第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 第82期より国際財務報告基準(以下「IFRS」といいます。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2 希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 株価収益率については、提出会社の株式が上場されていないため記載しておりません。
4 移行日および第81期の従業員数は、日本基準による連結範囲に基づくものであります。
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 株価収益率については、提出会社の株式が上場されていないため、記載しておりません。
3 IFRSを適用している海外連結子会社は、第81期の期首から、IFRS第17号「保険契約」およびIFRS第9号「金融商品」を適用しております。これに伴い、第80期については、遡及適用後の数値を記載しております。なお、第79期以前に係る累積的影響額については、第80期の期首の純資産額に反映させております。
4 第82期の日本基準に基づく連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 正味損害率=(正味支払保険金+損害調査費)÷正味収入保険料
2 正味事業費率=(諸手数料及び集金費+保険引受に係る営業費及び一般管理費)÷正味収入保険料
3 運用資産利回り(インカム利回り)=利息及び配当金収入÷平均運用額
4 資産運用利回り(実現利回り)=資産運用損益÷平均運用額
5 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
6 株価収益率、株主総利回り、最高株価および最低株価については、提出会社の株式が上場されていないため、記載しておりません。
2 【沿革】
(提出会社)
(注) 1 2010年4月に、日本興亜損保と経営統合し、株式移転により共同持株会社NKSJホールディン
グス株式会社を設立しております。
2 当社の親会社であるNKSJホールディングス株式会社は、2014年9月に損保ジャパン日本興亜
ホールディングス株式会社に、2016年10月にSOMPOホールディングス株式会社に商号変更し
ております。
(連結子会社)
3 【事業の内容】
当社グループは、親会社であるSOMPOホールディングス株式会社のもと、当社および関係会社(子会社107社および関連会社9社)によって構成されており、国内損害保険事業、海外保険事業、確定拠出年金事業等を営んでおります。
当社グループの事業の内容、各関係会社の位置づけおよびセグメントとの関連は事業系統図のとおりであります。
事業系統図
(2025年3月31日現在)

(注)各記号の意味は次のとおりであります。
◎:連結子会社 ★:持分法適用関連会社
4 【関係会社の状況】
当社グループの関係会社の状況は以下のとおりであります。
(2025年3月31日現在)
(注) 1 連結子会社および持分法適用関連会社の「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2 議決権の所有割合の( )内には間接所有割合を内数で記載しております。
3 SOMPOホールディングス株式会社は、有価証券報告書を提出しております。
4 SOMPOダイレクト損害保険株式会社、Sompo International Holdings Ltd.、Endurance Specialty Insurance Ltd.、Endurance Assurance Corporation、Endurance Worldwide Insurance Limited、Sompo Holdings (Asia) Pte. Ltd.およびSompo Seguros S.A.は、当社の特定子会社であります。また、連結子会社のその他96社に含まれる会社のうち特定子会社に該当する会社は、Endurance U.S. Holdings Corp.、Sompo Worldwide Holdings Limited、Sompo Insurance Singapore Pte. Ltd.、Sompo Insurance China Co., Ltd.、Sompo International Holdings Brasil Ltda.、Sompo Holdings UK LimitedおよびSompo Insurance (Thailand) Public Company Limitedであります。
5 Endurance Assurance Corporationについては、保険収益とその他の営業収益の合計(連結会社相互間の内部収益を除きます。)の連結保険収益と連結その他の営業収益の合計に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 ①保険収益とその他の営業収益の合計 852,600百万円
②当期利益 81,466百万円
③資本 738,344百万円
④資産 2,125,696百万円
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(2025年3月31日現在)
(注)1 従業員数は、当社グループ会社との兼務者を含んでおります。また、当社グループから社外への出向者を除き、社外から当社グループへの出向者を含んでおります。
2 従業員数の( )内には、臨時従業員の年間の平均雇用人員数を外数で記載しております。
3 臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いております。
(2) 提出会社の状況
(2025年3月31日現在)
(注)1 従業員数は、当社グループ会社との兼務者を含んでおります。また、当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含んでおります。
2 従業員数の( )内には、臨時従業員の年間の平均雇用人員数を外数で記載しております。
3 臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いております。
4 提出会社の従業員は、すべて国内損害保険事業のセグメントに属しております。
5 平均年間給与には、賞与および基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注)1 管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 管理職に占める女性労働者の割合は2025年4月1日現在の実績、その他の指標は当事業年度の実績を記載しております。
4 労働者の男女の賃金の差異が生じている主要因は、正規雇用労働者においては、男性の管理職比率が高く、平均勤続年数も長いため職階差が生じていることに加えて、男性の大半が処遇の高い「全国転勤型」であるのに対して、女性は勤務地が限定された「地域限定型」が多いことによるものであります。パート・有期労働者においては、非正規労働者の大半は女性の事務系従業員であり、男性に多い「損害調査専門職」と比べ相対的に処遇水準が低いことが主要因であります。いずれも従業員区分、職種、職務および役職等が同じである場合は、性別による賃金の差異は発生しない給与制度となっております。
なお、当社は女性管理職の育成支援に取り組むなどジェンダーギャップ解消に努めており、賃金格差は今後縮小していく見通しであります。
② 連結子会社
(注)1 管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであり、同法に基づき公表を行う会社のみ数値を記載しております。
2 男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであり、同法に基づき公表を行う会社のみ数値を記載しております。
3 管理職に占める女性労働者の割合は2025年4月1日現在の実績、その他の指標は当事業年度の実績を記載しております。
4 労働者の男女の賃金の差異が生じている主要因は、各社によって異なりますが、男女間における全国転勤型であるか否か、職種、管理職人数または短時間勤務者等の人数の差異等によるものであり、従業員区分、職種、職務、役職および勤務時間等が同じである場合は、いずれの会社においても性別による賃金の差異は発生しない給与制度となっております。
当社のダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンに関する取組みについては「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)戦略 ②グループの重点課題における取組み イ.原動力となる人的資本(グループ共通)」に記載のとおりであります。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社グループの「経営方針」「経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等」「報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等」は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。また、文中の当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下「KPI」といいます。)の各数値については、本有価証券報告書提出日現在において、予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。また、文中のKPIの各数値については、特に断りが無い限りIFRSにもとづき表示しております。
(1) 経営方針
当社グループは、保険だけにとどまらない“安心・安全・健康”に資するサービスを提供し、未来を切り拓いていくというSOMPOグループの想いを込めた「SOMPOのパーパス」に沿った事業活動を行います。
<SOMPOのパーパス>
“安心・安全・健康”であふれる未来へ
(2) 経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等
① 経営環境
国内外の金融政策や為替、グローバルなビジネス環境や保険市場の動向の不確実性は増しており、国内ではインフレが企業経営や人々の生活に影響を与え、中期的には少子高齢化の進行による人口動態の変化、それがもたらす国内保険市場の縮小や介護事業の働き手が大きく不足することによる介護労働力の需給ギャップ拡大が見込まれております。また、気候変動による自然災害の激甚化・頻発化や深刻化する地政学リスク、生成AIに代表されるテクノロジーの急速な進歩によって、私たちを取り巻く環境・社会は日々大きく変化し、同時にお客さまをはじめとするステークホルダーのニーズも絶えず変化し続けております。
SOMPOグループは、こうした環境下においてもステークホルダーの期待に応え続け、中長期的な企業価値向上を果たしていけるよう、持続的な収益力の強化に向けて徹底した業務の見直しを実践してまいります。国内損害保険事業をはじめとする伝統的なマーケットにおいては、旧態依然とした商慣習やビジネスモデルからいち早く脱却し、業務の適正性・健全性と収益性の両方を向上させるための変革へのチャレンジに着手しております。
② SOMPOグループの中期経営計画(2024~2026年度)および経営数値目標の進捗状況
SOMPOグループは、2024年度より3年間の中期経営計画をスタートさせており、「レジリエンスのさらなる向上」と「つなぐ・つながる」の実現を通じて、持続的な企業価値の向上を果たしていくことを目指し、この中期経営計画における経営数値目標として、修正連結ROE(13~15%)と修正EPS成長率(年率+12%超)を掲げております。
2024年度のSOMPOグループは、国内損害保険事業は業務の健全性と収益力を高めるための取組みを着実に進め、海外保険事業は保険引受利益の改善と計画に沿った地理的な拡大を進めました。さらに、グローバルな資産運用の成果や為替影響等も利益成長を後押ししました。ただし、インフレ等を背景に自動車保険は保険金の支払単価が上昇し続けております。また、国内生命保険事業では、より魅力あるInsurhealth®(※1)を提供して法人・個人向けの健康応援サービスの利用促進との相乗効果でお客さま(ひまわりファン(※2))を増やす取組みを、介護事業では、品質を伴う生産性向上(未来の介護)を軸にサービスを充実させながら収益力も高めていく選択と集中を、それぞれ着実に進めました。
SOMPOホールディングス株式会社(以下「SOMPOホールディングス」といいます。)はグループ全体の持株会社として、事業計画の遂行と企業価値の持続的な向上に必要な経営資源の配賦を行い、事業のトランスフォーメーションとポートフォリオ変革を推進しました。この結果、2024年度のSOMPOグループの修正連結利益は3,234億円となり、修正連結ROEは9.2%となりました。
また、SOMPOグループは、新たに総額300億円規模のファンドを設けて、グループの人材強化に向けた投資を開始しました。生成AIやデジタルを活用したデータ・ドリブンなオペレーションの実装・拡大に向けた取組みも進めております。
2025年度は、国内損害保険事業の事業基盤・収益基盤変革、海外保険事業の規律ある拡大、ウェルビーイング事業の成長加速などにより利益成長を実現するとともに、資本を適切にコントロールすることで、ROEとEPSの向上を目指してまいります。
※1 保険本来の機能(Insurance)と健康応援機能(Healthcare)とを組み合わせた新たな価値
※2 保有契約件数と健康応援サービス利用者数の合計
<SOMPOグループの中期経営計画における主なグループ経営数値目標の進捗>
(注)2025年度の事業部門別修正利益、修正連結利益、修正連結純資産、修正連結ROEの計算方法は、以下のとおりであります。

③ グループガバナンス体制
中期経営計画の取組みをさらに加速するために、2025年4月にSOMPOグループの執行体制を見直しました。新たな執行体制では、グループとしてお客さまにより優れた提案とサービスを実現していくために、グループの事業を「SOMPO P&C(損害保険事業)」と「SOMPOウェルビーイング」の2つのビジネス領域に集約して、それぞれの領域を統括するビジネスCEO(SOMPO P&C CEOおよびSOMPOウェルビーイングCEO)を選定しました。ビジネスCEOは、自身が委員長として開催する委員会(マネジメントボード)で各領域の経営方針を議論し、グループCEOとの協議を経て、自らの権限で重要な施策を実行します。これにより、グループに関する戦略的かつ重要な意思決定を迅速に行える体制を整備しました。
(SOMPO P&C(損害保険事業))
SOMPO P&C(損害保険事業)では、国内損害保険事業と海外保険事業の一体運営により、グループの規模と収益性を拡大し、「レジリエンスの向上」の実現を目指しております。コマーシャル分野では、グローバル水準のアンダーライティングの専門性と、お客さまやブローカーとのネットワークを活用して、各種目・各地域で巨大化・複雑化するリスクに対し、安定的に保険カバレッジを提供してまいります。また、コンシューマー分野では、グループ内のテクノロジーやイノベーションの知見を活用することで、商品開発、アンダーライティング、保険金支払いまで効率化・自動化されたオペレーションを実現してまいります。
(SOMPOウェルビーイング)
SOMPOウェルビーイングでは、人生100年時代、少子高齢化の中で顕在化する「健康の不」「老後資金の不」「介護の不」を解消する商品やサービスをグループ一体となって生み出すことを目指しております。国内生命保険事業では健康応援サービスやInsurhealth®の展開を拡大し、介護事業では介護オペレーターとしての日本一の品質と生産性を実現し、SOMPOグループのヘルスケア関連事業の強みも活かしながら、お客さまの行動変容を促すことで「健康寿命の延伸」を実現してまいります。
また、SOMPO P&C(損害保険事業)とSOMPOウェルビーイングを、機動性と柔軟性を兼ね備えた働き方の実践とワークプレイスの構築により着実に推進させ、企業価値を持続的に高めていけるよう、その原動力となるグループの役員・社員の働き方等の指針を2025年6月に「SOMPOの働き方と働く場所」として定めました。
SOMPOグループは、今後もこれまで培ってきた強みを最大限に活かしつつ、お客さまや社会の視点で最適なソリューションを提供するために、役員・社員が事業、性別、障害の有無、国籍、年齢等に捉われず、世界中の仲間とベストプラクティスをお互いに学び合い、成長することを通じて「センターオブエクセレンス」を実現することで、日本発の真のグローバル企業への進化に挑戦してまいります。
④ 業務改善計画の推進
当社は、2023年12月26日付けで保険契約の保険料の調整行為に関する業務改善命令を受け、本命令に基づき策定した業務改善計画を2024年2月29日に金融庁に提出しました。また、複数の損害保険契約に関する同行為に関して、2024年10月31日付けで公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令および総額6億4,798万円の課徴金納付命令を受けました。
また、SOMPOホールディングスおよび当社は、2024年1月25日付けで自動車保険金不正請求等への対応に係る業務改善命令を受け、本命令に基づき策定した業務改善計画を2024年3月15日に金融庁に提出しました。2つの業務改善計画については、同年6月14日、9月13日、12月13日、2025年3月14日および6月13日に金融庁に対して進捗報告を行いました。
さらに、当社は、2024年7月22日付けで金融庁から保険契約情報等の不適切な管理に関して保険業法および個人情報の保護に関する法律に基づく報告徴求命令を受け、同年8月30日に事実関係、真因とそれを踏まえた再発防止策を金融庁に報告しました。その後、2025年3月24日付けで金融庁から保険業法に基づく業務改善命令を受け、本命令に基づき策定した業務改善計画を2025年5月30日に金融庁に提出しました。なお、本件につきましては、2025年4月30日付けで個人情報保護委員会および認定個人情報保護団体である一般社団法人日本損害保険協会から指導を受け、同年5月30日に個人情報保護委員会に、同年6月10日に一般社団法人日本損害保険協会に、それぞれ業務改善計画を提出しました。
SOMPOホールディングスおよび当社としては、業務改善計画を遂行している中で重ねて業務改善命令を受けたことを厳粛に受け止めており、遂行中の業務改善計画からさらに踏み込んだ再発防止策を追加で策定し、法令等の遵守およびお客さま保護を再徹底して信頼回復に向けて取り組んでまいります。
SOMPOホールディングスおよび当社は、上記に記載のとおり、業務改善計画に取り組んでおり、グループ企業理念体系の下、実効性を高めるために「グループ共通コンピテンシー」とそれに基づく採用・評価・マネジメント登用・役員選任基準を見直すなど、コンプライアンス・お客さま保護を重視する健全な企業風土の醸成、浸透に取り組んでおります。
当社では、経営に関する大切な情報が社内で正しく伝達されるようコミュニケーションの在り方を見直しており、役員が全国の店舗を訪ねて社員と直接対話するタウンホールミーティングや、管理職を対象に各施策の取組み背景や内容の理解浸透を図るための集合研修(リーダー・サミット)を実施しております。また、実際にお客さまから寄せられている声を役員が聞く、現場が経営陣に不芳情報を直接伝える仕組みの導入、世の中から信頼を失った事実や記憶を風化させないための展示室(伝承室)を本社内に設置する、といった、強い意識を持って企業文化の変革を続けていくための取組みも行っております。そして、各種取組みの効果はデータに基づき評価し、役員・社員の行動変容の促進に繋げております。
また、経営管理態勢の強化の観点では、保険金サービス部門に営業部門が不適切な介入を図ることがないよう、保険金支払業務の独立性を担保するとともに、オペレーションが適切かつ効率的に行われるよう業務プロセスの見直しも進めております。
さらに、適正な競争環境を確保するとともに、旧来の業界慣習から脱し、お客さまに保険本来の価値提供で選ばれる会社となることを目指し、政策保有株式の売却、代理店に対する過度な本業支援の廃止、顧客本位の業務運営の構築に資さない出向の廃止、独占禁止法遵守に関する社員・代理店向けの教育などの具体的な取組みを着実に実行してまいります。
取締役会の監督機能強化の観点では、当社は監査等委員会設置会社への移行を決定しました。そのうえで、SOMPOホールディングス役員の当社取締役兼任者を増員して社外取締役を含む非業務執行取締役が中心の取締役会構成とし、取締役会議長はグループCEOが務める態勢としております。一部の本社部門においては、SOMPOホールディングスと当社が一体的に業務運営を行い、相互兼務を通じてSOMPOホールディングスが経営状況の常時把握と施策立案への直接的な関与などを実施しております。
内部監査機能の強化に向けては、SOMPOグループの内部監査領域の最高責任者としてグループCAEを選定して、グループ横断で第3線の態勢強化を図る体制としました。当社を含めたグループレベルでの一貫性ある効果的な内部監査を実施してまいります。
また、当社が2025年3月24日付けで金融庁から保険契約情報等の不適切な管理に関する業務改善命令を受けた件につきましては、経営陣のコンプライアンスへの認識・取組み不足、過去の慣習を優先したコンプライアンス・お客さま保護の軽視、現場・本社部門におけるリスクオーナーシップの欠如と本社管理部門の機能発揮不足等を真因と認識しており、これらは前事業年度に業務改善命令を受けた各件における真因と共通するものであると分析しております。
当社においては、遂行中の業務改善計画からさらに踏み込んだ対策を講じるべく、これらの真因に対して、法令等遵守態勢、適切な顧客情報管理態勢等の確立、コンプライアンスおよびお客さま保護を重視する健全な組織風土醸成等の再発防止策を策定し、着実に実行してまいります。再発防止策の詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイトに掲載しております。
(3) 報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等
① 国内損害保険事業
ア.経営環境および経営戦略
国内損害保険事業を取り巻く環境につきましては、自然災害の頻発化や激甚化、インフレによる保険金支払単価や人件費・物件費の上昇、AIなどの新技術の登場による産業構造やビジネスモデルの変化など、予測が困難な状況となっております。
国内損害保険事業は、このような環境変化の中においても、SOMPOグループの中核会社として、グループが目指す「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」を実現するため、信頼回復とレジリエンスの向上に取り組み、グループの成長に寄与してまいります。
イ.中期経営計画(2024~2026年度)およびKPIの進捗状況
主要事業会社である当社の「E/Iコンバインド・レシオ」および「政策株式削減額」、国内損害保険事業の「事業別ROE」を主要なKPIとしております。
当社の2024年度E/Iコンバインド・レシオは、火災保険の収支改善に加え、自然災害・大口事故等の一過性の増益要因が追い風となり、2024年11月公表の通期業績予想(以下「通期予想」といいます。)から1.9pt改善し98.9%となりました。当社の2024年度政策株式削減額は、通期予想を293億円上回る4,293億円となりました。国内損害保険事業の2024年度の事業別ROEについては、当社の2024年度E/Iコンバインド・レシオの改善が貢献し、7.9%となりました。
中期経営計画においては、2026年度までに政策株式削減額6,000億円以上を計画していましたが、2024年度の進捗状況を踏まえ、8,000億円以上へ計画を修正いたしました。E/Iコンバインド・レシオ、事業別ROEについては、2024年度に公表した計画値から変更はなく、E/Iコンバインド・レシオ95%未満、事業別ROE10%以上を目指しております。

※1 IFRSベース
※2 日本基準
※3 日本基準ベースの目標値(8%)をIFRSベースに換算
ウ.KPI達成に向けた主な取組み
2024年度に策定した「SJ-R」(※)に引き続き取り組み、事業基盤と収益基盤の変革を進めていくことで、持続可能な成長を実現してまいります。収益基盤の変革では、ポートフォリオ・アンダーライティングの変革や営業部門・保険金サービス部門の基幹オペレーションの見直しなどによる収益性向上に取り組んでまいります。事業基盤の変革では、データドリブンの推進や専門人材の育成などによる競争力の強化を図り、KPI達成を目指してまいります。
※「お客さま、社会、そして自分にまっすぐ。」というスローガンのもと、「新しい損保ジャパン」を目指す全
社プロジェクト。「SJ-R」では、お客さま・社会からの信頼回復を最優先として、業務改善計画に着実
に取り組むとともに、「新しい損保ジャパン」を実現するために必要となる事業基盤と収益基盤の変革に取り
組んでおります。
② 海外保険事業
ア.経営環境および経営戦略
海外保険事業はSompo International Holdings Ltd.を中心に米国、英国、欧州大陸、中南米、中東、アジア等でプロパティ、カジュアリティ、スペシャリティ保険および再保険を展開し、コマーシャルおよびコンシューマーのお客さま向けに対して、高品質な保険および保険関連サービスをグロ―バルに提供しております。グループの成長の牽引役として事業規模と収益性の両面で着実な拡大を続けてまいります。
イ.中期経営計画(2024~2026年度)およびKPIの進捗状況
中期経営計画では、市況変動への対応をしつつ規律ある保険引受に基づき戦略的かつ継続的な成長に焦点を当てております。今後の事業環境については、保険マーケットおよび経済環境の両方において大きく変化することが想定されますが、顧客基盤を拡大し続けるとともに将来への投資を行い、商品および地理的の両面でグループの拡大に寄与し、株主価値の向上に重点を置いております。
海外保険事業では、「修正利益の成長率」、「戦略的事業規模の拡大」および「事業別ROE」を主なKPIとしております。
2024年度は、主に保険引受利益の改善ならびに金利上昇と資産ポートフォリオの拡大による資産運用収益の大幅な増加によって、修正利益は13.8億ドル、事業別ROEは14.2%となり、目標を達成しました。また、戦略的事業規模の拡大についても2026年度の目標達成に向けて順調に推移しております。

※1 旧基準(IFRS4号)
※2 負債比率:20%
ウ.KPI達成に向けた主な取組み
人材、テクノロジーおよびインフラの3つのエリアへの投資に重点を置いております。具体的には、トップラインの成長のための各保険分野でのアンダーライターの採用および強固な契約管理環境維持を目的としたサポートスタッフの雇用、テクノロジーやデータを活用した業務効率の向上およびそれによるお客さまと従業員双方を支援する体制整備の確立、ならびにグローバル事業の拡大をサポートするために組織と顧客ベースの成長を進めております。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
SOMPOグループのサステナビリティに関する考え方および取組みは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、SOMPOグループが判断したものであります。また、文中の非財務KPIの各数値については、本有価証券報告書提出日現在において、予測できる事情などを基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
SOMPOグループでは、パーパスとして「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」を掲げております。このパーパスの実現を通じて、持続可能な社会への貢献およびSOMPOグループの持続的な成長を目指してまいります。
(1)ガバナンス
グループCSuO(Chief Sustainability Officer)は、サステナビリティ領域の最高責任者として、パーパス浸透とサステナブル経営戦略の策定・実行を担っております。グループCSuOの役割のうち気候変動・生物多様性およびビジネスと人権といったグループのサステナブル経営戦略については、グループCSuOを議長とする「グループサステナブル経営推進協議会」において、関連するリスク・機会を踏まえた対応について協議することで、グループCSuOの意思決定を支援するなど、グループ全体のサステナビリティ推進体制を構築しております。また、グループCSuOの業務執行のサポート機能としてサステナブル経営推進部を設置しております。
パーパス実現の原動力である人的資本については、グループCHRO(Chief Human Resource Officer)が、人事領域の最高責任者として、人的資本の価値を最大化する役割を担っております。
リスク管理については、取締役会が定める「SOMPOグループERM基本方針」に基づいてリスクコントロールシステムを構築しております。グループCRO(Chief Risk Officer)は、各事業の抱えるリスクを網羅的に把握・評価し、そのうちSOMPOグループに重大な影響を及ぼす可能性がある重大リスクについては、グループCEOの諮問機関であるグループ執行会議の下部組織であるグループERM委員会においてコントロールの状況を確認・議論したうえで、定期的に取締役会およびグループ執行会議等に報告しております。
取締役会は、グループ全体の戦略や方針を定めるとともに、パーパス実現に向けた執行状況を監督しております。
※個別課題の検討や、グループサステナブル経営推進協議会での議論内容を踏まえた情報共有・施策実行を進めるため、2025年5月よりグループサステナブル経営推進協議会の下部組織として「資産運用」、「保険引受」、「ビジネスと人権」、「環境マネジメント」の4つのワーキンググループを設置しております。
(2)戦略
① パーパス実現に向けた重点課題
SOMPOグループが創りたい未来はどのようなものか、その未来の実現に向けてどのような社会課題に向き合い長期的視点でどのような姿を目指していくのか、そのために各事業はどのような戦略を持ちどのような価値を提供していくのかを「パーパスに込めた想い」として策定しております。
パーパスに込めた想い
「パーパスに込めた想い」の導出においては、国際的なガイドラインやSDGsなどをもとに網羅的に洗い出した課題に対して、SOMPOグループが受ける影響・社会に与えるインパクトを定量・定性で評価を行い、その結果をお客さま、投資家、NGO、専門家、パートナーなどのステークホルダーとの対話(社外)と、経営議論(社内)の双方を経て、優先順位づけを行いました。
それらを経たうえで以下のマッピングを作成し、非常に重要度の高い16課題と重要度の高い13課題を特定しました。これらの課題や、課題解決に向けた戦略・提供価値について明文化したものが「パ―パスに込めた想い」であり、SOMPOグループにとっての「マテリアリティ(重要課題)」に該当するものと捉えております。
課題のマッピング(2025年3月時点)*

* 課題やその優先順位づけについては、外部環境やSOMPOグループの事業戦略の変化、ステークホルダーからの要請などを踏まえて、定期的に分析を行い見直し要否の確認を行っております。
② グループの重点課題における取組み
ア.サステナビリティに関連する重要テーマへの取組み(グループ共通)
a.気候変動・生物多様性
気候変動については、リスク・機会に対する複合的なアプローチを実践する「SOMPO気候アクション」(2021年度策定・公表)を引き続き実践し、気候変動への「適応」、「緩和」、「社会のトランスフォーメーションへの貢献」の3つのアクションを遂行してまいります。SOMPO気候アクションの取組みの詳細、生物多様性の喪失に対する自然関連の取組みについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 ●気候変動・自然関連情報開示(TCFD・TNFD提言に基づく情報開示)」※に記載のとおりであります。
※TCFD提言:気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が2017年6月に公表した情報開示のフレームワーク。
※TNFD提言:自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)が2023年9月に公表した情報開示のフレームワーク。
b.ビジネスと人権
SOMPOグループは、企業の人権尊重責任を果たすために、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、1.人権方針の策定・公表、2.人権デュー・ディリジェンスの実施、3.救済の仕組みの構築に向けて取組みを進めております。
1.人権方針の策定・公表については、「グループ人間尊重ポリシー」において、グループおよびバリューチェーンを含めたグローバル市場で、すべてのステークホルダーの基本的人権を尊重すること、国際的な行動規範を尊重しつつ、持続可能な社会の創造に向けて、高い倫理観をもって行動していくことを宣言しております。本方針は、グループ全社員へ適用するとともに、取引先、協業先、委託先などのパートナー企業においても、適用するように働きかけを行っております。
また、特に、2.人権デュー・ディリジェンスの実施については、①人権リスクの洗い出し・特定・評価(リスクアセスメント)、②優先課題の特定および負の影響の防止・軽減措置、③実施状況と結果の追跡調査(モニタリング)、④情報開示の4つのステップからなる仕組みを構築し、これらを定期的に実施することにより事業活動が与える人権への負の影響を認識し、防止、軽減、適切な措置を検討・実施する体制を構築しております。3.救済の仕組みについては、内部通報窓口を設置し社内での周知徹底を行っております。併せて、内部通報窓口の担当者へのビジネスと人権における知見向上に継続的に取り組んでまいります。
2024年度はビジネスと人権の潮流とSOMPOグループの現状、ステークホルダーとの対話を通じて確認した課題を踏まえ、2025年度からグループ全体で知見の向上や体制のさらなる強化に取り組んでいく方針を策定しました。今後もステークホルダーとの対話を継続的に行い、改善を進めてまいります。
イ.原動力となる人的資本(グループ共通)
a.SOMPOのパーパス浸透のアプローチ
SOMPOグループでは、SOMPOのパーパス実現に向けた原動力は社員一人ひとりであるという考えのもと、社員一人ひとりが自らの人生の目的である「MYパーパス」に突き動かされ、内発的動機に基づくチャレンジを繰り返すことで、イノベーションを創出できるよう取り組んでまいりました。その取組みにおいては、価値観の多様性を積極的に受け入れ、社員一人ひとりが働くうえでまずは自分自身の「MYパーパス」に向き合うことが重要であるというアプローチを採用しております。2024年度には、グループの企業理念体系を見直し、SOMPOのパーパスをより分かりやすい表現に改めました。今後もさらなる浸透に向け、継続して取り組んでまいります。
b.人材戦略方針
SOMPOのパーパス実現に向けて、中期経営計画では「すべての社員にとって誇りと幸せを実感できる」、「自律的なキャリアや成長が実感できる」、「MYパーパスを追求できる」をキーワードに、人事制度を整備するとともに、取組みを拡充しております。その過程においては「コーポレートカルチャー変革」、「グループ人材強化」、「人事制度の進化と人材基盤の拡充」を重点戦略として位置づけました。今後もこれらの重点戦略を基軸に、社員と会社がともに成長できる環境をつくるとともに、さらなる経営基盤の強化を目指してまいります。

「コーポレートカルチャー変革」
再言語化したパーパスをはじめとするグループの企業理念体系を核とし、「社員が声をあげられる、多様な意見が受け入れられる」コーポレートカルチャーへ変革しております。
新たな企業理念体系においては、グループすべての役員・社員が大切にしたいものの根幹を成す「誠実」「自律」「多様性」を、「SOMPOの価値観」として定め、パーパス実現に向けてグループ全体で取り組んでいくうえでの判断・行動の拠り所としました。

この「SOMPOの価値観」を起点に、日々の期待行動を導きだし、「グループ共通コンピテンシー」をこれと整合的に見直しました。
当社では、企業理念体系とこれまでの価値観を整理して「新しい損保ジャパンの目指す姿」を策定し、新たな価値基準として「私たちの5つの約束」を定めました。「グループ共通コンピテンシー」や「私たちの5つの約束」を踏まえ、人事評価における着眼点を再構築することで、マネジメント登用や社員の評価、採用基準などに反映させ、浸透を図るとともに実効性の向上に取り組んでおります。これらの価値観を根底に、社員一人ひとりが思ったことを率直に伝え合う「対話のカルチャー」、一人ひとりの多様な頑張りを認め合う「承認のカルチャー」、変化の激しい世の中に対応するため、自身の強みを伸ばし専門性を高めるための「学びのカルチャー」を実現するとともに、日々の様々な意思決定や判断に多様な考えを生かしていく「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)」浸透に取り組むことで、当社の持続的成長を後押しするカルチャー変革を実現してまいります。

カルチャー変革に向けた具体的な取組みとして、SOMPOグループでは、グループとしての多様性・一体感のさらなる醸成に向け、多様な事業の人と人をつなぎ、多様な想いをつなぐイベントウィークである「SOMPO Week 2024」を開催しました。また、当社では経営上の意思決定における多様性向上を目指し、リーダー職以上の女性比率を2027年までに20%以上とする数値目標を設定しました。さらに、障害者※雇用促進やLGBTQ+理解浸透等の取組みを通じ、あらゆる人が活躍できる環境整備に努めるとともに、全ての根底にある心身の健康の維持・増進、人権の尊重にも引き続き取り組んでまいります。
※「障害の社会モデル」の考えに準拠し、当社では「障害者」と表記しております。
「人材強化」
SOMPOグループおよび各事業の経営戦略の遂行に必要な人材ポートフォリオを明確にし、グループの人材強化を進めております。
2024年度には、SOMPOグループおよび各事業の経営戦略の遂行に必要な人材ポートフォリオ構築に向け、300億円規模の「SOMPO人材ファンド」を設立し、育成・採用等のグループ人材投資を拡大しております。また、各事業のCHROや人事部門のほか、グループCEOをはじめとした関連部門の役員等が参加し、サクセッション・プランにもとづく育成や、各専門領域別の人材強化等を協議する「人材ラウンドテーブル」を2024年度から開催し、あるべき人材ポートフォリオの構築やそれに向けた人材への投資につなげております。そして、これらの人材強化をグループ横断で下支えする基盤として、社員の自発的な学びを支援するグループ共通の学習管理システム「SOMPO Learning Hub」を導入しました。
当社では、当社の持続的な成長を支える人材の安定的な採用に向けて、各都道府県に採用活動の推進役として採用アンバサダーを設置し、新卒採用においては全国各地でのインターンシップやセミナーの開催、中途採用においては2023年12月に導入したリファラル採用の活用など、採用力の強化に向けた取組みを推し進めております。また、人が育ち、組織が自走することで成長への原動力を生み出すことを人材育成の目指す姿と定め、その実現に向けては、若手社員向けの人材育成プログラム「InnovationZ」をはじめとした階層別・世代別にデザインした研修プログラムの実施や企業内オンライン大学「損保ジャパン大学」による時間や場所に捉われない幅広い学びの機会の提供など、各種施策を展開しております。
さらに、当社社員の専門性向上に向け、損保ジャパン大学への新コンテンツ「プロトレ」の追加やコマーシャル営業の変化・進化を実現していく人材に必要な知識などを体系的に学ぶことができる「SOMPOコマーシャルアカデミー」の展開などに取り組んでおります。
こうした取組みを通じて、社内外を問わずビジネスパーソンとして真に実力が高い人材の育成に注力し、当社の持続的な企業価値向上を実現してまいります。
「人事制度の進化と人材基盤の拡充」
SOMPOグループでは、コーポレートカルチャー変革やグループ人材強化を支える、グループベースでの人事制度・体制の整備に向け、人事戦略の土台である「MYパーパスの追求」と連動する、自己選択型のキャリア形成を支援する制度をグループで拡充しております。
当社では、希望の部署に応募できる社内公募制度「ジョブ・チャレンジ制度」の導入等により、自律的なキャリア形成の支援に注力するとともに、高い専門性を必要とする本社の特定領域・部門における高度専門人材の獲得を目的として、職員区分「職員(プロフェッショナルジョブ型)」を新設しました。また、従業員持株会制度や企業型確定拠出年金のマッチング拠出制度等を導入しており、金融リテラシーをより高め、自律的な資産形成をさらに支援していくべく、ファイナンシャル・ウェルビーイングの取組みも強化しております。
ウ.SOMPOグループの各事業における取組み
SOMPOグループの各事業においても、重点課題に対する財務・非財務のKPIを設定し、取組みを進めております。具体的な取組みは、SOMPOホールディングスサステナビリティレポート2024をご参照ください。
(3)リスク管理
サステナビリティ関連のリスクについても他のリスクと同様に、SOMPOグループの戦略的リスク経営(ERM)を支えるリスクコントロールシステムを通じて管理を行っております。
SOMPOグループのリスクコントロールシステムはリスクアセスメントを起点とし、SOMPOグループを取り巻くリスクを、網羅的に特定、分析、評価しております。サステナビリティ関連のリスクは、それ自体がSOMPOグループに重大な影響を及ぼすリスク(重大リスク)または他の重大リスクを顕在化させる要因と捉えており、重大リスク管理の枠組みにおいてSOMPOグループに影響を及ぼす具体的なシナリオを想定・評価し、グループベースでのリスク抑制に努めております。重大リスク管理の詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
サステナビリティ関連のリスクのうちグローバルな社会課題である気候変動、生物多様性の喪失、ビジネスと人権については、特に個別のリスク管理フレームワークを設計し、その軽減に取り組んでおります。
気候変動リスクについては、SOMPOグループの事業の様々な面に影響を及ぼし、その影響が長期かつ不確実性を伴うことを踏まえ、「気候変動リスクフレームワーク」を構築しております。
生物多様性の喪失リスクについては、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が提言するLEAPアプローチ(自然関連のリスクと機会の管理のための統合評価プロセス)に基づき、特定および評価を行っております。気候変動および自然関連リスクの詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 ●気候変動・自然関連情報開示(TCFD・TNFD提言に基づく情報開示)」に記載のとおりであります。
ビジネスと人権にかかわるリスクについては、各事業の事業プロセス(バリューチェーン全体)を対象に発生する可能性のある「潜在的な影響とリスク」を特定し、評価を行っております。評価にあたっては、「発生可能性」と「深刻度」を評価軸とした定量的な分析を行い、発生の抑止とリスクの軽減に取り組んでおります。
(4)指標と目標
SOMPOグループでは、パーパス実現に向けた中期経営計画において、財務領域と非財務領域(人的資本関連を含みます。)を連動させたKPI体系としております。
短期での財務成果に加え、中長期的な視点で持続的に社会への価値を提供し続ける、すなわち企業価値を向上し続けるために、財務成果につながる非財務領域の取組みに関するKPIを設定し、戦略の実効性を高めてまいります。非財務領域におけるグループ共通の主な指標は下表のとおりであります。
サステナビリティに関するリスクと機会を評価するための重要な指標・目標(2024年度~)
*1 対象資産は、上場株式と社債
*2 インテンシティ:投融資額1単位あたりのGHG排出量
*3 対象資産は、上場株式、社債、上場企業向け融資、上場株式・社債ファンド
*4 2023年度実績の対象資産は、上場株式、社債
※ 目標値・実績値はSOMPOグループ値
●気候変動・自然関連情報開示(TCFD・TNFD提言に基づく情報開示)
(1)ガバナンス
気候変動・自然関連対応に関するガバナンスについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンス」に記載のとおりであります。なお、体制図は以下の通りであります。
<気候変動等に対するリスク・機会への対応体制(2025年3月時点)>

(2)戦略
(2)-1 気候関連の戦略
SOMPOグループでは、気候変動リスク・機会に対し複合的なアプローチを実践するため、2021年度から「SOMPO気候アクション」(気候変動への「適応」、「緩和」、「社会のトランスフォーメーションへの貢献」)を掲げ、取組みを進めております。
① 気候関連のリスクと機会
気候変動による自然災害の激甚化や発生頻度の上昇、干ばつや慢性的な海面水位の上昇などの「物理的リスク」のみならず、脱炭素社会への転換に向けた法規制の強化や新技術の進展が産業構造や市場の変化をもたらし、企業の財務やレピュテーションに様々な影響を与える「移行リスク」が顕在化する可能性があります。また、これらのリスクに付随して、企業の事業活動に起因する気候変動影響や炭素集約度の高い事業への投融資、不適切な開示などによる法的責任を追及する気候変動訴訟が発生しており、SOMPOグループの損害保険事業における賠償責任保険の支払保険金を増大させる可能性があります。一方で、自然災害リスクの認識の強まりや社会構造の変革は、新たなサービス需要の創出や技術革新などのビジネス機会をもたらします。
SOMPOグループは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、NGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)など外部機関の研究成果を踏まえて、気候変動が事業に与えるリスクと機会を整理し、短期(2~3年以内)、中期(3~10年後)および長期(10~30年後)の時間軸、保険事業のバリューチェーン全体(上流:商品・サービス開発、中流:販売・営業、資産運用、下流:事故対応・保険金支払)を対象範囲として評価・分析・対応を進めております。気候変動による物理的リスク、移行リスクに伴う主な変化と、SOMPOグループにとって重大な影響を及ぼすと想定されるリスクと機会は下表のとおりであり、内外環境の変化を踏まえて継続的に見直しを行っております。

② シナリオ分析
ア.保険引受における物理的リスク
SOMPOグループの損害保険事業は、台風や洪水、高潮などを含む自然災害の激甚化や発生頻度の上昇に伴う想定以上の保険金の支払いによる財務的影響を受ける可能性があります。リスクの定量的な把握に向けては、2018年以降、大学等の研究機関と連携することで科学的知見を踏まえた取組みを進めており、「アンサンブル気候予測データベース:d4PDF※1(database for Policy Decision making for Future climate change)」などの気象・気候ビッグデータを用いた大規模分析によって、台風や洪水、海面水位の変化の影響を受ける高潮の平均的な傾向変化や極端災害の発生傾向について、平均気温が上昇した気候下での長期的な影響を把握するための取組みを行っております。また、5~10年後の中期的な影響を分析・評価し事業戦略に活用しております。
SOMPOグループは、UNEP FI(国連環境計画・金融イニシアティブ)のTCFD保険ワーキンググループが2021年1月に公表したガイダンスに基づく簡易な定量分析ツール※2を用いた台風に関する影響度の試算を行っております。試算結果は下表のとおりであります。
今後も、気候変動リスクへの金融監督上の対応を検討するNGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)が検討を行っているシナリオ分析の枠組み等も活用して、引き続き分析を進めてまいります。
※1 文部科学省の気候変動リスク情報創生プログラムにて開発されたアンサンブル気候予測データベース。多数の実験例(アンサンブル)を活用することで、台風や集中豪雨などの極端現象の将来変化を確率的にかつ高精度に評価し、気候変化による自然災害がもたらす未来社会への影響についても確度の高い結論を導くことを可能とするもの
※2 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:国連気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書のRCP8.5シナリオに基づき、2050年と現在との間の台風の発生頻度や風速の変化を捉え、頻度や損害額の変化を算出するモデル
イ.資産運用における移行リスク・物理的リスク
脱炭素社会への移行が短期・中期・長期それぞれにおいて、SOMPOグループに及ぼすインパクトを把握するため、下表のNGFSシナリオ※3を前提に、脱炭素社会への転換に向けた法規制の強化や世界経済の変化が企業に及ぼす「政策リスク」と気候変動の緩和に向けた取組みによる「技術機会」、慢性的な猛暑、極寒、大雪、大雨、暴風、急性的な台風、洪水、自然火災など、気候変動がもたらす気象災害が企業に及ぼす「物理的リスク」について、MSCI社が提供するClimate Value-at-Risk(CVaR)※4を用いて、SOMPOグループの保有資産に及ぼす影響を分析しております。詳細は、以下「a. Climate Value-at-Risk(CVaR)」をご参照ください。
加えて、移行リスク削減に向け、脱炭素化への取組みが進んでいない企業への働きかけを促進することが重要であることから、同社が提供するImplied Temperature Rise(ITR)※5を用いて、SOMPOグループの投資先企業が2100年度までに1.5℃の温暖化に抑える目標と整合的なGHG排出量削減目標を設定しているのかを定量的に分析しております。詳細は、以下「b. Implied Temperature Rise(ITR)」をご参照ください。
※3 NGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)シナリオ
・NGFSがフェーズ4として2023年11月に公表している気候変動シナリオであり、Delayed transition、Net Zero 2050、NDCsの3シナリオを分析
※4 Climate Value-at-Risk (CVaR)
・気候変動に伴う政策の変化や災害による企業価値への影響を測定する手法の一つ
・気候変動関連のリスクと機会から生じるコストと利益の将来価値を現在価値に割り引いたものであり、SOMPOグループの資産運用ポートフォリオにおける各銘柄の保有時価ウェイトを考慮し、2024年3月末時点における影響度を算出
※5 Implied Temperature Rise(ITR)
・2100年までに2℃、1.5℃の温暖化をもたらす可能性の程度を、度数(℃)で評価するフォワードルッキングな評価手法の一つ
・投資先企業のGHG予測排出量(足元の排出量および企業が設定した削減目標をもとに算出)とカーボンバジェットの差分をもとに温度上昇への寄与度を表したものであり、SOMPOグループの資産運用ポートフォリオにおける各銘柄の保有時価ウェイトを考慮し、2024年3月末時点における影響度を算出
a.Climate Value-at-Risk(CVaR)
(NGFSシナリオ‐保有資産別比較)
政策リスク、技術機会の影響は、すべての資産において、影響度はNet Zero 2050(1.5℃)シナリオが最大となり、1.5℃目標を達成するには、秩序だった移行であっても、政策リスクが大きいことが分かります。一方、物理的リスクの影響は、外国株式(下記グラフ:左下)を除きNDCs(3℃)シナリオが最大となり、気温上昇がもたらす物理的リスクが大きいことが分かります。
また、保有資産別の比較では、政策リスク、技術機会の影響はいずれも国内株式(下記グラフ:左上)が最大となり、Net Zero 2050(1.5℃)シナリオ下においてそれぞれ△32.6%、6.1%となります。また、物理的リスクにおいても国内株式が最大となり、NDCs(3℃)シナリオ下において△10.7%となります。なお、融資はSOMPOグループのエクスポージャーの3%程度であり、影響が限定的であることを確認しております。
<SOMPOグループ 資産別・NGFSシナリオ別 政策・物理的リスクと技術機会のCVaR分析結果>

※ 債券は額面以上で償還されることがないため影響が限定的
(NGFSシナリオ‐短期・中期・長期のTime Horizon別比較)
短期・中期・長期のTime Horizon別の比較では、SOMPOグループのポートフォリオにおいて、リスクの大部分は2034年以降に顕在化することが分かります。特に、Delayed transition(2℃)(Disorderly:脱炭素への急激な移行)シナリオでは2030年以降に急激な政策移行が想定されていることから、長期影響が顕著に現れます。また、政策リスクはNet Zero 2050(1.5℃)シナリオが△14.96%と最大となり、1.5℃目標を達成するには、秩序だった移行であっても、政策リスクが長期的にも大きいことが分かります。また、物理的リスクは気温上昇を伴うDelayed transition(2℃)シナリオとNDCs(3℃)シナリオで相対的に長期的な影響が大きくなりますが、全体的な影響は限定的であります。
<SOMPOグループ Time Horizon別 政策・物理的リスクと技術機会のCVaR分析結果>

b.Implied Temperature Rise(ITR)
ITRが2℃未満の企業の割合は、国内株式、外国株式、国内社債、外国社債ポートフォリオの時価ベースでそれぞれ55%、100%、68%、85%、ITRが1.5℃未満の企業の割合は、37%、100%、50%、72%となっており、国内株式以外はパリ協定で掲げる「1.5℃目標」と整合的な企業が過半数を占めております。一方で、ポートフォリオ全体では、国内株式、外国株式、国内社債、外国社債のITRはそれぞれ2.16℃、1.77℃、2.07℃、2.36℃と、一部資産は改善しているものの、1.5℃を超えております。
SOMPOグループではこれらの分析結果を活用し、移行リスクや物理的リスクの高い企業やGHG排出量目標設定がない投資先企業へのエンゲージメント等の働きかけを通じて気候変動に係るリスクの削減を進めてまいります。
<SOMPOグループ 資産別 ITR分析結果>

③ レジリエンス向上の取組み
ア.リスクへの対応
<物理的リスク>
損害保険契約や再保険契約は短期契約が中心であり、激甚化する気象災害の発生傾向を踏まえた保険引受条件や再保険方針の見直しによって、保険金支払が想定以上となるリスクの抑制が可能であります。また、グローバルな地理的分散や短期・中期の気候予測に基づく定量化、長期的なシナリオ分析による重大リスクの特定・評価などの多角的なアプローチにより、物理的リスクに対するレジリエンスの確保を図っております。
<移行リスク>
自社のGHG排出量削減については、スコープ1、2、3(スコープ3カテゴリー15 保険引受・投融資を除く)で2030年60%削減(2017年比)※1、2050年実質排出ゼロにする目標を掲げております。その実現に向け、GHG排出において特に占める割合の大きい使用電力について、LED化等の省エネルギーへの取組みに加え、「2030年までに再生可能エネルギー導入率70%※2」の目標を掲げ、所有ビルの電力を再生可能エネルギー由来に切り替えるなど、目標達成に向けたロードマップに沿って着実に取組みを進めております。
※1 パリ協定の1.5℃目標水準(毎年4.2%以上削減)に整合する科学的根拠に基づく目標
※2 再生可能エネルギーの証書による利用を含む
投融資については、投融資ポートフォリオのGHG排出量(スコープ3カテゴリー15)実質ゼロに向け、排出量を2025年25%削減(2019年比)する中間目標に加え、新たな中間目標として「インテンシティを2030年50~60%削減(2019年比)」を2024年度に設定しました。目標達成に向け、株式保有先のうちGHG高排出の上位20社を中心とするエンゲージメントや、グループが保有する運用資産を入れ替える際のGHG低排出セクターへのシフトなどの取組みを進めております。
イ.機会への対応
SOMPOグループは、気候リスクコンサルティングサービスの開発・提供、保険商品・サービスを通じた自然災害レジリエンスの向上に取り組むほか、再生可能エネルギーの普及や取引先との協業によるカーボンニュートラルに貢献する保険商品・サービスの開発・提供に取り組んでおります。
保険引受については、ソリューションプロバイダーとして社会のグリーン移行へ貢献することを目的に2024年度に脱炭素に資する保険商品を対象としたトランジション保険目標を新たに掲げました。また、2022年11月にPCAF(金融向け炭素会計パートナーシップ)が開発した企業保険分野のGHG排出量を計測する手法を用いて、保険引受先でGHG排出量(スコープ1、2)を開示している企業のデータを活用し、保険引受におけるGHG排出量の算定を行っております。
また、日本版スチュワードシップ・コードの趣旨に則り、株式を保有する企業の企業価値向上および持続的成長に関する取組方針および状況を確認するために、当社では毎年ESGアンケート(「ESG/サステナビリティへの取組みに関する調査」)を実施しております。2024年度は株式を保有する1,329社にアンケートを送付し、226社から回答が得られ、議決権行使のほか、各企業側のニーズの把握・協業の機会につなげ、脱炭素を含めたサステナビリティへの取組みを支援しております。
さらに、ネットゼロ社会の実現に向けて、世界の様々なイニシアティブや団体等において、規制やガイダンス策定等の議論が活発に行われております。SOMPOグループでは、これらのルールメイキングに対して積極的に関与しリードすることにより、社会のトランスフォーメーションに貢献するとともに、これらの取組みを通じた知見の蓄積、さらにはこれらの取組みを通じたレピュテーションの向上によって協業パートナーを呼び込むなどグループのビジネス機会の創出・拡大を図ってまいります。
(2)-2 自然関連の戦略
気候変動に加え、生物多様性の喪失と生態系の崩壊、天然資源不足といった自然に関連する環境問題がグローバルリスクとして認識されるようになってきております。SOMPOグループの保険引受先や投融資先の企業の中には、自然への依存・影響に伴い、将来的に原材料調達や操業の不安定化、法規制などの対応コストの増加、売上減少といったリスクを抱える企業があります。これらのリスクが顕在化した場合、収入保険料の減少や支払保険金の増加など、SOMPOグループの損害保険事業に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、昆明・モントリオール生物多様性枠組で提唱されたネイチャーポジティブへの移行にあたっては、日本では2030年時点で約47兆円の事業機会が創出されると見込まれております(環境省推計)。この新たな事業機会が保険引受先や投融資先の企業の業績改善や、SOMPOグループが自然に貢献する商品・サービスの提供といった機会をもたらす可能性があります。
これらの自然関連のリスク・機会は、SOMPOグループの主要事業である国内損害保険事業および海外保険事業を対象として、TNFDが提言するLEAP※アプローチに基づき、評価・分析・対応を行っております。
※LEAP(Locate, Evaluate, Assess, Prepare の頭文字)と呼ばれる自然関連のリスクと機会の管理のための統合評価プロセス
LEAPアプローチに基づく分析結果
① 優先地域の特定
当社、SOMPOリスクマネジメント株式会社、海外保険事業における子会社の直接操業拠点について、WWF Biodiversity Risk Filter※などのツールを用いて、TNFDの定義する「優先地域」に該当する拠点の確認を行い、事業活動(損害保険事業、コンサルティング事業)における自然への依存・影響が小さく、優先地域に該当する拠点はないと評価しております。
※世界自然保護基金が開発した、企業が自社のビジネスやサプライチェーン等において生物多様性に影響を及ぼすリスクを評価・対応するためのツール
② 依存・影響の特定・評価
SOMPOグループの保険引受先や投融資先の各セクターについて、ENCORE※を用いて自然への依存・影響を特定・評価しました。
さらに、「③ リスク・機会の特定・評価」の参考情報として、SOMPOグループにとって自然の観点でリスクが高い可能性があるセクター(高リスクセクター)を以下の手順で特定しました。
<高リスクセクターの特定手順>
1)ENCOREを用いて各セクターの自然への依存・影響の項目、大きさをヒートマップ化
2)1)の各セクターに対する当社および海外保険事業における子会社の保険引受、投融資の金額をヒートマップに反映
3)2)の結果を踏まえ、保険引受および投融資ごとに、SOMPOグループにおける高リスクセクターを特定
その結果、自然への依存・影響の評価が高く、損保ジャパンおよび海外保険事業における子会社との取引金額が大きい4つのセクター(建設、輸送(旅客含む)・倉庫、自動車・自動車部品、化学)を高リスクセクターとして特定しました。
※自然資本金融同盟 (Natural Capital Finance Alliance (NCFA)) や国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター (UNEP-WCMC) などが共同開発した自然関連リスク評価ツール
高リスクセクターの特定結果
③ リスク・機会の特定・評価
生態系サービスの劣化に伴う物理的リスクと機会、ネイチャーポジティブに向けた政策・法規制の強化、技術の進展、市場選好の変化に伴う移行リスクと機会について、SOMPOグループでは、損害保険事業を中心にバリューチェーン全体(上流:商品・サービス開発、中流:販売・営業・資産運用、下流:事故対応・保険金支払い)を対象範囲として、評価・分析・対応を進めております。評価の時間軸としては短期(2~3年以内)、中期(3~10年後)および長期(10~30年後)を設定しております。自然関連の主な環境変化と、SOMPOグループにとって重大な影響を及ぼすと想定されるリスクと機会は下表のとおりであります。
今後、内外環境の変化を踏まえて継続的に見直しを行ってまいります。

(3)リスク管理
SOMPOホールディングスは、グループのパーパスおよび経営計画における目指す姿の実現に向けて、その達成確度を高めるためにリスクアペタイトフレームワークを構築し、「取るリスク」、「回避するリスク」を明確にしております。
自然災害リスクについても、リスクアペタイトを明確化するとともに、自然災害が発生した場合に想定される保険金支払を気象学等の科学的知見やSOMPOグループの商品特性を踏まえて定量的に把握したうえで、財務健全性や収益性、利益安定性への影響、再保険マーケットの動向等を踏まえて、再保険方針およびグループ全体のリスク保有戦略を策定し、管理しております。
気候変動リスクは、戦略的リスク経営(ERM)のリスクコントロールシステムの重大リスク管理、自己資本管理、ストレステスト、リミット管理、流動性リスク管理の枠組みにおいて、多角的なアプローチでコントロールしております。詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (2)主要なリスク」をご参照ください。
SOMPOグループは、「SOMPO気候アクション」の実践として、気候変動リスクフレームワークを通じた短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会の評価、これらに基づくシナリオ分析(物理的リスク・移行リスク)を実施するとともに、これらのリスク・機会へのレジリエンス向上を高めるための各種の取組みを行っております。
① 気候変動リスクフレームワーク(気候変動リスクの特定、評価および管理)
自然災害リスクを含む気候変動リスクについては、気候変動が保険事業以外を含めたSOMPOグループの事業の様々な面に影響を及ぼすこと、その影響が長期にわたり、不確実性が高いことを踏まえて、既存のリスクコントロールシステムを補完し、長期的な気候変動が様々な波及経路を通じてSOMPOグループに影響を及ぼすシナリオを深く考察してリスクを特定・評価および管理するための気候変動リスクフレームワークを構築しております。
気候変動リスクフレームワークでは、気候変動の複雑な影響を捕捉するために、以下の3ステップで評価を行い、「(2)戦略 ① 気候関連のリスクと機会」で述べたリスクと機会を整理しております。

リスク評価にあたり、平均気温の変化を示すIPCCのシナリオと政策移行を示すNGFSのシナリオを組み合わせた「低位」「中位」「高位」の3つの環境変化のパターン(下表「環境変化のパターン」)を選定しました。また、SOMPOグループに及ぼす影響の波及経路・内容をシナリオで想定したうえで(下図「リスクの波及経路と影響内容のシナリオ(例)」)、パターンごとにリスクを評価しております。
<環境変化のパターン>
<リスクの波及経路と影響内容のシナリオ(例)>

アセスメント結果を踏まえて継続的なモニタリングが必要なリスクについては、保険引受および資産運用に与える影響度、可能性、発現時期、傾向などを「気候変動リスクマップ」で可視化し、グループERM委員会において議論したうえで、定期的に取締役会およびグループ執行会議等に報告しております。
<気候変動リスクマップ(中位SSP2-4.5/Disorderly)>


上記以外にも、保険引受・資産運用以外のSOMPOグループの事業活動には、その他のリスクとして、「訴訟等の法的な影響」が及ぼされる可能性があると考えております。リスク評価における影響度・可能性はそれぞれ中程度相当と想定しており、引き続き情報収集および分析を行い、リスクの把握に努めてまいります。
表:保険引受・資産運用以外のSOMPOグループ事業へのリスク。なお、保険引受や資産運用への影響についてはアセスメントを実施。
② 既存のリスク管理フレームワークとの統合
気候変動リスクフレームワークで捉えたリスクの認識は、重大リスクの「主な想定シナリオ」に反映して管理しております。(下表)
気候変動に関連する重大リスク等と主な想定シナリオ
また、気候変動リスクフレームワークを通じて得られた知見を、既存のリスクコントロールシステムの枠組みである自己資本管理、ストレステスト、リミット管理、流動性リスク管理に反映させていくことで、リスク管理全体の高度化を図ってまいります。
(4)指標と目標
① 気候関連・自然関連リスクと機会を評価するための指標
*1 指標の対象範囲は、国内連結子会社および海外連結会社であります。
*2 算定にあたっては、MSCI ESG Research社が提供するデータ( (カバー率)2023年度:上場株式84%、社債79%、いずれも時価ベース)を使用しております。対象資産は国内外の上場株式と社債の投融資先におけるスコープ1、2であります。
*3 GHG排出量は、投融資先のEVIC(Enterprise Value Including Cash:現金を含む企業価値)ベースに対するSOMPOグループ持分であります。
*4 インテンシティは、投融資額1単位あたりのGHG排出量であります。なお、海外保険事業における投融資額は、2019年(基準年)の為替レートを用いて円貨計算しております。
*5 WACIは、Weighted Average Carbon Intensityの略称であり、各投融資先企業の売上高あたりのGHG排出量をポートフォリオの保有割合に応じて加重平均した値であります。なお、2021年度の数値からWACIの算出方法が変更となっております。
② 気候関連リスクと機会を管理するための目標
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」といいます。)に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している「主要なリスク」および「当該リスクの管理体制・枠組み」は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
親会社であるSOMPOホールディングス株式会社(以下「SOMPOホールディングス」といいます。)および当社は、当社が2023年12月に不適切な保険料調整行為等の問題により金融庁から受けた業務改善命令、ならびにSOMPOホールディングスおよび当社が2024年1月に自動車保険金不正請求等への対応に関する問題により金融庁から受けた業務改善命令を踏まえ、問題の真因を分析の上、再発防止に向けた取組みを進めております。
そのような中、当社が保険契約情報等の不適切な管理に関する問題により2025年3月24日付けで金融庁から業務改善命令を受けたことを厳粛に受け止めるとともに、今後、このような問題を二度と起こさないために、業務改善計画を着実かつスピード感をもって実行し、全てのステークホルダーの皆さまからの信頼を1日も早く取り戻せるよう、取り組んでまいります。
パーパスの実現やその礎となる企業文化の変革、人材育成、さらにはガバナンスの実効性を高めるための態勢強化等につきましては、グループの不断の取組みを今後も継続してまいります。SOMPOホールディングスおよび当社に対する行政処分への対応等は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(1) 主要なリスクの管理体制・枠組み
① SOMPOグループのリスク管理の全体像
SOMPOグループのリスク管理の枠組みである戦略的リスク経営(ERM)は、経営における高性能な『羅針盤』として、次の「3つの機能」を強化・高度化し、損失を未然に回避するだけでなく、新規事業投資などの機会損失を低減させることで、当社グループを最適な方向に導く取組みを実施しております。
戦略的リスク経営(ERM)は、資本・リスク・収益のバランスを取りながら企業価値の最大化を図る一連の経営管理プロセスとして「戦略執行に係るリスクテイク」と「経営基盤の安定に資するリスクコントロール」の2つの側面を持っております。リスクテイクの側面では、リスクアペタイトフレームワークを中心に資本・リスク・収益に関する分析を重要な経営判断に活かし(上記ウ)、リスクコントロールの側面では、SOMPOグループを取り巻く多様なリスクを特定、分析、評価する仕組み(リスクコントロールシステム)を活用して(上記ア、イ)、不測の損失の極小化と利益の安定を目指しております。

② リスクコントロールシステム
当社グループは、SOMPOグループのリスクコントロールシステムに沿った「重大リスク管理」の枠組みで当社グループを取り巻く重大リスクを網羅的に特定し、定性的・定量的な評価を行っております。
定量化が可能なリスクについては「自己資本管理」「ストレステスト」「リミット管理」「流動性リスク管理」の枠組みで自己資本、流動性などに与える影響を様々な定量指標により分析・評価し、財務健全性およびその向上に必要なリスクコントロールの施策に関する経営論議を行っております。
ア.重大リスク管理
当社は、「事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスク」を「重大リスク」と定義し、事業の抱えるリスクをボトムアップのリスクアセスメントと、取締役会等によるトップダウンでの確認・議論を通じて網羅的に把握・評価しております。リスク評価の実施にあたっては、経済的損失や業務継続に加えて、お客さま、社会などのステークホルダーの観点でのレピュテーション影響を重視するように基準の明確化を図っております。
重大リスクは、お客さまからの苦情など現場から集められた声を踏まえた上でリスクアセスメントを実施し、社外有識者の見解なども参考にしたうえで、複層的な目線で網羅的にリスクを把握し、選定しております。また、重大リスクが当社に及ぼす影響を具体的なシナリオで想定した上で、発生可能性および影響度でリスクを定性・定量の両面から評価し、管理状況を年2回以上、経営会議・取締役会で確認・議論を行っております。
管理態勢の強化が必要なリスクについては、管掌する役員等が対応策を実施する体制としております。
また、現時点では具体的な影響シナリオの想定に基づく評価は困難であるものの、環境変化などにより新たに発現または変化し、今後、当社グループに大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクを「エマージングリスク」と定め、重大リスクへの変化の予兆を捉えて適切に管理しております。エマージングリスクの選定については、官民の各種情報を将来大きな影響をもたらす可能性のある変化の兆候などの観点から収集・分析し、リスク候補をリストアップしたうえで、その中から重要性を踏まえてリスクを選定しております。
<重大リスクおよびエマージングリスクの管理プロセス>

イ.自己資本管理
当社グループが保有する保険引受リスク、資産運用リスクおよびオペレーショナル・リスクを定量化したうえで、自己資本がリスク量と比べて充分な水準を維持できるよう管理を行っており、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。
ウ.ストレステスト
当社グループの経営に重大な影響を及ぼし得る事象を的確に把握・管理するために、「シナリオ・ストレステスト」「リバース・ストレステスト」および「感応度分析」を実施し、資本およびリスクへの影響度を分析して、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。また、2025年3月末時点で、当社の想定するストレス下においても十分な資本を有していることを確認しております。
エ.リミット管理
特定事象の発現により多額の損失が生じることを回避するため、与信リスク、出再リスクについてはSOMPOホールディングスが定めるリミットの範囲内の個社リミットを設定し、自然災害リスクについてはSOMPOホールディングスが定めるリミットに基づき、リミットを超過した場合には対応策を実施する態勢を整備しております。なお、2025年3月末時点で各リスクを適切にコントロールできていることを確認しております。
オ.流動性リスク管理
日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生時などの最大資金流出額を予想し、それに対応できる流動性資産が十分に確保されるよう管理しており、2025年3月末時点で当社に最大の資金流出をもたらすシナリオに対しても、十分な流動性資産を有していることを確認しております。
(2) 主要なリスク
① 重大リスクおよびその発生可能性・影響度の評価
経営者が当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している「主要なリスク」は、当社グループが定義する「重大リスク」であります。重大リスクおよびその発生可能性・影響度の評価は、下記のとおりであります。
<重大リスク一覧>

<重大リスクのヒートマップ(発生可能性・影響度)>

※影響度は3基準のうち最も大きな評価を適用
② 重大リスクの分類ごとのリスクの概要と対応策の状況
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループは、当連結会計年度よりIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組替えて比較分析を行っております。当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態および経営成績の状況
■ 当社グループの経営成績の状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度の世界経済は、欧米を中心に引き締め的な金融環境ではあったものの、個人消費が堅調に推移した米国経済が牽引し、総じてみれば緩やかに成長しました。わが国経済は、物価上昇が続いたにもかかわらず、企業収益や雇用・所得環境が改善する下で、緩やかに回復しました。ただし、米国の通商政策の影響、物価上昇の継続、金融資本市場の変動等下振れリスクには依然として注意が必要な状況にあります。
このような経営環境のもと、当連結会計年度における当社グループの業績は次のとおりとなりました。
保険サービス損益は、保険収益が4兆8,108億円、保険サービス費用が4兆2,268億円、再保険損益が△3,598億円となった結果、前連結会計年度に比べて409億円減少して2,240億円となりました。また、金融損益は投資損益が2,816億円、保険金融損益が△1,535億円となった結果、前連結会計年度に比べて1,709億円減少して1,280億円となりました。
以上の結果、保険サービス損益、金融損益にその他の損益を加減した当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度に比べて2,227億円減少して2,865億円となりました。税引前利益に法人所得税費用などを加減した親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて2,213億円減少して2,329億円となりました。
■ 当社グループの財政状態の状況は、次のとおりであります。
資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,503億円減少し、11兆5,490億円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べて2,204億円減少し、8兆5,722億円となりました。資本合計は、前連結会計年度末に比べて701億円増加し、2兆9,767億円となりました。
■ 報告セグメントごとの経営成績の状況は、次のとおりであります。
[国内損害保険事業]
保険収益は、前連結会計年度に比べて488億円増加して2兆6,344億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて1,383億円減少して541億円となりました。
(注) 1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2 IFRSへの移行日を2023年4月1日とし、2025年3月期よりIFRSを適用しているため、前連結会計年度の対前年増減(△)率は記載しておりません。
[海外保険事業]
保険収益は、前連結会計年度に比べて1,755億円増加して2兆2,277億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて826億円減少して1,777億円となりました。
(注) 1 諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。
2 IFRSへの移行日を2023年4月1日とし、2025年3月期よりIFRSを適用しているため、前連結会計年度の対前年増減(△)率は記載しておりません。
■ 報告セグメントごとの財政状態の状況は、次のとおりであります。
[国内損害保険事業]
当連結会計年度末のセグメント資産は、投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末に比べて5,193億円減少し、6兆2,886億円となりました。
[海外保険事業]
当連結会計年度末のセグメント資産は、投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べて3,714億円増加し、5兆2,430億円となりました。
■ 当社グループのソルベンシー・マージン比率の状況は、次のとおりであります。
[連結ソルベンシー・マージン比率]
当社は、保険業法施行規則第86条の2および第88条ならびに平成23年金融庁告示第23号第1条第2項等の規定に基づき、IFRSにより作成した連結財務諸表を基に、連結ソルベンシー・マージン比率を算出しております。
損害保険会社グループは、保険事故発生の際の保険金支払や積立型保険の満期返戻金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした「通常の予測を超える危険」(表の「(B)連結リスクの合計額」)に対して「損害保険会社グループが保有している資本金・準備金等の支払余力」(表の「(A)連結ソルベンシー・マージン総額」)の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたものが、「(C)連結ソルベンシー・マージン比率」であります。
連結ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつでありますが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
当連結会計年度末の当社の連結ソルベンシー・マージン比率は、前連結会計年度末に比べ16.2ポイント低下して589.8%となりました。
(単位:百万円)
(注)前連結会計年度の数値は日本基準により作成した連結財務諸表に基づき算出しております。
[単体ソルベンシー・マージン比率]
当社は、保険業法施行規則第86条および第87条ならびに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づき、単体ソルベンシー・マージン比率を算出しております。
損害保険会社は、保険事故発生の際の保険金支払や積立型保険の満期返戻金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、損害保険会社が保有する資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした「通常の予測を超える危険」(表の「(B)単体リスクの合計額」)に対して、「損害保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(表の「(A)単体ソルベンシー・マージン総額」)の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたものが、「(C)単体ソルベンシー・マージン比率」であります。
単体ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、保険会社の経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつでありますが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
当事業年度末の当社の単体ソルベンシー・マージン比率は、前事業年度末に比べ1.4ポイント上昇して681.6%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、利息の受取額の増加などにより、前連結会計年度に比べて390億円増加し、4,781億円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出の減少などにより、前連結会計年度に比べて3,688億円増加し、△1,207億円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、レポ取引及び他の類似の担保付借入の純増減額の減少などにより、前連結会計年度に比べて1,259億円減少し、△3,358億円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べて132億円増加し、8,762億円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は、損害保険業における業務の特殊性のため、該当する情報がありませんので記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
■ 当社グループの経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
当期の当社グループは、国内損害保険事業において修理費単価の上昇や自然災害の激甚化・頻発化などの影響により自動車保険の収支が悪化しましたが、収益基盤と事業基盤の変革を着実に進め、海外保険事業では保険引受利益の改善と計画に沿った地理的な拡大を進めました。
これらの取組みの結果、連結主要指標は以下のとおりとなりました。
保険収益は、海外保険事業における現地通貨建てでの増収のほか為替影響などにより、前連結会計年度に比べて2,224億円増加し、4兆8,108億円となりました。
保険サービス費用は、海外保険事業における自然災害の増加や為替影響などにより、前連結会計年度に比べて1,008億円増加し、4兆2,268億円となりました。
再保険損益は、海外保険事業における再保険金回収の減少などにより、前連結会計年度に比べて1,625億円減少して、△3,598億円となりました。
金融損益は、国内損害保険事業における市況変動影響などにより、前連結会計年度に比べて1,709億円減少して、1,280億円となりました。
保険サービス損益、金融損益にその他の損益を加減した当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度に比べて2,227億円減少して2,865億円となりました。税引前利益に法人所得税費用などを加減した親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて2,213億円減少して2,329億円となりました。
なお、目標とする経営指標であるKPIの進捗状況については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
■ 当社グループの財政状態の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
[資産]
当連結会計年度末の資産合計は、国内株式などの投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末に比べて1,503億円減少し、11兆5,490億円となりました。
[負債]
当連結会計年度末の負債合計は、レポ取引及び他の類似の担保付借入の減少などにより、前連結会計年度末に比べて2,204億円減少し、8兆5,722億円となりました。
[資本]
当連結会計年度末の資本合計は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上に伴う利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べて701億円増加し、2兆9,767億円となりました。
■ 報告セグメントごとの経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
[国内損害保険事業]
国内損害保険事業は、全社規模の変革プロジェクトであるSJ-Rを中心に、ポートフォリオ・アンダーライティング変革、営業変革などの収益基盤の変革、カルチャー変革や品質管理の強化、データドリブン推進などの事業基盤の変革に取り組んでまいりました。
これらの取組みの一方、インフレの進行による保険金支払単価・物件費の上昇や為替・株価などの影響により、経営成績は以下のとおりとなりました。
保険収益は、火災保険の商品改定効果や新種保険の拡販などにより、前連結会計年度に比べて488億円増加し、2兆6,344億円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、資産運用損益が減益となったことなどにより、前連結会計年度に比べて1,383億円減少し、541億円となりました。資産運用損益の減益は、市場変動による前年度の増益の反動が主な要因であると認識しております。
[海外保険事業]
海外保険事業において戦略的事業規模の拡大を継続し、規律ある保険引受に基づいた分散されたポートフォリオを構築したことにより、収益性が向上しました。さらに、地理的拡大への投資も奏功し、運用資産の増加および昨今の金利動向に沿った再投資利回りの上昇により、運用収益が増加しました。
これらの取組みの結果、経営成績は以下のとおりとなりました。
保険収益は、Sompo International Holdings Ltd.における増収を主因に、前連結会計年度に比べて1,755億円増加し、2兆2,277億円となりました。これは、作物価格の下落と地理的集積リスクの抑制を目的としたポートフォリオの見直しによる農業保険の減収があったものの、コマーシャル分野の北米、英国、EMEA地域および再保険の各事業セグメントの成長に加え、コンシューマー分野における増収が主な要因であると認識しております。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、Sompo International Holdings Ltd.における減益などにより、前連結会計年度に比べて826億円減少し、1,777億円となりました。金利上昇と運用資産の増加による運用収益の増収および割引率の上昇による保険負債の減少があったものの、Sompo International Holdings Ltd.における大規模自然災害による損害の増加および農業保険の再保険回収の減少が主な要因であると認識しております。
なお、目標とする経営指標であるKPIの報告セグメントごとの進捗状況については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 報告セグメントごとの経営環境、経営戦略および優先的に対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
■ 報告セグメントごとの財政状態の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
[国内損害保険事業]
当連結会計年度末のセグメント資産は、国内株式などの投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末に比べて5,193億円減少し、6兆2,886億円となりました。
[海外保険事業]
当連結会計年度末のセグメント資産は、外国債券などの投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べて3,714億円増加し、5兆2,430億円となりました。
■ 当社グループのソルベンシー・マージン比率の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[連結ソルベンシー・マージン比率]
(単位:百万円)
(注)前連結会計年度の数値は日本基準により作成した連結財務諸表に基づき算出しております。
連結ソルベンシー・マージン総額は、会計基準の変更等により、331億円増加し、3兆6,229億円となりました。
連結リスクの合計額は、会計基準の変更等により、438億円増加し、1兆2,284億円となりました。
結果、連結ソルベンシー・マージン比率は、前連結会計年度末に比べて16.2ポイント低下して589.8%となりましたが、「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされる200%を上回る水準となっております。
[単体ソルベンシー・マージン比率]
単体ソルベンシー・マージン総額は、国内株式相場の下落等により、3,940億円減少し、3兆1,747億円となりました。
単体リスクの合計額は、国内株式相場の下落による資産運用リスクの減少等により、1,177億円減少し、9,314億円となりました。
結果、単体ソルベンシー・マージン比率は、前事業年度末に比べて1.4ポイント上昇して681.6%となり、「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされる200%を上回る水準となっております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
■ 当連結会計年度における区分ごとのキャッシュ・フローの状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、Sompo International Holdings Ltd.などの利息の受取額の増加などにより、前連結会計年度に比べて390億円増加し、4,781億円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、Sompo International Holdings Ltd.などの投資有価証券の取得による支出の減少などにより、前連結会計年度に比べて3,688億円増加し、△1,207億円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、損害保険ジャパン株式会社のレポ取引及び他の類似の担保付借入の純増減額の減少などにより、前連結会計年度に比べて1,259億円減少し、△3,358億円となりました。
■ 当社グループの資本の財源および資金の流動性に係る情報は次のとおりであります。
(経営資源の配分に関する考え方)
SOMPOグループの事業計画は、グループCEOの諮問機関であるグループ執行会議での協議を経て、策定しております。当社グループは、SOMPOグループの事業計画を踏まえ、事業毎に成長性や収益性を考慮して配賦された資本を元に国内損害保険事業および海外保険事業の事業運営を行い、SOMPOグループの事業計画における修正連結ROEおよび修正EPS成長率の目標達成を目指しております。
(資金需要の動向および資本の財源)
当社グループの資金需要のうち主なものは、保険事業において最も基本的かつ重要な機能である保険金の支払いのほか、成長事業分野への投資および株主還元であります。保険金の支払いについては、保険引受事業の収益性の改善によって、営業活動によるキャッシュ・フローの安定的な確保に向けて取り組むとともに、適切なリスク管理によって財務健全性や資金の流動性を確保しております。成長事業分野への投資については、自己資金の活用に加え、必要に応じて社債や借入金等の外部から調達した資金を財源としております。
資金調達にあたっては、財務健全性の維持およびコストの低減に十分留意しながら、最適な手段を選択することとしております。リスクに対して適切な資本を確保しているかを示す指標であるEconomic Solvency Ratio(以下「ESR」といいます。)について、中期経営計画(2024年度~2026年度)においては200~250%としておりますが、当連結会計年度末のSOMPOグループのESRは256%であり、十分な財務健全性を確保しております。
株主還元については、SOMPOグループの資本政策に沿って実施することとしております。当社の配当政策については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
(資金の流動性)
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は876,272百万円でありますが、日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生時などの最大資金流出量を想定し、それに対応できる水準の流動性資産が確保されるよう管理しております。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」といいます。)第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しており、当社グループの連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積りは、次のとおりであります。
・金融商品の公正価値評価
・のれんの減損
・保険契約および再保険契約に係る履行キャッシュ・フローの見積り
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび判断」に記載しております。
(3) 並行開示情報
連結財務諸表規則(第3編から第6編までを除く。以下「日本基準」といいます。)により作成した要約連結財務諸表は、次のとおりであります。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
② 要約連結損益計算書および要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(会計方針の変更)
(IFRS第17号「保険契約」)
IFRSを適用している海外連結子会社は、当連結会計年度の期首から、IFRS第17号「保険契約」を適用しております。これにより、貨幣の時間価値、保険契約から生じるキャッシュ・フローの金融リスクおよび保険契約から生じるキャッシュ・フローの不確実性の影響を反映するよう保険契約準備金が測定されております。
当該会計方針の変更は遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表になっております。この結果、遡及適用前と比較して、前連結会計年度の経常費用が81,743百万円減少し、経常利益および税金等調整前当期純利益がそれぞれ81,743百万円増加しております。また、前連結会計年度のその他資産が1,109,401百万円、その他負債が515,938百万円、保険契約準備金が643,254百万円減少しております。前連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより利益剰余金の前期首残高は16,769百万円減少しております。
(IFRS第9号「金融商品」)
IFRSを適用している海外連結子会社は、当連結会計年度の期首から、IFRS第9号「金融商品」を適用しております。これにより、金融商品の分類および測定方法等を変更しております。
当該会計方針の変更は遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表になっております。この結果、遡及適用前と比較して、前連結会計年度の経常収益が81,265百万円減少、経常費用が73,503百万円増加し、経常利益および税金等調整前当期純利益がそれぞれ154,768百万円減少しております。また、前連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより利益剰余金の前期首残高は7,578百万円増加し、その他有価証券評価差額金の前期首残高が7,578百万円減少しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
(4) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 38.IFRSへの移行に関する開示」に記載しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(投資有価証券(資本性金融商品))
日本基準においてその他有価証券に分類した株式は、売却損益および減損損失を純損益として認識しておりましたが、IFRSにおいては、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産に指定し、公正価値の変動額をその他の包括利益として認識し、当該金融資産の認識を中止した場合には、その他の包括利益累積額を利益剰余金に振り替えております。また、日本基準においては、非上場株式は原則として取得原価で測定しておりましたが、IFRSにおいては公正価値で測定しております。この影響により、IFRSの投資損益は、日本基準のこれに相当する項目に比べて、272,071百万円減少しております。また、IFRSでは日本基準に比べて、その他の包括利益(税効果調整後)が212,688百万円増加しております。
(保険契約および再保険契約)
日本基準およびIFRSにおける測定方法および表示方法には、次のとおり大きく異なる部分があることから、日本基準における計上額の全額を取り消し、IFRSにおける計上額の全額を改めて計上しております。
分類および測定
日本基準においては保険業法における保険契約準備金を負債として計上しておりましたが、IFRSにおいては「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に基づいて測定された保険契約および再保険契約を資産または負債として計上しております。
日本基準およびIFRSにおける測定方法は、保険料配分アプローチ(Premium Allocation Approach)を適用して測定する契約に係る残存カバーに係る資産および負債については概ね類似しておりますが、同契約に係る発生保険金に係る資産および負債ならびに保険料配分アプローチを適用せずに測定する契約に係る資産および負債については、主に次の差異があります。
・日本基準においては、原則として割引計算を行っておりませんでしたが、IFRSにおいては、見積将来キャッシュ・フローに貨幣の時間価値を反映させて測定しております。
・日本基準においては、明示的にはリスク調整を考慮しておりませんでしたが、IFRSにおいては、見積将来キャッシュ・フローに非金融リスクに係るリスク調整を反映させて測定しております。
・日本基準においては、原則として契約締結時点における見積りの前提に基づいておりましたが、IFRSにおいては、見積将来キャッシュ・フローは期末日現在における見積りに基づいて測定しております。
・日本基準においては、原則として保険契約に係る費用は発生時に認識しておりましたが、IFRSにおいては、新契約費および直接維持費については見積将来キャッシュ・フローの測定に含めております。
この影響により、IFRSの保険契約資産、保険契約負債、再保険契約資産および再保険契約負債の純額(負債)は、日本基準のこれらに相当する項目の純額(負債)に比べて、823,794百万円減少しております。
保険収益の表示
日本基準においては保険契約者から収受した時点で認識する収入保険料と保険契約準備金の一部である責任準備金等の増減(費用として表示される「責任準備金等繰入額」または収益として表示される「責任準備金等戻入額」)とに区分して表示しておりましたが、IFRSにおいては「保険収益」として表示しております。
保険サービス費用の表示
日本基準においては保険契約者に支払った時点で認識する支払保険金、保険契約準備金の一部である支払備金の増減(費用として表示される「支払備金繰入額」または収益として表示される「支払備金戻入額」)などに区分して表示しておりましたが、IFRSにおいては「保険サービス費用」として表示しております。また、IFRSにおいては、不利な契約に係る損益についても「保険サービス費用」に含めております。
(のれん)
日本基準においてはのれんについて一定期間で均等償却しておりましたが、IFRSにおいては移行日以降の償却を停止し、減損テストを実施しております。この影響により、IFRSの一般管理費は、日本基準のこれに相当する項目に比べて、29,808百万円減少しております。
5 【重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
該当事項はありません。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループは、営業店舗網の整備、顧客サービスの拡充、高度情報化への対応強化等を目的として営業用建物の取得等の設備投資を行っており、当連結会計年度の設備投資の内訳は以下のとおりであります。
2 【主要な設備の状況】
当社グループ(当社および連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりであります。
(1) 提出会社
(2025年3月31日現在)
(2) 国内子会社
(2025年3月31日現在)
(3) 在外子会社
(2025年3月31日現在)
(注) 1 上記は営業用設備等であります。
2 現在休止中の主要な設備はありません。
3 海外駐在員事務所の各数値は、提出会社の本店に含めて記載しております。
4 土地を賃借している場合には、[ ]内に賃借面積を外書きで記載しております。
5 在外子会社の帳簿価額は、2025年3月31日現在の数値であります。
3 【設備の新設、除却等の計画】
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注) 当社の株式を譲渡により取得するには、株主または取得者は取締役会の承認を得なければならない旨を定款に定めております。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 有償第三者割当 発行価格3,000円 資本組入額1,500円
割当先 SOMPOホールディングス株式会社
(5) 【所有者別状況】
(2025年3月31日現在)
(注) 当社は単元株制度を採用しておりません。
(6) 【大株主の状況】
(2025年3月31日現在)
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(2025年3月31日現在)
② 【自己株式等】
該当事項はありません。
2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】 該当事項はありません。
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項はありません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
該当事項はありません。
3 【配当政策】
当社は、完全親会社であるSOMPOホールディングス株式会社の資本政策に沿って、剰余金の配当を行うこととしており、法令に別段の定めがある場合を除き、会社法第459条第1項各号に掲げる事項を取締役会決議により定めることができる旨、定款に定めております。
内部留保資金につきましては、事業展開のための経営基盤強化に活用するほか、保険金等の支払に備えて安全確実に運用してまいります。
当事業年度に係る剰余金の配当は、以下のとおりであります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
SOMPOグループは、「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」というパーパスに基づき、多様なステークホルダーに向き合い、各事業を通じて様々な社会課題解決に取り組むことで、企業価値の向上に努めております。
SOMPOホールディングス株式会社はグループ全体の持株会社として、コーポレート・ガバナンスの透明性と公正性の向上を継続して図り、事業を通じて企業の社会的責任を果たすことで、すべてのステークホルダーとの信頼関係を強化することが重要と考え、取締役会において本方針を定め、統治組織の全体像および統治の仕組みの構築に係る基本方針を明確化し、最良のコーポレート・ガバナンスを追求し、その充実に継続的に取り組んでおります。
なお、親会社であるSOMPOホールディングス株式会社および当社は、ビッグモーター社による自動車保険金不正請求等への対応に関する問題により、2024年1月に金融庁から業務改善命令を受け、これに基づき2024年3月に業務改善計画を金融庁に提出しました。
また、当社は、独占禁止法に抵触すると考えられる不適切な保険料調整行為等の問題により、2023年12月に金融庁から業務改善命令を受け、これに基づき2024年2月に業務改善計画を金融庁に提出しました。
さらに、当社は保険契約情報等の不適切な管理に関する問題により、2025年3月に金融庁から保険業法に基づく業務改善命令を受け、これに基づき2025年5月に業務改善計画を金融庁に提出しました。
SOMPOホールディングス株式会社および当社に対する行政処分への対応等は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、当社はこの度の事態を厳粛に受け止め、お客さまの生活や事業を支える社会的使命を担う損害保険会社として、「新しい損保ジャパン」を創っていくという強い意志をもち、全社を挙げて業務改善計画の着実な実行・再発防止に取り組み、お客さまおよび社会からの信頼回復に努めております。
② コーポレート・ガバナンスの体制の概要および当該体制を採用する理由
ア.コーポレート・ガバナンスの体制の全体像およびその採用理由
当社は、重要な経営判断と業務執行の監督を担う取締役会による監督機能の実効性の維持・向上に努めております。当社は、2024年4月1日付けで監査等委員会設置会社へ移行し、社外取締役を設置しました。これにより、取締役会における公正性を高めるとともに、執行部門に対する取締役会の監督機能を強化しております。取締役会の構成について、持株会社兼任取締役と当社の業務執行取締役を同数程度とすることで、持株会社による監督機能も強化しております。また、執行役員制度を採用しており、迅速な意思決定と権限・責任の明確化を図っております。
取締役会は、グループ経営の基本方針およびその根幹となる内部統制基本方針を策定し、これにより、当社およびグループ会社の透明性の高い統治体制を構築しております。

イ.設置する機関の内容
(取締役および取締役会)
取締役会は、法令または定款で定められた責務を履行するほか、取締役会規則に定める経営に関する重要項目を決定するとともに、業務執行の状況に対して、監督機能を発揮しております。
取締役会は、原則毎月開催し、適正人数で迅速に意思決定を行うよう運営しております。また、取締役会の開催にあたっては、その都度、社外取締役向けに事前説明会を開催して、重要議題を中心に議案の説明を行っております。事前説明会での説明および質疑応答は原則として議案を担当する役員が実施するとともに、意見・質疑内容等は、取締役会開催前に出席役員全員で共有し、取締役会と事前説明会を一体的に運営しております。また、必要に応じて執行部門や取締役会事務局から情報提供を行っております。これらの取組みを通じて、取締役会における建設的で充実した議論および取締役会運営の実効性の確保を図っております。
取締役は、これらの重要課題に関する知識の研鑽および経験の蓄積を通じて、経営管理を的確、公正かつ効率的に遂行してまいります。
取締役(監査等委員である者を除きます。)の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとしております。また、監査等委員である取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとしております。
なお、第82回定時株主総会終結時の取締役14名は、男性13名・女性1名の構成となっております。
当事業年度における取締役会の出席状況は次のとおりであります。
当事業年度における取締役会の具体的な検討内容は主に次のとおりであります。
(監査等委員および監査等委員会)
監査等委員会は、取締役の職務遂行の適法性・妥当性について監査を行い、監査報告の作成を行うほか、株主総会に提出する会計監査人の選解任および不再任に関する議案の内容を決定しており、会計監査人の報酬等の決定について同意権を行使しております。
また、監査等委員会は、監査等委員以外の取締役の選解任・辞任および報酬等について株主総会で意見を述べる権限を有しております。
監査等委員会は、上述の監査が実効性をもって実施されるよう監査基準、監査方針および監査計画を策定し、組織的に監査を実施しております。
監査等委員会は、業務執行取締役以外の6名の取締役で組織されており、委員の過半数(4名)は社外取締役から選定しております。
また、当社グループの業務に精通した常勤監査等委員を2名配置しております。
当事業年度における監査等委員会の出席状況および具体的な検討内容は、「(3)監査の状況 ①監査等委員会監査の状況」に記載のとおりであります。
(経営会議)
取締役会の効率性および実効性を向上させるべく、当社グループの重要な業務執行に関する事項について協議しております。
(課題別委員会等)
経営会議の諮問機関として以下の課題別委員会等を設置し、専門性または技術性の高い課題等について協議しております。
・内部管理委員会
・品質管理委員会
・ERM委員会
・未来革新プロジェクト推進委員会
・システム委員会
・収支UW・商品委員会
・SJ―R推進会議
・営業・保サ担当役員会議
・関連役員会議
③コーポレート・ガバナンスに関するその他の事項
ア.内部統制システムの整備状況、リスク管理体制の整備の状況および子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社は、以下のとおり「内部統制基本方針」を取締役会決議により定めて、当社およびグループ会社における業務の適正を確保するための体制を整備しております。
イ.役員報酬の内容
当事業年度における当社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数は以下のとおりであります。
(注) 上記の報酬等の額は、日本基準に基づき算定した数値を記載しております。
④ 責任限定契約の締結
当社は、社外取締役との間で、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約(責任限定契約)を締結しております。当該契約に基づく責任の限度額は、会社法第425条第1項に規定する最低責任限度額としております。
⑤ 役員等賠償責任保険契約の締結
該当事項はありません。
なお、当社の親会社であるSOMPOホールディングス株式会社は、同社取締役、執行役および執行役員、同社子会社(海外子会社の一部を除きます。)の取締役、監査役、執行役、執行役員および管理・監督の立場にある従業員等を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。
⑥ 取締役の定数および選任の決議要件
当社の取締役(監査等委員である者を除きます。)は15名以内、監査等委員である取締役は7名以内とする旨を定款に定めております。取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨を定款に定めております。
⑦ 株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとした事項
ア.剰余金の配当等の決定機関
当社は、親会社であるSOMPOホールディングス株式会社の資本政策に従って、機動的な配当等を行うため、会社法第459条第1項に定める事項については、法令に特段の定めがある場合を除き、取締役会決議によって定めることができるとする旨を定款に定めております。
イ.取締役の責任免除
当社は、経営において取締役がその役割を十分に発揮するための仕組みを一層強化するため、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含みます。)の損害賠償責任を、法令の定める限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款に定めております。
⑧ 株主総会の特別決議要件の変更
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う旨を定款に定めております。
(2) 【役員の状況】
① 役員の一覧
男性 13名 女性 1名 (役員のうち女性の比率 7.1%) (2025年6月30日現在)
(注) 1 吉田正子氏、園潔氏、岡部俊胤氏および曽木徹也氏は、社外取締役であります。
2 取締役の任期は、2025年6月18日から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
3 取締役(監査等委員)の任期は、2025年3月26日から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4 取締役(監査等委員)の任期は、2025年6月18日から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
② 社外役員の状況
社外取締役の兼職先には当社および当社子会社の取引先が含まれておりますが、当社においては、当社の親会社であるSOMPOホールディングス株式会社が定める「社外取締役に関する独立性の基準」を準用しており、社外取締役本人あるいはその出身会社と当社あるいは当社子会社との間に重要な利害関係はないと判断しております。
(3) 【監査の状況】
① 監査等委員会監査の状況
ア.監査等委員会の組織・人員・手続
本有価証券報告書提出日現在、監査等委員会の委員は、業務執行取締役以外の6名の取締役で組織されており、うち過半数(4名)が社外取締役から選定されております。また、当社グループの業務に精通した常勤監査等委員2名(青木潔氏、今邨忍氏)を配置しております。
さらに監査等委員会による監査の実効性を確保するため、監査等委員会の職務を補助する専担の組織として監査等委員会室を設置しております。
イ.監査等委員会の活動状況
当事業年度において当社は監査等委員会を年15回開催しており、個々の監査等委員の出席状況については次のとおりであります。
監査等委員会における主な検討事項は、監査基本方針・監査計画の策定、内部統制システムの構築・運用に対する監視および検証であります。また、代表取締役等と定期的に重点監査項目に関する意見交換を行い、監査等委員会として意見・提言を行っております。
その中で、常勤監査等委員は、監査等委員会が定めた監査の方針、職務の分担等に従い、重要な会議等に出席するとともに、当社グループ内の組織や業務執行に精通した監査等委員として、取締役、内部監査部門、内部統制部門およびその他の使用人、ならびに親会社の監査委員、主要な子会社の役員等と意思疎通を図り、幅広かつ正確な情報の収集および監査の環境の整備を実施しております。
当事業年度における監査等委員会の主な検討内容は次のとおりであります。
② 内部監査の状況
当社における内部監査の実施部門として、組織上および業務遂行上の独立性を確保した内部監査部を設置しております。内部監査部は65名で構成されており、当社の事業や経営戦略を熟知した社内人材に加えて、監査やシステムに関する豊富な経験・高度な知見を持つ専門人材を社外から採用することで、監査案件ごとに最適な監査人を配置しております。さらに、内部監査人の能力の証明と向上を目的とした認定制度である公認内部監査人(CIA)等の資格取得を支援・促進しております。
内部監査部は「SOMPOグループ内部監査基本方針」に基づき、内部監査態勢を整備するとともに、当社の各部門の業務遂行状況等を監査しております。「損保ジャパングループ 内部監査方針」および同方針に基づく内部監査計画を毎年度策定し、取締役会の承認を得るとともに、SOMPOホールディングス株式会社に報告しております。当内部監査計画に基づき、当社各部門等の実地監査やモニタリングを実施し、結果を取締役会およびSOMPOホールディングス株式会社に報告しております。
内部監査計画の策定にあたり、内部監査部は監査等委員会と協議・合意を行うこととしております。また、内部監査部による監査結果はすべて監査等委員会に報告されます。監査等委員会は、必要に応じて内部監査部に調査を求め、調査結果を監査等委員会監査に活用しております。監査等委員会は、内部監査部長に同委員会への同席を求めるほか、定期的に意見・情報交換を行うことで効率的な監査を実施するよう努めております。
内部監査部は、会計監査人と緊密な連携を保ち定期的に意見交換を行っております。また、監査等委員会は、定期的に会計監査人と会合を持ち、リスク認識や監査計画を含む監査内容の理解を相互に深め、監査の実施状況について説明を受けて意見交換を行っております。さらに、内部監査部、監査等委員会および会計監査人は、三様監査会議を定期的に開催し、三者の監査計画や監査結果等について意見・情報交換することで、会計監査人の監査環境の整備にも配慮しております。
③ 会計監査の状況
ア.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
イ.継続監査期間
1976年以降。
(注)当社の前身である安田火災海上保険株式会社は、EY新日本有限責任監査法人(当時は監査法人太田哲三事務所)と1976年に監査契約を締結し、会計監査を受けております。安田火災海上保険株式会社は、2002年4月に第一ライフ損害保険株式会社と合併したのち、同年7月に日産火災海上保険株式会社と合併し、株式会社損害保険ジャパンとなりました。その後、同年12月に大成火災海上保険株式会社と合併、2014年9月に日本興亜損害保険株式会社と合併し、現在に至っており、継続してEY新日本有限責任監査法人と監査契約を締結しております。
ウ.業務を執行した公認会計士
羽柴 則央
小林 弘幸
近藤 洋平
エ.監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士25名、その他70名であります。
オ.監査法人の選定方針と理由
当社の会計監査人の解任または不再任の決定の方針は以下のとおりであります。
EY新日本有限責任監査法人を選定した理由は、会計監査人を適切に評価するための基準に基づき再任の適否について検討を行い、適任と判断したためであります。
カ.監査等委員会による監査法人の評価
監査等委員会監査等基準に基づき、会計監査人の職務遂行状況、監査体制、独立性および専門性などが適切であるかについて通期の監査活動を通じて確認しているほか、会計監査人を適切に評価するための基準を策定し、品質管理体制の整備および運用状況ならびに当社におけるコーポレート・ガバナンスの担い手としての機能発揮状況等について評価を実施しております。
キ.監査法人の異動
該当事項はありません。
④ 監査報酬の内容等
ア.監査公認会計士等に対する報酬
当社における前連結会計年度の非監査業務の内容は、合意された手続業務であり、当連結会計年度の非監査業務の内容は、経済価値ソルベンシー規制に関する助言業務等であります。
また、当社の連結子会社における前連結会計年度の非監査業務の内容は、分別管理の法令遵守に関する保証業務であり、当連結会計年度の非監査業務の内容は、経済価値ソルベンシー規制に関する助言業務等であります。
イ.監査公認会計士等と同一のネットワーク(Ernst&Young)に対する報酬(ア.を除く)
当社における前連結会計年度の非監査業務の内容は、海外支店におけるアクチュアリーレポートの作成業務等であり、当連結会計年度の非監査業務の内容は、子会社管理に関する助言業務等であります。
また、当社の連結子会社における前連結会計年度および当連結会計年度の非監査業務の内容は、アクチュアリーレポートの作成業務や税務関連の助言業務等であります。
ウ.その他重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
エ.監査報酬の決定方針
該当事項はありませんが、当社の規模・特性・監査日数等を勘案し、監査等委員会の同意を得たうえで決定しております。
オ.監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況および報酬見積りの算出根拠などが適切であるかどうかについて必要な検証を行ったうえで、会計監査人の報酬等の額について同意の判断をしております。
(4) 【役員の報酬等】
該当事項はありません。
(5) 【株式の保有状況】
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表および財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」といいます。)第312条の規定により、国際財務報告基準(以下「IFRS」といいます。)に準拠して作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)第2条の規定に基づき、同規則および「保険業法施行規則」(平成8年大蔵省令第5号)に準拠して作成しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)の連結財務諸表および事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するために、会計基準等の内容を適切に把握することまたは会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制の整備を目的として、公益財団法人財務会計基準機構に加入し、同法人の行うセミナー等に参加しております。
4.IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行うため、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針書を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
損害保険ジャパン株式会社(以下「当社」といいます。)は日本国に拠点を置く株式会社であり、登記上の本社の住所は、東京都新宿区西新宿一丁目26番1号であります。
当社グループの連結財務諸表は、当社および子会社ならびに関連会社に対する持分で構成されております。当社グループの事業内容は、注記「5.セグメント情報」に記載しております。
2.連結財務諸表作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨および初度適用に関する事項
当社の連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。当社は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第312条の規定を適用しております。当社グループは2025年3月31日に終了する連結会計年度にIFRSを初めて適用し、IFRSへの移行日は、2023年4月1日であります。
当社グループはIFRSへの移行にあたり、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下「IFRS第1号」といいます。)を適用しております。また、IFRSへの移行が当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に与える影響は、注記「38.IFRSへの移行に関する開示」に記載しております。
本連結財務諸表は、2025年6月30日に、代表取締役社長 石川耕治によって承認されております。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」に記載のとおり、保険契約、金融商品およびトルコにおける超インフレ会計の適用等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 表示通貨および表示単位
連結財務諸表は当社の機能通貨である円(百万円単位、単位未満切捨て)で表示しております。
(4) 新会計基準等の早期適用
連結財務諸表の作成において、早期適用した新会計基準等はありません。
(5) 未適用の公表済み基準書および解釈指針
当社グループの連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書および解釈指針は、次のとおりであります。なお、これらの適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
3.重要性がある会計方針
連結財務諸表の作成にあたり適用した重要性がある会計方針は次のとおりであります。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは当社グループにより支配されている企業であり、当社グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有しており、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、その企業を支配していると判断しております。
なお、当社グループの連結財務諸表には、当社および子会社が支配するストラクチャード・エンティティの勘定をすべて含んでおります。ストラクチャード・エンティティとは、議決権または類似の権利が支配の有無の判定において決定的な要因とならないように設計された事業体であります。当社および子会社は、ストラクチャード・エンティティに対する支配の有無を、議決権または類似の権利の保有割合に加え、投資先に対する契約上の取決めなどを勘案して総合的に判定し、支配を有するストラクチャード・エンティティを連結しております。
当社および当社が直接または間接に支配する子会社について、当社が支配を獲得した日から、当社が支配を喪失する日まで連結しており、すべての重要な連結会社間の債権・債務残高および取引高は、連結財務諸表作成にあたり消去しております。
② 関連会社および共同支配の取決め
関連会社とは、当社グループがその経営および財務の方針に関する経営管理上の意思決定に対して、重要な影響力を有するが、支配的持分は有しない企業をいいます。一般的に、当社グループが議決権の20%から50%を保有する場合には、重要な影響力があると推定されております。当社グループが重要な影響力を有しているか否かの評価にあたり考慮されるその他の要因には、取締役会への役員の派遣等があります。これらの要因が存在する場合には、当該企業に対する当社グループの投資が議決権株式の20%未満であったとしても、当社グループが重要な影響力を有することがあります。
なお、当社は、日本地震再保険株式会社の議決権の26.6%を所有しておりますが、同社事業の公共性を踏まえ、同社の財務および営業または事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができないと判断されることから、関連会社から除いております。
共同支配とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有であり、取決めの変動リターンに重要な影響を及ぼす活動に関する意思決定に、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。共同支配の取決めへの投資は、各投資家が有する契約上の権利および義務に基づいて、共同支配事業か共同支配企業のいずれかに分類されます。共同支配事業とは、取決めに対する共同支配を有する当事者が、当該取決めに関する資産に対する権利および負債に対する義務を有している場合の共同支配の取決めであり、共同支配企業とは、取決めに対する共同支配を有する当事者が、当該取決めの純資産に対する権利を有している場合の共同支配の取決めをいいます。
関連会社および共同支配企業に対する持分の投資は、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」(以下「IFRS第5号」といいます。)に従って会計処理される、売却目的で保有する資産に分類される場合を除いて、持分法により会計処理しております。関連会社および共同支配企業の経営成績に対する当社グループの持分は、当社グループの会計方針と整合するように修正され、連結損益計算書において持分法による投資損益として認識しております。取引に係る未実現損益は、投資先に対する当社グループの持分の範囲で消去されております。持分法による会計処理では、関連会社および共同支配企業に対する当社グループの投資は、当初、取得原価で計上された後、取得後の純利益または損失に対する当社グループの持分および当該関連会社または共同支配企業の資本または純資産に直接反映されたその他の変動に対する当社グループの持分を反映して、増額または減額されております。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債および当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定しております。
取得日において識別可能な資産および負債は、以下を除き、取得日における公正価値で測定しております。
・繰延税金資産または繰延税金負債および従業員給付契約に関連する負債または資産は、それぞれIAS第12号「法人所得税」およびIAS第19号「従業員給付」に従って認識し測定しております。
・株式報酬に関連する負債は、IFRS第2号「株式に基づく報酬」に従って認識し、測定しております。
・IFRS第5号に従って売却目的に分類される資産または処分グループは、当該基準書に従って測定しております。
・IFRS第17号「保険契約」(以下「IFRS第17号」といいます。)の範囲に含まれる契約グループは、当該基準書に従って測定しております。
のれんは、取得対価、取得日時点で測定した被取得企業の非支配持分の金額および当社グループが以前より保有していた被取得企業に対する持分の支配獲得日における公正価値の合計が、取得日時点における識別可能な資産および負債の正味価額を上回る場合に、その超過額として測定しております。この差額が負の金額である場合には、ただちに純損益として認識しております。非支配持分は、公正価値で測定するか、または被取得企業の識別可能な純資産の比例持分で測定するかを、取得日に個々の企業結合ごとに選択しております。
企業結合を達成するために発生した取得関連コストは、発生時に費用として認識しております。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レートにより機能通貨に換算しております。外貨建の貨幣性資産および負債は、期末日における為替レートにより換算しております。公正価値で測定される外貨建の非貨幣性資産および負債は、公正価値が測定された日における為替レートにより機能通貨に換算しております。
外貨建の貨幣性資産および負債の換算および決済により生じる為替換算差額は、発生する期間の純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産(以下「FVTOCI」といいます。)のうち資本性のものおよびキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる為替換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産および負債(取得により発生したのれんおよび公正価値の調整を含む)については、決算日における為替レートにより表示通貨に換算しております。在外営業活動体の収益および費用は、その期間中の為替レートが著しく変動していない限り、期中平均為替レートで表示通貨に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の持分全体の処分および支配、重要な影響力または共同支配の喪失を伴う持分の一部処分の発生時に、当該為替換算差額は処分損益の一部として純損益で認識しております。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(5) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(a) 当初認識および測定
非デリバティブ金融資産は、金融資産を契約条項の当事者となった時点で当初認識しております。すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定(以下「FVTPL」といいます。)される場合を除き、公正価値に取引コストを加算した金額で当初測定しております。
当初認識時において、非デリバティブ金融資産を償却原価で測定される金融資産、FVTOCIまたはFVTPLに分類しております。
償却原価で測定される金融資産
以下の要件を満たす場合には、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
FVTOCI
(ⅰ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産(以下「負債性FVTOCI」といいます。)
以下の要件を満たす場合には、負債性FVTOCIに分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産(以下「資本性FVTOCI」といいます。)
当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をした資本性金融資産については、資本性FVTOCIに分類しております。
FVTPL
償却原価で測定される金融資産またはFVTOCI以外の金融資産は、FVTPLに分類しております。
ただし、純損益を通じて公正価値で測定しない金融資産について、FVTPLとして指定することにより、会計上のミスマッチを除去または大幅に低減する場合には、当初認識時にFVTPLとして指定する取消不能な選択をする場合があります。
(b) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
償却原価で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産については、実効金利法による償却原価で測定しております。また、償却原価で測定する金融資産に係る利息発生額は連結損益計算書の「金利収益」に含まれております。
FVTOCI
(ⅰ)負債性FVTOCI
負債性FVTOCIについては、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は、減損損失(戻入)および為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止が行われるまで、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、過去に認識したその他の包括利益累積額は純損益に振り替えております。
(ⅱ)資本性FVTOCI
資本性FVTOCIについては、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、過去に認識したその他の包括利益累積額は利益剰余金に直接振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については純損益として認識しております。
FVTPL
FVTPLについては、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(c) 認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合または契約上のキャッシュ・フローを受け取る権利を譲渡することにより、実質的に所有に伴うすべてのリスクと経済価値が移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しております。
② 非デリバティブ金融負債
(a) 当初認識および測定
非デリバティブ金融負債は、当社グループが発行した負債性金融商品をその発行日に当初認識しており、その他のすべての金融負債を当社グループが当該金融負債の契約当事者になる取引日に当初認識しております。すべての金融負債は、公正価値から取引コストを控除した金額で当初測定しております。
当初認識時において、非デリバティブ金融負債を償却原価で測定される金融負債に分類しております。
(b) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、償却原価で測定される金融負債については、実効金利法による償却原価で測定しております。また、償却原価で測定する金融負債に係る利息発生額は連結損益計算書の「その他の金融費用」に含めております。
(c) 認識の中止
金融負債は消滅した時点、すなわち契約中に特定された債務が免責、取消しまたは失効となった時点で認識を中止しております。
③ 金融資産および金融負債の相殺
金融資産および金融負債は、認識している金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ、純額ベースで決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
④ 金融資産の減損
償却原価で測定される金融資産または負債性FVTOCIに係る予想信用損失に対する信用損失引当金を認識しております。ただし、負債性FVTOCIに対する信用損失引当金は、その他の包括利益で認識しております。
当社グループは、期末日ごとに金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかを評価しております。当該評価を行う際には、金融資産の債務不履行発生のリスクを期末日現在と当初認識日現在で比較し、当初認識以降の信用リスクの著しい増大を示す、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しております。
なお、当社グループは、金融資産に係る信用リスクが期末日現在で低いと判断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと推定しております。
金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る信用損失引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増加していない場合には、12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
当社グループは、金融資産の予想信用損失を次のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の予測についての、期末日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
予想信用損失は、金融資産の予想存続期間にわたる信用損失の確率加重した見積りであります。信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値であります。
金融資産の予想信用損失は、減損損失として純損益に認識しております。減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を純損益として戻し入れしております。
また、当社グループは、金融資産の全体または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
⑤ デリバティブおよびヘッジ会計
当社グループは、為替リスクや金利リスクなどをヘッジするために、為替予約、通貨スワップ、通貨オプション、金利スワップおよび株価指数先物などのデリバティブを利用しております。当該デリバティブは、FVTPLに分類し、契約が締結された時点の公正価値で当初測定し、その後も公正価値で事後測定しております。
デリバティブの公正価値の変動額は、純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しております。
(a) ヘッジ会計の適格要件
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計の適格要件を満たすかどうかを評価するために、取引開始時にヘッジ手段とヘッジ対象との関係ならびに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的および戦略について文書化しております。また、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値またはキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し、ヘッジ有効性の要求をすべて満たしているかどうかを判定する方法は、ヘッジ開始時に文書化しており、継続的な評価を実施しております。なお、ヘッジ有効性の継続的な評価は、各期末日またはヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった時のいずれか早い方において行っております。
(b) 適格なヘッジ関係の会計処理
ヘッジ会計の適格要件を満たすヘッジ関係については、次のように会計処理しております。
公正価値ヘッジ
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額は、純損益として認識しております。ヘッジ対象に係る公正価値の変動額のうち、ヘッジ対象のリスクに起因する利得または損失は帳簿価額を調整するとともに純損益として認識しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額のうち、有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分はただちに純損益として認識しております。なお、通貨スワップに係る通貨ベーシス・スプレッド部分はヘッジ手段から除外し、ヘッジコストとしてその他の包括利益で認識し、累積額はその他の資本の構成要素に含めております。
ヘッジされた予定取引がその後に非金融資産もしくは非金融負債の認識を生じる場合または非金融資産もしくは非金融負債に係るヘッジされた予定取引が公正価値ヘッジの適用される確定約定となった場合、その他の包括利益を通じて認識した利得または損失の累積額を直接、当該資産または負債の当初原価またはその他の帳簿価額に振り替えております。
上記以外のキャッシュ・フロー・ヘッジは、その他の包括利益を通じて認識した利得または損失の累積額をヘッジされた予想将来キャッシュ・フローが純損益に影響を与えるのと同じ期間に純損益に振り替えております。
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額のうち、発生した非有効部分はただちに純損益に計上しております。
ヘッジ会計を中止する場合、その他の包括利益を通じて認識した利得または損失の累積額は、ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生が依然見込まれる場合には、当該キャッシュ・フローが発生するまでその他の資本の構成要素に残し、ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生がもはや見込まれない場合には、ただちに純損益に振り替えております。
(6) 有形固定資産(使用権資産を除く)
① 認識および測定
有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した額で計上しております。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去および土地の原状回復費用が含まれております。有形固定資産の処分損益(処分により受け取る金額の純額と有形固定資産の帳簿価額との差額として算定)は、その他の収益またはその他の費用として純損益で認識しております。
② 減価償却
有形固定資産項目は、償却可能額(取得原価から残存価額を控除した金額)を規則的にその耐用年数にわたって減価償却しております。当社グループは、資産から得ることができる将来の経済的便益の消費パターンを反映した方法として主として定額法によっております。
有形固定資産項目の減価償却は、資産の稼動が可能になった時より開始し、資産が消滅(滅却もしくは売却)または売却目的で保有する資産に分類された日のいずれか早い日に終了します。
重要な有形固定資産項目の見積耐用年数は、次のとおりであります。なお、見積耐用年数、残存価額および減価償却方法は、期末日ごとに見直しており、見積りの変更による影響は、見積りを変更した期間および将来の期間において認識しております。
・建物 3年~75年
・その他 2年~20年
(7) 無形資産
無形資産は原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した額で計上しております。個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。
内部利用目的のソフトウェアを開発するための支出については、信頼性をもって測定可能であり、将来の経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用または販売する意図およびそのための十分な資源を有している場合に限り自己創設無形資産として資産計上しております。
資産計上したソフトウェアに係る支出は、取得価額から償却累計額および減損損失累計額を控除した額で計上しております。
耐用年数を確定できない無形資産および未だ使用可能でない無形資産は、償却しておりません。耐用年数を確定できない無形資産は、当該資産の耐用年数を確定できないものと判断する事象または状況が引き続き存在しているか否かについて、期末日ごとに見直しを行っております。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの耐用年数にわたり定額法で償却しております。償却方法、耐用年数および残存価額は、期末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しております。
主な耐用年数は次のとおりであります。
・ソフトウェア 5年~10年
・その他の無形資産 2年~20年
減損については、「(10)非金融資産の減損」に記載しております。
(8) のれん
当初認識時におけるのれんの測定については、「(2)企業結合」に記載しております。当初認識後ののれんについては償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しております。減損については、「(10)非金融資産の減損」に記載しております。
(9) リース
契約の開始時に、当該契約がリースであるか、またはリースを含んだものであるかを判定し、使用権資産およびリース負債を認識しております。使用権資産は、契約開始日に取得原価で当初測定しており、その取得原価は、リース負債の金額および発生した初期直接コスト等から構成されております。リース負債は、契約開始日における未払リース料を、追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しております。
開始日後においては、使用権資産は、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早い時点まで、定額法により減価償却しております。使用権資産の耐用年数は、有形固定資産の耐用年数と同じ基準で決定しております。また、リース負債は、実効金利法を用いて測定しており、リースの条件変更または見直しを反映するように再測定しております。
当社グループは、連結財政状態計算書において、使用権資産を「有形固定資産」に、リース負債を「その他の負債」に含めて表示しております。
なお、リース期間が12か月以内の短期リースおよび少額資産のリースに係る使用権資産およびリース負債を認識しないことを選択しており、リース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
(10) 非金融資産の減損
繰延税金資産を除く非金融資産について、期末日ごとに減損している可能性を示す兆候があるか否かを判断しております。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれんおよび耐用年数を確定できないまたは未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同時期に見積っております。
回収可能価額は、資産または資金生成単位の使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローの見積額を貨幣の時間的価値および当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。減損損失は、資産または資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に、純損益として認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、最初に、その単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額し、次に、当該資金生成単位内の各資産の帳簿価額に基づいた比例按分により、当該単位の中の他の帳簿価額を減額するように配分しております。
のれんに関する減損損失については、戻し入れておりません。過去の期間において、のれん以外の資産について認識した減損損失は、期末日ごとに、損失の減少または消滅を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れております。減損損失の戻入れについては、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費または償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限としております。
持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは別個に認識されておらず、個別に減損テストを実施しておりませんが、持分法適用会社に対する投資の総額を単一の資産として、持分法適用会社に対する投資が減損しているかもしれないという客観的な証拠が存在する場合に、減損テストの対象としております。
(11) 保険契約および再保険契約
① 分類
保険契約者または他の保険会社から重大な保険リスクを引き受けている契約を保険契約として分類しており、また、基礎となる保険契約に係る重大な保険リスクを移転している契約を再保険契約として分類しております。また、保険契約および再保険契約により金融リスクにもさらされております。これらの契約の一部には、保険料配分アプローチ(Premium Allocation Approach)(以下「PAA」といいます。)を適用して測定しております。
なお、直接連動有配当保険契約として分類している保険契約はありません。
② 集約のレベル
保険契約はグループごとに集約して測定しており、保険契約グループは保険契約ポートフォリオに基づいて決定しております。類似したリスクにさらされ、一括して管理されている複数の契約により構成された各ポートフォリオは、契約の発行年月およびその収益性に基づき、少なくとも次のグループに分割しております。
・当初認識時に不利な契約グループ
・当初認識時において、その後に不利となる可能性が高くない契約グループ
・その他の契約グループ
また、再保険契約についても同様に、少なくとも次のグループに分割しております。
・当初認識時に正味の利得が存在する契約グループ
・当初認識時において、その後に正味の利得が発生する可能性が高くない契約グループ
・その他の契約グループ
③ 当初認識
発行した保険契約グループを次のうちの最も早い日から認識しております。
・契約グループのカバー期間の開始時
・契約グループ内の保険契約者からの初回支払期日
・事実および状況が保険契約の属するグループが不利であることを示している日
ただし、契約上の支払期日がない場合には、保険契約者から最初の支払を受けた日をその支払期日とみなしております。
また、次の日において再保険契約グループを認識しております。
・比例的なカバーを提供する再保険契約については、基礎となる保険契約の当初認識日
・その他の再保険契約については、再保険契約グループのカバー期間の開始日
ただし、カバー期間の開始前から基礎となる不利な保険契約グループを認識し、関連する再保険契約がそれ以前に締結されていた場合、再保険契約グループは、その保険契約グループの当初認識日に認識しております。
④ 契約の境界線
契約グループの測定においては、契約の境界線内の将来キャッシュ・フローのすべてを含めております。
保険契約グループについては、保険契約者に保険料の支払を強制できる報告期間中またはサービスを提供する実質的な義務を有している報告期間中に存在する実質的な権利および義務から生じるキャッシュ・フローは、契約の境界線内にあると判断しております。サービスを提供する実質的な義務は、次のいずれかの場合に終了すると判断しております。
・特定の保険契約者のリスクを再評価する実務上の能力を有していて、その再評価したリスクを完全に反映する価格または給付水準を設定できる場合
・当該契約を含むポートフォリオのリスクを再評価する実務上の能力を有していて、そのポートフォリオのリスクを完全に反映する価格または給付水準を設定でき、かつ、その再評価日までの保険料の価格設定にその再評価日後の期間に係るリスクが考慮されない場合
また、再保険契約グループについては、再保険者から支払を強制される報告期間中または再保険者からサービスを受領する実質的な権利を有している報告期間中に存在する実質的な権利および義務から生じるキャッシュ・フローは、契約の境界線内にあると判断しております。再保険者からサービスを受領する実質的な権利は、次のいずれかの場合に終了すると判断しております。
・再保険者が、移転されたリスクを再評価する実務上の能力を有していて、その再評価したリスクを完全に反映する価格または給付水準を設定できる場合
・再保険者が、カバーを終了させる実質的な権利を有する場合
⑤ 測定-PAAを適用せずに測定する契約
保険契約
(a) 当初測定
当初認識時に、保険契約グループを、履行キャッシュ・フロー(見積将来キャッシュ・フロー(貨幣の時間価値および関連する金融リスクを反映するように調整)および非金融リスクに係るリスク調整で構成される)ならびに契約上のサービス・マージン(Contractual Service Margin)(以下「CSM」といいます。)の合計額で測定しております。
保険契約グループのCSMは、その契約に基づきサービスを提供するにつれて認識することとなる未稼得利益を表しております。保険契約グループの当初認識時において、履行キャッシュ・フロー、その日に生じたキャッシュ・フローならびに保険獲得キャッシュ・フロー(以下「新契約費」といいます。)に係る資産および当該保険契約グループに係るキャッシュ・フローについて過去に認識した資産または負債の認識の中止から生じた金額の合計が、正味のインフローである場合には、当該保険契約グループは不利な契約ではありません。この場合、CSMはその正味のインフローと同額で正負が逆の金額として測定しており、当初認識時に発生する損益はありません。その合計が正味のアウトフローの場合には、当該保険契約グループは不利な契約グループとなり、その正味のアウトフローは、当初認識時に損失として純損益で認識しております。
(b) 事後測定
期末日現在における保険契約グループの帳簿価額は、残存カバーに係る負債と発生保険金に係る負債の合計であります。残存カバーに係る負債は、将来の期間において契約に基づき提供されることとなるサービスに係る履行キャッシュ・フローおよび期末日の残存CSMで構成されております。発生保険金に係る負債は、まだ支払われていない発生保険金(発生しているがまだ報告されていない保険金を含む)および関連する費用に係る履行キャッシュ・フローで構成されております。
保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、期末日時点で、将来キャッシュ・フローに関する現在の見積り、現在の割引率および非金融リスクに係るリスク調整に関する現在の見積りを用いて測定されております。なお、当初認識後の各契約グループに係るCSMを報告期間ごとに計算しており、その後の報告期間において、従前行われた会計上の見積りの取扱いを変更しない会計方針を採用しております。
期末日におけるCSMの帳簿価額は、期首における帳簿価額を、次の項目で調整した金額であります。
・当期中にグループに加えられた新契約のCSM
・当期中にCSMの帳簿価額に対して発生し、計上した利息(当初認識時に決定した割引率で測定)
・将来のサービスに係る履行キャッシュ・フローの変動(ただし、次の場合を除く)
-履行キャッシュ・フローの増加がCSMの帳簿価額を上回り、損失要素が発生した場合(超過額は損失として純損益で認識)
-履行キャッシュ・フローの減少が損失要素に配分される場合(過去に純損益で認識した損失の戻入れが発生)
・CSMに係る為替換算差額の影響
・当期間にサービスを提供したことにより、保険収益として認識した金額
再保険契約
当社グループは、原則として保険契約グループと同一の会計方針を適用して再保険契約グループを測定しておりますが、一部の測定方法については保険契約グループと異なっております。
将来キャッシュ・フローの見積りにおいては基礎となる保険契約グループの見積りに用いた仮定と首尾一貫した仮定を利用しておりますが、保険契約グループとは異なり、再保険者の不履行リスクに関する調整を考慮しております。再保険者の不履行リスクの影響は期末日ごとに評価し、その不履行リスクの変動の影響は純損益で認識しております。また、再保険契約グループは、不利になることはありません。
再保険契約グループが、基礎となる不利な保険契約グループの認識以前またはそれと同時に締結されている場合には、その保険契約グループの当初認識時に計上される損失に対して、再保険契約グループのCSMを調整し、収益を認識しております。
損失回収要素は、再保険契約グループにおけるCSMの調整を表すものとして、次の項目を乗じて設定しており、その後の変動に応じて調整しております。
・基礎となる保険契約グループについて認識した損失
・基礎となる保険契約グループに係る保険金請求のうち、保有している再保険契約グループから回収できると見込む割合
⑥ 測定-PAAを適用して測定する契約
次のいずれかに該当する契約グループには、原則としてPAAを適用しております。
・契約グループ内の各契約のカバー期間が1年以内である契約グループ
・PAAを適用して測定した結果が、上記⑤の測定を適用した結果と重要な相違がないと合理的に予想される契約グループ
保険契約
各保険契約グループの当初認識時の残存カバーに係る負債の帳簿価額は、当初認識時に受け取った保険料により測定しており、新契約費および新契約費に係る資産や当該保険契約グループに係るキャッシュ・フローについて過去に認識した資産または負債の認識の中止から生じた金額は残存カバーに係る負債から控除しております。なお、新契約費については、保険契約グループに規則的かつ合理的な方法で配分しております。
残存カバーに係る負債の帳簿価額は、事後測定において受け取った保険料および費用として認識した新契約費の償却によって増加し、提供したカバーについて保険収益として認識した金額および当初認識後に配分された追加的な新契約費により減少しております。また、重大な金融要素がある場合には、残存カバーに係る負債について貨幣の時間価値および金融リスクの影響を反映するような調整を行っております。
カバー期間中のいずれかの時点で、保険契約グループが不利であることを事実および状況が示している場合には、残存カバーに係る履行キャッシュ・フローの現在の見積りが残存カバーに係る負債の帳簿価額を上回る範囲で、損失を純損益で認識し、残存カバーに係る負債を増額しております。この履行キャッシュ・フローには貨幣の時間価値および金融リスクの影響を反映しております。
保険契約グループの発生保険金に係る負債については、発生保険金に関連する履行キャッシュ・フローの金額で認識しております。その履行キャッシュ・フローは、保険金請求の発生日から1年以内に支払われる見込みがない場合には、現在の割引率で割引計算をしております。
再保険契約
原則として保険契約グループと同一の会計方針を適用して再保険契約グループを測定しておりますが、必要に応じて保険契約グループと異なる特徴を反映するように調整を行っております。損失回収要素が、PAAを適用して測定した再保険契約グループに対して発生する場合には、CSMを調整する代わりに、残存カバーに係る資産の帳簿価額を調整しております。
⑦ 認識の中止および契約の条件変更
契約が消滅する場合(すなわち、契約で定められた義務の失効、免責または取消しがあった場合)のほか、会計処理を著しく変化させるような契約の条件変更があった場合に、契約の認識の中止を行っております。
⑧ 表示
資産である保険契約のポートフォリオおよび負債である保険契約のポートフォリオならびに資産である再保険契約のポートフォリオおよび負債である再保険契約のポートフォリオは、連結財政状態計算書において区分して表示しております。また、連結損益計算書および連結包括利益計算書において認識した金額を、保険サービス損益(保険収益と保険サービス費用で構成)および保険金融収益または費用に区分して表示しております。
再保険契約からの収益および費用は、保険契約からの収益および費用と区分して表示しており、保険金融収益または費用を除いて、「再保険損益」として純額で保険サービス損益に表示しております。
非金融リスクに係るリスク調整の変動は、保険サービス損益と保険金融収益または費用とに分解しております。
(a) 保険収益
保険収益は、投資要素を除外し、次のように認識しております。
PAAを適用せずに測定する契約
保険収益は、保険契約グループに基づくサービスの提供に応じて認識しており、対価を受け取ることを見込むサービスに関連する残存カバーに係る負債の変動の合計を表しております。
また、保険料のうち新契約費の回収に関連する部分を、時の経過に基づいて規則的な方法で各期間に配分しており、配分した金額は保険収益として認識し、同額を保険サービス費用として認識しております。
保険収益として認識するCSMは、保険契約グループのカバー単位に基づいており、期末日に残存するCSM(配分前)を当期間に提供した各カバー単位と将来の期間に提供することが見込まれる各カバー単位に同等に配分することによって決定しております。カバー単位の数は、保険契約グループ内の契約によって提供されるサービスの量であり、提供される給付の量およびカバーの予想存続期間を考慮して決定しております。なお、カバー単位は各期末日において見直し、更新しております。
不利な保険契約グループの残存カバーに係る負債の損失要素を設定しており、不利な保険契約グループに基づくサービスの提供に応じて、履行キャッシュ・フローを損失要素と損失要素以外の残存カバーに係る負債とに規則的な方法で配分し、損失要素に係る履行キャッシュ・フローの金額については保険収益の認識において除外しております。
不利な保険契約グループにおいては、将来のサービスに係る履行キャッシュ・フローの変動は、損失要素のみに配分しております。損失要素がゼロまで減額された後は、当該保険契約グループについてCSMが新たに認識されることになります。
PAAを適用して測定する契約
各期間の保険収益は、当期間のサービスの提供に対して予想される保険料の受取額であり、予想される保険料の受取額を、原則として時の経過に基づいて各期間に配分しております。
(b) 保険サービス費用
保険サービス費用は、投資要素の返済を除外した次の項目から構成されており、原則として発生時に純損益に認識しております。
・発生保険金およびその他費用
・新契約費償却額
・不利な契約に係る損益(将来のサービスに関する変動)
・発生保険金に係る負債の変動(過去のサービスに関する変動)
(c) 再保険損益
再保険損益は、再保険者からの回収額から支払再保険料の配分額を控除した金額であります。
再保険契約グループに基づくサービスを受け取る際に、支払再保険料の配分額を認識しております。PAAを適用せずに測定する契約の場合、各期間に受け取ったサービス(支払再保険料の配分額)は、対価を支払うことを見込んでいるサービスに関連する残存カバーに係る資産の変動の合計を表しております。
PAAを適用して測定する契約の場合、各期間の支払再保険料の配分額は、当期間のサービスの受取に対して予想される保険料の支払額であります。
なお、基礎となる不利な保険契約グループをカバーする再保険契約グループについて、認識された損失の回収を表すため、次のとおり、残存カバーに係る資産の損失回収要素を設定および修正しております。
・基礎となる不利な保険契約グループをカバーする再保険契約が、基礎となる不利な保険契約の認識と同時にまたはそれ以前に締結されている場合には、当該再保険契約グループについて、基礎となる不利な保険契約の認識時に損失回収要素を設定しております。
・基礎となる不利な保険契約グループの履行キャッシュ・フローの変動により損失要素が発生または変動した場合には、将来のサービスに関連する再保険契約グループの履行キャッシュ・フローの変動について、損失回収要素を設定および修正しております。
当該再保険契約グループに基づくサービスの受取に応じて、残存カバーに係る資産を損失回収要素と損失回収要素以外の残存カバーに係る資産とに規則的かつ合理的に配分し、損失回収要素の変動額については支払再保険料の配分額から除外しております。
(d) 保険金融収益または費用(再保険金融収益または費用を含む)
保険金融収益または費用は、貨幣の時間価値および金融リスクならびにこれらの変動の影響から生じた、保険契約グループおよび再保険契約グループの帳簿価額の変動で構成されております。
原則として保険金融収益または費用を純損益とその他の包括利益とに分解することを選択しており、純損益に含める金額は、見込まれる保険金融収益または費用の合計額を契約グループの存続期間にわたり規則的に配分することによって算定しております。残存カバーに係る資産または負債に対しては、対象となる保険契約グループのほとんどについて、金融リスクに関連する仮定の変更が保険契約者に支払われる金額に相当な影響を与えないことから、規則的な配分額を、契約グループの当初認識時に決定した割引率により算定しております。また、発生保険金に係る資産または負債に対しては、発生保険金に係る資産または負債を認識したタイミングで決定した割引率を用いて算定しております。
(12) 従業員給付
① 確定給付制度
確定給付負債(資産)の純額は、確定給付制度の現在価値から、制度資産の公正価値(必要な場合には、資産上限の影響を考慮する)を控除したものであり、退職給付に係る資産または負債として連結財政状態計算書で認識しております。確定給付制度債務の現在価値および関連する当期勤務費用および過去勤務費用は予測単位積増方式に基づき、制度ごとに算定しております。割引率は、制度ごとの将来の給付支払見込日までの期間をもとに割引期間を設定し、当該割引期間に対応した決算期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき設定しております。
退職給付に係る負債(資産)の純額の再測定はその他の包括利益で認識し、発生した期においてただちに利益剰余金に振り替えております。再測定は、数理計算上の差異ならびに純利息費用に含まれる部分を除く、制度資産に係る収益および資産上限額の影響の変動で構成されます。また、勤務費用および純利息費用は発生した期に純損益として認識し、過去勤務費用は制度改訂もしくは縮小が発生した時または関連するリストラクチャリング費用もしくは解雇給付を認識した時の、いずれか早い方の期において純損益として認識しております。
② 確定拠出制度
当社および一部の子会社は、確定拠出年金制度を設けております。確定拠出年金は、雇用主が一定額の掛金を定期的に従業員の個人口座に拠出し、その拠出額以上の支払については法的または推定的債務を負わない退職後給付制度であります。このため、確定拠出制度への拠出は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識しております。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しております。
賞与については、その支払を行う現在の法的または推定的債務を負っており、かつ、その金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、その制度に基づいて支払われる将来給付額を負債として認識しております。
④ その他の長期従業員給付
退職給付以外の長期従業員給付として、一定の勤続年数に応じた長期休暇制度や累積型有給休暇制度を有しております。
当該長期従業員給付に対する債務は、従業員が過年度および当年度において提供したサービスの対価として稼得した将来給付額を見積もり、金額に重要性がある場合を除き割引計算は行わず、負債として認識しております。
(13) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として現在の法的または推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益の流出が生じる可能性が高く、かつ、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合には、当該引当金は債務の決済に必要と予想される支出額の現在価値で測定しております。現在価値は、貨幣の時間的価値とその負債に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用いて計算しております。時の経過に伴う割引額の割戻しは、その他の金融費用として認識しております。
(14) 資本
普通株式
当社が発行する資本性金融商品は、発行価額を資本金および資本剰余金で認識し、直接発行費用は資本剰余金から控除しております。
(15) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金と繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するものおよび直接資本またはその他の包括利益に認識する項目を除き、純損益に認識しております。
① 当期税金
当期税金は、税務当局に対する納付または税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率および税法は、決算日までに制定または実質的に制定されたものであります。
② 繰延税金
繰延税金は、連結会計年度の末日における資産および負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異等に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除および繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産および負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資および共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異のうち、解消する時期をコントロールでき、かつ、予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高いもの
・子会社、関連会社に対する投資および共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が高くないものまたは当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が高くないもの
繰延税金資産および負債は、決算日において制定または実質的に制定されている法人所得税法令に基づいて、繰延税金資産が回収される期または繰延税金負債が決済される期に適用されると見込まれる税率に基づいて算定しております。
繰延税金資産および負債は、当社グループが当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合または異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産および負債を純額ベースで決済することを意図している場合もしくはこれら税金資産および税金負債が同時に実現する予定である場合には、連結財政状態計算書において相殺して表示しております。
(16) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、各報告期間の発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して算定しております。
4.重要な会計上の見積りおよび判断
連結財務諸表の作成において、経営者は、当社グループの会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積りおよび仮定の設定を行っており、実際の結果は当該見積りとは異なる可能性があります。見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直されます。見積りの変更による影響は、当該見積りの見直しを行った期および将来に向かって認識されます。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積りおよび判断は、次のとおりであります。
(1) 金融商品の公正価値評価
① 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
注記「11.金融商品の公正価値」に記載しております。
② 見積りの算出方法
注記「11.1 公正価値で測定される金融商品」の「(3) レベル3に関する開示」の「② 観察不能なインプット」および「③ 公正価値の評価プロセス」に記載しております。
③ 金額の算出に用いた主要な仮定
注記「11.1 公正価値で測定される金融商品」の「(3) レベル3に関する開示」の「② 観察不能なインプット」および「③ 公正価値の評価プロセス」に記載しております。
④ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
上記の仮定の前提となる状況の変化により、金融商品の公正価値に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、重要な観察不能インプットが公正価値評価に与える影響については、注記「11.1 公正価値で測定される金融商品」の「(3) レベル3に関する開示」の「④ 観察不能なインプットの影響」に記載しております。
(2) のれんの減損
① 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
注記「14.のれん及び無形資産」に記載しております。
② 見積りの算出方法
注記「14.のれん及び無形資産」に記載しております。
③ 金額の算出に用いた主要な仮定
注記「14.のれん及び無形資産」に記載しております。
④ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
上記の仮定の前提となる状況の変化により、のれんの減損に係る回収可能価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、回収可能価額の変動がのれんの減損に与える影響については、注記「14.のれん及び無形資産」に記載しております。
(3) 保険契約および再保険契約に係る履行キャッシュ・フローの見積り
① 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
注記「17.保険契約および再保険契約」に記載しております。
② 見積りの算出方法
注記「17.1 保険契約および再保険契約の測定に使用したインプット、仮定および見積技法」に記載しております。
③ 金額の算出に用いた主要な仮定
注記「17.1 保険契約および再保険契約の測定に使用したインプット、仮定および見積技法」に記載しております。
④ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
上記の仮定の前提となる状況の変化により、履行キャッシュ・フローの見積り金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。こうした前提の変化が税引前利益および税引前その他の包括利益に与える影響については、注記「36.2 保険リスク」に記載しております。
5.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社ならびに子会社および関連会社は、親会社であるSOMPOホールディングス株式会社の経営方針のもと、それぞれの事業における戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは、当社ならびに個々の子会社および関連会社を最小単位とした事業別のセグメントから構成されており、「国内損害保険事業」および「海外保険事業」の2つを報告セグメントとしております。なお、報告セグメントに含まれていない確定拠出年金事業等は「その他」の区分としております。
「国内損害保険事業」は、主として日本国内の損害保険引受業務、資産運用業務およびそれらに関連する業務を、「海外保険事業」は、主として海外の保険引受業務および資産運用業務をそれぞれ行っております。
(2) 報告セグメントごとの収益、利益または損失その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、注記「3. 重要性がある会計方針」における記載と同一であります。報告セグメントの利益または損失は親会社の所有者に帰属する当期利益をベースとした数値としております。
セグメント間の内部収益は、第三者間取引価格等に基づいております。
(3) 報告セグメントごとの収益、利益または損失その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注1)収益は、保険事業にあっては保険収益、その他の事業にあってはその他の営業収益、連結財務諸表計上額にあっては保険収益とその他の営業収益の合計金額を記載しております。
(注2)「その他」の区分は報告セグメントに含まれていない事業セグメントであり、確定拠出年金事業等であります。
(注3)減価償却費及び償却費、資本的支出には、使用権資産に係る金額が含まれております。
(注4)収益の調整額は、国内損害保険事業および海外保険事業に係るその他の営業収益1,540百万円およびセグメント間取引消去△51,112百万円であります。セグメント利益の調整額は、全額セグメント間取引消去によるものであります。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1)収益は、保険事業にあっては保険収益、その他の事業にあってはその他の営業収益、連結財務諸表計上額にあっては保険収益とその他の営業収益の合計金額を記載しております。
(注2)「その他」の区分は報告セグメントに含まれていない事業セグメントであり、確定拠出年金事業等であります。
(注3)減価償却費及び償却費、資本的支出には、使用権資産に係る金額が含まれております。
(注4)収益の調整額は、国内損害保険事業および海外保険事業に係るその他の営業収益1,410百万円およびセグメント間取引消去△52,962百万円であります。セグメント利益の調整額は、全額セグメント間取引消去によるものであります。
(4) 製品およびサービスごとの情報
(注)主に海外保険事業における保険収益であり、農業保険、賠償責任保険などが含まれております。
(5) 地域ごとの情報
① 収益
(注1)主に顧客の所在地を基礎とした社内管理区分により分類しております。
(注2)連結損益計算書における保険収益およびその他の営業収益の合計金額を記載しております。
② 非流動資産
(注)主に各社の所在地を基礎とした社内管理区分により分類しております。
(6) 主要な顧客ごとの情報
該当事項はありません。
6.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、次のとおりであります。
現金及び現金同等物の範囲
当社グループでは、連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物を、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動において僅少なリスクしか負わない取得日から満期日または償還日までの期間が3か月以内の定期預金等の短期投資としております。また、連結財政状態計算書における「現金及び現金同等物」の残高と一致しております。
非資金取引
前連結会計年度および当連結会計年度における重要な非資金取引については、リース取引による使用権資産の取得が該当し、注記「15.リース」に記載しております。この他に重要な非資金取引はありません。
利用制限
当社および保険子会社は所在国における法令や規制の対象となっており、配当規制等の適用により資金移動が制限される場合がありますが、当社グループの流動性に重要な影響はありません。
7.投資有価証券
投資有価証券の分類別の内訳は、次のとおりであります。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注1)資本性FVTOCI
保険取引の維持や保険販売チャネルにおける関係維持、グループ戦略実現に向けたアライアンス強化等を目的として保有する資本性金融資産については、資本性FVTOCIとして分類しており、主な銘柄および公正価値は下記のとおりであります。
認識を中止した資本性FVTOCIに分類される有価証券の公正価値および累計利得または損失は次のとおりであります。
なお、認識の中止によるその他の包括利益累積額の利益剰余金への税引後振替額(純額)は、前連結会計年度および当連結会計年度でそれぞれ、36,262百万円(利得)および202,206百万円(利得)であります。これらは、公正な競争を阻害する要因となりうる政策保有株式の削減に加え、財務健全性の維持・向上および資本効率の向上等を目的として売却したものであります。
なお、資本性FVTOCIに係る受取配当金のうち、期中に認識を中止した銘柄に係るものは、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ1,155百万円および1,668百万円であります。
(注2)主に投資信託への投資であります。
(注3)負債性FVTOCIに係る予想信用損失
負債性FVTOCIは公正価値で測定されるため、信用損失引当金の金額には負債性FVTOCIに対するものは含まれておりません。負債性FVTOCIに係る信用損失引当金の金額は、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ196百万円、207百万円および183百万円であります。
(注4)予想回収期間による分類
移行日、前連結会計年度末および当連結会計年度末における残高のうち、1年以内に期限が到来するものは、それぞれ166,807百万円、268,557百万円および298,805百万円であります。
8.貸付金等
貸付金等の内訳は、次のとおりであります。
(注)移行日、前連結会計年度末および当連結会計年度末における残高のうち、1年以内に期限が到来するものは、それぞれ319,221百万円、184,835百万円および204,294百万円であります。
9.デリバティブ
当社グループは、為替予約、通貨スワップ、通貨オプション、金利スワップおよび株価指数先物などの様々なデリバティブ取引を行っております。
当社グループは、通常業務として、(a) 金利リスクの管理、(b) 為替リスクの管理および(c) その他の目的でデリバティブを利用しております。これらのデリバティブは当社グループのリスクを経済的にヘッジしておりますが、その一部はIFRS第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」といいます。)におけるヘッジ会計の要件を満たしておりません。このため、ヘッジ会計が適用されるものを除き、連結財政状態計算書に「デリバティブ資産」または「デリバティブ負債」として公正価値で計上されており、公正価値の変動は「その他の投資損益」として連結損益計算書に計上されております。
デリバティブ資産およびデリバティブ負債の内訳は、次のとおりであります。
なお、ヘッジ会計を適用していないデリバティブに係るデリバティブ資産はFVTPLの金融資産、デリバティブ負債はFVTPLの金融負債に分類されております。
10.ヘッジ会計
該当事項はありません。
11.金融商品の公正価値
11.1 公正価値で測定される金融商品
活発な市場で取引される金融資産および金融負債の公正価値は、市場価格に基づいております。その他すべての金融商品については、当社グループはその他の評価技法を用いて公正価値を決定しております。
取引頻度が低く、価格の透明性が低い金融商品の公正価値については、客観性が低く、流動性、集中、市場要因の不確実性、価格設定の仮定および特定の金融商品に影響を与えるその他のリスクにより、様々な判断が求められます。
(1) 公正価値ヒエラルキー
公正価値測定を行ううえで使用するインプットの重要性を反映した以下の公正価値ヒエラルキーを用いて公正価値を分類しております。レベル間の振替は各報告期間の期末時点で発生したものとして認識しております。
レベル1:活発な市場における同一資産・負債の公表された調整前の市場価格
レベル2:レベル1に含まれる市場価格以外のインプットのうち、直接的または間接的に観察可能なもの
レベル3:観察不能なインプット
(2) レベル別開示
公正価値ヒエラルキーにおけるレベルごとの公正価値は、次のとおりであります。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注1)前連結会計年度において、市場における活発な取引が行われなくなったことから、外国債券19,119百万円についてレベル1からレベル2に振り替えております。また、当連結会計年度において、市場における活発な取引が行われなくなったことから、外国債券24,440百万円についてレベル1からレベル2に振り替えております。
(注2)主に投資信託への投資であります。
公正価値の算定に用いた主な評価技法およびインプットは、次のとおりであります。
投資有価証券
活発な市場における無調整の相場価格を利用できるものはレベル1に分類しております。主に上場株式、国債、上場投資信託がこれに含まれます。公表された相場価格を用いていたとしても市場が活発でない場合にはレベル2に分類しております。主に地方債、社債がこれに含まれます。非上場投資信託等については、委託会社から提示された基準価額等によっており、主に信託財産の構成物のレベルに基づきレベル2またはレベル3に分類しております。私募債については、第三者から入手した価格に基づき算出した価額を公正価値としており、入手した価格に使用されたインプットが観察可能なインプットを用いている場合または観察できないインプットの影響が重要でない場合については、レベル2の公正価値に分類しており、重要な観察できないインプットを用いている場合については、レベル3の公正価値に分類しております。買入金銭債権については、第三者から入手した価格に基づき算出した価額を公正価値としており、入手した価格に使用されたインプットに基づきレベル2に分類しております。非上場株式等、活発な市場または活発でない市場における同一銘柄の市場価格が入手できない場合の公正価値は、マルチプル法などの適切な評価技法により測定しており、類似会社における株価純資産倍率および株価収益率などの重要な観察できないインプットを用いていることから、レベル3に分類しております。
デリバティブ
取引所取引については、取引所等における最終の価格をもって公正価値としております。店頭取引については、金利、外国為替相場等のインプットを用いて、将来キャッシュ・フローの割引現在価値やオプション価格計算モデル等により算定した価額をもって公正価値としております。取引所取引については、主にレベル1に分類しております。店頭取引のうち観察可能なインプットを用いている場合または観察できないインプットの影響が重要でない場合については、レベル2に分類しており、重要な観察できないインプットを用いている場合については、レベル3に分類しております。
(3) レベル3に関する開示
① 調整表
レベル3に分類された金融商品の期首と期末との調整表は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1)純損益に認識した利得または損失は、連結損益計算書上の「金利収益」および「その他の投資損益」に含まれております。その他の包括利益に認識した利得または損失は、連結包括利益計算書上の「資本性金融商品に対する投資」および「負債性金融商品に対する投資」に含まれております。
(注2)レベル3からの振替は、投資先が取引所に上場されたこと等に起因するものであります。
(注3)主に投資信託への投資であります。
(注4)連結損益計算書上の「金利収益」および「その他の投資損益」に含まれております。
(注5)純額で表示しております。
② 観察不能なインプット
レベル3に分類された金融商品の測定に用いられた重要な観察不能なインプットに関する情報は、次のとおりであります。
③ 公正価値の評価プロセス
金融商品の公正価値について、グループ各社が定める基本的方針に従い、各担当部署において算定および検証が行われます。算定された結果は、各担当部署における適切な責任者が承認しております。
公正価値の算定にあたっては、個々の資産の性質、特性およびリスクが最も適切に反映されるよう算定しております。また、第三者から入手した相場価格を利用する場合においても、利用されている評価技法およびインプットの確認などの適切な方法により価格の妥当性を検証しております。
④ 観察不能なインプットの影響
レベル3に区分された金融資産を測定するための重要な観察不能なインプットの影響は、次のとおりであります。
非上場株式
マルチプル法により評価される非上場株式の公正価値は、観察不能なインプットである株価純資産倍率および株価収益率の上昇(下落)により、増加(減少)します。また、非流動性ディスカウントの上昇(下落)により、減少(増加)します。
11.2 公正価値で測定されない金融商品
償却原価で測定される金融商品の公正価値を、公正価値ヒエラルキーのレベル別に分析したものは、次のとおりであります。なお、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている項目については、表に含めておりません。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
公正価値の算定に用いた主な評価技法およびインプットは、次のとおりであります。
貸付金等
帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている場合を除き、貸付金等の案件ごとに将来の回収予定キャッシュ・フローを、期間に対応したリスクフリーレートに内部格付けに基づく信用リスクプレミアムと流動性プレミアムを付加した割引率により割り引いた金額としており、レベル3に分類しております。
社債
取引所の価格および業界団体等より公表されている価格等を基に算定した価額をもって公正価値としており、レベル2に分類しております。
借入金
帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている場合を除き、元利金の合計額と、当該債務の残存期間および信用リスクを加味した利率を基に、割引キャッシュ・フロー法により算定しており、レベル2に分類しております。
12.その他の資産および負債
その他の資産の内訳は、次のとおりであります。
その他の負債の内訳は、次のとおりであります。
(注1)主に代理店に対する債権および共同保険における他の引受保険会社に対する債権であります。
(注2)主に共同保険における他の引受保険会社に対する債務であります。
13.有形固定資産
有形固定資産の内訳は、次のとおりであります。
(注)使用権資産に係る定量的な開示は、注記「15.リース」に記載しております。
有形固定資産(使用権資産を除く)の帳簿価額の増減および取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額は、次のとおりであります。
(注1)減損損失については、連結損益計算書における「その他の費用」に計上しております。
(注2)減価償却費については、連結損益計算書における「保険サービス費用」、「投資経費」および「一般管理費」に計上しております。
前連結会計年度および当連結会計年度において、重要な減損損失はありません。
14.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減および取得原価、償却累計額および減損損失累計額は、次のとおりであります。
(注1)減損損失については、連結損益計算書における「その他の費用」に計上しております。
(注2)償却費については、連結損益計算書における「保険サービス費用」および「一般管理費」に計上しております。
前連結会計年度において、海外保険事業のうちリテール事業ののれん全額について減損損失15,375百万円を認識しております。 詳細は、「(2) リテール事業」に記載しております。
当連結会計年度において、のれんの減損損失はありません。
資金生成単位または資金生成単位グループに配分されたのれんの金額は、次のとおりであります。
のれんは資金生成単位または資金生成単位グループごとに帳簿価額と回収可能価額を比較して減損テストを行っており、回収可能価額として使用価値または公正価値のいずれか高い金額を使用しております。使用価値は、経営者が承認した事業計画に基づくキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引くことにより算定しております。また、使用価値の算定に用いる事業計画は5年を上限とし、業界の将来の趨勢に関する経営者の評価や過去の実績および企業内外からの情報に基づき作成しております。使用価値の算定に用いる事業計画を超えて発生すると見込まれるキャッシュ・フローには、資金生成単位グループの市場の長期平均成長率を加味した継続価値を用いております。税引前の割引率は、資金生成単位グループの加重平均資本コストを基礎に算定しております。
(1) コマーシャル事業
回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。
キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定には、保険料増収率、損害率、経費率、資産運用収支および税金が含まれております。
回収可能価額の算定に用いた永久成長率および税引前の割引率について合理的な範囲で変動があった場合でも、回収可能価額が資金生成単位グループの帳簿価額を十分に上回っていることから、重要な減損損失が発生する可能性は低いと判断しております。
(2) リテール事業
回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。
キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定には、保険料増収率、損害率、経費率、資産運用収支および税金が含まれております。
前連結会計年度において、直近の実績を踏まえた最新の事業計画をもとにのれんの減損テストを行った結果、回収可能価額が資金生成単位グループの帳簿価額を下回ったため、のれん全額について減損損失15,375百万円を認識しております。
15.リース
リースに係る費用、キャッシュ・フローおよび使用権資産の帳簿価額は、次のとおりであります。
当社グループは、営業用不動産に係るリース取引を行っており、解約不能期間の終了後において延長オプションが付されていることから、当該延長オプションを行使することが合理的に確実である場合には、リースの開始日において、リース期間の見積りに含めております。
なお、リース負債の満期分析については、注記「36.リスク管理に関する開示 36.5 流動性リスク」に記載しております。
16.持分法で会計処理されている投資
(1) 個々に重要性のある関連会社または共同支配企業
前連結会計年度および当連結会計年度において、個々に重要性のある関連会社または共同支配企業はありません。
(2) 個々に重要性のない関連会社または共同支配企業
個々に重要性のない関連会社または共同支配企業に対する投資の帳簿価額は、次のとおりであります。
個々に重要性のない関連会社または共同支配企業における当期利益、その他の包括利益および当期包括利益合計に対する持分は、次のとおりであります。
(3) 資金移動に関する重大な制限等
関連会社のうち、保険会社は所在国における法令や規制の対象となっており、当該国における規制当局の監督を受けていることが通常であることから、配当規制等の適用により資金移動が制限される場合があります。
17.保険契約および再保険契約
保険契約および再保険契約に係る資産および負債の内訳は、次のとおりであります。なお、連結財政状態計算書においては、ポートフォリオごとに資産計上額と負債計上額を区分して表示しております。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
17.1 保険契約および再保険契約の測定に使用したインプット、仮定および見積技法
履行キャッシュ・フローは、次のとおりで構成されております。
・将来キャッシュ・フローの見積り
・貨幣の時間価値および将来キャッシュ・フローに係る金融リスク(当該金融リスクが将来キャッシュ・フローの見積りに反映されていない範囲で)を反映するための調整
・非金融リスクに係るリスク調整
(1) 将来キャッシュ・フローの見積り
将来キャッシュ・フローの見積りの目的は、生じ得るすべての範囲の結果を反映する一定範囲のシナリオの期待値を算定することであります。期待現在価値を算出するため、各シナリオから生じるキャッシュ・フローをその発生確率で加重平均したうえで、現在価値に割り引いております。市場変数に基づいて変動するキャッシュ・フローと他のキャッシュ・フローとの間に重大な相互依存関係がある場合には、確率論的なモデル化技法を用いてその期待現在価値を見積っております。確率論的なモデル化には、金利や株式配当等の市場変数について生じ得る多数の経済シナリオに基づく将来キャッシュ・フローの予測が含まれます。
なお、将来キャッシュ・フローは名目キャッシュ・フローであり、インフレーションの影響を含んだキャッシュ・フローとしております。
当社グループでは、インフレ―ションの仮定は、直近に発行された物価連動国債に織り込まれたブレーク・イーブン・インフレ率と最新の消費者物価指数を参考に算出しております。また、金利の補外手法と整合するよう、31年目以降のインフレ率は40年かけて終局金利のうちの期待インフレ率に収束するように線形補間しております。
将来キャッシュ・フローは次のとおり未経過期間と既経過期間に分けて見積りを行っております。
<未経過期間>
将来キャッシュ・フローを見積る際に用いる損害率、維持費率などの仮定は、各会社が保有する商品の種類、契約内容、将来キャッシュ・フローの特性などを考慮し、最近の実績値を含む過年度実績の情報を反映しております。
損害率の仮定は、主に各会社の過年度実績値を用いることによって算出しており、一部の商品については、巨大災害の影響および季節性の特性を考慮した調整を加えております。
維持費率の仮定は、主に各会社の過年度実績値を用いることによって算出しており、経費ごとの特性を反映しております。
その他、保険契約者の行動に関する仮定としての解約率等も将来キャッシュ・フローに反映しております。
<既経過期間>
期末日現在において既発生未払となっている保険金請求の最終損害額、損害調査費、残存物の価値およびその他予想される回収額について、既報告の個々の保険金請求を調査することおよび既発生未報告の保険金請求に関する引当をすることにより見積っております。保険金請求の最終損害額は、様々な損害見積技法(例:チェインラダー法、ボーンヒュッター・ファーガソン法)を用いることにより見積られております。これらの技法は、各会社の保険金支払実績が将来の保険金のディベロップメント・パターン、ひいては最終損害額を示すものと仮定しております。保険金請求の最終損害額は各保険種目別に見積っております。ただし、大口の保険金請求についてはこの限りではなく、他の保険金請求と区分して個別に見積っております。
使用している仮定(損害率および将来の保険金請求額の上昇率を含む)は、その予測の基礎としている過去のクレーム・ディベロップメントのデータから推計しておりますが、将来において過去の傾向が適用できない程度および新たな将来の傾向が出現する程度について判断を行っております。
損害調査費率の仮定は、主に会社の過年度実績値を用いることによって算出しており、経費ごとの特性を反映しております。
(2) 割引率の決定
キャッシュ・フロー特性と保険契約の流動性特性を反映するように調整したリスクフリーのイールド・カーブを用いて算定された割引率によりすべてのキャッシュ・フローを割り引いております。リスクフリーのイールド・カーブは国債等の観察可能な市場データに基づき、長期の実質金利とインフレ予想を考慮して、利用可能な最新の市場データと終局金利とで補間計算することにより算出しております。なお、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度における終局金利(JPY)は、それぞれ3.50%、3.35%および3.20%であります。
次の表は、保険契約のキャッシュ・フローを割り引くのに用いたイールド・カーブを、主要通貨ごとに示したものであります。
(3) 投資要素の決定
保険事故が発生するかどうかにかかわらず、すべての状況において保険契約者に返済することが要求される金額を契約管理のプロセスにおいて算定しており、これにより保険契約の投資要素を識別しております。投資要素は、保険収益および保険サービス費用から除外しております。
(4) 非金融リスクに係るリスク調整
非金融リスクに係るリスク調整は、非金融リスクを負担することに対する報酬を反映して決定しており、規則的かつ合理的な方法を用いて契約グループに配分しております。また、非金融リスクに係るリスク調整には、当社グループが要求する報酬と整合的で、かつリスク回避の程度を反映する方法によって、分散効果を反映しております。
原則として資本コスト法を用いて非金融リスクに係るリスク調整を決定しております。資本コスト法においては、将来の各報告日における必要資本額に資本コスト率を乗じ、非流動性を調整したリスクフリーレートで割り引いて、非金融リスクに係るリスク調整の金額を算定しております。当該必要資本額は、将来の各報告日において保険契約から生じる将来キャッシュ・フローの現在価値の確率分布を見積った上で、99.5%の信頼水準による保険契約期間にわたって生じる保険金および経費支払に関する契約上の義務の履行に要する資本を計算しており、資本コスト率は、投資家が非金融リスクに対するエクスポージャーに対して要求するであろう追加的な報酬として決定しております。移行日、前連結会計年度および当連結会計年度における資本コスト率は、それぞれ6%であります。
資本コスト法を適用した当社グループにおける非金融リスクに係るリスク調整は、次の信頼水準に対応しております。
(5) 保険カバーと投資リターン・サービスとの配分の決定
保険カバーと投資リターン・サービスによって提供される給付の量の評価には、保険カバーとして既経過保険料を、投資リターン・サービスとして投資要素に該当する解約返戻金をそれぞれ用いることで、給付の相対的なウェイト付けを行っております。
17.2 PAAを適用せずに測定する保険契約および再保険契約
(1) PAAを適用せずに測定する保険契約および再保険契約の期首残高と期末残高との調整表
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(2) 上記(1)における保険契約および再保険契約についての構成要素別の期首残高と期末残高との調整表
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(3) 当初認識した契約の影響
当初認識した保険契約および再保険契約に係る影響は、次のとおりであります。なお、企業結合または契約の移転により取得した契約はありません。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(4) CSMの償却時期
CSMが純損益に認識されると予想される時期は、次のとおりであります。
17.3 PAAを適用して測定する保険契約および再保険契約
PAAを適用して測定する保険契約および再保険契約の期首残高と期末残高との調整表
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
17.4 実際の保険金と保険金の割引前金額の従前の見積りとの比較(クレーム・ディベロップメント)
保険契約に係るクレーム・ディベロップメント(再保険契約考慮前)は、次のとおりであります。なお、移行措置の適用により、事故発生年度が2019年度以前となるものについてはクレーム・ディベロップメントに関する開示を行っておりません。
17.5 移行に関する開示
当社グループは、IFRS第17号への移行において、実務上可能な限り完全遡及アプローチを適用しておりますが、一部の契約グループを識別し測定する際に、IFRS第17号を遡及適用するための合理的かつ裏付けのある情報を有していないことから、修正遡及アプローチまたは公正価値アプローチを適用しております。
国内保険会社においては、2022年1月1日以降の新契約に係る保険契約グループおよび再保険契約グループに完全遡及アプローチを適用しており、それ以外の保険契約グループおよび再保険契約グループには公正価値アプローチを適用しております。また、海外保険会社においては、2020年1月1日以降の新契約に係る保険契約グループおよび再保険契約グループに完全遡及アプローチを適用しており、それ以外の保険契約グループおよび再保険契約グループには修正遡及アプローチを適用しております。
修正遡及アプローチが適用される保険契約グループについては、移行日現在の残存カバーに係る負債の損失要素について、移行日現在で利用可能な合理的で裏付け可能なキャッシュ・フローの仮定および見積りに基づいて決定しております。 また、IFRS第3号「企業結合」(以下「IFRS第3号」といいます。)の範囲に含まれる企業結合で取得した保険契約について、企業結合で取得される前に発生した保険金の決済に係る負債を、発生保険金に係る負債として分類しております。
公正価値アプローチが適用される保険契約グループについては、移行日現在の残存カバーに係る負債のCSMまたは損失要素について、移行日現在で利用可能な合理的で裏付け可能な情報に基づいて、保険契約グループの公正価値と履行キャッシュ・フローとの差額として決定しております。また、公正価値アプローチを適用して測定するすべての保険契約グループについて、移行日においてその他の包括利益に累積する保険金融収益または費用の金額は、ゼロとしております。
移行日において修正遡及アプローチまたは公正価値アプローチを適用した契約グループについて、CSMおよび保険収益に対する影響額は、次のとおりであります。
(1) CSMに対する影響額
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(2) 保険収益に対する影響額
(3) 金融資産に係るその他の包括利益の調整表
その他の包括利益に係る移行措置を適用した保険契約に対応する金融資産について、その他の包括利益に認識された累計額の調整表は次のとおりであります。
18.法人所得税
(1) 繰延税金資産および繰延税金負債の内訳
繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の調整表は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除の一部または全部が、将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、繰延税金負債の取り崩し、予測される将来課税所得およびタックス・プランニングを考慮しております。過去の課税所得水準および繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の見込みに基づき、当連結会計年度末に認識された繰延税金資産は、回収される可能性が高いものと判断しております。
なお、繰延税金資産は、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、当該回収可能性の判断は、当社グループの事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来事業年度の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
(2) 未認識の繰延税金資産および繰延税金負債
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金およびその失効期限は、次のとおりであります。なお、金額は税額により記載しております。
(注)主に海外保険事業において生じた失効期限のない繰越欠損金であります。
繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ52,627百万円、220,396百万円および340,980百万円であります。これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ、予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
(3) 法人所得税費用
連結損益計算書に計上された法人所得税費用の内訳は、次のとおりであります。
(4) 実効税率の調整
法定実効税率と平均実際負担税率との調整は、次のとおりであります。
当社は、主に法人税、住民税および事業税を課されており、これらを基礎とした法定実効税率は前連結会計年度および当連結会計年度において27.9%であります。また、海外子会社についてはその所在地国における法人税等が課されております。
(法人税の税率変更による影響)
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立し、2026年4月1日以後開始する連結会計年度より「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。
これに伴い、2026年4月1日以後開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産および繰延税金負債については、法定実効税率を主として27.9%から28.9%に変更し計算しております。
この変更により、当連結会計年度の繰延税金負債(繰延税金資産の金額を控除した金額)が8,788百万円、保険契約負債が2,967百万円それぞれ増加し、法人所得税費用が2,690百万円減少し、親会社の所有者に帰属する当期利益は270百万円減少しております。
19.従業員給付
(1) 採用している退職給付制度の概要
当社は、確定拠出年金制度のほか、確定給付型の制度として、退職一時金制度ならびに既年金受給者および受給待期者を対象とする規約型企業年金制度および自社運営の退職年金制度を設けております。国内における企業年金制度では、積立基準、受託者責任、情報開示等の統一的な規約があり、年金資産の運用に関する基本方針に基づき、運用方針および結果について、所管部門が適時にミーティングを行っております。会社の財務状況や資産運用の見通し等を基に少なくとも5年ごとに財政再計算を行い、積立基準に満たない場合は掛金の引上げを行っております。
制度資産は当社グループより法的に分離されており、資産運用受託者は制度資産に対し責任を負い、年金制度加入者等に対する忠実義務、分散投資義務等の運営上の責任および利益相反行為の禁止を義務付けられております。また、退職給付信託の設定を行っております。
そのほかの国内子会社では、確定拠出年金制度のほか、確定給付型の制度として非積立型の退職一時金制度を設けております。一部の海外子会社は確定拠出型および確定給付型の退職給付制度を設けております。
(2) 確定給付制度
① 確定給付制度債務の現在価値の増減
確定給付制度に係る退職給付費用については、連結損益計算書における「保険サービス費用」、「投資経費」、「一般管理費」および「その他の費用」に計上しております。
なお、当連結会計年度において、退職一時金制度の一部改訂に伴い、過去勤務費用4,062百万円が発生し純損益で認識しております。
当社の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、移行日、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、それぞれ主として7.1年、6.9年および6.6年であります。また、確定給付制度債務の現在価値の算定に使用した重要な数理計算上の仮定は、次のとおりであります。
当社における割引率が変動した場合における確定給付制度債務の現在価値への主な影響は、次のとおりであります。この感応度分析は、他のすべての変数が一定であることを前提としていますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が影響する可能性があります。
② 制度資産の公正価値の増減
制度資産の種類別の公正価値は、次のとおりであります。
当社グループの主要な制度資産に係る資産運用方針は、将来にわたる確定給付制度債務の支払を確実に行うために、中長期的に安定的な収益を確保することを目的としております。そのため、許容されるリスクの程度について十分な検証を行い、当該リスクの範囲内で最適な資産構成割合を定め、主に国内の株式および債券に幅広く分散投資を行っております。制度資産の運用状況は、定期的にモニタリングされ、確定給付型年金制度の財政状況や運用環境を勘案しながら、必要に応じて資産配分の見直し等を実施しております。なお、翌連結会計年度における掛金の拠出予定額は1,022百万円であります。
③ 連結財政状態計算書において認識した金額
確定給付制度について連結財政状態計算書に認識した金額は、次のとおりであります。
④ 資産上限額の影響
資産上限額の影響の変動は、次のとおりであります。
(注) 確定給付制度が積立超過である場合に、連結財政状態計算書に計上する確定給付資産は確定給付制度に対する将来掛金の減額という形による利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としております。
(3) 確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として認識した金額は、次のとおりであります。
確定拠出制度に係る退職給付費用については、連結損益計算書における「保険サービス費用」、「投資経費」、「一般管理費」および「その他の費用」に計上しております。
20.引当金
当連結会計年度の引当金の内訳および増減は、次のとおりであります。
(注)当連結会計年度末における残高のうち、1年以内に期限が到来するものはありません。
資産除去債務
資産除去債務は、有形固定資産の撤去または解体時に必要となる有害物質の除去に関するものであります。将来において経済的便益の流出が予測される時期は、連結会計年度末日より1年を経過した後の時期であることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けるものであります。
21.社債及び借入金
(1) 社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は、次のとおりであります。
(注1)平均利率については、当連結会計年度末残高に対する加重平均利率を記載しております。
(注2)償却原価で測定される金融負債に分類しております。
社債の銘柄別明細は、次のとおりであります。
(注1)外国において発行したものであるため、[ ]内に外貨建による金額を付記しております。
(注2)2026年8月8日の翌日以降は、変動金利(ステップアップあり)であります。
(注3)2027年4月26日の翌日以降は、変動金利(ステップアップあり)であります。
(注4)2033年2月13日の翌日以降は、1年国債金利に3.00%を加算した利率であります。
(2) 差入担保
担保に供している資産は、次のとおりであります。
(注)担保として差し入れた投資有価証券のうち、債券貸借取引に関連し、取引相手が再担保として差し入れるまたは再売却することができるものの金額は、移行日、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、それぞれ171,582百万円、150,740百万円および-百万円であります。
(3) 財務活動に係る負債の調整表
財務活動に係る負債の調整表は、次のとおりであります。
(注)その他の負債(リース負債)の財務キャッシュ・フローによる変動は、連結キャッシュ・フロー計算書における財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含まれております。
22.資本およびその他の資本項目
(1) 普通株式
(注1)当社が発行する株式は無額面の普通株式であり、全額払込済となっております。
(注2)当連結会計年度における発行済株式総数の増加は、新株の発行による増加10,000千株であります。
(2) 自己株式
該当事項はありません。
(3) 剰余金
① 資本剰余金
日本における会社法では、株式の発行に対しての払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また、資本準備金は、株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
② 利益剰余金
日本における会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金および利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当することができ、また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
それに加え、保険業法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の5分の1を、資本準備金および利益準備金の合計額が資本金に達するまで積み立てることが規定されております。
23.剰余金の配当
配当金の支払額は次のとおりであります。なお、配当の原資は利益剰余金であります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、次のとおりであります。なお、配当の原資は利益剰余金であります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
24.保険収益
保険収益の内訳は、次のとおりであります。
25.保険サービス費用
保険サービス費用の内訳は、次のとおりであります。
26.再保険損益
再保険損益の内訳は、次のとおりであります。
27.投資収益および保険金融収益または費用
(1) 運用資産の分類別による投資収益の内訳
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)前連結会計年度および当連結会計年度における資本性FVTOCIに係る受取配当金のうち、期末日時点で保有する銘柄に係るものは、それぞれ40,955百万円および42,321百万円であります。
(2) 保険金融収益または費用の内訳
(3) 投資収益と保険金融収益または費用の関係
28.費用の性質別内訳
費用の性質別および配賦先別の内訳は、次のとおりであります。
29.その他の金融費用
その他の金融費用の内訳は、次のとおりであります。
30.その他の収益および費用
その他の収益の内訳は、次のとおりであります。
(注)前連結会計年度には子会社株式売却益17,630百万円が含まれております。
その他の費用の内訳は、次のとおりであります。
(注)前連結会計年度は主に海外保険事業において生じたのれんに係る減損損失であります。
31.その他の包括利益
その他の包括利益に係る組替調整額および税効果額は、次のとおりであります。
32.1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、当期中の発行済普通株式の期中平均株式数で除算することによって計算されております。
なお、希薄化後1株当たり当期利益については、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため記載しておりません。
33.子会社
33.1 主要な子会社
(1) 企業集団の構成
当社グループを構成する主要な子会社については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。
(2) 資金移動に関する重大な制限等
保険子会社は所在国における法令や規制の対象となっており、当該国における規制当局の監督を受けていることが通常であることから、配当規制等の適用により資金移動が制限される場合があります。
(3) 重要な非支配持分を有する子会社
当社グループは重要な非支配持分がある子会社を有しておりません。
(4) 子会社に対する支配の喪失
子会社に対する支配の喪失に伴う所有持分の変動について認識した損益のうち、重要なものはありません。
33.2 非連結ストラクチャード・エンティティへの関与
当社グループは、ファンドを通じた資産運用等を目的として、非連結ストラクチャード・エンティティに対する関与を有しており、これらの取引により、当社グループが連結財政状態計算書に認識した資産の帳簿価額および当社グループの潜在的な最大損失エクスポージャーは、次のとおりであります。なお、連結財政状態計算書上、当社グループが認識した資産は主に「投資有価証券」として表示しております。
当該ストラクチャード・エンティティへの関与から生じる潜在的な最大損失エクスポージャーは、投資の帳簿価額および追加投資に係るコミットメントの合計額に限定されます。最大損失エクスポージャーは生じうる最大の損失額を示すものであり、ストラクチャード・エンティティに関与することにより見込まれる損失の金額を意味するものではありません。
当連結会計年度または過年度において、当社グループは非連結のストラクチャード・エンティティに対して、契約上の義務のない財務的支援を提供したことはありません。また、将来においてもそのような予定はありません。
34.関連当事者
(1) 親会社
当社グループの最終的な親会社はSOMPOホールディングス株式会社であります。
(2) 関連当事者との取引
関連当事者との取引について記載すべき重要なものはありません。
(3) 経営幹部に対する報酬
経営幹部に対する報酬は、次のとおりであります。なお、当該金額は、前連結会計年度および当連結会計年度において認識された費用の金額を示しております。
(注)SOMPOホールディングス株式会社の株式を交付するものであり、当社グループにおける費用計上額を記載しております。
35.コミットメント
契約を締結したが、まだ発生していない設備投資は次のとおりであります。
36.リスク管理に関する開示
36.1 リスク管理の概要
SOMPOグループのリスク管理の枠組みである戦略的リスク経営(ERM)は、経営における高性能な『羅針盤』として、次の「3つの機能」を強化・高度化し、損失を未然に回避するだけでなく、新規事業投資などの機会損失を低減させることで、SOMPOグループを最適な方向に導く役割を果たしております。
戦略的リスク経営(ERM)は、資本・リスク・収益のバランスを取りながら企業価値の最大化を図る一連の経営管理プロセスとして「戦略執行に係るリスクテイク」と「経営基盤の安定に資するリスクコントロール」の2つの側面を持っております。リスクテイクの側面では、リスクアペタイトフレームワークを中心に資本・リスク・収益に関する分析を重要な経営判断に活かし(上記ウ)、リスクコントロールの側面では、SOMPOグループを取り巻く多様なリスクを特定、分析、評価する仕組み(リスクコントロールシステム)を活用して(上記ア、イ)、不測の損失の極小化と利益の安定を目指しております。
(1) リスクコントロールシステム
当社グループは、SOMPOグループのリスクコントロールシステムに沿った「重大リスク管理」の枠組みで当社グループを取り巻く重大リスクを網羅的に特定し、定性的・定量的な評価を行っております。
定量化が可能なリスクについては「自己資本管理」「ストレステスト」「リミット管理」「流動性リスク管理」の枠組みで自己資本、流動性などに与える影響を様々な定量指標により分析・評価し、財務健全性およびその向上に必要なリスクコントロールの施策に関する経営論議を行っております。
① 重大リスク管理
当社は、「事業に重大な影響を及ぼす可能性があるリスク」を「重大リスク」と定義し、事業の抱えるリスクをボトムアップのリスクアセスメントと、取締役会等によるトップダウンでの確認・議論を通じて網羅的に把握・評価しております。リスク評価の実施にあたっては、経済的損失や業務継続に加えて、お客さま、社会などのステークホルダーの観点でのレピュテーション影響を重視するように基準の明確化を図っております。
重大リスクは、お客さまからの苦情など現場から集められた声を踏まえたうえでリスクアセスメントを実施し、社外有識者の見解も交えるなど、複層的な目線で網羅的にリスクを把握し、選定しております。また、重大リスクが当社に及ぼす影響を具体的なシナリオで想定したうえで、発生可能性および影響度でリスクを定性・定量の両面から評価し、管理状況を年2回以上、経営会議・取締役会で確認・議論を行っております。
管理態勢の強化が必要なリスクについては、管掌する役員等が対応策を実施する体制としております。
また、現時点では具体的な影響シナリオの想定に基づく評価は困難であるものの、環境変化などにより新たに発現または変化し、今後、当社グループに大きな影響を及ぼす可能性のあるリスクを「エマージングリスク」と定め、重大リスクへの変化の予兆を捉えて適切に管理しております。エマージングリスクの選定については、官民の各種情報を将来大きな影響をもたらす可能性のある変化の兆候などの観点から収集・分析し、リスク候補をリストアップしたうえで、その中から重要性を踏まえてリスクを選定しております。
② 自己資本管理
当社グループが保有する保険引受リスク、資産運用リスクおよびオペレーショナル・リスクを定量化したうえで、自己資本がリスク量と比べて充分な水準を維持できるよう管理を行っており、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。
③ ストレステスト
当社グループの経営に重大な影響を及ぼし得る事象を的確に把握・管理するために、「シナリオ・ストレステスト」、「リバース・ストレステスト」および「感応度分析」を実施し、資本およびリスクへの影響度を分析して、必要に応じ対応策を実施する態勢を整備しております。
④ リミット管理
特定事象の発現により多額の損失が生じることを回避するため、与信リスク、出再リスクについてはSOMPOホールディングスが定めるリミットの範囲内の個社リミットを設定し、自然災害リスクについてはSOMPOホールディングスが定めるリミットに基づき、リミットを超過した場合には対応策を実施する態勢を整備しております。
⑤ 流動性リスク管理
日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生時などの最大資金流出額を予想し、それに対応できる流動性資産が十分に確保されるよう管理しております。
(2) 保険事業に係る資本規制の枠組み
当社グループは、保険業法で定められている資本規制の適用を受け、規制当局である金融庁によりモニタリングを受けております。
保険会社グループは、保険事故発生の際の保険金支払や積立型保険の満期返戻金支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や、資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした通常の予測を超える危険(「連結リスクの合計額」ただし単体の場合は「単体リスクの合計額」)に対して保険会社グループが保有している資本金・準備金等の支払余力(「連結ソルベンシー・マージン総額」ただし単体の場合は「単体ソルベンシー・マージン総額」)の割合を示す指標として、保険業法等に基づき計算されたものが、連結ソルベンシー・マージン比率(ただし単体の場合は「単体ソルベンシー・マージン比率」)であります。
連結ソルベンシー・マージン比率および単体ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に、経営の健全性を判断するために活用する客観的な指標のひとつであり、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。
なお、海外保険子会社は、現地の規制当局の監督のもと、所在国における資本規制の適用を受けており、当社は規制などの遵守状況をSompo International Holdings Ltd.におけるモニタリング結果を通じて確認しております。
36.2 保険リスク
36.2.1 保険リスクに対するエクスポージャー
保険リスクは、経済情勢や保険事故の発生率等が保険料設定時の予測に反して変動することにより、損失を被るリスクであります。特に、地震・台風・洪水などの自然災害を原因とする保険金支払に関わるものが大部分を占めております。その他、通常の損害に係る保険金支払に関わるリスクや、保険負債が将来見通しの変化によって変動するリスクがあります。
保険契約および再保険契約に係る保険種目別・地域別の資産または負債の計上額は、次のとおりであります。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
36.2.2 感応度分析
合理的に起こりうる保険リスクの変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
残存カバーに係る負債については、将来キャッシュ・フローの見積技法に使用されているリスク変数が変動すると、将来キャッシュ・フローの変動がCSMに調整されることによりCSMの償却額が変動するほか、当該保険契約(PAAを適用して測定するものを含む)が新たに不利な契約となるか、または損失要素が変動することにより不利な契約に係る損益が変動するため、税引前利益にその影響(CSMの償却額については年換算額)を反映しております。また、発生保険金に係る負債については、将来キャッシュ・フローの見積技法に使用されているリスク変数が変動すると、将来キャッシュ・フローが変動することにより保険サービス費用が変動するため、税引前利益にその影響を反映しております。
この際、将来キャッシュ・フローが変動するとそれに伴って割引率変動差額が変動することから、保険金融収益または費用に係るポートフォリオごとの会計方針に応じて税引前利益または税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。
なお、上記のそれぞれの変数について、単一の変数のみが変動し、他のすべての変数は一定であると仮定した場合の影響額を記載しております。
36.3 市場リスク
市場リスクは、金利、株価および外国為替レート等の市場価格の変動により、保険契約および再保険契約の履行キャッシュ・フローが変動するリスクおよび金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが変動するリスクであります。当社グループにおいては、保険契約、資産運用および資金調達の各取引から市場リスクが生じており、主に金利リスク、株価リスクおよび為替リスクにさらされております。
36.3.1 金利リスク
金利リスクは、保険契約、再保険契約の履行キャッシュ・フローおよび金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが市場金利により変動するリスクであります。
当社グループでは、債券や貸付金等の金融商品により資産運用を行っていることから、金利が上昇すると固定利付債券等の公正価値が減少するリスクがあります。また、金利が下落すると保険契約および再保険契約に係る割引率変動により、その現在価値が増加するリスクがあり、顧客に固定利回りを保証している保険商品に関しては、実際の利回りが当初保証された利回りを下回る場合、当社グループが損失を被るリスクがあります。
当社グループは、資産および負債ポジションに係る金利リスクのエクスポージャーを定期的にモニタリングしており、保険契約とこれに対応する運用資産におけるデュレーションの調整および金利スワップなどのデリバティブを用いた金利エクスポージャーの調整を通じて、グループ全体における金利リスクを適切に管理しております。
感応度分析
合理的に起こりうる市場金利の変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
固定利付の金融商品は金利が変動すると公正価値が変動するため、FVTPLについては税引前利益に、負債性FVTOCIについては税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。保険契約および再保険契約については、金利が変動すると割引率の変動により期末における将来キャッシュ・フローの割引現在価値が変動するため、保険金融収益または費用に係るポートフォリオごとの会計方針に応じて税引前利益または税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。
なお、感応度はイールド・カーブの平行移動による影響額を示しており、他のすべての変数は一定であると仮定しております。
36.3.2 株価リスク
株価リスクは、株価の変動により金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが変動するリスクであり、株式への直接投資またはファンドを通じた株式への投資から生じております。当社グループは、株価エクスポージャーを定期的にモニタリングしており、株価指数先物などのデリバティブ取引を活用し、グループ全体における株価リスクを適切に管理しております。
主要な株価エクスポージャーは、次のとおりであります。
感応度分析
TOPIX(東証株価指数)の変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
株価が変動するとそれに伴い金融商品の公正価値が変動するため、FVTPLについては税引前利益にその影響を反映しており、資本性FVTOCIについては税引前その他の包括利益にその影響を反映しております。なお、感応度は国内上場株式に対する影響額を示しており、他のすべての変数は一定であると仮定しております。
36.3.3 為替リスク
為替リスクは、保険契約、再保険契約の履行キャッシュ・フローおよび金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが外国為替レートにより変動するリスクであり、当社グループでは、為替エクスポージャーは主に機能通貨とは異なる通貨建の債券および保険負債について生じております。為替リスクの一部は為替予約、通貨オプションなどのデリバティブ取引を活用し、グループ全体における為替リスクを適切に管理しております。
主要な為替エクスポージャーは、次のとおりであります。
感応度分析
合理的に起こりうる機能通貨以外の為替レートの変動による税引前利益および税引前その他の包括利益への影響額は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1)米ドルまたはユーロが-10%となった場合の影響は、日本円を機能通貨とする国内保険会社については、米ドルまたはユーロに対して10%円高となった場合の影響を示しており、日本円以外を機能通貨とする海外保険会社については、当該機能通貨に対して10%米ドル安またはユーロ安となった場合の影響を示しております。
(注2)米ドルまたはユーロが+10%となった場合の影響は、日本円を機能通貨とする国内保険会社については、米ドルまたはユーロに対して10%円安となった場合の影響を示しており、日本円以外を機能通貨とする海外保険会社については、当該機能通貨に対して10%米ドル高またはユーロ高となった場合の影響を示しております。
保険契約、再保険契約および債券等の貨幣性項目については、機能通貨以外の為替レートが変動すると、それに伴い為替差損益が生じるため、その影響を税引前利益に反映しております。国内会社の保険契約および再保険契約から生じる割引率変動差額については、機能通貨以外の為替レートが変動するとその他の包括利益に認識された割引率変動差額が変動することから、その影響を税引前その他の包括利益に反映しております。海外会社の保険契約および再保険契約から生じる割引率変動差額については、機能通貨以外の為替レートが変動すると為替差損益が変動することから、その影響を税引前利益に反映しております。負債性FVTOCIに係る公正価値の変動から生じる評価差額については、同様にその他の包括利益に認識された評価差額が変動することから、その影響を税引前その他の包括利益に反映しております。また、為替リスクのヘッジ対象となる資産または負債が貨幣性であるか非貨幣性であるかにかかわらず、すべての為替デリバティブ取引について、為替レートが変動することに伴う為替差損益の影響を税引前利益に反映しております。なお、上記のそれぞれの変数について、単一の変数のみが変動し、他のすべての変数は一定であると仮定した場合の影響額を記載しております。
36.4 信用リスク
信用リスクは、当社グループが保有する債券、貸付金、デリバティブ取引等の運用資産における与信先または再保険契約における出再先の財務状況の悪化や破綻等により、運用資産の価値が減少したり回収が困難となったりすること、または再保険金の回収が困難となることにより財務上の損失を被るリスクであります。
36.4.1 予想信用損失モデルの適用対象となっている金融資産
(1) 信用リスクの管理
当社グループは、予想信用損失モデルの適用対象となっている金融資産について、次のとおり信用リスクの管理を行っております。
与信に関する方針および信用限度の設定
当社グループでは、内部格付制度によって与信先の信用リスクの程度を適切に把握したうえで、債券や貸付金等など個々の投融資等を実行しております。また、特定与信先への集中を管理するために、内部格付ごとに1与信先当たりの与信額の上限を設定し適切に管理しております。
定期的な信用リスクのモニタリング
当社グループは、与信先の財務状況や債務履行状況をモニタリングしたうえで、内部格付に適時に反映し、必要に応じて与信の削減・保全を図るなど適切に対応しております。また、与信先ごとの管理に加え、業種や国など特定のセクターへの与信が過度に集中しないよう管理しております。
自己査定の実施および検証
すべての債権について自己査定(保有する資産を個別に検討して、回収の危険性または価値の毀損の危険性の度合いに応じて区分すること)を実施しております。
自己査定では、各所管部署が自己査定(1次査定)を実施し、当該部署から独立した部署が検証(2次査定)を実施したうえで、監査部署が監査を行うとともに、自己査定の結果に基づいて予想信用損失の測定および計上を行っております。
(2) 格付別信用エクスポージャー
次の表は、予想信用損失モデルの適用対象となっている金融資産を内部格付別に分析したものであり、これらの投資による当社グループの最大信用エクスポージャーの総額(信用保証考慮前)を表しております。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注)償却原価で測定される金融資産の帳簿価額は、信用損失引当金の控除前における総額による帳簿価額を示しております。
担保およびその他の信用補完
当社グループは貸付金等の債権に対して有価証券および不動産等の担保や親会社等による保証を受け入れております。なお、期末における信用減損金融資産については、当該担保により債権額の概ね全額が保全されております。
与信集中リスク
与信集中リスクとは、特定の与信先に与信が集積することで、当該与信先の財務状況の悪化や破綻により、多額の損失が発生するリスクであります。
当社グループは、内部格付制度を導入したうえで、内部格付ごとに1与信先当たりのエクスポージャーのリミットを設定し、与信の集中を定期的にモニタリングし適切に管理しております。また、個々の与信先への集中のみならず、業種や地域など特定のセクターへの与信状況についても定期的にモニタリングし、過度な集中がないように管理しております。
当社グループでは、与信の多くが国内に集中しておりますが、これ以外に特定の国・地域において与信の集中はありません。また、国内における特定の業種への与信の集中はありません。
(3) 信用損失の測定
当社グループでは、金融商品の形態、信用格付等に基づき、類似したエクスポージャーごとにグループ化して信用リスクを管理しており、当該グループに基づいて予想信用損失の測定を集合的に行っております。
当社グループは、当初認識以降に信用リスクの著しい増大があった金融資産に対して、将来予測的な情報を含めたすべての合理的で裏付け可能な情報を考慮して、金融資産の存続期間にわたる予想信用損失を認識し、金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る信用損失引当金を12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。具体的には、予想信用損失は12か月または存続期間にわたる倒産確率(PD)および倒産時損失率(LGD)に基づいて測定しております。当社グループは、全期間のPDおよび12か月のPDを算定するため、複数の外部格付機関から提供された格付ごとの債務者の債務不履行実績に基づくPDテーブルを使用しております。LGDは債務不履行となった場合に発生する可能性のある損失の程度を表しております。採用するLGDは仕組み、担保、債権の優先順位等に基づいて決定しております。
また、利用されるデータは過去における実績に基づいておりますが、マクロ経済情勢等の変化に応じた将来予想を適時に反映するため、著しい経済情勢の変動等が生じた場合には、現在および将来における経済予測を、過去における実績データに補正することとしております。
著しい信用リスクの増大の判定方法
当社グループは、債務者ごとに内部格付を付与して信用リスクを管理しており、S&Pおよびムーディーズなどの外部格付と一定の整合性を維持しております。
当社グループは、当初認識以降に一定の内部格付の引下げがある場合、反証可能な場合を除き30日超の延滞がある場合、その他事業状況、財務状況または経済状況の不利な変化により債務者が債務を履行する能力の著しい変化を生じさせると予想される事象が発生した場合等には、著しい信用リスクの増大があったと判定しております。
当該判定に利用されるデータは過去における実績に基づいておりますが、マクロ経済情勢等の変化に応じた将来予想を適時に反映するため、著しい経済情勢の変動等が生じた場合には、現在および将来における経済予測を、過去における実績データに補正することとしております。
なお、債券については低い信用リスクの例外を適用しており、期末日において投資適格である銘柄については著しい信用リスクの増大はないものとみなしております。
債務不履行の定義
当社グループは、過去における回収実績および規制上要求される自己査定における査定区分との整合性を勘案し、90日超の延滞もしくは法的破綻またはそれに準じる事象の発生を債務不履行として定義しております。
信用減損金融資産の決定
当社グループは、債務不履行となった債権のほか、今後、経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債権および債権者に著しく不利益となるような条件緩和を行った債権等については、信用減損金融資産と判断しております。
直接償却
金融資産の総額での帳簿価額は、回収の合理的な見込みがない場合に(その一部または全額を)直接償却しております。これは通常、債務者が直接償却の対象となる金額を返済するのに十分なキャッシュ・フローを生成できるほどの資産または収益源を有していないと当社グループが判断した場合に生じます。
条件変更された金融資産
金融資産の契約条件は、市況の変更、現在および今後の借手の信用悪化に関連しない他の要因を含む様々な理由によって変更される可能性があります。条件変更が発生した場合は変更前後での影響金額および率のモニタリングを実施し、認識の中止に該当するか個別に検討しております。
認識の中止に該当すると判定された場合には、再交渉された資産は新たな金融資産として公正価値により認識されます。
金融資産の条件が変更されるのに認識の中止が行われない場合には、当該資産の信用リスクの著しい増大があったか否かは、当初認識時と期末日それぞれにおける内部格付の比較によって決定しております。
投資有価証券に対する信用損失引当金の変動は、次のとおりであります。
貸付金等に対する信用損失引当金の変動は、次のとおりであります。
36.4.2 再保険契約
再保険は、保険リスクを管理するために用いられております。ただし、当社グループの保険会社としての責務が免責されるわけではありません。再保険会社が何らかの理由により保険金の支払を怠った場合でも、当社グループは保険契約者に対して支払を行う義務があります。再保険会社の信用力は、契約締結前に財務上の健全性を確認することにより管理しております。
再保険契約資産はIFRS第9号における予想信用損失モデルの対象となっておりませんが、将来の履行キャッシュ・フローを見積る際には、信用リスクを考慮してキャッシュ・フローを見積っております。
再保険契約資産の内部格付別の残高は、次のとおりであります。なお、最大信用リスク・エクスポージャーは再保険契約資産の残高であります。
出再集中リスク
出再集中リスクとは、特定の出再先に出再が集中することで、当該出再先の財務状況の悪化や破綻により、多額の損失が発生するリスクであります。当社グループは、内部格付制度を導入したうえで、内部格付ごとに1出再先当たりの予想最大回収額のリミットを設定し、出再集中リスクを定期的にモニタリングし適切に管理しております。
36.5 流動性リスク
流動性リスクは、新契約の減少に伴う保険料収入の減少、大量ないし大口解約に伴う解約返戻金支出の増加および巨大災害での多額の保険金支払により資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスクや、市場の混乱などで取引ができなかったりすることにより保険金支払が遅延するリスクであります。
当社グループでは、日々の資金繰り管理のほか、巨大災害発生など、流動性リスク・シナリオ発現に伴う保険金支払などの最大資金流出額を予想し、それに対応できる流動性資産が十分に確保されるよう管理しております。
満期分析
非デリバティブ金融負債およびデリバティブの契約上の割引前キャッシュ・フローは、次のとおりであります。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
社債及び借入金の一部には早期償還条項が付されているものがあるため、実際に生じるキャッシュ・フローの金額は、上記における契約上のキャッシュ・フローの金額とは異なる場合があります。また、変動金利については、期末日における金利が継続すると仮定して算定しております。
保険契約および再保険契約に係る割引前キャッシュ・フローの内訳は、次のとおりであります。なお、PAAを適用して測定した残存カバーに係る資産および負債を含めておりません。
また、保険契約者から請求があり次第支払う要求払の金額と関連する保険契約グループの帳簿価額は、次のとおりであります。
なお、要求払の金額には、期末時点において保険契約が解約された場合に支払われるであろう解約返戻金の金額を含めております。
36.6 金融資産および金融負債の相殺
強制可能なマスター・ネッティング契約または類似の契約の対象となっている金融資産および金融負債は、次のとおりであります。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
なお、強制可能なマスター・ネッティング契約および類似の契約において、金融資産および金融負債に関する相殺の権利は、通常の事業活動の過程では発生が予想されていない債務不履行およびその他の特定の事象が発生した場合にのみ強制力が生じ、個々の金融資産および金融負債の決済に影響を与えるものであります。したがって、これらの契約では相殺する法的に強制可能な権利が現時点では生じておらず、連結財政状態計算書における相殺表示の要件を満たしておりません。
37.後発事象
該当事項はありません。
38.IFRSへの移行に関する開示
当社グループは、2025年3月31日に終了する連結会計年度の連結財務諸表から、IFRSを適用しております。日本基準に準拠して作成された直近の連結財務諸表は、2024年3月31日に終了する連結会計年度に関するものであり、日本基準からIFRSへの移行日は2023年4月1日であります。
(1) 遡及適用に対する免除規定
IFRS第1号は、IFRSを初めて適用する企業に対して、原則としてIFRSで要求される基準を遡及して適用することを求めております。ただし、一部について例外を認めており、当社グループは以下の免除規定を適用しております。
① 企業結合
IFRS第1号では、移行日前に行われた企業結合に対してIFRS第3号を遡及適用しないことが認められております。当社グループは当該免除規定を適用し、移行日より前に行われた企業結合は修正再表示しておりません(日本基準により会計処理)。移行日前の企業結合から発生したのれんの額は日本基準に基づく移行日時点の帳簿価額によっております。なお、当該のれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず移行日時点で減損テストを実施しております。
② 在外営業活動体の換算差額
IFRS第1号では、移行日現在の在外営業活動体に係る換算差額の累計額をゼロとみなす選択をすることが認められております。当社グループは、当該免除規定を適用しております。
③ 移行日前に認識した金融商品の指定
IFRS第1号では、IFRS第9号における分類について、当初認識時点で存在する事実および状況ではなく、移行日時点の事実および状況に基づき判断することが認められております。また、この判断に基づいて、資本性金融資産をFVTOCIとして指定することが認められております。当社グループでは当該免除規定を適用し、一部を除く資本性金融資産をFVTOCIとして指定しております。
④ 保険契約
IFRS第1号では、移行日時点の保険契約の測定について、IFRS第17号の移行措置を適用することが認められております。なお、IFRS第17号への移行方法については注記「17.5 移行に関する開示」に記載しております。
⑤ 借手のリース
IFRS第1号では、初度適用企業は、契約にリースが含まれているか否かの評価を移行日時点で判断することが認められております。当社グループは、当該免除規定を適用し、移行日時点で存在する事実と状況に基づいて、契約にリースが含まれているかを判断しております。IFRS第1号では、借手のリースにおけるリース負債および使用権資産を認識する際に、すべてのリースについてリース負債および使用権資産を移行日現在で測定することが認められております。当社グループでは当該免除規定を適用し、リース負債を移行日現在で測定しており、残りのリース料を移行日現在の借手の追加借入利率で割り引いた現在価値としております。
また、当社グループは、使用権資産を移行日現在でリース負債と同額として測定しており、IAS第36号「資産の減損」を移行日現在で使用権資産に適用しております。なお、移行日から12か月以内にリース期間が終了するリースおよび原資産が少額であるリースについて、費用として認識しております。
(2) IFRS第1号の遡及適用に対する強制的な例外規定
IFRS第1号では、「見積り」、「金融資産及び金融負債の認識の中止」、「非支配持分」、「金融資産の分類及び測定」等について、IFRSの遡及適用を禁止しております。当社グループは、これらの項目については移行日より将来に向かって適用しております。
(3) 日本基準からIFRSへの調整
日本基準からIFRSへの移行が、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に及ぼす影響は、次の調整表および調整に関する注記に記載しております。なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金および包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識および測定の差異」には利益剰余金および包括利益に影響を及ぼす項目を含めて表示しております。
① 資本に対する調整
移行日(2023年4月1日)の資本に対する調整
前連結会計年度(2024年3月31日)の資本に対する調整
② 包括利益に対する調整
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の当期利益に対する調整
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)のその他の包括利益に対する調整
資本に対する調整および包括利益に対する調整に関する注記
(表示組替に関する注記)
(1) 「現金及び現金同等物」
日本基準における「現金及び預貯金」のうち、預入期間が3か月超の定期預金について、IFRSにおいては「貸付金等」に含めて表示しております。また、日本基準においては区分掲記しております「買現先勘定」については、IFRSにおいては「現金及び現金同等物」に含めて表示しております。
(2) 「投資有価証券」
日本基準における「買入金銭債権」、「金銭の信託」および「有価証券」は、IFRSにおいては「投資有価証券」として表示しております。
(3) 「社債及び借入金」
日本基準における「その他負債」に含まれる借入金は、IFRSにおいては「社債及び借入金」に含めて表示しております。
(4) 「持分法で会計処理されている投資」
日本基準における「有価証券」に含まれる持分法で会計処理されている投資は、IFRSにおいては「持分法で会計処理されている投資」として表示しております。
(5) 「デリバティブ資産」および「デリバティブ負債」
日本基準における「その他資産」に含まれるデリバティブ資産および「その他負債」に含まれるデリバティブ負債は、IFRSにおいては「デリバティブ資産」および「デリバティブ負債」として表示しております。
(6) 「金利収益」および「その他の投資損益」
日本基準における「資産運用収益」は、IFRSにおいては「金利収益」および「その他の投資損益」に含めて表示しております。また、日本基準における「資産運用費用」は、IFRSにおいては「その他の投資損益」に含めて表示しております。
(7) 「その他の金融費用」
日本基準における「その他経常費用」に含まれる支払利息は、IFRSにおいては「その他の金融費用」に含めて表示しております。
(8) 「その他の収益」および「その他の費用」
日本基準における一部の「その他経常収益」および「特別利益」は、IFRSにおいては「その他の収益」として表示しております。
また、日本基準における「その他経常費用」および「特別損失」は、IFRSにおいては「その他の費用」として表示しております。
(9) 「持分法による投資損益」
日本基準における「その他経常収益」または「その他経常費用」に含まれる持分法による投資損益は、IFRSにおいては「持分法による投資損益」として表示しております。
(認識および測定の差異に関する注記)
(10) 連結の範囲
日本基準においては、連結財務諸表に重要な影響を及ぼさない子会社を非連結子会社としておりましたが、IFRSにおいては原則的な方法により連結範囲を決定しております。また、日本基準においては投資信託等のファンド投資については金融商品として保有目的に応じた会計処理を行っておりますが、IFRSにおいては、こうしたストラクチャード・エンティティについてもその実質的な支配関係について、投資対象のリターンに変動性を与える活動へのパワーを有しているかという観点から判断しており、支配していると判断した場合には、連結の範囲に含めております。
(11) 報告期間の統一
日本基準においては、決算日が親会社と異なる連結子会社について、親会社の決算日との差異が3か月を超えない場合には、子会社の財務諸表を基礎として親会社の決算日との間に生じた重要な取引に関する調整を行って連結しておりましたが、IFRSにおいては、親会社の決算日において実施した仮決算に基づく財務諸表を作成して連結しております。
(12) 外貨換算
日本基準においては在外営業活動体の収益および費用は期末日における為替レートで換算しておりましたが、IFRSにおいては為替レートが著しく変動している場合を除き期中平均為替レートで換算しております。
(13) 金融商品の分類および測定
日本基準においては、有価証券は売買目的有価証券、子会社株式および関連会社株式またはその他有価証券に分類しております。売買目的有価証券およびその他有価証券は、それぞれ純損益およびその他の包括利益を通じて時価で測定されます。また、貸付金等の債権は償却原価で測定されます。一方、IFRSにおいては、金融資産は事業モデルおよび契約上のキャッシュ・フローの特性に基づき資本性FVTOCI、負債性FVTOCI、FVTPLまたは償却原価で測定される金融資産に分類しております。
投資有価証券(資本性金融商品)
日本基準においてその他有価証券に分類した株式は、売却損益および減損損失を純損益として認識しておりましたが、IFRSにおいては、資本性FVTOCIに指定し、公正価値の変動額をその他の包括利益として認識し、当該金融資産の認識を中止した場合には、その他の包括利益累積額を利益剰余金に振り替えております。また、日本基準においては、非上場株式は原則として取得原価で測定しておりましたが、IFRSにおいては公正価値で測定しております。
投資有価証券(負債性金融商品)
日本基準においては、時価の著しい下落等に基づいて減損損失を認識しておりましたが、IFRSにおいては当初認識時点からの信用リスクの著しい増大等に基づき予想信用損失を計上しております。また、日本基準においては、債券に係る為替換算差額をその他の包括利益として認識しておりましたが、IFRSにおいては純損益として認識しております。
投資信託等のファンド投資
日本基準においてその他有価証券に分類した投資信託は、時価評価差額をその他の包括利益として認識しており、組合等への出資は組合等の営業により獲得した純損益の持分相当額を純損益として認識しておりましたが、IFRSにおいては子会社となるものを除いてFVTPLに分類され、公正価値の変動額を純損益として認識しております。
貸付金等
日本基準においては、貸付金を定額法による償却原価で測定しておりましたが、IFRSにおいては実効金利法による償却原価で測定しております。また、日本基準においては、自己査定に基づく期末時点の信用リスクの評価により、回収不能と見込まれる金額を「貸倒引当金」として計上しておりましたが、IFRSにおいては当初認識時点からの信用リスクの著しい増大等に基づき予想信用損失を計上しております。
(14) ヘッジ会計
日本基準においては、保険契約に係る金利リスクについて繰延ヘッジを適用しておりましたが、IFRSにおいては適格なヘッジ関係ではないためヘッジ会計を適用しておりません。また、日本基準においては、外国債券に係る為替リスクについて時価ヘッジを適用しておりましたが、IFRSにおいてはヘッジ会計を適用しないこととしております。
(15) 借手のリース
日本基準においては、オペレーティング・リースについてはリース資産を計上しておりませんでしたが、IFRSにおいてはオペレーティング・リースを含めたすべてのリースについて、原則として使用権資産およびリース負債を計上しております。
(16) のれん
日本基準においてはのれんについて一定期間で均等償却しておりましたが、IFRSにおいては移行日以降の償却を停止し、減損テストを実施しております。
(17) 保険契約および再保険契約
日本基準およびIFRSにおける測定方法および表示方法には、次のとおり大きく異なる部分があることから、「認識および測定の差異」として日本基準における計上額の全額を取り消し、IFRSにおける計上額の全額を改めて計上しております。
分類および測定
日本基準においては保険業法における保険契約準備金を負債として計上しておりましたが、IFRSにおいては注記「3.重要性がある会計方針」に基づいて測定された保険契約および再保険契約を資産または負債として計上しております。
日本基準およびIFRSにおける測定方法は、PAAを適用して測定する契約に係る残存カバーに係る資産および負債については概ね類似しておりますが、同契約に係る発生保険金に係る資産および負債ならびにPAAを適用せずに測定する契約に係る資産および負債については、主に次の差異があります。
・日本基準においては、原則として割引計算を行っておりませんでしたが、IFRSにおいては、見積将来キャッシュ・フローに貨幣の時間価値を反映させて測定しております。
・日本基準においては、明示的にはリスク調整を考慮しておりませんでしたが、IFRSにおいては、見積将来キャッシュ・フローに非金融リスクに係るリスク調整を反映させて測定しております。
・日本基準においては、原則として契約締結時点における見積りの前提に基づいておりましたが、IFRSにおいては、見積将来キャッシュ・フローは期末日現在における見積りに基づいて測定しております。
・日本基準においては、原則として保険契約に係る費用は発生時に認識しておりましたが、IFRSにおいては、新契約費および直接維持費については見積将来キャッシュ・フローの測定に含めております。
保険収益の表示
日本基準においては保険契約者から収受した時点で認識する収入保険料と保険契約準備金の一部である責任準備金等の増減(費用として表示される「責任準備金等繰入額」または収益として表示される「責任準備金等戻入額」)とに区分して表示しておりましたが、IFRSにおいては「保険収益」として表示しております。
保険サービス費用の表示
日本基準においては保険契約者に支払った時点で認識する支払保険金、保険契約準備金の一部である支払備金の増減(費用として表示される「支払備金繰入額」または収益として表示される「支払備金戻入額」)などに区分して表示しておりましたが、IFRSにおいては「保険サービス費用」として表示しております。また、IFRSにおいては、不利な契約に係る損益についても「保険サービス費用」に含めております。
(18) 確定給付制度に係る確定給付制度債務
日本基準においては数理計算上の差異および過去勤務費用について、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理しておりましたが、IFRSにおいては数理計算上の差異については、発生時にその他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素で認識した後、ただちに利益剰余金に振り替えております。また、過去勤務費用については、発生時にその全額を純損益として認識しております。
(19) 特別法上の準備金
日本基準においては、保険業法に基づいて「価格変動準備金」を計上しておりましたが、IFRSにおいては負債の認識要件を満たしていないため計上しておりません。
(20) 繰延税金資産および繰延税金負債
日本基準からIFRSへの調整に伴い発生した一時差異に対して、「繰延税金資産」および「繰延税金負債」を計上しており、調整額は関連する取引に応じて利益剰余金またはその他の資本の構成要素として計上しております。これらの一時差異は、主に保険契約および金融商品に係る「認識および測定の差異」によるものであります。
(21) 在外営業活動体に係る累積換算差額の振替
初度適用に際して、IFRS第1号に規定されている免除規定を適用し、移行日における累積換算差額をすべて利益剰余金に振り替えております。
(22) 利益剰余金
IFRS調整に伴う利益剰余金への影響は、次のとおりであります。
③ キャッシュ・フローに対する調整
日本基準に基づいて開示されている連結キャッシュ・フロー計算書と、IFRSに基づいて開示されている連結キャッシュ・フロー計算書との間に重要な差異はありません。
(2) 【その他】
該当事項はありません。
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準および評価方法
(1) 売買目的有価証券の評価は、時価法によっております。
なお、売却原価の算定は移動平均法によっております。
(2) 満期保有目的の債券の評価は、移動平均法に基づく償却原価法によっております。
(3) 子会社株式および関連会社株式の評価は、移動平均法に基づく原価法によっております。
(4) その他有価証券(市場価格のない株式等を除く。)の評価は、時価法によっております。
なお、評価差額は全部純資産直入法により処理し、また、売却原価の算定は移動平均法によっております。
(5) その他有価証券のうち市場価格のない株式等の評価は、移動平均法に基づく原価法によっております。
(6) 有価証券運用を主目的とする単独運用の金銭の信託において信託財産として運用されている有価証券の評価は、時価法によっております。
(7) 運用目的および満期保有目的のいずれにも該当しない有価証券の保有を目的とする単独運用の金銭の信託において信託財産として運用されている有価証券の評価は、その他有価証券と同じ方法によっております。
2 デリバティブ取引の評価基準および評価方法
デリバティブ取引の評価は、時価法によっております。
3 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却は、定額法によっております。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)の減価償却は、定額法によっております。
なお、自社利用のソフトウェアの減価償却は、利用可能期間に基づく定額法によっております。
4 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定基準および償却・引当基準に基づき、次のとおり計上しております。
破産、特別清算、手形交換所における取引停止処分等、法的・形式的に経営破綻の事実が発生している債務者に対する債権および実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権については、債権額から担保の処分可能見込額および保証による回収が可能と認められる額等を控除し、その残額を引き当てております。
今後、経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者に対する債権については、債権額から担保の処分可能見込額および保証による回収が可能と認められる額を控除し、その残額のうち、債務者の支払能力を総合的に判断して必要と認められる額を引き当てております。
上記以外の債権については、過去の一定期間における貸倒実績等から算出した貸倒実績率等を債権額に乗じた額を引き当てております。
また、すべての債権は資産の自己査定基準に基づき、各所管部署が資産査定を実施し、当該部署から独立した資産監査部署等が査定結果を監査しており、その査定結果に基づいて上記の引当を行っております。
(2) 投資損失引当金
有価証券等について将来発生する可能性のある損失に備えるため、資産の自己査定基準および償却・引当基準に基づき、期末における損失見込額を計上しております。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しております。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
② 数理計算上の差異および過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(11年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
また、過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)による定額法により費用処理しております。
(4) 賞与引当金
従業員賞与に充てるため、期末における支給見込額を基準に計上しております。
(5) 役員賞与引当金
役員賞与に充てるため、期末における支給見込額を基準に計上しております。
また、株価連動型報酬制度に基づく支給見込額のうち、期末において発生していると認められる額を計上しております。
(6) 価格変動準備金
株式等の価格変動による損失に備えるため、保険業法第115条の規定に基づき計上しております。
5 ヘッジ会計の方法
長期の保険契約等に係る金利変動リスクをヘッジする目的で実施する金利スワップ取引については、「保険業における金融商品会計基準適用に関する会計上及び監査上の取扱い」(日本公認会計士協会業種別委員会実務指針第26号)に基づく繰延ヘッジを適用しております。ヘッジ対象となる保険負債とヘッジ手段である金利スワップ取引を一定の残存期間ごとにグルーピングのうえヘッジ指定を行っており、ヘッジに高い有効性があるため、ヘッジ有効性の評価を省略しております。
保有する株式に係る将来の株価変動リスクをヘッジする目的で行う株式スワップ取引については時価ヘッジを適用しております。
為替変動に伴う外貨建資産等の為替変動リスクをヘッジする目的で実施する為替予約取引、通貨オプション取引および通貨スワップ取引については原則として時価ヘッジを適用しております。外貨建予定取引の円貨建キャッシュ・フローを固定する目的で実施している為替予約取引の一部については、繰延ヘッジを適用しております。
なお、ヘッジ有効性については、原則としてヘッジ開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ対象の相場変動またはキャッシュ・フロー変動の累計とヘッジ手段の相場変動またはキャッシュ・フロー変動の累計とを定期的に比較し、両者の変動額等を基礎にして判断しております。
ただし、ヘッジ対象とヘッジ手段に関する重要な条件が同一でありヘッジに高い有効性があることが明らかなものについては、ヘッジ有効性の評価を省略しております。
6 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 保険契約に関する会計処理
保険料、支払備金および責任準備金等の保険契約に関する会計処理については、保険業法等の法令等の定めによっております。
(2) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(3) 消費税等の会計処理
消費税等の会計処理は税抜方式によっております。
ただし、損害調査費、営業費及び一般管理費等の費用は税込方式によっております。
なお、資産に係る控除対象外消費税等は仮払金に計上し、5年間で均等償却しております。
(重要な会計上の見積り)
支払備金
1 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
2 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
保険業法第117条、同施行規則第72条および第73条の規定ならびに平成10年大蔵省告示第234号に基づき、支払備金を積み立てております。
(1) 算出方法
普通支払備金については、支払事由の発生の報告があった保険契約について、支払事由の報告内容、保険契約の内容および損害調査内容等に基づき個別に支払見込額を見積もっており、また、既発生未報告損害支払備金(以下「IBNR備金」という。)については、まだ支払事由の発生の報告を受けていないが保険契約に規定する支払事由が既に発生したと認められるものについて、保険種類等の計算単位ごとに、主として統計的手法を用いて見積もっております。なお、大規模自然災害などの個別性の高い損害については、個別にIBNR備金を見積もっております。
(2) 翌事業年度の財務諸表に与える影響
法令等の改正、裁判の判例の動向、インフレおよび為替相場などの変動要因により、保険金等の支払額や支払備金の計上額が当初の見積りから変動する可能性があります。
なお、IBNR備金は、過去の実績等を勘案し、適正な保険数理に基づき積み立てておりますが、支払事由の発生について未報告であること等に起因する不確実性を有しております。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)
ほか、関連する企業会計基準、企業会計基準適用指針、実務対応報告および移管指針の改正
(1) 概要
国際的な会計基準と同様に、借手のすべてのリースについて資産・負債を計上する等の取扱いを定めるものです。
(2) 適用予定日
2028年3月期の期首より適用予定であります。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
財務諸表作成時において、財務諸表に与える影響は評価中であります。
(貸借対照表関係)
※1 有形固定資産の圧縮記帳額は次のとおりであります。
2 関係会社に対する金銭債権債務の総額は次のとおりであります。
(注) 1 金銭債権の内容は、前事業年度は未収配当金、再保険貸等であり、当事業年度は再保険貸等であります。
2 金銭債務の内容は、未払金、再保険借等であります。
※3 関係会社の株式等の総額は次のとおりであります。
※4 担保に供している資産および担保付債務は次のとおりであります。
担保に供している資産
担保付債務
なお、上記有価証券には、現金担保付有価証券貸借取引により差し入れた有価証券が含まれており、その金額は次のとおりであります。
※5 有価証券のうち消費貸借契約により貸し付けているものの金額は次のとおりであります。
※6 保険業法に基づく債権のうち、破産更生債権及びこれらに準ずる債権、危険債権、三月以上延滞債権ならびに貸付条件緩和債権の金額は次のとおりであります。
(注) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始または再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権およびこれらに準ずる債権であります。
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態および経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収および利息の受取りができない可能性の高い債権で、破産更生債権及びこれらに準ずる債権に該当しない債権であります。
三月以上延滞債権とは、元本または利息の支払が約定支払日の翌日から三月以上遅延している貸付金で破産更生債権及びこれらに準ずる債権ならびに危険債権に該当しないものであります。
貸付条件緩和債権とは、債務者の経営再建または支援を図ることを目的として、金利の減免、利息の支払猶予、元本の返済猶予、債権放棄その他の債務者に有利となる取決めを行った貸付金で、破産更生債権及びこれらに準ずる債権、危険債権ならびに三月以上延滞債権に該当しないものであります。
※7 支払備金の内訳は次のとおりであります。
※8 責任準備金の内訳は次のとおりであります。
(損益計算書関係)
1 関係会社との取引による収益費用の総額は次のとおりであります。
(注) 1 収益の内容は、受取配当金、収入保険料等であります。
2 費用の内容は、前事業年度は業務委託料、支払保険金等であり、当事業年度は業務委託料、支払手数料等であります。
※2 正味収入保険料の内訳は次のとおりであります。
※3 正味支払保険金の内訳は次のとおりであります。
※4 諸手数料及び集金費の内訳は次のとおりであります。
※5 支払備金繰入額(△は支払備金戻入額)の内訳は次のとおりであります。
※6 責任準備金繰入額(△は責任準備金戻入額)の内訳は次のとおりであります。
※7 利息及び配当金収入の内訳は次のとおりであります。
※8 金銭の信託運用益中の評価損益の合計額は次のとおりであります。
※9 金融派生商品費用中の評価損益は次のとおりであります。
(有価証券関係)
子会社株式および関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、時価開示の対象としておりません。
子会社株式および関連会社株式の貸借対照表計上額は次のとおりであります。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3 法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理ならびに開示を行っております。
4 法人税等の税率の変更による繰延税金資産および繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立したことに伴い、2026年4月1日以後開始する事業年度より、「防衛特別法人税」の課税が行われることとなりました。これに伴い、2026年4月1日に開始する事業年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産および繰延税金負債については、法定実効税率が27.9%から28.9%に変更となります。この税率変更により、当事業年度の繰延税金資産(繰延税金負債の金額を控除した金額)は1,361百万円、責任準備金は2,953百万円増加し、法人税等調整額は12,612百万円減少し、当期純利益は9,659百万円増加しております。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④ 【附属明細表】
【事業費明細表】
(注) 1 金額は当事業年度の損益計算書における損害調査費、営業費及び一般管理費ならびに諸
手数料及び集金費の合計であります。
2 その他物件費のうち主なものは業務委託費、資産管理費であります。
3 負担金は保険業法第265条の33の規定に基づく保険契約者保護機構負担金であります。
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額であります。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(注) 1 一般貸倒引当金の当期減少額(その他)は、洗替による取崩額であります。
2 個別貸倒引当金の当期減少額(その他)は、回収等による取崩額であります。
3 投資損失引当金の当期減少額(その他)は、要引当額の減少による取崩額であります。
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社は単元株制度を採用しておりません。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、上場会社ではありませんので、金融商品取引法第24条の7第1項の適用がありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書およびその添付書類ならびに確認書
事業年度 第81期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
2024年6月21日 関東財務局長に提出
(2) 有価証券報告書の訂正報告書および確認書
事業年度 第81期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
2024年10月25日 関東財務局長に提出
(3) 半期報告書および確認書
第82期中(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
2024年11月28日 関東財務局長に提出
(4) 発行登録書(社債)
2025年3月13日 関東財務局長に提出
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。

