第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 第123期より国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しています。
2 第125期および第126期の希薄化後1株当たり当期損失については、新株予約権の行使が1株当たり当期損失を減少させるため、潜在株式は希薄化効果を有していません。
3 第125期および第126期の株価収益率は、親会社の所有者に帰属する当期損失を計上しているため、記載していません。
(注) 1 第123期の期首より、米国子会社である資生堂アメリカズCorp.およびその子会社は従来適用していた米国で一般に公正妥当と認められた会計処理基準に替えてIFRSを適用しており、第122期に係る連結経営指標等については、当該会計方針の変更を反映した遡及適用後の数値を記載しています。
2 第122期の日本基準による遡及適用後の諸数値および第123期の日本基準による諸数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第123期の期首から適用しており、第123期以降に係る連結経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第123期の期首から適用しており、第123期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
2 最高株価および最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
3 第123期の1株当たり配当額には、創業150周年記念配当50円が含まれています。
4 第126期の1株当たり配当額40.00円のうち、期末配当額20.00円については、2026年3月25日開催予定の定時株主総会の決議事項となっています。
5 第126期の潜在株式調整後1株当たり当期純損失については、1株当たり当期純損失を計上しているため、記載していません。
6 第126期の自己資本利益率、株価収益率および配当性向は、当期純損失を計上しているため記載していません。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、当社、子会社64社および関連会社3社で構成され、化粧品、化粧用具、美容食品および医薬品の販売を主な事業内容とし、更に各事業に関連する研究およびその他のサービス等の事業活動を展開しています。
当社グループ各社の事業に係る位置づけおよびセグメントとの関連は、以下のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「6. 事業セグメント」をご参照ください。
(注) 各事業の会社数は、複数事業を営んでいる会社をそれぞれに含めて記載しています。
事業の系統図は以下のとおりです。

4 【関係会社の状況】
(1) 親会社
該当事項はありません。
(2) 子会社
(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しています。
2 特定子会社です。
3 持分は100分の50以下ですが、実質的に支配しているため連結子会社としたものです。
4 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数、[ ]内は、緊密な者または同意している者の所有割合で外数です。
5 上記の会社はいずれも有価証券届出書または有価証券報告書を提出していません。
6 資生堂ジャパン㈱、資生堂(中国)投資有限公司は、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えています。
各社の主要な損益情報等は、次のとおりです。
(3) 関連会社
(注) 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しています。
(4) その他の関係会社
該当事項はありません。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しています。
2 臨時従業員には、契約社員、パートタイマーを含み、派遣社員を除いています。
(2) 提出会社の状況
2025年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に当事業年度の平均人員を外数で記載しています。
2 臨時従業員には、契約社員、パートタイマーを含み、派遣社員を除いています。
3 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。
(3) 労働組合の状況
資生堂労働組合は、1946年2月に資生堂従業員組合として発足し、現在当社および国内主要連結子会社で組織され、組合員数は10,294名です。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異
取り組みについての詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 人的資本の取り組み」をご参照ください。
① 提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。労働者の男女の賃金の差異は、男女の平均年間賃金について、男性を100とした場合の女性の割合です。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等の取得割合(育児休業等+育児目的休暇を取得した男性社員・契約社員の数/配偶者が出産した男性社員・契約社員の数×100)を算出しています。
② 連結子会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しています。労働者の男女の賃金の差異は、男女の平均年間賃金について、男性を100とした場合の女性の割合です。
2 女性管理職比率は国内資生堂グループ全体で管理しており、国内資生堂グループ全体の女性管理職比率は43.3%です。グループ内で雇用管理が一体的になされているため、国内資生堂グループ全体として公表しています。
対象範囲:国内資生堂グループ(17社)
① 本社 株式会社資生堂、
② 連結子会社 資生堂ジャパン㈱、資生堂アステック㈱、花椿ファクトリー㈱、㈱エテュセ、㈱エフェクティム、㈱ザ・ギンザ、資生堂美容室㈱、㈱資生堂パーラー、KODOMOLOGY㈱、㈱イプサ、資生堂クリエイティブ㈱
③ 連結子会社以外 ㈱ピエールファーブルジャポン、学校法人資生堂学園資生堂美容技術専門学校、資生堂健康保険組合、資生堂企業年金基金、公益財団法人資生堂子ども財団
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を算出しています。
4 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではない連結子会社については、記載を省略しています。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の記載内容のうち、歴史的事実でないものは、有価証券報告書提出日(2026年3月23日)現在における当社グループの将来に関する見通しおよび計画に基づいた将来予測です。これらの将来予測には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。
① 企業理念 THE SHISEIDO PHILOSOPHY
当社は、1872年の創業当時から「『美と健康』を通じてお客さまのお役に立ち、社会へ貢献する」ことを目指してきました。そして、2019年には、100年先も輝きつづけ、世界中の多様な人たちから信頼される企業になるべく、企業理念THE SHISEIDO PHILOSOPHYを定義し、国・地域・組織・ブランドを問わず、この企業理念を常によりどころとした活動を行っています。
THE SHISEIDO PHILOSOPHYは、以下で構成されています。
1. 私たちが果たすべき企業使命を定めた OUR MISSION
2. これまでの150年を超える歴史の中で受け継いできた OUR DNA
3. 資生堂全社員がともに仕事を進めるうえで持つべき心構え OUR PRINCIPLES
〔THE SHISEIDO PHILOSOPHY〕

〔OUR MISSION〕
BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD
私たちは、美には人の心を豊かにし、生きる喜びやしあわせをもたらす力が
あると信じています。
創業以来、人のしあわせを願い、美の可能性を広げ、新たな価値の
発見と創造を行ってきました。
これまでもこれからも、美しく健やかな社会と地球が持続していくことに貢献します。
美の力でよりよい世界を。
それが、私たちの企業使命です。
当社は、上記企業使命のもと、2030 Vision「ひととの繋がりの中で新しい美を探求・創造・共有し、一人ひとりの人生を豊かにする」を定めました。このVisionの具現化に向け、資生堂人の心構えと所作を示す「The Shiseido Way」を制定し、2026年1月にThe Shiseido Philosophyを一部改定しました。最新情報については、当社企業情報サイトの「企業情報/The Shiseido Philosophy」
(https://corp.shiseido.com/jp/company/philosophy/)をご覧ください。
② 2030 中期経営戦略
当社は、「2030 中期経営戦略」を策定しました。戦略策定にあたっては、事業環境の変化や、マルチステークホルダーへの調査・対話を踏まえてマテリアリティ(重要課題)を更新し、「多様な『美の力』を通じた生涯にわたるQOL向上」、「レジリエントな経営基盤の構築」、「美の価値創造人財・組織」、「地球環境との共生(循環型モノづくり)」の4つに分類しました。これらの課題解決に向けて、①ブランド力の向上を通じた成長加速、②グローバルオペレーションの進化、③サステナブルな価値創造を本戦略の3つの柱とし、自社の強みを活かした取り組みを進めていきます。
前中期経営戦略「SHIFT 2025 and Beyond」および「アクションプラン 2025-2026」においては、注力ブランドへの選択と集中、グローバルでの抜本的な構造改革を通じて、より強固な収益基盤の構築に取り組んできました。「2030 中期経営戦略」ではその基盤をもとにブランド価値をより高め、持続的な成長に不可欠な新たな価値創造へ再投資できる好循環を生み出し、新たな成長を通じて企業価値と社会価値の最大化をねらいます。
また、Vision「ひととの繋がりの中で新しい美を探求・創造・共有し、一人ひとりの人生を豊かにする」を定めました。このVisionを体現するスローガンとして2005年に発表した「一瞬も 一生も 美しく」を改めて掲げ、その意義を深く追求していきます。

「2030 中期経営戦略」の詳細については、当社企業情報サイトの「投資家情報/中長期経営戦略」
(https://corp.shiseido.com/jp/ir/strategy/)をご確認ください。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) サステナビリティ全般
当社は、企業使命である「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」のもと、創業以来培ってきた「美」の価値を通じて、2030年に向けて「ひととの繋がりの中で新しい美を探求・創造・共有し、一人ひとりの人生を豊かにする」ことを目指しています。サステナブルな価値創造を経営戦略の重要な柱の一つとし、事業を通じた社会価値創造と社会・環境課題の解決に向け、全社をあげて取り組みを進めています。
① ガバナンス
当社では、ブランド・地域事業を通じて全社横断でサステナビリティの推進に取り組んでいます。迅速な意思決定と確実な全社的実行のため、専門的に審議する「Sustainability Committee」を設置し、定期的に開催しています。
「Sustainability Committee」では、資生堂グループ全体のサステナビリティに関する戦略アクションや方針、気候変動と自然環境に関するリスクおよび機会や、人権対応アクションなど具体的な活動計画に関する意思決定を行っています。また、サステナビリティ戦略における中長期目標の進捗状況についてモニタリングを行っています。出席者は代表執行役を含む経営戦略・財務・研究開発・サプライネットワーク・人事・広報、およびブランドホルダーなど各領域のチーフオフィサー・ディビジョンオフィサーで構成され、それぞれの専門領域の視点から活発に議論をしています。その他、特に業務執行における重要案件に関する決裁が必要な場合は「Global Strategy Committee」や取締役会に提案もしくは報告しています。また、戦略アクションに係る確実な業務執行・推進を行うため、「Sustainability Committee」の下部に、主要関連部門の責任者から構成される「Sustainability TASKFORCE」を設置し、長期的な目標達成に向けての推進方法やサステナビリティに関連した課題解決について議論し、地域本社や海外を含むその他の関連部門も巻き込んだ活動を行っています。
また、毎年「サステナビリティレポート」(注1)を発行し、サステナビリティ戦略アクションと中長期目標の進捗を開示しています。さらに当社は、代表執行役を含むチーフオフィサー・ディビジョンオフィサーに加え、国内外の重要ポジションのリーダーに対して、CO2排出量(注2)削減や女性管理職比率など、ESGに関する業績目標値も組み入れた長期インセンティブ型報酬を導入しています。
(2026年1月1日現在)

(注) 1 最新のサステナビリティレポートはこちら:
https://corp.shiseido.com/jp/sustainability/report.html
2 通常、温室効果ガスはCO2、CH₄、N₂O、HFCs、PFCs、SF₆、NF₃を指すが、本事業報告ではこれらの温室効果ガスをCO2と
表記
② 戦略
当社は、「サステナブルな価値創造」を2030中期経営戦略の重要な柱の1つとして位置づけています。マテリアリティ(重要課題)に基づく社会・環境領域にそれぞれに3つの戦略アクションと中期目標を掲げ、事業を通じた社会価値創造と社会・環境課題の解決を促進しています。
「社会」の領域では、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を中心に社会課題の解決に取り組んでいます。ジェンダーにかかわらず、公正な機会が得られ、一人ひとりが自分らしく生きられる社会の実現を目指した「ジェンダー平等」、美しさに関する無意識な思い込みや偏見を払しょくし、個々の美しさに共鳴しあえる社会を目指した「美の力によるエンパワーメント」、そして、すべての活動の根底となる「人権尊重の推進」を戦略アクションとして実行しています。
「環境」の領域の戦略アクションは、バリューチェーン全体を通してさまざまなステークホルダーとともに取り組みを推進する「地球環境の負荷軽減」「サステナブルな製品の開発」、環境や人権に対応した「サステナブルで責任ある調達の推進」です。社名の由来でもある「万物資生」(注)の考えに基づき、環境負荷を軽減し、使い捨てではなくサーキュラーエコノミーの実現を目指してイノベーションやビジネスモデルの構築に取り組んでいます。
(注) 中国の古典「易経」の一節、「至哉坤元 万物資生(大地の徳はなんと素晴らしいものであろうか、すべてのものはここから生まれる)」の一部
③ リスク管理
当社は、中長期の事業戦略の実現に影響を及ぼす可能性のあるリスクを総合的・多面的な手法を用いて抽出し、特定しています。その中には、「環境対応(気候変動・生物多様性など)」「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)」「自然災害・感染症・テロ」といったサステナビリティ領域のリスクも含まれています。これらのリスクも、事業継続や戦略に影響を及ぼす要因の1つとして科学的または社会経済的なデータに基づいて分析され、全社のリスクマネジメントに統合されます。特定されたリスクは、重要度に応じて、「Global Risk Management & Compliance Committee」や「Global Strategy Committee」にて対応策などが審議されています。また、必要に応じて取締役会に提案もしくは報告される体制となっています。
④ 指標及び目標
当社は、戦略アクションに基づいた中長期目標を設定し、進捗を定期的にトラッキングしています。毎年グローバルのステークホルダーに向けた「サステナビリティレポート」を発行し、当社の事業を通じたサステナビリティアクションの中長期目標とその進捗を開示しています。
〔中長期目標〕
・環境
(注) 1 2025年実績は2026年発行予定のサステナビリティレポートにて開示予定
2 2026年にカーボンニュートラル達成(資生堂全事業所、オフセット含む)の目標を含む
3 資生堂全事業所(対2019年)
4 資生堂全事業所を除くバリューチェーン全体、経済原単位(対2019年)
5 資生堂全事業所、経済原単位(対2014年)
6 プラスチック製容器について
7 RSPOの物理的なサプライチェーンモデルによる認証(アイデンティティ・プリザーブド、セグリゲーションまたはマス
バランスのいずれかに基づくもの)、パーム油換算重量ベース
8 製品における、認証紙または再生紙など、紙重量ベース
・社会
(2) 気候変動関連等の取り組み
当社は、気候変動問題が事業成長や社会の持続性に与える影響の重大性に鑑み、TCFD、TNFDおよびISSB/SSBJのフレームワークを参照して情報開示を行っています。脱炭素社会への移行や、気候変動に伴う自然環境の変化によって引き起こされるリスクおよび機会について、1.5/2℃シナリオと4℃シナリオにおける短期・中期・長期の定性的・定量的な分析を試みました。自然に関しては、生物多様性の喪失や水資源の動態を考慮した定量的な長期リスクを特定し、「資生堂 気候/自然関連財務情報開示レポート」として開示しました。
① ガバナンス
当社の気候変動関連等のガバナンスに関しては、サステナビリティ全般における推進体制と同様の体制で取り組んでいます。詳細は、前述「(1) サステナビリティ全般」の「① ガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
気候関連リスクおよび機会については1.5/2℃から4℃の範囲で起こりうる社会や自然環境の変化を想定し、RCP-SSPシナリオに沿って分析を実施しました。移行リスクについては、脱炭素社会への移行に伴う政策、規制、技術、市場、消費者意識の変化による要因を、物理的リスクについては、気温上昇に伴う洪水の発生や気象条件など急性/慢性的な変化要因を考慮して、各シナリオ条件における影響を分析しました。
2030年時点における移行リスクとして、炭素税によって約0.5~8.7億円規模の財務影響が発生する可能性を予測しています。物理的リスクについては、洪水により約8.7億円、水不足により約32億円の潜在的なリスクを見込んでいます。機会に関しては、1.5/2℃シナリオにおいて、消費者の環境意識の高まりに伴い、サステナビリティに対応したブランドや製品への支持が強まると予想されます。4℃シナリオにおいては、気温上昇に対応した製品の販売機会が拡大すると予想されます。イノベーションによる新たなソリューションの開発により、サステナブルな製品を提供していくことで、リスクの緩和と新たな機会の創出を目指しています。
自然関連リスク/機会に関しては、ライフサイクルアセスメントによってバリューチェーンを通じた生物多様性への影響側面の定量分析を行い、特に原材料調達における影響が大きいことを明らかにしました。そこで、TNFDが推奨するLEAPアプローチに沿って、生物多様性への依存度の高い化粧品原材料について原産地を推定し、サプライチェーンにおける土地転換による潜在的な影響の評価を実施するとともに、依存側面における物理リスク分析としてミツバチなどの花粉媒介者による生態系サービスの金額化を行いました。同時に、移行リスクとして、サステナビリティ関連規制に関わるリスク分析を、気候変動問題と併せて実施しています。資生堂 気候/自然関連財務情報開示レポートは、企業情報サイトで公開しています。
https://corp.shiseido.com/jp/sustainability/env/pdf/risks_report.pdf
当社は、気候や生物多様性を含む地球システムと事業との関係性についての俯瞰的な視野を持ち、リスクと機会の評価を通じて重要な領域を特定し、優先順位をつけ、問題解決に貢献していくことが重要と考えています。再生可能エネルギーの活用や生物多様性を考慮した責任ある調達に加えて、環境配慮型の処方/成分の開発や、循環型の容器包装とリサイクルモデルの開発など、ライフサイクル思考に基づいた新しい価値創出に向けた取り組みを進めています。これら取り組みの詳細については、2026年発行予定の「サステナビリティレポート」をご参照ください。
https://corp.shiseido.com/jp/sustainability/report.html
③ リスク管理
当社の気候変動関連等の取り組みのリスク管理に関しては、サステナビリティ全般のリスク管理と合わせて取り組んでいます。詳細は、前述「(1) サステナビリティ全般」の「③ リスク管理」をご参照ください。
④ 指標及び目標
当社の気候変動関連等の取り組みの指標及び目標の詳細は、前述「(1) サステナビリティ全般」の「④指標及び目標」をご参照ください。
具体的には、気候変動に関してCO2排出量削減目標を設定し、定期的に気候変動に伴う状況をモニタリングし、対応策を講じることで、リスクの緩和に努めています。Scope 1およびScope 2のCO2排出量について、2030年までに46.2%削減(2019年対比)することを、国際的に合意された気温上昇1.5℃抑制シナリオに科学的に整合した目標として設定しました。Scope1・2に加えて、バリューチェーン全体におけるCO2排出量の削減目標に関しても、SBTイニシアティブ(SBTi)(注1)の認証を取得し、CO2排出量削減の目標達成に向けて取り組んでいます。
2022年にはRE100(注2)に加盟しています。Scope 1・2のCO2排出量削減のため、インターナルカーボンプライシング制度の導入を決定し、2024年から省エネ設備や再生可能エネルギー設備などの脱炭素投資判断への活用を始めました。
生物多様性に関しては、森林破壊との関わりが深いことで知られる紙やパーム由来原料について、認証原材料など森林破壊に関与しない原材料への切り替えを中長期目標として開示し、より自然・生物多様性への影響の少ない持続可能で責任ある調達を進めています。
また、当社では気候変動や海洋プラスチックごみ問題はグローバルで喫緊に解決すべき環境課題と認識し、サステナブルな製品開発を強化しています。当社独自の容器包装開発ポリシー「資生堂5Rs(注3)」を前提としたイノベーションを通じて、プラスチック製容器においては、2025年までに100%サステナブルな容器を実現する、という目標達成に向け、「つめかえ・つけかえ」容器によるリユースの促進、モノマテリアル化によるリサイクル可能な設計、素材の見直し、容器の軽量化などに取り組みました(注4)。さらに、2030年に向けて、これまでのプラスチック製容器を対象とした目標から、ガラスなどの容器も含め、容器素材についてもリサイクル素材やバイオマス由来素材を積極的に活用し、これらの使用割合を15%まで高めるという目標を新たに設定しました。また、PET(ポリエチレンテレフタレート)を主な素材とするプラスチック製容器については、PCR(ポストコンシューマーリサイクル)素材の使用を30%とする目標を掲げ、更なる循環型ものづくりを推進していきます。
(注) 1 パリ協定目標達成に向け、企業に対して科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出量削減目標を設定することを推進
している国際的なイニシアティブ
2 事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化にコミットする企業で構成される国際的なイニシアティブ
3 容器包装開発ポリシー「Respect(リスペクト)・Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)・
Replace(リプレース)」
4 2025年実績は2026年発行予定のサステナビリティレポートにて開示予定
表:GHG排出量(単位 t-CO2e)
下記において、●の付されたデータは第三者検証を取得済みです。
(参照資料)
1 地球温暖化対策推進法 算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧
https://policies.env.go.jp/earth/ghg-santeikohyo/files/calc/itiran_2023_rev4.pdf
2 サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース v3.5
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/estimate_05.html
3 Germer, J. et al. (2008) Environment, Development and Sustainability, 10, 697–716
4 経団連カーボンニュートラル行動計画 2024年度フォローアップ結果 個別業種編
https://www.keidanren.or.jp/policy/2024/085_kobetsu35.pdf
(3) DE&Iの取り組み
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)は、当社の企業使命を実現するための重要な取り組みです。私たちは、ジェンダー、年齢、国籍、性的指向、性自認、障がいの有無などに関係なく、個々の違いを認め、尊重し合うことで、多様な視点を活かし、イノベーションを生み出す組織文化を育んでいます。
① ガバナンス
当社のDE&Iのガバナンスに関しては、サステナビリティ全般における推進体制と同様に取り組んでいます。詳細は、前述「(1) サステナビリティ全般」の「① ガバナンス」をご参照ください。
人権に関しては、「Sustainability Committee」の下に人権プロジェクト体制を構築し、人権デューデリジェンスを実施しています。2年に1度の人権リスクアセスメントによって特定した人権の重要課題については、半年に1度、課題ごとに責任を持つ部門が是正措置と改善状況を報告しています。人権プロジェクトはこれらを定期的に「Sustainability Committee」に報告し、全社のリスク軽減状況をモニタリングしています。重要な実績や課題は、取締役会へ毎年報告もしくは提案しています。
② 戦略
当社で長く培ってきたDE&Iの知見を、社員や事業・ブランドを通じて社会に広げ、サステナブルな価値創造につなげます。社会領域では、「ジェンダー平等」と「美の力によるエンパワーメント」を戦略アクションとし、2030年までにそれぞれ100万人の人々を支援することを目指しグローバルで取り組んでいます。さらに「ジェンダー平等」の取り組みにおいては、2030年までに国内資生堂グループのあらゆる階層における女性リーダー比率を50%にすることを目標に掲げています。また、社員、生活者、サプライヤーといった様々なステークホルダーと共に、すべてのステークホルダーの「人権の尊重」にも注力しています。
ジェンダー平等
当社は日本発の企業として、ジェンダー平等を最優先事項に位置づけています。日本企業の役員における女性比率向上を目指す「30% Club Japan」に参画し、企業横断でのベストプラクティス共有や機関投資家・大学とのパートナーシップを通じて、同質性からの脱却とイノベーションの創出に向けたインパクトを強化してきました。
・資生堂DE&Iラボ
大学との共同研究である「資生堂DE&Iラボ」では、日本が世界に大きく後れをとっている女性活躍について、企業がジェンダー平等を実現する際の課題を可視化しています。その解決策や知見を社内外へ広く発信することで、日本社会のDE&I推進を牽引しています。2025年には、国際女性デーにあわせ「資生堂DE&Iラボ シンポジウム」を初開催し、1,287名が参加しました。10月には、インクルーシブな職場づくりの効果に関する研究成果を公開し、実践的なマネジメントの手法の普及に貢献しました。こうした取り組みの成果として、2026年1月1日時点の国内グループ女性管理職比率は43.3%、グローバルでは60.3%に達しています。
・女子教育支援の取り組み
グローバルでは、2019年より、クレ・ド・ポー ボーテはユニセフとのグローバルパートナーシップを通じて、STEAM教育の推進や職業訓練の提供など、ジェンダー平等の実現に貢献しています。同ブランドのグローバルチャリティープログラム「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」では、少女たちの社会的地位向上とエンパワーメントを推進するために女子教育に貢献した女性を毎年表彰しています。2025年には大阪・関西万博において、同アワード受賞者がモデレーターを務めた「STEAM×Gender」をテーマにしたトークセッションや「未来の美」をテーマにしたSTEAMを目指す女子学生向けトークイベントを開催し、若い世代への啓発活動に取り組みました。女性研究者支援の資生堂サイエンスグラント第18回授賞式を開催し、長年にわたる日本の大学などで研究する女性研究者のキャリア支援を継続しました。
これらの当社の取り組みは社内外から高い評価を得ており、2025年3月にはなでしこ銘柄に5年連続で選出されました。資生堂アジアパシフィックPte. Ltd.CEOのニコル・タンがFortune誌による「2025年アジアで最も影響力のある女性(Most Powerful Women Asia 2025)」に選出されるなど、リーダーシップの面でも評価されています。
美の力によるエンパワーメント
年齢、疾病、障がい、外見の変化などさまざまな悩みや困難な状況から人との関わりを避けるなど、日常にあふれている無意識の思い込みや偏見によって「自分らしい美しさ」の表現が抑えられ、社会とのつながりを保つことに難しさを感じる方々がいます。当社は、美の力が心身の満足だけでなく、社会的な満足(注1)を実現する活動を推進しています。
・「資生堂 ライフクオリティー メイクアップ」
深い肌悩みを持つ方へ向けた「資生堂 ライフクオリティー メイクアップ」や、がんサバイバーの社会参画を支援する「LAVENDER RING MAKEUP & PHOTOS WITH SMILES」などのプログラムを通じて、QOL(生活の質)向上のための社会的支援を行ってきました。2025年2月にはブランド設立30周年を迎えた「パーフェクトカバー」は全面リニューアルによりグローバルの多様なスキントーンに対応した色調を配置し、フランス白斑協会など支援団体と協力のもとフランスでの活動を開始しました。6月の世界白斑デーには白斑への理解促進活動を展開するなど、多様な美の実現に向けた取り組みを強化しています。
・地域社会や自治体と連携した社会活動
日本においては地域の社会課題への対応に専任する資生堂ジャパン㈱のソーシャルエリアリーダーらが各地の社会活動の企画運営をリードし、日本各地の自治体と連携しています。具体的な活動例としては、高齢者向けの化粧療法講座やがん治療中の方への外見ケアセミナー、視覚障がい者向けのガイドメイク講座、さらには学生や社会人を対象とした身だしなみ講座などがあり、多様な人々の前向きな社会参加を支援しています。2025年7月には、「資生堂 化粧療法 認定資格」を新設しました。3月には日本で医療従事者向けがん外見セミナー、台湾で化粧療法の講演を実施するなど、国内外で専門性の高い美容ケアの普及に努めました。
・障がいのある方への取り組み
アクセシビリティ向上の取り組みとしては、手話や口話、チャットを用いた聴覚障がい者向けオンライン美容相談サービスを提供し、視覚障がい者向けのセミナーも行っています。手話の国際言語デーにおける手話キャリア交流会を開催など、障がい者の職域拡大プロジェクトを推進しました。「DIVERSITY CAREER FORUM 2025」にゴールドスポンサーとして協賛し、障がい者の就労機会拡大を支援しました。国際的な障がい者活躍支援イニシアティブ「Valuable 500」では、当社執行役員が国際会議に出席し、グローバル企業との連携を深めています。Valuable 500は、障がい者インクルージョンを経営アジェンダに組み込むことを目指す世界的な取り組みであり、当社は参画企業として、製品開発・マーケティング・雇用など多面的な施策を推進しています。
・LGBTQ+コミュニティへの支援
当社の組織においては、社員有志の参加によって、よりインクルーシブな職場づくりにつなげています。2025年には、世界各地で実施されたLGBTQ+の権利を称えるプライドパレードに社員が参加しました。トランスジェンダー女性・ノンバイナリーの方の美容ニーズに応えたメイク技術情報「自分らしさを彩るメイクアップガイド」を公開しました。資生堂ジャパン㈱の専門職が講師となり本メイク講座を開催し、LGBTQ+コミュニティへの支援を推進しています。資生堂グループ社員向けに「Diversity Week」を3回開催し、従業員リソースグループによりLGBTQ+や障がいのある当事者との対話機会を増やしました。
・子どもの心と身体の成長を支援する「ANESSA Sunshine Project」活動
日焼け止めブランド「アネッサ」は、太陽のもとでの活動を通じて、アジア12の国と地域で子どもたちの心と身体の健全な成長を支援する「ANESSA Sunshine Project(アネッサ サンシャイン プロジェクト)」(注2)を2024年より展開しています。屋外で遊ぶことは、子どもの発育・発達における5つの側面(身体・情緒・社会・知的・精神)をバランスよく育み、特に自律神経機能向上により、意欲や自発性といった生きる力を形成する(注3)という知見に基づき、当社は、子どもたちが自発的に外で遊ぶ習慣を促すイベントの開催や、教育関係者や親子に向けた紫外線対策知識の提供を行っています。これまでに累計17.1万人の子どもたちを支援しています。
こうした多様な活動は外部からも評価され、資生堂ライフクオリティーメイクアップが「消費者志向活動章」を、LGBTQ+への取り組みが「PRIDE指標2025」にてレインボー認定を2年連続で獲得しています。
(注) 1 社会や人とのつながりが維持できている状態
2 中国本土、香港、インドネシア、日本、韓国、マカオ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベト
ナムの国と地域で実施
3 子どもの健康福祉学の専門家である早稲田大学 人間科学学術院 前橋 明教授(医学博士)による
人権尊重の推進
当社の事業活動は、常に人権の尊重を基盤とし、社員、取引先、人権団体といったさまざまなステークホルダーとのエンゲージメントに努めています。当社の社員がとるべき行動を「資生堂倫理行動基準」に定め、人権尊重の責務を果たしていく指針として「資生堂人権方針」を策定しています。サプライヤーに対しては「資生堂グループ サプライヤー行動基準」において、人権・法令遵守・労働慣行・知的財産の保護・機密の保持・環境保全・公正な取引に関する規範を明文化し、遵守を求めています。
2020年からは人権デューデリジェンスの仕組みを構築・運用しています。当社が社会に与える人権に対する負の影響をリスクアセスメントを通じて特定し、その防止および軽減のための改善アクションを推進しています。進捗は定期的に報告・開示することで、さらなる人権リスクの軽減に向けた活動を継続して行っています。人権リスクアセスメントにおいては、人権に関する国際規範や非財務情報開示に関する基準、CHRB(Corporate Human Rights Benchmark)の評価項目などを参照し、人権専門家の知見を得ながら、考慮すべき人権課題を抽出しています。抽出した人権課題を当社のステークホルダー(社員、お客さま、取引先、株主、社会)ごとに関連性を整理し、社内関係者へのヒアリングや社内外の資料をもとに顕在的・潜在的な人権影響の深刻度および発生可能性、また、それらに対して資生堂が実施している予防・是正措置の状況から、それぞれの人権課題のリスクを評価しています。
2025年には資生堂グループ全体を評価する第3回人権リスクアセスメントを実施し、人権リスク軽減の進捗をモニタリングしました。2024年12月には「カスタマーハラスメント防止方針」を策定し、2025年4月には「責任あるマーケティング・広告方針」、6月には「資生堂グループアクセシビリティ方針」を公表しました。これらの方針に基づき、ステークホルダーの人権を守る体制を強化しています。
これらの取り組みの詳細は下記企業サイトよりご覧ください。
https://corp.shiseido.com/jp/sustainability/society/
③ リスク管理
当社のDE&Iの取り組みのリスク管理に関しては、サステナビリティ全般のリスク管理と合わせて取り組んでいます。詳細は、前述「(1) サステナビリティ全般」の「③ リスク管理」をご参照ください。
人権に関しては、2年に1度の人権リスクアセスメントを実施し、バリューチェーンにおける人権課題を抽出しています。これに基づき、チーフオフィサー、ディビジョンオフィサーおよび関連部門が人権に対する負の影響の停止、防止、軽減に向けた活動を行っています。
④ 指標及び目標
当社DE&Iの取り組みの指標及び目標の詳細は、前述「(1) サステナビリティ全般」の「④ 指標及び目標」をご参照ください。
(4) 人的資本の取り組み
当社は「PEOPLE FIRST」の考えのもと、「人」を価値創造の源泉とするとともに、人財・組織の強化を経営の重要課題の一つとして位置づけ、積極的に取り組んでいます。
① ガバナンス
当社では、人的資本の強化を経営戦略の中核として位置づけ、人財戦略を策定・推進しています。ピープル&カルチャー本部にて中期経営計画に基づき人財戦略を策定して、「Global Strategy Committee」(注)での議論を経て、取締役会に提案もしくは報告しています。さらに、設定した事項の推進にあたっては、透明性・客観性を高く実現する体制を整えています。例えば、キーポジションに対する後継者の指名・育成計画、適材適所な配置・登用、個人業績評価の妥当性確認、地域本社の経営メンバーの評価・報酬の決定(地域本社報酬委員会)等、特に経営上の重要事項については複眼で公平公正に審議され、執行役や代表執行役の承認・支援の下で実行しています。
(注) 詳細は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」の「① コーポレート・ガバナンス体制」をご参照ください。
② 戦略
2025年度は「アクションプラン 2025-2026」に基づき、変化の激しい市場でも安定的な利益拡大を実現するレジリエントな事業構造の構築に注力してきました。人的資本に関する取り組みにおいては、社内の構造改革を重点的に実行することで、組織としての基盤を着実に固めていました。
2025年11月、「2030中期経営戦略」の開示とともに、新たな人財戦略が始動しました。本人財戦略では、困難な時にあっても世界と本物の価値を分かち合おうとする「資生堂人」として社員が成長することを組織全体で支援し、「社員の成長をかなえる組織」の確立を目指します。その実現に向け、「挑戦の機会の拡大」「資生堂の大切にする価値観の体現」「グローバルで一体感のある組織」の3つの方針を掲げ、人的資本の強化に向けた各種取り組みを推進していきます。
<挑戦の機会の拡大>
変化の激しい事業環境の中で企業価値を継続的に高めるためには、社員が新たな挑戦を通じて成長することと、リーダーが現場で社員の挑戦を支えることが重要と考えています。リーダーの支援のもと社員が挑戦を重ねることで、環境変化に適応するポータブルスキルも身に付きます。より多くの社員に挑戦機会を提供できるよう、これまでのジョブ型人事制度と社内公募制度に加え、所属組織にとらわれない部門横断プロジェクトに参画する機会の拡大を推進していきます。また、今後はグローバルモビリティを戦略的育成施策として位置づけ、グローバルなタレント育成・キャリア形成のための投資を強化します。さらに、社員一人ひとりの強みを把握し、多様な挑戦機会のアクセスを高めるため、スキルの可視化にも取り組みます。加えて、2024年に作成したリーダーシップモデルを基に、現場の管理職を含めたリーダーが、ビジネスだけでなく人・組織の成長もリードするためのマインドセット・スキルを高める研修機会を積極的に取り入れることで、すべてのリーダーが社員の成長を強力にサポートする組織を作り上げていきます。
<資生堂の大切にする価値観(注)の体現>
変革が求められる局面だからこそ、創業以来大切にしてきた価値観を全社員で共有し、組織の意思決定や社員の行動の基準とすることが持続的な企業価値創造の原動力となるという考えから、私たちは価値観の再定義と人・組織への「実体化」に注力していきます。
価値観の再定義にあたっては、社長CEOをはじめ各地域CEOを含むグローバルリーダーシップチームで議論を重ね、資生堂グループならではの独自性にこだわりながら策定しました。今後は、社員一人ひとりが自分の仕事や役割に結び付けて考えながら仲間と対話を重ねることで、自身の判断や行動の拠り所として価値観を体現できるよう、丁寧に「実体化」のプロセスを図ります。
また、資生堂グループの強みである価値創造力と価値伝達力を次世代に継承するため、社員に多様なキャリアパス・成長ステップを提示するとともに、専門人財の計画的・体系的な育成についても検討を進めていきます。
(注) 資生堂が大切にする価値観については、当社企業情報サイトの「企業情報/The Shiseido Philosophy」(https://corp.shiseido.com/jp/company/philosophy/)をご覧ください。
<グローバルで一体感のある組織>
資生堂グループ全体で継続的な構造改革が行われるなか、グローバルが一体となって協働し、相乗効果を発揮することの重要性が増しています。今後はグローバル本社・地域間の繋がりを一層強化してグローバル組織としてのアジリティを高めるとともに、多様な社員がそれぞれの強みを発揮して活躍できるインクルーシブな文化の形成を進めていきます。具体的には、コーポレート部門を対象に、グローバル本社・地域間の役割・レポートラインの明確化とガバナンス整備を通じて、グローバルで一体化した効率的なオペレーションと創出価値最大化を実現する組織体制の構築を目指します。併せて、人事部門ではこれまで統一されていなかった人事プロセスや人事データを整理・統合し、人事データに基づく迅速な意思決定と施策実行を可能とする基盤を整えます。インクルーシブな文化の形成に向けては、多様な社員が繋がり、お互いの関心や理解を深めるための「Brand Day」や「Diversity Week」などのイベントを多数開催し、人財制度と運用の面からも女性社員の活躍推進、障がい者の活躍支援、育児と仕事の両立支援を継続してきました。特に女性社員の活躍推進については、2030年までに女性管理職比率50%を目標とし、女性リーダー育成施策や女性役員とのメンタリングなどを通じて、さらなる成長を支援していきます。
そのほかにも人財・組織の強化を図る施策として、資生堂グループ全体での適材適所な人財配置と戦略的にタレントを育成する「戦略的タレントマネジメント」、中長期的な業績の向上とストレッチした業務アサインメントにより社員の成長を図る「パフォーマンスマネジメント」、主体的なキャリア開発と専門性強化のためのワークショップやeラーニング、社員自身が作成した中長期的なキャリアゴールを描く「キャリア・ディベロップメントプラン(CDP)」などの「自律的キャリア開発支援」があります。日本国内の社員に対しては、既に導入されている「ジョブ型人事制度」のもと、社員の専門性を強化し、社員一人ひとりのキャリア自律を高める支援をしています。社内の構造改革を進める中、社員が多様な挑戦機会にアクセスできるよう、これからの未来を創る人財の自己成長の場である「Shiseido Future University」や、オンライン学習プラットフォームである「LinkedIn Learning」などの学習機会を継続的に提供し、スキル強化を推進してきました。トレーニングプログラムとしては、目的と対象者に応じて、選抜型プログラム、選択型プログラム、必須プログラムの3種類を提供しています。必須プログラムには、新入社員研修や3年目研修、新任職制マネジャー研修、マネジャーワークショップ等があります。また、幹部候補の女性社員が自身や周囲のアンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)から自由になり、マネジメントや経営のスキルを学びながら、自分らしいリーダーシップスタイルを見つける「NEXT LEADERSHIP SESSION for WOMEN」は当社の特徴的な選抜型プログラムの1つです。
社員が自分のライフスタイルやワークスタイルに合せて働き方を選択できるように、コアタイムのない「フレックスタイム制度(スーパーフレックス)」、業務の目的に合わせてリモートワークとオフィスワークを柔軟に組み合わせる「資生堂ハイブリッドワークスタイル」を推奨しています。また、働き方の変革による生産性向上や社員体験の充実を図るため、生成AIをベースにした「Shiseido AI コンシェルジュ」を設置し業務効率化に努めています。さらに、社員の健康と労働安全衛生を重要な課題として認識し、「資生堂健康宣言」「資生堂ビジョン・ゼロ宣言(安全宣言)」を中心に、継続的に安心・安全な職場環境づくりに取り組んでいました。これらの取り組みが評価され、2025年度においても、「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」の認定を受けたほか、公益社団法人 女性の健康とメノポーズ協会が主催する「女性の健康経営®アワード」の推進賞を受賞しました。
これらの取り組みによる人財・組織の変化については、エンゲージメントスコアを活用して継続的にモニタリングし、効果や課題を分析することを通じて人的資本経営高度化のPDCAサイクルを構築していきます。2025年度は資生堂グループと関係会社において直接雇用されている社員全員を対象に調査を実施し、回答率は91%、エンゲージメントスコアを測定する3つの設問の肯定的回答はグローバル全体で71%となりました。設問別に見ると、「会社への満足感(74%)」や「会社への貢献意欲(74%)」が相対的に高い一方で、「働きがい/やりがい(65%)」が低い傾向にあります。今後はより多くの社員が積極的に挑戦・成長できるよう支援し、働きがいを実感してもらえる環境づくりに注力します。
③ リスク管理
当社の人的資本の取り組みのリスク管理に関しては、サステナビリティ全般のリスク管理と合わせて取り組んでいます。詳細は、前述「(1) サステナビリティ全般」の「③ リスク管理」をご参照ください。
④ 指標及び目標
指標については下表のとおりであり、中長期目標については現在策定中です。
<外部評価・受賞>
2025年度を通じて第三者機関から評価・受賞いただいた実績は以下のとおりです。
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼすリスクは以下のとおりであり、これらは投資家の判断にも影響を与える可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年3月23日)現在において当社グループが判断したものですが、ここに掲げられている項目に限定されるものではありません。
当社では、あらゆるステークホルダーとの信頼関係を築き、経営戦略の実現を一層確実なものとすることを主眼に置いてリスクマネジメントを推進しています。そのため、リスクを戦略実現に影響を与える不確実性と捉え、脅威だけでなく、機会も含めた概念として定義し、必要な体制を構築するとともに、積極的かつ迅速に対応策を推進しています。
当社グループ全体に関わるリスクや個別案件に関わるリスクを特定し対応策等を審議する体制として、当社CEOを委員長とし各地域CEOおよびオフィサー等をメンバーとするGlobal Risk Management & Compliance CommitteeやGlobal Strategy Committeeを設置し、定期的に開催しています。また、リスクに関連する情報は、CLO(チーフリーガルオフィサー)傘下のリスクマネジメント部門に集約されます。
毎年特定・評価された重要リスクは、当社グループの経営戦略を策定するうえで考慮される要素となります。加えて、リスクごとに設定されたリスクオーナーを中心に対応策を推進し、その進捗状況をモニタリングするとともに定期的に上記のコミッティーのメンバーや取締役と共に議論する仕組みを構築・運用しています。
2025年度は、総合的・多面的な手法(ホリスティックアプローチ)を用いて全社的に重要なリスクを抽出しました。具体的には、当社オフィサー、各地域CEOおよび取締役のリスク認識を把握するインタビューやディスカッション、ならびに各地域で実施した地域ごとのリスク評価、当社関連機能部門によるリスク評価等を元に、リスクマネジメント部門による分析や外部有識者の知見を加えて、当社の「2030 中期経営戦略」(注)の達成に影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定しました。
(注) 「2030 中期経営戦略」 戦略の3つの柱
そして、以下表1のとおり、「ビジネスへの影響度」、「顕在化の可能性」、「脆弱性」の3つの評価軸を設定し、上記コミッティーや個別会議などを通じて、リスクの優先付けおよび対応策の検討・確認を行いました。
表1 <リスクの評価軸>
アセスメントの結果抽出された計21の重要リスクは、以下表2のように「生活者・社会関連」「事業基盤関連」そして「その他」の3つのリスクカテゴリーに分類し対応しています。
表2 <資生堂グループ重要リスクの抽出結果> ★:特に対応を強化しているリスク
当連結会計年度のリスクアセスメント結果で特筆すべき点として、各リスクの結びつきがますます強固となり、それに伴い各リスクの対応策の相互関係も強まりつつあることが挙げられます。加えて、当社では「生活者の価値観変化への対応」「地政学的問題」「組織能力と組織風土」「規制対応」のリスクについて、前連結会計年度と比較しリスクレベルが上昇しているリスクとして特定し、対応を強化しています。
次項より重要リスクごとに、戦略実現に向けた主要な取り組み、想定される不確実性(脅威・機会)、対応策、リスクレベルの変化および「2030 中期経営戦略」との関連性を記述します。なお、記述内容は、2026年3月23日時点におけるものです。
<生活者・社会関連>
<事業基盤関連>
<その他>
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績
(単位:百万円)
(注) 1 コア営業利益は、営業利益から構造改革に伴う費用・減損損失・買収関連費用等、非経常的な要因により発生した損益(非経常項目)を除いて算出しています。
2 EBITDAは、コア営業利益に、減価償却費(使用権資産の減価償却費を除く)および償却費を加算しています。
3 売上高における実質増減率は、為替影響、当連結会計年度・前連結会計年度におけるすべての事業譲渡影響および譲渡に係る移行期間中のサービス提供に関わる影響および「Dr. Dennis Gross Skincare」の買収前に係る期間の当連結会計年度の売上による影響(以下「事業譲渡影響および買収影響」という。)を除いて計算しています。
当連結会計年度における世界経済は、地政学リスクの高まり等を受け先行きへの不透明感が継続しました。
国内化粧品市場は、緩やかな成長となりました。訪日外国人旅行者数は年間を通じ過去最多となり堅調に推移した一方、12月の中国人旅行者数の急減も影響しインバウンド消費は想定を下回りました。
海外化粧品市場は全体として厳しい状況が継続する中でも、回復基調が見られました。中国海南島などの免税市場では、景況感の悪化に伴う低調な消費により厳しい市場環境が続いたものの、中国海南島での免税政策の改正を背景に復調が見られたほか、中国市場においても回復基調となりました。欧米化粧品市場では想定は下回るものの、緩やかな成長を維持しました。
当社グループは、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD (美の力でよりよい世界を)」のもと、環境問題やダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを中心とした社会課題の解決に向けてイノベーションに積極的に取り組んでいます。当社グループは2024年11月に、早期の収益性改善と、その後の持続的な成長をより確実なものとするために、2025年と2026年で実行する「アクションプラン 2025-2026」を策定しました。変化の激しい市場でも安定的な利益拡大を実現するレジリエントな事業構造を目指し、「ブランド力の基盤強化」、「高収益構造の確立」および「事業マネジメントの高度化」に取り組んでいます。当連結会計年度は、2026年のコア営業利益率7%の達成に向けて、優先課題への対応を確実に進め、主要な構造改革アクションを完遂しました。
そして、当社グループの強みである価値創造力と価値伝達力を基盤に、新たな成長軌道へと転換し、企業価値の最大化を目指す「2030 中期経営戦略」を策定し、2030 VISION「ひととの繋がりの中で新しい美を探求・創造・共有し、一人ひとりの人生を豊かにする」を掲げました。創業から大切にしてきたものへと立ち返り、社会へ貢献したいという考えのもと、「ブランド力の向上を通じた成長加速」、「グローバルオペレーションの進化」および「サステナブルな価値創造」を戦略の柱に据え、市場を上回る売上成長を目指すとともに、2030年までにコア営業利益率10%以上の達成を実現します。
① 売上高
売上高は、中国・トラベルリテール事業の上期を中心とした消費低下の影響や、米州事業の「Drunk Elephant」の苦戦継続により、減収となりましたが、注力ブランドの成長により下期はプラス成長となりました。その結果、前年比2.1%減の9,700億円、現地通貨ベースでは前年比2.1%減、為替影響、事業譲渡影響および買収影響を除く実質ベースでは前年比1.8%減となりました。
② 売上原価
売上原価は、前年比4.4%減の2,270億円となりました。売上高に対する比率は、ブランド・プロダクトミックスの改善、偏在在庫償却引当の減少などにより前年比0.6ポイント減の23.4%となりました。なお、事業譲渡影響および減損損失影響などを除いた実質の原価率は在庫償却関連費による原価減少などにより、前年比0.4ポイント減の23.0%となりました。
③ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、前年比3.4%減の7,256億円となりました。コア営業利益ベースの内訳は次のとおりです。
(イ) マーケティングコスト(注) 1
マーケティングコストの売上高に対する比率は、機動的なコストマネジメントにより減少したものの、ブランド価値向上のための投資継続強化により、前年比0.7ポイント増の29.3%となりました。
(ロ) ブランド開発費・研究開発費
ブランド開発費・研究開発費の売上高に対する比率は、前年比0.1ポイント減の3.8%となりました。
(ハ) 人件費(注) 2
人件費の売上高に対する比率は、賞与引当金が増加したものの、日本、中国・トラベルリテールおよび米州の構造改革効果等により、前年比0.6ポイント減の22.3%となりました。
(ニ) 経費
経費(その他費用)の売上高に対する比率は、構造改革や全社を挙げたコストマネジメントにより前年比0.5ポイント減の17.0%となりました。
販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は271億円となり、売上高に対する比率は2.8%となりました。なお、研究開発活動についての詳細は、「6 研究開発活動」に記載しています。
(注) 1 マーケティングコストは、PBP(パーソナルビューティーパートナー)関連諸費用を含めた場合は、売上高に対する比率は38.3%となりました。
2 人件費は、PBP(パーソナルビューティーパートナー)関連諸費用を除いた場合は、売上高に対する比率は13.3%となりました。
④ コア営業利益
コア営業利益は、前連結会計年度に対し82億円増益の445億円となりました。中国・トラベルリテールや米州事業などの減益の一方、注力ブランドの成長に伴うプロダクトミックス改善、および構造改革や全社を挙げたコストマネジメントによる効果で相殺し、増益となりました。
⑤ 営業利益又は損失
営業利益又は損失は、前連結会計年度に対し364億円減益の288億円の損失となりました。コア営業利益の増益の一方、米州事業の収益性低下を受けて実施した減損テストの結果、当連結会計年度において、のれんの減損損失468億円を計上したことが影響しました。
⑥ 税引前損失
税引前損失は、前連結会計年度に対し264億円減少し、277億円の損失となりました。営業利益が前連結会計年度に対し364億円減益の288億円の損失となった一方、前連結会計年度にセラーノートに関連する費用として長期貸付金の損失評価引当金繰入額を計上したことが影響しました。
⑦ 親会社の所有者に帰属する当期損失
親会社の所有者に帰属する当期損失は、前連結会計年度に対し299億円悪化し、407億円の損失となりました。コア営業利益の増益や金融費用の減少の一方、米州事業ののれんの減損損失を計上したことが影響しました。
⑧ EBITDA
EBITDAは、前連結会計年度に対し57億円増益の952億円となり、マージンは9.8%となりました。
当連結会計年度における連結財務諸表項目(収益および費用)の主な為替換算レートは、1ドル=149.7円、1ユーロ=169.0円、1中国元=20.8円です。
(報告セグメントの業績)
各報告セグメントの業績は次のとおりです。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分方法を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分方法に基づいています。
売上高(外部顧客への売上高)
コア営業利益又は損失 (参考)
(注)1 当連結会計年度より、報告セグメントを従来の「中国事業」「トラベルリテール事業」から「中国・トラベルリテール事業」に変更し、従来「その他」に計上していた㈱イプサの国内販売機能、およびヘルスケア事業の美容食品等の販売機能に係る業績を「日本事業」に計上しています。また報告セグメントの利益又は損失の算定方法を変更しています。変更内容の詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記」の「6. 事業セグメント」をご参照ください。なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しています。
2 売上高における実質増減率は、為替影響、事業譲渡影響および買収影響を除いて計算しています。
3 「その他」は、飲食業等を含んでいます。
4 コア営業利益又は損失における売上比は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高に対する比率です。
5 コア営業利益又は損失の「調整額」は、主に各事業セグメントに配分していない本社費用、各報告セグメントへの配賦額と実際発生額との差額および原価差額等です。本社費用は、従来「その他」に含めていましたが、当連結会計年度より「調整額」に含めており、主に本社機能部門および基礎研究開発部門等に係る費用です。
① 日本事業
日本事業では、経営改革プラン「ミライシフト NIPPON 2025」の実行を通じ、成長性・収益性の高いブランド・商品・お客さま接点へ活動を集中させることで成長の加速に取り組むとともに、固定費低減により、収益性改善を着実に進めました。「SHISEIDO」や「エリクシール」を中心としたコアブランドで、最新技術を搭載した新商品の貢献などにより、成長を実現しました。一方、インバウンド消費は、訪日外国人旅行者数が過去最多となったものの、旅行者の消費行動変化や内外価格差の縮小を受けた購買意欲の低下により、成長は鈍化しました。
以上のことから、売上高は2,953億円となりました。前年比は0.4%増、事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比0.7%増となりました。コア営業利益は390億円、売上増に伴う差益増および構造改革効果などにより、前年に対し131億円の増益となりました。
② 中国・トラベルリテール事業
中国・トラベルリテール事業では、景況感の悪化に伴う消費低下が影響したものの、下期にかけては回復が見られました。中国では、「クレ・ド・ポー ボーテ」や「NARS」がけん引し、特に中国最大のEコマースイベントである「ダブルイレブン」によりEコマースが大きく伸長しました。トラベルリテール(空港・市中免税店などでの化粧品・フレグランスの販売)では、旅行者中心のビジネスへの移行が順調に進んだものの、中国・韓国において、中国人旅行者の消費低調による厳しい状況が継続し、減収となりました。
以上のことから、売上高は3,422億円となりました。前年比は4.3%減、現地通貨ベースでは前年比3.5%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比3.5%減となりました。コア営業利益は645億円、売上減に伴う差益減を、固定費低減などの構造改革効果により一部相殺し、前年に対し75億円の減益となりました。
③ アジアパシフィック事業
アジアパシフィック事業の国・地域では、台湾等での市場縮小の影響を受けた一方、タイを中心とする東南アジアや韓国が成長をけん引し、増収となりました。「クレ・ド・ポー ボーテ」、「SHISEIDO」、「エリクシール」を中心とした注力ブランドが成長しました。
以上のことから、売上高は733億円となりました。前年比は2.3%増、現地通貨ベースでは前年比1.4%増、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比1.8%増となりました。コア営業利益は51億円、売上増に伴う差益増により、前年に対し2億円の増益となりました。
④ 米州事業
米州事業では、「SHISEIDO」や「クレ・ド・ポー ボーテ」が増収となりました。一方、「Drunk Elephant」は苦戦が継続したことに加え、「NARS」は一部出荷の期ずれ等の影響により、減収となりました。
以上のことから、売上高は1,066億円となりました。前年比は10.1%減、現地通貨ベースでは前年比8.7%減、為替影響、事業譲渡影響および買収影響を除く実質ベースでは前年比9.5%減となりました。コア営業損失は116億円、売上減に伴う差益減、原価率悪化および関税影響による減益を、固定費低減などの構造改革効果により一部相殺し、前年に対し23億円の減益となりました。
⑤ 欧州事業
欧州事業では、「Drunk Elephant」の苦戦は継続した一方、新商品を発売した「Zadig&Voltaire」や「narciso rodriguez」等フレグランスが力強い成長となりました。
以上のことから、売上高は1,411億円となりました。前年比は6.4%増、現地通貨ベースでは前年比3.1%増、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比3.2%増となりました。コア営業利益は39億円、売上増に伴う差益増を、マーケティング投資の強化などにより一部相殺されたものの、前年に対し13億円の増益となりました。
(生産、受注および販売の実績)
生産、受注および販売の実績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分方法を変更しており、増減率は変更後の区分方法に基づいています。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しています。
2 金額は製造原価によっています。
② 受注状況
当社グループ製品については受注生産を行っていません。また、OEM(相手先ブランドによる生産)等による受注生産を一部実施しているものの金額は僅少です。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間取引については相殺消去しています。
(2) 財政状態
① 資金調達と流動性マネジメント
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、ならびに健全な財政状態を常に目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保に努めています。成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資・投融資資金は、主に手元のキャッシュと営業活動からのキャッシュ・フローに加え、借入や社債発行により調達しています。資金調達に関しては、有利な条件で調達が可能となる格付シングルAレベルを維持すべく、ネットデット・EBITDA・レシオ0.5倍を目安としながら、市場環境などを勘案して最適な方法でタイムリーに実施します。ただし、今後の収益力およびキャッシュ・フロー創出力を考慮したうえで、上記指標は株主還元方針と併せて、さらなる資本効率の向上に資する最適資本構成になるよう、適宜見直します。
手元流動性については、連結売上高の1.5ヶ月程度を一つの目安としています。当連結会計年度末の現金及び預金の総額は1,182億円となり、手元流動性は連結売上高(2025年1月1日から2025年12月31日までの期間)の1.5ヶ月分となりました。
一方、当連結会計年度末現在の有利子負債残高は3,252億円となっています。金融機関と締結しているコミットメントライン契約の未使用額1,000億円、国内普通社債の発行登録枠の未使用枠2,850億円を有し、資金調達手段は分散化されています。
当連結会計年度末現在において、当社グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は高いと考えています。
② 格付け
当社グループは、流動性および資本政策に対する財務の柔軟性を確保し、資本市場を通じた十分な資金リソースへのアクセスを保持するため、一定水準の格付けの維持が必要であると考えています。当社グループは、社債による資金調達を行うため、株式会社格付投資情報センターより格付けを取得しています。
2026年2月28日現在の発行体格付けはA(方向性:安定的)となっています。
③ 資産および負債・資本
(資産)
総資産は、のれんの減少、円安による資産の換算額の増加、棚卸資産の減少、使用権資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べ646億円減の12,673億円となりました。
(負債)
負債は、社債償還やリース負債の減少などにより312億円減の6,460億円となりました。
(資本)
資本は、当期損失や配当金支払いによる利益剰余金の減少、円安により在外営業活動体の換算差額が増加したことなどにより、334億円減の6,213億円となりました。
1株当たり親会社所有者帰属持分は、前連結会計年度末に対し79.83円減の1,503.64円となり、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末比0.1ポイント減の47.4%となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分に対する現金及び預金の総額を除いた有利子負債(リース負債除く)の割合を示すネットデット・エクイティ・レシオは0.16倍となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、当連結会計年度期首残高985億円に比べ66億円減少し、918億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費及び償却費(717億円)、減損損失及び減損損失戻入(513億円)、棚卸資産の増減額(190億円)などの増加項目があった一方、税引前損失(277億円)、営業債務の増減額(139億円)、などの減少項目があったことにより、前連結会計年度末に比べ615億円増加の1,099億円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、工場設備への投資等である有形固定資産の取得による支出(253億円)、ITシステムへの投資等の無形資産の取得による支出(191億円)などにより、434億円の支出となり、前連結会計年度末に比べ403億円支出は減少しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入(570億円)があった一方、社債の償還による支出(400億円)、短期借入金の減少(320億円)、リース負債の返済による支出(237億円)、配当金の支払額(120億円)、長期借入金の返済による支出(120億円)、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出(117億円)などにより、前連結会計年度末に比べ1,006億円支出は増加し、772億円の支出となりました。

(4) 重要性がある会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要性がある会計方針」および「4.重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しています。
5 【重要な契約等】
(非支配持分の追加取得)
当社は、成長市場での事業運営を包括的に管理することを主な目的として、当社の連結子会社である資生堂アジアパシフィックPte. Ltd.を通じて、連結子会社である資生堂(タイランド)Co. Ltd.の非支配株主が所有する51%の株式を追加取得する株式売買契約について、2025年11月28日に法的拘束力を有する正式契約を締結しました。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「36.主要な子会社」に記載しています。
6 【研究開発活動】
当社グループは、強みである皮膚科学技術や処方開発技術、感性科学、情報科学に加えて、デジタル技術や機器開発技術などの新しい科学技術を国や業界を超えて融合し、資生堂の企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」の実現に取り組みます。
資生堂グローバルイノベーションセンターをはじめ、米国、フランス、中国に代表される海外研究開発拠点においては、現地のマーケティング部門と連携しながら、各地域のお客さまの肌や化粧習慣の研究、その特性にあった製品開発に取り組んでおり、世界中のお客さまに対して安全・安心、高品質な商品・サービスの創出に向け、資生堂グループ全体の成長に貢献するとともに世界の化粧品業界をリードします。
当社グループが生み出した研究開発成果は外部より高い評価を受けています。化粧品技術を競う世界最大の研究発表会である第35回国際化粧品技術者会連盟カンヌ大会2025において、全798件の研究報告(口頭発表68件、ポスター発表730件)のうち、ポスター発表部門で「最優秀賞」を受賞しました。そして、2025年6月にフィリピンで開催された第17回アジア化粧品技術者会(ASCS)マニラ大会2025にて口頭発表部門で「1等賞」を受賞しました。
また、戦略実現を加速するアプローチとして、皮膚科医をはじめとする医師や研究機関等との連携および生活者との共創においてイノベーション創出を積極的に進めることを示しました。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は271億円(売上高比2.8%)であり、商品カテゴリー別の主な研究成果は、以下のとおりです。なお、研究開発活動については、特定のセグメントに関連付けられないため、セグメント別の記載は行っていません。
(1) スキンケア
肌自らが持つ力で未来の肌悩みを未然に防ぐという考えのもと、30年以上前から肌の免疫機能に関する研究にマサチューセッツ総合病院皮膚科学研究所(以下「CBRC」という。)と共に取り組み、常に進化を続けています。今回、当社とCBRCは新たな皮膚の免疫細胞の機能として、老化した繊維芽細胞(老化細胞)を除去することと、そのメカニズムを発見しました。これまで老化細胞は年齢とともに蓄積すると考えられていましたが、老齢の皮膚においても必ずしも老化細胞が多いわけではなく、免疫細胞の一種であるCytotoxic CD4+ T細胞(以下「CD4 CTL」という。)が老化細胞の蓄積抑制に強く関わっていることを明らかにしました。またCD4 CTLが老化細胞の蓄積を抑えるメカニズムとして、老化細胞内で活性化したヒトサイトメガロウイルスの一部分(抗原)が老化細胞の表面に出現することで、それをCD4 CTLが認識し、老化細胞を選択的に除去していることを世界で初めて発見しました。なお、本研究成果は生命科学分野において世界最高峰の学術雑誌であるCell誌に掲載されました。さらに、ツバキ種子発酵抽出液が、CD4 CTLの誘引するCXCL9(注1)の発現を高めることを世界で初めて発見しました。これにより、ツバキ種子発酵抽出液によって皮膚の免疫細胞による老化細胞除去効果が高まることが期待され、本研究成果を「SHISEIDO」の商品開発に応用しました。
近年、美容医療市場が拡大するなど生活者が望む明るい肌を叶える手段が多様化する中、安全でさらに効果の高い美白化粧品、医薬部外品の開発のためには新規開発が難しい美白有効成分の「浸透性」を高める技術の強化が求められていました。そこで、融点(個体が融解し液体になるときの温度)の高いイオン性の物質を組み合わせることで元の物質の融点より低い温度で液体になるイオン液体に着目しました。その結果、当社独自開発の美白有効成分4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)を、イオン液体である保湿成分トリメチルグリシンと組み合わせることで、皮膚浸透性を高める4MSK/フリュイド浸透促進技術を開発することに成功しました。この技術は、常温で固体の4MSKを液体化し、肌に塗布した後も液体(フリュイド)状態を持続させる画期的な技術です。最適な配合比率で2つの成分を基剤に配合すると、4MSK単独で基剤に配合する場合と比べて、4MSKが皮膚へ約2倍浸透することを確認しました。さらに、3次元培養皮膚モデルで検証した結果、4MSKのメラニン生成抑制効果を高める効果があることが分かりました。また、本技術を搭載した新プロトタイプ基剤では、シミの数が12週間で1.8倍減少し、肌の明るさも12週間で1.9倍の改善を確認しました。本研究成果は「SHISEIDO」の商品開発に応用されました。
当社は100年を超える肌研究と先進のシミ研究から、これまでメラニンやシミが発生する肌内部環境への多角的なアプローチで様々なシミ形成要因を解明してきました。一方でシミ特有の要因に結びつく肌内部のダイナミックな変化を実際の皮膚と同様の環境において細胞レベルでとらえる必要があることがわかってきました。しかしながら、生きたシミ内部を細胞レベルで、かつリアルタイムで解析することは困難でした。そこで、生きたヒトの皮膚をリアルタイムで観察することができる顕微鏡の一種であるFLIM(注2)を用いて、シミ部位の細胞代謝を評価する新手法を世界で初めて確立し、これまで観察が難しかった、シミがどのように悪化していくかという「シミの一生」を時間軸で捉えることに成功しました。FLIMを用いた解析によって、シミ部位ではメラニンの蓄積によってミトコンドリア代謝が低下し、細胞老化が生じることでシミが悪化すると考えられ、いわばシミがシミを呼ぶ悪化根源があることを明らかにしました。なおこの画期的な研究成果は、第34回国際化粧品技術者会連盟イグアス大会2024の口頭発表基礎部門で最優秀賞を受賞し、第32回日本色素細胞学会学術大会にて発表を行っています。さらに、資生堂独自のトリプル薬剤を配合した基剤において、シミにおけるミトコンドリア代謝が高まることを見出しました。細胞老化の主要な要因のひとつであるミトコンドリア活性低下を抑えるとともに、老化した細胞から分泌され、細胞老化を悪化させるSASP因子(注3)のひとつであるGROα(注4)を抑制することが分かりました。本研究成果は「HAKU」の商品開発に応用されました。
(2) サンケア
ミネラル類に代表される紫外線散乱剤は配合量を高めることで紫外線防御力は高くなりますが、肌が不自然に白浮きしやすくなります。一方で、濃度を低くすると白浮きは防げますが紫外線防御力は低くなるというジレンマが存在しました。そこで、国立大学法人東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門教授 稲澤晋先生との共同研究により、世界で初めてミネラルサンスクリーン(ノンケミカルサンスクリーン)処方において、紫外線散乱剤が肌の上で最適な分散状態に変化する技術を開発しました。この技術により、高い紫外線防御力を発揮しながら、透明で均一な防御膜を形成する新しい日焼け止め製剤を提供することが可能になりました。これまでミネラルサンスクリーン処方の課題だった塗布後の白浮きを軽減させ、紫外線散乱剤が肌のキメまでムラなくフィットするため、紫外線防御力は本技術未搭載の場合と比較して最大2.2倍を実現しました。なお、本技術は日焼け止め製剤の開発において従来不適切とされてきた「凝集」状態(紫外線散乱剤の粒子が集まって繋がった状態)をあえて活用し、肌の上で均一な分散状態へと徐々に変化させることで実現されます。一般的に「凝集」状態は、機能が低下するため敬遠されていましたが、逆転の発想により日焼け止め技術の新たな価値へと転換することができました。本研究成果は「SHISEIDO」の商品開発に応用されました。
従来、ウォーターベース日焼け止めは軽い使用性のため、日常使いとして人気がある一方で、汗や水に弱く、紫外線防御膜が崩れやすいとされてきました。そのため、日焼け止め製剤開発においては、耐水性を高めるために紫外線散乱剤や被膜剤を多く配合することが一般的な手法となっており、白浮きやべたつき、衣類への色移りを引き起こす要因となっていました。そこで、ウォーターベースでありながら高い耐水性と紫外線防御力が持続し、かつ過酷な蒸し暑さや冷房による乾燥など外部環境の湿度変化に応じて肌表面の水分量を調整する新しい日焼け止め技術を開発しました。本技術は、汗や海水に含まれる金属イオンと反応する石鹸由来の成分を利用し、肌表面の塗布膜に特殊な構造を形成させることで撥水性と密着性を向上させます。水より軽く、柔軟でヨレにくい膜を形成することが可能になり、高い耐水性と紫外線防御力を持続しつつ、白浮きや黒い服への白移りが少ない透明な仕上がりを実現しました。さらに、外部環境の湿度変化に応じて自発的に水分透過をコントロールする技術を応用し、乾燥下では肌表面の水分を逃さずに留め、湿潤化では過剰な水分を放出することで常に肌表面の水分バランスを一定に保ち、シミの原因となる炎症因子IL-1αの活性化を抑制させることが期待されます。なお本研究の成果の一部は、第3回日本化粧品技術者会(SCCJ)学術大会にて発表を行っており、肌表面を覆って紫外線を防ぐだけでなく、日常のストレスや不快感、さらには環境にも配慮した製品の開発へつなげていきます。
肌の光老化についてまだ広く知られていなかった100年以上前から、いち早く紫外線防御研究に着手し、あらゆる環境下でも紫外線の悪影響から肌を守りたいという生活者ニーズに応えるべく技術開発を行ってきました。昨今、紫外線防御機能と高いスキンケア機能を兼ね備えた日中用化粧品の需要が高まる中で、当社はどのようにしてその期待に応えるべきかを考えてきました。そこで、東京科学大学の清水重臣特別教授との共同研究により、細胞内の不要な物質を分解し再構築するメカニズムとして知られるオートファジーの中でも、特に細胞が過度のダメージを負ったときに機能するオルタナティブオートファジーが、紫外線による肌の光老化を抑制する働きを持つことを明らかにしました。紫外線により損傷した表皮細胞内のミトコンドリア(注5)の周辺では、炎症性因子を発していることを確認し、オルタナティブオートファジーを活性化させると炎症性因子が抑えられることが分かりました。さらに、オルタナティブオートファジーが働かずに炎症性因子が表皮細胞の外に放出され、その影響が真皮細胞に及ぶようになるとコラーゲン分解酵素(NMP)の発現が高まることが分かりました。そして、オルタナティブオートファジーを活性化するエキスとして毛葉香茶菜エキスを見出しました。今回の共同研究の知見から開発したソリューションによって、従来の紫外線防御や抗炎症剤といった外側からのアプローチに加え、肌の内部からもシミによる肌悩みを防ぐ画期的なアプローチが可能になりました。
(3) メディカル・ダーマ
理想の肌を実現する手段として近年では美容医療が一般的になり、化粧品にも高い効果を期待する声が高まっています。美容医療技術で人気を博しているマイクロニードル(注6)は、肌に微細傷をつけ、薬剤の浸透を高めるとともに創傷治癒の反応を惹起し、皮膚深部の構造を再構築して高い効果をもたらすとされています。一方で、治療による出血等を伴う侵襲的な側面もあることから、施術を受ける際の負担、不安感が課題でした。そこで、美容医療に迫る高い効果と安全性を両立し、日常的に使用できる独自構造の次世代マイクロニードルを開発しました。「注入」と「押圧」の2つの機能を備えた新しいアプローチで、皮膚を傷つけずに皮膚浅層(角層を含む表皮)に有効成分を注入すると同時に、皮膚深部(真皮以下)に押圧刺激を与えることができ、免疫・血管・コラーゲンなどの細胞外マトリクス(注7)に関連する遺伝子群の発現状態を変化させます。まず、皮膚浅層のみを精密に刺し、同時に皮膚深部に押圧による圧刺激を効率的に与えることのできる形状パラメータを見出し、ナイアシンアミドなどの水溶性薬剤の浸透量を有意に向上させるとともに、素早くより深くまで送達させることを明らかにしました。次に、マイクロニードルを2日に1回の頻度で7日間使用し、皮膚深部に刺激を与えることにより免疫・血管・コラーゲンなどの細胞外マトリクスに関連する遺伝子群の発現を変化させ、皮膚を傷つけずに肌改善を促すことが示唆されました。さらに、ナイアシンアミドを配合したマイクロニードルの連用試験の結果、短期間でしわ・透明感を改善し、8週間後にほうれい線がより浅く、短くなっており、バリア機能を破壊せずむしろバリア機能を改善するなど複合的な肌悩みを改善することが明らかになりました。なお、本研究成果の一部は、第34回国際化粧品技術者会連盟イグアス大会2024にて発表を行っており、本研究成果を「SHISEIDO」の商品開発に応用しました。
また、日本におけるダーマ市場の成長に向け、皮膚科医等の専門医と協力した研究開発の強化を加速しています。東北大学病院 皮膚科・周産母子センター(以下「東北大学病院 皮膚科」という。)との共同研究により、生後2カ月時点で角層に含まれる特定のタンパク質が多い乳幼児は、3歳時点でアトピー性皮膚炎や食物アレルギーを発症する確率が高いことを発見しました。両親のうち少なくともひとりにアトピー性皮膚炎の既往がある乳児について、アトピー性皮膚炎・食物アレルギーの発症と角層中に含まれるタンパク室であるSCCA1量の関係性を統計的解析により調べたところ、生後2カ月時の頬の角層中のSCCA1の量は、アトピー性皮膚炎を発症していない乳幼児と比較をして、発症した乳幼児においては著しく高い結果となりました。また、生後2カ月時の口周りの皮膚の角層中のSCCA1の量が、食物アレルギーを発症していない乳幼児と比較をして、発症した乳幼児においては著しく高い結果となりました。これらの結果は、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーで悩む方が増えている中、早期予測に基づいた適切なケアにより発症リスクが低減できることで乳幼児と家族の生活の質向上に寄与できると考えられます。本発見は着想から10年以上の歳月をかけて、東北大学病院 皮膚科との協働を通じて見出されました。なお、本研究の共同研究者である東北大学病院 皮膚科 小澤麻紀先生の論文は、2025年度サノフィ優秀論文賞「一般部門」を受賞し、本成果は2025年10月24日~26日に開催された日本アレルギー学会にて発表されました。今後も国内の皮膚科医等の専門医と協力した研究開発を通じ、敏感肌サイエンスを強化していきます。
肌の内部や身体と心の状態、さらにはそれらの関係性を解明する独自の技術を活用し、50年以上にわたって敏感肌の研究に取り組んできました。当社は、肌の敏感さには皮膚常在菌叢(注8)の中でも大きな割合を占めるアクネ菌と表皮ブドウ球菌の影響が大きいのではないかという考えの下、そのバランスに着目して研究を進めてきました。東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター井元清哉教授、植松智特任教授らとの共同研究において、敏感肌には、健康な肌に必要な表皮ブドウ球菌の生育を阻害する特殊なアクネ菌(以下「阻害菌」という。)が多いことを発見しました。この発見は従来よりも解析範囲と解像度を大幅に向上できる全ゲノムショットガン解析を活用した成果です。そして、この阻害菌を選択的に抑制し、表皮ブドウ球菌が育ちやすい環境を作る成分として、過酷な環境に生息する微生物由来の発酵エキスを独自のスクリーニングで見出しました。本研究で得られた皮膚常在菌叢に関する知見と成分は今後の敏感肌向けのスキンケア製品へと応用していきます。
(4) サステナビリティ
ボトル製造と中味液充填をワンステップで実現することで環境負荷を軽減する製造技術「LiquiForm(リキフォーム)」をディスペンサーポンプ型容器にも採用し、環境負荷軽減だけでなく、化粧品ならではの容器の魅力や心地よい使用感に繋がるデザイン性、持ちやすさや使い勝手といった機能性を同時に実現する化粧品容器を開発しました。今回、ボトルを「LiquiForm(リキフォーム)」による成形で作ることで、現行品から容器単体のプラスチック使用量を約56%、CO2排出量(温室効果ガス排出量)を約48%削減(注9)可能です。ポンプの付いた硬い素材の容器上部をこの柔らかなレフィルに差し込む形状にするために、落下強度や中味の耐光性、ディスペンサーポンプ型ならではの中味の吐出のしやすさ、プラスチック量削減など複数の課題を解決しています。人間の手の大きさと本体容器のサイズのバランスなど、人間工学の観点からも検討を重ね、実際にお客さまにも試していただくことで、手になじむ最適な形状の開発に成功しました。本研究成果を「イプサ」の商品開発に応用しました。
パッケージに関してはサステナビリティへの対応のみならず、意匠性の向上にも取り組んでいます。その進捗の評価を受けるために公益社団法人 日本包装技術協会が開催する2025日本パッケージコンテスト(第47回)に出品し、当社製品が4作品で受賞しました。上述の「LiquiForm(リキフォーム)」をディスペンサーポンプ容器に採用した「イプサ ME n 1~8(医薬部外品)」が本コンテストの最高賞であるジャパンスター賞の経済産業大臣賞を受賞しました。また、「アネッサ パーフェクト UV ブラッシュオンパウダー」、「イプサ ザ・タイム R アクア(医薬部外品)」が包装技術賞を、「SHISEIDO アルティミューン パワライジング セラム」が包装部門賞を受賞しました。日本パッケージコンテスト包装におけるデザインからロジスティクスに至るまでの各年の包装の最高峰と優秀群を決定するものです。最高賞のジャパンスター賞は、保護性や機能性等、多くの包装に求められる要件を満たし、かつ経済性や環境にも配慮された総合的に最もすぐれているパッケージに授与されます。今後も、環境への負荷が最小限になる原材料調達や処方開発など、独自の技術開発や社外とのコラボレーションを通じて、循環型の社会に貢献していきます。
(5) 生活者との共創による研究力の価値への転換
まずは、当社の強みの一つである感性研究の価値を生活者に実際に体験いただいた試みについてです。2025年7月11日~14日(現地時間)までの4日間、2025年日本国際博覧会(以下「大阪・関西万博」という。)の河瀨直美テーマ事業プロデューサーが担当するシグネチャーパビリオン「Dialogue Theater – いのちのあかし - 」の対話シアター棟にて当社の感性研究である香りを用いた共感体験の実証実験を来場者参加型で実施しました。これは、人とのつながりの希薄化や孤独・孤立問題が懸念される現在において、香りに人々の関係性をより良い方向性に変えられる力があるかを実証するものです。森の集会所内感性研究体験機器で体験者の二人は向かい合い、お互いの顔を見ながら自由に対話を楽しみます。対話中、当社の感性研究技術により体験者双方の表情から関わる情報を読み取り、共感の度合いを計算、共感したタイミングで香りが空間に放出されます。体験後には、香りの提示された回数と最大共感度の結果を見ることができます。一人ひとりが生涯を通じて自分らしい健康美を実現できる社会を目指し、新しい感性研究・技術と、心と心のつながりの強化を実現し、五感研究・技術によってお客さま同士のつながりをサポートしていきます。
次に、処方技術や肌だけでなくひとをひと全体として捉えてきた肌・身体・心に関する基礎研究知見に触れていただく新たな場のローンチについてです。研究員が生活者とつながり、未来の美を共創するために、横浜・みなとみらい21地区に位置する研究開発拠点「資生堂グローバルイノベーションセンター」の1・2階を刷新し、「肌・身体・心がつながるサイエンスで、あなただけの美が、目を醒ます。」をコンセプトとした「Shiseido Beauty Park」を2025年1月22日にオープンしました。「Shiseido Beauty Park」には肌・身体・心のつながりを解き明かす先進サイエンス「Beauty Artscape」を体験できるラボとして「Shiseido Beauty Diagnosis Lab」、「Shiseido Kitchen Lab」、そして「Shiseido Art & Science Lab」があります。さらに、オープンイノベーションを推進する「fibona Lab」や、すべてのイノベーションを支える研究員の進化を目指す「Shiseido People Lab」があり、5つのラボで構成されています。総来場者数は目標を大きく上回り、「Shiseido Beauty Diagnosis Lab」の予約は多くのキャンセル待ちが出るなど大変好評をいただいており、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」の実現に向け、革新的な価値創出をさらに加速させていきます。
(注) 1 免疫細胞などの細胞の遊走を促進するタンパク質
2 Fluorescence Lifetime Imaging Microscopy。蛍光寿命イメージング顕微鏡法。蛍光分子の固有の性質である蛍光寿命を利用して画像化する観察手法
3 細胞老化随伴分泌現象(Senescence-Associated Secretory Phenotype:SASP)と呼ばれる細胞老化した細胞が分泌する炎症因子等を含む様々な因子の総称
4 表皮角化細胞(ケラチノサイト)から分泌されるSASPのひとつ。メラノサイトがメラノーマへ転換する過程にもかかわることが知られている
5 1つの細胞の中に100個以上存在する細胞内小器官で、エネルギー産生など生きるために重要な役割を果たしている
6 マイクロスケールの超微細な針。角層に極小の穴をあけることで、皮内送達や細胞の賦活化を促す手法として、化粧品・医療分野での活用が進んでいる
7 生体組織において細胞間隙に存在し、網目構造、ゲル状を呈したタンパク質と糖質からなる不溶性の高分子会合体のこと
8 ある一定の環境に存在する細菌などの微生物群。マイクロバイオームとも呼ばれる
9 リニューアル前後でのレフィル容器単体のプラスチック量と温室効果ガス排出量を当社にて比較。容器単体での温室効果ガス排出量について、SuMPO EPDで第三者検証を実施済(ISO 14025に準拠)
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
(1) 設備投資
当社グループでは、当連結会計年度において42,974百万円の設備投資(注)を実施しました。なお、報告セグメントごとの内訳は以下のとおりです。
日本事業では、店舗カウンター・什器の設置・改装、グローバル基幹システムなどに8,676百万円の設備投資を行いました。
本社機能部門(調整額)では、国内工場の生産能力の維持・合理化、グローバル基幹システムなどに20,442百万円の設備投資を行いました。
(注) 資本的支出、有形固定資産および無形資産(商標権等を除く)への投資です。
(2) 除却等
重要な設備の除却または売却はありません。
2 【主要な設備の状況】
当社グループの主要な設備の状況は、以下のとおりです。
(1) 提出会社
2025年12月31日現在
(注) 1 帳簿価額は、日本基準に基づく金額を記載しています。
2 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定および無形固定資産(のれん、商標権およびリース資産を除く。)の合計です。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
4 大阪工場の設備の内、工場統合に伴い除却が予定される設備については減損損失を計上しているため、減損損失控除後の金額を記載しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「15. 非金融資産の減損」をご参照ください。
(2) 国内子会社
2025年12月31日現在
(注) 1 帳簿価額は、IFRSに基づく金額を記載しています。
2 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定および無形資産の合計です。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
(3) 海外子会社
2025年12月31日現在
(注) 1 帳簿価額は、IFRSに基づく金額を記載しています。
2 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定および無形資産の合計です。
3 現在休止中の主要な設備はありません。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループ(当社および連結子会社)の重要な設備の新設、除却等の計画は以下のとおりです。
(1) 新設、改修等
当連結会計年度後1年間の重要な設備の新設、改修等に係る設備投資計画(注)は40,000百万円であり、その所要資金については、自己資金および社債・借入金で賄う予定です。
なお、報告セグメントごとの内訳は以下のとおりです。
(注) 資本的支出、有形固定資産および無形資産(商標権等を除く。)への投資です。
(2) 除却等
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「15. 非金融資産の減損」に記載の資生堂大阪工場の生産を資生堂大阪茨木工場に統合することに伴い、将来使用見込みのない固定資産を除却する予定です。なお、前連結会計年度および当連結会計年度において減損損失を計上しており、除却予定の固定資産の帳簿価額に金額的重要性はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
当該制度は、会社法第236条および第238条の規定に基づき、当社および関連グループ会社の取締役、執行役員に対して、ストックオプションとして新株予約権を発行するものです。
※当連結会計年度の末日(2025年12月31日)における内容を記載しています。当連結会計年度の末日から提出日の前月末現在(2026年2月28日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当連結会計年度の末日における内容から変更はありません。
(注) 1 新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株である。
2 当社が株式の分割(当社の株式無償割当てを含む。)または株式の併合を行う場合には、新株予約権の目的である株式の数(以下「対象株式数」という。)を次の算式により調整し、調整の結果生じる1株未満の端数はこれを切り捨てるものとする。
調整後対象株式数=調整前対象株式数×分割・併合の比率
また、上記のほか、対象株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、合理的な範囲で対象株式数を調整する。
3 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、新株予約権を行使することにより交付を受けることができる株式1株当たりの払い込む金銭の額を1円とし、これに対象株式数を乗じた金額とする。
4 発行価格は、新株予約権の行使時の払込金額(1株当たり1円)と付与日における新株予約権の公正な評価単価(第30・31回新株予約権は1株当たり1,001円、第32・33回新株予約権は1株当たり1,434円、第34・35回新株予約権は1株当たり1,898.5円、第36・37回新株予約権は1株当たり2,515.5円、第38・39回新株予約権は1株当たり2,990円、第40・41回新株予約権は1株当たり6,615円、第42・43回新株予約権は1株当たり7,864円)を合算している。
5 (1) 新株予約権の割当てを受けた者は、権利行使時においても当社の取締役または執行役員の地位にあることを要す。ただし、任期満了による退任その他正当な理由のある場合にはこの限りでない。
(2) 新株予約権を行使することができる期間の満了前に新株予約権の割当てを受けた者が死亡した場合は、相続人のうち1名に限り新株予約権を承継することができる。ただし、再承継はできない。
(3) その他権利行使の条件については、当社と新株予約権の割当てを受けた者との間で締結する「新株予約権割当契約」で定めるところによる。
6 当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換または株式移転
(以上を総称して以下「組織再編成行為」という。)をする場合において、組織再編成行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)については、新株予約権の割当てを受けた者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約または株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の割当てを受けた者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編成行為の条件等を勘案の上、(注)2に準じて決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、以下に定める再編後払込金額に上記(3)に従って決定される当該各新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。再編後払込金額は、交付される各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる再編対象会社の株式1株当たり1円とする。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
残存新株予約権の行使期間の開始日と組織再編成行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、残存新株予約権の行使期間の満了日までとする。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金および資本準備金に関する事項
残存新株予約権について定められた当該事項に準じて決定する。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。
(8) 新株予約権の取得条項
残存新株予約権について定められた取得条項に準じて決定する。
(9) その他の新株予約権の行使の条件
残存新株予約権について定められた行使の条件に準じて決定する。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 自己株式の消却による減少です。
(5) 【所有者別状況】
2025年12月31日現在
(注) 1 自己株式463,674株は「個人その他」の欄に4,636単元、「単元未満株式の状況」の欄に74株含まれています。
2 「その他の法人」の欄には、㈱証券保管振替機構名義の株式が1単元含まれています。
3 2025年12月31日現在の当社の株主数は、単元未満株式のみ所有の株主を含め148,791名です。
(6) 【大株主の状況】
2025年12月31日現在
(注) 1 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)および株式会社日本カストディ銀行(信託口)の持株数は、すべて信託業務に係る株式です。
2 ブラックロック・ジャパン株式会社から、2024年7月3日付で共同保有者合計で28,097千株(持株比率7.03%)を保有しており、そのうち8,798千株(同2.20%)を同社が保有し、7,553千株(同1.89%)をブラックロック・ファンド・アドバイザーズ(BlackRock Fund Advisors)が保有している旨の大量保有に関する変更報告書が関東財務局長に提出されています。
しかし、当社として当事業年度末における上記2社の実質保有株式数の確認ができないため、上記大株主には含めていません。
3 インディペンデント フランチャイズ パートナーズ エルエルピー(Independent Franchise Partners, LLP)から、2025年6月27日付で33,186千株(持株比率8.30%)を保有している旨の大量保有に関する変更報告書が関東財務局長に提出されています。
しかし、当社として当事業年度末における同社の実質保有株式数の確認ができないため、上記大株主には含めていません。
4 ノルウェー銀行(Norges Bank)から、2025年9月11日付で21,408千株(持株比率5.35%)を保有している旨の大量保有に関する変更報告書が関東財務局長に提出されています。
しかし、当社として当事業年度末における同社の実質保有株式数の確認ができないため、上記大株主には含めていません。
5 三井住友信託銀行株式会社から、2025年10月21日付で共同保有者合計で22,392千株(持株比率5.60%)を保有しており、そのうち11,397千株(同2.85%)を三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社が保有し、10,994千株(同2.75%)をアモーヴァ・アセットマネジメント株式会社が保有している旨の大量保有に関する変更報告書が関東財務局長に提出されています。
しかし、当社として当事業年度末における上記2社の実質保有株式数の確認ができないため、上記大株主には含めていません。
6 野村證券株式会社から、2025年11月7日付で共同保有者合計で23,593千株(持株比率5.90%)を保有しており、そのうち22,340千株(同5.59%)を野村アセットマネジメント株式会社が保有している旨の大量保有に関する変更報告書が関東財務局長に提出されています。
しかし、当社として当事業年度末における同社の実質保有株式数の確認ができないため、上記大株主には含めていません。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2025年12月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」の欄には、㈱証券保管振替機構名義の株式が100株(議決権1個)含まれています。
2 「単元未満株式」の欄には、当社所有の自己株式74株が含まれています。
② 【自己株式等】
2025年12月31日現在
2 【自己株式の取得等の状況】
会社法第155条第7号による普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議または取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における取得自己株式には、2026年3月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況および保有状況】
(注) 当期間における保有自己株式数には、2026年3月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる取得、単元未満株式の買増請求による譲渡、ストックオプションの権利行使による譲渡および長期インセンティブ型報酬としての業績連動型株式報酬による自己株式の処分は含まれていません。
3 【配当政策】
株主のみなさまへの利益還元については、直接的な利益還元と中長期的な株価上昇による「株式トータルリターンの実現」を目指しています。この考え方に基づき、持続的な成長のための戦略投資を最優先とし、企業価値の最大化を目指す一方で、資本コストを意識しながら投下資本効率を高め、中長期的に配当の増加と株価上昇につなげていくことを基本方針としています。
配当金の決定にあたっては、連結業績、フリー・キャッシュ・フローの状況を重視し、資本政策を反映する指標の一つとして親会社所有者帰属持分配当率(DOE)2.5%以上を目安とした長期安定的かつ継続的な還元拡充を実現します。なお、自己株式取得については、市場環境を踏まえ、機動的に行う方針としています。
(配当)
当社の毎事業年度における配当の回数についての基本的な方針は、中間配当と期末配当の年2回の配当としています。これらの配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会です。当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めています。
当連結会計年度(第126期)の剰余金の配当については、2026年3月25日開催予定の定時株主総会にて、期末配当1株あたり20.00円を決議する予定です。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
資生堂グループは、企業理念 The Shiseido Philosophy の中で、Our Missionとして「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」を定め、コーポレート・ガバナンスを“Our Missionの達成を通じ、持続的な成長を実現するための基盤”と位置づけています。
コーポレート・ガバナンスの実践・強化により経営の透明性・公正性・迅速性の維持・向上を図り、“社員”“お客さま”“取引先”“株主”“社会・地球”というすべてのステークホルダーとの対話を通じて、中長期的な企業価値および株主価値の最大化に努めます。併せて、社会の公器としての責任を果たし、各ステークホルダーへの価値の分配の最適化を目指します。
① コーポレート・ガバナンス体制
株式会社資生堂は、2024年3月26日開催の定時株主総会の決議により、指名委員会等設置会社に移行しました。これにより、取締役会は、経営の基本方針・経営戦略の決定とそれらの執行の監督に集中する一方、執行に対して大幅な権限委譲を行い、業務執行に関する意思決定と事業戦略遂行の迅速化を進めてきました。
当社のコーポレート・ガバナンスの体制は、以下のとおりです。

上記の体制に加えて、3ラインモデルの活用推進がコーポレート・ガバナンスの強化に寄与すると認識し、第一線の事業部門、第二線となるグローバル本社機能部門や地域本社等とともに第三線の監査部が協働して、健全な成長戦略の推進および持続的な企業価値向上に向けて、リスクシナリオおよび重要リスクへの対策の構築・改善活動を進めています。
(取締役会および各委員会の構成)
2026年3月23日(有価証券報告書提出日)現在
(注) 1 〇は構成員を、◎は取締役会議長もしくは委員長を、それぞれ示しています。
2 安野裕美氏の戸籍上の氏名は、原裕美です。
なお、2026年3月25日開催予定の定時株主総会の第2号議案として「取締役12名選任の件」を上程しており、当該議案が可決されますと、当社の取締役の状況は、以下のとおりとなる予定です。なお、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会における決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
(注) 1 〇は構成員を、◎は取締役会議長もしくは委員長を、それぞれ示しています。
2 安野裕美氏の戸籍上の氏名は、原裕美です。
(イ) 監督機能
(ⅰ) 取締役会
当社の取締役会は、概ね1ヶ月に1回程度開催し、経営の基本方針・経営戦略の決定とそれらの執行の監督に集中することで、強い監督機能を発揮し、変化の激しい環境下で、迅速な対応が求められる執行の取り組みを促します。また、法令・定款に定められた事項のほか、取締役会規程で定めた事項を審議し・決定し、それ以外の事項は代表執行役または執行役に委任しています。
当社の取締役会の構成は、上記① コーポレート・ガバナンス体制の(取締役会および各委員会の構成)のとおりです。取締役会の透明性および客観性をより高めるため、2025年1月1日より、独立社外取締役である畑中好彦氏が取締役会議長を務めています。
(当連結会計年度の取締役会の活動状況)
当連結会計年度に開催した取締役会は13回です。執行側からは、「2030中期経営戦略」や「アクションプラン2025-2026」を含む経営戦略およびその進捗、構造改革の状況、リスク管理・内部統制(重要リスク、サイバーセキュリティ、品質管理等)、ならびにIR活動や資本市場の反応等について報告・提案が行われ、審議を行ったほか、指名・報酬・監査の各委員会から定期的に報告がなされ、監督機能を十分発揮しました。
なお、上記の取締役会の開催回数のほか、会社法第370条および当社定款第26条第2項の規定に基づき、取締役会決議があったものとみなすみなし決議が1回ありました。
(注) 1 廣藤綾子氏および中嶋康博氏は、2025年3月26日開催の第125回定時株主総会において就任したため、就任後の出席状況となります。
2 魚谷雅彦氏、小津博司氏は、2025年3月26日開催の第125回定時株主総会の終結の時をもって取締役を退任していますので、退任までの期間に開催された取締役会の出席状況を記載しています。
(ⅱ) 指名委員会
当社の指名委員会は、株主総会に提出する取締役の選任および解任に関する議案の内容、取締役のサクセッションに関する事項等を決議するほか、代表執行役の選定および解職、執行役の選任および解任、執行役の担当領域の決定、CEOの選任および解任、CEOのサクセッションに関する事項等を審議し取締役会へ提言します。
同委員会は独立社外取締役のみで構成されており、委員は上記① コーポレート・ガバナンス体制(取締役会および各委員会の構成)のとおりです。委員長は委員の中から指名委員会の決議によって選定されます。
(当連結会計年度の指名委員会の活動状況)
当連結会計年度に開催した指名委員会は13回です。主なものとして、取締役のサクセッションについて審議し、株主総会に提出する取締役候補者の選任等について決議したほか、CEOサクセッションの実施状況のモニタリングを行い、代表執行役および執行役の選定、執行役の担当領域の決定に関する事項等を審議し、取締役会に提言しました。
(ⅲ) 報酬委員会
当社の報酬委員会は、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針、取締役および執行役の報酬制度の設計、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容等を決議します。
同委員会は独立社外取締役のみで構成されており、委員は上記①コーポレート・ガバナンス体制(取締役会および各委員会の構成)のとおりです。委員長は委員の中から報酬委員会の決議によって選定されます。
(当連結会計年度の報酬委員会の活動状況)
当連結会計年度に開催した報酬委員会は13回です。主なものとして、年次賞与と長期インセンティブの業績指標、取締役および執行役の報酬等について審議のうえ決議し、また、取締役・執行役以外のエグゼクティブオフィサーの報酬決定の監督を行いました。
(ⅳ) 監査委員会
当社の監査委員会は、取締役および執行役等の職務の執行の監査および監査報告の作成、株主総会に提出する会計監査人の選任および解任ならびに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定を決議します。
同委員会は独立社外取締役と常勤の監査委員で構成されており、委員は上記① コーポレート・ガバナンス体制(取締役会および各委員会の構成)のとおりです。委員長は委員の中から監査委員会の決議によって選定された独立社外取締役が務めています。
(当連結会計年度の監査委員会の活動状況)
当連結会計年度における監査委員会の活動状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (3) 監査の状況」の「① 監査委員会監査の状況」に記載のとおりです。
(ロ) 業務執行機能
執行役は、取締役会からの委任を受けて当社の業務執行を担います。取締役会は、執行役に対し大幅な権限委譲を行うことにより、業務執行に関する意思決定と事業戦略遂行を迅速化しています。
また、当社は、業務執行に関する重要な事項の決定に際し審議を行うための会議体を設置しています。
主な会議は以下のとおりです。
(ⅰ) Global Strategy Committee
CEOによる意思決定に先立ち、グループポリシー、組織改革、新規事業・ブランド立ち上げ等のほか、資生堂グループにとって特に重要な案件について多面的に審議しています。
(ⅱ) Business Plan Meeting
コアブランド、地域や主要コーポレートファンクションの事業戦略・計画について審議しています。
(ⅲ) Global Risk Management & Compliance Committee
グローバルおよび各地域の社会変化や資生堂グループの現状を的確に捉え、これに基づき経営リスク要因を特定し、重要リスクの優先順位付けとその対策、および倫理・コンプライアンスに関する重要事項を審議します。
② 内部統制システム
(イ)内部統制システムの整備状況
当社は、2025年12月22日開催の取締役会において、2026年1月1日付で「内部統制システムの基本方針」の改定を決議しました。改定後の「内部統制システムの基本方針」は以下のとおりです。
1. 当社およびグループ各社の取締役、執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制、グループ全体における業務の適正を確保するための体制
取締役会は、当社およびグループ全体の企業理念・戦略を定め、その適正な執行を監督する。
代表執行役は、業務の執行状況および戦略上の重要領域について定期的に取締役会に提案・報告する。監査委員会は、執行役および取締役の職務執行の監査ならびに監査報告の作成および株主総会での報告・説明を行う。
資生堂グループ共通の企業理念「The Shiseido Philosophy」を定義し、私たちが果たすべき企業使命を定めた「Our Mission」、中長期に目指す姿「Vision」、資生堂全社員がともに仕事を進めるうえで持つべき心構えや所作「The Shiseido Way」を明文化。あわせてより高い倫理基準をもって業務に取り組むための「資生堂倫理行動基準」を制定し、適法かつ公正な企業活動の推進に努める。(*)
「資生堂倫理行動基準」に基づきグループ全体で遵守する基本ポリシー・ルールを制定し、「The Shiseido Philosophy」と併せて、グループ各社・各事業所への浸透を図り、もって、グループ各社・各事業所が、詳細な諸規程を制定するための環境を整備する。
当社にコンプライアンスおよびリスクマネジメントを取扱う委員会を設置し、世界の主要地域に配置した地域本社においてコンプライアンスおよびリスクマネジメント機能を果たす組織と連携しながらグループ全体の適法かつ公正な企業活動の推進やリスク対策など、企業品質向上に向けた活動を統括する。なお、経営上の重大なリスク・インシデント事案やその対応に関する推進状況については、代表執行役を通じ、取締役会に適宜提案・報告する。
グループ全体の適法かつ公正な企業活動の推進およびリスク対策の担当をグループ各社・各事業所に配置し、定期的に企業倫理に関する研修・啓発活動の計画および推進、インシデント対応やリスク管理を行う。リスクマネジメントを担当する部門やコンプライアンスおよびリスクマネジメントを取扱う委員会は、各社・各事業所に配置した担当と定期的に情報共有の場を持つ。
グループ内における法令・定款・諸規程に違反する行為を発見して是正することを目的に、内部通報窓口として、グループ各社にホットラインを設置するとともに、リスクマネジメントを担当する部門の役員に直接通報、相談できるホットラインを設置する。なお、日本地域のホットラインは、社内および社外の担当者やカウンセラーによる窓口を設置する。
内部監査部門は、組織上独立し、監査委員会と代表執行役の双方からの指示のもとで内部監査に係る諸規程に従い、グループ全体の内部監査を実施し、業務の適正性を監査する。なお、監査委員会と代表執行役より相反する指示がなされた場合、監査委員会による指示を優先する。また、内部監査の結果は、定期的に監査委員会に報告を行うとともに、代表執行役へも報告を行う。
*反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方およびその整備状況について
当社では、「社会の秩序や安全に脅威を与えるなどの、違法行為を行う個人および団体とは関係をもたないこと。また、このような個人および団体からの金品や協力の求めには一切応じないこと」を「資生堂倫理行動基準」において宣言している。リスクマネジメントを担当する部門に統括機能を設置し、情報の集約化を図るとともに、イントラネット上での対応マニュアルの整備等を行っている。地域警察署との連携を図り、反社会的勢力排除を推進する団体に加盟するなど、外部情報の収集や外部団体との連携を強化している。
2. 当社およびグループ各社の取締役および執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
取締役会は、経営の基本方針・経営戦略の決定とそれらの執行の監督に集中し、執行に関する事項の決定に関しては業務執行の機動性を高めるため、執行役に大幅に権限を委譲する。
迅速で効率性の高い企業経営を実現するため、代表執行役は、目標達成に向けたグループ全体の職務の執行を統括・監督し、執行役、チーフオフィサーおよびディビジョンオフィサー(チーフオフィサーおよびディビジョンオフィサーを総称して、以下「オフィサー」という。)は、グループ各社を含む担当領域の具体的な目標を決定するとともに効率的な業務遂行体制を構築する。
当社グループの事業計画や重要な案件については、多面的な検討を行うために、代表執行役、執行役およびオフィサーをメンバーとする業務執行の意思決定会議等において審議する。
業務執行の意思決定会議等において目標に対する進捗状況を確認し、必要な改善策を実施する。
3. 当社の執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制、グループ各社の取締役および使用人の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
株主総会議事録、取締役会議事録、各委員会議事録および業務執行の意思決定会議等の議事録など重要な書類については、法令・諸規程に基づき適切に作成、保存、管理を行い、取締役および執行役ならびに監査委員会および内部監査部門からこれら重要な書類の閲覧の要求があった場合には、直ちに提出できるよう検索可能性の高い方法で保存、管理する。
取締役、執行役および使用人の職務に関する各種の文書、帳簿類等これらの者の執行に係る情報については、情報資産の保護や情報開示に関する諸規程を策定し、これに基づき適切に作成、保存、管理する。
グループ各社の取締役および使用人の職務の執行に係る重要事項については、当社への報告等を定める諸規程ならびに執行役およびオフィサーへのレポートラインに基づき、グループ各社から適時に報告を受ける。
4. 当社およびグループ各社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
世界の主要地域に配置した地域本社にコンプライアンスおよびリスクマネジメント機能を果たす組織をそれぞれ設置し、企業活動に関するリスクをグループ横断で統括する。コンプライアンスおよびリスクマネジメントを取扱う委員会は、経営戦略上のリスクや業務運営上のリスクを把握・評価し、必要な予防策を講じ、また、世界の主要地域に配置した地域本社において想定しうる緊急事態に対する対応策の策定支援を行う。
緊急事態が発生した場合には、その内容や当社グループに与える影響の大きさ等に応じて、当該事態が発生した地域の地域本社もしくは当社、またはその双方に緊急対策本部を設置し、対応を実施する。
5. 監査委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項、当該使用人の執行役からの独立性に関する事項および監査委員会の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査委員会の職務を補助する監査委員会事務局を内部監査部門に設置して使用人を配置する。
当該使用人の執行からの独立性と監査委員会の指示の実効性を確保するため、事務局を統括する権限および責任を有する内部監査部門の長の人事(選解任、評価)および内部監査部門の監査資源(予算含む)に関する事項の決定には、監査委員会の事前の承認を必要とする。また、監査委員会事務局の構成員の任命・異動・評価等、人事に関する事項の決定には、監査委員会の同意を必要とする。
6. 当社およびグループ各社の取締役、監査役、執行役および使用人が監査委員会に報告するための体制その他監査委員会への報告に関する体制、監査委員会に報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
取締役、執行役および使用人は、定期的にまたは随時に、その職務の執行状況を監査委員会に報告する。このほか、監査委員会からの求めに応じ、随時、その職務の執行状況および財産の状況を報告する。
グループ各社を含め取締役、監査役、執行役および使用人から監査委員会へ直接通報するルートを構築し、社内へその周知を図る。
当社およびグループ各社は、監査委員会へ報告・通報したことを理由として、当該取締役、監査役、執行役および使用人に対して解任、解雇その他いかなる不利な取扱いも行わないための諸規程を整備、周知する。
7. 監査委員の職務の執行について生ずる費用の前払いまたは償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
監査委員会および監査委員の職務の執行上必要と認める費用について、あらかじめ予算を計上する。ただし、緊急または臨時に支出した費用については、事後に償還に応じる。
8. その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員会は、内部監査部門に対して職務上の指示を行う。また、代表執行役と監査委員の間で定期的な意見交換会を開催する。さらに、監査委員会からの求めに応じ、監査委員会および内部監査部門と会計監査人との間で連絡会を開催するほか、各種会議への監査委員または内部監査部門の出席を確保するなど、監査委員会の監査が実効的に行われるための体制を整備する。
(ロ)内部統制システムの当連結会計年度における運用状況
当社は、内部統制システムの基本方針に基づき整備・運用を進めています。なお、当社および子会社の内部統制システム全般の整備・運用状況は、監査委員会による監査の対象となるほか、内部監査担当部門がモニタリングしています。
1. 当社およびグループ各社の取締役、執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制、グループ全体における業務の適正を確保するための体制
・真のグローバルビューティーウエルネスカンパニーに相応しい倫理的基盤の強化を目的として、「資生堂倫理行動基準」に関する研修をグローバル全社員を対象に、グローバル共通の内容で実施しました。新入社員およびキャリア採用社員への入社時の研修においても、「資生堂倫理行動基準」に関する研修を実施しました。
・「資生堂倫理行動基準」の細則となる「接待・贈答に関する規程<賄賂防止規程>」および「カルテル防止に関する規程」に関する研修および周知等も、日本、中国、アジアパシフィック、米州、欧州などの各地域において、その地域の特性・就業環境等にあわせて実施しました。
・「Global Risk Management & Compliance Committee」を11月に開催し、資生堂グループの重要リスクやその対策について議論しました。また、重要なインシデントへの対応等を取締役会に報告しました(上期分:8月、下期分:2026年2月)。国内は、「HQ・SJコンプライアンス委員会」を6月、11月に開催し、日本地域における懲戒事案・資生堂ホットライン案件等を踏まえた課題・対策について議論しました。
・HQ直轄のグローバルホットライン、各リージョン管轄のホットライン体制を通じて内部通報を受け付けました。日本地域のホットラインは、公益通報窓口機能も担っており、匿名での通報・相談も受け付けるほか、不利益な取り扱い・報復の禁止等も徹底しています。また、各地域において、ビジネスパートナーからの通報を受け付ける体制を整備しています。
・内部監査規程に基づき、業務の有効性・効率性、報告の信頼性、関連法規・社内規程の遵守および資産の保全の観点から、グループ全体の内部統制の整備・運用状況を検証するとともに、監査委員会との組織監査を推進、リスクマネジメントの妥当性・有効性を評価し、その改善に向けた助言・提言を行っています。内部監査の結果は、代表執行役 社長 CEO・代表執行役 CFO・常勤の監査委員へ月次、監査委員会へは隔月、取締役会へは年2回報告しています
<反社会的勢力排除に向けた取り組み>
新規取引の仕入先の事前反社審査を経理システムに組み込むことにより、反社会的勢力との取引が生じることのないよう徹底しています。化粧品事業の新規得意先への事前反社審査も継続的に推進しています。また、「公益社団法人警視庁管内特殊暴力防止対策連合会」等の反社会的勢力排除推進2団体に加盟しています。さらに、担当の社員がセミナー等で情報収集を実施するとともに、地域警察署との連携に努めています。
2. 当社およびグループ各社の取締役および執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・当社は、2024年3月26日開催の定時株主総会の決議により、指名委員会等設置会社に移行しました。これにより、取締役会は、経営の基本方針・経営戦略の決定とそれらの執行の監督に集中する一方、執行に対して大幅な権限委譲を行い、業務執行に関する意思決定と事業戦略遂行の迅速化を進めてきました。また、執行と監督の分離を更に強化し、取締役会の透明性および客観性をより高めるため、2025年1月1日より、社外取締役である畑中好彦氏が取締役会議長を務めています。
・執行に関しては、代表執行役を中心として、よりスピード感をもった意思決定および業務執行を担い、重要な案件や計画等についてはGlobal Strategy Committee等業務執行の重要会議体での審議を経て意思決定を行いました。各エグゼクティブオフィサーは、各々の担当領域内における業務執行を担っており、必要に応じてGlobal Strategy Committee等業務執行の重要会議体や取締役会等に自己の担当領域における業務執行について報告しました。
・2030中期経営戦略の達成に向け、グループ全体の執行機能を強化し、グローバル戦略を強力にリードする体制とすべく、2026年1月1日より、自身の担当領域のリードに加えてグループ全体の経営を統括する「チーフオフィサー」と事業・機能領域をリードする「ディビジョンオフィサー」から構成される新体制に移行します。
3. 当社の執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制、グループ各社の取締役および使用人の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
・株主総会議事録、取締役会議事録、各委員会議事録は、コーポレートガバナンス部(監査委員会議事録については監査部)にて作成の上、法定備置の期限である10年を超えた永年保管としています。Global Strategy Committee等の執行の重要会議の議事録は、経営革新部にて作成の上、会議体により10年または永年保管としています。職務執行に係る情報の管理および情報資産の保護に関しては、「文書管理規程」およびその運用に関するガイドライン、マニュアルを策定・運用しているほか、「資生堂グループ 情報セキュリティポリシー」のもと、「情報システム利用規程」「資生堂グループ 情報資産取り扱い規程」「機密情報管理規程」「資生堂グループ プライバシールール」「個人情報保護規程」を策定・運用しています。また、情報開示に関しては内部情報管理および内部者取引規制に関する内規(役員用・従業員用)を策定・運用しているほか、「決定事実、発生事実(事件・事故・自然災害等を除く)および決算に関する情報開示までの仕組み」を構築し、運用しています。グループ各社からの重要事項の報告については、「取締役会規程」および「エグゼクティブオフィサー規程」等に基づき、当該グループ会社を担当するエグゼクティブオフィサーを通じ、CEO、Global Strategy Committee、取締役会等に報告させています。
4. 当社およびグループ各社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・全世界のRMO・リスクマネージャーへの情報支援を目的としたニュースレターを継続配信(年間2通発行)しました。6月には資生堂グループ全体のインシデントマネジメント体制の強化を狙いに、「グローバルインシデントマネジメントガイドライン」を発行しました。日本地域においては、インシデント発生時に収束に向けた対応サポートの強化を目的に配置されているリスクマネージャー(113部門)のうち、2月と12月に新任者(約40名)に対する説明会を実施しました。
・また、8月には南海トラフ地震を想定したHQ緊急対策本部訓練、11月には大阪緊急対策本部(HQ緊急対策本部の代替として立ち上がる)とのチーム別研修を実施し、双方合わせて約50名が出席しました。
5. 監査委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項、当該使用人の執行役からの独立性に関する事項および監査委員会の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
・監査委員会直轄の監査部に、監査委員会の職務を支援または一部代行する監査委員会事務局を設置し、兼任の使用人を3名配置し、監査委員会による監査に必要な情報の収集や資料作成等、監査委員会の事務局業務を行っています。また、当該使用人の執行からの独立性と監査委員会の指示の実効性を確保するため、当該使用人の任命・異動・評価等の人事に関する事項については、監査委員会の同意のもと、監査部長が決定しています。
・また、監査部の年度計画(予算含む)に関する事項については、監査委員会に諮り、承認を得ています。
6. 当社およびグループ各社の取締役、監査役、執行役および使用人が監査委員会に報告するための体制その他監査委員会への報告に関する体制、監査委員会に報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
・Global Strategy CommitteeやGlobal Risk Management & Compliance Committee等の業務執行の重要会議体に、オブザーバーとして常勤の監査委員の出席機会が確保されており、これらを通じて監査委員会への報告・情報提供を行っています。また、監査委員会からの求めに応じて、担当役員や各部門の長から監査委員会における報告および資料や情報の提供を行っています。
・「資生堂グループ監査委員会通報窓口」を設けており、国内では、新入社員およびキャリア採用社員の入社時研修、新任管理職研修およびHQ主催のハラスメント全社員研修の中で、「資生堂ホットライン」等他の通報・相談窓口を案内し、周知を図っています。また、公益通報者保護法に対応した「資生堂グループ監査委員会通報窓口規程」を策定しており、社員等が通報したことを理由として不利益な取扱いをすることを禁じています。
7. 監査委員の職務の執行について生ずる費用の前払いまたは償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
・期首に年間の活動計画に基づき、職務の執行上必要な費用予算を計上しています。費用予算を上回る支出が必要となる際は、追加予算申請を行えるルールが整備されています。
8. その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・監査委員会は、内部監査部門である監査部より隔月で監査状況の報告を受け、必要に応じ職務上の指示や意見を伝えています。また、監査委員会は、財務経理部、戦略財務部、品質保証部、情報セキュリティ部、リスクマネジメント部、サステナビリティ戦略推進部、コーポレートガバナンス部より、各領域の活動状況や課題等の報告を受けています。さらに、常勤の監査委員は、監査部と週次で情報交換を実施しています。
・代表執行役と監査委員とは、随時意見交換会を開催しています。また、会計監査人と監査委員との間で意見交換会を随時開催するほか、会計士監査結果報告会を四半期毎に開催しており、上期末と期末の報告会には社外取締役も出席し、情報共有を行っています。さらに、「三様監査連絡会」を四半期毎に開催し、常勤の監査委員、会計監査人、監査部が各監査情報を共有しています。
・常勤の監査委員は、取締役会・Global Strategy Committee等の業務執行の重要会議体に出席し、審議内容を確認しています。
関連当事者間取引の確認に係る枠組み
当社は、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性のある関連当事者を調査・特定し、当該関連当事者との取引の有無や当該取引の重要性を確認し、開示対象となる取引がある場合は開示を行っています。
関連当事者の有無および関連当事者と当社との取引の有無、ならびに取引の内容等については、開示に先立ち取締役会に報告しており、取締役会では量的重要性および取引の条件や合理性等の質的重要性の観点からレビューを行っています。なお、量的重要性は、一定の基準を定めています。
③ 責任限定契約の内容の概要
当社は、安野裕美氏、吉田猛氏、大石佳能子氏、岩原紳作氏、得能摩利子氏、畑中好彦氏、後藤靖子氏、野々宮律子氏および中嶋康博氏との間で、会社法第427条第1項および当社定款第27条第2項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、同法第425条第1項各号の定める額の合計額としています。
なお、2026年3月25日開催予定の定時株主総会の第2議案として「取締役12名選任の件」を上程しており、原案どおり承認可決され、安野裕美氏、得能摩利子氏、畑中好彦氏、後藤靖子氏、野々宮律子氏および中嶋康博氏が選任された場合、同内容での契約更新を予定しています。また、本議案が原案どおり承認可決され、岡本仁志氏、アンドリュー ハウス氏、金子圭子氏および中田卓也氏が選任された場合、新たに上記と同内容の責任限定契約を各氏との間で締結する予定です。
④ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に基づき、当社の取締役、執行役、チーフオフィサーおよびディビジョンオフィサー、ならびに子会社の取締役および監査役が被保険者に含まれる役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約では、株主や第三者等から損害賠償請求を受けた場合において、被保険者が負担することになる損害賠償金、争訟費用等を当該保険契約により填補することとしています。保険料については、全額当社が負担しています。なお、被保険者が、犯罪行為や法令違反を認識しながら行った行為に起因して生じた損害等は填補の対象外としています。
⑤ 当社定款の規定
当社の定款では、以下のとおり定めています。
・取締役の定数
当社の取締役は14名以内にする旨定款に定めています。
・取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めています。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨定款に定めています。
・取締役会にて決議することができる株主総会決議事項
(自己株式の取得)
当社は、機動的な資本政策の遂行と株主還元の実施を行うため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己株式を取得することができる旨定款に定めています。
(責任免除)
当社は、会社法第426条第1項の規定に基づき、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)および執行役(執行役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の定める限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨定款に定めています。
(中間配当金)
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、取締役会の決議により毎年6月30日を基準日として、会社法第454条第5項に定める中間配当を行うことができる旨定款に定めています。
・株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を目的とするものです。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
a) 有価証券報告書提出日(2026年3月23日)現在の当社の取締役および執行役の状況は、次のとおりです。
男性6名 女性7名(役員合計のうち女性の比率53.8%)
(1) 取締役の状況
(注) 1 大石佳能子氏、岩原紳作氏、得能摩利子氏、畑中好彦氏、後藤靖子氏、野々宮律子氏および中嶋康博氏は、社外取締役です。
2 取締役の任期は、2024年12月期に係る定時株主総会終結の時から2025年12月期に係る定時株主総会終結の時までです。
3 所有株式数には、資生堂役員持株会を通じての保有分を含めて100株未満を切り捨てて記載しています。
4 安野裕美氏の戸籍上の氏名は、原裕美です。
(2) 執行役の状況
(注) 1 執行役の任期は、2024年12月期に係る定時株主総会終結後最初に開催される取締役会終結の時から2025年12月期に係る定時株主総会終結後最初に開催される取締役会終結の時までです。
2 所有株式数には、資生堂役員持株会を通じての保有分を含めて100株未満を切り捨てて記載しています。
3 合計株数に取締役を兼任する執行役の所有株式数を含めていません。
4 取締役を兼務しないチーフオフィサーおよびディビジョンオフィサーに関しては、当社企業情報サイトの「企業情報/グローバルリーダーシップ体制」(https://corp.shiseido.com/jp/company/executiveofficers/)をご覧ください。
b) 2026年3月25日開催予定の定時株主総会の第2号議案として「取締役12名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されると、当社の取締役および執行役の状況は、次のとおりとなる予定です。なお、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項の内容(役職等)も含めて記載しています。
男性7名 女性7名(役員合計のうち女性の比率50.0%)
(1) 取締役の状況
(注) 1 得能摩利子氏、畑中好彦氏、後藤靖子氏、野々宮律子氏、中嶋康博氏、アンドリュー ハウス氏、金子圭子氏および中田卓也氏は、独立社外取締役です。
2 取締役の任期は、2025年12月期に係る定時株主総会終結の時から2026年12月期に係る定時株主総会終結の時までです。
3 所有株式数には、資生堂役員持株会を通じての保有分を含めて100株未満を切り捨てて記載しています。
4 安野裕美氏の戸籍上の氏名は、原裕美です。
(2) 執行役の状況
(注) 1 執行役の任期は、2025年12月期に係る定時株主総会終結後最初に開催される取締役会終結の時から2026年12月期に係る定時株主総会終結後最初に開催される取締役会終結の時までです。
2 所有株式数には、資生堂役員持株会を通じての保有分を含めて100株未満を切り捨てて記載しています。
3 合計株数に取締役を兼任する執行役の所有株式数を含めていません。
4 取締役を兼務しないチーフオフィサーおよびディビジョンオフィサーに関しては、当社企業情報サイトの「企業情報/グローバルリーダーシップ体制」(https://corp.shiseido.com/jp/company/executiveofficers/)をご覧ください。
② 社外取締役の状況
2026年3月23日(有価証券報告書提出日)現在の社外取締役の兼職状況ならびに重要な兼職先と当社との関係は、以下のとおりです。
(注) 1 本表は、社外取締役の重要な兼職先と当社との取引等の有無、取引等がある場合にその取引等が僅少な規模であること、および兼職先と競業取引がある場合にその取引が株主利益に悪影響を与えないことを示すためのものです。
2 表中の「同社グループ」には社外取締役の兼職先の会社が、「当社グループ」には当社が含まれるほか、それぞれの直前の連結会計年度に提出された有価証券報告書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に社名が記載されている親会社、連結子会社、持分法適用関連会社が含まれます。
3 当社は、「社外取締役の『重要な兼職』先との関係性記載基準」を定めており、上記はその基準に従って記載しています。なお、当該基準は、当社企業情報サイトの「投資家情報/コーポレートガバナンス/コーポレートガバナンスの基本的な考え方」(https://corp.shiseido.com/jp/ir/governance/basic_concept.html)に掲載しています。
なお、2026年3月25日開催予定の定時株主総会の第2号議案として「取締役12名選任の件」を上程しており、当該議案が可決されますと、社外取締役の兼職状況ならびに重要な兼職先と当社との関係は、以下のとおりとなります。
(注) 1 本表は、社外取締役の重要な兼職先と当社との取引等の有無、取引等がある場合にその取引等が僅少な規模であること、および兼職先と競業取引がある場合にその取引が株主利益に悪影響を与えないことを示すためのものです。
2 表中の「同社グループ」には社外取締役の兼職先の会社が、「当社グループ」には当社が含まれるほか、それぞれの直前の連結会計年度に提出された有価証券報告書の「第一部 企業情報 第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に社名が記載されている親会社、連結子会社、持分法適用関連会社が含まれます。
3 当社は、「社外取締役の『重要な兼職』先との関係性記載基準」を定めており、上記はその基準に従って記載しています。なお、当該基準は、当社企業情報サイトの「投資家情報/コーポレートガバナンス/コーポレートガバナンスの基本的な考え方」(https://corp.shiseido.com/jp/ir/governance/basic_concept.html)に掲載しています。
上記表に記載の関係以外には、当社と各社外取締役との間には、重要な人的関係、資本関係または取引関係その他の利害関係はありません。
また、当社は、社外取締役の独立性について客観的に判断するため、海外の法令や上場ルール等も参考に、独自に「社外取締役の独立性に関する判断基準」を定めています。
社外取締役候補の選定にあたっては、コーポレート・ガバナンスの充実の観点からその独立性の高さも重視しており、同基準を用いて社外取締役候補が高い独立性を有しているかどうかを判断しています。
〔「社外取締役の独立性に関する判断基準」の概要〕
・株式会社資生堂(以下「当社」という。)および当社の関係会社(以下併せて「当社グループ」という。)の
出身者ではない
・当社グループの主要な取引先またはその出身者ではない
・当社グループを主要な取引先とする者またはその出身者ではない
・当社の大株主またはその出身者ではない
・当社グループが大株主となっている者またはその出身者ではない
・当社グループから多額の報酬を受けている弁護士またはコンサルタント等ではない
・当社グループから多額の寄付を受けている者またはその出身者ではない
・当社の会計監査人またはその出身者ではない
・上記に該当する者が近しい親族にいない
・当社との間で「役員の相互就任」の状況にある会社等に所属していない
・その他、独立した社外役員としての職務を果たせないと合理的に判断される事情を有していない
なお、「社外取締役の独立性に関する判断基準」の全文は、以下のURLに掲載しています。
https://corp.shiseido.com/jp/ir/governance/pdf/system01.pdf
③ 社外取締役による監督と内部監査、監査委員会監査および会計監査との相互連携ならびに内部統制部門との関係
当社は経営に外部視点を取り入れ、業務執行に対する一層の監督機能の強化を図ることを目的に、独立性の高い社外取締役7名を起用しています。なお、2026年3月25日開催予定の定時株主総会の第2号議案として「取締役12名選任の件」を上程しており、当該議案が可決されますと、独立性の高い社外取締役は8名となります。
社外取締役の起用により、取締役会における重要事項の意思決定に関する議論もより活性化しています。異なるバックグラウンドや専門領域をベースにした幅広い視野・見識によって、客観性が発揮され、監督機能の強化につながるものと考えます。
監査委員会は、内部監査部門である監査部より隔月で監査状況の報告を受け、必要に応じ職務上の指示や意見を伝えています。また、監査委員会は、財務経理部、戦略財務部、品質保証部、情報セキュリティ部、リスクマネジメント部、経営革新部、コーポレートガバナンス部より、各領域の活動状況や課題等の報告を受けています。さらに、常勤の監査委員は、監査部と週次で情報交換を実施しています。
また、代表執行役と監査委員とは、随時意見交換会を開催しています。また、会計監査人と監査委員との間で意見交換会を随時開催するほか、会計士監査結果報告会を四半期毎に開催しており、上期末と期末の報告会には社外取締役も出席し、情報共有を行っています。さらに、「三様監査連絡会」を四半期毎に開催し、常勤の監査委員、会計監査人、監査部が各監査情報を共有しています。
さらに、常勤の監査委員は、取締役会・Global Strategy Committee等の業務執行の重要会議体に出席し、審議内容を確認しています。
(3) 【監査の状況】
① 監査委員会監査の状況
a.人員構成・経歴
当社の監査委員会は5名(社内出身の常勤2名、当社とは特別の利害関係のない社外3名)の監査委員で構成されています。
当連結会計年度の監査委員会委員長の後藤靖子は、運輸省(現 国土交通省)初の女性キャリアとして様々な重職を経験後、事業会社で常務取締役CFO、取締役監査等委員など要職を歴任し、幅広い経営の知識とビジネス経験を有しています。監査委員の吉田猛、後藤靖子、野々宮律子、中嶋康博は財務・会計に関する相当程度の知見を有しています。吉田猛監査委員は、当社の会計および事業管理業務に携わり、2011年に資生堂アメリカズCorp.上級副社長、2014年に監査部長を歴任し、2018年に当社監査役に就任しました。野々宮律子監査委員は、米国および日本の会計事務所等での業務経験後、M&Aおよび事業開発等に携わるなど高い財務・会計知識を有するとともにM&A等を含む経営の知識とビジネス経験を有しています。中嶋康博監査委員は、公認会計士としての会計監査やアドバイザリー業務の豊富な経験と実績のほか、グローバル企業の経営に関する見識と的確な課題認識を有しています。安野裕美監査委員は、当社IR、事業企画等を経験後、グローバル広報部長、エグゼクティブオフィサーを歴任し、コーポレートガバナンスやコンプライアンスに関する経験と知見を有しています。
また、当社では、執行役等との面談や内部監査部門等からの報告、子会社等への往査等日常的な監査活動や社内各領域の重要会議への出席を通じた情報の的確な把握により、迅速かつ適切な監査機能を発揮し、内部統制システムおよびガバナンス体制をより強化していくため、安野裕美氏と吉田猛氏を常勤の監査委員として選定しています。
なお、監査委員会による監査にあたりその職務を支援また一部代行する組織として、監査委員会事務局3名(2025年12月31日現在)を設置しています。
b.監査委員会の活動状況
<監査方針>
監査委員会は、取締役会が果たすべき監督機能の一翼を担い、「様々なステークホルダーからの信頼に応える良質な企業統治体制」を確立する責務を果たすことにより、資生堂グループの「健全で持続的な成長」と「中長期的な企業価値向上」に資する監査を行うことを監査の基本方針としています。
<監査委員会の実施状況と監査委員の出席状況>
当社の監査委員会は、取締役会開催に先立ち定期的に開催するほかに、必要に応じて開催しています。
当連結会計年度は、監査委員会を合計19回開催し、1回あたりの平均所要時間は約1時間40分でした。
当連結会計年度における各監査委員の取締役会および監査委員会への出席状況は以下のとおりです。
(注) 1 中嶋康博氏は2025年3月26日開催の第125回定時株主総会において就任したため、就任後の出席状況となります。
監査委員会は、法令・定款、「監査委員会規則」、「監査委員会監査基準」、「内部統制システムに係る監査委員会監査の実施基準」の定めるところにより、監査に関する重要な事項について報告を受け、協議を行い、決議を行います。
当連結会計年度における主な「決議事項(含む同意事項)」「協議事項」「報告事項」は以下のとおりです。
また、監査委員会以外にも監査委員会の開催に併せて、重要案件についての議論や監査委員間の意見交換の機会として監査委員会メンバーミーティングを開催しています。
なお、監査委員会としての実効性の維持・向上を図ることを目的として、毎年監査委員会実効性評価を実施しております。以下の評価項目について年間の監査活動を振り返り、監査委員会でのディスカッションを経て、協議を行った結果、当連結会計年度において監査委員会は、有効に機能しており実効性は認められると結論づけました。
<監査委員会監査 重点監査項目>
当連結会計年度においては、以下を監査委員会監査の重点監査項目として定め、それぞれの項目について監査委員会等の場を通じて検討・審議を重ね、半期ごとに取締役会に報告しています。
当連結会計年度の重点監査項目および監査の主なポイントは、以下のとおりです。
監査活動の状況は以下のとおりです。
また、監査上の主要な検討事項(KAM: Key Audit Matters)については、当社の経営者の重要な判断に伴う財務諸表の領域に大きく影響を及ぼすと考えられる項目を中心に会計監査人と情報共有および意見交換を行いました。
<組織監査の推進>
監査委員会は、監査の実施にあたり、監査委員会、内部監査部門および会計監査人による三様監査の実効性を高める取り組みとして、会計監査人より四半期決算ごとに会計監査の状況について報告を受けるほか、年2回経営課題についてのディスカッションを行うとともに、三様監査連絡会を実施しています。この取り組みにより、監査委員会のリーダーシップの下、三者間で監査上の指摘事項およびその対応状況をタイムリーに共有し、監査の実効性の向上を図っています。
監査委員会は、内部監査部門を管轄し、内部監査計画および監査資源(予算含む)を承認し、その後定期的に内部監査の進捗やその結果について報告を受けるとともに、必要に応じて、内部監査部門に対して内部監査に関する指示を行っています。また、当社グループの監査役設置会社における子会社監査役で組織する「子会社監査役連絡会」を開催し、各子会社における経営課題や内部統制上のリスク情報を共有し、グループにおける業務執行の状況を監視しています。
加えて、監査委員会は、取締役・執行役等のマネジメントの関与の疑義がある内部通報先として「資生堂グループ監査委員会通報窓口」を開設しており、通報者保護の下、調査対応を行っています。
② 内部監査の状況
a.内部監査の目的と方針
当社グループの内部監査は、THE SHISEIDO PHILOSOPHY(注)2をもとにした適切な統制活動および改善活動の促進により、持続的な成長と企業価値向上に貢献することを目的としております。グローバルカンパニーとしてのガバナンス実現に向けた内部監査の実効性を確保するため、監査委員会および当社代表執行役 社長 CEOは、内部監査の権限、役割および責任について監査部長と継続的に協議します。また監査部は、「内部監査規程」に基づき、当社グループの内部統制の整備・運用状況を、「業務の有効性・効率性」「報告の信頼性」「関連法規・社内規程の遵守」および「資産の保全」の観点から検証するとともに、監査委員会との組織監査を推進、リスクマネジメントの妥当性・有効性を評価し、その改善に向けた助言・提言を行います。
(注) 2 THE SHISEIDO PHILOSOPHYの詳細については、当社企業情報サイトの「会社案内/THE SHISEIDO PHILOSOPHY」(https://corp.shiseido.com/jp/company/philosophy/)をご覧ください。
b. 組織・人員等
監査部は、監査委員会および代表執行役 社長 CEOへのデュアルレポートラインを持つ独立性・客観性を有する組織であり、定期的に監査委員会・取締役会に内部監査の実施状況およびその結果を報告するとともに、月次で代表執行役 社長 CEOおよび代表執行役 CFOに、週次で常勤の監査委員へ報告しています。
また、監査委員会と代表執行役 社長 CEOとの間で相反する指示・判断があった場合には、監査委員会の意見を優先します。
財務報告に係る内部統制については、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度に従って、監査部が独立した部門としてグループ全体の内部統制の評価を取りまとめ、レビューを実施した上で最終評価を行っています。監査の実施状況および評価結果は、上記と同様に報告しています。
また、「資生堂グループ内部統制質問書」を導入し、グループ内の各社による自己評価を通じ、内部統制の強化を進めています。
人員は2025年12月末現在、本社監査部員20名、中国・アジア・米州・欧州に本社所属の拠点監査部員6名(主に現地採用)を配置しています。公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)、公認不正検査士(CFE)、日米の公認会計士等の専門資格を保有するものは所属人数の概ね6割で、未保有者にも資格取得を奨励するなど、専門性が高く社内外に信頼される組織を目指しています。また、部員の当社内部監査の従事期間は平均5年と内部監査の経験・知見のあるメンバーが揃っています。監査部内でスキルマトリクスを作成・確認し、監査部に不足している専門性をもったメンバーを他部門から迎え入れるなどバランスを考慮した人員構成となるようにしています。なお、社内の専門性および人員数の観点からリソースが不足した場合には、必要に応じて外部の専門家を活用しています。
上記ほか、リスクベースに応じ、国内外主要子会社に現地経営者へのレポートラインを有する専任監査部員18名が所属しており、現地の実情に即応できる体制を整備しています。
内部監査業務の品質向上のために、当社では内部監査人協会(The Institute of Internal Auditors)の「グローバル内部監査基準™」をもとに、CIA保持者による監査の品質評価を内部で実施し、今後の定期的な外部評価も見据えて、部門運営・業務の継続的改善を行うとともに、監査管理ツールを2025年度より導入し、実効性の高い監査を目指しています。加えて、グローバルレベルでの基幹システム統一を機とした監査部門におけるデータ分析能力の向上も進めています。
c.内部監査の主な活動
当連結会計年度の主な組織・機能上の報告・情報交換の実績は以下のとおりです。下記に加えて、「監査委員会監査の状況」に記載のとおり、会計監査人、監査委員、および監査部の間で定期的な情報交換を行うなど相互連携を強化しています。また、監査委員会とは日常的かつ機動的な連携および活動の支援を通じて、組織監査(注)3を行っています。
(注) 3 組織監査については、① 監査委員会監査の状況 <組織監査の推進>をご覧ください。
<監査部からの定期的報告>
監査部では、Global Risk Management & Compliance Committeeにおけるリスク認識やその他の当社内外で識別されたリスク情報、対象組織に対する監査の頻度などを総合的に勘案したリスク評価をするとともに、監査対象組織・テーマを選定し、内部監査を推進しています。年間の監査計画は期初、監査委員会から承認を得ており、その後、監査委員会との定期的な意見交換を通じ、変更については改めて監査委員会の承認を得ています。
当連結会計年度は、経営に資する監査を一層推進すべく、事業上の重要な課題をテーマとした監査を重視し、合計10の組織・テーマを対象とした内部監査を実施しました。内部監査実施後は、改善指摘とその対応状況を定期的にフォローアップし、その進捗を監査委員会および代表執行役 社長 CEOに報告しています。
情報セキュリティ、製品の品質などの専門領域は、それぞれグローバルポリシー等を作成し、第一線および第二線での運用を徹底させるとともに、リスクアセスメントを実施し、テクノロジーを活用したオフサイトモニタリングや現地往査によるモニタリングを実施しています。
第一線および第二線の部門から監査部に相談があった、または監査部が識別した課題に対して、業務プロセスや内部統制の評価を通じて得られた知見に基づき、必要に応じて助言・提案を行っています。
また、国内外主要子会社の専任監査部門が実施する監査の結果について情報共有を受けています。加えて、各機能部門・子会社監査部門と監査部とで共同監査を企画・実施しています。
③ 会計監査の状況
a. 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b. 会計監査人の継続監査期間
当社は、有限責任あずさ監査法人を2006年6月29日から会計監査人として選定しており、当連結会計年度で20年となります。
c. 業務を実行した公認会計士
服部 將一 (継続監査年数6年)
林 健太郎 (継続監査年数6年)
小髙 由貴 (継続監査年数2年)
(注) 業務執行社員のローテーションは、有限責任あずさ監査法人が定める方針に沿って適切に実施されています。
有限責任あずさ監査法人の業務執行社員のローテーションは、法令や独立性に関する諸規定および当監査法人(KPMGインターナショナルの方針を含む)の方針において、監査証明業務に関与する最長関与期間に係る規制が設けられています。有限責任あずさ監査法人は、監査補助者も含め、連続関与期間や独立性の観点からローテーション状況の監視を行っています。
d. 監査業務に係る補助者の構成
監査業務に係る業務執行社員以外の人員の構成は、公認会計士40名、試験合格者等13名、その他(税務関連およびIT監査担当等)76名です。
e. 監査法人の選定方針、理由および評価
当社では、監査委員会にて、会計監査人の選解任について、代表執行役 CFO、財務会計・監査等関連部門責任者による評価のほか、監査委員全員で協議の上、同意により実施しています。
当社の会計監査人の解任または不再任の決定の方針は以下のとおりです。
当社では、会計監査人が職務上の義務に違反し、または職務を怠り、もしくは会計監査人としてふさわしくない非行があるなど、当社の会計監査人であることにつき当社にとって重大な支障があると判断した場合には、監査委員会が会社法第340条の規定により会計監査人を解任します。また、会計監査人が職務を適切に遂行することが困難であると認める場合、または監査の適正性をより高めるために会計監査人の変更が妥当であると判断する場合には、監査委員会は執行機関の見解を考慮のうえ、会計監査人の解任または不再任に関する議案の内容を決定し、取締役会は当該決定に基づき、当該議案を株主総会に提出します。
監査委員会は第125期事業年度における会計監査人の会計監査について、会計監査人の適正性、品質管理、監査チームの独立性・職業的専門家としての能力、監査計画の適正性、監査委員等とのコミュニケーション、監査報酬の状況およびプロセスで評価を実施し、第126期事業年度における会計監査人の再任決議を行いました。
④ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
なお、前連結会計年度の監査証明業務に基づく報酬については、上記以外に前連結会計年度に係る追加報酬が17百万円あります。
b. 監査公認会計士等と同一のネットワークに対する報酬 (a.を除く)
前連結会計年度における連結子会社の非監査業務の内容は、税務申告アドバイザリー業務等です。
当連結会計年度における連結子会社の非監査業務の内容は、税務申告アドバイザリー業務等です。
c.その他重要な報酬の内容
重要な事項はありません。
d.監査報酬の決定方針
監査計画の内容について有効性および効率性の観点で会計監査人と協議の上、会計監査人が必要な監査を十分行うことができる報酬額となっているかどうかを検証し、監査委員会の同意を得て決定しています。
e.監査委員会による監査報酬の同意理由
監査委員会は、代表執行役 社長 CEOが提案した会計監査人の報酬等について、会計監査人の当連結会計年度の監査業務における監査時間等の実績に加え、次期に予想される追加監査論点に要する時間等の根拠について検討した結果、その妥当性を確認したことを根拠に同意しています。
(4) 【役員の報酬等】
役員報酬の内容
(イ) 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額および対象となる役員の員数
(注) 1 当社は、執行役を兼務する取締役に対しては、取締役としての報酬を支給していません。そのため、執行役を兼務する取締役2名の報酬等は、「執行役」に含めており、「取締役」には含めていません。
2 上記の取締役および執行役の長期インセンティブ型報酬(株式報酬)は、取締役および執行役の職務執行の対価として交付した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)のIFRS第2号「株式に基づく報酬」に則し認識・測定した当期費用計上額の合計額です。なお、取締役の長期インセンティブ型報酬(株式報酬)の額については、2025年3月退任の取締役に対する権利未確定分の業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)の当期費用計上額を含みます。また、当該報酬制度に基づく報酬等の50%分を当社普通株式交付のための金銭報酬債権で、残りを金銭で支給するものと決議しています。この費用計上額には、交付済み長期インセンティブ型報酬(株式報酬)の評価指標の達成率に基づく費用計上額の調整額△22百万円を含んでいます。
3 上記支給額のほか、当社執行役3名に対して、当該執行役らが取締役または執行役のいずれも兼務しないエグゼクティブオフィサーの地位または従業員の地位にあったときに交付した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)の過年度の費用計上額の調整額△7百万円があります。
4 上記支給額のうち、現地通貨で支給した報酬等については、2025年度期中平均社内為替レートにより円換算しています。
(ロ) 報酬等の総額が1億円以上である取締役および執行役の当連結会計年度に係る報酬等の種類別の額
(注) 1 報酬等の総額が1億円以上である取締役および執行役の当連結会計年度に係る報酬等の種類別の額を記載しています。なお、「役職」に関しては当連結会計年度における役職名を記載しています。
2 上記の取締役および執行役の長期インセンティブ型報酬(株式報酬)は、取締役および執行役の職務執行の対価として交付した業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)のIFRS第2号「株式に基づく報酬」に則し認識・測定した当連結会計年度費用計上額の合計額です。この費用計上額には、交付済み長期インセンティブ型報酬(株式報酬)の評価指標の達成率に基づく費用計上額の調整額△15百万円を含んでいます。
3 上記支給額には、梅津執行役が海外に駐在することにより発生する追加の費用等に関して、駐在をしていない場合において想定される報酬額を確保することを目的とした、国際間異動に伴う税額調整等の金額を含んでいます。
4 上記支給額のうち、現地通貨で支給した報酬等については、2025年度期中平均社内為替レートにより円換算しています。
5 上記の取締役および執行役について、上記の役員報酬((注)2~4に記載したものを含む)以外の報酬の支給はありません。
(ハ) 執行役に支給される年次賞与の業績連動目標、実績および支給率等
(注) 1 連結売上高およびコア営業利益における支給率の算出の際、期初に設定した目標と年度実績を実質的に同じ状況で比較するため、目標および実績について事業譲渡や為替等の影響を除外する補正を実施しています。支給率はこれを反映して算出した結果となっています。
2 当社は、親会社の所有者に帰属する当期利益について予め定めた一定水準を下回った場合、報酬委員会において、年次賞与のうち全社業績部分の支給率引き下げを検討する基準として設定しています。当連結会計年度はその水準に該当し、報酬委員会の決定により執行役を対象として25%の支給率引き下げを実施しています。
3 担当部門業績では、事業売上、事業利益およびコスト指数等、担当部門ごとに重要な評価指標を設定しています。具体的な数値は開示していません。
4 個人考課では、組織能力の向上等、単年度だけでなく企業理念の実現に向けた長期戦略の実現に寄与する重点目標を個人別に設定しています
5 合計支給率は、執行役の賞与基準金額に対する実支給額の割合を表しています。
(ニ) 社外取締役を除く取締役に支給される2022年12月期付与分の長期インセンティブ型報酬の業績評価指標、
実績および支給率等
(注) 1 2022年12月期付与分の業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)の評価対象期間は、2022年1月1日から2024年12月31日までです。
2 業績評価指標につきましては、経済価値と社会価値の両面からの企業価値の向上を後押しする観点から、企業価値のうち経済価値に関する指標として、連結売上高の年平均成長率(CAGR)および連結営業利益率を、社会価値に関する指標として、環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の複数の指標を採用しました。
3 固定部分(50%)が設定されているため、固定部分と業績連動部分を合計した支給率全体の変動幅は50%から150%となります。
4 連結ROEは、予め定めた一定水準を下回った場合、報酬委員会において、業績連動部分の支給率引き下げを検討する基準として設定しています。
5 支給率は、各項目の実績を所定の支給率表にあてはめて算出しています。業績評価指標のうち、ESG指標の実績の比率の算出にあたっては、小数点以下を四捨五入しています。
(ホ) 提出会社の役員報酬等に係る指名委員会、報酬委員会および取締役会の活動内容
当連結会計年度は指名委員会を13回、報酬委員会を13回開催し、前連結会計年度の取締役およびエグゼクティブオフィサーの賞与、当連結会計年度の取締役、執行役およびエグゼクティブオフィサーへの報酬支払の方針ならびに個人別報酬についての検討、答申、決定を行いました。
当連結会計年度に係る取締役、執行役およびエグゼクティブオフィサーの個人別の報酬等については、取締役、執行役およびエグゼクティブオフィサーの個人別の報酬等の決定方針に基づいて設計された具体的な報酬体系・指標に基づき、当社を取り巻く社会情勢・経済状況を勘案しながら報酬委員会が審議、決定していることから、当該決定方針に沿うものであると判断しています。
(ヘ) 提出会社の役員報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針
当社は、役員報酬制度をコーポレートガバナンスにおける重要事項と位置づけています。このことから、当社の役員報酬制度は、以下の基本哲学に基づき、独立社外取締役4名で構成される報酬委員会において、客観的な視点を取り入れて審議し決定しています。
〔役員報酬制度の基本哲学〕
(ト) 当社の役員報酬制度
当社は、上記の基本哲学を踏まえ、報酬委員会において、取締役、執行役およびチーフオフィサー、ディビジョンオフィサー(以下総称して「オフィサー」という。)の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針を決議しています。同方針の概要を含む当社の役員報酬制度を以下に説明します。
(全体像)
当社の執行役(取締役を兼任する者を含む。)およびオフィサーの役員報酬は、固定報酬としての「基本報酬」と業績連動報酬としての「年次賞与」と「長期インセンティブ型報酬(非金銭報酬)」で構成され、報酬額の水準については、国内外の同業または同規模の他企業との比較および当社の財務状況を踏まえて設定しています。執行役およびオフィサーの個人別の報酬等は、報酬委員会で審議、決定することとしています。執行役およびオフィサーの個人別の報酬等については、取締役、執行役およびオフィサーの個人別の報酬等の決定方針に基づいて設計された具体的な報酬体系・指標に基づき、当社を取り巻く社会情勢・経済状況を勘案しながら報酬委員会で審議し決定しています。
当社の執行役はいずれもオフィサーを兼務しており、オフィサーとしての担う役割・責任の大きさにより設定されるグレード等に基づき報酬額が決定されます。各オフィサーの報酬額は、個人考課等に応じて一定範囲で昇給が可能な仕組みとなっており、各オフィサーの成果に報いることができるようにしています。
なお、取締役に期待される役割は、執行に対する監督、経営に関する助言機能の発揮であることから、業績変動に影響されない独立した立場からこれらの期待役割を果たすことができるよう、社外取締役を含む非業務執行取締役の報酬は基本報酬のみとしています。
また、当社の執行役を兼務する取締役に対しては、取締役としての報酬は支給されません。なお、退職慰労金制度はありません。
〔執行役およびオフィサーの種類別報酬割合〕
執行役およびオフィサーの報酬割合は、担う役割・責任の大きさに基づくグレードによって設定し、グレードが高くなるほど業績連動報酬割合が高くなる設定としています。
(注) 1 この表は、業績連動報酬の支給額について、当社が定める基準額100%分を支給した場合のモデルであり、当社の業績および株価の変動等に応じて上記割合も変動します。
2 執行役の兼務、代表権の有無により種類別報酬割合に差異を設けていません。
3 各執行役、オフィサーのグレードに応じて異なる報酬テーブルが適用されるため、個人別に報酬の種類別の割合が異なります。
(固定報酬)
固定報酬としての基本報酬については、各執行役およびオフィサーの担う役割・責任の大きさに基づくグレードごとに設計しています。また、社外取締役を含む非業務執行取締役の基本報酬は、他企業との比較などにより設定しています。なお、基本報酬は月次で支給しています。
(業績連動報酬)
業績連動報酬は、単年度の目標達成に対する動機づけを目的とした「年次賞与」と、株主のみなさまとの利益意識の共有と中長期的な企業価値向上のための目標達成への動機づけを目的とした「長期インセンティブ型報酬としての業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)」で構成されており、当社執行役およびオフィサーに対し、単年度だけでなく中長期的な視点で業績や株価を意識した経営を動機づける設計となっています。
(年次賞与)
年次賞与では、財務指標である連結売上高およびコア営業利益の目標達成率をすべての執行役およびオフィサー共通の評価指標とするほか、次表のとおり、各執行役およびオフィサーとしての事業業績の評価指標を設定しています。また、持続的成長を実現するための事業基盤の再構築や変革への取り組みなど、財務的な業績数値だけでは測ることができない戦略目標の達成度を評価基準に加えるために全執行役およびオフィサーについて個人考課部分を設定しています。これらの結果に応じて算出される支給率の変動幅を0%~200%としています。なお、連結売上高およびコア営業利益の各目標の達成率の判定にあたっては、報酬委員会での審議、決議をもって実績を補正して判定することがあります。このような補正を行った場合は、執行役の報酬実績の開示資料に記載して明らかにします。
なお、年次賞与は、毎年1回支給しています。
〔執行役およびオフィサーとしての担当領域に応じた年次賞与の評価指標および評価ウエイト〕
(注) 執行役の兼務、代表権の有無により評価指標および評価指標の適用割合に差異を設けていません。
〔年次賞与の支給率モデル〕

(長期インセンティブ型報酬)
当社は、長期インセンティブ型報酬導入の目的として以下を定め、業績連動型株式報酬の一種であるパフォーマンス・シェア・ユニットを採用し、執行役およびオフィサーに対して中長期的な企業価値の創造を動機づけています。
なお、以下の目的に基づき、国内外の主要業務執行者も長期インセンティブ型報酬の支給対象としています。
〔長期インセンティブ型報酬の導入目的〕
当社のパフォーマンス・シェア・ユニットでは、各事業年度を支給対象年度として年度ごとに各支給対象者に基準となる株式ユニットを付与し、予め支給対象年度を含む3事業年度を評価対象期間とする複数の評価指標を定めています。評価対象期間終了後に各評価指標の結果に応じて変動幅50%~150%の範囲で支給率を算出し、この支給率に応じて株式ユニット数を増減させたうえで、当該株式ユニット数に応じた数の当社の普通株式交付のための金銭報酬債権と金銭を支給対象者に支給し、このうち当該金銭報酬債権の全部を現物出資させることで、各支給対象者に当社普通株式を交付します。なお、株主のみなさまとの持続的な利益意識の共有、企業価値の毀損の牽制および長期にわたる高い企業価値の維持、ならびに有能な人材の獲得・維持といった目的を実現するために、支給率下限を50%に設定し、業績連動部分だけでなく、固定的に支給される部分を設けています。
2026年の長期インセンティブ型報酬の評価指標については、企業価値のうち経済価値に関する指標として、2026年度から2028年までの株主価値向上指標であるグローバルなピア企業群との相対TSR(株主総利回り)と、資本効率指標であるROIC(投下資本利益率)を設定しました。さらに、社会価値に関する指標として、環境・社会・企業統治(ESG)に関する社内外の複数の指標を採用し、経済価値と社会価値の両面からの企業価値の向上を後押しする構成としています。 なお、資本効率指標(ROIC:投下資本利益率)の達成率の判定にあたっては、報酬委員会での審議、決定をもって実績を補正して判定することがあります。このような補正を行った場合は、執行役の報酬実績の開示資料に記載して明らかにします。
長期インセンティブ型報酬は、予め定める一定期間、支給対象者が継続して執行役またはオフィサーのいずれかの地位にあったことを支給の要件とします。
また、当社では、パフォーマンス・シェア・ユニットに関して、マルス・クローバック条項を導入しています。具体的には、支給対象者の重大な不正行為があった場合等の一定の場合には、報酬委員会はその決定に従い、株式ユニットの数を減少させ、または返還を受けることができます
〔長期インセンティブ型報酬の支給スケジュール〕

〔長期インセンティブ型報酬の業績連動部分の評価指標および評価ウエイト〕
〔長期インセンティブ型報酬の株式ユニット数支給率モデル〕

(チ) 報酬額算定の基礎となる考課の客観性・公正性・透明性を担保する仕組み
当社の役員報酬制度では、執行役およびオフィサーの次年度報酬額における昇給額と前年のパフォーマンスに対して支給する年次賞与の報酬額の決定に対し、各執行役およびオフィサーの個人考課が大きく影響します。個人考課は、連結売上高等の業績指標に基づく評価と異なり、一部評価項目を除き定量的な評価ではないことから、その客観性・公正性・透明性を担保するための仕組みが必要となります。
このため、CEOについては、独立社外取締役4名で構成される報酬委員会が、個人考課を含む業績評価全体を評価、決定しており、CEOのパフォーマンス評価について包括的な役割を担っています。また、CEO以外の執行役を兼務するオフィサーの個人考課は、CEOが報酬委員会に提案を行い、報酬委員会がその評価プロセスや評価の考え方を確認、決定しています。
上記以外のオフィサーの個人考課は、CEOが行いますが、これについては、報酬委員会がその評価プロセスや評価の考え方を確認し、客観性・公平性・透明性を担保しています。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準および考え方
当社は、保有目的が「純投資目的である投資株式」と「純投資目的以外の目的である投資株式」の区分について、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする株式については「純投資目的である投資株式」に区分し、それ以外の株式については「純投資目的以外の目的である投資株式」に区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、株式の政策保有を以下の方針で行っており、必要最低限の保有水準としています。
・当社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資すると判断する場合に限り、必要最低限保有する。
・個別銘柄ごとに保有目的や保有に伴う便益が資本コストに見合っているかを定期的に精査し、保有の適否を取締役会で検証し、縮減の状況を開示する。
・当社の株式を政策保有株式として保有している会社から売却等の申し出があった場合は、売却等を妨げることもなく、また、取引の縮減を示唆する行為など行わない。
b.銘柄数および貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式およびみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 貸借対照表計上額が当社資本金額の1%を超えています。
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表および財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年1月1日から2025年12月31日まで)の連結財務諸表および事業年度(2025年1月1日から2025年12月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組およびIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組およびIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。その内容は、以下のとおりです。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等に適時かつ的確に対応できる体制を整備するため、
公益財団法人財務会計基準機構が公表する会計基準等に係る情報を適時に取得するとともに、監査法人等が
主催するセミナーへ参加し情報収集に努めています。
(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の
把握を行っています。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計
方針および会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社資生堂(以下「当社」という。)は日本に所在する株式会社です。当社の連結財務諸表は、2025年12月31日を期末日とし、当社および当社連結子会社(以下「当社グループ」という。)ならびに関連会社に対する持分により構成されています。当社グループの事業内容および主要な活動は、注記「6.事業セグメント」に記載しています。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。
早期適用していないIFRSを除き、当社グループの会計方針は2025年12月31日に有効なIFRSに準拠しています。
本連結財務諸表は、2026年3月23日に代表執行役 社長 CEO 藤原憲太郎および代表執行役 CFO 廣藤綾子によって承認されています。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」に記載のとおり、公正価値で測定されている特定の金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3) 機能通貨および表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を切り捨てて表示しています。
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しています。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めています。当社グループ間の債権債務残高および内部取引高、ならびに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しています。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されています。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得または損失は純損益で認識しています。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが当該企業に対し、財務および営業の方針に重要な影響力を有しているものの、支配または共同支配をしていない企業をいいます。通常、当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。
関連会社については、原則として当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって会計処理しています。関連会社に対する投資には、取得に際して認識されたのれん(減損損失累計額控除後)が含まれています。
関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社の財務諸表に調整を加えています。
(2) 企業結合
企業結合は取得法に基づき会計処理しています。非支配持分は、取得日における公正価値または被取得企業の識別可能純資産に対する比例的持分で当初測定しています。
支払対価の公正価値、被取得企業の非支配持分の金額および段階取得の場合には取得企業が以前より保有していた被取得企業の支配獲得日における資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能な資産および引き受けた負債の公正価値を超過する場合は、その超過額を連結財政状態計算書においてのれんとして認識しています。一方、この対価の総額が識別可能な資産および引き受けた負債の公正価値を下回る場合には、直ちに連結損益計算書において純損益として認識しています。
企業結合に関連して発生した取得関連コストは、発生時に費用として認識しています。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した連結会計年度末までに完了していない場合は、完了していない項目を暫定的な金額で会計処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで当社グループの各社の機能通貨に換算しています。
期末日における外貨建貨幣性資産および負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しています。
換算または決済により生じる換算差額は、純損益として認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産、およびキャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段から生じた換算差額のうちヘッジが有効な部分については、その他の包括利益として認識しています。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産および負債については期末日の為替レート、収益および費用については、為替レートが著しく変動していない限り、平均為替レートを用いて日本円に換算しています。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素として認識しています。支配の喪失を伴う子会社の処分時には、当該在外営業活動体に関連した換算差額の累計額の全額を純損益に振り替えています。
(4) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(ⅰ)当初認識および測定
金融資産のうち償却原価で測定する金融資産はそれらの発生日に当初認識します。その他のすべての金融資産は、金融商品の契約の当事者になった日に認識します。
金融資産は、当初認識時に以下のとおり分類しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
以下の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当社グループでは、売買目的で保有していないすべての資本性金融商品への投資について、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという選択を行っています。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
以下の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
金融資産は、原則として、公正価値に、当該金融資産に直接帰属する取引費用を加算した金額で測定しています。ただし、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、取引費用は発生時に純損益で認識しています。
また、重大な金融要素を含んでいない営業債権は取引価格で測定しています。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価で測定し、利息は純損益として認識しています。必要な場合には実効金利法を適用した総額の帳簿価額から損失評価引当金を控除しています。
(b) 公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産については、公正価値の変動額および認識の中止に係る利得または損失はその他の包括利益として認識しています。なお、その他の包括利益として認識した額の累計額は、その他の資本の構成要素に認識後、直ちに利益剰余金に振り替えています。また、当該金融資産からの配当金については、当該配当金が明らかに投資の取得原価の回収を示している場合を除いて金融収益の一部として純損益として認識しています。
上記以外の公正価値で測定する金融資産については、公正価値の変動額は純損益に認識しています。
(ⅲ)認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、または当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において、金融資産の認識を中止しています。
(ⅳ)金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産等に係る減損については、当該資産に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識しています。
当社グループは、期末日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を損失評価引当金として認識しています。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増加している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を損失評価引当金として認識しています。
なお、重大な金融要素を含んでいない営業債権およびリース債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で損失評価引当金を認識しています。
予想信用損失は、信用リスクの特徴が類似する資産ごとにグルーピングし、過去の貸倒実績に現在の状況および当社グループが合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報(内部格付、外部格付等)を考慮し測定しています。
予想信用損失は、契約に従って当社グループに支払われるべきすべての契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるすべてのキャッシュ・フローとの差額の現在価値として測定しています。
発行者または債務者の重大な財政上の困難や期日経過を含む契約違反など、金融資産の全体または一部の回収が極めて困難であると判断した場合に債務不履行であると判断しています。債務不履行に該当した場合は信用減損の客観的な証拠が存在すると判断し、信用減損金融資産に分類しています。
また、ある金融資産の全体または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しています。
金融資産に係る損失評価引当金の繰入額は、純損益で認識しています。損失評価引当金を減額する事象が生じた場合は、損失評価引当金戻入額を純損益で認識しています。
② 非デリバティブ金融負債
当社グループでは、金融負債を発生日に当初認識しており、償却原価で測定しています。当初認識時には公正価値からその発行に直接起因する取引コストを減算して測定しています。また、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しています。
金融負債は、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消しまたは失効となった時に認識を中止しています。
③ デリバティブおよびヘッジ会計
当社グループは、為替リスクや金利リスクをそれぞれヘッジするために、為替予約、金利スワップ契約等のデリバティブを利用しています。このうち、ヘッジ会計の要件を満たしているデリバティブ商品についてヘッジ手段として指定し、ヘッジ会計を適用しています。
当社グループは、ヘッジ会計を適用するにあたって、リスク管理目的、ヘッジ取引を実行する際のヘッジ手段とヘッジ対象の関係、およびヘッジ関係の有効性の評価方法についてヘッジ開始時に正式に文書化しています。また、ヘッジ手段として指定したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するために有効であるかどうかについて、ヘッジ開始時およびその後も継続的に評価を実施しています。
これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で再測定し、その事後的な変動は以下のとおり処理しています。
(ⅰ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得または損失のうち有効部分は連結包括利益計算書においてその他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに連結損益計算書において純損益として認識しています。
その他の包括利益として認識されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象取引を実行し純損益に認識するまでその他の資本の構成要素として認識しています。その他の資本の構成要素に認識したヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えています。ヘッジ対象が非金融資産または非金融負債の認識を生じさせる予定取引である場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産または非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
(ⅱ)ヘッジ指定していないデリバティブ
デリバティブの公正価値変動は、連結損益計算書において純損益として認識しています。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金、および容易に換金可能であり価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価および見積販売費用を控除した額です。原価は、主として総平均法に基づいて算定しており、購入原価、加工費、現在の場所および状態に至るまでに要したすべての費用を含んでいます。
(7) 有形固定資産
有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去および土地の原状回復費用、および資産計上すべき借入コストが含まれています。
土地および建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法により認識しています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりです。
・建物及び構築物 2~50年
・機械装置及び運搬具 2~15年
・工具、器具及び備品 2~15年
なお、見積耐用年数、残存価額および減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(8) のれん
のれんは償却を行わず、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位に配分し、毎年および減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。
のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻入れは行っていません。
また、のれんは連結財政状態計算書において、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
(9) 無形資産
無形資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しています。企業結合により取得した無形資産は、当初認識時にのれんとは区分して認識し、支配獲得日の公正価値で測定しています。
内部発生の研究関連費用は、発生時に費用認識しています。内部発生の開発費用は、資産として認識するための要件がすべて満たされた場合に限り資産として認識しています。なお、研究関連費用と開発関連費用が明確に区分できない場合には、研究関連費用として発生時に費用認識しています。
内部利用を目的としたソフトウエアの取得および開発費用は、将来の経済的便益の流入が期待される場合には無形資産として認識しています。
耐用年数を確定できる無形資産は、当初認識後それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりです。
・ソフトウエア 5~15年
耐用年数を確定できない無形資産、未だ使用可能ではない無形資産は償却を行わず、毎年かつ減損の兆候が存在する場合はその都度、個別にまたは各資金生成単位で減損テストを実施しています。
なお、見積耐用年数、残存価額および償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(10) リース
契約がリースであるかまたはリースを含むかは、契約の開始時に評価します。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるかまたはリースを含んでいると判断します。
① 借手
借手としてのリースにおいては、リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識します。使用権資産は、リース負債の当初測定額に、開始日またはそれ以前に支払ったリース料を調整した額を当初測定額としています。リース負債は、開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しています。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの追加借入利子率を使用しています。
当初認識後、使用権資産は、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早い方の日まで、定額法により減価償却しています。使用権資産の見積耐用年数は、自己所有の有形固定資産と同様に決定しています。リース負債は、実効金利法による償却原価で測定しています。リース料は、利息法に基づき、金利費用とリース負債の返済額とに配分しています。金利費用は、連結損益計算書において、「金融費用」に含めて表示しています。
当社グループは、リース期間が12ヶ月以内または少額資産のリースについて、使用権資産およびリース負債を認識しないことを選択しています。当社グループは、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法または他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しています。また、実務上の便法として、当社グループは非リース構成部分をリース構成部分と区別せず、リース構成部分および関連する非リース構成部分を単一のリース構成部分として会計処理することを選択しています。
② 貸手
当社グループがリースの貸手である場合、リース契約時にそれぞれのリースをファイナンス・リースまたはオペレーティング・リースに分類します。それぞれのリースを分類するにあたり、当社グループは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値が実質的にすべて移転するか否かを総合的に評価しています。移転する場合はファイナンス・リースに、そうでない場合はオペレーティング・リースに分類しています。
当社グループが中間の貸手である場合、ヘッドリースとサブリースを別個に会計処理します。サブリースの分類は、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して判定します。
オペレーティング・リース取引によるリース料については、リース期間にわたって定額法により収益として認識し、連結損益計算書において、「その他の営業収益」に含めて表示しています。
(11) 非金融資産の減損
棚卸資産および繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っています。のれんおよび耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず回収可能価額を毎年同じ時期に見積っています。
資産または資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としています。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値および当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いています。減損テストにおいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産または資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しています。のれんの減損テストを行う際には、のれんが配分される資金生成単位を、のれんが関連する最小の単位を反映して減損がテストされるように統合しています。企業結合により取得したのれんは、結合のシナジーが得られると期待される資金生成単位に配分しています。
減損損失は、資産または資金生成単位の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合に純損益として認識しています。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しています。
過去に認識した減損損失は、のれんを除き、毎期末日において損失の減少または消滅を示す兆候の有無を評価し、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費および償却額を控除した後の帳簿価額を上限として戻入れています。
(12) 従業員給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を運営しています。
当社グループは、確定給付制度債務の現在価値および関連する当期勤務費用ならびに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて算定しています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しています。
確定給付制度に係る負債または資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定しています。
確定給付制度の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識しており、その累計額は、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。
過去勤務費用は、発生した期の純損益として処理しています。
確定拠出型の退職給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期に費用として認識しています。
(13) 株式に基づく報酬
当社グループは、持分決済型の株式に基づく報酬制度としてストックオプション制度、ならびに持分決済型および現金決済型の業績連動型株式報酬制度としてパフォーマンス・シェア・ユニット制度を採用しています。
ストックオプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストックオプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として連結損益計算書において認識し、同額を連結財政状態計算書において資本の増加として認識しています。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、Hull-White型の修正二項モデルを用いて算定しています。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しています。
パフォーマンス・シェア・ユニット制度のうち持分決済型の報酬取引に該当する部分については、付与する当社株式の公正価値を参照して測定しており、その権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。一方、現金決済型の報酬取引に該当する部分については、受領した役務を発生した負債の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しています。なお、報告日および決済日において当該負債の公正価値を再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しています。
(14) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的または推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しています。貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値および当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割り引いています。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しています。
(15) 収益
当社グループは、スキンケア、メイクアップ、フレグランス等の化粧品の製造・販売およびレストランや美容室事業を展開しています。製商品販売については、製商品の引渡時点等において顧客が当該製商品に対する支配を獲得することから、当該製商品の引渡時点等で収益を認識しています。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベートおよび返品等を控除した金額で測定しています。これらの顧客に返金すると見込んでいる対価を返金負債として連結財政状態計算書の「営業債務及びその他の債務」に計上しています。変動対価は、当該変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ取引価格に含めています。なお、これらの顧客との契約における対価には、重大な金融要素を含んでいません。
商品の販売に応じて顧客に将来の製商品購入時の支払い等が可能なポイントプログラムを提供しており、将来顧客が行使することが見込まれるポイント分をポイントプログラムの履行義務として識別しています。取引価格はこれらの履行義務に対して、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベートおよび返品等を控除した独立販売価格の比率に基づいて配分しています。ポイントプログラムの履行義務に配分された額は、契約負債として連結財政状態計算書の「その他の流動負債」として繰延べ、失効率を考慮の上、ポイントの使用に応じて収益を認識しています。
(16) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られたときに公正価値で認識しています。
政府補助金が費用項目に関連する場合は、補助金で補償することが意図されている関連コストを費用として認識する期間にわたって、規則的に収益として認識しています。資産に関する補助金は、繰延収益として認識し、関連資産の耐用年数にわたり規則的に純損益で認識しています。
(17) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金および繰延税金から構成されています。これらは、その他の包括利益または資本に直接認識される項目から生じる場合、および企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しています。
当期税金は、税務当局に対する納付または税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。税額の算定に使用する税率および税法は、期末日までに制定または実質的に制定されているものです。
繰延税金は、期末日における資産および負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との差額である一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除に対して認識しています。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産および負債を認識していません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・企業結合取引を除く、取引時に、会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引によって発生する資産および負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、または当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異に関しては、一時差異の解消する時期をコントロールすることができ、予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について認識しています。
繰延税金資産および負債は、期末日において制定されている、または実質的に制定されている税率および税法に基づいて、資産が実現する期間または負債が決済される期間に適用されると予想される税率および税法によって測定しています。
繰延税金資産および負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しています。
当社グループは、IAS第12号「法人所得税」の一時的な例外規定を適用し、経済開発協力機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産および負債に関して、認識および開示を行っていません。
(18) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しています。
(19) 売却目的で保有する非流動資産
非流動資産(または処分グループ)の帳簿価額が、継続的使用ではなく主に売却取引により回収される場合には、当該非流動資産(または処分グループ)を売却目的保有に分類しています。売却目的保有へ分類するためには、売却の可能性が非常に高く、現状で直ちに売却が可能なことを条件としており、当社グループの経営者が当該資産の売却計画の実行を確約し、1年以内で売却が完了する予定である場合に限られています。
売却目的保有に分類された非流動資産(または処分グループ)は、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、売却目的保有に分類された後は減価償却または償却を行っていません。
(20) 資本およびその他の資本項目
① 普通株式
普通株式は、発行価額を資本金および資本剰余金に認識しています。また、株式発行費用は発行価額から控除しています。
② 自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しています。当社の自己株式の購入、売却または消却において、利得または損失は認識されません。帳簿価額と売却時の対価との差額は、資本として認識しています。
③ 配当金
当社の株主に対する配当のうち、期末配当は当社の株主総会により決議された日、中間配当は取締役会により決議された日の属する期間の負債として認識しています。
(21) その他連結財務諸表の作成のための基本となる重要な事項
グループ通算制度の適用
当社および一部の国内連結子会社は、グループ通算制度を適用しています。
4.重要な会計上の見積りおよび判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の金額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定を行うことが要求されています。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間およびそれ以降の将来の会計期間において認識されます。
なお、会計上の見積りにより、翌連結会計年度に係る連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性のあるものは次のとおりです。
各資金生成単位に関するのれんの評価
当社グループは、各資金生成単位に関するのれんの評価について重要な見積りのリスクを識別しています。
各資金生成単位の回収可能価額は使用価値により算定しています。使用価値の見積りは、割引キャッシュ・フロー方式により行いますが、この方式では、将来キャッシュ・フロー、割引率および長期市場成長率など、多くの見積り・前提を使用しており、将来キャッシュ・フローの基礎となる将来計画は過去の実績、現在および見込まれる経済状況、市場データなどを考慮しています。これらの見積り・前提は、減損テストや認識される減損損失計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、使用価値の見積りや減損テストにあたっては、外部専門家などによる評価を活用しています。
当連結会計年度において、米州事業資金生成単位について、米州事業の収益性が低下したことにより、期中において減損の兆候があると判断し、減損テストを実施した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから46,818百万円ののれんの減損損失を計上しました。連結損益計算書上、「のれんの減損」に含まれています。
のれんの各資金生成単位の帳簿価額および回収可能価額の算定方法については、注記「14.のれん及び無形資産」に記載しています。
5.未適用の公表済み基準書および解釈指針
連結財務諸表の公表の承認日までに新設または改訂が行われた新基準書および新解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは以下のとおりです。連結財務諸表に与える影響は現在評価中です。
6.事業セグメント
(1) セグメントの概要
当社グループの事業セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営者が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、主に化粧品を製造・販売しており、当連結会計年度より報告セグメントを従来の「中国事業」「トラベルリテール事業」から「中国・トラベルリテール事業」に変更しています。お客さまの購買接点タイプ別に区分したブランドカテゴリーと、5つの地域(日本、中国・トラベルリテール、アジアパシフィック、米州、欧州)を掛け合わせたマトリクス型の体制のもと、事業活動を展開しています。その上で、各地域の責任者が、地域ごとに幅広い権限と、売上・利益への責任を持ち、機動的な意思決定を行っていることから、当社のセグメントは地域を主として、「日本事業」「中国・トラベルリテール事業」「アジアパシフィック事業」「米州事業」および「欧州事業」の5つを報告セグメントとしています。
「日本事業」は、国内におけるブランドカテゴリー別事業(プレステージ、フレグランス、プレミアム等)およびヘルスケア事業(美容食品、一般用医薬品の販売)等を包括しています。
「中国・トラベルリテール事業」は、中国および全世界の免税店エリアにおけるブランドカテゴリー別事業(プレステージ、フレグランス、コスメティクス等)を包括しています。
「アジアパシフィック事業」は、日本、中国を除くアジア・オセアニア地域におけるブランドカテゴリー別事業(プレステージ、フレグランス、コスメティクス等)を包括しています。
「米州事業」は、アメリカ地域におけるブランドカテゴリー別事業(プレステージ、フレグランス等)を包括しています。
「欧州事業」は、ヨーロッパ、中東およびアフリカ地域におけるブランドカテゴリー別事業(プレステージ、フレグランス等)を包括しています。
「その他」は、飲食業等を包括しています。
(報告セグメントの変更等に関する事項)
当連結会計年度より、組織体制およびマネジメント体制の変更に伴い、報告セグメントを「中国事業」「トラベルリテール事業」から「中国・トラベルリテール事業」に変更しています。また、従来「その他」に計上していた㈱イプサの国内販売機能、およびヘルスケア事業の美容食品等の販売機能に係る業績を「日本事業」に計上しています。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しています。
(2) 報告セグメントごとの売上高、利益または損失その他の項目の金額の算定方法
報告セグメントの会計方針は、注記「3.重要性がある会計方針」で記載している会計方針と同一です。
報告セグメントの利益は営業利益(または損失)から構造改革に伴う費用・減損損失・買収関連費用等、非経常的な要因により発生した損益(非経常項目)を除いて算出したコア営業利益で表示しています。
なお、セグメント間の取引価格および振替価格は市場実勢を勘案して決定しています。
(報告セグメントの利益又は損失の算定方法の変更)
当連結会計年度より、セグメントごとの収益性の明確な把握のため、従来は移転価格ポリシーに基づき調整されていたセグメント間の内部売上高・売上原価の影響、および事業セグメントに賦課していた一部の本社費用の影響を除外し、また、主に「その他」および「欧州事業」に計上されていたブランドホルダーコスト(注)を、各セグメントへブランド毎の売上高構成比にて振り替えています。
なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの利益の算定方法に基づき作成したものを開示しています。
(注) グローバルマーケティング戦略立案、商品開発、コミュニケーション・クリエイティブ開発、ブランド経営管理等に係る費用
(3) セグメント収益および業績
当社グループの報告セグメントによる収益および業績は以下のとおりです。
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(注) 1 「欧州事業」は、中東およびアフリカ地域を含みます。
2 「その他」は、飲食業等を含んでいます。
3 セグメント利益(△は損失)の「調整額」は、主に各事業セグメントに配分していない本社費用(△65,271百万円)、各事業セグメントへの配賦額と実際発生額との差額(△3,650百万円)および原価差額(9,704百万円)等です。本社費用は、従来「その他」に含めていましたが、当連結会計年度より「調整額」に含めており、主に本社機能部門および基礎研究開発部門等に係る費用です。当該金額は変更後の区分方法により作成したものを記載しています。
4 セグメント資産および負債の金額は、経営資源の配分の決定および業績を評価するための定期的な検討の対象となっていないため記載していません。
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
(注) 1 「欧州事業」は、中東およびアフリカ地域を含みます。
2 「その他」は、飲食業等を含んでいます。
3 セグメント利益(△は損失)の「調整額」は、各事業セグメントに配分していない本社費用(△64,478百万円)、各事業セグメントへの配賦額と実際発生額との差額(6,301百万円)および原価差額(5,913百万円)等です。本社費用は、主に本社機能部門および基礎研究開発部門等に係る費用です。
4 セグメント資産および負債の金額は、経営資源の配分の決定および業績を評価するための定期的な検討の対象となっていないため記載していません。
セグメント利益から、営業利益又は損失(△)への調整は、以下のとおりです。
前連結会計年度における構造改革費用は、主に資生堂ジャパン㈱のビジネストランスフォーメーションの一環としての早期退職支援プランに伴う費用および関連する退職給付債務の清算益です。連結損益計算書上、当該費用は「売上原価」、「販売費及び一般管理費」、「その他の営業収益」および「その他の営業費用」に含まれています。
当連結会計年度における構造改革費用は、主に「アクションプラン 2025-2026」に係る当社等の「ネクストキャリア支援プラン」、資産除却、米州事業の人員削減に係る費用および不利な契約に係る引当金の計上です。連結損益計算書上、当該費用は「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「その他の営業費用」に含まれています。
当連結会計年度における減損損失は、主にのれんの減損損失および資生堂アメリカズCorp.が賃借しているオフィスのサブリースによる収益性低下等に伴う減損損失です。連結損益計算書上、当該費用は「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「のれんの減損」に含まれています。
前連結会計年度および当連結会計年度における減損損失戻入は、過去に減損損失を認識した資生堂大阪工場の製造設備のうち、収益性が回復した設備から生じた減損損失戻入です。連結損益計算書上、当該収益は「その他の営業収益」に含まれています。
前連結会計年度における固定資産売却益は、主に当社子会社所有の不動産売却に伴い発生した収益です。連結損益計算書上、当該収益は「その他の営業収益」に含まれています。
前連結会計年度および当連結会計年度における買収関連費用は、DDG Skincare Holdings LLCの買収に伴う直接的な費用です。連結損益計算書上、当該費用は「販売費及び一般管理費」に含まれています。
前連結会計年度および当連結会計年度における社内制度変更に伴う一時費用は、連結損益計算書上、「販売費及び一般管理費」に含まれています。
(4) 製品及びサービスに関する情報
化粧品事業の外部顧客への売上高が連結損益計算書上の「売上高」のほとんどを占めているため、記載を省略します。
(5) 地域別に関する情報
売上高および非流動資産の地域別内訳は以下のとおりです。
売上高
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
非流動資産
(注) 非流動資産は、資産の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。また、金融商品、繰延税金資産および退職給付に係る資産を含んでいません。
(6) 主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める特定の外部顧客への売上高がないため、記載を省略しています。
7.企業結合
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(1) 企業結合の概要
当社は、2023年12月22日、連結子会社の資生堂アメリカズCorp.(以下「資生堂アメリカ」という。)を通じて、皮膚科学をベースとしたプレステージスキンケアブランド「Dr. Dennis Gross Skincare」を所有するDDG Skincare Holdings LLC(以下「買収対象企業」という。)を買収することにつき、資生堂アメリカ、買収対象企業および同社株主との間で合意し、持分売買契約を締結しました。2024年2月5日、本契約に基づき買収対象企業の株式取得の手続きを完了しました。
(2) 被取得企業の名称および事業の概要
被取得企業の名称 DDG Skincare Holdings LLC
事業の内容 化粧品の販売
(3) 企業結合を行った主な理由
グローバルで大きな成長が期待される「皮膚科医などの専門家などが開発に関わっている、または監修した化粧品」の市場の中でも、さらに大きな需要ポテンシャルが見込まれる米国で同ブランドをポートフォリオに加えることにより、主力であるプレステージスキンケアの強化を加速させていくためです。また、高い収益性を持つ同ブランドが加わることにより、成長性・収益性の拡大が期待され、その結果として適正な地域ポートフォリオへの転換を目指します。当社の研究開発力およびグローバルに展開するプラットフォーム・経営資源を活かし、同ブランドを当社のプレステージスキンケアブランドの主力を担うブランドへと成長させていきます。
(4) 被取得企業の支配獲得方法
現金を対価とする株式取得
(5) 取得日
2024年2月5日
(6) 取得した持分比率
100%
(注) 取得日時点では間接保有していましたが、前連結会計年度の有価証券報告書提出日では直接保有しています。
(7) 譲渡対価の公正価値
現金 65,321百万円(正味運転資本等の調整後)
譲渡対価は当初の暫定的な金額から708百万円の修正をしています。なお取得日における対価の支払いのため、当社は2024年2月2日に、48,000百万円の短期借入を実施しています。
(8) 企業結合とは別個に認識した取引
当該企業結合に係る取得関連費用として前連結会計年度に392百万円を「販売費及び一般管理費」にて費用処理しています。
また、企業結合後に一定の要件のもと支払われるボーナス16百万米ドル(2,423百万円)を企業結合とは別個に認識し、前連結会計年度以降、一定の期間にわたり「販売費及び一般管理費」にて費用処理していきます。
(9) 取得日における取得資産および引受負債の公正価値
(注) 取得した営業債権及びその他の債権の公正価値1,148百万円について、契約金額の総額は公正価値と同額であり、回収不能見込額は34百万円です。
(10) 子会社の取得による支出
(11) 認識するのれんの金額、発生原因
当該企業結合により生じたのれんの主な内容は、取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力で、37,048百万円です。また、税務上損金算入を見込んでいる金額は29,294百万円です。
(12) 業績に与える影響
当該企業結合に係る取得日以降に生じた売上高および当期損失はそれぞれ15,899百万円および△279百万円です。また、当該企業結合が期首に行われたと仮定した場合の前連結会計年度の売上高および当期損失は、それぞれ991,949百万円および△9,213百万円であったと算定されます。なお、当該プロフォーマ情報は監査を受けていません。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
該当事項はありません。
8.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりです。
現金及び現金同等物は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
連結財政状態計算書における現金及び現金同等物の残高と、連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物の残高は一致しています。
9.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりであり、損失評価引当金控除後の金額で表示しています。
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
10.その他の金融資産
(1) その他の金融資産の内訳
その他の金融資産の内訳は以下のとおりであり、損失評価引当金控除後の金額で表示しています。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当社グループでは、持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資すると判断し保有する株式および出資金について、その保有目的に鑑み、株式および出資金を主に政策投資目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の主な銘柄および公正価値等は以下のとおりです。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産から認識された受取配当金の内訳は以下のとおりです。
当社グループは、資産の効率化や取引関係の見直し等を目的として、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の一部を売却することにより、認識を中止しています。
各連結会計年度における売却時の公正価値および売却に係る利得または損失の累計額は以下のとおりです。
当社グループは、当初認識後の公正価値の変動および認識の中止に係る利得または損失はその他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素に認識後、直ちに利益剰余金に振り替えています。その他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた金額(税引後)は、前連結会計年度△245百万円、当連結会計年度7百万円です。
11.棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりです。
費用として認識された棚卸資産の金額は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ228,748百万円および218,958百万円であり、売上原価に含まれています。
また、このうち費用として認識された棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ16,923百万円および38,877百万円です。なお、前連結会計年度および当連結会計年度において重要な評価減の戻入はありません。
負債の担保に差し入れた棚卸資産はありません。
12.その他の資産
その他の資産の内訳は以下のとおりです。
13.有形固定資産
(1) 増減表
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額は以下のとおりです。
取得原価
減価償却累計額および減損損失累計額
(注) 1 有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含まれています。
2 有形固定資産の減損損失は、連結損益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に、減損損失戻入は「その他の営業収益」に含まれています。
3 負債の担保に供されている有形固定資産はありません
4 有形固定資産の取得に関する契約上のコミットメントについては、注記「38.コミットメント」に記載しています。
帳簿価額
前連結会計年度および当連結会計年度において有形固定資産の取得原価に含めた重要な借入費用はありません。
14.のれん及び無形資産
(1) 増減表
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額は以下のとおりです。
取得原価
償却累計額および減損損失累計額
(注) 1 無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含まれています。
2 負債の担保に供されている無形資産はありません。
3 無形資産の取得に関する契約上のコミットメントについては、注記「38.コミットメント」に記載しています。
帳簿価額
前連結会計年度および当連結会計年度において無形資産の取得原価に含めた重要な借入費用はありません。
前連結会計年度および当連結会計年度における期中に費用として認識された研究開発活動による支出は27,185百万円および27,061百万円です。
(2) 重要なのれん及び無形資産
のれん及び無形資産のうち、重要なのれん及び無形資産は企業結合またはライセンス契約により取得した以下のものです。
(注) 1 米州事業は減損損失計上後の金額を表示しています。
2 Drunk ElephantおよびDr. Dennis Gross Skincareの商標権は米州事業資金生成単位に含めて減損テストを実施しています。
(3) のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト
各資金生成単位へ配分した主なのれん及び耐用年数を確定できない無形資産の帳簿価額は、(2) 重要なのれん及び無形資産に記載したとおりです。耐用年数を確定できない無形資産の主な内容はブランド等の商標権であり、事業が継続する限り存続することを見込んでいるため、耐用年数を確定できないと判断し償却を行っていません。
なお、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産のうち、個別に重要でないものの帳簿価額は前連結会計年度および当連結会計年度でそれぞれ19,845百万円、19,347百万円です。
当社グループでは、のれんは企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位に配分し、毎年および減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。
基本的に各事業セグメントを資金生成単位と定義し(注)、各資金生成単位の回収可能価額は、割引キャッシュ・フローを用いて見積った使用価値で算定しています。使用価値は、経営者によって承認された5年間の事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しています。事業計画は、業界の将来の趨勢に関する経営者の評価と過去のデータを反映し、販売拡大計画に基づく売上や利益率などの各要素を算定の基礎として、外部情報および内部情報に基づいて設定した中期成長率を用いて作成しています。事業計画が対象としている期間を超える期間については、資金生成単位の属する国、産業の状況を勘案して決定した長期市場成長率を用いて予測した税引前キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて、継続価値を算定しています。割引率は各国のリスクフリーレートにリスクプレミアムを加味した利率を使用しています。
(注) 「中国・トラベルリテール事業」の資金生成単位は、おおむね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の単位として、「中国事業資金生成単位」「トラベルリテール事業資金生成単位」としています。
重要なのれん及び耐用年数を確定できない無形資産が配分された各資金生成単位の回収可能価額の算定に利用した主要な仮定は以下のとおりです。
(減損の兆候を識別した重要な資金生成単位)
米州事業資金生成単位について、期中において米州事業の収益性が低下していることから減損の兆候があると判断したため、当連結会計年度において減損テストを実施しています。減損テストにおいて、各ブランドの販売拡大等による売上増加や、グローバルでのコスト構造改革による利益率の改善等を前提とした事業計画を用い、上記のとおり実施した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから46,818百万円ののれんの減損損失を計上しました。連結損益計算書上、「のれんの減損」に含まれています。
米州事業資金生成単位に配分されたのれんの回収可能価額の算定に利用した主要な仮定は以下のとおりです。減損損失の認識後、回収可能価額は帳簿価額と同額となりました。したがって、主要な仮定が悪化した場合には、さらなる減損が生じることとなります。
なお、他の資金生成単位については、年次減損テストの結果、当連結会計年度において回収可能価額が
帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに使用した主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化した
としても、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しています。
15.非金融資産の減損
当社グループは、減損損失の算定にあたって概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとして識別される資産グループの最小単位を基礎としてグルーピングを行っており、事業用資産のうち店舗資産については店舗単位で資産のグルーピングを行っています。
(1) 減損損失
当社グループは以下の資産グループについて減損損失を計上しています。
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当社が操業している資生堂大阪工場の生産を資生堂大阪茨木工場に統合することに伴い、一部の事業用資産について資金生成単位を変更し、帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。なお、回収可能価額は割引率4.7%として算出した使用価値により測定しています。認識した当該減損損失は、連結損益計算書の「売上原価」に含まれています。
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
当社が操業している資生堂大阪工場の生産を資生堂大阪茨木工場に統合することに伴い、一部の事業用資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。なお、回収可能価額は割引率3.4%として算出した使用価値により測定しています。認識した当該減損損失は、連結損益計算書の「売上原価」に含まれています。
また、資生堂アメリカズCorp.が賃借しているオフィスの利用用途の変更に伴う収益性低下に伴い、帳簿価額をサブリースによる収益見込みを基礎として算定した回収可能価額まで減額しています。なお、回収可能価額は割引率5.2%として算出した使用価値により測定しています。認識した当該減損損失は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれています。のれんについては、注記「14.のれん及び無形資産」に記載しています。
(2) 減損損失戻入
当社グループは以下の資産グループについて減損損失戻入を計上しています。
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
資生堂大阪工場において、過去に減損損失を認識した製造設備の一部について収益性が回復したため、減損損失を計上しなかった場合の帳簿価額を上限に、減損損失戻入1,145百万円を計上しています。なお、回収可能価額は割引率4.7%として算出した使用価値により測定しています。認識した当該減損損失戻入は、連結損益計算書の「その他の営業収益」に含まれています。
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
資生堂大阪工場において、過去に減損損失を認識した製造設備の一部について収益性が回復したため、減損損失を計上しなかった場合の帳簿価額を上限に、減損損失戻入241百万円を計上しています。なお、回収可能価額は割引率3.4%として算出した使用価値により測定しています。認識した当該減損損失戻入は、連結損益計算書の「その他の営業収益」に含まれています。
16.持分法で会計処理されている投資
(1) 重要性がある関連会社
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
中間連結会計期間において、㈱ファイントゥデイホールディングス(以下「FTH」という。)の全株式を譲渡したことにより、持分法適用の範囲から除外しています。そのため、当社グループにとって、個々に重要性がある関連会社に対する投資はありません。なお、当社は、当該譲渡に先立ちFTHより別途配当金を受領し、同社に対する投資の帳簿価額を減額しています。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
該当事項はありません。
(2) 重要性がない関連会社
当社グループにとって、個々には重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額は以下のとおりです。
個々には重要性のない関連会社の当期利益、その他の包括利益および当期包括利益に対する持分は以下のとおりです。
17.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳および増減は以下のとおりです。
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金および繰越税額控除の金額は以下のとおりです。なお、税額ベースで表示しています。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金および繰越税額控除の失効予定は以下のとおりです。なお、税額ベースで表示しています。
繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ111,401百万円および121,056百万円です。これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識していません。
(2) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は以下のとおりです。
当期税金費用には第2の柱モデルルールに関連して見積り計上した上乗せ課税が含まれています。上乗せ課税は前連結会計年度において193百万円です。当連結会計年度において該当事項はありません。
法定実効税率と平均実際負担税率との差異要因は以下のとおりです。
当社グループは、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は前連結会計年度および当連結会計年度ともに31.0%です。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立したことに伴い、2026年4月1日以後開始する連結会計年度から、「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。
これに伴い、2027年1月1日から開始する連結会計年度以降において解消が見込まれる一時差異に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、法定実効税率を31.0%から31.5%に変更して計算しています。
なお、この変更による影響は軽微です。
18.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりです。
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
19.社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は以下のとおりです。
(注) 1 平均利率については、当連結会計年度の期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
2 社債及び借入金は償却原価で測定する金融負債に分類しています。
社債の発行条件の要約は以下のとおりです。
(注) ( )内書は、1年以内の償還予定額です。
20.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は以下のとおりです。
21.リース
(1) 借手側
当社グループは、主としてオフィスビルおよび小売店舗等の土地、建物等の不動産や金型等の工具、器具及び備品をリースにより賃借しています。
① 使用権資産の内訳
使用権資産の内訳は、以下のとおりです。
使用権資産の増加は、前連結会計年度26,823百万円、当連結会計年度11,320百万円です。
② リース負債
リース負債の満期分析については、注記「35.金融商品 (2) 財務上のリスク管理 ② 流動性リスク管理」に記載しています。
③ 使用権資産に関連する損益およびキャッシュ・アウトフロー
使用権資産に関連する損益は以下のとおりです。
使用権資産の減価償却費、短期リース費用、少額資産リース費用および変動リース料は連結損益計算書上、「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に、リース負債に係る支払利息は「金融費用」に含まれています。
リースに係るキャッシュ・アウトフローは以下のとおりです。
(2) 貸手側
当社グループは、主として建物、土地等を賃貸しています。
22.従業員給付
当社および国内連結子会社は、確定給付制度として企業年金基金制度を、確定拠出制度として確定拠出年金制度または退職金前払制度を設けています。なお、従業員の退職等に際して、支払時に退職給付費用として処理する割増退職金等を支払う場合があります。また、一部の海外連結子会社は、確定給付企業年金制度、退職一時金制度および確定拠出型制度を設けています。なお、確定給付制度は、一般的な投資リスク、利率リスク、インフレリスク等の数理計算上のリスクに晒されています。
積立型の確定給付制度は、当社グループと法的に分離された年金基金により運用されています。この制度は法律に従って最低積立基準額を満たすことが要求されており、積立不足が存在する場合は、定められた期間内に掛金の追加拠出を行うことが要求されています。
同年金基金は当社の指定した所定の方針に基づき制度資産を運用する責任を有しています。
経営改革プラン「ミライシフトNIPPON 2025」に伴い、前連結会計年度において確定給付制度債務が8,039百万円、
制度資産が6,866百万円、それぞれ減少し、その差額を清算益として純損益に認識しています。前連結会計年度において純損益に認識された清算益は1,173百万円であり、連結損益計算書において、「その他の営業収益」に含めて表示しています。
(1) 確定給付制度
① 確定給付制度債務および制度資産の調整表
確定給付制度債務および制度資産と連結財政状態計算書に計上された確定給付負債および資産の純額との関係は以下のとおりです。
② 確定給付制度債務の現在価値の調整表
確定給付制度債務の現在価値の増減は以下のとおりです。
当社グループの確定給付制度債務の主要な部分を占める当社および主な国内子会社の給付制度について、確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ13.3年および11.8年です。
③ 制度資産の公正価値の調整表
制度資産の公正価値の増減は以下のとおりです。
当社グループは、翌連結会計年度に5,838百万円の掛金を拠出する予定です。
④ 制度資産の項目ごとの内訳
制度資産の主な項目ごとの内訳は以下のとおりです。
(注) 資本性金融商品の合同運用信託は、前連結会計年度において約10%を国内株式、約90%を外国株式に、当連結会計年度において約10%を国内株式、約90%を外国株式に投資しています。
負債性金融商品の合同運用信託は、前連結会計年度において約10%を国内債券、約90%を外国債券に、当連結会計年度において約10%を国内債券、約90%を外国債券に投資しています。
オルタナティブには、ヘッジファンド等が含まれています。
当社グループの制度資産の運用方針は、社内規定に従い、将来にわたる確定給付制度債務の支払を確実に行うために、中長期的に安定的な収益を確保することを目的としています。具体的には、毎年度定める許容リスクの範囲内で目標収益率および投資資産別の資産構成割合を設定し、その割合を維持することにより運用を行います。また、資産構成割合は必要に応じて見直すものとしています。
⑤ 主な数理計算上の仮定
当社グループの確定給付制度債務の主要な部分を占める当社および主な国内子会社の給付制度について、数理計算に用いた主な仮定は以下のとおりです。
死亡率は、数理計算上の仮定に一般的に使用される、公表された生命表や死亡率等を基礎として決定しています。
⑥ 感応度分析
当社グループの確定給付制度債務の主要な部分を占める当社および主な国内子会社の給付制度について、数理計算に用いた割引率が0.5%変動した場合に、確定給付制度債務の現在価値に与える影響は以下のとおりです。この分析は、他のすべての変数が一定であると仮定していますが、実際には他の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。
(2) 確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として認識した金額は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ5,568百万円および5,082百万円です。
23.引当金
引当金の内訳および増減は以下のとおりです。
引当金の連結財政状態計算書における内訳は以下のとおりです。
資産除去債務には、当社グループが使用する賃借事務所・建物等に対する原状回復義務に備え、過去の原状回復実績に基づき将来支払うと見込まれる金額を計上しています。これらの費用は、事務所等に施した内部造作の耐用年数を考慮して決定した使用見込期間経過後に支払われると見込んでいますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
構造改革引当金には、事業ポートフォリオの再構築を中心とした構造改革によって生じた将来支払うと見込まれる金額を計上しています。これらの費用の支払時期は、将来の事業計画等により影響を受けます。
その他の引当金は、主に訴訟リスク、製品保証リスク等に関わる費用の発生による損失に備えるための引当金が含まれています。これらの費用の支払時期は、主に連結会計年度末から1年以内と見込まれます。
24.その他の負債
その他の負債の内訳は以下のとおりです。
25.資本及びその他の資本項目
(1) 授権株式数および発行済株式総数
授権株式数および発行済株式総数の増減は以下のとおりです。
(注) 当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みとなっています。
(2) 自己株式
自己株式数の増減は以下のとおりです。
(注) 期中増減の主な要因は、ストックオプションの権利行使、長期インセンティブ型報酬としての業績連動型株式報酬制度に基づく処分、取締役会決議による取得および単元未満株式の買取または買増請求によるものです。
(3) 資本剰余金
日本における会社法(以下「会社法」という。)では、株式の発行に対しての払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されています。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
また、当社はストックオプション制度およびパフォーマンス・シェア・ユニット制度を採用しており、持分決済型の株式に基づく報酬として会計処理される部分を資本剰余金として認識しています。契約条件および金額等は、注記「34.株式に基づく報酬」に記載しています。
(4) その他の資本の構成要素
① 在外営業活動体の換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の換算から生じる換算差額です。
② その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の評価差額です。
③ キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジに係るヘッジ手段の公正価値の変動から生じた利得または損失のうち、ヘッジ有効部分の累計額です。
④ 確定給付制度の再測定
期首時点の数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額、数理計算上の仮定の変更による影響額および制度資産に係る収益の変動額です。
(5) 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金および利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
26.配当金
配当金の支払額は以下のとおりです。
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは以下のとおりです。
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
27.売上高
(1) 契約残高
当社グループにおける契約残高の内訳は以下のとおりです。
契約負債は、主に顧客へポイントを付与するカスタマー・ロイヤリティ・プログラムに関連する前受価格を認識したものです。
連結財政状態計算書において、受取手形および売掛金は「営業債権及びその他の債権」、「その他の金融資産(非流動)」に、契約負債は「その他の流動負債」に含まれています。
前連結会計年度および当連結会計年度の期首現在の契約負債残高は、それぞれ概ね前連結会計年度および当連結会計年度の収益として認識しています。
なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しています。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(3) 顧客との契約の獲得または履行のためのコストから認識した資産
前連結会計年度および当連結会計年度において、顧客との契約の獲得または履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。なお、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約の獲得の増分コストを発生時に費用として認識しています。
28.費用の性質別内訳
売上原価および販売費及び一般管理費の性質別内訳は、以下のとおりです。
29.その他の営業収益及び営業費用
その他の営業収益の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度および当連結会計年度における固定資産売却益は主に不動産売却に係るものです。
前連結会計年度および当連結会計年度における減損損失戻入の詳細は、注記「6. 事業セグメント (3) セグメント収益および業績」および「15. 非金融資産の減損 (2) 減損損失戻入」に記載しています。
前連結会計年度における退職給付制度清算益の詳細は、注記「22. 従業員給付」に記載しています。
その他の営業費用の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度および当連結会計年度における構造改革費用の詳細は、注記「6. 事業セグメント (3) セグメント収益および業績」に記載しています。
30.金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は以下のとおりです。
金融費用の内訳は以下のとおりです。
31.その他の包括利益
その他の包括利益の各項目別の当期発生額および純損益への組替調整額、ならびに税効果の影響は以下のとおりです。
32.1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
(2) 希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
希薄化性潜在的普通株式が前連結会計年度に195千株、当連結会計年度に175千株ありますが、逆希薄化効果を有するため、希薄化後1株当たり当期損失の計算から除外しています。
33.キャッシュ・フロー情報
(1) 財務活動に係る負債の変動は以下のとおりです。
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
(注) リース負債における「その他」の金額は、主に条件変更による対価の見直しに伴う減少額です。
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
(注) リース負債における「その他」の金額は、主に条件変更による対価の見直しに伴う減少額です。
(2) 非資金取引
新たに計上したリース取引に係る資産の額は次のとおりです。
(3) 子会社に対する支配の喪失
前連結会計年度および当連結会計年度において、該当事項はありません。
34.株式に基づく報酬
(1) ストックオプション制度
① ストックオプション制度の内容
当社は、ストックオプション制度を採用しています。ストックオプションは、企業価値向上に対する意欲や士気を高めることを目的として、当社または当社の子会社の取締役、執行役員に対して付与されています。当社が発行するストックオプションは、すべて持分決済型株式報酬です。行使期間は割当契約に定められており、その期間内に行使されない場合は、当該オプションは失効いたします。なお、当社は2019年12月期より業績連動型報酬を導入したことにより、ストックオプションの新たな発行は行わないこととしています。
当社が発行しているストックオプションの内容は、以下のとおりです。
・権利確定条件:付与日以降権利確定日(権利行使期間開始日の前日)までの継続勤務(権利行使時においても当社の取締役または執行役員の地位にあることを要す。ただし、任期満了による退任、定年退職その他正当な理由のある場合にはこの限りでない。)
・権利行使期間:付与日から3年経過した日の属する月の1日から12年間(2011年度~2014年度付与分)または、2年6ヶ月経過した日の属する月の1日から12年6ヶ月間(2015年度~2018年度付与分)
(注) ストックオプション制度の詳細な内容は、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況、(2) 新株予約権等の状況、① ストックオプション制度の内容」において記載しています。
② ストックオプションの数および加重平均行使価格
(注) 1 期中に行使されたストックオプションの権利行使時点の加重平均株価は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ4,096円および2,431円です。
2 期末時点で未行使のストックオプションの行使価格は、前連結会計年度および当連結会計年度において、ともに1円です。
3 期末時点で未行使のストックオプションの加重平均残存契約年数は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ6.2年および5.3年です。
③ 株式報酬費用
当社は2019年12月期よりストックオプションの新たな発行は行っておらず、また発行済みのストックオプションについても2021年12月期までに権利確定が終了しているため、前連結会計年度、当連結会計年度ともに費用は発生していません。
(2) 業績連動型株式報酬制度
① 業績連動型株式報酬制度の内容
当社は、予め定めた複数の評価指標の達成率等に応じて当社株式または金銭を支給するパフォーマンス・シェア・ユニット制度を採用しています。当該制度は、長期的な企業価値の創造と維持に対する効果的なインセンティブの設定と、株主との持続的な利益意識の共有を目的としたものです。
当社は、年度ごとに各支給対象者(執行役、オフィサー、従業員)に基準となる株式ユニット(1ユニット=1株)を付与し、予め支給対象年度を含む3事業年度を評価対象期間とする複数の評価指標を定めています。また、評価対象期間終了後に各評価指標の達成率に応じて変動幅50%~150%の範囲で支給率を算出します。この支給率に応じて株式ユニット数を増減させたうえで、当該株式ユニット数に応じた数の当社の普通株式交付のための金銭報酬債権と金銭を支給対象者に支給し、このうち当該金銭報酬債権の全部を現物出資させることで、各支給対象者に当社普通株式を交付します。
② 業績連動型株式報酬制度に基づき期中に付与された当社株式の公正な評価単価の測定方法
期中に付与された当社株式の公正価値は、付与日の株価を基礎として算定しています。
期中に付与された株式ユニット数および公正価値は次のとおりです。
③ 株式報酬費用
連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれている株式報酬費用計上額は、以下のとおりです。
株式に基づく報酬取引から生じた負債の総額は以下のとおりです。
35.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、持続的な成長と企業価値を最大化することを実現するために、株主資本の水準保持に努めるとともに資本効率を向上させることを資本管理の基本方針としています。
当社グループが資本管理において用いる主な指標はネットデット・EBITDA・レシオ、ネットデット・エクイティ・レシオ、ROE(親会社所有者帰属持分利益率)、ROIC(投下資本利益率)です。
当社グループのネットデット・EBITDA・レシオ、ネットデット・エクイティ・レシオ、ROE(親会社所有者帰属持分利益率)、ROIC(投下資本利益率)は以下のとおりです。
(注) 1 (有利子負債(リース負債を除く)-現金及び現金同等物-3ヶ月超の預金)/EBITDA
EBITDA=コア営業利益+減価償却費(使用権資産の減価償却費を除く)及び償却費
2 (有利子負債(リース負債を除く)-現金及び現金同等物-3ヶ月超の預金)/親会社の所有者に帰属する持分
3 親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分(期首・期末平均)
4 営業利益×(1-税率※)/(有利子負債(リース負債を含む期首・期末平均)+親会社の所有者に帰属する持分(期首・期末平均))
※法定実効税率を使用
なお、当社グループが適用を受ける重要な自己資本規制(会社法等の一般的な規制を除く)はありません。
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・市場リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っています。資金運用については短期的な預金や有価証券等に限定し、また、資金調達については銀行借入、コマーシャル・ペーパーおよび社債等による方針です。デリバティブは、外貨建債権債務の為替変動リスクや借入金の金利変動リスクを回避するために、債権債務残高および実需の範囲内でのみ利用することとしており、投機的な取引は行わない方針です。デリバティブ取引の執行管理については、取引権限を定めた社内規程に従って行っています。
① 信用リスク管理
信用リスクは、保有する金融資産の相手先が契約上の債務に関して債務不履行になり、当社グループに財務上の損失を発生させるリスクです。信用リスクは、主に当社グループの顧客に対する債権、貸付金、およびデリバティブから生じます。
当社グループは、取引先ごとの期日管理および残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を定期的に把握する体制としています。なお、当社グループは、特定の相手先またはその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクを有していません。
デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンター・パーティー・リスクがありますが、当該リスクを軽減するために、信用度の高い金融機関等とのみ取引を行っています。
連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額は、獲得した担保の評価額を考慮に入れない、当社グループの金融資産の信用リスクに係るエクスポージャーの最大値です。
損失評価引当金の増減分析
営業債権および長期貸付金に係る損失評価引当金の増減は以下のとおりです。
前連結会計年度において直接償却した金融資産のうち、回収活動を継続しているものはありません。長期貸付金はプレステージメイクアップ3ブランドの譲渡に伴い取得したセラーノートであり、償却原価で測定する金融資産に分類しています。前連結会計年度において信用リスクが増大したことから損失評価引当金を計上しています。
営業債権の帳簿価額、これらに対する損失評価引当金の期日別分析は以下のとおりです。なお、営業債権以外の金融資産については重要な期日経過はなく、営業債権および長期貸付金以外の金融資産については重要な信用リスク・エクスポージャーを有するものはありません。
前連結会計年度 (2024年12月31日)
当連結会計年度 (2025年12月31日)
② 流動性リスク管理
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行するにあたり、支払期日にその支払を実行できなくなるリスクです。
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、ならびに健全な財政状態を常に目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出、幅広い資金調達手段の確保に努めています。資金運用については、短期的な預金や有価証券等に限定して行っています。
また、当社グループでは、月次に資金繰り計画表を作成・更新することなどにより、流動性リスクを管理しています。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は以下のとおりです。なお、下記以外の流動負債に含まれる金融負債の支払期日は、すべて1年以内であり、帳簿残高と契約上のキャッシュ・フローが一致しているため下表に含めていません。
前連結会計年度 (2024年12月31日)
(注) 1 デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しています。
2 上記負債金額は、流動負債と非流動負債の合計金額で表示しています。
当連結会計年度 (2025年12月31日)
(注) 1 デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しています。
2 上記負債金額は、流動負債と非流動負債の合計金額で表示しています。
③ 市場リスク管理
当社グループは、事業活動を行う上で為替変動、金利変動等の市場の変動に伴うリスクに晒されており、当該市場リスクを適切に管理する目的で主に為替予約、通貨スワップ、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用することがあります。デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限を定めた社内規程に従っています。当社グループでは投機目的でのデリバティブ利用は行わない方針です。したがって、当社が保有するデリバティブの公正価値の変動は原則として、対応する取引の公正価値の変動またはキャッシュ・フローの変動を相殺する効果を有しています。
(ⅰ) 為替リスク
当社グループは、グローバルに事業展開を行っており、主に外貨建取引より発生する外貨建の債権債務について、為替相場の変動によるリスクに晒されています。外貨建の取引については、デリバティブ取引(為替予約や通貨オプション取引)により為替変動リスクをヘッジすることにしており、経営成績に与える影響を軽減しています。
当社グループが各連結年度末において保有する外貨建債権債務において、主要な外貨である米ドル、ユーロおよび中国元に係る為替変動リスクのエクスポージャー(純額)は、以下のとおりです。なお、デリバティブ取引により為替変動リスクがヘッジされている金額は除いています。
当社グループが各連結会計年度末において保有する外貨建債権債務において、日本円が10%円高になった場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりです。
本分析は、機能通貨建の金融商品、および在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでいません。また、算定に使用した各通貨以外の通貨は変動しないことを前提としています。
(ⅱ) 金利リスク管理
当社グループは、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されています。有利子負債のうち、短期借入金およびコマーシャル・ペーパーは主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金、社債およびリース負債は主に投融資、設備投資および営業取引に係る資金調達です。変動金利の借入金は金利の変動リスクに晒されていますが、必要に応じて個別契約ごとに金利スワップ取引等のデリバティブ取引を用いて金利変動リスクをヘッジしています。そのため、当社グループにおける金利変動リスクに対するエクスポージャーは限定的であり、金利変動に対する影響は軽微であると判断しています。
(3) 金融商品の公正価値
公正価値で測定する金融商品について、測定に用いたインプットの観察可能性および重要性に応じた公正価値測定額を、レベル1からレベル3まで分類しています。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格(無調整)
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
① 公正価値の算定方法
金融商品の公正価値の算定方法は以下のとおりです。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)
短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額に基づいています。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のうち、上場株式は、期末日の市場価格により算定しています。非上場株式および出資金は、割引将来キャッシュ・フロー法等により算定しています。
償却原価で測定するその他の金融資産は、主に長期貸付金、敷金及び差入保証金です。また、償却原価で測定するその他の金融負債は、主に長期未払金です。長期貸付金の公正価値については、信用リスクが増大したため、前連結会計年度において将来キャッシュ・フローを現在の市場利子等で割り引いた現在価値からエクイティボラティリティ、リスクフリーレート等をインプットとしたオプションプライシングモデルを用いた測定へ評価技法を変更しています。敷金及び差入保証金ならびに長期未払金の公正価値については将来キャッシュ・フローを現在の市場利子等で割り引いた現在価値により算定しています。なお、短期間で決済される償却原価で測定する金融資産、金融負債については、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額に基づいています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産または金融負債であるデリバティブのうち、為替予約および金利スワップについては、取引先金融機関から提示された先物為替相場または会計期間末日の金利スワップの利率等に基づいて算定しています。持分法で会計処理されている投資に係る売建コール・オプション負債は、対象となる株式の公正価値や満期までの期間、ボラティリティ等に基づき、二項モデルによって算定しています。
(社債及び借入金)
短期借入金は、短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額に基づいています。
長期借入金のうち変動金利によるものは、短期間で市場金利が反映されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額に基づいています。
長期借入金のうち固定金利によるものは、将来キャッシュ・フローを新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しています。
社債は、市場価格等に基づいて算定しています。
② 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりです。なお、公正価値と帳簿価額が極めて近似している金融商品については、以下の表に含めていません。
(注) 敷金及び差入保証金の公正価値ヒエラルキーのレベルは2に区分しています。長期貸付金の公正価値ヒエラルキーのレベルは3に区分しています。
③ 公正価値で測定する金融商品
公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは以下のとおりです。
前連結会計年度 (2024年12月31日)
当連結会計年度 (2025年12月31日)
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象または状況の変化が生じた日に認識しています。前連結会計年度および当連結会計年度において、公正価値レベル1とレベル2の間の振替は行っていません。
④ レベル3に分類された金融商品の公正価値測定に関する情報
レベル3に分類された金融商品は主に非上場株式、出資金および持分法で会計処理されている投資に係る売建コール・オプション負債です。非上場株式と出資金については割引将来キャッシュ・フロー法等を用いて算定しています。持分法で会計処理されている投資に係る売建コール・オプション負債は、対象となる株式の公正価値や満期までの期間、ボラティリティ等のインプットを用いて、二項モデルに基づき算定しています。
レベル3に分類された金融商品については、グループ会計方針および会計指針に従い、対象となる金融商品の性質、特徴およびリスクを適切に反映できる評価技法およびキャッシュ・フロー等のインプットを用いて測定し、担当部門の担当者が評価および評価結果の分析を実施しています。評価結果は担当部門の責任者によりレビューされ承認されています。
レベル3に分類した金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に著しい公正価値の増減は見込まれていません。
⑤ レベル3に分類された金融商品の調整表
レベル3に分類された金融商品の期首から期末までの変動は以下のとおりです。
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
(注) 1 連結損益計算書の「金融収益」および「金融費用」に含まれています。各期末日現在で保有している純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関連する未実現損益の変動に起因する額は、前連結会計年度△64百万円、当連結会計年度△14百万円です。
2 連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれています。
3 前連結会計年度に認識されたレベル3からの振替は、投資先が取引所に上場したことによるものです。
(4) ヘッジ会計
① リスク管理方針
当社グループでは、デリバティブとして外貨建債権債務や確実に発生すると見込まれる予定取引による外貨建債権債務に係る為替の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした為替予約取引や通貨オプション取引、借入金に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利スワップ取引、ならびに外貨建借入金に係る為替の変動リスクおよび支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利通貨スワップ取引を実施しています。このうち、ヘッジ会計の要件を満たしている金利スワップ取引をキャッシュ・フロー・ヘッジに指定してヘッジ会計を適用しています。
ヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジ期間にわたりヘッジ関係の高い有効性を保つため、原則としてヘッジ手段とヘッジ対象の想定元本、期間(満期)および金利基礎数値は一致させています。また、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、原則として1対1の関係となるよう設定しています。
② ヘッジ手段およびヘッジ対象として指定した項目に関する情報
ヘッジ手段およびヘッジ対象として指定した項目に関して、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、該当事項はありません。
③ ヘッジ会計の適用による連結損益計算書および連結包括利益計算書における影響
ヘッジ会計の適用による連結損益計算書およびその他の包括利益への影響(税効果考慮前)に関して、前連結会計年度および当連結会計年度において、該当事項はありません。
36.主要な子会社
(1) 主要な子会社
当連結会計年度末の主要な子会社の状況は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」において記載のとおりです。
前連結会計年度末と比べ、子会社は7社減少しています。
(2) 子会社に対する支配の喪失に伴う損益
前連結会計年度および当連結会計年度において、子会社に対する支配の喪失に伴う損益の額に重要性はありません。
(3) 支配の喪失に至らない子会社に対する親会社の所有持分の変動
前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
支配の喪失に至らない子会社に対する親会社の所有持分の変動のうち、重要なものはありません。
当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
当社は、2025年11月28日、成長市場での事業運営を包括的に管理することを主な目的として、当社の連結子会社である資生堂アジアパシフィックPte. Ltd.を通じて、連結子会社である資生堂(タイランド)Co. Ltd.の非支配株主が所有する51%の株式を追加取得する株式売買契約を締結しました。2025年12月26日、本契約に基づき買収対象企業の株式取得の手続きを実行しました。この株式の追加取得により、当社グループが資生堂(タイランド)Co. Ltd.に対して所有する議決権比率は49%から100%になりました。これに伴い、資本剰余金が7,125百万円、非支配持分が3,387百万円減少しています。
37.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
前中間連結会計期間まで持分法適用会社であった㈱ファイントゥデイホールディングスより当社グループが受け取った配当金は3,616百万円であり、同社に対する投資の帳簿価額を減額しています。本取引に係る未決済残高はありません。なお、同社の保有株式のすべてを売却したことで、前連結会計年度末において、同社は関連当事者に該当しなくなりました。
当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
該当事項はありません。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりです。
(注) 主要な経営幹部は、当社の取締役、執行役、各リージョンCEOおよび当社グループの重要な意思決定に常に関与するエグゼクティブオフィサーです。
38.コミットメント
決算日以降の支出に関するコミットメントは以下のとおりです。
上記のほか、前連結会計年度末および当連結会計年度において、まだ使用を開始していない契約済みのリース取引はありません。
(注) 当社グループでは、各期末日時点において、契約総額が確定しているシステム開発、運用・保守の一括契約のうち一部は、具体的な支出の対価が未確定であるため、契約残高を開示しています。
そのため、当該金額には、将来の期間において費用として認識される金額が含まれています。
39.後発事象
該当事項はありません。
(2) 【その他】
(当連結会計年度における半期情報等)
(重要な訴訟事件等)
該当事項はありません。
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
【製造原価明細書】
(注) 1 原材料費に含まれる外注加工費は、前事業年度9,039百万円、当事業年度8,038百万円です。
2 主な内訳は次のとおりです。
(原価計算の方法)
標準原価に基づく単純総合原価計算を採用し、原価差額は期末に売上原価、製品および仕掛品に配賦しています。
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当事業年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式および関連会社株式
移動平均法による原価法
(2) その他有価証券
① 市場価格のない株式等以外のもの
時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は主として移動平均法により算定)
なお、預金と同様の性格を有する有価証券については、移動平均法による原価法によっています。
② 市場価格のない株式等
移動平均法による原価法。ただし、投資事業有限責任組合等への出資は組合等の財産の持分相当額を有価証券として計上し、組合等の営業により獲得した損益の持分相当額を損益として計上しています。
2 棚卸資産の評価基準及び評価方法
総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)で評価しています。
3 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しています。なお、主な耐用年数は次のとおりです。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しています。なお、主な耐用年数は次のとおりです。
ソフトウエア 5~15年
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しています。
(4) 長期前払費用
定額法を採用しています。
4 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 賞与引当金
従業員に対する賞与支払いに備えるため、将来の支給見込額に基づき、当事業年度の負担見込額を計上しています。なお、執行役を兼務しないエグゼクティブオフィサーに対する賞与引当金を含んでおり、その計上基準は役員賞与引当金と同様です。
(3) 役員賞与引当金
エグゼクティブオフィサーを兼務する執行役に対する賞与支払いに備えるため、将来の支給見込額に基づき、当事業年度の負担見込額を計上しています。
(4) 構造改革引当金
構造改革に係る損失に備え、将来に発生することが見込まれる損失額を計上しています。
(5) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づいて計上しています。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により費用処理しています。
数理計算上の差異は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により翌事業年度から費用処理しています。
(6) 債務保証損失引当金
債務保証に係る損失に備えるため、被保証先の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しています。
5 ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっています。なお、一体処理(特例処理、振当処理)の要件を満たす金利通貨スワップ取引については、一体処理によっています。
6 収益および費用の計上基準
当社は、主に化粧品等の製造・販売を行っています。なお、製商品の販売については、製商品の引渡時点等において、顧客が当該製商品に対する支配を獲得することから、当該製商品の引渡時点等で収益を認識しています。また、収益は顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベートおよび返品等を控除した金額で測定しています。
7 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) グループ通算制度の適用
当社は、グループ通算制度を適用しています。
(2) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務費用の会計処理の方法は連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっています。
(重要な会計上の見積り)
(資生堂アメリカズCorp.(以下「資生堂アメリカ」という。)に係る関係会社株式の評価)
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2) 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
関係会社に対する投資等、市場価格のない株式は、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときには、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、投資について評価損の認識が必要となります。資生堂アメリカに係る関係会社株式については、当事業年度において実質価額が取得原価と比較して著しく低下したと認められたため、取得原価を実質価額まで減額し、関係会社株式評価損として特別損失に計上しています。なお、資生堂アメリカの実質価額には米州事業資金生成単位に関する超過収益力が含まれています。詳細は、「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「4. 重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しています。
(会計方針の変更)
(「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を当事業年度の期首から適用しています。
法人税等の計上区分に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っています。なお、当該会計方針の変更による財務諸表への影響はありません。
(貸借対照表関係)
(注) 1 関係会社に対する金銭債権および金銭債務
(注) 関係会社に対する金銭債権債務で貸借対照表上、独立掲記されているものを除いています。
(注) 2 偶発債務
下記の会社のスタンドバイ信用状に対して、次のとおり債務保証を行っています。
(注) 外貨建の債務保証額は決算日の為替相場によって換算しています。
(損益計算書関係)
(注) 1 関係会社との取引に係るものが次のとおり含まれています。
(注) 2 販売費及び一般管理費の主要な費目および金額ならびにおおよその割合は次のとおりです。
おおよその割合
(注) 3 関係会社株式売却益
前事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当社は、パーソナルケア事業を行っている㈱ファイントゥデイホールディングスの全株式をOriental Beauty Holding (HK) Limitedに譲渡したことにより、関係会社株式売却益として特別利益に計上しています。
当事業年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
該当事項はありません。
(注) 4 構造改革費用
前事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
構造改革等に係るアドバイザリー費用804百万円、ビジネストランスフォーメーションの一環としての早期退職支援プランに伴う費用435百万円等を構造改革費用として特別損失に計上しています。
当事業年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
「アクションプラン 2025-2026」に係る「ネクストキャリア支援プラン」に伴う費用1,857百万円、構造改革等に係るアドバイザリー費用771百万円等を構造改革費用として特別損失に計上しています。
(注) 5 関係会社株式評価損
前事業年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
当社の連結子会社である㈱ザ・ギンザについて、関係会社株式評価損1,500百万円を計上しています。
当事業年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)
主に当社の連結子会社である資生堂アメリカズCorp.の関係会社株式評価損等、181,329百万円を計上しています。
(有価証券関係)
前事業年度(2024年12月31日)
子会社株式および関連会社株式
子会社株式および関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、時価を記載していません。
当事業年度(2025年12月31日)
子会社株式および関連会社株式
子会社株式および関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、時価を記載していません。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主
要な項目別の内訳
(注) 当事業年度は、税引前当期純損失を計上しているため、記載を省略しています。
3 法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従っています。
4 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立したことに伴い、2026年4月1日以後開始する事業年度から、「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。
これに伴い、2027年1月1日から開始する事業年度以降において解消が見込まれる一時差異に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、法定実効税率を31.0%から31.5%に変更して計算しています。
なお、この変更による影響は軽微です。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④ 【附属明細表】
【有価証券明細表】
財務諸表等規則第121条第3項により、記載を省略しています。
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1 当期減少額の(内書)は減損損失による減少です。
2 建設仮勘定の増加は、主に「掛川工場」および「大阪茨木工場」の機械及び装置の取得によるものです。
3 建設仮勘定の減少は、主に「掛川工場」および「大阪茨木工場」の機械及び装置の取得に伴う本勘定への振替によ
るものです。
(単位:百万円)
(注) ソフトウエアおよびソフトウエア仮勘定の増加は、主に「グローバル基幹システム」の開発によるものです。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 1 当社の単元未満株式を有する株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができません。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当ておよび募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4) 単元未満株式の買増請求をする権利
2 上記の優待制度は、2024年12月末日時点の株主名簿に記載または記録されている株主さまから適用させていただいています。
第7 【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
当連結会計年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1) 有価証券報告書およびその添付書類ならびに確認書
事業年度 第125期 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) 2025年3月26日 関東財務局長に提出。
(2) 内部統制報告書およびその添付書類
2025年3月26日 関東財務局長に提出。
(3) 半期報告書および確認書
第126期中(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日) 2025年8月6日 関東財務局長に提出。
(4) 臨時報告書
金融商品取引法第24条の5第4項および企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2に基づく臨時報告書
2025年3月27日 関東財務局長に提出。
金融商品取引法第24条の5第4項および企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第2号の2に基づく臨時報告書
2025年6月30日 関東財務局長に提出。
金融商品取引法第24条の5第4項および企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号および第19号に基づく臨時報告書 2026年2月10日 関東財務局長に提出。
(5) 有価証券届出書およびその添付書類
パフォーマンス・シェア・ユニット制度に伴う自己株式の処分に係る有価証券届出書
2025年5月19日 関東財務局長に提出。
(6) 訂正発行登録書(普通社債)
2025年3月27日 関東財務局長に提出。
2025年6月30日 関東財務局長に提出。
2025年11月13日 関東財務局長に提出。
2026年2月10日 関東財務局長に提出。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。