第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第142期の期首から適用しており、第142期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注)1.最高株価・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第142期の期首から適用しており、第142期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
3.第145期の1株当たり配当額54円00銭のうち、期末配当額27円00銭については、2026年3月26日開催予定の定時株主総会の決議事項になっています。
2 【沿革】
〈 〉を付した名称は、クラレグループの商標または登録商標です。
3 【事業の内容】
当社及び当社の関係会社においては、「ビニルアセテート」、「イソプレン」、「機能材料」、「繊維」、「トレーディング」、「その他」の6部門に関係する事業を行っており、その製品は多岐にわたっています。関係会社のうち、連結子会社は67社、持分法を適用している関連会社は2社です。各事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりです。
事業の系統図は以下のとおりです。

(注)1.図中の会社名で、{ }は「持分法適用会社」を表しています。
2.丸角四角で囲った会社は複数のセグメントにまたがっています。
3.Kuraray Holdings U.S.A., Inc.は、Kuraray America, Inc.、MonoSol, LLC及びCalgon Carbon Corporationの持株会社です。
4 【関係会社の状況】
(注)1.「議決権の所有割合」欄の(内書)は間接所有割合です。
2.当社は、2025年5月1日に、連結子会社であるクラレクラフレックス株式会社を吸収合併しました。
3.株式会社岡山臨港は当社が保有する株式全てを売却したことにより、持分法適用会社の範囲から除外しています。
4.クラレトレーディング㈱、Kuraray Holdings U.S.A., Inc.、Kuraray America, Inc.、Kuraray Asia Pacific Pte. Ltd.、Plantic Technologies Limited、Kuraray Specialities (Thailand) Co., Ltd.、Kuraray Advanced Chemicals (Thailand) Co., Ltd.、Kuraray SC (Thailand) Co., Ltd.及び Kuraray GC Advanced Materials Co., Ltd.は特定子会社です。
5.Kuraray America, Inc.、Kuraray Europe GmbH及びCalgon Carbon Corporationは、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が100分の10を超えています。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年12月31日現在
(注) 1.従業員数は、就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2.全社は、基礎研究及び管理部門の従業員です。
3.臨時従業員には、契約社員、パートタイマー及び非常勤嘱託を含み、派遣社員を除いています。
(2) 提出会社の状況
2025年12月31日現在
(注)1.従業員数は、就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。
2.全社は、基礎研究及び管理部門の従業員です。
3.臨時従業員には、契約社員、パートタイマー及び非常勤嘱託を含み、派遣社員を除いています。
4.平均年間給与(税込)は基準外賃金及び臨時給与(賞与)を含んでいます。
(3) 労働組合の状況
労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 多様性に関する指標
2025年12月31日現在
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
男性の育児休業取得率は、配偶者が出産する時期(年度)と男性労働者が育児休業等を取得する時期(年度)が異なる場合があり、公表年度によっては取得率が100%を超えることがあります。
また、対象者がいない場合は「-」としています。
3.男女賃金差異を生じさせている主要な原因は、資格別の人員構成、世帯を主宰する家計上の主たる責任者へ支給される手当や、交替勤務・時間外手当等の勤務手当額の違いによるものです。
4.「-」は該当する労働者全員が男女のどちらか一方のため、算出できないことを示しています。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
クラレグループは、企業ステートメントの使命「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」のもと、創立100周年となる2026年度に向けた長期ビジョン『Kuraray Vision 2026』で掲げる「独自の技術に新たな要素を取り込み、顧客、社会、地球に貢献し、持続的に成長するスペシャリティ化学企業」を目指しています。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年12月31日)現在において当社が判断したものです。
当社グループは、この長期ビジョン『Kuraray Vision 2026』の実現に向けて、2022年度から始まった5か年の中期経営計画「PASSION 2026」で以下3つの挑戦を設定しています。
① 機会としてのサステナビリティ
サステナビリティを機会としてとらえ、グループ一丸となって推進します。
② ネットワーキングから始めるイノベーション
社外・社内を問わず、人と人、技術と技術をつなげることで、新たな成長のドライバーを生み出します。
③ 人と組織のトランスフォーメーション
デジタルでプロセスを変え、多様性で発想の幅を広げ、人と組織に変革をもたらします。
中期経営計画「PASSION 2026」の最終年度となる2026年度は、エバール、ジェネスタ、活性炭、歯科材料等の「成長・拡大事業」では強みを生かして拡大する需要に対応するとともに、「最適化・体質改善事業」の収益改善を着実に進め、事業ポートフォリオの高度化を一層推進していきます。また、当社グループの中長期的な成長のために、引き続き新規事業創出に向けた取り組みを加速していきます。当社グループは、2026年度の創立100周年とその先の未来を見据え、持続的に成長するスペシャリティ化学企業として今後も挑戦し続けます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) サステナビリティに関する考え方及び取組
当社グループは創業当時から、事業活動を通じ自然環境・生活環境の向上を目指すことで社会のサステナブルな発展に貢献する経営を行ってきました。サステナビリティを重要な経営戦略の一つと捉え、当社と社会が持続的に発展するための優先すべき重要課題(マテリアリティ)を経営レベルで選定し、課題の解決に全社的に取り組んでいます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① ガバナンス
当社グループは、2022年にCSR委員会に代えて、社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しました。本委員会は経営レベルで当社グループにおけるサステナビリティ関連課題及びその対応方針について審議し迅速な意思決定をするとともに、各種施策の進捗状況をモニタリングしています。また本委員会にて重要と判断された事項については取締役会に付議または報告し、取締役会の意見をサステナビリティ課題への取り組みに反映しています。

サステナビリティ委員会の傘下には6つのプロジェクトチーム(地球環境・GHG排出削減対策、CSRD(欧州の企業サステナビリティ報告指令)、サステナビリティ・ポートフォリオ、サステナビリティ・プロキュアメント(調達)、ダイバーシティ・インクルージョン、新規戦略提案)に加え、コーポレートテーマとして取り組んでいるCCUS(Carbon Dioxide Capture, Utilization and Storage)プロジェクトチームを配置し、その進捗状況及び課題を確認・評価して着実な実行に繋げています。プロジェクトチームは固定ではなく、施策の進捗状況等に鑑み柔軟に編制を変えていきます。また、レスポンシブル・ケアに関するPDCAの進捗も本委員会で確認しています。
2025年度は4回のサステナビリティ委員会を開催し、各プロジェクトチームの活動進捗の報告及び施策の審議を実施しました。主な議題として、米国におけるバーチャルPPA(電力購入契約)、2026年4月より開始される排出量取引制度(GX-ETS)、CCUSプロジェクトの進捗、クラレPSA(ポートフォリオ・サステナビリティ・アセスメント)システムを用いた環境貢献製品評価の高度化、グローバルでのサステナブル調達アンケートの実施等について討議しています。
② リスク管理
クラレグループは、重大な経営リスクの適切な管理、法令遵守・企業倫理の徹底、公正な企業活動の実践を目的に、社長直轄のリスク・コンプライアンス委員会を設置しています。グループリスク管理規定に基づき、国内外の各組織においてリスクの自己評価を実施し、リスク・コンプライアンス委員会での審議を経て、社長が重大な経営リスクを特定、リスク毎に統括責任者を選定し、リスクの回避・軽減のための対策を進め、取締役会は対策の進捗を確認しています。
サステナビリティに関連するリスクを含む具体的なリスクに関する認識と管理体制は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
③ 戦略
クラレグループは自社に関わる重要課題をマテリアリティとして特定しています。2019年に「自然環境の向上」「生活環境の向上」「資源の有効利用と環境負荷の削減」「サプライチェーン・マネジメントの向上」「「誇りを持てる会社」づくり」の5分野と具体例に見直しました。クラレグループの各組織はマテリアリティの解決に貢献する計画を立案し、それらは中期経営計画「PASSION 2026」の施策と目標に盛り込まれています。
[クラレグループのマテリアリティ]

また、以下の手順に従いクラレグループが優先的に取り組むべきマテリアリティを特定しました。今後、国際社会の動向、事業環境の変化等に応じて定期的にマテリアリティの見直しを実施します。

④ 指標及び目標
クラレグループでは、各組織においてマテリアリティの解決に資する計画を立案し、その実現に向けて取り組んでいます。中期経営計画「PASSION 2026」においては、サステナビリティ関連の重点施策に関する指標及び目標を「サステナビリティ中期計画」としてまとめました。クラレグループは2050年カーボンネットゼロの達成を目指し、2021年比で2035年までにScope1、2の排出量を63%、Scope3(カテゴリー1)の排出量を37.5%それぞれ削減するという目標を設定しています。
[サステナビリティ中期計画における重点施策]

※1 当社独自の指標による労働災害の分類:重い方からA>B>C>Dの4ランク
※2 全労働災害度数率:労働災害(休業および不休業)の労働時間百万時間当たりの発生件数を表す
※3 当社独自の指標による保安事故の分類:重い方からA>B>C>D₁>D₂の5ランク
※4 2025年度からA、B、Cランクの保安事故“ゼロ”に加え、中期目標であるA、B、Cランクの保安トラブルについても発生“ゼロ”を目指す
※5 日本国内の管理職における女性・外国人・キャリア採用社員の比率(生産事業所は除く)
<GHG排出量の修正について>
クラレグループでは、カルゴン・カーボン社の新炭製造プロセスにおける副生CO2の算定精度向上に向けて算定方法を見直しました。さらに、GHG排出量に対する任意保証の取得準備の過程において第三者機関より指摘を受けたことに鑑み、活動量データや排出係数の根拠をより正確なものに改善し、また、Scope3においては算定対象範囲を拡大しました。これに伴い、2024年度より、クラレグループGHG排出量削減目標の基準年である2021年度まで遡り修正を実施しました。修正結果及び修正内容は下表に記載のとおりです。
表1:Scope1、2排出量修正の内訳

Scope1、2排出量の主な修正内容
・カルゴン・カーボン社の新炭製造プロセスにおける副生CO2の算定精度向上等(Scope1減少)
・米国生産拠点における購入蒸気の排出係数の見直し、海外生産拠点における購入蒸気エネルギー単位の修正等(Scope2増加)
表2:Scope3排出量修正の内訳

Scope3(カテゴリー1、カテゴリー4)排出量の主な修正内容
・一部原材料の排出量の見直し(カテゴリー1減少)
・算定対象の購入製品・サービスの拡大(カテゴリー1増加)
・排出係数の見直し(カテゴリー1減少)
・カテゴリー1の算定対象の拡大に伴うカテゴリー4の見直し(カテゴリー4増加)
(2) 気候変動への取り組み
クラレグループは、気候変動対応を当社の取り組むべき重要課題の一つとして捉え、2020年11月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD: Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言への賛同を表明し、TCFD 提言が推奨する4つの開示項目(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿ってクラレグループにおける気候変動への取り組みについて開示しています。
① 気候変動に対するガバナンス
クラレグループでは、社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、気候変動を含むサステナビリティ課題について各種施策の審議・報告・進捗管理を行っています。サステナビリティ委員会の傘下には、サステナビリティ中期計画で掲げたグローバル施策を実行するプロジェクトチームを配置し、各プロジェクトの着実な実行を推進する体制を構築しています。
また、サステナビリティ委員会にて重要と判断された事項については取締役会に付議または報告し、取締役会の意見をサステナビリティ課題への取り組みに反映しています。
② 気候変動に対する戦略
低炭素社会への移行において想定される事象、及び気候変動に伴い発生する物理的な事象に対するクラレグループのリスクと機会を表1のとおり選定しています。
表1 気候変動に伴うクラレグループにおけるリスクと機会

※短期: 1 年以内、中期: 1~5 年、長期: 5 年超
次に、表1で選定したクラレグループのリスクと機会に基づき、低炭素社会への移行が進む2℃以下シナリオ(含む1.5℃シナリオ)及び気候変動が進む4℃シナリオを用いた分析を行いました。当該分析の結果、クラレグループにおける事業へのインパクトは表2に記載のとおりとなります。
<シナリオ分析の前提>
・基準年:2021年、算定対象年:2035年
・参照した外部データ:
・World Energy Outlook 2024 (IEA: International Energy Agency)
・Working on a warmer planet (ILO: International Labour Organization)
・Climate Impact (ウェザーニューズ社)他
表2 気候変動シナリオにおけるクラレグループの主要なリスクと機会の事業インパクト

低炭素社会への「移行リスク」では、2℃以下シナリオにおけるGHG排出及びエネルギー調達に対する炭素税等の影響が大きく、2035年までに計画中のGHG排出削減対策を完了した後でも約260億円の炭素税等の賦課により操業コストが増加する可能性が示されました。現行の中期経営計画「PASSION 2026」ではインターナルカーボンプライシング制度を導入しGHG排出量に対する賦課額等を認識したうえで、GHG排出量の削減やエネルギー効率の向上を図るとともにGHG排出量を抑えた事業の拡大を目指しています。また「PASSION 2026」では3つの挑戦の1つに「機会としてのサステナビリティ」を掲げ、各種施策を進めています。中でもWBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が定めた客観性・透明性の高い製品ポートフォリオ評価手法であるPSA(Portfolio Sustainability Assessment)に準拠したクラレPSAシステムを構築し、自然環境・生活環境貢献製品の拡大を図り、これら環境貢献製品が創出する市場価値の製品・サービス価格への反映を促進していきます。
気候変動に伴う「物理的リスク」では、洪水災害発生による操業への影響が想定されます。これに対し、人命・地域等の安全対策を講じたうえで事業の継続または早期復旧に努めています。また洪水災害による財産の毀損を補填するための手段も講じ、被害影響の低減を図っています。
なお、気候変動への対応は中長期的な課題であることから、適宜適切なタイミングで施策の見直しや新たな施策の検討を継続的に実施していきます。
③ 気候変動に対するリスク管理
クラレグループでは表2に記載する主要リスクに対して、「緩和」と「適応」の両側面についてリスク管理を実施しています。
低炭素社会への「移行リスク」を「緩和」するため、GHG排出量削減や環境貢献製品の売上高比率の拡大を進めています。これら取り組みの進捗状況はサステナビリティ委員会にて確認しています。
一方、気候変動に伴う「物理的リスク」への「適応」策については、災害対策・事業継続性の観点で各組織が毎年リスク自己評価を実施した結果を、リスク・コンプライアンス委員会(委員長:サステナビリティ推進本部担当取締役)で討議のうえ重要なリスクを抽出し、社長が経営リスクとして特定し統括責任者を指名して対策を進めています。
④ 気候変動に対する指標及び目標
サステナビリティ中期計画では気候変動に関わるGHG排出量削減及び自然環境・生活環境貢献製品の売上高比率を表3のとおり目標として設定しています。また、クラレグループは2050年カーボンネットゼロの達成を目指し、2021年比で2035年までにScope1、2の排出量を63%、Scope3(カテゴリー1)の排出量を37.5%それぞれ削減するという目標を設定しています。
表3 サステナビリティ中期計画の気候変動に関わる施策と目標

(3) 人的資本(人材の多様性を含む) への取り組み
①人材戦略
クラレグループは、様々な国籍・背景を持つ人材でなりたち、長期的・持続的な企業価値向上のためには、多様な社員一人ひとりの活躍が欠かせません。そのため当社の人材戦略は、創業以来の基本精神である<私たちの使命><私たちの信条>に基づき、価値創造の源泉である多様な人材が、全社横断的なつながりを持って活躍できることを狙いとしています。魅力ある文化を磨き(「1.文化」)、その文化に惹かれる人材を獲得してつながりを作り(「2.人材獲得と配置」)、その人材を動機づけ、育成します(「3.人材育成」)。
<人材戦略のストーリー>

「1.文化」では、<私たちの使命><私たちの信条>の実現を目指し、社員一人ひとりが可能性を追い求めて挑戦する文化を推進します。そのため、クラレが創業当時から受け継いできた個人の可能性を引き出すリーダーシップを尊重し、また時代や環境の変化に応じた職場や働き方を整備します。
「2.人材獲得と配置」では、使命・信条に共鳴し、我々の文化に魅力を感じる人材を獲得し、多様なメンバーとつながりを持つことでグループ力を最大化する配置を行います。
「3.人材育成」では、使命・信条を実現するため、現場力や専門性を高める教育と並行し、個々のキャリア支援、将来の経営者育成により企業価値の最大化と継続的なグループの成長を実現します。
また変化する経営環境や事業ニーズを的確に人材戦略へ反映させるため、経営層や事業部門との連携にも力を入れています。取締役会や経営会議とは別に、経営会議メンバーと人事部門で構成する「人事委員会」を年13回(2025年度)開催し、重要な人材配置や育成、人事施策を協議しています。事業部長との「意見交換会」、各事業部の重要なポジションに対する後継者育成計画のための「人材会議」を、毎年グローバルに実施しています。
さらに2025年度より、人事戦略を事業部・本部や国・地域を超えてグループ全体最適で推進するための基盤・プラットフォーム整備を行うプロジェクトが発足しました。具体的には、法人・国を超えたグローバル人事運営体制の構築及び、グループ共通の人的資本(人事情報)管理システムの導入を進めてまいります。プロジェクトは、日本・米州・欧州・アジア太平洋それぞれの地域から多様な国籍の人事メンバーで構成されています。また、海外主要拠点の人事責任者で構成する「人事ステアリングチーム」を編成し、グローバル最適化と各地域・国レベルの最適化の両立を目指しています。
②人材戦略に基づく主要施策と進捗
「1.文化」
時代に即した就業規則や人事制度を整備し、社員が健康で安心して働ける職場環境を整える「健康経営」にも取り組んでいます。また魅力ある職場、クラレならではの文化を推進するため、以下のような取り組みを行っています。
(a)人権尊重への取り組み
クラレグループでは人権の尊重について、「クラレグループ行動規範」において事業活動に関わるすべての人々の人権を擁護し、一人ひとりの尊厳と価値を尊重することを掲げています。2024年3月に制定した「クラレグループ人権方針」は人権の尊重をより具体的に明文化することでクラレグループの全ての人が各々の行動に反映していくことを目指しています。人権尊重への取り組みを着実に進めていくため、2024年5月に人権デュー・ディリジェンスタスクフォースを立ち上げ、組織横断で人権尊重に関する戦略や施策を立案、推進しています。活動内容は適宜取締役会に報告しています。
また、人権デュー・ディリジェンスの一環として2025年1月に日本国内のクラレグループで働く方を対象に人権に関するアンケートを実施しました。このアンケートを通じ、人権侵害に関するリスクを評価・分析し、緊急かつ重要度の高い項目からリスクの防止や軽減に向けて対策を開始しました。今後グローバルにも活動を展開していく予定です。
(b)グローバル人事ポリシー
クラレグループでは、人事に関する基本的な考え方をまとめた「グローバル人事ポリシー」に基づいて、社員一人ひとりが仕事を通じて人間的に成長できるよう、多様性の推進、人材育成、公平・公正な評価などの制度を整えるとともに、健全な組織風土の醸成と雇用機会の創出に取り組んでいます。
(c)エンゲージメントサーベイ
クラレグループでは、従来グループ会社が個別に行っていたサーベイを統一し、2022年度からグローバルエンゲージメントサーベイ「Our Voice」を毎年1回実施しています。エンゲージメントを従業員と会社の目指す方向が一致し、互いに貢献したいと思える関係と捉え、会社の信条の浸透、上司や経営陣への信頼、仕事のやりがいなどの状況を確認しています。結果は経営層や所属長を含む全社員に共有し、部署運営やより良いコミュニケーションに生かすことでエンゲージメントの向上と組織の活性化を図ります。
(d)ダイバーシティとインクルージョンに関する意識の醸成
クラレグループでは、多様なメンバーと切磋琢磨できる職場環境の醸成と、個人の可能性を引き出すリーダーシップの推進を目的として「クラレグループダイバーシティとインクルージョンに関する基本原則」を定め、目指す組織像を示すとともに、関連する施策を実施しています。各職場での多様性の進捗を確認するため、国内における中核人材の多様性を指標にしています(指標:中核人材の多様性確保、新卒採用に占める女性の割合)。
ダイバーシティとインクルージョンの考えを組織運営に反映するため、2024年度は海外を含む事業部長・本部長以上にインクルーシブ・リーダーシップ研修を実施しました。各自は行動変容のために策定した計画を実行しています。
2025年度は対象を広げ、部長・課長層を対象とした研修をグローバル全拠点で開始しました。組織をリードしていくために必要な気づきや手法を得てもらうことを目的としています。またクラレグループ全社員へダイバーシティとインクルージョンの理解を深めるため、多様な社員へのインタビューと社長メッセージで構成した動画を発信しました。
(e)柔軟な働き方の推進
これまで、柔軟な働き方の推進に向けて、一定条件下ではコアタイムを不要とするフレックスタイム制度を導入したほか、在宅勤務制度の対象者を全社員へ拡大し、さらに兼業承認の取り扱いを見直すなど、様々な取り組みを進めてきました。これらの取り組みにより、家庭事情や自己啓発などの理由を含め必要な時に休暇を取得できる体制を整備することが社員の幸福や会社への帰属意識向上、安定的な部署運営にも繋がるものと考えており、その進捗を測るために男性の育児休業取得率を指標として設定しています(指標:男性の育児休業取得に関する指標)。
当社における多様な人材が活躍できる職場づくりに関する指標と目標及び実績
(注)1.「中核人材=管理職」と定義します。管理職の対象は、当社原籍者(生産事業所を除く)に海外関係会社原籍者で当社日本拠点に勤務するものを加えることにより、外国人管理職のインクルージョンの進捗状況を反映させます。また、多様性の要素として「女性・外国人・中途採用者」を一つのカテゴリーとして捉え、管理職における同カテゴリーの合計人数が占める割合を目標として設定します。
2.内数:女性比率8.8%、外国人比率1.9%、中途採用者比率13.7%(各比率間で重複あり)
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6における育児休業等の取得割合を算出したものです。
目標については、当初は同条第1号の定義に基づき設定していましたが、社内制度の変更に伴い、当事業年度より同条第2号の定義に基づき設定しています。実績についても当事業年度より同条第2号の定義に基づき算出しています。
配偶者が出産する時期(年度)と男性労働者が育児休業等を取得する時期(年度)が異なる場合があり、公表年度によっては取得率が100%を超えることがあります。
4.男性の育児休業取得者のうち当該年度の育児休業取得日数合計が14日以上のものの割合とします。
「2.人材獲得と配置」
人材獲得は益々重要になり、採用体制や処遇、福利制度等の強化策を進めています。またグループ内の拠点間のつながりを促進する中長期的な取り組みとして以下を実施しています。
(a)機動的な駐在制度(グローバルモビリティの推進)
人材交流を機動的に進め、グループ内の多様性を高めるため、一般的な「期間1年以上の駐在制度」に加え、「半年から1年未満の短期駐在制度」を実施しています。「日本から海外」だけでなく、「海外から日本」や「海外間」でグローバルに人材が交流しており、今後もこの取り組みを推進していきます。
(b)グローバルでの後継者育成計画
グローバルに社員一人ひとりの特性を生かしつつまた事業ニーズに対応するため、グローバル共通の仕組みと人材データベースを構築し、従来グループ会社別に実施していた後継者育成計画をグローバルに行えるように整備を進めています。
2024年度は各事業で部長ポストを対象にした後継者育成計画を初めてグローバルに実施し、後継者の準備状況の確認や人材の育成計画について人材会議で議論する仕組みを導入しました。2025年度は重要ポジションの後継者準備状況から課題を抽出し具体的なアクションプランの検討を開始しており、今後はそれに基づく戦略的な採用や人材配置・育成を実施していきます。
「3.人材育成」
現場力強化のための職場での教育や研修の組み合わせによる人材育成を進めています。国内では、自律的に自分のキャリアを考えるための研修にも力をいれています。戦略的に進めているグローバル人材育成として以下があります。
(a)グローバル人材育成プログラム
クラレグループでは、世界を舞台に活躍できる人材を国内外で育成することを目的に、2007年度より「グローバル人材育成プログラム」を実施し、2025年度までに国内外から1,225名が受講しています。なかでも課長層を対象にグローバルリーダーシップ開発を目的としたGTT(Global Team Training)はこれまでに23回開催・受講者が460名に達し、研修卒業生間のネットワークは、グループ内での国境を超えたコミュニケーションの促進に大きく貢献しています。言語や文化が異なるメンバーと働くことができるリーダー層の育成状況を示す指標として、部長層のグローバルリーダー研修の受講率を設定しています。
クラレグループにおけるグローバル人材育成プログラムに関する指標と目標及び実績
(注)1.海外拠点社員を含んでいます。
2.グローバルで部長層ポジション数を300として算出しています。
(b)経営幹部候補育成
計画的に経営幹部候補を育成し人材プールを形成すること、それにより中長期的な事業運営に資することを目的として、経営幹部候補育成プログラム「Kuraray Leadership Program」を実施しています。受講生は部長層、課長層からそれぞれ、多様性(職種、国籍、性別など)も踏まえて選抜し、部長層は2年間、課長層は3年間のプログラムを受講します。
毎年、社長を含む経営メンバーで各受講者の育成計画・状況を確認しながら、経営者視点の獲得や視野拡大を目的として、「未経験分野への異動などのタフアサインメント」「社内外の経営幹部との定期的な対話」「社外経営幹部
育成プログラムへの派遣」「クラレの理念を深く理解することを目的としたワークショップ」等のプログラムを実施しています。事業部長・本部長候補の準備率として当プログラムの受講者数を使用しています。
クラレグループにおける経営幹部候補育成に関する指標と目標及び実績
(注)1.海外拠点社員を含んでいます。
2. 事業部長・本部長相当ポジション数に対する経営幹部候補育成プログラムの修了見込者数とします。
(c)DX人材育成プログラム
クラレグループでは、全社員がデジタルの進化に常に適応し続ける風土、環境をつくり上げることが重要であると考え、2023年度よりDX人材育成プログラムをグローバル施策として開始しました。Gold、Silver、Bronzeの3段階のデジタルリテラシーレベルを設け、それぞれに対応した育成カリキュラムを整備し、計画に沿ってプログラムを実施してきました。2025年度までにデジタル活用による課題解決や業務改善、ビジネス創出に取り組む文化の定着が進みました。一方で研修修了者が増える中、より実践的なスキル習得を求める声が多く寄せられるようになったことから、Bronzeクラスの目標達成を一つの区切りとして本プログラムを再編し、次の段階へ移行します。
国内におけるDX人材育成プログラムに関する指標と目標及び実績
(注) 海外拠点社員を除き、国内グループ会社社員を含んでいます。
3 【事業等のリスク】
当社グループは、重大な経営リスクの適切な管理、法令遵守・企業倫理の徹底、公正な企業活動の実践を目的に、社長直轄のリスク・コンプライアンス委員会を設置しています。グループリスク管理規定に基づき、国内外の各組織においてリスクの自己評価を実施し、リスク・コンプライアンス委員会での審議を経て、社長が重大な経営リスクを特定、リスク毎に統括責任者を選定し、リスクの回避・軽減のための対策を進め、取締役会は対策の進捗を確認しています。
<リスク管理体制概要図>

当社グループにおけるリスク管理方針に則り、かつ近年の社会情勢及び産業界の動向に鑑み、以下を2025年度の「重点課題」とし、それぞれ対策を実施しました。
(課題1)機密情報漏洩・破壊リスク低減のため、グローバルで統一した情報セキュリティシステムを導入するとともに、機密情報管理ルールの徹底と運用状況のモニタリング結果に基づく改善策の着実な実行により、機密情報管理レベルの向上を図る。
(対策) 機密情報管理の継続的強化を図るため、2024年度に運用を開始した大量ダウンロード検知システム、大量ダウンロード自動停止システムについて検知精度の向上施策を推進するとともに、海外グループ会社における機密情報管理体制の整備を進めました。
(課題2)保安事故の発生リスク低減を目指し、全世界のプラントにおいて運転・設備管理の強化策を継続して実施する。組織横断的メンバーで構成するグローバルPSM(プロセス・セーフティ・マネジメント)監査チームの現地監査により保安管理上の課題を客観的に抽出し、その改善を支援するとともに、発見された課題についてグローバルに水平展開を実施しグループ全体の保安事故発生リスクの低減を図る。
(対策) 2019年度から開始した海外化学プラントに対する当該カンパニー・事業部によるこれまでの安全監査等に加えて、2022年度からはグローバルな社内専門家で編成した PSM監査チームの活動を立ち上げ、海外保安リスクの把握と対策を推進しています。2025年度は、PSM監査チームが4生産拠点の現地監査を行い課題把握と改善推奨を行いました。
(課題3)原燃料の調達リスクに対するリスク回避・低減対策を、サプライチェーン上流の最新動向を踏まえて修正し、各事業のBCP(事業継続計画)上優先度の高い製品にかかる原燃料から着実に実行する。
(対策) サプライチェーン上流の最新動向を踏まえて原燃料供給停止リスク及びリスク回避・低減策を修正し、各事業の優先生産銘柄及び原燃料供給停止リスクの分析結果に基づき、優先度の高いものから順次リスク低減策の策定・実施を進めました。
上記の重点課題を含め、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクには、以下のような項目があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年12月31日)現在において当社グループが判断したものです。当社グループは、これら事業運営全体に関わるリスクに対して日々の事業活動の中でリスク低減に努めています。
① 事業環境の変化に関わるリスク
当社グループは、多様な事業ポートフォリオを有しており、グローバルかつ様々な用途分野に展開しています。さらに、当社グループの製品は特殊化学品が多く、商品市況の影響を受けにくい構成になっていますが、近年、自動車(フロントガラス用PVBフィルム、ブレーキホース補強用ビニロン等)、電気・電子(液晶パネル用ポバールフィルム、コネクタ用耐熱性ポリアミド樹脂〈ジェネスタ〉等)、環境(食品包装用EVOH樹脂〈エバール〉、水処理・空気浄化用活性炭等)、医療(歯科材料等)などの成長分野へシフトさせつつあり、業績の依存度も高まっています。また、自然環境・生活環境貢献製品等の優位性のある製品の開発や、IoT活用によるビジネスモデルの改革や業務プロセスのデジタル化等のデジタルトランスフォーメーション、社内外のリソースを結び付けることによるイノベーションの創出等に取り組んでいますが、最終製品における業界標準の転換、製品の短寿命化、グローバルな開発競争の激化等の環境変化により、重要な事業が縮小・撤退を余儀なくされたり、固定資産の減損損失等の大規模な損失を計上する可能性があります。
② 原材料に関わるリスク
当社グループの製品である化成品、合成樹脂、合成繊維の主原料は、原油、天然ガスの市況に影響を受けるエチレン等の石油化学製品です。このため、予想を超える市況変動が生じた場合、製品価格への転嫁が遅れること等により、当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
また、長期購買契約の締結や購入先を複数にするなど、主要原料が購入できないリスクを低減するように努めていますが、重要な原材料の提供を担っているサプライヤーにおける事故・災害の発生、物流の混乱、日本や諸外国における経済制裁や各種規制等により、当社グループの製品供給に悪影響が生じる可能性があります。
③ 海外事業展開に関わるリスク
当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、海外売上高比率が7割を超えています。当社グループは、米国、ドイツ、中国、香港、シンガポール、タイ、インド、ブラジルに設置している地域会社にて、各国・各地域のリスク情報収集及びビジネス動向の分析を常時行い、当該地域を越えて対応が必要となる場合は地域会社、カンパニー所管会社、本社の該当部署が連携する体制を構築しています。しかしながら、各国・各地域での大規模な伝染病の流行、戦争・暴動・テロ等、偶発的な要因や、国家や地域の対立による貿易戦争、予期せぬ法律、規制、税制などの変更によって、当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢、中台関係を始めとする東アジア情勢の緊張化などのグローバルな地政学リスクの高まりにより、需要の低迷やサプライチェーンの混乱、原燃料の価格高騰や調達難など、当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
④ 情報セキュリティに関わるリスク
当社グループは、事業活動の基盤である情報システム・ネットワークに様々なセキュリティ対策を実施するとともに、情報管理体制のさらなる強化を図っていますが、災害、サイバー攻撃、不正アクセス等により情報システム等に障害が生じた場合や、企業情報及び個人情報等が社外に流出した場合は、事業活動の停滞や信用の低下等により、当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
⑤ 事故・災害に関わるリスク
当社グループは、日本、欧州、北米、アジア及び豪州に生産拠点を設けており、これらの多くは大規模な化学工場です。当社グループは、安全に関する行動原則「安全は全ての礎」に従い、安全のマネジメントシステムを構築・運用し、爆発、火災、有害物質の漏洩などの事故・災害の未然防止、及び災害発生時の被害の極小化に努めるとともに、重要な生産設備については拠点分散や損害保険によるリスク対応を行っている他、気候変動に起因する激甚災害に対するリスク評価を実施し、その対策を進めています。しかしながら、重大な保安事故、環境汚染、自然災害、大規模な伝染病の流行等が発生すれば、従業員や第三者への人的・物的な損害、事業資産の毀損、長期の生産停止が生じる可能性があります。
また、原燃料、設備・メンテナンス部品やサービスの提供などを担っているサプライヤーにおける事故・災害の発生により、当社グループの製品供給に悪影響が生じる可能性があります。
⑥ 製造物責任に関わるリスク
当社グループは、自動車、電気・電子材料、医療(歯科材料等)、食品包装(〈エバール〉、バイオマス由来のガスバリア材〈PLANTIC〉等)など、最終製品の品質に対して重要な役割を担う製品を数多く供給しています。当社グループでは主に製造拠点単位で品質マネジメントシステムを導入し品質の向上に努めていますが、品質の欠陥に起因する大規模な製品回収が発生すると、PL保険でカバーできない損害賠償等の損失の発生、顧客からの信頼や社会的信用の失墜等の可能性があります。
⑦ 人権に関わるリスク
近年、自社のみならずサプライチェーン等も含めた人権の尊重への取り組みが求められています。当社グループは、「私たちの信条」において、企業活動に関わる全ての人々を個人として尊重し、その人格と自律を認め合うことを理念の1つとして掲げています。また、人権の尊重に対する当社グループの姿勢及び責任を明確に示すため「クラレグループ人権方針」を制定し、人権侵害リスクの特定・軽減・防止・是正に向けた取り組みを進めていますが、当社グループの事業活動により直接または間接的に人権に負の影響が生じた場合、顧客からの信頼や社会的信用の失墜等により当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
⑧ 法規制・コンプライアンスに関わるリスク
当社グループは、多様な社会との接点において遵守すべき事項を「私たちの誓約」として、またこれを企業活動の中で具体的に実践するためのガイドラインを「行動規範」として定めています。そして、法令及び「私たちの誓約」を厳守することを経営トップが宣言しています。この宣言を明記し、「行動規範」をわかりやすく解説したコンプライアンス・ハンドブックを、世界中の当社グループ社員全員に配布し周知徹底を図っています。また、当社各地域拠点及びグループ各社において、コンプライアンス統括者を選任するとともに地域別にコンプライアンス委員会を設け、全社的なテーマの他、地域特有のテーマについても取り組んでいます。
独占禁止法遵守に向けた取り組みとしては、グローバルなコンプライアンスプログラムを構築しています。具体的には、独占禁止法遵守指針の定期的見直し、競合他社との接触に関するガイドラインの制定、競合他社との取引・会合の事前審査、役員・従業員向けセミナーの開催、遵守状況に関する社内聴取、入札情報の管理及び入札部署を対象とした法務部監査等の様々な施策を行っています。
以上のとおり、コンプライアンスの徹底を図っていますが、重大な法令違反を起こした場合、顧客からの信頼や社会的信用の失墜に加え、損害賠償責任や罰金が課されることなどにより、当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、各国の様々な法規制の適用を受けています。将来的に法規制の大幅な変更や規制強化がなされた場合には、新たな対策コストの発生や事業活動の制約につながり、当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
⑨ 訴訟に関わるリスク
当社グループは、国内及び海外事業に関連して、取引先や第三者との間で、訴訟その他法的手続きが発生するリスクがあります。重要な訴訟等が提起された場合、当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
⑩ 環境に関わるリスク
当社グループは、「クラレグループ環境基本方針」を定め、環境に関する各種法規制を遵守するとともに、GHG排出量削減等の地球温暖化対策の推進、化学物質の排出抑制、資源の有効利用等の環境改善に継続して取り組んでいます。また、気候変動がもたらす異常気象や激甚災害へのリスク評価及び対策を強化しています。これらに加え、当社グループは「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿って当社グループにおける気候変動への取り組みについて開示しています。しかしながら、予期せぬ事故や自然災害等により環境汚染が生じた場合や、環境に関する規制が強化された場合は、事業活動の制限や対策費用の増加等により、当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
⑪ 知的財産に関わるリスク
当社グループは、独自技術による事業・製品を数多く有しています。当社グループの知的財産権への重大な侵害や当社の権利に対する係争が発生した場合、また当社グループが他社の知的財産権を侵害した場合、当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
⑫ 人材の確保に関わるリスク
当社グループにとって、人材は当社グループの事業推進及び持続的成長・発展のために重要かつ不可欠な経営資源であると考えています。ダイバーシティとインクルージョンを推進しつつ、国内外グループ会社を対象としたエンゲージメントサーベイの定期的実施、職場環境及び人事制度・報酬の継続的な見直し、多様な教育・研修の実施等により、従業員にとっても自己成長・実現が可能で働きがいのある魅力的な会社であり続けられるよう努めていますが、少子・高齢化に伴う労働人口の減少や雇用流動化の進展等を背景として、採用難や流出、必要な人材を確保できない場合は、事業活動の停滞等により、当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
⑬ 為替の変動に関わるリスク
当社グループは、日本、欧州、北米、アジア及び豪州などの海外諸地域で生産、販売を行っています。当社グループが国内で生産し、海外へ輸出する事業では製品の輸出価格が為替変動の影響を受けます。一方、海外の事業拠点で生産、販売する事業では、異なる通貨圏との間の調達・販売価格及び外貨建て資産・負債の価額が為替変動の影響を受けます。為替予約等によるリスク軽減措置を講じていますが、想定を超える為替変動により、当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析内容は以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年12月31日)現在において当社が判断したものです。
(1) 経営成績の概況及び分析
当連結会計年度における世界経済は、各国の貿易政策により先行きが見通しにくい状況が続きました。日本経済は内需に支えられ、緩やかに回復しました。米国経済は、AI関連分野は好調だったものの、その他分野は低調に推移しました。欧州経済は緩やかな拡大基調を維持したものの、低成長が継続しました。中国経済は不動産市況の低迷に加え、政府の景気刺激策に支えられてきた個人消費が減速し、低成長となりました。
かかる環境下、当社グループは、2022年度からスタートした中期経営計画「PASSION 2026」に掲げる3つの挑戦、①機会としてのサステナビリティ、②ネットワーキングから始めるイノベーション、③人と組織のトランスフォーメーション、を推進するとともに、事業ポートフォリオの高度化を進め、成長性、競争力の高い事業・製品のさらなる強化を図りました。「成長・拡大事業」「基盤事業」と位置づけた事業・製品では、新たな設備投資や買収など将来の成長に向けた意思決定を行いました。一方で、将来に向けて改善が見込めない一部の事業・製品においては、事業譲渡あるいは縮小・撤退といった判断を行いました。
その結果、当社グループの業績は、売上高は前期比18,447百万円(2.2%)減の808,447百万円、営業利益は26,198百万円(30.8%)減の58,882百万円、経常利益は29,964百万円(36.8%)減の51,515百万円となりました。なお、イソプレンケミカル事業関連資産及びエラストマー事業におけるスチレン系熱可塑性エラストマー関連資産での減損損失などを特別損失に計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益は24,256百万円(76.5%)減の7,468百万円となりました。
(単位:百万円)
[ビニルアセテート]
当セグメントの売上高は404,495百万円(前期比2.5%減)、営業利益は62,545百万円(同28.6%減)となりました。欧州経済の停滞等により想定したほど販売数量は増えず、また利益面では在庫評価差額や原燃料価格上昇によるマイナス影響がありました。

ポバール樹脂:販売数量は前年の欧州向け物流の混乱に起因した特需が一巡したことに加えて、欧米中心に需要が低調となったことから減少しました。利益面では原燃料価格上昇によるマイナス影響がありました。なお、米国工場において、外部購入ユーティリティの供給停止や一部製造設備の不具合が発生し、製造を一時停止しました。
光学用ポバールフィルム:販売数量は中国の家電買替支援策や国際的なスポーツイベントに向けたテレビの買い替え需要に支えられ増加しました。利益面では在庫評価差額によるマイナス影響がありました。
高機能中間膜:特殊アイオノマーシート〈セントリグラス〉は米州を中心に販売が順調に推移しましたが、PVBフィルムは欧州・アジアを中心に競争環境の厳しさが増しており、建築用途及び自動車用途ともに販売数量が減少しました。
水溶性ポバールフィルム:個包装洗剤の需要増加により販売数量は増加しました。
EVOH樹脂〈エバール〉:食品包装用途は欧州・アジアで想定したほど販売数量が増えませんでしたが、自動車用途は堅調に推移し、全体として販売数量は増加しました。一方で、利益面では在庫評価差額や原燃料価格の上昇によるマイナス影響がありました。
[イソプレン]
当セグメントの売上高は80,378百万円(前期比5.3%増)となりました。営業損失は4,864百万円(前期は営業損失9,498百万円)となりました。タイ拠点の稼働が安定し、当該拠点を活用した拡販を進めました。なお、事業環境の悪化に伴い、当第4四半期においてイソプレンケミカル事業関連資産及びエラストマー事業におけるスチレン系熱可塑性エラストマー関連資産に係る減損損失を特別損失に計上しました。

イソプレンケミカル・エラストマー:イソプレンケミカルは中国の建築用途需要低迷に加え、上期に米国関税政策の影響により需要が前倒しとなった結果、第3四半期以降はその反動で需要が落ち込みました。エラストマーは販売数量が増加したものの、米国関税政策により欧州市場等においてアジアの競合メーカーとの競争が激化しました。
耐熱性ポリアミド樹脂〈ジェネスタ〉:電気・電子用途、自動車用途とも拡販が進み、販売数量が増加しました。
[機能材料]
当セグメントの売上高は206,939百万円(前期比0.5%減)、営業利益は10,826百万円(同16.4%減)となりました。米国寒波に加え、生産トラブル等による業績へのマイナス影響がありました。

メタアクリル:2025年7月からメタクリル酸メチル及び一部の川下製品の生産能力を縮小したことに加えて、一時的な生産トラブルがあり販売数量が減少しました。
メディカル:審美治療用歯科材料の販売が欧米を中心に引き続き好調に推移しており、今後の拡販に向けたマーケティング強化を進めました。
環境ソリューション:活性炭の販売数量は飲料水用途を中心に増加したものの、米国関税政策や景気の先行き不透明感から一部顧客において購入時期を見直す動きがみられ、想定数量には届きませんでした。加えて、2024年12月に珪藻土、パーライト事業を譲渡したことによる減収影響がありました。利益面では米国寒波や生産トラブルによるマイナス影響がありました。
[繊維]
当セグメントの売上高は60,749百万円(前期比3.1%減)、営業利益は2,633百万円(同118.1%増)となりました。欧州経済の停滞やEVの生産調整等による影響を受けたものの、販売構成の改善等による寄与がありました。

人工皮革〈クラリーノ〉:靴用途は新規採用の効果により堅調に推移しましたが、欧州市場での需要低迷や中国経済の成長鈍化、EVの生産調整の影響等により、ラグジュアリー用途及び自動車用途を中心に販売数量が減少しました。
繊維資材:欧州の建材用途は低調が続いたものの、液晶ポリマー繊維〈ベクトラン〉の拡販などにより販売構成の改善が進みました。
[トレーディング]
当セグメントの売上高は68,766百万円(前期比1.7%増)、営業利益は6,039百万円(同2.1%増)となりました。

繊維関連事業:スポーツ・アウトドア衣料用途が順調に推移しました。また、高機能原糸や環境対応商品といった高付加価値品の拡販を進めました。
樹脂・化成品関連事業:アジア市場を中心に樹脂及び加工品の販売が拡大しました。
[その他]
その他事業の売上高は40,794百万円(前期比19.8%減)、営業利益は1,795百万円(同21.8%減)となりました。

(2) 当期の財政状態の概況
総資産は、現金及び預金の減少13,965百万円等の一方、受取手形、売掛金及び契約資産の増加11,740百万円及び棚卸資産の増加11,605百万円等により、前連結会計年度末比12,272百万円増の1,303,511百万円となりました。負債は、有利子負債の増加40,637百万円等により、前連結会計年度末比38,887百万円増の548,335百万円となりました。
純資産は、資本剰余金の減少等により、前連結会計年度末比26,614百万円減の755,175百万円となりました。自己資本は742,620百万円となり、自己資本比率は57.0%となりました。
(3) 当期のキャッシュ・フローの概況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前当期純利益19,821百万円に対して、減価償却費84,702百万円、減損損失29,626百万円及び法人税等の支払額22,799百万円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは98,591百万円の収入となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
有形及び無形固定資産の取得94,177百万円等の支出により、投資活動によるキャッシュ・フローは98,129百万円の支出となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
有利子負債の増加額39,245百万円、自己株式の取得30,004百万円及び配当金の支払額17,367百万円等の支出により、財務活動によるキャッシュ・フローは16,305百万円の支出となりました。
以上の要因に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額等により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より13,378百万円減少して、108,314百万円となりました。
(単位:百万円)
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標は以下のとおりです。
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表数値により計算しています。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。
4.有利子負債は、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、長期借入金及び社債の合計額を使用しています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要は、営業活動に必要となる運転資金や設備投資、M&A等に係る投資資金が主なものです。これらの資金需要に対しては、自己資金のほか、必要に応じ、金融機関からの借入やコマーシャル・ペーパー、社債の発行等により資金調達を行っています。
また、資金需要に応じて柔軟に資金調達ができるよう、信用格付けの維持向上や金融機関、資本市場との良好な関係維持に努めるとともに、緊急に資金が必要となる場合や金融市場の混乱に備え、金融機関とコミットメントライン契約を締結しています。
(5) 生産、受注及び販売の状況
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品が多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の概況及び分析」における各セグメントの業績に関連付けて示しています。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
5 【重要な契約等】
(財務上の特約が付された金銭消費貸借契約)
当社が締結している財務上の特約が付された金銭消費貸借契約は次のとおりです。
なお、2024年4月1日以前に締結された財務上の特約が付された金銭消費貸借契約については、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項により記載を省略しています。
6 【研究開発活動】
当社グループにおける研究開発活動は、私たちの使命「私たちは、独創性の高い技術で産業の新領域を開拓し、自然環境と生活環境の向上に寄与します。」に基づいて、カンパニー・グループ会社に所属するディビジョナル研究開発とコーポレート研究開発との緊密な連携の下に推進されています。
ディビジョナル研究開発は、カンパニー・グループ会社等が各事業所に研究開発部署を有しています。
コーポレート研究開発は、研究開発本部内に、くらしき研究センターとつくば研究センターの2拠点に加え、東京女子医科大学・早稲田大学 連携先端生命医科学研究教育施設 TWIns(ツインズ)に「東京ラボ」を有しています。またイノベーションネットワーキングセンター及びポートフォリオ戦略部との連携のもと新規事業創出を推進しています。生産技術に関しては、技術本部 技術開発センターにおいてシミュレーション技術を活用した原理原則に基づく生産技術開発を進めており、主要な研究開発テーマについては早期設備化を推進しています。並行してデジタル技術を活用した生産効率、及び品質向上への取り組みも着実に進めています。
ディビジョナル研究開発とコーポレート研究開発を合わせた当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発人員数は1,115人です。
当連結会計年度のセグメントごとの研究開発費は、ビニルアセテート11,206百万円、イソプレン1,817百万円、機能材料3,883百万円、繊維2,171百万円、トレーディング107百万円、その他861百万円、全社共通(コーポレート研究開発)8,321百万円、合計28,369百万円になります。
セグメントごと及びコーポレートの研究開発活動を示すと次のとおりです。
[ビニルアセテート]
・ポバール樹脂、ポバールフィルム、PVBフィルム、EVOH樹脂〈エバール〉(樹脂、フィルム)のビニルアセテートチェーンについては、世界のリーディングカンパニーとして、国内外の研究開発部署が連携し、新規用途開発、新商品開発、新規生産技術開発も併せて、研究開発活動を推進し、新たな価値を顧客に提案します。また、社会情勢やニーズの変化を成長機会と捉え、地球環境改善や社会貢献につながる製品開発を積極的に行っています。その中で、グローバルサプライチェーンのサステナビリティ向上の取り組みとして、製造現場の省エネ技術開発とともに、バイオ原料・リサイクル原料の活用を進めており、チェーン全体でのISCC PLUS認証の取得を推進しています。昨年までに取得した欧米中心の5拠点に加え、日本の事業所へと拡大し計9拠点となり、ほぼすべての主力製品を認証スコープに取り込みました。加えて、伸長著しいインドや東南アジア地域でのマーケティングを更に加速するため、シンガポールにテクニカルセンターを開設し、2025年9月より運用を開始しました。ポバール樹脂及び〈エバール〉樹脂を中心に当該地域でのテクニカルサービスの一層の充実を図り、各ステークホルダーの皆様方との協創展開を通じて市場開発を加速します。
・ポバール樹脂は、ビニルアセテートチェーンの根幹に位置する事業として、これまで培った技術開発力をベースに自消・外販両面で高品質かつ差別化された製品を提供します。日米欧亜の6工場をベースとしたグローバルネットワークを強みとして、世界各地の顧客に対して安定供給を図るとともに、ポバール樹脂の安全かつ環境に優しい特徴に注目し、新たな用途、ビジネス機会を提案します。
・ポバールフィルムは、液晶ディスプレイ向け光学フィルムの構成部材の一つとして、さらなる高性能化・高品質化に加え、顧客での生産性向上などにも顧客と一体となって取り組んでいます。なお、100インチを超える広幅パネルへの需要増に対応するため、2024年度第2四半期の新ライン稼働に加え、更なる新設備の投資を決定しました(2027年12月稼働予定)。
・PVBフィルムは、自動車・建築向け合わせガラス用中間膜の高付加価値品の開発を進めており、新たな価値を顧客に提案しています。その一環として、近年の先進運転支援システム(ADAS)の進展により、今後益々高度な光学精度がカメラに求められる中、フロントガラスの光学歪みを低減できる特殊PVBフィルム〈Cam Viera〉や意匠性を高めたサンルーフ向け特殊PVBフィルム〈Sky Viera〉など最先端の技術提案を行っており、〈Sky Viera〉は2025年度から採用及び販売を開始しました。また、アイオノマー樹脂をシート化した〈セントリグラス〉の更なる高付加価値化やPVBフィルムとのシナジー効果の発現、新規用途開発を引き続き推進しています。また、顧客の合わせガラスメーカーにて発生するPVBフィルムトリムを回収・有効活用する再生中間膜のビジネスモデルを確立しており、カーボンフットプリント削減にも積極的に取り組んでいます。
・〈エバール〉樹脂は、世界規模で食品廃棄ロスの削減や環境負荷の低減が求められるなか、日米欧の3拠点に加え、シンガポールでの新プラント建設を決定し、グローバル4拠点体制での供給網を構築中です。これにより、世界各地の顧客ニーズや市場動向を把握しながらバリア材料の新技術開発・用途開発を推進し、持続的な成長を目指します。〈エバール〉フィルムは、省エネルギー・地球環境保全に貢献する用途へ積極的に展開していきます。さらにバイオマス由来のガスバリア材料〈PLANTIC〉については、CO2排出削減効果とガスバリア性を併せ持つ新素材として、用途開発に取り組んでいます。
[イソプレン]
・イソプレンケミカル関連では、独自性の高いC4ケミストリーを展開しており、溶剤やウレタン原料、香粧品原料などを中心に用途開発に取組んでいます。近年は、EVバッテリー材料や生分解性樹脂改質剤、家庭用・産業用洗浄剤など、社会のニーズにタイムリーに応える開発を推進しています。
・エラストマー関連では、熱可塑性エラストマー及び液状ゴムの差別化・高付加価値化に取り組んでいます。熱可塑性エラストマーでは、軟質コンパウンドや樹脂改質などの用途で環境に配慮した製品を開発し、市場開発を推進しています。また液状ゴムは、主力のタイヤ用途で様々なタイプの製品を市場に提案し、高機能タイヤの改質剤として採用が広がっています。
・耐熱性ポリアミド樹脂〈ジェネスタ〉では、サーバー向けコネクタ及び自動車用コネクタ等に適した電気・電子用途向けのグレード開発に注力するとともに、自動車の環境規制強化や電気自動車の急速充電時の高電圧化に対応するため熱マネジメント部品や高電圧部品に適した材料の開発を加速しており、部品メーカー各社で評価が進んでいます。
[機能材料]
・メタクリル樹脂については、差別化ポリマーの拡充とメタクリル系樹脂を活用した新規用途開発、新商品開発、リサイクル技術開発を主体に研究開発活動を行っています。
・メディカル事業では、クラレノリタケデンタル株式会社の無機/有機の技術の融合による新規歯科材料の開発に注力し、CAD/CAM用ジルコニア、高強度レジン等のデジタル化の流れにも対応した開発、商品化を行っています。
・環境ソリューション事業では、重点戦略領域である「環境(水・大気)・エネルギー」分野において、環境阻害物質の効果的吸着剤開発と商品群展開、吸着物の無害化処理を含む吸着活性炭の再生技術及び再利用法の開発を推進しています。また、拡大するエネルギー関連材に向け、新素材、新商品開発に取り組んでいます。
・アクア事業推進本部では、中空糸水処理膜を用いた様々な水の製造・回収を通して、「高品質で安全な水の提供」と「環境負荷の低減」に貢献する素材・技術開発に取り組んでいます。
[繊維]
・液晶ポリマー繊維〈ベクトラン〉は、極低温域までの広い温度領域において、高強度、低誘電損失、低線膨張であることに加え、ほとんど吸水することがない特質を有していることから、海洋資材、光ファイバー等の電材など高機能、高性能であることが求められる分野で需要が広がっており、さらなる用途拡大を目指し、性能向上、用途開発を進めています。またリサイクル技術開発を推進し商品価値の向上に取り組んでいます。
・ビニロン事業では、社会のニーズに応えるべく、ゴム補強、難燃衣料、特殊紙などの用途に向けた製品及び生産技術の開発を進めています。
・人工皮革〈クラリーノ〉では、靴やラグジュアリー用途などに向けて、リサイクル原料を使用した製品や環境配慮型製造プロセスによる製品など、サステナブルで低CFP(カーボンフットプリント)である製品の開発に取り組んでいます。
・不織布事業では、メルトブローン不織布の開発に注力し差別化樹脂銘柄、各種複合銘柄の開発を進めています。
[トレーディング]
・ポリエステル長繊維〈クラベラ〉では、①地球環境に配慮した独自原糸(PETボトル再生樹脂を用いた機能繊維〈スペースマスター〉、再生ナイロンを用いた分割繊維〈WRAMP〉)、②独自の樹脂を用いて糸自体に性能付与した速乾繊維〈エプシロン〉、抗ピリング繊維〈パナパック〉、③衣服内環境を制御した生地の開発を推進しています。
[その他]
・クラレプラスチックス㈱では、スチレン系エラストマーを使用した機能性コンパウンド〈アーネストン〉及び同コンパウンドを原料とした不織布やフィルム(コンパウンド二次製品)、〈エバール〉をコーティング加工した特殊フィルム、成型加工技術による高気密高断熱住宅向け換気・空調ダクト及び周辺部材、高強力繊維〈ベクトラン〉を使用した土木用途向け繊維複合ホースの開発を推進しています。
[コーポレート研究開発]
研究開発本部では、以下を通じて、当社グループ全体の業容拡大・収益向上に資することを目指しています。
① 新事業の創出:素材事業を主に、加工による付加価値化もターゲットに、社内外の連携を通じて早期の事業化、利益貢献を目指します。特に、検討ステージが高いテーマや、当社が原料から一貫して強みを発揮できるテーマを中心に、研究開発リソースを集中して投入することで、早期事業化を図っています。
② 既存事業の強化・拡大:カンパニー・グループ会社との協働体制のもと、分析・解析・成形加工・デジタルなど高度な技術を駆使して全社事業の盤石化を図るとともに、既存事業の拡大に貢献します。また当社グループ事業の急速なグローバル化に対応し、グループ海外拠点との連携を強化しています。
以下、研究開発活動を示します。
研究開発本部では、触媒技術や高分子化合物の設計・重合・変性技術、高分子材料の成形・加工技術、炭素材料の合成技術等の基盤技術をベースに、新たな要素を加え、新規の素材・部材創出に取り組んでいます。
再生医療などライフサイエンス領域での事業創出に向けた研究開発を推進し、再生医療用の細胞を安全・効率的に培養できるPVAマイクロキャリア(細胞培養担体)〈スキャポバ〉の事業化に取り組んでいます。2024年から国内販売を開始しました。2025年から米国での販売を開始し、欧州への展開も計画しています。東京女子医科大学・早稲田大学 連携先端生命医科学研究教育施設 TWIns(ツインズ)に設立した「東京ラボ」にて、顧客ソリューションの充実や産学連携の強化を図っています。また、炭素材の構造制御技術を駆使して開発した新規機能性炭素材は、特殊な細孔構造により、リチウムイオン二次電池の正極用添加剤として優れた効果を発揮します。特に寒冷地向けの急速充電の改善効果が期待されており、一部顧客で評価がスタートしています。加えて、サステナビリティを機会ととらえ、フッ素樹脂代替材料(PFAS規制対応)として可能性が期待される新規高機能性ポリマーの開発も推進しています。
競争力強化を目的に、2025年1月に新設したデジタルソリューション部では、開発プロジェクトとの協業を通じて、高度シミュレーション技術、マテリアルズインフォマティクスの活用、独自AIの開発やロボティクスによる自動化といった各種デジタル関連技術の活用の幅を広げてきており、研究開発の加速や効率化など、そのあり方の変革が進んでいます。
[イノベーションネットワーキングセンター]
イノベーションネットワーキングセンター(以下、「INC」という。)は、中期経営計画「PASSION 2026」で掲げる「3つの挑戦」の内の1つ「ネットワーキングから始めるイノベーション」を推進するため、2022年1月に設立されました。INCは社内外のネットワーキングを広げながらイノベーションを生み出していけるよう、アクセラレーターの役割を担いグループ一丸となった活動を推進しています。
多様なバックグラウンドをもち、グローバルに展開する80名余のINCメンバーと各本部や事業部門が連携し、クラレグループの多様な人材、ユニークな技術力、これまでに培った顧客との関係性や市場へのアプローチ手法などを駆使することで、中長期的な視点から新たなビジネス機会の創出に取り組んでいます。この組織が担う業務・役割は主に以下になります。
①当社グループの保有する技術開発力、お客様との繋がり、多様な人材といった総合力を全社員で共有するプラットフォーム(コア技術プラットフォーム)、試作用設備を全社で共有するためのプラットフォーム(技術設備プラットフォーム)を展開し、ネットワーキングを推進します。
②グループ全体で取り組んでいる新規ビジネス開発プロジェクト群の優先順位を明確にし、事業創出の確度を高めるためのシステム(イノベーションパイプライン)を運用しながら、各プロジェクトのインキュベーションを進めます。
③当社グループソリューション群をまとめて市場へアプローチするため、自動車、紙・包装資材、建築・建設といった市場セグメント別のマーケティングチームを横串で運営します。INCメンバーが主導して各チーム運営を行い、お客様に持続的な提案をすることによってビジネス機会を発見・発掘し、顧客やパートナー企業との協業を進めます。
以下、INCの2025年度の成果を示します。
・2023年に立ち上げたコア技術プラットフォーム、及び技術設備プラットフォームの利便性向上を目的に、AI検索機能を開発し、本格運用を開始しました。また、全社最適の観点から、当社の他プラットフォームとの連携を検討開始しました。
・昨年度より正式に稼働したイノベーションパイプラインには、現在7件の新規ビジネスプロジェクトが登録されており、研究開発本部や事業部のプロジェクトメンバーとINCのインキュベーターが事業化に向けて推進しています。さらに、運用ルールの整備や中断したプロジェクトから得られた知見の共有を進め、テーマ選定における判断力の向上を図っています。
・市場セグメントごとのチーム活動を基盤に、KAM(Key Account Management)とABM(Account-Based Marketing)を推進しました。国内外で600件以上の顧客対話・提案を実施し、その結果、4つの新規テーマがプロジェクトとして本格稼働しました。さらに、事業部連携によるクロスセル活動を通じて、既存技術を活用した新用途検討やビジネス機会の拡大を図りました。
・グローバル全社での新規プロジェクト創出とイノベーション文化の醸成を目指し、「第3回イノベーションデイズ」を開催しました。国内外34名の有志メンバーが集結し、4テーマを設定し集中的に議論しました。現在もイノベーションパイプラインへの提案に向けて、精力的にテーマ検討を続けています。
・2025年4月に米国カリフォルニア州に本社を置くNelumbo Inc.を買収し、PMI活動を推進しました。同社の無機系表面改質技術はPFAS等の規制物質を用いず、幅広い基材に高機能性を付与できるものであり、当社の高分子化学技術との融合により新事業創出を目指します。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループ(当社及び連結子会社)は、事業収益の向上や経営基盤の強化、需要の拡大に合わせた設備増強などを目的に設備投資を実施しています。当連結会計年度では、106,829百万円の設備投資を実施しました。
各セグメントにおける設備投資額は、ビニルアセテート62,699百万円、イソプレン4,332百万円、機能材料27,118百万円、繊維4,397百万円、トレーディング141百万円、その他908百万円、全社7,230百万円です。
(注) 上記の設備投資額には、無形固定資産を含めています。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
(注) 帳簿価額のうち「その他」は、工具器具備品、リース資産及び建設仮勘定です。
(2) 在外子会社
(注)1.「土地」の< >内は、連結会社以外の者からの借地の面積<外書>を示しています。
2.帳簿価額のうち「その他」は、工具器具備品、使用権資産及び建設仮勘定等です。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度末現在における重要な設備の新設、拡充、改修は次のとおりです。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
ストックオプション制度の内容は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(ストック・オプション等関係)に記載しています。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)1. 自己株式の消却による減少です。
2. 会社法第448条第1項の規定に基づき、資本準備金を減少し、その他資本剰余金へ振り替えたものです。
(5) 【所有者別状況】
2025年12月31日現在
(注) 1.自己株式924,408株は、「個人その他」の欄に9,244単元及び「単元未満株式の状況」の欄に8株をそれぞれ含めて記載しています。
2.「その他の法人」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が5単元含まれています。
(6) 【大株主の状況】
2025年12月31日現在
(注) 1. 日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)、㈱日本カストディ銀行(信託口)の所有株式は、信託業務に係る株式です。
2. 当社は自己株式924,408株を所有しています。
3.2025年7月22日付で㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ及びその共同保有者であるグループ会社から大量保有報告書(変更報告書)の提出及び2025年8月5日付で当該大量保有報告書(変更報告書)に係る訂正報告書の提出があり、2025年7月14日現在で以下の株式を保有している旨が記載されていますが、当社として2025年12月31日時点における実質所有株式数の確認ができないので、上記「大株主の状況」は株主名簿に基づいて記載しています。なお、2025年7月22日付の大量保有報告書(変更報告書)及び2025年8月5日付の訂正報告書の内容は次のとおりです。
4.2025年10月21日付で野村證券㈱及びその共同保有者であるグループ会社から大量保有報告書(変更報告書)の提出があり、2025年10月15日現在で以下の株式を保有している旨が記載されていますが、当社として2025年12月31日時点における実質所有株式数の確認ができないので、上記「大株主の状況」は株主名簿に基づいて記載しています。なお、2025年10月21日付の大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりです。
5.2026年1月8日付で三井住友信託銀行㈱及びその共同保有者であるグループ会社から大量保有報告書(変更報告書)の提出があり、2025年12月31日現在で以下の株式を保有している旨が記載されていますが、当社として2025年12月31日時点における実質所有株式数の確認ができないので、上記「大株主の状況」は株主名簿に基づいて記載しています。なお、2026年1月8日付の大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりです。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2025年12月31日現在
(注) 「完全議決権株式(その他)」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が500株含まれています。また、「議決権の数」の欄には、同機構名義の完全議決権株式に係る議決権の数5個が含まれています。
② 【自己株式等】
2025年12月31日現在
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年3月1日から有価証券報告書提出日までの株式は含めていません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1.当事業年度の「その他」の内訳は、新株予約権の権利行使(株式数30,000株、処分価額の総額 40,456,000円)、譲渡制限付株式報酬としての処分(株式数80,360株、処分価額の総額154,773,360円)及び単元未満株式の売渡請求による売渡(株式数230株、処分価額の総額398,635円)です。
2.当期間における株式数及び処分価額の総額には、2026年3月1日から提出日までの権利行使による影響は含まれていません。
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益配分を経営の重要課題と位置付け、「親会社株主に帰属する当期純利益に対する総還元性向50%以上、1株当たり配当金の維持・増額、自己株式取得の継続的実施を目指す」を株主還元方針としています。
配当の回数については、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。
当連結会計年度の配当については、中間配当金及び期末配当金(予定)をそれぞれ1株当たり27円としており、1株当たり年間配当金(予定)は54円となります。また、2025年度において、自己株式16,936千株、29,999百万円の取得及び自己株式16,900千株(普通株式、消却前の発行済株式総数に対する割合5.20%)の消却を行いました。これらにより、2025年度の総還元性向(予定)は628.1%となります。
なお、当社は連結配当規制適用会社です。
基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は以下のとおりです。
(注) 定款において「当会社は、取締役会の決議によって、毎年6月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定めています。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
<コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と体制の状況>
当社は、経営の効率性と公正性を確保する効果的なコーポレート・ガバナンス体制の構築により、多様な利害関係者との適切な関係を維持し、社会に対する責任を果たすことが、長期的、持続的な企業価値向上に資するものと考えます。
当社は「監査役会設置会社」の統治形態を採用しており、この枠組みの中で経営の効率性を確保しつつ監督・監視機能の実効性を高めるため、取締役会・監査役会を中心とした経営統治機能の整備を進め、経営者の報酬・後継者の選定・内部統制・リスク管理等の諸課題に対処しています。
この機能整備により、経営の効率性を確保しつつ監督・監視機能の実効性を高め、当社の長期的・持続的な企業価値向上に資することができると考えています。
① 会社の機関
a.取締役会と業務執行機関
取締役会(月1回以上開催)は、取締役会規則を定めて法定事項を含む経営上の重要事項を審議決定するとともに、業務執行の監督にあたります。取締役会の議長は、取締役会長がこれに当り、取締役会による機動的な経営の意思決定を図るため、取締役の定員は12名以内と定め、株主に対する責任を明確化するためその任期を1年としています。取締役会は、提出日(2026年3月25日)現在、「(2) 役員の状況」に記載した現任の取締役11名で構成され、うち2名が女性、1名が外国人となります。
社外取締役4名は、経済・金融・経営等に豊富な経験と幅広い見識を有し、独立した第三者の立場から経営の監督機能を担っています。
当社と社外取締役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が規定する額としています。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役が責任の原因となった職務の執行について善意かつ重大な過失がないときに限られます。
当社は、保険会社との間で会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結し、被保険者がその地位に基づき行った行為に起因してなされた損害賠償請求による賠償金及び争訟費用を当該保険契約により填補することとしています。当該役員等賠償責任保険契約の被保険者は、当社及び子会社において役員、執行役員及び管理・監督の立場にある従業員であり、全ての被保険者について、その保険料を全額当社が負担しています。また、被保険者に期待される役割が損なわれないようにするため、填補限度額及び免責事由を設定しています。
取締役会で選任された社長は、業務執行の最高責任者として、当社グループの全組織における業務執行を総理します。当社の各組織における業務執行は、取締役会で選任され、社長の権限を委譲された執行役員(任期1年)がこれを行います。執行役員はカンパニー、事業部及び主要職能組織の長の職位に就き、執行責任と業績に対する結果責任を負います。これにより取締役としての経営意思決定・監督の責任と、業務執行上の責任とを明確に分離しています。なお一部の取締役は執行役員を兼務しています。社長は経営会議(原則として月2回開催)のほか各種会議・委員会を設置し、グループの経営方針・執行に関する重要事項について審議・答申させます。
当事業年度において当社は取締役会を15回開催しており、個々の出席状況については以下のとおりです。
(注)1.在任期間中の開催数に基づいています。
2.2025年3月27日をもって退任しました。
3.2025年3月27日付で就任しました。
当事業年度の取締役会における主要な付議・報告事項は、「経営計画」、「政策保有株式の保有意義検証」、「内部統制システムの運用状況」、「米国スタートアップの買収」、「ノンコア事業の譲渡、不採算事業の縮小・撤退」、「バーチャル電力購入契約」です。
b.監査役会
監査役会は、提出日(2026年3月25日)現在、「(2) 役員の状況」に記載した5名で構成され、うち過半数の3名は独立した社外監査役が占めています。また、男性4名・女性1名の構成としています。議長は早瀬博章が務めています。社外監査役は金融・法務・経営等に豊富な経験と幅広い見識を有し、独立した第三者の立場から監査機能を担っています。
監査役会の活動状況は、「(3)監査の状況 ①監査役監査の状況及び②内部監査の状況」をご参照ください。
c.経営諮問委員会
当社は、取締役の指名・報酬等の経営の重要事項に関する意思決定の透明性・公正性・客観性を高め、当社コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るため、取締役会の諮問機関として、社外役員及び社外有識者により構成される経営諮問委員会を設置しています。
当事業年度において当社は経営諮問委員会を2回開催しており、個々の出席状況については以下のとおりです。
(注)1.在任期間中の開催数に基づいています。
2.2025年3月27日をもって退任しました。
3.2025年3月27日付で就任しました。
当事業年度の経営諮問委員会における主な議題は、「役員報酬」、「役員人事」、「経営トップ後継者の育成計画」です。
なお、提出日(2026年3月25日)現在、経営諮問委員会の委員の構成は、社外取締役4名(村田啓子、田中聡、三上直子、三箇山俊文)、社外監査役1名(谷津朋美)、社外有識者2名(江上剛(戸籍上の氏名 小畠晴喜)、浜野潤)の計7名です。委員長は社外取締役が務めます。
当社のコーポレート・ガバナンスの体制を図示すると以下のとおりです。

※上記の体制図は、提出日(2026年3月25日)現在の状況を表示しています。
当社は、2026年3月26日開催予定の第145期定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役11名選任の件」及び「監査役1名選任の件」を付議していますが、当該議案が承認可決された場合の取締役会、監査役会、及び経営諮問委員会の構成人数に変更はありません。
② 内部統制システムの整備の状況
a.内部統制システムの整備に関する基本方針
当社グループは、内部統制システムを整備し運用することが経営上の重要な課題であると認識し、取締役会で以下の「内部統制システムの整備に関する基本方針」を決定しています。
1.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1)取締役会が、定款及び取締役会規則その他の社内規定に基づき、当社グループの経営上の重要事項について意思決定を行うとともに、取締役及び執行役員の職務の執行を監督する。取締役会の監督機能を強化するため、3分の1以上の独立した社外取締役を選任する。
(2)取締役の指名・報酬等の経営の重要事項に関する意思決定の透明性・公正性・客観性を高めるため、取締役会の諮問機関として、社外役員及び社外有識者により構成される経営諮問委員会を置く。
(3)サステナビリティの視点に立った企業活動の推進のため、社長を委員長とするサステナビリティ委員会を置き、重要事項について取締役会への付議・報告を行う。
(4)法令遵守に関する方針をクラレグループ行動規範として定める。当社グループとしての体系的なコンプライアンス体制の整備・運用を行うため、社長直轄のリスク・コンプライアンス委員会を置く。
(5)当社グループ内の不正・違法行為及び倫理に反する行為を早期に発見し、自主的な解決を図るための内部通報制度として、当社グループ社員相談室及びグローバル・コンプライアンス・ホットラインを設置する。また、経営陣から独立した内部通報制度として、外部の弁護士事務所を介し、監査役に通報するガバナンス・ホットラインを設置する。
(6)独占禁止法違反の未然防止を図るため、当社グループ各社の役員及び使用人に対し定期的に教育・研修を実施し、独占禁止法に関する社内指針を周知するとともに、遵守状況のモニタリングを定常的に行う体制をとる。
(7)経営監査本部は、内部監査規定に従って、当社グループ内における業務執行の状況を監査する。
(8)金融商品取引法に基づき、財務報告の適正性を確保するための内部統制システムを整備し、適切に運用する。
(9)反社会的勢力及び団体に対しては、毅然とした態度で臨み、一切の関係を持たないことをクラレグループ行動規範に定め、グループ内で周知徹底する。
2. 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
株主総会、取締役会、その他主要会議の議事録・資料及び稟議書・伺書等の取締役の職務執行に係る記録は、法令及び社内規定に従い適切に保存管理する。
3. 損失の危険の管理に関する規定その他の体制
(1)グループリスク管理規定に基づき、グループ全体の体系的なリスク管理を行う。
(2)当社グループの事業活動に関連して重大な危機が発生した場合には、緊急対策本部運営規定に基づき、社長を本部長とする緊急対策本部を設置し、対策にあたる。
(3)大規模災害等の重大な危機を想定し、事業中断を最小限にとどめるための事業継続計画(BCP)を事業部ごとに策定し、定期的に見直しを行う。
4. 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)当社グループの経営上の重要事項に関する取締役会への付議や社長の決裁に際しては、経営会議や各種委員会において事前審議を行い、経営の意思決定の迅速化と効率的な業務執行を図る。
(2)取締役会が選任した執行役員等にカンパニー、事業部及び主要職能組織の長として事業運営の権限を与え、各組織における業務執行を適正かつ効率的に行う。
5. 当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(1)中期経営計画や年度経営計画に定めるグループ全体の経営方針に沿って当社グループ各社の事業運営を行う。当社グループ各社は、国内グループ企業運営基準及び海外グループ企業運営基準に基づき、重要な事項については当社取締役会又は経営会議への付議・報告を行う。
(2)国内グループ企業運営基準及び海外グループ企業運営基準に当社グループ各社の決裁基準を定め、適正かつ効率的に運営する。また、当社グループ内の意思疎通を図り一体運営を促進するため、当社社長と当社グループ各社の社長との連絡会を適宜開催する。
(3)クラレグループ行動規範に基づき、当社グループ各社の取締役及び使用人の職務の執行が適切になされる体制とする。また、当社から当社グループ各社に役員を派遣し、各社の取締役及び使用人の業務執行について監督するとともに、経営監査本部が内部監査規定に従って内部監査を実施する。
6. 監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査役の職務を補助するため監査役スタッフを置く。監査役スタッフは、監査役の指揮命令を受けることとし、監査役スタッフの人事・処遇については人事担当役員と監査役が協議の上決定する。
7. 当社の監査役への報告に関する体制及び報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
(1)監査役は、取締役会への出席、重要な子会社の社長との連絡会等を通じて当社及び当社グループ各社の業務執行状況の報告を受ける。
(2)経営監査本部は、当社及び当社グループ各社内部監査の状況について定期的に監査役会に報告を行う。
(3)当社及び当社グループ各社の役員は、重大な法令違反その他コンプライアンスに関する重要な問題を発見した場合、速やかに監査役に報告する。また、監査役は、当社及び当社グループ各社の使用人に対し、これらの事項に関し必要に応じ報告を求めることができる。
(4)当社及び当社グループ各社の使用人は、これらの事項をガバナンス・ホットラインを通じて監査役に通報することができる。
(5)上記の報告及び通報を行った者に対して、当該報告を理由として不利な取扱いはしない旨を社内規定に定める。
8. 監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役がその職務の執行について生じる費用の前払い又は支払い精算等の請求をしたときは、その内容が特に不合理なものでない限り、遅滞なく支払処理を行う。
9. その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役は、会社が対処すべき課題、監査上の重要課題等について意見を交換するため代表取締役と定期的に会合をもち、また、取締役、執行役員及び重要な使用人からヒアリングを実施する。
b.内部統制システム・リスク管理体制の整備・運用状況
1.コンプライアンスに関する取り組み
(1)社会的要請の変化に応えることの重要性をテーマに、社長が役員及び重要な使用人を集め、外部講師によるコンプライアンスセミナーを開催しました。また汚職・腐敗防止に向けた取り組みとして、当社及び主要グループ会社の従業員を対象に贈収賄防止に関する研修を実施しました。
(2)当社グループにおける独占禁止法遵守プログラムを整備し、グループ全体で同プログラムの確実な運用に努めています。2025年度においても、リスクの高い事業・分野における遵守体制のモニタリングを継続するとともに、従業員に対する教育・研修、入札案件に関する年度監査などの施策を実施しました。
(3)経営監査本部は、当社及び当社グループにおける財務報告の適正性を確保するための内部統制システム(J-SOX)の整備・運用状況についても評価を実施しました。その内容についてPwC Japan有限責任監査法人の監査を受け、結果を取締役会に報告しました。
2.リスク管理に関する取り組み
(1)2025年度の3重点課題((1)機密情報漏洩・破壊、(2)保安事故、(3)原燃料供給停止リスク)について、統括責任者(担当役員)の指揮のもと、リスクの回避・軽減のための以下の対策を進めました。
① 機密情報管理の継続的強化を図るため、2024年度に運用を開始した大量ダウンロード検知システム、大量ダウンロード自動停止システムについて検知精度の向上施策を推進するとともに、海外グループ会社における機密情報管理体制の整備を進めました。
② 2019年度から開始した海外化学プラントに対する当該カンパニー・事業部によるこれまでの安全監査等に加えて、2022年度からはグローバルな社内専門家で編成したPSM(プロセス・セーフティ・マネジメント)監査チームの活動を立ち上げ、海外保安リスクの把握と対策を推進しています。2025年度は、PSM監査チームが4生産拠点の現地監査を行い課題把握と改善推奨を行いました。
③ サプライチェーン上流の最新動向を踏まえて原燃料供給停止リスク及びリスク回避・低減策を修正し、各事業の優先生産銘柄及び原燃料供給停止リスクの分析結果に基づき、優先度の高いものから順次リスク低減策の策定・実施を進めました。
また、国内外の各組織における自己評価結果に基づいて、リスク・コンプライアンス委員会での審議を経て、社長が重大な経営リスクを特定、リスク毎に統括責任者を選定し、2025年11月に、当社グループリスク管理における2026年度の重点課題として以下を定めました。
① 情報セキュリティシステムの定期的見直し・更新、機密情報管理ルールの徹底と運用における改善策の着実な実行により、個人情報を含む機密情報漏洩リスクの低減を図る。また、外部からの攻撃時に、システム障害による業務影響を最小化するための防御策の拡充を図る。
② 保安事故の発生リスク低減を目指し、全世界のプラントにおいて運転・設備管理の強化策を継続して実施する。組織横断的メンバーで構成するグローバルPSM監査チームの計画的な現地監査により保安管理上の課題を客観的に抽出し、その改善を支援するとともに、発見された課題についてグローバルに水平展開を実施しグループ全体の保安事故発生リスクの一層の低減を図る。
③ サプライチェーン上流の最新動向及び地政学的要素を踏まえ、各事業の事業継続計画(BCP)上優先度の高い製品の原燃料につき、調達リスクの回避・低減対策を着実に実行する。
(2)「コーポレート緊急対策本部運営規定」に基づき、発生し得る各種クライシスに迅速かつ適切に対応するため、緊急連絡網の維持・更新と管理体制の継続的な整備を行っています。情報インシデントへの対策として、「クラレグループグローバルCSIRT運営規定」を制定し、海外拠点を含むクラレグループ全体での対応体制を確立し、特に欧州・米国での運用体制を強化しております。国内での災害への備えとして、安否確認訓練の実施(合計4回)に加え、各関係部署の連絡責任者で構成する防災連絡会を立ち上げ、定期的な安全・防災施策に関する情報共有を実施しています。さらに、休日・夜間を含め緊急対策本部メンバーが会社へ参集することが困難な状況での事業所におけるクライシス発生に備えて、リモート会議システムの活用を進め、情報共有の体制強化を図っています。事業所の緊急事態の状況を緊急対策本部が直接把握できるよう、東京から遠隔操作できるカメラを設置して事業所の情報を直接収集する仕組みを構築し、2024年度から運用を開始しています。
3.企業集団の内部統制に関する取り組み
(1)社外役員5名及び社外有識者2名を委員とする「経営諮問委員会」を2回開催し、取締役会の諮問機関として、取締役候補者及び役員報酬等について審議し、その結果を取締役会に答申・報告しました。
(2)当社グループ運営に関するトップ方針の示達、グループ共通の課題と情報の共有を目的として、対面及びオンラインで主要グループ会社の経営層と個別の会議を適宜開催し、グループ内の意思疎通に努めました。当社グループ各社における重要な事項については、国内グループ企業運営基準及び海外グループ企業運営基準に基づき、適宜当社取締役会または経営会議への付議・報告を行いました。
4.監査役の監査体制に関する取り組み
監査役は、会社が対処すべき課題、監査上の重要課題等について代表取締役と意見交換を行うとともに、取締役、執行役員及び重要な使用人へのヒアリングを実施しました。
③ 取締役の定数
当社の取締役は12名以内とする旨定款に定めています。
④ 取締役の選任の決議要件
当社は、株主総会における取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めています。また、取締役の選任は、累積投票によらない旨定款に定めています。
⑤ 剰余金の配当等の決定機関
当社は、株主への利益還元の機会を充実させるため、中間配当については取締役会の決議により配当を行うことができる旨定款に定めています。
⑥ 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨定款に定めています。これは、資本効率の改善と経営環境に応じた機動的な資本政策を遂行することを目的とするものです。
⑦ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項の規定による株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。これは、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
1.2026年3月25日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりです。
男性13名 女性3名 (役員のうち女性の比率18.8%)
(注)1.取締役 村田 啓子、田中 聡、三上 直子、三箇山 俊文は、社外取締役です。
2.監査役 永濱 光弘、谷津 朋美、小松 健次は、社外監査役です。
3.当社では2003年6月26日から、経営の意思決定・監督機能と業務執行の分離による意思決定のスピードアップと透明性の高い経営組織の構築を目的として、執行役員制度を導入しています。執行役員は24名で、上記記載の多賀 敬治、Matthias Gutweiler、髙井 信彦、渡邊 知行、池森 洋二の5名の他に、常務執行役員 大村 章、尾松 俊宏、坂本 和繁、藤原 純一、執行役員 Stephen Cox、高野 浩一、川原 孝春、上山 冬雄、Stevan R. Schott、大福 幸一、下 浩幸、中村 吉伸、井出 章子、高井 庸善、Christian Herrmanns、Stanley Fukuyama、山口 里志、難波 憲明、松本 和也の19名で構成されています。
4.2025年3月27日開催の定時株主総会による選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
5.2022年3月24日開催の定時株主総会による選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
6.2023年3月29日開催の定時株主総会による選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
7.2024年3月27日開催の定時株主総会による選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
8.2025年3月27日開催の定時株主総会による選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
2.2026年3月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役11名選任の件」及び「監査役1名選任の件」を付議しており、当該決議が承認可決されますと、当社の役員の状況及びその任期は、以下のとおりとなる予定です。
なお、役員の役職等については、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
男性13名 女性3名 (役員のうち女性の比率18.8%)
(注)1.取締役 村田 啓子、田中 聡、三上 直子、三箇山 俊文は、社外取締役です。
2.監査役 谷津 朋美、小松 健次、藤井 信行は、社外監査役です。
3.当社では2003年6月26日から、経営の意思決定・監督機能と業務執行の分離による意思決定のスピードアップと透明性の高い経営組織の構築を目的として、執行役員制度を導入しています。執行役員は27名で、上記記載の多賀 敬治、Matthias Gutweiler、髙井 信彦、渡邊 知行、池森 洋二の5名の他に、常務執行役員 大村 章、尾松 俊宏、坂本 和繁、藤原 純一、Stanley Fukuyama、執行役員 Stephen Cox、高野 浩一、川原 孝春、上山 冬雄、Stevan R. Schott、大福 幸一、中村 吉伸、井出 章子、高井 庸善、Christian Herrmanns、山口 里志、難波 憲明、松本 和也、柏木 俊二、福田 始弘、大野 智浩、植垣 文雄の22名で構成されています。
4.2026年3月26日開催の定時株主総会による選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
5.2023年3月29日開催の定時株主総会による選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
6.2024年3月27日開催の定時株主総会による選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
7.2025年3月27日開催の定時株主総会による選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
8.2026年3月26日開催の定時株主総会による選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで
② 社外役員の状況
当社の社外取締役は4名です。
村田啓子氏は、内閣府において経済行政や日本及び海外分析に携わった経験と大学及び大学院の教授としての高い見識をもとに、社外取締役として客観的な立場から経営を監督し、同氏からは有用な意見・提言をいただいています。
田中聡氏は、三井物産株式会社のコーポレートスタッフ部門担当役員や代表取締役の歴任により培われた豊富な経験と幅広い見識をもとに、社外取締役として客観的な立場から経営を監督し、同氏からは有用な意見・提言をいただいています。直近年度における当社と同社の取引額は、同社の売上高の0.1%未満です。また、同氏は積水ハウス株式会社の代表取締役副社長を務めています。直近年度における当社と同社の取引額は、同社の売上高の0.1%未満です。
三上直子氏は、国内の企業経営及び生産技術分野に携わった豊富な経験と幅広い見識をもとに、社外取締役として客観的な立場から経営を監督し、同氏からは有用な意見・提言をいただいています。
三箇山俊文氏は、長年にわたり企業経営、研究開発及び海外事業推進に携わった豊富な経験と幅広い見識をもとに、社外取締役として客観的な立場から経営を監督し、同氏からは有用な意見・提言をいただいています。
有価証券報告書提出日現在の当社の社外監査役は3名です。
永濱光弘氏は、過去にみずほ証券株式会社の取締役会長等を務めていました。直近年度における当社と同社の取引額は、同社の売上高の0.3%未満です。また、同氏は過去に株式会社みずほコーポレート銀行(現株式会社みずほ銀行)の取締役副頭取等を務めていました。直近年度における当社と同行の取引額は、同行の売上高の0.1%未満です。金融機関における豊富な経験と幅広い見識を有し、他の企業での社外役員としての実績をもとに、社外監査役として監査を実施しています。
谷津朋美氏は、公認会計士及び弁護士としての幅広い見識と他の企業での社外役員としての豊富な経験をもとに、社外監査役として監査を実施しています。
小松健次氏は、国内外の多くの企業において経営に携わった実績があり、それにより培われた豊富な経験と幅広い見識をもとに、社外監査役として監査を実施しています。
なお、当社は、2026年3月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「監査役1名選任の件」を付議しており、当該決議が承認可決されますと、社外監査役は谷津朋美氏、小松健次氏、藤井信行氏の3名となる予定です。
藤井信行氏は、過去に株式会社みずほ銀行の取締役副頭取等を務めていました。直近年度における当社と同行の取引額は、同行の売上高の0.1%未満です。また、同氏は安田倉庫株式会社の代表取締役会長執行役員を務めています。直近年度における当社と同社の取引額は、同社の売上高の0.1%未満です。金融機関における豊富な経験と幅広い見識を有し、他の企業での取締役としての実績を有していることから、社外監査役候補者としています。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会における監査役の意見の他、内部統制部門を含む業務執行報告、財務報告に係る内部統制評価報告等を受けて、取締役の職務執行を監督しています。
社外取締役は会計監査人と監査役との会合に定期的に出席し、監査計画・実施状況等の報告を受けています。
社外監査役は取締役会において内部統制の構築及び運用の状況について報告を受けるとともに、監査役会において経営監査本部から監査結果の報告を受けています。さらに社外監査役は会計監査人による会計監査の結果報告及び財務報告に係る内部統制評価の結果報告を経営監査本部長とともに受け、取締役の職務執行を監査しています。また、監査役は社外取締役との定期的な会合を実施し、情報交換を通じて連携を強化しています。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
有価証券報告書提出日現在(2026年3月25日)、当社の監査役は5名としています。うち過半数の3名は独立した社外監査役が占めており、また、男性4名・女性1名の構成としています。現在の監査役は5名、うち3名は金融・法務・経営等に豊富な経験と幅広い見識を有する社外監査役を任命し、独立した第三者の立場から監査機能を担っています。
なお、当社と社外監査役との間には、人的、資本的または取引関係その他の重要な利害関係はありません。
当事業年度において当社は監査役会を13回開催しており、個々の監査役の出席状況については以下のとおりです。
(注) 1.在任期間中の開催数に基づいています。
2.2025年3月27日をもって退任しました。
3.2025年3月27日付で就任しています。
監査役会は、当事業年度における監査計画に則り「法令遵守・コンプライアンス体制」「品質保証体制」「クラレ本社のガバナンス体制、クラレグループ各社における内部統制システムの整備と運用状況」「重大事故、疫病災害、自然災害、情報漏洩等の経営リスクに係る対応策等」「次世代を担う人材の確保と育成、優秀者のリテンションや技術継承、社員のエンゲージメント向上等への取り組み状況」「中期経営計画「PASSION 2026」の進捗状況」を具体的な検討内容とし、監査活動を実施しました。
監査役は取締役会など重要な会議に出席したほか、主要な文書の閲覧、業務状況の聴取などの調査を通じ、取締役の職務執行を監査しました。
監査役は、会計監査人と定期的に会合を持ち、監査計画・実施状況・監査内容の報告を受け、また、内部監査部門である経営監査本部(15名)から内部監査結果の報告を受けました。
また、常勤監査役は、主要な子会社の監査役を兼任し、適宜子会社監査を実施するとともに、グループ各社の監査役で構成し定期的に開催されるグループ監査役連絡会に出席し、これを通じて各社の情報を把握しました。
監査上の主要な検討事項(KAM)については会計監査人との協議を複数回行い、適正な検討プロセスでKAMが選定されていることを確認しました。
当社と監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が規定する額としています。当該責任限定が認められるのは、当該監査役が責任の原因となった職務の執行について善意かつ重大な過失がないときに限られます。
監査役の職務を補助するスタッフとして、監査役スタッフを置いています。
なお当社は、2026年3月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「監査役1名選任の件」を付議しており、当該議案が承認可決された場合も、引き続き当社の監査役は5名(うち社外監査役3名)となる予定です。
② 内部監査の状況
内部監査を実施する組織として、社長直轄の経営監査本部(専任執行役員を含め15名)を設置しています。また、2026年1月より欧州及び北米の関係会社に経営監査本部直轄の内部監査要員を配置しています。経営監査本部及び経営監査本部直轄の内部監査要員は、当社のグローバル内部監査規定に基づき、本社及び国内外の関係会社の内部監査を実施しています。当事業年度は本社1事業部、国内外の関係会社8社の内部監査を実施しました。
内部監査の結果は社長及び会長並びに監査役会に報告するほか、一部の内部監査の結果は取締役会に報告し内部監査の実効性確保に努めています。
内部監査、監査役監査及び会計監査の相互連携については、経営監査本部長は監査役会に出席するとともに監査役監査報告書及び内部監査報告書を共有するなど、監査実施状況などについて監査役と相互に情報共有を行っ
ています。また、内部監査については会計監査人にも定期的に内部監査結果を報告しています。会計監査人は監査役と経営監査本部に対して、監査計画、期中レビュー結果、期末監査結果等について定期的に報告を行うとともに、必要に応じて監査上の重要課題について意見交換を行うなど相互連携を深めています。
また、経営監査本部は当社の財務報告に係る内部統制の基本方針に基づき、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価及び報告を実施しています。当事業年度は全社的な内部統制は当社、連結子会社22社を対象として、また業務プロセスに関わる内部統制は当社、連結子会社5社を対象として評価し、社長及び取締役会に報告を行いました。
③ 会計監査の状況
当社会計監査人であるPwC Japan有限責任監査法人及び当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社との間には、特別な利害関係はありません。同監査法人は業務執行社員について、当社の会計監査に一定期間を超えて関与することのないような措置を自主的にとっています。
また、2025年12月期の事業年度において、会計監査人の業務を執行した公認会計士の氏名、監査業務にかかわる補助者の構成と監査継続期間は以下のとおりです。
業務を執行した公認会計士の氏名
監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 7名、その他 36名
監査継続期間
1992年以降
上記の監査継続期間は、プライスウォーターハウスクーパース(またはプライスウォーターハウス)のネットワークに属し、以前当社の監査を実施していた旧中央青山監査法人、旧青山監査法人の監査期間を含めて算定しています。また、1992年から1998年の7年間は監査法人浩陽会計社との共同監査期間です。
a.会計監査人の選定方針と理由
当社の監査役会は、会計監査人の評価基準に基づき会計監査人を評価し、当社の会計監査人として適切であると判断しています。
当社の会計監査人が会社法第340条第1項の各号のいずれかに該当し、適正な監査の遂行が困難であると監査役会全員が認めた場合、監査役会は全員一致の決議により当該会計監査人を解任することとします。また、当社の会計監査人について、法定解任事由に該当する事実がある場合のほか、会計監査人の独立性、信頼性、効率性等を評価し、より適正な監査を期待できる会計監査人の選任が必要と判断した場合は、監査役会は、株主総会に提出する議案の内容として、会計監査人の解任または不再任を決定します。
b.監査役会による会計監査人の評価
当社の監査役会が定める会計監査人の評価基準は、監査業務の品質管理体制、監査チームの独立性及び専門性、経営者、経営監査本部、監査役とのコミュニケーションの状況、海外のネットワークファームの監査人もしくはその他の監査人とのコミュニケーションの状況、監査報酬見積額の妥当性等を項目としています。
監査役会は会計監査人から定期的な報告を受けるなど、年間を通じて会計監査人が適正に業務を執行しているかを検証しています。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬の内容
監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容は以下のとおりです。
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
連結財務諸表等の英文翻訳に関する助言業務
b. 監査公認会計士等と同一のネットワーク(プライスウォーターハウスクーパース)に対する報酬(a.を除く)
監査公認会計士等と同一のネットワークが実施した非監査業務の内容は以下のとおりです。
(前連結会計年度)
提出会社:コンサルティング業務等
連結子会社:税務関連業務等
(当連結会計年度)
提出会社:コンサルティング業務等
連結子会社:税務関連業務等
上記の他に、当社の非連結子会社が支払ったまたは支払うべき報酬があります。上記の金額に、当該非連結子会社に係る報酬を加えると、監査公認会計士等と同一のネットワークに属する者に対する、当連結会計年度の当社及び当社の子会社の監査証明業務に基づく報酬の額は555百万円、非監査業務に基づく報酬の額は122百万円になります。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
d.監査報酬の決定方針
当社の監査報酬の決定に際し、代表取締役は監査計画の妥当性を検証の上、監査役会の同意を得ています。
e.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、当社の規模・特性を踏まえた上で、監査内容、工数等、会計監査人の監査計画及び報酬見積が相当であると判断し、会社法第399条第1項に定める会計監査人の報酬等の同意を行っています。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
a.役員の報酬等の算定方法の決定に関する方針
当社の役員の報酬等は、長期的・持続的な企業業績及び企業価値の向上を実現させるため、職責に相応しい有能な役員の確保・定着も考慮した競争力のある報酬水準及び報酬体系とすることを基本方針としています。取締役については、①職責に応じた基本報酬としての定額報酬、②単年度の業績の達成を目指すためのインセンティブとしての業績連動型報酬及び③適正な会社経営を通じた中長期的な企業価値の向上と株主との価値共有を図ることを目的とした株式報酬の3つの部分により構成します。ただし、社外取締役については独立した立場から経営の監督を行う役割を担うことから定額報酬のみとし、業績連動型報酬や株式報酬は設けていません。また、監査役についてもその役割から定額報酬のみとしています。
具体的な報酬水準と報酬体系については、専門性のある外部調査機関が行う東京証券取引所プライム市場上場企業等を対象にした役員報酬調査の結果と従業員最上位職の給与を参考にしつつ、社外役員と社外有識者により構成される経営諮問委員会が、適切な報酬水準・体系であるかを検証・審議した上で、その結果を取締役会に答申します。取締役会は、当該答申を十分に勘案し、取締役の報酬水準と報酬体系を決定しています。また、監査役の報酬については、監査役会が適切な報酬水準であるかを検証・審議した上で決定しています。
b.役員の報酬等の種類及び支払方法
上記a.に基づく各報酬の支払い方法は下表のとおりです。
(注) 1.当社は、2021年3月25日開催の当社第140回定時株主総会において、取締役・執行役員に対する譲渡制限付株式報酬の導入に関する議案で承認を得て、従前の株式報酬型ストックオプションに代えて、新たに譲渡制限付株式報酬を導入しています。また、従前の株式報酬型ストックオプションは、社外取締役にも適用していましたが、譲渡制限付株式報酬は社外取締役には適用していません。
2.国内非居住の取締役は、譲渡制限付株式報酬の代わりに、株価連動型金銭報酬(ファントムストック)を支給し、当該取締役の退任時に、退任時の株価に連動させた金銭報酬を支払います。
c.役員の報酬等の決定方法
1) 役員の報酬等の総額の限度額
2006年6月28日開催の当社第125回定時株主総会、2012年6月22日開催の当社第131回定時株主総会及び2025年3月27日開催の当社第144回定時株主総会において、当社の役員全員(取締役全員及び監査役全員)の報酬総額限度額については、次のとおり決議されています。なお、当社の取締役は12名以内、監査役は5名以内とする旨を定款に定めています。
2) 報酬等の割合
各取締役における報酬等の種類ごとの割合は、以下の割合を目安とします。(年初目標達成時の場合)

(注) 社外取締役は、定額報酬のみとし、業績連動型報酬・譲渡制限付株式報酬は適用しません。
なお、監査役は定額報酬のみを支給します。
3) 各役員の報酬額の決定方法
(取締役)
各取締役の個人別の報酬等の額の決定方法の方針は、下表のとおりとします。
定額報酬及び業績連動型報酬(賞与)については、社外役員と社外有識者により構成される経営諮問委員会において、各算定方法に基づき算出された金額を客観的な立場で評価し、その結果を取締役会に答申します。取締役会は、当該答申の内容を十分に勘案した上で、各取締役の報酬額を決定します。
また、譲渡制限付株式報酬については、所定の方法に基づき算定し、各取締役の付与数を取締役会で決議して決定します。
(注) 国内非居住の取締役の株価連動型金銭報酬(ファントムストック)は、役位別の譲渡制限付株式数と同数のポイント(1株=1ポイント換算)を付与し、退任時に退任時の株価に連動させた金銭報酬を支払います。
<取締役会及び経営諮問委員会における取締役報酬の審議実績>
(監査役)
上記総額限度額の範囲内で監査役の協議により決定しています。
② 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注) 1.業績連動型報酬は、2025年度の親会社株主に帰属する当期純利益に基づき算定しています。2025年度に目標とした親会社株主に帰属する当期純利益は450億円で、実績は75億円でした。
2.国内非居住の取締役に支給する株価連動型金銭報酬(ファントムストック)です。
3.本譲渡制限付株式報酬とは別に、執行役員を兼ねている取締役5名に対する執行役員分の譲渡制限付株式報酬は20百万円です。
4.取締役の個人別の報酬等の金額は、経営諮問委員会において「①役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法」に記載の決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行い、その内容を取締役会が十分に勘案したうえで決定しており、当該金額は「①役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法」に記載の決定方針に沿うものであると判断しています。
5.上記の報酬等の金額は、当事業年度における費用計上額を記載しています。
③ 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
(注) 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の投資株式を純投資目的以外の目的である投資株式と区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、安定的・長期的な事業運営の観点から、取引先等との関係の維持・強化を通じた企業価値の向上に資すると判断される場合、当該取引先等の株式を保有することができます。
保有する株式(以下、「政策保有株式」という。)について、個別銘柄ごとに、保有に伴う便益・リスク及び資本コスト等を踏まえて経済合理性や保有意義を取締役会において定期的に検証するものとし、その結果、保有の妥当性が認められないと判断された銘柄については適宜売却し、縮減を図るものとします。
2025年度において、保有する上場政策保有株式のうち8銘柄の全数売却、2銘柄の一部売却を実施しました。また、2026年2月17日開催の取締役会において、2025年度(2025年12月末時点保有先が対象)の全ての上場政策保有株式について、個別銘柄ごとに、保有に伴う便益・リスク及び資本コスト等を踏まえて経済合理性や保有意義を検証した結果、一部の銘柄について売却を進める予定としています。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1.個別銘柄ごとの定量的な保有効果は記載が困難ですが、保有の合理性は、上記「a. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載のとおり実施しています。
2.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しています。
3.銘柄に記載の会社は当社株式を保有していませんが、同社子会社が当社株式を保有しています。
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更
したもの
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という。)に基づいて作成しています。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年1月1日から2025年12月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年1月1日から2025年12月31日まで)の財務諸表について、PwC Japan有限責任監査法人により監査を受けています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っています。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握して、新たに適用される会計基準等を網羅的に把握するとともに当社において新たに生じた事象に関して適切に会計処理をして連結財務諸表等の適正性を確保するための体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同法人が主催するセミナーに参加しています。
1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1.連結の範囲に関する事項
(1)連結子会社の数 67社(前連結会計年度 73社)
(主要な連結子会社)
主要な連結子会社名は、「第1 企業の概況 4.関係会社の状況」に記載しています。
当連結会計年度において、Nelumbo Inc.を買収したことにより、同社を連結の範囲に含めています。また、吸収合併によりクラレクラフレックス株式会社を、清算によりCHARCOAL CLOTH (INTERNATIONAL) LIMITED他5社を、連結の範囲から除外しています。
(2)主要な非連結子会社の名称等
(主要な非連結子会社)
Kuraray South America Ltda.、Kuraray India Private Limited
(連結の範囲から除いた理由)
非連結子会社は、その総資産合計額、売上高合計額、当期純損益の額のうち持分に見合う額の合計額及び利益剰余金の額のうち持分に見合う額の合計額等のいずれにおいても、連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないためです。
2.持分法の適用に関する事項
(1)持分法適用の関連会社数 2社(前連結会計年度 4社)
(主要な会社等の名称)
禾欣可楽麗超繊皮(嘉興)有限公司
当連結会計年度において、株式会社岡山臨港の株式を全て売却したことにより、株式会社岡山臨港及び岡山臨港倉庫運輸株式会社を持分法適用会社の範囲から除外しています。
(2)持分法を適用しない主要な非連結子会社及び関連会社の名称等
(主要な非連結子会社及び関連会社)
Kuraray South America Ltda.、Cenapro Chemical Corporation
(持分法を適用しない理由)
持分法を適用していない非連結子会社及び関連会社は、当期純損益及び利益剰余金等の額のうち持分に見合う額等のいずれにおいても、連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないため、持分法の適用範囲から除いています。
3.連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社の決算日は、連結決算日と一致しています。
4.会計方針に関する事項
(1)重要な資産の評価基準及び評価方法
① 有価証券
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの…………… 時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は
移動平均法により算定)
市場価格のない株式等………………………… 移動平均法による原価法
② デリバティブ …………………………………… 時価法
③ 棚卸資産
製品・原材料・仕掛品………………………… 主として先入先出法による原価法
(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切
下げの方法により算定)
貯蔵品…………………………………………… 主として移動平均法による原価法
(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切
下げの方法により算定)
(2)重要な減価償却資産の減価償却方法
① 有形固定資産(リース資産及び使用権資産を除く)
主として定額法
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
② 無形固定資産(リース資産及び使用権資産を除く)
主として定額法
なお、主な償却年数は以下のとおりです。
ただし、金額的重要性の乏しいものは、発生年度に全額償却しています。
③ リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法
④ 使用権資産
海外関係会社については、「リース」(IFRS第16号)もしくは「リース」(ASC第842号)を適用しており、国際財務報告基準もしくは米国会計基準に基づく償却方法を採用しています。なお、使用権資産に係るリースの借手については、原則としてすべてのリースを連結貸借対照表に資産及び負債として計上しています。
(3)重要な引当金の計上基準
① 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
② 賞与引当金
従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、賞与支給見込額に基づき計上しています。
(4)退職給付に係る会計処理の方法
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として15年)による定額法により費用処理しています。
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として15年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理することとしています。
③ 小規模企業等における簡便法の採用
一部の連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しています。
(5)重要な収益及び費用の計上基準
当社グループは、主として商品または製品の顧客への販売を行っています。商品または製品の販売については、引渡時点において顧客が当該商品または製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断し、当該時点で収益を認識しています。
なお、機能材料セグメントにおける環境ソリューション事業、アクア事業及びその他セグメントにおけるエンジニアリング事業においては、顧客と工事契約を締結しています。当該契約については、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、原則として、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しています。進捗度の見積り方法は、発生原価に基づくインプット法によっています。
収益は顧客との契約において約束された対価から、割戻し等を控除した著しい減額が生じない可能性が高い範囲内の金額で算定しています。また、商品または製品の提供における役割が代理人に該当する取引については、顧客から受け取る額から仕入先に支払う額を控除した純額で収益を認識しています。なお、取引の対価は、履行義務を充足してから主として1年以内に受領しているため、重要な金融要素は含んでいません。
(6)重要なヘッジ会計の方法
① ヘッジ会計の方法
原則として、繰延ヘッジ処理によっています。なお、為替予約の一部については振当処理に、特例処理の要件を満たす金利スワップについては特例処理によっています。
② ヘッジ手段とヘッジ対象
③ ヘッジ方針
当社及び連結子会社は、社内規定に定めた管理方針、主管部署、利用目的、実施基準に基づき、金利変動リスク、為替変動リスク及び価格変動リスクをヘッジしています。
④ ヘッジ有効性評価の方法
外貨建予定取引に係る為替予約、金利スワップ及び原材料に係る商品スワップに関しては、重要な条件の同一性を確認し、有効性を評価しています。
なお、振当処理によっている為替予約、特例処理によっている金利スワップに関しては、取引時に重要な条件の同一性を確認しているため、有効性の事後評価を省略しています。
(7)のれんの償却方法及び償却期間
投資効果の発現する期間を見積り、当該期間において均等償却を行っていますが、重要性の乏しいものは発生年度に全額償却しています。
(8)連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。
(重要な会計上の見積り)
(固定資産の減損)
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
① 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
資産のグルーピングについて、事業用資産は継続的に損益の把握を実施している管理会計上の区分を基礎としています。貸与資産、遊休資産、事業の廃止または再編成が決定している資産及び停止予定資産については、個々の資産ごととし、その他本社及び研究設備等は共用資産としてグルーピングを行っています。
各資産グループにおいて減損の認識が必要とされた場合、当該資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。回収可能価額の見積りには使用価値または正味売却価額のいずれか高い方の金額を使用しています。使用価値は当該資産グループから得られると見込まれる将来キャッシュ・フローを使用しています。
② 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
将来キャッシュ・フローの見積りは事業計画を基礎としており、将来の利益見積り等を踏まえた予測が行われています。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
固定資産の減損の判定については、将来キャッシュ・フロー、正味売却価額等の前提条件に基づき実施しているため、これらの前提条件に変更があった場合、減損損失が発生する可能性があります。
(会計方針の変更)
(法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準等の適用)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日)、「包括利益の表示に関する会計基準」(企業会計基準第25号 2022年10月28日)及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日)を当連結会計年度の期首から適用しています。これによる、連結財務諸表への影響はありません。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日) 等
(1) 概要
企業会計基準委員会において、日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組みの一環として、借手の全てのリースについて資産及び負債を認識するリースに関する会計基準の開発に向けて、国際的な会計基準を踏まえた検討が行われ、基本的な方針として、IFRS第16号の単一の会計処理モデルを基礎とするものの、IFRS第16号の全ての定めを採り入れるのではなく、主要な定めのみを採り入れることにより、簡素で利便性が高く、かつ、IFRS第16号の定めを個別財務諸表に用いても、基本的に修正が不要となることを目指したリース会計基準等が公表されました。
借手の会計処理として、借手のリースの費用配分の方法については、IFRS第16号と同様に、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、全てのリースについて使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルが適用されます。
(2) 適用予定日
2028年12月期の期首から適用予定です。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当連結財務諸表の作成時において評価中です。
(連結貸借対照表関係)
※1.受取手形、売掛金及び契約資産のうち、顧客との契約から生じた債権及び契約資産の金額は、それぞれ以下のとおりです。
※2.その他のうち、契約負債の金額は、以下のとおりです。
※3.有形固定資産の減価償却累計額
※4.非連結子会社及び関連会社に対するもの
5.偶発債務
(1)活性炭製造販売に係る損害賠償請求
特定活性炭の製造販売に係る独占禁止法違反行為に関連し、複数の地方公共団体より当社及び当社子会社を含む複数社に対して連帯して損害賠償金を支払うよう請求を受けています。また、このうち一部の地方公共団体から損害賠償金及び遅延損害金の支払を求める訴訟が提起されています。なお、現時点では当社グループが負担すべき金額を合理的に見積ることは困難です。
(2)合わせガラス用中間膜製造販売に係る訴訟
当社の子会社が製造・販売する合わせガラス用中間膜における一部の製品について、積水化学工業株式会社より当社の子会社2社に対して、特許権侵害訴訟が提起されています。なお、現時点では影響額を合理的に見積ることは困難です。
(連結損益計算書関係)
※1.顧客との契約から生じる収益
売上高については、顧客との契約から生じる収益以外の収益の額に重要性がないため、顧客との契約から生じる収益及びその他の源泉から生じる収益を区分して記載していません。
※2.販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額
※3.一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費
※4.減損損失
当社グループが計上した減損損失のうち、主なものは以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
(資産のグルーピング方法)
事業用資産については、継続的に損益の把握を実施している管理会計上の区分を基礎としてグルーピングを行っています。貸与資産、遊休資産、事業の廃止または再編成が決定している資産及び停止予定資産については、個々の資産で判定し、その他本社及び研究設備等は共用資産としています。
(回収可能価額の算定方法)
事業用資産については、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスの事業について、減損の兆候を個別に検討のうえ、回収可能価額が帳簿価額に満たない事業等について回収可能価額まで帳簿価額を減額しています。なお、回収可能価額は使用価値をもって測定し、将来キャッシュ・フローを7.1%で割り引いて算出しています。
停止予定資産については、回収可能価額まで帳簿価額を減額しています。なお、回収可能価額は使用価値をもって測定していますが、割引率については使用見込期間が短いため考慮していません。
(イソプレンケミカル事業の固定資産に関する減損)
イソプレンケミカル事業は、イソブチレン、ブタジエン誘導体からなる製品群を有し、ウレタンや洗浄剤、溶剤といったスペシャリティケミカルから香料や化粧品、医・農薬中間体、電子材料といったファインケミカルの領域まで多種多様な用途で製造販売を行っており、当該事業を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位としています。
イソプレンケミカル事業については、2023年から稼働を開始したタイのプラントが当連結会計年度より安定的に稼働できるようになりましたが、中国における建築用途の需要低迷の影響などにより、前連結会計年度及び当連結会計年度において営業活動から生ずる損益が継続的にマイナスになっています。また、当社グループは、同需要低迷が長期間に及ぶと見込んでいます。
当社グループは、当該状況を踏まえ、当該資産グループについて減損の兆候があると判断し、将来キャッシュ・フローを見積った結果、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額14,965百万円を減損損失として計上しました。
また、減損損失の測定にあたっては、当該資産グループの回収可能価額を使用価値により算定しており、使用価値は、事業計画を基礎として、販売数量及び価格の予測に関する仮定を含む、事業の将来予測に対する不確実性を考慮した上で、将来キャッシュ・フローを見積っています。
(エラストマー事業におけるスチレン系熱可塑性エラストマーの固定資産に関する減損)
当社グループは、耐熱性・耐候性・耐薬品性に優れるスチレン系熱可塑性エラストマーを他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位としています。
スチレン系熱可塑性エラストマーについては、2023年から稼働を開始したタイのプラントが当連結会計年度より安定的に稼働できるようになりましたが、原燃料価格や物流費の高騰に加え、市場の競争激化により、前連結会計年度及び当連結会計年度において営業活動から生ずる損益が継続的にマイナスになっています。
当社グループは、当該状況を踏まえ、当該資産グループについて減損の兆候があると判断し、将来キャッシュ・フローを見積った結果、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額10,620百万円を減損損失として計上しました。
また、減損損失の測定にあたっては、当該資産グループの回収可能価額を使用価値により算定しており、使用価値は、事業計画を基礎として、販売数量及び価格の予測に関する仮定を含む、事業の将来予測に対する不確実性を考慮した上で、将来キャッシュ・フローを見積っています。
※5.操業休止関連費用
主として生産停止期間中の固定費相当額です。
※6.固定資産廃棄損
事業撤退等により不要となった設備の撤去に関連する費用です。
※7.固定資産売却損
土地及び建物の売却によるものです。
※8.事業整理損
当社子会社における一部の事業売却に伴い発生した損失です。
※9.偶発債務関連損失
前連結会計年度は当社子会社において発生した生産設備の建設業者の倒産に起因する関連損失です。
(連結包括利益計算書関係)
※1.その他の包括利益に係る組替調整額並びに法人税等及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注) 1.普通株式の発行済株式の株式数の減少30,000千株は、自己株式の消却によるものです。
2.普通株式の自己株式の株式数の増加11,023千株は、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加11,020千株及び単元未満株式の買取りによる増加2千株です。
3.普通株式の自己株式の株式数の減少30,134千株は、自己株式の消却による減少30,000千株、ストック・オプションの行使による減少51千株、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少83千株及び単元未満株式の売渡しによる減少0千株です。
2.新株予約権等に関する事項
3.配当に関する事項
(1)配当金支払額
(2)基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注) 1.普通株式の発行済株式の株式数の減少16,900千株は、自己株式の消却によるものです。
2.普通株式の自己株式の株式数の増加16,938千株は、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加16,936千株及び単元未満株式の買取りによる増加2千株です。
3.普通株式の自己株式の株式数の減少17,010千株は、自己株式の消却による減少16,900千株、ストック・オプションの行使による減少30千株、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少80千株及び単元未満株式の売渡しによる減少0千株です。
2.新株予約権等に関する事項
3.配当に関する事項
(1)配当金支払額
(2)基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
2026年3月26日開催の定時株主総会の議案として、次のとおり付議する予定です。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※1.現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
(リース取引関係)
1.ファイナンス・リース取引
(借主側)
所有権移転外ファイナンス・リース取引
① リース資産の内容
・有形固定資産
主として、工場で使用するフォークリフト等車両並びに製造に関連する建物・設備等(機械装置及び運搬具、建物及び構築物)、パソコン・プリンター等OA機器及びサーバー(その他)です。
② リース資産の減価償却の方法
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(2)重要な減価償却資産の減価償却方法に記載のとおりです。
2.オペレーティング・リース取引
(借主側)
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当社グループは、事業を行うために必要な資金を、主に金融機関からの借入や社債発行により調達しています。また、一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用しています。デリバティブは後述するリスクを回避する目的で利用しており、投機的な取引は行わない方針です。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されています。また、外貨建ての営業債権は、為替の変動リスクに晒されています。
有価証券及び投資有価証券は、債券、譲渡性預金等と、主に業務上の関係を有する企業の株式であり、市場価格の変動リスクに晒されています。
営業債務である支払手形及び買掛金は、ほとんどが1年以内に支払期日が到来するものです。また、その一部には原材料等の輸入に伴う外貨建てのものがあり、為替の変動リスクに晒されています。
借入金、コマーシャル・ペーパー、社債及びリース債務は、主に運転資金及び設備投資に必要な資金の調達を目的としたものであり、またリース負債は一部の海外関係会社について「リース」(IFRS第16号)もしくは「リース」(ASC第842号)を適用したもので、返済・償還日は決算後、最長88年後です。このうち変動金利のものは、金利の変動リスクに晒されていますが、一部をデリバティブ取引(金利スワップ取引)によりヘッジしています。
デリバティブ取引は、外貨建ての営業債権債務及び予定取引に係る為替の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした先物為替予約取引、借入金に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利スワップ取引、外貨建貸付金・借入金に係る為替の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした先物為替予約取引及び通貨スワップ取引、原材料に係る価格の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした商品スワップ取引です。なお、ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、前述の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(6)重要なヘッジ会計の方法をご参照ください。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
① 信用リスク(取引先の契約不履行等に係るリスク)の管理
営業債権の信用リスクについては、与信管理運営に関する内部ルールに基づき、各事業部門が取引先の状況をモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握を行い、リスクの軽減を図っています。
貸付金・債務保証契約については、定期的に貸付先・債務保証先の財務状況を確認し、信用リスクを管理しています。
金融資産については、資金運用に関する社内規定に従い、格付けの高い発行体のみを対象としているため、信用リスクは僅少です。
デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンターパーティリスクを軽減するために、格付けの高い金融機関とのみ取引を行っています。
② 市場リスク(為替や金利等の変動リスク)の管理
当社グループは、外貨建ての営業債権債務について、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対して、原則として先物為替予約を利用してヘッジしています。なお、為替相場の状況により、輸出入に係る予定取引により発生すると見込まれる外貨建営業債権債務に対する先物為替予約を行っています。また、輸出入以外で発生すると見込まれる外貨建ての予定取引の一部については、先物為替予約を利用してヘッジしています。
当社グループは、外貨建長期貸付金の為替変動リスクを抑制するために先物為替予約取引、長期借入金に係る支払金利の変動リスクを抑制するために金利スワップ取引を一部の取引について利用しています。一部の連結子会社は、原材料に係る価格の変動リスクを抑制するために商品スワップ取引を利用しています。
有価証券及び投資有価証券については、定期的に時価や発行体の財務状況を確認しています。また株式については、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。
デリバティブ取引の執行・管理にあたっては、取引権限を定めた社内規定に従って行っています。
③ 資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払いを実行できなくなるリスク)の管理
当社グループは、資金調達手段の多様化、複数の金融機関からのコミットメントラインの取得、市場環境を考慮した長短の調達バランスの調整などにより、流動性リスクを管理しています。
(4)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することもあります。また、「デリバティブ取引関係」注記におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2.金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりです。
前連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円)
(*)1.社債は、1年以内に償還期限を迎えるため1年内償還予定の社債に区分したものを含んでいます。
(*)2.長期借入金は、1年以内に返済期限を迎えるため1年内返済予定の長期借入金に区分したものを含んでいます。
(*)3.デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示しています。
(*)4.「現金及び預金」、「受取手形、売掛金及び契約資産」、「有価証券」及び「支払手形及び買掛金」については、現金であること、及び短期で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、注記を省略しています。
(*)5.市場価格のない株式等は、「(1)投資有価証券」には含まれていません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりです。
(単位:百万円)
(*)6.連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他に準ずる事業体への出資は、「(1)投資有価証券」には含まれていません。当該出資の連結貸借対照表計上額は以下のとおりです。
(単位:百万円)
当連結会計年度(2025年12月31日)
(単位:百万円)
(*)1.長期借入金は、1年以内に返済期限を迎えるため1年内返済予定の長期借入金に区分したものを含んでいます。
(*)2.デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示しています。
(*)3.「現金及び預金」、「受取手形、売掛金及び契約資産」、「有価証券」及び「支払手形及び買掛金」については、現金であること、及び短期で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることか
ら、注記を省略しています。
(*)4.市場価格のない株式等は、「(1)投資有価証券」には含まれていません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりです。
(単位:百万円)
(*)5.連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他に準ずる事業体への出資は、「(1)投資有価証券」には含まれていません。当該出資の連結貸借対照表計上額は以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 1.金銭債権及び満期がある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2025年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 2.社債、長期借入金、リース債務及びリース負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2025年12月31日)
(単位:百万円)
3.金融商品の時価のレベルごとの内訳に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しています。
(1)時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2025年12月31日)
(単位:百万円)
(2)時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2025年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定にかかるインプットの説明
投資有価証券
上場株式の時価は、相場価格によっています。上場株式は活発な市場で取引されているため、レベル1の時価に分類しています。
デリバティブ取引
為替予約、金利スワップ及び商品スワップの時価は、先物為替相場及び取引先金融機関等から提示された価格等に基づき算定しており、レベル2の時価に分類しています。
社債
当社の発行する社債の時価は、元利金の合計額と当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2の時価に分類しています。
長期借入金
長期借入金の時価は、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算出する方法によって算定しており、レベル2の時価に分類しています。
(有価証券関係)
1.その他有価証券
前連結会計年度(2024年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 1.非上場株式(連結貸借対照表計上額 1,297百万円)については、市場価格のない株式等に該当することから、上表の「その他有価証券」には含めていません。
2.連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他に準ずる事業体への出資(連結貸借対照表計上額 1,828百万円)については、上表の「その他有価証券」には含めていません。
当連結会計年度(2025年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 1.非上場株式(連結貸借対照表計上額 1,292百万円)については、市場価格のない株式等に該当することから、上表の「その他有価証券」には含めていません。
2.連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他に準ずる事業体への出資(連結貸借対照表計上額 2,204百万円)については、上表の「その他有価証券」には含めていません。
2.連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(注) 市場価格のない株式等については、上表に含めていません。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
(注) 市場価格のない株式等については、上表に含めていません。
(デリバティブ取引関係)
1.ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
(通貨関連)
前連結会計年度(2024年12月31日)
(注) 上記の為替予約取引等は、主に当社が連結子会社に対する債権債務をヘッジ対象として設定したものです。
当連結会計年度(2025年12月31日)
(注) 上記の為替予約取引等は、主に当社が連結子会社に対する債権債務をヘッジ対象として設定したものです。
2.ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
(1)通貨関連
前連結会計年度(2024年12月31日)
(注) 為替予約等の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている売上債権、貸付債権または仕入債務と一体として処理されているため、その時価は、当該売上債権、貸付債権または仕入債務の時価に含めて記載しています。
当連結会計年度(2025年12月31日)
(注) 為替予約等の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている売上債権、貸付債権または仕入債務と一体として処理されているため、その時価は、当該売上債権、貸付債権または仕入債務の時価に含めて記載しています。
(2)金利関連
前連結会計年度(2024年12月31日)
当連結会計年度(2025年12月31日)
(3)商品関連
前連結会計年度(2024年12月31日)
当連結会計年度(2025年12月31日)
(退職給付関係)
1.採用している退職給付制度の概要
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。また、一部の連結子会社は、複数事業主制度に加入しており、このうち、自社の拠出に対応する年金資産の額を合理的に計算することができない制度については、確定拠出制度と同様に会計処理しています。
確定給付企業年金制度では、主として資格と勤務期間に基づいた一時金または年金を支給しています。ただし、当社及び一部の連結子会社は、確定給付企業年金制度にキャッシュ・バランス・プランを導入しています。当該制度では、加入者ごとに積立額及び年金額の原資に相当する仮想個人口座を設けています。仮想個人口座には、主として市場金利の動向に基づく利息クレジットと、資格と勤務期間に基づく拠出クレジットを累積しています。
退職一時金制度(非積立型制度ですが、退職給付信託を設定した結果、積立型制度となっているものがあります。)では、退職給付として、主として資格と勤務期間に基づいた一時金を支給しています。
なお、一部の連結子会社が有する確定給付企業年金制度及び退職一時金制度は、簡便法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算しています。
2.確定給付制度
(1)退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表(簡便法を適用した制度を除く。)
(注) 「その他」の主な内容は、為替換算調整(外貨換算の影響による増減額)等です。
(2)年金資産の期首残高と期末残高の調整表(簡便法を適用した制度を除く。)
(注) 「その他」の主な内容は、為替換算調整(外貨換算の影響による増減額)等です。
(3)簡便法を採用した制度の、退職給付に係る負債の期首残高と期末残高の調整表
(4)退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の調整表
(注) 簡便法を適用した制度を含みます。
(5)退職給付費用及びその内訳項目の金額
(6)退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりです。
(7)退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりです。
(8)年金資産に関する事項
① 年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は次のとおりです。
(注) 1.生保一般勘定は、生命保険会社が運用する資産で、運用リスクを生命保険会社が負い、保険契約者に対して一定の予定利率を保証するものです。
2.年金資産合計には、退職一時金制度に対して設定した退職給付信託が前連結会計年度15%、当連結会計年度11%含まれています。
② 長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しています。
(9)数理計算上の計算基礎に関する事項
3.確定拠出制度
4.複数事業主制度
確定拠出制度と同様に会計処理する複数事業主制度への要拠出額は、前連結会計年度133百万円、当連結会計年度140百万円です。
海外連結子会社が加入する複数事業主制度
① 複数事業主制度の直近の積立状況
② 複数事業主制度の掛金に占める連結子会社の割合
なお、上記②の割合は当該海外連結子会社の実際の負担割合とは一致しません。
(ストック・オプション等関係)
1.ストック・オプションに係る費用計上額及び科目名
該当事項はありません。
2.ストック・オプションの内容、規模及びその変動状況
(1)ストック・オプションの内容
(注1) 新株予約権の行使の条件
① 株主総会または取締役会の決議により、当社が新株予約権を無償で取得することとした場合(注1-1)には、その無償取得日以前の、別途取締役会において定める期間、新株予約権者は新株予約権を行使することができるものとする。
② 新株予約権者が死亡した場合、その相続人は、下記③に掲げる「新株予約権割当契約書」に定める条件に従って、新株予約権を行使できるものとする。
③ その他権利行使の条件は、当社と新株予約権者との間で締結する「新株予約権割当契約書」に定めるところによる。
(注1-1) 当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる吸収分割契約もしくは新設分割計画または当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画の承認の議案が、当社の株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要な場合は、これらを承認する当社の取締役会決議がなされた場合)は、当社の取締役会が別途定める日をもって、当社は同日時点で残存する新株予約権の全てを無償で取得することができる。
(注2) 組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換または株式移転(以上を総称して以下「組織再編行為」という。)をする場合において、組織再編行為の効力発生時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに交付するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約または株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
① 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。
② 新株予約権の目的となる再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
③ 新株予約権の目的となる再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、決定する。
④ 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
新株予約権の行使により交付される再編対象会社の株式1株当たりの再編後払込金額を1円とし、これに上記③に従って決定される新株予約権の目的となる再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。
⑤ 新株予約権の行使期間
新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、上記の新株予約権の行使期間の満了日までとする。
⑥ 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額
会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとする。
⑦ 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の承認を要する。
⑧ 新株予約権の取得条項
上記(注1-1)に準じて決定する。
⑨ その他の新株予約権の行使の条件
上記「権利行使期間」及び(注1)に準じて決定する。
(注3) 当連結会計年度末における内容を記載しています。なお、有価証券報告書提出日の属する月の前月末(2026年2月28日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(追加情報)
「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況 ①ストックオプション制度の内容」に記載すべき事項を「ストック・オプション等関係」注記に集約して記載しています。
(2)ストック・オプションの規模及びその変動状況
当連結会計年度において存在したストック・オプションを対象とし、ストック・オプションの数については、株式数に換算して記載しています。
① ストック・オプションの数
② 単価情報
3.ストック・オプションの権利確定数の見積り方法
権利確定条件が付されていないため、権利確定数は付与数と同数となっています。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(注)1.評価性引当額が8,294百万円増加しています。この増加の主な原因は、減損損失に係る評価性引当額が増
加したことによるものです。
2.税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度(2024年12月31日)
(a)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。
当連結会計年度(2025年12月31日)
(b)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3.法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立したことに伴い、2026年4月1日以後開始する連結会計年度より、「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。
これに伴い、2027年1月1日以後開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、法定実効税率を30.4%から31.3%に変更して計算しています。
なお、この税率変更による影響は軽微です。
(収益認識関係)
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
地域別の収益の分解情報
(単位:百万円)
(注) 1.地域別の収益は、顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、エンジニアリング事業等を含んでいます。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
地域別の収益の分解情報
(単位:百万円)
(注) 1.地域別の収益は、顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、エンジニアリング事業等を含んでいます。
2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
収益を理解するための基礎となる情報は、(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(5)重要な収益及び費用の計上基準に記載のとおりです。
3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
(1)契約資産及び契約負債の残高等
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(単位:百万円)
契約資産は、進行中の工事契約の対価に対する権利に関するものです。契約負債は、顧客から受け取った前受金です。なお、契約負債の当連結会計年度期首残高は概ね当連結会計年度の収益として認識しています。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
(単位:百万円)
契約資産は、進行中の工事契約の対価に対する権利に関するものです。契約負債は、顧客から受け取った前受金です。なお、契約負債の当連結会計年度期首残高は概ね当連結会計年度の収益として認識しています。
(2)残存履行義務に配分した取引価格
当社グループでは、当初に予想される契約期間が1年を超える重要な契約がないため、実務上の便法を適用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しています。また、顧客との契約から受け取る対価の中に取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社は、カンパニー制を導入しており、各カンパニーは取り扱う製品等について国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。また、子会社のうち、クラレトレーディング株式会社は、当社グループ製品の加工販売や他社製品の取り扱いを含め、独自に企画・販売する事業を主体的に行っています。
したがって、当社グループは、カンパニーを基礎とした製品別のセグメントと、トレーディングセグメントで構成されており、「ビニルアセテート」、「イソプレン」、「機能材料」、「繊維」及び「トレーディング」の5つを報告セグメントとしています。
「ビニルアセテート」は、ポバール、PVB、EVOH樹脂〈エバール〉等の機能樹脂、フィルムを生産・販売しています。「イソプレン」は、熱可塑性エラストマー〈セプトン〉、イソプレン関連製品、耐熱性ポリアミド樹脂〈ジェネスタ〉を生産・販売しています。「機能材料」は、メタクリル樹脂、メディカル関連製品、活性炭等を生産・販売しています。「繊維」は、合成繊維、人工皮革〈クラリーノ〉等を生産・販売しています。「トレーディング」は、合成繊維、人工皮革等を加工・販売している他、その他の当社グループ製品及び他社製品の企画・販売を行っています。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)における記載と同一です。セグメントの利益又は損失は、営業利益又は営業損失であり、セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいています。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、エンジニアリング事業等を含んでいます。
2.セグメント利益又は損失の調整額△15,416百万円には、内部取引消去3,111百万円及び各報告セグメントに配分していない全社費用△18,528百万円が含まれています。全社費用の主なものは、提出会社の基礎研究費です。
3.セグメント利益又は損失は、連結損益計算書の営業利益と調整しています。
4.セグメント資産の調整額77,743百万円には、内部取引消去△60,422百万円及び各報告セグメントに配分していない全社資産138,166百万円が含まれています。なお、全社資産の主なものは、提出会社の余資運用資金、長期投資資金、基礎研究・本社管理部門に係わる資産です。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、エンジニアリング事業等を含んでいます。
2.セグメント利益又は損失の調整額△20,092百万円には、内部取引消去2,090百万円及び各報告セグメントに配分していない全社費用△22,182百万円が含まれています。全社費用の主なものは、提出会社の基礎研究費です。
3.セグメント利益又は損失は、連結損益計算書の営業利益と調整しています。
4.セグメント資産の調整額86,112百万円には、内部取引消去△55,087百万円及び各報告セグメントに配分していない全社資産141,199百万円が含まれています。なお、全社資産の主なものは、提出会社の余資運用資金、長期投資資金、基礎研究・本社管理部門に係わる資産です。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
(単位:百万円)
(注) 各セグメントの主な製品は以下のとおりです。
ビニルアセテート:ポバール樹脂・フィルム、PVB樹脂・フィルム、EVOH樹脂〈エバール〉、他
イソプレン :熱可塑性エラストマー〈セプトン〉、イソプレン、耐熱性ポリアミド樹脂〈ジェネスタ〉、他
機能材料 :メタクリル樹脂、メディカル製品、活性炭、アクア事業、他
繊維 :ビニロン、人工皮革〈クラリーノ〉、不織布、面ファスナー〈マジックテープ〉、ポリエステル、
他
その他 :エンジニアリング事業、他
2.地域ごとの情報
(1)売上高
(単位:百万円)
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2)有形固定資産
(単位:百万円)
3.主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の売上高の10%以上を占める単一の外部顧客が存在しないため、記載していません。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
(単位:百万円)
(注) 各セグメントの主な製品は以下のとおりです。
ビニルアセテート:ポバール樹脂・フィルム、PVB樹脂・フィルム、EVOH樹脂〈エバール〉、他
イソプレン :熱可塑性エラストマー〈セプトン〉、イソプレン、耐熱性ポリアミド樹脂〈ジェネスタ〉、他
機能材料 :メタクリル樹脂、メディカル製品、活性炭、アクア事業、他
繊維 :ビニロン、人工皮革〈クラリーノ〉、面ファスナー〈マジックテープ〉、ポリエステル、他
その他 :エンジニアリング事業、他
2.地域ごとの情報
(1)売上高
(単位:百万円)
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2)有形固定資産
(単位:百万円)
3.主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の売上高の10%以上を占める単一の外部顧客が存在しないため、記載していません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
該当事項はありません。
【関連当事者情報】
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
該当事項はありません。
(1株当たり情報)
(注) 1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりです。
(重要な後発事象)
(自己株式の取得)
当社は、2026年2月10日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、下記のとおり自己株式を取得することを決議しました。
1.自己株式の取得を行う理由
当社は、株主の皆様に対する利益配分を経営の重要課題と位置付け、「親会社株主に帰属する当期純利益に対する総還元性向50%以上、1株当たり配当金の維持・増額、自己株式取得の継続的実施を目指す」を株主還元方針としており、この方針に基づき自己株式取得を決定しました。
2.取得の内容
(1) 取得対象株式の種類 当社普通株式
(2) 取得し得る株式の総数 8,000千株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 2.61%)
(3) 取得価額の総額 10,000百万円(上限)
(4) 取得方法 自己株式取得に係る取引一任契約に基づく市場買付
(5) 取得期間 2026年2月12日から2026年5月31日まで
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注) 1.()内は、1年内償還予定の金額です。
2.連結決算日後5年内における1年ごとの償還予定額の総額
【借入金等明細表】
(注) 1.「平均利率」については、借入金の期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
2.リース債務及びリース負債の平均利率については、一部の取引に関してリース料総額に含まれる利息相当額を定額法により各連結会計年度に配分しているため、記載していません。
3.長期借入金、リース債務及びリース負債(1年以内に返済予定のものを除く。)の連結決算日後5年内における返済予定額は以下のとおりです。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、記載を省略しています。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当事業年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1)有価証券の評価基準及び評価方法
子会社及び関連会社株式………………移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの…時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等………………移動平均法による原価法
(2)デリバティブの評価基準及び評価方法
デリバティブ……………………………時価法
(3)棚卸資産の評価基準及び評価方法
製品・原材料・仕掛品…………………先入先出法による原価法
(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
貯蔵品……………………………………移動平均法による原価法
(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
2.固定資産の減価償却の方法
3.引当金の計上基準
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、賞与支給見込額に基づき計上しています。
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しています。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法により費用処理しています。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度より費用処理することとしています。
4.収益及び費用の計上基準
当社は、主として製品の顧客への販売を行っています。製品の販売については、引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断し、当該時点で収益を認識しています。
収益は顧客との契約において約束された対価から、割戻し等を控除した著しい減額が生じない可能性が高い範囲内の金額で算定しています。なお、取引の対価は、履行義務を充足してから主として1年以内に受領しているため、重要な金融要素は含んでいません。
5.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1)ヘッジ会計の方法
原則として、繰延ヘッジ処理によっています。なお、為替予約の一部については振当処理に、特例処理の要件を満たす金利スワップについては特例処理によっています。
当社は社内規定に定めた管理方針、主管部署、利用目的、実施基準に基づき、金利変動リスク及び為替変動リスクをヘッジしています。
外貨建予定取引に係る為替予約に関しては、重要な条件の同一性を確認し有効性を評価しています。なお、振当処理によっている為替予約、特例処理によっている金利スワップに関しては、取引時に重要な条件の同一性を確認しているため、有効性の事後評価を省略しています。
(2)退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっています。
(重要な会計上の見積り)
(固定資産の減損)
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
資産のグルーピングについて、事業用資産は継続的に損益の把握を実施している管理会計上の区分を基礎としています。貸与資産、遊休資産、事業の廃止または再編成が決定している資産及び停止予定資産については、個々の資産ごととし、その他本社及び研究設備等は共用資産としてグルーピングを行っています。
各資産グループにおいて減損の認識が必要とされた場合、当該資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。回収可能価額の見積りには使用価値または正味売却価額のいずれか高い方の金額を使用しています。使用価値は当該資産グループから得られると見込まれる将来キャッシュ・フローを使用しています。
将来キャッシュ・フローの見積りは事業計画を基礎としており、将来の利益見積り等を踏まえた予測が行われています。
固定資産の減損の判定については、将来キャッシュ・フロー、正味売却価額等の前提条件に基づき実施しているため、これらの前提条件に変更があった場合、減損損失が発生する可能性があります。
(関係会社に対する投融資の評価)
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
市場価格のない関係会社株式は、取得原価をもって貸借対照表価額としておりますが、直近の期末の財務数値等を用いて算出した実質価額が著しく低下したときには、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、相当の減額を行い、評価差額は当事業年度の損失として処理しています。
また、財政状態が悪化した関係会社への短期貸付金の評価に当たっては、(重要な会計方針)3.引当金の計上基準に基づいて回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しています。
回復可能性及び回収可能性の判断は、関係会社の将来の利益見積及び財政状態等を踏まえた予測が行われています。
関係会社に対する投融資の評価に用いられる主要な仮定は、今後の事業環境の変化等により、影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、関係会社株式及び貸倒引当金の計上金額に重要な影響を与える可能性があります。
(3) Kuraray Specialities (Thailand) Co., Ltd.の株式の評価について
当事業年度において、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※4.減損損失」に記載の主な減損損失を計上したことを契機として、タイのイソプレンセグメントに属する子会社Kuraray Advanced Chemicals (Thailand) Co., Ltd.及びKuraray GC Advanced Materials Co., Ltd.の株式を直接又は間接に保有するKuraray Specialities (Thailand) Co., Ltd.の株式の実質価額が著しく低下しています。当社は、当該状況を勘案し、関係会社株式評価損22,641百万円を特別損失に計上しています。
(4) Kuraray Advanced Chemicals (Thailand) Co., Ltd.に対する短期貸付金の評価について
当社は、Kuraray Advanced Chemicals (Thailand) Co., Ltd.に対する短期貸付金に対して、(3)に記載の状況や同社の財政状態等を勘案し、回収不能見込額として13,143百万円を貸倒引当金に計上しています。
(会計方針の変更)
(法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準等の適用)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日)、「包括利益の表示に関する会計基準」(企業会計基準第25号 2022年10月28日)及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日)を当事業年度の期首から適用しています。これによる、財務諸表への影響はありません。
(貸借対照表関係)
※1.関係会社に対する主な資産・負債(区分掲記したものを除く)
2.保証債務
以下の会社の金融機関からの借入、販売先との契約に係る履行義務及びリース取引等に対し、債務保証を行っています。
3.活性炭製造販売に係る損害賠償請求
特定活性炭の製造販売に係る独占禁止法違反行為に関連し、複数の地方公共団体より当社を含む複数社に対して連帯して損害賠償金を支払うよう請求を受けています。また、このうち一部の地方公共団体から損害賠償金及び遅延損害金の支払を求める訴訟が提起されています。なお、現時点では当社が負担すべき金額を合理的に見積ることは困難です。
(損益計算書関係)
※1.販売費及び一般管理費の主な内容
販売費及び一般管理費の主な内容は以下のとおりです。なお、販売費及び一般管理費のうち、販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度20%、当事業年度21%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度80%、当事業年度79%です。
※2.関係会社に係る取引の主な内容
※3.固定資産廃棄損
事業撤退等により不要となった設備の撤去に関連する費用です。
※4.固定資産売却損
土地及び建物の売却によるものです。
(有価証券関係)
前事業年度(2024年12月31日)
子会社株式及び関連会社株式(貸借対照表計上額は子会社株式367,685百万円、関連会社株式1,114百万円)は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載していません。
当事業年度(2025年12月31日)
子会社株式及び関連会社株式(貸借対照表計上額は子会社株式371,499百万円、関連会社株式786百万円)は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載していません。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3.法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立したことに伴い、2026年4月1日以後開始する事業年度より、「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。
これに伴い、2027年1月1日以後開始する事業年度以降に解消が見込まれる一時差異に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、法定実効税率を30.4%から31.3%に変更して計算しています。
なお、この税率変更による影響は軽微です。
(収益認識関係)
収益を理解するための基礎となる情報は、(重要な会計方針)4.収益及び費用の計上基準に記載のとおりです。
(重要な後発事象)
(自己株式の取得)
当社は、2026年2月10日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法156条の規定に基づき、自己株式を取得することを決議しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しているため、注記を省略しています。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1.「当期首残高」及び「当期末残高」は取得原価により記載しています。
2.機械及び装置の主な増加は、岡山事業所の生産設備等(5,093百万円)です。
3.建設仮勘定の主な増加は、倉敷事業所の生産設備等(5,897百万円)です。
4.「当期減少額」欄の( )は内数で、減損損失の計上額です。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、単元未満株主は下記の権利以外の権利を有していません。
(1)会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2)株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(3)保有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を自己に売り渡す旨を請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1)有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
(2)半期報告書及び確認書
(3)内部統制報告書及びその添付書類
2025年3月27日関東財務局長に提出
(4)訂正発行登録書
(5)臨時報告書
(6)自己株券買付状況報告書
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。