第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(注)1.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。
2.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。
3.第21期から第25期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4.第21期から第23期までの株価収益率は、当社株式が非上場であるため記載しておりません。
5.第21期についてはキャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、キャッシュ・フローに係る各項目については記載しておりません。
6.第22期の営業活動によるキャッシュ・フロー(資金の支出)は、主に売上債権、契約資産の増加等によるものであります。
7.第23期、第24期及び第25期の投資活動によるキャッシュ・フロー(資金の支出)は、主に無形固定資産の取得、有形固定資産の取得によるものであります。
8.主要な経営指標等の推移のうち、第22期、第23期、第24期及び第25期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号)に基づいて作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けております。なお、第21期の財務諸表については、会社計算規則(2006年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、当該監査を受けておりません。
9.収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2023年2月期期首から適用しており、2023年2月期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標となっております。
10.2024年8月31日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っておりますが、第22期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
11.第21期から第24期の株主総利回り及び比較指標については、2024年12月26日に東京証券取引所グロース市場に上場したため、記載しておりません。また、第25期の株主総利回り及び比較指標については、第24期の末日における株価又は株価指数を基準として算定しております。
12.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所グロース市場におけるものであります。なお、2024年12月26日付をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。
2 【沿革】
当社は、インターネットの普及にともない、膨大・複雑なデータの中からユーザーが必要とする情報を取り出し、最適な形式で表示する技術に対する需要が拡大したことを受け、人々が情報やモノを見つける際、求めるものへ到達するための時間を短縮し、その精度を向上させることを通じてテクノロジーの力で世界を少しでも早く進歩させたい、また人々の意思決定を支え、フェアな世界の創出に力を注ぐことを通じて日本の信頼をベースにした文化を世界へ広げて行きたい、との思いを現実のものとするべく創業されました。
設立以後の当社に係る経緯は、次のとおりであります。
3 【事業の内容】
当社は、旅行・観光業界のデータ流通を担うビジネスハブとして、デジタルビジネスプラットフォーム事業を展開しています。膨大・複雑なデータから必要な情報を的確に抽出する検索テクノロジーを基盤としたシステム開発やサービス提供、コンサルティングを通じ、インターネット上に存在する有益な情報を円滑に流通させることを企業活動の根幹に据えています。
当社は、複雑化するデータ環境において、ユーザーが目的とする情報に迅速に到達できる状態を実現することで、ビジネス機会の拡大及び付加価値の向上に貢献することを事業の本質としております。
創業当初から、独自の検索技術基盤「Spook(スプーク)」を軸に、業界固有の課題や個別顧客のニーズに対応してまいりました。本技術は、単に検索結果を提示するものではなく、企業ごとに異なるデータの形式や構造を整理・最適化し、高速に処理できるデータ形式に変換する点に特長があります。この技術基盤を活用し、当社はこれまで大手旅行会社の予約サイトや専門商社のECサイトなど、高度なデータ処理が求められる分野においてデジタルビジネスの進化に貢献してまいりました。
近年においては、こうした個別課題への対応を通じて蓄積した業界知見・経験を基に、事業領域を「検索」から「業務基盤」、さらに「データ流通基盤」へと拡張しております。特に旅行・観光業界においては、商品販売・業務管理を担うプラットフォーム「webコネクト」に加え、観光素材の提供者と販売事業者を接続する「valueコネクト」を展開し、業界全体のデータ流通を支える基盤の構築を推進しております。
(1) 事業の重点領域
当社の重点領域は、創業当初から継続して事業展開を行っている旅行・観光業界向けのサービス提供であります。当領域においては、日時、場所、部屋タイプ、食事条件、交通手段、経路など多様な要素が組み合わされるとともに、それらの在庫及び料金が外部システムと連携して時々刻々と変動するため、取り扱うデータは極めて複雑であり、高度なデータ処理及び業界特有の知識が求められます。
近年、旅行・観光業界においては、商品構成や販売チャネルの多様化、在庫・価格の変動の拡大にともない、取り扱うデータは一層複雑化しています。このような状況においては、個社ごとの最適化にとどまらず、業界横断的なデータ流通基盤の整備が不可欠となっております。当社は、こうした環境において、検索機能の高度化に加え、商品販売・予約管理・データ連携など、ビジネス全体を支えるシステム基盤の構築に取り組んでまいりました。
その成果として開発した「webコネクト」は、素材登録、検索、予約管理、電子クーポン発行、外部接続ゲートウェイ等の機能をモジュールとして提供する商品販売プラットフォームであり、多数の旅行会社に導入されております。さらに当社は、こうした基盤の上に、観光素材の提供者と販売事業者を接続する「valueコネクト」を展開することで、データ流通そのものを創出・拡大する取り組みを進めております。
このような取り組みを通じて、当社は旅行・観光業界におけるデータ流通を支える共通基盤としての役割を担うことを目指しております。
(2) 収益構造
当社は、デジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントで、顧客ごとの要件に応じた個別ソリューション提供から標準化されたプロダクト提供までを含む形で事業を展開しております。提供形態としては、オンプレミス(顧客のシステム環境に導入して利用する形態)及びクラウド(当社のシステムをクラウド上のサービスとして提供する形態)の双方に対応しております。
当社においては、検索技術基盤「Spook」を活用したデータ処理システムの提供を「ソリューション型サービス」、旅行・観光商材の販売・業務基盤である「webコネクト」等の共同利用型のサービス提供を「SaaS型サービス」と位置付けています。当社の収益は、いずれの提供形態においても、主として開発収益及び月額収益により構成されております。開発収益は、基幹システムの構築や導入時の設定・カスタマイズ及び、導入に関連した各種コンサルティング等に係る対価であり、原則としてプロジェクトの進捗に応じて収益計上されます。月額収益は、システム稼働後の運用保守費やライセンス使用料、サービス利用料等により構成され、導入顧客数の増加にともなって安定的に積み上がる収益であります。
なお、従来の開示において「初期開発収益」としていた収益には、サービス導入時におけるシステム構築・設定に係る対価に加え、個別課題への対応、既存ソフトウェア資産の利用、改修、機能追加、導入に関連した各種コンサルティング等に係る対価も含まれております。また、特にエンタープライズ領域においては、導入後も継続的に顧客業務基盤の高度化に対応する開発が発生することから、「初期」という表現では収益実態を必ずしも十分に表さない側面がありました。このため、当社の収益構造をより実態に即して示す観点から、今後は「初期開発収益」ではなく「開発収益」として整理しております。
当社は、これらの収益基盤を拡大する過程において、顧客規模及び提供するサービス内容に応じて、事業をエンタープライズ、スタンダード、ベーシックの3つの区分で展開しております。
エンタープライズ領域においては、大手旅行会社向けに「webコネクト」を中心に高度なカスタマイズを伴う基幹システムの構築を行っております。当該領域では、開発期間が長期にわたる大型案件が中心となり、主として開発収益並びに稼働後の運用・保守収益により構成されます。本領域は、業務知識及びデータ構造に関する知見の蓄積を通じて、当社の事業基盤を強化する役割を担っております。
スタンダード領域においては、中堅事業者を中心に「webコネクト」を活用した販売・業務基盤の提供を主に行っております。当該領域では、標準機能をベースとしつつ必要に応じたカスタマイズを行うことで、導入効率と柔軟性の両立を図っており、主として月額利用料による継続収益により構成されます。本領域は、顧客基盤の拡大を通じて収益の安定化を図る役割を担っております。
ベーシック領域においては、小規模事業者向けに標準化された共同利用型サービスを中心に提供し、幅広い事業者のビジネスのデジタル化を支援しております。当該領域では、初期導入コストを抑えつつサービス利用の拡大を促進することで、データ流通の裾野拡大に寄与しております。
また当社は、これら各領域における顧客基盤の拡大及びデータ流通の活性化を通じて、「valueコネクト」を活用した成果連動型(テイクレート型)収益を獲得することを目指しております。テイクレート型収益は、特定の事業領域に限定されるものではなく、エンタープライズ、スタンダード、ベーシックの各領域において蓄積・拡大されるデータ流通の上に成立する収益機会として位置づけられております。
(3) 基盤技術及びサービスの特徴
当社は、検索技術基盤「Spook」、販売・業務基盤「webコネクト」及び商品流通基盤である「valueコネクト」の3つのプロダクトを展開しており、これらが相互に連携することで、統合的なデータ流通基盤としての機能を構築しております。
当社の技術の特徴は、単に個別機能を提供するだけではなく、企業ごとに異なるデータの形式や構造を整理・最適化し、柔軟なカスタマイズに対応しながら、最適なサービスを提供する点にあります。このデータ流通基盤の上で、検索、販売、予約、データ連携といった各機能の一体的な提供を可能とすることで、顧客のビジネス全体を支える仕組みを実現しております。
a. Spook
Spookは、顧客が保有する膨大かつ複雑なデータを高速かつ正確に処理する技術基盤であり、顧客ごとの業務要件に応じて最適化されたシステムとして提供するソリューション型サービスの中核を担っております。企業ごとに異なるデータ構造に柔軟に対応し、大規模かつ複雑なデータ処理を実現するシステム基盤として、ECサイトを中心に採用されております。
Spookの強みは、「検索結果を表示する」機能そのものではなく、その前提となるデータの形式や構造を整理・最適化し、高速に処理できるデータ形式に変換する点にあります。これにより、複雑な条件を伴う検索であっても高速かつ正確な処理が可能となり、顧客のビジネスにおける意思決定及び販売機会の最大化に寄与します。
b. webコネクト
webコネクトは、旅行・観光業界向けの商品販売・業務管理プラットフォームであり、素材登録、検索、予約管理、電子クーポン発行、外部接続ゲートウェイ等の機能を統合的に提供しております。
Spookによって構築された当社の技術基盤を基に、複雑な商品構造や外部システムと連携したリアルタイムな在庫・価格の変動に対応し、旅行・観光商品の販売業務を一体的に支援します。標準化された機能をベースとした共同利用型サービスとして提供されるとともに、顧客の業務要件に応じた柔軟なカスタマイズや部分的な活用にも対応することで、標準化と個別最適化の両立を実現しております。
c. valueコネクト
valueコネクトは、観光素材の提供者と販売事業者を接続し、共通の基盤上で商品情報及び在庫の流通を実現するサービスです。
本サービスにより、従来個別に行われていたシステム連携やデータ統合作業が効率化されるとともに、複数の事業者間でのデータ流通が促進されます。これにより、流通量の拡大及び新たな販売機会の創出が可能となり、業界全体の付加価値向上に寄与します。
(4) 事業系統図
当社の事業系統図は以下のとおりであります。

4 【関係会社の状況】
該当事項はありません。
5 【従業員の状況】
(1) 提出会社の状況
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(アルバイト、パートタイマーを含む。)は、その総数が従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.当社はデジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員の記載を省略しております。
(2) 労働組合の状況
当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。
(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表項目として選択していないため、記載を省略しております。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、フェアネスを追求する企業として、インターネット上に存在する有益な情報を円滑に流通させることを企業活動の根幹に据えています。これにより、商品やビジネスの本質的な価値を正確に伝え、ユーザーが自信を持って意思決定できる「フェアな世界」の実現を目指しています。
この理念のもと、当社はデジタルビジネスプラットフォーム事業を展開し、膨大・複雑なデータから必要な情報を的確に抽出する独自の検索技術を基盤としたシステム開発やサービス提供、コンサルティングを通じて、顧客の課題解決及び事業成長に貢献することを経営方針としております。
当社の強みは、独自の検索技術を中核としたデータ処理基盤と、旅行・観光業界における深い業務知見にあります。これらを組み合わせることで、在庫・料金・ビジネスルールといった複雑な条件を整合的に処理し、一貫した形で扱える状態を構築することで、商品登録から販売・予約に至る一連の業務の効率化と高度化を実現してまいりました。優秀な技術者の確保と育成を重視し、スピードと品質を両立する開発スタイルを追求することで、変化の激しい市場環境にも適応できる体制を構築しています。
また当社は、柔軟なカスタマイズと迅速なプロダクト提供を両立するハイブリッド型のビジネスモデルを採用し、顧客ごとの高度な要求に対応しながら、そのプロセスで得た知見を抽象化し、業界標準として必要とされる機能を共通機能としてプロダクトに取り入れることで、継続的な成長基盤を強化しています。近年においては、これらの技術資産を基盤とし、「webコネクト」及び「valueコネクト」といったプロダクトを展開することで、個別機能の提供にとどまらず、事業者間を横断した共通基盤としての機能を拡張しています。
当社は、これらの取り組みを通じて、旅行・観光業界におけるデータ流通を担うビジネスハブとしてのポジション確立を目指しております。すなわち、素材提供者(サプライヤー)と素材販売事業者(セラー)を共通の基盤上で接続し、データの標準化及び流通の高度化を通じて、業界全体の取引効率と付加価値の向上に寄与することを志向しております。
当社のビジョンは、あらゆる情報をなめらかにつなぎ、顧客や世界中のユーザーとの間に「フェア」で持続可能な関係を築くことです。このビジョンのもと、当社は旅行・観光業界におけるデータ流通基盤の構築を通じて、サプライヤーとセラーがシームレスに接続されるマーケットプレイスの実現を目指しており、その先においては、当該基盤を業界の枠を超えて発展させ、業界横断の取引インフラへと進化させていく構想を描いています。
現在はシステム提供を中心としたビジネスを展開しておりますが、中長期的には、当該基盤上で創出される取引に連動した収益モデルへと発展させることで、参加者の拡大が価値の向上と収益性の向上に結びつく構造の実現を目指してまいります。その実現に向けて、当社の強みであるデータ処理技術と業界知見を活かし、データ流通における摩擦を解消することで企業の成長を支援するとともに、ユーザーにとっても付加価値の高いサービスを提供してまいります。これにより、当社は市場における競争力を維持し、持続的な成長を目指します。
(2) 経営環境
当社は、独自のデータ処理技術を基盤として、特に旅行・観光業界を中心に、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進を支援しております。旅行・観光業界においては、商品造成、在庫・料金管理、検索、予約、販売チャネル連携など、事業運営に必要な情報が多岐にわたり、かつそれぞれが複雑に連関しています。このため、個別機能のデジタル化にとどまらず、複数の事業者・販売チャネル・業務プロセスをまたいで情報を正確かつ円滑に流通させるためのシステム基盤の重要性が高まっています。
当社の検索技術基盤「Spook」は、膨大かつ複雑なデータを高速・効率的に処理する能力に強みを有しており、旅行・観光業界における多様な検索条件、在庫や料金のリアルタイム変動等を前提とした高度なデータ処理に対応してまいりました。こうした技術優位性を背景に、当社は検索機能の提供にとどまらず、業界固有の業務要件に対応したシステム基盤の構築・提供を進めております。
旅行市場の動向を見ると、国内旅行市場は引き続き高い水準で推移しています。観光庁の「旅行・観光消費動向調査 2025年年間値 確報(2026年4月30日発表)」によると、2025年の日本人国内旅行消費額は26兆7,845億円となり、前年を上回る水準となりました。加えて、訪日外国人旅行者数についても、日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客統計(2026年1月21日発表)」によれば、2025年は4,268万人と過去最高を更新しており、旅行・観光関連市場全体として需要の拡大が継続しています。
一方で、こうした需要拡大の局面においては、旅行・観光業界における業務の複雑性や情報流通上の非効率性も、より顕在化しやすくなっています。商品や在庫・料金の管理対象が増加し、販売チャネルが多様化する中で、事業者には、正確かつタイムリーな情報連携、柔軟な商品造成、複数チャネルを前提とした販売管理、顧客接点の高度化などが求められています。加えて、観光庁は観光DXの推進に関し、宿泊・体験等の予約・決済のシームレス化、観光地経営へのデータ活用、事業者間・地域間のAPI連携やデータ仕様統一化の促進を掲げており、業界全体としてもデータ連携基盤の整備が重要なテーマとなっています。
このような環境のもと、旅行会社、宿泊事業者、交通事業者、観光事業者、自治体・DMO(Destination Management Organizationの略、観光・自然・食といった地域資源を活用して観光戦略を推進する団体)などの各プレイヤーにおいては、単独で完結するシステムではなく、複数の主体をまたいで情報を接続し、流通させるための基盤の需要が高まっております。当社が提供する「webコネクト」や「valueコネクト」は、こうした業界構造の変化を背景として、旅行・観光業界におけるデータ流通の受け皿としての役割を担うことを目指しています。
また、観光庁の「主要旅行業者の旅行取扱状況年度総計(2025年6月6日発表)」によると、2024年度の国内旅行取扱額は前年度比でおおむね92%、外国人旅行は同105%、海外旅行は同121%と、需要の回復・変化が分野ごとに異なる形で進行しており、事業者には市場変化に即応できる柔軟なシステム対応力が求められています。こうした環境下では、標準化された機能だけでは対応しきれない一方、個別開発だけでは継続的な拡張性や効率性の確保に限界があるため、柔軟なカスタマイズ性とプロダクトとしての再利用性を両立する仕組みの重要性が高まっているものと認識しております。
当社は、このような経営環境を、単なる需要回復局面としてではなく、旅行・観光業界における情報流通のあり方そのものが見直される転換局面であると捉えております。今後も、独自技術と業界知見を活かし、個別顧客の課題解決にとどまらず、業界全体の効率化・高度化に資する基盤の提供を通じて、持続的な成長機会を取り込んでまいります。
(3) 経営戦略
当社の経営戦略は、独自のデータ処理技術を中核とし、旅行・観光業界における複雑な情報流通を支えるシステム基盤を提供することで、業界全体の効率化と価値創出に貢献するとともに、当社自身の持続的な成長を実現することにあります。また、サプライヤーとセラーの間に位置し、ビジネスに必要なデータを包括的に取り扱うマーケットプレイスのシステム基盤を提供する「データ流通のビジネスハブ」として業界横断の取引インフラへと進化させていく構想を描いています。
旅行・観光業界においては、商品造成、在庫・料金管理、販売チャネル連携などが高度化・複雑化する中で、個別最適化されたシステムの積み上げでは対応が困難となりつつあり、複数の事業者・機能を横断したデータ連携基盤の重要性が高まっています。当社は、このような環境変化を踏まえ、「個別顧客への価値提供」と「業界全体への基盤提供」を両立する戦略を推進しております。
当社の中長期成長シナリオは、従前から掲げてきた「既存顧客へのサービス拡充、新たな顧客層の獲得、マーケットプレイス構想の推進」という基本方針を維持しております。具体的には以下の3つの戦略に基づき、中長期の成長を段階的に実現してまいります。
①エンタープライズ領域における基幹システム対応の深化(既存顧客へのサービス拡充)
当社は、大手旅行会社を中心としたエンタープライズ顧客に対し、検索機能の提供にとどまらず、基幹システム全体の機能強化に対応したサービス提供を進めております。これまでに培ってきた検索技術及び業務知見を基に、「webコネクト」を中核としたプロダクト群を共通機能として効果的に活用しながら、顧客ごとの要望に対応した個別開発を組み合わせることで、様々な外部システムと連携し、複雑な商品構成や多様な販売チャネルに対応可能なシステム基盤の構築を支援しています。
これにより、顧客企業における業務効率化及びサービス高度化を支援するとともに、長期的な契約関係に基づく安定的な収益基盤の構築と、さらなる技術資産の蓄積につながっています。今後も、基幹システム刷新ニーズへの対応を通じて、既存顧客との関係深化及び収益の安定化を図ってまいります。
②スタンダード・ベーシック領域におけるプロダクト展開の加速(新たな顧客層の獲得)
エンタープライズ顧客で培った知見・経験を基に、当社は中堅規模の旅行会社や新規参入事業者に対して、業界標準として必要な機能を具備したプロダクトの提供を進めています。
旅行・観光業界においては、インバウンド需要の回復や体験消費の拡大を背景に、宿泊施設、体験・アクティビティ事業者などのサプライヤーでは、自ら顧客接点を持ち、商品を直接販売するニーズが高まっています。従来、旅行商品の流通は、大手旅行会社やOTA(Online Travel Agentの略、ネット上で旅行商品販売を完結させる事業者)など販売力を有するプレイヤーが中心となって担ってきましたが、サプライヤー側においても、自社商品の提供価値をより高める旅行の企画、他の旅行商品との組み合わせ販売、顧客データの取得、高付加価値商品の訴求力向上といった観点から、自らの販売力を高めることの重要性が増しています。また、主に大規模な顧客基盤を持つ事業者において、自社サービスにおける顧客のLTV(ライフタイムバリュー)向上に向けた新たな付加価値として、旅行事業に進出する動きも出てきています。
一方で、旅行・観光商品のオンライン販売には、素材登録、在庫管理、料金設定、検索、予約、決済、外部接続など、多岐にわたる機能が必要となり、中堅・小規模・新規の事業者が個別にシステムを構築・運用することは容易ではありません。当社は、エンタープライズ領域における大手旅行会社向けの開発を通じて培った知見・経験を活かし、「webコネクト」や「valueコネクト」をはじめとする当社プロダクトを通じて、サプライヤーや新規事業者が必要な機能を必要な範囲で利用できる環境の整備を進めております。これにより、サプライヤーや新規事業者は大規模なシステム投資を行うことなく、様々な外部システムや自社の会員・ポイント・決済システムと接続した販売機能を構築し、自社商品の販売力を高めることが可能となります。
当社は、スタンダード・ベーシック領域におけるこうした新規顧客層への横展開を通じて、より多くのサプライヤーや新規事業者が利用可能な標準プロダクトを展開してまいります。これにより、個別開発に依存しない効率的なシステム導入を可能にするとともに、サプライヤーや新規事業者における販売・予約・在庫管理等の業務効率化を支援し、旅行・観光業界全体の生産性向上に貢献してまいります。
③データ流通基盤の構築と新収益モデルの確立(マーケットプレイス構想の推進)
当社は、中長期的な成長戦略の中核として、旅行・観光業界におけるデータ流通基盤の構築を位置づけ、流通総額に連動するテイクレート型収益モデルの確立を目指しています。これまで当社は、「webコネクト」を導入した各旅行会社を起点に、個別にサプライヤーとの接続を行う「1対n」のモデルを展開してきましたが、今後は、複数のセラー及びサプライヤーを横断的に接続する「n対n」の構造へと発展させていく方針です。
成長戦略①では、大手旅行会社向けの基幹システム対応を通じて、高度な販売・予約・在庫管理機能及び業界知見を蓄積してまいります。また、成長戦略②では、これらの知見を標準化されたプロダクトとして、宿泊施設、体験事業者、地域事業者等のサプライヤー及び新規事業者に展開し、商品情報、在庫、価格、予約等のデータを共通基盤上で管理・流通可能な状態へ整備してまいります。
成長戦略③では、こうして共通基盤上に蓄積されたサプライヤーの商品情報・在庫を、旅行会社、OTA等のセラーへ横断的に流通させることで、従来の個別接続型モデルから、複数のセラーとサプライヤーがつながる「n対n」のデータ流通モデルへと発展させてまいります。
この構造により、サプライヤーは自社商品の販売機会を拡大でき、セラーは多様な観光素材へ効率的にアクセスすることが可能となります。また、当社はその間に位置するデータ流通基盤として、商品情報、在庫、価格、予約、利用実績等の連携を担うことで、業界全体における取引の効率化及び流通量の拡大を支援します。当社がターゲットとする顧客層は、強い顧客基盤と高い集客力を持つ国内外の旅行関連事業者です。具体的には、公共交通(鉄道・バス)や地方自治体、DMOといった事業者が含まれます。これらの企業は、地域の交通網や観光資源を効率的に活用し、観光市場における競争力を高めることを目指しています。また、福利厚生サービスを提供する企業や共済組合、クレジットカード会社などの会員制サービス事業者も対象としており、これらの企業は既存の顧客基盤を活用して、旅行や観光サービスを提供するビジネスモデルを展開する可能性を持っています。さらに、訪日客を対象とする欧米やアジア等の海外旅行会社への展開も視野に入れております。
当社基盤上を流通する取扱高が拡大することで、従来の開発収益及び月額収益に加え、流通量に応じたテイクレート型収益の獲得が可能となります。これにより、当社の収益モデルは、システム提供を中心とするモデルから、業界全体の流通拡大と連動して成長するモデルへと進化していきます。
当社は、これら3つの戦略を相互に連動させることで、エンタープライズ領域での深い価値提供と、スタンダード・ベーシック領域での広い展開、さらに業界横断での基盤構築を段階的に実現していきます。この戦略により、顧客の成長を支援するとともに、当社自身の収益基盤の強化と持続的な成長を図り、旅行・観光業界における「データ流通のビジネスハブ」としてのポジション確立を目指してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高及び売上高営業利益率を最も重要なものと位置付けております。これらに加え、当該目標の達成状況を多面的に把握するため、重要な指標(KPI)として、SaaS型サービスである「webコネクト顧客数」及び「エンジニア稼働一日当たり売上高」を管理しております。
「webコネクト顧客数」については、期中において、「各期に(初期開発又は月額)収益が計上された顧客数」から「各期に月額収益が計上された顧客数」へと定義を変更するとともに、月額収益の規模別に区分し、旅行・非旅行を含めた合算値として把握する方法へ見直しております。これにより、当該KPIは月額収益の拡大状況を示す指標としての性格を強めるとともに、将来的には当社の複数プロダクトにおける月額収益を横断的に捉える指標への発展も想定しております。
また、「エンジニア稼働一日当たり売上高」については、売上創出に直結する業務にエンジニアを適切に投入できているかを測る指標として位置づけ、継続的にモニタリングしております。今後に向けては、当社の技術基盤の高度化や技術資産の再利用を通じた生産性の向上を捉える指標への見直しも視野に入れております。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
前述のとおり、当社では、素材提供者(サプライヤー)と素材販売事業者(セラー)の間に位置し、ビジネスに必要なデータを包括的に取り扱うマーケットプレイスのシステム基盤を提供する「データ流通のビジネスハブ」となることを経営戦略としております。かかる戦略の完遂に向け、以下の課題に取り組んでまいります。
①顧客基盤の拡大と収益モデルの高度化
当社がデータ流通のビジネスハブとして持続的な成長を実現するためには、サプライヤー及びセラー双方の取り込みを進め、顧客基盤の拡大と取引の活性化を図るとともに、特定のエンタープライズ顧客への依存度の低減を進めていくことが重要な課題であると認識しております。
過年度においては、webコネクトを通じて利用可能な決済手段の拡充や電子クーポン機能の提供等により、提供側・販売側双方にとっての接続価値を高め、新規事業者の参入促進と既存事業者の取引活性化を進めてまいりました。
今後は、参加事業者数の拡大に加え、流通量の増加を伴うネットワーク効果の発現を重視するとともに、流通量の拡大が収益拡大に直結するテイクレート型のビジネスモデルの導入・高度化を進めることで、持続的な成長基盤の構築を図ってまいります。
②事業構造の変化に対応した収益管理の強化
当社が持続的な成長を実現するためには、事業構造の変化に対応した収益管理の高度化が重要な課題であると認識しております。
従来から進めてきたソリューション提供型のビジネスに加え、共同利用型のビジネスの拡大を進める中で、プロジェクト及びプロダクトごとの採算の可視化と管理精度の向上が求められております。また、プロダクト開発に係る先行投資については、適切な進捗管理及び回収計画の策定を行うことが重要となります。
今後導入を予定しているテイクレート型のビジネスモデルの拡大も見据え、収益構造の多様化に対応した管理体制を整備するとともに、収益性の向上と安定的な収益基盤の確立を図ってまいります。
③プロダクトの拡充及びプラットフォーム基盤の高度化
当社は、これまでの検索領域における技術的な強みを基盤としつつ、データ流通基盤としての機能をさらに高めるため、すでに展開を進めている新たな事業領域において、プロダクトの拡充及びプラットフォーム基盤の高度化を図ることが重要な課題であると認識しております。
過年度においては、これまでの検索技術を中核としつつ、予約・販売管理、電子クーポン、外部決済サービスとの連携等の周辺機能を拡充し、顧客の業務全体を支えるプロダクトの提供を進めてまいりました。これにより、当社サービスは単なる検索機能の提供にとどまらず、業務基盤としての役割を担う段階へと進展しております。
今後は、これらの機能を一体的なプロダクト提供ラインとして整理し、体系化を図るとともに、共通機能の整備やデータ構造の標準化を進めることで、再利用性の高いプロダクト基盤の構築を推進してまいります。
併せて、アーキテクチャの高度化を通じてサービス提供基盤の拡張性及び柔軟性を高め、業界全体の業務効率の向上と利用者の利便性向上を両立する統合型プラットフォームとしての価値を一層高めてまいります。
④安定的なサービス提供と開発生産性向上の両立
当社サービス提供先の拡大及び当社サービスを経由する商材の流通総量の増大にともない、システムの安定性・信頼性の確保と、効率的かつ持続的な開発・運用体制の構築が重要な課題であると認識しております。
特に、大型案件の増加やトラフィックの増大に対応する中で、システム負荷の増加を踏まえた処理能力の拡張及びパフォーマンスの維持・向上が求められており、安定的かつ拡張性の高いサービス提供を継続するための運用体制の高度化が必要となっております。
これまで、品質管理プロセスの整備・強化や監視体制の高度化を通じて、サービス品質の維持・向上を図るとともに、障害発生時の迅速な対応及び再発防止に取り組んでまいりました。今後は、情報セキュリティ対策の一層の強化に取り組み、外部からの不正アクセスや情報漏えい等のリスク低減に努めてまいります。
また、共通機能の活用や開発プロセスの標準化を通じて、再利用性の向上及び開発効率の改善を図るとともに、AI技術の活用等により開発スピードを飛躍的に高め、開発生産性の一層の向上を図ってまいります。
⑤開発リソースの最適化と人材の確保・育成
持続的な事業成長とプロダクトの高度化を実現するためには、専門性の高い人材の確保・育成に加え、開発リソースの最適な配置が重要な課題であると認識しております。
過年度においては、エンジニア及びプロジェクトマネジメント人材の採用を強化するとともに、社内制度の整備を通じて自律的な成長と健全な競争環境の醸成に取り組んでまいりました。
今後は、社員の採用・育成に加え、外部の開発パートナーとの連携を含めたリソースの最適化を進め、内製と外部リソースを組み合わせた柔軟かつ高効率な開発体制を構築することで、大規模案件及びプロダクト開発の双方に対応可能な体制の強化を図ってまいります。
⑥事業領域の拡大に向けたパートナーシップの強化
当社の事業領域の拡大及び新たな価値創出を実現するためには、外部企業との戦略的なパートナーシップの構築が重要な課題であると認識しております。
今後は、業務提携やアライアンスの推進に加え、必要に応じてM&A等も視野に入れながら、当社のプロダクト及びサービスの提供領域の拡張と競争力の強化を図ってまいります。これにより、顧客基盤の拡大及び新たな収益機会の創出を目指してまいります。
⑦内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化
事業の成長にともない、経営の健全性及び透明性を確保するため、内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化は重要な課題であると認識しております。
過年度においては、内部監査・経理部門への専門人材の配置を進めるとともに、監査役及び会計監査人との連携強化、社内規程の整備を推進してまいりました。加えて、顧客情報その他の重要情報を適切に管理するため、情報管理体制及び情報セキュリティに関する社内ルールの整備・運用にも取り組んでおります。
また、事業規模の拡大及び意思決定の高度化に対応するため、執行役員制度の導入及び組織体制の見直しを行い、執行機能と監督機能の役割分担の明確化を進めております。具体的には、従来の機能別組織から、事業推進(攻め)、経営戦略(中盤)、経営管理(守り)の各機能を明確に区分した体制へ移行することで、意思決定の迅速化と責任の所在の明確化を図っております。
今後も、内部統制の運用状況の継続的な検証及び改善を通じて、経営資源の適切な配分及びリスク管理の強化を推進し、上場企業として求められるガバナンス体制のさらなる高度化に取り組んでまいります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) ガバナンス
当社は、持続的な成長による企業価値向上を実現するためには、企業経営の健全性及び透明性を図り、株主をはじめとした全てのステークホルダーからの信頼を得ることが不可欠であることから、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでおります。
サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する評価、管理及び監視に伴う統制及び手続等の体制は、コーポレート・ガバナンスの体制に準拠しております。
詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレートガバナンスの状況等 (1) コーポレートガバナンスの概要」をご参照ください。
(2) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社は、「フェアネス」という価値観のもと、情報や価値が適切に評価される世界の実現を目指しております。この実現に向けて、当社は人材を最も重要な経営資源であると位置付けており、高度な専門的知識、技能及び経験を有する多様な人材の確保及び育成が不可欠であると認識しております。
また、事業領域の拡大や大規模開発への対応に当たっては、社員に加え、外部の開発パートナー(協業先企業等)も含めた柔軟かつ持続可能な開発体制の構築が重要であると考えております。
これらの認識のもと、当社は以下の方針に基づき人材戦略及び社内環境整備を推進しております。
a. 人材の獲得について
当社では、ビジネス及びシステムの全体構造を理解した上で、最適な形で価値を実現し、それをやり切ることができる人材(以下「フルスタック人材」)を人材戦略の中核に据えております。採用にあたっては、新卒採用及びキャリア採用を組み合わせ、フルスタック人材の育成を前提とした人材ポートフォリオの構築を進めております。
具体的には、人材紹介サービスとの連携強化や優秀な候補者への能動的なスカウトを実施するとともに、学生インターンシップの受け入れ、エンジニアによる技術ブログの発信、社員主導のプログラミングイベントの開催等を通じて、企業ブランディングの強化に取り組んでおります。
b. 人材の育成について
当社は、フルスタックの考え方に基づき、社名の由来でもある「より速く、より高く、より強く」という考え方のもと、社員一人ひとりが継続的に自己研鑽を重ね、DX化が進む社会において価値を発揮できる人材の育成を目指しております。
このため、社員の主体的な学びを会社として積極的に支援しております。また、人事部門主導の研修に加え、社員が自ら企画・運営するボトムアップ型の研修・勉強会が活発に行われており、社員同士が相互に刺激を受けながら切磋琢磨する風土が醸成されております。
さらに、「技術は売れて初めて価値となる」という考えのもと、顧客に提供すべき価値を起点とした提案活動やプロダクト開発を重視し、OJT等を通じた実践的な人材育成を行っています。
また、当社の競争優位性の中核は、業界特有のデータ構造や業務ロジックに関するドメイン知識であることから、過去の学びをプロダクトの更なる強化(プロダクトの拡張や標準化による開発コストの削減等)に繋げるための仕組み化を進めております。これにより、新卒社員や外部の開発パートナー等、担当業務の経験が浅いメンバーが新たに加入した際も、短期間で業界固有の業務知識を習得し、開発に着手できる体制を構築しております。
c. 人材の定着について
当社では、人材の定着にあたっても、フェアネスの実現、すなわち「公正な評価及び報酬への納得感」を醸成し、社員が価値創出に向けて自らの役割を拡張し続けられる環境を整備することが重要であると考えております。
このため、社員同士が互いの貢献を評価し合う賞与相互査定制度を導入し、個人の努力や成果がより公正に評価される仕組みを整備しております。また、社員の情報発信を積極的に支援することによって相互理解と評価の透明性向上を図っております。
加えて、上長とメンバー間の定期的なコミュニケーション機会を通じて、情報の非対称性の解消と個人のパフォーマンス最大化に努めております。
d. 外部の開発パートナーの活用について
当社は、事業の拡大及び開発規模の高度化に対応するため、外部の開発パートナーを重要な協業先と位置付けております。
開発体制においては、社員が全体設計及び価値創出の中核領域を担い、外部パートナーが機能の実装や動作検証作業等を担う役割分担とした上で、プロジェクト推進部門を軸とした柔軟な開発体制を構築しております。これにより、高いサービス品質の維持とともに、開発リソースの最適かつ機動的な配分を実現しております。
e. 能力発揮の環境整備について
当社は、社員が能力を最大限発揮できる環境整備が、企業価値向上に直結する重要な要素であると認識しております。
業務面では、上長とメンバーによる1on1の実施を通じて情報共有の透明性を高め、個々のパフォーマンス向上及び価値創出に向けた成長機会の提供に努めております。労務面では、時短勤務等の柔軟な働き方を可能とするとともに、育児休業を取得しやすい職場風土の醸成に取り組んでおります。
また、業務外においても、社員間の交流を促進するイベントの支援を通じて組織内の関係性強化を図っております。これらの取り組みにより、多様な人材が安心して働き続けられる環境を整備し、組織全体の活性化と生産性向上の両立を目指しております。
(3) リスク管理
当社は、リスク管理に関する課題や対応策を審議・承認するとともに、必要情報の共有化を図ることを目的としてコンプライアンス・リスク管理委員会を設置しておりますが、サステナビリティに関するリスクにつきましても当該委員会において、リスクの選別・影響度の評価をし、管理すべきリスクについてはその対応や対策について協議を行っております。
(4) 指標及び目標
当社では、上記「(2) 戦略」において記載した、多様な人材確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
当事業年度は、社員がキャリアの新たな挑戦を社外に求めるケースが多く、目標達成には至りませんでした。社員の成長意欲の高まりと捉えつつも、今後は社内でのキャリアパスやスキルアップの機会をさらに充実させることで、離職率の抑制とエンゲージメントの向上に取り組んでまいります。
(注) 離職率の分母は、出向者を除いた前事業年度末在籍者数とし、分子はそのうちの当事業年度退職者数としております。
3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
当社は、後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレートガバナンスの状況等 (1) コーポレートガバナンスの概要」に記載のとおり、「内部統制システムの構築に関する基本方針」及び「リスク管理規程」において、当社の事業活動において想定される各種のリスクの管理について定めております。同規程に基づき、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、会社の業務遂行に関わる様々なリスクについて年度ごとに見直しを行い、各組織に適切に対応させることにより、全社的なリスク管理を実施しております。
1. 事業に関するリスク
(1)市場・事業環境リスク
a. 経済動向及び市場環境に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社の主要顧客である企業のIT投資意欲や設備投資動向の影響を受けております。景気後退、金利・為替動向の変動、国際情勢の不安定化等により顧客企業の投資意欲が減退した場合、新規案件の獲得停滞や既存顧客からの受注減少が生じる可能性があります。特に、当社の重点領域である旅行・観光業界においては、地政学的緊張の高まり、国際紛争の発生、外交関係の変化、エネルギー価格の高騰等により、旅行需要や訪日需要が減少し、顧客企業の事業活動や投資判断に影響が及ぶ可能性があります。
また、顧客企業のコスト削減方針の強化等により、使用許諾費、運用保守費、サービス利用料等の見直しが行われた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、マクロ経済環境や外部環境の変化による影響を緩和するため、重点領域である旅行・観光業界における顧客基盤の多様化を進めるとともに、旅行会社以外の事業者への展開を通じて特定市場への依存低減に努めております。また、開発収益に偏らない月額収益の積み上げにより収益基盤の安定化を図るとともに、顧客企業を取り巻く市場環境の変化を継続的にモニタリングし、必要に応じて投資計画や事業計画の見直しを行う体制を整備しております。
b. 旅行業界における競争環境の変化に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中~長期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は旅行・観光業界を重点領域としており、当該業界に関連する売上の比率は高い水準にあります。一方で、当該領域では国内外の競合企業が多数存在し、特にOTA等の海外事業者を含む競争環境の変化が継続しております。
顧客企業である旅行会社等が、価格競争の激化や競争優位性の低下等により、想定どおりの事業展開を図れない場合、当社が提供するシステムやサービスへの投資余力の低下、又は投資方針の見直しにつながる可能性があります。その結果、当社の受注機会の減少や案件規模の縮小等を通じて、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、旅行会社向けのシステム提供にとどまらず、業界全体のデータ流通基盤を担う立場として、サプライヤー・セラー双方に価値を提供できるプロダクト展開を進めております。また、旅行・観光業界内においても顧客層の多様化を進め、特定の競争構造に過度に影響されない事業ポートフォリオの構築に努めております。
(2)ビジネスモデルリスク
a. 大口顧客依存に関わるリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社の売上高は一部の大口顧客への依存度が相対的に高く、大口顧客の投資計画や事業方針の変化、取引関係の縮小又は終了等が生じた場合、当社の売上高及び利益に影響を及ぼす可能性があります。
また、大口顧客からの案件が同時期に集中した場合には、開発リソースの逼迫や外部パートナー活用の増加により、収益性の低下や他案件への対応制約が生じる可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、大口顧客との継続的な関係維持に努めるとともに、スタンダード・ベーシック領域を含む新規顧客基盤の拡大を進めることで、特定顧客への依存度の低減を図っております。また、案件集中時に備えて外部パートナー企業と協業可能な体制を継続的に維持するとともに、プロジェクト管理体制の強化により、案件の平準化と収益性維持に努めております。
b. 自社開発プロダクトの展開に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、これまでに蓄積した知見・経験を基に、「webコネクト」等の自社開発プロダクトの展開を進めております。これらのプロダクトは中長期的な成長の中核を担うものと位置付けておりますが、市場環境の変化、顧客ニーズとの乖離、販売拡大の遅れ等により、想定どおりの導入件数や収益性を確保できない場合があります。
その場合、売上計画の未達や、ソフトウェア資産の減損、投資回収の遅延等を通じて、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、プロダクト投資に当たり、経営会議及び取締役会において投資内容、事業性、回収可能性等を審議し、慎重に判断しております。また、開発状況や販売進捗については定期的に予実比較を行い、想定との乖離を早期に把握する体制を構築しております。さらに、個別案件から得られた知見をもとに、機能の共通化・標準化を進めることで、再利用性の高いプロダクト基盤の強化に努めております。
c. マーケットプレイス型サービスの提供に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、旅行・観光業界におけるデータ流通基盤の構築を進め、将来的にはサプライヤーとセラーを結ぶマーケットプレイス型サービスの拡大を目指しております。しかしながら、この事業モデルは、一定規模以上の参加事業者数、接続数及び流通量の拡大を前提として成立する面があり、十分なネットワーク効果が発現しない場合には、想定した成長が実現できない可能性があります。
また、参加主体間の利害調整、商流設計、運営ルールの整備等に想定以上の時間やコストを要した場合、事業化の遅延又は収益性の低下を招き、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、まず既存の顧客基盤及び接続基盤を活用しながら、段階的に参加事業者数及び接続対象の拡大を進めております。また、「webコネクト」と「valueコネクト」の連携を強化し、取引及びデータ流通の利便性向上を図ることで、参加事業者にとっての利用価値を高めております。加えて、流通量の拡大に向けて、提供側・販売側双方に価値がある機能拡充を進めております。資産計上されるソフトウェアにつきましては、定期的に減損判定を行い適切に処理することとしております。
(3)収益・業績リスク
a. 売上計上の期ずれに関するリスク(顕在化の可能性:大、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社が展開する個別開発及び初期開発を伴う案件においては、顧客側の検討期間の長期化や意思決定時期の後ろ倒し、要件確定の遅延、仕様変更、当社以外の事業者が担当する領域の作業遅延、開発スケジュールの見直し等により、売上及び利益の計上時期が変動することがあります。
このため、案件自体の受注見通しに大きな変化がない場合であっても、各四半期又は年度における売上高及び利益が変動し、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、案件ごとの進捗状況、受注見通し及び収益認識時期を適時適切に業務システムへ反映し、月次で予実比較を行うことで、遅延の兆候を早期に検知することによって、期ずれリスクの低減に努めております。また、必要に応じて予算や見通しの見直しを迅速に行う体制を整備しております。
b. テイクレート型モデルのビジネスリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、中長期的に、基盤上で創出される取引に連動して収益を得るテイクレート型モデルへの発展を志向しております。しかしながら、当該モデルは、利用事業者数や素材接続数の拡大に加え、実際の流通量及び継続利用率の向上がともなって初めて十分な収益性が確保されるものであります。
そのため、参加者の増加に対して流通量の拡大が追いつかない場合や、想定した手数料水準を確保できない場合には、収益化が遅延し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、テイクレート型モデルの本格展開に先立ち、素材接続数、利用旅行会社数、利用施設数等を先行指標として継続的にモニタリングし、基盤の拡大状況を把握しております。また、流通量の増加につながる商品提供の拡充、接続利便性の向上、機能改善等を段階的に進めることで、収益化の確度向上に努めております。
c. プロダクト投資における回収期間の長期化リスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、共通機能の開発やプロダクト基盤の拡充に継続的に投資を行っております。これらの投資は将来の収益獲得を見込んで行うものでありますが、市場導入の遅れ、顧客獲得ペースの鈍化、追加投資の発生等により、回収期間が当初想定より長期化する可能性があります。
その場合、投資効率の低下や資産性評価の見直し等を通じて、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、開発費の資産計上に当たり、取締役会において投資内容、回収可能性及び事業性を確認しております。また、投資後も定期的に開発進捗及び事業計画との整合性を検証し、必要に応じて投資方針の見直しを行うことで、回収期間の長期化リスクの低減に努めております。
(4)技術・サービス提供リスク
a. 検索技術基盤「Spook」を用いた個別開発に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社が属するソフトウェア開発市場では、競合企業の新規参入や価格競争等が生じる可能性があります。当社は、旅行・観光業界における業務知識、技術力及びコンサルティング力を通じて差別化を図っておりますが、競争環境の変化により、提供価値に見合った価格水準を維持できない場合には、売上成長の鈍化又は利益率の低下を招く可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、「Spook」を用いた検索機能の提供にとどまらず、素材登録、検索、予約管理、電子クーポン発行、外部接続ゲートウェイ等を含む「webコネクト」へと価値提供領域を拡大することで差別化を図っております。また、検索性能や処理効率の改善を継続し、技術面での優位性維持に努めております。
b. 技術革新に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中~長期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社が事業展開するソフトウェア開発市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが速く、継続的な技術対応が求められます。新技術への対応が遅れた場合や、必要な技術投資・人材育成に想定以上のコストを要した場合には、競争力の低下又は収益性の悪化を招き、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、技術部門を中心に技術動向の把握、新規技術の検証、社員の資格取得支援、社外イベントへの参加・協賛、社内勉強会の開催等を継続的に行っております。また、AI技術を活用するとともに、新たな技術の活用可能性について継続的に検討しております。
c. 品質が顧客の期待を下回るリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:大)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社が提供するシステムは、顧客の基幹業務や販売業務に直結しており、品質及び納期に対する高い要求水準がともないます。開発規模の大型化や要件の高度化により、品質不良、仕様不整合、納期遅延等が発生した場合には、追加コストの発生、損害賠償、信用毀損、将来案件の受注機会喪失等を通じて、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、商談段階からプロジェクト管理者を配置し、進捗・品質管理を行う体制を整備しております。また、定期レビュー、進捗報告、テスト手法の標準化、成熟した技術やフレームワークの活用等を通じて品質リスクの低減に努めております。大型案件については、専任のプロジェクトマネジメント担当を配置し、顧客及び外部パートナーとの密な連携を図っております。
d. 外注先への業務委託に係るリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、必要に応じて外部パートナー企業に開発・保守運用等の一部を委託しております。外部パートナー企業において、必要な技術者数や技術水準が確保できない場合、外注コストが上昇した場合、又は品質・納期上の問題が発生した場合には、当社のサービス提供能力や受注対応力に制約が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、主要な外部パートナー企業と定期的にコミュニケーションを図り、必要な開発リソースを確保できる体制づくりに努めております。また、大型案件についてはプロジェクトマネジメント担当を配置し、品質・納期・コミュニケーション面での統制を強化しております。中期的には、社員数の拡充と共通機能の整備により、外部パートナーへの依存度のコントロールを図ってまいります。
e. 提供サービスのスケーラビリティに関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社が提供するサービスは、取扱データ量、接続数、利用事業者数及び流通量の拡大にともない、より高い処理能力、安定性及び拡張性が求められます。今後、サービス利用の増加や商材流通量の拡大に対して、システム基盤の性能向上やアーキテクチャの高度化が適時に実現できない場合には、応答性能の低下、障害発生頻度の上昇、顧客満足度の低下等を招き、当社の競争力及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、「Spook」の性能向上及び処理効率の最適化に向けた技術検証を継続するとともに、共通基盤化、アーキテクチャの見直し、監視体制の高度化等を進めております。また、プロダクト開発においても、再利用性・拡張性を意識した設計を行い、スケール拡大に耐え得る基盤整備に取り組んでおります。
(5)インフラ・セキュリティ・統制リスク
a. 大規模災害・サイバー攻撃等による通信障害のリスク(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社はクラウドサービスの活用等を通じて災害対策を講じておりますが、地震、火災、通信障害、電力供給停止、サイバー攻撃その他予測困難な事象によりシステムトラブルが発生した場合には、当社の事業継続、サービス提供及び経営成績に影響を与える可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、主要サーバー及びソフトウェア資産のバックアップ体制を整備し、事業継続体制を強化しております。また、セキュリティ対策を目的としたソフトウェア及びハードウェアの導入、監視体制の整備等により、障害及び攻撃発生時の影響最小化に努めております。
b. 知的財産権に関するリスク(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:中~長期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意しておりますが、万一侵害が認定された場合には、損害賠償、差止請求、ライセンス料負担等が発生する可能性があります。また、オープンソースソフトウェアの利用にともない、当社開発資産の開示義務等が生じる場合には、事業展開に制約が生じる可能性があります。これらの場合、当社の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
当社では、外部ソフトウェア及びオープンソースソフトウェアの利用に関するルールを整備し、ライセンス確認の上で一覧管理を行っております。また、知的財産権に関する社員向け研修を実施し、権利侵害リスクの低減に努めております。
2.会社組織に関するリスク
(1)人的・組織運営リスク
a. 人材確保に関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:短~中期、影響度:大)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社の事業の継続及び成長には、一定水準以上のスキルを有する技術者、プロジェクトマネジメント人材及び事業推進人材の確保が不可欠です。採用競争の激化や離職率の上昇等により必要な人材を計画どおり確保・育成できない場合には、開発力の低下、案件対応力の不足、成長機会の逸失等を通じて、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
新卒・中途採用を継続的に進めるとともに、学生インターンシップ、技術ブログ、イベント開催等を通じて企業ブランディングの強化を図っております。また、書籍購入、資格取得、勉強会等の支援を通じて育成体制を整備するとともに、賞与相互査定制度等による公正かつ透明性の高い評価を通じて定着率向上にも取り組んでおります。
b. 小規模組織であることに関するリスク(顕在化の可能性:中、顕在化する可能性のある時期:中~長期、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社は、事業規模の拡大に比して組織規模が相対的に小さいと見なされることがあり得ます。今後の成長にともない内部管理体制、業務管理体制及びガバナンス体制の整備が十分に追いつかない場合には、適切な業務運営やリスク管理に支障が生じ、当社の事業運営及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
内部統制の整備・運用を継続的に見直すとともに、業務の定型化、ルール整備、専門人材の配置、執行役員制度の導入等を通じて、事業規模の拡大に応じた管理体制の高度化に取り組んでおります。
(2)ガバナンス・統制・資本構造リスク
a. 代表取締役への依存にかかるリスク(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社の代表取締役屋代浩子並びに屋代哲郎は、当社の創業者であり、経営方針・経営戦略の策定やその実行において重要な役割を果たしております。当社は、両氏に過度な依存をしない経営体制を構築すべく、取締役・執行役員・幹部社員への情報共有や権限委譲等によって両氏への過度な依存の脱却に努めておりますが、今後何らかの理由で両氏が当社の業務を遂行することが困難になった場合には、当社の事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
通常業務における権限委譲を進めるとともに、重要事項については経営会議及び取締役会における合議を経て意思決定する体制を整備しております。また、後継人材の育成及び幹部層への経営情報共有の強化を進めております。
b. 個人情報を含む顧客情報の紛失や漏洩等の情報管理に関するリスク(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
業務上、顧客が有する各種秘密情報及び個人情報を取り扱う場合があります。情報管理規程の整備や各種安全管理措置を講じておりますが、万一、情報の紛失、破壊、漏洩、不正アクセス等が発生した場合には、損害賠償請求、信用低下、取引停止等を通じて、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
個人情報保護規程及び情報管理規程の整備、定期的な社員研修、アクセス権管理、暗号化、監視体制の整備等、組織的・人的・物理的・技術的安全管理措置を講じております。また、プライバシーマーク及びISMS認証の維持運用を通じて、情報管理水準の継続的向上に努めております。
c. 当社株式の流動性に関するリスク(顕在化の可能性:小、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
[リスクの内容と顕在化した際の影響]
当社株式は、主要株主による保有比率が高いこと等から、市場における流動性が十分に確保されない可能性があります。今後、何らかの事情により株式流動性が低下した場合には、株式売買の停滞や需給悪化を招く可能性があり、当社株式の市場評価に影響を及ぼす可能性があります。
[リスクへの対応策]
流通株式比率及び流動性の向上に向け、主要株主との協議を進めるとともに、適時・適切なIR活動を通じて投資家層の拡大に努めております。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度(2025年3月1日~2026年2月28日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が続いているものの、国際情勢の不透明感や原材料価格の高止まり、為替変動などの影響もあり、先行きについては引き続き慎重な見方が広がる状況となりました。また、生成AIをはじめとするデジタル技術の実装が一層進展する中、業務効率化・高度化を目的としたデジタル投資の需要は引き続き高水準で推移しております。
当社が主にサービスを提供する旅行・観光業界においては、訪日外国人旅行者数(インバウンド)が過去最高水準で推移するなど、引き続き高い需要が維持されております。一方で、政治・外交要因等の影響により訪日需要に変動が見られるなど、市場構造に変化の兆しも見られております。また、国内旅行については、物価上昇等の影響もあり旅行需要は概ね横ばいで推移しております。主要顧客である国内大手旅行会社においては、需要構造の変化に対応した収益構造の見直しやデジタル投資、販売チャネルの高度化に向けた取り組みが進展しております。
こうした事業環境のもと、当社は独自の検索技術基盤「Spook」を軸としたソリューション型サービスと、旅行・観光業界向け商品販売プラットフォーム「webコネクト」を軸としたSaaS型サービスの二軸で事業を展開しております。両サービスはいずれも「開発収益」と「月額収益」で構成され、開発収益はプロジェクトの受注状況や進捗に応じて変動する一方、月額収益は導入顧客数の増加に比例して安定的に積み上がる構造となっております。なお、当社はデジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
当事業年度においては、主要顧客における基幹システム刷新や新サービス構築に係るプロジェクトが順調に進行し、開発フェーズの進捗に応じた初期開発収益の計上や、サービスイン後の月額収益の積み上がりなど、事業自体は堅調に推移いたしました。また、当事業年度中において受注時期が後ろ倒しとなっていた新規大型案件につきましても、第4四半期中に設計・開発フェーズの受注及び契約締結が完了しており、プロジェクトは計画どおり進行しております。
当社では、当事業年度末時点において通期業績見通しで想定する売上を達成する水準での決算数値の取りまとめを行いました。その後の監査の過程で収益認識に関する要件の適用について改めて監査法人と協議を行った結果、当事業年度における一部大型案件の進捗に応じた売上につき、翌事業年度に顧客が検収した時点で計上することが適切であるとの結論に至りました。
上記の影響により、2026年2月期の売上高につきましては、期初の業績予想を下回る結果となりました。なお、当該案件は当事業年度中に受注及び契約締結が完了しており、案件自体の進捗に変更はありません。
利益面につきましては、当該大型案件の開発着手を見据えて期中より開発体制の拡充を進めていたことに加え、プロダクトの品質向上や中期的な収益基盤の拡大に向けた新機能開発等の先行的な取り組みを継続的に進めていたことが、売上原価を押し上げる主な要因となりました。これらの費用は、本事業年度の売上計上と対応する形で回収することを見込んでおりましたが、前述のとおり売上の計上が翌事業年度に行われることとなったため、当事業年度の利益減少として表れる構造となりました。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高は2,197,552千円(前期比4.9%減)、営業利益は71,458千円(同66.8%減)、経常利益は74,414千円(同62.5%減)、当期純利益は48,716千円(同63.0%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末に比べて37,227千円減少し、2,154,410千円となりました。これは主に、現金及び預金が57,239千円、仕掛品が42,617千円及びソフトウェアが91,579千円増加したものの、売掛金が103,425千円及び契約資産が79,303千円減少したためであります。
(負債)
当事業年度末における総負債の残高は、前事業年度末に比べて85,944千円減少し、166,532千円となりました。これは主に、未払法人税等が63,636千円減少したためであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べて48,716千円増加し、1,987,878千円となりました。これは、利益剰余金が48,716千円増加したためであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度に比べ57,239千円増加し、当事業年度には1,287,720千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、181,193千円(前期は27,578千円の資金の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益の計上74,414千円(前期は198,189千円)、減価償却費の計上73,263千円(前期は53,873千円)、仕掛品の増加額42,617千円、売上債権の減少額103,425千円(前期は売上債権の増加額139,725千円)、契約資産の減少額79,303千円(前期は契約資産の増加額86,318千円)及び法人税等の支払額87,030千円(前期は法人税等の支払額57,404千円)によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、123,953千円(前期は111,318千円の使用)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出109,596千円(前期は105,236千円の支出)によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用及び獲得した資金はありませんでした(前期は355,240千円の獲得)。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社の事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b 受注実績
当社では、概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
c 販売実績
当社は、デジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりませんが、第25期事業年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績の分析
a. 売上高
当事業年度の売上高は2,197,552千円(前期比4.9%減)となりました。主要顧客における基幹システム刷新や新サービス構築に係るプロジェクトは順調に進行し、初期開発収益の積み上がり及び月額収益の拡大が進んだものの、一部大型案件における収益認識タイミングの見直しにより、当期に計上を見込んでいた売上の一部が翌事業年度の計上となったことから、減収となりました。
b. 売上原価、売上総利益
当事業年度の売上原価は1,135,238千円(前期比5.6%増)、売上総利益は1,062,313千円(前期比14.0%減)となりました。
大型案件の開発着手を見据えた開発体制の拡充や、プロダクトの品質向上・機能拡張に向けた先行的な取り組みにより売上原価が増加しました。一方で、一部大型案件における収益認識タイミングの見直しにより、当期に計上を見込んでいた売上の一部が翌事業年度の計上となったことから、売上総利益は減少しました。その結果、売上総利益率は48.3%(前期53.5%)となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業損益
当事業年度の販売費及び一般管理費は990,855千円(前期比2.8%減)、営業利益は71,458千円(前期比66.8%減)となりました。
販売費及び一般管理費については、費用抑制に努めた結果、前期比で減少したものの、売上の期ずれにより当期に見込んでいた利益が翌事業年度に後ろ倒しとなったことに加え、開発体制の拡充等に伴う原価増の影響により、営業利益は大幅な減益となりました。営業利益率は3.3%(前期9.3%)と大きく低下しました。
d. 営業外収益、営業外費用、経常利益
当事業年度の営業外収益は2,957千円(前期比151.0%増)、営業外費用は1千円(前期比99.9%減)となり、経常利益は74,414千円(前期比62.5%減)となりました。
営業外費用については、前期に計上していた上場関連費用が当期には発生していないことから大幅に減少しておりますが、営業利益の減少の影響により、経常利益は減少しております。
e. 特別利益、特別損失及び当期純利益
当事業年度において特別利益及び特別損失に重要な発生はありませんでした。この結果、税引前当期純利益は74,414千円(前期比62.5%減)となりました。法人税、住民税及び事業税として20,211千円、法人税等調整額5,487千円を計上した結果、当期純利益は48,716千円(前期比63.0%減)となりました。
② 財政状態の分析
当社の財政状態の分析は「(1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社のキャッシュ・フローの状況分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、当社は、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、営業活動によるキャッシュ・フローにより調達しております。手許現預金の水準については、過去1年程度の最大月間支出額の2か月分程度の6億円以上が適正であるとの考えのもとに管理しております。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,287,720千円となっており、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。
当社の資金需要のうち主なものは、人件費、外注費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、継続的なソフトウェア開発であります。
④ 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑤ 経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社は売上高、売上高営業利益率を重要な経営指標として設定しています。各指標の推移は以下のとおりであります。
また、SaaS型サービスである「webコネクト顧客数」及び「エンジニア稼働一日当たり売上高」をKPIとして管理しております。
a.webコネクト顧客数

(注1)「webコネクト顧客数」は各期に月額収益が計上された顧客となります。
(注2) 顧客区分は「エンタープライズ型」が月額収益300万円超、「スタンダード型」は月額収益100~300万円、「ベーシック型」は月額収益100万円未満として、契約済み顧客から得られる月額収益に応じて分類しています。
b.エンジニア稼働一日あたり売上高

(注)算定方法:稼働一日当たり売上高=(当月の売上高)/(投入した作業量(1日8時間にて日単位に換算))。なお、売上高からは作業が発生しないライセンス費及び請負外注費に対応する売上高を除く。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や取引の状況等を勘案し合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
・受注制作のソフトウェア開発に係る見積総原価
一定の期間にわたり充足される履行義務に係る売上高及び受注損失引当金の算定に係る重要な見積りは見積総原価であり、その見積総原価における主要な仮定は、ソフトウェア開発の作業内容にともない発生が見込まれるソフトウェア開発人員の工数及び外注費等が挙げられます。
総原価の見積りはソフトウェア開発の進行に応じて適時、適切に見直しを行いますが、契約ごとに個別性が高く、顧客からの要請の高度化・複雑化や開発段階でのシステム要件の変更、納期の変更等により、見積総原価が変動することがあります。翌事業年度以降、当該見積総原価の見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。
5 【重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
当社では事業の重点領域である旅行・観光業界に向けて、MaaS(Mobility as a Service)時代においてより柔軟かつ機動的な対応を可能とするため、旅行商品造成・販売プラットフォームサービス「webコネクト」を開発、強化しております。また、検索技術基盤「Spook」の継続的な進化と改善を図り、大量データの高速検索及び分析の実現に向け、効率的なコンピュータリソースの活用を目的とした分散データベースの調査・検証を進めておりますが、当事業年度において研究開発費の計上はありません。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当事業年度において実施した設備投資(無形固定資産を含む。)の総額は122,953千円であり、有形固定資産は主に情報機器の購入、無形固定資産は主にwebコネクトにかかるソフトウェアの開発であります。
なお、当社はデジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
また、重要な設備の除却、売却等はありません。
2 【主要な設備の状況】
(注) 1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.本社建物は賃借しております。年間賃借料は159,103千円であります。
3.当社は、デジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1.発行済株式総数の増加は、株式分割(1:100)によるものであります。
2.有償一般募集(ブックビルディング方式による募集)
発行価格 1,750円
引受価額 1,610円
資本組入額 805円
払込金総額 322,000千円
3.有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
割当価額 1,610円
資本組入額 805円
割当先 野村證券株式会社
(5) 【所有者別状況】
(注)1.所有株式数の割合は、小数点第3位以下を四捨五入しております。
2.従業員持株会110,355株は、「個人その他」に1,103単元、「単元未満株式の状況」に55株含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2026年2月28日現在
(注)発行済株式の総数に対する所有株式数の割合は、小数点第3位以下を四捨五入しております。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
② 【自己株式等】
該当事項はありません。
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項はありません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
該当事項はありません。
3 【配当政策】
当社は、株主への利益還元を経営上の重要な課題として認識しており、事業基盤の整備状況や事業展開の状況、業績や財政状況等を総合的に勘案しながら、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。
ただし、当社は現在成長過程にあり、さらなる成長に向けた事業の拡充や組織体制への投資等の財源として有効活用することが株主に対する最大の利益還元に繋がると考え、現状は配当を実施しておりません。
将来的には、財政状態及び経営成績を勘案しながら配当を実施していく方針ではありますが、現時点において配当の実施時期等については未定であります。
当事業年度は、事業の拡大に向け、投資を継続するべきと判断したことから剰余金の配当は実施しておりません。内部留保資金につきましては、今後の事業拡大を図るため、有効に活用していく方針であります。
当社は、定款の定めにより、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項につきまして、法令に別段に定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず、取締役会の決議により定めることができることとしております。
また、剰余金の配当の基準日として期末配当の基準日(2月末日)及び中間配当の基準日(8月31日)の年2回のほか、基準日を定めて剰余金の配当を行うことができる旨を定款に定めております。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、経営の効率化、健全性、透明性を高め、長期的、安定的かつ継続的に株主価値を向上させる企業経営の推進がコーポレート・ガバナンスの基本であると考え、経営上の重要課題であると認識しております。
このため、企業倫理と法令順守の徹底、経営環境の変化に迅速・適正・合理的に対応できる意思決定体制及び業務執行の効率化を可能とする社内体制を構築することを通じて、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。また、全てのステークホルダーから信頼を得ることが不可欠であると考え、経営情報の適時開示(タイムリー・ディスクロージャー)を通じて透明性のある経営を行ってまいります。
当社の主要株主である屋代浩子、屋代哲郎の持株数を合計すると発行済株式総数の過半数となることから、両者は支配株主に該当いたします。
当社は支配株主及び支配株主の二親等以内の親族との間で取引を行っておらず、今後も取引を行うことを予定しておりませんが、取引を検討する場合、社内規程である関連当事者取引管理規程に則り、少数株主の利益を損なうことのないよう、取引理由及びその必要性、取引条件及びその決定方法の妥当性等について、取締役会において十分に審議した上で意思決定を行うこととしております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は2020年3月より監査役の監査対象にかかる会計限定を外し、取締役会設置会社に移行、第20期定時株主総会にて監査役会設置会社に移行しております。取締役会、監査役会、会計監査人の各機関の相互連携により、コーポレート・ガバナンスが有効に機能すると判断し、当該企業統治体制を採用しております。コーポレート・ガバナンス強化の観点から、他の機関設計の採用可否についての検討は継続して行っていきます。
当社の業務の意思決定・執行及び監査についての体制は、下図のとおりであります。
なお、内容については、本報告書提出日現在における状況等を記載しております。

a 取締役及び取締役会
提出日(2026年5月27日)現在、当社の取締役会は代表取締役社長の屋代浩子を議長とし、代表取締役屋代哲郎、常務取締役山田尚紀、取締役三坂紀、大西孝明、社外取締役 稲岡研士の計6名で構成され、取締役の職務の執行を監督しております。経営の意思決定を合理的かつ迅速に行う事を目的に毎月1回の定例取締役会を開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。
注)当社は、2026年5月28日開催予定の定時株主総会の目的事項(決議事項)として、「取締役5名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社の取締役は5名(うち社外取締役2名)となります。
b 監査役会
当社の監査役は、常勤監査役の谷本真一を議長とし、社外監査役の吉村龍吾、西村健の3名により構成されております。監査役監査規程に則り、ガバナンスのあり方とその運営状況を監視し、取締役会へ出席するとともに、取締役の職務の執行を含む日常的活動の監査を行っております。また監査役監査規程、監査役会規則に則り、原則として月次で監査役会を開催します。
また、会計監査人の会計監査の把握や内部監査の状況を把握し、定例会合での情報共有により監査の実効性の確保に努めております。
c 経営会議
当社の経営会議は、代表取締役社長の屋代浩子を議長とし、代表取締役屋代哲郎、常務取締役山田尚紀、取締役三坂紀、大西孝明、執行役員洲巻圭介、宮村健太郎、田中謙次、前田圭一郎、関亜希子、武田陽一郎の計11名で構成され、原則として月1回以上、必要がある場合は随時開催しております。本会議は取締役会の決定に基づいて経営執行の基本方針、基本計画その他経営に関する重要事項の審議及び調整を図ること、取締役会へ上程すべき業務に関する重要事項を審議・検討することを目的としております。また、代表取締役社長又は取締役会の諮問に対して答申するため、重要事項の立案・調査・検討・決定又は実施の把握等を行っております。
なお、2026年5月28日開催予定の定時株主総会の目的事項(決議事項)として、「取締役5名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社の取締役は5名(うち社外取締役2名)となります。よって、定時株主総会後は、経営会議は、代表取締役社長の屋代浩子が議長を務め、代表取締役屋代哲郎、取締役 大西孝明、執行役員洲巻圭介、宮村健太郎、田中謙次、前田圭一郎、関亜希子、武田陽一郎の計9名で構成になる予定です。
d 内部監査
当社は独立した内部監査室は設置しておりませんが、代表取締役社長の命を受けた内部監査人2名が、当社全体をカバーするよう業務監査を実施し、代表取締役社長に対して監査結果を報告しております。代表取締役社長は、監査結果の報告に基づき、被監査部門に対して改善を指示し、その結果を報告させることで内部統制の維持改善を図っております。また、内部監査人と監査役、会計監査人が監査を有効かつ効率的に進めるため、適宜情報交換を行っており、効率的な監査に努めております。
e コンプライアンス・リスク管理委員会
当社のコンプライアンス・リスク管理委員会は、代表取締役社長の屋代浩子を委員長とし、副委員長、委員及びオブザーバーとしての常勤監査役で構成されており、会社の事業遂行に関わる様々なリスクについて年度ごとに見直しを行い、各組織に適切に対応させることにより、リスクの顕在化防止と被害の最小化を図り、全社的なリスク管理を実施しております。また、コンプライアンスに関する推進体制の構築、基本指針の策定、研修計画及び実施担当部署、指導監督、問題発生時の対応等のリスク管理に関する事項について決定又は実施しております。
f 会計監査人
当社は、有限責任 あずさ監査法人と監査契約を締結し、会社法及び金融商品取引法に基づく監査を受けております。会計監査人の監査報告会には、監査役及び内部監査人が出席して直接報告を受けるとともに、意見を述べるなどの連携を図っております。
③ 取締役会等の活動状況
a 取締役会
当事業年度における取締役会の開催状況及び個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。
(注)1.毎月1回の定例取締役会を開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催しております。
2.夏目伸彦氏は2026年2月28日をもって、取締役を辞任しております。
取締役会における具体的な検討内容として、法令及び定款に定められた事項のほか、取締役会規則の定めに従い、組織及び人事に関する事項、経営計画に関する事項、決算に関する事項、規程の制定改廃、コンプライアンス及びリスク管理に関する事項、重要な業務執行に関する事項等につき、審議・決議しております。
④ 企業統治に関するその他の事項
a 内部統制システムの整備の状況
会社法及び会社法施行規則に定める業務の適正を確保するための体制は、「内部統制に関する基本方針」を2021年5月の取締役会にて決議し、その後、2025年7月1日に一部改定しており、現在その基本方針に基づき内部統制システムの運用を行っております。整備されている体制の概要は以下のとおりです。
1.取締役及び社員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(ア)コンプライアンス基本規程を制定するとともに、コンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、当社のコンプライアンス体制の構築・維持にあたる。
(イ)当社の法務及びその他管理関係部署の担当者は、当社の役員、社員に対し、コンプライアンスに関する教育・研修を適宜実施し、コンプライアンス意識の維持・向上を図る。
(ウ)内部通報制度を設けることで、当社の社員が、問題の早期発見・未然防止を図り、適切かつ迅速に対応することを確保する。
(エ)反社会的勢力対策規程を制定するとともに、反社会的勢力に対し、毅然とした態度で対応し、いかなる名目の利益供与も行わず、反社会的勢力との係わりを一切持たないものとする。
2.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
当社は、取締役の業務執行に係る情報について、法令及び取締役会規則、文書管理規程、情報管理規程、その他の社内規程に則り、適切に保存及び管理を行う。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(ア)リスク管理規程を制定し、会社の事業活動において想定される各種のリスクに対応する部署又は組織、責任者を定め、適切に評価・管理体制を構築する。
(イ)コンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、当社の事業活動における各種リスクに対する予防・軽減体制の強化を図る。
(ウ)危機発生時には、緊急事態対応体制を取り、社内外への適切な情報伝達を含め、当該危機に対して適切かつ迅速に対処する。
4.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社は、以下の経営管理システムを用いて、取締役の職務の執行の効率化を図る。
(ア)取締役会の意思決定機能及び業務監督機能と、各取締役の業務執行機能を分離する。
(イ)取締役会規則、業務分掌規程及び職務権限規程を定め、取締役の職務及び権限、責任の明確化を図る。
(ウ)取締役会を毎月1回定期的に開催するほか、必要に応じて適宜臨時に開催する。
5.当社及び子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制について
(ア)取締役会は、年度計画を決議し、経理部はその進捗状況を毎月取締役会に報告する。
(イ)内部監査人は、内部監査を実施し、その結果を代表取締役社長に報告する。
(ウ)経営企画室を関係会社担当部署とし、関係会社管理規程に基づき関係会社の管理を行う。関係会社管理規程に記載する関係会社における重要な決定に関しては、関係会社は当社の承認を得る。
(エ)子会社において損失の危険が発生する場合は、当社に対して速やかに報告を行う。
6.監査役がその職務を補助すべき社員を置くことを求めた場合における当該社員に関する事項
(ア)当社の監査役が企業規模、業務、経営上のリスクその他の会社固有の事情を考慮し、監査の実効性の確保の観点から、補助社員の確保を求めた場合、監査役の職務を補助するための社員として、少なくとも兼任者を1名以上設置する
(イ)補助社員は取締役又は取締役会が決定する。
7.補助社員の取締役からの独立性に関する事項及び監査役の補助社員に対する指示の実効性の確保に関する事項
(ア)監査役は、前項の体制の整備のため、補助社員の業務の遂行、仕事量、人事評価等を含め、働きやすい環境が確保されるように努める。
(イ)補助社員の人選、人事異動、人事評価、懲戒処分等に対する監査役の同意権、補助社員に対する監査役の指揮命令権等について、監査役は取締役と協議し、取締役は補助社員の独立性についても十分留意するものとする。
8.当社及び子会社における当社監査役への報告に関する体制
(ア)監査役は、当社の取締役に対し、当社及び子会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、これを直ちに監査役に報告することが自らの義務であることを強く認識するよう求める。
(イ)内部通報制度を通じて、当社及び子会社の社員からの問題に関する報告を受ける体制を確保する。
9.前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
内部通報制度について、監査役は、重要な情報が監査役にも提供されているか及び通報を行った者が通報を行ったことを理由として不利な取扱いを受けないことが確保されているかを確認し、内部通報制度が企業集団を含め有効に機能しているかを監視し検証しなければならない。また、監査役は、内部通報制度から提供される情報を監査職務に活用するよう努める。
10.監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
(ア)監査役は、職務の執行について生ずる費用について、会社から前払又は償還を受けることができる。
(イ)監査役は、職務の執行について生ずる費用について、代表取締役と協議のうえ、あらかじめ予算を計上する。緊急又は臨時に支出した費用についても、その理由と内容を説明し、償還を受けることができる。
(ウ)監査役は、必要に応じて外部の専門家の助言を受けた場合、当該費用を会社に請求することができる。ただし、予め、発生する費用の概算について、代表取締役及び予算管理者に通知する。
(エ)監査役は、その役割・責務に対する理解を深め、必要な知識の習得や更新のために、監査役協会等が主催する研修等を受ける場合、当該費用を会社に請求することができる。
11.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(ア)監査役は、代表取締役社長と定期的に意見交換を行い、相互の意思疎通を図る。
(イ)監査役は、会計監査人及び内部監査人と定期的に情報交換を行い、相互の連携を図る。
b リスク管理体制の整備の状況
取締役会では、リスク管理の全社的推進とリスク管理に必要な情報の共有化を図り、コンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図っております。コンプライアンス・リスク管理委員会は年度毎にリスク管理実施計画を策定し、四半期毎に同計画の実施状況をモニタリングしております。また、内部通報制度も整備されており、コンプライアンス・リスク管理委員会が社員からの通報を受け、対応を行う体制としております。なお、社外弁護士窓口も設けることで独立性の確保を図っています。
c 提出会社の子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
現在、当社に子会社はありませんが、「関係会社管理規程」を制定し、同規程に基づき子会社の管理を行う体制を整備しております。
d 取締役及び監査役の員数
当社の取締役は10名以内、監査役は5名以内とする旨を定款に定めております。
e 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び選任決議は、累積投票によらない旨を定款に定めております。
f 取締役会で決議できる株主総会決議事項
(a) 取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役会の決議によって、取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)の会社法第423条第1項の責任について、法令に定める要件に該当する場合には、賠償の責任を負う額から法令に定める最低責任限度額を控除して得た額を限度として免除することができる旨を定款に定めております。これは、取締役及び監査役がその職務の遂行にあたって期待される役割を十分に発揮できるようにするためであります。
(b) 剰余金の配当等
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項等については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず、取締役会の決議により定めることができる旨を定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
また、当社は、剰余金の配当の基準日について、期末配当は毎年2月末日、中間配当は毎年8月31日、その他は基準日を定めて剰余金の配当をすることができる旨定款に定めております。
g 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う旨定款に定めております。
h 責任限定契約の概要
当社は、取締役(業務執行取締役等である者を除く)及び監査役との間で、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める額としております。なお、当該責任限定契約が認められるのは、当該社外取締役及び監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失が無い場合に限られます。
i 補償契約について
当社は、取締役及び監査役との間において、会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しており、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしております。
j 役員等賠償責任保険契約について
当社は、取締役及び監査役を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者が会社の役員としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を当該保険契約により填補することとしております。
保険料は全額当社が負担しておりますが、贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は填補対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じております。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
a.2026年5月27日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりであります。
男性8名 女性1名(役員のうち女性の比率11%)
(注) 1.上記所有株式数には、フォルシア役員持株会名義の実質所有株式数(単元未満株を含む。)を記載しております。なお、提出日現在のフォルシア役員持株会による取得株式数は、確認ができないため、当事業年度末現在の実質所有株式数を記載しております。
2.取締役稲岡研士は、社外取締役であります。
3.監査役吉村龍吾及び西村健は、社外監査役であります。
4.取締役の任期は、2024年8月30日開催の臨時株主総会終結の時から、選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。
5.監査役の任期は、2024年8月30日開催の臨時株主総会終結の時から、選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。
6.代表取締役屋代哲郎は、代表取締役社長屋代浩子の配偶者であります。
7.当社では、意思決定の迅速化と業務執行体制の強化を目的として執行役員制度を導入しております。執行役員は以下のとおりであります。
b.2026年5月28日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役5名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、当社の役員の状況は以下のとおりとなる予定です。なお、役員の役職等につきましては、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しております。
男性7名 女性1名(役員のうち女性の比率12%)
(注) 1.上記所有株式数には、フォルシア役員持株会名義の実質所有株式数(単元未満株を含む。)を記載しております。なお、提出日現在のフォルシア役員持株会による取得株式数は、確認ができないため、当事業年度末現在の実質所有株式数を記載しております。
2.取締役稲岡研士及び北上真一氏は、社外取締役であります。
3.監査役吉村龍吾及び西村健は、社外監査役であります。
4.取締役の任期は、2026年5月28日開催の定時株主総会終結の時から、選任後1年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。
5.監査役の任期は、2024年8月30日開催の臨時株主総会終結の時から、選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。
6.代表取締役屋代哲郎は、代表取締役社長屋代浩子の配偶者であります。
② 社外役員の状況
2026年5月27日(有価証券報告書提出日)現在、当社の社外取締役は1名、社外監査役は2名であります。
社外取締役稲岡研士は、ANAホールディングス株式会社グループにて長年にわたって航空・旅行業に携わり、企業経営に対する卓越した経験と高い識見を有しており、当社の経営判断・意思決定の過程で、その知識と経験に基づいた客観的・中立的立場から経営に有用な助言をしていただくことを期待し社外取締役に選任しております。
社外監査役吉村龍吾は、長年にわたる弁護士としての経験を有することから専門知識と企業法務に関する豊富な知見を有しており、社外監査役として当社取締役の職務の執行の適法性監査並びに内部統制システムの構築・改善に重要な役割を果たすことが期待できるため、監査役として適任であると判断しております。
社外監査役西村健は、グローバルに事業を展開する複数の企業においての豊富な業務経験に加えて、金融庁での勤務経験があります。長年にわたる企業人としての豊富な知識・経験等を活かし、経営陣から独立した客観的立場から取締役会の業務執行を監査できる知見・能力を有しており、監査役として適任であると判断しております。
なお、社外取締役稲岡研士は当社株式を305株、社外監査役吉村龍吾は10,000株、社外監査役西村健は305株をそれぞれ所有しておりますが、それ以外の当社との人的関係、資本的関係又は取引関係、その他の利害関係はありません。
当社は、社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性に関する基準又は方針として明確に定めてはおりませんが、選任にあたっては、東京証券取引所の独立性基準を参考に、経歴や当社との関係を踏まえて、当社経営陣から独立した立場で社外役員としての職務を遂行できる十分な独立性が確保できることを前提に判断しております。
2026年5月28日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役5名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決された後は、当社の社外役員は4名となる予定です。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査人との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会に出席し、決議事項に関する審議や決定に参加するほか、客観的・専門的な視点から当社の業務執行に対する適切な監視・監督や助言を行っております。
社外監査役は、取締役会に出席し助言を行うとともに、取締役の職務執行を監督しております。
社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査人との間においては、監督及び監査結果について相互に情報共有する等、適切な監督及び監査を行うため連携強化に努めております。また、社外監査役による監督又は監査と当社内部監査人との間においては、必要に応じて情報交換を行う等、適正な業務執行の確保のため連携をとっております。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
当社は監査役会設置会社であり、監査役会は常勤監査役1名と非常勤監査役2名の計3名であります。
常勤監査役である谷本真一は税理士及び公認会計士として財務・会計に関する専門的な知見を有しており、2名の非常勤監査役は、弁護士及び企業経営の経験者として、豊富な実務経験と専門知識、会社経営に深い知見を有しており、当社の監査業務に活かしております。
監査役は、監査役会で定めた監査の方針や業務の分担等に従い取締役会に出席し、取締役等からの営業の報告の聴取や重要な決議書類等の閲覧、さらに業務及び財産の状況の調査等により厳正な監査を実施しております。
各監査役が取締役会に出席することにより、取締役の職務執行を十分に監視できる体制を整えております。また、適宜監査業務の結果報告やコンプライアンス上の問題点等につき意見交換を行い、必要に応じて取締役会に報告を行っております。
当事業年度において監査役会を毎月1回開催しており、個々の監査役の出席状況においては次のとおりであります。
監査役会における具体的な検討内容として、取締役会及び代表取締役に対し、監査計画並びに監査の実施状況結果について適宜報告し、また代表取締役とは定期的な会合をもつことで、会社が対処すべき課題、監査上の重要課題等について意見交換をし、相互認識を深めるよう努めております。
また、常勤監査役の活動として、常勤者としての特性を踏まえ、監査の環境の整備及び社内情報の収集に努め、かつ、内部統制システムの構築・運用の状況を監視検証しております。監視及び検証の結果から知り得た情報は、他の非常勤監査役と共有するよう努めております。
② 内部監査の状況
当社における内部監査は、代表取締役社長直轄の内部監査人(2名)により重要リスク及び内部統制に関する内部監査を実施しております。内部監査人は、期初に立案した年度監査計画に従い、今年度は主に社内諸規程及び社内マニュアルと実務の照合、会計財務情報算出の元となる社内基幹システムの運用の適正性を監査しております。監査により明らかになった指摘事項につきましては、改善の指示並びにその後の改善結果のチェックを行い、業務改善に努めております。
内部監査の実効性を確保するための取り組みとして、代表取締役社長への報告の他、取締役会に対し、定期的に内部監査の実施状況を報告しております。
なお、内部監査人は、毎月1回常勤監査役と情報共有及び意見交換会を行うと共に、定期的に内部監査人及び監査役会並びに会計監査人による三様監査にて、情報共有及び意見交換を行っております。
③ 会計監査の状況
a 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b 継続監査期間
4年間
c 業務を執行した公認会計士
永井 公人
前田 啓
d 監査業務に係る補助者の構成
当社の監査業務に係る補助者は、公認会計士10名、その他15名であります。
e 監査法人の選定方針と理由
当社は、会計監査人の選定に関しては、監査法人の独立性、専門性及び品質管理体制等を総合的に勘案し、職務の遂行が適正に行われることを確認する方針とし、当該基準を満たし、高品質な監査を維持しつつ効率的な監査業務の運営が期待できることから、有限責任 あずさ監査法人を会計監査人として選定しております。なお、監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合は、会計監査人の解任を検討いたします。また、監査役会は、会計監査人の職務遂行状況を考慮し、株主総会への会計監査人の解任、不再任に関する議案の提出の要否の検討を毎期行ってまいります。
f 監査役及び監査役会による監査法人の評価
監査役会は、監査法人の監査活動の適正性及び妥当性について、独立性及び専門性、業務執行・品質管理体制、監査活動の状況、監査報酬水準等の観点から評価を実施しています。
評価の実施にあたり、監査役会は、監査法人から、独立性等法令順守状況、監査業務体制・審査体制及び品質管理体制、当社に対するリスク評価に基づく詳細な監査計画、監査結果並びに業務改善や監査活動の効率性の向上に向けた計画の内容及びその進捗について報告を受けています。
これらの結果に基づき、監査役会は、監査法人の監査活動は適正かつ妥当であると評価しています。
④ 監査報酬の内容等
a 監査公認会計士等に対する報酬の内容
(注)前事業年度における非監査業務の内容は、新規上場に係るコンフォートレター作成業務であります。
上記以外に前事業年度の監査にかかわる追加報酬として有限責任 あずさ監査法人に対して1,500千円を支払っております。
b 監査公認会計士等と同一のネットワークに対する報酬(aを除く)
該当事項はありません。
c その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d 監査報酬の決定方針
当社は監査報酬の決定方針は定めておりませんが、監査法人からの見積提案をもとに監査計画、監査の日数等を勘案し、監査報酬を決定しております。
e 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由としましては、監査計画及び監査内容と、それに係る監査意見見積時間、前事業年度の報酬等を勘案して、妥当であると判断したためです。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当社は、2024年1月17日及び同年5月30日開催の取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を以下のとおり決議しております。取締役会は、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等について、独立社外取締役による諮問を受けた上で、代表取締役間において議論のうえ当社の業績等必要な事項を勘案して決定されており、報酬等の内容の決定方法及び決定された報酬等の内容が当該決定方針に沿うものと判断しております。
1.基本方針
取締役の報酬等は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして機能するよう株主利益との連動を踏まえた報酬体系とし、個々の取締役の報酬等の決定に際しては各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本方針とする。当面は固定報酬としての基本報酬を支払うものとする。
2.取締役の個人別の報酬等(業績連動報酬等又は非金銭報酬等のいずれでもない報酬等に限り、以下「基本報
酬」という。)の額又はその算定方法の決定に関する方針
取締役の基本報酬は、月例の固定報酬と賞与から構成されるものとする。固定報酬は役位、職責、当社の業績(売上高・利益等)、従業員の給与水準等を勘案して決定するものとし、賞与は当社の業績及び各取締役の貢献度等を勘案して決定するものとする。
3.業績連動報酬等に係る業績指標の内容及び当該業績連動報酬等の額又は数の算定方法の決定に関する方針
業績連動報酬等は、現時点においては設けないものとする。なお、業績連動報酬等を設ける場合には、当該業績連動報酬等に係る業績指標の内容及び当該業績連動報酬等の額又は数の算定方法の決定に関する方針を取締役会において別途決議する。
4.非金銭報酬等の内容及び当該非金銭報酬等の額若しくは数又はその算定方法の決定に関する方針
非金銭報酬等は、現時点においては設けないものとする。なお、非金銭報酬等を設ける場合には、当該非金銭報酬等の内容及び当該非金銭報酬等の額若しくは数又はその算定方法の決定に関する方針を取締役会において別途決議する。
5.基本報酬の額、業績連動報酬等の額又は非金銭報酬等の額の取締役の個人別の報酬等の額に対する割合の決
定に関する方針
業績連動報酬等及び非金銭報酬等が存在しないため、報酬等の種類別の割合については具体的な割合を予め定めないものとする。
6.取締役に対し報酬等を与える時期又は条件の決定に関する方針
上記2~4に記載のとおりとする。なお、業績連動報酬等又は非金銭報酬等を新たに設ける場合には、当該業績連動報酬等又は非金銭報酬等を与える時期又は条件の決定に関する方針を取締役会において別途決議する。
7.取締役の個人別の報酬の内容についての決定に関する方針
取締役の個人別の報酬額については、独立社外取締役による諮問を受けた上で、上記方針に基づき、代表取締役間の合議にて、個別の支給額を決定することとする。
取締役会は上述の取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針の範囲内で、取締役の個人別の報酬の内容の決定を代表取締役社長屋代浩子・代表取締役COO屋代哲郎に委任しております。委任する権限の内容は、月例の固定報酬と賞与について、独立社外取締役の助言等を踏まえ、取締役会で承認した総額の範囲内で、具体的な個人別の報酬等の額を決定するものであります。権限を委任した理由は、当社の中長期的な企業価値成長に対する各取締役の貢献度について的確に評価を行うには代表取締役2名の合議にて行うことが適切であると判断したためであります。委任した権限が適切に行使されることを確保するため、独立社外取締役の諮問を受けることとしております。
当事業年度の取締役の報酬等の額の決定過程における取締役会の活動状況としては、2025年5月16日開催の取締役会において、月例の固定報酬と賞与の総額を決定しております。また独立社外取締役による諮問は同日の取締役会後に実施されております。
取締役の報酬限度額は2018年5月28日開催の定時株主総会において年額200百万円以内(決議時点の取締役の員数は6名)と決議されております。
監査役の報酬限度額は2020年3月3日開催の臨時株主総会において年額20百万円以内(決議時点の監査役の員数は2名)、と決議されております。監査役の報酬額は、株主総会において決議された報酬総額の限度内で、監査役会の協議にて決定しております。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
③ 役員ごとの報酬等の総額等
報酬等の総額が1億円以上であるものが存在しないため、記載しておりません。
④ 使用人兼務役員の使用人給与のうち、重要なもの
該当事項はありません。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は保有目的が純投資目的の株式及び純投資目的以外の目的の株式のいずれも保有しておりません。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1 財務諸表の作成方法について
当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づいて作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、事業年度(2025年3月1日から2026年2月28日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けております。
3 連結財務諸表について
当社は子会社がありませんので、連結財務諸表を作成しておりません。
4 財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っております。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、外部機関が開催する会計基準等の変更等に関する研修に参加するとともに、必要に応じて監査法人との協議を実施しています。
1 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
【売上原価明細書】
(注)※1 主な内訳は、次のとおりであります。
※2 他勘定振替高の内訳は次のとおりであります。
(原価計算の方法)
当社の原価計算は、個別原価計算による実際原価計算であります。
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
当事業年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)
④ 【キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
棚卸資産の評価基準及び評価方法
仕掛品
個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産
建物については定額法、その他については定率法を採用しております。
なお、主な耐用年数は次のとおりであります。
建物 6~15年
工具、器具及び備品 4~15年
(2) 無形固定資産
定額法を採用しております。
なお、主な償却年数は次のとおりであります。
ソフトウェア 3~5年
3.収益及び費用の計上基準
当社は、デジタルビジネスプラットフォーム事業を行っており、履行義務はソフトウェア開発及び保守運用サービスを納品、提供することであります。
ソフトウェア開発については、契約内容に応じて履行義務が充足される一時点又は一定の期間にわたり、収益を計上しております。一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を計上するソフトウェア開発については、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しております。なお、進捗度を合理的に見積もることができないが、発生する費用を回収することが見込まれる場合は、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もることができる時まで、原価回収基準により収益を一定の期間にわたり計上しております。
保守サービス等の契約期間にわたり役務提供を行う契約においては、期間の経過にともない一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、契約期間にわたり均等に収益を認識しております。
なお、概ね検収完了月若しくは役務提供月の翌月末支払いであり、重要な金融要素は含まれておりません。
4.キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期的な投資からなっております。
(重要な会計上の見積り)
受注制作のソフトウェア開発に係る見積総原価
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
① 見積りの算出方法
当社では、ソフトウェア開発のうち、一定期間にわたり履行義務が充足される契約については、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しており、ソフトウェア収益総額にソフトウェア開発案件の進捗率(発生原価÷見積総原価)を乗じて売上高を計上しております。
② 見積りの算出に用いた主要な仮定
一定の期間にわたり充足される履行義務に係る売上高の算定に係る重要な見積りは見積総原価であり、その見積総原価における主要な仮定は、ソフトウェア開発の作業内容にともない発生が見込まれるソフトウェア開発人員の工数及び外注費等が挙げられます。
③ 重要な会計上の見積りが翌事業年度の財務諸表に与える影響
総原価の見積りはソフトウェア開発の進行に応じて適時、適切に見直しを行いますが、契約ごとに個別性が高く、顧客からの要請の高度化・複雑化や開発段階でのシステム要件の変更、納期の変更等により、見積総原価が変動することがあります。翌事業年度以降、当該見積総原価の見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に影響を与える可能性があります。
(未適用の会計基準等)
リースに関する会計基準等
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日 企業会計基準委員会)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日 企業会計基準委員会)等
(1)概要
企業会計基準委員会において、日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組みの一環として、借手の全てのリースについて資産及び負債を認識するリースに関する会計基準の開発に向けて、国際的な会計基準を踏まえた検討が行われ、基本的な方針として、IFRS第16号の単一の会計処理モデルを基礎とするものの、IFRS第16号の全ての定めを採り入れるのではなく、主要な定めのみを採り入れることにより、簡素で利便性が高く、かつ、IFRS16号の定めを個別財務諸表に用いても、基本的に修正が不要となることを目指したリース会計基準が公表されました。
借手の会計処理として、借手のリースの費用配分の方法については、IFRS第16号と同様に、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、全てのリースについて使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルが適用されます。
(2) 適用予定日
2029年2月期の期首より適用予定であります。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
「リースに関する会計基準」等の適用による財務諸表に与える影響額については、現時点で評価中であります。
(貸借対照表関係)
※1 売掛金及び契約資産のうち、顧客との契約から生じた債権及び契約資産の金額は、財務諸表「注記事項(収益認識関係)3. (1) 契約資産及び契約負債の残高等」に記載しております。
※2 有形固定資産の減価償却累計額
(損益計算書関係)
※1 顧客との契約から生じる収益
顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載しておりません。顧客との契約から生じる収益の金額は、財務諸表「注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりであります。
※3 固定資産除却損の内容は、次のとおりであります。
(株主資本等変動計算書関係)
前事業年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
1.発行済株式に関する事項
(変動事由の概要)
株式分割による増加 990,000株
公募増資に伴う新株発行による増加 200,000株
第三者割当増資に伴う新株発行による増加 31,900株
2.自己株式に関する事項
該当事項はありません。
3.新株予約権等に関する事項
該当事項はありません。
4.配当に関する事項
該当事項はありません。
当事業年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)
1.発行済株式に関する事項
2.自己株式に関する事項
該当事項はありません。
3.新株予約権等に関する事項
該当事項はありません。
4.配当に関する事項
該当事項はありません。
(キャッシュ・フロー計算書関係)
※1 現金及び現金同等物の期末残高と貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係は、次のとおりであります。
(リース取引関係)
1.オペレーティング・リース取引
(借主側)
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社は、資金運用については短期的な預金及び安全性の高い金融資産に限定し、資金調達については自己資本の充実を図り借入に依存しない経営を行う方針であります。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク
営業債権である売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。敷金は、本社オフィスの賃貸借契約によるものであり、差入先の信用リスクに晒されております。営業債務である買掛金、未払金及び未払法人税等は、1年以内の支払期日であります。
(3) 金融商品に係るリスク管理体制
当社は、与信管理規程に従い、営業債権について、各事業部門及び経理部が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。
敷金については、その差入先に対する信用リスクを、賃貸借契約締結前に信用状況を調査・把握する体制としております。
当期の決算日現在における最大信用リスク額は、信用リスクにさらされる金融資産の貸借対照表価額により表わされています。
(4) 信用リスクの集中
当事業年度の決算日現在における営業債権のうち29.5%が特定の大口顧客に対するものであります。
2.金融商品の時価等に関する事項
貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりであります。なお、現金は注記を省略しており、預金、売掛金、買掛金、未払金及び未払法人税等は、短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似することから、記載を省略しております。
前事業年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
※「貸借対照表計上額」については、最終的に回収が見込めない金額(資産除去債務の未償却残高)2,171千円を控除しております。
(注) 金銭債権の決算日後の償還予定額
当事業年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)
※「貸借対照表計上額」については、最終的に回収が見込めない金額(資産除去債務の未償却残高)638千円を控除しております。
(注) 金銭債権の決算日後の償還予定額
3.金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1)時価をもって貸借対照表計上額としない金融資産
前事業年度(2025年2月28日)
(注) 時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
敷金
敷金の時価については、将来キャッシュ・フローを残存期間に対応する国債の利回り等適切な指標による利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
当事業年度(2026年2月28日)
(注) 時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
敷金
敷金の時価については、将来キャッシュ・フローを残存期間に対応する国債の利回り等適切な指標による利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2に分類しております。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3.法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立し、2026年4月1日以後開始する事業年度より「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。これにともない、2027年3月1日以後開始する事業年度に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産及び繰延税金負債を計算する法定実効税率は、従来の30.6%から31.5%に変更されます。この税率変更による影響は軽微であります。
(資産除去債務関係)
当社は、本社事務所の不動産賃貸借契約に基づく退去時における原状回復義務を資産除去債務として認識しておりますが、当該債務の総額に重要性が乏しいため、記載を省略しております。
なお、当事業年度末における資産除去債務は、負債計上に代えて、不動産賃貸借契約に関連する敷金の回収が最終的に見込めないと認められる金額を合理的に見積り、当事業年度の負担に属する金額を費用に計上する方法によっております。
(収益認識関係)
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
(単位:千円)
2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「(重要な会計方針) 3.収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当事業年度末において存在する顧客との契約から翌事業年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
(1) 契約資産及び契約負債の残高等
契約資産は、ソフトウェア開発に係る請負契約において、期末日時点で一部の履行義務を果たしておりますが、まだ請求していない財又はサービスに係る対価に対する権利に関連するものです。契約資産は、対価に対する権利が無条件になった時点で顧客との契約から生じた債権に振り替えられます。
契約負債は、請負契約に基づく履行や継続して提供するサービスに先立ち受領した前受金であり、収益の認識にともない取り崩されます。
前事業年度及び当事業年度に認識した収益のうち、期首時点の契約負債に含まれていた金額はそれぞれ1,760千円及び1,760千円であります。また、過去の期間に充足した履行義務から、前事業年度及び当事業年度に認識した収益の額に重要性はありません。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
前事業年度及び当事業年度において残存履行義務に配分した取引価格の総額は、それぞれ341,881千円及び1,147,149千円であります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)第80-22項(2)の定めを適用し、履行義務の充足から生じる収益を「収益認識に関する会計基準の適用指針」第19項に従って認識しているサービス利用契約等については、注記の対象に含めておりません。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社はデジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
【関連情報】
前事業年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
1.製品及びサービスごとの情報
(単位:千円)
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
(注) 当社はデジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、関連するセグメント名の記載を省略しております。
当事業年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)
1.製品及びサービスごとの情報
(単位:千円)
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
(注) 当社はデジタルビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、関連するセグメント名の記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前事業年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
該当事項はありません。
当事業年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前事業年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
該当事項はありません。
当事業年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前事業年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
該当事項はありません。
当事業年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)
該当事項はありません。
【関連当事者情報】
1.関連当事者との取引
前事業年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
該当事項はありません。
当事業年度(自 2025年3月1日 至 2026年2月28日)
該当事項はありません。
(1株当たり情報)
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.当社は、2024年8月31日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を行っております。前事業年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
3.1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
4.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
⑤ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:千円)
(注) 当期増加額のうち主なものは次のとおりです。
ソフトウェア webコネクト 150,495千円
ソフトウェア仮勘定 webコネクト 106,761千円
【社債明細表】
該当事項はありません。
【借入金等明細表】
該当事項はありません。
【引当金明細表】
該当事項はありません。
【資産除去債務明細表】
該当事項はありません。
(2) 【主な資産及び負債の内容】
① 現金及び預金
② 売掛金
相手先別内訳
売掛金の発生及び回収並びに滞留状況
③ 契約資産
相手先別内訳
④ 仕掛品
⑤ 敷金
相手先別内訳
⑥ 買掛金
相手先別内訳
(3) 【その他】
当事業年度における半期情報等
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨を定款に定めています。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 募集株式又は募集新株予約権の割当てを受ける権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 第24期(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) 2025年5月29日関東財務局長に提出。
(2) 内部統制報告書及び確認書
2025年5月29日関東財務局長に提出。
(3) 半期報告書及び確認書
事業年度 第25期中(自 2025年3月1日 至 2025年8月31日) 2025年10月15日関東財務局長に提出。
(4) 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)の規定に基づく臨時報告書
2025年5月30日関東財務局長に提出。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。