第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
(注)1.国際会計基準(IFRS会計基準)を適用しております。
2.表示単位未満を四捨五入で記載しております。以下も同様であります。
3.売上高には、消費税等は含まれておりません。以下も同様であります。
4.( )付きの数字はマイナスである旨を表示しております。以下も同様であります。
5.グローバルに情報開示の統一化を図るため、第117期より、従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めております。なお、第116期の基準での第117期の従業員数の合計は32,895人であります。
6.第119期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定が行われたことに伴い、第118期の「主要な経営指標等の推移」における当該暫定的な会計処理に関連する数値については、暫定的な会計処理の確定の内容が反映されております。
7.第119期以降の希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
(2)提出会社の経営指標等
(注)1. 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
2.グローバルに情報開示の統一化を図るため、第117期より、従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めております。なお、第116期の基準での第117期の従業員数の合計は8,344人であります。
3. 第120期の1株当たり配当額154.00円のうち、期末配当額77.00円については、2026年3月26日開催予定の定時株主総会(以下、本定時株主総会という)の決議事項になっております。
4.第119期以降の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社及び関係会社(子会社111社、関連会社7社により構成)は、グローバルコンシューマーケア事業製品、ケミカル事業製品の製造、販売を主な事業としているほか、これらに附帯するサービス業務等を営んでおります。
事業の内容と当社及び関係会社の当該事業における位置付けは、以下のとおりであります。
なお、下記の事業は「その他」を除き、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
また、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 6.セグメント情報」に記載しております。
(注)1.各事業区分の主要製品は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 6.セグメント情報 (1) 報告セグメントの概要」のとおりであります。
2.「その他」に区分されたサービス業務等については、セグメント情報において、そのサービス内容に応じて、グローバルコンシューマーケア事業、ケミカル事業に振り分けております。
3.各事業毎の会社数は、複数の事業を営んでいる場合にはそれぞれに含めて数えております。
以上の状況について事業系統図を示すと、以下のとおりであります。

4 【関係会社の状況】
(1)親会社
該当ありません。
(2)連結子会社
2025年12月31日現在
(注)※1 特定子会社であります。
※2 花王グループカスタマーマーケティング㈱が66.5%所有しております。
※3 花王(中国)投資有限公司が15.0%所有しております。
※4 花王(中国)投資有限公司が所有しております。
※5 ㈱カネボウ化粧品が92.1%、花王(中国)投資有限公司が7.9%所有しております。
※6 花王(中国)投資有限公司が10.0%所有しております。
※7 当社の子会社であるKao Singapore Private Limited が所有しております。
※8 Kao USA Inc. が所有しております。
※9 Kao America Inc. の子会社であるKao Chemicals Americas Corporation が所有しております。
※10 Kao USA Inc. の子会社であるWashing Systems Intermediate Holdings, Inc. が所有しております。
※11 Kao Chemicals Europe, S.L. が所有しております。
12 議決権の所有割合の[ ]内は、間接所有割合で内数であります。
13 役員の兼任等には、当社役員と当社従業員を含んでおります。
14 上記以外に小規模な連結子会社が85社あり、連結子会社の数は合計111社となります。
(3)持分法適用関連会社
2025年12月31日現在
(注)上記以外に小規模な持分法適用関連会社が5社あり、持分法適用関連会社の数は合計7社となります。
(4)その他の関係会社
該当ありません。
5 【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2025年12月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員(当社グループ〔当社及び連結子会社〕からグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含んでおります。)であります。[ ]内は臨時雇用者数の年間平均人員であり、外数で記載しております。
2.従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めております。
3.臨時雇用者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
4.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数であります。
(2)提出会社の状況
2025年12月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。)であります。
2.従業員にはフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員等を含めております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数であります。
(3)労働組合の状況
当社の一部の事業所及び一部の連結子会社には、労働組合が組織されております。
労働組合との間に特記すべき事項はありません。
(4)多様性に関する指標
当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。
①女性活躍推進法、育児・介護休業法に基づく開示
(注)1.従業員は、正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでおります。
2.臨時雇用者は、パートタイマー及び有期の嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
3.全従業員は、従業員と臨時雇用者を含んでおります。
4.管理職に占める女性従業員の割合については、女性活躍推進法に基づき算出しております。出向者は出向先の従業員として集計しております。
5.男性の育児休職取得率については、育児・介護休業法に基づき育児休業等と育児目的休暇の取得割合として以下の通り算出しております。出向者は出向元の従業員として集計しております。
2025年に1回目の育児に伴う休業を取得した男性社員数 ÷ 2025年に子が生まれた男性社員数 × 100当社は育児休職取得率の算出対象となる取得必須の有給育児休暇制度を導入しており、子が生まれたすべての社員が取得します。法律に基づく育児休職取得率の算出においては、事業年度と当該休暇や育児休職の取得期限が異なっていることにより、分子と分母の対象者の範囲が異なるため、必ずしも100%にはなりません。
6.「*」は対象となる男性従業員が無いことを示しております。
7.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。出向者は、出向先の従業員として集計しております。
②連結会社の状況
(注)1.従業員は、正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含んでおります。
2.管理職に占める女性従業員の割合については、女性活躍推進法に基づき算出しております。出向者は出向先の従業員として集計しております。
3.男性の育児休職取得率については、育児・介護休業法に基づき育児休業等と育児目的休暇の取得割合として以下の通り算出しております。出向者は出向元の従業員として集計しております。
2025年に1回目の育児に伴う休業を取得した男性社員数 ÷ 2025年に子が生まれた男性社員数 × 100
4.「*」は海外関係会社の男性の育児休職取得率の集計を実施していないため、記載を省略していることを示しております。
5.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。賃金は、基本給及び賞与等のインセンティブを含んでおります。出向者は、出向先の従業員として集計しております。
詳細については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本」を参照ください。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)会社の経営基本方針
当社グループは、「豊かな共生世界の実現」をパーパス(社会における存在意義)に掲げ、生活者・顧客の立場にたって、心をこめた“よきモノづくり”を行い、世界中の人々のこころ豊かな未来と、人と地球が共に生きる持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
私たちは、企業理念である「花王ウェイ」をグループ全員で共有し、考え方や行動の拠り所として日々実践し、清潔・美・健康の領域を中心に、時代の変化に対応しながら130年余り事業を展開してきました。
その中で、2009年の環境宣言以降においては、自然や社会との調和を重視した経営を継続してきました。また、近年は、社会課題の解決に向けた取り組みを、一層深化させ、将来の競争力と収益性の向上につなげています。
さらに、昨今は、気候変動や地政学的リスクの高まり等を背景に、社会・経済環境の不確実性は一層増しています。このような環境下において、企業には、短期的な成果にとどまらず、将来にわたって価値を創出し続ける力を備えた経営が求められています。
当社グループは、技術、モノづくり、人財への投資を通じて、持続可能な社会の実現を競争力の源泉とし、収益性や資本効率の向上につなげていきます。こうした取り組みは、非財務的な理念にとどまるものではなく、将来の財務成果を生み出す基盤であると考えています。
「きれいを こころに 未来に」をコーポレートスローガンに掲げ、社会にとっての有用性と経済的価値を両立させることで、財務的成果とステークホルダーへの還元を生み出す好循環を確立し、企業価値の継続的な向上を図っていきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
① 長期経営戦略
当社グループは2030年までにあるべき姿として、持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献を両立させることで、これまで掲げてきた『グローバルで存在感のある会社「Kao」』から、さらに一歩進んだ『グローバルで存在価値のある企業「Kao」』を目指します。
中期経営計画「K27」においては、構造改革や事業ポートフォリオの見直し、資本効率を重視した経営を通じて、持続的成長に向けた基盤づくりを進めてきました。これらの取り組みにより、当社グループは次の成長を見据えた段階へと移行しつつあります。
今後は、「K27」で築いている経営基盤を土台に、社会的な必要性が高く、当社が最も強みを発揮できる領域に経営資源を集中し、成長を確実に取りにいくフェーズへと進んでいきます。その中核となるのが、社会的有用性に対して、花王ならではの技術力と「よきモノづくり」を通じて差別化された価値を提供する「グローバル・シャープトップ※」の考え方です。
精密界面制御技術をはじめとする独自の技術基盤は、環境負荷低減と高付加価値化の両立を可能にし、グローバル市場における競争優位性の源泉となっています。また、科学的マーケティングやデジタル技術、AIの活用により、研究開発から事業運営に至るまでの意思決定の質とスピードを高め、収益性と資本効率のさらなる向上を図っていきます。
最小限の資源で最大の価値を生み出す「Maximum with minimum」を経営の指針とし、持続可能な社会に欠かすことのできない企業として、長期にわたる成長と企業価値の向上を実現していきます。
※グローバル・シャープトップ:顧客の重大なニーズに、エッジの効いたソリューションで世界No.1の貢献をすること
② 中期経営計画


■2025年度の進捗と今後の計画
2025年度は、前年度までに実行してきた大規模な構造改革の成果を基盤として、成長戦略を本格的に展開した一年となりました。2024年度において中期経営計画「K27」の主要指標であるROIC(投下資本利益率)、EVA(経済的付加価値)、営業利益、海外売上高が計画を上回る実績となった流れを受け、2025年度はその成果の定着と持続的成長への転換を進めてまいりました。
成長ドライバー領域※においては、化粧品事業では、注力6ブランドを中心にマーケティング投資を拡大し、高付加価値製品のグローバル展開を進めた結果、売上成長と大幅な収益性改善の両立が進展しました。また、スキンプロテクションは、地域ごとの市場環境や需要動向を踏まえた商品展開が奏功し、ブランド認知の向上やラインアップ拡充が進展しました。ケミカル事業においては、主要市場における供給体制の強化や高付加価値製品の拡販を進めることで、安定的な成長を継続しました。安定収益領域※では、国内市場を中心にハイジーンリビングケア事業が堅調に推移しました。とりわけ、国内におけるファブリック&ホームケアでは市場創造型の新価値提案に加え、継続的な商品改良により顧客基盤も拡大し、売上、シェアを伸ばしました。製品の高付加価値化や強固なブランド力、継続的な商品改良により、高い収益性とキャッシュフロー創出力を維持し、成長ドライバー領域への投資を下支えしています。事業変革領域※では、ヘアケアを中心に構造改革とブランド再構築が進展しました。特に、プレミアム価格帯の商品が生活者から高い支持を獲得し、ブランド価値の向上と収益性改善に寄与しました。DXも活用した開発プロセスの高度化・高速化により、高付加価値商品の継続的な投入が可能となり、売上構成の改善が進んでいます。人的資本投資については、メリハリある投資を継続し、社員の活力と専門性を最大限に引き出すとともに、「スクラム型組織運営」による迅速な意思決定と実行力の強化を図りました。また、他社との共創による事業構築を進め、当社グループが有する技術資産や知見の最大化に取り組んでいます。
今後は、2025年までに積み上げてきた成果を確実に成長へと結びつけ、中期経営計画「K27」の最終年度に向けた取り組みを加速してまいります。グローバル・シャープトップ事業の育成と戦略的なポートフォリオマネジメントを通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現してまいります。
※安定収益:ファブリックケア、ホームケア、パーソナルヘルス/成長ドライバー:スキンケア、化粧品、ビジネスコネクティッド(業務用衛生製品)、ケミカル/事業変革:サニタリー、ヘアケア
③ 目標とする経営指標
当社グループは、EVA(経済的付加価値)及びROIC(投下資本利益率)を経営の主指標としています。その本質は、株主等の資金提供者の視点を持って、資本を効率的に活用し利益を生み出すことにあります。EVAを継続的に増加させていくことが企業価値の増大につながり、株主だけでなく全てのステークホルダーの長期的な利益とも合致するものと考えています。そして事業規模の拡大を図りながら、EVAを増加させることを事業活動の目標としており、個別事業の評価、設備や買収等の投資評価、年度ごとの業績管理や報酬制度等に活用しています。さらにROICにより事業ポートフォリオマネジメントを強化することで、EVA経営の深化を図っています。ROICは、各事業における資本コストに対する意識を高めるとともに、それぞれの特性や競争環境を踏まえた管理を可能にします。事業別に利益と併せて資本効率も重視することにより、成長事業への重点投資と健全なポートフォリオの改善を実施し、EVAの向上を目指します。
(3)会社の対処すべき課題
2025年にかけて、世界経済は地政学的リスクや国際情勢の変化、為替や物価の動向等、不確実性を伴う状況が続きました。一方で、国内外では消費活動の回復や新たな需要の広がりも見られ、事業機会とリスクが併存する環境となっています。このような事業環境のもと、当社グループには、環境変化を的確に捉えつつ、収益性と成長性の両立を図り、持続的な成長につなげていくことが引き続き求められています。
この要請に応えるため、当社グループは、中期経営計画「K27」に基づく構造改革と成長戦略を推進してまいりました。これまでの取り組みにより、収益性や資本効率の改善、成長ドライバー事業の拡大等、一定の大きな成果が表れていますが、今後は、これらの成果を持続的な成長へと確実につなげることが重要です。そのため、「グローバル・シャープトップ」事業の育成をさらに加速させるとともに、戦略的なポートフォリオマネジメントを基本とした活動を機動的に推進していきます。
また、当社グループは、社会課題の解決を事業活動の軸に据え、環境に配慮した「よきモノづくり」を通じて、生活者に長く愛される高付加価値な製品・サービスを提供してきました。これまで進めてきた循環型ビジネスモデルへの転換は着実に進展しており、今後はその取り組みを一層深化させることで、環境価値と経済価値の両立を図っていくことが重要なテーマとなっています。
さらに、グローバルでの事業展開が進む中で、安定的な収益基盤の強化と、変化への対応力の向上も引き続き重要な課題です。人的資本への投資や組織運営の高度化を通じて、迅速な意思決定と実行力を備えた経営基盤を強化し、当社グループ全体の競争力向上を図ってまいります。
これらの取り組みを通じて、当社グループは中期経営計画「K27」の最終年度、さらにはその先の持続的成長を見据え、長期的な企業価値の向上をめざしてまいります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」
花王は、「2030年までに達成したい姿」である「グローバルで存在価値ある企業『Kao』」を達成するため、経営の中核にサステナビリティの視点を導入しています。環境、社会、ガバナンス(ESG)の領域で取り組む内容を定めた花王のESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(KLP)」は、生活者のこころ豊かな暮らしの実現を目指す戦略で、19の重点取り組みテーマより構成されています。
KLPに基づき、環境・社会価値の創出を通して、持続的な成長に向けて着実に実践を進めてまいります。
① ガバナンス
花王は、グローバルの大きな変化に迅速に対応するとともに、事業の拡大と社会課題解決を目指して、柔軟で強靭なESGガバナンスを構築しています。このESGガバナンスは、花王の経営、事業活動に環境(E)や社会(S)の視点を入れ、取り組みを統括・推進するための体制であり、中期経営計画「K27」とその先の中長期の企業価値向上を支えるものです。この体制では、意思決定を行う取締役会の監督のもと、社長執行役員及び各部門・グループ会社が業務執行を担っています。また、社外取締役や有識者による第三者からの視点を経営判断や新規事業に取り入れることで、的確かつ迅速な実行を可能にし、イノベーションの創出を促進する点が特徴です。
取締役会は、ESGの監督に必要な知識・経験・能力を確保しています。経営全体を多角的な視点から監督するため、専門性のバランスを考慮するとともに、ESGを重要な専門性として位置づけ、ESGに精通した取締役、監査役を選任しています。取締役会は、ESGに関する審議や議論を行うESGコミッティから、年2回の定期報告を受けるほか、方針や戦略から目標、KPIや活動の進捗状況等の報告を受け、執行状況を監督しています。ESGに関するKPIの報酬方針への反映については、取締役・執行役員報酬諮問委員会で審議され、取締役会で決議されます。2024年度からは、代表取締役社長執行役員の報酬について、基本報酬に対する短期・長期インセンティブ報酬比率を1:1:1に改定しました。長期インセンティブ報酬には、KLPの重点目標達成度(ウェイト25%)と主要ESG評価機関による外部評価結果(ウェイト15%)からなる「ESG力評価指標」を組み込んでいます。KLPの重点目標達成度は多角的な評価に基づいており、脱炭素(CO2排出量削減率)、ごみゼロ(プラスチック再資源化率)、女性管理職比率、重大なコンプライアンス違反件数で構成しています。詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要、(4) 役員の報酬等」を参照ください。
ESG全体の業務執行については、代表取締役社長執行役員を議長とするESGコミッティを最高機関としたガバナンス体制を構築しています。このESGコミッティは経営層で構成され、KLPに関する活動の方向性を議論・決定し、その活動状況を取締役会に報告しています。また、社外有識者で構成されるESG外部アドバイザリーボードは、ESGコミッティの諮問に対する答申や提言を行い、有識者による第三者からの視点を経営に反映しています。
さらに、KLPを着実に遂行するため、部門横断で活動するESG推進会議、重点課題について確実かつ迅速に遂行するESGステアリングコミッティを設置しています。ESG推進会議は、ESGコミッティの決定事項に基づき、花王グループ全体におけるESG活動を推進し、各部門の進捗状況を確認します。議長は、ESG部門統括・執行役員が務め、委員は事業部門、リージョン、機能部門、コーポレート部門の責任者で構成されています。ESGステアリングコミッティは、重点課題である脱炭素、プラスチック包装容器、人権・DE&I、化学物質管理のテーマごとに取り組みを推進します。執行役員が各テーマのオーナーとして責任を持ち、一定の決定権を付与されています。このESGステアリングコミッティは、ESGコミッティと連動し、各領域の取り組みを確実かつ迅速に実行に移します。
ESGに関するリスク管理は内部統制委員会(年2回開催、委員長は代表取締役 社長執行役員)で、機会管理はESGコミッティ(年6回開催、議長は代表取締役 社長執行役員)で実施しています。

各組織体の役割、構成、開催頻度、審議事項等
② 戦略
中期経営計画「K27」において、花王グループは、持続可能な社会に欠かせない企業となることを基本方針の中核に据え、利益あるグローバル成長と中長期の企業価値向上を目指しています。すなわち花王のサステナビリティは、環境・社会価値の創出を事業成長と一体で推進し、経済合理性のもと、持続的な競争優位の確立と企業価値向上につなげる取り組みです。その土台となるESG戦略が「Kirei Lifestyle Plan(KLP)」であり、ESG視点で「よきモノづくり」を進化させ、中長期の企業価値向上に影響するリスクの低減と機会の創出を通じて、利益ある成長と持続可能な社会への貢献の両立を目指します。
また、価値の最大化と環境・社会負荷の最小化を同時に追求しながら事業成長を促進する考え方として「Maximum with minimum」を掲げ、事業活動全体で実装を進めています。
KLPが「K27」を強化する5つの観点
KLPは、以下5つの観点から「K27」の4つの戦略フレームワークを多角的に強化し、利益ある成長と社会課題解決を実現します。
①グローバルに将来の生活者ニーズを的確に捉え、事業を強化
多様な生活者ニーズや社会課題の深刻化を踏まえ、社会的有用性の高い市場機会を先取りし、花王ならではの技術や製品の独自性を発揮して競争力を高めます。その結果、新たな付加価値創出と「グローバル・シャープトップ」事業の構築に貢献します。
②グローバル展開に必要な人財力を強化
多様な生活者課題に応じた価値提案を実現できる人財を育成し、独自技術・製品価値をグローバルで最大限発揮できる組織運営を進め、「グローバル・シャープトップ」な人財力を強化します。
③グローバルな視点で将来リスクと機会を的確に反映した投資を最適化
ESGに関するリスク低減と機会創出を通じて事業のレジリエンスを高め、社会的有用性が高く花王独自の価値が発揮できる領域に資本を重点的に配分し、「資本効率/収益性の改善」を促します。
④パートナーとの相互共感を高め、共創を強化
花王だけでは解決が難しい社会課題に対し、産業界・地域・流通等のパートナーと連携し、花王の独自技術・知見を活かした「パートナーとの共創による事業構築」を進めます。
⑤バリューチェーンのリスク低減と機会創出を強化
調達・生産・物流・販売・使用・廃棄/リサイクルの各段階でESGに関するリスクを低減しつつ、社会的有用性を高める機会を創出します。これにより、事業全体の持続可能性と供給安定性を高めます。

KLPによる「K27」の強化
重点領域、リスクと機会
花王のビジネスモデルやバリューチェーンには以下の特徴があります。
花王のビジネスモデルの特徴とサステナビリティに関わる領域
1. 世界中の生活者に向け、グローバルコンシューマーケア事業製品を製造・販売
2. 世界中の幅広い産業の顧客に向け、ケミカル事業製品を製造・販売
3. グローバルコンシューマーケア事業とケミカル事業に共通する鍵となる素材としてケミカルを使用
4. 原材料の製造から製品の販売までグローバル・バリューチェーンを形成しているため、上流に
は多数の原材料サプライヤー、下流には多数の流通・小売・ビジネスパートナー・顧客が存在
KLPの策定に当たり、上記のビジネスモデルの特徴と社会課題を踏まえ、重点領域を「暮らし」「社会」「環境」「事業基盤」の4つに整理し、リスクと機会を特定しています。
暮らし:
生活者のニーズに応え、こころ豊かな暮らしの実現を目指す花王ならではの領域であり、ESG戦略の中核をなしています。
社会:
グローバルに展開するバリューチェーンやケミカル事業を通じて、多様な産業や社会との幅広い関わりを持つ領域です。
環境:
原材料の一部を自然資本に依存し、世界中の生活者に製品を提供し、使用・廃棄されていることから、大きな影響を及ぼしている領域です。
事業基盤:
上記3つの領域における取り組みを確実に推進するために、人財開発、人権の尊重・擁護、DE&I活動の推進、化学物質管理等、事業基盤の強化が不可欠です。
これらの4つの領域で、リスクと機会を特定し、KLPとして具体的な戦略に落とし込んでいます。さらに、バリューチェーン全体の強靭化を進め、調達リスク管理、代替原材料の活用、再生材の戦略調達等を通じて、環境負荷の軽減と安定供給の両立を目指します。加えて、社会課題起点の価値提案を深化させ、従来の製品提供にとどまらないサービス・ビジネスモデルの可能性も拡張していきます。


サステナビリティへのビジョン
花王はESG活動が「世界の人々のサステナブルな暮らし、さらにはその周りに広がる社会や地球のためにある」という考えのもと、事業活動を通じた持続可能な社会の実現を目指しています。これらの活動の基盤には「正道を歩む」という価値観があります。これは、創業者・長瀬富郎の言葉、「天祐は常に道を正して待つべし」を継承するものです。
ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(KLP)」
上記ビジョンに基づき策定されたKLPは、生活者を主役とした価値創出を通じて、社会・環境課題を解決しながら経済価値の創出を目指しています。
KLPは、「快適な暮らしを自分らしく送るために」「思いやりのある選択を社会のために」「よりすこやかな地球のために」の3つの柱と、それらを支える基盤としての「正道を歩む」で構成されています。各柱のもとで、2030年までに達成を目指す「花王のコミットメント(目標)」を設定するとともに、重点的に取り組む19のテーマ「花王のアクション(施策)」を定めています。これらのテーマごとに中長期目標及び指標を設定し、進捗管理を行うことで、実効性のあるESG活動を推進しています。
KLPの実践により、財務インパクト及び環境・社会へのポジティブなインパクトの創出に加え、事業運営を支える持続的な成長基盤の形成が可能です。以下の図(KLPの構造と、財務及び環境・社会へのインパクト)は、花王の事業活動において、KLP実践により事業成長に向けた取り組みとリスク最小化に向けた取り組みをどのように推進させるかを示しています。
生活者にとっての価値につながる製品・サービスの提供や、社会課題に応える価値提案の強化は、生活者からの信頼やロイヤリティの向上を通じて、選ばれ続けるブランドとしての競争力を高め、利益ある事業運営を支える基盤となります。一方、環境負荷の低減や社会への負の影響を抑える活動は、規制対応や調達リスクの抑制、サプライチェーンの安定化につながり、事業のレジリエンスを高め、経営基盤の安定性を強化します。
このように、KLPを構成する各テーマは、生活者価値の創造、環境負荷の最小化、社会課題への対応といった多面的なアプローチを通じて、機会創出とリスク低減の双方に寄与します。これらを一体的に推進することで、持続的な事業成長と生活者のこころ豊かな暮らしの実現の両立を目指しています。

KLPの構造と、財務及び環境・社会へのインパクト
KLPの財務インパクト
KLPの推進は①収益性向上・収益機会の拡大、②コスト削減・資源効率の向上、③リスクマネジメントとレジリエンス強化の3つの観点から、「K27」が掲げる構造改革による収益性の改善、コアブランドの競争優位性向上、高付加価値製品のグローバル展開を支えています。
①収益性向上・収益機会の拡大
● 環境配慮型製品や社会課題解決ソリューションの提供による、社会的有用性の高い領域での市場開拓と
高付加価値化の促進
● 生活者の信頼・ブランド価値向上による、適正価格で選ばれ続けるブランド状態の構築
● 脱炭素・資源循環等、社会のサステナビリティ潮流に対応した新規ビジネス機会の創出
● 排他的独自性を備えた技術・品質・体験価値を軸に、高付加価値製品のグローバル展開を加速し、競争
優位性を確保
②コスト削減・資源効率の向上
● 環境規制への先行対応及び計画的な設備投資を通じ、将来的な規制対応コストの抑制
● 原材料・エネルギー使用量の削減や資源効率化による原料価格変動や供給制約に対する耐性を強化
● 外部ESG評価向上やサステナビリティ・リンク・ファイナンスの活用を通じ、資金調達手段の多様化と資
本コストの抑制
③リスクマネジメントとレジリエンス強化
● サプライチェーン上の環境・社会リスクの把握・管理による、操業リスクや規制対応コストの最小化
● パーム油代替原料の開発・調達や森林リスクの低い原料調達の拡大により、原材料供給の安定化と価格
変動リスクの低減
● 化学物質の安全性情報開示や国際サステナビリティ・イニシアチブへの参画を通じ、レピュテーション
リスクの抑制とルール形成への貢献
具体的な財務効果(事例)
KLPに基づく取り組み推進は、環境・社会インパクトの創出に加え、中長期的な事業機会の拡大やリスク低減を通じて企業価値向上に寄与します。
これらの取り組みは、KLPにおける「花王のコミットメント」及び重点テーマである19の「花王のアクション」に基づき、優先順位を付けて推進されています。その結果、環境・社会リスクの低減、供給安定性の確保、生活者・顧客からの信頼向上を通じて、前述の財務インパクト(収益性、コスト、レジリエンス)と一体となった中長期的な企業価値向上を実現しています。
③ リスク管理
花王は、柔軟で強靭なESGガバナンスのもと、リスクの低減と事業機会の創出を確実にするため、リスク管理及び機会管理を強化しています。
リスク管理においては、リスクの重要性をリスク・危機管理委員会で定期的にモニタリングし、経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクは「コーポレートリスク」として、経営会議でリスクテーマとリスクオーナーを決定し、リスク・危機管理委員会で進捗管理をしています。部門やグループ会社で管理可能なリスクは、各組織が中心となり、対応しています。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」を参照ください。
機会管理においては、花王グループ全体でESGに関連する重点テーマを統合的に管理し、優先順位の設定により、ESG投資を促進する仕組みを構築し、戦略的な事業機会の創出につなげています。
④ 指標と目標
花王は、野心的な指標と目標を設定することで、KLPの方向性を明確にし、的確な進捗管理をすることで、KLPを着実に実行しています。花王のKLPの19のアクションごとに指標と目標を設定しています。上記ESGガバナンスにおいて各指標の進捗状況がモニタリングされ、結果に基づき取り組みに反映しています。
KLPの19の重点取り組みテーマの中長期目標

◆指標や目標値の変更
詳細については2026年6月に発行予定の「花王サステナビリティレポート 2026」を参照ください。
https://www.kao.com/jp/sustainability/pdf/sustainability-report/
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)
気候変動は、現在並びに将来世代がこころ豊かな暮らしを実現することに対する大きなリスクとなっています。「花王ウェイ」において「豊かな共生世界の実現」を使命として掲げる当社グループでは、地球温暖化の緩和と適応の両面から積極的に活動を推進しています。当社グループはTCFDに賛同し、気候変動に関する情報開示を積極的に実施し、投資家との対話を行っています。パリ協定が示す「平均気温上昇を1.5℃に抑えた世界」を実現することが将来の生活者のこころ豊かな暮らしの実現に必要だと認識し、KLPの重点取り組みテーマの一つとして「脱炭素」を掲げ活動を進めています。
※TCFD:気候関連財務情報開示タスクフォース
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、ESG戦略のガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」 ①ガバナンス」を参照ください。
② 戦略
気候変動により平均気温が4℃上昇することは、社会に非常に大きな影響を及ぼすことから、世界全体が気温上昇を1.5℃に抑えることを目指していることに意味ある貢献をすることが、重要であると認識しています。
花王は1.5℃、4℃シナリオで財務影響評価を実施しています。財務影響は価格転嫁等何も対応しなかった場合の損失金額として算出しています。2050年における移行リスクとして、パーム油価格の上昇による~791億円、炭素税による~254億円、包装容器プラスチック規制による~79億円規模の財務影響が何も対応しなかった場合に発生する可能性を予測しています。パーム油の調達リスクは両シナリオにおいて、需要に対し供給がひっ迫することでコストが上昇すると見込んでいます。このリスクに対し、花王ではバイオIOSといった高機能剤原料開発や代替原材料の開発を進めています。 また、これらのイノベーションによる差別化は、他社に先んじて戦略的に取り組むことで、リスク低減だけにとどまらず、新たなビジネス機会にもつながります。
物理リスクについては、洪水等により~46億円の財務影響の可能性を見込んでいます。緩和に貢献する機会として、グローバルコンシューマーケア事業では節水・節電製品やプラごみ削減製品、ケミカル事業では顧客の気候変動リスク低減に資する製品の需要が高まると予想されます。適応の機会として、地球温暖化に対応するUVケアやセルフタンニング等のスキンプロテクション事業や消毒、洗浄、忌避剤といった感染症リスクを軽減できる製品の需要が高まると予想されます。「花王サステナブル商品開発方針」に沿った商品開発を進めていくことでリスクを軽減し、ビジネス機会を創出します。
(主な事業リスクと機会)
1)調査時点で、地政学リスクの高まりにより既に原材料価格が高騰・高止まりしており、財務影響として現れなかった
2)過去のパーム油/核油の価格推移を参考に、重回帰分析の手法を導入して将来価格を推計
③ リスク管理
気候変動に関する主なリスクは、ESG戦略のリスクに含めて管理しています。詳細については「(1)ESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」 ③リスク管理」を参照ください。
④ 指標と目標
2021年、当社グループは「2040年カーボンゼロ、2050年カーボンネガティブを目指す」という方針のもと、2030年目標を設定・更新しました。
※1 1.5℃水準に沿った目標として、SBTイニシアティブ(企業が気候変動分野において野心的な活動を促進するために設立されたイニシアティブ)の認定を取得
※2 RE100(企業が自らの事業で使用する電力を再生可能エネルギー100%化することを目指す国際的イニシアティブ)に加盟
※3 気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)及び京都議定書第7回締約国会合(CMP7)で合意された7種の温室効果ガス
※4 当社グループの製品によって社会全体で削減された排出量
当社グループのスコープ1及びスコープ2に係るCO2排出量の推移は以下のとおりです。2025年においては、生産拠点を有するフィリピン、ベトナムの各工場における再生可能エネルギー電力の調達推進に加え、スペイン工場においてバイオマスボイラーが稼働したこと等、再生可能エネルギー比率向上に向けた取り組みを進めました。これらの施策等により、2025年時点では2017年比で約47%の削減水準に到達しています。当社グループは、引き続き低炭素設備の導入や再生可能エネルギーの活用を通じて、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでまいります。

詳細については2026年6月に発行予定の「花王サステナビリティレポート 2026」を参照ください。
https://www.kao.com/jp/sustainability/pdf/sustainability-report/
当社グループのスコープ3を含む、当社が管理対象としているライフサイクル全体のCO2排出量の推移は以下のとおりです。なお、本ライフサイクル全体のCO2排出量は、スコープ1、スコープ2及びスコープ3のうち、カテゴリー1、4、11、12を対象として算定しています。当社はこれまで、スコープ3排出量の削減に向けて、より少量の原材料で最大限の性能を引き出すとともに、製品価値の向上を図る「Maximum with Minimum」の考え方に基づく製品設計を推進してきました。この考え方は、原材料調達段階及び製品使用段階におけるCO2排出量の低減に加え、高付加価値製品の創出を通じた事業成長にもつながるものと位置づけています。これらの取り組み等が寄与し、2025年時点では2017年比で約17%の削減水準に到達しています。当社グループは、今後も製品設計を通じた低炭素化の推進に加え、サプライヤーや生活者を含むステークホルダーとの協働を通じて、環境価値と経済価値の両立を図りながら、ライフサイクル全体でのCO2排出量削減に取り組んでまいります。

詳細については2026年6月に発行予定の「花王サステナビリティレポート 2026」を参照ください。
https://www.kao.com/jp/sustainability/pdf/sustainability-report/
(3)人的資本
当社の最大の強みであり資産でもある「人財」の活力最大化は、中期経営計画「K27」達成に向けた「グローバル・シャープトップ」戦略を支える重要テーマです。多様な人財に公平な機会を提供し、すべての社員の能力を最大限に引き出すとともに、その活力を組織として最大限に活かすことで、個人と企業がともに成長する環境と風土をつくります。
① ガバナンス
人財戦略に関しては、取締役会における経営視点での方針の議論を経て、経営トップを委員とする「人財企画委員会」にて具体的な課題や施策(重要な組織の新設・改編、主要ポジションの任免、人員・人件費に関する計画や重要な人事施策の新設・改廃等)に関する検討と決裁、進捗状況の共有を行っています。
また活動を当社グループ全体で推進するために、グローバル共通の仕組みを導入し、活用しています。たとえば、グローバル人財情報システムによる人財情報の活用、グローバル共通のOKR・等級制度・評価制度・教育体系・報酬ポリシーによる人財マネジメント・育成の強化等です。
これらの活動は、人財戦略部門統括を責任者とし、当社グループ各社の人財開発関連部門と連携をとりながら進めています。
また、日本においては主要部門に人事機能を設置するとともに、現場の社員一人ひとりの育成とキャリア開発を担当するキャリア・コーディネーターを配置しています。
主要部門及び国内子会社の人財開発責任者による会議を定期的に開催し、当社グループ全体の人財開発の方針、国内子会社の活動状況等について共有・議論しています。
人財開発の推進体制

② 戦略
「K27」の目標達成に向けて「グローバル・シャープトップ」事業を拡大していくため、社員活力の最大化を目指しています。その実現に向けて、花王の精神と事業目標に沿った人事制度を整え、諸施策を効果・効率的に展開しています。これらの取り組みの前提となる考え方を示すものとして、花王ウェイ及び「花王ビジネスコンダクトガイドライン」に基づいた「人財開発基本方針」を定めています。
[人財開発基本方針]
・効果・効率性の追求
花王グループが“よきモノづくり”を行い永続的に発展するために、組織的な創造革新の活動によって、全体としての効果・効率性が常に向上することを目指します。
・人間性の尊重
創造革新の源泉は、限りなく叡智を発揮したいという全社員の熱意にある、という考え方に基づき、個々の人間としての尊厳が尊重され、自主性と多様性が活かされる環境をつくります。
・統合への努力
社員一人ひとりが現場で思う存分叡智を発揮することが、花王グループの発展につながるよう、諸施策の改善に努め、創造革新の活動を通じて組織と個人の統合を図ります。
その上で、「平等から公平へ」、「相対から絶対へ」、「画一・形式から多様・自律へ」という基本方針の実現に向けた活動指針を掲げ、人財開発活動を進めています。
これらの方針、指針に基づき「未来のいのちを守る」というK27のビジョン実現に向けて、その原動力となる人的資本に関しては、「意欲ある人財をとがらせる」「脱マトリックス型組織運営」「挑戦・成果重視の環境創り」と、その基盤となる「公平な機会の提供」を人財戦略上の重要テーマとして定めています。対話を軸としてこれらを進めることで、「グローバル・シャープトップ」な人財/組織運営を実現し、社員活力を最大化します。それにより「よきモノづくり」のプロセスを強力に推し進め、投資して強くなる事業への変革を促進し、持続可能な社会に欠かせない企業へと、さらなる進化を図ります。
企業価値向上に向けた価値創造サイクル

K27に向けた人財戦略

人財開発活動によるアウトカムの創出

それぞれの施策は都度効果を確認するとともに、社員エンゲージメントサーベイを定期的に実施することで社員意識の確認を行っています。当社グループでは、「社員活力の最大化」を実現するために、「社員及び組織の状態を見える化する」こと、「そこから組織運営上の課題を発掘し、効果的な職場改善アクションを策定する」こと、そして「各職場で改善アクションを実施し、それを社員が実感することでエンゲージメントを向上していく」こと、をねらいとして、2023年から「社員エンゲージメントサーベイ(通称:KES)」を実施しています。2025年は、全ての海外子会社を含めたグローバル規模でサーベイを実施した上で、課題の確認と要因分析を全社及び各組織レベルで行い、取り得るアクションプランをスピーディーに実践しました。今後も引き続き、各現場単位での結果確認・検証とそれに対応した改善への取り組みを積み重ねることで、長期目標達成につながる働きやすい仕事環境の実現を目指します。
a.意欲ある人財をとがらせる:先端教育
花王ウェイをベースとした多様性の理解・連携・協働によって当社グループのポテンシャルを最大限に発揮するアグレッシブな人財の育成を強化しています。社員一人ひとりが自分の強みを磨き、チームとしても強くなっていくことを目指すために、「変革力、専門力、多様性受容力、共創力、正道を歩む力」を磨く各種学習プログラムを整備しています。学習プログラムには、グループ全体の共通学習、各部門単位の専門学習、9,000を超える自己啓発プログラムがあり、自ら学び、お互い学び合い、学び続けることを支援しています。
b.意欲ある人財をとがらせる:最適配置
経営戦略と連動した戦略的人財配置に向けた取り組みを行っています。グローバルで成長分野と効率化分野を意識し、スピーディーな人員配置を行うことでビジネスの伸長、イノベーションを促進しています。当社及び国内子会社では、従来から能力・キャリア開発支援とキャリア・コーディネーター制度をベースに、本人のキャリア志向もふまえ、計画的に社員のローテーションを実施しています。これに加え2024年からは、社員が主体的にキャリアを形成できる機会として社内公募制を当社及び国内子会社全社に導入しました。これまでに約540名が応募し、約100名の異動が実現しています。この制度は、経営課題に共感し、その解決に挑戦する意欲を持つ人財をタイムリーに結集させることで、経営戦略の実行力を高めるとともに、社員のキャリア開発を促進し、挑戦を後押しする企業文化の醸成につながっています。
c.脱マトリックス型組織運営:権限委譲
事業部門と機能部門の専門性を活かしたマトリックス体制を深化させて、優先される課題に関する対応の最速・最大化を目指した「スクラム型運営」をグローバルに進めています。これらを通して決断実行の現場化を進めています。
d.脱マトリックス型組織運営:次世代リーダーの持続的育成
「グローバル・シャープトップ」な人財・組織の実現にむけて、ビジネスリーダーを計画的に育成しています。シニアマネジメント、スペシャリスト等、重要ポジションの将来後任候補となる基幹人財には早期抜擢を含めて計画的な配置任用、課題付与を行っています。また、マネジメント層を対象に、自らのリーダーシップ・マネジメントの強みや弱みを把握するための360度リーダーシップ診断を実施しています。診断後には、自らの行動を振り返るための集合研修の場を提供すると同時に、大志・挑戦・共創に関わる選択学習プログラムを用意し、自律的な学習を促しています。
e.挑戦・成果重視の環境創り:透明性のある評価
評価につながるOKR(Objectives and Key Results)目標は、中長期の時間軸も加味し、所属する組織の方向性も踏まえた上で設定します。その上で日々の進捗は上長との定期的な対話によって確認します。年度末にはOKRの進捗に加え、基本的に1年間の貢献やプロセスも含めて、多様な挑戦を評価します。また、社員の様々な挑戦について、各職場で共有し認め合う活動(チャレンジ共有会等)を実施することで、チャレンジを推奨する風土を実現しています。年度末の評価は、部門特性・業務実態に応じて「難易度」「創造性」「共創と連携」「効率性」「自律性」等の視点を明確化した上で、個別絶対的な視点で行っています。これにより、フィードバックの対話を行う際のポイントが明確になり、評価の納得性と透明性の向上に寄与しています。
f.挑戦・成果重視の環境創り:承認・処遇
多様な挑戦を認めることで、社員一人一人の成長を支援し、最大値を引き出すことを目指しています。当社グループでは、各ポジションの役割責任を明確にし、年次ではなく社員一人ひとりの能力や適性に応じて配置・任用し、その役割の大きさに応じた挑戦と成果を適正に評価したうえで処遇しています。
また当社グループでは、社員の能力開発・業績改善の意欲を育成・刺激し、その取り組みや成果を公正に評価して称えること、そして、社員全員に広く周知し、モデル・目標としてもらうことが重要と考えています。そのため、毎年のグループ事業機能活動から「チャレンジ」「創造性」「貢献度」「部門・職種として重要な視点」といった観点で顕著な成果をあげた団体又は個人の取り組みを選定し、「部門賞」として表彰しています。そしてそれらの部門賞から、「グローバル・シャープトップ」戦略の推進及び「ビジネスにおける特に顕著な貢献」をした活動を厳選し、「CEOアワード(社長賞)」として翌年1月に褒賞するとともに、グループ全体にその活動・貢献を公表しています。こうした活動を通じて、グローバルでさらなる挑戦と脱マトリックス型組織運営への意識と風土を醸成しています。
g.公平な機会の提供:対話の徹底
社員活力の最大化に向けた人財戦略として様々な活動を進める中で、その実践のベースとなるのが「対話の徹底」です。会社の戦略や方向性の理解、そして社員一人ひとりの日々の活動が企業価値の向上にどのように結びついているのか、ということを、上長や同僚、他部門と頻繁に対話しながら理解を深めることが大切で、その現場での促進に向けて、当社及び国内子会社では毎年「対話フェス」を行っています。
h.公平な機会の提供:OKR活用
2021年から当社グループ全体に導入しているOKRも実践4年を経て、その理解と活用は進んできています。2025年に実施したレビューにおいても個人と組織の成長に繋がる目標設定と活動実践を行っている社員が8割に近づいており、挑戦する風土醸成は着実に進捗しています。また、2025年からは各部門において重要な経営指標であるROICの視点を踏まえて個人OKRを見直し、像合わせする活動を継続的に進めています。具体的には各部門の活動がROIC向上にどのように結びついているかを示した「ROIC逆ツリー」を作成し、それを活用しながら上長との対話を通じて個人目標を組織貢献に結び付けることを行っています。
i.公平な機会の提供:DE&I
すべてのステークホルダーと協働し、誰もがありのままの姿で最大限の力を発揮できる、いきいきとした社会を目指すというDE&I方針のもと、社員に向けては「社員一人ひとりが互いを受けとめ共生する、多様性が強みとなっている花王グループの実現」を目指した取り組みを進めています。組織の認知的多様性*を高めること、認知的多様性を組織の強みにすることを目指し、ダイバーシティ&エクイティ推進活動として、多様な人財一人ひとりが働きやすい環境の中で公平に機会を得るための支援と職場環境整備を、またインクルージョン推進活動として、社員全員がDE&Iへの理解を深め、実践できるようにするとともに、一人ひとりが自分らしく力を発揮できるインクルーシブな組織風土醸成に取組みます。
*認知的多様性:ものの見方や判断の仕方等認知に関する内面的な多様性
DE&I方針の詳細については、以下を参照ください。
https://www.kao.com/jp/sustainability/walking-the-right-path/inclusive-diverse/dei/
〇 体制
人権・DE&Iステアリングコミッティが当社グループ全体でのDE&I推進活動を推進しています。その中で社員に向けては、当社の人財戦略部門が各種人事施策においてDE&I視点を盛り込むとともに、専任組織であるDE&I推進部が当社及び国内子会社全体のDE&I推進活動を計画・実行しています。海外子会社については、現地のDE&I推進責任者が当社のDE&I推進部と連携しながら、それぞれの課題に合わせ各地域で活動を推進しています。
〇 DE&I推進活動
<女性活躍推進>
最も多くの人財に関わり、当社グループの成長に不可欠なダイバーシティ要素として、国内を中心に女性活躍推進活動を進めています。意思決定層における女性比率の向上を目指し、そのパイプラインを増やす取り組みとして、2030年までに女性社員比率に対する女性管理職比率を100%にする(花王グループ各社の女性管理職比率を各社の女性社員比率と同じにする)という目標をかかげ、3つの重点アクションに取り組んでいます。
[トップマネジメントの女性の状況]
※ 各年1月1日時点
※1 ()の数字は、全体人数のうち社外取締役、社外監査役の人数
※2 取締役兼務も含む
[女性の状況]
※ 各年12月31日時点
※ 従業員は正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含む
※1 女性社員比率に対する女性管理職比率の達成度を示す指標であり、各エリアにおける花王グループ各社の管理職ポジション数を考慮し、加重平均により算出しております

「リーダーをめざす、担える人財の育成」に関しては、性別に寄らない選抜研修派遣に加え、管理職手前から経営層候補までの各階層に属する女性人財を選抜し、社外女性リーダー研修へ派遣しています。併せて、女性自身のキャリア意識向上に向け、ロールモデルとなる先輩社員のパネルディスカッションや座談会、イントラネット上へのインタビュー記事の掲載等を行っています。
「意欲高く働くための育児両立支援」に関しては、フレックス制や在宅勤務制度等の柔軟な働き方に関する制度の整備、社員が希望する時期に育休から早期復職するための短時間勤務制度の拡充や、保育所の選択肢の拡充(企業主導型保育所の活用支援)とともに、職場と家庭双方での性別役割分業意識の払拭に向けて有給育児休暇制度の導入等男性育休取得促進を行っています。
「バイアスのない育成や登用を実現する環境創り」に関しては、管理職がダイバーシティマネジメントやアンコンシャスバイアスについて学ぶ機会を提供しています。
これらの取り組みの結果、女性管理職比率は年々向上しており、2025年末時点で当社及び国内子会社の女性社員比率に対する女性管理職比率*は71.4%となっています。
*当社及び国内子会社の管理職ポジション数に基づく加重平均により算出
女性活躍の一つの指標である男女の賃金格差は当社グループ89.1%となっています。当社グループでは、同じ役割であれば男女で賃金の差は設けていないため、この差は、主に日本において給与が高くなる傾向にある勤続年数の長い社員における男性比率が高いこと、また、給与の高い職群における男性比率が高いことによるものと考えています。そのため、女性の定着をさらに向上するとともに、管理職や上級管理職、役員の女性比率を女性社員比率に対して適正に上げる取組みを実行していきます。
<インクルーシブな組織風土の醸成>
対話を中心とした組織風土づくりに向け、心理的安全性とアンコンシャスバイアスを啓発の重点テーマとしています。組織風土への定着に向け、e-ラーニング「アンコンシャスバイアスの基礎知識」、「心理的安全性の基礎知識」を全社員が繰り返し学ぶ必修プログラムとして展開しています。
これらの取り組みの結果、社員エンゲージメントサーベイにおける「インクルーシブな組織風土」に関するスコアは65(対前年+2)となっています。2027年にスコア70を目標として引き続き活動を展開します。
j.公平な機会の提供:健康開発
社員の心と身体の健康は、事業活動の源泉であり、人財の成長と組織力の最大化につながる重要な要素です。健康経営®を推進し、社員とその家族が健康支援を公平に受けられる機会を提供するとともに、健康基礎情報の解析とヘルスケア知見から生まれた商品やヘルスケアソリューションを自社の健康開発に取り入れ、社員と家族が参画する実践型の活動を進めています。自社の取り組みのうち優れた事例や知見については、地域・他の職域・生活者に積極的に展開し、すこやかで心豊かな生活の実現を支援しています。
「花王グループ健康宣言」を行い、企業として健康経営®に取り組むことを社内外に公表するとともに、健康中期計画を設定し、その取り組みを推進しています。
※ 「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
[花王グループ健康宣言]
私たちは、日々いきいきと
健康づくりに取り組むとともに
社内外のエビデンスに基づいた確かなヘルスケアを
社員・家族だけでなく
地域・職域・生活者のみなさまへ展開し
すこやかでこころ豊かな暮らしをともに実現していきます。
〇 健康中期計画
健康中期計画では、一人ひとりのより良い状態の実現を通じて、ヘルスケア意識の高い社員と家族が、活気ある職場、社会づくりを推進していくことを目指します。そこでは、主な6つの取り組み(生活習慣病・がん・禁煙・メンタルヘルス・女性・シニア)に加え、治療と就業の両立支援や有害業務者管理とリスクアセスメントにも取り組んでいます。また社員だけでなく家族や友人もともに参画できる健康づくりを提案しています。
〇 健康経営戦略MAP
社員活力最大化と医療費削減実現のため戦略MAPを策定しています。

〇 組織体制
花王健康保険組合と健康開発推進部は連携し、健康施策の立案を行っています。また、事業場・地区に「健康実務責任者」及び「健康実務担当者」を配置し、産業医・看護職とともに担当エリアの健康施策に取り組んでいます。海外子会社へは日本の推進状況を情報共有したうえで、各国・地域の方針に沿った健康施策を推進しています。また、当社グループ内で取り組んだ優良事例を地域へも展開するためGENKIプロジェクトを設置し、社外向けの健康ソリューションの提供を行っています。
[組織体制]

③ リスク管理
人財開発に関するリスクについては短期的な視点だけではなく、中長期における優秀人財の維持・獲得の観点からも確認し、必要な対策を講じています。各種法改正や社会動向の変化も踏まえ、人財に関する統計データにより傾向を把握することに加え、社員懇談会やエンゲージメントサーベイ等によって得られた社員の声、社外有識者の意見等も確認した上で、人財戦略部門で総合的に検討しています。把握したリスクについては、内部統制委員会による確認とともに、人財戦略部門責任者と各部門・各社の人財開発責任者が参加する「人財開発会議」にて対応すべき課題を特定し、その対応策を議論するとともに、全社的に影響の大きい施策については、経営トップを委員とする「人財企画委員会」にて議論し実行に移しています。
④ 指標と目標
▼
▼
インパクト創出の能率化 = 付加価値 /総労働時間
※ 特に記載がない限り、当社グループで集計
※ 従業員は正規雇用の従業員及びフルタイムの無期化した非正規雇用の従業員を含む
※ KESは社員エンゲージメントサーベイを示しております
※1 一部会社を除いて実施
※2 日本の連結対象会社のみ
※3 社員意識調査
※4 女性社員比率に対する女性管理職比率の達成度を示す指標であり、各社の管理職ポジション数を考慮し、
加重平均により算出しております
※5 目標値を75%から80%に更新しました
※6 目標値を15倍から20倍に更新しました
3 【事業等のリスク】
文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)リスクと危機の管理体制
花王グループ中期経営計画「K27」では、基本方針として、1.持続可能な社会に欠かせない企業になる、2.投資して強くなる事業への変革、3.社員活力の最大化を掲げて取り組んでいます。詳細については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照ください。
気候変動や国際情勢の変化等を背景に、社会・経済環境の不確実性は一層増しています。また、グローバルでの事業展開の進展や事業ポートフォリオの見直しが進む中で、事業を取り巻くリスクは多様化・複雑化しています。こうしたリスクの変化に対して迅速かつ適切に対応することが求められています。このような事業環境に対して、当社グループは、次のようなリスクと危機の管理を進めています。
リスクとは経営目標の達成や事業活動の遂行に対し、不確かさがもたらす影響のことです。内部統制委員会の下の関連委員会の一つであるリスク・危機管理委員会が、「リスク及び危機管理に関する基本方針」に基づいて、脅威をもたらす「リスク」並びにリスクが顕在化した状態である「危機」の管理体制と活動方針を定めています。そして、部門、子会社、関連会社は、この活動方針に基づいて、リスクを把握、評価し、対応策を策定、実行することでリスクを管理しています。また、危機発生時には、緊急事態のレベルに応じた対策組織を立ち上げ、迅速かつ適切に対応することで、被害、損害の最小化を図ります。リスクと危機の管理活動は、経営会議が定期的(年1回)及び必要に応じて適時確認し、取締役会が承認しています。内部統制委員会はリスクと危機の管理状況をモニタリングし、管理の有効性を確認しています。詳細については「第4 提出会社の状況4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照ください。
持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献に悪影響を与えるリスクのうち、特に重要な14の主要リスクを、リスク・危機管理委員会、経営会議の審議の下で選定しています。また、少なくとも半期に一度、その時の事業環境の変化を踏まえた主要リスクの見直し(追加等の検討)を行っています。なお、「主要リスク」については、主管部門が対策方針を策定し、進捗管理を行っています。そして、これら主要リスクの中で、経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」としてテーマを決めて取り組んでいます。コーポレートリスクのテーマは、年1回、社内リスク調査の結果分析、外部環境の分析、経営幹部ヒアリングをもとに、リスク・危機管理委員会で検討を行い、経営会議でリスクテーマとリスクオーナー(各リスクテーマの責任者:執行役員)を決定しています。リスクオーナーは対策チームを立ち上げて、対応計画の策定、リスクのモニタリング、並びにリスク顕在化時の対応を実施し、年4回開催するリスク・危機管理委員会が進捗管理を行っています。
リスクと危機の管理活動のプロセス

これら主要リスクは、5年以内に顕在化する可能性があるリスクです。なお、主要リスクの記載順は重要性を反映しており、当連結会計年度末における認識です。記載されたリスク以外のリスクも存在し、それらが投資家の判断に影響を与える可能性があります。
(2)主要リスク
14の主要リスクのうち、「コーポレートリスク」として取り組んでいるものについては○を表示しています。また、主要リスクのリスク評価(影響・蓋然性の認識)の変化を対前期で三段階(上昇、状態が変わらない、低下)で示しています。
※1 グリーンウォッシュ
企業が、製品やサービスについて、環境及びサステナビリティに関する特徴を誇張もしくは大げさに主張したり、それらに関する活動について十分な根拠なく訴求すること。
※2 グリーンハッシング
企業が、グリーンウォッシュを恐れ、自社の環境に関する取り組みや気候変動対策についての開示や発信を控えること。
(3)主要リスクの中期経営計画「K27」との関連性
14の主要リスクのうち、「原材料調達」、「市場・競争環境の変化」、「製品等の品質」、「人財確保」、「社
会課題への対応」、「事業投資」を中期経営計画「K27」との関連性が特に大きいリスクと認識して対応しています。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものです。
(1)経営成績の分析
注:以下、「実質」とは為替変動の影響を除く増減率を表示しています。また、数量等には製品構成差を含んでいます。
当期の世界経済は、関税政策の転換に伴う国際的なサプライチェーンの混乱や調達コストの上昇、欧州や中東を中心とした地政学リスクの長期化により不透明な状況が続く中、各地域において物価上昇下でも生活関連消費は底堅く推移しました。日本経済は賃上げの動きが見られるものの、物価高の影響が消費マインドを抑制しており、内需は緩やかな回復基調となりました。
当社グループの主要市場である日本のトイレタリー及び化粧品市場は、小売店の販売実績や消費者購入調査データによると前期を上回りました。
このような経営環境の中、当社グループは花王グループ中期経営計画「K27」達成のため、稼ぐ力を向上させながら、利益ある成長に向け、グローバル売り上げ拡大の基盤作りを推進しました。
売上高は、前期に対して3.7%増の1兆6,886億円(為替0.0%増、実質3.7%増(内訳:数量等0.5%増、価格3.2%増))となりました。営業利益は、1,641億円(対前期174億円増)、営業利益率は9.7%となりました。税引前利益は1,698億円(対前期188億円増)、当期利益は、1,206億円(対前期102億円増)となりました。
基本的1株当たり当期利益は260.30円となり、前期の231.94円より28.36円増加(前期比12.2%増)しました。
当社グループが経営指標としているROIC(投下資本利益率)は9.7%となり、EVA(経済的付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)が大幅に増加する中、前期を79億円上回り411億円となりました。
なお、2025年8月6日開催の取締役会において、資本効率の向上と株主への一層の利益還元のため、自己株式の取得を決議し、総額800億円の自己株式を取得しました。また、2025年12月26日に1,230万株を消却しました。
当期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。
注:[ ]内は前期の換算レート
〔セグメント別の概況〕
第1四半期で実施した報告セグメントの変更の概要は以下のとおりです。(参照113ページ 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 6. セグメント情報)。
1.コンシューマープロダクツ事業をグローバルコンシューマーケア事業に、ハイジーン&リビングケア事業をハイジーンリビングケア事業に、ヘルス&ビューティケア事業をヘルスビューティケア事業に改称しています。
2.グローバルコンシューマーケア事業の中にビジネスコネクティッド事業を新設します。この事業は、業務用衛生製品(Washing Systems, LLCを除く)とライフケア製品等で構成しています。
3.Washing Systems, LLCはケミカル事業に組み入れています。
4.上記1~3のセグメントの再編により、前期の売上高及び営業利益を組み替えて表示しています。
セグメントの業績
販売実績
(億円、増減率%)
注:グローバルコンシューマーケア事業は、外部顧客への売上高を記載しており、ケミカル事業では、グローバルコンシューマーケア事業に対する売上高を含めています。地域別の売上高は、販売元の所在地に基づき分類しています。
売上高に占める海外の割合は、前期の43.3%から42.9%となりました。なお、第1四半期より販売元の所在地に基づいた割合を開示しています。前期も同様の方法で算出しています。
売上高 対前期分析
注:ケミカル事業の売上高は、セグメント間取引を含んでいます。
グローバルコンシューマーケア事業
売上高は、前期に対して2.4%増の1兆2,830億円(為替0.0%減、実質2.5%増(内訳:数量等1.7%増、価格0.8%増))となりました。
世界では、引き続き生活者の低価格志向が見られる一方、実用性や付加価値の高い製品への需要は依然として堅調に推移しています。同様に、日本でも生活者の消費行動の二極化が見られる中、個人消費の落ち込みは緩やかな持ち直しを見せているものの、物価上昇の影響はなお続いています。このような中、引き続き、高付加価値製品の提案やその価値に見合った価格改定等により、稼ぐ力を向上させながら利益ある成長に向け、グローバル売り上げ拡大の基盤作りに取り組みました。
以上の結果、日本の売上高は、前期に対して、4.3%増の8,585億円となりました。
アジアの売上高は、0.8%減の2,108億円(実質0.2%減)となりました。
米州の売上高は、3.2%減の1,199億円(実質1.6%減)となり、欧州の売上高は、0.6%増の938億円(実質2.3%減)となりました。
営業利益は、原材料価格上昇の影響がある中、販売数量の増加と稼ぐ力の向上が寄与し1,331億円(対前期213億円増)となりました。
当社は、〔ハイジーンリビングケア事業〕、〔ヘルスビューティケア事業〕、〔化粧品事業〕、〔ビジネスコネクティッド事業〕を総称して、グローバルコンシューマーケア事業としております。
〔ハイジーンリビングケア事業〕
売上高は、前期に対し0.9%増の5,493億円(為替0.2%減、実質1.1%増(内訳:数量等0.1%増、価格1.0%増)、なお、2024年6月に実施したペットケア事業譲渡の影響を実質からさらに除くと1.6%増)となりました。
ファブリック&ホームケア製品の売り上げは、前期に対して3.6%増の3,891億円(為替0.2%増、実質3.4%増(内訳:数量等1.4%増、価格2.0%増))となりました。
ファブリックケア製品の売り上げは、前期を上回りました。日本では、衣料用洗剤「アタック抗菌EX」シリーズの改良品等が、市場の伸長に加え高付加価値化に伴う価格改定の効果もあり、売り上げ増とともにシェア拡大に寄与しました。柔軟仕上げ剤は、計画通りに推移しました。
ホームケア製品の売り上げは、前期を上回りました。日本では、食器用洗剤、台所用洗剤等が好調に推移し、11月に販売を再開した「クイックル洗面ボウルクリーナー」も順調に推移しました。
ファブリック&ホームケア製品の営業利益は、741億円(対前期57億円増)となりました。
サニタリー製品の売り上げは、前期に対して5.0%減の1,602億円(為替1.0%減、実質4.0%減(内訳:数量等3.0%減、価格1.1%減)、なお、2024年6月に実施したペットケア事業譲渡の影響を実質からさらに除くと2.4%減)となりました。生理用品「ロリエ」の売り上げは、前期を上回りました。中国ではロイヤルティマーケティングが奏功し、「スーパースリムガード」等の売り上げが好調に推移しました。ベビー用紙おむつ「メリーズ」の売り上げは、アジアにおける競合の攻勢等を受け、前期を下回りました。
サニタリー製品の営業利益は、71億円(対前期2億円減、なお、2024年6月に実施したペットケア事業譲渡の影響を除くと41億円増)となりました。
ハイジーンリビングケア事業の営業利益は、813億円(対前期55億円増、なお、2024年6月に実施したペットケア事業譲渡の影響を除くと98億円増)となりました。
〔ヘルスビューティケア事業〕
売上高は、前期に対して2.1%増の4,329億円(為替0.1%減、実質2.2%増(内訳:数量等2.0%増、価格0.2%増))となりました。
スキンケア製品の売り上げは、前期を上回りました。日本では、UVケア製品やシート関連のシーズン品が好調に推移し、前期を上回りました。米州の売り上げは、前期を下回りました。「Bioré UV Aqua Rich」の展開強化や「JERGENS」の新製品が好調に推移しましたが、競合からの攻勢を受けました。
ヘアケア製品の売り上げは、前期を大幅に上回りました。日本では、昨年発売した高価格帯のヘアケアブランド「melt」、「THE ANSWER」が増収に大きく寄与しました。欧米のヘアサロン向け製品の売り上げは、前期を下回りました。「ORIBE」はEコマースを中心に好調に推移しましたが、「GOLDWELL」が米国や欧州の景況感悪化等の影響を受けました。
パーソナルヘルス製品の売り上げは、前期を上回りました。日本では「ピュオーラ炭酸ハミガキ」が好調に推移し、日本と中国では「めぐりズム」のアイマスクの改良品が伸長しました。
営業利益は、391億円(対前期47億円増、なお、前期に実施した欧米子会社の構造改革費用の影響を除くと13億円増)となりました。
〔化粧品事業〕
売上高は、前期に対して7.2%増の2,616億円(為替0.3%増、実質6.9%増(内訳:数量等5.9%増、価格1.0%増))となりました。
日本の売り上げは、前期を上回りました。注力6ブランドにおいては、好調を継続している「Curél」、「KANEBO」、SOFINA iP等の新製品が大きく貢献した「SOFINA」、インバウンド需要を捉えた「SENSAI」等が増収に寄与しました。その他のブランドについても堅調に推移しました。アジアの売り上げは、前期を大幅に上回りました。中国の売り上げは、現地生産の拡大や製品価値の適切な訴求による競争力強化に加え、昨年は流通在庫の適正化に伴う出荷抑制実施もあり、前期を大幅に上回りました。また、注力しているタイでは、「KANEBO」や「KATE」が計画を上回る進捗を示しました。欧州では、「SENSAI」が好調に推移したほか、「Curél」についても展開を強化しました。
営業利益は、注力6ブランドへの集中投資や稼ぐ力の強化、事業のスリム化が利益改善に大きく寄与し、104億円(対前期141億円増)となりました。
〔ビジネスコネクティッド事業〕
売上高は、前期に対して3.2%減の392億円(為替0.0%減、実質3.2%減(内訳:数量等4.6%減、価格1.4%増、なお、2024年8月に実施した飲料事業譲渡の影響を実質からさらに除くと1.5%増)となりました。
業務用衛生製品の売り上げは、前期を上回りました。メディカル、介護分野は競合との価格競争の影響を受け前年並みの伸長でしたが、フードサービス、宿泊・レジャー分野においては、堅調な市況に伴い厨房用洗浄剤や客室消耗品の需要が引き続き高まりました。
営業利益は、23億円(対前期30億円減、なお、2024年8月に事業譲渡を実施した飲料事業の影響を除くと対前期34億円増)となりました。
ケミカル事業
売上高は、前期に対して7.2%増の4,515億円(為替0.3%増、実質6.9%増(内訳:数量等3.2%減、価格10.1%増))となりました。
油脂製品は、地域毎の需要の状況には違いが出たものの、油脂原料価格の上昇を受けて実施した販売価格改定の貢献が大きく、売り上げは前期を上回りました。
機能材料製品は、自動車関連分野等の対象市場の停滞の影響を受けた一方で、販売価格改定の効果の寄与もあり、売り上げは前期並みになりました。
情報材料製品は、半導体関連やハードディスク等の対象分野の需要が堅調に推移し、その着実な取り込みを通じて、売り上げは伸長しました。
営業利益は、一部の対象分野での需要の減少に原料価格変動等の影響が加わり、302億円(対前期55億円減)となりました。
(2)財政状態の分析
(連結財政状態)
資産合計は、前期末に比べ78億円増加し、1兆8,751億円となりました。主な増加は、有形固定資産198億円、棚卸資産177億円、主な減少は、現金及び現金同等物344億円です。
負債合計は、前期末に比べ120億円増加し、7,804億円となりました。主な増加は、営業債務及びその他の債務121億円、未払法人所得税等108億円です。
資本合計は、前期末に比べ41億円減少し、1兆947億円となりました。主な増加は、当期利益1,206億円、在外営業活動体の換算差額265億円であり、主な減少は、2025年8月6日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得800億円、配当金727億円です。また、2025年12月26日に自己株式の消却1,230万株を実施しました。
なお、親会社所有者帰属持分比率は、前期末の57.1%から56.7%となりました。親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は11.3%となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
(連結キャッシュ・フローの状況)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,997億円となりました。主な増加は、税引前利益1,698億円、減価償却費及び償却費858億円であり、主な減少は、法人所得税等の支払額310億円、棚卸資産の増減額101億円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、△698億円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出612億円です。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、1,299億円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,751億円となりました。安定的かつ継続的な配当を重視しており、またEVA及びROIC視点から資本効率の向上を目的として、自己株式の取得及び消却も弾力的に行っていきます。当期の主な内訳は、2025年8月6日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得800億円、非支配持分への支払いを含めた支払配当金728億円、リース負債の返済による支出223億円です。
当期末の現金及び現金同等物の残高は、為替変動による影響を含めて前期末に比べ344億円減少し、3,233億円となりました。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS会計基準」)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、採用している重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
使用権資産を含む重要な資本的支出の2026年度の予定額は、約910億円であり、主に当社グループ内の資金を有効活用する予定であります。なお、計画については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(6)生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は、産業界向けのケミカル製品から一般消費者向けのコンシューマー製品まで極めて多種多様であり、それら製品の在庫をほぼ一定の必要水準に保つように、主として見込み生産を行っております。従って、生産実績は販売実績に類似しております。生産及び販売の実績については、「(1) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(8)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、達成状況は、「(1) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。
5 【重要な契約等】
合弁事業契約
※1 当連結会計年度末の出資比率を記載しております。
※2 出資比率は、間接出資比率であり、 Kao Singapore Private Limited(当社100%出資)が出資しております。
6 【研究開発活動】
私たちは、持続可能で豊かな共生世界を実現することを使命に、「未来のいのちを守る企業」として、人、社会、地球に貢献することを目指しております。研究開発部門では、多様な国や地域の生活者の様々な文化やニーズを深く理解し、独創的なシーズと組み合わせることにより、新たな価値や市場を創造する画期的な商品・技術の開発に取り組んでおります。
これらの取り組みの一環として、紫外線や暑熱環境といった外的ストレスから人の肌を守り、生活者のQOL(Quality of Life:生活の質)向上に貢献するスキンプロテクション事業への注力を進めました。
UVケア製品では、肌上で紫外線防御剤を含む塗膜が均一に形成される設計を基盤とし、肌表面の湿度環境にも着目した日やけ止め「ビオレUV アクアリッチ エアリーホールドクリーム」を開発しました。日常的な環境変化に応じた塗膜挙動を考慮した処方設計により、生活場面において安定した紫外線防御性能と使用感を実現しています。
また、塗膜挙動を精緻に制御する技術基盤のもと、紫外線防御性能と使用感の両立を目指した処方設計を推進しました。これらの技術的知見は、海外市場向けの「Bioré UV Aqua Rich(ビオレUV アクアリッチ)」シリーズの開発にも活用されています。
汗ケア製品では、暑熱環境における湿度・温度ストレス※を低減し、肌の快適性を向上させる研究を進め、その成果を「ビオレZero」シリーズの製品開発に活用しました。皮膚表面における汗の挙動を詳細に解析することで、汗を素早く乾かす独自技術の開発を推進しています。これらの研究成果は、海外市場においても現地の生活環境や使用実態に応じた製品展開につながっており、インドネシアで展開する「Bioré Breeze DEODORANT(ビオレ ブリーズデオドラント)」にも応用されています。
今後も、皮膚科学研究と生活者理解を融合させ、スキンプロテクション分野における技術の高度化と、グローバルな市場ニーズに対応した製品開発を推進することで、人々の健やかで快適な暮らしに貢献してまいります。
当社グループ全体で、約2,800名が研究開発業務に携わっております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、611億円(売上高比3.6%)であり、主な成果は、下記のとおりであります。
※:汗・ベタつきの不快感
グローバルコンシューマーケア事業
〔ハイジーンリビングケア事業〕
人々の生活スタイルや価値観の多様なニーズに応え、清潔で安心して暮らせる生活空間の実現や、誰もが自分
らしく快適に過ごせるための商品・サービスを提供すべく、幅広い分野での研究開発を進めております。
ファブリックケア製品及びホームケア製品における研究開発力のさらなる進化と、多様なステークホルダーとの
共創を通じたサステナブルな社会の実現を目的として、12月に和歌山事業場内に「Lifestyle Innovation Center
(ライフスタイルイノベーションセンター)」を竣工しました。
ファブリックケア製品では、衣料用洗剤「アタック抗菌EX」シリーズを改良新発売しました。本シリーズの特
長である抗菌※1性能に加え、「アタック抗菌EX」は、花王初の黄ばみ除去成分の新配合により皮脂洗浄力の向上
を図っています。「アタック抗菌EX 部屋干し用」は、高湿度環境の密集干し※2でも、消臭性能を発揮する処方
設計としました。
柔軟仕上げ剤ブランド「ハミングフレア」からは、新剤型の洗たく用香りづけ剤 「ハミングフレア アロマビ
ーズ」を発売しました。顆粒に特殊加工を施した「フレグランスポケット製法」により、冷水にも溶けやすく、
洗たく後の溶け残りを抑制します。また、衣類長持ち設計により、洗たく中の色あせ抑制※3にも寄与します。
ホームケア製品では、食器用洗剤 「キュキュット」から、「キュキュット ゴシゴシいらずの泡パック」を発
売しました。酵素パワーin処方により、高い洗浄力を発揮するとともに、シンク内の食器全体を泡で覆うことが
できるスプレー設計により、従来のこすり洗い工程の簡略化を可能にしています。その結果、食器洗い時間の約
30%短縮※4、すすぎ時の水量の約20%削減※4に寄与します。
当事業に係る研究開発費は、146億円であります。
※1:すべての菌の増殖を抑えるわけではありません
※2:干しはじめの洗たく物周辺の環境
※3:衣類によって効果は異なります
※4:当社手洗い品比。鍋とフライパンを除く標準使用方法で比較
〔ヘルスビューティケア事業〕
世界の人々の肌や髪を深く知るとともに、人が本来持っている健康力を生かしたQOLの向上を目指した本質研究
と、革新的な技術と品質によるユニークで付加価値の高い製品の提案をとおして、健康美と清潔衛生を実現する
研究開発に取り組んでいます。
スキンケア製品では、「ビオレ」から、「ビオレ ザ ボディ ととのい肌」を発売しました。花王独自の皮
脂選択洗浄成分※1を配合し、肌のうるおいに必要な皮脂は残しつつ、不要な皮脂を洗い流す処方設計により、
部位ごとに異なる肌状態を有する「ベタカサまざり肌※2」に対応しています。
ヘアケア製品では、ヘアケア事業変革の新ブランド第三弾として「MEMEME(ミーミーミー)」を発売しまし
た。「ミーミーミー クラッシュジェルトリートメント」は、ジェル剤型を採用し、使用時に手で伸ばすと剤が
崩れるように変化し、髪になじみやすくなる設計としています。
パーソナルヘルス製品では、「めぐりズム」から、炭酸※3配合ジェルパック「めぐりズム 貼る炭酸※3シリー
ズ」として、額・首もと用及び足用の2タイプを発売しました。炭酸※3を含む冷感ジェルシートが肌に密着し、
使用中の快適性を高めます。
当事業に係る研究開発費は、213億円であります。
※1:オレフィンC16スルホン酸Na
※2:脂性と乾燥が混在している肌の状態
※3:起泡剤
〔化粧品事業〕
世界の人々の肌を深く知る本質研究による確かなエビデンスと五感に訴える感性研究を融合し、一人ひとりの
「美」と「個性」に寄り添う新しい価値創造を目指しております。
カウンセリング化粧品では、「KANEBO(カネボウ)」から、「カネボウ クリーム イン デイII」、「カネボ
ウ クリーム イン ナイトII」を発売しました。肌を乾燥から守る「胎脂」の擬似機能成分
「TAISHITM Complex※1」を配合し、朝と夜の肌状態に応じた処方及び塗膜設計としています。
「est(エスト)」では、ベーシックラインとして「エスト ザ ローション EX」、「エスト ザ エマルジョン
EX」を発売しました。独自開発成分 「エクトビオシス※2」を配合し、角層内の水分保持機能に着目した保湿設計
により、乾燥環境下でもうるおいの持続を図っています。また、植物工場「SMART GARDEN(スマートガーデ
ン)」における独自の栽培・抽出方法で精製された高純度植物エキス※3を含む複合保湿成分を配合しています。
当事業に係る研究開発費は、114億円であります。
※1:基剤:長鎖分岐脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル
保湿:N‐ステアロイルジヒドロスフィンゴシン、濃グリセリン
※2:保湿:エクトイン、コハク酸ジグリコールグアニジン*、トレハロース、グリセリン
*医薬部外品はコハク酸2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジン
※3:SGローマカミツレエキス、SGローズマリーエキス
〔ビジネスコネクティッド事業〕
プロフェッショナルからの高度な衛生ニーズに応えるとともに、高機能な製品開発とモニタリング技術を活用
した一人ひとりへの精度の高いソリューションの提供を通じて、心身の健康を支え、人々のウェルネス向上に貢
献する研究を推進しています。
ヘルスケア分野における研究知見を、情報と商品の両面から生活者に直接提供する新たなブランドとして、
「花王ライフケア研究所」を立ち上げ、歩行から姿勢のゆがみを解析するアプリ「my Symmetry(マイシンメトリ
ー)」の提供を開始しました。今後、研究知見の活用を通じた新たな価値創出を目指していきます。
BtoB衛生関連製品では、花王プロフェッショナル・サービス株式会社(KPS)が、介護・医療施設向けに「パワ
フル消臭ストロング」シリーズを全国発売しました。 本シリーズでは、尿臭や便臭といった施設特有の課題に対
応するため、独自の香料技術※1及び防臭技術※2、※3を採用し、施設内の消臭ニーズへの対応を図っています。
当事業に係る研究開発費は、13億円であります。
※1: 尿臭・便臭をガードする独自香料が悪臭を弱めるとともに、悪臭を取り込み、よい香りに変化させる技術(悪臭ガード
ハーモセント技術)
※2:「パワフル消臭ストロング 消臭芳香剤」を除く
※3: 清掃後の対象物に独自の防臭成分が働き、尿臭の発生を防ぐ技術(尿臭ブロッカー)
ケミカル事業
油脂科学、界面科学、高分子科学等における研究開発の成果を基盤に、顧客やパートナーとの共創を通じて、
環境・社会課題の解決に貢献する特徴あるケミカル製品・ソリューションの創出に取り組んでおります。
油脂製品では、オレオケミカルや三級アミンにおいて独自の触媒・プロセス技術開発を進めております。
機能材料製品では、鉄バクテリア由来の茶褐色汚泥を除去できる産業用除去剤「ルナクリア」を発売し、
インフラメンテナンス分野における作業負荷低減に寄与しています。また、株式会社アイシンと共同開発した常
温防錆洗浄剤「ステイブライト」は、CO2排出量削減効果が評価され、第52回環境賞※において環境大臣賞を受賞
しました。
情報材料製品では、フラックス洗浄剤や半導体用薬剤をはじめとする電子部品用洗浄剤「クリンスルー」
シリーズを展開し、多様な製造工程ニーズに対応した洗浄ソリューションを提供しています。今後も、界面制御
技術と洗浄技術を基盤に、パートナー企業と連携した課題解決提案を強化してまいります。
当事業に係る研究開発費は、127億円であります。
※:国立環境研究所・日刊工業新聞社共催、環境省後援
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資等の金額は、101,038百万円であり、セグメントごとの内訳は、以下のとおりであります。
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.有形固定資産、使用権資産及び無形資産への投資が含まれております。なお、資産除去引当金に係る有形固定資産及び使用権資産の増加額は含まれておりません。
3.セグメントに含まれない投資は、「その他」に含まれております。
グローバルコンシューマーケア事業では、各事業で生産・研究設備の増強や合理化、維持更新のほか、情報システムの再構築等を行いました。ハイジーンリビングケア事業では、国内及び海外における新製品・改良品の対応や生産能力の拡充等を行いました。また、和歌山事業場においてはファブリックケア・ホームケア領域における研究設備が竣工されました。
ケミカル事業では、米国市場での安定供給体制強化に向けて米国で三級アミン生産拠点が新設されるなど、主に海外で生産能力が拡充されたほか、設備の合理化や維持更新、情報システムの再構築等を行いました。
なお、上記の所要資金は、主に当社グループ内の資金をグローバルに有効活用しております。
2 【主要な設備の状況】
当社グループの主要な設備の当連結会計年度末における状況は、以下のとおりであります。
(1)提出会社
2025年12月31日現在
(2)国内子会社
2025年12月31日現在
(3)在外子会社
2025年12月31日現在
(注)1.複数の事業所を有する会社は、代表的な事業所名を記載しております。
2.土地の面積については、()で外書きしております。
3.帳簿価額のうち、「その他」は、有形固定資産の工具、器具及び備品と建設仮勘定であります。
4.従業員数の[ ]は、臨時従業員数を外書しております。
5.Kao Chemicals Americas Corporationには、同社の子会社であるHigh Point Textile Auxiliaries LLC、Kao Specialties Americas LLC、STAR (Delaware) Realty LLC及びKao America Inc.の子会社であるHPC Realty, Inc.が含まれております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度後1年間の設備投資計画(新設・拡充等)は、
およそ91,000百万円であり、セグメントに関連付けた内訳は、以下のとおりであります。
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.有形固定資産、使用権資産及び無形資産への投資が含まれております。
3.経常的な設備の更新のための除売却を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。
4.上記計画に伴う所要資金は、主に当社グループ内の資金を有効活用する予定であります。
5.各セグメントに共通の設備投資計画は、「全社(共通)、その他」に含まれております。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
2025年12月31日現在
②【発行済株式】
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)1. 自己株式の消却(2021年6月23日 7,000千株)
2. 自己株式の消却(2022年9月28日 9,100千株)
3. 自己株式の消却(2025年12月26日 12,300千株)
(5)【所有者別状況】
(注)1.自己株式8,679株は、「個人その他」に86単元及び「単元未満株式の状況」に79株を含めて記載しております。
2.「その他の法人」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が57単元含まれております。
(6)【大株主の状況】
2025年12月31日現在
(注)1.上記の株主の所有株式数には、信託業務または株式保管業務に係る株式数が含まれている場合があります。
2.2024年12月10日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、オアシス マネジメント カンパニー リミテッドが2024年12月5日現在で以下のとおり株券等を保有する旨が記載されておりますが、当社として2025年12月31日現在における実質保有株式数の確認ができないため、上記の大株主の状況には含めておりません。
なお、2026年2月6日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、2026年1月30日現在でオアシス マネジメント カンパニー リミテッドが保有する株券等について、保有株券等の数30,127千株、株券等保有割合6.64%に増加している旨が記載されております。
3.2025年8月5日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、ブラックロック・ジャパン株式会社及びその共同保有者他9名が2025年7月31日現在で以下のとおり株券等を保有する旨が記載されておりますが、当社として2025年12月31日現在における実質保有株式数の確認ができないため、上記の大株主の状況には含めておりません。
4.2025年9月19日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者他1名が2025年9月15日現在で以下のとおり株券等を保有する旨が記載されておりますが、当社として2025年12月31日現在における実質保有株式数の確認ができないため、上記の大株主の状況には含めておりません。
5.2025年11月19日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、JPモルガン・アセット・マネジメント株式会社及びその共同保有者他7名が2025年11月14日現在で以下のとおり株券等を保有する旨が記載されておりますが、当社として2025年12月31日現在における実質保有株式数の確認ができないため、上記の大株主の状況には含めておりません。
6.2025年12月2日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、野村アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者他1名が2025年11月28日現在で以下のとおり株券等を保有する旨が記載されておりますが、当社として2025年12月31日現在における実質保有株式数の確認ができないため、上記の大株主の状況には含めておりません。
7.2026年1月9日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、三菱UFJ信託銀行株式会社及びその共同保有者他2名が2025年12月29日現在で以下のとおり株券等を保有する旨が記載されておりますが、当社として2025年12月31日現在における実質保有株式数の確認ができないため、上記の大株主の状況には含めておりません。
(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
(注)「完全議決権株式(その他)」の「株式数」の欄には役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託に係る信託口が所有する当社株式701,305株(議決権の数7,013個)及び株式会社証券保管振替機構名義の株式5,700株(議決権の数57個)が含まれております。
②【自己株式等】
(注)自己名義所有株式数の欄には、役員報酬BIP信託に係る信託口が所有する当社株式は含まれておりません。
(8)【役員・従業員株式所有制度の内容】
(当社の取締役(社外取締役を除く)及び執行役員に対する業績連動型株式報酬制度)
当社は、当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、受益者要件を充足した当社の取締役(社外取締役を除く)及び執行役員を対象とした業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という)を導入しております。
本制度は、当社が掲げる中期経営計画の対象となる事業年度(当初の対象期間は2024年から2027年までの4事業年度)に対して、上限額を4,640百万円として信託金を拠出し、当社株式が信託を通じて取得され、中期経営計画の業績目標の達成度等に応じて当該信託を通じて当社株式等の交付等を行う株式報酬制度です。
なお、ストックオプションによる報酬につきましては、2017年度以降、新規の割り当てを行っておりません。
※当社は、本定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役等に対する株式報酬制度に係る内容の一部改定の件」を上程しており、当該議案が承認可決されることを条件として、2026年度より、社外取締役の報酬を、月額固定報酬及び長期インセンティブ報酬としての非業績連動型株式報酬から構成するものに改定いたします。
2 【自己株式の取得等の状況】
会社法第155条第3号及び会社法第155条第7号の規定に基づく普通株式の取得
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づく取得
(注)当期間とは、当事業年度の末日の翌日から本有価証券報告書提出日までの期間であります。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注)当期間とは、当事業年度の末日の翌日から本有価証券報告書提出日までの期間であります。ただし、当期間における取得自己株式には、2026年3月1日から本有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買い取りによる株式は含まれておりません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)1.当期間とは、当事業年度の末日の翌日から本有価証券報告書提出日までの期間であります。ただし、当期間における取得自己株式の処理状況及び保有状況には、2026年3月1日から本有価証券報告書提出日までの単元未満株式の売り渡し及び買い取りによる株式は含まれておりません。
2.保有自己株式数の欄には、役員報酬BIP信託に係る信託口が所有する当社株式は含まれておりません。
3【配当政策】
当社グループは、EVA(経済的付加価値)及びROIC(投下資本利益率)を経営の主指標としており、その視点で安定的に創出されるキャッシュ・フローの使途を下記のとおり明確に定めております。株主還元はその一部で、将来の資金需要や金融市場の情勢を考慮して実行しております。
キャッシュ・フローの使途
・将来の発展に向けた設備投資※1
・M&Aを含む戦略投資※2(自己株式の取得を含む)
・安定的・継続的な増配
※1 更新投資のほか、事業基盤の維持・強化、能力増強、DX等、将来の競争力向上に資する投資。リース負債の返済による支出を含む。
※2 事業ポートフォリオ強化・変革や非連続な成長機会獲得を目的とする施策
この方針のもと、当事業年度の期末配当金は、前事業年度に比べ1円増配の1株当たり77円を予定しております。
この結果、年間配当金は前事業年度に比べ2円増配の1株当たり154円、連結での配当性向は59.2%となりました。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。中間配当については、定款に「取締役会の決議により、毎年6月30日を基準日として、中間配当を行うことができる」旨を定めております。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
花王は、企業理念である花王ウェイに基づき、パーパスである「豊かな共生世界の実現」に取り組みながら長期持続的に企業価値を向上し、「持続可能な社会に欠かせない会社になる」ために、コーポレート・ガバナンスを経営上の最も重要な課題のひとつと位置づけ、体制と運用の両面で絶えず強化しています。花王のコーポレート・ガバナンスとは、すべてのステークホルダーの立場を踏まえた上で、多様化・複雑化し予測が困難な変化に適時適切に対応しながら、社会への貢献と企業価値の持続的な向上を実現するために、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うためのしくみです。そのために必要な経営体制及び内部統制システムを整備・運用し、必要な施策を適時に実施すると共に、説明責任を果たしていくことを取り組みの基本としています。また、社会動向を常に把握し、ステークホルダーと積極的に対話を行うことで、コーポレート・ガバナンスのあり方を随時検証し、適宜必要な対策や改善を実施しています。
① 企業統治の体制
a.企業統治の体制の概要
当社では、監査役会設置会社というガバナンスの枠組みの中で、監督と執行の分離を進めていく体制として、執行役員制度を導入しております。有価証券報告書提出日(2026年3月25日)現在の経営体制は、社外取締役5名を含む取締役9名、社外監査役3名を含む監査役5名、執行役員29名(取締役を兼務する執行役員を含む)となります。全社外取締役及び全社外監査役は、経営陣から独立した中立性を保った独立役員であります。取締役会の審議の透明性の向上等を目的とし、2014年3月の定時株主総会後から、独立社外取締役が取締役会の議長を担っております。取締役及び執行役員の任期は1年であります。
当事業年度において開催された取締役会は臨時取締役会を含めて15回であり、当事業年度末における社外取締役及び社外監査役の出席率はそれぞれ100%となっております。社外役員に対しては、取締役会における充実した議論に資するため、取締役会の議題の提案の背景、目的、その内容等につき、取締役会の開催前に資料を配布し、必要に応じて、取締役会の事務局等より充分な説明が行われています。
指名委員会等設置会社における指名委員会及び報酬委員会と同様の機能を果たす機関として、取締役・監査役選任審査委員会及び取締役・執行役員報酬諮問委員会を設置しております。
各委員会の活動状況等につきましては、⑤取締役会、取締役・監査役選任審査委員会、取締役・執行役員報酬諮問委員会及び監査役報酬諮問委員会の活動状況に記載しています。
b.企業統治の体制を採用する理由
当社は、事業と経営を取り巻く環境の変化に対応し、絶えずガバナンス体制の向上を図ってまいりました。今後も、ガバナンス体制の向上を、経営上の重要な課題として継続検討していきますが、社内取締役4名と社外取締役5名で構成する取締役会及び社内監査役2名と社外監査役3名で構成する監査役会からなる監査役会設置会社としての体制を基礎として、役員の選任や報酬に関する委員会の設置等、継続的なガバナンス体制の向上を図ることが適当と判断しております。
当社の業務執行・経営の監視の仕組み、内部統制システムとリスク管理体制の模式図は次のとおりであります。
(2026年3月25日現在)

有価証券報告書提出日(2026年3月25日)現在の取締役会、監査役会、任意設置の委員会の構成員及び議長は以下のとおりであります。
(2026年3月25日現在)
◎は議長、〇は出席メンバーを示しております。
なお、当社は、本定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役9名選任の件」及び「監査役1名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと、経営体制は、社外取締役5名を含む取締役9名、社外監査役3名を含む監査役5名、執行役員29名(取締役を兼務する執行役員を含む)となります。また、当社の取締役会、監査役会、任意設置の委員会の構成員及び議長は以下のとおりとなる予定であり、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会においての決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
(本定時株主総会後)
◎は議長、〇は出席メンバーを示しております。
c.その他の企業統治に関する事項
○ 内部統制システムの整備の状況
当社は、経営会議の一運営形態として、内部統制の基本方針や運用計画の審議・決定、関連委員会活動状況のモニタリング、内部統制活動の有効性の確認等を行う内部統制委員会(委員長:代表取締役社長執行役員)を設置しております。なお、内部統制委員会の下に以下の関連委員会を配備しております。
・情報開示委員会
・コンプライアンス委員会
・情報セキュリティ委員会
・リスク・危機管理委員会
・レスポンシブル・ケア推進委員会
・品質保証委員会
○ リスクと危険の管理体制の整備の状況
損失の危険に関しては、経営目標の達成や事業活動の遂行に対して、不確かさがもたらす影響をリスクと捉え、脅威をもたらす「リスク」ならびにリスクが顕在化した状態である「危機」を適切に管理する体制を整備しています。リスクと危機の管理は、これを担当する執行役員を委員長とするリスク・危機管理委員会が、「リスク及び危機管理に関する基本方針」に基づいて、管理体制と活動方針を定めています。そして、部門、子会社及び関連会社は、この活動方針に基づいて、リスクを把握、評価し、対応策を策定、実行することでリスクを管理しています。
当社グループでは、持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献に悪影響を与える、特に重要な主要リスクを、リスク・危機管理委員会、経営会議の審議の下で選定しています。そして、これら主要リスクの中で、経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」と定めて、年1回、社内外のリスク分析と経営幹部へのヒアリングをもとに、経営会議でリスクテーマとリスクオーナー(責任者:執行役員)を決定しています。リスクオーナーは対策チームを立ち上げて検討を進め、リスク・危機管理委員会で進捗管理を行っています。
一方、危機発生時には、コーポレートリスクについてはそのリスクオーナーが、その他リスクについては主管する部門または子会社、関連会社が中心となって対策組織を立ち上げます。さらに、グループ全体への影響の重大さに応じて、代表取締役社長執行役員などを本部長とする対策本部を設置し、迅速かつ適切に対応することで、被害、損害の最小化を図ります。
リスクと危機の管理活動は、経営会議で定期的及び適時確認し、取締役会が承認しています。
○ 内部統制システムの運用状況の概要
当社では、「内部統制体制の整備に関する方針」に基づいて、社長執行役員を委員長とする内部統制委員会を設置し、内部統制体制の整備とその適切な運用に努めております。当期において実施いたしました内部統制上重要と考える主な取り組みは以下のとおりです。
<コンプライアンスに関する取り組み>
当社及び国内外のグループ会社を対象に、コンプライアンスを担当する常務執行役員を委員長とするコンプライアンス委員会が主導して、「花王ウェイ」を実践するための企業行動規範である花王ビジネスコンダクトガイドライン(BCG)や関連規程の整備及びその教育啓発活動並びに通報・相談窓口の設置及びその適切な運用を推進しています。
コンプライアンスリスク低減に向けて、以下の取り組みを実施しております。
・コンプライアンス違反の発生時には、直ちに経営幹部及び監査役へ報告する第一報の徹底を行っています。通報・相談された全ての案件について、毎月実施するコンプライアンス委員会事務局会議で、アドバイザーとして出席している外部弁護士による第三者の目から見た評価や提言をいただきながら対応状況を確認・検証するほか、特に注視すべき案件については重大なコンプライアンス違反のおそれのある案件として抽出し、当該案件の発生部門とともに原因究明とそれに基づく再発防止策を講じています。四半期毎のコンプライアンス委員会で、発生部門・主管部門による取り組み状況を確認し、当該部門以外でも類似案件が発生しないようリスク低減に努めております。
・通報・相談窓口を社内・社外(弁護士)に設置しており、当期は472件の通報・相談がありました。全通報・相談案件のうち、調査要望のあった案件については全て事実確認調査を行った上で、会社として職場風土をより良くするため、課題認識を踏まえて必要な対応を実施しています。また、ひとつひとつの課題を解決し、コンプライアンス違反の拡大や長期化を防止するために、社内外からの声が上がりやすくなる「風通しの良い風土」の醸成に努めています。
・コンプライアンス違反防止に向けた取り組みとして、一切の人権侵害・ハラスメントを許さず、社員を守ることを伝えるトップメッセージの発信、コンプライアンス委員会委員長による相互リスペクトすることの重要性を伝えるメッセージポスターの掲示、さらに各組織の責任者によるコンプライアンスメッセージの発信等により、一人ひとりのコンプライアンス意識の維持・向上に努めました。また、BCG確認テスト・コンプライアンス意識調査をグローバルの花王グループ全社員(ただし、派遣社員、パート社員を除く)を対象に実施しました。さらに、グローバルの花王グループ各社のイントラネットを通じて、コンプライアンスケーススタディの発信を行っています。
・主要な外部評価機関の評価項目の分析を踏まえて課題を洗い出し、その改善策を今後の活動計画に加えました。2025年の実践例は、①コンプライアンス違反の発生部門が自ら原因を深掘りし、再発防止策を検討し実行した内容を、一定期間経過後にその防止策が効いているかを検証するプロセスを実施、②発生事案の共有とそこからの学びを伝える、または組織内で対話することでお互いの考え方の違いを気づく活動の実施、③会社が発信する情報から取り残される社員を無くす取り組みとしてコンプライアンスポスターの多言語化対応、④コンプライアンス活動について自己点検を継続実施し、課題の抽出と今後に向けたさらなる改善策の検討、などです。
<リスクと危機の管理に関する取り組み>
経営への影響が特に大きく、対応の強化が必要なリスクを「コーポレートリスク」と定義し、経営会議においてリスクテーマとリスクオーナー(対応責任者:執行役員)を決定しています。2025年は、「大地震・自然災害・BCP対応」「地政学リスク対応」「サイバー攻撃対応」「社会課題への対応」「重大品質問題対応」「レピュテーションリスク対応」「パンデミック対応」などをコーポレートリスクとして位置付け、対応の強化を進めました。
また、中期経営計画「K27」の達成を阻害する重要リスクについて、部門及び国内外の子会社を対象としたリスク調査ならびに経営幹部へのヒアリングを実施し、グローバル・シャープトップ戦略に関わる重要リスクを明確にしました。これらの重要リスクについて、既存の対応体制等を踏まえ、2026年のコーポレートリスクのテーマと推進体制を決定しました。
さらに、首都直下地震の発生により、東京を拠点とする緊急事態対策組織が長期間機能しない事態を想定し、和歌山を中心とした西日本の対策組織の自立化を目的とした全社緊急事態対応訓練を実施しました。訓練を通じて明らかになった課題について対応を継続しています。
<子会社管理に関する取り組み>
担当執行役員は、職務分掌に従って子会社に対して内部統制体制の整備・運用について指導を行いました。
海外子会社は各社の役員会にて、重大なリスクとその対応策を協議して実行しています。当社からの指示に応じて各社が特定したリスクについては、その対応策とともに当社の主管部門へ報告が行われました。
事業別及び事業を支援する機能別に設置されている定例会議において、付議基準に基づき、必要に応じて付議・報告が行われました。また、規程等に基づき付議・報告がなされていることについて、内部統制を主管する各部門がチェックリストの提出を受けることや内部監査を担当する経営監査室の往査により確認しました。
子会社の重要事項については、子会社が当社に対し事前承認を求める、または報告すべき事項を定めた子会社管理規程である「ポリシーマニュアル」に従い、必要に応じて子会社から当社に対し、付議・報告が行われました。海外事業の展開強化を踏まえ、さらなる規程の明確化や役割の整理を行い、子会社管理の実効性向上を図っています。経営監査室による監査において指摘を受けた子会社は、「ポリシーマニュアル」に基づき、当該子会社の役員会において、全ての指摘事項を協議の上実行し、対応策及びその結果についても当社の主管部門に報告が行われました。
d.責任限定契約の内容の概要
当社は、各取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び各監査役との間で、会社法第427条第1項及び定款の規定に基づき、会社法第423条第1項の責任を、1,000万円または法令が定める額のいずれか高い額を限度として負担するものとする契約を締結しております。
e.役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社及び花王グループの取締役、監査役及び執行役員等を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約では、被保険者が当社及び花王グループの役員等としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が損害賠償金及び訴訟費用を負担することで被る損害が填補されます。ただし、被保険者が法令違反を認識しながら行った行為等に起因する損害等は対象外とすることにより、職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じております。なお、保険料は、当社及び花王グループが負担しております。
② 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって決める旨を定款に定めております。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨も定款に定めております。
③ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができるとした事項及びその理由
a.自己の株式の取得
当社は、経営環境等の変化に速やかに対応するため、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
b.取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役及び監査役が期待される役割を十分に発揮できるように、取締役(取締役であった者を含む)及び監査役(監査役であった者を含む)の会社法第423条第1項の責任について、職務を行うにつき善意にしてかつ重大な過失がないときは、取締役会の決議により法令の限度においてその責任を免除することができる旨を定款に定めております。
c.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元ができるよう、取締役会の決議により毎年6月30日を基準日として会社法第454条第5項に定める中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
④ 株主総会の特別決議要件
当社は、特別決議を要する議案につき、議決権を行使する株主の意思が当該議案の決議に反映されることをより確実にするため、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う旨を定款に定めております。
⑤ 取締役会、取締役・監査役選任審査委員会、取締役・執行役員報酬諮問委員会及び監査役報酬諮問委員会の活動状況
a.取締役会の活動状況
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
※当事業年度開催の取締役会は15回であり、取締役リサ・マッカラン、取締役サラ・カサノバ、監査役村田真実、監査役内藤順也の4氏の就任以降開催された取締役会は12回となっております。
当事業年度は、取締役会において、取締役会のあり方を念頭に以下の点について、重点的に審議を行いました。
<取締役会のあり方>
花王の取締役会は、執行への大幅な権限委譲を行うとともに、モニタリング機能をさらに強化することで、経営陣による適切なリスクテイクと迅速かつ果断な意思決定を促していきます。特に、人的資本を含む経営資源の配分や戦略の実行が経営陣により適切に行われていることを実効的に監督していきます。また、リスク・危機管理体制を始めとした内部統制体制の整備が取締役会の責務であることを認識し、これらの体制を適切に構築・運用していきます。
■中期経営計画の進捗と課題のモニタリング
事業別ROICの定期的な報告により、中長期的視点で事業の収益性の議論を行っています。課題事業や注力テーマについて、継続的に議論を行い、特に化粧品事業で結果が出ています。海外グローバルコンシューマーケア事業においては、化粧品やスキンプロテクションを中心に、主要な海外市場でのブランド強化や市場開拓を進めるとともに、課題領域の改革を進めてまいります。また、「K27」の進捗を定期的にモニタリングし、その達成の確度を高めております。
■人財戦略
社員エンゲージメントサーベイの結果について報告がなされ、それらを踏まえた今後の対応について議論を行いました。社員の挑戦を促す人財活性化制度OKR(Objectives and Key Results)や社内公募導入後の進捗と成果についても継続的に審議しています。グループ各所における多様な挑戦が増加、拡大するとともに、対話を通じたさらなる連携が促進されていることを確認しています。また、次世代経営幹部の選抜・育成の仕組みについて執行側から報告がなされ、その進捗を確認しています。
■内部統制体制の整備と運用状況
内部統制体制が整備され、運用されていることが確認されました。グローバル成長に向けたさらなる強化の取り組みについても議論がなされました。
■取締役会外でのオフサイトミーティングの開催
取締役会での議論の質をさらに高めるためにオフサイトミーティングを開催しました。課題事業を含む海外グローバルコンシューマーケア事業の現状と今後の方向性、人財開発戦略、コーポレートブランディング戦略等について自由な意見交換が行われました。
上記のほか、執行役員を兼務する取締役から執行報告及び担当執行役員から経営会議審議事項の報告を行っています。
また、当社は、持続的な企業価値向上に向け、取締役会の機能の向上を図るため、各取締役の自己評価も含めた取締役会全体の実効性についての評価・分析を行い、その結果の概要を開示しています。
2015年度より年1回、全取締役及び全監査役を対象としたアンケートと取締役会の議論をもとに評価を実施しておりますが、2024年度には、一部取締役へのインタビューと第三者機関による取締役会の実効性評価を実施(3年に1回を予定)し、継続的に評価の充実と客観性の向上を図っています。2025年度は、各取締役が期待された役割を果たしていることを確認するため、新たに取締役のピアレビュー(相互評価)を実施いたしました。また、取締役・監査役選任審査委員会及び取締役・執行役員報酬諮問委員会についても、あわせて評価を実施しています。
取締役会実効性評価の結果については、以下のウェブサイトをご覧ください。
www.kao.com/jp/corporate/policies/corporate-governance/directors/
b.取締役・監査役選任審査委員会の活動状況
取締役・監査役選任審査委員会は、独立した客観的な視点を取り入れるため、全社外取締役と社外監査役1名で構成し、議長は互選により選出しておりますが、当事業年度も独立社外取締役が務めました。同委員会は、その構成員がすべて独立役員であることから高い客観性を維持しております。同委員会では、取締役会の諮問を受け、まず、戦略や経営環境に照らし望ましい構成(多様性・スキル・社外比率・規模等)の考え方を議論します。その後、この考え方に基づき、次期取締役会構成に適した人財の候補者を審査します。新任候補者については、履歴書等やスキルマトリックスを参照して審査を行った後、候補者との面談等を行います。そのうえで、期待する役割を果たせるか、そのために必要となる経験、専門性、姿勢・資質を有しているかを審議し、取締役会に答申します。取締役会は、同委員会の答申を尊重しながら、最終的に取締役候補者を決定します。
なお、当社は取締役の任期を1年に短縮しているため、再任候補者も含めた取締役候補者は毎年厳格な審査を受けており、社内取締役候補者については、社外役員による評価確認を実施し、その結果が報酬だけでなく指名のプロセスにも反映されております。
監査役候補者については、監査役会において3名の独立社外監査役を含む独立した客観的な視点をもって、取締役・監査役候補者の指名の方針や上記考え方及び監査役会で決定した監査役候補者の選任方針に基づきその適正さ、適格性等を審査し、同委員会の意見も踏まえて、最終的に監査役会の同意をもって取締役会において、監査役候補者として決定しています。
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
※当事業年度開催の取締役・監査役選任審査委員会は7回であり、社外取締役サラ・カサノバ氏の就任以降開催された委員会は6回となっております。
社長執行役員は、議長の指名により取締役・監査役選任審査委員会に出席し、審査のために必要かつ十分な検討資料(審査対象者に関する資料のほか、取締役や執行役員の担当区分を含む新経営体制の概要を含む)を各委員に提出し、また、候補者と各委員が接する機会を設ける等の配慮を行うことで審査の充実を図っています。
〇主な審議内容
当事業年度は、取締役会の諮問を受け、取締役会構成の考え方、取締役候補者に求める要素、スキルマトリックス、次期取締役候補者及び監査役候補者、社長後継者計画について審議のうえ、取締役会へ答申を行いました。
今年度はスキルとして特に、海外グローバルコンシューマーケア事業及びIT・DXを活用したマーケティングを強化すべきとの結論に至りました。これらの考え方に基づき、書類確認や面談を含む取締役候補者・監査役候補者の厳正な審査を行ったうえで、審査結果を取締役会へ答申しました。
社長後継者計画については、人財要件に基づき、複数の後継者候補のリストや育成計画の進捗状況が提示され、将来戦略と人財要件の整合性や今後のプロセスの精緻化、候補者と取締役会とのさらなる接点について議論がなされました。
(ご参考)
取締役会の知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方
取締役会(出席者は取締役及び監査役)において、取締役が、経営戦略等の大きな方向性を示し、取締役及び監査役がその妥当性、実現に当たってのリスク等を客観的、多面的に審議し、執行状況を適切に監督・監査するためには、多様な知識、経験、能力等を有する社内外の者がさまざまな観点から意見を出し合い建設的な議論を行うことが重要であると考えています。
花王グループは、中期経営計画「K27」のビジョンとして「未来のいのちを守る」を掲げています。当社の経営陣は、その実現のために、1. 持続可能な社会に欠かせない企業になる、2. 投資して強くなる事業への変革、3. 社員活力の最大化を戦略として、その戦略に沿って業務執行しています。
当社の取締役会は、経営陣が上記の戦略に沿って透明・公正かつ迅速・果断に業務執行を行っていることを監督するため、社内外の取締役及び監査役がそれぞれの知識・経験・専門性を補完しあい、全体としての高い実効性を発揮しています。
知識・経験・能力だけでなく、性別、国籍、人種、年齢の面を含む取締役会の多様性から生まれる多角的な視点が事業の推進やグローバル拡大、適切な監督や監査に資するとの認識に立ち、これらの多様な人財の取締役及び監査役への登用を進めます。経験・知識・専門性の項目は、当社の持続的成長にとっての重要性の観点から、選任審査委員会で毎年見直しています。スキルマトリックスに基づき、次期の取締役会の構成や候補者について審議しています。
取締役会の規模については、適切な審議や執行の監督を行うために必要な多様な人財のバランスを勘案しつつ、意思決定の迅速化を図るため、小規模の取締役会をめざします。また、社外取締役は、取締役会の多様性及び発言力の確保のため取締役の半数以上とするとともに、過半数とすることを検討し、独立性も重視します。監査役の過半数は独立基準を満たす社外監査役とします。
取締役・監査役候補者の指名の方針
取締役会の知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する考え方に従い、適切な取締役及び監査役を指名します。取締役及び監査役は、当社の取締役又は監査役としての職務を執行するために十分な時間を確保することが必要であることから、上場会社における取締役又は監査役の兼職の数を、原則として当社を除く3社までとします。また、取締役及び監査役には、再任時の指名においては直近事業年度における取締役会への出席率75%以上を求めるものとします。在任期間については、中長期的な視点での議論ができ、また安定的な経営ができることを重視しつつ、独立性や客観性も考慮して判断します。なお、先任者から後任者への当社の経営や事業に関して得た知見の共有を図るため、社外役員の就任時期に差を設けます。
社長執行役員の後継者を含めた人財戦略は経営の最重点課題のひとつと捉えており、取締役会及び取締役・監査役選任審査委員会において継続的に議論をします。
経営陣幹部については、経営戦略等の立案に必要な事業環境やこれに対応するための花王グループの事業・経営状況の理解及び取締役会が定めた経営戦略等を、強いリーダーシップを発揮し迅速かつ適切に執行できる経験と能力を重視して指名します。
後継者計画に対する考え方
・後継者計画に関する考え方
社長執行役員の後継者を含めた人財戦略は経営の最重点課題のひとつと捉えており、取締役会及び取締役・監査役選任審査委員会において継続的に議論をします。経営陣幹部については、経営戦略等の立案に必要な事業環境やこれに対応するための花王グループの事業・経営状況の理解及び取締役会が定めた経営戦略等を、強いリーダーシップを発揮し迅速かつ適切に執行できる経験と能力を重視して指名します。
・社長執行役員の後継者計画
社長執行役員は、当社の経営環境を踏まえ、中長期的な視点で次の社長執行役員に求められる資質要件を策定し、その要件に将来的に合致するであろうと考える後任候補者リストを作成します。また、リストの作成とともに、後任候補者の育成計画も作成します。
そして、①資質要件、②後任候補者リスト、③育成計画(進捗状況を含む)を取締役・監査役選任審査委員会に提案し、同委員会で審議(進捗状況のモニタリングを含む)します。
取締役・監査役選任審査委員会での審議内容・結果は取締役会に答申されます。
取締役・監査役選任審査委員会での審議を踏まえ、社長執行役員は各リストや計画を適宜、修正のうえ、それらに従って計画を実行します。社長執行役員は、その実行状況を取締役・監査役選任審査委員会に年1回以上報告し、同委員会はその状況をモニタリングします。
なお、取締役及び監査役の解任の決定手続きは、会社法の規定に従って行いますが、取締役及び監査役並びに社長執行役員を解任すべき事情が生じた場合には適時に選任審査委員会で審議を行い、取締役会において同委員会の審議内容を勘案し、審議する仕組みになっています。
経営陣幹部については、取締役の選任審査の際に、全執行役員候補者の役職及び担当業務を取締役・監査役選任審査委員会に報告しており、その後取締役会において選任しています。なお、経営陣幹部を解任すべき事情が生じた場合は、適時に取締役会で審議を行います。
c.取締役・執行役員報酬諮問委員会の活動状況
取締役及び執行役員の報酬制度や報酬水準については、取締役の個人別の報酬内容を含め、決定プロセスの客観性・透明性を確保する観点から、取締役・執行役員報酬諮問委員会において審査し、取締役会の決議により決定しております。取締役・執行役員報酬諮問委員会は、全社外取締役及び代表取締役 社長執行役員より構成される体制としております。議長は互選により選出しており、当事業年度も独立社外取締役が務めました。
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
※当事業年度開催の取締役・執行役員報酬諮問委員会は7回であり、社外取締役 サラ・カサノバ氏が就任以降開催された委員会は5回となっております。
〇主な審議事項
当事業年度については、取締役会の諮問を受け、2024年度STI支給率、「K27」業績連動型株式報酬制度の2024年度レビュー、第119期定時株主総会での株主提案議案に対する当社意見の検討、役員報酬水準の妥当性、社外取締役の報酬体系及び金銭報酬枠の改定について審議しました。
2026年度の役員報酬額については、役員報酬のマーケット水準等を確認の上、取締役会への答申内容を決定しました。特に社外取締役の報酬については、報酬体系の改定、それに付随する金銭報酬枠の改定が必要な旨を取締役会に答申しています。
d.監査役報酬諮問委員会の活動状況
監査役の報酬水準については、監査役の報酬等の額の妥当性及びその決定プロセスの客観性・透明性を確保する観点から、監査役報酬諮問委員会(監査役会下に設置)において審査された後、監査役の協議にて決定しております。同委員会は、全社外監査役、社長執行役員及び社外取締役1名から構成されています。なお、本定時株主総会後においては、同委員会は全社外監査役で構成する予定です。議長は互選により社外監査役から選出しております。
当事業年度における活動状況は次のとおりです。
※当事業年度開催の監査役報酬諮問委員会は1回であり社外監査役 天野 秀樹氏が退任される以前に、同氏を議長として開催されました。なお、後任議長は社外監査役 新井 佐恵子氏であり、新井氏議長就任および社外監査役 内藤 順也氏が就任以降に開催された委員会はありません。
〇主な審議事項
当事業年度については、監査役会の諮問を受け、2025年度の監査役報酬額について審議し、監査役報酬のマーケット水準等を確認の上、監査役会への答申内容を決定しました。
(2)【役員の状況】
① 役員一覧
有価証券報告書提出日(2026年3月25日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりです。
男性9名 女性5名 (役員のうち女性の比率35.7%)
(注)1.取締役篠辺 修、同 桜井 恵理子、同 西井 孝明、同 髙島 誠、同 サラ・カサノバの5氏は、社外取締役であります。
2.監査役岡 伸浩、同 新井 佐恵子、同 内藤 順也の3氏は、社外監査役であります。
3.取締役及び監査役の任期は、次のとおりであります。
※1 2024年12月期に係る定時株主総会終結の時から2025年12月期に係る定時株主総会終結の時まで。
※2 2022年12月期に係る定時株主総会終結の時から2026年12月期に係る定時株主総会終結の時まで。
※3 2024年12月期に係る定時株主総会終結の時から2028年12月期に係る定時株主総会終結の時まで。
※4 2021年12月期に係る定時株主総会終結の時から2025年12月期に係る定時株主総会終結の時まで。
※5 2023年12月期に係る定時株主総会終結の時から2027年12月期に係る定時株主総会終結の時まで。
4.当社は、執行役員制度を導入しております。執行役員は29名で、内3名は取締役を兼務しております。
本定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役9名選任の件」及び「監査役1名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、当社の役員の状況は以下のとおりとなる予定です。なお、役員の役職等につきましては、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しております。
男性9名 女性5名 (役員のうち女性の比率35.7%)
(注)1.取締役桜井 恵理子、同 西井 孝明、同 髙島 誠、同 サラ・カサノバ、同 奥山 眞司の5氏は、社外取締役であります。
2.監査役新井 佐恵子、同 内藤 順也、同 玉置 秀司の3氏は、社外監査役であります。
3.取締役及び監査役の任期は、次のとおりであります。
※1 2025年12月期に係る定時株主総会終結の時から2026年12月期に係る定時株主総会終結の時まで。
※2 2022年12月期に係る定時株主総会終結の時から2026年12月期に係る定時株主総会終結の時まで。
※3 2024年12月期に係る定時株主総会終結の時から2028年12月期に係る定時株主総会終結の時まで。
※4 2023年12月期に係る定時株主総会終結の時から2027年12月期に係る定時株主総会終結の時まで。
※5 2025年12月期に係る定時株主総会終結の時から2029年12月期に係る定時株主総会終結の時まで。
4.当社は、執行役員制度を導入しております。執行役員は29名で、内3名は取締役を兼務しております。
② 社外取締役及び社外監査役の状況
a.社外取締役及び社外監査役の員数並びに社外取締役及び社外監査役と当社との人的・資本的・取引関係その他の利害関係
有価証券報告書提出日(2026年3月25日)現在、当社の社外取締役は5名であり、社外監査役は3名となっています。当社は後記c.社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性に関する基準又は方針の内容に記載のとおり、「花王株式会社 社外役員の独立性に関する基準」を制定しており、各社外取締役及び各社外監査役は、同基準に照らし、一般株主と利益相反が生じる恐れがないと判断しており、特別な利害関係はありません。
また、当社は、本定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役9名選任の件」及び「監査役1名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決された場合、当社の社外取締役は5名、社外監査役は3名となります。なお、当該社外取締役と社外監査役の独立性に関する事項は以下のとおりです。
社外取締役桜井 恵理子氏は、ダウ・ケミカル日本株式会社の業務執行に携わっておりましたが、2022年7月以降は同社の業務執行には携わっておりません。同社はアメリカ合衆国の化学品メーカーの日本法人として各種化学製品の製造・輸入販売及び技術サービスの提供をしており、同社が属するグループと花王グループとの間には、原材料購入及び販売等の取引がありますが、直前事業年度における同社が属するグループの連結売上高に対する当該取引金額の割合は0.1%未満であり、花王グループの連結売上高に対する当該取引金額の割合は0.5%未満であります。
社外取締役西井 孝明氏は、味の素株式会社の業務執行に携わっておりましたが、2022年6月以降は同社の業務執行には携わっておりません。同社グループではアミノ酸を原料とした事業を展開しており、同社グループと花王グループとの間には原材料購入及び販売等の取引がありますが、直前事業年度における同社グループの連結売上高に対する当該取引金額の割合は0.5%未満であり、花王グループの連結売上高に対する当該取引金額の割合は0.1%未満であります。また、同氏は株式会社ファイネットの業務執行に携わっておりましたが、2025年6月以降は同社の業務執行には携わっておりません。花王グループは同社の提供するサービスの利用料を支払っておりますが、直前事業年度における同社の売上高及び花王グループの連結売上高に対する当該取引金額の割合はいずれも0.1%未満であります。
社外取締役髙島 誠氏は、株式会社三井住友銀行の業務執行に携わっておりましたが、2023年4月以降は同行の業務執行には携わっておりません。同行グループと花王グループとの間には、法人用クレジットカード利用等の取引がありますが、直前事業年度における同行グループの連結経常収益及び花王グループの連結売上高それぞれに対する当該取引金額の割合は、いずれも0.1%未満であります。また、同行グループと花王グループとの間には定常的な銀行取引及び同行からの借り入れがありますが、直前事業年度末時点における花王グループの同行グループからの借入額は花王グループの連結資産合計の1.5%未満であります。
社外取締役奥山 眞司氏は、グーグル合同会社の業務執行に携わっております。同社が属するグループと花王グループとの間には、広告掲載等の取引がありますが、直前事業年度における同社が属するグループの連結売上高及び花王グループの連結売上高それぞれに対する当該取引金額の割合は0.1%未満であります。
社外監査役玉置 秀司氏は、オムロン株式会社の業務執行に携わっておりましたが、2021年4月以降は同社の業務執行には携わっておりません。同社グループは制御機器の製造販売やデータソリューション事業を展開しており、花王グループは、同社グループが提供する設備の購入等を行っておりますが、直前事業年度における同社グループの連結売上高及び花王グループの連結売上高それぞれに対する当該取引金額の割合は0.1%未満であります。また、同氏は公益社団法人日本監査役協会の業務執行に携わっておりましたが、2025年12月以降は同協会の業務執行には携わっておりません。花王グループでは、同協会に対して会費を支払っておりますが、直前事業年度における同協会の経常収益及び花王グループの連結売上高それぞれに対する当該取引金額の割合は0.1%未満であります。
なお、社外取締役サラ・カサノバ氏、社外監査役新井 佐恵子氏、同 内藤 順也氏については、該当事項はありません。
b.社外取締役及び社外監査役が当社の企業統治において果たす機能及び役割
社外取締役には、グローバルな企業の経営者及び専門分野での豊富な経験と高い見識を当社の経営に生かしていただくことを期待し、当社の経営陣から独立した中立な立場から、経営判断が会社内部者の論理に偏ることがないようにチェックする機能を担っていただいております。
社外監査役には、公認会計士や弁護士としての高い専門性や企業でのグループガバナンスや監査実務の豊富な経験・知識に基づく視点を監査に生かしていただくことを期待しております。
c.社外取締役及び社外監査役を選任するための独立性に関する基準又は方針の内容
当社における社外取締役及び社外監査役を独立役員として認定する際の独立性の基準を明らかにすることを目的として、全監査役の同意のもと、当社取締役会の承認により、「花王株式会社 社外役員の独立性に関する基準」を制定しております。社外取締役及び社外監査役が会社から独立していることの重要性に鑑み、社外取締役及び社外監査役候補者の検討にあたっては、同基準による独立性を重視しております。
なお、社外取締役篠辺 修、同 桜井 恵理子、同 西井 孝明、同 髙島 誠、同 サラ・カサノバの5氏並びに社外監査役岡 伸浩及び同 新井 佐恵子、同 内藤 順也の3氏について、同基準に照らし、一般株主と利益相反が生じる恐れがないと判断し、有価証券報告書提出日(2026年3月25日)現在、株式会社東京証券取引所が定める独立役員として届け出ています。また、本定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役9名選任の件」及び「監査役1名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決された場合、社外取締役桜井 恵理子、同 西井 孝明、同 髙島 誠、同 サラ・カサノバ、同 奥山 眞司の5氏並びに社外監査役新井 佐恵子及び同 内藤 順也、同 玉置 秀司の3氏について、株式会社東京証券取引所が定める独立役員として届出を行います。
同基準については、以下のウェブサイトをご覧ください。
www.kao.com/content/dam/sites/kao/www-kao-com/jp/ja/corporate/policies/pdf/governance_002.pdf
d.社外取締役及び社外監査役の選任状況
有価証券報告書提出日(2026年3月25日)現在の当社役員の状況は、以下のとおりです。
本定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役9名選任の件」及び「監査役1名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、当社役員の状況は以下のとおりとなる予定です。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役及び社外監査役は、取締役会に出席し、監査役からの監査報告(会計監査人の監査を含む)、内部監査部門である経営監査室からの内部監査の報告、内部統制委員会からの内部統制体制の整備・運用状況等に関する報告を定期的に受け、必要に応じて意見を表明しています。
加えて、社外監査役は常勤監査役と適時に情報を共有し、常勤監査役とともに会計監査人や経営監査室と定期的に意見交換を行っています。内部統制関連部門への監査役ヒアリングにも参加し、内部統制の整備およびモニタリング状況を確認するとともに、各分野での豊富な知見と経験を基に客観的な助言・意見を述べています。さらに、グループ会社の監査役とも意見交換を実施し、相互連携を図っています。
また、社外取締役と監査役は、定期的に意見交換を行い、当社グループの現状と課題等について共有しています。
(3)【監査の状況】
① 監査役監査の状況
a.監査方針
花王グループは中期経営計画 「K27」の達成に向けて、稼ぐ力の改革を一層推し進め、よきモノづくりと社員活力の最大化により、「グローバル・シャープトップ」カンパニーをめざしています。
監査役会は経営が認識する危機感とグローバル成長を加速させる必要性を共有した上で、「K27」の実行状況並びに経営環境リスクへの対応状況を確認することにより、ステークホルダーからの要請と社会からの期待を意識した監査活動を行うことを方針としました。
<当社の監査役活動で特に重視していること>
[積極的な意見表明]
監査役は、取締役会や経営会議等の重要会議における意思決定プロセスや決議に対し積極的に意見を表明するとともに、取締役や執行役員とは重点監査項目に関する活発な意見交換を行っています。
[現場との対話]
監査役は、各部門及びグループ会社への往査・ヒアリングによる対話を通じて、経営戦略の浸透状況や主体的な取り組み、現場の課題や経営への要望などを理解することを大切にしています。往査・ヒアリング終了後、現場が自部門の取り組みに生かせるよう、監査役コメントを「指導事項・要請事項・アドバイス・優れた取り組み」に分けて共有しています。なお、往査・ヒアリングの約7割には、社外監査役も1名以上参加しています。
b.組織・人員
当監査役会は、有価証券報告書提出日(2026年3月25日)現在、監査役5名(常勤監査役2名、社外監査役3名)で構成されています。社内の豊富な執行経験と多様な知見を持つ常勤監査役と、指導的な経験や高い専門性と見識を有する社外監査役が、監査に関する情報を適宜共有し、多様な視点から審議を行っています。また、監査役会の直下に監査役室を設置し、監査役の職務の補助とともに、室員が子会社の監査役を兼務する体制を取っています。
社外監査役選任理由については、「(2)役員の状況 ② 社外取締役及び社外監査役の状況 d.社外取締役及び社外監査役の選任状況」に記載しています。
なお、当社は、本定時株主総会の議案(決議事項)として、「監査役1名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと、監査役会は、引き続き、監査役5名(常勤監査役2名、社外監査役3名)で構成されます。
c.監査役会の審議状況
監査役会とは別に、監査役のスキル、グループガバナンスや、経営戦略の進捗状況などについて、フリーディスカッション形式で議論を深めています。
d.重点監査項目・活動実績及び実効性評価
<監査役会の実効性評価>
毎年、重点監査項目を中心に評価項目を設定し、多角的・客観的に実効性を評価しています。各監査役の自己評価に加え、取締役やその他関係者の意見を参考にし、監査役会で幅広く議論した結果、当事業年度は、全体として「有効に機能している」という評価に至りました。
「K27」の実行状況では、特に成長ドライバー領域の化粧品事業を注視し、往査・ヒアリングや重要会議を通じ成長戦略の現場への浸透度、構造改革の実効性を検証しました。ROICは事業部門に加え機能部門にも定着し、多数の活用事例を確認しました。また、監査対象子会社(90社)の過去15年間の三様監査による監査実績を精査し、重点エリア・事業とその監査領域を経営監査室と共有しました。海外子会社のガバナンスは、事業のグローバル拡大に向けた重要テーマとして継続的に注視していきます。
なお、本評価で認識した課題は、実効性をさらに向上するため、翌事業年度重点監査項目に反映してまいります。
監査役会実効性評価については、以下のウェブサイトをご覧ください。
www.kao.com/content/dam/sites/kao/www-kao-com/jp/ja/corporate/policies/pdf/audit_2026.pdf
② 内部監査の状況
a.組織・人員及び手続き
当社グループの内部監査を担当する経営監査室は、有価証券報告書提出日(2026年3月25日)現在、国内外の37名で構成されています。経営監査室は、代表取締役社長執行役員の直轄組織として他の業務ラインから分離され、独立的及び客観的な立場から当社及び国内外のグループ会社の経営活動全般について、法令遵守、財務報告の適正性、業務の有効性・効率性の視点から内部統制の整備・運用状況を評価し、その結果に基づき経営活動の信頼性について合理的な保証を与えるとともに、内部統制の充実を図るための提案を行っています。
金融商品取引法に基づく「財務報告に係る内部統制の有効性」については、内部統制委員会が基本計画と方針を決定しています。経営監査室は代表取締役社長執行役員の代行として、全社的な内部統制の状況及び重要な拠点の業務プロセス統制についての評価を行い、その評価結果を代表取締役社長執行役員へ報告しています。
子会社管理に関する取り組みについては、当社は、子会社が当社に対し事前承認を求める、または報告すべき事項をグループ会社管理規程である「ポリシーマニュアル」に定めています。経営監査室による監査での指摘事項は、当該規程上の報告事項に該当し、当該子会社の定例の役員会において、全ての指摘事項を役員間で共有し、対応策及びその結果についても共有することになっています。
b.内部監査、監査役監査及び会計監査の相互連携並びにこれらの監査と内部統制との関係
経営監査室と監査役は、会計監査人から監査計画、重点監査項目と会計監査結果(期中レビュー・年度監査)及び監査上の主要な検討事項等の説明を受け、定期的かつ必要に応じて意見交換を行っています。
経営監査室は、会計監査人と、財務報告に係る内部統制の整備・評価や内部監査の活動状況についても、適宜情報共有を行いながら、相互連携に努めています。
c.内部監査の実効性を確保するための取組
この内部監査活動の結果は、定期的に経営会議及び取締役会にて報告しています。また、経営監査室と監査役は、双方の監査計画、並びに内部監査の結果と監査役による現場ヒアリングでの発見事項等について、定例会議(4回)のみならず、三様監査会議(3回)も活用して、必要に応じて、情報共有と意見交換を行っています。
さらに、経営監査室長は、監査役会やグループ監査役意見交換会に適宜陪席しています。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
b.継続監査期間
48年間
2014年において、現行の監査法人以外にも選任の対象を広げ選考を実施しました。
また、当該監査法人の業務執行社員のローテーションは適切に実施されており、連続して7会計期間を超えて監査業務に関与しておりません。筆頭業務執行社員については、連続して5会計期間を超えて監査業務に関与しておりません。
c.業務を執行した公認会計士の氏名
指定有限責任社員 業務執行社員:山野辺 純一、奥津 佳樹、中島 雄一朗
d.監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 18名、その他 46名
e.監査法人の選定方針と理由
会計監査人の選定等に際しては、毎年監査役会において、当社の会計財務部門、内部監査部門及び会計監査人から情報収集を行った上で、監査役会が策定した評価基準に基づき、会計監査人の独立性・監査体制・監査の実施状況や品質等を適切に評価・決定しております。また、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目のいずれかに該当すると認められる場合、監査役全員の同意により会計監査人を解任することとしております。この場合、監査役会が選定した監査役は、解任後最初に招集される株主総会において、解任した旨及びその理由を報告いたします。
f.監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社の監査役会は、会計監査人から会計監査人の独立性・監査体制・監査の実施状況等、品質に関する情報を収集するとともに、当社の会計財務部門、内部監査部門と合同会議で意見交換を行った上で、会計監査人の再任の適否について評価を行いました。その結果、品質管理体制については整備されており、継続的な改善活動も実施され、監査法人内の審査体制も有効に機能しています。また、国内グループ各社に対する一体監査体制も機能しており、監査役への情報提供も良好です。海外グループ各社に対しては、各会計監査人との協力体制を構築して情報共有が良好に行われていることを確認しました。さらに、AIを活用したリスク認識、監査効率化に向けた適切な提案・アドバイスがなされており、関連部門との有効なコミュニケーションも図れています。それらの結果と非保証業務の事前了解プロセスへの対応状況を踏まえ、監査役会は、会計監査人の監査の方法と結果並びに品質を相当と認め、有限責任監査法人トーマツを再任することが適当であると判断しました。なお、現監査法人の継続監査期間及びローテーションについての意見交換を行いました。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
(前連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、マクロ経済・リスク情報提供サービスの委託であります。
(当連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、普通社債発行に係るコンフォート・レター作成業務であります。
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(Deloitte Touche Tohmatsu Limited)に対する報酬(a.を除く)
(前連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、製品展開に関するアドバイザリー業務等であります。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、税務コンサルティング等であります。
(当連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、マクロ経済・リスク情報提供サービスの委託等であります。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、税務コンサルティング等であります。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容については、重要な報酬がないため記載を省略しております。
(当連結会計年度)
その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容については、重要な報酬がないため記載を省略しております。
d.監査報酬の決定方針
当社は、監査公認会計士等に対する報酬について、当社の規模や事業形態等を勘案した監査計画の内容及びそれに伴う監査計画日数等を考慮して報酬額を決定しております。
e.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社の監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況及び会計監査人に期待される役割・責任に対する環境変化の状況に照らした報酬見積もりの算出根拠等を検討した結果、会計監査人の報酬等の額は適切であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行いました。
(4)【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
当社の役員報酬は、以下を目的としています。
・競争優位の構築と向上のため、多様で優秀な人財を獲得し、保持すること
・永続的な企業価値の増大への重点的な取組みを促進すること
・株主との利害の共有を図ること
(ⅰ)当事業年度
社外取締役を除く取締役及び執行役員の報酬については、a.基本報酬、b.短期インセンティブ報酬としての賞与、c.長期インセンティブ報酬としての業績連動型株式報酬から構成することとし、毎期の持続的な業績 改善に加えて、中長期的な成長を動機づける設計としています。各役位における役割責任及び業績責任を踏まえ、上位役位ほど報酬の業績連動性を高めています。各報酬要素の概要は以下のとおりです。
a.基本報酬
取締役及び執行役員としての役割と役位に応じて金額を決定し、月額固定報酬として支給します。
b.短期インセンティブ報酬としての賞与
賞与支給率が100%のときの賞与額は、社長執行役員においては基本報酬の100%、役付執行役員(社長執行役員を除く)においては基本報酬の50〜70%、その他の執行役員においては基本報酬の30%〜50%となります。賞与支給率の算定にあたっては、「利益ある成長」の実現に向け、売上高、利益の単年度目標に対する達成度及び前年度実績からの改善度、そして、企業価値を測る指標として当社が重視する経営指標であるEVA(経済的付加価値)の単年度目標に対する達成度等を加味した事業業績及び個人評価結果に応じて0%〜200%の範囲で決定します。
なお、売上高、利益及びEVA目標は、従業員と共通の目標設定を行っております。個人評価については、評価の客観性・透明性を担保するために社外役員による評価確認プロセスを設けております。
当該事業年度におけるこれらの評価指標の目標値は、売上高(IFRS第15号適用前の基準により算定された売上高)が17,817億円、利益(売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した利益)が1,600億円、EVAが379億円でしたが、その実績は、売上高18,064億円、利益1,630億円、EVA411億円となりました。これらに加え、売上高・利益に関しては前年実績からの改善度を指標としております。この結果に基づく当該事業年度の事業業績部分の支給率は、112.84%となります。
c.長期インセンティブ報酬としての業績連動型株式報酬
当社の中期経営計画「K27」の対象となる2024年から2027年までの4事業年度を対象として、「K27」に掲げる重点的な目標の達成度等に応じて、当社株式等を交付します。本制度は、これらの目標の達成度等に応じて当社株式等を交付する「変動部分」と毎年一定数の当社株式等を交付する「固定部分」から構成されます。変動部分は「K27」の実現に向けた動機づけ及び中長期の業績と役員報酬の連動強化を、固定部分は株式の保有促進を通じた、株主との利害共有の強化を目的としており、各部分の構成割合は、変動部分:固定部分=70%:30%としています。変動部分における変動係数が100%のとき、1事業年度あたりの株式報酬額は各役位の基本報酬の30%〜100%となります。
変動部分については取締役等の退任後(外国籍の取締役等においては対象期間終了後)に目標の達成度等に応じ交付します。固定部分については各事業年度の終了後に交付します。交付は一定割合を当社株式で行い、残りを株式交付信託内で換価したうえで換価処分金相当額の金銭を給付します。
変動係数の算定にあたっては、「K27」のめざす“ ESG活動と投資を積極的に行い「豊かな持続的社会」への貢献と会社自体の成長を両立する” ことを促進するため、「成長力評価(事業全体の売上・利益及びEVAの成長度等)」、「ESG力評価(社内指標の実現状況等や外部機関による評価)」及び「経営力評価(TSR(株主総利回り)及び当社従業員による経営活動に対する評価等)」を評価指標として用い、その達成度等による評価を実施します。ESG評価の重点目標達成度については、社会価値および環境保全価値の向上が当社の長期企業価値向上につながるとの考えに基づき、経済合理性の視点から評価しています。変動部分に関する実績は、2024年から2027年までの対象期間終了後に、これらの評価指標の結果に応じて0%〜200%の範囲で確定します。
また、株式報酬に関して、重大な会計上の誤りや不正による決算の事後修正、取締役等の背信行為等があった場合、取締役会の決議により、報酬返還を求めることができるクローバック条項を定めています。
「K27」業績連動型株式報酬変動部分の評価指標
なお、業務執行から独立した立場である社外取締役の報酬及び監査役の報酬については、月額固定報酬のみとしております。また、取締役及び監査役について、退職慰労金の制度はありません。
(ⅱ)翌事業年度以降
当社は、本定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役等に対する株式報酬制度に係る内容の一部改定の件」を上程しており、当該議案が承認可決されることを条件として、2026年度より、社外取締役の報酬を、月額固定報酬及び長期インセンティブ報酬としての非業績連動型株式報酬から構成するものに改定いたします。株式の保有促進を通じたステークホルダーとの利害共有の強化及び企業価値増大に向けた取り組みを適切に後押しする動機付けを目的としています。
〇社内取締役及び執行役員
社外取締役を除く取締役及び執行役員の報酬については、a.基本報酬、b.短期インセンティブ報酬としての賞与、c.長期インセンティブ報酬としての業績連動型株式報酬から構成することとし、毎期の持続的な業績改善に加えて、中長期的な成長を動機づける設計としています。各役位における役割責任及び業績責任を踏まえ、上位役位ほど報酬の業績連動性を高めています。各報酬要素の概要は以下のとおりです。
a.基本報酬
取締役及び執行役員としての役割と役位に応じて金額を決定し、月額固定報酬として支給します。
b.短期インセンティブ報酬としての賞与
賞与支給率が100%のときの賞与額は、社長執行役員においては基本報酬の100%、役付執行役員(社長執行役員を除く)においては基本報酬の50〜70%、その他の執行役員においては基本報酬の30%〜50%となります。賞与支給率の算定にあたっては、「利益ある成長」の実現に向け、売上高、利益の単年度目標に対する達成度及び前年度実績からの改善度、そして、企業価値を測る指標として当社が重視する経営指標であるEVA(経済的付加価値)の単年度目標に対する達成度等を加味した事業業績及び個人評価結果に応じて0%〜200%の範囲で決定します。
c.長期インセンティブ報酬としての業績連動型株式報酬
当社の中期経営計画「K27」の対象となる2024年から2027年までの4事業年度を対象として、「K27」に掲げる重点的な目標の達成度等に応じて、当社株式等を交付します。本制度は、これらの目標の達成度等に応じて当社株式等を交付する「変動部分」と毎年一定数の当社株式等を交付する「固定部分」から構成されます。変動部分は「K27」の実現に向けた動機づけ及び中長期の業績と役員報酬の連動強化を、固定部分は株式の保有促進を通じた、株主との利害共有の強化を目的としており、各部分の構成割合は、変動部分:固定部分=70%:30%としています。変動部分における変動係数が100%のとき、1事業年度あたりの株式報酬額は各役位の基本報酬の30%〜125%となる予定です。
変動部分については取締役等の退任後(外国籍の取締役等においては対象期間終了後)に目標の達成度等に応じ交付します。固定部分については各事業年度の終了後に交付します。交付は一定割合を当社株式で行い、残りを株式交付信託内で換価した上で換価処分金相当額の金銭を給付します。
変動係数の算定にあたっては、「K27」のめざす“ESG活動と投資を積極的に行い「豊かな持続的社会」への貢献と会社自体の成長を両立する”ことを促進するため、「成長力評価(事業全体の売上・利益及びEVAの成長度等)」、「ESG力評価(社内指標の実現状況等や外部機関による評価)」及び「経営力評価(TSR(株主総利回り)及び当社従業員による経営活動に対する評価等)」を評価指標として用い、その達成度等による評価を実施します。変動部分に関する実績は、2024年から2027年までの対象期間終了後に、これらの評価指標の結果に応じて0%〜200%の範囲で確定します。評価指標、ウェイト等は当事業年度から変更ありません。
また、株式報酬に関して、重大な会計上の誤りや不正による決算の事後修正、取締役等の背信行為等があった場合、取締役会の決議により、報酬返還を求めることができるクローバック条項を定めています。
〇社外取締役
社外取締役の報酬については、基本報酬としての月額固定報酬及び長期インセンティブ報酬としての非業績連動型株式報酬から構成することとし、企業価値増大に向けた取り組みを適切に後押しすることを動機づける設計としています。
1事業年度あたりの株式報酬額は総報酬の20%となります。
〇監査役
業務執行から独立した立場であるため、基本報酬としての月額固定報酬のみとしております。
取締役及び監査役について、退職慰労金の制度はありません。
取締役及び執行役員の報酬制度や報酬水準については、取締役の個人別の報酬内容を含め、決定プロセスの客観性・透明性を確保する観点から、取締役・執行役員報酬諮問委員会において審査し、取締役会の決議により決定しております。取締役・執行役員報酬諮問委員会は、代表取締役社長執行役員及び全社外取締役により構成され、社外役員が委員の過半を占める体制としております。議長は互選により社外取締役から選出しております。
なお、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬の内容の決定に当たっては、取締役・執行役員報酬諮問委員会が原案について当社の役員報酬の目的等との整合性を含め総合的に審査を行ったうえで答申しており、取締役会はその審査・答申の内容を確認し審議を経て、役員報酬の目的等に沿うものであると判断し、承認しております。
監査役の報酬水準については監査役の協議にて決定しております。また、監査役報酬諮問委員会を設置し、監査役の報酬等の額の妥当性及びその決定プロセスの透明性を客観的な視点から審査を実施しております。同委員会は、全社外監査役、社長執行役員及び社外取締役1名から構成されています。なお、本定時株主総会終了後においては、同委員会は全社外監査役で構成する予定です。議長は互選により社外監査役から選出しております。
また、取締役及び執行役員並びに監査役の報酬水準については、毎年、外部調査機関による役員報酬調査データにて、当社と規模や業種・業態の類似する大手製造業や経営戦略の方向性、事業形態が近しい企業の水準を確認したうえで、決定しております。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)1.上記の員数には、2025年3月21日開催の第119期定時株主総会終結の時をもって退任した社内取締役1名、社内監査役1名及び社外監査役1名が含まれております。
2.長期インセンティブ報酬(業績連動型株式報酬)のうち、居住国の法規制等によって株式を付与することが妥当でない外国籍取締役に対しては、長期インセンティブ報酬(業績連動型株式報酬)相当額を金銭で支給予定です。また変動部分については、当社の中期経営計画「K27」の対象となる2024年から2027年までの4事業年度の最終年度終了時に確定しますので、当事業年度の繰入計上額となります。期中退任者へ支給した変動部分では、年間レビューでの達成度に基づく過年度引当金繰入戻入額と当事業年度の繰入計上額の差額を表示しております。
3.報酬等の限度額は、次のとおりです。
(1)取締役の金銭報酬等の限度額
年額630百万円(2007年6月28日開催の第101期定時株主総会決議)であり、当該株主総会終結時の取締役の員数は15名(うち社外取締役は2名)です。当該限度額は社外取締役分の年額100百万円(2016年3月25日開催の第110期定時株主総会決議)が含まれており、従業員兼務取締役の従業員分の給与等は含みません。なお、当該株主総会終結時の取締役の員数は7名(うち社外取締役は3名)です。
2024年3月22日開催の第118期定時株主総会決議により、上記の取締役の金銭報酬等の限度額とは別枠で、当社取締役(社外取締役を除く)及び執行役員を対象とした業績連動型株式報酬制度を導入しております。本制度は、当社が掲げる中期経営計画の対象となる事業年度(当初対象期間を2024年から2027年12月31日で終了する事業年度までの4事業年度)に対して、上限額を4,640百万円として信託金を拠出し、当社株式が信託を通じて取得され、成長力評価指標(事業全体の売上高・利益及びEVA等の成長度等)、ESG力評価指標(社内指標の実現状況及び外部指標による評価)、経営力評価指標(TSR(株主総利回り)及び当社従業員による経営活動に対する評価等)から構成される評価指標に応じて、当該信託を通じて当社株式等の交付等を行う株式報酬制度です。なお、当該株主総会終結時の当社取締役(社外取締役を除く)の員数は4名となります。
(2)監査役の報酬等の限度額
年額 180百万円(2024年3月22日開催の第118期定時株主総会決議)であり、当該株主総会終結時の監査役の員数は5名(うち社外監査役は3名)です。
4.社外役員の報酬等の総額のほか、社外役員が子会社等から受けた報酬等の総額
社外監査役1名が当社子会社である花王グループカスタマーマーケティング株式会社の監査役として受けた報酬は、4百万円です。
③ 役員ごとの報酬等の総額等
(注)1.長期インセンティブ報酬(業績連動型株式報酬)のうち、変動部分については、当社の中期経営計画「K27」の対象となる2024年から2027年までの4事業年度の最終年度終了時に確定しますので、変動部分は、当事業年度の繰入計上額となります。期中退任者(デイブ・マンツ氏)へ変動部分では、年間レビューでの達成度に基づく過年度引当金繰入戻入額と当事業年度の繰入計上額の差額を表示しております。
2.報酬等の総額が1億円以上の者に限定して記載しております。
(5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社グループは、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を「純投資目的である投資株式」と区分し、それ以外を「純投資目的以外の目的である投資株式」と区分しております。なお、当社は純投資目的である投資株式を保有しておりません。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社グループは、業務提携、取引の維持・強化等事業活動上の必要性等を勘案し、保有する株式数を含め合理性があると認める場合に限り、上場株式を政策的に保有しております。これらは、株式市場や当社を取り巻く事業環境の変動による影響を受けますが、毎年、取締役会等において、銘柄毎に保有目的、含み損益、EVA、取引高等を評価軸として、保有継続の合理性及び株式数の見直し等を確認しております。当事業年度末において定量基準を満たさなかった銘柄はありませんでした。
また、政策保有株の議決権に関しましては、適切なコーポレート・ガバナンス体制の整備や発行会社の中長期的な企業価値の向上に資する提案であるかどうか、また当社への影響度等を総合的に判断して行使しております。必要に応じて、議案の内容等について発行会社と対話します。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(注)非上場株式以外の増加のうち1銘柄は、保有していた非上場株式が新規上場したことによる増加であり、取得価額の発生はありません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(注)非上場株式の減少1銘柄は、保有していた非上場株式が新規上場したことによる減少であり、売却価額の発生はありません。
c.特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注)1.定量的な保有効果については記載が困難ですが、毎年、取締役会等において、銘柄毎に保有目的、含み損益、EVA、取引高等を評価軸として、保有継続の合理性及び株式数の見直し等を確認しております。当事業年度においては3銘柄の売却を実施し、当事業年度末において、定量基準を満たさなかった銘柄はありませんでした。
2.保有先企業は当社株式を保有しておりませんが、同社子会社は当社株式を保有しております。
3.「-」は当該銘柄を保有していないことを示しております。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS会計基準」)に準拠して作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年1月1日から2025年12月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年1月1日から2025年12月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツによる監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は、以下のとおりであります。
(1) 公益財団法人財務会計基準機構に加入し、セミナーや参考図書によって理解を深め、会計基準等の変更等につい
て的確に対応することができる体制を整備しております。また、適正な連結財務諸表等を作成するため、社内規
程、マニュアルを整備するとともに、所定の手続きにより作成された連結財務諸表等の内容について、内部統制
委員会の中に情報開示委員会を設け、事前審査しております。
(2) IFRS会計基準の適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新
の基準の把握を行っております。またIFRS会計基準に基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRS会
計基準に準拠したグループ会計方針を作成し、それに基づいた会計処理を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書】
③ 【連結包括利益計算書】
④ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表に関する注記事項】
1.報告企業
花王株式会社(以下、当社)は、日本の会社法(以下、「会社法」)に基づいて設立された株式会社であり、本社は東京都中央区に所在しております。
当社及びその子会社(以下、当社グループ)の連結財務諸表は、12月31日を期末日とし、当社グループ並びに関連会社に対する持分により構成されております。
当社グループは、ファブリックケア製品、ホームケア製品、サニタリー製品、スキンケア製品、ヘアケア製品、パーソナルヘルス製品、化粧品、業務用衛生製品、ライフケア製品の一般消費財及びオレオケミカルや界面活性剤等の化学品を製造し、当社グループの販売会社や取引先等の国内外のネットワークを通じて、製品をお客様へお届けすることを主な事業としております。その詳細については、注記「6.セグメント情報」に記載しております。
2.作成の基礎
(1) IFRS会計基準に準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2の「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、IFRS会計基準に準拠して作成しております。
(2) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示しております。
(3)表示方法の変更
(連結キャッシュ・フロー計算書)
前連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローに区分して表示しておりました「減損損失」は、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表を組み替えております。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローに表示していた「減損損失」1,813百万円は、「その他」として組み替えております。
前連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めておりました「自己株式の取得による支出」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとしました。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表を組み替えております。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に表示していた(2,782)百万円は、「自己株式の取得による支出」(2,846)百万円及び「その他」64百万円として組み替えております。
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社により支配されているすべての事業体であります。支配とは、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。
子会社の財務諸表は、当社が支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、当社グループの連結財務諸表に含まれております。
当社及び子会社間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社及び子会社間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
子会社持分の割合が変動した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社グループに帰属する持分として資本に直接認識しております。
子会社の非支配持分は、当社グループの持分とは別個に識別しております。子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
子会社の決算日はすべて当社と同じ決算日であります。
② 関連会社
関連会社とは、当社がその財務及び営業の方針の決定に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業をいいます。当社が他の企業の議決権の20%以上50%以下を直接又は間接的に保有する場合、当社は当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。保有する議決権が20%未満であっても、財務及び営業の方針の決定に重要な影響力を行使しうる会社も関連会社に含めております。
関連会社への投資は、取得時には取得原価で認識され、当社が重要な影響力を有することとなった日からその影響力を喪失する日まで、持分法によって会計処理しております。
関連会社に対する投資には、取得に際して認識されたのれん(減損損失累計額控除後)が含まれております。
関連会社の決算日は一部当社と異なっております。決算日の異なる関連会社については、当社決算日において、仮決算を実施しております。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に移転した資産、当社に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び当社が発行した資本持分の取得日公正価値の合計額として測定されます。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は、以下を除いて、取得日の公正価値で測定しております。
・繰延税金資産・負債及び従業員給付契約に関連する資産・負債は、それぞれIAS第12号「法人所得税」及びIAS第19号「従業員給付」に従って認識及び測定しております。
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って取得日に売却目的保有に分類され取得した非流動資産又は処分グループは、当該基準書に従って測定しております。
・被取得企業の株式に基づく報酬取引に係る負債もしくは資本性金融商品、又は被取得企業の株式に基づく報酬取引の当社の株式に基づく報酬取引への置換えに係る負債もしくは資本性金融商品は、IFRS第2号「株式に基づく報酬」に従って測定しております。
取得対価が取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日公正価値の正味の金額を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして認識しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において収益として認識しております。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する費用は、発生時に費用処理しております。
非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しているため、当該取引からのれんは認識しておりません。
共通支配下における企業結合取引、すなわち、すべての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的ではない企業結合取引については、帳簿価額に基づき会計処理しております。
(3) 外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としております。またグループ内の各社は、それぞれ独自の機能通貨を定めており、各社の取引はその機能通貨により測定しております。
② 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における直物為替レート、又はそれに近似するレートにより機能通貨に換算しております。
各報告期間の末日において、外貨建の貨幣性項目は、各報告期間の末日現在の為替レートにより機能通貨に換算しております。
取得原価で測定している外貨建非貨幣性項目は、取得日の為替レートにより機能通貨に換算しております。公正価値で測定している外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の測定日における為替レートにより機能通貨に換算しております。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
③ 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については各報告期間の末日現在の為替レート、収益及び費用については当該期間中の為替レートが著しく変動していない限り、期中平均為替レートを用いて換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の累積換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益に振り替えられます。
(4) 金融商品
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、営業債権及びその他の債権を発生日に当初認識しており、その他の金融資産は当該金融資産の契約当事者となった取引日に当初認識しております。
当初認識時において、すべての金融資産は公正価値で測定しておりますが、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類されない場合は、当該公正価値に金融資産の取得に直接帰属する取引費用を加算した金額で測定しております。純損益を通じて公正価値で測定される金融資産の取引費用は、純損益に認識しております。
(ⅱ) 分類及び事後測定
当社グループは、保有する金融資産を、(a) 償却原価で測定される金融資産、(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産、(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産、(d) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しており、金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定される金融資産
当社グループが保有する金融資産のうち、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
当初認識後、償却原価で測定される金融資産については実効金利法を用いて算定し、必要な場合には減損損失を控除しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失は、当期の純損益に認識しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産
当社グループが保有する金融資産のうち、次の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産
当社グループは、一部の資本性金融資産については、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産に分類しております。
当該金融資産は、当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動はその他の包括利益に含めて認識しております。投資を処分した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合に、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額をその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産からの配当金については、金融収益として純損益に認識しております。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
上記の償却原価で測定される金融資産、又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。当社グループの純損益を通じて公正価値で測定される金融資産としては、一部の短期投資、デリバティブ資産等が該当します。なお、当社グループは、当初認識時において、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産として、取消不能の指定を行ったものはありません。
当該金融資産は、当初認識後、公正価値で測定し、その変動は純損益で認識しております。また、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る利得又は損失は、純損益に認識しております。
(ⅲ) 金融資産の減損
償却原価で測定される金融資産等に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。
当社グループは、各報告日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12か月の予想信用損失と同額で測定しております。一方で、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。
ただし、営業債権等については常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。
金融商品の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・報告日時点で過大なコスト又は労力なしに利用可能である、過去の事象、現在の状況、並びに将来の経済状況の予測についての合理的で裏付け可能な情報
当該測定に係る金額は、純損益で認識しております。
減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を純損益として戻入れております。
(ⅳ) 金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は当社グループが金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合にのみ金融資産の認識を中止しております。
② 金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、社債及び借入金等はその発行日に、その他の金融負債は、取引日に当初認識しております。
当初認識時において、すべての金融負債は公正価値で測定しておりますが、償却原価で測定される金融負債については、公正価値から直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の取引費用は、純損益に認識しております。
(ⅱ) 分類及び事後測定
当社グループは、金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債と償却原価で測定される金融負債のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
当社グループの純損益を通じて公正価値で測定される金融負債としては、デリバティブ負債が該当します。当初認識時において純損益を通じて公正価値で測定される金融負債として、取消不能の指定を行ったものはありません。純損益を通じて公正価値で測定される金融負債は、当初認識後、公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しております。
償却原価で測定される金融負債については、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失については、当期の純損益に認識しております。
(ⅲ) 金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、債務が履行された時、契約中に特定された債務が免責、取消し又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で表示しております。
④ 金融商品の公正価値
公正価値で測定される金融商品は、様々な評価技法やインプットを使用して算定しております。公正価値の測定に用いた評価技法へのインプットの観察可能性に応じて算定した公正価値を以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1・・・同一の資産又は負債に関する活発な市場における公表市場価格により測定した公正価値
レベル2・・・レベル1以外の、資産又は負債について、直接又は間接的に観察可能なインプットにより
測定した公正価値
レベル3・・・資産又は負債についての観察可能な市場データに基づかないインプットにより測定した
公正価値
⑤ ヘッジ会計
当社グループは、市場リスクの回避又は軽減を目的として、為替予約、通貨スワップ、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用しております。当社グループは、ヘッジ関係の開始時に、ヘッジ関係並びにヘッジの実行に関する企業のリスク管理目的及び戦略の公式な指定と文書化を行っております。当該文書には、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを判定する方法を記載しております。また当社グループでは、ヘッジ関係の開始時、及び継続的に、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを評価しております。継続的な判定は、各報告日又はヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった時のいずれか早い方において実施しております。
なお、当社グループではキャッシュ・フロー・ヘッジ、公正価値ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資ヘッジは行っておりません。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
現金同等物には、譲渡性預金、定期預金、コマーシャルペーパー、公社債投信、金銭の信託等を含めております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する原価の見積額及び販売に要する費用の見積額を控除した額であります。原価は、購入原価、加工費、現在の場所及び状態に至るまでに発生したすべての費用を含んでおり、主として総平均法に基づいて算定しております。
(7) 有形固定資産
有形固定資産の測定は原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び敷地の原状回復費用の当初見積額が含まれております。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上しております。
主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・建物及び構築物 10-35年
・機械装置及び運搬具 7-14年
・工具、器具及び備品 3-10年
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各連結会計年度末に再検討し、変更が必要となった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
また、のれんは企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、連結会計年度末までに最低年に一度又は減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識し、その後の戻入れは行っておりません。
なお、のれんの当初認識時における測定は、注記「3.重要性がある会計方針 (2) 企業結合」に記載しております。
② 無形資産
無形資産の測定は、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しております。
個別に取得した無形資産の取得原価は、資産の取得に直接起因する費用を含めて測定しております。
企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。
自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として認識しております。資産化の要件を満たす開発費用は、ソフトウェアのみになります。
当初認識後は、耐用年数を確定できない無形資産を除いて、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。
主要な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。なお、耐用年数を確定できない重要な無形資産はありません。
・商標権 20年
・顧客関係 15年、20年
・ソフトウェア 5年、10年
見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各連結会計年度末に再検討し、変更が必要となった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
③ 研究開発費
研究関連支出については、発生時に費用認識しております。開発関連支出については、信頼性をもって測定することができ、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ資産計上しております。なお、研究関連支出と開発関連支出が明確に区分できない場合には、研究関連支出として発生時に費用認識しております。
(9) リース
借手としてのリース取引について、リース開始日に、リース負債を未払リース料総額の現在価値で、使用権資産をリース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で測定しております。
使用権資産は、見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間にわたって定額法により減価償却しております。リース料は、利息法に基づき、金利費用とリース負債の返済額とに配分しております。金利費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
ただし、リース期間が12か月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。
貸手としてのリース取引で重要なものはありません。
(10) 非金融資産の減損
棚卸資産、繰延税金資産、売却目的で保有する非流動資産及び従業員給付から生じる資産を除く非金融資産は、各報告期間の末日現在において、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを検討しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、連結会計年度末までに最低年に一度、回収可能価額を見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額としております。資産の使用価値の算定に適用する割引率は、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクのうち、それについて将来キャッシュ・フローの見積りを調整していないものに関する現在の市場評価を反映した税引前の割引率としております。
個別資産の回収可能価額の見積りが可能でない場合には、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額を算定しております。企業結合により取得したのれんは、取得日以降、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる当社グループの資金生成単位又は資金生成単位グループに配分して減損テストを行っております。
全社資産は別個のキャッシュ・インフローを発生させないため、個別の全社資産の回収可能価額は算定できません。全社資産に減損の兆候がある場合、当該資産の処分を決定している場合を除き、全社資産が属する資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額を算定し、帳簿価額と比較しております。
減損損失は、見積回収可能価額が帳簿価額を下回る場合に純損益として認識しております。資金生成単位又は資金生成単位グループに関連して認識した減損損失は、最初に、当該資金生成単位又は資金生成単位グループに配分したのれんの帳簿価額を減額し、次に、当該単位内の各資産の帳簿価額に基づいた比例按分により、当該単位の中の他の資産に配分しております。
当社グループは、連結会計年度の末日において、過去の期間にのれん以外の資産について認識した減損損失がもはや存在しないか又は減少している可能性を示す兆候があるかどうかを検討しております。そのような兆候が存在する場合には、当社グループは当該資産の回収可能価額を見積っております。
過去の期間において、のれん以外の資産について認識した減損損失は、最後の減損損失を認識した以後に当該資産の回収可能価額の算定に用いた見積りに変更があった場合にのみ、戻入れをしております。この場合には、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで、減損損失の戻入れとして増額しております。
減損損失の戻入れは、過去の期間において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の償却又は減価償却控除後の帳簿価額を上限としております。
(11) 従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、従業員の退職後給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を運営しております。
(ⅰ) 確定給付制度
確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて各制度ごとに個別に算定しております。
割引率は、将来の給付支払見込日までの期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。
確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値との純額を、負債又は資産として計上しております。ただし、確定給付制度が積立超過である場合は、確定給付資産の純額は、制度からの返還又は制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値を資産上限額としております。また、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は金融費用(金融収益)として純損益に認識しております。
確定給付負債(資産)の純額の再測定は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。
過去勤務費用は、発生した期の純損益として認識しております。
(ⅱ) 確定拠出制度
確定拠出型の退職給付に係る掛金は、勤務を提供した時点で費用として認識しております。
② その他の従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。
賞与については、それらの支払いを行う現在の法的債務もしくは推定的債務を有しており、信頼性のある見積りが可能な場合に、支払われると見積られる金額を負債として認識しております。
有給休暇費用は累積型有給休暇制度に係る法的債務又は推定的債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる金額を負債として認識しております。
(12) 株式に基づく報酬
当社は、業績連動型株式報酬制度を導入しており、持分決済型の株式に基づく報酬制度及び現金決済型の株式に基づく報酬制度として会計処理しております。
持分決済型の株式に基づく報酬制度は、受領したサービスを付与日における当社株式の公正価値で測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。付与日における当社株式の公正価値は、株式の市場価格を予想配当を考慮に入れて修正し、算定しております。
現金決済型の株式に基づく報酬制度は、各報告期間の末日及び決済日現在の公正価値で測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しております。
(13) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
引当金として認識した金額は報告期間の末日における現在の債務を決済するために要する支出に関して、リスク及び不確実性を考慮に入れた最善の見積りであります。貨幣の時間価値の影響が重要な場合には、引当金は債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定しております。
(14) 収益
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、ファブリックケア製品、ホームケア製品、サニタリー製品、スキンケア製品、ヘアケア製品、パーソナルヘルス製品、化粧品、業務用衛生製品、ライフケア製品の一般消費財及びオレオケミカルや界面活性剤等の化学品の販売を行っており、このような製品販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品等を控除した金額で測定しております。
(15) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
① 当期税金
当期税金は、税務当局に納付又は税務当局から還付されると予想される金額で算定しております。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、報告期間の末日までに制定され、又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいております。
② 繰延税金
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
繰延税金資産は将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、将来の課税所得により利用できる可能性が高い範囲内で認識し、繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識しております。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の一部又は全部の便益を実現させるのに十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得が、繰延税金資産の回収を可能にする可能性が高くなった範囲で、当社グループは過去に未認識であった繰延税金資産を認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えず、かつ同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な期間内に一時差異が解消されない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日までに制定され、又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいて、当該資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率によって算定されます。
繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法的強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
当社グループは、IAS第12号「法人所得税」の修正「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」(2023年5月公表)の一時的な例外規定を適用しております。
当社及び一部を除く国内子会社では、グループ通算制度を適用しております。また、一部の在外子会社では、連結納税制度を適用しております。
(16) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(17) 売却目的で保有する非流動資産
継続的使用ではなく主に売却取引により回収される非流動資産又は処分グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産又は処分グループとして分類しております。売却目的保有に分類されている間又は売却目的保有に分類されている処分グループの一部である間は、非流動資産は減価償却又は償却は行わず、売却目的保有に分類された非流動資産又は処分グループを、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しております。
(18) 資本及びその他の資本項目
① 普通株式
普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に認識しております。また、株式発行費用は発行価額から控除しております。
② 自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却において、利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は、資本として認識しております。
(19) 配当金
当社の株主に対する配当のうち、期末配当は当社の株主総会により決議された日、中間配当は取締役会により決議された日の属する期間の負債として認識しております。
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
当社グループの連結財務諸表は、収益及び費用、資産及び負債の測定並びに報告期間の末日現在の偶発事象の開示等に関する経営者の見積り及び仮定を含んでおります。これらの見積り及び仮定は過去の実績及び報告期間の末日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。
見積り及びその基礎となる仮定は経営者により継続して見直しております。会計上の見積り及び仮定の見直しによる影響は、その見積りを見直した期間及びそれ以降の期間において認識しております。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える事項は、以下のとおりであります。
(1) 有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産の減損
当社グループは、有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産について、資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。
減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは将来見込まれる経営成績に対する著しい実績の悪化、取得した資産の用途の著しい変更又は事業戦略全体の変更等が含まれます。
さらに、のれんについては、のれんを配分した資金生成単位の回収可能価額がその帳簿価額を下回っていないことを確認するため、減損の兆候の有無にかかわらず、連結会計年度末までに、最低年に一度減損テストを実施しております。
減損テストは、資産又は資金生成単位の帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、減損損失を認識することとなります。回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額を使用しております。
使用価値の算定にあたっては、資産の残存耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、割引率、成長率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業計画や経済条件等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
のれんの回収可能価額の算定方法及び感応度については、注記「13.のれん及び無形資産」に記載しております。
(2) 使用権資産のリース期間
当社グループは、リース期間について、リースの解約不能期間に延長することが合理的に確実である期間及び解約しないことが合理的に確実な期間を加えた期間を加味して決定しております。具体的には、リース期間を延長又は短縮することによる賃借料の変動、解約違約金の有無、重要な賃借物件の造作設備等の投資回収期間等を考慮の上、リース期間を見積もっております。
リース期間に関連する内容については、注記「3.重要性がある会計方針 (9)リース」に記載しております。金額については、注記「34.金融商品」に記載しております。
(3) 退職後給付
当社グループは、確定給付制度を含む様々な退職後給付制度を設けております。確定給付制度債務の現在価値及び関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定しております。
数理計算上の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、経済状況の変化による割引率や死亡率等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
数理計算上の仮定及びそれに関連する感応度については、注記「19.従業員給付」に記載しております。
(4) 引当金
当社グループは、化粧品関連損失引当金、資産除去引当金及び欧米子会社構造改革引当金等の引当金を連結財政状態計算書に認識しております。
これらの引当金として認識する金額は、報告期間の末日における過去の実績や見込み等を考慮に入れた、現在の債務を決済するために必要となる支出の最善の見積りであります。
化粧品関連損失引当金は、補償関連費用等の変化によって影響を受ける可能性があります。
また、資産除去引当金等は、将来の事業計画等の状況の変化によって影響を受ける可能性があります。
実際の支払額が見積りと異なった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
これらの引当金の性質及び金額については、注記「20.引当金」に記載しております。
(5) 法人所得税
当社グループは、各国の税務当局に納付すると予想される金額を、報告期間の末日までに制定され、又は実質的に制定されている税率及び税法を使用して、合理的に見積り、未払法人所得税等及び法人所得税を認識及び測定しております。
未払法人所得税等及び法人所得税の算定に際しては、当社グループ及び管轄税務当局による税法規定の解釈や過去の税務調査の経緯等、様々な要因について見積り及び判断が必要となります。
そのため、最終税額が当初に認識した金額と異なる場合には、その差額は税額が決定する期間に認識しております。
また、繰延税金資産は、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の繰越税額控除について、将来の課税所得により利用できる可能性が高い範囲内で認識しており、報告期間の末日までに制定され、又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいて、当該資産が実現する期に適用されると予想される税率を用いて、その回収可能性を算定しております。
この認識及び測定においては、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業計画等の状況の変化や関連法令の改正・公布によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
法人所得税に関連する内容及び金額については、注記「15.法人所得税」に記載しております。
(6) 公正価値
当社グループは、特定の資産及び負債の公正価値を見積るために、観察可能な市場データに基づかないインプットを含む様々なインプット及び評価技法を使用しております。公正価値の測定に際しては、関連性のある観察可能なインプットの使用を最大限にし、観察可能でないインプットの使用を最小限にしておりますが、その過程において経営者の見積り及び判断が必要となります。
これらは経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、経済状況の変化によるインプットの変化等により影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
公正価値で測定される主な金融資産及び負債の測定方法及び金額については、注記「34.金融商品」に記載しております。
(7) 偶発事象
偶発事象は、報告期間の末日におけるすべての利用可能な証拠を勘案し、その発生可能性及び金額的影響を考慮した上で、将来の事業に重要な影響を及ぼしうる項目がある場合には開示しております。
5.未適用の新たな基準書及び解釈指針
注記「38.連結財務諸表の承認」に記載の承認日までに公表されている基準書及び解釈指針の新設又は改訂の主なものは、以下のとおりであり、2025年12月31日において当社グループでは早期適用しておりません。
IFRS第9号及びIFRS第7号の修正「自然依存電力を参照する契約」の適用による当社グループの連結財務諸表に与える影響は検討中であり、現時点では見積もることはできません。
IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」は、従来のIAS第1号「財務諸表の表示」を置き換えるものであります。この適用により、連結損益計算書に計上される収益及び費用を5つの区分に分類し、営業利益を含む新しい小計を表示すること等が要求されます。これによる当社グループの連結財務諸表への主な影響として、連結損益計算書の営業利益、財務及び法人所得税前利益、税引前利益において組替えは生じますが、当期利益に影響はありません。
6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。なお、取締役会は、売上高及び営業利益を主要な指標として、各セグメントの業績評価を行っております。
当社グループは、グローバルコンシューマーケア事業部門を構成する4つの事業分野(ハイジーンリビングケア事業、ヘルスビューティケア事業、化粧品事業、ビジネスコネクティッド事業)及びケミカル事業部門の5つの事業を基本にして組織が構成されており、各事業単位で、日本及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
従って、当社グループは、「ハイジーンリビングケア事業」、「ヘルスビューティケア事業」、「化粧品事業」、「ビジネスコネクティッド事業」及び「ケミカル事業」の5つを報告セグメントとしております。
当社グループは、2025年1月1日付の組織変更に伴い、当連結会計年度より、従来「ハイジーン&リビングケア事業」、「ヘルス&ビューティケア事業」、「ライフケア事業」、「化粧品事業」及び「ケミカル事業」の5区分としていた報告セグメントを、「ハイジーンリビングケア事業」、「ヘルスビューティケア事業」、「化粧品事業」、「ビジネスコネクティッド事業」及び「ケミカル事業」の5区分に変更しております。前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
なお、当社グループの売上高の10%以上にあたる単一の外部顧客との取引がないため、主要な顧客に関する情報の記載を省略しております。
各報告セグメントの主要な製品は、以下のとおりであります。
(2) 報告セグメントの売上高及び業績
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(注1) 営業利益(又は損失)の調整額(823)百万円には、セグメント間取引に係る棚卸資産の調整額等の消去のほか、各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれております。
(注2) セグメント間の内部売上高及び振替高は、主に市場価格や製造原価に基づいて算出しております。
(注3) 減価償却費及び償却費、減損損失の内容は、注記「12.有形固定資産」、「13.のれん及び無形資産」及び「17.リース」に記載しております。
(注4) 資本的支出には、有形固定資産、使用権資産及び無形資産への投資が含まれております。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
(注1) 営業利益(又は損失)の調整額807百万円には、セグメント間取引に係る棚卸資産の調整額等の消去のほか、各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれております。
(注2) セグメント間の内部売上高及び振替高は、主に市場価格や製造原価に基づいて算出しております。
(注3) 減価償却費及び償却費、減損損失の内容は、注記「12.有形固定資産」、「13.のれん及び無形資産」及び「17.リース」に記載しております。
(注4) 資本的支出には、有形固定資産、使用権資産及び無形資産への投資が含まれております。
(3) 地域別に関する情報
外部顧客への売上高及び非流動資産(金融資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)の地域別内訳は、以下のとおりであります。
外部顧客への売上高
(注) 外部顧客への売上高は、顧客の所在地に基づき分類しております。
非流動資産(金融資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)
7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。
連結財政状態計算書における現金及び現金同等物の残高と、連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物の残高は、一致しております。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりであります。
上記のうち営業債権は、製品の引き渡し時点で、時の経過のみを条件として対価を受け取る権利が当社グループに生じるため、当社グループの製品を引き渡した時点で認識しております。なお、当社グループでは、履行義務の充足後、別途定める支払条件により短期のうちに支払いを受けております。履行義務を充足してから対価を受領するまでの期間が通常は1年以内であるため、当該債権については、実務上の便法を使用し、重大な金融要素の調整は行っておりません。
9.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりであります。
費用として認識し、売上原価に含めている棚卸資産の金額は、前連結会計年度851,413百万円、当連結会計年度883,284百万円であります。
また、棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年度10,945百万円、当連結会計年度8,981百万円であります。
10.その他の資産
その他の資産の内訳は、以下のとおりであります。
11.売却目的で保有する非流動資産
前連結会計年度及び当連結会計年度における売却目的で保有する非流動資産は、前連結会計年度において在外子会社の事務所等、建物の売却を意思決定したことから当該資産を売却目的保有に分類したものであります。
当該資産については、売却費用控除後の公正価値(売買契約に基づく売却価額)が帳簿価額を上回っているため、帳簿価額により測定しております。
当該公正価値のヒエラルキーレベルはレベル3であります。
12.有形固定資産
(1) 増減表
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減、並びに帳簿価額は、以下のとおりであります。
取得原価
減価償却累計額及び減損損失累計額
(注1)有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の営業費用」に含めております。
(注2)有形固定資産の減損損失は、連結損益計算書の「その他の営業費用」に含めております。
帳簿価額
(2) 減損損失
当社グループは、有形固定資産の資金生成単位について、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとして識別される資産グループの最小単位を基礎としてグルーピングを行っております。遊休資産については、個別の物件について減損の要否を検討しております。
(3) コミットメント
有形固定資産の取得に関するコミットメントについては、注記「37.コミットメント」に記載しております。
13.のれん及び無形資産
(1) 増減表
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減、並びに帳簿価額は、以下のとおりであります。
取得原価
(注)「ソフトウェア仮勘定」は、無形資産の「その他」に含めております。
償却累計額及び減損損失累計額
(注)無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の営業費用」に含めております。
帳簿価額
(2) のれん
当社グループの連結財政状態計算書に認識されているのれんの前連結会計年度及び当連結会計年度の帳簿価額は、以下のとおりであります。企業結合で生じたのれんは、取得日に、企業結合から利益がもたらされる資金生成単位に配分しており、ヘルスビューティケア事業、化粧品事業及びケミカル事業に属しております。
(3) のれんの減損テスト
当社グループは、のれんについて、連結会計年度末までに最低年に一度又は減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。
減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。連結財政状態計算書に認識されている重要なのれんは、化粧品事業における㈱カネボウ化粧品の企業結合に係るのれんであり、前連結会計年度及び当連結会計年度における帳簿価額は、119,400百万円であります。
㈱カネボウ化粧品の企業結合に係るのれんについて、当該使用価値の基礎となるキャッシュ・フローの予測は、過去の実績及び将来の予測を反映した化粧品事業の中期計画に基づいており、この中期計画は地域別・ブランド別の売上高の情報を含んでおります。予測の決定に用いられた主な仮定は売上高の成長率及び割引率であり、当該成長率は資金生成単位が属する市場の成長率予測等と整合したものとなっております。また経営者によって承認された中期計画を超える期間のキャッシュ・フローの予測については各期とも成長率を0%とし、当該資金生成単位の加重平均資本コスト(WACC)7.3%(前連結会計年度7.5%)により現在価値に割り引いて算定しております。前連結会計年度及び当連結会計年度の減損判定に用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、当該資金生成単位において回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いとマネジメントは判断しております。
(4) 耐用年数が確定できない無形資産
上記の無形資産のうち、耐用年数を確定できないもので重要な無形資産はありません。
(5) コミットメント
無形資産の取得に関するコミットメントについては、注記「37.コミットメント」に記載しております。
14.持分法で会計処理されている投資
当社グループの連結財務諸表において、関連会社に対する投資は、持分法によって会計処理しております。なお、個々に重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額は、以下のとおりであります。
個々に重要性のない関連会社の純損益及びその他の包括利益の持分変動額は、以下のとおりであります。
15.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳及び増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は、以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異は、以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は、以下のとおりであります。
繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ57,384百万円及び69,380百万円であります。これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
(2) 法人所得税
法人所得税の内訳は、以下のとおりであります。
(注)繰延税金費用には税率変更による影響額が前連結会計年度410百万円、当連結会計年度(243)百万円含まれております。なお、「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS12号の改訂)」により影響を受ける見込みの法人所得税の金額は軽微であります。
(3) 実効税率の調整
法定実効税率と平均実際負担税率との差異要因は、以下のとおりであります。
(注)法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立したことに伴い、2026年4月1日以後開始する連結会計年度より、「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。
これに伴い、2027年1月1日に開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、法定実効税率を30.62%から31.52%に変更し計算しております。
この変更により、当連結会計年度の繰延税金資産の金額(繰延税金負債の金額を控除した金額)が537百万円増加し、繰延税金費用が602百万円、その他の包括利益が65百万円、それぞれ減少しております。
16.社債及び借入金等
社債及び借入金、リース負債の内訳は、以下のとおりであります。
(注1)平均利率については、当連結会計年度末の残高に対する加重平均利率を記載しております。
(注2)社債の明細は、以下のとおりであります。
(注3)第7回無担保社債はサステナビリティ・リンク・ボンドであり、2027年6月20日以降の利率はSPTs(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット)の達成状況に応じて変動する可能性があります。
17.リース
当社グループは、借手として、建物等の資産を賃借しております。リース契約の一部については、延長オプション及び解約オプションが付与されております。また、リースによって課されている制限又は特約はありません。
リースに係る収益及び費用の内訳は、以下のとおりであります。
(注1)使用権資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の営業費用」に含めております。
(注2)リース負債に係る金利費用は、連結損益計算書の「金融費用」に含めております。
(注3)短期リース費用は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の営業費用」に含めております。
リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ26,491百万円及び27,419百万円であります。
使用権資産の帳簿価額の内訳は、以下のとおりであります。
使用権資産の増加については、注記「32.キャッシュ・フロー情報」に記載しております。
リース負債の期日別残高については、注記「34.金融商品」に記載しております。
18.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりであります。
当社グループは、第三者金融機関とサプライヤー・ファイナンス契約を締結しており、各仕入先と締結した契約に基づいて、サプライヤー・ファイナンス契約の一部ではない比較可能な営業債務と同様の支払期日で第三者金融機関に対して請求書発行日の120日から130日後に支払いを行っております。仕入先は、第三者金融機関より割引による早期支払いを自らの裁量で受けることができます。当社グループは、サプライヤー・ファイナンス契約のための担保資産あるいは第三者による保証の提供は行っておりません。
サプライヤー・ファイナンス契約に係る金融負債の帳簿価額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ68,844百万円及び55,271百万円であります。そのうち仕入先がすでに支払いを受けている金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ7,715百万円及び5,784百万円であり、上記の営業債務及びその他の債務に含まれております。
当社グループが締結しているサプライヤー・ファイナンス契約は、当該契約に参加していない他の仕入先と合意した通常の支払条件と比較して支払期日の集中や大幅な延長をもたらすものではなく、サプライヤー・ファイナンス契約による重大な流動性リスクを抱えておりません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、サプライヤー・ファイナンス契約の対象となる金融負債の帳簿価額に、重要な非資金変動はありません。
19.従業員給付
(1) 退職後給付
当社及び主な国内子会社は退職給付制度として、確定給付型のキャッシュバランスプラン(市場金利連動型年金)、及び確定拠出制度を設けており、日本における確定給付制度債務が当社グループの確定給付制度債務の大部分を占めております。
キャッシュバランスプランは、加入期間に獲得したポイントと、加入期間に応じた乗率等により給付額が算定されております。なお、早期退職者に対して自由定年支援金を支払う場合があります。
確定給付制度は、法令に従い、当社グループと法的に分離された年金基金により運営されております。年金基金は、当該基金に加入している事業主が選定する理事と、加入者を代表する理事によって構成される理事会によって運営されております。年金資産の運用は年金基金の理事会が定める運用方針に従って年金運用受託機関が行っております。年金基金の理事会及び年金運用受託機関は、制度加入者の利益を最優先にして行動することが法令により求められており、制度資産の運用を行う責任を負っております。
一部の在外子会社は、従業員の退職給付制度として、確定給付制度のほか、確定拠出制度を設けております。
確定給付制度は、数理計算上のリスク及び制度資産の公正価値変動リスクに晒されております。数理計算上のリスクは主として金利リスクであります。金利リスクは、確定給付制度債務の現在価値が優良社債等の市場利回りに基づいて決定された割引率を使用して算定されるため、割引率が低下した場合に債務が増加することであります。制度資産の公正価値変動リスクは、制度資産の運用実績が運用基準で定められた利率を下回った場合に、制度の積立状況が悪化することであります。
① 連結財政状態計算書に認識された確定給付負債
連結財政状態計算書に認識された確定給付負債及び資産の純額と、確定給付制度債務及び制度資産との関係は、以下のとおりであります。
② 確定給付制度債務
確定給付制度債務の現在価値の増減は、以下のとおりであります。
(注1)当期勤務費用は、純損益として認識しております。当該費用は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の営業費用」に含めております。
(注2)確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値との純額に係る利息費用又は利息収益については、純損益として認識しております。これらの費用及び収益は、連結損益計算書の「金融費用」及び「金融収益」に含めております。
(注3)過去勤務費用は、純損益として認識しております。当該費用は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
(注4)国内における確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度末は主として13.8年、当連結会計年度末は主として12.5年であります。
③ 制度資産
制度資産の公正価値の増減は、以下のとおりであります。
(注)当社グループ及び年金基金は、法令に従って、将来の給付発生に対する充当や積立不足がある場合の年金財政の均衡保持を目的として、定期的に財政検証を行うとともに掛金拠出額の再計算を行っております。
当社グループは、翌連結会計年度において確定給付制度に対し10,142百万円の掛金を拠出する予定であります。
制度資産の主な内訳は、以下のとおりであります。
(注)信託銀行の合同運用信託に投資している制度資産は、活発な市場における公表市場価格がないものに分類しております。
当社グループの制度資産は、日本国内における年金資産が大部分を占めており、資産の運用は、加入者及び年金受給者に対する年金給付及び一時金給付の支払いを将来にわたり安定的に行うため、許容できるリスクのもとで長期的に見て可能な限りの総合収益をあげることを目的としております。具体的には、投資対象としてふさわしい資産の期待収益率の予測、各資産のリスク、組合せ等を考慮した上で、将来にわたる最適な基本ポートフォリオ(政策アセットミックス)を策定し、これに基づく資産配分を維持しております。この基本ポートフォリオは毎年検証を行い、策定時の諸条件が変化した場合は、必要に応じて基本ポートフォリオの見直しを行っております。
④ 資産上限額の影響
資産上限額の影響の増減は、以下のとおりであります。
⑤ 重要な数理計算上の仮定及び仮定に関する感応度分析
重要な数理計算上の仮定は、以下のとおりであります。
(注)当社及び主な国内子会社における数理計算で使用している割引率を記載しております。
重要な数理計算上の仮定である割引率が変動した場合の、当社及び主な国内子会社の確定給付制度債務の現在価値に与える影響の感応度分析は、以下のとおりであります。
(注)感応度分析は、各報告期間の末日時点における他の仮定をすべて一定とした上で割引率のみを変動させて、確定給付制度債務に与える影響を算定しております。
⑥ 確定拠出制度
確定拠出制度に関して純損益で認識した費用は、前連結会計年度において4,911百万円、当連結会計年度において4,918百万円であります。当該費用は連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の営業費用」に含めております。
(2) その他の従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の営業費用」に含まれるその他の従業員給付費用の合計額は、それぞれ312,169百万円及び310,339百万円であります。
20.引当金
引当金の内訳及び増減は、以下のとおりであります。
(1) 化粧品関連損失引当金
2013年7月4日に自主回収を公表しました、カネボウ化粧品ロドデノール配合美白製品に関する補償関連費用等の将来の支出を見積り計上しております。当連結会計年度末引当金残高のうち、400百万円については保険による補填が見込まれております。
(2) 資産除去引当金
当社グループが使用する有形固定資産や使用権資産等の将来の除却に関して、法令又は契約で要求される法的義務及びそれに準じて発生する義務に基づき発生する債務を、過去の実績等に基づいて合理的に見積り計上しております。
これらは主に1年以上経過した後に支払いが発生すると見込まれておりますが、将来の事業計画等の影響を受けます。
(3) 欧米子会社構造改革引当金
欧米子会社の構造改革に係る支出見込額等が含まれております。
21.その他の流動負債
その他の流動負債の内訳は、以下のとおりであります。
22.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金
授権株式数及び発行済株式数の増減は、以下のとおりであります。
(注1)当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みとなっております。
(注2)当連結会計年度の発行済株式数の期中増減は、取締役会決議に基づく自己株式の消却による減少12,300,000株であります。
(2) 資本剰余金
資本剰余金は、資本準備金及びその他の資本剰余金から構成されております。
会社法では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本準備金に組み入れることが規定されております。また、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
(3) 自己株式
自己株式数の増減は、以下のとおりであります。
(注1)関連会社の保有する自己株式が、前連結会計年度及び当連結会計年度において572,796株含まれております。
また、役員報酬BIP信託が保有する当社株式が、前連結会計年度において375,673株、当連結会計年度において753,269株含まれております。
(注2)前連結会計年度における自己株式の株式数の増加407,766株は、役員報酬BIP信託による当社株式の取得による増加404,700株及び単元未満株式の買い取りによる増加3,066株であります。
当連結会計年度における自己株式の株式数の増加12,219,612株は、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加12,217,500株及び単元未満株式の買い取りによる増加2,112株であります。
(注3)前連結会計年度における自己株式の株式数の減少27,157株は、役員報酬BIP信託の取締役等に対する交付による減少27,104株及び単元未満株式の売り渡しによる減少53株であります。
当連結会計年度における自己株式の株式数の減少12,353,501株は、取締役会決議に基づく自己株式の消却による減少12,300,000株、役員報酬BIP信託の取締役等に対する交付による減少51,964株、持分法適用関連会社が保有する自己株式の株式数の変動による減少1,336株及び単元未満株式の売り渡しによる減少201株であります。
(注4)関連会社の保有する自己株式が、前連結会計年度において572,796株、当連結会計年度において571,460株含まれております。
また、役員報酬BIP信託が保有する当社株式が、前連結会計年度において753,269株、当連結会計年度において701,305株含まれております。
(4) その他の資本の構成要素
① 在外営業活動体の換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額であります。
② キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の変動額の有効部分
関連会社は将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためにヘッジ取引を行っております。キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の変動額の有効部分は、当該ヘッジ取引の公正価値の変動額のうち、ヘッジ会計の適用上有効と認められた部分であります。
③ その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の純変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の公正価値の純変動の累積額であります。投資を処分した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合に発生する金融資産の純変動は、その他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。
④ 確定給付負債(資産)の純額の再測定
確定給付負債(資産)の純額の再測定には、期首における数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額及び数理計算上の仮定の変更による影響額、制度資産に係る収益(実績額)と制度資産に係る利息収益(確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額に含まれる金額を除く)、資産上限額の影響の変動(確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額に含まれる金額を除く)が含まれます。これについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えております。
(5) 利益剰余金
利益剰余金は、利益準備金及びその他の利益剰余金から構成されております。
会社法では、利益剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
23.資本政策
当社グループの資本政策は、持続的な成長のための投資の実行とそのリスクを許容する健全な財務体質を確保することと、安定的・継続的な株主還元を実施することを基本的な方針としております。その実現のため、当社グループでは、資本コスト及び資本効率を考慮した経営指標であるEVA®(経済的付加価値:注1)及びROIC(投下資本利益率:注1)を主指標とし、その改善を通じて企業価値の向上を図っております。企業価値の継続的な向上と全てのステークホルダーの長期的な利益が合致するEVA及びROIC経営のもと、経営戦略や経営計画を策定しております。
当社グループは、すべての資本と有利子負債を資本コストの対象として管理しており、安全性と資本の効率性の視点から最適化を図っております。資本は効率を意識し、中長期視点で無駄のない健全な構造を目指し、有利子負債は、適度に保有するとともに、大型投資のための資金調達が可能となる、高い格付けの維持を目指しております。なお、当社グループが適用を受ける重要な資本の規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
当社グループは、株主還元を重視しておりますが、成長のための投資こそステークホルダーの皆様の期待に応えることと理解し、これを優先しております。配当については、安定的であることに加え、業績の改善を反映させた増配の継続を目指すとともに余剰資金による自己株式取得を機動的に行っております。
当社グループは、株主還元の実施やEVA及びROICの改善を進める一方で、成長投資をタイムリーに実施するため、また、想定を超える事態に対応できる健全性を確保するため、必要な資金を保有しております。
当連結会計年度のROICは9.7%となり、EVAは、調整後NOPAT(税引後営業利益:注2)が大幅に増加する中、前期を79億円上回り411億円となりました。
(注1)EVAはNOPATから資本コストを控除した金額指標、ROICはNOPATを投下資本で除した比率指標であります。なお、EVAは、スターン・スチュワート社の登録商標であります。
当社グループでは、NOPATを当期利益に税金影響を加味した支払利息及び一時費用(構造改革費用等)を加えた金額、資本コストを投下資本に当社グループ単位のWACCを乗じた金額、投下資本を資本合計に社債及び借入金とその他の金融負債の一部、過去に償却したのれん等を加えた金額の期首期末平均とそれぞれ定義しております。
(注2)当社グループでは、持続的な企業価値の増大を促進するために、NOPATに対し構造改革費用等の一時費用を資本化し加算することがあります。一時費用を加算した場合には、「調整後NOPAT」と表記しております。
24.配当金
配当金の支払額は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(注1)配当金の総額のうち、持分法適用関連会社が保有する自己株式に係る配当金の持分相当額及び役員報酬BIP信託が保有する当社株式に係る配当金を控除しております。
なお、控除前の金額は、2024年3月22日開催の第118期定時株主総会については、34,936百万円であり、2024年8月8日開催の取締役会については、35,402百万円であります。
(注2)上記のほかに、役員報酬BIP信託の受益者(取締役等)に対する配当金の支払いがあります。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
(注1)配当金の総額のうち、持分法適用関連会社が保有する自己株式に係る配当金の持分相当額及び役員報酬BIP信託が保有する当社株式に係る配当金を控除しております。
なお、控除前の金額は、2025年3月21日開催の第119期定時株主総会については、35,402百万円であり、2025年8月6日開催の取締役会については、35,867百万円であります。
(注2)上記のほかに、役員報酬BIP信託の受益者(取締役等)に対する配当金の支払いがあります。
配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
2026年3月26日開催予定の第120期定時株主総会において、次のとおり付議いたします。
25.収益
(1) 収益の分解
当社グループは、グローバルコンシューマーケア事業部門を構成する4つの事業分野(ハイジーンリビングケア事業、ヘルスビューティケア事業、化粧品事業、ビジネスコネクティッド事業)及びケミカル事業部門の5つの事業を基本にして組織が構成されており、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績の評価をするために、定期的に検討を行う対象としていることから、これらの5事業で計上する収益を売上高として表示しております。なお、物流受託業務で計上する物流受託収益は、上記5事業に含まれないため、その他の営業収益に含めて表示しております。
当社グループは、顧客との契約から生じる収益を顧客との契約に基づき、グローバルコンシューマーケア事業を化粧品事業と化粧品事業以外に区分するとともに、ケミカル事業を区分して分解しております。また、地域別の収益は、販売元の所在地に基づき分解しております。これらの分解した収益とセグメント売上高との関連は、以下のとおりであります。
なお、当社グループは、2025年1月1日付の組織変更に伴い、当連結会計年度よりセグメント区分を変更しており、前連結会計年度については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。セグメント区分の変更については、注記「6.セグメント情報 (1)報告セグメントの概要」に記載しております。
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(単位:百万円)
(注) グローバルコンシューマーケア事業の売上高は、外部顧客への売上高で表示しており、ケミカル事業の売上高は、グローバルコンシューマーケア事業に対する売上高を含めて表示しております。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
(単位:百万円)
(注) グローバルコンシューマーケア事業の売上高は、外部顧客への売上高で表示しており、ケミカル事業の売上高は、グローバルコンシューマーケア事業に対する売上高を含めて表示しております。
① グローバルコンシューマーケア事業
グローバルコンシューマーケア事業においては、ファブリックケア製品、ホームケア製品、サニタリー製品、スキンケア製品、ヘアケア製品、パーソナルヘルス製品、化粧品、業務用衛生製品、ライフケア製品の一般消費財の販売を行っており、国内では主に小売業、海外では主に小売業及び卸売業を営む企業を顧客としております。このような販売については、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち、製品を顧客の指定した場所へ配送し引き渡した時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、顧客が製品の販売に係る販売方法や価格の決定権を有するため、その時点で収益を認識しております。
グローバルコンシューマーケア事業における製品は、販売数量や販売金額等の一定の目標の達成を条件としたリベート(以下、達成リベート)等を付けて販売される場合があります。その場合の取引価格は、顧客との契約において約束された対価から達成リベート等の見積りを控除した金額で算定しております。達成リベート等の見積りは過去の実績等に基づく最頻値法を用いており、収益は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。
また、販売促進協賛金等、当社グループが顧客に対して支払いを行っている場合で、顧客に支払われる対価が顧客からの別個の財又はサービスに対する支払であり、かつ公正価値を合理的に見積れない場合は、取引価格からその対価を控除し、収益を測定しております。
グローバルコンシューマーケア事業における製品のうち、化粧品は、カウンセリング化粧品及びセルフ化粧品で構成されております。カウンセリング化粧品は、顧客が最終消費者に販売する際に、カウンセリングを通じて販売することとしており、当社グループがその支援を行う場合があります。
また、化粧品の販売にあたっては、製品の改廃に伴い顧客から一定の返品が発生することが想定されます。顧客が製品を返品した場合、当社グループは当該製品の対価を返金する義務があるため、顧客に対する予想返金について、収益の控除として返品に係る負債を認識しております。当該返品に係る負債の見積りにあたっては過去の実績等に基づく最頻値法を用いており、収益は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。なお、顧客が製品を返品する場合、当社グループは顧客から製品を回収する権利を有しておりますが、返品は主に改廃に伴うものであるため、返品される製品に資産性はなく当該資産は認識しておりません。
② ケミカル事業
ケミカル事業においては、オレオケミカルや界面活性剤等の化学品の販売を行っており、主に製品のユーザー及び代理店を顧客としております。ケミカル事業における製品の販売については、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち、製品を顧客の指定した場所へ配送し引き渡した時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、顧客が製品の販売に係る販売方法や価格の決定権を有するため、その時点で収益を認識しております。また、ケミカル事業における製品の販売による収益は、顧客との契約に係る取引価格で測定しております。
(2) 顧客との契約から生じた負債
顧客との契約から生じた負債は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
顧客との契約から生じた負債のうち、報告期間の末日までの販売に関連して顧客に支払われると予想される達成リベート等の見積り及び返品に係る負債を、返金負債として認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度の期首現在の前受金残高のうち、それぞれ前連結会計年度及び当連結会計年度の収益として認識した額に重要性はありません。また、当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(4) 顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。また、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約の獲得の増分コストを発生時に費用として認識しております。
26.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
27.その他の営業収益
その他の営業収益の内訳は、以下のとおりであります。
28.その他の営業費用
その他の営業費用の内訳は、以下のとおりであります。
(注)減損損失の内容は、注記「12. 有形固定資産」に記載しております。
29.金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は、以下のとおりであります。
金融費用の内訳は、以下のとおりであります。
(注1)ヘッジ指定されていない通貨デリバティブの評価損益は、為替差損益に含めております。
(注2)ヘッジ指定されていない金利デリバティブの評価損益は、支払利息に含めております。
30.1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(注)希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
31.その他の包括利益
各連結会計年度の「その他の包括利益」に含まれている、各包括利益項目別の当期発生額及び損益への組替調整額、並びに税効果の影響額は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
32.キャッシュ・フロー情報
(1) 財務活動に係る負債の変動
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至2024年12月31日)
財務活動から生じる負債の変動のうち、リース負債は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
リース負債を除き、財務活動から生じる負債の主な変動は、財務キャッシュ・フローによる変動であり、重要な非資金変動はありません。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至2025年12月31日)
財務活動から生じる負債の変動のうち、リース負債は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
リース負債を除き、財務活動から生じる負債の主な変動は、財務キャッシュ・フローによる変動であり、重要な非資金変動はありません。
(2) 非資金取引
前連結会計年度及び当連結会計年度において実施された非資金取引は、リースによる使用権資産の取得であり、それぞれ21,922百万円、22,808百万円であります。
33.株式に基づく報酬
(1) 業績連動型株式報酬制度
① 業績連動型株式報酬制度の内容
当社は、取締役(社外取締役を除く)及び執行役員(以下、取締役等)を対象に、当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、会社業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性の高い役員報酬制度として、業績連動型株式報酬制度を導入しております。
当該株式報酬制度として、役員報酬BIP信託を採用しております。役員報酬BIP信託とは、米国のパフォーマンス・シェア制度及び譲渡制限付株式報酬制度を参考にした取締役等に対するインセンティブ・プランであり、役位や中期経営計画の業績目標の達成度等に応じて、役員報酬BIP信託を通じて取得した当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を取締役等に交付又は給付するものであります。なお、役員報酬BIP信託が保有する当社株式は、自己株式として会計処理しております。
当該株式報酬制度では、対象期間中の各事業年度の末日に取締役等として在任していること等所定の受益者要件を満たしていることを条件として、毎年、役位等に応じたポイント(1ポイント=1株)が付与されます。変動ポイントは退任後に、固定ポイントは各事業年度の終了後に、所定の受益者確定手続きを経た上で、これらのポイント数に相当する当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭の交付又は給付を受けることができます。また、居住国の法規制等によって株式を付与することが妥当でない外国籍取締役等に対しては、業績連動型株式報酬相当額を金銭の給付を受けることができます。
当該株式報酬制度は、持分決済型の株式に基づく報酬制度及び現金決済型の株式に基づく報酬制度として会計処理しております。
② 期中に付与されたポイント数及びポイントの加重平均公正価値
持分決済型の株式に基づく報酬制度のポイントの付与日における公正価値は、当社株式の市場価格及び予想配当を考慮に入れて修正し、算定しております。
期中に付与されたポイント数及びポイントの加重平均公正価値は、以下のとおりであります。
(2) 株式に基づく報酬費用
連結損益計算書に含まれている持分決済型の株式に基づく報酬費用として認識した額は、前連結会計年度において653百万円、当連結会計年度において633百万円であります。
連結損益計算書に含まれている現金決済型の株式に基づく報酬費用として認識した額は、当連結会計年度において8百万円であります。なお、現金決済型の株式に基づく報酬費用から生じた負債の帳簿価額は、当連結会計年度において8百万円であります。
34.金融商品
(1) 金融商品の分類
金融資産の分類ごとの帳簿価額は、以下のとおりであります。
当社グループの株式は、主に業務上の関係を有する企業の株式で長期保有するものであり、投機は行わない方針であることから、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に指定しております。当該株式の主な銘柄ごとの公正価値は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2024年12月31日)
当連結会計年度(2025年12月31日)
当社グループは、資産の効率的活用や業務上の関係の見直し等により、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の一部を売却により処分し、認識を中止しております。期中で売却した銘柄の売却時における公正価値及び売却に係る累積利得又は損失の合計額は、以下のとおりであります。
当社グループでは、その他の資本の構成要素として認識していたその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の累積利得又は損失は、投資を処分した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合にその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得又は損失(税引後)は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ329百万円及び272百万円であります。
金融負債の分類ごとの帳簿価額は、以下のとおりであります。
上記金融負債等に対し、担保に供している重要な資産はありません。なお、その他の金融負債のうち、有利子負債である預り金の残高は、前連結会計年度及び当連結会計年度で、それぞれ13,038百万円及び12,967百万円であり、当連結会計年度末の預り金残高に対する平均利率は0.64%であります。
(2) 金融商品に係るリスク管理
当社グループは、市場リスク、信用リスク及び流動性リスクを回避又は低減するために、以下の方針に基づき金融商品に係るリスクを管理しております。
① 市場リスク管理
当社グループは、事業活動を行う上で為替変動、金利変動、株価変動等の市場の変動に伴うリスクに晒されております。市場リスクを適切に管理することにより、リスクの低減を図るよう努めております。また、当社グループでは、市場リスクを適切に管理する目的で主に為替予約、通貨スワップ、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用することがあります。デリバティブ取引の執行・管理については、その目的、利用限度額、取引の範囲、組織体制等を定めた社内規程に従っており、実需に基づいたリスクの回避に限定して利用しております。当社グループでは投機目的でのデリバティブの利用は行わない方針であります。従って、当社が保有するデリバティブの公正価値の変動は原則として、対応する取引の公正価値の変動又はキャッシュ・フローの変動を相殺する効果を有しております。
(ⅰ) 為替変動リスク
当社グループは、海外でも事業活動を行っており、外貨建による売買取引及び在外営業活動体への純投資において、為替相場の変動によるリスクに晒されております。外国通貨建の取引については、外貨預金口座を通じての決済、為替予約や通貨スワップ等のデリバティブ取引により為替変動リスクをヘッジすることにしており、経営成績に与える影響を軽減しております。
当社グループの機能通貨である円に対し主要な外貨である米ドル、ユーロ及び中国元に係る為替予約の詳細は、以下のとおりであります。
なお、これらのデリバティブ取引について、ヘッジ会計は適用しておりませんが、これらの取引が為替変動による影響を有効に相殺しているものと判断しております。
(注)上記デリバティブの公正価値の測定方法は、注記「34.金融商品 (3) 金融商品の公正価値」に記載しております。
上記デリバティブに関する資産及び負債は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」にそれぞれ含めております。
為替変動リスクのエクスポージャー(純額)は、以下のとおりであります。なお、デリバティブ取引により為替変動リスクがヘッジされている金額は除いております。
前連結会計年度(2024年12月31日)
当連結会計年度(2025年12月31日)
当社グループが各連結会計年度末において保有する外貨建金融商品において、日本円が10%円高になった場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。
機能通貨建の金融商品、及び在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。また、算定に使用した各通貨以外の通貨は変動しないことを前提としております。
(ⅱ) 金利変動リスク
当社グループは、適正な資本コスト率の維持及び成長投資のための財務基盤の強化を目的として長期借入金や社債により資金調達を行っております。長期の資金調達においては、金利市場の動向により、変動金利と固定金利のバランスを考慮して決定しており、短期の資金調達においては、原則として変動金利としております。これらの金利に対して、必要に応じて金利スワップ等により、金利変動リスクのヘッジを図っております。そのため、当社グループにおける金利変動リスクに対するエクスポージャーは限定的であると判断しております。
(ⅲ) 株価変動リスク
当社グループは、業務上の関係を有する企業を中心に市場性のある株式を、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ4,148百万円及び5,251百万円保有しております。それらは株価変動のリスクに晒されておりますが、保有について毎年合理性を確認し、保有継続の可否及び株式数の見直しを実施しております。また、これら株式はすべてその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に指定しており、株価変動に対する純損益への影響はありません。
② 信用リスク管理
当社グループは、保有する金融資産の相手方が債務を履行できなくなることにより、財務的損失を被る信用リスクに晒されております。
(ⅰ) 営業債権及びその他の債権
営業債権である受取手形及び売掛金については、顧客の信用リスクに晒されております。当該リスクに関しては、新規取引発生時に顧客の信用状況について社内での審議・承認のプロセスを踏むことを徹底し、必要に応じて保証金や担保を取得する等の措置を講じております。また、取引先ごとに期日管理及び残高管理を行うとともに、定期的に主な取引先の信用状況を確認しております。未収入金については、取引先の信用リスクに晒されておりますが、そのほとんどは短期間で決済されております。
(ⅱ) 短期投資
現金及び現金同等物、及びその他の金融資産に含まれている短期投資は、格付けの高い企業のコマーシャルペーパー、公社債投資信託、金銭の信託等の安全性と流動性の高い金融商品であります。
(ⅲ) 貸付金
貸付金については、貸付先の信用リスクに晒されております。当該リスクに関しては、新規貸付時に貸付先の信用状況について社内での審議・承認のプロセスを踏むことを徹底し、必要に応じて保証金や担保を取得するとともに、定期的に貸付先の信用状況を確認しております。
(ⅳ) デリバティブ
デリバティブ取引の執行・管理については、その目的、利用限度額、取引の範囲及び組織体制等を定めた社内規程に従っております。デリバティブの利用にあたっては、実需に基づいて投機的な取引を排除し、リスクの回避に限定して利用するとともに、信用リスクを軽減するために、信用度の高い金融機関に限定して取引を行っております。
連結財政状態計算書に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額は、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。なお、特定の取引先について、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。
当社グループでは、主に営業債権等の償却原価で測定される金融資産について、回収可能性や信用リスクの著しい増加等を考慮のうえ、将来の予想信用損失を測定し、貸倒引当金を計上しております。信用リスクが著しく増加しているか否かは、債務不履行発生リスクの変動に基づいて判断しており、その判断にあたっては、内部信用格付の格下げや、取引先の経営成績の悪化、期日経過情報等を考慮しております。
当社グループにとって特に重要な金融資産である受取手形及び売掛金における貸倒引当金は、全期間の予想信用損失を集合的に測定しておりますが、期待将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える以下のような事象等が発生した場合は、信用減損している金融資産として個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。
・取引先の深刻な財政困難
・債権の回収不能や、再三の督促に対しての回収遅延
・取引先が破産やその他財政再建が必要な状態に陥る可能性の増加
また、当社グループが受取手形及び売掛金の全体又は一部を回収するという合理的な期待を有していない場合には、社内での審議・承認のプロセスを踏み、帳簿価額を直接減額しております。
なお、信用補完として受け入れた保証金を、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ6,355百万円及び5,973百万円保有しております。
受取手形及び売掛金の帳簿価額、及びこれらに対する貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2024年12月31日)
当連結会計年度(2025年12月31日)
受取手形及び売掛金の帳簿価額、及びこれらに対する貸倒引当金の期日別分析は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2024年12月31日)
当連結会計年度(2025年12月31日)
③ 流動性リスク管理
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行できなくなるリスクであります。
当社グループでは、中長期の資金繰り計画を定期的に作成する等の方法により、手元流動性の状況を把握し、常に必要な手元資金を十分に確保しております。
また、当社、子会社及び関連会社間でグローバルキャッシュマネジメントシステムを導入しており、国内外のグループ資金を集中的かつ効率的に管理することにより、流動性リスクの低減に努めております。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2024年12月31日)
(注)リース負債の期日別残高は、以下のとおりであります。
当連結会計年度(2025年12月31日)
(注)リース負債の期日別残高は、以下のとおりであります。
(3) 金融商品の公正価値
① 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類
公正価値で測定される金融商品について、測定に用いた評価技法へのインプットの観察可能性に応じて算定した公正価値を以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1・・・同一の資産又は負債に関する活発な市場における公表市場価格により測定した公正価値
レベル2・・・レベル1以外の資産又は負債について、直接又は間接的に観察可能なインプットにより測定した
公正価値
レベル3・・・資産又は負債についての観察可能な市場データに基づかないインプットにより測定した公正価値
② 公正価値で測定される金融商品
公正価値で測定される主な金融商品の測定方法は、以下のとおりであります。
(ⅰ) 短期投資(償却原価で測定される短期投資を除く)
短期投資は現金及び現金同等物に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。短期投資は主に公社債投信及び金銭の信託であり、その公正価値は金利等の観察可能なインプットを用いたモデルに基づき測定しております。
(ⅱ) デリバティブ資産及びデリバティブ負債
デリバティブ資産及びデリバティブ負債は、それぞれその他の金融資産及び金融負債に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産及び金融負債に分類しております。これらは為替予約、通貨スワップ及び金利スワップ等であり、主に外国為替相場や金利等の観察可能なインプットを用いたモデルに基づき測定しております。
(ⅲ) 株式
株式はその他の金融資産に含まれ、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。株式については、レベル1に区分されているものは活発な市場で取引されている上場株式であり、取引所の市場価格によって評価しております。レベル3に区分されているものは非上場株式であり、主として純資産に基づく評価モデル(株式発行会社の純資産に基づき、時価評価により修正すべき事項がある場合は修正した金額により、企業価値を算定する方法)等により測定しております。
公正価値で測定される金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各連結会計年度末において認識しております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
前連結会計年度(2024年12月31日)
当連結会計年度(2025年12月31日)
レベル3に分類された金融商品の期首から期末までの変動は、以下のとおりであります。
(注1)利得又は損失はすべて、各報告期間の末日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に関するものであります。これらの利得又は損失は連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の純変動」に認識されております。
(注2)当連結会計年度に認識されたレベル3からの振替は、投資先が取引所に上場したことによるものであります。
レベル3に分類されている金融商品は、主に非上場株式により構成されております。非上場株式の公正価値は、当社グループの担当部門がグループ会計方針等に従って、四半期ごとに入手可能な直前の数値を用いて測定し、公正価値の変動の根拠と併せて上位者に報告がなされ、必要に応じて経営者にも報告がなされております。
③ 償却原価で測定される金融商品
償却原価で測定される主な金融商品に係る公正価値の測定方法は、以下のとおりであります。なお、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品及び重要性の乏しい金融商品は、以下の表に含めておりません。
(ⅰ) 現金及び現金同等物(公正価値で測定される短期投資を除く)、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務
これらは短期間で決済されるものであるため、帳簿価額が公正価値と近似しております。
(ⅱ) 社債及び借入金
社債の公正価値は、市場価格に基づいております。借入金の公正価値は、残存期間における元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
償却原価で測定される主な金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2024年12月31日)
当連結会計年度(2025年12月31日)
35.重要な子会社
重要な子会社は、以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度末の議決権所有割合について、前連結会計年度末からの著しい変動はありません。
36.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
関連当事者との取引については、重要な取引等がないため記載を省略しております。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。当社グループの主要な経営幹部は、各連結会計年度における当社の取締役及び執行役員であります。
37.コミットメント
各報告期間の末日以降の有形固定資産及び無形資産の取得に関するコミットメントは、以下のとおりであります。
38.連結財務諸表の承認
当社グループの連結財務諸表は、2026年3月24日に、当社代表取締役社長執行役員 長谷部 佳宏及び当社執行役員会計財務部門統括 牧野 秀生により承認されております。
39.重要な後発事象
(株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更について)
当社は、2026年2月5日開催の取締役会において、下記のとおり、株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更について決議しました。
(1) 株式分割の目的
株式分割により、投資単位当たりの金額を引き下げることで、当社の「豊かな共生世界の実現」というパーパスに共感いただける個人投資家をはじめとした投資家の皆様がより投資しやすい環境を整え、投資家層のさらなる拡大を図ることを目的とするものです。
(2) 株式分割の概要
① 分割の方法
2026年6月30日(火)を基準日として、同日最終の株主名簿に記載または記録された株主の所有する当社普通株式1株につき2株の割合をもって分割いたします。
② 分割により増加する株式数
③ 株式分割の日程
④ 1株当たり情報に及ぼす影響
当該株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定した場合の1株当たり情報は、以下のとおりであります。
⑤ その他
(i)配当について
今回の株式分割は、2026年7月1日(水)を効力発生日としていますので、2026年6月30日(火)を基準日とする2026年12月期の中間配当金については、株式分割前の当社普通株式が対象となります。
(ii)資本金の額について
今回の株式分割に際し、資本金の額の変更はありません。
(3) 定款の一部変更
① 変更の理由
今回の株式分割に伴い、会社法第184条第2項の規定に基づき、2026年7月1日(水)を効力発生日として、当社定款第6条の発行可能株式総数を変更いたします。
② 変更の内容
変更の内容は以下のとおりです。
(下線は変更部分)
(2)【その他】
① 当連結会計年度における半期情報等
② 決算日後の状況
特記事項はありません。
③ 訴訟
当社グループが当事者になっている係争中の訴訟が存在するものの、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼすものではないと考えております。
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当事業年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 満期保有目的の債券
償却原価法(定額法)
(2) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
(3) その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2.棚卸資産の評価基準及び評価方法
総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
3.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しており、実質的残存価額まで償却しております。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
4.外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。
なお、為替予約等の振当処理の対象となっている外貨建金銭債権債務については、当該為替予約等の円貨額に換算しております。
5.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率による計算額を、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(13年)による定額法により費用処理しております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により、それぞれ発生事業年度から費用処理しております。
なお、当事業年度末における年金資産が、退職給付債務から数理計算上の差異等を控除した額を超過する場合には、前払年金費用として「投資その他の資産」に含めて計上しております。
6.収益及び費用の計上基準
当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社は、ファブリックケア製品、ホームケア製品、サニタリー製品、スキンケア製品、ヘアケア製品、パーソナルヘルス製品、化粧品、業務用衛生製品、ライフケア製品の一般消費財及びオレオケミカルや界面活性剤等の化学品の販売を行っており、このような製品販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品等を控除した金額で測定しております。
7.ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しております。
なお、為替予約及び通貨スワップについては振当処理の要件を満たしている場合は振当処理を、金利スワップについては特例処理の要件を満たしている場合は特例処理を採用しております。
8.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
(2) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(重要な会計上の見積り)
1. 固定資産の評価
(1)財務諸表に計上した金額は、次のとおりであります。
(2)重要な会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
各報告期間の末日現在において、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを検討しております。減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失の認識の判定を実施しております。
減損損失の認識の判定を実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは将来見込まれる経営成績に対する著しい実績の悪化、取得した資産の用途の著しい変更又は事業戦略全体の変更等が含まれます。
減損損失の測定は、資産又は資産グループの帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、減損損失を認識することとなります。回収可能価額は、資産又は資産グループの処分費用控除後の正味売却価額と使用価値(割引後将来キャッシュ・フロー)のいずれか高い金額を使用しております。
使用価値の算定にあたっては、資産の残存耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、割引率、成長率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業計画や経済条件等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
2. 関係会社株式及び関係会社出資金の評価
(1)財務諸表に計上した金額は、次のとおりであります。
(2)重要な会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
関係会社株式及び関係会社出資金については、市場価格のない株式等であるため、取得原価をもって貸借対照表価額としております。
設立した当該関係会社の1株当たり純資産額に所有株式数を乗じた金額が、投資勘定の帳簿価額に対して著しく低下した場合には、低下している金額相当分について減損損失を認識することとなります。
企業結合等において超過収益力を反映して取得した関係会社への投資勘定については、当該関係会社の1株当たり純資産額に所有株式数を乗じた金額が、取得したときの1株当たり純資産額に所有株式数を乗じた金額に対して著しく低下した場合には、減損損失を認識することとなります。
なお、著しく低下した場合について、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合には減損損失を認識しておりません。
これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業計画や経済条件等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
(会計上の見積りの変更)
(退職給付に係る会計処理の過去勤務費用の費用処理年数の変更)
退職給付に係る会計処理において、従業員の平均残存勤務期間の短縮に伴い、当事業年度より過去勤務費用の費用処理年数を15年から13年に変更しております。
なお、この変更による当事業年度の損益に与える影響は軽微であります。
(追加情報)
(業績連動型株式報酬制度)
当社は、取締役等に信託を通じて自社の株式を交付する業績連動型株式報酬制度を導入しております。
(1)取引の概要
「1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 33.株式に基づく報酬 (1)業績連動型株式報酬制度」に記載しております。
(2)信託に残存する自社の株式
役員報酬BIP信託の会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 平成27年3月26日)に準じて、信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く)により、純資産の部に自己株式として計上しております。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、当事業年度末において4,885百万円、701,305株であります。
また、役員報酬BIP信託が保有する当社株式に係る配当金は、2025年3月21日開催の第119期定時株主総会については57百万円、2025年8月6日開催の取締役会については54百万円であります。
(貸借対照表関係)
※1 国庫補助金の受入れにより取得価額より控除した固定資産の圧縮記帳累計額は、次のとおりであります。
※2 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示されたものを除く)は、次のとおりであります。
3 保証債務
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高は、次のとおりであります。
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は、次のとおりであります。
(1) 販売費
(2) 一般管理費
※3 固定資産売却益の内容は、次のとおりであります。
※4 固定資産除却損の内容は、次のとおりであります。
(有価証券関係)
貸借対照表に計上した子会社株式及び関連会社株式は、次のとおりであります。
子会社株式及び関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、時価を記載しておりません。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3. 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、法人税及び地方法人税並びに税効果会計の会計処理及び開示については、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従っております。
4. 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立したことに伴い、2026年4月1日以後開始する事業年度より、「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。
これに伴い、2027年1月1日に開始する事業年度以降に解消が見込まれる一時差異に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、法定実効税率を30.62%から31.52%に変更し計算しております。
この変更により、当事業年度の繰延税金資産の金額(繰延税金負債の金額を控除した金額)は197百万円増加し、法人税等調整額が232百万円、その他有価証券評価差額金が35百万円、それぞれ減少しております。
(収益認識関係)
「1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 25.収益」にて記載しているため、記載を省略しております。
(重要な後発事象)
(株式分割及び株式分割に伴う定款の一部変更について)
「1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 39. 重要な後発事象」にて記載しているため、記載を省略しております。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注)1.「当期首残高」、「当期増加額」、「当期減少額」及び「当期末残高」については、取得価額により記載しております。
2.「当期減少額」欄の()内は内書きで、減損損失の計上額であります。
3.当期増加額の主なものは、以下のとおりであります。
4.当期減少額の主なものは、以下のとおりであります。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3)【その他】
① 決算日後の状況
特記事項はありません。
② 訴訟
当社が当事者になっている係争中の訴訟が存在するものの、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼすものではないと考えております。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注)1.特別口座以外の振替口座に記録された単元未満株式の買取り・買増しに関する取り扱いは、振替口座を開設した金融商品取引業者等の口座管理機関を通じて行うものとなっております。
2.当社定款の定めにより、当社の株主は、その有する単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利を行使することができません。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4) 単元未満株式の売り渡しを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。