第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 国際会計基準(以下、「IFRS」)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2 記載金額は百万円未満を四捨五入して表示しております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 記載金額は百万円未満を四捨五入して表示しております。
2 第149期の1株当たり配当額200円のうち、期末配当額100円については、2026年6月24日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として提案しております。
3 最高株価および最低株価は、東京証券取引所(2022年4月3日以前は市場第一部、2022年4月4日以降はプライム市場)におけるものであります。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは連結財務諸表提出会社(「当社」)と連結子会社(パートナーシップを含む)154社、持分法適用関連会社等10社を合わせた165社により構成されています(2026年3月31日現在)。当社グループは、幅広い医薬品のポートフォリオを有し、研究、開発、製造およびグローバルでの販売を行っています。
当社グループは、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業として、消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、およびオンコロジーの重点疾患領域において、革新的な医薬品を創出し続けることを追求するとともに、血漿分画製剤およびワクチンをお届けすることにも注力しています。当社グループはパートナーとともに、強固なパイプラインを通じて、患者さんの治療体験の向上を図り、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても治療パラダイムの変革に取り組んでいます。また、バリューチェーン全体にわたり先進技術や人工知能(AI)の統合を進めることで、事業運営の有効性と効率性を高め、イノベーションを促進し、ステークホルダーへの提供価値の向上につなげています。
当年度末における、当社グループを構成している主要な会社の当該事業に係る位置付けの概要は次のとおりです。なお、当社グループは、「医薬品事業」の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。
日本においては、当社が研究開発、製造および販売を行っています。
日本を除くその他の地域においては、各国に展開している子会社・関連会社等が研究開発、製造および販売機能を担っています。これらのうち米国における主要な子会社は武田ファーマシューティカルズ U.S.A., Inc.、バクスアルタUS Inc.、米州武田開発センター Inc.等であり、欧州およびカナダにおいては、武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル AG、武田 GmbH等です。またその他の地域における主要な子会社は武田(中国)国際貿易有限公司等であります。
(注)関連会社等には、ジョイント・ベンチャー(共同支配企業)を含んでおります。
以上で述べた事項の概要図は次のとおりであります。

4 【関係会社の状況】
(連結子会社(パートナーシップを含む))
2026年3月31日現在
(持分法適用関連会社等) 10社
(注) 1 資本金又は出資金欄には、百万単位以上の会社については百万単位未満を四捨五入した金額を、百万単位未満千単位以上の会社については千単位未満を四捨五入した金額を記載しております。
2 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。
3 武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えております。
なお、武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.の数値は、武田ファーマシューティカルズアメリカ Inc.を含む同社の子会社2社を含む連結数値であります。
4 役員の兼任に関する用語は次のとおりです。
兼任・・・当社グループの役員が該当会社の役員である場合
5 (※)は特定子会社に該当します。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
タケダの企業理念
当社の企業理念は、当社が誰であるか、何を行うか、どのように行うか、なぜそれが重要なのかというタケダのストーリーを伝えています。私たちは、次の時代に踏み出すにあたり、より健康な世界の実現という世代を超えて受け継がれる約束を果たすべく、引き続き取り組んでまいります。
私たちの存在意義は、世界中の人々の健康と輝かしい未来に貢献することにあります。このため私たちは、革新的な医薬品を創出し続けるというビジョンを追求しています。当社の従業員はこの存在意義のもとに結束し、245年にわたり当社の礎となってきた誠実、公正、正直、不屈の価値観に基づいて行動しています。そして、患者さん、株主、社会に対する長期的な価値を創造し、従業員、関わる地域コミュニティ、私たちが暮らす地球に対して良い影響を提供し続けることができるよう努めています。
事業環境
グローバルなバイオ医薬品企業を取り巻く外部環境は引き続き複雑であり、地政学的分断の進行や国際的な政策の不確実性が続いています。また、継続する緊張関係や同盟関係の変化、貿易政策の変容により、国境を越えた事業運営や長期的な投資計画に対する不透明さが長引いています。こうした動向は、規制の枠組みやサプライチェーンの強靭性、さらにはグローバルな医療市場全体の安定性に対する影響を強めています。
主要地域においては、薬価への圧力が引き続き大きな課題となっています。また、各国政府は予算配分を防衛分野にシフトさせており、景気減速やインフレーション、広範な財政圧力を背景に、公的医療費への制約が強まり、薬価への圧力がさらに高まっています。各国政府は患者さんの治療アクセスの拡大を目指しているものの、医療予算の制約は続いています。その結果、薬価や保険適用の条件がより厳格化され、市場導入に要する期間も世界的に長期化しています。米国では、薬価政策の変更が継続的に実施されていることにより、革新的な治療法に係る見通しの不透明性が高まり、今後の投資判断に影響を及ぼす可能性があります。欧州および日本においては、財政的な制約が構造的に存在しており、複数の治療領域における成長が抑えられています。
一方で、科学および技術の進展のペースは一段と加速しています。プラットフォームサイエンス、データ分析、オートメーション化、人工知能といった分野の進歩は、新薬の創製・開発・提供の在り方を大きく変えつつあります。このような状況において、当社は、重点疾患領域に経営資源を集中し、製造・供給・品質に係る規律を一層高め、人を軸としながらも積極的にテクノロジーを活用する変革を推進し、科学的妥当性の確保と患者さんからの信頼維持に努めていきます。
当社は、研究開発において着実な進展を遂げており、将来に向けて良好な基盤を築いています。重点疾患領域に注力した取り組みとデジタル技術の活用の拡大により、革新的な医薬品をより迅速かつ効率的に患者さんにお届けする体制を強化しています。外部環境の厳しさが増す中にあっても、患者さんを最優先に考え、責任をもって科学を前進させることは、今後も事業運営の根幹であり続けます。
私たちが描く将来ビジョン
科学の急速な進展と医療を取り巻く国際的な事業環境の複雑化が進む中、当社の戦略は、革新的な新薬を連続的に上市していく取り組みを通じて、短期的に確かな成果を積み重ね、成長の加速に向けた基盤を整えるものです。2025年には、後期開発段階にあるoveporexton、rusfertideおよびザソシチニブの3つの主力パイプラインにおいて、臨床第3相試験で良好な結果を得ることができました。いずれも数十億米ドル規模の売上収益をもたらす可能性を有しています。これらの成果は、当社パイプラインの層の厚さと研究開発の質の高さを示すとともに、厳格な規制要件や製品の市場展開において求められる重要なマイルストンを達成する当社の実行力を示しています。
当社は、事業成長を段階的に実現する考え方として、短期に変革を進めるHorizon1と、中長期の成長と患者さんへのさらなる貢献を加速するHorizon2という二つの時間軸を設定し、事業を展開していきます。Horizon1では、投資と全社的な変革により、競争力と成長の基盤を短期的に強化します。Horizon2では、複数の新薬の市場浸透と規模の拡大を通じて、中長期的な成長を加速し、より多くの患者さんにさらに貢献し、株主の皆様に長期的な価値を創出します。当社は、私たちの存在意義と価値観に基づき、二つのHorizonを通じて、革新的な医薬品を一日でも早く患者さんにお届けしていきます。
Horizon1:成長に向けた変革
Horizon1では、新薬の上市、後期開発段階にある強固なパイプラインの推進、およびオペレーションの変革に取り組みます。
本年1月以降、CEO交代計画の最終段階として、当社は組織体制および業務運営の見直しを進めてきました。次期CEOのジュリー・キムは、新たな経営体制を構築し、患者さんや顧客により近いところでの事業意思決定を可能にする組織の再設計を行いました。この新しい組織体制のもと、業務の標準化・簡素化を進めながら先進技術の導入を加速し、当社の価値観をゆるぎない軸として維持しながらも、スピードと成果に対するこだわりを追求していきます。
主要な研究開発活動の内容および進捗の詳細については、「6 研究開発活動」をご参照ください。
Horizon 1では、今後12カ月の間に予定している複数の新薬の上市を確実に遂行するため、必要な経営資源の確保を進めます。また、この期間では、5つの後期開発品をはじめとする、重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、オンコロジー)におけるパイプラインの開発を進めながら、一方で、厳しい市場環境下においても、ENTYVIOやGAMMAGARD LIQUID/KIOVIGなどの製品が競争力を維持できるよう取り組んでいきます。
Horizon 1の中核を成すのは、コスト規律の徹底と戦略的な投資の両立です。その一環として、当社は2028年度までに年換算で2,000億円以上の費用を節減し、その成果を新薬の上市、パイプラインの強化およびテクノロジーへの投資に充当していきます。こうした取り組みを通じて、財務の健全性を維持しながら、さらなる成長に向けた基盤を強化していきます。この間、調整後フリー・キャッシュ・フロー(注)を潤沢に創出し続けることが、成長に向けた投資と株主還元を両立させるための礎となります。
(注)定義については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。
Horizon2:成長の加速
Horizon1で規律ある投資を進めながら新薬上市を成功させることで、Horizon 2でタケダの次なる成長期を切り拓く牽引役が、成熟化が進む既存ポートフォリオから新たな主力製品群へ移行していきます。この新たな製品群には、oveporexton、rusfertide、ザソシチニブに加え、現在の後期開発パイプラインからさらなる新薬が順次加わることを見込んでいます。これら新主力製品群の収益貢献に加え、事業運営のさらなる効率化を継続的に推進することで、既存ポートフォリオの成熟化を乗り越える持続的な成長を実現していきます。
当社は、次世代の科学とテクノロジーを駆使しながら、医薬品とそれによって実現される治療の成果において、可能性そのものを再定義することに挑んでいきます。この挑戦こそが、患者さんの生活と社会にもたらす価値を最大化することにつながると信じているからです。
変革の原動力となるテクノロジー
この新たな時代において、テクノロジーはそれ自体が目的ではなく、当社の変革を実現するための中核を成すものです。テクノロジーは、私たちが価値を創出・開発し、提供していく取り組みと不可分に結びつき、探求心や創造力、チームが持つ集合知を一層引き出す力となっています。
人工知能、デジタルプラットフォームおよび高度なデータ分析は、現在、バリューチェーンのあらゆる段階に組み込まれています。これらのテクノロジーは、意思決定や業務遂行のスピードを高め、その質を向上させるとともに、部門間の壁を取り払い、迅速な学習、部門横断的な機動性の向上および業務運営の最適化を重視する文化を育んでいます。
当社において、テクノロジーは単なるツールにとどまらず、協働しながら可能性を広げる存在となっています。高度なプラットフォームとデータに基づく知見を従業員が活用することで、患者さんの差し迫ったニーズへの対応、意義ある価値の創出、成長の推進、そしてあらゆるステークホルダーとの持続的な信頼関係の構築といった、最も重要な課題に注力できる環境を整えています。
コラボレーションと成果が切り拓く未来
医療における意義ある前進は、パートナーシップによってもたらされるものと考えています。私たちの目指す未来は、社内にとどまらず、バイオ医薬品業界全体、さらには科学コミュニティ、規制当局、患者さんコミュニティとの幅広い連携に根ざしています。官民のパートナーシップ、グローバルな連携、地域社会との対話を通じて、日々多様な声を積極的に取り入れ、解決策を共に創り上げています。
こうしたパートナーシップへのコミットメントは、次のイノベーションの創出の在り方にも表れます。オープンサイエンスや共有プラットフォームの活用、また、様々な関係者との連携は、今後ますます複雑化する医療課題に向き合う上で重要な役割を果たします。分野や地域を越えて協働することで、医療へのアクセスを拡大し、公平な治療成果の実現を後押しし、私たちの取り組みがもたらす価値を将来にわたり一層広げていきます。
財務展望
強固な財務基盤と明確な戦略フレームワークのもと、当社は持続的な成長と長期的な価値創造を財務面から支える取り組みを進めています。
短中期的(Horizon 1)には、成熟化が進む既存ポートフォリオの安定性と競争力を基盤としつつ、oveporexton、rusfertide、ザソシチニブなどの有望な新製品について、薬事承認および上市にむけた重要なマイルストンの達成に注力するとともに、後期開発段階にあるパイプライン全体の開発を着実に推進していきます。
収益性を維持するため、組織体制の最適化を進めるとともに、データおよびテクノロジーを活用し、意思決定と業務運営双方の効率性を改善していきます。こうした取り組みに加え、事業構造再編費用を含むその他の営業費用の削減と、有利子負債の返済を通じた金融費用の削減により、まずは、配当の持続性を確保する、ROE5%を上回る水準の財務上当期利益を達成することを目標とします。
当社の事業は強い現金創出力を持ちますが、資本配分の規律を維持し、資本効率を持続的に向上させていきます。成長に向けた継続的な投資を行いながらも潤沢な調整後フリー・キャッシュ・フロー(注)を確保し、さらなる有利子負債の削減を進めるとともに、累進配当を維持していきます。
長期的(Horizon 2)には、成熟化が進む既存ポートフォリオに代わり、新製品の収益貢献が当社の成長加速の牽引役になるものと考えています。費用管理の規律を維持しながら売上高を伸ばすことが、30%台前半から半ばのCore営業利益率(注)に向けた、収益性改善のドライバーとなっていきます。また、調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率(注)は2倍を目標水準とし、持続的な成長に向けたさらなる投資を可能にする強固な財務基盤を構築していきます。
当社は、これらの取り組みを通じて業績を持続的に改善し、その取り組みの積み重ねにより、企業価値の向上および競争力ある株主総利回りを実現していきます。
(注)定義については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。
[主要製品一覧]
消化器系疾患領域における主要製品は以下のとおりです。
・ENTYVIO(ベドリズマブ):ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎・クローン病に対する治療剤です。ENTYVIOは、2014年に米国および欧州において発売以来、売上が伸長しており、2026年3月期の当社グループの売上トップ製品でした。現在、ENTYVIOは世界70カ国以上で承認され、エンタイビオ皮下注射製剤は米国、欧州および日本において承認されています。エンタイビオ皮下注射製剤は、その利便性および患者アクセスの向上により、当該製品の使用拡大を牽引しています。また、当社は、さらなる国・地域での承認取得および適応症の拡大を通じて、本剤の可能性の最大化に取り組んでいます。2026年3月期におけるENTYVIOの売上収益は9,580億円となりました。
・GATTEX/レベスティブ(テデュグルチド[DNA組換え型]):非経口(静脈栄養)サポートを必要とする短腸症候群(SBS)の治療薬です。成人用および小児用の効能を有するGATTEX/レベスティブが米国、欧州、日本において発売されました。2026年3月期におけるGATTEX/レベスティブの売上収益は1,457億円となりました。
・タケキャブ/VOCINTI(ボノプラザンフマル酸塩):酸関連疾患の治療剤タケキャブは、2015年に日本で発売され、逆流性食道炎や低用量アスピリン投与時における胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発抑制などの効能により飛躍的な成長を遂げました。タケキャブ(中国の製品名:VOCINTI)は、2019年に胃食道逆流症の治療剤として中国で承認されました。2026年3月期におけるタケキャブ/VOCINTIの売上収益は1,437億円となりました。
・EOHILIA(ブデソニド経口懸濁液):EOHILIAは好酸球性食道炎(EoE)の治療薬で、コルチコステロイド薬です。FDAによる承認を受けた初めてかつ唯一の11歳以上のEoE患者さんへの12週間の投与を適応とする経口治療薬です。2024年2月に米国FDAによる承認取得後発売されました。2026年3月期におけるEOHILIAの売上収益は88億円となりました。
希少疾患領域における主要製品は以下のとおりです。
・タクザイロ(ラナデルマブ):タクザイロは、遺伝性血管性浮腫(HAE)の発作予防に用いられます。タクザイロは、HAEの患者さんにおいて慢性的に制御不能な酵素である血漿カリクレインに選択的に結合し、減少させる完全ヒト型モノクローナル抗体です。タクザイロは(12歳以上の患者さんへの適応として)2018年に米国と欧州にて、2020年に中国にて、2022年に日本にて承認され、さらなる地理的拡大を目指しています。2023年に、2歳以上の小児患者さんに対する治療薬として、FDAおよび欧州委員会の承認を取得しました。また、2025年2月に、12歳以上の遺伝性血管性浮腫患者さんへの皮下投与用のタクザイロの追加の選択肢である2mLのプレフィルドペンが欧州医薬品庁(EMA)および厚生労働省から承認されました。2026年3月期におけるタクザイロの売上収益は2,239億円となりました。
・アドベイト(抗血友病因子(遺伝子組換え型)):アドベイトは、血友病A(血液凝固第Ⅷ因子欠乏)の治療薬であり、出血の制御と予防、周術期管理および出血の頻度を予防または軽減するために行う定期補充療法に使用されます。2026年3月期におけるアドベイトの売上収益は1,055億円となりました。
・エラプレース(イデュルスルファーゼ):エラプレースは、ハンター症候群(ムコ多糖症II型またはMPS II)に対する酵素補充治療薬です。2026年3月期におけるエラプレースの売上収益は1,005億円となりました。
・リプレガル(アガルシダーゼ アルファ):リプレガルは、ファブリー病に対して米国以外の市場で販売され、2020年に中国でも承認された酵素補充療法治療薬です。当社は、2022年2月に大日本住友製薬株式会社から「リプレガル」の日本における製造販売承認を承継し、同剤の販売の移管を受けました。ファブリー病は、脂肪の分解に関与するリソソーム酵素α-ガラクトシダーゼAの活性の欠如に起因する遺伝子性の希少疾患です。2026年3月期におけるリプレガルの売上収益は804億円となりました。
・ビプリブ(ベラグルセラーゼアルファ点滴静注用):ビプリブはI型ゴーシェ病に対する長期酵素補充療法治療剤です。2026年3月期におけるビプリブの売上収益は572億円となりました。
・アディノベイト/ADYNOVI(抗血友病因子(遺伝子組換え型) [PEG化]):アディノベイト/ADYNOVIは、血友病A治療薬であり、遺伝子組換え型半減期延長第Ⅷ因子製剤です。アディノベイト/ADYNOVIは遺伝子組換え型半減期延長第Ⅷ因子製剤アドベイトと同じ製造工程で作られ、当社がネクター社より独占的にライセンス取得しているPEG化(体内での循環時間を延長し、投与頻度を減らすための化学修飾処理)技術を追加したものです。2026年3月期におけるアディノベイト/ADYNOVIの売上収益は567億円となりました。
・リブテンシティ (maribavir):リブテンシティは、成人患者さんと小児患者さん(12歳以上で体重35kg以上)に対する、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、ホスカルネット、またはシドフォビルに対して遺伝子型抵抗性(無しも含みます)を示す難治性の移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症治療薬であり、2021年12月に米国において発売され、2022年11月に欧州、2023年12月に中国において承認されました。リブテンシティは、高いアンメット・メディカル・ニーズによる順調な市場浸透、急速なエリア拡大、迅速なマーケットアクセスにより、上市後も好調な業績となりました。2026年3月期におけるリブテンシティの売上収益は469億円となりました。
・アジンマ(遺伝子組換え ADAMTS13-krhn):アジンマは先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)の成人および小児患者さんの予防的治療薬ならびに酵素補充療法であり、欠乏したADAMTS13酵素を補充することによりcTTP患者さんのアンメット・メディカル・ニーズに対応するFDAに承認された初めてかつ唯一の遺伝子組換えADAMTS13(rADAMTS13)です。 また、アジンマ(一般名: アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムターゼ アルファ(遺伝子組換え))が、日本においては12歳以上の患者さん、欧州(EMA市場)においてはすべての年齢層の患者さんを対象としたcTTP治療薬として承認されました。2026年3月期におけるアジンマの売上収益は120億円となりました。
血漿分画製剤(PDT)領域における主要製品は以下のとおりです。
・GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG(静注用人免疫グロブリン10%製剤):GAMMAGARD LIQUIDは、抗体補充療法用免疫グロブリン(以下、「IG」)の液体製剤です。GAMMAGARD LIQUIDは、原発性免疫不全症(PID)の成人および2歳以上の小児患者さんに対して使用され、静注または皮下注のいずれかの方法で投与します。また、GAMMAGARD LIQUIDは、成人の多巣性運動ニューロパチー(MMN)患者さんに対しても静注投与にて使用されます。2024年1月に、米国において、GAMMAGARD LIQUIDが、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者さんの治療薬として承認されました。GAMMAGARD LIQUIDは、米国以外の多くの国で製品名KIOVIGとして販売されています。KIOVIGは、欧州において、CIDPを含む、複数の適応症への使用が承認されています。
・ハイキュービア(ヒト免疫グロブリン注射製剤10%):ハイキュービアは、ヒト免疫グロブリン(IG)および遺伝子組換え型ヒトヒアルロニダーゼ(Halozyme社よりライセンス取得)からなる製剤です。ハイキュービアは、PID患者さんに対して最長で1ヶ月に1回の投与で、1回あたりの注射部位一ヶ所でIGの全治療用量の投与が可能な唯一のIG皮下注用治療薬です。ハイキュービアは、米国では成人PID患者さんへの使用、欧州においてはPID症候群および骨髄腫患者さんまたは重度の続発性低ガンマグロブリン血症および回帰感染を伴う慢性リンパ性白血病患者さんへの使用、また日本においてはPID患者さんまたは無又は低ガンマグロブリン血症を伴う続発性免疫不全症の患者さんへの使用が承認されております。2024年1月に、ハイキュービアは、米国において、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の成人患者さんの再発予防の維持療法として、また、欧州においては、すべての年齢のCIDPの患者さんの維持療法として承認されました。
• キュービトル(ヒト免疫グロブリン皮下注用20%製剤):キュービトルは、原発性体液性免疫不全症の成人および2歳以上の小児患者さんに対する補充療法に用いられます。キュービトルは、欧州では特定の続発性免疫不全の治療薬としても承認されています。キュービトルは、プロリン不含で、投与部位1ヶ所あたりの耐用量内で最大60 mL(12g)および1時間あたり60 mLまで投与可能な唯一の20%皮下IG治療薬であり、従来の皮下IG治療薬と比較してより少ない投与部位および短い投与時間での使用が可能です。
2026年3月期におけるGAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、ハイキュービア、キュービトルを含む免疫グロブリン製剤の売上収益は7,906億円となりました。
・FLEXBUMIN(ヒトアルブミンバッグ製剤)およびヒトアルブミン(ガラス瓶製剤):FLEXBUMINおよびヒトアルブミンは、濃度5%、20%および25%の液体製剤として販売されています。両製品とも、血液量減少症、一般的な原因および火傷による低アルブミン血症、ならびに心肺バイパス手術時のポンプのプライミングに使用されます。また、FLEXBUMIN 25%製剤は、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)およびネフローゼに関連する低アルブミン血症、ならびに新生児溶血性疾患(HDN)にも適応されます。2026年3月期におけるFLEXBUMINおよびヒトアルブミン(ガラス瓶製剤入り)を含むアルブミン製剤の売上収益は1,403億円となりました。
オンコロジー領域における主要製品は以下のとおりです。
・アドセトリス(ブレンツキシマブ ベドチン):アドセトリスは、ホジキンリンパ腫(HL)および全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)の治療に使用される抗癌剤で、2020年5月には中国で承認され世界70カ国以上で販売承認を受けております。当社は、現在Pfizer Inc.の完全子会社であるSeagen, Inc.とアドセトリスを共同開発し、米国およびカナダ以外の国での販売権を保有しています。2026年3月期におけるアドセトリスの売上収益は1,402億円となりました。
・リュープリン/ENANTONE(リュープロレリン):リュープリン/ENANTONEは、前立腺がんや乳がん、小児の中枢性思春期早発症、子宮内膜症や不妊治療、子宮筋腫による貧血の症状改善に用いられる治療薬です。リュープロレリンの特許期間は満了していますが、製造の観点から後発品の市場参入は限定的です。2026年3月期におけるリュープリン/ENANTONEの売上収益は1,208億円となりました。
・ニンラーロ(イキサゾミブ):ニンラーロは、多発性骨髄腫(MM)治療に対する初めての経口プロテアソーム阻害剤です。ニンラーロは、再発又は難治性の多発性骨髄腫の効能で、2015年に米国で承認されて以来、2016年に欧州、2017年に日本、2018年に中国で承認されております。日本においては、多発性骨髄腫の維持療法の治療薬としても承認を受けております。2026年3月期におけるニンラーロの売上収益は821億円となりました。
・アイクルシグ(ポナチニブ塩酸塩):BCR-ABLに作用するチロシンキナーゼ阻害薬であり、慢性骨髄性白血病(CML)とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ ALL)の治療に適応となります。2016年に米国において全面的な承認を取得した後、2020年と2024年に米国において適用拡大の承認を取得しました。当社は米国とオーストラリアにおいて販売権を取得しております。米国とオーストラリア以外の地域では、認可を受けたパートナー5社により60を超える市場において販売されており、当社はこれらのパートナーから、供給、ロイヤリティおよびマイルストンの支払を受領しており、その水準はパートナーによって異なります。2026年3月期におけるアイクルシグの売上収益は750億円となりました。
・FRUZAQLA(フルキンチニブ):フルオロピリミジン、オキサリプラチン、およびイリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法、および抗EGFR療法(RAS野生型で医学的に適切な場合)の治療歴があるmCRC成人患者さんに対する治療薬です。FRUZAQLAは、3種類のVEGF受容体キナーゼすべてに対して選択性を有する内服阻害薬として、米国、欧州、日本のほか、世界中の幾つもの国々で承認されております。当社は中国本土、香港、マカオ外でのフルキンチニブのグローバル開発、商業化および製造をさらに進めるための独占的ライセンスを有しています。フルキンチニブは中国ではHUTCHMED社により開発および販売されています。2026年3月期におけるFRUZAQLAの売上収益は551億円となりました。
・アルンブリグ(ブリグチニブ):アルンブリグは、非小細胞肺がん(NSCLC)治療に使用される経口投与の低分子未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害剤であり、クリゾチニブ投与中に進行した、またはクリゾチニブに不耐性を示す患者さんに対する治療薬として、2017年に米国で迅速承認され、2018年にEUにおいて、クリゾチニブの治療歴を有する患者さん向けの販売承認を取得しました。2020年に米国とEUの両方において、新たにALK陽性転移性NSCLCと診断された患者さんに対する効能が追加されました。2021年1月に、日本において、ファーストラインおよびセカンドラインの治療薬として承認されました。また2022年3月に、アルンブリグは中国において承認されました。2026年3月期におけるアルンブリグの売上収益は369億円となりました。
ニューロサイエンス領域における主要製品は以下のとおりです。
・VYVANSE/ELVANSE(リスデキサンフェタミンメシル酸塩):VYVANSE/ELVANSE(国内製品名:ビバンセ)は、6歳以上の注意欠陥・多動性障害(ADHD)患者さんおよび成人の中程度から重度の過食性障害患者さんの治療に用いられる中枢神経刺激剤です。2023年以降、米国において後発品が市場に参入したことにより、売上は減少しました。2026年3月期におけるVYVANSE/ELVANSEの売上収益は2,032億円となりました。
・トリンテリックス(ボルチオキセチン臭化水素酸塩):トリンテリックスは、成人大うつ病性障害の治療に適応される抗うつ薬です。トリンテリックスはH. Lundbeck A/S社と共同開発し、当社は米国および日本での販売権を保有しており、米国では2014年、また日本では2019年より販売しています。2026年3月期におけるトリンテリックスの売上収益は1,218億円となりました。
ワクチン領域における主要製品は以下のとおりです。
・QDENGA(4価デング熱ワクチン):QDENGAは4つのデングウイルス血清型すべての遺伝子的“バックボーン”となる、弱毒化した生のデング2型ウイルスを基盤に構築されています。QDENGAはテング熱流行国および渡航市場を含む40カ国以上で承認されています。2026年3月期における QDENGAの売上収益は408億円となりました。
売上収益の地域別内訳は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 事業セグメントおよび売上収益」をご参照下さい。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
ガバナンス
当社の取締役会は、ビジネスリスクおよび財務開示に関連するものを含め、当社の業務運営を監督する責任を有しています。取締役会は、当社グループの事業戦略、内部統制およびその他の重要事項により集中するため、一定の意思決定権を当社の取締役に委譲しています。取締役に意思決定権が委譲された事項は、適切な経営幹部レベルの委員会が議論し、意思決定を行います。ビジネス&サステナビリティ・コミッティー(「BSC」)は、当社の事業戦略、エンタープライズ・リスク・マネジメント(「ERM」)プログラムに関する意思決定を含む重要なリスクの管理、およびサステナビリティに関連する目標、コミットメントを監督しています。取締役会は、社長CEO、その他のタケダ・エグゼクティブ・チーム(「TET」)メンバーおよび各経営会議体から定期的に最新情報を入手しています。
当社では、取締役会の任意の諮問機関として指名委員会および報酬委員会を設置していますが、両委員会ともに全て社外取締役で構成されています。取締役候補者の選任にあたっては、専門性や経験を含め様々な基準を勘案し、候補者を選出しています。当社の取締役会は、グローバル経営&戦略、サイエンス&医薬、法律・規制・政策、コーポレートガバナンス&サステナビリティ、財務・会計、ヘルスケア業界、データ&デジタル、マネジメント・リーダーシップ・人材育成の分野において、必要なスキルを有しています。
当社では、サステナビリティ/ESG 外部開示コミッティーを設置しており、コーポレート サステナビリティ ヘッドが議長を務め、各分野における社内の専門家で構成されています。同コミッティーは、当社のサステナビリティおよび環境、社会、ガバナンス(ESG)などの情報の適時かつ正確な開示を担保する責任を負っており、サステナビリティに関する義務的開示および主要な任意開示の正確性、一貫性、網羅性を精査、確認しています。
コーポレート・ガバナンス体制の変遷

当社のガバナンス体制のさらなる詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 業務執行に係る事項」をご参照ください。
事業戦略
当社のサステナビリティは、経営の在り方そのものです。私たちの存在意義は、世界中の人々の健康と輝かしい未来に貢献することにあります。このため私たちは、消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、およびオンコロジーの重点疾患領域において、革新的な医薬品を創出し続けるというビジョンを追求するとともに、血漿分画製剤およびワクチンをお届けすることにも注力しています。私たちは、まず誠実であること、そして誠実:公正、正直、不屈というタケダの価値観に根ざし行動しています。私たちのビジネスへの取り組みは、私たちの存在意義・私たちが目指す未来・私たちの価値観を礎としています。これらは一体となって、私たちはどういう存在なのか、何をどう成し遂げていくか、そしてなぜそれが大切なのかを体現するものです。
当社は、革新的な新薬を連続的に上市していく取り組みを通じて、短期的に確かな成果を積み重ねるとともに、その実行の中で、成長の加速に向けた基盤を整え、患者さん、株主、社会に対して長期的な価値を創造していきます。革新的な新薬の創出とお届けを通じて、患者さんのよりすこやかな未来を継続的かつ持続可能な形で実現していくためには、最高水準の倫理とガバナンスを堅持するとともに、人材を支援、育成し、環境への影響を適切に管理し、財務規律を維持していく必要があります。
当社の「Patient すべての患者さんのために」、「People ともに働く仲間のために」、および「Planet いのちを育む地球のために」への取組みは、以下のとおりです。
Patient すべての患者さんのために
当社は、最先端のサイエンスから革新的な医薬品を創製し、患者さんに届けることで、より健康な世界の実現を目指しています。また、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても、患者さんのためにより良い標準治療を確立することにも取り組んでいます。研究開発においては、消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンスおよびオンコロジーの3つの重点疾患領域に注力しています。また、血漿分画製剤に対して戦略的な研究開発投資も継続しています。
当社は、スピードおよび効率性を重視した研究開発エンジンへの変革を進めてきました。これにより、複数のモダリティ(創薬手法)にわたる30以上の適応症において継続的なイノベーションを推進するとともに、高度に差別化された新規治療薬をより迅速に患者さんへ届けるべく、多様なパイプラインの構築を進めています。また、デジタル、データ、AIを活用した創薬基盤作りへの投資を通じて「Labs of Tomorrow(次世代の研究開発基盤)」の実現を目指すとともに、医薬品の創製、開発、提供のあり方そのものを根本から変革するために、取り組みを前進させています。
私たちは、患者さんに高品質な医薬品を途絶えることなく供給する責任があることを理解しています。この責任を果たすために、堅ろうなグローバルサプライチェーンシステムを構築しています。例えば、戦略上、重要な製品および原薬については、地政学的リスクや自然災害など外的要因によるリスクを軽減し、供給継続性を担保できる調達戦略を有しています。当社は製品の品質と患者さんの安全を守るために、製品のライフサイクル全体にわたり厳格な品質基準を適用しています。また、製造、品質および供給においても、デジタル技術やAIを活用することで、設備保全の予測や在庫の適正化、さらに逸脱発生時のサイクルタイム短縮など、様々な変革を進めています。当社は、外部規制やガイドライン、社内要件およびGxP基準を遵守するとともに、臨床試験から製造、販売に至るまでの各段階で、製品の品質、安全性、有効性を担保しています。また、市販後調査の実施や規制当局から求められる要件に準拠することで製品の安全性と有効性を担保するとともに、追加的な調査やモニタリングを実施することでさらなる臨床データの収集を行っています。
患者さん、社会および株主の皆様のために長期的価値を創造するためには、治療を必要とする患者さんに、当社の革新的な医薬品およびワクチンを持続可能な形でお届けする必要があります。そのため、当社では次のことに注力しています。
・アンメット・メディカル・ニーズ:研究開発から販売に至るまでの全てのプロセスを通じて、革新的な医薬品およびワクチンへの迅速かつグローバルなアクセスの実現に取り組んでいます。当社の製品は、特に希少疾患領域では、初めてで且つ唯一の治療薬である場合が多くあるためです。
・医薬品のアクセスに関するスピード、対象範囲、価値および持続可能性のバランス:医薬品のアクセスおよび価格戦略において、スピード、対象範囲および持続可能性の最適なバランスの実現を目指しています。また、各医薬品の特性を踏まえ、保険者、医療システムおよび社会にもたらす価値が適切に反映されるよう取り組んでいます。
・医療システムの強化および支援を目的とした連携:多様なステークホルダーとの連携を通じて、医療システムに内在する当社の医薬品や関連する治療へのアクセスの障壁を特定し、対処しています。これら取組みにおいては、持続可能な方法で、各国それぞれの優先課題に沿い、地域社会と連携しながら医療システムの強化に努めています。
当社では、このように医薬品のアクセスを事業戦略に組み込むとともに、研究開発から販売にいたる当社の事業運営において取り組みを進めています。また、地域主導のアプローチを採用することで、当社の医薬品をお届けするにあたって、各地域における患者さんのニーズに応えるとともに、医療システムにおける特有のアクセス障壁に対処しています。さらに、医薬品および関連する治療へのアクセスを阻む、より広範な社会経済的課題への対応を通じて、地域社会における健康の向上を目指しています。加えて、各国の経済発展段階や医療制度の成熟度に応じた多様な価格設定およびアクセス施策を通じて、医薬品へのアクセスに関する経済的な障壁の解消にも取り組んでいます。
当社の患者さんに対する取り組みの詳細は、2026年6月24日に当社ウェブサイトに掲載を予定している2026年統合報告書「すべての患者さんのために」をご参照ください。
People ともに働く仲間のために
当社は、科学技術がどれほど進歩しても、知識を核とした「人」の力が会社を支えることを認識しています。この認識のもと、引き続き患者さんに寄り添い、互いを尊重して協働し、当社の価値観に基づいて行動します。同時に、将来を見据え、データ、デジタル、テクノロジーおよびAIへの投資を拡大しており、グローバル全体で、スピード、品質および効率性の向上を図っています。また、リーダーシップスキルおよびデジタルスキルを育成するともに、全ての従業員が必要な支援を受け、十分な情報を得るとともに、尊重され、成長の機会があると実感できる職場環境を整備することで、一人ひとりが能力を最大限に発揮することを後押しします。
企業文化の醸成と人材の育成
当社の企業文化は、誠実:公正、正直、不屈というタケダの価値観への揺るぎないコミットメントがその土台となっており、まず誠実であることを大切にしています。次の200年にわたり当社が発展し続けるためには、成長を後押しし、迅速かつ効果的な意思決定を行い、会社としての一体感を高める企業文化を醸成する必要があると考えています。これを実現するにあたり、以下の考え方に基づく企業文化へと進化させていきます。
・Patient-centricity(患者さん中心の考え方):あらゆる行動において患者さんを中心に考えます。日々の業務を通じて人々のより良い健康に貢献するとともに、将来に向けて事業をより強固にしていきます。
・People-mindedness(人を大切にする姿勢):誰もが必要な支援を受け、必要な情報を得て、患者さんや当社の価値観との結びつきを感じられる職場環境を育みます。
・Respect and collaboration(敬意と協働):信頼、オープンな考え方、敬意をもって他者と協働するとともに、新たな発想や活力を取り込むことで、相互に建設的な挑戦を促し、より良い成果を共に実現します。
・Performance culture(成果へのこだわり):志を高く掲げ、重点を明確化します。高い目標を設定するとともにパフォーマンス管理を徹底し、患者さんにとって意義のある成果と事業成長の実現に向けて、自らの結果に責任を持ちます。
・Decision effectiveness(効果的な意思決定):適切な役割分担、インプット、厳格さを踏まえつつ、常に当社の価値観に根ざしながら、より迅速かつ明確で、より確かな意思決定を行います。
・Enterprise orientation(全体を見渡す視座):全体の最善のために考え行動します。効果的な取組みを拡大させ、学びを共有することで、タケダを「個々の人材や組織の総和を超える存在」へと高めます。
当社は、革新的な医薬品を創出し患者さんにお届けするため、デジタルスキルを含め、生涯学習およびキャリア開発を促進する企業文化を醸成することにも取り組んでいます。データ、デジタル、テクノロジーおよびAIへの投資を拡大し、あらゆる部門およびプロセスにおいて、スピード、品質および効率性の向上を図ることで、将来の事業環境に対応可能な人材基盤の構築を進めています。
当社では、テクノロジーを業務に組み込み、未来のヘルスケアに対応できる組織にするため、従業員のデジタルスキルやデジタル活用意識の強化に向けた投資を継続しています。2024年にデジタル・デクステリティ(デジタル技術を高度に活用する能力・意欲)プログラムを開始して以来、全社で多様な学習モジュールおよび参加型の機会を提供することで、従業員がデジタル技術への理解を深め、実務への活用を促進できる環境を整備してきました。2025年には、同プログラムにおいて、コラボレーション、個人の生産性向上、データリテラシーおよびオートメーションの4つのテクノロジー活用スキルに関する学習内容を追加しました。また、デジタル分野の取組みとして、24時間にわたるバーチャルイベント「デジタル・デクステリティ・デイ」を開催しました。同イベントでは、アンバサダーによる対面形式の学習セッションを各地域で実施することで、参加者がアイデアの業務への活用方法を議論し、知見を共有するとともに、活用方法をリアルタイムで試行できる機会を提供しました。
当社はまた、従業員の成長を促し、良好な従業員体験を実現する上で重要な役割を担うリーダーの育成を重視しています。「People Leader Development」プログラムでは、当社のリーダーシップ行動に沿った能力の強化を目的として、厳選したオンライン学習コンテンツを提供するとともに、育成ウェビナーを毎月開催しています。2025年度は、採用に関するベストプラクティス、効果的なコミュニケーション、心理的安全性、デジタル・デクステリティ、評価プロセスの質の向上および従業員体験の向上に重点を置いてきました。当社では、3カ月間にわたるリーダーシップ育成プログラムである「Be a Great Coach」を構築していますが、本プログラムは外部アワードで表彰を受けています。この「Be a Great Coach」には、過去3年間において、約2,000名のリーダーが参加しました。
当社は、グローバルなバイオ医薬品企業として、敬意をもって他者と協働し、私たちの価値観を軸に行動することで、 優秀な人材をグローバルに惹きつけ、育成し、定着を図っています。当社では、従業員一人ひとりが支えられ、尊重され、成長に必要な環境が整っていると感じられることを重視しています。さらに、それぞれが能力を最大限に発揮できるよう、学びの機会やリソースに公平にアクセスできる環境を整備することで、従業員ひとり一人が目指す成長の実現を支援しています。
社内環境整備方針
「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」という当社の存在意義(パーパス)は従業員が安全で心身ともに健康であることを前提に実現されるものです。当社のウェルビーイングプログラムは、精神面、身体面、社会面、経済面の4つの分野から従業員の心身の健康に焦点を当てています。当社の従業員はThrive Globalにアクセスすることができます。Thrive Globalは、ストレスを軽減し、生産性を向上させながら、働き、生活することを支援する、行動変化を促す最新のプラットフォームです。睡眠、栄養、運動といった従業員の一人ひとりのウェルビーイング目標の達成を支援するためのリソースやプログラムを提供しています。
ライフ・ワーク・アライメントは従業員がフレキシブルな勤務形態に適応する上で最も考慮すべき点であり、顔を合わせて行う協働と在宅勤務を両方取り入れるなど、従業員の能力を最大限に引き出すために多様な働き方を尊重しています。具体的な勤務形態はチームによって異なりますが、イノベーションを促進するためにオフィスの空間デザインにも工夫を凝らし、従業員のウェルビーイング(心身の健康)とパフォーマンスを向上させ、柔軟性があり、対面でのコミュニケーションの価値を実感できるような環境づくりを行うなど、働き方改革を加速させています。また、レジリエンス(回復力)のスキルを強化するための学習プログラムを活用し、メンタルヘルスについて話すためのツールをマネージャーに提供しています。
当社は、国連グローバル・コンパクトの署名企業として、バリューチェーンやタケダが貢献する地域社会を含む当社事業のあらゆる場面において、国際的に認められた人権の尊重と推進に力を入れて取り組んでいます。
当社の人材、人材の育成、企業文化の醸成、および社内環境整備にかかる方針のさらなる詳細は、2026年6月24日に当社ウェブサイトに掲載を予定している2026年統合報告書「ともに働く仲間のために」をご参照ください。
Planet いのちを育む地球のために
当社は、気候変動や環境悪化が患者さんや人々の健康に影響を及ぼすことを理解し、環境の分野において積極的に取り組んでいます。当社は、事業活動およびバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量の最小化、自然環境への影響の低減、ならびに持続可能性に配慮した製品設計および生産に重点を置いて、環境サステナビリティ活動に取り組んでいます。こうした自然環境および気候変動への継続的な取組みの一環として、当社は自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言に沿った初の開示を実施する予定です。
環境サステナビリティに係る取り組みは、現在、様々な側面に専念した3つのプログラムで構成されています。
・気候変動対策プログラム
2035年度までに自社の事業活動に起因する温室効果ガス排出量(スコープ1および2)を、2040年度までにバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量(スコープ3)をネットゼロにすることを目標に掲げています。これらの目標は、2024年にSBTi(科学的根拠に基づく目標イニシアチブ)の認証を取得しました。
・製品サステナビリティプログラム
製品の設計や開発に、環境ライフサイクルの視点を取り入れることで、バリューチェーン全体で環境負荷を最小限に抑えることを目指します。
・自然環境保全プログラム
水の保全、責任ある廃棄物管理、生物多様性保全活動を通じて、環境負荷の低減を目指します。
当社は、気候変動に関連したリスクに対するレジリエンスの強化および機会の特定に積極的に取り組んでいます。コーポレートEHSS(環境、健康・衛生、安全およびサステナビリティ)のチームが主導する評価と管理は、組織全体のリスク管理フレームワークに組み込まれています。事業所に固有の気候変動による業務運営リスクは、事業所や施設レベルのリスク評価からボトムアップのアプローチにより特定しています。また、サプライチェーンにおけるリスクは、主に第三者リスク管理プログラム(TPRM)を利用したサプライヤーのスクリーニングを通じて特定しています。
当社は、気候変動によるリスクを軽減し、自社の事業活動に起因する温室効果ガス排出量をネットゼロにするため、製造拠点、バイオライフ(血漿収集施設)、オフィスにまたがる拠点において、事業所固有のロードマップを策定し、温室効果ガス排出量を削減するための様々な脱炭素施策を展開しています。これらの施策には、低炭素技術への投資(次世代ヒートポンプなど)および可能な場合は100%再生可能電力への移行が含まれます。また、サプライヤーと協力して科学的根拠に基づく排出量削減目標を設定し、製品開発に係る排出量を最小化し、航空輸送の代替として海上輸送を増やすことにより、バリューチェーン排出量の削減を目指すとともに、削減が困難な排出に対処するために、新たな外部連携にも戦略的な投資を行っています。
当社は、2024年度に、気候変動のリスクと機会についてシナリオ分析を刷新し、特定のサプライチェーンリスクを含め、移行リスクおよび物理的リスクに焦点を当てて評価を実施しました。
移行リスク評価では、2050年までの時間軸について、気候変動に対する世界の対応レベルの違いによって異なる3つの気候変動シナリオ(「迅速な気候変動対策」、「気候変動対策の遅延」、「中道的な気候変動対策」)を設定し、当社の規制、技術、市場および評判(レピュテーション)に関するリスクを評価しました。当該評価では、当社が現在計画しているネットゼロ達成のための施策を考慮した場合と、それらの施策がない場合に、移行リスクにどの程度晒されるかも考慮しました。
物理的リスク評価では、当社の事業運営および第三者である主要な医薬品製造受託機関(CMO)およびサプライヤーについて、気温、水、風および土地に関連する危険性を、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によって設定された2つの共通社会経済経路シナリオ(SSP2-4.5とSSP5-8.5)に基づいて評価しました。物理的リスクは、グロスベースで評価しており、当社の事業運営またはCMOの事業運営に対して、現在実施中の緩和策あるいは現在計画中の緩和策の更新が及ぼす影響は考慮されていません。
このプロセスを通じて、当社に潜在的に該当するいくつかの気候関連リスクと機会を特定することができました。移行リスクに関しては、潜在的な国レベルおよび地域レベルの炭素税導入に伴って、サプライヤーからのコストが増加する可能性や、化石燃料由来のエネルギー源の価格上昇に起因する事業運営費の増加に晒される可能性があるものの、前述の脱炭素施策を引き続き実施すれば、そのようなコストは大幅に減少することが示唆されました。さらに、低炭素製品に関する市場トレンドの定性的な分析では、当社は製品プロファイルが差別化できており、比較可能な代替品がないことから、低炭素製品における競争リスクが比較的低いことが示されました。
物理的リスクに関して、モデル化されたシナリオでは、当社の直接的な事業運営あるいはCMOの事業運営に対する以下の潜在的な気候関連リスクと影響を特定しました。
(注)1 SSP2-4.5シナリオ: 温室効果ガス排出量が2050年まで現在のレベルで続き、その後減少するが、2100年までに地球の気温が2.1~3.5℃上昇すると推定される中程度の排出経路を示しています。
2 SSP5-8.5シナリオ: 現在のCO2排出量が2050年までに約2倍、2075年までに約3倍に増加し、2100年までに地球の気温が3.3~5.7℃上昇すると推定される、非常に高い温室効果ガス排出経路を示しています。
出典:気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6)政策決定者のための要約
上記の事業運営に対する物理的リスクの中で、水不足によるリスクは最も増加することが予測されており、熱ストレスによるリスクは分析されたリスクの中で最も影響度が大きいと予測されています。いずれも当社の事業全体に加え、現在提携しているCMOおよびサプライヤーに及ぶものです。2つのシナリオのいずれにおいても、影響の深刻度(Impact Severity)はほぼ同等であったものの、特に干ばつと熱ストレスによるリスクについては、SSP5-8.5シナリオにおける影響がやや大きくなっています。さらに、当社の日本の事業運営では、熱帯低気圧と地震のリスクがある一方、ヨーロッパに拠点を置くCMOは地滑りのリスクに晒されていますが、シナリオ評価においては、気候変動によるこれらの危険性の増加は予測されていません。
当社は、これらのリスク評価および得られた知見を組織全体のリスク管理プロセスに統合し、物理的リスク評価を考慮して各施設の気候変動適応戦略を精査しています。
さらに、2024年度には、生物多様性への影響や取水、水使用および廃棄物の潜在的な影響など、環境への影響に関する初期評価を実施し、環境への取組みや目標の検討に活用しました。当該評価を行うために、エネルギー使用、土地使用、水の消費、廃棄物発生など事業運営に関わる主要な指標を、確立された第三者の科学的データと比較してリスクスコアを算出し、潜在的なリスクエリアおよび対策を優先的に実施すべき事業所を特定しました。
この分析から、当社が環境に与える影響の中で、最も影響度が大きなものはエネルギー使用であることが特定されました。主に製造活動に関連する水および廃棄物関連の影響は、主要な自然関連の直接的な影響として特定されましたが、これらの影響に関連するリスクの財務的な重要性の評価は実施しませんでした。また、バリューチェーンの上流および下流における環境への潜在的な影響も評価しましたが、利用可能なデータが不足していることから、特に原材料調達に関して、分析は限定的なものとなりました。このような制約があったものの、トウモロコシ(細胞培養、エタノール)、パルプ由来の材料(二次紙パッケージ)、木材(パレット、オフィス用品)、ウシ由来血清(バイオ医薬品製造)、サトウキビ(エタノール、賦形剤)については、バリューチェーンの上流において依存していることが特定されましたが、これらの依存関係に関連するリスクの財務的な重要性の評価は実施しませんでした。
2025年度は、水不足に関するリスクが最も高い事業所における対策の優先順位付けに資することを目的として、グローバルでの水リスクの再評価を実施しました。本評価結果は、従前のリスク調査を裏付けるものであり、優先度の高い事業所における緩和策の検討に活用されています。
当社は、将来的に、環境への影響および依存関係に関連する財務リスクのさらなる分析を行う予定です。
リスク管理
リスク管理は、当社で働く人材、資産、社会的評価・評判(レピュテーション)を守り、当社の成長と成功に向けた長期的な戦略を支える柱となります。これまでに特定されたサステナビリティに関連するリスクは、既存のグローバルおよび事業場レベルのリスク管理プロセスを通じて対処されています。
全社的なリスク管理プロセスは、取締役会の監督のもとグローバル ジェネラル カウンセルが統括しています。2026年4月、リスク・エシックス&コンプライアンス・コミッティーとBSCを統合し、リスク管理・内部統制を所管するリスク・サブコミッティーを設置しました。リスク・サブコミッティーは、関連部門の責任者と協議したリスク低減計画やリスク、内部統制に関する事項を必要に応じてBSCへエスカレーションを行います。主要な全社的リスクおよびそれらのリスクの発生防止・低減措置の実効性は、BSCおよび取締役会によって毎年承認されます。
リスク管理は全社的な事業体制に組み込まれており、全社的リスク評価プロセスによって、サステナビリティに関連するリスクを含めたリスクを識別、評価し、またそのリスク低減施策を実施しています。このプロセスは、リスクの全体像を把握し、リスクに基づいた意思決定を行う企業風土を醸成するようデザインされています。関連する各部門は、担当領域ごとに主要なリスクとその対応への責任を担っています。
当社のリスク管理プロセスのさらなる詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
指標および目標
当社は、2022年度より、私たちの存在意義の実践状況を可視化し、事業の持続的な成長を促すため、「企業理念に基づく私たちの指標(corporate philosophy metrics)」を開示してきました。本指標は、関連する部門で働く従業員が意見を出し合って策定し、従業員は、各評価指標の進捗状況を社内ポータルサイトでいつでも確認できるようになっています。透明性の高い情報共有は、従業員一人ひとりがタケダの持続的な成長に責任を持ち、社外ステークホルダーとの信頼関係の構築を促します。
なお、2026年度より、「企業理念指標フレームワーク」での指標の開示を終了いたします。今後は、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する主要指標について、ESGデータブックを中心に開示を行います。
Patient すべての患者さんのために
(注)2024年度および2025年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年度の指標については2025年6月24日付で、2025年度の指標については2026年6月16日付で、すべての重要な点において、会社の定める規準(2024年度については当社のウェブサイトに掲載されており、2025年度については2026年6月17日に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。
People ともに働く仲間のために
(注)2024年度および2025年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年度の指標については2025年6月24日付で、2025年度の指標については2026年6月16日付で、すべての重要な点において、会社の定める規準(2024年度については当社のウェブサイトに掲載されており、2025年度については2026年6月17日に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。
Planet いのちを育む地球のために
当社の気候関連の目標はSBTi(科学的根拠に基づく目標イニシアチブ)の認証を取得しており、以下のとおりです。
・スコープ1および2の温室効果ガス排出量を、2030年度までに2016年度基準から65%削減
・スコープ3の温室効果ガス排出量を、2030年度までに2022年度基準から25%削減
・スコープ1および2の温室効果ガス排出量を、2035年度までに2016年度基準から90%削減
・スコープ3の温室効果ガス排出量を、2040年度までに2022年度基準から90%削減
当社では、ネットゼロを達成するための長期的な戦略の一環として、SBTiの企業ネットゼロ基準に基づき、削減しきれない残余排出量に対応するためのカーボン除去への投資も検討していきます。
(注) 当社の温室効果ガス排出量を計算するための方法の詳細については、2026年6月17日に当社ウェブサイトに掲載を予定している「2026年ESGデータブック」をご参照ください。
(注)1 2024年度および2025年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年度の指標については2025年6月24日付で、2025年度の指標については2026年6月16日付で、すべての重要な点において、会社の定める規準(2024年度については当社のウェブサイトに掲載されており、2025年度については2026年6月17日に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。
2 スコープ3に関する「企業理念に基づく私たちの指標」は、2025年度実績から、2022年度を基準とした排出量削減率を測定する指標に変更されました。なお、当該指標の2024年度実績は、2025年6月24日付で限定的保証を取得しています。従前のサプライヤーエンゲージメントに焦点を当てた指標の詳細は、「2026年ESGデータブック」をご覧ください。
データ・デジタル&テクノロジー
(注)1 2024年度および2025年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年度の指標については2025年6月24日付で、2025年度の指標については2026年6月16日付で、すべての重要な点において、会社の定める規準(2024年度については当社のウェブサイトに掲載されており、2025年度については2026年6月17日に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。
2 2025年度実績から本指標の定義および測定方法を変更したため、2024年度実績はN/Aとして表示しています。従来、この指標は、2020年度第1四半期以降の累計を測定していましたが、2025年度実績からは、2025年度中の受講者のみを測定する指標になりました。そのため、前年度実績とは比較できません。
3 詳細については、2026年6月24日に当社ウェブサイトに掲載を予定している2026年統合報告書「ともに働く仲間のために」をご覧下さい。
事業の成長
(注)2024年度および2025年度の上表の各種指標については、KPMGあずさサステナビリティ株式会社より、国際監査・保証基準審議会(IAASB)によって発行されたISAE(国際保証業務基準)3000及びISAE3410に準拠した限定的保証業務を受けています。その結果、同社より、2024年度の指標については2025年6月24日付で、2025年度の指標については2026年6月16日付で、すべての重要な点において、会社の定める規準(2024年度については当社のウェブサイトに掲載されており、2025年度については2026年6月17日に当社のウェブサイトに掲載予定)に従って算定され、表示されていないと認められる事項は発見されなかったとの結論を受領しております。
当社のサステナビリティへの取り組みのさらなる詳細は、2026年6月24日に当社ウェブサイトに掲載を予定している2026年統合報告書をご参照ください。
3 【事業等のリスク】
リスク管理の枠組みおよびガバナンス
当社の事業運営は、現在および将来において様々なリスクにさらされており、これらのリスクは、当社の業績、財務状況、キャッシュ・フローおよび長期戦略に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、リスクと機会は本質的に相互に関連しており、同一の戦略的検討事項の異なる側面を示すものであると認識しています。この認識に基づき、当社は、戦略目標およびサステナビリティに関する目標達成に伴う不確実性の低減を図りながら、患者さん、人材、資産および当社の社会的評価を保護しつつ価値創造を追求する観点から、十分な情報に基づくリスクベースの意思決定を行うよう努めています。
当社のリスク管理の取り組みは、グローバル ビジネス レジリエンスの枠組みの一部を構成する全社的リスク管理(「Enterprise Risk Management:ERM」)プログラムを通じて運用されています。本枠組みでは、積極的なリスクの特定、適切なエスカレーション、ならびに事業中断の際の迅速な対応および復旧を可能とするべく、ERMを事業継続管理および危機管理と統合しています。
(ERMフレームワークの概要)
当社のグローバルERMプログラムでは、当社の戦略との整合性を有する相互に関連したポートフォリオとしてリスクを包括的に評価するとともに、主要なリスクの特定、評価、優先順位付け、低減、モニタリングおよび報告を行うための体系的な手法を適用しています。
ERMフレームワークの中核的要素は以下の図表のとおりです。

本フレームワークは、下記の5つの中核的要素によって支えられています。

当社は、適切なガバナンス、企業文化、ツールおよびテクノロジーを活用しながら、これらの要素により、組織全体の意思決定プロセスにリスク管理の考え方が組み込まれることを確保しています。
(ガバナンス体制)
当社は、適切なリスクの責任主体への帰属および監視を確保するため、経営陣、ビジネス&サステナビリティ・コミッティー (「BSC」)、リスク・サブコミッティー(「RSC」)、タケダ・エグゼクティブチーム(「TET」)ミーティングおよび取締役会による定期的なレビューを含む、明確なガバナンス体制、役割分担および責任を組織全体において定めています。
ERMプロセス全体は、グローバルジェネラルカウンセルが統括し、取締役会は主要なリスクの監視およびリスクの優先順位付けのレビューを行っています。BSCおよびRSCは、リスク低減計画および新たに顕在化しつつあるリスクの動向について全社的な観点から監視を行います。また、TETを含む経営陣は、それぞれの責任領域におけるリスクの特定および低減に責任を負っており、リスク・コーディネーターは実施およびエスカレーションのプロセスを支援しています。
ERMプログラムの継続的改善および主要リスク
当社は、変化するリスクを適時かつ効果的に特定および評価し、これに対応する能力を強化するため、ERMプログラムの高度化に継続的に取り組んでいます。具体的には、地政学的動向や規制の動向およびサステナビリティ関連の動向を含む外部環境を踏まえた視点の強化、一貫したリスクの特定、エスカレーションおよび意思決定を支援するためのリスク許容度の概念の明確化、リスクおよびその低減策に対する管理の強化、ならびにリスク意識の企業文化および日常業務へのさらなる浸透等を行っています。
また、当社は、リスクの透明性、機能横断的な整合性および経営陣による監視を高めるために、全社的リスク評価プロセスについても継続的に強化しています。当社は、堅実なガバナンス、より明確な説明責任、ならびにデータおよびテクノロジーの効果的な活用を通じて、リスク管理実務の質および一貫性のさらなる向上を図っています。
さらに、当社は、情報が限定的な段階であっても、経営陣への報告チャネルやその他の報告手段を通じて潜在的なリスクを早期にエスカレーションすることを従業員に奨励しており、これにより、新たなリスクの予見的な特定および低減を促進しています。
しかしながら、当社は継続的にリスク管理の高度化に努めているものの、リスクを完全に排除することはできません。グローバルに事業を展開する当社を取り巻く事業環境は非常に流動的かつ複雑であり、不確実性や予期せぬ事象が今後も発生する可能性は否定できず、また、当社の低減策によって常にリスクを完全に低減できるとは限りません。
以下では、当年度末現在において、当社が重要と認識している主なリスクを記載しています。なお、以下に記載したリスクは、当社が直面する可能性のあるすべての潜在的なリスクおよび不確実性の全部を必ずしも網羅するものではありません。現時点で当社が認識していない、または重要ではないと判断している追加的なリスクや不確実性も、当社の事業に悪影響を及ぼす可能性があり、投資家が投資判断を行う際の考慮要素になる可能性があります。
(1)研究開発に関するリスク
当社は、持続的成長を実現するために、最先端の科学で革新的な医薬品を創出することを目指しています。当社は、研究開発機能の向上および社外パートナーとの提携等により研究開発パイプラインを強化するとともに、世界各国の市場への一日も早い新製品の上市を目指し、質の高い革新的な研究開発パイプラインを構築することで研究開発の成功確率を高める等により効率的な研究開発活動に努めています。しかしながら、医薬品は、自社創製候補物質、導入候補物質にかかわらず、所轄官庁の定めた有効性と安全性に関する厳格な審査により承認されてはじめて上市可能となります。
研究開発の途上において、当該候補物質の有効性・安全性が、承認に必要とされる水準を充たさないことが判明した場合またはその懸念があると審査当局が判断した場合、その時点で当該候補物質の研究開発を途中で断念、または追加の臨床試験・非臨床試験を実施せざるを得ず、それまでにかかったコストを回収できないリスクや製品の上市が遅延するリスク、および研究開発戦略の軌道修正を余儀なくされる可能性があります。
(2)知的財産権に関するリスク
当社の製品は、物質・製法・製剤・用途特許等の複数の特許によって、一定期間保護されています。
当社では特許権を含む知的財産権を厳しく管理し、当社が事業を行う市場における知的財産権や第三者からの侵害状況を継続的にモニタリング、評価および分析し、知的財産権に関するリスクの回避と、受けうる影響の低減を図っていますが、当社の保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が大幅に失われる可能性があります。また、当社の自社製品等が第三者の知的財産権を侵害した場合には製造販売の差止めおよび損害賠償等を請求される可能性があります。
(3)特許権満了等による売上低下リスク
当社は、効能追加や剤型変更等により製品のライフサイクルを延長する努力をしていますが、多くの製品について、特許または規制上の独占権の喪失・満了による後発品の市場参入は避けられず、米国や欧州では後発品が参入すれば通常、短期間で先発品から後発品へ切り替わり、先発品の収益が大きく減少します。国内では、当局が後発品の使用促進を積極的に進め、また、長期収載品のさらなる価格引下げが行われています。これに加え、競合品の特許権満了によるその後発品、および競合品のスイッチOTC薬の出現などによって、国内外の競争環境は格段に厳しいものになってきており、その影響如何で当社製品の大幅な売上低下を招く可能性があります。
なお、特許権満了時期等の詳細については「第2 事業の状況 6 研究開発活動 知的財産」をご参照ください。
(4)副作用に関するリスク
医薬品は、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を経て発売されます。当社は発売後の医薬品について安全性情報を収集し有効性とリスクのバランスを評価することを含め、安全性監視活動とリスク最小化活動を実施し、ファーマコビジランス活動を推進し、副作用に関するリスクの回避と受けうる影響の低減に努めていますが、市販後の使用成績が蓄積された結果、発売時には予期していなかった副作用が確認されることがあります。新たな副作用が確認された場合には、添付文書の「使用上の注意」への記載を行う、使用する対象患者を制限する、使用方法を制限するなどの処置が必要となるほか、重篤なケースが認められた場合には、販売中止・回収等を余儀なくされることもあり得ます。また、このような場合において、当社は製造物責任を負うとともに、金銭的、法的および社会的信頼に関する損害を負う可能性があります。
(5)薬剤費抑制策による価格引き下げに関するリスク
医薬品市場では、多くの国々において医療予算の削減が推進され、医療技術評価および国際価格を参照する政策により医薬品価格が低下しています。最大市場である米国では、医薬品価格を下げるための医療計画や仲介機関による取り組みに加え、継続的な法令および規制の制定により先発品への価格引き下げ圧力が一層高まっています。2022年には、米国議会において、インフレ抑制法(Inflation Reduction Act:IRA)が可決され、薬価上昇率がインフレ率を上回った製薬会社に対するペナルティの賦課、メディケア受給者の自己負担額の上限設定、2026年よりメディケアの対象となる特定の医薬品に関する連邦政府への価格設定権限の付与等、メディケア・プログラムに基づく医薬品の補償条件が大幅に変更されました。また、2025年5月には、米国の処方薬価格を、選定された「同等に発展した国々」での最も低い価格に連動させる価格設定メカニズムである「最恵国待遇(Most Favored Nation:MFN)」価格の導入に関する大統領令が発出されました。米国における制度改革や参照価格制度は、いわゆる参照国(price-basket countries)を含む他市場の価格期待や価格交渉にも影響を及ぼし、結果としてグローバルな価格圧力を一段と高める可能性があります。日本においては、政府による一層の後発品の使用促進に加え、医療保険制度における多くの製品の公定薬価が、毎年引き下げられています。欧州においても、薬剤費を抑制し、価格透明性を高め、国際価格を参照する政策により、医薬品価格が低下しています。欧州連合は、知的財産保護や市場独占期間に影響を及ぼす可能性のある医薬品関連法制の改正を検討しており、これにより将来的に医薬品価格に影響が生じる可能性があります。当社は、中国を含む新興国等のその他の国・地域においても同様の価格圧力を受けており、これらの国・地域における事業拡大に伴い、今後もこうした圧力が継続すると見込まれます。
当社は、各国の薬剤費抑制策の詳細な分析やモニタリングを行い、医薬品の価格状況を管理する組織体制を構築することでリスクの影響低減の努力を行うとともに、各国政府や医療サービス供給者・保険者等と協力して、革新的な医薬品に対する適切な報酬制度を確立するために、価値に基づく新しい価格設定モデル(バリューベースド・プライシング)等の解決策を追求していますが、これら各国の薬剤費抑制策による価格引き下げにより、当社製品の価格が影響を受け、当社の業績および財務状況に悪影響が生じる可能性があります。
(6)戦略的取引および関連するバランスシート上の価値毀損・財務リスク
当社は、持続的な成長を加速させ、研究開発パイプラインおよび製品ポートフォリオを強化するため、必要に応じて企業買収、事業買収または資産取得ならびにライセンス契約を含む戦略的取引を実施しています。しかしながら、これらの取引には、取得した事業や導入した資産の統合の際の問題の発生、商慣習の相違、税制度を含む法令や規制の変更、政情不安、経済の不確実性、複数の法域で事業を行うことに伴う複雑性等、様々なリスクが伴い、結果として当初想定した買収効果やシナジーまたは戦略目標が十分に実現されない可能性があります。
また、買収、取得またはライセンス契約その他の戦略的取引に関連して、当社は、貸借対照表上にのれんおよび無形資産を計上したり、多額の一時金の支払、マイルストン支払義務その他の長期的なコミットメントを負う場合があります。取得または導入した資産について、臨床試験結果が期待に沿わない場合、開発または上市が遅延した場合、または業績への寄与が想定を下回った場合には、のれん、無形資産またはその他投資に関連する減損損失が発生し、当社の業績、財務状況および配当可能利益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、取得した事業の統合や導入した資産から期待される価値の実現に失敗した場合にも、当社の業績および財務状況に悪影響が生じる可能性があります。
さらに、これらの戦略的取引は、当社の有利子負債水準を引き上げ、または資本構成に影響を及ぼす場合があります。
当社は、過去の戦略的取引に関連して発生したものを含め、多額の債務を負っています。当社は、利益の創出および選択的な非中核資産の売却等を通じてレバレッジの速やかな低下を進めてきましたが、当社の財務状況は依然として業績や市場環境の変動に影響を受けやすい状態にあります。当社の財務状況が将来悪化した場合には、当社の信用格付けが引き下げられ、その結果、既存の債務の借り換えや新規借入れ、その他資金調達の条件にも悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社のコミットメントラインは必要に応じて随時資金の引き出しが可能なものでありますが、これに関連して、一定の制限条項が付されています。かかる条項に抵触した場合には、当該コミットメントラインの利用が制限され、また、同コミットメントラインを使用した全ての債務残高等について即時返済が求められる可能性があり、その結果、当社の財務状況に影響を及ぼすおそれがあります。
当社は、これらのリスクに対応するため、規律ある取引評価プロセス、綿密な統合計画、継続的な状況のモニタリング、慎重なバランスシートおよび資本管理、ならびに金融機関その他のステークホルダーとの積極的な対話を実施しています。しかしながら、これらの施策が十分に有効である保証はなく、当社が戦略的取引の実行や統合に失敗した場合、取得または導入した資産の価値が低下した場合、または財務の柔軟性が制約された場合には、当社の業績、財務状況および長期成長戦略に悪影響が生じる可能性があります。
(7)リーダーシップの移行および組織変革に関するリスク
当社は、最高経営責任者および経営陣の交代を含むリーダーシップの移行に加え、広範な組織および事業運営モデルの変革を進めています。こうした変化は、とりわけ移行および適応の期間において、短期的な不確実性および執行リスクをもたらす可能性があります。
リーダーシップの移行および組織変革により、戦略上の優先順位に影響が生じ、意思決定が遅延または複雑化し、ガバナンス、内部統制、または役割および責任の明確性が一時的に不十分となる可能性があります。また、重要な人材や組織における知識の喪失、企業文化の一体感の低下、従業員エンゲージメントおよび定着率の悪化といった影響が生じる可能性があります。
当社は、これらのリスクを低減するため、変革期における継続性および規律ある執行を支えるガバナンスおよび監督の枠組みを整備しています。具体的には、暫定的なリーダーシップ体制、変革を監督する仕組み、役割および責任の明確化、当社の価値観および戦略との整合を図るための継続的なコミュニケーション等を実施しています。また、当社は、潜在的な課題を適時に特定し対応するために、リーダーシップの有効性、従業員のエンゲージメントおよび定着率、業務パフォーマンス等の組織健全性指標をモニタリングしています。しかしながら、これらの施策が意図したとおりに機能せず、リーダーシップの移行または組織変革の施策が適切に実行されなかった場合には、業務の混乱、ガバナンスまたは内部統制の弱体化、重要人材の喪失、または社会的信頼への悪影響が生じ、当社の事業、業績、財務状況および長期的な戦略目標に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)安定供給に関するリスク
当社は、販売網のグローバル化に確実に対応するとともに、当社製品への需要に対し適切な供給量を確保していくため、供給ネットワークと品質保証体制を強化しており、具体的には、製造設備への適切な投資、必要に応じて複数のサプライヤーと適切な在庫水準を確保するための製造供給戦略の策定、代替サプライヤーの選定、当社内の製造ネットワークに係る危機管理規則の制定、事業継続管理システムの導入および定期的な内部監査等を行っています。しかしながら、当社または委託先の製造施設・物流施設等において、技術上もしくは法規制上の問題、原材料の不足、想定を超える需要、または自然災害の発生や新興感染症の流行、進出国における紛争あるいは各国・地域間における地政学的緊張の高まり等により、製商品の供給に大幅な遅延または安定供給への支障が発生する可能性があります。その動向によっては、当社の業績、財務状況および社会的信頼に影響を及ぼす可能性があります。
(9)IT セキュリティ、情報管理およびデジタル技術に関するリスク
当社は、顧客ニーズに合致したビジネスモデルの進化を支えるため、デジタル技術を活用しています。デジタル技術活用の強化は、当社の長期的な持続的成長に不可欠であり、当社の成長戦略の重要な基盤として位置付けています。こうした状況のもと、事業の特性上、秘匿性の高い個人情報を含む大量の機密情報を取り扱っていることから、データ保護ならびにセキュリティ対策の重要性が一層高まっています。データ活用やデジタルプラットフォームへの依存度が高まる中、大規模かつ複雑なIS/IT システム(アウトソーシング企業のシステムを含む)の利用に伴い、システム停止やセキュリティ上の問題が発生するリスクは増大し、その影響範囲も拡大しています。
また、当社は、生産性向上、意思決定支援および全社的な業務プロセスの高度化を目的として、人工知能(AI)およびエージェント型テクノロジーの導入・活用を検討し、順次実装を進めていますが、これに伴い新たに進化するリスクにも直面する可能性があります。かかるリスクには、AIの能力の過大評価、AIを活用した意思決定に関する責任所在の不明確さ、AIエージェントとユーザー認証情報またはアクセス権限との不整合、機密情報の意図しない漏えい・誤用、ならびにAIを利用した攻撃、プロンプトインジェクション、敵対的操作等の新たなサイバー脅威が含まれます。
当社は、業務効率と収益性の向上を目的として、ネットワーク基盤の改修とクラウド移行、ガバナンスの枠組みの強化およびグローバルなサイバーセキュリティ戦略の策定等、テクノロジー投資を行っています。これらの取組みの一環として、アプリケーションセキュリティ、資産管理、ネットワークセキュリティ、脆弱性管理およびパッチ管理等の基盤的能力を強化するため、機能横断的な専門チームを配置しています。しかしながら、技術変化のスピードが極めて速いことから、導入したデジタルまたはAIソリューションが比較的短期間で陳腐化する可能性があり、継続的な投資、ガバナンスおよび統合の取り組みの強化が必要となります。デジタルおよびAI施策に対するガバナンスが断片的または不十分である場合には、コンプライアンス、業務運営および社会的信頼に関するリスクが高まります。
こうした状況の中、当社がデジタル変革から期待される効果や利益を十分に実現できない場合、またはシステム停止、セキュリティ上の問題、もしくはデジタル技術の不適切な利用が発生した場合には、当社の事業活動、業績、財務状況および社会的信頼に悪影響が生じる可能性があります。
(10)コンプライアンスに関するリスク
当社は事業の遂行にあたって、薬事規制や製造物責任、独占禁止法、個人情報保護法等の様々な法的規制やGMP (Good Manufacturing Practice)、GQP(Good Quality Practice)、GCP (Good Clinical Practice)、GLP (Good Laboratory Practice)等のガイドラインの適用を受けています。
加えて、当社の事業は、医療従事者、医療機関、政府関係者、患者さんおよび患者団体等との広範な接点を伴うものであり、これらの活動は製薬業界の特性上、本質的にコンプライアンスリスクを伴うものです。これらの関係者との連携や取引は、多くの場合、サプライヤー、学術提携先、卸売業者その他の商業パートナー等の第三者を通じて、またはこれらの第三者と連携して行われるため、適切なガバナンスが講じられない場合には、コンプライアンスリスクがさらに高まります。さらに、規制当局による取り締りの強化、複数の法域にわたって進化し、また断片的に変化する法制度、地政学的な不安定性、ならびにデジタルおよびオムニチャネルのエンゲージメントモデルを含む急速に変化する事業慣行等により、これらのリスクは一層高まっています。
当社は、当社の事業活動および第三者との関係全般におけるコンプライアンスを推進するために、グローバルエシックス&コンプライアンス部門を設置し、ポリシー、手続および統制のための制度を整備しています。また、オンボーディング、デューデリジェンス、継続的モニタリングおよび是正措置を含む取組み等の、第三者との関係のライフサイクル全体を対象としたリスクベースの第三者リスク管理の枠組みを導入しており、ガバナンスの強化、説明責任の明確化および組織全体のコンプライアンス意識の向上を継続的に図っています。しかしながら、こうした取組みにもかかわらず、コンプライアンスリスクを完全に排除することはできません。ステークホルダーとのやり取りを適切に管理できない場合、または既存の取決めを含め、第三者との関係をそのライフサイクル全体にわたり有効に統治できない場合には、法令または社内ポリシーへの違反、規制当局による調査または措置、金銭的制裁、訴訟、業務の混乱または社会的信頼への悪影響が生じ、当社の業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)進出国および地域におけるカントリーリスク
当社は、グローバルな事業展開に伴い、進出国や地域における政治不安、経済情勢の悪化、医薬品に対する関税を含む関税その他の貿易制限措置、新興感染症の流行、社会混乱、進出国における紛争、各国・地域間における地政学的緊張の高まり等に伴う投資、データの越境規制など様々なリスクにさらされています。また、政府機関または規制当局における業務の混乱や機能不全が生じた場合、医薬品の承認手続の遅延や審査プロセスの変更につながる可能性があり、その結果、当社の事業活動や成長計画に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、各国においてビジネスと人権に関する法規制の整備が継続的に進んでおり、バリューチェーン全体での人権侵害リスクへの対応の必要性が高まっています。
当社は、各部門の連携のもと、これらのリスクが当社の事業に与える影響の分析や各地域における社会情勢のモニタリング、人権デューデリジェンスの実施等を通じてリスクに対応する体制を構築しております。また、地政学的情勢や政策動向の急速な変化に対応するため、部門横断的なモニタリングおよび対応体制を整備するとともに、適時のエスカレーションおよび意思決定を可能とするため、事業継続計画および危機管理計画について定期的なテストを実施しています。さらに、地政学的リスクは、製品供給の継続性、コンプライアンス上の義務、ならびに越境データ規制等の他のリスクを増幅させる可能性があることから、当社はシナリオ分析や経営陣によるレビューをリスク管理の枠組みに組み込んでいます。当社は、医薬品に対する患者さんのアクセスを確保することを最優先としており、これらのリスクの低減方法およびこれらのリスクへの対応方法を確認しながらリスク管理を行うよう努めています。しかしながら、当社または当社と協力関係にある第三者が事業を行っている地域において、不測の事態が生じた場合には、当社の業績、財務状況および社会的信頼に影響を及ぼす可能性があります。
(12)金融市場環境に関するリスク
当社の当年度における海外売上収益は4兆726億円であり、連結売上収益全体の90.4%を占めており、そのうち米国での売上収益は2兆1,648億円にのぼり、連結売上収益全体の48.0%を占めています。
従って、売上収益については円安は増加要因である一方、研究開発費をはじめとする外貨建ての費用は円安の場合には収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、機能通貨以外で実行される事業上の取引、金融取引および投資に関して為替変動リスクにさらされています。さらに、金利変動による資金調達コストの上昇や、世界的なインフレーションの進行が当社の利益を圧迫する可能性があります。当社は為替および金利リスクを集約的に管理し、これらの財務リスクをヘッジするためにデリバティブ取引を行うとともに、取引先との契約条件の見直し等により潜在的な影響の緩和を図っていますが、経済環境や金融市況が当社の想定を超えて変動した場合には、当社の業績および財務状況に影響が生じる可能性があります。
(13)訴訟等に関するリスク
当社の事業活動に関連して、現在関与している訴訟のほか、将来、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引等に関連し、訴訟を提起される可能性があり、その動向によっては、当社の業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、係属中の重要な訴訟の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 31 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。
(14)環境に関するリスク
環境はウェルビーイング(心身の健康)の基礎であり、私たちは事業活動に欠かせない自然資源を環境から得ています。環境保全に対する責務の遂行は、当社の事業の発展に不可欠であり、当社の価値観(バリュー)に沿うものです。これは、単に正しい行いをするというだけではなく、人生を変えうるような医薬品やワクチンを責任をもって患者さんにお届けできるようにするものです。そのために、当社は、ステークホルダーからの期待に沿いつつ法規制にも遵守した厳格な環境マネジメントシステムおよび社内プログラムを整備するとともに、これらが有効に運用され、期待する結果を実現していることを確認するための内部監査手続を定めています。しかしながら、万が一、予期せぬ汚染や法規制への不適合、不十分な環境保全活動が顕在化した場合には、社会的信頼を損なうとともに、行政措置の対象となり、保険の適用範囲外または補償金額を超える支払義務を伴う改善措置の実施や法的責任を負うことにより、当社の事業活動に悪影響が生じる可能性があります。また、環境法規制の改正や社会の期待の変化により、より厳しい要請への対応が課せられ、当社の研究、開発、製造その他の事業活動に影響が及ぶ可能性もあります。かかる要件の遵守や課題への対応が行われない場合には、法規制上の責任を負い、当社の社会的信頼に影響を及ぼすとともに、当社の業務遂行能力に悪影響が生じ、ステークホルダーに対する魅力が低下する可能性があります。
これまでのところ、気候変動に起因するコンプライアンスまたは訴訟等の重大な影響はありませんが、当社は、気候変動を、人々の健康に大きな影響を及ぼす深刻なグローバル課題であるとともに、当社の事業に財務的なリスクをもたらす可能性のある課題であると認識しています。当社は、2024年度に気候関連リスクと機会に関するシナリオ分析を更新し、移行リスクおよび物理的リスクに焦点を当てた評価を実施しました。当該評価には、特定のサプライチェーンリスクも含まれています。移行リスク評価では、規制、技術、市場、および評判に関するリスクを対象とし、気候変動に対するグローバルな対応レベルによる異なる3つの気候変動シナリオ(すなわち、「迅速な気候変動対策(Rapid Climate Action)」、「気候変動対策の遅延(Delayed Transition)」、「中道的な気候変動対策(Middle of the Road)」)に基づき、2050年までの時間軸における当社への影響を評価しました。物理的リスク評価では、当社の事業運営および第三者である主要な医薬品製造受託機関(CMO)およびサプライヤーについて、気温、水、風および土地に関連する危険性を、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によって設定された2つの共通社会経済経路シナリオ(SSP2-4.5(注)1とSSP5-8.5(注)2)に基づいて評価しました。本プロセスを通じて、当社に潜在的に該当する気候関連リスク・カテゴリーを特定することができました。これには、潜在的な各国および地域レベルでの炭素税導入に伴うサプライヤーからのコストの増加の可能性、および高温ストレス、水資源の不足、洪水による当社の事業運営および医薬品製造受託機関(CMO)への物理的リスクが含まれており、これらが顕在化した場合には、当社の事業、業績および財務状況に影響が生じる可能性があります。また、当社では、気候変動関連リスクを全社的リスク管理体制に組み込んでおり、今後新たに顕在化しうるリスクの傾向を適切にモニタリングできる体制を取っています。当社では、潜在的な影響を緩和するため、低炭素型事業への移行を進めています。当社は、2022年度まで、カーボンニュートラルを維持してきましたが、2024年度からは気候変動対策の目標としてのカーボンニュートラルからの転換を行い、ネットゼロのロードマップを進めるための取り組みにリソースを集中させる一方で、バリューチェーンを超えた自然を活用したカーボン除去プロジェクトへの投資を継続しています。
当社の重要なステークホルダーは当社に対して優れた環境保全活動を遂行することを期待していると認識しており、当社は自社の製品および事業活動から生じる環境への影響を緩和するための方策を継続的に模索しています。当社は、事業活動およびバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量の最小化、自然環境への影響の低減、ならびに持続可能性に配慮した製品設計および生産に重点を置いて、環境サステナビリティ活動に取り組んでいます。また、これらの取り組みを補完する分野にも引き続き注力しており、水資源の保全を支援するための自然資源保護への取り組み、責任ある廃棄物処理をはじめとし、製品ライフサイクル全体を通じて環境への影響を最小限に抑えるため、製品開発のすべての段階においてサステナビリティに配慮しています。これらの取り組みにより成果が得られた場合には、地球の生態系と人々の健康を守りながら、当社に対する社会的評価の向上と当社事業の強化に繋がることとなり、患者さんに貢献するという当社の揺るぎない使命を果たし続けられることになります。一方で、当社が掲げているサステナビリティの高い目標に向けた行動を実施できない場合や、ステークホルダーの期待に沿う結果が得られない場合には、当社に対する社会的信頼が損なわれ、その結果、従業員の採用・維持や顧客、投資家との関係の構築において問題が生じ、当社の業績および財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
(注)1 SSP2-4.5シナリオ:温室効果ガス排出量が2050年まで現在のレベルで続き、その後減少するが、2100年までに地球の気温が2.1~3.5℃上昇すると推定される中程度の排出経路を示しています。
2 SSP5-8.5シナリオ:現在のCO2排出量が2050年までに約2倍、2075年までに約3倍に増加し、2100年までに地球の気温が3.3~5.7℃上昇すると推定される、非常に高い温室効果ガス排出経路を示しています。
(15)人材の採用および配置に関するリスク
当社の長期的に持続可能な成長には、人材の獲得競争の激しい市場や地域において、事業を支える適切な人材の採用と配置が重要であると認識しています。当社は、組織の有効性、文化、価値観を維持しながら、働き方の柔軟性をより高め、職場環境をより良くする施策を実施するとともに、継続的なキャリア開発機会の提供やエンゲージメントの推進を図り、従業員に対して魅力的な価値を提案することで、人材採用における競争力の強化と人材の定着を促進しています。しかしながら、計画通りに採用や定着が進まない場合は、人材の喪失や不足を通じて、当社の競争力が低下し、その結果、当社の業績および財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当年度の業績および財政状態は以下のとおりとなりました。
なお、当社グループは「医薬品事業」の単一セグメントのため、セグメントごとの経営成績の記載を
省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」をご参照下さい。
③ 生産、受注及び販売の状況
(a) 生産実績
当年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 1 当社グループは「医薬品事業」の単一セグメントであります。
2 生産実績金額は、販売価格によっております。
(b) 受注状況
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画をたてて生産しており、一部の受注生産における受注高および受注残高の金額に重要性はありません。
(c) 販売実績
当年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1 当社グループは「医薬品事業」の単一セグメントであります。
2 販売実績は、外部顧客に対する売上収益を表示しております。
3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 当年度の経営成績の分析
(a) 当社グループの経営成績に影響を与える事項
事業の概況
当社グループは、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業として、消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、およびオンコロジーの重点疾患領域において、革新的な医薬品を創出し続けることを追求するとともに、血漿分画製剤およびワクチンをお届けすることにも注力しています。当社グループはパートナーとともに、強固なパイプラインを通じて、患者さんの治療体験の向上を図り、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても治療パラダイムの変革に取り組んでいます。また、バリューチェーン全体にわたり先進技術や人工知能(AI)の統合を進めることで、事業運営の有効性と効率性を高め、イノベーションを促進し、ステークホルダーへの提供価値の向上につなげています。当社グループは、約80の国と地域で医薬品を販売しており、世界中に製造拠点を有するとともに、日本および米国に主要な研究拠点を有しています。販売においては、米国、日本および欧州において非常に高いプレゼンスを有しており、中国においても成長している事業を展開しています。当社グループの従業員は、私たちの存在意義のもとに結束し、2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に根ざして行動しています。
当社グループの事業は単一セグメントであり、資源配分、業績評価、および将来業績の予測においてマネジメントの財務情報に対する視点と整合しております。2026年3月期における売上収益および営業利益はそれぞれ4兆5,057億円および62億円であります。
当社グループの経営成績に影響を与える事項
当社グループの経営成績は、グローバルな業界トレンドや事業環境における以下の事項に影響を受けます。
特許保護と後発品との競争
医薬品は特に、特許保護や規制上の独占権によって市場競争が規制されることにより、当社グループの業績に貢献する場合があります。代替治療の利用が容易でない新製品は当社グループの売上の増加に貢献します。ただし、保護されている製品についても、効能、副作用や価格面で他社との競争が存在します。一方で、特許保護もしくは規制上の独占権の喪失や満了により、後発品が市場に参入するため、当社グループの業績に大きな悪影響を及ぼすことがあります。当社グループの主要製品の一部は、特許やその他の知的財産権保護の満了により、厳しい競争に晒されており、あるいは晒されると予想しています。以下は、過去2年間において、後発品またはバイオシミラーが発売された当社の一部の主要製品の業績を示しています。(「CER(Constant Exchange Rate:恒常為替レート)ベース」の増減は、IFRSに準拠した指標ではありません。詳細については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。)
(単位:億円、%以外)
後発品の浸透の影響により、2023年8月に米国において物質特許が満了したVYVANSE/ELVANSEおよび2023年2月に日本において後発品が医薬品医療機器総合機構(PMDA)により承認されたアジルバ(競合品の薬価収載は2023年6月に承認)について、関連する国・地域において、両製品の売上収益が減少しました。VYVANSE/ELVANSEの売上収益は2025年3月期の3,506億円から2026年3月期には2,032億円に減少し、アジルバの売上収益は2025年3月期の118億円から2026年3月期には71億円に減少しました。2027年3月期においても、両製品ともに減少傾向が続くと見込んでいます。さらに、2026年3月期に1,218億円の売上収益を計上しているトリンテリックスについても、2026年12月に一定の独占期間が満了することに伴い、後発医薬品との競争に直面することが見込まれています。
なお、後発品を販売する他社が特許権の有効性に対する申し立てに成功する場合、もしくは想定される特許侵害訴訟に係る費用以上のベネフィットを前提として参入することを決定する場合があります。また、当社グループの特許権の有効性、あるいは製品保護に対する申し立てが提起された場合には、関連する無形資産の減損損失を認識する可能性があります。
新製品の開発・商業化および既存製品の拡大
当社は特に売上収益を伸長し、独占権喪失の影響を相殺することを目指しており、当社の事業において、新規のバイオ医薬品の開発・商業化のほか、既存製品の適応拡大および(または)地理的市場拡大による既存製品の拡大は重要な取組みです。これらの目標達成までのプロセスは長期にわたり多額の費用を伴い、多額の研究開発費が発生します。これらは当社の連結損益計算書上営業費用として計上しています。当社の研究開発の取組みに関する詳細については、本報告書の「6.研究開発活動」、製品に関連する研究開発費(償却および減損を含む)および無形資産の会計方針については、本報告書の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」をご参照ください。
2026年3月期において、当社は、当社のポートフォリオのうち一部の製品を「成長製品・新製品(注)」として特定し、当社の経営陣はこれらの製品を将来の主要な成長ドライバーとしてモニタリングしておりました。これらの成長製品・新製品は、2026年3月期において、当社の連結売上収益の51%を占める2兆3,133億円でありました。2026年3月期の内訳としては、ENTYVIOは9,580億円(当社の連結売上収益の21%)、当社の免疫グロブリン製剤(GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、ハイキュービア、キュービトル)は7,906億円(当社の連結売上収益の18%)、アルブミン製剤は1,403億円(当社の連結売上収益の3%)、タクザイロは2,239億円(当社の連結売上収益の5%)となりました。
2027年3月期より、当社は、「成長製品・新製品」の区分を廃止し、発売後5年以内の製品から構成される「新製品(New Launches)」および、発売後6年以上が経過し、年間売上収益が1,000億円以上であり、かつ引き続き積極的に販売活動を行っている製品から構成される「コア製品(Core In-line Brands)」という区分を新たに設定しております。
ライフサイクルの初期段階にある新製品は、連結売上収益への貢献は限定的である場合がありますが、当社の経営者はこれらの製品を将来の主要な成長ドライバーとしてモニターしており、これらの製品に関する情報は、当社が今後成長を見込んでいる領域を投資家に理解していただくにあたり有用であると考えています。
当グループを構成する製品は随時変更され、臨床試験の結果や規制当局の認可取得等により、製品を追加または除外する場合があります。
2027年3月期の期首時点において、新製品(New Launches)はEOHILIA、リブテンシティ、アジンマ、FRUZAQLAおよびQDENGAから構成され、コア製品(Core In-line Brands)はENTYVIO、GATTEX/レベスティブ、タケキャブ/VOCINTI、タクザイロ、免疫グロブリン製剤(GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、ハイキュービア、キュービトルを含む)、アルブミン製剤(HUMAN ALBUMIN/FLEXBUMINを含む)およびアドセトリスから構成されています。
2026年3月期において、当期に達成した良好な臨床第3相試験結果に基づき、oveporextonおよびrusfertideについてFDAへの承認申請を行い、これらの申請はFDAに受理され、両資産について優先審査(Priority Review)が付与されました。さらに、zasocitinibについては良好な臨床第3相試験結果が得られており、近い将来にFDAへの承認申請を行うことを見込んでいます。
これらの資産について上記が成功した場合には、2026年から2027年にかけて上市され、当社が開示する製品区分において新製品(New Launches)として位置づけられる可能性があります。
(注)本報告書日現在において、2026年3月期の成長製品・新製品は、以下のとおりです。
ENTYVIO、EOHILIA、タクザイロ、リブテンシティ、アジンマ、免疫グロブリン製剤(GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、ハイキュービア、キュービトルを含む)、アルブミン製剤(HUMAN ALBUMIN、FLEXBUMINを含む)、FRUZAQLA、アルンブリグおよびQDENGA
買収
当社グループは、研究開発能力を拡大し(新たな手法に展開することを含みます。)、新しい製品(開発パイプラインや上市済み製品)やその他の戦略的領域を獲得するために、新たな事業または資産を買収する可能性があります。同様に、当社グループの主な成長ドライバーに注力するため、また当社グループのポートフォリオを維持するために、事業や製品ラインを売却しております。
これらの買収は企業結合または資産の取得として会計処理されております。企業結合の場合、取得した資産および引き受けた負債は公正価値で計上されております。当社グループの業績は、通常、棚卸資産の公正価値の増加や、取得した有形固定資産および無形資産の償却費により影響を受けます。また、資産の取得の場合、取得した資産は取引価格で計上されております。企業結合または資産の取得の対価が追加的な借入金で賄われている場合、支払利息の増加も当社グループの業績に影響を与えます。
2025年3月期および2026年3月期、ならびに本報告書提出日までにおいて、重要な事業または資産の買収はありません。なお、共同研究、ライセンス契約およびその他の資産取得については、本報告書の「6 研究開発活動 ライセンスおよび共同研究開発契約」ならびに「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 13 共同研究開発契約、ライセンス契約、その他の資産取得等」をご参照ください。
事業売却
買収に加え、当社グループは、主要な成長ドライバーに注力し、また長期借入金を速やかに返済するための追加キャッシュ・フローを創出するため、事業や製品ラインを売却しております。以下は、2025年3月期において実施または発表された重要な事業売却になります。なお、2026年3月期、ならびに2026年4月1日から本報告書提出日までの期間において、重要な事業売却はありません。
当社グループは、2025年3月期にTeva Pharmaceutical Industries Ltd.(「テバ社」)と日本国内において展開するジェネリック医薬品および長期収載品を中心とした合弁事業について、これを解消する方向でテバ社と協議することを決定しました。これに伴い、武田テバファーマ株式会社の全株式である関連会社株式を売却目的で保有する資産に分類し、2025年3月期において189億円の減損損失を計上しました。2025年3月に当該譲渡が完了したことによる売却収入は508億円の受取配当金を含む565億円であり、2025年3月期の連結キャッシュ・フロー計算書に計上された関連会社株式の売却による収入577億円の大部分を構成しています。また、過去の取引で発生した未実現利益が譲渡完了時に実現したことにより17億円と38億円をそれぞれ売上収益とその他の営業収益に計上しました。
原材料の調達による影響
重要な原材料を社内外から調達することができない場合に、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、ヒト血漿は当社グループの血漿分画製剤において重要な原材料であります。血漿をより多く収集するため、調達および外部との契約を強化し、原料血漿の収集や血漿分画に関連する施設への委託、および規制当局から承認を受けることに成功するための取り組みを行っております。
外国為替変動
2025年3月期および2026年3月期において、当社グループでは日本以外の売上がそれぞれ90.9%、90.4%を占めております。当社グループの業績は、特に当社の表示通貨である日本円に対する米ドルおよびユーロの外国為替レートの変動に影響を受けます。円安は日本円以外の通貨による収益の増加要因となり当社グループの業績に好影響を及ぼしますが、日本円以外の通貨による費用の増加により相殺される可能性があります。とりわけ、2025年3月期および2026年3月期において、他の通貨に対する円安により、当社の売上収益はプラスの影響を受けました。反対に、円高は日本円以外の通貨による収益減少要因となり当社グループの業績に悪影響を及ぼしますが、日本円以外の通貨による費用の減少により相殺される可能性があります。前年度からの為替レートの変動が当社グループの業績に与える影響を投資家がより良く理解できるよう、当社グループは、補足的にCER(Constant Exchange Rate:恒常為替レート)ベースの増減を「CER」の表記で示しています。IFRSに準拠した実勢レート(Actual Exchange Rate)ベースの増減は「AER」の表記で示しています。CERベースの増減率に基づく対前年度の業績比較分析については、下記の「(c) 当年度における業績の概要」及び「(d) 当年度におけるCore業績の概要」をご参照ください。
また、「CERベースの増減」は、国際会計基準(IFRS)に準拠した指標ではありません。詳細については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。
なお、為替変動リスクを低減するため、当社グループは重要な一部の外貨建取引について、特定のヘッジ手段を利用しております。これには、主に個別に重要な外貨建取引に対する先物為替予約、通貨スワップおよび通貨オプションが含まれます。
季節的要因
当社グループの売上収益は、2025年3月期および2026年3月期において第4四半期に減少しています。これは、年末年始休暇および価格引き上げを控え、各国・地域において卸売業者が発注を増加させること、および暦年の年初の米国における保険の年間免責額の改定等によるものです。
(b) 重要な会計方針
当社グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成されております。当連結財務諸表の作成にあたり、経営者は資産および負債の金額、決算日現在の偶発資産および偶発負債の開示、ならびに報告期間における収益および費用の金額に影響を及ぼす見積りおよび仮定の設定を行うことが求められております。見積りおよび仮定は、継続的に見直されます。経営者は、過去の経験、ならびに見積りおよび仮定が設定された時点において合理的であると判断されたその他の様々な要因に基づき当該見積りおよび仮定を設定しております。実際の結果はこれらの見積りおよび仮定とは異なる場合があります。
経営者の見積りおよび仮定に影響を受ける重要な会計方針は以下のとおりであります。なお、見積りおよび仮定の変更が連結財務諸表に重大な影響を及ぼす可能性があります。
収益認識
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針 (5) 収益」をご参照ください。
のれんおよび無形資産の減損
当社グループは、のれんおよび無形資産について、資産の帳簿価額が回収不能であるかもしれないことを示す事象または状況の変化がある場合には、減損テストを行っております。のれんおよび償却開始前の無形資産については、年次および減損の兆候を捕捉した時点で減損テストを実施しております。2026年3月31日時点において、当社グループはのれんおよび無形資産をそれぞれ5兆8,090億円および3兆4,193億円計上しており、これは総資産の59.5%を占めております。
上市後製品に係る無形資産は特許が存続する見込期間または見込まれる経済的便益に応じた他の指標に基づき、3年から20年の耐用年数を用いて定額法で償却しております。仕掛研究開発品に係る無形資産は、特定の市場における商用化が規制当局により承認されるまで償却をしておりません。商用化が承認された時点で、当該資産の見積耐用年数を確定し、償却を開始しております。
のれんおよび無形資産は、通常、連結財政状態計算書上の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には減損していると判断されます。無形資産にかかる回収可能価額は個別資産、またはその資産が他の資産と共同で資金を生成する場合はより大きな資金生成単位ごとに見積られます。資金生成単位は独立したキャッシュ・インフローを形成する最小の識別可能な資産グループであります。のれんの減損テストは単一の事業セグメント単位(単一の資金生成単位)で実施しており、これはのれんを内部管理目的で監視している単位を表しています。回収可能価額の見積りには以下を含む複数の仮定の設定が必要となります。
·将来キャッシュ・フローの金額および時期
·競合他社の動向(競合製品の販売開始、マーケティングイニシアチブ等)
·規制当局からの承認の取得可能性
·将来の税率
·永続成長率
·割引率
将来キャッシュ・フローの金額および時期を見積るための重要な仮定には、研究開発プロジェクトの成功見込みおよび製品に係る売上予測があります。特にのれんにかかる回収可能価額の見積りにおいては、米国における特定の製品に係る売上予測が重要な仮定となります。これらの仮定に影響を与える事象としては、開発の中止、大幅な上市の遅延、規制当局の承認が得られないことによる研究開発プロジェクトの失敗、もしくは一般的には新たな競合製品の販売開始や供給不足による、一部の上市後製品にかかる売上予測の低下があげられます。これらの事象が発生した場合、プロジェクト獲得以降に実施した当初もしくは事後の研究開発投資額が回収できない、もしくは見積った将来キャッシュ・フローが回収できない可能性があります。
これらの仮定に変更が生じた場合は、当該連結会計年度において減損損失および、のれんを除き、減損損失の戻入れを認識しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 11 のれん および 12 無形資産」をご参照ください。
訴訟に係る偶発事象
当社グループは、通常の営業活動において主に製造物責任訴訟および賠償責任訴訟に関与しております。詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 31 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。
偶発負債は、その特性から不確実なものであり複雑な判断や可能性に基づいております。訴訟およびその他の偶発事象に係る引当金を算定する際には、該当する訴訟の根拠や管轄、その他の類似した現在および過去の訴訟案件の顛末および発生数、製品の性質、訴訟に関する科学的な事項の評価、和解の可能性ならびに現時点における和解にむけた進行状況等を勘案しております。さらに、未だ提訴されていない製造物責任訴訟については、主に過去の訴訟の経験や製品の使用に係るデータに基づき、費用を合理的に見積ることができる範囲で引当金を計上しております。当社グループが関与する重要な訴訟のうち、それらの最終的な結果により財務上の影響が見込まれる場合であっても、その額について信頼性のある見積りが不可能な訴訟等については、引当金の計上は行っておりません。また、保険の補償範囲期間内である場合は保険による補償についても考慮しております。補償範囲の検討の際に、当社グループは、保険契約の制限や除外、保険会社による補償の拒否の可能性、保険業者の財政状態、ならびに回収可能性および回収期間を考慮しております。引当金および関連する保険補償額の見積りは、連結財政状態計算書上において負債および資産として総額で計上しております。2026年3月31日現在において、係争中の訴訟案件およびその他の案件について4,157億円の引当金を計上しております。
法人所得税
当社グループは、税法および税規制の解釈に基づき税務申告を行っており、これらの判断および解釈に基づき税金引当額を計上しております。通常の営業活動において、当社グループの税務申告は様々な税務当局による税務調査の対象であり、これらの調査の結果、追加税額、利息、または罰金の支払いが課される場合があります。各法域における法律、規制および司法判断に基づく税法改正等により、多くの不確実な税務ポジションの評価には固有の不確実性を伴います。税務当局が当社グループの税務ポジションを認める可能性が高くないと判断した場合、当社グループは、当該不確実性の予想される解決に基づき負債を認識します。また、不確実な税務ポジションは、事実および状況の変化に伴い調整されます。これらの税務ポジションは、例えば、現行の税法の改正、税務当局による新たな規制または行政上の解釈指針の発行、税務調査の際に入手した新たな情報、または税務調査の解決により調整が行われる可能性があります。当社グループは、不確実な税務ポジションに係る当社グループの見積りは、現時点において判明している事実および状況に基づき合理的であり、適切に反映されていると判断しております。しかしながら、これらの事項の最終的な結果は、計上された金額と重要な差異が生じる場合があります。
また、各報告期間の末日において、繰延税金資産について実現可能額を評価しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、将来加算一時差異の解消予定、予想される将来課税所得およびタックスプランニングを考慮しております。予想される将来課税所得は、当社グループの事業計画に基づき見積られております。事業計画に用いられる売上収益の予測に関する判断が変更された場合、認識される繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。過去の課税所得の水準および一時差異が損金算入可能となる期間における将来課税所得の見積りに基づき、実現する可能性が高いと判断される税務上の便益の額を算定しております。2026年3月31日現在における繰延税金資産を認識していない未使用の繰越欠損金、将来減算一時差異、および未使用の繰越税額控除は、それぞれ1兆2,073億円、7,138億円、および294億円であります。将来における見積りおよび仮定の変更は、法人所得税費用に重要な影響を与える可能性があります。
事業構造再編費用
当社グループでは、費用削減に関連した取り組みに関連して事業構造再編費用が発生します。退職金が事業構造再編費用の主な内訳であり、事業構造再編に係る引当金は、事業構造再編に係る詳細な公式計画を策定し、かつ計画の実施や影響を受ける関係者への主要な特徴の公表を通じて、影響を受ける関係者に当該事業構造再編が実行されるであろうという妥当な期待を惹起した時点で認識しております。事業構造再編に係る引当金の認識には、支払時期や、事業再編により影響を受ける従業員数等の見積りが必要となります。最終的なコストは当初の見積りから異なる可能性があります。
2024年5月9日に当社は、事業の成長と利益率の改善を促進するための複数年にわたる全社的な効率化プログラムを実施することについて、公表しました。本プログラムには、人員の最適化策を伴う組織構造の簡素化、組織全体での生産性と効率性の向上を図るためのDD&Tへの投資、サプライチェーンおよびベンダー管理プロセスにおけるコスト削減と効率化が含まれております。主に、2024 年5月に公表した当該取り組みにより、2025年3月期に1,281億円の事業構造再編費用を計上し、2026年3月期には708億円を計上しました。2026年3月25日に当社は、長期的な成長力の向上および新製品上市の実行加速を目指す取り組みの次なるステップについて、取締役会が承認したことを公表しました。当該取り組みには、高度なテクノロジーの活用によるコーポレート機能の合理化およびプロセスの簡素化が含まれております。2027年3月期には1,700億円の事業構造再編費用の発生を見込んでおり、2028年3月期および2029年3月期には、事業構造再編費用は減少する見込みです。
2026年3月31日現在、279億円の事業構造再編に係る引当金を計上しております。事業構造再編に係る引当金及び対前期比の変動の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 22 引当金」をご参照ください。
(c) 当年度における業績の概要
前年度および当年度の連結業績は、以下のとおりとなりました。
本項において、前年度に対する、国際会計基準(IFRS)に準拠した実勢レート(Actual Exchange Rate)ベースの増減額および増減率は「AER」の表記で示し、国際会計基準(IFRS)に準拠しない恒常為替レート(Constant Exchange Rate)ベースの増減率は「CER」の表記で示しています。「CERベースの増減率」の定義については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。
〔売上収益〕
売上収益は、4兆5,057億円(△758億円および△1.7% AER、△2.7% CER)となりました。この減収は、主に当社の6つの主要なビジネスエリアの一つであるニューロサイエンス(神経精神疾患)における減収によるものです。ニューロサイエンスにおける減収は、主に米国における注意欠陥/多動性障害(ADHD)治療剤VYVANSEの後発品の市場浸透による減収影響を引き続き受けたことによるものです。当社の他の主要なビジネスエリアである消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、およびワクチンにおける売上収益は増収となりました。一部の製品は米国におけるメディケア・パートDの再設計および340Bプログラムの拡大による影響を受けたものの、米国以外の地域におけるその他の製品の需要は堅調に推移しました。当社の6つの主要なビジネスエリア以外の売上収益は、2,240億円(△334億円および△13.0% AER、△15.9% CER)となりました。
地域別売上収益
各地域の売上収益は以下のとおりです。
(単位:億円、%以外)
(注) その他の地域は中東、オセアニアおよびアフリカを含みます。
当社グループの売上収益の大部分は、主要な医療用医薬品により占められております。当年度の各ビジネスエリアにおける主要製品の売上は以下のとおりです。
(注)1 国内製品名:エンタイビオ
2 配合剤、パック製剤を含む。
3 国内製品名:フリュザクラ
4 国内製品名:ビバンセ
各ビジネスエリアにおける売上収益の前年度からの増減は、主に以下の製品によるものです。
- 消化器系疾患
消化器系疾患の売上収益は、1兆4,075億円(+504億円および+3.7% AER、+3.1% CER)となりました。
潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)の売上は、9,580億円(+439億円および+4.8% AER、+4.2% CER)となりました。米国における売上は、6,237億円(+45億円および+0.7% AER)となりました。この増収は、皮下注射製剤の売上が伸長したことによるものですが、対米ドルでの円高による減収影響により相殺されました。欧州およびカナダにおける売上は、2,567億円(+293億円および+12.9% AER)となりました。この増収は、主に皮下注射製剤の継続的な使用拡大に伴い患者が増加したことに加え、対ユーロでの円安による増収影響によるものです。
酸関連疾患治療剤タケキャブ/VOCINTIの売上は、1,437億円(+129億円および+9.9% AER、+9.6% CER)となりました。この増収は、中国および日本における堅調な需要によるものです。
好酸球性食道炎治療剤EOHILIAの売上は、88億円(+33億円および+61.0% AER, +63.2% CER)となりました。この増収は、米国における堅調な需要によるものです。
慢性特発性便秘症治療剤RESOLOR/MOTEGRITYの売上は、73億円(△122億円および△62.7% AER、△62.8% CER)となりました。この減収は、主に米国において2025年1月から複数の後発品が参入したことによるものです。
- 希少疾患
希少疾患の売上収益は、7,627億円(+99億円および+1.3% AER、△0.3% CER)となりました。
移植後のサイトメガロウイルス感染/感染症治療剤リブテンシティの売上は、469億円(+139億円および+42.2% AER、+41.0% CER)となりました。この増収は、主に米国において市場浸透が継続して好調に進んだことに加え、欧州および成長新興国において引き続き販売エリアが拡大したことによるものです。
先天性血栓性血小板減少性紫斑病治療剤アジンマの売上は、120億円(+49億円および+68.8% AER、+65.1% CER)となりました。この増収は、欧州において上市以降、売上が着実に増加したことによるもので、超希少疾患患者さんのアンメット・ニーズを反映しています。
フォン・ヴィレブランド病治療剤ボンベンディの売上は、253億円(+43億円および+20.8% AER、+18.6% CER)となりました。この増収は、ボンベンディの適応拡大(成人患者に対する出血傾向の抑制のための定期補充療法)によるものです。
血友病A治療剤アディノベイト/ADYNOVIの売上は567億円(△79億円および△12.3% AER、△13.1% CER)となりました。この減収は、主に米国における競争の激化によるものです。
血友病A治療剤アドベイトの売上は1,055億円(△62億円および△5.6% AER、△6.8% CER)となりました。この減収は、主に米国における競争の激化によるものです。
- 血漿分画製剤
血漿分画製剤の売上収益は、1兆575億円(+249億円および+2.4% AER、+1.9% CER)となりました。
主に原発性免疫不全症、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎および多巣性運動ニューロパチーの治療に用いられる免疫グロブリン製剤の売上合計は、7,906億円(+328億円および+4.3% AER、+4.1% CER)となりました。この増収は、皮下注射製剤のキュービトルとハイキュービアの売上が伸長したことによるものです。静脈注射製剤のGAMMAGARD LIQUID/KIOVIGの売上は、米国におけるメディケア・パートDの再設計および対米ドルでの円高による減収影響を受けたものの、わずかに増収となりました。
血友病Aおよび血友病B治療剤ファイバの売上は、329億円(△66億円および△16.6% AER、△17.7% CER)となりました。この減収は、全ての地域において、遺伝子組換え製剤との競争が激化したことによるものです。
- オンコロジー
オンコロジーの売上収益は、5,801億円(+197億円および+3.5% AER、+2.0% CER)となりました。
悪性リンパ腫治療剤アドセトリスの売上は、1,402億円(+112億円および+8.7% AER、+5.3% CER)となりました。この増収は、欧州および成長新興国における堅調な需要に加え、対ユーロでの円安による増収影響によるものです。
大腸がん治療剤FRUZAQLA(国内製品名:フリュザクラ)の売上は、551億円(+72億円および+14.9% AER、+14.6% CER)となりました。この増収は、本剤が転移性大腸がんにおける新たな治療選択肢として、欧州、日本および成長新興国において上市後、着実に市場浸透したことによるものです。この増収は、米国における売上がメディケア・パートDの再設計による影響を受けて減少したことで一部相殺されました。
白血病治療剤アイクルシグの売上は、750億円(+43億円および+6.1% AER、+5.6% CER)となりました。この増収は、主にカナダにおける売上が増加したことによるものです。
子宮内膜症・子宮筋腫・閉経前乳がん・前立腺がん等の治療に用いられるリュープリン/ENANTONEの売上は、1,208億円(+15億円および+1.3% AER、△0.4% CER)となりました。この増収は、主に対ユーロでの円安による増収影響によるものです。
多発性骨髄腫治療剤ニンラーロの売上は、821億円(△91億円および△10.0% AER、△10.5% CER)となりました。この減収は、主に米国における競争の激化と需要の減少によるものです。この減収は、成長新興国における売上が増加したことにより一部相殺されました。
- ワクチン
ワクチンの売上収益は、596億円(+42億円および+7.6% AER、+5.1% CER)となりました。
デング熱ワクチンQDENGAの売上は、408億円(+52億円および+14.6% AER、+10.7% CER)となりました。この増収は、成長新興国における高い需要により上市以降、売上が増加したことによるものです。
その他のワクチンの売上合計は、減収となりました。この減収は、主に日本における麻しん風しん混合ワクチンであるMRワクチンの一時的な出荷停止が継続したことによるものです。
- ニューロサイエンス
ニューロサイエンスの売上収益は、4,143億円(△1,515億円および△26.8% AER、△27.2% CER)となりました。
ADHD治療剤VYVANSE/ELVANSE(国内製品名:ビバンセ)の売上は、2,032億円(△1,474億円および△42.0% AER、△43.0% CER)となりました。この減収は、主に米国において後発品の市場浸透が引き続き進んだことによるものです。
〔売上原価〕
売上原価は、1兆5,716億円(△86億円および△0.5% AER、△1.9% CER)となりました。この減少は、売上収益の減少に加え、在庫に積み上がった為替影響を認識するプロセスの導入に伴い前年度に売上原価の調整を計上したことによるものです。一方で、これらの減少は、特に米国におけるVYVANSE後発品の市場浸透により製品構成が変化したことによる原価率の上昇や、対ユーロでの円安による為替影響により、大部分が相殺されました。
〔販売費及び一般管理費〕
販売費及び一般管理費は、1兆842億円(△206億円および△1.9% AER、△2.5% CER)となりました。この減少は、主に全社的な効率化プログラムのコスト節減効果により費用が削減されたことによるものです。
〔研究開発費〕
研究開発費は、6,759億円(△543億円および△7.4% AER、△7.0% CER)となりました。この減少は、ザソシチニブやelriterceptをはじめとする一部の後期開発パイプラインに係る費用が増加したものの、その他の開発プログラムにおいて開発の中止や臨床試験の進捗に伴い費用が減少したこと、メザギタマブに関しては共同開発資金を研究開発費の減額として認識したこと、および全社的な効率化プログラムのコスト節減効果による費用の減少があったことによるものです。
〔製品に係る無形資産償却費及び減損損失〕
製品に係る無形資産償却費及び減損損失は、6,335億円(△97億円および△1.5% AER、△1.7% CER)となりました。この減少は、無形資産減損損失が増加(+342億円)したものの、VYVANSE/ELVANSEに係る無形資産の償却終了などに伴い、無形資産償却費が減少(△439億円)したことによるものです。当年度の減損損失には、細胞療法研究の中止の決定に伴い計上したガンマ・デルタT細胞療法プラットフォームおよび関連するオンコロジーのプログラムに係る減損損失582億円、および将来の売上予測の低下により計上した非小細胞肺がん治療剤アルンブリグに係る減損損失319億円が含まれます。前年度の減損損失には、Maverick Therapeutics Inc.の買収により獲得したTAK-186およびTAK-280の開発中止の決定に伴い計上した減損損失278億円、およびソチクレスタット(TAK-935)の臨床第3相試験において主要評価項目を達成できなかったことにより計上した減損損失215億円が含まれます。
〔その他の営業収益〕
その他の営業収益は、247億円(△15億円および△5.6% AER、△4.4% CER)となりました。この減少は、主に前年度において条件付対価契約に関する金融負債の公正価値変動に伴う収益を計上したこと、および当年度におけるその他の収益の減少によるものの、当年度に計上した事業売却益の増加により大部分が相殺されたものです。
〔その他の営業費用〕
その他の営業費用は、5,590億円(+3,522億円および+170.4% AER、+168.9% CER)となりました。この増加は、主として、当年度において、AMITIZAに係る米国の反トラスト訴訟における陪審評決を受けて、関連する訴訟引当金4,035億円を計上したことによるものです。一方、全社的な効率化プログラムに関連する費用を含む事業構造再編費用が573億円減少したことにより、増加の一部は相殺されました。
〔営業利益〕
営業利益は、上記の要因を反映し、62億円(△3,364億円および△98.2% AER)となりました。
〔金融損益〕
金融収益と金融費用をあわせた金融損益は1,464億円の損失(△171億円および△10.5% AER、△7.5% CER)となりました。この減少は、主に武田テバファーマ株式会社の株式の売却に係る減損損失189億円を前年度に計上したことによるものです。
〔持分法による投資損益〕
持分法による投資損益は、22億円の損失(△18億円および△45.4% AER、△52.9% CER)となりました。
〔法人所得税費用〕
法人所得税費用は、98億円(△572億円および△85.4% AER、△97.6% CER)となりました。この減少は主に、当年度において、AMITIZAに係る米国の反トラスト訴訟における陪審評決を受けて訴訟引当金を計上したことに関連し、繰延税金資産が584億円増加したことによるものです。
〔当期利益(△は損失)〕
上記要因を反映し、当期損失は、△1,521億円 (△2,603億円、前年度は1,081億円の利益)、当期損失(親会社の所有者帰属分)は、△1,524億円(△2,603億円、前年度は1,079億円の利益)となりました。
(d) 当年度におけるCore業績の概要
補足的分析:Core財務指標に基づく業績(IFRSに準拠しない指標)
IFRSに準拠して作成された業績に加え、当社グループは、補足的に、Core財務指標に基づく業績も表示しております。投資家におかれましては、Core財務指標の定義、有用性の限界、最も良く対応するIFRSに準拠した財務指標への調整を含む、より詳細な情報については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。
当社グループは、また、Core財務指標のCERベースの増減率についても表示しております。詳細については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。
Core業績
〔Core売上収益〕
Core売上収益は、4兆5,057億円(△741億円および△1.6% AER、△2.6% CER)となりました。この減収は、主に米国においてVYVANSEの後発品の市場浸透が引き続き進んだ影響を受けたことにより、ニューロサイエンスの売上収益が減少したことによるものです。
タケダの成長製品・新製品(注)の売上収益は2兆3,133億円(+1,114億円および+5.1% AER、+4.5% CER)となりました。
(注)当年度のタケダの成長製品・新製品
消化器系疾患:ENTYVIO、EOHILIA
希少疾患:タクザイロ、リブテンシティ、アジンマ
血漿分画製剤(免疫疾患):GAMMAGARD LIQUID/KIOVIG、ハイキュービア、キュービトルを含む免疫グロブリン製剤、
HUMAN ALBUMIN、FLEXBUMINを含むアルブミン製剤
オンコロジー:アルンブリグ、FRUZAQLA
ワクチン:QDENGA
〔Core営業利益〕
Core営業利益は、1兆1,725億円(+98億円および+0.8% AER、△0.9% CER)となりました。Core営業利益の内訳は以下のとおりです。
報告期間における上記項目の増減は以下のとおりです。
〔Core売上原価〕
Core売上原価は、1兆5,726億円(△92億円および△0.6% AER、△1.9% CER)となりました。この減少は、売上収益の減少に加え、在庫に積み上がった為替影響を認識するプロセスの導入に伴い前年度に売上原価の調整を計上したことによるものです。一方で、これらの減少は、特に米国におけるVYVANSE後発品の市場浸透により製品構成が変化したことによる原価率の上昇や、対ユーロでの円安による為替影響により、大部分が相殺されました。
〔Core販売費及び一般管理費〕
Core販売費及び一般管理費は、1兆847億円(△204億円および△1.8% AER、△2.5% CER)となりました。この減少は、主に全社的な効率化プログラムのコスト節減効果により費用が削減されたことによるものです。
〔Core研究開発費〕
Core研究開発費は、6,760億円(△544億円および△7.4% AER、△7.0% CER)となりました。この減少は、ザソシチニブやelriterceptをはじめとする一部の後期開発パイプラインに係る費用が増加したものの、その他の開発プログラムにおいて開発の中止や臨床試験の進捗に伴い費用が減少したこと、メザギタマブに関しては共同開発資金を研究開発費の減額として認識したこと、および全社的な効率化プログラムのコスト節減効果による費用の減少があったことによるものです。
〔Core当期利益〕
Core当期利益は、8,144億円(+386億円および+5.0% AER、+2.9% CER)、Core当期利益(親会社の所有者帰属分)は、8,141億円(+385億円および+5.0% AER、+2.9% CER)となりました。Core当期利益は、Core営業利益に基づき、以下のとおり算出されます。
報告期間における上記項目の増減は以下のとおりです。
〔Core金融損益〕
Core金融収益とCore金融費用をあわせた金融損益は、1,332億円の損失(△75億円および△5.3% AER、△1.9% CER)となりました。
〔Core持分法による投資損益〕
Core持分法による投資損益は、1億円の損失(△13億円)となりました。
〔Core税引前当期利益〕
Core税引前当期利益は、1兆392億円(+161億円および+1.6% AER、△0.9% CER)となりました。
〔Core法人所得税費用〕
Core法人所得税費用は、2,248億円(△225億円および△9.1% AER、△12.8% CER)となりました。この減少は主に、当年度における繰延税金資産の回収可能性の見直しにより、Core法人所得税費用が減少したことによるものです。
〔Core EPS〕
Core EPSは、517円(+26円および+5.2% AER、+3.1% CER)となりました。
② 当年度の財政状態の分析
〔資産〕
当年度末における資産合計は、15兆5,115億円(+1兆2,632億円)となりました。主に為替換算の影響により、のれん、棚卸資産および有形固定資産が増加(+4,846億円、+1,793億円および+1,524億円)しております。主に、AMITIZAに係る米国の反トラスト訴訟における陪審評決を受けて訴訟引当金を計上したことに関連し、繰延税金資産が584億円増加したことや、無形資産の償却およびその他の繰延税金資産の回収可能性の見直しにより、繰延税金資産が増加(+1,755億円)しております。米国における売上債権の売却プログラムを減額したことなどによる売上債権残高の増加、ならびに為替換算の影響により、売上債権及びその他の債権が増加(+1,348億円)しております。主に日本における金利通貨スワップに係る公正価値変動により、その他の金融資産合計が増加(+1,102億円)しております。加えて、現金及び現金同等物が増加(+2,099億円)しております。これらの増加は、主に償却および減損による無形資産の減少(△2,122億円)により一部相殺されております。
〔負債〕
当年度末における負債合計は、8兆809億円(+7,685億円)となりました。主にAMITIZAに係る米国の反トラスト訴訟における陪審評決を受けて訴訟引当金を計上したことにより、引当金合計が増加(+4,677億円)しております。社債及び借入金合計は4兆8,818億円(注)(+3,666億円)となり、償還および返済により一部相殺されたものの、主に為替の影響に加え、円貨建無担保普通社債および米ドル建保証付無担保普通社債の発行、ならびに新たなバイラテラルローンの借入により増加しております。
(注)当年度末における社債及び借入金の帳簿価額はそれぞれ4兆6,568億円および2,250億円です。なお、社債及び借入金の内訳は以下のとおりです。
社債:
借入金:
当社グループは、2025年4月25日に、バイラテラルローン100億円を満期返済しました。2025年6月12日には、発行総額1,840億円、償還期日2030年6月12日から2035年6月12日の円貨建無担保社債(「本円建社債」)を発行しました。本円建社債の発行により調達した資金は、コマーシャル・ペーパーの償還に充当されました。その後、2025年6月23日には、米ドル建無担保普通社債800百万米ドルを満期償還しました。また、2025年3月31日に借入れた500百万米ドルのバイラテラルローンについては、2025年7月3日まで月次で借換をしています。
2025年7月2日には、発行総額2,400百万米ドル、償還期日2035年7月7日および2055年7月7日の米ドル建保証付無担保普通社債(「本米ドル建社債」)を、当社の間接的な完全子会社である武田U.S.ファイナンシング Inc.により発行しました。本米ドル建社債の発行により調達した資金は、2025年7月3日の500百万米ドルのバイラテラルローンの返済と2025年7月のコマーシャル・ペーパーの償還に主に充当されました。
当社グループは、2026年3月31日に、満期を迎えたバイラテラルローン750億円を返済するとともに、同日に、返済期日2034年3月31日の新たなバイラテラルローン600億円の借入を実行しました。また、同日、円建3,500億円および米ドル建2,100百万米ドルのコミットメントファシリティー契約をそれぞれ締結しました。本コミットメントファシリティーはどちらも2026年3月31日から最低5年間有効です。なお、本コミットメントファシリティーの契約締結にあたり、2026年9月に期間満了を迎える予定であった既存の円建7,000億円のコミットメントファシリティー契約は、同日付で解約しました。新たに設定した本コミットメントファシリティーの使途は一般事業資金です。
(注)上記の社債及び借入金に関する説明に記載している金額は、元本金額で表示しております。
〔資本〕
当年度末における資本合計は、7兆4,306億円(+4,947億円)となりました。この増加は、主に円安の影響による為替換算調整勘定の変動により、その他の資本の構成要素が増加(+9,455億円)したことによるものです。この増加は、配当金の支払いに伴う3,125億円の減少、ならびに当期損失1,521億円の計上に伴い、利益剰余金が減少(△4,752億円)したことにより一部相殺されております。
③ 流動性および資金調達源
資金の調達および使途
当社グループにおいて流動性は、主に営業活動に必要な現金、資本支出、契約上の義務、債務の返済、利息や配当の支払いに関連して必要となります。営業活動においては、研究開発費、マイルストン支払い、販売およびマーケティングに係る費用、人件費およびその他の一般管理費、原材料費等の支払いにあたり現金が必要となります。また、法人所得税の支払いや運転資金にも多額の現金が必要となります。
当社グループは、生産設備の能力増強・合理化、減価償却を終えた資産の入れ替え、業務管理の効率化等のために設備投資を行っています。無形資産に係る資本的支出は、主に第三者のパートナーから導入したライセンス製品に対するマイルストン支払い、およびソフトウェア開発費です。連結財政状態計算書に計上されている有形固定資産および無形資産に係る資本支出は、2025年3月期および2026年3月期において、それぞれ3,194億円および4,269億円であります。また、2026年3月31日現在において、有形固定資産の取得に関する契約上のコミットメントは77億円であります。加えて、2026年3月31日現在において、無形資産の取得に関して契約上の取決めを有しております。無形資産に係るマイルストン支払いの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 31 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。また、資本管理の一環として、当社グループは、資金需要、市場等の環境、またはその他の関連する要因に照らして、定期的に資本的支出の評価を行っております。
当社の配当金の支払額は、2025年3月期および2026年3月期において、それぞれ3,039億円および3,132億円であります。2026年3月期については、1株当たり年間配当金額を200円(中間配当金および期末配当金それぞれ100円)としましたが、2027年3月期については、1株当たり、中間配当金および期末配当金をそれぞれ102円ずつとし、年間204円とすることを目指しています。当社の配当政策については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
当社グループは、有利子負債に対し元本と利息を支払う必要があります。2026年3月31日現在において、1年内に必要となる利息の支払額および負債の返済額は、それぞれ1,401億円、5,140億円であります。詳細は、「有利子負債および金融債務」をご参照ください。
当社グループの資金の主な調達源は、主に現金及び現金同等物、短期コマーシャル・ペーパー、金融機関からのコミットメントラインによる借入、グローバル資本市場における社債発行を含む長期債務による資金調達であります。さらに、当社グループは、コンティンジェンシーの調達源として、2025年3月31日において金融機関から極度額1,500億円および750百万米ドルの短期アンコミットメントライン契約を、2026年3月31日現在において、金融機関から極度額1,500億円および650百万米ドルの短期アンコミットメントライン契約を締結しております。
当社グループは、キャッシュ・フロー予測に基づき保有外貨を監視し、調整しております。当社グループの事業の大部分は日本国外で行っており、多額の現金及び現金同等物を日本国外に保有しております。日本国内で必要なキャッシュ・フローを創出するために外貨を使用することは国内規制による影響を受ける可能性があり、また比較的影響は小さいものの、日本へ現金を移転することから生じる所得税による影響も受けます。
当社グループは、引き続き、資金調達の状況について注視しており、短期的には、一般的な市況による資金調達不足または流動性不足は現在見込んではおりません。なお、必要に応じた市場およびその他の供給源からの追加の資金調達力に加えて、当社グループの資本支出計画を必要かつ適切な範囲で見直すことによって、資金調達および流動性の需要を管理する場合があります。
2026年3月31日現在において、当社グループは、売上債権の売却プログラムに関係して当社が第三者に代わり一時的に保有していた預り金792億円を含む、5,951億円の現金及び現金同等物と、3,500億円および2,100百万米ドルの未使用のバンク・コミットメントライン契約を保有しております。加えて、公正価値ヒエラルキーにてレベル1に分類される米国債851億円を保持しております。したがって、利用可能な流動性の合計は1兆2,862億円となり、現在の事業活動に必要となる資金は十分に確保できていると考えております。また、当社グループは、事業活動を支えるため、持続的に高い流動性を保ち、資本市場へのアクセス拡大を追求していきます。
連結キャッシュ・フロー
連結キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(単位:億円)
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動によるキャッシュ・フローは、1兆414億円(△158億円)となりました。この減少は主に、その他の金融負債の減少などにより、引当金を調整した資産および負債の増減額が減少したことによるものです。この減少は、先物為替予約の決済(純額)による正味キャッシュ・フローが増加したこと、および非資金項目およびその他の調整項目を調整した当期利益(損失)の増加などにより相殺されております。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動によるキャッシュ・フローは、△3,691億円(△21億円)となりました。無形資産の取得による支出の増加や、投資の取得による支出の減少など、個々の投資活動における変動が相殺されたことにより、前年度と比べ微減となりました。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動によるキャッシュ・フローは、△4,968億円(+2,546億円)となりました。この増加は主に、社債および借入金の発行および償還・返済に伴う正味キャッシュ・フローの増加によるものです。
補足的分析:フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フロー(IFRSに準拠しない財務指標)
フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローは、IFRSに準拠しない(以下、「Non-IFRS」)指標であります。詳細については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。IFRSに準拠した指標の中で、フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローが最も類似します。
(単位:億円)
フリー・キャッシュ・フローは、8,654億円(+90億円)となりました。この増加は、主に有形固定資産の取得による支出の減少によるものです。この増加は、営業活動によるキャッシュ・フローの減少により、一部相殺されております。
調整後フリー・キャッシュ・フローは、6,845億円(△844億円)となりました。この減少は、主に無形資産の取得による支出が増加したことによるものです。
有利子負債および金融債務
2025年3月31日および2026年3月31日現在において社債および借入金はそれぞれ4兆5,153億円、4兆8,818億円であります。これらの有利子負債は、当社グループが発行した無担保社債、普通社債、バイラテラルローン、およびシンジケートローン、また、Shire社買収に必要な資金の一部を調達するための借入金、およびShire社買収により引き受けた負債、借り換えた負債を含み、連結財政状態計算書に計上されております。当社グループの借入金は主に買収関連で発生したものであり、季節性によるものではありません。
当社グループは、2025年4月25日に、バイラテラルローン100億円を満期返済しました。2025年6月12日には、発行総額1,840億円、償還期日が2030年6月12日から2035年6月12日の円貨建無担保普通社債(本円建社債)を発行しました。本円建社債の発行により調達した資金はコマーシャル・ペーパーの償還に充当されました。その後、2025年6月23日には、米ドル建無担保普通社債800百万米ドルを満期償還しました。また、当初借入実行日が2025年3月31日、満期日が2025年7月3日の500百万米ドルのバイラテラルローンの借換を実行しました。2025年7月2日には、発行総額2,400百万米ドル、償還期日2035年7月7日および2055年7月7日の米ドル建保証付普通社債(米ドル建社債)を、間接的な完全子会社である武田U.S.ファイナンシング Inc.により発行しました。米ドル建社債の発行により調達した資金は、2025年7月3日の500百万米ドルのバイラテラルローンの返済と2025年7月のコマーシャル・ペーパーの償還に主に充当されました。また、当社グループは、2026年3月31日に、満期を迎えたバイラテラルローン750億円を返済するとともに、同日に、返済期日2034年3月31日の新たなバイラテラルローン600億円の借入を実行しました。
2026年3月31日に、3,500億および2,100百万米ドルのコミットメントファシリティー契約を締結しました。これらのコミットメントファシリティーの有効期間は最低5年間です。また、一定の制限条項が含まれており、制限条項に違反した場合には、当該コミットメントファシリティーの利用が制限される可能性があります。2026年3月31日現在において当社グループは当該制限条項を遵守しております。新たに設定した本コミットメントファシリティーの使途は一般事業資金です。新たにファシリティーを締結したことに伴い、2019年に設定され、2026年9月に失効予定の7,000億円のコミットメントファシリティーを、同日に解約しました。
当社グループは、短期の流動性の管理のため、日本の無担保コマーシャル・ペーパープログラムを保有しております。2025年3月31日におけるコマーシャル・ペーパーの発行残高は2,700億円であり、2026年3月31日現在において、コマーシャル・ペーパーは保有しておりません。当社グループは、さらに2025年3月31日および2026年3月31日現在において、極度額1,500億円および750百万米ドル(2026年3月31日現在において、650百万米ドル)の短期アンコミットメントライン契約を締結しておりますが、借入はしておりません。
社債及び借入金の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 19 社債及び借入金」をご参照ください。
信用格付け
当社グループの信用格付けは、当社グループの財務の健全性、業績、債務の返済能力等に関する各格付機関の意見が反映されております。本報告書時点における当社グループの信用格付けは以下のとおりです。
この格付けは、社債の購入、売却、保有を推奨するものではありません。この格付けは指定された格付機関によって適宜改訂あるいは撤回される可能性があります。それぞれの財務の健全性レーティングは、独立評価されたものであります。
重要な契約上の負債
2026年3月31日現在における契約上の負債は以下のとおりです。
(単位:億円)
(注)1 2026年3月31日現在における日本円以外の通貨建債務は、期末為替レートで日本円に換算しており、為替レートの変動により金額が異なる可能性があります。
2 利息支払義務を含みます。
3 「3年超5年以内」の契約額には、2024年ハイブリッド社債(劣後特約付社債)の元本4,600億円および2024年シンジケート ハイブリッド ローン(劣後特約付ローン)の元本400億円が含まれております。これは、それぞれ2029年6月25日の初回繰上償還日および同年10月3日の初回期日前弁済日に、全額が償還、弁済される見込みであるためです。ハイブリッド社債およびシンジケート ハイブリッド ローンの元本および利息の詳細については、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 19 社債及び借入金」をご参照ください。
4 2027年4月以降の年金および退職後給付制度への拠出額については、拠出の時期が不確実であり、利率、運用収益、法律およびその他の変動要因に依存するため、確定することはできません。
5 確定給付債務、訴訟引当金および長期未払法人税等、時期を見積もることができない契約上の負債、また、金額が公正価値の変動により変化するデリバティブ負債および条件付対価契約に関する金融負債は含まれておりません。なお、2026年3月31日現在のデリバティブ負債および条件付対価契約に関する金融負債の帳簿価額は、それぞれ205億円および32億円であります。また、特定の将来の事象の発生に左右されるマイルストン支払いも含んでおりません。
6 通常の事業活動における購買に関する発注は含んでおりません。
オフバランス取引
マイルストン支払
新製品の開発に係る第三者との提携契約に基づき、当社グループは、パイプライン品目の開発、新製品の上市および上市後の販売等にかかる一定のマイルストン達成に応じた支払義務が生じる場合があります。2026年3月31日現在における潜在的なマイルストン支払の契約金額は1兆3,336億円であります。これらは、潜在的なコマーシャルマイルストン支払を除いた金額であります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 13 共同研究開発契約、ライセンス契約、その他の資産取得等 および 31 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。
補足的分析:財務レバレッジ(調整後有利子負債/調整後EBITDA倍率)(IFRSに準拠しない指標)
特に、Shire社買収に伴い、投資家、アナリストおよび格付機関は、当社グループの(調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率で表される)財務レバレッジを綿密にモニターしております。調整後純有利子負債、調整後EBITDAおよび調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率はすべて、IFRSに準拠しない財務指標です。社債および借入金から調整後純有利子負債への調整、当期利益からEBITDAおよび調整後EBITDAへの調整等、最も良く対応するIFRS財務指標への調整を含む詳細については、「④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。各報告日現在における当社グループの調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率および最も良く対応するIFRS財務指標の各比率は以下のとおりです。
(単位:億円、倍率以外)
④ 当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標
IFRSに準拠して表示される業績に加えて、当社グループは、IFRSに準拠しない(以下、「Non-IFRS」)補足的財務指標を表示しております。これらの財務指標には、CER(Constant Exchange Rate:恒常為替レート)ベースの増減、Core財務指標、純有利子負債、調整後純有利子負債、EBITDA、調整後EBITDA、フリー・キャッシュ・フロー、調整後フリー・キャッシュ・フローが含まれます。
当社グループの経営陣は業績および財政状態の評価並びに経営及び投資判断を、IFRSに準拠した指標及び本セクションに記載のNon-IFRS財務指標に基づいて行っています。当社グループは、当社グループの経営成績および財政状態の分析における追加情報として、また、当社の経営陣が経営成績および財政状態をどのように評価しているかを投資家に理解いただくにあたり、両指標を表示しております。当社グループのNon-IFRS財務指標においては、最も良く対応するIFRSに準拠した財務指標では含まれることとなる一定の利益、コスト、キャッシュ・フローまたは財政状態計算書上の項目を除外または調整しております。これらの財務指標は、IFRSに準拠するものではなく、補足的なものであり、また、IFRSに準拠した財務指標に代替するものではありません(IFRSに準拠した財務指標を「財務ベース」指標として参照している場合があります)。投資家におかれましては、当社グループの過去の財務諸表全体を確認し、IFRSに準拠して表示されている指標を当社グループの業績評価の主要な指標として使用することを強く推奨します。また、Non-IFRS財務指標の定義と、これらに最も良く対応するIFRSに準拠した財務指標との調整表を併せてご参照ください。さらに、これらのNon-IFRS財務指標に関する記載、特にこれらの財務指標の有用性の限界について把握し、製薬業界における他社が表示している、類似の名称を付した財務指標との相違についてご理解ください。
Core財務指標
当社グループのCore売上収益、Core営業利益、Core当期利益(親会社の所有者帰属分)、Core EPSをはじめとするCore財務指標は、売却に伴う収益、製品(仕掛研究開発品を含む)に係る無形資産償却費及び減損損失、その他、非定常的な事象に基づく影響、企業結合会計影響や買収関連費用など、当社グループの中核事業の本質的な業績に関連しない事象による影響を控除しています。Core売上収益は、財務ベースの売上収益から、当社グループの中核事業の本質的な業績に関連しない売上収益に係る影響(主に、事業売却および清算に係る売上収益および関連する調整)を控除して算出します。Core営業利益は、財務ベースの営業利益から、その他の営業収益及びその他の営業費用、製品(仕掛研究開発品を含む)に係る無形資産償却費及び減損損失、その他、非資金項目または当社グループの中核事業の本質的な業績に関連しない事象による影響を控除して算出します。Core当期利益(親会社の所有者帰属分)は、財務ベースの当期利益(親会社の所有者帰属分)から、Core営業利益の算出において控除された項目、および特別、非定常的な事象に基づく影響、または当社グループの中核事業の本質的な業績に関連しない事象による影響を控除し、これらの調整項目に係る税金影響を控除して算出します。これらの調整項目には、条件付対価に係る公正価値変動(時間的価値の変動を含む)影響などが含まれます。Core EPSは、Core当期利益(親会社の所有者帰属分)を報告期間の自己株式控除後の平均発行済株式総数で除して算出します。
当社グループがCore財務指標を表示する理由は、これらの指標が、当社グループの中核事業の本質的な業績に関連しない事象による影響を控除するものであり、当社グループ事業の本質的な業績を理解していただくにあたり有用であると考えているためです。控除される項目には、(i) 前年度から著しく変動する項目、もしくは毎年度発生するものではない項目、または(ii)当社グループの中核事業の本質的な業績の変動とはほぼ相関関係がないと認められる項目が含まれます。同様の指標は、同業他社においても頻繁に使用されていると認識しており、本指標を表示することは、投資家が当社グループの業績を過年度の業績と比較される際だけではなく、同業他社と類似の基準に基づき比較される際にも有用になると考えています。また、当社グループがCore財務指標を表示する理由は、これらの指標が予算の策定や報酬の設定(CEOおよびCFOのインセンティブ報酬を含む、当社グループの短期インセンティブならびに長期インセンティブ報酬プログラムに係る一定の目標はCore財務指標の結果に関連して設定。「(4)役員の報酬等」をご参照ください)に用いられているためです。
投資家にとってのCore財務指標の有用性には、一例として次の限界があります。例えば、(i) 製薬業界における他社を含む、他社において用いられている類似の名称を付した財務指標とは必ずしも同一ではありません、(ii) 訴訟引当金、無形資産の売却や償却などの非資金費用の影響を含む、当社グループの業績、価値又は将来見通しの評価において重要とみなされる可能性のある財務情報や事象が除外されています、(iii) 将来にわたって継続的に発生する可能性のある項目又は項目の種類が除外されています(ただし、当社グループの方針として、事業運営に必要な経常的に発生する営業費用の支出については調整していません)、(iv) 投資家が当社グループの業績を理解する上で重要とみなす可能性のあるすべての項目が含まれていない、又は、重要とみなさないであろうすべての項目が除外されていない場合があります。
下表は、各報告期間における、当社グループのCore財務指標とIFRSに準拠して作成し、表示された最も良く対応するIFRS財務指標との間の調整を示しています。これには、(i) Core売上収益とIFRSに準拠して表示された売上収益、(ii) Core営業利益とIFRSに準拠して表示された営業利益、および (iii) Core当期利益(親会社の所有者帰属分)とIFRSに準拠して表示された当期利益(親会社の所有者帰属分)が含まれます。
当年度の売上収益および営業利益からCore売上収益およびCore営業利益への調整は次のとおりです。
(単位:億円)
(注)1 製品に係る無形資産には、仕掛研究開発品を含みます。
2 その他の営業収益(営業費用)には、事業譲渡及び子会社株式売却益、サブリースに係る賃貸借料、事業構造再編費用、承認前在庫に係る評価損、寄付金、条件付対価契約に関する金融資産及び金融負債の公正価値変動額、有形固定資産および投資不動産の売却損益、訴訟引当金、オプション権に係る評価損、非定常的なその他の営業収益(営業費用)を含みます。
3 その他:売上原価には、2019年3月期に完了したShire社の買収に関連する有形固定資産の公正価値の費用化を含みます。
前年度の売上収益および営業利益からCore売上収益およびCore営業利益への調整は次のとおりです。
(単位:億円)
(注)1 製品に係る無形資産には、仕掛研究開発品を含みます。
2 その他の営業収益(営業費用)には、条件付対価契約に関する金融資産及び金融負債の公正価値変動額、有形固定資産および投資不動産の売却損益、事業譲渡及び子会社株式売却益、寄付金、 サブリースに係る賃貸借料、事業構造再編費用、承認前在庫に係る評価損、治験終了後投与に係る費用、売却目的で保有する資産の減損、訴訟引当金、オプション権に係る評価損、非定常的なその他の営業収益(営業費用)を含みます。
3 その他:売上収益およびその他の営業収益(営業費用)には、2025年3月期に行った武田テバ薬品株式会社(以下、「テバ社」)の株式売却に伴う、テバ社に売却した資産について認識された17億円の繰延収益および38億円のテバ社への事業譲渡に係る繰延利益を含みます。売上原価には、2019年3月期に完了したShire社の買収に関連する有形固定資産の公正価値の費用化を含みます。
当年度の当期利益(△は損失)(親会社の所有者帰属分)からCore当期利益(親会社の所有者帰属分)への調整は次のとおりです。
(単位:億円、%以外)
(注)1 その他:金融収益及び費用(純額)には、超インフレ経済下にあり、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」が適用されている子会社の非資金項目に係る損失、ならびにノン・コア取引に係る金融収益および費用を含みます。持分法による投資損益には、事業売却および清算に係る損益ならびにその他の公正価値調整を含みます。
2 IFRS会計基準に基づく業績とCore業績との間の調整に係る税金は、当該調整が計上される管轄地域において項目に適用される法定税率を考慮しています。税引前当期利益に対するCore調整額(1兆1,815億円)に係る法人所得税費用は2,150億円であり、Core調整に係る平均税率は18.2%でした。
前年度の当期利益(親会社の所有者帰属分)からCore当期利益(親会社の所有者帰属分)への調整は次のとおりです。
(単位:億円、%以外)
(注)1 その他:金融収益及び費用(純額)には、超インフレ経済下にあり、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」が適用されている子会社の非資金項目に係る損失、ならびにノン・コア取引に係る金融収益および費用を含みます。持分法による投資損益には、事業売却および清算に係る損益ならびにその他の公正価値調整を含みます。
2 IFRS会計基準に基づく業績とCore業績との間の調整に係る税金は、当該調整が計上される管轄地域において項目に適用される法定税率を考慮しています。税引前当期利益に対するCore調整額(8,480億円)に係る法人所得税費用は1,803億円であり、Core調整に係る平均税率は21.3%でした。
CER(Constant Exchange Rate:恒常為替レート)ベースの増減
CER ベースの増減は、当期の国際会計基準(IFRS)に準拠した業績またはCore財務指標(Non-IFRS)について、前年同期に適用した為替レートを用いて換算することにより、前年同期との比較において為替影響を控除するものです。ただし、超インフレが発生し、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」が適用されている子会社の業績についてはCERベースの増減調整は行わないこととし、当該子会社の業績はIAS第29号に基づいて算出しています。
当社グループがCERベースの増減を表示する理由は、変動する為替レートが当社グループの事業に与える影響を踏まえ、為替影響がなかった場合の経営成績の増減について投資家に理解していただくにあたり有用であると考えているためです。CERベースの増減は、当社グループの経営陣が経営成績を評価するに際して使用する主な指標になっています。また、製薬業界における各社が為替影響を調整した同様の業績指標を頻繁に用いているため、証券アナリスト、投資家その他の関係者が各社の経営成績を評価するに際しても、本指標が有用であると考えています。
ただし、CERベースの増減の有用性には、一例として次の限界があります。例えば、CERベースの増減は、前年度においてIFRSに準拠した業績を算定するために用いた為替レートと同一の為替レートを用いますが、そのことは必ずしも、当年度の取引が前年度と同一の為替レートで実施され得た、あるいは計上され得たことを示すものではありません。また、類似の名称の指標を用いている同業他社が、当社グループとは異なる方法で指標を定義し、算定している可能性があるため、そのような指標との比較可能性に欠け得るものです。従って、CERベースの増減はIFRSに準拠して作成、表示された業績と切り離して考慮してはならず、また、これらの代替と捉えてはならないものです。
以下は、対前年度の増減率を含む、IFRSに準拠して算定、表示された当社グループの経営成績であり、各項目についてCERベースの増減率を示しております。
CERベースの増減(財務ベース指標)
CERベースの増減(Non-IFRS)
フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フロー
当社グループのフリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローから有形固定資産の取得による支出を控除したものです。調整後フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローから、有形固定資産の取得による支出、無形資産の取得による支出、投資の取得による支出(公正価値ヒエラルキーのレベル1に区分される債券投資の取得による支出の控除後)、関連会社株式の取得による支出、事業の取得による支出(取得した現金及び現金同等物の純額の控除後)およびそれらに実質的に関連または類似していると見做されるその他の支出を控除した上で、有形固定資産の売却による収入、投資の売却・償還による収入(公正価値ヒエラルキーのレベル1に区分される債券投資の売却・償還による収入の控除後)、関連会社株式の売却による収入、事業の売却による収入(処分した現金及び現金同等物の純額の控除後)を加味し、さらに、当社グループが即時的または一般的な業務用に使用できないいかなるその他の現金の支出入を調整し、算出しています。
当社グループがフリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローを表示する理由は、証券アナリスト、投資家その他の関係者が製薬業界における各社の評価を行うに際して頻繁に用いられる流動性についての同様の指標として、これらの指標が投資家にとって有用であると考えているためです。調整後フリー・キャッシュ・フローは、流動性要件を満たす能力を測り、資本配分方針をサポートする指標として流動性及びキャッシュ・フローの評価を行うに際して、当社グループの経営陣によっても使用されています。また、フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローは、投資家が、当社グループの戦略的な買収や事業の売却がどのようにキャッシュ・フローや流動性に貢献するかを理解される上で有用であると考えています。
投資家にとってのフリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローの有用性には、一例として次の限界があります。例えば、(i) 同業他社を含め、用いられている類似の名称の指標との比較可能性に欠け得るものです、(ii) 当社グループの、資本の使用又は配分を必要とする現在及び将来の契約上その他のコミットメントの影響は反映されていません、(iii) 投資の売却・償還による収入、事業の売却による収入(処分した現金及び現金同等物の純額の控除後)は、中核である継続的な事業からの収入を示すものではありません。フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローは、IFRSに基づく指標である営業活動によるキャッシュ・フロー及びその他の流動性指標と切り離して考慮してはならず、また、これらの代替と捉えてはならないものです。IFRSに準拠した指標の中で、フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローが最も類似します。
下表は、2025年3月期および2026年3月期における、IFRSに準拠して表示された最も対応する指標である営業活動によるキャッシュ・フローからフリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フローへの調整を示しております。
(単位:億円)
(注)1 当社が第三者に代わり一時的に保有するキャッシュの調整は、当社が即時的または一般的な業務用に使用できない、ワクチン運営および売上債権の売却プログラムに関係して当社が第三者に代わり一時的に保有する現金の変動を指します。
2 一部の重要性が低い取引を除き、無形資産の売却による収入は、営業活動によるキャッシュ・フローに含まれています。
3 前年度において、公正価値ヒエラルキーのレベル1に区分される債券投資の取得による支出801億円を控除しております。
EBITDAおよび調整後EBITDA
当社グループにおいて、EBITDAは、法人所得税費用、減価償却費及び償却費、ならびに純支払利息控除前の連結当期利益を指します。また、調整後EBITDAは、減損損失、その他の営業収益及びその他の営業費用(減価償却費及び償却費ならびに減損損失を除く)、金融収益及び費用(純支払利息を除く)、持分法による投資損益、株式報酬に係る非資金性の費用を含むその他の非資金性項目、および売却した製品に係るEBITDA、企業結合会計影響や買収関連費用などの当社グループの中核事業に関連しないその他の項目を除外するように調整されたEBITDAを指します。
当社グループがEBITDA及び調整後EBITDAを表示する理由は、これらの指標が証券アナリスト、投資家その他の関係者が製薬業界における各社の評価を行う際に頻繁に用いられるものであり、投資家にとって有用であると考えているためです。 当社グループは、調整後EBITDAを主に財務レバレッジをモニターするために使用しています。「(c)流動性および資金調達源 補足的分析:財務レバレッジ(調整後有利子負債/調整後EBITDA倍率)(IFRSに準拠しない指標)」 および以下の「調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率」をご参照ください。また、調整後EBITDAは、継続的な事業に関連しない特定の事象(変化に富み予測が困難である一方で、経営成績に重大な影響を与える可能性があり、一定期間にわたる業績を一貫性をもって評価することが困難な事象)から生じる不透明さを排除することから、投資家にとって、事業の動向を把握するに際して有用な指標であると考えています。
投資家にとってのEBITDA及び調整後EBITDAの有用性には、一例として次の限界があります。例えば、(i) 同業他社を含め、用いられている類似の指標との比較可能性に欠け得るものです。また、(ii) 企業買収や無形資産の償却による影響などを含む、当社グループの業績、価値又は将来見通しの評価において重要とみなされる可能性のある財務情報や事象が除外されています、(iii) 将来にわたって継続的に発生する可能性のある項目又は項目の種類が除外されています、(iv) 投資家が当社グループの業績を理解する上で重要とみなす可能性のあるすべての項目が含まれていない、又は、重要とみなさないであろうすべての項目が除外されていない場合があります。EBITDAおよび調整後EBITDAは、IFRSに準拠した指標である営業利益、当期利益、その他の業績指標と切り離して考慮してはならず、また、これらの代替と捉えてはならないものです。IFRSに準拠した指標の中で、EBITDAおよび調整後EBITDAは、当期利益が最も類似します。
下表は、2025年3月期および2026年3月期における、当期利益からEBITDAおよび調整後EBITDAへの調整を示しております。
(単位:億円)
(注)その他の調整項目には、株式報酬にかかる非資金性の費用を含む非資金性項目、および企業結合会計影響や買収関連費用などの当社グループの中核事業に関連しないその他の項目の調整、調整後EBITDAの算出にあたり除外された、前年度におけるテバ社への資産売却に係る17億円の非資金性の収益調整を含む、売却した製品に係るEBITDAの調整が含まれます。
調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率
当社グループは、純有利子負債を連結財政状態計算書上の社債及び借入金の簿価に現金及び現金同等物のみを調整したものと定義しており、当社グループの調整後純有利子負債は、次のとおり算出しています。まず、連結財政状態計算書に記載されている社債及び借入金の流動部分と非流動部分合計を計算します。その上で、(i) 第4四半期期首時点に残存する外貨建て負債を当年度末時点の直近12か月の期中平均レートを用いて換算し、第4四半期中に計上した新規の外貨建て負債および償還した既存の外貨建て負債については対応するスポットレートを用いて換算し、当社グループの経営陣が当社グループのレバレッジをモニターするために使用する方法論を反映しています。また、(ii) 当社グループの劣後特約付きハイブリッド債について、その株式に似た特徴を踏まえ、S&Pグローバル・レーティング・ジャパンの格付手法に基づきエクイティクレジットを適用しています。この数字から、ワクチン運営および売上債権の売却プログラムに関係して当社が第三者に代わり一時的に保有している現金を除いた現金及び現金同等物、およびその他の金融資産に計上され公正価値ヒエラルキーのレベル1に区分される債券投資を控除し、調整後純有利子負債を算出しています。
当社グループが、純有利子負債および調整後純有利子負債を表示する理由は、当社グループの経営陣が、当社グループの現金及び現金同等物控除後の負債をモニター及び分析するためにこれらの指標を使用し、また当社グループのレバレッジをモニターするために本指標を調整後EBITDAと併せて使用しており、投資家にとって有用であると考えているためです(なお、調整後純有利子負債および調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率は、当社グループの流動性の指標を表すものではないことにご留意ください)。また、負債についての同様の指標が、証券アナリスト、投資家その他の関係者が製薬業界における各社の評価を行うに際して頻繁に用いられるものであると考えています。 特に、Shire社買収に伴い、投資家、アナリストおよび格付機関は、当社グループの(調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率で表される)財務レバレッジを綿密にモニターしています。格付機関が本指標を特に重視していることから、これらの情報は、当社グループの財務レバレッジだけではなく、格付機関が当社グループの信用力評価にあたって財務レバレッジの水準をどのように評価しているかについて、投資家が理解していただくにあたり有用であると考えています。そのため、後述のとおり、当社グループは、調整後純有利子負債を調整して、格付機関が一部の劣後債に適用している「エクイティクレジット」を反映しています(ただし、IFRS上、当該債務は資本として取り扱われません)。
調整後純有利子負債の有用性には、一例として次の限界があります。例えば、(i) 同業他社を含め、用いられている類似の指標との比較可能性に欠け得るものです、(ii) 当社グループの負債に係る利息の金額を反映していません、(iii) 負債の早期返済又は償還に係る制限を反映していません、(iv) 当社グループが現金同等物を現金に換金する際に、現金をある通貨から他の通貨に換金する際に、又は当社グループ内で現金を移動する際に係る手数料や費用を反映していません、(v) 有利子負債には、資金調達の契約と整合性のある平均為替レートを適用・調整していますが、これは当社グループがある通貨を他の通貨に換金することができる実際の為替レートを反映していません、(vi) 当社グループの劣後債はIFRS上資本として取り扱われないものの、エクイティクレジットを反映しています。当該調整は、合理的で、投資家にとって有用な調整であると考えています。調整後純有利子負債は、IFRSに基づく指標である社債及び借入金、又はその他の負債指標と切り離して考慮してはならず、また、これらの代替と捉えてはならないものです。IFRSに準拠した指標の中で、純有利子負債は、社債及び借入金が最も類似します。
当社グループの調整後純有利子負債/調整後EBITDA倍率は以下のとおりです。
(単位:億円、倍率以外)
下表は、2025年3月31日および2026年3月31日現在の社債及び借入金から調整後純有利子負債への調整を示しております。
(単位:億円)
(注)1 ワクチン運営および売上債権の売却プログラムに関係して当社が第三者に代わり一時的に保有する、即時的または一般的な業務に使用できない現金、およびその他の金融資産に計上され公正価値ヒエラルキーのレベル1に区分される債券投資を調整しております。
2 期中平均レートで換算される調整後EBITDA計算と整合させるため、外貨建て負債の換算において、当年度末時点の直近12ヶ月の平均為替レートを用いることにより、月末為替レートとの差異による変動を調整するものです。第4四半期期首時点に残存する外貨建て負債については、当年度末時点の直近12ヶ月の期中平均レートを用いて換算しております。また、第4四半期中に計上した新規の外貨建て負債および償還した既存の外貨建て負債については、当該日の対応するスポットレートを用いて換算しております。
3 ハイブリッド(劣後)社債及びローンの元本総額5,000億円分について、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン(格付機関)より認定された50%のエクイティクレジットを適用し、2,500億円を負債から控除しております。これらの金融負債は、レバレッジ評価において一定のエクイティクレジットが認められております。
5 【重要な契約等】
Nimbus Lakshmi, Inc.の取得
当社グループは、2022年12月13日付で、Nimbus Therapeutics, LLC(「Nimbus社」)の完全子会社であるNimbus Lakshmi, Inc.(「Lakshmi社」)の全株式を取得するため、Nimbus社との間で株式譲渡契約を締結しました。Lakshmi社は、経口アロステリックTYK2阻害薬であるTAK-279(Nimbus社社内コードNDI-034858)に関する知的財産権および他の関連する資産を保有またはコントロールしていました。本契約にもとづき、当社グループはNimbus社に一時金として40億米ドルを本取引完了後に支払いました。また、TAK-279のプログラムから開発された製品の年間の売上高が40億米ドルと50億米ドルとなった場合には、それぞれにつき10億米ドルのマイルストンを同社に支払います。本取引は、2023年2月8日に完了しました。さらに、本取引に関連して、当社グループは、Nimbus社とBristol-Myers Squibbおよびその子会社であるCelgene Corporationとの間の2022年1月の和解契約におけるNimbus社の義務であるTAK-279のプログラムから開発された製品の開発、薬事規制上の承認、および売上に関するマイルストン支払い義務を引き受けることに合意しました。
6 【研究開発活動】
当年度の研究開発費の総額は6,759億円であります。なお、当社の研究開発費の予算は、全社的に決定されており、特定の支出は開発の結果および優先事項に応じて再配分の対象となる場合があるため、当社の研究開発費について、疾患領域あるいは臨床試験段階毎の内訳を報告しておりません。
医薬品の研究開発のプロセスは、長期にわたり多額の費用を伴い、その期間は10年を超えることもあります。このプロセスには、新薬の有効性および安全性の評価のための複数の試験、データを審査し販売承認の可否を判断する規制当局に対する申請が含まれます。こうした精査の過程を通過し、臨床での治療に用いることができる候補物質はごく僅かです。承認取得後も、上市後の製品に対しては、ライフサイクルマネジメント、メディカルアフェアーズやその他の投資を含め、継続的な研究開発活動による支援が行われます。
臨床試験は、地域的および国際的な規制ガイドラインを遵守し、通常5年から7年もしくはそれ以上を費やして実施されるものであり、相応の費用を伴います。通常、臨床試験は医薬品規制調和国際会議(ICH)が制定したガイドラインに沿って実施されます。これに関わる規制当局は、米国では食品医薬品局(FDA)、欧州連合では欧州医薬品庁(EMA)、日本では厚生労働省(MHLW)、中国では国家薬品監督管理局(NMPA)です。
ヒトの臨床試験は以下の3相で実施されます(各相が一部重複することもあります):
・臨床第1相試験
少人数の健康な成人の志願者の方々を被験者として、薬物の安全性、吸収、分布、代謝、排泄について評価するために実施
・臨床第2相試験
少人数の志願患者さんを被験者として、安全性、有効性、用量および用法を評価するために実施
臨床第2相試験は臨床第2a相と臨床第2b相の2つのサブカテゴリーに分割されることがあります。臨床第2a相試験は通常臨床上の有効性または生物学的活性を示すためにデザインされたパイロット試験であり、臨床第2b相試験は薬物が最少の副作用で生物学的活性を示す至適用量を探索するために行われます。
・臨床第3相試験
大人数の志願患者さんを被験者として、既存の薬剤またはプラセボと比較した安全性および有効性を評価するために実施
これら3相のうち、臨床第3相にかかる開発費用が最も大きく、臨床第3相試験へ進めるか否かの決定は、医薬品開発における重要なビジネス判断となります。臨床第3相試験を通過した候補薬物については、管轄の規制当局に新薬承認申請書(NDA)、生物製剤承認申請(BLA)または医薬品販売承認申請(MAA)を提出し、規制当局より承認を取得した場合に上市が可能となります。NDA、BLA、MAAの作成には、膨大な量のデータの収集、検証、分析が必要であり、多額の費用が伴います。製品上市後も、保健当局により有害事象の市販後調査や、当該医薬品のリスク・ベネフィットに関する追加情報を提供するための市販後試験の実施を求められることがあります。
当社の研究開発は、サイエンスにより、患者さんの人生を根本的に変え得るような非常に革新性が高い医薬品を創製することに注力しております。研究開発は、消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、およびオンコロジーの3つの重点疾患領域に取り組むとともに、血漿分画製剤にも注力しています。3つの重点疾患領域における研究開発は、当社の研究開発投資費用の中で最も大きい比率を占めております。重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー)には未だ有効な治療法が確立されていない高い医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が存在し、当社はベスト・イン・クラスあるいはファースト・イン・クラスとなりうる画期的な新規候補物質を創出してまいりました。当社は希少疾患と有病率がより高い疾患のいずれに対しても治療法の開発にコミットしており、当社が探求している患者さんの人生を根本的に変え得るような医薬品の多くは、当社の重点疾患領域および血漿分画製剤領域における希少疾患を治療するものとなります。また、当社はイノベーションの質を向上させ、実行を加速させることを目指し、データ・デジタル技術を活用しております。創薬のあらゆる段階にAIを組み込み、業務フローを自動化されたデータに基づく予測プロセスへと再構築することで、イノベーションの加速を目指します。
当社のパイプラインは、当社事業の短期的および長期的かつ持続的な成長を支えるものです。初回の承認取得後も上市後の製品に対して、地理的拡大や効能追加に加え、市販後調査および剤型追加の可能性を含めた継続的な研究開発活動による支援体制が整っております。当社の研究開発チームは、販売部門との緊密な連携を通じ既発売品の価値の最大化を図り、販売活動を通じて得られた知見を研究開発戦略やポートフォリオに反映します。
自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。
当社の主要な研究開発施設には以下を含みます:
• グレーターボストン地区研究開発サイト:当社の研究開発サイトは米国マサチューセッツ州のケンブリッジおよびレキシントンに位置しています。本サイトは当社の研究開発部門のグローバル本部であり、グローバルでの消化器系・炎症性疾患およびオンコロジー領域の研究開発の中枢です。加えて、血漿分画製剤を含む他の疾患領域の研究開発も支援しています。さらに当社は、ケンドール・スクエアに新たに建設中の約60万平方フィートの最新鋭の研究開発およびオフィス施設について、15年間のリース契約を締結し、2026年より入居する予定です。
• 湘南ヘルスイノベーションパーク内の当社研究所:日本の神奈川県藤沢・鎌倉地域に位置する当社のニューロサイエンス研究の拠点です。湘南ヘルスイノベーションパーク(以下、「湘南アイパーク」)は、当社の湘南研究所を外部に開放する形で、2018年に設立された日本初の製薬企業発サイエンスパークです。当社はより多様なパートナーを招致し、湘南アイパークのさらなる成功を目指すため、2020年に信託設定、2023年には湘南アイパークの運営事業を当社が設立した会社に承継しました。当社は、アンカーテナントとして今後も日本におけるライフサイエンスの研究活性化に注力します。
• オーストリア ウィーン研究開発サイト :オーストリア ウィーンに位置する当社の研究開発サイトであり、研究開発および血漿分画製剤のプログラムを支援しています。本研究サイトは、生物学的製剤の研究開発に注力するとともに血漿分画製剤の製造施設を備えています。
当社の2025年4月以降の主要な研究開発活動の進捗は、以下のとおりです。
研究開発パイプライン
消化器系・炎症性疾患
消化器系・炎症性疾患において、消化器系疾患(肝疾患を含む)および免疫介在性の炎症性疾患の患者さんに革新的で人生を変え得るような治療法をお届けすることに注力しております。炎症性腸疾患(IBD)においては、ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)の皮下注射製剤の上市や、IBD治療パラダイムにおけるENTYVIOのバックボーン治療薬としての位置づけを実証し、患者さんの予後をさらに改善する方法への理解を深めるため、実臨床エビデンスを構築する臨床試験を実施するなど、フランチャイズのポテンシャルを最大化しております。ザソシチニブ(TAK-279)は、次世代の経口チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬であり、複数の免疫介在性の炎症性疾患の治療薬となる可能性があります。また、fazirsiran(TAK-999)は、α-1アンチトリプシン欠損関連肝疾患に対するファースト・イン・クラスのRNA干渉治療薬となる可能性があり、後期開発段階にあります。メザギタマブ(TAK-079)は、免疫性血小板減少症(ITP)やIgA腎症(IgAN)など複数の免疫介在性疾患に対する疾患修飾薬としてベスト・イン・クラスとなる可能性を有する抗CD38抗体です。さらに、当社は、自社創製、社外との提携および事業開発を通じて炎症性疾患(消化器系、皮膚科系、リウマチ性の疾患)に加え、厳選した希少血液疾患および腎疾患(アジンマ、メザギタマブ(TAK-079))、肝疾患、神経性消化器疾患における機会を探索し、パイプラインの構築を進めております。
[アジンマ 一般名:ADAMTS13(遺伝子組換え)]
- 2025年12月、当社はアジンマについて、12歳未満の小児の先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)患者への適応拡大に関して厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は、主に0歳から70歳の cTTP患者(日本人5名を含む)を対象としたグローバル臨床第3相試験である281102試験における安全性および有効性のデータ、およびグローバル臨床第3b相継続試験であるTAK-755-3002試験における安全性および有効性のデータに基づくものです。
[ENTYVIO/エンタイビオ 一般名:ベドリズマブ]
- 2026年2月、当社は、既存治療または抗TNF抗体治療に反応不十分な2歳〜17歳の小児の潰瘍性大腸炎(UC)患者を対象とした、ベドリズマブ静注製剤の国際共同臨床第3相KEPLER試験の良好な結果を公表しました。本試験において、約半数(47.3%)の被験者が54週時点の臨床的寛解という主要評価項目を達成しました。ベドリズマブの安全性プロファイルは、成人での既知の安全性プロファイルと概ね同様でした。また、本結果は第21回Congress of European Crohn’s and Colitis Organisation (ECCO) にて発表されました。
- 2026年6月、当社は、中等症から重症の活動期UCおよびクローン病に罹患する、2歳以上の小児患者へのENTYVIOの静脈内(IV)投与に対する生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)が米国食品医薬品局(FDA)によって受理されたことを公表しました。FDAは、処方薬ユーザーフィー法(Prescription Drug User Fee Act; PDUFA)に基づく審査終了目標日を2027年第1四半期に設定しています。また当社は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎またはクローン病に罹患する、2歳以上の小児患者に対する治療薬として、ENTYVIO IVの製造販売承認申請(MAA)を欧州医薬品庁に提出しています。sBLAおよびMAAは、潰瘍性大腸炎を対象としたKEPLER試験およびクローン病を対象とし現在継続中のWEBB試験の2つの臨床第3相試験のデータに基づきます。
[開発コード:TAK-079 一般名:メザギタマブ]
- 2025年6月、当社は、メザギタマブが、免疫性血小板減少症(ITP)を予定される効能・効果として厚生労働省よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を取得したことを公表しました。
- 2025年11月、当社は、原発性IgA腎症(IgAN)を対象としたメザギタマブの皮下投与における臨床第1b相、非盲検、プルーフ・オブ・コンセプト試験の新たな中間データを発表しました。米国腎臓学会(ASN)「Kidney Week 2025」で発表された本結果では、メザギタマブの投与を受けた被験者の腎機能(eGFR)が96週(最終投与から18カ月後)時点まで安定していることが示唆され、蛋白尿および血清Gd-IgA1値が速やかに低下し96週時点まで持続しました。本試験において、メザギタマブの忍容性は概ね良好であり、新たな安全性上の懸念は確認されませんでした。
- 2025年11月、当社は、メザギタマブが、IgANを予定される効能・効果として厚生労働省よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を取得したことを公表しました。
[開発コード:TAK-279 一般名:ザソシチニブ]
- 2025年12月、当社は、中等症から重症の尋常性乾癬(PsO)の成人患者を対象としたザソシチニブの2つのピボタル臨床第3相試験において良好なトップライン結果が得られたことを公表しました。これらの試験では、複合主要評価項目である16週時点の医師総合評価 (sPGA)0/1およびPsoriasis Area and Severity Index (PASI, 乾癬の面積と重症度を表す指標)75において、プラセボに対するザソシチニブの優越性が示されました。また、これらの試験は44の順位付けされた副次評価項目のすべてを達成し、PsO患者に対し1日1回の経口投与で皮膚病変の完全な消失(クリアスキン)をもたらす可能性が示されました。16週時点でザソシチニブの投与を受けた被験者の半数以上がPASI 90を達成し、平均約30%がPASI 100を達成しました。ザソシチニブの忍容性は概ね良好であり、新たな安全性シグナルは特定されませんでした。
- 2026年3月、当社は、中等症から重症のPsOを有する成人患者を対象としたザソシチニブの2つのピボタル臨床第3相試験の新たなデータを発表しました。ザソシチニブ投与群の約70%が16週時点で皮膚症状の消失またはほぼ消失(sPGA 0/1)を達成し、4週時点という早期からプラセボと比較して有意に高いPASI 75達成率が認められました。また、ザソシチニブは、PsO患者の治療目標として重要度が高まっている皮膚症状の完全な消失(クリアスキン)においても、プラセボおよびアプレミラストと比較し統計学的に有意な改善を示しました。両試験において、複合主要評価項目および主な副次評価項目における奏効率は24週時点まで継続して増加しました。ザソシチニブの忍容性は概ね良好で、安全性プロファイルは臨床第2b相試験の結果と一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。これらの結果は、2026年米国皮膚科学会(AAD)年次総会においてlate-breaking abstractとして発表されました。
- 2026年6月、当社は、中等症から重症のPsOを有する成人患者を対象とした、ザソシチニブとデュークラバシチニブを比較した臨床第3相試験において良好なトップライン結果を公表しました。直接比較試験であるLATITUDE Atlas(TAK-279-PsO-3004)試験では、ザソシチニブ投与群は主要評価項目である16週時点のPASI 100の達成率においてデュークラバシチニブ投与群に対して統計学的に有意な結果を示し、ザソシチニブ群の35%以上がPASI 100を達成しました。また、16週時点におけるPASI 90、sPGA 0を含むすべての主要な副次評価項目についても、ザソシチニブ投与群はデュークラバシチニブ投与群に対して統計学的に有意な結果を示しました。ザソシチニブの安全性および忍容性プロファイルは、これまでの試験結果と一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
ニューロサイエンス(神経精神疾患)
当社は、高いアンメット・ニーズが存在する神経疾患および神経筋疾患を対象に、革新的治療法に研究開発投資を集中させ、社内の専門知識や外部パートナーとの提携を生かし、革新的なパイプラインを構築しています。当社のニューロサイエンス(神経精神疾患)における重点領域として、オレキシン生物学、希少神経疾患および神経変性疾患に注力しています。オレキシン生物学の関与が示唆される睡眠・覚醒障害に関連する希少疾患およびその他の疾患に対する標準治療の再定義を目指し、オレキシンの可能性を最大限に引き出すために最適化された治療薬ポートフォリオ(オベポレクストン(TAK-861)、TAK-360、TAK-495など)の開発を推進しています。また、当社のポートフォリオ全体にわたり、疾患生物学の理解、トランスレーショナルツール、革新的モダリティ、デジタルイノベーションの進展を活用し、治療薬の開発および患者さんへのアクセスを加速させています。
[VYVANSE/ビバンセ 一般名:リスデキサンフェタミン]
- 2026年6月、当社は、ビバンセに付されていた承認条件の一部について、厚生労働省より解除の通知を受領したことを公表しました。承認条件の一部解除は、当社が提出した特定使用成績調査および適正使用に関する対応等を記した資料に基づき、以下の解除された承認条件に係る必要な措置が適切に講じられたと厚生労働省より判断されたことによるものです。
解除された承認条件:「使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は、他の注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬が効果不十分な場合にのみ使用されるよう必要な措置を講じること」
[開発コード:TAK-861 一般名:オベポレクストン]
- 2025年9月、当社は、ナルコレプシータイプ1(NT1)を対象とした画期的なオベポレクストンの臨床第3相試験のデータを、世界睡眠学会World Sleep 2025において複数の口頭発表を行ったことを公表しました。The FirstLightとthe RadiantLightの両試験ともに、NT1の幅広い症状に該当するすべての主要評価項目および副次評価項目において、12週時点ですべての用量群(1mg1日2回/2mg1日2回)でプラセボと比較して統計学的に有意(p<0.001)かつ臨床的に意義のある改善が示されました。本学会での口頭発表には、覚醒度に対する客観的評価および患者報告による主観的評価の他、カタプレキシー、症状の重症度および生活の質などのデータが含まれました。オベポレクストンの忍容性は概ね良好であり、安全性プロファイルはこれまでの臨床試験と同様でした。
- 2026年2月、当社は、米国食品医薬品局(FDA)が、NT1を対象としたオベポレクストンの新薬承認申請(NDA)を受理し、優先審査に指定したことを公表しました。FDAは、処方薬ユーザーフィー法(Prescription Drug User Fee Act; PDUFA)に基づく審査終了目標日を2026年暦年第3四半期(2026年7-9月)に設定しています。本申請は、国際共同臨床第3相試験であるFirstLight試験およびRadiantLight試験を含む包括的なデータパッケージに基づいています。オベポレクストンはFDAおよび中国国家薬品監督管理局からNT1における日中の過度の眠気の治療に対するブレークスルーセラピーの指定を受けています。
- 2026年3月、当社は、オベポレクストンについて、NT1を予定される効能又は効果として、厚生労働省に対し製造販売承認申請を行ったことを公表しました。オベボレクストンは、厚生労働省より先駆的医薬品および希少疾病用医薬品に指定されています。本申請は、主に国際共同臨床第3相試験であるFirstLight試験およびRadiantLight試験を含む包括的なデータパッケージに基づくものです。
- 2026年6月、当社は、米国睡眠医学会の年次学術集会であるSLEEP 2026において2つのピボタル試験の追加解析結果を発表しました。これらの結果は、オベポレクストンがNT1患者に関連する日常生活機能、認知機能および睡眠関連症状を改善したことを示しました。本発表では、FirstLight試験およびRadiantLight試験から得られた、日常生活機能、認知機能および夜間睡眠を含む副次評価項目および探索的評価項目の結果が示されました。オベポレクストンは、すべての用量群において、12週時点でナルコレプシーの機能的影響評価尺度(FINI)の6つの領域すべてにわたり、プラセボと比較して日常生活機能を有意に改善しました(p<0.001)。また、注意、実行機能、記憶に関する客観的な神経心理学的検査と、患者報告アウトカムを用いて評価したところ、オベポレクストンは、プラセボと比較してNT1 に関連する認知機能障害を改善しました。探索的評価項目では、オベポレクストンは両試験において睡眠の質を改善しました。
オンコロジー
オンコロジー領域では、胸部、消化器および血液がんに対する治療薬候補のパイプラインの推進に注力しています。胸部および消化器がんにおいては、複数の適応症に対しTAK-928(IBI363)とTAK-921(IBI343)を評価しています。血液がん領域では、骨髄性腫瘍に対してrusfertide(TAK-121)、elritercept(TAK-226)を含むポートフォリオを拡充しています。社内の高い専門性、グローバル拠点、強固な戦略的提携ネットワークが、イノベーションの推進と長期的な価値創出の実現に向けた基盤となっています。当社は、患者さんを通じて得られるインスピレーションおよびあらゆるイノベーションを活用することで、がんの治癒を目指しております。
[アドセトリス 一般名:ブレンツキシマブ ベドチン]
- 2025年6月、当社は、欧州委員会(EC)より、リスク因子を有するⅡb期、Ⅲ期およびⅣ期の未治療の成人ホジキンリンパ腫患者に対するアドセトリスとエトポシド、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダカルバジンおよびデキサメタゾン(BrECADD)の併用療法の承認を取得したことを公表しました。BrECADDとして知られるホジキンリンパ腫のフロントライン治療におけるアドセトリス併用療法の承認は、無作為化臨床第3相HD21試験の結果に基づきます。
[ベクティビックス 一般名:パニツムマブ]
- 2025年9月、当社は、ベクティビックスについて、KRAS G12C阻害剤であるルマケラス錠(ソトラシブ)との併用療法として、がん化学療法後に増悪したKRAS G12C変異陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌の 新たな効能又は効果ならびに用法及び用量の製造販売承認事項一部変更承認を厚生労働省より取得したことを公表しました。本承認は、KRAS G12C変異陽性の既治療の転移性の結腸・直腸癌患者を対象として、ベクティビックスとルマケラスを併用投与した際の有効性および安全性を評価する、臨床第3相、国際共同、多施設共同、ランダム化、非盲検、実薬対照試験(CodeBreaK 300試験)の結果に基づくものです。
[開発コード:TAK-121 一般名:rusfertide]
- 2025年6月、当社とProtagonist Therapeutics社は、臨床第3相VERIFY試験の詳細な結果を第61回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会のプレナリーセッションにおいて発表したことを公表しました。本試験は、主要評価項目である臨床的奏功割合を達成しました。臨床的奏効とは、20週から32週の間に瀉血の適格性がないことと定義されました。Rusfertideと現在の標準治療を併用した場合、highリスクおよびlowリスクの真性多血症(PV)群において臨床的奏功割合が2倍以上に増加し、プラセボと現在の標準治療を併用した場合と比較して、主要評価項目である瀉血の必要性が有意に減少しました。Rusfertideは概ね良好な忍容性を示し、大半の有害事象は低グレードであり重篤ではなく、rusfertideに関係すると判定された重篤な有害事象は報告されませんでした。主要評価項目の分析の時点で、rusfertide群とプラセボ群の比較においてがんのリスク増加のエビデンスは認められませんでした。
- 2025年12月、当社とProtagonist Therapeutics社は、PV患者を対象にrusfertideを評価するピボタル臨床第3相VERIFY試験の新たな52週間の結果を、第67回米国血液学会(ASH)年次総会において発表しました。新たなデータでは、瀉血を要しない持続的なヘマトクリット値のコントロールと奏効が確認され、新たな安全性の問題は観察されませんでした。
- 2026年3月、当社とProtagonist Therapeutics社は、米国食品医薬品局(FDA)が、成人PV患者を対象としたrusfertideの新薬承認申請(NDA)を受理し、優先審査に指定したことを公表しました。FDAは、処方薬ユーザーフィー法(Prescription Drug User Fee Act; PDUFA)に基づく審査終了目標日を2026年暦年第3四半期(2026年7-9月)に設定しています。加えて、rusfertideはFDAより、ブレークスルーセラピー、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)およびファストトラックの指定を受けています。本申請は主に、臨床第3相VERIFY試験の32週時点の主要解析および52週時点の結果、ならびに臨床第2相REVIVE試験および長期投与THRIVE試験からの4年の有効性と安全性データの結果に基づいています。
[開発コード:TAK-853 一般名:ミルベツキシマブ ソラブタンシン]
- 2026年1月、当社は、ミルベツキシマブ ソラブタンシンについて、葉酸受容体α(FRα)陽性のプラチナ製剤抵抗性の再発卵巣がん(PROC)に対する治療薬として厚生労働省に製造販売承認申請を行ったことを公表しました。本申請は、FRα陽性のPROC患者を対象とした海外臨床第3相試験であるMIRASOL試験、SORAYA試験および国内第1/2相試験であるTAK-853-1501試験の結果に基づくものです。これらの試験を通じて、ミルベツキシマブ ソラブタンシンは、FRα陽性のPROC患者の治療において一貫した有効性と良好な安全性プロファイルを示しました。ミルベツキシマブ ソラブタンシンは、厚生労働省よりFRα陽性のPROCを予定される効能又は効果として希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されており、本申請は優先審査の対象です。
その他の希少疾患品目
当社の研究開発は、3つの重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー)にわたり、希少疾患および有病率がより高い疾患のいずれにおいても、未だ有効な治療法が確立されていない高い医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が存在する疾患に注力しております。その他の希少疾患品目においては、遺伝性血管性浮腫に対するタクザイロなどの既発売品に加え、高いアンメット・メディカル・ニーズが存在する複数の疾患に焦点をあて取り組んでおります。希少血液疾患においては、アドベイト、アディノベイト/ADYNOVIを通じて、出血性疾患治療における現在のニーズへ対応することに注力しております。また、リブテンシティにおいては、移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症の治療を再定義することを目指しております。当社は、希少疾患の患者さんに対し革新的な医薬品を届けるという当社のビジョンを実現するための取り組みに注力します。当社は、希少疾患において当社が有する専門能力の活用が可能であり、希少疾患に対する当社のコミットメントおよびリーダーシップを高める可能性のある、後期開発段階の事業開発機会の探索を今後も継続する予定です。
[ボンベンディ 一般名:フォン・ヴィレブランド因子(遺伝子組み換え)]
- 2025年9月、当社は、米国食品医薬品局(FDA)が、ボンベンディの生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を承認したことを公表しました。本承認によりボンベンディの適応症に、1型および2型を含むフォン・ヴィレブランド病(VWD)の成人患者(18歳以上)に対する定期補充療法ならびに小児患者に対する出血時の止血治療および周術期の止血管理が追加されました。本承認は、成人VWD患者を対象とした臨床第3相試験、小児VWD患者を対象とした臨床第3相試験、成人および小児VWD患者を対象とした臨床第3b相継続投与試験ならびにこれらを補完する実臨床データに基づきます。
- 2026年2月、当社は、ボンベンディについて、18歳未満のVWD患者に対する用法・用量追加に関して厚生労働省から製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことを公表しました。主に海外臨床第3相非盲検試験(071102試験)および海外第3b相継続投与試験(SHP677-304試験)における18歳未満のVWD患者を対象とした出血時および周術期の安全性および有効性のデータに基づくものです。
[タクザイロ 一般名:ラナデルマブ]
- 2025年9月、当社は、タクザイロ皮下注300mgペンについて、タクザイロシリンジの剤型追加として厚生労働省より製造販売承認を取得したことを公表しました。
血漿分画製剤
当社は、血漿分画製剤(PDT)に特化したPDTビジネスユニットを設立し、血漿の収集から製造、研究開発および商業化まで、エンド・ツー・エンドのビジネスの運営に注力しております。本領域では、様々な希少かつ複雑な慢性疾患に対する患者さんにとって生命の維持に必要不可欠な治療薬の開発を目指しております。本領域に特化した研究開発部門は、既発売の治療薬の価値最大化、新たな治療ターゲットの特定および血漿収集から製造に至るまで血漿分画製剤のバリューチェーン全体にわたる効率性の最適化という役割を担っております。短期的には、当社の幅広い免疫グロブリン製剤ポートフォリオ(ハイキュービア、キュービトル、GAMMAGARD LIQUIDおよびGAMMAGARD LIQUID ERC)における効能追加、地理的拡大および総合的な医療テクノロジーの活用を通じたより良い患者体験を追求しております。また、当社は、グローバルに販売している20種類以上にわたる治療薬ポートフォリオに加え、20%促進型皮下注用免疫グロブリン製剤(TAK-881)といった次世代の免疫グロブリン製剤の開発、およびその他の早期段階の治療薬候補(高シアル化免疫グロブリン(hsIgG)であるTAK-411を含む)の開発を行っております。
[ハイキュービア 一般名:遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ含有皮下注(ヒト)免疫グロブリン10%]
- 2025年6月、当社は、ハイキュービアについて、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)及び多巣性運動ニューロパチー(MMN)の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)の適応追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を厚生労働省から取得したことを公表しました。本承認は、日本人のCIDP患者およびMMN患者を対象とした国内臨床第3相試験(TAK-771-3002試験)、ならびにCIDP患者を対象とした2つの海外臨床第3相試験(161403試験および161505試験)に基づくものです。
- 2025年7月、当社は、ハイキュービアを在宅や病院内で針を用いずに薬液を輸注セットへ移注できる、17歳以上の患者に対する医療機器であるHYHUBおよびHYHUB DUOについて、米国食品医薬品局(FDA)より、市販前届出510(k)のクリアランスを取得したことを公表しました。HYHUBおよびHYHUB DUOにより、HYQVIAの投与に必要な手順を削減し、投与を簡便化するために開発されました。
[GAMMAGARD LIQUID ERC 一般名:(ヒト)免疫グロブリン10%(低IgA)]
- 2025年6月、当社は、2歳以上の原発性免疫不全症(PID)患者に対する補充療法として、免疫グロブリンA(IgA)含有量の少ない、溶解操作不要な唯一の液状人免疫グロブリン製剤GAMMAGARD LIQUID ERC(IgAの含有量が2μg/mL以下の10%製剤)が、 米国食品医薬品局(FDA)により承認されたことを公表しました。GAMMAGARD LIQUID ERCは溶解操作が不要な液状製剤であり、静脈注射または皮下注射が可能であることから、患者および医療従事者の投与負担の軽減に貢献することが期待されます。
[献血グロベニン-I 一般名:静注(ヒト)免疫グロブリン]
- 2026年2月、当社は、献血グロベニン-I 10%静注について、厚生労働省から製造販売承認を取得したことを公表しました。本承認は、国内で承認を得ている当社の献血グロベニン-I静注用(5%製剤)が承認されている効能又は効果を対象としています。献血グロベニン-I 10%静注は、国内で承認を得ている当社の献血グロベニン-I静注用の剤型を凍結乾燥製剤から液状製剤へ改良し、有効成分濃度を既存製剤の5%から10%へと高濃度化した国内血漿由来の製剤です。有効成分濃度の高濃度化により、投与液量が減少し、投与時間が短縮するとともに、投与液量の負荷を軽減した大量療法が可能になることが期待されます。
[開発コード:TAK-881 一般名:遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ含有皮下注(ヒト)免疫グロブリン20%]
- 2026年5月、当社は、原発性免疫不全症(PID)患者を対象としたTAK-881-3001試験(ピボタル臨床第2/3相試験)において、主要評価項目を達成し、開発中のTAK-881とハイキュービアの薬物動態の同等性が示されたことを公表しました。また、副次評価項目において、ヒアルロニダーゼ含有20%製剤であるTAK-881の安全性、有効性および忍容性プロファイルは、既存の10%製剤であるハイキュービアと同等であることが示されました。これらの結果は、TAK-881が、PID患者に柔軟な投与スケジュール(PIDでは3週間隔または最長で4週間隔投与)を維持しながら、必要な免疫グロブリン投与量をハイキュービアの半分の液量で投与できる可能性を示すものであり、投与時間の短縮につながることが期待されます。
ワクチン
ワクチンでは、イノベーションを活用し、デング熱(QDENGA)、新型コロナウイルス感染(COVID-19)(ヌバキソビッド筋注)など複数の感染症に取り組んでおります。当社パイプラインの拡充およびプログラムの開発に対する支援を得るために、日本の政府機関およびWHO(世界保健機関)、PAHO(Pan American Health Organization)、Gavi(Global Alliance for Vaccines and Immunization)を含む主要な世界的機関とのパートナーシップを締結しております。これらのパートナーシップは、当社のプログラムを実行し、それらのポテンシャルを最大限に引き出すための重要な能力を構築するために必要不可欠です。
[ヌバキソビッド筋注 一般名:組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン]
- 2025年8月、当社は、同年6月に製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったSARS-CoV-2オミクロン株LP.8.1系統を抗原株としたヌバキソビッドについて厚生労働省より承認を取得したことを公表しました。本承認は、品質の抗原株の変更に係るデータに加え、LP.8.1系統を抗原株としたヌバキソビッドが直近のSARS-CoV-2変異株(LP.8.1、LP.8.1.1、JN.1、KP.3.1.1、XEC、XEC.4、NP.1、LF.7及びLF.7.2.1 )に対しても中和抗体を産生することが認められた非臨床データに基づきます。
[QDENGA 一般名:4価弱毒生デング熱ワクチン]
- 2025年11月、当社は、QDENGAを7年間にわたり評価したピボタル臨床第3相試験であるTIDES(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)試験を完了したことを公表しました。本試験には追加接種の探索的解析も含まれており、これらのデータから、QDENGAのベネフィット・リスクプロファイルとともに、2回接種によりデング熱に対する持続的な予防効果が得られることが確認されました。QDENGAの2回接種(初回接種)の4.5年後に追加接種を行った結果、追加接種2年後のワクチン有効性(VE)はわずかに上昇しました。4種のデングウイルス血清型全てにおいてVEが、7年間にわたり認められました。追加接種後、新たな安全性上の懸念は認められませんでした。これらの結果は、第14回世界小児感染症学会(WSPID)年次総会において発表されました。また当社は、非流行国における追加接種試験の結果を米国熱帯医学衛生学会(ASTMH)年次総会で発表しました。
パイプラインの現状
当社グループの各疾患領域および事業分野における研究開発活動の概要は、以下に示すとおりです。後出する主要な疾患領域および事業分野において開示されている当社グループパイプライン上の治療薬の候補物質は、それぞれ異なる開発段階にあり、現在開発中の候補物質の開発中止や新たな候補物質の臨床ステージ入りにより、パイプラインの内容は今後変わる可能性があります。以下に示す候補物質が製品として上市に至るかは、前臨床試験や臨床試験の結果、様々な医薬品の市場動向、規制当局からの販売承認取得の有無など、様々な要因に影響されます。本表では当社が承認取得を目指しているパイプラインの主な効能および2025年度中に承認されたパイプラインを掲載しています。掲載している効能以外にも、将来の効能・剤型追加の可能性を検討するために臨床試験を行っています。以下の表記載は、米国・欧州・日本・中国に限定していますが、当社グループはその他の地域でも開発活動を行っています。以下、「グローバル」の表記は、少なくとも3つの地域または主要国を指します。下記の表にあるパイプラインの「モダリティ」は、「低分子」、「ペプチド・オリゴヌクレオチド」、「生物学的製剤他」のいずれかに分類しています。
2026年5月13日(決算発表日)における当社グループの消化器系・炎症性疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
(注)1 KMバイオロジクス社との提携
2 2026年6月、当社は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病に罹患する、2歳以上の小児患者へのENTYVIOの静脈内投与に対する生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)が米国食品医薬品局(FDA)によって受理されたことを公表しました。
3 Arrowhead Pharmaceuticals社との提携
4 Zedira社およびDr. Falk Pharma社との提携、開発はDr. Falk Pharmaが主導
5 COUR Pharmaceuticals社との提携
2026年5月13日(決算発表日)における当社グループのニューロサイエンス(神経精神疾患)領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
(注) KMバイオロジクス社との提携
2026年5月13日(決算発表日)における当社グループのオンコロジー領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
(注)1 Pfizer社との提携
2 German Hodgkin Study Groupが実施したHD21試験のデータに基づく申請
3 Protagonist Therapeutics社との提携
4 AbbVie社との提携、プラチナ製剤感受性卵巣がんを対象としたグローバルP-Ⅲ試験は同社が主導
5 Keros Therapeutics社との提携
6 Innovent Biologics社との提携
7 Kumquat Biosciences社との提携、P-Ⅰ試験は同社が主導
2026年5月13日(決算発表日)における当社グループのその他の希少疾患品目のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
(注) GSK社との提携
2026年5月13日(決算発表日)における当社グループの血漿分画製剤のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
(注) Halozyme社との提携
オプション契約:当社が臨床開発かつ/または商業化を将来行う可能性がある契約上の権利を保有するその他のパイプラインの一部
2026年5月13日(決算発表日)における、当社が臨床開発かつ/または商業化を将来行う可能性がある契約上の権利を保有するその他のパイプラインの一部は以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
(注)1 Olverembatinib/HQP1351は参考情報としてのみ掲載。特定の独占的ライセンスを取得するためのオプション権を当社が行使
(規制当局による承認を含む慣習的な条件を満たす必要がある)するまでの間、Ascentage Pharma社は本候補物質を所有し単独で臨床開発を実施
2 ACI-24.060は参考情報としてのみ掲載。特定の独占的ライセンスを取得するためのオプション権を当社が行使
(規制当局による承認を含む慣習的な条件を満たす必要がある)するまでの間、AC Immune社は本候補物質を所有し単独で臨床開発を実施
3 IBI3001は参考情報としてのみ掲載。特定の独占的ライセンスを取得するためのオプション権を当社が行使
(規制当局による承認を含む慣習的な条件を満たす必要がある)するまでの間、Innovent Biologics社は本候補物質を所有し単独で臨床開発を実施
パイプラインから削除されたプロジェクト
2025年4月1日以降に中止したプロジェクトは以下のとおりです。
ライセンスおよび共同研究開発契約
①ライセンスおよび共同研究開発契約の概要
当社は通常の事業において、製品開発および商業化のために第三者とライセンス契約や業務提携を行うことがあります。当社の事業は、こうした個々の契約に大きく依存するものではありませんが、これらの契約は全体として、社内外のリソースを組み合わせて活用することで新製品の開発や上市を可能にするという当社の戦略の一部を構成しています。これまで製品上市に寄与してきた契約の一部に関する概要は以下のとおりであります。
- アドセトリス:2009年、当社はPfizer Inc.(Pfizer社)(2023年12月にPfizer社が買収したSeagen, Inc.の権利を継承)と、アドセトリスのグローバル共同開発および世界各国(同社が本剤を販売している米国、カナダを除く)における販売の提携契約を締結しました。本提携関係に基づき、当社による開発および販売の進捗に関してマイルストン支払いを行いました。また、契約対象地域におけるアドセトリスの正味売上高に基づき10%台前半から20%台半ばの割合で段階的なロイヤルティを支払います。当社とPfizer社は、本提携関係のもとで実施される選択された開発活動の費用を均等に共同で負担しますが、2026年3月31日現在、当社のアドセトリス提携契約に基づく販売マイルストンの残存支払見込額はありません。本提携関係は、いずれか一方の当事者による正当な事由または両者の合意をもって解除することができます。当社は本提携関係を自由に解除でき、Pfizer社は一定の状況において本提携関係を解除できます。両社により提携解除がなされなかった場合、本契約は全ての支払い義務の満了をもって自動的に終了します。
- FRUZAQLA/フリュザクラ:2023年、当社はHUTCHMED Limited(HUTCHMED社)と、フルキンチニブの全世界(中国本土、香港およびマカオを除く)を対象とした開発、商業化および製造に関する独占的ライセンス契約を締結しました。FRUZAQLA/フリュザクラは、米国、欧州、日本および当社がライセンス権を有するその他の国々で承認を取得しています。本ライセンス契約に基づき、当社による開発、規制上および販売の進捗に関するマイルストンに加え、正味売上高に応じたロイヤルティを支払います。本契約は、当社がライセンス権を有する地域において最後のライセンス品のロイヤルティ期間の満了まで継続しますが、それ以前に終了する場合もあります。当社は書面通知により任意でライセンス契約を終了することが可能であり、またいずれの当事者も正当な事由がある場合にライセンス契約を終了することが可能です。
- トリンテリックス:2007年、当社はH. Lundbeck A/S(ルンドベック社)とライセンス、開発、供給および販売契約を締結し、同社の保有する気分障害・不安障害治療薬パイプライン上の複数の化合物について米国および日本における独占的な共同開発および共同販売権を取得しました。2024年7月、ルンドベック社は、当社が米国におけるトリンテリックスの正味売上高に基づきルンドベック社へロイヤルティを支払うことを定めた契約の変更について合意したことを公表しました。本契約変更により、ルンドベック社との共同販売および同社による開発資金の提供は終了しました。本契約は無期限に存続しますが、両者の合意または正当な事由をもって解除されます。
②将来に向けた研究プラットフォームの構築/研究開発における提携の強化
自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。
- 2025年10月、当社は、Innovent Biologics(Innovent社)と、後期開発段階にある2つのがん治療薬TAK-928(IBI363)およびTAK-921(IBI343)について、中国・香港・マカオ・台湾以外の全世界における開発、製造、商業化に関するライセンスおよび提携契約を締結したことを公表しました。TAK-928は、ファースト・イン・クラスとなる可能性のある 、PD-1/IL-2α-bias二重特異性抗体融合タンパク質です。非小細胞肺がんおよび結腸・直腸がんで評価されており、他の種類の固形腫瘍にも有効性が期待されています。TAK-928は、米国食品医薬品局(FDA)から、抗PD-(L)1療法およびプラチナベースの化学療法後に進行した切除不能な局所進行または転移性sqNSCLC患者の治療のためにファストトラック指定を受けています。開発中のTAK-921は、胃がんおよび膵臓がん細胞に高頻度で発現するClaudin 18.2タンパクを標的とする次世代抗体薬物複合体(ADC)治療薬であり、胃がんおよび膵臓がんで評価されています。TAK-921は、FDAより、1ライン前の治療後に再発または抵抗性となった進行切除不能または転移性膵管がん(PDAC)の治療においてファストトラック指定を受けています。また、初期開発段階の治療薬であるIBI3001の中国・香港・マカオ・台湾以外での全世界での独占的ライセンスオプションを取得します。IBI3001は、EGFRおよびB7H3の両方を標的とするように設計された、ファースト・イン・クラスとなる可能性のある二重特異性ADCです。2025年12月、当社は、全てのクロージング条件を満たし、Innovent社とのライセンスおよび提携契約の締結手続を完了したことを公表しました。
- 2026年1月、当社は、Halozyme Therapeutics, Inc.(Halozyme社)とグローバルでの提携およびライセンス契約を締結したことを公表しました。本契約により、当社にHalozyme社の革新的なENHANZEドラッグデリバリーテクノロジーを独占的にベドリズマブに使用する権利が付与されます。
③当社の研究活動に関するアップデート
- 2025年10月、当社は、戦略的なポートフォリオの優先順位を検討した結果、細胞療法に関する自社での取り組みを中止する決定を公表しました。今後、当社は、当社の細胞療法プラットフォーム技術の強化ならびに当分野での研究や臨床応用可能なプログラムのさらなる進展を担うことのできる外部パートナーを模索してまいります。なお、現在当社が細胞療法技術を用いて実施している進行中の臨床試験はありません。当社は今後、患者さんに対しより迅速かつ大規模に革新的な治療法を届けることができると考えられるプログラムに短期的な投資を再集中します。
④研究開発における提携
下表では、「①ライセンスおよび共同研究開発契約の概要」以外の、研究開発における当社の提携および外部化提携を記載しており、全ての共同研究開発活動を記載しているものではありません。「内容/目的」欄の記述は、別途記載されていない限り契約締結時点のものを示しています。
消化器系・炎症性疾患領域
ニューロサイエンス(神経精神疾患)領域
オンコロジー領域
血漿分画製剤
ワクチン
その他/複数の疾患領域
知的財産
特許や登録商標を用いて可能な限り自社の製品や技術を守ることは、当社グループの事業戦略において重要な部分を占めています。当社グループが市場競争力を維持し高めるためには、営業秘密、当社独自のノウハウ、技術的イノベーションおよび第三者との契約の取り決めが欠かせません。当社がビジネス上の成功を収めることが出来るかどうかは、強固な特許を取得し行使する能力や、営業秘密を保護し続ける能力、第三者の知的財産権を侵害することなく事業を行う能力、付与されたライセンスの条件を遵守する能力に依存する場合があります。新薬の開発は長期間にわたり、研究開発は多くの費用を必要とします。また、治療薬候補のうち上市されるものはごくわずかであることから、知的財産の保護は新薬の研究開発への投資の回収において重要な役割を担っています。
当社グループは米国、日本、欧州の主要国において可能な限り当社独自の技術の特許保護を求めていきます。その他の国々についても、可能な国々において、選別したうえで特許保護を求めていきます。いずれの場合にも特許保護自体を取得するか、ライセンサーを通じて特許出願をサポートするよう努めています。特許は、当社グループが使用する技術を保護するための主要な手段です。特許は、特許期間中の医薬品に関する発明に基づく他社による製造、使用、販売、販売の提示を排除する権利を特許権者に付与します。当社グループのバイオ医薬品を保護するために、有効成分をカバーする物質特許、薬の用途、製造方法、製剤に関する特許等、様々な種類の特許を使用しています。また、当社グループの商標登録は、特に混乱を招くような類似の名称またはブランドを使用しようとする第三者に対して、当社グループのブランド保護およびその長期的価値を維持するうえで重要な役割を果たしています。
当社グループの医薬品(特に、低分子化合物医薬品)は、主に物質特許によって保護されています。物質特許の存続期間終了をもって当該医薬品の市場独占権は失われる場合がありますが、その後も当該物質の用途、用法、製造方法、新規組成物または剤型に関する特許等の非物質特許によって、商業利益が保護されることがあります。物質特許が満了した場合でも、各国の関連法規制によるデータ保護制度または市場の保護により対象製品が保護されることもあります。
米国では、原則として最も早い通常の特許出願日から20年で特許は満了しますが、米国特許商標庁の審査遅延による特許の発行遅延があった場合は特許期間の調整が行われる可能性があります。また、製品、製品を使用した治療法、製品の製造方法に関する米国の医薬特許は、米国食品医薬品局(FDA)による製品の承認審査期間に応じて特許期間延長の対象となる場合があります。このような場合の存続期間の延長は5年を上限としており、製品の承認取得から14年を超える延長は認められません。FDAの遅延に基づく期間延長が認められるのは、1製品につき1件の特許のみです。FDAは、新規化合物またはオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に対しては、特許による独占権に加えて、データあるいは市場の独占権を追加付与することがあり、これらは既にある特許保護期間と並行して存続します。データ保護規制またはデータ独占権は、ジェネリック医薬品を発売し得る競合他社が、先発品の安全性および有効性を確立する際にスポンサーが作成した臨床試験データを新規化合物については5年間、オーファンドラッグについては7年間、またはバイオ医薬品については12年間は使用できないようにするものです。市場独占権は、同じ薬剤を同じ適応症で販売することを禁止するものです。
日本では、有効成分については、特許庁により特許が付与されます。患者さんの疾患の治療・診断方法に関する特許請求項は日本では特許の対象となりませんが、特定の疾患、適応症の治療に使用する医薬組成物に関する特許請求項は、特許の対象となります。日本では原則として出願より20年で特許は満了します。医薬特許は、医療品製造承認取得までに要した時間により、5年を限度として延長されることがあります。米国と異なり、日本では1製品につき1つ以上の特許を延長することができます。また、日本では、医薬品の安全性と効能を確認する再審査制度を設けており、その期間は新有効成分含有医薬品については8年、新効能・新医療用配合剤については4年から6年、オーファンドラッグについては10年となっています。
欧州連合(EU)では、欧州特許庁(EPO)または欧州各国の国家特許庁で特許を申請することができます。EPOの制度では、EU全体および英国、スイス、トルコ等のいくつかのEU非加盟国での特許を一括申請することができます。EPOが特許を付与すれば、特許権者が指定する国々において特許が有効となります。特許権者の要請により、統一特許裁判所(UPC)協定に批准した単一特許(UP)制度に参加しているEU加盟国の領域については単一効特許が認められています。EPOまたは欧州諸国のいずれかが認める特許の存続期間は、原則として出願から20年です。医薬品の特許は、補充的保護証明書(SPC)制度のもと、さらに追加の独占期間を付与されます。SPCは、特許権者が欧州医薬品庁(EMA)または各国の規制当局から販売承認を受けるのに要した時間を補償する制度です。SPCによる特許期間の最長の延長期間は5年であり、欧州で最初の販売承認を取得した日から最長15年まで特許期間を延長することができます。認可された小児臨床試験計画(PIP)によるデータが提出されたオーファン以外の製品であれば、その医薬品に係るSPCのさらなる6ヶ月の小児延長が認められます。SPC制度を含め、承認後の特許は、各国の法制度により運用されています。特許およびSPCに関する規制はそれぞれEPOおよびEUのレベルで作られましたが、国ごとの運用の違いにより、例えば、EU各国の国内裁判所で無効申立てされた場合など、必ずしも同じ結果にはつながりません。また、EUは承認されたヒト用医薬品につき、特許保護と並行して、規制上のデータ保護(RDP)を与えています。現在承認されている医薬品に関する制度は、通常「8+2+1」と呼ばれています。これは、まず初めに競合他社が関連データに依拠することができないデータ保護期間が8年間、続いて競合他社が販売承認申請のために当該データを使用できるものの、競合品を上市することができない市場独占期間が2年間、さらに、スポンサーが最初のデータ保護期間8年間の間に、他の治療薬が存在しない適応症か「既存治療薬に比べて有意な臨床的有効性」が認められる新たな適応症を追加した場合、追加で1年間の市場独占権を認めるものです。これは各国での承認にもEUの中央審査による承認にも当てはまります。また、EUには米国に類似したオーファンドラッグの独占制度があります。医薬品がオーファンドラッグとして指定された場合、10年間の市場独占権が与えられ、この間当該医薬品と同じ適応症を持つ同様の医薬品には販売承認が付与されません。特定の条件下では、小児臨床試験計画の完了によるさらに2年間の小児用医薬品に係る延長が認められます。規制上のデータ保護等の制度を含む欧州の医薬品法は現在改正が行われており、将来的に異なる独占期間が適用される可能性があります。改正プロセスにおいて、2025年12月に欧州理事会と欧州議会との間で政策的な合意が成立し、RDPに関しては8+1+1+1の制度とすること、およびオーファンドラッグに係るインセンティブの見直しについて合意に至りました。しかしながら、新たな法令の合意済みの内容については公表されておらず、そのスケジュールに関しては定かではありません。
当社グループ製品の関連特許満了後の後発品の市場参入や、競合他社によるOTC医薬品の発売等、当社グループは世界中で知的財産に関わる課題に直面しています。当社グループのグローバルジェネラルカウンセルは、法務ならびに知的財産権の業務についても監督責任を負っています。当社グループの知的財産部は、下記3つの優先事項に注力することにより、当社グループの全社的な戦略をサポートしています。
・疾患領域およびビジネスユニットの戦略に沿った自社製品および研究開発パイプラインの価値の最大化および関連する権利の保護
・パートナーとの提携サポートによる外部イノベーションのよりダイナミックな活用の促進
・新興国市場を含む世界各国での知的財産権取得および保護(なお、当社の医薬品へのアクセスを拡大するというコミットメントとして、後発開発途上国および低所得国において、特許を申請または特許権を行使しないことを確約しています)
当社グループの知的財産権が侵害されることは、それらの権利から得ることが期待される収益が失われるリスクとなるため、当社グループは特許やその他の知的財産を管理するための内部プロセスを整備しています。当該プロセスでは、第三者からの侵害に継続的に警戒するとともに、当社グループの自社製品および活動が第三者の知的財産権を侵害しないよう、研究開発段階から注意を払っています。
通常の事業活動において、当社グループの特許は第三者から無効の申し立てを受ける可能性があります。当社グループは、当事者として知的財産権に関する訴訟等に関与しております。係属中の重要な訴訟の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 31 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。
下表では、記載された製品について、対象地域ごとに、存続している物質特許および規制上の保護期間(「RP」)(米国およびEU)もしくは再審査期間(「RP」)(日本)ならびに満了日を記載しております。特許期間の延長(PTE)、補充的保護証明書(SPC)、小児用医薬品に係る独占期間(PEP)は当局により認められたものについては満了日に反映され、申請手続中で認められていないものについては、延長された満了日を別途記載しています。
当社グループのバイオ医薬品は、下記の特許満了期間に関わらず、同じ適応症に対する類似製品またはバイオシミラーを製造する他社との競争に直面するか、今後直面する可能性があります。また、欧州の特許の一部は、SPCにより、いくつかの国で下表に記載の満了期限を超えて対象製品に追加的な保護が付与される場合があります。
(注)1 表中の「—」は物質特許の満了または該当なしを表します。
2 日本では、後発品の承認申請は、先発品の再審査期間終了後に行われ、規制当局による審査の後、承認、薬価収載されます。したがって、後発品は再審査期間の満了後から一定の期間を経て市場に参入します。
3 本製品は、第三者への導出契約を締結しているため、全ての地域で当社グループが販売を行っているわけではありません。
4 本製品は、特定の地域限定で第三者からの導入契約を締結しているため、全ての地域で当社グループが販売を行っているわけではありません。詳細については「ライセンスおよび共同研究開発契約」をご参照ください。
5 2026年3月時点で米国において発売された後発品はありません。GATTEX/レベスティブの後発品の正確な参入時期について現時点では定かではありません。
6 当社グループは、ENTYVIOの製剤、投与方法、製造工程といった様々な項目について特許権を保有しており、そのうち一部は2032年に満了する予定です。なお、2032年より前にバイオシミラーの上市を目指す場合には、特許権侵害や関連するすべての特許の有効性を確認する必要があるため、バイオシミラーの正確な参入時期について現時点では定かではありません。
7 次に関する特許期間の延長(PTE): (a) ホジキンリンパ腫(フロントライン)、(b) 再発・難治性のPTCL(ALCLを除く)、および (c) 再発・難治性のホジキンリンパ腫、再発・難治性のPTCLおよびホジキンリンパ腫(フロントライン)の小児用(再発・難治性のホジキンリンパ腫および再発・難治性のALCLのPTEは、2026年4月に満了)。
8 小児ホジキンリンパ腫(フロントライン)のみのRP(再発・難治性のホジキンリンパ腫、再発・難治性のALCL、ホジキンリンパ腫(フロントライン)、PTCLと再発・難治性の小児ホジキンリンパ腫、および再発・難治性の小児PTCLについてのRPは、2024年1月に満了、再発・難治性CTCLのRPは2029年9月に満了)。
9 重症3型フォン・ヴィレブランド病(VWD)の成人に対する定期補充療法に係るRPは、2029年1月に満了します。また、VWDの小児患者さんの出血時のオンデマンド療法および周術期管理、ならびに重症3型VWD以外の成人に対する定期補充療法に係るRPは、2032年9月に満了します。
10 オーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイスおよび英国にのみ適用されます。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループ(当社および連結子会社)は、競争力の維持向上のため、生産設備の増強・合理化および研究開発体制の充実・強化また販売力の強化や管理業務の効率化などの設備投資を継続して行っております。
当年度におけるグループ全体の設備投資(有形固定資産取得ベース)総額は2,001億円となりました。
2 【主要な設備の状況】
当社グループ(当社および連結子会社)における、バイオ医薬品、血漿分画製剤およびワクチンの生産設備を含む主要な設備は、次のとおりであります。
(1) 提出会社
2026年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額は、日本基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しております。
2 当社の設備が帰属するセグメントは、医薬品事業であります。
3 帳簿価額のうち、「その他」は、工具、器具及び備品、および建設仮勘定の合計であります。
4 連結会社以外の者への賃貸中の土地1百万円(237㎡)および建物289百万円を含んでおります。
5 土地および建物の一部を連結会社以外の者から賃借しております。賃借料は4,193百万円であります。賃借している土地の面積については、( )で外書きしております。
6 グローバル本社および本社については、その建物・付属設備および土地の他、グローバル本社および本社が管理を行う寮・社宅、その他土地および設備により構成されております。
(2) 連結子会社
2026年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額は、IFRSに基づく金額を記載しております。
2 帳簿価額のうち、「その他」は、工具、器具及び備品、および建設仮勘定の合計であります。
3 上表において、連結会社以外の者への賃貸中の土地1,593百万円(3,078㎡)および建物及び構築物1,230百万円を含んでおります。
4 上表において、建物、機械装置及び運搬具および土地の一部を連結会社以外の者から賃借しております。賃借料は13,005百万円であります。賃借している土地の面積については、( )で外書きしております。
5 子会社の所在地は、主な所在地を記載しており、別の所在地に生産設備を有していることがあります。
3 【設備の新設、除却等の計画】
① 重要な設備の新設、除却等
重要な設備の新設、除却等の計画は以下のとおりであります。
(注) 1 血漿分画製剤の製造設備投資となります。
2 当社は、血漿分画製剤の新製造設備を大阪工場に建設するため、総額95,000百万円の長期投資を計画していましたが、円安による為替影響を含む建設資材の価格高騰や建設事業者における人員不足の状況を踏まえ、前年度において、投資予定総額を153,000百万円に増額することを決定するとともに、着手および完了予定時期を見直しました。さらに、当年度において、建設コストを総合建設会社と見直した結果、さらなるコストの増加が懸念されることが判明し、当社は計画の内容ならびに建設着手および完了の予定時期を再検討しています。
3 血漿分画製剤の生産能力拡大のための投資となります。
4 投資予定額には、2026年開始予定のリース契約に基づくリース料支払義務を含んでおります。
5 血漿分画製剤の製造設備投資となります。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注)1 米国預託証券(ADS)をニューヨーク証券取引所に上場しております。
2 提出日現在発行数には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含めておりません。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストック・オプション制度の内容】
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2026年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注) 1 新株予約権1個につき目的となる株式の数は、100株であります。
2 当社が普通株式の株式分割、普通株式の無償割当てまたは株式併合を行う場合、次の算式により目的となる株式の数を調整するものとします。かかる調整は当該時点において未行使の新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整の結果1株未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとします。
調整後株式数=調整前株式数×分割または併合の比率(*)
(*)株式の無償割当ての場合は、無償割当て後の発行済株式総数(自己株式を除く)を無償割当て前の発行済株式総数(自己株式を除く)をもって除した商をもって上記比率とします。
調整後株式数は、株式分割の場合は、当該株式分割の基準日以降、株式無償割当てまたは株式併合の場合は、その効力発生日以降、これを適用します。
また、上記のほか、目的となる株式の数の調整を必要とする事由が生じたときは、取締役会の決議により、合理的な範囲で調整を行うものとします。これら、目的となる株式の数の調整を行うときは、当社は調整後株式数を適用する日の前日までに、必要な事項を新株予約権原簿に記載された各新株予約権を保有する者に通知します。ただし、当該適用の日の前日までに通知を行うことができない場合には、以後速やかに通知するものとします。
3 2014年7月16日より前であっても、新株予約権の割当てを受けた者が、任期満了により退任または定年退職した場合その他正当な理由のある場合には、退任または退職の日の翌日より新株予約権の行使ができるものとします。
4 発行価格は、新株予約権の行使時の払込金額(1株当たり3,705円)と割当日における新株予約権の公正価額(1株当たり427円)を合算しております。なお、各コーポレート・オフィサーおよび上級幹部に割り当てられた新株予約権の公正価額相当額については、当該コーポレート・オフィサーおよび上級幹部のこれと同額の報酬債権をもって、割当日において合意相殺しております。
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2026年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注) 1 新株予約権1個につき目的となる株式の数は、100株であります。
2 当社が普通株式の株式分割、普通株式の無償割当てまたは株式併合を行う場合、次の算式により目的となる株式の数を調整するものとします。かかる調整は当該時点において未行使の新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整の結果1株未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとします。
調整後株式数=調整前株式数×分割または併合の比率(*)
(*)株式の無償割当ての場合は、無償割当て後の発行済株式総数(自己株式を除く)を無償割当て前の発行済株式総数(自己株式を除く)をもって除した商をもって上記比率とします。
調整後株式数は、株式分割の場合は、当該株式分割の基準日以降、株式無償割当てまたは株式併合の場合は、その効力発生日以降、これを適用します。
また、上記のほか、目的となる株式の数の調整を必要とする事由が生じたときは、取締役会の決議により、合理的な範囲で調整を行うものとします。これら、目的となる株式の数の調整を行うときは、当社は調整後株式数を適用する日の前日までに、必要な事項を新株予約権原簿に記載された各新株予約権を保有する者に通知します。ただし、当該適用の日の前日までに通知を行うことができない場合には、以後速やかに通知するものとします。
3 2015年7月18日より前であっても、新株予約権の割当てを受けた者が、任期満了による退任または定年退職した場合その他正当な理由のある場合には、退任または退職の日の翌日より新株予約権の行使ができるものとします。
4 発行価格は、新株予約権の行使時の払込金額(1株当たり3,725円)と割当日における新株予約権の公正価額(1株当たり369円)を合算しております。なお、各コーポレート・オフィサーおよび上級幹部に割り当てられた新株予約権の公正価額相当額については、当該コーポレート・オフィサーおよび上級幹部のこれと同額の報酬債権をもって、割当日において合意相殺しております。
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2026年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注) 1 新株予約権1個につき目的となる株式の数は、100株であります。
2 当社が普通株式の株式分割、普通株式の無償割当てまたは株式併合を行う場合、次の算式により目的となる株式の数を調整するものとします。かかる調整は当該時点において未行使の新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整の結果1株未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとします。
調整後株式数=調整前株式数×分割または併合の比率(*)
(*)株式の無償割当ての場合は、無償割当て後の発行済株式総数(自己株式を除く)を無償割当て前の発行済株式総数(自己株式を除く)をもって除した商をもって上記比率とします。
調整後株式数は、株式分割の場合は、当該株式分割の基準日以降、株式無償割当てまたは株式併合の場合は、その効力発生日以降、これを適用します。
また、上記のほか、目的となる株式の数の調整を必要とする事由が生じたときは、取締役会の決議により、合理的な範囲で調整を行うものとします。これら、目的となる株式の数の調整を行うときは、当社は調整後株式数を適用する日の前日までに、必要な事項を新株予約権原簿に記載された各新株予約権を保有する者に通知します。ただし、当該適用の日の前日までに通知を行うことができない場合には、以後速やかに通知するものとします。
3 2016年7月20日より前であっても、新株予約権の割当てを受けた者が、任期満了により退任または定年退職した場合その他正当な理由のある場合には、退任または退職の日の翌日より新株予約権の行使ができるものとします。
4 発行価格は、新株予約権の行使時の払込金額(1株当たり4,981円)と割当日における新株予約権の公正価額(1株当たり553円)を合算しております。なお、各コーポレート・オフィサーおよび上級幹部に割り当てられた新株予約権の公正価額相当額については、当該コーポレート・オフィサーおよび上級幹部のこれと同額の報酬債権をもって、割当日において合意相殺しております。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 発行済株式総数増減数のうち2021年度の10千株、2022年度の44千株、2023年度の123千株、2024年度の12千株および2025年度の280千株については、新株予約権の行使による増加であります。
2 2021年4月1日付の日本製薬株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換により、発行済株式総数が1,462千株、資本準備金が5,919百万円増加しております。
3 2021年度の発行済株式総数増減数のうち518千株については、第三者割当募集株式発行による増加であります。
発行価格:3,730円 資本組入額:1,865円
割当先:日本マスタートラスト信託銀行株式会社(株式付与ESOP信託口)
4 2021年7月8日の決定により、2021年7月26日付で第三者割当による新株発行を行いました。これにより発行済株式総数が3,874千株、資本金および資本準備金がそれぞれ7,138百万円増加しております。
5 2024年度の発行済株式総数増減数のうち8,519千株については、第三者割当募集株式発行による増加であります。
発行価格:4,241円 資本組入額:2,120.5円
割当先:当社および当社子会社の従業員10,891名
6 2026年4月1日から2026年5月31日までの間に、新株予約権の行使により、発行済株式総数が38千株、資本金および資本準備金がそれぞれ84百万円増加しております。
(5) 【所有者別状況】
2026年3月31日現在
(注) 自己株式6,290,256株は、「個人その他」に62,902単元、「単元未満株式の状況」に56株含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2026年3月31日現在
(注)1 当社は2025年1月30日開催の取締役会決議に基づき、2025年4月において信託方式による市場買付により自己株式を11,823,500株取得しました。これにより取得期間中に合計23,367,100株の自己株式を取得し、同取締役会決議に基づく自己株式の取得を終了いたしました。
2 当社は、長期インセンティブ報酬制度に基づき当社ADSを国外の当社グループ従業員に交付するため、2025年6月10日付の当社代表取締役CEOクリストフ ウェバーの決定により、2025年7月8日に自己株式17,270,941株の処分を実施いたしました。なお、当該普通株式は、当社ADSに転換の上、従業員に交付されました。
3 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、株式付与ESOP信託にかかる信託口が所有する当社株式2,958,800株(議決権29,588個)及び役員報酬BIP信託にかかる信託口が所有する当社株式2,142,800株(議決権21,428個)が含まれております。
4 「単元未満株式」欄の普通株式には、自己保有株式56株、株式付与ESOP信託にかかる信託口が所有する当社株式159株及び役員報酬BIP信託にかかる信託口が所有する当社株式264株が含まれております。
② 【自己株式等】
2026年3月31日現在
(注) 上記の自己保有株式及び自己保有の単元未満株式56株のほか、株式付与ESOP信託にかかる信託口が所有する当社株式2,958,959株及び役員報酬BIP信託にかかる信託口が所有する当社株式2,143,064株を財務諸表上、自己株式として処理しております。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
① 従業員(当社グループ幹部)に対する株式付与制度
当社は、国内外の当社グループ幹部を対象に、当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、会社業績との連動性が高く、かつ透明性および客観性の高いグローバルで共通のインセンティブプランとして、2014年より株式付与制度(以下本①において「本制度」)を導入しています。
また、当社は、2020年より、国外の当社グループ従業員へのインセンティブプランとして、従業員米国預託株式購入制度(Employee Stock Purchase Plan)(以下、本①および②において「ESPP」)および国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度(Long Term Incentive Plan)(以下、本①および②において「LTIP」)を導入しています。従って、2020年以降、新たに設定され、または、信託期間を延長することにより継続される本制度に基づく信託は、国内の当社幹部を対象としています。
(ⅰ) 本制度の概要
本制度は、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下、「ESOP信託」)と称される仕組みを採用しております。ESOP信託とは、譲渡制限付株式ユニット(Restricted Stock Units)およびパフォーマンス・シェア・ユニット(Performance Share Units)を参考に制度設計された当社の従業員向けインセンティブプランであり、国内の当社幹部に対して譲渡制限付株式ユニット報酬(Restricted Stock Unit awards)および業績連動株式ユニット報酬(Performance Share Unit awards)を付与するものです。一部の上級幹部については、譲渡制限付株式ユニット報酬と業績連動株式ユニット報酬が付与され、それ以外の従業員については譲渡制限付株式ユニット報酬が付与されます。当社は、ESOP信託により取得した当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を、職位や業績目標の達成度等に応じて、当社株式から生じる配当金とともに従業員に交付または給付します。
当社は、2014年より毎年新たなESOP信託を設定し、または信託期間の満了した既存のESOP信託の変更および追加信託を行うことにより、本制度を継続的に実施することを予定しています。従って、2024年5月14日には同月9日開催の取締役会における国内の当社幹部に対する本制度の継続に係る決議に基づき、国内の当社幹部を対象として2021年に設定済みのESOP信託の信託期間を延長しました。また、2025年5月13日には同月8日開催の取締役会における国内の当社幹部に対する本制度の継続に係る決議に基づき、国内の当社幹部を対象として2022年に設定済みのESOP信託の信託期間を延長し、2026年5月18日には同月13日開催の取締役会における国内の当社幹部に対する本制度の継続に係る決議に基づき、国内の当社幹部を対象として2023年に設定済みのESOP信託の信託期間を延長しました。
(ⅱ) 信託契約の内容
<2024年>
<2025年>
<2026年>
(ⅲ) 従業員に取得させる予定の株式上限総数
2026年信託 約41万株(予定)
(ⅳ) 本制度による受益権その他の権利を受け取ることができる者の範囲
国内の当社幹部のうち受益者要件を充足する者
② 国外の従業員に対するESPPおよびLTIP
当社は、2020年より、(i)国外の当社グループ従業員による当社米国預託証券(American Depositary Shares)(以下、本②において「当社ADS」)の保有を奨励することを目的として、国外の当社グループ従業員に対して当社ADSを市場価格から割り引いた価格で取得する機会を与えるESPPを導入し、また、(ii)国外の当社グループ従業員に対し、株主との一層の価値共有を進め、さらに、リスクと報酬のバランスが適切に取れたインセンティブ報酬を付与することによって当社グループ幹部およびその他の従業員へのリテンション効果を高め、リスクを軽減しつつ当社の戦略を推進することを目的として、国外の当社グループ従業員に対し当社ADSに基づくインセンティブ報酬を付与するLTIPを導入しています。
(ⅰ) ESPPの概要
ESPPにおいては、国外の当社グループ従業員が金銭を拠出し、取引市場にて購入された当社ADSを取得する仕組みを採用します。ESPPにおいては、一定の国外の当社グループ従業員は、2020年10月以降、半年ごとにESPPに任意に加入し、原則として退職時に脱退するものとします。また、ESPPに加入した各従業員が拠出する金銭の上限は、原則として、半年あたり7,500米ドルに相当する額とします。
(ⅱ) LTIPの概要
LTIPにおいては、譲渡制限付株式ユニット(Restricted Stock Units)を用いた譲渡制限付株式ユニット報酬(Restricted Stock Unit awards)(以下、本②において「RSU awards」)およびパフォーマンス・ストック・ユニット(Performance Stock Units)を用いた業績連動株式ユニット報酬(Performance Stock Unit awards)(以下、本②において「PSU awards」)を含む株式報酬を付与する仕組みを採用しております。LTIPにおいては、一定の国外の当社グループ従業員に対して、当社が新たに発行する当社普通株式または自己株式の処分から転換された当社ADSもしくは取引市場にて購入された当社ADSまたは当社ADSの換価処分金相当額の金銭が交付または支給されます。2023年については2023年7月に、2024年については2024年7月に、2025年については2025年7月に、一定の国外の当社グループ従業員に対してRSU awards及びPSU awardsを付与しました。RSU awardsは、継続勤務等の一定の要件の充足を条件として、3年間に亘り、毎年、付与したRSU awardsの3分の1ずつに相当する当社ADSを交付するものです(ただし、死亡等の一定の事由が生じた場合には当社ADSの換価処分金相当額の金銭を一定の時期に支給します。PSU awardsについても同じです)。PSU awardsは、継続勤務等の一定の要件の充足を条件とすることに加え、付与年を含む3事業年度について設定した会社業績目標の達成度等に応じて算出される数の当社ADSを、当該3事業年度の終了後に全て交付するものです。
③ 役員(当社取締役)に対する株式報酬制度
当社は、2014年6月27日開催の第138回定時株主総会の決議を経て、当社取締役(社外取締役および国外居住の取締役を除く)を対象に、2014年より株式報酬制度(以下、「旧制度」)を導入していましたが、2016年6月29日開催の第140回定時株主総会において、監査等委員会設置会社への移行に伴い、当社取締役に対するインセンティブプランとして、旧制度に代えて、旧制度の対象取締役の範囲を拡張した株式報酬制度(以下本③において「本制度」)を導入することを決議し、本制度を導入しております。なお、2019年6月27日開催の第143回定時株主総会において、その内容の一部改定が可決承認されました。
(ⅰ) 本制度の概要
本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下、「BIP信託」)と称される仕組みを採用しています。BIP信託とは、パフォーマンス・シェア・ユニット(Performance Share Units)および譲渡制限付株式ユニット(Restricted Stock Units)を参考に制度設計された取締役向けインセンティブプランであり、業績連動株式ユニット報酬(Performance Share Unit awards)および譲渡制限付株式ユニット報酬(Restricted Stock Unit awards)を付与するものです。当社は、BIP信託により取得した当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を、①監査等委員でない当社取締役(社外取締役および国外居住の取締役を除く)に対しては業績連動株式ユニット報酬および譲渡制限付株式ユニット報酬を付与したうえで一定時期に、②監査等委員である当社取締役および社外取締役に対しては客観的な立場から業務執行の妥当性を判断するという監督機能を適正に確保する観点から譲渡制限付株式ユニット報酬のみを付与したうえで本制度に基づく基準ポイントの付与日から3年経過後に、それぞれ、当社株式から生じる配当金とともに交付または給付します。なお、対象となる当社取締役が国外居住である場合、BIP信託から交付する当社株式を当社ADSへ転換し支給することがあります。
当社は、2014年より毎年新たなBIP信託を設定し、または信託期間の満了した既存のBIP信託の変更および追加信託を行うことにより、旧制度と同種のインセンティブプランを継続的に実施することを予定しています。2016年には、旧制度に代えて本制度を導入するにあたり、2016年より選任される監査等委員である当社取締役および社外取締役を新たに対象として加えることとし、監査等委員でない当社取締役(社外取締役でない国外居住の取締役を除く)および監査等委員である当社取締役のそれぞれにつき、新たにBIP 信託を設定いたしました(以下、監査等委員でない当社取締役に係るBIP信託を「NSV(Non-Supervisory) 信託」、監査等委員である当社取締役に係るBIP信託を「SV(Supervisory)信託」)。2017年5月16日には同月10日開催の取締役会における本制度の継続にかかる決議に基づき、2014年に設定済のBIP信託を本制度におけるNSV信託として一部改定の上、信託期間を延長し、金銭追加信託を行いました(2017年におけるSV信託は、2017年より新たに対象とすべき新任の監査等委員である取締役が存しないことから、設定しておりません)。2018年5月21日には同月14日開催の取締役会における本制度の継続にかかる決議に基づき、2015年に設定済みのBIP信託を本制度におけるNSV信託として一部改定の上、信託期間を延長し、金銭追加信託を行いました。また、同決議に基づき、2016年に設定済みのSV信託の信託期間を延長し、金銭追加信託を行いました。2019年8月1日には6月27日開催の定時総会における本制度の一部改正にかかる可決承認に基づき、2016年に設定済みのNSV信託について、社外取締役でない取締役(監査等委員である取締役および国外居住の取締役を除く)に対するプラン(以下、「本プランI」)、社外取締役(監査等委員である取締役を除く)に対するプラン(以下、「本プランII」)、監査等委員である取締役に対するプラン(以下、「本プランIII」)として、信託期間を延長し、金銭追加信託を行いました。2024年5月14日には同月9日開催の取締役会における本制度継続にかかる決議に基づき、2021年に設定済みのNSV信託について、社外取締役でない取締役(監査等委員である取締役および国外居住の取締役を除く)に対するプラン(以下、「本プランI」)、社外取締役(監査等委員である取締役を除く)に対するプラン(以下、「本プランII」)、監査等委員である取締役に対するプラン(以下、「本プランIII」)として、信託期間を延長し、金銭追加信託を行いました。2025年5月13日には同月8日開催の取締役会における本制度継続にかかる決議に基づき、2022年に設定済みのNSV信託について、社外取締役でない取締役(監査等委員である取締役および国外居住の取締役を除く)に対するプラン(以下、「本プランI」)、社外取締役(監査等委員である取締役を除く)に対するプラン(以下、「本プランII」)、監査等委員である取締役に対するプラン(以下、「本プランIII」)として、信託期間を延長し、金銭追加信託を行いました。2026年5月18日には同月13日開催の取締役会における本制度継続にかかる決議に基づき、2023年に設定済みのNSV信託について、社外取締役でない取締役(監査等委員である取締役および国外居住の取締役を除く)に対するプラン(以下、「本プランI」)、社外取締役(監査等委員である取締役を除く)に対するプラン(以下、「本プランII」)、監査等委員である取締役に対するプラン(以下、「本プランIII」)として、信託期間を延長し、金銭追加信託を行いました。
(ⅱ) 信託契約の内容
<2024年(本プランI/II/III)>
<2025年(本プランI/II/III)>
<2026年(本プランI/II/III)>
(ⅲ) 役員に取得させる予定の株式上限総数
2026年信託 約38万株(予定)
(ⅳ) 本制度による受益権その他の権利を受け取ることができる者の範囲
対象となる当社取締役のうち受益者要件を充足する者
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注)1 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含めておりません。
2 上記の取得自己株式には、株式付与ESOP信託にかかる信託口が取得した当社株式および役員報酬BIP信託にかかる信託口が取得した当社株式を含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)1 当期間における保有自己株式数には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取や売渡しによる株式数は含めておりません。
2 上記の処理自己株式数および保有自己株式数には、株式付与ESOP信託にかかる信託口が所有する当社株式数および役員報酬BIP信託にかかる信託口が所有する当社株式数を含めておりません。
3 【配当政策】
当社は、革新的な医薬品を創出し続けるという「私たちが目指す未来」(ビジョン)のもと、健全な財務基盤を維持しながら(堅実な投資適格格付を維持し、調整後純有利子負債/調整後EBITDA 倍率(注)2倍を目指す)、患者さんに持続的な価値を、株主には魅力的なリターンを提供できるよう資本を配分してまいります。
当社の資本配分に関する基本方針は次のとおりです。
・ 成長ドライバーへの投資
・ 株主還元
「成長ドライバーへの投資」では、新製品の上市やパイプライン拡充のための社内外の機会、血漿分画製剤事業に対して戦略的な投資を行ってまいります。また、「株主還元」においては、毎年の1株当たり年間配当金を増額または維持する累進配当の方針を採用し、自己株式の取得については適切な場合に取り組んでまいります。
なお、当社は中間配当ができる旨を定款に定めており、当社の剰余金の配当は中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めております。
(基準日が当事業年度に属する剰余金の配当については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 25 資本及びその他の資本項目」をご参照ください。)
(注)定義については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ④当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」をご参照ください。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① 企業統治の体制
当社は、「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」という存在意義のもと、自らの企業理念に基づいて患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする研究開発型のグローバルなデジタルバイオ医薬品企業にふさわしい事業運営体制を追求するため、健全性と透明性が確保された迅速な意思決定を可能とする体制を整備するとともに、コンプライアンスの徹底やリスク管理を含めた内部統制の強化を図っています。これらの取組みを通じて、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実を目指し、企業価値の最大化に努めています。
② 機関構成・組織運営等に係る事項
<組織形態>
監査等委員会設置会社
(現状のコーポレート・ガバナンス体制を採用している理由)
当社は、取締役会による重要な業務執行の決定のうち、相当な部分を取締役に対して委任することが可能となる監査等委員会設置会社を選択することにより、業務執行と監督との分離を促進し、もって、業務執行にかかる意思決定の一層の迅速化を実現するとともに、取締役会は経営戦略や特に重要度の高い課題の議論により多くの時間を充てることのできる体制を整えています。また、監査等委員会の監査・監督体制を整備するとともに、取締役会における社外取締役の構成比と多様性を高めることにより、取締役会の透明性および客観性を高め、経営に対する監督機能を強化しています。
<取締役関係>
・取締役会の議長・・・・・独立社外取締役
・取締役の人数・・・・・14名(男性11名、女性3名。うち、監査等委員である取締役4名)
・社外取締役の選任状況
選任の有無・・・・・選任している
<監査等委員会関係>
・監査等委員の人数・・・・・4名(うち、社外取締役4名)
なお、2021年6月より監査等委員会の独立性をより一層高めるために、監査等委員会の全メンバーを社外取締役としています。
・監査等委員会について
監査等委員会は、社外取締役のみで構成され、「監査等委員会規程」および監査等委員会の監査・監督に関する社内規則に基づき、独立性と実効性を確保する体制を整備し、取締役の職務執行の監査その他法令および定款に定められた職務を行っています。
・当該取締役及び使用人の業務執行取締役からの独立性に関する事項
監査等委員会の業務補助および監査等委員会の事務局として監査等委員会室を設置し、使用人の中から専任のスタッフを任命し、適切な員数を確保しております。監査等委員会室のスタッフの任命・異動等に関しては、監査等委員会の同意を要するものとしています。
当社では、監査等委員会室が、重要会議への出席や重要書類の閲覧等を通じた日常的な情報収集、執行部門からの定期的な業務報告の聴取等において監査等委員会の職務を補助しているほか、内部統制システムを活用した組織的監査を実施することにより監査の実効性を確保しており、常勤の監査等委員を選定しておりません。
・監査等委員会、会計監査人、内部監査部門の連携状況
(監査等委員会と会計監査人の連携状況)
監査等委員会は、会計監査人より各事業年度の監査計画、監査体制および監査結果について直接報告を受けており、また、必要に応じて、随時、情報交換や意見交換を実施して、緊密な連携を図っています。
(監査等委員会とグループ内部監査部門の連携状況)
監査等委員会は、内部監査システムの構築・運用の状況等を踏まえた上で、グループ内部監査部門からの監査報告ならびに監査等委員会から内部監査部門への指示を通じ、緊密な連繋を保持しつつ監査効率の向上を図っています。
(監査等委員会と内部統制推進部門との関係)
監査等委員会は、グローバルリーガル・エシックス&コンプライアンス、グローバルファイナンス等の内部統制推進部門との連繋を密にし、その情報を活用し、監査等委員会の監査等が実効的に行われる体制を整備しています。
<社外取締役の独立性に関する基準>
当社は、招聘する社外取締役の独立性について、金融商品取引所が定める独立性の基準を満たすことを前提としつつ、次の資質に関する要件を満たすことを重視して判断します。
すなわち、当社では、医薬品事業をグローバルに展開する当社において、多様な役員構成員の中にあっても、事業活動の公平・公正な決定および経営の健全性確保のために積極的に、当社の重要案件について、その本質を質し、改善を促し、提言・提案を発する活動を継続して行うことにより、確固たる存在感を発揮していただける方が、真に社外取締役として株主の期待に応え得る人物であると考え、かかる人物に求められる資質に関する基準として、以下の項目の(1)から(4)のうち2項目以上に該当することを要件とします。
(1)企業経営の経験に基づく高い識見を有する
(2)会計、法律等の専門性の高い分野において高度な知識を有する
(3)医薬品事業またはグローバル事業に精通している
(4)多様な価値観を理解し、積極的に議論に参加できる高い語学力や幅広い経験を有する
③ 業務執行に係る事項
<経営体制について>
当社は、取締役会において当社グループの基本的な方針を定め、その機関決定に基づいて、経営・執行を行う体制をとっています。取締役会に参画する社外取締役は個々に適切な資質を備えており、取締役会全体として多様かつ十分な経験を有する構成となっています。また、当社の監査等委員会は社外取締役のみで構成されており、その独立した立場から取締役の執行状況を監査、監督し、取締役会の適切なガバナンスと意思決定に貢献しています。さらに、多様化する経営課題に機動的かつ迅速に対応するため、タケダ・エグゼクティブ・チーム(「TET」)を設置するとともに、重要案件の審議を行うビジネス&サステナビリティ・コミッティー(経営、事業開発およびリスク関連案件を所管)、ポートフォリオ・レビュー・コミッティー(研究開発および製品関連案件を所管)を設置し、各機能間の一層の連携とより迅速で柔軟な業務執行が行われる体制を確保しています。また、「タケダグループの経営管理方針」(「T-MAP」)に定めるところにより、TETに権限が委譲されており、グループ全体として迅速かつ効率的な経営の実現を図っています。
<取締役会について>
当社は取締役会を「会社経営における戦略的な事案や特に重要な事案につき意思決定を行うと同時に、業務執行を監視・監督することを基本機能とする機関」と位置付け、「取締役会規程」に基づいて運営しています。取締役会は、取締役14名(うち3名が女性)のうち11名が社外取締役、また日本人6名・外国籍8名の構成であり(2026年6月17日時点)、原則年8回の開催により、経営に関する重要事項について決議および報告が行われています。2025年度においては、株主総会の招集や付議議案、全社的リスク評価、年間および中期計画、中間業績、四半期決算、計算書類、事業報告、タケダグループの経営管理方針(T-MAP)の改定等のほか、2026年度に向けた組織体制およびエグゼクティブ・リーダーシップチームの変更等の特に重要性の高い議題について議論や意思決定を行いました。また、長期事業予測や研究開発・パイプライン戦略、グローバル事業戦略等を集中的に討議する戦略セッションを開催したほか、社外取締役のみで議論を行うセッションも実施しました。2025年度において取締役会は8回開催され、2025年度末時点で在任中であった社内取締役の全員がすべての取締役会に出席しております。なお、社外取締役の出席状況につきましては、「(2) 役員の状況 ②社外役員の状況」をご参照ください。また、取締役会の独立性をより高めるため、社外取締役が取締役会の議長を務めています。また、取締役候補者の選任や取締役の報酬等の妥当性と決定プロセスの透明性を担保するため、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役を委員長とし、すべての委員が社外取締役で構成されている指名委員会・報酬委員会を設置しています。
<内部監査について>
グループ内部監査部門(部門構成員55名)、グローバルマニュファクチャリング&サプライ部門内のコーポレートEHSS(環境、健康、安全およびサステナビリティ)部門およびグローバルクオリティー部門は、「グループ内部監査基準」、「環境・健康・安全に関するグローバルポリシーとポジション」および「グローバルクオリティーポリシー」に基づき、当社各部門およびグループ各社に対して定期的な内部監査をそれぞれ実施しています。
<タケダ・エグゼクティブ・チーム(TET)について>
社長兼チーフ・エグゼクティブ・オフィサー(社長CEO)および社長CEOへのレポートラインを有する当社グループ各機能を統括する責任者から構成されています。
<ビジネス&サステナビリティ・コミッティー(リスク・サブコミッティーを含む)について>
TETメンバーから構成され、原則月2回の開催により、経営および事業開発案件、リスク関連案件等の業務執行上の重要事項の審議・意思決定を行っています。2025年度において、リスク管理を経営上の重要な意思決定により一層組み込むため、リスク・エシックス&コンプライアンス・コミッティーとビジネス&サステナビリティ・コミッティーを統合し、リスク管理・内部統制を所管するリスク・サブコミッティーを設置することを決定しました。リスク・サブコミッティーは、関連部門の責任者と協議したリスク低減計画やリスク、内部統制に関する事項を必要に応じてビジネス&サステナビリティ・コミッティーへエスカレーションを行います。なお、当該体制は2026年4月から運用を開始しています。
<ポートフォリオ・レビュー・コミッティー(サブコミッティーとして、アーリーパイプライン・コミッティーを含む)について>
TETメンバーに加え、研究開発の主要機能の各責任者から構成され、原則月2-3回開催しています。経営戦略の目標を達成すべく、研究開発ポートフォリオの最適化、すなわち、各パイプラインアセットへの投資を審議・承認することで、研究開発ポートフォリオの構成を決定しています。2025年度において、ポートフォリオに関する意思決定が企業全体の視点から評価され、より包括的かつ整合性のある意思決定をするため、ポートフォリオ・レビュー・コミッティーをパイプラインのステージに応じた2つのコミッティーに分割することを決定しました。ポートフォリオ・レビュー・コミッティーは、第2相臨床試験開始以降のポートフォリオ開発に関する意思決定を行います。アーリーパイプライン・コミッティーは、ポートフォリオへの組み入れから第1相臨床試験終了までの案件に関する意思決定を行います。なお、当該体制は2026年4月から運用を開始しています。
<内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備状況>
当社は、内部統制を、リスクマネジメントと一体となって機能するコーポレート・ガバナンス上の重要な構成要素として捉え、以下のとおり、内部統制システムを整備しています。
当社の内部統制体制の概要図は次のとおりです。

1 当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
・当社は、「私たちの存在意義」、「私たちの価値観:タケダイズム」、「私たちが目指す未来」で構成される「企業理念」を当社グループ全体に浸透させ、これらに基づく企業文化の醸成に努めています。また、当社は、「タケダ・グローバル行動規準」の浸透やエシックス&コンプライアンス・プログラムの構築を行い、コンプライアンス推進体制の強化に努めています。
・当社は、監査等委員会設置会社として、監査等委員会の監査・監督にかかる職務を実効的に遂行できる体制を整えるとともに、取締役会における社外取締役の構成比と多様性を高めることにより取締役会の客観性および視点の幅を向上させています。
・当社は、取締役会の任意の諮問機関として指名委員会および報酬委員会を設置し、両委員会ともに委員長を含めた委員を社外取締役のみで構成することにより、取締役の選任・報酬に関する客観性と公正性を担保しています。2025年度において、指名委員会は4回、報酬委員会は5回開催しました。なお、2025年6月25日に両委員会の委員の改選が行われておりますが、委員のほぼ全員が在任中に開催された全ての委員会に出席しました(ミシェル オーシンガー氏については、報酬委員会に全5回中4回出席)。2025年度の指名委員会の活動として、サクセッションプランの検討、取締役候補者の選任、取締役の後継者計画などについて活発な議論を実施し、取締役会に答申しました。また、2025年度の報酬委員会の活動として、業績連動報酬の目標と結果、当社の中長期計画の達成とビジネス環境への報酬方針の連動性、取締役の報酬額、賞与および業績連動株式ユニット報酬(Performance Share Unit awards)にかかる適切な業績指標(KPI)、報酬の開示などについて検討・議論し、取締役会に答申しました。
両委員会の構成は、下記のとおりです。(2026年6月17日時点)
指名委員会:飯島彰己(委員長)、スティーブン ギリス、東恵美子、ミシェル オーシンガー、ジャン=リュック ブテル、藤森義明(オブザーバーとしてクリストフ ウェバー)
報酬委員会:東恵美子(委員長)、ジョン マラガノア、ミシェル オーシンガー、津坂美樹、キンバリー リード
・当社は、重要案件の審議や意思決定を適正に行うため、以下の経営会議体を設置しています。
o ビジネス&サステナビリティ・コミッティー(リスク・サブコミッティーを含む):経営、事業開発案件およびリスク関連案件を所管
o ポートフォリオ・レビュー・コミッティー(サブコミッティーとして、アーリーパイプライン・コミッティーを含む):研究開発および製品関連案件を所管
・当社は、社長CEOおよび当社グループの各機能を統括するメンバーで構成するTETを設置し、グローバル事業運営体制の強化および当社グループ内の連携を確保しています。
・当社は、当社グループの事業運営体制、意思決定および報告体制、オペレーション上の重要なルールを取りまとめた「タケダグループの経営管理方針」(T-MAP)を整備し、当社グループの全ての部門と子会社に適用しています。また、当社グループの各部門・子会社を管理するTETメンバーは、所管する各部門・子会社におけるオペレーションルールや権限委譲に関するルールを定め、業務の適正を確保しています。
・当社は、ビジネスレジリエンス、環境・健康・安全および不正行為への対応等について、グローバルポリシーを整備し、グループ横断的な管理体制を構築しています。
・当社は、品質管理システム(Quality Management System)およびその要件と手順を定めた文書体系を整備し、その遵守状況の監査・監視を行うことで、当社グループにおける医薬品の研究開発、製造、品質等における業務の適正を確保し、製薬業における法規制(GxP)の遵守を徹底しています。
・当社は、独立した機能であるグループ内部監査部門を設置し、内部監査を通じて組織価値の向上と保全に役立てています。内部監査の結果は、社長CEO、監査等委員会および取締役会に報告されます。なお、グループ内部監査部門は、監査品質のアシュアランスと改善のプログラムを作成・維持し、内部監査を実施しています。
2 取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
当社は、「グローバルRIM(記録・情報管理)ポリシー」を整備し、取締役会議事録、稟議決裁書、その他取締役の職務の執行に係る情報について、適切に保存・管理を行っています。
3 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・当社は、「グローバル ビジネス レジリエンス ポリシー」を策定し、全社的リスク管理、事業継続管理および危機管理を統合的に行っています。
• 当社は、毎年、全社的リスク評価を実施し、リスクの特定と評価を行い、主要リスクの低減等の対応を行っています。
• 当社は、主要リスクや事業に必要不可欠な領域に対して事業継続計画を策定しています。
• 当社は、危機の特定や管理、危機状態からの回復を含めた危機管理計画を策定するとともに、危機発生時には影響の範囲に応じた危機管理委員会を編成して対応することとしています。
• 当社は、「グローバル モニタリング ポリシー」を策定し、ハイリスク事業活動の特定、モニタリングおよび報告に係る体制を構築しています。
• 当社は、当社製品の回収を含め、患者様の安全や品質管理に対応する必要な措置を実施するため、平常時および危機発生時の両方における患者様の安全および品質管理のための体制を整備しています。
4 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・当社は、定款の定めにより、重要な業務執行の決定権限の一部を取締役に委任し、取締役会が経営戦略や内部統制等、当社グループの経営上の最重要事項に集中して討議・意思決定を行える体制を構築しています。
・取締役に委任された事項については、その内容に適した経営会議体で審議、決裁する体制を整備し、機動的かつ効率的な意思決定プロセスを確保しています。
・「取締役会規程」「T-MAP」等の職務権限・意思決定に関する社内規定を整備し、取締役の職務の執行が適正かつ効率的に行われる体制を確保しています。
5 取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
・当社は、企業倫理・コンプライアンスに関する専門部門を設置し、グループ横断的な法令遵守体制を整備しています。
・当社は、行動規準、法令遵守に関するグローバルポリシー(贈収賄禁止、個人情報取扱、インサイダー取引禁止等)その他コンプライアンスに関する規定を定め、関連する研修プログラムを当社グループ全体で実施しています。
・当社は、医療関係者・医療機関、患者・患者団体および、公務員・政府機関等の交流に関し、医薬品企業として必須の法規制遵守にかかわるグローバルポリシーや社内規定を整備しています。
・当社は、潜在的な不正行為の懸念の報告と対応に関するガイドラインを制定するとともに、従業員が機密かつ匿名で内部通報を行うことができるタケダ・エシックスラインを整備しています。
6 財務報告の信頼性を確保するための体制
当社は、トレッドウェイ委員会支援組織委員会(COSO)が公表した「内部統制の統合的枠組み(2013年版)」に基づき、財務報告に関する内部統制の体制を整備・運用し、開示資料の信頼性を確保しています。
7 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方
当社は、「市民社会の秩序または安全に脅威を与える反社会的勢力とは、正常な取引関係を含めた一切の関係を遮断する」ことを基本方針とし、警察当局等との連携や情報収集、社内周知・研修等を実施し、反社会的勢力による被害の未然防止に努めています。
8 監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
当社は、監査等委員会の役割、権限および職務等を規定する「監査等委員会規程」ならびに監査等委員会の監査・監督に関する社内規則を定め、以下の体制を整備しています。
・監査等委員会室を設置し、監査等委員会の指揮命令の下で監査等委員会の職務遂行を補助する専任スタッフを配置しています。
・専任スタッフの任命・異動・評価等に関しては、監査等委員会の同意を要するものとし、取締役からの独立性および当該従業員に対する指示の実行性を確保する体制としています。
・監査等委員会が重要な会議の議事録・資料等を常時閲覧可能な体制を整備するとともに、経営の基本方針・計画に関する事項のほか、子会社および関連会社に関するものを含む重要事項について、監査等委員会に通知されるものとしています。また、当社グループに著しい損害を及ぼすおそれのある事実について、直ちに監査等委員会への報告を要するものとしています。
・監査等委員会に報告を行った取締役および従業員等に対し、当該報告を行ったことを理由として不利な取り扱いを受けない体制を整備しています。
・監査等委員会が、同委員会が指示権を有する内部監査部門、内部統制推進部門および会計監査人と連繋して組織的な監査が行えるよう、環境を整備しています。
・監査等委員会および監査等委員の職務執行のために必要な費用を当社は負担しています。
④ 買収防衛に関する事項
当社では現在、敵対的買収防衛策を導入していません。
⑤ その他コーポレート・ガバナンス体制等に関する事項
<非業務執行取締役との責任限定契約について>
当社は、各非業務執行取締役との間に、会社法第423条第1項の損害賠償責任の限度額を法令の定める額とする契約を締結しております。
<取締役との補償契約について>
当社は、各取締役との間に、会社法第430条の2第1項に規定する同項第1号の費用および同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することを内容とする補償契約を締結しております。
<取締役等を被保険者とする役員等賠償責任保険契約について>
当社は、当社および当社グループの取締役、監査役および管理職従業員を被保険者とする会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しており、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うことまたは当該責任の追及にかかる請求を受けることによって生ずることのある損害(ただし、保険契約上で定められた免責事由に該当するものを除きます。)を当該保険契約により填補することとしております。なお、当該保険契約の保険料は全額を当社が負担しており、被保険者の実質的な保険料負担はありません。
<取締役の定数・取締役の選解任の決議要件に関する別段の定めについて>
・当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く)の定数につき12名以内とし、監査等委員である取締役の定数につき4名以内とする旨を定款に定めております。
・当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨および選任決議は累積投票によらない旨を定款に定めております。
<株主総会決議事項・取締役会決議事項に関する別段の定めについて>
・当社は、資本政策および配当政策を機動的に実施することを目的として、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めております。
・当社は、取締役が職務の執行にあたり期待される役割を十分に発揮できるよう、取締役会の決議により会社法第423条第1項の取締役(および監査役であったもの)の損害賠償責任を、法令の限度において、免除することができる旨を定款に定めております。
・当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
1.2026年6月17日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は以下のとおりです。
男性11名 女性3名 (役員のうち女性の比率21%)
(注) 1 取締役 飯島彰己、イアン クラーク、スティーブン ギリス、東恵美子、ジョン マラガノア、ミシェル オーシンガー、および津坂美樹は、社外取締役であります。
2 取締役 初川浩司、ジャン=リュック ブテル、藤森義明、およびキンバリー リードは、監査等委員である社外取締役であります。
3 所有株式数は、2026年3月31日時点で所有している当社普通株式数であります。交付予定株式数は、株式報酬制度(「役員報酬BIP」)および国内の当社幹部に対する長期インセンティブ制度(「株式付与ESOP」)において権利確定後未交付、および権利確定を予定している当社普通株式数(国外に居住する取締役に付与され、交付後に当社米国預託証券(American Depositary Shares、ADS)に転換される予定の株式数を含む)を含んでおります。役員報酬BIPおよび株式付与ESOPに関連して交付される株式は、譲渡制限付株式ユニット報酬(Restricted Stock Unit awards)および業績連動株式ユニット報酬(Performance Share Unit awards)から構成されます。譲渡制限付株式ユニット報酬は3年間に亘り年に3分の1ずつ権利確定し、業績連動株式ユニット報酬は付与日から3年後に権利確定します。業績連動株式ユニット報酬にかかる株式数には、業績指標の目標達成度が100%であった場合に交付される見込の株式総数が含められています。実際に交付される株式数は、業績指標の目標達成度により増減することがあります。なお、2026年3月31日以降に権利確定した業績連動株式ユニット報酬がある場合、交付予定株式数については確定した業績連動計数の調整を加えております。また本制度に基づく交付予定株式にかかる議決権は、各取締役に将来交付されるまでの間、行使されることはありません。
4 所有ADS数は、2026年3月31日時点で所有している当社米国預託証券の数であり、小数点第1位を四捨五入して表示しております。ADS1株は当社普通株式の0.5株を表章しております。交付予定ADS数は、国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度(「LTIP」)において権利確定後未交付、および権利確定を予定している当社米国預託証券の数を含んでおります。LTIPに関連して交付されるADSは、LTIPにおける譲渡制限付株式ユニット報酬(Restricted Stock Unit awards)および業績連動株式ユニット報酬(Performance Stock Unit awards)から構成されます。譲渡制限付株式ユニット報酬は3年間に亘り年に3分の1ずつ権利確定し、業績連動株式ユニット報酬は付与日から3年後に権利確定します。業績連動株式ユニット報酬にかかるADS数には、業績指標の目標達成度が100%であった場合に交付される見込のADS総数が含められています。実際に交付されるADS数は、業績指標の目標達成度により増減することがあります。なお、2026年3月31日以降に権利確定した業績連動株式ユニット報酬がある場合、交付予定ADS数については確定した業績連動計数の調整を加えております。また本制度に基づく交付予定ADSにかかる議決権は、各取締役に将来交付されるまでの間、行使されることはありません。
5 各取締役(監査等委員である取締役を除く)の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から20263月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
6 各取締役(監査等委員)の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
2.2026年6月24日開催予定の第150回定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く)8名選任の件」および「監査等委員である取締役3名選任の件」を提案しています。
議案が承認可決された場合、役員11名のうち4名が新任となり、7名が再任となる予定です。イアン クラーク、東恵美子、ミシェル オーシンガー、初川浩司、ジャン=リュック ブテル、藤森義明は同日付で退任する予定です。新任の役員は以下の4名であります。
(注) 1 取締役候補者ポール ストフェルスは、社外取締役候補者であります。また、同氏は、補欠の監査等委員である社外取締役候補者でもあります。
2 取締役候補者ブルース ブルサード、および木村浩一郎は、監査等委員である社外取締役候補者であります。
3 役職については、第150回定時株主総会後に執り行う取締役会・監査等委員会で決定する予定です。
4 所有ADS数は、2026年3月31日時点で所有している当社米国預託証券の数であり、小数点第1位を四捨五入して表示しております。ADS1株は当社普通株式の0.5株を表章しております。交付予定ADS数は、国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度(「LTIP」)において権利確定後未交付、および権利確定を予定している当社米国預託証券の数を含んでおります。LTIPに関連して交付されるADSは、LTIPにおける譲渡制限付株式ユニット報酬(Restricted Stock Unit awards)および業績連動株式ユニット報酬(Performance Stock Unit awards)から構成されます。譲渡制限付株式ユニット報酬は3年間に亘り年に3分の1ずつ権利確定し、業績連動株式ユニット報酬は付与日から3年後に権利確定します。業績連動株式ユニット報酬にかかるADS数には、業績指標の目標達成度が100%であった場合に交付される見込のADS総数が含められています。実際に交付されるADS数は、業績指標の目標達成度により増減することがあります。なお、2026年3月31日以降に権利確定した業績連動株式ユニット報酬がある場合、交付予定ADS数については確定した業績連動計数の調整を加えております。また本制度に基づく交付予定ADSにかかる議決権は、各取締役に将来交付されるまでの間、行使されることはありません。
5 各取締役(監査等委員である取締役を除く)候補者の任期は、2026年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
6 各取締役(監査等委員)候補者の任期は、2026年3月期に係る定時株主総会終結の時から2028年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
② 社外役員の状況
2026年6月17日(有価証券報告書提出日)現在の当社の社外取締役の状況は以下のとおりです。
社外取締役の人数・・・・・11名(うち、監査等委員である社外取締役4名)
社外取締役のうち、株式会社東京証券取引所など、当社が上場している金融商品取引所の定めに基づく独立役員(以下、「独立役員」といいます。)に指定されている人数・・・・・11名
飯島彰己氏は、三井物産株式会社の代表取締役社長として、同社のグローバル経営を指揮されました。その後、同社の代表取締役会長兼取締役会議長として経営の監督や取締役会の実効性の向上に注力されるなど、コーポレートガバナンスやリスクマネジメントなどを含む様々な分野においても豊富な経験を有しておられます。
同氏は2021年6月に監査等委員である社外取締役に、2022年6月に監査等委員でない社外取締役に就任し、当社経営に関与しております。また、2022年6月から取締役会議長として取締役会の議事進行に加え、社外取締役による会合での議論をリード頂いております。また、当社取締役会には、社外取締役の立場から積極的に参画頂いており、公平・公正な意思決定と事業活動の健全性確保に貢献しておられます(2025年度開催の取締役会全8回中8回出席)。同氏は、2026年6月時点において、当社株式を保有しておりますが、保有株式数に重要性は無く、同氏と当社との間に人的関係、資本関係、取引関係およびその他の利害関係はありません。社外取締役としての職務を遂行する上で当社の一般株主と利益相反が生じるおそれがある事由はなく、独立性が高いと判断し、独立役員として指定いたしました。
イアン クラーク氏はShire社での社外取締役の経験から、同社のポートフォリオおよび関連する治療分野に深い専門性を有しておられます。また、欧州やカナダのグローバルヘルスケア企業における要職を歴任されており、グローバルヘルスケア事業経営における豊富な経験に基づく高い識見と特にオンコロジー領域のマーケティングおよびヘルスケア企業におけるバイオ技術部門の運営に関する高い専門性を有しておられます。同氏は、2019年1月に社外取締役に就任し、当社経営に関与しております。また、当社取締役会には、社外取締役の立場から積極的に参画頂いており、公平・公正な意思決定と事業活動の健全性確保に貢献しておられます(2025年度開催の取締役会全8回中7回出席)。同氏と当社との間に人的関係、資本関係、取引関係およびその他の利害関係はありません。社外取締役としての職務を遂行する上で当社の一般株主と利益相反が生じるおそれがある事由はなく、独立性が高いと判断し、独立役員として指定いたしました。
スティーブン ギリス氏はShire社での社外取締役の経験から、同社のポートフォリオおよび関連する治療分野に深い専門性を有しておられます。また、同氏は、生物学の博士号を有し、欧米のヘルスケア企業で枢要なポジションを歴任されており、グローバルヘルスケア事業経営における豊富な経験や、特に免疫関連のヘルスケア事業に関する高い専門性を有しておられます。同氏は、2019年1月に社外取締役に就任し、当社経営に関与しております。また、当社取締役会には、社外取締役の立場から積極的に参画頂いており、公平・公正な意思決定と事業活動の健全性確保に貢献しておられます(2025年度開催の取締役会全8回中7回出席)。同氏と当社との間に人的関係、資本関係、取引関係およびその他の利害関係はありません。社外取締役としての職務を遂行する上で当社の一般株主と利益相反が生じるおそれがある事由はなく、独立性が高いと判断し、独立役員として指定いたしました。
東恵美子氏は、米国を中心として投資ファンドのCEO等の要職、また、ヘルスケアやテクノロジーに特化した投資ファンドでのご経験を有しておられ、財務・会計や金融業界、ヘルスケア業界やデータ・テクノロジーについての高度な知識と幅広い経験を有しておられます。同氏は2016年6月に監査等委員でない社外取締役に、2019年6月に監査等委員である社外取締役に、2024年6月には監査等委員でない社外取締役に再就任し、当社経営に関与しております。当社取締役会には、社外取締役の立場から積極的に参画頂いており、公平・公正な意思決定と事業活動の健全性確保に貢献しておられます(2025年度開催の取締役会全8回中8回出席)。同氏は、2026年6月時点において、当社株式を保有しておりますが、保有株式数に重要性はなく、同氏と当社との間に人的関係、資本関係、取引関係およびその他の利害関係はありません。社外取締役としての職務を遂行する上で当社の一般株主と利益相反が生じるおそれがある事由はなく、独立性が高いと判断し、独立役員として指定いたしました。
ジョン マラガノア氏は、製薬業界において30年以上にわたる豊富な経験を有しておられます。また、約20年間、Alnylam Pharmaceuticals社の取締役兼CEOを務められ、それ以前は、Millenium Pharmaceuticals社の役員および経営メンバーを務められました。同氏は、2022年6月に社外取締役に就任し、当社経営に関与しております。また、当社取締役会には、社外取締役の立場から積極的に参画頂いており、公平・公正な意思決定と事業活動の健全性確保に貢献しておられます。(2025年度開催の取締役会全8回中8回出席)。同氏と当社との間に人的関係、資本関係、取引関係およびその他の利害関係はありません。社外取締役としての職務を遂行する上で当社の一般株主と利益相反が生じるおそれがある事由はなく、独立性が高いと判断し、独立役員として指定いたしました。
ミシェル オーシンガー氏は、欧米のグローバルなヘルスケア企業における要職を歴任されており、グローバルヘルスケア事業経営における豊富な経験に基づく高い識見を有しておられます。同氏は2016年6月に監査等委員でない社外取締役に、2019年6月に監査等委員である社外取締役に、2022年6月に監査等委員でない社外取締役に再就任し、当社経営に関与しております。当社取締役会には、社外取締役の立場から積極的に参画頂いており、公平・公正な意思決定と事業活動の健全性確保に貢献しておられます。(2025年度開催の取締役会全8回中8回出席)。同氏と当社との間に人的関係、資本関係、取引関係およびその他の利害関係はありません。社外取締役としての職務を遂行する上で当社の一般株主と利益相反が生じるおそれがある事由はなく、独立性が高いと判断し、独立役員として指定いたしました。
津坂美樹氏は、グローバルビジネス・戦略、データ&デジタルに関する卓越したリーダーシップと幅広い専門知識、およびテクノロジーを活用したイノベーションの推進や価値創造についての識見を有しておられます。また、アジア、ヨーロッパおよび北米の企業との協業を通じ様々な業界におけるグローバル環境下での豊富なご経験と深い識見を有しておられます。同氏は2023年6月に社外取締役に就任し、当社経営に関与しております。当社取締役会には、社外取締役の立場から積極的に参画頂いており、公平・公正な意思決定と事業活動の健全性確保に貢献しておられます(2025年度開催の取締役会全8回中8回出席)。同氏と当社との間に人的関係、資本関係、取引関係およびその他の利害関係はありません。社外取締役としての職務を遂行する上で当社の一般株主と利益相反が生じるおそれがある事由はなく、独立性が高いと判断し、独立役員として指定いたしました。
初川浩司氏は、公認会計士として財務・会計に関する高度な知識と幅広い経験をしておられます。また、監査法人の代表社員やCEO等、トップマネジメントとしてのご経験を有しておられます。同氏は2016年6月に監査等委員である社外取締役に就任し、2019年6月からは監査等委員会委員長として、当社経営に関与しております。当社取締役会には、社外取締役の立場から積極的に参画頂いており、公平・公正な意思決定と事業活動の健全性確保に貢献しておられます。また、当社監査等委員会の目指す未来の実現、すなわち、監督・監査を通じた会社の健全で持続的な成長の確保、中長期的な企業価値の創出の実現および社会的信頼に応える良質な企業統治体制の確立に貢献しておられます。(2025年度開催の取締役会全8回中8回出席)。同氏は、2026年6月時点において、当社株式を保有しておりますが、保有株式数に重要性はなく、同氏と当社との間に人的関係、資本関係、取引関係およびその他の利害関係はありません。社外取締役としての職務を遂行する上で当社の一般株主と利益相反が生じるおそれがある事由はなく、独立性が高いと判断し、独立役員として指定いたしました。
ジャン=リュック ブテル氏は、欧米やアジアのグローバルなヘルスケア企業における要職を歴任されており、グローバルヘルスケア事業経営に関する豊富な経験に基づく高い識見を有しておられます。同氏は2016年6月に監査等委員である社外取締役に、2019年6月に監査等委員でない社外取締役に、2024年6月に監査等委員である社外取締役に再就任し、当社経営に関与しております。当社取締役会には、社外取締役の立場から積極的に参画頂いており、公平・公正な意思決定と事業活動の健全性確保に貢献しておられます。また、当社監査等委員会の目指す未来の実現、すなわち、監督・監査を通じた会社の健全で持続的な成長の確保、中長期的な企業価値の創出の実現および社会的信頼に応える良質な企業統治体制の確立に貢献しておられます(2025年度開催の取締役会全8回中8回出席)。同氏と当社との間に人的関係、資本関係、取引関係およびその他の利害関係はありません。社外取締役としての職務を遂行する上で当社の一般株主と利益相反が生じるおそれがある事由はなく、独立性が高いと判断し、独立役員として指定いたしました。
藤森義明氏は、世界的な米国企業およびその日本法人、また他社に先んじてグローバル展開を進めた日本企業におけるCEO等の要職を歴任され、企業のグローバル経営やヘルスケア業界における豊富な経験に基づく高い識見を有しておられます。同氏は2016年6月に監査等委員でない社外取締役に、2022年6月に監査等委員である社外取締役に就任し、当社経営に関与しております。当社取締役会には、社外取締役の立場から積極的に参画頂いており、公平・公正な意思決定と事業活動の健全性確保に貢献しておられます。また、当社監査等委員会の目指す未来の実現、すなわち、監督・監査を通じた会社の健全で持続的な成長の確保、中長期的な企業価値の創出の実現および社会的信頼に応える良質な企業統治体制の確立に貢献しておられます(2025年度開催の取締役会全8回中8回出席)。同氏は、2026年6月時点において、当社株式を保有しておりますが、保有株式数に重要性はなく、同氏と当社との間に人的関係、資本関係、取引関係およびその他の利害関係はありません。社外取締役としての職務を遂行する上で当社の一般株主と利益相反が生じるおそれがある事由はなく、独立性が高いと判断し、独立役員として指定いたしました。
キンバリー リード氏は、女性として初めて、米国公認の輸出信用機関である米国輸出入銀行(EXIM)のチェアマン、プレジデント兼CEOを務め、競争の激しいグローバル市場における企業の成長に尽力されました。また、同氏は、国際財団や米国におけるコミュニティ開発金融機関での要職、米国政府のシニアアドバイザー、米国議会委員会の顧問を務められるなど、米国内外において多様な経験を有しておられます。同氏は、これらご経歴を通してグローバルビジネス、法律・規制・公共政策、財務・会計についての分野において、豊富なリーダーシップと幅広い専門知識を有しておられます。同氏は2022年6月に監査等委員である社外取締役に就任し、当社経営に関与しております。当社取締役会には、社外取締役の立場から積極的に参画頂いており、公平・公正な意思決定と事業活動の健全性確保に貢献しておられます。また、監査等委員会の目指す未来の実現、すなわち、監督・監査を通じた会社の健全で持続的な成長の確保、中長期的な企業価値の創出の実現および社会的信頼に応える良質な企業統治体制の確立に貢献しておられます。(2025年度開催の取締役会全8回中8回出席)。同氏と当社との間に人的関係、資本関係、取引関係およびその他の利害関係はありません。社外取締役としての職務を遂行する上で当社の一般株主と利益相反が生じるおそれがある事由はなく、独立性が高いと判断し、独立役員として指定いたしました。
・社外取締役のサポート体制
社外取締役に対しては、その適確な判断に資するために、各部門の連携のもと経営に関わる重要事項に関する情報を遅滞なく提供するとともに、取締役会の議題内容の事前説明を行っています。監査等委員でない社外取締役との調整業務はBOD&CEOオフィスが担当しています。監査等委員である社外取締役に対しては、専任のスタッフ部門である監査等委員会室が職務補助および監査等委員会の事務局を担当し、監査等委員会等で監査等の職務に必要な情報を共有しています。
(3) 【監査の状況】
① 監査等委員会監査の状況
1. 監査等委員会監査の組織、人員及び手続
監査等委員会の組織、人員及び手続については、「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 機関構成・組織運用等に係る事項 <監査等委員会関係>」ならびに「(2)(「役員の状況」①役員一覧 ②社外役員の状況」を参照ください。
2. 監査等委員及び監査等委員会の活動状況
当年度において当社は監査等委員会を8回開催し、1回あたりの所要時間は約3時間でした。個々の監査等委員の出席状況は次のとおりです。
当年度においては、以下に示す監査活動を通じて得た情報を基に、主に監査の方針および実施計画、取締役等の職務執行の状況、内部統制システムの整備・運用状況、会計監査人の監査の方法および結果の相当性等について、検討・議論を行い、必要に応じて取締役や執行部門に提言を行いました。
監査活動の概要
② 内部監査の状況
内部監査の組織、人員、手続については、「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 業務執行に係る事項 <内部監査について>」および「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 業務執行に係る事項 <内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備状況> 1 当社グループにおける業務の適正を確保するための体制」を参照ください。また、内部監査、監査等委員会及び会計監査の相互連携については、「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 機関構成・組織運用等に係る事項 <監査等委員会関係>」を参照ください。
③ 会計監査の状況
1.監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
2.継続監査期間
19年間
3.業務を執行した公認会計士
西田直弘氏(継続監査年数2年)、羽太典明氏(継続監査年数1年)、難波宏暁氏(継続監査年数6年)
4.監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 38名、その他 109名
5.監査法人の選定方針と理由
監査等委員会は、会計監査人の専門性、監査品質、独立性、および、当社のグローバルな事業運営に対する監査および品質管理体制等を総合的に勘案しうる選任基準を策定しており、その基準に照らして、有限責任 あずさ監査法人を当社の会計監査人として選定しております。
なお、監査等委員会は、会計監査人が、会社法第340条第1項各号所定の解任事由に該当すると判断された場合、あるいは、監査業務停止処分を受ける等当社の監査業務に重大な支障を来たす事態が生じた場合には、監査等委員の全員の同意に基づき、会計監査人を解任いたします。また、監査等委員会は、会計監査人の監査品質、品質管理、独立性等を勘案いたしまして、再任もしくは不再任の決定を行います。
6.監査等委員会による監査法人の評価
監査等委員会は、「会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針」(日本監査役協会)に沿って会計監査人の評価基準を策定しており、その基準に基づいて有限責任 あずさ監査法人の専門性、監査品質、独立性等について年次評価を実施しております。
④ 監査報酬の内容等
1. 監査公認会計士等に対する報酬
前年度における当社の非監査業務の内容は、社債発行時のコンフォートレター作成等であります。
当年度における当社の非監査業務の内容は、新システム導入に係るリスクおよび内部統制の設計に関する評価業務および社債発行時のコンフォートレター作成等であります。
2. 監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMG)に対する報酬(監査公認会計士等に対する報酬を除く)
前年度および当年度における当社の非監査業務の主な内容は、特定のサステナビリティ情報に関する限定的保証業務であります。
前年度および当年度における連結子会社の非監査業務の主な内容は、現地の法令に基づく保証業務等であります。
3. その他の重要な監査証明業務に関する報酬
前年度および当年度は、その他重要な監査証明業務に関する報酬はありません。
4. 監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士等に対する監査報酬の決定方針といたしましては、監査業務実態を勘案して見積もられた監査予定工数から算出された金額について、監査等委員会の同意を得て監査報酬として決定するよう定めております。また、監査公認会計士等が当社および連結子会社に業務を提供する際には、監査等委員会が監査公認会計士等の独立性について確認のうえ、事前承認を行っております。
5.会計監査人の報酬等に監査等委員会が同意した理由
監査等委員会は、会計監査人の監査計画、監査実施状況および報酬見積りの算定根拠等を検討した結果、会計監査人の報酬等の額につき、会社法第399条第1項の同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当社は、役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針について、下記「取締役報酬ポリシー」を策定し、この方針に基づいた考え方および手続きに則って取締役報酬の構成および水準を決定しています。
当社の役員の報酬等に関する株主総会決議についてその内容と決議年月日は以下のとおりです。
(1)取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等について
[1] 取締役(監査等委員である取締役を除く。以下本(1)において同じ)の基本報酬額は、月額150百万円以内(うち社外取締役分は月額30百万円以内)(2016年6月29日開催の第140回定時株主総会決議による、決議当時の対象取締役は11名(うち社外取締役は6名))となります。
[2] 2025年度に係る取締役の賞与について、当社は、2026年6月24日開催予定の第150回定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役 (監査等委員である取締役を除く)賞与の支給の件」を付議しており、原案どおりに承認可決された場合、当該議案に定める賞与の支給額の上限260百万円の範囲内で第149期末時点の取締役2名(国外居住の取締役および社外取締役を除く)に支給されることになります。
[3] 株式報酬(業績連動株式ユニット報酬および譲渡制限付株式ユニット報酬)は、2019年6月27日開催の第143回定時株主総会決議に基づくものであり、この株式報酬のために拠出する金銭の上限額および上限株式数は交付対象者に応じ、次のとおりです。
(a) 交付対象者を国外居住の取締役を除く社内取締役(決議当時の交付対象取締役は3名)とするもの
各事業年度において連続する3事業年度を対象として45億円を上限として拠出(付与される株式数の上限は左記の上限額を各年度の所定の日の東京証券取引所における当社株式の終値で除して得られる数)
(b) 交付対象者を社外取締役(決議当時の交付取締役は8名)とするもの
各事業年度を対象として3億円を上限として拠出(付与される株式数の上限は左記の上限額を各年度の 所定の日の東京証券取引所における当社株式の終値で除して得られる数)
(2)監査等委員である取締役の報酬等について
[1] 監査等委員である取締役の基本報酬額は、月額15百万円以内(2016年6月29日開催の第140回定時株主総会決議による。決議当時の対象取締役は4名)において、役職別に定額としています。
[2] 株式報酬(譲渡制限付株式ユニット報酬)は、2019年6月27日開催の第143回定時株主総会決議に基づくものであり(決議当時の交付対象取締役は4名)、各事業年度を対象として2億円を上限として拠出し、各年度の所定の日の東京証券取引所における当社株式の終値で除して得られる数を付与される株式数の上限とします。
当社の役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定権限は、取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等については取締役会、監査等委員である取締役の報酬等については監査等委員会が有します。
また、当社では報酬等の妥当性と決定プロセスの透明性を担保するため、取締役会の諮問機関として、全ての委員を社外取締役とする報酬委員会を設置しています。取締役の報酬水準、報酬構成および業績連動報酬(長期インセンティブプランおよび賞与)の目標設定等は、報酬委員会での審議を経た上で取締役会に答申され、決定されます。
監査等委員でない社内取締役(なお、当社では、監査等委員である社内取締役は不在であり、「(4) 役員の報酬等」におきまして、以下、単に「社内取締役」と表記いたします。)の個別の報酬額の決定については、取締役会決議をもって、報酬委員会に委任することとしており、個別の報酬の決定にあたり、より客観性・透明性の高いプロセスを実現しております。
2025年度末において、報酬委員会は5名の委員で構成されており、全ての委員は独立社外取締役となります。
委員長:東 恵美子(社外取締役) 委員:ジョン マラガノア(社外取締役) ミシェル オーシンガー(社外取締役) 津坂 美樹(社外取締役) キンバリー リード(監査等委員である社外取締役)
なお、2025年度における当社の役員の報酬等の額の決定過程における報酬委員会の活動として、2025年度においては、報酬委員会を5回開催しました。会議の重点事項と議題は、当社の年次報酬およびガバナンスサイクルを反映しています。2025年度の報酬委員会は、引き続きSemler Brossy社(報酬委員会に直接起用され、当社と他の契約を有していません。)を独立した報酬コンサルタントとして採用しました。独立した報酬コンサルタントの助言を基に、報酬委員会は、当社の役員報酬制度に、常に患者さんを中心に考え、私たちの価値観に基づくグローバルな研究開発型バイオ医薬品のリーディングカンパニーとしての役員報酬の枠組みをいかに反映し、進展させていくかに引き続き焦点を置きました。そのなかで、報酬委員会は、業績連動報酬の目標と結果、会社の中長期計画の達成とビジネス環境への報酬方針の連動性、取締役の報酬額、賞与および業績連動株式ユニット報酬に適した業績指標(KPI)、報酬の開示などについて検討議論し、報酬委員会はさらに取締役会にガイダンスを提供しました。また、取締役会は、報酬委員会の答申を受け、監査等委員でない社外取締役の報酬について決定をしました。
当社の役員報酬は、業績連動報酬と業績連動報酬以外の報酬等により構成されています。その支給割合の決定方法は後述の当社「取締役報酬ポリシー」に記載されている方針と意思決定プロセスに基づいて決定されています。
社内取締役の報酬制度は、各社内取締役のターゲット報酬の大部分を、当社の事業目標および戦略に直接関連する予め設定された主要業績指標(KPI)の達成に結びつけることで、報酬と業績を連動させるように設計されています。
業績連動報酬のうち、賞与は、社内取締役を支給対象とし、将来の持続的な成長の可能性と長期的な株主価値の創出につながる短期的な年次計画達成へのインセンティブを目的として導入しております。
加えて、業績連動株式ユニット報酬および譲渡制限付株式ユニット報酬による長期インセンティブプランは、当社の長期的な戦略と株主価値の創出との整合を図るため、社内取締役のターゲット報酬機会の最大の構成要素となっています。そして、社内取締役に対する長期インセンティブプランのうち業績連動株式ユニット報酬の比率を60%としています。
さらに、当社の報酬制度は、目標を達成した場合にのみターゲット報酬が実現されるよう設計されています。例えば、業績連動株式ユニット報酬は、売上収益や利益の達成度、研究開発パイプラインの進捗、相対的な株主総利回り(TSR)パフォーマンスなどに直接影響されます。財務・非財務KPIの実績が目標を下回った場合や、相対的TSRがピア・グループの中央値を下回った場合、交付ポイント・ユニット数は業績連動株式ユニット報酬ターゲット(基準ポイント・ユニット数)を下回ります。この実現可能な長期インセンティブプランの報酬額は、さらに株価が付与時の価格を下回った場合に減少します。
2025年度は、賞与に係る全社業績指標として、当社の業績評価のための財務指標として継続的に使用している業績指標(KPI)である、Core売上収益、成長製品・新製品のCore売上収益増加額およびCore営業利益を採用し、『目標とする経営指標(マネジメントガイダンス)』の達成に資する単年度の目標数値を、報酬委員会の答申を経て取締役会において設定いたしました。
また、部門業績指標は、CEOを例外として、各部門を担当する取締役の責任・役割に応じて定めることとし、営業部門については売上収益等、研究部門については研究開発目標等が含まれます。当該指標の目標値は、グループ全体目標の達成のために各部門が取り組む年間計画に基づき設定いたしました。
なお、2025年度の賞与において、CEOについては、100%を全社業績指標の達成度と連動させています。責任部門をもつその他の社内取締役については、75%を全社業績指標の達成度と連動させ、当社グループ全体の目標へ向かう原動力とする一方で、25%を部門業績指標の達成度に連動するように構成いたしました。
賞与支払額の計算方法は以下のとおりです。
賞与ターゲットは、グローバルに事業展開する企業の報酬構成を参考に、基本給の100%~250%程度としています。
なお、2025年度において、CEOの賞与ターゲット(%)は基本給の150%、CEO以外の社内取締役(CFOおよびリサーチ&デベロップメント プレジデント)の賞与ターゲット(%)は、それぞれ基本給の100%および110%でした。取締役個人毎の賞与額は、該当する場合、連結会社からの賞与額が含まれます。
業績連動係数(KPIに係る支給率)は、連結売上収益および各種収益指標等の単年度の目標達成度に応じて0%~200%の比率で変動します。全社業績指標の支給スコアは、事前に設定された業績目標および支給スコアの範囲に基づき計算され、決定されます。
賞与に係る全社の業績指標の目標と2025年度の実績は以下のとおりです。
(注)特定の国における超インフレによる影響額を取り除くために実施した調整により、支給スコアが減少しました。
2025年度の全社KPIに係る支給率は、2026年1月に公表したマネジメントガイダンスの引き下げと整合し、2024年度の支給率(注)に対して大きく下回りました。その結果、第150回定時株主総会の第5号議案において提案している2025年度に係る賞与額は、2024年度に係る賞与の支給額実績よりも40%超低くなっています。
(注)2024年度賞与(STI)の全社KPIに係る支給率は149.1%でした。
なお、CEO以外の社内取締役に対する賞与に用いられる各部門KPIにつきましては、各部門の業績を明確に把握できるよう各部門の特色に応じたKPIを設定しております。Core財務指標の定義については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「④当社グループが定義および表示するIFRSに準拠しない補足的財務指標」にありますCore財務指標の定義をご参照ください。
社内取締役の長期インセンティブプランについて、60%をパフォーマンス・シェア・ユニット(Performance Share Units)を参考に制度設計されたプラン(業績連動株式ユニット報酬)、40%を譲渡制限付株式ユニット(Restricted Stock Units)を参考に制度設計されたプラン(譲渡制限付株式ユニット報酬)とする株式報酬制度を導入し、報酬と会社業績や株価との連動性を高め中長期的な企業価値の増大へのコミットメントを強められるようにしています。
長期インセンティブプランのうちの業績連動株式ユニット報酬については、各社内取締役に付与する基準ポイントの60%をもとに、以下の算式により算出された株式交付ポイントを社内取締役に付与します。
業績連動係数(PSUスコア)は、3年度(業績評価期間)後の目標値に対する連結売上収益、各種収益指標、研究開発指標等に応じ、0%~200%の比率で変動します。
当社業績目標の達成度等に応じて算出される株式交付ポイントに基づいて社内取締役に対して交付される当社の株式の数は、1ポイント当たり1株として決定されます。株式交付ポイントの付与を受けた一定期間後に、当該株式交付ポイントの50%について当社株式を交付し、また残りについては換価した上で、換価相当額の金銭を給付しております。
2025年に付与された2028年に権利確定予定の業績連動株式ユニット報酬の業績指標(KPI)は、3年間のCore売上収益の累計、3年間のCore営業利益の累計並びに研究開発承認数、重要な臨床試験の開始およびその他重要事象であります。
業績連動株式ユニット報酬の2023年度から2025年度にわたる当該3年度の業績指標の目標達成度は以下のとおりとなりました。
(注)1 各KPIは、当社の長期戦略と株主利益を整合させつつ、グローバルで重要な人材の確保を促進するための指標として設定したものです。
2 特定の国における超インフレによる影響額を取り除くために実施した調整により、支給スコアが減少しました。
3 研究開発マイルストンは、重要な臨床試験の開始、規制当局による承認およびその他重要なパイプラインのマイルストンに関連した特定の目標を含み、当社Scientific Advisory Group(SAG)の助言を受けて、報酬委員会および取締役会により毎年審議および承認されています。
4 研究開発KPIの支給スコアは、3年間の業績評価期間における重要な臨床試験の開始、規制当局による承認およびその他重要なパイプラインのマイルストンを含む、取締役会の承認により事前に設定された重要なマイルストンの達成を反映しています。目標達成度と支給スコアは、SAGの助言を受けて報酬委員会により評価および決定されます。この枠組みは、研究開発の成果と取締役の報酬を連動させるよう設計されており、業績の目標未達および目標超過達成の双方に対して感応的に反映されることで、研究開発の実績とインセンティブ報酬との直接的な連動を確保しています。
• 目標未達:96.8%(2018–2020年度)、91.3%(2019–2021年度)、76.2%(2020–2022年度)—特定の業績の後退により支給額が低水準となったことを示しています。
• 目標超過達成:112.6%(2021–2023年度)、143.3%(2022–2024年度)—米国における3件の新規候補物質の承認や後期臨床試験の加速といった顕著な成果を反映しており、支給額が高水準となったことを示しています。
5 当社の3年間のTSRは51.0%となり、ピア・グループの中で57パーセンタイルに位置したことで、総合結果に対する調整は0パーセンテージポイント(調整なし)となりました。
なお、2023-2025年度の役員報酬BIPによるCEOの業績連動株式ユニット報酬の基準ポイントは120,610ポイント、2023-2025年度の株式付与ESOPによるCFOの業績連動株式ユニット報酬の基準ポイントは11,928ポイントでした。加えて、2023-2025年度の国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度(LTIP)によるCEOの基準ユニットは126,334ユニット(ADSで交付)、リサーチ&デベロップメント プレジデントの基準ユニットは162,316ユニット(ADSで交付)でした。取締役個人毎の業績連動株式ユニット報酬の交付数は、該当する場合、連結会社からの交付数が含まれます。
長期インセンティブプランのうちの譲渡制限付株式ユニット報酬については、対象者である各取締役の職務内容や責任等に応じて付与する基準ポイントをもとに、会社業績にかかわらず、以下の対象者毎に以下の割合を乗じることで算出された株式交付ポイントを各取締役に付与します。
株式交付ポイントに基づいて各取締役に対して交付される当社の株式の数は、1ポイント当たり1株として決定されます。社内取締役については毎年株式交付ポイントの付与を受けた一定期間後に、また、監査等委員でない社外取締役および監査等委員である取締役については、基準ポイントの付与日から3年経過後に、当該株式交付ポイントの50%について当社株式を交付し、また残りについては換価した上で、換価相当額の金銭を給付しております。
② 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
(注)1 使用人兼務取締役の使用人分給与および使用人分賞与並びに連結子会社の取締役または従業員を兼務する取締役が連結子会社から支給を受けた報酬等は含まれていません。
2 監査等委員である取締役は、すべて社外取締役であります。
3 当社は、2026年6月24日開催予定の第150回定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く)賞与支給の件」を付議しており、上記は当該議案が承認可決された場合の賞与額となります。
4 上記の報酬等のうち、業績連動株式ユニット報酬は業績連動報酬等および非金銭報酬等の双方に該当しますが、業績連動報酬等として表示しております。
5 国外居住の社外取締役7名を対象として、報酬等の為替による影響を調整するため、総額92百万円を追加支給いたしました。
6 上記のほか、前年度末日までに退任した取締役(監査等委員を除く)2名に対して在任中に付与した業績連動株式ユニット報酬および譲渡制限付株式ユニット報酬につき、当年度において、それぞれ172百万円、29百万円の費用を計上しております。
7 上記のほか、2026年6月24日開催予定の第150回定時株主総会終結の時をもって退任となる取締役(監査等委員を除く)1名に対して在任中に付与した業績連動株式ユニット報酬および譲渡制限付株式ユニット報酬につき、当該退任に伴い加速的一括費用認識を行った結果、当年度において、それぞれ498百万円、165百万円の費用を追加計上しております。
③ 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等(社内取締役)
(注) 1 当社は、2026年6月24日開催予定の第150回定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く)賞与支給の件」を付議しており、上記の提出会社の賞与は当該議案が承認可決された場合の金額となります。
2 業績連動株式ユニット報酬および譲渡制限付株式ユニット報酬は報酬の対象期間に応じて、複数年度にわたって費用を計上する報酬制度であり、当年度に費用計上した額を記載しています。
3 上記の報酬等のうち、業績連動株式ユニット報酬は業績連動報酬等および非金銭報酬等の双方に該当しますが、業績連動報酬等として表示しております。
4 武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc. グローバル事業責任者(Head of Global Business)としての給与および賞与を記載しています。
5 基本報酬には、住宅や年金等の相当額およびこれに対する税金相当額(137百万円)を含みます。
6 2022年度から2025年度に付与した株式報酬制度(役員報酬BIP信託)のうち、当年度に費用計上した額です。
7 2023年度から2025年度に付与した国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度(LTIP)のうち、当年度に費用計上した額です。
8 米州武田開発センター Inc.リサーチ&デベロップメントプレジデントとしての給与等を記載しています。
9 2022年度から2025年度に付与した国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度(LTIP)のうち、当年度に費用計上した額です。
10 アンドリュー プランプ取締役に対して当年度に米州武田開発センター Inc.から支払われた、現地の年金拠出金、フリンジ・ベネフィット相当額およびこれに対する税金相当額です。
11 基本報酬には、年金等の相当額(7百万円)を含みます。
12 2024年度から2025年度に付与した株式報酬制度(役員報酬BIP信託)のうち、当年度に費用計上した額です。
13 上記のほか、2024年6月26日開催の第148回定時株主総会終結の時をもって退任したコンスタンティン サルウコスに対して株式報酬制度(役員報酬BIP信託)により2022年度から2023年度に付与した業績連動株式ユニット報酬および譲渡制限付株式ユニット報酬につき、当年度において、それぞれ151百万円、28百万円の費用を計上しております。
14 上記のほか、2023年6月28日開催の第147回定時株主総会終結の時をもって退任した岩﨑真人に対して株式報酬制度(役員報酬BIP信託)により2022年度に付与した業績連動株式ユニット報酬および譲渡制限付株式ユニット報酬につき、当年度において、それぞれ21百万円、1百万円の費用を計上しております。
15 上記のほか、2026年6月24日開催予定の第150回定時株主総会終結の時をもって退任となるクリストフ ウェバーに対して株式報酬制度(役員報酬BIP信託)により在任中に付与した業績連動株式ユニット報酬および譲渡制限付株式ユニット報酬につき、当該退任に伴い加速的一括費用認識を行った結果、当年度において、それぞれ498百万円、165百万円の費用を追加計上しております。
16 上記のほか、2026年6月24日開催予定の第150回定時株主総会終結の時をもって武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.を退職するクリストフ ウェバーに対して国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度(LTIP)により同社在籍中に付与した業績連動株式ユニット報酬および譲渡制限付株式ユニット報酬につき、当該退職に伴い加速的一括費用認識を行った結果、当年度において、それぞれ281百万円、94百万円の費用を追加計上しております。
④ 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等(社外取締役)
(注)1 譲渡制限付株式ユニット報酬は報酬の対象期間に応じて、複数年度にわたって費用を計上する報酬制度であり、当年度に費用計上した額を記載しています。
2 国外居住の社外取締役を対象として、為替による影響を調整した報酬等の費用額を記載しています。
⑤ 使用人分・連結子会社からの報酬等の総額、使用人分報酬等の種類別の総額と対象となる役員の員数
(注)1 上記は、クリストフ ウェバー取締役の武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc. グローバル事業責任者(Head of Global Business)としての給与等並びにアンドリュー プランプ取締役の米州武田開発センター Inc. リサーチ&デベロップメントプレジデントとしての給与等を合計したものです。
2 上記のほか、2026年6月24日開催予定の第150回定時株主総会終結の時をもって武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.を退職するクリストフ ウェバーに対して国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度(LTIP)により同社在籍中に付与した業績連動株式ユニット報酬および譲渡制限付株式ユニット報酬につき、当該退職に伴い加速的一括費用認識を行った結果、当年度において、それぞれ281百万円、94百万円の費用を追加計上しております。
⑥ 役員の報酬等の額の決定に関する方針
「取締役報酬ポリシー」
当社の取締役報酬制度は、当社経営の方針を実現するために、コーポレートガバナンス・コードの原則(プリンシプル)に沿って、以下を基本方針としております。
1.基本方針
・「当社のVision」の実現に向けた優秀な経営陣の確保・リテンションと動機付けに資するものであること
・常に患者さんに寄り添うという当社の価値観をさらに強固なものとする一方で、中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めるものであること
・会社業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性が高いものであること
・株主との利益意識の共有や株主重視の経営意識を高めることを主眼としたものであること
・タケダイズムの不屈の精神に則り、取締役のチャレンジ精神を促すものであること
・ステークホルダーの信頼と支持を得られるよう、透明性のある適切な取締役報酬ガバナンスを確立すること
2.報酬水準の考え方
企業価値を追求する、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業への変革を牽引し続ける人材を確保・保持するため、グローバルに競争力のある報酬の水準を目標とします。
取締役報酬の水準については、グローバルに事業展開する主要企業の水準を参考に決定しています。具体的には、外部データを活用した上で、取締役の役職毎に、当社の競合となる主要なグローバル製薬企業の報酬水準および日本・米国・スイスの主要企業の報酬水準をベンチマークとしています。
3.報酬の構成
3-1.社内取締役
社内取締役の報酬は、定額の「基本報酬」(基本給およびその他固定報酬(該当する場合))と、会社業績等によって支給額が変動する「業績連動報酬」とで構成します。「業績連動報酬」はさらに、事業年度ごとの財務的およびその他業績に基づく「賞与」と、3か年にわたる長期的な会社業績および当社株価に連動する「長期インセンティブプラン」(株式報酬)で構成します。取締役報酬のうち「賞与」および「長期インセンティブプラン」は、会社の業績にあわせて変動するようその割合を大きく高めています。当社社内取締役と当社株主の利益を一致させ、中長期的に企業価値の増大を目指すため、業績連動報酬のうち特に「長期インセンティブプラン」の割合を高めています。グローバルに事業展開する企業の報酬構成を参考に、「賞与」は基本給の100%~250%程度、「長期インセンティブプラン」は基本給の200%~600%程度とします。
・社内取締役の標準的な報酬構成モデル

* 賞与および長期インセンティブプランの基本給に対する割合は、社内取締役のポジションに応じて決まります。
3-2.監査等委員でない社外取締役
監査等委員でない社外取締役の報酬は、定額の「基本報酬」と「長期インセンティブプラン」(株式報酬)とで構成します。基本報酬の一部として、取締役会議長、報酬委員会委員長、指名委員会委員長には、取締役会報酬に加えて議長・委員長手当が支給されます。賞与の支給はありません。
現在の報酬構成は、「基本報酬」を基準として「長期インセンティブプラン」は取締役会報酬の100%程度を上限としております。また、国外居住の監査等委員でない社外取締役について、為替の影響を考慮し、報酬額の調整を実施することがあります。
・監査等委員でない社外取締役の標準的な報酬構成モデル

3-3.監査等委員である取締役
監査等委員である取締役の報酬は、定額の「基本報酬」と「長期インセンティブプラン」(株式報酬)とで構成します。基本報酬の一部として、監査等委員である社外取締役には、取締役会報酬に加えて委員会手当が支給され、監査等委員会委員長、報酬委員会委員長、指名委員会委員長である社外取締役には、委員長手当が支給されます。賞与の支給はありません。
現在の報酬構成は、「基本報酬」を基準として「長期インセンティブプラン」は取締役会報酬の100%程度を上限としております。また、国外居住の監査等委員である社外取締役について、為替の影響を考慮し、報酬額の調整を実施することがあります。
・監査等委員である取締役の標準的な報酬構成モデル

4.業績連動報酬
4-1.社内取締役
社内取締役の「長期インセンティブプラン」については、中長期的な企業価値の増大に対するコミットメントを高めるべく、60%をパフォーマンス・シェア・ユニット(Performance Share Units)を参考に制度設計されたプラン(業績連動株式ユニット報酬)、40%を譲渡制限付株式ユニット(Restricted Stock Units)を参考に制度設計されたプラン(譲渡制限付株式ユニット報酬)とする株式報酬制度を導入しています。業績連動株式ユニット報酬は、会社業績に連動し、報酬と会社業績や株価との連動性を高めています。譲渡制限付株式ユニット報酬は、当社株価にのみ連動しています。
業績連動株式ユニット報酬
業績連動報酬等に該当する業績連動株式ユニット報酬は、最新の中長期的な会社業績目標(3年度後の3月期の目標値)に連動させるとともに、その業績指標として、透明性・客観性のある指標である連結売上収益、各種収益指標、研究開発指標等を採用します。なお、業績連動株式ユニット報酬の支給率は、業績指標の目標達成度等に応じて0%~200%(目標:100%)の比率で変動します。2019年度以降に付与される株式報酬(譲渡制限付株式ユニット報酬を含む)については、株式が交付されてから2年間の保有期間を設けています。
・各年度の業績に応じた業績連動株式ユニット報酬のイメージ

特別な業績連動株式ユニット報酬
通常の株式報酬に加えて、株主の期待に沿った企業戦略に直結する特別かつ一時的な業績連動株式ユニット報酬を状況に応じて支給することがあります。特別かつ一時的な業績連動株式ユニット報酬の業績指標は、3年間にわたり各年度ごとに独立して設定され、かかる株式報酬は、各年度の業績に基づき、交付または給付されます。特別かつ一時的な業績連動株式ユニット報酬により交付された株式については、交付後の保有期間は設定されません。
・特別な業績連動株式ユニット報酬のイメージ

年次賞与
年次計画達成へのインセンティブを目的として賞与を付与します。賞与は、業績指標として採用する連結売上収益および各種収益指標等の単年度の目標達成度に応じて0%~200%(目標:100%)の比率で変動します。CEOについては、100%を全社業績指標の達成度と連動させています。責任部門をもつその他の社内取締役については、75%を全社業績指標の達成度と連動させ、当社グループ全体の目標へ向かう原動力とする一方で、25%を部門業績指標の達成度に連動するように構成しています。なお、2026年度から、CEO以外の社内取締役の賞与の25%について、部門業績指標の達成度への連動を廃し、個人業績への連動とします。
4-2.監査等委員である取締役および社外取締役
監査等委員である取締役および社外取締役の「長期インセンティブプラン」は、会社業績に連動せず当社株価にのみ連動する譲渡制限付株式ユニット報酬であり、2019年度以降に付与される株式報酬は算定の基礎となる基準ポイントの付与日から3年経過後に交付または給付され、交付された株式については退任時まで少なくともその75%を保有することが求められます(なお、2018年度以前に付与された株式報酬は退任時に交付または給付されます)。賞与の支給はありません。
・取締役報酬制度の全体像

*1 特別な業績連動株式ユニット報酬を含む
*2 業績指標として採用する連結売上収益および各種収益指標等の単年度の目標達成度に応じて0%~200%の比率で変動
*3 業績指標として採用する連結売上収益、各種収益指標、研究開発指標等の3年度(3年間の業績評価期間)後の目標達成度等に応じて0%~200%の比率で変動
*4 在任中
*5 算定の基礎となる基準ポイントの 付与日から3年経過後に交付または給付
5.報酬ガバナンス
5-1. 報酬委員会
当社取締役の報酬等の妥当性と決定プロセスの透明性を担保するため、取締役会の諮問機関として、全ての委員を社外取締役とする報酬委員会を設置しています。取締役の報酬水準、報酬の構成および業績連動報酬(長期インセンティブプランおよび賞与)の目標設定等は、報酬委員会での審議を経た上で取締役会に答申され、決定されます。また、取締役会決議をもって、社内取締役の個別の報酬額の決定を報酬委員会に委任することとしており、個別の報酬の決定にあたり、より客観性・透明性の高いプロセスを実現しております。なお、当社コーポレート・ガバナンスの透明性の更なる向上を図るべく、当社の報酬委員会規程について、ガバナンス関連規程文書の一つとして、外部開示しております。取締役報酬の基本方針を変更する際には、タケダイズムに則り、株主価値の創出を目指すとともに、取締役が果たすべき役割と責任に応じた報酬制度とします。
5-2. 報酬返還(クローバック)ポリシー
当社の報酬委員会および取締役会は、報酬返還(クローバック)ポリシーを2020年に導入し、2023年に本ポリシーを改定しました。改定後のポリシーは、財務諸表の修正再表示(過去の財務諸表における誤りの訂正を財務諸表に反映すること)が発生した場合、当社は、米国証券取引委員会およびニューヨーク証券取引所のルールに従い、財務諸表の修正再表示がなければ付与されることのなかった返還対象期間(後述)に過誤に支払われたインセンティブ報酬を対象エグゼクティブから取り戻す(義務的な報酬返還(クローバック))こととしています。さらに、財務諸表の修正再表示または重大な不正行為が発生した場合、独立社外取締役は、当社に対し、追加でインセンティブ報酬およびその他の条件付報酬を返還させることを要求することができます。返還の対象となり得る報酬は、社内取締役、他のTETメンバーおよびその他独立社外取締役が特定した個人が、取締役会が財務諸表の修正再表示を決定した日または重大な不正行為が発生したと独立社外取締役が判断した日が属する事業年度およびその前の3事業年度(返還対象期間)において受け取ったインセンティブ報酬およびその他の条件付報酬の全部または一部となります。改定後のポリシーは2023年10月2日に発効しました。財務諸表の修正再表示が発生した場合の義務的な報酬返還(クローバック)については、2023年度のインセンティブ報酬よりその適用対象となっています。
⑦ 当事業年度に係る取締役(監査等委員を除く)の個人別の報酬等の内容が上記⑥役員の報酬等の額の決定に関する方針に沿うものであると取締役会が判断した理由
当社においては、上記⑥役員の報酬等の額の決定に関する方針の「取締役報酬ポリシー」の「5.報酬ガバナンス」において記載しているとおり、より客観性・透明性の高いプロセスを実現するため、取締役会の決議により、社内取締役の個別の報酬額の決定については、報酬委員会に委任しており、また、監査等委員でない社外取締役の個人別の報酬については、報酬委員会の答申を受けて、取締役会の決議により決定しております。
報酬委員会では、取締役の報酬水準、報酬構成および業績連動報酬(賞与および長期インセンティブプラン)の目標設定等、上記⑥役員の報酬等の額の決定に関する方針との整合性を含めた多角的な観点から審議を行った上で、取締役会の決議による委任に基づき、当該事業年度に係る社内取締役の個人別の報酬額について決定しており、また、監査等委員でない社外取締役の個人別の報酬額については取締役会に答申いたしました。そのため、取締役会は、報酬委員会の審議の過程および答申の内容を確認した上で、当該事業年度に係る社内取締役および監査等委員でない社外取締役の個人別の報酬額の内容は、上記⑥役員の報酬等の額の決定に関する方針に沿うものであると判断しております。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準および考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、純投資目的株式には、専ら株式価値の変動または配当金を目的として保有する株式を、純投資目的以外の株式には、中長期的な企業価値の向上に資すると判断し保有する株式を区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、事業の基盤となる取引先・提携先企業の株式のみ保有することとしており、その保有については縮減に取り組んでいます。保有に当たっては、個別銘柄ごとに中長期的な事業戦略上の保有意義を勘案し、保有に伴う便益(配当金のほか、商取引や戦略的提携により期待されるリターン)につき資本コストとの関係を検証の上、当社グループの企業価値向上に資するかを総合的に判断しています。その結果、保有意義が乏しいと判断される銘柄については縮減対象とし、資金需要や市場環境等を考慮しつつ売却します。当事業年度は、検証の結果、4銘柄の保有を継続するという方針を決定しています。
議決権の行使にあたっては、議案内容が株主および相手先企業の価値向上に資するかどうかを総合的に検証した上で判断します。株主価値を毀損する議案や当該企業のコーポレート・ガバナンスの低下につながると当社が判断した議案については反対します。
b.銘柄数および貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(注)持分法適用関連会社とした1銘柄を含む。
c.特定投資株式およびみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 当社は、特定投資株式における定量的な保有効果の記載が困難であるため、保有の合理性を検証した方法について記載いたします。
当社は保有株式について資本コストを踏まえ、配当・取引額に加え、 戦略上の重要性や事業上の関係等を総合的に判断しており、検証の結果、十分な定量的な効果があるまたは中長期的な企業価値向上に資すると判断し保有しています。
2 当社株式の保有会社は同銘柄の子会社であるあすか製薬株式会社です。
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
① 人材戦略
私たちの存在意義は、世界中の人々の健康と輝かしい未来に貢献することにあります。このため私たちは、革新的な医薬品を創出し続けるというビジョンを追求しています。また、私たちは誠実、公正、正直、不屈の価値観に基づいて行動しています。当社は、革新的な新薬を連続的に上市していく取り組みを通じて、短期的に確かな成果を積み重ねるとともに、その実行の中で、持続的な長期成長の基盤を構築していきます。当社は、あらゆる階層において、リーダーシップスキルとデジタルスキルを強化するとともに、包括性を推進する職場環境を醸成することで、イノベーションと効率性を高め、患者さんにとってより良い成果を提供し続ける企業文化の実現を目指しています。当社は、データ、デジタル、テクノロジーおよびAIへの投資を拡大しており、グローバル全体で、スピード、品質および効率性の向上を図ることで、将来を見据えた人材基盤の構築に継続的に取り組んでいます。また、リーダーが自らのチームを鼓舞し、メンバーの意欲を引き出すためのツールとスキルを備えられるよう、リーダーの育成にも継続的に取り組んでいます。当社は、患者さんに寄り添い、互いを尊重して協働し、タケダの価値観に基づいて行動すると同時に、従業員の成長を後押しし、迅速かつ効果的な意思決定を行い、会社としての一体感を高める企業文化を醸成しています。当社は、革新的な医薬品を創出し続けるというビジョンを追求していく上で、私たちの存在意義と価値観を共有する人材の活躍が重要であると考えています。
当社の人材戦略の詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方および取組」をご参照ください。
② 従業員給与等の決定方針
当社の従業員の報酬制度は、以下を基本方針としております。
1. 基本方針
・「当社のVision」の実現に向けた優秀な従業員の確保・リテンションと動機付けに資するものであること
・常に患者さんに寄り添うという当社の価値観をさらに強固なものとするものであること
・従業員の役割に応じた水準で会社および個人の業績と連動し、かつ透明性・客観性が高いものであること
・グループ幹部に関しては、株主との利益意識の共有や株主重視の経営意識を高めるものであること
・タケダイズムの不屈の精神に則り、従業員のチャレンジ精神を促すものであること
2. 報酬水準の考え方
企業価値を追求する、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業への変革を牽引し続ける人材を確保・保持するため、各国・地域で競争力のある報酬の水準を目標とします。
従業員の報酬の水準については、外部データを活用し、人材獲得の観点から競合する主要企業、業界の報酬水準をベンチマークして決定しています。
3. 報酬の構成
従業員の報酬は、基本給と変動報酬を組み合わせて構成しています。変動報酬に関しては、会社および個人の業績と連動する賞与制度をグローバル共通で導入しており、対象となる従業員に対して一貫した仕組みで運用されています。一部のインセンティブや手当等に関しては、各国・地域および職種による特性や慣行に即した制度を導入しています。また、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況(8)役員・従業員株式所有制度の内容」 ①および②に記載のとおり、国内外の当社グループ幹部を対象に、当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、会社業績との連動性が高く、かつ透明性及び客観性の高いグローバル共通での株式に基づく報酬制度を導入しています。
4.公正な報酬機会の提供
当社は、同等の職務に従事する従業員には、公正な報酬機会が提供されるべきであるという考えに基づき、従業員の評価および報酬の決定を行っています。当社の方針は、採用、定着、育成、昇進、その他すべての人事上の取り扱いにおいて、業績、能力、資格、適性、経験に基づいて判断することです。この方針は、人種、国籍、民族、宗教、年齢、障がい、性的指向、性別を含むいかなる個人的特性にかかわらず適用されます。
(2) 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は臨時従業員を除く正社員の就業人員数であります。なお、当社は工数換算ベース(*)で従業員数を把握しております。
(*)正社員のうちパートタイム労働者がいる場合、フルタイム労働者に換算して人数を算出しております。
(2) 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は臨時従業員を除く正社員の就業人員数であります。なお、当社は工数換算ベース(*)で従業員数を把握しております。
(*)正社員のうちパートタイム労働者がいる場合、フルタイム労働者に換算して人数を算出しております。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
1948年に武田薬工労働組合連合会(1946年各事業場別に組織された単位組合の連合体)が組織されました。1968年7月に連合会組織を単一化し、武田薬品労働組合と改組いたしました。2026年3月31日現在総数3,515人の組合員で組織されております。
当社グループの労働組合組織としては、友誼団体として1948年に当社と資本関係・取引関係のある6組合で武田労働組合全国協議会が結成されました。その後、1969年に武田関連労働組合全国協議会(武全協)に改称、2006年に連合団体として武田友好関係労働組合全国連合会(武全連)を結成、2009年の武全協と武全連の統合(存続組織は武全連)を経て、2026年3月31日現在は当社を含む14の企業内組合(連合会含む)が加盟しております。
上部団体としては、武全連を通じて、連合傘下のUAゼンセンに加盟しております。
なお、労使関係について特記事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 2025年4月1日から2026年3月31日を期間とした平均年間給与(基本給、各種手当、超過労働に対する報酬、賞与等を含み、退職手当と通勤手当を除く)および平均従業員数に基づき算出しております。当社は同等の役割に対して公平に給与を支払うことを目指しており、一貫した等級構造、信頼できる調査会社による外部調査データ、および年次給与レビュープロセスを通じてこれを実行しております。女性労働者の平均賃金が男性労働者より低い理由は、主として上級職における女性労働者数が少ないことによるものです。当社では管理職やその他の上級職の女性の割合を増やすための取り組みと行動計画を策定しております。これにより男女の賃金差異は縮小傾向にあります。
また、パート・有期労働者について、特に女性労働者の平均賃金が男性労働者より低い理由は、当社におけるパート・有期労働者の役割が多様で、広い職務範囲を有する上級職の労働者が含まれているところ、パート・有期労働者数が相対的に少ないため、上級職における女性労働者数が男性より少ないという人員構成の影響をより強く受けていることによるものです。
② 連結会社
(注) 1 当社グループ従業員を1人以上直属の部下にもつ従業員を管理職に含めております。契約社員のみを直属の部下に持つ従業員は管理職に含めておりません。
上記指標の定義や計算方法は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)とは異なっております。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」)に基づいて作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は以下のとおりであります。
(1) 会計基準の変更等に的確に対応することができる体制を整備するために、IFRSに関する十分な知識を有した従業
員を配置するとともに、公益財団法人財務会計基準機構等の組織に加入し、研修等に参加することによって、専
門知識の蓄積に努めております。
(2) IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計処理指針を作成し、これに基づいて会計処理を行っております。グループ会計処理指針は、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握及び当社への影響の検討を行った上で、適時に内容の更新を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
①【連結損益計算書】
②【連結包括利益計算書】
③【連結財政状態計算書】
④【連結持分変動計算書】
前年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
当年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)
⑤【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1 報告企業
武田薬品工業株式会社(「当社」)は、日本に所在する上場企業であります。当社および当社の子会社(「当社グループ」)は、幅広い医薬品のポートフォリオを有し、研究、開発、製造、およびグローバルでの販売を主要な事業としております。当社グループは、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業として、消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス、およびオンコロジーの重点疾患領域において、革新的な医薬品を創出し続けることを追求するとともに、血漿分画製剤およびワクチンをお届けすることにも注力しています。当社グループの主要な医薬品は、消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ワクチン、およびニューロサイエンス(神経精神疾患)に分類しています。
2 作成の基礎
(1) 準拠する会計基準
当社グループの連結財務諸表は連結財務諸表規則第1条の2第1号に規定する「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、連結財務諸表規則第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2) 財務諸表の承認
当社グループの連結財務諸表は、2026年6月17日に代表取締役社長CEO クリストフ ウェバーおよび取締役CFO 古田未来乃によって承認されております。
(3) 測定の基礎
連結財務諸表は、資本性金融商品、デリバティブおよび条件付対価契約に関する金融資産および金融負債等の公正価値で測定される特定の資産および負債、並びに子会社における超インフレ会計の適用を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(4) 機能通貨および表示通貨
当社グループの連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示されており、特に記載のない限り、百万円未満を四捨五入して表示しております。四捨五入された数値を含む表の合計は必ずしも各項目の合算値と一致しない場合があります。
(5) 適用された新たな基準書および解釈指針
当連結会計年度において、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える新会計基準は適用されておりません。
(6) 未適用の新たな基準書および解釈指針
国際会計基準審議会(以下、「IASB」)は、2024年4月9日に、IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」(以下、「IFRS第18号」)を公表しました。IFRS第18号は、IAS第1号「財務諸表の表示」に置き換わるものです。
IFRS第18号は、企業の財務業績の報告および企業間の損益計算書の比較可能性を改善するために、新たな要求事項を導入しています。IFRS第18号は、収益及び費用について3つの定義されたカテゴリー(営業、投資、財務)を導入し、すべての企業に営業利益を含む新たな定義された小計を提供することを要求しています。また、IFRS第18号は、経営者が定義した業績指標と呼ばれる、損益計算書に関連する企業固有の指標に関する説明を開示することを企業に要求しています。さらに、IFRS第18号は、基本財務諸表または注記において情報を取り纏める方法、並びに情報を提供するか否かについて、拡張したガイダンスを定めるとともに、営業費用に関するさらなる透明性の提供を企業に要求しています。IFRS第18号は、財務諸表の項目の認識または測定に影響はありません。
ただし、収益及び費用の分類の変更により、連結損益計算書における一部の収益及び費用項目の表示に影響を及ぼす可能性があります。特に、営業、投資及び財務の各区分間における収益及び費用の分類に関する原則の改訂により、営業利益として表示される範囲が変わる可能性があります。当該分類原則の改訂により、現在は金融収益又は金融費用として表示されている一部の為替差損益及びその他の収益又は費用が、営業利益に再分類される可能性があります。同基準は、2027年1月1日以後開始する事業年度から適用されますが、早期適用が可能です。
当社グループは、現在、新たな開示の要求事項に準拠することによる影響を評価しており、同基準を2027年4月1日より開始する事業年度より適用する予定です。
(7) 会計上の判断、見積りおよび仮定
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の金額、ならびに偶発資産および偶発負債の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行うことが要求されております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は、継続的に見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間および影響を受ける将来の会計期間に認識されます。
会計方針を適用する過程で行われた判断および見積り、ならびに会計上の見積りおよび仮定のうち、連結財務諸表に報告された金額に重大な影響を及ぼすものに関する情報は以下のとおりであります。
・不確実な税務上のポジションに基づく税金の認識および測定(注記7)
・繰延税金資産の回収可能性(注記7)
・のれん及び無形資産の減損(注記11、12)
・引当金の測定(注記22)
・当社グループの製品販売に伴う割戻および返品に対する見積り(注記3、22)
・偶発負債の将来の経済的便益の流出の可能性(注記31)
(8) 表示方法の変更
(連結財政状態計算書)
前連結会計年度において独立掲記しておりました「非流動負債」の「未払法人所得税」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他の非流動負債」に含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財政状態計算書について、同一の表示方法により組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結財政状態計算書において、「非流動負債」に表示していた「未払法人所得税」317百万円、「その他の非流動負債」82,542百万円は、「その他の非流動負債」82,859百万円として組替えております。
(連結キャッシュ・フロー計算書)
前連結会計年度において「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他(純額)」に含めて表示しておりました先物為替予約の決済によるキャッシュ・フローは、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より「先物為替予約の決済(純額)」として独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書について、同一の表示方法により組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他(純額)」に表示していた△10,107百万円は、「先物為替予約の決済(純額)」5,945百万円、「その他(純額)」△16,052百万円として組替えております。
なお、本表示方法の変更は表示区分の変更であり、営業活動によるキャッシュ・フローの合計額に影響はありません。
3 重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
当連結財務諸表は、当社および当社が直接的または間接的に支配する子会社の財務諸表に基づき作成しております。当社グループ内の債権債務残高および取引は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
当社グループは、企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、企業に対するパワー、すなわち関連性のある活動を指図する現在の能力を用いて、当該リターンに影響を及ぼすことができる場合に、当該企業を支配しております。当社グループが企業を支配しているかどうかの判定に際しては、議決権または類似の権利の状況、契約上の取決めおよびその他の特定の要因が考慮されます。
子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、当社グループの連結財務諸表に含まれております。また子会社の財務諸表は、当社が採用する会計方針との整合性を確保する目的で必要に応じて調整しております。
子会社に対する所有持分の変動で支配の喪失とならないものは、資本取引として会計処理しております。非支配持分の変動額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。子会社に対する支配を喪失した場合、支配喪失後も保持する持分を、支配喪失日現在の公正価値で再測定し、再測定および持分の処分に係る利得または損失を、純損益に認識しております。
(2) 企業結合
企業結合は、取得法を適用して会計処理をしております。被取得企業における識別可能な資産および負債は取得日の公正価値で測定しております。のれんは、企業結合で移転された対価の公正価値、被取得企業の非支配持分の金額、および取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能な資産および負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定しております。当社グループは、取得日において、被取得企業が様々な機能通貨を持つ多くの在外営業活動体で構成される場合、在外営業活動体の見積キャッシュ・フローを基礎として買収時に認識したのれんを当該在外営業活動体に配分しております。
企業結合で移転された対価は、取得企業が移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債および取得企業が発行した資本持分の取得日における公正価値の合計で計算しております。当社グループは非支配持分を公正価値もしくは被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分相当額で測定するかについて、企業結合ごとに選択しております。
特定の企業結合の対価には、開発マイルストンおよび販売目標の達成等の将来の事象を条件とする金額が含まれております。企業結合の対価に含まれる条件付対価は、取得日現在の公正価値で計上しております。一般的に、公正価値は適切な割引率を用いて割り引いたリスク調整後の将来のキャッシュ・フローに基づいております。公正価値は、各報告期間の末日において見直しております。貨幣の時間的価値による変動は「金融費用」として、その他の変動は「その他の営業収益」または「その他の営業費用」としてそれぞれ連結損益計算書に認識しております。
取得関連費用は発生した期間に費用として処理しております。当社グループと非支配持分との取引から生じる所有持分の変動は、子会社に対する支配の喪失とならない場合には資本取引として会計処理し、のれんの調整は行っておりません。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートまたはそれに近似するレートで機能通貨に換算しております。決算日における外貨建貨幣性項目は、決算日の直物為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の算定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に換算しております。取得原価で測定される外貨建の非貨幣性項目は、当初の取引日の直物為替レートで機能通貨に換算しております。
当該換算および決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定される金融資産、在外営業活動体に対する純投資のヘッジ手段として指定された金融商品およびキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。公正価値で測定される非貨幣性項目の換算から生じる為替差額は、当該項目の公正価値変動から生じる利得または損失の認識と整合する方法で会計処理されます。すなわち、公正価値の変動から生じる利得または損失がその他の包括利益に認識される場合には、当該項目に係る為替差額はその他の包括利益に、公正価値変動から生じる利得または損失が純損益に認識される場合には、当該項目に係る為替差額は純損益に認識されます。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の財政状態計算書の資産および負債は、決算日現在の直物為替レートで、純損益およびその他の包括利益を表示する各計算書の収益および費用は、取引日の為替レートまたはそれに近似するレートで換算しております。なお、超インフレ経済下の在外営業活動体の財務諸表は、インフレーションの影響を反映させており、収益及び費用は期末日の為替レートにより表示通貨に換算しております。期首の物価指数による非貨幣性項目の再表示の影響は、その他の包括利益に計上しており、当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。それ以降の、非貨幣性項目の修正再表示に伴い生じる損益は、連結損益計算書における「金融収益」または「金融費用」に計上しております。
在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連した換算差額の累計額を処分損益の一部として認識しております。
(4) 収益
当社グループの収益は主に医薬品販売に関連したものであり、製品に対する支配が顧客に移転した時点で認識されております。収益の認識額は、当社グループが製品と交換に受け取ると見込まれる対価に基づいております。一般的には、出荷時または顧客による受領時点もしくはサービスが履行された時点で収益は認識されます。収益の認識額は、当社グループが財またはサービスと交換に受け取ると見込んでいる対価に基づいております。契約に複数の履行義務が含まれる場合、対価は独立販売価格の比率で各履行義務に配分しております。当社グループが財またはサービスと交換に受け取る対価は固定金額または変動金額の場合があります。変動対価は重要な戻入れが生じない可能性が非常に高い場合のみ認識しております。
総売上高からは、主に小売業者、政府機関、卸売業者、医療保険会社およびマネージドヘルスケア団体に対する割戻や値引等の様々な項目が控除されております。これらの控除額は関連する義務に対し見積られますが、報告期間における当該総売上高に係る控除額の見積りには判断が伴います。総売上高からこれらの控除額を調整して、純売上高が算定されます。当社グループは、これらの控除額に係る義務を少なくとも四半期毎に確認しており、割戻の変動、リベート・プログラムおよび契約条件、法律の改定、その他重大な事象により関連する義務の見直しが適切であることが示されている場合には、調整を行っております。なお、これまで売上割戻に関する引当金に対する調整が、純損益に重要な影響を与えたことはありません。米国市場における収益控除に関する取り決めが最も複雑なものになっております。
収益に係る調整のうち最も重要なものは以下のとおりであります。
・ 米国メディケイド:米国のメディケイド・ドラッグ・リベート・プログラムは、連邦政府および州が共同で拠出した資金により医療費を賄えない特定の条件を満たす個人および家族に対して医療費を負担する制度であり、各州が運営を行っております。当プログラムに係る割戻の支払額の算定には、関連規定の解釈が必要となりますが、これは異議申し立てによる影響または政府機関の解釈指針の変更による影響を受ける可能性があります。メディケイドの割戻に係る引当金は、割戻の対象として特定された製品、過去の経験、患者さんからの要請、製品価格ならびに各州の制度における契約内容および関連条項を考慮して算定しております。メディケイドの割戻に係る引当金は関連する売上収益と同じ期間に計上されますが、メディケイドに係る割戻はその期間に全額が支払われません。当社グループの売上控除額計上時点から最終的なメディケイドに係る割戻の会計処理までには通常数カ月の差が生じます。当社グループの売上控除額の算定に用いる製品固有の条件は、当社グループの売上取引が米国のメディケイド・プログラムの対象となるかに関連しています。
・ 米国メディケア: 米国のメディケア・プログラムは65歳以上の高齢者もしくは特定の障害者向けの公的医療保険制度であり、当プログラムのパートDにおいて処方薬に係る保険が規定されております。パートDの制度は民間の処方薬剤費保険により運営、提供されております。メディケア・パートDに係る割戻の引当金は各処方薬剤費保険の制度内容、患者さんからの要請、製品価格ならびに契約内容を考慮して算定しております。メディケア・パートDの割戻に係る引当金は関連する売上収益と同じ期間に計上されますが、メディケア・パートDに係る割戻はその期間に全額が支払われません。当社グループの売上控除額計上時点から最終的なメディケア・パートDに係る割戻の会計処理までには通常数カ月の差が生じます。当社グループの売上控除額の算定に用いる製品固有の条件は、当社グループの売上取引が米国のメディケア・プログラムの対象となるかに関連しています。
・ 顧客に対する割戻: 当社グループは、マーケットシェアの維持と拡大、また、患者さんの当社グループ製品へのアクセスを確実にするために、購入機関、保険会社、マネージドヘルスケア団体およびその他の直接顧客ならびに間接顧客に対して、米国コマーシャル・マネージドケアを含む割戻を実施しております。割戻は契約上取決めがなされているため、係る引当金は各取決めの内容、過去の経験および患者さんからの要請を基に算定しております。米国コマーシャル・マネージドケアの割戻に係る引当金は関連する売上収益と同じ期間に計上されますが、米国コマーシャル・マネージドケアに係る割戻はその期間に全額が支払われません。当社グループの売上控除額計上時点から最終的な米国コマーシャル・マネージドケアに係る割戻の会計処理までには通常数カ月の差が生じます。当社グループの売上控除額の算定に用いる製品固有の条件は、当社グループの売上取引が米国コマーシャル・マネージドケアの対象となるかに関連しています。
・ 卸売業者に対するチャージバック: 当社グループは特定の間接顧客と、顧客が卸売業者から割引価格で製品を購入可能とする取決めを結んでおります。チャージバックは卸売業者に対する当社グループの請求額および間接顧客に対する契約上の割引価格の差額であります。チャージバックの見積額は各取決めの内容、過去の経験および製品の需要を基に算定しております。当社グループは、売上債権とチャージバックを相殺する法的に強制可能な権利を有し、かつ純額で決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有しております。そのため、チャージバックの見積額は連結財政状態計算書において売上債権から控除しております。
・ 返品調整に係る引当金: 返品権付き製品を顧客に販売する際は、当社グループの返品ポリシーや過去の返品率に基づいた返品見込み額を引当金として計上しております。返品見込み率を見積る際は、過去の返品実績、予想される流通チャネル内の在庫量および製品の保管寿命を含む関連要因を考慮しております。
引当額は見積りに基づくため、実際の発生額を完全に反映していない場合があり、特にどの売上取引が最終的にこれらの制度の対象とされるかどうかの判断において使用されるそれぞれの製品固有の条件により変動する可能性があります。
当社グループは、一般的に製品が顧客に引き渡された時点から90日以内に顧客から支払を受けます。当社グループは主としてそれらの取引を本人として履行しますが、他の当事者に代わって販売を行うことがあります。その場合は、代理人として受け取ることが見込まれる販売手数料の金額が収益として認識されます。
当社グループは、知的財産の導出および売却にかかるロイヤルティ、契約一時金およびマイルストンにかかる収益を計上しております。知的財産にかかるロイヤルティ収益は、基礎となる売上が発生した時点で認識しております。契約一時金にかかる収益は、一般的には知的財産権の使用権を付与した時点で認識されます。マイルストンにかかる収益は、一般的にはマイルストンの支払条件が達成される可能性が非常に高く、認識した収益の額の重大な戻入が生じない可能性が非常に高くなった時点で認識しております。導出した候補物質の研究開発等のその他のサービスにかかる収益については、サービスの提供期間に応じて認識しております。
当社グループは、一般的に知的財産の導出契約の締結または顧客によるマイルストンの支払条件の達成の確認から60日以内に顧客から支払を受けます。当社グループはグループの知的財産を導出しているため、本人として契約を履行しております。また、当社グループはその他のサービスも本人または代理人として提供しております。
当社グループは契約の範囲または価格あるいはその両方の変更が生じた場合に契約変更を識別します。なお、当社グループは、顧客との契約を変更し、変更前後の契約を独立した契約としては会計処理しない場合、変更前後で認識したそれぞれの収益は、収益の分解において同一の区分で表示しております。
(5) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、補助金が受領されることについて合理的な保証が得られる場合に認識しております。有形固定資産の取得に対する補助金は、繰延収益として計上し、関連する資産の耐用年数にわたって規則的に純損益に認識し、対応する費用から控除しております。発生した費用に対する補助金は、補助金で補償することが意図されている関連コストを費用として認識する期間に純損益として認識し、対応する費用から控除しております。
(6) 研究開発費
研究費は発生時に費用として認識しております。内部開発費は、IAS第38号「無形資産」に従って資産の認識要件を満たす場合、通常は主要市場において規制当局に対して提出した申請書が認可される可能性が非常に高いと判断される場合に資産化しております。規制上またはその他の不確実性により資産の認識要件が満たされない場合には、支出を連結損益計算書において純損益に認識しております。研究開発に使用する有形固定資産は、資産計上した後、当該資産の見積耐用年数にわたり減価償却しております。
(7) 法人所得税
法人所得税は当期税金と繰延税金との合計額であります。当期税金および繰延税金は、企業結合に関連する法人所得税、および同一または異なる期間に、純損益の外で、すなわちその他の包括利益または資本に直接認識される項目に関連する法人所得税を除き、純損益に認識されます。
① 当期税金
当期税金資産および当期税金負債は、当年度および過年度の課税所得(損失)に関して、当局に納付または当局から還付されると見込まれる法人所得税の額を表しております。
課税所得は、非課税項目、課税控除項目、または税務上異なる会計期間に課税対象または課税控除となる項目を含まないため、会計上の損益とは異なります。当年度および過年度の未払法人所得税および未収法人所得税は、決算日において施行されている、または実質的に施行されている法定税率および税法を使用し、税務当局に納付または税務当局から還付されると予想される額を、法人所得税に関連する不確実性を該当する場合において加味した上で算定しております。
法人所得税の金額の測定においては、税務当局が報告された金額を調査する可能性が高く、かつ当該調査が納付または還付される税額に影響を及ぼす可能性がある場合には、法人所得税の取扱いに関する不確実性を反映しております。法規制および様々な管轄地域の租税裁判所の判決に伴う法改正により、不確実な税務ポジションの見積りの多くは固有の不確実性を伴います。税務当局が当社グループの税務ポジションを認める可能性が高くないと結論を下した場合に、当社グループは、税務上の不確実性を解消するために必要となる費用の最善の見積り額を認識します。この金額は、いずれの方法が不確実性の解消をより良く予測すると見込んでいるのかに応じて、最も可能性の高い金額または期待値のいずれかに基づき算定されております。また、未認識の税務上の便益は事実および状況の変化に伴い調整されます。
② 繰延税金
繰延税金は、決算日における資産および負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定しております。繰延税金資産は、報告期間末において当社グループがその資産および負債の帳簿価額をどのように回収または決済すると見込んでいるかに基づき、その税務上の帰結を反映するよう測定しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識しております。これには、将来の課税所得および事業計画の可能性を評価する必要がありますが、本質的に不確実性を伴います。事業計画に含まれる売上収益の予測を決定する際の判断に変更があった場合、認識される繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。将来の課税所得の見積りの不確実性は、当社グループが事業活動を行う市場の変化、市場状況の変化、為替変動の影響、または他の要因により増加する可能性があります。当社グループの繰延税金には、不確実な税務ポジションに関する負債が含まれております。繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しております。
なお、以下の場合には、繰延税金資産または負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から将来加算一時差異が生じる場合
・企業結合でない取引で、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引における資産または負債の当初認識から一時差異が生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、または当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異に関しては、当社が一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
当社グループは、2023年5月23日に改訂されたIAS第12号の要求事項に従い、経済開発協力機構(以下、「OECD」)が公表した第2の柱モデルルールに係る繰延税金資産および負債に関しては認識も情報開示もしておりません。
繰延税金資産および負債は、決算日における法定税率または実質的法定税率および税法に基づいて一時差異が解消される時に適用されると予想される税率で算定しております。
繰延税金資産および負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課されている場合、相殺しております。
(8) 1株当たり利益
基本的1株当たり利益は、当社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(9) 有形固定資産
有形固定資産は原価モデルで測定しており、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した価額で表示しております。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体、除去および原状回復費用の当初見積額等が含まれております。土地および建設仮勘定以外の資産の減価償却費は、見積耐用年数にわたり、主として定額法で計上しております。使用権資産の減価償却費は、リース期間の終了時までに所有権を取得することに合理的確実性がある場合を除き、リース期間と見積耐用年数のいずれか短い方の期間にわたり定額法で計上しております。これらの資産の減価償却は、使用可能となった時点から開始しております。
主な資産の種類別の耐用年数は以下のとおりであります。
(10) のれん
企業結合から生じたのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。のれんは償却を行わず、予想されるシナジーに基づき資金生成単位または資金生成単位グループに配分しております。資金生成単位または資金生成単位グループは、のれんに関する情報が利用可能であり、のれんが内部管理目的で監視されている企業内の最小の単位を示しており、事業セグメントよりも大きくありません。のれんは、それが生じた企業結合のシナジーから便益を得ることが期待されるもののみに配分され、配分方法は企業結合の事実および状況に影響されます。年次および減損の兆候がある場合にはその都度、のれんの減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識され、その後の戻入れは行っておりません。
(11) 製品に係る無形資産
製品に係る無形資産は、様々な包括的な権利を有し、製品の販売、製造、研究、マーケティング、流通に貢献し、複数の事業機能に便益をもたらすため、「製品に係る無形資産償却費及び減損損失」は、連結損益計算書に独立して記載されております。
上市後製品
上市後製品に係る無形資産は、特許が存続する見込期間または見込まれる経済的便益に応じた他の指標に基づき、製品の製造販売承認日から見積耐用年数(3-20年)にわたって定額法で償却しております。これらの無形資産は、減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。無形資産の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を計上しております。製品の回収、または何らかの理由により販売中止となった上市後製品に係る無形資産は、回収可能価額まで減額しております。上市後製品に係る無形資産の償却費、減損損失および減損損失の戻入れは、連結損益計算書の「製品に係る無形資産償却費及び減損損失」に含まれております。
仕掛研究開発品
当社グループは、製品および化合物の研究開発プロジェクトにおいて、第三者との共同研究開発および導入契約を締結しております。通常、共同研究開発契約については、契約後の開発マイルストンに応じた支払いが行われます。一方、導入契約については、契約一時金および契約後の開発マイルストンに応じた支払いが行われます。導入契約に係る契約一時金は導入契約の開始時に、開発マイルストンの支払についてはマイルストンの達成時に資産計上しております。
開発中の製品に係る無形資産は使用可能ではないため償却しておりません。これらの無形資産は、年次および減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。無形資産の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を計上しております。開発段階で失敗、または何らかの理由により開発中止となった仕掛研究開発品に係る無形資産は、回収可能価額(通常はゼロ)まで減額しております。仕掛研究開発品に係る無形資産の減損損失および減損損失の戻入れは、連結損益計算書の「製品に係る無形資産償却費及び減損損失」に含まれております。
開発中製品の商用化が承認された場合は、その時点で、研究開発中の資産を上市後製品に係る無形資産に振り替えております。
(12) 無形資産-ソフトウェア
ソフトウェアは取得原価で認識し、3-10年の見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。ソフトウェアの償却費は、連結損益計算書の「売上原価」「販売費及び一般管理費」「研究開発費」に含まれております。
(13) リース
借手側
当社グループは、契約の開始時点において契約がリースまたはリースを含んだものであるかどうかを判断しております。借手として当社グループは、リース期間の開始時点において、当社グループがリース契約の借手となっているすべての契約について使用権資産および関連するリース負債を連結財政状態計算書において認識しております。
使用権資産は、リース負債の当初測定額に、該当する場合には、リース開始日または開始日前に支払ったリース料、受け取ったリース・インセンティブ、当初直接コストおよび原資産の解体・除去または原状回復等に係る見積コストを調整した金額を取得原価として当初測定し、当該金額からリース開始日後に発生した減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で事後測定しております。使用権資産の減価償却費は、対象資産のリース期間と見積耐用年数のいずれか短いほうの期間にわたり定額法で計上しております。使用権資産は、減損テストの対象となります。
リース負債は、契約の開始時点において、リースの計算利子率を容易に算定可能な場合には当該利子率を、それ以外の場合には当社グループの追加借入利子率を用いて未決済のリース料総額を現在価値に割り引いて測定しております。当社グループは、一般的に当社の追加借入利子率を割引率として使用しております。リース期間は、リース契約の解約不能期間に、延長または解約オプションを行使することが合理的に確実である場合にこれらのオプションを加味した期間であります。当初認識後、リース負債は実効金利法により償却原価で測定され、リース期間の延長、解約オプションが行使されるかどうかの評価の見直しなどにより将来のリース料が変更された場合に再測定されます。再測定により生じた差額は、使用権資産を調整するか、または、使用権資産がすでにゼロまで償却済みである場合には純損益で認識しております。
当社グループは、リース期間が12ヶ月以内、または少額資産のリースについて認識の免除規定を適用しております。その結果、これらのリースに係る支払リース料はリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。また、実務上の便法として、当社グループは非リース構成部分をリース構成部分と区別せず、リース構成部分及び関連する非リース構成部分を単一のリース構成部分として会計処理することを選択しております。
(14) 非金融資産の減損
当社グループでは、決算日現在で、棚卸資産、繰延税金資産、売却目的で保有する資産、および退職給付に係る資産を除く非金融資産の帳簿価額を評価し、減損の兆候の有無を検討しております。
減損の兆候がある場合および年次で減損テストが要求されている場合には、各資産の回収可能価額の算定を行っております。個別資産についての回収可能価額の見積りが不可能な場合には、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額を見積っております。資産または資金生成単位の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額で測定しております。公正価値は、測定日において市場参加者間で秩序ある取引が行われた場合に、資産の売却によって受け取るであろう価格、または負債の移転のために支払うであろう価格です。また使用価値は、見積った将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定しており、使用する割引率は、貨幣の時間価値、および当該資産に固有のリスクを反映した利率を用いております。
資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失を純損益として認識しております。
過年度に減損を認識した、のれん以外の資産または資金生成単位については、決算日において過年度に認識した減損損失の減少または消滅している可能性を示す兆候の有無を評価しております。そのような兆候が存在する場合には、当該資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却または償却額控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入れは、直ちに純損益として認識しております。
(15) 棚卸資産
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で計上しております。原価は主として加重平均法に基づいて算定されており、購入原価、加工費および棚卸資産を現在の場所および状態とするまでに発生したその他の費用が含まれております。正味実現可能価額とは、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価および販売に要する見積費用を控除した額であります。上市前製品の在庫は、規制当局による製品認可の可能性が非常に高いと判断された時点で、資産として計上しております。それ以前は、帳簿価額に対して評価損を計上して回収可能価額まで減額しており、認可の可能性が非常に高いと判断された時点で当該評価損を戻し入れております。
(16) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資であります。
(17) 売却目的で保有する資産
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産または処分グループのうち、現況で直ちに売却することが可能で、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約しており、1年以内に売却が完了する予定である資産または処分グループを売却目的保有に分類しております。売却目的保有に分類した資産は、帳簿価額と、売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しております。
売却目的保有に分類した有形固定資産および無形資産の減価償却または償却は中止し、売却目的で保有する資産および売却目的で保有する資産に直接関連する負債は、連結財政状態計算書上において流動項目として他の資産および負債と区分して表示しております。
(18) 退職後給付
当社グループは、退職一時金、年金、および退職後医療給付等の退職後給付制度を運用しております。これらの制度は、制度の性質に従い確定給付制度と確定拠出制度に分類されます。
① 確定給付制度
確定給付債務の現在価値および関連する当期勤務費用ならびに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて個々の制度ごとに算定しております。割引率は、連結会計年度の末日時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。確定給付制度に係る負債または資産は、確定給付債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定しております。確定給付制度が積立超過である場合は、制度からの返還または将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としております。制度改訂または縮小により生じる確定給付債務の現在価値の変動である過去勤務費用は、当該制度改訂または縮小が行われた時点で純損益に認識しております。
確定給付制度の再測定は、発生した期に一括してその他の包括利益で認識し、利益剰余金へ振り替えております。
② 確定拠出制度
確定拠出型の退職後給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期に費用として計上しております。
(19) 引当金
当社グループは、顧客から対価を受け取り、その対価の一部または全部を顧客に返金すると見込んでいる場合には、売上割戻及び返品調整に関する引当金を認識しております。
また、過去の事象の結果として、現在の法的債務または推定的債務が存在し、当該債務を決済するために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しております。
当社グループの引当金は主に、売上割戻及び返品調整に関する引当金、訴訟引当金、および事業構造再編に係る引当金で構成されております。
(20) 金融商品
金融商品には、リース関連の金融商品、売上債権、仕入債務、その他の債権および債務、条件付対価契約に関する金融資産および金融負債、デリバティブ金融商品、ならびに特定の会計方針に従って処理される従業員給付制度に基づく権利および義務が含まれております。
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識および測定
金融資産は、当社グループが当該金融商品の契約条項における当事者となった時点で連結財政状態計算書において認識しております。金融資産は、当初認識時点において公正価値で測定し、純損益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品を除き、取得に直接起因する取引費用を加算して算定しております。
(a) 償却原価で測定される負債性金融商品
契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されており、契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる売上債権及びその他の債権等の金融資産は償却原価で測定される金融資産に分類しております。売上債権は消費税等を含んだ請求書金額から損失評価引当金、現金値引等の見積控除金額を差し引いた金額で認識されます。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品
契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されており、契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる金融資産は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品
償却原価で測定される金融資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の要件を満たさない金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
(d) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品
当社グループは、戦略的目的で長期的に保有される特定の資本性金融商品について、当初認識時において、金融商品ごとに行われる、資本性金融商品の公正価値の事後変動をその他の包括利益で表示するという取消不能の選択をしております。当社グループは、報告日時点において、全ての資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産として分類しております。
(ⅱ) 事後測定および認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、または金融資産を譲渡しほとんどすべてのリスクと経済価値が他の企業に移転した場合にのみ、金融資産の認識を中止しております。
(a) 償却原価で測定される負債性金融商品
償却原価で測定される負債性金融商品については、実効金利法による償却原価から減損損失を控除した金額で事後測定しております。利息収益、為替差損益および減損損失は純損益として認識しております。また、認識の中止時に生じた利得または損失は純損益として認識しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品については、当初認識後は公正価値で測定し、実効金利法により算定された利息収益、為替差損益および減損損失は純損益として認識しております。公正価値の変動から生じるその他の損益は、その他の包括利益として認識して、金融資産の認識の中止が行われる時にその他の包括利益に計上された累積額を純損益に組替調整しております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品
純損益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品については、当初認識後は公正価値で測定し、再測定から生じる利得または損失は純損益として認識しております。
(d) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品については、当初認識後は公正価値で測定しております。配当は、明らかに投資原価の一部回収である場合を除き、純損益として認識しております。公正価値の変動から生じるその他の損益はその他の包括利益として認識し、事後的に純損益に振り替えることはできず、金融資産の認識の中止が行われる時にその他の包括利益の金額を資本内で利益剰余金に振り替えております。
(ⅲ) 減損
損失評価引当金は予想信用損失モデルを用いて計算しております。引当金の見積りは将来予測的な予想信用損失モデルに基づいており、売上債権の保有期間にわたって起こりうる債務不履行事象を含んでおります。当社グループは売上債権、契約資産およびリース債権の損失評価引当金について、全期間の予想信用損失で測定することを選択しております。当社グループは、将来見通しのための調整を加えた過去の貸倒実績率に基づく引当マトリクスを用いて全期間の予想信用損失を算定しております。これらの引当金の金額は、連結財政状態計算書における売上債権、契約資産およびリース債権の契約上の金額と見積回収可能額との差額を表しております。
② 金融負債
(ⅰ) 当初認識および測定
金融負債は、当社グループが契約の当事者となる時点で連結財政状態計算書において認識しております。金融負債は、当初認識時点において、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債、社債及び借入金、または債務に分類しております。
金融負債は、当初認識時点において公正価値で測定し、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債を除き、発行に直接帰属する取引費用を減算して算定しております。
(ⅱ) 事後測定
(a) 純損益を通じて公正価値で測定される金融負債
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債は当初認識後は公正価値で測定し、再測定から生じる利得または損失は純損益として認識しております。純損益を通じて公正価値で測定される金融負債はデリバティブおよび条件付対価契約に関する金融負債を含んでおります。
(b) その他の金融負債(社債及び借入金含む)
その他の金融負債は、主として実効金利法を使用して償却原価で測定しております。
(ⅲ) 認識の中止
契約中において、特定された債務が免責、取消し、または失効となった場合にのみ、金融負債の認識を中止しております。金融負債の認識の中止に際しては、金融負債の帳簿価額と支払われたまたは支払う予定の対価の差額は純損益として認識しております。
③ デリバティブ
為替レートおよび金利の変動等によるリスクに対処するため、先物為替予約、通貨オプション、金利スワップ、金利通貨スワップ、金利先渡取引等のデリバティブを利用しております。また、当社グループは再生可能エネルギーの価格変動リスクに対処するため、先渡契約を利用しております。
なお、当社グループの方針として投機目的のデリバティブ取引は行っておりません。
デリバティブは、デリバティブ契約がヘッジ手段に指定されていない限り、純損益を通じて公正価値で測定されます。ヘッジ会計を適用していないデリバティブにかかる利得および損失は純損益に計上されます。ヘッジ手段に指定されているデリバティブの会計処理は、以下に記載のとおり、ヘッジ会計の種類により異なっております。
④ ヘッジ会計
為替換算リスクに対処するため、外貨建社債及び借入金の非デリバティブおよび先物為替予約によるデリバティブの一部を在外営業活動体に対する純投資のヘッジとして指定しております。また、外貨建取引による為替リスクに対処するため、当社グループは先物為替予約、通貨オプションおよび金利通貨スワップ等、一部のデリバティブを予定取引におけるキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定しております。金利リスクに対処するため、金利スワップ、金利通貨スワップ、金利先渡取引を予定取引におけるキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定しております。
ヘッジの開始時に、ヘッジを行うための戦略に従い、リスク管理目的、ヘッジされるリスクの性質、およびヘッジ手段とヘッジ対象の関係について文書化しております。さらに、ヘッジの開始時および毎四半期において、ヘッジ手段がヘッジ取引もしくは純投資の変動を相殺するのに極めて有効であるかどうかを継続的に評価しております。
(ⅰ) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定し、かつ適格なデリバティブの公正価値の変動の有効部分はその他の包括利益として認識しております。利得または損失のうち非有効部分は直ちに純損益として認識しております。
その他の包括利益で認識されていた金額は、ヘッジ対象に係るキャッシュ・フローが純損益として認識された期に、連結損益計算書における認識されたヘッジ対象と同じ項目において純損益に振り替えております。通貨のベーシス・スプレッドおよび通貨オプションの時間的価値は、キャッシュ・フロー・ヘッジからは区分して会計処理され、その他の資本の構成要素の独立項目であるヘッジコストに計上されます。
(ⅱ) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資のヘッジについては、ヘッジ手段に係る利得または損失はその他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の処分時には、その他の包括利益として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。
ヘッジ手段が消滅、売却、終了または行使となった場合、もしくはヘッジ会計に適格ではなくなった場合には、ヘッジ会計を中止しております。
上記のヘッジ会計が適用されるヘッジ手段に係るキャッシュ・フローは、ヘッジ対象に係るキャッシュ・フローと同じ区分に分類しております。
⑤ 負債コスト
負債に係る金融コストは、実効金利法を用いて、負債の最も早い償還日までの期間にわたり償却され、償却額が連結損益計算書に計上されます。当該負債の償還に際して、未償却の繰延金融コストは、連結損益計算書において、支払利息として費用処理されます。
(21) 株式に基づく報酬
当社グループは、株式報酬制度を導入しております。株式報酬制度として持分決済型と現金決済型を運用しております。
① 持分決済型
持分決済型の株式報酬は、従業員、取締役、および上級幹部の役務に基づいて付与されます。受領した役務およびそれに対応する資本の増加を付与された資本性金融商品の付与日における公正価値で測定し、権利確定期間にわたって費用として計上し、同額を資本の増加として認識しております。
② 現金決済型
現金決済型の株式報酬は、従業員、取締役、および上級幹部の役務に基づいて付与されます。受領した役務およびそれに対応する負債は、当該負債の公正価値で測定されます。負債に分類される従業員、取締役、および上級幹部に対する報酬の公正価値は、権利確定期間にわたって費用として計上され、同額を負債の増加として認識しております。
当社グループは、当該負債の公正価値を決算日および決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しております。
(22) 資本
① 普通株式
普通株式は、発行価格を資本金および資本剰余金に計上しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、その支払対価を資本の控除項目として認識しております。
自己株式を売却した場合には、帳簿価額と売却時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。
4 事業セグメントおよび売上収益
当社グループは、医薬品の研究開発、製造、販売およびライセンス供与に従事しており、単一の事業セグメントから構成されております。これは、資源配分、業績評価、および将来予測において最高経営意思決定者であるCEOの財務情報に対する視点と整合しております。
(1) 収益の分解
当社グループの顧客との契約から生じる売上収益の内訳は、以下のとおりであります。
財またはサービスの種類別の売上収益
ビジネスエリア別および製品別の売上収益
(注)1 国内製品名:エンタイビオ
2 配合剤、パック製剤を含む
3 国内製品名:フリュザクラ
4 国内製品名:ビバンセ
(2) 地域別情報
当社グループの顧客との契約から生じる売上収益の地域別内訳は、以下のとおりであります。
(注)「その他」には、中東・オセアニア・アフリカが含まれております。売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
当社グループの非流動資産の地域別内訳は、以下のとおりであります。
(注)金融商品、繰延税金資産および退職給付に係る資産を含んでおりません。
(3) 主要な顧客に関する情報
2025年3月期において、売上収益が当社グループ全体の売上収益の10%以上の相手先は、マッケソン・コーポレーションおよびそのグループ会社(「マッケソン社」)およびセンコラ Inc.(旧称:アメリソースバーゲン・コーポレーション)およびそのグループ会社(「センコラ社」)であります。マッケソン社およびセンコラ社に対する売上収益は、それぞれ592,323百万円および577,017百万円であります。
2026年3月期において、売上収益が当社グループ全体の売上収益の10%以上の相手先は、マッケソン社およびセンコラ社であります。マッケソン社およびセンコラ社に対する売上収益は、それぞれ539,890百万円および470,295百万円であります。
(4) その他の収益に関する情報
当社グループの契約残高は、以下のとおりであります。
当社グループの契約資産は、対価を受領する権利に関連するものであります。契約に基づく履行義務は充足しており、対価に対する権利が無条件となった時に売上債権が認識されます。
当社グループの契約負債は主として導出契約、並びに製品調達及び供給契約に関連しており、契約の下、履行義務の充足の前に現金対価を受領することによるものであります。2025年3月期および2026年3月期に認識した収益のうち、期首の契約負債残高に含まれていた金額はそれぞれ5,634百万円および22,532百万円であります。また、2025年3月期および2026年3月期において、過去の期間に充足(または部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額はそれぞれ97,560百万円および108,267百万円であり、主にロイヤルティ収益であります。
当社グループの残存履行義務に配分した取引価格は、以下のとおりであります。
5 その他の営業収益及び費用
(1) その他の営業収益
(2) その他の営業費用
2025年3月期における「その他」には、TAK-611とTAK-609の治験後アクセスに係る費用27,004百万円が含まれております。
6 金融収益及び費用
(1) 金融収益
(2) 金融費用
2025年3月期における「その他」には、売却目的で保有する資産の減損損失18,885百万円が含まれております(注記18)。
7 法人所得税
(1) 法人所得税費用(便益)
法人所得税費用(便益)の内訳は以下のとおりであります。
当期税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれております。これに伴う当期税金費用の減少額は、2025年3月期および2026年3月期において、それぞれ4,654百万円および15,682百万円であります。また、2025年3月期および2026年3月期における当期税金費用には、グローバル・ミニマム課税制度に基づく第2の柱モデルルールの適用による税金費用がそれぞれ317百万円および2,376百万円含まれております。
繰延税金便益には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれております。これに伴う繰延税金便益の増加額は、2025年3月期および2026年3月期において、それぞれ19,542百万円および8,292百万円であります。
当社グループは主に、法人税、住民税および損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した2025年3月期および2026年3月期における法定実効税率は、ともに30.6%であります。
各年度の国内の法定実効税率を適用して算定した法人所得税費用(便益)と実際負担税額との調整は以下のとおりです。
(注)1 2025年3月期および2026年3月期における金額は、連結上内部取引消去されるため税引前利益には影響しないものの、異なる税務管轄地域間の内部取引に税率差が残ることによる影響および、国内の過大支払利子税制により課税所得計算上減算されない利息を含んでおります。また、2026年3月期における金額は、IAS第12号第15項の認識の例外に基づき当初認識されなかった繰延税金負債に関連する、中止した細胞療法プラットフォーム資産の減損損失14,125百万円を含んでおります。
2 2025年3月期および2026年3月期における金額は、繰越欠損金に関連する繰延税金費用(または便益)の計上による影響を含んでおります。2025年3月期における金額は、日本の過大支払利子税制に関連して過年度に認識された利息費用の繰越控除額の取崩しに関連する繰延税金費用21,600百万円を含んでおります。2026年3月期における金額は、主に、AMITIZAに係る訴訟における陪審評決を受けて認識した訴訟引当金に係る税金費用によるものです。
3 2025年3月期および2026年3月期における金額は、在外子会社における合算課税、ミニマム課税に加え、第2の柱モデルルールの適用による税金費用を含んでおります。
4 2025年3月期における金額は、米国の州税法の改正に関連する繰延税金収益5,809百万円および2026年4月1日以降に開始する事業年度から適用される日本の法定実効税率の変更(30.6%から31.5%)に関連する繰延税金収益1,155百万円を含んでおります。また、2026年3月期における金額は、2026年4月1日以降に開始する事業年度から適用される日本の法定実効税率の変更(30.6%から31.5%)に関連する繰延税金収益4,797百万円を含んでおります。
当社グループの税金費用は2025年3月期から2026年3月期にかけて減少しました。この減少は主に、当年度において、AMITIZAに係る米国の反トラスト訴訟における陪審評決を受けて訴訟引当金を計上したことに関連し、繰延税金資産が58,393百万円増加したことによるものです。
当社は多国籍企業として、将来の法人所得税費用に影響を与え得る幾つかの要因があります。主な要因としては、それぞれの管轄地域における収益性の水準・組み合わせ、移転価格規制、課せられる税率、税制改革があげられます。
2025年7月4日、米国ではOne Big Beautiful Bill Act of 2025(以下、「2025年法」)が制定されました。2025年法は、2017年税制改革法(Tax Cuts and Jobs Act of 2017)において期限付きで導入された一部規定を恒久化するとともに、米国の国際課税制度の見直しおよび国内研究開発費の即時費用計上の復活を含む内容となっております。また、2025年法には、2025年以降に段階的に適用されるその他の各種税制改正も含まれております。2026年3月期において、2025年法が法人所得税費用に与えた影響に重要性はありませんでした。
(2) 繰延税金
連結財政状態計算書上の繰延税金資産および繰延税金負債は以下のとおりであります。
繰延税金資産および繰延税金負債の内訳および増減内容は以下のとおりであります。
(注)その他は、主に為替換算差額、売却目的で保有する資産および直接関連する負債に分類された繰延税金資産および負債の振り替え、資本の部に直接計上される項目に係る税効果であります。
2025年3月期および2026年3月期における、資本の部に直接計上される項目にかかる税金の影響は、それぞれ1,347百万円および△382百万円であります。
当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、一部または全ての将来減算一時差異、繰越欠損金または税額控除が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、将来加算一時差異の解消スケジュール、将来課税所得の予測およびタックスプランニングを考慮しております。なお、過去の課税所得水準および繰延税金資産が認識できる期間における将来課税所得の予測に基づき、税務上の便益の一部については実現する可能性が高くないと判断しております。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金、将来減算一時差異および繰越税額控除は以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金および繰越税額控除の金額と繰越期限は以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない子会社に対する投資に係る一時差異の総額は、2025年3月31日および2026年3月31日現在、それぞれ447,645百万円および86,107百万円であります。
繰延税金負債を認識していない子会社に対する投資に係る一時差異の総額は、2025年3月31日および2026年3月31日現在、それぞれ578,601百万円および2,163,931百万円であります。
繰延税金資産および繰延税金負債を認識していない子会社に対する投資に係る一時差異の増減は、主に連結損益計算書に影響のない一時差異の増減によるものであります。
8 1株当たり利益
当社の普通株主に帰属する基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定基礎は以下のとおりであります。
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その会計年度の発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。この計算には自己株式の平均株式数は含まれておりません。希薄化後1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その会計年度の発行済普通株式の加重平均株式数に希薄化効果を有するすべての潜在株式を普通株式に転換する際に発行されるであろう普通株式の加重平均株式数を加算した合計株式数で除して計算しております。
なお、2026年3月期においては、ストック・オプションおよび株式付与制度に係る行使が親会社の所有者に帰属する1株当たり当期損失を減少させるため、潜在株式は希薄化効果を有しておりません。
希薄化効果を有しないため、希薄化後1株当たり当期利益の計算に含まれなかった潜在的普通株式は、2025年3月31日現在においてストック・オプションに関するものが814千株あり、2026年3月31日現在においてストック・オプションに関するものが2,204千株、株式付与制度に関するものが35,489千株あります。
9 その他の包括利益
その他の包括利益の当期発生額および組替調整額、ならびに税効果額は以下のとおりであります。
10 有形固定資産
(1) 種類別取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額
① 取得原価
② 減価償却累計額および減損損失累計額
③ 帳簿価額
(2) リース
有形固定資産に含まれている使用権資産の取得原価の変動は、以下のとおりであります。
有形固定資産に含まれている使用権資産の減価償却累計額および減損損失累計額の変動は、以下のとおりであります。
有形固定資産に含まれている使用権資産の帳簿価額は以下のとおりであります。
当社グループのリース負債の測定に含めていないリースに係る費用は、以下のとおりであります。
リース負債に係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、2025年3月期および2026年3月期において、それぞれ69,685百万円および67,138百万円であります。なお、2026年3月期において、契約を締結しているがまだ開始していないリースに伴う将来キャッシュ・アウトフローの合計額は238,283百万円であります。
(3) 減損損失
連結損益計算書にて認識している有形固定資産の減損損失は、以下のとおりであります。
2026年3月期の減損損失は主として、開発中止を決定したプログラムに関連する有形固定資産から生じたものであります。
減損した資産の帳簿価額は回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値により測定しており、当該公正価値ヒエラルキーのレベルはレベル3であります。
11 のれん
(1) 取得原価および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額
① 取得原価
② 帳簿価額
(2) のれんの減損テスト
2025年3月期および2026年3月期において、のれんの減損テストは単一の事業セグメント単位(単一の資金生成単位)で実施しており、これはのれんを内部管理目的で監視している単位を表しています。のれんの減損損失は、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に認識しております。回収可能価額は、資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額であります。
1月1日時点で実施した減損テストの結果、2025年3月期および2026年3月期において、当社グループはのれんの減損損失を計上しておりません。
2025年3月期および2026年3月期において、回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値により見積られております。処分コスト控除後の公正価値は、10年間の将来予測を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いた上で処分コスト見積額を控除して算定しており、永久成長率および割引率を使用しております。将来予測には重要な仮定である米国における特定の製品に係る売上予測が含まれており、これは製品の上市、競合品との競争、価格政策、ジェネリック品の市場参入、および独占販売権と関連しております。売上予測の設定にあたり、当社グループは過去の経験、外部の情報源、競合他社の活動に関する知識、および業界動向を考慮しております。この評価技法は観察可能な市場データでないインプットを使用しているため、この処分コスト控除後の公正価値は公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類されます。
減損テストの割引キャッシュ・フロー法で使用された永久成長率および割引率は以下のとおりです。
永久成長率は経営陣の長期的な平均成長率の見積りに基づいております。割引率は当社グループの加重平均資本コスト(WACC)に基づいております。
なお、処分コスト控除後の公正価値は資金生成単位の帳簿価額を上回っており、回収可能価額の算定に使用した仮定に合理的な範囲で変動があった場合でも減損が発生する可能性は低いと判断しております。
12 無形資産
(1) 種類別取得原価、償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額
① 取得原価
② 償却累計額および減損損失累計額
③ 帳簿価額
各決算日において重要な自己創設無形資産はありません。
製品に係る無形資産の構成は以下のとおりであります。
上市後製品とは、主に販売可能となった製品に関連するライセンスであります。研究開発局面にあるものは開発中の製品および、当社グループの共同研究開発契約、ライセンス(導入)契約等に関連して獲得した開発中の製品に関する販売ライセンスであります(注記13)。
重要な無形資産に関する情報は以下のとおりであります。
(2) 減損損失
当社グループの無形資産の減損評価には、見積販売価格およびコスト、規制当局による承認の可能性、想定している市場および当該市場における当社グループのシェア等、回収可能価額の見積りにおいて経営者による重要な判断が必要となります。上市後製品に係る無形資産の最も重要な仮定は治療領域の製品市場シェアおよび見積価格であり、開発中製品および研究開発局面に関連する無形資産の最も重要な仮定は規制当局による承認の可能性であります。当該仮定の変更は、期中に計上される減損損失の金額に重大な影響を及ぼす可能性があります。例えば、臨床試験が否定的な結果となった場合は、仮定の変更により減損が生じる可能性があり、臨床試験が失敗に終わり開発資産を代替使用できない場合には、開発中の製品に係る無形資産を全額減損処理する可能性があります。
当社グループは、2025年3月期において、95,602百万円の減損損失を計上しております。当該減損損失には、主として買収により獲得したオンコロジー製品の開発中止の決定や、ニューロサイエンス領域における研究開発品の試験結果に基づき計上した減損損失が含まれております。当該減損処理した無形資産の回収可能価額は、163,392百万円であります。
当社グループは、2026年3月期において、133,402百万円の減損損失を計上しております。当該減損損失には、主に細胞療法研究の中止の決定に伴い計上したガンマ・デルタT細胞療法プラットフォームおよび関連するオンコロジーのプログラムに係る減損損失58,173百万円、および将来の売上予測の低下により計上した非小細胞肺がん治療剤アルンブリグに係る減損損失31,877百万円、ならびにこれら以外の研究開発活動の中止決定を受けて計上した仕掛研究開発品に係る減損損失が含まれております。当該減損処理した無形資産の回収可能価額は、113,419百万円であります。
これらの損失は、主に連結損益計算書上の「製品に係る無形資産償却費及び減損損失」に計上されております。
減損損失は帳簿価額から回収可能価額を控除して計算されます。
回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値により測定しており、当該公正価値ヒエラルキーのレベルはレベル3であります。なお、測定に用いた割引率(税引後)は2025年3月期において5.8%、2026年3月期において 7.1%であります。
13 共同研究開発契約、ライセンス契約、その他の資産取得等
当社グループは、共同研究開発契約およびライセンス契約の締結ならびにその他の資産取得等を実施しております。
(1) 導出契約
当社グループは、様々な導出契約を締結しており、特定の製品または知的財産権に関するライセンスを付与し、その対価として契約一時金、パートナーの株式、マイルストン(開発、販売承認、上市およびコマーシャル/販売)および売上を基準とするロイヤルティ等を受領しております。これらのマイルストンにかかる変動対価の受取は不確実であり、ライセンシーによる特定の開発マイルストンの達成や、指定された年間正味売上水準の到達に左右されます。
(2) 共同研究開発契約、ライセンス(導入)契約およびその他の資産取得
通常、これらの契約では、提携企業の製品または開発中の製品の販売権を獲得し、その対価として、契約締結時の一時金の支払いの他、将来の開発、規制当局からの承認取得、上市、またはコマーシャル/販売マイルストンおよびロイヤルティの支払いに対する義務を負います。これらの契約においては、当社グループおよびライセンシーは、ライセンス製品の開発および販売に積極的に関与しており、晒されるリスクおよび得られる経済的価値はその商業的な成功に依存する場合があります。その他の資産取得は、被取得企業の価値の大部分が単一または複数の製品に対する権利から構成される取得など、IFRS第3号の企業結合に該当しない企業の取得を含んでおります。
これらの共同研究開発契約、導入契約およびその他の資産取得契約の条件に基づいて、当社グループは、各年度において以下の支払いを行いました。
共同研究開発契約、ライセンス(導入)契約およびその他の資産取得契約のうち、当社グループが過去3期間において締結した主要なものは以下のとおりであります。
Protagonist Therapeutics, Inc. (「Protagonist Therapeutics社」)
2024年1月、当社グループは、Protagonist Therapeutics社と、天然型ホルモンヘプシジンの注射用ヘプシジンミメティクスペプチドであり、真性多血症 (PV) の治療薬候補としてのrusfertideの開発・商業化に関する全世界でのライセンスおよび提携契約を締結しました。本契約に基づき、2024年4月、当社グループはProtagonist Therapeutics社に契約一時金として3億米ドルを支払いました。Protagonist Therapeutics社は、追加的に全世界での開発や審査上のマイルストン、および商業上のマイルストン、ならびに米国外での売り上げに応じた段階的なロイヤリティを受領する権利を有します。Protagonist Therapeutics社は臨床第3相試験の完了と米国規制当局による承認まで、研究開発を担当する一方、当社グループは米国外での開発権を有し、グローバルでの商業化活動のリードを担います。
2026年4月、Protagonist Therapeutics社はオプトアウト権を行使し、当社グループは本契約の条件に基づき、2026年6月、2億米ドルを支払いました。
AC Immune SA (「AC Immune社」)
2024年5月、当社グループは、AC Immune社と、毒性アミロイドβ(Aβ)を標的とする能動免疫療法に関する全世界の独占的オプションとライセンス契約を締結しました。本契約には、AC Immune社がアルツハイマー病治療薬として開発中のACI-24.060が含まれます。本契約の条件に基づき、2024年5月、当社グループはAC Immune社に契約一時金として1億米ドルを支払いました。また、AC Immune社は、オプション行使料、開発・商業化と売上に基づくマイルストンに応じた支払いを受ける権利を有し、契約期間中に全てのマイルストンを達成した場合は、最大で約21億米ドルの支払いを受ける権利を有します。商業化に際しては、AC Immune社は全世界での売上収益に応じて段階的に設定した二桁台のロイヤリティを受領する権利を有します。
Ascentage Pharma Group International (「Ascentage Pharma社」)
2024年6月、当社グループは、Ascentage Pharma社と、olverembatinibの独占的ライセンスを獲得するためのオプション契約を締結しました。本契約に基づき、2024年7月、当社グループはAscentage Pharma社に、オプション料として1億米ドルの支払い、およびマイノリティ出資を行いました。当社グループがolverembatinibのライセンスオプションを行使した場合には、オプション行使料およびマイルストンに応じた支払い、ならびにロイヤルティが追加で支払われる可能性があります。オプションの行使には通常、規制当局の承認が必要となります。
Keros Therapeutics, Inc. (「Keros Therapeutics社」)
2024年12月、当社グループは、Keros Therapeutics社と中国本土、香港、マカオ以外の世界各国でelriterceptの開発、製造、販売を進めるため、独占的ライセンス契約を締結しました。本契約に基づき、2025年2月、当社グループはKeros Therapeutics社に、契約一時金として2億米ドルを支払いました。Keros Therapeutics社は規制、開発、商業販売のマイルストンに関連して今後発生する可能性のある支払い、ならびに売上収益に対するロイヤリティを受領する権利を有します。
Innovent Biologics, Inc. (「Innovent社」)
2025年10月、当社グループは、Innovent Biologics, Inc.(「Innovent社」)と、後期開発段階にある2つの固形がん治療薬であるIBI363およびIBI343について、中国・香港・マカオ・台湾以外の全世界における開発、製造、商業化に関するライセンスおよび提携契約を締結しました。また、初期開発段階の治療薬であるIBI3001の中国・香港・マカオ・台湾以外での全世界における独占的ライセンスオプションを取得します。
2025年12月、当社グループは、Innovent社へのマイノリティ出資を含め、契約一時金1,200百万米ドルを支払いました。IBI363およびIBI343については、マイルストンおよびロイヤルティを支払う可能性があります。IBI363については、当社グループとInnovent社で、グローバルに共同開発を行い、開発費用は60%(当社グループ)/40%(Innovent社)の割合で分担します。また、米国においては当社グループ主導のもと共同で商業化し、利益または損失は60%(当社グループ)/40%(Innovent社)の割合で分配する予定です。IBI3001については、当社グループがオプションを行使する場合には、オプション行使料を支払い、さらに追加のマイルストンおよびロイヤルティを支払う可能性があります。本取引の完了には、規制当局の承認など、一般的な取引完了条件を満たす必要があります。
共同研究開発契約、ライセンス(導入)契約およびその他の資産取得契約のうち、当社グループが過去3期間において終了した主要なものは以下のとおりであります。
Wave Life Sciences Ltd. (「Wave社」)
2018年2月、当社グループは、Wave社と中枢神経系障害のための核酸療法の発見、開発、販売に関する契約を締結いたしました。本契約に基づき、当社グループはハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、前頭側頭型認知症、脊髄小脳失調症3型の領域のプログラムを含む、WVE-003を共同開発し、共同販売するオプション権を有していました。加えて、アルツハイマー病やパーキンソン病等の中枢神経系障害に対する複数の前臨床プログラムのライセンスを有しておりました。
2024年10月、当社グループは、WVE-003を共同開発し、共同販売する複数のプログラムにおけるオプション権を行使しないことを決定しました。この決定により、Wave社との提携は終了しました。本提携の終了が連結財務諸表に与える重要な影響はありません。
(3) その他の研究開発関連契約
Blackstone Life Sciences(「BXLS社」)
2025年3月、当社グループは、BXLS社とメザギタマブ(TAK-079)の開発資金調達契約を締結しました。本契約に基づき、当社グループは、2026年3月期から2029年3月期までの間に、免疫性血小板減少症(ITP)およびIgA腎症の開発活動の共同資金として、最大300百万米ドルを受領します。2026年5月、当社グループはBXLS社と2025年3月の契約を改訂し、メザギタマブに関する追加の開発活動の共同資金として、250百万米ドルを増額し、総額550百万米ドルとすることとしました。当社グループは、BXLS社とこれらの開発活動のリスクと費用を分担するため、研究開発費の発生に応じて当該資金を研究開発費の減額として認識します。全てのマイルストンを達成した場合、BXLS社は、規制当局による承認に関するマイルストン最大415百万米ドル、および累計売上に基づく販売マイルストン最大500百万米ドルを受領する権利を有します。これらのマイルストン支払いは、製品に係る無形資産として資産計上され、見積耐用年数にて定額法で償却されます。加えて、商業化された後、BXLS社は米国における売上に対するロイヤルティを受領する権利を有します。ロイヤルティは、発生に応じて売上原価として計上されます。規制当局による承認後、当社グループは、BXLS社の資金拠出部分に係る販売マイルストンおよびロイヤルティの残存部分を買い取るオプションを有します。当社グループがオプションを行使した場合、買い取りに係る支払いは製品に係る無形資産として資産計上され、見積耐用年数にわたって定額法で償却されます。当社グループが契約を終了した場合、BXLS社は当社グループからメザギタマブを公正価値で取得するか、またはメザギタマブに関するライセンスを受ける権利を有します。
14 その他の金融資産
2025年3月31日および2026年3月31日現在の資本性金融商品への投資には上場会社への投資がそれぞれ78,073百万円および106,729百万円含まれており、注記26で定義されている公正価値ヒエラルキーはレベル1と判断しております。残りの資本性金融商品への投資は、主に共同研究開発契約およびライセンス契約の締結に伴い取得した投資に関連しており(注記13)、公正価値ヒエラルキーはレベル3と判断しております。
2025年3月31日および2026年3月31日現在の条件付対価契約に関する金融資産は、主にXIIDRAの売却に伴い認識されたもので(注記26)、公正価値ヒエラルキーはレベル3と判断しております。
15 棚卸資産
売上原価として計上された棚卸資産の評価損は、2025年3月期および2026年3月期において、それぞれ40,203百万円および49,588百万円であります。
16 売上債権及びその他の債権
当社グループは特定の売上債権及びその他の債権について、一部の銀行に対してノンリコースで売却を行うプログラムを利用しております。当該プログラムにおいて、売却された売上債権及びその他の債権は所有に係るリスクおよび経済価値が移転した時点で認識を中止しております。これらの売上債権及びその他の債権は事前に決められた特定の顧客にかかるもので売却権を有しますが、売却対象とする売上債権及びその他の債権は両者が月次で決定しております。そのため、これらの売上債権及びその他の債権は、現金の回収および銀行への売却を目的として保有するものであります。
売上債権及びその他の債権のうち、当社グループが売却する権利を有する顧客に対する債権は、回収および売却を保有目的としていることからその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融商品に分類しております。2025年3月31日および2026年3月31日現在において、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される売上債権及びその他の債権の残高は65,568百万円および66,424百万円であります。
17 現金及び現金同等物
18 売却目的で保有する資産または処分グループ
当社グループは、連結財政状態計算書において特定の資産を売却目的保有に分類しております。非流動資産および処分グループの帳簿価額が主に売却により回収される見込みであり、売却の可能性が非常に高いと考えられる場合に、売却目的で保有する資産に振り替えております。売却目的で保有する非流動資産および処分グループは、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で計上しております。
売却目的保有に分類された資産または処分グループ(関連会社に関するものを除く)を、帳簿価額と、売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で計上する際に測定される利得または損失は、その他の営業収益または営業費用に計上しております。
売却目的で保有する資産
当社グループは、2025年3月期にTeva Pharmaceutical Industries Ltd.(「テバ社」)と日本国内において展開するジェネリック医薬品および長期収載品を中心とした合弁事業について、これを解消する方向でテバ社と協議することを決定しました。これに伴い、武田テバファーマ株式会社の全株式である関連会社株式を売却目的で保有する資産に分類し、2025年3月期において18,885百万円の減損損失を金融費用に計上しました(注記6)。2025年3月に当該譲渡が完了したことによる売却収入は50,806百万円の受取配当金を含む56,525百万円であり、2025年3月期に連結キャッシュ・フロー計算書に計上された関連会社株式の売却による収入57,691百万円の大部分を構成しています。また、過去の取引で発生した未実現利益が譲渡完了時に実現したことにより1,727百万円と3,823百万円をそれぞれ売上収益とその他の営業収益に計上しました(注記5)。
売却目的で保有する処分グループ
2025年3月31日現在の売却目的で保有する処分グループは以下のとおりであり、公正価値ヒエラルキーのレベルはレベル3であります。
・オーストリアのオルトの製造施設の売却契約を締結したことに伴い、有形固定資産等の資産を売却目的で保有する処分グループに振替えております。なお、当該製造施設の売却は2025年5月に完了しております。
・MEPACTに係る事業の譲渡契約を締結したことに伴い、当該事業に配分されたのれんを含む資産を売却目的で保有する処分グループに振替えております。なお、当該事業の譲渡は2025年5月に完了しております。
・中東および北アフリカ地域において当社非中核資産である医療用医薬品に係る事業の譲渡契約を締結したことに伴い、関連するのれんを売却目的で保有する処分グループに振替えております。なお、当該事業の譲渡は2025年6月に完了しております。
また、2025年3月期において、当社グループは、TACHOSILの製造事業の譲渡を完了し、事業譲渡益をその他の営業収益に計上しております(注記5)。当該売却収入は、2025年3月期に連結キャッシュ・フロー計算書に計上された事業売却による収入(処分した現金及び現金同等物控除後)20,556百万円に含まれております。
2026年3月31日現在の売却目的で保有する処分グループは以下のとおりであり、公正価値ヒエラルキーのレベルはレベル3であります。
・ユーラシア経済連合地域におけるACTOVEGINを含む製品およびヤロスラブリの製造拠点の譲渡に係る株式および資産譲渡契約を2024年5月に締結しました。当該契約はロシア政府委員会の承認を条件としており、2025年8月に承認を得たことから、のれんおよび有形固定資産を含む関連する資産および負債、並びに関連するその他の包括利益を売却目的で保有する処分グループに振替えております。
・2026年3月に欧州およびカナダにおける非中核製品である胃酸抑制剤RIOPANの資産譲渡契約を締結したことに伴い、関連するのれんを売却目的で保有する処分グループに振替えております。なお、当該資産の譲渡は2026年5月に完了しております。
2026年3月期において、当社グループは、MEPACTに係る事業と中東および北アフリカ地域における当社非中核資産である医療用医薬品に係る事業の譲渡を完了したことに加え、欧州およびカナダにおける当社非中核資産である医療用医薬品の譲渡契約を締結し、譲渡を完了しております。これらの譲渡完了に伴い、18,265百万円の譲渡益をその他の営業収益に計上しており(注記5)、売却収入は、2026年3月期に連結キャッシュ・フロー計算書に計上された事業売却による収入(処分した現金及び現金同等物控除後)33,325百万円に含まれております。
なお、処分グループを売却目的保有に分類したことにより、2025年3月期および2026年3月期において、それぞれ6,812百万円および1,363百万円の減損損失をその他の営業費用に計上しております(注記5)。
19 社債及び借入金
(単位:百万円)
社債の内訳は以下のとおりであります。
借入金の内訳は以下のとおりであります。
(注)1 ハイブリッド社債は2029年6月25日以降に繰上償還が可能に、ハイブリッドローンは同年10月3日以降に期日前弁済が可能となります。
当社グループは、2024年4月25日に、バイラテラルローン50,000百万円を満期返済するとともに、同日に、2031年4月25日満期のバイラテラルローン50,000百万円の借入を実行しました。その後、2024年6月25日には、発行総額460,000百万円、償還期日2084年6月25日の60年無担保ハイブリッド社債を発行しました((注)2)。
2024年7月5日には、発行総額3,000百万米ドル(元本金額)、償還期日2034年7月5日から2064年7月5日の米ドル建無担保普通社債(本社債)を発行しました((注)3)。本社債の発行により調達した資金を充当することにより、2024年7月12日に2026年9月満期の無担保普通社債1,500百万米ドル(元本金額)を公開買付で繰上償還する((注)4)とともに、同年7月にコマーシャル・ペーパーを償還しました。
2024年10月3日には、2084年10月3日満期のシンジケート ハイブリッド ローン40,000百万円の借入を実行しました((注)5)。2024年10月6日には、2024年6月25日に発行したハイブリッド社債により調達した資金とともに、シンジケート ハイブリッド ローンにより調達した資金を充当することにより、2019年6月に発行したハイブリッド社債500,000百万円(元本金額)を2079年6月6日の償還期日に先立ち繰上償還しました。
2025年3月31日には、シンジケートローン313,500百万円および1,500百万米ドル(元本金額)を2026年4月27日から2030年4月26日の満期に先立ち期限前弁済しました。この期限前弁済のため、手元現金、2025年3月31日に借入れた短期ローン500百万米ドル、および短期コマーシャル・ペーパーにより調達した資金を充当しました。なお、前年度末におけるコマーシャル・ペーパーの発行残高は270,000百万円となりました((注)6)。
当社グループは、2025年4月25日に、バイラテラルローン10,000百万円を満期返済しました。2025年6月12日には、発行総額184,000百万円、償還期日2030年6月12日から2035年6月12日の円貨建無担保社債(「本円建社債」)を発行しました((注)7)。本円建社債の発行により調達した資金は、コマーシャル・ペーパーの償還に充当されました。その後、2025年6月23日には、米ドル建無担保普通社債800百万米ドルを満期償還しました。また、2025年3月31日に借入れた500百万米ドルのバイラテラルローンについては、2025年7月3日まで月次で借換をしています。
2025年7月2日には、発行総額2,400百万米ドル、償還期日2035年7月7日および2055年7月7日の米ドル建保証付無担保普通社債(「本米ドル建社債」)を、当社の間接的な完全子会社である武田U.S.ファイナンシング Inc.により発行しました((注)8)。本米ドル建社債の発行により調達した資金は、2025年7月3日の500百万米ドルのバイラテラルローンの返済と2025年7月のコマーシャル・ペーパーの償還に主に充当されました。
当社グループは、2026年3月31日に、満期を迎えたバイラテラルローン75,000百万円を返済するとともに、同日に、返済期日2034年3月31日の新たなバイラテラルローン60,000百万円の借入を実行しました((注)9)。
また、同日、円建350,000百万円および米ドル建2,100百万米ドルのコミットメントファシリティー契約をそれぞれ締結しました。本コミットメントファシリティーはどちらも2026年3月31日から最低5年間有効であり、また、一定の制限条項が含まれており、当該制限条項に違反した場合には、当社グループによるこれらのファシリティーの利用が制限される可能性があります。2026年3月31日現在において当社グループは当該制限条項を遵守しております。新たに設定した本コミットメントファシリティーの使途は一般事業資金です。なお、本コミットメントファシリティーの契約締結にあたり、2026年9月に期間満了を迎える予定であった既存の円建700,000百万円のコミットメントファシリティー契約は、同日付で解約しました。
(注)上記の社債及び借入金に関する説明に記載している金額は、元本金額で表示しております。
20 その他の金融負債
2025年3月31日時点のその他には、主にワクチン運営に関連する預り金が含まれております。
21 従業員給付
(1) 確定給付制度
当社および当社の一部連結子会社では、確定給付制度として、退職一時金、確定給付型年金制度等を採用しております。従業員が退職時、退職後に受け取る給付額は、通常、従業員の年齢、勤続年数、報酬、職位、および役務等の複数の要因によって算定されております。
当社グループの確定給付制度のうち、確定給付債務および制度資産の観点から最も重要なものは当社における確定給付制度であります。
確定給付型年金制度
日本
当社の確定給付型企業年金制度は積立型の確定給付年金制度であり、我が国の年金法の一つである確定給付企業年金法の定めに従い運用されております。従業員の勤続年数および当社への貢献度に応じ、一定期間(通常3年以上)勤務した従業員に給付が支払われます。
当社の年金基金(以下、「基金」)は、我が国の年金法に従って、当社から独立した組織として設立されており、当社グループは掛金の拠出が義務付けられております。基金の理事には、法令、法令に基づく厚生労働大臣および地方厚生局長からの通達、基金の規約および代議員会の議決を遵守し、基金のために忠実に業務を遂行する責務が課されております。また、掛金拠出額は法令が認める範囲で定期的に見直され、必要に応じて調整を行っております。
海外
当社グループのその他の確定給付型年金制度については、現地の法令に基づき、上記と同様の方法で設立および運営されております。
確定給付債務の現在価値は、割引率、予定昇給率(給付の増加率)等の様々な数理計算上の仮定に基づき毎年算定されております。確定給付制度に関連して営業費用として計上している勤務費用は、現役加入者が当年度において稼得した年金給付から生じる確定給付債務の増加を表しております。当社グループは、投資およびその他の業績上のリスクに晒されており、定期拠出金、予想投資収益、および保有資産からの給付額が十分でないと予想される場合は、追加の拠出金が必要となる場合があります。
また、前連結会計年度において、当社は、複数の米国連結子会社の従業員が加入する一部の退職年金制度について、年金バイアウトを実施しました。これに伴い、保険会社が確定給付債務および制度資産を、制度資産とともに債務に手数料等を加えた金額で引き受け、以後、保険会社が制度加入者への給付を行うこととなります。この結果、当該年金制度における現役従業員、年金受給待機者および年金受給者に対する年金給付について、制度資産の運用リスクや受給者の長寿化等に起因する確定給付債務の増加リスクが解消されました。なお、当該年金バイアウトは、当社グループの連結損益計算書に重要な影響を及ぼすものではありません。
連結損益計算書および連結財政状態計算書で認識した金額は以下のとおりであります。
連結損益計算書
連結財政状態計算書
(注)退職給付に係る資産は、連結財政状態計算書上、「その他の非流動資産」に含まれております。
① 確定給付債務
(ⅰ) 現在価値の増減
確定給付債務の現在価値増減の要約は以下のとおりであります。
(注)複数の米国連結子会社の従業員が加入する一部の退職年金制度について、バイアウトを実施したことによる減少であります。
確定給付債務の加重平均残存期間は、2025年3月31日および2026年3月31日現在、それぞれ12.1年および11.2年であります。
(ⅱ) 現在価値の算定に用いた重要な数理計算上の仮定
当社グループはキャッシュバランスプランを保有しており、それらの制度にかかる退職給付債務の現在価値の算定に昇給率は用いられておりません。2025年3月31日および2026年3月31日現在、国内のすべての制度および海外の一部の確定給付制度にかかる退職給付債務の現在価値の算定に昇給率は用いられておりません。
(ⅲ) 感応度分析
他の変動要因が一定である前提で、重要な数理計算上の仮定が0.5%変動した場合に、年度末の退職給付債務の現在価値に与える影響は以下のとおりであります。
② 制度資産
確定給付制度に関する基金は当社グループから独立しておりますが、当社グループからの拠出のみを財源としております。制度資産の運用は、現在または将来の加入者に対する年金給付等の支払を将来にわたり確実に行うため、許容されるリスクのもとで必要とされるリターンを長期的に確保することを目的としております。また、掛金等の収入と給付支出の中長期的な動向とその変動を考慮して十分な検討を行うこととしております。この目的、検討を踏まえ、投資対象としてふさわしい資産を選択するとともに、その期待収益率・リスク等を考慮した上で、将来にわたる最適な資産の組み合わせである基本資産配分を策定しております。
(ⅰ) 公正価値の増減
制度資産の公正価値増減の要約は以下のとおりであります。
(注)複数の米国連結子会社の従業員が加入する一部の退職年金制度について、バイアウトを実施したことによる減少であります。
2027年3月期における、事業主による確定給付制度への拠出金額は16,122百万円と予測しております。
(ⅱ) 公正価値の資産種類別内訳
活発な市場での市場価格がない株式および債券には、主に活発な市場に上場している株式および債券にかかる合同運用投資への出資が含まれます。生命保険一般勘定は生命保険会社が複数の契約の資金を合同運用する勘定であり、元本および一定の予定利率が保証されています。活発な市場での市場価格がない不動産には、主にスイスにおける不動産投資が含まれます。
③ 資産上限額の影響
資産上限額の影響の増減は以下のとおりであります。
(2) 確定拠出制度
当社および一部の連結子会社は確定拠出制度を採用しております。確定拠出制度の給付額は、拠出額、各加入者が選択した投資の運用実績、および加入者が選択した給付金の受給形式に基づいております。これらの制度への拠出は、通常、独立して管理されている基金に対して行われます。これらの制度について、当社グループが支払う拠出金は営業費用として計上しております。当社グループは、確定拠出制度について、投資リスクやその他の業績上のリスクに晒されておりません。
確定拠出制度に関して費用として計上された金額は、2025年3月期および2026年3月期において、それぞれ52,692百万円および52,490百万円であります。なお、これらの金額には公的制度への拠出に関して費用として認識した金額を含んでおります。
(3) その他の従業員給付費用
退職給付以外の従業員給付に係る費用のうち主なものは、以下のとおりであります。
上記には、事業構造再編に係る解雇給付費用および人件費(注記22)を含んでおりません。
22 引当金
引当金の内訳および増減内容は以下のとおりであります。
訴訟引当金
当社グループは、複数の訴訟および行政手続に当事者として関与しております。2026年3月期における訴訟引当金には、2026年5月に米国マサチューセッツ州の連邦地方裁判所において評決が下されたAMITIZA(ルビプロストン)に係る反トラスト訴訟の損害賠償に対する引当金(注記31)が含まれております。
事業構造再編に係る引当金
当社グループは、2025年3月期および2026年3月期に、次のような事業構造再編の取組みを行っております。
・全社的な効率化プログラム
当社グループは、事業の成長と利益率の改善を促進するための全社プログラムを2025年3月期から実施しております。本プログラムには、人員の最適化策を伴う組織構造の簡素化、組織全体での生産性と効率性の向上を図るためのデータ、デジタルおよびテクノロジー(DD&T)への投資、サプライチェーンおよびベンダー管理プロセスにおけるコスト削減と効率化が含まれております。
・運営体制や関連設備の効率性を向上させるその他の様々な取組み
事業構造再編に係る引当金は、事業構造再編に係る詳細な公式計画を策定し、かつ計画の実施や影響を受ける関係者への主要な特徴の公表を通じて、影響を受ける関係者に当該事業構造再編が実行されるであろうという妥当な期待を惹起した時点で認識しております。当社グループは、その計画に関して発生する費用の見積り発生額に基づき引当金および関連費用を計上しております。計画に係る最終的な費用発生額および支払時期は、実際の再編実施時期および事業再編により影響を受ける従業員の活動により影響を受けます。
各連結会計年度において計上された事業構造再編に係る費用は以下のとおりであります。
その他の事業構造再編に係る費用は主に従業員のリテンション、契約解除費用に関連するものであります。なお、2025年3月期および2026年3月期におけるその他の事業構造再編費用のうち、それぞれ16,353百万円および 9,550百万円が人件費であり、その主な内容はリテンションボーナスと事業構造再編の取組みに専従する従業員に対する給与であります。
なお、当社グループは2026年3月25日に開催した取締役会において、競争力の強化と将来の成長加速に向けたトランスフォーメーション・プログラムを実施することを承認しました。主に当該プログラムの取り組みに伴い、2027年3月期において、170,000百万円の事業構造再編費用が発生する見込みです。
売上割戻および返品調整
当社グループは、主に販売した製商品の売上割戻、返品調整等に係る引当金を認識しております。上表の残高には、米国におけるメディケイドおよびコマーシャル・マネージドケア・プログラム等の、医療機関との契約に関連する割戻支払額ならびに州および連邦政府が行う公的医療制度に関連する契約上および法定の割戻支払額にかかる引当金が、2025年3月31日および2026年3月31日現在においてそれぞれ241,704百万円および291,232百万円含まれております。これらの費用は通常1年以内に支払われることが見込まれております。返品調整に係る引当金は、主に期限の切れた製品および商品に関する顧客への返金に関連するものであります。売上割戻および返品調整については、月次で、または金額に重要な変動があった場合に、見直しおよび調整を行っております。
その他
その他の引当金は、主に資産除去債務、契約解除費用および不利な契約に関連するものであります。2025年3月期のその他引当金には、開発を中止したプログラムの治験後アクセスに係る費用(注記5)が含まれております。
23 その他の負債
未払費用には、従業員給付に係る未払費用が2025年3月31日および2026年3月31日現在、それぞれ291,957百万円および304,931百万円含まれております。
繰延収益には、導出契約並びに製品調達及び供給契約に関連した契約負債、および有形固定資産の取得に関して受領した政府補助金が含まれております。このうち政府補助金は2025年3月31日および2026年3月31日現在、それぞれ12,001百万円および6,527百万円であり、主なものは、当社グループのワクチン関連の開発・生産体制整備への投資の一部を補助するものであり、設備への投資額の返還を受けております。この政府補助金による収入は、関連設備の耐用年数にわたって、「売上原価」、「販売費及び一般管理費」、および「研究開発費」に含まれる減価償却費の減額として純損益に認識しております。
24 仕入債務及びその他の債務
25 資本及びその他の資本項目
(1) 授権株式数および発行済株式数
(単位:千株)
当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であります。
上記の発行済株式数に含まれる自己株式数は、2024年4月1日、2025年3月31日および2026年3月31日現在、それぞれ13,405千株、17,300千株、および11,392千株であります。
このうち、株式付与ESOP信託および役員報酬BIP信託が所有する当社の株式数は、2024年4月1日、2025年3月31日および2026年3月31日現在、それぞれ5,888千株、5,565千株および5,102千株であります。2025年3月期において460千株を取得し、783千株を売却しており、2026年3月期において401千株を取得し、865千株を売却しております。
2025年3月期において、当社は、国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度(Long-Term Incentive Plan)に基づき、新たに普通株式8,519千株を発行するとともに、自己株式7,327千株を処分しました。新株発行により、当社の資本金および資本剰余金は、それぞれ18,064百万円および18,064百万円増加し、自己株式処分により、当社の自己株式は24,999百万円減少しました。
2026年3月期において、当社は、国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度に基づき、自己株式17,271千株を処分しました。自己株式処分により、当社の自己株式は73,760百万円減少しました。
なお、当該普通株式及び自己株式は、当社米国預託証券(American Depositary Share)に転換の上、従業員に交付されています。
(2) 自己株式の取得
当社グループは、2025年1月30日開催の取締役会における自己株式の取得に係る事項の決議に基づき、2025年3月期において、普通株式11,544千株、49,978百万円の自己株式を取得しました。また、2026年3月期において、普通株式11,824千株、49,978百万円の自己株式を取得し、当該決議に基づく取得は終了しました。
(3) 配当
①前年度および当年度中の配当金支払額
②基準日が当年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌年度となるもの
2026年6月24日開催の定時株主総会の議案として、普通株式の配当に関する事項を次のとおり提案しております。
26 金融商品
(1) 財務上のリスク管理
① リスク管理方針
当社グループは、事業活動を行う過程において生じる財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っております。当社グループの晒されている主なリスクは、市場リスク、取引先の信用リスク、流動性リスクを含み、為替、金利、商品その他の金融資産の価格変動等の市場環境の変化により生じるものであります。これらのリスクは、当社グループのリスク管理方針に基づき管理しております。
② 金融商品の内容
③ 公正価値測定
公正価値で測定されるデリバティブおよび非デリバティブ金融商品は、公正価値測定を行う際のインプットの重要性を反映した、以下の3段階の公正価値ヒエラルキーに分類しております。レベル1は活発に取引される市場での同一の資産または負債の取引相場価格などの観察可能なインプットとして定義されます。レベル2は、レベル1に含まれる相場価格以外のインプットのうち、資産又は負債について直接的又は間接的に観察可能なものとして定義されます。レベル3は資産又は負債に関する観察可能でないインプットであります。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
④ 評価技法
レベル2に分類されるデリバティブの公正価値は、財務管理システムの評価モデル、またはブラック・ショールズ・モデルを用いて測定しております。これらの評価技法への重要なインプットは観察可能な市場情報に基づいております。
レベル3に分類されるデリバティブには、バーチャル電力販売契約に基づく再生可能エネルギーの固定価格と市場変動価格との差額から生じるキャッシュ・フローの決済に関連して認識したデリバティブおよび当該キャッシュ・フローの変動を相殺するために行った契約により認識したデリバティブが含まれております。レベル3に分類されるデリバティブの公正価値は、割引キャッシュ・フロー法を用いて算定しており、主な仮定として再生可能エネルギーの予想価格および再生可能エネルギー発電設備の予想発電量が考慮されております。
転換社債への投資の公正価値は、割引キャッシュ・フロー法、オプション・プライシング・モデル等の評価技法を用いて算定しております。
当社グループが売却する権利を有する顧客に対する売上債権及びその他の債権の公正価値は、請求額に基づいて測定しております。
資本性金融商品および負債性金融商品は売買目的保有ではありません。資本性金融商品または負債性金融商品が活発な市場で取引されている場合、公正価値は期末日の相場価格に基づいております。資本性金融商品または負債性金融商品が活発な市場で取引されていない場合、公正価値は各期末日現在の入手可能な情報および類似企業に基づき、修正簿価純資産法またはEBITDA倍率法を用いて算定しております。レベル3に分類された資本性金融商品または負債性金融商品の公正価値算定に用いた観察可能でない主なインプットは、EBITDA倍率法におけるEBITDA倍率であり、4.3倍から7.9倍の範囲に分布しております。2025年3月期および2026年3月期において、特定の上場株式の処分により、それぞれ△1,339百万円および△12,205百万円の資本性金融商品に係る累積損失を、その他の包括利益から利益剰余金に振り替えております。これら資本性金融商品の処分時における公正価値はそれぞれ25,019百万円および2,138百万円であります。当該投資は、当社グループの事業戦略を勘案し、経営者による評価に基づき処分されております。
条件付対価契約に関する金融資産および金融負債は、売却時または企業結合における取得日時点の公正価値で測定しております。条件付対価契約が金融資産または金融負債の定義を満たす場合は、その後の各期末日において公正価値で再測定しております。公正価値はシナリオ・ベース・メソッドや割引後のキャッシュ・フロー等を基礎として算定しており、主な仮定として、各業績指標の達成可能性、将来収益予測および割引率が考慮されております。なお、条件付対価契約に関する金融資産は主に「XIIDRA」の売却に伴い認識した金融資産であります。条件付対価契約に関する金融負債の詳細は、「⑦ 条件付対価契約に関する金融負債」 に記載しております。
その他の金融負債の公正価値は、割引キャッシュ・フロー法を用いて算定しております。
⑤ 公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替
当社グループは、報告期間に発生した公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替を報告期間の末日において生じたものとして認識しております。2025年3月期において、レベル3からレベル1への振替がありました。当該振替は、以前取引所に上場しておらず、観察可能である活発な市場で取引がなかった企業の株式が取引所に上場したことによるものです。同社の株式は現在活発な市場において取引されており、活発な市場における取引相場価格を有しているため、公正価値の測定額を公正価値ヒエラルキーのレベル3からレベル1に振替えております。上記以外に、2025年3月期および2026年3月期において公正価値ヒエラルキーのレベル間の重要な振替はありません。
⑥ レベル3の金融資産の公正価値
当社グループは、主に研究協力企業への出資を目的として、資本性金融商品への投資を行っております。2025年3月期および2026年3月期におけるレベル3の金融資産の公正価値の期首残高から期末残高への調整は以下のとおりであります。レベル3の金融負債である条件付対価契約に関する金融負債については、「⑦ 条件付対価契約に関する金融負債」に記載しております。レベル3の金融資産に関して、公正価値の測定に影響を与える重要な仮定が変動した場合における、公正価値の重要な変動はありません。
⑦ 条件付対価契約に関する金融負債
条件付対価契約に関する金融負債は、当社グループが買収した被買収企業における既存の条件付対価契約を含む、開発マイルストンおよび販売マイルストンの達成等の将来の事象を条件とする企業結合における条件付対価またはライセンス契約に基づき認識した金融負債であります。
各期末日において、条件付対価契約に関する金融負債の公正価値は、リスク調整後の将来キャッシュ・フローを適切な割引率を用いて割り引いた金額に基づいて再測定しております。
2025年3月31日および2026年3月31日現在の残高は主に過去の買収から生じた既存の条件付対価契約に関するものであります。
条件付対価契約に関する金融負債の公正価値は、公正価値測定の前提となる特定の仮定が変動することにより増減します。当該仮定には、マイルストンの達成可能性が含まれます。
条件付対価契約に関する金融負債の公正価値ヒエラルキーのレベルはレベル3であります。2025年3月期および2026年3月期における条件付対価契約に関する金融負債の期首残高から期末残高への調整および期日別支払予定額は以下のとおりであります。条件付対価契約に関する金融負債に関して、公正価値の測定に影響を与える重要な仮定が変動した場合における、公正価値の重要な変動はありません。
期日別支払予定額(割引前)
⑧ 公正価値で測定されない金融商品
連結財政状態計算書上において公正価値で測定されない金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。短期間で決済され、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている場合、金融商品の公正価値情報は下の表から除外しております。
長期金融負債は帳簿価額で認識しております。社債の公正価値は、評価技法への重要なインプットが観察可能な市場情報に基づいている時価情報によっており、長期借入金の公正価値は、一定の期間ごとに区分した債務ごとに、その将来キャッシュ・フローを信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値によっております。社債および長期借入金の公正価値ヒエラルキーはレベル2であります。
(2) 市場リスク
市場環境が変動するリスクにおいて、当社グループが晒されている主要なものには①為替リスク、②金利リスク、③価格変動リスクがあります。市場リスクの影響を受ける金融商品には、貸付金及び借入金、預金、資本性金融商品ならびにデリバティブ金融商品が含まれております。
① 為替リスク
当社グループは、主に外貨建の事業活動および当社の在外子会社に対する純投資により、為替変動リスクに晒されております。当社グループはデリバティブ金融商品を利用して為替リスクを集約して管理しております。当社グループのポリシーでは投機目的で外貨建金融資産やデリバティブを保有することは認められておりません。
当社グループは、個別に金額的に重要な外貨建取引について、先物為替予約、金利通貨スワップおよび通貨オプションを利用してヘッジを行っております。また、米ドル建およびユーロ建の社債および借入金、特定の先物為替予約をヘッジ手段に指定し、純投資ヘッジを適用しております。外貨建借入金および外貨建社債の公正価値は、2025年3月31日現在においてそれぞれ74,517百万円および2,892,158百万円であります。2026年3月31日現在においては、外貨建借入金の残高はなく、外貨建社債の公正価値は3,417,873百万円であります。
当社グループは主に米ドルとユーロの為替リスクに晒されております。当社グループは保有する金融商品の公正価値の為替レート変動に対する感応度を分析しています。分析の結果、2025年3月31日現在および2026年3月31日現在において、円が他のすべての通貨に対して5%変動した場合における純損益に与える影響に重要性はありません。この分析は、その他の変動要因、特に金利は一定であることを前提としており、また、ある通貨の円に対する為替レートが変動しても、他の通貨の円に対する為替レートには影響を与えないことを前提としています。さらに、この分析は、金融商品を保有する企業の機能通貨建ての金融商品に関する外貨換算の影響は含まれておりません。
前年度(2025年3月31日)
当年度(2026年3月31日)
上記の金利通貨スワップは、当社がキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定した外貨建社債および借入金に関連するものであります。金利通貨スワップにかかるキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金は、ヘッジされた将来見積キャッシュ・フローが発生するのと同じ期間に純損益に振り替えております。
② 金利リスク
当社グループは、売却する権利を有する顧客に対する売上債権及びその他の債権、および変動利付負債について市場金利および為替の変動リスクに晒されております。当社グループは、キャッシュ・フロー・ヘッジ戦略に基づき、金利変動リスクおよび為替変動リスクを抑制するため、金利スワップ、金利先渡取引および金利通貨スワップを実施して支払金利の固定化を図っております。なお、公正価値ヘッジ戦略に基づき、固定金利の負債を効果的に変動金利に変換するためデリバティブを締結する場合もあります。各連結会計年度末において、キャッシュ・フロー・ヘッジに指定された金利スワップ、金利先渡取引および金利通貨スワップは以下のとおりであります。
当社グループは、保有する金融商品の公正価値について金利の感応度分析を行っております。分析の結果、2025年3月31日現在および2026年3月31日現在において、1%の金利変動があった場合における純損益に与える影響に重要性はありません。その他の変動要因、特に為替レートは一定であることを前提としております。
③ 価格変動リスク
商品価格リスク
当社グループは、事業活動において価格変動リスクにさらされております。当社グループは主に固定価格の契約を締結することによってリスクを管理しておりますが、価格を固定する金融商品を使用する場合もあります。
市場価格リスク
当社グループの固定支払の金融資産および金融負債の市場価格と評価は上記のとおり管理されている為替レート、金利および信用スプレッドの影響を受けます。資本性金融商品について、当社グループは、株価および発行会社の財務状況をレビューすることにより価格変動リスクを管理しております。
2025年3月31日現在および2026年3月31日現在において、保有する資本性金融商品および当社グループのために資本性金融商品を保有する信託に対する投資について、市場価格が10%変動した場合におけるその他の包括利益に与える影響に重要性はありません。なお、資本性金融商品に係る公正価値の変動は資本に直接計上されるため、純損益に与える影響はありません。
(3) デリバティブ金融商品
上記のとおり、当社グループは、海外における様々な通貨による事業活動および機能通貨の異なる在外営業活動体に関連して為替レートの変動によるリスクに晒されております。また、当社グループの事業活動や取得にかかる資金調達を目的として実行した借入金および社債に関連して為替レートおよび金利の変動に晒されております。さらに、当社グループが売却する権利を有する顧客に対する売上債権及びその他の債権に関連して金利の変動に晒されております。これらは、為替レートおよび金利の変動によるリスクに晒される様々な通貨および変動利率による場合があります。
為替レートおよび金利の変動によるリスクに対応するため、当社グループは格付けの高い金融機関との間でデリバティブ取引を行っております。当社グループは、契約締結に係る権限や取引の制限を規定した当社グループのリスク管理方針に従いデリバティブ取引の契約を締結しております。当社グループの方針として、デリバティブは為替レートおよび金利変動によるリスクの軽減を目的とする場合のみ利用することとなっており、投機目的での利用はありません。当該方針は継続的に遵守されております。
当社グループは、通常デリバティブ取引を、会計処理の観点からヘッジ手段として指定しております。また、ヘッジ会計を適用しないものの、実質的な為替リスクの管理を目的としたデリバティブ契約(バランスシート・ヘッジ)を締結する場合もあります。バランスシート・ヘッジは、外貨建の資産・負債残高から生じる為替影響と相殺するために使用されます。当該為替デリバティブ取引は相殺されるため、ヘッジ会計を適用する必要はありません。当社グループは、金融商品の使用に係るリスク評価方法やコントロールに関する方針を策定しており、この中で、取引実行にかかる責任と運営、会計、管理にかかる責任を明確に区分する職務分掌を規定しております。
デリバティブおよびヘッジ活動が財政状態および業績に与える影響の要約
2025年3月31日現在のヘッジ手段として指定された項目、その他の包括利益に認識されたヘッジ対象として指定された項目に関する金額、およびその他の包括利益に認識されたヘッジ手段の公正価値の変動および純損益に振り替えた金額の詳細は以下のとおりであります。
前年度(2025年3月31日)
2026年3月31日現在のヘッジ手段として指定された項目、その他の包括利益に認識されたヘッジ対象として指定された項目に関する金額、およびその他の包括利益に認識されたヘッジ手段の公正価値の変動および純損益に振り替えた金額の詳細は以下のとおりであります。
当年度(2026年3月31日)
2025年3月期および2026年3月期において、純損益に認識したヘッジの非有効部分に係る金額に重要性はありません。
2025年3月期および2026年3月期において、その他の包括利益に認識したもののヘッジ対象からのキャッシュ・フローの発生が見込まれないため純損益に振り替えた金額に重要性はありません。
(4) 資本リスク管理
当社グループの資本は、株主資本(注記25)、社債及び借入金(注記19)および現金及び現金同等物(注記17)で構成されております。当社グループは、経営の健全性・効率性を堅持し、持続的な成長を実現するため、安定的な財務基盤を構築および維持することを資本リスク管理の基本方針としております。当該方針に沿い、競争力のある製品の開発・販売を通じて獲得している潤沢な営業キャッシュ・フローを基盤として、事業上の投資、配当等による株主還元、借入返済を実施しております。
当社グループは特定の売上債権及びその他の債権にかかる債権売却プログラムを利用しております。当該プログラムにおいて、売却された売上債権及びその他の債権は所有に係るリスクおよび経済価値が移転する時点で認識を中止しております。債権売却プログラムの対象である顧客からの債権のうち、連結会計年度末時点で未売却の金額は注記16に記載しております。
当社グループは、資本と負債のバランスを考慮しつつ、保守的な財務政策を順守しております。
(5) 信用リスク
① 信用リスク
当社グループは、営業活動における信用リスク(主に売上債権)、銀行等の金融機関への預金、為替及び金利デリバティブ取引ならびにその他の金融商品取引を含む財務活動における信用リスクに晒されております。決算日現在における、保有する担保の評価額を考慮に入れない場合の最大の信用リスク額は、信用リスクに晒される金融資産の連結財政状態計算書上の帳簿価額であります。当社グループは銀行等の金融機関に対する信用リスクの状況を定期的にモニタリングしております。
顧客の信用リスク
売上債権及びその他の債権は顧客の信用リスクに晒されております。当社グループは、債権管理に係る社内規程に従い、取引先ごとに期日管理および残高管理を行うとともに、主要な取引先の信用状況を定期的に把握し、回収懸念の早期把握や潜在的な信用リスクの軽減を図っております。同時に、当社グループは特定の顧客に対する売上債権及びその他の債権について、一部の銀行に対してノンリコースで売却を行うプログラムを利用しております。これにより、これらの顧客に関する信用リスクを最小化しております。さらに必要に応じて、担保・保証などの保全措置も講じております。
② 期日が経過しているが減損していない金融資産
2025年3月31日および2026年3月31日現在の売上債権の帳簿価額およびこれに対する損失評価引当金の期日別分析は以下のとおりであります。
前年度(2025年3月31日)
当年度(2026年3月31日)
過去の支払状況および顧客の信用リスクを幅広く分析した結果、期日を経過している未減損の額は全額回収可能であると判断しております。
2025年3月31日および2026年3月31日現在、当社グループは、期日の経過していない売上債権及びその他の債権について、取引先の信用情報の分析に基づいて損失評価引当金を測定しております。売上債権に対する損失評価引当金は、実務上の便法を用いて予想信用損失を集合的に測定しております。しかし、顧客の財務状況の悪化や支払遅延等の将来キャッシュ・フローの見積に悪影響を与える事象が発生した場合、予想信用損失は信用減損金融資産として個別の資産ごとに測定しております。当社グループは、該当がある場合に担保の回収を除き、顧客が債務の全額を返済する可能性が低くなった場合に、金融資産が債務不履行に陥ったと判断しております。
前年度および当年度における売上債権に対する損失評価引当金の増減は以下のとおりであります。売上債権以外の債権に対して認識された損失評価引当金の金額に重要性はありません。
その他のカウンターパーティーリスク
当社グループの手許資金につきましては、その大部分を、プーリングを通じて当社および欧米の地域財務管理拠点に集中しております。この資金は、資金運用に係る社内規程に従い、主に、格付の高いマネー・マーケット・ファンド、短期の銀行預金および債券等に限定し、格付・運用期間などに応じて設定している限度額に基づいて運用しているため、信用リスクは僅少であります。
プーリングの対象としていない資金につきましては、連結子会社において当社の規程に準じた管理を行っております。
デリバティブの利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っております。
(6) 流動性リスク
① 流動性リスク管理
当社グループは流動性リスクを管理しており、当社グループの短期、中期、長期の資金と流動性の管理のための、適切な流動性リスク管理のフレームワークを設定しております。
当社グループは、予算と実際のキャッシュ・フローを継続的に監視することにより、流動性リスクを管理しております。また、流動性リスクに備えるため、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しております(注記19)。当社グループは、偶発的なリスクを軽減し、予測される資金需要を上回る資金水準を維持することを目的として、流動性のある短期投資と格付けの高い相手方とのコミットメントラインとの組み合わせにより、利用可能な流動性を最大化するよう努めております。
② 金融負債の期日別残高
金融負債の期日別残高は以下のとおりであります。なお、契約上の金額は利息支払額を含んだ割引前のキャッシュ・フローを記載しております。2025年3月31日および2026年3月31日現在の金額は、割引前将来キャッシュ・フローを各決算日の直物為替レートで換算したものであります。
(単位:百万円)
社債の契約額のうち、2025年3月31日現在の「4年超5年以内」の金額および2026年3月31日現在の「3年超4年以内」の金額には、2029年6月において早期償還することが見込まれる2024年ハイブリッド社債(劣後特約付社債)の元本460,000百万円が含まれています。
また、借入金の契約額のうち、2025年3月31日現在の「4年超5年以内」の金額および2026年3月31日現在の「3年超4年以内」の金額には、2029年10月において早期返済することが見込まれる2024年シンジケート ハイブリッド ローン(劣後特約付ローン)の元本40,000百万円が含まれています。
これらの社債及び借入金の元本及び利息の詳細については、社債及び借入金(注記 19)をご参照ください。
(7) 財務活動から生じた金融負債の調整表
前年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
(単位:百万円)
「その他」には、償却原価法の適用による債務の増加額が含まれております。
当年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)
(単位:百万円)
「その他」には、償却原価法の適用による債務の増加額が含まれております。
27 株式報酬
当社グループは、当社グループの取締役および一部の従業員に対し、株式に基づく報酬制度を採用しております。2025年3月期および2026年3月期において、連結損益計算書に計上した株式に基づく報酬制度に係る報酬費用の総額は、それぞれ73,585百万円および73,300百万円であります。
(1) 持分決済型株式報酬(ストック・オプション制度)
当社グループは、2014年3月期まで、取締役および上級幹部に対するストック・オプション制度を有しておりました。2025年3月期および2026年3月期において付与されたストック・オプションはありません。また、過去に付与されたストック・オプションはすべて権利が確定しております。当該ストック・オプションは、通常付与日から3年後に権利が確定するものであります。取締役に対するストック・オプションの権利行使期間は付与日から10年間、上級幹部に対するストック・オプションの権利行使期間は付与日から20年間であります。ストック・オプションを行使する者は、行使時において当社または当社子会社の取締役または従業員であることを要します。ただし、任期満了により退任、定年退職またはその他正当な理由により退職した場合はこの限りではありません。
なお、2025年3月期および2026年3月期において、ストック・オプションはすべて権利確定済みであるため、ストック・オプション制度に関して計上された報酬費用はありません。
各連結会計年度におけるストック・オプション数の変動および加重平均行使価格の要約は以下のとおりであります。
(ⅰ) ストック・オプション数の変動および加重平均行使価格
2025年3月31日および2026年3月31日現在における期末残高は全て権利確定済みであり行使可能です。
(ⅱ) ストック・オプションの行使の状況
ストック・オプション行使時の加重平均株価は2025年3月期および2026年3月期において、それぞれ4,167円および5,247円であります。
未行使のストック・オプションの加重平均行使価格は2025年3月31日および2026年3月31日現在、それぞれ4,138円および4,166円であり、加重平均残存契約年数はそれぞれ7年および6年であります。
(2) 持分決済型株式報酬(株式付与制度)
当社グループは、当社グループの取締役および上級幹部を含む一定の従業員に対して株式に基づく以下の3つのインセンティブ報酬制度を導入しております。
役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下、「BIP信託」)
BIP信託とは、譲渡制限付株式ユニット(Restricted Stock Units)およびパフォーマンス・シェア・ユニット(Performance Share Units)を参考に制度設計された取締役向けインセンティブプランであり、当社の取締役に対して譲渡制限付株式ユニット報酬(Restricted Stock Unit awards) と業績連動株式ユニット報酬(Performance Share Unit awards)(1ポイント=1普通株式)を付与するものであります。当該BIP信託による報酬のうち、譲渡制限付株式ユニット報酬は、役務提供要件に基づき、付与日から3年間にわたって均等に、あるいは付与日から3年後に権利が確定します。業績連動株式ユニット報酬は、社内取締役を対象とし、役務提供要件に加え、当社グループの戦略的焦点および持続的成長の目標に合致する特定の業績指標の達成度合いに基づき、付与日から3年後に権利が確定します。業績連動株式ユニット報酬の趣旨に基づき適用される業績指標として、3年間の業績評価期間にわたる、連結売上収益、キャッシュ・フロー、各種収益指標、研究開発指標等を採用します。報酬の決済は、株価、適用のある源泉徴収税、外国為替レート(日本国外の場合)、および権利確定期間中の配当金等に基づいて行われます。当社は、当社が完全保有している信託を通じて、付与日において市場から当社株式を取得し、その株式を用いて報酬の決済を行っております。個人が受領する株式数(株式現物または株式の換価処分金相当額の金銭)は、業績目標の達成度および権利の確定に基づいております。当該報酬は、BIP信託を通じて、日本国内に在住する個人については株式交付により決済され、日本国外に在住する個人については、交付した株式から転換された米国預託証券(American Depository Share)(以下、「ADS」)の支給またはその個人が権利を有する株式の売却による換価相当の金銭を支払うことで決済されております。
株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下、「ESOP信託」)
ESOP信託とは、譲渡制限付株式ユニット(Restricted Stock Units)およびパフォーマンス・シェア・ユニット(Performance Share Units)を参考に制度設計された当社の従業員向けインセンティブプランであり、当社の上級幹部を含む一定の従業員に対して譲渡制限付株式ユニット報酬(Restricted Stock Unit awards)と業績連動株式ユニット報酬(Performance Share Unit awards)(1ポイント=1普通株式)を付与するものであります。一部の上級幹部については、譲渡制限付株式ユニット報酬と業績連動株式ユニット報酬が付与され、それ以外の従業員については譲渡制限付株式ユニット報酬が付与されます。譲渡制限付株式ユニット報酬は、役務提供要件に基づき、3年間にわたって均等に権利が確定します。業績連動株式ユニット報酬は、役務提供要件に加え、当社グループの戦略的焦点および持続的成長の目標に合致する特定の業績指標の達成度合いに基づいて決済され、付与日から3年後に権利が確定します。業績連動株式ユニット報酬の趣旨に基づき適用される業績指標として、3年間の業績評価期間にわたる、連結売上収益、キャッシュ・フロー、各種収益指標、研究開発指標等を採用します。報酬の決済は、株価、適用のある源泉徴収税および権利確定期間中の配当金等に基づいて行われます。当社は、当社が完全保有しているESOP信託が付与日において市場買付または当社による新株発行により取得した当社株式を用いて報酬の決済を行っております。個人が受領する株式数は、業績目標の達成度および権利の確定に基づいております。当該報酬は、ESOP信託を通じて、日本国内に在住する個人については株式交付により決済され、日本国外に在住する個人については、その個人が権利を有する株式の売却による換価相当の金銭を支払うことで決済されております。
国外の当社グループ従業員に対する長期インセンティブ報酬制度(Long-Term Incentive Plan)以下、「LTIP」)
LTIPは、2020年6月24日の取締役会において承認された、上級幹部を含む一定の国外の当社グループ従業員を対象としたインセンティブプランであり、譲渡制限付株式ユニット(Restricted Stock Units)、パフォーマンス・ストック・ユニット(Performance Stock Units)およびその他の株式に基づく報酬を提供するものであります。付与されたLTIPは、ADSまたは現金もしくはその組み合わせにより決済されます。
2020年7月1日における初回の付与以降、LTIPに基づき付与された報酬は、譲渡制限付株式ユニット報酬(Restricted Stock Unit awards)と業績連動株式ユニット報酬(Performance Stock Unit awards)であります。譲渡制限付株式ユニット報酬は、役務提供要件に基づき、3年間にわたって均等に権利が確定します。業績連動株式ユニット報酬は、役務提供要件に加え、当社グループの戦略的焦点および持続的成長の目標に合致する特定の業績指標の達成度合いに基づき、付与日から3年後に権利が確定します。業績連動株式ユニット報酬の趣旨に基づき適用される業績指標として、3年間の業績評価期間にわたる、連結売上収益、キャッシュ・フロー、各種収益指標、研究開発指標等を採用します。報酬の決済は、(ADSにより決済される場合にはADSに転換された)当社の普通株式の評価額を基礎とし、適用のある源泉徴収税、外国為替レート、および権利確定期間中の配当金に基づいて行われます。
譲渡制限付株式ユニット報酬と業績連動株式ユニット報酬は、日本国外の国であって現地の法律および規制の観点からADSでの決済が許可されている国に在住し雇用される受益者に対してはADSで決済されます。日本国外の国であって現地の法律、規制又は運用上の理由でADSでの決済が許可されていない国においては、現金により決済し、現金決済型株式報酬として会計処理が行われます(「(3)現金決済型株式報酬」参照)。
株式付与制度に関して認識された報酬費用の総額は、2025年3月期および2026年3月期において、それぞれ72,867百万円および72,775百万円であります。
付与された報酬ポイントまたはユニットの付与日現在の加重平均公正価値は以下のとおりであります。
BIP信託およびESOP信託の付与日の公正価値は、付与日の当社株式の株価に近似していると判断されたことから、付与日の株価を使用して算定しており、LTIPの付与日の公正価値は、付与日のADSの株価に近似していると判断されたことから、付与日の当社ADSの株価を使用して算定しております。なお、当社のADS1株は当社の普通株式0.5株に相当します。
各連結会計年度におけるBIP信託のポイント数(1ポイント=1普通株式)、ESOP信託のポイント数(1ポイント=1普通株式)、および持分決済型LTIPのユニット数(1ユニット=1ADS)の変動は以下のとおりであります。当社のADS1株は当社の普通株式0.5株に相当します。
2025年3月31日および2026年3月31日現在において表示されている期末残高は、それぞれ権利確定前のものであります。
BIP信託のポイントの加重平均残存契約年数は、2025年3月31日現在および2026年3月31日現在はそれぞれ1年であります。ESOP信託のポイントの加重平均残存契約年数は、2025年3月31日現在および2026年3月31日現在はそれぞれ1年であります。持分決済型LTIPのユニットの加重平均残存契約年数は、2025年3月31日現在および2026年3月31日現在、それぞれ1年であります。
(3) 現金決済型株式報酬
「(2) 持分決済型株式報酬(株式付与制度)」において記載しているLTIPに基づき、現地の法律、規制又は運用上の理由でADSまたは当社の普通株式による決済が許可されていない国において付与されたポイントは現金により決済されます。現金決済型の株式報酬に関して、2025年3月期においては費用717百万円を、2026年3月期においては費用525百万円を計上しております。連結財政状態計算書に認識された負債は、2025年3月31日および2026年3月31日現在、それぞれ642百万円および662百万円であります。
現金決済型長期インセンティブ報酬制度(Cash-Settled Long-Term Incentive Plan)(以下、「現金決済型LTIP」)
上述のとおり、現地の法律、規制又は運用上の理由でADSでの決済が許可されていない国において付与された譲渡制限付株式報酬と業績連動型株式報酬は、現金により決済され、現金決済型LTIP(Cash-Settled Long-Term Incentive Plan)として会計処理されております。
各連結会計年度における現金決済型LTIPの権利数(1権利=1ADS)の変動は以下のとおりであります。
2025年3月31日および2026年3月31日現在において表示されている期末残高は、それぞれ権利確定前のものであります。
28 子会社および関連会社等
2026年3月期において、連結子会社は、主に資本関係を整理する一環として清算および合併を進めた結果4社減少しました。また、持分法適用関連会社等は、譲渡や清算等により5社減少しました。
2026年3月31日時点の当社グループの連結子会社および持分法適用関連会社等の内訳は、以下のとおりであります。
(連結子会社(パートナーシップを含む))154社
(持分法適用関連会社等)10社
29 関連当事者取引
主要な経営幹部に対する報酬
主要な経営幹部は取締役とCFOと定義しております。主要な経営幹部に対する報酬は以下のとおりであります。
30 企業結合
当年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)
当年度において重要な企業結合はありません。
前年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
前年度において重要な企業結合はありません。
31 コミットメントおよび偶発負債
(1) 購入コミットメント
2026年3月31日現在の有形固定資産の取得に関するコミットメントは7,728百万円であります。
(2) マイルストン支払い
注記13に記載のとおり、2026年3月31日現在、当社グループは無形資産の取得に関して最大で1,333,609百万円の支払いを要する契約上の取決めを有しております。当該コミットメントは、研究開発中のパイプラインに関する開発、販売承認および上市にかかるマイルストンの最大支払額を含めております。コマーシャルマイルストンは、支払条件の達成が合理的に見込まれないとみなしており、上記コミットメント金額に含めておりません。
(3) 訴訟
当社グループは、複数の訴訟および行政手続に当事者として関与しておりますが、最も重要な訴訟等は以下のとおりであります。
当社グループが関与する重要な訴訟等のなかには、それらの最終的な結果により財務上の影響があると見込まれる場合であっても、その額について信頼性のある見積りが不可能な場合があります。信頼性のある見積りが不可能な訴訟等については、以下で適切な情報の開示を行っておりますが、引当金の計上は行っておりません。以下に記載している訴訟等については、既に引当金を計上しているものを除き、現段階において財務上の影響額について信頼性のある見積りが不可能であります。これは、複数の要因(審理の進行段階、決定が行われた場合にこれを争う権利が当事者にあるか否か、訴訟における法的責任の根拠に係る明確性の欠如、当社グループの抗弁の根拠、損害の算定および回収可能性の見積りの困難性、ならびに準拠法を含むが、これらに限定されない。)を考慮する必要があるためです。なお、原告側の請求額に関する情報は、仮に入手できた場合でも、必ずしもそれ自体が訴訟等の最終的な賠償金額を判断する上で有用な情報ではないと考えております。訴訟等に関連して発生した法務関連費用および訴訟等に係る費用は、販売費及び一般管理費に計上しております。法律およびその他の専門家からの適切な助言をもとに、財産が社外に流出する可能性が高くかつ訴訟の帰結について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を計上しております。引当金を算定する際には、該当する訴訟の請求内容や管轄、その他の類似した現在および過去の訴訟案件の性質および発生数、製品の性質、訴訟に関する科学的な事項の評価、和解の可能性ならびに現時点における和解にむけた進行状況等を勘案しております。2025年3月31日および2026年3月31日現在、当社グループの訴訟に係る引当金の合計はそれぞれ12,462百万円および415,749百万円であります。法的請求による最終的な負債の額は、訴訟手続、調査および和解交渉の帰結によって、引当額と異なる可能性があります。特段の記載のある場合を除き、当社グループは、現時点において、以下の各事案に関して訴訟が継続する期間や最終的な訴訟結果を見積ることはできません。
当社グループの状況は時間の経過とともに変化する可能性があります。したがって、いずれの訴訟等についても結果的に生じる損失が当連結財務諸表に計上されている引当金の金額を大きく上回ることはないという保証はありません。判決、和解、当社グループの事業の変更またはその他の要因を踏まえて、当社グループの財務状況または経営成績にとって重要性はないと当社グループが判断したため、過年度まで開示されていた訴訟が当年度において開示されない場合があります。
製造物責任訴訟および関連する損害賠償請求
規制当局の承認後の製品の使用に係る人体への安全性および有効性を確認するため、製品開発中に前臨床試験および臨床試験が実施されております。しかしながら、医薬品およびワクチンの上市後に、予想されていなかった安全性に関する問題が明らかになる場合、または第三者からかかる問題を主張される場合があります。当社グループは、当社グループの製品に関連して多数の製造物責任訴訟を提起されております。製造物責任訴訟および関連する損害賠償請求について、当社グループは、引当金が計上されている事案を除き、現時点において予想される財務上の影響額について信頼性のある見積りをすることはできません。
当社グループの主要な係争中またはその他の訴訟は以下のとおりであります。これらの訴訟の結果は必ずしも予測可能ではなく、複数の要素により影響を受けます。発生していることが少なくとも合理的に見込まれる損失について、引当済の金額を超過する損失の金額が重要かつ見積可能である場合には、当社グループは損失発生額に係る見込額または見込額の範囲を開示しております。
① ACTOSの経済損失に係る訴訟
当社グループは、ACTOSに関連して訴訟を提起されております。これらの訴訟の原告は、人身傷害に対する請求ではなく、米国で発売されたACTOSに関して主張されている膀胱がんのリスクに関する追加情報を当社グループが提供していれば、処方されなかったであろうACTOSの処方せんに対する支払により経済損失を被ったと主張するものであります。米国カリフォルニア州中央地区地方裁判所において、第三者支払人および消費者から成る暫定的クラスが、当社グループに対して訴訟を提起しました。
② プロトンポンプ阻害薬製造物責任訴訟
当社グループは、2024年3月31日時点において、米国の連邦裁判所および州裁判所において、6,100件を上回るPREVACIDおよびDEXILANTの使用に関連した製造物責任訴訟を提起されていました。これらの訴訟の大多数は、米国連邦裁判所に係属され、広域係属訴訟(MDL)制度に係る公判前整理手続のため、ニュージャージー州の連邦裁判所に統合されました。当該訴訟の原告側は、PREVACIDおよび(または)DEXILANTの使用により腎臓障害、または一部の訴訟においては胃がんを発症し、当社グループがこれらの潜在的な危険性についての適切な警告を怠ったと主張していました。AstraZeneca plc、Procter & Gamble CompanyおよびPfizer Inc.等の、当社グループと同じくプロトンポンプ阻害薬クラスに属する製品を製造している他の製薬会社に対しても、類似の訴訟が提起されました。米国外では、カナダのサスカチェワン州において、1件の集団訴訟が提起されています。
2024年4月、当社グループと原告は、当社グループが少額の和解金を支払うことにより米国でのこれらの訴訟を解決することで概ね合意し、これに伴い当社グループは、当該訴訟に係る引当金を計上しました。2024年11月、引当金と同額の和解金にて、書面による最終的な和解契約を原告代表の弁護士と締結しました。本和解の条件は秘密とされています。なお、この和解は当社グループの連結損益計算書に重大な影響を及ぼすものではありません。
知的財産権
知的財産権に関する訴訟には、当社グループの様々な製品または製法に関する特許権の有効性および法的強制力に対する異議の申立て、ならびに当該特許権に対する非侵害の主張が含まれます。これらの訴訟に敗訴することにより、対象となった製品に係る特許権の保護の喪失につながる可能性があり、結果として該当製品の売上が大幅に減少し、当社グループの将来の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
① ENTYVIOの特許無効訴訟
2026年2月から2026年4月にかけて、英国およびオランダにおいて、第三者により、ENTYVIOに関して当社グループが保有する特定の特許に対する特許無効訴訟が提起されました。これらの特許には、静脈内投与および皮下投与に関する用法・用量特許ならびに特定の静脈内投与および皮下投与に関する製剤特許が含まれます。これらの訴訟はいずれも係属中であり、現時点では初期段階にあります。
② その他
当年度末において、上記に加え、当社グループの連結財務諸表に重大な影響を及ぼす訴訟案件は他にはありません。
販売・営業および規制
当社グループは、当社グループの製品および営業活動に関連するその他の訴訟に関与しており、その中で最も重要なものは以下のとおりであります。
① ACTOSの反トラスト訴訟
2013年12月、当社グループに対する2件の反トラスト集団訴訟のうち最初の集団訴訟が、米国ニューヨーク州南部地区地方裁判所において、ACTOSの処方を受けた患者から成る暫定的クラスにより提起されました。2つ目の集団訴訟は、2015年4月、同地方裁判所において、当社グループからACTOSを購入した卸売業者からなる暫定的クラスにより提起されました。両訴訟において、原告は、特に、当社グループがFDAのオレンジブックに掲載されている当社グループのACTOSに関する特許を不適切に記載した結果、ANDAを提出した後発品製薬会社に対して要件が課せられ、これにより、ACTOSの後発品の発売が遅れたと主張しております。
② AMITIZAの反トラスト訴訟
2021年以降、米国マサチューセッツ州の連邦地方裁判所において、武田薬品工業株式会社、武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.、および武田ファーマシューティカルズアメリカ Inc.(「当社グループ」)に対して、複数の反トラスト訴訟が提起されました。本件は、卸売業者から成る暫定的クラス、第三者支払人から成る暫定的クラス、ならびに小売薬局の個別原告により提起された訴訟を併合したものです。原告は、Par Pharmaceutical, Inc.のAMITIZA(ルビプロストン)の後発品の特許侵害訴訟を解決するため、2014年に当社グループおよびSucampo Pharmaceuticals, Inc.がPar社との間で締結した和解契約が反競争的であったと主張しました。
2026年5月18日(米国東部時間)、同裁判所において、AMITIZAに係る反トラスト訴訟に関し、陪審が当社グループに不利な評決を下し、原告に対する損害賠償として884,943,990米ドルを認定しました。米国の反トラスト法上、卸売業者クラスに認定された損害賠償額(474,897,965米ドル)および個別の小売薬局に認定された損害賠償額(合計346,837,646米ドル)は、裁判所における判決の言い渡しにより、自動的に三倍となります。一方、第三者支払人クラスに認定された損害賠償額については、判決の言い渡しに先立ち、追加の裁判手続きの対象となります。本件に関連して当社グループは2026年3月31日現在、403,510百万円の訴訟引当金を計上しています。
なお、当社グループに最終的に課され得る負債の金額は確定していません。当社グループは、今後評決後申立ておよび控訴を行っていく予定であり、控訴審の係属中は判決の執行停止を求める方針です。
また、2025年1月から2月にかけて、個別の医療保険会社により、米国マサチューセッツ州の州裁判所において追加の訴状が提出されております。
③ COLCRYSの反トラスト訴訟
2021年9月、米国ペンシルバニア州の東部地区連邦地方裁判所において、武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.(「当社グループ」)に対して反トラスト集団訴訟が提起されました。原告は卸売業者から成る暫定的クラスであり、2015年および2016年に、COLCRYSの後発品の複数の後発品製薬会社との間の特許侵害訴訟の解決のために、当社グループが締結した和解が反競争的であると主張しておりました。2023年9月、当社グループと原告は、当社グループが少額の和解金を支払うことにより本訴訟を解決することで概ね合意し、2023年12月に和解契約を締結しました。なお、この和解は当社グループの連結損益計算書に重大な影響を及ぼすものではありません。
また、2023年11月、最終支払者の暫定的クラスに該当することを主張する原告らによって、後発品製薬会社との和解に異議を唱える反トラスト集団訴訟が、米国ニューヨーク州の南部地区連邦地方裁判所に提起されました
④ DEXILANTの反トラスト訴訟
2025年3月、米国カリフォルニア北部地区地方裁判所において、4つの小売薬局が、当社グループと後発品製薬会社であるTwi Pharmaceuticals, Inc.(「Twi社」)に対して、2015年4月に両社が締結したDEXILANTに関する特許侵害訴訟の和解契約が米国の独占禁止法に違反しているとして、民事訴訟を提起しました。その後、実質的に同様の主張を示す訴状が、直接購入者および間接購入者それぞれの団体クラスを代表して、また個々の小売薬局を代表して、提出されました。
⑤ 米国司法省からの民事調査要請
2020年2月19日、当社グループは、米国司法省ワシントンDC地方検事局から民事調査要請書を受領しました。当該民事調査要請書は、主にTRINTELLIXの販売促進に関連して、オフラベル使用(適応外使用)の販売および反キックバック法に対する違反の可能性の調査の一環として、情報の提供を求めるものです。当社グループは、司法省による当該調査に協力しておりました。
2026年5月、当社グループと同省は、当社グループが1,367万米ドルの和解金を支払うことにより当該民事調査要請に係る事案を解決することで合意しました。本和解において、当社グループは、いかなる不正行為についても認めておらず、これを明確に否認しています。なお、この和解は当社グループの連結損益計算書に重大な影響を及ぼすものではありません。
32 後発事象
該当事項はありません。
(2) 【その他】
①当連結会計年度(当年度)における半期情報等
②訴訟等について
「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 31 コミットメント及び偶発負債」をご参照ください。
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
【製造原価明細書】
※1 経費のうち主なものは次のとおりであります。
(単位:百万円)
※2 他勘定振替高は、上市前製品にかかる営業外費用への振替等であります。
※3 原価計算の方法は、組別工程別総合原価計算による実際原価計算であります。
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(継続企業の前提に関する事項)
該当事項はありません。
(重要な会計方針)
1 重要な資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法
子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
決算日の市場価格等に基づく時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定
外貨建債券に係る換算差額は、外国通貨による時価の変動に係る換算差額を評価差額とし、それ以外の差額については為替差損益として処理)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
(2) デリバティブの評価基準
時価法
(3) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
商品及び製品
総平均法による原価法
(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
仕掛品
総平均法による原価法
(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
原材料及び貯蔵品
総平均法による原価法
(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
2 重要な固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定率法を採用しております。
ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)については、定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
なお、償却期間は利用可能期間に基づいております。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産について、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
3 重要な引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
受取手形、売掛金等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 賞与引当金
従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、事業年度末在籍従業員に対して、支給対象期間に基づく賞与支給見込額を計上しております。
(3) 役員賞与引当金
役員に対する賞与の支給に備えるため、支給見込額を計上しております。
(4) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、事業年度末における退職給付債務の見込額から企業年金基金制度に係る年金資産の公正価値の見込額を差し引いた金額に基づいて計上しております。なお、退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による定額法により費用処理しております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による定額法により按分した額を、それぞれその発生した事業年度から費用処理することとしております。
(5) 訴訟引当金
法律およびその他の専門家からの適切な助言をもとに、財産が社外に流出する可能性が高くかつ訴訟の帰結について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を計上しております。
(6) 株式給付引当金
株式交付規則に基づく取締役および従業員への当社株式の給付等に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき、計上しております。
(7) 事業構造再編に係る引当金
主に効率的な事業運営体制の構築に向けた、従業員の削減や事業拠点の統廃合をはじめとする取り組みにより今後発生が見込まれる費用について、合理的に見積られる金額を計上しております。
4 収益及び費用の計上基準
(収益の計上基準)
当社の収益は主に医薬品販売に関連したものであり、製品に対する支配が顧客に移転した時点で認識されております。収益の認識額は、当社が製品と交換に受け取ると見込まれる対価に基づいております。一般的には、出荷時または顧客による受領時点もしくはサービスが履行された時点で収益は認識されます。収益の認識額は、当社が財またはサービスと交換に受け取ると見込んでいる対価に基づいております。契約に複数の履行義務が含まれる場合、対価は独立販売価格の比率で各履行義務に配分しております。
当社が財またはサービスと交換に受け取る対価は固定金額または変動金額の場合があります。変動対価は重要な戻入れが生じない可能性が非常に高い場合のみ認識しております。
総売上高からは、主に小売業者、政府機関および卸売業者に対する割戻や値引、返品等の様々な項目が控除されております。これらの控除額は関連する義務に対し見積られますが、報告期間における当該総売上高に係る控除額の見積りには判断が伴います。総売上高からこれらの控除額を調整して、純売上高が算定されます。当社は、これらの控除額に係る義務を毎事業年度確認しており、割戻の変動、契約条件および法律の改定、その他重大な事象により関連する義務の見直しが適切であることが示されている場合には、調整を行っております。なお、これまで売上割戻や値引、返品等の事後的な変動が、純損益に重要な影響を与えたことはありません。
当社は、一般的に製品が顧客に引き渡された時点から90日以内に顧客から支払を受けます。当社は主としてそれらの取引を本人として履行しますが、他の当事者に代わって販売を行うことがあります。その場合は、代理人として受け取ることが見込まれる販売手数料の金額が収益として認識されます。
当社は、知的財産の導出および売却にかかるロイヤルティ、契約一時金ならびにマイルストンにかかる収益を計上しております。知的財産にかかるロイヤルティ収益は、基礎となる売上が発生した時点で認識しております。契約一時金にかかる収益は、一般的には知的財産権の使用権を付与した時点で認識されます。マイルストンにかかる収益は、一般的にはマイルストンの支払条件が達成される可能性が非常に高く、認識した収益の額の重大な戻入が生じない可能性が非常に高くなった時点で認識しております。導出した候補物質の研究開発等のその他のサービスにかかる収益については、サービスの提供期間に応じて認識しております。
当社は、一般的に知的財産の導出契約の締結または顧客によるマイルストンの支払条件の達成の確認から30日以内に顧客から支払を受けます。当社は当社の知的財産を導出しているため、本人として契約を履行しております。また、当社はその他のサービスも本人または代理人として提供しております。
当社は、契約の範囲または価格あるいはその両方の変更が生じた場合に契約変更を識別します。
5 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) ヘッジ会計
① ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっております。
なお、先物為替予約取引およびその他の金融商品については振当処理の要件を満たしている場合は振当処理により、金利スワップ取引については特例処理要件を満たしている場合は特例処理によっております。
② ヘッジ手段、ヘッジ対象およびヘッジ方針
売却する権利を有する顧客に対する売掛金および短期変動金利に連動する将来の金融損益に係るキャッシュ・フロー変動リスクの一部をヘッジするために、金利先渡取引、金利スワップおよび金利通貨スワップを行っております。為替変動に連動する、将来のキャッシュ・フロー変動リスクの一部をヘッジするために、先物為替予約、通貨オプション、金利通貨スワップを利用しております。また、在外子会社への投資の為替変動リスクに対して、外貨建社債及び借入金、先物為替予約等をヘッジ手段としております。これらのヘッジ取引は、利用範囲や取引先金融機関選定基準等について定めた規定に基づき行っております。
③ ヘッジ有効性評価の方法
事前テストは回帰分析等の統計的手法、事後テストは比率分析により実施しております。
なお、取引の重要な条件が同一であり、ヘッジ効果が極めて高い場合は、有効性の判定を省略しております。
(2) 記載金額の表示
百万円未満を四捨五入して表示しております。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより財務諸表にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があるものは以下のとおりであります。
繰延税金資産
2025年3月期および2026年3月期の貸借対照表において、繰延税金資産65,929百万円および119,461百万円を計上しております。注記事項(税効果会計関係)に記載のとおり、2025年3月期および2026年3月期の当該繰延税金資産の繰延税金負債との相殺前の金額は131,923百万円および188,768百万円であり、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の総額551,576百万円および608,335百万円から評価性引当額419,652百万円および419,568百万円が控除されております。
これらの繰延税金資産は、将来減算一時差異の解消又は税務上の繰越欠損金の一時差異等加減算前課税所得との相殺により、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると認められる範囲内で認識されます。
事業年度の末日において繰延税金資産の回収可能性を評価しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予想される将来加算一時差異の解消スケジュール、予想される将来課税所得およびタックスプランニングを考慮しております。このうち、収益力に基づく将来の課税所得は、主に事業計画を基礎として見積られており、当該事業計画に含まれる特定の製品に係る売上高の予測が変動した場合、翌事業年度の財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(追加情報)
株式給付信託
当社は、当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、当社取締役および当社グループ上級幹部に対する株式付与制度を導入しております。
(1)取引の概要
連結財務諸表(注記27 株式報酬 (2)持分決済型株式報酬(株式付与制度))に記載しております。
(2)信託に残存する自社の株式
上級幹部に対する株式給付の会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 平成27年3月26日)を適用し、信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により、純資産の部に自己株式として計上しております。また、取締役に対する株式給付の会計処理については、実務対応報告第30号を準用しております。当該自己株式の帳簿価額および株式数は、2025年3月31日および2026年3月31日現在、それぞれ24,154百万円、5,565千株および22,234百万円、5,102千株であります。配当金の総額には、当該自己株式に対する配当金が、前事業年度および当事業年度において、それぞれ1,099百万円および1,056百万円含まれております。また、配当の効力発生日が翌年度となる配当金の総額には、当該自己株式に対する配当金が510百万円含まれております。
(貸借対照表関係)
※1 偶発債務
(債務保証)
以下に記載する子会社についての負債の償還または返済、ファクタリング取引に伴う特定の債務の支払、不動産リース契約に基づく賃借料支払およびデリバティブ取引に伴う債務の支払等に対し保証を行っております。
(訴訟)
重要な訴訟案件等については、連結財務諸表(注記31 コミットメントおよび偶発負債 (3) 訴訟)の以下の項目をご参照下さい。
製造物責任訴訟および関連する損害賠償請求
① ACTOSの経済損失に係る訴訟
② プロトンポンプ阻害薬製造物責任訴訟
販売・営業および規制
① ACTOSの反トラスト訴訟
② AMITIZAの反トラスト訴訟
④ DEXILANTの反トラスト訴訟
※2 (前事業年度)
固定資産圧縮積立金は、租税特別措置法に基づいて積立てております。
(当事業年度)
固定資産圧縮積立金は、租税特別措置法に基づいて積立てております。
※3 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示したものを含む)
(損益計算書関係)
※1 関係会社との主な取引は次のとおりであります。
※2 販売費及び一般管理費の主要な費目及び金額は次のとおりであります。
(1) 販売費
(2) 一般管理費
※3 特別利益
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(関係会社再編益)
関係会社再編益は、当社グループの事業再編に関連して、主に子会社からの現物配当に伴う交換利益を認識した ものであります。
(投資有価証券売却益)
投資有価証券売却益は、主にDenali Therapeutics Inc.およびPhathom Pharmaceuticals, Inc.の株式を売却したことによるものであります。
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
※4 特別損失
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(事業構造再編費用)
効率的な事業運営体制の構築に向けた、従業員の削減や事業拠点の統廃合をはじめとする取り組みにかかる費用を特別損失に計上しております。
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(関係会社株式評価損)
ガンマ・デルタT細胞療法プラットフォームおよび関連するオンコロジーのプログラムに係る取り組みの中止を決定したことに伴い、GammaDelta Therapeutics Ltd.の純資産が同社株式の帳簿価額を著しく下回ったこと、ならびにNocicera Therapeutics, Inc.の清算手続き開始に伴い同社株式の帳簿価額を回収可能額まで引き下げたことにより、関係会社株式評価損を計上しております。
(有価証券関係)
前事業年度(2025年3月31日)
子会社株式及び関連会社株式(貸借対照表計上額 子会社株式7,693,595百万円、関連会社株式252百万円)は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載しておりません。
当事業年度(2026年3月31日)
子会社株式及び関連会社株式(貸借対照表計上額 子会社株式7,694,117百万円、関連会社株式252百万円)は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載しておりません。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(注)1 Shire社グループの統合の一環として資本関係を整理すべく子会社の清算手続を行っております。当該清算手続の結果、税務上、清算損を損金算入し、多額の欠損金が発生しております。
2 過年度に実施した子会社の清算に伴って現物配当された孫会社株式を、税務上時価で計上したことにより生じた将来減算一時差異が発生しており、予測可能な将来の期間に、その売却等を予定していないため、繰延税金資産を認識していません。当該関係会社株式に係る将来減算一時差異の総額は、2025年3月31日および2026年3月31日現在、それぞれ3,162,611百万円および2,647,952百万円であります。なお、繰延税金負債を認識していない関係会社株式に係る将来加算一時差異の総額は、2025年3月31日および2026年3月31日現在、それぞれ549,055百万円および8,119百万円であります。
3 税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額は下表のとおりであります。
前事業年度(2025年3月31日)
(a)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
(b)注1に記載の清算手続の結果、税務上、清算損を損金算入し、多額の欠損金が発生しております。将来の売上高の予測等に基づき課税所得を見積り、税務上の繰越欠損金366,260百万円のうち29,729百万円について回収可能と判断しております。
当事業年度(2026年3月31日)
(a)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
(b)注1に記載の清算手続の結果、税務上、清算損を損金算入し、多額の欠損金が発生しております。将来の売上高の予測等に基づき課税所得を見積り、税務上の繰越欠損金398,918百万円のうち85,329百万円について回収可能と判断しております。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間の重要な差異の原因となった主な項目別の内訳
3 法人税等の税率の変更
「所得税法等の一部を改正する法律(令和7年法律第13号)」が2025年3月31日に国会で成立したことに伴い、2026年4月1日以後開始する事業年度より、「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。これに伴い、2026年4月1日以後開始する事業年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産および繰延税金負債については、法定実効税率を30.6%から31.5%に変更し計算しております。
4 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。法人税及び地方税並びに税効果会計の会計処理及び開示については、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号2021年8月12日。以下「実務対応報告第42号」という。)に従っております。
(企業結合等関係)
共通支配下の取引等
1 取引の概要
当社は、グループ内の資本関係を整理する一環として、下記の子会社株式を追加取得しています。
当社の保有していた武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.の株式を、武田ファーマシューティカルズ・インターナショナル AGに現物出資することにより、同社の株式を取得したものであります。
追加取得した子会社株式の取得原価と対価の内訳は以下のとおりであります。なお、当該現物出資に伴い認識された損益はありません。
2 実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成31年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 平成31年1月16日)に基づき、共通支配下の取引として処理しております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「(重要な会計方針)4 収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
(重要な後発事象)
2026年5月18日(米国東部時間)、米国マサチューセッツ州の連邦地方裁判所において、AMITIZA(ルビプロストン)に係る反トラスト訴訟に関し、陪審が当社および、当社の連結子会社である武田ファーマシューティカルズU.S.A., Inc.ならびに武田ファーマシューティカルズアメリカ Inc.に不利な評決を下し、原告に対する損害賠償として884,943,990米ドルを認定しました。米国の反トラスト法上、卸売業者クラスに認定された損害賠償額(474,897,965米ドル)および個別の小売薬局に認定された損害賠償額(合計346,837,646米ドル)は、裁判所における判決の言い渡しにより、自動的に三倍となります。一方、第三者支払人クラスに認定された損害賠償額については、判決の言い渡しに先立ち、追加の裁判手続きの対象となります。
本件は、会社法監査における会計監査人の監査報告書日(2026年5月12日)後に生じた事象であることから、翌事業年度に403,510百万円の訴訟引当金を計上予定です。なお、当社に最終的に課され得る負債の金額は確定していません。当社は、今後評決後申立ておよび控訴を行っていく予定であり、控訴審の係属中は判決の執行停止を求める方針です。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注)1 当期増加額のうち主なものは、次のとおりであります。
機械及び装置 光工場における設備の更新に伴う取得 1,994百万円
工具、器具及び備品 湘南アイパークにおける試験・研究機能の拡張に伴う取得 1,347百万円
2 当期減少額の( )内は内書きで、減損損失の計上額であります。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
重要な訴訟案件等については、連結財務諸表(注記31 コミットメントおよび偶発負債 (3) 訴訟)の以下の項目をご参照下さい。
製造物責任訴訟および関連する損害賠償請求
① ACTOSの経済損失に係る訴訟
② プロトンポンプ阻害薬製造物責任訴訟
販売・営業および規制
① ACTOSの反トラスト訴訟
② AMITIZAの反トラスト訴訟
④ DEXILANTの反トラスト訴訟
第6 【提出会社の株式事務の概要】
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。