第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1.国際会計基準 (以下「IFRS会計基準」) に基づいて連結財務諸表を作成しています。
2.百万円未満を四捨五入して記載しています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1.提出会社の財務諸表は日本基準に基づいて作成しています。
2.百万円未満を四捨五入して記載しています。
3.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所 (市場第一部) におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所 (プライム市場) におけるものです。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、当社及び連結子会社80社、持分法適用会社6社から構成されており、医薬品の研究開発、製造及び販売を主要な事業としています。
当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりです。
なお、当社グループは、区分すべき事業セグメントが存在しないため、報告セグメントは医薬品事業単一となっています。
当社は研究開発、製造及び販売を行っており、各地域の関係会社へ原料及び製品の一部を供給しています。
また、主に以下の関係会社が、研究開発、製造及び販売の各機能を担っています。
以上で述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

4 【関係会社の状況】
(注) 1.主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しています。
2.議決権の所有割合欄の( )内は間接所有割合を内数で示しています。
3.役員の兼任については、当社の取締役及び担当役員が該当会社の役員を兼任している場合に、「有」と記載しています。
4.アステラス US ホールディング Inc.、アステラス US LLC、アステラス US テクノロジーズ Inc.、アステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.及びアステラス (中国) 投資有限公司は、特定子会社に該当します。
5.アステラス ファーマ US, Inc.については売上収益 (連結会社相互間の内部売上収益を除く) の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中において将来について記載した事項は、提出日現在において判断したものです。
(1) 経営理念
当社の経営理念は、「存在意義」「使命」「信条」の3つのパートから構成されています。
アステラスの存在意義:先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する
・生命科学の未知なる可能性を、誰よりも深く究めたい。
・新しい挑戦を続け、最先端の医薬品を生み出したい。
・高い品質を確かな情報と共に届け、揺るぎない信頼を築きたい。
・世界の人々の健やかな生活に応えていくために。
・世界で輝き続ける私たちであるために。
アステラスの使命:企業価値の持続的向上
・アステラスは、企業価値の持続的向上を使命とします。
・アステラスは、企業価値向上のため、お客様、株主、社員、環境・社会など、すべてのステークホルダーから選ばれ、信頼されることを目指します。
アステラスの信条
アステラスの「信条」は、私たちが常に大事にする行動規範です。
アステラスは、これらの信条に共鳴し実践する人々の集団であり続けます。
高い倫理観: 常に、高い倫理観をもって、経営活動に取り組みます。
顧客志向: 常に、お客様のニーズを把握し、お客様の満足に向かって行動します。
創造性発揮: 常に、現状を是とせず、未来志向で自己革新に挑戦し、新しい価値を創造します。
競争の視点: 常に、視野広く外に目を向け、より優れた価値を、より早く生み出し続けます。
アステラスは、信条に則した行動を通じて、ステークホルダーの皆様への責任を適切に果たし続けるとともに、積極的な情報開示を行います。
(2) 対処すべき課題
製薬産業を取り巻く事業環境は時代とともに大きく変化しています。当社は、これらの変化に柔軟に対応しながら、中長期的な視点で経営課題を的確に捉え、必要な対策を講じることにより、企業価値を持続的に向上させ、革新的な医療ソリューションを患者さんに届け続けていきます。
①経営計画2026
当社は、経営計画2026 (対象期間:2026年度~2030年度) を新たに策定しました。経営計画2026の戦略目標及び成果指標は以下のとおりです。
1) 戦略目標
・高い収益成長によるキャッシュの創出
経営計画2026では、収益性の高い5つの重点戦略製品 (PADCEV、IZERVAY、VYLOY、VEOZAH、XOSPATA) を軸に売上収益を最大化し、5つの重点戦略製品の2030年度の売上を2025年度比で2倍に拡大することを目指します。成長ドライバーとしては、PADCEV及びVYLOYの追加適応症の可能性に加え、成長市場における重点戦略製品の新規上市を見込んでいます。重点戦略製品は、収益性の高い持続的な成長の源泉となるとともに、パイプライン主導による当社の成長を支える資本を創出します。
・パイプライン主導による成長の加速
成長加速に向けた研究開発投資により、2029年度からの成長をパイプラインで牽引します。2024年度末から2025年度に、Focus Areaアプローチから生み出された複数のプログラムが臨床PoC (Proof of Concept) を達成し、第Ⅲ相試験へ移行しています。研究開発への継続的な投資と生産性の向上を通じて、経営計画2026期間中に10件以上の第Ⅲ相試験/ピボタル試験を開始し、そのうち5件以上を2027年度までに開始することを目指します。後期パイプライン価値の向上を目的として、自社創薬に加えて、自社の強みを生かすことで付加価値を創出できる「価値付加型事業開発」も実行しています。2030年代半ばにパイプラインの売上ポテンシャル約1兆円の実現を目指します。
・規律あるキャッシュアロケーション
当社は、十分な成長投資の確保と持続的な株主価値の向上を目指します。2027年度までにコア営業利益率 (注) 30%を達成し、経営計画2026期間中、研究開発費控除前のコア営業利益として累計4.3兆円以上を創出することで、当社の戦略を支える強固な内部資金基盤を確保します。研究開発投資前のコア営業利益率を50%に維持しつつ、パイプラインの進展に応じて研究開発投資を柔軟に拡大できる体制へと変革します。また、収益性の確保・維持、成長への投資、株主還元の実現に向け、経営計画2026期間中に累計2,000億円のコスト最適化を目指します。株主還元については、年間2円以上の増配を継続的に実施します。
(注) 当社は、当社の収益力を示す指標としてコアベースの業績を開示しています。当該コアベースの業績は、フルベースの業績から当社が定めた特定の重要な調整項目を除外したものです。調整項目には、無形資産償却費、無形資産譲渡益、持分法による投資損益、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用等のほか、当社が除外すべきと判断する項目が含まれます。
・全社的な生産性向上
当社は、働き方・企業文化・ガバナンスを基盤とした組織力を強化します。患者さんを中心に据えた「患者軸」への組織変革を経て、バリューチェーン全体にわたる成果の創出を加速させてきました。また、機能横断型のAsset Maximization Teamsに権限を委譲するなど、業務モデルの在り方を進化させています。その強固な組織基盤のもと、当社の「組織における価値観と行動」を羅針盤とし、持続的な成長を実現するとともに、VISION「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの『価値』に変える」の実現を目指します。
2) 成果指標
・10件以上の第Ⅲ相/ピボタル試験 (注) を開始
‐2027年度までに5件以上の第Ⅲ相/ピボタル試験
(注) 第Ⅲ相/ピボタル試験の数は適応症ベース、重点戦略製品のライフサイクルマネジメントは含めない
・研究開発費控除前コア営業利益:累計4.3兆円以上
‐重点戦略製品の売上:2倍に拡大 (2025年度比)
‐経常的なコスト最適化目標:2,000億円
‐研究開発費控除前コア営業利益率:50%
・配当の継続的な引き上げ
‐毎年2円以上の増配
②経営計画2021の振り返り
売上収益については、2025年度のXTANDI及び重点戦略製品の売上は1兆4,411億円となり、成果目標「XTANDI及び重点戦略製品の売上は2025年度に1.2兆円以上」を達成しました。
パイプライン価値については、経営計画2021の発表当時に既に開発が進行していたプロジェクトの中止が主要因となり、成果目標「Focus Areaプロジェクトからの売上は2030年度に5,000億円以上」には及びませんでした。しかしながら、Focus Areaアプローチにより、3つのPrimary Focusの旗艦プログラムから計4つの臨床PoCを達成し、将来の成長に向けた重要なマイルストンを積み上げました。
コア営業利益率に関しては、成果目標「2025年度に30%以上」の達成には至りませんでしたが、“Sustainable Margin Transformation”を通じて継続的に財務基盤の改善を進めてきたことで、2025年度のコア営業利益率は26.0%に到達しました。
③株主還元方針
当社は、企業価値の持続的向上に努めるとともに、株主還元にも積極的に取り組んでいます。成長を実現するための事業投資を優先しながら、配当については、連結ベースでの中長期的な利益成長に基づき、安定的かつ持続的な向上に努めます。経営計画2026期間中は、毎年2円以上の増配を目指します。
また、自己株式の取得を必要に応じて機動的に実施し、資本効率の改善と1株当たり利益の向上を図ります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末において判断したものです。
(1) サステナビリティ
①サステナビリティに関する考え方
当社は社会のサステナビリティの向上に貢献していくことが、事業を継続していく上で極めて重要であると考えます。具体的には、アンメットメディカルニーズ (満たされない医療ニーズ) に応える革新的なヘルスケアソリューションを提供することや、事業活動において製薬会社としての社会的責任を果たすことにより、当社は社会のサステナビリティの向上に貢献しています。その結果、自社や自社の製品等に対する社会からの信頼が得られ、当社のサステナビリティを向上させると考えています。このように、本業を通じて社会と当社の双方の持続可能性を向上させる好循環を生み出していくことが当社にとってのサステナビリティの考え方です。このような好循環を生み出すことは、当社の存在意義である「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを通じた「企業価値の持続的向上」 (注) という私たちの使命を果たすことにつながります。
(注) 当社が推進する財務・非財務活動の取り組みは全て、当社の企業価値向上へとつながっています。それぞれの取り組みが互いに関連し、作用し合いながら企業価値を向上させていく流れを表現した「企業価値向上ロジックツリー (下記ウェブサイトの統合報告書P28) 」をご参照ください。
https://www.astellas.com/content/dam/astellas-com/jp/ja/documents/integrated-reports/integrated-report-2025-jp.pdf
②サステナビリティに関するガバナンス・リスク管理
当社のサステナビリティに関する重要事項は、コーポレートガバナンス体制に基づき、代表取締役社長CEOが議長を務めるエグゼクティブ・コミッティにて協議し、取締役会にて承認します。取締役会が承認する案件例として、サステナビリティの取り組みの指針となるマテリアリティ・マトリックスやサステナビリティ方針が該当します。また、サステナビリティの年度活動実績及び次年度活動計画は、業務執行の監督機能を果たす取締役会へ報告しています。長期的、戦略的かつ全社的な視点から各部門によるサステナビリティ向上のための活動を推進するため、推進体制として「サステナビリティ コミッティ」と 「環境・社会・ガバナンスワーキンググループ (E・S・Gワーキンググループ) 」 を設置しています。
サステナビリティ コミッティでは機会やリスクを含め、業務執行に関わる当社の重要なサステナビリティ事項に関しての協議を行います。サステナビリティ コミッティは、経営戦略担当 (CStO: Chief Strategy Officer) によって任命されたファンクショナルユニット (注) 長レベルのメンバーで構成される部門横断の組織であり、委員長及びメンバーは専門的かつ実行性を伴った議論を行っています。
E・S・Gワーキンググループは、案件ごとに部門横断のメンバーで構成され、外部の環境変化や各種原則・ガイドラインを参考にしながら、当社の環境・社会・ガバナンスの取り組むべき課題や機会の特定、関連部門と改善計画の立案と目標の設定、取り組みの進捗確認を実施します。サステナビリティ部門は、サステナビリティ コミッティを主管するファンクショナルユニットとしてE・S・Gワーキンググループの事務局業務を含めたグループ全体のサステナビリティ課題に対応し、活動全体を管理します。
また、コミュニケーション機能と協働しながら社内外へ当社のサステナビリティ活動を展開しています。経営に与える影響が高いリスクが特定された場合は、サステナビリティ コミッティから、グローバル・リスク&レジリエンス委員会事務局へ共有され、必要な検討がなされます。また、コンプライアンスに関連する事項は、グローバル・コンプライアンス委員会事務局へ共有され、必要な検討がなされます。
(注) 各トップマネジメントに直接レポートするビジネス遂行のための組織
サステナビリティ会議体制

(注1) 年に一度、取締役会に年度活動実績及び次年度活動計画を報告する。重要度の高い案件は、案件ごとに決裁権限規程に従って、エグゼクティブ・コミッティにおける協議を経て、取締役会で承認される。
(注2) 環境 (Environment) 、社会 (Social) 、ガバナンス (Governance)
(注3) サステナビリティ部門に所属するサステナビリティ・センターオブエクセレンス長はサステナビリティ長の管理下でESGの取り組みをグローバルに主導する責任を持つ。
<当事業年度 サステナビリティに関する取締役会の具体的な検討内容>
・サステナビリティ・ミーティング開催概要の確認
・マテリアリティ改定の協議と決定
・サステナビリティ活動計画・活動状況の確認
③サステナビリティに関する戦略・指標及び目標
当社はサステナビリティの向上の取り組みは、企業価値を持続的に向上させることにつながっていると考えており、経営計画2021の戦略目標4として「サステナビリティ向上の取り組みを強化」を設定していました。
社会及び事業を取り巻く環境が著しく変化するなか、社会と当社の双方にとって最も重要な課題を特定・優先順位付けしたマテリアリティ・マトリックスを策定しています。マテリアリティ・マトリックスでは、19の重要な課題を特定し、うち9つを最重要課題 (マテリアリティ) としました。マテリアリティ・マトリックスの各課題に取り組むことが企業価値にどのようにつながるかを検討し、サステナビリティ向上のための2つの柱としてまとめています。1つ目は「最先端の『価値』駆動型ライフサイエンス・イノベーターへの変革」で、2つ目は「社会の期待に応える強靭で持続可能な事業活動の強化」です。サステナビリティ向上のための中期計画として、2つの柱に関連する9つの最重要課題 (マテリアリティ) 及び社会からの要請が高い環境に関する重要課題について、「中期的に優先する項目」「具体的な取り組み」「2025年度までのコミットメント」を定め、サステナビリティ方針として取り組みを推進しています (注1) 。さらに「2025年度までのコミットメント」に対してはサステナビリティ方針業績評価指標 (SDPIs: Sustainability Direction Performance Indicators) (注2) を設定し、測定可能かつ適切な具体的アクションを開示することで、サステナビリティ向上に向けた取り組みを着実に推進しています。2026年度中に総括を開示予定です。
(注1) 環境の課題の詳細については、(3) 環境 (気候変動) をご参照ください。
(注2) SDPIsの詳細については下記をご参照ください。
https://www.astellas.com/jp/sustainability#performance-indicators
1. 最先端の「価値」駆動型ライフサイエンス・イノベーターへの変革
(注) 人的資本の考え方や取り組みの詳細については、 (2) 人的資本をご参照ください。
2. 社会の期待に応える強靭で持続可能な事業活動の強化
(2) 人的資本
①人的資本に関する考え方
当社では、採用・配置、評価・処遇、人材・組織開発の3つの領域を適切にバランスよく推進することによって、期待する人材像、目指す組織像を実現し、「Employer of Choice:現在そして未来の社員に選ばれる会社」を目指しています。当社において、人的資本への投資は、今日の実行力の強化に加えて、将来の組織をかたちづくる重要な投資として位置づけられており、短期的及び中長期的な視点をもって継続的に実施しています。
②人的資本に関する戦略・指標及び目標
当社では、経営計画2021の実現に向け、「組織健全性目標」を設定しました。これは、イノベーションの促進、人材の活躍、コラボレーションの浸透を通して意欲的な目標の実現を目指す企業文化を醸成し、当社の実行力を向上させることを目指すものです。人事部門では、設定した目標の実現に向けて、以下に示している、カルチャー、マインドセットの変革、グローバルな人材・組織を支える人事制度の構築、イノベーティブな組織への戦略的改革を最優先事項として取り組んできました。
また、これら主な3つの取り組みを基盤として支えているのが、データに基づく確実な進捗の確認です。確実な進捗確認の一つの施策として、グローバル・エンゲージメント・サーベイを実施しており、従業員のエンゲージメント向上への取り組みに注力し、各設問項目の進捗を可視化して、強みと改善点の分析結果に応じて具体的な対策を講じています。
A. カルチャー、マインドセットの変革
当社は、従業員に賢いリスクテイクと学びによる成長を促すため、心理的安全性の確保とフィードバック文化の促進に注力しています。イノベーションを生み出し続ける組織を作るには、誰もが結果を恐れずに大胆なアイデアを共有し、現状に疑問を持って声を上げ、互いにフィードバックを伝え合うことのできる環境と、他者からのフィードバックを自らの成長につなげていくマインドセットが重要だと考えています。
A-1. カルチャー、マインドセットの変革に関する目標
当社は果敢なチャレンジで大きな成果を追求します。適切なリスクを取ることができるよう従業員に権限が与えられるとともに、成果を追求し、イノベーションに注力できる環境の構築を目指します。
A-2. カルチャー、マインドセットの変革に関する状況
One Astellasを実現するため、これまで共通の行動規範として導入してきたAstellas Wayを「組織における価値観と行動」に置き換え、2025年4月から統一しました。新しい「組織における価値観と行動」では、当社の従業員が大切にする価値観として「誠実さ」「イノベーション」「変革への挑戦」の3つを掲げ、従業員がすべき行動として「勇気」「迅速な対応」「One Astellas」「成果に拘る」「責任感」の5つを設定しています。
また、トップマネジメントとの双方向のコミュニケーションを促進するため、対話型のセッションである“Ask Me Anything”を継続して実施しています。
日本においては、人的資本への投資の一環として健康経営にも力をいれています。従業員一人ひとりが高い生産性や創造性を発揮し、自己実現が可能な働き方を実現するための前提として、従業員の健康と健全な組織風土の醸成があります。健全な組織風土は、心理的安全性が高く、従業員が互いに尊重し合い、安心して活発なコミュニケーションができる環境を必要とします。当社では、多様な働き方と従業員の健康増進を支援し、組織の健全化を推進しています。当社の健康経営推進体制は、代表取締役社長を最高責任者とし、人事担当 (CPO: Chief People Officer) の下で、人事部門と健康保険組合、労働組合が主体となって企画・運営しています。
健康経営の取り組みの推進の結果、経済産業省の健康経営優良法人 (大規模法人部門) の上位500社 (ホワイト500) に2年連続で認定されました。健康経営推進の取り組みによる成果は下記ウェブサイトに掲載しています。
https://www.astellas.com/jp/sustainability/astellas-and-society/our-people
B. グローバルな人材・組織を支える人事制度の構築及び多様性の確保
当連結会計年度の地域別売上収益比率では、日本が約15%、海外が約85%となっており、当社のビジネスはグローバルに広がっています。それに伴い、従業員構成もグローバル化が進んでいます。ビジネス及び人材の変化に伴い、グローバルに通用する人事戦略・施策の構築が必須のため、グローバル規模で当社のビジネスを支える人事制度・システムの構築に取り組んでいます。
また、人種・国籍・性別・年齢を問わず多様な人材が自分らしさを大切にしながら活躍できるよう、ダイバーシティの推進に取り組んでいます。多様な価値観・考え方・バックグラウンド等を尊重し活かし合うことは、組織の創造性を高めるだけでなく優秀な人材の確保や競争力の向上にもつながると考えています。多様性確保に向けた人材育成と社内環境整備及び報酬制度について、下記の方針に従って推進しています。
・人材育成方針:属性によらず、自己責任を基本とする各人の意思・能力・適性に応じたキャリア形成機会を提供し、マネジャーはそのキャリア形成を支援します。高い成果を発揮し続ける能力・意欲のある人材に対して魅力ある成長機会を積極的に提供することで、多様な人材の活躍につながっています。また、次世代リーダー育成に注力しており、グローバルに選抜された参加者に対して約半年間のNext Generation Leadershipプログラムを提供しています。当社の実際のビジネス課題への解決策をグループで検討し、経営陣への最終発表で承認された提案を実行に移すという実践的な内容で、企画運営を全て自社で行う独自のプログラムとなっています。多様なバックグラウンドと専門性を持つ人材が結集することで、個々の知見の拡大やネットワークの形成に寄与しています。
・社内環境整備方針:多様な人材が活躍できるよう、グローバルで統制・整合性の取れた評価プロセスを設定し、個々人の属性に関係なく役割と成果に基づく公正な評価を徹底しています。さらに、グローバル共通のジョブポスティングシステムの提供や、異なる国や地域での業務を行うグローバルアサインメント等を行っています。国や地域によらないグローバルなメンバーでのチームやグループの形成が進むことで、各組織における多様化にもつながっています。また、組織における多様性を実現するだけでなく、従業員一人ひとりが活躍するために、一人ひとりの強みや違いを理解し、受け入れ、尊重し、活かし合うインクルーシブな組織づくりも心掛けています。日本においては副業制度を活用し、社内外の人材・知識・経験のネットワークの構築を推進しています。また、2024年度から日本において、居住地選択のフレキシビリティを高める「My Workplace制度」を導入し、社員の多様な働き方を推進することで、社員のエンパワーメントを高めるとともに、パフォーマンスの向上・優秀な人材の獲得を試みています。
・報酬制度:社内の公平性及び市場競争力の確保を重視し、市場のベストプラクティスを反映した、グローバルで整合性のある報酬制度の運用と継続的な高度化を進めています。高い市場競争力を維持・向上させるため、外部専門機関による報酬調査データを活用するとともに、最新の市場動向や外部環境の変化を踏まえながら、報酬水準の妥当性を継続的に検証し、適宜見直しを行っています。また、報酬制度は、個人の成果及び会社業績に連動する仕組みとしており、組織における3つの価値観 (誠実さ、イノベーション、変革への挑戦) に基づいた高いパフォーマンスの発揮を促進しています。
B-1. グローバルな人材・組織を支える人事制度の構築に関する目標
当社は、本人事制度の構築を通じて、従業員一人ひとりがイノベーティブな活動に取り組み、意欲的な目標にチャレンジし、適切なリーダーシップの下、周囲とコラボレーションできる環境を目指しています。部門単位では、個別部門に閉じない部門横断型の目標を設定し、個人単位では意欲的な目標設定とフィードバックシステムの展開を推進し、One Astellasでパフォーマンスの向上を目指しています。
また、多様性を確保するために、下記3つの目標があります。
a. 女性のマネジャー職への登用
グローバルレポートラインの体制で設計されたポジションに対し、実力主義の下、ジェンダーにかかわらず適所適材の考え方に基づき登用を行っています。日本では、女性の活躍推進を優先度の高い課題と位置づけ、取り組んでいます。詳細な取り組みについては、下記ウェブサイトに掲載しています。
https://www.astellas.com/jp/sustainability/astellas-and-society/our-people
b. 外国人、中途採用者のマネジャー職への登用
グローバルレポートラインの体制で設計されたポジションに対し、実力主義の下、適切に登用を行っています。このことにより、当社ではグローバルで数多くの外国籍従業員、中途採用者がマネジャー職へ登用されており、今後も継続して取り組んでいきます。
c. サクセッションプランニングと運用
当社では、経営計画を実行するために必要なリーダーの要素として、「組織における価値観と行動」とともに、「変革的リーダーシップ」、「結果志向」、「グローバル・マインドセット」を重要視し、それを踏まえてサクセッションプランニングを行っています。当社のサクセッションプランニングの特徴として、1.完全なグローバル統合プラン、2.社内外問わず最適な人材を後継者候補に、3.完全な自由競争による人材配置、4.毎年の見直しにより常に最適な人材による適所適材を実現、があげられます。当社ではファンクショナルユニット長クラス以上のポジションについて後継者プランの作成をグローバルで行っています。適所適材の考え方の下、グローバルに展開した後継者プランに基づき、各ポジションに対し国籍や性別を問わない多様性に富んだ後継者の選定、育成を目指しています。
B-2. グローバルな人材・組織を支える人事制度の構築に関する状況
グローバルな人材・組織を支える人事制度の構築に向けた取り組みの一つとして、グローバルでタレントマネジメントのプロセス統合を行っています。2022年度に目標管理と評価制度、報酬・レコグニション制度を改訂し、これまで部門業績を賞与支給金額の算定要素にしていたところを、全社業績に変更し、2023年度から運用を開始しています。社員同士のレコグニション制度として、Shining Star制度を導入し社員同士がお互いに称賛し合える風土を醸成しています。そして、これらの柱を支え、グローバルでの適所適材を実現する基盤として、グローバルで人事システムの統合を進めています。
また、多様性確保に関しては、下記のとおりに取り組んでいます。
a. 女性のマネジャー職への登用
日本を含む各地域の女性従業員比率、女性のマネジャー職比率については、下記ウェブサイトに掲載しています。
https://www.astellas.com/jp/sustainability/esg/esg-data-social
b. 外国人、中途採用者のマネジャー職への登用
当社では、国籍にとらわれずさまざまな従業員が中核人材として活躍しています。2026年4月1日現在、ファンクショナルユニット長クラス以上の68%、マネジャー職以上の72%が日本人以外の従業員です。また、積極的に多くの中途採用者を、中核人材へ登用しています。
c. サクセッションプランニングの実績
2025年10月時点では、ファンクショナルユニット長クラス以上のポジションが47ポジションあり、後継者候補として200人を選定しています。その内、外国籍従業員が59%を占めています。
d. 日本国内の各制度の利用実績
各種制度及びその利用実績については、下記ウェブサイトに掲載しています。
https://www.astellas.com/jp/sustainability/esg/esg-data-social
C. イノベーティブな組織への戦略的改革
当社では、イノベーティブな組織への戦略的改革のため、組織のフラット化に取り組んでいます。社長からの階層を減らし、マネジャー1人が管理する部下の数を増やすことで、意思決定の迅速化と現場への権限委譲をねらいとしています。また、肩書にとらわれず、より効果的に協力・協働する組織に向けて、2024年4月から、階層ではなく役割を表すPosition Titleを用いています。
C-1. 組織のフラット化のための指標及び目標
組織のフラット化による意思決定の迅速化を促すため、社長からの階層数を6以下とすることを目指し、スパン・オブ・コントロール (SPOC:Span of Control) (注) については、6人以上を目指しています。

(注) スパン・オブ・コントロール (SPOC:Span of Control):マネジャー1人が管理する部下の人数
C-2. 組織のフラット化の状況
2026年4月時点では、6階層以下の組織の割合が71%、スパン・オブ・コントロールの全組織の平均値が、6.1人となっています。2025年4月付の組織変更に伴い、部門レベルでの組織の統合が発生し、社長から6階層以下の組織の割合が低下しています。引き続きビジネスのニーズに沿って調整を行っていきます。
(3) 環境 (気候変動)
①環境 (気候変動) に関する考え方
当社は持続的な成長を続けていくためには、エネルギーや気候変動、環境汚染、廃棄物処理など地域環境に影響を与える課題を企業活動の重要な要素と認識することが必要だと考えています。
また、世界的な環境問題である気候変動及びそれによってもたらされる結果は、患者さんに貢献していくための当社の事業の継続性に対して脅威となり得ると考えています。具体的には、気候システムの変化によって生じる極端な天候、降雨変化、伝染病の拡大、エネルギーポートフォリオの変化等があげられます。このような影響を低減するために、事業活動由来の温室効果ガスが気候システムに対して危険な人為的影響を及ぼさないよう、温室効果ガスの排出を削減することを目標としています。当社は、気候変動を低減し、また、気候変動に適応していくために、長期的で幅広い視野をもって環境に対する企業の責任を果たしていきます。
②環境 (気候変動) に関するガバナンス・リスク管理
当社は、2020年12月に気候関連財務情報開示タスクフォース (Task Force on Climate-related Financial Disclosures:TCFD) の提言に対し賛同を表明し、気候変動に対する情報は、TCFDの提言に沿って開示しています。
気候変動等の環境への取り組みは、当社が取り組むサステナビリティの重要な課題として位置づけられています。気候変動を含めたさまざまな環境課題への対応や実行計画の策定は、サステナビリティ コミッティで議論されます。気候変動に関する取り組み及び高い透明性をもった情報開示は戦略目標の一つとして取締役会の定期的な議題とされ、また気候変動のリスクと機会の評価を含むTCFD提言に沿った開示はサステナビリティ活動の一つとして取締役会に報告されています。
環境に関するリスク管理はサステナビリティ部門によりモニタリングされ、経営戦略担当に定期的に報告されます。特定されたリスクへの対応等は、課題の重要度に応じてエグゼクティブ・コミッティや取締役会にて決定されます。
③環境 (気候変動) に対する戦略・指標及び目標
経営計画2021の戦略目標4「サステナビリティ向上の取り組みを強化」において、「環境 (気候変動対策) 」を重点テーマの一つとして設定していました。また、マテリアリティ・マトリックスでは、「気候変動とエネルギー」を「非常に重要」な課題として位置づけています。
気候変動によって発生する事業のリスク及び機会は、2つのシナリオをもとに分析しています。気候変動に関する1.5℃シナリオでは移行リスクが顕在化すると仮定し、また4℃シナリオでは物理的リスクが顕在化すると仮定して、分析しています。
当社の事業と気候変動によって発生する事業のリスク及び機会の分析の詳細については、下記ウェブサイトにて掲載しています。
https://www.astellas.com/jp/sustainability/the-environment
また、サステナビリティ方針として策定した環境に関する課題の中期的に優先する項目、具体的な取り組み、2025年度までのコミットメントは下記のとおりです。
④温室効果ガス (GHG) 排出量
気候変動に関する環境行動計画は自社の事業活動による排出 (スコープ1、2) に加え、サプライチェーン全体での排出 (スコープ3) も対象にしています。スコープ3の重要な排出源からのGHG排出についてもSBT (Science Based Target) を設定し、生産委託先をはじめ取引先にもGHG排出削減に向けた取り組みに賛同・協力いただく働きかけを行っています。
当社の2024年度のバリューチェーン全体での温室効果ガス排出量
2025年度の実績は、下記ウェブサイトにて2026年8月頃公開を予定しています。
https://www.astellas.com/jp/sustainability/esg/esg-data-environment
■ 第三者保証について
当社の2024年度環境データの実績については信頼性向上を目的として、EY新日本有限責任監査法人に第三者検証を依頼し、独立した第三者報告書を取得しています。
2024年4月1日から2025年3月31日までを対象とした環境パフォーマンス指標に対して限定的保証業務が実施されました。当社の集計データ及び算定方法について、国際保証業務基準 (ISAE) 3000及びISAE3410に準拠した検証となります。
第三者報告書の詳細については下記ウェブサイトをご参照ください。
https://www.astellas.com/jp/sustainability/esg/esg-data-environment
3 【事業等のリスク】
(1) リスク・ガバナンス
当社では、グローバル・リスク&レジリエンス委員会 (GRRC) 及び部門別リスク&レジリエンス委員会を設置し、重要なリスク及びその低減活動の監視を行っています。これらの委員会には監査部門がオブザーバー出席することで、監査計画立案時に、それらのリスクを適宜反映することを可能にしています。GRRCは、トップマネジメントの一部及びリスク関連部門の代表者により構成されています。GRRCにおいて検討されたリスクは、最終的に取締役会へ報告されます。
当社のリスク・ガバナンス体制図は以下のとおりです。

(2) エンタープライズ・リスク管理プロセス
エンタープライズ・リスク管理 (ERM) においては、経営企画部門に設置されているリスク管理チームが社内ステークホルダーと連携の下、年次プロセスを進めています。リスク評価はトップダウン及びボトムアップの両面から実施しています。既存のリスク低減活動を加味した上でリスクの影響度及び発生可能性を評価することで、リスク対応における優先順位付けを行っています。リスク・オーナーは、必要に応じリスク・エクスポージャーを更に低減し、レジリエンスを強化するための行動計画を策定します。
グローバル・リスク (全社レベルの注視が必要なリスク) は、GRRCにおいて議論し、承認されます。また、GRRCは、エマージング・リスク (当社が把握しているものの、その全容及び影響がまだ明らかではないトレンドから生じる不確実性) のモニタリングも行っています。GRRCでの議論後、特定のエマージング・リスクがグローバル・リスク又は部門リスクとしてリスクレジスターに追加される場合もあります。
エンタープライズ・リスク管理プロセスについてはさらなる高度化・効率化のため随時見直しを行っております。2025年度には、内部監査部門によりエンタープライズ・リスク管理プロセスに対する監査を実施しました。
グローバル・リスクの概要は下表のとおりです。なお、文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末において判断したものです。また、ここに記載されたものが当社の全てのリスクではありません。これらのリスクに加え、研究開発の不確実性、知的財産権を侵害される又は侵害するリスク、製品に副作用や安全性の問題が生じるリスク、当社グループのビジネスが他社の開発した医薬品のライセンス及び販売に一部依存するリスク等、製薬産業に特有のリスクのほか、競合品との競争、環境・安全衛生に関する関係法令違反、事業を行う過程において訴訟を提起されるリスク、災害等による製造の遅滞や休止、為替レートの変動等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるさまざまなリスクが存在しています。
グローバル・リスクの概要
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー (以下「経営成績等」) の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
[財政状態]
当連結会計年度末の連結財政状態計算書の概要及び前連結会計年度末からの主な変動は以下のとおりです。
総資産は3兆5,670億円 (前連結会計年度末比2,275億円増) となりました。
非流動資産は、2兆1,451億円 (同69億円増) となりました。有形固定資産は、3,584億円 (同295億円増) となりました。のれんは4,412億円 (同260億円増) 、無形資産は9,969億円 (同1,268億円減) となりました。
流動資産は、1兆4,219億円 (同2,206億円増) となりました。現金及び現金同等物は2,816億円 (同932億円増) となりました。
資本合計は、1兆8,309億円 (同3,176億円増) となり、親会社所有者帰属持分比率は51.3%となりました。当期利益2,916億円を計上した一方で、剰余金の配当1,361億円を実施しました。
負債合計は、1兆7,362億円 (同901億円減) となりました。
非流動負債は5,178億円 (同2,469億円減) 、流動負債は1兆2,184億円 (同1,568億円増) となりました。
社債及び借入金の増減は以下のとおりです。
[経営成績]
<連結業績 (コアベース) >
当連結会計年度の連結業績 (コアベース) は下表のとおりです。売上収益、コア営業利益及びコア当期利益はいずれも増加しました。
(注) 当社は、当社の収益力を示す指標としてコアベースの業績を開示しています。当該コアベースの業績は、フルベースの業績から当社が定めた特定の重要な調整項目を除外したものです。調整項目には、無形資産償却費、無形資産譲渡益、持分法による投資損益、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用等のほか、当社が除外すべきと判断する項目が含まれます。
売上収益
・重点戦略製品の尿路上皮がん治療剤PADCEV、地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAY、胃腺がん及び食道胃接合部腺がん治療剤VYLOY、及び閉経に伴う血管運動神経症状治療剤VEOZAHの売上が伸長したことに加え、前立腺がん治療剤XTANDIの売上が拡大したことも、増収要因となりました。
以上の結果、売上収益は2兆1,392億円 (前連結会計年度比11.9%増) となりました。
コア営業利益/コア当期利益
・売上総利益は、1兆7,308億円 (同10.7%増) となりました。
・販売費及び一般管理費は、8,603億円 (同2.0%増) となりました。SMT (注1) によるコスト最適化 (約110億円) を行った一方で、重点戦略製品 (注2) の更なる成長のための投資 (同約100億円増) や為替の影響 (同36億円増) などにより、総額として増加しました。なお、XTANDIの米国での共同販促費用を除いた販売費及び一般管理費は、6,121億円 (同3.7%増) となりました。
・研究開発費は、3,148億円 (同3.9%減) となりました。SMTによるコスト最適化 (約100億円) をはじめ、重点戦略製品の臨床開発費の減少 (同約50億円減) や為替の影響 (同5億円減) などにより、総額として減少しました。
以上の結果、コア営業利益は5,557億円 (同41.6%増) 、コア当期利益は4,244億円 (同43.5%増) となりました。
(注) 1.SMT:Sustainable Margin Transformation
2.重点戦略製品:PADCEV、IZERVAY、VYLOY、VEOZAH、XOSPATA
<連結業績 (フルベース) >
当連結会計年度の連結業績 (フルベース) は下表のとおりです。営業利益及び当期利益はいずれも増加しました。
フルベースの業績は、コアベースの業績に「無形資産償却費」、「無形資産譲渡益」、「持分法による投資損益」、「その他の収益」、「その他の費用」を戻し入れたものです。
当連結会計年度における「無形資産償却費」は1,360億円 (前連結会計年度:1,368億円)、「その他の収益」は328億円 (同:203億円) 、「その他の費用」は724億円 (同:2,358億円) となりました。
「その他の収益」として、第3四半期において膵腺がんを対象疾患としたプログラムの開発中止に伴うVYLOYの条件付対価の公正価値の変動 (128億円) 及び第4四半期において米国における過活動膀胱治療剤ミラベグロンの訴訟解決金 (92億円) を計上しました。また、「その他の費用」として、第1四半期において当社の子会社であるXyphos Biosciences, Inc.関連の一部プログラムに関する無形資産の減損損失 (120億円) 及び第4四半期において遺伝子治療薬resamirigene bilparvovec (AT132) の戦略的中断に伴う資産価値の見直しによる無形資産の減損損失 (164億円) を計上しました。
<主要製品の売上>
(注) VEOZAH:米国外ではVEOZAの製品名で承認取得
<PADCEV>
・1L mUC (転移性尿路上皮がん患者を対象とした一次治療) の浸透に加え、米国でのシスプラチン不適応のMIBC (筋層浸潤性膀胱がん) における立ち上がりが順調に進んだことから、グローバル売上は大きく増加しました。
<IZERVAY>
・発売している米国において、着実に売上が拡大しました。
<VYLOY>
・Claudin 18検査が大きく浸透したことを背景に、発売しているすべての地域で売上が拡大し、グローバル売上は大きく増加しました。
<VEOZAH>
・米国を中心に、グローバル売上は着実に拡大しました。
<XOSPATA>
・地域ごとの増減はあったものの、グローバル全体の売上は堅調に推移しました。
<XTANDI>
・欧州を中心に米国以外の地域で売上が堅調に拡大し、グローバル売上は増加しました。
<地域別売上収益の状況>
地域別の売上収益は下表のとおりです。全ての地域において、売上が増加しました。
(注) エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ 等
チャイナ:中国、香港
インターナショナルマーケット:中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、ロシア、韓国、台湾、
オーストラリア、輸出売上 等
[セグメント情報]
当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、記載を省略しています。
② キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、5,602億円 (前連結会計年度比3,657億円増) となりました。
・法人所得税の支払額は986億円 (同131億円増) となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、△667億円 (同227億円支出減) となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、△4,048億円 (同1,434億円支出増) となりました。
・社債及び借入金によるキャッシュ・フローは、2,674億円の支出 (同1,789億円増) となりました。
・配当金の支払額は1,361億円 (同71億円増) となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,816億円 (前連結会計年度末比932億円増) となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産及び仕入実績
当連結会計年度における生産及び仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) 金額は、販売価格に基づいています。
2) 受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) 主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、以下のとおりです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。また、文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
[キャッシュ・フロー]
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
[財務政策]
当社グループは、企業価値の持続的向上に努めるとともに、株主還元にも積極的に取り組んでいます。
成長を実現するための事業投資を優先しながら、配当については、連結ベースでの中長期的な利益成長に基づき、安定的かつ持続的な向上に努めます。また、自己株式の取得を必要に応じて機動的に実施し、資本効率の改善と1株当たり利益の向上を図ります。資金の流動性については、コマーシャル・ペーパー及び借入金による資金調達を行い、また流動性リスクに備えるため取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、当面の運転資金及び設備資金に加え、一定の戦略的投資機会にも備えられる現預金水準を確保しています。
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの事業等は医薬品事業に特有のさまざまなリスクを伴っています。事業展開にあたっては、必要資金を円滑にかつ低利で調達できるよう財務基盤の健全性の維持に努めます。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは、IFRS会計基準に準拠して連結財務諸表を作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」に記載のとおりです。
5 【重要な契約等】
(1) 技術導入契約
(2) 取引契約
(3) その他
・ミラベトリック特許侵害訴訟に関する和解契約
当連結会計年度において、当社は、過活動膀胱治療剤ミラベトリックの特許に関する米国特許侵害訴訟について、Lupin Limited (インド) 及びLupin Pharmaceuticals, Inc. (米国) 並びにZydus Lifesciences Limited (インド) 及びZydus Pharmaceuticals (USA) Inc. (米国) それぞれとの間で、和解契約を締結しました。この契約に基づき、当社は、両社が米国内で販売する対象製品1単位当たりのライセンス料を受領します。
6 【研究開発活動】
当社は、2021年5月に発表した経営計画2021において、「患者さんのより良いアウトカムの実現」「科学の進歩を確かな『価値』(注) へ」「Rx+ビジネスの進展」「サステナビリティ向上の取り組みを強化」の4つを戦略目標として掲げ、「価値」の創造と提供の実現に取り組みました。
(注) 患者さんにとって真に重要なアウトカム (治療等による臨床上の成果) を、それを提供するためにヘルスケアシステムが負担するコストで除したもの
当連結会計年度における研究開発活動をはじめとする持続的な成長に向けた主な取り組みは以下のとおりです。
(1) 戦略目標1:患者さんのより良いアウトカムの実現
中長期にわたり成長を支える重点戦略製品 (注) に優先的に経営資源を振り向けました。尿路上皮がん治療剤PADCEVや地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAY、胃腺がん及び食道胃接合部腺がん治療剤VYLOY等、当社の成長をけん引する製品の育成と製品価値の最大化を図りました。
また、開発後期段階においては、下記等の進展がありました。
・尿路上皮がん治療剤PADCEVとMerck社 (米国) のPD-1阻害剤Keytruda (一般名:ペムブロリズマブ) との併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法の追加適応としての、米国での承認取得並びに欧州及び日本における承認申請
・地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAYについて、「萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制」を効能・効果とした日本における発売
(注) PADCEV、IZERVAY、VYLOY、VEOZAH、XOSPATA (2026年3月31日現在)
当連結会計年度における主要製品の売上及び主な進捗状況は以下のとおりです。
・尿路上皮がん治療剤PADCEV (一般名:エンホルツマブ ベドチン)
当連結会計年度売上:2,212億円 (前連結会計年度比34.8%増)
全ての地域で売上が着実に拡大し、グローバル売上は大きく増加しました。転移性尿路上皮がん患者を対象とした一次治療の着実な浸透や、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者における術前術後の補助療法の承認取得等が売上伸長に貢献しました。追加適応症の承認取得、承認申請及び開発の進捗状況は以下のとおりです。
2025年7月 筋層非浸潤性膀胱がんを対象として第Ⅰ相段階にあった開発と、その他の種類の固形がんを対象として第Ⅱ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
2025年11月 米国において、本剤とKeytruda又はKeytruda QLEX (ペムブロリズマブ+ベラヒアルロニダーゼ アルファ-pmph) の併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者における術前術後の補助療法として、米国食品医薬品局から適応追加に関する承認を取得しました。
2025年11月 欧州において、本剤とKEYTRUDAの併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法として、欧州医薬品庁が適応追加に関する申請を受理した旨の通知を受領しました。
2026年1月 日本において、本剤とキイトルーダの併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に不適応の筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法として適応追加に関する製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。
2026年3月 欧州において、本剤とKEYTRUDAの併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に適応のある筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法として、欧州医薬品庁が適応追加に関する申請を受理した旨の通知を受領しました。
2026年4月 米国において、本剤とKeytruda又はKeytruda QLEXの併用療法について、シスプラチンを用いた化学療法に適応のある筋層浸潤性膀胱がん患者を対象とした術前術後の補助療法として、米国食品医薬品局により生物学的製剤一部変更承認申請が受理され、優先審査の指定を受けました。
2026年4月 筋層浸潤性膀胱がんの膀胱温存療法を対象として、第Ⅱ相段階に移行したことを公表しました。
・地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAY (一般名:アバシンカプタド ペゴルナトリウム)
当連結会計年度売上:776億円 (前連結会計年度比33.2%増)
売上は着実に拡大しました。追加適応症の開発の進捗及び発売状況は以下のとおりです。
2025年10月 Stargardt病を対象として第Ⅱ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
2025年11月 日本において、「萎縮型加齢黄斑変性における地図状萎縮の進行抑制」を効能・効果として発売しました。
・胃腺がん及び食道胃接合部腺がん治療剤VYLOY (一般名:ゾルベツキシマブ)
当連結会計年度売上:631億円 (前連結会計年度比415.6%増)
2026年4月現在、日本、欧州及び米国を含む30か国以上で発売されており、グローバル売上は大きく拡大しました。Claudin 18検査率の向上と治療中止率の低さなどが売上伸長に貢献しました。追加適応症の開発の進捗状況は以下のとおりです。
2026年2月 膵腺がんを対象とした第Ⅱ相GLEAM試験の結果を受けて、本試験に基づく開発を中止したことを公表しました。
・閉経に伴う中等度から重度の血管運動神経症状治療剤VEOZAH (一般名:フェゾリネタント)
当連結会計年度売上:466億円 (前連結会計年度比37.7%増)
米国を中心に、グローバル売上は着実に拡大しました。開発の進捗状況は以下のとおりです。
2026年2月 日本において、閉経に伴う血管運動神経症状を有する女性患者を対象とした第Ⅲ相STARLIGHT 2試験について、主要評価項目を達成したことを公表しました。
2026年4月 中国において、閉経に伴う血管運動神経症状を有する女性患者を対象とした第Ⅱ相試験について、主要評価項目を達成したことを公表しました。
・急性骨髄性白血病治療剤XOSPATA (一般名:ギルテリチニブフマル酸塩)
当連結会計年度売上:718億円 (前連結会計年度比5.7%増)
地域ごとの増減はあったものの、グローバル全体の売上は順調に推移しました。追加適応症の開発の進捗状況は以下のとおりです。
2025年10月 ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がんを対象として第Ⅰ相段階に移行したことを公表しました。
2026年3月 強力な化学療法に適応のある未治療FLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病患者を対象とした第Ⅲ相PASHA試験について、主要評価項目を達成しなかったことを公表しました。
・前立腺がん治療剤XTANDI (一般名:エンザルタミド)
当連結会計年度売上:9,608億円 (前連結会計年度比5.3%増)
グローバル売上は増加しました。
その他の主要製品の売上は以下のとおりです。
・過活動膀胱治療剤ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ (一般名:ミラベグロン)
当連結会計年度売上:1,897億円 (前連結会計年度比11.6%増)
グローバル売上は増加しました。
・免疫抑制剤プログラフ (一般名:タクロリムス水和物)
当連結会計年度売上:2,077億円 (前連結会計年度比3.3%増)
グローバル売上は前連結会計年度と比べ同水準でした。
上記以外に、医療用医薬品事業に関する以下の取り組みを行いました。
2026年3月 明治安田生命保険相互会社との間で、最先端の医療が必要な人に届く持続可能な社会の実現を目指した協業に関する基本合意書を締結しました。
2026年3月 高岡工場における医薬品の生産活動を終了しました。
(2) 戦略目標2:科学の進歩を確かな「価値」へ
当社は、Focus Areaアプローチという当社固有の研究開発戦略の下、多面的な視点で創薬ターゲットを絞り込む新しいアプローチで革新的な製品の創出に取り組んでいます。2026年3月現在、特定のバイオロジー (注1)、モダリティ (注2)、疾患の組み合わせであるFocus Areaアプローチから生まれたものの中でPrimary Focus (注3) として「がん免疫」「標的タンパク質分解誘導」「遺伝子治療」「再生と視力の維持・回復」の4つを認定しています。
(注) 1.疾患の原因のより深い理解
2.汎用性のある治療手段・基盤技術
3.Focus Areaの中における特定の組合せで、科学的妥当性、研究開発や商業化の実現可能性、プロジェクトの充実度や進捗度の観点から選択され、優先的な投資対象となるもの
当連結会計年度における各Primary Focusの主な進展は以下のとおりです。
・Primary Focus がん免疫
2025年7月 レプチン-IL-2遺伝子を搭載した腫瘍溶解性ウイルスASP1012について、がんを対象として第Ⅰ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
2026年2月 抗Claudin 18.2/CD3二重特異性抗体ASP2138について、胃腺がん及び食道胃接合部腺がんにおいて臨床PoC (注) 達成を公表しました。
2026年2月 Vir Biotechnology社 (米国) との間で、二重マスキング前立腺特異的膜抗原を標的とした二重マスキングCD3 T細胞エンゲージャーVIR-5500の開発・商業化に関するグローバルの戦略的提携契約を締結しました。
2026年4月 二重マスキング前立腺特異的膜抗原を標的とした二重マスキングCD3 T細胞エンゲージャーVIR-5500について、前立腺がんを対象として第Ⅰ相段階にプログラムを追加したことを公表しました。
2026年4月 TROP2を標的とするデュアルペイロード免疫刺激性抗体-薬物複合体ASP2998について、がんを対象として第Ⅰ相段階に移行したことを公表しました。
2026年4月 DGKζ阻害薬ASP1570について、がんを対象として第Ⅰ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
(注) コンセプト検証
・Primary Focus 標的タンパク質分解誘導
2025年4月 KRAS G12D分解誘導薬ASP3082 (一般名:setidegrasib) について、膵腺がんにおいて臨床PoC達成を公表しました。
2025年7月 KRAS G12D分解誘導薬ASP3082について、非小細胞肺がんにおいて臨床PoC達成を公表しました。
2025年10月 Pan-KRAS分解誘導薬ASP5834について、がんを対象として第Ⅰ相段階に移行したことを公表しました。
2026年1月 Pan-KRAS分解誘導薬ASP5834について、非小細胞肺がんにおいて米国食品医薬品局からファストトラック指定を取得しました。
2026年2月 KRAS G12D分解誘導薬ASP4396について、がんを対象として第Ⅰ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
2026年4月 KRAS G12D分解誘導薬ASP3082について、膵腺がんを対象として第Ⅲ相段階に移行したことを公表しました。
・Primary Focus 遺伝子治療
2025年4月 遺伝子治療薬AT845について、ポンペ病を対象として第Ⅱ相段階に移行したことを公表しました。
2026年4月 MTM1遺伝子補充によるミオチュブラリン発現亢進薬ASP2957について、X連鎖性ミオチュブラーミオパチーを対象として第Ⅰ相段階に移行したことを公表しました。
2026年4月 MTM1遺伝子補充によるミオチュブラリン発現亢進薬AT132について、X連鎖性ミオチュブラーミオパチーを対象として第Ⅱ相段階にあった開発を戦略的に中断したことを公表しました。
・Primary Focus 再生と視力の維持・回復
2026年3月 細胞医療ASP7317について、重度の視力低下を有する、地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性において、臨床PoC達成を公表しました。
当連結会計年度におけるPrimary Focus以外の研究開発活動の主な進展は以下のとおりです。
2025年4月 公益財団法人がん研究会との間で、トランスレーショナルリサーチ (橋渡し研究) 及びがんの臨床研究の加速を目指す戦略的提携に関する契約を締結しました。
2025年5月 Evopoint Biosciences社 (中国) との間で、CLDN18.2を標的とした新規の抗体-薬物複合体XNW27011の独占的なライセンス契約を締結しました。
2025年6月 株式会社三菱総合研究所との間で、同社が厚生労働省より委託を受けて実施する「医療系ベンチャー・トータルサポート事業」における創薬スタートアップ支援業務での提携に関する基本合意書を締結しました。
2025年7月 韓国の行政機関である中小ベンチャー企業部の傘下機関である創業振興院 (韓国) との間で、韓国の創薬スタートアップの発掘、事業拡大及びグローバル展開支援を目的とした「グローバル企業パートナーシッププログラム」の運営に関する基本合意書を締結しました。
2025年7月 Claudin 18.2を標的とする抗体-薬物複合体ASP546Cについて、がんを対象として第Ⅰ相段階にプログラムを追加したことを公表しました。
2025年10月 CYP17リアーゼ阻害剤アビラテロンデカン酸エステル/ASP5541について、前立腺がんを対象として第Ⅱ相に移行したことを公表しました。
2025年12月 株式会社安川電機の子会社であるロボティック・バイオロジー・インスティテュート株式会社が開発したヒト型汎用ロボット「まほろ」によるロボット式細胞培養自動化システムが、米国食品医薬品局の生物製剤評価研究センターから先進製造技術指定を取得しました。当社と株式会社安川電機の合弁会社であるセラファ・バイオサイエンス株式会社が、この技術を活用した細胞医療の実用化を主導します。
2026年4月 STING阻害薬ASP5502について、原発性シェーグレン症候群を対象として第Ⅰ相段階にあった開発を中止したことを公表しました。
(3) 戦略目標3:Rx+ビジネスの進展
当社は、医療用医薬品 (Rx) に留まらず、ペイシェントジャーニー (診断、予防、治療及び予後管理を含む医療シーン) 全体において、様々な方法で患者さんに「価値」を届けることを目指しています。私たちはこの取り組みをRx+事業と呼んでいます。経営計画2021では、戦略目標3「Rx+ビジネスの進展」として、患者さんが医療従事者とともに治療計画に積極的に参加できるよう、臨床研究や患者視点に基づく利用しやすい技術、ツール、リソースを提供することで、患者自身が自らの健康をより良くコントロールできるよう支援することを目指し、Rx+プログラムの事業化に取り組んできました。
当連結会計年度における主な進展は以下のとおりです。
・埋め込み型医療機器
2025年10月 低活動膀胱を対象とした体内埋め込み型医療機器について、オーストラリアで被験者の組み入れを開始したことを公表しました。
・その他
2025年5月 塩野義製薬株式会社と株式会社NTTデータとの間で、デジタル治療サービスの普及を目指し、「DTx (注) 流通プラットフォーム」の開発・運用に向けた検討を開始する基本合意書を締結しました。
(注) Digital Therapeutics
(4) 戦略目標4:サステナビリティ向上の取り組みを強化
当連結会計年度における代表的なサステナビリティ向上の取り組みとその結果は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。
なお、当連結会計年度の研究開発費は3,148億円 (前連結会計年度比3.9%減)、売上収益研究開発費比率は14.7%となりました。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
設備投資に関する当連結会計年度の主な進捗状況は以下のとおりです。
・アステラス アイルランド Co., Ltd.において、工場の建設が進捗しました。
・インド、ポーランド、メキシコにグローバルケイパビリティセンターを設立しました。
当連結会計年度の設備投資額は、49,305百万円 (使用権資産を除く、有形固定資産ベース) となりました。
2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりです。
(1) セグメント内訳
(注) 帳簿価額の「合計」欄には建設仮勘定を含んでいません (以下同じ)。
(2) 提出会社
(注) 1.上記の設備は全て医薬品事業セグメントに属しています。
2.日本コマーシャルの従業員数は「本社」に含まれています。
(3) 国内子会社
該当事項はありません。
(4) 在外子会社
3 【設備の新設、除却等の計画】
当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、改修、除却、売却等の計画は以下のとおりです。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
(a) 2010年7月発行新株予約権 (2010年7月8日発行)
※ 当事業年度の末日 (2026年3月31日) における内容を記載しています。提出日の前月末現在 (2026年5月31日) において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しています。
(注) 1.新株予約権1個当たりの目的となる株式の数 (以下「付与株式数」) は500株とします。なお、当社が当社普通株式につき、株式分割 (当社普通株式の株式無償割当てを含む) または株式併合を行う場合には、付与株式数を次の算式により調整し、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てるものとします。
また、上記のほか、付与株式数の調整を必要とする場合には、合理的な範囲で付与株式数を調整します。
2.新株予約権の行使時の払込金額は、新株予約権を行使することにより交付を受けることができる株式1株当たりの金額を1円とし、これに付与株式数を乗じた金額とします。
3.新株予約権の行使の条件
(1) 新株予約権者は、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日 (以下「権利行使開始日」) 以降に限り、新株予約権を行使することができる。
(2) 新株予約権者は、権利行使開始日以降10年間に限り、新株予約権を行使することができる。
(3) 上記 (1) 及び (2) に関わらず、新株予約権者は、以下の①または②に定める場合 (ただし、②については、組織再編における新株予約権の消滅及び再編対象会社の新株予約権交付の内容に関する決定方針に従って新株予約権者に再編対象会社の新株予約権が交付される場合を除く) には、それぞれに定める期間内に限り新株予約権を行使できるものとする。
① 新株予約権者が権利行使期間の満了日の1年前の日までに権利行使日を迎えなかった場合
権利行使期間の満了日の1年前の日の翌日から権利行使期間の満了日までの間
② 当社が消滅会社となる合併契約承認の議案、または当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画承認の議案につき当社株主総会で承認された場合 (株主総会決議が不要な場合は、当社の取締役会決議がなされた場合)
当該承認日の翌日から15日間
(4) 各新株予約権の一部行使はできないものとする。
4.組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項
当社が、合併 (当社が合併により消滅する場合に限る) 、吸収分割、新設分割、株式交換または株式移転 (以上を総称して以下「組織再編行為」) をする場合において、組織再編行為の効力発生の直前の時点において残存する新株予約権 (以下「残存新株予約権」) の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社 (以下「再編対象会社」) の新株予約権を本新株予約権の発行要領に準じた条件に基づきそれぞれ交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、本新株予約権の発行要領に準じた条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約または株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
(b) 2011年7月発行新株予約権 (2011年7月5日発行)
※ 当事業年度の末日 (2026年3月31日) における内容を記載しています。提出日の前月末現在 (2026年5月31日) において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しています。
(注) 1~4については、 (a) 2010年7月発行新株予約権の (注) 1~4に同じです。
(c) 2012年7月発行新株予約権 (2012年7月5日発行)
※ 当事業年度の末日 (2026年3月31日) における内容を記載しています。提出日の前月末現在 (2026年5月31日) において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しています。
(注) 1~4については、 (a) 2010年7月発行新株予約権の (注) 1~4に同じです。
(d) 2013年7月発行新株予約権 (2013年7月4日発行)
※ 当事業年度の末日 (2026年3月31日) における内容を記載しています。提出日の前月末現在 (2026年5月31日) において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しています。
(注) 1~4については、 (a) 2010年7月発行新株予約権の (注) 1~4に同じです。
(e) 2014年7月発行新株予約権 (2014年7月3日発行)
※ 当事業年度の末日 (2026年3月31日) における内容を記載しています。当事業年度の末日から提出日の前月末現在 (2026年5月31日) にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を [ ] 内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注) 1.新株予約権1個当たりの目的となる株式の数 (以下「付与株式数」) は100株とします。なお、当社が当社普通株式につき、株式分割 (当社普通株式の株式無償割当てを含む) または株式併合を行う場合には、付与株式数を次の算式により調整し、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てるものとします。
また、上記のほか、付与株式数の調整を必要とする場合には、合理的な範囲で付与株式数を調整します。
2~4については、 (a) 2010年7月発行新株予約権の (注) 2~4に同じです。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 自己株式の消却による減少です。
(5) 【所有者別状況】
(注) 1.当社所有の自己株式471,812株は、「個人その他」の欄に4,718単元を含めて記載しています。
2.証券保管振替機構名義株式5,050株は、「その他の法人」の欄に50単元及び「単元未満株式の状況」の欄に50株を含めて記載しています。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注) 1.所有株式数は、千株未満を、また発行済株式 (自己株式を除く) の総数に対する所有株式数の割合は小数第3位以下を、それぞれ切り捨てて表示しています。
2.上記のほか、当社所有の自己株式471千株があります。
3.以下のとおり大量保有報告書 (変更報告書を含む) が公衆の縦覧に供されていますが、2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記「大株主の状況」には含めていません。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注) 1.「完全議決権株式 (自己株式等) 」欄は、全て当社所有の自己株式です。
2.「完全議決権株式 (その他) 」欄には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式17,698,400株 (議決権の数176,984個) 及び証券保管振替機構名義の株式5,000株 (議決権の数50個) が含まれています。
3.「単元未満株式」欄には、当社所有の自己株式12株、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式605株及び証券保管振替機構名義の株式50株が含まれています。
② 【自己株式等】
(注) 上記には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式は含まれていません。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社は、当社の取締役 (社外取締役及び監査等委員である取締役を除く。以下「取締役」) 及び担当役員 (以下併せて「取締役等」) を対象とした、当社グループの中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した経営を推進することを目的とする、企業価値・株主価値との連動性が高く、かつ、透明性・客観性の高い中長期インセンティブ報酬制度としての業績連動型株式報酬制度及び国内外の当社グループ幹部を対象とした、業績連動型株式交付制度 (以下両制度併せて「本制度」) を導入しています。
① 制度の概要
当社の取締役等を対象とした業績連動型株式報酬制度は、役員報酬BIP (Board Incentive Plan) 信託 (以下「BIP信託」) と称される仕組みを採用しています。BIP信託とは、米国のパフォーマンス・シェア (Performance Share) 制度及び譲渡制限付株式報酬 (Restricted Stock) 制度を参考にした役員インセンティブプランであり、BIP信託が当社株式を取得し、企業価値・株主価値の成長度等に応じて取締役等に当該信託から当社株式の交付等を行うものです。
また、国内外の当社グループ幹部を対象とする業績連動型株式交付制度は、株式付与ESOP (Employee Stock Ownership Plan) 信託 (以下「ESOP信託」) と称される仕組みを採用しています。ESOP信託とは、米国のESOP制度を参考にした従業員インセンティブプランであり、ESOP信託が当社株式を取得し、企業価値・株主価値の成長度等に応じて国内外の当社グループ幹部に当該信託から当社株式の交付等を行うものです。
なお、2026年度から、本制度の対象となる当社グループ幹部の対象者層を拡大しております。
本制度において取締役等及び国内外の当社グループ幹部に対して交付される当社株式の数は、当社及び当社グループ会社の株式交付規程に従って、企業価値・株主価値の成長度等に応じて付与されるポイントにより、1ポイント=1株として定まります。当社株式の交付等とは、取締役等及び国内外の当社グループ幹部が、付与されているポイントに対応する当社株式の数の半数について本信託 (下記参照) から株式の交付を受け (ただし、単元未満株式数については、本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を受け) 、残りの半数については本信託内で換価した上で、その換価処分金相当額の金銭の給付を受けることをいいます。

① 当社及び当社グループ会社は、業績連動型株式報酬制度及び業績連動型株式交付制度の変更・継続、本制度に基づくインセンティブプランの実施及び内容に関して取締役会等必要な手続を行います。
② 当社は金銭を信託し、受益者要件を充足する当社の取締役を受益者とする信託「BIP信託a」、受益者要件を充足する当社の担当役員を受益者とする信託「BIP信託b」及び受益者要件を充足する国内外の当社グループ幹部を受益者とする信託「ESOP信託」 (以下「BIP信託a」、「BIP信託b」及び「ESOP信託」を併せて「本信託」) を設定します。なお、国内外の当社グループ会社は各社の対象人数等に応じて信託金相当額を拠出します。なお、BIP信託aへ信託する金銭は、第14期定時株主総会で承認を受けた範囲内とします。
③ 本信託は、信託管理人の指図に従い、②で拠出された金銭を原資として当社株式を株式市場から取得します。
④ 本信託内の当社株式に対しても、他の当社株式と同様に配当が行われます。
⑤ 本信託内の当社株式については、信託期間を通じ、議決権を行使しないものとします。
⑥ 信託期間中、受益者は、当社及び当社グループ会社の株式交付規程に従い、当社株式の交付等を受けます。
⑦ 信託期間中の企業価値・株主価値の成長度等により、信託期間の満了時に残余株式が生じた場合、信託契約の変更及び追加信託を行うことにより、本制度に基づくインセンティブプランとして本信託を継続利用するか、または、本信託から当社に当該残余株式を無償譲渡し、当社はこれを無償で取得した上で、取締役会決議によりその消却を行う予定です。
⑧ 本信託の終了時に、受益者に分配された後の残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金の範囲内で当社に帰属する予定です。また、信託費用準備金を超過する部分については、当社及び当社役員と利害関係のない団体への寄附を行う予定です。
② 信託契約の内容
1) 2023年度に実施したインセンティブプラン (2023年5月17日 取締役会決議)
2) 2023年度に実施したインセンティブプラン (2023年5月17日 取締役会決議)
3) 2024年度に実施したインセンティブプラン (2024年5月15日 取締役会決議)
4) 2024年度に実施したインセンティブプラン (2024年5月15日 取締役会決議)
5) 2025年度に実施したインセンティブプラン (2025年5月15日 取締役会決議)
6) 2025年度に実施したインセンティブプラン (2025年5月15日 取締役会決議)
7) 2026年度に実施するインセンティブプラン (2026年5月15日 取締役会決議)
(注) 1.2023年度に設定した「BIP信託a」を継続利用しています。
2.上記の信託金の金額には、2023年度に設定した「BIP信託a」から承継する残余財産が含まれています。
8) 2026年度に実施するインセンティブプラン (2026年5月15日 取締役会決議)
(注) 1.2023年度に設定した「BIP信託b」及び「ESOP信託」を継続利用しています。
2.上記の「BIP信託b」及び「ESOP信託」に係る信託金の金額には、2023年度に設定した「BIP信託b」及び「ESOP信託」から承継する残余財産がそれぞれ含まれています。
3.「ESOP信託」による当社株式の追加取得は行いません。
③ 本制度による受益権その他の権利を受け取ることができる者の範囲
当社取締役等及び国内外の当社グループ幹部のうち受益者要件を充足する者
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 1.上記は、全て単元未満株式の買取請求による取得自己株式についての記載であり、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が取得した当社株式は含まれていません。
2.当期間における取得自己株式には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取請求による取得自己株式は含まれていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1.当期間における2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの処分は含まれていません。
2.当期間の保有自己株式数には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの取得及び処分は含まれていません。
3.上記の保有自己株式数には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式は含まれていません。
3 【配当政策】
当社は、企業価値の持続的向上に努めるとともに、株主還元にも積極的に取り組んでいます。成長を実現するための事業投資を優先しながら、配当については、連結ベースでの中長期的な利益成長に基づき、安定的かつ持続的な向上に努めます。また、自己株式の取得を必要に応じて機動的に実施し、資本効率の改善と1株当たり利益の向上を図ります。
このような方針の下、当事業年度の配当金については、1株当たり78円 (うち中間配当金39円、期末配当金39円) となりました。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行う方針としており、「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる。」旨を定款に定めています。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりです。
(注) 上記の配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が所有する当社株式に対する配当金1,391百万円が含まれています。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献することを存在意義とし、企業価値の持続的向上のため、全てのステークホルダーから選ばれ、信頼されることを目指しています。この経営理念を踏まえ、下記の観点から、コーポレートガバナンスの実効性を確保・強化するよう努めます。
1) 経営の透明性・妥当性・機動性の確保
2) 株主に対する受託者責任と説明責任の履行及び全てのステークホルダーとの適切な協働
② コーポレートガバナンス体制の概要及び当該体制を選択する理由等
(コーポレートガバナンス体制の概要)
当社のコーポレートガバナンス体制の概要は以下のとおりです。
1.監査等委員会設置会社を選択し、取締役会及び監査等委員会はそれぞれ過半数を社外取締役で構成しています。
2.取締役会は、経営の基本方針・経営戦略等を決定し、業務執行の監督機能を果たしています。
3.業務執行に関わる体制として、重要事項の協議を行うエグゼクティブ・コミッティを設置するとともに、業務執行の責任を担うトップマネジメント (取締役社長及び取締役社長と一体となって当社グループ全体のマネジメント業務を行う者の総称) を選任しています。上記会議体及びトップマネジメントの業務執行の責任と権限の所在は決裁権限規程を制定して明確にしています。
4.取締役会の諮問機関として、過半数を社外取締役で構成する指名委員会及び報酬委員会を設置しています。
提出日現在の当社のコーポレートガバナンスの体制図は以下のとおりです。

(当該体制を選択する理由)
取締役会の業務執行決定権限の相当な部分を業務執行取締役に委譲することが可能となる監査等委員会設置会社を選択することにより、取締役会における経営戦略等の議論を一層充実させるとともに、取締役会の監督機能の更なる強化を図っています。また、取締役の選任等・報酬等に関わる事項などコーポレートガバナンスに関わる重要な事項については、社外取締役が過半数を占める取締役会において議論し、決定することが適当であると考えています。
(取締役会)
<取締役会の役割、構成等>
取締役は株主総会において選任され、監査等委員でない取締役の任期は1年、監査等委員である取締役の任期は2年としています。取締役会は、3か月に1回以上、及び必要に応じて随時開催し、議長は原則として取締役会長が務めます。当事業年度は11回開催しています。
取締役会は、経営の基本方針、経営戦略等を決定し、業務執行の監督機能を果たすことで、経営の透明性及び妥当性を確保しています。また、取締役会は、その決議によって重要な業務執行の決定の相当部分を業務執行取締役に委任するとともに、決裁権限規程を制定してトップマネジメント等の業務執行の責任と権限を明確にし、経営の機動性を確保しています。
取締役会は、専門性・経験等の観点から、その多様性とバランスを考慮の上、機動性が確保できる適正な規模の取締役数で構成しています。なお、取締役会は、より広い見地からの意思決定と客観的な業務執行の監督を行うため、その過半数を社外取締役で構成しています。社外取締役には、他社での経営経験を有する者を最低1名選任することとしています。
提出日現在において、取締役会は12名 (男性7名/女性5名) で構成され、その過半数である8名は独立社外取締役です。
社外取締役のみで構成される外役会の中に設立されたEnterprise Priority Monitoring group (EPM) においては、「3つの全社的な優先事項 (注1、2)」の進捗を集中的に確認・議論し、その内容を取締役会での議論に反映しています (当事業年度は8回開催)。また、外部アドバイザーを招いて社外の専門的な知見を取り入れながら、より効果的かつ客観的なモニタリングにつなげています。
(注) 1.全社的な優先事項:Enterprise Priority
2.Growth Strategy:将来の売上収益拡大に不可欠な重点戦略製品 (注3) の「価値」を最大化する
Bold Ambition:研究開発を加速し、長期的成長を牽引するパイプラインの価値を高める
Sustainable Margin Transformation:コスト最適化を追求し、コア営業利益率30%を目指す
3.PADCEV、 IZERVAY、 VYLOY、 VEOZAH、 XOSPATA (2026年3月31日現在)
<取締役会の実効性分析・評価>
取締役会の実効性を一層向上させるための課題を検討し改善する手段の一つとして、取締役会の実効性分析・評価を毎年実施し、その結果の概要を開示しています。
当事業年度における取締役会の実効性分析・評価は、昨年度に引き続き外部の評価機関を活用し、取締役全員を対象とした自己評価アンケート及びインタビューに基づく第三者評価を実施しました。それらの調査結果を踏まえた分析結果を取締役会メンバーで議論を行い、最終的な評価を行いました。また、アンケートを通じた取締役同士の相互の個人フィードバックも行いました。
[当事業年度 取締役会実効性評価のプロセス]
外部の評価機関による全取締役に対する無記名方式によるアンケート及び外部機関による個別インタビューを行いました。アンケート及びインタビューは以下のテーマ、項目に沿って行われました。
分析結果は2026年4月の取締役会にて共有され、全体としての実効性を評価し、実効性の更なる向上の方針と施策について議論しました。
[結論]
取締役会全体としての実効性は十分に確保されていると評価しました。
[結論・評価の理由]
・アンケート設問の全体平均は4.5 (5点満点中。前回比0.2点増) で、全ての項目で他社平均スコア (注) と同等以上の評価となり、取締役会がおおむね実効的に機能していると評価しました。
・総括である「総じて、取締役会は実効的に機能しているといえるか」を問うアンケート設問が4.6 (5点満点中) と高い評点水準となっており、各取締役において取締役会が実効的に機能していると評価していることを確認しました。
・各取締役にインタビューを行った結果、取締役会構成の変化に伴う議論の更なる実質化を評価する意見のほか、取締役会付議事項、自由闊達な議論、経営戦略・経営計画の議論、取締役に対する支援体制、株主 (投資家) との対話、指名委員会・報酬委員会の実効性の各テーマについて肯定的に評価する意見が多く挙げられたことを確認しました。
(注) 当該第三者機関に評価を委託している他社スコアの平均
[実効性を高めるための取り組み]
取締役会は、更なる改善の余地について、以下に関する課題認識と今後の方向性を議論・共有しました。これらの取り組みにより取締役会の実効性の更なる向上に努めます。
・取締役の在り方・構成
執行と監督の役割分担や戦略議論への関わり方について取締役間での認識を共有するとともに、次期中期経営計画「経営計画2026」に照らして取締役会として必要となるスキルの再整理及び最適な取締役会の構成に向けた検討を継続して行っていく。
・取締役会の議論・運営
取締役会の運営ルールを整理して議論環境の改善を図るとともに、社外取締役によるアジェンダ設定への関与を通じて、本質的・戦略的なリスクや長期的な戦略に関する議論を拡充する。また、重要決議事項等に対する定期的かつ体系的なフォローアップを更に推進する。
・指名委員会・報酬委員会
サクセッションプランの充実に向けた検討を進めるとともに、取締役会による次世代経営人材層への理解を深めるための機会充実を図る。また、グローバル企業としての最適な報酬水準の在り方について、マーケットにおけるベンチマーク等を踏まえつつ、継続的な議論を行っていく。
・監査等委員会
監査等委員会が、監査部門及び内部統制部門を更に活用することにより、組織監査を強化する。
[継続的な実効性向上のための取り組み状況]
前事業年度の取締役会実効性評価で特定した改善余地に関する取り組み状況は以下のとおりです。
<当事業年度 取締役会の具体的な検討内容>
取締役会では、以下の議題について、トップマネジメントからの報告を踏まえ、経営戦略の妥当性や進捗状況、主要なリスク及び対応方針について議論を行いました。
当事業年度は中期経営計画の策定年であったことから、取締役会における審議時間の過半を経営戦略事項の議論に割り当て、中期経営計画の方向性や主要な前提条件について、トップマネジメントからの報告に基づき、複数回にわたり取締役会において活発な議論を行いました。これらの議論を通じて、事業環境の認識、成長戦略の方向性、主要なリスク及び資本配分の考え方等について認識を共有し、中期経営計画の策定に反映しています。
(監査等委員会)
<監査等委員会の役割、構成等>
監査等委員会は、原則として毎月1回開催し、当事業年度は19回開催しています。
監査等委員会は、監査等委員会の監査等に関する意見を形成するための唯一の協議機関かつ決議機関であり、必要に応じて取締役又は取締役会に対し監査等委員会の意見を表明します。
監査等委員会は、全ての監査等委員である取締役をもって構成し、監査等委員会の委員長は監査等委員会の決議により定めています。なお、監査等委員会は、監査体制の独立性及び中立性を一層高めるため、その過半数を社外取締役で構成しています。また、監査等委員には、適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者を選任し、特に、最低1名は財務・会計に関する十分な知見を有している者としています。
提出日現在において、監査等委員会は4名 (女性4名) で構成され、その過半数である3名は独立社外取締役です。なお、委員長は独立社外取締役が務めています。
なお、監査等委員会の職務を補助する監査等委員会室を設置しています。監査等委員会室の所属員は、監査等委員でない取締役から独立し、監査等委員会の指揮命令の下に職務を遂行すること、またその異動・評価等は監査等委員会の事前の同意を必要とすることを取締役会で定めることによって、監査等委員会室の所属員の他の業務執行部門からの独立性と同所属員に対する監査等委員会の指示の実効性を確保しています。
監査等委員会の活動の状況の詳細については「(3) 監査の状況 ①監査等委員会監査の状況」に記載のとおりです。
(指名委員会/報酬委員会)
<指名委員会/報酬委員会の設置目的、構成>
当社は、役員人事及び報酬制度における審議プロセスの透明性と客観性を高めるため、取締役会の諮問機関として指名委員会及び報酬委員会を設置しています。指名委員会及び報酬委員会は、取締役会が選任する委員で構成され、その委員の過半数は社外取締役とし、委員長は独立社外取締役が務めています。
提出日現在において、各委員会は5名 (男性4名/女性1名) で構成され、全委員が独立社外取締役です。
<指名委員会の役割>
取締役及びトップマネジメント等の選任・解任等に関する事項について協議し、その結果を取締役会へ具申します。当事業年度は10回開催しています。
<当事業年度 指名委員会の具体的な検討内容>
(注) 新任社外取締役候補者の探索方法及び選定方法が含まれます。
[参考:代表取締役社長CEO (CEO) のサクセッションプランニング]
当社は、CEOのサクセッションプランニングを経営の継続性と企業価値の持続的な向上を確保するために重要な経営課題の一つであると認識しています。本プランニングについては、執行側からの説明・提案を踏まえ、指名委員会において定期的かつ継続的に審議を行い、現CEOの緊急時の後任及び中長期的な後継候補者を対象として、候補者の準備状況や強み、育成の方向性等を確認した上で、透明性及び客観性を重視した議論を行っています。指名委員会における審議内容及びサクセッションプランの進捗状況は取締役会に報告され、CEOの選任に際しては、その審議結果を踏まえて取締役会に具申し、取締役会において決定されます。
<報酬委員会の役割>
取締役及びトップマネジメント等の報酬、賞与その他の職務執行の対価として受ける財産上の利益に関する事項 (監査等委員である取締役の個別の報酬を除く) について協議し、その結果を取締役会へ具申します。当事業年度は8回開催しています。
<当事業年度 報酬委員会の具体的な検討内容>
(注) 1.2022年度を評価対象期間開始事業年度とし、2024年度を評価対象期間終了事業年度とする株式報酬
2.2025年度を評価対象期間開始事業年度とし、2027年度を評価対象期間終了事業年度とする株式報酬
3.詳細については「(4) 役員の報酬等 ①役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項 [株式報酬 (中長期インセンティブ報酬) ]」に記載のとおりです。
(コーポレートガバナンス体制の構成員)
提出日現在におけるコーポレートガバナンス体制の構成員は以下のとおりです。
(取締役会、指名委員会及び報酬委員会の出席状況)
当事業年度における取締役会、指名委員会及び報酬委員会の、個々の取締役の出席状況は下記のとおりです。
(注) 1.監査等委員でない社外取締役のAndreas Busch、Mark Enyedyの両氏は、2025年6月19日開催の第20期定時株主総会の日に就任したため、Andreas Busch氏、Mark Enyedy氏は就任後に開催の取締役会が出席対象となっています。
2.監査等委員でない社外取締役のAndreas Busch氏は、2026年5月29日付で辞任しています。
(責任限定契約)
当社は、取締役 (業務執行取締役等であるものを除く) がその期待される役割を十分に発揮できるよう、当社定款において、各取締役 (業務執行取締役等であるものを除く) との間で、会社法第423条第1項の賠償責任について、法令に定める要件に該当する場合は、当該賠償責任を法令で定める責任限度額に限定する旨の契約 (責任限定契約) を締結できる旨を定めており、現在全ての取締役 (業務執行取締役等であるものを除く) と責任限定契約を締結しています。
(役員等賠償責任保険契約)
当社は、当社及びアジア・オセアニア地域の子会社の取締役 (監査等委員を含む) 及び担当役員等を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約では、株主や第三者等から損害賠償請求を提起された場合において、被保険者が職務の執行に関し負担することになる損害賠償金、争訟費用等を当該保険契約により塡補することとしています。保険料については、全額当社又は上記子会社が負担しています。なお、被保険者の犯罪行為や法令違反を認識しながら行った行為に起因して生じた損害等は塡補の対象外としています。
(定款の規定)
1.取締役の定数
当社の監査等委員でない取締役は9名以内とし、監査等委員である取締役は5名以内とする旨定款に定めています。
2.取締役選任の要件
当社は、取締役選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、及び累積投票によらない旨定款に定めています。
3.定款の定めにより取締役会で決議できる株主総会決議事項
当社は、機動的な剰余金の配当等を行うことを可能とするため、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨定款に定めています。
4.株主総会の特別決議の要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議の要件について、その定足数を緩和することとし、当該特別決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。
③ 内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況
1) 業務の適正を確保するための体制
当社は、業務の適正を確保するための体制の整備に関して以下のとおり基本方針を定めています。
1.取締役の職務執行に関わる体制
(1) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社は、取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するため、次の取り組みを行う。
・取締役会構成員として経営の基本方針、経営戦略等の決定に参画し、業務執行の監督を行う取締役と、業務執行の責任を担うトップマネジメント (取締役社長及び取締役社長と一体となって当社グループ全体のマネジメント業務を行う者の総称) の役割を明確に区分する。
・取締役会は、3か月に1回以上、及び必要に応じて随時開催する。
・エグゼクティブ・コミッティを設置し、当社及びグループ会社における経営戦略、製品戦略、経営管理、人事等に関する重要事項を協議する。
・上記会議体に関する規程及び「決裁権限規程」を制定し、会議体及びトップマネジメントの権限や位置づけを意思決定上の手続きとともに明確にする。
・業務執行が効率的に行えるよう人事・組織体制を整備する。
(2) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
当社は、取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理を適切に行うため、次の取り組みを行う。
・「記録と情報の管理に関するグローバル規程」を制定し、取締役の職務の執行に係る情報を適切に保存、管理する。
・取締役会、エグゼクティブ・コミッティの議事録等、経営上重要な事項に係る文書は、取締役が適宜閲覧できるような体制を構築する。
2.リスク (損失の危険) の管理に関する規程その他の体制
当社は、グループ全体のより適切なリスク管理を行うため、「経営上の戦略的意思決定に係るリスク (事業機会に係るリスク) 」と「適正かつ効率的な業務遂行に係るリスク (事業活動遂行に係るリスク) 」に分け、当社及びグループ会社の各部門・部署が主体的にリスク管理実務を実践することを基本として、グループ内リスクの低減及びその適切な対応を推進するため、次の取り組みを行う。
・事業機会に係るリスクへの対応については、各部門・部署がそれぞれの機能・役割の下、意思決定ルール、基準を明確にして実施する。これらのうち重要なリスクに関わる事項については、その重要度に応じて、エグゼクティブ・コミッティ又はエグゼクティブ・コミッティ及び取締役会において審議を経た上で決定する。
・事業活動遂行に係るリスクへの対応については、グローバル及び部門別の「リスク&レジリエンス委員会」を設置し、1) リスクの識別と最適な管理活動並びに 2) 危機対応計画及び事業継続計画の準備・対応状況を包括的に管理する。上記体制の方針についてはエグゼクティブ・コミッティ及び取締役会において審議を経た上で決定する。当該体制の下で識別された重要なリスクに関わる事項については、その対応も含めエグゼクティブ・コミッティの審議を経て決定するとともに、取締役会に報告する。
・リスク管理業務の実効性を高めるため、災害対応、情報セキュリティー、個人情報保護等について、リスクの特性、内容に応じたポリシーやマニュアル等を個別に制定する。
3.コンプライアンス体制 (取締役及び従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制)
当社は、当社及びグループ会社の役員・従業員によるコンプライアンスのための中核的規範として、組織全体にわたる倫理的行動の原則や求められる期待を定め、「組織における価値観と行動」の実践を支援し、根付かせる役割を果たす「アステラス行動規準」を定める。
当社は、コンプライアンスをいわゆる法令遵守にとどまらず、高い倫理観に基づく社会規範に沿った誠実な行動と位置付け、グループ全体において広い意味でのコンプライアンスを推進するための体制を構築するとともに、その浸透に向け、次の取り組みを行う。
・「グローバル・コンプライアンス委員会」を設置し、当社及びグループ会社全体のコンプライアンスに関する現状の把握及び方針・計画の審議を行う。各地域のコンプライアンスに関する事項を審議するコンプライアンス委員会も別途設置する。
・グローバル・コンプライアンスに関する具体的な企画の立案、推進、浸透等は、法務・コンプライアンス担当の指揮の下、エシックス&コンプライアンス部門が当社及びグループ会社の関係部門と連携の上実施する。また、継続的な研修等を通じ、当社及びグループ会社の役員・従業員一人ひとりが自らの責任においてコンプライアンスを実践できる体制を構築する。
・独立した第三者機関がグローバルに運営する内部通報窓口を設置し、アステラスグループの従業員又は社外関係者によるコンプライアンス違反・その疑義の報告を受け付ける。重要な情報は、適宜、法務・コンプライアンス担当に報告される体制を構築する。対応にあたっては、秘密厳守及び連絡者への不利益な取扱いの禁止を徹底する。
上記の体制及び取り組みを通して、Speak Up Culture (「声を上げる」ことのできる企業風土) を醸成し、報復禁止の原則を徹底する。
4.情報開示・情報管理に関する体制
当社は、顧客、株主、社会など、全てのステークホルダーに対し適時適切かつ公平に情報を開示する。また、ステークホルダーとの対話を積極的に行い、そこで得た意見等を企業活動に適切に反映するよう努める。このような情報開示と対話により、企業としての透明性を一層高めていくとともに、ステークホルダーとの信頼関係の構築と維持に努め、次の取り組みを行う。
・上記基本姿勢のもと、当社は「ディスクロージャー・ポリシー」を制定するとともに、その運用、開示戦略及び情報開示活動の適切性等を管理する「情報開示委員会」を設置する。
・当社は、当社及び当社グループの役員・従業員がその職務上知った重要情報の取扱い等についての規程を制定し、法令違反の未然防止及び適切な情報管理を図る。
5.財務報告の信頼性を確保するための体制
当社は、財務報告の信頼性を確保するため、次の取り組みを行う。
・一般に公正妥当と認められる基準に準拠して連結ベースの財務報告に係る内部統制を整備・運用し、その有効性を適正に評価する。
・取締役会が定める「グローバルJSOX規程」に基づき、グローバル内部統制責任者である取締役社長の指揮の下、連結ベースの財務報告に係る内部統制の評価を実施する。
6.グループ管理体制 (当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制)
当社は、グループ会社の適切な管理、運営を行うとともに、当社及びグループ会社との間での健全な関係を維持・構築するため、次の取り組みを行う。
・「アステラス行動基準」を全てのグループ会社に適用し、これに基づくグループ会社の行動規準とあわせて、その周知徹底を図る。
・グループ会社の取締役等の職務の執行に係る事項は、機能別マネジメントの職制を通じて当社に報告される体制を構築する。
・グループ会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われるよう、グループ会社の役員構成及び意思決定権限並びにグループ内監督体制に関する明確なポリシーを整備する。
・リスク管理、コンプライアンスへの取り組みは、前述のとおりグループ全体の仕組みとして取り組む。
・「グローバル内部監査規程」をグループ全体に適用し、グループ一体での内部監査体制を整備する。
7.内部監査体制
当社は、通常の業務執行部門から独立した社長直轄の監査部門を設置し、当社及びグループ会社における内部監査体制を整備することとし、次の取り組みを行う。
・監査部門は、当社及びグループ会社全体の経営諸活動における各種体制や仕組みの有効性・効率性について検討・評価し、監査報告書にとりまとめ、取締役社長及び監査等委員会へ報告する。また、必要に応じて関係役員及び関係部門に説明する。年間監査結果の総括については取締役会及び会計監査人に報告する。
・当社は、医薬品企業として「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等を遵守し、製品の有効性・安全性を確保することを使命として、高い専門知識の下で、適正性を確保した組織体制を通じ業務を遂行していく。このために、グループ全体において、現場での自己統制、薬事、品質等に関する専門部による専門統制、監査部門による内部監査の仕組みをそれぞれの機能別に構築する。
・監査部門は、関係する専門部と定期的な連絡会を開催する等の活動を通じて連携し、内部監査の質的向上を図る。
・社長直轄の監査長がグローバルの内部監査機能全体を統括し、グローバルで機能軸に配置されたビジネスパートナーを活用してリスクに効果的に対応し、当社及びグループ会社全体に対し一貫した高質な保証業務及びアドバイザリー業務を提供するための機能を継続的に強化する。
8.監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
当社は、監査等委員会設置会社として、監査等委員会の監査が実効的に行われることが可能となるよう、次の取り組みを行う。
(1) 監査等委員会の職務を補助すべき従業員に関する事項
・監査等委員会の監査が適切に機能するよう、監査等委員会の職務を補助する監査等委員会室を設置し、専任の所属員を配置する。
(2) 監査等委員会の職務を補助する従業員の監査等委員でない取締役からの独立性及び当該従業員に対する指示の実効性に関する事項
・監査等委員会室の所属員は、監査等委員でない取締役から独立し、監査等委員会の指揮命令の下に職務を遂行する。
・当該所属員の任命・評価・異動等については、予め監査等委員会の同意を必要とする。
(3) 監査等委員でない取締役及び従業員が監査等委員会に報告するための体制並びにその他の監査等委員会への報告に関する体制
・当社及びグループ会社の取締役等の職務の執行に係る月次報告、四半期報告に関して、監査等委員会が常時閲覧可能な体制を整備する。
・トップマネジメントは、管掌する部門に関して、監査等委員会に対して定期的に、又は臨時に報告する事項、報告者、報告の方法を監査等委員会と協議して決定する。
・内部監査、法務、コンプライアンス、リスクマネジメントを担う部門は、それぞれ定期的に監査等委員会へ報告する体制を構築し、当社及びグループ会社における現状の報告その他必要な情報の提供を行う。
(4) 監査等委員会に報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
・当社は、監査等委員会又はグループ会社の監査役へ報告を行った当社及びグループ会社の役員・従業員に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いをすることを禁止する。
(5) 監査等委員の職務の執行について生ずる費用等の処理に係る方針に関する事項
・当社は、監査等委員の職務の執行について生じる費用等に関して、監査等委員会室が予算の計上及び費用等の支払いを担う体制を整備する。
(6) その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・監査長の任命・評価・異動等については、予め監査等委員会の同意を必要とする。
・監査部門は、年度計画 (戦略・予算及び人材のリソースプランを含む) 、並びに内部監査規程の策定及び変更に当たり監査等委員会の同意を得る。
・監査等委員会は、監査部門から監査結果等の報告を受け、必要に応じて監査部門に指示を行うことができる。当該指示と取締役社長の監査部門に対する指示が両立しえない場合、監査等委員会と取締役社長は協議し、調整をはかる。
・監査等委員会が選定する監査等委員は、当社の重要な業務執行の協議を行うエグゼクティブ・コミッティ、その他監査等委員会が重要と判断する会議に出席することができる。当該監査等委員がこれらの会議に出席できない場合、監査等委員会の指示により監査等委員会室の所属員がオブザーバーとして出席することができる。
・監査等委員会の監査が適切に実施できるよう、当社及びグループ会社における監査対象者 (組織) は協力する。
9.反社会的勢力排除のための体制
当社及びグループ会社は、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力及び団体に対して会社組織として毅然とした姿勢で臨み、不当、不法な要求に応じないことはもちろん、一切の関係を遮断する。具体的には、次の取り組みを行う。
・「アステラス行動規準」において、反社会的勢力及び団体に対しては毅然とした姿勢で臨むことを明記し、関係排除に取り組む。
・特に日本においては、警察当局、関係団体等と十分に連携し、反社会的勢力及び団体に関する情報を積極的に収集すると共に組織的な対応が可能となるよう体制を整備する。また、研修等を通じて反社会的勢力排除に向けた啓発活動を継続して行う。
2) 業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要
当事業年度における当社の運用状況の概要は以下のとおりです。
1.取締役の職務執行に関わる体制
当社は、基本方針に基づき、3か月に1回以上、及び必要に応じて随時取締役会を開催しています。また、決裁権限規程等に基づき、エグゼクティブ・コミッティにて重要事項を協議し、トップマネジメントがその役割を果たすことにより、取締役の効率的な職務の執行を確保しています。なお、当事業年度においては、取締役会を11回、エグゼクティブ・コミッティを24回開催しました。
2.リスク (損失の危険) の管理に関する規程その他の体制
当社は、基本方針に基づき、事業機会に係るリスクと事業活動遂行に係るリスクに分け、当社及び当社グループの各部門が主体的にリスク管理実務を実践しています。特に、カタストロフィック・リスクとして特定された事項について、リスクオーナーの指示のもとリスク低減策を策定し、実行しています。グループ全体のリスクをより効率的に管理するため、グローバル及び部門別の「リスク&レジリエンス委員会」を設置しています。
ウクライナの情勢悪化に対しては、2022年2月からクライシス対応チームを組成して活動を開始し、事業活動への影響を継続的にモニタリングしています。
2023年10月のイスラエルとハマスの軍事衝突を契機に組成したクライシス対応チームは、2026年2月のイランを含む中東情勢の悪化を受け体制を拡充しました。追加の対応チームも含め現地従業員の安全性の確保や製品供給への影響について、対象範囲を拡大してモニタリングを行っています。
また、サイバーアタックの脅威が増していることに鑑み、トップマネジメントを交えたサイバー危機管理演習を2025年10月に実施しました。
3.コンプライアンス体制 (取締役及び従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制)
当社は、基本方針に基づき、グローバル・コンプライアンス委員会及び各地域のコンプライアンス委員会を開催し、当社及び当社グループのコンプライアンスの現状把握、方針・計画の審議を行っています。また、全従業員を対象としたコンプライアンスに関する様々な研修の実施等を通じ、コンプライアンスに対する意識向上を図るほか、内部通報窓口の運用等により、問題の早期発見と改善措置に努めています。なお、各地域のエシックス&コンプライアンス機能がエシックス&コンプライアンス長に報告するグローバル・コンプライアンス体制を構築しています。
4.情報開示・情報管理に関する体制
当社は、基本方針に基づき、すべてのステークホルダーに対し、適時適切かつ公平な情報開示を行うとともに、ステークホルダーとの積極的な対話に努めています。当事業年度においても、企業活動における一層の透明性向上を図るため、広報部門が主導して重要情報の開示方針・戦略等について部門横断的に協議を行うなど、適時的確かつ公平な情報開示に引き続き取り組みました。
2021年に公表した経営計画2021の進捗状況及び最新の見通しを決算説明会や各種投資家向け説明会で公表し、ステークホルダーとの対話機会の拡充に努めています。
2025年12月に社外取締役と社外ステークホルダーの直接対話の場として「社外取締役との意見交換会」を開催しました。また、2026年2月に開催したサステナビリティ・ミーティング2025においても社外取締役が登壇しました。
5.財務報告の信頼性を確保するための体制
当社は、基本方針に基づき、連結ベースの財務報告に係る内部統制評価計画を策定するとともに、コントロールオーナー及びプロセスオーナーによる内部統制の整備及びその実施、内部統制関連文書の改訂、監査部門による評価対象事業拠点の内部統制の整備及び運用状況の評価実施等により、財務報告の信頼性確保に努めています。
6.グループ管理体制 (当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制)
当社は、基本方針に基づき、当社グループの取締役等の職務に係る事項を、機能別マネジメントの職制を通じ報告を受けるとともに、グループ会社の役員構成及び意思決定権限を明確に定めることで、グループ会社の適切な管理・運営を推進しています。なお、当社グループ会社の財務状況及びその他の状況については、月次や各四半期で報告を受け、当社の取締役会に適宜、報告しています。
7.内部監査体制
当社は、基本方針に基づき、内部監査の計画を立案・実行するとともに、監査等委員会、取締役会、会計監査人等へ報告を行い、監査結果をレビューする機会を確保しています。また、内部監査部門及び関連する専門部門との間で情報連携活動を実施し、内部監査体制の強化に努めています。なお、当社では、グローバル組織体制に沿って業務監査を統括するチームを構成し、重要な機能に担当者 (ビジネスパートナー) を配置して、社長直轄の監査長に報告するグローバル監査体制を構築しています。
8.監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
当社は、基本方針に基づき、監査等委員でない取締役及び従業員による監査等委員会への業務執行状況の報告並びに監査等委員によるエグゼクティブ・コミッティ等重要会議への継続的な出席等を通じ、監査等委員会による監査が実効的に行われる体制を確保しています。
特に、全地域における内部通報窓口への通報の概要及び法務部門が主管する訴訟・社内調査案件について、監査等委員会に月次で報告しています。
また、監査等委員会室による監査等委員会の実務的なサポートがより充実し、監査等委員会の監査がより適切に機能するよう取り組んでいます。
9.反社会的勢力排除のための体制
当社は、基本方針に基づき、当社の取引先の属性を確認するとともに、契約書への反社会的勢力排除条項の導入等を通じ、反社会的勢力及び団体との関係排除に取り組んでいます。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
1) 提出日現在の当社の役員の状況は、以下のとおりです。
男性7名 女性5名 (役員のうち女性の比率41.7%)
(注) 1.所有株式数は、千株未満を切り捨てて表示しています。
2.取締役のうち、田中孝司氏、桜井恵理子氏、宮﨑正啓氏、大野洋一氏、Mark Enyedy氏は、監査等委員でない社外取締役です。
3.取締役のうち、中山美加氏、秋山里絵氏、荒牧知子氏は、監査等委員である社外取締役です。
4.2025年6月19日開催の定時株主総会の終結の時から1年間
5.2024年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
6.2025年6月19日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
7.当社では、職責と成果に基づく公平・公正な処遇をより推進する観点から、担当役員制度を導入しています。
<担当役員 (取締役による兼務を除く) の氏名等>
谷口 忠明 研究開発担当
北村 淳 財務担当
河野 順 日本コマーシャル ヘッド
熊谷 裕輔 渉外部長
北川 峰丈 薬事&ファーマコヴィジランス部長
十河 直岐 薬事&ファーマコヴィジランス部 RAPVストラテジー ヘッド
(総括製造販売責任者)
鈴木 丈太郎 再生医療領域 研究開発担当
プライマリ・フォーカス・リード (Blindness & Regeneration)
8.取締役に期待するスキル等 (知識・経験・能力等) は以下のとおりです。
(注) 東京証券取引所が定める独立役員の要件及び当社の定める社外取締役の独立性基準を満たし、東京証券取引所に独立役員として届け出ている者
2) 2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案 (決議事項) として、「取締役 (監査等委員である取締役を除く) 6名選任の件」及び「監査等委員である取締役3名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、当社の役員の状況は以下のとおりとなる予定です。なお、役員の役職等につきましては、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項の内容 (役職等) を含めて記載しています。
男性7名 女性3名 (役員のうち女性の比率30.0%)
(注) 1.所有株式数は、千株未満を切り捨てて表示しています。
2.取締役のうち、宮﨑正啓氏、大野洋一氏、Mark Enyedy氏は、監査等委員でない社外取締役です。
3.取締役のうち、秋山里絵氏、荒牧知子氏、高原茂季氏は、監査等委員である社外取締役です。
4.2026年6月19日開催の定時株主総会の終結の時から1年間
5.2026年6月19日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
6.2025年6月19日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
7.当社では、職責と成果に基づく公平・公正な処遇をより推進する観点から、担当役員制度を導入しています。
<担当役員 (取締役による兼務を除く) の氏名等>
谷口 忠明 研究開発担当
北村 淳 財務担当
河野 順 日本コマーシャル ヘッド
熊谷 裕輔 渉外部長
北川 峰丈 薬事&ファーマコヴィジランス部長
十河 直岐 薬事&ファーマコヴィジランス部 RAPVストラテジー ヘッド
(総括製造販売責任者)
鈴木 丈太郎 再生医療領域 研究開発担当
プライマリ・フォーカス・リード (Blindness & Regeneration)
8.取締役に期待するスキル等 (知識・経験・能力等) は以下のとおりです。
(注) 東京証券取引所が定める独立役員の要件及び当社の定める社外取締役の独立性基準を満たし、東京証券取引所に独立役員として届け出ている者
② 社外取締役
社外取締役は、東京証券取引所が定める独立役員の要件及び当社の定める社外取締役の独立性基準を満たしており、一般株主と利益相反を生じるおそれがない独立役員です。社外取締役は、各人が有する企業経営、法律、医学等の専門的知見や幅広い経験を活かして取締役会における意思決定に参画するとともに、独立した立場から業務執行の監督を行っています。
加えて、監査等委員である社外取締役は、各人が有する財務・会計、企業経営、法律等の専門的知見や幅広い経験を活かして、独立した立場から取締役の職務執行の監査等を行います。
社外取締役に対しては、経営企画部門による情報提供をはじめ、取締役会の審議事項のうち、特に重要な案件に関しては、事前に情報共有の場を設定することで、審議の活性化を図っています。
提出日現在の当社の社外取締役の員数及び氏名は以下のとおりです。
・員数及び氏名
当社の監査等委員でない社外取締役は以下の5名です。
取締役 田中 孝司
取締役 桜井 恵理子
取締役 宮﨑 正啓
取締役 大野 洋一
取締役 Mark Enyedy
当社の監査等委員である社外取締役は以下の3名です。
取締役 中山 美加
取締役 秋山 里絵
取締役 荒牧 知子
当社は、東京証券取引所に対し、監査等委員でない社外取締役の田中孝司、桜井恵理子、宮﨑正啓、大野洋一、Mark Enyedyの5氏及び監査等委員である社外取締役の中山美加、秋山里絵、荒牧知子の3氏を、独立役員として届け出ています。
なお、当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案 (決議事項) として、「取締役 (監査等委員である取締役を除く) 6名選任の件」及び「監査等委員である取締役3名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、以下のとおりとなる予定です。
・員数及び氏名
当社の監査等委員でない社外取締役は以下の3名です。
取締役 宮﨑 正啓
取締役 大野 洋一
取締役 Mark Enyedy
当社の監査等委員である社外取締役は以下の3名です。
取締役 秋山 里絵
取締役 荒牧 知子
取締役 高原 茂季
当社は、東京証券取引所に対し、監査等委員でない社外取締役の宮﨑正啓、大野洋一、Mark Enyedyの3氏及び監査等委員である社外取締役の秋山里絵、荒牧知子、高原茂季の3氏を、独立役員として届け出ています。
社外取締役の独立性に関する具体的な判断基準については、当社が定める社外取締役の独立性基準に基づいています。
当社が定める社外取締役の独立性基準については、次に記載のとおりです。
<社外取締役の独立性基準>
当社は、社外取締役の独立性基準を以下のとおり定め、社外取締役が次の項目のいずれにも該当しない場合、当該社外取締役は当社からの独立性を有し、一般株主と利益相反が生じるおそれがないものと判断する。
① 当社及び当社の子会社 (以下「当社グループ」と総称する) の業務執行者 (注1) 又は過去10年間 (但し、過去10年内のいずれかの時において当社グループの非業務執行取締役、監査役又は会計参与であったことのある者にあっては、それらの役職への就任の前10年間) において当社グループの業務執行者であった者
② 当社グループを主要な取引先とする者 (注2) 又はその業務執行者
③ 当社グループの主要な取引先 (注3) 又はその業務執行者
④ 当社グループから役員報酬以外に多額の金銭その他の財産 (注4) を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家 (当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は当該団体に所属する者)
⑤ 当社グループの法定監査を行う監査法人に所属する者
⑥ 当社グループから一定額を超える寄附又は助成 (注5) を受けている者 (当該寄附又は助成を受けている者が法人、組合等の団体である場合は当該団体の業務執行者)
⑦ 当社グループが借入れを行っている主要な金融機関 (注6) 又はその親会社若しくは子会社の業務執行者
⑧ 当社グループの主要株主 (注7) 又は当該主要株主が法人である場合には当該法人の業務執行者
⑨ 当社グループが主要株主である会社の業務執行者
⑩ 当社グループから取締役 (常勤・非常勤を問わない) を受け入れている会社又はその親会社若しくは子会社の業務執行者
⑪ 過去3年間において上記②から⑩に該当していた者
⑫ 上記①から⑪に該当する者 (重要な地位にある者 (注8) に限る) の近親者等 (注9)
(注) 1.業務執行者とは、会社法施行規則第2条第3項第6号に規定する業務執行者をいい、業務執行取締役のみならず、使用人を含む。監査役は含まれない。
2.当社グループを主要な取引先とする者とは、当社グループに対して製品又はサービスを提供している取引先グループ (直接の取引先、その親会社及び子会社並びに当該親会社の子会社から成る企業集団をいう。以下同じ) であって、直近事業年度における取引額が、当該グループの年間連結売上高の2%を超える者
3.当社グループの主要な取引先とは、当社グループが製品又はサービスを提供している取引先グループであって、直近事業年度における取引額が、当社グループの年間連結売上高の2%を超える者
4.多額の金銭その他の財産とは、直近事業年度における、役員報酬以外の年間1,000万円を超える金銭その他の財産上の利益をいう (当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体の直近事業年度における総収入額の2%を超える金銭その他の財産上の利益をいう)
5.一定額を超える寄附又は助成とは、過去3事業年度の平均で年間1,000万円又はその者の直近事業年度における総収入額の2%のいずれか高い方の額を超える寄附又は助成をいう
6.主要な金融機関とは、直前事業年度末における全借入れ額が当社の連結総資産の2%を超える金融機関をいう
7.主要株主とは、議決権保有割合10%以上 (直接保有、間接保有の双方を含む) の株主をいう
8.重要な地位にある者とは、取締役 (社外取締役を除く) 、執行役、執行役員及び部長職以上の上級管理職にある使用人並びに監査法人又は会計事務所に所属する者のうち公認会計士、法律事務所に所属する者のうち弁護士、財団法人・社団法人・学校法人その他の法人に所属する者のうち評議員、理事及び監事等の役員、その他同等の重要性を持つと客観的・合理的に判断される者をいう
9.近親者等とは、配偶者及び二親等内の親族をいう
また、当社が定める独立役員の属性情報の記載に関する軽微基準については、次に記載のとおりです。
<独立役員の属性情報の記載に関する軽微基準>
当社は、独立役員の属性情報の記載に関する軽微基準を以下のとおり定め、取引又は寄附等について本基準の範囲内である場合には、株主の議決権行使の判断に影響を及ぼすおそれがないと判断し、その記載を省略するものとする。
取引に関する記載
① 直近事業年度における、取引先グループから当社グループへの製品又はサービスの提供に係る取引の総額が1億円未満であること
② 直近事業年度における、当社グループから取引先グループへの製品又はサービスの提供に係る取引の総額が1億円未満であること
寄附又は助成に関する記載
過去3事業年度の平均で、当社グループが提供した金銭その他の財産の価額の総額が500万円未満であること
・当社との関係
監査等委員でない社外取締役の宮﨑正啓氏は、2021年3月まで株式会社日立ハイテクの代表執行役 執行役社長 兼 取締役を務めており、同社を含む日立グループと当社グループの間には取引関係がありますが、当事業年度の取引額は双方から見て連結売上高の0.1%未満であり、社外取締役としての独立性に影響を及ぼすものではありません。
監査等委員である社外取締役の中山美加氏は、2022年6月までJSR株式会社の取締役 兼 上席執行役員 サステナビリティ推進部長を務めており、同社を含むJSRグループと当社グループの間には取引関係がありますが、当事業年度の取引額は双方から見て連結売上高の0.1%未満であり、社外取締役としての独立性に影響を及ぼすものではありません。
監査等委員である社外取締役の秋山里絵氏は、1992年4月から1994年7月まで、株式会社三和銀行 (現 株式会社三菱UFJ銀行) の業務執行者でした。当社と株式会社三菱UFJ銀行との間には借入等の銀行取引があり、同社は当社の主要な金融機関に該当しますが、同氏は株式会社三和銀行を退社以降、20年以上に亘って法律事務所に所属する弁護士として独立したキャリアを積んでおり、社外取締役としての独立性に影響を及ぼすものではありません。
なお、当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案 (決議事項) として、「監査等委員である取締役3名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、中山美加氏が退任し、高原茂季氏が就任する予定です。
監査等委員である社外取締役の高原茂季氏は、2020年2月までファイザー株式会社の取締役執行役員 経理・財務本部長を務めておりましたが、同社と当社グループの間には当事業年度において取引関係はありません。
なお、同社が属するPfizerグループと当社グループの間にはライセンス等の取引関係がありますが、同氏のファイザー株式会社退社後6年以上が経過していることに加え、当該期間においてはPfizerグループとは異なる企業である関西ペイント株式会社において、2025年6月まで代表取締役副社長執行役員 最高財務責任者を務めており、社外取締役としての独立性に影響を及ぼすものではありません。
その他、社外取締役と当社との間には特に記載すべき関係 (社外取締役が他の会社等の役員若しくは使用人である、又は役員若しくは使用人であった場合における当該他の会社等と当社の関係を含む) はありません。なお、当社が定める独立役員の属性情報の記載に関する軽微基準 (前掲) の範囲内であるものについては記載を省略しています。
・内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との連携並びに内部統制部門との関係
監査等委員でない社外取締役は、取締役会において、内部監査、監査等委員会の監査及び会計監査の結果並びに内部統制部門による取り組みの状況報告を受け、意見を述べています。監査等委員である社外取締役は、主に監査等委員会を通じて、会計監査人による監査・レビューについての報告並びに内部統制及び内部監査についての報告を受けます。また、社外取締役は、社外取締役のみが参加する会合を定期的に開催し、本会合を監査等委員である社内取締役及び外部会計監査人等との連携の機会としても活用しています。
(3) 【監査の状況】
① 監査等委員会監査の状況
1) 監査等委員会の組織、人員及び手続
監査等委員会の監査については、独立社外取締役3名を含む4名の監査等委員で監査等委員会を構成し、取締役の職務執行の監査にあたります。委員長は独立社外取締役が務めています。監査等委員会は原則として毎月1回開催し、社内事情に精通した常勤の監査等委員である社内取締役と、独立性が高く、各専門分野に精通し実務経験豊富な監査等委員である社外取締役で構成され、各監査等委員の特性を活かした監査等委員会の監査が効果的に実施されます。また、監査等委員会の職務を補助する監査等委員会室 (4名) の設置、監査部門に対する指示系統の確立、会計監査人との連携等により、監査等委員会の機能強化を図っています。
監査等委員である社外取締役の荒牧知子氏は、長年、公認会計士及び税理士として企業の監査やアドバイザリー業務に携わり、現在は、荒牧公認会計士事務所の所長を務めるなど財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。
2) 監査等委員会の活動状況
当事業年度において当社は監査等委員会を19回開催しており、個々の監査等委員の出席状況については次のとおりです。
監査等委員会における具体的な検討事項は、監査等委員会監査方針・監査計画及び監査結果、事業報告及び計算関係書類監査結果、監査部門監査計画及び監査結果、内部統制システムの整備・運用状況、会計監査人の評価・報酬等、取締役 (監査等委員である取締役を除く) の選任等・報酬等についての意見等です。
常勤監査等委員は、取締役会、エグゼクティブ・コミッティ等の重要会議への出席、内部統制部門等からの業務執行に関わる報告聴取、国内外事業所監査、会計監査人との連携、取締役・トップマネジメントとの意見交換、監査等委員でない社外取締役との情報交換、りん議書等重要書類の閲覧等を行っています。
監査等委員である社外取締役は、取締役会への出席や監査等委員会に出席して監査の状況の報告を受けるほか、国内外事業所監査、内部統制部門等からの業務執行に関わる報告聴取、取締役・トップマネジメントとの意見交換、会計監査人との連携等の場に出席し、必要な意見の表明を行っています。
監査等委員会は、当事業年度は、下記について重点監査項目として取り組みました。
・人事制度や施策の状況
・子会社管理の状況
・組織のグローバル化と再編に伴う課題
・重要なリスクを伴う経営者による見積り・判断に基づく会計処理 (税務処理含む)
・業務委託の状況
・リスク対応・管理の状況
・コンプライアンス遵守・監督の状況
・サステナビリティ関連情報開示体制・プロセス
・ITに係る整備・支援の状況
当事業年度は監査等委員会による監査の強化のための取り組みを継続し、経営課題についての取締役・トップマネジメントとの意見交換の内容を充実させるとともに、下記について執行体との意見交換を実施しています。
・税務・財務戦略
・監査部門と監査等委員会の連携強化
・サステナビリティ関連情報の開示体制
・エシックス&コンプライアンスアップデート
・エンタープライズ・リスク管理
・臨床試験加速化プロジェクト進捗状況・課題
・情報セキュリティ戦略遂行の進捗状況等
・ITプロジェクト優先順位付け・予算配分
監査等委員会による組織監査においては、監査部門の監査等委員会への直接報告等の連携を強化し、内部監査テーマ及び個別監査計画に対して監査等委員会の意見及び視点を盛り込み、内部監査の結果を監査等委員会による監査に効率的に活用し、より実効的な組織監査を実施しています。
会計監査人との連携においては、監査計画及び報酬説明、四半期・半期・年度末決算に対する監査等の結果説明、内部統制監査報告、非保証業務の実施状況等の報告、監査上の主要な検討事項 (KAM) の協議、デジタル監査の取り組み等の情報共有、監査等委員会の監査実績の共有を通じ意見交換を行っています。
また、国内外事業所監査面談における事前準備・事後整理等のプロセス効率化、リスクベースアプローチにより選定したテーマに対する監査の実施、業務監査・会計監査の経常的監査業務の体系化を通じ、監査の高質化に向け着実な実行を推進しています。
なお、業務執行に関わる国内外事業所監査に関しては、直接訪問による監査とウェブ会議システムを用いたリモート監査を組み合わせて対応しています。
② 内部監査の状況等
内部監査については、通常の業務執行部門から独立した社長直轄の監査部門 (29名) を設置し、当社及びグループ会社における内部監査体制を整備しています。詳細については「(1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況」に記載のとおりです。
・監査等委員会と監査部門の連携状況
監査部門は、年度計画 (戦略・予算及び人材のリソースプランを含む) の策定に当たり監査等委員会の同意を得る必要があり、監査等委員会は、監査部門から監査結果等の報告を受け、必要に応じて監査部門に指示を行うことができます。さらに、監査等委員である取締役と監査長は、監査内容等について定期的に意見交換し、連携強化を図っています。
・監査等委員会と会計監査人の連携状況
当社の監査等委員会と会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人は、定期的に及び必要に応じて会議を持ち、各々の年間監査計画の確認、監査結果及び重要な監査情報の共有を行うなど、連携を密にしています。
半期決算、年度末決算時には、監査等委員会は会計監査人から会社法及び金融商品取引法に基づく監査・レビューについて結果報告及び説明を受けています。第1四半期決算、第3四半期決算については年度監査の一環として実施した手続きに関する経過報告及び説明を受けています。また、四半期ごとに監査等委員会の行った業務監査の結果について会計監査人に報告し、意見交換を行っています。
・監査部門と会計監査人の連携状況
監査部門と会計監査人は、財務報告に係る内部統制の整備・運用・評価及び内部監査結果等に関して定期的な情報共有・意見交換を行い、的確な内部統制監査等のための連携に努めています。
・内部監査、監査等委員会監査及び会計監査と内部統制部門との関係
監査等委員会及び監査部門は、それぞれ監査等委員会の監査及び内部監査の手続において、その他の内部統制部門と意思疎通を図り、また会計監査人は、コーポレートコントローラー部門及び必要に応じコーポレートコントローラー部門を通じてその他の内部統制部門と意見交換等を実施しています。
③ 会計監査の状況
1) 監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
2) 継続監査期間
1968年以降
3) 業務を執行した公認会計士の氏名
指定有限責任社員 業務執行社員:有倉 大輔
小山 晃平
今野 光晴
4) 会計監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 15名、公認会計士試験合格者 26名、その他 26名
5) 監査法人の選定方針と理由
会計監査人が会社法第340条第1項に定める解任事由に該当するときは、監査等委員全員の同意に基づく解任、又は監査等委員会の決議により、株主総会に提出する会計監査人の解任に関する議案の内容の決定を行います。また、監査等委員会は、会計監査人の独立性・専門性及び監査活動の適切性・妥当性の評価等を勘案し、株主総会に提出する会計監査人を再任しないことに関する議案の内容を決定します。
会計監査人の独立性・専門性及び監査活動の適切性・妥当性を評価した結果、監査品質に影響を与える事項はなく、会計監査人を不再任とする事由には該当しません。
6) 監査等委員会による監査法人の評価
当社の監査等委員会は、会計監査人に対して評価を行っています。会計監査人の独立性・専門性及び監査活動の適切性・妥当性等に関する評価項目を設け、項目ごとに評価のために必要な資料を社内関係部門及び会計監査人から入手することや報告を受けることで、監査品質の評価を行っています。
④ 監査報酬の内容等
1) 監査公認会計士等に対する報酬の内容
(前連結会計年度)
当社が監査公認会計士等に対して報酬を支払っている非監査業務の内容は「社債発行に伴うコンフォートレター作成業務」等です。
(当連結会計年度)
当社が監査公認会計士等に対して報酬を支払っている非監査業務の内容は「サステナビリティ開示に関する業務」等です。
2) 監査公認会計士等と同一のネットワーク (Ernst & Young) に属する組織に対する報酬 [1) を除く]
(前連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、主に税務コンサルティング業務等です。
(当連結会計年度)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、主にコンサルティング業務等です。
3) その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
4) 監査報酬の決定方針
当社は、監査公認会計士等に対する監査報酬について、前連結会計年度の監査実績等を踏まえ、当連結会計年度の監査計画の内容、監査体制、監査時間、報酬単価等の妥当性を検証し、監査等委員会の同意を得た上で決定します。
5) 監査等委員会が監査報酬に同意した理由
当社の監査等委員会は、社内関係部門及び会計監査人からの必要な資料の入手や報告の聴取を通じて、前連結会計年度の会計監査人の職務執行状況、監査時間の実績及び当連結会計年度の監査計画の内容、監査体制、監査時間の見積り、報酬単価等を精査・検討した結果、当連結会計年度の会計監査人の報酬等の額は妥当であると判断し、会社法第399条第1項及び同条第3項の同意を行っています。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
役員の報酬等は、優秀な人材の獲得・保持が可能となり、職責に十分見合う報酬体系及び報酬水準となるよう設計しています。報酬水準の設定には、外部専門機関の報酬調査データを活用するなど、より客観性を高めるよう努めています。
監査等委員でない社内取締役の報酬等は、業績連動性が高く、中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した報酬制度及び報酬構成として、定額の基本報酬、賞与及び株式報酬で構成し、業績との適切な連動を図ります。また、監査等委員でない社外取締役及び監査等委員である取締役の報酬等は、定額での基本報酬のみとします。監査等委員でない取締役の個人別の報酬等は、株主総会で決議された総額の範囲内で取締役会決議により決定し、監査等委員である取締役の個人別の報酬等は、株主総会で決議された総額の範囲内で監査等委員の協議により決定します。なお、監査等委員でない取締役の報酬等については、取締役会の決議に先立ち、報酬委員会にて協議することで、審議プロセスの透明性と客観性を高めます。
当社は、報酬委員会による協議を経て、取締役会決議で定めた役員の報酬等に関する規程において、取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を定めています。当該決定方針の詳細については、以下のとおりです。
なお、取締役会により決定される監査等委員でない取締役の個人別の報酬等の内容については、報酬委員会が上記決定方針に沿うものであるかも含めて審議しており、取締役会としてもその答申を尊重し、上記決定方針に沿うと判断しています。また、監査等委員である取締役の個人別の報酬等は、監査等委員の協議により決定しています。
1) 監査等委員でない社内取締役の報酬等の決定に関する方針と手続※
※ 本項目の記述において、単に「取締役」と記載している場合、監査等委員でない社内取締役を意味します。
報酬方針
当社の取締役の報酬は、以下の考え方に基づき決定します。
1.競争力のある報酬制度であること
・優秀な人材の獲得・保持が可能となる報酬体系及び報酬水準
2.企業価値・株主価値向上を重視した報酬制度であること
・業績連動性が高く、中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した報酬制度及び報酬構成
3.公平・公正な報酬制度であること
・国・地域を問わず、職責と成果に基づく公平かつ公正な報酬制度
報酬体系
当社の取締役の報酬体系は、「基本報酬 (固定報酬) 」及び「インセンティブ報酬 (変動報酬) 」で構成し、インセンティブ報酬 (変動報酬) は、「賞与 (短期インセンティブ報酬) 」と「株式報酬 (中長期インセンティブ報酬) 」の2種類を組み合せています。報酬の種類及び報酬の種類ごとの目的・概要は図表1のとおりです。
図表1.当社取締役の報酬体系
報酬水準
当社の取締役の報酬水準は、優秀な人材の獲得・保持が可能となる競争力のある報酬水準となるよう、外部専門機関の客観的な報酬調査データ (ウイリス・タワーズワトソンの「経営者報酬データベース」) 等を活用して、報酬ベンチマーク企業群を選定の上、職責等に応じて決定します。
[報酬ベンチマーク企業群]
報酬のベンチマークにあたっては、「①日本の株式市場に上場する大手製造業企業群」を主な比較対象としつつ、「②当社と売上収益が同規模程度のグローバル製薬企業群」についても参考情報の一つとして参照します。
当社の取締役の報酬 (基準額) を決定するにあたり参照した報酬ベンチマーク企業群は、図表2のとおりです。
図表2.参照した報酬ベンチマーク企業群
(注) 1.日本の株式市場に上場する大手製造業企業群は、参照時点において時価総額上位100社の中の製造業企業から選定しています。
2.当社と売上収益が同規模程度のグローバル製薬企業群は、参照時点において売上収益が当社の0.5倍~2倍の範囲に位置するグローバル製薬企業から選定しています。
3.当社の取締役の報酬 (基準額) は、当社を除いた報酬ベンチマーク企業群の報酬調査データを参照して決定しています。
報酬の構成割合
当社の取締役の報酬の構成割合は、当社の経営戦略・事業環境、職責及びインセンティブ報酬における目標達成の難易度等を踏まえ、報酬ベンチマーク企業群の動向等を参考に、適切に設定します。また、業績連動性が高く、中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した報酬制度及び報酬構成とするため、インセンティブ報酬 (特に中長期インセンティブ報酬) の割合をより高め、第21期の代表取締役社長の報酬の構成割合は、「基本報酬:賞与 (基準額) : 株式報酬 (基準額) 」=「1:1.25以上:1.85以上」を目安としています。他の取締役の報酬構成割合は、代表取締役社長の報酬構成割合に準じて、職責や報酬水準を考慮し決定します。
第21期の当社取締役の役位別の報酬水準 (基準額) 及び報酬構成割合は、以下 (図表3) のとおりです。なお、報酬ベンチマーク企業群の報酬水準動向等を踏まえ、第22期の当社取締役の役位別の報酬水準 (基準額) 及び報酬構成割合は、第21期と同じ設定とします。
図表3.当社取締役の役位別報酬水準 (基準額) 及び報酬構成割合

インセンティブ報酬制度 (変動報酬)
[賞与 (短期インセンティブ報酬) ]
賞与 (短期インセンティブ報酬) は、事業年度ごとの目標の達成に向けて、着実に成果を積み上げるための業績連動報酬として、適切な連結業績評価指標を設定するとともに、業績連動性の高い仕組みとします。第21期の賞与 (短期インセンティブ報酬) の業績評価指標及び仕組み並びに支給額の算定式は、以下 (図表4、5) のとおりです。なお、業績評価指標及び仕組みは、事業環境の変化や経営計画の見直し等に応じて、適宜、変更します。
図表4.賞与 (短期インセンティブ報酬) の業績評価指標及び仕組み
(注) EPS:Earnings Per Share (1株当たり利益)
上記の業績評価指標により算定された評価係数に対し、サステナビリティ業績の目標の達成度に応じて±10%の範囲で加算減算を行います。なお、評価係数 (賞与支給率) は、0%から200%の範囲を超えないものとします。
(注) 業績目標及び達成度の評価は、報酬委員会における協議を経て取締役会において決定します。
図表5.賞与 (短期インセンティブ報酬) 支給額の算定式

第21期を評価対象期間とする賞与 (短期インセンティブ報酬) の各業績評価指標の目標及び実績並びに賞与支給率 (基準額に対する実支給額の比率) は以下のとおりです。
(注) 1.EPS:Earnings Per Share (1株当たり利益)
2.研究開発業績の目標、上限下限の設定及び評価係数は、報酬委員会における協議を経て取締役会にて決定しています。
(注) 3.サステナビリティ業績の目標、上限下限の設定及び評価係数は、報酬委員会における協議を経て取締役会にて決定しています。
4.①サステナビリティ関連情報開示の取り組みでは、サステナビリティ関連の新たな情報開示規制 (CSRD (企業サステナビリティ報告指令) 及びSSBJ (サステナビリティ基準委員会)) への対応状況に関する目標を設定しました。②人材・組織への取り組みでは、従業員エンゲージメントサーベイ結果に関する目標を設定しました。③製品の安定供給確保への取り組みでは、患者さんに対するアステラス製品のタイムリーな供給の実現に関する目標を設定しました。④環境への取り組みでは、SBT (Science Based Targets) イニシアチブから承認を受けた目標達成のための詳細計画の実行と年次行動計画の実施状況に関する目標 (注5) を設定しました。
5.2022年にSBTイニシアチブから承認を取得した温室効果ガス排出削減目標
スコープ1+2を2030年度までに63%削減する (基準年:2015年度) 、スコープ3を2030年度までに37.5%削減する (基準年:2015年度)
(スコープ:温室効果ガスの排出量の算定範囲、スコープ1:自社で使用した燃料に伴う温室効果ガスの直接排出、スコープ2:購入した電力の使用に伴う温室効果ガスの間接排出、スコープ3:原材料調達や製品使用等、サプライチェーンでの温室効果ガスの排出)
第22期を評価対象期間とする賞与 (短期インセンティブ報酬) の一人当たりの支給限度額 (第23期支給予定)
代表取締役会長 280,004千円
代表取締役社長 366,000千円
代表取締役副社長 145,460千円
[株式報酬 (中長期インセンティブ報酬) ]
株式報酬 (中長期インセンティブ報酬) は、中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した経営を推進するための業績連動報酬として、連続する3事業年度 (以下「対象期間」) における企業価値・株主価値の成長度等に応じて当社株式の交付等を行うものとし、適切な株価評価指標を設定するとともに、業績連動性の高い仕組みとします。
第21期を対象期間開始事業年度とする株式報酬 (中長期インセンティブ報酬) の株価評価指標及び仕組み並びに交付株式数・金銭支給額の算定式は、以下 (図表6、7) のとおりです。
株価評価指標として株主総利回り (以下「TSR (注1) 」) を採用し、対象期間における「当社TSR」と「東証株価指数 (TOPIX) 成長率」との比較結果及び対象期間の「当社TSR」と「グローバル製薬企業 (TSR Peer Group (注2)) のTSR」との比較結果に応じて、当社株式の交付等を行います。ただし、交付される株式の50%は、源泉所得税等の納税資金に充当することを目的として、金銭に換価して支給されます。各取締役に対する株式及び金銭の給付は三菱UFJ信託銀行株式会社の役員報酬BIP (Board Incentive Plan) 信託を通じて行います。
(注) 1.TSR:Total Shareholder Return (株主総利回り) の略。キャピタルゲインと配当を合わせた、株主にとっての総合投資利回り。
2.TSR Peer Group:選定時点において売上収益が当社の0.5倍以上のグローバル製薬企業群。対象期間中に企業の組織再編や事業内容の変化等により、評価結果算定時点において選定企業に適さないと判断される企業がある場合には、報酬委員会における協議を経て取締役会決議により選定企業を変更します。
図表6.株式報酬 (中長期インセンティブ報酬) の株価評価指標及び仕組み
図表7.株式報酬 (中長期インセンティブ報酬) の交付株式数・金銭支給額の算定式

第21期を評価対象期間終了事業年度とする株式報酬 (中長期インセンティブ報酬) の各業績評価指標の目標及び実績並びに株式交付率 (基準ポイントに対する実交付株式数の比率) は以下のとおりです。
(注) 1.TSR:Total Shareholder Return (株主総利回り) の略。キャピタルゲインと配当を合わせた、株主にとっての総合投資利回り。
2.グローバル製薬企業:選定時点において売上収益が当社の0.5倍以上のグローバル製薬企業群 (TSR Peer Group) 。対象期間 (連続する3事業年度) 中に企業の組織再編や事業内容の変化等により、評価結果算定時点において選定企業に適さないと判断される企業がある場合には、報酬委員会における協議を経て取締役会決議により選定企業を変更します。
第24期を評価対象期間終了事業年度とする株式報酬 (中長期インセンティブ報酬) の一人当たり支給限度株数 (第25期支給予定)
代表取締役会長 137,886株
代表取締役社長 222,094株
代表取締役副社長 77,602株
報酬決定手続
当社の取締役の報酬等は、審議プロセスの客観性・透明性を高めるため、報酬委員会 (社外取締役が委員の過半数を占め、かつ社外取締役が委員長を務める) における協議結果を踏まえて、株主総会で決議された総額の範囲内で、取締役会決議により決定します。
株式保有ガイドライン
当社は、代表取締役社長に対して、就任後4年で基本報酬 (年額) の1.5倍の価値に相当する当社株式を保有することを奨励しています。その他の取締役については、これに準じ、役位に応じて設定した価値に相当する当社株式の保有を奨励しています。
マルス条項・クローバック条項
当社は、インセンティブ報酬 (賞与及び株式報酬) に関して、取締役による不正行為等があった場合に、取締役会の決議により、取締役に対しインセンティブ報酬 (賞与及び株式報酬) の減額又は不支給の措置を取ることができるマルス条項を役員の報酬等に関する規程に定めています。
また、インセンティブ報酬 (賞与及び株式報酬) に関して、重大な会計上の誤りや不正による決算の事後修正が行われた場合又は取締役による不正行為等があった場合に、取締役会の決議により、取締役に対しインセンティブ報酬 (賞与及び株式報酬) の返還を求めることができるクローバック条項を役員の報酬等に関する規程に定めています。返還の対象となり得る報酬は、当該事象が発生した事業年度及びその前の3事業年度を評価対象年度に含むインセンティブ報酬 (賞与及び株式報酬) の一部又は全部です。
(参考) 担当役員の報酬等の決定に関する方針
当社担当役員の報酬等の決定に関する方針は、取締役の報酬等の決定に関する方針に準ずるものとしています。
2) 監査等委員でない社外取締役の報酬等の決定に関する方針と手続
監査等委員でない社外取締役の報酬等は、客観的かつ独立した立場から当社の経営を監督するという役割に鑑みて、基本報酬 (固定報酬) のみとします。基本報酬の水準は、外部専門機関の客観的な報酬調査データ等を参考に、その職責等に応じて決定します。当該取締役の個人別の報酬等は、報酬委員会における協議結果を踏まえて、株主総会で決議された総額の範囲内で、取締役会決議により決定します。
3) 監査等委員である社内取締役の報酬等の決定に関する方針と手続
監査等委員である社内取締役の報酬等は、経営を監督・監査するという役割に鑑みて、基本報酬 (固定報酬) のみとします。基本報酬の水準は、外部専門機関の客観的な報酬調査データ等を参考に、その職責等に応じて決定します。当該取締役の個人別の報酬等は、株主総会で決議された総額の範囲内で、監査等委員である取締役の協議により決定します。
4) 監査等委員である社外取締役の報酬等の決定に関する方針と手続
監査等委員である社外取締役の報酬等は、客観的かつ独立した立場から当社の経営を監督・監査するという役割に鑑みて、基本報酬 (固定報酬) のみとします。基本報酬の水準は、外部専門機関の客観的な報酬調査データ等を参考に、その職責等に応じて決定します。当該取締役の個人別の報酬等は、株主総会で決議された総額の範囲内で、監査等委員である取締役の協議により決定します。
5) 報酬委員会の活動内容
第21期は、第21期及び第22期に係る監査等委員でない取締役、担当役員等の報酬 (以下「役員報酬」) の審議・決定について議論を重ねました。当事業年度においては、報酬委員会を8回開催し、8回中2回については、客観的な立場からの専門的な情報提供を目的として、外部専門機関 (ウイリス・タワーズワトソン) の報酬コンサルタントが陪席しています。
これらに関する最近の報酬委員会の活動内容の詳細については「(1) コーポレート・ガバナンスの概要 ②コーポレートガバナンス体制の概要及び当該体制を選択する理由等 <当事業年度 報酬委員会の具体的な検討内容>」に記載のとおりです。
6) 役員の報酬等に関する株主総会の決議
(監査等委員でない取締役)
監査等委員でない取締役に対する年間報酬総額 (限度額) については、以下のとおりです。
(注) 1.2019年6月18日開催の当社第14期定時株主総会において、決議されています。ただし上記の限度額には使用人分給与は含まれません。当該定時株主総会終結時点の監査等委員でない社内取締役の員数は3名です。
2.2025年6月19日開催の当社第20期定時株主総会において、決議されています。当該定時株主総会終結時点の監査等委員でない社外取締役の員数は6名です。
3.企業業績と企業価値の持続的な向上に対する貢献意識を高めることを目的として、企業業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性の高い中長期インセンティブ報酬制度として、役員報酬BIP (Board Incentive Plan) 信託と称される仕組みによる業績連動型株式報酬制度 (株式報酬) を導入しており、連続する3事業年度を一つの対象期間として、毎年、各対象期間の初年度に、役員報酬BIP信託に取締役への報酬として拠出する限度額は、2019年6月18日開催の当社第14期定時株主総会において1,640百万円と決議されています。また、取締役が取得する当社株式数 (換価処分の対象となる当社株式の数を含む) の上限は、対象期間ごとに、1,640百万円をその初年度開始月 (4月) の前月 (3月) の東京証券取引所における当社株式の終値の平均値をもって除して得られる数 (小数点以下の端数は切り捨て) と当該定時株主総会において決議されています。当該定時株主総会終結時点の監査等委員でない社内取締役の員数は3名です。
上記報酬等の対象となる取締役の員数 (提出日時点) は、基本報酬については8名 (社内取締役3名、社外取締役5名) 、賞与については3名 (社内取締役のみ) 、株式報酬については3名 (社内取締役のみ) となります。
(監査等委員である取締役)
監査等委員である取締役に対する年間報酬総額 (限度額) については、2018年6月15日開催の当社第13期定時株主総会において、以下のとおり決議されています。
(注) 当該定時株主総会終結時点の監査等委員である取締役の員数は5名です。
上記報酬等の対象となる取締役の員数 (提出日時点) は、社内取締役1名、社外取締役3名となります。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の数
(注) 上記の株式報酬は、日本基準により当事業年度に費用計上した金額を記載しています。
③ 役員ごとの報酬等の総額等
(注) 1.報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
2.上記の株式報酬は、日本基準により当事業年度に費用計上した金額を記載しています。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、保有目的が専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とするか否かで区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
1) 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、業務提携等事業戦略上合理的と判断される場合を除き、新規に株式を取得・保有しません。保有株式については、その保有目的を当社の中長期的な事業戦略上の観点から毎年取締役会で検証し、保有価値が乏しいと判断した株式は売却します。
2) 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
該当事項はありません。
3) 特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
人材戦略及び従業員給与等の決定方針については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本」に記載しています。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
(2026年3月31日現在)
(注) 従業員数は就業人員を記載しています。
② 提出会社の状況
(2026年3月31日現在)
(注) 1.従業員数は就業人員を記載しています。
2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含む総年間賃金を人数で除して算出しています。
3.経営基幹職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」 (平成27年法律第64号) の規定に基づき算出したものです。労働者の母数には取締役及び担当役員を含めていません。
4.男性労働者の育児休業等取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」 (平成3年法律第76号) の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」 (平成3年労働省令第25号) 第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。なお、同第71条の6第1号における育児休業等のみの取得率は55.5 %です。
5.男女の賃金の差異は、男女別に対象労働者の年間平均賃金 (対象労働者の総年間賃金÷対象労働者数) を算出し、女性年間平均賃金÷男性年間平均賃金×100として算出しています。
なお、差異の主な要因は男性の方が高い職務グレードに就いている割合が高いことであり、同等の期待役割を持つ職務レベルであれば男女で賃金に差異が生じることはありません。
③ 労働組合の状況
当社の従業員は、アステラス労働組合を構成し、上部団体として医薬化粧品産業労働組合連合会に加盟しています。2026年3月31日現在における組合員数は2,459名です。また、労使は健全な関係を構築しています。
④ 使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度の内容
当社は使用人その他の従業員のみを対象とした役員・従業員株式所有制度を導入しています。当該役員・従業員株式所有制度の内容については、「1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しています。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」 (昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」) 第312条の規定により、国際会計基準 (以下「IFRS会計基準」) に準拠して作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」 (昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」) に基づいて作成しています。
なお、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度 (2025年4月1日から2026年3月31日まで) の連結財務諸表及び事業年度 (2025年4月1日から2026年3月31日まで) の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。その内容は、具体的には以下のとおりです。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、IFRS会計基準に関する十分な知見を有した従業員を配置するとともに、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、セミナー等へ参加することを含め、社内における専門知識の蓄積に努めています。
(2) IFRS会計基準に基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRS会計基準に準拠したグループ会計方針を作成し、これに基づきグループで統一した会計処理を行っています。グループ会計方針は、国際会計基準審議会 (IASB) が公表するプレスリリース及び基準書を随時入手し、最新の基準についての情報の把握並びに当社への影響の検討を行い、適時適切に内容を更新しています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結純損益計算書】
② 【連結包括利益計算書】
③ 【連結財政状態計算書】
④ 【連結持分変動計算書】
⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
アステラス製薬株式会社及び連結子会社 (以下「当社グループ」) は、医薬品事業を展開しています。当社グループの親会社であるアステラス製薬株式会社 (以下「当社」) は、日本に所在する企業であり、登記されている本社及び主要な事業所の住所は、ホームページ (https://www.astellas.com/jp/) で開示しています。また、株式は東京証券取引所 (プライム市場) に上場しています。
当社グループの2026年3月31日に終了する連結会計年度の連結財務諸表は、2026年6月16日に最高経営責任者である代表取締役社長 岡村 直樹及び最高財務責任者である担当役員 財務担当 北村 淳によって承認されています。
2.作成の基礎
(1) IFRS会計基準に準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRS会計基準に準拠して作成しています。
当社グループは、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしていることから、同第312条の規定を適用しています。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3) 表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈のない限り、百万円単位での四捨五入により表示しています。
(4) 表示方法の変更
連結財政状態計算書
前連結会計年度において流動負債の「その他の流動負債」に含めていた「返金負債」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度から独立掲記しています。
また、前連結会計年度において独立掲記していた非流動資産の「売上債権及びその他の債権」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度から非流動資産の「その他の金融資産」に含めて表示しています。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財政状態計算書の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結財政状態計算書において、流動負債の「その他の流動負債」に含めて表示していた348,021百万円は、流動負債の「返金負債」として組み替えています。
また、前連結会計年度の連結財政状態計算書において、非流動資産の「売上債権及びその他の債権」に表示していた18,453百万円は、非流動資産の「その他の金融資産」として組み替えています。
連結キャッシュ・フロー計算書
前連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めていた「返金負債の増減額」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度から独立掲記しています。
また、前連結会計年度において独立掲記していた投資活動によるキャッシュ・フローの「無形資産の売却による収入」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度から「その他」に含めて表示しています。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示していた46,524百万円は、「返金負債の増減額」として組み替えています。
また、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、投資活動によるキャッシュ・フローの「無形資産の売却による収入」に表示していた1,159百万円は、「その他」として組み替えています。
(5) 未適用の公表済み基準及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている基準書及び解釈指針の新設又は改訂のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、次のとおりです。
IFRS第18号の適用による当社グループの連結財務諸表に与える影響は精査中ですが、主な影響は表示の組替えであり、当期利益への影響はない見込みです。
3.重要性がある会計方針
当社グループが適用する重要性がある会計方針は、連結財務諸表に表示されているすべての期間において継続的に適用されています。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループは、企業 (投資先) への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資先に対するパワーによりリターンに影響を及ぼす能力を有している場合に投資先を支配しています。当社グループは、子会社に対する支配を獲得した日から当該子会社を連結し、支配を喪失した日に連結を終了しています。
グループ会社間の債権債務残高、取引高、及びグループ会社間取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成にあたり消去しています。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配はしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%から50%を保有する場合、当社グループは当該企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。当社グループは、関連会社に対する投資について、持分法を用いて会計処理を行っています。
③ 共同支配の取決め
共同支配の取決めとは、複数の当事者が共同支配を有する取決めをいいます。共同支配とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有をいい、関連性のある活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。当社グループが有する共同支配の取決めは、以下の2つに分類され、会計処理されています。
・共同支配事業 ― 当社グループが取決めに関する資産に対する権利及び負債に対する義務を有する場合、その共同支配事業に対する持分に関する自らの資産、負債、収益及び費用を認識しています。
・ジョイント・ベンチャー ― 当社グループが取決めの純資産に対する権利を有している場合、持分法により会計処理しています。
(2) 企業結合
企業結合は、取得法を適用して会計処理をしています。
企業結合で移転された対価は公正価値で測定し、当社グループが移転した資産、当社グループに発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び当社グループが発行した資本持分の取得日公正価値の合計額として計算しています。移転された対価には、条件付対価契約から発生したすべての資産又は負債の公正価値が含まれます。
IFRS第3号「企業結合」の認識の要件を満たす被取得企業の識別可能な資産、引き受けた負債及び偶発負債は、以下を除き、取得日公正価値で測定しています。
・繰延税金資産又は負債はIAS第12号「法人所得税」に、従業員給付契約に係る負債 (又は資産) はIAS第19号「従業員給付」に、株式に基づく報酬取引に係る負債又は資本性金融商品はIFRS第2号「株式に基づく報酬」に従って、それぞれ認識し測定しています。
・売却目的保有に分類される非流動資産又は処分グループは、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って測定しています。
・IFRS第16号「リース」に従って識別した被取得企業が借手であるリースは、リース負債を取得日現在の残存リース料の現在価値で測定し、使用権資産をリース負債 (市場の条件と比較した場合の当該リースの有利又は不利な条件について調整後) と同額で測定しています。
のれんは、移転された対価の公正価値、被取得企業のすべての非支配持分の金額及び当社グループが従来保有していた被取得企業の資本持分の取得日公正価値の総計が、識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日における正味の金額を上回る場合に、その超過額として測定しています。この差額が負の金額である場合には、直ちに純損益に認識しています。
企業結合を実行するために発生した取得関連コストは、発生時に費用として会計処理しています。
(3) 外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの各企業の個別財務諸表は、それぞれの機能通貨で作成されています。当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示されています。
② 外貨建取引
外貨建取引は、取引日現在の直物為替レート又はそれに近似するレートを用いて機能通貨に換算しています。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は期末日現在の直物為替レートを用いて機能通貨に再換算し、その結果生ずる為替差額を純損益に認識しています。
③ 在外営業活動体
在外営業活動体の財政状態計算書の資産及び負債は期末日の直物為替レート、純損益及びその他の包括利益を表示する各計算書に係る収益及び費用は、期中の平均為替レートを用いて日本円に換算しています。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる外貨換算差額は、その他の包括利益に認識しています。在外営業活動体の処分時には、当該在外営業活動体に関連する外貨換算差額の累計額を、純損益に振り替えています。
(4) 売上収益
当社グループは、医薬品の販売による収益及び第三者に製品の製造や販売、技術の使用等を認めた契約によるロイヤルティ収入を得ています。
① 医薬品の販売
医薬品の販売による収益は、当社グループが移転を約束した医薬品に対する支配を顧客が獲得した時点で認識しています。通常、医薬品が顧客へ引き渡された時点で医薬品に対する支配を顧客が獲得すると判断しています。
対価の支払条件については、原則として1年を超える契約はなく、重大な金融要素は含まれていません。取引価格に割戻及び値引等の変動性のある金額が含まれている契約については、これらの変動対価を期待値又は最も可能性の高い金額により見積り、顧客から受領する対価から控除しています。変動対価は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い場合のみ認識しています。
他の企業から医薬品の販売を受託していると判断された取引、すなわち、当社グループが代理人として関与している取引については、当社グループが権利を得ると見込んでいる報酬又は手数料を純額で収益として認識しています。
② ロイヤルティ収入
ロイヤルティ収入には、契約一時金、契約で定められた条件を達成した場合に受領する受取マイルストン及び売上高等をベースとしたランニング・ロイヤルティが含まれます。
契約一時金は、履行義務が充足された時点で又は履行義務が充足されるにつれて一定の期間にわたり、収益を認識しています。一時点で充足される履行義務については、契約に基づき当社グループが移転することを約束した権利の支配を顧客が獲得した時点で収益を認識しています。一定の期間にわたり充足される履行義務については、経過期間等のアウトプットと、契約で約束した残りのサービス提供期間等との比率に基づいて収益を認識しています。
受取マイルストンは、マイルストンの受領に不確実性があり、条件が達成されるまでは不確実性が解消されないことから、原則として、条件が達成された時点で一時に収益を認識しています。
売上高等をベースとしたランニング・ロイヤルティは、その後の売上等が発生する、もしくは、売上高等をベースとしたロイヤルティが配分されている履行義務が充足されるという事象のうち、遅い方が発生した時点で認識しています。
契約一時金及び受取マイルストンは、原則として契約で定められた金額を収益としています。ランニング・ロイヤルティの収益については、顧客からランニング・ロイヤルティの計算対象期間の売上高等の報告を受け、それに契約で定められた料率を乗じて算出しています。ほとんどの契約で契約締結や条件達成後、及びランニング・ロイヤルティの計算対象期間の末日から短期間での支払期限が定められています。
(5) 研究開発費
当社グループ内で発生した研究開発に関する支出は、すべて研究開発費として発生時に費用として認識しています。
IAS第38号「無形資産」の下では、内部発生の開発費は、認識要件を満たす場合にのみ無形資産として認識されますが、当社グループでは、グループ内で発生した進行中の開発プロジェクトに係る費用は、主要な市場における規制当局からの販売承認を得ていない限り、認識要件を満たしていないと判断しており、費用として認識しています。
当社グループは、グループ内における研究開発活動のほか、複数の第三者と共同研究開発に関する契約を締結しています。これらの共同研究開発に伴い発生した、研究開発業務に係る費用の精算に伴う支出及び収入は、当社グループ内で発生した研究開発に関する支出と同様に研究開発費として発生時に費用として認識しています。
(6) 法人所得税費用
法人所得税費用は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合から生じる税金、及びその他の包括利益又は直接資本に認識される項目に関係する税金を除いて、純損益で認識しています。
当期税金は、期末日において施行又は実質的に施行されている法定税率及び税法を適用して、税務当局に納付又は税務当局から還付されることが予想されている金額で算定しています。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、ある資産又は負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務基準額との間に生じる一時差異に対して認識しています。ただし、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識していません。
・のれんの当初認識から生じる場合
・企業結合以外の取引で、取引時に、会計上の利益にも課税所得 (税務上の欠損金) にも影響を与えず、かつ、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異については、予測可能な期間内に当該一時差異が解消する可能性が高くない場合又は当該一時差異を活用できる課税所得が稼得される可能性が高くない場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異については、一時差異を解消する時期をコントロールでき、予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について、将来それらを使用できる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識しています。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、期末日における法定税率又は実質的法定税率、及び税法に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しています。
繰延税金資産と繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債とを相殺する法的強制力のある権利を有する場合で、かつ同一の納税主体又は当期税金資産と当期税金負債とを純額で決済する予定の異なる納税主体に対して同一の税務当局によって課されている法人所得税費用に関連する場合、相殺しています。
当社グループは、IAS第12号で定められる例外措置を適用し、第2の柱モデルルールから生じる法人所得税費用に関する繰延税金資産及び繰延税金負債について認識及び開示をしていません。
(7) 有形固定資産 (使用権資産を除く)
有形固定資産の測定には、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しています。取得原価には、当該資産を意図した方法で稼働可能にするために必要な場所及び状態に置くことに直接起因するコスト、当該資産項目の解体及び除去並びに敷地の原状回復のコストの当初見積額が含まれています。
取得後コストは、当該コストに関連する将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、当該コストが信頼性をもって測定できる場合にのみ、資産として認識しています。有形固定資産に対する修繕及び維持のための日常的な保守コストは、発生時に純損益に認識しています。
有形固定資産の減価償却は、当該資産が使用可能となった時点から開始されます。有形固定資産項目に重大な構成部分が存在する場合には、個別に減価償却しています。償却可能額は、資産の取得原価から残存価額を控除して算定しています。償却可能額を各構成部分の見積耐用年数にわたり、定額法で減価償却しています。
主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりです。
有形固定資産の耐用年数、残存価額及び減価償却方法は各連結会計年度末に再検討を行い、必要に応じて変更しています。
(8) リース
当社グループは、契約時に契約がリース又はリースを含んだものであるかどうかを、契約の実質に基づき判断しています。リース期間は、解約不能期間に行使することが合理的に確実な延長するオプションと行使しないことが合理的に確実な解約するオプションの対象期間を加えて決定しています。特性が合理的に類似したリースのポートフォリオには単一の割引率を適用しています。短期リース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産とリース負債を認識せず、当該リースに関連したリース料をリース期間にわたり費用として認識する場合があります。
① 使用権資産
使用権資産は、リース開始日のリース負債の当初測定額に、発生した当初直接コスト等を調整した取得原価で測定しています。
開始日後は、使用権資産の耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間 (2~40年) にわたり、定額法で減価償却しています。
② リース負債
リース負債は、リース開始日現在で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しています。リースの計算利子率を容易に算定できない場合には、追加借入利子率を使用しています。
開始日後は、リース負債に係る金利を反映するように帳簿価額を増額し、支払われたリース料を反映するように帳簿価額を減額し、リース負債の見直しやリースの条件変更等に伴って必要に応じて再測定しています。
(9) のれん
当初認識時におけるのれんの測定については、「 (2) 企業結合」に記載しています。当初認識後は、取得原価から減損損失累計額を控除した額で計上しています。
のれんの減損については、「 (11) 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損」に記載しています。
(10) 無形資産
無形資産は、のれん以外の物理的実体のない識別可能な非貨幣性資産であり、個別に取得した、又は企業結合の一環として取得した研究及び製造に関する技術、仕掛研究開発及び販売権等により構成されています。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しており、企業結合により取得した無形資産は、取得日現在の公正価値で測定しています。また、当初認識後の測定には原価モデルを採用しており、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しています。
個別に取得した、又は企業結合に伴い取得した製品及び研究開発に関する権利のうち、研究開発の段階にあり、未だ規制当局の販売承認が得られず上市していないものは、「仕掛研究開発」として無形資産に認識しています。
取得した仕掛研究開発に関する支出は、当社グループに将来の経済的便益が流入することが期待され、かつ、識別可能である場合にのみ資産として計上しており、これには第三者に支払われた契約一時金及び目標達成時のマイルストン支払が含まれています。
仕掛研究開発として認識された無形資産は、未だ使用可能な状態にないため、償却をせず、減損の兆候がある場合にはその都度及び減損の兆候の有無にかかわらず毎年一定の時期に減損テストを実施しています。
仕掛研究開発は規制当局の販売承認が得られ上市した時点で「販売権」に振り替えており、その時点から見積耐用年数にわたり定額法で償却しています。
無形資産は、それらが使用可能となった時点から見積耐用年数 (2年~25年) にわたって定額法で償却しています。個別に取得した、又は企業結合に伴い取得した研究及び製造に関する技術、製品及び研究開発に関する権利の償却費は、連結純損益計算書の「無形資産償却費」として表示しています。見積耐用年数は、法的保護期間又は経済的耐用年数のいずれか短い方を採用し、定期的に見直しを行っています。
また、製品及び研究開発に関する権利の譲渡により生じる利得は、連結純損益計算書の「無形資産譲渡益」として表示しています。
(11) 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損
① 有形固定資産及び無形資産の減損
当社グループは、各報告期間の末日に、有形固定資産及び無形資産が減損している可能性を示す兆候の有無を検討しています。
減損の兆候がある場合には、回収可能価額の見積りを実施しています。また耐用年数を確定できない、もしくは未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず毎年一定の時期に減損テストを実施しています。
回収可能価額の見積りにおいて、個々の資産の回収可能価額を見積もることができない場合には、その資産の属する資金生成単位の回収可能価額を見積もっています。資金生成単位とは、他の資産又は資産グループからのキャッシュ・インフローとはおおむね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の識別可能な資産グループをいいます。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としています。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは評価日における貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割り引いています。回収可能価額の算定に使用する割引率は、地域ごとに適切な水準で設定しています。
資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額は減損損失として純損益に認識しています。
② のれんの減損
のれんは、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位 (単位グループ) に配分し、毎年一定の時期及び減損の兆候があると認められた場合にはその都度、減損テストを実施しています。減損テストにおいて資金生成単位 (単位グループ) の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額は減損損失として純損益に認識しています。
減損損失は、最初に、資金生成単位 (単位グループ) に配分されたのれんの帳簿価額を減額し、次に、当該単位内の各資産の帳簿価額に基づいた比例按分により、当該単位の中の他の資産に配分しています。
③ 減損の戻入れ
過年度に認識した減損損失については、各報告期間の末日において、損失がもはや存在しないか又は減少している可能性を示す兆候の有無を検討しています。減損の戻入れの兆候がある場合には、その資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行っています。回収可能価額の算定に用いた見積りに変更があった場合には、過年度に認識した減損損失がなかったとした場合の (償却又は減価償却控除後の) 帳簿価額を超えない金額を上限として、減損損失の戻入れを実施しています。
のれんについて認識した減損損失は、その後の期間に戻入れを行いません。
(12) 金融商品
① 当初認識及び測定
金融資産及び金融負債は、当社グループが金融商品の契約条項の当事者となった取引日に認識しています。
金融資産及び金融負債は、重大な金融要素を含んでいない営業債権を除き、当初認識時に公正価値で測定しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 (以下「FVTPLの金融資産」) 及び純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 (以下「FVTPLの金融負債」) を除き、金融資産の取得又は金融負債の発行に直接起因する取引コストは、当初認識時において、金融資産の公正価値に加算又は金融負債の公正価値から減算しています。FVTPLの金融資産及びFVTPLの金融負債の取得に直接起因する取引コストは純損益に認識しています。
② 金融資産
当社グループはすべての金融資産を当初認識時に、「償却原価で測定する金融資産」、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 (以下「FVTOCIの金融資産」)」又は「FVTPLの金融資産」に分類しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
以下の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
当初認識後、実効金利法による償却原価から減損損失を控除した金額で測定し、実効金利法による利息収益は純損益に認識しています。
(b) FVTOCIの金融資産 (負債性金融商品)
以下の条件がともに満たされる場合には、FVTOCIの金融資産 (負債性金融商品) に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
当初認識後、公正価値で測定し、減損利得又は減損損失及び為替差損益を除き、公正価値の事後の変動はその他の包括利益に認識しています。当該金融資産の認識を中止する場合、その他の資本の構成要素に認識されている利得又は損失の累計額を、純損益に組替調整額として振り替えています。
(c) FVTOCIの金融資産 (資本性金融商品)
資本性金融商品は、一部を除いて公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、FVTOCIの金融資産に分類しています。
当初認識後、公正価値で測定し、公正価値の事後の変動はその他の包括利益に認識しています。当該金融資産の認識を中止する場合、又は公正価値が著しく下落した場合には、その他の資本の構成要素に認識されている利得又は損失の累計額を利益剰余金に振り替えています。当該金融資産に係る受取配当金は、投資原価の一部回収である場合を除き、純損益に認識しています。
(d) FVTPLの金融資産
償却原価で測定する金融資産及びFVTOCIの金融資産に分類されない金融資産をFVTPLの金融資産として分類しています。
当初認識後、公正価値で測定し、公正価値の事後の変動を純損益に認識しています。
③ 金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産又は負債性金融商品のうちFVTOCIの金融資産に分類された金融資産に係る予想信用損失に対する損失評価引当金を認識しています。
損失評価引当金の測定は、各報告期間の末日において、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、当該金融資産に係る全期間の予想信用損失に等しい金額とし、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合は、当該金融資産に係る12か月の予想信用損失に等しい金額としています。
ただし、営業債権、契約資産及びリース債権に係る損失評価引当金については、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
金融資産の全部又は一部について回収できないと合理的に判断した場合には債務不履行とみなしています。
予想信用損失は、以下を反映して見積もっています。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
信用リスクが著しく増加しているか否かの評価を行う際には、期日経過の情報のほか、利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しています。また、債務者の破産等による法的整理の手続等の信用減損の客観的証拠があった場合には、信用減損金融資産としています。なお、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の帳簿価額を直接減額し、対応する損失評価引当金の金額を減額しています。
④ 金融負債
当社グループはすべての金融負債を当初認識時に、「FVTPLの金融負債」又は「償却原価で測定する金融負債」に分類しています。
(a) FVTPLの金融負債
デリバティブによって認識した金融負債、FVTPLの金融負債として指定した金融負債及び企業結合において認識した条件付対価のうち金融負債の定義を満たすものをFVTPLの金融負債に分類しています。
当初認識後、公正価値で測定し、公正価値の事後の変動を純損益に認識しています。
(b) 償却原価で測定する金融負債
FVTPLの金融負債として分類されない金融負債を償却原価で測定する金融負債に分類しています。
当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。
⑤ 認識の中止
金融資産については、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転したが、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転したわけでも、ほとんどすべてを保持しているわけでもなく、かつ、当該金融資産に対する支配を保持していない場合に、当該金融資産の認識を中止しています。
金融負債については、金融負債が消滅した時、すなわち契約中に特定された義務が免責、取消し又は失効となった場合に、当該金融負債の認識を中止しています。
⑥ デリバティブ及びヘッジ会計
ヘッジ手段として指定されていないデリバティブの公正価値の変動は、純損益に認識しています。
ヘッジ手段として指定されているデリバティブは、ヘッジ関係の種類により異なる会計処理をしています。
当社グループは、ヘッジ関係の開始時に、ヘッジ関係並びにヘッジの実行に関するリスク管理目的及び戦略を公式に指定し、文書化しています。文書化においては、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうか判定する方法を特定しています。また、ヘッジの開始時に及び継続的に、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを評価しています。
適格なヘッジ関係の会計処理は以下のとおりです。
(a) 公正価値ヘッジ
デリバティブに係る利得及び損失は、純損益に認識しています。ヘッジ対象に係るヘッジ利得及び損失は、ヘッジ対象の帳簿価額を調整するとともに、純損益に認識しています。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブに係る利得及び損失のうち有効なヘッジと判断される部分はその他の包括利益に、ヘッジ非有効部分は純損益に認識しています。その他の包括利益に累積された利得及び損失は、ヘッジ対象に係るキャッシュ・フローが純損益に影響を与えるのと同じ期間に、純損益に振り替えています。
(c) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
デリバティブに係る利得及び損失のうち有効なヘッジと判断される部分はその他の包括利益に、ヘッジ非有効部分は純損益に認識しています。その他の包括利益に累積された利得及び損失は、当該在外営業活動体の処分時に、純損益に振り替えています。
ヘッジ手段が消滅、売却、終了又は行使となった場合を含め、ヘッジ関係が適格要件を満たさなくなった場合には、ヘッジ会計を中止しています。
(13) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、要求払預金及び容易に換金可能であり、かつ、価格変動について僅少なリスクしか負わない満期が取得日から3か月以内の短期投資で構成されています。
(14) 棚卸資産
棚卸資産は原価と正味実現可能価額のいずれか低い方の金額で測定し、正味実現可能価額が原価を下回る場合には、評価減を認識しています。原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所と状態に至るまでに発生したその他のコストのすべてが含まれています。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積コストを控除した額です。規制当局からの販売承認取得前の製品に係る棚卸資産については、評価減を認識しています。当該評価減は、販売承認が得られる可能性が高いと判断された時点で、戻入れを実施しています。棚卸資産の原価は、主として先入先出法により割り振っています。
(15) 株式報酬
当社グループは、株式報酬制度として持分決済型の株式報酬制度と現金決済型の株式報酬制度を運用しています。
① 持分決済型の株式報酬制度
持分決済型の株式報酬制度では、受領するサービスを付与日における資本性金融商品の公正価値で測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
② 現金決済型の株式報酬制度
現金決済型の株式報酬制度では、受領するサービスを発生した負債の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しています。なお、負債は決済されるまで、その公正価値を各報告期間の末日及び決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益に認識しています。
(16) 従業員給付
① 退職後給付制度
当社グループは、退職後給付制度として、確定給付制度及び確定拠出制度を運用しています。
(a) 確定給付制度
確定給付負債 (資産) の純額は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除し、確定給付資産の純額を資産上限額に制限することによる影響を調整して算定しています。確定給付制度債務の現在価値及び関連する勤務費用は、予測単位積増方式を用いて算定しています。割引率は、各報告期間の末日における給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の市場利回りを参照して決定しています。
勤務費用及び確定給付負債 (資産) の純額に係る利息純額は純損益に認識しています。
数理計算上の差異、利息純額に含まれる金額を除く制度資産に係る収益及び資産上限額の影響の変動については、「確定給付制度の再測定」としてその他の包括利益に認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。
(b) 確定拠出制度
確定拠出制度への拠出は、従業員が関連する勤務を提供した期間に費用として認識しています。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、従業員から関連する勤務が提供された時点で費用として認識しています。なお、賞与については、過去に従業員から勤務を提供された結果、支払を行う法的又は推定的義務を有しており、かつ、当該義務について信頼性のある見積りが可能な場合に負債として認識しています。
(17) 引当金
当社グループが過去の事象の結果として法的又は推定的な現在の義務を有しており、当該義務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該義務の金額について信頼性のある見積りができる場合に引当金を計上しています。
貨幣の時間価値の影響に重要性がある場合には、引当金の金額は、義務を決済するために必要となると見込まれる支出の現在価値で測定しています。
4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定
連結財務諸表の作成に当たり、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り、判断及び仮定の設定を行っています。
会計上の見積りの結果は、その性質上、実際の結果とは異なる可能性があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直され、会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間と将来の会計期間において認識されます。
翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りは以下のとおりです。
・収益認識及び返金負債の見積計上 (注記6)
・のれん及び仕掛研究開発の減損 (注記16及び17)
・繰延税金資産の回収可能性 (注記18)
5.セグメント情報
当社グループの主要な事業内容は医薬品の研究開発、製造及び販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、報告セグメントは医薬品事業単一となっています。
製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスごとの売上収益は次のとおりです。
地域に関する情報
売上収益及び非流動資産の地域別内訳は次のとおりです。
地域別売上収益
(注) 地域別売上収益は、当社グループ各社の所在地を基礎として分類しています。
地域別非流動資産(有形固定資産・のれん及び無形資産)
主要な顧客に関する情報
連結純損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先は次のとおりです。
6.売上収益
(1) 収益の分解
売上収益の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1.売上収益は、コマーシャル部門における経営管理上の組織区分を基礎として分類しています。
2.顧客との契約から認識した収益のその他には、主にロイヤルティ収入が含まれています。
3.プロフィットシェア収入は、主に顧客に該当しない、共同販促活動に係るリスクと便益を共有する提携企業からの収益です。
4.当社グループは、主に米国におけるメディケイド、メディケア及びマネージドケアプログラムに関連したリベートに対して、変動対価として、関連する売上収益が計上された期間に売上収益から控除し、期末日後に見込まれる返金に備えるため、返金負債を計上しています。返金負債の見積りにあたっては、各制度の対象製品を特定し、製品の売上計画、現行価格及び既存契約並びに政府による価格に関する法規制に基づくリベート率、過去からの売上傾向に基づく期待値により金額を見積もっていますが、これらの見積りには不確実性を伴うため、実際の発生額と異なる可能性があります。
エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ 等
チャイナ:中国、香港
インターナショナルマーケット:中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、ロシア、韓国、
台湾、オーストラリア、輸出売上 等
(2) 契約残高
契約残高の内訳は次のとおりです。
(注) 1.当社グループは、主にライセンス契約に関連した契約一時金について、顧客から対価を受け取っているものの履行義務を充足していない部分を契約負債として認識しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において認識した収益のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた金額に重要性はありません。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足 (又は部分的に充足) した履行義務から認識した収益の金額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
当初の予想期間が1年を超える重要な契約がないことから、実務上の便法を適用し、記載を省略しています。
7.その他の収益
その他の収益の内訳は次のとおりです。
(注) 1.前連結会計年度の「条件付対価に係る公正価値変動額」の主なものは、Xyphos Biosciences, Inc.関連のプログラムの開発中止に伴うものです。
2.当連結会計年度の「条件付対価に係る公正価値変動額」の主なものは、VYLOYの膵腺がんを対象疾患としたプログラムの開発中止に伴うものです。
3.当連結会計年度の「為替差益」の金額には、為替予約取引から生じた為替差益 (22,967百万円) が含まれています。
4.当連結会計年度の「その他」の主なものは、米国におけるミラベグロンの訴訟解決金です。
8.その他の費用
その他の費用の内訳は次のとおりです。
(注) 1.前連結会計年度の「無形資産の減損損失」の主なものは、地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性の治療剤のIZERVAY硝子体内注射液の欧州における販売承認申請の取り下げに伴う将来計画の見直し及び筋強直性ジストロフィー患者を対象として研究開発を進めている遺伝子治療プログラムAT466の研究開発計画の変更に伴うものです。
2.前連結会計年度の「為替差損」の金額には、為替予約取引から生じた為替差損 (9,063百万円) が含まれています。
3.当連結会計年度の「無形資産の減損損失」の主なものは、遺伝子治療薬resamirigene bilparvovec (AT132) の戦略的中断による資産価値の見直しに伴うものです。
9.従業員給付費用
従業員給付費用の内訳は次のとおりです。
(注) 従業員給付費用は「売上原価」、「販売費及び一般管理費」、「研究開発費」及び「その他の費用」に計上されています。
10.金融収益
金融収益の内訳は次のとおりです。
(注) 1.利息収益は、主に現金及び現金同等物に関するものです。
2.配当収益は、FVTOCIの金融資産 (資本性) に関するものです。
3.出資金評価益は、FVTPLの金融資産に関するものです。
11.金融費用
金融費用の内訳は次のとおりです。
(注) 1.支払利息は、主に償却原価で測定する金融負債に関するものです。
2.出資金評価損は、FVTPLの金融資産に関するものです。
12.法人所得税費用
純損益で認識された法人所得税費用は次のとおりです。
(注) 1.当期税金費用及び繰延税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれています。このうち主なものは、清算決定に伴う子会社に対する投資に係る税務上の便益です。当該便益により、前連結会計年度において、当期税金費用及び繰延税金費用がそれぞれ16,613百万円及び3,981百万円減少しています。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度において、当期税金費用に含まれている第2の柱の法人所得税に係る税金費用の金額に重要性はありません。
その他の包括利益で認識された法人所得税費用は次のとおりです。
実効税率の調整
当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計年度及び当連結会計年度の法定実効税率は、いずれも30.5%です。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。
13.1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は次のとおりです。
14.その他の包括利益
その他の包括利益に係る組替調整額は次のとおりです。
15.有形固定資産
取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減
前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) の有形固定資産の増減は次のとおりです。
(注) 1.「その他」のうち、主なものは為替換算調整です。
2.「取得」には使用権資産の条件変更による増加が、「処分」には使用権資産の条件変更による減少がそれぞれ含まれています。
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) の有形固定資産の増減は次のとおりです。
(注) 1.「その他」のうち、主なものは為替換算調整です。
2.「取得」には使用権資産の条件変更による増加が、「処分」には使用権資産の条件変更による減少がそれぞれ含まれています。
有形固定資産に係る減損損失は、連結純損益計算書の「その他の費用」に含まれています。
当連結会計年度において、有形固定資産に対して認識された減損損失の金額は、1,385百万円です。
16.のれん
取得原価及び減損損失累計額の増減
のれんの取得原価及び減損損失累計額の増減は次のとおりです。
資金生成単位 (単位グループ) に配分されたのれんの帳簿価額は次のとおりです。
(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度の「医薬品事業全体」は、主にOSI ファーマシューティカルズ Inc.及びオーデンテス セラピューティクス Inc.等の買収に伴い認識したのれんが配分されています。
のれんの減損テストにあたり、回収可能価額は3年間の将来予測を基礎とした使用価値により算定し、算定には規制当局からの販売承認取得の可能性、上市後の販売予測、割引率、成長率等の仮定を使用しています。割引率は、加重平均資本コストを基礎として算定しており、使用価値の算定に使用した割引率は次のとおりです。
3年の将来予測期間を超える継続価値の算定においては、資金生成単位 (単位グループ) の属する国、産業の状況を勘案して決定した成長率が加味されており、使用価値の算定に使用した成長率は次のとおりです。
使用価値は当該資金生成単位 (単位グループ) の帳簿価額を十分に上回っており、使用価値の算定に用いた主要な仮定が合理的な範囲で変動したとしても使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと考えています。
17.無形資産
取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減
前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) の無形資産の増減は次のとおりです。
(注) 「その他」のうち、主なものは為替換算調整です。
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) の無形資産の増減は次のとおりです。
(注) 「その他」のうち、主なものは為替換算調整です。
無形資産のうち、研究及び製造に関する技術、製品及び研究開発に関する権利の償却費は、連結純損益計算書の「無形資産償却費」として表示しています。
無形資産に係る減損損失は連結純損益計算書の「その他の費用」に含まれています。
無形資産の減損テスト及び認識された減損損失
当社グループは、無形資産については主として個別の資産ごとに減損の要否を検討しています。また、償却が開始されていない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず、毎期減損テストを行っています。減損テストにあたり、回収可能価額は主として将来予測を基礎とした使用価値により算定し、算定には規制当局からの販売承認取得の可能性、上市後の販売予測及び割引率等の仮定を使用しています。割引率は、加重平均資本コストを基礎として算定しており、使用価値の算定に使用した割引率は次のとおりです。
使用価値の算定に用いた主要な仮定には不確実性を伴うため、翌連結会計年度の無形資産の金額に影響を与える可能性があります。
減損テストの結果、前連結会計年度及び当連結会計年度において以下の減損損失が認識されています。
前連結会計年度において、無形資産に対して認識された減損損失は187,618百万円であり、その主な内訳は地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性の治療剤のIZERVAY硝子体内注射液の欧州における販売承認申請の取り下げに伴う将来計画の見直しによる減損損失115,092百万円、及び筋強直性ジストロフィー患者を対象として研究開発を進めている遺伝子治療プログラムAT466の研究開発計画の変更に伴う減損損失51,799百万円です。IZERVAYの回収可能価額は、見積将来キャッシュ・フローを割り引くことにより算出した使用価値を用いており、使用価値の算定に使用した税引後の割引率は9.5%、税引前の割引率は12.1%です。AT466の回収可能価額は、見積将来キャッシュ・フローを割り引くことにより算出した使用価値を用いており、使用価値の算定に使用した税引後の割引率は9.5%、税引前の割引率は12.0%です。
当連結会計年度において、無形資産に対して認識された減損損失は52,803百万円であり、その主な内訳は、遺伝子治療薬resamirigene bilparvovec(AT132)の戦略的中断に伴う資産価値の見直しによる減損損失16,373百万円です。AT132の回収可能価額はゼロとして減損損失を認識しています。
無形資産譲渡益
製品及び研究開発に関する権利の譲渡により生じる利得は、連結純損益計算書の「無形資産譲渡益」として表示しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において認識された無形資産譲渡益の金額は、それぞれ1,049百万円及び 4,349百万円です。
重要な無形資産
連結財政状態計算書に計上されている重要な無形資産は次のとおりです。
既に償却が開始されているものの残存償却期間は、前連結会計年度6~12年及び当連結会計年度5~11年であり、償却が開始されていないものについては毎期減損テストを行っています。
18.繰延税金
繰延税金資産及び繰延税金負債の内訳は次のとおりです。
繰延税金資産及び繰延税金負債の純額の増減内容は次のとおりです。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除は次のとおりです。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の繰越期限は次のとおりです。
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮しており、課税所得の見積りは事業計画を基礎としています。
課税所得が生じる時期及び金額は、各国の医薬品市場の動向、規制当局からの販売承認取得の可能性及び上市後の販売予測等の変動によって影響を受ける可能性があり、これらの見積りには不確実性を伴うため、実際の発生額と異なる可能性があります。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、前連結会計年度又は当連結会計年度に損失が生じている米国子会社に帰属している繰延税金資産は、それぞれ38,411百万円及び77,873百万円です。
19.棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において費用として認識され「売上原価」に含まれている棚卸資産の金額は、それぞれ201,983百万円及び227,309百万円です。
費用として認識された棚卸資産の評価減の内訳は次のとおりです。
20.売上債権及びその他の債権
売上債権及びその他の債権の内訳は次のとおりです。
21.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は次のとおりです。
22.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び資本剰余金
全額払込済みの発行済株式数及び資本金等の増減は次のとおりです。
(2) 自己株式
自己株式の増減は次のとおりです。
23.配当金
前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(1) 配当金支払額
(注) 1.2024年4月25日取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式に対する配当金559百万円が含まれています。
2.2024年10月30日取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式に対する配当金703百万円が含まれています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注) 上記の配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式に対する配当金698百万円が含まれています。
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(1) 配当金支払額
(注) 1.2025年4月25日取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式に対する配当金698百万円が含まれています。
2.2025年10月30日取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式に対する配当金701百万円が含まれています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注) 上記の配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式に対する配当金690百万円が含まれています。
24.株式報酬
(1) 業績連動型株式報酬制度及び業績連動型株式交付制度
① 業績連動型株式報酬制度及び業績連動型株式交付制度の概要
当社は中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した経営を推進するため、取締役 (社外取締役及び監査等委員である取締役を除く) 及び担当役員を対象とした役員報酬BIP (Board Incentive Plan) 信託 (以下「BIP信託」) と称される仕組みの業績連動型株式報酬制度を導入しています。また、国内外の当社グループ幹部を対象とした株式付与ESOP (Employee Stock Ownership Plan) 信託 (以下「ESOP信託」) と称される仕組みの業績連動型株式交付制度を導入しています。毎事業年度の制度開始時に、職責等に応じて設定された基準額を基に算定された基準ポイント (1ポイント=1株) が制度対象者に付与されます。交付株式数は、連続する3事業年度 (以下「対象期間」) における企業価値・株主価値の成長度等に応じ、株価評価指標に基づいて基準ポイントの0%~200%の範囲で決定されます。なお、原則として対象期間満了日以降の各信託所定の期日まで継続して制度対象者であることなどの受益者要件を満たすことが権利確定条件となっています。BIP信託及びESOP信託が当社株式を取得し、対象期間満了日以降の各信託所定の時期に受益者要件を満たす制度対象者へ信託から当社株式の交付等を行います。業績連動型株式報酬制度及び業績連動型株式交付制度の詳細は、「第4 提出会社の状況」の「1 株式等の状況」「(8) 役員・従業員株式所有制度の内容」及び「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」「(4) 役員の報酬等」 をご参照ください。
BIP信託及びESOP信託から当社株式の交付等を行う業績連動型株式報酬制度及び業績連動型株式交付制度は、持分決済型又は現金決済型の株式報酬として会計処理されています。現地の法律、規制等により当社株式の交付ができない国に居住する制度対象者について、交付株式数相当額の金銭による支給を行い、現金決済型の株式報酬として会計処理されています。
② 連結純損益計算書に計上された金額
③ 期中に付与されたポイント数及びポイントの加重平均公正価値
期中に付与されたポイント数は次のとおりです。
期中に付与されたポイントの加重平均公正価値は、以下の前提条件に基づき、モンテカルロ・シミュレーションにより算定しています。
(注) 1.付与日から株式の交付が見込まれる日までの年数としています。
2.過去の配当実績に基づき算定しています。
3.権利確定期間に対応する国債の利回りに基づいています。
④ BIP信託及びESOP信託が所有する当社株式
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるBIP信託及びESOP信託が所有する当社株式数は18,862千株及び17,699千株です。
(2) ストック・オプション制度
① ストック・オプション制度の概要
2015年3月期まで、当社はストック・オプション制度を採用しており、当社の取締役及び執行役員に対してストック・オプションを付与しています。この制度は当社の株価や業績への感応度をより引き上げ、企業価値向上への意欲や士気を高めていくことを目的としています。
ストック・オプションは、当社の株主総会において承認された内容に基づき、当社の取締役会で決議された対象者に対して新株予約権として付与されています。新株予約権の新株予約権者は、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日以降に限り、新株予約権を行使することができます。権利行使期間は割当契約に定められた期間であり、その期間内に新株予約権が行使されない場合は、当該新株予約権は失効します。ストック・オプションの1株当たりの権利行使価格は1円です。
当社のストック・オプション制度は、持分決済型の株式報酬として会計処理されています。前連結会計年度及び当連結会計年度における未行使残高は全て権利確定済みで行使可能となっています。
② 未行使のストック・オプションの数の変動と加重平均行使価格
(注) 1.ストック・オプションの数については、株式数に換算して記載しています。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における期中に行使されたストック・オプションの権利行使日時点の加重平均株価は、それぞれ1,493円及び2,071円です。
3.前連結会計年度及び当連結会計年度における未行使のストック・オプションの加重平均残存契約年数は、それぞれ8年及び7年です。
25.退職後給付
当社グループでは、一部の在外連結子会社を除き、退職後給付制度として、確定給付制度及び確定拠出制度を運用しています。確定給付制度のうち主なものは、日本の確定給付制度であり、全体の確定給付制度債務の約60%を占めています。
① 日本の確定給付制度
当社は、確定給付制度として企業年金基金制度及び退職一時金制度を設けています。
確定給付制度における給付額は、退職までに獲得した退職金累計ポイントを基に算出される基準給与及び10年国債利回りをベースとした給付利率等に基づいて算定されます。また、加入期間が15年以上の場合、年金による受給の選択が可能となります。
確定給付制度は、アステラス企業年金基金によって管理されています。この年金基金の理事は、積立金の管理及び運用に関する基金の業務について任務を怠ったときには、連帯して損害を賠償する責任を負います。
事業主は、加入者ごとに1年間に付与されるポイントの見積りを基に算出された標準給与に4.0%を乗じた額を標準掛金として毎月拠出します。また、各連結会計年度末において、積立金の額が最低積立基準額を下回る場合には、事業主は追加の掛金を拠出します。なお、将来の基金財政の健全性を維持し安定的な基金運営を図るため、リスク対応掛金を拠出しています。
確定給付制度は、数理計算上のリスクにさらされています。アステラス企業年金基金は資産構成について専門的知識及び経験を有する職員を配した上で資産構成割合を決め、四半期ごとにモニタリングを実施しリスクを管理しています。
② 海外の確定給付制度
在外連結子会社では、英国、ドイツ及びアイルランド等で確定給付制度を運用しています。
確定給付制度に関して連結財政状態計算書で認識された金額は次のとおりです。
前連結会計年度 (2025年3月31日)
当連結会計年度 (2026年3月31日)
確定給付制度債務の現在価値の増減は次のとおりです。
制度資産の公正価値の変動は次のとおりです。
(注) 当社グループは、翌連結会計年度 (2027年3月期) にリスク対応掛金を含め8,320百万円の掛金を拠出する予定です。
制度資産の公正価値の内訳は次のとおりです。
① 日本の制度資産
株式は主に投資信託により構成されているため、公正価値ヒエラルキーのレベル2に分類されます。債券の公正価値は活発ではない市場における同一又は類似の資産に関する相場価額に基づいて測定しており、公正価値ヒエラルキーのレベル2に分類されます。現金及びその他の投資にはオルタナティブ投資等が含まれています。
② 海外の制度資産
株式は、活発な市場における公表市場価格があるもの及び活発ではない市場における同一又は類似の資産に関する市場価額に基づいて測定されるもので構成されており、公正価値ヒエラルキーのレベル1及びレベル2に分類されます。債券の公正価値は、活発な市場における公表市場価格があるもの及び活発ではない市場における同一又は類似の資産に関する市場価額に基づいて測定しており、公正価値ヒエラルキーのレベル1及びレベル2に分類されます。現金及びその他の投資にはオルタナティブ投資等が含まれています。
重要な数理計算上の仮定及び仮定に関する感応度の分析は次のとおりです。
重要な数理計算上の仮定である割引率が当連結会計年度において0.5%上昇又は0.5%下落した場合、確定給付制度債務は6,373百万円減少又は7,064百万円増加します。
この感応度分析では、その他の数理計算上の仮定が一定との前提を置いており、仮定の間の相関については考慮していません。実際には、複数の仮定の変化が相互に関連して生じる可能性があります。また、感応度分析における確定給付制度債務の計算にあたっては、連結財政状態計算書で認識されている確定給付制度債務の計算方法と同一の方法を適用しています。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは次のとおりです。
26.引当金
前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) の引当金の増減は次のとおりです。
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) の引当金の増減は次のとおりです。
(注) 米国における先発医薬品の販売実績等に応じて米国政府に支払うファーマフィーについて、期末日後に見込まれる支払いに備えるため引当金を計上しています。経済的便益の流出が予測される時期は、主に各連結会計年度末日より1年以内であると見込んでいます。
27.その他の負債
その他の負債の内訳は次のとおりです。
28.仕入債務及びその他の債務
仕入債務及びその他の債務の内訳は次のとおりです。
29.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された、最適な資本構成を維持することを資本管理の基本方針としています。
当社グループは、最適な資本構成を維持するために財務指標のモニタリングを実施しています。財務の健全性・柔軟性については信用格付け、資本効率については親会社所有者帰属持分当期利益率 (ROE) を適宜モニタリングしています。なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2) 金融資産及び金融負債の分類
金融資産及び金融負債の分類は次のとおりです。
(注) 1.連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に含まれています。
2.非流動資産は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に含まれています。
3.連結財政状態計算書の「その他の金融負債」に含まれています。
社債及び借入金の内訳は次のとおりです。
(注) 1.当連結会計年度末の残高と利率を用いて計算しています。
2.社債の明細をご参照ください。
社債の明細は次のとおりです。
当社グループは、医薬事業戦略における関係の維持・強化等を目的として保有する資本性金融商品をFVTOCIの金融資産に指定しています。
FVTOCIの金融資産として指定した資本性金融商品の内訳は次のとおりです。銘柄ごとの公正価値に重要性はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、取引関係の見直し等を目的として、FVTOCIの金融資産として指定した資本性金融商品の一部を売却等により処分し、認識を中止しています。
処分時の公正価値及び累積利得及び損失は次のとおりです。
また、FVTOCIの金融資産として指定した資本性金融商品の認識の中止及び公正価値の著しい下落により、その他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えた累積利得及び損失 (税引後) は前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ5,177百万円及び△3,393百万円です。
(3) 財務上のリスク管理方針
当社グループは、事業活動を行うにあたり、信用リスク、流動性リスク、為替リスク及び金利リスク等の財務上のリスクに晒されており、これらのリスクを低減するために、一定の方針等に基づきリスク管理を行っています。
また、当社グループは、デリバティブの利用を財務上のリスクをヘッジする目的とした取引に限定しており、投機目的では利用していません。
① 信用リスク
(a) 信用リスク管理
当社グループの事業活動から生ずる債権である売上債権等は、取引先の信用リスクに晒されています。当該リスクに関しては、取引先の経営状況を適宜把握し、売上債権残高を監視することにより信用リスクを管理しています。また、取引先の信用状況に応じて売上債権等の回収可能性を検討し、必要に応じて損失評価引当金を計上しています。
当社グループが保有する有価証券に関しては発行体の信用リスク、預金に関しては銀行の信用リスクに晒されています。また、当社グループが財務上のリスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引については、取引相手である金融機関の信用リスクに晒されています。資金運用における有価証券取引・預金取引については、Global Cash Investment Policy及びGlobal Treasury Policyに基づき、一定の信用格付け基準を満たす発行体・銀行に限定し、定められた運用期間・限度額内で運用しています。また、デリバティブ取引については、Global Treasury Policyに基づき、一定の信用格付け基準を満たす金融機関に取引相手を限定しています。
(b) 信用リスクの集中
当社グループは、特定の相手先又はその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクを有していません。
(c) 信用リスクに対する最大エクスポージャー
保証債務を除き、保有する担保及びその他の信用補完を考慮に入れない場合の当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書における金融資産の減損後の帳簿価額です。保証債務に係る信用リスクに対する最大エクスポージャーに重要性はありません。
前連結会計年度における償却原価で測定する金融資産の信用リスク・エクスポージャーは次のとおりです。
前連結会計年度における損失評価引当金の増減は次のとおりです。
当連結会計年度における償却原価で測定する金融資産の信用リスク・エクスポージャーは次のとおりです。
当連結会計年度における損失評価引当金の増減は次のとおりです。
② 流動性リスク
流動性リスク管理
当社グループは、支払債務の履行が困難になる流動性リスクに晒されていますが、想定される支払債務への対応に加え、一定の戦略的投資機会にも機動的に対応できる手元流動性を維持しており、残高については、月次で担当役員 財務担当に報告をしています。また、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、コミットメントベースではない借入枠及びコマーシャル・ペーパーと併せ、流動性リスクの軽減を図っています。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度におけるコミットメントライン契約の未実行残高は200,000百万円です。
金融負債の期日別残高は次のとおりです。
前連結会計年度 (2025年3月31日)
当連結会計年度 (2026年3月31日)
③ 為替リスク
為替リスク管理
当社グループの事業は多くの国及び地域で営まれており、当社グループの経営成績及び財政状態は為替リスクに晒されています。
当社グループは、為替リスクの抑制を目的としたデリバティブ取引の利用の要否を、個別の案件ごとに検討しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、外貨建てインターカンパニーローンについては、為替変動による経営成績への影響を抑えるため、先物為替予約のデリバティブ取引を利用しています。通貨毎の為替リスクヘッジ状況 (デリバティブ取引残高) については、月次で担当役員 財務担当に報告しています。
為替感応度分析
各連結会計年度末において、機能通貨である円が、米ドル及びユーロに対して10%円高になった場合に、当社グループの連結純損益計算書の税引前利益に与える影響額は、以下のとおりです。
なお、計算に使用した通貨以外の通貨は変動しないこと及びその他の変動要因は一定であることを前提としています。
(注) 上表の△は、各通貨に対して10%円高になった場合に、税引前利益に与えるマイナスの影響額を意味しています。
④ 金利リスク
金利リスク管理
当社グループの有利子負債は金利リスクに晒されていますが、資金需要に対してその内容や財務状況及び金融環境を考慮し、調達の金額・期間・方法等を判断し、金利リスクを軽減するために、固定・変動金利を組み合わせて調達の最適化を図っています。また、当社グループは、金利リスクの抑制を目的としたデリバティブ取引の利用の要否を、個別の案件ごとに検討しています。金利リスクヘッジ状況 (デリバティブ取引残高) については、月次で担当役員 財務担当に報告しています。
各連結会計年度末において当社グループが保有する変動金利の借入金の金利が1%上昇した場合の当社グループの連結純損益計算書の税引前利益に与える影響額は、以下のとおりです。
なお、その他の変動要因は一定であることを前提としています。
(注) 上表の△は、金利が1%上昇した場合に、税引前利益に与えるマイナスの影響額を意味しています。
(4) 金融商品の公正価値
① 経常的に公正価値で測定される金融商品
公正価値ヒエラルキー
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、次のように区分しています。
レベル1:同一の資産又は負債に関する活発な市場における無調整の相場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:重大な観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値の測定に使用される公正価値ヒエラルキーのレベルは、公正価値の測定に用いた重大なインプットのうち、最もレベルの低いインプットに応じて決定しています。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告期間の末日に発生したものとして認識しています。
公正価値ヒエラルキーの各レベルに分類された、経常的に公正価値で測定される金融資産及び金融負債の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度 (2025年3月31日)
(注) 1.連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に含まれています。
2.連結財政状態計算書の「その他の金融負債」に含まれています。
当連結会計年度 (2026年3月31日)
(注) 1.連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に含まれています。
2.連結財政状態計算書の「その他の金融負債」に含まれています。
レベル3に分類されている金融商品の公正価値の変動は次のとおりです。
前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(a) 金融資産
(注) 1.連結純損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。
2.投資先が上場したことによるものです。
(b) 金融負債
(注) 連結純損益計算書の「その他の収益」及び「その他の費用」に含まれています。
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(a) 金融資産
(注) 連結純損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。
(b) 金融負債
(注) 連結純損益計算書の「その他の収益」及び「その他の費用」に含まれています。
公正価値の算定方法は次のとおりです。
レベル1に分類されている上場株式の公正価値は、期末日の市場価格を用いて算定しています。
レベル2に分類されている金融資産は、保険積立金及びデリバティブにより構成されています。
米国子会社が採用している繰延報酬制度の支払いに備え、当社グループは保険積立金を保有しています。保険積立金の公正価値は、取引保険会社から提示された解約払戻金に基づいて算定しています。
デリバティブの公正価値は、取引金融機関から提示された価格に基づいて算定しています。
レベル3に分類されている金融資産は、主にファンドへの出資及び非上場株式により構成されています。
出資金の公正価値は、直近の入手可能な情報に基づきファンドの公正価値を見積もった上で、それに対する持分に基づいて算定しています。
非上場株式の公正価値は、直近の入手可能な投資先の純資産又は将来の収益性の見通し等に基づき算定しています。
出資金及び非上場株式の公正価値は、報告期間ごとに当社及びグループ各社の担当部門がグループ会計方針等に従って測定し、公正価値の変動の根拠と併せて上位者に報告されています。
レベル2に分類されている金融負債は、デリバティブにより構成されています。
デリバティブの公正価値は、取引金融機関から提示された価格に基づいて算定しています。
レベル3に分類されている金融負債は、企業結合により生じた条件付対価です。
条件付対価は、被取得企業が保有していた臨床開発プログラムの開発の進捗等に応じて支払うマイルストンであり、その公正価値は、新薬開発の難易度等と関連したプログラムが成功する可能性や貨幣の時間的価値等を考慮して見積もっています。これらの見積りには不確実性を伴うため、重大な観察可能でないインプットであるプログラムが成功する可能性が高くなった場合、公正価値は増加する等の影響があります。
レベル3に分類されている金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の変動は見込まれていません。
② 償却原価で測定する金融商品の公正価値
公正価値の算定方法は次のとおりです。
償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産は、売上債権及びその他の債権、貸付金及びその他の金融資産、現金及び現金同等物で構成されています。これらは、主として短期間で決済されるため、帳簿価額は公正価値に近似しています。
償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、社債及び借入金、仕入債務及びその他の債務、リース負債、その他の金融負債で構成されています。これらは、社債、長期借入金及びリース負債を除いて、主として短期間で決済されるため、帳簿価額は公正価値に近似しています。
レベル2に分類されている社債の公正価値は期末日の市場価格を用いて算定しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において帳簿価額は公正価値に近似しています。
変動金利による長期借入金は、短期間で市場金利が反映されるため、帳簿価額は公正価値に近似しています。レベル2に分類されている固定金利による長期借入金の公正価値は、将来キャッシュ・フローを残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いて算定しており、前連結会計年度において帳簿価額は公正価値に近似しています。
(5) ヘッジ会計
「(3) 財務上のリスク管理方針」「③ 為替リスク」及び「④ 金利リスク」に記載のとおり、当社グループは為替リスク及び金利リスクに晒されています。それらのリスクを管理するため、個別案件ごとに先物為替予約や金利スワップのデリバティブ取引の利用の要否及びヘッジ会計の適用を検討しています。ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件は一致しているか又は密接に合致しており、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があります。また、ヘッジ比率は、原則として1対1としています。
公正価値ヘッジ
リスク区分ごとのヘッジ手段の想定元本、帳簿価額及び平均利率は次のとおりです。
前連結会計年度 (2025年3月31日)
(注) 連結財政状態計算書の「その他の金融負債」に含まれています。
当連結会計年度 (2026年3月31日)
(注) 連結財政状態計算書の「その他の金融負債」に含まれています。
リスク区分ごとのヘッジ対象の帳簿価額及び公正価値ヘッジ調整の累計額は次のとおりです。
前連結会計年度 (2025年3月31日)
(注) 連結財政状態計算書の「社債及び借入金」に含まれています。
当連結会計年度 (2026年3月31日)
(注) 連結財政状態計算書の「社債及び借入金」に含まれています。
30.リース
当社グループは、主として建物及び構築物、機械装置及び運搬具等を賃借しています。なお、変動リース料、残価保証及びリースにより課されている制限又は特約、並びにセール・アンド・リースバック取引はありません。
また、借手が契約しているがまだ開始していないリースで重要なものはありません。
リースに係る損益の内訳は次のとおりです。
(注) ファイナンス・リースに係る正味リース投資未回収額に対する金融収益
使用権資産の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、それぞれ17,894百万円及び19,702百万円です。
使用権資産の増加額は注記「15.有形固定資産」、リース負債の満期分析は注記「29.金融商品 (3) ②流動性リスク」をご参照ください。
31.キャッシュ・フロー情報
財務活動から生じた負債の変動は次のとおりです。
(注) 1.「その他」のうち、主なものは為替換算調整です。
2.「社債」には1年以内償還予定の社債が含まれています。
3.「長期借入金」には1年以内返済予定の長期借入金が含まれています。
32.コミットメント
有形固定資産及び無形資産の取得に関するコミットメントは次のとおりです。
無形資産の取得に関するコミットメント
当社グループは、複数の第三者と共同研究・共同開発に関する提携契約や、製品・技術の取得に関する契約を締結しています。これらの契約の下で、当社グループは、契約で定められた特定の目標が達成された場合、又はその他の一定の条件が満たされた場合に、それらの達成されたマイルストンに応じて一定の金額を支払う義務を負っています。
「研究開発マイルストン支払」は、研究開発ステージの進捗等に基づいて設定されたマイルストンを達成した場合、契約で定められた金額を支払う義務を負うものです。
また、「売上目標達成マイルストン支払」は、売上目標に基づいて設定されたマイルストンを達成した場合、契約で定められた金額を支払う義務を負うものです。
上記の表に記載された金額は、全てのマイルストンが達成された場合の最大の支払額であり、現在価値への割引はされておらず、リスクについても考慮されていません。マイルストンの達成は不確実性が非常に高いため、全ての支払義務が生じる可能性は低く、実際の支払額は大幅に異なる可能性があります。
これらの研究開発及び販売に関する契約のうち、主要なものに関しては、「第2 事業の状況」の「5. 重要な契約等」に詳細が記載されています。
33.関連当事者
(1) 重要な子会社
重要な子会社については、「第1 企業の概況」の「4 関係会社の状況」をご参照ください。
(2) 主要な経営幹部の報酬
当社グループの主要な経営幹部に対する報酬は次のとおりです。
主要な経営幹部は、当社グループの取締役及びエグゼクティブ・コミッティのメンバーにより構成されており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、いずれも19名です。
34.偶発負債
法的手続
当社グループは、製薬業界において一般的と考えられている各種の請求及び法的手続に関与しています。それらの手続は、一般に製造物責任、競争及び独占禁止法、知的財産権、従業員、政府調査等に関連しています。一般的に、訴訟及びその他の法的手続は、多くの不確実性及び複雑な要素を含んでいるため、損失の可能性について信頼に足る判断をすることや財務上の影響を見積もることは不可能である場合があります。これら事案について、当社グループは、必要に応じ開示は行いますが、引当金は計上しません。
なお、提出日現在において開示すべき重要な偶発負債はありません。
35.後発事象
該当事項はありません。
(2) 【その他】
① 当連結会計年度における半期情報等
② 重要な訴訟事件等
当社グループに関する重要な訴訟事件等については、連結財務諸表注記「34.偶発負債」に記載のとおりです。
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
【製造原価明細書】
(注) 原価計算の方法は、組別工程別総合原価計算による標準原価計算です。
※1 主な内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円)
※2 他勘定振替高は、主に研究開発費への振替です。
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法
子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
期末日の市場価格等に基づく時価法 (評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
(2) デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法
(3) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
商品及び製品、仕掛品、原材料
総平均法による原価法 (貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産
定額法
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
建物 2~50年
構築物 2~60年
機械及び装置 2~17年
工具、器具及び備品 2~20年
(2) 無形固定資産
定額法
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付債権等の貸倒損失に備え、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 退職給付引当金
確定給付型の退職給付制度に基づく従業員の退職給付に備え、当事業年度末における退職給付債務から年金資産の額を控除した額に未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用を調整した額を計上しています。
数理計算上の差異は発生時の従業員の平均残存勤務年数にわたり定額法により翌事業年度から費用処理し、過去勤務費用は発生時の従業員の平均残存勤務年数にわたり定額法により費用処理しています。
4.収益の計上基準
当社は、医薬品の販売による収益及び第三者に製品の製造や販売、技術の使用等を認めた契約によるロイヤルティ収入を得ています。
(1) 医薬品の販売
医薬品の販売による収益は、当社が移転を約束した医薬品に対する支配を顧客が獲得した時点で認識しています。通常、医薬品が顧客へ引き渡された時点で医薬品に対する支配を顧客が獲得すると判断しています。
対価の支払条件については、原則として1年を超える契約はなく、重大な金融要素は含まれていません。取引価格に割戻及び値引等の変動性のある金額が含まれている契約については、これらの変動対価を期待値又は最も可能性の高い金額により見積り、顧客から受領する対価から控除しています。変動対価は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い場合のみ認識しています。
他の企業から医薬品の販売を受託していると判断された取引、すなわち、当社が代理人として関与している取引については、当社が権利を得ると見込んでいる報酬又は手数料を純額で収益として認識しています。
(2) ロイヤルティ収入
ロイヤルティ収入には、契約一時金、契約で定められた条件を達成した場合に受領する受取マイルストン及び売上高等をベースとしたランニング・ロイヤルティが含まれます。
契約一時金は、履行義務が充足された時点で又は履行義務が充足されるにつれて一定の期間にわたり、収益を認識しています。一時点で充足される履行義務については、契約に基づき当社が移転することを約束した権利の支配を顧客が獲得した時点で収益を認識しています。一定の期間にわたり充足される履行義務については、経過期間等のアウトプットと、契約で約束した残りのサービス提供期間等との比率に基づいて収益を認識しています。
受取マイルストンは、マイルストンの受領に不確実性があり、条件が達成されるまでは不確実性が解消されないことから、原則として、条件が達成された時点で一時に収益を認識しています。
売上高等をベースとしたランニング・ロイヤルティは、その後の売上等が発生する、もしくは、売上高等をベースとしたロイヤルティが配分されている履行義務が充足されるという事象のうち、遅い方が発生した時点で認識しています。
契約一時金及び受取マイルストンは、原則として契約で定められた金額を収益としています。ランニング・ロイヤルティの収益については、顧客からランニング・ロイヤルティの計算対象期間の売上高等の報告を受け、それに契約で定められた料率を乗じて算出しています。ほとんどの契約で契約締結や条件達成後、及びランニング・ロイヤルティの計算対象期間の末日から短期間での支払期限が定められています。
5.ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジを採用しています。
なお、為替予約取引等については振当処理の要件を満たしている場合は振当処理を、金利スワップ取引については特例処理の要件を満たしている場合は特例処理を採用しています。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段:デリバティブ取引
ヘッジ対象:相場変動、キャッシュ・フロー変動により、損益が発生する資産、負債
(3) ヘッジ方針
当社で規定されたデリバティブ取引に関する管理体制に基づき、ヘッジ対象に係る相場変動リスク、キャッシュ・フロー変動リスクを一定の範囲内でヘッジしています。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
繰延ヘッジに関しては、ヘッジ開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ対象の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計を比較し、両者の変動額等を基礎に判断することにしています。
なお、重要な条件が同一であり、ヘッジ効果が極めて高い場合は、有効性の判定を省略しています。
(重要な会計上の見積り)
繰延税金資産の回収可能性
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」 (企業会計基準適用指針第26号) に規定される企業の分類に応じて、回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定しています。その他の情報については、「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」をご参照ください。
(表示方法の変更)
(貸借対照表)
前事業年度において流動負債の「その他」に含めていた「1年内償還予定の社債」及び「1年内返済予定の長期借入金」は、金額的重要性が増したため、当事業年度から独立掲記しています。
この変更を反映させるため、前事業年度の貸借対照表の組替えを行っています。
この結果、前事業年度の貸借対照表において、流動負債の「その他」に含めて表示していた56,667百万円は、「1年内償還予定の社債」30,000百万円、「1年内返済予定の長期借入金」26,667百万円として組み替えています。
(損益計算書)
前事業年度において独立掲記していた特別利益の「固定資産売却益」及び特別損失の「固定資産除売却損」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度からそれぞれ特別利益の「その他」及び特別損失の「その他」に含めて表示しています。
また、前事業年度において特別損失の「その他」に含めていた「関係会社株式評価損」は金額的重要性が増したため、当事業年度から独立掲記しています。
この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の損益計算書の組替えを行っています。
この結果、前事業年度の損益計算書において、特別利益の「固定資産売却益」に表示していた8百万円及び特別損失の「固定資産除売却損」に表示していた646百万円は、それぞれ特別利益の「その他」及び特別損失の「その他」として組み替えています。
また、前事業年度の損益計算書において、特別損失の「その他」に含めて表示していた60,572百万円は、特別損失の「関係会社株式評価損」として組み替えています。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
2 保証債務
関係会社の保険契約及び金融機関の借入債務に対し、保証を行っています。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高
※2 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度40%、当事業年度36%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度60%、当事業年度64%です。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりです。
※3 前事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社が保有する関係会社株式のうち、帳簿価額に対して実質価額が著しく下落したGanymed Pharmaceuticals GmbHの子会社株式について減損処理を実施し、関係会社株式評価損60,572百万円を特別損失に計上しています。
当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社が保有する関係会社株式のうち、帳簿価額に対して実質価額が著しく下落したOgeda B.V.の子会社株式について減損処理を実施し、関係会社株式評価損74,767百万円を特別損失に計上しています。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(単位:百万円)
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
(単位:%)
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1.「当期減少額」欄の ( ) 内は内数で、減損損失の計上額です。
2.有形固定資産の「減価償却累計額」には、減損損失累計額を含めています。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当会社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨を定款に定めています。
1.会社法第189条第2項各号に掲げる権利
2.会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
3.株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
4.株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
1.有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 (第20期) (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 2025年6月16日関東財務局長に提出。
2.内部統制報告書及びその添付書類
2025年6月16日関東財務局長に提出。
3.半期報告書及び確認書
(第21期中) (自 2025年4月1日 至 2025年9月30日) 2025年11月6日関東財務局長に提出。
4.臨時報告書
2025年7月2日関東財務局長に提出。
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2 (株主総会における議決権行使の結果) に基づく臨時報告書です。
2026年4月27日関東財務局長に提出。
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号 (財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象) に基づく臨時報告書です。
5.臨時報告書の訂正報告書
2025年7月31日関東財務局長に提出。
2025年7月2日に提出した臨時報告書に係る訂正報告書です。
6.訂正発行登録書(株券、社債券等)及びその添付書類
2025年7月3日関東財務局長に提出。
2025年7月31日関東財務局長に提出。
2026年5月14日関東財務局長に提出。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。