(注) 上記のうち、九州支社(福岡)は、法定の縦覧場所ではありませんが、投資者の便宜を考慮して縦覧に供する場所としております。
第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 当社は、国際会計基準(以下、IFRS)に準拠して連結財務諸表を作成しております。
2 第156期よりIAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)を適用しております。これに伴い、第155期について 遡及適用後の数値を表示しております。
3 当社は、2026年5月1日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき
4株の割合で株式分割を行うことを決議しました。上記は株式分割前の株数を基準にしています。株式分割
の詳細については、注記35 後発事象をご参照ください。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 第158期の1株当たり配当額150円00銭のうち、期末配当額80円00銭については、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の決議事項になっております。
2 「1株当たり純資産額」、「1株当たり当期純利益」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」については、自己株式を控除した株式数により算出しております。
3 最高株価及び最低株価は東京証券取引所(プライム市場)におけるものであります。
4 当社は、2026年5月1日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき
4株の割合で株式分割を行うことを決議しました。上記は株式分割前の株数を基準にしています。株式分割
の詳細については、注記35 後発事象をご参照ください。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、長年培ってきた信用、国内外のグローバルネットワーク、あらゆる分野の取引先とのグローバルリレーション、知的資産といったビジネス基盤と、ビジネス創出力、ロジスティクス構築力、金融サービス提供力、IT活用力、リスク管理力、情報収集・分析力といった機能を統合することにより、顧客の多様なニーズに応え、多角的な事業活動をグローバル連結ベースで展開しております。
当社は戦略を軸とする「Strategic Business Unit」(SBU)を基本単位とし、戦略上の親和性の高いSBUを束ねる組織として9つのセグメント(グループ)に区分しております。当社の各グループ、及びその関係会社、各地域拠点が共同でそれぞれの事業を推進しております。
当社グループの事業セグメント毎の取扱商品又は事業の内容、及び主要な関係会社名は以下のとおりであります。
(注)1 (子)は連結子会社、(持)は持分法適用会社であります。
(注)2 当社は、2026年4月1日付で、全社組織傘下にあった「DX・ITグループ」を営業グループに変更し、「DX・
ITグループ」の名称を「デジタル・AIグループ」に変更しております。また、「メディア・デジタルグ
ループ」傘下にあったデジタルSBUを「デジタル・AIグループ」傘下の組織に移管しております。
(注)3 当社は、2026年4月1日付で、「メディア・デジタルグループ」の名称を「コミュニケーションサービスグ
ループ」に変更しております。
4 【関係会社の状況】
(1) 子会社
(注) 1 連結子会社が保有する子会社のうち、当該連結子会社にて連結処理されているもの (2026年3月31日現在346 社)については、上記会社数から除外しています。
2 議決権所有割合欄の( )内は、間接所有であり、内数表示しております。
3 役員の兼任等には出向者及び転籍者を含んでおります。
4 ヤサト興産は債務超過の状況にある会社であり、債務超過の額は24,103百万円であります。
また、上表記載会社以外では、Summit Southern Cross Power Holdings傘下のBluewaters Power 3 Holdingsが債務超過の状況にある会社であり、債務超過の額は15,332百万円であります。
5 Edgen Group、SMS Construction And Mining Systems、Sunstate Equipment Company、Highline Produce、SCAP C、Sumisho Coal Australia Holdings、SC Quebrada Blanca、Pacific Summit Energy、Agro Amazonia Produtos Agropecuarios、Summit Forests New Zealand、米州住友商事、欧州住友商事は特定子会社に該当します。また、上表記載会社以外では、EXグループのVan Phong Power Company Limited、資源グループのBunga Raya Aluminium、自動車グループのToyota Al Iraq Company For Trading and Services Of Vehiclesが特定子会社に該当します。
6 SCSKは、有価証券報告書提出会社であります。
7 上記はIFRSで要求される開示の一部であり、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 33 子会社」で上記を参照しております。
(2) 関連会社等
(注) 1 連結子会社が保有する持分法適用会社のうち、当該連結子会社にて持分法処理されているもの (2026年3月31日現在73社)については、上記会社数から除外しています。
2 議決権所有割合欄の( )内は、間接所有であり、内数表示しております。
3 役員の兼任等には出向者及び転籍者を含んでおります。
4 Dynatec Madagascar及びAmbatovy Minerals、Shuweihat Asia Power Investmentの議決権所有割合は100分の50超でありますが、共同支配企業であるため、関連会社としております。
5 マミーマートホールディングス及びウェルネオシュガーは、有価証券報告書提出会社であります。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
●中期経営計画2026の進捗
2024年度から始まった中期経営計画2026では、「No.1事業群」をテーマに掲げ、競争優位を磨き、社会課題解決を通じた飛躍的な成長を実現すべく、「強みを核とした成長」及び「成長の原動力の強化」に重点的に取り組み、「事業ポートフォリオ変革」を加速させています。
2025年度は「強みを核とした成長」や「事業ポートフォリオ変革」を着実に推進した結果、過去最高となる当期利益6,003億円となりました。現中期経営計画最終年度となる2026年度については、中東情勢等の地政学的リスクの顕在化懸念もありますが、既存事業を中心とするOrganicと大型投資案件を中心とするInorganicの両面で成長を牽引することで過去最高益を更新する6,300億円を計画しています。

2025年度実績

(1) 中期経営計画2026における取組の状況
① 強みを核とした成長
・成長8分野につき、2023年度から2026年度の基礎的収益(注)の平均成長率が+11%となる見込み
・2025年度における成長8分野での利益成長は前年度比プラス150億円
・SCSKの完全子会社化を経てデジタル・AI戦略(DAIS)を策定。当社の事業現場でデジタル・AIを活用し、当社グループの収益性向上に取り組む
・2026年度は、Organic成長に加えて、SCSK、米国航空機リース会社の利益貢献により成長8分野で前年度比790億円の増益を計画
・デジタル・リース:実施した大型投資により更なる収益成長を目指す
・不動産・エネルギーソリューション:資産回転推進による収益性向上等により収益成長を図る
・鉄鋼・ヘルスケア:成長市場への経営資源投下、デジタル・AIを活用した収益性向上を図る
・建機・アグリ:足元の低パフォーマンスを分析し、経営基盤強化と収益性の抜本的な改善に取り組む
(注)「基礎的収益」は当期利益(親会社の所有者に帰属)から資産入替関連及び特殊損益を除いたものです。
② 事業ポートフォリオ変革
・2025年度はSCSKの完全子会社化や米国航空機リース会社の株式取得合意(2026年4月に買収完了)など、強みを更に強くする投資を実行
・政策保有株式、ティーガイア社、マイダス社、北米メロン生産・販売事業、Sekal ASの売却等、資産入替も着実に進捗し、事業ポートフォリオの新陳代謝を加速
・アンバトビーニッケル事業については、当社は2026年5月に譲渡契約を締結、当社保有の全出資持分を譲渡
・SBU毎にROIC・WACCをモニタリング、機動的に各ビジネスの期待役割を見直し、全体としてポートフォリオの質向上を図る


③ 成長の原動力の強化
・経営人財やラインマネージャーの育成、自律的なキャリア形成の促進、業務改革推進等の取組進捗。エンゲージメントは継続的に改善
・都市総合開発グループではインフラ事業の知見/ノウハウを活かした海外都市開発案件等の取組進捗
(2) 定量計画
① 経営環境
全般
世界経済は、緩やかな回復基調が続いてきたものの、米国・イスラエルとイランの軍事衝突を受けてホルムズ海峡の航行が困難となり、鉱物性燃料、化学品、金属等原材料の供給途絶とそれに伴う価格上昇が生じており、足元では先行き不透明感が増しております。先進国経済では、米国において総じて緩やかな持ち直しの動きが続いているものの、ガソリンやディーゼル等の石油製品価格の上昇が、個人消費や生産活動全般の重石となることが懸念されます。ユーロ圏経済は、財政による下支えや金融緩和の効果を背景に景気回復の動きが続いてきましたが、エネルギー不足やエネルギー価格高騰の悪影響が懸念されます。日本経済は、物価上昇ペースが一服しつつある中で、財政政策や賃金上昇の効果が徐々に表れてきた一方、物資不足や生活関連費の上昇が消費者マインドの改善の重石となっております。新興国経済では、中国において不動産市場の低迷や欧米向け輸出の伸び悩みが経済活動の下押し要因となっております。その他のアジア諸国では、米国の関税措置により景気の足取りが重くなったものの、AIデータセンター向け等の電気機器輸出が景気を下支えしてきました。しかしながら、ホルムズ海峡の混乱に伴う重要物資の供給障害及び価格高騰が、景気の先行き不透明感を一段と強めております。
今後のリスク要因としては、ホルムズ海峡の実質的封鎖の長期化、不安定な鉱物性燃料供給の継続及び価格上昇を通じた世界的な物価上昇、物価抑制に向けた金融引き締め、経済活動支援に伴う各国の財政悪化に加え、北東アジア、東南アジア、アフリカ等における地政学的リスクの高まりが挙げられます。
鉄鋼グループ
当グループは、鋼管・鋼材など鉄鋼製品を幅広く取り扱っております。
鋼管分野では、米国市場は足元横ばいで推移しておりますが、原油価格の動向次第では価格・需要が変動する可能性があります。その他地域は、一部プロジェクトの端境期からの回復を見込む一方、中東情勢等の変化により回復時期や需要動向が左右される可能性があります。また、世界各国でエネルギー安定供給の重要性を背景に石油・ガス開発は継続するも、脱炭素に向けたエナジートランジションの動きも続く見通しです。鋼材分野では、米国で鋼材価格は上昇基調にあるものの、物価高や景気動向により需要が下振れする可能性があります。その他地域では中国での需要低迷が続き、中国材の東南アジア等への流入により各地市況が押し下げられております。他方、欧州洋上風力発電用の基礎構造物事業への出資等を通じ、収益基盤の拡大に取り組んでおります。以上を踏まえ、既存事業を堅持しつつ、強みを有する事業・地域に経営資本を重点配分して収益力を強化してまいります。また、DX・AIによる新たな価値提供に加え、再生可能エネルギーやCCS等、カーボンニュートラルに資する製品・サービスの供給を通じて産業のGXに貢献してまいります。
自動車グループ
当グループは、自動車業界のバリューチェーンを俯瞰し、自動車、タイヤ、及びその他関連商品の製造、販売、リース並びにこれらの関連サービス・周辺事業を行っております。
当グループを取り巻く環境では、各国の経済発展、人・モノの移動の増加を支える自動車ニーズの伸長、所有から利活用(リース・レンタル・サブスクリプション等)へのシフト、カーボンニュートラル実現へ向けた環境車の普及、循環型経済の構築へ向けた再利用・リサイクル促進へのニーズが高まっております。一方で、中東情勢をはじめとする地政学リスクがもたらすサプライチェーンの混乱、原材料コスト・人件費・金利等の上昇による経済の成長鈍化懸念があり、動向を注視しております。
このような環境を踏まえ、足元の市場環境の変化への備えを確実にするとともに、自動車流通販売事業における商品や販売・サービス網の拡充による成長促進、自動車リース事業を軸とするモビリティサービス領域におけるサービス拡大、自動車エンジニアリング事業等の新たな事業機会の取り込み、部品製造事業・販売金融事業・タイヤ販売事業のバリューアップによる収益規模拡大、Beyond Mobility(移動から発生する、移動を越えた領域)の新規事業の創出・育成に取り組んでまいります。
輸送機・建機グループ
当グループは、リース・ファイナンス事業、グローバルにバリューチェーンを展開する航空機・船舶海洋・建設機械事業、高い専門性を持つ防衛宇宙・安全保障ビジネスを中心に、各種取引及び事業投資を行っております。
当グループを取り巻く事業環境については、足元では中東情勢の緊迫化に伴い、地政学的リスクが顕在化しております。現時点での当グループ事業への直接的な影響は限定的であるものの、市況の変動や資材・燃料価格の動向等については注視しております。一方、中長期的には、世界的な航空需要の拡大が見込まれるほか、海上貨物輸送やインフラの建設・更新需要も堅調に推移すると見込んでおります。同時に、脱炭素社会や循環経済の実現に向けた社会的な要請が一層高まっております。
こうした環境を踏まえ、当グループは強みを持つ事業の収益性向上に注力してまいります。リース・ファイナンス事業では優良資産の積み上げと資産効率の向上を図り、建設機械事業では米国の関税措置といった不確実性への影響を注視しつつ、コスト削減やフリートマネジメントを柱とした収益改善施策を進めてまいります。
また、航空機事業における退役機の部品販売を始めとするアフターマーケット事業、船舶海洋事業における洋上風力で使用される構造物の製造など、社会的な課題やニーズに応える事業を積極的に進め、成長を加速してまいります。
都市総合開発グループ
当グループは、不動産・工業団地・サステナブルシティ・基幹インフラ及びデジタルインフラの開発・運営・アセットマネジメント事業、建材・セメントなどの建設資材関連事業、産業用設備などの機電設備関連事業、物流・保険関連事業を展開しております。
不動産分野では国内不動産事業が堅調に推移したほか、工業団地分野においても引渡しが順調に進展し、期初予想を上回る実績となりました。当グループの主力ビジネスである国内不動産事業においては、今後も大都市圏を中心に需給バランスがタイトな状況が継続すると見込まれる一方で、中東情勢、金利動向、為替変動、インフレ等を取り巻く不確実性が、国内外事業におけるコストや工期を含む採算面に与える影響については、引き続き慎重な見極めが必要であると認識しております。当グループでは、こうした外部環境の変化を注視しつつ、事業のレジリエンス強化に努めております。このような環境認識のもと、資産入替や金融ストラクチャリングを積極的に活用し、自然環境に配慮するとともに災害に強い街づくりのグローバル展開を推し進めてまいります。
コミュニケーションサービスグループ
当グループは、通信インフラ事業、通信サービス事業、メディア・エンターテインメント事業、金融投資事業を行っております。
通信インフラ事業領域では、高速・大容量通信の需要拡大により、キャリア横断的な通信インフラの新増設とその共同利用の需要が見込まれており、当グループでは通信事業者向けの基地局シェアリング事業を拡大しております。通信サービス事業領域では、人手に依存していた公共インフラの保守・点検を通信技術とAIで置き換え、安心安全を更に向上させようという取り組みが進んでおり、異常検知AIソリューションの開発・展開を進めております。メディア・エンターテインメント事業領域では、国内最大のケーブル通信事業会社JCOM及び通販事業のジュピターショップチャンネルの企業価値最大化に加え、日本のアニメコンテンツが世界的に高い評価を受けていることを踏まえ、海外展開・二次利用事業の開発に取り組んでおります。金融投資事業領域ではスタートアップ投資やプライベートエクイティ投資を行っております。
デジタル・AIグループ
当グループはネットワーク構築からシステム開発・運用およびデジタル・AI領域におけるソリューション事業を総合的に展開しております。
事業環境は、既存のシステム・環境の刷新やクラウドの高度利用ニーズの拡大に支えられ、引き続き堅調に推移しております。加えて、DXの進展に伴い、顧客におけるシステム開発の主導権が情報システム部門から事業部門へと広がるとともに、AI技術の急速な発展により、AIを前提としたプロセス・業務そのものの変革ニーズが高まるなど、当グループにとって新たな事業機会が広がっております。こうした環境のもと、当グループは、従来の基幹・業務系システム開発・運用を中心とした事業基盤を強化しつつ、デジタル・AI領域へと事業の拡張を進めております。具体的には、AIを活用した開発高度化を通じた生産性向上とともに、顧客課題の発掘から事業・業務変革まで踏み込んだ提案型ビジネスの強化により、付加価値の高いサービス提供を推進してまいります。
ライフスタイルグループ
当グループは、食品スーパー・ブランド等のリテイル事業、食品・食品原料や青果などの食料事業、ドラッグストア・調剤薬局及びマネージドケア・クリニック・慢性疾患患者向け在宅ヘルスケア事業などのヘルスケア事業を展開しております。
リテイル及び食料分野では、消費者の価値観やライフスタイルの多様化・ニーズの細分化、食と健康に対する意識の高まりが見込まれます。一方で、地政学リスクの高まりやその一部顕在化を背景とした関連コストの上昇等により、消費マインドの抑制傾向が続く等、事業環境の不透明感が継続しております。ヘルスケア分野では、高齢化加速に伴う医療費適正化ニーズが一層高まる見通しであり、いずれも生活を支える事業として社会的重要性は引き続き高まっていくものと見ております。
このような環境を踏まえ、リテイル事業では、優良な店舗基盤と顧客へのアクセスを持つ強みを生かし、データ活用によるマーケティング及びデジタル・AI活用によるオペレーションの高度化や新規事業拡大に取り組んでまいります。食料事業では、食料・食品の調達・加工・販売のノウハウとグローバルなネットワークを通じた収益基盤の強化と成長分野への展開を図ってまいります。ヘルスケア事業では、国内外での事業基盤拡大を通じ、医療費抑制・適正化に資する取り組みを進め、持続的な成長を目指してまいります。
資源グループ
当グループは、金属資源等の開発・操業・生産、製品の製造・販売を展開し、トレード分野でも当社事業とのシナジー発揮や、商品デリバティブの活用等、多様な機能を提供しております。
資源価格は、地政学的リスク等を背景に先行きの不透明感がある中、品目ごとの強弱はあっても底堅く推移しており、中長期の市況変動サイクル、業界におけるプレイヤー・地域の偏在性、経済安全保障・技術革新を含むバリューチェーンや需給バランスの環境変化、資源案件開発の高難度化等の諸環境を踏まえ、当社ならではの経験・強みを発揮し、社会課題解決を通じた成長を図る事業ポートフォリオ、基盤の強化を進めております。
基幹産業を支えるベースメタルを中心に、既存資産の価値最大化と優良権益の拡充に取り組むとともに、市況影響を受けにくい製造業・トレード等の中下流ビジネス拡充に引き続き注力し、環境負荷低減に資する投資や機能提供の促進、気候変動緩和に寄与するバリューチェーン構築を推進しております。これら取り組みを通じて、日本及び世界の産業発展と持続可能な社会の実現に貢献し、人々の豊かな未来を創造することを目指してまいります。
化学品・エレクトロニクス・農業グループ
当グループは、基礎化学品、エレクトロニクス、グリーンケミカル、医薬、化粧品、動物薬、農業資材等の分野において、材料・製品の開発、製造、販売事業を展開しております。
基礎化学品分野における新興国企業の台頭やエレクトロニクス分野におけるデジタル・AIの進展、EV化等に伴う業界構造の変化、経済安全保障を背景としたサプライチェーン再構築に加え、農業資材分野では、穀物市況の低迷や高金利の状況が事業環境に影響を及ぼしております。さらに、中東情勢の先行き不透明感の高まり、為替変動や物流コストの上昇、地政学的要因等を背景に、近年、当グループを取り巻く事業環境の不確実性は高まっております。
このような環境下、当グループでは外部環境の変動が継続することを想定し、事業機会の着実な取り込みとリスクへの対応に取り組んでおります。今後は、各分野における事業基盤の強化や高付加価値創出を通じ、外部環境変化に対する下振れ耐性を高めつつ、持続的な収益成長を目指してまいります。
エネルギートランスフォーメーショングループ
当グループは、国内外における発電事業、国内電力小売事業、天然ガス・LNGなどのエネルギー権益開発・生産及び販売事業、海洋インフラ・船舶燃料供給事業、カーボンニュートラル社会実現に資する次世代エネルギー分野での事業開発を行っております。
ベトナム発電事業持分利益の減少、欧州ガストレードの低調など一部事業に関しては前年比減益となりましたが、電力EPC案件にかかる工事損失引当の取崩益や米国ガストレードにおける契約譲渡益等の一過性利益の計上もあり、グループ全体の利益としては堅調に推移しております。
当グループを取り巻く環境としては、生成AI普及(データセンター利用増大)に伴う電力消費量の増大、及び脱炭素・循環型社会の実現に向けた要請に加え、エネルギー安全保障に関する関心の高まりやエネルギー需要構成の変化が進んでおります。こうした環境下、ガスの重要性が増大し、経済性等の制約から脱炭素化は段階的に進展していきます。一方、昨今の地政学リスクの顕在化により、先行き不透明感が増大しております。
こうした環境を踏まえ、当グループは、戦略性に富み、成長が見込める事業・資産への入替を促進し、エネルギー・トランジション事業と脱炭素関連事業の両方をバランス良く取り組んでまいります。次世代エネルギー分野での事業開発については、外部環境の変化に対応し、時間軸・リソース配分について迅速に調整を行いながら着実に継続してまいります。加えて、上流ビジネスを補完しバリューを高めるトレード機能と中下流ビジネスを強化し、より収益性の高いポートフォリオの構築を目指してまいります。
② 定量計画
・利益計画
2026年度は、成長8分野がデジタル、リース、不動産、エネルギーソリューションを中心に着実な成長を計画しているほか、継続的な資産入替によるポートフォリオ変革の加速により、積み上げで6,600億円の利益となります。中東情勢の緊迫化等の地政学的リスクが事業及び業績に与える影響については、現時点で見積もり可能な影響を各セグメントの見通しに織り込んでおります。一方、中東情勢における更なる不確実性などに対する備えとして△300億円のバッファーを設定し、通期業績予想は6,300億円としております。

・キャッシュ・フローアロケーション
2024年度、2025年度の実績及び2026年度中の計画については以下のとおりです。

また、財務健全性改善に向けては、資産入替の加速等により2028年度末までの3年間で財務健全性を大型投資実行前(2024年度末)の水準まで戻す計画です。
一方で、現行の株主還元方針は継続、戦略的な投資も例年と同規模で実施し、更なる成長を目指します。

(3) 株主還元方針
2024年度から開始した「中期経営計画2026」以降の株主還元方針については以下のとおりです。
・総還元性向を40%以上として、配当及び柔軟かつ機動的な自己株式取得を実施する
・累進配当(注)により、配当の更なる安定性向上及び利益成長に応じた増配を目指す
(注)1株当たり年間配当金の前期実績に対して、配当維持又は増配を行うことを指します。
当社は、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的として、2026年5月1日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行うことを決議しました。
2026年度の年間配当金は2026年度通期連結業績予想6,300億円を踏まえ、株式分割考慮後で1株当たり40円(株式分割考慮前で前期比10円増配となる160円)とする予定です。また、2026年5月1日の取締役会において、800億円(うち、2025年度の追加株主還元:100億円、2026年度の株主還元:700億円)を上限とする自己株式の取得を決定しました。

詳細については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」を参照願います。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は以下のとおりであります。
● サステナビリティに関する考え方
当社グループでは、「Enriching lives and the world」をコーポレートメッセージとして掲げ、持続可能な社会の実現と豊かな暮らしづくりをめざし、世界各国で事業を展開しております。このメッセージの背景には、「自利利他公私一如」という住友グループの事業精神を伝える言葉があり、「住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するほどの事業でなければならない」という想いが込められているものです。この考えは、当社グループのサステナビリティ経営の源泉であり、社会課題をめぐる長期的な事業環境変化を見通して戦略的に経営資源を配分し、当社の強みを活かしながら社会が真に必要とする価値を創造し続けること、それこそが持続可能な社会と住友商事の持続的な成長を実現するとの信念で、サステナビリティ経営を進めております。
● サステナビリティに関する取組
サステナビリティ経営の全体像及び気候関連、自然資本、人的資本、ガバナンスのそれぞれの項目に分けて、当社の取組を以下に記載します。なお、各項目それぞれにおいて、①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標及び目標の4段構成で当社の取組を説明します。
(1) サステナビリティ経営の全体像
① ガバナンス
(a) サステナビリティ経営の監督
当社グループの幅広い事業活動において、サステナビリティ関連の多様なリスク及び機会を踏まえた重要な経営事項の決定と、経営会議及び執行役員が行う意思決定及び業務執行の監督については、取締役会が責任を持って行っております。
サステナビリティ関連の重要な経営事項の意思決定については、取締役会規程等において明確に定められた権限分担に基づいて、取締役会が、経営会議やその諮問機関である全社投融資委員会、サステナビリティ推進委員会、グローバルHRコミッティ、コンプライアンス委員会、IT戦略委員会、全社経営戦略推進サポート委員会等での検討を経て取締役会に付議された、サステナビリティ関連方針・目標の策定・改訂、サステナビリティ関連を含む事業ポートフォリオ全体のリスク及び機会、サステナビリティ推進に係る重要な取組、重要な個別案件の実施の是非等についての審議・決定を行っております。取締役会は、サステナビリティ関連を含む事業ポートフォリオ全体のリスク及び機会の分析・対応状況について、少なくとも半期ごとに報告を受けております。
また、取締役会は、個別事業で認識しているサステナビリティ関連のリスク及び機会の分析・対応状況、モニタリング指標等についても、年次でサステナビリティ推進部より報告を受けており、経営会議等の業務執行側の取組状況を監督しております。
なお、取締役を含む当社役員がサステナビリティ経営へのコミットメントをより強く意識できるよう、非財務指標「気候変動問題対応」、「女性活躍推進」、「従業員エンゲージメント」の評価結果を役員の報酬に反映しております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」を参照ください。
また、取締役会は、その役割を十分に果たすため、取締役会として備えるべき知識・経験・能力等(以下、「スキル」)を特定しており、そのスキルにはサステナビリティや人事・人材開発、法務・リスクマネジメントが含まれております。各取締役が有するスキルは、その経歴、知識、経験、能力、保有資格、具体的な成果等を総合的に考慮し、各取締役と協議の上で決定しており、サステナビリティに係るスキルを有する複数の取締役を含み、取締役会を構成しております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照ください。
(b) サステナビリティ経営の業務執行
当社グループのサステナビリティ関連の重要な経営事項の意思決定及び業務執行は、社内規程の定めに応じて経営会議及び執行役員が行っております。経営会議はサステナビリティ関連の多様なリスク及び機会を評価・管理し、効果的な意思決定を行うため、サステナビリティ推進委員会、グローバルHRコミッティ、コンプライアンス委員会、IT戦略委員会等に諮問した上で、総合的な意思決定を行っております。
なお、サステナビリティ関連の取組やリスク及び機会への対応については、トピックス別に施策の企画や社内浸透を担当する専門組織であるサステナビリティ推進部、HR企画戦略部、HRソリューションズ部、法務部、IT企画推進部、災害・安全対策推進部、また当社の経営計画全体や重要施策の企画を行う経営企画部等の関連コーポレート組織、各営業グループ、海外地域組織の各トピックス推進担当者が連携し、グループ内の調査機関や各営業組織、海外拠点等からもたらされる情報等を基に、全社的企画や施策の立案や推進を行っております。
加えて、ESGに関する社外有識者で構成される「サステナビリティ・アドバイザリーボード」を設置し、当社のサステナビリティ経営全般について助言・提言を得て取り進めております。
当社のサステナビリティ経営におけるガバナンス体制図は次のとおりです。
当社のサステナビリティ経営を含むコーポレート・ガバナンスの状況等の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照ください。

② 戦略
当社グループは、これまで長年にわたって確立してきた事業基盤の上に、各SBU、各事業会社がステークホルダーと向き合いサステナビリティへの取組を継続することで、さまざまな事業機会の獲得及び当社グループの持続的な成長・発展につながると考えて、事業活動を行っております。
一方で、各SBU、各事業会社がサステナビリティの重要性を認識した事業活動を怠れば、ステークホルダーからの信頼を喪失し、長期的には顧客喪失や事業運営に必要な人材確保に影響が生じる等により、企業価値を毀損するリスクもあります。
当社グループとしては、今後も引き続き持続可能な成長・発展につながる事業活動を推進すべく、当社グループ内のみならず、バリューチェーン上の多くの関係者と協力し、バリューチェーン全体でサステナビリティ関連のリスク及び機会を特定し、対応していく必要があると認識して、以下のような取組を行っております。
(a) マテリアリティの特定と中長期目標の設定・実践
当社グループが取り組むべき重要な社会課題とその解決に向けた一歩進んだ中長期のコミットメントとして、6つのマテリアリティを特定しております。
当社グループは、住友の事業精神及び住友商事グループの経営理念を踏まえ、2017年に『マテリアリティ』を特定しており、2024年に、社会課題の一層の深刻化や当社グループの強み、ステークホルダーからの期待も踏まえ、改めて価値創造の観点から社内外のステークホルダーと約1年にわたり議論を行い、経営会議、取締役会での承認を経て更新したものです。
“安心で豊かな暮らしを実現する”、“気候変動問題を克服する”、“自然資本を保全・再生する”、“人権を尊重する”、“人材育成とDE&Iを推進する”、“ガバナンスを維持・強化する”というそれぞれのマテリアリティごとに設定した長期・中期目標に対してアクションプランを策定・実行し、進捗レビューを行うPDCAサイクルを継続することで、社会課題の解決を通じた持続的な成長を実現していきます。詳細は後述の「④ 指標及び目標」を参照ください。

(b) サステナビリティ関連の方針策定
当社グループの活動は広範な分野、地域に分散した事業から成り立ち、様々な社会課題と関わりを持っております。当社は、常にそれらの社会課題を考慮に入れるため、グループ全体の事業活動から生じる社会・環境への影響を適切にコントロールするための方針を設定し、グループ内で周知・徹底を図っております。
具体的には、当社グループは、国際行動規範を尊重し、取引先や事業パートナーとともに社会的責任を果たすべく、「環境方針」、「気候変動問題に対する方針」、「人権方針」、「サプライチェーンCSR行動指針」、並びに「森林経営方針」や「林産物調達方針」等の持続可能な調達を要する主要な天然資源に関する個別のサステナビリティ関連の方針や、「グローバル人材マネジメントポリシー」、「住友商事グループ・コンプライアンス・ポリシー」、「情報セキュリティ基本方針」、「プライバシー・ポリシー」等を策定・周知し、事業活動に取り組んでおります。
③ リスク管理
(a) 事業ポートフォリオ全体におけるサステナビリティ全般のリスク管理
事業ポートフォリオ全体におけるサステナビリティ全般のリスクのモニタリング状況については、経営会議や取締役会に定期的に報告しております。経営会議や取締役会がリスクの状況を把握し、今後の管理・対応方針につき議論の上、経営の戦略的判断を可能にする体制を整えることで、事業ポートフォリオ全体において許容できないリスクがあれば、関連コーポレート部署と共同でエクスポージャーの削減を含む対応を検討する体制となっております。
事業ポートフォリオ全体におけるサステナビリティ全般のリスク管理のプロセスについては、前報告期間から変更はありません。
(b) 個別事業におけるサステナビリティ関連のリスク管理
個別事業においては、新規事業を検討・実施する際の審査過程において、サステナビリティ全般のリスクの評価や対応策の確認を行っております。事業実施に関する審査過程においては、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する評価シートを各SBUが作成し、同一のセクターや国に属する先行事例等から、潜在的なリスク及び機会の発生可能性や顕在化時に生じる社会・環境、並びに自社事業に与える影響をSBU自らが特定・評価した上で、サステナビリティ推進部が関連する外部情報を参照の上、レビューしております。全社投融資委員会は、特定・評価したサステナビリティ関連のリスク及び機会を踏まえ、対象事業の価値創造及び価値毀損に関する重要な対応策の検討・確認を行っております。
既存事業に関しても、当社グループが取り組むべき重要な社会課題とその解決に向けた一歩進んだ中長期のコミットメントとして特定した6つのマテリアリティとは別に、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る各事業におけるサステナビリティ関連のリスク及び機会について、「潜在的な財務的影響の程度」及び「発生可能性」の2軸で総合評価の上、識別しております。
当社グループの各事業について、SASB基準に基づき、気候関連についてはIEAが発行する「World Energy Outlook 2025」のシナリオ等を別途参照の上、バリューチェーン全体におけるリスク及び機会を検討しております。なお、2025年度の分析は、住友商事単体、連結子会社、火力発電事業・化石エネルギー権益事業及びScope3 多排出事業を取り扱う持分法適用関連会社を対象としております。
(※)時間軸
短期 2026年:当社グループの中期経営計画の期間と整合(2026年度は、現行の同計画対象期間の最終年度)
中期 2035年:サステナビリティに関するリスク及び機会の不確実性を踏まえた将来期間として設定
長期 2050年:事業環境の長期的な変化を見据えた期間として設定
識別したリスク及び機会の詳細は、(2) 気候関連、(3) 自然資本、(4) 人的資本、(5) ガバナンスに記載しております。識別したリスク及び機会に対しては、各営業グループにおいて、定期的にモニタリングを実施し、課題がある場合はその事業の特性に応じて改善を進めます。当社グループの事業活動の影響について、地域住民やNGO等、ステークホルダーから問題の指摘を受けた場合は、実態を踏まえて、対話・協議を行い、改善に努めております。リスク及び機会のモニタリング状況と対応策・対応状況については、経営会議、取締役会に定期的に報告しております。
また、当社「グループマネジメントポリシー」では、「自律」「対話」「連携」を当社及びグループ各社が尊重すべき三原則として掲げた上で、グループ経営におけるそれぞれの役割と責任を明確化しております。このうち「対話」においては、単体及びグループ会社が積極的な対話を通じて信頼関係の構築に努めることとしております。その関係性の基盤として、単体がグループ会社の取締役会等を通じ、重要な意思決定に関与し、事業運営状況をモニタリングするとともに適切な助言を行っており、個別事業におけるサステナビリティ関連のリスク及び機会の管理についても、この枠組みの運用を進めております。
なお、当社グループにおいては、サステナビリティ関連のリスクについて、他の種類のリスクと密接に関連していることを認識しており、当社の事業活動に伴うあらゆる不確実性をリスクと捉え、リターンとのバランスを前提とした当社グループの計画的かつ統合的なリスクマネジメントの枠内において管理しており、他の種類のリスクと比較して優先順位付けは行っておりません。

④ 指標及び目標
当社グループが取り組むべき重要な社会課題とその解決に向けた一歩進んだ中長期のコミットメントとして特定した6つのマテリアリティに関しては、長期・中期目標を下表のとおり設定し取り組んでおります。中期目標に対する取組の進捗状況は、サステナビリティ推進委員会でのモニタリングを経て、経営会議や取締役会に報告され、そこで議論がされております。
なお、マテリアリティに対する長期・中期目標の内容は、個別テーマ(2) 気候関連、(3) 自然資本、(4) 人的資本、(5) ガバナンスにおける④指標及び目標の内容と関連しております。具体的には、“気候変動問題を克服する”は個別テーマ(2) 気候関連、“自然資本を保全・再生する”は(3) 自然資本、“人材育成とDE&Iを推進する”は(4) 人的資本、“ガバナンスを維持・強化する”は(5) ガバナンスと関連しております。
<マテリアリティに対する長期・中期目標>

(2) 気候に関する開示
① ガバナンス
(a) 監督
当社グループの気候関連のリスク及び機会を踏まえた重要な経営事項の決定と、業務執行の監督については、取締役会が責任を持って行っております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (a) サステナビリティ経営の監督」を参照ください。
(b) 業務執行
事業ポートフォリオ全体及び個別事業における気候関連のリスク及び機会の評価・管理、それらを踏まえた重要な経営事項の意思決定及び業務執行は、社内規程の定めに応じて経営会議及び執行役員が行っております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (b) サステナビリティ経営の業務執行」を参照ください。
② 戦略
当社は、パリ協定における世界的合意を重視し、同協定に掲げられた社会のカーボンニュートラル化目標の達成により積極的に貢献するため、「気候変動問題に対する方針」を掲げ、事業活動を行っております。2019年に取締役会にて決議・制定後、随時見直しを行っており、Scope3排出量の算定・開示が完了したことやサステナビリティ開示基準(SSBJ基準)の適用を見据え、説明責任を強化することを目的とし、2026年2月に当社グループのカーボンニュートラル化目標を更新しました。
また、2024年度から始まった中期経営計画では、短期的には、強み・競争優位のある当社事業をGXでさらに強化してまいります。同時に様々な産業分野において、市場形成を含めた収益化までの時間軸も考慮して取り組み、中長期的には、GXで将来の新たな強みをつくります。
■個別事業別の気候関連のリスク及び機会
当社グループの各事業におけるビジネスモデルを踏まえ、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスク及び機会は以下のとおりであります。個別事業別に下表のとおり整理しております。
・物理的リスク
気候変動によって引き起こされる農作物の収量減リスク、洪水による操業停止リスク
・移行リスク
脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク、カーボンプライシング及びエネルギー価格高騰による財務インパクト
・事業機会
脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会、低炭素製品への移行機会
・時間軸
短期 2026年:当社グループの中期経営計画の期間と整合(2026年度は、現行の同計画対象期間の最終年度)
中期 2035年:当社グループの中間削減目標の期間に整合させるため
長期 2050年:2050年に当社グループのカーボンニュートラル化を目指していることに整合させるため
■個別事業別の気候関連のリスク及び機会に関する分析
当社グループの見通しに影響を与え得る個別事業別の気候関連のリスク及び機会について、次のとおり分析しております。
リスク及び機会によって予想される対象事業への財務的影響は、下記の金額基準に基づき3段階で記載しております。なお、リスクによって予想される対象事業への財務的影響は、当社としての対応策を考慮せず、物理的リスクの場合には2100年までに産業革命以降4℃上昇想定のIPCC(※1)によるRCP8.5シナリオ(※2)をベースとして、移行リスクの場合にはIEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)のNZE(Net Zero Emission)シナリオ(※3)をベースとして算出しております。一方、機会によって予想される対象事業への財務的影響は、IEAのNZEシナリオを考慮して算出しております。
移行リスクのうち脱炭素社会への移行に伴う事業の縮小リスク及び脱炭素社会への移行に伴う事業の拡大機会に関しては、事業環境が大きく変化した際に、事業の耐性及び新たなビジネス機会を客観的に評価する観点から、中期及び長期の時間軸における当社個別事業に対する影響について、NZEシナリオに加えてSTEPS(The Stated Policies)シナリオ(※4)も用い、各シナリオが想定する社会や経済の状況をもとに分析しております。
なお、これらのシナリオは当社の経営方針や事業戦略の前提を示すものではありません。
・対象事業への財務的影響額 (親会社の所有者に帰属する当期利益への影響額)
大 : ±300億円以上~500億円未満
中 : ±100億円以上~300億円未満
小 : ±100億円未満
(※)1 Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル
(※)2 Representative Concentration Pathway:産業革命以降、2100年までに4℃上昇を想定したシナリオ
(※)3 1.5℃上昇:世界全体での2050年ネットゼロ達成からバックキャストしたシナリオ
(※)4 2.5℃上昇:現行政策及び実施表明済の今後の追加政策がすべて実施された場合に予想されるシナリオ
・カーボンプライシングによる財務インパクトの算出方法について
カーボンプライシングによって将来与えると予想される財務的影響については、以下の3事業を除き、当報告期間における対象事業のGHG排出量(Scope1・2)実績に、IEAが発行する「World Energy Outlook 2025」に掲載されたNZEシナリオの炭素価格の見通しを掛け合わせて算出しております。なお、権益事業については既存事業を採掘終了まで継続保有する前提としております。
・鋼管事業:
欧州域内排出量取引(EU-ETS)や炭素国境調整措置(CBAM)の導入により影響を受ける可能性がある欧州向けビジネスの当報告期間実績より算出。
・一般炭・原料炭事業:
事業所在国において炭素税が既に導入されていることから、当報告期間における対象事業のGHG排出量(Scope1・2)実績に、事業所在国が定める炭素クレジット単位を掛け合わせて算出。
・天然ガス・LNG事業(上流権益):
既に参画しているプロジェクトで生産されるLNGの使用時に排出されるGHG排出量の当社持分見通しに、IEAにおけるNZEシナリオの炭素価格の見通しを掛け合わせて算出。
・鋼管事業
・船舶事業
・自動車事業
・小売事業
・食料事業
・銅事業
・アルミ事業
・一般炭・原料炭事業
・鉄鉱石事業
・化学品事業
・農業資材ディストリビューター事業
・発電事業(石炭火力発電事業、ガス火力発電事業)
・天然ガス・LNG事業(上流権益)
・天然ガス・LNG事業(トレード)
・海洋油・ガス生産設備傭船事業
■気候関連レジリエンス
上記のとおり認識している当社グループの見通しに影響を与え得る個別事業別の気候関連の各リスクに対して、戦略・緩和策に既に取り組んでおり、引き続き戦略・緩和策の計画を立てております。戦略・緩和策の実施に伴い、不確実性を減らし、リスクが顕在化した場合にも財務的影響の低減は可能と認識しております。また、当社の事業ポートフォリオは多岐にわたる複数の産業と地域に広く分散しており、当社グループの事業継続に与える影響は限定的であることを認識しております。また、上記のとおり認識しているすべての移行リスクについて、NZEシナリオにおける財務的影響の総額を踏まえた場合にも、脱炭素社会に移行する中で、当社グループの事業継続にはレジリエンスが担保されていることを認識しております。
なお、上記のとおり認識している当社グループの見通しに影響を与え得る個別事業別の気候関連の各機会に対しても、顕在化に向けた戦略を立てて取り組んでおり、当社グループの強みを核とした新たな成長を加速させてまいります。
③ リスク管理
事業ポートフォリオ全体における気候関連のリスク及び個別事業における気候関連のリスクについても、全社的な管理プロセスに基づいて管理しております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ③ リスク管理」を参照ください。
④ 指標及び目標
■ 当社グループカーボンニュートラル化目標
当社グループは、「気候変動問題に対する方針」及び「マテリアリティ」に係る長期・中期目標を制定し、2050年に当社グループのカーボンニュートラル化を推進するとともに、社会のカーボンニュートラル化に貢献していくことを目指しております。
カーボンニュートラル化対象範囲であるScope1・2及びScope3(Category13及び15)については、2024年度を基準年として、長期目標として2050年カーボンニュートラル化、中間削減目標として2035年度に排出量の総量を基準年度比30%(内訳:Scope1・2 85%、Scope3(Category13及び15) 20%)以上削減を目指しております。2050年カーボンニュートラル化とは、当社グループのGHG排出を削減した上で、炭素除去など国際的に認められた方法により、残余排出量を実質ゼロとすることを指します。なお、カーボンニュートラル化は、CO2のみならず、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン類、六ふっ化硫黄、三ふっ化窒素を含むGHGを対象範囲としております。
当該目標は、当社グループとして、パリ協定及び関連する世界的な合意を重視し、同協定に掲げられた社会のカーボンニュートラル化目標の達成に、より積極的な役割を果たすことを目的としております。
排出削減目標達成に向け、設備の省エネルギー化や入替え、再生可能エネルギーの調達等、各現場の事業環境に合わせた着実な削減努力を続けていきます。
当社グループの気候関連目標のレビューは、経営会議を経た上で、取締役会にて行っております。詳細は「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス」の項目を参照ください。当社グループの気候関連目標の進捗モニタリング指標としては、Scope1・2、Scope3(Category13及び15)の推移となっております。
なお、2050年カーボンニュートラル化達成に向けて、「火力発電事業及び化石エネルギー権益事業」は、当社グループが排出削減を進める重点領域であり、両事業の排出量は、当社の投融資姿勢を各ステークホルダーに伝える重要な情報と捉えております。GHGプロトコルに基づく新たなカーボンニュートラル化対象範囲においては、両事業のすべての排出量を捕捉できないこと(※)を踏まえ、年度ごとの両事業の排出量についてもモニタリング及び開示を継続しております。
※ 火力発電事業及び化石エネルギー権益事業の合計排出量(2024年度排出量合計50百万t-CO2e)の約7割は、新たに設定する「Scope1・2及びScope3(Category13及び15)」の対象範囲に含まれるが、約3割は当社グループが少数株主として投資する事業におけるサプライチェーン上の排出量であるなどの理由により、当社Scope1・2・3の対象範囲外となるもの。
<カーボンニュートラル化目標>

<Scope1・2>
基準年度:2024年度7.2百万t-CO2e
中間目標:2035年度0.8百万t-CO2e(基準年度比85%減)
長期目標:2050年カーボンニュートラル化

・2035年度の排出量目標値である0.8百万t-CO2eは、2019年度のScope1・2の合計1.5百万t-CO2eに対し50%以上の排出削減となり、2019年度を基準年としていた従前の中間目標を維持した水準となります。
・2024年度のScope1・2は2019年度比約6百万t-CO2e増加しておりますが、2019年度には建設中であったVan Phong火力発電所(当社100%保有)が、2024年度に稼働開始したことによるものです。同発電所は持分の50%譲渡が決定しており、譲渡後はScope3 Category15にて持分相当の排出量を認識する予定です。
<Scope3(Category13及び15)>
基準年度:2024年度38百万t-CO2e
中間目標:2035年度30百万t-CO2e(基準年度比20%減)
長期目標:2050年カーボンニュートラル化

・2024年度時点では、Scope3の大半は火力発電事業による排出ですが、地域社会における経済や産業の発展に不可欠なエネルギーを安定的に供給するとともに、経営資源をより環境負荷の低い発電ポートフォリオに継続的にシフトする方針です。
・2035年度の排出量見込みは、Van Phong火力発電所の持分の50%譲渡後の排出量を含みます。
■当社グループ カーボンニュートラル化対象 GHG排出量(速報値)
(単位:千t-CO2e)
(※)1 確定値については、後日、当社HPに掲載予定です。
(※)2 集計対象範囲は、以下のとおりです。
Scope1・2:GHGプロトコル(2004)の経営支配力基準に基づく、当社単体、連結子会社及び共同支配事業
Scope3:当社単体、及び連結子会社(ただし、重要性の観点より、事業収益規模が小さくかつ多排出事業に該当しない一部事業会社を除く)
(※)3 Scope1の数値には、エネルギー起源CO2とエネルギー起源CO2以外のGHG排出量を含みます。
(※)4 Scope1・2の算定にあたっては、GHGプロトコルを参考に策定した会社方針に基づき算定しており
ます。また排出原単位は、環境省が公表する温室効果ガス排出量算定・報告公表制度の排出係数を使用しているほか、IEAが発行する「Emissions Factors 2025」に掲載された2023年の国別の排出係数等を使用しております。
(※)5 Scope3の算定にあたっては、GHGプロトコル「Corporate Value Chain(Scope3) Accounting and
Reporting Standard」、及び環境省が主導するグリーンバリューチェーンプラットフォームの各種情報源を参照しております。また、算定時点で入手可能な最新の実績値、経済データ及び係数をもとに算定しております。なお、排出原単位として利用している主なデータソースは、以下のとおりです。
Category13:合理的な仮定に基づく使用シナリオにより設定した排出原単位
Category15:サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量等の算定のための
排出原単位データベース
<火力発電事業及び化石エネルギー権益事業に伴うCO2排出量(※)1>
(単位:千t-CO2e)
(※)1 発電事業の稼働済案件、及び化石エネルギー権益に係る実績は第三者機関のアドバイスを
受けて算定。
(※)2 建設中案件の推計値及び持分法適用関連会社の排出も含む。
(※)3 生産されたエネルギー資源の、他社の使用に伴う間接的CO2排出を算定。
■石炭関連事業の取り組み方針
●石炭火力発電事業
新規の発電事業・建設工事請負には取り組まず、2035年度までにCO2排出量を60%以上削減(2019年度比)し、2040年代後半にはすべての事業を終え石炭火力発電事業から撤退します。
ホスト国・地域社会等のステークホルダーとの真摯な対話を踏まえた合意形成、既存設備の脱炭素化・低炭素化に向けた検討・取り組みの追求、再生可能エネルギー等への電源シフトに向けたホスト国への最大限の支援等を行いながら、事業撤退の前倒しも排除せずあらゆるオプションを追求し、当社及び社会全体の脱炭素化を図ります。
●一般炭鉱山開発事業
今後新規の権益取得は行わず、持分生産量を2020年代後半にゼロにします。
■気候関連のリスク及び機会に該当する事業の総資産実績総額及び全体に占める割合
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連の物理的及び移行リスクに対する脆弱な資産、及び当社グループ全体の総資産に占める割合は以下のとおりです。物理的リスクに対する脆弱な資産は物理的リスクに該当する事業の総資産を、移行リスクに対する脆弱な資産は移行リスクに該当する事業の非流動資産を対象としております。なお、移行リスクに対する脆弱な資産について、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る移行リスクのうち、予想される財務的影響が限定的とされる事業は対象外としております。
また、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連の機会と整合した総資産、及び当社グループ全体の総資産に占める割合は以下のとおりです。
・物理的リスク・・・ 564,893 百万円 (当社グループ全体に占める割合 4.1 %)
・移行リスク ・・・ 796,029 百万円 (当社グループ全体に占める割合 5.8 %)
・事業機会 ・・・ 328,956 百万円 (当社グループ全体に占める割合 2.4 %) <2026年3月31日時点>
■気候関連のリスク及び機会に対応する資本投下
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスク及び機会について、それらに対応する重要な資本投下はありません (2026年3月31日時点)。
なお、当社は、当社グループが進めるサステナビリティ経営を幅広いステークホルダーの皆さまに認識いただくとともに、資金調達面においても推進することを目的に、サステナブルファイナンス・フレームワークを策定しております。詳細は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」を参照ください。
■内部炭素価格
2023年4月より、当社内で内部炭素価格制度(ICP)を運用し炭素排出コストを算出しております。カーボンニュートラル社会の実現に資する新たな事業機会創出に向けた全社の施策検討や投資判断時の将来事業への影響等の確認に活用しております。
当社ICPにおいては、IEAが発行するWorld Energy Outlook 2024のNZEシナリオの炭素価格の見通しを使用し、新規及び既存案件の所在地に応じたシナリオ分析を行っております。
<当社ICPにおける炭素価格>
(単位:米ドル/t- CO2)
(3) 自然資本に関する開示
当社グループが展開するさまざまなセクターでの事業は自然に大きく依存しております。自然資本を考慮した意思決定を行うことで、ビジネスの持続可能性のみならず、地球環境の持続可能性に貢献することが不可欠と考えております。
当社グループは、気候変動の緩和と適応、生物多様性の保全、エネルギー・水・資源の持続可能な活用、汚染防止といった、自然に関するさまざまなテーマを、重要かつ長期的な課題と捉え、マテリアリティに“気候変動問題を克服する”、“自然資本を保全・再生する”を設定するとともに、以下の環境方針を定め、取り組んでおります。
環境方針
① ガバナンス
当社グループの自然資本に関するガバナンスは、サステナビリティ経営全般のガバナンスに組込まれております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス」を参照ください。
② 戦略
当社グループでは、気候変動や生物多様性の損失等、近年の社会課題の一層の深刻化や、当社グループの強み、ステークホルダーからの期待も踏まえ、社会課題の解決を通じて持続的な成長を実現すべく、2024年5月に「マテリアリティ」を更新し、“自然資本を保全・再生する”を新たに掲げました。加えて、中期目標として「2030年ネイチャーポジティブに向けた取り組みの促進」を設定しました。さらに、この中期目標に対する理解醸成・取り組み強化を目的として、当社にとってのネイチャーポジティブに向けた取り組みを「事業による自然資本への影響を最小化し、自然資本の保全・再生に向けてビジネスを変革し続けていくこと」と定義しました。事業を通じたリスク低減及び機会創出の両面で取り組みを加速させていきます。
当社は、SASB基準をベースとし、バリューチェーン全体におけるリスク及び機会の分析を行っております。また、TNFDの枠組みに沿って実施している自然関連リスク及びインパクトの把握・管理に係る検討内容も考慮した上で、自然資本に関連する重要なリスク及び機会を識別しております。
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る自然資本関連のリスク及び機会は以下のとおりであります。
なお、これらに関する財務的影響については、合理的かつ信頼性のある定量的情報の算定が困難であることから、定性的な情報を記載しております。
※時間軸:短期 2026年、中期 2035年、長期 2050年
(a) 製品ライフサイクル
大量生産・大量消費・大量廃棄型の経済社会活動は、健全な物質循環を阻害するほか、気候変動問題、天然資源の枯渇、大規模な資源採取による生物多様性の損失等、様々な環境問題にも密接に関係しております。こうしたこれまでの経済・社会様式から、資源・製品の価値の最大化を図り、資源投入量・消費量を抑えつつ、廃棄物の発生の最小化につながる経済活動である「循環経済(サーキュラーエコノミー)」実現への取り組みは、気候変動対策、生物多様性の保全と並んで、国際社会共通の課題となっております。加えて、近年では循環経済への移行が、産業競争力の強化や経済安全保障の確保にも貢献する点が強調されるようになってきております。
このような環境を踏まえ、当社グループはリサイクル、省資源型の技術や商品への転換、森林等の天然資源の持続可能な調達に取り組むことで、限りある資源を有効に活用し、持続可能な資源循環の実現に貢献します。また、経済産業省が推進する「サーキュラーパートナーズ(CPs)」に参画し、ルール形成への参画やネットワーキング等を図り、循環型経済に貢献する事業の創出に取り組んでおります。
このような事業環境及び当社グループの事業特性を踏まえ、当社グループは、製品ライフサイクルの各段階においてリスク及び機会を識別しており、下表のとおり分析しております。
・不動産事業
・農業資材ディストリビューター事業
(b) 廃棄物及び危険物管理
グローバルに幅広い地域で事業を展開している当社グループは、環境方針で示しているとおり、環境関連法規の遵守、循環型社会構築への寄与に努めます。具体的には、排水・汚泥・排気等による汚染防止について、法令基準の遵守のみならず、廃棄物の削減・再利用・リサイクル等の環境負荷低減等に取り組み、持続可能な社会を実現していくことが重要だと考えており、各事業活動を通じて課題解決に取り組んでいきます。
このような事業環境及び当社グループの事業特性を踏まえ、当社グループは、廃棄物及び危険物管理に関連するリスクを識別しており、下表のとおり分析しております。
・鉄鉱石事業/銅事業
■レジリエンス
上記のとおり認識している当社グループの見通しに影響を与え得る自然資本関連の各リスクに対して、戦略・緩和策に既に取り組んでおり、引き続き戦略・緩和策の計画を立てております。戦略・緩和策の実施に伴い、当社グループの事業継続にはレジリエンスが担保されていることを認識しております。
③ リスク管理
事業ポートフォリオ全体における自然資本関連のリスク及び個別事業における自然資本関連のリスクについても、全社的な管理プロセスに基づいて管理しております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ③ リスク管理」を参照ください。
④ 指標及び目標
当社はマテリアリティの一つである“自然資本を保全・再生する”の中期目標として「2030年ネイチャーポジティブに向けた取り組みの促進」を設定しております。
当該中期目標を構成する主な取組は以下のとおりであります。
・各事業における自然関連リスク・機会の把握
・主要な天然資源関連商品の持続可能な調達を含めた、サプライチェーン全体でのリスク低減の推進
・ネイチャーポジティブ・循環経済への転換を促す製品・サービス・仕組みづくりによる新規事業の開発
(4) 人的資本に関する開示
① ガバナンス
(a) 人的資本経営の監督
当社グループにおける人的資本関連の重要な経営事項については、取締役会が監督・モニタリングしております。経営戦略に直結する人財戦略等の重要方針は、経営会議や、その諮問機関であるサステナビリティ推進委員会、グローバルHRコミッティ等で審議・決定する体制としております。また、取締役会にて、少なくとも年1回、執行から包括的な報告が行われることで、実効性の高い監督機能を発揮しております。取締役のスキル及びコンピテンシーについては、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (a) サステナビリティ経営の監督」を参照ください。
当社のグループ経営は、当社及びグループ各社が尊重すべき三原則である「自律」「対話」「連携」などを定めた「グループマネジメントポリシー」に基づいて運営しております。グループ各社における人事関連施策の運営は、各社が自律的に現場にて判断することを前提としつつ、取締役及び執行役員の人事等の重要な意思決定については、株主としての対話を通じて親会社が関与しております。これらのプロセスにおけるリスク管理については、各事業会社がそれぞれに設定する内部統制システムの整備・運用の状況を当社がモニタリングしております。また、「人財は各社に属するが、グループの資本でもある」という考えのもと、グループ横断での人材育成プログラムの提供や、グループ内の柔軟な人財交流を通じた連携を図っております。
グループ全体の人的資本経営に関するガバナンスは、全体に適用される「グローバル人材マネジメントポリシー」、「住友商事グループ人権方針」、「住友商事グループ コンプライアンス・ポリシー」等の共通の枠組み(1階部分)と、各社の事業特性や地域の法規制等に応じて各社が独自に決定する「個別の制度(等級・評価・報酬等)や施策」(2階部分)からなる、2階建ての構造を採用しております。詳細は「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (a) サステナビリティ経営の監督」を参照ください。
(b) 人的資本経営の業務執行
当社の人的資本に関する重要な経営事項の意思決定及び業務執行は、経営会議及びその諮問機関が担っております。
経営会議の諮問機関として、人材・総務・法務グループ長を委員長とし、経営会議が指名する複数名の委員で構成されるグローバルHRコミッティを設置しております。重要な人的資本に関する施策については同コミッティに諮問した上で、経営会議が総合的な意思決定を行っております。
当社の人材・総務・法務グループ長は、人財戦略の策定・実行に対する責任及び権限を有しております。人的資本のリスク及び機会に対しては、人事施策の企画・社内浸透を担うHR企画戦略部及びHRソリューションズ部と、当社の経営計画全体や重要施策の企画を行う経営企画部等の関連コーポレート組織が連携しております。各グループ・地域組織の意見も吸い上げた上で、施策の立案・推進を行っております。
当社の人的資本への取り組みがより実効的なものとなるよう、役員報酬の譲渡制限付業績連動型株式報酬制度の評価項目として、人的資本関連に係る非財務指標(「女性活躍推進」及び「従業員エンゲージメント」)を含めており、継続的にモニタリングしております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」を参照ください。
② 戦略
(a) 取り巻く事業環境と当社グループの経営戦略
当社グループを取り巻く事業環境は、地政学的緊張の高まりやインフレ等による経済の不透明感に加え、気候変動問題の深刻化や労働力不足、さらにはAI等のデジタル技術による産業構造の非連続な変化等、著しく不確実性が高まっております。
こうした環境下において、当社グループは中期経営計画2026のテーマとして「No.1事業群」を掲げ、「強みを核とした成長」及び「成長の原動力の強化」に重点的に取り組み、「事業ポートフォリオ変革」を加速させることで、社会課題解決を通じた飛躍的な成長の実現を目指しております。
(b) 人財戦略
「No.1事業群」という経営戦略を遂行する最大の原動力は「人財」です。当社グループは「グローバル人材マネジメントポリシー」を制定し、経営戦略の実現に向けた人財マネジメントを推進しております。
本ポリシーでは、会社が個人を一方的に管理するのではなく、「個」と「組織」が相互に選び合い、ともに成長する関係性の構築を目指しており、以下の2つのありたい姿を掲げております。この実現に向けて、国籍・性別・年齢等の属性にとらわれず、職務と成果に報いる報酬体系と、グローバルベースでの最適な人財配置を追求しております。
● 目指す個の姿(Top Tier Professionalism): グループの理念に共感し、高い志を持ち、自律的な成長を続け、グローバルフィールドで新たな価値創造に挑戦する人財。
● 目指す組織の姿(Great Place to Work): 個々人がイキイキと新たな価値を生み出し続け、世界に人財を輩出する「挑戦の場」として選ばれる組織。
(c) 人的資本に関するリスク及び機会
当社グループが事業を展開する地域・産業及びビジネスモデルは多様化しており、外部環境は非連続かつ急速に変化しております。こうした中、当社グループでは、人的資本(人財のケイパビリティ)の価値を高めることを通じて、経営戦略の実行力を強化する人的資本経営を推進しております。人的資本への投資領域を「5つの基盤(事業精神、インクルージョン、人材育成、ウェルビーイング、トータル・リワード)」として定め、継続的な投資をしております。これらの基盤への投資を通じ、エンゲージメントを高め、「社員の成長がビジネスの成長を牽引し、その成果が新たな成長機会として社員に還元される」という好循環を実現しております。

(※)施策事例は当社の取り組みであり、後述の「(d) リスク及び機会への当社の対応」を参照ください。
そして、当社グループの経営戦略である「No.1事業群」の実現に向け、以下の3つ(a~c)のテーマをグループ共通の最重要課題(リスク及び機会)として位置づけております。これらは、対応が遅れれば事業への悪影響を招く「リスク」であると同時に、的確に対応することで競争優位性を飛躍的に高める「機会」となる、表裏一体の関係にあります。「リスク」を最小限に抑え、「機会」を最大化することにより、当社グループの事業成長と中長期的な企業価値向上につなげていきます。なお、この3つのテーマは、当社グループが取り組むべき社会課題とその中長期のコミットメントであるマテリアリティに掲げる“人材育成とDE&Iを推進する”にもつながっております。
a プロフェッショナル人財の確保・育成
<リスク>
ビジネスモデルの急激な変化(特にデジタル・AI技術の発展やGXの進展)に伴い、高度な専門性・経験や事業環境の変化に対応できる能力を持った人財への需要が急増しております。しかし、労働市場における人財獲得競争が激化する中で、当社グループの採用・育成の取り組みが想定通りに進まず、必要なプロフェッショナル人財をタイムリーに確保・育成できなかった場合、戦略の実行が停滞し、当社グループの競争力の低下や新規事業の機会逸失等のリスクがあります。
<機会>
一方で、採用力の強化やグループ間の人財交流を通じて、社内外からプロフェッショナル人財を確保するとともに、各ビジネスで必要とされる専門知識・スキルの育成プログラムの充実や、デジタル・AIリテラシー研修等のリスキリングを強力に推進できれば、大きな成長のエンジンとなり得ます。特に社員一人ひとりがデジタルスキルを獲得し向上させ、業務を効率化し、創出された時間をクリエイティブな「事業構想」に振り向けることで、新たなビジネスモデルの創出、事業変革を促す機会となります。また、研修や挑戦機会の提供等の人材育成に継続的な投資を行うことで、社員にとって当社グループが各々の能力を伸ばしスキルを獲得することのできる魅力的な場となり、人財の定着にもつながります。
b 経営人財とキーポジションのサクセッション
<リスク>
当社グループは幅広い産業においてグローバルに事業を展開しており、その戦略立案と実行を担うのは現場のリーダーたちです。特に日本において、仮に旧来の年功や属性にとらわれた配置から脱却できず、グローバルベースでの「適所適材」が進まない場合は、多様な事業を牽引する次世代・次々世代の経営人財のパイプラインが枯渇するおそれがあります。その場合、環境変化への対応の遅れや意思決定の誤りを招き、足元の業績悪化とともに、中長期的な企業価値の向上を阻害するリスクとなります。
<機会>
この課題に対し、国籍・性別・年齢等の属性にとらわれず、早い段階からポテンシャルのある人財を特定し、組織の枠組みを超えた異動や、より大きな機会に挑戦させるアサインメントを計画的に提供できれば、多様な事業を牽引する人財のパイプラインを充実させることができます。タレントレビュー等を通じて、必要なスキルと経験を備えた人財を着実に育成・輩出するサイクルを回すことで、成長事業における強み・競争優位の磨き上げや事業の再構築等、中期経営計画で掲げる事業ポートフォリオ変革を着実に遂行する組織推進力(「リーダーシップ」と「スピード」)を獲得する最大の機会となります。
c 多様な人財の活躍
<リスク>
複雑化する社会課題を解決していくためには、従来と同じ発想や均質的な価値観だけでは対応できません。属性や心理的な壁によって、多様な人財が能力を十分に発揮できない環境のままでは、組織の同質化や意思決定における質の低下を招き、新たな発想やイノベーションが生まれず、結果として市場の変化に取り残されるリスクがあります。
<機会>
当社グループはDiversity, Equity and Inclusion(DE&I)を「価値創造、イノベーション、競争力の源泉」と明確に位置づけております。人財の採用・登用においても、各国の雇用関連法規を遵守し、いかなる属性(人種、国籍、性別、年齢、性的指向、性自認、性表現等)に基づく不当な優遇・差別も行わず、適性と能力に基づく機会の提供を重視することを基本としております。こうした方針のもと、キャリア採用者が持ち込む多様な視点や、グローバル拠点で活躍する海外採用社員、女性リーダー等、多様な知識・経験を持つ人財が案件創出や意思決定に主体的に関与する「知のミックス」を実現することで、イノベーティブな議論と質の高い意思決定が可能となり、組織力の向上につながります。一人ひとりが「WILL(意欲)」を起点に自分らしく力を発揮できるインクルーシブな環境を築くことこそが、これまでにない付加価値を生み出し、「No.1事業群」の実現につながる最大の機会となります。
(d) リスク及び機会への当社の対応
当社グループの中核企業である住友商事では、上記の最重要リスク及び機会(a~c)に対し、以下の対応を行っております。今後、これらの取り組みを日本のみならず、海外地域組織に拡げていきます。
a プロフェッショナル人財の確保・育成:
当社のプロフェッショナル人財には、住友の事業精神やグループの経営理念に深く共感しこれを体現しながら、多様なステークホルダーとともに社会課題を解決し、新たな価値創造に挑戦していくことが求められます。その挑戦のフィールドは様々な国・地域及び産業にわたるため、社員一人ひとりが自律的に成長し続け、グローバルで通用する高い市場価値を備えたプロフェッショナル人財を目指していくことが不可欠です。そのため、特定の分野における高度な専門知識・スキルだけではなく、新たな事業を構想する発想力やリーダーシップ、既存事業の継続的な改善・高度化(オペレーティングエクセレンス)を推進する力など、多岐にわたる能力をそれぞれの担当業務や事業ステージに応じて獲得・発揮することが求められます。
こうしたプロフェッショナル人財の育成に向けては、まず土台として、住友の事業精神やグループの経営理念に触れる機会を、各階層別研修や別子銅山訪問研修など継続的に設けるとともに、日々の実務における実践を通じて、社員のマインドセットとして醸成しております。その土台の上に、ガバナンス・財務会計・マーケティング等の基礎知識から、個々人がそれぞれのフィールドで必要とされる「世界で通用する力(=専門性)」を身につける人材育成プログラムを提供しております。加えて、自律的な学習を促すe-learningプラットフォームを整備しております。また、デジタル・AI戦略の実行力強化のため、これまで全社員必須のものから各営業グループのビジネスに特化したものまで、多層的にデジタル研修を実施してまいりました。その上で、全社的なデジタルスキルの可視化と社員のスキル向上のさらなる加速を目的に、2026年度よりデジタルスキルに関する社内認定制度「Dグレード」を導入しております。上記の全社的な取り組みに加えて、ビジネスごとに求められる専門知識・スキルを踏まえて、営業グループごとに独自の研修や、海外へのトレイニー派遣や事業会社への出向等による現場経験も含めた人材育成を行っております。
また、当社の職務等級制度においては、組織マネジメントを担うマネジメント職群と、高度な創造性や専門性の発揮を通じてプロジェクトを牽引するエキスパート職群による複線型のキャリアパスを設けており、多様なプロフェッショナル人財がそれぞれの強みを活かしながら成長できる環境を整備しております。キャリア採用により外部から高度な専門性を有する人財を獲得するのみならず、こうした育成施策とキャリアパスを通じて、社内においてもプロフェッショナル人財を計画的に育成し、継続的に確保することに努めております。
b 経営人財とキーポジションのサクセッション:
当社では、現在のキーポジションに対する個別のサクセッションレビューに加え、中長期の戦略実現を担う次世代の経営人財の計画的な育成にも注力しております。具体的には、社長・グループCEO・地域組織長等によるタレントレビューを実施しております。次世代経営人財候補に対しては、グループを超えた異動、セグメント(業界)の異なる組織での経験、またはより大きなアサインメントに挑戦させる機会の付与といった戦略的配置を行っております。あわせて、経営人財育成プログラムやメンタリング・コーチングを通じた育成のサイクルを回しております。
また、グローバルベースで経営人財の育成を推進していくため、グローバルで職務の大きさを比較可能にする「Job Grading」の導入や人財データベースの構築を進めております。

c 多様な人財の活躍:
当社では、多様な人財一人ひとりが各々の力を最大限に発揮できるよう多面的な取り組みを推進しております。まず、日本においては、2030年度までの数値目標を掲げ、女性活躍推進に取り組んでおります。単体の人事制度において、採用時の職掌区分を廃止・一本化し、職掌による制約をなくしたことで、個々人のスキル・能力・意欲等に応じたキャリア形成が可能な制度を整備しております。また、従来整備しているライフイベントと就業の両立支援に加え、女性リーダーの登用・育成を一層加速させていくための強化策を、シニアマネジメントの議論を経て実行に移しております。具体的には、配偶者の転勤等のライフイベントに応じたアサインメントの柔軟な個別対応や女性のコミュニティ形成、メンター制度等、活躍の阻害要因を極力排除し、真に力を発揮し成長できる機会を提供しております。
また、事業戦略に基づき高度な専門性を有する人財を外部から獲得するキャリア採用を積極的に推進しております。当社におけるキャリア採用者のバックグラウンドは多岐にわたり、各々の専門性や他社での経験に基づく異なる視点が、組織全体に新たな気づきや発想をもたらしております。
加えて、社内公募制の拡大にも取り組んでおります。社内公募制は、各組織にとっては、社内においても多様なスキル・経験を持つ人財を組織の枠を超えて機動的に獲得できる仕組みであるとともに、社員一人ひとりにとっては、「WILL(意欲)」を起点に自律的なキャリアを切り拓く機会にもなっております。
インクルーシブな職場環境の構築に向けては、インクルージョン啓発イベント「Inclusion & Connection Weeks(I&C Weeks)」を毎年開催し、多様な人財が自分らしく力を発揮できる組織文化の醸成に取り組んでおります。
なお、上記最重要のリスク及び機会(a~c)に注力するための土台となる職場環境整備については、上述の人的資本への5つの投資領域(事業精神、インクルージョン、人材育成、ウェルビーイング、トータル・リワード)ともアラインする形で、以下のとおり継続的に各種施策に取り組んでおります。
● 健康経営
当社では、社員一人ひとりが最大限にパフォーマンスを発揮するためには、心身の「健康」が最重要であり、これを基盤としてこそ、新たな価値創造を続けていくことができるという考えのもと、「イキイキワクワク健康経営宣言」を策定しております。人材・総務・法務グループ長を最高責任者とする推進体制のもと、「ヘルスリテラシー向上」、「もしもに備える安心体制」、「グローバル医療サポート」の3つを主軸として、健康経営に取り組んでおります。また、高い付加価値を生み出すアウトプット志向の働き方を実現するため、テレワーク制度やコアタイムのないスーパーフレックス制度等を整備しており、社員の自律的かつ柔軟な働き方を促進しております。
● 人事制度
当社では、Pay for Job, Pay for Performanceを追求しながら、専門性やスキルを重視したベストタレントの最適配置を実現し、組織パフォーマンスの最大化を図っております。
こうした人材マネジメントを実現するため、管理職において年次管理を撤廃し、職務の大きさに応じて等級を決定する職務等級制度を導入しております。あわせて、採用時の職掌区分を廃止し一本化した上で、入社後のキャリア形成の選択肢として、管理職においては高い創造性や専門性を発揮するエキスパート職群と、組織マネジメントを担うマネジメント職群の複線型のキャリアパスを整備しております。
自律的なキャリア形成に向けては、360度評価や絶対評価を導入しており、評価の公平性を向上させるとともに、個と真摯に向き合い、そのポテンシャルを引き出しております。また、キャリアアセスメントを通じて、上司・部下間の対話により、社員一人ひとりのキャリア志向・経験・適性・課題に関する相互理解を深め、適所適材の実現とキャリア形成につなげております。
③ リスク管理
当社では、人的資本に関するリスクについて、ガバナンス体制のもとで継続的な把握・管理を行っております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (a) サステナビリティ経営の監督」を参照ください。人的資本に関する重要事項は、取締役会が後述の「④ 指標及び目標」を含め監督・モニタリングしており、経営戦略に直結する人財戦略等については、経営会議及びその諮問機関であるサステナビリティ推進委員会やグローバルHRコミッティにおいて審議した上で、取締役会に定期的に報告されております。詳細は、上記「① ガバナンス」を参照ください。
④ 指標及び目標
各取り組みの効果については社員エンゲージメントにより確認するとともに、最重要のリスク及び機会(a~c)への対応の進捗は、各指標によりモニタリングしております。
<社員エンゲージメント>
<モニタリング指標>
(※)1 社員エンゲージメントに関するサーベイは、当社の国内外地域組織を含むグローバルベースで年1回実施しており、①組織へのコミットメントの度合いや仕事に対する自発的な取り組み意欲を示す社員エンゲージメント、並びに②社員一人ひとりが力を発揮するための職場環境について調査しております。サーベイ結果は社員と共有し、各現場において、結果分析及び議論を行い、その結果を踏まえたアクションプランの策定・実行を通じて、継続的な改善に取り組んでおります。
(※)2 対象者のうち、グループを超えた異動、セグメント(業界)の異なる組織での経験またはより大きなアサインメントに挑戦させる機会の付与といった戦略的配置転換を実施した割合を示しております。
(※)3 2025年度から開始したプログラムのため、2024年度実績はありません。
(※)4 翌期4月1日時点の実績を記載しております。女性活躍推進に向けた取り組みについては、「(4) 人的資本に関する開示 ② 戦略 (d) リスク及び機会への当社の対応」を参照ください。
(※)5 当社は、2025年6月に行われた第157回定時株主総会決議をもって機関設計を「監査役会設置会社」から「監査等委員会設置会社」に移行しております。移行前の2024年度実績は取締役及び監査役を対象としておりますが、移行に伴い、2025年度実績は取締役(監査等委員である取締役を含む)を対象としております。
(※)6 日本経済団体連合会が2021年に公表した「2030年30%へのチャレンジ」に賛同し、設定しております。
(※)7 翌期4月1日時点の実績を記載しております。
(5) ガバナンスに関する開示
法規制対応
当社グループは、日本及び海外において、多種多様な事業活動を手掛けているため、広範な法律及び規制に服しており、「住友商事グループの経営理念・行動指針」において法と規則の遵守を掲げております。
かかる法と規則の遵守を徹底するため、当社は、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを置いており、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンスに関する適切な施策の企画、立案及びその実施につきコンプライアンス委員会から助言を受け、実行しております。また、コンプライアンスの基本方針を住友商事グループ全体に明確に示すために、当社は、コンプライアンスの観点から特に遵守すべき重要事項を「住友商事グループ・コンプライアンス・ポリシー」として以下のとおり制定し、また住友商事グループ・コンプライアンス・ポリシーの詳細や留意点、関連する社内ルールや資料について網羅的に解説した「コンプライアンス・マニュアル」を作成し全役職員に配布しております。当社は、セミナー等の継続的な啓発活動を通じて、グループ全体への「コンプライアンス最優先」の意識の浸透を図るとともに、コンプライアンス上の問題が発生したときは、直ちに上司や関係部署に対して事態を報告し最善の措置をとること、すなわち「即一報」を行うことを徹底しております。
住友商事グループ・コンプライアンス・ポリシー(2019年3月制定)
① ガバナンス
(a) 監督
当社グループでは、取締役会規程等において明確に定められた権限分担に基づいて、取締役会が、法規制対応に関する重要な経営事項を決定するとともに、経営会議及び執行役員が行う意思決定及び業務執行を監督しております。法規制対応に関する重要な経営事項の意思決定については、取締役会が、経営会議やその諮問機関であるコンプライアンス委員会等での検討を経て取締役会に付議された事項についての審議・決定を行っております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (a) サステナビリティ経営の監督」を参照ください。
(b) 業務執行
当社グループでは、社内規程の定めに応じて、経営会議及び執行役員が、法規制対応に関する重要な経営事項の意思決定及び業務執行を行っております。経営会議は法規制対応関連の多様なリスク及び機会を評価・管理し、効果的な意思決定を行うため、コンプライアンス委員会等に諮問した上で、総合的な意思決定を行っております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (b) サステナビリティ経営の業務執行」を参照ください。
当社では、当社及びグループ各社のコンプライアンス問題に対し、より機動的な対応を図ることを目的に、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを設置しております。また、コンプライアンス施策の企画及び立案を担うコンプライアンス委員会は、チーフ・コンプライアンス・オフィサーを委員長とした上で、コーポレートグループの部長のみではなく、営業グループのSBU長を委員に加えるなど、当社の実態に即した施策を多面的に検討するための体制を整備しております。
② 戦略
(a) サステナビリティ経営における法規制対応の重要性
当社グループが服する法律及び規制は、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、競争法制、贈収賄・腐敗防止、為替管理、金融商品取引、個人情報・データ保護、人権保護、環境保護、消費者保護、関税及びその他の租税等の分野にわたることに加え、国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に新たに服する可能性があります。また、新興国をはじめとして、法令の欠如、法令の予期し得ない変更、並びに司法機関及び行政機関等による規制実務の変更が生じる可能性もあります。
当社は、サステナビリティ経営を推進する上で、このような法規制に的確かつ迅速に対応することが当社の事業展開、業績、財政状態及び社会的信用に良い影響を及ぼすことに繋がると認識しており、その対応を通じて経営戦略の円滑な実現を支援しております。他方で、法令遵守のための当社における負担が今後より増加する可能性もあります。当社または当社グループに属する役職員が、現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰金等のペナルティの対象になるほか、事業活動を制約されたり、信用の低下を招いたりする可能性があり、当社の事業展開、業績、財政状態及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは多国籍・多事業分野にわたり事業を展開し、様々な取引先等との接点が多いという事業特性を有しており、特に①贈賄防止、②競争法遵守、③インサイダー取引規制、④安全保障貿易管理等について、これらの分野における違反事案の発生は、制裁金等の直接的損失にとどまらず、事業継続への制約、取引先・投資家からの信頼低下、資本市場における評価悪化などを通じて、中長期的な企業価値に重大な影響を及ぼす可能性があり、当社グループの事業の根幹にも直結する事態となる可能性を有していることから、当社はこれらの違反事案の発生を事業遂行過程における特に重要なリーガル・コンプライアンスリスクであると認識し、重点的に管理しております。
(b) 法令遵守意識の徹底と理解の浸透
当社は、競争法遵守、安全保障貿易管理、贈収賄防止など、コンプライアンスの観点から特に重要な事項を解説し、関連する社内ルールや資料を一元化した「コンプライアンス・マニュアル」を策定し、当社全役職員に周知しております。
また、新人研修、新任管理職研修、新任役員研修など、国内外を問わず、各階層向けのセミナーを実施するとともに、「住友商事グループ・コンプライアンス・ポリシー」や「コンプライアンス・マニュアル」のさらなる理解と浸透を図るために、当社全役職員(出向者や海外勤務者を含む)を対象にその時々の状況に応じたテーマについてのe-learningを毎年開講しております。さらに、毎年一度、当社全役職員から、コンプライアンスの遵守徹底にかかる誓約書も取得することにより、「法と規則を守り、高潔な倫理を保持する」という当社グループの行動指針を定期的に確認しております。これらの定期的な活動に加え、贈収賄防止、取適法・競争法遵守、安全保障貿易管理、インサイダー取引の防止等、当社の事業遂行過程において特に重要なリスク領域については、テーマ別の研修やセミナーを繰り返し実施し、役職員の理解向上と実務への定着を図っております。また、営業グループ、国内支社店、海外支社店では、コンプライアンス・リーダーのもと、事業内容や地域特性に応じたコンプライアンス研修も都度実施し、きめ細やかな啓発活動を行っております。さらに、当社グループ会社に向けて「住友商事グループ・コンプライアンス・ポリシー」に関するe-learningコンテンツを展開するなど、グループ会社のコンプライアンス体制の強化のための各種支援も行っております。
2025年度において、当社及び海外支社店が実施したコンプライアンス関連の研修はのべ169回以上で、約22,980人以上が受講しました。このほか、各営業グループ及び各グループ会社においても数多くのコンプライアンスに関する研修が実施されております。
(c) 重点分野に関する取り組み
i) 贈収賄・腐敗防止
当社グループでは、「コンプライアンス最優先」の大原則の下、住友商事グループ・コンプライアンス・ポリシーにも示すとおり、あらゆる形態の腐敗の防止に厳しく取り組んでおります。具体的には、当社において「公務員等への贈賄防止規程」を制定し、国内外の公務員等に対する接待・贈答、代理店の起用、招聘、寄付に関するルールを定めて、所要の社内審査を行っております。また、各国の法令改正や外部専門家からのアドバイス、その他社会的な情勢の変化などを踏まえながら、社内ルール、ガイドライン、マニュアルなどを継続的に見直し、改善しております。さらに、こうしたルールやマニュアルなどを海外拠点及びグループ各社へ展開して、各社の贈賄リスクの度合いに応じた体制の整備と運用を促しているほか、社内セミナーなどの継続的な実施を通じ、日本及び海外での贈収賄・腐敗防止に向けて不断に取り組んでおります。
このような当社グループの考え方や取り組み方針などは「住友商事グループ贈賄防止指針」(2017年制定・公表)にまとめております。詳細は当社HPのサステナビリティ関連ページ内、「住友商事グループ贈賄防止指針」を参照ください。
ii) 競争法遵守
当社は、住友商事グループ・コンプライアンス・ポリシーにおいて「公正な競争行為」を行うことを定め、競争法遵守に取り組んでおります。全役職員に配布している「コンプライアンス・マニュアル」において、競争法の背景、禁止される具体的な行為例、違反時のペナルティ等について解説しているほか、より実務に即した、日々の取引における留意事項をまとめたマニュアルも作成しており、役職員への理解の浸透を図っております。加えて、職掌別に実施している定期的なコンプライアンス研修でも競争法遵守及び留意点について解説・周知しているほか、水平的規制・垂直的規制・企業結合・グループ会社運営上の留意等のテーマごとに、様々な形式での定期的な社内研修(外部講師を招聘しての対面研修、e-learning、動画配信等)の実施を通じて、日本及び海外における競争法の遵守徹底を図っております。
iii) インサイダー取引の防止
当社は、当社の事業活動及び役職員の私的取引に関連してインサイダー取引規制違反を防止すべく、「内部者取引防止規程」や「プロジェクト管理ガイドライン」を制定し、社内チェック体制を敷いております。また、インサイダー取引規制及び社内ルールの遵守徹底のため、定期的に社内研修などの啓発活動を実施しております。
iv) 安全保障貿易管理等
当社は、武器や軍事転用可能な民生用の製品・技術などが、大量破壊兵器の開発を行っている国家や非国家主体(テロリスト)の手に渡らないよう、安全保障貿易管理に万全を期すため「安全保障貿易管理規程」を制定・運用するとともに、関税関連法規をはじめ、公共の秩序や安全に関わる関連諸法令遵守のための各種マニュアル・ガイドラインを整備し、研修・指導・モニタリングなどを随時実施しております。
また、当社は、国際社会が協調して進める制裁措置を遵守するために、リスクの度合い及び経営への影響を踏まえつつ、個別ビジネスにおける取引先モニタリングを含む対応方針を、制裁対応に関する「リスクマネジメント細則」としてルール化しております。加えて、関連するコーポレートグループの各部署を集めた横串組織としての制裁対応デスクを設置し、全社的に統一した対応が取れるように管理体制を整えております。
v) その他の分野
当社では、社会・環境課題に対する包括的方針を制定の上、リスクに応じて、関連する契約の契約条項にそれを反映させております。詳細は当社HPのサステナビリティ関連ページ内、「環境マネジメント」、「サプライチェーン・マネジメント」及び「人権の尊重」を参照ください。
また、当社は、上述のi)~v) に掲げる事項に加え、各グループ会社との定期的な対話を通じて、当該グループ会社の事業内容及び事業環境に照らした重要なリスクの把握に努めております。これらの対話を通じて各グループ会社が抽出・認識したリスクについては、当社の主管組織がモニタリングを行い、必要に応じて助言・支援を行うことにより、当該リスクへの適切な対応を図っております。
③ リスク管理
当社は、上述に掲げる各種取組みによりリスクへの適切な対応を図っておりますが、問題が発生する可能性が認識された場合や実際に問題が発生した場合は、当該事象を早期に把握し、迅速かつ適切に対応することを可能とする以下の体制を構築しております。
(a) 即一報
当社グループでは、競争法違反や贈収賄・腐敗行為などの各種法令違反のみならず、職場での不正行為、不正経理、ハラスメント行為など、コンプライアンスに関する問題が生じた場合またはそのおそれのある事態を知った場合には、「即一報」を行うことを社則に明記し、マネジメントレベルを含む上司あるいは関係するコーポレートグループの各部署に対して直ちに事態を報告することの徹底を図り、都度関係部署の総力を結集し、速やかに最適な対応・対策を講じております。
総合商社である当社グループは、多国籍・多法域にわたり事業を展開し、官公庁・国営企業・取引先企業との接点が多いほか、グループ会社、ジョイント・ベンチャー、代理店等を通じた間接的な事業遂行も多いという特性を有しております。このため、法令違反またはそのおそれのある事態が、現場レベルや第三者の行為として潜在化しやすく、経営層や本社部門による把握が遅れるリスクが構造的に存在します。当社は、このような事業特性を踏まえ、問題の早期把握と迅速な是正を可能とする仕組みとして、「即一報」制度を当社グループの基本と位置づけております。
(b) スピーク・アップ制度
職制ラインでの「即一報」の報告が何らかの事情で困難な場合に備えて、この通常ルートである「即一報」のほかに、問題に気付いた役職員が社内外の受付窓口を通じてチーフ・コンプライアンス・オフィサーに連絡できる、「スピーク・アップ制度」を2000年11月から設けております。
当社のスピーク・アップ制度は、チーフ・コンプライアンス・オフィサーのほかに、社外の専門業者、外部弁護士及び監査等委員会という多様な受付窓口を設けており、当社のすべての役職員(契約社員、派遣社員及び出向者などを含む)並びに情報連絡の日から遡って一年以内に当社の役職員であった者からの情報連絡を受け付けております。また、匿名による情報連絡も可能です。
情報連絡された事実や内容の秘密が厳守され、連絡したことにより連絡者本人に不利益となる処遇は行われないことも保証しております。
また、様々な周知策を通じ、スピーク・アップ制度とその運用の詳細について役職員の一層の理解を深める取り組みを継続しております。受付窓口を記載したコンプライアンスポスターのオフィス掲示、役職員一人ひとりへのスピーク・アップカードの配布、制度・運用全般や受付窓口によく寄せられる質問についてわかりやすく解説したガイドの発行及び、e-learningの作成を通じ、広く社内に展開しております。
上記の当社における制度に加え、国内外を問わずグループ各社の役職員が通報することが可能なSC Global Speak-Up制度、各海外支社店における受付窓口、各グループ会社における受付窓口がそれぞれ設けられております。
スピーク・アップ制度、SC Global Speak-Up制度、各海外支社店、各グループ会社において受け付けたそれぞれの事案について、チーフ・コンプライアンス・オフィサーの指揮、指示のもと事実調査を行い、適切に対処されております。この点、複数の外部の弁護士からも、個別案件の対応時に助言を得たり、定期的なレビューを受けることで、制度の適切な運用が確保されるように取り組んでおります。
2025年度において、当社コンプライアンス委員会にて受け付けた、当社グループのスピーク・アップ件数は、49件で、前期から横ばいの状況です(参考:2024年度の受付件数は50件)。これに加えて、各海外支社店、各グループ会社においてもスピーク・アップが活用されております。
なお、ここでいうスピーク・アップ件数に「即一報」の件数は含まれておりません。上述のとおり、当社グループでは「即一報」の徹底を図っており実際にも活発に利用されていることから、通常ルートである「即一報」の利用が基本とされつつ、スピーク・アップも状況及び必要性に応じて適切に活用されていると評価しております。
(c) 違反事案への対応と再発防止策の策定・実行
「即一報」及びスピーク・アップ制度に基づき連絡が行われた場合や、その他社内でコンプライアンス上の問題またはそのおそれのある事態が判明した場合には、必要に応じ外部専門家なども起用の上、法務部などが中心となり、国内外の関係部署とも連携し、速やかに事実関係の把握及び原因究明を行います。その結果を受けて、是正措置や必要な処分を実行するとともに再発防止策を定め、実施しております。
コンプライアンス委員会事務局では、毎年度、当社グループにおけるコンプライアンス違反の状況を取りまとめた上で分析、評価するとともに、今後のコンプライアンス関連施策などの検討を行っております。その結果や内容は、コンプライアンス委員会での議論を経て、経営会議、監査等委員会、取締役会でも報告、議論されております。このように、PDCAサイクルを活用しながら、施策の改善・充実を重ねることにより、当社グループにおけるコンプライアンスの周知徹底に取り組んでおります。
情報セキュリティ
① ガバナンス
当社は情報セキュリティに関するリスクに適切に対応するため、チーフ・インフォメーション・オフィサーを委員長とするIT戦略委員会を中心とした管理体制を構築しております。IT戦略委員会においては、情報セキュリティに関する社内規程・制度の整備及び見直し、並びに個別の情報セキュリティ施策について検討しております。同委員会において検討された重要事項については経営会議に付議され、意思決定及び監督が行われております。また、情報セキュリティ施策の実施状況や情報セキュリティインシデントの発生状況等については、IT戦略委員会から経営会議及び取締役会に対し、毎年報告を行う体制としております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (a) サステナビリティ経営の監督」を参照ください。
加えて、主要な子会社における情報セキュリティ対策として、情報資産に関する規程の整備、従業員教育の実施、危機管理対応及び復旧計画に関する体制の整備等の状況について、当社グループの内部統制の仕組みを通じて、継続的な向上及びモニタリングに取り組んでおります。
② 戦略
サイバー攻撃は年々巧妙化・高度化しており、当社においても、予期せぬ外部からのサイバー攻撃、不正アクセス、ウイルスやマルウェアの侵入、並びに情報システムの機能不全等が発生する可能性があります。これらの事象が発生した場合、情報の漏洩、滅失または毀損、さらには事業活動の一時的な停止等により、当社の事業活動及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の事業活動の多くは情報システムの機能に依存していることから、情報システムの安全性及び安定的な運営を確保することは、重要な経営課題の一つであると認識しております。情報セキュリティ対策の強化は、サイバー攻撃に関するリスクの低減にとどまらず、顧客や取引先からの信頼性向上、事業継続性の確保及び競争力の維持・向上にも資するものと認識しております。
当社は、2017年10月に制定した「情報セキュリティ基本方針」をはじめとする関連規程を整備するとともに、役職員に対する啓発活動を継続的に実施し、情報セキュリティの確保及び情報資産の適切な管理に努めております。個人情報については、「プライバシー・ポリシー」を制定し、関連規程及び組織体制を整備することにより、適切な保護及び管理を行っております。
外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等に対しては技術的対策を講じるとともに、情報システム運営における安全性の確保に努めております。また、万一インシデントが発生した場合に備えた対応体制を整備しております。加えて、外部専門機関とも連携し、最新の脅威動向に関する情報を入手することで、適切かつ迅速な対応が可能となる体制の維持・強化を図っております。
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得る情報セキュリティ関連のリスク及び機会は以下のとおりであります。
※時間軸:短期 2026年、中期 2035年、長期 2050年
当該リスク及び機会について、以下のとおり分析しております。なお、これらに関する財務的影響については、合理的かつ信頼性のある定量的情報の算定が困難であることから、定性的な情報を記載しております。
・ITサービス事業
・防衛・航空宇宙事業
■レジリエンス
上記のとおり認識している当社グループの見通しに影響を与え得る情報セキュリティ関連の各リスクに対して、戦略・緩和策に既に取り組んでおり、引き続き戦略・緩和策の計画を立てております。戦略・緩和策の実施に伴い、当社事業の継続にはレジリエンスが担保されていることを認識しております。
③ リスク管理
当社は、会社情報の窃取または破壊等を目的とした外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等、情報セキュリティに関する不測の事態に備え、テレワーク環境を含む情報システム利用環境の多様化等に対応したシステム上の技術的対策に加え、役職員に対する継続的な教育・啓発及び訓練を実施しております。あわせて、主要な子会社を含めた情報セキュリティ管理体制の確認及び整備を行い、外部専門機関とも連携の上、情報セキュリティリスクの最小化に取り組んでおります。 詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ③ リスク管理 (b) 個別事業におけるサステナビリティ関連のリスク管理」を参照ください。
また、当社は、各組織に情報管理者を配置し、当社が保有する情報資産について、その重要度に応じた区分を行った上で、取り扱い方法及び手順を定め、これらに基づく適切な管理を徹底することにより、情報セキュリティの確保を図っております。
事業継続計画(BCP)
当社グループでは、自然災害、感染症及びサイバー攻撃等により事業活動の継続が阻害されるリスクを、サステナビリティ上の重要なリスクの一つとして認識しております。
① ガバナンス
当社グループの事業継続計画(BCP)に関するガバナンスは、サステナビリティ経営全般のガバナンスに組み込まれており、その枠組みの下で運営しております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス」を参照ください。
こうした全社的なガバナンスの枠組みの下、当社グループ各組織において業種・業態・地域性等を踏まえたBCPを策定するにとどまらず、その実効性を確保し、組織に定着させるため、事業継続マネジメント(BCM)として継続的な取組みを行っております。
BCMの取組みの一環として、当社では、各組織でBCPセルフチェックを実施し、BCPの策定状況や訓練の実施状況を定期的に把握しております。セルフチェックの結果は、所管部署である災害・安全対策推進部が取りまとめ、経営会議へ報告の上、各組織にも共有し、必要に応じてフォローアップを行っております。
あわせて、当社グループ会社に対しては、当社との「対話」の中でBCPセルフチェック結果を活用し、対応状況の確認と課題の共有を行っております。
危機発生時には、災害・安全対策推進部が対応に関与し、自然災害、事故、感染症等のうち、即時の情報共有及び経営判断が必要とされる事象について、国内外を対象に全社的な情報集約及び経営層への報告を行う体制を整えております。大規模な自然災害が発生した場合には、人材・総務・法務グループ長を本部長とする緊急対策本部を設置し、社員の安全確保及び事業の早期復旧に向けた対応を行います。
② 戦略
当社グループは、地震・水害・感染症・サイバー攻撃等による事業停止、機会損失、レピュテーションの毀損等の影響を最小化し、事業の継続性と中長期的なレジリエンスを確保するため、BCPを重要な経営基盤の一つとして位置付けております。
(a) BCPの実効性向上を目指した取り組み
BCPの実効性向上に向けて、国内外の各組織・拠点において、最低年1回のBCP見直しと発災時訓練の実施を推進しております。東京本社では、首都直下地震を想定した緊急対策本部訓練や、南海トラフ地震を想定した連携訓練等を通じて、社員の安全確保、共助、事業の早期復旧を基本方針とした対応力の強化に取り組んでおります。
これらの取組みは、BCPセルフチェックと連動し、PDCAサイクルを通じた継続的な改善により、全社的なレジリエンスの向上を図っております。
(b) BCPに関する重要なリスク及び機会
当社は、今後発生の可能性が高い自然災害の状況を踏まえ、リスクの高い領域について重点的な管理及び改善施策を実施しております。
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るBCP関連の主なリスク及び機会は、以下のとおりであります。
※時間軸:短期 2026年、中期 2035年、長期 2050年
当該リスク及び機会について、以下のとおり分析しております。なお、これらに関する財務的影響については、合理的かつ信頼性のある定量的情報の算定が困難であることから、定性的な情報を記載しております。
・海洋油・ガス生産設備傭船事業
(※) Floating Production Storage and Offloading(FPSO:洋上において原油・ガス生産を行うための設備)
・化学品事業
・石炭火力発電事業
・不動産事業
■レジリエンス
上記のとおり認識している当社グループの見通しに影響を与え得るBCP関連の各リスクに対して、戦略・緩和策に既に取り組んでおり、引き続き戦略・緩和策の計画を立てております。戦略・緩和策の実施に伴い、当社事業の継続にはレジリエンスが担保されていることを認識しております。
③ リスク管理
当社グループでは、BCPに係るリスクについて、各組織の自律的な取組みを基本としつつ、BCPセルフチェック及び「対話」を通じて対応状況を把握し、グループ全体として一定の水準を確保する観点から管理しております。
把握された課題については、各組織と共有の上、必要に応じて改善に向けたフォローアップを行い、全体の事業継続力の向上を図っております。
④ 指標及び目標
当社グループでは、BCMの取組みを通じて、緊急時においても重要業務を継続し、可能な限り早期に事業を再開することを目標としております。
この目標に基づき、各組織におけるBCPの整備・訓練状況をセルフチェック等で定期的に確認し、必要に応じて見直し・改善を行うことで、ガバナンス及び戦略と整合したPDCAサイクルを推進しております。
3 【事業等のリスク】
当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当期末時点における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、多くの要因によって実現しない可能性があり、また、予測等に基づき策定した中期経営計画を修正する可能性や達成できない可能性もあります。
(1) 当社グループにおけるリスクマネジメントの基本方針・体制
当社においては、「リスク」を「あらかじめ予測し若しくは予測していない事態の発生により損失を被る可能性」及び「事業活動から得られるリターンが予想から外れる可能性」と定義し、以下3点をリスクマネジメントの目的としております。
① 「業績安定」
② 「体質強化」
③ 「信用維持」
当社は、営業活動を投資と商取引に大別の上、それぞれに固有のリスクファクター及び双方に共通するリスクファクターを特定し、その発生する蓋然性及び発生した時の影響を分析・評価しております。

(2) 事業投資に係るリスク
① 全般
当期末現在、当社は327社の連結子会社及び192社の持分法適用会社を有しています(注)。当社では連結子会社及び持分法適用会社への投資に関しては、技術革新等を含む事業環境の変化や、主要顧客の喪失、原料価格の上昇等により、計画した利益が獲得できず、投下資金の回収不能や撤退時における追加の資金負担に繋がるといったリスクが考えられます。当社ではこれらリスクを管理するため、新規投資実行時及び実行後のモニタリングに大別して様々な制度を導入しています。
(注) 連結子会社が保有する関係会社のうち、当該連結子会社にて連結または持分法処理されているもの(当期末現在、子会社346社、持分法適用会社73社)については、上記会社数から除外しています。
(a) 新規投資実行時
取り組みの初期段階から「投資テーマ」を明確にし、デューデリジェンスによって重点的に検証しています。加えて、当該事業リスクに応じた割引率を適用することにより、投資対象の「適正な価格」を算定するとともに、2021年には、過去の大型投資案件の計画未達・損失発生等の要因を網羅的に分析し、新たに投資案件選定指針を設定、新規投資検討の際には常にこの指針に照らして議論するなど、定性・定量の両面から評価を実施しています。また、投資案件の意思決定に際しては、案件の規模や重要性に応じて、検討・実行の各段階において、経営会議及びその諮問機関である全社投融資委員会、またはグループ経営会議(各営業グループにおける投資意思決定機関)を開催し、個別案件の戦略上の位置付けや案件選定の背景・理由、投資後のバリューアップ施策の前提とその確からしさ、並びに ESGの観点等、投資の成否を左右する諸条件について早い段階から課題の特定、議論の深掘りを行うとともに、その対応策も踏まえた案件実行可否につき審議しています。
(b) 投資実行後
投資実行後の支援にあたっては、投資の意思決定時点において課題を明確にし、投資実行後もスムーズに課題解決に取り組める体制を整えています。特に重要な案件については、統合支援機能として「100日プラン(注)実行支援制度」を設けています。更に、投資先のモニタリング制度を通じ、一定の定量基準に基づく撤退候補先の洗い出し、新規投資案件の進捗状況のフォローを行うとともに、投資先の成長性や収益性にフォーカスした事業投資先レビューを実施するなど、定期的に全投資先の保有意義をレビューし、ポートフォリオの入れ替え、最適化に取り組んでいます。
また、ガバナンスの高度化を目的とし、投資先の事業に則したKAI、KPI設定を通じた経営の可視化、最適なマネジメントチームの組成、及び事業価値向上を促進するマネジメント報酬の設計等を通じ、事業会社における業務品質の向上を図っています。
加えて、投資の成功確度向上を目的に、過去の投資案件を踏まえてリスクや論点の抽出を支援するAIプラットフォームを構築しました。
(注) 投資実行後の早い段階で、投資先のマネジメントと目標とすべき経営指標や財務指標を含めた事業価値最大化を図る中期計画を策定するとともに、その実行を担保する経営インフラ、ガバナンス体制の構築・整備を行う活動のこと。

② 鉱物資源、ガス開発・生産事業に係るリスク
当社は、鉱物資源、ガス等の開発事業を各国で展開しており、以下に例示するようなリスクを負っています。これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があることから、当社では、マーケット情報の収集や分析に取り組み、当該事業のプロジェクトマネジメントの強化に努めています。
(a) 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること
(b) 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が変動すること
(c) 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること
(d) 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事由に起因して計画が実現しないこと
(3) タイプ別リスク
① 信用リスク
当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。また、当社は、主としてヘッジを目的とするデリバティブ取引を活用しており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。
当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定していますが、予期せぬ要因等によりこれら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
② 商品市況の変動に係るリスク
当社グループは金属・エネルギーを始めとする各種商品の売買を行っており、当該商品の価格変動リスクを負っています。
当社は、商品ごとの枠設定による管理体制の構築や、ヘッジ取引等によりリスクの軽減に努めており、主要な商品については、ポジション枠及び損失限度枠の設定、ミドル・バックオフィスの設置により職務分離を確保しています。
また、当社グループは直接・間接的に鉱物・原油及びガス資源権益を保有しており、生産物の価格変動リスクを負っています。これら事業については、ヘッジポリシーを定め、ヘッジが必要と判断される場合は、デリバティブ取引等を用いてヘッジを実施することにより業績の下振れリスクを抑制しています。
③ カントリーリスク
当社は、日本を含む60ヶ国以上において商取引及び事業活動を行っており、関係各国の政治・経済・社会情勢等の事業環境の変化に起因して生じる事業遅延・停止等が当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当社は、案件ごとに保険を付保するなどのリスク回避策を講じるとともに、社内国格付に応じたエクスポージャーの上限目安額を設定し、国ごとのエクスポージャー管理を実施することにより事業ポートフォリオが適切な分散を保つよう管理しています。
中東諸国を含む全世界において、住友商事グループの役職員とその家族、取引先をはじめとする、すべてのステークホルダーの安心と安全を最優先事項として掲げています。また、ロシア及びウクライナ関連ビジネスについては、取引先を含む事業パートナーやステークホルダーとの協議を踏まえ、社長を議長とする経営会議の管理の下で、住友商事の危機対応方針に即し対処しています。
④ 金利・為替の変動に係るリスク
当社は、金融機関からの借入及び社債・コマーシャルペーパーの発行等により、事業資金を調達しています。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。これらの取引により生じる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。
また、当社が行う外貨建投資・外貨建取引により生じる収益・費用、外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。
当社は、これらの金利変動及び外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、デリバティブ等を活用しておりますが、これらの手段によりリスクを十分に回避できる保証はありません。
⑤ 株式市場の変動に係るリスク
当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。
⑥ 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク
当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。
不動産のほか、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 情報セキュリティに係るリスク
当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、テレワーク環境等、情報システム利用環境の多様化に応じた情報セキュリティの強化も図っています。さらに、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保に努めています。しかしながら、サイバー攻撃が年々巧妙化する中、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ウィルスやマルウェアの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。
これらのリスクに適切に対応するため、チーフ・インフォメーション・オフィサーを委員長とするIT戦略委員会を中心に、2017年10月制定の「情報セキュリティ基本方針」に沿って、情報資産の適切な管理に努めています。また、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等に対してはシステム上の対策に加え、外部専門機関とも連携の上、最新情報を入手し、適切かつ迅速に対応できるように努めています。
⑧ リーガル・コンプライアンスリスク
当社は、日本及び海外において、多種多様な事業活動を手掛けているため、広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、競争法制、汚職・腐敗行為防止、為替管理、金融商品取引、個人情報・データ保護、人権保護、環境保護、消費者保護、関税及びその他の租税等の分野にわたることに加え、国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に新たに服する可能性があります。また、新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない変更、並びに司法機関及び行政機関等による規制実務の変更によって、法令遵守のための当社における負担がより増加する可能性があります。
これらの法律及び規制の遵守を徹底するため、当社は、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを置いており、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス施策の企画、立案及びその実施につきコンプライアンス委員会から助言を受け、コンプライアンスに関する適切な施策を策定・実行しています。また、コンプライアンスの基本方針を住友商事グループ全体に明確に示すために、当社は、「住友商事グループ・コンプライアンスポリシー」を制定し、セミナー等の継続的な啓発活動を通じて、グループ全体への「コンプライアンス最優先」及び、万一、コンプライアンス上の問題が発生したときは直ちに上司あるいは関係部署に対して事態を報告し、最善の措置をとること、すなわち「即一報」の意識の浸透・徹底を図っており、コンプライアンス問題の発生防止に努めています。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (5)ガバナンスに関する開示 法規制対応」を参照ください。
しかしながら、このような取り組みをもってしても、当社または当社グループに属する役職員が、現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰金等のペナルティの対象になるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社の子会社である住商リアルティ・マネジメント株式会社(以下、SRM)は、2025年12月5日、金融庁より金融商品取引法に基づく業務改善命令の行政処分を受け、2026年1月16日、業務改善報告を金融庁へ提出しました。SRMの親会社であり、運営するリートの主要な物件供給源でもある当社は、今般の事態を重く受け止め、今般SRMから提出された業務改善報告の実践状況をモニター・監督するとともに、適切なガバナンス体制の構築に協力してまいります。また、個別の物件取引においてはSRMとの利益相反関係をより一層意識・配慮し、適切なリスク管理を徹底いたします。SRMが、投資家の皆さまのご期待に応え、持続的な成長を果たせるよう、当社は、SRMと共に信頼の回復に努めてまいります。今後も「コンプライアンス最優先」の基本方針のもと、当社グループ各社の業容や組織の実情に応じた法令遵守体制及び内部管理体制を整備、強化し、住友商事グループのさらなるコンプライアンス強化に全力を挙げて努めてまいります。
⑨ 訴訟等に関するリスク
当社は、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。
訴訟等に固有の不確実性を考慮すると、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や、将来において当社の社会的信用や当社の業績及び財務状況がそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。
⑩ 社会・環境リスク
当社グループは、世界中の異なる国・地域で、複数の分野に跨り事業を展開しており、その事業活動は、地球環境や地域社会、顧客、役職員等のステークホルダーにさまざまな影響をもたらします。そのため、当社グループの事業活動が、人々の人権や地球環境に負の影響を与えた場合には、その影響の解消・緩和や損害の賠償等による追加的費用の発生や事業の停止等によって、財政状態の悪化、信用の毀損等の影響を受ける可能性があります。
当社は、社会・環境に配慮し、社会とともに持続的に成長することを目指し、「環境方針」「人権方針」「サプライチェーンCSR行動指針」を制定して、社会・環境問題に関する考え方を明確にしています。持続可能な調達を要する主要な天然資源についても、個別の方針を制定して取り組んでいます。事業活動が与える社会・環境面への影響を適切に管理するために、新規投資の際には、各事業の社会・環境への関わりや影響、それらの管理の状況を確認し、投資実行後も、定期的なモニタリングを行うなど、社会・環境リスク管理の全社的なフレームワークを整えています。
気候変動に関しては、事業を通じて、社会の持続可能な発展に必要な気候変動問題の解決、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する方針を掲げ、発電事業における再生可能エネルギーへのシフトなど、より環境負荷の低い事業ポートフォリオへの継続的なシフト等の取り組みを進めています。
自然資本に関しては、循環型経済の構築やサプライチェーンマネジメント等を通じた自然と共生する社会の実現を目標に掲げています。事業による影響を回避・最小化するために排水・排気・廃棄物管理の適正化による汚染防止や、資源循環に資する取り組みを行っているほか、当社全事業の中で生物多様性や水ストレスの観点でリスクの高い事業を特定して対策状況を確認するなど、自然資本の保全・再生に努めています。
人権の尊重に関しては、当社グループの全事業とサプライチェーンにおいて人権が尊重されるよう努めることを目標に掲げています。当社全事業・サプライチェーンを対象として実施した人権デューデリジェンスの結果などを踏まえ、全社的なリスクマッピングをおこない、当社グループにおける人権リスクが高い事業を特定しております。各SBUや事業会社が主体となり、引き続き人権リスクの低減・防止に努めます。
⑪ 自然災害等に関するリスク
当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水等の自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じていますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。
⑫ オペレーショナルリスク
当社は、営業グループ、国内外の地域組織及び全世界のグループ会社を通じて、幅広い分野でビジネスを展開しており、それぞれの組織において内部統制を適切に構築する必要があります。しかしながら、当社が内部統制を適切に構築したとしても、役職員の事務処理ミスや不正行為等のオペレーショナルリスクを完全に防止することができる保証はありません。事務処理ミスや不正行為等が発生した場合、当社は財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクをできる限り抑えるために、内部統制に関する基本規程を定め、適正な内部統制の構築・運用・モニタリング及び評価・改善を通じて、グループガバナンスの向上及びグループ全体の業務品質向上に取り組んでいます。
⑬ 資金の流動性に関するリスク
当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、調達先の分散や調達手段の多様化に努めており、これにより、財務健全性の維持・向上を図ります。
⑭ 繰延税金資産に関するリスク
当社及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、当社及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能なすべての将来情報を用いて判断しています。当社及び連結子会社は、回収可能性を見込めると判断した部分について繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や法定税率の変更を含む税制改正等により回収可能額が変動する可能性があります。
また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達等により、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 人的資本に関するリスク
詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 人的資本に関する開示 ② 戦略 (c) 人的資本に関するリスク及び機会 および ③リスク管理」を参照ください。
(4) 集中リスク
当社グループの商取引及び投資活動において、特定の国、分野、または取引先に対するエクスポージャーが集中するリスクがあります。事業環境の悪化等により当社が期待するリターンが得られない、もしくは損失を被る場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに適切に対応するため、当社では以下の管理を実施しています。
・特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けています。当社が抱えるエクスポージャーが大きい特定の国については、当該制度に基づき、きめ細かく管理しています。
・特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、営業グループやビジネスラインへ配分する投下資本額について十分なディスカッションを行っています。
・資源・エネルギー上流案件については、定期的なプロジェクト価値のモニタリングを実施しています。
・当社グループとして債権残が高額になる取引先については、定期的に当該取引先の経営状況等の情報を把握し、管理しています。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 企業環境
当期の世界経済は、インフレ鎮静化が進み、景気の底堅さを実感できるような時期があった一方で米国の相互関税を巡る通商問題の拡大や地政学的リスクの増大などによる減速懸念も交錯する展開となりました。
国際情勢の悪化は経済活動の重しとなりました。ウクライナ・ロシア情勢については紛争状態が長期化しています。中東情勢については、2026年2月に米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃に踏み切ったことで、ペルシャ湾岸地域が紛争地帯となり、物流の要衝であるホルムズ海峡の航行にも大きな支障が生じています。
米国はAI関連の投資継続や金融緩和策の継続等により景気の底堅さは維持されているものの成長ペースは鈍化しました。物価は安定傾向を示してきましたが、関税由来のインフレ圧力が懸念され、金融政策のバランスが問われる1年となりました。欧州では財政支出の拡大を背景に緩やかな回復軌道をたどりました。中国では政策支援により家計消費が一時的に改善しましたが、時間の経過とともにその効果は剥落しました。また、市場競争が激しくなったことで設備投資が大きな減速局面を迎え、固定資産投資が大幅なマイナスを記録しました。アジア諸国では、AI関連需要を追い風にした輸出拡大が続きましたが、米国の関税措置や中国からの輸出攻勢といった二重の景気下押し圧力に加えて、中東の紛争により石油供給が不安定になったことで景気の先行きについて予断を許さない局面を迎えました。
国内経済は、物価上昇を上回る賃金の上昇が焦点となった1年でした。賃上げにより、マイナスが続いてきた実質賃金上昇率がようやくプラスへ転じる見通しとなったことで家計消費は購買力の回復とともに持ち直しの動きが見られました。企業の設備投資はAI・DX(注1)・GX(注2)関連を中心に拡大傾向が続きました。しかし、中東情勢の緊迫化による石油価格の上昇で物価が再び押し上げられる懸念が生じました。
国際商品市況は、中東情勢の緊迫化を受けてWTI原油先物が一時1バレル119ドル台と約4年ぶりの高値へ急伸したのち、先進国での備蓄放出や停戦期待が高まったことで乱高下を繰り返しています。地政学的リスクの高まりやAI関連需要を追い風に上昇基調が続いてきた非鉄金属については、金価格や銅価格が史上最高値を記録しました。
為替・金融市場は、日米の金融政策の相違を反映した動きとなりました。実質金利が米国においてプラスであるのに対し、日本では引き続きマイナスであり、結果として1ドル=160円付近まで円安が進行しました。長期金利は、財政支出拡大見通しを背景に、約30年ぶりに2%台前半での推移が続いており、財政負担の増加等の影響が懸念されています。日経平均株価はAIブームや企業収益の改善期待を背景に一時6万円に迫る歴史的な高水準を記録しました。
(注)1 デジタルトランスフォーメーション
(注)2 グリーントランスフォーメーション
(2) 業績
(3) 事業セグメント
当社は戦略を軸とする「Strategic Business Unit」(SBU)を基本単位とし、戦略上の親和性の高いSBUを束ねる組織として9つのセグメント(グループ)に区分しております。
9つのセグメントは鉄鋼グループ、自動車グループ、輸送機・建機グループ、都市総合開発グループ、メディア・デジタルグループ、ライフスタイルグループ、資源グループ、化学品・エレクトロニクス・農業グループ、エネルギートランスフォーメーショングループから構成されております。
前期及び当期の売上総利益、当期利益(親会社の所有者に帰属)の事業セグメント別実績は以下のとおりであります。
事業セグメント別売上総利益の内訳
事業セグメント別当期利益(親会社の所有者に帰属)の内訳
(4) 仕入、成約及び販売の実績
① 仕入の状況
仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
② 成約の状況
成約は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
③ 販売の状況
当期において、特記事項はありません。上記「(2) 業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照ください。
(5) 連結包括利益計算書における主要な項目
以下は、連結包括利益計算書における主要な項目についての説明であります。
収益
当社では、収益を、商品販売に係る収益とサービス及びその他の販売に係る収益に区分して表示しております。
商品販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売
・不動産の開発販売
・長期請負工事契約に係る収益
サービス及びその他の販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・ソフトウェアの開発に関連するサービス
・賃貸用不動産、船舶などの貸付金、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リース
売上総利益
売上総利益は、以下により構成されております。
・当社が主たる契約当事者として関与する取引における総利益
・当社が代理人等として関与する取引における手数料
固定資産評価損益
棚卸資産、繰延税金資産及び生物資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額については、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積り、のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を少なくとも年1回見積った上で、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を認識しております。また、減損損失の戻し入れを行った場合は当該戻し入れ金額も含めております。
固定資産売却損益
当社は、資産のポートフォリオの戦略的かつ積極的な入替えを図っております。その結果、不動産等のバリューを実現するために売却する場合や、価格の下落した不動産等を売却する場合、売却損益を計上することになります。
受取配当金
受取配当金には、当社の子会社及び持分法適用会社以外で、当社が株式を保有している会社からの配当金が計上されております。
有価証券損益
当社は事業活動の一環として相応の規模の投資を行っております。これらの投資対象のうち、公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識する金融資産(以下、FVTPLの金融資産)は公正価値で当初認識しております。当初認識後は公正価値の変動を当期利益で認識しております。また、償却原価で測定される金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定される金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、帳簿価額の変動について、必要な場合には減損損失を認識しております。償却原価で測定される金融資産並びに子会社及び持分法適用会社への投資等を売却する際に、売却損益を認識しております。
持分法による投資損益
投資戦略やビジネスチャンスの拡大に関連して、当社は、各セグメントで状況に応じ、新規または既存の会社の買収や出資、他の企業とのジョイント・ベンチャーの結成、または同業他社とのビジネス・アライアンスの組成を行っております。一般的に、当社は、出資比率が20%以上50%以下である会社の投資に対し、その持分利益や損失を計上しております。
FVTOCIの金融資産
公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識する金融資産(以下、FVTOCIの金融資産)は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動をその他の包括利益で認識しております。
確定給付制度の再測定
当社は、確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益で認識しております。
在外営業活動体の換算差額
在外営業活動体の資産・負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中平均レートを用いて日本円に換算しており、在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。当社のIFRS移行日以降、当該差額はその他の資本の構成要素である「在外営業活動体の換算差額」として表示しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債、または当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、その他の包括利益で認識しております。
(6) 重要性がある会計方針及び見積り
IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の資産・負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに期中の収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、または、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産・負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。以下、当社の財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要性がある会計方針につき説明しております。なお、当社の主な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」を参照願います。
金融資産の減損
当社は、償却原価で測定する金融資産、リース債権、契約資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識しております。
当社は、信用リスクの変動及び予想信用損失の算定にあたっては、主に当社独自の信用格付けである Sumisho Credit Rating(SCR)を用いております。これには、債務者の過去の貸倒実績、現在の財務状態及び合理的に利用可能な将来予測情報等が含まれております。
公正価値で測定する金融資産
当社は、有価証券やその他の投資等の金融資産を保有しており、FVTOCIの金融資産と、FVTPLの金融資産とに分類しております。当社は、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大などを目的として保有しており、公正価値の変動を業績評価指標としていない金融資産をFVTOCIの金融資産として分類し、公正価値の変動を獲得するために保有し、業績評価指標としている金融資産をFVTPLの金融資産として分類しております。当該金融資産の公正価値は、市場価格、割引将来キャッシュ・フローや純資産に基づく評価モデル等の評価方法により算定しております。
非流動資産の回収可能性
当社は、様々な非流動資産を保有しており、持分法で会計処理されている投資や無形資産などの非流動資産について、帳簿価額の回収可能性を損なうと考えられる企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損テストを行っております。実際に減損の兆候があるかどうかの判定に際しては、様々な見積りや前提が必要となります。例えば、キャッシュ・フローが直接的に減損の懸念がある資産に関係して発生しているのかどうか、資産の残存耐用年数がキャッシュ・フローを生み出す期間として適切かどうか、生み出すキャッシュ・フローの額が適切かどうか、及び、残存価額が適切かどうか、などを考慮しなければなりません。また、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回、更に減損の発生が予測される場合は、その都度、減損テストを実施しております。減損テスト時には、資産の回収可能価額を見積っております。資産または資金生成単位の回収可能価額は使用価値と処分費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割引いております。当社では、過去の経験や社内の事業計画、及び適切な割引率を基礎として将来キャッシュ・フローを見積っております。これらの見積りは、事業戦略の変更や、市場環境の変化により、重要な影響を受ける可能性があります。なお、非流動資産の回収可能性に関連する会計上の見積りの詳細については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 11 持分法適用会社に対する投資、注記 13 無形資産」を参照願います。
繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産の全部または一部について、回収が不確実となった場合に、マネジメントの判断により、減額しております。繰延税金資産の回収可能性の評価にあたっては、繰延税金資産計上の根拠となっている将来の一時差異の解消が見込まれる期間内、または、繰越欠損金の繰越可能期間内に、納税地において将来十分な課税所得を生み出せるかどうかを評価しなければなりません。当社では、有利・不利に関わらず、入手可能なすべての根拠・確証を用いてこの評価を実施しております。繰延税金資産の評価は、見積りと判断に基づいております。納税地での将来の課税所得に影響を与える当社の収益力に変化があった場合、現状の繰延税金資産の回収可能性の評価も変わる場合があります。
引当金の測定
引当金は、過去の事象の結果として、当社が、現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額が合理的に見積り可能である場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。
確定給付債務の測定
確定給付型年金制度は、確定拠出型年金制度以外の退職後給付制度であります。確定給付型年金制度に関連する当社の純債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割引き、制度資産の公正価値を差し引くことによって算定しております。割引率は、当社の債務と概ね同じ満期日を有するもので、期末日において信用格付AAの債券の利回りであります。この計算は、毎年、年金数理人によって予測単位積増方式を用いて行っております。
(7) 資産及び負債・資本
(8) キャッシュ・フロー
(9) 資金調達と流動性
当社の財務運営は財務健全性の維持・向上を基本方針とし、低利かつ中長期にわたり、安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性の保持を図ることとしております。当社グループ内での資金管理については、グループファイナンスを整備し、資金調達を当社及び金融子会社、海外現地法人に集中した上で、キャッシュ・マネジメント・システムを通じて、当社グループ内で資金を効率的に活用する体制を整えております。
当社は総額4兆1,771億円の社債及び借入金を有しており、このうち短期の借入金は、前期比1,971億円増加の4,896億円で、内訳は全額が短期借入金(主として銀行借入金)となっております。
一年以内に期限の到来する社債及び長期借入金4,621億円を含めた当期の社債及び長期借入金は、前期比7,253億円増加の3兆6,875億円となっております。このうち、銀行及び保険会社等からの長期借入残高は、前期比4,596億円増加の2兆7,706億円、社債残高は前期比2,656億円増加の9,170億円となっております。
当社の銀行からの借入の多くは、日本の商慣行上の規定に基づいております。当社は、このような規定が当社の営業活動や財務活動の柔軟性を制限しないと確信しておりますが、いくつかの借入契約においては、特定の財務比率及び純資産の一定水準の維持が求められております。さらに、主に政府系金融機関との契約においては、当社が株式及び社債の発行等により資金を調達した際に、当該金融機関から、当該借入金の期限前返済を求められる可能性があり、また、一部の契約では当社の剰余金の配当等について当該金融機関の事前承認を請求される可能性があります。当社は、このような請求を受けたことはなく、今後も受けることはないと判断しております。
詳細は、「3 事業等のリスク (3) タイプ別リスク ⑬ 資金の流動性に関するリスク」を参照願います。
資金調達については、各金融機関との良好な関係に基づく銀行借入等の間接金融を中心に、コマーシャルペーパーや社債等の直接金融との適切なバランスに留意し、調達期間の長期化を通じた償還期日の分散等による安定的な調達構造を構築しております。外貨建ての資金調達については、銀行借入や外貨建て社債発行、通貨スワップの他、金融子会社、海外現地法人におけるコマーシャルペーパー、ユーロMTN等の活用によって資金調達ソースの多様化に取り組んでおります。また、2022年3月にグリーンファイナンス・フレームワークを策定し、本フレームワークに基づきグリーンボンドを発行しております。2024年2月には、本フレームワークの対象事業の拡大及びソーシャル対象事業の追加を行い、サステナブルファイナンス・フレームワークとして改定しております。
なお、当社は、資本市場での直接調達を目的として、以下の資金調達プログラムを設定しており、当期末時点での当社の長期及び短期の信用格付は、ムーディーズでBaa1(見通し安定的)/P-2、スタンダード&プアーズでA-(見通しネガティブ)/A-2、格付投資情報センターでAA-(見通し安定的)/a-1+となっております。
・当社における、3,000億円の国内及び海外公募普通社債発行登録枠
・当社における、5,000億円のコマーシャルペーパー発行枠
・米州住友商事における、1,500百万米ドルのコマーシャルペーパープログラム
・当社及び英国のSumitomo Corporation Capital Europe(以下、「SCCE」という。)における、5,000百万米ドルのユーロMTNプログラム
・SCCEにおける、1,500百万米ドルのユーロコマーシャルペーパープログラム
保有流動性については、金融市場の混乱等、複数の有事シナリオを想定し、当期末時点で現預金と国内外の主要な金融機関との総額1,210百万米ドル、及び2,850億円を上限とする以下の長期コミットメントラインを中心に、当社及び当社子会社における資金需要や一年以内に期日が到来する借入や社債の償還資金等を補完する十分な流動性を確保しております。なお、当有価証券報告書の提出日までに、これらのコミットメントラインに基づく借入はありません。また、これらのコミットメントラインには、借入の実行を制限する重大なコベナンツ、格付トリガー条項などは付されておりません。なお、これらのコミットメントラインのほかに、当社は、コミットメントベースでない借入枠を有しております。
・米国及び欧州の大手銀行によるシンジケート団との間で締結した、1,060百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ建)/マルチ・ボロワー(住友商事及び英国、米国、シンガポールにおける当社子会社への融資)型長期コミットメントライン
・大手米銀との間に締結した、米州住友商事への100百万米ドルの長期コミットメントライン
・大手欧銀との間に締結した、SCCEへの50百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ・ポンド建)型長期コミットメントライン
・大手邦銀のシンジケート団による1,500億円の長期コミットメントライン(内、790億円はマルチ・カレンシー型)
・有力地方銀行のシンジケート団による1,350億円の長期コミットメントライン
資金調達の内訳
当期末時点での当社の期限別の支払債務は、以下のとおりであります。
期限別内訳
当社は、資金供与に関する契約(貸付契約、出資契約)及び設備使用契約等を締結しており、当期末における契約残高は、8,944億円です。
当期末時点では、資本的支出に対する重要な契約はありません。
上述の契約に加えて、当社のビジネスに関連して、当社は、顧客の債務に対する保証などの様々な偶発債務を負っています。また、当社は、訴訟による偶発債務の影響を受ける可能性があります。これらの偶発債務に関する詳細は、「(10) 偶発債務」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 34 契約及び偶発債務」を参照願います。当社は、現状においては、それらの偶発債務がもたらす資金需要が重大なものとはならないと判断しておりますが、仮に予想に反して、当社が保証を行っている債務に重大な不履行が生じた場合、また、訴訟の結果が、当社に大きく不利なものであった場合には、新たに、大きな資金調達が必要となる可能性があります。
当社は、主に、ワーキング・キャピタル、新規や既存ビジネスへの投資や債務の返済のために、将来にわたり継続的な資金調達を行う必要があります。当社は、成長戦略として買収、株式取得または貸付による投資を行っており、当期は、有形固定資産及び投資不動産の取得に1,418億円、また、事業の取得及びその他の投資の取得に2,480億円の投資を行いました。当社は、現在、全てのセグメントにおいて、既存のコア・ビジネス及び周辺分野を中心に追加投資を検討しております。
しかしながら、これらの投資は、現在、予備調査段階のものや、今後の様々な条件により、その実施が左右されるものであり、結果的に実現されない可能性もあります。また当社は、手許の現金、現在の借入枠や営業活動によるキャッシュ・インで当面必要とされる資金需要を十分に満たせると考えておりますが、それは保証されている訳ではありません。当社の営業活動によるキャッシュ・インが想定より少なかった場合、当社は、追加借入の実施、他の資金調達手段の検討、または投資計画の修正を行う可能性があります。
(10) 偶発債務
当社の取引に関連して、顧客の債務に対する保証履行のような偶発債務を負うことがあります。当社は、世界各国のサプライヤーや顧客と多種多様な営業活動を行うことにより、営業債権及び保証等に係る信用リスクを分散させており、これらに関し重大な追加損失は発生しないものと見込んでおります。
当社の当期末における保証に対する偶発債務の残高(最長期限2044年)は2,520億円で、このうち持分法適用会社の債務に対する保証が1,292億円、第三者の債務に対する保証が1,229億円です。これらの保証は主に持分法適用会社、サプライヤー、及び顧客の信用を補完するために行っているものであります。
(11) 市場リスクに関する定量的・定性的情報
当社のビジネスは、金利、外国為替レート、商品価格、株価の変動リスクを伴い、これらのリスクマネジメントを行うため、為替予約取引、通貨スワップ・オプション取引、金利スワップ・先物・オプション取引、商品先物・先渡・スワップ・オプション取引等のデリバティブを利用しております。また、後述のリスク管理体制の下、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
金利変動リスク
当社は、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されております。コーポレートグループの財務・経理・リスクマネジメントグループ長が管掌する部署では、当社のビジネスに伴う金利変動リスクをモニタリングしております。特に、金利の変動は借入コストに影響を与えます。これは、当社の借入金には変動金利で借り入れているものがあり、また、都度借換えを行う短期借入金があるためです。
しかしながら、金利変動が借入コストに与える影響は、金利変動の影響を受ける資産からの収益により相殺されます。また、当社は、金利変動リスクをミニマイズするために資産・負債の金利を調整・マッチングさせるよう、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用しております。
為替変動リスク
当社は、グローバルなビジネス活動を行っており、各拠点の外貨建による売買取引、ファイナンス及び投資によって、為替変動リスクに晒されている場合があります。これらのうち、永続性の高い投資等を除いた取引については、為替変動リスクを軽減するために、各拠点において外貨借入・外貨預金等に加えて、第三者との間で、為替予約取引・通貨スワップ取引・通貨オプション取引等のデリバティブ取引を必要に応じ行っております。
商品市況変動リスク
当社は、貴金属、非鉄金属、燃料、及び電力等の現物取引、並びに鉱物、石油、及びガス開発プロジェクトへの投資を行っており、関連する商品価格の変動リスクに晒されております。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めております。また、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
株価変動リスク
当社は、戦略的な目的で顧客・サプライヤー等が発行する株式等への投資を行っておりますが、これらの株式投資には株価変動リスクが伴います。当社が保有する市場性のある株式の当期末における公正価値は、2,137億円であります。
リスク管理体制
デリバティブや市場リスクを伴う取引を行う営業グループは、取引規模に応じてマネジメントの承認を事前に取得しなければなりません。マネジメントは、場合によってはデリバティブについて専門的知識を有するスタッフのサポートを得て、案件の要否を判断し、当該申請における、取引の目的、利用市場、取引相手先、与信限度、取引限度、損失限度を明確にします。
財務・経理・リスクマネジメントグループ長が管掌する部署は、取引の実施・モニタリングに際して、以下の機能を提供しております。
・金融商品及び市況商品のデリバティブに関する口座開設、取引確認、代金決済と引渡し、帳簿記録の保管等のバックオフィス業務
・ポジション残高の照合
・ポジションのモニタリングと全社ベースでの関連取引のリスク分析・計測、シニアマネジメントへの定期的な報告
当社の子会社が市況商品取引を行う際には、上記のリスク管理体制に沿うことを要求しております。
5 【重要な契約等】
特記事項はありません。
6 【研究開発活動】
特記事項はありません。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当期、都市総合開発グループにおいて、国内オフィスビルを売却しております。また、国内オフィスビルに係る土地及び建物を取得しております。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社の設備の状況
(注)1 ( )は賃借分の土地の面積を示しております。
2 土地の帳簿価額は借地権を含めた金額で記載しております。
3 土地及び建物・構築物の帳簿価額は使用権資産を含めた金額で記載しております。
(2) 国内子会社の設備の状況
(注)1 事業セグメントには、子会社の所属する事業セグメントを記載しております。
2 帳簿価額は使用権資産を含めた金額で記載しております。
3 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )に外数で記載しております。
(3) 在外子会社の設備の状況
(注)1 事業セグメントには、子会社または当該事業が所属する事業セグメントを記載しております。
2 ( )は賃借分の土地の面積を示しております。
3 帳簿価額は使用権資産を含めた金額で記載しております。
4 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )に外数で記載しております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
重要な設備の新設、除却等の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注) 1 2025年5月1日開催の取締役会決議により、2026年4月10日付で自己株式を消却し、発行済株式総数が16,714,775株減少しております。
2 2026年3月24日開催の取締役会決議により、2026年4月20日付で当社子会社及び孫会社の役職員に対し譲渡制限付株式報酬の付与を目的として新株式を有償発行し、発行済株式総数が403,292株増加しております。
3 米国において、米国預託証券(ADR)を発行しております。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストック・オプション制度の内容】
会社法に基づき発行した新株予約権は、次のとおりであります。
1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2026年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2026年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1 株式の内容は、1 株式等の状況 (1) 株式の総数等 ② 発行済株式 の「内容」欄に記載のとおりである。
2 新株予約権1個につき、当社普通株式1,000株とする。ただし、新株予約権発行後に当社が株式分割または株式併合を行う場合、次の算式により、新株予約権の目的となる株式の数及び新株予約権1個当たりの株式の数を調整する。ただし、かかる調整は、本件新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てる。
3 (1) 次のいずれかに該当する事由が生じた場合、上記に定める権利行使期間満了前といえども、直ちに新株予約権を行使する資格を喪失し、新株予約権は消滅する。
・新株予約権者が、在任中に禁錮以上の刑に処せられた場合
・新株予約権者またはその法定相続人が、当社所定の書面により新株予約権の全部または一部を放棄する旨を申し出た場合
(2) 新株予約権の譲渡、質入れその他の担保設定は認めない。
(3) 新株予約権の相続は、新株予約権者の法定相続人に限りこれを認める。当該法定相続人は、新株予約権者の死亡後6ヶ月間に限り、当該新株予約権を行使することができる。
(4) 新株予約権の行使は、割当てられた新株予約権を整数個の単位で行使するものとする。
4 当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換または株式移転(これらを総称して以下、「組織再編成行為」という。)をする場合において、組織再編成行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編成対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編成対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編成対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約または株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
(1) 交付する再編成対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
(2) 新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の種類
再編成対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の数
組織再編成行為の条件等を勘案のうえ、決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、以下に定める再編成後行使価額に当該各新株予約権の目的である株式の数を乗じて得られる金額とする。再編成後行使価額は、交付される各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる再編成対象会社の株式1株当たり1円とする。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記新株予約権の行使期間に準じて決定する。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
上記新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額に準じて決定する。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編成対象会社の承認を要するものとする。
(8) 新株予約権の取得条項
新株予約権者が上記(注)3(1)のいずれかに該当する事由が生じた場合、その他理由のいかんを問わず権利を行使することができなくなった場合、当該新株予約権について、当社はこれを無償で取得することができる。
(9) その他の新株予約権の行使の条件
上記(注)3に準じて決定する。
2. 2007年5月18日開催の取締役会及び2007年6月22日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2026年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2026年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
3. 2008年5月16日開催の取締役会及び2008年6月20日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2026年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2026年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
4. 2009年5月15日開催の取締役会及び2009年6月19日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2026年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2026年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
5. 2010年5月18日開催の取締役会及び2010年6月22日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2026年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2026年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
6. 2011年5月17日開催の取締役会及び2011年6月24日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2026年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2026年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
7. 2012年5月16日開催の取締役会及び2012年6月22日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2026年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2026年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
8. 2013年5月15日開催の取締役会及び2013年6月21日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2026年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2026年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
9. 2014年5月14日開催及び2014年7月31日開催の取締役会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2026年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2026年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
10. 2015年5月15日開催及び2015年7月30日開催の取締役会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2026年3月31日)における内容を記載している。当期の末日から提出日の前月末(2026年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当期の末日における内容から変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
11. 2016年5月18日開催及び2016年8月1日開催の取締役会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2026年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2026年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
12. 2017年5月17日開催及び2017年7月28日開催の取締役会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2026年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2026年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものであります。
発行価格 1,496円
資本組入額 748円
割当先 当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員(いずれも退任者を含む。) 計42名
2 株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものであります。
発行価格 1,831円
資本組入額 915.5円
割当先 当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員(いずれも退任者を含む。) 計33名
3 自己株式の消却による減少であります。
4 自己株式の消却による減少であります。
5 株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものであります。
発行価格 2,927円
資本組入額 1,463.5円
割当先 当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員(退任者を含む。) 計30名
6 株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものであります。
発行価格 3,937円
資本組入額 1,968.5円
割当先 当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員 計23名
7 自己株式の消却による減少であります。
8 株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものであります。
発行価格 3,832円
資本組入額 1,916円
割当先 当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員 計20名
9 2025年5月1日開催の取締役会決議により、2026年4月10日付で自己株式を消却し、発行済株式総数が16,714,775株減少しております。
10 2026年3月24日開催の取締役会決議により、2026年4月20日付で株式報酬の付与を目的として新株式を有償発行し、発行済株式総数が403,292株、資本金及び資本準備金がそれぞれ1,103百万円増加しております。
発行価格 5,472円
資本組入額 2,736円
割当先 当社子会社であるSCSK株式会社の取締役、執行役員及び業務役員 計44名
SCSK株式会社の子会社であるネットワンシステムズ株式会社の取締役、執行役員及び従業員
計13名
(5) 【所有者別状況】
(注) 1 自己株式18,766,168株は、「個人その他」に187,661単元及び「単元未満株式の状況」に68株含めて記載しております。
2 証券保管振替機構名義の失念株式6,510株は、「その他の法人」に65単元及び「単元未満株式の状況」に10株含めて記載しております。
(6) 【大株主の状況】
(2026年3月31日現在)
(注) 1 上記のほか、当社所有の自己株式18,766千株があります。
2 2020年7月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、野村證券他2名の共同保有者が2020年7月15日現在で以下のとおり当社株式を保有している旨が記載されております。ただし、当社として2026年3月31日現在における実質所有状況の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
3 2021年10月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、ブラックロック・ジャパン他9名の共同保有者が2021年9月30日現在で以下のとおり当社株式を保有している旨が記載されております。ただし、当社として2026年3月31日現在における実質所有状況の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
4 2025年3月17日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、ナショナル・インデムニティー・カンパニーが2025年3月10日現在で以下のとおり当社株式を保有している旨が記載されております。ただし、当社として2026年3月31日現在における実質所有状況の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
5 2025年9月19日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、三井住友トラスト・アセットマネジメント他1名の共同保有者が2025年9月15日現在で以下のとおり当社株式を保有している旨が記載されております。ただし、当社として2026年3月31日現在における実質所有状況の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の株式数及び議決権の数には、証券保管振替機構名義の株式6,500株及びこの株式に係る議決権65個が含まれております。
2 「単元未満株式」欄の株式数に含まれる自己株式及び証券保管振替機構名義の失念株式の所有者並びに所有株式数は次のとおりであります。
② 【自己株式等】
2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】
会社法第155条第3号及び第7号に該当する普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
会社法第155条第3号に該当する取得
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの株式の取得による
株式数は含めておりません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号に該当する取得
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当期間における処理状況には、2026年6月1日からこの有価証券報告書提出日までに処分した株式数は含めておりません。
3 【配当政策】
(利益配分に関する基本的方針)
2024年度から開始した「中期経営計画2026」以降の株主還元方針については、以下の通りとしております。
・総還元性向を40%以上として、配当及び柔軟かつ機動的な自己株式取得を実施する
・累進配当(※)により、配当の更なる安定性向上及び利益成長に応じた増配を目指す
※1株当たり年間配当金の前期実績に対して、配当維持または増配を行うもの
(当期・翌期の配当)
2025年度の年間配当金は、当期の親会社の所有者に帰属する当期利益が6,003億円になったことを踏まえ、2025年3月期決算発表時(2025年5月1日)に公表した配当予想から10円増額となる1株当たり150円とする予定です。
当期の中間配当金は70円でしたので、期末配当金は80円となります。
なお、当社は、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的として、2026年7月1日に普通株式1株につき4株の割合で株式分割を実施する予定です。
2026年度の年間配当金は、2026年度通期連結業績予想6,300億円を踏まえ、株式分割考慮後で1株当たり40円(株式分割考慮前で前期比10円増配となる160円)とする予定です。
(当期・翌期の自己株式の取得)
2025年5月1日に800億円(うち、2024年度の株主還元:200億円、2025年度の株主還元:600億円)を上限とする自己株式の取得を決定し、2026年2月19日に買付が完了しております。
加えて、2026年5月1日に800億円(うち、2025年度の追加株主還元:100億円、2026年度の株主還元:700億円)を上限とする自己株式の取得(2026年5月7日~2027年3月31日)を決定しました。
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めております。
(注) 当期の中間配当に関する取締役会決議日 2025年 10月31日 配当総額 84,225,916,390円
当期の期末配当に関する株主総会決議日 2026年 6月19日 (予定) 配当総額 95,412,839,920円
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及び当該コーポレート・ガバナンス体制を採用する理由
イ コーポレートガバナンスの基本原則
当社は、「住友の事業精神」と当社の「経営理念」が企業倫理のバックボーンであり、コーポレートガバナンスを支える基盤であると考えております。当社は、この考えのもと、コーポレートガバナンスの要諦は「経営の効率性の向上」と「経営の健全性の維持」及びこれらを達成するための「経営の透明性の確保」にあるとの認識に立ち、「住友商事コーポレートガバナンス原則」を策定しました。当社は、同原則に則り、より良いガバナンス体制の構築と事業活動の遂行に努めることが、当社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上、及び社会における企業としての使命を果たすことに資するものであり、株主を含めた全てのステークホルダーの利益にかなうものと認識し、コーポレートガバナンスのより一層の充実に向けて不断の改善に努めております。
ロ コーポレートガバナンス体制と特徴
当社は、2024年4月よりスタートした「中期経営計画2026」において掲げた成長戦略実行を加速させるために、適時的確に経営執行を行い、重要事項に関わる意思決定と執行の監督機能を担う取締役会の実効性を強化していくことを目的として、監査等委員会設置会社に移行しました。現在、当社では、取締役15名の過半数となる8名の経験や専門性が異なる独立した社外取締役を選任し、より多様な視点から、取締役会の適切な意思決定と、経営に対する監督機能の一層の強化を図っております。また、取締役会の諮問機関として、過半数が社外取締役で構成され、社外取締役が委員長を務める指名・報酬諮問委員会を引き続き設置し、経営陣幹部の指名・報酬に係る取締役会の機能の独立性・客観性・透明性を高めております。監査等委員会については、外部の視点からの監視体制強化のため、監査等委員である取締役5名のうち3名が独立した社外取締役で、1名が企業経営経験者、1名が法律家、1名が会計の専門家と、多角的な視点からの監査体制となっております。さらに、監査等委員である取締役は、全ての重要な社内会議に出席でき、監査に欠くことのできない十分な情報を入手できるようになっております。これらにより、実効性が高く、充実したコーポレートガバナンス体制を構築できているものと考えております。
2024年に更新した当社のマテリアリティにおいても、「ガバナンスを維持・強化する」と掲げており、取締役会の機能の一層の強化に向けて、取締役会による重要な経営方針・戦略(経営資源の配分や事業ポートフォリオに関する戦略、サステナビリティ経営などの諸施策)の実効的な監督、及びそのさらなる客観性強化のための体制整備を通じて、執行に対するモニタリング機能のさらなる改善に取り組んでまいります。
[当社の企業統治の体制(企業統治に関して当社が任意に設置する委員会その他これに類するものを含む。)の概要]
a. 2026年6月12日(有価証券報告書提出日)現在の状況は以下のとおりであります。
b. 2026年6月19日以降の状況は以下を予定しております。
ハ 「経営の効率性の向上」と「経営の健全性の維持」のための仕組み
(イ)取締役及び取締役会
① 取締役会の構成・社外取締役の選任
取締役会は、十分な議論と迅速かつ合理的な意思決定を行うにあたり適切な人数で構成するとともに、経験、知識、専門性、性別などの多様性を確保しております。また、取締役15名のうち、経験や専門性が異なる社外取締役8名を選任し、多様な視点から、取締役会の適切な意思決定を図るとともに、監督機能の一層の強化を図っております。各社外取締役は、当社が上場している金融商品取引所が定める独立性に関する基準及び当社が定める独立性に関する基準(「(2) 役員の状況 ② 社外役員の状況」参照)を満たしております。
② 取締役会での審議の充実、監督機能の強化及びその活動状況
取締役会では、経営の大きな方向性を示し、実効性の高い監督を行うとともに、全社経営に影響を及ぼす重要な意思決定を行うために必要な議題を厳選・集中的に議論しております。また、中期経営計画の進捗状況、経営状況及び課題に関する報告を受け、当該課題に焦点を当てて審議することで、業務執行に対する監督機能の更なる強化を図っております。加えて、主要な委員会の活動報告を受けることにより、会社全体の業務執行の状況について定期的にモニタリングしております。また、取締役会での審議のより一層の充実のため、取締役会の場以外のオフサイト・ミーティングにおいても、さまざまな経営上の重要事項について自由闊達な議論を行っております。
取締役会の開催に際しては、その都度、取締役会に付議する案件の検討に必要な資料を前もって取締役全員に配布のうえで、内容を事前に説明しております。また、取締役会における議論に社外役員が積極的に貢献することを目的として、社外取締役で構成する社外役員会を原則として毎月開催し、活発な討議が行われております。
取締役会は、原則として毎月1回開催することとしており、2025年度は16回開催されました(2025年6月20日以降は13回開催)。個々の取締役の出席状況は以下のとおりです。
(注) 御子神大介氏、坂田一成氏、長嶋由紀子氏、稲田伸夫氏、國井泰成氏は、2025年6月20日開催の定時株主総会の終結の時をもって、監査役を退任し、監査等委員である取締役に就任しております。役職は、2025年6月20日開催の定時株主総会の終結以降の役職を記載し、出席回数は、監査役及び監査等委員である取締役として就任していた期間における総出席回数を記載しております。
③ 取締役会長・社長執行役員の職務の分離及び在任期間の制限
相互牽制の観点から、原則として、取締役会長及び社長執行役員を置くこととし、これらの役位の兼務は行わないこととしております。取締役会長は、取締役会を招集し、その議長となるほか、経営の監督を行い、日常の業務執行に関与せず、代表権もありません。
さらに、取締役会長及び社長執行役員の在任期間は、原則としてそれぞれ6年までと定めております。これにより、経営トップが長期間交代しないことでガバナンス上の弊害が発生する可能性を排除しております。
④ 取締役会の諮問機関の設置及びその活動状況
取締役会の諮問機関として、過半数が社外取締役で構成される「指名・報酬諮問委員会」(委員長:社外取締役)を設置しております。同委員会は、(a)社長執行役員の選任・解任の方針・手続、(b)取締役会長の選定・解職の方針・手続、(c)取締役(監査等委員である取締役を含む)の指名基準、(d)社長執行役員の選任・解任(社長の後継者指名を含む)、(e)監査等委員でない取締役候補者の指名(代表取締役・役付取締役の決定を含む。)、(f)監査等委員である取締役候補者の指名、(g)経営会議構成員の選任、(h)監査等委員でない取締役及び執行役員の報酬・賞与の体系・水準、並びに監査等委員である取締役の報酬枠、(i)顧問制度に関する検討を行い、その結果を取締役会に答申します。また、それ以外で取締役会から委任を受けた事項を審議・決定し取締役会に答申・報告します。
当事業年度における指名・報酬諮問委員会の活動状況につきましては、「(4) 役員の報酬等 ③ 2025年度に係る報酬体系及び実績 イ 役員報酬等の決定プロセス」に詳細を記載しております。
⑤ 当社取締役会が備えるべき知識・経験・能力等(スキル)
当社の取締役は、その資格において、社内・社外の区別を問わず、誠実な人格、高い識見と能力を備えるべきこととしております。また、当社は、中期経営計画2026において、「No.1 事業群」をテーマに掲げ、強みを核とした個別事業の強化、成長の原動力である人と組織の強化を通じた事業ポートフォリオ変革を進めております。これらの取組により当社グループの競争優位を磨き、社会課題解決を通じた成長の実現に取り組んでまいります。この経営計画の実現に向けて取締役会がその役割である経営執行に対する実効性の高い監督と全社経営に影響を及ぼす重要な意思決定の機能を十分に発揮するため、取締役会として備えるべき知識・経験・能力等(以下、「スキル」)を以下のとおり特定しております。
「ガバナンス」と「グローバル視点」は、全ての取締役が備えるべきスキルであり、その他の7つは取締役会全体で備えるべきスキルと考えております。また、監査等委員である取締役については、取締役の職務執行を監査・監督するため、これら7つのスキルのうち「企業経営」、「財務・会計」及び「法務・リスクマネジメント」を特に重要視しています。当社取締役会に求められるスキルは、経営戦略や外部環境の変化に応じて変わり得ますので、今後も必要なスキルについて取締役会で議論し、必要に応じて変更し、その内容を開示してまいります。
全ての取締役が備えるべきスキル、及びその理由
取締役会全体で備えるべきスキル、及びその理由
上記で特定した取締役会全体で備えるべきスキルのうち、各取締役が現に有するスキルを下表で表示しております。各取締役のスキルは、その経歴、知識、経験、能力、保有資格、具体的な成果などを総合的に考慮し、各取締役と協議のうえ、決定しております。
a. 2026年6月12日(有価証券報告書提出日)現在の各取締役が有するスキルは以下のとおりであります。

b. 2026年6月19日以降の各取締役が有するスキルは以下のとおりとなると予定しております。

(ロ)監査等委員会
当社は、2025年6月20日開催の定時株主総会における承認をもって、監査役会設置会社から監査等委員会設 置会社に移行しました。
① 監査等委員会の役割・責務
監査等委員会は、取締役会と協働して会社の監督機能を担い、かつ、株主の負託を受けて取締役の職務執行を監督する独立の法定機関です。株主や利害関係者の利益を守るため、その職務を適正に執行することにより、当社及び当社グループのコーポレートガバナンス体制を一層充実させるとともに、健全で持続的な成長と中長期的な企業価値創出の実現に貢献し、社会的信頼に応えるよう努めております。
② 監査等委員会の構成と監査等委員の選任方針
監査等委員会は、監査等委員である取締役5名(社内の常勤監査等委員2名と社外の非常勤監査等委員3名)で構成されております。
社内監査等委員については、誠実な人格、高い識見と能力を有し、業務上の専門的知識と広範囲にわたる経験を兼ね備えた者を、性別や国籍等を問わず、選定することとしております。
社外監査等委員については、誠実な人格、高い識見と能力を有し、特に法律、会計、企業経営等の分野における高度な専門知識と豊富な経験を有する者を、性別や国籍等を問わず、選定することとしております。
③ 監査等委員会監査の実効性の確保
監査等委員会は、「(3)監査の状況 ①監査等委員会監査の状況」に記載のとおり、監査等委員会監査の実効性を確保するための組織体制を整備し、監査活動を行っております。
(ハ)取締役のトレーニング及び情報提供
社外取締役に対して、就任時に、当社グループの経営理念、経営方針、事業、財務、組織、中期経営計画及びリスク管理体制などについて説明する機会を設けております。これに加え、取締役が必要な知識の習得や適切な更新等の研鑚を行えるよう、セミナーやeラーニングなどの機会を提供しております。
また、住友の事業精神及び当社の事業活動への理解を深めるため、原則として社外取締役は就任年度中に住友関連施設を訪問するとともに、少なくとも毎年国内1回及び海外1回の現場視察の機会を提供するようにしております。なお、2025年度は、国内2回、海外1回の現場視察を実施しました。
ニ 「経営の透明性の確保」のための体制
(イ)情報開示の基本方針
経営方針と営業活動を全てのステークホルダーに正しく理解してもらうため、法定の情報開示にとどまらず、任意の情報開示を積極的に行うとともに、開示内容の充実に努めております。
(ロ)株主・投資家とのコミュニケーション
以下のような取組により、株主・投資家との積極的なコミュニケーションを図っております。
① 株主総会に関連した取組
当社は、株主総会資料へのアクセス方法等を記載した通知書面(書面交付請求をした株主に対しては株主総会資料)を定時株主総会の約3週間前に発送しております。また、上記発送に先立ち、株主総会資料を英訳とともに当社ウェブサイトに掲載しております。加えて、株主総会の開催に先立ち、有価証券報告書を開示しております。さらに、インターネットによる議決権行使(株式会社ICJが運営する機関投資家向け議決権電子行使プラットフォームを含む。)を可能とすることで、株主・投資家のために議案内容の十分な検討時間を確保しております。また、株主総会の様子を株主向けにインターネット上で同時配信し、株主総会終了後に当社ウェブサイト上で一定期間、株主総会の模様を動画配信しているほか、株主総会に際して株主からインターネットによる事前質問の受付を行っております。
② 各種情報の開示
当社ウェブサイト上では、決算情報・有価証券報告書・適時開示資料や会社説明会資料など、投資判断に資する資料をタイムリーに掲載しております。また、統合報告書や、サステナビリティディスクロージャーサイトにおいて、財務情報のみならず、非財務情報についても積極的な開示を行っております。
③ IR・SR活動
株主・投資家の皆様とのダイレクト・コミュニケーションの場の一つとして、国内のアナリスト・機関投資家向けに経営トップの出席のもと、年4回、定期的な決算説明会を開催しております。また、国内のみならず、北米、欧州、アジア等の株主・機関投資家と個別ミーティングによる対話を継続的に実施しております(ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取組や方針等に関する建設的な対話を含む)。個人投資家向けには、主要都市での会社説明会に加えて、オンラインでの会社説明会を開催しております。
今後も、経営の「透明性」を高めつつ、株主・投資家の皆様との信頼関係の強化に努めてまいります。
② コーポレートガバナンス体制
当社のコーポレートガバナンス体制は以下のとおりであります。
また、コーポレートガバナンスに対する取組については、当社ウェブサイト
(https://sumitomocorp.disclosure.site/ja/themes/37)に詳細な内容を掲載しております。

③ 住友商事コーポレートガバナンス原則
④ 当社グループの内部統制への取組み
当社グループでは、持続的な成長・発展に向けて、グループ全体のビジネスにおいて「事業活動に関わる法令等の遵守」「資産の保全」「業務の有効性及び効率性」「財務報告等の信頼性」などを合理的に保証するため、内部統制に関する基本規程を定め、適正な内部統制の構築・運用・モニタリング及び評価・改善を通じて、グループガバナンスの向上及びグループ全体の業務品質向上に取り組んでおります。
これらの実践に当たって、当社では経営会議の諮問機関として内部統制委員会を設置し、同委員会がグループ全体の内部統制の改善に向け、必要に応じた全社施策の立案・実行など、適正な内部統制の推進を図っており、会社法に基づく内部統制システムの整備及び金融商品取引法に基づく内部統制報告制度への対応についても、同委員会の評価を経て、取締役会にて報告しております。
また、当社はグループ各社の自律的経営の基礎として、事業戦略の実現を阻害するリスクを適切にコントロールするために最適な経営管理体制の構築・運用を支援しております。具体的には、事業を運営する上で、コントロールすべき基礎的な統制項目を特定、当社とグループ各社で対話を行いながらリスクをコントロールし、内部統制状況を改善していく循環(PDCA)を作り出すことによって、業務品質と企業価値の向上につなげていきます。
⑤ リスク管理体制の整備の状況
イ リスクマネジメントの目的と基本方針
当社においては、「リスク」を「あらかじめ予測し若しくは予測していない事態の発生により損失を被る可能性」及び「事業活動から得られるリターンが予想から外れる可能性」と定義し、以下3点をリスクマネジメントの目的としております。
1.「業績安定」:計画と実績の乖離を少なくして安定収益を確保すること。
2.「体質強化」:リスクを体力(親会社の所有者に帰属する持分)の範囲内に収め、リスク顕在化の場合にも事業に支障を来さないようにすること。
3.「信用維持」:法令遵守等の社会的な責任を果たし、信用を維持すること。
当社は営業活動を、投資と商取引に大別の上、それぞれに固有のリスクファクター及び双方に共通するリスクファクターを特定の上、その発生する蓋然性及び発生した時の影響を分析・評価しております。また、合理的に定量化が可能なものは定量化し、リスク量を体力の範囲内に収め、リスクに対するリターンの極大化を基本方針としております。
ロ リスクマネジメント体制
(イ)営業グループにおけるリスクマネジメント
当社の営業グループと各地域拠点は「自主管理・自己責任」の原則に基づき、担当事業分野に関わる専門的知見・経験を活かして個々の案件のリスクを分析・評価したうえで、全社共通の考え方・尺度・ルールといったフレームワークに基づき、案件推進の可否判断を実施しております。各営業グループを担当するリスク管理部署のスタッフは、リスクマネジメントの専門的見地からこれをサポートする機能と役割を果たしております。
(ロ)事業ポートフォリオ戦略の議論と検証
各営業グループ・地域拠点では、ビジネスライン毎に、足元の収益性と将来の成長性の視点から、方向性を検討して、事業ポートフォリオ戦略を策定します。各営業グループ・地域拠点の事業ポートフォリオ戦略は、社長執行役員・コーポレートグループと営業グループの間で定期的に開催される戦略会議において議論され、大口のビジネスラインに関する方向性の検証や問題ビジネスラインの早期洗い出しと方向付けを行います。
また、個別の営業グループ・地域拠点にとどまらない課題(全社リスクアセットのコントロール、営業グループ間の経営資源の再配分等)については、社長執行役員・グループCEO等がメンバーとなっている経営会議において議論・決定しております。
(ハ)全社レベルのリスクマネジメントを担当するリスク管理部署の役割
全社レベルのリスクマネジメントを担当するリスク管理部署では、主として以下の役割を果たしております。
・全社レベルのリスクマネジメントに関する枠組み(ルール、組織、システム等)の構築
・全社統一的な意思決定支援ツール・手法の開発・改良、社内への普及
・全社レベルのリスクテイク状況のモニタリングとマネジメントへの報告
・リスクマネジメント要員の全社適正配置
・重要な事業分野、国・地域のリスク分析と社内への情報提供
・取引先に対する社内信用格付の付与
リスク管理専門部署以外も、それぞれの専門性と担当業務に応じて、後述の事業全般に関わるリスクのリスクマネジメントを分担しております。
また、一定金額を上回る大型案件は、全社的に大きなインパクトを与える可能性があるため、コーポレートグループの主要メンバーで構成される投融資委員会において取り進めの是非・条件等について議論しております。
(ニ)全社横断組織
リスクマネジメントに関する社内の体制・組織・規程等は、過去の経験を通じて蓄積されたノウハウ、人材を前提に、会社運営の基本方針に基づいて設計してありますが、社会・経済情勢の変化等によっては、現行の枠組みの中での単一の組織では適切に対応できないリスクが大きくなってくるケースがあります。このような場合には、機動的かつ適切な対応策を講じるために全社横断的なチーム・委員会を設置して対応することとしております。
ハ 具体的な管理の仕組み
(イ)投資に関わるリスクの管理
・投資リスク管理
投資案件は、一旦実施すると撤退の判断が難しく、撤退した場合の損失インパクトが大きくなる傾向があります。このため、投資の入り口から出口まで一貫した管理を実施しております。投資の入り口では、案件毎の事業リスクを反映した投資基準を上回る案件を厳選しております。特に、大型・重要案件については、多面的な議論を踏まえた意思決定とすべく、投資の検討段階と実行段階のそれぞれにおいて、全社投融資委員会を開催し案件取り進めの可否を十分に検討した上で、経営会議に諮ることとしております。投資実施後においても、特に重要案件については全社投融資委員会のもとでモニタリングを行い、投資後の100日プランや業績改善の実行支援等、投資テーマ実現による事業価値最大化のために必要な施策を立案し、実行しております。
また、投資先のモニタリング制度を通じ、一定の定量基準に基づく撤退候補先の洗い出し、新規投資案件の進捗状況のフォローを行うとともに、投資先の成長性や収益性にフォーカスした事業投資先レビューを実施するなど、定期的に全投資先の保有意義をレビューし、ポートフォリオの入れ替え、最適化に取り組んでおります。
(ロ)商取引に関わるリスクの管理
・信用リスク管理
当社は、取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っております。当社は、取引先の信用リスク管理に、当社独自の信用格付であるSumisho Credit Rating(以下、SCR)を用いております。このSCRでは、取引先の信用力に応じて合計9段階に格付けし、格付に応じて与信枠設定の決裁権限を定めております。また、取引先の与信枠を定期的に見直し、信用リスクのエクスポージャーを当該枠内で適切に管理しているほか、取引先の信用評価を継続的に実施し、必要な場合には担保取得などの保全措置も講じております。
・市場リスク管理
主な市況商品・金融商品の取引については、契約残高に限度枠を設定するとともに、半期損失限度枠を設定し、実現損及び評価損の合計が損失限度枠内に収まっているか常時モニターし、一部取引については潜在損失額(Value at Risk=潜在リスクの推定値)を用いてリスク量を管理しております。また、取引の確認や受渡し・決済、残高照合を行うバックオフィス業務や、損益やポジションを管理・モニターするミドルオフィス業務を財務・経理・リスクマネジメントグループ長が管掌する部署が担当し、取引を執行するフロントオフィスと完全分離することで、内部牽制を徹底しております。
(ハ)その他事業全般に関わるリスクの管理
当社では、訴訟等のリーガルリスク、事務処理ミスや不正行為などのオペレーショナルリスク、自然災害リスクに加えて、社会・環境リスク・情報セキュリティリスク等、従来以上に経営への影響が高まっているこれらの分野において、リスクの発生そのものを回避、もしくは発生する確率や発生時の影響を極小化することをリスクマネジメントの基本方針としております。具体的には、内部統制委員会を中心とした全社的な内部統制強化に向けた取り組みや、各営業グループ・国内外の地域組織によるそれぞれのビジネス特性に応じた独自の内部統制活動を通して、グローバル連結ベースでのリスクに関するモニタリングも定期的に実施しております。そして、その結果を踏まえた組織体制や業務フローの見直しを行うことを通じて、「業務品質」の継続的な向上を図っております。
(ニ)集中リスク管理
グローバルかつ多様な事業分野においてビジネスを推進している総合商社では、特定のリスクファクターに過度な集中が生じないように管理する必要があります。当社では、特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けております。また、特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、社長執行役員とグループCEOとで行われる戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、営業グループやビジネスラインへ配分する投下資本額について十分なディスカッションを行っております。
(ホ)リスクマネジメントを定着させる仕組み
当社は、多様化したリスクに対して可能な限りのリスクマネジメント・フレームワークを整えてはいますが、ビジネスに伴う損失を完全に防ぐことは出来ません。万一、損失事態が発生してしまった場合には、できるだけ早期に発見可能な体制を整えること、発見後は直ちに関係情報を収集・分析し、迅速かつ適切に対応するとともに、当該情報をマネジメント層・関係部署が共有することにより、損失の累増や二次損失の発生を抑止することに努めております。
⑥ 業務の適正を確保するための体制の整備についての取締役会決議
当社は、会社法及び会社法施行規則に定める業務の適正を確保するために必要な体制(内部統制システム)の整備について、次のとおり取締役会において決議しております。なお、本決議に基づく内部統制システムの運用状況について、内部統制委員会による評価を実施し、内部統制システムが有効に機能していることを確認しております。また、その旨を取締役会において報告しております。
提出日時点での当社の内部統制システムにかかる取締役会決議の内容は次のとおりであります。
⑦ 取締役(業務執行取締役等(会社法第2条第15号イに規定する業務執行取締役等をいう。以下同じ。)であるものを除く。)との間で締結している責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)全員との間で、会社法第427条第1項に基づき、善意かつ重大な過失がないときの責任を法令の定める限度までとする旨の責任限定契約を締結しております。
⑧ 役員等(会社法第423条第1項に規定する役員等(取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人))を被保険者とする役員等損害賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、当社並びに当社の一部の連結子会社及び持分法適用会社等の全部又は一部の取締役、監査役及び執行役員等(以下、本項において「取締役等」という。)を被保険者とする会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を締結しております。当該保険契約では、取締役等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害等を塡補することとしております。ただし、取締役等が法令違反であることを認識して行った行為に起因して生じた損害は塡補されないなど、一定の免責事由があります。なお、当該保険契約の保険料は、当社が全額負担しております。
⑨ その他当社定款規定について
イ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨定款に定めております。
ロ 自己の株式の取得の決定機関
当社は、機動的な資本政策の遂行を可能とするため、取締役会の決議をもって自己の株式を市場取引等によって取得することができる旨定款に定めております。
ハ 中間配当の決定機関
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。
ニ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。
ホ 取締役の責任免除の決定機関
当社は、取締役が、職務を遂行するにあたり、期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、法令の定める範囲内で、取締役の責任を免除できる旨を定款に定めております。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
a. 2026年6月12日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は以下のとおりであります。
男性12名 女性3名 (役員のうち女性の比率20%)
(注) 1 取締役 井手明子・御立尚資・高原豪久・朝倉陽保・大槻奈那・長嶋由紀子・稲田伸夫・國井泰成は、
社外取締役であります。
2 当社は、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、補欠の監査等委員と
して大槻奈那を選任しています。任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として
選任された監査等委員である取締役の任期は、退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時まで
となっております。
3 2025年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から1年間
4 2025年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
(ご参考) 2026年6月12日現在の執行役員の陣容は次のとおりであります。
(注) 1 *1は、取締役(代表取締役)です。
2 *2は、2026年4月1日付で新たに就任した執行役員です。
3 *3は、 CAO: Chief Administration Officer、CCO: Chief Compliance Officer
4 *4は、 CSO: Chief Strategy Officer、CSDO: Chief Sustainability, DE&I Officer
5 *5は、 CDO: Chief Digital Officer、CIO: Chief Information Officer
b. 定時株主総会後の役員の状況
2026年6月19日開催予定の第158期定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役
を除く)10名選任の件」及び「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しております。当該議案が承認可決
された場合、当社の役員の状況は、以下のとおりとなる予定です。
男性12名 女性3名 (役員のうち女性の比率20%)
(注) 1 取締役 御立尚資・高原豪久・朝倉陽保・大槻奈那・後藤靖子・長嶋由紀子・稲田伸夫・國井泰成は、
社外取締役であります。
2 当社は、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、補欠の監査等委員と
して大槻奈那を選任しています。任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として
選任された監査等委員である取締役の任期は、退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時まで
となっております。
3 2026年6月19日開催の定時株主総会の終結の時から1年間
4 2025年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
5 2026年6月19日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
(ご参考) 定時株主総会後の執行役員の陣容は次のとおりであります。
(注) 1 *1は、取締役(代表取締役)です。
2 *2は、2026年4月1日付で新たに就任した執行役員です。
3 *3は、 CAO: Chief Administration Officer、CCO: Chief Compliance Officer
4 *4は、 CSO: Chief Strategy Officer、CSDO: Chief Sustainability, DE&I Officer
5 *5は、 CDO: Chief Digital Officer、CIO: Chief Information Officer
② 社外役員の状況
イ 社外取締役の員数
当社の社外取締役の員数は8名(うち、監査等委員である社外取締役の員数は3名)であります。(有価証券報告書提出日現在)
当社は2026年6月19日開催予定の第158期定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く)10名選任の件」及び「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しており、当該議案が原案どおり承認可決された場合においても、社外取締役の員数は8名(うち、監査等委員である取締役は3名)となる予定です。
ロ 当社は、「社外取締役の選任基準及び独立性に関する基準」を次のとおり制定しております。当社の社外取締役は、当社の定める「社外取締役の選任及び独立性に関する基準」及び当社が上場している金融商品取引所が定める独立性基準を満たしており、社外取締役全員を独立役員に指定しております。
社外取締役の選任及び独立性に関する基準
ハ 社外取締役(監査等委員である取締役を除く)の当社との利害関係及び当社のコーポレート・ガバナンスにおいて果たす機能・役割、当該社外取締役の選任の状況に関する考え方
(イ)提出日現在における考え方は以下のとおりです。
当社は、社外取締役との間に、特別な利害関係はありません。
(ロ)2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く)10名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決された場合の考え方は以下のとおりです。
当社は、社外取締役との間に、特別な利害関係はありません。
ニ 監査等委員である社外取締役の当社との利害関係及び当社のコーポレート・ガバナンスにおいて果たす機能・役割、当該監査等委員の選任の状況に関する考え方は以下のとおりであります。(提出日現在)
当社は、社外監査等委員との間に、特別な利害関係はありません。
③ 社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会において、内部監査計画及び内部監査結果、金融商品取引法に基づく内部統制に係る評価結果、会社法に基づく内部統制システムの整備・運用状況の報告、監査等委員会の監査実施計画、並びに監査等委員会監査及び会計監査結果の報告を受けております。また、監査等委員である社外取締役は、上記のほか、四半期ごとに会計監査人から監査・レビューの結果報告を受け、また常勤監査等委員と常に連携し、「(3) 監査の状況 ② 内部監査の状況」に記載する、内部監査及び会計監査との相互連携や内部統制を所管する部署との関係等を通じて、多角的な視点からの監査を実施しております。
(3) 【監査の状況】
① 監査等委員会監査の状況
以下の2025年度の活動状況については、監査等委員会設置会社移行前の監査役会設置会社における内容を含みます。
イ 組織、人員及び手続
監査等委員会は、監査等委員である取締役5名で構成されており、監査等委員会への出席状況等は以下のとおりです。
*いずれの監査等委員である社外取締役も、会社法第2条第15号に定める社外取締役の要件、当社が上場する金融商品取引所が定める独立性に関する基準及び当社が定める独立性に関する基準を満たしております。
監査等委員会の職務を補佐する専任組織を設置し、5名が所属しております。内部統制システム及び社内規則に基づき、所属員の人事評価については、監査等委員会又は監査等委員会が選定する監査等委員が行っております。また、人事異動については、監査等委員会又は監査等委員会が選定する監査等委員と事前協議を行い、同意を得るものとしており、所属員の取締役からの独立性を確保しております。
監査等委員会は、監査方針及び監査計画を作成し、それに基づいて、監査を実行しました。
ロ 監査等委員会の活動状況
監査等委員会は、原則として毎月1回開催しており、その他にも、必要に応じて随時開催しております。当期においては合計17回開催され、年間を通じて決議事項は16件、協議事項は4件、報告事項は74件、監査等委員会の付議事項とは別に設けたオフサイトセッションは13件でした。1回あたりの所要時間はオフサイトセッションを含めて約3時間でした。その主な内容は次のとおりです。
なお、当社の子会社である住商リアルティ・マネジメント株式会社が、金融庁より金融商品取引法第51条に基づく業務改善命令を受けた件については、監査等委員会として複数回にわたり報告を求めるとともに、取締役会及び監査等委員会において、調査の進め方や再発防止策等に関し、監査の観点から必要な意見を述べました。
上記に加え、毎回の監査等委員会において、常勤監査等委員による監査活動状況(経営会議、戦略会議、内部統制委員会、IT戦略委員会、コンプライアンス委員会、サステナビリティ推進委員会、指名・報酬諮問委員会等への出席等)を報告しました。
また、監査等委員会は、毎年監査方針及び監査計画(職務分担を含む)を立て、監査の目的及び監査の重点を定めています。2025年度の監査の目的及び監査の重点は、以下のとおりです。
ハ 監査等委員の活動状況
監査等委員会は、監査等委員会が定めた監査等委員会監査の基準に準拠し、監査の方針、職務の分担等に従い、取締役、内部監査部門その他の使用人等及び会計監査人と意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めるとともに、上記重点監査項目を踏まえ、以下の方法で監査を実施しました。
*1 具体的な活動は、以下「2025年度の実績」の①経営・業務執行責任者との対話、②重要な会議への出席、③地域組織・事業会社往査、④グループガバナンス強化、⑤内部監査・内部統制推進組織とのコミュニケーション及び⑥会計監査人との連携をご参照ください。
*2 社外監査等委員は、会長、社長執行役員との意見交換及び営業グループCFOヒアリングに参加しました。
*3 社外監査等委員は、主管者会議に参加しました。
*4 社外監査等委員は、事業会社監査役を対象とした「住友商事グループ監査役情報連絡会」に参加しました。
*5 社外監査等委員は、監査等委員会において内部監査計画、内部監査結果の定例報告を受けました。
*6 社外監査等委員は、会計監査人による営業グループ別監査講評会など一部の活動は参加していません。
2025年度の実績
凡例: ●=監査等委員会または常勤監査等委員との定例会における報告および意見交換等
〇=主に書面による報告
② 内部監査の状況
当社は、全社業務をモニタリングするための独立した組織として「内部監査部」(約50名)を置き、当社及び海外現地法人、国内外関係会社の監査を行っております。内部監査は年間の監査計画に基づき実施しており、監査の結果については、毎月社長執行役員に直接報告するとともに、取締役会及び監査等委員会にも定期的に直接報告しております。監査は国際内部監査基準に準じて定期的に実施し、資産及びリスクの管理、コンプライアンス、業務運営からなる監査先の内部統制全体を対象としております。監査先に内在するリスクの重要度を考慮の上、監査先の内部統制の有効性・妥当性を評価するとともに、改善に向けた適切な助言を提供し、住友商事グループのガバナンス、内部統制の向上に貢献しております。
また、内部監査部は、監査等委員会及び会計監査人との連携を継続し、三様監査の強化に努めております。
③ 会計監査の状況
イ 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
ロ 継続監査期間
57年
上記は、現任の監査人である有限責任 あずさ監査法人の前身である監査法人朝日会計社が監査法人組織になって以降の期間について記載したものであります。
ハ 業務を執行した公認会計士
宍戸 通孝
笠島 健二
髙橋 毅
ニ 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者の人数は136名であり、その構成は公認会計士43名、公認会計士試験合格者20名、その他73名となっております。
ホ 監査法人の選定方針と理由
監査等委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める事項に該当すると認められる場合は、監査等委員全員の同意に基づき、会計監査人を解任する方針です。この場合、監査等委員会が選定した監査等委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨及びその理由を報告します。
また、監査等委員会は、会計監査人の適格性や独立性を害する事由の発生などにより、その適正な職務遂行に支障が生じると認められる場合は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任及び新たな会計監査人の選任に関する議案の内容を決定します。
ヘ 監査等委員会による監査法人の評価
監査等委員会は、監査法人の品質管理に問題はないか、監査チームは独立性を保持しているか、監査報酬の水準は適切か等の観点から会計監査人の監査活動の適切性・妥当性を評価するとともに、独立性及び専門性の有無について確認しております。
その結果、監査等委員会は、会計監査人の監査活動は適切かつ妥当であり、会計監査人に求められる独立性と専門性を有しており、尚且つ、会社法第340条第1項各号に定める事項には該当していないと判断しております。
④ 監査報酬の内容等
イ 監査公認会計士等に対する報酬
(前期)
当社が監査公認会計士等に対して支払っている非監査業務の内容は、主として、コンフォートレター作成業務であります。連結子会社が監査公認会計士等に対して支払っている非監査業務の内容は、主として、合意された手続業務等であります。
(当期)
当社が監査公認会計士等に対して支払っている非監査業務の内容は、主として、コンフォートレター作成業務であります。連結子会社が監査公認会計士等に対して支払っている非監査業務の内容は、主として、合意された手続業務等であります。
ロ 監査公認会計士等と同一ネットワークに属する組織に対する報酬(イを除く)
(前期)
当社が監査公認会計士等と同一ネットワークに属する組織に対して支払っている非監査業務の内容は、ESG定量データの保証業務であります。連結子会社が監査公認会計士等と同一ネットワークに属する組織に対して支払っている非監査業務の内容は、主として、税務関連業務等であります。
(当期)
当社が監査公認会計士等と同一ネットワークに属する組織に対して支払っている非監査業務の内容は、ESG定量データの保証業務であります。連結子会社が監査公認会計士等と同一ネットワークに属する組織に対して支払っている非監査業務の内容は、主として、税務関連業務等であります。
ハ その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前期及び当期に当社監査公認会計士等と同一のネットワーク以外に属している監査公認会計士等へ支払っている監査証明業務に基づく報酬に、重要なものはありません。
ニ 監査報酬の決定方針
当社は、監査日数や業務内容等の妥当性を勘案して監査報酬を決定しております。
ホ 監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査等委員会は、日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、監査計画の内容、従前の事業年度における職務執行状況や報酬見積もりの算出根拠などを確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等につき同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
① 取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項
当社は、過半数が社外取締役で構成される指名・報酬諮問委員会(委員長:社外取締役)の審議を
経て、取締役会において、取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬等の内容に係る
決定方針を決議いたしました。その概要は、以下のとおりであります。
イ 報酬体系(●は、それぞれの報酬等の支給対象者を示しております。)
ロ 各報酬の水準及び割合
外部専門機関による客観的な報酬市場調査データ等を参考に、当社の経営環境や経営戦略・
人材戦略を踏まえ、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に不可欠な
優秀な経営人材を確保・リテインするために適切な報酬水準を設定した上で、持続的な
成長に向けた健全なインセンティブとして機能させるために、役割に応じて、固定報酬
(例月報酬)と変動報酬(短期的な成果に連動する業績連動賞与と中長期的な成果や
株主価値等に連動する株式報酬)の割合等を適切に設定いたします。
ハ 各報酬の決定方針及び決定方法
○各報酬の決定方針:以下のとおりであります。
○各報酬の決定方法:株主総会にてご承認いただいた限度額の範囲で、取締役会にて決定いたしま
す。取締役会決議にあたっては、指名・報酬諮問委員会が内容を検討し、その結果を取締役会
に答申いたします。その他の決定方法については以下のとおりであります。
ニ 報酬内容が方針に沿うものであると取締役会が判断した理由
当事業年度に係る取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬等の内容を決定するに
あたっては、取締役会で決定された役員報酬の基本方針及び体系並びにその決定プロセスに
基づき、指名・報酬諮問委員会にてその内容が検討されていることから、取締役(監査等委員
である取締役を除く)の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に沿うものであると判断して
おります。
② 監査等委員である取締役の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項
監査等委員の報酬等については、株主総会にてご承認いただいた限度額の範囲で、監査等委員の
協議にて決定しております。また、監査等委員には、固定報酬としての例月報酬のみを支給し
ております。
③ 2025年度に係る報酬体系及び実績
2025年度に係る報酬の決定プロセス、報酬水準、報酬構成比率、業績連動賞与、株式報酬、報酬等
の総額等は以下のとおりであります。
イ 役員報酬等の決定プロセス
各取締役の報酬等については、株主総会にてご承認いただいた限度額の範囲で、取締役会にて
決定しております。取締役会決議にあたっては、指名・報酬諮問委員会が内容を検討し、その
結果を取締役会に答申することにより、透明性及び客観性を一層高めるよう努めております。
なお、2026年3月期に係る指名・報酬諮問委員会の活動概要は以下のとおりであります。
ロ 業務執行取締役及び執行役員の報酬水準及び報酬構成比率
・外部専門機関による客観的な報酬市場調査データ等を参考に、当社の経営環境や経営戦略・
人材戦略を踏まえ、適切な報酬水準及び報酬構成比率を設定しております。
・また、代表取締役 社長執行役員 CEOの報酬イメージは以下のとおりであります。
※ 業績達成率、株式成長率及び非財務指標評価がいずれも100%の場合に算出したイメージで
あり、これらの比率の変動に応じて各報酬の構成比率は変動いたします。
ハ 業績連動賞与
・各年度の通期予想(当期連結純利益)又は ROE12%時の当期連結純利益のいずれか高い金額を
目標業績として単年度ごとに設定し、その達成割合に応じて総支給額を決定いたします。
・業績レンジは、毎年度定める目標業績から±50%の範囲とし、総支給額の水準を目標業績
達成時に100%、業績レンジに応じて変動幅を25%~175%となるよう設定いたします。
・業績が当該レンジに収まらなかった場合には、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえ、
別途取締役会にて総支給額を決定いたします。
・各業務執行取締役への支給額は、役位や個人評価に応じて配分の上、事業年度終了後に
支給いたします。
・各業務執行取締役の個人評価は、経営戦略と成果へのコミットメントをより強く意識すること
ができるよう、財務指標(担当事業領域における事業計画等の達成状況)と非財務指標
(戦略事業単位であるStrategic Business Unit(SBU)毎の目標の達成状況及び全社重要課題
への取組状況等)の両側面により実施し、その割合を各50%といたします。
・非財務指標のうち、全社重要課題であるDX(デジタルトランスフォーメーション)による
ビジネス変革、サステナビリティ経営の高度化及びDiversity, Equity & Inclusionの推進に
ついては、その割合を全体の20%といたします。
[業績連動賞与の総支給額(イメージ)]

[具体的な算定方法]
以下の方法に基づき算定いたします。
(1)賞与総支給額
次のいずれか少ない額といたします。
◆7.5億円
◆下記(2)で定める個人支給額の最大支給額の合計
(2)個人支給額:「役位別標準額 ± 個人評価反映額」
①役位別標準額
対象取締役の執行役員としての役位に応じた役位別標準額は、以下のとおりであります。
(千円未満切り捨て。)
2025年度連結純利益 × A% + B億円
②個人評価反映額
個人評価の結果に基づき、取締役会にて決議された、対象取締役の執行役員としての
役位に応じた評価反映額の加減算を実施。
[業績指標の実績]
業績連動賞与の算定の基礎として選定した業績指標の実績(2025年度の実績)は下表のとおり
であります。当事業年度終了後に代表取締役 社長執行役員 CEO(上野真吾)が各業務執行取締役
との面談を経て決定した個人評価を踏まえ、2025年度(2026年6月支給)の業績連動賞与の支給を
行います。なお、代表取締役 社長執行役員 CEOは、業務執行を統括する立場から俯瞰的に
各業務執行取締役の個人評価を決定できるため、当該決定を代表取締役 社長執行役員 CEOに
委任しています。また、適切な決定を担保するため、代表取締役 社長執行役員 CEOは
その結果を指名・報酬諮問委員会に報告することとしております。
※2025年度の通期予想(当期連結純利益):5,700億円 > ROE12%時の当期純利益:5,677億円
となり、2025年度の業績目標を5,700億円として設定。
ニ 株式報酬
・当社グループの中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した経営を推進するため、2018
年に取締役(社外取締役を除き、以下「対象取締役」という。)に対して役位に応じて決定さ
れた数の当社普通株式を譲渡制限付株式として交付する譲渡制限付株式報酬制度(以下「旧制
度①(譲渡制限付株式報酬)」という。)とともに、業績連動型株式報酬制度(以下「旧制度
②(業績連動型株式報酬)」という。)を導入し、対象取締役に対して、各年の定時株主総会の
終結時から翌年の定時株主総会の終結時までの期間(以下「役務提供期間」という。)におけ
る役務提供の対価として、役務提供期間の開始日の属する年の6月1日からその3年後の6月の
末日までの期間(以下「評価期間」という。)における当社株式成長率(TOPIX(東証株価指数)
成長率に対する配当を含む当社株価成長率の割合をいう。以下同じ。)に応じて算定された数
の当社普通株式を交付することとしております。(旧制度②(業績連動型株式報酬)において
は、企業価値向上による株価上昇に加え、当社株価がTOPIX(市場)に比してより一層成長する
ことを目指しております。)
・2021年6月18日開催の第153期定時株主総会において、旧制度①(譲渡制限付株式報酬)及び旧
制度②(業績連動型株式報酬)を一本化した譲渡制限付業績連動型株式報酬制度(以下「新制
度」という。)を導入しております。対象取締役に対して、役務提供期間における役務提供の
対価として、評価期間における当社株式成長率(※1:2023年6月に評価期間が開始する株式報酬
からは配当を含めずに算定。)及び非財務指標の評価(※2:2023年6月に評価期間が開始する
株式報酬より追加)(※1及び※2につき2023年6月23日開催の第155期定時株主総会において承認)
に応じて算定された数の当社普通株式を譲渡制限付株式として交付することとしています。
株主価値の共有を中長期にわたって実現するため、譲渡制限付株式の譲渡制限期間は、株式
交付日から取締役又は執行役員その他取締役会で定める地位のいずれも退任又は退職する日
までの期間としております。
・当社は、2025年6月20日開催の第157期定時株主総会における承認をもって監査役会設置会社
から監査等委員会設置会社に移行しましたが、かかる定時株主総会において、上記と同様の
譲渡制限付業績連動型株式報酬制度を継続することを改めて決定いたしました。
・2025年6月末日に新制度の評価期間(2022年6月1日から2025年6月末日まで)が終了したこと
から、当該評価期間における当社株式成長率(145.3%)を踏まえ、対象取締役4名に対し、
譲渡制限付株式として当社普通株式135,900株を発行し、割り当てました。
ホ 報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1 対象となる役員の報酬等は全て当社から支給しております。
2 「報酬等の総額」の内訳の各記載金額は百万円未満を四捨五入しているため、
それらの合計額と取締役の「報酬等の総額」とは必ずしも一致しておりません。
3 当期に会計処理(費用計上)した金額を記載しております。
4 上記報酬等の額は、IFRS(国際会計基準)に基づく金額です。
ヘ 取締役及び監査役に対する報酬等の総額等は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)
1. 取締役及び監査役の報酬等の総額は、以下のとおり過去の株主総会において決議されています。
なお、当社は、2025年6月20日開催の第157期定時株主総会における承認をもって監査役会設置会社から
監査等委員会設置会社に移行しております。
2. 当期末現在の人員数は、監査等委員である取締役を除く取締役10名(うち社外取締役5名)、監査等委員で
ある取締役5名(うち社外取締役3名)です。
3. 当社には、使用人を兼務している取締役はいません。
4. 「業績連動賞与」は、2025年6月20日開催の第157期定時株主総会において決議された上限額の範囲内で、
取締役会で決定された算出方法に基づき算出した金額を記載しています。
5. 「譲渡制限付業績連動型株式報酬」は、当期に費用計上した金額を記載しています。
6. 取締役の業績連動報酬等(業績連動賞与及び譲渡制限付業績連動型株式報酬)の総額は785百万円、
非金銭報酬等(譲渡制限付業績連動型株式報酬)の総額は532百万円です。
7. 取締役及び監査役の報酬等の各記載金額は百万円未満を四捨五入しているため、各内訳を足し合わせた額と
合計値は必ずしも一致していません。
8. 上記の報酬等の額は、IFRS(国際会計基準)に基づく金額です。
(5) 【株式の保有状況】
当社は、投資株式の内、株式価値の変動又は株式に係る配当金による利益を享受する目的で保有する株式を純投資目的で保有する株式に区分し、投資採算という観点に立ち、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大等を目的として保有する株式を純投資目的以外の目的で保有する株式としております。
① 純投資目的以外の目的で保有する株式
当期(2026年3月31日)
当期において株式数が増加した銘柄
当期において株式数が減少した銘柄
(注) 上記の増加した銘柄数及び減少した銘柄数には、株式の併合や株式の分割等のコーポレートアクション(除く、有償増資)により、株式数が増加若しくは減少した銘柄は含めておりません。
純投資目的以外の目的で保有する上場株式(特定投資株式)
当社は、純投資目的以外の目的で上場株式を保有するに当たっては、個別銘柄毎に資本コストとの比較をはじめ投資採算という観点に立ち、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大につながるかどうかなど様々な検討を十分に行ったうえで、保有意義を見直し、その内容を毎年取締役会に報告しております。その結果、保有意義が認められない株式については縮減方針としております。
なお、当社株式を純投資目的以外の目的で保有している会社から当該株式の売却の意向が示された場合には、原則としてこれを尊重し、取引関係にも影響を及ぼしません。
[2025年度の取締役会における報告内容]
当社が2025年3月31日時点で保有する上場株式に関して、個別銘柄毎に定量面・定性面から保有意義の検証を行い、その結果について、取締役会にて報告しております。定量評価においては、銘柄毎の資本コストとの比較を確認し、定性評価においては、銘柄毎に戦略との合致度や出資目的の達成度等について、確認しております。その結果、定量面・定性面の両側面から保有意義が認められないと判断された銘柄については、売却を検討していくこととしております。
なお、当期においては、一部売却も含め、11銘柄(売却価額合計41,965百万円)の上場株式を売却しております。
(注) 1 「定量的な保有効果」に関しては、取引先との関係等を考慮し、全銘柄において記載を省略しておりますが、毎年、資本コストとの比較を行い、戦略性等の定性的な側面も確認の上、保有の合理性を検証しております。
2 「-」は、当該銘柄を特定投資株式として保有していないことを示しております。
3 「当社株式の保有の有無」に関しては、同社子会社による保有は含めておりません。当期の状況を当社の株主名簿で確認できる範囲で記載しております。当期に特定投資株式として保有していない銘柄は、前期の状況を記載しております。
② 純投資目的で保有する株式
当期において、純投資目的から純投資目的以外に、純投資目的以外から純投資目的に区分変更した銘柄はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人財戦略に関する基本方針等】
① 連結ベースの企業戦略と関連付けた人財戦略
当社グループの人財戦略は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)人的資本に関する開示 ②戦略」をご参照ください。
② ①を踏まえた従業員給与等の決定方針
(a) 当社グループの方針
経営戦略の実現に向けて、グループの理念に共感し、高い志を持ち、自律的な成長を続け、グローバルフィールドで新たな価値創造に挑戦する人財の個の力を最大限に引き出すために、「グローバル人材マネジメントポリシー」に基づいた報酬制度を構築しています。具体的には、「フェアな処遇」を根幹に据え、金銭的な報酬のみならず、非金銭的な報酬であるキャリア開発の機会や働きがい等を含めた「トータル・リワード」の考え方を重視しています。金銭的報酬においては、個人の属性にとらわれることなく、「Pay for Job, Pay for Performance」の考え方を徹底し、職務や成果に対して公正に報いるとともに、業界・マーケットや各国の情勢に柔軟に対応しています。そのうえで、「グループマネジメントポリシー」の中核三原則である「自律・対話・連携」に則ることで、共通のポリシーを堅持しつつ、事業特性や地域性に応じた、グループ各社による自律的かつ柔軟な報酬制度の構築を実現しています。
(b) 当社の方針
当社グループの中核企業である住友商事においては、当社グループの方針に則り、経営戦略の実現に必要となる職務・役割の大きさ及びその成果を金銭的な報酬に連動させています。これにより、国籍・性別・年齢等の属性によらず、透明性の高い処遇を実現しています。
■報酬体系
基本給と賞与で構成されます。基本給には職務・役割の大きさを(Pay for Job)、賞与には個人・組織・会社全体の成果を(Pay for Performance)反映させる仕組みとしています。
■報酬水準及び割合
職務・役割の大きさに応じた等級別に、標準的な評価・目標業績達成を前提とした理論年収を設定しています。人財の確保・リテインに向けて適切な報酬水準を設定するため、理論年収については、外部専門機関による客観的な報酬市場調査データ等を参考に競争力を確認しています。また、職務・役割が大きい等級ほど、会社業績との連動性を高めることで、経営層に近い視点での価値創造を促す設計としています。最上位等級では年収の約30%が会社業績と連動します。
■報酬決定プロセス
等級別の理論年収は、ガバナンスと従業員の納得感の双方を担保するため、毎年、経営会議での決議および労働組合との対話・協議を経て決定しています。個々人の各年の報酬額は、評価制度・報酬制度の基準に基づき、フェアで透明性を確保した形で決定されます。
今後も、人財戦略や外部環境の変化等を踏まえ、適切な制度・運用を継続的に目指していきます。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
(2026年3月31日現在)
(注)1 上記従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は〔 〕に年間の平均人員数を外数で記載しております。
2 臨時従業員には、派遣契約による従業員を含めております。
② 提出会社の状況
(2026年3月31日現在)
(注)1 上記従業員のうち、他社への出向者は1,639人、嘱託は366人であります。
また、上記従業員のほか他社からの出向者は193人、海外支店・駐在員事務所が現地で雇用している従業員は118人、相談役・顧問は17人であります。
2 平均年間給与は、賞与、時間外勤務手当及び在宅勤務手当を含んでおります。
3 嘱託を除いた従業員の平均年間給与は18,906,975円、平均年間給与の対前事業年度増減率は5.6%であります。
③ 労働組合の状況
当社及び子会社において、労働組合との間に特記すべき事項はありません。
④ 提出会社の多様性に関する指標
(a) 管理職に占める女性従業員の割合:11.2% (2026年3月31日時点)
(b) 男性の育児休業取得率 :79.6% (2026年3月31日時点)
(c) 男女間賃金差異
(注)1 管理職に占める女性従業員の割合(女性管理職比率)及び男女間賃金差異は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 男性の育児休業取得率は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3 男女間賃金差異の計算対象期間:2025年4月1日~2026年3月31日
4 男女間賃金差異の計算対象項目:例月給(基本給、調整給、出向手当、別居手当、在宅勤務手当、
時間外勤務手当、管理職深夜割増手当)、賞与
5 差異理由:当社は、「Pay for Job, Pay for Performance」の考え方に基づいた報酬制度を設計しており、職務・役割の大きさが同一である職務等級であれば、性別による賃金の差はありません。男女間の賃金差異が生じる主な要因としては、男性に比べて女性における管理職比率が低く女性管理職数が少ないことが挙げられます。その背景としては、当社では従来、採用時に2つの職掌区分を設けており、女性社員の多くが、原則転居を伴う転勤のない事務職掌(主に事務実務に従事し、プロフェッショナル職掌の業務を支える役割を担う職掌)に属しておりました。これに対して2022年に職掌を一本化し、個々人のスキル・能力・意欲等に応じて柔軟にキャリア形成ができる制度へ移行しました。その結果、旧事務職掌に属していた社員の中からも管理職への登用が進んでおり、女性の管理職が今後増加していく過程で、男女間の賃金差異は着実に縮小していくものと考えております。
⑤ 子会社の多様性に関する指標
常用労働者数が101~300人の事業会社
常用労働者数が301人以上の事業会社
(注)1 事業セグメントには、子会社が所属する事業セグメントを記載しております。
2 管理職に占める女性従業員の割合(女性管理職比率)及び男女間賃金差異は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出したものであります。
3 公表項目には、各子会社が男性の育児休業取得率を算出するにあたり準拠している以下いずれかの法令を記載しております。
①「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づき算出した、男性の育児休業の取得割合
②「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第1号に基づき算出した、男性の育児休業等取得割合
③「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第2号に基づき算出した、男性の育児休業等と育児目的休暇の取得割合
また、正規雇用及び非正規雇用の*印は、対象期間において配偶者が出産した男性従業員がいないことを示しております。
4 非正規雇用の*印は、非正規雇用の女性従業員がいないことを示しております。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、連結財務諸表規則)第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、国際会計基準(以下、IFRS)に準拠して作成しております。
本報告書の連結財務諸表等の金額の表示は、百万円未満を四捨五入して記載しております。
(注) 本報告書においては、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)における当連結会計年度を「当期」、前連結会計年度を「前期」と記載しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、財務諸表等規則)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
本報告書の財務諸表等の金額の表示は、百万円未満を切捨てて記載しております。
(注) 本報告書においては、第158期事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)における当事業年度を「当期」、前事業年度を「前期」と記載しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表並びに第158期事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は以下のとおりであります。(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等に適時かつ的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、研修等へ参加しております。(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針及び会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
「連結財務諸表注記」参照
② 【連結包括利益計算書】
「連結財務諸表注記」参照
③ 【連結持分変動計算書】
前期(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
当期(自2025年4月1日 至2026年3月31日)
「連結財務諸表注記」参照
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
「連結財務諸表注記」参照
【連結財務諸表注記】
1 報告企業
住友商事株式会社(以下、親会社)は日本に所在する企業であります。親会社の連結財務諸表は3月31日を期末日とし、親会社及び子会社(以下、当社)、並びに当社の関連会社及び共同支配の取決めに対する持分により構成されております。当社は、長年培ってきた信用、国内外のグローバルネットワーク、あらゆる分野の取引先とのグローバルリレーション、知的資産といったビジネス基盤と、ビジネス創出力、ロジスティクス構築力、金融サービス提供力、IT活用力、リスク管理力、情報収集・分析力といった機能を統合することにより、顧客の多様なニーズに応え、多角的な事業活動をグローバル連結ベースで展開しております。
2 作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は連結財政状態計算書における以下の重要な項目を除き、取得原価を基礎として作成されております。
・デリバティブについては公正価値で測定しております。
・公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識する金融商品については、公正価値で測定しております。
・公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識する金融商品については、公正価値で測定しております。
・確定給付制度に係る資産または負債は、確定給付債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除したものとして認識されております。
・棚卸資産のうち、短期的な価格変動により利益を獲得する目的で取得したものについては、売却費用控除後の公正価値で測定しております。
・生物資産は、売却費用控除後の公正価値で測定しております。
・売却目的保有に分類された非流動資産又は処分グループは、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
本報告書の連結財務諸表は親会社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示しているすべての財務情報は、百万円未満を四捨五入して記載しております。
(4) 見積り及び判断の利用
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、マネジメントは、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間と将来の会計期間において認識されます。
連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える会計方針の適用に際する判断に関する情報は、以下の注記に含まれております。
・リースを含む契約の会計処理-注記3 重要性がある会計方針 (9) リース
・関連会社及び共同支配の取決めの範囲-注記11 持分法適用会社に対する投資
翌期において重要な修正をもたらすリスクのある、仮定及び見積りの不確実性に関する情報は、以下の注記に含まれております。
・金融資産の減損-注記25 金融商品及び関連する開示
・公正価値で測定する金融資産-注記25 金融商品及び関連する開示
・非流動資産の回収可能性-注記11 持分法適用会社に対する投資、注記12 有形固定資産、注記13 無形資産、注記14 投資不動産
・繰延税金資産の回収可能性-注記30 法人所得税
・引当金の測定-注記18 引当金、注記34 契約及び偶発債務
・確定給付債務の測定-注記19 従業員給付
(5) 会計方針の変更
当社は、当期より強制適用となった基準書及び解釈指針を適用しております。適用による当社への重要な影響はありません。
3 重要性がある会計方針
連結財務諸表の作成にあたり適用した重要性がある会計方針は次のとおりであります。
(1) 連結の基礎
① 企業結合
当社はIFRS第3号「企業結合」(以下、IFRS第3号)及びIFRS第10号「連結財務諸表」をすべての企業結合に適用しております。
当社は、注記5で開示している企業結合に対して取得法を適用しております。
支配とは、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、その投資先に対するパワーを通じてそれらのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。取得日とは支配が取得企業に移転した日をいいます。取得日及び支配がある当事者から他の当事者に移転したか否かを決定するためには判断が必要な場合があります。
当社はのれんを取得日時点で測定した被取得企業に対する非支配持分の認識額を含む譲渡対価の公正価値から、取得日時点における識別可能な取得資産及び引受負債の純認識額(通常、公正価値)を控除した額として測定しております。
譲渡対価には、当社から被取得企業の従前の所有者に対して移転した資産、発生した負債、及び当社が発行した持分の公正価値が含まれております。譲渡対価には、偶発対価の公正価値が含まれております。
被取得企業の偶発負債は、それが現在の債務であり、過去の事象から発生したもので、かつその公正価値を信頼性をもって測定できる場合に限り、企業結合において認識されております。
現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な持分を保有者に与えている非支配持分は、公正価値もしくは被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する非支配持分の比例的な取り分で当初測定しております。
この測定方法の選択は、取引ごとに行っております。その他の非支配持分は、公正価値もしくは他のIFRSが適用される場合は、他のIFRSに基づき、測定しております。
仲介手数料、弁護士費用、デューデリジェンス費用及びその他の専門家報酬、コンサルティング料等の、企業結合に関連して当社に発生する取引費用は、発生時に費用処理しております。
非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理されているため、当該取引からのれんは認識されておりません。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した会計年度末までに完了していない場合には、完了していない項目を暫定的な金額で報告しております。取得日時点に存在していた事実と状況を取得日当初に把握していたとしたら、認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下、測定期間)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。この新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しております。
測定期間は最長で1年間であります。
② 子会社
子会社とは、当社により支配されている企業をいいます。子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、当社の連結財務諸表に含まれております。子会社の会計方針は、当社が適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しております。
当社の連結財務諸表には、報告期間の末日を親会社の報告期間の末日に統一することが実務上不可能であり、親会社の報告期間の末日と異なる日を報告期間の末日とする子会社の財務諸表が含まれております。当該子会社の所在する現地法制度上、親会社と異なる決算日が要請されていることにより、決算日を統一することが実務上不可能であり、また、現地における会計システムを取り巻く環境や事業の特性などから、親会社の報告期間の末日を子会社の報告期間の末日として仮決算を行うことが実務上不可能であります。当該子会社の報告期間の末日と親会社の報告期間の末日の差異は3ヶ月を超えることはありません。
連結財務諸表の作成に用いる子会社の財務諸表を当社と異なる報告期間の末日で作成する場合、その子会社の報告期間の末日と当社の報告期間の末日の間に生じた重要な取引または事象の影響については調整を行っております。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本の部に直接認識されております。
③ 共通支配下の企業との企業結合
共通支配下における企業結合とは、企業結合当事企業もしくは事業のすべてが、企業結合の前後で同一の企業により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的でない場合の企業結合であります。当社は、すべての共通支配下における企業結合取引について、継続的に帳簿価額に基づき会計処理しております。
④ 関連会社及び共同支配の取決め
関連会社とは、当社がその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業をいいます。当社が他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社は当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。
共同支配の取決めは、各投資者が有する契約上の権利及び義務に基づいて、共同支配事業または共同支配企業のいずれかに分類されます。
当社は、共同支配事業に対する持分に係る資産、負債、収益及び費用の会計処理を、特定の資産、負債、収益及び費用に適用される適切なIFRSに基づき行っております。
関連会社及び共同支配企業への投資は、持分法を用いて会計処理しており(以下、持分法適用会社)、取得時に取得原価で認識しております。当社の投資には、取得時に認識したのれん(減損損失累計額控除後)が含まれております。
連結財務諸表には、重要な影響または共同支配が開始した日から終了する日までの持分法適用会社の収益・費用及び持分の変動に対する当社持分が含まれております。持分法適用会社の会計方針は、当社が適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しております。
また、連結財務諸表には、他の株主との関係等により、決算日を統一することが実務上不可能であるため、決算日の異なる持分法適用会社に対する投資もあります。当該持分法適用会社の報告期間の末日は主に12月末日であります。
決算日の差異より生じる期間の重要な取引または事象の影響については調整を行っております。
⑤ 連結上消去される取引
連結グループ内の債権債務残高及び取引、並びに連結グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。持分法適用会社との取引から発生した未実現利益は、被投資企業に対する当社持分を上限として投資から控除しております。未実現損失は、減損が生じている証拠がない場合に限り、未実現利益と同様の方法で控除しております。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レートで当社の各機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しております。貨幣性項目にかかる換算差額は、期首における機能通貨建の償却原価に当期中の実効金利及び支払金利を調整した金額と、期末日の為替レートで換算した外貨建償却原価との差額であります。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に再換算しております。
再換算によって発生した換算差額は、当期利益で認識しております。ただし、FVTOCIの金融資産の再換算により発生した差額、在外営業活動体に対する純投資のヘッジ手段として指定された金融商品(以下③参照)、及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益に計上しております。外貨建取得原価により測定されている非貨幣性項目は、取引日の為替レートを使用して換算しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産・負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については平均為替レートを用いて日本円に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。
当社のIFRS移行日以降、当該差額は「在外営業活動体の換算差額」として、その他の資本の構成要素に含めております。在外営業活動体の持分全体の処分、及び支配、重要な影響力または共同支配の喪失を伴う持分の一部処分につき、当該換算差額は、処分損益の一部として当期利益に振替えられます。
③ 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社は、在外営業活動体の機能通貨と親会社の機能通貨(円)との間に発生する換算差額についてヘッジ会計を適用しております。
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ手段として指定されている金融商品の再換算により発生した換算差額は、ヘッジが有効な範囲においてその他の包括利益で認識し、「在外営業活動体の換算差額」として、その他の資本の構成要素に含めております。ヘッジが有効でない部分については、当期利益で認識しております。純投資のうちヘッジされている部分が処分された場合には、当該換算差額は処分損益の一部として当期利益に振替えられます。
(3) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
当社は、営業債権及びその他の債権を、これらの発生日に当初認識しております。その他のすべての金融資産は、当社が当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しております。
非デリバティブ金融資産の分類及び測定モデルの概要は以下のとおりであります。
償却原価で測定される金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合に償却原価で事後測定しております。
・当社のビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高にかかる利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
償却原価で測定される金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。但し、重大な金融要素を含んでいない営業債権及びその他の債権については取引価格で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定される金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、必要な場合には減損損失を控除しております。
FVTOCIの負債性金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で事後測定しております。
・当社のビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収と売却の両方を目的として保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高にかかる利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
FVTOCIの負債性金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。
当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動は「FVTOCIの金融資産」として、その他の資本の構成要素に含めております。FVTOCIの負債性金融資産の認識を中止した場合、その他の資本の構成要素の残高を当期利益に振替えております。
FVTPLの金融資産
資本性金融商品を除く金融資産で上記の償却原価で測定する区分及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する区分の要件を満たさないものは、公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識しております。当該資産には、売買目的で保有する金融資産が含まれております。
資本性金融商品は公正価値で測定しその変動を当期利益で認識しております。ただし、当社が当初認識時に公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(撤回不能)を行う場合はこの限りではありません。
FVTPLの金融資産は、当初認識時に公正価値で認識し、取引費用は発生時に当期利益で認識しております。
FVTOCIの資本性金融資産
当社は当初認識時に、資本性金融商品への投資における公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(撤回不能)を行う場合があります。当該選択は、売買目的以外で保有する資本性金融商品に対してのみ認められております。
FVTOCIの資本性金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動は「FVTOCIの金融資産」として、その他の資本の構成要素に含めております。
FVTOCIの資本性金融資産の認識を中止した場合、または、取得原価に比し公正価値の著しい下落が一時的ではない場合、その他の資本の構成要素の残高は直接利益剰余金に振替え、当期利益で認識しておりません。
ただし、FVTOCIの資本性金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期利益で認識しております。
金融資産の認識の中止
当社は、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、または、当該金融資産の所有にかかるリスク及び便益を実質的にすべて移転する取引において、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、当該金融資産の認識を中止しております。移転した金融資産に関して当社が創出した、または当社が引き続き保有する持分については、別個の資産・負債として認識しております。
② 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物とは、現金及び容易に一定の金額に現金化が可能な流動性の高い投資をいい、預入時点から満期日までが3ヶ月以内の短期定期預金を含んでおります。
③ 非デリバティブ金融負債
当社は、当社が発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。その他の金融負債はすべて、当社が当該金融商品の契約の当事者になる取引日に認識しております。
当社は、金融負債が消滅した場合、つまり、契約上の義務が免責、取消または失効となった場合に、金融負債の認識を中止しております。
当社は、非デリバティブ金融負債として、社債及び借入金、営業債務及びその他の債務を有しており、公正価値(直接帰属する取引費用を控除後)で当初認識しております。
非デリバティブ金融負債については、当初認識後、実効金利法を用いた償却原価により測定しております。
なお、金融負債が条件変更または交換されたものの、大幅な条件変更を伴わないことから当該金融負債の認識の中止が生じない場合にも、条件変更または交換時に利得または損失を認識しております。
④ 資本
普通株式
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しております。
自己株式
自己株式を取得した場合は、直接取引費用を含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識しております。自己株式を売却した場合、受取対価を資本の増加として認識しております。
⑤ デリバティブ及びヘッジ会計
当社は、金利変動リスク、為替変動リスク、在庫及び成約の価格変動リスクをヘッジするためデリバティブを利用しております。これらに用いられるデリバティブは主に、為替予約、通貨スワップ、金利スワップ及び商品先物取引などであります。
当初のヘッジ指定時点において、当社は、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスク管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略、ヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジ関係の有効性の評価方法、有効性及び非有効性の測定方法、及び非有効部分の発生原因の分析を文書化しております。
当社は、ヘッジ関係の開始時及び継続期間中にわたって、ヘッジ手段の公正価値の変動又はキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ対象の公正価値の変動又はキャッシュ・フローの変動と高い相殺関係があるかどうかを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は、密接に合致しているかどうかの定性的な評価、あるいはヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価格変動が相殺しあう関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しております。
予定取引に対してキャッシュ・フロー・ヘッジを適用するためには、当該予定取引の発生可能性が非常に高い必要があります。
デリバティブは公正価値で当初認識し、関連する取引費用は発生時に当期利益として認識しております。当初認識後は、デリバティブは公正価値で測定し、その変動は以下のように会計処理しております。
公正価値ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動は当期利益で認識しております。ヘッジ対象の帳簿価額は公正価値で測定し、ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象に係る利得または損失は、その変動を当期利益で認識しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債、当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、「キャッシュ・フロー・ヘッジ」として、その他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素に含めております。また、通貨金利スワップの通貨ベーシス・スプレッド部分については、ヘッジ手段から除外し、公正価値の変動を「ヘッジ・コスト」としてその他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素に含めております。その他の資本の構成要素に累積された残高は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが当期利益に影響を及ぼす期間と同一期間にわたり当期利益に振り替えられております。デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ非有効部分は、即時に当期利益で認識しております。
ヘッジがヘッジ会計の要件を満たさない場合、ヘッジ手段が失効、売却、終了または行使された場合、あるいはヘッジ指定が取り消された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しております。
ヘッジ会計を中止した場合、当社は、既にその他の包括利益で認識したキャッシュ・フロー・ヘッジの残高を、予定取引が当期利益に影響を与えるまで引き続き計上しております。予定取引の発生が予想されなくなった場合は、キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、即時に当期利益で認識されます。
⑥ トレーディング目的等のデリバティブ
当社には、ヘッジ目的で保有しているデリバティブのうちヘッジ会計の要件を満たしていないものがあります。また、当社は、デリバティブをヘッジ目的以外のトレーディング目的でも保有しております。これらのデリバティブの公正価値の変動はすべて即時に当期利益で認識しております。
⑦ 金融資産及び負債の表示
金融資産及び負債は、当社が残高を相殺する法的権利を有し、純額で決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
(4) 棚卸資産
棚卸資産は主として、商品、原材料・仕掛品及び販売不動産から構成されております。
棚卸資産については、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の営業過程における予想販売価額から完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額であります。
なお、短期的な価格変動により利益を獲得する目的で取得した棚卸資産については、売却費用控除後の公正価値で測定し、公正価値の変動を当期利益で認識しております。
短期的な価格変動により利益を獲得する目的以外で取得した棚卸資産については、個々の棚卸資産に代替性がない場合、個別法に基づき算定し、個々の棚卸資産に代替性がある場合、主に移動平均法に基づいて算定しております。
(5) 売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
当社は、非流動資産又は処分グループの帳簿価額が継続的使用ではなく主に売却取引により回収される場合は、当該資産又は処分グループを売却目的保有に分類し、流動資産に振り替えております。これに該当するのは、資産又は処分グループが売却に関する通常又は慣例的な条件のみに従って直ちに売却することが可能であり、その売却の可能性が非常に高い場合です。経営者は当該資産又は処分グループの売却計画の実行を確約している必要があり、売却が完了したものと認識されるための要件を売却目的保有に分類した日から1年以内に満たす予定でなければなりません。
売却目的保有に分類された非流動資産又は処分グループは、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しております。
(6) 有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産については、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
取得原価には資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び土地の原状回復費用、及び資産計上すべき借入費用が含まれております。
有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しております。
② 減価償却
減価償却費は償却可能価額をもとに算定しております。償却可能価額は、資産の取得価額または取得価額に準じる額から残存価額を差し引いて算出しております。
減価償却については、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、主に定額法に基づいております。定額法を採用している理由は、これが資産によって生み出される将来の経済的便益の消費の想定パターンに最も近似していると考えられるためであります。
なお、鉱業権の減価償却については、見積埋蔵量に基づき、生産高比例法に基づいております。土地は償却しておりません。
前期及び当期における見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び附属設備 3-50年
・機械設備 2-20年
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、毎期末日に見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(7) 無形資産
① のれん
当初認識
子会社の取得により生じたのれんは無形資産に計上しております。当初認識時におけるのれんの測定については、(1)①に記載しております。
当初認識後の測定
のれんは取得価額から減損損失累計額を控除して測定しております。持分法適用会社については、のれんの帳簿価額を投資の帳簿価額に含めております。また、当該投資にかかる減損損失は、持分法適用会社の帳簿価額の一部を構成するいかなる資産(のれんを含む)にも配分しておりません。
② ソフトウェアに係る支出の資産化
当社は、販売目的もしくは内部利用目的のソフトウェアを購入または開発するための特定のコストを支出しております。
新しい科学的または技術的知識の獲得のために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用計上しております。開発活動による支出については、信頼性をもって測定可能であり、製品または工程が技術的及び商業的に実現可能であり、将来経済的便益を得られる可能性が高く、当社が開発を完成させ、当該資産を使用または販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ自己創設無形資産として資産計上しております。
資産計上したソフトウェアに係る支出は、取得価額から償却累計額及び減損損失累計額を差し引いて測定しております。
③ 企業結合により取得した無形資産
企業結合により取得し、のれんとは区分して認識した販売権、商標権、顧客との関係等の無形資産は取得日の公正価値で計上しております。
その後は、取得価額から償却累計額及び減損損失累計額を差し引いて測定しております。
④ その他の無形資産
当社が取得したその他の無形資産で有限の耐用年数が付されたものについては、取得価額から償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しております。
商標権の一部については、事業を継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断し、償却しておりません。
⑤ 償却
償却費は、資産の取得価額から残存価額を差し引いた額をもとに算定しております。のれん以外の無形資産の償却は、当該資産が使用可能な状態になった日から見積耐用年数にわたり、定額法に基づいております。定額法を採用している理由は、これが無形資産によって生み出される将来の経済的便益の消費の想定パターンに最も近似していると考えられるためであります。前期及び当期における主な見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウェア 3-10年
・販売権・商標権・顧客との関係 3-30年
・その他 3-20年
償却方法、耐用年数及び残存価額は、毎期末日に見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(8) 投資不動産
投資不動産とは、賃料収入またはキャピタル・ゲイン、もしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産であります。通常の営業過程で販売する不動産や、商品またはサービスの製造・販売、またはその他の管理目的で使用する不動産は含まれておりません。投資不動産は、取得原価から減価償却累計額((6)②参照)及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
(9) リース
契約時に、当該契約がリース又はリースを含んだものであるのかどうかを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。
契約がリースであるか又はリースを含んでいる場合、開始日において使用権資産及びリース負債を連結財政状態計算書に計上しております。リース期間が12ヶ月以内に終了する短期リースに係るリース料は、リース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
使用権資産の測定は原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
取得原価は、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整しております。使用権資産は、リース期間にわたり規則的に減価償却を行っております。
リース負債は、支払われていないリース料の現在価値で測定しております。リース料は、リース負債残高に対して毎期一定の率の金利を生じさせるよう、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しております。金融費用は、連結包括利益計算書上、減価償却費と区分して表示しております。
(10) 減損
① 非デリバティブ金融資産
当社は、償却原価で測定する金融資産、リース債権、契約資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識しております。
期末日時点で金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合、期末日後12ヶ月以内の生じうる債務不履行から生じる予想信用損失に基づき測定しております。
一方、期末日時点で信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品の予想存続期間にわたって生じうるすべての債務不履行から生じる予想信用損失をもとに測定しております。
ただし、重大な金利要素を含んでいない営業債権等については、いずれの場合においても常に全期間の予想信用損失に基づき測定しております。
当社は、信用リスクの変動及び予想信用損失の算定にあたっては、主に当社独自の信用格付けであるSumisho Credit Rating(SCR)を用いております。これには、債務者の過去の貸倒実績、現在の財務状態及び合理的に利用可能な将来予測情報等が含まれております。
信用減損の証拠については、債務者の重大な財政的困難や期日経過を含む契約違反等の事象を用いて判断しております。
また、報告日時点で信用減損の証拠がある金融資産については、担保や保証等を含め債務者の個別の状況を総合的に評価した上で個別に予想信用損失を測定しております。なお、金融資産の全部又は一部が回収できないと合理的に判断される場合は、当該金融資産の帳簿価額を直接減額しております。
② 非金融資産
棚卸資産、生物資産及び繰延税金資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を少なくとも年1回見積っております。
資産または資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割引いております。資金生成単位については、継続的に使用することにより他の資産または資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしております。
のれんの資金生成単位については、のれんが内部報告目的で管理される単位に基づき決定し、集約前の事業セグメントの範囲内となっております。
全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を算定して判断しております。
減損損失については、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には当期利益で認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分されております。
のれんに関連する減損損失は戻し入れておりません。過去に認識したその他の資産の減損損失については、各期末日において、損失の減少または消滅を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻し入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れております。減損損失については、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費または償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻し入れております。
持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは別個に認識されておらず、個別に減損テストを実施しておりませんが、持分法適用会社に対する投資の総額を単一の資産として、持分法適用会社に対する投資が減損しているかもしれないという客観的な証拠が存在する場合に、減損テストの対象としております。
(11) 従業員給付
① 確定給付型年金制度
確定給付型年金制度は、確定拠出型年金制度(以下②参照)以外の退職後給付制度であります。確定給付型年金制度に関連する当社の純債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割引き、制度資産の公正価値を差し引くことによって算定しております。
割引率は、当社の債務と概ね同じ満期日を有するもので、期末日において信用格付AAの債券の利回りであります。この計算は、毎年、年金数理人によって予測単位積増方式を用いて行っております。
年金制度が改定された場合、従業員による過去の勤務に関連する給付金の増減部分は、即時に当期利益で認識しております。
当社は、確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益で認識し、即時にその他の資本の構成要素から利益剰余金に振替えております。
② 確定拠出型年金制度
一部の子会社では、確定拠出型年金制度を採用しております。確定拠出型年金制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的または推定的債務を負わない退職後給付制度であります。確定拠出型年金制度の拠出は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識しております。また、一部の子会社では退職一時金制度または退職年金制度に加え複数事業主による年金制度に加入しており、期中の拠出額を年金費用として当期利益で認識し、未払拠出金を債務として認識しております。
なお上記のほか、親会社及び一部の子会社では、自ら希望した従業員が、当期の勤務に係る賞与の一部を掛金として拠出させることができる選択型確定拠出年金制度を設けております。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。
賞与については、当社が、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的または推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
④ 株式報酬取引
当社は、取締役及び執行役員に対して、一定の譲渡制限期間を設けた上で、予め定めた業績条件の達成度に応じて交付株式数を変動させる「譲渡制限付業績連動型株式報酬」を採用しております。当該株式報酬の公正価値は付与日時点で見積り、付与日から役務提供期間終了までの期間にわたり人件費として認識し、同額を資本の増加として認識しております。公正価値は、当社株式の公正価値等を基礎として、モンテカルロ・シミュレーションを用いて測定しております。
(12) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社が、現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額が合理的に見積り可能である場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
資産除去債務
当社が公表している環境方針及び当社がその適用を受ける法規制や契約等に従い、当社は、主として石炭の採掘等に関する設備の撤去及び賃借事務所等に対する原状回復義務に係る費用等を認識しております。
(13) 収益
当社は、通常の商取引において提供される商品の販売、サービス及びその他の販売に係る収益(リース取引及び金融商品取引を除く)を以下の5ステップアプローチに基づき、認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に収益を認識する。
収益の主要な区分におけるそれぞれの収益認識基準、本人代理人の判定に関する基準は以下のとおりであります。
① 商品販売に係る収益
商品販売による収益には、卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売、不動産の開発販売などが含まれております。当社は、これらの収益を個々の契約内容に応じ、引渡、出荷、または検収時点など、約束した商品を顧客に移転することによって履行義務を充足した時に認識しております。顧客による検収条件は、契約内容や顧客との取り決めにより定められるものであり、事前に取り決めた仕様を満たさない場合には、最終的な検収終了まで収益は繰延べられることとなります。当社は原則として、販売した商品に欠陥等がない限り返品を受け付けないこととしております。
当社が技術提供、資材調達、建設工事を請負う電力発電所の建設事業や、顧客仕様のソフトウェアの開発請負事業などの長期請負工事契約については、一定の条件を満たす場合、収益と原価を一定期間にわたり履行義務が充足されることによって認識しております。履行義務が充足される進捗度は、工事契約等に必要な見積総原価に対する、現在までにかかった工事原価の割合に基づいて算定しております。当初の収益の見積り、完成までの進捗状況に変更が生じる可能性がある場合、見積りの見直しを行っております。
② サービス及びその他の販売に係る収益
サービス及びその他の販売に係る収益には、ソフトウェアに関連するサービス、賃貸用不動産、船舶などの貸付金、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リースなどが含まれております。
ソフトウェアに関連するサービスのうち、保守管理に係る収益は、保守管理契約期間にわたって認識する場合と、実際のサービスの提供に応じて認識する場合とがあります。
船舶などの貸付金に係る収益は、実効金利法に基づき認識しております。
ファイナンス・リースに係る収益は、リースの計算利子率に基づき認識しております。
オペレーティング・リースに係る収益は、連結包括利益計算書にリース期間にわたり、定額法で認識しております。
③ 収益の本人代理人の判定
当社は、通常の商取引において、仲介業者または代理人としての機能を果たす場合があります。このような取引における収益を報告するにあたり、収益を顧客から受け取る対価の総額(グロス)で認識するか、または顧客から受け取る対価の総額から第三者に対する手数料その他の支払額を差し引いた純額(ネット)で認識するかを判断しております。ただし、グロスまたはネット、いずれの方法で認識した場合でも、売上総利益及び当期利益に影響はありません。
収益の本人代理人の判定に際しては、その取引における履行義務の性質が、特定された財又はサービスを顧客に移転される前に支配し、自ら提供する履行義務(すなわち、「本人」)に該当するか、それらの財又はサービスが当該他の当事者によって提供されるように手配する履行義務(すなわち、「代理人」)に該当するかを基準としております。当社が「本人」に該当する取引である場合には、履行義務を充足する時点で、又は充足するにつれて収益をグロスで認識しております。当社が「代理人」に該当する取引である場合には、履行義務を充足する時点で、又は充足するにつれて、特定された財又はサービスが当該他の当事者によって提供されるように手配することと交換に権利を得ると見込んでいる報酬又は手数料の金額にて収益をネットで認識しております。
ある取引において当社が本人に該当し、その結果、当該取引に係る収益をグロスで認識するための判断要素として、次の指標を考慮しております。
・当社が、特定された財又はサービスを提供する約束の履行に対する主たる責任を有している。
・特定された財又はサービスが顧客に移転される前、又は顧客への支配の移転の後に、当社が在庫リスクを有している。
・特定された財又はサービスの価格の設定において当社に裁量権がある。
(14) 金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金、有価証券売却益、FVTPLの金融資産の公正価値の変動及び当期利益で認識されたヘッジ手段に係る利益等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。受取配当金は、当社の受領権が確定した日に認識しております。金融資産(除くFVTPLの金融資産)からの利息収益は、実効金利法により計上しております。
金融費用は、支払利息、有価証券売却損、FVTPLの金融資産の公正価値の変動、金融資産の減損損失及び当期利益で認識されたヘッジ手段に係る損失等から構成されております。適格資産の取得、建設または製造に直接起因しない借入費用は、実効金利法により当期利益で認識しております。
(15) 借入費用
当社は、意図した使用または販売が可能となるまでに相当の期間を必要とする資産、つまり適格資産の取得、建設または製造に直接起因する借入費用は、その資産が実質的に意図した使用または販売を可能にする時まで、それらの資産の取得原価に加算しております。
上記以外のすべての借入費用は、それが発生した会計期間に当期利益で認識しております。
(16) 法人所得税費用
法人所得税費用は、当期税金と繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本の部またはその他の包括利益で認識される項目を除き、当期利益で認識しております。
当期税金は、期末日時点において施行または実質的に施行される税率を乗じて算定する当期の課税所得または損失に係る納税見込額あるいは還付見込額の見積りに、前年までの納税見込額あるいは還付見込額の調整額を加えたものであります。
繰延税金は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異に対して認識しております。繰延税金資産及び負債は、期末日に施行または実質的に施行される法律に基づいて一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しております。
企業結合以外の取引で、会計上または税務上のいずれの損益にも影響を及ぼさず、かつ取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産または負債の当初認識に係る差異については、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。さらに、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識しておりません。
IAS第12号「法人所得税」における一時的な例外規定の適用により、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び負債は認識しておりません。
繰延税金資産は、未使用の税務上の欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しております。
子会社、関連会社及び共同支配の取決めに対する投資に係る将来加算一時差異について繰延税金負債を認識しております。ただし、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内での一時差異の解消が期待できない可能性が高い場合には認識しておりません。子会社、関連会社及び共同支配の取決めに係る将来減算一時差異から発生する繰延税金資産は、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な将来に解消されることが予期される可能性が高い範囲でのみ認識しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合または異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び負債を純額ベースで決済することを意図している場合、もしくはこれら税金資産及び負債が同時に実現する予定である場合に相殺しております。
(17) 1株当たり当期利益(損失)
当社は、普通株式に係る基本的及び希薄化後1株当たり当期利益(損失)(以下、EPS)を開示しております。基本的EPSは、当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)から譲渡制限付株式に帰属する当期利益(損失)を差し引いた調整後の当期利益(損失)を、その期間の自己株式と譲渡制限付株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。希薄化後EPSは、すべての希薄化効果のある潜在的普通株式による影響について、当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)及び自己株式を調整した発行済株式の加重平均株式数を調整することにより算定しております。当社の潜在的普通株式はストック・オプション制度及び譲渡制限付業績連動型株式報酬制度に係るものであります。
(18) 事業セグメント
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位であります。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、マネジメントが定期的にレビューしております。
(19) 未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設または改訂は次のとおりであり、2026年3月31日現在において当社はこれらを適用しておりません。適用による当社への影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
4 セグメント情報
(1) 事業セグメント
当社は戦略を軸とするSBUを基本単位とし、戦略上の親和性の高いSBUを束ねる組織として9つのセグメント(グループ)に区分しております。当社のレポーティング・セグメントは次のとおりであります。
以下のグループの記載にある「トレード」とは、グループが、契約当事者として行う取引及び代理人として関与する取引を表しております。収益の認識基準については、注記3(13)を参照願います。
鉄鋼グループ-鉄鋼グループは、鋼管・鋼材などの鉄鋼製品を取り扱い、幅広い分野で顧客のニーズに対応したバリューチェーンを展開しております。鋼管分野では、石油・ガス会社向けに、当社独自のSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)に加えて、オイルフィールドサービス分野への展開を図り、トータルサービスプロバイダーとしての機能を拡充しております。鋼材分野では、調達・在庫管理・加工などの機能を備えた国内外のスチールサービスセンター網を通じ、自動車・家電メーカー向けを中心にジャストインタイムで薄板製品を納入するサービスを展開しております。鉄鋼グループは、エネルギー鋼管SBU、鋼材事業SBU及び鉄鋼GXSBUから構成されております。
自動車グループ-自動車グループは、自動車、タイヤ及びその他関連商品の国内・海外取引を行っております。当該グループのビジネスは、製造、販売、リース並びにこれらの関連サービス・周辺事業などの幅広い分野に及んでおります。自動車グループは、自動車製造・エンジニアリングSBU、自動車流通販売SBU、モビリティサービスSBU、タイヤSBU、Beyond Mobility SBUから構成されております。
輸送機・建機グループ-輸送機・建機グループは、船舶、航空機、建設機械及び関連機器・部品の国内・海外取引を行っております。当該グループのビジネスは、販売・サービス、リース・ファイナンス、製造などの幅広い分野に及んでおります。輸送機・建機グループは、総合リースSBU、航空SBU、防衛宇宙・技術SBU、船舶海洋SBU、建機ソリューションSBUから構成されております。
都市総合開発グループ-都市総合開発グループは、ビル・商業施設・住宅・物流施設・ファンドの運営などの不動産事業、サステナブルシティ・工業団地の開発・運営事業、建材・セメント・産業用設備などの建設資機材関連事業、総合物流インフラ事業、保険事業や、鉄道・空港・水・デジタルインフラ事業などの基幹インフラ関連事業に取り組んでおります。都市総合開発グループは、不動産SBU、工業団地・サステナブルシティSBU、産業マテリアル&システムSBU、物流・保険SBU、基幹インフラSBUから構成されております。
メディア・デジタルグループ-メディア・デジタルグループは、デジタルソリューション事業、情報通信インフラ事業、モバイル付加価値サービス事業、第5世代移動通信システム(5G)事業、ケーブルテレビ事業、テレビ通販事業、映像コンテンツ関連事業、グローバルCVC事業(スタートアップ投資)を行っております。メディア・デジタルグループは、デジタルSBU、スマートプラットフォームSBU、5G SBU、ケーブルプラットフォームSBU、メディア・コマース&コンテンツSBU、新事業投資SBUから構成されております。
ライフスタイルグループ-ライフスタイルグループは、食品スーパー・ブランド等のリテイル事業、食品・食品原料や青果等の食料事業、ドラッグストア・調剤薬局及びマネージドケア・クリニック等のヘルスケア事業を行っております。ライフスタイルグループは、リテイルSBU、食料SBU、ヘルスケアSBUから構成されております。
資源グループ-資源グループは、銅、ニッケル、アルミ、石炭、鉄鉱石、貴金属等の商材に係る権益の開発・操業・生産、製品の製造・販売及び商品デリバティブの活用等の幅広い機能を提供するトレードビジネスを推進しております。資源グループは、非鉄金属SBU、アルミSBU、石炭・原子燃料SBU、鉄鋼原料・炭素SBU及びコモディティビジネスSBUから構成されております。
化学品・エレクトロニクス・農業グループ-化学品・エレクトロニクス・農業グループは、合成樹脂、有機・無機化学品、電子材料、シリコンウェハー、医薬、農薬、肥料、動物薬などのトレード及びこれらの事業投資を含む関連ビジネスを行っております。更に、アジアを中心としたEMS(Electronics Manufacturing Services)事業を展開しております。化学品・エレクトロニクス・農業グループは、基礎化学品SBU、エレクトロニクスSBU、グリーンケミカルSBU、ライフサイエンスSBU及びアグリ事業SBUから構成されております。
エネルギートランスフォーメーショングループ-エネルギートランスフォーメーショングループは、再生可能エネルギーを含む国内外の発電事業及び電力機器・プラント関連の建設工事請負・エンジニアリングなどの大規模なインフラビジネスに取り組んでおります。また、天然ガス、液化天然ガス(LNG)等のエネルギー権益開発・生産及び販売事業、海洋インフラ・船舶燃料供給事業に通り組んでおります。更に、国内電力小売り、環境関連ビジネス、蓄電池関連ビジネス、次世代エネルギー分野での事業開発を行っております。エネルギートランスフォーメーショングループは、エネルギーイノベーション・イニシアチブSBU、国内エネルギーソリューションSBU、海外エネルギーソリューションSBU、インドネシアエネルギーソリューションSBU、ガスバリューチェーンSBU、海洋・海運エネルギーソリューションSBUから構成されております。
それぞれの事業セグメントは、戦略目標の設定、経営管理、及びその結果に対する説明責任に関して、各々が自主性を発揮して、事業活動を行っております。また、マネジメントは、各セグメントの財務情報を定期的に評価し、業績評価や資源配分を行っております。
当社のセグメント情報は次のとおりであります。
前期(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
当期(自2025年4月1日 至2026年3月31日)
(注) 1 各セグメントに配賦できない全社資産は、主に全社目的のために保有される現金及び現金同等物、及び市場性のある有価証券により構成されております。
2 消去又は全社の当期利益(親会社の所有者に帰属)には、特定の事業セグメントに配賦されない損益、及びセグメント間の内部取引消去が含まれております。
3 セグメント間の取引は、通常の市場価格にて行われております。
4 顧客との契約から生じる収益は、経済的要因別に区分の結果、各セグメントに分解されております。
5 資源グループにおいて、前期にマダガスカルニッケル事業に関する損失を計上しております。前期における当期利益(親会社の所有者に帰属)に対する影響額は、△18,859百万円であります。
(2) 地域別情報
当社の地域別収益の内訳は次のとおりであります。
当社の所在地域別に分析した非流動資産(金融資産及び繰延税金資産を除く)の帳簿価額の内訳は次のとおりで
あります。
5 企業結合
(1) 前期
2024年12月25日、当社の連結子会社であるSCSK株式会社は、ネットワンシステムズ株式会社(以下、ネットワンシステムズ)に対する株式公開買付けを通じて、ネットワンシステムズの議決権の79.69%を取得しております。ネットワンシステムズ株式の取得の結果、ネットワーク・セキュリティ・クラウドからデータ活用等のアプリケーションの提供までを一体化したデジタルサービスの展開等単なる資本提携・業務提携を大きく上回る様々なシナジー効果が期待できます。
買収基準日における支払対価、取得資産・負債の公正価値及び非支配持分は、次のとおりであります。支払対価は現金であります。
企業結合に係る取得関連費用として前期に1,113百万円が連結包括利益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されております。
なお、前期末において入手可能な情報を基に取得対価の配分を行っております。その結果、非流動資産106,014百万円、非流動負債32,461百万円を認識しております。上記金額は、暫定的に見積もられた公正価値であり、のれんの資金生成単位への配分は完了しておりません。非流動資産の主な内容は、顧客関連資産であり、当該資産の公正価値は超過収益法に基づき算定しております。顧客関連資産の見積耐用年数は、主に20年です。のれんは、主に、今後の事業展開により期待される超過収益力であり、メディア・デジタルグループで認識されております。
前期においてネットワンシステムズ以外の重要な企業結合は発生しておりません。
(2) 当期
重要な企業結合は発生しておりません。
また、ネットワンシステムズに関する企業結合の前期における暫定的な会計処理については、当期において取得価額の配分が完了しており、会計処理の確定に伴う金額の変動はありませんでした。
6 有価証券及びその他の投資
連結財政状態計算書の「有価証券」及び「その他の投資」計上額の内訳は次のとおりであります。
前期末及び当期末において、償却原価で測定される「有価証券」及び「その他の投資」の公正価値は、15,258百万円及び14,141百万円であります。
当社は、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大などを目的として保有している投資について、FVTOCIの金融資産に分類しています。
期末に「その他の投資」に計上されているFVTOCIの金融資産の公正価値及び受取配当金は次のとおりであります。
上記のうち、主な銘柄の公正価値は次のとおりであります。
期中に処分したFVTOCIの金融資産は次のとおりであります。
これらは主に、取引関係の見直し等により売却したものです。なお、前期及び当期において、その他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた累積利得(税引後)は、それぞれ50,338百万円及び28,577百万円であります。
取得原価に比し公正価値の著しい下落が一時的ではないFVTOCIの金融資産について、前期及び当期にその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた累積損益(税引後)は、それぞれ△838百万円及び△3,955百万円であります。
7 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は次のとおりであります。
売掛金には、FVTPLの金融資産が、前期末及び当期末において、それぞれ178,133百万円及び333,274百万円含まれております。
貸付金には、FVTPLの金融資産が、前期末及び当期末において、それぞれ21,053百万円及び24,074百万円含まれております。
当社は、主に輸出取引に伴い発生した受取手形を一部割引いております。これらの手形の振出人が支払不能となった場合には、当社に銀行等への支払義務が生じることとなります。
これらの割引手形は、前期末及び当期末でそれぞれ1,301百万円及び1,207百万円を連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権」に含めて表示しております。
また、割引きにより入金を受けた金額は、「社債及び借入金」として表示しております。
8 リース
(1) 貸手側
当社は、オペレーティング・リースとして、建設機械、オフィスビル、及び船舶等の賃貸を行っております。前期末及び当期末においてオペレーティング・リースの対象となっている資産の取得原価は、それぞれ900,713百万円及び918,533百万円、また、減価償却及び減損損失累計額の合計は、それぞれ265,515百万円及び277,426百万円であり、これらは連結財政状態計算書の「有形固定資産」、「無形資産」及び「投資不動産」に含まれております。
当社が有するオペレーティング・リースに基づく将来の受取リース料は次のとおりであります。
当社は、賃貸契約上、IFRS第16号「リース」(以下、IFRS第16号)に基づくファイナンス・リースに分類される自動車、発電設備及びサービス装置、IT機器等の賃貸を行っております。
当社が有するファイナンス・リースに基づく将来の受取額総額は次のとおりであります。
当社が有するファイナンス・リースに係る主な損益は次のとおりであります。
(2) 借手側
当社は、オフィスビル及び船舶、機械設備、店舗等を賃借しております。
① 使用権資産
使用権資産の帳簿価額は次のとおりであります。
使用権資産の減価償却費は次のとおりであります。
前期及び当期における使用権資産の取得は、それぞれ93,658百万円及び82,662百万円、また、企業結合による取得は、それぞれ12,250百万円及び2,649百万円であります。
② リース負債の満期分析
当社のリース負債に係る残存契約満期金額は次のとおりであります。
③ 使用権資産に関連する損益
④ リースに係るキャッシュ・アウトフロー
9 担保差入資産
借入金及び取引保証等に対する担保差入資産は次のとおりであります。
(注) 主にデリバティブ取引に係る差入保証金及び賃貸物件に係る敷金であります。
当社は、輸入金融を利用する際、通常は銀行にトラスト・レシートを差し入れ、輸入商品または当該商品の売却代金に対する担保権を付与しております。輸入取引量が膨大であることから、手形を期日に決済するにあたり、個々に当該手形とその売却代金との関連付けは行っておらず、これらトラスト・レシートの対象資産の金額を算出することは実務上困難であり、上記金額には含まれておりません。
10 棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりであります。
上記の内、販売費用控除後の公正価値で計上した棚卸資産の帳簿価額は、前期末及び当期末において、それぞれ151,416百万円及び200,168百万円であります。
前期及び当期において費用認識された棚卸資産の評価損計上額は、それぞれ6,966百万円及び6,108百万円であります。
11 持分法適用会社に対する投資
(1) 持分法適用会社に対する投資の持分の帳簿価額及び持分取込額
当社の連結財務諸表数値に基づいた、関連会社及び共同支配企業に対する当社の持分の要約財務情報は次のとおりであります。
前期にマダガスカルニッケル事業において、Ambatovy Minerals S.A.及びDynatec Madagascar S.A.に対する株主融資について足元の状況を踏まえて回収可能性を考慮した結果、英国裁判所に申し立てていたRestructuring Plan(英国法に基づく債務整理手続)によりコミット済みの未拠出額も含めた全額につき損失計上しております。これに伴い、連結包括利益計算書において14,107百万円の損失を「持分法による投資損益」、4,752百万円の損失を「その他の損益」に計上しております。
当期において重要な利益及び損失は計上しておりません。
上記要約財務情報を構成する共同支配企業のうち、当社の経営上、重要性のある共同支配企業は、三井住友ファイナンス&リース(所有比率50%)であります。
三井住友ファイナンス&リース
三井住友ファイナンス&リースの要約財務諸表は次のとおりであります。
なお、下記要約財務諸表には三井住友ファイナンス&リースに対するのれん等の金額が含まれております。
三井住友ファイナンス&リースは、リースを始めとする様々な金融サービスを提供しております。当社が三井住友ファイナンス&リースより受け取った配当金は、前期及び当期において、それぞれ21,227百万円及び16,292百万円であります。
(2) 持分法適用会社に対する債権残高及び債務残高
当社の持分法適用会社に対する債権残高、債務残高は次のとおりであります。
(3) 持分法適用会社との取引概要
当社は、持分法適用会社と第三者間の販売及び仕入取引に関して、多様な仲介取引を行っております。それら取引による手数料収入に重要性はありません。
持分法適用会社との取引概要は次のとおりであります。
持分法適用会社との取引は独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っております。
12 有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額、帳簿価額の明細は次のとおりであります。
有形固定資産の帳簿価額の増減は次のとおりであります。
有形固定資産の減価償却費は、連結包括利益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。また、有形固定資産の減損損失は、連結包括利益計算書の「固定資産評価損益」に含めております。
13 無形資産
(1) のれん
のれんの取得原価、減損損失累計額、帳簿価額の明細は次のとおりであります。
のれんの帳簿価額の増減は次のとおりであります。
のれんのうち、主なものはネットワンシステムズ(エンタープライズ・通信事業者・パブリック事業及びパートナー事業)、米国建機レンタル事業、北欧駐車場事業であります。ネットワンシステムズ(エンタープライズ・通信事業者・パブリック事業)では前期末及び当期末ともに128,503百万円、ネットワンシステムズ(パートナー事業)では前期末及び当期末ともに32,818百万円であります。米国建機レンタル事業では前期末及び当期末において、それぞれ34,040百万円及び40,639百万円であります。北欧駐車場事業では前期末及び当期末において、それぞれ21,842百万円及び24,409百万円であります。
(2) その他無形資産
その他無形資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の明細は次のとおりであります。
その他無形資産の帳簿価額の増減は次のとおりであります。
販売権・商標権・顧客との関係のうち、主なものはネットワンシステムズ(エンタープライズ・通信事業者・パブリック事業及びパートナー事業)、米国建機レンタル事業、北欧駐車場事業であります。ネットワンシステムズ(エンタープライズ・通信事業者・パブリック事業)では前期末及び当期末において、それぞれ66,840百万円及び62,458百万円、ネットワンシステムズ(パートナー事業)では前期末及び当期末において、それぞれ37,629百万円及び35,666百万円であります。米国建機レンタル事業では前期末及び当期末において、それぞれ23,950百万円及び25,651百万円であります。北欧駐車場事業では前期末及び当期末において、それぞれ14,514百万円及び13,932百万円であります。このうち耐用年数を確定できる資産の平均残存償却期間は、ネットワンシステムズ(エンタープライズ・通信事業者・パブリック事業)では20年、ネットワンシステムズ(パートナー事業)では18年、米国建機レンタル事業では17年、北欧駐車場事業で6年であります。
上記の無形資産のうち、耐用年数を確定できる資産は、その耐用年数にわたって償却しております。償却対象の無形資産償却費は、連結包括利益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
上記の無形資産のうち、耐用年数を確定できない資産は、前期末及び当期末において、それぞれ28,974百万円及び30,776百万円であります。このうち、主なものは商標権であります。これらの商標権は企業結合時に取得したものであり、事業が継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断しております。耐用年数を確定できない資産のうち、重要なものはありません。
(3) のれん及びその他無形資産の減損テスト
当社は、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回減損テストを行っており、さらに、減損の兆候がある場合には、その都度、減損テストを行っております。重要なのれん及びその他無形資産の減損テストの前提は次のとおりであります。
北欧駐車場事業
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストは、スウェーデン・ノルウェー・フィンランドの北欧3ヶ国の駐車場事業全体を一つの資金生成単位グループとして実施しており、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、北欧駐車場事業の事業計画に対して、直近の事業環境を反映させた将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて、独立した鑑定人の支援を受け、評価しております。事業計画の対象期間は駐車場拠点の平均賃借期間を基礎に算定し6~8年間としております。使用価値に大きく影響を及ぼす仮定は、駐車場事業の収益、割引率等であります。成長率及び割引率は次のとおりであります。
成長率は、各国の長期平均成長率を勘案して決定しております。
割引率は、各国の加重平均資本コストを基礎に算定しております。
なお、北欧駐車場事業においては、当期末の減損テストに用いた使用価値は帳簿価額を9,558百万円上回っております。事業環境の変化等により駐車場事業の収益性が大幅に低下する場合、または仮に割引率が約1.3%上昇した場合には、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性があります。
ネットワンシステムズ(株)
SCSKによるネットワンシステムズ株式会社の株式取得に伴い生じたのれんについては、資金生成単位グループを、エンタープライズ・通信事業者・パブリック事業とパートナー事業に識別し、のれんを配分しております。
・エンタープライズ・通信事業者・パブリック事業
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストは、エンタープライズ・通信事業者・パブリック事業を一つの資金生成単位グループとして実施しており、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、エンタープライズ・通信事業者・パブリック事業の事業計画に対して、直近の事業環境を反映させた2年間の将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて、独立した鑑定人の支援を受け、評価しております。使用価値に大きく影響を及ぼす仮定は、売上高成長率、割引率等であります。成長率は、資金生成単位グループが属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しており、のれんの減損テストにおいては、2.0%であります。割引率は、資金生成単位グループの加重平均資本コストを基礎に算定しており、8.6%であります。
なお、エンタープライズ・通信事業者・パブリック事業においては、当期末の減損テストに用いた使用価値は帳簿価額を32,745百万円上回っております。事業環境の変化等によりエンタープライズ・通信事業者・パブリック事業の収益性が大幅に低下する場合、または仮に割引率が約0.6%上昇した場合には、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性があります。
・パートナー事業
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストは、パートナー事業について実施しており、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、パートナー事業の事業計画に対して、直近の事業環境を反映させた5年間の将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて、独立した鑑定人の支援を受け、評価しております。使用価値に大きく影響を及ぼす仮定は、売上高成長率、割引率等であります。成長率は、資金生成単位グループが属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しており、のれんの減損テストにおいては、2.0%であります。割引率は、資金生成単位グループの加重平均資本コストを基礎に算定しており、8.6%であります。
なお、パートナー事業においては、当期末の減損テストに用いた使用価値は帳簿価額を8,490百万円上回っております。事業環境の変化等によりパートナー事業の収益性が大幅に低下する場合、または仮に割引率が約0.4%上昇した場合には、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性があります。
14 投資不動産
投資不動産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額、帳簿価額及び公正価値は次のとおりであります。
〔帳簿価額及び公正価値〕
前期における投資不動産の帳簿価額の増減額に金額的重要性があるものはありません。
当期における投資不動産の取得による帳簿価額の増加額は56,436百万円です。
各基準日現在の公正価値は、投資不動産の所在する地域及び評価される不動産の種類に関する最近の鑑定経験を有し、かつ不動産鑑定士等の公認された適切な専門家としての資格を有する独立的鑑定人による評価に基づいております。その評価は、当該不動産の所在する国の評価基準に従い類似資産の取引価格を反映した市場証拠等に基づいております。
なお、すべての投資不動産はIFRS第13号「公正価値測定」におけるレベル3-観察不能な価格を含むインプットにて測定しております。
投資不動産に係る賃貸料収入は、前期及び当期において、それぞれ42,689百万円及び43,233百万円であり、連結包括利益計算書の「収益」に含まれております。賃貸料収入に付随して発生した直接的な費用(修理、メンテナンスを含む)は、前期及び当期において、それぞれ32,457百万円及び33,884百万円であり、主に「原価」に含まれております。
15 生物資産
生物資産の増減は次のとおりであります。
当社はニュージーランド及び米国において、山林資産(主に松)を保有しております。売却費用控除後の公正価値にて当該資産を測定しております。
なお、すべての生物資産はIFRS第13号「公正価値測定」におけるレベル3-観察不能な価格を含むインプットにて測定しております。
16 社債及び借入金
社債及び借入金(非流動負債)の内訳及び借入利率は次のとおりであります。
社債及び借入金(流動負債)の内訳は次のとおりであります。
社債及び借入金(流動負債)の連結財政状態計算書の残高と合計との差額は、一年以内に期限の到来する社債及び借入金となっております。
前期及び当期の短期借入金の加重平均利率は、それぞれ2.81%及び1.92%となっております。
当社は、海外の1つの銀行団、米銀及び欧銀との間で合計1,210百万米ドル、国内の2つの銀行団との間で合計285,000百万円の信用枠を締結しております。当期末において、これらの信用枠は未使用となっております。
主な長短銀行借入は、以下のような契約に基づいております。
銀行は、債権保全を必要とする相当の事由が生じた場合、借手に対し、担保差入または追加差入、乃至は保証人をたてることを要求することができ、また、それらの担保を、その銀行に対する借手のすべての債務への担保として扱うことが認められております。一部の銀行借入に係る契約では、特定の財務比率及び純資産の一定水準の維持が求められております。債務不履行の際に銀行による一定の占有権を認めている契約もあります。また、主に政府系金融機関との契約では、当社が株式及び社債の発行等により資金調達した際に、当該金融機関が借入金の期限前返済が可能と判断した場合には、当該借入金の期限前返済を請求することが認められております。また、一部契約では、銀行が請求した際には、借手は、剰余金の配当案等について、銀行からの事前承認を受けるよう定められております。当社はこのような請求を受けたことはなく、今後も受けることはないと判断しております。
なお、当社は、前期及び当期において、すべての社債及び借入金に係る契約を遵守しております。
17 営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は次のとおりであります。
買掛金には、FVTPLの金融負債が、前期末及び当期末において、それぞれ376,357百万円及び794,408百万円含まれております。
18 引当金
引当金の内訳は次のとおりであります。
資産除去債務は、主に石炭の採掘等に関する設備の撤去及び賃借事務所等に対する原状回復義務に係る費用等に関するものであります。
製品保証引当金は、主に自動車販売におけるメンテナンスサービス等に関するものであります。
19 従業員給付
(1) 退職後給付
親会社は、取締役及び執行役員を除く、ほぼすべての従業員に対して、確定給付型の年金制度及び退職一時金制度を設けております。確定給付型年金制度の給付額は、勤務年数、退職時の給与支給額、及びその他の要素に基づき設定されております。また、法令及び規約を遵守し、加入者等のために忠実に積立金の管理及び運用に関する業務を遂行する責任を負っており、掛金拠出の義務が課されております。なお、確定給付企業年金法に基づき、掛金の妥当性等を適時に把握する目的から、財政再計算を3年毎に実施しております。
年金形態は規約型であります。年金制度に関する重要事項の諮問機関として、各関係役員及び従業員等により構成される年金運営委員会を設置しております。当委員会において、資産運用実績や制度の状況、会計処理などの各種報告を行うこと、また、制度改訂や投資方針変更などの検討を目的として、適時にミーティングを実施しております。
子会社の多くは、内部積立による退職一時金制度と、外部積立による退職年金制度のいずれか、または両制度を併せて採用しております。役員を除く従業員は、通常の定年退職や早期退職にあたり、ほとんどの場合において、退職時の給与や勤続年数等に基づく退職一時金を受領する権利を有しております。また、一部の子会社では、確定拠出型の年金制度を採用しております。
なお、上記のほか、一部の子会社では、自ら希望した従業員が、当期の勤務に係る賞与の一部を掛金として拠出させることができる選択型確定拠出年金制度を設けております。
給付債務の現在価値及び制度資産の公正価値の変動は次のとおりであります。
(注) 利用可能な最大の経済的便益は、現在価値で算定した将来掛金の減額によって算定されております。
当社の給付債務の測定基準日は主に3月31日であります。
当社の年金積立は、税法上の損金算入限度額、制度資産の積立状態、数理計算等の様々な要因を考慮の上行われます。制度資産への拠出は、既に提供された役務に対する給付に加え、将来提供される部分に対する給付を賄うことも意図しております。これに加え、親会社では、期末時点の給付債務の積立不足額を積み立てるため、現金を退職給付信託に拠出する場合があります。
当社の制度資産運用は、年金受給者(将来の年金受給者を含む)に対する給付を確保するとともに、許容されるリスクの範囲内で制度資産価値の増大を図ることを目的としております。制度資産の運用にあたっては、投資対象資産のリスクやリターンを考慮した上で、将来にわたり最適な組み合わせである政策的資産構成(以下、政策アセットミックス)を策定し、運用受託機関の選定、資産配分状況のモニタリングなどにより資産運用状況を管理しております。政策アセットミックスは、設定した当初前提からの市場環境の変化や積立状況の変化に対応するため、定期的に見直しを行っております。当社の目標とする資産別配分比率は株式22%、債券47%及びその他31%であります。
運用受託機関とは定期的にミーティングを実施し、年金資産運用に関する重要事項についての協議を行うとともに、機関における運用指針等に反する行為や経営上の重大な事態の有無などについても報告を求めております。
制度資産の項目毎の公正価値は次のとおりであります。
数理計算のために使用した主要な仮定は次のとおりであります。
数理計算のための主要な仮定が合理的な範囲で変動した場合、期末の給付債務に影響を及ぼす可能性があります。例えば、前期及び当期において、割引率が0.5%上昇した場合、給付債務はそれぞれ15,371百万円及び12,525百万円減少します。また、割引率が0.5%低下した場合、給付債務はそれぞれ18,429百万円及び14,955百万円増加します。なお、この分析は、主要な仮定における感応度の概要を提供するものであり、予測されるキャッシュ・フロー情報の全ての影響は考慮しておりません。
当社の翌期における予定拠出額は11,488百万円であります。
当期における給付債務の加重平均デュレーションは17年であります。
前期及び当期における確定拠出年金制度に関する費用認識額は、それぞれ△8,437百万円及び△9,729百万円であります。
一部の国内子会社では、退職一時金制度または退職年金制度に加えて複数事業主による年金制度に加入しており、期中の拠出額を年金費用として、未払拠出金を債務として認識しております。子会社の翌期における当該年金制度に対する予定拠出額は919百万円であります。
(2) 従業員給付費用
前期及び当期における「原価」に含まれる人件費の合計金額は、それぞれ△216,468百万円及び△236,112百万円であります。
20 資本金
親会社の発行可能株式総数及び発行済株式総数は次のとおりであります。
上記の発行済株式総数に含まれる自己株式数は、前期末及び当期末において、それぞれ1,092,736株及び18,766,168株であります。
当期末時点の発行済株式総数は、譲渡制限付業績連動型株式報酬としての新株式発行により327,300株増加しております。
(注)2026年5月1日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行うことを決議しました。上記は株式分割前の株数を記載しています。
21 剰余金
(1) 資本剰余金
日本における会社法(以下、会社法)では、株式の発行に対しての払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
(2) 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取崩すことができることとされております。
(3) 子会社持分の追加取得による影響
2025年10月29日、当社及び当社の完全子会社であるSCインベストメンツ・マネジメント株式会社は、SCSK株式会社の普通株式及び新株予約権を金融商品取引法による公開買付けにより取得することを決定しました。SCインベストメンツ・マネジメント株式会社を通じて実施された当該公開買付け及び株式併合による一連の取引は、SCSK株式会社を当社の完全子会社とすることを目的としたものです。
この結果、当社の同社に対する所有持分は100%となりました。SCSK株式会社に対する持分の追加取得に関する内訳は、以下の通りです。
百万円
受渡対価 879,449
追加取得したSCSK株式会社に対する持分の帳簿価額 156,791
資本剰余金に認識された差額 722,658
(注) 1 受渡対価は取引コストを含めていません。
2 当期末において、受渡対価の内、未決済分200,228百万円は、連結キャッシュ・フロー計算書の
「非支配持分からの子会社持分取得による支出」に含まれていません。
3 取得した非支配持分の帳簿価額と受渡対価の間に生じた差額により資本剰余金が負の値になる部分について
は、利益剰余金から減額しています。
22 その他の資本の構成要素及びその他の包括利益
その他の資本の構成要素の各項目の増減は次のとおりであります。
非支配持分に含まれるその他の包括利益の各項目の内訳は次のとおりであります。
その他の包括利益の各項目の内訳とそれらに係る税効果額(非支配持分を含む)は次のとおりであります。
23 配当
親会社における会社法上の分配可能額は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成された親会社の会計帳簿上の剰余金の金額に基づいて算定されております。
2026年3月31日現在の会社法上の分配可能額は、1,714,659百万円です。なお、会社法上の分配可能額は、配当の効力発生日までに発生した自己株式の取得等により変動する可能性があります。
前期及び当期における配当金支払額は以下のとおりです。
基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となる配当金の総額は以下のとおりです。
(注)2026年5月1日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行うことを決議しました。上記は株式分割前の1株当たり配当額を記載しております。株式分割の詳細については、注記35 後発事象をご参照ください。
24 株式報酬
当社の株式報酬制度に関する説明は次のとおりであります。
(1) 株式報酬型ストック・オプション制度
親会社は、取締役及び執行役員に対して株式報酬型ストック・オプション制度を採用しております。当該制度の下では、新株予約権1個当たり普通株式100株(2006年以前の付与分は1,000株)が付与対象者に対して付与されることとなりますが、新株予約権の権利行使価格は1株当たり1円であります。
新株予約権は発行日に100%付与されます。付与された新株予約権は、取締役及び執行役員のいずれの地位も喪失した日の翌日から10年間行使可能となります。
なお、2018年度以降、株式報酬型ストック・オプションの新たな発行は行わないこととしております。
(2) 譲渡制限付業績連動型株式報酬制度
親会社は、一定の譲渡制限期間を設けた上で、予め定めた業績条件(株価条件)の達成度に応じて交付株式数を変動させる「譲渡制限付業績連動型株式報酬(リストリクテッド・パフォーマンス・シェア・ユニット)」を採用しております。これは、株主価値との連動性を強化し中長期的な企業価値向上にむけた取組みや株主との一層の価値共有を進めるという現行株式報酬の目的を更に推し進めることを目的として、「譲渡制限付株式報酬」及び「業績連動型株式報酬制度」を一本化したものです。
当制度の下では、付与対象者(社外取締役を除く取締役及び執行役員)が一定期間継続して親会社の取締役又は執行役員を務めることを条件として、指名・報酬諮問委員会から適正である旨の答申も踏まえて取締役会にて決定された算定方法に基づき、3年間の評価期間における当社株式成長率(0~150%の間で調整された数)及び非財務指標(「気候変動問題対応」、「女性活躍推進」及び「従業員エンゲージメント」)についての取組みの進捗・成果に応じた評価(80%~120%の間で調整された数(2026年6月末日に評価期間が終了する株式報酬から適用))を乗じて算出した当社普通株式を、評価期間終了後に交付します。本制度の詳細は、第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等に記載されております。
25 金融商品及び関連する開示
(1) 資本管理
当社の資本管理は、経営の健全性・効率性を維持し、持続的な成長を実現するため、事業のリスクに見合った適正な資本水準、並びに負債・資本構成を維持することを基本方針としております。
当社が資本管理において用いる主な指標には、以下のものがあります。
・リスクアセット(注1)と株主資本のバランス
・ネット有利子負債(注2)の株主資本に対する倍率(ネットのデット・エクイティ・レシオ)
(注)1 将来に亘る一定の期間に、一定の確率の下で、保有する有形・無形の資産、契約、事業活動等から生じうる最大損失可能性額をいいます。
(注)2 有利子負債の金額から現金及び現金同等物並びに定期預金の金額を控除したものであります。
当社は、中期経営計画の策定及び見直しの都度、収益及び投資計画に加え、これらの指標についてもマネジメントがモニターし、確認しております。また、株主資本は為替や株価等、市況の影響を直接受けることから、そのような影響を極力ミニマイズするために、重要な外貨建事業投資に係る為替変動リスクに対するヘッジや、保有株式の見直しを適宜実施しております。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
(2) 財務上のリスク管理方針
当社は国際的に営業活動を行っており、為替、金利及び商品価格の変動リスクに晒されております。当社が取り組んでいるデリバティブは、主にこれらのリスクを軽減するための為替予約、通貨スワップ、金利スワップ及び商品先物取引等であります。当社は為替変動リスク、金利変動リスク及び商品価格変動リスクの変化を継続的に監視すること及びヘッジ機会を検討することによって、これらのリスクを評価しております。また当社は、これらのデリバティブ取引より生じる信用リスクに晒されておりますが、契約相手の大部分は国際的に認知された金融機関であり、契約も多数の主要な金融機関に分散されているため、そのようなリスクは小さいと考えております。当社の財務運営の方針・目的は、中長期にわたり安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性を保持することであります。
① 為替リスク管理
当社は国際的に営業活動を行っており、当社の営業拠点の現地通貨以外の通貨による売買取引、ファイナンス及び投資に関連する為替変動リスクに晒されております。当社の為替リスク管理の方針は、外貨建の資産と負債や未認識の確定契約が相殺されることも考慮の上、為替予約や通貨スワップ等を利用して非機能通貨のキャッシュ・フローの経済的価値を保全することであります。
外貨感応度分析
以下の表は、当社の米ドル及びユーロの為替リスクエクスポージャーに対する感応度分析であります。
感応度分析は、期末日現在における、為替差額を当期利益又は損失で認識する外貨建の営業債権・債務、予定販売・購入取引、デリバティブ等から生じる為替リスクエクスポージャーに対して、日本円が1%円高となった場合に、連結包括利益計算書の税引前利益又は損失に与える影響を示しております。本分析においては、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としております。
② 金利リスク管理
当社は、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されております。特に、金利の変動は借入コストに影響を与えます。これは、当社が変動金利の借入を行っているためであり、また、都度借換えを行う短期借入金があるためであります。
しかしながら、金利変動が借入コストに与える影響は、金利変動の影響を受ける資産からの収益により相殺されます。当社は、これら資産・負債から生じる金利変動リスクをモニタリングし、急激な金利変動時には、金利スワップ等のデリバティブ取引等を利用することで、損益の変動を機動的にヘッジする体制を整えております。
金利感応度分析
次の表は、前期及び当期において、金利が1%上昇した場合に、金利変動の影響を受ける商品から生じる損益が当社の税引前利益又は損失に与える影響を示しております。この分析は、前期末及び当期末に当社が保有する正味の変動金利性金融商品残高に1%を乗じて算出しており、将来にわたる残高の増減、為替変動の影響、変動金利性の借入金に係る借換時期・金利改定時期の分散効果等を考慮せず、その他のすべての変数を一定として計算しております。
変動金利条件付有利子負債・融資、固定金利条件付であっても金利スワップ契約により実質変動金利条件付となっている有利子負債・融資、預金等を金利変動の影響を受ける商品として感応度を算定しております。
③ 信用リスク管理
当社は、取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っております。当社は、取引先の信用リスク管理に、当社独自の信用格付であるSumisho Credit Rating(以下、SCR)を用いております。このSCRでは、取引先を信用力に応じて合計9段階に格付けし、格付に応じて与信枠設定の決裁権限を定めております。また、取引先の与信枠を定期的に見直し、信用リスクのエクスポージャーを当該枠内で適切に管理しているほか、取引先の信用評価を継続的に実施し、必要な場合には担保取得などの保全措置も講じております。
当社の債権は、広範囲の産業や地域に広がる多数の取引先に対する債権から構成されており、単独の相手先またはその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクのエクスポージャーを有しておりません。
また、預金とデリバティブについては、取引先の大部分が国際的に認知された金融機関であることから、それらの信用リスクは限定的であります。
連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額、及び保証並びに資金供与に関する契約の額は、獲得した担保の評価額を考慮に入れない、当社の金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
損失評価引当金
営業債権等及び契約資産、並びに貸付金に対する損失評価引当金の増減は、次のとおりであります。
前期(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
(単位:百万円)
当期(自2025年4月1日 至2026年3月31日)
(単位:百万円)
金融資産の帳簿価額
営業債権等及び契約資産、並びに貸付金の帳簿価額は、次のとおりであります。
前期(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当期(2026年3月31日)
(単位:百万円)
当社では金融資産の帳簿価額が最大エクスポージャーとなり、これらに係る担保及びその他の信用補完に重要なものはありません。
④ 商品価格リスク管理
当社は、貴金属、非鉄金属、燃料、電力等の現物取引、鉱物、石油、及びガス開発プロジェクトへの投資を行っており、関連する商品価格の変動リスクに晒されております。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品の価格の変動によるリスクを減少させるよう努めております。また、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も実施しておりますが、限定的であるため、当該取引の公正価値変動が当社連結の当期利益及び資本合計に与える影響は重要ではありません。
⑤ 流動性リスク管理
当社の財務運営の方針・目的は、中長期にわたり安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性を保持することであります。当社では、金融市場の混乱等いくつかの有事シナリオを想定し、流動性リスクを監視しております。必要となる流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローや、良好な関係を築いている金融機関からの借入、資本市場における社債発行、及びコマーシャルペーパーの発行等により調達した資金を、総じて格付機関から高い格付を付与された信用力の高い金融機関に預金として確保しております。
また、当社は、国内の有力金融機関及び海外の大手金融機関との間で未実行の複数の長期コミットメントライン契約を締結しており、コミットメントベースではない借入枠と併せ、流動性リスクの軽減を図っております。
当社の非デリバティブ金融負債の残存契約満期金額は次のとおりであります。なお、「リース負債」については、注記8において開示しております。
当社のデリバティブの流動性分析の結果は次のとおりであります。この表は、デリバティブ金融商品の将来の収入・支出をもとに作成しております。総額決済するデリバティブについても、取引毎に収入・支出純額で表示しております。受取金額または支払金額が固定されていない場合、開示金額は前期末及び当期末時点でのイールド・カーブを参照して見積られた金利で算出しております。
(3) 金融商品の公正価値
① 公正価値の測定方法
金融資産及び金融負債の公正価値は、次のとおり決定しております。金融商品の公正価値の見積りにおいて、市場価格が入手できる場合は、市場価格を用いております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値に関しては、将来キャッシュ・フローを割引く方法、またはその他の適切な評価方法により見積っております。
現金及び現金同等物、定期預金、有価証券
満期までの期間が短期であるため帳簿価額と公正価値はほぼ同額であります。
その他の投資
市場性のある有価証券の公正価値は市場価格を用いて見積っております。非上場普通株式は、割引将来キャッシュ・フロー、収益、利益性及び純資産に基づく評価モデル、類似業種比較法及びその他の評価方法により、公正価値を算定しております。
営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務
帳簿価額と公正価値がほぼ同額であるとみなされる変動金利付貸付金等を除く当該債権債務の公正価値については、同程度の信用格付を有する貸付先または顧客に対して、同一の残存期間で同条件の貸付または信用供与を行う場合の金利を用いて、将来キャッシュ・フローを割引く方法により見積っております。
社債及び借入金
帳簿価額と公正価値がほぼ同額であるとみなされる変動金利付債務を除く社債及び借入金の公正価値については、同一の残存期間で同条件の借入を行う場合の金利を用いて、将来キャッシュ・フローを割引く方法により見積っております。
第三者の債務に対する保証
金融保証の公正価値は、独立した企業間の取引として、保証人の受け取るまたは受け取り得る保証料に基づき見積っております。
金利スワップ、通貨スワップ及び通貨オプション
金利スワップ、通貨スワップ及び通貨オプションの公正価値については、ブローカーによる提示相場や、利用可能な情報に基づく適切な評価方法により見積っております。
為替予約
為替予約の公正価値については、同様の条件により行う為替予約の市場価格に基づき見積っております。
金利先物取引・債券先物取引
金利先物取引・債券先物取引の公正価値については、市場価格を用いて見積っております。
商品先物、先渡及びスワップ取引
商品先物、先渡及びスワップ取引の公正価値については、市場価格等を用いて見積っております。
その他の流動負債
満期までの期間が短期であるため帳簿価額と公正価値はほぼ同額であります。
② 償却原価で測定される金融商品
償却原価で測定される金融商品の公正価値は次のとおりであります。なお、償却原価で測定する金融資産のうち「有価証券」及び「その他の投資」については、注記6において開示しております。
③ 公正価値で測定される金融商品
IFRS第13号「公正価値測定」は、公正価値の測定に利用するインプットの重要性を反映させた公正価値の階層を用いて、公正価値の測定を分類することを要求しております。
公正価値の階層は、以下のレベルとなっております。
レベル1―活発な市場における同一資産・負債の市場価格
レベル2―直接または間接的に観察可能な、公表価格以外の価格で構成されたインプット
レベル3―観察不能な価格を含むインプット
公正価値の測定に使用される公正価値の階層のレベルは、公正価値の測定の重要なインプットのうち、最も低いレベルにより決定しております。
公正価値の階層ごとに分類された、連結財政状態計算書に公正価値で認識される金融資産及び金融負債は次のとおりであります。
経常的にレベル3で測定される金融商品の当期首から当期末までの変動は次のとおりであります。
(注) 1 連結包括利益計算書の「商品販売に係る収益」、「商品販売に係る原価」及び「有価証券損益」に含まれております。
(注) 2 為替相場の変動による影響(在外営業活動体の換算差額に含まれるもの)を含めております。
(注) 3 FVTOCIの金融資産に関しては、持分法投資からの振替による影響を含めております。
(4) デリバティブ及びヘッジ
公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとは、資産及び負債、または確定約定に係る公正価値の変動リスクを回避するためのヘッジであります。当社は、確定約定に関する公正価値の変動をヘッジするために、商品先物取引及び為替予約を利用しております。また、当社は、変動金利を稼得する資産に対して固定金利支払の借入を行っている場合、当該借入の公正価値の変動をヘッジするために金利スワップを利用しております。公正価値ヘッジとして指定されたデリバティブの公正価値の変動は当期利益又は損失として認識され、ヘッジが有効な範囲においてヘッジ対象の公正価値の変動による当期利益又は損失と相殺されております。前期及び当期に計上されたヘッジ対象の損益は、それぞれ18,617百万円の利益及び8,499百万円の利益であり、ヘッジ手段の損益は、それぞれ18,617百万円の損失及び8,499百万円の損失であります。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとは、将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジであります。当社は予定取引に関するキャッシュ・フローの変動をヘッジするために商品先物取引及び為替予約を、また、変動金利の借入に関連するキャッシュ・フローの変動をヘッジするために金利スワップを利用しております。キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動は、ヘッジが有効な範囲において「キャッシュ・フロー・ヘッジ」としてその他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素に含めております。なお、通貨金利スワップの通貨ベーシス・スプレッド部分については、ヘッジ手段から除外し、公正価値の変動を「ヘッジ・コスト」としてその他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素に含めております。その他の資本の構成要素に累積された残高は、ヘッジ対象が当期利益又は損失に認識された時点で当期利益又は損失へ振り替えております。
前期末及び当期末において1年以内に当期利益又は損失に振り替えられると見込まれるデリバティブ損益の金額(税効果後)は、それぞれ4,567百万円の利益及び1,518百万円の利益であります。
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社は、在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクを回避するために、通貨スワップ、外貨建借入金及び外貨建社債を利用しております。ヘッジ手段であるデリバティブ取引の公正価値の変動及び外貨建借入金の換算差額は、ヘッジが有効な範囲においてその他の包括利益として認識し、その他の資本の構成要素に含まれております。
ヘッジに指定されないデリバティブ
当社は、ヘッジ関係がヘッジ会計を適用する要件を満たさない場合を含め、デリバティブを利用することが経済的に合理的である場合には、デリバティブを利用しております。
当社は、外貨建資産、負債及び会計上未認識の確定契約に係る為替変動を経済的にヘッジするために為替予約取引を利用しております。当社はまた、在庫及び会計上未認識の確定契約に係る市況商品の市場価格の変動を経済的にヘッジするために商品先物及び先渡取引、並びにスワップ契約を締結しております。当社はマネジメントの承認する範囲内でトレーディング目的の商品デリバティブ取引を行っております。これらのデリバティブにはヘッジ会計は適用されず、公正価値の変動はすべて当期利益又は損失として認識しております。
デリバティブの公正価値は次のとおりであります。
前期(2025年3月31日)
上記以外に、在外営業活動体に対する純投資ヘッジのヘッジ手段に指定されている外貨建借入金が101,927百万円あります。
なお、デリバティブ債権・債務記載額と連結財政状態計算書残高との相違は、非支配持分株主に対するプット・オプション付与に係る金融負債及びデリバティブ債権・債務及び預託金との相殺等によるものであります。連結財政状態計算書におけるその他の金融資産・負債のうち、強制可能なマスターネッティング契約又は類似の契約の対象である金額は73,625百万円であります。
当期(2026年3月31日)
上記以外に、在外営業活動体に対する純投資ヘッジのヘッジ手段に指定されている外貨建借入金が 99,412百万円あります。
なお、デリバティブ債権・債務記載額と連結財政状態計算書残高との相違は、非支配持分株主に対するプット・オプション付与に係る金融負債及びデリバティブ債権・債務及び預託金との相殺等によるものであります。連結財政状態計算書におけるその他の金融資産・負債のうち、強制可能なマスターネッティング契約又は類似の契約の対象である金額は234,259百万円であります。
26 収益
(1) 契約残高
① 契約資産
当社が通常の営業活動において、顧客に移転した財またはサービスと交換に受け取る対価に対する権利のうち、時の経過以外の条件が付されているものを、契約資産として表示しております。契約資産は、対価に対する当社の権利が無条件になった時点で顧客との契約から生じた債権に振り替えられます。当期中において契約資産の残高に重大な変動はありません。
② 契約負債
当社が通常の営業活動において、財またはサービスを移転する義務のうち、顧客から対価を受け取っている、または対価の期限が到来しているものを契約負債として表示しております。当期中において契約負債の残高に重大な変動はありません。また、当期首現在の契約負債残高のうち当期中に収益として認識していない金額に重要性はありません。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
当社は通常の営業活動において、一部の取引に関して長期販売契約を締結しております。当該契約にかかる当社の履行義務のうち、未充足の履行義務に配分した取引価格の総額は、前期末時点及び当期末時点でそれぞれ2,405,885百万円及び2,628,512百万円であります。当該履行義務には、エネルギー事業やバイオマス燃料事業における長期販売契約等が含まれております。当期末時点において、これらの残存履行義務は最長で22年以内に充足されることを見込んでおります。なお、当社は実務上の便法を適用している為、この金額には履行義務が充足される予想期間を1年以内として締結している販売契約は含んでおりません。
また、当該長期販売契約において約束された対価が変動性のある金額を含んでいる場合、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めております。
27 為替換算損益
機能通貨以外の通貨で記帳されている資産及び負債を換算することにより発生する損益及びそれらの資産及び負債を決済することにより発生する損益は、発生した時点で当期利益又は損失として認識しております。連結包括利益計算書に含まれるこれらの為替換算損益は、前期及び当期において、それぞれ15,045百万円及び23,983百万円の損失であります。
28 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は次のとおりであります。
上記のうち、設備経費には設備賃借料、有形固定資産減価償却費等が含まれております。
前期及び当期における当社取締役の報酬等の額は、それぞれ1,204百万円、1,339百万円となっております。
29 金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は次のとおりであります。
有価証券損益のその他は、主に関係会社株式に係る損益であります。そのうち、子会社の支配喪失に伴う売却損益等は、前期及び当期において、それぞれ3,412百万円及び14,348百万円であります。
上記のほか、ヘッジ指定されていないデリバティブの評価損益(純額)が、前期及び当期において、それぞれ「収益/原価」に54,716百万円及び36,796百万円、「その他の損益」に1,120百万円及び178百万円含まれております。
また、償却原価で測定された金融資産に係る受取利息が、前期及び当期において、それぞれ「収益」に14,964百万円及び13,721百万円、償却原価で測定された金融負債に係る支払利息が、前期及び当期において、それぞれ「原価」に△2,456百万円及び△1,432百万円含まれております。
30 法人所得税
法人所得税費用の内訳は次のとおりであります。
当社は、主に法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した適用税率は前期31.0%及び当期31.0%となっております。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されます。
また当社は、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールに関する税法から生じる法人所得税を連結包括利益計算書の法人所得税費用に含めて認識しておりますが、当社グループの業績に与える影響は軽微です。
適用税率と、連結包括利益計算書における平均実効税率との差異要因は次のとおりであります。
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳は次のとおりであります。
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は次のとおりであります。
繰延税金資産及び繰延税金負債の増減内容は次のとおりであります。
繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異または繰越欠損金の一部または全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価により、前期及び当期において、それぞれ27,074百万円減少及び31,779百万円増加しております。
なお、当社子会社であるSCSK株式会社がグループ通算制度に加入する見込みとなったことに伴い、将来の課税所得の見積りを見直しました。その結果、当期末における税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、新たに繰延税金資産を認識しています。この会計上の見積りの変更により、当期において30,402百万円の利益を連結包括利益計算書の「法人所得税費用」に計上しています。
また、繰延税金資産の回収可能性検討の結果、当社では国税相当部分の繰延税金資産を認識している一方で、地方税相当部分の繰延税金資産を認識していません。これらを含め、将来の課税所得の発生可能性が高くないため、繰延税金資産を認識していない繰越欠損金及び将来減算一時差異は、それぞれ624,886百万円(前期末559,967百万円)及び139,001百万円(前期末210,393百万円)であります。将来減算一時差異は現行の税法上は失効することはありません。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は次のとおりであります。
その他の流動資産には、前期末及び当期末において未収法人所得税が、それぞれ10,987百万円及び16,098百万円含まれております。
前期末及び当期末において、当社は子会社の投資に係る将来加算一時差異については、原則、繰延税金負債を認識しております。これは、当社が一時差異の取崩しの時期をコントロールする立場にあり、このような差異を予測可能な期間内に取崩すことが前提であるためです。一方で、予測可能な範囲内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合については、繰延税金負債を認識しておりません。前期末及び当期末において、繰延税金負債を認識していない子会社の投資に係る将来加算一時差異は、それぞれ955,786百万円及び1,134,758百万円であります。
31 1株当たり情報
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益は次の情報に基づいて算定しております。
(注)当社は、2026年5月1日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行うことを決議しました。上記は株式分割前の株数を基準にしています。株式分割の詳細については、注記35 後発事象をご参照ください。
32 キャッシュ・フロー情報
キャッシュ・フローの補足情報は次のとおりであります。
事業の取得時における資産・負債の公正価値は、注記5に記載しております。
前期中に売却した事業に関する受取対価の総額は、3,227百万円であり、当期中に売却した事業に関する受取対価の総額は、28,986百万円であります。売却時における資産・負債の内訳は以下のとおりであります。
前期及び当期における財務活動に係る負債の変動は以下のとおりです。
前期(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
(単位:百万円)
当期(自2025年4月1日 至2026年3月31日)
(単位:百万円)
連結キャッシュ・フロー計算書における短期借入債務の収支には、上記科目のほかに関連会社からの預託金が含まれております。
33 子会社
当社の主要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況 (1)子会社」に記載のとおりであります。
34 契約及び偶発債務
(1) 契約
当社は、通常の営業活動において、船舶や資材をはじめとする一部の商品に関して固定価格または変動価格による長期購入契約を締結しております。これらの購入契約に対しては、通常、顧客への販売契約を取り付けております。当期末の固定価格または変動価格による持分法適用会社との長期購入契約の残高は、1,302,785百万円で最長期限は2045年であります。
当社はまた、資金供与に関する契約(貸付契約、出資契約)及び設備使用契約等を締結しており、当期末の契約残高は、894,384百万円であります。このうち、持分法適用会社との当期末の契約残高は、166,507百万円であります。
当社が借手であるリース契約については、注記8に記載しております。
(2) 保証
当社は、様々な保証契約を締結しております。これらの契約には、持分法適用会社やサプライヤー、顧客に対する信用補完等が含まれます。
主な保証に対する、割引前の将来最大支払可能性額は、次のとおりであります。
① 持分法適用会社の債務に対する保証
当社は、一部の持分法適用会社の銀行借入、仕入先への支払債務及びその他の債務に対して保証(最長期限2034
年)を行っております。一部の保証には、裏保証が付されており、当該裏保証の残高は当期末で636百万円であります。銀行からの借手である持分法適用会社が返済不能となった場合、当社は返済不能額を負担し、また付随する損失を負担することがあります。
② 第三者の債務に対する保証
当社は、主にサプライヤーや顧客を中心に第三者の債務に対して保証(最長期限2044年)を行っております。一部の保証には、裏保証が付されており、当該裏保証の残高は当期末で7,357百万円であります。当社は債務者が保証債務の対象となっている債務を返済できない場合、当該債務を負担しなければなりません。また、一部の保証債務は債務者の資産により担保されております。
上記契約及び保証のうち、発生しうる予想信用損失については、損失評価引当金を計上しており、マネジメントは、これらに関し重大な追加損失は発生しないものと見込んでおります。
(3) 訴訟等
当社は、事業遂行上偶発的に発生する訴訟や訴訟に至らない請求等を受けておりますが、当社の経営上、重要な影響を及ぼすものはありません。
35 後発事象
当期の連結財務諸表承認日である2026年6月12日現在における重要な後発事象は次のとおりであります。
自己株式の取得及び消却に係る事項の決定
当社は、2026年5月1日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式を取得すること及び会社法第178条の規定に基づき自己株式の消却を行うことについて決議致しました。
1.自己株式の取得を行う理由
資本効率の向上、及び株主還元の充実を図るため、自己株式を取得するもの
2.取得に係る事項の内容
(1)取得する株式の種類 :当社普通株式
(2)取得する株式の総数 :2,200万株を上限とする(注)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合約1.8%)
(3)株式の取得価額の総額 :800億円を上限とする
(4)取得期間 :2026年5月7日~2027年3月31日
(5)取得方法 :東京証券取引所における市場買付
(注)2026年5月1日付「株式分割および株式分割に伴う定款の一部変更に関するお知らせ」をご参照ください。株式分割の効力発生日(2026年7月1日)の後、(2)取得する株式の総数は8,800万株が上限となります。
3.消却に係る事項の内容
(1)消却する株式の種類 :当社普通株式
(2)消却する株式の総数 :上記2により取得する自己株式の全数
(3)消却予定日 :2027年4月9日
<ご参考> 2026年3月31日時点の自己株式の保有状況
発行済株式総数(自己株式を除く) 1,192,660,499株
自己株式数 18,766,168株
株式分割
当社は、2026年5月1日開催の取締役会において、株式の分割および定款の一部変更を行うことについて決議致しました。
1.株式分割の概要
(1)株式分割の目的
当社株式の投資単位当たりの金額を引き下げることにより、投資家の皆様がより投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的としています。
(2)分割の方法
2026年6月30日を基準日として、同日最終の株主名簿に記載又は記録された株主の所有する普通株式を、1株につき4株の割合をもって分割致します。
(3)分割により増加する株式数
(4)分割の日程
(5)その他
今回の株式分割に際しまして、資本金の額の変更はありません。
2.株式分割に伴う定款の一部変更
(1)変更の理由
今回の株式分割に伴い、会社法第184条第2項の規定に基づく取締役会決議により、2026年7月1日をもって、当社定款の一部を以下のとおり変更致します。
(2)変更の内容
(下線部は変更部分を示す)
(3)変更の日程
アンバトビーニッケルプロジェクトの譲渡
当社は、当社の100%連結子会社であるSummit Ambatovy Mineral Resources Investment B.V.(以下「SAMRI」)経由、ニッケル採掘事業会社である Ambatovy Minerals S.A.及びニッケル精錬会社である Dynatec Madagascar S.A.(以下両社を総称して「プロジェクト会社」)に対して各54.17%の出資を行っております。当社は、Ambatovy Mineral Resources Investment Holding Companyに対し、SAMRI及び傘下のプロジェクト会社2社の全出資持分を譲渡することを2026年5月1日に決定しました。
本譲渡に伴い、翌第1四半期において、約550億円の損失を「有価証券損益」、約150億円の損失を「その他の損益」に計上する見込みです。なお、本譲渡に伴って発生することが見込まれる税務上の損失に対する税効果を認識し、「法人所得税費用」を減額することから、上記損失と合わせた損益は軽微となる見込みです。
36 連結財務諸表の承認
2026年6月12日に、連結財務諸表は当社代表取締役 社長執行役員 CEO 上野 真吾及び代表取締役 副社長執行役員CFO 諸岡 礼二によって承認されております。
(2) 【その他】
当期における半期情報等
(注) 1 当社は、2026年5月1日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき
4株の割合で株式分割を行うことを決議しました。上記は株式分割前の株数を基準にしています。株式分割
の詳細については、注記35 後発事象をご参照ください。
2 第1四半期連結累計期間及び第3四半期連結累計期間に係る財務情報に対するレビュー :有
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前期(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
当期(自2025年4月1日 至2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法
売買目的有価証券:時価法(売却原価は移動平均法により算定)
満期保有目的債券:償却原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの:時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等:移動平均法による原価法
子会社株式及び関連会社株式:移動平均法による原価法
(2) デリバティブの評価基準及び評価方法:時価法
(3) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
通常の販売目的で保有する棚卸資産:移動平均法または個別法による原価法
(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
トレーディング目的で保有する棚卸資産:時価法
2 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産
2007年3月31日以前に取得した有形固定資産:旧定額法
2007年4月1日以降に取得した有形固定資産:定額法
(2) 無形固定資産:定額法
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法
3 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金:債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については取引先の財務情報等を基に分類した社内の債権格付に基づき損失見込額を計上し、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し回収不能見込額を計上しております。
(2) 退職給付引当金:従業員の退職給付に備えるため、当期末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
退職給付見込額の期間帰属方法は、給付算定式基準を採用しております。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(12年)による定額法により費用計上しております。
数理計算上の差異は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(12年)による定額法により翌期から費用計上しております。
4 収益及び費用の計上基準
収益の主な履行義務の内容、履行義務を充足する通常の時点は以下のとおりです。
当社の主な履行義務には、卸売、加工等を通じた幅広い産業分野における商品の販売、不動産の開発販売などが含まれております。当社は、これらの収益を個々の契約内容に応じ、引渡、出荷、または検収時点など、約束した商品を顧客に移転することによって履行義務を充足した時に認識しております。
当社は原則として、販売した商品に欠陥等がない限り返品を受け付けないこととしております。
当社の主な履行義務が、技術提供、資材調達、建設工事を請負う電力発電所の建設事業などの長期請負工事契約等である場合は、一定の条件を満たす場合、収益と原価を一定期間にわたり履行義務が充足されることによって認識しております。履行義務が充足される進捗度は、工事契約等に必要な見積総原価に対する、現在までにかかった工事原価の割合に基づいて算定しております。
収益の本人代理人の判定に関する基準は以下のとおりです。
当社は、通常の商取引において、仲介業者または代理人としての機能を果たす場合があります。
収益の本人代理人の判定に際しては、その取引における履行義務の性質が、特定された財又はサービスを顧客に移転される前に支配し、自ら提供する履行義務(すなわち、「本人」)に該当するか、それらの財又はサービスが当該他の当事者によって提供されるように手配する履行義務(すなわち、「代理人」)に該当するかを基準としております。当社が「本人」に該当する取引である場合には、履行義務を充足する時点で、又は充足するにつれて収益を総額で認識しております。当社が「代理人」に該当する取引である場合には、履行義務を充足する時点で、又は充足するにつれて、特定された財又はサービスが当該他の当事者によって提供されるように手配することと交換に権利を得ると見込んでいる報酬又は手数料の金額にて収益を純額で認識しております。
5 繰延資産の処理方法
支出時に全額費用処理しております。
6 ヘッジ会計の処理方法
原則として繰延ヘッジ処理を採用しております。また、金利スワップのうち、その想定元本、利息の受払条件(利子率、利息の受払日等)及び契約期間がヘッジ対象とほぼ同一である場合には、特例処理を採用しております。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより当期に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌期に係る財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があるものは、次のとおりです。
関係会社株式及び関係会社出資金については、取得原価をもって貸借対照表価額としておりますが、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、相当の減額を行い、当期の損失として処理しております。実質価額については将来事業計画をもとに見積もる場合があります。当該見積りは、技術革新等を含む環境の変化や、パートナーの業績不振等によって影響を受ける可能性があり、計画した将来キャッシュ・フローの時期及び金額が見積りと異なった場合、翌期の財務諸表において減損損失が生じる可能性があります。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)
ほか、関連する企業会計基準、企業会計基準適用指針、実務対応報告及び移管指針の改正
(1) 概要
国際的な会計基準と同様に、借手の全てのリースについて資産・負債を計上する等の取り扱いを定めるものであります。
(2) 適用予定日
2028年3月期の期首より適用予定であります。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当財務諸表の作成時において評価中であります。
(会計上の見積りの変更)
法人税等調整額
当社子会社であるSCSK株式会社がグループ通算制度に加入する見込みとなったことに伴い、将来の課税所得の見積りを見直しております。その結果、従来は回収可能性が低いと判断していた繰延税金資産について、当期末において新たに計上しております。
この会計上の見積りの変更により、当期において135,061百万円の利益を損益計算書の「法人税等調整額」に計上しております。
(貸借対照表関係)
※(1) 担保差入資産
(注) 主にデリバティブ取引に係る差入保証金及び賃貸物件に係る敷金であります。
同上見合債務
担保に供している資産には、関係会社の借入金等に対して担保提供を行った当社資産も含めております。
(2) 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分掲記したものを除く)
(3) 保証債務
(注) 本注記の対象は、保証類似行為を含んでいます。金額は当社の自己負担額を記載しています。
※(4) 受取手形割引高
(損益計算書関係)
(1) 関係会社との取引高
(注) 損益計算書の「収益」は、一部の取引高を純額表示しております。
※(2) 賃貸用不動産等の売却益であります。
※(3) ソフトウェアの減損等であります。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
(注)市場価格のない子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額
これらについては、市場価格がないことから、上表の「子会社株式及び関連会社株式」には含めておりません。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主要な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(重要な後発事象)
自己株式の取得及び消却に係る事項の決定
当社は、2026年5月1日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式を取得すること及び会社法第178条の規定に基づき自己株式の消却を行うことについて決議致しました。
1.自己株式の取得を行う理由
資本効率の向上、及び株主還元の充実を図るため、自己株式を取得するもの
2.取得に係る事項の内容
(1)取得する株式の種類 :当社普通株式
(2)取得する株式の総数 :2,200万株を上限とする(注)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合約1.8%)
(3)株式の取得価額の総額 :800億円を上限とする
(4)取得期間 :2026年5月7日~2027年3月31日
(5)取得方法 :東京証券取引所における市場買付
(注)2026年5月1日付「株式分割および株式分割に伴う定款の一部変更に関するお知らせ」をご参照ください。株式分割の効力発生日(2026年7月1日)の後、(2)取得する株式の総数は8,800万株が上限となります。
3.消却に係る事項の内容
(1)消却する株式の種類 :当社普通株式
(2)消却する株式の総数 :上記2により取得する自己株式の全数
(3)消却予定日 :2027年4月9日
<ご参考> 2026年3月31日時点の自己株式の保有状況
発行済株式総数(自己株式を除く) 1,192,660,499株
自己株式数 18,766,168株
株式分割
当社は、2026年5月1日開催の取締役会において、株式の分割および定款の一部変更を行うことについて決議致しました。
1.株式分割の概要
(1)株式分割の目的
当社株式の投資単位当たりの金額を引き下げることにより、投資家の皆様がより投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的としています。
(2)分割の方法
2026年6月30日を基準日として、同日最終の株主名簿に記載又は記録された株主の所有する普通株式を、1株につき4株の割合をもって分割致します。
(3)分割により増加する株式数
(4)分割の日程
(5)その他
今回の株式分割に際しまして、資本金の額の変更はありません。
2.株式分割に伴う定款の一部変更
(1)変更の理由
今回の株式分割に伴い、会社法第184条第2項の規定に基づく取締役会決議により、2026年7月1日をもって、当社定款の一部を以下のとおり変更致します。
(2)変更の内容
(下線部は変更部分を示す)
(3)変更の日程
SCSK株式会社の持分に係る当社連結子会社への譲渡
当社は、2026年7月1日を譲渡実行日として、当社の連結子会社であるSCSK株式会社(以下、SCSK)の当社が保有する全持分を、当社の100%連結子会社であるSCインベストメンツ・マネジメント株式会社(以下、SCIM)に譲渡すること(以下「本株式譲渡」)を決定致しました。SCSKは2026年3月31日時点では当社が55.56%、SCIMが44.44%をそれぞれ保有しておりますが、本株式譲渡によりSCIMの100%連結子会社となります。
本株式譲渡に伴い、翌期において、約8,500億円の「投資有価証券売却益」を計上する見込みです。なお、本件は、完全子会社との間の取引であることから、本株式譲渡による連結財務諸表への影響は軽微です。
アンバトビーニッケルプロジェクトの譲渡
当社は、当社の100%連結子会社であるSummit Ambatovy Mineral Resources Investment B.V.(以下「SAMRI」)経由、ニッケル採掘事業会社である Ambatovy Minerals S.A.及びニッケル精錬会社である Dynatec Madagascar S.A.(以下両社を総称して「プロジェクト会社」)に対して各54.17%の出資を行っております。当社は、Ambatovy Mineral Resources Investment Holding Companyに対し、SAMRI及び傘下のプロジェクト会社2社の全出資持分を譲渡することを2026年5月1日に決定しました。
本譲渡に伴い、翌期において、約700億円の「投資有価証券売却損」及び約150億円の「その他の営業外費用」を計上する見込みです。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から当有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。