第一部 【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
(注)1.当社は、国際会計基準(以下「IFRS会計基準」という。)に準拠して連結財務諸表を作成しております。
2.「1株当たり親会社の株主に帰属する持分」に使用する親会社株主帰属持分については、「親会社の所有者に帰属する持分合計」から当社普通株主に帰属しない金額を控除し算定しております。
3.「基本的1株当たり親会社の株主に帰属する当期利益」及び「希薄化後1株当たり親会社の株主に帰属する当期利益」に使用する当期利益については、「親会社の所有者に帰属する当期利益」から当社普通株主に帰属しない金額を控除し算定しております。
4.「親会社株主帰属持分当期利益率」に使用する親会社株主帰属持分及び当期利益については、「親会社の所有者に帰属する持分合計」及び「親会社の所有者に帰属する当期利益」からそれぞれ当社普通株主に帰属しない金額を控除し算定しております。
(2)提出会社の経営指標等
(注)最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであります。
2【沿革】
3【事業の内容】
当社及び連結子会社は、国内外のネットワークを通じて、ライフスタイル、食料・アグリ、金属、エネルギー・化学品、電力・インフラサービス、金融・リース・不動産、エアロスペース・モビリティ、情報ソリューション、次世代事業開発、次世代コーポレートディベロップメント、その他の広範な分野において、輸出入(外国間取引を含む)及び国内取引のほか、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等の事業活動を多角的に展開しております。
当社グループにおいてかかる事業を推進する連結対象会社は、連結子会社324社、関連会社等153社、合計477社から構成されております。(注)1
当連結会計年度より、「ライフスタイル」、「フォレストプロダクツ」、「情報ソリューション」、「食料第一」、「食料第二」、「アグリ事業」、「化学品」、「金属」、「エネルギー」、「電力」、「インフラプロジェクト」、「航空・船舶」、「金融・リース・不動産」、「建機・産機・モビリティ」、「次世代事業開発」及び「次世代コーポレートディベロップメント」としていたオペレーティング・セグメントを、「ライフスタイル」、「食料・アグリ」、「金属」、「エネルギー・化学品」、「電力・インフラサービス」、「金融・リース・不動産」、「エアロスペース・モビリティ」、「情報ソリューション」、「次世代事業開発」及び「次世代コーポレートディベロップメント」に再編しております。
当社グループのオペレーティング・セグメントごとの取扱商品・サービスの内容及び主要な関係会社名は以下のとおりであります。
(注)1. 連結子会社及び関連会社の数には、当社が直接連結経理処理を実施している会社のみ含めており、連結子会社が連結経理処理している関係会社(371社)はその数から除外しております。なお、関連会社等にはジョイント・ベンチャー(共同支配企業)、ジョイント・オペレーション(共同支配事業)を含めております。
2. 丸紅インテックスと丸紅テクノラバーは、2026年4月、丸紅インテックスを存続会社とする合併を行っております。
3. 丸紅ファッションリンクと丸紅コンシューマーブランズは、2026年4月、丸紅ファッションリンクを存続会社とする合併を行い、丸紅コンシューマーリンクに商号変更しております。
4. SAIDE GROUP DIS TICARETは、当社グループが従来保有していたSaide Tekstil Sanayi ve Ticaretが、2025年5月に商号変更したものです。
5. Olympus Holdingは、世界各国において飼料添加剤ディストリビューション事業を展開するOrffa International Holdingの持株会社であります。
6. 丸紅テツゲンと丸紅メタルは、2026年4月、丸紅テツゲンを存続会社とする合併を行い、丸紅テツゲンメタルズに商号変更しております。
7. Marubeni LP Holdingは、チリにおいて銅事業への投資を行う持株会社であります。
8. 丸建リースは、当社グループが従来保有していた丸紅建材リースが、2025年10月に商号変更したものです。
9. 丸紅ケミックスと丸紅プラックスは、2026年4月、丸紅ケミックスを存続会社とする合併を行い、丸紅イノベクシスに商号変更しております。
10. Southern Cone Waterは、チリにおいて上下水道のフルサービスを提供するAguas Nuevasの持株会社であります。
11. 丸紅アビエーションは、米国において航空機オペレーティングリース事業を展開するAircastleの持株会社であります。
12. MAI Holdingは、米国において自動車販売金融事業を展開するWestlake Services及びNowcomへの投資を行うNowlake Technologyの持株会社であります。
13. MAI Holding Ⅳは、米国においてフリートマネジメント事業を展開するWheels Topcoへの投資を行う持株会社であります。
14. 第一ライフ丸紅リアルエステートは、2025年7月1日に、第一生命ホールディングス株式会社(現、株式会社第一ライフグループ)と当社の国内不動産事業を統合したことにより発足した持株会社であります。本事業統合に伴い、「金融・リース・不動産」の主要な関係会社であった丸紅都市開発、丸紅リアルエステートマネジメント、丸紅リートアドバイザーズについて、当連結会計年度より主要な関係会社から除いております。
15. MARUBENI FUYO AUTO INVESTMENT (CANADA)は、北米において商用車レンタル・リース事業への投資を行うThe Driving Forceの持株会社であります。
16. MAIHO Ⅲは、米国において自動車アフターマーケット関連事業を営むXL Parts、TPH Holdings及びAutomotive Parts and Services Holdingsの持株会社であります。
17. 丸紅グローバルファーマは、それぞれアジア・中東・アフリカにおいて医薬品販売事業等を営む丸紅ファーマシューティカルズ、Lunatus Marketing & Consulting、Phillips Healthcare等の持株会社であります。
18. Marubeni Consumer Platform Asiaは、所在国で登録済みの名称であり、登記上の社名は、Marubeni Growth Capital Asiaであります。
19. Marubeni Consumer Platform U.S.は、所在国で登録済みの名称であり、登記上の社名は、MGCU Holdingsであります。
20. MCPU Managementは、所在国で登録済みの名称であり、登記上の社名は、Marubeni Growth Capital U.S.であります。
21. MGCA Cafeは、シンガポール・マレーシア・インドネシアにおいてコーヒーチェーン事業を展開するMGCA Cafe SG等の持株会社であります。
22. MRGB Holdは、米国においてライフスタイルブランド運営事業を展開するR.G.Barryの持株会社であります。
23. 2026年度より、「電力・インフラサービス」の一部を「エネルギー・化学品」に、「次世代事業開発」の一部を「ライフスタイル」に、それぞれ編入しております。
4【関係会社の状況】
(1)親会社
該当ありません。
(2)連結子会社
(注)1. 資本金又は出資金は、IFRS会計基準による連結財務諸表作成上使用した通貨に基づいております。
2. 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数表示しております。
3. 「役員の兼任等」における役員の定義は、取締役及び監査役であります。
4. *1は、特定子会社に該当します。また、上記記載会社以外では、金属でMarubeni LP Holding傘下のMarubeni Copper Holdings、エネルギー・化学品でMarubeni North Sea、次世代コーポレートディベロップメントでMarubeni Consumer Platform U.S.傘下のM Prime Intermediate、M Prime Buyer、MRGB Hold及びR.G.Barry、その他(本部・管理等)で丸紅米国会社、丸紅オーストラリア会社が特定子会社に該当します。
5. *2の丸紅アビエーションは、債務超過の状況にある会社であり、当連結会計年度末における債務超過額は84,625百万円となっております。
6. *3のHelena Agri-Enterprisesは、収益(連結会社相互間の内部取引を除く)の連結包括利益計算書の収益総額に占める割合が10%を超えております。この会社の主要な損益情報等は以下のとおりであります。
(1)収益 980,479百万円
(2)税引前利益 48,802百万円
(3)当期利益 37,313百万円
(4)資本合計 465,080百万円
(5)総資産額 1,101,137百万円
7. *4は米国法上の Limited Liability Company/Limited Partnership であり、資本金の概念と正確に一致する会計上の数値を有していないことから、資本金を記載しておりません。
8. *5の丸紅インテックスと丸紅テクノラバーは、2026年4月、丸紅インテックスを存続会社とする合併を行っております。
9. *6の丸紅ファッションリンクと丸紅コンシューマーブランズは、2026年4月、丸紅ファッションリンクを存続会社とする合併を行い、丸紅コンシューマーリンクに商号変更しております。
10.*7の丸紅テツゲンと丸紅メタルは、2026年4月、丸紅テツゲンを存続会社とする合併を行い、丸紅テツゲンメタルズに商号変更しております。
11.*8の丸紅ケミックスと丸紅プラックスは、2026年4月、丸紅ケミックスを存続会社とする合併を行い、丸紅イノベクシスに商号変更しております。
12.*9のMarubeni Consumer Platform Asiaは、所在国で登録済みの名称であり、登記上の社名は、Marubeni Growth Capital Asiaであります。
13.*10のMarubeni Consumer Platform U.S.は、所在国で登録済みの名称であり、登記上の社名は、MGCU Holdingsであります。
14.*11のMCPU Managementは、所在国で登録済みの名称であり、登記上の社名は、Marubeni Growth Capital U.S.であります。
(3)関連会社等(持分法を適用していない関連会社を除く)
(注)1. 資本金又は出資金は、IFRS会計基準による連結財務諸表作成上使用した通貨に基づいております。
2. 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数表示しております。
3. 「役員の兼任等」における役員の定義は、取締役及び監査役であります。
4. *1は、有価証券報告書又は有価証券届出書を提出しております。また、上記記載会社以外では、情報ソリューションでアルテリア・ネットワークス傘下のGameWithが有価証券報告書を提出しております。
5. *2は、議決権の所有割合は100分の20未満であるが、重要な影響力を持っているため関連会社としたものであります。
6. *3は米国法上の Limited Liability Company/Limited Partnership であり、資本金の概念と正確に一致する会計上の数値を有していないことから、資本金を記載しておりません。
7. *4のSAIDE GROUP DIS TICARETは、当社グループが従来保有していたSaide Tekstil Sanayi ve Ticaretが、2025年5月に商号変更したものです。
8. *5の丸建リースは、当社グループが従来保有していた丸紅建材リースが、2025年10月に商号変更したものです。
9. *6の第一ライフ丸紅リアルエステートは、2025年7月1日に、第一生命ホールディングス株式会社(現、株式会社第一ライフグループ)と当社の国内不動産事業を統合したことにより発足した持株会社であります。本事業統合に伴い、「金融・リース・不動産」の主要な関係会社であった丸紅都市開発、丸紅リアルエステートマネジメント、丸紅リートアドバイザーズについて、当連結会計年度より主要な関係会社から除いております。
(4)その他の関係会社
該当ありません。
第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境を見ますと、既成概念のディスラプションにより、経営環境の急激な変化に直面しております。生成AI等の急速な発展による産業変革の加速・ビジネスモデルのライフサイクル短期化、景気後退懸念と金融政策転換の予測困難性の増大、地政学的リスクの続発、経済と安全保障の連環の高まり、環境課題・ガバナンス・人的資本等のサステナビリティ経営への要請等、当社グループにとって機会と脅威が同時に到来しております。変化は成長オポチュニティとなる一方で、既存ビジネスモデルは陳腐化リスクにさらされており、これまでのように商品軸をベースとするアプローチだけではもはやソリューションは作り出せなくなると考えております。
(2)中東情勢の影響について
当社グループは、中東地域における軍事的緊張の高まり及びこれに伴う地政学リスクの拡大を踏まえ、人員の安全確保を最優先事項として対応しております。今後の情勢次第では事業環境の不確実性が一段と高まる可能性があり、現地関係先との連携を維持しつつ、状況の変化に応じた必要な対応を講じております。
事業面においては、原油・ガス等の資源価格の変動、海上物流の混乱、輸送ルートの制約、運賃の上昇等により、当社グループの事業・業績に影響を及ぼす可能性があります。また、治安悪化への懸念や人員移動の制約等により、建設・操業・保守の進捗に遅延が生じることが想定されます。加えて、こうした影響は周辺国・地域にも波及し、一部の国・地域において景気への下押し圧力となる可能性があります。
一方で地域情勢の変化に伴い、代替輸送ルートや物流機能を有する国・地域の戦略的重要性が高まるほか、安定的なエネルギー供給の確保、電力・インフラの運営・保守、物流網の再構築等の分野において、新たな需要や事業機会が生じる可能性があります。当社グループは、既存事業の安定運営に努めるとともに、こうした環境変化を踏まえた中長期的な成長機会の取り込みにも取り組んでまいります。
当社グループは、各国政府及び国際社会の対応、制裁措置の動向並びにエネルギー・物流市場の変化を注視し、個別案件への影響の有無及びその程度について、継続的に評価・分析を行っております。当社グループとしては、引き続き安全確保を前提として、既存事業の安定的な運営及び中長期的な成長機会の両面から適切に対応してまいります。
(3)会社の経営の基本方針
当社グループは、中期経営戦略「GC2021」(2019年度-2021年度)、「GC2024」(2022年度-2024年度)期間を通じて、収益基盤を確立させてきました。2030年度へ向けた長期的な経営戦略の第3段階として、次なる高みへ向け成長を加速させるべく、中期経営戦略「GC2027」を策定し、2025年度よりスタートしております。
<中期経営戦略「GC2027」>
「基本方針」
○次の成長ステージに向け経営のギアチェンジを図り、利益成長・企業価値向上を加速
○企業価値向上に向けた3つの成長ドライバーとして以下を実践
①既存事業の磨き込み・拡張
②成長への資本配分・投資戦略─成長なき事業からの回収、注力領域への重点投資、長期目線の種まき─
③Global crossvalue platformの追求
「長期目線の新たな目標とGC2027定量目標」
○GC2027で掲げた時価総額目標10兆円は2026年2月に達成。当社グループの相対的な位置づけは年々向上してきている
○丸紅グループの在り姿である Global crossvalue platform の追求とは、世界最善との掛け合わせ、自らを常に新しくしていくこと
○世界最善を謙虚に学び、「規律ある資本配分」×「オペレーショナルエクセレンス・改善」×「次の世代への仕掛け=永続成長力向上」を継続していく
〇世界の高みに向けた着実な成長を続け、時価総額で世界100位圏内を長期的に目指す
*年平均成長率。CAGR10%程度は、2025年2月5日時点の2024年度見通し実態純利益(連結純利益から一過性要因を控除した概数)4,600億円を起点とした2027年度までの数値
「利益成長計画」(グラフは2025年2月5日時点の見通し)
○既存事業の磨き込みを中心に利益成長を実現

「地域別利益」
○レジリエンスの高い地域ポートフォリオの強化

「資本配分方針」
○既存事業からの基礎営業キャッシュ・フロー最大化と投資の回収促進により、キャッシュ創出力を強化
○創出したキャッシュは、優良な成長投資に優先配分し、更なる企業価値の向上を実現
○収益力の向上を踏まえ、株主還元を更に強化
○3ヵ年累計で株主還元後フリーキャッシュ・フロー黒字*を維持(*営業資金の増減等を除く)

「投資戦略」(グラフは2025年2月5日時点の見通し)
○「成長領域×高付加価値×拡張性」を有する戦略プラットフォーム型事業に注力
○競争優位性のある既存事業領域へ優先的に配分

「株主還元方針」
○長期にわたり安定した配当を行いつつ、中長期的な利益成長により増配する基本方針を継続
○中期経営戦略「GC2024」における収益力の向上を踏まえ、総還元性向を40%程度に引き上げ
○1株当たり年間配当金100円を基点とする累進配当を実施
○機動的な自己株式取得を実施
*資本配分ベースのため、連結キャッシュ・フロー計算書の金額とは異なる
「Global crossvalue platformの追求」
○持続的な企業価値向上の仕掛けを実践

「グリーンへの取組み」
○グリーンを事業価値の構成要素の1つとして捉え、収益力を強化
○気候変動長期ビジョン*に基づき、2050年までにGHG排出ネットゼロを達成
○「自然と共生する社会」に向け、脱炭素社会・循環経済への移行に貢献し、ネイチャーポジティブを実現
*『気候変動長期ビジョン』 ~温室効果ガス排出のネットゼロに向けて~(2021年3月公表)
(将来に関する記述等についてのご注意)
本報告書に記載されている将来に関する記述は、当社が当有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループのサステナビリティ
当社グループは、社是「正・新・和」の精神に則り、公正明朗な企業活動を通じ、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指すことを経営理念としています。当社グループの長期戦略は経営理念の実践であり、環境・社会の課題に対し、プロアクティブにソリューションを提供することで価値を創造し成長することです。
環境・社会の課題は多様で変化し続けます。変化を先取りするために、丸紅グループは、1. 人財、2. 地域、3. セクター、4. ビジネスモデルの4つの多様性を差別化要因の一つとし、自らも変化し続けています。これが丸紅グループの強みであり、価値創造の源泉です。強みを更に高めるため、「基盤マテリアリティ」として、人財、経営基盤、ガバナンスの3つを特定し、継続的に強化に努めています。
また、基盤マテリアリティを活用して取り組むべき課題「環境・社会マテリアリティ」として、気候変動対策、自然との共生、循環型経済への取組み、人権の尊重の4つを特定しています。更に、サプライチェーン全体で「環境・社会マテリアリティ」に取り組むことが、競争力・差別化に直結するものと認識しています。引き続き、取引先と協働し、持続可能で強靭なサプライチェーン構築に向けた取組みを強化していきます。
当社グループのサステナビリティに関する取組みについては、当社ウェブサイト内「サステナビリティサイト」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/
(2)ガバナンス
① サステナビリティ共通
当社グループはサステナビリティ関連の重要事項(対応方針、目標、アクションプラン等)について、経営会議及び取締役会にて審議・決定しており、取締役会の監督が十分に得られる体制を構築しています。取締役の報酬では、個人定性評価において、サステナビリティに関する取組み等、将来に向けた新たな価値創造の取組みへの貢献を考慮し、評価を行うこととしております。取締役の報酬体系については、「第4 提出会社の状況」における「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。
社長直轄の「サステナビリティ委員会(2026年4月1日付で名称をサステナビリティ推進委員会から変更)」においては、サステナビリティに関連する幅広い事項を議論の対象としており、定期的(年1回以上)に取締役会への報告を行っています。当事業年度においてはサステナビリティ委員会を3回開催し、サステナビリティ関連のリスク及び機会並びに気候関連を含むサステナビリティ情報の開示等について議論しました。取締役会はサステナビリティ委員会において検討された重要事項について定期的に報告を受領し、サステナビリティに関する方針、重要施策、並びにリスク及び機会について、監督及び意思決定を行っています。当事業年度の取締役会において、英国現代奴隷法に基づく声明文の承認等に関する議案や、「環境・社会マテリアリティ」の取組み報告に関する議案について審議を行いました。
サステナビリティ推進体制については、以下のとおりであります。サステナビリティ委員会の委員長は執行役員が務め、関連するコーポレートスタッフグループから委員を任命しています。社外アドバイザーもメンバーに加わり、独立した外部の視点も踏まえながらサステナビリティに関する事項の管理・統括を行っています。

図1:サステナビリティ推進体制(本報告書提出日現在)
なお、当社は取締役・監査役の専門性及び経験をスキルマトリックスとして公表しています。スキルマトリックスにつきましては、「統合報告書2025 コーポレート・ガバナンス 構成、専門性および経験」をご参照ください。また、営業部門、コーポレートスタッフグループの各部、支社・支店・現地法人ごとに、サステナビリティ推進の責任者としてサステナビリティ・リーダーを、営業部ごとの責任者としてサステナビリティ・マネジャーを任命し、充実した現場体制があるなかでサステナビリティに関する事項の討議・推進を行っています。
② 気候変動対応
社長直轄のサステナビリティ委員会における具体的な議論の事項としては、気候関連のリスク及び機会の識別、評価、戦略、リスク管理、指標及び目標の設定や見直し、モニタリングを、気候関連のイノベーションの進捗や外部環境の変化を踏まえて議論し、定期的(年1回以上)に取締役会への報告を行っています。
(3)リスク管理
① サステナビリティ共通
当社グループは、気候変動対策、自然との共生、循環型経済への取組み及び人権の尊重等の、サステナビリティの観点で重要度の高い分野におけるリスク及び機会について、サステナビリティ委員会で管理・モニタリングを行っています。気候関連のリスク及び機会の管理については、「(2)ガバナンス」に記載のとおりであります。
ビジネスのサステナビリティ面における潜在的なリスク評価として、環境、安全衛生、社会の3カテゴリ、27項目の多角的観点から分析・検討を行う仕組みを構築し、それぞれの評価項目における潜在リスクの重要度と影響度を判断しています。
事業におけるサステナビリティに係るリスク評価項目(3カテゴリ27項目)
このリスク評価手法を用いて、グループ内やサプライヤーのサステナビリティ調査を実施しています。また、投融資決定プロセスにおいても、このリスク評価手法を用いて、既存事業のモニタリングを含め、グループの事業をサステナビリティの観点より継続的に評価する体制を構築しています。リスク評価手法については、国際機関、各国政府、各産業分野、産業団体、投資家、金融機関及びNGO等のステークホルダーに関連する情報も参考としながら、定期的に見直しを実施しています。
② 気候変動対応
とりわけ重要度の高い気候変動の影響に関しては、IEA(*)等の様々なシナリオ分析を参照してリスクが高いと判断される場合には、想定される温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量の削減計画、案件実施国における脱炭素計画、気候変動長期ビジョンとの整合性等を考慮し、気候関連のリスク及び機会、事業の優先度等を踏まえたうえで、投融資の意思決定に活かしています。シナリオ分析については「(4)戦略 ② 気候変動対策への貢献 (b)シナリオ分析」に記載のとおりであります。また、気候変動の影響を含むリスクの高い事業領域については、必要に応じ、投融資委員会・経営会議・取締役会で審議しています。これらのリスク管理体制については、毎年実施している内部統制の基本方針の見直しのなかで、運用状況が取締役会に報告され、有効性を確認しています。
気候関連の「物理的リスク」については、当社グループでは、個々の対策が最適かを評価し、あらゆる危機に関して対応する体制の構築に継続して取り組んでいます。2022年4月、それまでの個別の危機事象をベースにしたBCP(Business Continuity Plan)を改定し、自然災害等を含む、オールハザード型の丸紅グループBCPを導入しています。BCPを有効に機能させ、BCM(Business Continuity Management)体制を構築・推進するため、本社人事総務部(2026年4月1日付で人事部と総務部を統合し名称を変更)内に専任組織を設け、人員・システム・オフィス(建物)・決済機能及びグループ会社経営に関わる重要リソースに対する罹災が生じた場合には人命の安全を最優先に速やかに対応できる体制を構築しています。
(*)国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)
なお、営業活動その他に係る環境・社会リスクについては、「3 事業等のリスク」の「(2)個別のリスクについて ⑨ 環境・社会リスクについて」に記載のとおりであります。
(4)戦略
① グリーンへの取組み
当社グループは、中期経営戦略「GC2027」においてグリーンへの取組みを推進し、企業価値向上を図っています。グリーンを事業価値の構成要素の一つとして捉え、収益力を強化するとともに、国際社会の目標(*1)「自然と共生する社会」に向け、脱炭素社会・循環経済への移行に貢献し、ネイチャーポジティブを実現します。
(*1) 国際社会の目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF: Kunming-Montreal Global Biodiversity Framework)」
2022年12月に生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された2030年に向けたミッション「ネイチャーポジティブ」において、「自然を回復軌道に乗せるために生物多様性の損失を止め、反転させるための緊急の行動をとる」ものとされています。当社グループが目指す「グリーン」は、2030年に向けた国際目標「ネイチャーポジティブ」及び2050年ビジョン「自然と共生する社会」に合致しています。
② 気候変動対策への貢献
(a)気候変動長期ビジョン
自然との共生に向けた取組みの中でも、脱炭素化に向けた動きは国境を越えた喫緊の課題の一つです。当社グループは、2021年3月に「気候変動長期ビジョン」を公表しました。2050年までにグループのGHG排出ネットゼロを達成するとともに、事業を通じて社会の低炭素化・脱炭素化に貢献していきます。当社グループは、気候変動問題に対してポジティブインパクトを創出し、成長する企業グループを目指しています。
詳細は、当社ウェブサイト内「『気候変動長期ビジョン』~温室効果ガス排出のネットゼロに向けて~」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/sustainability/pdf/environment/approach/data1.pdf
(b)シナリオ分析
当社グループでは、気候変動による事業への影響度及び当社グループへの影響度(資産規模、収益規模等)が相対的に高い事業を選定し、短期(~3年)、中期(3~10年)、長期(10~30年)の時間軸を定義したうえで、現行シナリオと移行シナリオにおける事業環境認識(移行リスク/機会、物理的リスク/機会、時間軸(短期・中期・長期))を踏まえた中期の財務的影響及び対応方針・取組みについて、TCFD(*2)提言に沿ってシナリオ分析を実施しました。
当社グループの事業ポートフォリオは多岐に分散されており、特定の産業やビジネスに固有のリスクがグループ全体の財務状況に与え得る影響は限定的ですが、適切なリスク管理を継続的に強化し、気候変動に対するレジリエンスを更に高めていきます。
(*2)気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)
シナリオ分析の詳細は、当社ウェブサイト内「気候変動対策への貢献(TCFD提言に基づく情報開示) 戦略 シナリオ分析」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/15/?id=anc_07
③ 自然との共生
(a)自然に関する長期戦略
ビジネスが自然資本・生物多様性に与える影響(インパクトマテリアリティ)への対応は顧客・社会の課題であり、そのソリューションの提供が当社グループに「成長」という財務インパクト(財務的マテリアリティ)をもたらすと考えています。したがって、ビジネスに付随する自然関連課題を把握することは、当社グループの成長機会を探求することにほかなりません。
当社グループは自然の劣化という環境・社会課題を先取りし、国際社会の目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」に則したネイチャーポジティブの実現を目指すとともに、グループ内外のネイチャーポジティブ経済への移行を推進することで、自らの成長にも繋げていきます。
また、自然関連財務情報開示の重要性についても認識しており、TNFD(*3)提言に基づく情報開示に取り組んでいます。
(*3)自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD:Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)
(b)自然関連課題の特定と評価(LEAPアプローチ)
自然関連課題に対するソリューションの提供を通じた丸紅グループの成長を実現していくためには、ビジネスに関連する自然への依存・インパクト、そこから生じ得るリスクと機会を適正に分析、評価することが重要であると考え、2025年3月期よりTNFDが提示する「LEAPアプローチ」(*4)を適用し自然関連課題の特定と評価を実施してきました。
当社グループは、取り扱う多種多様な商材、バリューチェーン、地域を網羅的に整理し、ビジネスと自然の関係を把握・評価、優先課題の抽出、ソリューションの検討をグループ内外で行うことでネイチャーポジティブ経済への移行にも貢献することを目指しています。
(*4)Locate(発見)、Evaluate(診断)、Assess(評価)、Prepare(準備)の4つのステップからなる自然関連
課題を把握するためのアプローチ
自然との共生の詳細は、当社ウェブサイト内「自然との共生(TNFD提言に基づく情報開示)」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/17/
④ 人権の尊重
(a)人権方針の策定
当社グループは、「丸紅グループ人権基本方針」「サプライチェーンにおけるサステナビリティ基本方針」及び「丸紅グループ労働安全衛生基本方針」に基づき、当社グループのみならず、コントラクターやビジネスパートナーを含む事業関係者やサプライチェーン全体において、人権尊重意識の向上と、人権問題の発見と是正に向けて取り組んでいます。各取組みの実施状況を踏まえ実効性を評価し、取締役会への報告とその監督の下、継続的な改善と強化を図っています。
(b)人権デューデリジェンス
国連「ビジネスと人権に関する指導原則」「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」(5つの中核的労働基準)、OECD「多国籍企業行動指針」及び「責任ある企業行動のためのデューデリジェンスガイダンス」、ISO26000、SA8000等を基礎に、人権デューデリジェンスの仕組みを構築し、産業分野・製品・地域と、それらに関わる当社の固有の状況を照らし合わせて、想定される人権侵害(及びその深刻度(規模・範囲・是正不能性)・発生可能性)を考慮しつつリスクマッピングを行い、優先的に取り組むべき調査対象を決定しています。
また、人権デューデリジェンスの仕組みを構築する過程において、自社内の議論だけでなく、多様なステークホルダーや外部の有識者(例えば、人権尊重を目指すNGO、国際的な労働者の権利保護を推進する機関、人権専門家等)との対話(エンゲージメント)を通じて、重要度・優先度の高い取組みを特定し、当社の事業の投資・運営及びサプライチェーンにおける人権デューデリジェンスの実効性を高める努力を行っています。
(c) 救済メカニズム
2021年3月期に、「丸紅グループ人権基本方針」に則り、苦情処理(救済)を行う社内プロセスを構築しました。本プロセスは、機密性・匿名性が保証され、あらゆるステークホルダーが人権侵害に関する苦情を提起できる正式な仕組みです(人権侵害に関する苦情を提出するための専用窓口も当社ウェブサイト上に設置されています)。
この窓口は対応する人権の種類に制限を設けておらず、「清潔で健康的かつ持続可能な環境への権利」(健全な環境に対する権利に関する国連総会決議76/300)や、当社の事業やサプライチェーンが自然に及ぼす影響により間接的に影響を受け得るあらゆるステークホルダーの方々(特に環境の悪化によって脆弱な立場に置かれやすい方々として、例えば、先住民族、地域コミュニティ、高齢者(及び地域によっては女性)、障がいのある方、若年者や子ども等を含みます)の人権を含め、あらゆる人権問題に関する通報を受け入れる仕組みとしています。
この救済メカニズムに関する手続は文書化された社内規程によって定められており、これに従い、通報を受けた案件を直ちに精査したうえで、通報者の保護に関する事項、エンゲージメント方針(対話の優先順位や内容を含む)、外部専門家とのコンサルテーションの要否、救済・是正のために当社が行うべき行動等について決定・実行するとともに、その実施状況について通報者又はライツホルダーの方々へ説明責任を果たすことにより、透明性の確保を図っています。通報者はこの手続の利用や通報したことを理由として報復措置を受けることはありません。
人権の尊重の詳細は、当社ウェブサイト内「人権の尊重」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/21/
(5)指標及び目標(気候変動)
当社グループは、気候変動リスクの低減に努めており、2050年までに事業活動に伴うGHG排出ネットゼロ(*1)の達成を目指すことを気候変動長期ビジョンの基本方針としています。また、長期ビジョンの実効性を高めるため、2030年に向けたアクションプラン(行動計画)を策定しております。気候関連のリスク及び機会への対応の一環として、主に下記の指標及び目標を定めています。
<気候変動長期ビジョン>
① 2050年までにGHG排出ネットゼロ
② 事業を通じた低炭素・脱炭素化への貢献
<2030年に向けたアクションプラン(行動計画)>
① Scope 1・Scope 2のCO2排出量を2020年3月期(約1百万t-CO2e)対比50%削減
② Scope 3 カテゴリ15(投資)のCO2排出量を2020年3月期(想定CO2排出量約36百万t-CO2e(*2))対比
20%削減
③ 石炭火力発電事業によるネット発電容量を、2019年3月期末の約3GWから2025年までに半減、2030年までに
約1.3GW、2050年までにゼロにする
(*1)GHG排出削減を行ったうえで、削減できない残余排出を、自然を基盤とした手段や技術的手段により除去し、大気中への人為的なGHG排出をネットゼロとすること。なお、ネットゼロの対象範囲は当社及び連結子会社のScope 1(直接排出)及びScope 2(間接排出)に加え、Scope 3(Scope 1、Scope 2以外の間接排出・サプライチェーン排出)カテゴリ15(投資)に含まれる持分法適用関連投資先の排出としております。
(*2)既存投資先の2020年3月期実績に、2021年3月時点での約定済み案件(電力事業については売電契約締結済みで商業運転開始前の案件)からの想定排出量を加えた排出量
(*3)Scope 1排出量はエネルギー起源CO2を対象にしています。
当社グループがGHGプロトコルを参照して算定したGHG排出量に関する数値は以下のとおりであります。
・丸紅単体及び連結子会社を対象にしています。
・2025年3月期までは、連結子会社には清算・売却方針決定済みの子会社は含みません。
・なお、Scope 1排出量及びScope 2排出量については、独立した第三者保証機関による限定的保証を取得しています。保証機関の名称や詳細につきましては、当社ウェブサイト内「環境データ 第三者保証」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/19/?id=anc_01
当社グループは、Scope 1及びScope 2のGHG排出削減目標の達成に向け、Scope 2については証書活用を進めるとともに、使用電力を再生可能エネルギー由来へ切り替える取組みを推進しています。
2026年3月期においては、上記取組みによるScope 2の削減に加え、事業ポートフォリオの見直しや一部事業における稼働状況の変化等により、当社グループのエネルギー使用量は減少しました。これに伴い、気候変動長期ビジョン2030年アクションプラン対象Scope 1・2排出量は2025年3月期比で83,272t-CO2e(約8%)の削減となりました。
当社グループは、引き続き2030年までの削減目標(Scope 1・Scope 2のCO2排出量を2020年3月期(約1百万t-CO2e)対比50%削減)の達成を目指してまいります。
なお、事業を通じた低炭素化・脱炭素化への貢献を進めるため、バリューチェーン上のGHG排出を当社グループがその削減に貢献できる「機会」と捉え、関連する全てのScope 3のカテゴリを算定しています。更に当社グループが提供しているソリューションの効果を定量的に把握するため、削減貢献量・CO2蓄積量を算定しています。
気候変動のための指標及び目標の進捗状況は、当社ウェブサイト内「環境データ 気候変動対策への貢献」「気候変動対策への貢献(TCFD提言に基づく情報開示) 戦略 事業を通じた低炭素化・脱炭素化への貢献」をご参照ください。
「環境データ 気候変動対策への貢献」
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/19/?id=anc_02
「気候変動対策への貢献(TCFD提言に基づく情報開示) 戦略 事業を通じた低炭素化・脱炭素化への貢献」
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/15/?id=anc_02_03_01
(6)人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
当項目内において、「当社グループ/丸紅グループ」と記載していない箇所は、全て提出会社における記載です。
① ガバナンス
当社の人財戦略において重要度が高いアジェンダについては、人財戦略会議「タレントマネジメントコミッティ」(2026年3月期までは社長・CHRO・CAO・CSOを主要メンバーとして構成。2026年4月以降は、社長・CHRO・CAO・CSO・CDIOを主要メンバーとし、テーマに応じて関連する海外現地法人HR統括者が参画予定)又は経営会議において、経営戦略に即した人財戦略を実行する観点から必要な議論・報告・承認を行っています。タレントマネジメントを多面的に議論する「タレントマネジメントコミッティ」の取組み強化を通じ、よりグローバルに、グループとしての人財戦略を実践していきます。
② 戦略
人財は当社グループの最大の資本であり、価値創造の原動力です。中期経営戦略「GC2027」では、「Global crossvalue platformの追求」を成長ドライバーの一つと位置付け、持続的な企業価値向上の仕掛けとして「グループ人財戦略の強化」に取り組んでいます(当社グループ人財戦略の詳細は、「第4 提出会社の状況」における「5 従業員の状況等(1)人材戦略に関する基本方針等 ① グループ人財戦略」に記載)。
これまでの中期経営戦略「GC2021」・「GC2024」で構築してきた仕組みである「多彩な人財が集い、活き、繋がる場」は、この人財戦略を遂行する上での重要な基盤です。また、丸紅グループが不確実な事業環境のなかで持続的な成長を遂げるためには、異なる視点や経験を持つ人財が、個々の「違い」を積極的に活かしながら切磋琢磨し、有機的につながり、一つ一つの判断の精度を高め合うことが不可欠です。
こうした観点から、引き続き、女性活躍推進をはじめとするダイバーシティ・マネジメント、健康経営、ワークライフマネジメント施策等、人財一人ひとりがエンゲージメントを高く保ち活躍し続けられる環境の更なる充実に取り組み、「多彩な人財が集い、活き、繋がる場」を強化していきます。
(a)多彩な人財が「集う」施策
多様化する社会課題・顧客ニーズに十分に対応するためには、多彩な知と経験を備えた人財が集い、連携することが必要不可欠です。丸紅グループがより強く進化していくために、様々な手法で魅力の発信や人財へのアプローチを強化しています。
<採用競争力の強化>
・新卒・キャリア採用共通オウンドメディアの構築、自社説明会やインターンシップ、社員訪問等の強化による社員と学生の接点最大化、AIを用いた学生のキャリア形成支援の実施等、対面とデジタルの掛け合わせによる魅力の発信を強化しています。こうした取組みの結果、(株)ダイヤモンド・ヒューマンリソースによる「2027卒大学生が選んだ就職人気企業ランキング(後半戦)」(*)にて女性ランキング1位(2年連続)、男性ランキング2位に選出されました。
・一般的な新卒採用やキャリア採用に加え、「Career Vision採用」やリファラル採用といった独自の採用手法を取り入れながら、専門性・能力・個性を活かし新たな価値創造のドライバーとなる多彩な人財へアプローチしています。
(*)2027年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に実施。文系男性、理系男性、文系女性、理系女性の4つのランキングで構成。
<障がい者雇用の推進>
・当社では、障がい者雇用の推進を目的に、2009年3月期に丸紅オフィスサポート(株)を設立し、特例子会社の認定を受けています。同社は2021年3月期には「障害者雇用に関わる優良事業主の認定(もにす認定)」を東京都の第1号として取得したほか、2022年3月期には東京都から「東京都『心のバリアフリー』好事例企業」として選定されました。2026年3月現在で、当社と合わせて108名の障がい者を雇用しており、雇用率は、法定を上回る3.07%となっています。
多彩な人財が「集う」施策の詳細は、当社ウェブサイト内「人財マネジメント」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/26/?id=anc_02_01
(b)多彩な人財が「活きる」施策
当社グループ内外での様々な挑戦・成長の機会を活かして、多彩な知と経験を備えた人財の育成・活躍を強化しています。また、そうした人財がエンゲージメント高く、活き活きと長く活躍できるような組織開発に取り組んでいます。
<人財開発方針>
・「ミッションを核とする人事制度」の下、人財一人ひとりが自らのミッションに心を込め達成に向けて日々挑戦することを通じて成長することを人財開発の土台としつつ、そこに丸紅グループの強い経験・スキルを現場で伝承する「On the Job Training」と、新たな知・スキルを獲得するための「Off the Job Training」を掛け合わせることで人財の成長を加速させていきます。
<ミッションを核とする人事制度>
・当社では、人財一人ひとりが達成を目指すミッション(期待役割及び定量・定性目標)の大きさと報酬水準を一致させ、実力と成果に応じた時価的な処遇を実現する「ミッションレーティング」(制度の概要は、「第4 提出会社の状況」における「5 従業員の状況等(1)人材戦略に関する基本方針等 ② 提出会社における給与等の決定に関する方針」に記載)を導入しています。2024年7月から、従来の総合職と一般職という職掌区分を廃止するとともに、ミッションレーティングの仕組みを、非管理職を含む全社員に適用しました。
・この制度の下、各組織は個人の実力や特性、意欲に応じてミッションを設定し、社員はストレッチしたミッションに果敢にチャレンジすることで、人財の成長と組織の戦略実行力の向上を同時に促しています。ミッション設定時や進捗確認時の上司との対話の充実にこれまで以上に注力することで、ミッションの質(=組織ミッションとのアラインメント×ストレッチ度合×ジブンゴト化)を高め、より大きなミッションへ挑戦する動機付けやキャリア・オーナーシップを一層促進していきます。
<エンゲージメントサーベイ>
・当社では、エンゲージメントを「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献し合う関係」であると考え、組織マネジメントや諸制度の改善を促し、社員が活き活きと働く環境をつくることを目的として、エンゲージメントスコア(*)を測定しています。当社の2026年3月期のスコア(63.1)も前年(62.4)から向上し、2019年3月期の測定開始以来、全社スコアは毎年上昇しています。(株)リンクアンドモチベーションが発表した「ベストモチベーションカンパニーアワード2026」において、大手企業部門(5,000名未満)で「Motivation Company」を受賞しました。
・サーベイの結果を踏まえ、改善を希望する組織に対して「組織改善プログラム」を提供しています。改善に向けたアクションプランを策定・実行することで、プログラムに参加した多くの組織でスコアが改善する結果が得られています。こうした取組みを通じて、エンゲージメントスコアが高い組織の割合も年々上昇しています。
(*)組織状態を示すエンゲージメントスコア(偏差値)。偏差値50は(株)リンクアンドモチベーションの提供するサービスを利用する企業の平均を表します。
多彩な人財が「活きる」施策の詳細は、当社ウェブサイト内「人財マネジメント」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/26/?id=anc_02_02
(c)多彩な人財が「繋がる」施策
組織を超えた人財の繋がりの強化は、新たな価値創造の源泉と考え、人財のコラボレーションを促す仕組みを設けています。自部署以外の社員との交流や、イノベーション風土の醸成に向けた取組みを国内外で推進しています。
<丸紅キャリアマーケット>
・当社では、社内外の組織を超えて人財が行き交う独自のキャリアマーケットの活性化により、社員の自律的なキャリア開発とオープンコミュニティを促進し、新たな価値や機能の発見、事業展開に結び付けています。社内の取組みとしては、部署が人財を求めて公募する「社内人財公募」や、社員が他部署への異動を求めて登録する「ジョブマッチングシステム」を実施しています。社外との関わりでは、他業界のリーディングカンパニーと社員を派遣し合う「社外人財交流プログラム」を実施しています。
<オープンイノベーション>
・当社では、担当業務に限らない丸紅グループの価値向上に繋がる活動に、就業時間の15%の時間を充当できる「15%ルール」、組織がパートタイムでの協力を求めて社内に助っ人を公募する「クロスケット」、他組織や地域戦略へ貢献した人財に対してコインを付与する「クロスバリューコイン」といった仕組みを実施しています。これらの施策が有機的に紐づき、組織を超えた新たな価値創造を促しています。
・当社では、2023年11月より退職者コミュニティ「M-Alumni (まるムナイ)」を運営しています。専用SNSを通じた当社とアルムナイもしくはアルムナイ同士のネットワーク形成、ネットワークを通じた人財獲得やビジネス協業等の価値共創を目的としています。
多彩な人財が「繋がる」施策の詳細は、当社ウェブサイト内「人財マネジメント」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/26/?id=anc_02_03
(d)ダイバーシティ・マネジメント
「多彩な人財が集い、活き、繋がる場」全体の活性化に通じる注力事項として、ダイバーシティ・マネジメント(人財の多様性推進)を推進しています。丸紅グループが不確実な事業環境のなかで持続的な成長を遂げるためには、異なる視点や経験を持つ人財が、個々の「違い」を積極的に活かしながら切磋琢磨し、有機的につながり、一つ一つの判断の精度を高め合うことが不可欠です。
この点で、ダイバーシティ・マネジメントは、単なる「理念」を語るものではなく、グループ経営そのものに直結する経営課題だと考えています。性別・属性・文化風習の違いによる「やりにくさ」を感じさせず、一人ひとりが自分らしくミッションに心を込め、日々心置きなく力を発揮することができる環境をつくることに引き続き注力していきます。
<グローバル・ネットワーク>
・丸紅グループでは、全世界に約53,000名の連結従業員を擁し、当社社員の730名(2026年4月1日時点)が海外に駐在しています。グループ内の多様な人財が国を超えて連携することで、現地ニーズを的確に捉えた事業展開を通じたグローバル成長と持続的価値創造を追求しています。
・海外現地法人、海外店、海外事業会社等の海外拠点における優秀な人財の東京本社等での活用と、将来の丸紅グループ各社の幹部候補となる人財の更なる育成を目的として、対象となる社員を勤務地以外の国へ一定期間派遣するプログラム「Marubeni Global Mobility Program」を実施しています。
・海外現地法人、海外店及び国内外事業会社の上位マネジャー層を対象に、丸紅グループへの理解を深め、グループ各社のビジネスの共有等を行う「丸紅グループ・ワークショップ」を開催しています。企業・組織の枠組みを超えた協働・交流の促進の機会として、国内外で活躍している多様なバックグラウンドを持つグループ社員のネットワークづくりにも寄与しています。
<女性活躍推進>
・当社では、2022年8月に女性活躍推進の方針として「女性活躍推進2.0」を制定しました。「女性活躍推進2.0」では、女性が丸紅の経営やビジネスの意思決定により深く関わる状態を目指し、女性が活躍し続けられる環境づくりに向けたこれまでの様々な取組みに加えて、女性の成長機会をより充実させ、意思決定に関わるポストまでのキャリアパスを太く強固なものにする「タレントパイプラインの拡張」に注力しています。
・「ミッション本位・実力本位の更なる徹底」をグループ人財戦略の中核に据える当社にとって、女性活躍推進は、多彩な人財が力を最大限に発揮し自律的に成長を続ける組織基盤の確立に向けた、最重要課題の一つです。2026年3月期では、タレントマネジメントコミッティや経営会議での議論を経て、グループ人財戦略とのアラインメントを図る観点から、今後「女性活躍推進2.0」の下で推進していく施策を更新するとともに、2026年4月1日から2031年3月31日までを計画期間とする「女性活躍推進に関する行動計画(第3期)」を策定しました。

・採用数に占める女性比率については、新卒・キャリア採用を合わせた比率を40~50%程度に定着させることを目指していきます。2026年3月期入社では、新卒採用における女性比率が42.3%、キャリア採用における女性比率が28.1%、新卒・キャリア採用を合わせた採用全体の女性比率が39.0%となっています。
・正社員に占める女性比率については、当社行動計画(第2期)において2026年3月末までに30%以上とすることを目指していましたが、2026年3月末現在で31.0%となり目標を達成しました。
・管理職に占める女性比率については、当社行動計画(第2期)において2026年3月末までに10%以上とすることを目指していましたが、2026年3月末現在で10.4%となり目標を達成しました。行動計画(第3期)では、2031年3月末までに15%以上とすることを目指していきます。
・当社では、2020年から新卒採用を中心に女性の採用強化等に取り組んでいますが、若手・中堅層の育成・リテンションに今後意識的に取り組まなければ、中長期的な女性のタレントパイプラインの拡張には結び付かないと考えています。「ミッション本位・実力本位」の考え方の下、各組織で階層別の女性人数・比率の目標値を設定し、目標達成に向けた計画・実行する仕組みを通じて計画的な配置・登用を推進することに加えて、若手・中堅期の成長に欠かせない現場経験が予期せず先送りにならないよう、中長期的なキャリア形成を見据えたアサインメントをより意識的に実施することに取り組んでいきます。
ダイバーシティ・マネジメントに関する詳細は、当社ウェブサイト内「ダイバーシティ・マネジメント」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/27/
③ リスク管理
当社では、価値創造の源泉である人財がその力をいかんなく発揮する上で、健康や安全等に不安を抱えた状態であることや、仕事と家庭の両立に悩み退職してしまうこと、キャリアアップの機会を諦めざるを得ないこと等を「リスク」と捉え、それらに対して制度・風土の両面からアプローチすることが重要であると考えています。
労働人口の減少、働くことへの価値観・ライフスタイルの多様化といった環境変化に対応しながら、社員がライフステージに関わらず、自律的・積極的に健康維持・増進に取り組むことができ、エンゲージメントを高く保ちながら「持続的なキャリア形成」と「高いパフォーマンス発揮」を実現できるよう、様々な施策を講じています。
(a)健康経営
<方針>
・丸紅グループでは「丸紅グループ労働安全衛生基本方針」に基づき、以下の「丸紅グループ健康宣言」を策定しています。
<推進体制>
・当社では、社長を最高責任者とする「丸紅健康経営推進体制」を構築し、推進責任者(人事総務部担当役員)のもと、産業医(社内診療所)・健康保険組合(以下、健保組合)・人事総務部に加え、従業員から選定した健康経営推進担当の4者が一体となって、健康経営に取り組んでいます。
・健康経営推進会議では、上記の4者が一堂に会して健康経営施策のレビューと今後の施策検討を行います。健康管理事業推進委員会は年2回、産業医(社内診療所)・健保組合・人事総務部の3者が連携して、健保組合の保健事業や健康経営諸施策、その他労働安全衛生全般に関する対応の検討を行っています。

<戦略・指標>
・「丸紅グループ健康宣言」を実現するために、「健康経営戦略マップ」で策定した各種具体的な指標を活用し、健康経営の進捗を管理しています。

<外部評価>
・当社の健康経営の取組みは外部からも評価されています。2026年には4年連続5度目の「健康経営銘柄」に選定され、9年連続で「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されています。
健康経営に関する取組みの詳細は、当社ウェブサイト内「健康経営」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/24/
(b)ワークライフマネジメント施策
<仕事と育児・介護の両立をサポートする制度>
・当社では、制度利用者本人のセルフマネジメントに加え、上司、周囲が制度を理解し、互いの立場を尊重しながら、性別にかかわらず制度を効果的に利用できるよう、協力し合える体制作りを進めています。
・妊娠中・介護中に利用可能な妊娠休暇・介護休暇、家族のサポートを目的としたファミリーサポート休暇等の特別休暇等を、法定を上回る形で整備していることに加え、育児・介護時間(時短勤務制度)を活用したキャリア継続を支援するため、短縮時間分の報酬減額を廃止する等、仕事と育児・介護の両立を支援しています。
・男性社員の育児休業取得支援を目的に、育児休業を一部有給扱いとする制度を設けているほか、フレックスタイム制度・テレワーク制度も整備しており、自律的で柔軟な働き方を実現しています。
<配偶者の転勤時もキャリアを継続できる制度>
・当社では、配偶者の転勤という本人にはコントロールできない一時的な事情があっても、これまで丸紅で培った業務経験・スキルを活かし続けられるよう、各種制度を設けています。
・配偶者転勤休業・配偶者転勤再雇用制度は、配偶者の転勤(海外転勤だけでなく国内転勤も対象)に際して最長5年まで利用でき、休業中のキャリアアップを目的とした副業を認めています。
・家庭の事情で日本国内の遠隔地に転居せざるを得ない社員のキャリア継続を支援するため、完全リモートワークを可能にする「ファミサポリモートプログラム」を導入しています。
<リプロダクティブヘルス支援>
・不妊治療と仕事の両立のために、有給の特別休暇の付与や妊活・不妊治療の無料相談サービスの提供、不妊治療等を含む先進医療を受けた際の費用補助等の取組みを行っています。
・2026年3月期からは、昨今の共働き世帯の増加や、晩婚化に伴う不妊治療経験者の増加等の社内外の環境変化を踏まえ、ファミリープランとキャリアプランの両立のための選択肢を広げるため、卵子凍結・受精胚保管費用補助を含む「リプロダクティブヘルス支援プログラム」を導入しました。
<外部評価>
・当社は、2018年3月期に「えるぼし」認定(第2段階)(*1)、2020年3月期に「プラチナくるみん」認定(*2)を取得しています。2025年4月には「プラチナくるみんプラス」認定(*3)を新たに取得しました。
(*1)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づいて届出を行った企業のうち、一定の基準を満たし、女性の活躍推進に関する取組みの実施状況等が優良な企業が認定されるもの
(*2)2015年4月1日の次世代育成支援対策推進法改正に伴い創設された制度で、社員の子育てをより高い水準でサポートする企業認定されるもの
(*3)2022年4月1日の次世代育成支援対策推進法改正に伴い創設された制度で、「プラチナくるみん」認定を受けた企業が、社員の子育てを高い水準でサポートすることに加え、不妊治療と仕事との両立にも積極的に取り組み、一定の基準を満たした場合に認定されるもの
ワークライフマネジメント施策の詳細は、当社ウェブサイト内「ダイバーシティ・マネジメント」をご参照ください。
https://marubeni.disclosure.site/ja/themes/27/
④ 指標及び目標
当社グループの人財が経営戦略の実行に向けてその力を存分に発揮する組織基盤を確立する上での重点課題に関する人事施策・制度について、具体的な指標を公表(一部には目標値も設定)して取組みを進めています。
なお、当社グループに属する全ての会社において指標又は目標を設定しているものではないことから、以下では提出会社における指標及び目標を記載しています。
3【事業等のリスク】
当社及び連結子会社の営業活動その他に係るリスク要因について、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しておりますが、当社及び連結子会社は広範にわたる事業活動を行っているため、全てのリスクを網羅したものではなく、業績に影響を与えうるリスク要因はこれらに限定されるものではありません。なお、本項における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき合理的であると当社が判断したものです。
(1)リスク管理方針について
当社及び連結子会社は事業活動を営むなかで、多面的な視点でリスク管理を行っており、昨今のグローバルビジネス環境の変化に伴い、複雑化・多様化するリスクに対してそれぞれリスク管理の基本方針・社内規則を定め、それを遂行するための組織、管理体制、管理手法を整備しております。
事業投資に代表される個別案件については、意思決定に先立ち、稟議制度に基づく審議において徹底的なリスク分析を実施しており、中でも案件の成否に及ぼし得る影響が大きいと判断されるリスク要因に対しては、当該リスクを排除又は軽減する措置等を講じたうえで最終的な意思決定を行っております。また、実行済の案件に対しても進捗状況のモニタリングによる問題の早期発見と対策立案を徹底し、重要案件については経営会議体への定期的な進捗報告を実施しております。こうしたプロセスを通じて事業の戦略性、成長性、収益性、リスクの顕在化状況に関する検証を行い、進捗状況が当初想定から著しく乖離する案件については、必要に応じてその方向性について再検討を行う等、リスクの最小化を図っております。
また、多岐にわたる業種及び地域における事業のリスクを俯瞰的に把握し、規律をもって管理するため、統合リスク管理を実施しております。具体的には、連結ベースのエクスポージャーについて、国別、事業領域別など様々な切り口で集計し、懸念すべき変化や集中が無いことをモニターする他、ストレスシナリオ下での最大下落リスク額(リスクアセット)を計量し、これを資本や収益性等と対比することで、ポートフォリオの健全性を定期的に確認しております。一方で、コンプライアンスリスク等の定量化が困難なリスクについては、コーポレート・ガバナンスの強化、内部統制システムの整備、及びコンプライアンス体制の強化を通じて、リスクの顕在化を未然に防止する体制を整えております。しかしながら、当社及び連結子会社の幅広い事業活動から生じる、又は将来新たに発生する可能性のある多種多様なリスクに対して、当社及び連結子会社のリスク管理の枠組みでは十分に対応しきれない可能性があり、その場合には当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)個別のリスクについて
① 世界経済及び産業構造の変化等が当社及び連結子会社に与える影響について
当社は、日本を含む60ヵ国以上の国々に拠点を置いて事業活動を展開している総合商社です。当社及び連結子会社は、日本及び海外の様々な国・地域における、幅広い産業分野において、一次産業の生産・調達や、製品の製造・販売、役務提供等、様々な商業活動及び投資活動を展開しております。
このため、当社では、世界経済に影響を与える事象、例えば、米国や中国をはじめとする主要国の政治・経済情勢や通商政策の動向、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢、気候変動・自然災害が事業活動に及ぼす影響を検討し、必要な対応を行っております。なお、中東情勢が当社及び連結子会社の事業活動に及ぼす影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)中東情勢の影響について」に記載のとおりであります。また、生成AI等に代表される技術革新や、サステナビリティ、脱炭素化等、価値観の変化・多様化による産業構造の変化に対し、既存ビジネスモデルの見直しや新たなビジネスモデルの構築を図っております。世界経済の悪化や低迷、あるいは、産業構造の変化等への不十分な対応は、当社及び連結子会社の営業活動、業績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 投資等に係るリスクについて
当社及び連結子会社は、単独又は他社と共同で新会社の設立や既存会社の買収等の事業活動を行っております。これら事業投資の多くは多額の資本を必要とし、撤退の時期や方法に制約が生じる可能性や、追加資金拠出を余儀なくされる可能性があります。
投資等に係るリスクの未然防止のため、当社及び連結子会社は、新規投資等の実施に際して、定性面でのリスク分析に加え、ROIC等の社内で定められた投資基準に基づき、リスクに見合うリターンが得られているかの定量的検証を実施し、リスク管理を徹底しておりますが、これら投資等の価値が低下した場合、あるいは追加資金拠出が必要になる場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 取引先の信用リスクについて
当社及び連結子会社は、営業活動の一環として取引先との間で商品売買契約、請負契約、業務委託契約等の契約を締結しており、取引先の債務不履行や契約不履行等に伴う損失負担(信用リスク)が生じた場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
上記の信用リスクの未然防止のため、取引先の信用状態、取引の期待リターン(利益率)や戦略的な適合性等を見極めつつ、一取引先に対する信用供与の上限である「信用限度」を設定し、その範囲内にて運用することを当社の与信管理の基本としております。
なお、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、当社及び連結子会社では取引先の信用状態に応じて判定した社内格付、担保価値等に基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。
④ 資金調達力及び調達コストについて
当社及び連結子会社は、資産構成に合わせた最適資金調達と安定的な流動性の確保を重視した資金調達を行っております。しかしながら、国内及び海外の主要金融市場において大きな混乱が生じた場合、あるいは営業活動によるキャッシュ・フローの不足、収益性の低下又は資産及び負債管理の失敗、更には格付会社による当社及び連結子会社の信用格付の大幅な格下げが行われた場合には、資金調達が制約されるか、又は調達コストが増加する可能性があり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 市場リスクについて
当項目内において、親会社の所有者に帰属する当期利益(以下「当期利益」という。)への影響額は、ほかに記載のない限り、当社の当連結会計年度の業績を踏まえて試算した翌連結会計年度に対する影響額を記載しております。
(a)商品売買取引における各種商品価格の変動について
当社及び連結子会社は、様々な商品を扱っており、一部の商品、契約、予定取引については、それらに係る市況変動リスクを軽減するため、商品先物・先渡等の契約を締結しておりますが、食料・アグリ部門が取り扱うトウモロコシ・小麦等の穀物や尿素やリン酸質肥料等の肥料、エネルギー・化学品部門が取り扱う原油・ガス等のエネルギー商品やエチレン・プロピレン等の化学品、金属部門が取り扱う非鉄金属、電力・インフラサービス部門が取り扱う電力、ライフスタイル部門が取り扱うパルプといった商品は、その価格変動によって当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、これら商品を輸送するためにドライバルク船やタンカー等の船舶を利用しておりますが、これら船舶市況も当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、商品売買取引における価格変動リスクに関し、組織や商品ごとに設定したポジション限度枠の範囲内での取引実施、及び商品ごとのポジションの適時モニタリングを柱とする商品ポジション管理を通じて、各商品市場に対して過大なリスクを負うことや不測の損失が発生することのないように管理しております。
これらの商品売買取引における各種商品価格の変動の影響に加え、当社及び連結子会社は、資源・エネルギー開発事業やその他製造事業に参画しており、それらの事業を通じて販売する生産物や製品に関連する商品市況の変動が当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらの詳細については、「⑥長期性資産に係るリスクについて」をご参照下さい。
(b)為替変動について
当社及び連結子会社は、様々な通貨・条件での取引を行っており、主に外貨建取引及び外貨建債権・債務残高等に係る為替変動リスクを軽減するため、為替予約等のデリバティブ契約を締結しておりますが、為替変動は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当期利益に占める海外連結子会社、持分法適用会社の持分損益や海外事業からの受取配当金の割合が比較的高く、これらの収益の多くが外貨建てであり、当社の報告通貨が円であることから、為替変動は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に影響を与えます。当期利益への影響額は、日本円が米ドルに対して1円変動した場合には年間約19億円、豪ドルに対して1円変動した場合には年間約6億円と試算されます。
(c)金利変動について
当社及び連結子会社は、金融機関からの借入及び社債等を通じた資本市場からの資金調達により事業資金を手当てしております。変動金利の調達は、その相当部分は変動の影響を転嫁できる営業資産に見合っておりますが、金利変動の影響を完全に回避できないものもあり、金利変動リスクにさらされております。
当社及び連結子会社は、Asset-Liability Managementを通じ、投資有価証券や固定資産等の非金利感応資産のうち、変動金利で調達している部分を金利ポジションとして捉え、ポジションの総量や市場動向を注視しつつ、金利スワップ契約等の活用も含めた金利変動リスクへの対応策を決定しております。
しかしながら、これら手段の活用を通じても、金利の変動が与える影響を完全に回避できるものではなく、金利動向によっては、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(d)活発な市場のある有価証券の価格変動について
当社及び連結子会社は、関係強化あるいはその他の目的で、活発な市場のある有価証券に投資を行っております。活発な市場のある有価証券は、その公正価値の変動に伴い、本源的に価格変動リスクを有しており、公正価値の下落は当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、過去一定期間の価格変動データをもとに、VaR(Value at Risk)の手法でリスク量を定量化し、統計的に計測した保有銘柄全体の予想最大損失額を定期的にモニタリングしております。
(e)退職後給付に係るリスクについて
当社及び連結子会社の年金資産には国内外の株式及び債券等が含まれております。その運用にあたっては、社内に設置した年金資産管理運用委員会での定期的なモニタリング等を通して、許容できるリスクの範囲内で常に年金資産の極大化に努めております。しかしながら、想定を超える証券市場の低迷等により年金資産の価値が減少した場合、退職給付費用が増加し、年金資産の積み増し等が必要となることがあります。また、確定給付債務の現在価値は割引率や昇給率等につき仮定をおいて算定しておりますが、当該仮定と実際の数値が異なる場合、確定給付債務の金額に変動が生じる可能性があります。これらの場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2025年4月に退職給付制度を改定しました。それに伴い、確定給付企業年金への新規加入及び積立てが停止されたことで、年金資産及び確定給付債務はそれぞれ減少傾向となる見込みです。なお、退職給付制度の改定については「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記11 従業員給付及び役員の報酬」に記載のとおりであります。
⑥ 長期性資産に係るリスクについて
当社及び連結子会社の保有する長期性資産のなかには、不動産・機械装置等の事業用資産に加えて、資源権益への投資や、企業買収時に認識するのれんを含む無形資産、当社がマジョリティを持たずに持分法で会計処理される投資(以下「持分法投資」という。)等が含まれております。
当社及び連結子会社は、これらの長期性資産について、IFRS会計基準に準拠し、資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合は、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。なお、耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候があるか否かを問わず、最低限年1回定期的に資産の帳簿価額が回収可能価額を超過しているか否かを確認しております。
しかしながら、経済及び業界環境の変化や、事業計画の見直し、保有方針の転換等の理由により、現時点の想定に比べて資産価値が著しく下落した場合には、減損損失や、投下資金の回収不能、撤退時の追加損失等が発生し、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<資源権益への投資について>
当連結会計年度末における資源権益への投資について、商品別のエクスポージャーは以下のとおりであります。
(*) 概数で表示している関係で、合計値が合わない場合があります。
主な商品の価格変動が当社利益に与える影響は以下のとおりであります。
原油の商品価格が1バレル当たり1米ドル変動した場合における当期利益への影響額は、年間約2億円と試算されますが、生産・操業状況、操業費用、生産坑井掘削及び生産設備の建設等の開発費用、探鉱費用、廃坑費用等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、原油の商品価格のみで単純に決定されない場合があります。
銅の商品価格が1トン当たり100米ドル変動した場合における当期利益への影響額は、年間約13億円と試算されますが、生産・操業状況、生産・輸送設備の維持に伴う資本的支出及び営業的支出等、価格変動以外の要素からも影響を受けるため、銅の商品価格のみで単純に決定されない場合があります。
また、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある銅事業・鉄鉱石事業・原料炭事業への投資においては、以下の要因により資産価値の変動が生じる可能性があります。
銅事業・鉄鉱石事業・原料炭事業
当社及び連結子会社が参画する銅事業・鉄鉱石事業・原料炭事業において、銅価格、鉄鉱石価格や、原料炭価格等の商品価格は、世界及び各地域での需給の不均衡、景気変動、為替変動、地政学的情勢や、感染症の拡大の影響等、当社及び連結子会社が管理できない要因により変動する可能性があります。
当社及び連結子会社の参画する銅事業の長期性資産の主な内容は持分法投資(チリのロスペランブレス銅鉱山、センチネラ銅鉱山、アントコヤ銅鉱山)であります。鉄鉱石事業の長期性資産の主な内容は持分法投資(豪州のロイヒル鉄鉱山)であります。また、原料炭事業の長期性資産の主な内容は持分法投資・有形固定資産(豪州のジェリンバイースト炭鉱、レイクバーモント炭鉱、ヘイルクリーク炭鉱)であります。
なお、これらの持分法投資・有形固定資産は、第三者から提供されたデータや、市況状況、ファンダメンタル等を考慮のうえで、当社及び連結子会社にて策定した価格見通しを使用した事業計画に基づいて評価しておりますが、商品価格や生産量の変動、生産・輸送設備の維持に伴う資本的支出及び営業的支出の高騰、事業環境の変化及び電力・水等のインフラに起因するオペレーション上の問題等が生じた場合には、事業計画が修正される可能性があります。
<事業計画に契約延長を織り込んでいる案件について>
当社及び連結子会社の電力・インフラIPP・IWP・コンセッション事業、長期傭船事業等において、一部の事業計画は、策定時における事業環境に鑑み、相応の蓋然性を確認のうえで、締結済みの長期販売契約等の契約の延長を前提としている場合があります。しかし、これらの前提は、事業環境の変化、世界及び地域での需給の不均衡、景気変動等、様々な要因による影響を受けるため、実際には契約の延長を実現できない場合や、延長後の契約条件が当初事業計画における想定よりも悪化する場合があり、それに伴う事業計画の見直しにより資産価値が著しく下落し、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 法的規制等について
当社及び連結子会社の事業は、日本及び諸外国において、広範な法令及び規制に服しております。それらは、事業及び投資に関する許認可、安全保障上の規制を含む輸出入に関する規制、関税及び各種税法、独占禁止法を含む不公正取引規制、マネーロンダリング規制、汚職・贈収賄防止関連法、個人情報保護法・GDPR(EU一般データ保護規制)、環境保護関連法等の多岐の分野にわたります。例えば、事業及び投資に関する許認可に係るものとしては、日本における主なものとして、ライフスタイル部門では景品表示法等、食料・アグリ部門では食品衛生法及び飼料安全法等、エネルギー・化学品部門では毒物劇物取締法及び石油備蓄法等、電力・インフラサービス部門では電気事業法等、金融・リース・不動産部門では投資信託及び投資法人に関する法律並びに宅地建物取引業法等、エアロスペース・モビリティ部門では航空法及び海上運送法等、情報ソリューション部門では電気通信事業法等が挙げられ、諸外国においても、これらの法令及び規制と同一又は類似のものが存在します。
加えて、当社は、法令及び規制の遵守だけでなく、いち企業市民として高い倫理観を持ち、全てのステークホルダーの期待に応え社会的責任を果たすことをコンプライアンスと捉えております。法令及び規制の遵守を含むコンプライアンスの実践のため、当社は社長直轄のコンプライアンス委員会を設置しております。コンプライアンス委員会の詳細は、「第4 提出会社の状況」における「4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 <コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況> ① 会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況(l)内部統制システムの整備の状況」に記載のとおりであります。
しかしながら、当社及び連結子会社が事業を行う国・地域によっては、法制度が十分に機能していない場合があり、予期しえない法令、規制、解釈の変更や、規制当局、司法機関等による一貫性のない法令の適用・解釈、運用の一方的な変更等が発生する可能性があること、当社及び連結子会社が行う事業(全く新しいビジネスモデルによるものを含む)のなかには法令・規制が十分に整備されていない事業分野も含まれること、当社及び連結子会社は、リスクベース・アプローチに基づくコンプライアンスリスク管理を徹底しているものの、当社及び連結子会社の行う事業活動が極めて広範であること等から、コンプライアンス違反が生じる可能性があり、当社及び連結子会社のコンプライアンス遵守のための負担が増加する可能性があります。このような事態が発生した場合には、事業の中断を含む罰則の適用を受け、又は信用の低下等が発生し、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<税制・税務リスクについて>
当社及び連結子会社は、様々な活動をグローバルに展開していることから、日本及び諸外国において納税義務を負っております。そのため、将来的に、各国税務当局による課税が強化され、課税ベースの拡大・税率変更といったルール変更が行われた場合には、当社及び連結子会社が納付すべき税額が増加する可能性があります。
また、当社及び連結子会社は、必要に応じて外部専門家を活用し、各国の税法に従い適切な税務申告を行っておりますが、各国当局との見解の相違により、予想外の課税を受ける可能性があります。仮に課税問題が発生した場合には、外部専門家を起用し問題解決を図る等の対策を講じますが、追加的な課税が生じる可能性を完全に排除できるものではありません。このような場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 重要な訴訟について
当社及び連結子会社の国内及び海外における営業活動が訴訟、紛争又はその他の法的手続の対象になることがあります。対象となった場合、訴訟等には不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することは不可能です。訴訟等が将来の当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社はインドネシアの企業グループであるSugar Groupに属する企業(以下「Sugar Group」という。)を相手にした訴訟(以下「旧訴訟」という。)について、2011年にインドネシア最高裁判所(以下「最高裁」という。)において当社の勝訴が確定したにもかかわらず、Sugar Groupから、旧訴訟と請求内容が同一である別途訴訟(以下「グヌンスギ訴訟及び南ジャカルタ訴訟」という。)を提起され、グヌンスギ訴訟及び南ジャカルタ訴訟につき2017年に最高裁で当社の敗訴が一旦確定しておりますが、当社はインドネシア最高裁に対して司法審査(再審理)を申し立てました。このうち、南ジャカルタ訴訟については、当社は最高裁再審理決定の決定書を、2020年12月30日に受領しております。当該決定書には、2020年8月24日付で当社の司法審査(再審理)請求を認容し、当社が2017年5月17日に受領した当社敗訴の南ジャカルタ訴訟最高裁判決を取り消したうえで、原告であるSugar Groupの請求を全て棄却する旨が記載されております。他方、グヌンスギ訴訟については、当社は、2018年10月8日付で当社の司法審査(再審理)申立を不受理とする旨の最高裁再審理決定の決定書を、2020年2月3日に受領しております。当社は、2020年5月18日、最高裁に対して2回目の司法審査(再審理)を申し立てましたが、申立書類の提出先であるグヌンスギ地方裁判所(以下「グヌンスギ地裁」という。)は2020年5月20日付で、最高裁再審理決定と旧訴訟最高裁判決間の矛盾の不存在を理由に当社の申立を受理せず申立書類を最高裁に回付しないことを決定しました。インドネシア最高裁判所法等関連法令上、かかる判断は司法審査(再審理)の実施機関である最高裁の職責に属する事項であるとされており、グヌンスギ地裁の決定が不当であることは明らかであること、また、上述のとおり当社が勝訴した南ジャカルタ訴訟司法審査(再審理)の結果を踏まえて、当社は最高裁に対して、改めてグヌンスギ訴訟に関する2回目の司法審査(再審理)を2021年5月31日付で申し立て、グヌンスギ地裁に受理されましたが、2022年7月28日付で当社の2回目の司法審査(再審理)申立を不受理とする旨の最高裁再審理決定の決定書を、2024年1月30日に受領しております。当社は、1回目のグヌンスギ訴訟の司法審査(再審理)の不受理決定と、当社が勝訴した南ジャカルタ訴訟の司法審査(再審理)の決定との間に矛盾があることを理由に、2回目の司法審査(再審理)を申し立てておりましたが、前者については不受理という手続的判断であり、実体審理のうえで判断がなされた後者とは矛盾があるとは評価できないと判断され、司法審査(再審理)の要件を満たさないため不受理とされております。
また、当社はSugar Groupの不法行為による当社の信用毀損等を原因としてSugar Groupに対し損害賠償請求訴訟を提起しておりますが、これに対し、Sugar Groupは当該訴訟(以下「本訴」という。)の手続のなかで、当社に対して当該訴訟の提起が不法行為であるとして損害賠償請求訴訟(以下「反訴」という。)を提起しておりました。第一審及び第二審にて本訴請求及び反訴請求いずれも棄却されたことを受け、当社は、2021年11月19日付で本訴につき最高裁に上告していたところ、本訴及び反訴について当社の本訴請求につき一部認容するとともに、Sugar Groupの反訴請求を全て棄却する内容の最高裁判決を2022年11月8日付で受領しました。Sugar Groupは当該最高裁判決を不服とし、当該最高裁判決の取消及び反訴請求と同様の損害賠償を求める司法審査(再審理)の申立を2023年3月24日に行い、当社は当該再審理申立書面を2023年12月11日付で受領していたところ、今般、Sugar Groupによる司法審査(再審理)が認容された決定書(以下、本決定書)を2026年1月19日付で当社が受領しました。本決定書によれば、最高裁は、司法審査(再審理)の結果、当社が2022年11月8日に受領した最高裁判決を取り消すことを決定した旨記載されております。また、Sugar Groupによる司法審査(再審理)における再度の反訴請求は棄却されております。
当社に不利な裁定を最高裁が下したグヌンスギ訴訟等Sugar Groupとの一連の訴訟の今後の趨勢や裁判手続次第では、敗訴判決に基づく損害賠償額・金利・訴訟費用の合計金額の全部又は一部について当社が負担を強いられ損失を蒙る等、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります(注)。各訴訟の詳細及び経緯については「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記25 約定及び偶発負債」に記載のとおりであります。
(注)南ジャカルタ訴訟においては被告に丸紅欧州会社も含まれております。
⑨ 環境・社会リスクについて
当社及び連結子会社は、グローバルかつ幅広い産業分野に関連する営業活動を行っており、環境・社会、並びに取引先、従業員等のステークホルダーに対し様々な影響を及ぼします。当社は、社長直轄のサステナビリティ委員会を設置のうえ、サステナビリティの観点で重要度の高いリスクについて、サステナビリティ委員会で管理・モニタリングを行い、リスクの低減に努めています。また、リスク管理の一環として、環境、社会(安全衛生を含む)に関する潜在的リスク評価手法を構築し、投融資プロセス等において運用しております。サステナビリティの観点で重要度の高いリスクの管理については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」の「(3)リスク管理」に記載のとおりであります。
当社及び連結子会社の営業活動により生じる環境汚染等の環境リスク(事業の停止、汚染除去費用、あるいは住民訴訟対応費用等の発生、社会的評価の低下につながる可能性等)に対応するため、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムを導入し、連結子会社並びに仕入先に対する調査を実施する等、環境負荷等の把握と環境リスクの低減に努めております。
喫緊の課題である気候変動に関しては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、気候変動関連リスクの把握と業績への影響を同提言に基づき分析しています。炭素税の導入及び強化等のGHG排出規制や脱炭素化に貢献する技術の急激な発展等の低炭素経済に移行する取組みから生じる移行リスクは、発電事業や資源権益・販売事業等の化石燃料に関連する事業を中心に、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
気候変動により自然災害の激甚化や異常気象の深刻化、降雨や気象パターンの変化、平均気温の上昇や海面の上昇等といった物理的リスクが顕在化した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、気候パターンの変化による穀物不作や、異常気象の激甚化による物流機能の麻痺、乾燥化や落雷の増加による森林における山火事等が、農業資材ビジネス、植林事業や木質資源供給ビジネスの収益を悪化させる可能性があります。
これらの気候変動リスクの発生可能性は、パリ協定の枠組みの下での気候変動対策の状況に大きく左右されます。
当社及び連結子会社は、気候変動リスクの低減に努めており、2050年までに事業活動に伴うGHG排出ネットゼロ(*)の達成を目指すことを基本方針としております。また、本方針の実効性を高めるため、2030年に向けたアクションプラン(行動計画)を策定しております。更に、個別の事業に関しても、以下を中心とした取組み方針を定めております。
・新規石炭火力発電事業には取り組まず、石炭火力発電事業によるネット発電容量を2018年度末対比で2025年までに半減させ、2050年までにゼロとする
・一般炭権益に関して、新規の資産獲得は行わない
しかしながら、これらの取組みが奏功しない場合や今後想定を上回る速度又は規模で気候変動が進行する場合、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(*) GHG排出削減を行ったうえで、削減できない残余排出を、自然を基盤とした手段や技術的手段により除去し、大気中への人為的なGHG排出をネットゼロとすること。なお、ネットゼロの対象範囲は当社及び連結子会社のScope 1(直接排出)及びScope 2(間接排出)に加え、Scope 3(Scope 1、Scope 2以外の間接排出・サプライチェーン排出)カテゴリ15(投資)に含まれる持分法適用関連投資先の排出としております。
自然資本に係るリスクに関しては、上述の従来のリスク管理に加えて、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言を踏まえ、当社グループの事業に関連する自然への依存・インパクトについて分析・評価を実施し、一部事業・案件を対象にそこから生じ得るリスクと機会についても分析を進めています。しかしながら何らかの自然関連リスクが発生した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
社会面では、当社グループのみならず、コントラクターやビジネスパートナーを含む事業関係者やサプライチェーン全体において、人権尊重意識の向上と、人権問題の発見と是正に向けて、継続的な改善と強化を図っています。「丸紅グループ人権基本方針」「サプライチェーンにおけるサステナビリティ基本方針」及び「丸紅グループ労働安全衛生基本方針」に基づき、人権デューデリジェンスの実施、苦情処理(救済)を行う社内プロセスの構築とその適切な運用、労働安全衛生の確保をはじめ連結子会社へのサステナビリティ調査、サプライヤーに対する調査及び改善に向けた働きかけ等に取り組んでいます。
しかしながら、このようなリスク対策を実施したとしても、当社の事業活動により社会に対し負の影響が発生した場合には、事業の遅延や停止、損害賠償等の追加的費用、レピュテーション低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 自然災害等のリスクについて
当社及び連結子会社が事業活動を展開する国や地域において、地震、津波、大雨、台風等の自然災害が発生した場合、また新型インフルエンザ等による感染症が流行、拡大した場合、社員・事業所・設備やシステム等への被害及び交通、情報通信、水道・ガス・電力等の公共インフラに機能不全等が発生し、当社及び連結子会社の事業活動に支障が生じる可能性があります。
BCP(事業継続計画)の策定、耐震対策、感染症対策、防災訓練、必要物資の備蓄、各種保険への加入等、個々に対策を講じておりますが、自然災害等による被害や影響を完全に排除できるものではなく、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪ カントリーリスクについて
当社及び連結子会社はグローバルに営業活動を展開しているため、活動地域・国における経済環境の変化、戦争・テロ・暴動を含む社会情勢の悪化、営業活動に関わる法制度や政策の変更等、様々なカントリーリスクにさらされており、これらの地域・国の事業環境が悪化した場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社及び連結子会社が活動する国に対し、各国のリスク度を評価して国分類に区分し、国分類又は国ごとのカントリーリスク管理基準を設けております。
この基準の下で、国分類又は国ごとの取組み方針を定め、特定の国分類又は国に対してリスク許容度を超えるようなエクスポージャーの集中を防ぐ等の管理を行っております。
また、新規投資案件等の検討にあたっては、カントリーリスクに見合った適正なリターンが得られるのかという観点も考慮した投資基準を設定しております。
更に、案件ごとに必要に応じて、貿易保険や投資保険を付保する、第三国からの保証等を取得する等、適切なリスクヘッジ策を講じるべく努めております。
当連結会計年度末における主なカントリーリスクエクスポージャー(*)は以下のとおりであります。
(*) 当社及び連結子会社の保有資産のうち、長期与信、固定資産、投資等の長期性資産の金額の合計。
エクスポージャーが1,000億円以上の国を抽出。
⑫ 情報システム及び情報セキュリティに関するリスクについて
当社及び連結子会社は、情報資産の適切な管理及び高い情報セキュリティレベルの確保を重要事項と認識し、グループ全体のセキュリティリスクの低減を図っております。CDIOを委員長とするIT戦略委員会を設け、セキュリティ面での課題把握及び対応方針の策定を行うとともに、セキュリティインシデント発生時にインシデントを統括管理するセキュリティマネジメントチーム(M-CSIRT)にて対応を行う体制を構築しています。また、対策の3つの柱として、① グループ各社が遵守すべき情報セキュリティ全般のグループ共通ITガバナンスルールを整備し、② 当該ルールに準拠したセキュアなグループ共通ITサービスのグループ会社への提供、③ 連結子会社・主要関連会社に対するITガバナンスルール遵守状況の検査(アセスメント)を定期的に実施しております。さらに、近年のECサイト、IoT、制御システム(OT)等のビジネスITのセキュリティリスク増大を踏まえ、既にグループ全体のビジネスIT資産の可視化は完了しており、ビジネスIT関連ルール追加や重要なグループ会社に対するビジネスITの診断を計画中です。
しかしながら、サイバー攻撃は年々巧妙化しており、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウイルス侵入等による機密情報・個人情報の漏洩、設備・通信障害等による情報システム停止等の可能性を完全に排除できるものではありません。このような場合には、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 重要性がある会計方針及び見積りによるリスクについて
当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRS会計基準に準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下のとおりであります。
・棚卸資産の評価
・有形固定資産の減損
・無形資産の減損
・関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の減損
・繰延税金資産の回収可能性
・確定給付制度債務
・引当金
・金融商品の評価
・偶発負債
当社の経営陣は、これらの見積りは合理的であると考えておりますが、想定を超えた変化等が生じた場合、当社の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすことがあります。
重要性がある会計方針及び見積りについての詳細は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討」の「③ 重要性がある会計方針及び見積り」及び「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記3 重要性がある会計方針」に記載のとおりであります。
(3)中期経営戦略について
当社及び連結子会社は、2025年度より「中期経営戦略(2025-2027年度)GC2027」をスタートしております。内容については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(3)会社の経営の基本方針」に記載のとおりであります。
これらの定量目標は、策定時において適切と考えられる一定の経済状況・産業動向その他様々な前提・仮定及び見通しに基づき策定されたものであり、経営環境の変化、上記個別リスクの発現、その他様々な要因により達成できない可能性があります。
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 当連結会計年度における経済環境及びオペレーティング・セグメント別の事業の状況
経済環境
世界経済は、米国の関税措置導入による下押し圧力は生じたものの企業部門が一定の対応力を発揮し、主要国・地域における物価安定とそれに伴う金融緩和に加えて、情報産業分野での投資増等により、景気は底堅く推移しました。しかし年度末の中東情勢緊迫化を受けて、世界的にインフレ・景気悪化のリスクが高まりました。先進国では、米国で労働市場の減速感が出た一方で、情報産業の設備投資が経済成長を下支えし、欧州では外需が停滞したなかでも、インフレ率の低下で内需が盛り返したため、景気は緩やかに拡大しました。日本は個人消費、設備投資が増加した一方で、外需が停滞しました。新興国では、中国で住宅市場や設備投資の低迷が重しとなる一方、米国以外への輸出が拡大し、経済成長率は前年並みでした。アセアン諸国では、インフレ率低下とそれを背景とする利下げ、情報産業関連財を含む米国向け輸出の増加が景気を下支えしました。
一次産品価格は、原油、石炭等幅広い品目が前年度よりも安値圏で推移しましたが、年度末には中東情勢緊迫化により特に化石燃料が上昇しました。銅は脱炭素や情報産業等での構造的な需要増加に加えて、銅鉱石の供給制約もあり上昇しました。
債券市場では、日米欧で財政への懸念がくすぶるなかで長期金利が上昇しました。円相場は、財政規律に対する不安や燃料供給不安により、年度末にかけて円安・ドル高圧力が強まりました。主要国・地域の株式市場は、昨年4月の米国の関税措置導入による急落後は総じて上昇基調が続きましたが、年度末の中東情勢緊迫後は下落に転じました。
オペレーティング・セグメント別の事業の状況
当連結会計年度におけるオペレーティング・セグメント別の事業の状況は、以下のとおりであります。
・ライフスタイル
カーメンテナンス事業では、タイ・インドネシア・メキシコで小売店舗網を拡大し、全世界で約380店舗を展開しています。コンベヤソリューション事業では、北米地域において同業他社を買収する等、拠点を拡充しています。森林事業では、インドネシアと豪州で約12万haの森林を有する植林事業を展開し、パルプやチップの製造・販売に注力するとともに環境植林事業にも着手しています。衛生用品事業では、ブラジルのSanther - Fabrica de Papel Santa Therezinhaにて、ブランド力向上により高品質な衛生用品の拡販を図っています。モバイルソリューション事業では携帯電話販売代理店の拠点拡大に加え、循環型経済の進展に向けたスマートデバイスのリユース事業を推進しています。
・食料・アグリ
農業、肥料、基礎食品、飲料、畜水産、穀物等、農業と食に関する多様な商品・サービスを展開しています。
強みを活かした製造とトレードの拡充に加え、農業資材販売及び食品製造・マーケティングを戦略プラットフォーム型事業と位置づけて推進し、資産入替えを通じた事業ポートフォリオの再構築を進めています。
農業資材販売事業では、米国のHelena Agri-Enterprises、ブラジルのADUBOS REAL、米国のMacroSourceを中心に事業を拡大し、グローバルな供給体制を強化しています。
食品製造・マーケティング事業では、菓子・油脂・インスタントコーヒー等既存事業の磨き込みを進める一方、米国のBubbiesを子会社化し新たに冷菓製造事業に参入しました。
・金属
AI・データセンターやEVの普及に牽引され需要が飛躍的に拡大する銅をはじめ、経済成長に不可欠な金属資源について、鉱山事業の価値最大化を図るとともに鉱山事業を起点とした金属バリューチェーンの強化、成長領域・地域へのビジネス拡大に取り組んでいます。チリ・センチネラ銅鉱山拡張プロジェクトは2027年の増産開始に向け順調に進捗し、2025年6月にはコスト競争力が高い豪州原料炭権益を追加取得しました。鉱山事業の拡充により事業基盤を一層強化する一方で、小規模操業を開始したカナダCCS(*)事業やリサイクル・脱炭素素材含む川中・川下の成長領域・地域での新規事業開拓を推進し、重層的な価値の創出・事業拡張を目指しています。
(*)CCS:Carbon dioxide Capture and Storage(CO2回収・貯留)
・エネルギー・化学品
エネルギー・化学品部門では、強みであるトレード・マーケティングと競争力の高い事業投資の磨き込みにより、事業ポートフォリオの最適化を進めています。
事業投資ではエネルギー転換期に重要性が高まる天然ガス・LNG事業や、当社に強みのある機能材料分野への取組みを通じて、成長領域での事業拡大を推進しています。
また、トレード・マーケティングでは、天然ガス・LNG、石油、ウラン、石油化学品をはじめとする既存トレード事業の収益拡大を図りつつ、アンモニアやバイオ燃料等のサステナブルエネルギーのサプライチェーン構築や環境価値取引の拡大を通じて、安定供給と低炭素・持続可能な社会の実現に取り組んでいます。
・電力・インフラサービス
電力サービス事業分野では、丸紅新電力及び英国のSmartestEnergyが出資する丸紅パワートレーディングにて国内で電力トレーディング事業を開始し、米国テキサス州において電力小売事業を新たに展開する等、戦略プラットフォーム型事業を強化しました。また、シンガポールで発電事業を行うSenoko Energyへの追加出資や、昨年上場を果たしたフィリピンの上下水道会社Maynilad Water Servicesを通じて、電力や水インフラのサービス向上と安定化に貢献しています。新エネルギー分野では、脱炭素社会に向けた取組みとして米国における低炭素水素・アンモニア製造プロジェクトの開発を進めています。
・金融・リース・不動産
資産入替えによる事業ポートフォリオの強化を図るため、北米で貨車リース事業を行う持分法適用会社の全株式を譲渡しました。不動産事業では、当社と第一生命ホールディングス株式会社(*)がそれぞれの機能、実績やノウハウを融合させ、国内トップ水準の不動産運用資産規模を目指して、国内不動産事業を統合しました。また、当社としてインドで5件目の住宅開発・分譲事業に参画したほか、豪州では賃貸集合住宅開発事業に参画しました。海外不動産事業の柱の一つであるインド市場において良質な住宅供給に引き続き貢献するとともに、米国に続いて豪州においてもアセットマネジメント事業を確立し、運用資産残高の規模拡大を追求しています。
(*)2026年4月1日に「株式会社第一ライフグループ」に商号変更
・エアロスペース・モビリティ
航空分野では、航空アフターマーケット・アセットトレード事業の強化や空港グランドハンドリング事業の機能拡充に注力したほか、大阪・関西万博では空飛ぶクルマのデモ飛行を実施しました。船舶分野では、新たな収益基盤確立に向け、世界最大手のオープンハッチ船運航会社であるスイスのGearbulkに出資参画しました。建機分野では既存代理店事業の機能拡充による収益力強化、モビリティ分野では北米における事業拡大を企図し、カナダの大手自動車延長保証会社であるLGMに出資参画したほか、国内外で商用EV向けフリートマネジメント事業を推進中です。今後も陸・海・空のモビリティバリューチェーンにおける価値創造を追求していきます。
・情報ソリューション
生成AIやクラウド需要の拡大等に伴うDX需要を受け、戦略立案からシステム開発・運用までDXを一気通貫で支援する戦略プラットフォームを拡張しています。丸紅I-DIGIOホールディングスは、IT子会社5社を統合し、セグメントごとに事業を推進する体制へ移行するとともに、M&Aやアライアンスを通じて製品ラインアップを拡充しています。DXコンサルティングサービスを展開するドルビックスコンサルティングは、採用・人材育成・M&Aを通じて組織力強化を図ります。両社の連携により、経営・DX戦略の立案からIT基盤の構築、運用・保守までを一気通貫で提供できる体制を整え、顧客企業のDX推進を支援していきます。
・次世代事業開発
次世代が評価する事業創出をミッションに、医薬品、医療サービス、卓越技術、次世代産業基盤、産業機械、電子部品、ウェルネス等の成長領域で、事業開発・投資を推進しています。医薬品領域では、健康志向の高まりや生活習慣の変化をとらえたグローバルでの事業展開、ウェルネス領域では、タイ・日本でビューティー・パーソナルケア事業に取り組んでいます。卓越技術領域では、エストニア・ドイツの次世代蓄電池事業に参画しており、電子部品領域では、半導体等の需要拡大を受け、取扱商材と提供機能の拡充により製造業の多様なニーズに応えています。また、IPコンテンツ領域や、今後大きな社会変革をもたらす先端技術等、新たな高成長領域の事業創出機会も探索しています。
・次世代コーポレートディベロップメント
コーポレートディベロップメント事業では、高成長が見込まれる消費者向け領域において投資による新たな戦略プラットフォーム型事業の創出を目指しています。2025年度は米国R.G.Barryが、英国フットウェアブランドのJacobson Groupへの出資等2件のロールアップ投資を行い、ライフスタイルブランドのプラットフォーム構築を進めています。日本ではスキンケア・コスメブランドのエトヴォスに出資し、ビューティー・ヘルス事業の中核となるプラットフォームを獲得しました。スタートアップ事業では、コーポレートベンチャーキャピタルを通じて、世界の革新的なビジネスモデルの取り込みを推進しています。
② 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討」に記載のとおりであります。
③ 仕入、成約及び販売の実績
(a)仕入の実績
仕入と販売との差異は僅少であるため、仕入高の記載は省略しております。
(b)成約の実績
成約と販売との差異は僅少であるため、成約高の記載は省略しております。
(c)販売の実績
「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討」及び「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記4 セグメント情報」に記載のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の経営成績の分析
(注)「営業利益」は、投資家の便宜を考慮し、日本の会計慣行に従った自主的な表示であり、IFRS会計基準で求められている表示ではありません。「営業利益」は、連結包括利益計算書における「売上総利益」、「販売費及び一般管理費」及び「貸倒引当金繰入額」の合計額として表示しております。
収益は前連結会計年度比(以下「前年度比」という。)4,757億円(6.1%)増収の8兆2,658億円となりました。オペレーティング・セグメント別には、主に金属、食料・アグリ、次世代事業開発で増収となりました。
売上総利益は前年度比361億円(3.1%)増益の1兆1,827億円となりました。オペレーティング・セグメント別の主な増減は以下のとおりであります。
営業利益は、売上総利益の増益があったものの、販売費及び一般管理費の増加により、前年度比156億円(5.7%)減益の2,567億円となりました。
持分法による投資損益は前年度比454億円(15.5%)増益の3,383億円となりました。オペレーティング・セグメント別の主な増減は以下のとおりであります。
上記のほか、前年度に認識したカタールLNG事業終了に伴う為替換算調整勘定の実現益457億円(税後)の反動があった一方、当年度において第一生命ホールディングス株式会社(現、株式会社第一ライフグループ)との国内不動産事業の統合に伴う評価益765億円(税後)を認識した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年度比409億円(8.1%)増益の5,439億円となりました。
当連結会計年度のオペレーティング・セグメント別の業績(親会社の所有者に帰属する当期利益)は以下のとおりであります。
(注)1.当連結会計年度より、「ライフスタイル」、「フォレストプロダクツ」、「情報ソリューション」、「食料第一」、「食料第二」、「アグリ事業」、「化学品」、「金属」、「エネルギー」、「電力」、「インフラプロジェクト」、「航空・船舶」、「金融・リース・不動産」、「建機・産機・モビリティ」、「次世代事業開発」及び「次世代コーポレートディベロップメント」としていたオペレーティング・セグメントを、「ライフスタイル」、「食料・アグリ」、「金属」、「エネルギー・化学品」、「電力・インフラサービス」、「金融・リース・不動産」、「エアロスペース・モビリティ」、「情報ソリューション」、「次世代事業開発」及び「次世代コーポレートディベロップメント」に再編しております。この変更に伴い、前連結会計年度のオペレーティング・セグメント情報を組み替えて表示しております。
2.セグメント間取引は、通常の市場価格により行われております。
3.「その他」には、特定のオペレーティング・セグメントに配賦されない本部経費等の損益、セグメント間の内部取引消去等が含まれております。
② 当連結会計年度のキャッシュ・フロー及び財政状態の状況の分析、並びに資本の財源及び資金の流動性
(a)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末比(以下「前年度末比」という。)181億円減少の5,511億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業資金負担等の増加があった一方で、営業収入及び配当収入により、5,354億円の収入となりました。前年度比では625億円の収入の減少であります。
基礎営業キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローから、営業資金の増減等を控除した「基礎営業キャッシュ・フロー」は、5,751億円となりました。その内訳は以下のとおりであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
持分法適用会社の株式売却収入等があった一方で、海外事業における資本的支出や子会社及び持分法適用会社の株式取得等を行った結果、1,180億円の支出となりました。前年度比では2,773億円の支出の減少であります。
回収
当連結会計年度における投資の回収等(*1)による収入は、2,912億円となりました。
(*1)投資活動によるキャッシュ・フローのうち、「有形固定資産の売却による収入」、「貸付金の回収による収入」、「子会社の売却による収入(処分した現金及び現金同等物控除後)」及び「持分法で会計処理される投資及びその他の投資等の売却による収入」の合計額
新規投資・CAPEX(資本的支出)
当連結会計年度における新規投資・CAPEX(資本的支出)等(*2)による支出は、4,092億円となりました。
(*2)投資活動によるキャッシュ・フローのうち、「有形固定資産の取得による支出」、「貸付による支出」、「子会社の取得による支出(取得した現金及び現金同等物控除後)」、「持分法で会計処理される投資及びその他の投資等の取得による支出」及び「定期預金の純増減額」の合計額
ビジネスモデル別の主な新規投資は以下のとおりであります。
戦略プラットフォーム型事業(成長領域×高付加価値×拡張性)
・医薬品販売事業(住友ファーマアジア事業承継、アフリカ Phillips Healthcare)
・フットウェアブランド事業(英国 Jacobson Group)
・アイスクリーム製造事業(米国 Bubbies)
・ビューティー&ヘルス事業(日本 エトヴォス)
・自動車延長保証事業(カナダ LGM)
・化粧品製造販売事業(タイ Karmarts Public Company)
・農業資材販売事業(米国 Helena Agri-Enterprises)
・電子部品関連事業(日本 オーエスエレクトロニクス)
資源投資
・原料炭事業(豪州 Jellinbah Group)
・チリ・センチネラ銅鉱山の拡張プロジェクト
インフラ事業・ファイナンス事業
・オープンハッチ船運航事業(スイス Gearbulk)
・電力IPP事業(シンガポール Senoko Energy)
以上により、当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは、4,174億円の収入となりました。前年度比では2,148億円の収入の増加であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債及び借入金等の返済、配当金の支払及び自己株式の取得を行った結果、4,662億円の支出となりました。前年度比では3,442億円の支出の増加であります。
(b)財政状態の状況
(注)ネット有利子負債は、社債及び借入金(流動・非流動)の合計額から現金及び現金同等物、定期預金を差し引いて算出しております。
当連結会計年度末における総資産は、円安の影響及び持分法で会計処理される投資等の増加により、前年度末比1兆3,298億円増加の10兆5,318億円となりました。ネット有利子負債は、支払配当や自己株式の取得等があった一方で、フリーキャッシュ・フローでの収入により、前年度末比1,068億円減少の1兆8,587億円となりました。親会社の所有者に帰属する持分合計は、純利益の積上げによる利益剰余金の増加及び円安による在外営業活動体の換算差額の増加により、前年度末比7,345億円増加の4兆3,637億円となりました。この結果、ネットDEレシオは0.43倍となりました。
(c)資本政策及び資本コストに関する考え方
当社は、中長期的な企業価値の向上を追求するため、稼ぐ力の継続強化、ROEの維持・向上、株主資本コストの低減を目指しております。現中期経営戦略「GC2027」では、既存事業からの基礎営業キャッシュ・フローの最大化と投資の回収促進によりキャッシュ創出力を強化します。創出したキャッシュは優良な成長投資へ優先配分し、更なる企業価値向上を実現する方針を掲げています。
また、収益力の向上を踏まえ株主還元を更に強化するとともに、GC2027期間の3ヵ年累計で株主還元後フリーキャッシュ・フロー(営業資金の増減等を除く)の黒字を維持します。そして、株主資本コストを十分に意識した経営を実施すべく、財務レバレッジの適正化のみならず、投資規律の徹底や投資の精度向上、資産の優良化といった業績ボラティリティの低減に向けた取組みを行っています。配当の安定は株主資本コストの低減にも資すると考えており、株主還元方針として累進配当を導入しています。加えて、コーポレート・ガバナンスや気候変動対策を含むサステナビリティへの取組み、人財戦略等、非財務面での施策も推進することで、中長期的な企業価値向上に向けた株主資本コストの低減に取り組んでいます。
当社は、財務基盤の強化に資する具体策として、ハイブリッド社債やハイブリッドローンを活用しております。これらの資金調達は、負債であるため株式の希薄化が生じない一方、利息の任意繰延、超長期の期限、清算手続及び倒産手続における劣後性等、資本に類似した性質及び特徴を有していることから、資本と負債の中間的な性質を有しております。格付会社からは、資金調達額の50%について資本性の認定を受けております。なお、ハイブリッド社債やハイブリッドローンの内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記21 金融商品及び関連する開示」に記載のとおりです。
当連結会計年度における資本配分の状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度における基礎営業キャッシュ・フローは5,751億円の収入となり、子会社や持分法で会計処理される投資の売却等の投資活動による収入と合わせた収入合計額は8,662億円となりました。一方で、新規投資・CAPEX等の投資活動による支出は4,092億円となり、更に親会社の株主に対する配当金及び自己株式の取得資金2,353億円を控除した株主還元後フリーキャッシュ・フロー(営業資金増減等を除く)(※)は、2,218億円の収入となっております。また、当社の資本配分方針、株主還元方針は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第4 提出会社の状況」における「3 配当政策」に記載のとおりであります。
(※)基礎営業キャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額から、親会社の株主に対する配当金及び自己株式の取得資金を控除したもの。
(d)資金調達の方針及び手段
当社及び連結子会社の資金調達に関しては、資産構成に合わせた最適資金調達を基本方針としております。銀行、生保等の国内金融機関を中心とした間接調達、及び社債(国内社債発行登録枠2,500億円を設定)、コマーシャル・ペーパーの発行を通じた直接調達をバランスよく組み合わせることにより、必要資金を確保するとともに、長年にわたり金融機関・市場関係者と培った関係性を活かしながら、安定的な資金調達と金融費用の削減を目指しております。
また、財務基盤の強化に資する調達として、2021年3月4日にハイブリッド社債(劣後特約付)750億円を発行し、2021年8月16日にハイブリッドローン(コミット型劣後特約付)250億円を実行しましたが、ハイブリッド社債(劣後特約付)については2026年3月4日に期限前償還しております。その充当資金として、2026年1月19日に1,000億円のハイブリッドローン(劣後特約付)契約を締結し、リファイナンスを実施しております。
連結子会社を含む当社グループの資金管理については、原則として、当社及び国内外の金融子会社、海外現地法人等の調達拠点を通じて、資金余剰のあるグループ会社の余資を、他のグループ会社の資金需要に機動的に活用することで、グループ全体における効率的な調達体制を維持しております。
格付について、当社はムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)、株式会社格付投資情報センター(R&I)、株式会社日本格付研究所(JCR)の4社から格付を取得しております。
当連結会計年度末現在の長期格付は、Moody'sがBaa1(見通し「安定的」)、S&PがA-(見通し「安定的」)、R&IがAA-(見通し「安定的」)、JCRがAA(見通し「安定的」)となっております。なお、S&Pは2025年11月18日に長期格付をA-(見通し「安定的」)に引き上げました。
(e)流動性の状況
当社及び連結子会社では、基礎営業キャッシュ・フロー等の収入や手元流動性(現金及び現金同等物並びに定期預金の保有)の確保に加え、コミットメントラインの設定により、営業資金や新規投資・CAPEX(資本的支出)といった資金需要、並びに1年以内に返済予定の長期債務を含む短期債務に対する流動性を準備しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物並びに定期預金の残高は5,513億円となっております。
設定しているコミットメントラインは以下のとおりであります。
・大手邦銀を主としたシンジケート団による3,000億円(長期)
・欧米主要銀行を主としたシンジケート団及び大手邦銀による1,350百万米ドル(長期)
③ 重要性がある会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRS会計基準に準拠して作成しており、連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に特に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下のとおりであります。
有形固定資産及び無形資産の減損
当社及び連結子会社は、各報告期間の期末日に資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判定しております。資産が減損している可能性を示す兆候の内容は、主に、事業環境の悪化に伴う収益性の低下、事業内容の見直し等によるものです。
有形固定資産及び耐用年数を確定できる無形資産については、資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候があるか否かを問わず、最低限年1回定期的に資産の帳簿価額が回収可能価額を超過しているか否かを確認しております。
資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産が他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。公正価値は独立の第三者による評価結果を使用する等市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積り算定しております。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合は、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。使用価値の算定にあたって使用される将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された事業計画や、それが入手できない場合は、直近の資産状況を反映した事業計画によって見積っております。石油・原油等の資源事業に係る開発設備及び鉱業権においては、将来油価・ガス価、鉱区ごとの開発コスト及び埋蔵量等を主要な仮定としております。使用価値の評価にあたり、見積られた将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクに関する現在の市場評価を反映した割引率を用いて現在価値まで割り引いております。これらの主要な仮定について、事業戦略の変更や市場環境の変化等により見直しが必要となった場合並びに割引率の見直しが必要となった場合に減損損失が発生する可能性があります。
減損損失認識後は、各報告期間の期末日において、過去に認識した減損損失がもはや存在しないか、又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合は、資産の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額が資産の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。戻入れ後の帳簿価額は、過去において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の帳簿価額(減価償却累計額控除後又は償却累計額控除後)を超えない範囲で認識しております。減損損失の戻入額は純損益として認識しております。
なお、のれんについて認識した減損損失を戻入れることはしておりません。
関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の減損
当社及び連結子会社が保有している関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資に関して、各報告期間の期末日に総合的に判断を行い、減損の客観的証拠がある場合には、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額は減損損失として純損益で認識しております。減損の客観的証拠の内容は、主に、市場性のある投資の市場価格の下落、事業環境の悪化に伴う収益性の低下、事業内容の見直し等によるものです。また、回収可能価額は売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としております。公正価値は主に、売却予定価格等に基づき算定しており、使用価値は主に、経営者により承認された事業計画等に基づき算定しております。これらの主要な仮定について、事業戦略の変更や市場環境の変化等により見直しが必要となった場合並びに割引率の見直しが必要となった場合に減損損失が発生する可能性があります。
減損損失認識後は、認識した減損損失がもはや存在しない、又は減少している可能性を示す兆候の有無に関して、各報告期間の期末日に判定しております。このような兆候が存在する場合は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額がその投資の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入額は、その投資の回収可能価額が減損損失認識後に増加した範囲で認識しており、過去に認識した減損損失の金額を上限として純損益として認識しております。
偶発負債及び引当金
引当金は、当社及び連結子会社が過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。
訴訟案件に関する重要な引当金や偶発負債の見積りにあたっては、見積時点における訴訟プロセスの状況、訴訟戦略上の様々な選択肢や想定される将来の訴訟の趨勢も考慮のうえ、関連する事実関係や法律関係について、社外専門家を起用のうえ、当社の主張する法的立場の客観的な分析及び評価を実施しております。訴訟において当社が最終的に損失を被る可能性が高い状況であると考えられる場合に、信頼性をもって見積ることができる金額の引当金を計上しております。
当社の経営陣は、これらの見積り及び仮定は合理的であると考えておりますが、想定を超えた変化等が生じた場合、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼすことがあります。
その他、重要性がある会計方針についての詳細は、「第5 経理の状況」における「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記3 重要性がある会計方針」に記載のとおりであります。
④ 経営戦略の現状と今後の見通し
当社グループは、中期経営戦略「GC2021」(2019年度-2021年度)、「GC2024」(2022年度-2024年度)期間を通じて、収益基盤を確立させてきました。2030年度へ向けた長期的な経営戦略の第3段階として、次なる高みへ向け成長を加速させるべく、中期経営戦略「GC2027」を策定し、2025年度よりスタートしております。
詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(3)会社の経営の基本方針」に記載のとおりであります。
5【重要な契約等】
当社は、2026年2月12日付で、当社エネルギー・化学品部門化学品第二部の事業の一部(以下「本分割事業」という。)を、当社子会社である丸紅ケミックス株式会社(以下「丸紅ケミックス」という。)を承継会社とする吸収分割(以下「本吸収分割」という。)により、丸紅ケミックスに承継させることを取締役会にて決議し、同日、本吸収分割に関する契約を締結しました。当該契約に基づく本吸収分割は2026年4月1日に効力を生じました。なお、丸紅ケミックスは、2026年4月1日付で当社子会社である丸紅プラックス株式会社(以下「丸紅プラックス」という。)と吸収合併し、商号を「丸紅イノベクシス株式会社」(以下「丸紅イノベクシス」という。)に変更しております。
本吸収分割の概要は以下のとおりです。
(1)本吸収分割の目的
当社は、丸紅ケミックスと丸紅プラックス(以下、2社を総称して「両子会社」という。)を2026年4月1日付で統合し、新商号「丸紅イノベクシス株式会社」とし、本吸収分割により、当社エネルギー・化学品部門化学品第二部が担う天日塩・クロールアルカリ・塩化ビニール・無機化学品等のトレード事業を丸紅イノベクシスへ移管し、両子会社の強みと当社のトレード機能を一体的に集約することで、事業領域の拡張、機能・専門性の強化、DXの深化、人的リソースの拡大と効率的な配置を図ります。これにより、国内外のネットワークを生かしたソリューション提供力を高めるとともに、当社グループとして化学品事業の中長期的な収益基盤強化を目指すものです。
(2)本吸収分割の方法
当社を分割会社とし、丸紅ケミックスを承継会社とする吸収分割(簡易分割)です。
(3)本吸収分割に係る割当ての内容
本吸収分割において、承継会社である丸紅ケミックスは、本吸収分割の対価として、当社に対し普通株式1,000,000株を交付しました。
(4)本吸収分割に係る割当ての内容の算定根拠
上記(3)に記載の株式数は、本分割事業の公正な評価額等を基礎として、当社及び承継会社である丸紅ケミックスの協議により決定したものです。
(5)本分割事業の経営成績
収益:109,878百万円(2026年3月期)
(6)本吸収分割で分割する資産、負債の項目及び帳簿価格(2026年3月31日時点)
(注)金額は、百万円未満を四捨五入しております。
(7)本吸収分割後の吸収分割承継会社となる会社の概要(2026年4月1日時点)
6【研究開発活動】
特に記載すべき事項はありません。
第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
特に記載すべき事項はありません。
2【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。
なお、使用権資産を含めて記載しております。
(1)提出会社の設備の状況
(2)国内子会社の設備の状況
(3)在外子会社の設備の状況
3【設備の新設、除却等の計画】
特に記載すべき事項はありません。
第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
②【発行済株式】
(注)「提出日現在発行数」欄には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対して株式報酬型ストックオプション制度を採用しておりました。当該制度は、会社法に基づき新株予約権を発行する方法によるものであります。当該制度の内容は、以下のとおりであります。
なお、2021年度より当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対して譲渡制限付株式報酬制度及び時価総額条件型譲渡制限付株式制度を導入したことにより、株式報酬型ストックオプション制度を廃止しました。海外在勤により日本国非居住者となる執行役員に対し割当てを留保していたストックオプションとしての新株予約権については、既に留保した分に限り、発行することとしておりましたが、2022年度において当該留保分の発行が全て完了したため、今後、ストックオプションとしての新株予約権の発行は行いません。
(a)2016年6月24日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注)1. 付与株式数の調整
新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権1個当たりの目的である株式の数(以下「付与株式数」という。)は100株とする。ただし、新株予約権を割り当てる日(以下「割当日」という。)以降、当社が当社普通株式の株式分割(当社普通株式の株式無償割当てを含む。以下、株式分割の記載につき同じ)又は株式併合を行う場合には、以下の算式により付与株式数の調整を行い、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
調整後付与株式数 = 調整前付与株式数 × 株式分割又は株式併合の比率
また、割当日以降、当社が合併又は会社分割を行う場合その他これらの場合に準じて付与株式数の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で付与株式数を適切に調整することができる。
2. 新株予約権の行使の条件
(1)新株予約権原簿に記載された各新株予約権を保有する者(以下「新株予約権者」という。)は、割当日の翌日から3年を経過する日又は当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日のうちいずれか早い日以降、割当てを受けた新株予約権を行使することができる。
(2)上記(1)にかかわらず、新株予約権者は、上記新株予約権の行使期間において、当社が消滅会社となる合併契約承認の議案又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画承認の議案につき株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要な場合は、取締役会決議がなされた場合)には、当該承認日の翌日から15日間に限り新株予約権を行使できる(ただし、以下(注)3に従って新株予約権者に再編成対象会社の新株予約権が交付される旨が合併契約、株式交換契約若しくは株式移転計画において定められている場合を除く)。
(3)上記(1)は、新株予約権を相続により承継した者については適用しない。
(4)新株予約権者が新株予約権を放棄した場合、当該新株予約権を行使することができない。
(5)新株予約権者は、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10年間経過した場合、新株予約権を行使することができなくなるものとし、当該時点において未行使の新株予約権を放棄したものとみなす。
3. 組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る)、吸収分割若しくは新設分割(それぞれ当社が分割会社となる場合に限る)又は株式交換若しくは株式移転(それぞれ当社が完全子会社となる場合に限る)(以上を総称して以下「組織再編成行為」という。)をする場合には、組織再編成行為の効力発生日(吸収合併につき吸収合併がその効力を生じる日、新設合併につき新設合併設立株式会社の成立の日、吸収分割につき吸収分割がその効力を生じる日、新設分割につき新設分割設立株式会社の成立の日、株式交換につき株式交換がその効力を生じる日及び株式移転につき株式移転設立完全親会社の成立の日をいう。以下同じ)の直前において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)を保有する新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編成対象会社」という。)の新株予約権をそれぞれ交付することとする。ただし、以下の各号に沿って再編成対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めることを条件とする。
(1)交付する再編成対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。
(2)新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の種類
再編成対象会社の普通株式とする。
(3)新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の数
組織再編成行為の条件等を勘案のうえ、上記(注)1に準じて決定する。
(4)新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、以下に定められる再編成後行使価額に上記(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。再編成後行使価額は、交付される各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる再編成対象会社の株式1株当たり1円とする。
(5)新株予約権を行使することができる期間
上記新株予約権の行使期間の開始日と組織再編成行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、上記新株予約権の行使期間の満了日までとする。
(6)新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
上記新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額に準じて決定する。
(7)譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編成対象会社の取締役会の決議による承認を要する。
(8)新株予約権の取得条項
以下(注)4に準じて決定する。
(9)その他の新株予約権の行使の条件
上記(注)2に準じて決定する。
4. 新株予約権の取得条項
以下の(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の議案につき当社株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要の場合は、当社の取締役会決議がなされた場合)は、当社取締役会が別途定める日に、当社は無償で新株予約権を取得することができる。
(1)当社が消滅会社となる合併契約承認の議案
(2)当社が分割会社となる分割契約若しくは分割計画承認の議案
(3)当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画承認の議案
(4)当社の発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当社の承認を要することについての定めを設ける定款の変更承認の議案
(5)新株予約権の目的である種類の株式の内容として譲渡による当該種類の株式の取得について当社の承認を要すること若しくは当該種類の株式について当社が株主総会の決議によってその全部を取得することについての定めを設ける定款の変更承認の議案
(b)2017年6月23日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)にかけて変更された事項については提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更ありません。
(注)1. 付与株式数の調整
新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、付与株式数は100株とする。ただし、新株予約権の募集を決議する日(以下「決議日」という。)以降、当社が当社普通株式の株式分割又は株式併合を行う場合には、以下の算式により付与株式数の調整を行い、調整の結果生じる1株未満の端数は、これを切り捨てる。
調整後付与株式数 = 調整前付与株式数 × 株式分割又は株式併合の比率
また、決議日以降、当社が合併又は会社分割を行う場合その他これらの場合に準じて付与株式数の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で付与株式数を適切に調整することができる。
(注)2~4については、(a)2016年6月24日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)の(注)2~4と同じです。
(c)2018年3月27日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注)1~4については、(b)2017年6月23日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)の(注)1~4と同じです。
(d)2018年6月22日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)にかけて変更された事項については提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更ありません。
(注)1~4については、(b)2017年6月23日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)の(注)1~4と同じです。
(e)2019年6月21日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)にかけて変更された事項については提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更ありません。
(注)1~4については、(b)2017年6月23日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)の(注)1~4と同じです。
(f)2019年6月21日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(時価総額条件付株式報酬型ストックオプション)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)にかけて変更された事項については提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更ありません。
(注)2. 新株予約権の行使の条件
(1)新株予約権者は、割当日の翌日から3年を経過する日以降、割当てを受けた新株予約権を行使することができる。
(2)上記にかかわらず、新株予約権者は、上記新株予約権の行使期間において、当社が消滅会社となる合併契約承認の議案又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画承認の議案につき株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要な場合は、取締役会決議がなされた場合)には、当該承認日の翌日から15日間に限り新株予約権を行使できる(ただし、下記(注)3に従って新株予約権者に再編成対象会社の新株予約権が交付される旨が合併契約、株式交換契約若しくは株式移転計画において定められている場合を除く)。
(3)新株予約権者による新株予約権の行使は、時価総額条件(以下(注)5参照)に従うものとする。
(4)上記(1)は、新株予約権を相続により承継した者については適用しない。
(5)新株予約権者が新株予約権を放棄した場合、当該新株予約権を行使することができない。
(6)新株予約権者は、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10年間経過した場合、新株予約権を行使することができなくなるものとし、当該時点において未行使の新株予約権を放棄したものとみなす。
(注)5. 時価総額条件の詳細
(1)当社時価総額条件成長率(*1)が、TOPIX(東証株価指数)成長率(*2)未満となった場合、新株予約権者は、割当てを受けた新株予約権を全て行使することができない。
(2)当社時価総額条件成長率が、TOPIX(東証株価指数)成長率以上となった場合、新株予約権者による新株予約権の行使は、以下の定めに従うものとする。
① 当社時価総額条件成長率が150%を超えた場合、割当てを受けた新株予約権を全て行使することができる。
② 当社時価総額条件成長率が100%を超え、150%以下の場合、割当てを受けた新株予約権の一部(*3)を行使することができる。
③ 当社時価総額条件成長率が100%以下の場合、割当てを受けた新株予約権を全て行使することができない。
(*1)新株予約権の割当日から権利行使期間開始日までの3年間の当社時価総額条件成長率で、以下の式で算出する数値とする。
A:権利行使期間開始日の前日(同日を含む)の直前3ヵ月の各日の東京証券取引所における当社普通株式の終値と自己株式控除後の発行済株式数を乗じて算出した時価総額の平均値
B:新株予約権の割当日の前日(同日を含む)の直前3ヵ月の各日の東京証券取引所における当社普通株式の終値と自己株式控除後の発行済株式数を乗じて算出した時価総額の平均値
当社時価総額条件成長率=A÷B
(*2)割当日から権利行使期間開始日までの3年間のTOPIX成長率で、以下の式で算出する数値とする。
C:権利行使期間開始日の前日(同日を含む)の直前3ヵ月の各日の東京証券取引所におけるTOPIXの終値平均値
D:新株予約権の割当日の前日(同日を含む)の直前3ヵ月の各日の東京証券取引所におけるTOPIXの終値平均値
TOPIX成長率=C÷D
(*3)行使できる新株予約権の個数=割当てを受けた新株予約権の個数×当社時価総額条件成長率÷150%
(注)1、3、4については、(b)2017年6月23日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)の(注)1、3、4と同じです。
(g)2020年3月25日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)にかけて変更された事項については提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更ありません。
(注)1~4については、(b)2017年6月23日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)の(注)1~4と同じです。
(h)2020年3月25日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(時価総額条件付株式報酬型ストックオプション)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注)1~5については、(f)2019年6月21日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(時価総額条件付株式報酬型ストックオプション)の(注)1~5と同じです。
(i)2020年6月19日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)にかけて変更された事項については提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更ありません。
(注)1~4については、(b)2017年6月23日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)の(注)1~4と同じです。
(j)2020年6月19日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(時価総額条件付株式報酬型ストックオプション)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注)1~5については、(f)2019年6月21日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(時価総額条件付株式報酬型ストックオプション)の(注)1~5と同じです。
(k)2022年3月30日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注)1~4については、(b)2017年6月23日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(株式報酬型ストックオプション)の(注)1~4と同じです。
(l)2022年3月30日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(時価総額条件付株式報酬型ストックオプション)
※ 当事業年度の末日(2026年3月31日)における内容を記載しております。提出日の前月末現在(2026年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しております。
(注)1~5については、(f)2019年6月21日開催の取締役会決議に基づくストックオプション(時価総額条件付株式報酬型ストックオプション)の(注)1~5と同じです。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)1. 譲渡制限付株式報酬として支給された金銭報酬債権を出資財産とする新株式の発行により、2021年7月21日付で発行済株式総数が534,597株、資本金が261百万円、資本準備金が260百万円増加しております。
発行価格 975円
資本組入額 487.5円
割当先 当社の取締役7名(社外取締役を除く)及び当社の取締役を兼務しない執行役員27名
2. 2022年5月20日付で自己株式の消却を行い、発行済株式総数が20,882,000株減少しております。
3. 譲渡制限付株式報酬として支給された金銭報酬債権を出資財産とする新株式の発行により、2022年7月22日付で発行済株式総数が618,901株、資本金が377百万円、資本準備金が378百万円増加しております。
発行価格 1,221円
資本組入額 610.5円
割当先 当社の取締役4名(社外取締役を除く)及び当社の取締役を兼務しない執行役員30名
4. 2023年2月20日付で自己株式の消却を行い、発行済株式総数が19,816,900株減少しております。
5. 譲渡制限付株式報酬として支給された金銭報酬債権を出資財産とする新株式の発行により、2023年7月21日付で発行済株式総数が208,709株、資本金が275百万円、資本準備金が275百万円増加しております。
発行価格 2,635円
資本組入額 1,317.5円
割当先 当社の取締役4名(社外取締役を除く)及び当社の取締役を兼務しない執行役員31名
6. 2023年8月25日付で自己株式の消却を行い、発行済株式総数が13,678,100株減少しております。
7. 2024年2月22日付で自己株式の消却を行い、発行済株式総数が8,628,600株減少しております。
8. 時価総額条件型譲渡制限付株式報酬として支給された金銭報酬債権を出資財産とする新株式の発行により、2024年8月29日付で発行済株式総数が81,954株、資本金が112百万円、資本準備金が112百万円増加しております。
発行価格 2,861円
資本組入額 1,362.5円
割当先 2021年7月時点での当社の取締役7名(社外取締役を除く)及び当社の取締役を兼務しない執行役員26名(それぞれ退任者を含む)
9. 2024年10月25日付で自己株式の消却を行い、発行済株式総数が15,621,100株減少しております。
(5)【所有者別状況】
(注)1. 「その他の法人」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が250単元含まれております。
2. 自己株式22,279,115株は、「個人その他」に222,791単元、「単元未満株式の状況」に15株含めて記載しております。
なお、自己株式22,279,115株は株主名簿記載上の株式数であり、2026年3月31日現在の実質的な所有株式数は22,278,115株であります。
3. 所有株式数の割合は小数点第3位を四捨五入して記載しております。したがって、合計が100%とならない場合があります。
(6)【大株主の状況】
(注)1. 所有株式数は、千株未満を切り捨てして表示しております。
2. 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)の所有株式は、全て信託業務の信託を受けている株式となります。
3. 株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式は、全て信託業務の信託を受けている株式となります。
4. 2025年9月19日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、三井住友信託銀行株式会社及び2名が2025年9月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。
5. 2026年3月23日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、野村アセットマネジメント株式会社が2026年3月13日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。なお、その大量保有報告書の変更報告書の内容は以下のとおりであります。
6. 2026年5月7日付で、ナショナル・インデムニティー・カンパニー(Berkshire Hathaway Inc.の完全子会社)より、総株主の議決権に占める同社の所有議決権の割合が10%を超えた旨の報告を受けており、主要株主及び主要株主である筆頭株主の異動を確認いたしました。なお、当社として2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
(注)1. 「完全議決権株式(その他)」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が25,000株(議決権250個)含まれております。
2. 「単元未満株式」の欄には、当社所有の自己株式15株が含まれております。
②【自己株式等】
(注) 株主名簿上は当社名義となっておりますが、実質的に所有していない株式が1,000株(議決権10個)あります。なお、当該株式数は上記「① 発行済株式」の「完全議決権株式(その他)」に含まれております。
2【自己株式の取得等の状況】
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
(注)2025年5月2日の取締役会決議に基づき、2025年2月5日開催の取締役会決議の内容を変更しております。
(注)1. 2026年5月1日の取締役会決議に基づき、2026年2月4日開催の取締役会決議の内容を変更しております。
2. 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの取得自己株式は含まれていません。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注)当期間における取得自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)1. 当期間における処理自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の権利行使、単元未満株式の売渡しによる株式は含まれておりません。
2. 当期間における保有自己株式数には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの取締役会決議による取得、新株予約権の権利行使、単元未満株式の買取り及び売渡し、譲渡制限付株式報酬の自己株処分による株式は含まれておりません。
3【配当政策】
中期経営戦略「GC2027」期間(2025年度~2027年度)においては、中長期的な利益成長に合わせて増配していく累進配当を継続しております。
上記方針に基づき、2025年度の年間配当金は1株当たり107円50銭(中間配当金50円00銭、期末配当金57円50銭)とし、また、2026年度の年間配当金予想は1株当たり115円00銭(中間配当金57円50銭、期末配当金57円50銭)といたします。
毎事業年度における剰余金の配当の回数につきましては、中間配当と期末配当の年2回とし、これらの配当の決定につきましては、会社法第459条第1項に基づき、剰余金の配当を取締役会の決議によっても行うことができる旨を定款に定めておりますので、いずれも取締役会で決議することとしております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
自己株式取得は資本効率の改善及び1株当たりの指標改善等を目的として機動的に実施、実施の金額・タイミングは総還元性向40%程度を目安に経営環境等を踏まえて判断いたします。なお、自己株式取得の実績につきましては、「2 自己株式の取得等の状況」の「(2)取締役会決議による取得の状況」に記載のとおりであります。また、内部留保資金につきましては、長期的な企業価値向上のため、有効に活用してまいります。
4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
<コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方>
当社グループの役員、社員は、社是「正・新・和」及び丸紅行動憲章に掲げられた精神に則り、法令や社内規則を遵守するとともに、企業倫理・経営理念に適った企業活動を行い、コーポレート・ガバナンスの充実に努めております。
また、当社は、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制等について、取締役会にて「内部統制の基本方針」を以下のとおり決議しております。
① 社是・経営理念
「内部統制の基本方針」に記載のとおりであります。
② 丸紅行動憲章
丸紅は、公正なる競争を通じて利潤を追求する企業体であると同時に、世界経済の発展に貢献し、社会にとって価値のある企業であることを目指します。これを踏まえて、下記の6項目を行動の基本原則とします。
(a)公正、透明な企業活動の徹底
法律を遵守し、公正な取引を励行する。
内外の政治や行政との健全な関係を保ち、自由競争による営業活動を徹底する。
反社会的な活動や勢力に対しては毅然とした態度で臨む。
(b)グローバル・ネットワーク企業としての発展
各国、各地域の文化を尊重し、企業活動を通じて地域経済の繁栄に貢献していく。
グローバルに理解が得られる経営システムを通じて、各地域社会と調和のとれた発展を目指す。
(c)新しい価値の創造
市場や産業の変化に対応するだけでなく、変化を自ら創造し、市場や顧客に対して新しい商品やサービスを提供していく。
既存の常識や枠組みにとらわれることなく、常に新たな可能性にチャレンジする。
(d)個性の尊重と独創性の発揮
一人一人の個性を尊重し、独創性が存分に発揮できる、自由で活力のある企業風土を醸成する。
自己管理の下、自らが課題達成に向けて主体的に行動する。
(e)コーポレート・ガバナンスの推進
株主や社会に対して積極的な情報開示を行い、経営の透明度を高める。
経営の改善等に係る提案を尊重し、株主や社会に対してオープンな経営を目指す。
(f)社会貢献や地球環境への積極的な関与
国際社会における企業市民としての責任を自覚し、積極的な社会貢献活動を行う。
環境問題に心を配り、健全な地球環境を子孫に継承する。
③ ステークホルダーについて
当社グループは、世界の様々なステークホルダーに支えられて事業を行っております。ステークホルダーの期待・関心及び当社が環境・社会に及ぼす影響を踏まえて、ステークホルダーの意見に常に耳を傾け、ともに考え歩みを進めていくことが重要であると認識しております。当社グループのステークホルダーに対する考え方は以下のとおりであります。
(a)顧客・取引先
顧客・取引先から信用される企業を目指し、安全性に十分配慮のうえ、社会的に有用な商品・サービスを開発・提供し、誠実な対応を通じて、満足度の向上、信頼の獲得に常時取り組みます。
(b)社員
当社グループ社員一人ひとりの価値観・人生設計を尊重します。また、あらゆる差別を撤廃し、誰もが快適に働ける職場環境を整備します。
(c)地域社会
地域社会の一員として共生を図り、事業を展開する地域に暮らす人々の生活向上や地域産業の発展、青少年をはじめとした現地の雇用機会創出とジェンダーや障がい者雇用等、多様性とインクルージョンに配慮した雇用等を通じて豊かな地域社会創造に貢献します。海外においては、地域の法令・文化・慣習を尊重し、現地の発展に貢献する経営に努めます。また、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力及び団体とは、断固として対決します。
(d)株主・投資家
事業環境の変化に対応し安定的な収益を確保するだけでなく、環境及び社会分野においても企業価値の向上に努め、企業情報を積極的かつ公正に開示することで、株主の期待に応えます。
<コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況>
① 会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況
(a)会社の機関の内容
本報告書提出日現在、当社の会社の機関の内容は、以下のとおりであります。
なお、当社は、2026年6月19日開催予定の第102回定時株主総会の議案(決議事項)として「定款一部変更の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、現在の「監査役会設置会社」から「指名委員会等設置会社」へ移行いたします。
(i)取締役会
取締役会は取締役11名(うち社外取締役7名。男性8名・女性3名)をもって構成し、当社の経営方針その他重要事項を決定するとともに、取締役の職務の執行を監督しております。なお、執行と監督をより明確に分離するため、原則として代表権・業務執行権限を有さない会長が取締役会の議長を務めることとしており、本報告書提出日現在は、非業務執行取締役である会長の柿木 真澄が議長を務めております。構成員の氏名については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の「(2)役員の状況」に記載のとおりであります。
(ⅱ)監査役会
監査役会は監査役4名(うち社外監査役3名。男性2名・女性2名)をもって構成し、常勤監査役の安藤 孝夫が議長を務めております。当社は監査役制度を採用しており、各監査役は、監査役会で策定された監査方針及び監査計画に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議への出席や、業務及び財産の状況調査を通じて、取締役の職務執行を監査しております。構成員の氏名については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」の「(2)役員の状況」に記載のとおりであります。
※当社は、2026年6月19日開催予定の第102回定時株主総会の議案(決議事項)として「定款一部変更の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、現在の「監査役会設置会社」から「指名委員会等設置会社」へ移行いたします。移行後は、監査役会及び監査役は廃止となり、法定の監査委員会を新たに設置いたします。また、同株主総会の議案(決議事項)として「取締役15名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決された場合の同株主総会後の監査委員会の構成は以下のとおりであります。なお、同株主総会終結後の取締役会において各委員及び委員長を選定する予定です。
(ⅲ)経営会議
経営会議は、社長の諮問機関として設置され、社長、副社長執行役員、専務執行役員3名、常務執行役員4名、執行役員1名をもって構成し、経営に関する方針及び全社的重要事項を審議しております。
(ⅳ)部門長会
部門長会は、社長、社長の指名する執行役員及び部門長をもって構成し、予算・決算・資金計画に関する事項、その他業務執行に関する事項を審議しております。
なお、当社は、情報連絡並びに決算報告、内部監査報告等業務執行に係る事項の報告を目的として、全執行役員により構成される執行役員会を設置しておりましたが、よりタイムリーかつ効率的な報告を行う運用が確立していることから、当事業年度末をもって執行役員会を廃止いたしました。
また、取締役会の諮問機関として、下記の委員会を設置しております。
● 指名委員会(随時開催)
指名委員会は、独立社外役員がメンバーの過半数を占め、独立社外役員を委員長としており、独立性を有する構成となっている。同委員会は、取締役、監査役候補者の選任案、次期社長選任案、並びに社長が策定・運用する後継者計画(必要な資質・要件、後継者候補群、育成計画を含む)について審議、取締役会に答申する取締役会の諮問機関である。
当事業年度は2回開催した。
<当事業年度における主な審議内容>
・取締役候補者の選任案
本報告書提出日現在の指名委員会の構成は以下のとおりであります。
※当社は、2026年6月19日開催予定の第102回定時株主総会の議案(決議事項)として「定款一部変更の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、現在の「監査役会設置会社」から「指名委員会等設置会社」へ移行いたします。移行後は、法定の指名委員会を新たに設置いたします。また、同株主総会の議案(決議事項)として「取締役15名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決された場合の同株主総会後の指名委員会の構成は以下のとおりであります。なお、同株主総会終結後の取締役会において各委員及び委員長を選定する予定です。
● ガバナンス・報酬委員会(随時開催)
ガバナンス・報酬委員会は、独立社外役員がメンバーの過半数を占め、独立社外役員を委員長としており、独立性を有する構成となっている。同委員会は、取締役・執行役員の報酬決定方針や報酬水準の妥当性を審議、取締役会に答申する取締役会の諮問機関である。また、取締役会の構成や運営等、取締役会全体に関する評価・レビューや、これに準ずる重要なコーポレート・ガバナンス事項を審議し、取締役会に報告する。
当事業年度は4回開催した。
<当事業年度における主な審議内容>
・取締役・執行役員の報酬
・報酬制度
・取締役会の実効性評価
・スキルマトリックスを含む役員情報の開示の充実
本報告書提出日現在のガバナンス・報酬委員会の構成は以下のとおりであります。
※当社は、2026年6月19日開催予定の第102回定時株主総会の議案(決議事項)として「定款一部変更の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、現在の「監査役会設置会社」から「指名委員会等設置会社」へ移行いたします。移行後は、法定の報酬委員会を新たに設置いたします。また、同株主総会の議案(決議事項)として「取締役15名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決された場合の同株主総会後の報酬委員会の構成は以下のとおりであります。なお、同株主総会終結後の取締役会において各委員及び委員長を選定する予定です。
更に、業務執行及び内部統制等に係る重要な事項に対応するため、社長直轄の組織として各種委員会を設置しております。主な委員会とその役割は以下のとおりであります。
● 投融資委員会(原則週1回開催、当事業年度は17回開催)
稟議案件の審議を行う。投融資委員会委員長は、委員会の審議を経て経営会議体に付議すべき案件を決定する。
● コンプライアンス委員会(原則年4回開催、その他随時開催、当事業年度は4回開催)
当社グループにおけるコンプライアンス体制の構築・維持・管理及びコンプライアンスについての研修をはじめとする啓発活動を行う。
● サステナビリティ委員会(原則年1回開催、その他随時開催、当事業年度は3回開催)
事業領域全般からESG(環境価値、社会価値、ガバナンス)視点も考慮した「マテリアリティ」の特定・見直し、並びにESG対応を含むサステナビリティに関する討議・取締役会への報告を行う。
※本委員会は、2026年4月1日付で名称をサステナビリティ推進委員会から改称しております。
● 内部統制委員会(随時開催、当事業年度は2回開催)
会社法上の内部統制の基本方針の構築・運用状況の確認並びに見直し・改正案の作成、金融商品取引法上の財務報告に係る内部統制の体制整備・運用・有効性評価並びに内部統制報告書案の作成等を行う。
● 開示委員会(随時開催、当事業年度は8回開催)
開示に関する原則・基本方針案の策定、法定開示・適時開示に関する社内体制の構築・整備、及び法定開示・適時開示に関する重要性・妥当性の判断を行う。
● IT戦略委員会(原則年4回開催、当事業年度は4回開催)
当社グループにおけるIT投資・利活用等関連事項及び情報セキュリティ関連事項につき検討・審議、評価、調査・対応等を行う。
会社の機関、委員会の当事業年度における開催状況は以下のとおりであります。
(i)取締役会
14回開催し、古谷取締役及び翁取締役の各1回欠席並びに南取締役の2回欠席を除き、全取締役及び全監査役が在任中に開催された全ての取締役会に出席しました。取締役会では当社の業務執行を決定するとともに、取締役の業務執行状況を監督するため、取締役より定期的に報告を受けました。
主な審議事項は以下のとおりであります。
・中期経営戦略GC2027の実践について
・事業・投資案件等の実施状況報告
・決算・財務関連事項(自己株式の取得を含む株主還元 等)
・役員報酬
・当社リスクマネジメントの全体観及び2025年3月期末リスクアセット報告
・サイバー攻撃によるサプライチェーンリスクへの影響と対策
・サステナビリティの取組に係る進捗報告
・グループガバナンス(グループ経営に係る現在の取組状況、当事業年度の改定内容)
・機関設計変更、内部統制関連事項 等
上記に加え、当事業年度は、取締役会メンバーによるフリーディスカッションとして、当社の企業価値向上、株主構成、IR・SR活動(Marubeni IR Dayを含む)、株価・PER向上、機関設計、取締役会の実効性評価等について、議論を深めました。
(ⅱ)監査役会
17回開催し、監査方針及び監査計画を策定し、監査結果を報告しました。各監査役は、監査方針及び監査計画に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議への出席や、業務及び財産の状況調査をとおして、取締役の職務遂行を監査しました。
(ⅲ)経営会議
33回開催し、経営に関する方針及び全社的重要事項を審議・決定しました。
(ⅳ)部門長会
2回開催し、部門毎に当事業年度の通期見通し等を議論しました。
(b)当社の企業統治の体制
本報告書提出日現在、当社の企業統治の体制は、以下のとおりであります。

※当社は、2026年6月19日開催予定の第102回定時株主総会の議案(決議事項)として「定款一部変更の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、現在の「監査役会設置会社」から「指名委員会等設置会社」へ移行いたします。移行後の企業統治の体制は、以下のとおりであります。

(c)現在のコーポレート・ガバナンス体制を採用する理由
当社は、多岐にわたるビジネスをグローバルに展開しており、経営における「意思決定の迅速性・効率性」及び「適正な監督機能」を確保するべく、現在のガバナンス体制を社内取締役及び社外取締役で構成される取締役会を置く監査役設置会社としており、以下の(i)と(ⅱ)のとおり有効に機能していると判断しています。
(i)意思決定の迅速性・効率性
当社の多角的な事業活動に精通した執行役員を兼務している取締役を置くことにより、意思決定の迅速性・効率性を確保しております。
(ⅱ)適正な監督機能
取締役会構成員の過半数の社外取締役候補者の選任、監査役室の設置、監査役と監査部及び会計監査人との連携、社外取締役及び社外監査役に対して取締役会付議事項の事前説明を同一機会に実施する等の諸施策を講じることにより、適正な監督機能を確保しております。
当社取締役会は、多様な知識・経験・能力やバックグラウンドを有する社外取締役が過半数を占め、企業価値向上に向け活発な議論を交わしております。また、任意設置している指名委員会及びガバナンス・報酬委員会も、委員の過半数を社外役員により構成し、委員長を社外取締役とすることで、指名・報酬の透明性・公正性を高めております。
このように、当社は、現在の機関設計である監査役設置会社の制度内でグローバルスタンダードと同等の実効性の高いガバナンス体制を構築・運用しておりますが、「総合商社の枠組みを超える」価値創造企業グループに向けた変革をより迅速に実践していくための一環として、ガバナンスの強化を図るため、2026年6月19日開催予定の第102回定時株主総会に「指名委員会等設置会社」への移行を提案いたします。
(d)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
(e)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨定款に定めております。
(f)剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
(g)自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により、自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とすることを目的とするものであります。
(h)取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定に基づき、取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)がその任務を怠ったことによる会社に対する損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款に定めております。これは取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
(i)責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役との間で、当該取締役及び監査役がその任務を怠ったことによる会社に対する損害賠償責任を会社法第425条第1項各号の合計額に限定する(ただし、職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない時に限る)旨の契約を締結しております。
(j)補償契約の内容の概要
当社は、取締役及び監査役との間で、会社法第430条の2第1項の規定に基づき、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償する旨の契約を締結しております。
(k)役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、当社の取締役、監査役及び執行役員(以下「役員等」という。)を被保険者とする会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険(D&O保険)契約を締結しております。当該保険契約では、被保険者が役員等の地位に基づき行った行為(不作為を含みます)に起因して保険期間中に被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や訴訟費用等が填補されることとなり、被保険者の全ての保険料を当社が全額負担することとしております。ただし、被保険者による犯罪行為等に起因する損害については填補されない等の免責事由があります。
(l)内部統制システムの整備の状況
当社グループは、業務の有効性及び効率性、報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の遵守並びに資産の保全等の目的を達成するため、内部統制の整備・運用を継続的に実践し有効に機能させる社長直轄組織として、内部統制委員会を設置しております。同委員会では、会社法上の内部統制の基本方針の構築・運用状況の確認並びに見直し・改正案の作成、金融商品取引法上の財務報告に係る内部統制の体制整備・運用・有効性評価並びに内部統制報告書案の作成等を行っております。
内部統制の有効性評価の結果、当事業年度末日において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であることを確認しております。
また、当社グループはコンプライアンスを社会に対する経営の最重要の責務と位置付け、当社グループの役員及び社員の一人一人がコンプライアンスを確実に実践することを支援・指導する組織として、社長直轄のコンプライアンス委員会を設置しております。コンプライアンス委員会は、社長が指名するコンプライアンス委員会委員長(以下「委員長」という。)、委員長が指名する部門コンプライアンス・オフィサー及びコーポレートスタッフグループ各部長のうち委員長が選任する者により構成されます。同委員会の下、コンプライアンス・マニュアルを制定するとともに、全役員・社員が上記マニュアルの宣誓(毎年実施)を行っております。また、研修をはじめとする啓発活動、実施状況のモニタリング、問題発生時の調査と対応、内部通報窓口対応等を通じ、国内外連結子会社を含む当社グループのコンプライアンス体制の構築・維持・管理を推進しております。コンプライアンス上問題がある行為を知った場合の報告は、原則、職制ラインを通じて行うものとしておりますが、職制ラインが機能しない場合に備え、内部通報制度として下記のコンプライアンス相談窓口を設置しております(以下、(i)、(ⅱ)における従業員等には受入出向者や派遣社員、業務委託契約等に基づき従事する者を含む)。
(i)相談“ホッ”とライン(コンプライアンス委員会ライン及び社外弁護士ライン)
報告資格者:当社グループの役員・従業員等及び相談等の時点から前1年以内に当社グループの役員・従業員等であった者
(ⅱ)Marubeni Anti–Corruption Hotline
報告資格者:当社グループの役員・従業員等、相談等の時点から前1年以内に当社グループの役員・従業員等であった者、及び当社グループのビジネスパートナーの役員・従業員等
(m)取締役会の実効性評価
当社は2016年度以降、取締役会の実効性評価を毎年度実施しており、分析評価の結果特定された課題の改善策に継続的に取り組むことで、取締役会の実効性の向上に努めております。
当事業年度の取締役会の実効性評価は、「当社の価値創造を後押しするガバナンスの在り方として、『モニタリング型』を志向した監督機能の更なる強化に向けた議論の契機とする」をコンセプトとして実施しました。
(ⅰ)評価の枠組み・手法
評価対象
取締役会(指名委員会/ガバナンス・報酬委員会を含む)
評価プロセス
ガバナンス・報酬委員会を実施主体として、全ての取締役及び監査役によるアンケート及びインタビューの回答内容を分析のうえ、取締役会において審議を実施
評価項目
・取締役会の役割
・取締役会の構成
・取締役会における議論
・諮問委員会の活用
・ステークホルダーの関心事項の把握
外部専門機関の活用
当事業年度も引き続き外部専門機関を活用し、事前の資料査閲やアンケート・インタビューの回答を踏まえたうえで分析評価を実施
・直近2年間の取締役会の上程議題を第三者が閲覧し議題を分析
・第三者目線からのアンケート項目に対する助言
・アンケート回答結果に対する第三者の分析、及び第三者による個別インタビューの実施
・第三者による分析結果に対するコメント等も参考にし、取締役会における議論を実施
・抽出された課題に対する改善策についての第三者の助言
なお、アンケート及びインタビューは外部専門機関が実施し、その結果を個人が特定されないよう外部専門機関が匿名化して分析・集計することで、透明性・客観性を確保しております。
(ⅱ)評価結果の概要
概要
上記のプロセスを経て、当社取締役会の実効性は概ね確保されており、2025年4月の社長交代後の新体制の下、企業価値向上を強く意識した議論が行われていることが確認されました。
特に当社の取締役会の実効性は、下記の強みによって支えられていることが高く評価されました。
・執行側の取締役会に対するオープンな姿勢
・経営やガバナンスに関する知見が豊富な社外取締役の参画
・企業価値向上に焦点を合わせて、自由闊達な意見表明が行える取締役会風土
前事業年度に実施した取締役会実効性評価において確認された課題への対応状況
● 経営戦略の変化に応じた取締役会の目的・役割・方向性に関する議論の継続
当事業年度は、引き続き、取締役会にてガバナンス強化に関する議論をオープンに行い、指名委員会等設置会社への移行を決議しました。そのなかで、「取締役会の在り姿」についても活発な議論がなされました。加えて、経営会議メンバーにて執行側が取締役会に対して期待する機能・役割を議論・整理し、その結果も踏まえ、会長・社長・社外役員によるフリーディスカッションで「丸紅グループの持続的な企業価値向上に向けた取締役会の在り方」を議論しました。
このような議論を通じて、取締役会の機能・役割について取締役会メンバー間で方向性を共有することができたと考えています。今後は、指名委員会等設置会社への移行等、よりモニタリングボードとしての機能発揮を志向することから、後述の「当事業年度の評価において確認された主な課題及び翌事業年度の取組み方針」1点目に記載のとおり、何を・どのように監督するかを含めた「監督の在り方」に関する議論を継続していきます。
● 外部環境変化やリスク等の洞察に基づく、中長期的な企業価値向上に向けた議論の充実化
当事業年度は、経営経験が豊富な社外取締役の参画等により、企業価値向上に向けた議論がより一層活発化しました。中長期的な企業価値向上は、取締役会と執行側が協働して取り組むべきものであることから、取締役会メンバー・経営会議メンバーにて、当社の企業価値や株価・PERの向上、IR・SR活動等についてのフリーディスカッションを実施しました。また、当社事業をより深く理解頂きつつ、各部門の長期目線での成長領域・戦略、それらを達成するための課題等を議論すべく、社外役員と部門長とのセッションを設けました。
加えて、企業価値向上には投資家・株主との対話も重要であることから、当社としては初めて実施したIRイベントである「Marubeni IR Day 2025 ~Global crossvalue platformが生み出す未来~」に向けて、価値創造ストーリーを投資家・株主へ確り伝えるため、事前に社外役員と執行側が発表内容を議論しました。
今後も、中長期的な企業価値の向上に向け、取締役会と執行側はオープンな議論を継続してまいります。
● 深度ある議論を実施するための説明・資料の更なる論点の明確化
審議資料に関する情報提供の早期化や一層の論点の明確化に向けて、取組み途上にありますが、当事業年度は、定型的な業務執行報告を見直し、部門戦略・施策に関する社外役員への情報提供等を目的とした各統括役員・CxOによる報告・議論の場とすべく、資料フォーマットの見直し等を実施しました。また、個別案件の報告資料についても、要点を簡潔に整理する形式へ変更する等、改善に向けた対応を重ねています。
なお、審議資料の一層の論点の明確化については、後述の「当事業年度の評価において確認された主な課題及び翌事業年度の取組み方針」1点目に記載のとおり、更なる取組みを継続していきます。
当事業年度の評価において確認された主な課題及び翌事業年度の取組み方針
当社は2025年4月の社長交代を契機として、資本市場とのリレーションを強化しつつ、価値創造に取り組む動きを加速させています。またガバナンスにおいてもこの動きを後押しすべく、指名委員会等設置会社への移行を企図する等、「モニタリング型」を志向した監督機能の更なる強化を進めています。
新たなフェーズに入った当社取締役会において、翌事業年度は特に下記のテーマに取り組みます。
● 執行側の強いリーダーシップを攻め・守りの両面から後押しする「監督の在り方」の認識合わせ
「監督の在り方」について、取締役会が方針を共有し実践することを通して、監督機能を強化することを目指します。具体的には下記項目に取り組みます。
・フリーディスカッション等の場も活用し、当社における「監督」「モニタリング」の在り方についての認識合わせを行う。
・取締役会の議案設定に際して、取締役会議長のリーダーシップの下で社外取締役の意見を集約するプロセスを整備する。
・審議資料に関する一層の論点の明確化に引き続き取り組む
● 指名委員会における実効的なボードサクセッションの実現
知見の豊富な取締役個々人によって担保されている当社ガバナンスの実効性を継承していくうえで、ボードサクセッションは非常に重要と認識しています。新たに設置される法定の指名委員会の下、ボードサクセッションの前提となる社外取締役の役割・機能やボード全体のバランスについて改めて整理し、中長期的な観点から計画的かつ着実なプランニングを進めていきます。
当社は、今回の取締役会実効性評価の結果を踏まえ、引き続き取締役会の実効性の維持・向上に取り組み、中長期的な企業価値向上を追求していきます。
② リスク管理体制の整備の状況
(a)リスク管理の基本方針と全体像
当社グループは、事業環境の多様化・複雑化に伴い発生する多種多様なリスクに対し、経営に与える影響を把握し、持続的な企業価値の向上を図るため、全社的かつ網羅的なリスク管理体制を構築しております。
また、当社が直面するリスクそれぞれの特性に応じた最適なリスク管理を実施しております。
(b)リスク特性に応じた管理体制
各種リスクに対しては、取締役会が監督を担い、リスク毎にリスク管理方針や諸規程を定め、経営会議及び各種委員会や所管するコーポレートスタッフグループ各部等が専門的な視点からリスクの評価と対応を推進しております。
(i)個別リスク管理
個別案件のリスクには、信用リスク、市場リスク、カントリーリスク、為替・金利リスク等がありますが、それぞれ所管する専門のコーポレートスタッフグループ各部の指導・牽制・支援の下で、各営業部門、各海外現地法人、各グループ会社が権限委譲された範囲内で意思決定と管理をしております。
事業・投資案件等についても、同様に各営業部門に権限委譲されていますが、稟議制度に基づき、重要性の高いものについては投融資委員会にて事前の審議を行い、経営会議への付議を経て、社長が決裁しております。さらに、重要度に応じて取締役会に付議し、承認を取得する体制としております。
また、コンプライアンス、情報セキュリティ、サステナビリティ等に関するリスクについては、所管する専門のコーポレートスタッフグループ各部や、コンプライアンス委員会、IT戦略委員会、サステナビリティ委員会等の各種委員会を通じて、全社横断的な体制・ルールの整備、社員への啓発活動及び継続的な管理を実施し、未然防止に努めております。
(ⅱ)統合リスク管理
一方で、当社グループ全体を見渡す視点から、「統合リスク管理」として、リスクマネジメント部にて当社グループが抱える連結ベースのエクスポージャーを計量する体制を整備するとともに、ストレスシナリオ下での最大下落リスク額(リスクアセット)の計量を行い、その結果を取締役会及び経営会議に報告しております。
(c)モニタリングと継続的改善
これらのリスク管理の状況や、事業・投資を実施した後の重要案件のモニタリングについては、所管のコーポレートスタッフグループ各部の指導の下で営業部門から経営会議や決裁者等に対して定期的に報告が行われ、さらに重要度に応じて取締役会に付議される体制としております。取締役会、経営会議や決裁者は報告に基づき当社のリスク管理体制が有効に機能しているかを確認し、必要に応じて事業戦略やリスク管理方針の見直しを指示することで、環境変化に柔軟に対応できる強靭なリスク管理体制を実践しております。
(2)【役員の状況】
① 役員一覧
a. 2026年6月12日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりであります。
男性10名 女性5名 (役員のうち女性の比率33.3%)
(注)1. 岩村水樹の戸籍上の氏名は、奥水樹であります。
2. 取締役翁百合、石塚茂樹、安藤久佳、南壮一郎、小島啓二、梶原ゆみ子及び岩村水樹は、社外取締役であります。
3. 監査役小田原加奈、宮崎裕子及び深美泰男は、社外監査役であります。
4. 取締役の任期は、2025年6月20日開催の定時株主総会における選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなっております。
5. 株式数は以下定義に基づき、2026年3月31日現在における株式数を表記しております(千株未満切り捨て)。
(a)保有する当社株式数
(b)保有する潜在株式数(株式報酬型ストックオプション及び時価総額条件付株式報酬型ストックオプションとしての新株予約権の未行使分)
(c)合計
6. 監査役安藤孝夫の任期は、2023年6月23日開催の定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなっております。
7. 監査役小田原加奈及び宮崎裕子の任期は、2024年6月21日開催の定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなっております。
8. 監査役深美泰男の任期は、2025年6月20日開催の定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなっております。
9.当社は執行役員制度を導入しており、執行役員の陣容は以下のとおりであります。
(注)※印の各氏は、取締役を兼務しております。
b. 2026年6月19日開催予定の第102回定時株主総会の議案(決議事項)として、第1号議案「定款一部変更の件」及び第2号議案「取締役15名選任の件」を上程しており、当該決議が承認可決されますと、当社の役員の状況及びその任期は、以下のとおりとなる予定です。なお、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項の内容(役職等)も含めて記載しております。
男性10名 女性5名 (役員のうち女性の比率33.3%)
ア.取締役の状況
(注)1. 岩村水樹の戸籍上の氏名は、奥水樹であります。
2. 取締役石塚茂樹、安藤久佳、南壮一郎、小島啓二、梶原ゆみ子、岩村水樹、小田原加奈、宮崎裕子、深美泰男及びウリケ・シェーデは、社外取締役であります。
3. 取締役の任期は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会における選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとなっております。
4. 株式数は以下定義に基づき、2026年3月31日現在における株式数を表記しております(千株未満切り捨て)。
(a)保有する当社株式数
(b)保有する潜在株式数(株式報酬型ストックオプション及び時価総額条件付株式報酬型ストックオプションとしての新株予約権の未行使分)
(c)合計
イ.執行役の状況
(注)1. 執行役の任期は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会終結後直ちに開催される取締役会の終結の時から、1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとなっております。
2. 株式数は以下定義に基づき、2026年3月31日現在における株式数を表記しております(千株未満切り捨て)。
(a)保有する当社株式数
(b)保有する潜在株式数(株式報酬型ストックオプション及び時価総額条件付株式報酬型ストックオプションとしての新株予約権の未行使分)
(c)合計
3.当社は執行役に加え、執行役員制度を導入しており、執行役・執行役員の陣容は以下のとおりであります。
(注)※印の各氏は、取締役を兼務しております。
② 社外役員の状況
当社は、2026年6月19日開催予定の第102回定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役15名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決された場合、当社の社外取締役は10名となる予定です。当社は、コーポレート・ガバナンス強化のため、社外役員の役割・機能を以下のとおりと考えております。
<社外役員の役割・機能>
(a)外部の多様な視点の導入
出身各界における豊富な経験とその経験をとおして培われた高い識見に基づく助言・提言、当社固有の企業文化・慣習にとらわれない視点からの有益な意見を得ることによる取締役会及び監査役会の活性化
(b)牽制・監督機能の強化
社外の人間が納得する公正・明確な論理・基準に基づく議論や意思決定がなされることによる、代表取締役に対する牽制・監督機能の強化
(c)利益相反のチェック
経営陣と株主をはじめとするステークホルダーとの間で利害が相反する場面において、経営陣がそれらステークホルダーの利益を十分考慮した公正な業務執行をしているかのチェック
また、当社は、社外役員が上記役割・機能を適切に発揮するために、以下の「独立性に関する基準・方針」に基づき、その選任を行っております。
<独立性に関する基準・方針>
当社が上場している金融商品取引所である株式会社東京証券取引所の定める独立性基準に加え、本人が現在及び過去3事業年度における以下1.~7.に該当する場合は独立性を有さないものと判断します。
1. 当社の大株主(直接・間接に10%以上の議決権を保有)又はその業務執行者(※)
2. 当社の連結総資産の2%を超える借入先の業務執行者
3. 当社との取引が当社連結収益の2%を超える取引先の業務執行者
4. 当社の会計監査人の代表社員又は社員
5. 当社よりコンサルティングや顧問契約として、事業年度当たり10百万円を超える金銭を得ている者(ただし、当該金銭を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、当社から得ている財産が当該団体の連結総売上高の2%を超える団体に所属する者)
6. 当社より事業年度当たり10百万円を超える寄付金を受けた団体に属する者
7. 当社並びに当社子会社の業務執行者のうち取締役・執行役員、監査役とその二親等以内の親族又は同居者
なお、上記1.~7.のいずれかに該当する場合であっても、当該人物が実質的に独立性を有すると判断した場合には、役員選任時にその理由を説明・開示する。
(※)業務執行者とは、業務執行取締役、執行役員その他使用人等
当社の社外役員はいずれも、これまでの企業経営者としての経験、官界・法曹界における豊富な経験、シンクタンクにおける経験及び大学・学会における研究活動とこれらの経験をとおして培われた高い識見を有していることより、当社のコーポレート・ガバナンスの強化に十分に貢献いただけると判断しております。また、いずれの社外役員についても、当社のその他の取締役、監査役との間の人的関係、及び、当社との間の資本的関係又は取引関係その他の利害関係は、「① 役員一覧」、「(4) 役員の報酬等」及び以下の「社外役員の属性情報」において記載している事項を除き存在せず、かつ、当該利害関係が一般株主の利益に相反するおそれはなく、当該社外役員の職責に影響を及ぼすものではありません。したがって、上記の「独立性に関する基準・方針」に基づき、当社は社外役員の全員を、株式会社東京証券取引所が定める独立役員として指定しております。
<社外役員の属性情報>
※ 石塚茂樹氏、安藤久佳氏、宮崎裕子氏及びウリケ・シェーデ氏については、上記に相当する属性情報はありません。
<社外役員に対するトレーニングの方針>
社外役員に対しては、当社グループの経営理念、企業経営、事業活動及び組織等に関する理解を深めることを目的に、職務遂行に必要な情報を適切かつタイムリーに提供しております。また、社外取締役・社外監査役を含む取締役・監査役が、その役割及び責務を果たすために必要とするセミナー等への参加について、機会の提供、費用の負担等を行っております。
加えて、ウェビナー等で定期的に、その他必要に応じて、丸紅経済研究所による経済情勢に関する報告を実施し、情報共有を図っているほか、社外役員に対し、各営業部門及びコーポレートスタッフグループから業務分担、課題及び各営業部門の案件取組み状況につき、説明を受ける機会を設けております。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会における、内部監査、監査役監査及び会計監査の結果、並びにコンプライアンス及び内部統制の状況についての報告を踏まえて、取締役の業務執行の監督を行っております。
社外監査役は、取締役会における、内部監査及び会計監査の結果、並びにコンプライアンス及び内部統制の状況についての報告に加え、常勤監査役と常に連携し、会計監査人、監査部及びその他内部統制を所管する部署からも監査に必要な情報を適宜受けております。社外監査役は、これらの報告や、緊密な意見・情報交換をとおして監査を行っております。
なお、当社では、秘書部、経営企画部及び法務・コンプライアンス部(2026年4月1日から法務部とコンプライアンス統括部を統合し名称を変更)が連携して、取締役会の支援業務を行っております。例えば、経営企画部長及び法務・コンプライアンス部長が、社外役員に対して取締役会の議案について事前説明を行っております。また、社外取締役に対する日常の連絡等は、他の取締役同様、秘書部にて担当の秘書を設置し、サポートを行っております。
社外監査役に対しては、監査役室にて他の監査役と同様のサポートを行っております。
(3)【監査の状況】
当社は2026年6月19日開催の第102期定時株主総会における承認をもって、監査役会設置会社から指名委員会等設置会社に移行します。以下については、移行前の監査役会設置会社における内容を記載しております。
なお、指名委員会等設置会社移行後における監査委員会の体制については、「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 <コーポレート・ガバナンスに関する施策の実施状況> ① 会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況 (ⅱ)監査役会」に記載のとおりであります。
① 監査役監査の状況
監査役監査の組織、人員及び手続
・当社は、社外監査役3名を含む監査役4名で監査役会を構成しております(有価証券報告書提出日現在)。各監査役は、監査役会で策定された監査方針及び監査計画に基づき、取締役会をはじめとする重要な会議への出席や、業務及び財産の状況調査(重要な決裁文書や国内外事業案件のモニタリング文書等の閲覧を含む)を通じて、取締役の職務執行を監査しております。
・監査役会専任組織として、専任のスタッフ(有価証券報告書提出日現在5名)からなる監査役室を設置し、監査役の職務遂行のサポートを実施しております。
・小田原加奈監査役は、日米公認会計士の資格を有し、日米大手会計事務所で監査業務に携わったのち、複数のグローバル企業の日本法人においてCFO等の要職を歴任する等、財務・会計に関する相当程度の知見を有しております。
監査役及び監査役会の活動状況
・監査役会は、隔月で開催される他、必要に応じて随時開催されます。当事業年度は合計17回開催し、1回あたりの平均所要時間は約80分でした。また監査役は、取締役会(当事業年度は合計14回開催)に出席し、議事運営、決議内容等を監査し、必要な意見表明を行いました。当事業年度における、個々の監査役の出席状況については以下のとおりであります。
※ 監査役 深美泰男の監査役会及び取締役会への出席状況は、2025年6月20日の就任日以降に開催された監査役会及び取締役会を対象としております。
※ 2025年6月20日に開催された株主総会の終結の時をもって、木田俊昭氏及び米田壯氏は任期満了により、監査役を退任しております。木田俊昭氏及び米田壯氏が退任するまでに監査役会に出席した回数はいずれも6回中6回、取締役会に出席した回数はいずれも2回中2回です。
※ 横式悟氏は、2025年6月20日付で常勤監査役に就任、2026年3月31日付で常勤監査役を辞任し、同年4月1日付で執行役員に就任しております。横式悟氏が辞任するまでに監査役会に出席した回数は11回中11回、取締役会に出席した回数は12回中12回です。
・監査役会における主な議題及び具体的な内容は、以下のとおりであります。
当事業年度においては、以下項目を重点監査項目として監査し、必要に応じて執行側への提言を行いました。
(a)中期経営戦略「GC2027」の初年度の遂行状況
特に以下の3項目を通して遂行状況を確認しました。
・既存事業の磨き込み・拡張、並びに成長なき事業からの回収促進、及び「成長領域×高付加価値×拡張性」を有する戦略プラットフォーム型事業等成長領域への資本配分の進捗。
・ミッション本位、実力本位の更なる徹底によるグループ人財戦略の強化の進捗。
・機構改革により発足した戦略企画部(特に牽制機能)及び成長投資マネジメント室による初期の目的の達成状況。
(b)企業集団における業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)の整備・運用状況
会社法で取締役会に求められる内部統制システムの構築・運用義務のうち、特に以下の項目につき、取締役会・経営会議等の会議体での議案と審議内容の確認、所管コーポレートスタッフグループ各部からの報告等を通じて監査を実施した結果、指摘すべき特段の事項は認められませんでした。
・法令等遵守体制、とりわけ経済制裁の規制や経済安全保障推進法等新たな法令への対応状況。
・損失危険管理体制、とりわけコーポレートIT、ビジネスITの両領域に対するサイバーリスクのミニマイズに向けた情報セキュリティ向上への対応状況。
(c)財務報告に係る内部統制システムの整備・運用状況
財務報告プロセスの整備及び運用状況における取締役の職務執行については、指摘すべき特段の事項はありません。また、会計処理の内容及び監査上の主要な検討事項について、経理部・会計監査人との定例会議を通じて、その相当性につき確認を行いました。
監査役は、年間を通じて、主に以下の活動を行いました。
・常勤監査役のうち1名が全ての経営会議に陪席(当事業年度は33回)。
・監査役による社長・各Chief Officerとのミーティングを定期的に開催し、業務の執行状況の報告及び意見交換(当事業年度は12回)を行っております。統括役員、営業部門長、海外総代表、国内支社長、各部門の戦略企画部長・成長投資マネジメント室長及びコーポレートスタッフグループ部長は、毎年常勤監査役とのミーティングにおいて、定例報告/業務執行状況報告(当事業年度は119回)を行っております。
・監査役は、国内外のグループ会社、国内外の拠点への往査・視察を積極的に行い、現場状況の把握に努めています。当事業年度においては、国内6社、海外1社及び4拠点の往査を実施するとともに、国内3社及び海外9社の視察を行い、各々の経営執行責任者あるいは拠点長と対話を行い、往査結果については、会長、社長、関連する統括役員、部門長へ報告を行っています。
・監査部とのミーティング(当事業年度は7回)において、内部監査計画、グループ会社も含めた内部監査結果・財務報告に係る内部統制状況等について、情報・意見交換を実施しております。
・会計監査人とは原則毎月開催されるミーティング(当事業年度は合計13回)において、監査計画、グループ会社も含めた監査実施状況・監査結果(期中レビューを含む)、監査上の主要な検討事項(KAM)の選定や減損処理等を含む監査の個別検討事項、決算のポイントや留意事項、会計監査動向等についての情報・意見交換を行うとともに、監査法人としての品質管理体制・独立性等を確認しています。
(ご参考)監査役と会計監査人との連携内容
その他、丸紅グループ各社監査役との連携を図っており、連絡会を定期的に開催し、各社の内部統制の構築及び運用の状況について情報・意見交換を実施しております。
② 内部監査の状況
当社は、会社における業務活動が経営方針に沿い、かつ会社諸規程・基準に準拠して適正かつ効果的に行われているかを調査するために、社長直轄の組織として監査部(76名)を設置し、当社グループ全体を対象として、社長の承認を得た内部監査計画に基づき、内部監査を実施しております。内部監査では、会社業務の適正な運営を保持し、経営の合理化と経営能率の向上に資することを目的として、業務手続の適切性・有効性やコンプライアンスの遵守をはじめとする、会計面及び業務面での内部統制の整備・運用状況を点検しております。監査部は監査の結果に基づき、監査報告書を社長に提出し、その写しを被監査組織、会長、取締役、監査役等関係者に回付するとともに、適時に取締役会、経営会議及び執行役員に報告しております。監査報告書では、被監査組織が改善すべき事項の指摘等を行い、監査部及び個々の内部統制を所管する部署がその改善・対策等の実施状況につき、モニタリング・フォローアップを行っております。
監査部は監査役及び会計監査人とそれぞれ定期的に情報・意見交換を行い、連携して監査業務を行っております。なお、監査部では内部監査のほかに財務報告に係る内部統制の有効性評価も実施しております。
③ 会計監査の状況
(a)監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
(b)継続監査期間
1994年3月期以降
上記は、EY新日本有限責任監査法人の前身である太田昭和監査法人に監査を委託して以降の期間について記載したものです。1994年3月期に太田昭和監査法人で当社の監査業務を執行していた公認会計士が異動前に所属していた監査法人及び会計事務所で監査を実施していた期間を含めると、1978年3月期以降となります。
(c)業務を執行した公認会計士
渡邉 正
三ッ木 最文
松永 啓介
(d)監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者の人数は94名であり、その構成は、公認会計士35名、公認会計士試験合格者16名、その他43名となっております。
(e)監査法人の選定方針と理由
当社の監査役会は、会計監査人の不再任を検討する基準を策定しており、監査法人が当該基準に抵触しないこと、監査法人の当社に対する職務遂行状況、品質管理体制、グローバルな監査体制、独立性及び専門性等についての評価を行い、会計監査人の再任の適否について毎期検討しております。その結果、いずれも適切であることから、会計監査人として再任することを決議しております。
(f)監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社の監査役会は、監査法人とのミーティングを通じて、法人としての品質管理体制・独立性等を確認し、また、監査法人の当社に対する職務遂行状況、監査チームの体制・専門性、監査報酬の水準等について所管コーポレートスタッフグループ各部からの報告も受けたうえで、監査役会として評価を行った結果、いずれも適切であることを確認しております。
④ 監査報酬の内容等
(a)監査公認会計士等に対する報酬
当社における前連結会計年度及び当連結会計年度の非監査業務の内容は、「コンフォートレター作成業務」等です。
また、連結子会社における前連結会計年度及び当連結会計年度の非監査業務の内容は、「合意された手続業務」等です。
(b)監査公認会計士等と同一のネットワーク(アーンスト・アンド・ヤング)に対する報酬((a)を除く)
当社における前連結会計年度及び当連結会計年度の非監査業務の内容は、「税務関連業務」等です。
また、連結子会社における前連結会計年度及び当連結会計年度の非監査業務の内容は、「税務関連業務」等です。
(c)その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
(d)監査報酬の決定方針
当社は、監査時間や業務の内容等の妥当性を勘案して、監査報酬を決定しております。
(e)監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、過年度の監査計画・遂行状況及び監査時間等の推移を確認し、当事業年度の報酬見積りの相当性を検討した結果、会計監査人の報酬等について同意しております。
(4)【役員の報酬等】
① 取締役及び監査役の報酬等の決定方針等
(a)取締役の報酬等
1.報酬方針
当社の取締役の報酬は、以下の考え方に基づき決定します。
・ 社是「正・新・和」の精神に則り、社会・顧客の皆様の課題に向き合い、ステークホルダーの皆様とともに新しい価値を創出することを促し、これに報いる報酬制度であること
・ 業績・株主価値との連動性を重視し、中長期的な企業価値向上を促す報酬制度であること
・ 企業価値の源泉である優秀な人財を獲得・保持し、報奨する報酬制度であること
・ 職責と成果に基づき、客観性の高いプロセスで決定される公平かつ公正な報酬制度であること
2.報酬水準と構成比率
取締役の報酬水準は、優秀な人財の獲得・保持が可能となる競争力ある報酬水準となるように、外部専門機関の客観的な報酬調査データ等と比較検討を行い、適切な報酬水準を設定します。
報酬等の構成比率については、中長期的な企業価値向上を重視した報酬構成とし、代表取締役社長については連結純利益4,000億円かつ基礎営業キャッシュ・フロー5,000億円の時に月例報酬/短期インセンティブ報酬/中長期インセンティブ報酬の構成比率が概ね1:1:1となるように設定します。なお、他の社内取締役については、代表取締役社長の報酬構成比率に準じて役位ごとの役割・責任を勘案し報酬構成比率を設定します。

3. マルス・クローバック
短期インセンティブ報酬及び中長期インセンティブ報酬について、財務諸表の重大な修正による決算の事後修正、役員による重大な内部規程の違反又は非違行為が発生した場合等には、取締役会決議により当該報酬等を減額又は不支給(マルス)とすること、及び支給済の報酬の返還(クローバック)を求める仕組みの対象とします。
4. 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方法
取締役の報酬等の決定方針(個人別の支給額算出方法を含む。以下「決定方針」という。)については、社外役員が委員長を務め、メンバーの過半数が社外役員で構成されるガバナンス・報酬委員会にて、報酬水準の妥当性を含めて審議のうえ、取締役会に答申し、取締役会にて決定されます。
取締役の個人別の支給額の決定については、ガバナンス・報酬委員会が決定方針との整合性を確認したうえで答申を行い、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、取締役会で決議されます。ただし、役位ごとの固定報酬額の設定のない役位を有する取締役の基本報酬の支給額及び短期インセンティブである個人評価給の個人定性評価部分に係る支給額の決定は、その貢献等の評価や役位・職責の内容に応じた個別判断が伴うものとして業務執行のトップが最も適していると判断されたことから、社長に委任しております。また、個人評価給の個人定性評価部分に係る支給額の決定のプロセスの客観性・公平性・透明性を高めるため、当該支給額については、ガバナンス・報酬委員会が、取締役会の委任する範囲内で評価及び決定がなされていることを確認のうえ、取締役会へ報告することとしております。
2025年度における取締役の個人別の報酬等の内容については、決定方針に基づき、短期インセンティブである個人評価給の個人定性評価部分に係る支給額の決定に関しては代表取締役社長の大本晶之氏に委任のうえ、ガバナンス・報酬委員会にて決定方針との整合性を審議した後、取締役会に答申しているため、取締役会もその答申を尊重し、決定方針に沿うものであると判断しております。
(補足事項)
なお、取締役を兼務しない執行役員の報酬につきましても、取締役と同じ報酬体系・報酬の決定プロセスを適用します。
5.報酬体系
報酬等の種類別の支給対象者は、期待役割に応じて決定します。詳細は以下表のとおりであります。
(注) 1. 取締役会長の報酬等は、当社の経営で培った事業知見を監督に活かすことで実質的に中長期の企業価値向上に貢献する立場にあることから、月例報酬である基本報酬と中長期インセンティブ報酬により構成します。
2. 社外取締役の報酬等は、独立性をもって経営を監督する立場にあることから、月例報酬である基本報酬(各種委員会の委員長・委員等の職責に応じた報酬を含む)のみで構成します。
3. 組織業績評価に基づく個人評価給の支給対象者は執行役員営業部門長・部門長代行・部門長補佐であり、現在業務執行取締役の支給対象者はおりません。
4. 短期インセンティブ報酬は、各事業年度終了後に一括支給します。
<参考:業績連動賞与、譲渡制限付株式及びTSR連動型譲渡制限付株式について>
1. 業績連動賞与の概要
業績連動賞与は、支給対象となる当社の業務執行取締役に対して、各事業年度の評価指標に応じて支給される金銭報酬です。評価指標は各事業年度の重要な経営指標である連結純利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)及び基礎営業キャッシュ・フローを採用しており、支給額は役位別の係数及び評価指標の実績値から計算し、役位別の基本報酬の0%~296%の範囲内で変動し、各事業年度終了後に一括支給します。
<インセンティブカーブイメージ>

2. 譲渡制限付株式の概要
譲渡制限付株式は、支給対象となる当社の取締役(社外取締役を除く。以下「対象取締役」という。)に対して、毎年、役位別に定めた基準額に相当する数の当社の普通株式を譲渡制限付きで付与するものです。対象取締役は、当社より支給される金銭報酬債権の全部を現物出資するのと引き換えに本株式の発行又は処分を受けます。本株式の付与は、当社と対象取締役との間で譲渡制限付株式に係る割当契約(無償取得の事由等の定めを含む)を締結することを条件とし、付与した本株式は、株式交付日から当社の取締役及び執行役員の地位、その他当社の取締役会が予め定める地位からの退任時又は退職時まで譲渡制限を設定します。
3. TSR連動型譲渡制限付株式の概要
TSR連動型譲渡制限付株式は、対象取締役に対して、役位別に定めた基準額に相当する数の基準ユニット(以下「基準ユニット数」という。)を毎年付与し、3年間(以下「評価期間」という。)における相対TSRの達成度に応じて、評価期間終了後に当社の普通株式を譲渡制限付きで付与するものです。対象取締役は、相対TSRの達成度に応じて当社より支給される金銭報酬債権の全部を現物出資するのと引き換えに本株式の発行又は処分を受けます。本株式の付与は、譲渡制限付株式の割当契約に準ずる内容の契約(無償取得の事由等の定めを含む)を締結することを条件とし、付与した本株式は、同様の譲渡制限を設定します。
(1) 金銭報酬債権の額の算定方法
対象取締役(評価期間中に、当社の取締役、執行役員の地位、その他の当社又は当社子会社の役職員の地位のうち当社の取締役会が予め定める地位を有することとなった者を含む)に対して支給するTSR連動型譲渡制限付株式を付与するための金銭報酬債権の額は、対象取締役に対して最終的に割り当てる当社の普通株式の数(以下「最終割当株式数」という。)に評価期間終了後に開催される当該割当てのための株式の発行又は処分を決定する取締役会の決議日の前営業日の東京証券取引所における当社の普通株式の終値を基礎として対象取締役に特に有利にならない価額を乗じることにより算定します。
<最終割当株式数の算定方法>
① 最終割当株式数は、予め取締役会において役位別に定めた基準額に相当する数の基準ユニットに、以下のとおり評価期間中の相対TSRの達成度に応じた支給係数を乗じて算定した数とします。
最終割当株式数=基準ユニット数×支給係数
② 支給係数は、相対TSRの結果に応じ、以下の表のとおり決定します。
ただし、当社TSRが100%以下の場合、相対TSRが100%以上であっても100%を上限とします。
③ 相対TSRは評価期間の当社株主総利回り(Total Shareholder Return(TSR))を、同期間のTOPIX(配当込み)成長率と比較した以下の算定式により算出します。

A : 評価期間の初日の前日(同日を含む)の直前3ヵ月の各日の東京証券取引所における当社の普通株式の終値の平均値
B : 評価期間の末日(同日を含む)の直前3ヵ月の各日の東京証券取引所における当社の普通株式の終値の平均値
C : 評価期間中の配当基準日に対応する当社株式1株当たり配当金の合計額
D : 評価期間の初日の前日(同日を含む)の直前3ヵ月の各日のTOPIX(配当込み)の終値の平均値
E : 評価期間の末日(同日を含む)の直前3ヵ月の各日のTOPIX(配当込み)の終値の平均値
(2) 対象取締役に対する当社の普通株式の割当条件
当社は、対象取締役が以下の各号のいずれの要件をも満たした場合又は当社の取締役会が本制度の趣旨を達成するために必要と認めた場合に、評価期間終了後、対象取締役に対して最終割当株式数の当社の普通株式を割り当てます。
ⅰ)対象取締役が、評価期間中、継続して、当社の取締役、執行役員の地位、その他の当社又は当社子会社の役職員の地位のうち当社の取締役会が予め定める地位にあったこと
ⅱ)当社の取締役会で定める一定の非違行為がなかったこと
なお、当社は、評価期間中に対象取締役が任期満了、死亡その他の正当な理由により当社又は当社子会社の役職員の地位のうち当社の取締役会が予め定める地位を退任又は退職した場合には、退任又は退職した者(死亡による退任又は退職の場合にはその承継者)に割り当てる当社の普通株式の数を、在任期間等を踏まえて合理的に調整します。
(b) 監査役の報酬等
監査役の報酬につきましては、監査役の協議により決定します。業務執行から独立した立場である監査役の報酬は、固定額の報酬のみで構成され、業績連動報酬はありません。なお、譲渡制限付株式及びTSR連動型譲渡制限付株式の付与対象としておりません。
② 2025年度における取締役及び監査役への報酬等の総額及びその内訳
(注) 1. 金額は、百万円未満を四捨五入しております。
2. 上記員数は、当事業年度の末日までに退任した取締役5名(うち、社外取締役2名)、及び監査役2名(うち、社外監査役1名)を含めて記載しています。当事業年度末現在の人員数は取締役11名(うち、社外取締役7名)、監査役5名(うち、社外監査役3名)です。
3. 「業績連動賞与等」には、「個人評価給」を含みます。業績連動賞与は、ガバナンス・報酬委員会にて審議のうえ、取締役会で決議された算出方法に基づき、2025年度の連結純利益5,439億円及び基礎営業キャッシュ・フロー5,751億円に応じて算出された金額を記載しています。
4. 非金銭報酬等として取締役(社外取締役を除く)に対して「譲渡制限付株式」を交付しております。金額欄には当事業年度において会計上の費用として計上された金額を記載しています。なお、当事業年度においては2025年6月20日開催の取締役会決議により、取締役(社外取締役を除く)4名に対し、譲渡制限期間を設けたうえで、当社の普通株式51,632株を交付しております。
5. 非金銭報酬等として取締役(社外取締役を除く)に対して「TSR連動型譲渡制限付株式」を交付します。金額欄には2026年度、2027年度及び2028年度に交付する株式の見込数に応じた金銭報酬債権の支給見込額を算定した当事業年度において会計上の費用として計上された額を記載しています。なお、本報酬制度は2023年度に導入したものであり、最初の評価期間の終了は2026年7月となるため、業績指標に関する当期の実績はありません。
6. 「<旧制度>時価総額条件型譲渡制限付株式」は2022年度の報酬として付与された非金銭報酬等であり、付与から3年間の評価期間における時価総額条件成長率に応じて最終割当株式数が確定する株式報酬であり、評価期間終了後に当社の普通株式を譲渡制限付きで交付するものです。付与対象者は、一定期間継続して当社の取締役執行役員を務めること、譲渡制限付株式の割当契約に準ずる内容の契約(無償取得の事由等の定めを含む)を締結すること等を条件として、時価総額条件成長率に応じて当社より支給される金銭報酬債権の全部を現物出資するのと引き換えに当社の普通株式の発行又は処分を受けます。金額欄には、3年間の評価期間を終えて当事業年度に確定した最終割当株式数に応じて、当事業年度において会計上の費用として計上された額を記載しています。当事業年度に評価期間が終了した時価総額条件型譲渡制限付株式に係る最終割当株式数の算定に用いた当社時価総額条件成長率の実績は205%です。なお、本報酬制度は2021年度に導入したのち、2023年度に「TSR連動型譲渡制限付株式」を導入したことに伴い、既に付与済みのものを除き、廃止しております。
7. 当事業年度に係る取締役の報酬等の額(「譲渡制限付株式」及び「TSR連動型譲渡制限付株式」を付与するために支給する金銭報酬債権の額、並びに発行又は処分される当社普通株式の総数を含む)は、以下のとおり決議されています。
なお、2021年6月24日開催の第97回定時株主総会において導入した「<旧制度>時価総額条件型譲渡制限付株式」に関して、2022年度までに権利付与を行ったものについては、当該総会で決議された報酬等の額である年額120百万円以内(発行又は処分される当社普通株式の上限は各評価期間300,000株以内)を維持し、当該報酬等の額は、上記TSR連動型譲渡制限付株式の付与のための報酬等の額に含むものとしております。
8. 当事業年度に係る監査役の報酬等の額は、以下のとおり決議されています。
なお、2025年度において報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の額は以下のとおりであります。
(注)金額、月例報酬、業績連動賞与等、譲渡制限付株式、TSR連動型譲渡制限付株式、<旧制度>時価総額条件型譲渡制限付株式(2022年度付与分)については、上記報酬等の総額及びその内訳に係る表の各注記をご参照下さい。
(5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、投資株式について、株式価値の変動及び配当の受領によって利益を得ることのみを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式として区分しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
(a)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、国内外のネットワークを通じて、広範な分野において事業活動を多角的に展開しておりますので、様々な企業との協力関係が不可欠であると考えております。当社では、毎年個別の政策保有株式について、定量面(取得原価に対する当該投資関連損益の割合につき、当社の加重平均資本コストと比較し評価)、及び定性面(保有することによる投資先企業との関係維持・強化等)を総合的に判断のうえで、保有意義を見直しており、その内容を取締役会にて検証しております。その結果、保有意義が認められない場合には、原則として売却し、その売却実績については、取締役会にて報告することとしております。
(b)銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(c)特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1. 保有意義については上記のとおり定量面及び定性面を総合的に判断のうえ検証しておりますが、定量的な保有効果については秘密保持の観点から記載しておりません。
2. 「-」は、当該銘柄を特定投資株式として保有していないことを示しております。
みなし保有株式
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
5【従業員の状況等】
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
① グループ人財戦略
当社は、これまでの中期経営戦略「GC2021」・「GC2024」期間を通じて、「多彩な人財が集い、活き、繋がる場」という人財戦略を遂行する上での強固な基盤を築き上げてきました。中期経営戦略「GC2027」では、この基盤の根幹を成す「ミッションを核とする人事制度」を活かして、これまでも追求してきた「ミッション本位・実力本位」の更なる徹底を図っています。社員一人ひとりがより大きなミッションに心を込めて挑戦し成長を続ける仕組みを講じるとともに、丸紅グループ全体で実力本位の適材適所を追求することで、人財の持てる力を最大限に引き出すと同時に、組織の戦略実行力を一層強化していきます。
「GC2027」では、「既存事業の磨き込み・拡張」、「成長への資本配分・投資戦略」、「Global crossvalue platformの追求」の3つを成長ドライバーに掲げ、「戦略プラットフォーム型事業群」という当社の「勝ち筋」へ経営資源を集中させることを追求していきます。この仕掛けの一つである「グループ人財戦略の強化」とは、事業経営人財による「勝ち筋の実践」及び事業投資人財による「勝ち筋の伝搬」、並びにそれらを担う人財の育成・強化・処遇を通じ、丸紅グループ全体の価値創出力の強化に繋げていくことを目指すものです。
また、「GC2027」で計画する利益成長の多くは事業会社での利益成長計画であり、丸紅グループの成長の根源は事業会社の成長にあります。加えて、丸紅グループの根源的な強みの一つは、ポテンシャルに溢れた人財の成長力にありますが、その飛躍的な成長をもたらしているのは現場・事業会社の経験と考えています。したがって、今後の丸紅グループの在り姿に照らし、当社は、顧客・パートナーに向き合う事業現場を重視したうえでグループとしての価値創造機能を高めることを基本姿勢として、グループ会社の人財とともに、事業を成長させることができる資質と機能を持った人財の集団となることを追求していきます。
なお、「5 従業員の状況等」において、「当社グループ/丸紅グループ」と記載していない箇所は、全て提出会社における記載です。

(a)成長領域への人財シフト
戦略プラットフォーム型事業をはじめ、今後の成長が見込める領域や資本効率が高い領域に丸紅グループの人財をシフトさせていき、稼ぐ力を高めていきます。
2025年4月にそれまで16あった営業本部を10の営業部門に再編する機構改革を実施しました。大きな事業領域の中で各営業組織が成長領域に対する人財のシフトを機動的に行えるようにすることが狙いの一つです。
また、今後の丸紅グループの在り姿、当社が目指す方向性を踏まえると、事業現場・事業会社の経験は、当社人財がポテンシャルを伸ばし成長するための場であるとともに、勝ち筋の実践・伝搬における重要な場です。若手のうちから、事業の現場に入り込み、結果にこだわりながら、多くを学び、将来の事業の磨き込み、成長投資、マネジメント・経営を担う礎を築けるよう、若手世代を中心に当社人財の事業現場・事業会社への配置を推進しています(2026年4月時点で事業会社等へ出向している入社10年以内の当社人財の数は前年比+24%)。
(b)事業投資・経営人財の強化
「GC2027」で掲げる利益成長計画・投資戦略を推進していくため、事業投資・経営ができる人財を質的・量的に強化していきます。
2025年4月から各営業部門に「成長投資マネジメント室」を設置し、投資経験が豊富な人財を配置しています。同室では、事業投資や成長戦略実行等に関する知見の集約・共有を図るとともに、営業担当者の伴走役として投資契約の交渉や事業の計画的な運営を支援し、投資の質向上を促進しています。
また、2026年4月からは、勝ち筋を形成する施策を、事業ポートフォリオを俯瞰しながら型化・体系化し、丸紅グループ全体での展開・実践を支援する部隊として、「バリュークリエーションオフィス」を社長直下に新たに設立しました。これまでは、営業部門やコーポレートスタッフグループに点在していたグループ会社支援の機能を集約し、全社で共通化することで、丸紅グループ全体での勝ち筋の伝搬と事業価値向上を継続的に実現するための知見・人財の蓄積・活用を推進していきます。
あわせて、現場での施策の実行力を引き出すべく、事業会社経営人財の育成とインセンティブの整備、当社人財の事業現場への計画的な配置等を進めます。事業現場・事業会社の経験と俯瞰・バリューアップの経験のキャリアサイクルを通じて、勝ち筋を自律的に実践し得る卓越した事業経営人財と、そこで得られた知見を事業投資の視点からグループ全体に展開する事業投資人財の双方を継続的に育成・強化していきます。現場での実践経験を豊富に有する人財を評価し、俯瞰した高い視座を持つ人財を経営人財プールとして拡充していくとともに、丸紅グループの事業価値向上に資する経営人財を社内外から登用することを推進していきます。

(c)株主目線の報奨拡充
社員が株主や投資家の皆様と同じ目線に立ち、一丸となって企業価値向上や定量目標達成に邁進するため、株主目線の報奨拡充を推進しています。
従業員持株会を通じた社員の当社株式保有を進めており、業績に連動して特別奨励金を支給する仕組みを2022年度より継続しています。2025年度は、奨励金率(持株会への社員拠出額に対する奨励金の支給割合)の引上げ、拠出口数制限の緩和を実施したほか、社内イントラネットで個人残高の時価評価額を確認できる仕組みを導入しました。これらの取組みの結果、持株会加入率は2021年度の50.1%から2026年3月現在で97.0%に上昇し、社員一人当たりの平均自己拠出額も2021年度比で約2倍となりました。
また、国内の当社グループ事業会社向けに、丸紅関係会社従業員持株会への加入の推奨、導入支援等を進めており、グループ全体で社員の当社株式保有を促進する仕組みの整備・拡充を通じて、企業価値向上に向けた一体感の醸成を図っていきます。
(d)経営戦略との連動強化
当社の人財戦略において重要度が高いアジェンダについては、人財戦略会議「タレントマネジメントコミッティ」(2025年度までは社長・CHRO・CAO・CSOを主要メンバーとして構成。2026年4月以降は、社長・CHRO・CAO・CSO・CDIOを主要メンバーとし、テーマに応じて関連する海外現地法人HR統括者が参画予定)又は経営会議において、経営戦略に即した人財戦略を実行する観点から必要な議論・報告・承認を行っています。タレントマネジメントを多面的に議論する「タレントマネジメントコミッティ」の取組み強化を通じ、よりグローバルに、グループとしての人財戦略を実践していきます。
当社グループでは、経営層と社員が直接繋がる機会を通じて経営理念や在り姿、戦略を議論・共有することを重視しています。定期的に社長等と社員との意見交換会を実施しているほか、社員から社長へ直接意見を届けられるフォーム「Opinion Box」を用意しています。
2025年度は、経営と社員の相互理解・アラインメント向上のため、社長・経営会議メンバーと社員とが直接対話する機会として、「Marubeni Townhall Meeting」を計11回実施し、約1,900名の社員が参加しました。参加した社員の多くから、丸紅グループが目指す姿に対する解像度の向上や、現場経験の重要性への理解の深まりに繋がったとの意見が寄せられるとともに、意欲面で前向きな変化が見られました。
なお、当社では、2023年度から経営戦略に資する人財戦略を策定・推進することを役割としてCHROを新設し、2024年度からは、経営戦略と連動したグループ人財戦略の推進をより一層強化することを目的に、CHROは、社長を補佐し、人財戦略に関する経営全般に参画しています。
(e)グループ人財戦略推進のための事業会社支援の強化
当社は、グループ人財戦略の推進に向け、各営業部門に部門人事担当者(HRBP)を配置し、各部門における管下の事業会社を含む人財マネジメントの支援体制を強化しています。また、国内の主要事業会社への訪問・ヒアリングを実施し、採用、人財育成及び人事制度設計を中心とする支援ニーズを把握のうえ、各種支援を行っています。
② 提出会社における給与等の決定に関する方針
当社では、各組織が個人の実力や特性に応じてミッション(期待役割及び定量・定性目標)を付与し、この付与されたミッションの大きさに応じて社員一人ひとりの処遇上の資格(Zone・Band)が決まる制度(ミッションレーティング)を導入しています。この制度では、毎年、本人の実力や特性、意欲に応じて、次の1年で担うミッションを見直し、必要に応じて変更することができます。1年間のミッションの大きさに連動して処遇上の資格(Zone・Band)が変化することで、その年の報酬水準も変化する仕組みです。
当社社員の報酬は、基本報酬及び変動報酬で構成されています。基本報酬は、Zone・Band別に年額を設定しています。各社員のZone・Band及び基本報酬(年額)は毎年7月~翌6月を1年とするサイクルで決定され、その年額を12等分した金額が毎月支給されます(対象者にはこれに加えて時間外勤務手当その他各種手当が支給されます)。変動報酬(年額)は、基本報酬(年額)に全社業績に連動した比率及び各社員の前年度の評価に応じた比率を乗じて決定され、その年額を2等分した金額に支給対象期間における出勤率を乗じた金額が7月と12月に支給されます。
以上の報酬に加え、当社社員には従業員持株会に拠出した金額の15%が奨励金として支給されるほか、「GC2027」期間中は前年度業績指標に応じて特別奨励金が支給されます。

(2)【従業員の状況】
① 連結会社の状況
(注)1. 出向者については、出向先の属するセグメントの従業員数に含めております。
2. 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
② 提出会社の状況
(注)1. 従業員数に海外事業所の現地社員306人及び他社からの出向者97人を含め、他社への出向者1,349人を除いた人員数は3,279人であります。
2. 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。
③ 労働組合の状況
当社及び連結子会社において、労働組合との間に特記すべき事項はありません。
④ 使用人等のみに付与するストックオプション制度
当社における使用人等のみに付与するストックオプション制度については、「1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況 ① ストックオプション制度の内容」に記載のとおりであります。
⑤ 多様性に関する指標
提出会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」(平成27年厚生労働省令第162号)第19条第1項第2号に定める事項を算出したものです。
当社では、2022年8月より「女性活躍推進2.0」という方針を掲げ、採用・成長機会・配置の観点から、女性のタレントパイプライン拡張に注力して取組みを進めています。その結果として、正社員に占める女性比率は年々増加(2022年度28.9%→2025年度31.0%)しており、管理職に占める女性比率も着実に増加(2022年度8.2%→2025年度10.4%)しています。取組みの概要は、「第2 事業の状況」における「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (6)人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針 ② 戦略 (d)ダイバーシティ・マネジメント <女性活躍推進>」に記載のとおりであります。
(注)2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
性別役割分担意識を解消し、男性も積極的に育児参画できる職場風土づくりを目指して、子が生まれた男性社員及びその上長への制度周知、事前の取得意向確認及び事後の取得状況確認等の取組みにより、制度への認知向上及び理解醸成を図り、2024年度以降、男性の育児休業等取得率は90%を超えています。また、育児休業以外にも、コアタイムを柔軟に設定できるフレックスタイム勤務や報酬減額のない時短勤務の整備等を進めることで、個々の事情に合わせた柔軟な働き方を可能としており、男女ともに仕事と育児を両立できる環境を実現しています。制度の概要は、「第2 事業の状況」における「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (6)人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針 ③ リスク管理 (b)ワークライフマネジメント施策」に記載のとおりであります。
(注)3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」第19条第1項第1号に定める事項として、男性労働者の年間平均賃金に対する女性労働者の年間平均賃金の割合を算出したものです。
当社の人事制度では、性別による処遇の差は一切設けておりませんが、男女の賃金の差異が発生する要因の一つに、管理職に占める女性比率が少ないことが挙げられます。当社では、今後の管理職・管理職候補を着実に増やす仕組みとして女性のタレントパイプラインの拡張に向けた取組み(詳細は、「第2 事業の状況」における「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (6)人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針 ② 戦略 (d)ダイバーシティ・マネジメント <女性活躍推進>」に記載)を進めており、この要因による差異は縮小していくものと考えています。
また、男女の賃金の差異が発生するもう一つの要因として、当社の人事制度では、従来、正規雇用労働者を総合職と一般職という2つの職掌に区分し、そのうち主として組織の事務・実務を担う、原則転居を伴う転勤のない一般職の女性比率が100%であったことが挙げられます。これに対しては、一般職のキャリアパスを更に拡大することを目的に、2021年度に、原則全世界転勤必須であった総合職の中に、原則転勤のないエリア限定コースを設けました。また、2024年度からは、職掌にとらわれない実力本位の適材適所を図るとともに、本人が担うミッションに応じた時価的な報酬制度を全社的に実現することを目指し、総合職と一般職の職掌区分を廃止するとともに、管理職以上には既に適用していた、ミッションをベースとした処遇決定の仕組みを非管理職にも導入しました。性別による差を設けないこれらの施策の実行・定着を図ることで、管理職に占める女性比率が高まり、女性のタレントパイプラインが強化されていくにつれて、数値の推移には各年度の個別の登用状況によるばらつきを伴いますが、男女の賃金の差異は縮まっていくものと考えています(処遇上の資格が同じ男女の賃金の差異はどの資格においても90%を超えています)。
連結子会社
(注)1. 当社グループ全体でのダイバーシティ推進の取組みの更なる強化に繋げることを目的として、以下の①から④のいずれかに該当する国内連結子会社については、「管理職に占める女性労働者の割合」、「男性労働者の育児休業等取得率」及び「労働者の男女の賃金の差異」を、各社にて公表のうえ、この有価証券報告書にて開示しています。
①年度末時点の常用労働者数(雇用期間を定めず雇用されている労働者をいう。以下同じ。)が301人以上である
②年度末時点の常用労働者数が101人以上300人以下であり、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」又は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」等の関係法令を踏まえ、多様性に関する指標のいずれか1つ以上を公表している
③年度末時点の常用労働者数が101人以上300人以下であり、前年度の有価証券報告書にて多様性に関する指標のいずれか1つ以上を開示している
④年度末時点の常用労働者数が101人以上300人以下であり、当社事業報告において「重要な子会社及び関連会社の状況」に掲載されている
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」第19条第1項第2号に定める事項を算出したものです。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」第19条第1項第1号に定める事項として、男性労働者の年間平均賃金に対する女性労働者の年間平均賃金の割合を算出したものです。
4.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
5.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
6. 2026年3月期において対象となる男性労働者はいませんでした。
7. 管理職に占める女性比率が少ない又はいないことが主な要因です。
8. 管理職に占める女性比率が少ない又はいないこと、及びコース別人事制度を採用しており、主に事務・実務を担う、原則転居を伴う転勤のないコースの女性比率が高いことが主な要因です。
9. 管理職に占める女性比率が少ないこと、及び担っている業務内容の性質(深夜勤務等)が賃金に反映されていることが主な要因です。
10.コース別人事制度を採用しており、主に事務・実務を担う、原則転居を伴う転勤のないコースの女性比率が高いことが主な要因です。
11.コース別人事制度を採用しており、女性労働者の大半が主に事務・実務を担うコースに属しており、担っている業務内容の性質(責任、難易度等)が賃金に反映されていることが主な要因です。
12.女性労働者の年齢構成及び担っている業務内容の性質が賃金に反映されていることが主な要因です。
13.パート・有期労働者では、元役職者の継続雇用嘱託社員の多くが男性であることが影響しています。
14.パート・有期労働者に該当する女性労働者がいない場合又はパート・有期労働者を雇用していない場合に、「-」と記載しています。
15.高い水準の賃金が支給される業務に従事する女性のパート・有期労働者が少ない又はいないことが影響しています。
16.女性の割合が高いパートタイム労働者の賃金を実額で計算していることが影響しています。
17.パート・有期労働者では、元役職者の継続雇用嘱託社員の多くが男性であること、及び女性の割合が高いパートタイム労働者の賃金を実額で計算していることが影響しています。
18.パート・有期労働者として雇用されている労働者の総数が少ないことが影響しています。
19.パート・有期労働者として雇用されている男性労働者に役職者が含まれていることが影響しています。
第5【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を全て満たしているため、同第312条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS会計基準」という。)に準拠して作成しております。
また、金額の表示は、百万円未満を四捨五入して記載しております。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
なお、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
また、金額の表示は、百万円未満を四捨五入して記載しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適
正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は以下のとおりであります。
(1)会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するた
め、公益財団法人財務会計基準機構や貿易業界団体等へ加入し、会計基準等の研究のための研修参加や、情報交
換を行っております。
(2)IFRS会計基準の適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の
基準の把握及び影響調査を行っております。また、IFRS会計基準に基づく適正な連結財務諸表等を作成するため
に、IFRS会計基準に準拠したグループ・アカウンティング・ポリシーを作成し、それらに基づきグループ全体で
統一的な会計処理を行っております。
1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
「連結財務諸表に対する注記」参照
②【連結包括利益計算書】
「連結財務諸表に対する注記」参照
③【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
「連結財務諸表に対する注記」参照
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
「連結財務諸表に対する注記」参照
連結財務諸表に対する注記
1 報告企業の事業内容
丸紅株式会社(以下「当社」という。)は日本国にある株式会社であります。当社及び当社が直接・間接に議決権の過半数を所有する等により支配を有している国内外の連結子会社(以上を合わせて「当社及び連結子会社」という。)は、国内外のネットワークを通じて、ライフスタイル、食料・アグリ、金属、エネルギー・化学品、電力・インフラサービス、金融・リース・不動産、エアロスペース・モビリティ、情報ソリューション、次世代事業開発、次世代コーポレートディベロップメント、その他の広範な分野において、輸出入(外国間取引を含む)及び国内取引のほか、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発等の事業活動を多角的に展開しております。
2 作成の基礎
(1)連結財務諸表がIFRS会計基準に準拠している旨の記載
当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRS会計基準に準拠して作成しております。当社は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を全て満たしているため、同第312条の規定を適用しております。
(2)測定の基礎
連結財務諸表は、「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記3 重要性がある会計方針」で記載されているとおり、公正価値で測定されている特定の流動資産、及び金融商品、退職後給付制度に係る資産・負債等を除き、取得原価に基づき作成しております。
(3)機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示されており、百万円未満を四捨五入しております。
(4)見積り及び判断の利用
連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、偶発資産・偶発負債の開示及び期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表に重要な影響を与える会計上の見積り及び仮定は以下のとおりであります。
・棚卸資産の評価(注記5 棚卸資産)
・有形固定資産の減損(注記6 有形固定資産)
・無形資産の減損(注記7 無形資産)
・関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の減損(注記8 関連会社及びジョイント・ベンチャー)
・繰延税金資産の回収可能性(注記9 法人所得税)
・確定給付制度債務(注記11 従業員給付及び役員の報酬)
・引当金(注記12 引当金)
・金融商品の評価(注記21 金融商品及び関連する開示)
・偶発負債(注記25 約定及び偶発負債)
連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針を適用する過程で行った判断に関する情報は、主に以下のとおりであります。
・子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの範囲(注記8 関連会社及びジョイント・ベンチャー)
・リースの会計処理(注記10 リース)
・収益認識(注記15 収益)
・金融資産の認識の中止(注記21 金融商品及び関連する開示)
(5)組替
連結財務諸表及び連結財務諸表に対する注記の表示方法を変更した場合には、比較情報を組替表示しております。
3 重要性がある会計方針
(1)連結の基礎
当社が直接・間接に議決権の過半数を所有する等により支配を有している国内外の連結子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、連結財務諸表に含まれております。連結財務諸表において、当社及び連結子会社間の内部取引及び勘定は消去されております。当社と決算期を統一することが、子会社の所在する現地の法制度上不可能である等の理由により、子会社の財務諸表の決算期が当社の決算期である3月末と異なる子会社については、追加的に当社の決算期で財務諸表を作成する等の調整を行っております。
(2)企業結合
企業結合は取得法により会計処理を行っております。取得原価は、支配獲得時の公正価値で測定された移転対価、支配獲得時の公正価値で再測定された既保有持分、及び被取得企業の非支配持分により構成されております。非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しております。
当社及び連結子会社は、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債について、原則として支配獲得時に存在する契約条件、経済状況、営業方針又は会計方針及びその他の適切な条件に基づいて、必要な分類及び指定を行い、公正価値で認識しております。
のれんは、支配獲得時の公正価値で測定された移転対価、支配獲得時の公正価値で再測定された既保有持分、及び被取得企業の非支配持分の合計(以下「対価の総額」という。)から、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の支配獲得時の公正価値の純額を差し引いた残額により認識しております。この対価の総額が被取得企業の識別可能な純資産の公正価値を下回る場合、その差額は純損益として認識しております。
既保有持分の支配獲得時の公正価値と帳簿価額との差額は純損益として認識しております。ただし、被取得企業の持分に関して認識していたその他の包括利益は、取得企業が被取得企業の持分を直接処分した場合と同様に処理しております。発生した取得費用は純損益として処理しております。
(3)関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資
関連会社とは、当社及び連結子会社が議決権の20%以上50%以下を保有すること等により重要な影響力を有している企業であります。
ジョイント・ベンチャーとは、当社及び連結子会社が、取決めに対する共同支配を有する当事者として、当該取決めの純資産に対する権利を有しているジョイント・アレンジメントであります。共同支配とは、関連性のある活動に関する意思決定に、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在する、取決めに対する契約上合意された支配の共有であります。
当社及び連結子会社は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資について持分法を用いて処理しております。また、関連会社及びジョイント・ベンチャーの会計方針を当社及び連結子会社の会計方針と一致させるための調整を行っております。
他の株主との関係等により、持分法を適用するために用いられる関連会社及びジョイント・ベンチャーの財務諸表の決算期が、当社の決算期である3月末と異なる関連会社及びジョイント・ベンチャーについては、追加的に当社の決算期で財務諸表を作成する等の調整を行っております。
持分法の適用後、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資に関して、各報告期間の期末日に総合的に判断を行い、減損の客観的証拠がある場合には、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減額は減損損失として純損益で認識しております。
認識した減損損失がもはや存在しない、又は減少している可能性を示す兆候の有無に関して、各報告期間の期末日に判定しております。このような兆候が存在する場合は、関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額がその投資の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。減損損失の戻入額は、その投資の回収可能価額が減損損失認識後に増加した範囲で認識しており、過去に認識した減損損失の金額を上限として純損益として認識しております。
(4)外貨換算
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。連結グループ内の各企業は企業が営業活動を行う主たる経済環境等を考慮して機能通貨を決定しており、各企業の財務諸表は、その機能通貨を使用して測定しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算については、資産及び負債は報告期間の期末日の為替レートで円貨に換算し、収益及び費用は為替レートが著しく変動していない場合には対応する報告期間における平均為替レートで円貨に換算しております。この結果生じる換算差額は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。
支配の喪失を伴う子会社の処分時には、その他の資本の構成要素において認識している当該在外営業活動体に関連した換算差額の累計額の全額を純損益に振り替えております。また、支配の喪失を伴わない子会社の部分的な処分時には、その他の資本の構成要素として認識されていた換算差額の累計額のうち、処分割合に比例する部分は非支配持分に振り替え、純損益として認識しておりません。
重要な影響力の喪失及び共同支配の喪失を伴う関連会社及びジョイント・ベンチャーの処分時には、その他の資本の構成要素に認識されていた換算差額の累計額の全額を純損益に振り替えております。また、重要な影響力の喪失及び共同支配の喪失を伴わない関連会社及びジョイント・ベンチャーの部分的な処分時には、その他の資本の構成要素に認識されていた換算差額の累計額のうち、処分割合に比例する部分を純損益として認識しております。
(5)金融商品
① 金融資産
当初認識及び測定
IFRS第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」という。)の適用対象となる金融資産は、負債性金融資産については、償却原価で測定される負債性金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産(以下「FVTOCIの負債性金融資産」という。)又は純損益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産(以下「FVTPLの負債性金融資産」という。)に分類し、資本性金融資産については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産(以下「FVTOCIの資本性金融資産」という。)又は純損益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産(以下「FVTPLの資本性金融資産」という。)に分類しております。なお、金融資産の当初認識時にその分類を決定しております。
FVTPLの負債性金融資産及びFVTPLの資本性金融資産は当初認識時に公正価値で測定しており、それ以外の金融資産は当初認識時に公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。
関係する市場における規則又は慣行により一般に定められている期間内での資産の引渡しが要求される金融資産の売買(通常の方法による取引)の場合は、当社及び連結子会社が当該金融商品の契約上の当事者となった取引日により認識しております。
当社及び連結子会社の金融資産には、現金及び現金同等物、営業債権及び貸付金等の負債性金融資産、資本性金融資産、デリバティブ金融資産が含まれております。
事後測定
金融資産は以下の分類ごとに、それぞれ事後測定をしております。
償却原価で測定される負債性金融資産
当社及び連結子会社は、以下の双方の条件が満たされる負債性金融資産について、償却原価で測定しております。
・ビジネスモデル上の保有目的が契約上のキャッシュ・フローを回収することである場合
・契約条件がある特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払のみのキャッシュ・フローを生じさせるものである場合
これらの条件を満たす負債性金融資産は、当初認識後、実効金利法を用いた償却原価から減損損失を控除して測定しております。実効金利法による利息は連結包括利益計算書において金融損益として認識しております。
当社及び連結子会社は、上記の償却原価測定の条件を満たす負債性金融資産に対し、FVTPLの負債性金融資産として指定することにより、償却原価で測定した場合に生じる会計上のミスマッチが解消又は著しく減少する場合には、当初認識時にFVTPLの負債性金融資産として指定する取消不能の選択をする場合があります。
FVTOCIの負債性金融資産
当社及び連結子会社は、以下の双方の条件が満たされる負債性金融資産について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定しております。
・ビジネスモデル上の保有目的が契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方である場合
・契約条件がある特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払のみのキャッシュ・フローを生じさせるものである場合
これらの条件を満たす負債性金融資産は、当初認識後、公正価値で測定され、公正価値の変動はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。ただし、FVTOCIの負債性金融資産からの利息については、連結包括利益計算書において金融損益として認識しております。また、FVTOCIの負債性金融資産の認識を中止した場合は、その他の包括利益の累計額を純損益に振り替えております。
当社及び連結子会社は、上記のその他の包括利益を通じた公正価値測定の条件を満たす負債性金融資産に対し、FVTPLの負債性金融資産として指定することにより、その他の包括利益を通じて公正価値で測定した場合に生じる会計上のミスマッチが解消又は著しく減少する場合には、当初認識時にFVTPLの負債性金融資産として指定する取消不能の選択をする場合があります。
FVTPLの負債性金融資産
当社及び連結子会社は、負債性金融資産について、当初認識時に償却原価測定又はFVTOCIの負債性金融資産の条件を満たさない場合、又は償却原価測定又はFVTOCIの負債性金融資産の条件を満たすが当初認識時にFVTPLの負債性金融資産として指定することを選択した場合に、FVTPLの負債性金融資産に分類しております。
当初認識後、FVTPLの負債性金融資産の公正価値の変動は連結包括利益計算書において主に収益又は金融損益として認識しております。
FVTOCIの資本性金融資産
当社及び連結子会社は、トレーディング目的で保有されていない資本性金融資産について、当初認識時にFVTOCIの資本性金融資産として指定するか否かの取消不能の選択をしております。
FVTOCIの資本性金融資産として指定される資本性金融資産は、当初認識後、公正価値で測定され、公正価値の変動はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。ただし、FVTOCIの資本性金融資産からの配当については、連結包括利益計算書において金融損益として認識しております。
FVTPLの資本性金融資産
当社及び連結子会社は、トレーディング目的で保有されている資本性金融資産及び当初認識時においてFVTOCIの資本性金融資産として指定しない資本性金融資産を、FVTPLの資本性金融資産に分類しております。
当初認識後、FVTPLの資本性金融資産の公正価値の変動及び配当は連結包括利益計算書において主に金融損益として認識しております。
認識の中止
当社及び連結子会社は、以下の場合に金融資産の認識を中止しております。
・金融資産から生じるキャッシュ・フローを受領する契約上の権利が消滅した場合
・金融資産から生じるキャッシュ・フローを受領する契約上の権利を譲渡するか、又はパス・スルー契約に基づき、回収したキャッシュ・フローを重大な遅滞なく最終受取人に支払う義務を有しており、かつほとんど全てのリスクと経済価値を譲受人に移転した場合
・金融資産から生じるキャッシュ・フローを受領する契約上の権利を譲渡するか、又はパス・スルー契約に基づき、回収したキャッシュ・フローを重大な遅滞なく最終受取人に支払う義務を有しており、かつほとんど全てのリスクと経済価値を移転も保持もしないが、支配を移転している場合
金融資産のほとんど全てのリスクと経済価値を移転も保持もしないが、譲渡された金融資産に対して支配を継続する場合には、当該金融資産に対して継続的に関与している範囲において金融資産の認識を継続しております。
継続的関与の範囲で金融資産の認識を継続する場合には、関連する負債も認識しております。継続して認識する金融資産又は関連する負債は、当社及び連結子会社が保持する権利及び義務に基づいて測定しております。
償却原価で測定される負債性金融資産及びFVTOCIの負債性金融資産の減損
当社及び連結子会社は、償却原価で測定される負債性金融資産及びFVTOCIの負債性金融資産等については予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。取引先の信用状態の悪化に伴い、回収が困難・不能となるか、あるいは、回収に相当長期を要すると認められた場合に、債務不履行が生じているとみなしております。
各報告期間の期末日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合は、貸倒引当金を各報告期間の期末日後12ヵ月以内に生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(以下「12ヵ月の予想信用損失」という。)に等しい金額で測定しております。一方、各報告期間の期末日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、貸倒引当金を当該金融商品の予想存続期間にわたる全ての生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(以下「全期間の予想信用損失」という。)に等しい金額で測定しております。ただし、営業債権等については、貸倒引当金を常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
各報告期間の期末日において、認識が要求される金額に修正するために必要となる貸倒引当金の計上又は戻入れの金額は純損益として認識しております。
減損損失は、連結財政状態計算書上、負債性証券については帳簿価額から直接減額することにより、負債性証券以外の金融資産については引当金を計上することにより認識しております。また、連結包括利益計算書上、営業債権等から発生した減損損失は貸倒引当金繰入額、それ以外の減損損失は金融損益として認識しております。
② 現金同等物
現金同等物には、取得時における満期日が3ヵ月以内の定期預金、譲渡性預金を含めております。
③ 金融負債
当初認識及び測定
IFRS第9号の適用対象となる金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債(以下「FVTPLの金融負債」という。)を除き、償却原価で測定する金融負債に分類しております。金融負債の当初認識時に分類を決定しております。
FVTPLの金融負債は当初認識時に公正価値で測定しており、償却原価で測定する金融負債に分類される金融負債は当初認識時に公正価値に取引費用を減算した金額で測定しております。
当社及び連結子会社の金融負債には、社債及び借入金、営業債務、デリバティブ金融負債等が含まれております。
事後測定
金融負債は以下の分類ごとに、それぞれ事後測定をしております。
FVTPLの金融負債
FVTPLの金融負債として指定された金融負債は、公正価値により測定しております。
当初認識後、FVTPLの金融負債の公正価値の変動及び利息費用は、企業自身の信用リスクの変動に関連する部分は連結包括利益計算書上、その他の包括利益として認識し、残額は主に金融損益として認識しております。
償却原価で測定される金融負債
FVTPLの金融負債に分類されない金融負債は、償却原価により測定しております。
償却原価で測定される金融負債は、当初認識後、実効金利法を用いた償却原価で測定しております。実効金利法による償却は連結包括利益計算書上、金融損益として認識しております。
認識の中止
金融負債は、契約上の義務が履行されるか、債務が免責、取消又は失効となった場合に認識を中止しております。
当初と著しく異なる条件による金融負債の交換又は条件の実質的な変更は、新たな金融負債の認識と当初の金融負債の認識の中止として取り扱い、これらの帳簿価額の差額は連結包括利益計算書上、金融損益として認識しております。
(6)デリバティブ及びヘッジ会計
当初認識及び事後測定
当社及び連結子会社は、デリバティブを公正価値により、資産又は負債として認識しております。デリバティブの公正価値の変動についての会計処理は、適格なヘッジ手段に指定される場合はヘッジ目的とヘッジ指定により決定され、適格なヘッジ手段に指定されない場合のデリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しております。
公正価値ヘッジ
ヘッジ対象の公正価値の変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブは、公正価値ヘッジとして、公正価値の変動額を純損益として認識し、ヘッジ対象資産、負債、確定約定の公正価値の変動額と相殺されます。
なお、ヘッジ対象が償却原価により測定する金融商品である場合は、当該金融商品の公正価値と帳簿価額との差額を純損益として認識したうえで、修正後の金融商品の帳簿価額に基づき再計算した実効金利により償却しております。
当社及び連結子会社は、主に商品や商品購入の確定約定における公正価値の変動リスクや、固定利付資産・負債の金利変動による公正価値の変動リスクをヘッジするために、公正価値ヘッジを行っております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブは、キャッシュ・フロー・ヘッジとして、ヘッジ対象からの純損益が認識されるまで、公正価値の変動額をその他の資本の構成要素において認識しております。ただし、デリバティブの公正価値の変動額のうち、ヘッジの非有効部分は純損益として認識しております。当社及び連結子会社は、商品の予定仕入、売上等における価格変動や為替の変動に伴う将来のキャッシュ・フローの変動リスクや、変動利付資産・負債の金利変動リスクをヘッジするために、キャッシュ・フロー・ヘッジを行っております。
ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で、その他の資本の構成要素に計上されたヘッジ手段に係る金額についても、純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債として認識されている場合には、その他の資本の構成要素として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として振り替えております。
予定取引又は確定約定の発生がもはや見込まれないと判断した場合は、ヘッジ会計を中止しております。この場合には、ヘッジが有効であった時にその他の資本の構成要素に認識していた金額は、ヘッジ会計を中止した時点で純損益に振り替えております。また、ヘッジ会計の中止時以降のヘッジ手段の公正価値の変動は、もはやヘッジ手段ではないものとして将来にわたり純損益として処理しております。ヘッジ会計を中止した場合であっても、ヘッジ対象である予定取引の発生の可能性が見込まれる限りにおいて、ヘッジ会計の中止時までにその他の資本の構成要素として認識していた金額は、当該予定取引が発生するまで引き続きその他の資本の構成要素に計上しております。
純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブ及び借入金等のデリバティブ以外のヘッジ手段は、在外営業活動体に対する純投資のヘッジとして、為替変動額をヘッジ効果が認められる範囲内でその他の資本の構成要素として認識しております。デリバティブ及びデリバティブ以外のヘッジ手段に係る為替変動額のうち、ヘッジの非有効部分及びヘッジ有効性評価の対象外の部分については純損益として認識しております。
純投資ヘッジにより、その他の資本の構成要素として認識された為替変動額の累積額は、在外営業活動体の処分時に純損益に振り替えております。
(7)棚卸資産
棚卸資産は主に商品、製品及び販売用不動産で構成されており、取得原価(主に個別法又は移動平均法)と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しております。正味実現可能価額が取得原価より低い場合はその差額を評価減として費用認識しております。また、評価減は棚卸資産から直接減額しております。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
棚卸資産を評価減する原因となった従前の状況がもはや存在しない場合、又は経済的状況の変化により正味実現可能価額の増加が明らかである証拠がある場合には、評価減の戻入れを行っております。戻入れ後の帳簿価額は取得原価と新たな正味実現可能価額とのいずれか低い方の額で認識しております。
なお、短期的な市場価格の変動により利益を獲得することを意図して棚卸資産を保有している場合、当該棚卸資産は販売費用控除後の公正価値で測定しております。
(8)有形固定資産
有形固定資産は、取引費用を含めた取得原価で当初認識しております。
当社及び連結子会社は、当初認識後、原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。有形固定資産の減価償却費は、償却可能額を、主として、当該資産の耐用年数(建物及び構築物は概ね2年~60年、機械及び装置は概ね2年~45年)にわたる定額法、見積埋蔵量に基づく生産高比例法により各期に配分しております。土地は減価償却をしておりません。有形固定資産項目に1つ又は複数の重要な構成要素が存在する場合は、重要な構成要素は個別に減価償却を行っております。
(9)無形資産
のれん以外の無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日時点の公正価値で測定しております。無形資産を当初認識後、当社及び連結子会社は原価モデルを適用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。内部創出の無形資産は資産化の基準を満たすものを除き、発生時に関連する支出を費用として認識しております。
無形資産は耐用年数を確定できる資産と耐用年数を確定できない資産に区分しております。
耐用年数を確定できる無形資産の償却費は、当該資産の耐用年数(販売権及び顧客との関係等は概ね2年~35年、ソフトウエアは概ね2年~20年)にわたり、主に定額法により各期に配分しております。
耐用年数を確定できない無形資産は償却をしておりません。
のれん
当初認識時ののれんの測定については、「(2)企業結合」に記載しております。
当初認識後、のれんは償却を実施せず、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しております。企業結合で取得されたのれんは、取得日以後、減損テスト実施のために、当該企業結合から便益を得ることが期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
のれんが配分された資金生成単位又は資金生成単位グループ内の事業を処分する場合は、処分される事業と関連するのれんは当該事業の帳簿価額に含めて、利得及び損失を計算しております。この場合、のれんは、より合理的な方法がある場合を除いて、処分される事業と存続する資金生成単位との価値の比率に基づき測定しております。
(10)石油・ガス及び鉱物資源の採掘活動
石油・ガスの探査及び評価費用並びに開発費用は、成功成果法に基づき会計処理しております。利権鉱区取得費用、試掘井及び開発井の掘削・建設費用、及び関連設備は資産として認識し、試掘井に係る費用は商業採算性がないことが判明した時点で、地質調査費用等のその他の探査及び評価費用は発生時点で、それぞれ費用化しております。また、鉱物資源の探査及び評価費用は、鉱物の採掘活動の商業採算性が確認されるまで発生時に費用認識しております。
資産として計上された探査及び評価費用並びに開発費用は、有形固定資産(機械及び装置)に計上しております。また、探査権等の取得に対する支出は無形資産に計上し、技術的可能性と経済的実行可能性が立証可能となった時点で有形固定資産(機械及び装置)に振り替え、見積埋蔵量に基づく生産高比例法により償却を行っております。
なお、事実と状況から探査及び評価資産の帳簿価額が回収可能価額を超過すると判断される場合には、帳簿価額をその回収可能価額まで減額しております。
(11)リース
当社及び連結子会社は、リースにより固定資産の賃貸事業及び固定資産の賃借を行っております。
契約がリース又はリースを含んだものであるか否かについては、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するかに基づき、リース契約日に判定しております。
リース資産の借手である場合
リース開始日において、原資産を使用する権利を表す使用権資産及びリース料を支払う義務を表すリース負債を認識しております。使用権資産は取得原価で測定され、取得原価はリース負債の当初測定の金額、リース開始日以前に支払ったリース料、当初直接コスト及び原状回復費用等により構成されております。使用権資産は原則としてリース期間にわたって減価償却しております。リース期間は、リースの解約不能期間に、リースを延長するオプションを行使すること又はリースを解約するオプションを行使しないことが合理的に確実な期間を加えて決定しております。
リース負債はリース開始日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しております。リース負債に係る支払利息は、リース負債の残高に対して毎期一定の利率により算定された金額としております。
連結財政状態計算書上、使用権資産は主に「有形固定資産」に含め、リース負債は「その他の金融負債」及び「その他の非流動金融負債」に含めております。
なお、リース期間が12ヵ月以内であるリース(以下「短期リース」という。)及び原資産が少額であるリース(以下「少額資産のリース」という。)については、他の規則的な方法が借手の便益のパターンをより適切に表す場合を除いて、リース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
リース資産の貸手である場合
原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんど全てを移転するファイナンス・リースについては、リース開始日において、リースに供された原資産の認識を中止し、ファイナンス・リースにより保有する資産を正味リース投資未回収額に等しい金額でリース債権を認識しております。
オペレーティング・リースについては、その対象となる原資産を、原資産の性質に応じて連結財政状態計算書に表示しており、当該原資産に係る減価償却の方針は、貸手の同様の資産に係る減価償却の方針と整合しております。リース収益は、他の規則的な方法が原資産の使用により便益が減少するパターンをより適切に表す場合を除いて、リース期間にわたり定額法により認識しております。
(12)棚卸資産を除く非金融資産の減損
減損損失
当社及び連結子会社は、各報告期間の期末日に資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判定しております。
有形固定資産及び耐用年数を確定できる無形資産:
資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。
耐用年数を確定できない無形資産及びのれん:
資産が減損している可能性を示す兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っております。なお、減損の兆候があるか否かを問わず、最低限年1回定期的に資産の帳簿価額が回収可能価額を超過しているか否かを確認しております。
資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産が他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合は、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、減損損失として認識しております。使用価値の評価にあたり、見積られた将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクに関する現在の市場評価を反映した割引率を用いて現在価値まで割り引いております。
減損の戻入
各報告期間の期末日において、過去に認識した減損損失がもはや存在しないか、又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合は、資産の回収可能価額の見積りを行っております。見積られた回収可能価額が資産の帳簿価額を超える場合は、減損損失を戻入れております。戻入れ後の帳簿価額は、過去において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の帳簿価額(減価償却累計額控除後又は償却累計額控除後)を超えない範囲で認識しております。減損の戻入額は純損益として認識しております。
なお、のれんについて認識した減損損失を戻入れることはしておりません。
(13)売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
非流動資産又は処分グループの帳簿価額が、継続的使用よりも主として売却取引によって回収される場合で、以下の条件を満たす場合は売却目的保有に該当すると判断しております。
・通常又は慣例的な条件のみに基づいて現状で直ちに売却可能である。
・売却の可能性が非常に高い。
売却目的保有に分類する非流動資産及び処分グループは、帳簿価額又は売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額により測定しております。
(14)引当金
引当金は、当社及び連結子会社が過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。割引計算が実施される場合、時の経過による引当金の増加は金融費用として認識しております。
資産除去債務については、資産の解体、除去及び敷地の原状回復費用並びに資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しております。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しております。
(15)退職後給付
当社及び一部の連結子会社は、大部分の従業員を対象として確定給付型企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。確定給付制度債務の現在価値及び退職給付費用は予測単位積増方式に基づき制度ごとに算定しております。
確定給付資産又は負債の純額の再測定はその他の包括利益で認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。再測定は、確定給付制度債務に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(制度資産に係る利息収益の金額を除く)等で構成されております。過去勤務費用は直ちに純損益として認識しております。
確定給付資産又は負債の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除したものであり、連結財政状態計算書で資産又は負債として認識しております。
また、当社及び一部の連結子会社は、確定拠出型企業年金制度を採用しております。確定拠出型企業年金への拠出は、従業員が役務を提供した期間に費用として認識しております。
(16)自己株式
当社及び連結子会社が自己の資本性金融商品(自己株式)を買い戻す場合には、直接取引費用(税効果考慮後)を含む支払対価を資本から控除しております。自己株式の購入、売却、発行又は消却時において、いかなる利得及び損失も純損益として認識しておりません。
(17)収益
当社及び連結子会社は、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除き、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客に移転する財やサービスと交換に権利を得ることとなる対価を回収する可能性が高い場合に収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
(18)法人所得税等
当期税金
各報告期間の期末日の未払(未収)法人所得税は、税務当局に対する納付若しくは税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の測定においては、各報告期間の期末日における法定税率又は実質的法定税率を使用しております。
その他の包括利益に認識される項目に関する当期税金は、その他の包括利益として認識しており、資本に直接認識される項目に関する当期税金は、資本として直接認識しております。当社及び連結子会社は、税務上の技術的な解釈に基づき、税務ポジションが税務当局による調査において認められる公算が大きい場合に、その財務諸表における影響を認識しております。
繰延税金
当社及び連結子会社は、資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務基準額との差異に基づいて繰延税金資産及び負債を認識しており、その測定にあたっては差異が解消される年度に適用される税率及び税法を適用しております。
繰延税金負債は、以下を除く将来加算一時差異に対して認識しております。
・のれんの当初認識
・企業結合でなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引における資産又は負債の当初認識
・子会社、関連会社に対する投資及びジョイント・ベンチャーに対する持分に関連する将来加算一時差異について、一時差異の解消時期をコントロールすることが可能であり、かつ当該一時差異が予測可能な将来に解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産は、企業結合でなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合を除き、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の税額控除について認識しております。
子会社、関連会社に対する投資及びジョイント・ベンチャーに対する持分に関連する将来減算一時差異については、一時差異が予測可能な将来に解消する可能性が高く、かつ当該一時差異が使用できる課税所得の生じる可能性が高い場合のみ、繰延税金資産を認識しております。
一部又は全部の繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性について、各報告期間の期末日で再検討し、課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産を減額しております。未認識の繰延税金資産についても各報告期間の期末日で再検討され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
その他の包括利益に認識される項目に関する繰延税金はその他の包括利益に、資本に直接認識される項目に関する繰延税金は資本に直接認識しております。
(19)未適用の新たな基準書及び解釈指針
当連結財務諸表承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針は以下のとおりであります。
当社は2026年3月31日現在において以下の基準書及び解釈指針を適用しておりません。また、以下の基準書及び解釈指針を適用することによる当社及び連結子会社の連結財務諸表への影響は検討中です。
4 セグメント情報
(1)オペレーティング・セグメント情報
当社及び連結子会社は、業績評価及び資源配分の意思決定のためのセグメント(オペレーティング・セグメント)として、商品及びサービスの特性に応じて区分したセグメントを採用しております。各セグメントは、種々の産業に関連して、国内及び海外において、原材料、生産財を含む広範囲な工業製品、消費財の購入、販売、市場開拓等を行っており、これらの営業活動は、金融、保険、その他の役務提供を伴っております。当社はこれらの事業を、オペレーティング・セグメントとして10の商品別セグメントに分類しております。
各セグメントの主な取引内容は以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるオペレーティング・セグメント情報は、以下のとおりであります。
(注)1.当連結会計年度より、「ライフスタイル」、「フォレストプロダクツ」、「情報ソリューション」、「食料第一」、「食料第二」、「アグリ事業」、「化学品」、「金属」、「エネルギー」、「電力」、「インフラプロジェクト」、「航空・船舶」、「金融・リース・不動産」、「建機・産機・モビリティ」、「次世代事業開発」及び「次世代コーポレートディベロップメント」としていたオペレーティング・セグメントを、「ライフスタイル」、「食料・アグリ」、「金属」、「エネルギー・化学品」、「電力・インフラサービス」、「金融・リース・不動産」、「エアロスペース・モビリティ」、「情報ソリューション」、「次世代事業開発」及び「次世代コーポレートディベロップメント」に再編しております。この変更に伴い、前連結会計年度のオペレーティング・セグメント情報を組み替えて表示しております。
2.セグメント間取引は、通常の市場価格により行われております。
3.「その他」には、特定のオペレーティング・セグメントに配賦されない本部経費等の損益、セグメント間の内部取引消去、全社目的のために保有され特定のオペレーティング・セグメントに配賦されない資金調達に関連した現金及び現金同等物等の資産が含まれております。
(2)地域別情報
地域別情報は、収益の発生原因となる資産の所在する地域により区分しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における地域別情報は、以下のとおりであります。
対外部収益
(注)特定の顧客への収益の集中はありません。
非流動資産(金融資産、繰延税金資産及び退職後給付資産を除く)
5 棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりであります。
経常的に販売費用控除後の公正価値で計上している棚卸資産は、主に取引相手方又は第三者から入手した相場価格に基づき評価され、マーケットアプローチに基づく観察可能なインプットを使用した価格モデルに基づき評価しており、レベル2に区分しております。また、その帳簿価額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ110,984百万円及び124,061百万円であります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結包括利益計算書の「商品の販売等に係る原価」は、概ね期中に費用認識された棚卸資産の金額から構成されております。また、期中に費用認識された棚卸資産に係る評価減の金額に重要性はありません。
6 有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額、帳簿価額の明細は以下のとおりであります。
有形固定資産の帳簿価額の増減は以下のとおりであります。
帳簿価額の増減のうちその他には、建設仮勘定から本勘定への振替を含んでおります。
有形固定資産の減価償却費は、連結包括利益計算書上、「商品の販売等に係る原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
当社及び一部の連結子会社は、有形固定資産について、将来予想キャッシュ・フローの低下等のため、回収可能価額に基づき前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ9,350百万円及び5,692百万円の減損損失を計上しております。
オペレーティング・セグメント別では、減損損失は、前連結会計年度において、主にエネルギー・化学品に7,684百万円含まれており、当連結会計年度において、主に食料・アグリに2,631百万円含まれております。
減損損失は、連結包括利益計算書上、「固定資産評価損」に含めております。
なお、当連結会計年度において、上記減損損失のほかに、石油・ガス開発事業における有形固定資産の評価損19,644百万円を「固定資産評価損」として認識しております。
上記の帳簿価額には、自己保有し賃貸している資産の帳簿価額が含まれております。
有形固定資産には使用権資産が含まれております。使用権資産の内容については、「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記10 リース」に記載のとおりであります。
7 無形資産
無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額、帳簿価額の明細は以下のとおりであります。
無形資産の帳簿価額の増減は以下のとおりであります。
上記の無形資産のうち耐用年数を確定できない無形資産の帳簿価額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ24,622百万円及び42,073百万円であり、主なものは「販売権及び顧客との関係等」に含まれている商標権であります。事業期間が確定していない商標権は、事業が継続する限り基本的に存続するため、将来の経済的便益が流入する期間が予見可能でないと判断し、耐用年数を確定できない無形資産に分類しております。
上記の無形資産のうち耐用年数を確定できる無形資産で、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における重要なものの帳簿価額は、「販売権及び顧客との関係等」に含まれるインターネットサービス事業等に関連した顧客との関係に係る資産がそれぞれ29,383百万円及び27,496百万円、ポルトガルの風力発電事業等に関連した契約に係る資産がそれぞれ18,743百万円及び19,896百万円であります。また、当連結会計年度における企業結合による取得に伴い、ヘルスケア・メディカル事業に関連した契約に係る販売権を計上しております。当連結会計年度末における当該資産の帳簿価額は45,766百万円であります。なお、これらの資産は、9年~34年にわたり、定額法により償却しております。無形資産の償却費は、連結包括利益計算書上、「商品の販売等に係る原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における「のれん」の帳簿価額には、MacroSourceに対するのれんがそれぞれ45,149百万円及び48,278百万円含まれております。
肥料事業を展開するMacroSource及び北米において農業資材事業を展開するHelenaを一体事業運営・管理していることから、MacroSourceとHelenaを1つの資金生成単位グループ(以下「農業資材CGUグループ」という。)として、のれんの減損テストを実施しております。
のれんの減損テストにおける回収可能価額は使用価値に基づいて算定しており、当該使用価値は、マネジメントが承認した事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。
事業計画は、マネジメントが実績に基づき想定した、取扱数量、価格、マージン等を主要な仮定とし、過去の経験を反映させ、外部情報とも整合性を取ったうえで、マーケットコンディションを平均化するため、対象期間を10年間で策定しております。事業計画が対象としている期間を超える期間については、継続価値を算定しております。
過年度において算定した回収可能価額は当連結会計年度末の農業資材CGUグループの帳簿価額を大きく上回っているため、過年度の詳細な計算結果を当連結会計年度の減損テストに用いております。
継続価値を算定するために用いられた一定の成長率は、農業資材CGUグループの属する市場及び米国における長期の平均成長率等を勘案して決定しており、2.0%であります。割引率(税引前)は、農業資材CGUグループの加重平均資本コストを基礎に算定しており、9.5%であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における「のれん」の帳簿価額には、Euroma Holding(以下「Euroma」という。)を企業結合により取得したことに伴い認識されたのれんがそれぞれ36,240百万円及び41,010百万円含まれております。
のれんの減損テストにおける回収可能価額は使用価値に基づいて算定しており、当該使用価値は、マネジメントが承認した事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。
事業計画は、マネジメントが実績に基づき想定した、販売数量、価格、マージン率等を主要な仮定としており、直近のプロジェクトの状況や足元の経済環境等を反映のうえ、5年間で策定しております。事業計画の対象期間を超える期間については継続価値を算定しており、将来キャッシュ・フローは、過去実績を平準化したものとし、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における将来キャッシュ・フローの成長率は、Euromaの属する市場及びドイツ・オランダにおける長期の平均成長率を勘案して決定しており、2.0%であります。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における割引率(税引前)は、Euromaの加重平均資本コストを基礎に算定しており、それぞれ10.8%及び11.2%であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における「のれん」の帳簿価額には、アルテリア・ネットワークス(以下「ARTE」という。)を企業結合により取得したことに伴い認識されたのれんがいずれも38,614百万円含まれております。
のれんの減損テストにおける回収可能価額は使用価値に基づいて算定しており、当該使用価値は、マネジメントが承認した事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。
事業計画は、マネジメントが実績に基づき想定した、サービス別の売上高成長率と原価・販管費の成長率を主要な仮定としており、直近のプロジェクトの状況や足元の経済環境等を反映のうえ、5年間で策定しております。事業計画の対象期間を超える期間については継続価値を算定しており、将来キャッシュ・フローは、過去実績を平準化したものとし、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における将来キャッシュ・フローの成長率は、ARTEの属する市場及び日本における長期の平均成長率を勘案して決定しており、1.0%であります。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における割引率(税引前)は、ARTEの加重平均資本コストを基礎に算定しており、それぞれ8.2%及び8.9%であります。
当社及び一部の連結子会社は、無形資産について、将来予想キャッシュ・フローの低下等のため、回収可能価額に基づき前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ7,251百万円及び467百万円の減損損失を認識しております。
減損損失は、連結包括利益計算書上、「固定資産評価損」に含めております。
8 関連会社及びジョイント・ベンチャー
(1)関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額
持分法を適用している関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の連結財政状態計算書上の帳簿価額の総額は以下のとおりであります。
一部の関連会社及びジョイント・ベンチャーにおいて、プロジェクト・ファイナンスによる資金調達が行われており、預金について使用制限が付されております。
当社(連結子会社を含む。以下同じ)は、前連結会計年度に、米国においてフリートマネジメント事業を展開するWheels Topco LLC(取得時名称:Donlen LLC。以下「Wheels」という。)の持分の27.2%を、Lithia Motors Inc.(以下「Lithia」という。)と共同で取得(以下「本取引」という。)し、Wheelsを関連会社として持分法を適用しております。
当社のWheelsの取得額を含む本取引の取得対価は、123,187百万円(777百万米ドル。Lithiaに帰属する非支配持分控除後90,579百万円(571百万米ドル))となりました。
(2)関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する当期包括利益の持分取込額
持分法を適用している関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する当期包括利益の持分取込額は以下のとおりであります。
前連結会計年度において、オペレーティング・セグメント上、電力・インフラサービスにおいて、米国石油・ガス開発関連事業において保有する資産の減損に関連して、持分法の適用を通じて26,593百万円の損失を認識しております。
前連結会計年度において、オペレーティング・セグメント上、金融・リース・不動産において、みずほリース社の株式を追加取得し、持分法適用関連会社としたことにより発生した負ののれん発生益16,949百万円を認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、持分法を適用している関連会社及びジョイント・ベンチャーの損失に対する未認識の持分の金額に重要性はありません。
(3)関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する当社及び連結子会社の債権及び債務の残高
持分法を適用している関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する当社及び連結子会社の債権残高、債務残高は以下のとおりであります。
(4)関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する当社及び連結子会社の収益及び仕入高
持分法を適用している関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する当社及び連結子会社の収益及び仕入高は以下のとおりであります。
9 法人所得税
前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された法人所得税の総額は、以下の各対象項目に振分けて計上されております。
当社グループが事業活動を行っている一部の国又は地域において、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールに関する税制が制定され前連結会計年度から適用されておりますが、前連結会計年度及び当連結会計年度において当該税制から生じた税金に金額的重要性はありません。
なお、IAS第12号「法人所得税」(2023年5月改訂)の改訂に伴う強制的な一時的例外措置の適用により、第2の柱モデルルールに関する税制から生じる税金に関する繰延税金資産及び繰延税金負債は認識しておらず、関連する情報の開示も行っておりません。
当社は主に、法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計年度及び当連結会計年度における法定実効税率は、約31.0%であります。ただし、海外子会社についてはその所在地における一般的な税率をもって計算しております。
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立し、2026年4月1日以後に開始する事業年度から法人税率の引上げが行われることとなりました。これに伴い、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、2026年4月1日に開始する事業年度以降に解消が見込まれる一時差異については、従来の約31.0%から約32.0%となります。
この税率変更による当社及び連結子会社の財政状態及び経営成績に与える影響額に重要性はありません。
法定実効税率と、連結包括利益計算書上の法人所得税の実効税率との調整は、以下のとおりであります。
繰延税金資産及び繰延税金負債の増減内容は以下のとおりであります。
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳は以下のとおりであります。
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は以下のとおりであります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における繰延税金資産が認識されていない将来減算一時差異及び繰越欠損金の金額はそれぞれ、765,642百万円及び810,622百万円であります。このうち、失効期限別の繰越欠損金額は以下のとおりであります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における繰延税金負債が認識されていない、子会社及び関連会社に対する投資及びジョイント・ベンチャーに対する持分に係る一時差異の総合計額はそれぞれ、2,122,985百万円及び2,420,263百万円であります。なお、認識されていない繰延税金負債の金額の算定は実務的ではありません。
10 リース
貸手側
当社及び一部の連結子会社は、ファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに該当する取引として、機械及び装置や建物及び構築物等の賃貸を行っております。また、リースの対象となっている原資産のリスク管理のために、敷金、保証金等の徴収や残価保証を設定している場合があります。
ファイナンス・リース契約に係る割引前の受取リース料総額及び正味リース投資未回収額は以下のとおりであります。
オペレーティング・リース契約に係る受取リース料総額は以下のとおりであります。
オペレーティング・リースに係る損益は以下のとおりであります。
借手側
当社及び一部の連結子会社は、リースに該当する取引として、機械及び装置や建物及び構築物等の賃借を行っております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額は、それぞれ78,482百万円及び87,222百万円であります。また、使用権資産の帳簿価額は以下のとおりであります。
リース負債の帳簿価額の内訳は以下のとおりであります。
リース負債の契約満期別の内訳は以下のとおりであります。
リースに係る損益は以下のとおりであります。
リース負債に係る支払利息、短期リースのリース費用、及び少額資産のリース費用のそれぞれについて重要性はありません。
リースに係るキャッシュ・フローは以下のとおりであります。
リース契約には延長オプション又は解約オプションが含まれているものがあり、必要に応じて行使しております。延長オプションの主な内容は、行使することによってリース契約期間を原契約と同期間延長できるものです。解約オプションの主な内容は、一定期日前までに行使することによってリース契約を早期解約できるものです。
11 従業員給付及び役員の報酬
(1)退職後給付
当社及び一部の連結子会社は、確定給付企業年金法に基づくキャッシュバランスプラン又はその他の確定給付型企業年金制度を設けており、ほぼ全ての従業員が対象となっております。また、当社及び一部の連結子会社は、退職年金制度に加え、退職時に一時金を給付する退職一時金制度を併せて設けております。これらの制度における給付額は、従業員の勤続年数や給与水準等に基づき算定されております。
なお、当社は、2025年4月に退職給付制度を改定し、従来の確定給付企業年金と退職一時金から構成される制度から、確定拠出企業年金、退職一時金、前払退職金から従業員が積立てや受給方法を選択できる制度へ変更しております。これに伴い、2025年度以降の確定給付企業年金への新規加入及び積立ては停止となります。2024年度以前の積立分については引き続き丸紅企業年金基金において管理及び運用を行います。
当社は、確定給付企業年金法等が定める基準による積立不足が生じた場合には、年金給付を行う丸紅企業年金基金に対する掛金の拠出を行う義務を負っております。基金の理事には法令、法令に基づき行われる厚生労働大臣の処分、丸紅企業年金基金の規約及び代議員会の議決を遵守し、基金のために忠実に、積立金の管理及び運用に関する業務を遂行する忠実義務等の責任が課されております。また、理事に対しては、第三者の利益を図ることを目的とした資産管理契約の締結の禁止が規定されるとともに、利益相反行為の禁止等の行為準則が明確化されております。
制度は当社より法的に独立した丸紅企業年金基金によって運営されております。代議員会は、雇用主側から選出された代表者(選定代議員)及び従業員側から選出された代表者(互選代議員)が同一人数にて構成し、代議員会の議長(理事長)は雇用主側から選出されます。
代議員会の議事は出席者の過半数で決しますが、可否同数の場合は、議長である理事長が決する権限を有しております。ただし、特に重要な事項に関する議事については、上記を超える多数で決することと規定しております。
投資方針等の重要な事項の決定権限は全て代議員会が有しております。実際の資産運用は、投資委託契約に基づき運用受託機関が行い、代議員会による個別の運用銘柄等の指示は、法令により禁止されております。
当社は、丸紅企業年金基金に対する掛金の拠出に加え、任意に退職給付信託に積立てを行っております。
退職一時金制度については、当社が直接受給者への支給義務を負っております。積立てに関する法的要請はありませんが、当社が任意に退職給付信託に積み立てた制度資産が存在します。
当社及び一部の連結子会社の確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値に係る変動は以下のとおりであります。
確定給付制度債務の現在価値の算定に用いられた主要な数理計算上の仮定は以下のとおりであります。
感応度分析は期末日において合理的に推測し得る仮定の変動に基づき行われております。また、感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外の全ての数理計算上の仮定が一定であることを前提としておりますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。
仮に割引率が0.5%下落し、その他の仮定に変動がない場合、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務はそれぞれ9,396百万円及び7,233百万円増加します。また、仮に割引率が0.5%上昇し、その他の仮定に変動がない場合、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務はそれぞれ8,781百万円及び6,805百万円減少します。昇給率については将来の変動を見込んでおりません。
前連結会計年度末における制度資産の項目ごとの公正価値は以下のとおりであります。
当連結会計年度末における制度資産の項目ごとの公正価値は以下のとおりであります。
丸紅企業年金基金における資産の運用にあたっては、将来にわたり年金及び一時金の給付を確実に行うために必要な収益を長期的に確保することを目的としております。そのための投資方針は、各資産のリスク・リターンの特性を分析し、各資産間の相関を考慮したうえで分散投資を図ることを基本としております。
具体的には、株式・公社債等の各種の資産を効率的に組み合わせた政策アセットミックスを策定し、それに沿ってマネージャーストラクチャーを構築並びに運用受託機関を選定し投資を実行しております。運用受託機関の選定にあたっては、経営理念・経営内容、運用方針及び運用スタイル、情報収集体制・意思決定プロセス等運用管理体制、法令遵守体制、受託機関及び運用担当者の年金運用における経験・実績等を勘案しております。
当連結会計年度末における制度資産に関する運用分類ごとの目標投資比率は、株式、公社債及びその他について、それぞれ14%、56%、30%となっております。
また、運用受託機関を通じて行われる各資産の投資については、以下のとおりです。
主に証券取引所に上場されている株式については、投資対象企業の経営内容について精査し、業種、銘柄等を考慮したうえで適切な分散投資を行っております。国債、公債、社債については、発行体、格付、利率、償還日等の発行条件を精査して、適切な分散投資を行っております。合同運用信託については、株式及び公社債と同様の投資方針で行っております。生命保険会社が扱う団体年金の一般勘定である生保一般勘定は、一定の予定利率と元本が保証されております。外国銘柄への投資については、政治・経済の安定性、決済システム及び税制等の市場特性を精査し、適切に投資対象国及び通貨を選定しております。
なお、キャッシュバランスプランにおいては、指標利率(国債利回り)と年金給付額は一部連動する関係にあります。
丸紅企業年金基金における年金積立は、税法上の損金算入限度額、制度資産の積立状態、数理計算等の様々な要因を考慮のうえ行われます。制度資産への拠出は、既に提供された役務に対する給付に加え、将来提供される部分に対する給付を賄うことも意図しております。
確定給付企業年金法の規定に従い、丸紅企業年金基金の規約においては将来にわたり財政の均衡を保つことができるように5年ごとに事業年度末日を基準日として掛金の額の再計算を行うことが規定されております。
再計算では、掛金に係る基礎率(予定利率、予定死亡率、予定脱退率、予定昇給指数、予定新規加入者数等)を見直し、掛金の妥当性を再検証しております。
これに加えて当社では、確定給付制度債務の積立不足額を積み立て、年金積立状態の健全性を維持するために市場性のある株式又は現金を退職給付信託に拠出する場合があります。
2026年度において、約7,100百万円を掛金として制度資産へ拠出する予定です。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーションはそれぞれ12.5年及び11.3年であります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における確定拠出型年金制度に関して費用として認識した金額は、それぞれ18,998百万円及び19,800百万円であります。
なお、本邦の厚生年金保険法に基づく厚生年金保険料の事業主負担分を含めております。
(2)従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結包括利益計算書上、「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計金額は、それぞれ471,274百万円及び496,141百万円であります。
(3)役員の報酬
当社の取締役及び監査役への報酬等の総額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ1,244百万円、1,185百万円です。報酬等の内訳は、現金、譲渡制限付株式及びTSR連動型譲渡制限付株式であり、主に現金によるものです。
12 引当金
当連結会計年度における、引当金の増減は以下のとおりであります。
資産除去債務は、主に石油・ガスの資源開発事業に従事する連結子会社における資源開発設備の撤去に係る費用等に関するものであります。設備の撤去に係る支出は、当該資産除去債務の当初認識後、通常10年以上経過した後に支出されると見込まれております。
その他の引当金には、訴訟損失引当金や不利な契約等の負債性の引当金が含まれております。
なお、資産除去債務及びその他の引当金は、連結財政状態計算書上、「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に含めております。
13 資本金及び剰余金
当社の授権株式及び発行済株式は以下のとおりであります。
(注)1. 普通株式は無額面であります。
2. 当社の発行済株式は全額払込済みであります。
3. 前連結会計年度において、時価総額条件型譲渡制限付株式報酬として支給された金銭報酬債権を出資財産とする新株式の発行により、2024年8月29日付で発行済株式総数が81,954株増加しております。また、2024年5月2日開催の取締役会において決議した自己株式の消却により、2024年10月25日付で発行済株式総数が15,621,100株減少しております。
自己株式、子会社及び関連会社保有の当社株式は以下のとおりであります。
会社法では、資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで、その他資本剰余金とその他利益剰余金の配当金額の10分の1をそれぞれ資本準備金と利益準備金として積み立てなければなりません。
14 配当
普通株主への分配として認識された普通株式に関する配当額は以下のとおりであります。
取締役会で決議されたが当連結会計年度中に普通株主への分配として認識されていない普通株式に関する配当額は94,213百万円(1株当たり57円50銭)であります。
15 収益
当社及び連結子会社の関与する取引には、財又はサービスを顧客に提供する契約あるいは金銭授受の当事者として行う仕切取引や、買手と売手との間で直接取引代金の決済が行われ、当社及び連結子会社が買手と売手いずれか一方、若しくは両方から手数料を受け取る代行取引等、種々の形態があります。
当社及び連結子会社は、それらの取引から生じる収益を顧客との契約に基づき、「商品の販売等に係る収益」、「サービスに係る手数料等」に区分して表示しており、財又はサービスを顧客に移転する前に支配している場合には本人取引として「商品の販売等に係る収益」に含め、そうでない場合には取引により得られた対価の総額から第三者に対する支払額を差し引いた純額のみを、代理人取引として「サービスに係る手数料等」に含めております。
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」以外に、当社及び連結子会社は主に、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益、並びに一部の商品取引等に係る収益を、リース契約についてはIFRS第16号「リース」に基づく収益をその他の源泉から認識した収益として集計しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における「収益」の内訳は以下のとおりであります。
(注)1.当連結会計年度より、「ライフスタイル」、「フォレストプロダクツ」、「情報ソリューション」、「食料第一」、「食料第二」、「アグリ事業」、「化学品」、「金属」、「エネルギー」、「電力」、「インフラプロジェクト」、「航空・船舶」、「金融・リース・不動産」、「建機・産機・モビリティ」、「次世代事業開発」及び「次世代コーポレートディベロップメント」としていたオペレーティング・セグメントを、「ライフスタイル」、「食料・アグリ」、「金属」、「エネルギー・化学品」、「電力・インフラサービス」、「金融・リース・不動産」、「エアロスペース・モビリティ」、「情報ソリューション」、「次世代事業開発」及び「次世代コーポレートディベロップメント」に再編しております。この変更に伴い、前連結会計年度の「収益」を組み替えて表示しております。
2.セグメント間取引は、通常の市場価格により行われております。
3.「その他」には、特定のオペレーティング・セグメントに帰属しない収益及びセグメント間の内部取引消去等が含まれております。
契約残高
当社及び連結子会社における契約残高の内訳は、以下のとおりであります。連結財政状態計算書上、顧客との契約から生じた債権は「営業債権及び貸付金」及び「長期営業債権及び長期貸付金」に、契約負債は「その他の流動負債」に含めております。なお、契約資産の金額に重要性はありません。また、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、契約負債の期首残高は概ね期末までに収益に振り替えられており、翌連結会計年度以降に繰り越される金額に重要性はありません。
履行義務
商品の販売においては、当社及び連結子会社が出荷を手配する場合、船荷証券・倉庫証券・貨物引換証・荷渡指示書等を買主に引き渡した時等、契約上の受渡条件が履行された時点をもって収益を認識しており、商品の販売契約の大半の取引において、履行義務は一時点で充足されます。
顧客の資産を創出又は増価させる工事契約については、履行義務は工事の進捗に応じて充足され、工事契約における履行義務を有する期間にわたり、工事の進捗度に応じて収益を認識しております。進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合に基づいて行っております。進捗度を合理的に測定することができない場合は、発生したコストの範囲でのみ収益を認識しております。工事契約に係る収益に金額的重要性はないため、「商品の販売等に係る収益」に含めて表示しております。
サービスに係る手数料等は、主に代理人取引としての手数料であり、契約及び関連する法令・判例・取引慣行等に基づいて、顧客から対価の支払を受ける権利を得たと判断される役務提供完了時に収益を認識しております。
なお、履行義務の充足時点である取引成立時点から主に3ヵ月以内に支払を受けておりますが、履行義務の充足前に受領し、契約負債として計上する場合もあります。変動対価や買戻し義務を含む収益の額に金額的重要性はありません。
顧客との契約から生じる収益に関する各オペレーティング・セグメントにおける主な財又はサービスの内容及び履行義務の充足時点については以下のとおりであります。
取引価格及び履行義務への配分額の算定
取引価格の算定においては、値引き、リベート等による変動対価の影響を考慮し、商品又はサービス等の移転から対価の支払までの期間が1年以内と見込んでいる場合には、重大な金融要素の影響について調整しておりません。変動対価の見積りは過去の経験に基づく期待値又は考え得る対価の範囲における最も可能性の高い金額を用いており、収益は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。
契約で識別された履行義務が複数ある場合、それぞれの履行義務に配分する取引価格は独立販売価格の比率で配分しております。
残存履行義務に配分した取引価格
当社及び連結子会社が未充足(又は部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格及び翌連結会計年度の収益認識見込額は以下のとおりであります。
なお、当該金額には、当初の契約の予想期間が1年以内の残存履行義務、及び、固定金額に提供したサービスの時間数を乗じた金額を請求する契約等の請求する権利を有している金額で収益認識している残存履行義務に係る取引価格を含めておりません。
16 その他の収益及びその他の費用
前連結会計年度において、連結包括利益計算書における「その他の収益」に含まれる為替差損益(純額)は16,983百万円(為替差益)であります。また、カタールLNG事業終了に伴う為替換算調整勘定の実現益として、64,592百万円を「その他の収益」として認識しております。
当連結会計年度において、連結包括利益計算書における「その他の費用」に含まれる為替差損益(純額)は2,910百万円(為替差損)であります。
17 その他の包括利益
非支配持分を含むその他の包括利益の各項目と、それらに係る税効果額は以下のとおりであります。
18 1株当たり当期利益
基本的及び希薄化後1株当たり親会社の株主に帰属する当期利益の計算は以下のとおりであります。
19 キャッシュ・フロー情報
(1)投資活動及び財務活動に関する非資金取引
前連結会計年度及び当連結会計年度において、投資活動及び財務活動に関する重要な非資金取引はありません。
(2)財務活動から生じた負債及び資産の変動
財務活動から生じた負債及び資産の変動の内容は以下のとおりであります。
前連結会計年度
当連結会計年度
20 株式報酬
当社の株式報酬制度に関する説明は以下のとおりであります。
(1)株式報酬型ストックオプション制度
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対して株式報酬型ストックオプション制度を採用しております。当該制度の下では、新株予約権1個当たり普通株式100株が付与対象者に付与されます。新株予約権の権利行使時の払込金額は1株当たり1円であります。新株予約権の権利行使期間は割当日の翌日から33年の間で、割当日の翌日から3年を経過する日又は当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日のうちいずれか早い日以降から行使することができます。なお、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10年間経過した場合、新株予約権を行使することができなくなり、当該時点において未行使の新株予約権を放棄したものとみなされます。
なお、2021年度より当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対して譲渡制限付株式報酬制度を導入し、株式報酬型ストックオプション制度を廃止しました。海外在勤により日本国非居住者となる執行役員に対し割当てを留保していたストックオプションとしての新株予約権については、既に留保した分に限り、発行することとしておりましたが、2022年度において当該留保分の発行が全て完了したため、今後、ストックオプションとしての新株予約権の発行は行いません。
(2)時価総額条件付株式報酬型ストックオプション制度
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対して時価総額条件付株式報酬型ストックオプション制度を採用しております。当該制度の下では、新株予約権1個当たり普通株式100株が付与対象者に付与されます。新株予約権の権利行使時の払込金額は1株当たり1円であります。新株予約権の権利行使期間は権利行使開始日から30年の間で、割当日の翌日から3年を経過する日を権利行使開始日とし、3年後の時点において当社時価総額が割当日時点の当社時価総額を上回り、かつ当社時価総額条件成長率が東証株価指数成長率以上となった場合に行使することができます。なお、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10年間経過した場合、新株予約権を行使することができなくなり、当該時点において未行使の新株予約権を放棄したものとみなされます。
なお、2021年度より当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対して時価総額条件型譲渡制限付株式報酬制度を導入し、時価総額条件付株式報酬型ストックオプション制度を廃止しました。海外在勤により日本国非居住者となる執行役員に対し割当てを留保していたストックオプションとしての新株予約権については、既に留保した分に限り、発行することとしておりましたが、2022年度において当該留保分の発行が全て完了したため、今後、ストックオプションとしての新株予約権の発行は行いません。
(3)譲渡制限付株式報酬制度
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対して、一定の譲渡制限期間を設けたうえで、普通株式を交付する「譲渡制限付株式報酬制度」を2021年度より採用しております。当該制度の下では、当社と付与対象者との間で譲渡制限付株式割当契約を締結したうえで、一定期間継続して当社の取締役又は執行役員を務めることを条件として、当社から支給された金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払い込み、普通株式の発行又は処分を受けることとなります。金銭報酬債権の金額及び交付される普通株式数は、対象者の役位に応じて決定されます。譲渡制限期間は、割当てを受けた日より取締役、執行役員、その他当社又は当社子会社の役職のうち当社の取締役会が予め定める地位を退任又は退職する直後の時点までの期間とします。なお、譲渡制限付株式割当契約の内容には、一定期間は本割当契約により割当てを受けた当社の普通株式について譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならないことや、一定の事由が生じた場合には当社が当該普通株式を無償で取得すること等が含まれております。
(4)時価総額条件型譲渡制限付株式報酬制度
当社は、予め定める時価総額条件成長率その他の業績指標に係る目標(以下「業績目標」という。)の達成度に応じて最終割当株式数を変動させる「時価総額条件型譲渡制限付株式報酬制度」を2021年度より採用しております。当該制度の下では、一定期間継続して当社の取締役又は執行役員を務めること等を条件として、取締役会にて決定された算定方法に基づき、3年間(以下「業績評価期間」という。)における業績目標の達成度に応じて算定された数の当社普通株式を、業績評価期間終了後に割り当てます。なお、本制度は2022年度に公表した株主還元を強化する新たな株主還元方針も踏まえ、適切なインセンティブ性を担保するため、業績指標及び支給係数を変更し、下記(5)TSR連動型譲渡制限付株式報酬制度に改定しております。既に権利付与を行ったものは業績目標の達成度に応じて算定された数の当社普通株式を、業績評価期間終了後に割り当てます。
(5)TSR連動型譲渡制限付株式報酬制度
当社は、予め定める相対TSRの達成度に応じて最終割当株式数を変動させる「TSR連動型譲渡制限付株式報酬制度」を2023年度より採用しております。当該制度の下では、一定期間継続して当社の取締役又は執行役員を務めること等を条件として、取締役会にて決定された算定方法に基づき、3年間(以下「業績評価期間」という。)における相対TSRの達成度に応じて算定された数の当社普通株式を、業績評価期間終了後に割り当てます。なお、当該制度の詳細は、「第4 提出会社の状況」における「4 コーポレート・ガバナンスの状況等(4)役員の報酬等」に記載のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において当該株式報酬制度に基づく報酬額に重要性はありません。
21 金融商品及び関連する開示
(1)資本管理方針
当社及び連結子会社は、資産構成に合わせた最適資金調達を基本方針として、銀行をはじめとした金融機関からの間接調達と、社債、コマーシャル・ペーパー等の直接調達を実施しております。当社及び連結子会社は、成長の土台となる強固な財務基盤の維持・強化を目的とし、ネットDEレシオ(注1)、リスクアセット(注2)等の指標を資本管理に用いており、これらの指標を定期的に確認し、経営戦略の構築及び経営上の意思決定に活用しています。なお、当社及び連結子会社が適用を受ける重要な資本の規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
(注)1. 「ネット有利子負債」/「親会社の所有者に帰属する持分合計」。なお、ネット有利子負債は、社債及び借入金(流動・非流動)の合計額から現金及び現金同等物、定期預金を差し引いて算出しております。
2. リスクアセットとは、当社グループが保有する資産価値の最大下落リスク額のことであり、保証債務等のオフバランスリスクを含む連結ベースのエクスポージャーに対して、各資産項目のリスク特性に応じた想定最大損失率を乗じて算出しております。
(2)財務上のリスク管理方針
当社及び連結子会社は、日本を含む様々な国において営業活動を展開しているため、以下に挙げる金利リスク、為替リスク、信用リスク、商品価格リスク、流動性リスク及び株価変動リスクによる影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は、定期的なモニタリングを通じてこれらのリスクを評価しております。上記リスク軽減のため、リスクに対して一部若しくは全部のヘッジを行っている取引については、ヘッジ会計適用の有無に関わらず、同一のリスク管理方針の下に管理を行っております。原則、ヘッジ対象とヘッジ手段の基礎数値は同一であり、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係が成立しております。また、ヘッジ比率は原則として一対一としており、ヘッジ対象のリスクを概ね減殺しております。
① 金利リスクの管理
当社及び連結子会社は、一部を除いて変動金利で資金調達しているため、金利が上昇すると支払利息が増加します。一方、変動金利の資金調達の相当の部分は金利の影響を転嫁できる営業債権及び貸付金等に見合っています。また、固定資産や投資等の非金利感応資産についても、取扱収益・受取配当金の増加により、収益の増加が見込まれます。よって、金利リスクは完全に回避できないものの、業績に与える影響は一定程度抑制される資産・負債の構成となっております。
そのうえで、当社及び連結子会社は、Asset-Liability Managementを通じ、固定資産や投資等の非金利感応資産のうち、変動金利で調達している部分を金利ポジション残高とし、市場動向を注視しつつ、金利スワップ契約等の活用も含めた金利変動リスクへの対応策を決定しております。
金利の感応度
以下の表は、その他全ての変数が一定であることを前提として、金利が1%上昇した場合における当社及び連結子会社の税引前利益への影響を示しております。
② 為替リスクの管理
当社及び連結子会社は、様々な通貨で取引を行っており、外貨建ての営業活動及び在外営業活動体に対する純投資に関連する為替変動リスクによる影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は、営業活動から生じる外貨建債権・債務、外貨建確定契約及び外貨建予定取引のキャッシュ・フローの変動リスク、外貨建債権・債務及び外貨建確定契約の公正価値の変動リスク及び在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジするため、為替予約、外貨建ての社債及び借入金等により為替変動リスクの軽減を図っております。
為替の感応度
以下の表は、その他全ての変数が一定であることを前提として、米ドル及び豪ドルに対して日本円が1円円高となった場合における当社及び連結子会社の税引前利益及び資本への影響を示しております。また、その他全ての変数が一定であることを前提として、米ドル及び豪ドルに対して日本円が1円円安となった場合における当社及び連結子会社の税引前利益及び資本への影響は、以下の表と同額で反対の影響があります。米ドル及び豪ドル以外のその他全ての通貨の為替変動リスクに重要性はありません。
③ 信用リスクの管理
当社及び連結子会社は、輸出、輸入、国内及び外国間の各取引において、工業製品、農産物、消費財等、あらゆる分野にわたる商品を取り扱っており、その事業活動は、世界のあらゆる地域での資源開発、商品企画、事業投資から生産、物流、市場開拓まで、多岐にわたっております。したがって、取引先あるいは投資先について重大な信用リスクの集中はありません。また、当社及び連結子会社は必要に応じて信用保険の付保等の信用補完を行っております。なお、デリバティブ取引においては、社内規程に基づいてリスク管理方針、管理運営要領を定めており、取引相手ごとに信用状態を十分に把握したうえで取引限度額を設定し、定期的に見直しております。
当社及び連結子会社の金融資産の減損後の帳簿価額は、担保等の信用補完を考慮に入れない、信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
償却原価で測定される負債性金融資産及びFVTOCIの負債性金融資産に対する貸倒引当金は、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合は集合的に、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は個別に回収可能額を見積ったうえで認識しております。信用リスク管理には、取引先の信用状態に応じて判定した内部の信用格付を用いており、個別の企業ごとに格付を設定したうえで定期的に見直しております。予想信用損失の算定においては、信用格付ごとのデフォルト実績に将来の景気変動やファンダメンタルの変動を加味し、信用格付ごと、与信期間ごとに算定した引当率を使用しております。
信用リスクが著しく増大している状況とは、債務者の信用リスクの低下に伴い契約上の支払期日を相当程度超過している状況や契約条件を緩和している状況等が該当します。なお、各報告期間の期末日現在で信用リスクが低いと判断される場合は、信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと推定しております。
金融資産の見積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える1つ又は複数の事象が発生しており、例えば発行者又は債務者の財政状態に重要な懸念事項がある場合、債務者又は発行者の信用リスクの低下に伴い債務免除や返済条件の大幅な緩和等の譲歩が行われている場合は、信用減損した金融資産と判定しております。信用減損した金融資産について、その全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、当該部分の認識を中止し、金融資産の帳簿価額を直接減額しております。
(a)予想信用損失から生じた金額に関する定量的情報及び定性的情報
償却原価で測定される営業債権及び貸付金に係る貸倒引当金の増減は以下のとおりであります。
(b)信用リスクに対する最大エクスポージャー
信用リスクに対する最大エクスポージャーの内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における信用減損した金融資産に対する担保及び他の信用補完に重要性はありません。
④ 商品価格リスクの管理
当社及び連結子会社は、石油及びガス、原料炭、アルミ、銅、農産物等の商品価格の変動リスクによる影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は、売りと買いのマッチングや、先物、先渡、スワップ、オプション等の商品デリバティブ等により商品価格の変動リスクの軽減を図っております。なお、一部の商品デリバティブについては、予め決められた限度・損失限度枠内においてトレーディング目的で取引を実施しております。
商品価格の感応度
当社及び連結子会社が期末日において保有する棚卸資産、売買契約に係る商品価格の変動リスクは、商品デリバティブ等により概ね減殺されております。
なお、トレーディング目的の商品デリバティブの公正価値の変動による影響に重要性はありません。
⑤ 流動性リスクの管理
当社及び連結子会社は、金融市場の混乱等によって保有資産の市場流動性が著しく低下する等、流動性リスクによる影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は、適切な現金及び預金等の残高を維持するとともに、営業活動によるキャッシュ・フローや金融機関との間のコミットメントラインの設定により、十分な流動性を確保しております。
当社及び連結子会社のデリバティブの流動性分析は以下のとおりであります。なお、他の契約と純額決済されるデリバティブについても総額で表示しております。
非デリバティブ金融負債の流動性分析は「(3)金融商品の公正価値」に記載のとおりであります。
⑥ 株価変動リスクの管理
当社及び連結子会社は、主に取引先との関係強化を目的として資本性金融資産(株式)を保有しているため、株価変動の影響を受ける可能性があります。当社及び連結子会社は定期的に保有株式の見直しを実施し、保有意義の薄れた株式を売却することによって、株価変動リスクの軽減を図っております。
株価変動リスクの感応度
活発な市場のある資本性金融資産(株式)について、期末日の公表価格が一律5%下落した場合の当社及び連結子会社のその他の包括利益にて公正価値測定される金融資産の評価差額への影響額(税引前)は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末でそれぞれ、△6,963百万円及び△7,482百万円であります。
(3)金融商品の公正価値
① 公正価値の測定方法
金融商品の公正価値の見積りは入手しうる市場情報又は他の適切な評価方法によっております。
当社及び連結子会社は金融商品の公正価値の開示に際し以下の方法と仮定を使用しております。
現金及び現金同等物、定期預金:
現金及び現金同等物、定期預金は償却原価にて測定しており、その公正価値は、満期までの期間が短期であるため帳簿価額に近似しております。
有価証券及びその他の投資:
活発な市場のある有価証券の公正価値は、期末日の公表価格に基づいて測定しております。
活発な市場のない資本性金融資産及びFVTOCI又はFVTPLの金融資産に分類される負債性金融資産の公正価値は、割引将来キャッシュ・フロー、第三者による鑑定評価及びその他の評価方法により測定しております。
償却原価で測定されている負債性金融資産の公正価値は、同一の残存期間で同程度の信用格付を有する負債性金融資産に適用される期末日の市場金利に基づき、割引将来キャッシュ・フローによって見積っております。
営業債権及び貸付金、営業債務:
営業債権及び貸付金、営業債務の公正価値は、主に同一の残存期間で同程度の信用格付を有する営業債権及び貸付金、営業債務に適用される期末日の金利に基づき、割引将来キャッシュ・フローによって見積っております。
社債及び借入金:
社債及び借入金の公正価値は、同じ償還期限を有する類似の借入契約に適用される期末日の金利に基づき、割引将来キャッシュ・フローによって見積っております。
その他の金融資産及びその他の金融負債:
その他の金融資産及びその他の金融負債はデリバティブ資産及びデリバティブ負債並びに非デリバティブ資産及び非デリバティブ負債により構成されております。
デリバティブ資産及びデリバティブ負債の帳簿価額は公正価値であります。
非デリバティブ資産は主に取引先に対するその他の債権で構成されており、FVTPLの金融資産を除いて償却原価にて測定しております。
非デリバティブ負債は主にリース負債、取引先に対するその他の債務、認識の中止の要件を満たさずに譲渡した営業債権及び貸付金の対価に係る債務で構成されており、償却原価にて測定しております。
償却原価で測定されている非デリバティブ資産及び非デリバティブ負債の公正価値は帳簿価額に近似しております。
金利スワップ契約:
金利スワップ契約の公正価値は、同じ残存期間を有する類似のスワップ契約に適用される期末日のスワップ金利に基づき、割引将来キャッシュ・フローによって見積っております。
為替予約:
為替予約の公正価値は、期末日の公表価格をもって見積っております。
商品先物・先渡等:
商品先物・先渡等の公正価値は、期末日の公表価格をもって見積っております。
② 営業債権及び貸付金
営業債権及び貸付金の帳簿価額の内訳は以下のとおりであります。
FVTPLの営業債権及び貸付金は、当社の事業モデル及び金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性に基づいて、FVTPLで事後測定するものとして分類されたものであり、それを除く営業債権及び貸付金は償却原価にて測定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における償却原価にて測定する営業債権及び貸付金の公正価値は帳簿価額に近似しており、レベル3に区分しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における金融資産の認識の中止の要件を満たさずに譲渡し、譲渡資産の全部の認識を継続する営業債権及び貸付金については、それぞれ36,447百万円及び71,097百万円を「営業債権及び貸付金」に含めて表示しており、譲渡により入金した金額33,869百万円及び67,176百万円をそれぞれ「その他の金融負債」に含めて表示しております。これらの営業債権及び貸付金は、手形の振出人や債務者が支払不履行となった場合に、当社及び連結子会社に支払義務が遡求されることから、当社及び連結子会社が譲渡資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てを保持していると判定されたものであります。
上記のうち、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において譲受人が譲渡資産のみに遡求権を有している営業債権及び貸付金はそれぞれ33,733百万円及び66,850百万円であり、関連する負債の帳簿価額はそれぞれ31,155百万円及び62,929百万円であります。これらの帳簿価額は概ね公正価値であります。
③ その他の投資
その他の投資の帳簿価額の内訳は以下のとおりであります。
FVTPLの負債性のその他の投資は、当社の事業モデル及び金融資産の契約上のキャッシュ・フローの特性に基づいて、FVTPLで事後測定するものとして分類されたものであります。
FVTPLのその他の投資は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、主に社債及びファンドへの出資等であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における償却原価で測定されるその他の投資の公正価値は帳簿価額に近似しております。
当社及び一部の連結子会社が保有する公正価値で測定される資本性のその他の投資のうち、主として取引関係の維持、強化を目的として保有する投資については、FVTOCIで事後測定するものとして分類されたものであります。当該FVTOCIのその他の投資は主に普通株式であり、公正価値の内訳は以下のとおりであります。
活発な市場があるその他の投資の主な銘柄は以下のとおりであります。
活発な市場のないその他の投資は、資源関連分野並びに非資源関連分野における投資により構成されております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末の資源関連分野における投資はそれぞれ20,077百万円、19,548百万円であり、非資源関連分野における投資はそれぞれ68,817百万円、73,531百万円であります。
FVTOCIのその他の投資について、前連結会計年度中に認識された受取配当金は7,143百万円で、そのうち前連結会計年度末において保有している投資に係る受取配当金は6,568百万円であります。当連結会計年度中に認識された受取配当金は8,123百万円で、そのうち当連結会計年度末において保有している投資に係る受取配当金は6,754百万円であります。
FVTOCIのその他の投資に係る資本の部のその他の包括利益にて公正価値測定される金融資産の評価差額については、連結会計年度中に認識の中止を行ったもの及び取得原価に比し公正価値の著しい下落が一時的ではないもの等に係る部分を利益剰余金に振り替えております。前連結会計年度中及び当連結会計年度中の振替額(税引後)はそれぞれ、35,532百万円(利益)及び35,836百万円(利益)であります。
事業戦略の見直し等により処分したFVTOCIのその他の投資は以下のとおりであります。
④ 営業債務
営業債務の帳簿価額の内訳は以下のとおりであります。
営業債務は償却原価にて測定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における営業債務の公正価値は帳簿価額に近似しております。
営業債務の契約満期別の内訳は以下のとおりであります。
当社及び連結子会社は、仕入先の一部とサプライヤー・ファイナンス契約を締結しています。
当該契約は、サプライヤー向けの債務金額について、取引金融機関がサプライヤーに支払うことに同意し、後日、当社が取引金融機関へ債務金額を返済する、又はサプライヤーが早期支払を受けることができます。なお、サプライヤー・ファイナンス契約にあたって、当社及び連結子会社は取引金融機関に担保・保証の提供は一切行っておりません。サプライヤー・ファイナンス契約の対象となる債務の性質と機能はその他の営業債務と同じであることに変わりはないため、連結財政状態計算書上、営業債務又はその他の金融負債のなかにサプライヤー・ファイナンス契約の対象である金額を含めております。
サプライヤー・ファイナンス契約の一部である営業債務等の帳簿価額及びそのうち仕入先が支払を受けている金額は以下のとおりであります。
当連結会計年度において、上記の帳簿価額に重要な非資金変動はありません。
サプライヤー・ファイナンス契約の一部である営業債務等及び同等の営業債務等における支払期日の範囲は以下のとおりであります。
⑤ 社債及び借入金
社債及び借入金の帳簿価額の内訳は以下のとおりであります。
社債及び借入金は償却原価にて測定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における社債及び借入金の公正価値は帳簿価額に近似しており、レベル3に区分しております。
社債及び借入金の契約満期別の内訳は以下のとおりであります。
社債及び借入金の内訳は以下のとおりであります。
(注)利率、最終償還期限及び最終返済期限は当連結会計年度末のものを表示しております。
ハイブリッド社債(劣後特約付)
無担保円建社債のうち75,000百万円は、2021年3月4日に発行した利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)であり、2026年3月4日をもって期限前償還しております。
この結果、当連結会計年度末において、当該ハイブリッド社債の残高はありません。
ハイブリッドローン(劣後特約付)
2026年1月19日付で総借入額100,000百万円の劣後特約付ローンにかかる契約を締結し、2026年3月4日に100,000百万円全額実行しております。利率は固定利率(2036年3月の利払日以降0.25%、2051年3月の利払日以降、更に0.75%のステップアップが発生)となっております。最終返済期限は2061年となっておりますが、借入実行日から5年後の応当日以降の各利払日、又は税制事由若しくは資本性変更事由が生じ、かつ継続している場合に、当社の裁量により期限前返済が可能となっております。
ハイブリッドローン(コミット型劣後特約付)
2021年3月31日付で総借入限度額25,000百万円のコミット型劣後特約付ローンにかかる契約を締結し、2021年8月16日に25,000百万円全額実行しております。利率は変動利率(2031年8月の利払日以降に0.25%、2046年8月の利払日以降、更に0.75%のステップアップが発生)となっております。最終返済期限は2081年となっておりますが、借入実行日から5年後の応当日以降の各利払日、又は税制事由若しくは資本性変更事由が生じ、かつ継続している場合に、当社の裁量により期限前返済が可能となっております。
⑥ 金融損益
金融損益の内訳は以下のとおりであります。
支払利息のその他には主にデリバティブに係る損益が含まれております。
有価証券損益のその他には主に子会社の支配喪失に伴う損益、関連会社及びジョイント・ベンチャーの売却に係る損益、関連会社及びジョイント・ベンチャーの減損損失が含まれております。子会社の支配喪失に伴う損益は前連結会計年度において12,142百万円(利益)であり、当連結会計年度において89,277百万円(利益)であります。
当社は、第一生命ホールディングス株式会社(現、株式会社第一ライフグループ)と、2025年2月28日付で「国内不動産事業の統合に関する事業統合契約」及び「株主間契約」を締結し、2025年7月1日付で両社の国内不動産事業統合(以下、「本事業統合」という。)を完了しました。
本事業統合に伴い、当社の連結子会社であった丸紅都市開発は、当社の国内不動産開発・所有賃貸事業及び当社の連結子会社3社の株式を承継したうえで、第一生命ホールディングス株式会社の子会社3社の株式を取得し、その対価として丸紅都市開発の株式の50%を第一生命ホールディングス株式会社に交付することで、当社と第一生命ホールディングス株式会社がそれぞれ50%ずつ出資する持株会社「第一ライフ丸紅リアルエステート」(以下、「DMRE」という。)となりました。
本事業統合の結果、当社は丸紅都市開発、当社の国内不動産開発・所有賃貸事業及び連結子会社3社(以下、「子会社等」という。)に対する支配を喪失したため、当連結会計年度において子会社等の支配喪失に伴う公正価値評価益76,455百万円を認識しております。
当社は、DMREに対する投資の公正価値を、将来キャッシュ・フローの割引現在価値にて算定した事業価値を基礎として測定しております。将来キャッシュ・フローは、当連結会計年度を含む今後5年間のDMREの事業計画を基礎とし、その後の期間については、インフレ率の水準等を考慮した成長率を使用して見積っております。また、割引率には、主に貨幣の時間価値及び各事業特有のリスクに関連する現在の市場の評価を反映しております。なお、DMREの事業計画を基礎とする将来キャッシュ・フローは、アセットマネジメント事業、不動産開発・所有賃貸事業、及びプロパティマネジメント事業により構成されています。
また、当連結会計年度において、関連会社及びジョイント・ベンチャーの売却に係る損益に、北米貨車リース事業に係る関連会社株式の売却益13,869百万円が含まれております。
⑦ 公正価値の測定
当社及び連結子会社は、特定の資産及び負債を公正価値で測定しております。公正価値の測定のために使われるインプットは、市場における観察可能性に応じて以下の3つのレベルに区分されております。
レベル1:測定日において当社及び連結子会社がアクセス可能な、同一の資産又は負債に関する活発な市場に
おける(無調整の)相場価格
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外の、直接又は間接的に観察可能な、資産又は負債に関するインプ
ット
レベル3:資産又は負債に関する観察不能なインプット
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在において、当社及び連結子会社が経常的に公正価値で測定している資産及び負債は以下のとおりであります。
前連結会計年度末
当連結会計年度末
レベル1に区分されているその他の投資は、主に活発な市場のある資本性証券であり、デリバティブ取引は商品に係るデリバティブ取引であります。これらは活発な市場における無調整の相場価格によって評価しております。
レベル2に区分されている営業債権及び貸付金は将来の市場価格で決済される営業債権であり、その他の投資は主に活発な市場のある金融商品に投資する非上場の投資信託であり、デリバティブ取引は主に金利スワップ、為替予約及び商品に係るデリバティブ取引であります。これらはレベル1には属さない、活発ではない市場における同一資産の相場価格、活発な市場における類似資産又は類似負債、若しくは取引金融機関から提示された基準価額等に基づき評価され、商品取引所の相場価格、外国為替相場及び金利等の観察可能なインプットを使用して、主にマーケットアプローチで評価しております。
レベル3に区分されたその他の投資は主に活発な市場のない資本性証券であり、デリバティブ取引は主に商品に係るデリバティブ取引であります。これらは、活発な市場における類似資産又は類似負債がない、又は極端な流動性の低下等により相場価格が歪められている等の理由で観察可能なインプットが使用できないため、合理的に入手可能なインプットや多くの市場参加者が合理的だとして採用しているインプット等によって、主にインカムアプローチで評価しております。
経常的に公正価値で評価される資産及び負債のうち、レベル3に区分された投資の公正価値の測定に関する重要な観察不能なインプットは割引率であります。公正価値は割引率の上昇(低下)により減少(増加)することとなります。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、当社及び連結子会社が公正価値の測定に使用している加重平均割引率は、12.0%及び11.2%となっております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社及び連結子会社が経常的に公正価値で測定しているレベル3の資産及び負債の増減は以下のとおりであります。
前連結会計年度
当連結会計年度
連結包括利益計算書上、上記の資産及び負債に係る損益について、その他の投資に係る損益は主に「有価証券損益」に、その他の金融資産に係る損益は主に「サービスに係る手数料等」に、デリバティブ取引に係る損益は主に「商品の販売等に係る原価」又は「その他の収益」、「その他の費用」に含まれております。
上記のその他の包括利益は連結包括利益計算書上の「その他の包括利益にて公正価値測定される金融資産の評価差額」であります。また、上記のその他は主に連結包括利益計算書上の「在外営業活動体の換算差額」であります。
レベル3に区分されている資産、負債については当社で定めた公正価値測定の評価方針及び手続に従い、担当部署が、対象資産、負債の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。また、必要に応じて適切な第三者評価機関から鑑定評価等を入手しております。公正価値測定の結果は、担当部署から独立したコーポレートスタッフグループがレビューしております。
レベル3に区分されている資産のうち、「純損益を通じて公正価値測定されたその他の投資」及び「その他の包括利益を通じて公正価値測定されたその他の投資」の評価に使用されているインプットを代替的な仮定に変更した場合、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においては、著しい公正価値の変動はありません。
(4)金融資産及び金融負債の相殺
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺された金融商品及び強制可能なマスターネッティング契約又は類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部又は全部を満たさないため相殺していない金融商品の内訳は以下のとおりであります。
金融資産と金融負債の相殺の要件の一部又は全部を満たさないため相殺していない金融商品に関する相殺の権利は通常、倒産その他の事由により取引先が債務を履行できなくなる等の特定の状況が発生した場合にのみ強制力が生じるものであります。
(5)デリバティブ取引及びヘッジ活動
公正価値ヘッジ
当社及び一部の連結子会社は、公正価値ヘッジとして主に棚卸資産及び商品売買の確定契約に係る公正価値の変動リスクをヘッジするための商品先物・先渡、及び固定利付負債に係る固定金利を変動化するための金利スワップを指定しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益として認識した金額に重要性はありません。また、ヘッジ会計の中止による影響金額及び確定契約がヘッジ対象として不適格となったことにより純損益として認識した金額に重要性はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社及び一部の連結子会社は、キャッシュ・フロー・ヘッジとして主に外貨建債権・債務、外貨建確定契約及び外貨建予定取引のキャッシュ・フローを固定化するための為替予約、変動利付負債に係る変動金利を固定化するための金利スワップ、及び商品売買の予定取引に係るキャッシュ・フローを固定化するための商品先物・先渡を指定しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益として認識した金額に重要性はありません。また、ヘッジ会計の中止による影響金額及び予定取引の発生が見込まれなくなったために、キャッシュ・フロー・ヘッジの評価差額から純損益に再分類した金額に重要性はありません。
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社及び一部の連結子会社は、在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジするため、主に外貨建ての社債及び借入金、為替予約を利用しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益として認識した金額に重要性はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における、当社及び一部の連結子会社の、ヘッジ会計を適用しているヘッジ手段に係るヘッジ種類別の帳簿価額は以下のとおりであります。
(注)1. 「その他の金融資産」、「その他の非流動金融資産」、「社債及び借入金」、「その他の金融負債」及び「その他の非流動金融負債」
2. 「現金及び現金同等物」、「その他の金融資産」、「その他の非流動金融資産」、「営業債務」、「その他の金融負債」及び「その他の非流動金融負債」
3. 「その他の金融資産」、「社債及び借入金」及び「その他の金融負債」
上記以外に、ヘッジ会計を適用していないデリバティブ資産及びデリバティブ負債の公正価値は、前連結会計年度末、当連結会計年度末においてそれぞれ、174,132百万円及び108,905百万円、358,521百万円及び283,606百万円であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、主なヘッジ手段の想定元本及び平均価格は以下のとおりであります。
前連結会計年度末
公正価値ヘッジにおける固定金利を変動化する金利スワップの主な条件は、固定受取金利が△0.1%~1.7%に対して、変動支払金利がTONA複利(後決め)となっております。
当連結会計年度末
公正価値ヘッジにおける固定金利を変動化する金利スワップの主な条件は、固定受取金利が△0.1%~1.9%に対して、変動支払金利がTONA複利(後決め)となっております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、当社及び一部の連結子会社の、公正価値ヘッジに分類されるヘッジ対象の帳簿価額及び公正価値ヘッジ調整の累計額は以下のとおりであります。
前連結会計年度末
当連結会計年度末
(注)1. 「社債及び借入金」
2. 「その他の投資」
3. 「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」
前連結会計年度及び当連結会計年度における、当社及び一部の連結子会社の、キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジについて、連結包括利益計算書上、その他の包括利益に計上された金額(税効果考慮前)は以下のとおりであります。
前連結会計年度
当連結会計年度
前連結会計年度及び当連結会計年度における、純額ポジションのヘッジについて、連結包括利益計算書上、個別の科目に認識したヘッジ損益に重要性はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度における、キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジについて、連結財政状態計算書上、その他の資本の構成要素に計上された金額の増減の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度
当連結会計年度
当期利益への組替修正額の主な内容は、ヘッジ対象が純損益に影響を与えたことによる組替修正であります。
ヘッジ手段のオプションの時間的価値及びヘッジ手段に含まれる先渡要素、外貨ベーシス・スプレッドを除いてヘッジ指定をしている場合における、これらのヘッジ手段から除いた金額に重要性はありません。
連結財政状態計算書上、「その他の金融資産」及び「その他の非流動金融資産」に含まれるデリバティブ資産は、前連結会計年度末、当連結会計年度末においてそれぞれ、127,975百万円及び61,027百万円、355,098百万円及び91,976百万円であります。
なお、「その他の金融資産」及び「その他の非流動金融資産」に含まれる非デリバティブ資産には、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、FVTPLの負債性金融資産がそれぞれ23,708百万円及び34,240百万円含まれております。
連結財政状態計算書上、「その他の金融負債」及び「その他の非流動金融負債」に含まれるデリバティブ負債は、前連結会計年度末、当連結会計年度末においてそれぞれ、86,836百万円及び60,483百万円、312,759百万円及び125,854百万円であります。
22 差入担保資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、以下の資産を借入契約等の担保として供しております。
当社及び連結子会社は、標準的な借入契約等において通常の慣習的な条件に基づき担保を差入れております。
上記のほか、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、支払手形に含まれる引受輸入手形には、輸入担保荷物保管証が差入れられております。
輸入担保荷物保管証の標準的な約款では、輸入担保荷物の売却代金を引受輸入手形の未決済残高に充当するために、銀行に払込むこととなっております。しかし、当社及び連結子会社は手形期日に引受輸入手形の決済を実行しております。当社及び連結子会社の取引量が膨大であることから、輸入担保荷物保管証の対象となっている棚卸資産及び売却代金の総額を確定することは実務的ではありません。
23 ストラクチャード・エンティティ
当社及び一部の連結子会社は、ストラクチャード・エンティティに対して投資又は融資等により関与しております。そのうち、連結していないストラクチャード・エンティティは融資、ファンド事業及びリース事業等を目的としており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における総資産額はそれぞれ、381,760百万円及び421,140百万円であります。当該ストラクチャード・エンティティは、主として銀行借入により資金調達を行っております。
連結していないストラクチャード・エンティティに対する関与に関連して、連結財政状態計算書上に認識した資産・負債の帳簿価額及び最大エクスポージャーは以下のとおりであります。
資産帳簿価額の主な内訳は「有形固定資産」であり、負債帳簿価額の主な内訳は「その他の非流動金融負債」であります。資産帳簿価額及び負債帳簿価額の合計と最大エクスポージャーとの差異は、主にリース契約であります。
なお、最大エクスポージャーはストラクチャード・エンティティが保有する資産の価値の下落及びリース契約から発生する可能性のある損失の最大の金額であり、ストラクチャード・エンティティに関与することにより見込まれる損失の金額を意味するものではありません。
24 連結子会社
連結財務諸表には、以下の表に挙げられる連結子会社の財務諸表が含まれております。
(注)1.上記以外に、283社の連結子会社の財務諸表が含まれております。
2. *1の丸紅ファッションリンクと丸紅コンシューマーブランズは、2026年4月、丸紅ファッションリンクを存続会社とする合併を行い、丸紅コンシューマーリンクに商号変更しております。
3. *2の丸紅ケミックスと丸紅プラックスは、2026年4月、丸紅ケミックスを存続会社とする合併を行い、丸紅イノベクシスに商号変更しております。
4. *3のMarubeni Consumer Platform Asiaは、所在国で登録済みの名称であり、登記上の社名は、Marubeni Growth Capital Asiaであります。
5. *4のMarubeni Consumer Platform U.S.は、所在国で登録済みの名称であり、登記上の社名は、MGCU Holdingsであります。
25 約定及び偶発負債
当社及び一部の連結子会社は、エネルギー・化学品関連、電力・インフラサービス関連、金属関連等の様々な商品に関して固定価格又は変動価格による長期購入契約を締結しております。これらの購入契約に対し、見合いとなる販売契約を締結しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における長期購入契約の残高はそれぞれ、約1,551,000百万円及び約1,701,000百万円であります。
また、当社及び一部の連結子会社の前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における未履行投融資残高はそれぞれ、約351,000百万円及び約249,000百万円であり、そのうち有形固定資産及び無形資産に関する資本的支出の金額はそれぞれ、約23,000百万円及び約16,000百万円、ジョイント・ベンチャーに関するコミットメントの金額はそれぞれ、約101,000百万円及び約90,000百万円であります。
当社及び一部の連結子会社は、通常の事業の一環として関連会社及び一般取引先(以下「被保証者」という。)の負っている義務に対し、様々な保証を行っておりますが、主たる保証は、被保証者の外部借入金等に対する返済を第三者に対し保証するものであります。被保証者が義務の履行を怠った場合、当社及び一部の連結子会社は当該保証契約に従い、債務を履行する義務が発生することとなります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における保証総額は、それぞれ368,802百万円及び376,192百万円であり、このうち関連会社及びジョイント・ベンチャーに係る金額は、それぞれ332,211百万円及び350,736百万円であります。当該保証総額(要求払い保証総額)は、履行可能性の程度にかかわらず、保証を履行すべき事象が発生した際に要求される契約上の想定しうる将来最大支払額を表示しております。
したがって、当該保証総額は通常、保証に基づく偶発損失とは関係なく、これを大幅に上回るものであります。また、これらの保証契約のなかには、当社及び一部の連結子会社が第三者による再保証を受けているものもあります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における、第三者による再保証の金額は、それぞれ10,172百万円及び7,654百万円であり、このうち関連会社及びジョイント・ベンチャーに係る金額は、それぞれ10,172百万円及び7,654百万円であります。
また、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在における実保証額は、それぞれ217,222百万円及び245,810百万円であります。実保証額は、将来最大支払額の範囲内で被保証先が認識した債務額に基づく金額であり、第三者が当社及び連結子会社に対して差入れた再保証がある場合等に、これらを控除した実質的リスク負担額を表示しております。
当社では、保証を差入れるにあたり、被保証者について、財務諸表等の情報に基づき事前審査を行ったうえで、その信用力に応じた信用度ランクを付与し、適正な信用限度の設定や必要な保全措置を講じることにより、保証履行リスクの管理を実施しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在において、連結財務諸表に対して重大な影響を及ぼす保証の履行を行う可能性は僅かと見込んでおり、12ヵ月の予想信用損失に等しい金額で測定された引当金を認識しております。
<Sugar Groupとの訴訟>
当社は、2011年3月17日付でインドネシア最高裁判所(以下「最高裁」という。)において当社が勝訴した訴訟(以下「旧訴訟(※)」という。)と同一の請求内容である、損害賠償請求等を求める南ジャカルタ訴訟及びグヌンスギ訴訟(併せて以下「現訴訟」という。)について、第一審及び第二審での一部敗訴を受け最高裁に上告しておりましたが、南ジャカルタ訴訟については2017年5月17日に、グヌンスギ訴訟については2017年9月14日に、それぞれ最高裁判決を受領しました。
(※)当社がインドネシアの企業グループであるSugar Groupに属する企業であるPT. Indolampung Perkasa及びPT. Sweet Indolampungに対して債権を保有し、支払の督促を行っていたところ、当該債務者2社を含むSugar Groupに属する企業(PT. Indolampung Perkasa、PT. Sweet Indolampung、PT. Gula Putih Mataram、PT. Indolampung Distillery及びPT. Garuda Pancaarta)が債権者である当社を被告に含めて当社債権・担保の無効確認及び損害賠償の請求を行ったもの。
南ジャカルタ訴訟の最高裁判決内容の要旨は以下のとおりであります。
被告6名のうち当社及び丸紅欧州会社を含む被告4名が連帯して原告5社(Sugar Groupに属する企業であるPT. Indolampung Perkasa、PT. Sweet Indolampung、PT. Gula Putih Mataram、PT. Indolampung Distillery及びPT. Garuda Pancaarta)に対して合計2億5千万米ドルの損害賠償金を支払うことを命じるもの。
グヌンスギ訴訟の最高裁判決内容の要旨は以下のとおりであります。
被告7名のうち当社を含む被告5名が連帯して原告4社(Sugar Groupに属する企業であるPT. Indolampung Perkasa、PT. Sweet Indolampung、PT. Gula Putih Mataram及びPT. Indolampung Distillery)に対して合計2億5千万米ドルの損害賠償金を支払うことを命じるもの。
現訴訟は、旧訴訟と同一内容の請求に関して、Sugar Groupに属する企業が再び当社らを提訴したものであり、上記の判決内容は、Sugar Groupに属する企業の主張を棄却した旧訴訟での最高裁自身の判決と矛盾するものであると考えられます。そのため、当社は、インドネシア最高裁判所法に基づき、南ジャカルタ訴訟については2017年10月24日に、またグヌンスギ訴訟については2018年2月6日に、それぞれ最高裁に対して司法審査(再審理)を申し立てました。
このうち、南ジャカルタ訴訟について、当社は最高裁再審理決定の決定書を、2020年12月30日に受領しております。当該決定書には、2020年8月24日付で当社の司法審査(再審理)請求を認容し、当社が2017年5月17日に受領した当社敗訴の南ジャカルタ訴訟最高裁判決を取り消したうえで、原告であるSugar Groupに属する企業の請求を全て棄却する旨が記載されております。
他方、グヌンスギ訴訟について、当社は、2018年10月8日付で当社の司法審査(再審理)申立を不受理とする旨の最高裁再審理決定の決定書を、2020年2月3日にグヌンスギ地方裁判所(以下「グヌンスギ地裁」という。)より受領しております。前述のとおり、当社は2017年9月14日に最高裁判決を受領し、同受領日から180日以内という司法審査(再審理)申立期限内である2018年2月6日に司法審査(再審理)を申し立てましたが、最高裁再審理決定では、当社の最高裁判決受領日は2016年12月8日と認定され、2018年2月6日の司法審査(再審理)申立は申立期限経過後になされたため不受理とされております。
しかしながら、当社の最高裁判決受領日が2017年9月14日であることは当社が受領した判決通知書から明らかである一方、最高裁が当社の最高裁判決受領日を2016年12月8日と認定するために採用した証拠は最高裁再審理決定では明示されておらず、当該決定は明らかな事実誤認に基づく不当なものであると考えられます。
当社は、最高裁再審理決定の内容を分析し、インドネシア最高裁判所法に基づく司法審査(再審理)制度の下で最高裁再審理決定に対する当社の取りうる法的な手段等を検討した結果、最高裁再審理決定と旧訴訟最高裁判決間に矛盾があることを理由に、2020年5月18日、最高裁に対して2回目の司法審査(再審理)を申し立てました。ところが、申立書類の提出先であるグヌンスギ地裁は2020年5月20日付で、最高裁再審理決定と旧訴訟最高裁判決間の矛盾の不存在を理由に当社の申立を受理せず申立書類を最高裁に回付しないことを決定しました。インドネシア最高裁判所法等関連法令上、かかる判断は司法審査(再審理)の実施機関である最高裁の職責に属する事項であるとされており、グヌンスギ地裁の決定が不当であることは明らかであること、また、前述のとおり当社が勝訴した南ジャカルタ訴訟司法審査(再審理)の結果を踏まえて、当社は最高裁に対して、改めてグヌンスギ訴訟に関する2回目の司法審査(再審理)を2021年5月31日付で申し立て、グヌンスギ地裁に受理されました。しかしながら、2022年7月28日付で当社の2回目の司法審査(再審理)申立を不受理とする旨の最高裁再審理決定の決定書を、当社は2024年1月30日に受領しました。当社は、1回目のグヌンスギ訴訟の司法審査(再審理)の不受理決定と、当社が勝訴した南ジャカルタ訴訟の司法審査(再審理)の決定との間に矛盾があることを理由に、2回目の司法審査(再審理)を申し立てておりましたが、前者については不受理という手続的判断であり、実体審理のうえで判断がなされた後者とは矛盾があるとは評価できないと判断され、司法審査(再審理)の要件を満たさないため不受理とされております。
1回目のグヌンスギ訴訟の司法審査(再審理)の不受理決定により維持されるグヌンスギ訴訟の最高裁判決と、当社の主張が認容され勝訴した南ジャカルタ訴訟での司法審査(再審理)の決定の間には、当社の債権・担保の有効性に関する判断において矛盾があるにもかかわらず、当社の申し立てが認められず、実体審理が正当になされないまま不受理とされた当該決定は不当なものであると考えられます。
当連結財務諸表承認日現在においては、今回の不受理決定の内容の不当性を踏まえた対応策を講ずる方針であり、グヌンスギ訴訟の最高裁判決が無効になる可能性が高いと判断するこれまでの当社の立場に変更はなく、当連結会計年度末現在において、グヌンスギ訴訟に対する訴訟損失引当金は認識しておりません。
また、旧訴訟において、Sugar Groupに属する企業であるPT. Indolampung Perkasa及びPT. Sweet Indolampungに対する当社の債権及びそれに関わる担保は有効であることが確認されておりますところ、Sugar Groupに属する企業であるPT. Indolampung Perkasa、PT. Sweet Indolampung、PT. Gula Putih Mataram、PT. Indolampung Distillery及びPT. Garuda Pancaarta(以下、本段落において「Sugar Group被告企業」という。)はその有効性を否認したため、当社は、2017年4月26日、インドネシア・中央ジャカルタ地方裁判所において、Sugar Group被告企業に対して、Sugar Group被告企業の不法行為による当社の信用毀損等の損害約16億米ドルの支払を求める損害賠償請求訴訟(本訴)を提起しました。これに対して、Sugar Group被告企業は、当該訴訟の手続のなかで、当社による当該訴訟の提起が不法行為であると主張し、当社に対して合計77億5千万米ドルの支払を求める損害賠償請求訴訟(反訴)を2019年4月30日に提起しました。第一審及び第二審にて本訴請求及び反訴請求いずれも棄却されたことを受け、当社は、2021年11月19日付で本訴につき最高裁に上告していたところ、本訴及び反訴について、当社の本訴請求につき一部認容するとともに、Sugar Group被告企業の反訴請求を全て棄却する内容の最高裁判決を2022年11月8日付で受領しました。Sugar Group被告企業は当該最高裁判決を不服とし、当該最高裁判決の取消及び反訴と同様の請求内容の司法審査(再審理)の申立を2023年3月24日に行い、当社は当該再審理申立書面を2023年12月11日付で受領していたところ、今般、Sugar Groupによる司法審査(再審理)が認容された決定書(以下「本決定書」という。)を2026年1月19日付で当社が受領しました。本決定書によれば、最高裁は、司法審査(再審理)の結果、当社が2022年11月8日に受領した最高裁判決を取り消すことを決定した旨記載されております。また、Sugar Groupによる司法審査(再審理)における再度の反訴請求は棄却されております。
本決定書の内容は、当社が過去に勝訴した旧訴訟及び南ジャカルタ訴訟における最高裁の決定内容と矛盾する内容と考えられます。当社は、本決定書の内容を更に詳細に分析し、当該内容を踏まえて当社の取りうる法的な手段等を検討し適切な対応策を講ずる所存です。
当社グループは、全世界的な規模で営業活動を行っており、日本及びそれ以外の地域の諸監督機関の指導監督の下に活動しております。このような営業活動は、リスクを伴うこともあり、時として提訴されたり、クレーム等を受けることもあります。当連結会計年度末現在においても種々の未解決の事項がありますが、上記を除き、将来、当社の連結財務諸表に重要な影響を与えるおそれのあるものはないと考えております。
26 後発事象
当社は、2026年2月4日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式を取得することについて決議しております。これに加え、2026年5月1日開催の取締役会において、自己株式の取得枠の増額及び取得期間の延長を以下のとおり決議いたしました。
① 変更の理由
機動的な資本政策の遂行及び株主還元の更なる拡充を図るため
② 取得に係る事項の変更内容
27 連結財務諸表の承認
2026年6月12日に、連結財務諸表は当社代表取締役 社長 大本晶之及び最高財務責任者 田島知浄により承認されております。
(2)【その他】
① 当連結会計年度における半期情報等
② 訴訟
当社は、2011年3月17日付でインドネシア最高裁判所(以下「最高裁」という。)において当社が勝訴した訴訟(以下「旧訴訟」という。)と請求内容が同一であるものの別途提起された南ジャカルタ訴訟及びグヌンスギ訴訟につき、第一審及び第二審での一部敗訴を受け最高裁に上告しておりましたが、南ジャカルタ訴訟については2017年5月17日に、グヌンスギ訴訟については2017年9月14日に、それぞれ当社の上告が棄却されました。これを受けて、当社は、インドネシア最高裁判所法に基づき、南ジャカルタ訴訟については2017年10月24日に、グヌンスギ訴訟については2018年2月6日に、それぞれ最高裁に対して司法審査(再審理)を申し立てております。このうち、南ジャカルタ訴訟については、当社は最高裁再審理決定の決定書を、2020年12月30日に受領しております。当該決定書には、2020年8月24日付で当社の司法審査(再審理)請求を認容し、当社が2017年5月17日に受領した当社敗訴の南ジャカルタ訴訟最高裁判決を取り消したうえで、原告であるSugar Groupに属する企業の請求を全て棄却する旨が記載されております。他方、グヌンスギ訴訟について、当社は、2018年10月8日付で当社の司法審査(再審理)申立を不受理とする旨の最高裁再審理決定の決定書を、2020年2月3日に受領しております。当社は、2020年5月18日、最高裁に対して2回目の司法審査(再審理)を申し立てましたが、申立書類の提出先であるグヌンスギ地方裁判所(以下「グヌンスギ地裁」という。)は2020年5月20日付で、最高裁再審理決定と旧訴訟最高裁判決間の矛盾の不存在を理由に当社の申立を受理せず申立書類を最高裁に回付しないことを決定しました。当社は、当社が勝訴した南ジャカルタ訴訟司法審査(再審理)の結果を踏まえて、最高裁に対して、改めてグヌンスギ訴訟に関する2回目の司法審査(再審理)を2021年5月31日付で申し立て、グヌンスギ地裁に受理されましたが、2022年7月28日付で当社の2回目の司法審査(再審理)申立を不受理とする旨の最高裁再審理決定の決定書を、2024年1月30日に受領しております。当社は、1回目のグヌンスギ訴訟の司法審査(再審理)の不受理決定と、当社が勝訴した南ジャカルタ訴訟の司法審査(再審理)の決定との間に矛盾があることを理由に、2回目の司法審査(再審理)を申し立てておりましたが、前者については不受理という手続的判断であり、実体審理のうえで判断がなされた後者とは矛盾があるとは評価できないと判断され、司法審査(再審理)の要件を満たさないため不受理とされております。
また、これらの訴訟に加えて、当社がSugar Groupに属する企業(以下、本段落において「Sugar Group被告企業」という。)を被告として提起した訴訟(本訴)の手続のなかで、2019年4月30日にSugar Group被告企業から訴訟(反訴)を提起されておりました。第一審及び第二審にて本訴請求及び反訴請求いずれも棄却されたことを受け、当社は、2021年11月19日付で本訴につき最高裁に上告していたところ、本訴及び反訴について、当社の本訴請求につき一部認容(請求額合計約16億米ドルに対し約1.6億米ドル相当の請求が認容)するとともに、Sugar Group被告企業の反訴請求を全て棄却する内容の最高裁判決を2022年11月8日付で受領しました。Sugar Group被告企業は当該最高裁判決を不服とし、当該最高裁判決の取消及び反訴と同様の請求内容の司法審査(再審理)の申立を2023年3月24日に行い、当社は当該再審理申立書面を2023年12月11日付で受領していたところ、今般、Sugar Groupによる司法審査(再審理)が認容された決定書(以下「本決定書」という。)を2026年1月19日付で当社が受領しました。本決定書によれば、最高裁は、司法審査(再審理)の結果、当社が2022年11月8日に受領した最高裁判決を取り消すことを決定した旨記載されております。また、Sugar Groupによる司法審査(再審理)における再度の反訴請求は棄却されております。
詳細については、「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記25 約定及び偶発負債」に記載のとおりであります。
2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 棚卸資産の評価基準及び評価方法
(1)通常の販売目的で保有する棚卸資産
主に移動平均法ないし個別法による原価法によっております。(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
(2)トレーディング目的で保有する棚卸資産
時価法によっております。
2 棚卸資産以外の資産の評価基準及び評価方法
(1)有価証券
① 売買目的有価証券
時価法(売却原価は移動平均法により算定)によっております。
② 満期保有目的債券
償却原価法によっております。
③ 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法によっております。
④ その他有価証券
(市場価格のない株式等以外のもの)
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)によっております。
(市場価格のない株式等)
移動平均法による原価法によっております。
(2)デリバティブ
時価法によっております。
3 固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産
① リース資産以外の有形固定資産
定額法によっております。
② リース資産
(所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産)
自己所有の有形固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法によっております。
(所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産)
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっております。
(2)無形固定資産
① リース資産以外の無形固定資産
定額法によっております。なお、自社利用のソフトウエアについては、利用可能期間(主に5年)に基づく定額法によっております。
② リース資産
(所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産)
自己所有の無形固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法によっております。
(所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産)
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっております。
4 繰延資産の処理方法
(1)株式交付費
支出時に全額費用として処理しております。
(2)社債発行費
償還期限までの期間で均等償却しております。
5 引当金の計上基準
(1)貸倒引当金
一般債権は貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権は、個別に回収可能性を検討し、貸倒見積額を計上しております。
(2)投資損失引当金
子会社株式等の実質価額が低下している場合、回復可能性を勘案のうえ、必要と認められる額を計上しております。
(3)工事損失引当金
受注工事に係る将来の損失発生に備えるため、当事業年度末の未引渡工事について、翌事業年度以降の損失発生見積額を計上しております。
(4)退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、当事業年度末において発生していると認められる額を計上しております。退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主に14.7年)による定額法により按分した額を発生の翌事業年度から費用処理しております。
なお、退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用を加減した退職給付債務と年金資産の差額を、退職給付引当金又は前払年金費用(投資その他の資産)として貸借対照表に計上しております。
(5)債務保証損失引当金
子会社等に対する債務保証等の偶発債務による損失に備えるため、被保証先の財務状態等を勘案のうえ、必要と認められる額を計上しております。
6 ヘッジ会計の方法
(1)ヘッジ会計の方法
主に、繰延ヘッジ処理を適用しております。また、金利スワップについては、特例処理の要件を満たす場合は特例処理を適用しております。なお、為替予約等のうち、外貨建金銭債権債務に付しているものについては振当処理を適用しております。
(2)ヘッジ対象とヘッジ手段
主に為替変動、金利変動、価格変動等の市場リスクを、為替予約取引、金利スワップ、商品先物取引等により個別又は包括にヘッジしております。
(3)ヘッジ方針
取引部課の所属する営業部門ごとにリスク管理方針を作成し、為替、金利、商品等のリスクを必要に応じてヘッジしております。
(4)ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ対象及びヘッジ手段に応じて、比率分析等により、ヘッジ取引の事前、事後に有効性の評価を行っております。
7 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1)大型不動産開発事業に係る支払利息の取得原価への算入
大型不動産開発事業(総事業費が50億円を超え、開発期間が2年を超える事業)に係る正常な開発期間中の支払利息は取得原価に算入しております。
(貸借対照表関係)
1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
2 ※1のうち、担保に供している資産
(注)担保に供している資産は、関係会社の借入金等に係るものであります。
3 ※2 固定化営業債権
財務諸表等規則第32条第1項第10号の債権であります。
4 偶発債務
(1)保証債務
以下の会社の銀行借入等に対して、保証を行っております。
その他には重複による消去を含めております。上記には、取引先の仕入債務等に係る支払保証を含めております。
複数の保証人がいる連帯保証及び他社が再保証している債務保証については、当社の負担額を記載しております。
(2)訴訟等
訴訟等については、「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記25 約定及び偶発負債」に記載のとおりであります。
5 手形割引高
(損益計算書関係)
1 関係会社との取引高
(注)損益計算書の「収益」及び「商品の販売等に係る原価」は、一部の取引高を純額表示しております。
2 ※1 米国石油・ガス開発関連事業の財政状態の悪化に伴い、「関係会社株式評価損」として6,621百万円の特別損失
を計上しております。
3 ※2 「投資有価証券売却益」は、主として政策保有株式を売却したことによるものです。
4 ※3 北米貨車リース事業の売却に伴い、17,845百万円の特別利益を「関係会社株式売却益」に計上しております。
5 ※4 「関係会社事業損失引当金戻入額」は、主に関係会社向け貸付金に対する貸倒引当金の戻入額です。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2025年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2026年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(注)当事業年度において「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 2018年2月16日)における企業分類変更に伴い、評価性引当額が増加しております。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異がある時の、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社はグループ通算制度を適用していることから、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示については、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従っております。
(収益認識関係)
収益を理解するための基礎となる情報については、以下に記載の主な財又はサービスの内容及び履行義務の充足時点を除き、「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記15 収益」に記載の内容と同一であります。
当社はオペレーティング・セグメントごとに様々な事業を行っておりますが、主な財又はサービスの内容については、食料・アグリ部門における穀物の販売等、金属部門における軽金属の販売等、エネルギー・化学品部門における石油化学品、石油製品、LNG等の販売及びトレーディング等であり、これらは主に契約上の受渡条件が履行された時及び役務提供完了時を履行義務の充足時点として収益を認識しております。
(重要な後発事象)
重要な後発事象については、「1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記26 後発事象」に記載のとおりであります。
④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注)1.「当期首残高」及び「当期末残高」については、取得価額により記載しております。
【引当金明細表】
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3)【その他】
訴訟
「1 連結財務諸表等(2)その他 ② 訴訟」に記載のとおりであります。
第6【提出会社の株式事務の概要】
(注)当社の電子公告は、当社インターネットウェブサイトの以下のアドレスに掲載しております。
ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、日本経済新聞に掲載して公告を行います。
(https://www.marubeni.com/jp/koukoku.html)
第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、以下の書類を提出しております。
(1)有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度(第101期)(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)2025年6月17日関東財務局長に提出
(2)内部統制報告書及びその添付書類
2025年6月17日関東財務局長に提出
(3)半期報告書及び確認書
(第102期中)(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日)2025年11月10日関東財務局長に提出
(4)臨時報告書
「企業内容等の開示に関する内閣府令」第19条第2項第2号の2(TSR連動型譲渡制限付株式制度に基づく基準ユニット付与)に基づく臨時報告書
2025年6月20日関東財務局長に提出
「企業内容等の開示に関する内閣府令」第19条第2項第2号の2(譲渡制限付株式報酬制度としての自己株式の処分)に基づく臨時報告書
2025年6月20日関東財務局長に提出
「企業内容等の開示に関する内閣府令」第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)に基づく臨時報告書
2025年6月23日関東財務局長に提出
「企業内容等の開示に関する内閣府令」第19条第2項第7号(吸収分割の決定)に基づく臨時報告書
2026年2月12日関東財務局長に提出
「企業内容等の開示に関する内閣府令」第19条第2項第4号(主要株主の異動)に基づく臨時報告書
2026年5月7日関東財務局長に提出
(5)臨時報告書の訂正報告書
2026年2月12日提出の臨時報告書(吸収分割の決定)に係る訂正報告書
2026年3月3日関東財務局長に提出
(6)有価証券届出書及びその添付書類
2025年8月1日関東財務局長に提出
(7)発行登録関係(普通社債)
① 発行登録書(普通社債)及びその添付書類
2025年8月1日関東財務局長に提出
② 訂正発行登録書
2026年2月12日関東財務局長に提出
2026年3月3日関東財務局長に提出
2026年5月7日関東財務局長に提出
③ 発行登録追補書類(普通社債)及びその添付書類
2025年10月24日関東財務局長に提出
(8)自己株券買付状況報告書
2025年7月9日関東財務局長に提出
2025年8月4日関東財務局長に提出
2025年9月12日関東財務局長に提出
2025年10月8日関東財務局長に提出
2025年11月7日関東財務局長に提出
2025年12月3日関東財務局長に提出
2026年1月8日関東財務局長に提出
2026年2月4日関東財務局長に提出
2026年3月6日関東財務局長に提出
2026年4月9日関東財務局長に提出
2026年5月12日関東財務局長に提出
2026年6月2日関東財務局長に提出
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。