第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注1)国際会計基準(以下、「IFRS会計基準」)に基づいて連結財務諸表を作成しています。
(注2)希薄化後1株当たり当期利益については、希薄化効果のある株式が存在しないため記載していません。
(注3)2023年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。第99期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益を算定しています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注1)潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、希薄化効果のある株式が存在しないため記載していません。
(注2)2023年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。第99期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額を算定しています。
※ 第101期の中間配当額は株式分割前の100円、期末配当額は株式分割後の30円とし、年間配当額は単純合計である130円として記載しています。なお、当該株式分割を考慮しない場合の1株当たり配当額(うち1株当たり中間配当額)は下記のとおりです。
(注3)最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。なお、第101期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しています。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
連結会社は、当社(株式会社デンソー)及び子会社190社、関連会社62社により構成されています。連結会社の事業内容及び連結会社各社の当該事業における位置付けは、次のとおりです。
「日本」、「北米」、「欧州」、「アジア」、「その他」の各セグメントで以下製品を製造・販売しています。
[事業系統図]
連結会社の事業系統図及び主要な会社名は次のとおりです。
なお、当社は製造・販売・研究開発及び子会社・関連会社の統括の各機能を有しています。

4 【関係会社の状況】
(注1)「議決権の所有又は被所有割合」欄の ( ) 内は、間接所有割合 (内数) です。
(注2)特定子会社に該当します。
(注3)有価証券報告書を提出しています。
(注4)デンソー・インターナショナル・アメリカ㈱については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において連結会社が判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
① 魅力ある製品で、お客様に満足を提供する。
② 変化を先取りし、世界の市場で発展する。
③ 自然を大切にし、社会と共生する。
④ 個性を尊重し、活力ある企業をつくる。
を経営の方針としています。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
連結会社は売上収益、営業利益及びROE(自己資本利益率)を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として用いています。
(3) 対処すべき課題
事業を取り巻く環境は、かつてないスピードで変化しています。高度運転支援や自動運転等、クルマの知能化は加速し、モビリティはエネルギー事情や産業政策、人々の暮らし方等、それぞれの国や地域の特性に根差しながら多様な進化を遂げています。また、AI技術は劇的に進化し、ロボット等、実世界の機器と融合しながら、デジタル領域からフィジカル(物理)領域へと広がりを見せています。この流れは、人が持つ可能性や社会の機能を拡張し、価値創出の質とスピードを向上させています。
当社は、変わりゆく事業環境の中でも、創業以来一貫してお客様や社会が求める課題解決に挑み続けてきました。会社設立から7年後の1956年に制定された「社是」の中にも、すべての社員がお客様や市場の声に真摯に向き合い、その時代の先端技術とモノづくりの力でより良い製品・サービスを作り、お客様や社会に届けることで、社会課題を解決する企業姿勢が刻まれています。
この変わらぬ「デンソーらしさ」を大切にしながら、さらに進化していくために、これまで培ってきた先端研究開発力と、メカ・エレクトロニクス・ソフトウェアを融合するシステム提案力、高効率・高品質なモノづくりの力に磨きをかけていきます。そして、15万人を超えるグローバル人財と、長年に亘り築き上げてきたお客様やパートナーの皆様との共創の力で、変化する社会課題の解決に挑み続けます。
2026年3月31日に、2030年に向けた中期経営計画「CORE 2030」を発表しました。変わらぬデンソーらしさを礎として、成長戦略における3つの柱で事業成長を力強く加速させ、価値創出を果たして参ります。
<成長戦略の3つの柱>
① モビリティの多様化に応える「商品づくりの強化」:
半導体の高性能化や材料開発等の基盤技術を深化させ、お客様や社会のニーズに最適な形でシステム統合し、エネルギーマネジメントや高信頼ADASシステム等、車両全体の価値へと拡張します。
② 現場に宿る実践知とAIを融合した「モノづくりの革新」:
現場に現存する膨大で模倣困難な知見・ノウハウのデータをAIと融合することで、飛躍的な生産性向上と、高付加価値業務へのシフトを実現します。
③ 新たな価値創出をけん引する「人づくり・パートナーとの共創」:
お客様やパートナーの皆様、政府や業界団体との強いつながりを活かし、社会課題の解決に取り組みます。自動車の技術を応用し、FAや農業、半導体の領域でも、労働力不足の解決や生産性向上に挑みます。
中期経営計画「CORE 2030」の詳細はこちらをご参照ください。
https://www.denso.com/jp/ja/about-us/corporate-info/policy/mid-term_management_plan2030/
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) 全体像
当社は創業以来、社会のため、お客様のために、事業を通じて社会課題解決に貢献するサステナビリティ経営を進めてきました。サステナビリティ経営の考え方は、当社の社是にもその精神が記され、脈々と受け継がれた当社経営の根幹であり、成長の原動力と考えています。サステナビリティ経営の着実な実践に向け、社会課題を当社の長期ビジョン、優先取組課題(マテリアリティ)に落とし込み、事業活動を通じてその解決に取り組んでいます。長期ビジョンでは事業を通して貢献できる分野を「環境」「安心」及び「共感」と設定しました。また、社会課題の中から、持続可能な社会実現のために重要度が高く、当社が貢献すべきテーマをマテリアリティに選定するとともに、各テーマに対し目標を定め、その達成に向けた取り組みを進めています。
2024年度、社会課題及び当社を取り巻く事業環境の変化を踏まえ、マテリアリティの見直しを行いました。当社にとっての財務的影響と当社が社会に与えるインパクトの両観点から機会とリスクの特定を行い、また顧客、取引先、投資家、従業員等のステークホルダーとの対話を通じていただいた意見や期待を加味してマテリアリティを再設定しました。現在、マテリアリティごとの目標・指標や活動計画等を策定しています。なお、昨今のサステナビリティを取り巻く社会動向を踏まえ、サステナビリティ経営のガバナンス体制の強化を見据えて「サステナビリティ会議」を創設しました。
当社のサステナビリティ経営の推進に向けた基本的なマネジメント体制は以下のとおりです。
サステナビリティ経営推進体制

① ガバナンス
<責任機関(役割・権限、スキル等)>
当社にとっての財務的影響と当社が社会に与えるインパクトの両観点から機会とリスクの特定を行い、策定したデンソーグループのマテリアリティ案の審議及び活動のフォローアップと軌道修正を行う等、サステナビリティ経営の推進に責任をもつ機関としてサステナビリティ会議を設置しています。取締役副社長が議長を務め、経営管理部が事務局を担っています。またマテリアリティごとに推進責任者(役員クラス)を構成メンバーとして任命しています。議長は、サステナビリティ担当役員の経験を有しており、また各マテリアリティ推進責任者も各マテリアリティに関する業務経験を有しています。加えて、マテリアリティの選定プロセスの参画や、最新の社会課題動向等の共有・議論等、同会議への参画を通じて、サステナビリティに関する専門知識・スキルを深めています。習得した専門知識やスキルを基に、社会への影響やリスク・機会の特定、及びそれに基づくマテリアリティの見直しに反映しています。
マテリアリティごとの目標・指標や活動計画の策定にあたっては、マテリアリティ推進責任部門が各専門委員会等で審議した目標・指標案や活動計画案をサステナビリティ会議へ報告・審議にかけます。サステナビリティ会議における審議事項は、必要に応じて経営審議会にて審議し、最終的に取締役会が承認し決定します。
リスクの特定にあたっては、「リスクマネジメント会議」が主体となり、関連部門に対して定期的にリスクの洗い出しやリスク低減計画の策定等を行います(詳細は「②リスク管理」をご参照ください)。サステナビリティ会議はリスクマネジメント会議とリスクの情報を共有・連携をとりながら、マテリアリティ選定に向けたリスクの特定を行っています。
なお社会への影響やリスク・機会の特定を含むマテリアリティの見直しは年1回、また各マテリアリティ目標に向けた活動計画の進捗状況の確認は年2回実施しています。
<事業戦略・意思決定プロセスへの統合>
当社は、社会課題の解決を経営の目的のひとつとして位置づけ、現在、マテリアリティごとの目標・指標や活動計画等を検討しています。特に、環境・安心の重要戦略等については、「財務目標」だけでなく、社会への価値提供を可視化するよう「社会インパクト目標」の両観点から目標を設定しています。
<サステナビリティ関連指標と報酬の連動>
当社は、サステナビリティ経営への意欲向上を目的に、2022年度より取締役(非業務執行取締役及び社外取締役を除く)の業績連動報酬額の決定にサステナビリティ関連指標の達成度評価を導入しています。
業績連動報酬額の算定方法の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの概要 (4) 役員の報酬等 d) 業績連動報酬の算定方法」をご参照ください。
<情報発信・コミュニケーション>
当社はサステナビリティに関する情報(非財務情報)に関し、積極的に情報発信あるいはコミュニケーションを行っています。社外ステークホルダーに対しては、会社WEBサイトや統合報告書等の媒体、あるいは決算発表やダイアログデー等の対話の機会を通じて情報発信を行っています。
また社内に対しては、従業員の個人年度目標の設定において、自身が関わる社会課題とのつながりを見える化することで、当社のサステナビリティ経営の担い手としての意識を醸成しています。なお、職場におけるサステナビリティ浸透の牽引役として、当社では各部門1名、国内グループ会社は各社1名、海外グループ会社は各地域統括会社1名のサステナビリティリーダーを選任し、サステナビリティの浸透・定着・情報発信を図っています。
② リスク管理
当社では、多様化するリスクを最小化すべく、自社にとってのリスクを常に把握し、被害の最小化と事業継続の両面からリスクマネジメントを行っています。
具体的には、リスクマネジメント統括責任者「チーフ・リスク・オフィサー(CRO)」を議長とする「リスクマネジメント会議」を設置し、グループ全体のリスクマネジメント体制・仕組みの改善状況の確認、社内外の環境・動向を踏まえた重点活動の審議・方向付け等を推進しています。また、自社にとってのリスクを能動的に把握しながら、未然防止と被害の最小化の両面からリスクマネジメントを行っており、年1回、機能部、事業部、海外地域統括会社、及びグループ会社によるリスクアセスメントを実施しています。
取り巻く事業環境を踏まえて、当社の生命・環境・信用・財産・生産を毀損する可能性のあるリスクを抽出し、各リスク責任部署にてその発生原因と発生後の被害拡大要因を洗い出し、それらを防ぐための未然防止策と初動・復旧対応策を明確にしています。その対策の実施状況を踏まえて、各リスクの残存リスクの大きさを影響度と発生頻度の観点から評価し、特に残存リスクが大きく、リソースを投入し対策を推進するリスクを「重点リスク」に選定しました。重点リスクへの対策活動は、会社目標として定量的な業績評価指標(KPI)を設定し、取締役会においてもその進捗状況を確認しています。
2025年度の主要リスク項目は37項目、そのうち、重点リスクは6項目です。主要リスク項目及び重点リスク項目はリスクアセスメント結果に基づいて今後も適宜見直しを行います。
また、当社は法令遵守及び倫理的な事業運営を最優先事項とし、コンプライアンスの意識向上に向けた活動にも注力しています。具体的には役員が率先してコンプライアンスを順守する姿勢と行動を示すとともに、各職場での定期的な教育とトレーニングを通じて社員に法令や規則順守の重要性の浸透を図っています。これらの取り組みを通じて、全従業員がコンプライアンスの重要性を認識し、法令遵守と倫理的行動を徹底する企業文化の醸成を目指しています。

(2) 気候変動
気候変動の危機が迫るなか、当社では、持続可能なモビリティ社会のあり方を模索し、2030年長期方針で掲げた「環境」の提供価値を最大化する目標に向けてサステナビリティ経営を加速させています。2019年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」への賛同を表明し、気候変動が事業に与える影響とそれによるリスクと機会をシナリオに基づいて分析、事業戦略へ反映していくよう検討を進めています。
① ガバナンス
当社は、短・中・長期の環境目標や、シナリオ分析結果を含む環境全般に関する課題と活動の進捗状況の共有、対応策の指示等、デンソーグループ全体の環境活動推進に関して責任を負う会議体として、全社安全衛生環境委員会を設置しています。同委員会は取締役副社長が委員長を、安全衛生環境部が事務局を務め、年2回開催されます。
特に気候変動については、デンソーグループのマテリアリティの一つとして設定しており、全社安全衛生環境委員会が審議・策定した目標・指標案や活動計画案をサステナビリティ会議及び経営審議会にて審議し、最終的に取締役会が承認し決定します。また、目標の達成状況のモニタリングについても、全社安全衛生環境委員会のほか、サステナビリティ会議、経営審議会及び取締役会が行っています。
② 戦略
気候変動が事業に及ぼす影響の把握と気候関連の機会とリスクを具体化するために、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の外部シナリオをベンチマークとして参照しました。また、自動車産業のシナリオ分析を確認しつつ、自社の中長期戦略における事業環境認識と照合し、総合的にシナリオを想定の上、シナリオと自社中長期戦略との差異分析により気候関連の機会とリスクを抽出しました。
なお、上記シナリオの想定移行リスクはIEA「World Energy Outlook」の「SDS」「NZE」シナリオをそれぞれ推進的・野心的シナリオと定義し、範囲は2040年までのCO2排出量、炭素税、原油価格、再エネ率、新車電動車率を定量化し、自社戦略との差より機会とリスクを分析しました。また物理的リスクでは、IPCC第6次報告書の「SSP5-8.5」「SSP2-4.5」をそれぞれ鈍化、推進シナリオと定義し、気象災害、海面上昇、生態システム悪化、水食糧不足等を定性化し、自社戦略との差より機会とリスクを分析しました。
主な機会とリスク、重要項目への対応策は以下のとおりです。
主な機会
主なリスク
(注1)2026年6月11日時点における暫定値です。確定値は2026年9月末発行予定の「統合報告書2026」において記載予定です。
(注2)SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell(固体酸化物形水電解用セル)
(注3)SOFC:Solid Oxide Fuel Cell(固体酸化物形燃料電池)
<経営戦略への影響>
前述のとおり、2030年を想定した気候変動に対する機会とリスクの分析結果より、特にカーボンニュートラルの動きは当社の製品開発と生産に大きな影響を与えることが分かりました。そのような状況を踏まえ、環境目標を野心的な「カーボンニュートラル」へと引き上げ、経営戦略に反映しました。
具体的には、モノづくり(生産)では、「2025年度には電力のカーボンニュートラル(ガスはクレジット活用)・2035年度には ガスも含めたモノづくりにおける完全なカーボンニュートラル」を設定しました。当社が得意とする省エネルギー活動の継続・強化に加え、質がよく経済的にも最適な再生可能エネルギー由来電力の導入やクレジット活用等の取り組みを進めています。また、省エネルギーや再生可能エネルギー等CO2排出量削減に寄与する投資の加速に向けて、投資判断にインターナル・カーボンプライシング(ICP)を導入しています。
モビリティ製品では、電動化技術の開発推進で可能な限りCO2排出量を削減するとともに、水素を使ってグリーンエネルギーをつくる技術等の技術開発でCO2をマイナスにすることで、社会全体のカーボンニュートラルを目指します。なお、環境への貢献と事業成長を両立させるために、収益性・成長性に加えCO2排出量/削減量も評価軸に据えて、事業ポートフォリオの入れ替えを定期的に議論・推進していきます。
以上の取り組みによりレジリエントな事業戦略を維持していると考えています。
インターナルカーボンプライシング(ICP)制度の導入
当社では、工場におけるカーボンニュートラルの達成に向け、2021年より、投資判断の指標となる事業性評価にインターナル・カーボンプライシング(以下ICPとする)の導入を開始しました。当制度の導入は、CO2排出増減を伴う設備投資検討の際に、CO2排出量を仮想的に損益換算して事業性評価に反映することで、省エネルギーや再生エネルギー発電等の設備投資を加速させることを狙いとしています。
ICPの価格設定は、排出権価格等の市場価格や、自社の将来削減目標等を総合的に加味して地域別に設定しており、毎年更新していきます。
(単位:円/t-CO2)
(注)地域別に設定しています。
<財務計画への影響>
カーボンニュートラルを背景に、電動化技術開発の加速や水素燃料、バイオ燃料等の新燃料に対応した製品へのシフトが必要です。またモノづくりにおけるカーボンニュートラルに向けた、再生可能エネルギー由来電力の調達費用やCO2オフセットの証書、クレジットの購入も必要となります。したがって、財務計画には、電動化や新燃料対応等への研究開発費の増加や再生可能エネルギー等の導入関連費用を反映しています。
③ リスク管理
当社では、急速に変化する事業環境の中で、多様化するリスクを常に把握し、被害の最小化と事業継続の両面からリスク管理を行っています。気候変動関連のリスクについては、サステナビリティ会議が毎年1回、マテリアリティを見直し、全社安全衛生環境委員会が、サステナビリティ会議と連携してリスク・機会を含めた見直しを行い、重要項目の把握と対応を明確化しています。
なお、気候変動関連のリスク(物理的リスク)は、リスクマネジメント会議が特にリソーセスを投入して対策を推進する重点リスクの一つとして選定されており、全社リスク管理の観点からグループ全体でリスク対応を強化しています。
④ 指標及び目標
目標については、中期方針で指標・目標を明確化するとともに、優先取組課題(マテリアリティ)に関するサステナビリティ目標の一つとして会社経営目標に落とし込んでいます。前述の全社安全衛生環境委員会だけでなく、サステナビリティ会議で進捗状況をフォローアップし、経営審議会及び取締役会に報告しています。

<Scope1・2 モノづくりにおける完全なカーボンニュートラルを達成>
製造工程のさらなる効率化によりエネルギー使用量を減らしてCO2排出量を減少させていくことや、太陽光等の再生可能エネルギーの利用、さらには、再生可能エネルギーを使って生成したグリーン水素の利活用によって、生産の過程で発生するCO2を削減し、モノづくりにおけるカーボンニュートラルを目指します。
2024年度は、従来の強みである省エネルギー活動を徹底的にやり切り、再生可能エネルギーの導入やクレジットの活用等により、CO2排出量を2020年度比‐75%の目標を達成、2025年度はカーボンニュートラル目標(クレジットの利用あり)を達成する見込みです。
なお、CO2排出量の第三者検証値は2026年9月末発行予定の「統合報告書2026」において記載予定です。
<Scope3(上流) 当社とサプライヤーとの協働によりカーボンニュートラルを実現>
カーボンニュートラルに向けた課題は業種・サプライヤーごとに異なるため、サプライヤーとの対話を通じ、相互理解のもと、サプライヤーと共に活動を進めています。
具体的には、調達金額の70%超を占める主要サプライヤー約300社に排出量を調査した上で、サプライヤーと中期目標「CO2排出量を2030年度までに2020年度比25%(=2.5%/年)削減」、長期目標「2050年度にカーボンニュートラル実現」を共有し、活動の推進をお願いしています。そして、当社の省エネルギーの進め方や事例をご覧いただけるショールームの常設、省エネルギー診断やエネルギー計測器の貸し出し等の支援、工場の改善事例を現認していただくカーボンニュートラル工場見学会の開催等により、サプライヤーの省エネルギーを促進しています。
さらには、活動を通じて得たサプライヤーの困りごとや要望を取りまとめ、業界団体等へ提言することで、サプライチェーン全体の活動環境の整備を牽引していきます。
<Scope3(下流) クルマの電動化に貢献しCO2を可能な限り削減>
HEV・BEV・FCEV等の電動車の普及を支える製品・システムの開発を通して、クルマ使用時のCO2排出量削減に貢献します。また、自動車業界で培った電動化技術を空のモビリティにも応用し、CO2排出量削減への貢献に向けて取り組んでいきます。
<エネルギー利用におけるCO2排出量 再生可能エネルギーを有効活用する技術を開発・普及>
場所や時間の制約なく、エネルギーを高効率に利活用する技術を確立し、世の中に広く普及させることで、エネルギー循環社会の実現に貢献します。
例えば、クルマで培ってきた熱マネジメント技術と材料技術を応用して、水素から電気をつくるSOFCと、電気から水素をつくるSOECの実証実験を開始しました。今後様々な実証を通じて、グリーン水素エネルギーをムダなく使う「効率性」と、システムを安全に長期間使用できる「耐久性」を探求し、環境と経済合理性の両立を目指した開発に挑戦していきます。
環境パフォーマンスデータ/デンソーグループ(グローバル)
組織境界(測定アプローチ)
財務支配力アプローチを採用しています。
選択理由:財務支配力の範囲が連結財務諸表の範囲と一致することから、財務情報と気候関連情報の整合性を確保でき、財務諸表の主な利用者にとって比較可能で理解しやすい情報提供が可能になると判断しているためです。また、当社が財務的に支配する事業については、排出削減施策の立案・実行に対する決定権限が大きく、実効的な脱炭素経営を推進する上で適切な管理範囲を設定できるためです。
Scope1 排出量とその内訳
(単位:千t-CO2)
(注)GHGプロトコル、IPCCガイドラインに基づいて算出
Scope2 排出量とその内訳
(1) マーケット基準に基づく排出量
(単位:千t-CO2)
(2) ロケーション基準に基づく排出量
(単位:千t-CO2)
Scope3 排出量(重要なカテゴリ)
当社のSCope3 温室効果ガス排出量において、カテゴリ1及びカテゴリ11は、全カテゴリの上位2位の排出量であり、かつ、その合計値は直近3年間のScope3 温室効果ガス総排出量の8割以上を占めています。また、いずれも2030年までの具体的な目標を掲げて削減を推進していることから、当社にとって重要なカテゴリと判定しています。
(単位:千t-CO2)
CO2排出量算定方法
CO2排出量算定は見積法にて実施しています。算定時に使用した活動量及び排出係数は以下のとおりです。
排出係数
・Scope1:温室効果ガスインベントリのためのIPCCガイドライン/第2章:定置燃焼/表2.3、
IPCC第6次報告書(AR6)
・Scope2:環境省 温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度 算定方法・排出係数一覧
電気事業者別排出係数一覧、IEA Emissions Factors -2023 edition
・Scope3:「Scope3 排出係数一覧」を参照
活動量(Scope1・2)
Scope3 排出係数一覧
(3) 人的資本
① 人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する取組
ⅰ) 戦略
<人的資本経営の考え方>
当社は1949年の会社設立以来、多くの先人たちの想いとあくなき挑戦が、様々な課題を乗り越える原動力となり、その結果として180以上の世界初の技術・製品を生み出してきました。すなわち、まだこの世に存在しないモノを生み出す力「人と組織の実現力」を高め、社会課題の解決に貢献してきたのです。
そして今、事業環境の変化はもとより、AI等のテクノロジーの普及が人間の役割にも大きな変化をもたらしています。また、情報のボーダーレス化が進み、企業間の力が拮抗する中、事業・経営戦略そのものと同等、あるいはそれ以上に、戦略を実現する人と組織の力が大切となっています。このような変化の時代において、当社は人財戦略と事業・経営戦略をこれまで以上に連動させ、人的資本に積極投資し、人の価値と人が生み出す付加価値、実現力を高めることが重要と考えています。これは、創業以来継承してきた「モノづくりはヒトづくり」という考え方そのものであり、デンソーの人的資本経営です。
ⅱ) 指標及び目標
<人的資本強化の取り組み概要>
人的資本強化のための具体的な活動として、人と組織のビジョン&アクション“PROGRESS”のもと、人事施策・制度の積極的な改革に取り組んできました。この改革は、人の観点では、デンソーで働いて良かったと実感する社員がより多くなること=「社員エンゲージメント向上」、組織の観点では、事業・経営戦略実現に必要な人財の質・量が充足すること=「人財ポートフォリオ変革」を目指したものです。直近1年間の主な実績として、社員のキャリア実現支援や風通し良い職場づくり等を行った結果、2025年度の社員エンゲージメントは年度の目標を達成しました。人的資本への投資に関しても、未来に向けた人と組織の力を高める重要な投資として、報酬課題等に積極的に取り組んでいます。また、人財ポートフォリオも同様に、事業戦略と連動した人財の質・量の充足を図るべく、重要な事業領域ごとに重点課題を明確化し、現状とのギャップを埋める採用や育成施策の推進を図っています。
これら人的資本強化のためのあらゆる取り組みの成果として、当社では、すべての人と組織が、「社会課題の解決」と「人の幸せ・成長」につながる価値を持続的に提供できているかを確認するために、「人的投資生産性(注)」を指標としてモニタリングしています。
(注)人的投資生産性: 付加価値額(売上から原材料費等を差し引いた額)÷人的投資で算出
a) 社員エンゲージメント向上
「社会課題の解決」と「人の幸せ・成長」を実現するためには、仕事や組織に対する高い社員エンゲージメントが重要な原動力であり、海外を含めグローバルな経営課題としてその向上に取り組んでいます。
当社のエンゲージメント調査における総合的な肯定回答率は、2021年度の70%から、2025年度は78%まで向上しており、2030年度には80%まで到達することを目標に取り組みを進めています。2022年度以降は、エンゲージメントが全社平均を下回っている、若手社員・技能系社員・女性社員への働きかけに注力してきました。いずれも、その向上の要因として「成長実感」や「キャリア実現」が重要であることをデータ分析から特定した上で、若手社員への入社後3年間の育成プログラムの展開、技能系社員1万人へのキャリア研修等、エンゲージメント向上につながる取り組みを実施しました。
また、エンゲージメント向上への取り組みは、日本地域だけでなくグローバルでも強化しています。グローバルの全地域でエンゲージメント向上を重要な経営テーマとして捉え、それぞれで目標値を設定し、その向上のためのアクションとモニタリングを行っています。
2025年度には、海外メンバーが参加するワーキンググループ活動を通じて、各地域の重点施策やキャリア開発に関する好事例を共有し、エンゲージメント向上に向けたグローバル全体での取り組みの強化を図っています。
エンゲージメント向上率(肯定回答率) 対前年度比
b) 人財ポートフォリオ変革
持続的な企業成長を支える事業ポートフォリオ変革を実現するためには、事業戦略と連動した人財の質と量の充足が必要です。そのため、人財の戦略的な採用・育成・配置を行い人財のポートフォリオを変革しています。
当社では、特に、電動化、ソフトウェア、半導体等の領域を中心に、人財の質と量の強化に取り組んでいます。2022年度には、事業戦略において重要とされる40の事業領域(例:ソフトウェア、半導体等)を定義し、その領域ごとの人財育成に関する責任者約80名を配置しました。その際、各領域で必要とされる専門性を535分類に定義し、約15,000人の事務・技術系社員が専門性に基づく能力伸長やキャリアデザインに取り組み始めました。2023年度からは、各領域の責任者を中心とするコミッティを立ち上げ、収集された専門性の情報をもとに、各領域で必要な人財の質・量の目標を明確化し、目標と現状のギャップを埋める採用や育成施策を領域ごとに進めています。例えば、ソフトウェアの領域では、ソフトウェアリカレントプログラムを通じ、2021年度から2024年度までに約220人の技術者がハードからソフトウェア技術者への転身に挑戦しました。2030年に向けては、メカ・エレクトロニクス・ソフトウェア人財の最適なポートフォリオを実現していきます。
また、今後の成長領域における技術・製品の実現に向け、材料、半導体、AI等の高度専門人財及び、エネルギー・熱マネジメントを含むシステム人財の獲得・育成も強化していきます。特に、モビリティ全体を統合・最適化できる統合システムエンジニアの育成を重視し、実践を通じた中長期的な人財育成により開発現場力の向上を図っています。
これらの取り組みは、日本地域のみならず、グローバルで推進していく体制も整えています。まずは技術領域の専門性に関する設計・開発人財について、グローバルでの人財の質・量の可視化に着手し、2030年に向けて人財ポートフォリオの変革を着実に進めていきます。
全社員のITデジタル活用力強化も経営課題として推進しています。当社では、2024年度より「DX基礎コース」を立ち上げ、2025年度からはグループ会社にも取り組みを拡大し、グループ会社を含め毎年約6,000人が自発的にDXを学び、職場のDXを進めています。また2025年度より、デジタル活用スキルを客観的に評価する「デジタル人財認定制度」を開始し、2030年度までに全社員がデジタル活用人財の認定を取得することを目標に取り組んでいます。加えて、2023年度より職場のDX事例を共有する場として、DENSOデジタルEXPOを開催、2025年度は、国内・海外グループ会社を含む67部門が約90展示を展開しました。2日間で延べ1万人超が来場し、部門を越えた事例共有と職場実践の促進につなげています。
c) ダイバーシティ&インクルージョンの取り組み
当社のイノベーションの源泉は、異なる意見・アイデアを自由闊達に交わせる共創環境であると考えています。その環境を生み出すには、様々な個性を持つ人々が、互いに違いを認め、尊重し合うことが重要です。デンソーではこれまでも、ヒトづくりの柱の一つとして「多様性」を掲げ、異なる知恵やアイデアを融合させることで、実現力を向上させ、会社の成長を促進してきました。デンソーの中で少数派である女性の活躍推進においては、あらゆる階層や場面において、女性が男性と同じように意思決定プロセスに参画することで、男性多数の議論では出にくい発想や発言が加わり、より社会に喜ばれる価値が提供できるものと考え、グローバルで目標値を定めて各地域CEOリードのもとで取り組みを進めています。
d) 今後の重点課題 ~企業カルチャーの継承と進化~
ここまで、社員エンゲージメント向上及び人財ポートフォリオ変革の観点から、人の価値と人が生み出す付加価値=実現力を高める具体的な取り組みを説明しました。今後に目を向けると、社会の労働力人口はさらに減少する見込みの中、「働きがいや生きがいを感じられるか」、「目指すキャリアを実現して成長できるか」といった視点で企業が選ばれる時代、つまり、会社が人を選ぶのではなく人が会社を選ぶ時代を迎えます。人の力こそが企業の競争力の源泉であり、働く人が輝くことができる企業にならなければならないと考えています。
時代に応じた競争力を備えた企業であり続けるためには、これまでの活動を通じて築かれた企業カルチャーの継承と進化が必要です。そうした課題認識から、2025年度は前年度から継続して、世界のデンソーグループから次世代のリーダー層やワーキングメンバーが本社に集い、過去から未来へ継承すべきデンソーらしさを共有し、今後の変革を見据えた議論を行う「DENSO Culture Day 2025」を開催しました。このようにグローバルで、今日に至るまで変わらない「デンソーらしさ」は継承しつつ、企業カルチャーそのものを進化させることで、人の幸せ・成長につなげていくことに今後は注力していきます。


結果(アウトプット)の目標KPIと実績
女性管理職比率
今後も当社らしい人的資本経営に向けて人的資本への戦略的な投資を強化し、社員とチームの挑戦をさらに後押しすることで、人と組織の実現力を高め、企業価値を向上させるという新たな経営のステージを目指します。これからも、当社らしさを大切に、現場で人が育ち、社会課題解決に向けた新しい価値を生み出す人的資本経営を推進していきます。
② 社内環境整備に関する取組
ⅰ) 戦略
a) 安全衛生
デンソーグループとしての事業基盤の確立のためには、安全衛生管理の向上は必要不可欠です。
当社が制定した「安全衛生環境基本理念」(1969年)に基づき、「安全で働きやすい職場づくりこそ、人間尊重と高生産性を両立させ得る最善策」という方針のもと、デンソーグループにおける安全衛生の継続的な向上に取り組んでいます。
b) 社員とともに進める健康づくり
心身の健康は、いきいきと働くための源であり、社員とその家族の幸せに不可欠なものです。当社では、社員の健康増進を経営課題の一つと位置づけ、「健康経営(注)」を推進しています。
2016年9月に「健康宣言」を発表するとともに、健康増進に向けた社員の意識向上と職場単位の活動促進を図るため、心身両面の健康施策の充実に取り組んでいます。
また、国内外のデンソーグループ各社で健康経営を推進するため、2019年2月に「デンソーグループ健康経営基本方針」を策定しました。この基本方針をグローバルに共有し、各国・各社の実情を踏まえた健康経営を実践することで、一人ひとりの健康意識(ヘルス・リテラシー)を向上させ、より働きやすい環境づくりにグループ全体で努めていきます。
(注)健康経営:NPO法人健康経営研究会の登録商標
ⅱ) 指標及び目標
a) 安全衛生
<デンソーグループ安全衛生管理状況>
労働安全衛生上の指標である、休業度数率(延べ労働時間100万時間当たりの死傷者数)において、デンソーグループは同業他社と比較し良好な状態を継続しています。
休業災害度数率 実績
(注)「厚生労働省 労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模1,000人以上)及び総合工事業調査)の概況」の「輸送用機械器具製造業」より抜粋
<目標及び実績>
2025年度においては、部門トップによる安全コミュニケーション巡回の実施や、高リスク設備を対象とした爆発・火災防止点検等、全員参加による安全衛生活動を推進しました。これらの取組みにより、爆発・火災については、グループ全体で発生件数0件を継続しました。一方で、第1種災害件数については、海外グループにおいて目標未達となりました。
2026年度からは、デンソーグループ全体におけるガバナンス強化を目的として、管理対象範囲を連結マネジメント対象会社すべてに拡大し、安全衛生管理体制のさらなる強化を推進します。
数値目標については、従来通り、災害の原因となった危険源の種類のうち、社会的災害防止の要求が強い、機械作動部・重量物・薬液・高所・感電等による災害と定義する第1種災害の発生件数を管理指標として用います。特に、その中でも企業責任が極めて大きく、重大な災害につながるおそれのある設備起因(設備防護不備)災害と、その他(人起因)災害に区分して目標設定及び管理を行い、災害抑止に向けた取組みを一層推進します。
2030年度に向けた長期目標として、設備起因0件、その他8件を設定しており、2026年度の目標は、設備起因3件、その他14件としています。
1種災害件数(単位:件)
b) 社員とともに進める健康づくり
当社オリジナル指標「生活習慣スコア(注)」を2024年度にリニューアルし、国内グループ共通の健康経営指標として「健康スコア」を導入しました。「健康スコア」は、健康診断時の問診回答内容に基づき、一人ひとりの健康行動の実践状況を見える化した指標です。健康経営KPIを「健康スコア8個の評価項目の内、6個以上達成している社員割合」とし、国内グループ全体の目標値を2035年度までに60%以上の社員が達成することと定めて、活動を実施しています。
各職場へは、健康推進リーダー経由で健康経営KPIの職場別集計値を通知し、効果的な健康アクションプランの立案を促進しています。また個人に対しては、健康診断の結果に基づき、各個人の強みや弱み、同年代の比較・今後取り組むべきアドバイスを記載した通知書を配布しています。さらに、各健康サポートセンターと製作所や食堂とも連携し、啓発支援を実施しています。
(注)生活習慣スコア:厚労省策定の方針である「健康日本21」で目標値が設定されている「健康行動」と「健康データ」に該当する、個々人の健診データより点数化した指標で、2017~2023年度に当社のみで運用し、全社平均値を会社経営目標としていました。
<健康スコア6個以上達成率の実績と目標値(国内デンソーグループ)>

健康スコア8項目
3 【事業等のリスク】
連結会社の事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しています。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しています。連結会社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めていきます。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月11日)現在において連結会社が判断したものです。
(1) 事業環境に関するリスク
① 経済状況
連結会社の全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める自動車関連製品の需要は、連結会社が製品を販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本、北米、欧州、アジアを含む連結会社の主要市場における景気後退及びそれに伴う自動車需要の縮小は、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、連結会社の事業は、競合他社が製造を行う地域の経済状況から間接的に影響を受ける場合があります。例えば、競合他社が現地でより低廉な人件費の労働力を雇用した場合、連結会社と同種の製品をより低価格で提供できることになり、その結果、連結会社の売上が悪影響を受ける可能性があります。さらに、部品や原材料を製造する地域の現地通貨が下落した場合、連結会社のみならず他のメーカでも、製造原価が下がる可能性があります。このような傾向により、輸出競争や価格競争が熾烈化し、いずれも連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。
② 為替レートの変動
連結会社の事業には、全世界における製品の生産と販売が含まれています。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高(特に連結会社の売上の重要部分を占める米ドル、ユーロ及び元に対する円高)は連結会社の事業に悪影響を及ぼし、円安は連結会社の事業に好影響をもたらします。
連結会社が日本で生産し、輸出する事業においては、他の通貨に対する円高は、連結会社製品のグローバルベースでの相対的な価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。連結会社は、為替相場や金利の変動リスクを軽減するために、現地生産や通貨ヘッジ取引を行い、主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしていますが、中長期的な為替レートの変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 原材料や部品の供給による影響
連結会社は、製品の製造に使用する原材料や部品を複数のグループ外供給元から調達しています。これらのグループ外供給元とは、基本取引契約を締結し、安定的な取引を行っていますが、市況の変化、並びに通商課題による価格の高騰や品不足、さらには供給元の不慮の事故、地政学的要因等による原材料や部品の不足が生じないという保証はありません。その場合、連結会社製品の製造原価の上昇、さらには生産停止を招く等、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に関するリスク
① 新製品開発力
連結会社は、直近売上収益の9%台を目安として研究開発投資を行う等、積極的な研究開発活動を実施しており、継続して斬新で魅力ある新製品を開発できると考えていますが、新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。
ⅰ) 新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できる保証はありません。
ⅱ) 長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新製品又は新技術の創造へつながる保証はありません。
ⅲ) 連結会社が顧客からの支持を獲得できる新製品又は新技術を正確に予想できるとは限らず、また、これらの製品の販売が成功する保証はありません。
ⅳ) 新たに開発した製品又は技術が、独自の知的財産権として保護される保証はありません。
ⅴ) 技術の急速な進歩と市場ニーズの変化により、連結会社製品が時代遅れになる可能性があります。
ⅵ) 現在開発中の新技術の製品化遅れにより、市場の需要について行けなくなる可能性があります。
上記のリスクをはじめとして、連結会社が業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 価格競争
自動車業界における価格競争は極めて厳しい状況が継続しています。
競合先は新興自動車部品メーカも含めグローバルに存在し、その一部は連結会社よりも低コストで製品を提供しています。さらに、自動車のカーエレクトロニクス化を背景に、民生用エレクトロニクス製品メーカやAI技術を活用した新興企業の参入、並びに既存競合先間での合従連衡が進展する可能性があります。
また、物価高騰や米国関税影響等のコスト上昇が利益を圧迫する要因にもなっています。
これらの競争環境の変化により、連結会社の競争優位性が低下した場合には、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
連結会社は、高品質かつ高付加価値な自動車関連製品を世界各国に提供するグローバルリーディングメーカであり、今後も継続した研究開発投入による競争優位性の確保に努めますが、競合他社の技術力・生産能力の急速な進展や市場構造の変化により、将来においても有効に競争できるという保証はありません。コスト上昇局面における価格競争力の低下による顧客離れは、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 製品の欠陥
連結会社は、世界中の工場で世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を製造しています。しかし、すべての製品について欠陥が無く、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。さらに、引き続き連結会社がこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストの発生や連結会社の評価が低下することに伴う売上の減少を招き、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 顧客企業の業績への依存
連結会社の事業の大部分を占める自動車メーカ向け部品供給事業は、世界中の自動車メーカを対象としており、提供する製品は、自動車部品におけるサーマルシステム、パワトレインシステム、モビリティエレクトロニクス、システムコントロールコンポ―ネント、セミコンダクタ等多岐にわたります。これらの分野における顧客企業への売上は、その顧客企業の業績や連結会社が管理できない要因により影響を受ける可能性があります。また、顧客企業の価格引き下げ要請は、連結会社の利益率を低下させる可能性があります。顧客企業の業績不振、予期しない契約の打ち切り、顧客企業の調達方針の変化、大口顧客の要求に応じるための値下げは、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
連結会社の売上の約半分を、トヨタグループ向けが占めています。これらの特定の顧客グループへの売上は、その顧客企業の業績により大きな影響を受ける可能性があります。
⑤ 企業買収・資本提携
連結会社は、既存提携関係の強化又は新規提携を行うことにより、事業の拡大、機能強化又は新技術の開発を目指しています。このため、他社との提携による新会社設立や既存企業への投資を行っており、さらに、今後も投資活動を行う可能性があります。
新規投資については、幅広い視点から十分に議論を重ねた上で実行に移していますが、投資先企業の価値が低下した場合や提携企業との間で戦略性や優先順位について不一致が生じた場合には、投資に見合った効果を享受できず、投資金額の回収が困難となり、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク
連結会社の生産及び販売活動において、北米や欧州、アジア等の海外市場の占める割合は、年々、高まる傾向にあります。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合には、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
ⅰ) 予期しない法律又は規制の変更
ⅱ) 不利な政治的又は経済的要因の発生
ⅲ) 人材の採用と確保の難しさ
ⅳ) 社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動への悪影響
ⅴ) 潜在的に不利な税影響
ⅵ) ストライキ、テロ、戦争、疾病、その他の要因による社会的又は経済的混乱
⑦ 環境問題の重要性の高まりに係るリスク
連結会社は、国内及び海外の環境法規制を遵守した上で、環境負荷の低減と高効率な移動の実現に取り組んでいます。具体的には、会社の環境方針「エコビジョン2025」に基づき、事業活動における環境負荷の削減、環境効率・資源生産性の追求及び環境規制に適合した製品開発に努めています。
しかし、世界的な人口の増加や経済発展・利便性の追求により、エネルギーや資源の消費スピードが加速していることから、地球温暖化や資源枯渇、環境汚染等のリスクへの懸念が高まっています。それに伴い環境に関する取り組みの重要性は益々高まり、今後も様々な環境規制が改正・強化され、即時の対応や将来に向けての取り組みを求められる可能性があります。その対応が不十分な場合には、製品の売上減少、生産量の限定又はレピュテーション低下等、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 気候変動によるリスク
国連気候変動枠組条約第21回締結国会議(COP21)において「パリ協定」が採択され、平均気温の上昇を抑えるため、温室効果ガスの削減に向けた取り組みが世界的に進められています。また直近では、主要各国政府が脱炭素を宣言、国家成長戦略の重大な政策の1つとして位置づけています。このような背景から、気候変動への対応は、経済成長を制約するものではなく、競争力の源泉になるものと考えています。
連結会社では、持続可能なモビリティ社会のあり方を模索し、長期ビジョンで掲げた、「環境」の提供価値を最大化する目標に向けて、2019年に賛同を表明した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」のフレームワークを参照し、気候変動が事業に与える影響とそれによる機会とリスクをシナリオに基づいて分析、事業戦略に反映していくように検討を進めました。
気候変動によるリスクについては、以下のとおり連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。脱炭素社会への移行リスクとして、気候変動に伴う燃費・排ガス規制や電動化の拡大に、現行製品が適切に対応できないことで、販売機会を喪失する可能性があります。また物理リスクとしてサイクロンや洪水等の異常気象の深刻化と頻度の上昇が考えられ、工場の操業停止やサプライチェーンの分断により売上が減少する可能性があります。
これらのリスクへ対処すべく、移行リスクについては、サーマルシステム事業、パワトレインシステム事業等において新たな燃費規制や電動化需要に応えるための研究開発の加速と得意先への提案をしています。また物理リスクについては、建物、構造物への気象災害対策(洪水含む)の実施のほか、部材等の購入先を複数社化することによりサプライチェーンに対するリスクマネジメントの強化に取り組んでいます。詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候変動」をご参照ください。
⑨ 情報セキュリティリスク
連結会社は、様々なグループ内専用ネットワークや情報技術システムを利用しています。さらに、連結会社の車載製品は、高度運転支援や自動運転等の高度な情報技術システムに使われています。
連結会社は、社内ネットワークや生産ライン等にセキュリティ対策を講じるとともに、社員へのセキュリティに対する更なるリテラシー向上教育を実施する等、情報資産の保護、技術流出への対策、安定的な供給の実現を図っているほか、車載製品をサイバー攻撃から守る技術を開発し、確実に搭載すべくグループ独自の仕組みを構築、運用の定着に取り組んでいます。
しかしながら、サイバー攻撃等の不正行為は脅威を増しており、連結会社を標的とした事象も発生しています。想定を大幅に超えるサイバー攻撃等を受けた場合、重要な業務の中断、機密情報の漏洩、車載製品の機能への悪影響等が生じる可能性もあります。その結果、競争力の喪失やレピュテーション低下を招き、連結会社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) その他のリスク
① 災害等による影響
連結会社は、大規模な自然災害、事故、疫病等の発生時に製造ラインの中断等による事業へのマイナス影響を最小化するため、すべての設備における定期的な災害防止検査と設備点検、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)や有事行動マニュアルの策定等の減災対応に取り組んでいます。
しかし、連結会社の生産施設及び連結会社の顧客企業、仕入先企業で発生する災害等による中断等の影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。例えば、連結会社の事業所の多くは南海トラフ地震防災対策推進地域に所在しており、この地域で大規模な地震が発生した場合、生産・納入活動が停止する可能性があります。
② 法的手続
連結会社は、ビジネス活動において、継続的なコンプライアンスの実践に努めています。それにも関わらず、様々な訴訟及び規制当局による法的手続の当事者となる可能性があり、その場合には連結会社の業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
③ 人権
連結会社は、従来「デンソーグループサステナビリティ方針」や「社員行動指針」において、人権を侵害する労働又はそれに準ずる行為の禁止を明文化し、グループで共有するとともに徹底を図っています。年々、グローバル社会でビジネスにおける人権尊重への取り組みの重要性が高まる中、人権に関する取り組みをより一層推進すべきと考え、人権に関する個別方針「デンソーグループ人権方針」に沿って対応を進めています。
しかしながら、差別やハラスメントによるコンプライアンス違反が発生した場合、社会的信頼が失墜し、連結会社の業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
連結会社に関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。
連結会社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。また、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において連結会社が判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、米国による関税政策の影響がある中、主要国の金融・財政政策や、世界的なAI関連投資の増加を背景に、底堅く推移しました。一方で、中東情勢に起因するサプライチェーンの混乱やインフレの進行等、地政学的分断による不確実性が高まりました。
① 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況
当連結会計年度の業績について、売上収益は、車両販売の増加により、7兆5,400億円(前年度比3,782億円増、5.3%増)となりました。営業利益は、米国関税、部材費高騰及び人への投資増加等の影響があるものの、合理化努力や操業度の良化等により、5,525億円(前年度比336億円増、6.5%増)となりました。税引前利益は6,173億円(前年度比393億円増、6.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は4,438億円(前年度比247億円増、5.9%増)となりました。
当連結会計年度の資産は、現金及び現金同等物の増加等により、前連結会計年度末に比べ6,059億円増加し、8兆7,309億円となりました。負債は、社債及び借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ789億円増加し、3兆150億円となりました。資本は、当期利益及び包括利益の増加等により、前連結会計年度末に比べ5,269億円増加し、5兆7,158億円となりました。
セグメント別の業績については、日本の売上収益は、車両販売の増加により、4兆4,041億円(前年度比1,877億円増、4.5%増)、営業利益は、合理化努力があるものの、部材費高騰や人への投資増加の影響等により、1,859億円(前年度比346億円減、15.7%減)となりました。資産は、現金及び現金同等物やその他の金融資産の増加等により、5兆4,139億円(前年度末比2,924億円増)となりました。
北米地域の売上収益は、車両販売の増加により、2兆251億円(前年度比1,620億円増、8.7%増)、営業利益は、米国関税の影響があるものの、合理化努力や一過性の費用回収により、1,323億円(前年度比343億円増、34.9%増)となりました。資産は、現金及び現金同等物や営業債権及びその他の債権の増加等により、1兆1,795億円(前年度末比1,958億円増)となりました。
欧州地域の売上収益は、円安進行や車両販売の増加により、7,679億円(前年度比492億円増、6.8%増)、営業利益は、合理化努力等により、278億円(前年度比191億円増、221.3%増)となりました。資産は、営業債権及びその他の債権や無形資産の増加等により、6,459億円(前年度末比1,170億円増)となりました。
アジア地域の売上収益は、車両販売の増加により、1兆9,769億円(前年度比368億円増、1.9%増)、営業利益は、合理化努力等により、1,788億円(前年度比94億円増、5.5%増)となりました。資産は、棚卸資産や契約の履行のためのコストから認識した資産の増加等により、1兆7,811億円(前年度末比365億円増)となりました。
その他地域の売上収益は、1,263億円(前年度比73億円増、6.1%増)、営業利益は、249億円(前年度比26億円増、11.7%増)となりました。資産は、棚卸資産や有形固定資産の増加等により、1,129億円(前年度末比217億円増)となりました。
② 生産、受注及び販売の状況
ⅰ) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しています。
ⅱ) 受注実績
連結会社はトヨタ自動車株式会社を始めとして、各納入先より四半期ごとに生産計画の提示を受け、連結会社の生産能力を勘案して生産計画を立てる等、すべて見込生産を行っています。
ⅲ) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注1)セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
(2) キャッシュ・フローの状況
① キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、営業活動により5,110億円増加、投資活動により169億円減少、財務活動により3,550億円減少等の結果、当連結会計年度は前連結会計年度と比べ2,026億円増加し、1兆1,891億円となりました。
営業活動により得られた資金は、前年度の7,587億円に対し、5,110億円となり、2,477億円減少しました。この減少は、前年度と比べ税引前利益が393億円増加した一方、仕入債務の増減額が1,270億円減少したことや、法人所得税の支払額が923億円増加したこと等によるものです。
投資活動により使用した又は得られた資金は、前年度の1,219億円増加に対し、169億円減少となり、1,388億円減少しました。この減少は、Axia Group B.V.の株式を取得し完全子会社としたことによる554億円の支出に加え、前年度に比べ資本性金融商品の売却による収入が379億円減少したこと等によるものです。
財務活動により使用した資金は、前年度の6,774億円に対し、3,550億円となり、3,224億円減少しました。この減少は、前年度と比べ借入金による調達額3,544億円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度における有形固定資産の取得額は、前連結会計年度の3,801億円から2.6%減少し、3,702億円となりました。この減少は、注力分野への投入強化と規律ある事業運営を両立しながら投資を推進したことによるものです。
② 資本の財源及び資金の流動性について
資本の財源及び資金の流動性について、連結会社の運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて借入又は社債の発行等による資金調達を実施することを基本方針としています。
当連結会計年度は、連結会社の運転資金及び設備投資資金について、自己資金及び、借入・社債発行による資金を充当しました。
連結会社の資本的支出は、生産拡大対応、次期型化、新製品切替及び新製品開発のための研究開発投資を重点的に推進する予定であり、その財源は、上記基本方針に従ったものとする予定です。
連結会社は、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力等により、連結会社の成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えています。
5 【重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
デンソーグループは、2030年に向けた中期経営計画「CORE 2030」に基づき、「モビリティの多様化に応える商品づくりの強化」「現場に宿る実践知とAIを融合したモノづくりの革新」「新たな価値創出をけん引する人づくり・パートナー共創」の3本柱を軸に、将来の競争力確保と社会課題の解決を両立する研究開発を積極的に推進しています。
(1)モビリティの多様化に応える「商品づくりの強化」では、世界各地で進展するモビリティの電動化・知能化に対応し、各国・地域の多様なエネルギー事情やニーズに応える商品開発を進めています。電動化の実績として、2025年10月には、トヨタ自動車株式会社の新型「bZ4X」に採用された新型インバータ及び電池マネジメントを担うセル電圧監視回路とシャント電流センサの3製品を開発しました。新型インバータは株式会社BluE Nexus(株式会社アイシンとの電動駆動システム事業の合弁会社)の新型eAxleに搭載され、当社独自のSiC(炭化ケイ素)パワー半導体(以下SiC)及び両面冷却技術を用い、従来比で電力損失を約70%低減、コアモジュールを約30%小型化することで、世界最高水準の出力密度を実現しています。また、電池マネジメント製品として、世界初の28チャネル対応セル電圧監視IC及び新型シャント電流センサを開発し、高精度な電池モニタリングによって充電時間の短縮と電池寿命の延長に貢献しています。こうした技術革新により、電動車の航続距離延伸、走行性能向上、充電時間短縮等実用性の向上に寄与しています。
さらに、当社は電動化時代の競争力を左右する中核技術として、SiCの高度化及び内製化に取り組んでいます。当社は、高温ガスを用いた結晶成長技術(ガス法)を開発し、従来の昇華法と比べて結晶成長速度を飛躍的に高めることで、生産性を約15倍に向上させるとともに、製造時のエネルギー消費及びCO2排出量の約90%削減を目指しています。加えて、SiCデバイスにおいては、世界初となる独自の3次元構造を採用し、デバイス内部における電流集中を抑制することで、高耐圧と低オン抵抗を両立し、電力損失の更なる低減を実現しています。当社は、ウエハからインバータまでの垂直統合型開発と国内サプライチェーンの強化を通じて、電動化の進展及び脱炭素社会の実現に貢献していきます。
(2)現場に宿る実践知とAIを融合した「モノづくりの革新」では、開発・設計プロセスにおいて、ソフトウェア開発におけるAI駆動開発の高度化を推進しています。要求定義や設計といった上流工程から、実装・検証に至るまでの開発プロセス全体を対象に、人とAIが適切に役割分担しながら開発を進める仕組みの構築を進めており、開発初期段階から品質を作り込むことで、手戻りの抑制と開発効率の向上を図っています。こうした活動の成果の一つとして、過去の仕様書、開発ルール、法規文書等を関係性のある知識として整理し、AIエージェント技術を介して活用可能とする「Knowledge Graph Agent」を開発しました。構造化されたナレッジを基に文脈を考慮した分析やレビュー支援を行うことで、要件定義の抜け漏れ検出や設計検討の高度化を可能とし、上流工程における判断の質の向上に寄与しています。
また、愛知県西尾市において着工した善明南新工場では、TPSに根差した現場力を基盤に、デジタル技術やAIを活用した次世代スマートファクトリー構想の具現化に向けた取り組みを進めています。人の判断や知見の蓄積・活用については、AIエージェントを活用することで、その高度化を図っています。また製造現場においては、センサにより実世界を捉え、判断・動作を行うフィジカルAIを活用し、付帯作業を含む生産プロセスの自動化に取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、人の実践知をAIの学習に反映しながら、人と機械・AIが相互に深化・進化・新化し続けるモノづくりの実現を目指すとともに、安全・品質・生産性の維持・向上につながる持続的な製造体制の構築を図っています。
(3)新たな価値創出をけん引する「人づくり・パートナー共創」では、業界内外の多様なパートナーとの連携及び人財育成を通じた新規事業創出と社会価値創造に注力しています。モビリティ領域の新たな共創モデルとして、2026年3月に国立大学法人東京大学との間で10年間にわたる産学協創協定を締結しました。本協定は、当社にとって大規模かつ長期の産学連携枠組みであり、「走るほど、満ちる社会へ:モビリティから広がる未来の社会価値」を共通ビジョンに掲げて、モビリティを起点とするエネルギー・データ・都市インフラの統合による次世代社会システムの構築を目指すものです。特に、走行中無線給電技術の社会実装に向けた研究や、モビリティ分野で新たな価値創造を担う高度人財の育成に主眼を置き、研究と教育を一体化した実践的な取り組みを推進しています。
また、食農等拡大する貢献領域においても、パートナーとの協創を強化しています。2025年4月にはオランダの栽培コンサルティング企業Delphy Groep B.V.と、データ駆動型スマート農業の推進に向けた基本合意書を締結し、さらに同年10月には安定的な計画栽培システムの共同開発契約を正式に締結しました。加えて、同年7月にはオランダの種苗メーカAxia Vegetable Seeds B.V.の全株式を取得し、世界トップクラスの育種専門知識と当社のデジタル・自動化技術を融合することで、高品質な品種開発の加速及び栽培の自動化を推進しています。これらの連携を通じ、気候変動や就農人口減少といった農業分野の課題解決に寄与するとともに、新たな事業価値の創出を目指しています。
さらに、人財育成の観点では、トヨタグループ5社(トヨタ自動車株式会社、株式会社アイシン、豊田通商株式会社、ウーブン・バイ・トヨタ株式会社、当社)により「トヨタソフトウェアアカデミー」を設立し、AI・ソフトウェア分野を中心とした次世代人財の育成を推進しています。100種類以上の実践的な研修プログラムを提供し、ソフトウェアとハードウェアの双方に精通した人財の育成を図ることで、トヨタグループ全体の技術力強化とイノベーション創出に取り組んでいます。また、当社独自の高度エンジニア認定制度「SOMRIE®」を活用し、社員の専門スキル向上とキャリア形成を支援しています。産学官連携を通じた教育体系の整備も推進しており、デンソーグループ全体の育成に加え、産業界の継続的な人財基盤の強化にも貢献していきます。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は690,073百万円(資産計上分含む)、その内、日本セグメント608,205百万円、北米セグメント31,658百万円、欧州セグメント14,120百万円、アジアセグメント34,867百万円、その他1,223百万円となっています。日本セグメントが占める比率は約88%となっており、研究開発活動の中心を担っています。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
連結会社では、生産拡大対応、次期型化、新製品切替及び新製品開発のための研究開発投資を重点的に推進し、当連結会計年度では、日本で228,765百万円、北米で60,914百万円、欧州で19,887百万円、アジアで51,654百万円、その他で8,047百万円、総額369,267百万円の設備投資を実施しました。
また、当連結会計年度において重要な設備の除却、売却等はありません。
2 【主要な設備の状況】
連結会社における主要な設備は次のとおりです。
(1) 提出会社
2026年3月31日現在
(注)網走テストセンターの設備はすべて、提出会社から㈱デンソー網走テストセンター(連結子会社)へ賃貸しているものです。
(2) 国内子会社
2026年3月31日現在
(3) 在外子会社
2026年3月31日現在
(注1)帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具備品等であり、建設仮勘定228,203百万円を含みません。
(注2)現在休止中の主要な設備はありません。
(注3)上記の他、主要な賃借及びリース設備は次のとおりです。
提出会社
3 【設備の新設、除却等の計画】
当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充)は、400,000百万円であり、セグメントごとの内訳は次のとおりです。
(注1)経常的な設備の更新のための除売却を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。
(注2)各セグメントの計画概要については、生産拡大対応に加え、製品の小型軽量化・機能アップを実現する製品の次期型化に必要な投資に重点をおいています。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注1)発行済株式総数は、2023年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行ったことにより、2,363,834,853株増加しました。
(注2)2024年11月29日付の自己株式の消却(240,800,113株)の実施により、発行済株式総数残高は減少しました。
(5) 【所有者別状況】
2026年3月31日現在
(注1)自己株式218,934,287株は、「個人その他」に2,189,342単元及び「単元未満株式の状況」に87株含めて記載しています。
(注2)「その他の法人」の中には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が4単元含まれています。
(6) 【大株主の状況】
2026年3月31日現在
(注1)当社は自己株式を218,934千株保有していますが、上記大株主からは除いています。
(注2)株式会社豊田自動織機の所有株式数は、株式会社豊田自動織機が退職給付信託の信託財産として拠出している当社株式27,192千株(持分比率1.01%)を除いて表示しています(株主名簿上の名義は、「株式会社日本カストディ銀行(三井住友信託銀行再信託分・株式会社豊田自動織機退職給付信託口)」であり、その議決権行使の指図権は株式会社豊田自動織機が留保しています。)。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2026年3月31日現在
(注)完全議決権株式(その他)の株式数の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が、400株含まれています。また、議決権の数の欄には、同機構名義の完全議決権株式に係る議決権の数4個が含まれています。
② 【自己株式等】
2026年3月31日現在
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注) 2026年4月28日開催の取締役会において、自己株式の取得及びその具体的な取得方法として自己株式の公開買付を行うことを決議しています。公開買付の概要は以下のとおりです。
買付予定数 :184,897,656株
買付等の価格 :普通株式1株につき金1,696円
買付等の期間 :2026年4月30日から2026年6月1日まで
公開買付開始公告日 :2026年4月30日
決済の開始日 :2026年6月23日
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注1)当事業年度における取得自己株式のうち、1,186株は会社法第155条第7号によるものであり、29,960株は会社法第155条第13号によるものであります。
(注2)当期間における取得自己株式のうち、2,320株は会社法第155条第13号によるものであります。
(注3)当期間における取得自己株式には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り及び譲渡制限付株式報酬制度により無償取得した株式数は含めていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当期間における「その他」及び「保有自己株式数」欄には、2026年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の売渡請求による売渡による株式数及び譲渡制限付株式報酬制度により無償取得した株式数はそれぞれ含めていません。
3 【配当政策】
当社は、成長に向けた事業投資を行うとともに、株主の皆様の利益を重視しており、企業価値の持続的な向上と株主還元の拡充を経営上重要な政策の一つと位置付けています。安全性と効率性のバランスを確保した上で積極的な株主還元を実行し、最適な資本構成を実現することにより、資本コストを低減、企業価値の向上を図ることを基本方針としています。
配当につきましては、DOE(株主資本配当率:配当総額÷親会社の所有者に帰属する持分)を株主還元指標として採用し、資本効率・配当金額・連結業績を総合的に勘案しながら決定しています。当事業年度の期末配当につきましては、1株につき35円とし、中間配当を含めました当事業年度の配当金は、1株につき67円となり、DOEは3.5%となりました。今後は、2030年中期経営計画「CORE 2030」に基づき、2030年度DOE4.0%以上を目指して、長期安定的に向上させて参ります。
また、事業成長及び理念実現に必要な設備投資、研究開発、M&A等にキャッシュを投入するとともに、目指す資本構成・理論株価を考慮しながら機動的に自己株式を取得し、株主の皆様に還元して参ります。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
当社は、「毎年9月30日を基準日として、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる」旨を定款に定めており、それに従って、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うこととしています。
また、「会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当を行うことができる」旨につきましても定款で定めています。
なお、当社は連結配当規制適用会社です。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレートガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、変化の激しいグローバル市場での長期的な企業価値の維持向上を図るため、コーポレートガバナンスの確立を最重要課題として認識し、その強化に取り組んでいます。監査役制度採用の下、会社の機関として株主総会、取締役会、監査役会、会計監査人等の法律上の機能に加え、様々なガバナンスの仕組みを整備するとともに、株主・投資家の皆様と経営状況についての情報共有・対話を継続して行うことで、健全性、効率性、透明性の高い経営を実践しています。この考え方は、当社のコーポレートガバナンス基本方針の中にも反映されています。
コーポレートガバナンス基本方針
ⅰ) 株主の権利・平等性の確保
株主の権利行使のために必要な情報を適時・的確に提供するとともに、議決権行使の環境整備に努め、実質株主を含む外国人株主、その他少数株主等様々な株主の権利・平等性の確保に配慮する。
ⅱ) 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
・社会課題と向き合い、その解決に向けて積極的に働きかけていくことで、ステークホルダーから信頼・共感され、ともに持続的に成長・発展する善の循環を生み出すことを目指す。
・ステークホルダーと価値観を共有し、連携していくため、ステークホルダーとの対話を大切にするとともに適切な情報開示に努める。
ⅲ) 適切な情報開示と透明性の確保
・法令に基づき、四半期ごとに会社の財政状態・経営成績等の財務情報を開示するとともに、経営戦略・経営計画等の非財務情報を策定ごとに適切に開示する。
・とりわけ非財務情報については、ステークホルダーの理解を得るべく、統合報告書・ウェブサイト・展示会等による直接的な情報発信、ニュースリリース等によるマスメディアへの情報発信等様々な方法により行う。
ⅳ) 取締役会の責務の遂行
・「デンソー基本理念」を踏まえ、今後5~10年の目指す方向を示す経営の羅針盤としての「長期経営方針」及び3~5年先までの目標・活動を具体化した戦略としての「中期経営計画」により、会社の戦略的な方向付けを行う。
・経営(意思決定・監督)を担当する取締役と、業務の執行を担当する社長・副社長・経営役員の役割を区分・明確化する役員制度により、スピーディな意思決定とオペレーションを実現する。また、状況に応じて社長・副社長・経営役員が取締役を兼務することで、取締役会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保する。
・外部からの客観的・中立的な経営監督を重視し、社外での豊富な経験や幅広い見識を当社の意思決定や監査に反映させることができる人材を社外取締役・社外監査役として登用する。
ⅴ) 株主との対話
・経営戦略・財務情報等充実した情報の提供と、担当の取締役、社長、副社長、経営役員による積極的な対話参加により、株主・投資家の皆様と当社との双方向の良好なコミュニケーションを図る。
・対話の結果を取締役会へ報告し、株主意見を当社の経営に活かす。
② コーポレートガバナンスの体制
ⅰ) 概要及び当該体制を採用する理由
コーポレートガバナンスの体制としては、経営の監督・的確な意思決定・迅速な業務執行を可能とする経営体制を整備しています。
経営の監督及び法定事項及び重要案件の決議を行う取締役会(構成員は社内取締役5名、社外取締役3名、常勤監査役2名、社外監査役2名の計12名)に加えて、中長期視点の戦略議論を行う経営戦略会議及び全社的な視点から案件の審議を行い取締役会へ上程する経営審議会(構成員は社長、副社長、全社機能長、事業グループ長、常勤監査役)を設置しています。
また、経営(意思決定・監督)を担当する取締役と、業務の執行を担当する社長・副社長・経営役員の役割を区分・明確化する役員制度により、取締役数をスリム化するとともに、経営環境の変化に対応した機動的な経営体制の構築、事業年度における経営責任の一層の明確化を目的に、取締役任期を1年としています。
取締役候補者、監査役候補者の選任について、社長及び役員人事担当取締役が中心となり、各方面より意見を聞き、業績、人格、知見等を総合的に勘案して、その責務にふさわしい人物を選定し、独立社外取締役が議長を務め、かつ独立社外取締役が半数を占める「役員指名報酬会議」にて選任案を立案します。選任案は、取締役会での内定の決議を踏まえ、株主総会で審議した上で決定します。なお、監査役の選任案は、監査役会の同意も取得します。
また、「役員指名報酬会議」は、2019年度から独立社外取締役の櫛田誠希を議長とし、会長の有馬浩二、社長の林新之助、独立社外取締役の三屋裕子、独立社外取締役のJoseph P. Schmelzeis, Jr.を構成員として開催しています。当事業年度は、役員指名報酬会議を8回開催し、サクセッションプランや役員報酬制度見直し等を中心に議論を行いました。
経営監督機能としては、社外取締役3名を含む取締役8名、常勤監査役2名及び社外監査役2名が取締役の職務執行並びに当社及び国内外グループ会社の業務や財政状況を監督・監査しています。コーポレートガバナンスにおいては、外部からの客観的・中立的な経営監督の機能が重要と考えており、社外での豊富な経験や幅広い見識を当社の意思決定や監査に反映することを基準に社外取締役・社外監査役を選任しています。
なお、当社と社外取締役を含む非業務執行取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は法令が定める額を限度としています。ただし、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役を含む非業務執行取締役及び社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について、善意かつ重大な過失のない時に限られます。
当社は、「事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献していくこと」を経営課題として位置づけ、2018年に「デンソーグループサステナビリティ方針」を制定し、サステナビリティ経営の浸透を図っています。
当社が社会から信頼・共感されるための基盤は、各国・地域の法令遵守はもちろん、グループ社員一人ひとりが高い倫理観を持って公正・誠実に行動することと考えています。この認識のもと、2006年に社員一人ひとりの行動規範を明示した「デンソーグループ社員行動指針」を制定し、研修や職場懇談会等において、当社及び国内グループ会社社員のコンプライアンス意識啓発に活用しています。また海外グループ会社でも、地域統括会社が各国・地域の法令・慣習を反映した「地域版 社員行動指針」を作成し、コンプライアンスの徹底に努めています。
当社は、現地・現物を重視した経営判断を行うことに加え、その経営判断がステークホルダーの期待に沿い、信頼を得られるものになっているかといった点、ガバナンスの観点から問題ないかといった点をチェックできる体制を構築することが重要であると考えています。当社としては、社外取締役を含む取締役会と、社外監査役を含む監査役会により、業務執行を監督・監査する現体制が最適であると考えています。また、当社が、業績・企業価値の向上に向け、より良い経営判断を行うことが出来るよう、社外取締役には、会社経営に関する豊富な見識を持つ人材が就任し、それぞれの見識をもとに、意思決定・監督にあたっています。
<コーポレートガバナンス体制>

ⅱ) 内部統制システムの整備の状況
当社が取締役会において決議した内部統制に関する基本方針は以下のとおりです。
a) 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
ア) 取締役は、その言動や文書を通じて、デンソー基本理念・デンソースピリット等の普遍的な価値観・倫理観・信念を徹底する。
イ) 取締役会・経営審議会・経営戦略会議で構成する役員会議体に加えて、各種会議や委員会等、組織を横断した会議体により意思決定を行い、取締役の相互牽制を図る。
ウ) 適正な財務・非財務情報の報告の確保に取り組むほか、適時適正な情報開示を行う。
b) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
重要な情報は社内規程に従って適切に保存及び管理する。取締役会議事録は永年保存とする。
c) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
ア) 事業や投資に関わるリスクは、社内規程に従って、取締役会・経営審議会等の役員会議体において全社的に管理するとともに、全社機能長・事業グループ長が担当領域について管理する。
イ) その他リスクマネジメントは、リスクマネジメント・コンプライアンス会議が全社的な体制を整備・管理し、各責任部署がリスク項目ごとに管理する。
d) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
ア) 経営役員制度により、取締役数をスリム化した効率的な経営を実施する。
イ) 取締役の職務の執行に必要な組織及び組織の管理、職務権限については、社内規程に従って定め、業務の組織的かつ能率的な運営を図る。
ウ) 中長期の経営方針及び年度ごとのグループ方針のもとで年度計画を立案し、社内の意思統一を図る。目標・計画の達成状況及び各部業務の進捗状況については、社内規程に従って管理し、定期的に報告する。
e) 使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
ア) 経営審議会が行動指針を制定・改定し、必要な啓蒙及び提言を行う。
イ) コンプライアンス教育により、行動指針を周知徹底する。
ウ) 内部通報制度として、社内主管部署若しくは社外の弁護士に直接通報が可能な「企業倫理ホットライン」を運用する。
エ) 業務の適法性・妥当性・効率性については、内部監査部門が社内規程に従って内部監査を行い、その指摘に基づいて各部にて業務管理・運営制度を整備・充実する。
f) 当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
ア) グループ各社の自主性を最大限に尊重するため、グループ会社の意思決定は社内規程に従って留保権限方式により運営する。
イ) グループの方針・計画は、中長期の経営方針及び年度グループ方針のもと、連結ベースで立案し、グループの意思統一を図る。目標・計画の達成状況は社内規程に従って管理し、定期的に報告する。
ウ) グループ会社のリスクマネジメント及びコンプライアンスについては、当社からグループ各社へ指針やガイドラインを提示し、グループ全体の体制構築及び運用を推進する。また、「デンソーグループ社員行動指針」をグループで共有し、その周知徹底を図る。
エ) 事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献していくことを経営課題と位置付け、当社の各専門機関がグループ会社の活動の方向付けやフォローアップを行う。
オ) グループ会社向けの内部通報制度「国内グループ会社企業倫理ホットライン」を運用する。
カ) 各部門は、グループ会社との情報交換により、グループ会社の業務の適正確保に向けた助言・支援を行う。
キ) 各主管部署による、グループ会社の業務の適正に関する監督・検証を実施する。
g) 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
ア) 専任組織として設置した監査役室が、監査役の職務を補助する。
イ) 監査役室の人事及び組織変更については、事前に監査役会又は監査役会の定める常勤監査役の同意を得る。
ウ) 取締役は、監査役室が監査役の指示に基づき、監査役監査の業務に必要な情報を社内及びグループ会社から収集できるよう協力する。
h) 取締役及び使用人が監査役に報告するための体制、その他の監査役への報告に関する体制
ア) 取締役及びグループ会社の取締役・監査役は、主な業務の執行状況について、担当部署を通じて適宜適切に監査役に報告するほか、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した時は直ちに監査役に報告を実施する。
イ) 当社及びグループ会社の取締役・監査役・社長・副社長・経営役員・上席執行幹部・執行幹部・使用人は、監査役又は監査役室の求めに応じ、定期的又は随時業務報告を実施する。
i) その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
ア) 取締役は、監査役監査の実効性を高めるため、監査役による取締役会・各種委員会等公式会議体への出席や業務決裁書等重要書類の閲覧、さらに社内各部門・グループ会社の監査、会計監査人との会合等の監査活動に協力する。
イ) 取締役は、監査役がその職務を行うために要する費用及び必要に応じた外部人材の直接任用等を確保する。
ウ) 監査役は、内部監査部門・会計監査人・内部統制部門と定期的又は随時情報交換を実施する。
エ) 当社及びグループ会社の取締役は、監査役に報告した者が当該報告をしたことを理由として不利な扱いを受けないことを担保する。
ⅲ) 内部統制システムの運用状況
当期の業務の適正を確保するための体制の運用状況のうち、主なものは次のとおりです。
a) 職務の執行の効率性確保に関する取り組みの状況
ア) 経営(意思決定・監督)を担当する取締役と、業務の執行を担当する社長・副社長・経営役員の役割を区分・明確化する役員制度により、取締役数をスリム化し、スピーディな意思決定とオペレーションを実現しています。
イ) 職務権限規則、組織管理規則、役員会議体規則、会議・委員会規則を定めており、業務の組織的かつ能率的な運営を図っています。
ウ) 2030年中期経営計画「CORE2030」を定め、グループの意思統一を図っています。
エ) 売上・利益・生産性等の目標・計画の達成状況は、毎月の経営審議会で報告し、必要なアクションの展開を行っています。
b) リスク管理に関する取り組みの状況
ア) 事業や投資に係る重要なリスクは取締役会、経営審議会、経営戦略会議で対応を審議・決定しています。当期は取締役会を13回、経営審議会を45回、経営戦略会議を14回開催しました。
イ) グループのリスク対応力強化を目的としたリスクマネジメント・コンプライアンス会議を設置しており、重点課題の設定とフォローアップを行いました。
ウ) リスクアセスメントに基づき、全社で管理すべきリスク項目を選定し、労働災害、品質問題、情報セキュリティ等の項目を定めており、各責任部署が全社を統括し、必要な実地診断や教育・訓練を行いました。例えば、品質向上に向けた体質強化活動の確認・指導の場であるQC診断を16グループ会社で行いました。
エ) グループ全体のリスク管理強化・推進のため、CRO(Chief Risk Officer)とリスクマネジメント統括組織を設置しています。
c) コンプライアンスに関する取り組みの状況
ア) 取締役会・経営審議会・経営戦略会議で構成する役員会議体に加え、生産供給戦略会議やM&A審議会等、組織を横断した公式会議体により意思決定を行い、取締役の相互牽制を図っています。
イ) 各公式会議体が信頼される企業行動の実践・定着を目的とした重点課題の設定とフォローアップを行いました。
ウ) 新任役職者を対象としたコンプライアンス教育を実施したほか、各職場での話し合いや、イントラネットを活用したコンプライアンステストを行いました。
エ) 贈収賄防止に関する教育等、個別のコンプライアンス違反防止のための施策を行いました。
オ) 独占禁止法違反を防止するため、競合他社との会合に対するチェック、独占禁止法遵守教育等の施策を行いました。
カ) 取引先との価格決定において明示的協議を明確化する等、取適法・適正取引についての教育を実施・強化しました。
キ) 内部通報制度である「企業倫理ホットライン」の周知に努め、通報・相談に対しては、社内主管部署が責任を持って対応しました。
ク) 内部監査部門が、年間の監査計画に基づき、社内49機能部・6事業部の監査を行いました。また、国内外グループ会社34社の監査を行いました。
d) グループ統制に関する取り組みの状況
ア) 留保権限方式によるグループ会社の意思決定の仕組みを定めた「デンソーマネジメントマニュアル」を整備し、高額な設備投資や重要な契約等、グループ会社の裁量を超える業務については、主管部署とグループ会社との協議の上で、意思決定を行っています。
イ) 「リスクマネジメント規程」や「情報セキュリティ基本方針」等、リスクやコンプライアンスに関する指針やガイドラインをグループ会社へ提示し、グループ全体の体制構築・運用を推進しています。
ウ) 事業グループ・機能センター/本部ごとにグローバル会議を開催し、グループ会社との情報交換や業務の適正確保に向けた助言・支援を行いました。
e) 監査役監査の実効性確保に関する取り組みの状況
ア) 年間の監査計画に基づき、社内37部署及び国内外グループ会社50社に対する監査役監査を行いました。
イ) 監査役は、取締役会・経営審議会・経営戦略会議等の公式会議体への出席や重要な業務の意思決定を行う業務決裁書の閲覧を行い、必要な指摘を行いました。
ウ) 監査役の職務を補助する組織として監査役室を設置しており、3名を配置しています。
エ) 監査役は、取締役・社長・副社長・経営役員・上席執行幹部・執行幹部と意見交換会を適宜行うとともに、監査役会にて業務執行状況のヒアリングを行いました。また、経理部・人事部・法務部等から監査役に対し業務の適正に関する定期的な報告を行いました。
オ) 監査役は、内部監査部門・会計監査人・内部統制部門と定期的又は随時情報交換を行いました。
カ) 監査役は、グループ会社監査役連絡会を定期的に開催したほか、個別にグループ会社監査役と適宜会合を持ち情報交換を行いました。
キ) 監査役報告規程の中で、監査役に報告した者に対する不利益な取扱いを禁止しています。
③ 取締役会の活動状況
ⅰ) 取締役会の概況
取締役会では、経営の監督及び法定事項・重要案件の決議・意思決定を行っています。また、可能な限り業務執行側に権限を委譲することにより執行のスピードアップを図るとともに経営方針や経営戦略の議論により多くの時間を充てています。取締役会は原則、月1回開催しており、社内取締役5名、社外取締役3名、常勤監査役2名、社外監査役2名の計12名で構成されています。当社では、社外取締役及び社外監査役の独立性について、金融商品取引所が定める独立性基準を満たすことを前提とし、企業経営や法務・会計・財務等の専門領域における豊富な経験や知識を有し、経営課題について積極的に提言・提案や意見表明を行うことができることを要件としています。独立役員としては5名(社外取締役3名、社外監査役2名)を選出しています。決議には取締役の過半数が出席し、出席取締役の過半数をもって行います。決議にあたり、生産的で効率的な取締役会運営を実施するため、社外役員へのサポート体制も強化しています。取締役会の前には、資料の事前配布及び議案の詳細な事前説明を行っています。また、当日欠席となる取締役に対しては、議案への了解を取得の上で取締役会を開催しています。
ⅱ) 取締役会における具体的な検討内容
2025年度に開催した取締役会における主な議題・付議報告件数は以下のとおりです。
当期は重点テーマとして中長期的な企業価値向上に向けた事業ポートフォリオ変革のためのM&A・アライアンス戦略、技術開発戦略、モノづくり戦略について多くの議論・報告をしています。また、事前説明を充実させることにより取締役会での説明・報告は簡潔に行い、全体時間の70%以上を活発な意見交換・議論に費やしています。
<2025年度 取締役会での主な議題及び件数・時間比率>
ⅲ)取締役会の構成員及び出席状況
(注1)上記取締役会の開催回数のほか、当事業年度において、会社法第370条及び当社定款第24条に基づく取締役会決議があったとみなす書面決議が3回ありました。
(注2)2025年6月監査役退任以前の回数
(注3)2025年6月監査役就任以降の回数
④ 役員指名報酬会議の活動状況
「(4) 役員の報酬等」をご参照ください。
⑤ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社の取締役、監査役、経営役員並びに当社の子会社の役員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約は、被保険者が会社の役員としての業務につき行った行為(不作為を含む)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を補償するものです。ただし、贈収賄等の犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じています。なお、保険料は全額当社負担としています。
⑥ 取締役に関する事項
ⅰ) 取締役の定数
当社の取締役は20名以内とする旨定款に定めています。
ⅱ) 取締役の選任の要件
当社は、取締役の選任決議について、総株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めています。
⑦ 株主総会決議に関する事項
ⅰ) 株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
当社は、以下について株主総会の決議によらず、取締役会で決議することができる旨定款に定めています。
a) 会社法第165条第2項の規定により、自己株式を買い受けることができる旨
(機動的な対応を可能とするため)
b) 会社法第426条第1項の規定により、取締役の責任を免除することができる旨
(職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにするため)
c) 会社法第426条第1項の規定により、監査役の責任を免除することができる旨
(職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにするため)
d) 会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日とした中間配当を行うことができる旨
(株主への機動的な利益還元を行うため)
e) 会社法第459条第1項の規定により、剰余金の配当等、同法同条同項に掲げる事項を定めることができる旨
(株主への機動的な利益還元を行うため)
ⅱ) 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、総株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
ⅰ)2026年6月11日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりです。
男性10名 女性2名 (役員のうち女性の比率16.7%)
(注1)取締役 櫛田誠希、三屋裕子、Joseph P. Schmelzeis, Jr.は、会社法第2条第15号に定める社外取締役です。
(注2)監査役 後藤靖子及び喜多村晴雄は、会社法第2条第16号に定める社外監査役です。
(注3)2025年6月13日開催の定時株主総会で選任され、任期は選任後1年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時に満了します。
(注4)2025年6月13日開催の定時株主総会で選任され、任期は選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時に満了します。
(注5)2023年6月20日開催の定時株主総会で選任され、任期は選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時に満了します。
(注6)当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選任しています。補欠監査役の略歴は以下のとおりです。
ⅱ)2026年6月18日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役全員任期満了につき7名選任の件」及び「監査役3名選任の件」を上程しており、当該決議が可決されますと、当社の役員の状況及びその任期は以下のとおりとなる予定です。
なお、役員の役職等については、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
男性8名 女性4名 (役員のうち女性の比率33.3%)
(注1)取締役 三屋裕子、Joseph P. Schmelzeis, Jr.、木下範子は、会社法第2条第15号に定める社外取締役です。
(注2)監査役 後藤靖子、馬場久美子、山上眞人は、会社法第2条第16号に定める社外監査役です。
(注3)2026年6月18日開催の定時株主総会で選任され、任期は選任後1年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時に満了します。
(注4)2026年6月18日開催の定時株主総会で選任され、任期は選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時に満了します。
(注5)2025年6月13日開催の定時株主総会で選任され、任期は選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時に満了します。
(注6)2023年6月20日開催の定時株主総会で選任され、任期は選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時に満了します。
② 社外取締役及び社外監査役
ⅰ)社外取締役
2026年6月11日(有価証券報告書提出日)現在、社外取締役については、当社は3名選任しています。
なお、当社は、2026年6月18日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役全員任期満了につき7名選任の件」を提案していますが、当該議案が承認可決された後も上記の社外取締役の構成に変更はありません。
2026年6月18日開催予定の定時株主総会にて、当社が提案する議案「取締役全員任期満了につき7名選任の件」が承認可決された場合の各社外取締役の選任理由及び当社との関係については以下のとおりです。
三屋裕子氏は、これまでの経歴において、長年にわたって企業及び団体の経営に携わり、また、各スポーツ協会の役員・委員を歴任、さらに大学等において教育・人材育成に尽力する等、多分野における豊富な経験及び知見を有しています。豊富な法人経営経験や人材育成経験から当社の意思決定において指摘・意見を行っていただくため、選任しました。当社は、同氏の兼任先に対する重要な取引はありません。当社は、同氏が2025年9月まで代表理事を務めていた公益財団法人日本バスケットボール協会と女子バスケットボールチームの活動に対する奨励金の受領等の取引がありますが、取引規模(当社売上の0.01%未満)・性質に照らして、一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断しています。その他、当社と三屋裕子氏との間に利害関係はありません。
Joseph P. Schmelzeis, Jr.氏は、ジェイピーエスインターナショナル株式会社の代表取締役であり、これまでの経歴において、サービス業を中心とした経営経験に加え、ベンチャー事業立上げ、戦略コンサルタント、駐日米国大使館首席補佐官等、多分野における豊富な経験及び知見を有しています。豊富な事業経験及び地政学の知見を活かし、当社の意思決定において指摘・意見を行っていただくため、選任しました。当社は、同氏の兼任先に対する重要な取引はありません。その他、当社とJoseph P. Schmelzeis, Jr.氏との間に利害関係はありません。
木下範子氏は、日本郵政株式会社及び日本郵便株式会社において、郵政事業をはじめ広報・サステナビリティ等を含む経営全般にわたる豊富な経験及び知見を有しています。また、東日本大震災の有事対応を通じてリスクマネジメントの経験も有しており、これらを活かし当社の経営全般を監督いただくため、選任しました。当社は、同氏の兼任先に対する重要な取引はありません。その他、当社と木下範子氏との間に利害関係はありません。
当社が、業績・企業価値の向上に向け、より良い経営判断を行うことができるよう、社外取締役には、会社経営に関する豊富な見識を持つ方が就任し、それぞれの見識をもとに、意思決定・監督にあたっています。
ⅱ)社外監査役
2026年6月11日(有価証券報告書提出日)現在、社外監査役については、当社は2名選任しています。
なお、当社は、2026年6月18日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「監査役3名選任の件」を提案していますが、当該議案が承認可決された場合、社外監査役は3名となります。
2026年6月18日開催予定の定時株主総会にて、当社が提案する議案「監査役3名選任の件」が承認可決された場合の各社外監査役の選任理由及び当社との関係については以下のとおりです。
後藤靖子氏は、これまでの経歴において、国土交通行政、山形県副知事、日本政府観光局ニューヨーク観光宣伝事務所所長、九州旅客鉄道株式会社常務取締役等、幅広い経験を有し、監査においても九州旅客鉄道株式会社取締役(監査等委員)、株式会社資生堂社外取締役(監査委員)を務める等、財務・会計及び法令遵守の知見も有しています。こうした幅広い経験・見識を当社の監査に反映いただくため、選任しました。当社は、同氏の兼任先に対する重要な取引はありません。その他、当社と後藤靖子氏との間に利害関係はありません。
馬場久美子氏は、株式会社東芝において海外企業との契約交渉・事業提携、及び新規事業立ち上げと海外事業を中心とした経験が豊富であり、JFEエンジニアリング株式会社では海外事業の統括から経理・財務等の経営分野にも携わる等、幅広い執行経験を有しています。加えて、JFEホールディングス株式会社の常勤監査役としての経験も持ち合わせていることから、グローバル視点でモノづくりに携われた経験と、経理・財務や監査を含めた専門的知見を当社の監査に反映いただくため、選任しました。当社は、同氏の兼任先に対する重要な取引はありません。その他、当社と馬場久美子氏との間に利害関係はありません。
山上眞人氏は、公認会計士としての豊富な実務経験に加え、PwC Japan有限責任監査法人の要職を歴任し、企業会計、企業監査及びサステナビリティに関する高度な専門的知識を有しています。また、近年はPwCリスクアドバイザリー合同会社の代表執行役として、リスクマネジメントやコンプライアンスを含む経営上の重要課題への対応に携わる経験を有しており、こうした幅広い経験・知見を当社の監査体制の高度化及び経営リスクの適切な監督に活かしていただくため、選任しました。当社は、同氏の兼任先に対する重要な取引はありません。その他、当社と山上眞人氏との間に利害関係はありません。
監査の有効性を確保するため、社外監査役には、行政及び会社経営における幅広い経験・見識を有した方や、財務・会計等に関する分野の専門家が就任し、それぞれの専門的かつ中立・公正な立場から、職務執行の監査にあたっています。
社外監査役と常勤監査役、内部監査部門、会計監査人とは、社外監査役による国内・海外子会社監査への同行、監査役会での内部監査部門・会計監査人からの監査計画・監査結果報告等、十分な連携が取れていると考えています。
ⅲ)独立性に関する基準並びに選任に関する方針
社外取締役・社外監査役を選任するための、当社独自の独立性に関する基準又は方針については、金融商品取引所が定める独立性基準を満たすことを前提としつつ、企業経営や財務・会計等の専門領域における豊富な経験や知識を有し、当社の経営課題について積極的に提言・提案や意見を行うことができることを要件としています。三屋裕子氏、Joseph P. Schmelzeis, Jr.氏、木下範子氏、後藤靖子氏、馬場久美子氏、山上眞人氏は独立役員の要件を満たしており、一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断したため、当社の独立役員に指定しています。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
有価証券報告書提出日現在、当社における監査役会は、常勤監査役2名及び社外監査役2名からなり、取締役の職務執行並びに当社及び国内外グループ会社の業務や財政状況を監査しています。
当事業年度において当社は監査役会を年14回開催しており、個々の監査役の出席状況については次のとおりであります。
監査役の活動としては、社内37部署及び国内外グループ会社49社に対する監査を実施するとともに、取締役会・経営審議会・経営戦略会議等の公式会議体への出席、取締役・社長・副社長・経営役員・上席執行幹部及び執行幹部等との意思疎通、内部監査部門・内部統制部門・子会社監査役・会計監査人との情報交換等を実施しています。
また、監査役会としては、監査方針・監査計画、内部統制システムの整備・運用状況、会計監査人の監査の方法・結果の相当性等を審議するほか、常勤監査役からの活動報告、全社機能長及び事業グループ長からの業務執行状況のヒアリング、代表取締役・社外取締役との意見交換会を実施する等して、取締役の職務の執行状況を監査し、経営監視機能を果たしています。
② 内部監査の状況
内部監査の専門部署(2026年3月31日現在89名)を設置し、グループ内の遵法性や財務報告の正確性のみならず、経営目標達成に向けた効率性も含めて継続的に監査を実施しています。加えて、当社の各部門及び各グループ会社が自らの内部統制状況を点検し、内部監査部門が確認しています(金融商品取引法に基づく点検を含む)。監査内容については、代表取締役、取締役会、監査役会に報告する体制を確保しています。さらに、会計監査人とも情報や意見を交換しながら連携しています。
③ 会計監査の状況
ⅰ)監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
ⅱ)継続監査期間
58年
業務執行社員のローテーションに関しては適切に実施されており、筆頭業務執行社員については連続して5会計期間、その他の業務執行社員については連続して7会計期間を超えて監査業務に関与していません。
ⅲ)業務を執行した公認会計士
奥田 真樹
近藤 巨樹
重光 哲郎
ⅳ)監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士18名、その他39名です。
ⅴ)監査法人の選任方針と理由
監査役会は、以下に記載する「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」に基づき、会計監査人の品質管理、監査チームの独立性や専門性、不正リスク防止への体制、監査役とのコミュニケーション、経営者・内部監査部門とのコミュニケーション、会計監査の方法・結果の相当性、監査報酬の妥当性、執行部門による評価、国内グループ会社常勤監査役による評価を勘案して総合的に評価した結果、当事業年度においても有限責任監査法人トーマツを会計監査人として再任しています。
(会計監査人の解任又は不再任の決定の方針)
監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると認められる場合、又は、公認会計士法に違反・抵触する状況にある場合には、監査役全員の同意により解任します。さらに、会計監査人の職務の遂行に関する事項について、適正に実施されることを確保できないと認められる場合等には、監査役会は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定します。
④ 監査報酬の内容等
ⅰ) 監査公認会計士等に対する報酬
当社における非監査業務の内容は、コンフォート・レター作成業務等です。
ⅱ) 監査公認会計士等と同一のネットワークに属するデロイトトウシュトーマツ及びそのメンバーファームに対する報酬(ⅰを除く)
当社及び当社の連結子会社における非監査業務の内容は、主として税務関連業務です。
ⅲ)その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
ⅳ)監査報酬の決定方針
当社は、監査公認会計士等の監査報酬を、監査計画の内容、報酬の前提となる見積りの算出根拠、会計監査の遂行状況を精査し、監査役会による事前同意を受け、決定しています。
ⅴ)監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、報酬の前提となる見積りの算出根拠、会計監査の遂行状況を精査した結果、会計監査人の報酬等につき同意しました。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する内容及び決定方法
ⅰ) 報酬等に係る決定方針
当社は、取締役の報酬等に係る決定方針(以下「決定方針」という)に関して、「役員指名報酬会議」の審議内容を踏まえ、取締役会において決議しています。
a) 基本方針
・「中長期的な企業価値向上」、「株主視点に立った経営」を促すものであること
・会社・個人業績との連動性を持つことで、業績向上への意欲を高めること
b) 報酬構成
当社の取締役(非業務執行取締役及び社外取締役を除く。以下「対象取締役」という)の報酬制度は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬としての賞与、株式報酬から構成されており、各報酬制度の概要及び基準報酬額における役職別の報酬割合は以下のとおりです。ただし、当該事業年度の会社業績指標の達成状況により異なる比率となる場合があります。
非業務執行取締役及び社外取締役の報酬については、独立性の観点から基本報酬(固定額)に一本化しています。また、監査役についても、遵法監査を担うという監査役の役割に照らし、基本報酬(固定額)に一本化しています。
c) 報酬水準
取締役及び監査役の報酬水準については、毎年、外部調査機関による役員報酬調査データにて、当社と規模や業種・業態の類似する大手製造業の水準を参照し、比較企業群に対して競争力ある報酬水準となるように設定しています。
d) 業績連動報酬の算定方法
会社業績との連動性の確保及び業績向上や持続的成長への意欲向上を目指し、業績連動報酬の算定指標は、連結営業利益、ROIC、サステナビリティ評価としています。各指標の評価ウェイト及び評価方法は以下のとおりであり、評価結果に応じて業績連動報酬の支給率が0~150%の範囲内で変動します。
評価の基準となる当該事業年度の目標は中長期目標に基づき毎年設定しています。
(注)ROICの算出方法は以下のとおりです。
・投下資本は前期末及び当期末の実績を平均して算出
・投下資本=親会社の所有者に帰属する資本+有利子負債
・投下資本純利益率(ROIC)=親会社の所有者に帰属する当期利益/投下資本
また、一人ひとりの業績・成果や中長期の取り組みを評価した個人別査定に応じて、年間報酬総額の±20%の範囲内で業績連動報酬額を算定します。
e) 株式報酬に関する事項
株主の皆様との一層の価値共有を進めるとともに、中長期の企業価値向上に向けたインセンティブを強化することを目的として譲渡制限付株式報酬を導入しています。主な内容は以下のとおりです。
f) 報酬決定方法
当社は、取締役の報酬等に関しては、その客観性・公正性・透明性確保のため、独立社外取締役が議長を務め、かつ独立社外取締役が過半数を占める「役員指名報酬会議」を設置しています。
取締役会は、当事業年度の報酬総額を決議するとともに、個人別報酬額の決定を「役員指名報酬会議」に一任することの決議をしています。「役員指名報酬会議」は、役員報酬制度の検討及び会社業績や取締役の職責、成果等を踏まえた個人別報酬額を決定します。
なお、個人別報酬額の決定にあたっては、「役員指名報酬会議」において決定方針との整合性を含めて多角的に審議・決定していることから、取締役会は、その内容が決定方針に沿うものであると判断しています。
<役員指名報酬会議の構成(2026年3月31日時点)>
<役員指名報酬会議の活動内容>
当事業年度における報酬等の額の決定等に関する「役員指名報酬会議」の審議は2025年5月、8月、11月、2026年1月、3月に開催し、各会の会議メンバーの出席率は100%でした。主な審議内容は以下のとおりです。
・役職、職責ごとの報酬水準
・指標実績評価
・個人別査定の評価
・個人別報酬額の決定
・役員報酬制度の改定
また、監査役の報酬等に関しては、株主総会の決議によって定められた報酬の範囲内において、監査役の協議によって決定します。
<有事の際の調整>
役員報酬の決定に際し、事前に予期せぬ想定外の特殊要因(感染症等のパンデミック、戦争・紛争、自然災害、経済危機、不祥事等)が発生した場合には、事業業績に与える影響の大きさ等を加味して、役員指名報酬会議で審議の上、裁量的な判断を加える場合があります。
ⅱ) 株主総会における報酬等に関する決議事項
② 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注1)上記には、2025年6月13日開催の第102回定時株主総会終結の時をもって退任した監査役桑村信吾氏を含めています。
(注2)業績連動報酬は、2026年5月22日開催の取締役会決議の金額を記載しています。
(注3)株式報酬は、2026年5月22日開催の取締役会決議に基づき、記載の報酬額を割当決議の前営業日の終値で割り戻した株式数が付与されます。
③ 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
(注)連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
<参考>
当社は、2026年6月18日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(非業務執行取締役及び社外取締役を除く)に対する信託型株式報酬制度導入の件」を提案していますが、当該議案が承認可決された場合、当事業年度に対する株式報酬は譲渡制限付株式報酬に代えて、信託を活用した業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT-RS(=Board Benefit Trust-Restricted Stock))」での支給となります。概要は以下のとおりとなる予定です。
a) 基本方針
・「中長期的な企業価値向上」、「株主視点に立った経営」を促すものであること
・会社・個人業績との連動性を持つことで、業績向上への意欲を高めること
b) 報酬構成
当社の取締役(非業務執行取締役及び社外取締役を除く)の報酬制度は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬としての賞与、株式報酬から構成されます。非業務執行取締役及び社外取締役の報酬については、独立性の観点から基本報酬(固定額)に一本化しています。
参考:代表取締役社長の報酬構成比率のイメージ
(注)報酬構成比率は基準額を基に算出(業績に応じて変動)
c) 報酬水準
取締役の報酬水準については、毎年、外部調査機関による役員報酬調査データにて、当社と規模や業種・業態の類似する大手製造業の水準を参照し、比較企業群に対して競争力ある報酬水準となるように設定しています。
d) 業績連動報酬の算定方法
会社業績との連動性の確保と中長期の企業価値向上に向けたインセンティブを高めるべく、会社戦略と連動した業績評価指標を選定しています。また、個人別の支給額は、一人ひとりの業績・成果や中長期の取り組みを評価した個人別査定を踏まえて決定します。
<賞与の業績評価指標>
(注)ROICの算出方法は以下のとおりです。
・投下資本は前期末及び当期末の実績を平均して算出
・投下資本=親会社の所有者に帰属する資本+有利子負債
・投下資本純利益率(ROIC)=親会社の所有者に帰属する当期利益/投下資本
<株式報酬の業績評価指標>
e) マルス・クローバック条項
決算の事後的な修正又は重大な不正・コンプライアンス違反等が発生した場合に、役員指名報酬会議の決議により、業績連動報酬である賞与及び株式報酬を受給する権利の減額・没収又は支給済み報酬の返還を求めることができることといたします。
f) 報酬決定方法
当社は、取締役の報酬等に係る決定方針に関しては、役員指名報酬会議の審議内容を踏まえ、取締役会において決議しています。役員指名報酬会議は、独立社外取締役が議長を務め、かつ独立社外取締役が過半数を占めることで、その客観性・公平性・透明性を確保しています。
本制度改定に係る審議を行った役員指名報酬会議の構成は以下のとおりです。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする株式を純投資目的の投資株式とし、それ以外の目的の株式を純投資目的以外の目的である投資株式としています。なお、当社は、保有目的が純投資目的である投資株式を保有していません。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
ⅰ)保有方針
当社は、低収益資産の圧縮に積極的に取り組んでおり、保有の合理性が認められる場合を除き、政策保有株式を保有しないことを基本的な方針としています。
ただし、企業価値の持続的な向上を図るためには、様々な企業との共同技術開発や取引先との関係維持・強化等の連携が不可欠と考えており、事業戦略上最低限必要な株式は保有しています。
ⅱ)保有の合理性を検証する方法及び個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
個別の銘柄ごとに、事業年度末を基準日として、定性基準・定量基準に基づいて、保有適否を総合的に精査し、毎年の取締役会で検証しています。なお、共同開発の終了等、保有の合理性が認められなくなった場合には、投資先企業と丁寧に対話した上で売却を進めています。
・定性基準
共同開発や事業連携強化等、株式保有を通じて実現する経営上の有意性があるか
・定量基準
保有に伴うリターン(配当金、株価上昇、関連事業上の利益等)が当社の加重平均資本コストを超過しているか
なお、当事業年度においては、2025年4月開催の取締役会における検証結果に基づき、特定投資株式のうち4銘柄の全数量売却及び2銘柄の一部売却を行いました(売却金額4,509億円)。
ⅲ)議決権行使の基準
投資先企業において、短期的な株主利益のみを追求するのではなく、中長期的な株主利益の向上を重視した経営がなされるべきと考えています。当社の利益に資することを前提として、投資先企業の企業価値の持続的な向上に資するよう、議決権を行使します。
行使にあたっては、議決権行使を行う際の検討事項等について定めた社内ルールに基づき、総合的に賛否を判断するとともに、提案の内容について、必要に応じて投資先企業と対話を行います。
ⅳ)銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(注)上記の株式数が増加した銘柄数には、発行体の株式の分割、優先株の普通株への転換により株式数が増加した銘柄は含まれていません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(注)上記の株式数が減少した銘柄数には、優先株の普通株への転換、株式交換により株式数が減少した銘柄は含まれていません。
ⅴ)特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注1)定量的な保有効果については事業上の秘密保持の観点から記載が困難ですが、当社では毎年の取締役会で事業年度末を基準日として保有の有意性があるか、保有に伴うリターン(配当金、株価上昇、関連事業上の利益等)が当社の加重平均資本コストを超過しているかを精査し、保有の適否を総合的に判断しています。
(注2)㈱モルフォが2026年3月31日に取締役会で決議した140,000株を上限とする自己株式の取得に応じ、2026年4月1日付で、当社が保有する全株式を売却しました。
(注3)「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しています。
(注4)開示対象となる特定投資株式が60銘柄に満たないため、全銘柄を記載しています。
みなし保有株式
該当ありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当ありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
① 人材戦略
デンソーグループは「モノづくりはヒトづくり」という創業以来大切にしてきた考え方のもと、人事施策・制度の改革等を通じ、人的資本の価値を最大化することを経営の中心に据えた人的資本経営を推進しています。
詳細については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本」をご参照ください。
② 給与の決定方針
当社は、人的資本への積極的な投資を通して、社員エンゲージメントを高め、技術と人の力で未来を拓く挑戦を続けています。
まず、報酬については給与や賞与といった「金銭報酬」と、株式インセンティブやカフェテリアポイントといった「非金銭報酬」があり、それらの水準については、労働市場に対し競争力があってほしいという社員の視点、経済の好循環に寄与するという社会の視点、そして、会社の長期安定的成長を目指すという経営の視点をバランスよく踏まえて決定しています。
そのうち、金銭報酬である給与・賞与については、一人ひとりの能力発揮や活躍機会を最大限に引き出し、社員エンゲージメントの向上につながる仕組みを整えています。具体的には、職務遂行能力を高め発揮し続けることを制度の基盤に位置付け、各階層に期待される役割を明確に定義するとともに、その役割に期待される行動及び成果を適切に評価することで、公平性と透明性をもって給与・賞与に反映しています。さらに、マネジメント職以上については、職務遂行能力に加え、担う役割の大きさと創出した成果に基づき、給与・賞与を決定するメリハリある仕組みを導入しています。
(2) 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注)従業員数は就業人員(連結会社への出向者を除き、連結会社からの出向者を含む)であり、臨時雇用者数(期間従業員、人材派遣会社からの派遣社員、パートタイマー、契約社員等を含む)は、年間の平均人数を括弧内に外数で記載しています。
(2) 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注1)従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む)であり、臨時雇用者数(期間従業員、人材派遣会社からの派遣社員、パートタイマー等を含む)は、年間の平均人数を括弧内に外数で記載しています。
(注2)平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
(注3)当社は、「日本」の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員の状況の記載を省略しています。
<平均年間給与の対前事業年度増減率について>
平均年間給与の対前事業年度増減率は、賃上げの実施状況に加え、年齢構成や採用・退職動向といった人員構成の変化、賞与水準の変動、並びに時間外労働時間の増減等の影響を受けています。そのため、当社の賃上げ水準だけを直接的に示すものではありません。
なお、2026年における賃上げは、デンソー労働組合の要求である「昇給額 23,500円/月・人、賞与6.4か月」に対して満額回答し、物価上昇への対応や、労働市場での競争力強化、将来を担う若手社員の定着支援等を進めていきます。
当社は引き続き、社員・社会・経営の視点をバランスよく踏まえた給与水準の維持・向上に努めて参ります。
<従業員に対する譲渡制限付株式インセンティブ制度>
① 本制度の概要
当社は、2025年5月19日開催の取締役会において、対象従業員に対し、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブの付与を目的として、対象従業員がステークホルダーとの一層の価値共有を進めるとともに、対象従業員のエンゲージメント向上並びに財産形成の一助とするために、従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度を導入することを決議しました。
本制度においては、当社から対象従業員に対し、譲渡制限付株式として付与するための特別奨励金として、金銭債権(以下「本特別奨励金」)が支給され、対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出することとなります。そして、本持株会は、対象従業員から拠出された本特別奨励金を当社に対して現物出資することにより、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けることとなります。
なお、対象従業員は、譲渡制限が解除されるまでの間、本持株会に係る持株会規約及び持株会運営細則等に基づき、本持株会に拠出した金銭債権に応じて対象従業員が保有することとなる譲渡制限付株式に係る対象従業員の有する会員持分について、引き出すことを制限されることとなります。
② 従業員持株会に取得させる予定の株式の総数
2,546,400株
③ 当該従業員株式所有制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
当社持株会加入員のうち受益者要件を充足する者
(3) 労働組合の状況
連結会社においては、当社及び主たる国内関係会社の労働組合は全トヨタ労働組合連合会に加盟し、全トヨタ労働組合連合会を通じて全日本自動車産業労働組合総連合会に加盟しています。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注1)「管理職に占める女性労働者の割合」及び「労働者の男女の賃金の差異」は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
(注2)「男性労働者の育児休業取得率」は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。前連結会計年度に配偶者が出産した労働者が、当連結会計年度に育児休業等及び育児目的休暇を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。
(注3)パート・有期労働者には、期間従業員、定年後再雇用者、アルバイト等を含みます。
(注4)「-」は集計対象となる従業員がいないことを示しています。
<D&I・女性活躍推進の考え方とこれまでの取り組み>
当社では、イノベーションの源泉は、異なる意見・アイデアを自由闊達に交わせる共創環境であると考えています。その環境を生み出すには、ダイバーシティ&インクルージョンが重要であり、これまでも、ヒトづくりの柱の一つとして「多様性」を掲げ、異なる知恵やアイデアを融合させることで、製品実現力を向上させ、会社の成長を促進してきました。特に、女性活躍推進においては、あらゆる階層や場面において、女性が男性と同じように意思決定プロセスに参画することで、男性多数の議論では出にくい発想や発言が加わり、より社会に喜ばれる価値が提供できるものだと考えています。しかしながら、当社では、全社員に占める女性の割合が約17%と男性と大きく差があります。これは、当社が技術・技能を中心とするモノづくりの会社であり、日本においては、理系・工業系を専攻する女性が少ないことに起因しています。そこで、2014年から女性活躍推進の専任組織を立ち上げ、CHROリードの下で女性の採用活動を強化し、女性の在籍比率を高める取り組みを進めるとともに、アンコンシャスバイアスを払拭する研修や女性のキャリアを後押しする人財育成、育児や介護の両立制度の拡充、柔軟な勤務制度の導入等にも取り組んできました。結果として、専任部門を設置した当初の女性管理職数は約40人でしたが、現在は4倍超の173人にまで増加させることができました。また、部長格の女性も複数名輩出することができ、より多くの意思決定プロセスに女性が参画する場面も増えてきています。しかしながら、未だ管理職に占める女性の割合は低く、是正に向けて以下のとおり取り組みを進めています。
<管理職に占める女性の割合>
当社においては、管理職に占める女性の割合は約2.2%であり、全社員に占める女性の割合約17%と比較しても低くなっています。この主要因としては、①在籍人員の年齢構成 ②職種における男女差の2点が挙げられます。
① 在籍人員の年齢構成
当社の、男性における40歳以上の比率は約63%に対し、女性におけるその比率は約47%となっており、女性の経験年数の短さが、管理職比率の低さにつながっています。これは、男性は、過去から安定的に採用していた一方、女性は約15年前に女性活躍推進を強化するまで、女性の入社者が少なかったことに起因しています。現在では、毎年一定数の女性に入社していただくべく、新卒の女性採用比率目標を事務50%、技術10%、技能30%と定めて取り組みを進めています。この目標値は、当社がターゲットとしている採用市場における女性比率と比較し、同等又は高い目標であり、応募フェーズからより多くの女性に選んでいただけるように採用PR等を強化しています。なお、各職種における応募時点での女性比率と入社時の女性比率は同等となっており、選考過程における男女の差はありません。
② 職種における男女差
当社では、2023年度まで、アシスタント業務を中心に行う職種として、「実務職コース」を設けていました。当コースを選択していた社員は約1,800人おり、その99%は女性です。全女性社員(事務・技術)の約6割が実務職であり、当職種では、昇格に上限があったため、多くの女性が非管理職に留まっていました。そこで、2024年度に実務職と総合職のコースを統合し、旧実務職社員には自身の今後のキャリアを考える研修を計2回実施したのに加え、2025年度には任意で参加可能な旧実務職同士の交流会を開催し、継続的なフォローアップを続けています。昇格の上限も撤廃した結果、2026年1月には旧実務職からはじめての課長格社員が生まれる等、キャリアの可能性が広がり管理職へのパイプラインが広がりつつあります。
<男女間賃金差異>
当社では、給与規程や賃金項目において性差はなく、同等の資格レベルであれば、人事制度上、男女で賃金格差が生じることはありません。
しかしながら、正社員における男女間賃金差異は68.2%であり、その主要因は、前述の女性の管理職の少なさに加え、家事育児等の両立における男女の差もあげられます。短時間勤務の取得者並びに、夜勤・残業の免除対象者に女性が多いこと等も、月収や交替勤務手当・時間外労働手当の額に影響し、賃金の差につながっています。
家事育児等の両立における男女差を是正するために、当社では男性の育児参画を促進しており、子どもが小さいうちから男性が育児に従事できるよう、男性育児休業取得率と取得期間に目標を定めて取り組んでいます。
特に取得期間については、真に育児に参画してほしいという意図を込め、期間の目標を2か月以上としています。子どもが生まれる予定のある男性社員に対し、会社が積極的に取得を呼びかけ、上司による個人面談を必須化した結果、2025年度の育児休業取得率(配偶者の出産に伴う公休を含まない)は、2020年度(9%)から約9倍の80.4%・平均2.7か月となり、目標値を達成しています。なお、配偶者の出産に伴う公休を含む育児休業等取得率は、99.5%となっています。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS会計基準」)に基づいて作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツの監査を受けています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組み及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組み及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入しています。また、IFRS会計基準に基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、国際会計基準審議会が公表するプレスリリース等を適時に入手し、IFRS会計基準に準拠したグループ会計方針及び実務指針を定め、これらに基づいて会計処理を行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社デンソー(以下、「当社」)は、日本に所在する株式会社です。当社及び国内外の連結子会社(以下、まとめて「連結会社」)は、「日本」、「北米」、「欧州」、「アジア」、「その他」の各セグメントで、主に自動車部品におけるサーマルシステム、パワトレインシステム、モビリティエレクトロニクス、システムコントロールコンポーネント、セミコンダクタ、及び非車載事業の領域において、開発、製造及び販売を行っています。連結会社の概要については「第一部 企業情報 第1 企業の概況 4 関係会社の状況」をご参照ください。
2.作成の基礎
(1) IFRS会計基準に準拠している旨
本連結財務諸表は、連結財務諸表規則 第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、同規則第312条の規定により、IFRS会計基準に準拠して作成しています。
本連結財務諸表は、2026年6月11日に取締役社長 林新之助によって承認されています。
(2) 測定の基礎
本連結財務諸表は、注記3「重要性のある会計方針の要約」に記載している公正価値で測定する金融商品等及び連結子会社における超インフレ会計の適用を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3) 機能通貨及び表示通貨
本連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円単位で表示しています。
(4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定
IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。
見積り及びその基礎となる仮定は、関連性があると思われる過去の経験及びその他の要素に基づいていますが、実績はこれらの見積りと異なる場合があるため、継続的に見直しています。会計上の見積りの修正は、修正した期間にのみ影響を及ぼす場合は見積りが修正された期間に認識され、修正した期間及び将来の期間の双方に影響を及ぼす場合には当該期間及び将来の期間で認識されます。
① 当社グループの会計方針を適用する際の重要な判断
見積りを伴う重要な判断とは別に、経営者が当社グループの会計方針を適用する過程で行った重要な判断のうち、連結財務諸表に認識されている金額に最も重要な影響を与えているものは以下のとおりです。
・連結の範囲-注記3「重要性のある会計方針の要約 (1)連結の基礎」
・収益-注記3「重要性のある会計方針の要約 (17)売上収益」及び注記23「売上収益」
② 見積りの不確実性の主な発生要因
当連結会計年度における将来に関する主な仮定及び見積りの不確実性の主な発生要因のうち、翌連結会計年度において資産及び負債の帳簿価額に対する重要な修正の原因となる重要なリスクが生じる可能性があるものは、以下のとおりです。
ⅰ) 非金融資産の減損
有形固定資産、使用権資産、無形資産等の非金融資産について、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合には、減損の兆候があるものとして、その資産又は資金生成単位の回収可能価額を見積っています。回収可能価額の見積りには、資産の残存耐用年数や将来のキャッシュ・フローの予想、割引率等の前提条件を使用しています。
連結会社は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、並びに回収可能価額の見積りは合理的であると判断しています。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により非金融資産の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来追加で減損損失を計上する可能性があります。
有形固定資産の減損損失については注記11「有形固定資産 (4)減損損失」に、使用権資産の減損損失については注記13「使用権資産 (2)減損損失」に、無形資産の減損損失及びのれんの減損テストについては注記14「無形資産 (2)減損損失 及び (4)のれんの減損テスト」に記載しています。
ⅱ) 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識しています。繰延税金資産は各報告期間末に見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分について減額しています。
連結会社は、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり実施している見積りは合理的であると判断しています。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により繰延税金資産の回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来追加で繰延税金資産を減額する可能性があります。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金については、注記15「法人所得税 (2)繰延税金資産及び繰延税金負債」に記載しています。
ⅲ) 製品保証引当金
製品保証費用には、主にエンドユーザからの修理依頼に基づく修理費用と、自動車メーカ等の顧客が決定したリコールを含む不具合対応に基づく対象車両の修理費用があります。
上記のうち、不具合対応に係る製品保証引当金は、過去に連結会社が製造した製品に関して自動車メーカ等の顧客が不具合の修理対応を行った場合等に、連結会社が負担すると合理的に見込まれる金額に基づき算出しています。算出にあたっては、a.対象となる車両台数、b.1台当たりの修理単価、c.不具合対応の実施率、d.自動車メーカ等の顧客との負担金額の按分見込割合をそれぞれ掛け合わせて行っています。これらの前提条件は、製品不具合の原因に照らして修理に係る工数の見積りや、自動車メーカ等の顧客との交渉結果等の見積りを行う必要があることから、相対的に不確実性が高くなります。
連結会社は、製品保証費用の算出に係る前提条件の見積りは合理的であると判断しています。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により、実際の製品保証費用が見積りと異なり、結果として製品保証引当金の追加計上又は戻入が必要となる可能性があります。
製品保証引当金の金額については、注記18「引当金」に記載しています。
ⅳ) 確定給付制度債務の測定
確定給付制度債務の現在価値は、割引率、昇給率、退職率、死亡率等の前提条件を使用した年金数理計算により算定しています。特に、割引率は重要な前提条件であり、連結会社の確定給付制度債務と概ね同じ満期日を有するもので、期末日において信用格付AAの債券の利回りを使用しています。
連結会社は、確定給付制度債務の算定に係る前提条件の見積りは合理的であると判断しています。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は前提条件に変化がある場合には、結果として連結会社の確定給付制度債務の評価額に影響を与える可能性があります。
確定給付制度債務の帳簿価額や、割引率の変動により想定される確定給付制度債務に与える影響については、注記19「退職後給付 (1)確定給付型制度」に記載しています。
ⅴ) 金融商品の公正価値測定
特定の資産及び負債の公正価値は、市場価格等の市場の情報や、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ、コスト・アプローチ等の算出手順に基づき決定しています。公正価値の測定には、入手可能な場合は、活発な市場における相場価格、又は観察可能な価格を使用します。入手できない場合は、市場参加者が資産又は負債の価格を決定する上で使用している前提条件についての連結会社の判断を反映した観察不能なインプットを使用しており、インプットの算定は、連結会社自身のデータを含め、入手可能な最良の情報に基づき実施しています。
連結会社は、金融商品の公正価値の評価は合理的であると判断しています。ただし、これらの評価には不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により金融商品の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として公正価値評価額が変動する可能性があります。
金融商品の帳簿価額、レベル3に分類された金融商品の重要な観察不能なインプットの内容及び評価技法については、注記30「金融商品 (4)公正価値測定」に記載しています。
(5) 会計方針の変更
該当事項はありません。
3.重要性のある会計方針の要約
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社により支配されている企業であり、子会社の財務諸表は、連結会社が支配を獲得した日から支配を終了した日までの間、当社の連結財務諸表に含まれています。子会社が適用する会計方針が連結会社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表を修正しています。連結会社内の債権債務残高及び取引、並びに連結会社内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表上消去しています。包括利益は非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者に帰属する持分と非支配持分に帰属させています。
連結財務諸表には、子会社の所在する現地法制度上、親会社と異なる決算日が要請されていることにより、決算日を親会社の決算日に統一することが実務上不可能であり、親会社の決算日と異なる日を決算日とする子会社の財務諸表が含まれています。
連結財務諸表の作成に用いる子会社の財務諸表を当社と異なる決算日で作成する場合、その子会社の決算日と当社の決算日との間に生じた重要な取引又は事象については必要な調整を行っています。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、連結会社が財務及び営業の方針に重要な影響力を有しているが支配はしていない企業であり、連結会社が重要な影響力を有することとなった日から、重要な影響力を喪失する日まで、持分法により処理しています。
共同支配企業とは、共同支配を有する当事者が純資産に対する権利を有している場合の共同支配の取決めをいいます。共同支配とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有であり、関連性のある活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。共同支配企業については、持分法により処理しています。
関連会社及び共同支配企業の会計方針は、連結会社が適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しています。
連結財務諸表には、他の株主との関係等により、決算日を統一することが実務上不可能であるため、決算日が異なる関連会社及び共同支配企業への投資が含まれています。決算日の差異により生じる期間の重要な取引又は事象については必要な調整を行っています。
持分法の下では、投資額は当初は原価で測定し、それ以後は、関連会社及び共同支配企業の純資産に対する連結会社の持分の取得後の変動に応じて投資額を変動させています。その際、関連会社及び共同支配企業の純損益のうち連結会社の持分相当額は連結会社の純損益に計上しています。また、関連会社及び共同支配企業のその他の包括利益のうち連結会社の持分相当額は連結会社のその他の包括利益に計上しています。関連会社及び共同支配企業の損失に対する持分相当額が投資額(実質的に関連会社又は共同支配企業に対する連結会社の正味投資の一部を構成する長期の持分を含みます)を超過するまで当該持分相当額は純損益に計上し、さらなる超過額は連結会社が損失を負担する法的又は推定的義務を負うあるいは企業が関連会社又は共同支配企業に代わって支払う範囲内で損失として計上しています。重要な内部取引に係る利益は、関連会社及び共同支配企業に対する持分比率に応じて相殺消去しています。
関連会社及び共同支配企業の、取得日に認識した資産、負債及び偶発負債の正味の公正価値に対する持分を取得対価が超える額はのれん相当額として認識し投資の帳簿価額に含めており、償却はしていません。
③ 共同支配事業
共同支配事業とは、共同支配の取決めのうち、共同支配を行う参加者が契約上の取決めに関連する資産に対する権利及び負債に係る義務を有するものをいいます。共同支配事業に係る投資については、共同支配の営業活動から生じる資産、負債、収益及び費用のうち、連結会社の持分相当額のみを認識しています。重要な内部取引並びに債権債務は、持分比率に応じて相殺消去しています。
(2) 企業結合及びのれん
企業結合は取得法を用いて会計処理しています。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び連結会社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。発生した取得関連コストは費用として処理しています。
現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な持分を保有者に与えている非支配持分は、公正価値若しくは被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する非支配持分の比例的な取り分で当初測定しています。この測定方法の選択は、取引ごとに行っています。その他の非支配持分は、公正価値若しくは他のIFRS会計基準が適用される場合は、他のIFRS会計基準に基づき、測定しています。
取得日において、識別可能な資産及び負債は、以下を除き、取得日における公正価値で測定しています。
・繰延税金資産(又は繰延税金負債)及び従業員給付契約に関連する負債(又は資産)は、それぞれIAS第12号「法人所得税」及びIAS第19号「従業員給付」に従って認識し測定しています。
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的に分類される資産又は処分グループは、当該基準書に従って認識し、測定しています。
・被取得企業の株式に基づく報酬取引に係る負債若しくは資本性金融商品、又は被取得企業の株式に基づく報酬取引の連結会社の株式に基づく報酬取引への置換えに係る負債若しくは資本性金融商品は、IFRS第2号「株式に基づく報酬」に従って測定しています。
取得対価が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして資産計上しています。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において利得として計上しています。なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しており、当該取引からのれんは認識していません。
のれんは企業結合時に決定した測定額から減損損失累計額を控除した価額で、連結財政状態計算書の「無形資産」に計上しています。のれんは償却を行わず、毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻入は行っていません。
企業結合が発生した報告期間末までに企業結合の当初の会計処理が完了しない場合、連結会社は、未完了の項目については暫定的な金額で報告します。それらが判明していた場合には取得日に認識された金額に影響を与えたと考えられる、取得日に存在していた事実や状況に関して得た新しい情報を反映するために、暫定的な金額を測定期間(最長で1年間)の間に修正するか、追加の資産又は負債を認識しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引の換算
連結会社の各企業の財務諸表は、その企業が営業活動を行う主たる経済環境の通貨(機能通貨)で作成され、各企業の機能通貨以外の通貨(外貨)での取引の換算については、取引日又はそれに近似する為替レートが使用されます。
報告期間末に、外貨建の貨幣性項目は、決算日の為替レートで換算され、外貨建の非貨幣性項目は、取得原価で測定されているものは取引日の為替レート、公正価値で測定されているものは、公正価値が決定された日の為替レートで換算されます。
換算又は決済により生じる換算差額は、その期間の損益として認識され、連結損益計算書において「為替差損益」に計上しています。
② 在外営業活動体の換算
連結財務諸表は、親会社の機能通貨であり、連結財務諸表の表示通貨である日本円で表示されます。連結財務諸表を表示するために、在外営業活動体の資産及び負債は、決算日の為替レート、収益及び費用は、超インフレ経済下にある在外営業活動体を除き、期中平均レートを使用して日本円に換算しています。換算差額が生じた場合、その他の包括利益に「在外営業活動体の換算差額」として認識され、累積額は資本の「その他の資本の構成要素」に分類されます。在外営業活動体が処分され、支配を喪失した場合には、累積換算差額を処分した期に純損益に振り替えています。
在外営業活動体の取得により生じたのれん及び公正価値修正は、報告期間末時点で当該活動体の資産及び負債として換算替えを行い、換算差額は「その他の資本の構成要素」に分類されます。
③ 超インフレ経済下における財務報告
連結会社は、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に従い、アルゼンチン・ペソ及びトルコ・リラを機能通貨とする連結子会社について、超インフレ会計による調整を実施しています。超インフレ経済下の在外営業活動体の財務諸表にはインフレーションの影響を反映させており、収益、費用及びキャッシュ・フローは決算日の為替レートにより日本円に換算しています。
(4) 金融商品
① 金融資産
ⅰ) 当初認識及び測定
連結会社は、金融資産を償却原価で測定する金融資産、公正価値で測定する金融資産にその性質・目的により分類しており、当初認識時において分類を決定しています。通常の方法による金融資産の売買は、取引日において認識又は認識の中止を行っています。
a) 償却原価で測定する金融資産
金融資産は、次の条件がともに満たされる場合に償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている場合
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる場合
償却原価で測定する金融資産は、金融資産の取得に直接起因する取引コストを加えた額で当初測定しています。
b) 公正価値で測定する金融資産
上記の償却原価で測定する場合を除き、金融資産は純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
資本性金融商品については公正価値で測定し、売買目的で保有する金融資産はその変動を純損益で認識すること及びそれ以外はその変動をその他の包括利益を通じて認識することに指定し(取消不能)、当該指定を継続的に適用しています。
資本性金融商品を除く金融資産で償却原価で測定する区分の要件を満たさないものは、公正価値で測定しその変動を純損益を通じて認識しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で測定し、取引コストは発生時に純損益で認識しています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、金融資産の取得に直接起因する取引コストを加えた額で当初測定しています。
ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しています。
a) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産の帳簿価額については、実効金利法を用いて測定しています。実効金利は、当該金融資産の予想残存期間を通じての、将来の現金受取額の見積額を、正味帳簿価額まで正確に割り引く利率です。利息収益は純損益に認識し、連結損益計算書上「金融収益」に含めて計上しています。償却原価で測定する金融資産の認識を中止した場合、資産の帳簿価額と受け取った対価又は受取可能な対価との差額は純損益に認識しています。
b) 公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動額は純損益に計上しています。ただし、資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、当該金融資産の処分又は公正価値評価から生じる利得又は損失は、純損益に認識せずその他の包括利益に認識し、「その他の資本の構成要素」項目に累積します。認識を中止した場合には、利益剰余金に振り替えています。なお、資本性金融商品に係る配当金は、配当金を受領する権利が確定した時点で純損益に認識され、連結損益計算書上「金融収益」に含めて計上しています。純損益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、当該金融資産から生じる利得又は損失の純額は、連結損益計算書上「金融収益」又は「金融費用」項目(注記30「金融商品」)に計上されています。また、負債性金融商品の利息収益は、上記の利得又は損失の純額に含まれます。
ⅲ) 償却原価で測定する金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産については、報告期間末ごとに、当初認識時と比べた信用リスクの著しい増大の有無を検証しています。金融資産に係る信用リスクが当初認識時以降に著しく増大している場合、又は信用減損金融資産については、全期間の予想信用損失を貸倒引当金として認識しています。著しく増大していない場合には、12か月間の予想信用損失を貸倒引当金として認識しています。予想信用損失は、契約に従って受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の割引現在価値に基づいて測定しています。
なお、営業債権については当初認識時から全期間の予想信用損失を貸倒引当金として認識しています。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額又は貸倒引当金を減額する場合における貸倒引当金の戻入額を純損益に計上しています。
ⅳ) 金融資産の認識の中止
連結会社は、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時、又は、当該金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてが移転した時にのみ、当該金融資産の認識を中止しています。連結会社がリスクと経済価値のほとんどすべてを移転しないが保持もせず、譲渡された資産を支配し続ける場合には、連結会社は資産に対する留保持分及び関連して支払う可能性がある負債を認識しています。
② 金融負債
ⅰ) 当初認識及び測定
連結会社は、金融負債を償却原価で測定する金融負債、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しており、当初認識時において分類を決定しています。すべての金融負債は公正価値で当初測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、公正価値から発行に直接起因する取引コストを控除した金額で測定しています。
ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しています。
a) 償却原価で測定する金融負債
売買目的で保有せず、純損益を通じて公正価値で測定するものに指定しない金融負債は、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。利息費用は連結損益計算書上「金融費用」に含めて計上しています。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失は、連結損益計算書上「金融収益」又は「金融費用」として計上しています。
b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
売買目的保有又は当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識後、公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しています。
ⅲ) 金融負債の認識の中止
連結会社は、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に認識を中止しています。
③ ヘッジ会計及びデリバティブ
連結会社は、金利及び為替の変動リスクをヘッジするために、通貨スワップ、金利スワップ、為替予約等のデリバティブをヘッジ手段として利用しています。これらのデリバティブは、契約締結時点の公正価値で当初測定し、その後も各報告期間末の公正価値で再測定しています。
連結会社には、ヘッジ目的で保有しているデリバティブのうち、ヘッジ会計の要件を満たしていないものがあります。これらのデリバティブの公正価値の変動はすべて即時に純損益で認識しています。
連結会社は、ヘッジの開始時に、リスク管理目的や様々なヘッジ取引を行うための戦略に従い、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係について文書化しています。さらに、ヘッジの開始時及びヘッジ期間中に、ヘッジ手段がヘッジされるリスクに起因するヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するのに極めて有効であるかどうかを四半期ごとに評価しています。予定取引に対してキャッシュ・フロー・ヘッジを適用するのは、当該予定取引の発生可能性が非常に高い場合に限ります。
・キャッシュ・フロー・ヘッジ
連結会社は、ヘッジ会計の手法としてキャッシュ・フロー・ヘッジのみを採用しています。
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち、有効部分は連結包括利益計算書においてその他の包括利益として認識し、非有効部分は連結損益計算書において即時に純損益として認識しています。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えています。
ヘッジがヘッジ会計の要件を満たさない場合、ヘッジ手段が失効、売却、終了又は行使された場合、あるいはヘッジ指定が取り消された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しています。
ヘッジ会計を中止した場合、連結会社は、すでにその他の包括利益で認識したキャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益の残高を、予定取引が純損益に影響を与えるまで引き続き計上しています。予定取引の発生が予想されなくなった場合は、キャッシュ・フロー・ヘッジに係るその他の包括利益の残高は、即時に純損益で認識されます。
④ 金融資産及び金融負債の相殺表示
金融資産及び金融負債は、連結会社が残高を相殺する強制可能な法的権利を有し、純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しています。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しています。棚卸資産は、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のすべてのコストを含んでおり、原価の算定にあたっては、主として総平均法を使用しています。また、正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しています。
(7) 有形固定資産
連結会社は、有形固定資産の測定に「原価モデル」を採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示しています。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産の減価償却費は、以下の見積耐用年数にわたり、主として定額法で計上されます。
見積耐用年数、減価償却方法等は、各報告期間末に見直されます。
・建物及び構築物 6-50年
・機械装置及び運搬具 3-10年
・その他 2-10年
有形固定資産は、処分時、若しくは継続的な使用又は処分から将来の経済的便益が期待されなくなった時に認識を中止しています。有形固定資産の認識の中止から生じる利得又は損失は、当該資産の認識の中止時に純損益に含めています。
(8) 投資不動産
連結会社は、投資不動産の測定に「原価モデル」を採用しており、有形固定資産に準じた見積耐用年数及び減価償却方法を使用しています。
(9) 無形資産
① 個別に取得した無形資産
耐用年数を確定できる個別に取得した無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示しています。償却は、見積耐用年数に従い定額法に基づいています。
見積耐用年数及び償却方法は、各報告期間末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
耐用年数を確定できない個別に取得した無形資産は、償却を行わず減損テストの上、取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示しています。減損テストは、毎年又は減損の兆候が存在する場合はその都度、個別に又は各資金生成単位で実施しています。
② 自己創設無形資産
研究活動の支出は、発生した年度に連結損益計算書上の費用として認識しています。
開発過程(又は内部プロジェクトの開発段階)で発生したコストは、以下のすべてを立証できる場合に限り、資産計上しています。
ⅰ) 使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
ⅱ) 無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという企業の意図
ⅲ) 無形資産を使用又は売却する能力
ⅳ) 無形資産が可能性の高い将来の経済的便益を創出する方法
ⅴ) 無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上
及びその他の資源の利用可能性
ⅵ) 開発期間中に無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
自己創設無形資産の当初認識額は、無形資産が上記の認識条件のすべてを初めて満たした日から開発完了までに発生した費用の合計です。自己創設無形資産が認識されない場合は、開発コストは発生した年度に連結損益計算書上の費用として認識しています。
当初認識後、自己創設無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しています。
③ 企業結合で取得した無形資産
企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しています。
当初認識後、企業結合で取得した無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で計上しています。
④ 無形資産の償却
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。
主な見積耐用年数は以下のとおりです。
・ソフトウエア 3-5年
・開発費 3年
・顧客関連資産 3-25年
・技術関連資産 10-20年
⑤ 無形資産の認識の中止
無形資産は、処分時、若しくは継続的な使用又は処分から将来の経済的便益が期待されなくなった時に認識を中止しています。無形資産の認識の中止から生じる利得又は損失は、当該資産の認識の中止時に純損益に含めています。
(10) リース
① 連結会社が借手の場合
短期リース及び少額資産のリースを除くリースに関して、リース開始日において、リース期間にわたり原資産を使用する権利を使用権資産として、貸手に対してリース料を支払う義務をリース負債として認識しています。
使用権資産は、リース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した額で当初測定しています。当初測定後は、「原価モデル」を適用して事後測定しており、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示しています。減価償却費は、リース期間の終了時に所有権を取得することが合理的に確実である場合を除き、定額法に基づき、見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間にわたって計上しています。
リース負債は、リース開始日現在で支払われていないリース料を、借手の追加借入利子率で割り引いた現在価値で当初測定しています。当初測定後は、リース負債に係る金利費用、支払われたリース料を反映するように事後測定しています。
なお、リース期間は、リースの解約不能期間に、行使することが合理的に確実である延長オプションと行使しないことが合理的に確実である解約オプションの対象期間を加えることにより、決定しています。
短期リース及び少額資産のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料をリース期間にわたって定額法で費用として認識しています。
② 連結会社が貸手の場合
原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合には、ファイナンス・リースに分類し、その他の場合には、オペレーティング・リースに分類しています。
ファイナンス・リースに係るリース債権は、対象リース取引の正味リース投資未回収額に等しい金額を債権として計上しています。
(11) 借入コスト
連結会社は、意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とする資産、つまり適格資産の取得、建設又は生産に直接起因する借入コストは、その資産が実質的に意図した使用又は販売を可能にする時まで、それらの資産の取得原価に加算しています。
上記以外のすべての借入コストは、発生した期間に純損益に認識しています。
(12) 非金融資産の減損
連結会社は各年度において、各資産についての減損の兆候の有無の判定を行い、兆候が存在する場合又は毎年減損テストが要求されている場合、その資産の回収可能価額を見積っています。個々の資産について回収可能価額を見積ることができない場合には、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を見積っています。連結会社の減損会計適用にあたっての資産のグルーピングは、継続的に損益の把握を実施している管理会計上の単位である事業グループ別に行っています。そのほかに、物件を最小の単位として賃貸物件グループと遊休資産グループにグルーピングしています。また本社、福利厚生施設等については、独立したキャッシュ・フローを生み出さないことから全社資産としています。
減損損失は連結損益計算書上の「その他の費用」に計上しています。減損の判定は資産、資金生成単位又はそのグループごとに実施しています。回収可能価額は、資産又は資金生成単位(又はそのグループ)の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定しています。資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産について減損を認識し、回収可能価額まで評価減しています。また、処分コスト控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏づけられた適切な評価モデルを使用しています。使用価値の評価における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価等を反映した割引率を使用して、算定しています。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少の可能性を示す兆候が存在しているかについて評価を行っています。そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻し入れています。ただし、のれんに関する減損損失は戻し入れしません。
(13) 売却目的で保有する資産
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産及び資産グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、連結会社の経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する資産及び処分グループとして分類し、非流動資産は減価償却又は償却は行わず、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しています。
(14) 引当金
過去の事象の結果として、現在の法的債務又は推定的債務が存在し、連結会社が当該債務の決済をするために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高く、その債務の金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を認識しています。
貨幣の時間価値の影響に重要性がある場合には、見積られた将来キャッシュ・フローを、貨幣の時間価値と当該負債に固有のリスクについての現在の市場の評価を反映した税引前の割引率で割り引いた現在価値で測定しています。時の経過に伴う割引額の割戻しは、連結損益計算書上の「金融費用」として認識しています。
主な引当金の計上方法は以下のとおりです。
・製品保証引当金
製品のアフターサービスの費用に備えるために、過去の実績を基礎にして製品保証費用、経済的便益の流出時期を見積り、認識しています。
・独占禁止法関連損失引当金
特定の自動車部品の過去の取引についての独占禁止法違反の疑いに関する和解金等の支払に備えるため、将来発生しうる損失の見積額を計上しています。
(15) 従業員給付
① 退職後給付
ⅰ) 確定給付型制度
連結会社では、確定給付型の退職年金及び退職一時金制度を設けています。
確定給付型制度は、確定拠出型制度(下記ⅱ)参照)以外の退職後給付制度です。確定給付型制度に関連する連結会社の純債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割り引くことによって算定しています。この計算は、毎年、年金数理人によって予測単位積増方式を用いて行っています。制度資産の公正価値は当該算定結果から差し引いています。確定給付制度が積立超過である場合には、将来掛金の減額又は現金等の返還という形で利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としています。
割引率は、連結会社の確定給付制度債務と概ね同じ満期日を有するもので、期末日において信用格付AAの債券の利回りです。制度の改訂による従業員の過去の勤務に係る確定給付制度債務の増減は、純損益として認識しています。連結会社は、確定給付型制度の給付債務及び制度資産の再測定による債務の増減をその他の包括利益で認識し、累積額は直ちに利益剰余金に振り替えています。
ⅱ) 確定拠出型制度
確定拠出型制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度です。確定拠出型制度の拠出は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識しています。
② その他の長期従業員給付
永年勤続表彰等の長期従業員給付制度については、連結会社が、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて見積られる将来給付額を現在価値に割り引くことによって算定しています。
割引率は、連結会社の債務と概ね同じ満期日を有するもので、期末日において信用格付AAの債券の利回りです。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しています。
賞与については、連結会社が、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しています。
(16) 株式に基づく報酬
当社は、株式報酬制度として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。
譲渡制限付株式報酬制度では、受領したサービスの対価を付与日における当社株式の公正価値で測定しており、付与日から権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
(17) 売上収益
連結会社は、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に(又は充足するに応じて)収益を認識する
連結会社は、自動車メーカ向け部品供給事業においては、国内外の自動車メーカを主な顧客とし、自動車部品におけるサーマルシステム、パワトレインシステム、モビリティエレクトロニクス、システムコントロールコンポーネント、セミコンダクタ製品等を製造・販売しています。市販・非車載事業においては主に、エンドユーザ向けに自動車補修用部品等の販売を行っています。
連結会社では、主に完成した製品を顧客に供給することを履行義務としており、原則として、製品の納入時点において支配が顧客に移転して履行義務が充足されると判断し、当時点において収益を認識しています。
これらの履行義務に対する対価は、履行義務充足後、別途定める支払条件により概ね1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでいません。収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び有償受給取引において顧客に支払われる対価等を控除した金額で測定しています。また、仮単価により製品販売取引を行う場合は、変動対価として、最頻値法等を用いて適切な方法で見積っています。
買戻し契約に該当する一部の有償支給取引については、金融取引として棚卸資産を引き続き認識するとともに、有償支給先に残存する支給品の期末棚卸高について金融負債を認識しています。
(18) 政府補助金
補助金交付のための条件を満たし、補助金を受領することに合理的な保証がある場合は、補助金収入を公正価値で測定し、認識しています。発生した費用に対する補助金は、費用の発生と同じ連結会計年度に収益として計上しています。資産の取得に対する補助金は、資産の取得原価から補助金の額を控除して、資産の帳簿価額を算定しています。
(19) 法人所得税
法人所得税費用は当期法人所得税費用及び繰延法人所得税費用の合計として表示しています。これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本の部又はその他の包括利益に認識する項目から生じる税金を除き、純損益として認識しています。
当期法人所得税費用は、税務当局に対する納付又は税務当局から還付が予想される金額で算定しています。税額は、決算日までに制定又は実質的に制定された税率及び税法により算定しています。
繰延法人所得税費用は、決算日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に対して計上しています。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として将来加算一時差異について認識しています。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上していません。
・のれんの当初認識から生じる場合
・企業結合並びに取引時に同額の将来加算一時差異及び将来減算一時差異が生じる取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引によって発生する、資産及び負債の当初認識により生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配企業に対する持分に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が低い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配企業に対する持分に係る将来加算一時差異に関しては、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、当該資産が実現される又は負債が決済される年度の税率を見積り、算定しています。
繰延税金資産は各報告期間末に見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分について減額しています。未認識の繰延税金資産は各報告期間末に再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識されます。
連結会社は、法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法上の解釈に基づき税務ポジションが発生する可能性が高い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び当期税金負債を相殺する法律上の強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって、同一の納税主体、若しくは別々の納税主体であるが、多額の繰延税金負債又は資産の決済又は回収が見込まれている将来の各期間において、当期税金負債と当期税金資産とを純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している納税主体のいずれかに課されている場合、相殺しています。
また、連結会社は、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせる取引に係る繰延税金負債及び繰延税金資産をそれぞれ連結財政状態計算書にて認識しています。
なお、当社及び国内の100%出資子会社は、グループ通算制度を適用しています。
(20) 資本
① 普通株式
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を「資本金」及び「資本剰余金」に計上し、直接発行コスト(税効果考慮後)は「資本剰余金」から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、直接取引コストを含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識しています。ストック・オプション行使に伴う自己株式の処分を含め、自己株式を売却した場合は、処分差損益を「資本剰余金」として認識しています。
(21) 公正価値の測定
特定の資産・負債は、公正価値によって計上することが求められています。当該資産・負債の公正価値は、市場価格等の市場の情報や、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ、コスト・アプローチ等の算出手順に基づき、決定されています。公正価値の測定に使用されるインプットは、以下の3つのレベルがあります。
① レベル1
測定日現在で連結会社がアクセスできる活発な市場(十分な売買頻度と取引量が継続的に確保されている市場)における同一資産又は負債の市場価格を、調整を入れずにそのまま使用しています。
② レベル2
活発な市場における類似の資産又は負債の公表価格、活発でない市場における同一の資産又は負債の公表価格、資産又は負債の観察可能な公表価格以外のインプット及び相関その他の手法により、観察可能な市場データによって主に算出又は裏付けられたインプットを含んでいます。
③ レベル3
限られた市場のデータしか存在しないために、市場参加者が資産又は負債の価格を決定する上で使用している前提条件についての連結会社の判断を反映した観察不能なインプットを使用しています。連結会社は、連結会社自身のデータを含め、入手可能な最良の情報に基づき、インプットを算定しています。
公正価値の測定は、連結会社の評価方針及び手続きに従い経理部門によって行われており、金融商品の個々の性質、特徴並びにリスクを最も適切に反映できる評価モデルにて実施しています。また、公正価値の変動に影響を与える重要な指標の推移を継続的に検証しています。検証の結果、金融商品の公正価値の変動が著しい際は、経理部門責任者への報告及び承認を行っています。
(22) 賦課金
連結会社は、政府に対する債務が確定した時点で、支払が見込まれる金額を負債として認識しています。
(23) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する潜在株式の影響を調整して計算しています。
(24) 配当
配当金については、期末配当、中間配当の各々について決議された日の属する期間の負債として認識しています。
4.未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設又は改訂は次のとおりであり、2026年3月31日現在において連結会社はこれを適用していません。
IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」の適用による影響は、現時点で合理的に見積ることはできません。
5.事業セグメント
(1) 一般情報
連結会社の報告セグメントは、連結会社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社取締役社長が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
連結会社は、主に自動車部品等を生産・販売しており、国内並びに北米、欧州、アジア地域の担当役員を配置しています。日本、北米、欧州、アジアの各地域の現地法人は、地域の顧客に対する営業活動を通じて獲得した受注に対し、製品の最適生産、供給の観点から製造拠点の新規設立又は拡大等を事業部門と連携の上立案する等、独立した経営単位として事業活動を展開しています。
国内においては当社が、北米については米国、カナダと地理的近接度によりメキシコを加えデンソー・インターナショナル・アメリカ社が、欧州(主にオランダ、イギリス、イタリア、スペイン、ハンガリー、チェコ等)についてはデンソー・インターナショナル・ヨーロッパ社が担当しています。アジア(主にタイ、マレーシア、インドネシア、インド、台湾、中国、韓国等)については、最適生産・供給体制の両面から地域に密着した体制強化のため、デンソー・インターナショナル・アジア社(タイランド)、デンソー・インターナショナル・アジア社(シンガポール)、電装(中国)投資有限公司の3社が連携して担当しており、これらを1つのマネジメント単位として管理しています。
したがって、連結会社は、生産・販売体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、「日本」、「北米」、「欧州」及び「アジア」の4つを報告セグメントとしています。各報告セグメントでは、主として自動車部品等を生産・販売しています。
セグメントの会計処理の方法は、注記3「重要性のある会計方針の要約」における記載と同一です。なお、セグメント間の内部取引における価額は、外部顧客との取引価額に準じています。
報告セグメントの利益は、連結損益計算書上の営業利益ベースの数値です。金融収益、金融費用、為替差損益、持分法による投資損益、法人所得税費用は当社取締役社長が検討するセグメント利益に含まれていないため、セグメント業績から除外しています。
(2) セグメントごとの売上収益、利益又は損失、その他の重要な項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1)「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、南米等の現地法人の事業活動を含んでいます。
(注2)日本セグメントにおけるセグメント利益には、製品保証引当金繰入額50,693百万円が含まれています。
その他の重要な項目
(注1)「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、南米等の現地法人の事業活動を含んでいます。
(注2)非流動資産は、有形固定資産、使用権資産及び無形資産の合計です。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注)「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、南米等の現地法人の事業活動を含んでいます。
その他の重要な項目
(注1)「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、南米等の現地法人の事業活動を含んでいます。
(注2)非流動資産は、有形固定資産、使用権資産及び無形資産の合計です。
(3) セグメントごとの資産の金額に関する情報
(注1)「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、南米等の現地法人の事業活動を含んでいます。
(注2)「消去又は全社」に含まれる全社資産は、主に報告セグメントに帰属しない資金等です。
(4) 製品及びサービスに関する情報
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
製品別に分解した売上収益については、注記23「売上収益」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
製品別に分解した売上収益については、注記23「売上収益」をご参照ください。
(5) 地域に関する情報
① 売上収益
(注1)連結決算上重要性のある国を個別開示しています。
(注2)売上収益は顧客の所在地に応じて算定しています。
② 非流動資産
(注1)連結決算上重要性のある国を個別開示しています。
(注2)上記の非流動資産(有形固定資産、使用権資産及び無形資産の合計)は資産の所在地に応じて算定しています。
(6) 主要な顧客に関する情報
主要な顧客はトヨタグループであり、すべてのセグメント(日本、北米、欧州、アジア、その他)において売上収益を計上しています。各セグメントの売上収益はそれぞれ、「日本」は2,131,303百万円、「北米」は1,056,980百万円、「欧州」は141,270百万円、「アジア」は763,681百万円、「その他」は41,348百万円です。
6.企業結合
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社は2025年7月3日よりAxia Group B.V.を新たに当社の完全子会社としています。
(1) 企業結合の概要
当社は、Axia Vegetable Seeds B.V.を始めとするアクシアグループの親会社であるAxia Group B.V.の株式を2025年7月3日に譲り受け、Axia Group B.V.を当社の完全子会社としました。その結果、当社の保有するAxia Group B.V.の議決権比率は100%(2025年7月3日時点)となり、当社は議決権のすべてを保有しています。
(2) 企業結合の理由
農業生産事業のグローバル展開の加速を目的としています。
(3) 被取得企業の概要
名称 Axia Group B.V.
事業内容 施設園芸用種の開発・製造(委託)・販売
(4) 支配獲得日
2025年7月3日
(5) 取得対価及びその内訳
当連結会計年度における取得対価の調整により、子会社の取得による支出が変動しています。
また、当該企業結合に係るアドバイザリー費用等の取得関連コスト1,101百万円を当連結会計年度の「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(6) 支配獲得日における資産・負債の公正価値及びのれん
(単位:百万円)
(注1)暫定的な金額の修正
取得対価は、支配獲得日における公正価値を基礎として、取得した資産及び引き受けた負債に配分しています。当連結会計年度において、取得対価の配分が完了しました。当初の暫定的な金額からの主な修正内容は以下のとおりです。
Axia Group B.V.の公正価値に関して追加的な分析を行ったこと等により、無形資産が28,428百万円、繰延税金負債が7,334百万円増加し、のれんが21,244百万円減少しました。
(注2)のれん
のれんは、今後の事業展開や当社と被取得企業とのシナジーにより期待される将来の超過収益力を反映したものです。税務上損金算入可能と見込まれるのれんの金額は発生していません。
(7) 子会社の支配獲得による支出
(単位:百万円)
(8) 被取得企業の売上収益及び当期利益
連結損益計算書に認識している、支配獲得日以降における内部取引消去前の被取得企業の売上収益は5,907百万円、当期利益は2,866百万円です。
(9) 企業結合が期首に完了したと仮定した場合の連結売上収益及び連結純利益
Axia Group B.V.の企業結合について、支配獲得日が2025年4月1日であったと仮定した場合の、2026年3月31日に終了した12か月間における当社の連結業績に係るプロフォーマ情報(非監査情報)は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
7.現金及び現金同等物
「現金及び現金同等物」の内訳は以下のとおりです。
8.営業債権及びその他の債権
「営業債権及びその他の債権」の内訳は以下のとおりです。
(注)営業債権及びその他の債権は償却原価で測定する金融資産に分類しています。
9.棚卸資産
「棚卸資産」の内訳は以下のとおりです。
(注)期中に原価として認識された棚卸資産の正味実現可能価額への評価減の金額は当連結会計年度において30,400百万円(前連結会計年度26,234百万円)です。
10.その他の金融資産
(1) 「その他の金融資産」の内訳は以下のとおりです。
(注)デリバティブ資産はヘッジ会計を適用しているものを除き、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の主な銘柄及び公正価値等は以下のとおりです。
株式は主に政策投資目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において保有する、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関し、前連結会計年度及び当連結会計年度に認識した受取配当金はそれぞれ、45,501百万円及び44,186百万円です。
保有資産の効率化及び有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却等(認識の中止)を行っています。認識の中止時の公正価値、資本でその他の包括利益として認識されていた累計損益及び受取配当金は、以下のとおりです。
(注)資本でその他の包括利益として認識されていた累計損益は、売却した時点で利益剰余金に振り替えています。利益剰余金への振替額は税引後です。なお、△は損失を表します。
11.有形固定資産
(1) 「有形固定資産」の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減及び帳簿価額は、以下のとおりです。
(注1)建設仮勘定には、建設中の有形固定資産に関する支出額が含まれています。
(注2)「その他」には建設仮勘定から本勘定への振替等が含まれています。
(注3)企業結合による増加は、Axia Group B.V.の取得によるものです(注記6「企業結合」参照)。
(注4)有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
(2) 負債の担保の用に供されている有形固定資産の帳簿価額
負債の担保の用に供されている有形固定資産の金額に重要性はないため、記載を省略しています。
(3) コミットメント
有形固定資産の取得に関する契約上のコミットメントは、以下のとおりです。
(4) 減損損失
連結会社は以下の資産について減損損失を計上しました。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
(5) 減損損失戻入
連結会社は以下の資産について減損損失戻入を計上しました。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
12.売却目的で保有する資産
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(豊田自動織機株式の売却)
2024年3月29日付で、当社が保有する株式会社豊田自動織機(以下、豊田自動織機)株式について、保有する株式全てについて株式先渡契約を締結していることにより、前連結会計年度末において、保有している豊田自動織機株式を売却目的保有に分類しています。
(愛三工業株式の売却)
2025年3月26日付で、当社が保有する愛三工業株式会社(以下、愛三工業)株式について、同社が実施した自己株式の公開買付けに応募し、当社保有株式全数について買付けが成立しました。
株式の受渡が2025年4月となることから、前連結会計年度末において、保有する愛三工業株式を売却目的保有に分類しました。
前連結会計年度における売却目的で保有する資産、並びにこれに関連する負債及びその他の包括利益の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。なお、前連結会計年度末に売却目的保有に分類していた豊田自動織機株式は、トヨタ不動産株式会社による同株式の公開買付けが成立した結果、2026年3月に売却しています。
13.使用権資産
(1) 「使用権資産」の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減及び帳簿価額は、以下のとおりです。
(注)使用権資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
リース取引の状況については、注記31「リース取引」をご参照ください。
(2) 減損損失
連結会社は以下の資産について減損損失を計上しました。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
14.無形資産
(1) 「無形資産」の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減及び帳簿価額は、以下のとおりです。
(注)「無形資産」の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において純損益に認識した研究開発支出は、それぞれ587,243百万円及び 662,135百万円です。これらは、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。なお、これらの金額には開発費に係る償却費は含まれていません。
(2) 減損損失
連結会社は以下の資産について減損損失を計上しました。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度において、一部の地域の事業環境は依然厳しく、当初想定していた収益が見込めなくなったことから、アジア子会社についてのれん、顧客関連資産及び技術関連資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として6,412百万円計上しました。なお、回収可能価額は使用価値により測定しており、見積将来キャッシュ・フローの算出に使用した割引率は11.76%です。
減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に含まれています。
(3) 重要な無形資産
連結財政状態計算書に計上されている重要な無形資産は以下のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度において計上されている重要な無形資産は以下のとおりです。
・トヨタ自動車株式会社からの主要な電子部品事業の取得により認識された顧客関連資産(帳簿価額21,358百万円、残存償却年数20.0年)及び技術関連資産(帳簿価額2,842百万円、残存償却年数5.0年)
・Belua Beheer B.V.の取得により認識された顧客関連資産(帳簿価額84百万円、残存償却年数1.5年)及び技術関連資産(帳簿価額9,601百万円、残存償却年数17.5年)
当連結会計年度(2026年3月31日)
当連結会計年度において計上されている重要な無形資産は以下のとおりです。
・トヨタ自動車株式会社からの主要な電子部品事業の取得により認識された顧客関連資産(帳簿価額20,290百万円、残存償却年数19.0年)及び技術関連資産(帳簿価額2,273百万円、残存償却年数4.0年)
・Belua Beheer B.V.の取得により認識された顧客関連資産(帳簿価額32百万円、残存償却年数0.5年)及び技術関連資産(帳簿価額10,205百万円、残存償却年数16.5年)
・Axia Group B.V.の取得により認識された顧客関連資産(帳簿価額150百万円、残存償却年数10.5年)及び技術関連資産(帳簿価額29,985百万円、残存償却年数19.5年)
(4) のれんの減損テスト
のれんが配分されている資金生成単位(又はそのグループ)については、毎報告期間末、さらに減損の兆候がある場合には都度、減損テストを行っています。
企業結合により生じたのれんは、企業結合のシナジーから将来の超過収益力が生じると期待される資金生成単位(又はそのグループ)に配分しています。のれんの資金生成単位(又はそのグループ)への配分額は以下のとおりです。
(注1)当社に配分したのれんは、関連事業分野に配分しています。
(注2)デンソーテングループに配分したのれんは、デンソーテンを含む主要な子会社に配分しています。
のれんが配分された資金生成単位(又はそのグループ)の回収可能価額は、過去の経験と外部からの情報を反映して作成され、経営陣によって承認された、最長で5年間の予測を基礎とする使用価値に基づき算定しています。当該5年間を超えるキャッシュ・フローの予測は、一定又は逓減する成長率を適用し、以降の年度分を推測して延長することにより見積もっています。また、割引率は、当該資金生成単位(又はそのグループ)の加重平均資本コスト11.76%~15.29%を使用しています。なお、減損テストに用いた主要な仮定である将来キャッシュ・フローの減少、又は割引率が上昇した場合には、追加の減損損失が生じる可能性があります。
15.法人所得税
(1) 法人所得税費用
「法人所得税費用」の内訳は次のとおりです。
(注)前連結会計年度より、日本の「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立したことに伴い、前連結会計年度の繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用した法定実効税率は、2026年4月1日以降に開始する連結会計年度に解消が見込まれる一時差異について、従来の30.07%から30.96%に変更となります。他の納税管轄地における税額は、それぞれの管轄地において一般的な税率をもって計算しています。
適用税率と、連結損益計算書における平均実際負担税率との差異要因は次のとおりです。
前連結会計年度において、「その他」に含めていた「在外子会社の留保利益」は、重要性が高まったため当連結会計年度で独立掲記しています。また、前連結会計年度において、独立掲記していた「従前は未認識であった繰延税金資産の計上」は重要性が乏しくなったため、当連結会計年度においては「その他」に含めて表示しています。これらの表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組み替えを行っています。
この結果、前連結会計年度において表示していた「 従前は未認識であった繰延税金資産の計上」△3.49%、「その他」0.97%は、「在外子会社の留保利益」0.06%、「その他」△2.58%として組み替えています。
(2) 繰延税金資産及び繰延税金負債
「繰延税金資産」及び「繰延税金負債」の増減内訳は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注1)繰延税金資産の認識にあたり、将来加算一時差異の十分性、将来課税所得の十分性及びタックスプランニングを考慮しています。また、連結会社は、OECD第2の柱の法人所得税に係る繰延税金資産及び負債を認識せず、それらに関する情報を開示しないという、IAS第12号の要求事項に対する例外を適用しています。
(注2)当連結会計年度における企業結合による増加は、Axia Group B.V.の取得によるものです(注記6 「企業結合」参照)。
連結財政状態計算書上の「繰延税金資産」及び「繰延税金負債」は次のとおりです。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異は以下のとおりです。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の繰越期限別の金額は以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社は子会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、報告期間末において配当することが予定されている未分配利益に係るものを除き、繰延税金負債を認識していません。これは、当社が一時差異の取崩しの時期をコントロールする立場にあり、このような差異を予測可能な期間内に取崩さないことが確実であるためです。前連結会計年度及び当連結会計年度において、繰延税金負債を認識していない子会社に対する投資に係る将来加算一時差異はそれぞれ、1,762,300百万円及び1,922,614百万円です。
(3)グローバル・ミニマム課税
日本では、グローバル・ミニマム課税ルールのうち所得合算ルール(IIR)が導入されており、日本に所在する親会社の子会社等の税負担が最低税率(15%)に至るまで、日本に所在する親会社に対し、追加の上乗せ課税がされることになります。連結会社では、アラブ首長国連邦等にある子会社で税負担が最低税率(15%)を下回っていますが、当該課税が前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財務諸表に与える影響額に重要性はありません。
16.社債及び借入金
「社債及び借入金」の内訳は以下のとおりです。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末の一部の借入金について、財務制限条項が付されています。当社は前連結会計年度末及び当連結会計年度末において当該条項を遵守しています。当該条項については、必要とされる水準を維持するようにモニタリングしています。
(注1)平均利率については、借入金の期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
(注2)社債の内訳は以下のとおりです。
(注)当連結会計年度欄の(内書)は、1年内償還予定の金額です。
17.営業債務及びその他の債務
「営業債務及びその他の債務」の内訳は以下のとおりです。
(注1)「営業債務及びその他の債務」における金融負債は償却原価で測定しています。
(注2)その他には、主に未払費用や設備未払金等が含まれます。
連結会社は、第三者金融機関とサプライヤー・ファイナンス契約を締結しており、各仕入先と締結した契約に基づいて、第三者金融機関に対して支払いを行っています。仕入先は、第三者金融機関より割引による早期支払いを自らの裁量で受けることができます。連結会社は、サプライヤー・ファイナンス契約のための担保資産あるいは第三者による保証の提供は行っていません。
サプライヤー・ファイナンス契約に係る金融負債の帳簿価額は次のとおりです。
サプライヤー・ファイナンス契約等に係る支払期日の範囲は次のとおりです。
連結会社が締結しているサプライヤー・ファイナンス契約は、当該契約に参加していない他の仕入先と合意した通常の支払条件と比較して支払期日の集中や大幅な延長をもたらすものではなく、サプライヤー・ファイナンス契約による重大な流動性リスクを抱えていません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、サプライヤー・ファイナンス契約に係る金融負債の帳簿価額に、重要な非資金変動はありません。
18.引当金
「引当金」は、連結財政状態計算書上、流動負債及び非流動負債に計上しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度における引当金の増減の内訳は以下のとおりです。
(注)製品保証引当金については、その金額の一部が仕入先との合意により補填される見込みです。補填される金額の見込みは前連結会計年度2,382百万円及び当連結会計年度5,050百万円であり、「営業債権及びその他の債権」の中に含まれています。
19.退職後給付
連結会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付型制度及び確定拠出型制度を採用しています。確定給付型制度における給付額は、勤続した各年に稼得したポイントや勤務年数及びその他の条件に基づき設定されています。また、将来の給付に備え、賃金及び給与の一定比率により年金数理計算したものを掛金として拠出し、積み立てています。なお、従業員の退職等に際して、IFRS会計基準に準拠した数理計算による確定給付制度債務の対象とされない割増退職金を支払う場合があります。
積立型の確定給付型制度は、法令に従い、連結会社と法的に分離された年金基金により運営されています。年金基金の理事会及び年金運用受託機関は、制度加入者の利益を最優先にして行動することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っています。
(1) 確定給付型制度
確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値の変動は以下のとおりです。
① 確定給付制度債務の増減
② 制度資産の増減
③ 確定給付制度債務及び制度資産の調整表
投資方針
連結会社の確定給付型年金制度の制度資産の投資方針としては、そのリスク許容度を適切に活用し、バランスよく分散したポートフォリオを構成の上で、将来の給付義務を全うできる水準の収益を長期的・安定的に目指しています。
なお、投資方針については、確定給付型年金制度の財政状況や運用環境を勘案しながら、必要に応じて見直しを行うこととしています。
また、各資産の運用を実行する際にも、連結会社は戦略・ファンドマネージャーに係るリスク分散に留意し、継続的なモニタリングを通じて運用面の効率性を追求することとしています。
制度資産の主な内訳
前連結会計年度及び当連結会計年度の制度資産の公正価値は以下のとおりです。なお、将来外部公表予定の制度資産に関する情報との整合を図るため、当連結会計年度より内訳区分を変更しています。当該変更により、従来「その他」に含めていました「プライベートエクイティ」について、重要性が高まったことにより区分掲記したことに加え、従来の一部の内訳区分を集約しています。当該変更に伴い、前連結会計年度の制度資産を、変更後の区分に組み替えて表示しています。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(注1)活発な市場における公表市場価格がない上場株式及び債券には、合同運用信託へ投資している制度資産が含まれています。
(注2)保険契約には、主として元本と予定利率が保証される生保一般勘定が含まれています。
(注3)その他には、主として現金同等物、インフラファンド等が含まれています。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注1)活発な市場における公表市場価格がない上場株式及び債券には、合同運用信託へ投資している制度資産が含まれています。
(注2)保険契約には、主として元本と予定利率が保証される生保一般勘定が含まれています。
(注3)その他には、主として現金同等物、インフラファンド等が含まれています。
資産上限額の影響の変動は、以下のとおりです。将来掛金が減額されない又は将来掛金が返還されないために経済的便益が利用できないことから、連結会社の年金制度の一部に未認識の積立超過額が発生しています。
各連結会計年度の数理計算の仮定の主要なものは、以下のとおりです。
数理計算のために使用した主要な仮定が変動した場合に想定される確定給付制度債務に与える影響は次のとおりです。なお、以下の分析は主要な仮定における感応度の概要を提供するものであり、予測されるキャッシュ・フロー情報のすべての影響は考慮していません。
連結会社の2026年4月1日から2027年3月31日までに予定される、会社拠出掛金の金額は15,515百万円です。前連結会計年度及び当連結会計年度における確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、それぞれ16年及び15年です。
(2) 確定拠出型制度
前連結会計年度及び当連結会計年度における確定拠出型制度に関して費用として認識した金額は、それぞれ15,491百万円及び16,094百万円です。
20.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び資本剰余金
日本の会社法(以下、「会社法」)では、株式の発行に対しての払込又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることができると規定されています。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
前連結会計年度及び当連結会計年度における授権株式数は、6,000,000,000株です。
全額払込済みの発行済株式数の期中における変動内訳は以下のとおりです。
(注)当社の発行する株式は、すべて権利内容に制限のない無額面の普通株式です。
(2) 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損補填に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができることとされています。
(3) 自己株式
会社法では、株主総会の決議により分配可能額の範囲内で、取得する株式数、取得価格の総額等を決定し、自己株式を取得することができると規定されています。また、市場取引又は公開買付による場合には、定款の定めにより、会社法上定められた要件の範囲内で、取締役会の決議により自己株式を取得することができます。
自己株式の期中における変動内訳は以下のとおりです。
(注)当期における自己株式数の増減には、2024年10月31日開催の取締役会の決議に基づく自己株式の取得等による増加128,158,400株、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少2,814,079株が含まれています。
(4) その他の資本の構成要素
① FVTOCIに指定した資本性金融商品への投資による損益
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融商品に係る評価損益の累計額です。
② 確定給付制度の再測定
確定給付制度の再測定は、期首時点の数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額、数理計算上の仮定の変更による影響額及び資産上限額の影響の変動額を含みます。これらは発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えています。
③ 在外営業活動体の換算差額
連結会社の在外営業活動体の財務諸表をそれらの機能通貨から連結会社の表示通貨である日本円に換算することによって生じた換算差額です。
④ キャッシュ・フロー・ヘッジ損益
キャッシュ・フロー・ヘッジに係るヘッジ手段の公正価値の変動から生じた利得又は損失のうち、ヘッジ有効部分の累計額です。
21.配当
前連結会計年度及び当連結会計年度における配当金支払額は以下のとおりです。
基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となる配当金の総額は以下のとおりです。
22.株式に基づく報酬
当社は、取締役(非業務執行取締役及び社外取締役を除く)及び当社の取締役を兼務しない経営役員(以下、制度の対象者を総称して「対象取締役等」)に対し、中長期的なインセンティブの付与及び株主価値の共有を目的として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。この制度は、当社から対象取締役等に対し金銭債権を支給し、対象取締役等がその全部を現物出資財産として当社に払い込むことで、当社の普通株式の発行又は処分を受けるものです。当社と対象取締役等との間で締結された譲渡制限付株式割当契約において、対象取締役等は、一定期間にわたり割当てを受けた株式について、第三者への譲渡、担保権の設定その他の処分を禁止すること及び一定の事由が生じた場合に、割当てを受けた株式を当社が無償取得することを定めています。
また、当社は、当連結会計年度において、当社の従業員に対し、デンソー従業員持株制度会(以下、「本持株会」)を通じて譲渡制限付株式を付与する、従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度を導入しました。この制度は、当社から本制度に同意する当社の従業員(以下、「対象従業員」)に対し、譲渡制限付株式を付与するための特別奨励金として金銭債権(以下、「本特別奨励金」)を支給します。対象従業員は本特別奨励金を本持株会に対して拠出し、本持株会が当社に本特別奨励金を現物出資することで、譲渡制限付株式としての当社普通株式の発行又は処分を受けるものです。当社と本持株会との間で締結された譲渡制限付株式割当契約において、本持株会は、一定期間にわたり割当てを受けた株式に係る第三者への譲渡、担保権の設定その他の処分を禁止すること及び一定の事由が生じた場合には割当てを受けた株式を当社が無償取得することを定めています。なお、対象従業員は、譲渡制限が解除されるまでの間、本持株会に係る持株会規約及び持株会運営細則等に基づき、本持株会に拠出した金銭債権に応じて対象従業員が保有することとなる譲渡制限付株式に係る対象従業員の有する会員持分について、引出しを制限されています。
これらの制度は、持分決済型の株式報酬として会計処理しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において計上した費用は、それぞれ532百万円及び825百万円です。
前連結会計年度及び当連結会計年度に付与した譲渡制限付株式の内容は以下のとおりです。
対象取締役等向け譲渡制限付株式報酬制度
従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度
23.売上収益
(1) 収益の分解
連結会社は先進的な自動車技術、システム・製品を提供する、グローバルな自動車部品メーカであり、自動車メーカ向けの部品供給事業を中心にビジネスを行っています。市販・非車載事業においては、主に、エンドユーザ向けに自動車補修用部品等の販売を行っています。これらのビジネスから生じる収益は顧客との契約に従って計上し、売上収益として表示しています。
得意先別に分解した売上収益は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
(注2)「自動車メーカ向け部品供給事業計」には、IFRS第16号に基づく使用権資産のサブリースによる収益が3,503百万円含まれています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注1)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
(注2)「自動車メーカ向け部品供給事業計」には、IFRS第16号に基づく使用権資産のサブリースによる収益が6,135百万円含まれています。
製品別に分解した売上収益は以下のとおりです。
2026年1月1日付で組織変更がありましたが、当連結会計年度においては前連結会計年度と同じく、2023年1月1日付の組織区分に基づき表示しています。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
(注2)「自動車分野計」には、IFRS第16号に基づく使用権資産のサブリースによる収益が3,503百万円含まれています。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注1)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
(注2)「自動車分野計」には、IFRS第16号に基づく使用権資産のサブリースによる収益が6,135百万円含まれています。
なお、地域別に分解した売上収益及びトヨタグループ向け売上収益については、注記5「事業セグメント」をご参照ください。
(2) 契約残高
連結会社の契約残高の内訳は以下のとおりです。
(単位:百万円)
契約資産については、残高に重要性が乏しく、重大な変動は発生していません。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、認識した収益のうち期首の契約負債残高に含まれていた金額、また、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額に重要性はありません。
(3) 返金負債
連結会社は、一部の製品販売取引について、顧客から受け取った対価の一部を値引きにより顧客に返金すると見込んでいます。前連結会計年度及び当連結会計年度の「その他の流動負債」には、返金負債がそれぞれ24,695百万円、30,219百万円含まれています。
(4) 残存履行義務に配分した取引価格
連結会社に予想期間が1年超の重要な契約がないため、実務上の便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しています。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(5) 契約の履行のためのコストから認識した資産
契約の履行のためのコストから認識した資産の金額は以下のとおりです。
(単位:百万円)
契約の履行のためのコストから認識した資産とは、当該契約又は最終的に特定できる契約に直接関連し、将来において履行義務の充足に使用される資源を創出又は増価し、かつ回収が見込まれるものです。
契約の履行のためのコストから認識した資産については、連結財政状態計算書上は主に非流動資産の「その他」に計上し、契約の履行により獲得する収益に対応させて償却します。償却費及び減損損失は、前連結会計年度及び当連結会計年度ともに認識していません。
24.その他の収益
「その他の収益」の内訳は以下のとおりです。
25.販売費及び一般管理費及びその他の費用
「販売費及び一般管理費」の内訳は以下のとおりです。
「その他の費用」の内訳は以下のとおりです。
(注)前連結会計年度及び当連結会計年度の「その他」には、構造改革の一環として連結子会社における従業員退職関連費用がそれぞれ、10,042百万円及び11,069百万円含まれています。
26.金融商品に係る収益及び費用
「金融収益」の内訳は以下のとおりです。
(注)前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産からの配当収益には、各報告期間において、認識の中止を行ったその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産からの配当収益が含まれています(注記10「その他の金融資産」参照)。
「金融費用」の内訳は以下のとおりです。
27.1株当たり利益
当社は従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度を導入しています。当制度に基づく株式のうち、権利が確定していない株式を参加型資本性金融商品として普通株式と区分しています。なお、普通株式と参加型資本性金融商品は親会社の所有者に帰属する当期利益に対して同等の権利を有しています。
(1) 基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
① 普通株主に帰属する当期利益
② 普通株式の期中平均株式数
(2) 希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
希薄化後1株当たり当期利益については、希薄化効果のある株式が存在しないため記載していません。
28.その他の包括利益
その他の包括利益(非支配持分を含む)の各項目の内訳は以下のとおりです。
その他の包括利益(非支配持分に帰属)の各項目の内訳(税効果後)は以下のとおりです。
29.重要な非資金取引
連結会社における重要な非資金取引の内容は以下のとおりです。
(単位:百万円)
30.金融商品
(1) 資本管理
連結会社は、健全な財務体質を確保しながら、持続的成長のために必要な設備投資、研究開発、M&A等に資金を活用するとともに、長期安定的に株主還元を継続することにより、持続的な企業価値向上を目指します。そのために必要な事業資金は、連結会社の収益力・キャッシュ創出力を維持・強化することにより、営業キャッシュ・フローで賄うことを基本とし、必要に応じて有利子負債(社債・借入等)で補充します。また、財務健全性を長期安定的に維持するための資金も確保します。なお、連結会社は2026年3月31日現在、外部から資本規制を受けていません。
(2) 金融商品から生じるリスクの内容及び程度
連結会社は、営業活動に係わる財務リスク(信用リスク・市場リスク・流動性リスク)に晒されており、当該リスクの影響を回避又は低減するために、一定の方針に基づくリスク管理を行っています。資金運用及びデリバティブ取引の方針については、主として毎期初に当社取締役会の承認を受け、また期中の取引及びリスク管理については、主に社内管理規程に基づいて実施しています。
デリバティブは、後述するリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針です。
① 信用リスク
連結会社の営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されています。営業債権については、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行っており、特に信用リスクの懸念される取引先については、その状況を定期的にモニタリングする事で財務状況の悪化等による回収懸念を早期に把握し、個別に保全策を検討・実施しています。連結会社の当連結会計年度の連結決算日現在における営業債権のうち、37%がトヨタグループに対するものです。
負債性金融商品における短期債券型投資信託及び公社債は、資金運用管理規程に従い、格付けの高い金融機関、商品、発行体を対象としているため、信用リスクは僅少です。
デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンター・パーティ・リスクを軽減するために、格付の高い金融機関とのみ取引を行っています。
連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額は、獲得した担保の評価額を考慮に入れない、当社の金融資産に対するエクスポージャーの最大値です。
信用リスクが当初認識時以降に著しく増大しているか否かは、債務不履行発生リスクの変動に基づいて判断しており、その判断にあたっては、取引先の財務状況や期日経過情報等を考慮しています。契約上の支払の期日経過が30日超である場合には、原則として信用リスクの著しい増大があるものと判断しています。これらの判断には、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しており、当該情報に基づいて反証可能である場合には、信用リスクの著しい増大はないものと判断しています。
また、連結会社は、契約上の支払の期日経過が90日超である場合及び信用減損が発生している場合には、原則として債務不履行が発生していると判断しています。連結会社は、報告期間末ごとに信用減損していることを示す客観的証拠の有無を評価しています。信用減損の証拠には、債務者による支払不履行又は滞納、連結会社が債務者に対して、そのような状況でなければ実施しなかったであろう条件で行った債権の回収期限の延長、債務者又は発行企業が破産する兆候、活発な市場の消滅等が含まれています。また、将来の回収が合理的に見込めない場合には、直接償却しています。
貸倒引当金の増減
連結会社は、取引先の信用状況に応じて営業債権等の回収可能性を検討し、貸倒引当金を設定しています。予想信用損失は、総額での帳簿価額に予想貸倒率を乗じて算定しています。当該予想貸倒率は、過去の貸倒実績、債権の期日経過の状況、又は債務者の財政状態及び債務者が属する業界の経済見通しについて、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報により算出しています。
また、信用リスクの著しい増大があるもの及び信用減損金融資産については、取引相手先の財務状況に将来の経済状況の予測等を加味した上で個別に算定した回収可能価額と、総額での帳簿価額との差額をもって算定しています。
なお、貸倒引当金の評価について、当報告期間における見積技法又は重要な仮定の変更はありません。
営業債権等に対する貸倒引当金の増減は以下のとおりです。
営業債権
(単位:百万円)
(注)契約資産及びリース債権に貸倒引当金は計上されていません。
営業債権以外の債権
(単位:百万円)
上記の貸倒引当金の対象資産の増減は以下のとおりです。
営業債権
(単位:百万円)
営業債権以外の債権
(単位:百万円)
リスク・プロファイル
金融資産の総額での帳簿価額について、外部格付け等級等による信用リスク・プロファイルの内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
営業債権、契約資産又はリース債権
上記以外の債権
(注)償却原価で測定する金融資産のうち、大手金融機関に預入れている定期預金等、明らかに信用リスクが低く予想信用損失を計上していない金融商品は、上記の表に含めていません。
債券
(注)ムーディーズ・ジャパン株式会社、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社及び株式会社格付投資情報センターから格付情報を取得しています。
当連結会計年度(2026年3月31日)
営業債権、契約資産又はリース債権
上記以外の債権
(注)償却原価で測定する金融資産のうち、大手金融機関に預入れている定期預金等、明らかに信用リスクが低く予想信用損失を計上していない金融商品は、上記の表に含めていません。
債券
(注)ムーディーズ・ジャパン株式会社、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社及び株式会社格付投資情報センターから格付情報を取得しています。
② 市場リスク
ⅰ) 為替変動リスク
連結会社は、グローバルに事業を展開していることから外貨建の取引を行っており、損益及びキャッシュ・フロー等が為替変動の影響を受けるリスクに晒されています。連結会社は、為替変動のリスクを回避するために、外貨建の営業債権債務については主として先物為替予約を、外貨建借入金及び社債については通貨スワップをデリバティブ取引として利用しています。当社経理部は、取引権限や限度額等を定めたデリバティブ取引管理規程に基づいてリスク管理を実施しています。連結子会社についても、当該デリバティブ取引管理規程に準じた管理を行っています。
通貨デリバティブの詳細は以下のとおりです。
(注)上記取引でヘッジ会計が適用されているものはありません。
為替感応度分析
以下の表は、関連する外国為替に対して日本円が1%増減した場合に純損益及び資本に与える影響を示す連結会社の感応度分析です。本分析は報告期間末の外国為替レートに1%の変動を調整して換算しており、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としています。
ⅱ) 金利変動リスク
連結会社は、固定金利と変動金利双方で資金を借り入れているため、金利変動リスクに晒されています。有利子負債の殆どは固定金利により調達された社債及び借入金ですが、変動金利性借入金及び社債については、原則として金利スワップ契約により実質的に固定金利性借入金及び社債と同等の効果を得ています。
当社経理部は、取引権限や限度額等を定めたデリバティブ取引管理規程に基づいてリスク管理を実施しています。連結子会社についても、当該デリバティブ取引管理規程に準じた管理を行っています。
金利デリバティブの詳細は、以下のとおりです。
ヘッジ会計が適用されていない金利デリバティブ取引
(注)ヘッジ会計が適用されている金利デリバティブ取引については、(3)ヘッジ会計をご参照ください。
金利感応度分析
以下の表は、報告期間末において金利が1%上昇した場合に、金利変動の影響を受ける金融商品が純損益及び資本に与える影響を示しています。本分析は、報告期間末に連結会社が保有する正味の変動金利性金融商品残高に1%を乗じて算出しており、将来にわたる残高の増減、為替変動の影響等その他の全ての変動要因は一定であることを前提としています。
③ 流動性リスク
連結会社は、借入金及び社債により資金を調達していますが、資金調達環境の悪化等により支払期日にその支払いを実施できなくなる流動性リスクに晒されています。連結会社は、各部署からの報告に基づき経理部が適時に資金計画を作成・更新するとともに、手許流動性を連結売上収益の1か月分相当以上に維持すること等により、流動性リスクを管理しています。
当社の金融負債の残存契約満期金額は次のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(注)その他の金融負債に含まれるリース負債については、注記31「リース取引」をご参照ください。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注)その他の金融負債に含まれるリース負債については、注記31「リース取引」をご参照ください。
④ 資本性金融商品の価格変動リスク
連結会社は、資本性金融商品(株式)から生じる株価変動リスクに晒されています。短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、定期的に公正価値や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、株価が1%上昇又は下落すると仮定した場合、資本合計の増加額又は減少額はそれぞれ10,944百万円及び10,461百万円です。なお、連結会社が保有する市場性のある株式の大部分はFVTOCIの金融資産として指定しているため、株価が1%上昇又は下落すると仮定した場合の純損益に与える影響額に重要性はありません。
非上場株式、その他の持分証券の公正価値で用いている重要な観察不能なインプットは、非流動性ディスカウントです。これらのディスカウントの著しい上昇(下降)は公正価値の著しい低下(上昇)を生じさせることとなります。
なお、前連結会計年度において、連結会社は一部の株式に対して株式先渡契約を認識しており、デリバティブの公正価値は△5,590百万円です(当連結会計年度には該当事項はありません)。
(3) ヘッジ会計
金利通貨スワップ取引
連結会社は、一部の借入及び社債の発行を外貨建かつ変動金利で行っており、為替変動リスク及び金利変動リスクに晒されています。外貨建かつ変動金利で借入及び社債の発行を行う場合には、当該リスクをヘッジするために、原則として借入及び社債の発行と同時に金利通貨スワップを締結することにより、キャッシュ・フローの支払額を円貨で固定しています。
連結会社は、外貨建借入金及び社債の金利の為替変動リスクと金利変動リスクをヘッジするため、ヘッジ手段として金利通貨スワップを利用しています。連結会社は、ヘッジ対象とヘッジ手段との経済的関係性を、関係するキャッシュ・フローの通貨、金額及び発生時期に基づいて判断しています。現在ヘッジ会計を適用している取引において、ヘッジ対象とヘッジ手段の当該主要な条件はすべて一致しており、ヘッジ比率は1:1です。なお、通貨ベーシス・スプレッドには重要性は無いと判断しています。ヘッジ非有効部分は、ヘッジ対象及びヘッジ手段のカウンター・パーティの信用リスクの変動等により発生しますが、連結会社は格付の高い金融機関とのみ取引を行っているため、当該非有効部分が発生するリスクは極めて僅少であると考えています。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において純損益に認識したヘッジ非有効部分はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているヘッジ手段の詳細は以下のとおりです。
上記デリバティブに関する資産又は負債は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」に含めています。また、前連結会計年度及び当連結会計年度においてヘッジ会計を使用したが発生が見込まれなくなったためヘッジ会計を中止した予定取引はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているヘッジ対象の詳細は以下のとおりです。
ヘッジ会計の適用による連結損益計算書への影響は以下のとおりです。
(注)純損益に振り替えた金額は連結損益計算書上、「為替差損益」又は「金融費用」に含めています。なお、資本の各内訳項目の調整表及びその他の包括利益の分析については、注記28「その他の包括利益」をご参照ください。
(4) 公正価値測定
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のように分類しています。
レベル1:活発な市場における相場価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期の期首時点で発生したものとして認識しています。
前連結会計年度において、Canatu PLCとBlaize Holdings, INC.の上場に伴うレベル3からレベル1への振替がありました。その他にレベル間の振替は行われていません。
当連結会計年度において、レベル間の振替は行われていません。
① 償却原価で測定する金融商品
前連結会計年度及び当連結会計年度における償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(注)1年内返済及び償還予定の残高を含んでいます。
当連結会計年度(2026年3月31日)
(注)1年内返済及び償還予定の残高を含んでいます。
償却原価で測定する短期金融資産、短期金融負債については、公正価値は帳簿価額と近似しているため、注記を省略しています。
長期借入金の公正価値は、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しています。
② 経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正価値
前連結会計年度及び当連結会計年度における公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりです。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(注)連結財政状態計算書の「売却目的で保有する資産」199,861百万円が含まれています。
当連結会計年度(2026年3月31日)
デリバティブは主に為替予約、金利スワップ、金利通貨スワップに係る取引です。
為替予約の公正価値は、先物為替相場等に基づき算定しています。金利スワップ、金利通貨スワップの公正価値は、取引先金融機関等から提示された金利等観察可能な市場データに基づき算定しています。
非上場株式、その他の持分証券の公正価値測定においては、特定の状況に応じて最も適切な方法を選択しています。評価技法は、ディスカウント・キャッシュ・フロー法、又は、必要に応じてPBRによる時価修正等を加えた修正時価純資産方式等を使用することにより、算出しています。
非上場株式、その他の持分証券の公正価値測定で用いている重要な観察不能なインプットである非流動性ディスカウントは、30%で算定しています。
各報告期間における、レベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりです。
(注1)損益に含まれている利得及び損失は、決算日時点の純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものです。これらの損益は連結損益計算書上「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。
(注2)その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、決算日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものです。これらの損益は連結包括利益計算書上「FVTOCIに指定した資本性金融商品への投資による損益」に含まれています。
(注3)保有銘柄の上場に伴うレベル1への振替によるものです。
(5) 金融資産と金融負債の相殺
連結会社の一部の金融資産及び金融負債について、金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺し、連結財政状態計算書に純額で表示しています。また、デリバティブ取引は、マスター・ネッティング契約又はそれに類似する契約に基づいて行われており、契約当事者間で決済の不履行が起きた場合は、取引相手先の債権債務を純額で決済することとなっています。前連結会計年度及び当連結会計年度における、同一取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債の相殺に関する情報は次のとおりです。
31.リース取引
(1) 借手としてのリース取引
連結会社は、建物及び構築物、機械装置及び運搬具、土地等の資産をリースしています。
当該取引において、変動リース料、残価保証を含むリース契約、セール・アンド・リースバック取引から生じた利得又は損失の金額に重要性はありません。また、当該取引により課されている制限又は制約はありません。
① リース負債
リース負債の内訳は以下のとおりです。
リース負債の残高は、連結財政状態計算書の「その他の金融負債」に含まれています。
連結会社は、事業環境の悪化等により支払期日にリース負債の返済を実施できなくなる流動性リスクに晒されています。連結会社は、各部署からの報告に基づき経理部が適時に資金計画を作成・更新するとともに、手許流動性を連結売上収益の1か月分相当以上に維持すること等により、流動性リスクを管理しています。
② リース負債に係る金利費用
リース負債に係る金利費用は以下のとおりです。
③ リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額
リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は以下のとおりです。
④ 短期リース及び少額資産のリースに係る費用
短期リース及び少額資産のリースに係る費用は以下のとおりです。
なお、短期リース及び少額資産のリースについては、当該取引に関連したリース料を、リース期間にわたり定額法で費用として認識しています。
⑤ 契約期間の開始前のためリース負債の測定に反映されていない重要な将来キャッシュ・アウトフロー
契約期間の開始前のためリース負債の測定に反映されていない重要な将来キャッシュ・アウトフローの金額は以下のとおりです。
(2) 貸手としてのリース取引
① ファイナンス・リースに係るリース債権
ファイナンス・リースに係るリース債権の内訳は以下のとおりです。
リース債権の残高は、連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権」及び「その他の金融資産」に含まれています。主に金型に係るリース取引であり、回収期間は主として2年のため、2年超のリース債権の金額に重要性はありません。また、当該リース債権に係る未稼得金融収益、割引後の無保証残存価値はありません。
ファイナンス・リースについて、販売損益、正味リース投資未回収額に対する金融収益、正味リース投資未回収額の測定に含めていない変動リース料に係る収益の金額に重要性はありません。
なお、使用権資産のサブリースによる収益は、注記23「売上収益」に記載の「IFRS第16号に基づく使用権資産のサブリースによる収益」と同額です。
② オペレーティング・リースに係るリース料
該当事項はありません。
使用権資産の状況については、注記13「使用権資産」をご参照ください。
32.財務活動に係る負債
財務活動に係る負債の変動は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注)デリバティブは、連結財政状態計算書の「その他の金融負債」、連結キャッシュ・フロー計算書の財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含まれています。
33.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
上記取引に対する未決済残高と未決済残高に関する貸倒引当金は以下のとおりです。
(2) 主要な経営幹部の報酬
前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
34.偶発事象
重要な偶発事象はありません。
35.子会社及び関連会社等
「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおり、前連結会計年度及び当連結会計年度において、個々に重要性のある非支配持分を有する子会社、関連会社及び共同支配企業は該当ありません。
支配の喪失とならない連結子会社の所有持分の変動による資本剰余金への影響は以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結子会社の支配喪失に伴う所有持分の変動について認識した損益に重要性はありません。
36.後発事象
連結会社は、後発事象を2026年6月11日まで評価しています。
当社は、2026年4月28日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条第1項及び当社定款の規定に基づき、自己株式の取得及びその具体的な取得方法として自己株式の公開買付けを行うことを決議しました。
(1) 自己株式の取得に関する事項の内容
(2) 自己株式の公開買付けに係る事項の内容
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
(注)第1四半期連結累計期間及び第3四半期連結累計期間に係る財務情報に対するレビュ―:有
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法により評価しています。
(2) その他有価証券
2.デリバティブは時価法により評価しています。
3.棚卸資産は総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)により評価しています。
4.固定資産の減価償却の方法は、有形固定資産(リース資産を除く)は定率法、無形固定資産(リース資産を除く)及びリース資産は定額法を採用しています。
5.引当金の計上基準
6.ヘッジ会計の方法
金利・通貨スワップについては、繰延ヘッジ処理を適用し、特例処理の条件を充たしている場合には、特例処理によっています。
7.グループ通算制度を適用しています。
8.収益及び費用の計上基準
下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する。
当社は、自動車メーカ向け部品供給事業においては、国内外の自動車メーカを主な顧客とし、自動車部品におけるサーマルシステム、パワトレインシステム、モビリティエレクトロニクス、システムコントロールコンポーネント、セミコンダクタ製品等を製造・販売しています。市販・非車載事業においては、主にエンドユーザ向けに自動車補修用部品等の販売を行っています。当社では、主に完成した製品を顧客に供給することを履行義務としており、原則として、製品の納入時点において支配が顧客に移転して履行義務が充足されると判断し、当時点において収益を認識しています。これらの履行義務に対する対価は、履行義務充足後、別途定める支払条件により概ね1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでいません。収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び有償受給取引において顧客に支払われる対価等を控除した金額で測定しています。また、仮単価により製品販売取引を行う場合は、変動対価として、最頻値法等を用いて適切な方法で見積もっています。
(重要な会計上の見積り)
当社の重要な会計上の見積りの項目及び当事業年度に計上した額は以下のとおりです。
1.固定資産の減損
固定資産について、資産又は資産グループにおける営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナス、若しくはマイナスとなる見込みを含む一定の事象が確認できた場合には、減損の兆候があるものと判断しています。減損の兆候があると判断された資産又は資産グループが生み出す割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。当社は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、並びに回収可能価額の見積りは合理的であると判断しています。ただし、これらの見積りには不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により固定資産の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来追加で減損損失を計上する可能性があります。
2.繰延税金資産の回収可能性
3.製品保証引当金
4.退職給付引当金
5.関係会社株式等の評価
関係会社株式等の評価は、主に市場価格のない子会社及び関連会社の株式等の実質価額が著しく低下した場合に、将来の事業計画に基づく回復可能性の判定を行います。回復可能性がないと判断された子会社及び関連会社の株式等は帳簿価額を実質価額まで減額し、当該減少額を評価損失として計上しています。実質価額及び回復可能性の見積りは、決算日までに入手し得る財務諸表や事業計画に加え、これらに重要な影響を及ぼす事項が判明していれば当該事項も加味しています。当社は、関係会社株式等の評価は合理的であると判断していますが、これらの評価には不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により関係会社株式等の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として関係会社株式等の評価額が変動する可能性があります。
(注)見積りの内容に関する理解に資する情報について、連結財務諸表注記に注記すべき事項と同一である項目につ いては注記事項における記載を省略しています。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)等
1.概要
企業会計基準委員会において、日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組みの一環として、借手の全てのリースについて資産及び負債を認識するリースに関する会計基準の開発に向けて、国際的な会計基準を踏まえた検討が行われ、基本的な方針として、IFRS第16号の単一の会計処理モデルを基礎とするものの、IFRS第16号の全ての定めを採り入れるのではなく、主要な定めのみを採り入れることにより、簡素で利便性が高く、かつ、IFRS第16号の定めを個別財務諸表に用いても、基本的に修正が不要となることを目指したリース会計基準等が公表されました。
借手の会計処理として、借手のリースの費用配分の方法については、IFRS第16号と同様に、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、全てのリースについて使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルが適用されます。
2.適用予定日
2028年3月期より適用予定です。
3.当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当財務諸表の作成時において評価中です。
(表示方法の変更)
(損益計算書関係)
前事業年度において「営業外費用」の「その他」に含めていました「支払賃借料」(前事業年度1,836百万円)については重要性が高まったため、当事業年度においては区分掲記しています。
前事業年度において「特別損失」の「その他」に含めていました「関係会社株式評価損」(前事業年度102百万円)については重要性が高まったため、当事業年度においては区分掲記しています。
前事業年度において区分掲記していました「為替差損」(当事業年度410百万円)については金額が僅少となったため、当事業年度においては「営業外費用」の「その他」に含めて表示しています。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び債務(区分掲記されたものを除く)
※2 圧縮記帳額
(1) 国庫補助金の交付等による圧縮記帳額
(2) 有形固定資産に係る国庫補助金の交付等による圧縮記帳累計額
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりです。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2025年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2026年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異がある時の、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しています。法人税及び地方法人税の会計処理及び開示又はこれらに関する税効果会計の会計処理及び開示については、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従っています。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表注記3「重要性のある会計方針の要約」(17)「売上収益」及び連結財務諸表注記23「売上収益」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
(重要な後発事象)
(自己株式の取得及び自己株式の公開買付け)
連結財務諸表注記36「後発事象」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注1)当期増加額のうち主なものは次のとおりです。
(注2)当期減少額のうち主なものは次のとおりです。
(注3)「当期首残高」及び「当期末残高」は取得価額により記載しています。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注)当社定款の定めにより、単元未満株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利並びに単元未満株式の売渡請求をする権利以外の権利を有していません。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 第102期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
2025年6月11日関東財務局長に提出。
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2025年6月11日関東財務局長に提出。
(3) 半期報告書及び確認書
第103期中(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日)
2025年11月5日関東財務局長に提出。
(4) 発行登録追補書類(株券、社債券等)及びその添付書類
2025年7月4日東海財務局長に提出。
(5) 訂正発行登録書
2025年5月13日、2025年5月19日、2025年6月16日、2026年3月24日、2026年5月22日関東財務局長に提出。
(6) 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象)の規定に基づく臨時報告書
2025年5月13日関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2(譲渡制限付株式報酬制度に基づく自己株式の処分)の規定に基づく臨時報告書
2025年5月19日関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2(従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度に基づく自己株式の処分)の規定に基づく臨時報告書
2025年5月19日関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)の規定に基づく臨時報告書
2025年6月16日関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象)の規定に基づく臨時報告書
2026年3月24日関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2(信託型株式報酬制度の導入及び制度導入に基づく自己株式の処分)の規定に基づく臨時報告書
2026年5月22日関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2(従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度に基づく自己株式の処分)の規定に基づく臨時報告書
2026年5月22日関東財務局長に提出。
(7) 自己株券買付状況報告書
2025年6月12日、2025年7月14日、2025年8月7日、2025年9月12日、2025年10月14日、2025年11月14日、2026年5月13日関東財務局長に提出。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。


