第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 当社は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成しております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 2026年3月期の1株当たり配当額40円00銭のうち、期末配当額20円00銭については、2026年6月23日開催予定の定時株主総会の決議事項になっております。
2 株主総利回り及び比較指標の最近5年間の推移は以下のとおりです。
(株主総利回りは、(a)各事業年度末日の株価と、(b)当事業年度の4連結会計年度前から各事業年度末までの1株当たり配当額の累計金額の合計金額(a)+(b)を、当事業年度の5連結会計年度前の末日の株価で除した比率を記載しております。)

3 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
4 「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を第125期の期首から適用しており、第124期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。なお、2022年改正会計基準については第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱いを適用しております。この結果、第125期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、当連結会計年度末現在、当社及び子会社229社、関連会社17社で構成されております。
当社グループでは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ及びその他において、開発、生産、販売、サービス等の活動を展開しております。
開発については、主として当社が担当しております。また、生産については、当社及び当社の生産体制と一体となっている国内外の生産関係会社が行っております。
また、販売・サービス体制は、国内、米州、欧州・中東・アフリカ、中華圏・アジア等のその他地域にて、世界約200の国と地域で事業を展開しております。
事業区分における主要な製品及び子会社の位置付けは、以下のとおりです。
また、事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
<デジタルサービス>
当事業セグメントは、全世界に広がる顧客基盤をベースに、オフィス向け複合機・プリンター・スキャナー等の画像機器及び消耗品の販売・保守サービスをはじめ、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービスといった領域において、お客様のワークフロー全体の変革や働き方改革を支援するオフィスサービスを提供しております。
<デジタルプロダクツ>
当事業セグメントは、世界トップシェアを有するオフィス向け複合機をはじめ、プリンター・スキャナー等の画像機器、さらにデジタルによるコミュニケーションを支えるエッジデバイスの開発・生産(OEMを含む)に取り組んでおります。
<グラフィックコミュニケーションズ>
当事業セグメントには、商用印刷事業と産業印刷事業があります。
商用印刷事業:印刷業を営むお客様を中心に、多品種少量印刷に対応可能なデジタル印刷関連の製品(プロダクションプリンター等)・サービスを提供しております。
産業印刷事業:建材・家具・壁紙・サインディスプレイ・服飾品生地等、多種多様な印刷を可能とする産業用インクジェットヘッド・インクジェット用インク・産業用プリンター等を製造・販売しております。
(上記3事業セグメントにおける主要な子会社)
(設計及び開発・生産・その他)
(販売・サービス・サポート)
<インダストリアルソリューションズ>
当事業セグメントには、サーマル事業と産業プロダクツ事業があります。
サーマル事業:製造・流通・物流・医療の現場で使われるバーコードラベル用の感熱紙、熱転写リボン、及び機能性包材市場のラベルレスサーマルを製造・販売しております。
産業プロダクツ事業:製造業向けの自動化設備や検査装置、自動車業界向けを中心とした精密部品を製造・販売しております。
(主要な子会社)
(生産・その他)
<その他>
当事業セグメントには、360度カメラにソフトウェアやクラウドサービスを組みあわせ、不動産・建設・土木等の現場のデジタル化に寄与するSmart Vision事業をはじめ、社会課題に対応する新規事業やカメラ関連事業等があります。
(主要な子会社)
(生産・その他)
(販売・サービス・サポート)
<事業系統図>
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

4 【関係会社の状況】
(連結子会社)
2026年3月31日現在
(関連会社)
2026年3月31日現在
*1 特定子会社に該当しております。
*2 有価証券報告書を提出しております。
*3 リコージャパン㈱及びRICOH USA, INC.は連結売上高に占める売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の割合が10%を超えております。
RICOH USA, INC.は、前連結会計年度末において債務超過の状態にありましたが、当連結会計年度に実施した増資により、当連結会計年度末において債務超過は解消しております。
*4 議決権の所有割合の( )内の数字は間接所有割合(内数)です。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1)変わること、変わらないこと
当社グループが変わらずに大切にしているものがあります。それは創業の精神である「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」からなる「三愛精神」です。「“はたらく”に歓びを」を「使命と目指す姿」と定め、AI技術の普及と発展によって世の中のはたらき方が変わっていく状況においても、“はたらく”に寄り添い変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくることを目指しています。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

(2) リコーの中期展望
・中期経営戦略’26:5年先を見据えた中期経営戦略
当社グループは、2026年4月からスタートした中期経営戦略’26(以下、中経’26)において、従来の3年間の策定から、5年先を見据えた毎年のローリング方式へと転換しました。
外部環境の不確実性が高まり、変化のスピードが加速する中、3年間の戦略を固定的に策定する方法では、前提条件の変化に十分対応できないと考えています。また単年度計画のみでは、中長期的な成長投資や事業構造転換を効果的に進めることはできません。
このような認識のもと、中経’26では5年先の目指す姿から逆算するバックキャスティングの考え方を取り入れ、将来像と現状のギャップを踏まえた戦略を策定しました。これを毎年ローリングで見直すことで、環境変化への対応力と実行力を高め、単年度計画を確実に達成しながら持続的な企業価値向上を目指します。

・中経’26:目指す姿
当社グループは、デジタルサービスの会社として進化を続け、お客様の「はたらく場(ワークプレイス)」において、自社及び他社の製品・サービス、ソフトウェアを組みあわせることで、お客様の競争優位性及び差別化に貢献するインテグレーターを目指しています。これにより、グローバルにおいて持続的な価値提供が可能な事業構造の構築を進めていきます。
オフィスプリンティング事業においては、エトリア株式会社(以下、エトリア)を通じて環境性能に優れた技術を活用し、エンジンシェア*1の拡大を図ることで、引き続き安定した収益基盤を確保します。商用・産業印刷事業においては、安定収益を生み出すとともに、インクジェット技術を活用し、お客様のコスト低減や環境対応に資する新たな成長事業の創出に取り組みます。
当社グループは、資本効率を重視した経営を一層強化し、ROEが株主資本コストを継続して上回る状態を実現することで、企業価値及びTSRの向上を目指しています。その実現に向け、アセットライト*2化の推進、アセットライトな事業の拡大並びにストック利益の着実な積み上げを通じてROICの改善と安定収益の確保を図っていきます。
これらの取り組みにより、柔軟な資本構成(Debt/Equity)の選択肢を持ちつつ、成長投資と株主還元を両立させることが可能となり、長期的かつ持続的な企業価値の向上につなげていきます。
*1 エンジンシェア:エトリアが製造した複合機・プリンター基幹部分の市場シェア
*2 アセットライト:資産の保有を最小限に抑え、財務を軽くする経営手法

・中経’26:目標とKPI
当社グループは、株主資本コストを上回るROEの早期実現を、最優先で取り組むべき財務目標と位置づけています。直近の目標として、株主資本コスト(2025年12月時点:7.5~8.0%)を上回るROEの早期実現を目指し、さらに2030年度目標としてROE10%以上と設定しました。
ROE10%以上を達成するための水準としてROICは7%以上を目標とし、そのために安定収益となるストック利益は15%以上の成長、成長投資は3,500億円程度の実施、そして人的資本戦略と生産性の向上による人的資本ROI*は25%以上を目指します。加えて、ネットD/Eの割合は0.4以下とします。これらの定量目標の管理と達成を通じて、事業成長と資本効率の改善を実現し経営の実行力を高めていきます。
* 人的資本ROI: 人的資本の投入に対するリターンを表す指標。((売上高-人件費以外の経費)/人件費-1)×100で計算される。人件費は、販売費及び一般管理費(販管費)に含まれるもの

当社グループは、中経’26で掲げる目指す姿の実現及び目標達成に向け、基本方針として、1. ストック利益の積み上げによる収益性向上、2. 継続的なコスト構造の見直し、3. 人材の活性化の3点に取り組みます。
1. ストック利益の積み上げによる収益性向上
顧客からの信頼の証しとしてストック利益を重要指標とし、継続的な積み上げを通じて、収益性の向上及び事業基盤の安定化を図ります。
① 地域特性に応じた最適なインテグレーションによる提供価値の拡大
各地域の顧客ニーズや事業環境に応じて、自社・他社の商材・サービス・ソフトウェアを組みあわせた最適な価値提供を行うことで顧客との関係性を深化させ、継続的な取引拡大とストック利益の積み上げにつなげます。
② 高収益なサービスポートフォリオ・共通モジュール拡大とガバナンスの強化
収益性の高いサービスと地域にまたがって共通化されたモジュールを拡大するとともに、本社による各地域へのガバナンスを強化することで、収益の質を高め安定的なストック利益の創出を図ります。
③ 事業ポートフォリオの進化に基づく戦略的M&A
ワークプレイスエクスペリエンス・プロセスオートメーションの領域を中心に強みをさらに強くすること、必要な能力を獲得して事業ポートフォリオを進化させることを目的に各地域において戦略的なM&Aを活用します。
④ 販売体制の強化とエトリアによる競争優位な商品投入(オフィスプリンティング)
オフィスプリンティング事業においては、MIFマネジメントの徹底と販売チャネル戦略の見直しによる販売体制の強化と、エトリアにおける技術シナジーを活かした競争力の高い製品を継続的に市場に投入するとともに、循環型設計による環境負荷を低減する製品の市場投入により、ストック利益の維持・拡大を図ります。
⑤ インクジェット技術による収益力向上・事業領域の拡大(商用・産業印刷)
商用・産業印刷分野において、インクジェット技術を強みとして、商用インクジェットプリンターの稼働台数拡大とインクジェットヘッド事業の成長、インクジェットヘッドの新規アプリケーション拡大を進めることで、安定収益の拡大と成長機会の創出につなげます。
2. 継続的なコスト構造の見直し
事業ポートフォリオの進化や事業環境の変化に対応するため、継続的なコスト構造の見直しを進めます。グローバルでの経費構造改革とアセットライト化を主要戦略とし、収益性と資本効率の向上を図ります。
具体的には、AX・DXを活用して、バックオフィス業務やグローバルSCMの改革に取り組み、事業特性に応じた適正なコスト水準への転換・経費構造の最適化を推進していきます。あわせて、事業・個社のポートフォリオ最適化、収益性が低下した資産の整理、拠点統廃合にも取り組み、資産の効率的な活用や資産の圧縮によりアセットライトな事業構造への転換を推進します。
これらの取り組みを通じて、投下資本の抑制とキャッシュ創出力の強化を図り、ROICの改善を実現していきます。
3. 人材の活性化
事業戦略の実行と成長を支える基盤として、人材の活性化を基本方針と位置づけています。事業成長を支える能力の獲得・人材ポートフォリオの最適化と、個人が能力を最大限に発揮できる環境・制度の整備等の人的資本施策を主要な戦略として推進していきます。
まず、事業成長を支える能力の獲得・人材ポートフォリオ最適化を進めます。そのために、グローバル人材の活用、従来から取り組んできた顧客接点人材の技術系資格取得の推進とリスキリングの継続・強化、必要に応じてM&Aを通じた人材・能力の獲得も活用し、成長領域における専門性及び実行力の強化を図ります。あわせて、デジタル・AIを活用した業務改革により生産性を高め、創出された人的リソースを成長領域へ再配置することで、事業ポートフォリオの進化に即した人材ポートフォリオの最適化を進めます。
個人が能力を最大限に発揮できるようにする人的資本政策では、既に導入しているリコー式ジョブ型人事制度のさらなる進化や、報酬制度の改革に取り組み、社員一人ひとりが能力を十分に発揮できる仕組みの整備を進めます。
これらの取り組みにより、社員一人ひとりの価値創出力を高め、人的資本ROIを向上させるとともに、企業価値向上に寄与する企業文化を醸成し、持続的な事業成長と企業価値向上を実現していきます。

将来財務(ESG)の視点
ESGの取り組みは、将来の財務を生み出すために不可欠なものと位置づけ、「ESGグローバルトップ企業」を目指し、お客様や株主・投資家の皆様からのESG要求に応えるべくバリューチェーン全体を俯瞰した活動を進めています。
中経’26では、ESGと事業成長の同軸化をさらに進め、その創出価値として、目指すべき持続可能な社会「Three Ps Balance」への貢献と企業価値向上を目指します。3つのPとは、Prosperity(経済)、People(社会)、Planet(地球環境)を指します。それぞれの領域において2030年までに実現することをKGI*として設定しました。環境・社会・ステークホルダーに及ぼす影響(インパクト)と自社財務への影響(リスク及び機会)を評価し、特定した6つのマテリアリティと15のESG目標に対する取り組みを通じて、これらのKGIの達成を目指します。
* KGI(Key Goal Indicator):重要目標達成指標

成長を支える資本政策
当社グループは、ステークホルダーの皆様のご期待に応えながら、株主価値及び企業価値を最大化することを目指しています。専門家の意見も取り入れながら、様々な手法・複数の視点で当社の資本コストを把握し、株主の皆様からお預かりした資本に対して、資本コストを上回るリターンの創出を目指します。
事業ポートフォリオマネジメント及びROIC経営を推進し、資産効率を高め、ROEの改善に努めます。

企業価値最大化の実現に向けて、厳正な事業ポートフォリオマネジメントのもと合理的な判断・意思決定を行い、経営資源配分の最適化に取り組んでいます。当社グループの事業ポートフォリオマネジメントは、ROIC等の収益性や市場性という従来型の切り口に加えて、デジタルサービスとの親和性の観点からも評価しています。さらに、資本効率向上に重要であるストック利益比率の観点も取り入れます。
この4つの観点において、各ビジネスユニット・事業を客観的に評価し、成長加速、収益最大化、戦略転換、そして事業再生の4つに分類し、デジタルサービスの会社として進化を続けるために必要な経営基盤の強化に努めています。
また、中経’26で目指すROE10%超を継続できる資本収益性の実現に向け、資本コストを上回る収益性を追求するために、各ビジネスユニット・部門にてROICツリーを用いた施策管理を実施しています。さらに、主要施策は全社レベルのROICツリーにも反映し、財務数値化が難しいグループ本部の施策についてはKPIとして目指す内容を言語化し、将来財務につなげています。これを「リコー版ROICツリー」として定期的にモニタリングし、財務目標との関連性を明確にすることで、KGIとKPIのマネジメントを実施しています。
このような取り組みを通じ、中長期的にROE 10%超を継続できる資本収益性の実現を目指します。
なお、当連結会計年度のROEは 5.1%、ROICは 4.0%となりました。
* ROIC(投下資本利益率) = (営業利益-法人所得税費用+持分法による投資損益) / (親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債)
キャッシュ・アロケーション
資本政策においては、リスク評価に基づき最適な資本構成を追求し、投資の原資に借入も活用しながら、負債と資本のバランスをとった事業投資を進めます。オフィスプリンティング事業等の成熟し安定した収益を生む事業には負債を積極的に活用し、リスクの比較的高い成長事業には資本を中心に配分する方針です。
また、地政学リスクや事業環境の変化に適切に対応するため、格付の維持に努め十分な資金調達余力を確保するとともに、成長に必要な資金を確保していきます。加えて、成長投資領域の安定事業化や新たな成長投資戦略に伴う事業構造変化を考慮し、最適資本構成については柔軟に調整していく考えです。
事業活動によって創出した営業キャッシュ・フローについては、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的かつバランスよく配分していきます。特に成長投資については、欧米におけるワークプレイスエクスペリエンス領域やアプリケーションサービス領域でのM&A投資等、ワークプレイスのインテグレーターとしての事業成長に必要な投資を着実に進めています。財務規律を考慮しながら企業価値の最大化を目指し、引き続き成長投資を推進するとともに、運転資本の改善に努め営業キャッシュ・フロー創出力の強化を図ります。その上で有利子負債も活用しながら戦略的に投資原資を確保していきます。

株主還元方針
株主還元方針については、引き続き総還元性向 50%を目安とする方針を堅持します。配当利回りを意識し、利益成長に沿った継続的な増配を目指します。自己株式取得等の追加還元策については、経営環境や成長投資の進捗を踏まえながら、最適資本構成の考え方に基づき機動的かつ適切なタイミングで実施し、TSR*の向上を実現していきます。また、この株主還元方針を踏まえ、2026年5月に 250億円の自己株式取得を決定しました。
翌連結会計年度の配当見通しについては、前年度から1株当たり 4円増配し年間 44円を予定しています。
当社グループは、成長投資と株主還元の両立を基本とし、資本効率を重視した資本政策を推進します。営業キャッシュ・フローを成長投資と株主還元に計画的に配分するとともに、安定収益を背景に有利子負債も活用し、柔軟かつ規律ある資本構成を維持します。
総還元性向 50%を目安とした株主還元を継続しながら、ROIC・ROEの改善を通じて、持続的な企業価値向上を実現していきます。
* TSR(Total Shareholder Return):株主総利回りは、キャピタルゲインと配当をあわせた、株主にとっての総合投資利回り

(3)翌連結会計年度の見通し
翌連結会計年度の業績見通しについては、連結売上高 27,000億円、営業利益 950億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は 620億円としました。
ワークプレイスサービスにおけるストック収益の拡大が、利益成長をけん引する見通しです。そのために、中経‘26の初年度として、ワークプレイスサービスにおける既存顧客へのサービス契約拡大・深耕、グローバルでの高収益なサービスポートフォリオ・共通モジュール拡大等の施策を推進します。
一方で、半導体メモリや石油関連部材等の価格上昇に伴うコスト増加を見込んでおり、価格対応やコスト構造の見直し等によりその影響の吸収に努めるものの、一部については業績への影響を織り込んでいます。インフレに伴う人件費等の増加も見込まれますが、経費コントロール及びコスト構造改革の継続により、これらの影響に対応していきます。
事業環境は引き続き不透明な状況が続きますが、変化に対して機動的な対応を行い、お客様の競争優位と差別化に貢献するインテグレーターとなるべく変革を進めてまいります。

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) サステナビリティ方針
当社グループは、三愛精神に基づき、経済(Prosperity)、社会(People)、地球環境(Planet)の3つのPのバランスが保たれている社会を、目指すべき持続可能な社会「Three Ps Balance」として表しています。
この3つのPのバランスを保ちつつ発展し続ける社会の実現に向け、1998年に世界に先駆け「環境経営」を提唱し、約30年にわたり「環境保全と利益創出の同時実現」に取り組んできました。この取り組みを土台に、「ESGと事業成長の同軸化」を方針に掲げ、ESGを非財務ではなく、3~10年後の財務につながる「将来財務」と位置づけ、ESG/SDGsの経営戦略、経営システムへの統合を進めてきました。
中期経営戦略’26(以下、中経’26)では、「Three Ps Balance」への貢献において、2030年までに3Pの各領域で実現することをKGIとして設定しました。また、企業価値向上と「Three Ps Balance」への貢献に向けて、社会・お客様要請、中経戦略を踏まえて、6つのマテリアリティ(重要社会課題)を特定しています。詳細については、以下ウェブサイトをご参照ください。
https://jp.ricoh.com/sustainability/sdgs
① ガバナンス
環境・社会・グループ経営のガバナンス分野における課題を経営レベルで継続的に議論し、グループ全体の経営品質向上につなげる目的でESG委員会を設置し、取締役会による監督体制を構築しています。サステナビリティに関する重要な事項については、ESG委員会や関連部門との会議体において定期的に議論され、経営としての意思決定に反映されています。
これにより、サステナビリティに関する取り組みが、事業や経営判断と一体となって推進されています。

a. 監督体制
(a)サステナビリティ・ガバナンス
取締役会においては、サステナビリティ関連のリスク及び機会を踏まえた当社のマテリアリティ決定や、ESGに関する方針・事業計画の確定・執行及びリスク・機会に対する監督・助言・モニタリングを行っています。ESG関連の議題について、2025年度は全体議案のおよそ2割程度の時間を割いて審議しました。具体的には、マテリアリティとKPIを含む次期中経戦略や2026年度重点経営リスク、役員報酬連動に関して議論を行いました。また、社外取締役とは個別意見交換の場を設け、CSRO*より社会動向や取り組みの最新情報を提供するとともに、グローバルの推進体制や販売区との連携等、個々の取り組みに対して議論を行いました。
* CSRO:Chief Sustainability & Risk Management Officer
<サステナビリティに関する直近の取締役会討議内容>
・中経’26(マテリアリティとKPI含む)
・2026年度重点経営リスク
・CEO評価、役員評価・報酬制度(長期インセンティブ:LTI等)
(b)取締役のサステナビリティスキル・スキル開発
持続的な株主価値・企業価値の向上に不可欠と考えるESGの取り組みを推進するため、「サステナビリティ」のスキルを取締役の主要なスキルの一つに選定しています。具体的には、事業を通じた社会課題解決や「気候変動への対応」「循環型社会の実現」等、当社にとって重要なサステナビリティ課題への知見・経験があることを指しています。取締役及び監査役のスキルマトリックスについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)役員の状況」をご参照ください。
また、取締役のスキル開発については、ESG動向を踏まえた当社にとってのESG課題を取締役会及びガバナンス検討会で定期的に報告することで理解を深めています。更に現場視察や勉強会等のトレーニングを通して、適切な経営判断及び経営監督を行うための基盤を醸成しています。
<2025年度のサステナビリティテーマを含むトレーニング実績>
・現場視察:2回(先端技術研究所、沼津・御殿場事業所)
・勉強会:1回(ペロブスカイト太陽電池)
(c)ESG指標と取締役報酬の連動
第21次中期経営戦略(以下、21次中経)においては、ESGの取り組みを経営に反映させることを目的に、ESG指標と社内取締役報酬との連動を行いました。具体的には、業績連動型賞与への「DJ BIC Indices *年次レーティング」の組み込み、業績連動型株式報酬へのESG目標の組み込みを実施しました。
中経’26からは、中長期的な企業価値向上との連動を一層強化することを目的として、ESG目標を含む新たな業績連動報酬体系を導入しています。
詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」をご参照ください。
* DJ BIC(Dow Jones Best-in-Class) Indices:従来の「Dow Jones Sustainability Indices(DJSI)」が名称変更されたもので、S&Pグローバルの評価に基づき、持続可能性に優れた企業を選出する世界的なESG指数
b. 執行体制
(a)ESG委員会
環境・社会・ガバナンス分野における課題を経営レベルで継続的に議論し、グループ全体の経営品質向上につなげることを目的にESG委員会を設置しています。ESG委員会は、CEOを委員長とし、四半期に一度開催する意思決定機関です。
ESG委員会では、サステナビリティ領域における事業の将来のリスク・機会や、マテリアリティの特定、ESG目標の設定、再エネ投資等について審議しています。重要な審議内容については、取締役会の承認を経て決定しています。
2025年度のESG委員会での主な議題については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (Ⅸ)ESG委員会」をご参照ください。
(b)ESG指標と執行役員報酬の連動
21次中経においては、執行役員に対しても、業績連動型賞与への「DJ BIC Indices年次レーティング」の組み込み、業績連動型株式報酬へのESG目標の組み込みを実施しました。また担当領域におけるESG目標を評価指標の一部として報酬に連動させることで、ESG目標達成に対するコミットメントを強化しています。
中経’26においても、ESGを含む中長期的な企業価値向上との連動を一層強化することを目的として、業績連動型株式報酬へのESG目標の組み込みと、担当領域におけるESG目標を評価指標の一部とする報酬連動を継続しています。
(c)推進体制
ESG戦略本部を設置し、CSROが担当役員としてESG活動を推進しています。ESG委員会での決定事項を含むESGに関する重要テーマは、各機能部門組織、ビジネスユニットに具体的な目標・施策として落とし込まれており、その進捗状況についてはESG委員会において定期的に確認しています。
② 戦略
a. 顧客のESG要求とESG戦略への反映
各国・地域での規制強化やサプライチェーン全体での人権・環境配慮要請の高まりを背景に、顧客との商談において、契約書にESG関連の要求が盛り込まれるケースやESGの取り組み状況を確認されるケースが増加しています。最近では、環境ラベル取得、再生材の使用率等の製品に関わる項目に加え、SBTi*1によるGHG*2排出ネットゼロ目標認定取得やサプライチェーンも含めた人権リスクの対応等、要求の高度化が進んでいます。また、商談参加の前提条件として、ESG外部評価のスコアやレーティングの提出依頼も増えており、EcoVadis*3スコア開示要求の累計件数は、2020年度末の149件に対し、2025年度末は396件となっています。なお、開示要求数全体の2割程度はFortune Global 500*4の企業からの要請です。
このような状況を受け、中経’26では、ESGを成長戦略そのものとして進化させ、ESGによる事業貢献の加速、事業成長を支える先進的なESGマネジメントの強化、ESGグローバルトップの実現につなげるコミュニケーションと体制強化に取り組み、持続的な企業価値向上を目指します。
*1 SBTi(Science Based Targets initiative):企業の温室効果ガス(GHG)削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ
*2 GHG(Green House Gas):温室効果ガス
*3 EcoVadis:企業の環境・社会・ガバナンス側面を評価する国際的な評価機関であり、多くのグローバル企業がサプライヤーの選定に評価結果を活用
*4 Fortune Global 500:米国の経済誌Fortuneが毎年公表する、世界の企業を売上高順にランキングした上位500社の一覧
b. サステナビリティ関連リスク・機会の識別及びマテリアリティ特定のプロセス
当社グループでは、目指すべき持続可能な社会「Three Ps Balance」に向け、中経戦略におけるマテリアリティを特定し、その評価指標としてESG目標(将来財務目標)を設定しています。マテリアリティ及びESG目標は、バリューチェーン全体を見据え、環境・社会・ガバナンスに関する課題を幅広く抽出し、リスク・機会・インパクトの評価と、経営層・ステークホルダー・各担当部門との議論を経て、ESG委員会での審議及び取締役会の承認により決定しています。
図1 中経’26におけるリスクと機会の識別及びマテリアリティの特定プロセス
*1 ESRS:EUのCSRD(企業サステナビリティ報告指令)に基づき、企業のサステナビリティ情報開示事項を定めた欧州の報告基準
*2 SASBスタンダード:企業価値に影響するサステナビリティ情報の開示を目的とした業種別基準。当社グループはHardware業種を参照
*3 WEFグローバルリスク:世界経済フォーラム(WEF)が公表する、世界の主要リスクを整理した報告書
c. 中経’26におけるマテリアリティとリスク・機会
特定されたマテリアリティに関連するリスクと機会は、以下表のとおりです。なお、時間軸(緊急度)の評価基準は重点経営リスクと共通です。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。時間軸と短・中・長期の関係は以下表のとおりです。
<Prosperity(持続可能な経済)>
マテリアリティ:“はたらく”の変革
社会課題①:生産性向上・創造性発揮・デジタル格差の解消
* VC:バリューチェーン
マテリアリティ:“はたらく”の変革
社会課題②:イノベーションの加速
* NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構):エネルギー・地球環境問題の解決や日本の産業技術力の強化のため、委託事業や補助金などにより技術開発を支援する政府の機関
マテリアリティ:安心安全なデジタル社会の実現
社会課題③:情報セキュリティ確保・顧客のプライバシー保護
* SCS評価制度:取引先を含むサプライチェーン全体のサイバーセキュリティ対策を客観的な基準で可視化・評価する仕組み。中堅・中小企業も対応を求められる
マテリアリティ:安心安全なデジタル社会の実現
社会課題④:倫理的な技術開発と活用
マテリアリティ:公正な企業活動
社会課題⑤:人権尊重
マテリアリティ:公正な企業活動
社会課題⑥:企業倫理・コンプライアンスの徹底
<People(持続可能な社会)>
マテリアリティ:多様な人材の活躍
社会課題⑦:社員エンゲージメント向上とD&I
マテリアリティ:多様な人材の活躍
社会課題⑧:社員の能力開発
マテリアリティ:コミュニティとの共生
社会課題⑨:企業と地域社会の関係構築
<Planet(持続可能な地球環境)>
マテリアリティ:脱炭素・循環型社会の実現
社会課題⑩:気候変動の緩和と適応 社会課題⑪:資源枯渇・資源循環
③ リスク管理
a. サステナビリティ関連リスクの管理
サステナビリティ関連のリスクと機会については、当社グループ全体のリスクマネジメントの対象である重点経営リスクと同様の評価基準を用いて、時間軸(緊急度)及び影響度の観点から評価し、優先順位付けを行っています。リスクと機会の識別プロセスの詳細については、「図1 中経’26におけるリスクと機会の識別及びマテリアリティの特定プロセス」をご参照ください。
また、マテリアリティとして特定したリスクと機会のうち、経営に大きな影響を及ぼす「重点経営リスク」と重複するリスクに関しては、重点経営リスクの運用プロセスに統合し、管理しています。それ以外のリスク及び機会については、各部門の中経戦略、事業計画の中で管理・モニタリングしています。
b. リスクマネジメント体制
当社グループでは「リスクマネジメント」を事業に関する社内外の様々な不確実性を適切に管理し、経営戦略や事業目的を遂行していく上で不可欠のものと位置づけ、全役員・全従業員で取り組んでいます。リスクマネジメントを遂行する上でのガバナンス体制として、取締役会がリスクマネジメントに関する経営者の職務の執行が有効かつ効率的に行われているかを監督する役割と責任を担っています。リスクマネジメント体制の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (Ⅺ)リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会」をご参照ください。
④ 指標及び目標
当社グループは、マテリアリティに対する取り組みの進捗を管理・評価するためのKPIを、ESG目標として設定しています。ESG目標は、事業戦略及び中経戦略と整合する形で設定されており、進捗状況を事業計画とともにモニタリングしています。
a. 中経’26における新マテリアリティに紐づくESG目標
*1 各地域の戦略に沿った調査を行い、価値提供を通じて「課題解決を支援するパートナー」として評価いただいた顧客の割合を測定
*2 APAC:アジアパシフィック
*3 研究開発プロジェクト全体における、外部組織との共創を行ったプロジェクトの比率
*4 サイバーセキュリティに関する国際規格やフレームワークを参考に作成されたガイドライン等に基づく成熟度評価
*5 企画・開発段階から技術の社会的・倫理的影響を予見・評価し、リスク低減策を整理して商品・サービスに反映させる活動
*6 リコーグループ人権リスク評価における重要項目すべてに対応が出来ているグループ会社の割合
*7 RBA(Responsible Business Alliance:グローバルなサプライチェーンにおける企業の社会的責任を推進する企業同盟)の行動規範に基づく「リコーグループサプライヤー・パートナー行動規範」の、要求事項に準拠していない項目が複数あるサプライヤーの数
*8 法令、社内規程、行動規範を遵守する従業員の意識や仕組み(コンプライアンス体制)が、どの程度浸透・機能しているかを段階的に評価
*9 Gallup社のQ12Meanスコア(高い組織パフォーマンスを予見するための12要素に対する評価スコア)を採用
*10 IPAのDXスキル標準に基づき当社として設定した人材類型ごとのデジタル推奨資格・スキル
※指標目標の選定にあたっては、SASBスタンダード(Hardware業種)のガイダンスを情報源として参照し、その適用可能性を考慮しています。なお、SASBスタンダードの開示トピックに関連する指標については、以下ウェブサイトをご参照ください。
https://jp.ricoh.com/sustainability/report/guideline
b. 21次中経におけるマテリアリティとESG目標の結果
21次中経では、「デジタルサービスの会社への変革」と「社会・お客様要請への対応」の視点から16のESG目標を設定し、うち13指標で目標を達成することができました。未達成となった①顧客からの評価、⑮エンゲージメントスコア、⑯女性管理職比率については中経’26でも継続して目標設定し、課題対応を進めます。
▪ ESG目標の実績(事業を通じた社会課題解決)
*1 デジタルサービスの会社としてご評価いただけた顧客の割合
*2 中南米はソリューション顧客を対象にした調査
*3 組織体制の変更に伴い、開示対象範囲を見直し、関連する数値を再算出しています
*4 第三者検証中の暫定値、確定値は2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定
https://jp.ricoh.com/sustainability/materiality
▪ ESG目標の実績(経営基盤の強化)
*5 CHRB(Corporate Human Rights Benchmark)スコア:機関投資家とNGOが設立した人権関連の国際イニシアチブ。5セクター(食品・農業,アパレル,採掘,ICT,自動車)のグローバル企業から選定して評価
*6 特許出願数に占めるデジタルサービス貢献事業に関する特許出願数の割合
*7 プロセスDXの型に基づいたプロセス改善実績のある人材の育成率(母数は各ビジネスユニットの育成対象組織総人員数)
*8 第三者検証中の暫定値、確定値は2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定
https://jp.ricoh.com/sustainability/materiality
c. 社会課題解決型事業の売上高実績
21次中経では、「ESGと事業成長の同軸化」の進捗をより具体的にステークホルダーに示すため、社会課題解決に貢献する事業とその売上高目標を設定しました。各社会課題解決型事業の売上が順調に伸長し、すべてのマテリアリティで21次中経目標を達成することができました。特に、「地域・社会の発展」については、自治体ソリューション、GIGAスクール関連の教育ソリューションが想定以上に伸長し、目標を大幅に達成しました。
d. 社外からの評価
ESGへの取り組みが評価され、国内外のESGインデックスの組み入れ銘柄として採用されています。2025年度はESG情報開示を拡充したことと、強みである環境配慮型商品の売上や投資の拡大、気候変動対応へのアドボカシー活動等が評価され、各評価においてグローバルトップレベルへ前進しました。
*1 Global100:カナダのCorporate Knights社が、環境・社会・ガバナンスの側面から企業を評価し、持続可能性に優れた企業100社を選定・公表するランキング
*2 CDP:企業の環境分野の情報開示を促し、気候変動、水セキュリティ、フォレスト等の取り組みを評価する国際的な非営利団体
*3 GPIF6指数:MSCI日本株ESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)、FTSE JPX Blossom Japan Index、FTSE JPX Blossom Japan Sector Relative Index、S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数、Morningstar 日本株式ジェンダー・ダイバーシティ・ティルト指数(除くREIT)
(2) 環境分野(気候変動・資源循環)への対応
① ガバナンス
「(1) サステナビリティ方針 ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
当社グループは、気候変動、資源枯渇、生物多様性、汚染等の環境課題への対応を、中長期的な成長及び企業価値向上に不可欠な経営課題と認識しています。
これらの環境課題から特定される、事業及び財務に影響を及ぼすリスクと機会を、研究開発投資や設備投資を含む戦略的意思決定に反映しています。また、「脱炭素・循環型社会の実現」をマテリアリティとして特定し、これに紐づく4つのESG目標(将来財務目標)を設定しています。
a. シナリオ分析の考え方
当社グループは、2018年8月にTCFD提言への賛同を表明して以来、同提言に基づく気候関連のリスク・機会に関するシナリオ分析を毎年度実施しています。2024年度からは、気候変動に加え、資源枯渇、生物多様性、汚染等の複数の環境分野における相互影響も踏まえ、TNFDのフレームワークも活用した統合的な評価へと対象を拡大しています。
評価プロセスの詳細については、「Ricoh Group Sustainability Report 2025」をご参照ください。
https://jp.ricoh.com/sustainability/report/sustainability
b. シナリオ分析の結果
(a)環境関連リスクの評価及び対応
当社グループは、シナリオ分析を通じて特定した環境関連リスクについて、重点経営リスクの考え方に基づき、緊急度(発現可能性)及び影響度(財務インパクト)の観点から評価を行っています。評価結果は以下表のとおりです。
環境規制・規格への対応遅延やペーパーレス化等に伴う市場環境の変化に加え、自然災害の激甚化等が、事業継続や収益性に重要な影響を及ぼすリスクとして認識しています。特に、環境規制・規格への対応の遅れは、商談機会の損失や市場競争力の低下につながる可能性があり、また、自然災害の激甚化は、サプライチェーン寸断や生産停止等を通じて、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、これらの評価結果を踏まえ、優先度に応じたリスク対応を進めることで、環境関連リスクに対するレジリエンスの向上を図っています。
移行リスク(1.5℃シナリオ*1)
※分野の記載については、気候変動:気候、資源枯渇:資源、生物多様性:生物、汚染:汚染で表します
*1 1.5℃シナリオ:2100年までの平均気温上昇が1.5℃未満に抑えられている世界
物理リスク(4℃シナリオ*2)
*2 4℃シナリオ:2100年までの平均気温上昇が4℃上昇する世界
(b)環境関連機会と財務貢献効果
当社グループは、環境課題への対応が事業リスクの低減にとどまらず、自社製品・サービスの提供価値及び企業価値の向上につながる重要な事業機会であると認識しています。
特に、お客様からのGHG排出削減や省資源化に対する要請の高まりを背景として、環境配慮型製品、省エネルギー・創エネルギー関連ソリューション、お客様の環境負荷低減を支援するDXソリューション等への需要が拡大しており、競争優位性の向上や商談獲得につながっています。
2025年度においては、これらの関連製品・サービスが1兆円規模の売上に貢献しています。主な実績は以下表のとおりです。
c. サステナビリティへの取り組みを活用した資金調達
当社グループは、脱炭素や資源循環をはじめとしたESGへの取り組みを強化し、サステナビリティを活用した資金調達を積極的に推進しています。2020年に三菱UFJ銀行と初のサステナビリティ・リンク・ローンを締結して以来、みずほ銀行の「Mizuho Eco Finance」や三井住友信託銀行の「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」等を利用した融資契約を締結し、継続的に資金調達を行っています。
d. 気候変動分野に対する方針及び取り組み
当社グループは、「気候変動」をグローバル社会が直面する重要な社会課題の一つと認識しています。その上で、IPCC*等の科学的知見やパリ協定等の国際的な合意を尊重し、バックキャスティングの考え方に基づいて脱炭素目標を設定しています。
目標達成に向けては、サプライチェーン全体のGHG排出量を可視化した上で、脱炭素目標の達成に向けた取り組みを進めています。また、スコープ1,2及びスコープ3の主要カテゴリーについて、2040年までのGHG削減ロードマップを策定し、経済合理性も踏まえながら移行計画を推進しています。
さらに、お客様への環境配慮型製品・ソリューションの提供を通じて、社会全体のGHG排出削減にも取り組んでいます。
詳細については、以下ウェブサイトをご参照ください。
https://jp.ricoh.com/sustainability/environment/zero_carbon_society
* IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):気候変動に関する政府間パネル。世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)によって設立された政府間組織
<2040年目標達成に向けた脱炭素ロードマップ>
(ⅰ)スコープ 1,2脱炭素ロードマップ
・徹底した省エネ・燃料転換の推進
生産拠点においては製造プロセス改善、高効率・省エネ設備導入を進めています。非生産拠点においては日本国内では事業所のZEB化*1を拡大し、海外では省エネ型オフィスへの移転を促進させます。社有車においては車両運用効率化や低燃費車導入に加えエコドライブを徹底します。また、現状では困難なスコープ1削減の課題に対しては、2030年以降の施策として、設備の電化、水素・CCS*2等の将来技術の導入検討を本格化させるとともに、社有車においてはEV、燃料電池車等への転換を拡大させていくことを想定しています。
*1 ZEB:先進的な建築設計、省エネルギー設備の導入による省エネに加え、再生可能エネルギーの活用等による創エネにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指す取り組み
*2 CCS(Carbon dioxide Capture and Storage):二酸化炭素回収・貯留
・再生可能エネルギーの積極的な利活用
当社グループは2017年4月に日本企業として初めてRE100*に参加し、RE100基準に適合する再生可能エネルギー由来の電力の総電力量に対する割合で算出される再生可能エネルギー比率の目標(相対指標)を設定しています。各拠点所在地での最適な手段による再エネ電力導入を進め、海外全拠点及び国内主要生産拠点では2030年までに使用電力の再エネへの100%転換を目指します(グループ全体の再エネ率目標は85%)。日本国内では有志企業とともに再エネ電力のコストダウン、調達手段の多様化や、地域と共生する再エネ開発促進を政府に働きかけ、再エネ導入加速に尽力します。
* RE100:事業に必要な電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際イニシアチブ

(ⅱ)スコープ3主要カテゴリー(Cat.1, 4, 11) 脱炭素ロードマップ
スコープ3においてはカテゴリー1(調達)、カテゴリー4(輸送)、 カテゴリー11(使用)の3カテゴリーで合計の3分の2以上を占めるため、2030年までに3カテゴリーの排出量を基準年比40%まで削減する施策を中心に展開していきます。主要な削減策として、複合機・プリンターの小型・軽量化や省エネルギーに取り組んできました。今後はこれらに加え、再生機販売、再生材料の利活用に関する施策を拡大していきます。低炭素材料の採用拡大や輸送に係る脱炭素活動についても着手し、中長期的に効果を見込んで取り組んでいます。スコープ3の削減活動を通じて、バリューチェーンの脱炭素に貢献していきます。

e. 資源循環分野に対する方針及び取り組み
当社グループが目指す持続可能な社会の実現には、社会全体が循環型社会へ移行していくことが必要です。1994年に制定した「コメットサークル」は、循環型社会実現のコンセプトとして、製品メーカー・販売者としての当社グループの領域にとどまらず、その上流から下流までを含む製品ライフサイクル全体で環境負荷低減を図る考え方を示したものです。このコンセプトに基づき、省資源方針として、徹底的な資源の有効利用と循環の推進に加え、再生製品の提供や低環境負荷かつ持続可能な資源への切替・積極活用を進めており、製品の新規資源使用率を指標として管理しています。

製品に使用する新規資源の削減施策として、小型・軽量化、長寿命化や、製品・部品リユース及びリサイクル材、リニューアブル材を増やす活動を行っています。これらを統合して、バージン材の使用量を減らしていく取り組みを実施しています。さらに、この活動は、新規資源の採掘によるGHG排出を回避することで、当社グループのGHG排出の多くを占めるスコープ3カテゴリー1を削減することにもつながります。
③ リスク管理
「(1) サステナビリティ方針 ③リスク管理」をご参照ください。
④ 指標及び目標
以下の指標は、当社グループのサステナビリティに関する取り組みの進捗や成果を把握するとともに、事業運営やリスク管理の状況を評価するための重要な情報であると考えています。
a. 気候変動分野
(a)指標及び目標
当社グループは、事業を通じた脱炭素社会の実現を目的として脱炭素目標を設定しており、徹底した省エネ活動の推進や、積極的な再生可能エネルギーの利活用の拡大により、GHG排出削減が従来の想定を上回って進捗しています。これを踏まえ、2030年度におけるスコープ1,2のGHG排出削減目標を従来の63%から75%へ(基準年:2015年度)引き上げました。スコープ3(カテゴリー1,4,11)については、40%削減目標を継続しています。また、これまでスコープ1~3の合算で2050年度90%削減(基準年:2015年度)としていた目標から、スコープ1,2及びスコープ3について、それぞれ2040年度、2050年度までに90%削減する個別目標を設定し、目標を引き上げました。これらの目標は、SBTiの「Net-Zero Standard」に基づくネットゼロ目標として認定されています。再生可能エネルギーの目標に関しても2030年度に50%から85%へ引き上げました。気候変動分野における環境目標については、適宜、見直しを行っています。
▪ リコーグループ環境目標(気候変動分野)

* 7種類の温室効果ガス(CO2,CH4,N2O,HFCs,PFCs,SF6,NF3)を含む
* 2030年度目標のGHGスコープ1,2,3、2040年度目標のGHGスコープ3:自助努力による削減率を設定したグロス目標。2040年度目標のGHGスコープ1,2、2050年度目標のGHGスコープ1,2、及びGHGスコープ3は、排出量を自助努力で基準年比90%削減(グロス目標)とし、残余排出は国際的に認められる方法(2023年11月発行のISO14068-1:2023に準ずる)でオフセットすることでネットゼロを達成(ネット目標)
* 各GHG削減目標の算定においては、セクター別脱炭素アプローチは使用していない
当社グループにおける主な気候関連指標の目標及び実績*は以下表のとおりです。
* 第三者検証中の暫定値。確定値及びScope3の全カテゴリーは2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定
https://jp.ricoh.com/sustainability/data
* 組織体制の変更に伴い、開示対象範囲を見直し、関連する数値を再算出
* 小数点第1位までの表示にあたっては、小数点第2位以下を四捨五入しているため、表内の数値の合計が一致しない場合があります
(b)算出条件
以下の条件にて、温室効果ガス排出量を算出・開示しています。
・温室効果ガス排出範囲:経営支配力アプローチ採用
当社グループでは、事業方針の導入・実施権限を有する事業・施設に対する環境影響を総合的に管理するため、経営支配力アプローチを採用しています。
・温室効果ガス測定方法:見積による測定
当社グループでは、グローバル拠点の温室効果ガス排出量を迅速・効率的に把握するため、見積による測定方法を採用しています。
(c)その他指標
・内部炭素価格の導入
当社グループは、移行リスクにおいて、カーボンプライシング政策によるサプライヤーからの調達コスト上昇を評価することを目的に、スコープ3カテゴリー1(調達)に対する内部炭素価格(シャドウプライス)を20,300円/tCO2*で設定しています。
*IEA World Energy OutlookでNZEシナリオの前提条件として設定されている炭素価格(2030年時点・先進国の値)を参照して設定
b. 資源循環分野
(a)指標及び目標
当社グループにおける製品の新規資源使用率・使用量の目標及び実績*は以下表のとおりです。
* 第三者検証中の暫定値、確定値は2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定
https://jp.ricoh.com/sustainability/data
(3) 人権への対応
① ガバナンス
「(1) サステナビリティ方針 ①ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
当社グループは、事業活動及びサプライチェーン全体における人権尊重を、事業運営を支える基盤的要素として位置づけるとともに、人権課題への適切な対応を重要な経営課題として認識しています。国際的に認められた人権に関する原則を踏まえ、人権方針の策定、人権デュー・ディリジェンス*の実施、通報・相談体制の整備等を通じて、人権課題への対応を推進しています。
また、自社及びサプライチェーンにおける児童労働・強制労働、差別、プライバシー侵害等の人権課題への対応を進めるとともに、責任ある鉱物調達や労働安全衛生の強化等を通じて、人権尊重の取り組み強化を図っています。
これらの取り組みは、事業戦略及びリスク管理プロセスと連動させながら継続的に見直しを行い、人権課題に起因するリスクの低減及び顕在化の防止につなげています。
* 人権デュー・ディリジェンス:人権に関する負の影響を認識し、それを防止・対処するために実施すべきプロセス
③ リスク管理
「(1) サステナビリティ方針 ③リスク管理」をご参照ください。加えて、人権への対応に関するリスク管理は以下のとおりです。
a. 人権デュー・ディリジェンス
経営層の責任のもと、サプライチェーン全体で人権デュー・ディリジェンスに継続して取り組んでいます。

1.人権への影響評価
人権リスク管理の重要性を考慮し、2022年より人権影響評価を毎年実施しています。当社グループにとっての15の代表的な人権リスクについて人権影響評価を実施し、顕著な人権課題の特定を行っています。2023年に顕著な人権課題の見直しをしましたが、今後は原則として3年毎に見直しを実施します。人権影響評価の対象会社数は、2025年度は109社でした。人権影響評価はスコアリングにて定量的に評価しており、優先対応項目の対応率は2024年度の96.0%から2025年度には97.7%へと、1.7ポイント改善しました。
一方で、サプライチェーン全体を対象とした継続的な監視・管理等未然防止に向けた運用面の仕組みについては、さらなる定着が必要であることがわかりました。
[2023年の影響評価で特定された顕著な人権課題]
7つ(強制労働、過剰・不当な労働時間、労働・安全衛生、差別・ハラスメント、テクノロジー・AIに関する人権問題、プライバシーの権利、サプライチェーン上の人権問題)
2.負の影響の防止・軽減
顕著な人権課題については、人権対応責任部門が関連部門と連携し、負の影響の防止・軽減に向けた取り組みを推進しています。代表的な人権リスクへの対応として、2024年に、人権リスクごとに守るべき基準を定めた「リコーグループ人権尊重のためのガイド」を策定しました。本ガイドをグローバルに展開し、顕著な人権課題への対応を優先しながら、各社における対応ポイントの実践を通じて人権リスクの低減に取り組んでいます。主要な国内外グループ会社では、本ガイドに基づくセルフアセスメントを年次で実施しており、結果のフィードバックやベストプラクティスの共有、改善支援を行っています。
また、顕著な人権課題の一つである「サプライチェーン上の人権問題」への対応として、責任ある鉱物資源調達に関する調査を実施しています。2025年度の調査票回収率は、目標100%に対し97%(2026年5月末時点)でした。紛争鉱物の使用撲滅に向け、部品単位での含有状況調査や、RMAP*認証製錬所への取引切替を要請しています。
* RMAP(Responsible Minerals Assurance Process):紛争鉱物問題に取り組む米国組織 RMI(Responsible Minerals Initiative)が実施する製錬所認定プログラム
3.モニタリング
生産拠点については、労働安全衛生や人材の多様な雇用形態を踏まえ、人権リスク管理の重要性が高いと認識し、継続的にモニタリングを行っています。主要な生産拠点では、RBAのリスクセルフアセスメントを用いたESGリスク評価を年次で実施し、負の影響の特定及び是正対応を行っています。
また、一部の生産拠点では、2年ごとに第三者監査(RBA VAP*)を受審し、国際的なESG要件への適合状況を確認しています。これまで監査を受審した6拠点すべてで認証を取得しており、2026年2月には、タイの生産拠点で当社グループ初のプラチナ認証を取得しました。RBA認証取得状況は、以下ウェブサイトをご参照ください。
https://jp.ricoh.com/sustainability/society/human-rights
さらに、購買金額上位80%以上を占める重要サプライヤーを中心に、ESGリスクセルフアセスメントを通じた人権リスク評価を年次で実施しています。高リスクと判断されたサプライヤーに対しては、改善に向けた助言や現場監査を通じて是正を要請しています。
今後も人権デュー・ディリジェンスの取り組みを継続し、人権尊重の取り組みを強化していきます。
* VAP(Validated Assessment Program):RBA行動規範に対する準拠状況を第三者監査機関が確認するプログラム
4.情報開示
ESG委員会で経営層へ報告するとともにウェブサイトやサステナビリティレポートで開示しています。2025年度のESG委員会では、「人権セルフアセスメント分析結果と今後の対応」として報告を行いました。詳細については、以下ウェブサイトをご参照ください。
https://jp.ricoh.com/sustainability/society/human-rights
b. 救済措置
当社グループでは、人権侵害に関する懸念を、社員、サプライヤー・パートナー、外部ステークホルダーが報復の恐れなく通報できる制度を整備しています。通報内容は速やかに調査し、人権への負の影響の是正に努めています。
通報は匿名でも可能であり、情報は厳重に管理しています。また、誠実な通報や調査協力を理由とした不利益な取扱いを禁止しています。
「リコーグループグローバル内部通報」は、当社常勤監査役へ直接報告できる仕組みを採用しています。外部ステークホルダー向けの「対話救済プラットフォーム」は、一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)が受付を担い、専門家の支援を受けながら運用しています。詳細については、以下ウェブサイトをご参照ください。
https://jp.ricoh.com/governance/compliance#whistleblowing
④ 指標及び目標
人権に関する指標及び目標、実績は以下表のとおりです。
・企業の人権に関する取り組みを評価・格付けする国際的な指標CHRBスコア(ESG目標)
・サプライヤー・パートナー行動規範署名率
ESG説明会を通じて、サプライヤーに対する教育・研修を実施しています。当社グループの取り組みやサプライヤー・パートナー行動規範の周知に加え、脱炭素の目標設定、ESG監査、高リスクと判定したサプライヤーに対する改善プログラム等、より発展的な取り組みについても共有しています。
・人権教育の実施状況
(4) 人的資本・多様性への対応
① ガバナンス
当社グループは、人的資本を中長期的な企業価値向上の中核を担う経営資源と位置づけ、中期経営戦略と一体で推進しています。人的資本に関する戦略・施策は、経営会議等で審議・決定し、進捗状況は定期的にレビューしています。例えば2025年10月には、取締役・監査役が出席するガバナンス検討会において、ジョブ型人事制度の振り返りについて報告・議論を行いました。
また、人的資本への投資は、将来の収益創出及び資本効率の向上に資する「将来財務」として位置づけ、企業価値向上に向けた重要な意思決定事項として管理しています。
② 戦略
21次中経の人的資本施策の振り返り
当社グループの人的資本の考え方は、社員の「“はたらく”に歓びを」と、事業成長を同時実現することです。その実現に向けて、21次中経の人的資本施策として、下図のとおり「自律」「成長」「“はたらく”に歓びを」の3つを柱に掲げていました。
各施策の実施結果については「④指標及び目標」をご参照ください。

中経’26における人的資本戦略
2026年度にスタートする中経’26においては、人的資本戦略によって事業成長を加速します。下図はその全体像を示しており、「企業価値向上に寄与する企業文化の醸成」を軸に、「事業成長を支えるケイパビリティの獲得と人材ポートフォリオ最適化」と「個人の能力を最大限に発揮させる人的資本施策」の両輪で取り組みを推進します。
これらを支える基盤としてカルチャー変革を進め、主体性と挑戦を尊重する組織風土へ転換します。以下に示す人材戦略を一体で実行し、2030年度に人的資本ROI25%以上、エンゲージメントスコア4.14の達成を目指します。

・中経’26における人的資本の位置づけ
当社グループは、デジタルサービス企業としての競争力確立に向け、人的資本を経営戦略の重要要素と位置付けています。詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) リコーの中期展望 」をご参照ください。
・求める人材(資質・スキル)の定義
当社グループは、中経’26の実行に必要な人材として、デジタルサービス領域(ITサービス、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス等)に加え、プリンティングを含む各事業領域で価値を創出できる人材、AI・データ活用により業務・プロセス変革を推進できる人材、並びにグローバルに協働して顧客価値を拡大できる人材を重視しています。加えて、自律的に学び挑戦する姿勢、成果へのコミットメント、変化対応力、リーダーシップを重要な要件としています。
・具体的な人材戦略
(1)デジタル人材の確保・育成:必要なスキル・人材要件を明確化した要員計画を起点に、採用・M&A・育成(リスキリング/アップスキリング等)を組み合わせて必要なケイパビリティを獲得します。あわせて、社内認定制度等の学習環境を整備し、デジタル/AI人材の育成と重点領域への再配置を加速します。
(2)グローバル最適な確保・配置・育成:海外を含むタレント情報の可視化とタレントプールの活用により、重点領域へ人材を最適配置します。次世代経営人材のパイプラインを拡充し、計画的な育成プロセスを運用します。
(3)日本におけるジョブ型マネジメント推進:リコー式ジョブ型人事制度を深化させ、評価・報酬制度及びトータルリワードを経営戦略と連動させます。役割・責任に基づくジョブグレード運用を徹底し、成果と成長への動機付けを強化します。
(4)カルチャー変革の推進:リコーウェイの実践を基軸に、マネジメントが変革のリーダーシップを発揮し、社員一人ひとりが主体的に目標達成へコミットする風土への転換を進めます。あわせて、Employee Value Proposition(EVP)を中核とした戦略的コミュニケーションを展開し、グローバルで一貫した価値観の浸透と企業ブランドの強化を図ります。さらに、経営と社員の対話強化を通じてエンゲージメントを高めるとともに、挑戦や多様性を受け入れる組織文化を醸成し、変化に強く成果創出につながるカルチャーを実現します。
人的資本戦略を踏まえた給与等の決定方針
当社は、当社グループの人的資本戦略に基づき、事業目標の達成及び持続的な企業価値向上に必要な人材の獲得・定着・成長を重要な経営課題と位置づけています。その実現に向けて、リコー式ジョブ型人事制度を導入し、事業戦略に対応した組織及びポジションを明確に設計したうえで、各ポジションの役割・責任・重要度に応じてジョブグレード及び報酬を決定しています。また、外部労働市場の動向や水準を踏まえ、常に市場競争力のある賃金水準を確保することを基本方針とし、社員一人ひとりが安心して挑戦し、成果を発揮し続けられる報酬制度の構築に努めています。
・基本給の決定
リコー式ジョブ型人事制度のもとで、役割の重要性や責任の重さ等に基づいて決定される従業員のジョブグレードに基づいて基本給が決定される仕組みとなっております。また、毎年4月に個人の発揮成果にもとづいた定期昇給、及び物価水準や世間動向を踏まえた賃金改善を含めた昇給を実施しています。
・賞与の決定
グループの連結業績によって賞与支給月数が決定される賞与算定式を導入しております。賞与算定式で決定された支給水準、ジョブグレード、及び個人の業績成果に基づいて、個人の賞与額が決定される仕組みとなっています。
・報酬サーベイの活用
報酬水準の妥当性を客観的に確認するため、外部の報酬ベンチマークを活用し、ジョブグレードごとの市場競争力を定期的に検証しています。その結果を踏まえ、ジョブ価値の変化や個人の成果・成長に応じた適切な昇給・処遇改定を行うことで、挑戦を担う人材が継続的に活躍できる環境を整備しています。
上記の取り組みを通じて、社員一人ひとりが自律的に役割と成果に向き合い、成長と挑戦を実感できる人事・報酬制度を実現するとともに、人的資本の向上及び従業員エンゲージメントの強化を図り、企業価値の持続的な向上につなげていきます。
インクルーシブな企業文化とワークライフ・マネジメント(WLM)
イノベーションは、多様な人材がそれぞれの強みを活かして協働することで生まれます。そのため当社グループは、誰もが能力を最大限発揮できる環境づくりを進め、「インクルーシブな企業文化」と「ワークライフ・マネジメント」を経営戦略の一つとして推進しています。
具体的には、「リコーグループ企業行動規範」を企業カルチャーの基本として、社員への周知・浸透に向けたコミュニケーションを徹底しています。あわせて、価値観や背景の違いを尊重し、グローバルで一体となって働くための考え方・行動指針を制定しています。
「リコーグループでは、世界中すべての人びとのユニークな才能、経験、知見を結集し、新たなイノベーション創出に取り組みます。」
このメッセージは、あらゆる多様性や価値観を互いに受け入れ、グローバルの社員が一つのチームとして働く決意を示すものとして、22言語で各極に発信しています。これらの取り組みを通じて、すべての社員が敬意をもって尊重される職場づくりを推進しています。
さらに、機会の公平性の考え方の浸透に向け、経営トップからのメッセージ発信や国際女性デーに合わせたグローバルイベント等を行っています。
加えて、ワークライフ・マネジメントの観点から、すべての社員が働きやすい環境で勤務できるように、当社グループでは両立支援のための各種制度の整備に加え、ハイブリッドワークを実施しています。これにより、場所にとらわれることのない働き方を実現しつつも、必要に応じてオフィスでコミュニケーションもとれる形をとっており、新しい働き方を率先して実施しています。
③ リスク管理
「(1) サステナビリティ方針 ③リスク管理」をご参照ください。
④ 指標及び目標
当社グループの人的資本戦略における主要指標は、21次中経においては、「IDPに基づく異動率」「デジタル研修履修率」「社員エンゲージメント」「女性管理職比率」と定めていました。
「IDPに基づく異動率」の向上に向けては、今までの自身のキャリアを可視化する「キャリアシート」と今後の自律的な成長のための育成計画「IDP」を作成、更新しながら、マネージャーとの対話を通じて、その実現を目指した結果、2025年度では、IDPに基づく異動率は74%となり、目標とした60%を上回っています。
「デジタル研修履修率」に関しましては、前述の価値創造モデルにおける戦略要素の一つである、「プロセスDXと高い生産性」に焦点を当て、全社員のプロセスDX人材の社内認定制度*1の取得を目指し、2025年度では98%の社員が、プロセスDX人材のブロンズ認定を完了しています。全社的なデジタル素養の底上げは着実に進展しています。
加えて、社員の能力開発については、経済産業省が策定したデジタルスキル標準(DSS)に基づき、デジタルスキルレベル2(現場でデジタルスキルを活用できるレベル)の認定人数を指標として設定し、スキル習得の高度化を推進してきました。
一方で、実態として一人の社員が複数のスキルを取得するケースが増加していることを踏まえ、2026年度以降は個人単位の認定人数ではなく、獲得されたスキルの総量をより適切に反映する「延べスキル数」を指標として管理していきます。これにより、社員一人ひとりのスキルの幅と深さの双方を可視化し、組織全体のデジタル競争力の一層の強化を図ります。2025年度の延べ12,000スキルに対し、2026年度は13,200スキルへと拡大することを目指します。
「社員エンゲージメント」は継続的に従業員の会社に対する共感・貢献意欲を表す重要な指標です。2024年度の結果を踏まえ、各販売極やビジネスユニットごとにメッセージングの強化などを実施した結果、2025年度は3.89(前年比+0.05)に向上しました。目標値の3.91にはわずかに届かなかったものの、従業員エンゲージメントは毎年着実に改善しています。2030年度の目標値4.14の達成に向けて、今後も取り組みを強化していきます。
また、D&Iの観点から重要となる多様性のある組織づくりにも取り組んでいます。
「女性管理職比率」は、グローバル連結で17.9%*2(前年比+0.7ポイント)、国内連結で9.4%(同+1.0ポイント)となりました。また、当社単体では10.0%(同+1.3ポイント)となっています。2026年度の目標であるグローバル連結18.3%、国内連結9.7%の達成に向け、引き続き比率向上に取り組み、多様性のある組織への変革を推進していきます。

*1 プロセスDX人材の社内制度認定:当社グループでは、デジタル技術を活用し仕事やプロセスのリデザインをする「プロセスDX」
の考え方や手法を学び、社内で認定を受ける制度を策定しています。この認定制度はブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ
の4種類のレベルがあり、ブロンズではプロセスDXを実践するための基本的な考え方や手法を理解している状態を認定条件とし
ています。
*2 第三者検証中の暫定値、確定値は2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定
https://jp.ricoh.com/sustainability/data
3 【事業等のリスク】
事業の状況、業績の状況等に関する事項のうち、株主・投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。
(1) 当社グループの経営上重要なリスク(重点経営リスク)
(2) 事業領域固有の重要なリスク(各地域・ビジネスユニットリスク)
(3) その他各機能領域のリスク(機能別組織リスク)
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響があると経営者が認識しているリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅しているわけではありません。当社グループの事業は、現時点で未知のリスク・重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、事業等のリスクは、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
■「重点経営リスク」の選定プロセス
GMCとリスクマネジメント委員会は、経営理念や事業目的等に照らし合わせ、経営に大きな影響を及ぼすリスク(利害関係者への影響含む)を網羅的に識別した上で、重点経営リスクを決定し、その対応活動に積極的に関与しております。(図1参照)
図1:重点経営リスクの選定プロセス

■重点経営リスク運用プロセスの高度化
当社グループでは、成長に向けて適切にリスクを取るという経営の考え方を明確にし、重点経営リスクのリスクマネジメントが戦略目標の達成に貢献するよう、リスクマネジメントの運用プロセスを高度化いたしました。具体的には、中期経営戦略に基づき、「取るべきリスク」と「取らないリスク」を整理した上で重点経営リスクを選定するとともに、各リスクにKRI(主要リスク指標)を設定しております。取るべきリスクについては、KRIを通じてリスク兆候や進捗を継続的に把握するとともに、環境変化に応じて対応策を柔軟に見直しております。一方、取らないリスクについては、KRIにより兆候を早期に検知し、想定を超える場合には、速やかに回避・抑制に向けた対応を行う仕組みとしております。このようにリスクの選定とモニタリングを一体で行うことで、成長とリスク抑制の両立を図るリスクマネジメントを推進しております。
・重点経営リスクは、その特性から「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分類し管理しております。戦略リスクについては、短期の事業計画達成に関わるリスクから中長期の新興リスクまで経営に影響を与えるリスクを幅広く網羅しております。
・外部環境、内部環境の変化に加え、経営陣のリスクに対する見解を加味してリスクの特定と分類を行い、それぞれのリスクにおいて緊急度・影響度・リスクマネジメントレベルを検討し、リスクの評価を行っています。(図2参照)
図2:重点経営リスクの評価プロセス

・リスクマネジメント委員会は、GMCの諮問機関として、より精度の高い重点経営リスク候補を提案するため、委員会メンバーそれぞれの専門領域の知見・経験則を活かし、十分な議論のもと、リスクの識別・評価を行っております。
なお、当社グループのリスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (XI) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会」をご参照ください。
■事業等のリスク(詳細)
(1) 当社グループの経営上重要なリスク
(2) 事業領域固有の重要なリスク
(3) その他各機能領域のリスク
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定により国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記3 重要性がある会計方針」に記載しております。
(2) 経営成績
経営を取り巻く経済環境
当連結会計年度の世界経済は、緩やかな物価上昇の継続や主要国における安定した緩和的な金融政策、AI関連の投資の活発化等に支えられ、底堅く推移しました。他方、保護主義的な通商政策や地政学上の緊張等を背景に不確実性が高い状況が続き、金融資本市場でも不安定な動きが見られました。足元でも中東地域における軍事的緊張の高まりを背景に、エネルギー価格の上昇圧力やサプライチェーンへの影響が懸念されています。日本経済は、雇用・所得環境の改善に支えられ緩やかな回復基調を続けていますが、食料品を中心とした物価上昇の影響で、実質賃金が伸び悩む状況が続きました。
このような経済情勢を背景に、当社グループのメイン市場であるワークプレイスにおいても、リモートワークをはじめとする新しい働き方が定着し、AIやITの進化に伴って業務プロセスも変わり続けています。プリンティング需要は減少傾向にあり、顧客課題・ニーズも変化していますが、業務のデジタル化や生産性向上を支えるデジタルサービスへの需要は一層高まっています。
なお、主要通貨の平均為替レートは、対米ドルが 150.79円(前連結会計年度に比べ 1.86円の円高)、対ユーロが 174.81円(同 10.95円の円安)となりました。
当連結会計年度の業績
当連結会計年度は当社グループ(当社及び関係会社)にとって、2023年4月よりスタートした第21次中期経営戦略の最終年度となりました。
当社グループの使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指して取り組みを進めました。
当社グループが注力している領域は、はたらく人を単純作業から解放するプロセスオートメーション、創造性を高めるワークプレイスエクスペリエンス、そしてワークプレイスの基盤となる環境を構築するITサービスの3つです。この注力領域において、グローバルの顧客基盤や顧客の課題把握力・提案力に優れた販売・サービス体制、そして魅力的な自社IP*といった強みを活かしながら、変容するワークプレイスにおいて一貫したサービスをグローバルに提供しています。
*自社IP(Intellectual Property):企業が自らの努力で生み出した知的財産で、ライセンス使用料等収益の源泉となる等の経済価値を有するもの
当連結会計年度は、付加価値の高いストック契約の獲得等、オフィスサービス事業での利益成長を図るとともに、オフィスプリンティング事業においては2024年7月に組成した東芝テック株式会社(以下、東芝テック)との合弁会社「エトリア株式会社」(以下、エトリア)による複合機等の開発・生産でのシナジー効果の創出、及び効率的なMIFマネジメント・顧客ターゲティングの販売施策の徹底により収益維持・改善に取り組みました。なお、2025年10月にはエトリアに沖電気工業株式会社(以下、沖電気)が参画し、開発・生産体制のさらなる強化を進めています。また企業価値向上プロジェクトの活動を確実に実行することに加え、組織力を強化し環境変化への対応力を高めながら、デジタルサービスの会社として相応しい収益構造へと変革を進めてきました。米国の新たな関税政策の導入に対しては、生産・商物流・投入商品・価格政策・販売チャネル等の各軸で対策を機動的に実行し、影響の軽減に取り組みました。
当連結会計年度の連結売上高は、26,083億円となり、前連結会計年度に比べ 3.2%増加となりました(為替影響を除くと 1.8%の増加)。オフィスプリンティング事業ではノンハードの弱含みに加え、米国の関税政策の影響を受けハードの売上が減少しましたが、エトリアから東芝テックや沖電気への製品販売の貢献、及びオフィスサービス事業の成長等もあり、増収となりました。
地域別では、国内は引き続き好調なオフィスサービス事業を中心に売上が増加しました。パソコンの買い替えやセキュリティ強化の需要の取り込みや、それに伴うサービス・サポート契約の獲得も寄与し、ITサービスが伸長しました。また、情報系アプリケーションや法改正に対応したソリューション等が好調で、アプリケーションサービスも増収となりました。さらに、オフィスプリンティング事業のハードの販売増加や、エトリアから東芝テックや沖電気への製品販売等により、前連結会計年度と比べ 9.2%の増加となりました。
海外では、米州においては、関税政策の影響による先行き不透明感から企業投資が弱含み、オフィスプリンティング事業や商用印刷事業においてハードを中心に売上が減少しました。オフィスサービス事業においては、成長領域に経営資源を集中し事業成長を加速させるため、オーディオビジュアル(AV)インテグレーターである米国のPresentation Products, Inc.(以下、PPI)及びカナダのET Groupを買収しワークプレイスエクスペリエンスの成長に向けた取り組みを進めた一方、米国のマネージドITサービス事業を売却しました。これらの結果、米州全体の売上は、前連結会計年度比 4.7%の減少となりました(為替影響を除くと 3.6%の減少)。欧州・中東・アフリカにおいては、米国の関税政策による景況悪化懸念等から、オフィスプリンティング事業のハード・ノンハードが弱含みで推移しました。オフィスサービス事業においては、企業のITインフラ投資に対する慎重姿勢が続いていましたが、当連結会計年度下半期以降は買収企業とのシナジー施策効果の発現やITインフラ需要の改善等により、回復の兆しが見られます。通期ベースでは、円安の影響もあり、売上は前連結会計年度比 3.8%の増加となりました(為替影響を除くと 2.6%の減少)。その他の地域においては、オフィスプリンティング事業における価格競争や、中国での産業用インクジェットヘッドの需要低迷の影響を受け、前連結会計年度比 横ばいとなりました(為替影響を除くと 0.8%の減少)。以上の結果、海外売上高全体では前連結会計年度に比べ 0.5%の減少となりました。なお、為替変動による影響を除いた試算では、海外売上高は前連結会計年度に比べ 2.8%の減少となります。
売上総利益は、オフィスプリンティング事業や商用印刷事業の売上減少の影響はあったものの、オフィスサービス事業の成長や企業価値向上プロジェクトの効果に加え、円安の影響等もあり、前連結会計年度に比べ 2.4%増加し 8,891億円となりました。
販売費及び一般管理費は、事業成長やインフレによる人件費等の経費増加、及び欧州での基幹システム統合に伴う一時費用の計上や円安の影響による増加があったものの、前連結会計年度に実施した企業価値向上プロジェクトの費用が減少したことや、その効果等により、前連結会計年度に比べ 0.5%減少し 8,151億円となりました。
その他の収益には、米国におけるマネージドITサービス事業の譲渡に係る収益や、主に国内で実施した固定資産売却に伴う売却益を計上しております。前連結会計年度には、当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断に伴い、過年度に受領していた土地の立退補償金のうち提携協議書解除に伴う違約金への充当分を計上しており*、結果として、その他の収益は前連結会計年度に比べて増加し 237億円となりました。
のれんの減損は、創薬支援事業や一部地域のオフィスサービス事業等においてのれんの減損損失を計上したことにより、損失が増加しました。
*2024年11月25日付で開示した「当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断および通期業績予想の修正に関するお知らせ」をご参照ください
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べて 268億円増加し 907億円となりました。
金融収益及び金融費用は、為替差益の減少等により、前連結会計年度に比べ金融収益が減少しました。持分法による投資損益は、持分法適用会社の利益減少により前連結会計年度に比べ減少しました。
税引前利益は前連結会計年度に比べ 222億円増加し 922億円となりました。
法人所得税費用は、税引前利益の増加に加え、一部地域における事業環境及び再編等を踏まえ繰延税金資産の回収可能性に関する見積もりを変更したこと等により、前連結会計年度に比べ 111億円増加しました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べて 99億円増加し 556億円となりました。
当期包括利益は、在外営業活動体の換算差額の増加等により、前連結会計年度に比べ増加し 1,494億円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 (単位:百万円)
a. デジタルサービス
当連結会計年度のオフィスサービス事業は国内においてはセキュリティや働き方改革関連のサービスに加え、パソコンの買い替え需要とそれに伴うサービス・サポート契約の獲得が寄与し、ITサービスが伸長しました。また情報系アプリケーションや法改正に対応したソリューションなどの好調により、アプリケーションサービスも増収となりました。アプリケーションサービスにおいては、2025年4月、インターネットなど外部のネットワーク環境から遮断された社内環境で安心・安全に生成AIを活用するための「RICOH オンプレLLM スターターキット」の提供を開始しました。導入から運用までワンストップで支援します。病院をはじめとしたセキュリティやプライバシー、ガバナンスの観点から外部のネットワーク環境から遮断された社内専用環境でAIを利用したいと考えるお客様への導入を進めました。さらに、2025年10月に金融業に特化した業務内容や専門用語を学習させた「金融業務特化型LLM」を、2025年12月には低コストでのプライベートLLM*導入を可能とするコンパクトで高性能なLLMを開発しました。今後も、業種特化モデルの開発を進めるとともに、当社の強みであるマルチモーダル性能とあわせて、LLMラインアップのさらなる強化を進めます。
米州においては、ワークプレイスエクスペリエンスは成長したものの、BPSの減収に加え、米国のマネージドITサービス事業の売却や円高の影響もあり、売上が減少しました。欧州・中東・アフリカでは、円安の影響により売上が増加したものの、実質では減収となりました。買収会社とのシナジー施策の進展によりITサービスの提供が拡大し、またDocuWareのクラウドサービスが成長をけん引したことで、アプリケーションサービスも伸長しました。一方、米国の関税政策による景況悪化懸念などから需要が弱まり、ITインフラやワークプレイスエクスペリエンスの売上は減少しました。
体制強化においては、ワークプレイスエクスペリエンス領域では、2025年5月にブラジルのGo2neXtを、2026年1月、米国のPPI、さらに2月にカナダのET Groupに加え、チリのValueTechを買収し、注力領域での投資を米州中心に進めました。
オフィスプリンティング事業では、ハードについては日本において堅調に推移したものの、米国では米国関税政策の影響や、欧州では景況感の不透明感などからお客様の投資意欲の弱まりが見られ、海外では減少しました。ノンハードについては、欧州を中心に弱含みが続いており売上は減少しました。
デジタルサービスの売上高は、前連結会計年度に比べ 3.0%増加し 19,885億円となりました(為替影響を除くと 1.4%の増加)。オフィスサービスの利益成長を測るKPIであるストック売上は、前年度に比べ 6%増加し、4,196億円となりました。
営業利益については、国内を中心としたオフィスサービス事業の成長や企業価値向上プロジェクトの効果に加えて、米国におけるマネージドITサービス事業の譲渡に係る収益計上があった一方、オフィスプリンティング事業におけるノンハードの利益減少や、米国の関税政策の影響や資産・体制の見直し・強化に伴う一時費用の計上(欧州における基幹システム統合等)等、下押し要因もありました。これらの結果、デジタルサービス全体の営業利益は 279億円となり、前連結会計年度に比べ 43億円減少しました。
*プライベートLLM:お客様の業務に特化してカスタマイズしたLLM
b. デジタルプロダクツ
当連結会計年度は2024年7月に当社と東芝テックの合弁会社として発足したエトリアに、2025年10月、独自のLED技術などに強みを持つ沖電気が新たに参画し、3社の合弁会社として活動を開始しました。エトリアでは、共通エンジン開発や生産体制の最適化、購買の効率化等、シナジー創出を着実に進めました。
オフィス向けの複合機・プリンターにおいては、新製品を発売しラインアップを拡充しました。2025年5月、高い生産性、DXへの対応力に加え、最新のセキュリティ機能を搭載したA3カラー複合機「RICOH IM C8010/C6510」を、2025年7月、平均86%(質量比)*1の部品リユース率を実現したA3カラー再生複合機「RICOH IM C6000F CE/C2500F CE」を、2026年1月、名刺や小サイズ原稿の読み取りに対応したA3モノクロ複合機「RICOH IM 6010/4510/3510/2510」を発売しました。
株式会社PFUにおいては、2025年10月、廃棄物分別特化AIエンジン「Raptor VISION BATTERY」を発売しました。廃棄物処理施設でごみのX線透過画像を、PFU独自アルゴリズムを用いたAIエンジンにて画像認識処理を行い、リチウムイオン電池の有無を高精度に検知します。今後自治体をはじめ多くの施設における火災を防ぎ、安定稼働に貢献します。
また、産業用コンピュータの製造・販売においては、2025年4月にリコーインダストリアルソリューションズ株式会社と株式会社PFUの産業用コンピュータ事業を統合し、リコーPFUコンピューティング株式会社を設立しました。当年度は、2025年6月に発売した、工作機械や産業用ロボットなどのFA*2機器や医療機器向けの、熱や振動といった厳しい産業環境においても安定稼働が可能な国産の産業用ボードコンピュータ「RICOH IT11」を始めとする産業用コンピュータや組込みコンピュータの新製品を発売しました。
デジタルプロダクツの売上高は、前連結会計年度に比べ 18.7%増加し 1,863億円となりました。またセグメント間売上高を含む売上高では 0.4%増加の 5,871億円となりました。エトリアから東芝テック及び沖電気への製品販売も寄与し売上が増加した一方で、米国の関税政策の影響等により主に海外向けのハードの売上が減少し、セグメント間売上高を含む売上高は微増となりました。前連結会計年度実施した企業価値向上プロジェクトや継続して取り組む生産・開発の体質強化等の効果もあり、デジタルプロダクツ全体の営業利益は 315億円となり、前連結会計年度に比べ 28億円増加しました。
*1 本体標準構成(定期交換部品を除く)でのリユース率
*2 FA:ファクトリーオートメーション
c. グラフィックコミュニケーションズ
商用印刷事業においては、アナログからデジタルへの転換期を迎えており、お客様の様々なデジタル印刷ニーズに応える製品とソリューションの提供が求められています。当連結会計年度は、商用デジタル印刷でトップブランドの地位を確立するため、主力トナー機の先進国でのシェア拡大と新興国での成長、また2023年に発売した高速インクジェット・プリンティング・システム「RICOH Pro Z75」や2024年発売のロール紙専用の高速インクジェット・プリンティング・システムの最上位機種「RICOH Pro VC80000」の販売拡大等、戦略機種の拡販によりノンハード収益の積み上げを図りました。
新製品として、2025年5月に基本性能と印刷品質の向上により、企業内印刷・商用印刷の幅広いニーズに対応したカラープロダクションプリンター「RICOH Pro C5410S/C5400S」を発売しました。
産業印刷事業においては、欧州地域における産業印刷事業を担う新会社Ricoh Printing Solutions Europe Ltd.を設立し、2025年4月から事業活動を開始しました。欧州地域における産業用インクジェットヘッドやテキスタイル印刷機等の販売、エンジニアリングサポート、インク評価等の機能を集約し、お客様への一貫した専門的なサポートを実現します。また、産業印刷のコア技術であるインクジェット技術の知見を高め、本社研究開発部門、他地域拠点との連携により、新たなインクジェットの価値をお客様に提供していきます。
グラフィックコミュニケーションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 2.9%減少し 2,840億円となりました(為替影響を除くと 4.1%の減少)。商用印刷事業において、プロダクションプリンターのノンハードは引き続き堅調に推移しましたが、ハードは米国を中心に関税政策の影響による投資控えが見られ、売上が減少しました。経費の抑制や前年度に実施した企業価値向上プロジェクトの効果はあったものの売上の減少による利益減少を吸収し切れず、グラフィックコミュニケーションズ全体の営業利益は 186億円となり、前連結会計年度に比べ 45億円減少しました。
d. インダストリアルソリューションズ
当連結会計年度、サーマル事業においては、国内において環境負荷低減に貢献する剥離紙の無いサーマルラベル等、社会課題解決型製品の販売を伸ばしました。また、メディアに直接印字が可能なラベルレスサーマルは製品の視認性や作業工程の簡素化等の顧客価値が評価され、2025年5月から冷凍弁当の製造・販売を手がける株式会社シルバーライフの冷凍食品のパッケージとして採用されました。冷凍食品のラベルレスサーマルの採用は業界初の取り組みとなります。ラベルレスサーマルの導入により、お客様の工数削減と環境負荷低減を実現しました。
産業プロダクツ事業においては、堅調な事業環境の中、お客様のモノづくり現場の生産効率向上に寄与する自動化設備において、原価低減や設計プロセス変革による収益力強化に取り組みました。
インダストリアルソリューションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 5.3%減少し 1,062億円となりました(為替影響を除くと 6.4%の減少)。サーマル事業において、米州における物流需要減少の影響が継続しましたが、日本や欧州では堅調に推移しました。前年度に実施したオプティカル事業の譲渡の影響により売上が減少しましたが、事業譲渡の影響を除くと前年並みの売上となります。コストダウンやプライシングコントロールによる収益性向上に加え、前年度にオプティカル事業の譲渡に伴う一時費用を計上していた反動もあり、インダストリアルソリューションズ全体の営業損益は 24億円となり、前連結会計年度に比べ利益が 42億円増加しました。
e. その他
その他の売上高は、前連結会計年度に比べ 20.3%増加し 431億円となりました(為替影響を除くと 19.4%の増加)。カメラ関連事業がRICOH GRシリーズを中心に好調が継続し、増収増益となりました。新規事業創出のための先行投資や創薬支援事業においてのれんの減損損失を計上したこと等により、その他全体の営業損益は 33億円(損失)となりましたが、事業の選択と集中の効果もあり、前連結会計年度に比べ 22億円改善しました。
f. 消去又は全社
消去又は全社の配賦不能費用には、上記セグメントに帰属しない損益を計上しております。前連結会計年度に国内でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を計上していた一方、当連結会計年度は主に国内で実施した固定資産売却益を計上したこと等により、営業損益は前連結会計年度に比べ利益が 263億円増加しました。
(注)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりです。
① 生産実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。また、サービスに係る生産実績は含まれておらず、製造に係る生産実績としております。
② 受注実績
当社グループは見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。
③ 販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%以上の主要な相手先はありませんので、記載を省略しております。
(3) 財政状態
資産合計は、前連結会計年度末に比べ 1,830億円増加し 25,401億円となりました。前連結会計年度末と比較して、沖電気のエトリア参画に伴い承継資産等が増加しました。為替及び沖電気の承継資産の影響を除いた試算では 170億円の増加となります。主要通貨の当連結会計年度の期末日レートは、対米ドルが 159.88円(前連結会計年度に比べ 10.36円の円安)、対ユーロが 183.41円(同 21.33円の円安)となりました。
資産の部では、現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ 141億円増加しました。また、国内売上の増加に伴い営業債権及びその他の債権が 472億円増加しました。さらに、沖電気の事業統合や米州における買収等による連結加入に加え、米国関税の影響による仕入コスト増加等により棚卸資産が 320億円増加しました。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 503億円増加し 13,527億円となりました。主に円安による為替影響により、営業債務及びその他の債務、並びにその他の流動負債が増加しました。一方で、社債及び借入金が流動負債と非流動負債を合わせ 85億円減少しました。
資本合計は、前連結会計年度末から 1,327億円増加し、11,874億円となりました。資本の部では、当期利益の計上及び円安により在外営業活動体の換算差額が増加しました。また、沖電気のエトリア参画に伴い資本剰余金及び非支配持分が増加しました。
結果として親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末に比べ 1,260億円増加し 11,561億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ 1.8ポイント増加し 45.5%となりました。
(4) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 212億円増加し 1,581億円の収入となりました。当連結会計年度は、棚卸資産の増加や、前連結会計年度に実施した国内のセカンドキャリア支援制度の退職加算金の支払い等の支出の増加はあったものの、前連結会計年度では当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断に伴う預り金の返還により支出が増加しており、結果として現金収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 68億円減少し 725億円の支出となりました。前連結会計年度は、オプティカル事業の売却による収入、当連結会計年度は米国のマネージドITサービス事業の売却や主に国内で実施した固定資産の売却による収入等があり、結果として現金支出が減少しました。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計となるフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 280億円増加し 855億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 375億円増加し 830億円の支出となりました。当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ借入債務による調達が減少したこと等により現金支出が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ 116億円増加し 1,934億円となりました。
当社グループでは、事業投資によって創出した営業キャッシュ・フローは、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的に活用していきます。資本政策の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) リコーの中期展望 成長を支える資本政策」をご覧ください。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/支払利息
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち社債及び借入金を対象としております。
当社グループの流動性と資金源泉は次のとおりです。
事業発展に充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することが当社グループの方針です。この方針に従って、当社グループはここ数年、連結子会社が保有する流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。その方策のひとつとして実施しているのが、各地域及びグローバルにおけるキャッシュマネジメントシステムの推進です。各地域にキャッシュマネジメントの要として設置している金融子会社を中心に地域内外のグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築、推進しております。この一環として、グローバルキャッシュプーリングシステムを導入し、グローバルベースでの更なる資金効率向上を実現しました。
また、当社グループは資産並びに負債の管理においてデリバティブを締結しております。為替変動が外貨建て資産と負債に与える潜在的な悪影響をヘッジするため、為替予約等を設定しております。当社グループはリスクの低減を目的として、定められた方針に従ってデリバティブを利用しております。自己売買、あるいは投機目的でデリバティブを利用しておらず、またレバレッジを効かせたデリバティブ取引も行っておりません。
当社グループは主に手元資金及び現金同等物の活用と併せて、様々な信用枠及び社債の発行を組み合わせて資金を調達しております。流動性と資金源泉の必要額を判断する際、連結キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の残高、並びに営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物の残高は 1,934億円、信用枠は 3,905億円であり、そのうち未使用残高は 3,855億円でありました。当社は 1,500億円(信用枠 3,905億円の一部)のコミットメント・ラインを金融機関との間に設定しております。これらは信用枠の範囲内で、各国市場の金利で金融機関から借入が可能です。
当社及び一部の連結子会社は、銀行借入及び社債の発行により資金を調達しております。また、当社グループはグローバルでキャッシュマネジメントシステムを活用してグループ資金を効率的に管理しております。
当社は大手格付機関(スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービス(以下「S&P」)、及び格付投資情報センター(以下「R&I」))から格付を取得しております。2026年6月16日現在、当社の格付はS&Pが長期BBB及び短期A-2、R&Iが長期A+及び短期a-1となっております。
当社グループは現金及び現金同等物、営業活動により創出が見込まれる資金、並びに借入金・社債等の調達資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を充分賄えると予想しております。お客様の需要が変動し、営業キャッシュ・フローが減少した場合でも、現在の手元資金、及び当社グループが満足できる信用格付けを持つ金融機関に設定している信用枠で少なくとも翌連結会計年度中は事業用資金を充分賄えると考えております。さらに、足元の業務にとって必要な資金、及び事業拡大並びに新規プロジェクトの開発に関連する投資に対し、充分な資金を金融市場又は資本市場から調達できると考えております。各国の経済動向等による金利の変動は、当社グループの流動性に悪影響を及ぼす可能性がありますが、手元の現金及び現金同等物は充分であり、営業活動からも持続的にキャッシュ・フローが創出されキャッシュマネジメントシステムを活用していることから、こうした影響はあまり大きくないと考えております。
5 【重要な契約等】
(1) 技術の導入及び供与に関する契約等
(2) 株式譲渡契約
当社は、2026年4月9日開催の取締役会において、当社の連結子会社(孫会社)であるRicoh Asia Industry(Shenzhen)Ltd.の全持分の譲渡を実施することを決議し、株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記37 後発事象(子会社持分の譲渡)」をご参照ください。
6 【研究開発活動】
当社グループは、使命と目指す姿を「“はたらく”に歓びを」と定めており、“はたらく”に寄り添い 変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくります。
研究開発分野においては、技術投資のROI向上を目指し、R&D投資の注力領域への集中と、投資配分のガバナンス強化を図っております。その一環として、価値創造プロセスをマーケットイン型/オープンイノベーション型にシフトし、より市場ニーズに即した成果創出を促進しております。
デジタルサービスの会社としての拡大に向けて、デジタルサービスの開発・運用に必要な基本機能と高い拡張性を備えたクラウドの共通基盤「RICOH Smart Integration(RSI)」を展開しております。RSIは、リコーグループがグローバルで提供するアプリケーションやサービスをつなぐ中核プラットフォームとして進化を続けており、商品開発の効率化とコスト削減を通じて、イノベーション創出を可能にしております。
また、デジタルサービスを創出・加速するデジタル人材に加え、商品・サービスを支えるモノづくりに関わる人材を対象とした、技術者コミュニティを設置し、延べ約6,000人の技術者が各技術分野に登録され、グループ横断で社内外との交流や技術者教育の推進に取り組んでおります。
さらに、スタートアップ企業や社内外の起業家の成長を支援して事業共創を目指すアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」を2019年度より実施しております。7年目を迎えた当連結会計年度においては、当プログラムへの参加を希望する社外255件、社内65件の応募がありました。社内外の審査員によるコンテストを通過したスタートアップ企業と社内メンバーによる新規事業テーマには、当社グループ内に登録されている専門性を有する251名のサポーターをはじめとした様々なリソースを活用し、挑戦する人の支援・育成、新規事業の創出を促進する文化のさらなる醸成を目指しております。
また、BtoB領域における最新のデジタルサービスを牽引するスタートアップへの戦略的な投資を目的としたCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンド「RICOH Innovation Fund」を2023年度に設立しました。本ファンド設立以降の累計出資先は国内外10社となりました。これらの出資を通じて、スタートアップの成長を支援するとともに、協業によるお客様への新たな価値提供を進めております。
国際会計基準の適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発投資は 77,496百万円です。
(1) デジタルサービス
当社グループは、成長領域である「プロセスオートメーション」と「ワークプレイスエクスペリエンス」の提供に注力し、グローバルに均質なサービスを提供します。
プロセスオートメーション領域においては、デジタル技術による業務プロセスの自動化・最適化を通じて、タスクの極小化と生産性の向上を実現するとともに、AI技術を活用し、お客様が保有するデータ価値の最大化を図ります。AI技術を用いて紙や電子データの取り込みからワークフロー運用、データ活用に至る全プロセスを統合・自動化するSaaS型オーケストレーション・プラットフォーム「RICOH Intelligent Automation」は、一部地域でのパイロット導入を経て、展開を加速しております。また、チリのValue Tech社の買収により、中南米地域におけるエンドツーエンドの包括的な価値提供体制を強化しました。
AI技術においては、経済産業省主導の国内生成AI開発力強化プロジェクト「GENIAC」へ2期連続で採択され、第3期において高度な論理的推論性能(リーズニング性能)を備えたマルチモーダルLLM(大規模言語モデル)の開発を完了しました。また、生成AIアプリ開発プラットフォーム「Dify」や自社LLMを包含し、導入・運用を支援する「RICOH オンプレLLMスターターキット」の提供を開始しております。企業向けAIプラットフォーム「Hi.DEEN」の先行提供を通じ、クラウド・オンプレミスの双方で、企業内の「暗黙知」を含む情報資産の利活用に向けたお客様のDX/AXを実現する価値提供を加速します。さらに、お客様の業務課題に寄り添い、AI導入と定着を一貫して支援するために、株式会社ライズ・コンサルティンググループとの合弁会社設立に向けた基本合意に至りました。
ワークプレイスエクスペリエンス領域においては、デジタル技術によりシームレスなコミュニケーションと質の高いコラボレーションを実現し、お客様に最適な環境を提供しております。デスクやスペースの予約管理機能や利用状況に基づく最適化を行うことでワークプレイスのより効率的な活用を目指し、従業員のウェルビーイングやエンゲージメント向上に寄与する「RICOH Spaces」は、サービスを先行展開していた欧州・北米・中南米に加え、当連結会計年度において日本国内での提供を開始しました。また、AVインテグレーションを含むグローバルなワークプレイスサービス提供能力の強化に向けて、ブラジルのGo2neXt社、カナダのET Group社、米国のPPI社の買収に加え、複数のパートナーシップ契約を締結しました。これらの展開加速により、世界中の拠点で統一されたユーザー体験を提供するインテグレーターとして、多様な人材が能力を最大限に発揮できる柔軟な働き方を実現し、お客様の組織全体の創造力と生産性の向上を力強くサポートしております。
また、価値共創拠点「RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO」に、AI技術を活用した次世代のはたらき方を先取りし体感できる新たなワークショップルームを開設しました。当社グループは、自社内でのデジタルサービスやAI技術の実践から得られた知見を活かし、DX・GXを通じてお客様の課題解決に向けて伴走し、ESGの観点も踏まえた価値提供を行ってまいります。
当社グループは、デジタル技術によって、業務プロセスの最適化による組織の生産性向上と、コミュニケーションとコラボレーションに最適なワークプレイスの提供を実現し、お客様の創造力の発揮を支援してまいります。
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 13,159百万円です。
(2) デジタルプロダクツ
当社グループは、生産台数世界No.1のA3カラー複合機、販売額世界No.1のドキュメントスキャナーの提供を通じ、お客様の“はたらく”の変革を支えるデバイスを開発・生産しております。さらに、販売額国内No.1の組込コンピューターの提供を通じて産業界の成長に貢献しております。
当連結会計年度においては、環境配慮型商品のラインナップ拡充に取り組みました。複合機では「RICOH IM C6000F CE/C2500F CE」を新たに発売しました。これにより、前連結会計年度に発売した「RICOH IM C4500F CE/C3000F CE」とあわせて、A4ヨコ連続出力速度25~60枚/分まで幅広い業務ニーズに対応したCE(Circular Economy)機を取り揃えております。これらCE機は平均86%(質量比)の部品リユース率を実現し、また、内蔵ソフトウェアをバージョンアップすることで新しい機能を追加できる「RICOH Always Current Technology」の搭載により長期にわたり快適に使用できる設計としております。
周辺機では、業界最大枚数となる針なし綴じ技術を新たに開発し、本技術を搭載した「RICOH IM C8010/C6510」を発売しました。本技術により最大20枚までの用紙を綴じることが可能となり、金属針の使用削減に貢献しております。
さらに素材面では、再資源化を促進する施策として、ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)加盟各社と樹脂コンパウンドメーカーとが共同開発したポリスチレン再生プラスチックを、業界に先駆けて一部複合機のサプライに採用することを決定しました。
これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に向けたモノづくりをさらに前進させました。
ドキュメントスキャナーでは、ScanSnapシリーズの新たなフラッグシップモデルとして「ScanSnap iX2500」を発売しました。本製品には、業務用スキャナー向けに自社開発した次世代SoC(System on a Chip)「iiGA」を搭載しました。本SoCの搭載により、ScanSnap史上最速となる毎分45枚の高速スキャンを実現するとともに、業務用スキャナーで採用されている色ずれ/モアレ低減等の高画質化処理を個人向けスキャナーにおいても実装しました。このような取り組みの結果、株式会社BCNが主催する「BCN AWARD 2026」において、スキャナ部門最優秀賞(年間販売台数シェアNo.1)を16年連続で受賞しました。
産業用コンピュータでは、2025年4月に設立したリコーPFUコンピューティング株式会社から複数の新製品を市場に投入しました。大容量データ処理が求められる半導体製造装置や、システム停止が許されない医療・社会インフラ分野に向けては、拡張性及びセキュリティ対策を備えた組込みコンピュータ「AR8300モデル320P」を発売しました。
また、生産設備やロボット制御等製造現場のDX推進の用途に向け、処理性能、消費電力及び安定稼働に配慮した組込みコンピュータ「iC11000」を発売しました。さらに、熱や振動といった厳しい環境下での使用が想定される工作機械、FA(ファクトリーオートメーション)機器等に向け、安定稼働、高温対応を重視した産業用ボードコンピュータ「IT11」を発売しました。これらの取り組みを通じ、様々な産業分野におけるお客様の用途や要求に対応する産業用コンピュータのプラットフォームを拡充しました。
体制面では、複合機の開発・生産を担うエトリアに2025年10月に沖電気が参画し、当社、東芝テック、沖電気の3社の技術を融合した商品開発を開始しました。また2026年2月には、モノづくり体質の強化を目的として、エトリアが有する日本国内の複合機、プリンター、サプライ、キーパーツ等の生産機能を結集したエトリアマニュファクチャリングジャパン株式会社を発足しました。
今後も、競争力ある商品開発と体質強化を継続し、世界に必要とされ続けるモノづくりのリーディングカンパニーへの歩みを進めていきます。
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 31,445百万円です。
(3) グラフィックコミュニケーションズ
当社グループは、高品質かつ信頼性の高い製品・サービスの提供を通じて、印刷現場のデジタル化を推進しております。これにより、自動化・省人化及びプロセスの可視化を実現し、お客様の収益力の向上に貢献しております。加えて持続可能な社会の実現に向け、事業活動を通じた社会課題解決も積極的に推進しております。
商用印刷分野においては、印刷業のお客様に対して、生産性向上に資する高速インクジェット印刷機、ゴールド・シルバー等の特色トナー等の高付加価値機能の電子写真印刷機、並びに上流から下流までの工程を統合的に管理するワークフローソリューションを組み合わせた提案を行っております。これにより、Offset to Digitalを加速させ、お客様の現場プロセスのデジタル化を牽引していきます。
そのため、インクジェット技術、電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウェア技術の開発を継続して行っております。また、電炉鋼板や再生プラスチックを使用した製品の開発を行い、環境負荷を低減しております。
当連結会計年度においては、カラープロダクションプリンター「RICOH Pro C5410S/C5400S」を発売しました。本製品は、ウォームアップタイムの大幅な短縮、業界初の針なし綴じ、画像位置精度の向上により、様々な販促物の制作ニーズに対応します。また、名刺や領収書等の小サイズ原稿の読み取りにも対応し、DXを促進します。
産業印刷分野においては、産業用インクジェットヘッド技術の開発及び製品化に注力し、製品ラインナップの拡充を進めております。MHシリーズヘッドは高耐久性と幅広いインク対応力でお客様よりご好評を頂いており、主にサイングラフィックス分野で使用されております。また、MEMS技術を活用した小型・高精細印刷に対応するTHシリーズヘッドも新規で採用いただけるお客様が増えております。
欧州地域においては、産業用インクジェットヘッド、テキスタイル印刷機の販売、エンジニアリングサポート等のお客様に対する一貫した専門的サポートをRicoh Printing Solutions Europe Limited (本社:英国)にて開始しております。
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 17,831百万円です。
(4) インダストリアルソリューションズ
サーマル事業分野においては、世界で高いシェアを占める高付加価値サーマルペーパー(感熱紙)をはじめ、高品質の製品・サービスを提供し続けることで、お客様の信頼獲得を目指しております。
高付加価値サーマルペーパーは、近年の環境意識の高まりから、社会課題解決型商品(発色材料の安全性を高めたフェノールフリーラベル)が北米市場をはじめグローバルに浸透してきております。また、剥離紙のないサーマルラベル(SLL)は食品POSラベルに加え、ファーストフード等の用途でも大手ユーザーに価値を認められ、今後の事業成長が大きく期待されております。
一方、スマートパッケージングビジネスの環境負荷を低減する「ラベルレスサーマル*」は省資源化、人手不足緩和を背景とした工程自動化及び現場における食品のロングライフ化等のニーズにより、需要が大きく拡大しています。また、独自技術(マイクロ波により自然に孔が開き、蒸気を逃がす技術)の蒸通フィルムは、お客様のDXにつながるパッケージングの新たな価値提供を実現でき、今後ソリューション提案を進めることでパッケージ業界の変革に貢献します。
*ラベルレスサーマル:印字機能を有する基材へ文字・コードの可変情報を直接印字することで、商品の視認性を高め、業務の効率化、コストダウンを可能にする当社の印字プロセス
産業プロダクト事業分野は、基盤となる生産技術(梱包・搬送・組立技術)とIoT、AI、画像認識等の最先端技術を融合し、医療、素材業界等様々な分野で競争力の高い自動化ソリューションを提供しております。また、現場の安全、少人化、作業負荷低減等のニーズから自動化設備の需要が高まり、車載向けリチウムイオンバッテリー外観検査装置等は安全・信頼性を高める検査ラインとして高く評価され、事業が急速に拡大しております。これからも様々なニーズに応じた最適なラインを提案、構築することで製造現場における価値を提供し続け、導入から運用、その後のサポートまで幅広く現場の効率化に貢献していきます。
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 1,568百万円です。
(5) その他事業
当社グループのもつ技術のさらなる活用と、オープンイノベーションを通じた新規事業創出により社会課題解決に取り組みます。同時に各事業の状況を見極め、メリハリのある経営資源配分と意思決定を行っております。
■デジタルカメラ分野
デジタルカメラ分野を担うリコーイメージング株式会社では、GRとPENTAXの2つのブランド価値をより高め、"デジタル"手法を駆使してお客様とダイレクトにつながり、両ブランドの魅力をより一層研ぎ澄ませて深化させております。
当社グループでは、100年近くに及ぶカメラ開発の歴史で培われた、光学設計、光学部品加工技術を柱に、最先端のデジタル画像処理技術を搭載した画像処理エンジンGR ENGINE7やPRIME Vと、高度なノイズ処理を実現するアクセラレーターユニットのコンビネーションにより、すべての感度域で優れた階調再現や質感描写を実現したデジタルカメラ製品の開発を行っております。また、当社独自のボディ内手ぶれ補正機構SR(Shake Reduction)を搭載し、優れた手ぶれ補正性能を有するとともに、この機構を応用したローパスセレクター機能やリアルレゾリューション機能を開発しております。これらの技術に加え、高度な電子部品集積技術や独自の機構設計により、特にGRシリーズでは高画質や速写性、携帯性というカメラの本質的な価値を追求し、写真に拘りを持つユーザーの皆様へ、これらの技術を搭載したデジタルカメラをシリーズで提供しております。
当連結会計年度は、これらの技術で開発されたコンパクトデジタルカメラ「RICOH GR IV」に加え、当社のインクジェット技術により開発されたハイライト部を拡散するHDF(Highlight Diffusion Filter)を搭載した「RICOH GR IV HDF」、カラーフィルターを排除してモノクローム写真専用構造に像面位相差AFを組み込んだ撮像素子を採用し、圧倒的な解像感と、高速・高精度なピント合わせを両立した「RICOH GR IV Monochrome」を開発し、発売しております。
■スマートビジョン分野
・ワンショットで360度撮影ができるカメラ「RICOH THETA」とクラウドサービスを連携させ、ワークフロー全体の効率化を実現するソリューションを提供
・多様な現場の業務DXと生産性向上を支援する「RICOH360 ビジネスパッケージ」の提供により、建設・不動産分野での実績を軸に他業種展開を進め新規顧客の獲得と事業成長を実現
・ビジネス現場で求められる耐久性・効率性・操作性に優れた様々な機能を搭載した新製品「RICOH360 THETA A1」を発売
■バイオメディカル分野
・当社独自のヒトiPS細胞分化誘導技術を用いたiPS創薬でお客様の新薬開発に貢献
・高品質なmRNAの製造受託サービスにおいて製薬企業やアカデミアからの治験薬案件をさらに獲得することにより新たな革新的医薬品の創出を支援し事業を拡大
・子会社のリコーバイオサイエンシズ株式会社が株式会社東芝及びメディリッジ株式会社と業務提携を行い、mRNA-LNPの国内一貫製造支援を実現
■インクジェット電池分野
・当社の分散技術応用インクと独自のインクジェット技術の組み合わせにより、自由な位置・膜厚・形状での電池材料印刷装置を開発
・革新的な電池製造プロセスにより、材料ロス削減による環境負荷/コストの削減、リチウムイオン電池の性能向上、全固体電池の実用化に貢献
・パートナーとの連携により電池材料印刷製造技術の実用化検証を加速し、本格事業展開に向けた重要技術を獲得
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 4,073百万円です。
(6) 基礎研究分野
当社グループは、商品の差別化につながる基礎研究分野として、お客様の業務革新及び時間・場所に捉われない新しい働き方の実現に向けた研究開発を推進しております。具体的には、当社独自のヘッド技術、機能性材料技術、分析・シミュレーション等の基盤技術を活用したインクジェット技術の研究開発の強化や、画像処理技術、データサイエンス、AIを応用したシステムソリューション開発を行っております。また、将来を見据え、フォトニクス技術及びMEMS技術を活用したセンシング技術・エッジデバイス技術、並びにこれらの技術とAIを融合したAI融合技術及びシステム化技術やデジタルツインの研究開発に取り組んでおります。これらのコア技術を起点に中長期的な事業機会の創出及び社会課題の解決に資する技術の確立を目的として、以下の領域に注力して研究開発を行っております。
・インクジェットヘッドをコアとした領域:インクジェット技術を活用し、カーボンニュートラルの実現に向け、ペロブスカイト太陽電池の低コスト・高生産工法、並びに塗着効率を極限まで高めた自動車塗装工法の研究開発及び実証実験に取り組んでおります。なお、ペロブスカイト太陽電池については、社会実装に向けた技術開発及び実証事業が、NEDOのグリーンイノベーション基金に採択されました。
・ドキュメント・ワークフローを扱う領域:将来を見据えた技術として、人や物の位置情報、人の行動・作業等をセンシングしデジタル化することでワークプレイスのデジタルツインを生成し、働く人それぞれに適した支援を行う技術の研究開発に取り組んでおります。
加えて、分析・シミュレーション等の共通基盤技術については、当社グループの研究・開発・設計・生産の各現場に継続的に展開し、新たな価値提供の創出、開発効率の向上及び品質向上を図っております。これらの技術により、業務の高度化と現場起点の価値創出の両面から、お客様への提供価値の拡大を図ってまいります。
さらに、当社グループはオープンイノベーションを積極的に推進しており、多数の外部パートナーとの共創を進めております。共創は国内にとどまらず、欧州・米国・アジア等の研究機関、大学、企業及びスタートアップ等との間でも展開しております。
このような取り組みの一環として、応用と実現の可能性を高めるための要素技術に関して、インクジェットヘッドをコアとした領域においては、東京科学大学及びアーヘン工科大学と三者合同による共同研究に取り組んでおります。
また、共通基盤技術分野の一つである光学技術領域においては、NHK放送技術研究所と共同で取り組んでいる360度映像技術に関する研究成果を、「映像情報メディア学会 2025年冬期大会」にて発表しました。
一方、ドキュメント・ワークフローを扱う領域においては、国立研究開発法人産業技術総合研究所及び株式会社AIST Solutionsと連携して設立した「知識集約型デジタルサービス創出連携研究室」を、2025年5月に発表しました。同研究室では、多様なワークプレイスにおける知的生産性の革新を目指し、デジタルツイン技術を活用したサービス創出に取り組んでおります。
また、同年9月には、世界最大級のオープンイノベーションプラットフォームであるPlug and Playとパートナーシップ契約を締結し、最先端技術を有するスタートアップとの連携を通じて、ワークプレイス領域を中心とした新たなソリューションの創出を進めております。
なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 9,420百万円です。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度の設備投資金額は 48,890百万円であり、事業の種類別セグメントごとの内訳は以下のとおりです。
(注) 上記設備投資に伴う所要資金は、自己資金及び借入金により賄っております。
2 【主要な設備の状況】
当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりです。
(1) 提出会社
2026年3月31日現在
(2) 国内子会社
2026年3月31日現在
(3) 在外子会社
2026年3月31日現在
(注) 1 上表には、建設仮勘定は含まれておりません。
2 現在休止中の主要な設備はありません。
3 ㈱PFUの数値は各社の連結決算値です。
4 RICOH THERMAL MEDIA (WUXI) CO., LTD.、SHANGHAI RICOH DIGITAL EQUIPMENT CO., LTD.及びRICOH MANUFACTURING (CHINA) LTD.の土地は、連結会社以外から賃借しており、賃借している土地の面積については、[ ]内で外書きしております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度後1年間の設備投資計画は 60,000百万円であり、事業の種類別セグメントごとの内訳は以下のとおりです。
(注) 1 上記設備投資に伴う所要資金は、自己資金及び借入金により賄う予定です。
2 次期連結会計年度より、事業の種類別セグメントの見直しを実施いたします。
変更後の事業の種類別セグメントの主な事業内容は以下のとおりです。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 2022年2月4日開催の取締役会決議により、2022年2月28日付で自己株式を消却したことによる減少です。
2 2022年10月4日開催の取締役会決議により、2022年10月31日付で自己株式を消却したことによる減少です。
3 2024年9月5日開催の取締役会決議により、2024年9月30日付で自己株式を消却したことによる減少です。
4 2024年12月2日開催の取締役会決議により、2025年1月31日付で自己株式を消却したことによる減少です。
(5) 【所有者別状況】
2026年3月31日現在
(注) 1 自己株式 95,992株は「個人その他」に 959単元含まれ、「単元未満株式の状況」に 92株含まれております。
2 当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託において、当該信託が保有する当社株式 405,800株は、「金融機関」に 4,058単元含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注)1 2026年3月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディーが2026年3月2日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
変更報告書の内容は以下のとおりです。
2 2025年12月3日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、ブラックロック・ジャパン株式会社及びその共同保有者他 6社が2025年11月28日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
変更報告書の内容は以下のとおりです。
3 2025年10月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、野村證券株式会社及びその共同保有者であるノムラインターナショナルピーエルシー及び野村アセットマネジメント株式会社が2025年10月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
変更報告書の内容は以下のとおりです。
4 2025年9月19日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、三井住友信託銀行株式会社及びその共同保有者である三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びアモーヴァ・アセットマネジメント株式会社が2025年9月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
変更報告書の内容は以下のとおりです。
5 2024年7月29日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、株式会社三菱UFJ銀行及びその共同保有者他 4社が2024年 7月22日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
変更報告書の内容は以下のとおりです。
なお、当社は2024年9月30日付及び2025年1月31日付で、会社法第 178条の規定に基づく自己株式の消却を実施し、発行済株式総数が合計で 39,788,800株減少し、569,733,178株となっておりますが、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は、当該消却前の割合で記載しております。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2026年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託において、当該信託が保有する当社株式が 405,800株(議決権の数 4,058個)含まれております。
2 「単元未満株式」には、当社所有の自己保有株式が 92株含まれております。
② 【自己株式等】
2026年3月31日現在
(注) 上記には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託において、当該信託が保有する当社株式は含まれておりません。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員等を対象として業績連動型株式報酬制度(以下、本制度)を導入しております。本制度は、2019年に導入した株価条件付株式報酬制度(以下、旧制度)を 一部改定し、2023年9月1日付で導入したものです(旧制度及び本制度を総称して、以下、両制度)。取締役向けの両制度を含む株式報酬制度の内容の詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」に記載しております。執行役員等向けの両制度を含む株式報酬制度も同様の仕組みです。
両制度では委任型役員向け株式交付信託及び雇用型役員等向け株式交付信託(以下、本信託)を用いております。
① 本信託の概要
(注)旧制度における受益者は、委任型役員向け株式交付信託については、当社取締役のうち受益者要件を満たす者、雇用型役員等向け株式交付信託については、当社と雇用契約を締結している執行役員等のうち受益者要件を満たす者。
② 本信託に取得させる予定の委任型役員向け株式の総数、本信託に保有している雇用型役員等向けの株式の総数
委任型役員向け株式交付信託:
旧制度は1事業年度当たり100,000株を上限とする。
本制度は1業績評価対象期間当たり200,000株を上限とする。
雇用型役員等向け株式交付信託: 174,900株(有価証券報告書提出日現在の保有株数)
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注)当期間における取得自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの取得株式数は含まれておりません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 1 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含まれておりません。
2 上記には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託において、当該信託が保有する当社株式は含まれておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における保有自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取及び買増請求による株式数は含まれておりません。
2 上記には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託において、当該信託が保有する当社株式は含まれておりません。
3 【配当政策】
株主還元方針については、総還元性向 50%を目安とし、配当利回りを意識した継続的な増配と機動的な自己株式取得を行う方針です。配当については、利益拡大に沿った継続的な増配を目指します。自己株式の取得は、経営環境や成長投資の状況を踏まえつつ、機動的に実施し、1株当たり利益(EPS)の向上を図っていきます。
当事業年度の配当につきましては、中間配当といたしまして1株当たり 20円、期末配当につきましては、1株当たり 20円(予定)とし、年間 40円を2026年6月23日開催予定の定時株主総会で決議して実施する予定です。
当社は、中間と期末の年2回の剰余金の配当を行うこととしており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。
当社は、「毎年9月30日を基準日として、取締役会の決議によって、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、多様なステークホルダーの期待に応えられるように、経営者の活動を含む企業活動全体が、企業倫理と遵法の精神に基づく経営の透明性を確保しつつ、競争力の強化を目指したコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでおります。これにより、持続的な成長と株主価値・企業価値の向上を図ってまいります。
また、企業活動の基礎となる理念・価値観を「リコーウェイ」として定めております。「リコーウェイ」は、「創業の精神」及び「使命と目指す姿」「価値観」で構成されております。経営の方針・戦略は「リコーウェイ」に基づき策定される等、「リコーウェイ」は自律的なコーポレート・ガバナンスの根本的な考え方となっております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は会社法上の監査役会設置会社を採用しております。また、取締役会による経営監督の強化、及び執行役員制度による経営執行の効率化を図っております。さらに、取締役の過半数となる社外取締役を招聘し、取締役会議長を社外取締役とすることで、当社から独立した客観的な立場での議論を通じた意思決定及び経営監督により、コーポレート・ガバナンスのさらなる強化を図っております。取締役及び執行役員の指名・報酬については、取締役会の諮問機関であり、委員長及び委員の過半数を独立社外取締役で構成する「指名委員会」、「報酬委員会」において審議を行い、取締役会へ答申しております。
当社グループのコーポレート・ガバナンスや機関設計の在り方については、経営環境や会社形態の状況から現状の点検を定期的に行い、最適な機関設計の評価・検討を実施しております。

※2026年6月16日(有価証券報告書提出日)現在の体制であります。
取締役会は、取締役会並びに取締役が、企業価値向上に資する審議・判断・行動をするにあたっての礎となる考え方や姿勢について、創業の精神に立ち戻って議論し、取締役会が維持・醸成していくべき「ボードカルチャー」として、以下のとおり定めました。
取締役会は、
1.「三愛精神」を尊び、株主、お客様、従業員、協力会社、地域・社会等様々なステークホルダーとの対話を踏まえ、その利益を尊重するとともに、社会課題の解決につながる経営戦略・計画となるよう監督する。
2.議長による中立的な運営のもと、多様性・独立性の高い構成メンバーによって、オープンで自由闊達かつ多面的な視点を尊重した建設的議論を行い、その結果を真摯に経営に反映する。
3.事業成長・資本収益性・ESGを高次元で実現することを通じた中長期的な企業価値の向上に向け、社会的責任を自覚し、将来のための果断な意思決定を行うとともに、その遂行に対する監督を行う。
経営環境や経営体制が変わる中で、取締役会は常にボードカルチャーに立ち返り、審議や意思決定はもとより、取締役の選任や、株主をはじめとするステークホルダーとの対話等における指針としております。

(Ⅰ) 取締役会

取締役会では経営監督及びグループ経営に関わる重要な意思決定を行っております。
取締役会の構成、運営については、当社のボードカルチャーに掲げた考え方や姿勢を念頭に、取締役会に占める独立社外取締役の割合を過半数とし、議長を独立社外取締役とすることにより、経営の透明性の確保と公正な意思決定の一層の向上を図っております。当事業年度は取締役8名のうち、5名を独立社外取締役とする体制です。あわせて、取締役会における社外取締役の役割・機能をより発揮できるよう、筆頭社外取締役を選任しております。筆頭社外取締役は、取締役会議長と協働してガバナンスの整備・高度化を担うほか、当社における独立社外取締役の職務を主導する役割を果たします。また、筆頭社外取締役の選任は、取締役会が当社の経営状況、議長及び取締役の就任状況等に照らして、必要に応じて決定しております。議長と筆頭社外取締役による適切な協働・役割分担のもと、取締役会の円滑な運営と機能発揮を確保しております。
取締役会の審議においては、独立社外取締役を中心とした執行役員を兼務しない取締役と執行を担う取締役が、それぞれの専門性や経験等を活かし、重要案件に対して深い議論を行うことで、企業価値向上に向けた適切な意思決定と、株主をはじめとする多様なステークホルダーの視点で経営の監督が行われる体制を構築しております。
また、すべての取締役に対し、取締役会への出席率が原則80%を下回らないことを求め、経営に対する実効的な監督機能を果たすよう要請しております。
取締役会議長 横尾 敬介
取締役 山下 良則
取締役 大山 晃
取締役 川口 俊
独立社外取締役(筆頭社外取締役) 石村 和彦
独立社外取締役 谷 定文
独立社外取締役 石黒 成直
独立社外取締役 武田 洋子
なお、当社は石村和彦氏、横尾敬介氏、谷定文氏、石黒成直氏及び武田洋子氏と、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額とのいずれか高い額となります。
当事業年度の取締役会出席状況
<会長について>
当社では、会長職を設置しております。会長の役割は、主として経営の監督を行い、執行役員を兼務せず、日常の業務執行には関与しない社内取締役とし、その旨を社内規程等に明記しております。上記の役割に基づき、会長の職務の委嘱内容は、監督機能の強化の視点、執行への支援の視点、対外活動の視点を踏まえたものとしております。会長の役位・委嘱内容については、経営環境や執行の状況を踏まえ、毎年見直しを行います。2026年度の会長職については、指名委員会並びに取締役会にて2026年2月から3月にかけて審議、決定を行いました。その結果、役位については前年と同様、代表権のない取締役を会長とし、委嘱内容については、より監督の立場に重きを置き、取締役会の実効性及び企業価値の向上に努める役割としました。
<コーポレート・セクレタリーの役割について>
当社は、資本市場との建設的な対話を起点として、コーポレート・ガバナンス及び取締役会の実効性を一層高め、持続的な企業価値向上を実現することを目的とした、コーポレート・セクレタリーを2026年4月1日付で新設しました。
コーポレート・セクレタリーは取締役会直属の役職として、取締役会及び各諮問委員会の運営の高度化を支援するとともに、当社のコーポレート・ガバナンス全般を管掌します。具体的には、株主・投資家を含む資本市場と取締役会及び諮問委員会との円滑なコミュニケーションの支援をはじめ、資本市場から寄せられる中長期的な期待や懸念を整理・分析し、経営、ガバナンスに反映することで、議論や意思決定プロセスの質を高め、ガバナンスの継続的な高度化と経営の透明性・信頼性の向上につなげていきます。
(Ⅱ) 監査役会

監査役は、株主の皆様の負託を受けた独立の機関であり、監査役及び監査役会は、その独立性及び各監査役による独任制、社外監査役が半数以上であるといった監査役制度・体制の利点を活かし、取締役会と協働して会社の監督機能の一翼を担っております。また、取締役の職務の執行を監査するほか、当社の会計監査人、及び内部監査部門と連携し、当社各組織・子会社監査を通じて、社会的信頼に応える良質な企業統治体制を確立する責務を果たしております。
当社の監査役は5名で、社内の事情に通じた社内監査役2名(常勤)と、当社の定める独立役員の要件を満たす社外監査役3名としており、過半数が独立社外監査役です。また、監査役会として必要な知識・経験・専門能力をバランスよく確保して、監査役会を構成することとしており、各監査役の専門分野における豊富な経験と幅広い見識、及び独立した客観的な視点で深い議論が行える体制を構築しております。
監査役 佐藤 愼二
監査役 西宮 一雄
独立社外監査役 太田 洋
独立社外監査役 鈴木 国正
独立社外監査役 大塚 敏弘
なお、当社は太田洋氏、鈴木国正氏及び大塚敏弘氏と、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、500万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額とのいずれか高い額となります。
(Ⅲ) 指名委員会/報酬委員会
CEOをはじめとした経営幹部の指名・報酬等の決定については、取締役会の経営監督の最重要事項の1つとして、独立社外取締役を委員長、委員の過半数を独立社外取締役とする「指名委員会」並びに「報酬委員会」を設置することで、取締役・執行役員等の選解任や報酬の透明性・客観性を確保しております。また、指名委員会・報酬委員会の審議には、毎回社外監査役1名がオブザーバーとして出席しております。
当事業年度の指名委員会は、独立社外取締役5名、社内取締役1名の体制、報酬委員会は、独立社外取締役5名の体制で構成しております。
指名委員会
委員長(独立社外取締役) 石黒 成直
委員(独立社外取締役) 横尾 敬介
委員(独立社外取締役) 谷 定文
委員(独立社外取締役) 石村 和彦
委員(独立社外取締役) 武田 洋子
委員(社内非執行取締役) 山下 良則
報酬委員会
委員長(独立社外取締役) 谷 定文
委員(独立社外取締役) 横尾 敬介
委員(独立社外取締役) 石村 和彦
委員(独立社外取締役) 石黒 成直
委員(独立社外取締役) 武田 洋子
(Ⅳ) 取締役検討会
取締役会における会社の重要なテーマ(中期経営戦略等)の決議に向けて、取締役及び監査役が事前に十分な議論を尽くすための機会として開催しております。
■当事業年度 開催内容
(Ⅴ) ガバナンス検討会
当社グループのガバナンスの方向性や課題について、取締役と監査役等が包括的な議論を行う場として開催しております。実施した検討会の概要はコーポレート・ガバナンスに関する報告書等で開示しております。
■当事業年度 開催内容
(Ⅵ) 社外役員会議
独立した客観的な立場に基づく情報交換・認識共有を図り、取締役会における議論に積極的に貢献するとの観点から、社外役員間、又は社外取締役と監査役等との間で情報共有・意見交換を図る場として開催しております。
■当事業年度 開催内容
(Ⅶ) グループマネジメントコミッティ:GMC(経営会議)
GMCは、当社グループ全体の経営に関する審議及び意思決定を迅速に行うために、設置される機関です。取締役会での決裁必要項目は取締役会規程にて定めておりますが、その基準に満たない決裁案件や事業執行に関する重要事項はGMCにて意思決定がなされております。また、GMCによる業務執行に関する以下の事項について、3か月に1回以上取締役会に報告を行っております。
● 経営戦略上重要な経営指標及び重要施策の実施状況
● GMCにおける決議事項とその結果
GMCにおける審議対象事項は以下のとおりです。
1.経営戦略の立案
・経営理念
・中長期経営戦略
・短期(年度)経営方針の決裁及び事業計画
・資金計画及び借入枠
2.経営戦略の執行
・取締役会議案における審査と上程の決定
・社内規定に基づく金銭決裁
・当社グループ重点経営リスク項目の決定
・当社の人事政策上の重要事項
3.その他重要事項に係る意思決定・報告
また、GMCには執行業務の理解を深める目的で、社外取締役もオブザーブ参加しております。

(Ⅷ) 内部統制委員会
内部統制委員会は、当社グループの内部統制に関する審議及び意思決定を行うために設置される機関です。四半期ごとの開催を原則としておりますが、状況に応じて臨時あるいは緊急で開催しております。
当委員会における審議内容は以下のとおりです。
1.内部統制の整備・運用評価及び是正
・内部統制全般の整備・運用評価
・財務報告に係る内部統制有効性の評価
・情報開示に係る内部統制有効性の評価
・内部統制の是正
2.内部統制に関する活動方針の決定
・財務報告に係る内部統制の基本方針の決定
・年度内部監査計画の決定
3.内部統制の不備への対応
・重大なインシデントが発生した場合の対応の決定
4.内部統制原則改定の取締役会への提案
・環境変化を考慮の上、内部統制原則の改定の取締役会への提案
特に当社グループへの影響が懸念される重大なインシデントについては、発生の背景・要因、再発防止策等の詳細を確認し、その再発防止策の有効性や当社グループ内での同インシデントの再発に対する懸念が残る場合は、必要な対策を速やかに決定し、トップダウンで確実な実行につなげております。
また、内部監査で報告された内部統制の課題やリスクマネジメント及びコンプライアンス活動等を勘案し、インシデントの未然防止につなげるための議論と対応策の決定をしております。

(Ⅸ) ESG委員会
ESG委員会は、当社グループのESGに関する審議及び意思決定を行うために設置される機関です。環境・社会・ガバナンス分野における当社グループの課題を経営レベルで継続的に議論し、グループ全体の経営品質の向上につなげていくことで、ステークホルダーの皆様からの期待・要請に迅速かつ適切に応えていくことを目的としております。
当委員会は、具体的に以下の役割を担っております。
1.グループ全体のESG戦略の策定、重要課題・各事業部門のKPIの進捗状況の監督及び助言
2.グループ全体の中長期的なESGリスク・機会及び重要課題の特定
3.取締役会で審議すべきESG課題の特定と取締役会への上申
当委員会は四半期に一度開催しており、議論するテーマに応じて該当する事業部門の責任者を招集する等、ESG課題を横断的に検討・議論する体制を整えております。

(Ⅹ) セキュリティ委員会
セキュリティ委員会は、当社グループのセキュリティに関する審議及び意思決定を行うために設置される機関です。
当委員会は、具体的に以下の役割を担っております。
1.グループ全体のセキュリティ及び地政学リスク戦略の策定・重要課題・各事業部門の監督及び助言
2.グループ全体の中長期的なセキュリティ及び地政学リスク及び重要課題の特定
3.取締役会で審議すべきセキュリティ及び地政学リスク課題の特定と取締役会への上申
四半期に一度以上開催される委員会では、議論するテーマに応じて該当する事業部門の責任者を招集する等、セキュリティ及び地政学リスク課題を横断的に検討・議論する体制を整えております。
昨今、情報セキュリティに対するリスクは急速に高まっており、サイバー攻撃の頻発、不正技術の多様化・高度化(ランサムウェア*1等)、各国規制の強化・多様化、地政学的リスクの顕在化等、企業の対応範囲も拡大しております。また、企業がDX化による企業競争力の向上を狙う一方で、解決すべきセキュリティの課題も生じております。このような状況を受け、デジタルサービスの会社として進化を続ける上で、既存事業における収益性をより盤石なものとするため、デジタルサービスにおけるセキュリティリスクの軽減のみならず、事業成長に向けた投資として捉え、セキュリティ対策に取り組んでおります。加えて、CISO(Chief Information Security Officer)のリーダーシップのもと、当社グループ全体のセキュリティ及び地政学リスク戦略、さらにプライバシー保護戦略の立案・推進を担うセキュリティ推進部門を設置し、セキュリティに対する素早い経営判断や、各国法規制への対応戦略の明確化等に対応できる体制を整えております。
また、全社セキュリティの観点で各ビジネスユニット・各組織に部門セキュリティ委員会を設置し、ガバナンス体制を強化しております。さらに、今後はグローバルにおけるガバナンス強化、サプライチェーンリスク管理強化、教育体系整備によるさらなる人材強化を進めます。加えて、サプライチェーンリスクに関しては、委託先の自己診断と外部のレーティングサービスを活用し、リスク把握と対応に取り組んでいます。教育体系整備に関しては、全社のセキュリティレベルの底上げと専門性教育プランを作成しその実行に取り組んでおります。

*1 ランサムウェア:パソコンやスマートフォンをウイルスに感染させ、保存されているファイル等のデータを勝手に暗号化することで使用できない状態にした後、それを元に戻すことと引き換えに「身代金」を要求する不正プログラムのこと
*2 NIST:米国立標準技術研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology)が発行するガイドライン
*3 IPA:独立行政法人情報処理推進機構
(Ⅺ) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会
当社グループではリスクマネジメントを具現化する方法として、エンタープライズリスクマネジメント(以下、ERM)の考え方をベースに全社目標に影響を与える様々なリスク(脅威・機会)を適切にコントロールし、達成確度を維持・向上する仕組みを構築しております。具体的には、グループ全体のリスクを把握・評価した上で、リスクマネジメント推進計画を立て施策を実行し、モニタリングと改善を行いPDCAサイクルを回しております。ERMを推進する当社グループのリスクマネジメントシステムには、大きく2つの層があります。
1. GMCが当社グループの経営において、重要度が高いと考える管理項目を主体的に選択し、管理する重点経営リスク
2. グループ本部又はビジネスユニットの各組織長の責任下で管理される、各々の担当領域における重要度が高いリスク(機能別組織リスク・各地域・ビジネスユニットリスク)
この2つの層により管理主体を明確にするとともに、リスクのレベルごとの機動的な意思決定と迅速な活動が可能となり、全体で1つのリスクマネジメントシステムを構成しております。また、環境変化に応じた影響度の変化によって、各層で扱うリスクの入替え等を行っております。
2026年度のリスクマネジメント体制は以下のとおりです。


リスクマネジメント委員会は、当社グループ全体のリスクマネジメントプロセス強化を目的として設置されたGMCの諮問委員会です。経営と各組織の連携を取り、より実効性の高い一気通貫のリスクマネジメントシステムとするために、当社の各組織からリスクマネジメント責任者・推進者を選任し、管理監督する関連会社を含め各組織における自律的なリスク管理体制を整備しております。
また、各リスクマネジメント推進者を主な対象としたリスクマネジメント連携強化会議において、リスク管理に関連する勉強会や情報共有を行い、リスクに対し対応力のある組織になるための継続的な取り組みを進めております。

(Ⅻ) 投資委員会
投資委員会は、資本コストを踏まえた財務的視点での妥当性、事業戦略視点での収益性や成長性リスク等の観点で投資計画の検証を行うことを目的として設置されたGMCの諮問委員会です。多様化する外部への投資や売却案件について、機能別組織のメンバーが事前に確認・協議することにより、経営戦略との整合性や投資効果を高め、投資判断のスピードと的確性を向上させることを狙いとしております。
立案部門との関係では、事前協議先として対象案件の投資価値を総合的に審議の上、評価、アドバイスすることを役割としているため、投資案件についての決定権及び拒否権は有しておりません。審議結果は投資委員会委員長より、案件に応じてGMC又は取締役会へ報告し、決裁者の客観的判断をサポートしております。
当社全体の外部投資判断の的確性を向上させるために、GMC決裁基準金額以下の案件も審議の対象とすることが可能で、必要に応じて立案部門の投資判断や検討内容、案件交渉に対する助言を行っております。
<投資の継続モニタリング>
投資実行後は、当委員会の審議プロセスを経てGMC等の決裁機関で承認を得た事業計画・定量指標(KPI)の内容・時期に沿って、半期に一度を目途として定期的に進捗状況を取りまとめ、GMC及び監査役会に対してモニタリング報告を行っております。
<M&A人材育成の取り組み>
2019年度からM&AやPMI*を成功に導くことのできる人材を体系的に育成しております。立案部門のレベルアップにより、投資案件の質を向上させ、当委員会での議論・審議の充実化を図っております。
育成プログラムは、当社の過去事例等を踏まえ、当社独自のプログラム(18講座)を用意しており、これまでに200名以上が修了認定を取得しております。
また、本育成プログラムの修了認定後も、企業価値評価や財務分析の講座、人事・環境・IT等機能別の専門講座を開設し、受講者への継続的な支援を行いさらなる能力向上を図っております。これらの取り組みにより、立案部門の投資検討のスピードと的確性が向上しております。
* PMI(Post Merger Integration:ポスト・マージャー・インテグレーション)
当初計画したM&A後の統合効果を最大化するための統合プロセス。統合の対象範囲は、経営・業務・意識等統合に関わるすべてのプロセスに及んでおります。
(XIII) 開示委員会
開示委員会は、投資家の投資判断に影響を与える情報の適切な開示に加え、投資家の投資判断に資する会社情報の主体的な開示を行うために設置される機関です。株主及び資本市場との対話を促進し、それを通じて株主及び資本市場との信頼関係を構築し、当社に対する適正な評価の獲得を実現することを目的としております。
当委員会では、年次報告書類や適時開示書類の適切性・正確性の判断、開示手続きにおける情報開示の要否判断に加えて、投資家の投資判断に資する会社情報の積極的な開示に関する審議や開示手続きのモニタリングを実施しております。主に年次報告書類や開示書類の適切性・正確性が担保できるプロセスで情報が作成されているかの判断、開示手続きのモニタリング、及び株主・投資家の皆様の投資判断に資する適切かつ戦略的な会社情報の開示について、審議を行っております。当事業年度は、開示プロセス、各機能別組織の開示責任者及び担当者対象の開示勉強会を通じて認識した課題についてレビューを実施しました。
また、開示情報の適時性、開示書類の内容の正確性・妥当性、開示判断の合理性等に関して、内部統制部門が定期的に評価を行い、取締役会・内部統制委員会へ報告を行っております。

③ 企業統治に関するその他の事項
(Ⅰ) 株主との建設的な対話に関する方針
当社は、株主と積極的かつ建設的な対話を行い、その対話を通して得られた意見を企業活動に反映させるサイクルを通じ、相互理解による信頼関係の醸成を行っております。また、そのサイクルに基づく企業活動を通じて、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供し続けることで、人々の生活の質の向上と持続可能な社会づくりに積極的に貢献し、中長期的な企業価値の向上に努めております。
・株主との対話の責任者
社長執行役員・CEO
・対話の主体
IR・SR*専任部署のほか、対話の目的や株式保有数に応じて、社長執行役員・CEO、CFO、CTO、CHRO、CSRO、各ビジネスユニットプレジデント、社外を含めた取締役/監査役が行っております。
・主な対話の機会
中長期戦略説明会・決算説明会・事業説明会等のラージミーティング・スモールミーティング、1on1による個別対話を実施しております。また、外部主催のIRイベント・カンファレンスでの説明会も適宜行っております。
・経営層へのフィードバック
① 四半期決算や中長期戦略説明会等のラージミーティング実施後には、株主・投資家の皆様との対話内容やアナリストレポート等を踏まえ、資本市場の反応を報告しております。
② マネジメント及びIR・SR専任部署による対話や、パーセプションスタディ調査等資本市場との対話から得られた当社に対する見解を、経営層及び執行部門と共有し、CEO・CFOが中心となって、より建設的な対話につながる開示の改善に取り組んでおります。
③ 主にマネジメントが対話した際のご意見等は、株主・投資家の皆様の意図を明確に相違なく経営層へフィードバックする観点から、内容について基本的に変更することなく報告しております。
・インサイダー情報について
インサイダー情報取り扱いに関する内規を遵守し、個別株主との対話ではインサイダー情報の開示は行いません。なお、インサイダー情報漏洩を防止し情報開示の公平性を保つため、決算期末日の翌日から決算発表日までを沈黙期間としております。
* SR(Shareholder Relations):株主と信頼関係を構築するための活動
当事業年度の対話実績
当社の当事業年度の情報発信、対話実績は以下のとおりです。
ラージミーティング 6回(中経説明会 1回/決算説明会 4回/事業説明会 1回)
スモールミーティング 5回(CEO・CFO 5回)
1on1ミーティング 228回(CEO・CFO 27回[IR 9回/SR 18回]/IR・SR専任部署 199回/ESG推進部門 2回)
(Ⅱ) 取締役候補者の選定の考え方
取締役候補者の選定基準
[経営能力]
(経営機能の適切な遂行にあたっての高い洞察力及び判断力)
1.事業・機能の広い領域に識見を持ち、全社的・長期的視点に立って適切に思考し、判断する能力を有すること
2.本質を見極め、課題を明らかにする洞察力を有すること
3.グローバルに発想し、グローバルに最適な判断を行うことができること
4. 判断力・洞察力の基点として幅広い経験を有し、企業価値及び競争力の飛躍的向上につながる高い実績をあげていること
5.コーポレート・ガバナンスのあり方をしっかり認識した上で、株主及び顧客をはじめとする多様なステークホルダーの視点に立って、適切に思考し判断を行うことができること
[人格・人間性]
(監督機能の円滑な遂行にあたっての取締役相互及び経営執行との良好な信頼関係)
1.高潔(誠実かつ高い道徳観・倫理観を有する)であり、法令及び社内ルールの厳格な遵守はもとより、高い道徳観、倫理観に基づくフェアで誠実な判断・行動を率先していること
2.人間尊重の精神に立って、他者に対し敬意と信頼を持って接するとともに、多様な価値観や考え方を深く理解・受容し、個々の人格と個性を尊重した判断・言動・行動を率先していること
社外取締役候補者の選定基準
社外取締役候補者の選定基準は、社内取締役候補者と同じ上記の基準に加え、異分野に関する専門性、問題の発見、及び解決能力、洞察力、戦略的思考能力、リスク管理能力、指導力等に優れていること、さらに、当社所定の「社外役員の独立性基準」に照らしあわせ、独立性に問題がないことを付加的な基準としております。
なお、当社が定める独立性基準は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況 ② 社外役員の状況」をご参照ください。
ダイバーシティについて
取締役候補者の選定にあたっては経営能力や人格・人間性等のほかに、多様な視点や経験、さらに多様かつ高度なスキルを持った取締役で構成されることが必要であると考えております。
加えて、人種、民族、性別、国籍等の区別なく、それぞれの人格及び識見に基づいて候補者を選定し、これらの属性に関する多様性を確保することを方針としております。
当社グループは現在事業構造の変革を通した企業価値の向上を目指しており、当社取締役会はその実現に向け多様かつ多面的なスキル、経験等を有している人材により構成されております。今後も、当社を取り巻く環境変化や事業戦略の進展等にあわせて、必要なダイバーシティのあり方について継続的に議論を行い、女性や外国籍、年齢等、多様な視点を意識した取締役候補者の選定や、若手幹部の育成・重要ポストへの任命等を継続し、最適な人材を登用した体制を構築していきます。
(Ⅲ) 取締役候補者の選定プロセス
当社は、当社グループの持続的な成長と株主価値・企業価値の向上のため、コーポレート・ガバナンスの強化・充実に継続して取り組んでおります。
[選定プロセス]
①取締役候補者
指名委員会における数回の審議を経て厳選な審査を行い、指名する根拠を明確にした上で取締役会へ答申しております。

②執行体制
サクセッションプランにおける適切な経営人材の登用・育成を図ることを目的に、CEOが経営人材候補者の選抜や育成方針について指名委員会へ報告しております。

(Ⅳ) 取締役の評価プロセス
[評価プロセス]
執行兼務取締役の評価は、取締役会から諮問を受けた指名委員会が毎年実施しており、二段階による評価を行っております。指名委員会での取締役の評価に関する審議の内容及び結果は取締役会に答申され、取締役会で取締役の職務継続の妥当性について監督を徹底することとしております。
なお、評価にあたっては、「取締役としての経営監督の遂行状況」、「業績・資本収益性・その他の主要経営指標等財務の視点」、並びに「株主への貢献度や資本市場の評価の視点」等を基準としております。

<取締役評価の主な項目>対象:執行役員を兼務する取締役
*1 FCF(Free Cash Flow):フリー・キャッシュ・フロー
*2 PBR(Price Book-value Ratio):株価純資産倍率
*3 PER(Price Earnings Ratio):株価収益率
なお、執行兼務取締役の評価にあたっては、「株主への貢献度や資本市場の評価の視点」の基準の1つとしてTSRを採用しておりますが、突発的な株価変動の影響を避けるため年度平均株価により算出したTSR(下表参照)を使用しております。
(注) 1 TSRの保有期間は2026年3月末日を基準としております。
2 TSRについては、期初・期末当日の株価の影響を平準化する目的で、年間の日次の配当込み株価の平均を用いて算出しております。
(Ⅴ) CEO評価とサクセッションプラン
当社グループが中長期にわたり、継続的に株主価値・企業価値を高め、社会の構成員としてその社会的責任を果たし永続していくための重要な取り組みとして、CEOサクセッションプランを位置づけております。コーポレート・ガバナンスの強化の観点から、客観性・適時性・透明性の高い手続きによるCEOサクセッションプランの構築を目指しております。
①CEO評価

CEOの評価は取締役会から諮問を受けた指名委員会が毎年実施しており、二段階による評価を行っております。なお、CEOの評価にあたっては、執行役員を兼務する取締役と同様、「取締役としての経営監督の遂行状況」、「業績・資本収益性・その他の主要経営指標等財務の視点」、並びに「株主への貢献度や資本市場の評価の視点」に基づく評価に加え、「将来財務の視点」に基づく評価を組みあわせることで、CEOとしての総合的な経営監督並びに業務執行能力の評価を行っております。
指名委員会での評価に関する審議の結果は、取締役会に報告され、CEOに対する実効性の高い監督を行うこととしております。
<CEO評価の主な項目>
②CEO候補者の選定・育成・評価
<指名委員会及び取締役会の位置づけ>
年に1回、CEOは将来のCEO候補者案を作成するとともに、それらのCEO候補者に対する育成計画を策定し、指名委員会でCEO候補者案及び育成計画について説明を行っております。
指名委員会は、CEO候補者案並びに育成計画の妥当性を審議するとともに、CEOに対して育成に関する助言を行い、適時その結果を取締役会に報告しております。取締役会は、指名委員会からの報告を受けて候補者選定及び育成計画の妥当性を確認する等、CEO候補者の選定・育成に主体的に関与しております。
<候補者の選定>
CEO候補者の選定にあたっては、交代時期を想定し以下のタームごとの候補者を選定しております。なお、事故あるときの交代候補者1名は、CEOの選定と同時に取締役会の決議により決定しております。
<候補者の育成>
CEOは、将来のCEO候補者の育成計画についての指名委員会での審議・助言を踏まえて、翌年度、CEO候補者それぞれの課題に応じた当人の成長に必要なチャレンジの場を付与し、実績を積ませるとともに、CEO候補者のアセスメントを踏まえ当人の成長に必要な助言等を実施しております。
<候補者の評価>
CEO候補者の評価は毎年実施し、CEOはCEO候補者の育成期間における実績及び育成状況について指名委員会へ報告を行っております。指名委員会は、CEO候補者の継続・交代等について審議を行うとともに、必要に応じて、外部専門家の助言等も活用しながら、CEO候補者の評価を実施し、適時その結果を取締役会へ報告しております。取締役会は、指名委員会からの報告を受けてCEO候補者の評価及び継続・交代における審議の妥当性を確認する等、CEO候補者の評価プロセスに主体的に関与しております。
(Ⅵ) 2025年度 取締役会の実効性評価結果の概要の開示
当社は、当事業年度(2025年4月から2026年3月まで)に開催された取締役会の実効性評価を実施しました。結果の概要は以下のとおりです。
Ⅰ.2025年度 取締役会の実効性評価にあたって
評価については、取締役会の実効性に留まらず、指名・報酬委員会及び取締役会における執行の対応も対象としました。具体的な評価プロセスは、以下のとおりです。
[評価プロセス]
1)自由記述形式の評価
全ての取締役・監査役による自由記述形式の評価を実施しました。設問については、監督に対する視点と、執行に対する視点の両面から評価を行いました。具体的な項目は以下のとおりです。
① 監督・監査を担う立場として、取締役会における審議・意思決定・モニタリング等における、実績、評価、また今後に向けた課題等
② 執行(上程)側の対応に関して、2025年度において改善された点、また今後に向けた課題等
2)第三者によるアンケート・評価
実効性評価の客観性の確保に加えて、評価結果の経年変化や、他社との比較結果を把握するため、第三者によるアンケートと評価を実施しました。
設問数:40問
質問の対象分野:13分野(取締役会の構成・運営、経営戦略・経営計画、内部統制・リスク管理、取締役のパフォーマンス、支援体制、トレーニング、株主との対話、指名・報酬等)
3)実効性評価会の開催
取締役・監査役による記述評価、及び匿名性を確保した第三者によるアンケートの分析結果を共有した上で、2026年5月12日に開催した実効性評価会において、取締役と監査役が参加した討議により評価を行いました。討議では、前回の実効性評価で取締役会が設定した以下の取締役会運営の基本方針及び3つの対応項目について、2025年度の評価を実施しました。
<2025年度の基本方針>
1)21次中経の最終年度として、監督とともに適切に執行と連携を図り、計画達成に向けたスピードのある実行を後押しする
2)次期経営計画の策定にあたり、持続的な企業価値向上に向けた事業成長と資本収益性を実現する経営戦略の審議の充実を図る
<2025年度の対応項目>
① 不確実性が高まる経営環境下において、事業環境の変化に応じた迅速かつ的確な施策・オペレーションのモニタリングを行うとともに、グローバルの動向を注視し、プロアクティブな提言や働きかけを行う
② 21次中経を検証のうえ、会社の将来像を見据えた戦略の策定と、その実現のための経営・組織体制、資源配分、人財をはじめとする経営資本に関する議論の充実を図る
③ 事業構造の転換に向けたリスクテイクを支えるため、複雑化・高度化するリスクに対応できる体制やプロセスへの継続的な整備を促す
4)2026年度の取締役会の方針・審議計画の決定
実効性評価会で行った議論を踏まえ、評価の結果、並びに2026年度の取締役会の基本方針と対応項目、取締役会で重点的に議論・決議する議案や、継続して報告・フォローする議案の年間計画を審議・決定しました。
Ⅱ.2025年度「取締役会実効性評価」の結果概要
Ⅱ-1.取締役会の運営実績
当事業年度は、21次中経の達成に向けた施策の進捗や、次期経営計画を見据えた戦略的論点について、重点的に審議を行いました。
審議にあたって、工場見学や現場社員とのラウンドテーブル、本社を離れての合宿形式の取締役検討会等を通じて、取締役及び監査役が当社事業への理解を深める機会を継続的に設けました。
当社取締役会における審議状況の透明性の確保を目的として、当事業年度の取締役会の議案に関する時間配分を以下のとおり示します。


Ⅱ-2.総括
取締役・監査役による自由記述形式の評価、第三者による評価をもとに、取締役会のメンバーで討議した結果の総括は以下のとおりです。
●多様な経験や専門性を有する独立社外取締役が過半数を占める取締役会の構成は適切であり、独立社外取締役である議長による中立的な議事運営のもと、多面的な視点から自由闊達な議論を通じて監督と意思決定がなされており、引き続き取締役会の実効性は確保されている。
ただし、結果を伴った取締役会の実効性の確保に向けて、取締役一人ひとりが1年毎に株主の審判を受ける立場として、1年を振り返り、自身の責務の遂行について自問し、引き続き緊張感をもって取締役としての職務に臨む必要がある。
●指名委員会及び報酬委員会では、いずれも独立社外取締役が委員長を務め、指名委員会においては委員の過半数、報酬委員会においては委員の全員を独立社外取締役とする適切な構成のもと、次期経営体制の評価や包括的なインセンティブ(評価・報酬)制度の刷新について厳正かつ充実した審議が行われ、取締役会の諮問機関として有効に機能している。
今後は、新しい体制の実績や制度の運用のモニタリングと監督を通して、継続的に経営の実行力を高めていくことが肝要である。
●21次中経の業績目標が大幅未達に終わり、また新中期経営戦略の発表後も株主の期待値に十分応えられていない現実を取締役会、経営執行のいずれもが真摯に受け止める必要がある。健全な危機感と緊張感をもって、公式/非公式を問わず様々な場を活用し、時間軸を定めた企業価値、株主価値向上の実現のために、より踏み込んだ議論と意思決定が必要である。
●株主資本コストを下回る資本収益性が継続しており、収益構造の抜本的な改革による収益力の向上が喫緊の課題である。現状の収益性に係る根源的な真因分析及びその対策を通じて収益力の強化を着実に図る一方で、現状の延長線上ではないリコーの姿を含めて、企業価値向上の実現に資する最善の戦略・施策の選択肢を検討することが重要である。
●監督責任として、成長戦略とその道筋をさらに具体化した上でステークホルダーに示すとともに、結果を出す経営の執行力強化を図り、資本市場の期待を上回る成長戦略の迅速な実行と成果を後押しするための取締役会の実効性を発揮する必要がある。
<2025年度の対応項目①②>について
●21 次中経の最終年度として、各事業の状況のモニタリングを通じて、現場の課題や目標と実績の乖離を構造的に捉えるための議論を行い、事業計画達成に向けた施策の実行を後押しするとともに、次期経営計画の策定に向けた審議の充実を図り、株主や投資家の意見の戦略への織り込みを行った。
●取締役会のほか取締役検討会等において、企業価値向上という根源的な課題について監督と執行が真摯に討議を重ねたほか、事業・収益構造の転換に向けた収益モデルや、AI等の先端技術活用、グローバル顧客基盤の強化等、将来像を具現化するための戦略策定の監督・支援を行った。
●一方で、事業計画は達成したものの、21 次中経の目標を下方修正し、当初の計画から大幅な未達である。不確実性が高まる経営環境において収益構造の転換を図るためには、これまで以上に踏み込んだ議論が必要であり、大胆な戦略や施策を含めて、新中期経営戦略のさらなる深化・具体化を継続していくことが重要である。
●また、新経営体制での収益力強化が狙いどおりに機能しているかを注視するほか、現状の収益性に係る真因分析を通じて収益構造のボトルネックを特定する等、リソース配分の最適化や根源的な対策にまで踏み込んだ、より実効性の高い監督が必要である。
<2025年度の対応項目③>について
●グローバルで発生したガバナンスの諸事案に対するモニタリングを通じて、現状認識と課題の把握・分析を徹底し、実効的な再発防止に向けた対策について審議を重ねるとともに、執行に対して改善を促した。
●一方で、新経営体制におけるグローバルガバナンスやリスク管理のあり方、国内外の関連会社を含む管理・牽制機能の維持・強化等の議論をさらに尽くす必要があり、ガバナンスの実効性を点検した上で必要な改善を図ることが課題である。
Ⅲ.2026年度 取締役会実効性向上にむけた取り組み
上記の評価を踏まえ、当社取締役会は、2026年度は以下の〈基本方針〉に基づいて運営し、3つの具体的な〈対応項目〉を軸として取締役会の実効性向上に取り組みます。
<2026年度の基本方針>
1)企業価値向上を軸とした経営戦略・成長戦略の具体化と深化を図る
2)事業・収益構造の転換の結果を伴う経営の実行力に対する監督と支援を行う
<2026年度の対応項目>
①新中期経営戦略のローリングを通して戦略の検証と機動的な見直しを図り、企業価値・株主価値
の向上のための大胆かつ本質的な議論とともに、その実現に必要な人財・技術を含めた経営資本
の最適配分に関する議論を深め、成長や効率化に向けた果敢な投資や大胆な施策を後押しする
②監督と執行が緊張感をもって、収益性に関する徹底した現状分析によって本質的な課題を明らかにした上で、2026年度事業計画の目標達成に向けた議論を深め、収益力の向上を実現する
③新経営体制におけるグローバルガバナンスや内部統制、リスクマネジメントの実効性を点検し、複雑化・高度化するリスクに対処する体制を最適化するとともに、顕在化するリスクに対する的確な対応力を強化するための継続的な改善を促す
(Ⅶ) 業務の適正を確保するための体制
業務の適正を確保するための体制については、経営環境の変化等に対応して、定期的かつ継続的に見直しを実施し、取締役会で決議しております。
内部統制システム基本方針
当社は、当社グループの事業活動の基礎となる企業理念を「リコーウェイ」として定めております。
「リコーウェイ」は、当社の創業者による「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」という「創業の精神(三愛精神)」と、「使命と目指す姿」「価値観」によって構成され、当社グループにおける事業活動の根本的な考え方として、経営の方針と戦略及び内部統制システムの基礎となっております。
当社は「リコーウェイ」に込められた価値観に立脚して、企業倫理と遵法の精神に基づき、経営の透明性を確保しつつ、競争力の強化を目指した内部統制システムを整備・運用し、その継続的な改善に努めております。
(1)取締役及び従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
当社は、企業風土が企業活動の規律を形成する重要な要素であるという自律的なコーポレート・ガバナンスの考え方に基づき、多様なステークホルダーの期待に応えるという使命感と、社会的良識に適う高い倫理観をともに備えた企業風土の維持・強化に努める。
1) 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
1.社外取締役の招聘により、経営の透明性と公正な意思決定をより強化する。また、取締役会の過半数を社外取締役とし、多様な視点での監督機能を強化する。
2.取締役会を経営の最高意思決定機関として位置づけ、その取締役会議長を社外取締役とし、中立的な立場で取締役会をリードすることで、重要案件に対する深い議論を促し、果断な意思決定につなげる。
3.取締役会の経営監督機能強化の一環として、社外取締役を委員長とする「指名委員会」及び「報酬委員会」を設置し、各委員会の過半数を社外取締役とすることで、取締役・執行役員等の候補者選定及び報酬の透明性・客観性を確保する。また、テーマに応じて両委員会の委員が出席する「合同委員会」を開催し、多面的な視点での審議を行う。
4.取締役と監査役等が当社グループのガバナンスの方向性や課題について包括的な議論を行う場として「ガバナンス検討会」を開催し、その概要はコーポレート・ガバナンス報告書等で開示する。
5.取締役と監査役が、取締役会における会社の重要なテーマ(中期経営計画等)の決議に向けて、事前に十分な議論を尽くすための機会として「取締役検討会」を開催する。
6.社外役員間、又は社外取締役と監査役等との間で、独立した客観的な立場に基づく情報交換・認識共有を図り、取締役会における議論に積極的に貢献するとの観点から、情報共有・意見交換を図る場として「社外役員会議」を開催する。
7.会社情報開示の正確性、適時性及び網羅性を確保するために開示に関する方針を定めており、開示情報の重要性、開示の要否及び開示内容の妥当性の判定・判断を行うために、情報開示責任者であるCFOを委員長とする「開示委員会」を設置している。
2) 従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
1.コンプライアンスを含めた企業の社会的責任について、当社グループ、並びにその役員・従業員の基本的な行動の規範を定めた「リコーグループ企業行動規範」を徹底するために、専門委員会の設置、通報・相談窓口の設置及び各種教育を通じて国内外のコンプライアンスの充実を図る。また、当該窓口に報告を行った事を理由として不利な取り扱いを行うことを禁止する。
2.金融商品取引法及びその他の法令に適合することを含め、「法律、規範、社内ルールの遵守」、「業務の有効性と効率性の向上」、「財務報告、非財務情報を含む法定開示文書の高い信頼性の維持」、「資産の保全」を狙いとして、当社グループ全体で対応する、標準化された内部統制の仕組みを構築し、ビジネスプロセスの改善に努める。
3.上記機能を統合的に強化推進する専門部門(リスクマネジメント・リーガルセンター)を設置する。
4.内部監査については内部監査部門を設け、経営諸活動の遂行状況を、法令等の遵守と合理性の観点から検討・評価し、改善を行うために監査を実施する。
5.当社グループの内部統制システムの構築・改善を実現するため、内部統制の整備・運用状況を評価し、審議、決定する定期開催の「内部統制委員会」を設置する。
(2)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役の業務執行に係る決定に関する記録・稟議書については、法令及び社内規則に基づき作成・保存・管理する。保存されている書類は、取締役及び監査役の要求に応じて出庫、閲覧可能な状態にする。
(3)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
1.リスクマネジメントに関する規定に基づき損失の危険の発生を未然に防止する。
2.万一損失の危険が発生した場合においても、初期対応に関する標準に基づき、被害(損失)の極小化を図る。
3.当社グループ内外の多様化する不確実性に対応するため、「リスクマネジメント委員会」にて重大なリスクの把握とその対応状況を評価し、リスクマネジメントに係る施策を立案する。また、リスクマネジメント推進部門を設置し、諸活動をグローバルに展開する。
(4)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
1.執行役員制度の導入により、職務分掌を明確にし、事業執行については各ビジネスユニットへ権限委譲を促進することで、意思決定の迅速化を図る。また、本社のコーポレート執行役員が各々の管掌領域の範囲において各地域を統括する各地域の管理責任を担い、本社と各地域の意思決定を迅速化し、支援機能を強化する。
2.取締役会から権限委譲されたCEOが主催する意思決定機関として、一定の資格要件を満たす執行役員で構成されるGMCを設置し、委譲された範囲内でビジネスユニットの監督や最適な戦略立案等、当社グループの経営に対し、全体最適の観点で審議・意思決定を迅速に行う体制をとる。また、グループ経営に関わる重要アジェンダ討議の場として執行役員会議を設けているが、当事業年度より会社の方向性を大きく左右する戦略上重要なテーマに対する専門的見地からの提案・助言等を行う戦略諮問機関として、SABを新設する。
3.取締役会室を設置し、取締役会をサポートすることで果断な意思決定や透明性の高い経営監督を実現する。
(5)当該株式会社並びにその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社グループは、相互の独立性を尊重しつつ、当社グループの業績向上と繁栄を図るため、以下のとおり適正に業務を行う体制をとる。
1.取締役会及びGMCは、当社グループ全体の経営監督と意思決定を行う。
2.当社グループ各社に関する管理規定を定め、当社グループ各社の取締役の職務の執行に係る事項を当社に報告する体制、及び前述の職務の執行が効率的に行われるための職務権限を規定する。
3.当社グループ各社は自社に関係する損失の危険の管理を行う。万一、インシデントが発生した場合には、被害の極小化と速やかな回復を図り、当社へ速やかに報告する。
4.当社グループの取締役及び従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するために、当社グループとして遵守すべき共通の規則については、グループ共通規則「リコーグループスタンダード」として制定し、当社グループで遵守するよう推進する。
(6)監査役の職務の遂行が実効的に行われることを確保するための体制
1)監査役の職務を補助すべき従業員の取締役からの独立性及び当該従業員に対する指示の実効性の確保に関する事項
1.監査役室を設置し、監査役の指揮命令のもとで監査役の職務遂行を専従で補助する従業員を配置する。
2.上記従業員の人事評価は監査役会が行い、異動は監査役会の同意を得て実施する。
2)当社グループの取締役及び従業員等が監査役に報告をするための体制及びその他監査役への報告に関する体制
1.経営もしくは業績に影響を及ぼすリスクが発生した場合、又は職務の遂行に関連して重大なコンプライアンス違反もしくはそのおそれのある事実を認識した場合、直ちに監査役に報告する。
2.監査役に対し、重要な会議への出席の機会、重要な会議の議事録・資料を提供するとともに、重要な決裁書類等を閲覧可能にする。
3.監査役の求めに応じ、定期的又は随時に、事業及び財産の状況等を報告する。
4.監査役に報告を行った当社グループの取締役及び従業員等に対し、当該報告を行った事を理由として不利な取り扱いを行う事を禁止する。
3)その他監査役の職務の遂行が実効的に行われることを確保するための体制
1.監査役は、代表取締役と定期的な意見交換ができる。
2.当社グループの取締役及び従業員等は、監査役が行う当社及び当社グループ各社への監査に際し、実効的な監査を実施できるよう環境を整備する。
3.監査役が会計監査人及び内部監査部門との相互連携により、効率的な監査が行うことができるよう、環境を整備する。
4.監査役の職務遂行及び必要に応じて外部の専門家の助言を受けることにより生ずる費用等は当社が負担する。
(Ⅷ) 監査役候補者の選定の考え方
監査役候補者の選定基準
監査役会は、監査役としての職務の遂行を通じて、当社の健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に貢献できる人材であることに加え、特に、財務・会計に関する十分な知見を有している者が1名以上選任されること等、監査役会としての知識、経験、専門能力のバランスを考慮して、監査役候補者を選定しております。
なお、監査役候補者の選定にあたって、監査役会は以下の基準を定め、これらを総合的に判断しております。
[ 監査能力 ]
1. 適切な経験、能力及び必要な財務・会計・法律に関する知識を有していること
2. 職業的懐疑心を持ち、真摯な態度で事実を正しく調査し、客観的に物事の判断ができること
3. 自らの信念に基づいて使命感と勇気を持って、取締役又は従業員に対し能動的・積極的な助言・提言ができること
4. 株主の立場で考え、行動し、現場・現物・現実から学ぶ姿勢に基づいた監査ができること
[ 素養・人間性 ]
1. 心身ともに健康であり、監査役の任期4年を全うできること
2. 常に向上心を持ち、新たな事に対する学習意欲を持っていること
3. 各地域のマネジメントと英語によるコミュニケーションができること
社外監査役候補者の選定基準
社外監査役候補者の選定に際しては、上記の基準に加え、企業経営・財務会計・法律等における高い専門的知見及び豊富な経験を有していること、及び当社所定の「社外役員の独立性基準」と照らしあわせ、会社との関係、代表取締役その他の取締役及び主要な従業員との関係等を勘案して、独立性に問題がないことを付加的な基準としております。
なお、当社が定める独立性基準は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況 ② 社外役員の状況」をご参照ください。
ダイバーシティについて
監査役候補者の選定にあたっては、上記の監査能力や素養・人間性等のほかに、多様な経験や視点を持った監査役で構成されることが必要であると考えております。
加えて、人種、民族、性別、国籍等の区別なく、それぞれの人格及び識見に基づいて候補者を選定することで、これらの属性に関する多様性を確保することを方針としております。
(Ⅸ) 監査役候補者の選定プロセス
監査役候補者の選定にあたっては、監査役の独立性確保を重視し、「候補者の推薦」「候補者の指名・提案」を監査役会主導で行っており、そのプロセスは下図のとおりです。
監査役候補者の選定基準に基づき、監査役会は、監査役がリストアップした監査役候補者について検討し、必要に応じてCEOと協議の上、候補者の推薦を行い、指名委員会で監査役会における検討内容や推薦理由の確認を経て、候補者の指名及び取締役会への提案を行っております。
取締役会では、監査役会の提案を尊重した上で、株主総会への監査役選任議案を決議し、株主総会にて選任されております。

(Ⅹ) 関連当事者間の取引について
当社は当社グループの役員等との取引が生じる場合には、事前に取締役会にて審議・決議を行うことを内規に定めております。また、監査役は全ての取締役から年に一度、利益相反取引に関する報告書の提出を受け、関連取引の監督を行っております。
(XI) 取締役の定数
当社の取締役は、15名以内とする旨定款に定めております。
(XII) 取締役の選定の決議要件
当社は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
(XIII) 自己の株式の取得の決定機関
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、機動的に自己株式の取得を行うことを目的とするものです。
(XIV) 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
(XV) 中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を目的とするものです。
(XVI) 責任限定契約の内容の概要
当社は、2015年6月19日開催の第115回定時株主総会において、責任限定契約に関する定款を変更し、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役の責任限定契約に関する規定を設けております。
当該定款に基づき、当社が責任限定契約を締結したのは社外取締役及び社外監査役のみであり、概要は次のとおりです。
(a)社外取締役の責任限定契約
当該契約に基づく責任限度額は、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額とのいずれか高い額としております。
(b)社外監査役の責任限定契約
当該契約に基づく責任限度額は、500万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額とのいずれか高い額としております。
(XVII) 役員等賠償責任保険(D&O保険)契約の概要
当社は、当社グループの役員等(取締役・監査役・執行役員等)を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険(D&O保険)契約を保険会社と締結しており、保険料は当社が全額を負担しております。当該保険契約では、被保険者である役員等が、その地位に基づいて行った行為に起因して、保険期間中に損害賠償請求を受けた場合の損害・争訟費用等を填補するものです。ただし、被保険者である役員等が法令違反を認識して行った行為に起因して受けた損害等、一定の損害等については保険の適用対象外となります。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
2026年6月16日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりであります。
男性12名 女性1名 (役員のうち女性の比率7.7%)
(注) 1 取締役横尾敬介氏、谷定文氏、石村和彦氏、石黒成直氏及び武田洋子氏は、社外取締役であります。
2 監査役太田洋氏、鈴木国正氏及び大塚敏弘氏は、社外監査役であります。
3 取締役横尾敬介氏、谷定文氏、石村和彦氏、石黒成直氏及び武田洋子氏、監査役太田洋氏、鈴木国正氏及び大塚敏弘氏は、東京証券取引所有価証券上場規定第436条の2に定める独立役員であります。
4 2025年6月24日開催の定時株主総会の終結の時から1年以内に終了する事業年度(2026年3月期)に係る定時株主総会の終結の時まで
5 2025年6月24日開催の定時株主総会の終結の時から4年以内に終了する事業年度(2029年3月期)に係る定時株主総会の終結の時まで
6 2024年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から4年以内に終了する事業年度(2028年3月期)に係る定時株主総会の終結の時まで
取締役会、監査役会の構成及び各役員の専門性は、以下のとおりです。なお、以下の一覧表は各取締役・監査役の有するすべての知見・経験を表すものではなく代表的と思われるスキルを表したものです。

<役員体制についての基本的な考え方>
・ 当社は、「創業の精神(三愛精神)」と、「使命と目指す姿」「価値観」によって構成されるリコーウェイを深く理解し、当社の健全で持続的な成長と株主価値・企業価値の向上に貢献できる人材であることを役員選任の基本要件としております。さらに、社外取締役・監査役については、独立性・中立性を求められる立場にあることを踏まえ、経営陣に対して忖度なく意見し、独立・中立の立場から適切な助言・監督機能を発揮できる人材であることを、特に重視しております。
・ 当社は、役員のスキル保有状況に加え、社内・社外役員の構成、在任期間、多様性等を総合的に勘案の上、適切な役員体制の構築を行っております。今後も、当社を取り巻く環境変化や当社の事業戦略の進展等にあわせて、必要なスキル並びに多様性のあり方について、継続的に議論を行い、それに沿った役員体制の構築を進めております。
<主要なスキル・特記すべき専門分野の位置づけについて>
・ 当社は、経営環境や経営戦略に照らして、複数の役員によりカバーされることが望ましいスキルを、主要なスキルとして記載しております。
取締役会・委員会における役職・役割も踏まえ、各人の有するスキルのうち主なものについて最大3つに「●」をつけております。
・ 加えて、高度化・多様化する経営課題にあたる上で、個々の役員が、各自の専門分野における卓越した知見・スキルを発揮することが必要と考えており、その内容を特記すべき専門分野として記載しております。
<主要なスキルの選定理由>
*1 ERM:エンタープライズリスクマネジメント
*2 3つのP:経済(Prosperity)、社会(People)、地球環境(Planet)
当社では執行役員制度を導入しております。執行役員は16名で、構成は以下のとおりとなります。
② 社外役員の状況
当社は社外取締役5名及び社外監査役3名を選任しております。
当該社外取締役及び社外監査役と当社との関係
社外取締役
社外監査役
上記のほか各社外取締役及び各社外監査役と当社の間には、特別の利害関係はございません。
また、取締役横尾敬介氏、谷定文氏、石村和彦氏、石黒成直氏及び武田洋子氏、監査役太田洋氏、鈴木国正氏及び大塚敏弘氏は、東京証券取引所有価証券上場規定第436条の2に定める独立役員として届け出ております。
当該社外取締役及び社外監査役が当社の企業統治において果たす機能及び役割
社外取締役
社外監査役
当社は、社外取締役の選任基準を「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 (Ⅱ)取締役候補者の選定の考え方」とし、社外取締役に対して、その見識や経験を活かし、当社から独立した客観的な立場での議論を通じた意思決定及び経営監督によりコーポレート・ガバナンスの強化に寄与することを期待しております。また、監査役の選任基準については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 (Ⅷ)監査役候補者の選定の考え方、及び(Ⅸ)監査役候補者の選定プロセス」とし、監査役の独立性確保を重視するとともに、監査役候補者の選任基準に基づきその適格性を客観的に確認するものとしております。社外監査役には、それぞれの専門的知見やバックグラウンドを活かす形で、積極的な発言、監査を行うことを期待しております。各社外取締役、各社外監査役は、これらの期待を踏まえて求められる機能、役割を果たしており、また当社が定める社外役員の独立性基準を満たすこともあり、当社としては社外取締役、社外監査役の選任状況は適切と認識しております。
当社は、社外役員の独立性基準を以下のように定め、社外取締役及び社外監査役の選任にあたっては、これらの事項を確認しております。
1.当社の社外取締役及び社外監査役は、原則として独立性を有するものとし、以下各号のいずれにも該当する者とします。なお、リコーグループとは、当社及び当社の子会社で構成される企業集団をいう。
1)当社の総議決権の10%以上の株式を有する者(以下「主要株主」)又は当社の主要株主の取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人又はその他の使用人でないこと。
2)リコーグループが主要株主となっている会社の取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人又はその他の使用人でないこと。
3)現在リコーグループの取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人又はその他の使用人でないこと、又は就任の前10年内にリコーグループの取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人又はその他の使用人でなかったこと。
4)直近事業年度において又は直近事業年度に先行する3事業年度のいずれかにおいて、リコーグループを主要な取引先としていた者(リコーグループへの売上額がその者の連結売上額の2%以上である者をいう)又はその者(その者の親会社及び子会社を含む)の取締役(独立性を有する社外取締役を除く)、執行役、理事、執行役員、支配人若しくはその他の使用人でないこと。
5)直近事業年度において又は直近事業年度に先行する3事業年度のいずれかにおいて、リコーグループの主要な取引先であった者(その者への売上額がリコーグループの連結売上額の2%以上である者をいう)又はその者(その者の親会社及び子会社を含む)の取締役(独立性を有する社外取締役を除く)、執行役、理事、執行役員、支配人若しくはその他の使用人でないこと。
6)リコーグループから役員としての報酬以外で直近事業年度において又は過去3事業年度の平均で1事業年度に1,000万円以上の金額の金銭その他の財産を直接又は間接に得ているコンサルタント、公認会計士、税理士、弁護士又はその他の専門家でないこと。
7)リコーグループから直近事業年度において又は過去3事業年度の平均で1事業年度にその団体の総収入の2%以上の金額の金銭その他の財産を直接又は間接に得ている法律事務所、監査法人、税理士法人、コンサルティング・ファーム又はその他の専門的アドバイザリー・ファーム等の団体に所属する者でないこと。
8)第1号から第7号までに該当する者の配偶者、二親等内の親族又は生計を一にする親族でないこと。
9)リコーグループから取締役を受け入れている会社又はその会社の親会社若しくは子会社の取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人又はその他の重要な使用人でないこと。
10)その他、当社との間で実質的に利益相反が生じるおそれのある者でないこと。
2.前項第1号及び第4号から第9号までのいずれかに該当しない者であっても、当社の社外取締役及び社外監査役として適格であると判断される者については、当該人物が社外取締役及び社外監査役として適格であると判断する理由を対外的に説明することを条件として、当該人物を社外取締役及び社外監査役に選任することができます。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会において、業務の執行について監督しております。社外監査役は、取締役会における業務執行の監督状況及び意思決定について監査しております。
また、社外監査役は、監査役会において四半期ごとに、内部監査部門である内部監査室より活動状況等の報告を受け、会計監査を担当する監査法人からは、監査計画や監査報告、期中往査・レビュー報告結果、及び品質管理体制等について随時説明を受けております。
内部監査室及び監査法人及び常勤監査役が定期的に行う三様監査会議、並びに監査法人及び常勤監査役が定例で行う情報交換会の内容について、監査役会において常勤監査役等から報告を受けております。三様監査会議では、監査方針・計画・方法についての擦り合わせ、監査内容、監査結果の共有及び意見交換等が行われております。
その他、監査法人が実施し、内部監査室、常勤監査役が同席する取締役へのヒアリング及び監査役監査においては、必要に応じて社外監査役も同席する等、緊密な連携を維持しております。
これらの連携及び関係を通して、社外取締役及び社外監査役はそれぞれの専門的見地から適時に意見を述べております。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
a.組織・人員
当社の監査役会は、監査役5名であり、うち社外監査役が3名となります。各監査役の状況は以下のとおりです。
また、監査役室を設置し、専従かつ執行側からの一定の独立性が確保された従業員5名を配置し、グローバルな情報収集・分析や現地調査の支援等、監査役の職務を補助しております。
b.監査役会の運営
監査役会は、監査役の実効的な職務遂行のため、監査役会が定める監査役監査の基準及び監査役会規定に基づき活動しており、監査に関する重要な事項について、決議、審議、報告及び協議を行っております。
当事業年度において、監査役会は次のとおり運営しました。
● 開催回数:13回(開催時間:平均2時間44分)
● 出席率:
● 議案と主な内容:
c.監査役会及び監査役の活動状況
監査役会は、⑴取締役、⑵業務執行、⑶子会社、⑷内部監査、⑸会計監査の5つの領域についてのリスクや課題を検討し、年間の活動計画を定めています。各領域に対する監査活動及び監査役の職務分担の概要は以下のとおりで、監査活動は主に常勤監査役が担い、その内容は監査役会で適時共有しています。加えて、監査役レビューの際、各組織及び子会社従業員とのラウンドテーブルミーティングを実施し、現場における意見・課題の把握に努めています。また、社外監査役は、それぞれの専門的知見やバックグラウンドを活かす形で、常勤監査役とともに監査及び提言を行い、独立役員の立場から意見を述べています。
監査活動を通じて得られた情報及び認識した課題については、情報共有会等を通じて経営陣にフィードバック・提言することで、内部統制の強化及び業務改善に向けた対応を促進しています。
●:職務担当 □:随時
d.重点監査項目と当該項目に係る活動実績
監査役会では、当事業年度における当社の事業活動に加えて、内外環境の変化を踏まえ想定されるリスクについて検討しました。その結果、下記のように監査方針を定めました。
[監査方針]
企業価値向上プロジェクトの進捗及び実効性を継続的に注視するとともに、成長分野への経営資源配分、及びグローバルでのガバナンスや内部統制体制の構築・運用状況を、監視・検証していく。
また、次期経営戦略策定において、デジタルサービスの会社としての中長期的な成長に向けての、組織・ガバナンス体制等に関する情報及び課題を、取締役会と適宜共有するとともに、持続的な企業価値の向上に貢献すべく積極的に意見を述べる。
当年度の重点監査項目、その活動内容、実績及び各重点監査項目に対する監査役会の認識については、以下のとおりです。
e.監査役と会計監査人との連携内容
・連携内容
監査役は会計監査人と適時情報共有・意見交換を行い、緊密な連携を図るとともに、会計監査人が独立の立場を保持し、かつ適正な監査を実施しているかをモニタリングしています。
会計監査人との連携内容は、次のとおりです。
※1:第1四半期(8月)、第3四半期(2月)については、年度監査の一環としての情報共有・意見交換
※2:定例会は常勤監査役が出席、その内容は監査役会にて社外監査役に共有・意見交換
・監査上の主要な検討事項(KAM:Key Audit Matters)
当事業年度の「監査上の主要な検討事項(KAM)」について、監査役は会計監査人から監査上の論点、並びにKAM候補の提示を受け、そのリスクの概要や監査上の対応状況について協議を重ねました。
その結果、監査役会としてはKAMについて見解の相違は無く、記載内容と関連する情報開示の適切性、整合性等についても確認しています。
f.監査役による監査活動のセルフレビュー
毎年期末に監査活動のセルフレビューを各監査役が実施し、監査実績から生じた課題について明確化することで、監査品質の向上と次年度の監査活動の方針策定につなげています。セルフレビュー実施方法として、監査方針・重点監査項目に対する取り組み、代表取締役との意思疎通、内部監査部門や会計監査人との連携、本社・事業所・子会社への往査、等全27項目の実績について各監査役がアンケート形式でレビューし、結果を監査役会で分析・評価しています。
当事業年度は、主に企業価値向上プロジェクトの進展や次期中期経営戦略の策定、グローバルガバナンス体制等について、取締役会・監査役レビュー等を通じ検証するとともに、取締役会及び経営陣に対し積極的に質問・提言を行いました。一方、成長戦略の推進、グローバルでのIT・デジタルガバナンスの高度化、並びに本社機能のリソース・体制の最適化については、継続的なモニタリングとフォローアップが重要であると認識しております。
② 内部監査の状況
a. 組織・人員・手続き
内部監査については、独立した専任組織である本社の内部監査室(2026年3月末現在19名)と各グローバル拠点の監査担当組織が連携して実施しております。「内部監査規程」及び「年間監査計画」に基づき、法令等の遵守、業務の有効性と効率性、報告の信頼性、及び資産の保全の観点からのリスクアプローチにより当社グループの事業執行状況の内部監査を実施し、公正かつ客観的な立場で改善のための助言・勧告を行っております。また、内部監査の結果については、個々の監査が完了したタイミングで監査報告書を書面で被監査組織長と関連部門へ共有し、監査結果のサマリーを四半期ごとに内部統制委員会・監査役会へ、さらに半年ごとに取締役会へ報告しております。このように、取締役会・監査役会に対して直接報告を行うデュアル・レポーティング体制を構築・運用しております。加えて、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価及び報告も内部監査室で実施しております。
b. 内部監査・監査役監査・会計監査の相互連携と内部統制部門との関係
内部監査の結果や年間監査計画を含む内部統制委員会への報告内容については、監査役会には四半期ごとに内部監査室から報告の上、意見交換を行っております。
さらに常勤監査役とは毎月情報交換会を実施し、内部監査結果や内部統制の状況を報告しており、日常においても、共通のデータベースを活用し、双方の監査報告書等の情報閲覧を可能としており、緊密な連携の下に監査を実施しております。
また、監査役・内部監査室・会計監査人は、情報交換会(三様監査会議)を四半期ごとに実施しており、お互いの監査結果や会計監査人が把握した内部統制の状況及びリスクの評価等に関する意見交換を行い、緊密な連携を維持しております。
これらの監査において指摘された事項については、主管管理部門やリスク主管部門にも四半期ごとに報告し、当社グループにおいて改善の検討を行い、必要な改善・対策が講じられているか再確認するフォローアップのサイクルを通して、内部統制の強化及び業務遂行の質の向上を図っております。
③ 会計監査の状況
a. 監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
b. 継続監査期間
7年間
c. 業務を執行した公認会計士
野田 智也
池畑 憲二郎
中本 洋介
d. 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士25名、その他66名になります。
e. 監査法人の選定方針と選定した理由
監査役会は会計監査人の選定方針(再任、解任、不再任及び選任の決定の方針)を次のとおり定めております。
会計監査人の選定方針
監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項の各号に該当すると判断した場合に、監査役全員の同意によって解任する。この場合、解任及びその理由を解任後最初に招集される株主総会において報告する。
監査役会は、会計監査人評価基準を定め、会計監査人の独立性、専門性、品質管理体制、監査報酬及びグループ監査体制、並びに適正な職務の遂行が困難かどうか等を総合的に勘案し、会計監査人の選定を毎期検討する。
会計監査人の再任に疑義が生じた場合、又は監査継続期間が長期となる場合は一定期間ごとに、監査役会は複数の監査法人から提案を受け、再任又は株主総会に提出する会計監査人の解任、不再任及び選任に関する議案の内容を決定する。
監査役会は、会計監査人の選定方針(再任、解任、不再任及び選任の決定)に照らし、以下を確認しました。
・会社法第340条第1項の各号に該当する事項の有無
・会計監査人評価基準に基づき行われた会計監査人評価結果、並びに適正な職務遂行に関する阻害要因の有無等
・会計監査人の再任に対する疑義の有無
その結果、2026年4月1日から2027年3月31日までの事業年度における会計監査人として、有限責任監査法人トーマツを再任することが適当であると判断しました。
f.監査役による監査法人の評価
監査役は、監査役会が定める「会計監査人の選定方針(再任、解任及び選任の決定の方針)」に基づき、会計監査人の評価を行っております。
・評価プロセス
・評価項目
①監査法人の品質管理・外部レビュー/検査結果と対応状況
②監査チームの独立性・専門的懐疑心・適切なメンバー構成
③監査報酬・非監査報酬の内容・水準
④監査役等とのコミュニケーション
⑤経営者等との関係
⑥グループ監査(海外ネットワークファームの監査状況・連携・情報収集等)
⑦不正リスクの適切な評価や監査計画の適切な実行、不正の兆候に対する対応
⑧執行部門(経理・内部監査)による会計監査人の評価
④ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
(前連結会計年度)
当社が監査公認会計士等に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、情報セキュリティ評価制度における調査等の委託業務になります。
(当連結会計年度)
当社が監査公認会計士等に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、情報セキュリティ評価制度における調査の委託業務等になります。
監査公認会計士等の連結子会社に対する非監査業務の内容
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
b. 監査公認会計士等と同一のネットワークに対する報酬 (a. を除く)
監査公認会計士等と同一のネットワークの提出会社に対する非監査業務の内容
(前連結会計年度)
当社が監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイト トウシュ トーマツ リミテッド)に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、組織構造再編に関する助言業務等になります。
(当連結会計年度)
当社が監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイト トウシュ トーマツ リミテッド)に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、組織構造再編に関する助言業務等になります。
監査公認会計士等と同一のネットワークの連結子会社に対する非監査業務の内容
(前連結会計年度)
連結子会社が監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイト トウシュ トーマツ リミテッド)に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、税務コンプライアンス業務等になります。
(当連結会計年度)
連結子会社が監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイト トウシュ トーマツ リミテッド)に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、税務コンプライアンス業務等になります。
c. その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d. 監査報酬の決定方針
当社は、監査報酬の決定に際して、当社の事業規模や業務特性に応じた適正な監査時間について監査公認会計士等と十分な検討を行っております。
e. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況及び報酬見積りの算出根拠等が適切であるかどうか必要な検証を行ったうえで、会計監査人の報酬等の額について合理的な水準であると認め、同意の判断をしました。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
1.役員の報酬等に関する考え方
当社は、当社グループの業績向上と中長期にわたって持続的な株主価値の増大を実現することに対する有効なインセンティブとして、役員報酬を位置づけております。また、コーポレート・ガバナンス強化の視点から、報酬水準の設定や個別報酬の決定について、客観性・透明性・妥当性の確保を図るための取り組みを行っており、以下の基本方針に基づいて報酬を決定しております。
1)報酬構成
・執行役員を兼務する社内取締役の報酬は、「期待される役割・責任を反映する基本報酬」、「会社業績を反映する賞与(業績連動報酬)」、「中長期的な株主価値向上を反映する報酬」の3つの要素で構成する。
・執行役員を兼務しない社内取締役の報酬は、常勤取締役として会社の実情に精通した上で業務執行の監督を担う役割を踏まえて、基本報酬と株式報酬で構成する。
・経営の監督を担う社外取締役及び監査を担う監査役の報酬は、公正な監督や監査に専念するため、基本報酬のみとすることで業務執行からの独立性を確保する。
2)ガバナンス
・適切な外部ベンチマーク及び報酬委員会による継続的な審議・モニタリングにより、報酬制度設計、報酬水準設定及び個別報酬決定の客観性・透明性・妥当性を確保する。
・取締役の個別の報酬額は、指名委員会における取締役評価の結果等を踏まえて、報酬委員会及び取締役会で妥当性を審議する。
2.取締役の報酬等
(1)取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針の決定方法
当該方針は、取締役会の諮問機関である報酬委員会において審議を行い、取締役会へ答申し、これを踏まえ取締役会で決定しております。
(2)取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針並びに当事業年度に係る業績連動報酬等及び
非金銭報酬等に関する事項
1)報酬の決定プロセス
当社は、インセンティブ付与を通じた収益拡大と企業価値向上及びコーポレート・ガバナンス強化に向け、より客観的で透明性のある報酬の検討プロセスを構築するために、報酬委員会を設置しております。報酬委員会は、取締役の報酬基準及び業績に基づき、また、指名委員会における取締役の評価結果等を踏まえ、複数回にわたる審議を経た上で、基本報酬・賞与・株式取得目的報酬・業績連動型株式報酬に関する各々の報酬案を決定し、取締役会へ答申しております。
取締役会は、報酬委員会から答申のあった各報酬議案について、審議・決定を行っております。賞与については、取締役賞与フォーミュラに基づく個人別賞与額が適切であることを確認の上、賞与支給総額並びに株主総会への取締役賞与支給議案及び付議の要否を決定しております。株主総会で取締役賞与支給議案が決議された後、取締役会で決定された個人別賞与額が支払われます。
2)報酬水準の決定方針
基本報酬、短期・中長期インセンティブいずれについても、企業業績との適切な連動性確保の観点から、毎年の報酬委員会で当社の業績に対する報酬の水準の妥当性に関して、報酬区分ごとに確保できているかを判定しております。その際に、外部専門機関の調査結果に基づくピアグループの役員の報酬水準を目安とし、短期・中長期インセンティブについては、当社の業績に応じて支給率が変動するように設定しております。
3)取締役の報酬

1.基本報酬
取締役に期待される役割・責任を反映する報酬として、在任中に支払う月次金銭報酬です。株主総会で決定された報酬総額の範囲内で支給額を決定し、当事業年度の支給総額は、2億6,421万円になります。
2.業績連動型賞与(短期)
業績連動型賞与は対象事業年度の会社業績と株主価値向上を反映する報酬として、事業年度終了後に支払う金銭報酬となり、当事業年度は以下を評価指標として設定しております。
* DJ BIC(Dow Jones Best-in-Class) Indices :従来の「Dow Jones Sustainability Indices(DJSI)」が名称変更されたもので、S&Pグローバルの評価に基づき、持続可能性に優れた企業を選出する世界的なESG指数
また、報酬委員会においては、下記取締役賞与フォーミュラにより算出された結果に基づき、指名委員会における取締役評価の結果等も含めて、個別賞与支給額の妥当性を審議の上、取締役会に答申し、取締役会は、これを踏まえ、株主総会への取締役賞与支給議案付議の要否を決定しております。
当事業年度の賞与については、報酬委員会の審議において下記取締役賞与フォーミュラにより算出された結果が適切であると判断され、支給総額は 8,645万円になります。
(ご参考)取締役賞与フォーミュラ

各評価指標の目標値と実績値(2025年度)
(注) 目標値は、2025年5月14日公表の、2024年度決算説明における2025年度の見通しの数値
3.株主価値向上を反映する報酬(中長期)
株主価値向上を反映する報酬は、中長期的な企業価値向上へのコミットメントを強化する目的として、以下の「株式取得目的報酬」と「業績連動型株式報酬」で構成されております。
(株式取得目的報酬)
株式取得目的報酬は、取締役の保有株式数を着実に増やし、株価の変動による利益・リスクを株主と共有することを目的とした金銭報酬となります。在任中に定額を毎月支給し、その同額を当社役員持株会を通じて当社株式の取得に充当します。報酬額は、株主総会で決定された報酬総額の範囲内で役位別に設定しており、当事業年度の支給総額は、1,212万円になります。
(業績連動型株式報酬)
業績連動型株式報酬(以下、本制度)は、当社が金銭を拠出することにより設定する株式交付信託(以下、本信託)が取引所市場(立会外取引を含む)から当社の普通株式(以下、当社株式)を取得し、当社が各取締役に付与するポイント数に相当する数の当社株式が本信託を通じて各取締役に対して交付される制度です。なお、取締役が当社株式を受け取る時期は、原則として業績評価対象期間(各年の4月1日を開始日とする連続する3事業年度単位の各期間を指す。)の終了後とします。また、当社が各取締役に付与するポイント数は、取締役会決議により定められた株式交付規程に基づく職務グレード別の基準となる金額を元に、業績評価対象期間における当社のTSR成長率とTOPIX(配当込み)のTSR成長率との相対評価、及びピアグループのTSR成長率との相対順位、並びにESG目標達成度合いに応じて(0〜200%の範囲で変動)決定し、1ポイント1株として当社株式を交付します。そして、会社に影響を及ぼす重大な不適切行為が取締役在任期間中に、あった場合等には、株式報酬の返還要請を行うべく、マルス・クローバック条項を定めております。
なお、本制度は、2023年6月23日開催の第123回定時株主総会決議により、株価条件付株式報酬制度を一部改定し、2023年9月1日付で導入したものです。変更前の制度については、原則として、2023年9月1日以降の新たなポイント付与を停止し、累積ポイントに対応する数の当社株式は、変更前の制度の規定に従い、退任時に交付します。当事業年度の付与ポイントに基づく費用計上額は 7,866万円です。
(本制度のポイント)
(ご参考) 本制度における権利付与から株式交付までのイメージ

X年度分の付与ポイントは、X年度とその後2事業年度(X+1年、X+2年)の期間を含めた3事業年度分の業績評価対象期間で評価され、業績評価対象期間(3事業年度分)が終了した3年後(X+3年)にX年度の単年度分の付与ポイント数が確定し、株式交付されます。同様に、X+1年度分の付与ポイントも、X+1年度とその後2事業年度(X+2年、X+3年)の期間を含めた3事業年度分の業績評価対象期間で評価され、業績評価対象期間(3事業年度分)が終了した3年後(X+4年)にX+1年度の単年度分の付与ポイント数が確定し、株式交付されます。
(ご参考)取締役の業績連動型株式報酬のフォーミュラ

(3)取締役の固定報酬と変動報酬の支給割合の決定に関する方針
役割・責任ごとの業績に対する責任を明確にするため、固定報酬(基本報酬)と変動報酬(業績連動型賞与、株式取得目的報酬、業績連動型株式報酬)の支給割合は、経営責任の重い者ほど変動報酬の割合が増える設計としております。最上位の社長執行役員は、当事業年度の業績目標の標準達成時(営業利益800億円、ROE5.4%)には、概ね固定・変動の比率が5:5の割合となり、業績目標の最大達成時(営業利益960億円以上、ROE8.1%以上)には固定・変動の比率が3:7の割合となります。
今後も中長期的な株主価値・企業価値の向上を重視し、株主価値や業績に連動した変動報酬の割合を一層高めていく方針で、報酬区分ごとの適切な報酬額の検討を継続審議していきます。

(4)その他取締役の個人別の報酬等についての決定に関する重要な事項
1)株式報酬の返還(マルス・クローバック条項)
業績連動型株式報酬においては、当社取締役会にて決議する株式交付規程のマルス条項及びクローバック条項の定めに従い、当社に影響を及ぼす重大な不適切行為があった場合等には、取締役会の決議により、その該当した時点において、それまでに付与されていたポイントの全部又は一部を失効させ、対象となる取締役は、失効したポイントに係る受益権を取得しないものとしております。
また、当社株式の交付、及び当社株式に代わる金銭の交付を既に受けた者においても、ポイントの総数に請求日の東京証券取引所における当社株式の終値を乗じて得た額について、返還を請求することができるものとしております。
2)一定期間の株式売買禁止
業績連動型株式報酬においては、インサイダー取引規制への対応として、当社株式交付後も、退任の翌日から1年間が経過するまでは当該株の売買を行ってはならないものとしております。
3)著しい環境変化等における報酬の取り扱い
著しい環境変化や、急激な業績の悪化、企業価値を毀損するような品質問題・重大事故・不祥事等が発生した場合には、取締役会の決議により、臨時に取締役報酬を減額又は不支給とすることがあります。
(5)取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると取締役会が判断した理由
当事業年度の取締役の個人別の報酬等の内容の決定にあたっては、報酬委員会が上記決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行い、取締役会はその答申を尊重した上で審議・決定を行っているため、当事業年度の取締役の個人別の報酬等の内容は、上記決定方針に沿うものであると判断しております。
3.監査役の報酬等
監査役の報酬は、適切に監査を行う役割に対する基本報酬のみで構成されております。各監査役の報酬については、外部専門機関による報酬水準の客観的なデータを踏まえて、あらかじめ株主総会で決議された監査役報酬枠の範囲内で、監査役の協議により決定しております。
4.役員の報酬等に関する株主総会の決議に関する事項

② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
1 取締役の基本報酬の限度額は、2025年6月24日開催の第125回定時株主総会において、年額552百万円以内(うち社外取締役分は年額144百万円以内)と決議されております。監査役の基本報酬の限度額は、2025年6月24日開催の第125回定時株主総会において、年額150百万円以内と決議されております。
2 取締役の報酬等の額には、従業員兼務取締役の従業員分給与は含まれておりません。
3 2019年6月21日開催の第119回株主総会において、株価連動給の新規支給の取り止め、株価条件付株式報酬の導入が決議されております。また、2023年6月23日開催の第123回株主総会において、株価条件付株式報酬制度の内容を一部変更したうえで「業績連動型株式報酬制度」として継続することを決議しております。上記は日本基準により当事業年度に費用計上した金額を記載しております。
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等
(注) 当事業年度においてCEOの地位にあった者及び連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載をしております。
④従業員兼務役員の従業員分給与について
該当なし。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資を純投資目的である投資株式とし、それ以外を純投資以外の目的である投資株式としております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、業務提携や、協働ビジネス展開等の円滑化及び強化の観点から、配当等のリターンも勘案しつつ、今後の当社グループの発展に必要かつ有効と認められる場合に限り、関連するパートナーの株式等を保有することができるものとしております。
具体的には、毎年取締役会において個別銘柄ごとに保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を検証し、中長期的に保有の意義が認められなくなったと判断される銘柄については縮減を図るものとしております。
b. 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
該当事項はありません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c. 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
みなし保有株式
(注) 1 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりませ
ん。
2 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
3 当該株式の発行者が子会社の経営管理を行うことを主たる業務とする場合に該当すると考えられる者
等については、その者の子会社の保有状況を含めて当社の株式の保有の有無を記載しております。
4 定量的な保有効果は個別の取引条件を開示できないため記載が困難であります。なお、保有の合理性
については、業務提携や、協働ビジネス展開等の円滑化及び強化の観点から、配当等のリターンも勘
案しつつ、今後の当社グループの発展に必要かつ有効と認められるか、保有に伴う便益やリスクが資
本コストに見合っているか等の観点から検証しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
当社は保有目的が純投資目的である投資株式を保有しておりません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 人的資本・多様性への対応」を参照ください。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は重要性がないので記載を省略しております。
② 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日7.5時間換算)であります。
2 臨時従業員には、嘱託(シニアを含む)、パート・アルバイトの従業員を含み、人材派遣社員、業務委託、請負の従業員を除いております。
3 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。
③ 労働組合の状況
当社及び一部の連結子会社において労働組合が結成されておりますが、労使関係については特に記載すべき事項はありません。
④ 多様性に関する指標
当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。
a.女性活躍推進法及び育児・介護休業法に基づく開示
(注)
1 上記は社員100名以上又は「えるぼし」認定企業を対象としております。
2 正社員に占める女性比率は2026年3月末時点、管理職に占める女性比率は2026年4月1日時点となります。
3 管理職に占める女性比率及び男女の賃金格差については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもので、出向者は出向元の従業員として集計しております。
4 男性の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したもので、出向者は出向元の従業員として集計しております。なお、男性の育児休業取得率算出にあたっての各条件は厚生労働省発行のリーフレット「男性の育児休業取得率等の公表について」の記載に準じております。また、前連結会計年度以前に子が生まれた社員が当連結会計年度に取得するケースがあるため、100%を超えることがあります。
5 「-」は対象となる従業員が無いことを示しております。
6 男女の賃金格差について、基本的に処遇は男女同一であり、現在生じている格差は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。
b.連結会社の状況
(注)
1 正社員に占める女性比率は2026年3月末時点、管理職に占める女性比率は2026年4月1日時点となります。
2 管理職に占める女性比率及び男女の賃金格差については、出向者を出向元の従業員として集計しております。
3 当社及び国内連結子会社の男性の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したもので、出向者は出向元の従業員として集計しております。なお、男性の育児休業取得率算出にあたっての各条件は厚生労働省発行のリーフレット「男性の育児休業取得率等の公表について」の記載に準じております。また、前連結会計年度以前に子が生まれた社員が当連結会計年度に取得するケースがあるため、100%を超えることがあります。
4 男性の育児休業取得率については、海外連結会社のデータ収集を実施していないため「-」とし、記載を省略しております。
5 男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、賃金は基本給及び賞与等のインセンティブを含んでおります。基本的に処遇は男女同一であり、現在生じている格差は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。
6 当社における男女間賃金格差は管理職では 93.5%となります。
7 第三者検証中の暫定値、確定値は2026年8月に以下ウェブサイト上で開示予定
https://jp.ricoh.com/sustainability/data
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、国際会計基準に準拠して作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及び国際会計基準に基づいて連結財務諸表を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及び国際会計基準に基づいて連結財務諸表を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は以下のとおりです。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、又は会計基準等の変更等について的確に対応するため、公益財団法人財務会計基準機構等から情報の収集を行い、適正性の確保に努めております。
(2) 国際会計基準の適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、国際会計基準に基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、国際会計基準に準拠したグループ会計方針及び会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
(注) その他の収益には固定資産売却益等が含まれております。
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
(注)連結財政状態計算書上の現金及び現金同等物と連結キャッシュ・フロー計算書上の現金及び現金同等物の差異は当座借越であります。
【連結財務諸表注記】
1 報告企業
株式会社リコー(以下、当社)は日本に所在する企業であります。当社の連結財務諸表は、当社及び連結子会社(以下、当社グループ)、並びに当社の関連会社に対する持分により構成されております。当社グループは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ及びその他のセグメントにおいて、開発、生産、販売・サービス等の活動を展開しております。各分野の内容については、注記5 事業セグメント に記載しております。
2 作成の基礎
(1)連結財務諸表が国際会計基準に準拠している旨の記載
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表された国際会計基準に準拠して作成しております。当社は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という)第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第312条の規定を適用しております。
(2)測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記3 重要性がある会計方針 に記載のとおり、公正価値で測定されている特定の金融商品、退職後給付に係る資産又は負債等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3)機能通貨及び表示通貨
当社グループ各社の財務諸表に含まれる項目は、当社グループ各社がそれぞれ営業活動を行う主たる経済環境の通貨(以下、「機能通貨」という。)を用いて測定しております。連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示しております。
(4)新基準書の適用
当社グループは、当連結会計年度より以下の基準書を適用しております。
上記基準書の適用が当社グループの連結財務諸表に与える重要な影響はありません。
(5)新基準書の早期適用
早期適用した基準書等はありません。
(6)見積り及び判断の利用
国際会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定をすることが義務付けられております。ただし、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える事項は、有形固定資産、無形資産及びのれんの減損、及び繰延税金資産の認識であります。当社グループは、見積り及びその基礎となる仮定に基づいて将来の事業計画を設定した上で、のれん及び固定資産の減損テストや繰延税金資産の回収可能性の評価を行っております。詳細につきましては、注記12 減損損失(有形固定資産、無形資産及びのれんの減損)及び注記21 法人所得税(繰延税金資産の認識)をそれぞれご参照ください。
なお、上述の事項以外に翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある仮定及び見積りの不確実性に関する事項は以下のとおりです。
注記13 リース(リース期間の見積り)
注記18 引当金(債務を決済するために必要となる支出の見積り)
注記22 従業員給付(確定給付制度債務の現在価値等の見積り)
注記25 金融商品及び関連する開示(貸倒引当金、金融商品の公正価値の見積り)
注記27 売上高(収益の認識における変動対価の見積り)
3 重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。のれんは、取得日時点で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び段階取得の場合には取得日以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日公正価値の合計額から、取得日時点の識別可能な取得資産及び引受負債の純認識額を控除した額で、測定しております。この差額が負の金額である場合には即時に純損益として認識しております。企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、暫定的な金額で会計処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、暫定的な金額の修正を行います。発生した取得費用は損益として処理しております。
共通支配下における企業結合取引、すなわち、すべての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的なものではない企業結合取引については、帳簿価額に基づき会計処理しております。
② 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当社グループはその企業を支配しております。
子会社の財務諸表は、支配を獲得した日から支配を喪失する日までの間、当社の連結財務諸表に含まれております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っております。
連結財務諸表の作成にあたり、連結会社間の債権・債務及び連結会社間の取引は、消去しております。
支配が継続する子会社に対する当社の持分変動は、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益で認識しております。
③ 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業をいいます。
関連会社(以下、持分法適用会社)への投資は、持分法を用いて会計処理しており、取得時に取得原価で認識しております。当社グループの投資には、取得時に認識したのれんが含まれております。
連結財務諸表には、重要な影響が開始した日から終了する日までの持分法適用会社の収益・費用及び持分の変動に対する当社持分が含まれております。持分法適用会社の会計方針は、当社グループが適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しております。
(2) 外貨
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レートで当社グループの各機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しております。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に再換算しております。
再換算及び決済により発生した換算差額は、その期間の純損益で認識しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債は、取得により発生したのれん及び公正価値の調整額を含め、期末日の為替レートで換算しております。また、在外営業活動体の収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートで換算しております。為替レートに著しい変動がある場合には、取引日の為替レートが使用されます。
換算差額はその他の包括利益で認識しております。在外営業活動体を処分し、支配、重要な影響力を喪失する場合には、この在外営業活動体に関連する換算差額の累積額は、処分に係る利得又は損失の一部として純損益に振り替えられます。
(3) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に一定の金額に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(4) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い方の金額で測定しております。棚卸資産の取得原価には、購入原価及び加工費が含まれており、主として総平均法に基づいて算定されております。加工費は、固定及び変動製造間接費の適切な配賦額を含んでおります。
正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した金額であります。
(5) 売却目的で保有する資産
継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産(又は処分グループ)は、売却目的保有として分類しております。
非流動資産(又は処分グループ)を売却目的保有へ分類するためには、現状のままで直ちに売却することが可能であり、かつ、経営者が非流動資産(又は処分グループ)の売却計画の実行を確約し、売却が1年以内に完了する見込みである場合に限っており、その売却の可能性が非常に高いと言えることを条件としております。
売却目的保有へ分類した後には、非流動資産(又は処分グループ)を帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で測定し、減価償却を行っておりません。
非流動資産(又は処分グループ)の測定について、当社グループは、売却コスト控除後の公正価値までの当初又は事後の評価減にかかる減損損失を純損益で認識しており、利得を認識する場合には過去に認識した減損損失累計額を上限としております。
(6) 有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産については、原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、資産の解体・除去等に係る費用の見積り額が含まれております。
有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しております。
② 取得後の支出
通常の維持及び補修に係る支出については発生時に費用として処理し、主要な取替及び改良に係る支出については、その支出により将来当社グループに経済的便益がもたらされることが見込まれる場合に限り資産計上しております。
③ 減価償却
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産は、主として見積耐用年数にわたる定額法で減価償却を行っております。主な有形固定資産の見積耐用年数は建物及び構築物が2年から60年、機械装置及び運搬具が1年から20年、工具器具及び備品が1年から20年であります。減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、連結会計年度期末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(7) のれん及び無形資産
① のれん
のれんの当初認識時における測定は、「(1) 連結の基礎 ① 企業結合」に記載しております。のれんについては償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しております。
② 無形資産
当社グループは、無形資産の測定において原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
(ⅰ)自社利用ソフトウエア
当社グループは、自社利用ソフトウエアの取得及び開発に際し発生した内部及び外部向けの一定の原価を資産計上しております。これはアプリケーション開発段階及びソフトウエアのアップグレードや機能性を付加する増強の際に発生するもので、概ね2年から10年にわたり定額法で償却しております。
(ⅱ)開発資産
当社グループの開発活動(又は内部プロジェクトの開発局面)で発生した費用は、以下のすべての条件を満たしたことを立証できる場合にのみ、資産計上しております。
・使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
・無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという企業の意図
・無形資産を使用又は売却できる能力
・無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
・無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
・開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
これらの開発資産の償却は、当該プロジェクトの終了の後、量産が開始される時点より償却され、当該開発資産が正味のキャッシュ・インフローをもたらすと期待される2年から10年の見積耐用年数にわたって定額法により行っております。なお、上記の資産計上の要件を満たさない開発費用及び研究活動に関する支出は、発生時に費用処理しております。
(ⅲ)その他の無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合の一部として取得し、のれんと区別して認識された無形資産は、当初認識時に取得日時点の公正価値で測定しております。
(ⅳ)償却(開発資産を除く)
耐用年数の確定できる無形資産については、経済的耐用年数にわたって償却し、減損の兆候がある場合には減損の有無を判定しております。耐用年数が確定できる無形資産は、主にソフトウエア、顧客関係及び商標権からなっており、その見積耐用年数にわたり定額法で償却しております。その見積耐用年数は1年から20年です。耐用年数が確定できない無形資産又は未だ使用可能ではない無形資産は償却を行わず、耐用年数が明らかになるまで減損テストを行っております。
(8) 有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産の減損
当社グループは、棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産の帳簿価額について、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額に基づく減損テストを実施しております。のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無に関わらず毎年減損テストを実施しております。
減損テスト実施の単位である資金生成単位については、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとして識別される資産グループの最小単位としております。のれんの資金生成単位については、内部管理目的でモニターされている最小の単位で、集約前における事業セグメントの範囲内となっております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び将来キャッシュ・フローの見積りにおいて考慮されていない当該資産に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。
全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生成しないため、全社資産に減損の兆候がある場合、当該全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に当該単位内のその他の資産に対し、各資産の帳簿価額の比に基づき配分しております。
過去の期間に減損損失を認識した資産又は資金生成単位については、過去の期間に認識した減損損失の戻し入れの兆候の有無を判断しております。減損損失の戻し入れの兆候が存在する資産又は資金生成単位については、回収可能価額を見積り、回収可能価額が帳簿価額を上回る場合に減損損失の戻し入れを行っております。減損損失の戻し入れ後の帳簿価額は、減損損失を認識しなかった場合に戻し入れが発生した時点まで減価償却又は償却を続けた場合の帳簿価額を上限としております。なお、のれんに関連する減損損失は戻し入れをしておりません。
(9) リース
① 借手としてのリース
当社グループは、リースの契約時に、当該契約がリース又はリースを含んだものであるのか否かを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。
原資産が不動産である場合、契約の対価を、独立価格の比率に応じてリース構成部分と非リース構成部分に配分しております。また、原資産が不動産以外である場合、リース構成部分と非リース構成部分を区別せずに、単一のリース構成部分として会計処理をすることを選択しております。契約がリースであるか又はリースを含んでいる場合、当社グループはリースの開始日において使用権資産及びリース負債を認識しております。
リース負債は、リース料総額の未決済分を開始日における借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しております。使用権資産は、リース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した額で当初の測定を行っております。
使用権資産については、原価モデルを適用し、見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間にわたって定額法により減価償却しております。リース料は、実効金利法に基づき、金利費用とリース負債の返済額とに配分しております。金利費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。ただし、リース期間が12か月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
② 貸手としてのリース
契約により、実質的にすべてのリスク及び経済的便益が借手に移転するリースは、ファイナンス・リースとして分類しております。ファイナンス・リース以外のリースはオペレーティング・リースに分類しております。
製造業者又は販売業者としての貸手となる場合、ファイナンス・リースに係る販売損益は、物品販売と同様の会計方針に従って認識しております。金融収益については、リース期間の起算日以降実効金利法に基づき認識しております。製造業者又は販売業者としての貸手にならない場合、金融収益について、リース期間の起算日以降実効金利法に基づき認識しております。計算利子率は、最低受取リース料総額と無保証残存価値を合計した現在価値を、リース資産の公正価値と貸手の当初直接コストの合計額と等しくする割引率で算定しております。
オペレーティング・リースに係る収益は、リース期間にわたり定額法で認識しております。
(10) 引当金
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響が重要である場合、引当金は当該債務に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。
資産除去債務は、資産の解体・除去費用、原状回復費用、並びに資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しております。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しております。
製品保証引当金は、製品のアフターサービスに対する費用支出に備えるため、保証期間内のサービス費用見積額に基づき計上しております。なお、製品保証引当金繰入額は、連結損益計算書上、売上原価に含めて表示しております。
(11) 政府補助金
政府補助金は、その補助金交付に付帯する諸条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。収益に関する補助金は、補助金により保証される期間にわたって、純損益として認識しております。純損益として認識された補助金については主に関連する費用から控除しております。また、資産の取得に対する補助金は、繰延収益として認識し、補助金の対象設備の耐用年数にわたって、純損益で認識しております。
(12) 従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、確定給付型年金制度及び確定拠出型年金制度を採用しております。
確定給付型年金制度に関連する純債務は、制度ごとに従業員が過年度及び当連結会計年度において獲得した将来給付額の現在価値から制度資産の公正価値を差し引くことにより算定しております。確定給付型年金制度が積立超過である場合は、制度からの返還又は制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値を資産上限額としております。確定給付型年金制度から生じる数理計算上の差異はその他の包括利益で認識し、発生時にその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。また、過去勤務費用は発生時に純損益として認識しております。
確定拠出型年金制度の拠出は、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付は、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。当社グループが従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的及び推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合、支払われると見積られる額を負債として認識しております。
(13) 株式に基づく報酬
当社グループは、持分決済型の株式報酬制度及び現金選択権付きの株式報酬制度を採用しております。
持分決済型の株式報酬制度において、受け取ったサービスの対価は、付与した資本性金融商品の付与日における公正価値を参照して測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。
現金選択権付きの株式報酬制度において、企業に現金又は他の資産で決済する負債が発生している場合にはその範囲で現金決済型の取引として、そのような負債が発生していない場合には、その範囲で持分決済型の取引として処理しております。持分決済型の取引に該当する部分については、付与した資本性金融商品の付与日における公正価値を参照して測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。現金決済型の取引に該当する部分については、受け取ったサービス及び発生した負債を、当該負債の公正価値によって見積り、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しております。
(14) 金融商品
当社グループは、非デリバティブ金融資産及び金融負債をそれぞれ、(ⅰ)償却原価で測定する金融資産、(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、(ⅲ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品、(iv)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産、(v)償却原価で測定する金融負債、(vi)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
① 当初認識及び測定
当社グループは、営業債権及びその他の債権を発生日に当初認識しております。通常の方法で売買される金融資産は決済日に当初認識しております。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は公正価値で当初認識しております。償却原価で測定する金融資産、並びに、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品及び資本性金融商品は、取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算した金額で当初認識しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない売上債権は、取引価格で当初測定しております。
② 分類及び事後測定
(ⅰ)償却原価で測定する金融資産
当社グループが保有する金融資産のうち、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後、実効金利法を用いて算定し、必要な場合には減損損失を控除した金額で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失は、当期の純損益で認識しております。
(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
当社グループが保有する金融資産のうち、以下の要件をともに満たす場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的とする事業モデルに基づいて保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後は公正価値で測定し、事後的な変動のうち、為替差損益、減損利得又は減損損失、利息収益は純損益に認識し、その他の変動は、その他の包括利益に含めて認識しております。認識を中止した場合には、その他の包括利益の累積額を純損益に振り替えております。
(ⅲ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品以外の金融資産のうち、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益で表示するという取消不能の選択をした資本性金融商品については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に分類しております。
当初認識後は公正価値で測定し、その変動額はその他の包括利益として認識しております。当該金融資産の公正価値が著しく下落した場合、又は認識を中止した場合にはその他の包括利益の累積額を利益剰余金に直接振り替えております。
なお、当該金融資産からの配当金については、純損益として認識しております。
(iv)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産、又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品及び資本性金融商品以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(v)償却原価で測定する金融負債
当社グループが保有する社債及び借入金、営業債務及びその他の債務については公正価値から金融負債の発行に直接帰属する取引費用を控除して当初認識しております。
当初認識後は、これらの金融負債は償却原価で測定しております。
(vi)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債以外の金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
③ 非デリバティブ金融資産及び非デリバティブ金融負債の認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は、当該金融資産の所有に係るリスク及び便益を実質的にすべて移転する取引において金融資産を譲渡する場合に、当該金融資産の認識を中止しております。
金融負債は、契約上の義務が免責、取消、又は失効となった場合に、認識を中止しております。
④ 非デリバティブ金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産等に係る減損につきましては、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。当社グループは、事業年度の末日ごとに、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。信用リスクが著しく増大しているか否かの判断は、債務不履行が発生するリスクの変化に基づいており、その判断にあたっては、一定の期日経過情報や取引先の財政状態悪化等の客観的情報を考慮しております。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定しております。金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない売上債権等については、単純化したアプローチにより貸倒引当金を測定しております。
金融商品の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積もっております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、連結会計期間の末日時点で過大なコストや
労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
当該測定に係る金額は、純損益として認識しております。減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を純損益として戻し入れております。
⑤ 資本
(ⅰ)普通株式
当社が発行した資本性金融商品の発行に直接関連する費用は、資本の控除項目として認識しております。
(ⅱ)自己株式
当初発行後に再取得した自己の資本性金融商品(自己株式)は、支払対価(株式の取得に直接起因する取引コストを含む)を、資本の控除項目として認識しております。自己株式を売却した場合、受取対価を資本の増加として認識しております。
⑥ デリバティブ及びヘッジ活動
当社グループは為替、金利に係る市場リスクを管理するためにデリバティブを利用しております。グループ内規定に基づき、売買目的及び投機目的のデリバティブは保有しておりません。当社グループはすべてのデリバティブを連結財政状態計算書に公正価値で認識しております。当社グループはデリバティブの契約を締結する際に、当該デリバティブがヘッジ関係の一部として適格であるか否かの判定を行っております。当社グループはヘッジ会計が適用されるデリバティブを、(ⅰ) 連結財政状態計算書に計上された資産又は負債の公正価値の変動をヘッジするための公正価値ヘッジ、(ⅱ) 連結財政状態計算書に計上された資産又は負債に付随する受払い及び可能性が非常に高い予定取引に関連するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのキャッシュ・フロー・ヘッジのいずれかとして指定しております。
当社グループはリスク管理の目的や様々なヘッジ取引の戦略とあわせて、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係について正式に文書化しております。このプロセスには、公正価値ヘッジ又はキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるすべてのデリバティブと、連結財政状態計算書の特定の資産及び負債又は特定の確定約定あるいは可能性が非常に高い予定取引との関連付けが含まれております。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとして指定されるデリバティブについては公正価値評価され、デリバティブの公正価値の変動による純損益と、ヘッジ対象の公正価値の変動による純損益を相殺しております。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブについては、ヘッジが有効である部分の公正価値の変動額をその他の包括利益に含めて表示し、ヘッジされた取引が純損益に影響を与える時点で純損益に組替えております。キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジの有効でない部分については直ちに純損益に計上しております。
(ⅲ)ヘッジ会計が適用されないデリバティブ
ヘッジ会計が適用されないデリバティブは公正価値で計上し、公正価値の変動額は当期の純損益に計上しております。
(15) 収益
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき収益の認識及び測定を行っております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
具体的な収益認識の基準は注記27 売上高 に記載しております。
(16) 金融収益及び金融費用
金融収益は主に受取配当金、受取利息及び為替差益から構成されております。受取配当金は当社グループの受領権が確定した日に認識しております。受取利息は実効金利法を用いて発生時に認識しております。
金融費用は主に支払利息及び為替差損から構成されております。支払利息は実効金利法を用いて発生時に認識しております。
(17) 法人所得税
法人所得税費用は当期税金費用と繰延税金費用から構成されております。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識する項目から生じる場合、及び企業結合から生じる場合を除き、純損益で認識しております。
当期税金は、期末日時点において施行又は実質的に施行される法定税率及び税法を使用して算定する当期の課税所得又は損失に係る納税見込額あるいは還付見込額の見積りに、前連結会計年度までの納税見込額あるいは還付見込額の調整額を加えたものです。
繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。企業結合以外の取引で、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る差異については、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。さらに、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識しておりません。ただし、単一の取引から資産と負債の両方を同額で認識する特定の取引については、認識される資産に係る将来加算一時差異に対し繰延税金負債を、認識される負債に関する将来減算一時差異に対し繰延税金資産を、それぞれ当初認識する方法を採用しております。
子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異について繰延税金負債を認識しております。ただし、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識しておりません。子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異から発生する繰延税金資産は、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な将来に解消される可能性が高い範囲でのみ認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日時点において施行又は実質的に施行される法律に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率を用いて測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、又は、異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び負債を純額で決済することを意図している場合、もしくはこれら税金資産を実現させると同時に負債を決済することを予定している場合に相殺しております。
繰延税金資産は、未使用の税務上の欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎期末日に再査定し、税務便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲内で、繰延税金資産の帳簿価額を減額しております。
(18) 1株当たり利益
基本的1株当たり利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、各算定期間の自己株式を調整した普通株式の加重平均発行済株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり利益は、加重平均発行済株式数の算定において、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を考慮しております。
(19) セグメント報告
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位の1つです。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、マネジメントが定期的にレビューしております。
4 適用されていない基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、2026年3月31日現在において当社グループが適用していない主なものは、以下のとおりです。IFRS第19号「公的説明責任のない子会社:開示」については、当社グループの連結財務諸表に重要な影響はないと判断しております。それ以外の新設・改訂による当社グループへの影響は検討中であります。
5 事業セグメント
当社グループにおける事業の種類別セグメントは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他で構成されております。
事業の種類別セグメントの主な事業内容は以下のとおりです。
(注)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
セグメント損益は、営業利益で表示しており、当社の経営者により経営資源の配分の決定や業績の評価の目的に使用されております。セグメント損益に含まれない項目としては、主にセグメント間取引における棚卸資産・固定資産の未実現利益の消去となります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における事業の種類別セグメント及び地域別情報は以下のとおりです。セグメント間取引は独立企業間価格で行っております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結売上高の 10%以上を占める重要な単一顧客はありません。
(1) 事業の種類別セグメント情報
セグメント間の売上高は、主にデジタルプロダクツからデジタルサービスに対する売上です。
消去又は全社には、国内でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を含みます。
セグメント間の売上高は、主にデジタルプロダクツからデジタルサービスに対する売上です。
前連結会計年度及び当連結会計年度のセグメントごとの構造改革費用は以下のとおりです。
前連結会計年度の「本社又は全社」には、国内でのセカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用を含みます。
前連結会計年度及び当連結会計年度のセグメントごとの資産合計、資本的支出、減価償却費及び無形資産償却費は以下のとおりです。
各資産は、その資産から主に利益を享受する事業の種類別セグメントに割り当てられております。
本社又は全社に含まれる資産の主なものは、特定のセグメントに属さない現金及び現金同等物、その他の金融資産、持分法で会計処理されている投資、繰延税金資産です。
(2) 製品別売上高情報
製品別の外部顧客に対する売上高は以下のとおりです。
(3) 地域別情報
顧客の所在地別売上高、地域別非流動資産(有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産)残高は以下のとおりです。
6 企業結合及び非支配持分の取得
(前連結会計年度)
(合弁会社「エトリア株式会社」の組成)
当社と東芝テック株式会社(以下、東芝テック)は、両社の複合機等の開発・生産に関する事業を統合(以下、本事業統合)するに当たっての諸条件を定めた契約を2023年5月19日に締結しました。これに基づき、当社と東芝テックは、2024年7月1日付で、両社の複合機等の開発・生産に関する事業を統合し、両社を株主とするリコーテクノロジーズ株式会社を母体とした複合機等の開発・生産を担う合弁会社 「エトリア株式会社」(以下、エトリア)の組成を完了しました。これにより、エトリアは、当社の連結子会社となり、当社は東芝テックの複合機等の開発・生産に関する事業を取得しました。
(1) 企業結合の概要
① 取得事業の内容
東芝テックの複合機、オートIDシステム並びにそれらの関連商品の開発、製造等
② 企業結合の目的
当社は、使命と目指す姿に「“はたらく”に歓びを」を掲げ、持続的な成長とさらなる発展を目指してデジタルサービスの会社への変革に取り組んでいます。お客様に寄り添い、各種エッジデバイスと最適なアプリケーションを組み合わせてお客様の業務プロセスの変革と新たな価値創造に貢献しています。東芝テックは、経営理念である「ともにつくる、つぎをつくる。」を実践し、お客様やパートナーとともに新たな価値と社会課題解決のためのソリューションを共創するプラットフォーマーとして「グローバルトップのソリューションパートナー」になることを目指しております。
両社は、オフィスプリンティング市場の環境変化に対応するために、複合機等の開発・生産を担う合弁会社を組成し、オフィスプリンティング分野のものづくりの競争力・事業基盤の強化及び両社の技術・リソースを活用した新たな現場ソリューションの共同企画・開発を実現していきます。
両社は、共創により生み出した競争力のある高品質・高付加価値な製品を、それぞれのブランドで、それぞれの会社のユニークなユーザーエクスペリエンスを追求した製品として世界市場向けに提供します。それぞれの販売チャネルを通じて、様々なソフトウエアやサービスと組み合わせたソリューションとして提供し、顧客基盤や強みを生かしてお客様の業務ごとのニーズに寄り添ったデジタル化やワークフロー改善による生産性の向上に貢献します。そして、お客様が取り組むオフィスや現場のDX実現を支援することで、社会課題の解決に貢献します。
③ 企業結合日
2024年7月1日
④ エトリアに対する議決権比率
85%
(2) 本事業統合及び本吸収分割の要旨
① 本事業統合及び本吸収分割の方式
本事業統合の範囲は、両社の国内・海外の複合機等の開発・生産に関する事業です。両社の対象事業をエトリアに承継させるため、主として吸収分割の方法により、本事業統合を実施しました。当社の吸収分割は、当社を吸収分割会社、エトリアを吸収分割承継会社とする吸収分割です。東芝テックの吸収分割は、東芝テックを吸収分割会社、エトリアを吸収分割承継会社とする吸収分割です。
② 本吸収分割に係る割当の内容
エトリアは、当社の吸収分割の効力発生により承継する権利義務の対価として、当社に対してエトリアが新たに発行するその普通株式55株を、東芝テックの吸収分割の効力発生により承継する権利義務の対価として、東芝テックに対してエトリアが新たに発行するその普通株式45株を、それぞれ割当て交付しました。この結果、当社が保有するエトリア株式は従前保有していた普通株式と合わせて255株となり、エトリアへの出資比率は、当社が85%、東芝テックが15%となりました。
(3) 取得対価及びその内訳
エトリア株式 23,800百万円
(4) 取得関連費用
企業結合に係る取得関連費用として 202百万円が連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されております。
(5) 取得資産及び引受負債の公正価値、非支配持分及びのれん
非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の認識金額に対する非支配株主の持分割合で測定しております。のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映しております。この取得は取得法を適用して会計処理し、取得価額は取得資産及び引受負債の見積公正価値に基づいて配分しております。前中間連結会計期間末においては、取得価額の取得した資産及び負債への配分が確定しておらず、暫定的な会計処理を行っておりましたが、前第4四半期連結会計期間に確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、取得資産及び引受負債の公正価値、非支配持分及びのれんの金額は、上記のとおり変動しております。取得日以降の営業成績は連結財務諸表に含まれております。
(6) 当社グループの業績に与える影響
当企業結合に係る取得日以降に生じた売上高及び当期利益はそれぞれ 66,614百万円及び 1,618百万円であります。また、当企業結合が期首に実施されたと仮定した場合における、当社グループの前連結会計年度の売上高及び当期利益(プロフォーマ情報)は、対象事業を旧会社から吸収分割で承継していることから、当該金額の正確な区分把握が困難であるため、記載を省略しております。
(7) 非支配持分との取引による親会社の所有持分の変動
エトリア組成により、エトリアの母体となったリコーテクノロジーズ株式会社及び当社が吸収分割によりエトリアに承継させた事業に対する当社の所有持分は100%から85%となりました。持分の譲渡対価 23,800百万円と増加した非支配持分の帳簿価額 17,197百万円との差額である 6,603百万円を資本剰余金の増加として処理しております。
なお、上記以外の企業結合については個別にも全体としても重要性がないため、記載を省略しております。
(株式会社PFUの完全子会社化)
当社は2025年3月7日付で株式会社PFUの発行済み株式数の20%を追加取得し、当社の完全子会社としました。追加取得の対価として、22,670百万円の現金が非支配株主に支払われ、非支配株主に付与していたPFU株式の売建プット・オプションに係る金融負債を取り崩しております。また、追加取得に際して非支配持分 18,305百万円を資本剰余金に振り替えております。
(当連結会計年度)
当連結会計年度の企業結合については、個々には重要性はないものの、全体としては重要性がある企業結合を合算して記載しております。
(1) 取得対価及びその内訳
(2) 取得関連費用
企業結合に係る取得関連費用として 270百万円が連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されております。
(3) 取得資産及び引受負債の公正価値、非支配持分及びのれん
非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の認識金額に対する非支配株主の持分割合で測定しております。のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映しております。これらの取得は取得法を適用して会計処理し、取得価額は取得資産及び引受負債の見積公正価値に基づいて配分しておりますが、当連結会計年度末では、一部の被取得企業において取得価額の取得した資産及び負債への配分が確定しておりません。そのため、今後無形資産及びのれん等の金額が変更される可能性があります。取得日以降の営業成績は連結財務諸表に含まれております。
(4) 当社グループの業績に与える影響
取得日以降に生じた損益情報、及び企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の損益情報(プロフォーマ情報)は、連結財務諸表に与える影響額に重要性がないため開示しておりません。
7 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりです。
8 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりです。
上記のうち、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、12ヶ月を超えて回収される営業債権及びその他の債権の金額に重要性はありません。
9 棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりです。
費用として認識された棚卸資産の評価減の金額は以下のとおりであり、連結損益計算書の「売上原価」に含まれております。
10 有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減、取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりです。
〔帳簿価額〕
〔取得原価〕
〔減価償却累計額及び減損損失累計額〕
11 のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減、取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりです。
〔帳簿価額〕
〔取得原価〕
〔償却累計額及び減損損失累計額〕
開発資産の償却費は連結損益計算書の「売上原価」に、その他の無形資産の償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」にそれぞれ含めております。
12 減損損失
(1) 減損損失を認識した資産のセグメント別及び資金生成単位(グループ)別内訳
減損損失を認識した資産のセグメント別及び資金生成単位(グループ)別内訳は、以下のとおりです。
(2) 減損損失を認識した資産の種類別内訳
減損損失を認識した資産の種類別内訳は、以下のとおりです。
減損損失は、前連結会計年度の連結損益計算書の「売上原価」に 21百万円、「販売費及び一般管理費」に 699百万円、「のれんの減損」に 1,311百万円、当連結会計年度の「売上原価」に 8百万円、「販売費及び一般管理費」に 6,564百万円、「のれんの減損」に 7,011百万円それぞれ含まれております。
(3) 認識した減損損失及び認識に至った事象及び状況
(前連結会計年度)
当社グループは前連結会計年度において、重要な減損損失は計上しておりません。
(当連結会計年度)
当社グループは当連結会計年度において、主にオフィスサービス分野及びその他分野(創薬支援事業)にかかるのれん及び無形資産等について、減損損失を認識しました。
オフィスサービス分野においては、主に欧州での基幹システム統合に伴い、ソフトウエア 5,080百万円の減損損失を認識しております。また、欧米での過去の買収により計上したのれんを含む資産についても減損損失を認識しております。
その他分野の創薬支援事業においては、事業の特性上、将来の収益見通しに一定の不確実性が存在する中、直近の業績動向及び事業環境を踏まえ、将来キャッシュ・フローの見積りを見直しました。その結果、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回ることとなったため、のれん 4,073百万円の減損損失を認識しております。なお、回収可能価額は使用価値により測定しております。
使用価値は、経営者が承認した事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フローを税引前の加重平均資本コストで割り引いて算定しております。事業計画は5年を限度としており、市場の長期期待成長率を超過する成長率は用いておりません。
(4) のれんの減損テスト
(前連結会計年度)
のれんの減損テストの回収可能価額は、主に使用価値に基づき算定しております。使用価値は、主として経営者が承認した事業計画と事業計画期間後の成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて計算しております。成長率は、資金生成単位又は資金生成単位グループが属する市場の長期期待成長率を参考に決定しております(△2%~2%)。割引率は、各資金生成単位又は資金生成単位グループの税引前の加重平均資本コストを基礎に算定しております(12%~18%)。事業計画は5年を限度としており、市場の長期期待成長率を超過する成長率は用いておりません。
なお、注記2 作成の基礎 (6)見積り及び判断の利用に記載のとおり、当社グループは、米国の新たな関税政策の導入による影響については、今後の動向や影響期間の予測は困難な状況であるため、翌連結会計年度までの関税費用の増加、及び生産・商物流、価格政策等の対策の効果、需要の減少による業績影響のみを見込んでおります。
翌連結会計年度中にのれんの帳簿価額に重要な修正を生じるリスクがある資金生成単位又は資金生成単位グループとしては、オフィスプリンティング(欧州販売グループ)があります。オフィスプリンティング(欧州販売グループ)における回収可能価額は、使用価値により測定しており、帳簿価額を十分に上回っております。使用価値の見積りにおいて、事業計画における複合機などの販売台数やプリント出力量及び販売価格、関連コスト、事業計画期間後の成長率、並びに割引率を重要な仮定と認識しています。これらの仮定には、オフィスプリンティング市場が成熟フェーズに移行していることやコスト環境の変化等の影響を踏まえた上で、効率的なMIFマネジメント・顧客ターゲティングの徹底により収益維持・改善等の効果を考慮しています。
上記含めてのれんが配分されている資金生成単位又は資金生成単位グループは、回収可能価額の基礎となっている主要な仮定(成長率、割引率等)に合理的に起こりうる変化があっても、帳簿価額は回収可能価額を超える可能性は低いと考えております。
(当連結会計年度)
のれんの減損テストの回収可能価額は、主に使用価値に基づき算定しております。使用価値は、主として経営者が承認した事業計画と事業計画期間後の成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて計算しております。成長率は、資金生成単位又は資金生成単位グループが属する市場の長期期待成長率を参考に決定しております(0%~3%)。割引率は、各資金生成単位又は資金生成単位グループの税引前の加重平均資本コストを基礎に算定しております(12%~18%)。事業計画は5年を限度としており、市場の長期期待成長率を超過する成長率は用いておりません。
翌連結会計年度中にのれんの帳簿価額に重要な修正を生じるリスクがある資金生成単位又は資金生成単位グループとしては、オフィスプリンティング(欧州販売グループ)があります。オフィスプリンティング(欧州販売グループ)における回収可能価額は、使用価値により測定しており、帳簿価額を十分に上回っております。使用価値の見積りにおいて、事業計画における複合機などの販売台数やプリント出力量及び販売価格、関連コスト、事業計画期間後の成長率、並びに割引率を重要な仮定と認識しております。これらの仮定には、オフィスプリンティング市場が成熟フェーズに移行していることやコスト環境の変化等の影響を踏まえた上で、価格対応やMIFマネジメント強化による収益性の向上、経費コントロール及びコスト構造改革の継続等の効果を考慮しております。
上記含めてのれんが配分されている資金生成単位又は資金生成単位グループは、回収可能価額の基礎となっている主要な仮定(成長率、割引率等)に合理的に起こりうる変化があっても、帳簿価額は回収可能価額を超える可能性は低いと考えております。
また、減損損失認識後ののれんの帳簿価額の資金生成単位又は資金生成単位グループごとの内訳は、以下のとおりです。
(注)「デジタルイメージング」はPFUの一部にかかるものです。
13 リース
(1) 貸手側
リース債権はその他の金融資産に含まれております。
当社グループは、主に当社グループの製品のリース事業を行っております。これらのリース取引は、そのほとんどがファイナンス・リースに分類されます。
当社グループの製品に関する中古流通市場の存在や、顧客との契約延長等の販売上の手段を有しているため、リース機器の残存価値リスクに重要なものはありません。
①ファイナンス・リース
当社グループが保有するファイナンス・リースに基づく将来の受取額は以下のとおりです。
連結損益計算書に含まれるファイナンス・リースに係る損益及び収益は以下のとおりです。
②オペレーティング・リース
当社グループが保有するオペレーティング・リースに基づく将来の受取額は以下のとおりです。
連結損益計算書に含まれるオペレーティング・リースに係る収益は以下のとおりです。
(2) 借手側
当社グループは、土地、建物、機械装置、器具備品を含む多くの資産をリースしております。当社グループが借手となるリースの情報は以下のとおりです。
①使用権資産
使用権資産の帳簿価額の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額はそれぞれ 44,002百万円及び 40,819百万円です。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、それぞれ 39,511百万円及び 38,914百万円です。
②使用権資産に関連する損益
使用権資産に関連する損益は以下のとおりです。
変動リース料、サブリース収入、及びセール・アンド・リースバック取引から生じた利得又は損益は重要ではありません。
リース負債に係る金利費用については注記30 金融収益及び金融費用、リース負債の満期分析については注記25 金融商品及び関連する開示 (4)流動性リスク管理 に記載しております。
③延長オプション及び解約オプション
当社グループにおいては、各社がリース契約の管理に責任を負っており、リース条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっております。延長オプション及び解約オプションは、主に営業所及び倉庫に係る不動産リースに含まれております。これらのオプションは、リース契約主体が不動産を事業に活用する上で、必要に応じて使用されております。
14 その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は以下のとおりです。
15 その他の投資
その他の投資の内訳は以下のとおりです。
16 営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりです。
17 社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は以下のとおりです。
すべての普通社債は、各々の引受契約に規定されているいくつかの条件により当社グループの任意で償還できます。
普通社債には、引受契約に規定されている追加担保借入制限等いくつかの条件がありますが、当社グループは2026年3月31日現在、それらの条件を遵守しております。
短期借入金の内訳は以下のとおりです。
(注)加重平均年利については、借入金等の期末残高に対する利率を記載しております。
財務活動に係る負債の変動は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) (百万円)
18 引当金
当連結会計年度における引当金の増減は以下のとおりです。
資産除去債務は、主に賃借事業所・建物等に対する原状回復義務及び固定資産に関連する有害物質の除去に関するものです。将来において経済的便益の流出が予測される時期は、主に連結会計年度期末日より1年を経過した後の時期であることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
製品保証引当金は、製品が合意された仕様に従っているという保証に対する費用支出に備えるため、保証期間内の費用見積額に基づき計上しております。なお、製品保証引当金繰入額は、連結損益計算書上、「売上原価」に含めて表示しております。
構造改革費用引当金は、さらなる競争力強化のために固定費の削減を進める等、構造改革活動に対する費用支出に備えるために計上しております。支払時期は、主に翌連結会計年度に支払われることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
その他の引当金には、訴訟損失引当金等が含まれております。
19 その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は以下のとおりです。
20 政府補助金
政府補助金は、主として、オフィスプリンティング分野において、開発拠点における設備の投資案件に関連して発生したものです。政府補助金は、補助金の対象設備の耐用年数にわたって均等に連結損益計算書において純損益として認識されます。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における政府補助金の残高は、3,378百万円及び 3,341百万円であり、連結財政状態計算書の「その他の流動負債」「その他の非流動負債」に繰延収益として含まれております。
繰延収益として認識された政府補助金に付随する未履行の条件もしくはその他の偶発事象はありません。
21 法人所得税
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度の繰延税金資産及び繰延税金負債の純額の増減内容は以下のとおりです。
当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性が高いかどうかを考慮しております。最終的な繰延税金資産の実現は、一時差異が控除可能な期間及び繰越欠損金が利用できる期間における将来の課税所得の発生に依存します。当社グループは、実現可能性の評価にあたり、繰延税金負債の実現予定時期、予想される将来の課税所得及び税務戦略を考慮しております。過去の課税所得の水準及び一時差異が控除可能な期間及び繰越欠損金が利用できる期間における将来の課税所得見込みに基づき、当社グループは当連結会計年度末現在の認識された繰延税金資産は実現する可能性が高いと考えております。繰延期間における将来の見積課税所得が減少した場合には、実現する可能性が高いと考えられる繰延税金資産は減少することになります。
なお、注記2 作成の基礎(6)見積り及び判断の利用に記載のとおり、見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。当社グループは、日本国内においてグループ通算制度を適用しており、認識された繰延税金資産の主な内訳は通算グループに係る繰延税金資産であります。将来の通算グループの課税所得の見積りにおいて、事業計画におけるオフィスサービス事業の売上高、複合機やトナーなどの消耗品の販売価格と販売数量、及び関連コストなどを重要な仮定と認識しております。これらの仮定には、オフィスプリンティング市場が成熟フェーズに移行していることやコスト環境の変化等の影響を踏まえた上で、オフィスサービス事業の成長、及びオフィスプリンティング事業の価格対応やMIFマネジメント強化による収益性の向上、経費コントロール及びコスト構造改革の継続等の効果を考慮しております。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金及び将来減算一時差異、繰越外国税額控除は以下のとおりです。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限は以下のとおりです。
上記にはグループ通算制度の適用外である、地方税(住民税及び事業税)にかかる繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額を含めておりません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の地方税(住民税及び事業税)にかかる繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額は、それぞれ住民税分 2,624百万円及び 1,837百万円、事業税分 45,100百万円及び 26,434百万円です。
前連結会計年度又は当連結会計年度において税務上の欠損金が発生しており、かつ繰延税金資産の回収可能性が将来の課税所得の有無に依存している当社又は一部の子会社について、繰延税金負債を超過する繰延税金資産を前連結会計年度及び当連結会計年度において 36,154百万円及び 23,802百万円認識しております。これは当社及び各子会社が繰越欠損金、繰越外国税額控除及び将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得を稼得する可能性が高いとする判断に基づいております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、通算グループにおいて税務上の欠損金が生じているため、通算グループに関する繰延税金資産を含めております。
当期税金費用及び繰延税金費用の内訳は以下のとおりです。
国内及び海外の内訳は以下のとおりです。
税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれております。これに伴う前連結会計年度及び当連結会計年度における税金費用の減少額はそれぞれ 1,724百万円及び 1,308百万円であります。
当社及び国内の連結子会社は、所得に対する種々の税金を課せられております。前連結会計年度及び当連結会計年度における法定実効税率は 31%です。
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月に公布されたことに伴い、当連結会計年度の繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用した標準法定実効税率は 2026年4月1日以降に開始する連結会計年度に解消が見込まれる一時差異については 32%に変更されております。
法定実効税率と実効税率との差異は以下のとおりです。
当社は、国内子会社で発生した未分配利益については、国内税法により国内子会社からの配当金がほぼ無税であるため、繰延税金負債を計上しておりません。また、海外子会社における前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の投資に係る将来加算一時差異 515,878百万円及び 578,932百万円について、当社が一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いと認められるため、当該一時差異に関連する繰延税金負債を認識しておりません。
2023年3月、当社が所在する日本国の政府は、2024年4月1日以降に開始する事業年度から適用される第2の柱の税法を制定しました。この法律の下では、親会社は、実効税率が15%未満である子会社の利益に対して課税されるトップアップ税を、日本国で支払うことが要求されます。当社グループでは、2024年4月1日から開始される事業年度から適用されていますが、これらの課税が当社グループの連結財務諸表へ与える影響は軽微であります。なお、当該税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しております。
22 従業員給付
(1)確定給付型制度
当社グループは、確定給付型制度として確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。給付額は、従業員の勤続年数や給与水準等に基づき算定されております。上記の年金制度への拠出額は、賃金及び給与の一定の比率により年金数理計算され、将来の年金給付に備えて積み立てられております。
当社及び一部の連結子会社は、年金規約に基づく規約型年金制度を設けております。当社及び一部の連結子会社は、従業員の同意を得て、受給資格、給付内容・方法、掛金負担等年金制度の内容を規定したリコーグループ企業年金規約を定め、年金規約について厚生労働大臣の承認を受けております。掛金の払込み及び積立金の管理等に関して信託銀行や保険会社等と契約を締結し制度を運営しております。契約を締結した信託銀行等は、年金資産の管理・運用を行うとともに、年金数理計算や年金・一時金の支給業務を行います。
当社及び一部の連結子会社は、法令、法令に基づく厚生労働大臣の処分及び規約を遵守し、加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならず、自己又は加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって資産管理運用契約を締結すること及び積立金の運用に関し特定の方法を指図することは禁止されております。
2025年9月1日より、一部の連結子会社の確定給付企業年金制度を当社の確定給付企業年金制度へ移行しました。当該移行に伴い、当連結会計年度において過去勤務費用を認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度の確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の変動は以下のとおりです。
(注)1 前連結会計年度及び当連結会計年度の数理計算上の差異は主に財務上の仮定の変化により生じた差異です。
2 制度資産に係る収益には利息収益を含んでおりません。
3 前連結会計年度末及び当連結会計年度末の確定給付負債の純額に含まれる退職給付に係る資産は、それぞれ 35,140百万円及び 47,413百万円であり、連結財政状態計算書の「その他の非流動資産」に含まれております。
確定給付制度債務の現在価値の算定に使用した重要な数理計算上の仮定(加重平均)は以下のとおりです。
他の仮定に変更がないとして、以下に示された割合で割引率が変動した場合、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務は以下のとおり変動します。感応度分析はその他の仮定に変更がないことを前提としておりますが、実際には他の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。なお、給与水準の予想上昇率については変動を見込んでおりません。
前連結会計年度の制度資産の公正価値は以下のとおりです。
(注)海外制度の活発な市場における公表価格があるものは、主に金利変動やインフレ等による確定給付制度債務の現在価値の変動に制度資産を連動させるため、主にLiability Driven Investment(LDI)により運用しております。
当連結会計年度の制度資産の公正価値は以下のとおりです。
(注)海外制度の活発な市場における公表価格があるものは、主に金利変動やインフレ等による確定給付制度債務の現在価値の変動に制度資産を連動させるため、主にLiability Driven Investment(LDI)により運用しております。
当社グループの投資の目標は、特定のリスク管理方針のもとに収益を最大化することにあります。当社グループのリスク管理方針では、投資信託、負債有価証券及び持分有価証券に投資することを認めておりますが、デリバティブ金融商品について投機的に取引することは認めておりません。当社グループは国内外の確定利回り証券や国内外の持分証券に投資する投資信託へ投資することにより、資産の多様性を確保しております。これらの投資信託は支払いが必要となった退職給付債務の支払いに充てるために、随時売却することが可能です。当社グループの国内制度の資産ポートフォリオは、大きく3つの資産区分に分類されます。約40%を持分証券で運用し、約30%を負債証券で運用し、生保一般勘定等のその他の資産で約30%を運用しております。当社グループの海外制度の投資政策は、国ごとに異なっておりますが、長期的な投資の目的及び政策は以下のように一貫しております。約10%を持分証券で運用し、約65%を負債証券で運用し、生保一般勘定等のその他の資産で約25%を運用しております。
翌連結会計年度の制度資産への予想拠出額は 12,620百万円です。
当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーションは 9年です。
(2)確定拠出型制度
当社グループでは、確定拠出年金制度を採用しております。前連結会計年度及び当連結会計年度における確定拠出年金制度にかかる年金費用はそれぞれ 14,454百万円及び 13,592百万円です。
(3)従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計額は、それぞれ 791,860百万円及び 770,279百万円です。
23 株式に基づく報酬
当社における委任型役員向け株式交付信託及び雇用型役員等向け株式交付信託を用いた株式報酬制度
(a) 株式報酬制度の内容
当社は、当社取締役及び執行役員等(社外取締役を除く。以下、「取締役等」という。)を対象に、株主の皆様との利益・リスク共有意識を強化するとともに、持続的な成長と適切な株主還元も含めた株主価値の向上へのコミットメントを示すことを目的として、(ア)業績連動型株式報酬制度を導入しております。同制度は、2019年に導入した(イ)株価条件付株式報酬制度を一部変更したものです((ア)及び(イ)を総称して「両制度」という。)。
両制度では委任型役員向け株式交付信託及び雇用型役員等向け株式交付信託を用いております。当社が拠出する金銭を原資として当社株式が本信託を通じて取得され、当社が定める「株式交付規程」に従い、当社が各取締役等に付与するポイント数に相当する数の当社株式が各取締役等に交付されます。なお、両制度の詳細については「第4 提出会社の状況」の「1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」及び「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」に記載しております。
両制度は、持分決済型及び現金選択権付きの株式報酬として会計処理しております。
(b) 期中に付与されたポイント数及びポイントの加重平均公正価値
ポイントの付与日における公正価値は、当社株式の市場価値を、予想配当利回りを考慮に入れて修正し算定しております。期中に付与されたポイント数及びポイントの加重平均公正価値は、以下のとおりであります。
(c) 株式に基づく報酬費用
両制度に係る費用計上額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ 280百万円及び 277百万円であり、連結損益計算書上、「販売費及び一般管理費」に計上しております。
24 資本金及びその他の資本項目
(1) 資本金
当社の発行可能株式総数及び発行済株式総数は以下のとおりです。
前連結会計年度の発行済株式総数の減少は、自己株式の消却によるものです。
(2) 剰余金
①資本剰余金
会社法では、株式の発行に対しての払込又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれる資本準備金に組み入れることが規定されております。資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
②利益剰余金
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
当社における会社法上の分配可能額は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成された親会社の会計帳簿上の利益剰余金の金額に基づいて算定されております。
また、会社法は分配可能額の算定にあたり一定の制限を設けております。当社の会計帳簿上、その他利益剰余金として記帳されている金額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ 61,652百万円及び 119,490百万円であり、上記の制約を受けておりません。
(3) 自己株式
発行済株式総数に含まれる自己株式数は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ 582,794株及び 501,792株です。なお、当社は、役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託を設定しており、当該信託が保有する当社株式(前連結会計年度末 492,200株及び当連結会計年度末 405,800株)を、自己株式に含めております。
(前連結会計年度)
当社は、2024年2月6日開催の取締役会決議に基づき自己株式を取得しております。前連結会計年度に取得した自己株式は、以下のとおりです。なお、当該自己株式の取得は2024年9月3日(受渡ベース)をもって終了しております。
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得した株式の総数 16,590,800 株
(3)取得価額の総額 22,456,788,464 円
(4)取得期間 2024年4月1日~2024年9月3日(受渡ベース)
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
(ご参考)
2024年2月6日開催の当社取締役会における決議内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 36,000,000 株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する比率 5.9%)
(3)株式の取得価額の総額 300 億円(上限)
(4)取得期間 2024年2月7日~2024年8月30日
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
また、当社は、2024年9月5日開催の取締役会決議に基づき以下のとおり自己株式を消却しております。
(1)消却した株式の種類 当社普通株式
(2)消却した株式の総数 22,532,600 株
(3)消却実施日 2024年9月30日
当社は、2024年12月2日開催の取締役会決議に基づき自己株式を取得しております。前連結会計年度に取得した自己株式は、以下のとおりです。
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得した株式の総数 17,256,200 株
(3)取得価額の総額 29,999,903,700 円
(4)取得日 2024年12月3日
(5)取得方法 東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付
(ご参考)
2024年12月2日開催の当社取締役会における決議内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 17,256,200 株
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する比率 2.94%)
(3)株式の取得価額の総額 29,999,903,700 円
(4)取得日 2024年12月3日
(5)取得方法 東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付
また、当社は、2024年12月2日開催の取締役会決議に基づき以下のとおり自己株式を消却しております。
(1)消却した株式の種類 当社普通株式
(2)消却した株式の総数 17,256,200 株
(3)消却実施日 2025年1月31日
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
(4) 配当金
①配当金支払額
(注) 2024年6月20日株主総会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれております。
また、2024年11月8日取締役会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれております。
また、2025年6月24日株主総会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金9百万円が含まれております。
また、2025年11月7日取締役会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金8百万円が含まれております。
②基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるもの
2026年6月23日開催の定時株主総会の議案として、次のとおり付議する予定です。
(注) 配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金8百万円が含まれております。
25 金融商品及び関連する開示
(1) 資本リスク管理
当社グループの資本管理は、当社グループの持続的な成長と企業価値増大を実現するため、事業発展に充分な資金を確保できる堅固な財務体質維持と効率的な資本構成の両立を方針としております。
当社グループは有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債及び親会社の所有者に帰属する持分、D/Eレシオを管理対象としており、各数値は以下のとおりです。また、経営管理上は、販売金融の負債負担を除いたネット有利子負債も対象としております。
(注)有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち社債及び借入金を対象としております。
当連結会計年度より、社内の経営管理指標との整合性を踏まえて有利子負債の範囲を見直し、リース負債を除外しております。この変更に関して、前連結会計年度についても組替再表示しております。
(2) 市場リスク管理
① 為替リスク
(a) 為替リスク管理
当社グループは、生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州、並びに中国等その他地域で行っており、外貨建の業績、資産・負債は為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。
当社グループは、外貨建の資産及び負債に対する外国為替レートの変動リスクを軽減することを目的として為替予約等を締結しております。
(b) 為替予約等
為替予約等の詳細は以下のとおりです。
為替予約等
(c) 為替感応度分析
各連結会計年度において、当社グループが保有する金融商品が米ドル、ユーロに対して日本円が1円円高となった場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響は以下のとおりです。計算にあたり残高や金利等は変動しないものと仮定しております。
② 金利リスク
当社グループの有利子負債は、主に固定金利により調達している社債及び借入金であり、現在の金利リスクは当社グループにとって重要なものではないと考えております。
重要性が乏しいため、金利感応度分析の開示は省略しております。
(3) 信用リスク管理
① 企業の有する金融資産の信用リスク
当社グループの営業活動から生じる債権は取引先の信用リスクにさらされております。
信用リスクとは、取引先が契約上の義務を果たすことができなかった場合に当社グループに生じる財務上の損失リスクです。
当該リスクに関して、当社グループは、与信限度額の設定、継続した与信調査及び取引先のモニタリングを行っております。また、信用リスクの集中等の潜在的リスクを最小限に抑える必要があると考えているため、モニタリングの結果によって、信用供与の程度を調整しております。これらの財務情報のほか、将来の経済状況等も考慮して予想信用損失の認識や測定を実施しております。
当社グループでは、支払期限の超過等による回収可能性の変動等が観察できた場合に当該金融資産の信用リスクが著しく増大したものと判断しております。また、概ね180日を超過するような大幅な支払期限の超過に加えて取引先の著しい財務状況の悪化等が観察できた場合に当該金融資産が信用減損しているものと判断しております。また、法的に債権が消滅する場合等、債権の回収が合理的に見込めない場合には、金融資産の帳簿価額を直接償却しております。
デリバティブ取引の利用にあたっては、信用度の高い金融機関に限定しているため、信用リスクは僅少であると認識しております。
金融資産の帳簿価額の合計額は信用リスクの最大エクスポージャーを表しております。
(i) 営業債権及びリース債権の予想信用損失の測定
営業債権及びリース債権には単純化したアプローチを採用しているため、債権が回収されるまでの全期間の予想信用損失を用いて貸倒引当金を算定しております。
(ⅱ) 貸付金及びその他の債権の予想信用損失の測定
期末日時点で、貸付金及びその他の債権に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合、当社グループでは過去の貸倒実績及び経済状況等の将来予測情報に基づき、将来12ヶ月の予想信用損失を見積もることにより当該金融商品に係る貸倒引当金を算出しております。なお、貸付等の取引にあたっては与信調査を実施し、与信限度額の設定及び信用状況を定期的にモニタリングすることにより、取引先の信用状況に応じて適切な管理を行っているため、信用リスクは僅少であると判断しております。
② 予想信用損失から生じた金額に関する定量的・定性的情報
営業債権及びリース債権に係る貸倒引当金は以下のとおりです。
債権残高及び貸倒引当金の期日別分析は以下のとおりです。
(4) 流動性リスク管理
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行等により調達しております。このため、資金調達環境の悪化等により債務を履行できなくなるリスクにさらされております。
当社及び一部の連結子会社は金融機関と借入枠並びに当座借越についての契約を締結しており、コマーシャルペーパー発行プログラムを保有しております。また当社グループは、各地域に設置している金融子会社を中心にグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築しております。流動性リスクに対しては、資金調達手段の多様化を図り、複数の金融機関との間でコミットメント・ラインを設定しております。
保証債務以外の金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は以下のとおりです。
当社及び一部の連結子会社は金融機関と借入枠及び当座借越についての契約を締結しております。また当社及び一部の連結子会社はコマーシャルペーパーの発行プログラムを保有しております。これらの信用枠の合計及び使用状況は以下のとおりです。
(5) 金融商品の公正価値
金融商品の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりです。
(注)1 現金及び現金同等物、定期預金、営業債務及びその他の債務
これらの勘定は短期間で決済されるので、帳簿価額と公正価値が近似しております。そのため、上記の表中には含めておりません。
2 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権のうち、短期間で決済される債権については、帳簿価額と公正価値が近似しているため上記の表中には含めておりません。なお、重要性の乏しい債権については上記の表中に含めておりません。
3 リース債権
リース債権については、一定の期間ごとに区分した債権ごとに、債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定しております。観察不能なインプットを含む評価技法に基づき公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
4 デリバティブ
デリバティブには、為替予約等が含まれており、金融機関より入手した見積価格や利用可能な情報に基づく適切な評価方法により公正価値を算定しているため、レベル2に分類しております。
5 株式及び出資持分、社債
株式及び出資持分、社債には、市場性のある株式及び社債、非上場の株式及び出資持分が含まれております。市場性のある株式及び社債は、活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を算定しており、観察可能であるためレベル1に分類しております。非上場の株式及び出資持分は、類似企業の市場価格等の観察可能な指標と観察不能な指標を用いた評価技法に基づき公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
6 社債及び借入金
社債及び借入金のうち、12ヶ月以内に償還及び返済される部分については、帳簿価額と公正価値が近似しているため上記の表中には含めておりません。
社債及び借入金については、契約ごとの将来キャッシュ・フローから、類似の満期日の借入金に対して適用される期末借入金利を用いて割り引いた現在価値に基づいて算定しております。観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、レベル2に分類しております。
7 条件付対価
条件付対価については、被取得企業の将来の業績や支払額等を考慮して公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
8 各金融資産及び金融負債の事後測定方法
IFRS第9号「金融商品」に基づく各金融資産及び金融負債の測定方法は、以下のとおりです。
償却原価で測定:営業債権、リース債権、社債(負債)及び借入金
純損益を通じて公正価値で測定:デリバティブ資産、株式及び出資持分、デリバティブ負債、条件付対価
その他の包括利益を通じて公正価値で測定:株式及び出資持分、社債(資産)
当社グループは、取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融商品に対する投資について、その保有目的に鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に対する投資の主な銘柄ごとの公正価値は次のとおりです。
当社グループは、資産の効率的活用や業務上の関係の見直し等により、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の一部を売却により処分し、認識を中止しております。期中で売却した銘柄の売却時における公正価値、売却に係る累積利得又は損失及び受取配当金の合計額は以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における、期末日時点で保有しているその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産より認識された受取配当金はそれぞれ 555百万円及び 1,368百万円です。
当社グループでは、その他の資本の構成要素として認識していたその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の累積利得又は損失は、当該金融資産の公正価値が著しく下落した場合、又は認識を中止した場合にその他の包括利益の累積額から利益剰余金に振り替えております。前連結会計年度及び当連結会計年度における利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得又は損失はそれぞれ 1,015百万円及び △2百万円です。
(6) 連結財政状態計算書において認識された公正価値の測定
以下は金融商品を当初認識した後、公正価値で測定された金融商品の分析です。分析に使用する公正価値ヒエラルキーは、以下のように定義付けられております。
なお、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しております。
公正価値により測定された金融商品
(注)1 デリバティブ
デリバティブには、為替予約等が含まれており、金融機関より入手した見積価格や利用可能な情報に基づく適切な評価方法により算定しているため、レベル2に分類しております。
2 株式及び出資持分、社債
株式及び出資持分、社債には、市場性のある株式及び社債、非上場の株式及び出資持分が含まれております。市場性のある株式及び社債は、活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を算定しており、観察可能であるためレベル1に分類しております。非上場の株式及び出資持分は、類似企業の市場価格等の観察可能な指標と観察不能な指標を用いた評価技法に基づき公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
3 条件付対価
条件付対価については、被取得企業の将来の業績や支払額等を考慮して公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
レベル3に分類されている金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の変動は見込まれておりません。
レベル3に分類された金融資産の期首残高から期末残高への調整表
(注)1 純損益
純損益に含まれている利得及び損失は、報告期間期末時点に保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであります。連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。
2 その他の包括利益
その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、報告期間期末時点に保有するその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであります。連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動」(注記31 その他の包括利益 を参照)に含まれております。
レベル3に分類された金融負債の期首残高から期末残高への調整表
(7) デリバティブ及びヘッジ活動
当社グループは為替、金利に係る市場リスクを管理するためにデリバティブを利用しております。グループ内規定に基づき、売買目的及び投機目的のデリバティブは保有しておりません。当社グループはすべてのデリバティブを連結財政状態計算書に公正価値で認識しております。当社グループはデリバティブの契約を締結する際に、当該デリバティブがヘッジ関係の一部として適格であるか否かの判定を行っております。
当社グループはヘッジ会計が適用されるデリバティブを、連結財政状態計算書上に計上された資産又は負債の公正価値の変動をヘッジするための公正価値ヘッジ、連結財政状態計算書上に計上された資産又は負債に付随する受払い及び可能性が非常に高い予定取引に関連するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのキャッシュ・フロー・ヘッジのいずれかとして指定しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジについて、キャッシュ・フローが発生すると見込まれる期間及び純損益に影響を与えることになると見込まれる期間は1年以内です。
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれるヘッジ会計が適用されないデリバティブの評価損益は、それぞれ 1,022百万円(評価益)及び 2,678百万円(評価益)です。なお、上記の評価損益は主に為替から生じたものです。
前連結会計年度末においてキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したヘッジ手段はありません。
前連結会計年度末におけるキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の残高はありません。
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したヘッジ手段及びキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の金額に重要性はありません。
26 その他の収益
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他の収益は、以下のとおりです。
(注) 前連結会計年度に、当社の中国子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断に伴い、過年度に受領していた土地の立退補償金のうち提携協議書解除に伴う違約金への充当分を計上しております。
27 売上高
(1) 収益の分解
当社グループは、注記5 事業セグメント に記載のとおり、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他の5つを報告セグメントとしております。また、売上高は顧客の所在地を基礎とし、地域別に分解しております。これらの分解した売上高と各報告セグメントの売上高との関係は以下のとおりです。
(注)1 セグメント間の内部売上高を除いた金額を表示しております。
2 その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益等が含まれております。
(注)1 セグメント間の内部売上高を除いた金額を表示しております。
2 その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益等が含まれております。
収益認識の時期は以下のとおりです。
(注)上記収益にはIFRS第15号以外のその他の源泉から認識した収益が含まれており、主にIFRS第16号に基づくリース収益等が含まれております。
当社グループの事業は、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他より構成されており、各事業において製品販売及び役務の提供を行っております。
売上高は顧客との契約において約束された対価から値引き、購入量に応じた割戻し等を控除した金額で測定しております。変動性がある値引き、割戻し等を含む変動対価については、過去、現在及び予想を含む合理的に利用可能なすべての情報を用いて当社グループが権利を得る対価の金額を見積り、重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ収益を認識しております。
デジタルサービスやその他において、当社グループが代理人として商品の販売に関与している場合には、純額で収益を認識しております。
なお、製品保証に関しては、顧客が当該保証を独立して購入するオプションを有しておらず、製品が合意された仕様に従っているという保証に加えて顧客にサービスを提供していないことから、引当金として会計処理しております。返品及び返金の義務並びにその他の類似の義務に重要なものはありません。
デジタルサービス(複合機、プリンター、パソコン、サーバー等の機器)、デジタルプロダクツ(複合機、プリンターのOEM、スキャナ等機器)、グラフィックコミュニケーションズ(プロダクションプリンター、インクジェットヘッド、作像システム、産業プリンター等)の製品は、通常機器が設置され、顧客の受け入れが得られた時点で、また、関連消耗品は、物品の引渡時点において顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、履行義務が充足されると判断していることから、それぞれ当該時点で収益を認識しております。
インダストリアルソリューションズ(サーマルペーパー等)及びその他の主要な製品の販売の収益は、通常物品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、当該物品の引渡時点で収益を認識しております。
デジタルサービスのオフィスプリンティング事業及びグラフィックコミュニケーションズの商用印刷事業においては顧客の機器の使用量に応じた従量料金、固定料金、又は基本料金に加えて使用量に応じた従量料金を請求する製品のメンテナンス契約による収益を認識しております。当社グループは、メンテナンス契約の履行義務を、契約に基づき、機器を常時利用可能な状態を顧客に提供することと判断しており、これらの収益を、関連する履行義務を充足するにつれて一定期間にわたり認識しております。固定料金のメンテナンス契約については顧客との契約に係る取引額を契約期間にわたり均等に収益認識しております。機器の使用量に応じた従量料金及び基本料金に加えて使用量に応じた従量料金を請求するメンテナンス契約については、顧客への請求金額により収益を認識しております。
デジタルサービスのオフィスサービス事業におけるソフトウエアサービス等の販売については、主にライセンス提供型及びその保守サービスとクラウド型サービスの2種類に分かれます。ライセンス提供型については、顧客仕様に応じたソフトウエアが提供され、顧客の受け入れが確認できた時点で履行義務が充足されたと判断して収益を認識しております。他方、保守サービスについては、一定の期間にわたり製品のメンテナンスやサポート業務等を実施するものであり、一定期間にわたって履行義務が充足されるため、時の経過に応じて収益を認識しております。またクラウド型サービスについては顧客仕様に応じたアプリケーションを通じてサービスを一定期間にわたり提供しており、同様に時の経過に応じて収益を認識しております。
割賦販売契約に基づく債権は割賦払い期間にわたって月次で請求されるため、金融要素について調整しております。それ以外の契約では取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含まれておりません。
(2) 契約残高
顧客との契約から生じた債権及び顧客との契約から生じた負債は以下のとおりです。
連結財政状態計算書において、契約負債は、「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に含まれております。契約負債は主に、メンテナンス契約に関する顧客からの前受金に関連するものであります。
認識された収益について、期首時点で契約負債に含まれていた金額は、前連結会計年度と当連結会計年度において、それぞれ 65,016百万円及び 69,192百万円であります。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
個別の契約期間が1年を超える契約における、未充足の履行義務に配分した取引価格は前連結会計年度と当連結会計年度において、それぞれ 263,915百万円及び 283,846百万円であります。当該取引価格は、主に顧客に販売される機器のメンテナンス契約に係るものであり、固定料金契約、また、従量料金契約の基本料金部分が含まれております。なお、従量料金契約の従量料金部分は含まれておりません。当該取引価格が収益として認識されると見込まれる期間は、概ね1年から5年であります。なお、実務上の便法を適用しており、個別の契約期間が1年に満たない契約においては開示を省略しております。
(4) 顧客との契約の獲得のためのコストから認識した資産
当社グループは、顧客との契約獲得のための増分コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産として認識しており、連結財政状態計算書上は「その他の流動資産」及び「その他の非流動資産」に計上しております。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。
当社グループにおいて資産計上されている契約獲得のための増分コストは、主に顧客を獲得するために発生した販売員に対する手数料等です。当該資産については見積契約期間に基づき均等償却を行っております。
顧客との契約の獲得のためのコストから認識した資産から生じた償却費は、前連結会計年度と当連結会計年度において、それぞれ 4,763百万円及び 4,378百万円であります。
28 販売費及び一般管理費
前連結会計年度及び当連結会計年度における販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりです。
29 研究開発費
前連結会計年度及び当連結会計年度における研究開発費は、以下のとおりです。
30 金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は以下のとおりです。
31 その他の包括利益
その他の包括利益の構成は以下のとおりです。
非支配持分を含むその他の包括利益に含まれる税効果調整額は以下のとおりです。
32 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益は以下のとおりです。
(1)基本的1株当たり当期利益
(2)希薄化後1株当たり当期利益
(注)役員向け株式交付信託及び執行役員向け株式交付信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定においては、当該信託が所有する当社株式を期中平均普通株式数から控除して算出しております。
33 関連当事者
(1) 関連当事者との取引
関連当事者との取引(連結財務諸表において消去されたものを除く)については、重要な取引等がないため記載を省略しております。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
主要な経営幹部(取締役)に対する報酬は以下のとおりです。
34 資本的支出契約及び偶発事象
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、決算日以降の有形固定資産及びその他の資産の取得に係る既契約額は、それぞれ 14,942百万円及び 12,762百万円です。
また、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、金額的重要性のある債務保証はありません。
35 グループ企業
当社の重要な連結子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況 (連結子会社)」に記載のとおりです。
36 関連会社
(1) 重要な関連会社
当社グループにおける重要な関連会社は、リコーリース株式会社(以下、リコーリース)(報告日3月31日)であります。
リコーリースは、日本国内を中心に総合リース業を営んでおり、当社製品のリース及びレンタル等を行っております。
リコーリースの要約連結財務諸表と当社グループの持分の帳簿価額との調整表は以下のとおりです。
2020年4月のリコーリースの支配喪失時点において、重要な影響力に対するプレミアムを反映して、残余投資を公正価値評価しております。そのため、当社グループの持分の帳簿価額には、重要な影響力に対するプレミアムが反映されております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において当社グループが保有するリコーリースの株式数に同日の株式市場における相場価格を乗じて算定した金額は、それぞれ 56,882百万円及び 60,411百万円です。
(2) 個々に重要性のない関連会社
個々に重要性のない関連会社に対する当社グループの持分の帳簿価額は、以下のとおりです。
個々に重要性のない関連会社における包括利益合計に対する持分は、以下のとおりです。
37 後発事象
(子会社持分の譲渡)
当社は、2026年4月9日開催の取締役会において、当社の連結子会社(孫会社)であるRicoh Asia Industry (Shenzhen) Ltd.(以下、RAI-SZ)の全持分の譲渡(以下、本譲渡)を実施することを決議し、2026年6月12日付で本譲渡を実施いたしました。
当社は、資産効率向上の観点から、本譲渡を決定いたしました。RAI-SZが使用権を保有する深セン市福田区の工場跡地については、2024年11月25日付で開示した「当社の子会社が提起した仲裁申立の仲裁判断および通期業績予想の修正に関するお知らせ」にてお伝えしているとおり、仲裁判決によって当該土地の使用権の処分が可能な状態になっておりましたが、本譲渡の結果として、当該土地使用権も譲渡されました。
本譲渡に伴い、RAI-SZは当社の連結子会社から除外されました。持分の譲渡価額は、約8.8億元(約209億円*)であり、2027年3月期の連結営業利益において、持分譲渡益 約180億円を計上する見込みです。
* 1元=23.67円(2026年6月12日付)で換算しております。
(自己株式の取得及び消却)
当社は、2026年5月12日の取締役会において、以下のとおり、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項を決議するとともに、会社法第178条の規定に基づき、自己株式消却に係る事項を決議しました。
1.自己株式の取得及び消却を行う理由
株主還元の充実並びに資本効率の向上のため、自己株式の取得及び消却を実施いたします。
2.取得に係る事項の内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 23,000,000株 (上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する比率 4.0%)
(3)株式の取得価額の総額 250億円 (上限)
(4)取得期間 2026年5月13日~2026年11月30日
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
3.消却に係る事項の内容
(1)消却する株式の種類 当社普通株式
(2)消却する株式の数 上記2により取得した自己株式の全株式数
(3)消却予定日 2026年12月11日
(ご参考)2026年3月31日時点の自己株式保有状況
発行済株式総数(自己株式を除く) : 569,231,386株
自己株式数 : 501,792株
38 連結財務諸表の承認
2026年6月16日に、連結財務諸表は当社代表取締役社長執行役員 大山晃及び取締役コーポレート専務執行役員 川口俊によって承認されております。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
(注)第1四半期及び第3四半期については、金融商品取引所の定める規則により四半期に係る財務情報を作成しておりますが、当該四半期に係る財務情報に対する期中レビューは受けておりません。
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社及び関連会社株式
移動平均法による原価法により評価しております。
(2) その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの…時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)により評価しております。
市場価格のない株式等…移動平均法による原価法により評価しております。
2 デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法により評価しております。
3 棚卸資産の評価基準及び評価方法
総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切り下げの方法)により評価しております。
4 固定資産の減価償却方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
有形固定資産は定額法で行っております。なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
建物……………5~50年
機械及び装置…4~12年
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
無形固定資産は定額法で行っております。
ただし、市場販売目的のソフトウエアについては、見込販売収益に基づく償却額と、残存見込販売有効期間に基づく均等償却額との、いずれか大きい金額を計上しております。なお、当初における見込販売有効期間は3年としております。また、自社利用ソフトウエアについては、社内における利用可能期間(3~10年)に基づく定額法によっております。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
5 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売掛債権・貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 賞与引当金
従業員に対する賞与支給に備えるため、当事業年度に負担すべき支給見込額を計上しております。
(3) 役員賞与引当金
役員賞与の支出に備えるため、当事業年度における支給見込額を計上しております。
(4) 製品保証引当金
製品のアフターサービスに対する費用支出に備えるため、保証期間内のサービス費用見積額に基づき計上しております。
(5) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、事業年度末において発生していると認められる額を計上しております。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(11年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしております。
過去勤務費用は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(11年)による定額法により按分した額を費用処理することとしております。
未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の貸借対照表における取扱いが連結財政状態計算書と異なります。
(6) 株式給付引当金
役員等に対する将来の当社株式の給付に備えるため、株式交付規程に基づき、役員等に割り当てられるポイントの見込数に応じた給付額を基礎として計上しております。
6 収益の計上基準
当社は、顧客との契約に基づき、オフィス向け画像機器、ドキュメント・ITサービス・コミュニケーション関連サービスやソリューション、商用印刷機器、産業印刷機器、各種機器に関連する消耗品及びサービス、サーマルペーパー、サーマルメディア等を提供しております。
当社は、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点、又は移転するにつれて、移転により獲得が見込まれる対価を反映した金額により、収益を認識しております。各種機器等の販売による収益は、機器等の引き渡し時点において顧客が当該機器等に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該機器等が顧客に引き渡された時点で認識しております。また、主としてメンテナンス契約から生じるサービス収益は、関連する履行義務を充足するにつれて、一定期間にわたり認識しております。
なお、収益は顧客との契約において約束された対価から、値引き、購入量に応じた割戻及び返品などを控除した金額で測定しております。
7 グループ通算制度の適用
当社を通算親法人とするグループ通算制度を適用しております。
8 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
記載金額については、百万円未満の端数を切り捨てております。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより当事業年度に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があるものは、次のとおりであります。
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記2 作成の基礎 (6)見積り及び判断の利用」をご参照ください。
(表示方法の変更)
前事業年度において、区分掲記しておりました「営業外費用」の「固定資産廃棄損」は、金額的重要性等が乏しくなったため、当事業年度より「その他の費用」に含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の損益計算書の組替を行っております。
この結果、前事業年度の損益計算書において、「営業外費用」に表示していた「固定資産廃棄損」2,711百万円及び「その他の費用」1,264百万円は、「その他の費用」3,976百万円として組替えております。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
2 運転資金の効率的な調達を行うため金融機関と借入枠並びに当座借越についての契約を締結しております。これらの契約に基づく当事業年度末の借入未実行残高等は次のとおりであります。
3 偶発債務
(1) 関係会社のコマーシャルペーパープログラムに対して、債務保証を行っております。なお、保証先は以下のとおりであります。
(2) 金融機関、当社及び関係会社との間で締結しているグローバル・コミットメント・ライン契約に基づき、関係会社が個別借入を実行した場合、その借入残高に対する債務保証が発生いたします。保証先と極度額は以下のとおりであります。なお、借入実行残高は、前事業年度及び当事業年度ともにありません。
(3) 関係会社の本社賃借契約に対して、債務保証を行っております。なお、保証先は以下のとおりであります。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との主な取引高は、次のとおりであります。
※2 販売費及び一般管理費の主要な費目及びおおよその割合は、次のとおりであります。
※3 固定資産売却益
土地の売却によるものであります。
※4 関係会社株式評価損
Ricoh Biosciences, Inc. 及びColorGATE Digital Output Solutions GmbH に係る評価損であります。
※5 構造改革費用
セカンドキャリア支援制度の実施に伴う一時費用であります。
(有価証券関係)
1 子会社株式及び関連会社株式
子会社株式及び関連会社株式で時価のあるもの
(注) 市場価格のない株式等
これらについては、市場価格のない株式等のため、「子会社株式及び関連会社株式で時価のあるもの」には含めておりません。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
※ 繰延税金資産は、将来減算一時差異及び繰越欠損金等が将来の通算グループ単位の課税所得との相殺により、税金負担額を軽減する効果を有し回収可能性が認められる範囲内で計上しております。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率の差異の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 27 売上高」 に記載しております。
(重要な後発事象)
(自己株式の取得及び消却)
当社は、2026年5月12日の取締役会において、以下のとおり、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項を決議するとともに、会社法第178条の規定に基づき、自己株式消却に係る事項を決議しました。
1.自己株式の取得及び消却を行う理由
株主還元の充実並びに資本効率の向上のため、自己株式の取得及び消却を実施いたします。
2.取得に係る事項の内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 23,000,000株 (上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する比率 4.0%)
(3)株式の取得価額の総額 250億円 (上限)
(4)取得期間 2026年5月13日~2026年11月30日
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
3.消却に係る事項の内容
(1)消却する株式の種類 当社普通株式
(2)消却する株式の数 上記2により取得した自己株式の全株式数
(3)消却予定日 2026年12月11日
(ご参考)2026年3月31日時点の自己株式保有状況
発行済株式総数(自己株式を除く) : 569,231,386株
自己株式数 : 501,792株
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注)建設仮勘定の当期減少は主として建物・型・機械装置への振替であります。
(注)「当期減少額」欄の( )は内数で、当期の減損損失計上額であります。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、単元未満株式を有する株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、会社法第166条第1項の規定による請求をする権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利並びに単元未満株式の売渡しを請求する権利以外の権利を有しておりません。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書の提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類、確認書
事業年度 第125期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 2025年6月20日関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2025年6月20日関東財務局長に提出
(3) 半期報告書及び確認書
第126期中(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日) 2025年11月13日関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における決議)に基づく臨時報告書
2025年6月25日関東財務局長に提出
(5) 訂正発行登録書(社債)
2025年6月25日関東財務局長に提出
(6) 自己株券買付状況報告書
2026年6月5日関東財務局長に提出
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。