第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1.第3期より国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しています。
2.移行日の従業員数は、日本基準に基づく数値を記載しています。
(注) 1.第3期の諸数値は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
2.当社は2021年10月1日に共同株式移転の方法により前田建設工業(株)、前田道路(株)及び(株)前田製作所を株式移転完全子会社とする株式移転設立完全親会社として設立されました。なお、株式移転設立完全親会社である当社は、旧親会社で株式移転完全子会社となった前田建設工業(株)の連結財務諸表を引き継いで作成しています。従って、「第1期」には、前田建設工業(株)の第1四半期連結会計期間及び第2四半期連結会計期間が含まれています。
3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、潜在株式が存在しないため記載していません。
4.第1期の1株当たり当期純利益は、当社が2021年10月1日に共同株式移転により設立された会社であるため、会社設立前の2021年4月1日から2021年9月30日までの期間について、前田建設工業(株)等の期中平均株式数に株式移転比率を乗じた数値を用いて計算しています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、潜在株式が存在しないため記載していません。
2.第1期の株価収益率及び配当性向は、当期純損失であるため記載していません。
3.第1期の株主総利回り及び比較指標は、2021年10月1日に東京証券取引所(市場第一部)に上場したため、記載していません。第2期以降の株主総利回り及び比較指標は、2022年3月期末を基準として算定しています。
4.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。ただし、第1回社債型種類株式は、2024年8月2日から東京証券取引所プライム市場に上場したため、それ以前の株価については該当事項がありません。
5.第1回社債型種類株式は、2024年8月2日に東京証券取引所プライム市場に上場したため、第4期以前の株主総利回りは記載していません。第5期の株主総利回りは、2025年3月期末を基準として算定しています。
2 【沿革】
当社は2021年10月1日、グループの経営管理並びにこれに付帯または関連する事業を運営することを目的とする会社として、共同株式移転の方法により、前田建設工業(株)、前田道路(株)及び(株)前田製作所の完全親会社として設立されました。
主な変遷は、次のとおりです。
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所、日本風力開発(株)及び三井住友建設(株)をはじめとする子会社152社及び関連会社(共同支配企業を含む)39社で構成され、建築事業、土木事業、舗装事業、機械事業及びインフラ運営事業を主な事業とし、さらにホテル事業から不動産事業まで幅広く展開しています。当社グループの事業に係る位置づけ及び事業の種類別セグメントとの関係は、次のとおりです。なお、当該区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載された区分と同一です。
また、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
(建築事業)
建築事業は、集合住宅や工場・物流施設を中心とする建設工事及び付帯する事業を展開しています。子会社である前田建設工業(株)や三井住友建設(株)等が営んでおり、これらの会社は施工する工事の一部及び資材納入等を関係会社に発注しています。
(土木事業)
土木事業は、橋梁やトンネルを中心とする建設工事及び付帯する事業を展開しています。子会社である前田建設工業(株)や三井住友建設(株)等が営んでおり、これらの会社は施工する工事の一部及び資材納入等を関係会社に発注しています。
(舗装事業)
舗装事業は、舗装工事等の建設工事並びにアスファルト合材の製造・販売事業を中心に展開しています。子会社である前田道路(株)や三井住建道路(株)等が営んでおり、これらの会社は施工する工事の一部及び資材納入等を関係会社に発注しています。
(機械事業)
機械事業は、建設機械の製造・販売及びレンタル事業を展開しています。子会社である(株)前田製作所等が営んでおり、これらの会社は建設機械の一部を関係会社に販売・賃貸しています。
(インフラ運営事業)
インフラ運営事業は、太陽光・風力発電事業等の開発や建設、運営・維持管理、売却までの事業投資を行う再生可能エネルギー事業及び公共インフラ等の運営権を取得し建設、運営・維持管理を手掛けるコンセッション事業を中心に展開しています。子会社である日本風力開発(株)が風力発電事業の案件開発や運営・維持管理事業、愛知道路コンセッション(株)が道路の維持管理・運営事業、みおつくし工業用水コンセッション(株)が工業用水の維持管理・運営事業、関連会社である仙台国際空港(株)が空港の維持管理・運営事業を営んでおり、子会社である前田建設工業(株)等が建設工事を受注しています。
(その他)
その他の事業は、ホテル事業、ソフトウェア開発事業、建設用資材の販売及び不動産事業等まで幅広く展開しています。子会社である(株)ジェイシティーはホテル事業、(株)リアルテックはソフトウェア開発事業を営んでいます。関連会社である光が丘興産(株)は建設用資材の販売、土地・建物の賃貸や販売を中心に不動産事業を営んでいます。
事業の系統図は次のとおりです。

4 【関係会社の状況】
(連結子会社)
(注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。
2.議決権の所有割合の( )内は間接所有割合で内数、[ ]内は緊密な者または同意している者の所有割合で外数です。
3.主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、資金の貸付及び資金の受入れ等、一元管理を行っています。
4.特定子会社に該当します。
5.有価証券報告書を提出しています。
6.前田建設工業(株)、前田道路(株)及び三井住友建設(株)については、売上高(連結売上高相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えています。日本において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成された同社の財務諸表における主要な損益情報等は以下のとおりです。
なお、三井住友建設(株)の主要な損益情報等については、当事業年度の累計期間の数値を記載していますが、連結財務諸表においては、取得日(2025年9月18日)以降の数値を連結の範囲に含めています。
(持分法適用会社)
(注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。
2.議決権の所有割合の( )内は間接所有割合で内数です。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営の基本方針
当社は、2021年10月1日に、前田建設工業(株)、前田道路(株)及び(株)前田製作所の完全親会社として設立されました。「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」の実現をビジョンに掲げ、「インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで世界中に最適なサービスを提供する。」を果たすべき使命と定め、企業活動を通じて、環境・社会課題の解決にとどまらず、社会そして地球の持続可能な発展に貢献する「総合インフラサービス企業」を目指しています。
「社会・地域の安全安心とサステナビリティ」をステークホルダーに提供するバリューと位置づけ、これを当社グループ共通の価値観として醸成していきます。また、企業が果たすべき社会的責任についての理解をグループで共有し、各種施策を実行していくことで、ステークホルダーの皆様の理解と共感が得られる開かれた経営に努めます。
ステークホルダーの皆様の権利を尊重し、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離することにより経営の公正性・透明性を確保するとともに、適切な情報開示とステークホルダーの皆様との対話を通じ、良好かつ円滑な関係を維持しながら信頼関係を構築していくことで、共同の利益や長期的な価値を協創し、社会価値の創造に貢献します。
当社の理念

(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、当社グループ全体として永続的成長を遂げることを目的に、中長期的に目指す姿を「総合インフラサービス企業」と定め、事業会社の従来の事業における強みを活かしつつ、事業領域を拡大し安定的に高収益を上げ続けるビジネスモデルへ転換することや、生産性改革に向けたデジタル化戦略、技術開発及び人材育成等の協働推進による経営基盤強化に取り組んでいます。また、実効性のあるガバナンス体制の構築やDXの推進等により迅速かつ適正な経営を実現し、社会変化への対応力を強化することで、「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」を目指しています。今後も、既成概念にとらわれない自由な発想で、社会・地域・お客様とともにインフラの可能性を広げ、享受する一人ひとりにとって最適なインフラサービスを提供していきます。
これらの実現のため、現行の『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』で定める当社グループの「目指す姿」、それを実現するための経営ビジョンは以下のとおりです。
①経営環境認識
(建設市場)
・防災や国防、カーボンニュートラルにより、公共投資額は堅調に推移し、横ばいか微増と予測
・建築着工床面積は微減傾向だが、労務単価や資材費の高騰に加え、建物用途や要求スペックの変化により、建設投資額は当面の間、高水準が維持されると予測
・道路事業の舗装新設量は徐々に減少、補修量は徐々に増加し、中長期的には横ばいで推移すると予測
(官民連携市場)
・インフラの老朽化が社会問題として顕在化してきている
・道路を含めた多くのインフラの維持管理の在り方がいよいよ大きく見直される可能性があると予測
・PPP/PFIアクションプランは引き続き政府によって推進され、特に水分野は「ウォーターPPP」の導入に伴い案件化の促進が見込まれる
・地方創生に繋がるスタジアム/アリーナの導入が加速中
(再生可能エネルギー市場)
・半導体工場・データセンター新増設に伴う産業用電力消費を主因として電力需要が増加
・第7次エネルギー基本計画で風力の導入目標が引き上げられ、今後の導入加速が期待される
・再生可能エネルギーの導入を加速するため、需給バランスの調整・電力系統の安定化が必要
・上記課題解決のため、系統用蓄電池事業の導入推進が急務となる見込み
(その他の環境認識)
・担い手不足に対して、働き方改革、抜本的な生産性改革の推進が必須
・長期的な企業成長のため、サステナビリティ経営の更なる推進、より高い水準のガバナンス体制が必須
・デジタル技術の急激な進展による社会変化の加速に対し、迅速かつ機動的な経営体制の確立が急務
②我々が目指す姿
当社グループが「目指す姿」は、以下のとおりです。
・外的要因に左右されずに持続的成長を実現するビジネスモデルの確立を目指し、インフラ運営の上流から下流までをワンストップでマネジメントする「総合インフラサービス企業」をグループ全体戦略として強力に推進する
・グループ各社のエンジニアリング力の集結と、積極的なM&Aによる事業領域の拡大により、競争力を早期に最大化し、外的要因に左右されない「高収益かつ安定的な新たな収益基盤」を確立する
・さらに、実効性のあるガバナンス体制の構築やDXの推進等により、迅速かつ適正な経営を実現し、「社会変化への対応力」を強化することで、「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」を目指す

③戦略三本柱と重点施策
当社グループが「目指す姿」の実現に向けた戦略三本柱とそれぞれの主な重点施策の内容は、以下のとおりです。
・「インフロニアのビジネスモデルに基づく収益基盤の確立」
・「付加価値の最大化」
・「体質強化・改善」

④マルチステークホルダーに対する付加価値分配方針
当社が生み出す付加価値を、社会からの要請に応えつつあらゆるステークホルダーへバランスよく配分することで、付加価値を最大化するサイクルを構築し、持続的な成長を実現していきます。
・人財投資:モチベーション向上や人財の成長や豊かさに繋がる従業員への還元策の推進
・成長投資・恒常的投資:安全で質の高いインフラサービス、M&A、IT・DX投資等への「攻めの投資」と、生産設備投資の最適化や重複資産の統廃合等の「守りの投資」の両輪により、付加価値を最大化
・事業パートナー(連携企業、協力会社など):パートナーのニーズに合わせて付加価値を分配し、競争力の強化、事業領域の拡大、経営の安定化、生産性向上をともに目指し、質の良い供給力・体制を確立
・株主・市場:タイムリーな情報開示や対話といった「定性的な還元」と、配当や資本政策に応じた戦略的自社株買い等の「定量的な還元」により、市場からの信頼を獲得し当社株価の継続的な上昇を目指す
(3) 経営環境と対処すべき課題、現中期経営計画の概要
①経営環境と対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境においては、人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保障費の増大により、国や地方公共団体の財政がますます厳しくなる一方で、高度経済成長期に整備された膨大な数の社会インフラが一斉に老朽化していくため、新規建設はおろか、既存インフラの維持管理・更新への投資もままならない状況になると予想されます。また、少子高齢化に伴う生産年齢人口減少の影響による担い手不足の更なる深刻化や、デジタル化への変革、地球環境問題等への対応が不可避であることも考えると、建設産業においても従来の価値観が変わり、産業構造そのものが変化していくと考えられます。
このような社会課題の解決や、景気や国の政策等の外部要因による需給バランスの影響を強く受けるという特徴のある、建設業の請負ビジネスが本質的に持つボラティリティの高さに向き合うため、当社グループは、「造る」「建てる」といった請負の枠を超え、既存インフラをどのように維持し価値を高め続けるかという、投資や運営も含めたインフラのライフサイクル全体に関わるビジネスモデルの構築に挑戦してきました。
当社グループは引き続き、前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所、日本風力開発(株)、三井住友建設(株)をはじめとしたグループ各社が有する従来の事業における強みを活かしながら、インフラに関わる事業領域の拡大と、企画提案、施工、運営・維持管理、再投資等の、インフラの上流から下流までを一貫してマネジメントする「総合インフラサービス企業」への転換に挑戦し、目指す未来である「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」の実現に向けて取り組んでまいります。
②三井住友建設(株)との経営統合及びPMI
当社は、三井住友建設(株)に対する株式公開買付けを実施し、2025年12月23日をもって当社の完全子会社となりました。
当社グループにおいては、高い技術力、営業力、調達力や施工供給力の確保に加え、新しいテクノロジーの更なる活用が競争力を高めていくために急務となっています。三井住友建設(株)は、土木分野における橋梁を中心とした公共工事、建築分野における超高層建築を代表とする高い技術力、アジアを中心とした海外事業における豊富な実績を強みとして有しており、同社を当社グループに迎え入れることにより、直面する諸課題に対応するケイパビリティを確保し、「総合インフラサービス企業」の実現の鍵となるエンジニアリング力の強化を狙っています。
2025年9月の三井住友建設(株)の連結子会社化後は、同社とのシナジーを最大限発揮するため、統合委員会や分野ごとに組成した分科会を通じて、PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)に取り組んでいます。
③『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』の概要と進捗
『INFRONEER Medium-term Vision 2024 中期経営計画』(以下、前中期経営計画)における取り組みと成果を踏まえ、当社は、2025年度から2027年度までの3年間を対象期間とする現中期経営計画を策定し、2025年3月に公表しました。2025年11月には、三井住友建設(株)のグループ入りに伴う見直しを行い、改訂版の現中期経営計画を公表しています。
現中期経営計画は、2030年度までを対象期間とする『INFRONEER Vision 2030 中長期経営計画』で掲げている目指す姿の実現に向けて、前中期経営計画での成長を基盤に今後3年間を「投資事業拡大フェーズ」と位置づけ、財務規律に則り、バリュー思考に基づく積極的な成長投資を推進します。事業活動から生み出される実質的な収益力を示すEBITDAを重要指標とし、特にインフラ事業における持続的成長を目指します。
また、当社は、2021年10月の設立時から機関設計として「指名委員会等設置会社」を採用し、取締役の過半数を独立社外取締役とするガバナンス体制を構築しています。2025年6月からは、取締役7名のうち6名を独立社外取締役で構成し、取締役会の監督機能の強化と執行側のスピード感ある意思決定を実現する体制の一層の推進を図っています。経営の監督と執行の機能を明確に分離し、透明・公正かつ果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスのあるべき体制をさらに進化させ、未来志向の事業戦略と実行力で企業価値向上と社会貢献の両立を実現してまいります。
ビジネスモデル
当社は、インフラの上流から下流までをワンストップでマネジメントする「総合インフラサービス企業」を目指し、グループ全体が外的要因に左右されずに持続的な成長を実現するビジネスモデルの確立に取り組んでいます。請負事業の強化と脱請負事業の拡大により、成長サイクルの好循環を目指してまいります。

現中期経営計画の位置づけ
当社は、現中期経営計画の3年間を、「投資事業拡大フェーズ」と位置づけています。官民連携事業や再生可能エネルギー事業への投資拡大や、請負を活かした新事業の実行、M&Aの更なる推進に注力してまいります。

業績目標
2027年度の業績目標について、以下のとおり定めています。
(注)1.事業利益に減価償却費を加算して算出します。
2.加算法または控除法により算出します。加算法による場合、事業利益、総人件費、減価償却費、研究開発費の総和により算出される額とします。控除法による場合、売上高から外部購入費用を控除して算出される額とします。
なお、2030年度の業績目標については以下のとおり定めています。
資本戦略・還元方針
資本戦略・還元方針について、以下のとおり定めています。資産の効率化と収益性の向上を通じてROEを12.0%まで引き上げるほか、自己資本比率30%以上を維持し、D/Eレシオを1.0倍以下に抑えることで、財務健全性を確保します。また、2026年度からは年間配当金の下限を普通株式1株当たり60円から90円に引き上げ、配当性向の目標を前中期経営計画の30%以上から引き上げ40%以上とすることで、安定かつ成長に連動した還元を維持してまいります。
政策保有株式については2027年度までに保有ゼロを目標とし、保有不動産については現中期経営計画期間中に100億円以上の売却を推進します。これらの売却により得られる経営資源を官民連携事業や再生可能エネルギー事業等の成長投資に振り向け、事業領域の拡大と利益の最大化を目指します。

④三井住建道路(株)に対する公開買付けによる完全子会社化について
当社の子会社である三井住友建設(株)は、同社の子会社である三井住建道路(株)に対し、完全子会社化を目的として、公開買付けを実施することを決定し、2026年4月22日に本公開買付けが成立しました。今後、スクイーズアウト手続きを経て、完全子会社となる見込みです。
三井住友建設(株)と三井住建道路(株)の両社は、これまで以上に緊密な連携の下で経営リソースを持ち寄り、施工・営業・調達・技術・開発等において一体化・最適化を推進することが一層の競争力強化に繋がると判断しました。また、完全子会社化(非上場化)により一般株主との間で生じる利益相反関係を解消し、インフロニアグループとして最適な資源配分・投資等を迅速に実施を可能にすることが見込まれます。
⑤水ing(株)の株式取得(完全子会社化)について
当社は、2026年4月14日、水ing(株)の全株式を(株)荏原製作所、日揮ホールディングス(株)及び三菱商事(株)(以下、3社)から取得することを決定し、3社との間で株式譲渡契約を締結しました。譲渡実行日は2026年7月1日を予定しており、同日付で同社は当社の完全子会社となる見込みです。
水ing(株)は、水処理設備のEPC・運転・維持管理(O&M)を主力事業とし、官民連携による水道事業の運営等を通じて、国内において高い実績を有しています。また、水道・下水道をはじめとする各種水処理分野において、設計・建設から運転管理まで幅広いサービスを提供しています。
水ing(株)の完全子会社化により、同社グループが保有する水処理エンジニアリング力及び運転管理体制と、当社グループが保有する事業の最適化や効率化を推進するプロジェクトマネジメント能力及び土木建築技術・ノウハウを相互に活用し、上下水道事業の設計・建設・維持管理・運営において一体的なサービス提供が可能になります。また、水ingグループが保有する維持管理拠点を起点として、当社グループが推進する「総合インフラサービス」としての道路や公共施設管理への展開・拡大も可能となり、当社グループ及び水ingグループの更なる企業価値向上に寄与するものと考えています。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社は、「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」をビジョン(目指す未来)に掲げ、「インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで世界中に最適なサービスを提供する。」をミッション(使命)と定め、「社会・地域の安全安心とサステナビリティ」をバリュー(約束する価値)とし、企業活動を通じて、環境・社会課題の解決にとどまらず、社会そして地球の持続可能な発展に貢献する「総合インフラサービス企業」を目指しています。
当社の考えるサステナビリティは、「インフラサービスを取り巻く社会課題の解決に取り組み、自社の成長と企業価値向上に努め、良質なインフラサービスの提供とその社会的価値向上を図り、社会に貢献する企業」を目指す事業活動そのものであると考えています。社会には多数の課題が存在しており、環境課題や社会課題は個別の課題ではなく総合的に考えるべき課題であり、当社グループ全体の事業の中で解決しなければなりません。また、これらの課題解決を確実に推進するために、高度なガバナンス体制を採用し適正なリスクマネジメントを行っています。
(1)ガバナンス
当社は、代表執行役社長を議長とし、全執行役及び事業会社担当役員を委員とするサステナビリティ委員会を設置しています。当委員会は、企業価値に影響を与える中長期リスク・機会、社会課題に対し、企業の持続的発展を図るための検討を実施し、当社グループの経営計画に反映することを目的としています。
定期的に当委員会を開催し、サステナビリティ関連の方針、目標の制定・見直しや気候変動シナリオの選定及び移行計画(設備・開発投資)の立案、これらの施策を補完するためのステークホルダーエンゲージメントを行い、当社グループ全体のサステナビリティを推進しています。また、当委員会における検討内容は、定期的に取締役会に報告し、取締役会の監督が適切に行われるよう体制を整えています。
当連結会計年度においては、2025年5月、7月、11月、2026年2月、3月の計5回開催し、主な審議事項は以下のとおりです。

(2)戦略
当社の考えるサステナビリティは上記のとおり、当社の事業活動そのものです。
サステナビリティに関する課題及びマテリアリティの特定にあたっては、少子高齢化や財源不足、担い手不足などわが国のインフラが抱える課題や当社グループを取り巻くステークホルダー、バリューチェーンなどの分析を行いました。
課題の抽出・統合・絞込みを行い、マテリアリティとして「安全安心とより快適な社会の創造」、「環境配慮社会の実現」、「バリューチェーンの強化」、「価値創造人材と相互尊重」、「ガバナンス強化」を特定しています。これらのマテリアリティの解決を通じて、事業を通じた社会課題解決及び事業基盤の強化に取り組み、社会の持続的な発展と当社グループの持続的な成長の両立を目指します。
これら5つのマテリアリティは、中長期経営計画の戦略三本柱「インフロニアのビジネスモデルに基づく収益基盤の確立」、「付加価値の最大化」、「体質強化・改善」とも連動しており、それぞれに2030年の中長期目標(達成ビジョン)及びKPIを定め、実現に向けた施策を実行・推進しています。なお、中長期目標、KPI、実績の詳細につきましては、「(4)指標と目標」に記載のとおりです。
参照URL: https://www.infroneer.com/jp/sustainability/materiality.html
(3)リスク管理
マテリアリティ特定プロセスにおいて、事業会社(セグメント)別のサステナビリティに関するテーマについて、抽出・統合・絞込みを行い、29項目の重要テーマに分類し、グループ全体及び事業会社へ及ぼすリスク・機会を検討し重要性を評価しています。特に重要なテーマについては、各マテリアリティに対応するサブ課題として整理しています。
これらサステナビリティに関するリスク・機会に関して、サステナビリティ委員会及びリスク管理委員会において具体的な検討を行い、リスクの低減及び機会の獲得・創出に努めています。
参照URL: https://www.infroneer.com/jp/sustainability/materiality.html
(マテリアリティ特定プロセス)

(4)指標と目標
5つのマテリアリティに対して、重要テーマ、2030年の中長期目標(達成ビジョン)、KPIを定め、目標達成に向けて進捗管理を行っています。上記ガバナンスにおいて各指標の進捗状況をモニタリングし、今後の取り組みに反映しています。
マテリアリティ、重要テーマ、中長期目標、KPI、2024年度実績及び進捗は以下のとおりです。
「戦略3本柱」インフロニアのビジネスモデルに基づく収益基盤の確立
中期経営計画 重点施策
・国内における事業領域・インフラサービス事業のさらなる拡大
・海外における事業領域拡大・インフラサービス事業への参入
「戦略3本柱」付加価値の最大化
中期経営計画 重点施策
・バリュー思考に基づく、価値創造プロセスの最適化
・グループ連携による利益の最大化
・安定かつ低コストな資金調達の実現
・付加価値創出につながる視点での固定費・管理費の適正化
・気候変動:2050年ネットゼロに向けた取り組みを推進するとともに社会への再生可能エネルギーの安定供給をする
・循環経済:あらゆるインフラの環境配慮設計を推進し、計画的な運営・維持管理による長寿命化を実現させる
・自然再興:環境負荷低減や自然環境の機能を活かした取り組みを推進し、自然との調和を図る
「戦略3本柱」 体質強化・改善
中期経営計画 重点施策
・グループ人財戦略の推進
・多様な人材の計画的な確保
・多様な人材が活躍できる組織づくり
・社内外の環境に対応した適切なガバナンスの追求
・投資規律(基準・モニタリング)のレベルアップ
<気候変動への対応>
気候変動に関する方針・考え方
気候変動は当社グループの重要経営課題の一つであり、官民連携によるインフラの維持管理・修繕・更新や新規建設において、カーボンニュートラルの取り組みが加わった市場がより急速に拡大すると認識しています。当社グループは2050年までにスコープ1、2、3の温室効果ガス(以下、GHG)排出量を「実質ゼロ」とする目標を掲げ、気候変動への取り組みを強化すると共に、エネルギー使用の削減と効率化への取り組みを進めています。また、2030年GHG削減目標を「1.5℃水準」に更新し、2024年11月にSBTイニシアチブより認定を受けました。
(1)ガバナンス
当社グループは、気候変動を重要経営課題の一つと認識しています。気候変動に関わる基本方針や重要事項について定期的にサステナビリティ委員会にて検討を行うとともに、取締役会の監督が適切に行われるよう体制を整えています。
(2)指標及び目標
当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、2021年度を基準年とし、2030年にスコープ1+2を45.8%削減、スコープ3を25%削減することを目標としています(SBT認定取得済)。

(3)実績
2024年度は、ecole(エコール)※1導入推進や再生可能エネルギーの積極活用(非化石証書含む)等の取り組みにより、約257万t-CO2※2(前年度より約17万t-CO2減少)となりました。目標に対しては、2021年度比スコープ1+2 38.2%削減、スコープ3(カテゴリー1+11)31.3%削減に至っています。
また、エンボディードカーボン※3を評価する体制を強化し、バリューチェーン全体の排出量削減を進めます。インフラ運営事業でも、サプライヤーやバリューチェーンのステークホルダー間でGHG排出量削減の実効性を高めるための情報交換と共有の仕組みをつくり、環境負荷削減のワンストップサービス構築を目指します。
※1 機械式フォームド技術を利用した低炭素(中温化)アスファルト混合物
※2 スコープ1、スコープ2、スコープ3(カテゴリー1+11)の合計値
※3 建築物の運用以外(建材の調達、製造、輸送、建設工事、建物の廃棄・リサイクル)で排出されるCO2の総量
信憑性の確保のための取り組みとして、GHG排出量(スコープ1、スコープ2及びスコープ3カテゴリー1、11)について、サステナビリティ会計事務所による第三者検証を実施しています。今後も第三者検証を有効に活用し、継続的に制度向上に取り組んでいきます。

(4)リスク管理・戦略
リスクと機会の抽出は、当社グループ全体を対象に各事業会社の主管部門を中心に行い、その結果を当社のサステナビリティ推進室で集約し、財務影響分析を行いました。このプロセスに基づき特定した主要なリスクと機会については、サステナビリティ委員会において検討した後、取締役会へ報告し、必要に応じてリスクの緩和・コントロールについて検討します。さらに、この結果は四半期ごとに開催されるリスク管理委員会とも共有し、当社グループ全体のリスク管理体制の中で検討・管理しています。
(5)シナリオ分析の前提
気候変動におけるリスクと機会は、「脱炭素社会への移行の影響(主に政策面)」と「物理的影響(主に自然災害の発生)」に分けることができ、気候変動の緩和が進む「1.5℃シナリオ(進展シナリオ)」、気候変動の緩和が進まず物理リスクが最大化する「4℃シナリオ(停滞シナリオ)」の2つのシナリオで分析を実施しました。各シナリオの前提条件は、各国際機関等が公表している将来的な気候予測等を参照のうえ、短期~中期(2030年まで)、中期~長期(~2050年まで)を想定して検討を行っています。
シナリオ分析の概要
想定される事業への影響度合い
(6)リスク・機会の財務影響評価及び対応策
シナリオ分析によって特定した、主要なリスク・機会の財務影響評価及び対応策は以下のとおりです。
リスクと機会 ■:分析対象 □:関連するが、影響が微小または算定困難なため今回の分析からは除く
対応策 ■:分析対象 □:関連するが、影響が微小または算定困難なため今回の分析からは除く
※1 初期投資及び減価償却によるマイナス
※2 研究開発投資によるマイナスは、各施策のプラス効果へ
(7)財務影響評価による戦略の強靭性について
本分析の結果、当社グループにおける戦略は、現時点において移行・物理的リスクのいずれにおいても、致命的な影響は見受けられないものと判断しました。
<人的資本への対応>
(1)戦略
当社グループは、人財を付加価値最大化の原動力と位置づけ、人財投資を企業価値向上の起点として推進しています。 また、請負と脱請負の連携・融合の加速に向け、多様な人材の確保・育成と、能力を最大限発揮できる組織づくりを両輪とした人材マネジメントを推進しています。これにより、組織全体の付加価値創出力を高め、中長期的な企業価値の向上を目指します。
(中期経営計画グループ人材戦略)

(グループ人材戦略)

人材戦略の実現に向け、エンジニアリング力・地域ビジネス・組織文化の3つの視点に基づき、多様な人材の計画的な確保・育成と、多様な人材が活躍できる組織づくりの両面から重点施策を定め、当社グループの目指す「総合インフラサービス企業の確立」に向けた取り組みを推進しています。これらの施策を通じ、既存及び新規の多様な人材の強みを掛け合わせ、総合インフラサービス企業を確立してまいります。
なお、当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材育成及び社内環境整備に関する方針は、「インフロニアグループ ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンポリシー」に定めています。
インフロニアグループ
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンポリシー
■ 前文
インフロニアグループは、「インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで、世界中に最適なサービスを提供する。」という使命をもち、多様な価値観やライフスタイルを持つお客様の日々の生活基盤となるインフラサービスを提供しています。多様性のある社会においてインフラサービスを提供し続けるためには、多様な価値観、属性、能力等を有し、共創するメンバーの一人ひとりが能力を最大限に発揮し、新たな価値を生み出していくことが必要であり、インフロニアグループは、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進を重要な経営戦略として位置づけ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、以下の方針に基づき取り組みを進めていきます。
■ 方針
1. ダイバーシティを活かす
私たちは、インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑むため、今ある多様な強みと新たに獲得する多様な強みを結集し、あらゆる意見とアイデアが溢れ出す、革新的かつ創造的な企業文化を醸成します。
2. エクイティの追求
私たちは、挑戦する一人ひとりに公平な機会が提供され、公正な評価や処遇を実現するための制度や環境を整えます。
3. インクルージョンの推進
私たちは、インフロニアグループに誇りを持ち、自分らしさを発揮できるよう、多様な人財の価値観、属性、能力、ライフスタイル等を尊重します。また、挑戦する一人ひとりの成長と活躍を実現するキャリア形成支援に取り組みます。
4. トレーニングの提供
私たちは、全ての人財とダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの重要性を共有し、企業文化を醸成するトレーニングの機会を提供します。
5. パートナーシップの強化
私たちは、パートナーと共にダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを重視し、企業活動を通してより良い社会を作るための取り組みを推進します。
(2)指標及び目標
当社グループでは上記方針に関する指標として、障がい者雇用率、女性社員雇用率及び女性技能社員雇用率を指標として用いています。当連結会計年度末現在における人的資本に係る目標、指標及び実績は、以下のとおりです。測定可能な目標、指標については順次項目の新設や見直しに取り組んでまいります。
(2026年3月31日現在)
3 【事業等のリスク】
当社グループは、事業運営における多様なリスクを認識し、適切に管理することを重要な経営課題と位置づけています。リスク管理委員会を四半期ごとに開催し、経営層及び各部門の責任者が参加する体制を構築しています。この委員会では、事業活動や外部環境の変化に伴うリスクを網羅的に洗い出し、評価・優先順位づけを行い、重要なリスク項目を特定しています。
さらに、各リスクに対する具体的な対応策を策定し、その実行状況をモニタリングすることで、リスク管理の精度を向上させています。また、リスク要因の相関性を考慮した定期的な見直しを実施し、内部統制との連携を強化することで、全社的なリスクマネジメントを推進しています。
当社グループは、リスク管理において単なるリスク回避に留まらず、リスクを認識した上で適切にリスクテイクを行うことで企業価値の向上と持続可能な成長を目指しています。この取り組みはグループ全体で共有され、すべての事業活動において実践されています。
当社グループは、中期経営計画「INFRONEER Medium-term Vision 2027」において、戦略の三本柱並びに重点施策を策定・推進しており、それに伴いリスク管理の枠組みを強化しました。具体的には、前期までの取り組みを踏まえつつ、「ガバナンス・コンプライアンス・開示と報告」、「戦略と計画」、「業務運営と経営」の視点から、各重点施策に係るリスクの見直しを行いました。この取り組みにより、事業とリスクの関連や影響をより正確に把握し、発生時には迅速かつ適切な対応が可能となっています。
また、リスク管理プロセスにおいては、各重点施策に関連するリスクを網羅的に抽出し、その中でも特に影響が大きいと判断される重点リスクを特定しています。これら重点リスクについては、リスクの発生可能性や影響度を評価した上で、優先的に対応策を講じており、その内容を以下に記載しています。このアプローチにより、当社グループが直面するリスクの重要性を明確化し、効果的な対応を進めています。
こうした中、三井住友建設(株)のグループ入りに伴い引き続き内部環境が変化するほか、中東情勢の緊迫化等により外部環境も大きく変化していることから、十分注意を払いながらリスク管理に努めます。
なお、以下に記載する内容は当連結会計年度末日(2026年3月31日)において判断したものであり、当社株式への投資に関するすべてのリスクを網羅するものではありません。実際のリスク事象においては、その発生時期、影響の程度が異なる可能性があるため、これらの点に留意する必要があります。
(リスクマネジメントフロー)

(各重点施策に関連するリスク)

(注)各重点施策に関して特定されたリスクを○で示しています。また、その中でも特に影響が大きいと判断される重点リスクを◎で示しています。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり、緩やかに回復してきました。一方で、中東情勢をはじめとする世界経済の不透明感や金融資本市場の変動、米国の政策動向による影響等に注視すべき状況が続いています。
建設業界においては、住宅建設に弱さが見られるものの、設備投資は堅調な企業収益や省力化投資への対応等を背景に持ち直しの動きが続いているほか、公共投資はインフラ老朽化対策や国土強靭化の推進等の関連予算の執行により底堅く推移しています。
このような状況の中、当社は、「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」の実現に向けて、目指す姿を、インフラに関わる事業の企画提案、施工、運営・維持管理、再投資等のインフラのライフサイクル全体をマネジメントする「総合インフラサービス企業」と定め、グループ全体が外的要因に左右されずに持続的な成長を実現するビジネスモデルの確立に取り組んできました。請負事業の強化と脱請負事業の拡大により、成長サイクルの好循環を目指してまいります。
また、当社は、三井住友建設(株)に対し株式公開買付けを実施し、2025年12月に同社を完全子会社化しました。今後は、同社が有する技術力・事業基盤と当社グループの経営資源を融合することにより、グループ全体での経営資源の有効活用を図り、DX、技術開発、サステナビリティ戦略及び人材育成を共同で推進するとともに、新規事業機会の創出に取り組むことで、当社グループの更なる企業価値向上を図ってまいります。
当連結会計年度の経営成績は、売上高は前期比2,773億円(32.7%)増の1兆1,248億円、事業利益は前期比355億円(73.3%)増の841億円となり、税引前利益は前期比574億円(115.5%)増の1,072億円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益については、前期比441億円(136.2%)増の765億円となりました。
※事業利益は、売上高から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益及び関連会社投資に係る売却損益を加えた、当社の経常的な事業の業績を測る利益指標です。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、当社グループはグループシナジー強化を図るため経営管理区分の見直しを行っており、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に記載のとおりです。
(建築事業)
建築事業は、集合住宅や工場・物流施設を中心とする建設工事及び付帯する事業を展開しており、国内建築工事において再開発事業等の大型工事を含む手持工事が順調に進捗したことから、売上高は前期比1,342億円(36.9%)増の4,977億円となりました。セグメント利益は、期首手持工事の利益改善により、前期比79億円(55.8%)増の221億円となりました。なお、当期の業績には、連結子会社化後の三井住友建設(株)の業績が含まれています。
(土木事業)
土木事業は、橋梁やトンネルを中心とする建設工事及び付帯する事業を展開しており、国内土木工事において期首手持工事及び当期受注工事の進捗が順調であったことなどから、売上高は前期比1,185億円(81.0%)増の2,649億円となりました。セグメント利益は、当期完成工事における設計変更の獲得及び施工効率化・工期短縮により、前期比102億円(65.1%)増の260億円となりました。なお、当期の業績には、連結子会社化後の三井住友建設(株)の業績が含まれています。
(舗装事業)
舗装事業は、舗装工事等の建設工事並びにアスファルト合材等の製造・販売を中心に展開しており、売上高は堅調に推移した結果、前期比191億円(7.3%)増の2,822億円となりました。セグメント利益は、建設工事における受注時利益率の向上及びアスファルト合材販売における外部環境に応じた適切な販売価格の維持により、前期比14億円(7.4%)増の213億円となりました。なお、当期の業績には、連結子会社化後の三井住建道路(株)の業績が含まれています。
(機械事業)
機械事業は、建設機械の製造・販売を中心に展開しており、建設機械関連商品の販売は堅調に推移したものの、クレーン等自社製品の販売が伸び悩んだことから、売上高は前期比15億円(3.7%)減の395億円となり、セグメント利益は前期比3億円(15.4%)減の19億円となりました。
(インフラ運営事業)
インフラ運営事業は、再生可能エネルギー事業及びコンセッション事業を中心に展開しており、大洲バイオマス発電(株)が通期稼働したことに加え、(匿)菰野ヴィラプロジェクトにおける不動産売却等により、売上高は前期比66億円(21.6%)増の374億円となりました。利益面では、(匿)菰野ヴィラプロジェクトで不動産売却があったものの、日本風力開発(株)において風力発電所を売却から保有へと方針転換したことや、国立競技場を運営する(株)ジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメントでは、開業初年度に伴う費用の発生等により、セグメント損失は17億円(前期はセグメント損失21億円)となりました。
(その他)
その他の事業は、ホテル事業、ソフトウェア開発事業、建設用資機材の製作・販売、ビル管理及び不動産事業等を中心に展開しており、売上高は前期比1億円(6.6%)増の30億円となりました。セグメント利益は、持分法適用関連会社である東洋建設(株)の株式譲渡に伴い、前期比136億円(736.7%)増の154億円となりました。
(2) 財務状態
当連結会計年度における資産は、三井住友建設(株)の連結子会社化に伴い、のれんなどを計上したことに加え、現金及び現金同等物や契約資産などの諸資産を受け入れたことにより、前連結会計年度末に比べ5,723億円(39.5%)増加し、2兆231億円となりました。負債は、三井住友建設(株)の連結子会社化に伴う諸負債の受け入れに加え、同社の株式取得資金としての借入金の増加、並びに日本風力開発(株)においてA種優先株式を発行したことなどにより、前連結会計年度末に比べ4,699億円(51.8%)増加し、1兆3,778億円となりました。また資本は、前連結会計年度末に比べ1,023億円(18.9%)増加し、6,452億円となりました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する持分は6,106億円となり、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の35.8%から30.2%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益を1,072億円計上したほか、営業債権及びその他の債権の減少が574億円あったことなどにより、1,862億円(前期は396億円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が429億円あった一方、関連会社株式の売却による収入が281億円あったことなどにより、△327億円(前期は△275億円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、株式公開買付けによる三井住友建設(株)の連結子会社化に伴う短期借入による収入や、その他の金融負債の増加による収入などにより、866億円(前期は△48億円)となりました。以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は、前連結会計年度末の1,195億円から2,414億円増加し、3,609億円となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち、主なものは、建設工事の立替資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要のうち、主なものは、M&A、設備投資等によるものです。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入・社債の発行、インフラ運営事業については、ノンリコースでの資金調達を基本としています。
なお、当連結会計年度末における有利子負債(リース負債及び公共施設等運営権に係る負債を除く。)の残高は、前連結会計年度末の3,951億円から1,781億円増加し、5,733億円となりました。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める建築事業及び土木事業では請負形態をとっているため、生産を定義することが難しく、生産実績及び販売実績を正確に示すことは困難です。
また、連結子会社が営んでいるインフラ運営事業等のように、受注生産形態をとっていない事業もあるため、当該事業においては生産実績及び受注実績を示すことはできません。
以上の理由で、生産、受注及び販売の実績を示すことはできませんが、当社グループの受注及び施工等の大半を占める事業会社である前田建設工業(株)、三井住友建設(株)、前田道路(株)及び三井住建道路(株)の受注及び売上等の実績は次のとおりです。
a.事業会社別受注高・売上高及び次期繰越高
(注)1.上記数値は、各事業会社の連結数値に基づき表示しています。
2.当期売上高には、セグメント間取引が含まれています。
3.前期繰越高の上段( )内表示は、前期における次期繰越高を表し、下段表示額は当期において為替相場が変動したため、前期繰越高を修正したものです。
b.事業会社別受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注)上記数値は、各事業会社の単体数値に基づき表示しています。
c.事業会社別完成工事高
(注)1.上記数値は、各事業会社の連結数値に基づき表示しています。
(注)2.当事業年度の完成工事のうち、主なものは次のとおりです。
(注)3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
d.事業会社別手持工事高(2026年3月31日現在)
(注)1.上記数値は、各事業会社の連結数値に基づき表示しています。
(注)2.手持工事のうち、主なものは次のとおりです。
5 【重要な契約等】
(公共施設等運営権実施契約)
6 【研究開発活動】
当連結会計年度は、建築事業、土木事業、舗装事業、機械事業及びインフラ運営事業を中心に研究開発を行い、その総額は6,807百万円です。
(建築事業、土木事業及びインフラ運営事業)
連結子会社である前田建設工業(株)においては、「総合インフラサービス企業」への変革を掲げ、生産性・品質の向上に加え、脱炭素社会の実現、老朽インフラの健全化、災害対応力の強化など、社会課題の解決と事業価値の向上を両立する研究開発を推進しています。
当連結会計年度は、建築・土木分野における既存事業の高度化に加え、環境対応、維持管理技術や生産性向上を中心とした重点分野の研究開発に取り組みました。また、将来の事業展開を見据えた新技術についても継続的な検討・開発を行っています。
研究開発の推進にあたっては、審査会議を通じて経営層と方針・進捗を共有し、重点テーマへの経営資源の集中と、社内外パートナーとの連携による早期社会実装を図っています。
当連結会計年度における研究開発費は3,509百万円であり、主な研究開発成果は次のとおりです。
①PFAS(有機フッ素化合物)汚染対策技術
PFOS・PFOAを中心とする有機フッ素化合物(PFAS)による水・土壌汚染が顕在化する中、独自に開発したPFAS吸着処理システム「De-POP’s ION®」及び可搬型・小規模対応モデル「De-POP’s ION mini®」を用いた研究開発と社会実装を推進しました。
防衛省基地内排水路を対象としたPFOS・PFOA対策検討業務の受注、大学キャンパスにおける泡消火剤由来のPFOS漏洩事案への緊急対応、産業廃棄物最終処分場浸出水及び浄水場原水を対象としたPFAS濃度低減の実証試験を実施しました。さらに、自治体と連携した長期実証により、運用方法に関する知見を蓄積しています。
これらの取り組みが評価され、PFOS・PFOAが混入した消火用貯水槽の機能正常化への対応について、第9回インフラメンテナンス大賞(防衛省特別賞)を受賞しました。
②老朽インフラ(下水道管路)の予防保全・維持管理技術
老朽化が進む下水道管路に対し、硫化水素の生成から劣化進行までを考慮した余寿命評価・リスク評価技術と、管路内から背面空洞を検知可能な無人点検ロボット技術の研究開発を進めました。
熊本市下水道管路包括的維持管理業務において実証を開始し、事後保全から、劣化予測と状態監視を組み合わせた予防保全型管理への転換を可能とする技術として有効性を検証しています。また、本取組みは令和8年度の国土交通省上下水道一体革新的技術実証事業(AB-Crossプロジェクト)に採択されました。
③トンネル施工の自動化・合理化技術
山岳トンネル工事の安全性と生産性向上を目的に、全自動鋼製支保工建込みロボット、発破パターン作成支援システム、自動装薬システム及び三ブーム自動装薬専用機の開発・現場適用を推進しました。
これらの技術により、切羽直下への作業員立入ゼロを実現するとともに、余掘り量の低減、作業人員削減、施工品質の安定化を確認しています。
④遠隔施工・災害復旧対応技術
災害復旧工事における安全性確保を目的として、遠隔操作技術を用いた施工手法の研究開発を進めました。当年度は、能登半島地震の復旧工事において、遠隔操作によるバックホウ施工の実証を行うことで、現状での課題を把握しました。災害復旧や危険作業の安全性向上を目指し、引き続き遠隔操作システムの導入検討を進めていきます。
⑤音環境・快適性向上技術
屋外スポーツ施設や大空間建築物を対象に、ピクシーダストテクノロジーズ(株)と、メタマテリアルをベースとした通気性を維持しつつ低周波騒音を低減する遮音技術や、音・振動・温熱の統合的評価技術の研究開発を進めました。屋外イベント施設等への展開を視野に入れ、実証データの取得を行っています。
⑥ボクセル型インフラデジタルツイン技術(国土交通大臣賞受賞)
法政大学と共同で取り組んできたボクセル型インフラデジタルツインの構築が、国土交通省主催の「令和7年度インフラDX大賞」において国土交通大臣賞を受賞しました。本技術は、ボクセル型空間表現を用いてインフラ情報を直感的に可視化し、施工計画や維持管理の高度化に資するものです。専門知識に依存せず活用可能な点が評価され、教育・管理分野への展開に向けた技術的知見を蓄積しています。
⑦可搬型マイクログリッドシステムに関する共同研究開発(前田建設工業×ダイハツ工業)
再生可能エネルギーの有効活用及び災害時における事業継続性の向上を目的として、ダイハツ工業(株)と連携し、可搬型マイクログリッドシステムに関する研究開発を実施しました。太陽光発電、蓄電池、電動車両を組み合わせた電力供給方式について、平常時及び非常時の運用を想定した検証を行い、可搬性や運用切替に関する技術的知見を蓄積しています。
連結子会社である三井住友建設(株)においては、「コア技術の深化と未来の新市場を獲得する持続可能な技術開発」を基本方針とし、品質・生産性の向上、サステナビリティ社会の実現及び新たな付加価値の提供に資する技術開発を推進しています。
顧客ニーズに的確かつタイムリーに対応する技術開発を重点施策とし、技術研究所、土木本部、建築本部、事業創生本部を中心に、技術開発活動を展開しました。
当連結会計年度における研究開発費は958百万円であり、主な技術開発成果は次のとおりです。
①PCa工事の全工程を可視化する情報一元管理システム「PATRAC-Apps Ensemble」の開発及び現場導入
プレキャストコンクリート(PCa)工事における製造・運搬・施工工程の管理高度化を目的に、情報を一元管理するICTシステム「PATRAC-Apps Ensemble」を開発しました。本システムは自社開発システム(PATRAC)を中核とし、市販クラウドサービスと連携することで、計画から現場進捗までを一気通貫で可視化します。実工事現場への導入により、問い合わせ対応や在庫管理に係る人員削減、手戻り・重複作業の抑制効果を確認しました。今後は、国内外で活用可能な共通基盤として現場適用拡大を進めていきます。
②生産性向上を実現するRFタグ埋込型コンクリート製スペーサを開発しPCa工場で導入
プレキャストコンクリート(PCa)部材のトレーサビリティ確保を目的に、RFタグを埋め込んだコンクリート製スペーサを開発し、自社PCa工場へ導入しました。本スペーサはPCa部材との親和性が高いコンクリート製で、最大90N/mm²までの強度に対応しています。導入により、製造から出荷、現場受入検査までの生産管理情報を一元管理でき、PCa工場及び建設現場の生産性向上に寄与します。今後は、次世代PCa生産管理システム「PATRAC」と連携し、ICTを活用したさらなる生産性向上に取り組んでいきます。
③サステナブルな地盤改良材「サスティンGeo®」を掘削土処理及び既存杭撤去後の埋戻しに適用
産業副産物を活用したサステナブルな地盤改良材「サスティンGeo®」を、場所打ち杭施工に伴う掘削土の改良に初適用しました。本適用により、泥濘化しやすい掘削土の性状を改善するとともに、従来の固化材と比較してCO2排出量を約50%削減しました。さらに、都内大規模再開発事業における既存杭撤去後の杭孔埋戻しにも初適用し、約8割のCO2排出量削減を実現しました。「サスティンGeo®」は、配合により多様な地盤条件や用途に対応可能な地盤改良材であり、今後も適用範囲の拡大を図っていきます。
④山岳トンネル施工の自動化・省人化技術「離れte支保工」及び「AI de 先ヤマ(発破編)」の開発
山岳トンネル施工における支保工建込作業及び発破作業を対象としたデジタル・AI技術を開発しました。3次元点群データを活用した鋼製支保工建込システム「離れte支保工」は、支保工の建込からボルト締結、金網設置までを切羽から離れた安全な位置で実施可能とし、作業員の安全確保と省人化を実現します。また、発破作業では、地山条件に適した発破パターンを自動選定・提案する「AI de 先ヤマ(発破編)」を開発し、担い手不足への対応と作業効率化、安全性向上を図ります。今後もシステムの高度化・連携を進め、山岳トンネル施工の全自動化・最適化を目指していきます。
⑤国内初の実用化を目指した「洋上浮体式太陽光発電」の技術実証を終了
東京都が実施する「東京ベイeSGプロジェクト」の令和4年度先行プロジェクトとして採択された「洋上浮体式太陽光発電」の技術実証において、データ取得・検証を終了しました。その結果、洋上の波浪に対する浮体の安定性が確保され、安定的に発電していることが確認できました。今後は、社会実装に向けて安全性・耐久性評価やコスト低減の検証を進めるとともに、本実証で得られた知見を活用し、ため池等で実績のある水上太陽光発電の静穏な洋上への適用先拡大を推進していきます。
⑥採卵鶏ふんを活用した無排水型バイオガスプラントの実証運転を終了
採卵鶏ふんを単一原料とする無排水型バイオガスプラントの実証運転を実施し、安定したエネルギー回収と設備・処理コスト低減の有効性を確認しました。採卵鶏ふんは窒素分が多く、従来のメタン発酵では大量の水による希釈が必要となり、排水処理が課題でした。本実証では、窒素除去の前処理と発酵後液分の原料工程への循環を組み合わせ、排水を発生させない処理プロセスを構築しました。今後は、再生可能エネルギー創出を通じ、養鶏業の負担軽減や脱炭素社会の実現に資する技術として社会実装を進めていきます。
⑦CO2排出量を90%削減するコンクリートを用いたPCaPC床版で環境認証ラベル(EPD)を取得
環境配慮型コンクリート「サスティンクリート®(ゼロセメントタイプ)」を用いたプレキャストプレストレストコンクリート床版(ゼロセメント型PCaPC床版)について、能登川工場で製造体制を構築し、環境認証ラベル(EPD)の一つである「EPD Hub」を取得しました。本材料は一般的なコンクリートに比べ、材料由来のCO2排出量を約90%削減可能です。本床板におけるライフサイクル全体の環境情報を定量的に評価し、第三者認証を経て情報開示しました。今後も、低炭素型プレキャストコンクリート部材の開発と適用を進めていきます。
(舗装事業)
連結子会社である前田道路(株)においては、「新たな収益基盤と未来への投資を確立すること」を研究開発部門の使命と位置づけ、重点分野(気候変動・自然災害、脱炭素、持続可能性、少子高齢化)において、他社との差別化を図る技術開発を推進し、競争力の強化に取り組んでいます。
当連結会計年度における研究開発費は1,891百万円であり、主な研究開発成果は次のとおりです。
①「気候変動・自然災害への対策」に関する研究開発
Ⅰ.脱炭素への取り組み
アスファルトプラントの排ガス中のCO2を舗装用材料に固定化するシステムとして、「コンクリート再生路盤材へのCO2鉱物固定技術」の開発を進めています。本技術については、2025年4月~10月に開催された日本国際博覧会(大阪・関西万博)にて展示を行い、多くの来場者へ「舗装の新しい価値」を訴求しました。2027年度のプラント実装及び実用化を目標として、装置・システムの開発を継続していきます。
Ⅱ.国土強靭化への貢献
高耐久路盤材である中央混合方式CAE混合物(製品名「マイルドベース」)を活用とし、国土強靭化に貢献できる技術の開発を進めています。なお、同製品は「ジャパン・レジリエンス・アワード2025」(2025年4月開催)において最優秀賞を受賞しました。
一般的な道路舗装ではなく、河川堤防の管理用道路への適用を模擬した実験を行った結果、越流発生時の破堤を遅延できる可能性を確認しました。本実験結果は、2025年11月に開催されたハイウェイテクノフェアにて展示・PRを行いました。
②「持続可能性」に関する研究開発
既存道路ストックの有効活用を視野に入れ、再生アスファルト合材の品質向上に資する技術開発にも注力しています。アスファルト合材製造量に占める再生アスファルト合材の製造量比率は年々増加しており、その品質維持・向上は業界全体の大きな課題となっています。当社が業界に先駆けて確立してきた「フォームドアスファルト技術」を効果的に利用し、再生アスファルト合材の品質向上につながる技術の開発を継続していきます。
③「少子高齢化への対応」に関する研究開発
他の業界同様、高齢化及び人手不足は解決すべく喫緊の課題となっています。このような状況を踏まえ、舗装施工現場のみならず製品製造現場においても各種デジタル技術を活用し、生産性向上を図る技術開発を推進しています。さらに、道路管理の現場にも着目し、効率的かつ低コストの路面管理システム開発にも取り組んでいます。
(機械事業)
連結子会社である(株)前田製作所においては、インフラ維持更新需要に対応するための開発、主力製品の部品内製化率を高めるための開発、現場の更なる安全を確保するための開発を行いました。また、要素技術開発として今後の労働力不足に対応するべく遠隔操作・自動化制御技術の開発を推進しています。
当連結会計年度における研究開発費は447百万円であり、主な研究開発結果は次のとおりです。
①かにクレーンMC305C-5・MC405C-5分割仕様の開発
電力インフラ維持更新のための機械として、かにクレーンMC305C-5・MC405C-5の分割仕様の開発を行いました。2機種ともに輸送用ヘリ、索道等で運搬できる重量に分割することができ、機械を陸上輸送できない山間部等の鉄塔工事現場で使用することが可能となります。
②クローラクレーン用過負荷通知システムの開発
現場での更なる安全確保のため、クローラクレーンの過負荷通知システムの開発を行いました。本システムはクレーン側のコントローラと連携したシステムとなっており、予め設定した負荷率以上の作業をコントローラが検知すると、現場管理者にメールで通知することにより、作業現場における安全管理の強化に寄与します。
③クローラクレーンCC1908S-1遠隔操作仕様の開発
労働力不足への対応、現場の更なる安全確保のためクローラクレーンCC1908S-1遠隔操作仕様の開発を進めています。2025年度は、前田建設工業(株)のICI総合センター(茨城県取手市)と(株)前田製作所の試験場(長野県長野市)の間で実証試験を実施しました。
④自動化技術の開発
建設ニーズや社会課題に対応した自動運転システムの研究・開発を進めており、実証試験による検証を行っています。今後は施工現場の省人化及び安全性向上のため、様々な装置や建設現場等への実装に向けた研究開発活動を推進していきます。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度は、建築事業、土木事業、舗装事業、機械事業及びインフラ運営事業を中心に設備投資等を行い、その総額は479億円です。なお、施工・生産に重大な影響を与えるような固定資産の売却・除却はありません。
(建築事業及び土木事業)
当連結会計年度に実施した設備投資の総額は105億円です。このうち主なものは、前田建設工業(株)における工事用機械の購入や事業用建物の改修です。
(舗装事業)
当連結会計年度に実施した設備投資の総額は152億円です。このうち主なものは、前田道路(株)における事業用設備の購入です。
(機械事業)
当連結会計年度に実施した設備投資の総額は43億円です。このうち主なものは、(株)前田製作所におけるレンタル用機械の購入です。
(インフラ運営事業)
当連結会計年度に実施した設備投資等の総額は165億円です。このうち主なものは、日本風力開発(株)における風力発電プロジェクトの開発です。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
(2) 国内子会社
(注) 1.帳簿価額は日本基準に基づく金額を記載しています。また、「連結消去」考慮前の各社単体の金額を記載しています。
2.帳簿価額に建設仮勘定は含みません。
3.前田建設工業(株)が保有する資産は、当該会社において共通的に使用されており、事業セグメントに配分していないため、当該会社が営んでいる主な事業の名称を記載しています。
4.土地及び建物の一部を連結会社以外から賃借しています。賃借料は3,910百万円であり、土地の面積については、( )内に外書きで示しています。
5.土地建物のうち賃貸中の主なものは、以下のとおりです。
(3) 在外子会社
記載すべき主要な設備はありません。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
経営規模の拡大、施工の機械化等に伴い、事務所、機械設備等の拡充更新計画を次のとおり予定しています。
(提出会社)
該当事項はありません。
(建築事業・土木事業)
(舗装事業)
(機械事業)
(インフラ運営事業)
(その他)
該当事項はありません。
(2) 重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
(注) 各種類の株式の「発行可能株式総数」の欄には、定款に規定されている各種類の株式の発行可能種類株式総数を
記載し、計の欄には定款に規定されている発行可能株式総数を記載しています。
② 【発行済株式】
(注)1.単元株式数は100株です。また、会社法第322条第2項に規定する定款の定めをしています。
2.第1回社債型種類株式の内容は以下のとおりです。
優先配当金
(1) 優先配当金
当社は、3月31日を基準日として剰余金の配当を行うときは、当該配当の基準日の最終の株主名簿に記載又は記録された第1回社債型種類株式を有する株主(以下「第1回社債型種類株主」という。)又は第1回社債型種類株式の登録株式質権者(以下、第1回社債型種類株主と併せて「第1回社債型種類株主等」と総称する。)に対し、普通株式を有する株主(以下「普通株主」という。)及び普通株式の登録株式質権者(以下、普通株主と併せて「普通株主等」と総称する。)に先立ち、第1回社債型種類株式1株につき、第1回社債型種類株式1株当たりの発行価格相当額に、次号に記載する配当年率(10%を上限とする。以下「配当年率」という。)を乗じて算出した額の金銭(円位未満小数第3位まで算出し、その小数第3位は切り捨てるものとする。また、2025年3月31日を基準日として剰余金の配当を行うときは、第1回社債型種類株式1株につき、(ⅰ)第1回社債型種類株式1株当たりの発行価格相当額に配当年率を乗じて得られる金額の2分の1の額の金額(円位未満小数第3位まで算出し、その小数第3位は切り捨てるものとする。)に、(ⅱ)第1回社債型種類株式1株当たりの発行価格相当額に配当年率を乗じて得られる金額に、払込期日(同日を含む。)から次項に定める期中配当基準日(同日を含む。)までの期間の日数を365で除した数を乗じて算出した額の金銭(円位未満小数第3位まで算出し、その小数第3位は切り捨てるものとする。)を加えたものとする。)(以下「第1回社債型種類株式優先配当金」という。)を支払う。但し、当該配当の基準日の属する事業年度に次項に記載する第1回社債型種類株式優先期中配当金を支払ったときは、その額を控除した額とする。
(2)配当年率
(ⅰ)2030年3月31日以前に終了する各事業年度に基準日が属する場合
年2.600%とする。
(ⅱ)2030年4月1日以降に終了する各事業年度に基準日が属する場合
各基準日が属する事業年度につき、その直前事業年度の末日の2営業日前の日(以下「年率基準日」という。)における1年国債金利(以下に定義する。)に3.022%を加えた率とする。
当社はその本店において、2030年4月1日以降に終了する各事業年度の開始日から5営業日以内(当該事業年度の開始日を含む。)に、上記(ⅱ)により決定された配当年率を、その営業時間中、一般の閲覧に供する。
「営業日」とは、銀行法により、日本において銀行の休日と定められたか、又は休日とすることが認められた日以外の日をいう。
「1年国債金利」とは、年率基準日のレートとして年率決定日(以下に定義する。)の東京時間午前9時30分以降に国債金利情報ページ(財務省ウェブサイト内「国債金利情報」のページにおける「金利情報」(https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/interest_rate/jgbcm.csv)(その承継ファイル及び承継ページを含む。)からリンクされる日本国債の金利情報を記載したページ若しくはダウンロードできるファイルをいう。)に表示される1年国債金利をいう。
ある事業年度に係る年率決定日の東京時間午前10時に、年率基準日のレートとしての1年国債金利が国債金利情報ページに表示されない場合、又は国債金利情報ページが利用不可能な場合、当社は年率決定日に参照国債ディーラー(当社が国債市場特別参加者(財務省が指定する国債市場特別参加者をいう。)又は市場で国債の売買を活発に行っていると認められる金融機関から選定する最大5者をいう。)に対し、年率基準日の東京時間午後3時現在のレートとして提示可能であった参照1年国債(以下に定義する。)の売買気配の仲値の半年複利利回り(以下「提示レート」という。)の提示を求めるものとする。
当社に提示レートを提示した参照国債ディーラーが4者以上である場合、当該事業年度に適用される1年国債金利は、当該参照国債ディーラーの提示レートの最も高い値と低い値をそれぞれ1つずつ除いた残りの提示レートの平均値(算術平均値を算出した上、小数第4位を四捨五入する。)とする。
当社に提示レートを提示した参照国債ディーラーが2者又は3者である場合、当該事業年度に適用される1年国債金利は、当該参照国債ディーラーの提示レートの平均値(算術平均値を算出した上、小数第4位を四捨五入する。)とする。
当社に提示レートを提示した参照国債ディーラーが2者に満たない場合、当該年率決定日の東京時間午前10時において国債金利情報ページに表示済みの最新の1年国債金利(但し、当該年率決定日の東京時間午前10時において国債金利情報ページが利用不可能な場合は、当該年率決定日の直前に国債金利情報ページに表示されていた1年国債金利)を当該事業年度に適用される1年国債金利とする。
「年率決定日」とは、各年率基準日の翌営業日をいう。
「参照1年国債」とは、ある事業年度につき、参照国債ディーラーから当社が選定する金融機関が選定する固定利付国債で、当該事業年度の最終日又はその前後に満期が到来し、選定時において市場の慣行として1年満期の円建て社債の条件決定において参照されることが合理的に想定されるものをいう。
(3)累積条項
ある事業年度に属する日を基準日として、第1回社債型種類株主等に対して行う第1回社債型種類株式1株当たりの金銭による剰余金の配当の額が当該事業年度に係る第1回社債型種類株式優先配当金の額に達しないとき(以下、当該事業年度を「不足事業年度」という。)は、その不足額について、単利計算により翌事業年度以降に累積する(以下、累積した不足額を「第1回社債型種類株式累積未払配当金」という。)。この場合の単利計算は、不足事業年度毎に、当該不足事業年度の翌事業年度の初日(同日を含む。)から第1回社債型種類株式累積未払配当金が第1回社債型種類株主等に対して支払われる日(同日を含む。また、下記「残余財産の分配」第(1)号に記載する残余財産の分配を行う場合、分配日をいう。)までの間について、当該不足事業年度に係る不足額に対して、当該不足事業年度に対応する前号(i)又は(ii)に掲げる年率で1年を365日(当該不足事業年度がうるう年の2月29日を含む場合は366日)として行う日割計算により算出した金額を加算して行う(円位未満小数第3位まで算出し、その小数第3位は切り捨てるものとする。)。第1回社債型種類株式累積未払配当金については、本項第(1)号又は次項に記載する剰余金の配当に先立ち、第1回社債型種類株式1株につき第1回社債型種類株式累積未払配当金の額に達するまで、第1回社債型種類株主等に対し、金銭による剰余金の配当を行う。
(4)非参加条項
第1回社債型種類株主等に対しては、第1回社債型種類株式優先配当金の額及び第1回社債型種類株式累積未払配当金の額の合計額を超えて剰余金の配当を行わない。
優先期中配当金
当社は、9月30日を基準日(以下「期中配当基準日」という。)として剰余金の配当を行うときは、当該配当の期中配当基準日の最終の株主名簿に記載又は記録された第1回社債型種類株主等に対し、普通株主等に先立ち、第1回社債型種類株式1株につき、第1回社債型種類株式優先配当金の額の2分の1の額の金銭(但し、2025年3月31日に終了する事業年度において期中配当基準日を基準日として剰余金の配当を行うときは、第1回社債型種類株式1株当たりの発行価格相当額に配当年率を乗じて得られる金額に、払込期日(同日を含む。)から期中配当基準日(同日を含む。)までの期間の日数を365で除した数を乗じて算出した額の金銭(円位未満小数第3位まで算出し、その小数第3位は切り捨てるものとする。))(以下「第1回社債型種類株式優先期中配当金」という。)を支払う。但し、ある事業年度に期中配当基準日が属する第1回社債型種類株式優先期中配当金の額は、当該事業年度にその配当の基準日が属する第1回社債型種類株式優先配当金の額を超えないものとする。
残余財産の分配
(1)残余財産分配金
当社は、残余財産を分配するときは、第1回社債型種類株主等に対し、普通株主等に先立ち、第1回社債型種類株式1株につき、第1回社債型種類株式1株当たりの発行価格相当額に、残余財産の分配が行われる日(以下「分配日」という。)における第1回社債型種類株式累積未払配当金の額及び経過配当金相当額(以下に定義する。)の合計額を加えた額(以下「基準価額」という。)の金銭を支払う。
「経過配当金相当額」とは、分配日の属する事業年度の初日(2025年3月31日に終了する事業年度については、払込期日)(同日を含む。)から分配日(同日を含む。)までの期間の日数に当該事業年度にその配当の基準日が属する第1回社債型種類株式優先配当金の額を乗じた金額を365(当該分配日の属する事業年度がうるう年の2月29日を含む場合は366とする。但し、2025年3月31日に終了する事業年度については、払込期日(同日を含む。)から2025年3月31日(同日を含む。)までの期間の日数)で除して得られる額をいう(円位未満小数第3位まで算出し、その小数第3位は切り捨てるものとする。)。但し、分配日の属する事業年度において第1回社債型種類株主等に対して第1回社債型種類株式優先期中配当金を支払うときは、その額(分配日が毎年10月1日から第1回社債型種類株式優先期中配当金に関する取締役会の決議の日の前日までの日である場合は、当該配当金の予想額として当社が9月30日時点で公表済みの額)を控除した額とする。
(2)非参加条項
第1回社債型種類株主等に対しては、前号のほか、残余財産の分配を行わない。
優先順位
当社の第1回社債型種類株式乃至第6回社債型種類株式の社債型種類株式優先配当金、社債型種類株式優先期中配当金及び残余財産の支払順位は、同順位とする。
議決権
第1回社債型種類株主は、すべての事項につき株主総会において議決権を行使することができない。
種類株主総会の決議
(1)種類株主総会の決議は、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数をもって行う。
(2)会社法第324条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う。
(3)当社が、会社法第322条第1項各号に掲げる行為をする場合には、法令に別段の定めがある場合を除き、第1回社債型種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない。
(4)当社が以下に掲げる行為をする場合において、第1回社債型種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当社の株主総会の決議又は取締役会の決議に加え、第1回社債型種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。但し、当該種類株主総会において議決権を行使することができる第1回社債型種類株主が存しない場合は、この限りではない。
(a)当社が消滅会社となる合併又は当社が完全子会社となる株式交換若しくは株式移転(当社の単独による株式移転を除く。)
(b)当社の特別支配株主による当社の他の株主に対する株式売渡請求に係る当社の取締役会による承認
取得条項(会社による金銭対価の取得)
(1)金銭対価の取得条項
当社は、下記(a)又は(b)のいずれかに該当する事由が生じ、かつ取締役会の決議又は取締役会の決議によって委任を受けた執行役の決定により別に定める取得日が到来した場合は、第1回社債型種類株式の全部又は一部を取得することができる。この場合、当社は、第1回社債型種類株式を取得するのと引換えに、第1回社債型種類株主に対し、第1回社債型種類株式1株につき、基準価額相当額の金銭を交付する。但し、当社は、取得日又は当該取得に係る振替取得日(以下に定義する。)のいずれかが4月1日から6月30日までのいずれかの日となる取得を行うことができない。なお、本項において基準価額を算出する場合は、上記「残余財産の分配」に記載する「分配日」を「当該取得に係る振替取得日」と適宜読み替えて、第1回社債型種類株式累積未払配当金の額及び経過配当金相当額を計算する。第1回社債型種類株式の一部を取得するときは、取締役会又は取締役会の決議によって委任を受けた執行役が定める合理的な方法によって、第1回社債型種類株主から取得すべき第1回社債型種類株式を決定する。
(a)払込期日(同日を含む。)から5年を経過した日が到来した場合(2029年8月1日以降)
(b)資本性変更事由(以下に定義する。)が生じ、かつ継続している場合
「振替取得日」とは、本項に記載する金銭対価の取得に基づく振替の申請により当社の振替先口座における保有欄に取得に係る第1回社債型種類株式の数の増加の記載若しくは記録がなされる日又は当該取得に基づく全部抹消の通知により第1回社債型種類株式についての記載若しくは記録の抹消がなされる日をいう。
「資本性変更事由」とは、信用格付業者((株)日本格付研究所又はその格付業務を承継した者をいう。以下同じ。)より、信用格付業者における第1回社債型種類株式発行後の資本性評価基準の変更に従い、第1回社債型種類株式について、当該信用格付業者が認める当該第1回社債型種類株式の発行時点において想定された資本性より低いものとして取り扱うことを決定した旨の公表がなされたか、又は当該旨の書面による通知が当社に対してなされたことをいう。
(2)借換制限
当社は、当社が本項に記載する金銭対価の取得又は特定の第1回社債型種類株主との合意若しくは会社法第165条第1項に規定する市場取引等による第1回社債型種類株式の取得(以下、金銭対価の取得と併せて「金銭対価取得」という。)を行う場合は、金銭対価取得を行う日以前12か月間に、借換必要金額(以下に定義する。)につき、借換証券(以下に定義する。)を発行若しくは処分又は借入れ(以下「発行等」という。)することにより資金を調達していない限り、当該金銭対価取得を行わない。
なお、払込期日(同日を含む。)から5年を経過した日(2029年8月1日)以降、金銭対価取得を行う場合において、デット・エクイティ・レシオ(以下に定義する。)が1.0倍以下の場合には、借換必要金額の算出にあたり、連結自己資本金額(以下に定義する。)から3,999億円を控除した金額(かかる金額がゼロを下回る場合はゼロとし、当該金銭対価取得に係る第1回社債型種類株式の発行価格の総額相当額を上限とする。)に50パーセントを乗じた金額を金銭対価取得がなされる第1回社債型種類株式の評価資本相当額(以下に定義する。)から控除することができる。
「借換必要金額」とは、借換証券が普通株式の場合には、金銭対価取得がなされる第1回社債型種類株式の評価資本相当額から2029年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の転換額(行使された新株予約権に係る同社債の額面金額の総額をいう。以下同じ。)を控除した金額をいい、借換証券が普通株式以外の場合には、金銭対価取得がなされる第1回社債型種類株式の評価資本相当額から2029年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の転換額を控除した金額を、当該借換証券について信用格付業者から承認を得た資本性(パーセント表示される。)で除して算出される金額をいうものとし、普通株式と普通株式以外の借換証券を併せた発行等を行う場合は、それぞれの算式を準用する。
「借換証券」とは、以下のa.乃至c.の証券又は債務をいう。但し、(ⅰ)以下のa.乃至c.のいずれの場合においても、借換証券である旨を当社が公表している場合に限り、(ⅱ)以下のa.又はb.の場合においては、当社の連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則第2条第3号に定める子会社及び同条第7号に定める関連会社以外の者に対して発行等されるものに限り、(ⅲ)以下のb.又はc.の場合においては、第1回社債型種類株式の払込期日における第1回社債型種類株式と同等以上の当社における資本性を有するものと信用格付業者から承認を得たものに限る。
a. 普通株式
b. 上記a.以外のその他の種類の株式
c. 上記a.又はb.以外の当社のその他一切の証券及び債務
「デット・エクイティ・レシオ」とは、金銭対価取得を行う時点で当社より公表されている連結有利子負債(以下に定義する。)から残存する劣後特約付社債及び劣後特約付ローンの評価資本相当額の合計を控除した金額を、連結自己資本金額並びに残存する劣後特約付社債及び劣後特約付ローンの評価資本相当額の合計で除した値をいう。
「連結自己資本金額」とは、直近連結会計年度末又は四半期連結会計期間末時点における親会社の所有者に帰属する持分合計から金銭対価取得がなされる第1回社債型種類株式の発行価格を控除した金額をいう。
「評価資本相当額」とは、第1回社債型種類株式若しくは劣後特約付社債の発行価格の総額又は劣後特約付ローンの元本金額にそれぞれ信用格付業者から承認を得た資本性(パーセント表示される。)を乗じた金額をいう。
「連結有利子負債」とは、直近連結会計年度末又は四半期連結会計期間末時点における短期社債、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、1年内償還予定の社債、1年内償還予定の新株予約権付社債、1年内返済予定の長期借入金、社債、新株予約権付社債及び長期借入金並びに金銭対価取得がなされる第1回社債型種類株式の発行価格の総額の合計をいう。但し、ノンリコース債務及びリース債務は含まない。
(3)取得の方法
当社は、本項に記載する金銭対価の取得を行う場合にあっては、取得日の1か月前の日(当該日が営業日でない場合には、その直前の営業日)までに、第1回社債型種類株主に対して、取得日を通知するか、又は公告しなければならない。
株式の併合又は分割等
(1)当社は、法令に別段の定めがある場合を除き、第1回社債型種類株式について株式の併合又は分割を行わない。
(2)当社は、第1回社債型種類株主に対し、株式無償割当て又は新株予約権無償割当てを行わない。
(3)当社は、第1回社債型種類株主に対し、募集株式の割当て又は募集新株予約権の割当てを受ける権利を与えない。
(4)当社は、株式移転(当社の単独による株式移転に限る。)をするときは、普通株主等には普通株式に代えて株式移転設立完全親会社の発行する当社の普通株式と同種の株式を、第1回社債型種類株主等には第1回社債型種類株式に代えて株式移転設立完全親会社の発行する当社の第1回社債型種類株式と同種の株式(以下「株式移転設立完全親会社第1回社債型種類株式」という。)を、それぞれ同一の持分割合で交付する。但し、株式移転設立完全親会社第1回社債型種類株式に係る当該株式移転の効力発生日が属する事業年度の末日を基準日とする剰余金の配当については、株式移転設立完全親会社第1回社債型種類株式1株につき、(a)株式移転設立完全親会社第1回社債型種類株式の1株当たりの発行価格相当額に配当年率を乗じて算出した額(但し、当社が当該株式移転の効力発生日が属する事業年度に属する日を基準日として第1回社債型種類株式優先期中配当金を支払った場合における当該支払額の控除その他の必要な調整を行うものとする。)及び(b)当該株式移転の効力発生日の前日における第1回社債型種類株式累積未払配当金の額を株式移転設立完全親会社第1回社債型種類株式の1株当たりの発行価格相当額に応じて調整した額の合計額(円位未満小数第3位まで算出し、その小数第3位は切り捨てるものとする。)とする。
自己の第1回社債型種類株式の取得に際しての売主追加請求権の排除
当社が株主総会の決議によって特定の第1回社債型種類株主との合意により当該第1回社債型種類株主の有する第1回社債型種類株式の全部又は一部を取得する旨を決定し、会社法第157条第1項各号に掲げる事項を当該第1回社債型種類株主に通知する旨を決定する場合には、同法第160条第2項及び第3項の規定を適用しないものとする。
社債、株式等の振替に関する法律の適用等
第1回社債型種類株式は、社債、株式等の振替に関する法律に定める振替株式とし、その全部について同法の規定の適用を受ける。また、第1回社債型種類株式の取扱いについては、株式会社証券保管振替機構の定める株式等の振替に関する業務規程、同施行規則その他の規則に従う。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
当社は、会社法に基づき新株予約権付社債を発行しています。
※当連結会計年度末日(2026年3月31日)における内容を記載しています。当連結会計年度の末日から提出日の前月末現在(2026年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[]内に記載しており、その他の事項については当連結会計年度の末日における内容から変更はありません。
(注)1.6,000個及び代替新株予約権付社債券(本新株予約権付社債券の紛失、盗難又は滅失の場合に適切な証明及び補償を得て発行する新株予約権付社債券をいう。)に係る本社債の額面金額合計額を10百万円で除した個数の合計数。
2.本新株予約権の目的である株式の種類及び内容は当社普通株式(単元株式数100株)とし、その行使により当社が当社普通株式を交付する数は、行使請求に係る本社債の額面金額の総額を下記(注)3記載の転換価額で除した数とする。但し、行使により生じる1株未満の端数は切り捨て、現金による調整は行わない。
3.(1) 各本新株予約権の行使に際しては、当該本新株予約権に係る本社債を出資するものとし、当該本社債の価額は、その額面金額と同額とする。
(2) 転換価額は、当初、1,897.0円とする。ただし、下記(3)記載の事由が生じた場合に調整される旨の定めがある。
2024年5月10日開催の取締役会において、当社の期末配当を1株につき35円とする剰余金配当議案が承認可決されたことに伴い、転換価額調整条項に従い、2024年4月1日以降、転換価額は1853.5円に調整されている。
2024年11月12日開催の取締役会において、当社の中間配当を1株につき30円とする剰余金配当議案が承認可決されたことに伴い、転換価額調整条項に従い、2024年10月1日以降、転換価額は1,808.0円に調整されている。
2025年5月8日開催の取締役会において、当社の期末配当を1株につき30円とする剰余金配当議案が承認可決されたことに伴い、転換価額調整条項に従い、2025年4月1日以降、転換価額は1,761.2円に調整されている。
2025年11月14日開催の取締役会において、当社の中間配当を1株につき30円とする剰余金配当議案が承認可決されたことに伴い、転換価額調整条項に従い、2025年10月1日以降、転換価額は1,722.8円に調整されている。
2026年5月8日開催の取締役会において、当社の期末配当を1株につき90円とする剰余金配当議案が承認可決されたことに伴い、転換価額調整条項に従い、2026年4月1日以降、転換価額は1,660.4円に調整されている。
(3) 転換価額は、本新株予約権付社債の発行後、当社が当社普通株式の時価を下回る払込金額で当社普通株式を発行し又は当社の保有する当社普通株式を処分する場合には、下記の算式により調整される。なお、下記の算式において、「既発行株式数」は当社の発行済普通株式(当社が保有するものを除く。)の総数をいう。
また、転換価額は、当社普通株式の分割又は併合、一定の剰余金の配当、当社普通株式の時価を下回る価額をもって当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されるものを含む。)の発行が行われる場合その他一定の事由が生じた場合にも適宜調整される。
4.2024年4月22日から2029年3月16日まで(行使請求受付場所現地時間)とする。但し、①当社による本社債の繰上償還の場合は、償還日の東京における3営業日前の日まで(但し、税制変更による繰上償還を受けないことが選択された本社債に係る本新株予約権を除く。)、②本社債の買入消却がなされる場合は、本社債が消却される時まで、また③本社債の期限の利益の喪失の場合は、期限の利益の喪失時までとする。上記いずれの場合も、2029年3月16日(行使請求受付場所現地時間)より後に本新株予約権を行使することはできない。
上記にかかわらず、当社の組織再編等(以下に定義する。)を行うために必要であると当社が合理的に判断した場合、組織再編等の効力発生日の翌日から14日以内に終了する30日以内の当社が指定する期間中、本新株予約権を行使することはできない。
また、本新株予約権の行使の効力が発生する日(又はかかる日が東京における営業日でない場合、東京における翌営業日)が、当社の定める基準日又は社債、株式等の振替に関する法律第151条第1項に関連して株主を確定するために定められたその他の日(以下「株主確定日」と総称する。)の東京における2営業日前の日(又は当該株主確定日が東京における営業日でない場合、東京における3営業日前の日)から当該株主確定日(又は当該株主確定日が東京における営業日でない場合、東京における翌営業日)までの期間に当たる場合、本新株予約権を行使することはできない。但し、社債、株式等の振替に関する法律に基づく振替制度を通じた新株予約権の行使に係る株式の交付に関する法令又は慣行が変更された場合、当社は、本段落による本新株予約権を行使することができる期間の制限を、当該変更を反映するために修正することができる。
「組織再編等」とは、当社の株主総会決議(株主総会決議が不要な場合は、取締役会決議又は取締役会の委任に基づく執行役の決定)により(ⅰ)当社と他の会社の合併(新設合併及び吸収合併を含むが、当社が存続会社である場合を除く。以下同じ。)、(ⅱ)資産譲渡(当社の資産の全部若しくは実質上全部の他の会社への売却若しくは移転で、その条件に従って本新株予約権付社債に基づく当社の義務が相手先に移転される場合に限る。)、(ⅲ)会社分割(新設分割及び吸収分割を含むが、本新株予約権付社債に基づく当社の義務が分割先の会社に移転される場合に限る。)、(ⅳ)株式交換若しくは株式移転(当社が他の会社の完全子会社となる場合に限る。以下同じ。)又は(ⅴ)その他の日本法上の会社再編手続で、これにより本社債若しくは本新株予約権に基づく当社の義務が他の会社に引き受けられることとなるものが承認されることをいう。
5.本新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条の定めるところに従って算定された資本金等増加限度額に0.5を乗じた金額とし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合はその端数を切り上げた額とする。増加する資本準備金の額は、資本金等増加限度額より増加する資本金の額を減じた額とする。
6.(1) 各本新株予約権の一部行使はできない。
(2) 本新株予約権付社債権者は、(ⅰ)2028年3月31日(同日を含む。)までは、各暦年四半期の最後の取引日(以下に定義する。)に終了する20連続取引日において、当社普通株式の終値が、当該最後の取引日において適用のある転換価額(但し、2024年3月31日に終了する暦年四半期に関しては上記(注)3(2)記載の当初転換価額とする。)の150%を超えた場合、又は(ⅱ)2028年4月1日(同日を含む。)から2028年12月31日(同日を含む。)までは、各暦年四半期の最後の取引日に終了する20連続取引日において、当社普通株式の終値が、当該最後の取引日において適用のある転換価額の130%を超えた場合に限って、翌暦年四半期の初日(但し、上記(ⅰ)の場合、2024年4月1日に開始する暦年四半期に関しては2024年4月22日とする。)から末日までの期間において、本新株予約権を行使することができる。
なお、「取引日」とは、(株)東京証券取引所が開設されている日をいい、終値が発表されない日を含まない。
但し、本(2)記載の本新株予約権の行使の条件は、下記①、②及び③の期間並びにパリティ事由(以下に定義する。)が発生した場合における下記④の期間は適用されない。
①(株)日本格付研究所若しくはその承継格付機関(以下「JCR」という。)による当社の長期発行体格付がBBB-以下であるか、JCRにより当社の長期発行体格付がなされなくなったか、又はJCRによる当社の長期発行体格付が停止若しくは撤回されている期間
②当社が、本新株予約権付社債権者に対して、本社債の繰上償還の通知を行った日以後の期間(但し、繰上償還を受けないことが選択された本社債に係る本新株予約権を除く。)
③当社が組織再編等を行うにあたり、上記(注)4に記載のとおり本新株予約権の行使を禁止しない限り、本新株予約権付社債の要項に従い本新株予約権付社債権者に対し当該組織再編等に関する通知を行った日から当該組織再編等の効力発生日までの期間
④当社がパリティ事由が発生した旨を本新株予約権付社債権者に通知した日の東京における翌営業日(同日を含む。)から起算して東京における15連続営業日の期間
「パリティ事由」とは、本新株予約権付社債権者から当該事由の発生に関する通知を受けた日のルクセンブルク及び東京における3営業日後の日から起算して東京における5連続営業日のいずれの日においても、(ⅰ)ブルームバーグが提供する本新株予約権付社債の買値情報(BVAL)若しくはその承継サービスが提供する本新株予約権付社債の買値情報に基づき計算代理人(以下に定義する。)が本新株予約権付社債の要項に定めるところにより決定する本新株予約権付社債の価格がクロージング・パリティ価値(以下に定義する。)の98%を下回っているか、(ⅱ)上記(ⅰ)記載の価格を入手できない場合には、当社が選定する主要金融機関が本新株予約権付社債の要項に定めるところにより提示する本新株予約権付社債の買値がクロージング・パリティ価値の97%を下回っているか、又は(ⅲ)上記(ⅰ)記載の価格若しくは上記(ⅱ)記載の買値のいずれも取得することができない、と計算代理人が決定した場合をいう。
「クロージング・パリティ価値」とは、(ⅰ)1,000万円を当該日において適用のある転換価額で除して得られる数に、(ⅱ)当該日における当社普通株式の終値を乗じて得られる金額をいう。
「計算代理人」とは、Mizuho Trust & Banking (Luxembourg) S.A.をいう。
7.(1) 組織再編等が生じた場合、当社は、承継会社等(以下に定義する。)をして、本新株予約権付社債の要項に従って、本新株予約権付社債の主債務者としての地位を承継させ、かつ、本新株予約権に代わる新たな新株予約権を交付させるよう最善の努力をするものとする。但し、かかる承継及び交付については、(ⅰ)その時点で適用のある法律上実行可能であり、(ⅱ)そのための仕組みが既に構築されているか又は構築可能であり、かつ、(ⅲ)当社又は承継会社等が、当該組織再編等の全体から見て不合理な(当社がこれを判断する。)費用(租税を含む。)を負担せずに、それを実行することが可能であることを前提条件とする。かかる場合、当社は、また、承継会社等が当該組織再編等の効力発生日において日本の上場会社であるよう最善の努力をするものとする。本(1)に記載の当社の努力義務は、当社が本新株予約権付社債の受託会社に対して、承継会社等が、当該組織再編等の効力発生日において、理由の如何を問わず、日本の上場会社であることを当社は予想していない旨の証明書を交付する場合には、適用されない。
「承継会社等」とは、組織再編等における相手方であって、本新株予約権付社債及び/又は本新株予約権に係る当社の義務を引き受ける会社をいう。
(2) 上記(1)の定めに従って交付される承継会社等の新株予約権の内容は下記のとおりとする。
①新株予約権の数
当該組織再編等の効力発生日の直前において残存する本新株予約権付社債に係る本新株予約権の数と同一の数とする。
②新株予約権の目的である株式の種類
承継会社等の普通株式とする。
③新株予約権の目的である株式の数
承継会社等の新株予約権の行使により交付される承継会社等の普通株式の数は、承継会社が当該組織再編等の条件等を勘案のうえ、本新株予約権付社債の要項を参照して決定するほか、下記(ⅰ)又は(ⅱ)に従う。なお、転換価額は上記(注)3(3) と同様の調整に服する。
(ⅰ)合併、株式交換又は株式移転の場合には、当該組織再編等の効力発生日の直前に本新株予約権を行使した場合に得られる数の当社普通株式の保有者が当該組織再編等において受領する承継会社等の普通株式の数を、当該組織再編等の効力発生日の直後に承継会社等の新株予約権を行使したときに受領できるように、転換価額を定める。当該組織再編等に際して承継会社等の普通株式以外の証券又はその他の財産が交付されるときは、当該証券又は財産の価値を承継会社等の普通株式の時価で除して得られる数に等しい承継会社等の普通株式の数を併せて受領できるようにする。
(ⅱ)上記以外の組織再編等の場合には、当該組織再編等の効力発生日の直前に本新株予約権を行使した場合に本新株予約権付社債権者が得られるのと同等の経済的利益を、当該組織再編等の効力発生日の直後に承継会社等の新株予約権を行使したときに受領できるように、転換価額を定める。
④新株予約権の行使に際して出資される財産の内容及びその価額
承継会社等の新株予約権の行使に際しては、承継された本社債を出資するものとし、当該本社債の価額は、承継された本社債の額面金額と同額とする。
⑤新株予約権を行使することができる期間
当該組織再編等の効力発生日(場合によりその14日後以内の日)から、上記(注)4に定める本新株予約権の行使期間の満了日までとする。
⑥その他の新株予約権の行使の条件
承継会社等の各新株予約権の一部行使はできないものとする。また、承継会社等の新株予約権の行使は、上記(注)6(2)と同様の制限を受ける。
⑦新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金
承継会社等の新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条の定めるところに従って算定された資本金等増加限度額に0.5を乗じた金額とし、計算の結果1円未満の端数を生じる場合はその端数を切り上げた額とする。増加する資本準備金の額は、資本金等増加限度額より増加する資本金の額を減じた額とする。
⑧組織再編等が生じた場合
承継会社等について組織再編等が生じた場合にも、本新株予約権付社債と同様の取り扱いを行う。
⑨その他
承継会社等の新株予約権の行使により生じる1株未満の端株は切り捨て、現金による調整は行わない。承継会社等の新株予約権は承継された本社債と分離して譲渡できない。
(3) 当社は、上記(1)の定めに従い本社債及び本新株予約権付社債に係る信託証書に基づく当社の義務を承継会社等に引き受け又は承継させる場合、本新株予約権付社債の要項に定める一定の場合には保証を付すほか、本新株予約権付社債の要項に従う。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)1.発行済株式総数、資本金及び資本準備金の増加は、2021年10月1日付で当社が、前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所により株式移転設立完全親会社として設立されたことによるものです。
2.自己株式の消却による減少です。
3.2024年8月1日を払込期日とする第1回社債型種類株式の発行による増加です。発行形態、発行価格及び資本組入額は以下のとおりです。
発行形態 有償一般募集
発行価格 1株当たり5,000円
資本組入額 1株当たり2,437.5円
4.会社法第447条第1項及び第3項並びに会社法第448条第1項及び第3項の規定に基づき、今後の機動的かつ柔軟な資本政策を可能とするため、資本金及び資本準備金の額を減少し、「その他資本剰余金」に振り替えたものです(減資割合70.9%)。
(5) 【所有者別状況】
(注)自己株式13,447,701株は「個人その他」に134,477単元、「単元未満株式の状況」に1株含まれています。
(6) 【大株主の状況】
所有株式数別
2026年3月31日現在
(注)1.所有株式数には第1回社債型種類株式が含まれています。なお、第1回社債型種類株式の株主は当社の株主総会における議決権を有していません。
2.上記のほか、当社が自己株式として13,447,701株を保有していますが、当該株式については、会社法第308条第2項の規定により議決権を有していません。
3.2026年4月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、みずほ証券(株)及びその共同保有者であるみずほ信託銀行(株)、アセットマネジメントOne(株)及びみずほインターナショナル(Mizuho International plc)が2026年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めていません。なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は以下のとおりです。
所有議決権数別
2026年3月31日現在
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注)1.「完全議決権株式(その他)」には、株式給付信託(J-ESOP、BBT)が保有する株式2,561,500株(議決権の数25,615個)が含まれています。
2.「単元未満株式」には、当社所有の自己株式1株及び株式給付信託(J-ESOP、BBT)が保有する株式78株が含まれています。
② 【自己株式等】
(注)自己保有株式には、株式給付信託(J-ESOP、BBT)が保有する株式2,561,500株は含まれていません。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
①従業員株式所有制度(株式給付信託(従業員持株会処分型))
a.従業員株式所有制度(株式給付信託(従業員持株会処分型))の概要
当社は、2021年12月16日開催の取締役会において、前田建設工業(株)、前田道路(株)及び(株)前田製作所(以下、「事業会社3社」という。)の従業員の福利厚生の増進及び当社の企業価値向上に係るインセンティブの付与を目的として、「株式給付信託(従業員持株会処分型)」の導入を決議しました。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 41.株式報酬 (2) 株式給付信託制度 ③ 従業員に対する株式給付信託(従業員持株会処分型)」に記載のとおりです。
なお、本制度は当事業年度において信託期間の満了により終了しておりますが、本有価証券報告書提出日までに、対象会社の範囲拡大を踏まえ、同様のスキームによる制度を組成しております。また、当該組成においては、信託の借入にサステナビリティ・リンク・ローンを活用しております。
b.対象となる従業員等に給付する予定の株式の総数
4,259千株
c.当該制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
受益者適格要件を充足する持株会加入者
②従業員株式所有制度(株式給付信託(J-ESOP))
a.従業員株式所有制度(株式給付信託(J-ESOP))の概要
当社は、2023年5月11日開催の取締役会において、グループ全体の一体感の醸成を目的とすることに加え、当社の株価及び業績と従業員の処遇の連続性をより高め、経済的な効果を株主の皆様と共有することにより、株価及びグループ連結業績向上への従業員の意欲や士気を高めるため、一定の要件を満たした当社及び当社のグループ子会社の全従業員に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」の導入を決議しました。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 41.株式報酬 (2) 株式給付信託制度 ② 従業員に対する株式給付信託(J-ESOP))」に記載のとおりです。
b.対象となる従業員等に給付する予定の株式の総数
有価証券報告書提出日現在、株式給付信託口の当社株式保有数:6,735千株
c.当該制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
従業員のうち株式給付規程に定める受益者要件を満たす者
③役員に対する株式報酬制度
a.株式給付信託制度(BBT)の概要
当社は、2022年6月23日開催の取締役会において、当社の取締役及び執行役(社外取締役及び国内非居住者を除く)の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性をより明確にし、株主の皆様と一層の価値共有を進めることを目的として、「株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))の導入を決議しました。
また、2023年6月20日開催の取締役会において、本制度の対象会社に事業会社3社を追加することを決議しています。事業会社3社における本制度の対象者は、取締役及び執行役員(社外取締役及び国内非居住者を除く)です。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 41.株式報酬
(2) 株式給付信託制度 ① 取締役、執行役及び執行役員に対する業績連動型株式報酬制度(BBT))」に記載
のとおりです。
b.対象となる役員等に給付する予定の株式の総数
当社の取締役及び執行役:上限1,268,196株(2025年度から2027年度までの3事業年度中)
事業会社3社の取締役及び執行役員:上限1,683,144株(2025年度から2027年度までの3事業年度中)
c.当該制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
当社の取締役及び執行役並びに事業会社3社の取締役及び執行役員のうち、役員株式給付規程に定める受益者要件を満たす者
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注)1.当事業年度における取得自己株式には、単元未満株式の買取請求による増加が1,127株、譲渡制限付株式報酬制度として交付した普通株式の一部を無償取得したことによる増加が1,284株含まれています。
2.当期間における取得自己株式は、単元未満株式の買取請求によるものです。なお、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)1.当期間における保有自己株式数には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り等による取得株式数は含めていません。
2.「株式給付信託」制度導入のために設定した株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式(2026年3月31日現在2,561,578株、2026年6月16日(有価証券報告書提出日)現在14,615,622株)は、上記の保有自己株式数には含めていません。
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益の還元を経営上の重要な施策の一つとして位置づけており、『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』(以下、中期経営計画)の還元方針に基づき、普通株式1株当たり年間配当金60円を下限に、配当性向を40%以上とし、安定かつ成長に連動した還元に努めることを基本方針としています。当社の剰余金の配当は、中間配当と期末配当の年2回行うこととしており、会社法第459条第1項の定めに基づき、剰余金の配当等を取締役会の決議により行うことができる旨を定款に定めています。
この方針の下、当期は普通株式1株当たり年間120円(中間配当金30円、期末配当金90円)の配当を実施することとしました。また、第1回社債型種類株式の1株当たり配当金は、年間130円(中間配当金65円、期末配当金65円)としています。なお、事業活動による安定した利益確保に加え、政策保有株式等の売却を通じて得た資金の使途として、株主還元のほか、官民連携事業や再生可能エネルギー事業等の成長投資に振り向け、事業領域の拡大と利益の最大化を目指しています。
次期以降につきましては、継続して安定的な利益確保が見込まれることに鑑み、配当性向40%以上、普通株式1株当たり年間配当金の下限を90円とすることとしました。引き続き、中期経営計画に定める還元方針に基づき、一層の利益還元に努めてまいります。なお、第1回社債型種類株式については、所定の金額の配当(注)を実施します。
(注)1株当たりの発行価格5,000円に配当年率2.600%を乗じた金額
基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりです。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」の実現をビジョンに掲げ、「インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで世界中に最適なサービスを提供する。」を果たすべき使命と定めています。「社会・地域の安全安心とサステナビリティ」を重要な価値とし、社会課題の解決に資する企業活動を通じて、社会そして地球の持続可能な発展に貢献する「総合インフラサービス企業」を目指しています。この実現のため、「INFRONEER Vision 2030 中長期経営計画」の戦略三本柱のひとつに「体質強化・改善」を掲げ、経営の基盤となる「ガバナンス強化」を重点施策としています。
当社は、新たなビジネスに積極的に挑戦できる経営の体制として、指名委員会等設置会社制度を採用し、経営の監督と執行の機能を明確に分離し、透明・公正かつ果断な意思決定を行うことができるコーポレート・ガバナンスの仕組みとしています。
上記の基本的な考え方をもとに、当社グループの持続的成長とステークホルダーからの信頼獲得を目指し、適切な情報開示とステークホルダーの皆様との対話を通じ、良好かつ円滑な関係を維持しながら信頼関係を構築していくことで、企業価値の向上と社会価値の創造に貢献します。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、経営の監督と執行の分離を徹底することにより、事業を迅速に運営できる執行体制の確立と経営監督機能の実効性を確保するため、指名委員会等設置会社を選択しています。
2026年6月16日(有価証券報告書提出日)現在において、当社における機関の概要は以下のとおりです。
Ⅰ.取締役会(7名:社外取締役6名、議長:社外取締役、任期:1年)
取締役会は、企業経営、事業戦略・業界知見、財務会計・M&A、サステナビリティ、社会・経済情勢等に関する多くの知見と経験をそれぞれ有する橋本圭一郎、米倉誠一郎、森谷浩一、村山利栄、髙木敦、小口光の6名の社外取締役と、建設(土木、建築)、インフラ運営、舗装及び建設機械の製作・販売等の当社グループの幅広い事業領域に関する知見を有する社内取締役の岐部一誠を合わせた、7名で構成されています。取締役会議長は、社外取締役の橋本圭一郎が務めています。
なお、当社は、2026年6月23日に開催予定の定時株主総会の議案として「取締役7名選任の件」を提案しています。また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項として、「指名委員会等の委員及び各委員長選定の件」が付議される予定です。これらが承認可決された場合の取締役会の構成については、後記の「d.取締役会の構成に対する考え方」及び「(2)役員の状況」に記載のとおりです。
取締役の任期は、法令の定めにより1年です。
a.開催頻度
取締役会は、当事業年度において合計12回開催されました。
b.具体的な検討内容
取締役会における具体的な検討内容は、役付取締役の選定、株主総会の招集と議題内容の決定、自己株式の取得の決定、会社法に基づいて提出される計算書類等の承認、配当及び中間配当の有無・金額・支払開始日等の決定、委員会の委員の選定・解職、取締役による競業取引等の承認等です。また、中期経営戦略や年間予算などの経営の基本方針を決定したうえで、その基本方針に基づく業務執行の決定は、法定の取締役会決議事項を除き、原則として執行役に委任しており、主に執行役の職務の執行を監督します。
当事業年度における主な審議事項は以下のとおりです。
c.取締役会の出席状況
(注)小口光氏は、2025年6月24日開催の第4回定時株主総会において選任された後の出席状況を記載しています。また、前田操治氏、今泉保彦氏及び塩入正章氏は、2025年6月24日開催の第4回定時株主総会の終結の時をもって取締役を退任したため、退任前の開催回数における出席状況を記載しています。
d.取締役会の構成に対する考え方
当社は、コーポレート・ガバナンスの体制として指名委員会等設置会社を採用し、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離することにより、経営の公正性・透明性を確保するとともに、事業を迅速に運営できる執行体制の確立に努めています。このような考え方のもと、取締役会は業務執行に対する監督機能に特化し、専門知識や経験等のバッググラウンドが異なる多様性のある構成とすることで、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。
当社が取締役に期待するスキルや役割、専門性として特定している内容は、以下のとおりです。
なお、 当社は、2026年6月23日に開催予定の定時株主総会の議案として「取締役7名選任の件」を提案しています。また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項として、「指名委員会等の委員及び各委員長選定の件」が付議される予定です。これらが承認可決された場合の取締役会の構成及びスキルの状況は以下のとおりです。
Ⅱ.指名委員会(5名:社外取締役4名、委員長:社外取締役)
指名委員会は、森谷浩一、橋本圭一郎、米倉誠一郎、村山利栄の4名の社外取締役と社内取締役の岐部一誠で構成されています。指名委員長は、指名過程の透明性・公正性を高めるため、社外取締役の森谷浩一が務めています。
なお、 当社は、2026年6月23日に開催予定の定時株主総会の議案として「取締役7名選任の件」を提案しています。また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項として、「指名委員会等の委員及び各委員長選定の件」が付議される予定です。これらが承認可決された場合、当社の指名委員会の指名委員は引き続き5名となる見込みです。
a.開催頻度
指名委員会は、当事業年度において合計12回開催されました。また、それ以外に新任役員候補者及び子会社新任社長候補者等に対する面談を実施しました。
b.具体的な検討内容
株主総会に提出する取締役の選解任に関する議案、取締役会にて選解任される執行役並びに選定及び解職される代表執行役に関する答申、子会社の取締役会にて選定及び解職される代表取締役並びに選解任される執行役員に関する答申等です。
また、上記の当社取締役候補及び執行役の指名に加えて、主要子会社の社長、取締役、執行役員の指名のための新任役員の面談及び審議を行いました。またサクセッションプランに関する方向性及び役員の任期等について審議しました。
当事業年度における主な審議事項は以下のとおりです。
c.委員の出席状況
(注)今泉保彦氏、塩入正章氏及び髙木敦氏は、2025年6月24日をもって委員を退任したため、退任前の開催回数における出席状況を記載しています。
Ⅲ.報酬委員会(5名:社外取締役4名、委員長:社外取締役)
報酬委員会は、髙木敦、米倉誠一郎、村山利栄、小口光の4名の社外取締役と社内取締役の岐部一誠で構成されています。報酬委員長は、決定過程の透明性・公正性を高めるため、社外取締役の髙木敦が務めています。
a.開催頻度
報酬委員会は当事業年度において合計14回開催されました。
b.具体的な検討内容
報酬委員会の具体的な検討内容は、取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針、取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容、子会社の取締役、代表取締役及び執行役員の報酬の方針並びに報酬内容に関する答申等です。
審議に必要十分な客観的情報を集計したうえで、役員報酬制度の内容と決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行っています。
当事業年度における報酬委員会の活動状況等については、「(4)役員の報酬等」に記載のとおりです。
c.委員の出席状況
(注)前田操治氏、今泉保彦氏及び森谷浩一氏は、2025年6月24日をもって委員を退任したため、退任前の開催回数における出席状況を記載しています。
Ⅳ.監査委員会(4名:社外取締役4名、委員長:社外取締役)
監査委員会は、橋本圭一郎、森谷浩一、髙木敦、小口光の4名の社外取締役で構成されています。監査委員長は、監査過程の透明性・公正性を高めるため、社外取締役の橋本圭一郎が務めています。
監査委員会は、執行役及び取締役の職務執行の監査、当社グループの内部統制システムの検証等を担っており、原則として毎月1回以上開催することとしています。
監査委員会の具体的な検討内容は、監査方針・監査計画、会計監査人の選解任議案・報酬の妥当性、会計監査人の監査方法及び結果の相当性等です。
監査委員会と会計監査人、内部監査及び内部統制システム整備の方針策定・推進を担う経営監査部が緊密に連携するなどして、監査委員会による監査体制の充実を図っています。
なお、社内各部門との十分な連携を確保し、情報収集を円滑に行うため、監査委員会の業務を補佐する監査委員会室を設置しています。
当事業年度における監査委員会の活動状況等については、「(3)監査の状況」に記載のとおりです。
Ⅴ.執行役
執行役は、代表執行役を岐部一誠とし、建設(土木、建築)、インフラ運営、舗装及び建設機械の製作・販売等の当社グループの事業に関する知見及び経験を有する中西隆夫、幡鎌裕二、下條真、前田操治、今泉保彦、柴田敏雄の7名が務めています。取締役会の定めた経営の基本方針(中期経営計画、年度予算等)に基づく業務執行を担います。当社グループの経営における重要事項については、執行役による合議機関である執行役会で審議のうえ、これを決定し、適正かつ効率的な意思決定がなされるようにしています。
なお、当社は、2026年6月9日に開催した取締役会の決議事項として、「執行役体制・業務分掌・組織体制について」を承認可決しているため、2026年6月23日付で当社の執行役は引き続き7名となる見込みです。役職名と氏名は以下のとおりです。
Ⅵ.監査
当社及び主要子会社の前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所、日本風力開発(株)及び三井住友建設(株)は、EY新日本有限責任監査法人に会計監査業務を委嘱しています。
会計監査人は、監査委員会及び主要子会社監査役と緊密な連携を保ち、監査体制、監査計画、監査実施状況及び監査結果の報告並びに必要な情報交換、意見交換を行い、効率的かつ効果的な監査の実施に努めます。


(注)コーポレート・ガバナンス体制図及び内部統制体制図は、2026年6月16日(有価証券報告書提出日)現在の体制を記載しています。
③ 企業統治に関するその他の事項
Ⅰ.内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況
当社は、事業環境の変化に対し、迅速かつ柔軟に対応する効率的な業務執行及び監査体制、リスク管理、コンプライアンスなど当社グループの適正な業務執行の確保の観点から、以下のとおり内部統制システムを構築・運用しています。同システムについては、必要に応じて見直すとともに、より適切な運用に努めています。
1.当社の内部統制システム整備に関する基本的な考え方
本方針は、当社グループにおける全体業務が適法かつ適正に遂行されるための内部統制システム構築に関する基本方針を定めたものであり、この方針を具体的に推進することにより、更なる企業価値の向上に資することを目的としています。
(1)当社は、前田建設工業(株)、前田道路(株)及び(株)前田製作所3社による共同株式移転の方式により、共同持株会社として2021年10月1日に設立され、当社グループ全体における経営資源の最適配分とガバナンスを実行します。
(2)当社は、当社グループの持続的成長とステークホルダーからの信頼獲得を目指し、経営の監督と執行の機能を明確に分離し、透明・公正かつ果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスを実現するため、指名委員会等設置会社制度を採択しています。
(3)当社は、経営の根幹である経営理念(ビジョン・ミッション・バリュー)を定め、中長期的な企業価値向上を目指していきます。
2.監査委員会の職務の執行のために必要な事項
(1)監査委員会の職務を補助する専任組織である「監査委員会室」を設置し、必要な使用人等を配置します。当該使用人等に関する人事関連事項の決定については、監査委員会の同意を得て行います。
(2)当社グループの取締役、監査役、執行役、執行役員及び使用人(以下、総称して「役職員」という。)は、あらかじめ監査委員会と協議した決定事項に基づき、職務執行等の状況を定期又は不定期に監査委員又は監査委員会に報告します。その他、法令及び定款に違反する重大な事実、不正行為の事実又は当社グループに著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、速やかに、当該事実を監査委員又は監査委員会に報告します。監査委員会に報告した当社グループの役職員に対して、当該報告を行ったことを理由として不利益な取り扱いが行われることを禁止します。
(3)監査委員会の職務の執行について生じる費用等を全額支弁します。
(4)監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するため、監査委員が当社の重要な意思決定の過程及び業務の執行状況を把握するための機会を確保します。
3.執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他当社の業務並びに当社及び子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要な事項
(1)執行役の職務の執行に係る情報を遅滞なく文書化し、適正に保存管理するとともに、重要な職務執行に関する情報については取締役会に遅滞なく報告します。
(2)損失の危険の管理のため、リスク管理体制を整備します。
(3)執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するため、取締役会から代表執行役への適切な権限委譲の下、方針の管理と執行内における適切な職務権限の再配分を行います。
(4)執行役及び従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するため、コンプライアンス体制、報告体制、反社会的勢力排除に関する体制、及び金融商品取引法第24条の4の4「財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制の評価」(いわゆるJ-SOX法)に基づくJ-SOX体制を整備します。
(5)子会社における業務の適正を確保するため、グローバルでの方針の共有と適切な職務権限の再配分、子会社における業務執行状況の当社への報告体制の整備、及びグローバルでの監査を実施します。子会社のリスク管理体制、コンプライアンス体制、反社会的勢力排除に関する体制、及びJ-SOX体制を整備します。
Ⅱ.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況
反社会的勢力排除に向けた基本的考え方については、上記の内部統制システム構築の基本方針に則り、反社会的勢力対応マニュアルにて、反社会的勢力とは一切の関係を遮断するとともに、あらゆる不当な要求や不正な取引を拒否し、反社会的な取引を行わないことを定めています。
Ⅲ.責任限定契約の内容の概要
当社は、橋本圭一郎、米倉誠一郎、森谷浩一、村山利栄、髙木敦及び小口光の6氏との間で、法令に定める限度まで責任を限定する責任限定契約を締結しています。
Ⅳ.役員賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、株主や第三者等から損害賠償請求を提起された場合において、被保険者が負担することになる損害賠償金・訴訟費用等の損害を当該保険契約により補填することとしています。当該保険契約の被保険者は当社の取締役及び執行役、当社子会社である前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所及び日本風力開発(株)の取締役と監査役であり、現在と同程度の内容での更新を予定しています。
Ⅴ.取締役の定数
当社の取締役は20名以内とする旨を定款に定めています。
Ⅵ.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び選任決議について、累積投票によらない旨を定款に定めています。
Ⅶ.取締役会で決議できる株主総会決議事項
1.自己株式の取得(定款第7条)
当社は、機動的な資本政策を遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって、自己株式を取得することができる旨を定款に定めています。
2.取締役の責任免除(定款第32条)
当社は、取締役(取締役であった者を含む)が期待される役割を十分発揮できるよう、会社法第427条第1項の規定により、取締役会の決議をもって、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む)の損害賠償責任を、法令の限度において免除することができる旨を定款に定めています。
3.剰余金の配当等の決定機関(定款第43条)
当社は、株主への機動的な利益還元を可能とするため、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議をもって、会社法第459条第1項各号に掲げる事項を定めることができる旨を定款に定めています。
4.中間配当(定款第45条)
当社は、株主への機動的な利益還元を可能とするため、取締役会の決議をもって、毎年9月30日の最終株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対し、中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。
Ⅷ.株主総会及び種類株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会及び種類株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、特別決議要件について次のとおり定めています。会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。また、会社法第324条第2項に定める決議についても、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。
Ⅸ.種類株式の議決権
社債型種類株式の議決権については、 すべての事項につき株主総会において議決権を行使することができない旨を定款に定めています。これは、 既存普通株主の皆さまの利益を可能な限り損なわないよう、 これらの種類株式につき、剰余金の配当及び残余財産の分配について普通株式に優先する一方で、株主総会において議決権を有しないこととしたものです。
なお、 会社法第322条第1項は、 株式会社が組織再編、株式の分割・併合や株式に関する定款変更など一定の行為をする場合に、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要すると規定していますが、当社は、社債型種類株式について、 法令に別段の定めがある場合を除き、 各社債型種類株式を有する株主(以下「社債型種類株主」)を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨を定款に定めています。ただし、当社が、以下に掲げる行為をする場合において、社債型種類株主に損害をおよぼすおそれがあるときは、当社の株主総会決議または取締役会決議に加え、社債型種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない旨を定款に定めています。
①当社が消滅会社となる合併または当社が完全子会社となる株式交換もしくは株式移転
(当社の単独による株式移転を除く。)
②当社の特別支配株主による当社の他の株主に対する株式売渡請求に係る当社の取締役会による承認
Ⅹ.株主・投資家との対話
当社は、ディスクロージャー・ポリシーを定めており、公正で透明性の高い情報開示を行うとともに、さまざまなコミュニケーション活動を通じて株主・投資家をはじめとするステークホルダーへの責任ある対応を行うことを基本方針としています。正確かつ公平に、適時適切な情報開示を行うことで、信頼関係の構築及び当社グループの理念やビジネスモデル、事業活動等に関する理解の促進に取り組んでいます。
また、株主・投資家との対話のための当社の体制として、IR面談や決算説明会等には主に代表執行役や担当執行役が参加しており、これらの活動を支える部署として経営戦略部がIR関係業務を担当しています。
2025年度における主な対話の状況は、次のとおりです。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
a.2026年6月16日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりです。
男性11名 女性2名 (役員のうち女性の比率15.4%)
(1)取締役の状況
(注) 1.取締役のうち、橋本圭一郎氏、米倉誠一郎氏、森谷浩一氏、村山利栄氏、髙木敦氏及び小口光氏は、社外取締役です。
2.村山利栄氏の戸籍上の氏名は志賀利惠です。
3.取締役の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
4.所有株式数は普通株式について記載しています。各役員は第1回社債型種類株式を所有していません。
(2)執行役の状況
(注) 1.執行役の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
2.所有株式数は普通株式について記載しています。各役員は第1回社債型種類株式を所有していません。
b.2026年6月9日に開催した取締役会の決議事項として、「インフロニア・ホールディングス執行役の体制・業務分掌・組織体制について」を承認可決しているため、2026年6月23日付で当社の執行役は7名となる見込みです。また、2026年6月23日開催予定の定時株主総会の決議事項として、「取締役7名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社の役員の状況は以下のとおりとなる予定です。なお、役員の役職等につきましては、当該定時株主総会の終了後に開催が予定される当社取締役会並びに子会社の株主総会及び取締役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
男性11名 女性2名 (役員のうち女性の比率15.4%)
(1)取締役の状況
(注) 1.取締役のうち、橋本圭一郎氏、米倉誠一郎氏、森谷浩一氏、村山利栄氏、髙木敦氏及び小口光氏は、社外取締役です。
2.村山利栄氏の戸籍上の氏名は志賀利惠です。
3.取締役の任期は、2026年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
4.所有株式数は普通株式について記載しています。各役員は第1回社債型種類株式を所有していません。
5.各役員の略歴は、当社指名委員会及び各事業会社の決議を経た、2026年6月23日現在のものを記載しています。
(2)執行役の状況
(注) 1.執行役の任期は、2026年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
2.所有株式数は普通株式について記載しています。各役員は第1回社債型種類株式を所有していません。
3.各役員の略歴は、当社指名委員会及び各事業会社の決議を経た、2026年6月23日現在のものを記載しています。
② 社外役員の状況
2026年6月16日(有価証券報告書提出日)現在、当社の社外取締役は6名です。
社外取締役橋本圭一郎氏は、当社の普通株式3,300株を所有しています。同氏と当社の間で、それ以外に人的関係、資本的関係及び特別の利害関係はありません。
社外取締役米倉誠一郎氏と当社の間で、人的関係、資本的関係及び特別の利害関係はありません。
社外取締役森谷浩一氏は、当社の普通株式6,700株を所有しています。同氏と当社の間で、それ以外に人的関係、資本的関係及び特別の利害関係はありません。
社外取締役村山利栄氏と当社の間で、人的関係、資本的関係及び特別の利害関係はありません。
社外取締役髙木敦氏は、当社の普通株式3,300株を所有しています。同氏と当社の間で、それ以外に人的関係、資本的関係及び特別の利害関係はありません。
社外取締役小口光氏と当社の間で、人的関係、資本的関係及び特別の利害関係はありません。
当社は、独立社外取締役の選任にあたり、会社法に定める社外取締役の要件及び東京証券取引所が定める独立性基準に加え、広範かつ高度な観点からの意思決定への参画並びに経営の監督のために、豊富な経験と高い専門性を有することを独立性判断基準としており、各社外役員は当社と資本関係のある会社・大株主・主要な取引先の出身者ではなく、高い独立性を有しているものと判断しています。なお、当社の社外役員には、取締役会の意思決定の妥当性・適正性の確保、グループ全体のガバナンス強化、業務及び財務の適正性の確保等の機能や役割があると考えています。
③ 社外取締役による監督又は監査と内部監査、会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
監査委員に選任された社外取締役は、監査委員会等において、会計監査人及び内部監査部門との定期的な意見交換を行うとともに、会計監査人及び内部監査部門の監査結果等の報告を受けることにより情報共有と相互連携を図っています。
(3) 【監査の状況】
① 監査委員会監査の状況
a.監査委員会監査の組織、人員及び手続き
2026年6月16日(有価証券報告書提出日)現在、当社の監査委員会は監査委員4名体制であり、監査委員長、監査委員はすべて社外取締役で構成されています。このうち、銀行や自動車会社で企業経営者としての豊富な経験を有する監査委員長である橋本圭一郎氏は、財務・会計及び内部統制・リスク管理に関する相当程度の知見を有しています。電気メーカーで企業経営者としての豊富な経験を有する森谷浩一氏は、内部統制・リスク管理に関する相当程度の知見を有しています。証券会社におけるアナリストとしての豊富な経験を有する髙木敦氏は、財務・会計に関する相当程度の知見を有しています。弁護士としての豊富な経験を有する小口光氏は、内部統制・リスク管理に関する相当程度の知見を有しています。また、監査委員会を補助する監査委員会室は、使用人4名で構成されています。
なお、当社は、2026年6月23日に開催予定の定時株主総会の議案として「取締役7名選任の件」を提案しています。また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項として、「指名委員会等の委員及び各委員長選定の件」が付議される予定です。これらが承認可決された場合、当社の監査委員会の監査委員は4名となる見込みです。
個々の監査委員の当事業年度に開催した監査委員会への出席率は、次のとおりです。
(注)小口光氏は、2025年6月24日開催の取締役会において選任された後の出席状況を記載しています。米倉誠一郎氏は、2025年6月24日をもって委員を退任したため、退任前の開催回数における出席状況を記載しています。
b.監査委員会の活動状況
監査委員会は、原則として毎月1回以上開催するほか、必要に応じて臨時に開催しており、当事業年度においては、合計19回開催されました。具体的な審議事項・報告事項等は以下のとおりです。
なお、監査委員会が設定した重点監査項目については、監査委員会室に適宜調査実施を指示した上で、評価及び検証を行いました。
監査委員は、取締役会その他の重要な会議に出席するとともに、代表執行役社長及び会計監査人と情報・意見の交換を行うことで意思疎通を図る他、子会社監査役及び内部監査部門等との定期的な会合における情報収集を通じて、監査の実効性を高めています。
また、監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するため、監査委員が当社の重要な意思決定の過程及び業務の執行状況を把握するための機会を確保しています。
② 内部監査の状況
a.内部監査の組織、人員、手続き及び内部統制の実効性を確保するための取り組み
当社は、グループ全体の内部監査機能を担う経営監査部(2026年5月末現在、8名)を設置し、当社及び子会社の内部監査を行っています。監査に当たっては、グループ内部統制システムの継続的な改善により当社グループの経営目標の達成に寄与するため、財務報告の信頼性、業務の有効性、法令順守の観点から、リスクアプローチによる効率的な監査を進めています。さらに、主要な子会社にも内部監査部門を設置し、当社の経営監査部との連携を図りながら、グループの内部監査機能を強化しています。
また、内部監査部門は、執行部門から独立し、内部監査の実施状況及び結果について適宜代表執行役社長に報告するとともに、監査委員会及び取締役会に定期的に直接報告するなど複数のレポートラインを保持しています。
b.内部監査、監査委員会監査及び会計監査との相互連携並びにこれらの監査との内部統制関連部門との関係
内部監査部門は、内部監査の実施状況及び結果を監査委員会等に報告するとともに、特に経営に重大な影響を与えるおそれのある事項については速やかに報告しています。また、会計監査人と緊密な連携を保ち定期的又は随時に意見・情報交換を行っています。
監査委員会は、内部監査部門から定期的に又は随時に報告を受け、必要に応じて説明又は調査を求めることとしています。また、会計監査人から監査計画の詳細な説明や監査実施報告を受けるとともに、KAM (監査上の主要な重点監査項目)等について積極的に意見・情報交換を行っています。
内部監査部門、監査委員会及び会計監査人は、各々の監査手続において、その他の内部統制部門(財務・経理部門、管理部門等)と意思疎通を図り、必要に応じて意見・情報交換を行っています。
当社経営監査部及び監査委員会は、各子会社の監査役及び内部監査部門と定期的に意見・情報交換を行う等、各々の監査の独立性を保ちつつも相互に協力し、グループ全体の内部監査の実効性を高めています。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b.継続監査期間
64年間
c.業務を執行した公認会計士
中原 義勝
小島 亘司
中村 崇
d.監査業務に係る補助者の構成
会計監査業務に係る補助者の構成は、公認会計士12名、その他21名です。
e.監査法人の選定方針と理由
当社監査委員会は、監査法人の選定に際して、前年度における監査実績や品質管理体制、独立性・専門性、監査報酬の妥当性などにより、総合的に判断しております。その結果、会計監査人としてEY新日本有限責任監査法人を再任しています。
f.監査委員会による監査法人の評価
当社の監査委員会は、EY新日本有限責任監査法人に対し評価を行っており、同法人による会計監査は適切に行われていることを確認しています。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
(前連結会計年度)
当社における非監査業務は、コンフォートレター業務です。連結子会社における非監査業務は、合意された手続き業務です。
(当連結会計年度)
当社における非監査業務は、コンフォートレター業務です。連結子会社における非監査業務は、コンフォートレター業務及び合意された手続き業務等です。
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(Ernst&Young)に対する報酬(a.を除く)
(前連結会計年度)
当社は、非監査業務を委託していません。連結子会社における非監査業務は、税務に関するコンサルタント費用等です。
(当連結会計年度)
当社は、非監査業務を委託していません。連結子会社における非監査業務は、税務に関するコンサルタント費用等です。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
d.監査報酬の決定方針
該当事項はありませんが、当社の規模や業務の特性、監査日数等を勘案したうえで決定しています。
e.監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査委員会は、会計監査人の監査計画の内容(監査対象部門、監査時間等)及び報酬の算定根拠等を検討した結果、会計監査人の報酬等の額は妥当であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行っています。
(4) 【役員の報酬等】
報酬実績と業績との関連性
①当事業年度の役員の報酬等の総額
(注)1.上記の報酬等の総額は、連結報酬等(当社及び当社子会社が支払った若しくは支払う予定の、又は負担した費用等の合計額)として記載しています。
2.取締役と執行役の兼任者については、上記では取締役の欄に人数と報酬を記載しています。また、対象となる役員の員数は延べ人数です。
3.上記の年次インセンティブの額は、当事業年度における役員年次インセンティブ引当金繰入額です。また、業績連動型株式報酬及び譲渡制限付株式報酬の総額は、当事業年度における費用計上額です。
4.当事業年度に、役員等の報酬として交付した当社の普通株式の数は、取締役(社外取締役を除く。)5名に366,468株、執行役10名に343,581株です。なお、この取締役及び執行役の人数は延べ人数であり、当事業年度末日以前に退任した人数を含めています。
②報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等
(注)1.上記の報酬等の総額は連結報酬等(当社及び当社子会社が支払った若しくは支払う予定の、又は負担した費用等の合計額)として記載しています。
2.上記の年次インセンティブの額は、当事業年度における役員年次インセンティブ引当金繰入額です。また、譲渡制限付株式報酬の額は当事業年度における費用計上額です。
3.業績連動型株式報酬は、当事業年度に対応する基準ポイントに株式交付率を乗じた金額を基礎として算定された会計上の費用計上額を記載しており、最終的に株式交付ポイントに転換されて対象役員が受け取る金額(所得額)とは異なります。
③当事業年度の業績連動報酬に係る指標(KPI)の目標及び実績
<年次インセンティブ>
当事業年度の年次インセンティブの算定における基準業績値として、親会社の所有者に帰属する当期利益328億円を設定していました。当事業年度の業績実績は、親会社の所有者に帰属する当期利益766億円であり、個人別の支給額は当該実績に基づき、予め定めた役位別の算式に従って算定されています。なお、付加価値生産性が前事業年度の0.8倍を下回る場合は不支給とする要件を設けていましたが、当事業年度における付加価値生産性の実績は2,450万円/人(前事業年度1,981万円/人)であり、前事業年度の1.24倍でした。
当事業年度の執行役(主要事業会社担当(前田建設))の年次インセンティブの算定における業績基準値としては、前田建設工業(株)の当期純利益265億円を、執行役(主要事業会社担当(前田道路))の業績基準値には前田道路(株)の当期純利益137億円を設定していました。当事業年度の業績実績は、前田建設工業(株)の当期純利益は513億円、前田道路(株)の当期純利益は139億円であり、個人別の支給額は当該実績に基づき、予め定めた役位別の算式に従って算定されています。なお、付加価値生産性が前事業年度の0.8倍を下回る場合は不支給とする要件を設けていましたが、当事業年度における付加価値生産性の実績として、前田建設工業(株)は2,013万円/人(前事業年度1,813万円/人)であり前事業年度の1.11倍、前田道路(株)は2,300万円/人(前事業年度2,218万円/人)であり前事業年度の1.04倍でした。
<中長期インセンティブ>
『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』に合わせた2025年度から2027年度までの中長期インセンティブは、3事業年度の連結付加価値額の平均値に連動して決まる株式交付率に応じて、0%~200%の範囲で算定される仕組みです。3ヶ年平均連結付加価値額と株式交付率の対応については、次のとおりとしています。なお、当事業年度の付加価値額の実績は2,724億円です。
④当事業年度に係る役員等の個人別の報酬等の内容がその決定方針に沿うものであると報酬委員会が判断した理由
当事業年度に係る役員等の個人別の報酬等の内容は、当社の報酬委員会が決定しました。当社の報酬委員会はその決定にあたって、下記の当事業年度に係る個人別の報酬等の決定過程における活動を行い、審議に必要十分な客観情報を収集したうえで、役員報酬制度の内容と決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行い、その内容が役員等の個人別の報酬等の決定方針に沿うものであると判断しました。
⑤当事業年度に係る役員等の個人別の報酬等の決定過程における報酬委員会の活動状況
当事業年度に係る役員等の個人別の報酬等の決定過程における報酬委員会の構成は以下のとおりです。
当事業年度に係る役員等の個人別の報酬等の決定過程における報酬委員会は、2025年5月13日、5月21日、6月10日、6月24日、9月10日、9月30日、2026年4月20日、5月20日、6月9日の計9回開催し、主な審議事項は以下のとおりです。
※上記とは別に、事業会社役員報酬に関する議題を中心とする報酬委員会を9回開催のうえ、審議を行いました。
役員報酬制度
当社は、「総合インフラサービス企業」をグループ全体戦略として定め、迅速かつ適正な経営を実現し、「社会変化への対応力」を強化することに努めています。実効性のあるガバナンス体制の構築は、当社が掲げる戦略三本柱のひとつである「体質強化・改善」における重点施策であり、「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」を目指すべく、以下の報酬ガバナンスを整備したうえで、役員報酬制度の基本原則に沿って報酬プログラムを運用し、役員の報酬等を審議・決定しています。
報酬ガバナンス
当社は、指名委員会等設置会社に関する会社法の規定を遵守し、報酬委員会に関して以下のように定めています。
①報酬委員会の主な役割・権限
当社の報酬委員会は、当社の取締役及び執行役、当社子会社の取締役及び執行役員(以下、「役員等」という。)の個人別の報酬等の内容を決定する権限を有しており、以下の事項の決定を行います。
・役員等の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針(以下、「役員報酬等の決定方針」という。)
・役員等の個人別の報酬等の内容
・前号を決議するために必要な基本方針、規程及び手続き等の制定、変更、廃止
・その他、役員等の報酬等に関して報酬委員会が必要と認めた事項
②役員報酬等の決定方針の決定の方法
当社の報酬委員会は、役員報酬制度の決定において高度な独立性の確保を前提とし、客観性・透明性を重視した運用プロセスを構築しています。当社の報酬委員会が役員報酬等の決定方針を定めるにあたっては、外部の報酬コンサルタントからの情報収集及び助言等も活用しつつ、役員報酬に関する近時の整備の状況、議論の動向、他社の制度等の客観的かつ必要十分な情報に基づき、毎期その妥当性を検証することとしています。
報酬委員会に対する外部の報酬コンサルタントの関与・参画状況は、報酬委員会に必要に応じて同席し、実効的な審議・合意形成の側面支援を行うことに留まり、妥当性の提言等は受けていません。なお、外部の報酬コンサルタントとして、WTW(ウイリス・タワーズワトソン)を起用しています。
③報酬委員会の規模と構成
当社の報酬委員会は、取締役の中から取締役会決議によって選定された委員3名以上で組織し、委員の過半数は社外取締役とすることとしています。報酬委員長は、原則として社外取締役である委員の中から取締役会の決議を以て選定することとしています。
なお、当社は、2026年6月23日に開催予定の定時株主総会の議案として「取締役7名選任の件」を提案しています。また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項として、「指名委員会等の委員及び各委員長選定の件」が付議される予定です。これらが承認可決された場合の当社の報酬委員会の構成は以下のとおりです。
報酬プログラム
①役員報酬等の決定方針の内容の概要
当社の役員報酬等の決定方針の内容の概要は、以下のとおりです。
i.役員報酬制度の基本原則
・「総合インフラサービス企業」の実現に向け、当社の経営陣が経営の目線を合わせ、戦略三本柱の達成に一丸となって邁進することを後押しできるものであること
・「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」を目指し、グループ全体の永続的成長を意識付けるため、当社の経営陣の株式保有を促し、株主の皆様との持続的な利害共有を着実に深めていくことができるものであること
・当社の持続的発展と中長期的な企業価値向上に貢献できる優秀な経営者人材を確保し、報奨することができるものであること
・業績目標の達成を動機づけるとともに、その達成の潜在的リスクを反映させ、当社の持続的な成長に向けた健全なインセンティブとして機能するものであること
ii.報酬体系
2026年6月16日(有価証券報告書提出日)現在、当社の役員報酬制度は、基本報酬、業績連動報酬及び非金銭報酬で構成されています。なお、業績連動報酬は、単年度の全社業績目標の達成度等に連動する年次インセンティブと2027年度を最終年度とした『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』の着実な遂行を目的とした中長期インセンティブで、非金銭報酬は株主の皆様との利害共有を目的とした譲渡制限付株式報酬で構成しています。役員報酬の種類別報酬割合については、年次インセンティブの単年度標準額を基本報酬の50~100%程度、中長期インセンティブの1事業年度当たりの標準的な付与価値を基本報酬の0~80%程度、譲渡制限付株式報酬の単年度の付与価値を基本報酬の約15~20%程度とし、業績連動性と中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した報酬とするため、前事業年度に比べて業績連動報酬の割合を引き上げています。但し、社外取締役の報酬は、役割に鑑み基本報酬のみとしています。
当社の役員報酬の種類別報酬割合の決定に際しては、外部の調査機関が運営する役員報酬サーベイに基づき、当社の事業規模に類似する企業の市場報酬データを参考に報酬水準を設定しています。当社の報酬水準を経営陣に求められる能力及び責任等に見合う設定とすべく、報酬委員会にて報酬ベンチマーク等による妥当性の検証を毎期行います。
なお、基本報酬は月次で支給し、年次インセンティブ及び譲渡制限付株式報酬は毎年一定の時期に支給し、中長期インセンティブは原則として2025年度に基準ポイントを付与したうえで、業績評価期間終了後に一括して株式の交付及び金銭の支給を行います。
ⅲ.株式保有ガイドライン
「脱請負」とそれに伴う成長戦略の加速と株式市場からの要請に応えるための持株会社体制を通じ、すべてのステークホルダーとの持続的な価値共有を図るため、当社の執行役を対象とした株式保有ガイドラインを定め、原則として執行役としての在任期間中、時価ベースで年間基本報酬と同額に相当する当社株式を付与し、この継続保有を目標とするガイドラインを導入しています。
ⅳ.マルス・クローバック条項
当社の役員報酬制度が過度なリスクテイクを促すようなインセンティブとなることを抑制し、役員報酬の健全性を確保することを目的に、非違行為や不正会計による財務諸表の遡及修正等の一定の事由が生じたと当社の取締役会が認めた場合に支給・交付の前後を問わず、報酬委員会の判断によって、業績連動報酬及び非金銭報酬の全部又は一部を返還させる又は没収する条項(いわゆるマルス・クローバック条項)を定めています。本条項の適用対象は、2024年6月開催の第3回定時株主総会後に支給される年次インセンティブ及び付与される譲渡制限付株式報酬とし、以降すべての期間において適用します。中長期インセンティブについては、2025年度を業績評価期間の始期とする制度より、本条項の適用対象としています。
②業績連動報酬の仕組み、サステナビリティ指標連動の内容及び非金銭報酬の内容
i.年次インセンティブ及び中長期インセンティブの評価指標とその選定理由等
当社の年次インセンティブ及び中長期インセンティブの評価指標とその選定理由等は下表のとおりです。
ⅱ.年次インセンティブ(業績連動給与)
年次インセンティブは、評価指標の達成度に応じて、当社の取締役(社外取締役を除く)及び執行役が金銭の支給を受けることができる制度としており、当社の株主の皆様に帰属する成果に対する業務執行の責任を明確にすることで支給額の合理性をわかりやすく説明できることを理由にKPIとして選定しました。年次インセンティブのうち、親会社の所有者に帰属する当期利益に連動する割合は役位に応じて20%~90%、事業会社当期純利益に連動する割合は役位に応じて0%~70%、セグメント利益に連動する割合は役位に応じて0%~40%としています。
業績評価にあたっては、報酬委員会における妥当性の審議・検証を経て予め定めた算定方法に基づいて、2025年度に係る定時株主総会の日から2026年度に係る定時株主総会の日の前日までの期間の終了後に報酬委員会において支給額の算定及び評価を行い、これを決定します。なお、年次インセンティブ支給額は、個別に定める単年度標準額のうちサステナビリティ指標に連動する部分を除いた90%に相当する金額を0~200%の範囲で変動させるものとします。
また、年次インセンティブの不支給要件として、付加価値生産性が前事業年度の0.8倍を下回る場合を定めています。
なお、年次インセンティブは法人税法上の「業績連動給与」として設計しており、その具体的な算定方法は下記ⅵに記載しています。
ⅲ.年次インセンティブ(サステナビリティ指標連動)
年次インセンティブのうち、個別に定める単年度標準額の10%に相当する金額についてはサステナビリティ指標に連動する仕組みとしており、評価指標の達成状況に応じて0~200%の範囲で変動させるものとしています。サステナビリティ指標の評価にあたっては、全てのステークホルダーの満足が中長期的な企業価値向上につながっていくとの考えのもと、3つの評価指標(①外部機関による評価、②カーボンニュートラル、③従業員エンゲージメント)を管理項目として設定しました。
なお、サステナビリティ指標連動は、カーボンニュートラル及び従業員エンゲージメントで必達目標として設定している数値に連動する部分(ペナルティの要素)と、外部機関による評価(FTSEスコア)でチャレンジ目標として設定している数値に連動して最大10%を追加支給するインセンティブの要素を組み合わせた制度としています。
ⅳ.中長期インセンティブ(業績連動給与)
中長期インセンティブは、『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』に合わせて2027年度までの3事業年度の期間(以下、「業績評価期間」という。)の業績目標達成度や、取締役については2025年6月24日開催の第4回定時株主総会終了後から業績評価期間の最終の事業年度に係る定時株主総会の前日までの期間、執行役員については2025年4月から2028年3月までの期間(以下、「対象期間」という。)の在任月数に応じて算定される数及び額の当社普通株式(以下、「当社株式」という。)及び金銭を、当社の取締役と執行役及び事業会社である前田建設工業(株)、前田道路(株)及び(株)前田製作所(以下、「事業会社3社」という。)の取締役と執行役員に対し、原則として業績評価期間終了後に一括して交付及び支給する業績連動型株式報酬制度(BBT)(以下、「本制度」という。)としています。
本制度の対象となる役員等は予め定められた基準ポイントの一括付与を受け、原則として、業績評価期間経過後に一定の要件を充足する場合に、中長期インセンティブの算定方法に従って基準ポイント数が株式交付ポイント数に転換され、当該株式交付ポイント数に応じた当社株式及び金銭が給付されます。当社の取締役及び執行役が事業会社3社において取締役又は執行役員を兼任する場合は、当社からポイントを付与します。なお、金銭の支給は納税資金の確保を目的としており、当該株式交付ポイント数の約50%に相当する当社株式の時価相当額となります。当社株式の時価は、中期経営計画が終了する直後の定時株主総会の日の上場する主たる金融商品取引所における終値とし、当該日に終値が公表されない場合にあっては、終値の取得できる直近の日まで遡って算定するものとします。
中長期インセンティブは、当社の連結付加価値額の2025~2027年度の平均値に応じて株式交付率が0~200%の範囲で変動します。当社の連結付加価値額は、『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』に掲げる業績目標とも関連する戦略上重視する指標であり、また、当社グループ従業員の報酬制度との連続性・関連性から組織全体の目線合わせが可能となる指標であることを理由にKPIとして選定しました。
なお、中長期インセンティブは法人税法上の「業績連動給与」として設計しており、その具体的な算定方法は後記ⅵに記載しています。
ⅴ.非金銭報酬の内容
当社の非金銭報酬は譲渡制限付株式報酬であり、業績等に係る条件は定めておりませんが、企業価値に連動する仕組みとしています。当社の株式価値と取締役(社外取締役を除く)及び執行役の報酬との連動性をより明確にし、株価の変動による利益・リスクを株主の皆様と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的とし、退任時に譲渡制限を解除されるプランとしています。
ⅵ.「業績連動給与」の算定方法
当社の年次インセンティブ(業績連動給与)及び中長期インセンティブは、いずれも法人税法上の「業績連動給与」として設計しており、算定方法は以下のとおりです。なお、当社の報酬委員会の委員長及び委員である独立社外取締役の全員が当該算定方法の決定にかかる報酬委員会の決議に賛成しています。
年次インセンティブの算定方法(業績連動給与)
役位ごとの算定方法は以下のとおりです。
代表執行役社長の個別支給額
=「親会社の所有者に帰属する当期利益」に基づく支給×90%
執行役(主要事業会社担当(前田建設))の個別支給額
=「親会社の所有者に帰属する当期利益」に基づく支給×20%+「事業会社当期純利益(前田建設)」に基づく支給×70%
執行役(主要事業会社担当(前田道路))の個別支給額
=「親会社の所有者に帰属する当期利益」に基づく支給×20%+「事業会社当期純利益(前田道路)」に基づく支給×70%
執行役(主要事業会社担当(三井住友建設))の個別支給額
=「親会社の所有者に帰属する当期利益」に基づく支給×20%+「事業会社当期純利益(三井住友建設)」に基づく支給×70%
執行役(土木事業セグメント担当、インフラ事業セグメント担当、技術担当)の個別支給額
=「親会社の所有者に帰属する当期利益」に基づく支給×50%+「セグメント利益(土木セグメント) 」に基づく支給×40%
執行役(建築事業セグメント担当、海外担当)の個別支給額
=「親会社の所有者に帰属する当期利益」に基づく支給×50%+「セグメント利益(建築セグメント) 」に基づく支給×40%
執行役(コーポレート担当)の個別支給額
=「親会社の所有者に帰属する当期利益」に基づく支給×90%
各支給に関する算定方法は以下のとおりです。
「親会社の所有者に帰属する当期利益」に基づく支給
<当期利益がゼロ円以上47,187百万円未満の場合>
=親会社の所有者に帰属する当期利益/47,187百万円×別表1のA列に定める役位別基準額
<当期利益が47,187百万円以上70,780百万円未満の場合>
=((親会社の所有者に帰属する当期利益‐47,187百万円)/235.93百万円+100)/100×別表1のA列に定める役位・管掌別基準額
<当期利益が70,780百万円以上の場合>
=別表1のB列に定める役位別年次インセンティブの上限額
「事業会社当期純利益(前田建設)」に基づく支給
<当期純利益がゼロ円以上33,400百万円未満の場合>
=当期純利益/33,400百万円×別表1のA列に定める役位別基準額
<当期純利益が33,400百万円以上50,100百万円未満の場合>
=((当期純利益‐33,400百万円)/167百万円+100)/100×別表1のA列に定める役位別基準額
<当期純利益が50,100百万円以上の場合>
=別表1のB列に定める役位別年次インセンティブの上限額
「事業会社当期純利益(前田道路)」に基づく支給
<当期純利益がゼロ円以上15,915百万円未満の場合>
=当期純利益/15,915百万円×別表1のA列に定める役位別基準額
<当期純利益が15,915百万円以上23,873百万円未満の場合>
=((当期純利益‐15,915百万円)/79.58百万円+100)/100×別表1のA列に定める役位別基準額
<当期純利益が23,873百万円以上の場合>
=別表1のB列に定める役位別年次インセンティブの上限額
「事業会社当期純利益(三井住友建設)」に基づく支給
<当期純利益がゼロ円以上15,300百万円未満の場合>
=当期純利益/15,300百万円×別表1のA列に定める役位別基準額
<当期純利益が15,300百万円以上22,950百万円未満の場合>
=((当期純利益‐15,300百万円)/76.5百万円+100)/100×別表1のA列に定める役位別基準額
<当期純利益が22,950百万円以上の場合>
=別表1のB列に定める役位別年次インセンティブの上限額
「セグメント利益(土木セグメント)」に基づく支給
<セグメント利益がゼロ円以上30,100百万円未満の場合>
=セグメント利益/30,100百万円×別表1のA列に定める役位別基準額
<セグメント利益が30,100百万円以上45,150百万円未満の場合>
=((セグメント利益‐30,100百万円)/150.5百万円+100)/100×別表1のA列に定める役位別基準額
<セグメント利益が45,150百万円以上の場合>
=別表1のB列に定める役位別年次インセンティブの上限額
「セグメント利益(建築セグメント)」に基づく支給
<セグメント利益がゼロ円以上28,200百万円未満の場合>
=セグメント利益/28,200百万円×別表1のA列に定める役位別基準額
<セグメント利益が28,200百万円以上42,300百万円未満の場合>
=((セグメント利益‐28,200百万円)/141百万円+100)/100×別表1のA列に定める役位別基準額
<セグメント利益が42,300百万円以上の場合>
=別表1のB列に定める役位別年次インセンティブの上限額
※別表1における「A.役位別基準額」、「B.役位別年次インセンティブの上限額」、「C.役位別基準額のうち業績連動給与の算定基礎となる額」及び「D.役位別業績連動給与の上限額」の適用は、2025年度に係る定時株主総会の終了直後における当社の役位名称に基づくものとします。
※上記算定方法の適用にあたり、親会社の所有者に帰属する当期利益、事業会社当期純利益(前田建設)、事業会社当期純利益(前田道路)、事業会社当期純利益(三井住友建設)、セグメント利益(土木セグメント)、セグメント利益(建築セグメント)の百万円未満は切り捨てとします。
※当社の役員等が、年次インセンティブの支給対象期間(2025年度に係る定時株主総会の日から2026年度に係る定時株主総会の日の前日までの期間をいいます。)の途中で、当社の役員等のいずれの地位も喪失した場合、報酬委員会が正当と認める事由による場合を除き、当該退任役員等に対する年次インセンティブは支給しません。
※年次インセンティブ(業績連動給与)の不支給要件として付加価値生産性が前事業年度の0.8倍を下回る場合としておりますが、基準となる付加価値生産性の算定方法は以下のとおりです。なお、連結付加価値額は、当社の連結事業利益、総人件費、減価償却費、研究開発費の総和にて算出される額とします。
付加価値生産性 = 連結付加価値額 ÷ 連結従業員数
(別表1)年次インセンティブの役位別基準額、役位別上限額
(注)1.法人税法上の業績連動給与に該当しない額を「A.役位別基準額」から除いたものが、「C.役位別基準額のうち業績連動給与の算定基礎となる額」です。「C.役位別基準額のうち業績連動給与の算定基礎となる額」は所定の算定式により0%~200%の範囲で変動しますが、その上限額を「D.役位別業績連動給与の上限額」で示しています。
2.「A.役位別基準額」、「B.役位別年次インセンティブの上限額」、「C.役位別基準額のうち業績連動給与の算定基礎となる額」及び「D.役位別業績連動給与の上限額」は1人当たりの額です。
3.執行役1は、「主要事業会社担当(前田建設)」です。
4.執行役2は、「土木事業セグメント担当、インフラ事業セグメント担当、技術担当」及び「建築事業セグメント担当、海外担当」です。
5.執行役4は、「主要事業会社担当(前田道路)」です。
6.執行役5は、「コーポレート担当」です。
7.執行役8は、「主要事業会社担当(三井住友建設)」です。
8.役位のうち、執行役3、6、7への該当者はいません。
(株)前田製作所における業績連動報酬の仕組み、サステナビリティ指標連動の内容及び非金銭報酬の内容
事業会社である(株)前田製作所の年次インセンティブ(業績連動給与)は法人税法上の「業績連動給与」として設計しており、算定方法は以下のとおりです。
(株)前田製作所における年次インセンティブ算定方法(業績連動給与)
役位ごとの算定方法は以下のとおりです。
社長/会長の個別支給額
=「親会社の所有者に帰属する当期利益」に基づく支給×20%+「事業会社当期純利益(前田製作所)」に基づく支給×70%
取締役副社長/取締役専務/取締役常務/取締役専務執行役員/取締役常務執行役員の個別支給額
=「事業会社当期純利益(前田製作所)」に基づく支給×100%
各支給に関する算定方法は以下のとおりです。
「親会社の所有者に帰属する当期利益」に基づく支給
<当期利益がゼロ円以上47,187百万円未満の場合>
=親会社の所有者に帰属する当期利益/47,187百万円×別表1_2のA列に定める役位別基準額
<当期利益が47,187百万円以上70,780百万円未満の場合>
=((親会社の所有者に帰属する当期利益‐47,187百万円)/235.93百万円+100)/100×別表1_2のA列に定める役位・管掌別基準額
<当期利益が70,780百万円以上の場合>
=別表1_2のB列に定める役位別年次インセンティブの上限額
「事業会社当期純利益(前田製作所)」に基づく支給
<当期純利益がゼロ円以上1,760百万円未満の場合>
=当期純利益/1,760百万円×別表1_2のA列に定める役位別基準額
<当期純利益が1,760百万円以上2,640百万円未満の場合>
=((当期純利益‐1,760百万円)/8.8百万円+100)/100×別表1_2のA列に定める役位別基準額
<当期純利益が2,640百万円以上の場合>
=別表1_2のB列に定める役位別年次インセンティブの上限額
※別表1_2における「A.役位別基準額」、「B.役位別年次インセンティブの上限額」、「C.役位別基準額のうち業績連動給与の算定基礎となる額」及び「D.役位別業績連動給与の上限額」の適用は、2025年度に係る定時株主総会の終了直後における当社の役位名称に基づくものとします。
※上記算定方法の適用にあたり、親会社の所有者に帰属する当期利益、事業会社当期純利益(前田製作所)の百万円未満は切り捨てとします。
※当社の役員等が、年次インセンティブの支給対象期間(2025年度に係る定時株主総会の日から2026年度に係る定時株主総会の日の前日までの期間をいいます。)の途中で、当社の役員等のいずれの地位も喪失した場合、報酬委員会が正当と認める事由による場合を除き、当該退任役員等に対する年次インセンティブは支給しません。
※年次インセンティブ(業績連動給与)の不支給要件として付加価値生産性が前事業年度の0.8倍を下回る場合としておりますが、基準となる付加価値生産性の算定方法は以下のとおりです。なお、連結付加価値額は、連結事業利益、総人件費、減価償却費、研究開発費の総和にて算出される額とします。
付加価値生産性 = 連結付加価値額 ÷ 連結従業員数
(別表1_2)年次インセンティブの役位別基準額、役位別上限額
(注)1.法人税法上の業績連動給与に該当しない額を「A.役位別基準額」から除いたものが、「C.役位別基準額のうち業績連動給与の算定基礎となる額」です。「C.役位別基準額のうち業績連動給与の算定基礎となる額」は所定の算定式により0%~200%の範囲で変動しますが、その上限額を「D.役位別業績連動給与の上限額」で示しています。
2.「A.役位別基準額」、「B.役位別年次インセンティブの上限額」、「C.役位別基準額のうち業績連動給与の算定基礎となる額」及び「D.役位別業績連動給与の上限額」は1人当たりの額です。
3.役位のうち、取締役専務および取締役専務執行役員の該当者はいません。
中長期インセンティブの算定方法
2025年度から2027年度までの連続する3事業年度を業績評価期間として対象となる役員等に付与される基準ポイント数及び株式交付ポイント数の上限は、以下のとおりです。なお、以下の基準ポイント数及び株式交付ポイント数の上限は3か年分の値であり、対象期間の中途で本制度の対象者となった場合、対象者となった時点で見込まれる対象期間における役員等の在任月数に応じて按分した数のポイントを一括付与します。
株式交付ポイントは1ポイントあたり1株とします。ただし、当社株式について当社株式の交付前に株式分割(株式の無償割当を含む。)・株式併合等が生じた場合には、当社株式の分割比率・併合比率等に応じて、1ポイントあたりの当社株式の数(換価処分の対象となる株式数を含む)を調整します。
※別表2、3、4及び5における基準ポイント数は、取締役については、2024年度に係る定時株主総会の終了直後において本制度の対象者である者に対して付与する数を表しています。また、執行役員については、2024年度期首において本制度の対象者である者に対して付与する数を表しています。
※対象となる役員等への基準ポイントは、本制度の対象者となった時点で見込まれる在任月数に応じた数を一括付与します。対象期間中に所属会社や役位の変更があった場合は、所定の算定方法によりポイントの加減算を行います。
※別表2、3、4及び5における報酬基準額(3か年分)は、基準ポイントの算定基礎となる金額です。報酬基準額(3か年分)を、本制度の対象者となった日の直前の当社株式が上場する主たる金融商品取引所における1月から3月までの平均株価で除することで、基準ポイントの算定を行います。
2025年度から2027年度までの連続する3事業年度を業績評価期間として対象となる役員等に付与される基準ポイント数及び株式交付ポイント数の上限は、以下のとおりです。対象期間の中途で本制度の対象者となった場合、対象者となった時点で見込まれる対象期間における役員等の在任月数に応じて按分した数のポイントを一括付与します。
株式交付ポイントは1ポイントあたり1株とします。ただし、当社株式について当社株式の交付前に株式分割(株式の無償割当を含む。)・株式併合等が生じた場合には、当社株式の分割比率・併合比率等に応じて、1ポイントあたりの当社株式の数(換価処分の対象となる株式数を含む)を調整します。
(別表2) 役位に応じた報酬基準額、基準ポイント数と株式交付ポイント数の上限(当社分)
(別表3) 役位に応じた報酬基準額、基準ポイント数と株式交付ポイント数の上限(前田建設工業(株)分)
(別表4) 役位に応じた報酬基準額、基準ポイント数と株式交付ポイント数の上限(前田道路(株)分)
(別表5) 役位に応じた報酬基準額、基準ポイント数と株式交付ポイント数の上限( (株)前田製作所分)
※当社全体の株式交付ポイント数の上限は1,268,196ポイントとします。
※前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所の3社全体の株式交付ポイント数の上限は841,572ポイントとします。
イ)基準ポイントを株式交付ポイントに転換するにあたっての算定式
株式交付ポイント数(※1)=基準ポイント数×対象期間における在任月数(※2)/36ヶ月×株式交付率(※3)
※1.1ポイント未満は切り捨てとします。
※2.対象期間における役員等の在任月数に1ヶ月未満の日数がある場合は、1ヶ月未満の日数は1ヶ月に切り上げます。
※3.株式交付率は下記ロ)に定めるとおりとします。
ロ)株式交付率の算定方法
上記イ)に適用される株式交付率は、別表6のとおり、当社の2025年度から2027年度までの連結付加価値額(※4)の3ヶ年平均値(以下、「3ヶ年平均付加価値額」という。)に応じて定まるものとします。
※4.当社の連結事業利益、総人件費、減価償却費、研究開発費の総和にて算出される額とします。
(別表6)
ハ)対象期間中に対象となる役員等が退任した場合の取扱い
1.正当な事由等による退任の場合
任期満了等の正当な事由(当社の承認を受けない競合他社への転職の場合を除く)の場合は、業績評価期間終了後にその在任月数を上記の算定式に代入して算定した株式交付ポイント数に応じた当社株式及び金銭が交付又は支給されます。なお、金銭の支給は納税資金の確保を目的としており、当該株式交付ポイント数の約50%に相当する当社株式の時価(※5)相当額となります。
※5.中期経営計画が終了する直後の定時株主総会の日の上場する主たる金融商品取引所における終値とし、当該日に終値が公表されない場合にあっては、終値の取得できる直近の日まで遡って算定するものとします。
2.死亡による退任の場合
死亡による退任の場合は、「基準ポイント数×対象期間における在任月数/36ヶ月×死亡退任時の直近事業年度の連結付加価値額に基づく株式交付率」によって算定した株式交付ポイント数に応じた当社株式の時価(※6)相当額の金銭を相続人に給付します。なお、死亡退任時の直近事業年度の連結付加価値額に基づく株式交付率は上記別表6における「3ヶ年平均付加価値額」を「死亡退任時の直近事業年度の連結付加価値額」に読み替えて求めるものとします。
※6.対象となる役員等が死亡した日の上場する主たる金融商品取引所における終値とし、当該日に終値が公表されない場合にあっては、終値の取得できる直近の日まで遡って算定するものとします。
3.当社の承認を受けない競合他社への転職又は懲戒処分による退任の場合、その他報酬委員会が正当と認める理由によらない退任の場合
付与済の基準ポイントの全部を没収するものとします。
ニ)対象期間の中途で役位の変更があった場合の基準ポイントの加減算
対象期間において、役員等の所属会社または役位に変更があった場合、所属会社または役位の変更があった日(以下、「区分変更日」という。)に、以下の算式により算出されるポイント数を既に付与済みの基準ポイント数に加減算することとし、変更があった日以降における当該役員等の基準ポイント数とする。
加減算するポイント数 = {(A ÷ C)-(B ÷ C)} × D ÷ E
A:変更後の所属会社及び役位に応じて別表2~5に定める報酬基準額
B:変更前の所属会社及び役位に応じて別表2~5に定める報酬基準額
C:区分変更日の直前の当社株式が上場する主たる金融商品取引所における1月から3月までの
平均株価
D:区分変更日の属する月の翌月から中期経営計画が終了する年の6月(但し、区分変更日の前後の
役位が執行役員の場合3月)までの期間の月数
E:付与済みの基準ポイント数の算定に使用した見込まれる対象期間における役員等の在任月数
但し、執行役員から取締役または執行役に役位が変更となる場合は、以下の算式により算出されるポイント数を、上記の算式により算出されるポイント数にさらに加減算する。
加減算するポイント数 = (A ÷ B) × 3か月 ÷ 36か月
A:変更後の所属会社及び役位に応じて別表2~5に定める基準ポイント数
B:区分変更日の直前の当社株式が上場する主たる金融商品取引所における1月から3月までの
平均株価
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社グループは、純投資目的株式には、専ら株式価値の変動又は配当金を目的として保有する株式を、純投資目的以外の株式には、それらを目的に加え当社グループの中長期的な持続的成長に資すると判断し保有する株式を区分しています。
② 当社及び前田建設工業(株)における株式の保有状況
当社の株式の保有状況及び連結子会社のうち投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社(最大保有会社)である前田建設工業(株)の株式の保有状況は、以下のとおりです。
保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社グループは、取引や事業上の必要性がある場合を除き、政策保有株式を取得・保有しないことを基本方針としています。主要子会社が保有する政策保有株式については、定期的に当社及び主要子会社の取締役会において、資本コストを踏まえた経済合理性、取引関係の重要性及び将来性等の観点から検証を行い、保有の妥当性が認められない場合には、市場への影響等に配慮しつつ売却を進めています。
前田建設工業(株)においては、工事の受注高や投資効率と資本コストの比較等による定量評価に加え、取引関係の重要性や中長期的な経済合理性を踏まえた定性評価を行い、その結果を踏まえ保有の適否を判断しています。
また、当社は『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』において、2027年度までに当社グループ全体で政策保有株式をゼロとする方針を定めており、2025年度においては31銘柄(売却金額約260億円)の縮減を実施しました。一方、株式市場の上昇に伴う時価評価額の増加や三井住友建設(株)の当社グループへの加入等を要因として、政策保有株式の連結純資産に対する割合は前連結会計年度末比で0.5ポイント上昇し、15.2%となりました。今後も新規取得は原則として行わず、保有の合理性について継続的に検証しながら、計画的な縮減を進めていきます。
なお、政策保有株式の縮減により創出された資本については、官民連携事業や再生可能エネルギー事業等のインフラ運営事業やM&Aによる成長投資に充当し、資本効率の向上及び企業価値の持続的な向上を図っていきます。
また、当社株式を政策保有株式として保有している会社から売却の申し出があった場合、売却を妨げる行為は行いません。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
イ.当社
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
ロ.前田建設工業(株)
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
イ.当社
該当事項はありません。
ロ.前田建設工業(株)
(注) 1.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しています。開示対象となる上場株式が60銘柄に満たないため、保有している全ての上場銘柄を記載しています。
2.第一生命ホールディングス(株)は、2026年4月1日付で(株)第一ライフグループに社名変更しています。
3.当該取引先は、当社株式を直接保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
みなし保有株式
該当事項はありません。
保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
①人材戦略に関する基本方針
当社グループの人材戦略は、グループ全体で幅広い観点から多様性を確保し、知恵とアイデアを重ね合わせて挑戦・共創する人材と組織を育むことにより、革新的な価値創造への提案力を磨き、請負と脱請負の連携と融合を加速させることを目指しています。
2025-2027年度における中期経営計画期間においては、価値創造人材の獲得・育成・最適配置や挑戦・共創活動を後押しするための人材マネジメント体制の構築に努めています。特に「マイノリティ」や「就労上の制約を抱えた人材」の入社・定着・活躍を促す施策を通じて、事業運営に必要となる人材の確保、環境変化に対応できる人材プールの形成、既成概念の打破につながる集合知の創発を促す活動に注力しています。
②当社従業員の給与等に関する基本的な考え方
当社における従業員の給与その他の給付の額及び内容については、2025年度より新たな人事制度を導入し、「Pay for job」及び「Pay for performance」の報酬ポリシーに基づき、基本給、各種手当、賞与、株式給付で構成しています。基本給は、従事する職務内容や役割、成果責任に応じて決定する職務等級(ジョブグレード)に基づき決定しており、毎年の人事評価の結果で職務等級ごとに定める報酬レンジの範囲内で昇給・降給を行います。各種手当については、当社では一定の職務等級以上の従業員において、柔軟な働き方と創造的な活動を通じて成果を追求できるよう、企画業務型裁量労働制を導入しており、当該勤務形態が適用される場合に支給する裁量労働手当が主な手当となります。賞与は、グループ連結の業績に基づき賞与原資を決定し、人事評価に基づき個別の賞与額を分配する業績連動型としています。また、従業員株式給付制度(J-ESOP)を導入しており、一定の要件を満たした従業員に対し、職務等級や雇用形態に関わらず、グループ連結業績に基づき、中期経営計画の終了ごとに株式を給付しています。本制度は、当社のみならずグループ子会社を含む全従業員を対象としており、グループ全従業員がグループ全体への意識を高めることを通じて、中長期的な企業価値向上と従業員インセンティブの連動を図っています。
③主要連結子会社の従業員の給与等に関する基本的な考え方
当社グループにおける人材戦略および報酬ポリシーは、当社及び主要グループ会社において、各事業特性等に応じて具体化しています。
当社グループの最大人員会社である前田建設工業(株)における従業員の給与その他の給付の額及び内容については、基本給、各種手当、賞与、株式給付により構成されています。基本給は、管理職層については役割・職務基準で、スタッフ層については職能基準で決定しており、任用審査、昇格試験、人事評価に基づき、任用・昇格・昇降給を行います。賞与は、中長期経営計画における重要指標である、従業員一人当たりの付加価値生産性と従業員の平均年収とを連動させる業績連動型です。業績に基づき賞与原資(平均賞与支給額)を決定し、等級と人事評価に基づき分配(個別賞与支給額)を決定しており、この計算プロセスを社内で公開しています。加えて、国土交通省の総合評価落札方式における賃上げ加点制度への対応として、2022年度から4年連続で3%以上の賃上げを実施しており、2026年度についても賃上げを表明しています。さらに、グループ全体での施策である株式給付制度において、グループ連結業績に基づき、従業員の雇用形態にかかわらず株式を給付しています。
次いで最大人員会社である三井住友建設(株)における従業員の給与その他の給付の額及び内容については、基本給、各種手当、賞与により構成されており、基本給については、資格等級に基づいた職能給的な給与体系となっており、毎年の人事評価の結果で、昇格・昇給を行います。賞与は前年度業績を踏まえて、当社社員組合との賃金交渉を行い、支給水準を決定しています。また、2026年度より人事制度を一部改定し、従来の年功的給与体系から、役職・職務・責任に見合った給与体系への移行を進めています。具体的には、管理職層に職務給を導入したほか、メリハリのある人事評価の運用にして優秀な若手社員を早期に抜擢できるようにするなど、昇給・昇格の制度を見直しました。加えて、国土交通省の総合評価落札方式における賃上げ加点制度への対応として、2022年度から4年連続で3%以上の賃上げを実施しており、2026年度についても賃上げを表明しています。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属している従業員です。
3.三井住友建設(株)の連結子会社化等により、前連結会計年度末から従業員数合計が5,761名増加しています。また、事業区分の見直しに伴い、他の事業区分に従業員の異動が発生したことにより、その他の事業における従業員数が709名減少しています。
② 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員数であり、子会社からの出向者を含めています。
2.臨時従業員数は[ ]内に年間平均雇用人員を外数で記載しています。なお、臨時従業員には、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いています。
3.平均勤続年数については、子会社からの出向者の通算の勤続年数を含めています。
4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
5.当社の従業員は、ほぼ全て「全社(共通)」に属しています。
③ 最大人員会社の状況
a.当事業年度における従業員数が最も多い会社
前田建設工業(株)
2026年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員数であり、他社への出向者を除き、他社からの出向者を含めています。
2.臨時従業員数は[ ]内に年間平均雇用人員を外数で記載しています。なお、臨時従業員には、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いています。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
b.上記a.の会社の次に従業員数が多い会社
三井住友建設(株)
2026年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員数であり、他社への出向者を除き、他社からの出向者を含めています。
2.臨時従業員数は[ ]内に年間平均雇用人員を外数で記載しています。なお、臨時従業員には、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いています。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
(参考)その他主要な連結子会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員数であり、他社への出向者を除き、他社からの出向者を含めています。
2.臨時従業員数は[ ]内に年間平均雇用人員を外数で記載しています。なお、臨時従業員には、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いています。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
④ 労働組合の状況
当社グループでは、前田道路(株)、(株)前田製作所、三井住友建設(株)、フジミ工研(株)、三井住建道路(株)、三井住友建設鉄構エンジニアリング(株)、ドーピー建設工業(株)及びSMCプレコンクリート(株)が労働組合を結成しています。
なお、各社とも労使関係は円滑に推移しており、特記すべき事項はありません。
⑤ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容
当社は、使用人その他の従業員を対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しております。詳細は「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容」に記載のとおりです。
⑥ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
a.提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3.「労働者の男女の賃金の差異」について、賃金制度・体系において性別による差異はありません。男女の賃金の差異は、主に男女間の管理職比率の差異によるものです。
b.連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
4.「労働者の男女の賃金の差異」について、賃金制度・体系において性別による差異はありません。男女の賃金の差異は主に男女間の管理職比率及び雇用形態の差異並びに特定の職種において勤務時間が短いパートタイムの女性労働者が多いことによるものです。
5.連結子会社のうち、常時雇用する労働者が101名以上の子会社を記載しています。(株)西和工務店については、常時雇用する労働者が101名未満ですが、「管理職に占める女性労働者の割合」及び「男性労働者の育児休業取得率」を公表しているため記載しています。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
(3) 連結財務諸表及び財務諸表は、百万円未満の端数を切り捨てて表示しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っています。具体的には会計基準等の内容又はその変更等について適切に把握できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同機構及び監査法人等が主催するセミナー等に参加しています。
4.IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握及び影響の分析を行っています。また、IFRSに準拠したグループ会計方針を作成し、これに基づいて会計処理を行っています。さらに、公益法人財務会計基準機構や監査法人等が主催するセミナー等への参加により、社内における専門知識の蓄積に努めています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書】
③ 【連結包括利益計算書】
④ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
インフロニア・ホールディングス(株)(以下、「当社」という。)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業です。
当社及びその子会社(以下、「当社グループ」という。)は、建築事業、土木事業、舗装事業、機械事業及びインフラ運営事業を主な事業とし、さらにリテール事業から不動産事業まで幅広い事業を展開しています。
当社の2026年3月31日に終了する年度の連結財務諸表は、2026年6月16日に取締役会によって承認されています。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。当社は連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、連結財務諸表規則第312条の規定を適用しています。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、「3.重要性がある会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3) 機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で、百万円未満の端数を切り捨てて表示しています。
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループは、他の企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、企業を支配していると判断しています。また、当社グループが議決権の過半数を所有していない場合でも、意思決定機関を実質的に支配していると判断した場合には、当該会社を子会社としています。
子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、当社の連結財務諸表に含まれています。また、当社の会計方針と整合するよう、必要に応じて子会社の財務諸表を修正しています。
支配の喪失を伴わない子会社に対する親会社持分の変動取引は、資本取引として会計処理しています。当社が子会社に対する支配を喪失する場合、関連する資産、負債、非支配持分及びその他の資本の構成要素の認識を中止するとともに、その結果生じる利得又は損失を純損益に計上しています。
② 関連会社・共同支配の取決め
関連会社とは、当社グループがその経営及び財務の方針に関する経営管理上の意思決定に対して、重要な影響力を有するが、支配又は共同支配していない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定しています。また、保有する議決権が20%未満であっても、当社グループが重要な影響力を行使し得る場合には、当該会社も関連会社としています。
共同支配は、契約上の取決めにより、関連性のある活動に係る意思決定について、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。共同支配の取決めは、共同支配を有する当事者の契約上の権利及び義務に基づいて、共同支配事業(当該取決めにより生じた資産に対する権利及び負債に対する義務を有する場合)又は共同支配企業(当該取決めの純資産に対する権利のみを有する場合)のいずれかに分類しています。
関連会社及び共同支配企業に対する投資は、持分法により会計処理しています。
共同支配事業への投資については、各共同支配事業の持分に応じて資産、負債、収益及び費用を認識しています。
③ ストラクチャード・エンティティ
ストラクチャード・エンティティとは、誰が企業を支配しているかの決定に際して、議決権又は類似の権利が決定的な要因とならないように設計された企業をいいます。当社グループが、ストラクチャード・エンティティに対して実質的に支配を有している場合には、当該ストラクチャード・エンティティを子会社として連結しています。
なお、契約上の義務なしに連結しているストラクチャード・エンティティに対する重要な財務的支援又はその他の重要な支援を提供したことはなく、提供する意図もありません。
④ 連結上消去される取引
当社グループ内の債権債務残高、取引高及び当社グループ内の取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
(2) 企業結合
企業結合については、取得法によって会計処理しています。
取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社グループが発行する資本持分の取得日の公正価値の合計額として測定されます。取得した識別可能な資産及び引き受けた負債は、原則として取得日の公正価値で測定しています。
企業結合で移転された対価の公正価値、被取得企業の非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計金額が、被取得企業の識別可能な資産及び引き受けた負債の正味価額を上回る場合は、その超過額をのれんとして認識しています。反対に下回る場合には、取得日において純損益として認識しています。
発生した取得関連コストは、発生時に費用として認識しています。
企業結合が生じた報告期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、会計処理が完了していない項目について暫定的な金額で連結財務諸表上認識しています。測定期間中、取得日時点で存在し、それを知っていたならば取得日時点で認識した金額の測定に影響したであろう事実及び状況について入手した新しい情報を反映するために、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及修正します。測定期間は取得日から1年を超えることはありません。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引の換算
当社グループ各社の財務諸表は、当該企業の機能通貨で作成しています。各企業が個別財務諸表を作成する際、外貨建取引は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートにより機能通貨に換算しています。
外貨建の貨幣性項目は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しています。外貨建非貨幣性項目のうち、取得原価で測定されるものは取得日の為替レートで、公正価値で測定されるものは当該公正価値の測定日における為替レートで機能通貨に換算しています。
換算及び決済により生じる換算差額は、純損益として認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しています。
② 在外営業活動体の換算
在外営業活動体の資産及び負債は期末日の為替レートで換算しています。収益及び費用は為替レートが著しく変動している場合を除き、期中平均レートを用いて日本円に換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。
在外営業活動体に関連する累積換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益に振り替えています。
(4) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
非デリバティブ金融資産は、当社グループが当該金融資産に関する契約の当事者となった取引日に認識し、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益又は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
金融資産は以下の要件を共に満たす場合は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しています。
公正価値で測定する金融資産のうち、売買目的ではない資本性金融商品への投資については、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、当社グループは金融商品ごとに当該指定を行っています。
公正価値で測定する金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産以外の金融資産を、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
金融資産が純損益を通じて公正価値で測定される場合を除き、公正価値に取引コストを加算した金額で測定しています。
(ⅱ)事後測定
非デリバティブ金融資産の事後測定の概要は以下のとおりです。
(a) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産は、当初認識後は実効金利法による償却原価により測定しています。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失については、純損益として認識しています。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は、当初認識後の公正価値の変動をその他の包括利益として認識しています。当該金融資産を処分した場合又は公正価値が著しく下落した場合は、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額を利益剰余金に振り替えています。
なお、配当金については純損益として認識しています。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する金融資産のうち、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識後の公正価値の変動を純損益として認識しています。
(ⅲ)認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転した場合に、金融資産の認識を中止しています。
② 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産、契約資産及びリース債権に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しています。
当社グループは、報告期間の末日ごとに、金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうか評価しています。
信用リスクが著しく増大しているかどうかは、報告日ごとに当初認識以降の債務不履行の発生リスクの変化に基づいて判断しており、信用リスクが著しく増加しているか否かの評価を行う際には、期日経過情報のほか、財務情報等の当社グループが合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報を考慮しております。
信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合は、12か月の予想信用損失と等しい金額を、信用リスクが著しく増大している場合は、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しています。
ただし、重要な金融要素を含んでいない営業債権及びリース債権、契約資産については、信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかにかかわらず、常に全期間の予想信用損失に等しい金額を貸倒引当金として認識しています。
予想信用損失は、当社グループに支払われるべき契約上のキャッシュ・フローと当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額を当初の実行金利で割引計算することにより算定し、貸倒引当金の変動は純損益として認識しています。
また、当社グループは、債務者の重大な財政状態の悪化、支払に対する延滞を含む契約違反など、金融資産の全部又は一部が回収できない又は回収が極めて困難であると認められた場合に債務不履行であると判断しています。債務不履行に該当した場合は、信用減損を示す客観的な証拠が存在すると判断し、個別に予想信用損失を見積り、貸倒引当金を算定しています。信用減損の証拠がない金融資産については、内部の信用格付等に基づき信用リスクの特性が類似する金融資産ごとにグルーピングを行い、集合的に予想信用損失を見積り、貸倒引当金を算定しています。
金融資産の全部又は一部が回収できないと合理的に判断される場合には、帳簿価額の直接償却を行っています。
③ 非デリバティブ金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
非デリバティブ金融負債は、当社グループが当該金融負債の契約当事者となった取引日に認識し、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債のいずれかに分類しています。純損益を通じて公正価値で測定される場合を除き、公正価値に取引コストを控除した金額で測定しています。
(ⅱ)事後測定
非デリバティブ金融負債の事後測定の概要は以下のとおりです。
(a) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、当初認識後は実効金利法による償却原価により測定しています。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失については、純損益として認識しています。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識後の公正価値の変動を純損益として認識しています。
(ⅲ)認識の中止
当社グループは、契約上の債務が免責、取消、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しています。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替変動リスク、金利変動リスク等をヘッジするために為替予約、金利スワップ等のデリバティブを利用しています。デリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で事後測定しています。
当社グループは、ヘッジの開始時にヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスク管理目的及び戦略について正式に文書化しています。また、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し、ヘッジの有効性の要求をすべてみたしているかどうかについても、ヘッジ開始時及び各期末日に継続的に評価しています。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
デリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しています。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動はヘッジ対象の帳簿価額を修正し、純損益として認識しています。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブについては、公正価値の変動額のうち、有効なヘッジと判断される部分はその他の包括利益で認識し、非有効部分は純損益として認識しています。
その他の包括利益に計上されている金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えています。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
(ⅲ)ヘッジ会計の要件を満たさないデリバティブ
公正価値の変動は純損益で認識しています。
⑤ 複合金融商品
当社グループは、転換社債型新株予約権付社債を発行していますが、当初認識時に発行に伴う払込金額を社債の対価部分と新株予約権の対価部分に区分した上で、社債部分は負債とし、新株予約権部分は資本に分類し表示しています。新株予約権は、払込金額と負債部分の当初測定額(公正価値)との差額で当初測定しています。転換社債型新株予約権付社債の発行に関連する取引コストはすべて、負債要素及び資本要素の当初の帳簿価額の比率に応じて各要素に按分しています。当初認識後は、複合金融商品の負債要素は実効金利法を用いた償却原価により測定しています。
(5) 現金及び現金同等物
連結財務諸表における現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い方の金額で測定しています。正味実現可能価額は、見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売コストを控除した額です。取得原価は主として個別法に基づいて算定しており、取得費、外注費並びに現在の場所及び状態に至るまでに要したすべてのコストを含んでいます。
(7) 有形固定資産(使用権資産を除く)
有形固定資産の認識後の測定は原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しています。
取得原価には、資産の取得に直接関連するコスト、解体、撤去及び原状回復コスト並びに資産計上すべき借入コストが含まれています。
取得後の支出は、その支出に関連する将来の経済的便益が当社に流入する可能性が高く、金額を信頼性をもって測定することができる場合に限り、当該取得資産の帳簿価額に算入するか個別の資産として認識しています。
修繕又は維持費は、発生時に純損益で認識しています。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産は、取得原価から残存価額を控除した償却可能価額について、見積耐用年数にわたり定額法で減価償却を行っています。
主な有形固定資産項目の見積耐用年数は、以下のとおりです。
・建物・構築物 2年~60年
・機械、運搬具及び工具器具備品 2年~35年
減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しています。
(8) のれん及び無形資産
① 無形資産(公共施設等運営権以外)
無形資産の認識後の測定には原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しています。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定し、企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日時点における公正価値で測定しています。
また、自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発に関する支出を除き、全て発生した期の費用として認識しています。
耐用年数を確定できる無形資産は、見積耐用年数にわたって定額法で償却しており、主な見積耐用年数は以下のとおりです。
・自社利用のソフトウェア 5年以内
・契約関連資産 20年以内
なお、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については償却は行わず、毎期且つ減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。
償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しています。
② 無形資産(公共施設等運営権)
公共サービスの利用者に課金する権利を得る範囲で、公共施設等運営権を取得日時点における公正価値で測定しています。また、公共施設等運営事業の更新投資のうち資本的支出に該当する部分に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額及び支出時期を合理的に見積ることができる場合、当該取得時に支出すると見込まれる額の総額の現在価値を引当金として計上し、同額を公共施設等運営事業の更新投資に係る資産として認識しています。
償却方法及び耐用年数についての詳細は、注記「16.サービス委譲契約」に記載しています。
③ のれん
当初認識時点におけるのれんの測定については、「(2) 企業結合」に記載のとおりです。また、のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額で計上しています。
のれんは償却は行わず、毎期且つ減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。のれんの減損損失は連結損益計算書において純損益として認識され、その後の戻入は行っていません。
(9) リース
当社グループは、契約の開始時に、当該契約がリース又はリースを含んだものであるのかどうかを判定しています。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいます。
① 借手としてのリース
リース取引におけるリース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っています。リース料総額の未決済分の割引現在価値を算定する場合に使用すべき割引率は、実務上可能な場合にはリースの計算利子率とし、実務上不可能な場合には、借手の追加借入利子率を用いています。
使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っています。
リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しています。金融費用は、連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しています。
使用権資産については、リース契約の終了までに当社グループが所有権を獲得することが合理的に確実な場合を除き、リース期間又は経済的耐用年数のいずれか短い期間で償却しています。
なお、短期リース及び少額資産のリースについて、IFRS第16号「リース」第6項を適用し、リース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しています。
② 貸手としてのリース
契約の形式ではなく取引の実質に応じてファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類しています。ファイナンス・リースに基づいて保有している資産は、正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として表示しています。
サブリースを分類する際は、中間の貸手は、ヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類しています。
オペレーティング・リースにおいては、対象となる資産を連結財政状態計算書に計上しており、受取リース料はリース期間にわたり定額法により収益として認識しています。
(10) 投資不動産
投資不動産は、賃貸収入又はキャピタル・ゲインもしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産です。
当社グループは投資不動産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
投資不動産の減価償却は、以下の見積耐用年数にわたり、主として定額法により償却しています。
主な投資不動産の見積耐用年数は2年~50年です。
減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しています。
(11) 非金融資産の減損
有形固定資産、無形資産、投資不動産及び使用権資産について、各報告期間の期末日現在で減損している可能性を示す兆候の有無を確認しています。減損の兆候がある場合、当該資産の回収可能価額を見積っています。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については毎期及び減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しています。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としており、個々の資産について見積ることができない場合は、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積っています。
減損損失は、資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合に純損益として認識しています。資金生成単位について認識した減損損失は、まず当該単位に配分したのれんの帳簿価額を減額し、次に当該単位内の各資産の帳簿価額に基づいた比例按分により、各資産に配分しています。
過年度に減損損失を認識したのれん以外の資産については、報告期間の期末日において、認識した減損損失がもはや存在しない、又は減少している可能性を示す兆候の有無を確認しています。このような兆候が存在する場合には、個々の資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が帳簿価額を上回る場合には、減損損失を認識しなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額を上限として、帳簿価額を回収可能価額まで増額し、減損損失の戻入を純損益として認識しています。のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れていません。
(12) 従業員給付
当社グループは、確定給付型の制度として、企業年金基金制度、厚生年金基金制度及び退職一時金制度を、一部の国内連結子会社は、中小企業退職金共済制度を採用し、一部の連結子会社については退職給付信託を設定しています。また確定拠出年金制度を設けています。
① 確定給付型退職後給付
当社グループは、確定給付制度債務の現在価値並びに関連する当期勤務費用及び過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて算定しています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しています。
確定給付制度の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益で認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
過去勤務費用は、発生した期の純損益として処理しています。
勤務費用及び確定給付負債の純額に係る純利息費用は純損益として認識しています。
② 確定拠出型退職後給付
確定拠出制度への拠出は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識しています。
③ 複数事業主制度
一部の連結子会社は、複数事業主制度に加入しています。複数事業主制度については、当該制度の規約に従って、確定給付型退職後給付制度と確定拠出型退職後給付制度に分類し、それぞれの退職後給付制度に係る会計処理を行っています。ただし、確定給付型退職後給付制度に分類される複数事業主制度について、確定給付型退職後給付制度に係る会計処理を行うために十分な情報を入手できない場合は、確定拠出型退職後給付制度に係る会計処理を適用しています。
④ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、会計期間中に従業員が勤務を提供したもので、当該勤務の見返りに支払うと見込まれる給付金額を純損益として認識しています。
賞与については、当社グループが支払いを行う法的又は推定的な債務を有しており、かつ当該債務について信頼性のある見積りが可能な場合に、支払見積額を負債として認識しています。
(13) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社が現在の法的又は推定的な債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に認識しています。
貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合、当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いて割り引いた金額で引当金を測定しています。
(14) 株式報酬
① 譲渡制限付株式報酬
当社グループは、持分決済型の株式に基づく報酬として、譲渡制限付株式報酬制度を採用しています。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値で測定しており、付与日から一定期間にわたって定額法により費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
② 株式給付信託(BBT)
当社グループは、持分決済型の株式に基づく報酬として、株式給付信託(BBT(Board Benefit Trust))を採用しています。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値を基礎としたポイントに、業績連動指数を乗じて測定しており、権利確定期間にわたって費用を認識し、同額を資本の増加として認識しています。
③ 株式給付信託(J-ESOP)
当社グループは、持分決済型の株式に基づく報酬として、株式給付信託(J-ESOP)を採用しています。受領したサービス対価は、付与日における当社株式の公正価値を基礎とし、株式給付規程に基づきポイントが測定され、権利確定期間にわたって又は一時点で費用を認識し、同額を資本の増加として認識しています。
④ 株式給付信託(従業員持株会処分型)
当社グループは、現金決済型の株式に基づく報酬として、株式給付信託(従業員持株会処分型)を採用しています。受領したサービスの対価は、発生した負債の公正価値で測定しており、付与日から信託期間満了日にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しています。なお負債は、決済される信託期間満了日までその公正価値を各期末日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しています。
(15) 売却目的で保有する資産
継続的使用よりも主に売却取引により回収が見込まれる資産及び処分グループについて、1年以内に売却する可能性が高く、現状で直ちに売却することが可能で、経営者が売却計画の実行を確約している場合には、売却目的保有に分類しています。
当社グループが、子会社に対する支配の喪失を伴う売却計画を確約し上記の条件を満たす場合は、当社グループが売却後にその子会社の非支配持分を保有するか否かにかかわらず、その子会社の資産及び負債を売却目的保有に分類しています。
売却目的保有に分類した資産は、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しています。
また、売却目的保有への分類後は、有形固定資産及び無形資産の減価償却又は償却は行いません。
(16) 収益
当社グループでは、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等並びにIFRS第16号「リース」に基づく賃料収入等を除く顧客との契約について、以下の5ステップアプローチに基づき収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務が充足された時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
当社グループの主要な事業における履行義務の識別及び収益を認識する時点は以下のとおりです。
① 建設工事に係る収益認識
当社グループは主に建築、土木、舗装事業において、顧客と工事請負契約を締結し、建物又は構築物等の施工及びそれに付帯する業務を行っており、これらに関して当社グループが提供する業務を履行義務として識別しています。
当該工事請負契約においては、当社グループの義務の履行により資産が創出され又は増価し、資産の創出又は増価につれて顧客が当該資産を支配することから、当該履行義務は一定期間にわたり充足される履行義務であり、契約期間にわたる工事の進捗に応じて充足されるものです。
履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる工事については、引渡し目的物である建設物に係る見積総原価のうち発生した原価の割合を用いることで、義務を履行することにより生じた資産の増加を忠実に描写していると判断しているため、発生原価に基づくインプット法によって進捗度を見積り、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法によっています。進捗度を合理的に見積ることができない工事については、原価回収基準によって収益を認識しています。
取引価格は工事請負契約により決定され、取引の対価は、工事請負契約ごとに定められた支払条件により受領しているため、通常といえる支払期限はありません。なお、履行義務の充足から顧客から対価を受領するまでの期間が長期間に及ぶ工事で重要な金融要素が認識される工事については金融収益に該当する部分について調整を行うこととしています。
② 商品の販売、製品の製造・販売に係る収益認識
当社グループは舗装事業においてアスファルト合材、乳剤及びその他建設資材の製造・販売を行い、機械事業において建設機械の商品販売及び産業機械等の製造・販売を行っており、これらに関して当社グループが提供する業務を履行義務として識別しています。
これらの商品・製品の販売について、舗装事業においては、アスファルト合材等の性質上、製品の出荷と検収はほぼ同一時点であり、製品を顧客に出荷した時点で顧客に支配が移転すると判断しているため、製品の出荷時点で収益を認識しています。また、機械事業においては、顧客との契約に基づき商品・製品を顧客に引き渡した時点で顧客に支配が移転すると判断しているため、商品・製品の引渡時点で収益を認識しています。
なお、履行義務を充足してから概ね1年以内に対価を受領しているため、実務上の便法を用いて重要な金融要素の認識は行っていません。
③ 再生可能エネルギー及びコンセッション事業に係る収益認識
当社グループはインフラ運営事業において再生可能エネルギーによる売電及び当社グループが運営権を保有する公共施設の維持管理・運営を行っています。これらの事業においては、顧客との電力供給契約や施設利用契約等に基づき、顧客に対して役務提供がなされた時点で履行義務が充足されることから、役務提供がなされた時点で収益を認識しています。
なお、履行義務を充足してから概ね1年以内に対価を受領しているため、実務上の便法を用いて重要な金融要素の認識は行っていません。
(17) 金融収益及び金融費用
金融収益は、主として受取利息及び受取配当金から構成されています。受取利息は実効金利法により、発生時に認識しています。受取配当金は、配当を受け取る権利が確定した時点で認識しています。
金融費用は、主として支払利息から構成されています。支払利息は実効金利法により、発生時に認識しています。
(18) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しています。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期間にわたって収益として認識しています。
資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しています。
(19) 借入コスト
意図した用途又は売却が可能となるまでに相当の期間を要する資産の取得、建設又は製造に直接起因する借入コストは、意図した用途又は売却が可能となるまで、当該資産の取得原価に含めています。その他の借入コストは、発生した期間の費用として認識しています。
(20) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金費用と繰延税金費用から構成されています。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識する項目から生じる場合及び企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しています。
当期税金費用は、税務当局から還付又は税務当局に対する納付が予想される金額で測定され、税額の算定に使用する税率又は税法は、報告期間の期末日までに制定又は実質的に制定されているものです。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の帳簿価額と税務基準額との差異である一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識しており、一時差異等が解消されると見込まれる連結会計年度に適用される税率又は税法によって測定しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の税額控除について、それらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識し、繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識しています。
なお、以下の一時差異については繰延税金資産及び繰延税金負債を認識していません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に関連する将来加算一時差異について、一時差異の解消時期をコントロールすることが可能であり、かつ当該一時差異が予測可能な将来に解消しない可能性が高い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に関連する将来減算一時差異のうち、一時差異が予測可能な将来に解消する可能性が高くない場合又は一時差異が使用できる課税所得の生じる可能性が高くない場合
・IAS第12号で定められる例外措置に基づく、グローバルミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する一時差異
繰延税金資産と繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有する場合、かつ以下のいずれかの要件を満たす場合のみ相殺しています。
・法人所得税が、同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課された法人所得税に関するものである場合
・法人所得税が、同一の税務当局によって、別々の納税主体に対して課された法人所得税に関するものであり、その納税主体が当期税金負債と当期税金資産を純額により決済する、又は資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合
(21) 自己株式
自己株式を取得した場合は、直接取引コストを含む支払対価を、資本の控除項目として認識しています。
(22) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益の金額を、当該連結会計年度の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整することにより計算しています。
4.重要な会計上の見積り及び判断
当社グループは、連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用及び資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いています。見積り及び仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいています。しかしながら実際の結果は、その性質上、見積り及び仮定と異なることがあります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されています。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間及び将来の期間において認識しています。
当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある、主な見積り及び判断は以下のとおりです。
(1) 一定の期間にわたり収益を認識する売上高の計上
当社グループは、履行義務を充足するにつれて、一定期間にわたり収益を認識する工事について、各工事における進捗度を発生原価に基づくインプット法により見積り、当連結会計年度末までの進捗部分の売上高を計上しています。当連結会計年度において、一定の期間にわたり収益を認識する方法により計上した売上高は924,385百万円です。
一定の期間にわたり収益を認識する方法による売上高の計算について以下の見積りを用いています。
・工事収益総額
工事進行途上において顧客との合意にもとづく設計変更等が生じ、当該対価が適時に確定されず、工事収益総額の一部を見積りにより計上する場合があります(以下、当該見積りにより計上された工事収益総額の一部を「未契約請負額」という。)。発注者との交渉の進捗又は契約の締結に伴い見積りに変更が生じる可能性があることから、未契約請負額を継続的に見直しています。
・工事原価総額
工事はその仕様や作業内容等において個別性が強く、さらに工事進行途上において工期の変更、想定外の費用の発生、建設資材単価や労務単価等の変動、設計変更等が生じる可能性があることから、工事原価総額を継続的に見直しています。
上記のとおり、一定の期間にわたり収益を認識する方法による売上高の計上は、一定の仮定にもとづいた見積りが必要であり、不確実性及び工事現場責任者等の判断を伴います。よって、当該見積りについて変更が生じた場合、翌連結会計年度の連結財務諸表の売上高に一定の影響を与える可能性があります。
(2) のれん及び無形資産の評価
当社グループは、事業投資の結果生じたのれん及び未だ使用可能でない無形資産に対し、少なくとも年1回の減損テストを行っています。また、のれん及び無形資産に減損の兆候がある場合には、その都度減損テストを行っています。当連結会計年度においては、前田道路(株)を子会社化した際に生じたのれん19,933百万円、日本風力開発(株)等を子会社化した際に生じたのれん139,507百万円、未だ使用可能でない無形資産(契約関連資産88,139百万円)及び三井住友建設㈱を子会社化した際に生じたのれん16,634百万円について、重要な見積りのリスクを認識しています。
減損テストの回収可能性は、使用価値又は処分コスト控除後の公正価値に基づき算定していますが、これらは経営者が承認した事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積額を当該資金生成単位の加重平均資本コストを基礎として現在価値に割り引いています。将来キャッシュ・フローの見積りにおいては、過去の実績、将来の販売数量、販売単価、設備投資額、プロジェクト成功率などを考慮しており、一定の市場の平均成長率を勘案しています。加重平均資本コストは外部専門家による評価を活用しながら事業に係るリスク等が適切に反映されるよう算定しています。(減損テストの詳細は「15.非金融資産の減損 (2)のれんの減損テスト」に記載しています。)
当該のれん及び契約関連資産については、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、これらの見積りが合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しています。
ただし、これらの見積りは将来の経済状況の変化の影響を受けることがあり、前提とした状況が変化した場合、使用価値又は処分コスト控除後の公正価値の算定結果が異なる可能性があり、翌連結会計年度以降の減損テストや認識される減損損失計上額に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 偶発損失引当金
当連結会計年度において、三井住友建設(株)の連結子会社化に伴い、三井住友建設(株)施工の横浜市所在マンションの杭工事不具合に対し、工事請負契約における瑕疵担保責任に基づき元請業者として負担すべき費用について合理的に算定し、偶発損失引当金2,159百万円を計上しています。
なお、2017年11月28日付にて、本件マンションの発注者の1社である三井不動産レジデンシャル(株)(以下、「レジデンシャル社」といいます。)が提訴した、本件マンション全棟の建替え費用等の合計約459億円(その後2018年7月11日付にて約510億円に増額、2022年9月30日付にて約510億円から約506億円に減額)を三井住友建設㈱並びに杭施工会社2社に対し求償する訴訟を提起し、現在係争中であります。本訴訟及びその関連訴訟(以下、「本訴訟」といいます。)は、調停に付されていたところ、2025年3月13日付で東京地方裁判所により民事調停法第17条に基づく調停に代わる決定(以下、「本件17条決定」といいます。)がなされたものの、他の当事者より民事調停法第18条1項に基づく異議の申立がなされ本件17条決定は効力を失いました。その経過の後、東京地方裁判所は、2025年12月25日付にて関連訴訟の弁論を分離した上で、弁論準備手続及び弁論を終結とし、今後判決言渡しが予定されております。裁判において、三井住友建設(株)の主張を適切に展開していますが、本裁判の結果次第では、負担費用の見積りの見直しにより、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
5.未適用の新基準書
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりです。
これらの適用による影響は、当連結財務諸表の作成時において評価中です。
6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、連結子会社等を基礎とした事業・サービス別のセグメントから構成されており、「建築事業」、「土木事業」、「舗装事業」、「機械事業」及び「インフラ運営事業」の5つを報告セグメントとしています。なお、報告セグメントの決定に際して、集約された事業セグメントはありません。
また、当社グループはグループシナジー強化を図るため中間連結会計期間より経営管理区分の見直しを行いました。「その他」に含めていた(株)JM、(株)エフビーエス等の報告セグメントを「建築事業」、フジミ工研(株)等を「土木事業」、盛岡地区消防PFIサービス(株)等を「インフラ運営事業」に変更しました。このセグメント変更に伴い、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分により組替えて表示しております。
なお、当連結会計年度に企業結合した三井住友建設(株)ほか連結子会社21社は、「建築事業」、「土木事業」、「舗装事業」及び「その他」の事業に分類されます。
各報告セグメントの主な事業内容は以下のとおりです。
(2) 報告セグメントに関する情報
セグメント利益(事業利益)は、売上高から売上原価並びに販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益及び関連会社投資に係る売却損益を加えて算出しています。
セグメント間の売上高は市場実勢価格に基づいています。
なお、セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための定期的な検討対象となっていないため記載していません。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、一部の子会社が営んでいる各種事業です。
2.セグメント利益の金額の合計額と連結損益計算書計上額との差額は、セグメント間取引の消去によるものです。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、一部の子会社が営んでいる各種事業です。
2.セグメント利益の金額の合計額と連結損益計算書計上額との差額は、セグメント間取引の消去によるものです。
(3) 製品及びサービスに関する情報
報告セグメントに関する情報に同一の記載をしているため、記載を省略しています。
(4) 地域に関する情報
① 外部顧客への売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の大部分を占めるため、地域別の売上高の記載を省略しています。
② 非流動資産
本邦以外に所在している非流動資産の重要性が低いため、地域別の非流動資産の記載を省略しています。
(5) 主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%を超える外部顧客がないため、記載を省略しています。
7.企業結合
(1) 取得による企業結合
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
2024年3月期に行われた当社グループによるJWDホールディングス3(株)の企業結合について、2024年3月期において暫定的な取得原価の配分を行っていましたが、前連結会計年度において確定しました。この暫定的な取得原価の配分の確定に伴う金額の変動はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
① 企業結合の概要
(a) 被取得企業の名称及び事業の内容
被取得企業の名称 :三井住友建設(株)
被取得企業の事業の内容:土木・建築・プレストレストコンクリート工事の設計・施工及びこれらに関する事業、不動産の売買、賃貸及び管理に関する事業
(b) 企業結合日
2025年9月18日
(c) 取得した議決権付資本持分の割合
当社グループは2025年9月の取得日に株式公開買付けで80.61%取得しており、2025年11月の臨時株主総会により、スクイーズアウトを通じての完全子会社化が2025年12月までに完了しています。そのため、当該株式公開買付け及びその後のスクイーズアウトを単一の取引として会計処理し、取得日に実質的に100%取得したものとして企業結合の会計処理を実施しています。
(d) 企業結合の理由
三井住友建設(株)ほか連結子会社21社は主に土木事業、建築事業及び舗装事業の3つのセグメントで事業展開をしております。特に土木事業における橋梁分野では、業界屈指の設計・施工実績を有しており、新たな構造形式などによる工期短縮・省力化施工等の技術開発を推進し、高品質で耐久性に優れ、維持管理に配慮された橋梁を提供しています。建築事業においては、超高層住宅で豊富な実績を築いているとともに、幅広いプレキャスト技術を保有しています。さらに、海外事業においては、東南アジア・南アジアを中心に土木事業におけるODA事業やインフラ事業、建築事業における日系企業の工場施設建設などに強みを有しています。
今回の経営統合により、インフロニアグループの中核会社のひとつである前田建設工業(株)と三井住友建設(株)が建設部門では兄弟会社となることで、グループ全体での建設事業の年間売上高で1兆円以上の規模となることが見込まれます。トンネルや橋梁、河川改修、土地造成、上下水道施設、道路など、建設分野においてフルラインナップで対応可能となり、海外でのさらなる事業展開も期待できます。インフロニアグループで推進しているインフラ運営事業も含めると業界で唯一無二の立ち位置の企業体となります。前田建設工業(株)と三井住友建設(株)で得意分野を相互補完することでインフラ全ての分野で強みを持つことができ、インフロニア・ホールディングス(株)が推進する「総合インフラサービス企業」として、さらなる進化を遂げていくものと確信しています。
(e) 被取得企業の支配を獲得した方法
現金を対価とする持分の取得
② 支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値
取得日現在における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値は、以下のとおりです。
(注) 1 取得した営業債権及びその他の債権の契約上の未収金額は90,872百万円であり、回収不能と見積もられる金額は1,116百万円です。
2 非支配持分は三井住友建設(株)の子会社に対するもので、支配獲得日における識別可能な当該子会社の純資産に、企業結合後の非支配持分比率を乗じて測定しています。
3 のれんは、今後の事業展開によって期待される超過収益力から発生したものです。認識したのれんについて税務上損金算入を見込んでいる金額はありません。なお、当連結会計年度末において、取得日における識別可能資産及び負債の公正価値を算定し、取得対価の配分が完了しています。
4 当該企業結合に係る取得関連コスト770百万円は「販売費及び一般管理費」に計上しています。
③ 企業結合に係る取得日以降の損益情報
(プロフォーマ情報)
当該企業結合が、当連結会計年度の期首に行われたと仮定した場合の、当連結会計年度の当社グループの連結業績に係るプロフォーマ(非監査情報)は、以下のとおりです。
④ 子会社の取得による支出
(2) 共通支配下による取引等
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
① 企業結合の概要
(a) 被取得企業の名称及び事業の内容
被取得企業の名称 :JWDホールディングス3(株)
被取得企業の事業の内容:日本風力開発(株)(風力発電事業の開発及び風力発電による売電事業)の株式の保有・管理を目的とする純粋持株会社
(b) 企業結合日
2025年3月7日
(c) 企業結合の理由
当社は、日本風力開発(株)の全株式を保有するJWDホールディングス3(株)の全株式を取得後、当社グループの体制等を慎重に検討した結果、当社がJWDホールディングス3(株)を吸収合併し、日本風力開発(株)の株式を間接保有する状態を解消して一元的に経営管理を行うことが、当社グループにおける経営資源の配分及び業務効率化の観点から最適であると判断しました。
(d) 企業結合の法的形式
当社を吸収合併存続会社、JWDホールディングス3(株)を吸収合併消滅会社とする吸収合併方式
(e) 被取得企業の名称及び事業の内容
インフロニア・ホールディングス(株)
② 実施した会計処理の概要
共通支配下における企業結合とは、企業結合当事企業又は事業の全てが、企業結合の前後で同一の企業により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的でない場合の企業結合です。当社グループは、全ての共通支配下における企業結合取引について、継続的に帳簿価額に基づき会計処理しています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
8.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 現金及び現金同等物は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
2 連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物と一致しています。
9.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しています。
2 営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
10.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 前連結会計年度及び当連結会計年度において、1年を超えて販売されると見込まれる金額はそれぞれ2,067百万円及び2,067百万円です。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度において、収益性の低下に伴い費用認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ64百万円及び94百万円です。当該金額は連結損益計算書の「売上原価」に含まれています。
3 売上原価の大部分は期中に費用として認識された棚卸資産です。
11.その他の金融資産
(1) その他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。
(注) 連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しています。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
株式は主に取引関係の維持・強化による中長期的な持続的成長を目的として保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に指定しています。
① 主な銘柄及び公正価値
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の主な銘柄及び公正価値は、以下のとおりです。
② 受取配当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に関する受取配当金の内訳は、以下のとおりです。
③ 認識を中止したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
保有資産の効率化及び有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の売却(認識の中止)を行っています。
売却時の公正価値及び資本でその他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失(△)は、以下のとおりです。
(注) 資本でその他の資本の構成要素として認識されていた累積損益は、売却時及び公正価値が著しく下落した場合に利益剰余金に振り替えています。利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得又は損失(△)(税引後)は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ7,897百万円及び11,918百万円です。
12.その他の資産及び負債
その他の流動資産、その他の非流動資産、その他の流動負債及びその他の非流動負債の内訳は、以下のとおりです。
(1) その他の流動資産及びその他の非流動資産
(2) その他の流動負債及びその他の非流動負債
13.有形固定資産
(1) 増減表
有形固定資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1 減価償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
(注) 2 期中に資産化した借入コストの金額は、前連結会計年度において64百万円であり、資産化に適格な借入コストの金額の算定に使用した資産化率は0.67%です。
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額は、以下のとおりです。
14.のれん及び無形資産
(1) 増減表
のれん及び無形資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1 償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
(注) 2 期中に資産化した借入コストの金額は、前連結会計年度において134百万円であり、資産化に適格な借入コストの金額の算定に使用した資産化率は0.6~0.9%です。
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額は、以下のとおりです。
(2) 重要な無形資産
当社グループの主な無形資産は、公共施設等運営権、公共施設等運営事業の更新投資にかかる資産及び契約関連資産です。
公共施設等運営権及び公共施設等運営事業の更新投資にかかる資産は、注記「16.サービス委譲契約」に記載のとおりです。
契約関連資産は、日本風力開発(株)の取得に伴い発生した無形資産であり、同社が保有するFIT又はFIP制度の認定を受けたプロジェクトの収益力に起因するものです。
帳簿価額は前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ88,139百万円及び88,139百万円です。償却期間は稼働開始からFIT又はFIP制度の有効期間である20年間ですが、当契約関連資産はすべて稼働開始前のプロジェクトにかかるものであるため、未償却であり未だ使用可能でない資産としています。そのため、当契約関連資産については、毎期かつ減損の兆候が存在する場合には、その都度、減損テストを実施しています。減損テストについては、注記「15.非金融資産の減損」に記載の通りです。
(3) 研究開発費
前連結会計年度及び当連結会計年度における「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上された研究開発費は、それぞれ5,705百万円、6,807百万円です。
15.非金融資産の減損
(1) 減損損失
当社グループは非金融資産の減損損失について、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っており、以下の資産について減損損失を計上しています。減損損失は連結損益計算書の「その他の費用」に計上しています。
前連結会計年度における減損損失の主なものは、舗装事業における有形固定資産です。
経営環境の変化等に伴う収益性の低下により、当該資産から見込まれる処分コスト控除後の公正価値又は割引後将来キャッシュ・フローを算定した結果、回収可能価額が当該資産の帳簿価額を下回ったため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しています。
なお、回収可能価額が使用価値の場合は将来キャッシュ・フローを税引前割引率である10.6%で割引いて算出しています。また回収可能価額が処分コスト控除後の公正価値の場合は市場価額等に基づき評価しており、当該公正価値のヒエラルキーはレベル3です。
当連結会計年度における減損損失の主なものは、インフラ運営セグメントに属する建設仮勘定、長期前払費用及び舗装事業における有形固定資産です。
経営環境の変化等に伴う収益性の低下により、当該資産から見込まれる処分コスト控除後の公正価値又は割引後将来キャッシュ・フローを算定した結果、回収可能価額が当該資産の帳簿価額を下回ったため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しています。
なお、インフラ運営セグメントに属する建設仮勘定、長期前払費用の回収可能価額は主として処分コスト控除後の公正価値、舗装事業における有形固定資産の回収可能価額は主として使用価値により測定しています。回収可能価額が使用価値の場合は将来キャッシュ・フローを税引前割引率である10.8%で割引いて算出しています。また回収可能価額が処分コスト控除後の公正価値の場合は市場価額等に基づき評価しており、当該公正価値のヒエラルキーはレベル3です。
(2) のれんの減損テスト
当社グループは、企業結合により取得したのれんは、取得日以降、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しており、毎期かつ減損の兆候が存在する場合には、その都度、減損テストを実施しています。資金生成単位又は資金生成単位グループに配分された主要なのれんの減損テストは以下のとおりです。
(建築事業)
建築事業を行う三井住友建設(株)の買収に伴うのれんの帳簿価額は、当連結会計年度において5,102百万円です。
当該のれんの回収可能額は使用価値を用いて算定しており、主要な仮定は以下の通りです。
使用価値は、経営者が承認した3ヶ年事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の税引前加重平均資本コストを基礎として現在価値に割り引いて算定しています。減損テストに使用した割引率は当連結会計年度において、8.9%です。
事業計画における業績予測については、外部及び内部より入手した過去のデータに業界の将来の趨勢に関する経営陣の評価を反映したうえで作成しています。また、将来キャッシュ・フローの予測について、経営者が基礎とした主要な仮定は建築事業における建設工事に係る将来の売上高、売上総利益率等に一定の仮定をおいて算定しています。また、事業計画の対象期間を超えるキャッシュ・フローについては、主に資金生成単位グループが属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積った永久成長率の1.0%を元に算定しています。
なお、当該のれんについては、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、成長率や割引率といった主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しています。
(土木事業)
土木事業を行う三井住友建設(株)の買収に伴うのれんの帳簿価額は、当連結会計年度において10,319百万円です。
当該のれんの回収可能額は使用価値を用いて算定しており、主要な仮定は以下の通りです。
使用価値は、経営者が承認した3ヶ年事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の税引前加重平均資本コストを基礎として現在価値に割り引いて算定しています。減損テストに使用した割引率は当連結会計年度において、8.9%です。
事業計画における業績予測については、外部及び内部より入手した過去のデータに業界の将来の趨勢に関する経営陣の評価を反映したうえで作成しています。また、将来キャッシュ・フローの予測について、経営者が基礎とした主要な仮定は土木事業における建設工事に係る将来の売上高、売上総利益率等に一定の仮定をおいて算定しています。また、事業計画の対象期間を超えるキャッシュ・フローについては、主に資金生成単位グループが属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積った永久成長率の1.0%を元に算定しています。
なお、当該のれんについては、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、成長率や割引率といった主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しています。
(舗装事業)
当社グループの舗装事業は、複数の資金生成単位から構成されており、主な資金生成単位に配分されたのれんの減損テストは以下のとおりです。
なお、これらの資金生成単位は、舗装事業に属するものの、キャッシュ・フローの独立性及び管理単位の相違に基づき区分しております。
舗装事業のうち、前田道路(株)に関連する資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ19,933百万円及び19,933百万円です。
当該のれんの回収可能価額は使用価値を用いて算定しており、主要な仮定は以下のとおりです。
使用価値は、経営者が承認した3ヶ年事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の税引前加重平均資本コストを基礎として現在価値に割り引いて算定しています。減損テストに使用した割引率は前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ10.6%及び10.8%です。
事業計画における業績予測については、外部及び内部より入手した過去のデータに業界の将来の趨勢に関する経営陣の評価を反映したうえで作成しています。また、将来キャッシュ・フローの予測について、経営者が基礎とした主要な仮定は舗装事業における建設工事に係る将来の売上高、売上総利益率、アスファルト合材等の製造・販売にかかる将来の販売数量、販売単価及び材料費に影響を及ぼす原油価格等に一定の仮定をおいて算定しています。事業計画の対象期間を超えるキャッシュ・フローについては、主に資金生成単位グループが属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積った永久成長率は前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ1.0%及び1.0%を元に算定しています。
なお、当該のれんについては、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、成長率や割引率といった主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しています。
舗装事業のうち、三井住友建設(株)の舗装事業に関連する資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額は、当連結会計年度において1,212百万円です。
当該のれんの回収可能額は使用価値を用いて算定しており、主要な仮定は以下の通りです。
使用価値は、経営者が承認した3ヶ年事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の税引前加重平均資本コストを基礎として現在価値に割り引いて算定しています。減損テストに使用した割引率は当連結会計年度において、8.9%です。
事業計画における業績予測については、外部及び内部より入手した過去のデータに業界の将来の趨勢に関する経営陣の評価を反映したうえで作成しています。また、将来キャッシュ・フローの予測について、経営者が基礎とした主要な仮定は舗装事業における建設工事に係る将来の売上高、売上総利益率等に一定の仮定をおいて算定しています。また、事業計画の対象期間を超えるキャッシュ・フローについては、主に資金生成単位グループが属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積った永久成長率の1.0%を元に算定しています。
なお、当該のれんについては、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、成長率や割引率といった主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しています。
(インフラ運営事業)
インフラ運営事業のうち、日本風力開発(株)に関連するのれんの帳簿価額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ138,507百万円及び139,507百万円です。
当該のれんの回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値を用いて算定しており、主要な仮定は以下のとおりです。
公正価値は、経営者が承認した事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の税引後加重平均資本コストを基礎として現在価値に割り引いて算定しています。減損テストに使用した割引率は前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ3.3%及び3.4%です。
事業計画における業績予測については、外部及び内部より入手した過去のデータに業界の将来の趨勢に関する経営者の評価を反映したうえで作成しており、再生可能エネルギー開発事業の事業サイクルの特性から、主にFIT又はFIP制度の期間にその後の経済的に操業可能と見込まれる期間を加えた期間等(概ね35年)の将来キャッシュ・フローにより算定しています。また、将来キャッシュ・フローの予測について、経営者が基礎とした主要な仮定は売電単価、プロジェクト成功率、プロジェクトごとの設備利用率、設備投資額、O&M事業の市場成長率等に一定の仮定をおいて算定しています。事業計画の対象期間を超えるキャッシュ・フローについては、永久成長率を考慮せずに継続価値を算定しています。当該公正価値のヒエラルキーはレベル3です。
なお、当連結会計年度において回収可能価額は帳簿価額を124,611百万円上回っておりますが、仮に割引率が0.4%超上昇した場合、減損損失が発生する可能性があります。
(3) 契約関連資産の減損テスト
契約関連資産の減損テストにおける資金生成単位は契約関連資産が計上されたプロジェクトであり、回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値を用いて算定しています。
公正価値は、経営者が承認した事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の税引後加重平均資本コストを基礎として現在価値に割り引いて算定しています。将来キャッシュ・フローの予測について、経営者が基礎とした主要な仮定は売電単価、プロジェクト成功率、プロジェクトごとの設備利用率、設備投資額等に一定の仮定をおいて算定しています。
なお、当該契約関連資産については、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、割引率などの主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しています。
なお、当契約関連資産の詳細については注記「14. のれん及び無形資産(2)重要な無形資産」に記載の通りです。
16.サービス委譲契約
連結財政状態計算書に計上されている重要な無形資産は以下のとおりです。当該契約は、IFRIC第12号に基づき、サービス委譲契約の無形資産に分類しています。
(愛知道路コンセッション(株))
(1) 公共施設等運営権
公共施設等運営権は、愛知県有料道路運営等事業にかかる運営権対価を無形資産として計上したものです。運営権対価は、交通量をベースとした収益額から一定の想定される費用や投資を踏まえたシミュレーションにより想定されている将来CFを割り引いて算出されています。
なお、公共施設等運営権は交通量に基づく生産高比例法により償却しています。
運営権者が取得した公共施設等運営権の概要は以下のとおりです。
公共施設等運営権の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は愛知県道路公社に返還されます。
(2) 公共施設等運営事業の更新投資に係る資産
公共施設等運営事業の更新投資に係る資産は、公共施設の更新投資のうち資本的支出に該当する部分(所有権が管理者等に帰属するものに限る。)に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額及び支出時期を見積り、公共施設等運営権取得時に、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を引当金として計上し、同額を無形資産として計上しています。
当該資産については、更新投資資産として、運営権と同一の基礎に基づき償却を行っています。
主な更新投資の内容及び投資を予定している時期は以下のとおりです。
(知多4路線)
(衣浦トンネル)
(衣浦豊田道路)
(名古屋瀬戸道路)
公共施設等運営事業の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は愛知県道路公社に返還されます。
(みおつくし工業用水コンセッション(株))
(1) 公共施設等運営権
公共施設等運営権は、大阪市工業用水道事業等にかかる運営権対価を無形資産として計上したものです。運営権対価は、給水量をベースとした収益額から一定の想定される費用や投資を踏まえたシミュレーションにより想定されている将来CFを割り引いて算出されています。
なお、公共施設等運営権は、事業運営期間である10年の定額法により償却しています。
運営権者が取得した公共施設等運営権の概要は以下のとおりです。
公共施設等運営権の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は大阪市水道局に返還されます。
また、運営権者の届出により、市と運営権者との間で合意した場合は、規定の範囲内で運営権者が希望するまで本事業期間を延長することができます。
(2) 公共施設等運営事業の更新投資に係る資産
公共施設等運営事業の更新投資に係る資産は、公共施設の更新投資のうち資本的支出に該当する部分(所有権が管理者等に帰属するものに限る。)に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額及び支出時期を見積り、公共施設等運営権取得時に、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を引当金として計上し、同額を無形資産として計上しています。
当該資産については、更新投資資産として、運営権と同一の基礎に基づき償却を行っています。
主な更新投資の内容及び投資を予定している時期は以下のとおりです。
(管路8路線)
公共施設等運営権の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は大阪市水道局に返還されます。
また、運営権者の届出により、市と運営権者との間で合意した場合は、規定の範囲内で運営権者が希望するまで本事業期間を延長することができます。
(三浦下水道コンセッション(株))
(1) 公共施設等運営権
公共施設等運営権は、三浦市公共下水道(東部処理区)事業にかかる運営権対価を無形資産として計上したものです。運営権対価は、排水量をベースとした収益額から一定の想定される費用や投資を踏まえたシミュレーションにより想定されている将来CFを割り引いて算出されています。
なお、公共施設等運営権は、事業運営期間である20年の定額法により償却しています。
運営権者が取得した公共施設等運営権の概要は以下のとおりです。
公共施設等運営権の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は三浦市に返還されます。
(2) 公共施設等運営事業の更新投資に係る資産
公共施設等運営事業の更新投資に係る資産は、公共施設の更新投資のうち資本的支出に該当する部分(所有権が管理者等に帰属するものに限る。)に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額及び支出時期を見積り、公共施設等運営権取得時に、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を引当金として計上し、同額を無形資産として計上しています。
当該資産については、更新投資資産として、運営権と同一の基礎に基づき償却を行っています。
主な更新投資の内容及び投資を予定している時期は以下のとおりです。
(東部浄化センター)
(金田中継センター)
(マンホールポンプ)
(管路施設)
公共施設等運営権の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は三浦市に返還されます。
(KDU Frontier Partners(株))
(1) 公共施設等運営権
公共施設等運営権は、近畿大学医学部・近畿大学病院移転整備におけるサービス棟・管理棟・立体駐車場の整備・運営事業等にかかる運営権対価を無形資産として計上したものです。運営権対価は、施設整備費にて清算しました。
なお、公共施設等運営権は、事業運営期間である35年の定額法により償却しています。運営権者が取得した公共施設等運営権の概要は以下のとおりです。
公共施設等運営事業の期日満了日時点で、当該契約の対象資産は学校法人近畿大学に返還されます。
17.リース取引
(借手のリース取引)
当社グループは、借手として、建物・構築物、機械、運搬具及び工具器具備品、及び土地を賃借しています。
また、リース契約の一部については、延長オプションや解約オプションが付されており、当社グループは、当該延長オプションを行使する(もしくは解約オプションを行使しない)ことが合理的に確実であるかどうかを判断した上で、リース期間を決定しています。
当社グループは、リース期間が12か月以内の短期リース及び原資産が少額である一部のリースについては、当該リース料をリース期間にわたり費用として認識しています。
(1) 借手のリース費用に関する開示
借手のリースに関連する費用の内訳は、以下のとおりです。
(2) 使用権資産の帳簿価額の内訳
使用権資産の帳簿価額の内訳は以下のとおりです。
(3) その他の借手のリースに関する開示
その他の借手のリースに関する開示は、以下のとおりです。
(注)上記のほか、当連結会計年度における企業結合による増加額は17,175百万円です。
(貸手のリース取引)
当社グループは、貸手として、建物や機械装置等を賃貸しており、建物等の場合は敷金を受け入れ、機械装置等の場合は定期的に顧客状況、機器の使用状況等をモニタリングし、原資産に対するリスクを管理しています。
貸手のリース収益に関する開示は、以下のとおりです。
(1) オペレーティング・リースによる損益
(2) オペレーティング・リース料の満期分析
18.投資不動産
(1) 増減表
投資不動産の帳簿価額、取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は、以下のとおりです。
(2) 帳簿価額及び公正価値
投資不動産の帳簿価額及び公正価値は、以下のとおりです。
(3) 公正価値の算定方法及びその算定にあたって用いたインプット
投資不動産の公正価値は、主として社外の不動産鑑定士から提示された割引キャッシュ・フロー法による評価額等に基づいて算定しております。
公正価値は、用いられる評価技法へのインプットにより3つのレベルに区分され(公正価値ヒエラルキー)、各レベルに関する内容は「39.金融商品」に記載しています。
各年度における、投資不動産の公正価値ヒエラルキーは観察可能でないインプットを含むことからレベル3に分類しています。
(4) 投資不動産からの収益及び費用
投資不動産からの賃貸料収入及び直接営業費用の金額は、以下のとおりです。
19.主要な子会社
当連結会計年度末の主要な子会社の状況は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。
20.持分法で会計処理されている投資
(1) 重要性のある関連会社
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
東洋建設(株)
東洋建設(株)(所在地:大阪市中央区)は、主として建築及び土木に関する建設工事及び付帯する事業の活動を行っています。
東洋建設(株)のIFRS要約財務情報は、以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における東洋建設(株)から受取った配当金は、それぞれ1,980百万円及び1,104百万円です。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当連結会計年度において、当社の完全子会社である前田建設工業(株)と大成建設(株)との間で当社の関連会社である東洋建設(株)の普通株式の譲渡に関する契約を締結しました。
本株式譲渡は2026年3月に完了し、東洋建設(株)は持分法適用関連会社から除外されました。これに伴い、当社は、当連結会計年度において、関連会社投資に係る売却益14,911百万円を計上しています。
(2) 重要性のない関連会社及び共同支配企業
重要性のない関連会社及び共同支配企業に対する投資の帳簿価額は、以下のとおりです。
重要性のない関連会社及び共同支配企業に関する財務情報は、以下のとおりです。なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものです。
21.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債
売却目的で保有する資産及びそれに直接関連する負債の内訳は、以下のとおりです。
当連結会計年度において、当社の完全子会社である前田建設工業(株)と大成建設(株)との間で当社の関連会社である東洋建設(株)の普通株式の譲渡に関する契約を締結したことにより、東洋建設(株)に対する持分法で会計処理されている投資を売却保有目的で保有する資産に分類していました。なお、本株式譲渡は2026年3月に完了しています。
また、前連結会計年度において売却目的で保有する資産及び直接関連する負債に分類していたインフラ運営事業含まれる連結子会社である愛知国際アリーナ(株)は、当連結会計年度に一部株式の売却手続きが完了し、持分法適用会社となりました。
売却目的で保有する資産及びそれに直接関連する負債の当連結会計年度末残高はありません。
22.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
① 繰延税金資産及び繰延税金負債の原因別の内訳及び増減の内訳
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な原因別の内訳は、以下のとおりです。
繰延税金資産又は繰延税金負債の純額の増減の内訳は、以下のとおりです。
(注) 繰延税金資産の認識にあたり、将来加算一時差異、将来課税所得計算及びタックスプランニングを考慮しています。
② 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異等
連結財政状態計算書上で繰延税金資産を認識していない、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の内訳は、以下のとおりです。
(注) 連結財政状態計算書上で繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は、以下のとおりです。
③ 繰延税金負債を認識していない将来加算一時差異
前連結会計年度及び当連結会計年度において繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、それぞれ93,115百万円及び172,609百万円です。
これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
(2) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は、以下のとおりです。
(注) その他の包括利益で認識された法人所得税は、注記「36.その他の包括利益」に記載しています。
(3) 実効税率の調整
法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異について、原因となった主な項目の内訳は、以下のとおりです。
(注) 当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として法定実効税率を計算しています。
(4) 第2の柱モデルルールに係る影響
当社及び一部の子会社が営業活動を行っている法域において、OECDが公表した第2の柱に係る法制が適用されておりますが、当連結会計年度において当該法制から生じた税金は軽微です。
なお、IAS第12号「法人所得税」(2023年5月改訂)の改訂に伴う強制的な一時的例外措置の適用により、第2のモデルルールに関する税制から生じる税金に関する繰延税金資産及び繰延税金負債について、認識及び開示を行っていません。
(5) 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社及び一部の子会社は、グループ通算制度を適用しています。
23.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
2 公共施設等運営権に係る負債のうち決済予定日が期末日から1年を超えるものは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ90,110百万円及び85,285百万円です。
24.社債、借入金及びリース負債
(1) 社債、借入金及びリース負債の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 社債、借入金及びリース負債は償却原価で測定する金融負債に分類しています。
2 社債、借入金及びリース負債に関し、当社グループの財務活動に重大な影響を及ぼす財務制限条項は付されておりません。
3 社債の発行条件の要約は、以下のとおりです。
4 転換社債型新株予約権付社債の発行条件の要約は、以下のとおりです。
(2) 担保差入資産及び対応する負債は、以下のとおりです。
① 担保差入資産
(注)1 愛知道路コンセッション株式会社、エネシーベース鹿児島株式会社及びKDU Frontier Partners株式会社のノンリコース借入金、匿名組合大洲バイオマス発電の長期借入金に対して担保設定を行っています。
2 債務の担保に供している資産は上記のほか、連結上消去されている子会社株式があります。
② 担保差入資産に対応する負債
(注) 愛知道路コンセッション株式会社、エネシーベース鹿児島株式会社及びKDU Frontier Partners株式会社のノンリコース借入金です。
25.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。
(注)連結子会社である日本風力開発(株)の発行したA種優先株式が当連結会計年度において68,678百万円含まれます。
当該優先株式は、将来現金を優先株式の保有者に引き渡す条件付き義務を負っていることから、IFRSでは金融負債に分類しております。
26.引当金
引当金の増減は、以下のとおりです。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
① 完成工事補償引当金
完成工事に係る契約不適合等の費用に充てるため、過去の一定期間における実績に基づく引当額を認識しています。
完成工事補償引当金は、主に補償期間にわたって使用されます。
② 工事損失引当金
受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末手持工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について損失見込額を認識しています。
工事損失引当金は、主に工事の進捗に応じて使用されます。
また、工事はその仕様や作業内容等において個別性が強く、さらに工事進行途上において工期の変更、想定外の費用の発生、建設資材単価や労務単価等の変動、設計変更等が生じる可能性があることから、引当金の算定には一定の仮定を用いています。
③ 公共施設等運営事業の更新投資に係る負債
公共施設等運営事業の更新投資について、公共施設の更新投資のうち資本的支出に該当する部分(所有権が管理者等に帰属するものに限る。)に関して、運営権設定期間にわたって支出すると見込まれる額の総額及び支出時期を見積り、公共施設等運営権取得時に、支出すると見込まれる額の総額の現在価値を負債として認識し、同額を資産として認識しています。
④ 偶発損失引当金
工事請負契約における瑕疵担保責任に基づき元請業者として負担すべき費用について合理的に算定して認識しています。
⑤ その他の引当金
その他の引当金には、資産除去債務等が含まれています。
これらは通常の取引を起因とするものであり、個別にみて重要なものはありません。
27.退職後給付
当社グループは、確定給付型の制度として、企業年金基金制度、厚生年金基金制度を設けており、また確定拠出年金制度、退職一時金制度を設けています。
確定給付企業年金制度は、法令に従い、従業員の同意を得て、受給資格、給付内容、掛金負担等年金制度の内容を規定した年金規約を定め、厚生労働大臣の承認を受けています。規約に基づき、掛金の払込や制度資産の運用等に関して、年金運用受託機関と契約を締結し、制度を運営しています。
年金運用受託機関は、契約に基づいて制度資産の運用等を行う受託者責任を負っています。
制度資産は健全な運用を基礎としていますが、金融商品に係る投資リスクに晒されています。また、確定給付制度債務は割引率等の様々な年金数理計算上の仮定に基づき測定されているため、それらの仮定の変動によるリスクに晒されています。
また、従業員の退職等に際して、退職給付会計に準拠した数理計算による退職給付債務の対象とされない割増退職金を払う場合があります。
一部の連結子会社は、簡便的な方法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算しています。
当連結会計年度末現在、当社グループ全体で退職一時金制度については34社が有しており、企業年金基金については4基金、厚生年金基金については1基金を有しています。
(1) 確定給付制度債務及び制度資産の調整表
確定給付制度債務及び制度資産と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債及び資産との関係は、以下のとおりです。
(2) 確定給付制度債務の調整表
確定給付制度債務の増減は、以下のとおりです。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、以下のとおりです。
(3) 制度資産の調整表
制度資産の増減は、以下のとおりです。
なお、当社グループは2027年3月期に2,838百万円の掛金を拠出する予定です。
(4) 資産上限額の影響
資産上限額による影響の変動は、以下のとおりです。
(注) 確定給付制度が積立超過である場合に、連結財政状態計算書に計上する「退職給付に係る資産」は確定給付制度に対する将来掛金の減額という形による利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としています。
(5) 制度資産の主な内訳
制度資産合計に対する主な分類ごとの内訳は、以下のとおりです。
制度資産の運用にあたっては、確定給付制度債務の支払いを将来にわたり確実に行うため、安全かつ効率的な資産運用により、制度を維持するに足りるだけの運用収益率を中長期的に上回ることを目的としています。そのため、許容されるリスクの程度について十分な検証を行い、そのリスクの範囲内で最適な資産構成割合を定め、多様な投資対象に分散投資を行っています。
(6) 数理計算上の仮定
数理計算上の仮定の主要なものは、以下のとおりです。
(7) 数理計算上の仮定の感応度分析
主要な基礎率の変化が各年度における確定給付制度債務に与える感応度は以下のとおりです。これらの感応度のそれぞれは、その他の変数が一定との前提を置いておりますが、実際には独立して変化するとは限りません。なお、マイナスは確定給付制度債務の減少を、プラスは確定給付制度債務の増加を表しています。
(8) 確定拠出制度
前連結会計年度及び当連結会計年度における確定拠出型年金制度の拠出額は、それぞれ6,812百万円、7,584百万円です。なお、上記には厚生年金保険料に関して費用として認識した金額を含んでいます。
(9) 複数事業主制度
連結子会社のうち1社は、確定給付型の制度として、複数事業主制度である厚生年金制度に加入しています。これらの制度は事業主ごとに過去勤務債務に係る掛金率や負担割合を定めておらず、一律の掛金を負担しています。そのため、要拠出額を退職給付費用として処理しています。
① 複数事業主制度全体の積立状況
② 複数事業主制度への翌連結会計年度の予想拠出額
当連結会計年度における複数事業主制度への翌年度の予想拠出額は22百万円です。
③ 複数事業主制度に関する当社グループの責任
当社グループでは、制度の解散、脱退、又はその他の事象により、加入している複数事業主制度に対して、追加拠出等の責任が発生する場合があります。
28.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金
① 授権株式数
前連結会計年度及び当連結会計年度における授権株式数は、以下のとおりです。
② 全額払込済みの発行済株式
発行済普通株式数の増減は、以下のとおりです。
発行済第1回社債型種類株式の増減は以下のとおりです。
(2) 自己株式
自己株式数は、以下のとおりです。
(注) 1 前連結会計年度の自己株式の増加84千株は、持分変動による増加84千株、単元未満株式の買取りによる増加0千株です。
2 当連結会計年度の自己株式の増加25千株は、持分変動による増加23千株、単元未満株式の買取りによる増加1千株、譲渡制限付株式報酬の無償取得による増加1千株です。
3 前連結会計年度の自己株式の減少1,590千株は、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少215千株及び株式給付信託(従業員持株会処分型)による従業員持株会への売却による減少1,375千株です。
4 当連結会計年度の自己株式の減少4,232千株は、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少229千株、株式給付信託(従業員持株会処分型)による従業員持株会への売却による減少770千株、株式給付信託(BBT)の給付による減少1,780千株、株式給付信託(J-ESOP)の給付による減少1,431千株及び持分変動による減少20千株です。
5 前連結会計年度の期末残高には、株式給付信託(従業員持株会処分型)が保有する770千株、株式給付信託(BBT)が保有する2,806千株及び株式給付信託(J-ESOP)が保有する2,967千株が含まれています。
6 当連結会計年度の期末残高には、株式給付信託(BBT)が保有する1,025千株及び株式給付信託(J-ESOP)が保有する1,535千株が含まれています。
(3) 剰余金
① 資本剰余金
資本剰余金は、資本準備金及びその他資本剰余金から構成されています。
日本における会社法では、株式の発行に対しての払込又は給付した額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれる資本準備金に組み入れることが規定されています。
複合金融商品の資本要素として、転換社債型新株予約権付社債の発行時に資本要素として分類された金額が、その他の資本剰余金に計上されております。
② 利益剰余金
利益剰余金は利益準備金及びその他利益剰余金から構成されています。
日本における会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されています。
(4) その他の資本の構成要素
① 確定給付制度の再測定
確定給付制度に関する、期首における数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額及び数理計算上の仮定の変更による影響額です。
② その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の評価差額です。
③ 在外営業活動体の換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額です。
④ キャッシュ・フロー・ヘッジ
将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジを行っており、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動額のうち有効と認められる部分です。
⑤ 持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分
持分法適用会社における、在外営業活動体の財務諸表の換算差額に対する当社持分です。
29.配当金
(1) 配当金支払額
前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 連結持分変動計算書の配当は、配当金の総額から、持分法適用会社が保有する当社株式に係る配当を控除しています。
2 2024年5月10日開催の取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託(従業員持株会処分型)が保有する当社株式に対する配当金75百万円、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金98百万円及び株式給付信託(J-ESOP)が保有する当社株式に対する配当金103百万円が含まれています。
3 2024年11月12日開催の取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託(従業員持株会処分型)が保有する当社株式に対する配当金44百万円、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金84百万円及び株式給付信託(J-ESOP)が保有する当社株式に対する配当金89百万円が含まれています。
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1 連結持分変動計算書の配当は、配当金の総額から、持分法適用会社が保有する当社株式に係る配当を控除しています。
2 2025年5月8日開催の取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託(従業員持株会処分型)が保有する当社株式に対する配当金23百万円、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金84百万円及び株式給付信託(J-ESOP)が保有する当社株式に対する配当金89百万円が含まれています。
3 2025年11月14日開催の取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託(従業員持株会処分型)が保有する当社株式に対する配当金2百万円、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金30百万円及び株式給付信託(J-ESOP)が保有する当社株式に対する配当金46百万円が含まれています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 2026年5月8日開催の取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金92百万円及び株式給付信託(J-ESOP)が保有する当社株式に対する配当金138百万円が含まれています。
30.収益
(1) 収益の分解
売上高の分解と「6.セグメント情報」の関連は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) その他の源泉から認識した収益には、IFRS第9号「金融商品」及びIFRS第16号「リース」に基づき認識した収益が含まれています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) その他の源泉から認識した収益には、IFRS第9号「金融商品」及びIFRS第16号「リース」に基づき認識した収益が含まれています。
(2) 契約残高に関する情報
(注) 1 契約資産は顧客との工事請負契約において履行義務の進捗により収益を認識しているが未請求の対価に対する権利であり、支払に対する権利が無条件になった時点で債権へ振り替えられます。
2 契約負債は主に工事請負契約に基づき顧客から受け取った前受金であり、収益の認識に伴い収益に振り替えられます。期首における契約負債のうち収益に認識した金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ43,856百万円、42,512百万円です。
3 工事請負契約における顧客の支払条件は個々の契約ごとに異なるため、履行義務の充足と支払時期に明確な関連性はありません。
(3) 残存履行義務に関する情報
前連結会計年度及び当連結会計年度において未充足又は部分的に未充足の履行義務に配分した取引価格の総額は、それぞれ876,022百万円及び1,614,836百万円です。
なお、当該残存履行義務は、該当する物件が完成するにつれて概ね1年以内におおよそ5割程度、収益を認識することを見込んでいます。
31.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりです。
32.従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書に含まれる従業員給付費用の合計額は、それぞれ92,205百万円及び140,418百万円です。
従業員給付費用には、給与、賞与、法定福利費、退職給付費用及び株式報酬費用が含まれており、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しています。
33.その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりです。
34.その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりです。
35.金融収益及び金融費用
(1) 金融収益の内訳は、以下のとおりです。
(注) 為替差益には通貨デリバティブの評価損益が含まれています。
(2) 金融費用の内訳は、以下のとおりです。
36.その他の包括利益
「その他の包括利益」に含まれている、各項目別の当期発生額及び損益への組替調整額並びに税効果の影響は、以下のとおりです。
37.1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益、希薄化後1株当たり当期利益及びその算定上の基礎は、以下のとおりです。
(注) 1.株式給付信託に係る信託口が保有する当社株式は、基本的1株当たり当期利益の算定上、加重平均株式数の計算において控除する自己株式に含めています。前連結会計年度及び当連結会計年度において基本的1株当たり当期利益の算定上、控除した当該自己株式の期中平均株式数は、それぞれ7,248千株、4,024千株です。
2.譲渡制限付株式報酬制度に基づき付与した株式のうち、譲渡制限解除の条件を満たしていないものは基本的1株当たり当期利益の算定上、加重平均株式数に含めていません。前連結会計年度及び当連結会計年度において基本的1株当たり当期利益の算定上、控除した当該株式の期中平均株式数は、それぞれ647千株、785千株です。
38.連結キャッシュ・フロー計算書の補足情報
財務活動に関する負債
各年度の財務活動に関する負債の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1 1年内に返済又は償還予定の残高を含んでいます。
2 長期借入金にはノンリコース借入金を含んでいます。
3 転換社債型新株予約権付社債には、資本剰余金に計上されている新株予約権部分(2,553百万円)は含んでいません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1 1年内に返済又は償還予定の残高を含んでいます。
2 長期借入金にはノンリコース借入金を含んでいます。
3 転換社債型新株予約権付社債には、資本剰余金に計上されている新株予約権部分(2,553百万円)は含んでいません。
39.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、資本効率を高めるとともに、財務の健全性を確保することを資本管理の基本方針としています。指標については、経営者に定期的に報告され、モニタリングしております。当社グループが資本管理として用いる主な指標はROE(親会社所有者帰属持分利益率)であり、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (1) 連結経営指標等」に記載のとおりです。
(2) 財務リスク管理の基本方針
当社グループは、事業活動を遂行する過程において、様々な財務上のリスク(信用リスク、流動性リスク、市場リスク、為替リスク及び金利リスク)に晒されています。そのため、社内管理規程等に基づき、定期的に財務上のリスクのモニタリングを行い、リスクを回避又は低減するための対応を必要に応じて実施しています。
また、デリバティブ取引は、投機的な取引及び短期的な売買差益を得ることを目的として行うことを禁止し、後述するリスクを回避するために利用しています。
(3) 信用リスク
① 信用リスク管理
当社は、受注管理規程及び経理規程等に従って、営業債権である受取手形及び売掛金、並びに契約資産について、各事業部門における管理部門が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っています。連結子会社についても、当社の受注管理規程及び経理規程等に準じて、同様の管理を行っています。
当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示している金融資産の減損後の帳簿価額です。
② 貸倒引当金の増減
各年度の貸倒引当金の増減は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 営業債権、契約資産及びリース債権に係る貸倒引当金における繰入及び戻入は、主として販売及び回収により営業債権及びその他の債権が増加及び減少したことによるものです。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 営業債権、契約資産及びリース債権に係る貸倒引当金における繰入及び戻入は、主として販売及び回収により営業債権及びその他の債権が増加及び減少したことによるものです。
(4) 流動性リスク
① 流動性リスク管理
当社グループは資金調達については資金の安定性とコストを勘案しながら銀行借入や社債発行等を中心に必要な資金を調達しておりますが、流動性リスクを考慮して返済期日を集中させないように管理しています。
また、当社グループは継続的にキャッシュ・フローの計画と実績をモニタリングし、資金を集中的かつ効率的に管理することで流動性リスクの低減に努めています。
② 金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高
各年度の金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(5) 市場リスク(株価変動リスク)
① 株価変動リスク管理
当社グループは事業戦略を円滑に遂行する目的で業務上の関係を有する企業の株式を保有し、資本性金融資産(株式)の価格変動リスクに晒されています。これらの資本性金融資産については、定期的に市場価格や発行体の財務状況を把握し、保有状況を継続的に見直しています。
② 株価変動感応度分析
当社グループが各年度末において保有する活発な市場のある資本性金融資産(株式)において、期末日の公表価格が一律10%下落した場合のその他の包括利益(税引前)に与える影響は、以下のとおりです。
(6) 金融商品の公正価値ヒエラルキー
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に使用したインプットの観察可能性及び重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーを以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における市場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:重要な観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値の測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値の測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しています。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告期間の末日に発生したものとして認識しています。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。
① 連結財務諸表において公正価値で測定する金融商品の公正価値レベル別ヒエラルキー
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
株式及び出資金
株式及び出資金のうち活発な市場が存在する銘柄の公正価値は市場価格に基づいて算定しているため、レベル1に分類しています。また、活発な市場が存在しない銘柄のうち、公正価値を重要な観察不能なインプットを用いて主として類似業種比較法で算定した金額で測定した銘柄についてレベル3に分類しています。
出資金の公正価値は、外部専門家の支援を受け、主として割引キャッシュ・フロー法(DCF法)により算定しています。DCF法の適用にあたっては、投資先の事業計画を基礎として将来キャッシュ・フローを見積り、これを適切な割引率により現在価値に割り引いています。割引率が上昇した場合には公正価値は減少し、低下した場合には公正価値は増加する傾向にあります。
当該公正価値測定において用いられる主な重要な観察可能でないインプットは割引率であり、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ9.1%及び10.9%です。公正価値の測定結果については、経営者による最終的な承認を受けています。なお、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント等を加味しています。
デリバティブ資産及びデリバティブ負債
デリバティブ資産及びデリバティブ負債のうち為替予約、金利スワップ等の公正価値は、取引先金融機関から提示された価格等によって算定しており、レベル2に分類しています。
② 連結財務諸表において公正価値で測定されない金融商品の公正価値
連結財務諸表において公正価値で測定されない金融商品の帳簿価額及び公正価値は、以下のとおりです。
なお、公正価値が帳簿価額と近似している金融商品は以下に含めていません。
長期借入金及びノンリコース借入金の公正価値については、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により測定しており、レベル2に分類しています。
社債及び転換社債型新株予約権付社債の公正価値については、市場価格のあるものは市場価格に基づき、市場価格のないものは、元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により測定しており、レベル2に分類しています。
その他の金融負債は連結子会社である日本風力開発(株)の発行したA種優先株式であり、当該公正価値については、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により測定しており、レベル2に分類しています。
公共施設等運営権に係る負債の公正価値については、支払予定時期に基づき、将来キャッシュ・フローを国債利回りを基礎とした合理的な利率で割り引いて算定しており、レベル2に分類しています。
③ レベル3に分類された金融資産
レベル3に分類した金融商品については、当社グループで定めた公正価値測定の評価方針及び手続に従い、評価者が対象となる金融商品の評価方法を決定し、公正価値を測定しています。
また、公正価値の測定結果については適切な権限者がレビュー及び承認しています。
各年度におけるレベル3に分類された経常的に公正価値で測定する金融商品の増減は、以下のとおりです。
(注) 1 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、金融収益及び金融費用に含まれています。
なお、各期末に保有する金融商品に係る未実現の利得及び損失は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ7,518百万円及び34,209百万円です。
2 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれています。
3 前連結会計年度に認識されたレベル1からレベル3への振替は、保有銘柄の上場廃止に伴い、観察可能なインプット情報を入手することが困難となったことによるものです。当該振替は会計期間の末日に行っております。
(7) ヘッジ
当社グループは、為替リスクや金利リスクを低減するためにデリバティブ取引を行っており、キャッシュ・フローヘッジ又は公正価値ヘッジの要件を満たすものについてはヘッジ会計を適用しています。
デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限を定めた決裁権限規程に従って行っており、また、デリバティブの利用にあたっては、信用リスクを軽減するために、格付けの高い金融機関とのみ取引を行っております。
当社グループは、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、原則として1対1の関係となるよう設定しています。
ヘッジ関係について有効性が認められなくなったものの、リスク管理目的に変更が無い場合は、ヘッジ関係が再び有効となるようヘッジ関係の開始時に設定したヘッジ比率を再調整しています。
また、ヘッジ関係についてリスク管理目的が変更された場合は、ヘッジ会計の適用を中止しています。
キャッシュ・フロー・ヘッジは主として外貨建ての予定取引及び変動金利による借入金に関する将来キャッシュ・フローの変動リスクを低減する目的で利用しています。公正価値ヘッジは、借入金を変動金利化し、当該借入金の公正価値の変動リスクを低減する目的で利用しています。
① ヘッジ手段
ヘッジ手段に関する金額等は以下のとおりです。
キャッシュ・フロー・ヘッジ及び公正価値ヘッジのキャッシュ・フローが発生すると見込まれる期間は、それぞれ1年から16年及び1年から3年であり、純損益に影響を与えることになると見込まれる期間とほぼ同時であると予測されます。
連結財政状態計算書上において、ヘッジ手段の帳簿価額は「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」に含まれています。
② ヘッジ対象
ヘッジ対象に関する金額は以下のとおりです。
(a)キャッシュ・フローヘッジ
(b)公正価値ヘッジ
③ その他の包括利益及び純損益への影響
その他の包括利益及び純損益への影響は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 組替調整額は連結損益計算書上「金融収益」又は「金融費用」に計上しています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 組替調整額は連結損益計算書上「金融収益」又は「金融費用」に計上しています。
(8) 金融資産の譲渡
当社グループでは、売上債権の一部について手形の裏書等の方法により流動化を行っています。しかし、当該流動化債権の中には、債務者が支払いを行わない場合に当社グループに遡及的に支払い義務が発生するものがあり、そのような流動化債権については金融資産の認識の中止の要件を満たさないことから認識の中止を行っていません。
また、譲渡資産及び譲渡資産に関連する負債は、それぞれ連結財政状態計算書における「営業債権及びその他の債権」及び「社債及び借入金」に含めて表示しています。
当該負債は、譲渡資産に対して支払いが行われた場合に決済されることになりますが、その間、当社グループが当該譲渡資産を利用することはできません。
認識の中止の要件を満たさない方法で譲渡された譲渡資産及び関連する負債に関する帳簿価額は、以下のとおりです。なお、これらの帳簿価額は概ね公正価値です。
40.関連当事者
(1) 当社の主要な経営幹部に対する報酬
当社の取締役及び執行役に対する報酬は、以下のとおりです。
(2) 関連当事者との取引
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
41.株式報酬
当社グループは株式に基づく報酬として、株式給付信託制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しています。
(1) 譲渡制限付株式報酬制度
本制度は、当社の取締役(社外取締役である者を除く。)及び執行役並びに事業会社3社(前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所)の取締役及び執行役員(以下、「対象取締役等」という。)との間で、譲渡制限付株式割当契約を締結し、対象取締役等は当該割当契約によって交付された株式を当該割当契約に定める一定の期間(以下、「譲渡制限期間」という。)中は、自由に譲渡、担保権の設定その他の処分をすることができないものです(以下、「譲渡制限」という。)。
譲渡制限期間は、付与日から取締役等のいずれも退任する日までとし、各取締役等の任期等を踏まえて当社が定める期間、継続して対象取締役等の地位にあったことを条件として、譲渡制限期間の満了時において、割り当てを受けた当社の普通株式の全部につき譲渡制限が解除されます。他方で、譲渡制限期間が満了した時点において、譲渡制限が解除されていない株式については、原則として当社が無償で取得します。本制度は持分決済型の株式報酬制度として会計処理しています。
(注) 公正価値の測定方法は、取締役会決議の日の前営業日における株価を使用しています。
(2) 株式給付信託制度
① 取締役、執行役及び執行役員に対する業績連動型株式報酬制度(BBT)
(a)株式報酬制度の内容
本制度は、当社の取締役(社外取締役である者を除く。)及び執行役並びに事業会社3社(前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所)の取締役及び執行役員(以下、「対象取締役等」という。)に対し、役員株式給付規程(以下、「本規程」という。)に従い、業績達成度等に応じて当社所定の基準によるポイントを付与し、中期経営計画期間終了直後の一定の期日に対象取締役等のうち本規程に定める受益者要件を満たした者(以下、「受益者」という。)に対して、当該受益者に付与されたポイント数に応じた当社株式を給付します。本制度は持分決済型の株式報酬制度として会計処理しています。ただし、受益者が本規程に定める要件を満たす場合には、ポイントの一定割合について、当社株式の時価相当の金銭を給付します。
(b)ポイント数の増減及び株式報酬制度の加重平均公正価値
ポイント数の増減及び株式報酬制度の加重平均公正価値は、以下のとおりです。
なお、付与日における公正価値は、付与日の株価に近似していることから、付与日の株価を使用しております。
② 従業員に対する株式給付信託(J-ESOP)
(a)株式報酬制度の内容
本制度は、米国のESOP(Employee Stock Ownership Plan)制度を参考にした信託型のスキームであり、予め当社及び一定の要件を満たした当社グループ子会社(以下、当社と併せて「対象会社」という。)が定めた株式給付規程に基づき、当社及び当社グループの子会社の全従業員(以下、「従業員」という。)に対し当社株式を給付します。
対象会社は、従業員に対し各年度の当グループの連結業績等に応じたポイントを付与し、一定の条件により受給権を取得した時に当該付与ポイントに相当する当社株式を給付します。従業員に対し給付する株式については、予め信託設定した金銭により将来分も含め取得し、信託財産として分別管理するものとします。本制度は持分決済型の株式報酬制度として会計処理しています。ただし、受益者が本規程に定める要件を満たす場合には、ポイントの一定割合について、当社株式の時価相当の金銭を給付します。
(b)ポイント数の増減及び株式報酬制度の加重平均公正価値
ポイント数の増減及び株式報酬制度の加重平均公正価値は、以下のとおりです。
なお、付与日における公正価値は、付与日の株価に近似していることから、付与日の株価を使用しております。
③ 従業員に対する株式給付信託(従業員持株会処分型)
当社グループは、当社グループ会社の従業員の福利厚生の増進及び当社の企業価値向上に係るインセンティブの付与を目的として、従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する「株式給付信託(従業員持株会処分型)」(以下、「本制度」という。)を導入し、現金決済型の株式報酬制度として会計処理しています。
本制度の実施にともない、当社を委託者、みずほ信託銀行(株)(以下、「受託者」という。)を受託者とする「株式給付信託《従業員持株会処分型》契約書」(以下、かかる契約に基づいて設定される信託を「本信託」という。)を締結しています。また、受託者は、(株)日本カストディ銀行(以下、「信託E口」という。)を再信託受託者として当社株式などの本信託の信託財産を再信託する契約を締結しています。信託E口は、信託設定後5年間にわたり「インフロニア・ホールディングス社員持株会」(以下、「持株会」という。)が取得する見込みの当社株式を取得し、定期的に持株会に対して売却を行っています。信託終了時までに、信託E口による持株会への当社株式の売却を通じて本信託の信託財産内に株式売却益相当額が累積した場合には、それを残余財産として受益者適格要件を充足する持株会加入者に分配します。また、当社は、信託E口が当社株式を取得するために受託者が行う借入に対し保証をしているため、信託終了時において、当社株式の株価の下落により株式売却損相当の借入残債がある場合には、保証契約に基づき当該残債を弁済することとなります。
本制度に係る負債の公正価値はモンテカルロ法で見積もられており、主な基礎数値は以下のとおりです。なお、前連結会計年度においては株価の比較的安定した推移により、この先数ヶ月で借入金の返済終了が見込まれることから負債を計上しておりません。当連結会計年度において、信託期間満了となり終了しました。
(3) 株式報酬費用
連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれている株式報酬費用計上額は、以下のとおりです。
42.コミットメント
決算日以降の支出に関する重要なコミットメントは、以下のとおりです。
43.偶発負債
偶発負債は、以下のとおりです。
債務保証等
44.重要な後発事象
(水ing(株)の株式の取得(完全子会社化))
当社は、2026年4月14日開催の臨時取締役会において、水ing(株)の全株式を、(株)荏原製作所、日揮ホールディングス(株)及び三菱商事(株)より取得し、完全子会社化することについて決議し、同日付でこれに係る株式譲渡契約書を締結いたしました。
詳細については、2026年4月14日公表の「水ing株式会社の株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ」をご参照ください。
(1) 対象者の概要
(2) 取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況
(注) 1 上記の取得予定価額は、現時点における予定額を記載しておりますが、実際の取得価額は、本株式譲渡契約書に定められた価格調整により確定いたします。
2 本件取引に係る資金については、手元資金及び金融機関からの借入を予定しております。借入の詳細については、内容確定後、適時開示が必要と判断した場合には、速やかに開示いたします。
(3) 買付け等の日程等
株式譲渡実行日は、上記のとおり2026年7月1日を予定しておりますが、株式譲渡は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)に定める手続の完了後に実行する必要があるため、その実行日は変動する可能性があります。
(2)【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
【営業原価明細書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(継続企業の前提に関する事項)
該当事項はありません。
(重要な会計方針)
1.有価証券の評価基準及び評価方法
(1)満期保有目的の債券
償却原価法(定額法)
(2)子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
2.固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産
定率法を採用しています。ただし、建物及び建物附属設備については定額法によっています。
なお、耐用年数及び残存価額については、法人税法に規定する方法と同一の基準によっています。
(2)無形固定資産
定額法を採用しています。ただし、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法によっています。
3.繰延資産の処理方法
(1)社債発行費
支出時に全額費用として処理しています。
(2)株式交付費
3年間で均等償却しています。
4.引当金の計上基準
(1)貸倒引当金
債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込み額を計上しています。
(2)賞与引当金
従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額のうち、当事業年度負担額を引当て計上しています。
(3)役員賞与引当金
役員に対して支給する賞与の支出に充てるため、当事業年度における支給見込額を引当て計上しています。
(4)株式給付引当金
役員株式給付規程及び株式給付規程に基づく当社役員及び従業員への当社株式の交付に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額を引当て計上しています。
5.収益及び費用の計上基準
当社は主に傘下子会社に対する経営管理・指導を行う契約を締結しており、顧客である傘下子会社に対し、業績管理や経営戦略、財務・法務等に係る企画立案等の指導・助言を行うことを履行義務として識別しています。当該履行義務は時の経過に応じて履行義務が充足されるため、契約期間にわたり期間均等に収益を認識しています。取引対価は、当社の発生費用を基礎に契約によって定めています。対価は一定の期間ごとに受領しているため、取引対価の金額に重要な金融要素は含まれておらず、対価の変動しうる変動対価はありません。
また、参加子会社からの受取配当金については、配当金の効力発生日をもって認識しています。
(重要な会計上の見積り)
(前田道路(株)、日本風力開発(株)及び三井住友建設(株)の株式等に係る評価)
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
前田道路(株)の株式
日本風力開発(株)等の株式
三井住友建設(株)の株式
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社は、市場価格のない株式等については、取得原価をもって計上しています。なお、超過収益力を反映した実質価額が取得原価と比較して50%以上下落した銘柄については、将来の事業計画等に基づく回復可能性が十分な証拠により裏付けられる場合を除き、減損処理を行っています。
前田道路(株)、日本風力開発(株)及び三井住友建設(株)の株式等は事業計画等に基づく超過収益力を反映した価額で取得しています。当該事業計画等についての見積りは連結財務諸表注記「4.重要な会計上の見積り及び判断 (2)のれん及び無形資産の評価」に記載した内容と同一です。
これらの見積りにおいて用いた仮定が経営環境の変化等により見直しが必要となった場合には翌事業年度において、関係会社株式評価損等を計上する可能性があります。
(追加情報)
(従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引)
(1) 株式給付信託(従業員持株会処分型)
当社は、当社及び当社グループ会社の従業員の福利厚生の増進及び当社の企業価値向上に係るインセンティブの付与を目的として、従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引を行っていましたが、当事業会計年度において、信託期間満了となり終了いたしました。
1.取引の概要
当社は、2022年3月より「株式給付信託(従業員持株会処分型)」(以下、「本制度」という。)を導入しています。
本制度の実施にともない、当社は、当社を委託者、みずほ信託銀行(株)(以下、「受託者」という。)を受託者とする「株式給付信託《従業員持株会処分型》契約書」(以下、かかる契約に基づいて設定される信託を「本信託」という。)を締結しました。また、受託者は、(株)日本カストディ銀行(以下、「信託E口」という。)を再信託受託者として当社株式などの本信託の信託財産を再信託する契約を締結しています。信託E口は、信託設定後5年間にわたり「インフロニア・ホールディングス社員持株会」(以下、「持株会」という。)が取得する見込みの当社株式を取得し、定期的に持株会に対して売却を行っています。信託終了時までに、信託E口による持株会への当社株式の売却を通じて本信託の信託財産内に株式売却益相当額が累積した場合には、それを残余財産として受益者適格要件を充足する持株会加入者に分配します。また、当社は、信託E口が当社株式を取得するために受託者が行う借入に対し保証をしているため、信託終了時において、当社株式の株価の下落により株式売却損相当の借入残債がある場合には、保証契約に基づき当該残債を弁済することとなります。
2.信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社の株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により、貸借対照表において自己株式として計上しています。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、前事業年度末790百万円、770千株、当事業年度末は信託期間満了となったため該当事項はありません。
3.総額法の適用により計上された借入金の帳簿価額
前事業年度末416百万円、当事業年度末は信託期間満了となったため該当事項はありません。
(2) 株式給付信託(BBT)
当社は、当社の取締役(社外取締役である者を除く。)及び執行役並びに事業会社3社(前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所)の取締役及び執行役員(以下、「対象取締役等」という。)の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性をより明確にし、対象取締役等が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも株主の皆様と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的として、業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT=Board Benefit Trust)」(以下、「本制度」という。)を導入しています。
1.取引の概要
本制度は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が信託(以下、本制度に基づき設定される信託を「本信託」という。)を通じて取得され、対象取締役等に対して、当社が定める役員株式給付規程に従って、当社株式及び当社株式を時価で換算した金額相当の金銭(以下、「当社株式等」という。)が本信託を通じて給付される業績連動型株式報酬制度です。なお、対象取締役等が当社株式等の給付を受ける時期は、原則として当社の各中期経営計画期間(当初対象期間及び当初対象期間の経過後に開始する3事業年度ごとの期間。)終了後の一定時期となります。
2.信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社の株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により、貸借対照表において自己株式として計上しています。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、前事業年度末3,577百万円、2,806千株、当事業年度末1,307百万円、1,025千株です。
(3) 株式給付信託(J-ESOP)
当社は、グループ全体の一体感の醸成を目的とすることに加え、当社の株価及び業績と従業員の処遇の連動性をより高め、経済的な効果を株主の皆様と共有することにより、株価及びグループ連結業績向上への従業員の意欲や士気を高めるため、一定の要件を満たした当社及び当社グループ子会社の全従業員(以下、「従業員」という。)に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」(以下、「本制度」という。)を導入しています。
1.取引の概要
本制度は、米国のESOP(Employee Stock Ownership Plan)制度を参考にした信託型のスキームであり、予め当社及び一定の要件を満たした当社のグループ子会社(以下、当社と併せて「対象会社」という。)が定めた株式給付規程に基づき、従業員に対し当社株式を給付する仕組みです。
対象会社は、従業員に対し各年度の当グループ連結業績等に応じたポイントを付与し、一定の条件により受給権を取得したときに当該付与ポイントに相当する当社株式を給付します。従業員に対し給付する株式については、予め信託設定した金銭により将来分も含め取得し、信託財産として分別管理するものとします。
2.信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社の株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により、貸借対照表において自己株式として計上しています。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、前事業年度末3,999百万円、2,967千株、当事業年度末2,070百万円、1,535千株です。
(表示方法の変更)
(損益計算書関係)
前事業年度において、「特別損失」の「その他」に含めていた「固定資産除却損」は金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記することとしています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前事業年度の損益計算書において、「特別損失」に表示していた「その他」505百万円は、「固定資産除却損」0百万円、「その他」504百万円として組替えています。
(貸借対照表関係)
※1.関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
区分掲記されたもの以外で各科目に含まれているものは、以下のとおりです。
※2.優先型株式の取得被請求の可能性
当社の連結子会社である日本風力開発㈱が、㈱みずほ銀行及び㈱日本政策投資銀行(以下総称として「本割当先」という。)に対して、2026年3月31日に第三者割当の方法により発行した70,000百万円のA種優先株式の全部又は一部について、一定の事象が生じた場合、当社が本割当先から買取請求権の行使を受ける可能性があります。
(損益計算書関係)
※1.関係会社との取引高
※2.販売費及び一般管理費のうち、主要な費用及び金額は以下のとおりです。
なお、全額が一般管理費に属するものです。
(有価証券関係)
関係会社株式は、市場価格のない株式等であるため、関係会社株式の時価を記載しておりません。
なお、市場価格のない株式等の関係会社株式の貸借対照表計上額は以下のとおりです。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主な項目別の内訳
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(企業会計基準委員会 実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
(企業結合等関係)
連結財務諸表注記「7.企業結合」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「注記事項(重要な会計方針) 5.収益及び費用の計上基準」に記載した内容と同一になります。
(重要な後発事象)
連結財務諸表注記「44.重要な後発事象」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができません。
1 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
2 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
3 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
4 株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
提出会社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
(第4期)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)2025年6月23日関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2025年6月23日関東財務局長に提出
(3) 半期報告書及び確認書
(第5期中)(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日)2025年11月14日関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書
① 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2(譲渡制限付株式報酬としての自己株式処分)の規定に基づく臨時報告書
2025年6月24日関東財務局長に提出
② 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)の規定に基づく臨時報告書
2025年6月27日関東財務局長に提出
③ 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号(特定子会社の異動)の規定に基づく臨時報告書
2025年9月19日関東財務局長に提出
④ 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号(特定子会社の異動)及び第8号の2(子会社取得の決定)の規定に基づく臨時報告書
2026年4月14日関東財務局長に提出
⑤ 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2(BBT制度及びJ—ESOP制度の追加信託にかかる自己株式処分)の規定に基づく臨時報告書
2026年5月13日関東財務局長に提出
⑥ 企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号(主要株主の異動)の規定に基づく臨時報告書
2026年5月13日関東財務局長に提出
(5) 有価証券届出書(参照方式)及びその添付書類
2026年5月13日関東財務局長に提出
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。