、報酬決定プロセスの透明性並びに会社業績、個人業績及び世間水準等から見た報酬の妥当性の確保に寄与しております。
■報酬諮問委員会の構成(提出日(2026年6月17日)現在)
※ 2026年6月19日開催予定の第130回定時株主総会後、報酬諮問委員会の構成に変更はありません。
■報酬諮問委員会の開催実績・出席状況(2026年3月期)
■報酬諮問委員会における主な議案(2026年3月期)
<コーポレート・ガバナンス委員会>
当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために、当社の中長期のコーポレート・ガバナンスのあり方や体制、当社のコーポレート・ガバナンスに関する方針及び取締役会からの諮問事項等について審議を行い、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実を図っております。
■コーポレート・ガバナンス委員会の構成(提出日(2026年6月17日)現在)
※ 2026年6月19日開催予定の第130回定時株主総会後、コーポレート・ガバナンス委員会の構成は次のとおりとなる予定です。
■コーポレート・ガバナンス委員会の開催実績・出席状況(2026年3月期)
■コーポレート・ガバナンス委員会における主な議案(2026年3月期)
d.体制図

e.取締役会の実効性評価(2026年3月期)
当社は、取締役会に期待されている機能が適切に果たされているかを検証し、その向上を図っていくために、毎年、取締役会の実効性の評価を実施しております。
また、その実効性を中立的・客観的に検証するため、一定期間毎(3年に一度を目途)に第三者評価機関に評価を依頼しております。
前期(2025年3月期)に第三者評価機関による評価を実施したことから、当期(2026年3月期)の取締役会評価は、取締役会の諮問機関であるコーポレート・ガバナンス委員会(社外取締役4名を含む取締役6名及び執行役員1名(戦略本部長)で構成)が一次評価を実施し、取締役会によるディスカッションを経て、最終的な評価を行いました。
■評価プロセス
■コーポレート・ガバナンス委員会による一次評価
コーポレート・ガバナンス委員会による一次評価の結果は以下のとおりです。
(1)評価結果の概要
① 高い実効性と継続的な進化
・ボード・カルチャーが定着しており、実質的で充実した審議がなされている。
・執行側への権限委譲と透明性の確保が進み、実効性にさらなる進化がみられる。
・「開かれたボード」活動による従業員とのエンゲージメント向上がみられる。
・ボードメンバーから、さらなる高みを目指して多くの忌憚なき意見が出される。
・PDCAによるガバナンスのスパイラルアップがみられる。
② 有効な機関設計
・現在の機関設計(監査役会設置会社)は有効に機能している。
・各機関(取締役会、監査役会、各諮問委員会)は有効に機能している。
・各機関の規模・構成・メンバー資質は高いバランスを有し、適切である。
・独立社外取締役である議長が取締役会の実効性に貢献している。
③ 活発で実質的な議論
・取締役会の年度方針に基づき、効率的かつ効果的な運営が行われている。
・社内・社外、取締役・監査役の区別のない積極的な議論参加が果たされている。
・持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資する実質的な議論が行われている。
・取締役会の議論が事業計画や施策に反映され、最終的な経営の質の向上に繋がっている。
(2)前事業年度の実効性評価で抽出された課題への取組みの進捗状況
前事業年度に報告した次の課題については、取締役会の運営方針及び年間計画において対応項目として掲げられ、改善への取り組みが認められました。
■取締役会による最終評価
(1)実効性評価の結果(結論)
本評価において、取締役会の実効性とは、「当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するために、取締役会が期待される役割・機能(経営の監督、重要事項の決定等)を適切に果たしていること」と定義しております。評価にあたっては、これらを担保する仕組みの整備状況に加え、適切な審議や活発で実質的な議論が行われているか、その結果が経営の質の向上に繋がっているかという観点で実施いたしました。
当社取締役会は、コーポレート・ガバナンス委員会による一次評価を踏まえ、取締役会において複数回の審議を行った結果、取締役会及びその諮問委員会(指名諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会)は、その規模や構成、議案や審議内容、議論の状況、経営への反映等の点から、その実効性が十分に確保されていることを確認いたしました。
さらに、前事業年度における取締役会評価の結果を踏まえた改善を図ることにより、取締役会の実効性向上を継続的に進めていることを確認いたしました。
(2)今後の課題
今回の取締役会評価の結果、取締役会のさらなる実効性向上に向けて、今後取り組むべき主な課題として、以下の2点を特定いたしました。
①持続的成長に向けた価値創造のグランドデザインと戦略の深化
・長期ビジョン実現に向けた長期成長戦略の解像度の向上
・人的資本・技術資本等の未財務資本を源泉とした成長戦略を通じたサステナビリティ経営の高度化
②執行の機能強化の加速及び取締役会のモニタリング機能の強化を通じた最適なガバナンス体制の具体化
・取締役会における中長期視点での戦略議論の深化及び経営戦略とリスク・機会に関するモニタリング機能強化
・グローバル経営体制の最適化及びコーポレート機能の効率化と機能向上
当社は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現していくために、取締役会の実効性の向上に今後とも取り組んでまいります。
③ 企業統治に関するその他の事項
取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)
上記の体制の整備について、当社取締役会が決議した内容は、次のとおりであります。
④ 社外取締役及び監査役との責任限定契約
当社と各社外取締役及び各監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、同法第425条第1項に定める最低責任限度額としております。
⑤ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約の被保険者は当社、国内子会社及び一部の海外子会社の取締役、監査役及び執行役員等の主要な業務執行者であり、保険料は当社が全額負担しております。
当該保険契約では、被保険者が会社の役員等の地位に基づき行った行為(不作為を含む)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が負担することになる損害賠償金及び争訟費用等を補填することとしております。
また、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、被保険者が私的な利益または便宜の供与を違法に得たことに起因する損害等は填補の対象外としております。
⑥ 取締役の定数
当社の取締役は10名以内とする旨を定款に定めております。
⑦ 取締役の選任及び解任の決議要件
当社は、取締役の選任及び解任の株主総会の決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
⑧ 取締役会で決議できる株主総会決議事項
a.自己の株式の取得
当社は、機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
b.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
2026年6月17日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりです。
男性 10名 女性 2名 (役員のうち女性の比率16.7%)
(注) 1.取締役中山こずゑ、岩井睦雄、山名昌衛及び勝本徹の4氏は、社外取締役であります。
2.監査役ダグラス・K・フリーマン、山本千鶴子及び藤野隆の3氏は、社外監査役であります。
3.2025年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から1年間
4.2023年6月22日開催の定時株主総会の終結の時から4年間
5.当社では、業務執行機能の強化及び経営効率の向上を目指し、執行役員制度を導入しております。
なお、執行役員は17名であります。
2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役7名選任の件」を上程しており、当該決議が承認可決されますと、当社の役員の状況および任期は以下のとおりとなる予定です。
なお、役員の役職等については、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
男性 10名 女性 2名 (役員のうち女性の比率16.7%)
(注) 1.取締役中山こずゑ、岩井睦雄、山名昌衛及び勝本徹の4氏は、社外取締役であります。
2.監査役ダグラス・K・フリーマン、山本千鶴子及び藤野隆の3氏は、社外監査役であります。
3.2026年6月19日開催の定時株主総会の終結の時から1年間
4.2023年6月22日開催の定時株主総会の終結の時から4年間
5.当社では、業務執行機能の強化及び経営効率の向上を目指し、執行役員制度を導入しております。
なお、執行役員は17名であります。
② 社外役員の状況
a.当社と社外役員との特別な利害関係
当社と、現任のすべての社外役員(社外取締役4名及び社外監査役3名)との間には、特別な利害関係はありません。
b.社外役員が他の会社等の役員等である場合における当社との取引関係
当社と、社外役員が他の会社の役員である場合における他の会社との間で、取引関係のあるものは、次のとおりであります。
・社外取締役山名昌衛氏は、2026年3月31日までSCSK株式会社の社外取締役を務めており、SCSKグループと当社グループとの間には取引関係がありますが、両者にとって取引金額は僅少(SCSKグループの連結売上高に占める当社グループに対する売上比率は1%未満、2026年3月期実績)であり、重要な取引関係ではありません。
c.社外役員が果たす機能及び役割
当社は、経営の監督機能強化、株主を含めた様々なステークホルダーを意識した経営、効率的かつ規律あるコーポレート・ガバナンスの構築を目的とし、社外取締役の招聘を積極的に推進してまいりました。その結果、本有価証券報告書提出日現在、取締役7名のうち社外取締役は4名、監査役5名のうち社外監査役は3名であり、社外役員は全役員12名のうち7名となっております。
なお、社外取締役は、重要な課題等について、取締役会における執行役員等からの報告等を通じて確認し、適宜意見を述べることで、監督機能を果たしております。また、社外監査役は、内部統制システム等の実効性について、監査役会での常勤監査役からの報告や、会計監査人からの報告等を通じて確認し、内容を審議することで、監査機能を果たしております。
d.社外役員の独立性に関する基準
当社は、当社が招聘する社外取締役及び社外監査役の独立性を確保するため、株式会社東京証券取引所が定める「独立役員の確保(有価証券上場規程第436条の2)」及び「上場管理等に関するガイドラインⅢ5.(3)の2」等を参考に、当社の[独立性検証項目]を設定しております。その概要は、次のとおりであります。
なお、当社は、取締役会の諮問機関として、指名諮問委員会を設置しており、委員長及び委員の過半数は、独立社外取締役が務めております。同委員会は、上記に定める[独立性検証項目]に従い、社外役員候補者(現任の任期中における独立性の状況変化の場合を含む)の独立性を調査・審議し、その内容を総合的に判断した上で、取締役会へ審議結果を報告しております。
上記を踏まえ、当社は、社外取締役の中山こずゑ、岩井睦雄、山名昌衛及び勝本徹の4氏並びに社外監査役のダグラス・K・フリーマン、山本千鶴子及び藤野隆の3氏を、株式会社東京証券取引所の有価証券上場規程第436条の2に規定する独立役員として、同取引所に届け出ております。
e.当事業年度における社外役員の活動状況
当事業年度における取締役会等への出席状況は、次のとおりであります。(当事業年度末日時点で社外役員であった者について記載)
・中山こずゑ氏(社外取締役) 取締役会 :13回中13回
指名諮問委員会:10回中10回
報酬諮問委員会:6回中6回
コーポレート・ガバナンス委員会:5回中5回
・岩井睦雄氏(社外取締役) 取締役会 :13回中12回
指名諮問委員会:10回中10回
報酬諮問委員会:6回中6回
コーポレート・ガバナンス委員会:5回中5回
・山名昌衛氏(社外取締役) 取締役会 :13回中13回
指名諮問委員会:10回中10回
報酬諮問委員会:6回中6回
コーポレート・ガバナンス委員会:5回中5回
・勝本徹氏(社外取締役) 取締役会 :13回中13回
指名諮問委員会:10回中10回
報酬諮問委員会:6回中6回
コーポレート・ガバナンス委員会:5回中5回
・ダグラス・K・フリーマン氏(社外監査役)監査役会:14回中14回
取締役会:13回中13回
・山本千鶴子氏(社外監査役) 監査役会:14回中14回
取締役会:13回中13回
・藤野隆氏(社外監査役) 監査役会:14回中14回
取締役会:13回中12回
なお、社外取締役は、取締役会の諮問機関である指名諮問委員会及び報酬諮問委員会において、委員長・委員として参画することにより、人事・報酬決定プロセスの透明性及び選任・報酬の妥当性確保にも寄与しております。
③ 社外取締役または社外監査役による監督または監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役及び社外監査役は、取締役会において定期的にコーポレート・ガバナンス委員会から内部統制システムの整備・運用状況についての報告を、また、内部監査部門である経営監査グループから内部監査の状況についての報告を受け、専門的見地から質問・提言を行い、相互連携の上に経営の監督機能を発揮しております。
監査役及び監査役会は、社長と定期的に会合を持ち、経営方針を確かめるとともに、当社グループが対処すべき課題、当社グループを取り巻くリスク、監査役監査上の重要課題等について意見交換を行い、社長との相互認識を深めます。
監査役及び内部監査部門は、定期的に会合を持つとともに、会計監査人から定期的に監査の報告を受けて、当初の監査計画と結果について情報共有を図ることで、監査役監査が実効的に行われることを確保します。また、監査役会は、業務執行部門から独立している弁護士と顧問契約を締結し、監査役または監査役会の観点から検討、確認等が必要な事項について助言を受けられる体制をとります。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
当社の監査役会は、常勤監査役2名及び社外監査役3名からなり、取締役の職務執行並びに当社及び国内外のグループ会社の業務や財政状況を監査しております。そのうち、常勤監査役の桃塚高和氏は当社の経理・財務に関する業務に長年にわたり従事した経験を、社外監査役の山本千鶴子氏は公認会計士の資格を、社外監査役の藤野隆氏はグローバル企業における経理・財務、IR、企業経営経験等の知見を有しており、それぞれ財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。常勤監査役の石川将氏は製造、情報システムに関する業務に長年に渡り従事した経験を、社外監査役のダグラス・K・フリーマン氏は弁護士の資格を有しております。
当事業年度において、当社は監査役会を原則月1回(計14回)開催しました。監査役会における個々の監査役の出席状況、監査役会の主な付議事項は次のとおりです。
監査役は、取締役会への出席のほか、経営会議、事業計画検討会等の重要会議への定常的な出席並びに経営報告書及び決裁申請書の閲覧を通じて、当社グループの経営方針や執行役員等の業務執行状況に関する情報を適時に入手し、監査役間で共有し協議しております。また監査役は当事業年度の監査方針及び重点監査項目を以下のとおり定め、事業責任者・本社機能長から業務執行状況のヒアリングを行い、事業部門及び本社部門並びに重要度に従って選択した子会社を対象に監査を実施しました。
そして、そこで抽出された課題は関連する事業部門及び本社部門等と共有し、その対応策を確認しました。加えて、子会社の監査役と定期的な会合・情報共有を行い、グループ全体を監査するための重要な論点・所見等に関して意見交換しました。社外監査役は社外取締役との間で定期的な情報共有の会合を設け意見交換を行い、また事業部門及び本社部門等から説明を受け、主要課題等への対応状況を確認しました。
監査役会は、監査方針及び年間の監査計画を策定するとともに、取締役会及び代表取締役との定期的な会合等を通じて当社の経営状況を確認し、コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンスに係る事項を含む当社グループが対処すべき課題、内部統制の構築・運用の状況、当社グループを取り巻くリスク、監査役監査における重要課題等について、適宜、意見表明及び提言を行っております。また、内部監査部門から内部監査報告書を入手し、定期的な会合を設け、情報共有及び連携を図るとともに、監査計画についての意見交換を行っております。これらの監査の結果の概要、抽出された課題・リスク、確認された対応策及び内部監査の状況は、監査役会において全監査役で共有し、問題点については監査役会で協議を行い、また取締役にも適宜報告しております。なお、監査役会は顧問契約を締結した弁護士と随時の会合を持ち、監査役職務に関わる法的な助言を適時に受けることにより、監査役職務の実効性の向上を図っております。
他方で、監査役会は会計監査人と監査計画について協議し、監査結果報告会や連絡協議会等の会合を複数回設けており、監査上の主要な検討事項(KAM)については、会計監査人から候補として提示されたのれんや有形固定資産の評価等について、当事業年度の監査計画、期中のレビュー結果報告、期末の監査報告等の各段階で、監査の進捗に合わせて数度にわたり意見交換し、意見の相違が無いことを確認するなど連携を図っております。
なお、当社は、監査役会の支援体制として、業務執行機能から独立した専属のスタッフからなる監査役室を設置し、監査役会の運営及び各監査役の職務の遂行をサポートしております。
当事業年度における監査役会の具体的な活動状況は下記の通りです。(○:原則出席、□:一部出席)
② 内部監査の状況
当社の内部監査部門である経営監査グループは19名で構成されております。当事業年度においては、経営会議直属の各委員会に対する活動状況のヒアリングをはじめ、事業部門、主要子会社における法令及び社内規程等の遵守状況及び業務の効率性・有効性を確認いたしました。また、金融商品取引法に基づく「財務報告に係る内部統制の有効性」について、年度監査計画に基づき、国内外の重要拠点及び重要子会社を対象にリスクベースにて実地評価を実施いたしました。これらの状況については、社長、取締役会、監査役及び監査役会に定期的に報告しております。
経営監査グループと常勤監査役との間では情報共有を行っており、経営監査グループから常勤監査役に対し内部監査報告書を提出するとともに、常勤監査役から監査役監査結果を入手し、効率的な内部監査を図っております。
会計監査人とは、四半期決算報告等により、会計監査人による監査の状況を定期的に確認するほか、金融商品取引法に基づく「財務報告に係る内部統制の有効性」の評価状況について定期的に意見交換しております。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b.継続監査期間
23年間
c.業務を執行した公認会計士
宍戸 通孝
山邉 道明
百々 龍馬
d.監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士33名、公認会計士試験合格者11名、その他104名です。
e.監査法人の選定方針と理由
監査役会は会計監査人の選任・解任・再任に係る手続き及び基準を監査役会規程及び会計監査人の選任・解任・再任基準の中で定めており、これらの手続き及び基準に基づき当社の会計監査人を選定しております。選定の判断に際しては、会計監査人となるべき監査法人の品質管理体制の適切性及び担当監査チームの監査業務の合理性及び妥当性を評価し、監査報酬の妥当性も勘案しつつ総合的に判断しております。また、再任基準に定める項目の中に一つでも該当しないものがある場合には、会計監査人は不再任となることがあります。
当社会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当し、適正な監査の遂行が困難であると、監査役全員が認めた場合、当社監査役会の全員一致の決議により当該会計監査人を解任する方針です。また、当社会計監査人について、法定解任事由に該当する事実がある場合のほか、会計監査人の適格性、独立性、倫理性またはその他の職務遂行に係る重要な要素につき、疑義を抱かせる事実が認められた場合、当社監査役会は監査役会規程及び会計監査人の選任・解任・再任基準に則り、事実関係を総合的に検討し、その解任または不再任の是非を判断します。
f.監査役及び監査役会による監査法人の評価
監査役会は、前事業年度における会計監査人の監査活動状況の評価を行っております。評価対象は、前述の基準と同様、会計監査人の品質管理体制の適切性と、担当監査チームの監査業務の合理性及び妥当性です。監査役会は、当事業年度におけるこれらの評価結果を踏まえ、第131期事業年度においても、あずさ監査法人を会計監査人として再任することを決定しております。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
当連結会計年度において、当社が当社の監査公認会計士である有限責任あずさ監査法人に対して報酬を支払う非監査業務は、社債発行に係るコンフォート・レターの作成を行う業務及びSSBJ導入支援業務です。
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGメンバーファーム)に対する報酬(a.を除く)
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社及び連結子会社が、当社の監査公認会計士等と同一のネットワークであるKPMGメンバーファームに対して報酬を支払う非監査業務は、税務関連業務等です。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
当社の連結子会社であるTDK Electronics AGは、Ernst & Youngに監査証明業務に基づく報酬として261百万円を支払っております。
(当連結会計年度)
その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容については、重要な報酬がないため記載を省略しております。
d.監査報酬の決定方針
当社は、監査公認会計士等の独立性に留意し、取締役会の決議をもって監査報酬を決定しております。
e.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、取締役、社内関係部署及び会計監査人からの必要な資料の入手や報告の聴取を通じて、会計監査人の監査計画の内容、前事業年度における職務執行状況、報酬見積りの算定根拠等を検討した結果、第130期事業年度における会計監査人の報酬に同意しております。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針に係る事項
a.取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針
当社は、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針(以下「決定方針」)について、取締役会の諮問機関である報酬諮問委員会に原案を諮問し答申を得たのち、2024年4月26日開催の取締役会において決定方針を決議し、2026年3月26日開催の取締役会において内容の一部修正いたしました。変更後の決定方針の内容の概要は、次のとおりです。
<基本方針>
取締役会の諮問機関である報酬諮問委員会における審議・検証を通じ、以下を目的として報酬制度を設計する。
短期及び中長期の業績との連動性を重視し、また、多様で優秀な人財を確保するために競争力のある報酬体系を絶えず追求することによって、取締役の企業業績及び株価向上へ向けた行動を最大限に促進し、グループ全体の持続的な企業価値の向上を図る。
<各報酬等の決定に関する方針等>
取締役の報酬は、基本報酬、業績連動賞与及び株式報酬で構成する。それぞれの額もしくは数またはその算定方法の決定に関する方針等は、以下のとおりとする。
ア.固定報酬
当社は、固定報酬として、月例の基本報酬を支給する。個人別の報酬額については、第三者による企業経営者の報酬に関する調査等を用いて、同業種を中心とした同規模他社の報酬水準との比較検証結果を踏まえ、報酬諮問委員会に原案を諮問し答申を得た職責毎の報酬テーブルを取締役会にて決議し、その報酬テーブルに基づき決定される。また、上記の基本報酬に加えて、一部の取締役に対して健康診断費用等を支給する。
イ.業績連動報酬等
執行役員を兼ねる取締役に対する業績連動報酬等として、業績連動賞与(金銭報酬)及びパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)(後記ウ.)を支給する。業績連動賞与については、短期業績との連動性を重視し、当該事業年度の連結業績に加え、担当部門毎に設定した指標等を使用し、目標値に対する達成度に応じて支給額が変動する仕組みとする。また、PSUの目標達成度は、中期経営計画の連結業績指標等の目標値の達成度に応じて変動する仕組みとする。これらの内容は報酬諮問委員会に原案を諮問し答申を得たのち取締役会で決議し、業績連動賞与は毎年一定の時期に、PSUは原則として中期経営計画の初年度に、それぞれ支給する。
ウ.非金銭報酬等
非金銭報酬等は、事後交付型株式報酬とする。社外取締役を除く取締役に対する固定の株式報酬として、リストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)を付与する。RSUは、中期経営計画初年度の初日から最終年度の末日までの3年間または3年以上で取締役会が定める期間の終了後に、交付株式数の約半分を株式で交付し、残りを金銭で支給する。執行役員を兼ねる取締役に対するパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)は、目標達成度に応じて算定される交付株式数の約半分を株式で交付し、残りを金銭で支給する。これらの内容は報酬諮問委員会に原案を諮問し答申を得たのち取締役会で決議する。
エ.報酬割合
執行役員を兼ねる取締役の種類別の報酬割合については、第三者による企業経営者の報酬に関する調査等を用いて、同業種を中心とした同規模他社の報酬水準との比較検証結果を踏まえ、職責の重さに応じて業績連動報酬の割合が高まる構成とし、報酬諮問委員会へ諮問する。取締役会は報酬諮問委員会の答申内容を尊重し、当該答申で示された種類別の報酬割合に基づいた職責毎の報酬テーブルを決議する。
なお、報酬等の種類毎の比率の目安は、基本報酬:業績連動賞与:事後交付型株式報酬=1:0.6~1.0程度:0.8~1.6程度とする(業績目標等を100%達成した場合)。
オ.報酬の返還等(クローバック・マルス)
業績の急激かつ大幅な悪化、不法行為や法令違反等があった場合は、報酬諮問委員会における審議及び取締役会の決議に基づき、報酬の支給・交付を受ける権利を没収し、または報酬の減額や返還を求めることがある。
b.報酬決定プロセス等
報酬諮問委員会の委員長及び委員の過半数は、独立社外取締役が務めております。取締役及び執行役員の報酬の仕組みと水準を審議し、取締役会に答申することで、報酬決定プロセスの透明性及び個別報酬の妥当性の確保に寄与しております。
当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容については、報酬諮問委員会が原案について決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行っているため、取締役会も基本的にその答申を尊重し、決定方針に沿うものであると判断しております。
なお、上記の決定方針に記載のとおり、当社は、取締役の個人別の報酬等の内容については、取締役会で決議しており、取締役その他の第三者に委任しておりません。
c.役員報酬の構成(当事業年度における内容)
(注) 役員報酬を会社法施行規則が定める業績連動報酬等、非金銭報酬等及びこれら以外の報酬等に分類しますと次のとおりとなります。
* RSUのうち、株式報酬部分は「非金銭報酬等」に分類され、金銭報酬部分は「上記以外の報酬等」に分類されます。
** PSUは「業績連動報酬等」に分類され、また、株式報酬部分は「非金銭報酬等」にも分類されます。
<支給対象者>
<報酬構成割合(代表取締役社長執行役員CEOが業績目標等を100%達成した場合)>

※上記図内における固定報酬の割合は健康診断費用等で支給される報酬額を含みません。
<PSUの評価指標及び支給割合>
* 相対TSR(対TOPIX):TSRは、Total Shareholder Returnの略で、キャピタルゲインと配当を合わせた株主様にとっての総合投資利回り(株主総利回り)を指します。相対TSR(対TOPIX)は、対象期間における当社のTSRを、TOPIX構成銘柄の平均TSRと比較するものです。
**財務指標に連動させるPSUと未財務指標に連動させるPSUは中期経営計画に連動する形で、初年度に3年分を一括して付与いたしましたが、株価指標に連動させるPSUについては、1年分を毎年付与いたします。
d.業績連動報酬に係る指標、当該指標を選択した理由及び当該業績連動報酬の額の決定方法
ア.業績連動賞与の額の算定につきましては、各事業年度における連結業績(営業利益、ROIC)及び担当部門毎に設定した指標等を使用し、目標値に対する達成度に応じて、標準支給額に対し0~200%の範囲で変動する仕組みとしております。また、当該指標を選定した理由は、短期業績との連動性を重視し、経営目標値と同一の指標を用いるためであります。当事業年度における業績連動賞与に係る主な指標の目標と実績は、次のとおりであります。
連結営業利益 208,500百万円(目標)、272,415百万円(実績)
連結ROIC 6.5%(目標)、7.5%(実績)
イ.PSUとして交付する当社株式の数及び支給する金銭の額につきましては、中期経営計画の業績目標達成度等に応じて算定いたします。評価指標及び支給割合は、「c.役員報酬の構成<PSUの評価指標及び支給割合>」に記載のとおりであります。また、当該指標を選定した理由は、中長期の業績及び企業価値との連動性を重視することに加え、持続可能な社会の実現に向けた貢献意欲を向上させることを目的として、中期経営計画における財務・未財務の経営目標値と同一の指標を用いるためであります。また、資本コストや株価を意識した経営の実践をさらに動機づけることを企図し株価指標も導入しております。
ウ.当事業年度において、事後交付型株式報酬として、2022年に事後交付型株式報酬を付与した時点において当社役員であった者(退任者を含む)4名に対して、48,500株(2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で行った株式分割反映後)を交付いたしました。
エ. 上表の種類別の報酬等を会社法施行規則が定める業績連動報酬等、非金銭報酬等及びこれら以外の報酬等に分類します。
e.その他
当社は「自社株保有ガイドライン」を定め、役位別に定められた一定数以上の当社株式(株式報酬型ストックオプション及びRSUを含む)を当該役員が保有するよう、努めております。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
1.当事業年度末現在において、取締役(社外取締役を除く)は3名、社外取締役は4名、監査役(社外監査役は除く)は2名及び社外監査役は3名であります。
上記の取締役(社外取締役を除く)の報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数には、2025年6月20日開催の第129回定時株主総会終結の時をもって退任した取締役(社外取締役を除く)1名及び当該取締役に対する報酬等の額を含めております。
2.取締役に対する業績連動賞与、RSU及びPSUにつきましては、当事業年度に係る費用計上額を記載しております。
3.役員の報酬等に関する株主総会の決議については、次のとおりであります。
<取締役(提出日現在:7名、定款に定めた員数:10名以内)>
基本報酬:
取締役に対する基本報酬の額は、2002年6月27日開催の第106回定時株主総会において、月額25百万円以内とご承認いただいております。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は、7名(うち社外取締役は1名)であります。
業績連動賞与:
執行役員を兼ねる取締役に対する業績連動賞与の額は、2015年6月26日開催の第119回定時株主総会において、年額350百万円以内とご承認いただいております。当該定時株主総会終結時点の執行役員を兼ねる取締役の員数は、4名であります。
事後交付型株式報酬 リストリクテッド・ストック・ユニット(RSU):
社外取締役を除く取締役に対するリストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)としての報酬の額は、2024年6月21日開催の第128回定時株主総会において、金銭報酬債権等の総額を基準株式ユニット数の上限(40,000株)に交付時株価を乗じた額以内、交付する株式数を年20,000株以内とご承認いただいております。当該定時株主総会終結時点の社外取締役を除く取締役の員数は3名であります。
事後交付型株式報酬 パフォーマンス・シェア・ユニット(PSU):
執行役員を兼ねる取締役に対するパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)としての報酬の額は、2024年6月21日開催の第128回定時株主総会において、金銭報酬債権等の総額を基準株式ユニット数の上限に支給割合を乗じた数(上限200,000株)に交付時株価を乗じた額以内、交付する株式数を年100,000株以内とご承認いただいております。当該定時株主総会終結時点の執行役員を兼ねる取締役の員数は3名であります。
*1:事後交付型株式報酬における基準株式ユニット数は、基準金額(各対象取締役の職責等に応じて、当社取締役会において決定)を付与時株価(付与日の前日を起算日とする前1か月間の東京証券取引所における当社普通株式の終値の平均額)で除して算出いたします。また、交付時株価は、株式の交付に係る当社取締役会決議日の前営業日の東京証券取引所における当社普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)であります。
*2:PSUの支給割合については、中期経営計画が策定される度に、評価指標(その見直しを含む)、支給割合等を取締役会で決議する仕組みであります。現行のPSUの支給割合については、上記「<PSUの評価指標及び支給割合>」に記載のとおりであります。
*3:当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。これにより、RSUの上限については、金銭報酬債権等の総額が「基準株式ユニット数の上限(200,000株)に交付時株価を乗じた額以内」、交付する株式数が「年100,000株以内」に、PSUの上限については、金銭報酬債権等の総額が「基準株式ユニット数の上限に支給割合を乗じた数(上限1,000,000株)に交付時株価を乗じた額以内」、交付する株式数が「年500,000株以内」に、それぞれ調整されております。
<監査役(提出日現在:5名、定款に定めた員数:5名以内)>
基本報酬:
監査役に対する基本報酬の額は、2020年6月23日開催の第124回定時株主総会において年額120百万円以内と決議をいただいております。当該定時株主総会終結時点の監査役の員数は、5名(うち社外監査役は3名)であります。
③ 報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等
(注) 齋藤昇及び山西哲司の2氏の役員区分は、当事業年度末現在のものを記載しております。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、純投資目的の投資株式は株式の価値変動または株式に係る配当によって利益を受け取る事を目的として保有します。純投資目的以外の投資株式は政策保有株式と位置付け、その保有により当社グループの企業価値を持続的に高めることを基本方針とし、(1) 事業展開上の戦略的保有、または、(2) 取引関係の維持強化の目的で保有しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
政策保有株式の保有については、毎年、取締役会等において、銘柄ごとに保有目的、取引の状況、資本コスト対比の収益性、財務状況等を踏まえ、継続保有の合理性及び株式数等を検証しており、保有意義が希薄化した銘柄は相手先との対話・交渉を行い、売却等の縮減を進めます。
政策保有株式の議決権については、発行会社の経営方針等を十分尊重した上で、事業展開上の戦略的保有または取引関係の維持強化という目的に照らして妥当か、当社の企業価値を持続的に高めることができるか、また発行会社の社会的責任やその他株主に対する背信的行為の有無等についても考慮し、その判断を行います。また、必要に応じて、議案の内容等について発行会社と対話を行います。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.みなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
下記のみなし保有株式について、定量的な保有効果は機密事項のため記載は困難です。保有の合理性については、2026年6月の取締役会等において、銘柄ごとに保有目的、取引の状況、資本コスト対比の収益性、財務状況等を踏まえ、継続保有の合理性及び株式数等を検証しております。
みなし保有株式
③ 保有目的が純投資目的である株式
該当事項はありません。
5 【従業員の状況等】
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
<人財戦略>
当社グループは、長期ビジョンおよび中期経営計画の実現に向け、人的資本を経営戦略の実行および変革と価値創造を推進する中核的な資本と位置付けています。
現在、当社グループはAIエコシステムを成長の軸とし、事業ポートフォリオの進化と新たな価値創出を加速しています。こうした経営戦略の実現は、単に事業や技術の選択にとどまらず、それを具体的な成果につなげる「人」と「組織の力」に強く依存しています。特に、変化の激しい事業環境において持続的な競争優位を確立するためには、これまでも培ってきた外部環境に左右されない「自力」をさらに高めるとともに、多様な人財の力を掛け合わせることで、品質、生産性、技術力、実行力を継続的に強化していくことが不可欠です。
この認識のもと、当社グループは人的資本を単なる資源ではなく、Transformationを実現する主体そのものとして捉え、経営戦略に応じた最適な人財投資の配分と、組織能力の高度化を一体的に推進しています。

●Human Capital as Change Driver(変革の原動力としての人的資本)
当社は、人的資本を変革を具現化する原動力として位置付けています。経営戦略の実行にあたっては、環境変化を起点に自ら構想し、実行に移すことができる人財、すなわち、
・変革を牽引する「実行力」
・新たな価値を構想する「未来構想力」
・変化を機会に転換する「変革力」
を兼ね備えた人財の育成と活用が重要となります。
そのため当社グループは、戦略上の優先度に応じた人財配置と役割の明確化に加え、採用・育成・配置・評価・報酬を一貫した思想のもとで運用し、人財マネジメント全体を「変革を継続的に生み出す仕組み」として進化させています。
●Value Creation through TDK United(価値創造を生む組織と文化)
当社グループの価値創造は、技術力に加え、多様な人財がつながり合い、相互に価値を高める組織の在り方に支えられています。グローバルに多様なバックグラウンドを持つ人財が集う中で、当社グループは「TDK United」、すなわち、個性あふれる融合体を目指し、
・ベンチャースピリット
・多様性の尊重
・機能対等
という独自の文化を基盤とした組織運営を推進しています。
また、長期人財戦略「TDK United HR」のもと、権限委譲とオープンなコミュニケーションのガバナンス方針を原則として、個々の人財が主体的に挑戦し、価値創造に参画できる環境を整備しています。これにより、短期的な業績向上にとどまらず、中長期的に新たな事業機会を創出する組織能力の強化を図っています。
●Advancement in Technical Capability(戦略実行に資する能力の高度化)
当社グループの競争優位は、材料、プロセス、ソフトウェア、AI・データなど、複数の技術領域を横断した統合力に基づいています。とりわけ今後の成長領域であるAI関連分野やソリューションビジネスの拡大に向けては、
・ソフトウェア・AI領域に精通した人財
・イノベーションを推進する人財
・顧客価値を起点にソリューションを構築できる人財
の強化が不可欠です。
このため当社グループは、経営戦略に基づき必要な能力を明確化したうえで、人財ポートフォリオの設計を高度化し、専門性の深化に加えて異分野をつなぐ構想力を備えた人財の育成を通じた、将来の競争力の源泉となる能力基盤の構築を進めています。
<従業員の給与等の決定方針(提出会社)>
当社グループは、社員一人ひとりによる価値創造の総和が企業の価値を形成するとの考えに基づき、社員一人ひとりがその個性や能力を最大限に発揮できるよう、個々の社員により向き合った人事制度および報酬制度の整備を進めています。
これらの環境整備の一環として、人財・組織マネジメント変革(HR Empowerment)に取組んでおり、現場をリードする管理職が部下一人ひとりの役割や成果を踏まえた評価・処遇をおこなえるよう、報酬分配の一部を現場で決定できる仕組みを導入し、権限委譲を進めています。これにより、柔軟な人財マネジメントの実現に加え、各部門の実態に即した納得度の高い処遇の実現を目指しています。
今後、管理職の権限を拡大する一方で、ポジションごとの期待される役割と報酬を明確に結び付ける仕組みを導入し、処遇決定プロセスの明確化と透明性の確保を図っていきます。
非管理職の報酬制度では、社員の経験、専門性、業務範囲等を踏まえてグレードを設定し、各グレードで求められる期待役割を明確にすることで、人財育成の方向性を示すとともに、役割や貢献度に応じた処遇につなげています。
月例給与は、各グレードに応じた基準賃金をベースに構成しています。また、賞与については、主として会社の業績および個人の業績等を勘案し、支給額を決定しています。
報酬水準については、日本国内における労働市場の競合企業群をベンチマークとし、外部環境や他社動向を注視しながら、採用競争力を維持できる水準を継続的に確保するよう努めていきます。
(2)【従業員の状況】
① 連結会社の状況
2026年3月31日現在
② 提出会社の状況
2026年3月31日現在
当社における平均年間給与の増加は、定期昇給およびベースアップに加え、業績の着実な成長を踏まえた賞与水準の見直し等によるものです。また、管理職にも成果に応じた追加的な報酬制度の適用を開始するなど、役割および成果に応じた処遇の強化を進めています。これらの取り組みは、経営戦略の実現に向けて必要となる人財の確保および動機づけを目的とした人的投資の一環であり、人財の自律的な挑戦および価値創造を促進する報酬体系の高度化として位置付けています。
(注) 1.従業員数は就業人員です。
2.平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものです。
③ 労働組合の状況
提出会社及び一部子会社に労働組合があります。
④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、労働者の男女の賃金の差異
提出会社
国内連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業の取得割合を算出したものであります。
3.2026年4月時点で算出したものであります。
4.出向者は出向元の従業員として集計し算出しております。
5.提出会社であるTDK株式会社の労働者の男女の賃金差異については、報酬体系および処遇は男女同一ですが、女性に比べて男性における管理職比率が高い事が主な要因です。当社は女性活躍の機会拡大と女性管理職比率の向上を重要課題と認識しており、創業100年にあたる2035年にTDK株式会社の女性管理職比率を15%にすることを目標としており、DE&I推進の意義の浸透、各種セミナーやメンタリングプログラム等、インクルーシブな職場環境の醸成や女性リーダーの育成に向けた取り組みを継続しています。その結果、活動が始まった2020年から、女性管理職比率は2倍以上に向上しています。
6.TDKラムダ株式会社では、非正規雇用労働者の男女の賃金の差異が大きくなっております。これは、非正規雇用労働者に占める嘱託社員・契約社員の男性は主に定年退職後の再雇用者であり、賃金水準が高いことによるものです。
7.TDKサービス株式会社では、非正規雇用労働者の男女の賃金の差異が大きくなっております。これは、専門技術、体力負荷等により賃金水準が高い職種の嘱託契約に男性が多く、簡易業務、補助業務のパート契約社員に女性が多いことによるものです。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という。)第1条の2第1号に定める「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、連結財務諸表規則第312条の規定により、国際財務報告基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して作成しております。
また、連結財務諸表の記載金額は、百万円未満の端数を四捨五入して表示しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号、以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、財務諸表の記載金額は、百万円未満の端数を切り捨てて表示しております。
当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は、次のとおりです。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、または会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構等の団体へ加入し、同機構が実施している研修に参加しております。
(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに基づいた適正な連結財務諸表を作成するため、社内規程及びマニュアル類の整備を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1. 報告企業
TDK株式会社(以下、「当社」という。)は、日本に所在する株式会社であり、その本店は東京都中央区日本橋に登記されております。当社の連結財務諸表は、2026年3月31日を期末日とし、当社及び連結子会社(以下、「当社グループ」という。)、並びに関連会社に対する持分により構成されております。
当社は、世界初の磁性材料フェライトの工業化を目的として昭和10(1935)年に東京で設立され、コア技術を追求することで、これまでにフェライトコア、インダクティブデバイス、セラミックコンデンサ、磁気ヘッド、マグネット等、独創的かつ多様な製品の開発、製造、販売をグローバルで展開しております。
当社グループの4つの報告セグメント区分は受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品及びエナジー応用製品であり、詳細は「4. セグメント情報」に記載しております。
2. 作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしており、連結財務諸表規則第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。
本連結財務諸表は、2026年6月17日に、代表取締役社長執行役員CEO 齋藤昇及び代表取締役副社長執行役員 CFO 山西哲司によって承認されております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、「3. 重要性がある会計方針」に記載している公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループ各社の財務諸表に含まれる項目は、当社グループ各社がそれぞれ営業活動を行う主たる経済環境の通貨(以下、「機能通貨」という。)を用いて測定しております。当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示しております。各数値の合算が、合計額と一致しない場合があります。
(4) 重要な会計上の見積り及び判断
当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債及び収益・費用の報告額並びに偶発資産・偶発負債の開示に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っております。実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した報告期間及びその影響を受ける将来の報告期間において認識しております。
翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のある、仮定及び見積りに関する情報は次のとおりです。
・有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産の減損(「3. 重要性がある会計方針 (10) 非金融資産の減損」、「13. 非金融資産の減損」)
・確定給付制度債務の測定(「3. 重要性がある会計方針 (11) 従業員給付」、「21. 従業員給付」)
・繰延税金資産の回収可能性(「3. 重要性がある会計方針 (17) 法人所得税」、「15. 法人所得税」)
・引当金の認識及び測定、並びに偶発負債の将来の経済的便益の流出の可能性(「3. 重要性がある会計方針 (13) 引当金」、「23. 引当金」、「30. 契約及び偶発負債」)
・中東地域における地政学的リスクの影響
中東地域における地政学的リスクの高まりにより、世界経済は不安定な状況が継続していますが、会計上の見積りについては最善の見積りを行っております。しかしながら、今後の動向によっては、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5) 未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに、新設または改訂が公表された基準書及び解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは次のとおりです。また、これらの適用による当社グループの連結財務諸表への影響は検討中です。
(6) 表示方法の変更
(連結財政状態計算書)
前連結会計年度において「その他の非流動負債」に含めて表示していた「長期未払法人所得税」については、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財政状態計算書の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結財政状態計算書において、「その他の非流動負債」に表示していた15,211百万円は、「長期未払法人所得税」1,007百万円、「その他の非流動負債」14,204百万円として組替えて表示しております。
3. 重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社により支配されている企業をいいます。当社がある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社はその企業を支配していると判断しております。子会社の財務諸表は、支配を獲得した日から支配を喪失する日までの間、当社の連結対象に含めております。
連結会社間の債権債務残高及び内部取引高、並びに連結会社間取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
支配が継続する子会社に対する持分変動は、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。支配を喪失した場合は、支配の喪失から生じた利得及び損失を純損益で認識しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社がその企業の財務及び経営方針に対して重要な影響力を行使する能力を有しているものの、支配していない企業をいいます。関連会社については、当社が重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって処理しております。
(2) 企業結合
企業結合は、取得法を用いて会計処理しております。取得関連コストは発生時に費用として処理しております。企業結合において取得した識別可能資産及び引き受けた負債は、原則として、取得日の公正価値で測定しております。
企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及び当社が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日における正味の金額を超過する場合にはその超過額をのれんとして認識し、下回る場合には純損益で認識しております。移転された対価は、当社が移転した資産、当社が引き受けた被取得企業の旧所有者に対する負債及び当社が発行した資本持分の公正価値の合計で算定され、条件付対価の取決めから生じた資産または負債の公正価値も含まれております。
非支配持分は、個々の企業結合取引ごとに、公正価値または被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しております。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで当社グループ各社の機能通貨に換算しております。
外貨建貨幣性項目は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。公正価値で測定する外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の算定日の為替レートで、取得原価で測定する外貨建非貨幣性項目は、取引日の為替レートで、それぞれ機能通貨に換算しております。
換算及び決済により生じる換算差額は、純損益で認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産から生じる為替換算差額は、その他の包括利益で認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債は、期末日の為替レートで、収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中平均レートで円貨に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識し、その累積額は、非支配持分に配分している部分を除き、その他の資本の構成要素として認識しております。
在外営業活動体を処分し、支配または重要な影響力を喪失する場合には、在外営業活動体に関連する為替換算差額の累積金額を純損益に振り替えております。
(4) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、有価証券の通常の方法による売買については決済日に当初認識しており、それ以外の金融資産については、金融商品の契約上の当事者になった時点で当初認識しております。
金融資産は、当初認識時に、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、または純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。この分類は、金融資産が負債性金融商品か資本性金融商品かによって次のとおり分類しております。
負債性金融商品である金融資産は、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しており、それ以外の場合には純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。なお、当社グループが保有する金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品はありません。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産を保有している。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
売買目的で保有する資本性金融商品を除いて、資本性金融商品である金融資産は、原則として、事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、その取引コストは発生時に純損益で当初認識しております。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及び償却原価で測定する金融資産は、取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算した金額で当初認識しております。ただし、重要な金融要素を含まない営業債権は取引価格で当初測定しております。
(ⅱ)事後測定
償却原価で測定する金融資産は、実効金利法による償却原価で測定し、利息は純損益で認識しております。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定し、資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識しております。認識を中止した場合、もしくは、著しくまたは長期に公正価値が取得原価を下回る場合は、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額を利益剰余金に振り替えております。ただし、配当金は純損益で認識しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、公正価値の変動額は純損益で認識しております。
(ⅲ)減損
償却原価で測定する金融資産に係る減損については、期末日ごとに予想信用損失を評価し、貸倒引当金を認識しております。
期末日に、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を12ヵ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。一方、信用リスクが当初認識後に著しく増大している場合には、予測情報も含めた合理的で裏付け可能な情報をすべて考慮して、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
ただし、営業債権については信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を認識しております。予想信用損失または戻入れの金額は、純損益で認識しております。
(ⅳ)認識の中止
金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転した場合に金融資産の認識を中止しております。
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融負債については、金融商品の契約上の当事者になった時点で当初認識しております。金融負債は、条件付対価を除き、当初認識時に、償却原価で測定する金融負債に分類しております。すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、発行に直接起因する取引コストを公正価値から控除した額で測定しております。
(ⅱ)事後測定
償却原価で測定する金融負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得及び損失は、純損益で認識しております。
条件付対価は、公正価値で測定し、その変動額は純損益で認識しております。
(ⅲ)認識の中止
金融負債は、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効になった場合に認識を中止しております。
③ デリバティブ
当社グループは、外国為替相場の変動リスク等をヘッジするために、先物為替予約等のデリバティブを利用しております。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識し、その後も公正価値で再測定しております。デリバティブの公正価値の変動は純損益で認識しております。
なお、上記デリバティブについて、ヘッジ会計を適用しているものはありません。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は取得原価または正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しております。取得原価は主として加重平均法に基づいて算定し、購入原価、加工費並びに、現在の場所及び状態に至るまでに要したすべてのコストを含んでおります。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売コストを控除した額で算定しております。
(7) 有形固定資産
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しております。取得原価には、資産の取得に直接付随するコスト、解体・除去及び原状回復コストが含まれております。有形固定資産は、その見積耐用年数にわたり定額法で償却しております。
見積耐用年数は次のとおりです。
建物:2年から60年
機械装置及び器具備品:2年から25年
残存価額、見積耐用年数及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
企業結合により取得したのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しております。
② 無形資産
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、耐用年数を確定できる無形資産については、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額、耐用年数を確定できない無形資産については、取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しております。
個別に取得した無形資産は当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産は、無形資産の定義を満たし、識別可能であり、かつ公正価値が信頼性をもって測定できる場合、のれんとは別個に識別し、取得日の公正価値で認識しております。
新しい科学的または技術的知識の獲得のために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用として認識しております。
開発活動における支出については、次のすべての要件を立証できた場合に限り資産として認識し、その他の支出はすべて発生時に費用として認識しております。
・使用または売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
・無形資産を完成させ、さらにそれを使用または売却するという意図
・無形資産を使用または売却できる能力
・無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
・無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用または売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
・開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
耐用年数を確定できる無形資産については、その見積耐用年数にわたり定額法で償却しております。
主な見積耐用年数は次のとおりです。
特許権:3年から15年
顧客関係:3年から10年
ソフトウエア:2年から10年
特許権以外の技術:3年から20年
その他:2年から12年
残存価額、見積耐用年数及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(9) リース
当社グループは契約開始時に、契約がリースであるかどうか、またはリースが含まれるかを決定しております。当社グループのリース契約の一部には、リース要素及び非リース要素を含むものがあり、それぞれを区分して会計処理しております。
借手としてのリース取引は、リース開始日に、使用権資産とリース負債を認識しております。
使用権資産は取得原価で当初測定を行っており、当該取得原価は、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整した金額で測定しております。当初認識後、原資産の所有権がリース期間の終了時までに移転する場合、または使用権資産の取得原価が購入オプションを行使することを反映している場合は原資産の耐用年数で、それ以外の場合は使用権資産の耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって、定額法で減価償却を行っております。
リース負債は、未払リース料総額を、リースの計算利子率(当該利子率を容易に算定できる場合)またはリース開始時に入手可能な情報を基にした追加借入利子率で割り引いた現在価値で測定しております。
リース期間が12ヵ月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料総額をリース期間にわたって、定額法により費用として認識しております。
(10) 非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産等を除く非金融資産については、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額に基づく減損テストを実施しております。個々の資産が他の資産または資産グループからおおむね独立したキャッシュ・フローを発生させない場合には、その資産の属する資金生成単位の回収可能価額を見積もっております。資金生成単位は、他の資産または資産グループからおおむね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小単位の資産グループとしております。
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年同じ時期に減損テストを実施しており、さらに減損の兆候が存在する場合は、その都度減損テストを実施しております。企業結合により取得したのれんは、企業結合の結果、便益を享受できると期待される資金生成単位または資金生成単位グループに配分して減損テストを行っております。
持分法で会計処理されている投資については、減損の客観的な証拠が存在する場合に、投資全体の帳簿価額を単一の資産として減損テストを行っております。
資産、資金生成単位または資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。
減損損失は、資産、資金生成単位または資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、差額を純損益で認識しております。
のれん以外の資産に関しては、過去に認識した減損損失について、損失の減少または消滅を示す兆候の有無を評価しております。そのような兆候がある場合で、当該資産または資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を上回るときは、減損損失を戻入れております。この場合、減損損失を認識しなかった場合の減価償却または償却控除後の帳簿価額を上限として、資産の帳簿価額を回収可能価額まで増額しております。
(11) 従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を採用しております。
確定給付制度に係る資産または負債の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定しております。この計算による資産計上額は、制度からの返還または将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としております。
確定給付制度債務は、予測単位積増方式に基づいて算定され、その現在価値は、将来の予想支払額に割引率を適用して算定しております。割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の利回りを参照して決定しております。勤務費用及び確定給付制度に係る資産または負債の純額に係る純利息費用は純損益で認識しております。数理計算上の差異、純利息費用に含まれる部分を除く制度資産に係る収益及び資産上限額の影響の変動については、それらが生じた期間において確定給付制度に係る再測定としてその他の包括利益で認識し、直ちに利益剰余金へ振り替えております。
過去勤務費用は、発生した期の純損益で認識しております。
確定拠出制度への拠出は、従業員が労働を提供した期間における要拠出額を従業員給付費用として純損益で認識しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、従業員が関連する労働を提供した期間に従業員給付費用として純損益で認識しております。
賞与及び有給休暇費用については、支払を行う法的または推定的な債務を負っており、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積もられる額を負債として認識しております。
(12) 株式に基づく報酬
当社グループは、ストックオプション制度及び事後交付型株式報酬制度を導入しております。
ストックオプション制度は、持分決済型の株式報酬制度として、取締役及び執行役員等の労働の対価としての株式による報酬費用を付与日の公正価値に基づき測定し、権利確定までの期間にわたり定額法で費用計上し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。
事後交付型株式報酬制度は、持分決済型の株式報酬制度と現金決済型の株式報酬制度に区分されます。このうち、持分決済型の株式報酬制度については、取締役及び執行役員等の労働の対価としての株式による報酬費用を付与日の公正価値に基づき測定し、権利確定までの期間にわたり定額法で費用計上し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。また、現金決済型の株式報酬については、取締役及び執行役員等の労働の対価としての株式による報酬費用を付与日の公正価値に基づき測定し、権利確定までの期間にわたり定額法で費用計上し、同額を負債の増加として認識しております。当該負債は、決済されるまで当該負債の公正価値の変動を純損益で認識しております。
(13) 引当金
過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的義務または推定的義務を有しており、当該義務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、かつその義務の金額について信頼性のある見積りが可能な場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及びその負債に特有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割り引いております。
(14) 資本
① 普通株式
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、発行コストは、関連する税効果控除後に資本剰余金から控除しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、取引コストを含む支払対価を資本の減少として認識しております。
自己株式を売却した場合は、受取対価を資本の増加として認識しております。
(15) 収益
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下、「IFRS第15号」という。)の範囲に含まれる取引について、当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に(または充足するにつれて)収益を認識する
当社グループは、グローバルに展開するICT関連企業、自動車・自動車部品メーカー、家電・産業機器メーカー等を主な顧客に、受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品及びエナジー応用製品等の販売を行っております。これらの製品販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。
製品の移転と交換に当社グループが受け取る取引価格は、値引き、顧客特典、売上に応じた割戻し等の変動対価を含んでいる場合があります。当社グループは、変動対価に関する不確実性が解消された時点で収益認識累計額の重要な戻入れが生じない可能性が高い範囲で、変動対価を取引価格に含めております。変動対価は、過去の傾向や売上時点におけるその他の既知の要素に基づいて見積もっており、各報告期間末の情報に基づき見直しております。
(16) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られたときに公正価値で認識しております。
政府補助金が費用項目に関連する場合は、補助金で補償することを意図している関連費用を認識する期間にわたって、規則的に収益として認識しております。資産に関する補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。
(17) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金と繰延税金から構成され、企業結合に関連するもの及びその他の包括利益または資本に直接認識される項目を除き、純損益で認識しております。
当期税金は、期末日時点において施行または実質的に施行されている税率及び税法を用いて、税務当局に納付または税務当局から還付されることが予想される金額で測定しております。
繰延税金は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、未使用の繰越欠損金並びに繰越税額控除に対して認識しております。なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えず、かつ、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な将来に一時差異が解消しない可能性が高い場合、または当該一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得がない場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債は、期末日時点において施行または実質的に施行されている税法に基づいて、一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しております。
繰延税金資産と繰延税金負債は、非流動資産または非流動負債として表示しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に、相殺しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しております。
法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税務当局による調査において発生の可能性が高いと認められる場合には、合理的な見積額を資産または負債として認識しております。
当社グループは、IAS第12号に定める一時的な例外規定を適用して、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法(以下、「第2の柱の法制」という。)から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債について認識及び開示を行っておりません。
(18) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、報告期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数により除することによって計算しております。
希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在的普通株式の影響を調整して計算しております。
4. セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループにおける事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち独立した財務情報が入手可能で、経営者が経営資源の配分決定や業績の評価を行う際、定期的に用いている区分です。
事業の種類別セグメントについては、当社グループは、製品の種類・性質、製造方法、販売市場及び経済的指標等の類似性により複数の事業セグメントを「受動部品」、「センサ応用製品」、「磁気応用製品」及び「エナジー応用製品」の4つの報告セグメントに集約しております。また、報告セグメントに該当しない事業セグメントを「その他」としております。
各報告セグメント及び「その他」の区分に属する主な事業・製品は、次のとおりです。
各セグメントにおける会計方針は、当社グループの連結財務諸表における会計方針と一致しております。また、セグメント間取引は、独立企業間価格に基づいております。
(2) 報告セグメントに関する情報
前連結会計年度及び当連結会計年度における報告セグメントに関する情報は、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
セグメント利益は、売上高から本社部門損益以外の売上原価と販売費及び一般管理費、その他の営業収益及びその他の営業費用を差し引いたものです。
セグメント利益の調整額は主として、本社部門における全社の運営、管理目的の費用のうち、セグメントに配賦していない費用です。
資産の調整額は主として、セグメント間取引の消去、全社共通の目的で保有している現金及び現金同等物、有形固定資産、セグメントに配賦していない繰延税金資産、投資です。
(3) 地域別セグメント情報
前連結会計年度及び当連結会計年度における地域別セグメント情報は、次のとおりです。
売上高
当売上高は、外部顧客の所在地に基づいております。
日本及び中国を除き、売上高が重要な単一の国または地域はありません。
各区分に属する主な国または地域は、次のとおりです。
(1) 米州・・・・・・・・・米国
(2) 欧州・・・・・・・・・ドイツ
(3) アジア他・・・・・・・インド、ベトナム、フィリピン、タイ
非流動資産(有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産)
(4) 主要な顧客に関する情報
前連結会計年度において、連結売上高の10%を超える顧客グループは1グループあり、当該顧客グループに対する売上高は391,887百万円です。
当連結会計年度において、連結売上高の10%を超える顧客グループは1グループあり、当該顧客グループに対する売上高は466,405百万円です。
なお、当該売上高は前連結会計年度及び当連結会計年度ともに、主に「エナジー応用製品」の区分に含まれております。
5. 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、次のとおりです。なお、連結財政状態計算書における「現金及び現金同等物」の残高と連結キャッシュ・フロー計算書における「現金及び現金同等物」の残高は一致しております。
現金及び現金同等物は、原則として償却原価で測定する金融資産に分類しております。
6. 営業債権
営業債権の内訳は、次のとおりです。
営業債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
7. その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、次のとおりです。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する株式の主な銘柄別の内訳は、次のとおりです。
当該株式は主に政策投資目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
保有資産の効率化及び有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却による認識の中止を行っております。認識の中止時点における公正価値、累積利得の合計は、次のとおりです。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する株式は、認識を中止した場合、もしくは著しくまたは長期に公正価値が取得原価を下回る場合、その他の包括利益として認識されていた累積利得または損失を利益剰余金に振り替えております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、認識を中止したことにより、その他の資本の構成要素から利益剰余金へと振り替えた金額(税効果考慮後)は、それぞれ14,917百万円及び2,412百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、著しく公正価値が取得原価を下回ることにより、その他の資本の構成要素から利益剰余金へと振り替えた金額(税効果考慮後)はそれぞれ△335百万円及び△20百万円です。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する株式から生じる受取配当金の内訳は、次のとおりです。
受取配当金は、連結損益計算書上、「金融収益」に含めて計上されております。
8. 棚卸資産
棚卸資産の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ2,570百万円及び5,207百万円であり、連結損益計算書の「売上原価」に含めております。
なお、中長期的な原材料の安定調達を目的として、取引先に対して長期前渡金(1年以内返済予定分を含む)を支払っており、前連結会計年度及び当連結会計年度の残高は、それぞれ108,754百万円及び109,700百万円です。
9. 持分法で会計処理されている投資
個々には重要性のない関連会社への投資の帳簿価額及び当期包括利益の持分取込額(当社の持分の合計値)は、次のとおりです。
上記の他、前連結会計年度において、持分法で会計処理されている投資に係る減損損失411百万円、当連結会計年度において、過去に認識した減損損失の戻入益511百万円を認識しており、連結損益計算書上の「持分法による投資損益」に含めております。
10. 有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減、取得原価並びに減価償却累計額及び減損損失累計額は、次のとおりです。
有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めて計上されております。
有形固定資産の取得に関するコミットメントの金額について「30. 契約及び偶発負債」に記載しております。なお、負債の担保に供している重要な有形固定資産はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、有形固定資産の取得原価に含めた重要な借入コストはありません。
11. リース
当社グループは、土地、建物及び機械装置等を当連結会計年度末以降に期限の到来する種々のリース契約により賃借しております。
当社グループのリース契約に、リース料が変動する重要なリース契約はありません。
一部のリース契約では、事業上の柔軟性を高めるため、リース期間の延長または解約オプションが含まれております。当社グループは、延長オプションを行使することが合理的に確実である場合、及び解約オプションを行使しないことが合理的に確実である場合、オプションの対象期間を考慮し、リース期間を決定しております。
当社グループのリース契約には、重要な残価保証または重要な財務制限条項はありません。
使用権資産の帳簿価額の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、使用権資産の増加した金額は、それぞれ21,221百万円及び7,874百万円です。
借手リースに係る費用の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、借手リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、それぞれ18,500百万円及び16,812百万円です。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末で認識しているリースには、当該時点でその行使または不行使が合理的に確実であると考えられなかったため、リース負債の測定に含められなかった延長オプションや解約オプションが存在します。これらのオプションの行使可能性が変化する場合、潜在的な将来の現金流出をもたらす可能性があります。
リース負債の満期分析は、次のとおりです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末のリース負債残高に対する加重平均追加借入利子率は、3.59%及び3.01%、返済期限は2026年4月~2056年3月です。
12. のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減、取得原価並びに償却累計額及び減損損失累計額は、次のとおりです。
無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めて計上されております。なお、ソフトウエアを除き、重要な自己創設の無形資産はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、期中に費用として認識された研究開発活動による支出の金額はそれぞれ253,586百万円及び289,668百万円です。
商標権及びその他の無形資産のうち、事業が継続する限りは法的に継続使用でき、かつ予見可能な将来にわたってサービスを提供することを経営者が計画している商標権及びその他の無形資産については、耐用年数を確定できないと判断しております。
13. 非金融資産の減損
(1) 減損損失(又は戻入れ)
減損損失は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めて計上されております。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
前連結会計年度において減損損失を認識した主な資産及びセグメントの内訳は、以下のとおりです。
受動部品セグメントに含まれる高周波部品事業について、スマートフォン等のICT製品の販売低迷に伴う収益力の低下等により、継続的に営業利益がマイナスになっており、のれんを含む資金生成単位について減損テストを実施した結果、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、減損損失10,624百万円を計上しました。当該減損損失の資産種類別の内訳は、有形固定資産8,816百万円、のれん1,629百万円、無形資産179百万円です。回収可能価額は39,598百万円であり、割引率12.5%として算出した使用価値により測定しております。使用価値の測定に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りにおいては、事業計画における売上高の増加の前提となるICT市場の回復及び主要顧客への販売数量の増加、及び加重平均資本コストによる割引率の見積りを主要な仮定としております。なお、減損損失計上後の高周波部品事業の資金生成単位における有形固定資産の帳簿価額は27,616百万円です。
磁気応用製品セグメントに含まれるマグネット事業について、販売の低迷等に伴う収益力の低下から、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回ったことにより、減損損失3,256百万円を計上しました。当該減損損失の資産種類別の内訳は、有形固定資産1,874百万円、使用権資産1,374百万円、無形資産8百万円です。回収可能価額はゼロであり、割引率を11.1%として算出した使用価値により算出しております。
エナジー応用製品セグメントに含まれるEV用電源製品事業について、販売の低迷等に伴う収益力の低下から、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回ったことにより、減損損失908百万円を計上しました。当該減損損失の資産種類別の内訳は、有形固定資産870百万円、無形資産38百万円です。回収可能価額はゼロであり、割引率を10.7%として算出した使用価値により算出しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当連結会計年度に認識した減損損失は、主に販売の低迷等に伴い収益力が低下していることにより計上したものです。
(減損の兆候を識別した重要な資金生成単位)
受動部品セグメントに含まれる高周波部品事業について、スマートフォン等のICT製品の販売伸び悩みに伴う収益力の低迷により、継続的に営業損益がマイナスとなっているため、減損の兆候があると判断し、減損テストを実施しております。その結果、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を上回ったため、減損損失は計上しておりません。回収可能価額は、割引率13.0%として算出した使用価値により測定しております。使用価値の測定に用いられる将来キャッシュ・フローの見積りにおいては、事業計画における売上高の増加の前提となるICT市場の回復及び主要顧客への販売数量の増加、及び加重平均資本コストによる割引率の見積りを主要な仮定としております。なお、当連結会計年度末現在、高周波部品事業の資金生成単位における有形固定資産の帳簿価額は17,900百万円です。
(2) のれんを含む資金生成単位の減損テスト
企業結合で取得したのれんは、企業結合のシナジーから便益が生じると期待される資金生成単位または資金生成単位グループに配分しております。
のれんの資金生成単位または資金生成単位グループへの配分額は、以下のとおりです。また、耐用年数を確定できない無形資産は、主としてエナジー応用製品セグメントに含まれる電源事業に配分されております。
のれん
重要なのれんが配分された資金生成単位の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値により測定しており、公正価値の区分は、観察不能なインプットを使用して評価したため、レベル3に分類しております。当該処分コスト控除後の公正価値の測定方法、その算定にあたって基礎とした主要な仮定及びその割り当てに使用した経営者の手法は、以下のとおりです。
割引キャッシュ・フロー法については、経営者が承認した事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の税引後割引率により現在価値に割り引いて算定しております。事業計画に含まれる売上高は、資金生成単位が属する市場の予想成長率や主要顧客への見込販売数量などの要素を基礎としております。事業計画の対象期間を超える将来キャッシュ・フロー予測を推定するために適用した永久成長率は、各資金生成単位または資金生成単位が属する事業の主たる販売地域のインフレ率等に基づいて算定しております。キャッシュ・フローの予測期間は、経営者が承認した事業計画の期間に基づいております。割引率は、当該資金生成単位の加重平均資本コストを基礎に算定しております。
これらの公正価値の算定にあたって基礎とした主要な仮定は過去の経験と外部情報に基づいております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、センサ応用製品セグメントに含まれるMEMSセンサ事業の資金生成単位の回収可能価額は帳簿価額をそれぞれ19,900百万円及び40,800百万円、磁気応用製品セグメントに含まれるHDD用ヘッド事業の資金生成単位の回収可能価額は帳簿価額をそれぞれ82,657百万円及び102,974百万円上回っております。このため、これらの資金生成単位については、前連結会計年度及び当連結会計年度ともに減損損失は計上しておりません。なお、HDD用ヘッド事業の資金生成単位のうち主な資産は有形固定資産であり、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は、それぞれ126,661百万円及び141,921百万円です。
MEMSセンサ事業またはHDD用ヘッド事業は、減損テストに用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
14. その他の流動資産
その他の流動資産の内訳は、次のとおりです。
15. 法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の変動の内訳は、次のとおりです。
当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の一部または全部が、将来の課税所得を減額できるまたは税額を控除できる可能性が高いかどうかを考慮しております。繰延税金資産の回収可能性は、一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除が将来減算される期間における課税所得の水準により判断されます。当社グループはこの検討において、将来加算一時差異の解消時期、将来の課税所得の予測及び税務戦略を考慮しております。当社グループは、2026年3月31日現在において、認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、回収される可能性が高いと考えております。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除の内訳は、次のとおりです。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の失効予定は、次のとおりです。
繰延税金資産を認識していない繰越税額控除の失効予定は、次のとおりです。
投資の一時差異のうち、当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールすることができ、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合は、繰延税金負債の認識を行っておりません。また、当該一時差異の金額は、過去のグループ内取引において既に税務上課税された部分については、将来の課税関係を踏まえ控除して算定しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、当該一時差異は合計でそれぞれ217,186百万円及び218,589百万円です。
(2) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は、次のとおりです。
当社の法定実効税率は、前連結会計年度において、31.1%です。当連結会計年度においては、31.1%です。
前連結会計年度及び当連結会計年度における法定実効税率と平均実際負担税率との差異は、次のとおりです。
(3) グローバル・ミニマム課税によるトップアップ税
当社グループは、グローバル・ミニマム課税によるトップアップ税を適用するための法律を制定した複数の国において事業活動を行っており、当連結会計年度において、少数の国での事業に関連して発生が見込まれるグローバル・ミニマム課税によるトップアップ税額を当期税金費用に計上しております。
16. 営業債務
営業債務の内訳は、次のとおりです。
営業債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、期末日後1年を超えて決済する予定の営業債務はそれぞれ72百万円及び93百万円です。
17. 社債及び借入金
社債及び借入金(流動負債)の内訳は、次のとおりです。
社債及び借入金(非流動負債)の内訳は、次のとおりです。
社債及び借入金は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
18. その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、次のとおりです。
19. その他の流動負債
その他の流動負債の内訳は、次のとおりです。
20. 金融商品
(1) 財務上のリスク管理
当社グループは、信用リスク、流動性リスク、市場リスク(為替リスク、金利リスク及び市場価格変動リスク)などの様々なリスクに晒されております。また、当社グループは市場リスクをヘッジするために、先物為替予約等のデリバティブ金融商品を利用しております。デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限を定めた社内規程に従っており、デリバティブ金融商品を利用した投機的な取引は行わない方針です。
(2) 信用リスク
信用リスクは、保有する金融資産の相手方が契約上の債務に対して債務不履行になり、当社グループの財務上の損失が発生するリスクです。当社グループは、事業を営む上で、営業債権、その他の債権、その他の金融資産(デリバティブ等)それぞれにおいて、顧客及び取引相手の信用リスクがあります。
当社グループは、当該リスクの未然防止または低減のため、過度に集中した信用リスクのエクスポージャーを有していません。
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客向けの債権であり、顧客の信用リスクに晒されております。顧客向け債権に対する信用リスクに関しては社内の与信管理規程に従い、顧客ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な顧客の信用状況を定期的に把握する体制としております。
デリバティブ取引の執行・管理については、デリバティブ取引管理規程に基づき運用されており、デリバティブの利用にあたっては、信用リスクを軽減するために、信用格付の高い金融機関とのみ取引を行っております。
当社グループの連結会計年度末における信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書における減損後の金融資産の帳簿価額及び保証債務の最大保証金額です。保証債務については、「30.契約及び偶発負債」をご参照ください。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、担保として保有する物件を所有またはその他の信用補完を行使したことにより取得した金融資産または非金融資産はありません。
営業債権については、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しております。営業債権以外の債権等については、信用リスクの著しい増加を評価の上、将来の予想信用損失を算定しております。信用リスクが著しく増加しているか否かは、債務不履行発生リスクの変動に基づいて判断しており、その判断にあたって、取引先の期日経過情報や経営成績の悪化、外部信用格付等を考慮しております。営業債権以外の債権等は、原則として12ヵ月の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しておりますが、信用リスクが当初認識時点より著しく増加した場合には、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しております。
予想信用損失の金額は次のように算定しております。
・営業債権
営業債権残高に、過去の貸倒実績値に基づく一定の比率に将来予測的な情報に基づく補正を行った値を乗じることにより算定しております。
・営業債権以外の債権等
信用リスクが著しく増大していると判断されていない資産については、全期間の予想信用損失のうち、ある金融商品について報告日後12ヵ月以内に生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失を表す部分に等しい金額により算定しております。信用リスクが著しく増大していると判定された資産及び信用減損金融資産については、見積将来キャッシュ・フローを当該資産の当初の実効金利で割り引いた現在価値の期待値の額と、総額の帳簿価額との差額をもって算定しております。
当社グループは、金融資産の見積将来キャッシュ・フローへのマイナスの影響を与える以下のような債務不履行の事象等が発生した場合は、信用減損判定対象の金融資産として個別債権等ごとに予想信用損失を測定しております。また、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の帳簿価額を直接減額しております。金融資産が個別に重要でない場合は、信用リスクの特性や発生した取引の性質に基づいて集合的評価により検討しております。
・発行体または債務者の重大な財政的困難
・利息または元本の支払不履行または遅延などの契約違反
・債務者の破産または財務的再編成に陥る可能性が高くなったこと
① 貸倒引当金の計上対象となる金融資産の帳簿価額(貸倒引当金控除前)は、次のとおりです。
(ⅰ)営業債権
(ⅱ)営業債権以外の債権等
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、営業債権以外の債権等については、信用リスクが著しく増加していると判断したものはなく、その帳簿価額に対する信用リスクに重要性はありません。
② 貸倒引当金の増減表
貸倒引当金の増減は、次のとおりです。
貸倒引当金繰入額及び戻入額は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を与えるような金融商品の総額での帳簿価額の著しい変動はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、直接償却した金融資産のうち、回収活動を継続している重要な金融資産はありません。
(3) 流動性リスク
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を支払期日に履行できなくなるリスクです。当社グループの運転資金需要は主に、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用のほか、継続的な新製品開発に向けた研究開発費用を含む販売費及び一般管理費等です。また、長期性の資金需要は、エレクトロニクス市場における急速な技術革新や販売競争の激化に的確に対応するための設備投資やさらなる成長戦略に向けたM&A等によるものです。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。日本、米国、欧州、中国及びアセアンの各地域においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入しグループ資金効率の向上を図るとともに、コミットメントライン契約などにより流動性を担保しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の未使用のコミットメントライン残高は、それぞれ105,658百万円及び5,799百万円です。
当社グループの非デリバティブ金融負債及びデリバティブ金融負債の満期分析は、次のとおりです。なお、リース負債に係る満期分析は、「11.リース」をご参照ください。
短期及び長期の銀行借入債務については、銀行からの要求があれば、現在及び将来の借入に対する担保または保証人の設定を行うこととしております。また、返済期日の到来や返済不履行の場合に、銀行が借入債務と銀行預金を相殺する権利を有する約定を取り交わしております。
当社グループの借入契約において、重大な不利益を及ぼす債務返済条項(debt covenants)や相互デフォルト条項(cross default)はありません。さらに、同契約の下で当社子会社の配当制限条項といったものもありません。
(4) 為替リスク
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、連結ベースでの海外売上高比率は90%を超え、取引通貨の多くはドル・ユーロ等、日本円以外の通貨です。これらの通貨に対する急激な円高の進行は、売上高や利益の減少等、損益に影響を与えますが、当該リスク軽減のため、当社グループでは外貨建原材料購買の増大や海外拠点で消費する資材の現地調達化を進めております。また、外貨建資産及び負債は、財務諸表上で日本円に換算されるため、為替レートの変動の結果、換算差による影響が生じます。為替レートの変動に対応するため、外貨建資金調達及び先物為替予約契約の締結等の対策は講じておりますが、急激または大幅な為替レートの変動等は、当社グループの財政状況及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの為替リスクのエクスポージャー(純額)の主なものは、次のとおりです。なお、先物為替予約により為替リスクがヘッジされている金額は除いております。
前連結会計年度及び当連結会計年度の期末日に保有する外貨建金融商品において、日本円が米ドル及びユーロに対して1%円高になった場合に、連結損益計算書の当期利益に与える影響は、次のとおりです。ただし、この計算にあたっては他のすべての条件は一定であると仮定しております。
(5) 金利リスク
当社グループは、事業活動を進める上で、運転資金及び設備投資等に必要となる資金を調達することに伴い発生する利息を支払っております。変動金利での借入を行っている場合には、利息の金額は市場金利の変動に影響を受けることから、利息に係る将来キャッシュ・フローが変動する金利リスクに晒されております。
当社グループは、金利変動リスクに係るエクスポージャーの望ましい水準を維持し、支払利息を最小化するために、金利スワップ契約を利用することがあります。有利子負債は、主に固定金利により調達している社債及び借入金であるため、金利リスクが当社グループのキャッシュ・フローに与える影響は重要ではありません。
(6) 市場価格変動リスク
当社グループは、事業活動の円滑な推進を目的として、主に業務上の関係を有する会社の株式を保有していることから、株価変動リスクに晒されております。当社グループが保有する株式については、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、評価損益を把握している他、発行体との関係を勘案の上、保有状況を継続的に適宜見直しております。
株式は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しており、急激または大幅な市場価格の変動等は、当社グループの財政状況及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
前連結会計年度及び当連結会計年度の期末日に保有する株式において、市場価格が10%変動した場合に、当期利益及びその他の包括利益(税効果考慮後)が受ける影響は、次のとおりです。ただし、この計算にあたっては他のすべての条件は一定であると仮定しております。
(7) デリバティブ及びヘッジ活動
当社グループは、国際的に事業を営んでおり、外国為替相場及び金利の変動リスクに晒されております。また、事業に係る原材料調達の価格変動リスクに晒されております。当社グループは、外国為替相場、金利及び原材料価格の変動を継続的に注視すること及びヘッジ機会を検討することによって、これらのリスクを評価しており、当該リスクを軽減するためデリバティブ金融商品を活用しております。
なお、当社グループは、デリバティブ金融商品を投機的な取引を目的として利用しておりません。当社グループは、これらの金融商品の取引相手が契約を履行しない場合の信用リスクに晒されておりますが、これらの取引相手の信用格付等を考慮しますと、当社グループはいずれの取引相手もその義務を履行することができると考えております。これらの金融商品に係る信用リスクは、当該契約の公正価値に反映されます。また、当該契約の公正価値は、金融機関等より提示された相場を基に算定しております。なお、信用リスク関連の偶発特性を有するデリバティブ金融商品の契約はしておりません。
① ヘッジ手段の指定を行っていないデリバティブ
当社グループは、主に外貨建て資産及び負債並びに予定取引に係る為替リスクを軽減するために、先物為替予約契約、直物為替先渡取引契約、通貨スワップ契約、通貨オプション契約及び株式指数連動オプションを締結しております。これらの契約は、ヘッジ会計を適用するために必要とされているヘッジ指定をしておりませんが、経済的な観点からはヘッジとして有効と判断しております。ヘッジ指定していないこれらの契約の公正価値の変動は、ただちに純損益として認識されます。
② デリバティブの公正価値及び損益
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるデリバティブの連結損益計算書への影響(税効果調整前)は、次のとおりです。
ヘッジ手段の指定を行っていないデリバティブ
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるデリバティブの想定元本及び帳簿価額は、次のとおりです。
ヘッジ手段の指定を行っていないデリバティブ
(8) 金融商品の公正価値測定
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しております。
当該分類において、公正価値のヒエラルキーは、以下のように定義しております。
レベル1:当社グループが測定日に入手可能な、活発な市場における同一の資産または負債の調整不要な取引価格
レベル2:レベル1に属する取引価格以外で、直接的あるいは間接的にその資産または負債に関連して市場から入手可能なインプット
レベル3:その資産または負債に関連する観察可能でないインプット
① 金融商品の公正価値と帳簿価額の比較
金融商品の帳簿価額及び公正価値は、次のとおりです。
公正価値で測定する金融商品または帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品は、上表には含めておりません。
上記の社債(1年以内償還予定分を含む)及び長期借入金(1年以内返済予定分を含む)の公正価値は、それぞれの将来のキャッシュ・フローを、同様の期日をもった類似の借入を当社グループが決算日に行った場合の市場での借入利率で割り引いた金額あるいは、同一または類似債券の取引の相場を基に見積もっており、レベル2に分類しております。
② 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類
経常的に公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーに基づくレベル別分類は、次のとおりです。
レベル1の株式及び投資信託は、十分な取引量と頻繁な取引がある活発な市場における調整不要な市場価格で評価しております。信託資金投資は従業員給与の一部を預かり、調整不要な市場価格を有する金融商品で投資運用を行っている残高です。
レベル2のデリバティブは先物為替予約、通貨オプション等によるものであり、取引相手方から入手した相場価格に基づき評価され、外国為替レート等の観察可能な市場インプットに基づき算定しております。
レベル3の株式は、主にマルチプル法または取引事例法に基づいて公正価値を測定しております。
レベル3に分類された経常的に公正価値で測定する資産のうち、資本性金融商品の公正価値の測定に用いている前連結会計年度末及び当連結会計年度末における重要な観察可能でないインプットは主にEV(企業価値)/売上高倍率であり、前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるインプットの加重平均値はそれぞれ0.5倍、0.9倍です。EV(企業価値)/売上高倍率については、上昇した場合に株式の公正価値が増加する関係にあります。なお、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に見込まれる公正価値の増減は重要ではありません。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告期間末に発生したものとして認識しております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。
③ レベル3に分類した金融商品の公正価値測定
(ⅰ)評価プロセス
当社グループの財務及び経理部門の担当者は、社内規程に基づいて、公正価値測定の対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価技法及びインプットを用いて公正価値を測定しております。また、測定に高度な知識及び経験を必要とする金融商品で、その金融商品が金額的に重要である場合には、公正価値測定に外部専門家を利用しております。各報告期間末において実施した金融商品の公正価値の測定結果は外部専門家の評価結果を含めて、財務及び経理部門の責任者が公正価値の増減分析結果などのレビューと承認を行っております。
(ⅱ)レベル3に分類した金融商品の調整表
レベル3に分類した金融商品の調整表は、次のとおりです。
金融資産
純損益に認識した利得または損失は、連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含めております。
その他の包括利益に認識した利得または損失のうち税効果考慮後の金額は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の公正価値変動額」に含めております。
21. 従業員給付
(1) 確定給付制度
① 退職給付制度の概要
当社及び一部の子会社は、ほぼすべての従業員に対する退職年金制度を有しております。この制度における退職一時金または年金給付額は、勤続年数、給与等に基づき算定されます。
当社及び国内の大部分の子会社は、確定給付企業年金法に基づく企業年金基金制度に加入しております。年金基金へ拠出された資金は、関係法令に従い、数社の金融機関により運用されております。これらの年金資産は、主として株式、国債及び保険契約によって投資運用されております。
基金の理事には、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣または地方厚生局長の処分、規約及び代議員会の決議を遵守し、基金のために忠実にその職務を遂行する義務が課されております。また、理事に対しては、積立金の管理及び運用に関する基金の業務についてその任務を怠った場合には、基金に対して連帯して損害賠償責任を負うことが規定されております。
海外の大部分の子会社は、従業員を対象とする年金制度または退職一時金制度を有し、この制度に基づく退職給付費用は、各期に拠出による積立を行うかあるいは引当計上しております。これらの制度に基づく給付額は、主に退職時の給与と勤続年数に基づいて計算されます。
これらの退職給付制度は、一般的な投資リスク、金利リスク、インフレリスク等に晒されております。
② 確定給付制度債務及び制度資産
確定給付制度債務及び制度資産の変動は、次のとおりです。
退職給付に係る負債の一部は、連結財政状態計算書の「その他の流動負債」に含まれております。
退職給付に係る資産は、連結財政状態計算書の「その他の非流動資産」に含まれております。
当連結会計年度の海外制度における「制度の縮小及び清算」は、主に子会社における事業移管に伴う退職・転籍に起因するものです。
確定給付制度債務の現在価値の算定に用いた主な数理計算上の仮定は、次のとおりです。
数理計算に用いた期末日時点における割引率の変動が、確定給付制度債務の現在価値に与える影響は、次のとおりです。この計算にあたっては、他のすべての条件は一定であると仮定しております。
なお、給与水準の予想上昇率については、重要な変動を見込んでおりません。
当社及び一部の子会社の制度資産への拠出額は、従業員の給与水準や勤続年数、制度資産の積立状態、数理計算等様々な要因により決定されます。また、確定給付企業年金法の規定により、企業年金基金制度では、将来にわたって財政の均衡を保つことができるよう、定期的に掛金の額の再計算を行っております。当社及び一部の子会社は、積立金の額が最低積立基準額を下回る場合には、必要な額の掛金を拠出する場合があります。
当社グループは翌連結会計年度において、国内の確定給付年金制度に対して3,186百万円、海外の確定給付年金制度に対して363百万円の拠出をそれぞれ見込んでおります。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、次のとおりです。
当社グループの投資運用方針は、受給権者に対する将来の年金給付に対応できる十分な年金資産を確保すべく策定されております。また当社グループは、年金資産の長期期待収益率を考慮した上で、資本性金融商品及び負債性金融商品の最適な組み合わせから成る基本ポートフォリオを策定しております。年金資産は、中長期的に期待されるリターンを生み出すべく、基本ポートフォリオの指針に基づいて、個別の資本性金融商品及び負債性金融商品等に投資されております。
当社グループは、この基本ポートフォリオを修正する必要があるかどうかを判断するため、年金資産の長期期待運用収益と実際の運用収益との乖離を毎年検証しております。当社グループは、年金資産の長期期待運用収益率を達成するために、基本ポートフォリオの見直しが必要だと考えられる場合は、必要な範囲でポートフォリオを見直しております。
当社グループの国内制度の資産ポートフォリオは、大きく3つの資産区分に分類されます。2026年3月31日現在において、約16%を資本性金融商品で運用し、約24%を負債性金融商品で運用し、現金及び現金同等物等及びその他資産で約60%を運用しております。当社グループの海外制度の資産ポートフォリオは、大きく3つの資産区分に分類されます。2026年3月31日現在において、約21%を資本性金融商品で運用し、約66%を負債性金融商品で運用し、現金及び現金同等物等及びその他資産で約13%を運用しております。なお、2026年3月31日現在において投資目標割合と実績との間に大きな乖離はありません。
資本性金融商品のうち国内株式については、主に証券取引所にて公開されている株式が含まれ、投資対象企業の経営内容について十分な調査、分析を行った上で選択しており、業種、銘柄について適切な分散化を図っております。負債性金融商品のうち国内債券については、主に国債、公債、社債が含まれ、債券の格付け、クーポン、償還日等の発行条件に関して十分な調査、分析を行った上で選択しており、発行体、残存期間の適切な分散化を図っております。外国銘柄への投資については、政治、経済の安定性、決済システム及び税制等の市場特性を十分調査した上で、投資対象国及び通貨を選定しております。また、その他資産には、生保一般勘定、合同運用信託、不動産投資信託等が含まれ、一般経済情勢や投資対象資産に対する十分な調査、分析を行った上で分散投資を行っております。生保一般勘定とは生命保険会社の商品で、個人保険や企業年金資産等を合同して一つの勘定で運用するものです。
当社グループにおける制度資産の種類ごとの公正価値は、次のとおりです。
投資信託及び合同運用信託は国内及びグローバル市場において主に上場株式、国債、公債といった市場性のある商品に投資しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における確定給付費用は、以下の項目から構成されております。
確定給付費用のうち、勤務費用、過去勤務費用、及びその他は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めており、利息費用は、連結損益計算書の「金融費用」に含めております。
(2) 確定拠出年金制度
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社と一部の子会社が計上した確定拠出年金制度の費用はそれぞれ29,417百万円及び27,651百万円です。
なお、上記には公的制度に関して費用として認識した金額を含んでおります。
22. 株式に基づく報酬
当社グループは、株式報酬制度に係る費用を前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ1,056百万円及び1,043百万円認識しております。
(1) 当社の株式に基づく報酬制度
当社は、以下の株式報酬型ストックオプション制度を導入しており、②については業績達成条件を付しております。
① 当社取締役及び執行役員に対して、一つの権利につき当社株式100株の購入が可能な新株予約権が付与され、付与日に完全に権利確定となり、20年間の権利行使期間を有するものです。このストックオプションの行使価格は、1円に設定しております。
② 当社取締役及び執行役員に対して、一つの権利につき当社株式100株の購入が可能な新株予約権が付与され、中期経営計画の達成度合に応じて権利確定となり、20年間の権利行使期間を有するものです。このストックオプションの行使価格は、1円に設定しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるストックオプションの状況は、次のとおりです。
期中に権利行使されたストックオプションの権利行使時点の加重平均株価は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ1,564円及び1,955円です。
前連結会計年度及び当連結会計年度における未行使ストックオプションの状況は、次のとおりです。
なお、当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。これにより、株式数、加重平均株価につきましては、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しております。
(2) 子会社の株式に基づく報酬制度
当社の一部の中国子会社は、同社及びその関係会社の取締役及び幹部社員等に対して、一つの権利につき同社株式1株の購入が可能なストックオプションを付与しております。当ストックオプションは2026年5月末までに段階的に権利確定となり、2026年7月末までに段階的に権利行使期間を有するものです。行使価格は、1人民元に設定しております。
これらのストックオプションの権利行使があった場合は、その関係会社が保有する同社株式が交付されます。
また、同社は非上場会社であり、これらストックオプションの公正価値は、見積りを用いた評価技法に基づいて決定されております。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるストックオプションの状況は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における未行使ストックオプションの状況は、次のとおりです。
ストックオプションの付与日における公正価値は、次の前提条件のもとで二項モデルを用いて評価しております。
株式報酬型ストックオプション
株価変動率は、予想残存期間に応じた直近の期間に係る類似企業の株価実績に基づき算定しております。
(3) 当社の事後交付型株式報酬制度
当社は、事後交付型株式報酬制度を導入しております。
① リストリクテッド・ストック・ユニット(RSU)
中期経営計画初年度の初日から最終年度の末日までの3年間(または3年以上で当社取締役会が定める期間、以下「対象期間」)の継続勤務を条件に、事前に定める当社株式及び金銭を、対象期間終了後に当社取締役及び執行役員、当社グループの幹部社員に対して交付する類型の継続勤務発行型株式報酬です。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるRSUの状況は、次のとおりです。
RSUの付与日における公正価値は、次のとおりです。
RSUの公正価値は、当社株式支給分は付与日時点、金銭支給分は期末日時点の当社の普通株式の公正価値に基づき決定されます。また、対象期間と同じ期間の直近の配当実績に基づき予想配当利回りを算定し、公正価値の測定に織り込んでおります。
金銭支給分の前連結会計年度及び当連結会計年度の帳簿残高は、それぞれ392百万円及び561百万円です。
なお、当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。これにより、権利数、公正価値につきましては、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しております。
② パフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)
中期経営計画初年度の初日から最終年度の末日までの3年間(または3年以上で当社取締役会が定める期間、以下「対象期間」)の継続勤務を条件に、中期経営計画の業績目標達成度に応じて算定される当社株式及び金銭を、対象期間終了後に当社取締役及び執行役員、当社グループの幹部社員に対して交付する類型の業績連動発行型株式報酬です。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるPSUの状況は、次のとおりです。
PSUの付与日における公正価値は、次のとおりです。
PSUの公正価値は、当社株式支給分は付与日時点、金銭支給分は期末日時点の当社の普通株式の公正価値に基づき決定されます。また、対象期間と同じ期間の直近の配当実績に基づき予想配当利回りを算定し、公正価値の測定に織り込んでおります。
金銭支給分の前連結会計年度及び当連結会計年度の帳簿残高は、それぞれ134百万円及び357百万円です。
なお、当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。これにより、権利数、公正価値につきましては、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しております。
23. 引当金
引当金の内訳及び増減は、次のとおりです。
資産除去債務
当社グループは、主に本社ビル及び秋田地区の工場について、設備撤去または原状回復に係る費用等を合理的に見積り、資産除去債務を認識しております。これらの費用は、本社ビル等に施した内部造作や工場の耐用年数を考慮して決定した使用期間経過後に支払われると見込んでおりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
製品保証引当金
当社グループは、特定の製品の保証期間中に発生が見込まれる補修費用に備えるため、過去の実績及び将来の見込みに基づき製品保証額を合理的に見積り、製品保証引当金を認識しております。これらは主に翌年度に発生することが見込まれております。
リストラクチャリング引当金
当社グループは、詳細な公式計画があり、かつ当該計画の実施を開始することまたは影響を受ける関係者に発表された時点で当該計画に係る費用等を合理的に見積り、リストラクチャリング引当金を認識しております。当該引当金は、リストラクチャリングに必然的に伴うものであり、かつ、企業の継続的活動とは関連がない直接の支出のみを含みます。支出の時期は、将来の事業計画等により影響を受けます。
24. 資本及びその他の資本項目
(1) 資本管理
当社グループは、中長期に持続的成長を続け企業価値を最大化するために、最適な資本構成を実現し維持することを資本管理の基本方針としております。当社グループが資本管理において用いる主な指標は、次のとおりです。
・親会社所有者帰属持分比率(親会社の所有者に帰属する持分を「負債及び資本合計」で除した比率)
・親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)(親会社の所有者に帰属する当期利益を親会社の所有者に帰属する持分(期首・期末平均)で除した比率)
親会社所有者帰属持分比率及び親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は、次のとおりです。
これらの財務指標については、経営者に定期的に報告され、モニタリングされております。
なお、当社グループは、外部から課せられる資本規制(会社法等の一般的な規制を除く)はありません。
(2) 授権株式数及び発行済株式総数
授権株式数は、次のとおりです。
発行済株式総数の変動は、次のとおりです。
当社の発行する株式は、権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済となっております。
前連結会計年度における期中増加は、2024年10月1日を効力発生日として普通株式1株を5株とする株式分割を行ったことによるものです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、発行済株式総数に含まれる自己株式は、それぞれ46,225,100株及び45,705,760株です。
(3) 資本剰余金及び利益剰余金
資本剰余金は、資本準備金及びその他資本剰余金から構成されております。また、利益剰余金は、利益準備金及びその他利益剰余金から構成されております。
日本における会社法(以下、「会社法」)では、株式の発行に対しての払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本準備金に組み入れることが規定されております。また、会社法では資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損の填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
(4) その他の資本の構成要素
その他の資本の構成要素の増減は、次のとおりです。
その他の包括利益における当期発生額、当期利益への組替調整額及び税効果の影響は、次のとおりです。
(5) 配当金
配当金の支払額は、次のとおりです。
なお、当社は、2024年10月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。基準日が2024年9月30日以前の「1株当たり配当額」につきましては、当該株式分割前の金額を記載しております。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、次のとおりです。
2026年6月19日開催の定時株主総会の議案として、次のとおり付議する予定です。
25. 収益
(1) 収益の分解
当社グループは、顧客との契約から生じる収益を顧客との契約に基づき、セグメント区分、製品群及び地域別に売上高を分解しております。分解した売上高の内訳は、次のとおりです。地域別セグメント情報の詳細については、「4. セグメント情報」をご参照ください。
売上高は、主として顧客との契約から認識した収益であり、その他の源泉から認識した収益の額に重要性はありません。
当社グループは、グローバルに展開するICT関連企業、自動車・自動車部品メーカー、家電・産業機器メーカー等を主な顧客に、受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品及びエナジー応用製品等の販売を行っており、これらの製品販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。
製品の移転と交換に当社グループが受け取る取引価格は、値引き、顧客特典、売上に応じた割戻し等の変動対価を含んでいる場合があります。当社グループは、変動対価に関する不確実性が解消された時点で収益認識累計額の重要な戻入れが生じない可能性が高い範囲で、変動対価を取引価格に含めております。変動対価は、過去の傾向や売上時点におけるその他の既知の要素に基づいて見積もっており、各報告期間末の情報に基づき見直しております。
また、取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、対価について重大な金融要素は含んでおりません。
(2) 契約残高
契約負債の残高は、次のとおりです。
契約負債は、主に顧客からの前受金です。当社グループは、主に個別契約に基づく製品の販売において、顧客から受領した対価のうち既に収益として認識した金額を上回る部分を、製品の引渡しにより履行義務を充足するまで前受金として計上しており、連結財政状態計算書の「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に含めております。前連結会計年度期首及び前連結会計年度末の契約負債のうち、前連結会計年度及び当連結会計年度に収益として認識した金額はそれぞれ6,337百万円及び3,841百万円です。また、当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループでは、当初の予想期間が1年以内の契約の一部である場合には、実務上の便法を用いて残存履行義務に関する情報の開示を省略しております。また、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引はありません。
26. 費用の性質別内訳
売上原価、販売費及び一般管理費の性質別内訳のうち、重要なものは次のとおりです。
27. その他の営業収益及びその他の営業費用
その他の営業収益及びその他の営業費用の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他は、主として機器開発や研究開発活動に係る収益です。
28. 金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は、次のとおりです。
受取利息は主に償却原価で測定する金融資産、受取配当金は主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産から生じております。有価証券評価益及び有価証券評価損は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産から生じております。前連結会計年度及び当連結会計年度における支払利息には、償却原価で測定する金融負債から生じた利息費用をそれぞれ4,925百万円及び10,252百万円を含んでおります。
なお、ヘッジ手段の指定を行っていないデリバティブの評価損益は、「為替差損(純額)」及び「その他」に含めております。
29. 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益は、次のとおりです。
前連結会計年度においては連結子会社のストックオプション、当連結会計年度においては当社の一部のRSU及び連結子会社のストックオプションは、その影響が希薄化効果を有しないため、それぞれ希薄化後1株当たり当期利益の算定に含めておりません。
なお、当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株を5株に分割いたしました。「加重平均発行済普通株式数」、「ストックオプション行使による増加株式数」、「RSUに基づく株式支給による増加株式数」、「PSUに基づく株式支給による増加株式数」及び「1株当たり当期利益」につきましては、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しております。
30. 契約及び偶発負債
(1) 資産の購入に係る契約上のコミットメント
資産の取得に関して契約上確約している重要なコミットメントは、次のとおりです。
(2) 保証債務
当社グループは、従業員の借入金に対する債務保証を行っております。保証の対象は住宅購入のための借入資金であり、仮に従業員が債務不履行に陥った場合は、当社グループが代位弁済を求められることになります。
(3) 訴訟
当社及び一部の子会社に対して係争中の案件があります。これら案件には、HDD用サスペンションに関する、独占禁止法違反を理由に米国及びカナダにて提起されている集団訴訟が含まれておりますが、現時点ではその影響額を合理的に見積もることは困難です。当社の経営者は、これらの訴訟以外には、当社グループの連結財政状態及び経営成績に重要な影響を与える追加債務はないと考えております。
31. 子会社
当社の主要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況 連結子会社」に記載のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、主要な子会社及び議決権の所有割合に重要な変動はありません。
32. 関連当事者との取引
当社グループの子会社は、当社の関連当事者ですが、子会社との取引は連結財務諸表上消去されているため、開示しておりません。当社とその他の関連当事者との間の取引は、次のとおりです。
(1) 関連会社との取引
持分法で会計処理されている関連会社に対する債権債務残高及びリース負債残高は、次のとおりです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における債権には、それぞれ営業債権18,943百万円及び33,159百万円を含めております。また、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における債権には、固定資産の売却に係る未収入金5,038百万円及び1,752百万円を含めております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における関連会社に対する売上高、仕入高等は、次のとおりです。
当社グループは、一部の関連会社との間で、固定資産の売却取引を行っております。前連結会計年度及び当連結会計年度における当該取引の総額はそれぞれ3,464百万円及び4,328百万円です。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
当社グループの主要な経営幹部に対する報酬は、次のとおりです。
主要な経営幹部は、当社の取締役及び監査役です。
(3) その他の関連当事者との取引
その他の関連当事者に対する債権債務残高及びリース負債残高は、次のとおりです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における債権には、それぞれ営業債権36,092百万円及び49,902百万円を含めております。また、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における債権には、固定資産の売却に係る未収入金576百万円及び530百万円を含めております。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他の関連当事者に対する売上高、仕入高等は、次のとおりです。
33. キャッシュ・フロー情報
(1) 財務活動から生じた有利子負債の変動
財務活動から生じた有利子負債の変動は、次のとおりです。
(2) 非資金取引
前連結会計年度及び当連結会計年度において、資金を伴わない重要な活動はありません。
34. 企業結合
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社グループは、2025年6月13日開催の取締役会において、SoftEye, Inc.の全株式を取得し、子会社化
することについて決議し、2025年6月18日付で全株式を取得しました。
(1)企業結合の概要
①被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称:SoftEye, Inc.
事業の内容 :新興のスマートグラス市場向けに革新的なアイトラッキング技術を活用したハード
ウェアとソフトウェアの統合技術を提供
②取得日
2025年6月18日
③取得した議決権付資本持分の割合
100%
④企業結合を行った主な理由
本買収により、スマートグラス向けの包括的なシステムの提供に向けて開発を加速し、視線によるAI
とのインタラクションを可能にする新たなヒューマンマシンインターフェース(HMI)を実現するため。
⑤被取得企業の支配の獲得方法
現金を対価とする株式取得
(2)取得日における被取得企業の取得原価及び対価の種類ごとの内容
取得の対価 現金 10,586百万円(73百万USドル)
取得原価 10,586百万円
(3)取得日における取得資産及び引受負債の公正価値、及びのれん
(単位:百万円)
(注) 中間連結会計期間において発生したのれんの金額、取得日に受け入れた資産及び引き受けた負債の金額等については、中間連結会計期間においては暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度において確定しております。その結果、非流動資産が1,083百万円増加し、のれんが同額減少しております。上表の各項目は当該取得対価の配分の確定を反映した金額です。また、のれんは主に超過収益力を反映したものであり、税務上、損金算入されません。
(4)取得に伴うキャッシュ・フロー
(単位:百万円)
(5)業績に与える影響
当該企業結合に係る取得日以降の損益情報及び当該企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の損益
情報は、連結損益計算書に与える影響額に重要性がないため記載しておりません。
(6)取得関連費用
取得関連費用として161百万円を「販売費及び一般管理費」に計上しております。
35. 後発事象
(企業結合)
1. Linergy Power Sdn Bhd
当社グループは、2026年5月19日開催の取締役会において、Linergy Power Sdn Bhdの全株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
(1) 企業結合の概要
①被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称:Linergy Power Sdn Bhd
事業の内容 :リチウムイオン二次電池の製造
②取得日
2026年5月19日
③取得した議決権付資本持分の割合
100%
④企業結合を行った主な理由
当社グループの中核事業であるエナジー応用製品事業においては、小型・中型の二次電池製品において最先端の技術開発により付加価値の高い新製品を継続的に市場投入し、幅広い顧客からの信頼を獲得してきました。中でも中型電池事業では、これまで培ってきた技術やノウハウを活かし、お客様のニーズに最適化した製品を開発・提供することで差別化を図り、事業拡大を進めています。本株式取得によって、グローバルに広がるお客様の多様なニーズに一層柔軟に対応できる供給体制を構築します。当社は、お客様からの信頼をさらに強固なものとし、同事業の更なる成長を目指すとともに、「TDK Transformation」の実現を加速させてまいります。
⑤被取得企業の支配の獲得方法
現金を対価とする株式取得
(注) 現金による取得対価のほか、株式譲渡契約において条件付対価が付されております。条件付対価は、Linergy Power Sdn Bhdの業績目標の達成状況に応じて、合意された条件に基づいて算定され、支払額に上限はありません。なお、現時点において、当該企業結合の当初の会計処理は完了しておらず、条件付対価は見積もっておりません。
2. Fabric8Labs, Inc.
当社グループは、2026年5月19日開催の取締役会において、Fabric8Labs, Inc. の全株式を取得し、子会社化することについて決議し、2026年6月8日付で買収に関する契約を締結いたしました。
(1) 企業結合の概要
①被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称:Fabric8Labs, Inc.
事業の内容 :特許取得済みの電気化学的アディティブ・マニュファクチャリング(ECAM)により、次世代の製造技術を提供。エレクトロニクス、医療機器、通信、半導体業界などにおいて画期的なソリューションを展開。
②取得日
2027年3月期中 (予定)
③取得する議決権付資本持分の割合
100%
④企業結合を行った主な理由
今回の投資により、当社グループはデータセンター関連事業の拡大を加速し、データセンターの液冷方式において重要なサーマルマネジメント部品を数年以内に提供できるようになります。また、TDKの受動部品への応用も検討していきます。これにより、AIがドライバーとなる社会の変革に必要とされる、データセンターにおけるデータ量の増加と膨大な電力消費への対応に貢献します。
⑤被取得企業の支配の獲得方法
現金を対価とする株式取得
(注) 当該金額をベースに、買収に関する契約で定められる条項に基づく価格調整が行われます。また、現金による取得対価のほか、本契約において条件付対価が付されております。条件付対価は、Fabric8Labs, Inc.の業績目標の達成状況に応じて、合意された条件に基づいて算定され、最大90百万米ドルを支払う可能性があります。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
(注) 当社は、第1四半期及び第3四半期について金融商品取引所の定める規則により四半期に係る財務情報を作成しておりますが、当該四半期に係る財務情報に対する期中レビューは受けておりません。
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
(前事業年度)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(当事業年度)(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法
子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法を採用しております。
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)を採用しております。
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法を採用しております。
(2) デリバティブ等の評価基準及び評価方法
時価法を採用しております。
(3) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
商品及び製品、仕掛品
総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。
材料及び貯蔵品
移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっております。
なお、自社利用のソフトウエアについては社内における利用可能期間(主として5~10年)に基づく定額法によっております。
(3) リース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 役員賞与引当金
役員に対して支給する賞与の支出に備えるため、当事業年度末における支給見込額の当事業年度負担額を計上しております。
(3) 株式報酬引当金
役員への株式報酬制度における報酬支払いに備えるため、当事業年度末における支給見込額の当事業年度負担額を計上しております。
(4) 退職給付引当金(前払年金費用)
従業員の退職給付に備えるため、退職給付制度毎の当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
数理計算上の差異は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間による定額法により、翌事業年度から費用処理し、過去勤務費用はその発生時の従業員の平均残存勤務期間による定額法により処理しております。
4.収益及び費用の計上基準
当社の顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりです。
当社は、グローバルに展開するICT関連企業、自動車・自動車部品メーカー、家電・産業機器メーカー等を主な顧客に、受動部品、センサ応用製品、磁気応用製品及びエナジー応用製品等の販売を行っており、これらの製品販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。
製品の移転と交換に当社が受け取る取引価格は、値引き、顧客特典、売上に応じた割戻し等の変動対価を含んでいる場合があります。当社は、変動対価に関する不確実性が解消された時点で収益認識累計額の重要な戻入れが生じない可能性が高い範囲で、変動対価を取引価格に含めております。変動対価は、過去の傾向や売上時点におけるその他の既知の要素に基づいて見積もっており、各事業年度末の情報に基づき見直しております。
また、取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、対価について重大な金融要素は含んでおりません。
5.ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジ処理を採用しております。
(2) ヘッジ手段と対象
ヘッジ手段:為替予約・外貨建借入金
ヘッジ対象:在外子会社等に対する投資への持分
(3) ヘッジ方針
当社の社内管理規程に基づき為替変動リスクを把握、管理し、デリバティブ等により適切に対応します。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ対象のキャッシュ・フロー変動の累計または相場変動と、ヘッジ手段のキャッシュ・フロー変動の累計または相場変動を比較し、両者の変動額を基礎としてヘッジ有効性を評価する等の合理的な方法を取引毎またはヘッジカテゴリー毎に定め、定期的に有効性を評価しております。
6.その他財務諸表作成のための基本となる事項
(1) 繰延資産の処理方法
社債発行費は、社債の償還までの期間にわたり利息法により償却しております。
(2) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。なお、退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
(3) 消費税等の処理方法
資産に係る控除対象外消費税等は発生事業年度の期間費用としております。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りは、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて合理的な金額を算出しております。当事業年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目は次のとおりです。
(1) 関係会社株式の評価
① 当事業年度の財務諸表に計上した金額
当事業年度の貸借対照表において関係会社株式806,257百万円(前事業年度729,271百万円)を計上しております。当該関係会社株式を構成する主要な項目として、米国において関係会社に対する投融資及びその管理を行う非上場の子会社であるTDK U.S.A. Corporation(以下「TUC」という。)に対する投資252,699百万円(前事業年度213,676百万円)があります。
② 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
当社は、関係会社株式について取得原価をもって貸借対照表価額としておりますが、実質価額が著しく低下したときは、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、評価損の計上が必要となります。
TUCに対する投資の実質価額のうち重要な部分は、TUCが1株当たり純資産額に超過収益力を反映した価額で取得した、センサ応用製品セグメントに含まれるMEMSセンサ事業を営むInvenSense, Inc.(以下「InvenSense」という。)に対する投資から構成されております。MEMSセンサ事業の中核会社であるInvenSenseにおいて、新製品の拡販等を継続しており、ICT向けマイクロフォン及び産業機器・自動車市場向けモーションセンサーの販売が増加いたしました。InvenSenseは、同社買収以降黒字化に至っておりませんが、赤字幅は縮小しております。当社は、当事業年度末において、InvenSenseの超過収益力を反映したTUCに対する投資の実質価額に著しい低下は生じていないと判断しており、評価損を計上しておりません。
なお、TUCに対する投資の実質価額の算定にあたっては、InvenSenseに対する投資の実質価額を、InvenSenseの割引前将来キャッシュ・フローを加重平均資本コストによる割引率で割り引いて算定しております。
当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定は次のとおりです。
(イ)InvenSenseの事業計画
(a) 売上高の増加の前提となる顧客基盤及び製品用途の拡大
(b) 事業計画対象期間以降の永久成長率
(ロ)加重平均資本コストによる割引率の見積りにおける算定方法及びインプットデータの選択
貸借対照表における関係会社株式の評価の算出に用いられる仮定は市況やその他の環境変化に関する不確実性を伴い、関係会社株式の評価の算出に用いられる仮定が悪化した場合には、翌事業年度の財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。
(2) 有形固定資産の評価
① 当事業年度の財務諸表に計上した金額
当事業年度の貸借対照表において有形固定資産262,653百万円を計上しており、このうち当社の受動部品セグメントに属する高周波部品事業に関する資産は12,719百万円です。
② 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
高周波部品事業はスマートフォン等ICT製品の販売伸び悩みに伴う収益力の低迷により、継続的に営業損益がマイナスとなっており、減損の兆候の存在が認められ、減損損失の認識の要否の判定が行われています。その結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回ったことから、減損損失の認識は不要と判断しています。
当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定は次のとおりです。
(イ)高周波部品事業の事業計画
(a) 売上高の増加の前提となるICT市場の回復及び主要顧客への販売数量の増加
貸借対照表における有形固定資産の評価の算出に用いられる仮定は市況やその他の環境変化に関する不確実性を伴い、有形固定資産の評価の算出に用いられる仮定が悪化した場合には、翌事業年度の財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。
(3) 中東地域における地政学的リスクの影響
中東地域における地政学的リスクの高まりにより、世界経済は不安定な状況が継続していますが、会計上の見積りについては最善の見積りを行っております。しかしながら、今後の動向によっては、翌事業年度以降の当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社項目
関係会社に対する資産及び負債には次のものがあります。(区分表示したものを除く)
※2 保証債務
(1) 金融機関からの借入に対して債務保証を行っております。
(2) 関係会社の仕入債務に対して債務保証を行っております。
(3) 関係会社の年金債務に対して債務保証を行っております。
(4) 関係会社の取引先からの前受金に対する保証
(5) 関係会社の保険契約に対する連帯保証
※3 当社は、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行8行と当座貸越契約を締結しております。これらの契約に基づく事業年度末の借入未実行残高は次のとおりです。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引に係るものが次のとおり含まれております。
※2 当社は関係会社から製品と同一品種の商品を仕入れて販売しているため、製品売上高と商品売上高を区分することは困難です。
※3 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度17%、当事業年度16%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度83%、当事業年度84%です。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりです。
※4 固定資産売却益の内容は次のとおりです。
※5 固定資産除売却損の内容は次のとおりです。
(有価証券関係)
(前事業年度)(2025年3月31日)
市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(当事業年度)(2026年3月31日)
市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「注記事項(重要な会計方針) 4.収益及び費用の計上基準」に記載のとおりです。
(重要な後発事象)
子会社への増資
当社は、2026年3月26日に、当社の連結子会社であるHeadway Technologies, Inc.の資本増強のため、同社に対する増資を決定し、2026年5月7日に425百万USドル(66,863百万円)の増資を行いました。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1.「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額です。
2.「減価償却累計額」には、減損損失累計額を含みます。
3.「建物」の「当期増加額」の主なものは、本荘工場西サイト及び八幡テクニカルセンターにおける改修投資によるものです。
4.「機械及び装置」の「当期増加額」の主なものは、磁気センサビジネスグループの増産投資によるものです。
5.「車両運搬具及び工具器具備品」の「当期増加額」の主なものは、セラミックコンデンサビジネスグループの増産投資によるものです。
6.「建設仮勘定」の「当期増加額」の主なものは、浅間テクノ工場の磁気センサ増産投資によるものです。
7.「ソフトウエア仮勘定」の「当期増加額」の主なものは、本社のビジネスシステムグループプロジェクトに関連するシステム構築投資によるものです。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
主な資産及び負債の内容につきましては、連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、単元未満株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、会社法第166条第1項の規定による請求をする権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利並びに単元未満株式の売渡請求をする権利以外の権利を有しておりません。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度(第129期)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)2025年6月19日関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2025年6月19日関東財務局長に提出
(3) 半期報告書及び確認書
(第130期中)(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日)2025年11月13日関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書
2025年6月24日関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項、企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書です。
2025年7月1日関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項、企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2の規定に基づく臨時報告書です。
2026年4月15日関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項、企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号の規定に基づく臨時報告書です。
2026年5月19日関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項、企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号の規定に基づく臨時報告書です。
2026年6月3日関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項、企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号の規定に基づく臨時報告書です。
(5) 発行登録書(普通社債)及びその添付書類
2026年4月17日関東財務局長に提出
(6) 訂正発行登録書(普通社債)
2026年5月19日関東財務局長に提出
2026年4月17日提出の発行登録書(普通社債)に係る訂正発行登録書です。
2026年6月3日関東財務局長に提出
2026年4月17日提出の発行登録書(普通社債)に係る訂正発行登録書です。
(7) 有価証券届出書及びその添付資料
2025年8月1日関東財務局長に提出
2025年9月2日関東財務局長に提出
(8) 有価証券届出書の訂正届出書及びその添付資料
2025年8月5日関東財務局長に提出
2025年8月1日提出の有価証券届出書に係る訂正届出書です。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。