第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載しておりません。
2 「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を第159期の期首から適用しており、第158期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。なお、2022年改正会計基準については第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱いを適用し、「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日)については第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いを適用しております。この結果、第159期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載しておりません。
2 最高株価および最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
3 2026年3月期の1株当たり配当額60円00銭のうち、期末配当額30円00銭については、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の決議事項になっています。
2 【沿革】
(注)2026年4月1日付で当社はポリプラスチックス株式会社の全事業(ただし、子会社および関連会社の株式の保有および管理事業を除く)を事業承継いたしました。ポリプラスチックス株式会社は同日付で持株管理会社となり、商号をHPPホールディングス株式会社へ変更いたしました。また、一部子会社の名称も変更しております。
3 【事業の内容】
当社グループは、株式会社ダイセル(当社)および子会社58社、関連会社11社より構成されております。
当社グループが営んでいる主な事業内容は、メディカル・ヘルスケア、スマート、セイフティ、マテリアル、エンジニアリングプラスチックの各領域における製品その他の製造・販売であり、当該事業に係る当社および子会社、関連会社の位置付けは次のとおりであります。
メディカル・ヘルスケア事業:
当社が、健康食品、光学異性体分離カラムなどを製造・販売しております。
連結子会社Chiral Technologies, Inc.、Chiral Technologies Europe S.A.S.、Daicel Chiral Technologies (China) Co., Ltd.、Daicel Chiral Technologies (India) Pvt. Ltd.が、光学異性体分離カラムを販売するとともに、同事業に関する技術サービスを行っております。
上記の他7社が当事業部門に携わっております。
スマート事業:
当社が、カプロラクトン誘導体、エポキシ化合物、電子材料向け機能品、高機能フィルムなどを製造・販売しております。
連結子会社大日ケミカル㈱が、各種化学薬品を製造・販売しております。また、同社は当社よりカプロラクトン
モノマーなどの供給を受けるとともに、当社にポリカプロラクトンなどを供給しております。
連結子会社ダイセルビヨンド㈱が、高機能フィルムを製造・加工しております。
連結子会社Daicel ChemTech, Inc.、Daicel (Asia) Pte. Ltd.、Daicel (Europa) GmbHが当社の供給製品を海外において販売しております。
上記の他3社が当事業部門に携わっております。
セイフティ事業:
連結子会社ダイセル・セイフティ・システムズ㈱が、自動車エアバッグ用インフレータを製造し、当社が販売しております。
連結子会社Daicel Safety Systems Americas, Inc.、Daicel Safety Systems(Thailand)Co., Ltd.が、自動車エアバッグ用インフレータ、インフレータ用イニシエータを製造・販売しております。
連結子会社Daicel Safety Systems Europe Sp. z o. o.、Daicel Safety Systems(Jiangsu) Co., Ltd.、Daicel Safety Systems India Pvt. Ltd.が、自動車エアバッグ用インフレータを製造・販売しております。
上記の他4社が当事業部門に携わっております。
マテリアル事業:
当社が、アセテート・トウ、酢酸セルロース、酢酸誘導体、化粧品原料などを製造・販売しております。
連結子会社協同酢酸㈱が、当社から原料の一酸化炭素およびメタノールの供給を受けて酢酸を製造・販売しております。また、同社は当社に酢酸を供給し、当社が販売しております。
連結子会社Daicel ChemTech, Inc.、Daicel (Asia) Pte. Ltd.、Daicel (Europa) GmbHが当社の供給製品を海外において販売しております。
上記の他7社が当事業部門に携わっております。
エンジニアリングプラスチック事業:
連結子会社ポリプラスチックス㈱、Polyplastics Taiwan Co., Ltd.、Polyplastics Asia Pacific Sdn. Bhd.およびDP Engineering Plastics (Nantong) Co., Ltd.が、ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどのエンジニアリングプラスチックを製造・販売しております。また、当社が液晶ポリマー原料の無水酢酸をポリプラスチックス㈱へ供給しております。
連結子会社ダイセルミライズ㈱が、水溶性高分子、包装用フィルム、AS樹脂などを販売しております。
上記の他29社が当事業部門に携わっております。
その他:
連結子会社ダイセン・メンブレン・システムズ㈱が、水処理用分離膜モジュールなどを製造・販売しております。
連結子会社ダイセル物流㈱が、グループ各社の製品、原材料の保管、運送を行っております。
上記の他5社が当事業部門に携わっております。
(注)上記の他に2社あり、連結子会社Daicel (China) Investment Co., Ltd.が、中国におけるグループ会社の統括などを、連結子会社Daicel America Holdings, Inc.が、米国におけるグループ会社の統括などを行っております。
また、事業部門別の会社数は、複数の事業部門に携わっている会社については当該事業部門各々に含めて算出しております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

4 【関係会社の状況】
(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2 ※1:特定子会社に該当します。
3 ※2:議決権の所有割合の括弧書(内書)は間接所有割合であります。
4 ※3:主にグループ会社の統括等を行っております。
5 ※4:ポリプラスチックス㈱については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1) 売上高 119,813百万円
(2) 経常利益 18,497百万円
(3) 当期純利益 13,722百万円
(4) 純資産額 45,936百万円
(5) 総資産額 132,177百万円
6 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、確実性を保証するものではありません。
(1) 会社経営の基本方針
世の中が変化しても変えてはいけない当社グループが大切にする考え方を示すため、基本理念の表現を「価値共創によって人々を幸せにする会社 ~ Sustainable Value Together ~ 」と改めるとともに、新たにサステナブル経営方針を2020年度に定めました。
<サステナブル経営方針>
・Sustainable Product:人々の豊かな生活を実現する新しい価値を創造し提供します
・Sustainable Process:全てのステークホルダーとともに地球環境と共生する循環型プロセスを構築します
・Sustainable People:多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を進めます
ダイセルグループは、創業時の基本的な思想を受け継いだ基本理念、「価値共創によって人々を幸せにする会社」であり続けるために、サステナブル経営方針を策定しています。この経営方針を具現化していくために、私たち一人ひとりが、あらゆる行動において常に意識し実践していく行動指針として「ダイセルグループ行動指針」、すべての企業活動領域で普遍的に適用する規範を「ダイセルグループ倫理規範」に定め、社会から信頼され期待される事業運営を行うとともに、良き企業市民として社会に貢献する企業グループであることを目指します。
また、「サステナブル経営方針」に沿ってダイセルグループが描く未来像を「長期ビジョン DAICEL VISION 4.0」に、長期ビジョン実現に向けた具体的な施策や考え方を「中期戦略 Accelerate 2025」・「中期戦略 Accelerate 2030」に示し、持続可能な社会と中長期的な企業価値向上の両立に向けた事業活動を行っていきます。

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループが変わらず大切にする思いとともに、今後大胆に変えなければならないことを、2020年度を開始年度とする長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』および中期戦略『Accelerate 2025』で明確にいたしました。2026年度には、これまでの基本戦略を踏襲しつつ『Accelerate 2025』での成果と残された課題、さまざまな社会的変化の影響を含む経営環境を踏まえ、新中期戦略『Accelerate 2030』を策定しております。
① 長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』の概要
注力するドメイン
サステナブル経営方針の具現化に向け、以下の4つのトリガーと注力する市場で価値を提供し、人々の幸せの実現と、当社グループの持続的な成長を目指します。
長期ビジョン実現への道のり
Operation-I(原ダイセル)では自社の現状の事業に加え、注力するドメインを含めた領域で、事業構造の転換とアセットライト化(徹底したコストダウン)を進めます。
Operation-Ⅱ(新ダイセル)では、既存事業の周辺領域でのM&Aや提携による領域拡大、既存事業の再編や合弁会社の抜本的見直しに取り組むとともに、グループ全体でのアセットスーパーライト化を目指します。
Operation-Ⅲ(新企業集団)では、グループの枠を超えて、まず垂直統合方向のバリューチェーン(サプライチェーン)を強化し、その共通顧客に対する価値創造(共創)に取り組むとともに、同業他社や大学など、水平方向にも共創を拡大することで、より大きな価値の提供を目指します。

② 中期戦略『Accelerate 2030』の概要
前中期戦略『Accelerate 2025』では、基本理念実現に向けて、既存事業の強化・成長による価値の提供と、「循環型社会構築への貢献」を目指してまいりました。新中期戦略においても引き続き取り組むとともに、前中期戦略期間中に顕在化した諸課題を最優先に解決し、新しい成長の姿を明確にしてまいります。
1.全社戦略
引き続き、クロスバリューチェーン実現に向けた取り組みとしてバリューチェーンの垂直/水平方向との連携を推進し、新企業集団を見据えた、組織変更に対して柔軟に組み替え可能なバーチャルカンパニーの実現に向けた取り組みを進めます。
また、事業ポートフォリオマネジメントの更なる強化を図り、「健康」「安全・安心」「便利・快適」「環境」における価値提供型事業へのシフトを加速します。最適な資源配分と迅速なアクションの展開により、売上高、営業利益ともに「次世代育成」事業と「成長牽引」事業のシェアを高めてまいります。
2.事業戦略
収益基盤であるセルロース事業の強化、積極的な設備投資を行ってきたエンジニアリングプラスチックス事業の確実な成長、他社協業を起点とした次世代育成や成長牽引事業へのダイセル式生産革新の活用などを通じ、企業価値向上を図ります。
[エンジニアリングプラスチック(ハイパフォーマンスポリマーズ)事業]
・ポリプラスチックス統合(一体化)によるリソースの戦略的活用、意思決定迅速化
・増強供給力を活かし、現地材料・市場開発体制で成長市場(中国・インド)を着実に刈り取り
・高付加価値領域への展開強化(ハイエンド樹脂のラインナップ拡充・他社協業の強化)
・COCの第2プラントの万全な立ち上げと安定的に利益を創出できる事業構造へ変革
[マテリアル事業]
・酢酸セルロースの環境素材市場開拓
・アセテート・トウの大手顧客との長期的な関係強化
・温室効果ガス削減対策の実施
[セイフティ事業]
・成長市場である中国・インドを引き続き注力市場として拡販
・現地調達推進やカタログ化による採算性強化
・グローバルシェア拡大・事業強化のため他社協業推進(垂直・水平)
[スマート事業]
・半導体市場への材料供給及び関連事業の拡大
・大型ディスプレイ表面処理フィルム市場への参入
・ターゲットアプリケーションに沿った高耐熱エポキシ樹脂/カプロラクトン誘導体の投入
[ライフサイエンス事業]
・独自の嫌気発酵技術をベースに体感性の高い腸内代謝物のラインナップ拡充
・無針注射器のメリットを活かしワクチン市場へ参入
・自社固有技術から派生する新商材群のグローバル展開加速
※発表時点の事業セグメントで記載しております。
3.機能別戦略
引き続き、R(Research:ユーザー目線によるシーズの掘り起こし)とD(Development:事業化力の強化)の自立を図り、Proactive IP(開発、事業化のアンテナ機能)、R、Dの相互作用による事業創出を目指します。
生産(プロダクション)については、安全・品質のあくなき追求、究極のアセットライト、現場活躍の基盤強化を実践し、現場の力を結集してバーチャルカンパニーでパートナーに価値を提供します。
デジタルトランスフォーメーションについては、権限委譲を進める組織改革やそれに伴う働き方改革をサポートすることを主眼に、あらゆる業務領域へのAI、IoTの活用を進めてまいります。
人事については、ポリプラスチックス統合に伴い、新しい人事制度を導入し、多様な社員が存在感と達成感を味わいながら成長できる環境を整えてまいります。
また、コーポレート部門の効率化と高度化を図り、リスク対応力の強化や意思決定の迅速化、アセットライト経営の実現など、経営基盤の一層の強化に取り組みます。
4.全社業績・経営指標
新中期戦略『Accelerate 2030』では、2028年を目標達成に向けた重要な年度と位置づけ、中間目標をおいております。最終年度となる2030年度とあわせ、以下の全社業績および経営指標をターゲットとしております。
全社業績:
(2028年度)売上高 6,750億円、営業利益 630億円、親会社株主に帰属する当期純利益 440億円、
EBITDA 1,200億円
(2030年度)売上高 7,500億円、営業利益 1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益 650億円、
EBITDA 1,700億円
経営指標:
(2028年度)営業利益率 9.3%、ROE 12%、ROIC 7%、ROA 5%、棚卸資産回転日数 100日
(2030年度)営業利益率 13.3%、ROE 15%、ROIC 10%、ROA 7%、棚卸資産回転日数 90日
株主還元 2026年度より、配当をDOE(株主資本配当率)5%以上、総還元性向 60%以上に変更
5.資金創出力
キャッシュフローのうち成長投資(含む環境対応)に5割以上を振り向けトップライン拡大に注力します。
収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル削減効果で資金創出力向上を図ります。また、政策投資株式売却などにより資金創出力をさらに高め、余裕資金を成長投資や株主還元に活用します。株主還元は総還元性向60%以上をターゲットとし、自己株式取得も活用し、柔軟に対応してまいります。

(3) 経営環境及び会社の対処すべき課題
地球規模の環境問題や自然災害、感染症リスクの継続、地政学的緊張の高まり、さらにはAIをはじめとする技術革新の急速な進展など、当社を取り巻く経営環境は変化の幅と速度の両面において、かつてない水準にあります。特に中東情勢をはじめとする国際情勢は流動性を増しており、経済活動やサプライチェーンの分断・ブロック化が進行するなど、不確実性の高い環境が常態化しています。このような状況下において、企業には環境変化や不測の事態に対して柔軟かつ持続的に対応し、長期的な価値創出を持続させる経営がこれまで以上に強く求められています。
当社は、長期ビジョン「DAICEL VISION 4.0」で掲げる「循環型社会構築への貢献」を企業活動の根幹に据え、中期戦略「Accelerate 2025」で掲げた各種施策を推進してまいりました。また富山フィルタートウ株式会社の完全子会社化、包材事業およびレンズ事業の譲渡など、事業ポートフォリオの見直しを通じた選択と集中を進めてきました。これらの取り組みは、経営資源の最適配分と将来成長に向けた基盤強化を目的としたものであり、引き続き継続的な活動として推進してまいります。また、ポリプラスチックス株式会社を吸収分割し、新たにハイパフォーマンスポリマーズSBUを設置することで、成長牽引事業の推進、経営効率化による競争力強化を図ります。
一方、前中期戦略期間中において、COC新規プラントの建設計画遅延と事業計画の見直し、COプラントのトラブル、新興国競合の台頭による競争激化、次世代事業の育成遅れ等により、目標に掲げた各種経営指標は未達となりました。2026年5月に公表いたしました新中期戦略「Accelerate 2030」においては、前中期戦略期間中に顕在化した諸課題の解決を最優先とし、新しい成長の姿を明確にしてまいります。
また、長期ビジョン達成に向けた継続的な取り組みとして、生産効率の向上、新プロセスの開発、CO₂の有効利用を推進し、エコノミーとエコロジーを両立したカーボンニュートラル/ネガティブの実現を目指します。社会課題と真摯に向き合い、持続可能な循環型社会の構築に資するソリューションを提供することで、企業価値の向上と社会への貢献を両立してまいります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) サステナビリティ全般
①ガバナンス
当社グループでは、社長を委員長とするサステナブル経営委員会(通常3回/年)を設置し、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)について経営レベルでの方針の審議・決定および進捗管理を行っております。さらに、LCA、調達など、サステナビリティに関連するテーマごとに立ち上げた課題別分科会では、各々の分科会において担当役員が責任者として関わっており、取り組みの強化や情報開示のさらなる充実に努めております。
マテリアリティに関連するKPI(重要業績評価指標)については、ステークホルダー・エンゲージメントを通して、定期的にインパクトを再特定し、必要に応じて修正いたします。サステナブル経営委員会においてKPIの定期的な進捗評価を行うことでCAPD サイクル※を回しております。
取締役会はマテリアリティに関連するKPIの進捗状況など、サステナブル経営委員会からの定期的な報告を受けることにより、当社グループのサステナビリティ推進状況を監督いたします。
2025年度はサステナブル経営委員会を3回開催するとともに、当該委員会における審議の充実を目的として、関連する説明および討議の機会を4回設けました。これら一連の会議体では、GHG排出量削減等の気候変動への対応、循環型社会構築への貢献認定制度(制度名:CycloViaⓇ)、サステナビリティリテラシー向上、人権に関する取組みなどについて討議を行い、その内容を取締役会に報告しております。
引き続きサステナビリティに関連する課題の解決、取り組みのレベルアップに向けて歩みを進めてまいります。
※計画を起点とした活動では重要な事実を見落としてしまうおそれがあると考え、当社グループでは一般的なPDCAではなく、CAPDを改善サイクルとしております。

当社グループは、価値共創によって人々の幸せを実現するという基本理念のもと、サステナブル経営方針に基づき、事業活動を行っております。2020年度には、長期ビジョンで掲げる「循環型社会構築への貢献」の達成に向けて、マテリアリティを特定いたしました。今後も、事業活動を通じたサステナブル社会の実現を目指してまいります。
・マテリアリティ特定の背景と考え方
サステナブル経営方針の製品(Product)・製造プロセス(Process)・働く人(People)の3つの観点から、社会課題の解決に対して当社グループの強みを生かしてどのような貢献ができるかを考えるとともに、安全・品質・コンプライアンスなどの最重要基盤に関する項目も取り上げました。
・マテリアリティ特定プロセス

②戦略
特定したマテリアリティとそれぞれの戦略と指標・目標は次のとおりです。
●ダイセルグループの成長と価値共創に向けたマテリアリティ
<Sustainable Product 社会と人々の幸せ>
―美と健康への貢献―
―スマート社会へのソリューションの提供―
―安全・安心を社会へ提供―
―環境に貢献する素材や技術の提供―
<Sustainable Process 幸せを提供する環境>
―循環型社会構築への貢献―
―気候変動への対応―
<Sustainable People 働く人の幸せ>
―DE&Iの推進―
―人の成長をサポート―
●ダイセルグループの存立とガバナンスの基盤に関わるマテリアリティ
<Environment 環境>
―環境負荷の低減―
<Social 社会>
―保安防災と労働安全衛生―
―化学品安全と品質の向上―
―人権の尊重―
―働きやすい企業文化の醸成―
―責任ある調達―
<Governance ガバナンス>
―グループ・ガバナンスとコンプライアンスの基盤強化―
(注)1 当社グループ(連結)を対象に集計しております。
2 日系自動車メーカー向け製品を対象に集計しております。
3 当社、ポリプラスチックス株式会社、ダイセルミライズ株式会社を対象に集計しております。
4 提出会社単体を対象に集計しております。
5 提出会社単体及び国内グループ会社を対象に集計しております。
6 提出会社単体の国内製造拠点を対象に集計しております。
7 グループ企業の母数は2025年4月時点の人権デュー・ディリジェンス対象候補の企業数を記載しております。
③リスク管理
当社グループは、リスク管理を経営の重要な業務と認識し、企業活動に潜在するリスクへの適切な対応を行うとともに、リスクが顕在化した際の影響の最小化を図っています。
気候変動は、サステナブルな経営における重要なリスクと捉え、当社リスク管理体制の下、リスク評価、対応とその実施状況の確認を行います。重大な課題に対しては、サステナブル経営委員会にて詳細な検討を行います。
(a) 体制
当社は、各組織のリスク管理を統括・推進する組織として、事業支援本部長である専務執行役員が委員長を務め、経営戦略室、SCM本部、生産本部、グループ企業のポリプラスチックス株式会社から選出された委員で構成するリスク管理委員会を設置しています。リスク管理委員会は、各組織のリスク管理活動報告およびリスク棚卸の結果により、リスク対応策の進捗状況の確認を行い、必要に応じて助言や支援を行います。全社的な対応が必要と判断されるリスクについては、経営戦略会議等で報告・議論したうえでアクションを明確にし、対策を進めます。また、当社グループが置かれている事業環境や社会情勢を考慮して、再点検すべきリスクを「重大リスク」として設定し、各組織において再確認および対策の見直しなどを行います。
なお、当該委員会で議論された、全社的な対応が必要と判断されるリスク及び重大リスクへの対応策の進捗状況、次年度のリスク管理の方針、BCPの整備状況、その他重要事項については、年度末の経営会議および取締役会に報告しています。
(b) リスク管理の方法
当社グループでは、当社の各部門・各グループ企業(以下、各組織)がその本来の業務の一部として適切なリスク管理を行うためのCAPDサイクルをまわしています。各組織において、事業目標の達成に重大な影響を及ぼすリスクを特定(Check)、できる限り顕在化させないための対策や、万が一顕在化してしまったとしても被害を最小限にするための対策の検討および計画立案(Act, Plan)、対策の実施(Do)、そして、一定期間後のリスクの再評価(Check)とそれに伴う対策内容の再検討(Act)を行っています。
④指標及び目標
②戦略に記載の指標・目標・実績を参照
(2) 人的資本経営
①ガバナンス
(1)に記載のサステナビリティ全般を参照
②戦略
第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1) 人材戦略に関する基本方針等 に記載の人財戦略を参照
③リスク管理
(1)に記載のサステナビリティ全般を参照
④指標及び目標
第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1) 人材戦略に関する基本方針等 に記載の指標・目標・実績を参照
(3) 気候変動
①ガバナンス
(1)に記載のサステナビリティ全般を参照。
ただし、特に気候変動に関しては、当社グループの省エネルギーおよびGHG排出量削減を推進する、社長直轄の「カーボンニュートラル戦略委員会」を設置し、議論を行っております。当委員会は、生産部門を統括する担当役員を委員長に、国内の生産部門・エネルギー部門・コーポレート部門の代表者で構成されており、省エネルギー推進と管理を行うとともに、GHG排出量削減目標達成に向けて、現行生産プロセスにおけるGHG排出量削減、エネルギー部門のGHG排出量削減、革新的技術によるGHG排出量削減の3つの切り口で、当社グループ全体で地球環境と共生する循環型プロセスの構築に取り組みます。また、2025年4月、中長期的なGHG削減目標の達成に向け、GHG排出量の増減をインターナルカーボンプライシング(ICP)の適用により費用換算し、投資案件の経済性評価に反映する仕組みを導入いたしました。これにより、気候変動リスクおよび機会を織り込んだ投資判断が可能となり、脱炭素への貢献と経済合理性の両立を図る適切な投資計画の立案・遂行を推進しております。

②戦略
ダイセルグループは、気候関連リスクおよび機会を踏まえた戦略や組織のレジリエンスについて検討するため、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による気候変動シナリオを参照して以下の手順にてシナリオ分析を実施し、2030年時点での影響を考察しました。
(a)シナリオ分析実施手順
シナリオ分析は以下の手順で実施しております。
ステップ1 シナリオ分析の対象範囲の設定
ステップ2 各事業における気候変動に対するリスクと機会のリスト化
ステップ3 各事業における外部シナリオに従って、事業シナリオを作成、リスクと機会の大きさを再評価
ステップ4 各事業における財務評価
ステップ5 気候変動が当社グループに及ぼす影響とその対策まとめ
(b)シナリオ分析の対象範囲の設定
当社グループの主要事業領域としてエンジニアリングプラスチック事業、酢酸セルロースを中心としたアセチル事業、セイフティ事業を評価対象とし、気温上昇1.5℃と4℃、時間軸2030年を想定してシナリオ分析を行いました。
1.5℃と4℃シナリオには、TCFDシナリオ分析で一般的に参照されることが多い国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の資料を参照して検討いたしました。
(c)シナリオ分析の実施結果
気候変動が当社グループに及ぼすリスク、機会、およびその対応策は下表の通りです。
表 シナリオ分析結果(リスク/機会の内容とその影響度及び対応)

(d)今後の予定
今回実施したシナリオ分析結果から見出された課題や対応策について着実に取り組むとともに、引き続き戦略の見直しを行ってまいります。
③指標と目標
当社グループでは、マテリアリティ15項目の中に、「気候変動への対応」、「環境に貢献する素材や技術の提供」、「循環型社会構築への貢献」を挙げており、それぞれKPIを設定しております。
・気候変動への対応
(1)サステナビリティ全般 ②戦略 参照
当社グループの2024年度のGHG排出量は、電力自己託送など排出量削減に向けた取組みを進めているものの、国内グループ企業の一部工場での稼働増、海外グループ企業のプラント新設などにより、対前年度比1.9%増の231万トン‐CO₂eとなりました。

・環境に貢献する素材や技術の提供
(1)サステナビリティ全般 ②戦略 参照
・循環型社会構築への貢献
(1)サステナビリティ全般 ②戦略 参照
当社グループは、サステナブル経営方針の中に地球環境と共生する循環型プロセスの構築を掲げております。低炭素経済への貢献に資する製品・サービスについて継続的に検討を行い、適切な指標および目標の設定に取り組んでまいります。2024年度には、社内認定制度である「循環型社会構築への貢献認定制度(CycloViaⓇ)」を導入し、貢献度の可視化に向けた運用を開始いたしました。2026年3月末時点において、計16製品をCycloViaⓇに認定しております。
<商標帰属先の表示>
CycloViaⓇは、株式会社ダイセルの日本における商標または登録商標です。
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、ここに記載した事項は、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
また、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において判断したものであります。
当社のリスク管理体制については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ全般③リスク管理」をご参照ください。
(1) 市場リスク
① 市場の急激な変動に係るリスク
経済の変調による需要の急激な減少や、他社の大型プラント建設による供給過剰など、市場環境は様々な要因の影響を受ける可能性があります。当社グループの対面市場である自動車関連やIC半導体・電子デバイス分野はマーケット環境の変化が激しく、その変化が当社製品の販売価格のみならず販売量にも大きな影響を及ぼします。
また、米国をはじめとする各国の関税政策や中東情勢などの地政学リスクの顕在化による世界経済の減速が当社や当社顧客製品の商流や需要などに変化をもたらし、業績に影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
当社グループでは、市場環境の変化に対応した新規用途・市場の開拓とともに、コストダウンの徹底など、販売数量・収益の確保の取組みを強化しております。また、各国の関税政策については、その動向と事業への影響を適時把握し、状況に応じて最適地からの供給への切り替えや価格転嫁に取り組むとともに、中東情勢の悪化に対しては、製品の安定供給を第一とし、原材料や物流コストの増加は販売価格に転嫁することで、当社収益の確保に努めております。
② 為替変動に係るリスク
為替相場の変動は、当社グループの輸出入取引に係る交易条件、および海外グループ会社の業績の邦貨換算結果等に対して影響を及ぼします。
通常、円安は当社グループの業績に好影響を、円高は悪影響を及ぼす傾向にあります。また、海外グループ会社においては、その所在国通貨と異なる外国通貨との為替相場変動により、業績等に影響を及ぼす可能性もあります。
[対応策]
先物為替予約取引等を用いてヘッジを行っておりますが、当該リスクを完全に回避できるものではありません。なお、当社グループの海外売上高比率は、2026年3月期において65.6%であります。また、当社の試算では米ドル・円レートが1円変動すると、連結売上高で年間約23億円、連結営業利益で年間約7億円の変動をもたらすと算定しております。
③ 主要原料(メタノール)の価格変動に係るリスク
当社の特徴として主力製品の多くのものが直接あるいは間接的にメタノールを原料としていますが、メタノールは化学品の原料だけでなく、近年はクリーンエネルギーとしての需要も伸びています。一方で、サプライヤーの生産設備は大規模化しており、定期修繕や設備故障などに伴う供給能力の変動がメタノール市況に影響し、当社主要事業の収益に影響を及ぼすリスクがあります。
[対応策]
主要なサプライヤーとの長期契約やメタノール製造会社への出資などを通じて安定した数量確保を図るとともに、異なる地域ごとの市況差なども考慮した複数の調達先を確保することで、比較的安価なメタノールを安定的に購入するための手段を講じております。その上で市況上昇に伴う原料コストの増加は、各製品の販売価格に転嫁することで収益の確保に努めております。
④ その他原燃料価格の変動に係るリスク
当社グループは、石油由来の化学品などメタノール以外の原材料や、工場の操業に必要な熱源としての燃料の調達を行っています。こうした原燃料においても、需給バランスの変動や、近年では地政学的リスクの顕在化に伴う市況変動があり、当社グループの収益に影響を及ぼすリスクがあります。
[対応策]
常日頃からさまざまな原燃料の需給バランスや市況、サプライヤーの動向などの情報収集を行い、最適調達に努めております。また、生産設備の改善や製法転換などによる原材料使用率の改善、省エネによる燃料消費の削減など、原燃料コストの低減につながる技術開発にも継続的に取り組んでおります。その上で、自社努力で吸収しきれない原燃料市況の上昇分は、販売価格に転嫁することで収益確保に努めております。
(2) 事業リスク
① 海外事業展開拡大に係るリスク
当社グループは、引き続き積極的に海外事業を拡大しており、それに伴う、予期しえない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人財確保の困難、テロ・戦争等による地政学的なリスクは増大していると考えられます。特に同じ事業を中国・アジア地域・欧米などで広域に展開している例も多く、そのために経済安全保障上の問題により事業展開に支障が生じるリスクも存在していると考えております。
[対応策]
当社グループではグローバルでのサプライチェーン体制の見直しを実施するなど、特定国の政策変更等が発生した場合でもその影響を軽減すべく取組みを進めております。
② 人財確保に係るリスク
当社グループが事業の継続的な発展を実現するためには、経営戦略やグローバルな組織運営を担えるマネジメント能力に優れた人財の確保や育成、専門技術に精通した多様な人財の確保が重要な課題であると認識しております。しかし、日本国内での少子高齢化や労働人口の減少、海外拠点での雇用環境の変化によって、必要な人財の確保・育成が計画通りできなかった場合、長期的観点から当社グループの事業運営や業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
当社グループでは、積極的な新卒採用や経験者の通年採用を展開し、公正な人事評価・処遇制度等の仕組みを構築することで、自律的に活躍する人財の育成、定着を図っております。また、次世代経営人財の教育プログラムでは後継者候補の育成にも取り組んでおります。
③ 物流に係るリスク
日本国内の物流環境は、少子高齢化による労働人口減少に加え、働き方改革関連法における「時間外労働の上限規制」等の影響もあり、運送ドライバーや荷役作業員の人手不足や物流費高騰の傾向にあり、当社グループ製品の競争力低下につながるリスクがあります。
[対応策]
従前より当社グループでは系列の物流専門の企業を持ち、グループ全体のガバナンスの中で効率的且つ合理的な輸送体制の実現に注力してまいりました。また2022年よりグループ横断の「物流改革プロジェクト」を設置し、他社連携やグローバル物流強化に向けた戦略の策定、施策を実行しております。2023年からは経済産業省および国土交通省主導による、化学品ワーキンググループにも参画し、共同物流の具現化に向けて取り組んでおります。
④ 原材料等の調達に係るリスク
当社グループは、高付加価値の高機能製品に注力しており、その原材料も品質規格が厳しく特殊なものが多いため、サプライヤーの数も限られます。そのため新規調達先の確保や要因変更の対応に迫られるなどの原材料等の調達に係るリスクがあります。
[対応策]
原材料を複数のサプライヤーから購入することにより安定調達を図り、生産に必要な原材料を十分に確保するよう努めております。
⑤ 資本提携・企業買収等に係るリスク
当社グループでは、さらなる事業成長を目指して、グループのシナジー効果が期待できる資本提携・企業買収等に積極的に取り組んでおります。これらの投資について予期した成果が獲得できない場合、また事業環境等の急激な変化により事業計画に大幅な修正が生じた場合には、のれんの減損や投資損失が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
自社による調査の他、外部機関も活用して徹底したデューデリジェンスを行った上で、投資を決定しております。なお、予期した成果が獲得できないと判断した場合は、速やかに撤退等事業計画の見直しを行っております。
⑥ 設備投資に係るリスク
当社グループは、事業成長に向けた製造設備の新増設や更新、安全対策、合理化・省力化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。これらの設備投資においては、建設資材価格や労務費の上昇、為替変動等により、当初計画を上回る投資額が発生する可能性があります。こうした投資額の増加は、投資採算の低下を招き、将来キャッシュ・フローの悪化を通じて減損損失の計上が必要となる可能性があります。また、建設人材の不足、資機材の調達遅延、工事の進捗遅延等により工期が当初計画より遅延した場合には、供給機会の逸失、計画販売の遅延等を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
当社グループでは、設備投資案件の審議に際して、事業性および投資計画の妥当性を十分に検証するとともに、特に大型投資案件については、建設に係るリスクの棚卸およびその対応策の検討を行っております。投資実行段階においては、関係部門による定期的な会議体を通じて、建設コストの変動、工程の進捗状況および個別リスクへの対応状況を継続的に確認しております。建設スケジュールについては重要工程の進捗管理を徹底し、大型投資案件における長納期機材については必要に応じて計画段階で先行して決裁、手配を行うことで、工期遅延リスクの低減に努めております。
また、設備投資案件を適切に推進するための人財育成を進め、プロジェクト遂行力の向上を図っております。
(3) 環境リスク
① 気候変動に係るリスク
気候変動に伴う異常気象等が当社グループの工場の操業やサプライチェーンに影響を及ぼす物理的リスク、GHG(温室効果ガス)排出削減のための設備投資が増加するリスク、あるいは低炭素社会への移行に対応できずに原燃料価格や電力価格が上昇するリスクは、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、主要顧客からの具体的な排出量削減成果の要請や、日本国内における排出量取引制度(GX-ETS)の義務化など、具体的なGHG排出削減に関する費用発生のリスクが高まってきていると考えております。
[対応策]
ダイセル式生産革新を基盤とした生産プロセスにおけるムダ・ロスの徹底的排除や革新的技術の導入、グループ全体のエネルギー使用量の最適化等、省エネルギーに努め、GHG排出量の削減に取り組んでおります。
また、二酸化炭素を化学品原料に変換する技術など、カーボンニュートラルに資する技術の開発も進めております。
② 環境規制に係るリスク
環境保全に対する社会要請の高まりにより、環境規制の強化が進んでいます。また、当社製品である化学物質自体の環境に及ぼす影響も重視されてきており、環境規制による販売への影響が、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
当社グループでは、規制に関する法令改正の動向をモニタリングし、最新の法規制に適合した生産プロセスとするための設備改善投資を進めるとともに、環境規制に適合した製品の改善に取り組むとともに、新たな規制を新事業探索の機会と捉え、さまざまな新製品の開発にも取り組んでおります。
③ 自然災害に係るリスク
自然災害により重大な損害を被った場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループの主要な生産拠点のひとつである富士工場は「東海地震に係る地震防災対策強化地域」内に立地していることや、南海トラフ地震等各地で巨大地震が発生した場合には、瀬戸内海沿岸の当社グループ各工場への被害や、原材料・製品の物流に甚大な影響が及ぶリスクがあります。
[対応策]
事業の継続あるいは早期復旧を図るための事業継続計画(BCP)を策定・運用しており、耐震強度補強や災害発生に備えた防災訓練、必要な物品の備蓄、初動対応訓練等を実施しております。また、サプライヤーの被災の影響による原材料調達不可・遅延が発生する可能性も考慮し、常日頃からサプライヤーとの情報交換を密にしております。
④ 感染症に係るリスク
新型インフルエンザや新型コロナウイルスなどの重大な感染症については、感染拡大予防のため経済活動が制限されたり、当社グループや取引先で罹患者が大量に出た場合に、プラントの稼働低下や生産停止、サプライチェーンの分断が発生するなど、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
感染症発生時には対策ガイドラインを策定し、在宅勤務の併用等により従業員の健康を確保してまいります。また、損害や業務レベルの低下を最小限化しつつ、事業の継続あるいは早期復旧を図るための事業継続計画(BCP)を策定・運用しております。
(4) 品質・製造リスク
① 製品品質保証・製造物責任に係るリスク
当社グループが製造した製品に起因する損害が販売先等で発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社製品は幅広い領域で使用されており、最終製品の回収が行われることになれば、大きな賠償責任を負う可能性もあります。
[対応策]
製品の品質保証体制を確立し、製品の安全性確保および不具合品の流出防止に努めております。また、万一に備え、賠償責任保険も付保しております。
② 事故に係るリスク
当社グループは、化学品を扱う企業であり、工場で火災・爆発等の産業事故災害が発生した場合や、工場内での労働災害による作業者の生命・健康への重篤な被害が発生した場合などには、操業停止や損害賠償など、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
日頃よりリスクアセスメントを実施し、危険源の特定とその対策を講じており、当社グループ内で発生したトラブルについては、原因の掘り下げや対策の妥当性等を討議し、類似災害防止に取り組んでいます。さらに、火災・爆発等の発災を想定したクライシスアセスメントの強化や、遠隔消化設備の導入など人的被害を最小限に抑制し発災時の対応を行うインフラ面の強化、保安防災訓練の継続的な実施等を行っております。また、労働災害の防止についても、設備的な安全対策の強化を進めるとともに、安全教育や安全懇談会など作業者への安全啓発活動の継続・強化に努めております。
(5) 研究開発リスク
① 研究開発に係るリスク
当社グループでは、既存事業の強化および新規事業創出のため積極的に研究開発活動を行っております。しかし、近年ますます技術革新のスピードは速くなっているため、計画通りに新製品の開発ができなかった場合や事業化につながらなかった場合は、投下した研究開発費を回収できないリスクがあります。
[対応策]
研究テーマの選定や資源配分について経営次元での徹底した議論を行い、判断するともに、産学官共同研究、他社との協業等を通じて研究開発の効率を上げ、事業化に結びつけて行くよう取り組んでおります。
② 知的財産権に係るリスク
当社グループは、「当社グループの知的財産を保全するとともに、他者の権利侵害は行いません」というダイセルグループ倫理規範のもと、知的財産関連情報の調査、知的財産権の取得・管理、適切な契約の締結・管理等戦略的な活動に取り組んでおります。しかしながら、当社グループが第三者の知的財産権を侵害している等の予期せぬ警告や訴えを受けたり、第三者に知的財産権を無断で使用されるおそれがあります。このような事態が発生した場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
当社グループは、「当社グループの知的財産を保全するとともに、他者の権利侵害は行いません」というダイセルグループ倫理規範のもと、知的財産関連情報の調査、知的財産権の取得・管理、適切な契約の締結・管理等戦略的な活動に取り組み、リスクの低減を図っております。特に新製品や新技術の開発時に、先々の当社の事業展開を優位に進め、他社からの侵害訴訟をけん制するためにも競合相手の事業を意識した知的財産権取得の重要性を認識し、注力しております。
(6) コンプライアンスリスク
① 訴訟に係るリスク
当社グループは、国内外の法令等や契約の遵守に努めております。しかしながらグローバル、かつ多様な分野で事業を推進する中で、訴訟、係争、その他の法的手続きの対象となるリスクがあり、重要な訴訟等の提起を受ける可能性があります。裁判等において不利益な決定や判決がなされた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
当社事業に関連する法令等の情報を収集し、教育・啓発に努めるとともに、重要な契約締結や法令等の遵守のために必要な手続きの仕組みを設け、リスクの低減に努めております。
② 情報セキュリティに係るリスク
通信ネットワークに生じた障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウエアもしくはソフトウエアの不具合・欠陥、コンピュータウィルス・マルウェア等外部からの不正な手段によるコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為や役職員もしくは委託業者の過誤等により、社内情報が流出したり、改ざんされるリスクがあります。
[対応策]
管理体制の構築、IT技術動向の変化に応じたセキュリティソフトや端末の導入・更新等を行っております。また、全役職員を対象に「不審メール対応研修」等の教育を実施しております。
③ 人権に係るリスク
近年、人権に係るリスクは重要になっており、人権の尊重は当社グループ内で徹底されていればよいのではなく、当社グループ外にも求めていくべきものであると考えております。特に新興国を中心としたサプライチェーンにおける人権確保が重要になっており、人権侵害や児童労働等の事実が確認された場合、原材料調達および生産活動の遅延等に関するリスクが顕在化する可能性があります。
[対応策]
当社グループでは「ダイセルグループ人権方針」を定め、人権に関するデューデリジェンスを定期的に実施しています。また、主要サプライヤーには、CSR調達に関するSAQ(Self-Assessment-Questionnaire)への回答を依頼しており、その中に人権尊重および労働環境に関係する評価項目を入れ、サプライチェーン上の人権リスクを確認しています。
(7) その他のリスク
① 固定資産の減損に係るリスク
当社グループが自ら使用、または第三者に貸与する機械および装置、土地および建物等は、投資計画通りに収益が得られず、投資額の回収が見込めない等資産価値の下落に起因する潜在的な減損のリスクにさらされております。当連結会計年度末において、有形固定資産および無形固定資産の帳簿価額の合計は3,454億円であり、想定した事業環境が大きく変わることによる減損のリスクがあります。固定資産の減損損失が発生した場合、当社の経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
営業上のリスク、技術上のリスク、建設スケジュールや投資額の適切性・妥当性を社内評価し、経営戦略上の位置づけ、投資回収年、効率性等も勘案し、総合的に検討・判断したうえで投資を実行しておりますが、案件毎に社内外の有識者も投資審議プロセスに参加するなど、投資計画の精度向上を図っております。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、景気が緩やかに回復していたものの、中国など一部地域において景気に弱さがみられる状態となりました。また、米国の関税政策や中東情勢の影響など、先行き不透明な状況のうちに推移しました。
当連結会計年度の売上高は5,796億29百万円(前年度比1.2%減)、営業利益は420億69百万円(同31.0%減)、経常利益は451億30百万円(同27.6%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、現在建設中のCOC樹脂の新規プラント(第2プラント)について、需要拡大の遅れや投資額の増加により収益性の低下が認められるため、減損損失を計上したことなどにより、101億80百万円(同79.4%減)となりました。
当期のセグメント別の状況
[メディカル・ヘルスケア事業]
ライフサイエンス事業は、キラルカラムの販売数量が増加したことなどにより、増収となりました。
ヘルスケア事業は、顧客のサプリメントの販売が好調に推移したことなどにより健康食品素材の販売数量が増加し、増収となりました。
当部門の売上高は、162億27百万円(前年度比12.4%増)、ヘルスケア事業の販売数量増加などにより、営業利益は、4億27百万円(同63.6%増)となりました。
[スマート事業]
ファンクショナルプロダクツ事業は、中国における価格競争などによりカプロラクトン誘導体の販売が減少したものの、欧米での拡販などによりエポキシ化合物の販売が増加し、増収となりました。
アドバンストテクノロジー事業は、半導体材料市場の需要が堅調であり、電子材料向け溶剤の販売が増加したものの、機能フィルムの販売減少などにより、減収となりました。
当部門の売上高は、377億46百万円(前年度比1.2%増)、前年度の有機半導体事業撤退による損益改善などにより、営業利益は、5億36百万円(前年度は営業損失7億80百万円)となりました。
[セイフティ事業]
自動車エアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)などのモビリティ事業は、中国市場での中国自動車メーカーの生産回復や、インドでの拡販などにより販売数量が増加し、増収となりました。
当部門の売上高は、1,041億64百万円(前年度比6.7%増)、販売数量の増加や北米拠点の生産性改善などにより、営業利益は、60億95百万円(同55.0%増)となりました。
[マテリアル事業]
アセチル事業の酢酸は、前年度に原料(一酸化炭素)プラントのトラブルにより販売調整を実施していたことから販売数量は増加したものの、主要誘導品の酢酸ビニルや高純度テレフタル酸の需要が引き続き低調であることなどにより市況が低下し、減収となりました。
アセテート・トウは、一部顧客での在庫調整の影響により販売数量が減少したことや、為替の影響などにより、減収となりました。
ケミカル事業の酢酸セルロースは、ディスプレイ材料用途が増加したものの、中国市場における繊維やプラスチック用途などの需要減少により、減収となりました。
その他のケミカル製品は、市況低下や競争環境激化の影響を受けた製品があったものの、1,3-ブチレングリコールの化粧品市場での需要が堅調に推移したことなどにより、微増収となりました。
当部門の売上高は、1,613億24百万円(前年度比12.0%減)、販売数量の減少や前年度からの繰越在庫の影響、為替の影響などにより、営業利益は、149億53百万円(同49.5%減)となりました。
[エンジニアリングプラスチック事業]
ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックス株式会社の事業は、ポリアセタール樹脂において諸工業向けなどの販売数量減少や期初の需要減少時に価格対応を行った影響があったものの、ポリアセタール樹脂以外の製品での電子材料向けなど高付加価値製品の販売増加や、販売価格の是正などにより、増収となりました。
水溶性高分子、包装フィルム、AS樹脂などダイセルミライズ株式会社の事業は、2024年7月から樹脂コンパウンド事業を持分法適用会社ノバセル株式会社へ移管したことにより、減収となりました。
当部門の売上高は、2,547億18百万円(前年度比2.7%増)、減価償却費の増加や定期修繕費用の増加などにより、営業利益は、191億51百万円(同29.1%減)となりました。
[その他]
その他部門は、水処理用分離膜モジュールなどのメンブレン事業の販売減少などにより、減収となりました。
当部門の売上高は、54億48百万円(前年度比5.5%減)、営業利益は、9億4百万円(同6.3%減)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
総資産は、有形固定資産等の増加により、前連結会計年度末に比し200億98百万円増加し、8,339億29百万円となりました。
負債は、長期借入金等の増加により、前連結会計年度末に比し247億55百万円増加し、4,635億49百万円となりました。
また純資産は、3,703億80百万円となりました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は、3,555億99百万円となり自己資本比率は42.6%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し20億63百万円増加し、668億30百万円(前連結会計年度末比3.2%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、678億38百万円(前年同期は、934億6百万円の増加)となりました。資金増加の主な内容は、減価償却費433億26百万円および減損損失328億45百万円であり、資金減少の主な内容は、法人税等の支払額250億44百万円および投資有価証券売却損益174億86百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、477億2百万円(前年同期は、478億69百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、投資有価証券の売却及び償還による収入204億15百万円であり、資金減少の主な内容は、有形固定資産の取得による支出653億27百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、228億14百万円(前年同期は、488億55百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、長期借入れによる収入361億62百万円であり、資金減少の主な内容は、社債の償還による支出200億円0百万円、長期借入金の返済による支出175億84百万円、配当金の支払額159億12百万円、自己株式の取得による支出137億53百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当社グループは、見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月17日)現在において判断したものであります。
① 経営成績等
中期戦略『Accelerate 2025』では2025年度に以下の全社業績および経営指標をターゲットとしておりました。
全社業績:
売上高 6,600億円、営業利益 820億円、親会社株主に帰属する当期純利益 580億円、
EBITDA 1,360億円
経営指標:
営業利益率 12.4%、ROE 17.1%、ROIC 9.3%、ROA 7.7%
株主還元 中期戦略発表時の1株当たり配当金額(年間32円)を下限、総還元性向 40%以上
※2024年度より、配当をDOE(株主資本配当率)4%以上、総還元性向 40%以上に変更。
本中期戦略最終年度である当連結会計年度は、需要の回復による販売機会を着実に捉えるとともに、徹底したコストダウンを実施してまいりましたが、売上高は5,796億29百万円(前年度比1.2%減)、営業利益は420億69百万円(同31.0%減)、経常利益は451億30百万円(同27.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、現在建設中のCOC樹脂の新規プラント(第2プラント)について減損損失を計上したことなどにより、101億80百万円(同79.4%減)となりました。
なお、新中期戦略『Accelerate 2030』では以下の全社業績および経営指標を掲げております。
2028年度計画
売上高 6,750億円、営業利益 630億円、親会社株主に帰属する当期純利益 440億円、
EBITDA 1,200億円、ROE 12%、ROIC 7%、ROA 5%、棚卸資産回転日数 100日
2030年度挑戦
売上高 7,500億円、営業利益 1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益 650億円、
EBITDA 1,700億円、ROE 15%、ROIC 10%、ROA 7%、棚卸資産回転日数 90日以下
株主還元については、2026年度より、配当をDOE(株主資本配当率)5%以上、総還元性向 60%以上に変更しております。
これらの実現へ向け、最重要基盤である安全・安定性のさらなる進化とともに、収益基盤の盤石化と事業成長の両立に向けた取り組みを推進してまいります。
経営成績
売上高および営業利益
売上高、営業利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
営業外損益
営業外損益は31億円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比し18億円改善いたしました。
主に持分法による投資利益の影響などによるものであります。
特別損益
特別利益は200億円を計上いたしました。投資有価証券売却益174億円などによるものであります。
特別損失は390億円を計上いたしました。減損損失328億円などによるものであります。
法人税等
税効果会計適用後法人税の負担率(実効税率)は56.3%と、前連結会計年度に比し33.3ポイント増加いたしました。
非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は13億円と、前連結会計年度に比し3億円(27.0%)増加いたしました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は102億円と、前連結会計年度に比し393億円(79.4%)の減益となりました。 また、ROEは2.9%となり、前連結会計年度に比し10.9ポイント悪化しました。ROICは4.2%、EBITDAは854億円となりました。
財政状態
資産、負債および純資産の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、有利子負債比率は37.4%となりました。
また、2025年11月6日取締役会決議に基づく自己株式の取得を138億円実施しております。
② 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資金需要
当社グループにおける主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入、労務費など製造費用と、製品の仕入、販売費及び一般管理費等の支払いであります。
当社グループでは、製造設備の増強および更新などのほか、安全向上対策ならびに現業各設備の合理化・省力化を継続的に行っております。当連結会計年度の設備投資額は前連結会計年度に比し34億円増加し、728億円(前連結会計年度比4.8%増)、減価償却費は前連結会計年度に比し20億円増加し、433億円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。
当社グループでは、既存事業の強化拡大および新事業創出のための研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は前連結会計年度に比し4億円減少し、256億円(前連結会計年度比1.4%減)となりました。
財務政策
当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入や社債発行により調達しております。短期的な運転資金は、キャッシュマネジメントサービスを通じてグループ内で余剰資金を活用しておりますが、地域、通貨、金利動向等を考慮した結果、銀行借入等による調達を行う場合があります。当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は3,122億円であります。
新中期戦略『Accelerate 2030』におきましては、キャッシュアロケーションにおいて、収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル改善により資金創出力向上により得た資金を、トップライン拡大につながる成長投資への配分を強化します。
また、株主還元は総還元性向60%以上、DOE(株主資本配当率)は5%以上を目標とし、自己株式取得も機動的に活用して、株主還元も強化してまいります。
そして、有利子負債の水準はネットD/Eレシオを指標に増加を抑制し、エクイティ/デッドの水準を適切にコントロールしてまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
5 【重要な契約等】
(1)事業提携、事業再編等
当社は、当社の連結子会社であるポリプラスチックス株式会社(以下、ポリプラスチックス)の全事業(ただし、ポリプラスチックスが保有する子会社及び関連会社の株式に関する保有及び管理事業を除く。)を2026年4月1日付で吸収分割により当社が承継することを2026年1月15日付の取締役会で決議し、同日付で吸収分割契約を締結しました。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
(2)合弁関係
株式会社ダイセル(当社)
ポリプラスチックス株式会社(連結子会社)
Daicel (China) Investment Co., Ltd. (連結子会社)
(注)※ 合弁会社として記載しておりますXi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.は、Ningbo Da-An
Chemical Industries Co., Ltd.の100%出資でありますが、同社が西安北方恵安化学工業有限公司
(中国)、陜西中煙投資管理有限公司(中国)およびDaicel(China)Investment Co., Ltd.の合弁会社であ
ることから、Xi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.につきましては、合弁会社とみなして記載し
ております。
(3)シンジケートローン契約
当社は、2021年2月22日付で株式会社三井住友銀行及び株式会社三菱UFJ銀行を主幹事とするシンジケート
ローン契約を締結しており、また、連結子会社であるDP ENGINEERING PLASTICS (NANTONG) CO., LTD.
(以下DPE社)は、2023年2月28日付で、三井住友銀行(中国)有限公司およびMUFGバンク(中国)有限公司
を幹事とするシンジケートローン契約を締結しております。 その内容は次のとおりであります。
株式会社ダイセル(当社)
DPE社
6 【研究開発活動】
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、25,559百万円であります。
なお、当連結会計年度において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
セグメント別の活動状況は以下の通りです。
(1) メディカル・ヘルスケア事業
当事業に係る研究開発費は2,971百万円であります。
[ヘルスケアSBU]
ヘルスケアSBUでは、ヘルスケア分野において、特徴ある素材や技術の開発ならびに事業展開を進めております。
コスメ事業領域では、天然原料を用いた酢酸セルロースの真球状微粒子「BELLOCEAⓇ」を中心に、サステナブルな化粧品原料の提供を行っております。マイクロプラスチック規制に対応可能な高い生分解性と感触を両立する粒子「BELLOCEAⓇ BS7」や、独自の製造技術を活かした高純度クレンジング製剤向け界面活性剤「P-PGLE MO04/MO06」(オレイン酸ポリグリセリル)など、新規製品の用途提案や顧客開拓を進めるとともに、市場ニーズを踏まえた製品開発に取り組んでおります。
健康食品事業領域では、腸内細菌によって体内で生成される成分(腸内細菌代謝物)に着目した研究開発を継続しております。既存の機能性食品素材について、科学的エビデンスの蓄積や用途提案を通じて付加価値を高め、健康食品市場におけるプレゼンス向上に取り組んでおります。
[ライフサイエンスSBU]
ライフサイエンスSBUでは、医薬・バイオ分野を中心に、高度化・多様化する創薬および製剤ニーズに対応したソリューションの提供を進めております。
ファーマテックBUでは、キラル事業が主にターゲットとする低分子合成医薬に加え、成長が見込まれる中・高分子医薬およびバイオ医薬市場において、分析・分離技術を中核としたソリューションを提供しております。光学分割用カラム事業では、新規製品の継続的な開発とテクニカルサービスの強化により、引き続き高い競争力を維持しております。また、当社独自の一般分析用(アキラル)カラムについても、既存汎用製品との差別化を図りながら、ペプチドや核酸医薬などの中分子医薬分野に加え、糖などの食品分野に向けたアプリケーション開発および新規製品開発を進めております。
バイオテック製品事業では、再生医療分野を中心に、エクソソームの単離・精製装置の開発に取り組んでおります。社外協業先との検証結果を反映した試作機の製作を進めるなど、実用化・事業化を見据えた開発活動を継続しております。
メディカル事業開発部では、「One Time EnergyⓇ」を基盤とするエネルギー制御技術を応用した医療機器の開発を進めております。2025年10月には、当社グループ会社である株式会社ダイセルメディカルが、ガス式針なし医薬品・ワクチン用注入器「ダイセルインジェクター P1 SC」について、医療機器製造販売承認を取得しました。本製品は、自動車用エアバッグのガス発生技術を応用し、注射針を使用せずに医薬品やワクチンを皮下に投与することを可能とするものです。現在、承認取得を受け、製造販売に向けた準備を進めており、医療現場での実用化を見据えた取り組みを推進しております。また、本技術を活用した新たな投与デバイスについても、国内外の製薬企業や研究機関と連携しながら、評価・検討を進めております。
(2) スマート事業
当事業に係る研究開発費は4,018百万円であります。
スマートSBUでは、快適なスマート社会の実現に貢献する技術・製品を通じて、各種産業分野に対するソリューション提供を進めております。半導体、液晶パネル、エレクトロニクス、モビリティ向け材料市場に加え、車載用およびモバイル端末向けを中心とした光学フィルム市場を主要ターゲットとし、研究開発および事業展開を行っております。
ファンクショナルプロダクツBUでは、脂環式エポキシ樹脂やポリカプロラクトンなどの高機能材料を中心に、市場拡大が見込まれる有望なアプリケーションを選定し、引き続きシェア向上に向けた取り組みを進めております。
アドバンストテクノロジーBUでは、車載ディスプレイ向け表面フィルムの新規製品上市を継続するとともに、EUV向けフォトレジスト材料のユーザー展開や、半導体製造後工程向け樹脂材料の検討を進めております。また、電子材料用溶剤についても、半導体製造プロセスにおける品質・生産性向上に資するソリューション提案を行い、顧客ニーズに即した技術開発を推進しております。
(3) セイフティ事業
当事業に係る研究開発費は7,601百万円であります。
セイフティSBUでは、「一度だけ、瞬時に、安全に、確実にエネルギーを生み出す」独自技術である One Time EnergyⓇ/DAISIⓇ と、自動車安全分野で培ってきた技術・ノウハウを基盤に、社会に新たな安全・安心を提供する製品・ソリューションの創出に取り組んでおります。
自動車安全分野においては、エアバッグ用インフレータおよびそれに使用されるガス発生剤、イニシエータの開発・改良を継続しております。また、EV化の進展を背景とした車載用高速電流遮断装置については、2025年8月の量産開始に向けた研究開発を進めております。さらに、eVTOLや定置型蓄電池向けなど、自動車用途以外の分野においても、エネルギー制御技術を活用したサンプルワークを実施しております。
加えて、One Time EnergyⓇ技術の応用展開として、人の安全を直接守る新たな安全デバイスの開発にも取り組んでおります。具体的には、事故や転倒時の衝撃を緩和・抑制する着用型の安全デバイス(腰部等の保護を目的としたデバイス)について、実用化を見据えた技術検証および実証評価に向けた開発を進めております。
セイフティSBUでは、自動車分野を中核としつつ、モビリティ、エネルギー分野、さらには人の安全確保に資する領域へと技術の適用を進め、社会課題の解決に貢献してまいります。
(4) マテリアル事業
当事業に係る研究開発費は3,438百万円であります。
マテリアルSBUは、ダイセルの原点である素材事業で培ってきた技術を基盤として、地球規模の多様なニーズに対応するソリューションを提供しております。
アセチルBUでは、アセテート・トウなどのセルロース誘導体について、品質および生産性の向上に継続して取り組んでおります。また、環境対応素材として、海洋生分解性を有する酢酸セルロース樹脂 CAFBLOⓇ(キャフブロ、Cellulose Acetate for Blue Ocean)を開発し、汎用プラスチックの代替を目指して、各用途に応じたグレード開発を進めております。
加えて、顧客ニーズへの対応力および技術提案力のさらなる強化を目的として、マテリアルSBU内にテクニカルソリューションセンター(TSC)を設置し、素材技術と用途開発を一体化した取り組みを進めております。これにより、セルロース材料を中心とした技術サービスおよび用途提案の強化を図っております。
(5) エンジニアリングプラスチック事業
当事業に係る研究開発費は7,310百万円であります。
[ポリプラスチックス㈱]
ポリプラスチックス㈱は、高機能エンジニアリングプラスチック分野において長年培ってきた材料設計、評価および加工技術を強みとして、グローバルに多様な産業分野へソリューションを提供しております。自動車、エレクトロニクス、産業機器分野を中心に、顧客の高付加価値化ニーズに対応した材料開発および用途提案を進めております。
研究開発においては、次世代自動車システムや Post 5G/6G に代表される最先端通信分野など、今後エンジニアリングプラスチックの需要拡大が期待される市場を重点ターゲットとし、材料単体の提供にとどまらない価値提供型ビジネスの高度化に取り組んでおります。あわせて、医療分野、ファインパウダー、3Dプリンター用途といった新たな市場領域の開拓も進めております。
また、長繊維強化材料や PEEK 等の高機能材料をはじめとする新規事業分野においても市場展開を進めるとともに、ダイセルグループ内の材料技術・プロセス技術とのシナジーを活かした新技術の開発に取り組んでおります。
環境対応の面では、カーボンニュートラルおよびサーキュラーエコノミーに関するニーズの高まりを踏まえ、バイオ原料の活用、エンジニアリングプラスチックのリサイクルチェーン構築、低エネルギープロセスの創出など、環境負荷低減に資する技術開発を重点的に進めております。
グローバル市場への展開においては、海外5拠点のテクニカルソリューションセンター(TSC)を活用したネットワーク体制のもと、地域に根差した技術サービスおよび用途提案力の強化を図っております。特に中国市場を中心に、新規市場開発案件の創出やコンセプト提案を継続しております。
これらの取り組みに加え、㈱ダイセルとの経営統合を通じて、材料、プロセスおよびシステム各技術の融合を進め、グループ一体での技術開発力およびソリューション提案力のさらなる強化を図っております。
[ダイセルミライズ㈱]
ダイセルミライズ㈱では、社会や顧客の課題解決に資する製品開発を進めております。研究開発においては、顧客ニーズに即したリチウムイオン電池向けカルボキシメチルセルロース(CMC)製品の開発および改良に取り組んでおります。
また、環境配慮型ソリューションとして、モノマテリアル化を訴求可能な食品包装用新規バリアフィルムの開発を進めているほか、金属/異種材料接合技術「DLAMPⓇ」についても、用途拡大に向けた技術開発および用途開拓を行っております。
これらの取り組みを通じて、電池材料分野、包装材料分野をはじめとする各種用途において、付加価値の高い製品・技術の提供を目指しております。
(6) その他事業
当事業に係る研究開発費は219百万円であります。
[ダイセン・メンブレン・システムズ㈱]
ダイセン・メンブレン・システムズ㈱では、分離膜および膜装置システムに関する研究開発を進めております。水処理および医薬分野を中心に、新規分離膜の開発に注力しており、特に排水再利用、有価物回収、食品濃縮といった用途に適した新規チューブラー膜の開発を進めております。
これらの取り組みを通じて、水資源の有効活用やプロセス効率の向上に貢献する技術・製品の提供を目指しております。
(7) コーポレート
当社では、新規事業創出のための研究開発や基盤研究をコーポレート部門が行っております。なお、コーポレート部門に係る研究開発費は、全報告セグメントに配賦しております。
[事業創出センター]
事業創出センターでは、お客様に密着したカスタマーインの取り組みを通じて顕在化したニーズに対し、ダイセルグループが保有するコア技術や製品を応用することで、新事業創出につながる企画立案および研究開発に取り組んでおります。
中でも、爆轟技術により得られるナノダイヤモンドを活用した二酸化炭素(CO₂)の一酸化炭素(CO)への還元技術(太陽光超還元Ⓡ)においては、大学や外部研究機関との共同研究を通じて、CO₂を資源として再活用するための重要な技術的ブレイクスルーを達成しました。現在は、カーボンネガティブの実現に資する技術として、社会実装を見据えた検討を進めております。
また、セルロース材料に関しては、酢酸セルロースを中心とした機能化や新規用途展開の可能性について検討を継続しており、用途探索やサンプルワークを通じて、事業化に向けた基礎的な検討を進めております。
[リサーチセンター]
リサーチセンターでは、大学や公的研究機関との産学連携を積極的に進め、有識者との共同研究等により、中長期で求める新しい技術、機能、素材の基礎研究を進めております。ワンタイムエナジー利用技術に関する研究においては、熊本大学との包括連携協定に基づき、従来の「安全・安心」分野に加え、「健康」「便利・快適」「環境」分野へと研究対象を拡張し、社内の他部門も参画した分野横断型の共同研究を継続しております。これにより、基礎研究段階における知見の蓄積と、将来的な応用可能性の検討を進めております。
[バイオマスイノベーションセンター]
バイオマスイノベーションセンターでは、2050年のカーボンニュートラル達成にむけ、地球環境に優しいプロセスで、日本の豊富な森林資源、農業廃棄物などの余剰バイオマスから高機能・高付加価値な製品の創出に向けた基盤技術の構築に取り組んでおります。また、これらの技術を基に、地域における地産地消型のモノづくりによる地域創成や一次産業の活性化を目指し、大学や自治体等との連携を継続して検討しております。
[無機複合実装研究所]
無機複合実装研究所では、スマート社会の実現に貢献する新素材の創出を目指し、今後の大きな成長が見込まれる次世代パワーデバイスや次世代通信規格6G向け材料として、無機有機複合材料に着目した研究開発に取り組んでおります。探索・基礎研究から、顧客ニーズに基づく応用研究・開発まで、幅広い研究テーマを推進しております。
特に、パワーデバイス分野を中心に、無機有機複合材料を活用した接合材料や実装材料について、顧客での評価を含む開発段階へと進展させるなど、実用化を見据えた研究開発を継続しております。
[評価解析センター]
評価解析センターでは、微量有機成分の絶対構造解析技術として結晶スポンジ法を獲得し、研究開発および将来的な事業活用を視野に入れた取り組みを進めております。あわせて、電子顕微鏡、X線CT、放射光施設を活用したミクロ・ナノ構造解析技術の強化にも取り組んでおります。
[ビジネスアクセラレーターセンター]
成長市場における新事業創出を目的に、2025年4月にビジネスアクセラレーターセンターを設置しました。同センターでは、社内外の技術シーズやスタートアップ、研究機関との共創を通じて、従来の研究開発の枠にとらわれないビジネスモデルの検討および事業化の加速に取り組んでおります。複数のテーマにおいてPoC(概念実証)や共同研究、特許共同出願、事業シナリオ検討が進展しており、2026年度以降の事業化を前提とした経営提案に向けた検討を進めております。
[生産本部生産技術センター]
生産本部生産技術センターでは、当社グループ横断的な体制のもと、新事業の工業化、既存製品の品質改善、プロセス改善、増産検討をはじめ、プロセス革新による新規プロセス・技術構築の推進を加速し、地球環境と共生する循環型プロセスの構築に取り組んでおります。特に、酢酸セルロースおよび有機主力製品を対象として、プロセス革新による大幅なコストダウンおよび省エネルギー化を実現するための技術開発を進めております。
また、マイクロ流体技術を用いた化学プロセス革新については、主力製品プラントへの実装を視野に入れた検討が進展しており、アセットライト、カーボンニュートラルへの貢献を目指した取り組みとして重要なトピックスとなっております。これに加え、新規分離膜の開発についても、大学および外部研究機関との共同研究を通じて、精製工程の省エネルギー化・高効率化に向けた検討を進めております。
[デジタル戦略推進センター]
デジタル戦略推進センターでは、企画から事業化までを一貫して支える技術基盤の構築を通じて、マーケティング業務およびエンジニアリング業務におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の強化に取り組んでおります。2025年度には、当社グループ専用の生成AI活用基盤である「DAICEL CHAT V2」を全社展開し、幅広い業務領域でデータ活用と業務効率化を推進しております。これらの取り組みと並行して、IPランドスケープ活用のためのツール開発をはじめ、プロセスシミュレーション、流体解析、計算科学、マテリアルズ・インフォマティクス等のAI技術基盤の整備を進めており、研究開発の高度化および事業創出の加速を支援しております。
<商標帰属先の表示>
BELLOCEAⓇ、One Time EnergyⓇ、DAISIⓇ、CAFBLOⓇ、DLAMPⓇは、株式会社ダイセルの日本およびその他の国における商標または登録商標です。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループ(当社および連結子会社)では製造設備の増強および更新などの他、安全向上対策ならびに現業各設備の合理化・省力化などに72,828百万円の設備投資を実施いたしました。なお、有形固定資産のほか、無形固定資産への投資を含めて記載しております。
メディカル・ヘルスケア事業においては、当社における健康食品原料製造設備の増強を中心に1,289百万円の設備投資を実施いたしました。
スマート事業においては、当社における電子材料向け溶剤製造設備の増強を中心に1,958百万円の設備投資を実施いたしました。
セイフティ事業においては、自動車エアバッグ用インフレータ製造設備増強を中心に9,162百万円の設備投資を実施いたしました。
マテリアル事業においては、当社における酢酸の原料製造設備の更新などに20,514百万円の設備投資を実施いたしました。
エンジニアリングプラスチック事業においては、Topas Advanced Polymers GmbHおよびDP Engineering Plastics (Nantong) Co., Ltd.におけるエンジニアリングプラスチック製造設備増強や合理化・省力化などに36,315百万円の設備投資を実施いたしました。
その他事業においては、591百万円の設備投資を実施いたしました。
その他に基礎研究等における設備投資を2,997百万円を実施いたしました。
所要資金については、自己資金および借入金を充当しております。
2 【主要な設備の状況】
当社グループ(当社および連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりであります。
(1) 提出会社
(2) 国内子会社
(3) 海外子会社
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品および建設仮勘定の合計であります。
2 土地の一部を賃借しております。年間賃借料は132百万円であります。賃借している土地の面積については、[ ]で外書しております。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
4 連結会社間の貸与設備については借用会社に記載しております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループ(当社および連結子会社)は、多種多様な事業を国内外で行っているため、当連結会計年度末における設備の新設・拡充の計画を、セグメントごとの数値を開示する方法によるものといたします。
当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充)は、63,500百万円であり、セグメントごとの内訳は次のとおりであります。なお、重要な設備の除却、売却等の計画はありません。
(注)翌連結会計年度からの報告セグメントの変更に伴い、変更後の報告セグメントによって記載しています。
なお、セグメントの名称につきまして、「エンジニアリングプラスチック」を「ハイパフォーマンスポリマーズ」に、「メディカル・ヘルスケア」を「ライフサイエンス」に変更しております。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注)2026年5月12日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却を決議し、2026年5月21日に普通株式10,800,000株を消却いたしました。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却による減少であります。
2 2026年5月12日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却を決議し、2026年
5月21日に自己株式10,800,000株を消却いたしました。これにより、発行済株式総数は、256,142,682株と
なっております。
(5) 【所有者別状況】
(注) 1 自己株式11,548,859株は、「個人その他」に115,488単元および「単元未満株式の状況」に59株を含めて記載しております。
2 「その他の法人」の中には、証券保管振替機構名義の株式が30単元含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注) 1 上記所有株式数のうち信託業務にかかるものは、日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)35,294千株、
㈱日本カストディ銀行(信託口)26,472千株であります。
2 2025年3月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に関する変更報告書において、シルチェスター・インターナショナル・インベスターズ・エルエルピーが2025年3月17日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
(大量保有報告書に関する変更報告書の内容)
3 2025年12月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に関する変更報告書において、日本生命保険(相)と他2社が2025年12月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
(大量保有報告書に関する変更報告書の内容)
4 2025年2月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に関する変更報告書において、三井住友DSアセットマネジメント㈱と他1社が2025年1月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
(大量保有報告書に関する変更報告書の内容)
5 2026年4月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に関する変更報告書において、野村アセットマネジメント㈱が2026年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
(大量保有報告書に関する変更報告書の内容)
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式が、3,000株(議決権30個)含まれております。
2 「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式59株および林船舶㈱が他人名義で所有している相互保有株式65株が含まれております。
② 【自己株式等】
(注) 林船舶㈱は、ダイセル持株会(大阪市北区大深町3-1)の会員であり、他人名義欄に記載されている株式は、全て同持株会名義となっております。
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 1 当事業年度における取得自己株式は、単元未満株式の買取り578株、譲渡制限付株式の無償取得14,214株であります。
2 当期間における取得自己株式は、単元未満株式の買取り10株、譲渡制限付株式の無償取得328株であります。
3 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りおよび譲渡制限付株式の無償取得による株式は含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当期間における「その他(単元未満株式の売渡請求による売渡)」および「保有自己株式数」には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの取引は含めておりません。
3 【配当政策】
当社は、資産効率の最大化と最適資本構成の実現、資金調達力維持のための財務健全性確保、安定的かつ連結業績を反映した配当を総合的に勘案した、バランスのとれた利益配分を基本方針としております。
2024年度より、安定的な配当を行う姿勢を明確にするため、株主還元性向に加えて、DOE(株主資本配当率)を新たな指標として導入し、配当について、DOE4%以上を目標とするとともに、引き続き配当と機動的な自己株式取得を合わせた各年度の株主還元性向40%以上を目標としてまいりました。また、2026年度からの新中期戦略『Accelerate 2030』においては、安定かつ継続的な累進配当を実現するため、DOEの目標を5%以上に引き上げるとともに、還元総額を維持・増額するため、株主還元性向の目標も60%以上へ引き上げることといたしました。
毎事業年度における配当の回数につきましては、第2四半期末日および期末日を基準とした年2回の配当を実施する方針であります。
これらの配当の決定機関は、期末配当につきましては株主総会、中間配当につきましては取締役会であります。
上記の方針に基づき、当事業年度の期末配当につきましては、普通配当を1株につき30円とさせていただくことを、2026年6月19日開催予定の当社第160回定時株主総会に付議する予定であります。これにより、中間配当を含めた当事業年度の1株当たり年間配当は前年度と同額の60円となります。
内部留保資金につきましては、新規事業展開および既存事業強化のための研究開発、設備の新・増設、効率化など、業容の拡大と高収益体質の強化のための投資に充当し、将来の事業発展を通じて、株主の皆様の利益向上に努めたいと存じます。
なお、当社は、毎年9月30日を基準日として会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「価値共創によって人々を幸せにする会社」という基本理念のもと、企業価値の向上を通じて、多様なステークホルダーの利益に貢献するべく、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題として認識しております。事業環境の変化に迅速に対応できる効率的かつ機動的な組織体制を整備する一方で、経営の透明性や適法性を確保することにより、持続的な企業価値の向上を実現するため、実効性の高い企業統治体制の維持・強化に努めてまいります。
企業統治の体制
・組織形態
当社は監査役会設置会社であります。
・企業統治の体制の概要
当社は、取締役の過半数を占める社外取締役を選任し、その見識を踏まえた意見や指摘を受けることで取締役会における経営判断の適切性と監督機能を強化しております。一方、執行役員制を導入することにより、意思決定・監督機能と業務執行機能の分離を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できる機動的な業務執行体制の強化を通じて、ステークホルダーへの合理的な配慮を伴った、企業価値の持続的向上に努めております。
提出日現在(2026年6月17日)の体制における会社の機関の概要は次のとおりであります。
監督機関
取締役会
当社は、取締役会の役割を、当社の目指すべき方向性を定め、そこに向けた具体的な戦略を構築すること、およびその遂行状況を、客観的な立場から監督することにあると認識しており、これらの実効性を確保するため、当社取締役会は、当社事業に精通した社内取締役5名、および主に企業経営の分野において豊富な経験を有する多様な属性の社外取締役6名で構成しております。その属性は「(2)役員の状況」に記載のとおりであり、取締役の過半数を占める社外取締役が、客観的な立場から、経営陣に対して意見を述べることができる構成としております。
なお、当該社外取締役6名は、当社「社外役員の独立性に関する基準」((2)役員の状況に記載)を満たしております。
当社取締役会は、原則として月1回開催し、当社取締役会規程に基づいて、経営に関する重要事項について意思決定を行うとともに、職務執行および業務執行を監督しております。また、社外監査役3名を含む監査役4名が出席し、必要があると認めたときは、適宜、意見陳述を行っています。
なお、株主による取締役の信任の機会を増やすことにより取締役の経営責任を明確化して、コーポレート・ガバナンスのさらなる向上を図るため、取締役の任期を1年としております。
また、実効性のある業務執行の監督を行うためには、取締役個々の当社事業に対する知見を深める必要があることから、取締役会の議事以外においても、主に社外取締役・社外監査役に対して、当社生産拠点の見学や、部門・製品・技術に関する説明の機会を設けております。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会における議案(決議事項)として、「取締役11名選任の件」を付議予定であり、当該議案が承認可決された場合、当社の取締役の人数は、引き続き11名(社外取締役は6名)となる予定であります。また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会での決議事項として、「代表取締役および役付取締役選定の件」が付議される予定であります。これらが承認可決された場合の取締役会の構成員は、後記「(2)役員の状況①役員一覧b.」に記載のとおりであります。
なお、提出日現在(2026年6月17日)の構成員の氏名および第160期(2025年度)に開催された取締役会への出席状況は以下のとおりであります。
※1 取締役鬼頭誠司氏が選任されて以降開催された第160期取締役会の開催回数は12回であります。
2 2025年6月20日開催の定時株主総会終結のときをもって退任した取締役に関する第160期取締役会への出席状況は次のとおりであります。
取締役 古市 健氏 3回中3回出席
なお、同氏が取締役在任中に開催された第160期取締役会は3回であります。
3 2025年6月22日をもって逝去されたことにより監査役(常勤監査役)を退任した山田健一氏が監査役在任中に開催された第160期取締役会は4回であり、同氏はそのうち2回に出席しております。
4 社外取締役北山禎介氏および社外監査役水尾順一氏は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会終結のときをもって、任期満了によりそれぞれ取締役、監査役を退任する予定であります。
5 2026年6月19日開催予定の定時株主総会における議案である「取締役11名選任の件」が承認可決された場合、新たに上野佐有氏が社外取締役として就任予定であります。
6 2026年6月19日開催予定の定時株主総会における議案である「監査役3名選任の件」が承認可決された場合、同日開催予定の監査役会決議により新たに立川真治氏が常勤監査役として就任予定であり、また、新たに長谷川浩司氏が社外監査役として就任予定であります。
また、取締役会の活動状況は次のとおりであります。
第160期(2025年度)における取締役会開催回数 15回
取締役会での決議・討議・報告事項の件数
第160期(2025年度)取締役会 ガバナンス・コンプライアンス関連の主な決議・討議・報告の概要
監査役会
監査役会は、「(2)役員の状況」に記載の4名で構成され、うち過半数の3名は、当社「社外役員の独立性に関する基準」((2)役員の状況に記載)を満たす独立した社外監査役が占めています。社外監査役は財務会計・金融・法務・経営等に豊富な経験と幅広い見識を有し、独立した第三者の立場から監査機能を担っています。
当社監査役会は、取締役会への出席の他、常勤監査役による重要な社内会議への出席、代表取締役との会合、社外取締役との会合、会計監査人との会合を定期に開催し、さらには、適宜内部監査部門である監査室とのコミュニケーションをとる等、平素から監査の実効性を高める取組みを実施しております。
なお、提出日現在(2026年6月17日)の構成員の氏名は以下のとおりであります。
※1 社外監査役水尾順一氏は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会終結のときをもって、任期満了により監査役を退任する予定であります。
2 2026年6月19日開催予定の定時株主総会における議案である「監査役3名選任の件」が承認可決された場合、同日開催予定の監査役会決議により新たに立川真治氏が常勤監査役として就任予定であり、また、新たに長谷川浩司氏が社外監査役として就任予定であります。これにより、当社の監査役の人数は5名(社外監査役は3名)となる予定です。
役員人事・報酬委員会
取締役、執行役員等の人事および報酬につきましては、これらの決定プロセスに関する透明性、妥当性、客観性を確保する観点から、取締役会議長または監査役会議長の諮問を受けて答申する機関として、社外取締役が委員長を務め、員数の過半数の社外取締役と取締役会長および代表取締役で構成される「役員人事・報酬委員会」を設置しております。
同委員会は、役員人事・報酬委員会規程に基づき運用され、取締役・監査役候補者の決定や執行役員等の選任、およびこれらの報酬決定に際して、取締役会議長または監査役会議長からの諮問に対する答申という形式をもって、意見を述べる権限を有しております。取締役会議長は、当該役員候補者の決定、報酬の決定について、同委員会からの答申を取締役会において報告しなければならず、取締役会は、当該事項の決定に際しては、同委員会からの答申を考慮した意思決定を行うこととしております。
なお、提出日現在(2026年6月17日)の構成員の氏名および第160期(2025年度)に開催された役員人事・報酬委員会への出席状況は以下のとおりであります。
※1 取締役鬼頭誠司氏が選任されて以降開催された役員人事・報酬委員会の開催回数は7回であります。
2 2025年6月20日開催の定時株主総会終結のときをもって退任した取締役に関する役員人事・報酬委員会への出席状況は次のとおりであります。
取締役 古市 健氏 2回中2回出席
なお、同氏が取締役在任中に開催された第160期役員人事・報酬委員会は2回であります。
3 社外取締役北山禎介氏は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会終結のときをもって、取締役の地位とともに、役員人事・報酬委員会委員を退任する予定であります。
4 2026年6月19日開催予定の定時株主総会における議案である「取締役11名選任の件」が承認可決された場合、新たに上野佐有氏が役員人事・報酬委員会委員として就任予定であります。
また、役員人事・報酬委員会の活動状況は次のとおりであります。
第160期(2025年度)における役員人事・報酬委員会開催回数9回
同委員会での議題件数
業務執行
執行役員
意思決定・監督機能と業務執行機能の分離を明確にし、迅速な意思決定による業務執行体制の強化を通じて、企業経営のさらなる活性化を図るため、執行役員制を導入しております。現在、執行役員は21名(内4名が取締役を兼務)で、各執行役員は、SBU担当役員、SBU長、サイト長、コーポレート部門長、グループ企業社長等として、当社グループの業務執行にあたっております。
各執行役員は、稟議規程(職務権限に関する規程)に基づき、一定の決定権限を与えられ、これに基づき、事業の機会を的確にとらえた、迅速な意思決定に努めております。また、一部の会議体では、社長執行役員より指名された執行役員が議長を務めることにより、中期戦略、長期ビジョンを推進するにあたって権限委譲による経営者としての主体性や責任感を持った人材を育成する取組みも実施しております。他方、これらの業務執行のうち重要な事項は、取締役会規程に従い毎月取締役会において報告が行われ、適宜取締役、監査役からの指摘、助言を通じて、執行役員が行った業務執行が取締役会の監督に服する体制としております。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会における議案(決議事項)として、「取締役11名選任の件」を付議予定であり、また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会での決議事項として、「代表取締役および役付取締役選定の件」が付議される予定であります。これらが承認可決された場合の取締役兼務執行役員の人数は、引き続き4名となる予定であります。
経営会議
社長執行役員が取締役会の決定する企業経営の基本方針を執行するにあたり、重要な事業計画その他の業務遂行計画ならびに個別業務執行を協議・決定する機関として「経営会議」を設置しております。同会議は、社長執行役員および社長執行役員が指名する取締役(社外取締役を除く)、執行役員をもって構成されており、原則として月2回開催しております。また、同会議には常勤監査役が出席し、必要があると認めたときは、適宜、意見陳述を行っています。
同会議における議事の経過および結果についても、取締役会規程に従い毎月取締役会において報告が行われ、適宜取締役、監査役からの指摘、助言を通じて、同会議の決定に基づく業務執行が取締役会の監督に服する体制としております。
グループ運営協議会
経営陣が、SBU長および主要なグループ企業の社長から現状や経営上の課題について報告を受け、それぞれの事業の状況を把握し、必要に応じて事業に対する支援や問題解決を行うため「グループ運営協議会」を設置しており、原則として年1回開催しております。
監査室
内部監査機能として監査室を設置し、各業務執行部門、グループ企業に対し定期的な内部監査を行っております。同監査室は16名(提出日現在)で構成されておりますが、国内外にわたる多くのグループ企業においても合理的かつ実効性の高い監査を行うため、主要なグループ企業にも内部監査部門を設け、統一されたグループ内部監査規程に基づき、当社グループ全体の業務の適正性の監査実施と情報の共有を行っております。
また、これらに基づく監査結果については、定期的に、取締役会および監査役会に対して、同部門より直接報告を行う機会を設ける等のデュアルレポーティングラインを構築し、取締役・監査役との連携の強化に努めています。
当社の企業統治の体制を図示すると次のようになります。

※上記図表は、提出日現在(2026年6月17日)の状況を表示しております。
2026年6月19日開催予定の定時株主総会における議案である「監査役3名選任の件」が承認可決された場合、監査役会の人数は5名(うち社外監査役は3名)となる予定であります。上記図表中のその他の内容に変更はありません。
・企業統治の体制を採用する理由
当社は、監査役会設置会社として効率的な意思決定と十分な監督・監査機能が果たせるような仕組みによりコーポレート・ガバナンスの向上を図れるものと考え、現状の体制をとっております。
このような当社の現状は、金融審議会金融分科会「我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ報告」(2009年6月17日公表)において提示された類型のうち「社外取締役の選任と監査役会との連携」に該当すると認識しております。
・内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況
当社の内部統制システム構築の基本方針は以下のとおりであります。
内部統制体制に関する基本的考え方
当社は、基本理念にかかげる「価値共創によって人々を幸せにする会社」であり続け、安全、品質、コンプライアンスを最重要基盤とし、サステナブルな社会の実現とダイセルグループの事業拡大を両立させるため、コーポレート・ガバナンス及びグループガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、リスクマネジメントの強化を重要な課題とし、内部統制に関する体制整備・運用状況の把握、諸施策を審議し、グループ全体における内部統制の有効性確保を推進する機関として内部統制審議会を設置し、下記の施策を実施する。
イ.当社グループの取締役・従業員の職務の執行が、法令、定款およびその他社会規範・倫理観に適合すること(コンプライアンス)を確保するための体制
a.当社は、法令遵守はもとより、広く企業に求められる社会規範、倫理観を尊重し、公正で適切な経営を目指し、基本理念およびサステナブル経営方針に則り、当社及び当社を会社法上の親会社とする企業集団(以下、「当社グループ」)で働くすべての役員、従業員の基本的な行動原則を再確認し、あらゆる行動において常に意識し実践していく行動指針として、「ダイセルグループ行動指針」を定めるとともに、多様化するグローバル社会で存続するための必要条件として、すべての企業活動領域で普遍的に適用する規範を、「ダイセルグループ倫理規範」に定め、その運用状況について確認する。
b.当社は、コンプライアンス部門を推進組織として、下記のとおり、当社グループにおけるコンプライアンスの実践等を行う。
コンプライアンス部門は、企業倫理マネジメントに関する諸規程に基づき、各コーポレート部門と協力し、当社グループの取締役および従業員に対するコンプライアンス教育・啓発を行うとともに、毎年、各部門および各グループ企業の活動計画の作成、結果のフォローを行い、経営層および取締役会に報告する。
c.当社は、企業倫理マネジメントに関する諸規程において定めた、社内外に窓口を置く内部通報制度により、当社グループにおける法令違反等を早期に発見する体制を整備するとともに、通報者に不利益が生じないことを確保する。
d.当社は、財務報告の信頼性を確保するため、関連する法令等を遵守し、必要な体制を整備し、運用する。
e.当社は、当社グループ全体で、反社会的勢力に対して毅然たる態度で臨み、一切の関係を持たないことを「ダイセルグループ倫理規範」に定め、周知徹底するとともに、関連する情報の収集や蓄積を行い、反社会的勢力排除のための仕組みを整備し、運用する。
ロ.取締役の職務の執行にかかわる情報の保存および管理に関する体制
a.当社は、文書管理に関する諸規程に基づき、取締役の職務にかかわる下記の重要文書(電磁的記録を含む)を適切に管理し保存するとともに、取締役、監査役及びそれらに指名された従業員がいつでも閲覧可能な状態を維持する。
・株主総会議事録
・取締役会議事録
・計算書類
・その他職務の執行にかかわる重要な書類
b.当社は、情報管理に関する諸規程に基づき、種類に応じて情報を適切に管理する。
ハ.当社グループにおける損失の危険の管理に関する規程その他の体制
a.当社は、リスク管理に関する諸規程に基づき、リスク管理委員会の運用を通じて、当社グループの企業活動に潜在するリスクに適切に対応できる体制の維持および向上を図る。
b.リスク管理委員会は、リスク管理に関する諸規程に基づき、毎年、当社グループのリスク管理の実態についての調査および評価を実施し、経営層に報告するとともに、必要に応じて対策を協議する。また、その内容について取締役会に報告する。
c.当社は、当社グループにおける災害、事故、不祥事等リスク顕在化時への対応を諸規程に定める等、リスク顕在化時の報告体制や迅速かつ適切な対応が可能な仕組みの構築、維持および向上を図る。
d.当社は、当社グループにおける事業継続計画を策定し、災害発生後の事業継続を迅速に進めるように努める。
ニ.取締役の効率的な職務執行を確保するための体制
a.取締役会は、会社の持続的成長と中長期的な企業価値向上を促し、収益力・資本効率等の改善を図るべく、企業戦略等の大きな方向性を示し、経営幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行い、独立した客観的な立場から実効性の高い業務執行の監督を行う。
b.当社は、執行役員制により、経営の意思決定および監督機能と会社の業務執行機能の分離を明確にし、取締役会による経営に関する重要事項の意思決定を除き、取締役による監督と支援のもと、執行役員による経営環境に応じた迅速な業務執行を可能とする。
c.当社は、取締役会の意思決定の妥当性を確保するため、過半数の社外取締役を置く。なお、取締役の独立性担保を主眼に独立性判断基準を策定・開示し、独立性を有する独立役員を明示する。
d.取締役会は、取締役候補者の選任、代表取締役、会長および社長の選定ならびに業務執行を行う執行役員の選任および職務分掌等を決定するにあたり、社外取締役を委員長とする役員人事・報酬委員会を設けその答申を受ける。
e.取締役会は、業務執行を委嘱する執行役員の業務分掌の範囲を定め、取締役は、重要な各部門の業務分掌を定める業務分掌規程に基づき、効率的な業務の執行を監督する。
f.当社は、当社グループにおける機関等の権限および意思決定手続きの明確化を推進し、職務執行の効率化を図る。
g.当社は、当社グループの「基本理念」、「サステナブル経営方針」に基づきグループとして長期的に目指す姿を定め(「長期ビジョン」)、これを実現するために課題および目標を設定した「中期戦略」を策定のうえ、年度ごとの予算策定、およびそれらのモニタリングを通じて、経営の効率化を図るとともに、その着実な達成に努める。
h.当社は、組織および職務分掌について適宜その妥当性を確認し、また全社またはグループ横断的な課題に対してはプロジェクト編成等を行い、業務の執行が効率的に行われるように努める。
ホ.企業集団における業務の適正を確保するための体制
a.当社は、本方針に従い、当社グループ全体に、コーポレート・ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、リスクマネジメント等を行い、必要なモニタリングを行うことで、当社グループにおける業務の適正の確保に努める。
b.当社は、グループ経営強化を図るため、グループ企業の重要な意思決定や経営状況の報告に関する手続き、およびグループ企業を管掌する部門を定めたグループ企業経営に関する諸規程を適切に運用する。
c.当社は、代表取締役を含む業務執行を行う取締役および執行役員等ならびに主要なグループ企業の代表取締役が出席するグループ内の会議を定期的に開催し、経営上の課題や重要な情報を共有する。
d.当社は、システム基盤のグループ共通化を通じ、情報管理およびサイバーセキュリティ対策を徹底するとともに、内部統制の有効性の確保を図る。
e.内部監査部門は、当社グループ全体への監査を通じて、かつ安全品質監査部門およびコンプライアンス部門ならびに監査役および会計監査人と連携し、当社グループの業務の適正の確保に努める。
ヘ.監査役の実効的監査を確保するための体制
a.監査役への報告体制等、監査役の監査が実効的に行われることを確保するため、以下の体制を整備し、運用する。
(a) 代表取締役は、監査役と協議の上、監査役への報告事項を定める等、監査役への報告の体制の整備を図り、取締役および従業員は、当社グループに著しい損害を及ぼす恐れのある事実を発見したときは、直ちに監査役に報告する。
(b) 取締役及び従業員は、取締役会等の重要会議において随時業務執行の状況を監査役に報告する。
(c) 内部監査部門、安全品質監査部門、コンプライアンス部門、グループ会社監査役は、業務遂行の過程で取得した当社グループの状況について、監査役との定期的な会合等を通じて意見の交換や、監査役への直接報告を実施する。
(d) 当社は、グループ企業経営に関する諸規程に基づく当社グループ企業からの報告について、監査役が確認できる体制を整備する。
(e) コンプライアンス部門は、社内外に窓口を置く内部通報制度による内部通報の状況について、定期的に監査役に報告する。
(f) 当社は、監査役への報告に関し、その報告をしたことを理由として当該報告者に不利益が生じないことを確保する。
(g) 代表取締役は、監査役会の定めた年度監査基本計画の提示を受け、監査役による各部門、グループ各社の監査が、内部監査部門との連携の上で、実効的に実施できる体制の整備に努める。
(h) 当社は、監査役が職務遂行のために要する費用について監査役の確認のうえ予算を策定し、また当該費用に関する監査役からの請求に基づき、内容を確認のうえ償還する体制を整備し、運用する。
b.当社は、監査役の職務を補助すべき組織として監査役室を置き、監査役室員をして監査役の指揮命令に服させる。
c.当社は、監査役が監査役室員の増強を要請した場合、直ちに人選を行い、また監査役室員の任命、異動、評価、進級等の人事権にかかわる事項の決定について、監査役の事前の承認を受ける。
当社では、上述の内部統制システム構築の基本方針の各項目について、具体的な活動状況の調査および実効性評価を実施しております。この結果を踏まえ、内部統制審議会において当該基本方針の運用状況を確認した上で、取締役会に報告を行っております。当該基本方針の運用状況の概要は以下のとおりであり、当事業年度の当該基本方針の運用状況が適切であることを確認しております。
(コンプライアンス)
・各部門および各グループ企業での企業倫理年度活動計画書の策定、計画の実施および結果に関する取締役会への報告
・役員および従業員に対する企業倫理研修の実施その他コンプライアンスに関する研修の実施
・ヘルプラインの周知とその運用による適切な内部通報制度の実施
・財務報告に係る内部統制に関する評価と取締役会への報告
(情報管理)
・法定開示事項の情報開示委員会への報告、確認プロセスの履践
・文書管理規程に基づく適切な文書の保管
(リスク管理)
・活動報告等による各部門および各グループ企業のリスク管理状況の確認、これらの管理状況およびリスク管理活動全般に関する取締役会への報告
・総合防災対策訓練の実施
・事業継続計画の策定および運用状況の確認
(職務の執行の効率性確保)
・取締役会規程に基づく取締役会決議および取締役会への報告の実施
・役員人事および報酬に関する役員人事・報酬委員会への諮問および同委員会による答申の受領
・取締役会の実効性評価の実施
・稟議規程に基づく業務遂行に係る効率的な各種決裁の実施
(当社グループにおける業務の適正性確保)
・内部統制システム構築の基本方針に関する当社グループの具体的活動状況の調査および当該方針の運用状況の把握
・グループ企業経営に関する諸規程に基づくグループ企業の重要な意思決定への関与および経営状況報告による経営管理
・計画に基づく監査及び安全品質監査の実施
(監査役の監査体制および監査の実効性確保)
・監査役室員の独立性の確認
・代表取締役との会合の実施
・監査部門等から監査役への情報共有
・予算管理の実施および必要に応じた当社による経費の負担
・監査役監査計画に基づく監査の実施
・責任限定契約の内容
当社は、取締役(業務執行取締役を除く)および監査役について、ふさわしい有能な人材を招聘し、職務の遂行にあたり期待される役割を十分に果たすことができるようにするため、責任限定契約を締結できる旨を定款に定めております。社外取締役および社外監査役と責任限定契約を締結しており、その契約の概要は次のとおりであります。
・会社法第423条第1項の損害賠償責任を当社に対して負う場合は、15百万円または会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度として責任を負う。
・上記の責任限定が認められるのは、責任の原因となった職務の遂行について善意であり、かつ重大な過失がないときに限るものとする。
・補償契約の内容
当社は、企業価値維持・向上の観点から、必要な範囲で取締役および監査役(補償対象者)に補償を提供することによって、その職務を適切に執行するインセンティブを付与することを目的として、すべての取締役および監査役との間で、会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しており、同項第1号の費用および同項第2号の損失を法令の定める範囲内において会社が補償することとしております。ただし、本補償契約によって補償対象者の職務の執行の適正性が損なわれることのないよう、同項第2号に係る補償を行う場合には、予め取締役会の決議を要します。
・役員等賠償責任保険契約の内容
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、被保険者が負担することになる、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うことまたは当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を当該保険契約により填補することとしております。ただし、被保険者の犯罪行為に起因する損害または被保険者が法令に違反することを認識しながら行った行為に起因する損害は填補されない等の免責事由があります。
なお、当該保険契約の被保険者の範囲は当社の取締役、監査役、執行役員であり、被保険者は保険料を負担しておりません。
・取締役の定数
当社の取締役は12名以内とする旨を定款に定めております。
・取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任の決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席してその議決権の過半数をもって行い、かつ累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
・株主総会決議事項を取締役会で決議できることとしている事項
イ.自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
これは、株主への利益還元を図るとともに、経済情勢の変化に対応した機動的な資本政策を行うことを目的とするものであります。
ロ.中間配当
当社は、取締役会の決議により、毎年9月30日の最終の株主名簿に記録された株主または登録株式質権者に対して、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当をすることができる旨を定款に定めております。
これは、株主の皆様へ機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
・株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める特別決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上で行う旨を定款に定めております。
これは、株主総会の特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
当社は、当社の企業価値向上および当社株主様の共同の利益を守るための取り組みの一つとして、当社株券等の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)を導入しておりましたが、2020年6月19日開催の定時株主総会終結の時をもって、本方針を継続せず、廃止いたしました。この廃止に伴い、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を、以下のとおりといたしました。
(1) 基本方針の内容
当社は、「価値共創によって人々を幸せにする会社~ Sustainable Value Together ~」を基本理念とし、この理念のもとで企業価値を向上させる経営を行うためには、現有事業や将来事業化が期待される企画開発案件等に関する専門知識、経験、ノウハウ、および国内外の顧客、取引先、従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係を維持、発展させていくことが不可欠であると考えます。
当社は、上場会社として、当社株式の売買は原則として市場における株主および投資家の皆様の自由な判断に委ねるべきものと考えており、特定の者による大規模な株式買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。しかしながら、大規模な株式買付行為の中には、その目的等から見て大規模な株式買付の対象となる会社の企業価値または株主様共同の利益(株主共同の利益)に資さないものもあります。
当社は、当社の企業価値または株主共同の利益を毀損するおそれのある大規模な株式買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適切ではないと考えます。
(2) 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、2020年6月、長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』を策定いたしました。当社グループは、この『DAICEL VISION 4.0』の中で、「価値共創によって人々を幸せにする会社~ Sustainable Value Together ~」を新たな基本理念として制定し、持続可能な社会の実現と当社の事業拡大を両立するための「サステナブル経営方針」を基本理念の次に重要なものと位置付けました。「サステナブル経営方針」にある、「働く人の幸せ」「幸せを提供する環境」「社会と人々の幸せ」というスパイラルアップを実現していくことが企業価値全体の向上、そして株主共同の利益の一層の向上に繋がるものと確信しております。そして、『DAICEL VISION 4.0』の実現に向けて3つのオペレーション(OP-Ⅰ・原ダイセル、OP-Ⅱ・新ダイセル、OP-Ⅲ・新企業集団)を定義し、各オペレーション実行のために、『DAICEL VISION 4.0』期間中に、適時に中期戦略を策定・遂行してまいります。
当社は、これらの長期ビジョン、中期戦略を達成していくことが、当社の企業価値の一層の向上に繋がるものと確信しております。
(3) 不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社株式の大規模な買付行為を行い、または行おうとする者に対しては、当該大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて取締役会の意見を開示し、株主の皆様の検討のために必要な情報と時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関連法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。
(4) 上記取組みについての取締役会の判断およびその判断に係る理由
① 上記(2)の取組みについての取締役会の判断およびその判断に係る理由
当社取締役会は、上記(2)の取組みが、専門知識、経験、ノウハウ、および国内外の顧客、取引先、従業員等のステークホルダーとの信頼関係に基づくものであり、当社の企業価値の向上を目的とするものであることから、基本方針に沿うものであり、また当社株主共同の利益を損なうものではないと考えます。
② 上記(3)の取組みについての取締役会の判断およびその判断に係る理由
上記(3)の取組みは、当社株式の大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるか否かを株主の皆様が適切に判断し、または当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保すること、ならびに株主の皆様のために大規模買付者と交渉等を行うこと等を可能にすることにより、当社の企業価値および株主共同の利益を守ることを目的としております。
従って、当社取締役会は、この取組みが基本方針に沿うものであり、当社株主共同の利益を損なうものではなく、また当社取締役の地位の維持を目的とするものではないと考えます。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
a.2026年6月17日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりであります。
男性12名 女性3名(役員のうち女性の比率20%)
(注) 1 取締役北山禎介、浅野敏雄、小松百合弥、岡島眞理、西山圭太および鬼頭誠司は、社外取締役であります。
2 監査役水尾順一、幕田英雄および北山久恵は、社外監査役であります。
b.2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役11名選任の件」および「監査役3名選任の件」を上程しており、当該決議が承認可決されますと、当社の役員の状況およびその任期は、以下のとおりとなる予定です。
なお、役員の役職等については、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会および監査役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
男性13名 女性3名(役員のうち女性の比率18.8%)
(注) 1 取締役浅野敏雄、小松百合弥、岡島眞理、西山圭太、鬼頭誠司および上野佐有は、社外取締役であります。
2 監査役幕田英雄、北山久恵および長谷川浩司は、社外監査役であります。
② 社外役員の状況
提出日現在(2026年6月17日)の社外取締役および社外監査役の選任状況につきましては、取締役11名のうち6名が社外取締役、監査役4名のうち3名が社外監査役であり、当社の企業統治にあたり適切な員数を確保していると考えております。
当社における社外取締役の役割は、各人の見識・経験等に基づく経営に対する助言および監督機能であり、社外取締役6名を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届出を行っております。また、社外監査役の役割は、各人の見識・経験等に基づく経営に対する監査機能であり、社外監査役3名を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届出を行っております。
当社は、社外取締役および社外監査役の独立性について、「社外役員の独立性に関する基準」(本項目末尾に記載)を定めております。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会における議案(決議事項)として、「取締役11名選任の件」を付議予定であり、当該議案が承認可決された場合も、引き続き当社の取締役は11名(社外取締役は6名)となります。また、当該取締役の改選により、東京証券取引所の定めに基づく独立役員である社外取締役は、5名となる予定です。独立役員である社外監査役の員数に変更はありません。
提出日現在(2026年6月17日)における各社外取締役および社外監査役の選任の理由、当社からの独立性に関する事項等は次のとおりであります。
社外取締役 北山禎介
金融機関の経営で培われた経営者としての豊富な見識・経験等を当社の経営に活かしていただきたいため、選任しております。
取締役会における重要な意思決定等に際し、主に政策保有株式の縮減計画に関する事項、米国関税政策の影響に関する事項、中期戦略のモニタリング方法に関する事項などについて、公平および公正な見地で積極的に発言を行い、監督機能を十分に果たしております。
役員人事・報酬委員会委員を務めております。
2011年3月まで、株式会社三井住友銀行および同行の親会社である株式会社三井住友フィナンシャルグループの業務執行者でありました。同行は、当社の主要借入先であります。同氏と当社との間に、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。なお、当社「社外役員の独立性に関する基準」(本項目末尾に記載)を満たしております。
一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、株式会社東京証券取引所に対して、独立役員として届出を行っております。
なお、同氏は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会終結のときをもって、任期満了により取締役を退任予定であります。
社外取締役 浅野敏雄
化学品の製造・販売を行う企業の経営で培われた経営者としての豊富な見識・経験等を当社の経営に活かしていただきたいため、選任しております。
取締役会における重要な意思決定等に際し、主に生産設備への投資における製品特有の品質管理に関する事項、子会社吸収分割における基本思想や位置づけの在り方、海外製造拠点からの輸入品割合に関する事項、労働災害における人の行動や心理面を踏まえた再発防止策の在り方などについて、公平および公正な見地で積極的に発言を行い、監督機能を十分に果たしております。
役員人事・報酬委員会委員長を務めております。
2016年3月まで、旭化成株式会社の業務執行者でありました。同社は、当社の製品販売先および原料購入先であります。また、同氏は、公益財団法人がん研究会の業務執行者であり、当社は同法人に対して、寄付を行っております。同氏と当社との間に、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。なお、当社「社外役員の独立性に関する基準」(本項目末尾に記載)を満たしております。
一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、株式会社東京証券取引所に対して、独立役員として届出を行っております。
社外取締役 小松百合弥
国内外の投資会社や情報・通信会社の経営で培われた経営者としての豊富な見識・経験等を当社の経営に活かしていただきたいため、選任しております。
取締役会における重要な意思決定等に際し、主に米国関税政策による各事業セグメントへの影響に関する事項、子会社吸収分割における業務オペレーション効率化の在り方、中長期視点でのグローバル生産体制再構築の在り方、設備投資判断時点からの環境の変化を踏まえた、事業撤退や継続判断の在り方などについて、公平および公正な見地で積極的に発言を行い、監督機能を十分に果たしております。
役員人事・報酬委員会委員を務めております。
同氏と当社との間に、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。なお、当社「社外役員の独立性に関する基準」(本項目末尾に記載)を満たしております。
一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、株式会社東京証券取引所に対して、独立役員として届出を行っております。
社外取締役 岡島眞理
顧客満足やSDGsを中心とした社会課題等に関わる様々な研究を行う学識経験者として高度な専門的知識、幅広い見識を当社の経営に活かしていただきたいため、選任しております。
取締役会における重要な意思決定等に際し、主に子会社吸収分割におけるPMIの在り方、労働災害発生時における従業員へのメンタルケアの在り方、次期中期戦略策定における議論の在り方、サステナビリティ戦略に対する国際動向の影響および人権デューデリジェンスに関する事項などについて、公平および公正な見地で積極的に発言を行い、監督機能を十分に果たしております。
役員人事・報酬委員会委員を務めております。
同氏と当社との間に、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。なお、当社「社外役員の独立性に関する基準」(本項目末尾に記載)を満たしております。
一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、株式会社東京証券取引所に対して、独立役員として届出を行っております。
社外取締役 西山圭太
経済産業省における職務で培われた経済産業政策、IT政策に関する深い知見、および電力会社や投資会社で培われた経営者としての豊富な見識・経験等を当社の経営に活かしていただきたいため、選任しております。
取締役会における重要な意思決定等に際し、主に事業ポートフォリオの変遷や当社製品が市場に与える価値等に関する投資家への説明の在り方、子会社吸収分割に伴う価値創出効果に関する説明の在り方、生成AIの活用状況に関する事項、設備投資判断時点からの市場変化の見通しに関する事後的な検証の在り方などについて、公平および公正な見地で積極的に発言を行い、監督機能を十分に果たしております。
役員人事・報酬委員会委員を務めております。
同氏と当社との間に、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。なお、当社「社外役員の独立性に関する基準」(本項目末尾に記載)を満たしております。
一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、株式会社東京証券取引所に対して、独立役員として届出を行っております。
社外取締役 鬼頭誠司
金融機関の経営で培われた経営者としての豊富な見識・経験等を当社の経営に活かしていただきたいため、選任しております。
取締役会における重要な意思決定等に際し、主に人事制度改定に伴う趣旨の社内浸透、人財育成・採用方針、従業員エンゲージメントに関する事項、投資先事業における想定外のリスク対応に関する事項、業務委託先を含めたグループ全体での情報セキュリティ対策に関する事項、安全・品質に関するルールの明確化および事業場への徹底の在り方などについて、公平および公正な見地で積極的に発言を行い、監督機能を十分に果たしております。
役員人事・報酬委員会委員を務めております。
2023年7月まで、日本生命保険相互会社の業務執行者でありました。当社は、同社から資金の借入れを行っており、また同社との間に保険契約があります。同氏と当社との間に、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。なお、当社「社外役員の独立性に関する基準」(本項目末尾に記載)を満たしております。
一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、株式会社東京証券取引所に対して、独立役員として届出を行っております。
社外監査役 水尾順一
CSR、コーポレートガバナンスおよび経営倫理等に関わる様々な研究を行う学識経験者として高度な専門的知識、幅広い見識を有し、また社外役員として企業に携わられた経験等から社外監査役として適任と判断したため、選任しております。
取締役会における重要な意思決定等に際し、また監査方針の策定をはじめとする監査役会における決議や協議にあたり、主に学識経験者としての専門的な観点から、社内提案コンテストの成果およびその事業化に向けた予算措置に関する事項、子会社吸収分割スキーム選定の在り方、労働災害からの反省を風化させないための継続的な取り組みの在り方、挑戦する企業文化醸成につながる人事制度の在り方などについて、公平および公正な見地で積極的に発言を行い、監査機能を十分に果たしております。
同氏と当社との間に、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。なお、当社「社外役員の独立性に関する基準」(本項目末尾に記載)を満たしております。
一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、株式会社東京証券取引所に対して、独立役員として届出を行っております。
なお、同氏は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会終結のときをもって、任期満了により監査役を退任予定であります。
社外監査役 幕田英雄
弁護士として高度な専門的知識、幅広い見識を有し、最高検察庁刑事部長検事等の重職を歴任され、また社外役員として企業に携わられた経験等から社外監査役として適任と判断したため、選任しております。
取締役会における重要な意思決定等に際し、また監査方針の策定をはじめとする監査役会における決議や協議にあたり、弁護士として高度な専門的知識、幅広い見識、また、最高検察庁刑事部長検事、公正取引委員会委員等の歴任および社外役員として企業に携わられた経験等に基づき、主に子会社吸収分割に伴う監査機能の統合の在り方、労働災害に関する原因分析、再発防止策検討、対外公表の在り方、中期戦略における成長ストーリーに関する事項、国際情勢の変化による当社海外拠点への影響と今後の見通しに関する事項などについて、公平および公正な見地で積極的に発言を行い、監査機能を十分に果たしております。
2023年2月まで、長島・大野・常松法律事務所の顧問でありました。当社は、同事務所との間に法律業務に係る取引があります。また、当社は同氏に対して、銀座中央法律事務所に所属する弁護士として、法律上の助言業務を依頼しております。この他、同氏と当社との間に、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。なお、当社「社外役員の独立性に関する基準」(本項目末尾に記載)を満たしております。
一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、株式会社東京証券取引所に対して、独立役員として届出を行っております。
社外監査役 北山久恵
公認会計士として高度な専門的知識と幅広い見識を有しており、大手監査法人のパートナーや日本公認会計士協会の役員等を歴任され、また社外役員として企業に携わられた経験等から、社外監査役として適任と判断したため、選任しております。
取締役会における重要な意思決定等に際し、また監査方針の策定をはじめとする監査役会における決議や協議にあたり、主に公認会計士としての専門的な観点から、中期戦略の進捗に関する開示の在り方、労働災害防止策の検討、政策保有株式に係る出資内容および会計処理に関する事項、大型設備投資における投資回収計画の在り方などについて、公平および公正な見地で積極的に発言を行い、監査機能を十分に果たしております。
同氏と当社との間に、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。なお、当社「社外役員の独立性に関する基準」(本項目末尾に記載)を満たしております。
一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、株式会社東京証券取引所に対して、独立役員として届出を行っております。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会における議案(決議事項)として、「取締役11名選任の件」 および「監査役3名選任の件」を付議予定でありますが、当該議案が承認可決された場合に新たに社外役員に就任予定である者に係る選任の理由、当社からの独立性に関する事項等については、次のとおりであります。
社外取締役候補者 上野佐有
大手総合商社における経営戦略の策定、当社の主要な事業でもある化学製品に関する、サステナビリティにも配慮した世界的な販売戦略策定と拡販の推進、同社執行役員としての経営経験に加え、当社の主な商圏の一つである米国における、豊富なビジネス経験と人的ネットワークを有しており、これらの豊富な見識・経験等を当社の経営に活かしていただきたいため、取締役候補者として提案しております。就任後は、取締役会における重要な意思決定等に際し、公平および公正な見地で積極的に発言を行い、監督機能を十分に果たすことが期待されています。
同氏が取締役に選任された場合、役員人事・報酬委員会委員を務める予定であります。
2025年3月まで、三井物産株式会社の業務執行者でありました。同社グループは、当社グループの製品販売先および原料購入先であります。同氏と当社との間に、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。
社外監査役候補者 長谷川浩司
情報システム関連企業における経営経験を有しており、また、コーポレート・ガバナンス、経営学、サステナビリティ経営およびリスクマネジメント等に係わる様々な研究を行う学識経験者として高度な専門的知識、幅広い見識を有していることから、社外監査役として適任と判断し、監査役候補者として提案しております。就任後は、取締役会における重要な意思決定等に際し、また監査方針の策定をはじめとする監査役会における決議や協議にあたり、公平および公正な見地で積極的に発言を行い、監査機能を十分に果たすことが期待されています。
同氏と当社との間に、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。なお、当社「社外役員の独立性に関する基準」(本項目末尾に記載)を満たしております。
一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、株式会社東京証券取引所に対して、独立役員として届出を行っております。
<社外役員の独立性に関する基準>
当社において、「社外取締役または社外監査役(以下あわせて「社外役員」という)が独立性を有する」とは、「当該社外役員が、以下のいずれにも該当することなく、当社の経営陣から独立した存在であること」をいうものとする。
1.当社および当社のグループ企業(以下「当社グループ」という)の業務執行者等(※1)ならびにその近親者等(※2)
2.当社グループを主要な取引先とする者(※3)またはその業務執行者等
3.当社グループの主要な取引先(※4)またはその業務執行者等
4.当社の大株主(※5)またはその業務執行者等
5.当社グループから一定額以上の寄付または助成を受けている組織(※6)の理事その他の業務執行者等
6.当社グループから役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、公認会計士等の会計専門家、弁護士等の法律専門家(※7)(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合には、当該団体に所属する者および過去3年間において所属していた者をいう)
※1:「業務執行者等」とは、取締役(社外取締役を除く)、執行役員および使用人等の業務を執行する者ならびに過去3年間において業務を執行していた者をいう。
※2:「近親者等」とは、取締役(社外取締役を除く)、執行役員および部門長等の重要な業務を執行する者の2親等内の親族をいう。
※3:「当社グループを主要な取引先とする者」とは、当社グループに対して製品またはサービスを提供している取引先グループ(直接の取引先が属する連結グループに属する会社をいう。以下同じ)であって、過去3事業年度のいずれかにおける当社グループと当該取引先グループとの取引額が、当該取引先グループの連結売上高の2%を超える者をいう。
※4:「当社グループの主要な取引先」とは、以下のいずれかに該当する者をいう。
① 当社グループが製品またはサービスを提供している取引先グループであって、過去3事業年度のいずれかの当社グループと当該取引先グループとの取引額が、当社グループの連結売上高の2%を超える者
② 当社グループが借入れをしている金融機関グループ(直接の借入先が属する連結グループに属する会社をいう)であって、過去3事業年度いずれかの当社グループの当該金融機関グループからの全借入額が、当社グループの連結総資産の2%を超える者
※5:「大株主」とは、当社の総株主等の議決権の10%以上の議決権を直接または間接的に保有している者をいう。
※6:「当社グループから一定額以上の寄付または助成を受けている組織」とは、過去3事業年度いずれかにおいて年間10百万円を超える寄付または助成を受けている、公益財団法人、公益社団法人、非営利法人等の組織をいう。
※7:「当社グループから役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、公認会計士等の会計専門家、弁護士等の法律専門家」とは、役員報酬以外に過去3事業年度いずれかにおいて、10百万円を超える財産を得ている者、または当社グループからその団体の連結売上高または総収入額の2%を超える財産を得ている団体に所属する者をいう。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会において、内部統制部門(監査室、アセスメント本部安全品質監査室、企業倫理室等)および内部統制部門担当役員から適宜報告を受け、その内容に係る詳細の確認や助言を行っております。また会計監査人と年に1回、監査役とは年に2回の会合を開き、監査の状況やそれぞれの立場において把握する会社の状況等に関し、情報交換および意見交換を行っております。
社外監査役は、取締役会に出席し、社外取締役と同様に内部統制部門および内部統制部門担当役員から適宜報告を受け、必要に応じて意見を述べております。更に監査役会において、監査役から内部統制部門の活動状況等に係る監査報告を受けている他、定期的に会計監査人および内部統制部門から直接に報告を受けて詳細を確認し意見を述べるなど、連携を図っております。
(3)【監査の状況】
①監査役監査の状況
a.組織・人員
有価証券報告書提出日現在、当社は4名の監査役を置き、常勤監査役1名と社外監査役3名で監査役会を構成しています。各監査役の経歴等は以下のとおりです。
なお、監査役室を設置し、専従かつ執行側からの一定の独立性が確保された従業員2名を配置し、情報収集・分析や往査の支援など、監査役の職務を補助しております。
b.監査役会の運営
当事業年度の監査役会はWeb会議システム等を併用しながら15回開催され、1回あたりの平均所要時間は約2時間でした。また、各監査役の当事業年度に開催された監査役会への出席状況は以下のとおりです。
(注1)山田健一氏の出席状況については2025年6月22日に逝去により退任するまでに開催された監査役会を
対象としております。
(注2)社外監査役水尾順一氏は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会終結のときをもって、
任期満了により監査役を退任する予定であります。
なお、2026年6月19日開催予定の定時株主総会における議案である「監査役3名選任の件」が承認可決された場合、新たに立川真治氏が監査役及び長谷川浩司氏が社外監査役として就任予定、並びに改めて北山久恵氏が社外監査役として就任予定であります。
また、監査役会における主な共有・検討事項は以下のとおりです。
決議・協議15件:監査方針の策定、監査計画の策定、監査役会の監査報告書の作成、監査役の選任議案への同意
及び会計監査人再任の決定、並びに会計監査人の監査報酬決定に関する同意、監査役年間活動
報告書の作成など
報告60件 :監査役の職務執行状況報告、内部監査部門による監査実施状況報告、会計監査人による
監査実施状況報告など
c.監査役会及び監査役の活動状況
監査役会は、次のような年間活動の基本方針を定め、主に常勤監査役が続く[表.監査活動の概要]に記載の監査活動を実施の上、監査役会等を通じて情報の共有や意見交換を行うとともに、必要に応じて取締役や執行部門へ課題提起や提言を行いました。
また、社外監査役は、可能な範囲で常勤監査役と共に、社内各部門の監査や国内各事業所及び各グループ会社への往査に赴き、業務執行状況の説明を受け、疑義を質し、且つそれぞれの専門的知見に基づき適宜意見を述べました。
<基本方針>
株主の負託を受けた独立の立場で、監査役監査基準に則って取締役の職務の執行を監査することを通じ、当社グループの健全で持続的な成長の確保、中長期的な企業価値の向上、社会的信頼に応える良質な企業統治体制の強化、及び経営上の目標達成に資するために、以下の点に注力し監査を行う。
(1)取締役の職務執行について適法性、妥当性の観点から監査し、当社グループにおける違法行為もしくは不当な行為の防止と早期発見に努める。
(2)当社グループに重大な損失が生じることを防止するための、いわゆる予防監査に重点を置き、経営の健全性の維持・向上が図られているか確認する。
(3)会計監査人、内部監査部門及び子会社監査役等との連携を密にし、またリスクアプローチの考え方を取り入れ、監査の効率性、実効性を高めることを常に意識する。
(4)循環型社会の構築に貢献するという長期ビジョンに向かって、中期戦略を達成するために必要かつ十分な取り組みがなされているか、組織横断的な視点で確認する。
表.監査活動の概要
分担[〇:職務担当 ●:任意/部分的に担当]
なお、当事業年度の監査上の主要な検討事項(KAM:Key Audit Matters)については、会計監査人との定例会や会合において、その検討状況について確認するとともに、執行側に対しても適宜コミュニケーションを図っております。
<会計監査人との連携状況>
監査役は、会計監査人との連携を強めるため年に十数回程度会合を持ち、監査計画を相互に交換する他、会計監査人の職務の遂行が適正に行われることを確保する体制(会社計算規則第131条)の整備状況について説明を受け、また、監査上の主要な検討事項に関して協議を行い、中間連結財務諸表に対する期中レビュー、年度決算後の監査実施状況報告、内部統制監査状況報告等を受けております。更に、監査役は監査役監査の状況について会計監査人に説明しております。
監査役会は、会計監査人の監査報酬決定に関し同意をしております。また、会計監査人の再任を決定しております。
<監査室との連携状況>
監査役は、内部監査の状況、グループ全体に係る内部統制の整備と評価の状況に関し、監査室から定期的に説明を受ける他、随時情報の共有化を図っております。
<アセスメント本部安全品質監査室との連携状況>
監査役は、当社グループの安全・品質・環境の各マネジメントに係わる活動の推進状況等について、アセスメント本部安全品質監査室から定期的に説明を受けております。
<企業倫理室との連携状況>
監査役は、企業倫理室と定期的に会合を行い内部通報の状況等について四半期毎に報告を受ける他、常勤監査役が企業倫理に関するトップマネジメントレビューおよび企業倫理役員研修に出席しております。
<内部統制部門との関係>
監査役は、取締役会に出席して、内部統制部門担当役員から適宜報告を受け、必要に応じて意見を述べております。また、常勤監査役は、内部統制審議会に出席し、内部統制部門から活動の報告を受けるとともに、適宜内部統制部門に対してヒアリングを行い、監査役会にて報告を行っております。
②内部監査の状況
当社は、前述の内部統制システム構築の基本方針に基づいて、適正な業務の確保に努めております。
内部監査部門として「監査室」を、安全・品質・環境に関する内部監査部門として「アセスメント本部安全品質監査室」を設置しております。また、「企業倫理室」がコンプライアンスに関する自主監査の支援機能を有しております。内部監査の状況は以下のとおりであります。
・監査室内部監査
監査室(員数は16名)は、グループ内部の監査組織と連携し、内部監査の基本方針、範囲、期間および対象に関する監査実施計画を作成し、監査を実施し、問題点の改善提案を行うなど、各業務執行部門およびグループ企業の適正な業務活動を支援しております。また、有価証券報告書および半期報告書の作成においては、各原稿作成担当部門(主として内部統制部門)に、それらが手順書に従って適正に作成され、開示されていることを確認しております。
こうした監査結果については、取締役会および監査役会に対して、監査室より定期的に直接報告を行う機会を設ける等、取締役、監査役との連携の強化に努めるとともに、会計監査人とも定期的な会合を持つなど十分に連携を行い、内部監査の実効性の確保を図っております。
・アセスメント本部安全品質監査室監査
安全品質監査室(員数は17名)は、グループ企業を含む各拠点における安全・品質・環境に関する監査を毎年実施しております。監査結果は被監査組織へフィードバックするだけでなく、グループ全体へ横展開することで、改善の推進につなげております。なお、監査結果は、経営会議および監査役会にて、定期的に報告を行っております。
・企業倫理に関する自主的計画作成・振り返りと全社レビュー
当社は、企業倫理の確実な実践、確立、継続的改善を行うために、全グループの全部門が主体的にかつ自律的に運営する仕組みとしてCAPDサイクルによる企業倫理マネジメントシステムを構築しております。
当社の企業倫理活動が適切かつ妥当で、その実践が効果的であることを検証するため、各社・各部門が自主的に自部門を評価し、企業倫理室(員数は7名)がその結果に基づく全社レビューを行い、これを受けて、経営層によるトップマネジメントレビューが実施されます。トップマネジメントレビューで出された意見は、次年度のダイセルグループでの企業倫理活動への方針となり、これにもとづいて各部門が企業倫理活動を自主的に実施していきます。また、トップマネジメントレビューでは、企業倫理に関する是正・予防措置の妥当性やグループ行動方針、当社の行動規範や企業倫理マネジメントシステムの見直しなども審議されております。トップマネジメントレビューの内容や出された意見、その他審議された内容については、その後の取締役会で報告され、そこで出された意見も含めて社員にもフィードバックされています。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
b.継続監査期間
57年間
c.業務を執行した公認会計士
指定有限責任社員 業務執行社員:河津 誠司、河越 弘昭
d.監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士16名、その他19名、計35名であります。
e.監査法人の選定方針と理由
会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当し、解任が相当と認められる場合には、監査役会が監査役全員の同意により解任いたします。
かかる場合のほか、会計監査人に適正な監査の遂行に支障をきたす事由が生じたと認められる場合、監査役会は会計監査人の解任または不再任について検討します。
当該検討の結果、会計監査人を解任することまたは不再任とすることが妥当であると判断した場合、監査役会は、取締役会に対して会計監査人の解任に関する議案、および新たな会計監査人の選任に関する議案を株主総会に付議するよう請求します。
上記の方針を踏まえ、監査役会において、会計監査人の再任の適否に関しその職務の遂行状況の他、専門性、独立性、監査品質および来期の監査計画・体制等の観点から検討を行い、引き続き有限責任監査法人トーマツを来期の会計監査人とすることを妨げる事由はないとの判断に至っております。
f.監査役及び監査役会による監査法人の評価
監査役及び監査役会は、公益社団法人日本監査役協会による「会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針」等を参考に、会計監査人の当期の活動について評価を行いました。
結果、会計監査人の活動は当社の定める一定の水準を満たしているとの判断に至っております。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
(前連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、欧州企業サステナビリティ報告指令(CSRD)対応支援業務に対する対価であります。なお、上記以外に、前々連結会計年度の監査に係る追加報酬を12百万円支払っております。
(当連結会計年度)
上記以外に、前連結会計年度の監査に係る追加報酬を3百万円支払っております。
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイトグループ)に対する報酬(a.を除く)
(前連結会計年度)
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等であります。
(当連結会計年度)
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等であります。
c.監査報酬の決定方針
当社は、監査報酬の決定に際しては、会計監査人より年間の監査計画の提示を受け、その監査内容、監査日数等について当社の規模・業務特性に照らして過不足がないかを検討し、会計監査人との協議の上決定することとしております。また、その内容について監査役会の同意を得た後に契約をすることとしております。
d.監査役会が会計監査人の報酬等に合意した理由
監査役会は、会計監査人の職務遂行状況、監査計画および報酬見積りの算出根拠などが、当社の事業規模、事業内容に合った適切なものとなっているかどうか、会計監査人から説明を受け、また取締役および社内の関係部門からの報告も踏まえて検討を行いました。その結果、全員一致で会計監査人の報酬等の額は妥当であると判断し同意いたしております。
(4) 【役員の報酬等】
イ.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
(注) 1 上記支給人員および支給額には、2025年6月20日開催の第159回定時株主総会終結の時をもって退任した取締役1名および2025年6月22日をもって逝去により退任した監査役1名を含んでおります。
2 取締役の報酬額は、2024年6月21日開催の第158回定時株主総会において、年額640百万円以内(うち社外取締役分は年額140百万円以内)と決議いただいております。なお、当該決議時点の取締役の人数は11名(うち社外取締役6名)であります。また、この報酬枠とは別枠で、取締役(社外取締役を除く)に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬額として、2018年6月22日開催の第152回定時株主総会において年額100百万円以内と決議いただいております。なお、当該決議時点の取締役の人数は8名(うち社外取締役4名)であります。さらに、この取締役(社外取締役を除く)に対する譲渡制限付株式報酬制度に関して、2024年6月21日開催の第158回定時株主総会において、譲渡制限付株式の割当てに際して取締役との間で締結する譲渡制限付株式割当契約の内容のうち、在任の条件を、「当社の取締役、取締役を兼務しない執行役員、監査役、役員待遇理事、相談役、顧問または参与その他これらに準じる地位」から「当社または当社の子会社の役職員の地位のうち当社の取締役会が予め定める地位」に変更する旨の決議をいただいております。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は11名(うち、社外取締役6名)です。
3 監査役の報酬額は、2024年6月21日開催の第158回定時株主総会において年額130百万円以内と決議いただいております。なお、当該決議時点の監査役の人数は5名(うち社外監査役3名)であります。
4 上記株式報酬分(非金銭報酬分)の金額は、譲渡制限付株式の付与のための報酬として取締役に支給された報酬額のうち、当事業年度中に費用計上した金額であります。
ロ.報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等
(注) 上記株式報酬分(非金銭報酬分)の金額は、譲渡制限付株式の付与のための報酬として当該取締役に支給された報酬額のうち、当事業年度中に費用計上した金額であります。
ハ.役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針の内容および決定方法
1.報酬等についての考え方
(1) 取締役および監査役の報酬等は、株主総会においてご承認いただいた報酬等の総額の範囲内で、取締役については取締役会の決議により、監査役については監査役の協議により決定します。
(2) 取締役の報酬等は、月額報酬、業績連動賞与および株式報酬により構成することとし、会社業績との連動性を確保し、職責を反映した報酬体系といたします。なお、現在、取締役(社外取締役を除く)の月額報酬、業績連動賞与および株式報酬の比率は、概ね55:30:15とし、役位に応じてこの比率を変更しております。また、監査役の報酬等は、月額報酬により構成することとし、職責を反映した報酬体系といたします。
(3) 報酬等については、諮問機関である役員人事・報酬委員会および取締役会において意見交換を行う機会を設け、透明性・公平性を確保します。
(4) 社外取締役および監査役に賞与および株式報酬の支給は行いません。
2.月額報酬の算定方法
取締役および監査役の月額報酬は、原則として、取締役については職務および業務執行上の役位、監査役については常勤であるか否かを踏まえて決定される内規に従い、定額を支給しております。なお、月額報酬に関しては、業績、中長期経営計画の達成度および社会情勢等を反映させ、適宜、適正な水準に見直しを実施しております。
3.業績連動賞与の算定方法
取締役の賞与は、株主とのより一層の価値共有を図るとともに、業績向上に対する貢献意欲を従来以上に引き出すことを目的として、業績との連動性を高め、取締役会で定める業績指標の達成度等に応じて支給することといたします。2025年4月1日以降の事業年度に係る業績連動賞与の指標としては、事業の成長やマーケットの拡大、国際的な視点で本業での稼ぐ力等が最も明確に反映されるのが売上高およびEBITDAであるとの理由から、また、資本効率を意識した経営を行うことが肝要との考えに基づき、売上高、EBITDAおよびROICを採用しており、役位別のベース金額に指標の達成度に基づく支給率(0~200%の範囲で変動)を乗じて支給金額を決定しております。なお、指標毎のウェイトや達成度に基づく支給率は、下表に基づき算定しております。
業績連動賞与の支給率算定に用いる係数
なお、2020年7月以降は、上記のとおり算定した金額に対し、「サステナブル経営方針の実践状況」および「中期戦略の達成状況」の観点から個人評価を行い、プラスマイナス20%の範囲で加減算を行って、最終的な業績連動賞与の金額を決定することとしております。
当事業年度における指標の目標は、売上高6,000億円、EBITDA970億円、ROIC5.4%であり、実績は、売上高5,796億円、EBITDA854億円、ROIC4.2%でした。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会において、議案(決議事項)として、「取締役(社外取締役を除く)に対する業績連動型株式報酬制度に係る報酬決定の件」を付議予定であり、当該議案が承認可決された場合、当社は、同日開催の取締役会において、当該決議内容とも整合するよう、本方針の改定を決議する予定であります。
4.株式報酬について
取締役の株式報酬としては、株主とのより一層の価値共有を図るとともに、中長期的な企業価値向上に対する貢献意欲を従来以上に引き出すことを目的として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。本報酬制度では、譲渡制限期間を30年と設定し、取締役会において本報酬制度の対象者ごとに金額を定め、その金額を一定時点での株価をもって除した数の株式を支給することといたします。
5.方針の決定権限を有する者の名称、その権限の内容、裁量の範囲
役員の報酬等の方針に関しては、後述する役員人事・報酬委員会における審議および同委員会からの答申を得た上で、取締役については取締役会の決議により、監査役については監査役の協議により、それぞれ決定しております。また、取締役会の決議によって各取締役に対する月額報酬、業績連動賞与および株式報酬の個別の金額を、監査役の協議により各監査役に対する月額報酬の個別の金額を、それぞれ決定しております。
6.役員人事・報酬委員会
取締役および監査役の報酬等の額の決定に際しては、社外取締役が委員長を務め、また社外取締役がその過半数を占める役員人事・報酬委員会の答申を受け、透明性、妥当性および客観性を担保しております。同委員会は、取締役および監査役の報酬等に関し、取締役会議長または監査役会議長から諮問を受けた事項について審議の上、取締役会または監査役会に対しそれぞれ答申いたします。
7.当事業年度の役員の報酬等の額の決定過程における取締役会、委員会等の活動内容
当事業年度の役員の報酬等の額の決定に関しましては、役員人事・報酬委員会を5回開催し、報酬の方針および各役員に対する具体的な報酬金額等について十分な審議を行いました。その上で、取締役会を4回開催し、同委員会の答申を踏まえて多様な視点から審議を行い、報酬の方針および各役員に対する具体的な報酬金額を決定いたしました。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、投資株式について、もっぱら株式の価値の変動または株式の配当の受領によって利益を得ることを目的とする純投資目的である投資株式と、当社および当社グループの中長期的な企業価値の向上のために政策保有する純投資目的以外の目的である投資株式に区分しております。
原則として当社は、純投資目的である投資株式を保有しない方針であります。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、営業取引関係の強化、金融機関との安定取引の維持および業務上の協力関係の維持・強化等の観点から、当社および当社グループの中長期的な企業価値の向上に資すると判断される場合に限り、株式の政策保有を行います。
なお、事業環境の変化等により保有目的に合致しなくなった、あるいは経済合理性が認められなくなった銘柄については、順次縮減を図って参ります。
保有する全ての銘柄について、その保有目的の妥当性や、営業取引等から生じる定量的・定性的便益および保有するリスクに関する経済的合理性を定期的に検証した結果について、取締役会への報告を実施し、内容についての精査を受けております。
これら検証・精査の結果、2025年度においては非上場株式以外の株式6銘柄のうち5銘柄を全株売却し、1銘柄について一部売却いたしました。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 「―」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
2 特定投資株式における定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性は、毎事業年度、保有する全ての銘柄について、保有目的の妥当性や、営業取引等から生じる定量的・定性的便益および保有するリスクに関する経済的合理性を検証しており、2026年3月31日時点で保有する特定投資株式は、全て保有方針に沿った目的で保有していることを確認しております。
3 ㈱三井住友フィナンシャルグループは当社株式を保有しておりませんが、同社子会社である㈱三井住友銀行が当社株式を保有しております。
みなし保有株式
(注) 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定保有株式とみなし保有株式を合算しておりません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
前事業年度及び当事業年度において保有目的が純投資目的である投資株式はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
ダイセルグループは、「Sustainable People(サステナブルピープル)」の方針のもと、人間中心の経営を推進しています。多様な社員一人ひとりが存在感と達成感を味わいながら成長し、それが企業の成長力につながる仕組みづくりに取り組んでいます。
(イ) 人的資本経営における体制
人的資本に関する施策は、人事担当役員が統括し、各事業部・グループ会社と連携して推進しています。ダイセルグループでは、「配置」「育成」「評価」の人財マネジメントサイクルを回し、人財について各種委員会にて議論、意思決定を行っています。その運用状況や結果を人事担当役員にて、社内役員やセグメント長が出席する経営会議に報告や提案を上げています。また、人事部門より指標管理や取締役会への報告を行い、取締役会からのレビューを行うことを通じ、ガバナンスを確保しています。

(ロ) ダイセルグループの人財戦略
当社は、社員一人ひとりが自らの潜在力を最大限に引き出し、強みを発揮できる環境の実現を目指し、「人財の活躍推進」と「働きがいを高める環境整備」の2つを柱として、人財戦略を推進しています。
①人財の活躍推進
経営戦略に沿った事業ポートフォリオ戦略の遂行に必要なスキルや人財要件を明確化し、変革と持続的成長を支える人財基盤の構築に取り組んでいます。
当社は経営・グローバル運営を担うマネジメント人財、高度な専門性を有するプロフェッショナル人財、多様なバックグラウンドを持つ人財の確保・育成を重要課題と位置づけています。社外からの経験豊富な人財の通年採用の推進や、公正な評価・処遇制度の整備を通じて、社員が自律的に活躍できる環境づくりを進めるとともに、人財の定着と次世代経営人財の計画的な育成に取り組んでいます。
これらの取り組みの基盤としてタレントマネジメントシステムを整備し、社員一人ひとりのスキルの可視化を推進しています。これにより、適材適所の配置や後継者計画との連動を強化しています。現在は1,000名以上の技術系社員を対象にのスキルの可視化を実施しており、今後はこの取り組みを事務系社員へも拡大していく方針です。
人財の確保においては、 事業戦略と連動した人財要件を明確化するとともに、多様な価値観や専門性を有する人財を獲得するため、新卒採用および経験者採用を含む多様な採用チャネルを構築し、優秀な人財の確保に努めています。
次世代経営人財育成においては、当社グループから抜擢した社員を対象に「次世代リーダー塾」を実施しています。直近3年間のダイセルグループからの受講者数は合計30名です。本プログラムでは講義とアクションラーニングを組み合わせ、高い視座で戦略を立案・遂行できるリーダーシップの育成を目的としています。なお、「次世代リーダー塾」は、部門長クラスおよび若手管理職の2階層を対象に展開しています。
組織力の強化においても、社員一人ひとりが新しい発見や挑戦ができる企業文化の醸成を行っています。当社は、新規事業の可能性を探索する取り組みとして、ダイセルビジネスコンテスト「DAICON」を2021年度より毎年実施しています。2025年度には、選定された2件の提案案件について、内容の検討や実現可能性の検証を目的として予算を充当しました。
※1:次世代経営人財(経営・グローバル運営を担う人財)の候補÷執行役員数(毎年4月1日現在)
※2:技術レベルは、当社が定義する専門性・経験・成果に基づく社内評価基準であり、ランク5以上
は高度な専門的知識・技術を有し、社内で中核的な役割を担う人財を指します。
②働きがいを高める環境整備
社員の挑戦と成長を後押しするためには、多様な人財がそれぞれの強みを最大限に発揮できる仕組みづくりが不可欠です。こうした考えのもと、当社は2026年4月より、100%子会社であったポリプラスチックス株式会社と一体となり、新たな体制へ移行しました。
一体化にあたっては、いずれかの人事制度に単純に合わせるのではなく、両社がこれまで培ってきた価値観や制度の良さを尊重しながら、社員一人ひとりが挑戦し、成長できる制度の構築に取り組みました。具体的には、社員の発揮能力が最大化されることを重視し、能力の伸長や役割拡大に応じて早期の進級が可能となる等級体系を導入しました。これにより、自らの成長がキャリアの進展としてより明確に実感できる仕組みとしています。
また、評価制度においては、成果や挑戦の度合いを的確に反映できるようメリハリを持たせ、意欲的に取り組み、成果を上げた社員が正当に報われる設計としました。あわせて報酬制度についても、属人的な要素を排除し、職務や役割、発揮される能力に基づいて報酬が決定されるよう見直しを行っています。これにより、公平性・透明性の一層の向上を図り、社員が安心して能力を発揮できる環境づくりを進めています。
(ハ)連結グループ全体の価値向上に向けて
当社では、社員エンゲージメント向上を重要課題と位置づけ、2年に1回のエンゲージメントサーベイを実施しています。調査結果をもとに中長期的な組織課題を把握し、施策の実行と検証を通じて、社員が安心して働き、成長を実感できる職場環境の実現を目指しています。
<エンゲージメントスコアの推移(ダイセルグループ全体)>
■ エンゲージメント向上に寄与した主な取り組み事例
(ニ)給与決定方針
提出会社における従業員の給与等の決定方針は、連結ベースの人財戦略に基づき、国内外の競争力確保および従業員の持続的な成長促進を目的として定めています。
海外グループ企業の給与水準は、同業他社および労働市場の動向等を踏まえた外部ベンチマークを参考に設定するとともに、職務内容、役割および成果に応じた公平性・納得性の高い処遇を基本としています。
また、報酬体系は、固定給を基礎としつつ、業績連動要素および個人評価を反映した変動給を組み合わせることで、企業業績と従業員の貢献との連動性を高める設計としています。さらに、中長期的な企業価値向上への意識醸成を図る観点から、株式報酬制度等を導入しています。
なお、グループ各社においては、それぞれの国・地域の給与水準や労働市場の実態を踏まえ、各社が主体的に給与制度を構築しており、自律的運用を尊重しつつ、人権デュー・ディリジェンス等を通じて給与水準の定期的な確認を行い、全体としての整合性および競争力の確保に努めています。
(注) 1 提出会社単体について、当該事業年度に同社の人事部門が主催した研修を対象に集計しております。
2 一人あたり研修時間は、人事部門が主催した総研修時間と事業年度末時点の在籍正社員数から計算しております。
3 提出会社単体について、同社のレスポンシブル・ケア部門に報告された情報を対象に集計しております。
4 提出会社単体について、当該事業年度の同社の実績を記載しております。
(2) 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しております。
2 臨時従業員に派遣社員は含んでおりません。
(2) 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )内に当事業年度の平均人員を外数で記載しております。
2 臨時従業員に派遣社員は含んでおりません。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
労働組合の有無にかかわらず、当社を含め各グループ企業の労使は相互理解を基調に円満な関係にあります。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注) 1 「管理職に占める女性労働者の割合」、「労働者の男女の賃金の差異」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。
2 「管理職に占める女性労働者の割合」は正規雇用労働者を対象とし、出向者を出向元の労働者として算出しております。
3 「男性労働者の育児休業取得率」は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出しております。
4 「男性労働者の育児休業取得率」は、出向者を出向元の労働者として算出しております。
5 「労働者の男女の賃金の差異」は、海外に駐在している労働者を除いて算出しております。
6 「労働者の男女の賃金の差異」は、出向者を出向元の労働者として算出しております。
7 「労働者の男女の賃金の差異」は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、当社は、職群及び等級により異なる賃金水準を設定しております。男女では職群及び等級毎の人数に差があるため、賃金において差異が生じております。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び第160期事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っております。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、また会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同機構の行うセミナーへ参加しております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結貸借対照表】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1.連結の範囲に関する事項
(1) 連結子会社の数 55社
主要な連結子会社については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しているため省略しております。
富山フィルタートウ㈱は株式取得により、当連結会計年度より連結の範囲に含めております。
また、ダイセルパックシステムズ㈱は株式を売却したため、連結の範囲から除外しております。
(2) 主要な非連結子会社の名称等
主要な非連結子会社 Chrom Tech Ltd.
(連結の範囲から除いた理由)
小規模会社であり、合計の総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)および利益剰余金(持分に見合う額)等はいずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないためであります。
2.持分法の適用に関する事項
(1) 持分法適用の関連会社数 7社
主要な会社の名称 ポリプラ・エボニック㈱
東洋スチレン㈱は株式を売却したため、持分法適用の範囲から除外しております。
(2) 持分法を適用していない非連結子会社(Chrom Tech Ltd.他)および関連会社(豊科フイルム㈱他)は、それぞれ当期純損益(持分に見合う額)および利益剰余金(持分に見合う額)等に及ぼす影響が軽微であり、かつ全体としても重要性がないため、持分法の適用範囲から除外しております。
(3) 持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社のXi'an Huida Chemical Industries Co., Ltd.他1社については、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しており、その他の決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度に係る財務諸表を使用しております。
3.連結子会社の事業年度等に関する事項
Daicel (China) Investment Co., Ltd. 他14社の決算日は主として12月31日であり、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
4.会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準および評価方法
① 有価証券
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は主として移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
主として移動平均法による原価法
② デリバティブ
時価法
③ 棚卸資産
主として移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
① 有形固定資産
当社および国内連結子会社は、主として定率法(ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)ならびに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備および構築物は定額法)を採用し、在外連結子会社は主として定額法を採用しております。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産は、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
建物及び構築物 3年~75年
機械装置及び運搬具 4年~15年
② 無形固定資産
定額法
なお、自社利用のソフトウェアについては社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法によっております。
(3) 重要な引当金の計上基準
① 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
② 修繕引当金
2年に一度大規模定期修繕を実施する事業所の主要な機械装置等に係る定期修繕費用の支出に備えるため、その支出見込額のうち、当連結会計年度に負担すべき費用の見積額を計上しております。
(4) 退職給付に係る会計処理の方法
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用処理方法
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理することとしております。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による定額法により費用処理しております。
③ 小規模子会社等における簡便法の採用
一部の連結子会社は、退職給付に係る負債および退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。
(5) 重要な収益及び費用の計上基準
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行羲務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(または充足するに応じて)収益を認識する。
当社グループは、メディカル・ヘルスケア、スマート、セイフティ、マテリアル、エンジニアリングプラスチック各領域における製品その他の製造・販売を事業としております。
各事業の販売については、以下の時点で収益を認識しております。
国内販売については、主として製品を出荷した時点で、顧客に製品の所有に伴う重大なリスクおよび経済価値が移転し、支払いを受ける権利が確定するため、その時点で収益を認識しております。
輸出販売については、インコタームズに定められた貿易条件に基づき引渡時点で実質的な所有権および製品の所有に伴う重大なリスクが移転し、支払いを受ける権利が確定するため、その時点で収益を認識しております。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引きおよび割戻し等を控除した金額で算定しております。
取引の対価は、履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
(6) 重要な外貨建の資産または負債の本邦通貨への換算の基準
外貨建金銭債権債務は、連結決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。なお、在外子会社等の資産および負債は、連結決算日の直物為替相場により円貨に換算し、収益および費用は期中平均相場により円貨に換算し、換算差額は純資産の部における為替換算調整勘定および非支配株主持分に含めております。
(7) 重要なヘッジ会計の方法
① ヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジ処理によっております。
② ヘッジ手段及びヘッジ対象
③ ヘッジ方針
金利変動リスクに対して、取締役会等において承認を受けた規定および方針に定める範囲内の期間、極度額にてリスクヘッジすることとしております。
④ ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ対象の相場変動またはキャッシュ・フロー変動の累計とヘッジ手段の相場変動またはキャッシュ・フロー変動の累計とを半期ごとに比較し、両者の変動額等を基礎にして判断しております。
(8) のれんの償却方法及び償却期間
のれんの償却は、10年以内でその効果の発現する期間にわたり均等償却しております。ただし、重要性が乏しいものは発生時に一括償却しております。
(9) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっております。
(10) その他連結財務諸表作成のための重要な事項
繰延資産の処理方法
社債発行費用
支出時に全額費用として処理しております。
(重要な会計上の見積り)
(エンジニアリングプラスチック事業子会社(TOPAS Advanced Polymers GmbH(以下、TAPG社))における有形固定資産の評価)
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、当社資産についてはSBU、BUを最小の単位として、連結子会社については主に子会社を最小の単位として資産のグルーピングを行っております。
当連結会計年度において、エンジニアリングプラスチック事業を営むTAPG社を取り巻く内部環境及び外部環境の観点から以下の変化が生じています。
内部環境面では、TAPG社は製造設備増強を目的として、第2工場を建設しております。当該建設プロジェクトについては、過年度において、設計内容の確認・調整に想定以上の時間を要したため、稼働時期の見直しおよび投資額の増加が発生しました。その後、2026年4月の商業運転開始を目標に建設を進めてまいりましたが、当期に入り、市場環境の変化による需要動向の見極めに加え、工事の進捗状況等を総合的に勘案した結果、商業運転開始時期について再検討を行いました。その結果、安定的な立ち上げおよび需給バランスを考慮した運営を図る観点から、商業運転開始時期を2028年3月期中に見直すこととしました。
外部環境面では、EU指令に基づく環境対応の方向性および各ブランドオーナーによる環境対応宣言を背景として、当社は当初、2025年頃から環境対応包装分野における需要拡大が段階的に進展するものと想定しておりました。しかしながら、政策検討の進展によりEU包装・包装廃棄物規則(PPWR)として規則化され、制度内容が大幅に厳格化された上で2025年2月に発効した結果、市場の環境対応は当初の想定よりも長期的な時間軸で形成される状況となっております。現在は、PPWRを共通の制度的枠組みとして、2030年を目標とする中長期的な業界全体の対応として整理されております。当該需要形成のタイミングの変化が、当該建設プロジェクトの需要動向に影響を及ぼすと見込んでいます。
以上を踏まえて、当社グループはTAPG社の固定資産の減損の兆候について評価を行った結果、需要が伸長する時期が当初想定よりも後ろ倒しとなったことに伴い資産の経済的成果が当初想定よりも悪化するであろうという状況を認識し、当資産グループに減損の兆候が生じていると判断しました。これを踏まえた減損テストの結果、減損損失を32,425百万円計上しました。
当資産グループの回収可能価額は使用価値により測定しており、使用価値は、事業計画及び事業計画の予測期間後の成長を仮定した見積将来キャッシュ・フローを、加重平均資本コストを基礎とした割引率により現在価値に割り引いて算定しています。使用価値の算定における主要な仮定は、事業計画に含まれる将来の販売数量、販売単価、原料価格の市場、事業計画の予測期間を超えた後の成長率及び割引率です。なお、当社グループは、PPWRを背景にシュリンクラベル市場の需要は中長期的に増加すると見込む一方で、PPWRに基づく各種要件が2026年8月から順次適用されること、リサイクル可能な包装等の主要要件が早くて2030年から適用開始となること及び競合メーカー等の台頭を考慮した結果、減損テストにおける事業計画の予測期間を超えた後の成長率については不確実性を考慮し一般的な市場成長率を上限としております。
これらの見積りの前提条件や仮定に重要な変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失を認識する可能性があります。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)
(1) 概要
企業会計基準委員会において、日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組みの一環として、借手の全てのリースについて資産及び負債を認識するリースに関する会計基準の開発に向けて、国際的な会計基準を踏まえた検討が行われ、基本的な方針として、IFRS第16号の単一の会計処理モデルを基礎とするものの、IFRS第16号の全ての定めを採り入れるのではなく、主要な定めのみを採り入れることにより、簡素で利便性が高く、かつ、IFRS第16号の定めを個別財務諸表に用いても、基本的に修正が不要となることを目指したリース会計基準等が公表されました。
借手の会計処理として、借手のリースの費用配分の方法については、IFRS第16号と同様に、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、全てのリースについて使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルが適用されます。
(2) 適用予定日
2028年3月期の期首より適用予定です。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
「リースに関する会計基準」等の適用による連結財務諸表に与える影響額については、現時点で評価中です。
(表示方法の変更)
(連結貸借対照表)
前連結会計年度において、独立掲記しておりました「固定負債」の「役員退職慰労引当金」及び「環境対策引当金」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、「固定負債」に表示していた「役員退職慰労引当金」37百万円及び「環境対策引当金」1百万円は、「その他」として組み替えております。
(連結損益計算書)
前連結会計年度において、「営業外費用」の「その他」に含めて表示しておりました「寄付金」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において、「営業外費用」の「その他」に表示していた577百万円は、「寄付金」として組み替えております。
(連結貸借対照表関係)
※1 棚卸資産に含まれる科目および金額は次のとおりであります。
※2 有形固定資産の取得価額から控除している国庫補助金等の受入による圧縮記帳累計額
※3 非連結子会社および関連会社に対するものは次のとおりであります。
4 保証債務
次の関係会社等について、金融機関からの借入に対し債務保証および保証予約を行っております。
(1) 債務保証
(2) 保証予約
※5 財務制限条項
(1)当社は、2021年2月22日付で株式会社三井住友銀行及び株式会社三菱UFJ銀行を幹事とするシンジケートローン契約を締結しております。
この契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①2022年3月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の合計金額を、直前の各事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の合計金額の75%に相当する金額以上に維持すること。
②各事業年度末日における連結損益計算書に記載される営業損益を2回連続して損失としないこと。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における借入金額は以下のとおりであります。
(2) 連結子会社であるDP ENGINEERING PLASTICS (NANTONG) CO., LTD.(以下DPE社)は、2023年2月28日付で、三井住友銀行(中国)有限公司及びMUFGバンク(中国)有限公司を幹事とするシンジケートローン契約を締結しております。
この契約には、以下の財務制限条項が付されております。
①借入期間中におけるDPE社の貸借対照表に記載される純資産の合計金額を、2023年12月末時点のDPE社の貸借対照表に記載される純資産の合計金額の50%に相当する金額以上に維持すること。
②融資対象工場の完工証明取得5ヶ月以降に始まる会計年度以降の借入期間中において、2期連続の営業赤字とならないこと。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における借入金額は以下のとおりであります。
(連結損益計算書関係)
※1 期末棚卸高は収益性の低下に伴う簿価切り下げ後の金額であり、次の棚卸資産評価損が売上原価に含まれております。
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目および金額は次のとおりであります。
※3 不要資産の売却等によるものであります。
※4 不要設備の廃棄等であります。
※5 当社グループは、以下の資産グループについて減損損失を計上いたしました。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(グルーピングの方法)
当社グループは、当社資産についてはSBU、BUを最小の単位として、連結子会社については主に子会社を最小の単位として資産のグルーピングを行っております。
(減損損失の認識に至った経緯)
1.合成樹脂製造設備
当社のエンジニアリングプラスチック事業において、当社グループの樹脂着色および樹脂コンパウンドの研究・開発・販売に係る事業について、ノバセル株式会社へ事業譲渡いたしました。これに伴い事業計画の見直しを行った結果、収益性の低下により投資額の回収が困難であると認められるため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しております。回収可能価額は、正味売却価額により測定しており、主として不動産鑑定評価額により算定しております。
2.レンズ製造設備
当社のスマート事業において、スマートフォン用レンズ等を製造しておりましたが、当初見込んでいた案件の遅延や需要の急減があり、事業計画の見直しを行った結果、収益性の低下により投資額の回収が困難であると認められるため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しております。回収可能価額は、正味売却価額により測定しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(グルーピングの方法)
当社グループは、当社資産についてはSBU、BUを最小の単位として、連結子会社については主に子会社を最小の単位として資産のグルーピングを行っております。
(減損損失の認識に至った経緯)
1.エンジニアリングプラスチック製造設備
連結子会社であるTOPAS Advanced Polymers GmbH(以下、TAPG社)の第2工場建設プロジェクトにおいては、稼働時期の見直しおよび投資額の増加が発生しており、また、環境対応包装分野における需要が伸長する時期が当初想定よりも後ろ倒しとなったことを受けて、事業計画を見直した結果、収益性の低下が認められるため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しております。回収可能価額は使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを割引率9.8%で割り引いて算出しております。
2.自動車エアバッグ用イニシエータ製造設備
連結子会社であるDaicel Safety Systems Americas, Inc.社(以下、DSSA社)のイニシエータ事業において、米中の関税問題によりDSSA社から中国顧客向けの販売数量が減少したこと等を受けて、事業計画を見直した結果、収益性の低下により投資額の回収が困難であると認められるため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しております。回収可能価額は、正味売却価額により測定しております。
※6 一般管理費および当期製造費用に含まれる研究開発費の総額
(連結包括利益計算書関係)
※1 その他の包括利益に係る組替調整額並びに法人税等及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 発行済株式に関する事項
(注) 1 普通株式の発行済株式の株式数の減少10,000千株は、取締役会決議による自己株式消却による減少10,000千株であります。
2 自己株式に関する事項
(注) 1 普通株式の自己株式の株式数の増加10,997千株は、取締役会決議による自己株式の取得による増加10,987千株、譲渡制限付株式の無償取得による増加9千株、単元未満株式の買取りによる増加0千株であります。
2 普通株式の自己株式の株式数の減少10,309千株は、取締役会決議による自己株式消却による減少10,000千株、譲渡制限付株式報酬の処分による減少309千株によるものであります。
3 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
1 発行済株式に関する事項
(注) 1 普通株式の発行済株式の株式数の減少10,000千株は、取締役会決議による自己株式消却による減少10,000千株であります。
2 自己株式に関する事項
(注) 1 普通株式の自己株式の株式数の増加10,109千株は、取締役会決議による自己株式の取得による増加10,094千株、譲渡制限付株式の無償取得による増加14千株、単元未満株式の買取りによる増加0千株であります。
2 普通株式の自己株式の株式数の減少10,374千株は、取締役会決議による自己株式消却による減少10,000千株、譲渡制限付株式報酬の処分による減少374千株によるものであります。
3 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
2026年6月19日開催の定時株主総会の議案として、次の通り付議する予定です。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※1 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
(リース取引関係)
(借主側)
オペレーティング・リース取引
未経過リース料
(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入や社債発行により調達しております。一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用し、また短期的な運転資金を銀行借入や短期社債発行により調達しております。デリバティブ取引は、為替変動リスクおよび金利変動リスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。
(2) 金融商品の内容およびそのリスク
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。また、海外で事業を行うにあたり生じる外貨建ての営業債権は、為替の変動リスクに晒されておりますが、同じ外貨建の営業債務の範囲内にあるものを除き、原則として先物為替予約取引を利用してヘッジしております。
有価証券及び投資有価証券は、市場価格の変動リスクに晒されておりますが、主に業務上の関係を有する株式および一時的な余資運用の債券等であり、株式および債券については定期的に時価の把握を行っております。
営業債務である支払手形及び買掛金は、一年以内の支払期日であります。一部外貨建てのものについては、為替の変動リスクに晒されておりますが、恒常的に同じ外貨建ての売掛金残高の範囲内であります。
借入金、社債およびファイナンス・リース取引に係るリース債務は、主に設備投資等に必要な資金の調達を目的としたものであり、償還日は決算日後、最長で4年9ヶ月後であります。長期借入金の一部については、変動金利であるため金利変動リスクに晒されておりますが、デリバティブ取引(金利スワップ取引)を利用してヘッジしております。
デリバティブ取引は、外貨建ての営業債権債務等に係る為替の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした先物為替予約取引および直物為替先渡取引(NDF)ならびに、借入金に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利スワップ取引であります。なお、ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジの方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、前述の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項「4.会計方針に関する事項 (7) 重要なヘッジ会計の方法」」をご参照ください。
(3) 金融商品に係るリスク管理体制
① 信用リスク(取引先の契約不履行等に係るリスク)の管理
当社は、社内規定に従い、営業債権について、営業管理部門が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引先ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。また連結子会社についても、各社の規定に基づき同様の管理を行っております。
デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っております。
② 市場リスク(為替や金利等の変動リスク)の管理
当社及び一部の連結子会社は、外貨建ての営業債権債務等に係る為替の変動リスクに対するヘッジを目的とした先物為替予約取引および直物為替先渡取引(NDF)を利用しております。なお、為替相場の状況により、輸出に係る予定取引により確実に発生すると見込まれる外貨建営業債権に対する先物為替予約取引を行っております。また、一部の連結子会社は、借入金に係る支払金利の変動リスクを抑制するために、金利スワップ取引を利用しております。
有価証券及び投資有価証券については、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また業務上の関係を有する株式については、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。
デリバティブ取引については、取引権限や限度額等を定めたデリバティブ取引に関する規定に基づき、年間取引限度額について取締役会の承認を受け、これに従いデリバティブ取引執行部門が取引を行い、事務管理担当が記帳及び契約先と残高照合等を行っております。なお、デリバティブ取引執行と事務管理の各業務については、独立性が確保できるよう、人員を配置することとしております。連結子会社についても、各社のデリバティブ取引に関する規定に基づき、管理を行っております。取引残高及びリスク管理状況に関しては、定期的にデリバティブ取引責任者である担当役員及び、当社の取締役会等に報告しております。
③ 資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払いを実行できなくなるリスク)の管理
当社の各部署、連結子会社等からの報告に基づき、当社の事業支援本部経理グループが資金繰計画を作成・更新するとともに、手許流動性を一定水準に維持することなどにより、流動性リスクを管理しております。
(4) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価額の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件を採用することにより、当該価額が変動することもあります。また、「デリバティブ取引関係」注記におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2.金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価およびこれらの差額については、次のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
※1 「現金及び預金」、「受取手形」、「売掛金」、「支払手形及び買掛金」、「短期借入金」、および「未払法人税等」については、現金および短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しております。
※2 市場価格のない株式等は、「(1) 有価証券及び投資有価証券」には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
※3 連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他これに準ずる事業体への出資については、記載を省略しております。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
※4 デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示しております。
当連結会計年度(2026年3月31日)
※1 「現金及び預金」、「受取手形」、「売掛金」、「支払手形及び買掛金」、「短期借入金」、および「未払法人税等」については、現金および短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しております。
※2 市場価格のない株式等は、「(1) 有価証券及び投資有価証券」には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
※3 連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他これに準ずる事業体への出資については、記載を省略しております。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
※4 デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示しております。
3.金銭債権および満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
4.社債および長期借入金の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
5.金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注) 時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
有価証券及び投資有価証券
上場株式は相場価格を用いて評価しております。上場株式は活発な市場で取引されているため、その時価をレベル1の時価に分類しております。
時価評価を行っている非上場株式については、類似企業比較法を用いて評価しており、その時価をレベル3の時価に分類しております。
デリバティブ取引
時価の算定方法は、取引先金融機関から提示された価格等に基づき算定しており、その時価をレベル2の時価に分類しております。
社債
社債の時価は、主として相場価格に基づき算定しており、その時価をレベル2の時価に分類しております。
長期借入金
長期借入金の時価については、一定の期間ごとに区分した当該長期借入金の元金利の合計額を、当該借入金の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いて現在価値を算定しており、その時価をレベル2の時価に分類しております。
(3) 以下の表は、当連結会計年度におけるレベル3の金融商品の変動を表示しております。
※ その他の包括利益を通じて時価で測定する金融資産に関するものであり、その他の包括利益を通じて測定する金融資産の時価の純変動に含まれております。また、レベル3からの重要な振替は行われていません。
(4) レベル3の評価プロセス
非上場株式の時価の評価方針及び手続の決定は、外部の専門家により行われており、評価者が各対象資産の評価方法を決定し、時価を測定しております。時価の結果は、適切な権限者がレビューしております。
(5) レベル3に分類される資産に関する定量的情報
経常的に時価で測定するレベル3に分類される資産の評価技法及び重要な観察可能でないインプットに関する情報は以下のとおりであります。
(6) 重要な観察可能でないインプットの変動に係る感応度分析
レベル3に分類した金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な時価の増減は見込まれておりません。
(有価証券関係)
1.その他有価証券
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
2.売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
3.減損処理を行った有価証券
前連結会計年度において、その他有価証券について968百万円の減損処理を行っております。当連結会計年度において、有価証券についての減損処理は行っておりません。
なお、減損処理にあたって、市場価格のない株式等については時価を発行体の財政状態から算定される実質価額とし、事業計画等から回復の可能性を勘案して減損処理を行っております。
(デリバティブ取引関係)
1.ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
通貨関連
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
2.ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
金利関連
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(退職給付関係)
1.採用している退職給付制度の概要
当社は、確定給付企業年金制度、退職一時金制度および確定拠出年金制度を設けております。当社は、退職給付信託を設定しております。
一部の連結子会社は、確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けており、それ以外の連結子会社は確定拠出型の制度を設けております。
なお、確定給付型の制度を設けている連結子会社のうち、一部の連結子会社は、簡便法により退職給付に係る負債および退職給付費用を計算しております。
2.確定給付制度
(1) 退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表(簡便法を適用した制度を除く)
(2) 年金資産の期首残高と期末残高の調整表(簡便法を適用した制度を除く)
(3) 簡便法を適用した制度の、退職給付に係る負債の期首残高と期末残高の調整表
(4) 退職給付債務および年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債および退職給付に係る資産の調整表
(注) 簡便法を適用した制度を含みます。
(5) 退職給付費用およびその内訳項目の金額
(6) 退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりであります。
(7) 退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりであります。
(8) 年金資産に関する事項
① 年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりであります。
(注) 年金資産合計には、企業年金制度に対して設定した退職給付信託が前連結会計年度4%、当連結会計年度2%含まれております。
② 長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在および予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在および将来期待される長期の収益率を考慮しております。
(9) 数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎(加重平均で表しております。)
3.確定拠出制度
当社および連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は、前連結会計年度924百万円、当連結会計年度967百万円であります。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、独立掲記しておりました「繰延税金資産」の「環境対策引当金」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「繰延税金資産」の「その他」に含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度において「繰延税金資産」の「環境対策引当金」に表示しておりました0百万円は、「繰延税金資産」の「その他」として組み替えております。
(注) 1.評価性引当額に重要な変動が生じている当該変動の主な内容は、減損損失計上により将来減算一時差異が増加したことによるものです。
2.税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度(2025年3月31日) (単位:百万円)
(注) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
当連結会計年度(2026年3月31日) (単位:百万円)
(注) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社及び一部の国内連結子会社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(資産除去債務関係)
1.資産除去債務のうち連結貸借対照表に計上しているもの
イ 当該資産除去債務の概要
石綿障害予防規則による社有建物等解体時におけるアスベスト除去費用および連結子会社の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務であります。
ロ 当該資産除去債務の金額の算定方法
使用見込期間を取得から5年から50年と見積り、割引率は社有建物等解体時におけるアスベスト除去費用については財務数値に与える影響額が僅少であることから使用せず、連結子会社の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務については長期の無リスク利子率を使用して、資産除去債務の金額を計算しております。
ハ 当該資産除去債務の総額の増減
2.連結貸借対照表に計上しているもの以外の資産除去債務
当社および連結子会社の一部は不動産賃貸借契約に基づき使用する一部の事務所等について、退去時における原状回復に係る債務を有しておりますが、当該債務に関連する賃借資産の使用期間が明確でなく、資産除去債務を合理的に見積ることができません。そのため、当該債務に見合う資産除去債務を計上しておりません。
(賃貸等不動産関係)
当社および一部の連結子会社では、大阪府その他の地域において、賃貸用等の不動産(主として土地)を有しております。前連結会計年度における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は474百万円(営業外収益に計上)であります。当連結会計年度における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は544百万円(営業外収益に計上)であります。
また、当該賃貸等不動産の連結貸借対照表計上額、当連結会計年度増減額および時価は、次のとおりであります。
(注) 1 当該賃貸等不動産に関する当連結会計年度中の期中増減額のうち、主な増加額は、網干工場の建物新設による増加(2,050百万円)であります。
2 連結貸借対照表計上額は、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額であります。
3 当連結会計年度末の時価は、主として「不動産鑑定評価基準」に基づいて自社で算定した金額(指標等を用いて調整を行ったものを含む。)であります。
(収益認識関係)
(1) 収益の分解情報
当社グループは、メディカル・ヘルスケア事業、スマート事業、セイフティ事業、マテリアル事業、エンジニアリングプラスチック事業およびその他事業を基本として組織が構成されており、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定および業績の評価をするために、定期的に検討をおこなう対象としていることから、これらの事業で計上する収益を売上収益として表示しております。また、売上収益は顧客の所在地に基づき地域別に分解しています。これらの分解した売上収益と各報告セグメントの売上収益との関連は以下の通りであります。
(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、メンブレン事業および運輸倉庫業等を含んでおります。
(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、メンブレン事業および運輸倉庫業等を含んでおります。
1.メディカル・ヘルスケア事業
メディカル・ヘルスケア事業においては、光学異性体分離カラム、健康食品素材などの製造・販売を行っており、主に製品のユーザーを顧客としております。
メディカル・ヘルスケア事業における製品の販売については、主として製品を引渡した時点で顧客に製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、支払いを受ける権利を得るため、その時点で収益を認識しております。なお国内販売について、出荷時から製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合には、出荷時点において収益を認識しております。これらの製品販売による収益は、顧客との契約に係る取引価格で測定しております。また、取引の対価は履行義務を充足してから1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでいません。
2.スマート事業
スマート事業においては、カプロラクトン誘導体、エポキシ化合物、半導体レジスト材料、電子材料向け溶剤、機能フィルムなどの製造・販売を行っており、主に製品のユーザーを顧客としております。
スマート事業における製品の販売については、主として製品を引渡した時点で顧客に製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、支払いを受ける権利を得るため、その時点で収益を認識しております。なお国内販売について、出荷時から製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合には、出荷時点において収益を認識しております。これらの製品販売による収益は、顧客との契約に係る取引価格で測定しております。また、取引の対価は履行義務を充足してから1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでいません。
3.セイフティ事業
セイフティ事業においては、自動車エアバッグ用インフレータ、電流遮断器などの製造・販売を行っており、主に製品のユーザーを顧客としております。
セイフティ事業における製品の販売については、主として製品を顧客に引渡した時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、支払いを受ける権利を得るため、その時点で収益を認識しております。なお国内販売について、出荷時から製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合には、出荷時点において収益を認識しております。これらの製品販売による収益は、顧客との契約に係る取引価格で測定しております。また、取引の対価は履行義務を充足してから1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでいません。
4.マテリアル事業
マテリアル事業においては、酢酸および酢酸誘導体、アセテート・トウ、酢酸セルロース、化粧品原料などの製造・販売を行っており、主に製品のユーザーを顧客としております。
マテリアル事業における製品の販売については、主として製品を顧客に引渡した時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、支払いを受ける権利を得るため、その時点で収益を認識しております。なお国内販売について、出荷時から製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合には、出荷時点において収益を認識しております。これらの製品販売による収益は、顧客との契約に係る取引価格で測定しております。また、取引の対価は履行義務を充足してから1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでいません。
5.エンジニアリングプラスチック事業
エンジニアリングプラスチック事業においては、ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマー、水溶性高分子などの製造・販売を行っており、主に製品のユーザーを顧客としております。
エンジニアリングプラスチック事業における製品の販売については、主として製品を顧客に引渡した時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、支払いを受ける権利を得るため、その時点で収益を認識しております。なお国内販売について、出荷時から製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合には、出荷時点において収益を認識しております。これらの製品販売による収益は、顧客との契約に係る取引価格で測定しております。また、取引の対価は履行義務を充足してから1年以内に受領しており、重要な金融要素は含んでいません。
(2) 契約残高
顧客との契約から生じた債権、契約負債に関する情報は以下の通りであります。
契約負債は主に顧客から受け取った前受対価に関連するものです。
(3) 残存履行義務に配分する取引価格
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため実務上の便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。
また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、「戦略ビジネスユニット(SBU)」を中心とする組織を採用しており、各SBUが国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社は「メディカル・ヘルスケア事業」「スマート事業」「セイフティ事業」「マテリアル事業」「エンジニアリングプラスチック事業」の5つを報告セグメントとしております。
報告セグメントにおける主要製品は、以下の通りです。
<主な製品>
2.報告セグメントごとの売上高および利益または損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。
セグメント間の内部収益および振替高は、主に市場価格や製造原価に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高および利益または損失、資産、その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、メンブレン事業および運輸倉庫業等を含んでおります。
2 セグメント資産の調整額は、セグメント間の債権の相殺消去等△6,558百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産74,252百万円であります。全社資産は、余資運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(投資有価証券)および管理部門、基礎研究部門等にかかる資産等であります。
3 セグメント利益又は損失の合計額は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、メンブレン事業および運輸倉庫業等を含んでおります。
2 セグメント資産の調整額は、セグメント間の債権の相殺消去等△2,298百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産67,905百万円であります。全社資産は、余資運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(投資有価証券)および管理部門、基礎研究部門等にかかる資産等であります。
3 セグメント利益の合計額は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.製品およびサービスごとの情報
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
1.製品およびサービスごとの情報
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) スマート事業において、事業用資産の減損損失1,642百万円、エンジニアリングプラスチック事業において、事業用資産の減損損失5,411百万円を計上しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) セイフティ事業において、事業用資産の減損損失419百万円、エンジニアリングプラスチック事業において、事業用資産の減損損失32,425百万円を計上しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
【関連当事者情報】
1.関連当事者との取引
(1) 連結財務諸表提出会社と関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社の役員及び主要株主(個人の場合に限る。)等
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
(2) 連結財務諸表提出会社の連結子会社と関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社の役員及び主要株主(個人の場合に限る。)等
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
2.親会社及び重要な関連会社に関する情報
(1) 親会社情報
該当事項はありません。
(2) 重要な関連会社の要約財務情報
重要性がないため、記載を省略しております。
(1株当たり情報)
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載しておりません。
2 1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(重要な後発事象)
(連結子会社との会社分割(簡易吸収分割))
当社は、2026年1月15日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるポリプラスチックス株式会社(以下、「ポリプラスチックス」といいます。)の全事業(ただし、ポリプラスチックスが保有する子会社及び関連会社の株式に関する保有及び管理事業を除きます。以下、「本対象事業」といいます。)を2026年4月1日付で吸収分割により当社が承継すること(以下、「本吸収分割」といいます。)を決議いたしました。
なお、ポリプラスチックス株式会社は2026年4月1日付でHPP ホールディングス株式会社へ商号変更しております。
1. 本吸収分割の目的
当社は、中期戦略「Accelerate 2025」に沿った事業構造の転換を図り、エンジニアリングプラスチック事業の更なる強化のため、2020年に当社グループであるポリプラスチックスを完全子会社化しました。その後、中国でPOM増産設備が稼働する等、ポリプラスチックスは将来の成長に向けた海外生産拠点の能力増強投資を迅速に意思決定し、実行しております。また、ポリプラスチックスの業績面においても前期、過去最高益(ポリプラスチックスグループ連結ベース)を計上する等、完全子会社化の効果が着実に発現されつつあります。
本吸収分割においては、“新しいダイセル”を創るという考え方に立脚し、ポリプラスチックスの本対象事業を当社に統合することで、①ポリプラスチックスの強みであるテクニカルサービス及びソリューション提供に係るノウハウの共有、②当社セイフティ事業及びマテリアル事業等との緊密な連携強化、③グループ全体の成長に向けた人財活用、並びに、④コーポレート機能の効率化等を通じて、企業価値最大化を目指します。
2. 本吸収分割の要旨
(1) 本吸収分割の日程
本吸収分割契約承認取締役会決議日 2026年1月15日
本吸収分割契約締結日 2026年1月15日
本吸収分割の効力発生日 2026年4月1日
本吸収分割は、当社においては会社法第796条第2項本文に定める簡易分割の要件を、また、ポリプラスチックスにおいては会社法第784条第1項本文に定める略式分割の要件を満たすため、いずれも株主総会の承認を得ることなく行います。
(2) 本吸収分割の方式
ポリプラスチックスを吸収分割会社、当社を吸収分割承継会社とする吸収分割(簡易分割)です。
(3) 分割に係る割当ての内容
本吸収分割による株式その他の金銭等の交付はありません。
(4) 分割に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
該当事項はありません。
(5) 分割により増減する資本金
本吸収分割に伴う当社の資本金の増減はありません。
(6) 承継会社が承継する権利義務
本対象事業に関する資産、負債、契約及び権利義務を、吸収分割契約書に定める範囲において承継します。
(7) 債務履行の見込み
本吸収分割において、当社が負担すべき債務履行の見込みに問題はないものと判断しております。
3. 分割の当事会社の概要(2026年3月31日現在)
※当社の「当期純利益」欄は、「親会社株主に帰属する当期純利益」を記載しております。
4. 承継する事業の概要
(1) 承継する事業の内容
ポリプラスチックスの本対象事業
(2) 承継する事業の経営成績(2026年3月期)
(3) 承継する資産、負債の項目及び金額
5. 本吸収分割後の状況
本吸収分割に伴い、ポリプラスチックスの社名を、2026年4月1日付で「HPPホールディングス株式会社」に変更しております。また、ポリプラスチックスの国内外の関係会社の社名も同時に変更しております。
6. 実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2024年9月13日)に基づき、共通支配下の取引として会計処理を行いました。なお、当該吸収分割は、連結財務諸表上、内部取引として相殺消去されるため、損益に与える影響はありません。
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注) 連結決算日後5年以内における償還予定額は以下のとおりであります。
【借入金等明細表】
(注) 1 平均利率の算定には期末時点の利率を用いております。
2 一部のリース債務については、リース料総額に含まれる利息相当額を控除する前の金額で連結貸借対照表に計上しているため、当該リース債務については「平均利率」の計算に含めておりません。
3 長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く)の連結決算日後5年以内における返済予定額は以下のとおりであります。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首および当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首および当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、連結財務諸表規則第92条の2の規定により記載を省略しております。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) その他利益剰余金の内訳
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) その他利益剰余金の内訳
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券
子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
(2) デリバティブ
時価法
(3) 棚卸資産
移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産
定率法
1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)ならびに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備および構築物は定額法
(2) 無形固定資産
定額法
自社利用のソフトウェアについては社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しております。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による定額法により費用処理しております。
なお、数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしております。
(3) 修繕引当金
2年に一度大規模定期修繕を実施する事業所の主要な機械装置等に係る定期修繕費用の支出に備えるため、その支出見込額のうち、当事業年度に負担すべき費用の見積額を計上しております。
(4) 債務保証損失引当金
関係会社への債務保証等に係る損失に備えるため、被保証者の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しております。
4.収益及び費用の計上基準
当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行羲務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(または充足するに応じて)収益を認識する。
当社は、メディカル・ヘルスケア、スマート、セイフティ、マテリアル、エンジニアリングプラスチック各領域における製品その他の製造・販売を事業としております。
各事業の販売については、以下の時点で収益を認識しております。
国内販売については、主として製品を出荷した時点で、顧客に製品の所有に伴う重大なリスクおよび経済価値が移転し、支払いを受ける権利が確定するため、その時点で収益を認識しております。
輸出販売については、インコタームズに定められた貿易条件に基づき引渡時点で実質的な所有権および製品の所有に伴う重大なリスクが移転し、支払いを受ける権利が確定するため、その時点で収益を認識しております。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引きおよび割戻し等を控除した金額で算定しております。
取引の対価は、履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
5.その他財務諸表作成のための重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(2) 繰延資産の処理方法
社債発行費は支出時に全額費用として処理しております。
(重要な会計上の見積り)
(TAPG社における投融資の評価)
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
市場価格のない関係会社出資金については、実質価額が取得原価に比べて著しく低下した場合には、事業計画等を基礎として回復可能性を見積り、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、取得原価を実質価額まで減損処理しています。
また、関係会社において債務超過となった場合は、債務超過の金額に応じて貸倒引当金及び債務保証損失引当金を計上しています。
関係会社投融資の評価は、主にTAPG社の有形固定資産の減損の有無に影響を受けることから、見積りの主要な仮定については「連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) エンジニアリングプラスチック事業子会社における有形固定資産の評価 (2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報」の記載内容と同一のため、注記を省略しています。
(表示方法の変更)
(貸借対照表)
前事業年度において、独立掲記しておりました「固定負債」の「環境対策引当金」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「その他」に含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前事業年度の貸借対照表において、「固定負債」に表示していた「環境対策引当金」1百万円は、「その他」として組み替えております。
(貸借対照表関係)
※1 有形固定資産の取得価額から控除している国庫補助金等の受入による圧縮記帳累計額
※2 関係会社に対する主な資産および負債
区分掲記されたもののほか次のものがあります。
3 保証債務
次の関係会社等について、金融機関からの借入等に対し債務保証および保証予約を行っております。
(1) 債務保証
(2) 保証予約
※4 財務制限条項
当社は、2021年2月22日付で株式会社三井住友銀行及び株式会社三菱UFJ銀行を幹事とするシンジケートローン契約を締結しております。
この契約には、以下の財務制限条項が付されております。
(1) 2022年3月期末日及びそれ以降の各事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の合計金額を、直前の各事業年度末日における連結貸借対照表に記載される純資産の合計金額の75%に相当する金額以上に維持すること。
(2) 各事業年度末日における連結損益計算書に記載される営業損益を2回連続して損失としないこと。
なお、前事業年度末及び当事業年度末における借入金額は以下のとおりであります。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引に係るものは、次のとおりであります。
※2 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度32%、当事業年度32%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度68%、当事業年度68%であります。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。
※3 不要資産の売却によるものであります。
※4 固定資産除却損の内容は次のとおりであります。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2025年3月31日)
市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2026年3月31日)
市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(表示方法の変更)
前事業年度において、独立掲記しておりました「繰延税金資産」の「環境対策引当金」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「繰延税金資産」の「その他」に含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の注記の組替えを行っております。
この結果、前事業年度において「繰延税金資産」の「環境対策引当金」に表示しておりました0百万円は、「繰延税金資産」の「その他」として組み替えております。
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(重要な後発事象)
連結財務諸表等「注記事項(重要な後発事象)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1 「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額であります。
2 主な増加額の内訳
建 物 ・・・・網干工場 耐震移転計画 2,188百万円
機械装置 ・・・・網干工場 COプラント石炭ガス化計画 2,924百万円
大竹工場 ボイラー能力増強 1,084百万円
建設仮勘定 ・・・網干工場 酢酸セルロース製法転換設備 6,792百万円
3 主な減少額の内訳
機械装置 ・・・・主として除却によるものであります。
4 当期首残高および当期末残高については、取得価額で記載しております。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができません。
・会社法第189条第2項各号に掲げる権利
・取得請求権付株式の取得を請求する権利
・株主の有する株式数に応じて募集株式又は募集新株予約権の割当てを受ける権利
・単元未満株式の売渡請求をする権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。