第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 第159期より国際財務報告基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しています。
2 当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。第158期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的及び希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益を算定しています。
(注) 1 第159期の諸数値につきましては、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第156期の期首から適用しており、第156期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
3 当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。第155期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。なお、2024年3月期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しています。また、第155期から第158期の1株当たり配当額については、当該株式分割前の配当金の額を記載しています。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第156期の期首から適用しており、第156期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
3 当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。第155期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しています。また、株主総利回りについては、当該株式分割による影響を考慮して算定しています。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、当社、子会社122社、関連会社35社で構成され、四輪車、二輪車、船外機及び電動車いす他の製造販売を主な内容とし、さらに各事業に関連する物流及びその他のサービス等の事業を展開しています。
当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。以下に示す区分は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一です。
(四輪事業)
四輪車の製造は当社が行うほか、海外においては子会社 Magyar Suzuki Corporation Ltd.、Maruti Suzuki India Ltd.他で行っています。また、部品の一部については、国内においては子会社 ㈱スズキ部品製造 他、海外においては関連会社 Krishna Maruti Ltd. 他で製造しています。
販売は、国内においては子会社 ㈱スズキ自販近畿をはじめとする全国の販売会社を通じ、海外においては子会社 Suzuki Italia S.p.A. 他の販売会社及び製造販売会社を通じて行っています。また、物流サービスは子会社 スズキ輸送梱包㈱が行っています。
(二輪事業)
二輪車の製造は当社が行うほか、海外においては子会社 Suzuki Motorcycle India Private Ltd. 他で行っています。また、部品の一部については子会社 ㈱スズキ部品製造 他で製造しています。
販売は、国内においては子会社 ㈱スズキ二輪 他の販売会社を通じ、海外においては子会社 Suzuki Motor USA, LLC 他の販売会社及び製造販売会社を通じて行っています。
(マリン事業)
船外機の製造は当社が行うほか、海外においては子会社 Thai Suzuki Motor Co.,Ltd. で行っています。販売は、国内においては子会社 ㈱スズキマリンで、海外においては子会社 Suzuki Marine USA, LLC 他の販売会社及び製造販売会社を通じて行っています。
(その他事業)
国内において、電動車いすの販売を子会社 ㈱スズキ自販近畿 他の販売会社を通じて行っており、不動産の販売を子会社 ㈱スズキビジネスで行っています。
事業の系統図は、次のとおりです。(主な会社及び事業のみ記載しています。)

4 【関係会社の状況】
(連結子会社)
(持分法適用関連会社)
(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。なお、その他事業における( )内には、主要事業を明確にするため、主要製品及びサービスを記載しています。
2 ※1 特定子会社に該当します。
3 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
4 「議決権の所有割合 (%)」欄の( )内には、間接所有割合を内数で記載しています。
5 ※2 Maruti Suzuki India Ltd.については、売上収益 (連結会社相互間の内部取引高を除く) の連結売上
収益に占める割合が10%を超えています。同社の主要な損益情報等は、「第5 経理の状況
連結財務諸表注記 37.主要な子会社 (2)重要な非支配持分がある子会社の要約財務情報等」
をご参照ください。
6 ※3 議決権の所有割合は100分の50以下ですが、営業活動を指図する能力及び財務的支配を通じ
てパワーを有しているため子会社としています。
7 ※4 当連結会計年度からIFRSを適用したことにより、日本基準では特定子会社に該当していた
Suzuki Global Ventures,L.P.及びTDS Lithium-Ion Battery Gujarat Private Ltd.は特定子会社
に該当しません。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数 (休職者及び当社グループからグループ外部への出向者を除く) であり、臨時従業員数 (期間社員、人材会社からの派遣社員、パートタイマー他) は、年間の平均雇用人員を( )内に外数で記載しています。
2 全社 (共通) として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。
(2) 提出会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数 (休職者及び当社から他社への出向者を除く) であり、臨時従業員数 (期間社員、人材会社からの派遣社員、パートタイマー他) は、年間の平均雇用人員を( )内に外数で記載しています。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
3 全社 (共通) として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものです。
(3) 労働組合の状況
労使関係は安定しており特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
②連結子会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。また、当該事項については、取締役会等の社内会議体で合理的な根拠に基づき適切な検討を行ったものです。これらの記載は実際の結果と異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。
2030年度に向けた主な取組み
<連結売上収益目標>
2030年度の経営目標を売上収益8兆円、営業利益8,000億円、営業利益率10%、ROE13%としました。BEV比率の増加や労務費の上昇、原材料費が高騰する中でもしっかりと収益体質を改善させ、2030年代前半にはROE15%を達成することを見据えながら、必要な投資を進めていきます。
<各事業>
○四輪事業
各国の規制に対応すべく、適切なBEVモデルを投入していきます。
それぞれの国、地域のエネルギー事情等に応じて、お客様がご自身に合った商品を選んでいただけるよう、CNG(CBG)車・エタノール混合燃料対応車(FFV、E20)などの商品も投入していきます。

(注)CNG:圧縮天然ガス、CBG:圧縮バイオメタンガス、FFV:フレックス燃料車、E20:エタノール20%混合
日本
スズキにとって成長市場と捉えています。登録車販売を伸ばし、収益を高めていきます。
お客様と社会に必要とされる会社となることを目指し、日常の足として軽自動車をお使いのお客様の生活を守っていきます。商品に込めた想い、こだわりを丁寧に発信し、お客様が感じるスズキの価値を向上させ、商品価値に見合う、適正な価格で商品を販売していきます。また、お客様に寄り添った営業活動により、新たなお客様の獲得、代替の増加、サービス売上の増加により利益を増やし、お客様とともに成長していきます。
インド
今後も成長が続くスズキにとっての最重要市場です。自動車のリーディングカンパニーとしてシェア50%、BEVの生産・販売・輸出1位を目指します。SUVやMPVセグメントでの商品力を強化しつつ、中間層のお客様が初めて購入する車として、エントリーモデルの開発にも注力します。
インド各地の事情に合わせて、BEV・HEV・CNG(CBG)車・FFVなど選択肢を示していきます。そのためにも、お客様との物理的な距離が近いマルチ・スズキの商品企画・開発能力を向上させ、インドのお客様の嗜好に合った商品をタイムリーに提供する体制にしていきます。
販売については、NEXA店を上級志向、ARENA店を幅広いお客様向けとして、役割を明確化し2つのチャネルをさらに磨きあげていきます。
欧州
要求性能が極めて高く、先進的な環境・安全規制が導入される市場です。欧州のお客様が必要とする商品を供給することで、スズキの技術・製品を磨いていきます。
インド生産のモデルも活用し、必要な商品ラインアップを揃え、販売・サービス網を維持していきます。また、デジタルを活用した営業活動強化も進めていきます。
中東・アフリカ
大きな成長可能性を秘めた市場です。インドと地理的な距離が近く、道路事情などお客様のニーズがインドと似ているため、インド製モデルを活用して開拓し、販売・利益を増やすことを目指します。スズキの得意とする小型車の需要が見込める国で、お客様満足度の向上を図りながら、販売増を目指します。
アジア(インドを除く)
ASEAN市場については、インドネシアを中心に事業を再構築し販売台数を伸ばすことを目指します。インドネシアの生産・販売のボリュームを増やし、競争力の高い商品をインドネシアからASEAN各国に供給できる体制を構築していきます。
45%のシェアを持つパキスタンでは、さらなる事業規模拡大を進めることに取り組みます。パキスタンでは、日本の軽自動車が受け入れられていますので、軽自動車のグローバル化の一拠点として、商品ラインアップを充実させ、スズキの強みである販売網も駆使して、拡販していきます。
中南米・大洋州
中南米では、小型SUVのさらなる拡販をしていきます。インド製商品を拡充し、より市場における競争力を高めていきます。
大洋州では、低燃費商品の拡充をしていきます。各国で進む燃費規制の動向を踏まえ、スズキらしい“小型で低燃費”の機種を売り込むことで、スズキの存在感を高めていきます。
○二輪事業
妥協しない商品づくりを通じてお客様が求める「価値ある製品」を提供し、作り手の想いを伝え、お客様の信頼獲得を推進していきます。欧米を中心とした趣味嗜好で使用する商品とインド等の市場で生活の足、業務に使用する商品に層別し、商品づくりや販売・サービス活動を強化していきます。
○マリン事業
世界中のお客様に耐久性と信頼性に優れた製品を提供し、お客様にとって、水上の「楽しむ」と「働く」を支える頼れるパートナーとなれるよう取り組みます。「楽しむ」お客様と、「働く」お客様とで層別し、商品づくりや販売・サービス活動を行います。
マイクロプラスチック回収装置などマリンのお客様の大切な場所である水辺の環境を整備する活動にも力を入れていきます。
技術について、カーボンニュートラルに取り組むのはもちろんのこと、船体の統合制御、操作支援の技術開発、商品化も進め、お客様が求める、より高い価値を提供していきます。
○新事業
既存事業の強みを活かし、サービスモビリティやエネルギー分野で新規事業を立ち上げ、事業規模の拡大と収益化を目指します。スズキに足りない技術やノウハウは、他社との積極的な協業により実現していきます。
スズキの強みを生かし、インドの社会課題を解決することでともに成長する取組みであるバイオガス事業では、牛糞からバイオメタン、CBGを精製し、エネルギーが乏しいルーラルエリアの方の生活・炊事に、また、CNG(CBG)車の燃料として使っていただき、移動の自由を提供する取組みを推進していきます。
<技術戦略>
製造からリサイクルまで「エネルギーを極少化させる技術」を実現し、世界中の人々に移動する喜びをご提供しつつ、カーボンニュートラルな世界を目指します。
上記実現のため、全ての基本として全体を支える「軽くて安全な車体」、お客様の用途に合わせた適所適材な「バッテリーリーンなBEVとHEV」、「効率良いICEとCNF技術の組み合わせ」、アフォーダブルな仕組みでクルマの価値を創造する「SDVライト」、サーキュラーエコノミーに向けた「リサイクルしやすい易分解設計」、これらを5つの柱として技術開発を進めます。

(注)ICE:ガソリン等を燃料としたエンジン(内燃機関)
CNF技術:バイオエタノールやCBGなどカーボンニュートラル燃料を少量で上手く燃やす技術
SDV:ソフトウエアの追加・更新により販売後にも機能を拡張・変更できる自動車
<カーボンニュートラル>
事業活動からのCO2排出[Scope1,2]について、グローバル(インド含む)で2050年までのカーボンニュートラル達成を目標に取り組みます。パリ協定の1.5℃水準に沿った目標に移行し、中間目標として、総量で2030年度に2022年度比42%削減を目指します。

<研究開発・設備投資>
収益性・効率性を改善させ投資資金を最大限確保し、積極的に成長投資を実行していきます。企業価値を最大化できるように、外部状況に応じて柔軟に経営資源を適所適材に振り分けていきます。成長投資は主にインドの需要拡大に応える生産能力増強とエネルギー極少化に向けた技術開発に取り組みます。
具体的には、成長投資として、2030年度までに、設備投資に2兆円、研究開発費に2兆円、あわせて4兆円を計画しており、設備投資のうちインド関連で1兆2,000億円、研究開発費のうちエネルギー極少化に向けたもので1兆3,500億円を計画しています。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものです。また、当該事項については、取締役会等の社内会議体で合理的な根拠に基づき適切な検討を行ったものです。これらの記載は実際の結果と異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。
(1)サステナビリティ全般の方針
①ガバナンス
代表取締役及び関係役員が出席する「経営・業務執行会議」と「コーポレートガバナンス委員会」において、サステナビリティ(環境・社会・ガバナンス)に関する課題や方針、対策等について議論しています。特に重要な議題については取締役会に上程・報告します。経営と一体となった、実効性のある活動の推進を目指しています。
具体的な施策については、経営企画本部に設置したサステナビリティ推進の専門部署を中心に、社内各本部/グループ会社と連携し、社会課題の解決に向けた取組みを社内横断的に推進しています。

②リスク管理
各部門で発生又は認識した課題の審議、並びに潜在リスクの洗い出し、把握をコーポレートガバナンス委員会で実施しています。特に環境関連リスクについては、テーマに応じてカーボンニュートラル推進会議や環境委員会で集中検討し、各部門への指示や管理を行っています。
詳細につきましては、「(2)気候変動への対応 ③リスク管理」「(3)人的資本に関する取組 ③リスク管理」「3 事業等のリスク」をご参照ください。
③戦略
a. マテリアリティ(重要課題)の特定
当社のマテリアリティは、社是「お客様の立場になって」を念頭に、課題解決によって社会やお客様にどのように貢献していくかを意識して特定し、「事業を通じて解決する課題」とそれらを支える「事業基盤の強化のための課題」に大別して整理しています。
特定・整理したマテリアリティを、当社のサステナビリティ方針の基本として定め、取組みを推進しています。なお、2025年2月に発表した中期経営計画の策定に伴い、事業を取り巻く環境の変化を踏まえて、現在マテリアリティの見直しを進めています。

b. サステナビリティ戦略
2025年2月、当社は中期経営計画「By Your Side」を発表しました。経営基盤の強化に向けた取組みとして、カーボンニュートラル、人材育成などに積極的に取り組んでいきます。社是・行動理念に基づいたスズキらしい解決策で様々な社会課題に取り組み、お客様の立場になった製品・サービスづくりで進出国・地域とともに成長していきます。
詳細につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(2)気候変動への対応
①ガバナンス
スズキは、グループ全体の環境管理を目的として、取締役会直下に経営・業務執行会議である「カーボンニュートラル推進会議」「環境委員会」と、「コーポレートガバナンス委員会」を設置しています。
取締役会は「カーボンニュートラル推進会議」「環境委員会」及び「コーポレートガバナンス委員会」に対して指示・監督を行うとともに、両会議体からの報告を受け最終的な意思決定を行います。
「カーボンニュートラル推進会議」は気候変動(カーボンニュートラル)にテーマを絞り、より機動的に会議運営ができるように毎月1回、脱炭素に向けた集中審議を行っています。「環境委員会」は、カーボンニュートラル以外の環境問題、すなわち大気保全、水資源、資源循環などをテーマに年2回開催しています。
「コーポレートガバナンス委員会」は、コンプライアンスの徹底やリスク管理等に関する事項を検討し、関係部門と連携しながら組織横断的な課題への対策や施策を推進しています。
三つの会議体のテーマを明確に分けることで会議の実効性を高め、脱炭素に向けた意思決定を一層加速させています。

②戦略
a. TCFD提言への対応
2020年4月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の趣旨に賛同・署名しました。ステークホルダーに分かりやすい情報開示を進めるとともに、気候変動に対する強靭性をより強化するため、シナリオ分析の高度化や開示情報の充実化に努めていきます。
b. 気候関連リスクと機会、シナリオ分析
当社は、持続可能な事業活動を進めるために事業リスクや機会の特定を進めています。特に、気候変動の影響は根源的に不確実であるため、将来を幅広に捉えた上でリスク・機会の影響度を評価し、適切に対応することが重要であると認識しています。
この認識のもと、気候変動の物理影響が顕著になる「4℃シナリオ」と、パリ協定の実現に向けて気候変動対策が加速する「1.5℃/2℃シナリオ」の2つのシナリオを想定し、リスクと機会の影響の差異を評価しました。シナリオの想定にあたっては、IEA※1やIPCC※2等の科学知見に基づく、外部シナリオを参照しました。
※1 IEA:International Energy Agency の略。国際エネルギー機関。
※2 IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change の略。気候変動に関する政府間パネル。
■当社の気候関連リスクの一覧とシナリオ別の影響差異

c. スズキの気候関連リスクと機会
気候変動の緩和策として、排出ガスやCO2・燃費規制などさまざまな法規制の強化が進められる中、これらの規制を遵守するための開発費用の負担増加は当社の業績に大きな影響を与える可能性があります。一方で、当社が得意とする「小さなクルマ」は、生産に必要な材料やエネルギーが少なく、また使用時のCO2排出量も抑えることができます。こうした当社独自の強みを活かし、リスクに適切に対処していくことで機会の創出につなげていくことができると考えます。
2023年度から、すでに開示している気候変動に伴うシナリオ分析をベースとした財務インパクト分析に着手しています。気温上昇による台風や洪水、高潮など自然災害リスクの影響度をグローバルベースで評価し、リスクの低減や回避、事業継続につなげることを目的とした取組みです。まずは国内及びインドの自社拠点に加えて国内一次取引先様の影響度評価を実施しました。
気候変動によるリスクの低減や回避、将来の機会獲得や競争力強化に向けて、今後も引き続き十分な検討を重ね、事業戦略への反映を進めていきます。
■特に重要なリスク項目の詳細と創出機会、当社の対応状況

③リスク管理
a. リスク管理体制
気候関連のみならず、各部門で発生又は認識した課題の審議、並びに潜在リスクの洗い出し、把握をコーポレートガバナンス委員会で実施しています。環境関連リスクについては、テーマに応じてカーボンニュートラル推進会議や環境委員会で集中検討し、各部門への指示や管理を行っています。
各会議体の扱うテーマ
●コーポレートガバナンス委員会:
各部門で発生又は認識したリスクを把握し、審議のうえ各部門へ指示を出し解決につなげる。
●カーボンニュートラル推進会議:
環境関連リスクのうち、気候変動(カーボンニュートラル)に関するリスクと機会を審議し、解決並びに推進を行う。
●環境委員会:
水資源や生物多様性等、気候変動以外の環境関連のリスクと機会を審議し、解決並びに推進を行う。
b. 気候関連想定リスク
気候関連リスクにおいては、気候変動影響を「4℃シナリオ」「1.5℃/2℃シナリオ」の2つのシナリオを想定し、リスクと影響を評価しています。リスクの種類として、政策規制等の「移行リスク」と自然災害等の「物理リスク」の2つの観点からリスクと影響を考察しています。
リスクの詳細は、「②戦略 b. 気候関連リスクと機会、シナリオ分析」の当社の気候関連リスクの一覧をご参照ください。
④指標と目標
a. 環境目標
昨今、地球温暖化が要因とされる異常気象が頻発しています。こうした気候変動の影響を抑えるために、世界の平均気温上昇を産業革命以前から2℃未満に抑えることを目的に、今世紀後半に温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す「パリ協定」が採択されました。
スズキは以前から、「小・少・軽・短・美」の理念に沿って、製造時、使用時ともにCO2排出の少ない製品を作り続けてきましたが、いわゆる1.5℃目標の達成に向けて、より一層のCO2削減に努めなければならないという課題意識のもと、気候科学と整合した削減目標を掲げ、取組みを推進していきます。
また、新興国は気候変動対策だけでなく経済成長との両立を求めています。新興国とともに成長を目指すスズキは、新興国の人々の暮らしを豊かにしつつ、気候変動対策を推進していきます。
スズキでは気候関連の目標と指標を複数設定し、推進並びに進捗管理しています。
指標にはCO2排出量のほか、気候変動と関連するエネルギー、大気保全、水資源保全等についても設定しています。
指標はターゲットに応じて大きく3つ設定しており、それぞれ目標達成を目指しています。
・ 長期:スズキ環境ビジョン2050
・ 中期:マイルストーン2030
2030年度に向けた成長戦略
・ 短期:スズキ環境計画2025
■スズキの環境目標

b. バリューチェーン全体が排出する温室効果ガスの開示
スズキは、原材料・部品の購買や製品の製造・販売を通した事業活動に伴い排出される温室効果ガスの低減に向け、温室効果ガス排出量の把握・開示が必要であると考え、事業活動に伴い排出される温室効果ガスだけではなく、バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を把握する取組みを2013年度より行っています。
2023年度にバリューチェーン全体が排出した温室効果ガス排出量10,871万t-CO2のうち10,775万t-CO2がスコープ3(その他の活動に伴う間接排出)に相当し、中でも「カテゴリー11 スズキが販売した製品の使用」による排出量が8,558万t-CO2とバリューチェーン全体の78.7%を占めています。
このことからスズキは、バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を低減させるには製品の使用に伴う排出量を低減させることが重要であると考え、引き続き燃費向上を重視した製品の開発・改良に取り組んでいきます。
■バリューチェーン全体が排出する温室効果ガスの開示 スコープ1・2・3 (単位:万t-CO2)

※1 《スコープ1・2》
●算定範囲
-国内:スズキ株式会社、及び国内製造・非製造子会社66社
-海外:海外製造・非製造子会社32社
●対象ガス:温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、
六フッ化硫黄、三フッ化窒素の7つのガス)
●排出係数
-電力:国内は電気事業者別の直近の調整後排出係数、海外はIEA Emissions Factors 2022
-燃料:国内は算定・報告・公表制度における排出係数、海外はIPCCガイドライン2006。
なお、都市ガスの単位発熱量は供給会社の公表値。
※2 《スコープ3_ カテゴリー11》
●算定範囲:スズキ株式会社グループ
●算定対象製品:四輪車、二輪車、船外機、電動車いす他の自社製品を対象
●算定方法概要
-当該年度に販売した製品の想定される生涯走行距離に、機種別の排出原単位を乗じて算出。
-年間走行距離、使用年数については、主にIEA SMP Model 等の公表情報を基に設定。
-機種別の排出原単位は、原則として各国規制に基づく認証値を採用し、WTW(Well to Wheel)に換算したものを設定。
詳細は、ウェブサイト「サステナビリティ」をご参照ください。
(3)人的資本に関する取組
①ガバナンス
②戦略
<基本動作>
社是と行動理念「小・少・軽・短・美」、「現場・現物・現実」、「中小企業型経営」に則り、人財育成方針及び社内環境整備方針に基づき、社員の能力発揮、価値創造を後押しします。社員一人ひとりが自身の能力を最大限に発揮することで、2030年度に向けた成長戦略の達成及び持続的成長を実現します。人と社会に必要とされる存在となるべく、“生活に密着したインフラ企業”を目指していきます。
<新中期経営計画(2025~2030年度)>
経営基盤の強化に向けた取組み:人財育成
従業員の職務能力向上、個の成長とウェルビーイングを目指し、2024年4月に新人事制度を導入しました。適宜、取組みや制度のアップデートを行い、従業員一人ひとりが、社是と行動理念を実践し、個の成長に注力できる環境を整備していきます。

<人財育成方針>
スズキグループの全社員が理解し実践すべき社是では、①企業の社会的使命を果たすことへの努力目標(製品づくり)、②自分が所属する会社という組織に対する努力目標(会社づくり)、③自分自身に対する努力目標(人間づくり)の三つの努力目標を掲げています。社是の精神とそれを実践するための行動理念に基づき、「人財開発は会社の一丁目一番地」との思いで、社長自らが先頭に立って人財開発に関する諸改革をリードし、2022年10月には組織体制を人事総務本部から人財開発本部へと改編し、社是や行動理念を体現できるスズキらしい人財づくりに注力しています。そして、自動車の100年に一度の大変革と言われるCASE対応や、社会的使命であるカーボンニュートラル社会の実現等、従来の自動車メーカーのままでは到底対処できない大きな変化を乗り越えるために、既存の業務や考え方にとらわれず、新しいことに果敢に挑戦する人財、新たな発想を生み出す多様な経験・価値観を持つ人財、高度な専門性を持つ人財、グローバルに活躍できる人財など、多様な人財を採用、育成することに努めています。
<社内環境整備方針>
社是にあるとおり、高い目標への挑戦と自身の努力を促す風土醸成により、一人ひとり個性の異なる人財が共通の目標に向かって能力を発揮し、より付加価値の高い成果を創出し、働き甲斐・やりがいを感じながら生き生きと働き続けることができる会社づくりに取り組んでいます。今後も継続して、社員の声を吸い上げ、労使で丁寧な対話を重ね、人事制度改革、大胆な業務改廃・働き方変革、労働諸条件の改善、職場の環境づくりなど、人事総務諸施策の改革を進めて、社員一人ひとりがスズキで働いて良かったと思える会社にしていきます。
a. 人財育成
経営基盤の強化に向け「個の成長」と「個の稼ぐ力」の強化を掲げ、自己成長を促す環境と風土を醸成すると共に、社員の自主的な学びを奨励、支援することで、全社的な人財育成に取り組んでいます。
社是と行動理念の浸透
お客様に満足し続けていただき、スズキへの信頼が得られるよう、全社員一人ひとりが創業の精神、モノづくりの精神を再確認し、スズキのOS(Operating System)である社是と行動理念を業務で常に実践できるよう、新入社員から役職者までの階層別研修、各職場での実務などを通して確実な浸透を図っています。
階層別の職務能力向上
全部門に共通し、職能資格に応じて必要な基礎スキルや職務遂行能力が習得できるよう、社内外の講師による職能資格ごとに対象者を集めた集合研修を実施しています。各自が職務遂行に必要な能力の気づきと習得ができるよう取り組んでいます。
部門別の職務能力向上
職場の上司や先輩の指導を通したOJTや、社内研修や外部セミナーなどによるOFF‐JTを通し、専門知識とスキルの習得に取り組んでいます。また、技術及び生産技術部門では、部門で必要な全スキルを可視化し(スキルマップ)公開することで、各自のキャリアプラン構築やリスキリングを支援しています。
学習支援
Eラーニングによる各種研修コンテンツをオンデマンドで受講可能なシステム(研修ライブラリー)の導入や、福利厚生制度(カフェテリアプラン)による自己啓発書籍購入や語学スクール費用などに対する一定金額の補助を通し、社員の自主的な職務能力向上、専門知識の習得、学び直しを支援しています。
スタートアップ企業への派遣
スズキ本来の「困難に立ち向かい自ら切り開く起業家精神」に立ち返り視野・知見を広げ、社員一人ひとりが社外へのアンテナを高めることを目的に、当社の若手人財を、業種や企業規模を問わず、スタートアップ企業へ派遣しています。国内では、2020年より株式会社エムスクエア・ラボへ「モバイルムーバー」の共同開発などスズキのモビリティ開発のノウハウと、エムスクエア・ラボの農業や地域における課題解決型事業を創造してきたノウハウを融合し、新たなビジネスモデル創造として、また2022年8月より株式会社SkyDriveへ「空飛ぶ車」を四輪・二輪・マリンに次ぐ新たなモビリティ事業の一つとして、種をまき、育成するために派遣しています。海外では、デジタル化が急速に進んでいるインド工科大学内に、2022年11月よりSIC(スズキ・イノベーション・センター)を設置しました。SICに社内各本部の若手社員を派遣し、人々の日常にある課題解決を目指し、インド工科大学の学生と一緒にアイディアを出し合い、ITプロダクトの開発、社会貢献に繋げるイノベーション創出活動を開始しています。2024年11月より、インドのジュガード(今ある資源で創意工夫し問題解決を図る)思想やDPCA(まずはやってみる)精神を学び、インドの皆様と協業できる社員を育成するため、インド経営大学院アーメダバード校での集中研修を開始しました。インド最高峰の経営大学院である同校の教授陣より社会や経済について講義を受けるとともに、農村やスタータップ企業を訪問してインドの現場にふれ、モビリティを超えてインドと成長する熱い想いを醸成します。2024年-2025年には2回実施し、全社各部門から計25名が参加しました。
シリコンバレー研修
2017年9月より、失敗を恐れず挑戦する「ベンチャー精神」に触れ、問題解決手法「デザイン思考」を学ぶことを目的にシリコンバレーへの社員派遣を開始しました。スズキの社是である「お客様のために」の精神を体現している現地スタートアップ企業から学ぶべく、役員から若手までの男女様々な社員を、これまでに19回、延べ192名をシリコンバレーへ派遣してきました。コロナ感染症拡大中も加えて、オンラインや国内派遣によりさらに15回、延べ146名に対し研修を実施してきました。役員から若手までの男女様々な社員が研修に参加し、現地の研修で学んだデザイン思考や、失敗を恐れず挑戦するマインドセットを日々の業務や人財育成に活かしています。
デジタル教育
デジタル教育は全社員、DX推進人財、経営層及び管理職の3層に分けて教育を実施しています。全社員を対象に、DXリテラシー教育を実施し、業務効率化と付加価値の創出、各部門におけるデジタルツールの積極的な活用を促進することを目指しています。
DX推進人財には、DX推進スキル教育を実施し、より高度なデータ分析スキルの習得、デジタルツールの導入と社内展開を進めています。これにより、DX推進人財が社内でのデジタル化をリードする体制を整えています。
経営層及び管理職には、DXマネジメント教育を実施し、デジタル技術を活用した競争優位性の確保と変革を目指しています。
主な教育内容
・ DXマネジメント研修
DXは経営課題であるという認識のもと、経営層が自ら「役員・本部長が業界No.1デジタルチームになる」というスローガンを掲げ、DXを積極的に推進しているITトップベンダー各社との交流会や社内外の講師によるDX研修を開催しています。この研修では、役員及び本部長が直接手を動かし、ソフトウェアやネットワーク、セキュリティ等の分野についての原理・原則を理解するために取り組んでいます。3年目となる2024年度は、生成AI、データ活用、セキュリティをテーマに実際に手を動かすハンズオン形式で計6回を開催しました。生成AI、データ活用については、同様の内容を約200名の部長級管理職にも実施し、さらに生成AIについては、Eラーニングのコンテンツとして全社員に公開し、2025年3月時点で3,500名が受講済です。
・ 市民開発者の育成・支援
全社員がデジタルツールを使いこなし、自部門の課題を自らの手で解決することを目指しています。そのために、ローコード開発とBIの市民開発者を育成するとともに、各部門の個別最適にならないように、社内コミュニティの運営を通じて、ノウハウと成果物を共有し、全社最適のデジタル化に取り組んでいます。
1. 伴走支援型のスキルアップ機会の提供
ローコード開発ツールの教育と、自部門の課題解決を目的としたワークショップを実施し、2024年度は19本部100名の社員が参加しました。ここで学んだ市民開発者はエバンジェリストとして、自部門における市民開発の拡大の役割も担っています。
2. 市民開発者向けコミュニティの運用
(コミュニティTeam参加者 ローコード開発:846名、BI:967名)
・ 開発手法や手順・自習教材の共有
・ チャットベースの技術QAの投稿・共有
・ オンラインでの技術相談会、対面・集合形式での開発サポート
・ 開発されたアプリのカタログ化、情報の共有
3. 開発状況

・ データ分析・活用教育
データ活用の基礎理解を養う概念教育、データ活用の判断力を養うマネジメント教育、データの分析力を高める教育を実施しました。データの分析力を高める教育は、基礎編、応用編、実践編の3コースを開催しました。2024年度までの受講者数は、概念教育12,057名(全社員の71%)、マネジメント教育736名、分析力を高める教育1,398名となりました。また、研修以外にも「データ活用Quiz」を用意し、全社員がいつでも楽しみながら自己啓発・スキルアップできる環境を提供することでデータ分析に対する理解向上と定着を図っています。
i. データを活用する概念の教育(全社員の80%目標)
データを分析することで何ができるようになるのかイメージできるようにする。
ii. データの分析力を高める教育(DX推進人材:データ分析人材の80%目標)
基礎編:データの傾向/特徴から事象を予測できるようにする。
応用編:分析結果を考察し、結果の確からしさを判断できるようにする。
分析失敗事例から次分析に活かすポイントを見つけることができるようにする。
実践編:AIに触れることのハードルを下げ、自身の業務で活用できるようにする。
・ 生成AIの活用基盤の構築・活用
生成AIの大規模言語モデル(LLM)を同業他社に先駆け2023年3月21日に導入し、現在は10種類近くの内製アプリが稼働しています。2025年3月末時点で、8,787名の社員が生成AIを活用しています。生成AIを活用することで、アプリケーションの内製開発を加速させるとともに、社員自らが生産性を向上できる環境を維持します。
今後も、生成AI技術の活用範囲をさらに拡大し、業務効率化や新たな価値創出に取り組む予定です。
i. 生成AIを用いたアプリケーションの内製開発
長文要約、文章生成、コード生成といった生成AIの一般的な使い方の他に、社内ノウハウ(文書・社内公開WEBページ)を参照して回答するチャットボットを作成できるアプリケーションを開発しました。また、これらのチャットボットをツールとして使って回答を生成できるAIエージェント機能も実装しました。900以上の社内業務に対応したチャットボットを導入し、業務効率向上を実現しています。
ii. 生成AI技術の活用範囲の拡大
社員が自ら生成AIを業務フローやアプリケーションに組み込む事ができるように社内用のAPIを提供しています。これにより、専門知識がなくても、誰でも開発に取り組める環境を整えています。
b. エンゲージメント
社長職場対話
上司や部下、同僚、部門間でのコミュニケーションを円滑にし、問題を報告・連絡・相談しやすい土壌をつくるため、2021年より、社長による職場対話を全本部対象に、職場ごとに実施しています(実施対象:29本部、40職場)。職場対話では、社長自らが従業員に直接思いを伝え、また従業員は日々の困りごとや意見を述べ、対話を行っています。特に若手から中堅の従業員にとっては、自分の思いを自分の言葉で社長へ直接届けることができる機会となっています。また、職場対話の内容(抜粋)を社内ホームページで公開して全社員に共有することで、職場対話がより活発になるとともに、社員のモチベーションアップ、全社員のベクトル合わせにつなげています。
人事制度
2024年4月から人事制度を全面的に刷新しました。多様な社員一人ひとりが社是と行動理念を実践できるように、個の成長を促します。一人ひとりが自らの職務を遂行するために必要な職務遂行能力、すなわち職能を伸ばすことで、個の稼ぐ力が向上し、会社の持続的な成長につながります。同時に社員個々の価値創造を通じて、人と社会に必要とされる存在となるべく、“生活に密着したインフラ企業”を目指し、社会貢献に寄与していきます。多様な社員一人ひとりがやる気をもって「挑戦と行動」に取り組み、能力を発揮した結果について上司と部下で対話を重ねながら、評価・フィードバックする。このことでモチベーションを向上させて、さらなる「挑戦と行動」に取り組み、能力の更なる向上につなげていきます。この人財育成サイクルを繰り返すことで個の成長を促します。原理原則を理解し、職務遂行に求められる知識とスキルを自ら学び、上司や先輩社員からノウハウを受け継ぎ、自ら現場を経験することで職務能力を向上させることに取り組んでいます。
・ 職務系統・職能資格
各職系・各階層における職能資格を見直し、職務遂行に必要な役割・能力・行動要件を明確化した「職能資格制度」を導入しました。各部門の職務で必要とされる知識・スキル・ノウハウ・経験を明確にし、同時に各職系に求められる職務内容を整理することで、上司と部下の相互コミュニケーションを通じて、上司と部下の双方が共通理解にたって職務に取り組むことで、効果的な職務能力向上に取り組みます。
・ 評価
これまで一括実施していた業績評価と能力評価を個別に評価し、短期の業績は賞与に、職務能力は昇給・昇格に反映するようにしました。これにより、各職系・各階層に求められる能力を正しく評価できるように変更し、さらなる「挑戦と行動」を促す環境の醸成を図ります。また、半期に1回の目標を掲げ、目標達成度により業績考課を決める従来の「目標チャレンジ制度」に加えて、「職能育成制度」を導入しました。各資格で定義した評価項目(能力基準)に基づき、1年間における能力発揮・向上について評価し、上司と部下の相互コミュニケーションで個の成長を促す人財育成サイクルを回しています。
・ 賃金
各職能資格に応じて「挑戦と行動」を促し、個の能力発揮・向上を適切に賃金へ反映するように、賃金体系と賃金等級を見直しました。各職能に必要となる研修を実施し、勤務年数に応じて昇給するのではなく、求められている役割や能力に応じた昇給とすることで、さらなる個の成長を促します。また、従業員が安心してモチベーション高く業務に専念できるように、子育て支援手当や単身赴任手当、単身赴任帰省旅費手当等、各種手当を拡充しました。
・ 再雇用制度
60歳を迎えた社員の内、希望者には、年齢に関わらず「挑戦と行動」に取り組めるように、正社員と同様の業務で活躍し、60歳時点の給与を維持する制度に見直しました。また全社における人財マッチングと再教育による個の職務能力に最適な配置を実現し、生き生きと働くことができる環境を整備しました。
c. 流動性
人財の流動性や人手不足が加速している社会情勢において、スズキで働くことが魅力的であり、かつ個人の成長につながると感じてもらえるような会社づくりや職場環境整備に努めています。
キャリア採用
多様な人財を確保するべく新卒採用に加え、近年はキャリア採用に注力しています。2024年度は262名(前年度比145%(181名))を採用しました。また、社内に蓄積のない新しい分野の知見・経験をもった人財の方を対象に、既存の人事制度にとらわれない雇用形態を新設し、2023年6月より導入しています。
アルムナイ採用
スズキを退職された方を対象に「アルムナイ採用」に取り組んでいます。在職時の知見を活かし、社外で新たに学び得た知識や経験を持ち合わせ、慣れ親しんだ職場環境であるスズキで再び即戦力として活躍していただくこと、また、転職を経験したことにより、スズキの強み・弱みを再認識し、強みは伸ばし、弱みは改善することでスズキの更なる成長に貢献していただくことを期待しています。
リファラル採用
スズキに在籍している社員から知人・友人を紹介いただく「リファラル採用」に取り組んでいます。事前に社員がスズキのことを詳しく説明することで、応募者の方はスズキに対する理解が深まり、スズキを良く知った上で入社していただくことで、入社後の定着性向上に寄与すると考えています。
次世代技術開発に向けたデジタル人財の採用
CASEを始めとする次世代技術開発に必要なデジタル人財の確保が喫緊の課題となっています。日本国内のデジタル人財が不足する中、当該分野の人財を多数輩出するインドに着目し、2018年よりインド工科大学ハイデラバード校からの直接採用に取り組んでいます。(2024年5月時点 累計26名)またスズキが得意とするインド市場において、当社子会社のMaruti Suzuki India Ltd.との人財交流で日印一体となって競争力の向上に取り組んでいます。
人財可視化
部門ごとの業務を分解し、業務の流れと必要となるスキルを見える化し、社員一人ひとりが業務遂行に必要となるスキルを関係づけすることで、属人化されている業務が可視化され、自部門の人財配置状況を把握した上で、欠員を見越した補充や育成計画を明確にします。目標チャレンジや職能育成面接時に上司と部下との対話を通して育成計画やキャリアパスと実績を共有し続け、個の成長を促進・評価して、チーム・会社の成長・増強につなげます。将来的には各部門で作成した「タスク分解表(スキルマップ)」を人事データとして人財基盤システムに取り込み、人的資本状況の把握、採用と配置、リスキリング、タレントマネジメント等に活用していきます。
サクセッションプラン
当社は持続的な企業成長を目指し、次世代リーダー(役員、本部長、部長)のサクセッションプラン策定に取り組んでいます。2024年4月の人事制度改革に伴い役職ごとに求められる能力要素、人物・行動要件を定義し、役職者の役割を明確にしました。また、幹部級・管督級の人財プールを設け、組織のマネジメントを担うポスト長への配置をフレキシブルに行っています。役職昇格は上司からの推薦だけでなく人事部門が考える後任候補者リストを参考に、経営会議にて社長を始めとする経営幹部が意見を出し合って決定しています。また、管理職を対象とした多面評価を行い、あらゆる側面からリーダーとしての適性を見極め、適切な人財配置及び人財育成に取り組んでいきます。
部門人事
現場の困りごとを、現場により近くで正確かつ迅速に対応するため、2023年より四輪技術部門と生産部門に人財開発本部から独立した部門人事を新設しました。現場の声を拾い上げ、従業員個々の困りごとや相談ごとを一緒になって解決したり、部門で解決できない課題は人財開発本部へ届け、職場改善・問題解決をしています。社員が生き生きと働けるようにモチベーションを高め、定着率向上につなげています。
d. ダイバーシティ
スズキでは、性別、年齢、国籍、人権、宗教、障がいの有無などのみならず、社員一人ひとりの個性や意思を尊重し、一人ひとりが仕事と生活の調和を図りながら、多様な働き方を通じて、能力発揮・能力向上で最大限に活躍できる環境整備と風土醸成に取り組んでいます。
女性活躍推進
これまで以上に女性が活躍できる会社となるよう、2020年度からは、2025年度の女性役職者数を2015年度の3倍にする計画を掲げ、管理職並びにその候補者を含む女性役職者数の増加に取り組んだ結果、2024年度の女性役職者は2015年度比で4.2倍の223名まで増加し、計画を達成しました。一方で、女性管理職数は2024年度末時点で31名(女性比率2.18%)となっています。将来的には女性管理職比率を女性従業員比率と同じにするため、まずは2030年度までに女性管理職比率を5.0%とすることを目標とし、両立支援にとどまらず、キャリア形成支援に取り組んでいきます。また、自動車産業の女性比率が低いことも課題と捉え、生産工場をはじめとする社内のすべての職場が、性別、年齢、国籍、人種、宗教、障がいの有無などを問わず、すべての人にとって働きやすいものとなるよう、生産技術の革新、各種設備の更新によるすべての職場の根本的な作業環境の改善等、働きやすさの実現にも取り組んでいきます。
両立支援
従業員が多様な働き方を選択できる制度をつくることで、意欲と能力を持った従業員が継続して働ける環境を整えています。また、職場全体でワークライフバランスへの意識を高め、「働きやすい職場」づくりを推進していきます。
・ 短時間勤務制度(育児・介護)
小学生以下の子供を養育する従業員もしくは家族の介護を必要とする従業員に対し、本人の申し出により1日の所定労働時間を6時間又は7時間に短縮する制度を導入しており、2024年度は394名が利用しました。
・ 休暇・休職制度(育児・介護)
育児・介護に専念するための休職制度は、男女を問わず多くの従業員が利用しています。2024年度は372名がこの制度を利用しました。2022年4月からは、男性が育児参加しやすい風土とするために、従来の配偶者の出産時に2日間取得できる「配偶者出産休暇」に加え、子の出生から8週間以内に5日間取得できる「出生時育児休暇」を新設しました。2024年度の男性の育児休職取得者は267名(取得率65.7%)と着実に風土醸成が進んでいます。
・ ライフサポート休暇
付与後2年間の有効期限を過ぎた有給休暇日数は最大40日までストックすることができ、傷病、親や子供の介護、不妊治療、骨髄提供において利用できるライフサポート休暇制度を導入しています。
・ 2024年プラチナくるみん認定を取得
次世代育成支援対策推進法に基づき、「子育てサポート企業」として「プラチナくるみん」の認定を受けました。「プラチナくるみん」は、「くるみん」認定企業のうち、子育てなどの両立支援制度導入や利用が進み、高い水準の取組みを継続して行うなど、一定の基準を満たした場合に受けることができる認定です。スズキは2022年に「くるみん」認定を取得し、男性育児休職の取得促進や女性の就業継続・活躍の推進を行っていることが評価された結果、「プラチナくるみん」認定の取得となりました。
・ パパママ情報交換会
パパママ情報交換会は、育児休職中の従業員とその配偶者を対象にしており、育児休職からの復帰経験を持つ社員からの経験談や、社員同士の交流を通して、不安なくスムーズに職場に復帰できること、復帰後も気軽に相談できる体制を築くこと、共働きの子育てについて夫婦で理解を深めることを目的に開催しています。
・ 小児科・産婦人科オンライン相談サービス
妊娠、不妊、出産、子育て、女性の健康について「いつでもどこでも」「スマホからオンラインで」「専門家に」気軽に悩みを相談できるサービスを導入しています。日本にいる従業員・家族に限らず、駐在員や帯同家族の悩みが解消され、より一層安心して働ける環境となることを目指しています。
LGBTQ
スズキでは就業規則において、性的指向・性自認に関する嫌がらせ・差別的言動を禁止するとともに、全従業員に配布している「コンプライアンス・ハンドブック」でアウティングを取り上げて理解促進を図る等、従業員が「性の多様性」を理解し、受容する風土の醸成に取り組んでいます。また、ユニフォームの男女統一化や「誰でもトイレ」の増設も実施しました。
障がいのある方の雇用
人事部内に専任担当者、精神保健福祉士を配置し、定期的に個別面談を実施している他、職場にも障害者職業生活相談員を置き、障がいを持つ従業員の悩みや問題のケアを行うなど、長く安心して働くことができる環境づくりに取り組んでいます。
2005年2月に設立した特例子会社「スズキ・サポート」は、事業をスタートして21年目を迎えました。2025年3月末現在で、障がいのある方(重度の障がいを含む)の社員数は89名となり、指導員と一体となってスズキ本社内事務所、社員寮、関連施設の清掃業務、社内の文房具管理業務、及び農園作業に携わっています。全員が明るく元気に働く姿は、スズキの従業員からも共感と喜びをもって迎えられています。スズキでは、スズキ・サポート設立の理念である社会貢献の一環として、障がいのある方々が働くことのできる喜びや社会参加によって人間的成長を感じることができるよう、今後も障がいのある方の雇用に取り組んでいきます。
e. 健康・安全
健康経営:
健康宣言
スズキでは「お客様の笑顔は社員の笑顔から生まれる」をキャッチフレーズに、スズキグループで働くすべての従業員が社是を実践し、心も身体も健康で明るく生き生きと働くことができ、その結果、お客様が笑顔になるような製品をご提供できるよう、チームスズキ一丸となって、健康経営活動に取り組んできました。これまでの継続した取組みにより、スズキは2021年から毎年、健康経営優良法人へ認定され、2025年には、健康経営優良法人ホワイト500に認定されました。これからもお客様の笑顔を、社員の笑顔を生み出し続けるため、健康経営活動への取組みを続けます。
社内浸透の取組み
「お客様の笑顔は、社員の笑顔から生まれる!」を健康経営キャッチフレーズとして、「チームスズキ一丸で健康経営を推進していこう!」と社長から全従業員に対しメッセージを発信しました。また毎月1回「健康経営ニュース」を発行し、従業員へ健康経営活動についての情報発信をするとともに、活動に対するアイディアや意見を募集する取組みを実施しています。
ヘルスリテラシー向上の取組み
社長をはじめ経営層と従業員が健康管理をテーマに座談会を定期的に開催し、その様子を動画で社内へ発信することで、従業員のヘルスリテラシー向上を図っています。また毎月1回「今は興味のないあなたにも、何かの時にお役に立てる」をコンセプトに、医務室通信「はなえみ」を発行しています。
浜松ウエルネスアワード2025
浜松市が目指す予防・健幸都市の実現に向けた浜松ウエルネスプロジェクトの推進に寄与し、他の企業や団体等の模範となる事業・取組みとして、「浜松ウエルネスアワード2025」健康経営部門にて、優秀賞を受賞しました。
メンタルヘルス対策
メンタルヘルス対策として、各種階層別教育、セルフケア・ラインケア教育などの実施に加え、事業所ごとに独自のセルフケア教育やラインケア教育を実施しています。また、相談体制として社内医務室や心の相談室(外部精神科医や臨床心理士によるカウンセリングを無料で受けられる相談室)に加え、仕事上のストレスのみならず私生活上の悩みにも相談できるよう社外のEAPサービスを導入し、従業員だけでなくその家族も利用できる環境を整備しています。
運動習慣促進の取組み
スズキアスリートクラブの選手がアイディアを出し、簡単な動きで運動効果の高い「スズキオリジナル体操」を作成しました。スズキオリジナル体操を全社に広める活動として、アスリートクラブ選手が職場のフロアに出向き、就業時間内に体操指導を実施しています。また、浜松市と連携し、浜松市の提供する健康管理アプリ「はままつ健幸クラブ」を社内へ紹介しています。誰でも参加ができ、月間の歩数、消費カロリーの管理・歩数ランキングなど、日々の健康づくりの見える化を実施しています。
安全衛生:
安全基本理念
・ 「安全は全てに優先する。」~Make Safety as first priority.(Safety First)~
企業活動の根幹は「人」である。その「人」を守る安全はいかなる時にも一番の優先順位を与えなければならない。
・ 「労災はすべて防ぐことができる。」~All accidents are preventable.~
管理者は、「労災は必ず防げる」という強い信念をもって、日々職場をリードしなければならない。
・ 「安全はみんなの責任である。」~Safety is everyone’s responsibility.~
会社がやるべきことを行うと共に、一人ひとりが、自分の身を自分で守る、責任ある行動を取らなければならない。みんなが、ルールを守り、注意し合える職場風土を全員でつくろう。
リスクアセスメント活動
スズキでは予防を中心とした安全先取り活動として「リスクアセスメント」を実施しています。作業におけるリスクを洗い出し、その対策を進めることで安全性の向上を図っています。2001年よりヒヤリ・ハット事例のリスクアセスメントを導入し、2013年より定常作業のリスクアセスメントに取り組んでいます。また、2016年より化学物質のリスクアセスメントを実施しています。2017年にはリスクアセスメントの評価方法を見直し、リスクの高い作業について再評価し、リスク低減を進めています。
f. 労働慣行
人権の尊重:
人権に関する法令や国際規範の尊重
スズキグループは、「世界人権宣言」(UDHR)、国際人権規約(「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(ICESCR)、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(ICCPR)」)及び「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」(ILO中核的労働基準)など、国際的な人権規範に規定された人権(結社の自由・団体交渉権の承認、強制労働の禁止、児童労働の禁止、差別の排除、安全かつ健康的な作業環境など)を尊重します。「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGPs)、責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針、責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス、我が国の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」等を参照し人権尊重の実践に取り組みます。また、スズキグループが事業展開する世界各国・地域の人権関連法令を遵守します。人権についての国際規範と各国・地域の法令の間に差異がある場合は、より高い基準を尊重することに努め、相反する場合には、国際的に認められた人権の原則を最大限尊重する方法を追求します。
是正と救済
スズキグループの企業活動が人権に対する負の影響を引き起こした、又は助長したことが明らかになった場合は、適切な手段を通じて、その是正・救済に取り組みます。さらに、スズキグループの事業、製品又はサービスが、人権に対する負の影響と直接関連する場合、ビジネスパートナーと協力し、その影響の是正を図ります。その一環で、スズキグループはホットラインを設け、人権への負の影響を受けたスズキグループの全役員・従業員、取引先、請負事業者等社外の関係者が利用できる相談窓口を整備します。
福利厚生:
従業員持株制度
従業員持株制度は、毎月の給与から一定の金額を天引きして会社の株式を継続的に購入する制度です。毎月の拠出金額に応じて無理なく株式が取得でき、財産づくりを支援するため、拠出金に会社から奨励金も付与されます。福利厚生のみならず、従業員が自社の株を持つことで、会社業績の向上が株価を押し上げ、その結果として自身の資産価値が増大するというモチベーションアップが期待でき、経営参画意識の醸成にもつながります。
またスズキでは、人的資本投資の取組みの一環として、2023年4月より従業員持株会の奨励金付与率を従来の5.6%から100%(奨励金額上限10,000円)へ引き上げました。魅力的で加入しやすい制度とすることで、さらに多くの従業員が持株会へ加入することで資産形成を後押しするとともに、経営参画への意識を向上していきます。
選択型福利厚生制度
・ カフェテリアプラン
勤務地・環境にかかわらず、社員が公平に福利厚生を受けられること、並びに多様な社員一人ひとりの嗜好を幅広く支えるため、会社が設定した福利厚生メニュー(両立支援、健康支援、能力支援、余暇支援、生活支援、等)の中から社員が自由に選択し、付与されたポイント(カフェテリアポイント)を上限に、補助を受けることができる仕組みです。
・ ベネフィット・ステーション
会社が設定したメニュー(旅行、レジャー、グルメ、スポーツ、ショッピング、学習、等)を会員優待価格で、制限なく利用できるサービスです。さらにカフェテリアプランで認められているメニューに関しては、そのポイントを併用して利用することができる仕組みです。
社内食堂・キッチンカー
昼食時間帯には社員食堂の他、曜日によっては本社構内にてキッチンカーの営業も行っています。クレープやかき氷などのスイーツやドリンクといったカフェメニューだけでなく、ハンバーガー、プレートランチ、スープなどランチメニューもあり、天気の良い日は芝生広場のベンチで喫食が可能です。2024年1月15日から本社社員食堂で新しいインドベジタリアン料理の提供を開始しました。この料理は浜松市でレストラン事業などを展開する企業様にご協力いただいたもので、味の開発にはインド出身のスズキの従業員も協力し、現地の味と同等にしています。本社以外の拠点では、予約制で提供を行っています。キッチンカーは本社以外からの出店希望も多いため、工場等の他拠点にも出店を広げています。
労使関係:
2022年以降の交渉スタイルの変革
労使交渉については、年1回の春季労使交渉(いわゆる春闘)の場が主となっていましたが、昇給・賞与に主眼が置かれてしまい、それ以外の課題については、労使間での情報共有・意見交換が尽くされておらず、お互いの主張を伝える形式的な場になりがちでした。こうした状況を踏まえ、労使信頼関係の根幹である職場単位での上司・部下コミュニケーションを活性化させ、層別で議論をしていくことを目指し、2022年の春季労使交渉では、これを実現させるための施策を実施しました。2023年以降も継続して取り組んでいます。
春季労使交渉での取組み
会社から組合に対して、将来に向けての取組みを伝え、課題を共有し、労使でベクトルを合わせながら解決に向けて話しあう「対話の場」としました。組合員だけではなく、管理職も一体となって労使交渉に臨むことが効果的と考え、管理職に向けた社長メッセ―ジも交渉に合わせて発信して、このメッセージを含めた対話内容を労使全体に向けて情報発信しました。
労使交渉後の継続的な取組み
職場の課題はまず職場で解決すべく、部門単位の「労使懇談会」を定期的に開催し、コミュニケーションを活性化させています。職場だけでは解決が難しい課題は、毎月1回開催する「支部労使協議会」、「中央労使協議会」の場で3月の春季労使交渉まで継続的に議論することで、春季労使交渉を労使対話の集大成の場とすることを目指しています。
g. コンプライアンス
不適切事案に関する再発防止策の実施状況
2016年の燃費・排出ガス試験問題及び2018年の完成検査問題を起こした反省から、その事実を決して忘れることなく後世へと伝え続けるために、毎年5月18日を全従業員が改めて自部門に関わる法令を総点検し、その遵守を再認識する日としました。2017年に技術部門より開始し2018年以降は社内の全ての部門で自分達の業務に関連する法令の棚卸しと総点検する活動を実施しています。
コンプライアンス・ハンドブック
2020年には、行動指針に基づいて、コンプライアンスの視点からスズキグループで働く人々が実践しなければならないことや、やってはいけないことを具体的にまとめた「コンプライアンス・ハンドブック」を発行して国内の全従業員に配布しています。日本語版の他、英語版・ポルトガル語版を作成して、国籍を問わず、日々の業務において随時確認・振り返りができるようにしています。2023年度には内容の見直しを行って改訂版(第2版)を再配布しています。
毎日コンプライアンスクイズ(毎コンクイズ)
日常的にコンプライアンスを意識する風土を作るため、毎日1問、役員・従業員のPC立ち上げ時に表示されるコンプライアンス関連のクイズに各人が回答する形式のEラーニングを2017年6月から実施しています。
③リスク管理
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(1)事業に関するリスク⑤人財確保及び人財育成」に記載しています。
④指標及び目標
なお、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理ととともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記の指標に関する実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しています。
3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績及び財務状況、キャッシュ・フロー等に影響を与え、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事業等のリスクは次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
<リスク管理体制>
取締役会の下に、コーポレートガバナンス委員会を設置しています。コーポレートガバナンス委員会は、コンプライアンスの徹底やリスク管理に関する施策を展開し、また、関係部門との連携により組織横断的な課題への取組みを推進しています。
詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

<事業等のリスク>
(1) 事業に関するリスク
① 気候変動及び低炭素社会への移行
気候変動リスクは、日本及び世界各国・各地域で、社会面、規制を含む政治面での関心が高まっています。これらのリスクには、低炭素社会への移行リスク及び気候変動による物理リスクが含まれます。
低炭素社会への移行リスクのうち、当社グループが特に重要度の高いリスクと認識しているものは、自動車のCO2・燃費規制の強化に伴う罰金発生や販売機会の逸失、規制遵守のための研究開発費用の負担増加等、及び炭素税等の導入・強化に伴う操業コストの増加等です。これらは、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、お客様の嗜好や投資家行動の変化による企業価値低下等の可能性があります。
気候変動による物理リスクには、平均気温の上昇に伴うエネルギーコストの増加等、及び水資源リスクの変化に伴うサプライチェーンの停滞や生産コストの増加等の長期的な気候変動による影響と、自然災害の頻発・激甚化に伴う事業拠点の被災や事業活動の停止等の突発的な気象変化による影響の両方が含まれます。突発的な気象変化に対応すべく、水災に特化したBCPの策定に取り組んでいますが、気候変動による物理リスクは当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(2)気候変動への対応」をご参照ください。
② 商品の開発・投入力
お客様のニーズや自動車を取り巻く環境の変化に迅速に対応し、お客様に満足していただける魅力的な新商品を市場に投入するために、継続的な技術革新と商品開発に取り組んでいます。これには、安全・環境性能の向上や先進技術の導入など、将来に向けた開発力の強化が含まれます。また、優秀な人財の確保と育成、その安定的な供給のための効率的かつ持続可能な部品調達・生産・物流体制の構築など、幅広い分野での取組みを進めています。
しかしながら、これらの環境変化を的確に捉え、新商品を適時に開発・投入し安定的に供給することができなければ、販売シェアや売上が低下する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
③ 特定の事業及び市場への集中
当社グループは、継続的・安定的な収益拡大を目指し、各事業及び各地域において収益改善の取組みを行っています。
しかしながら、当連結会計年度において、連結売上収益のうち、インドでの売上収益が四輪事業・二輪事業・その他含めたインド事業全体にて4割強を占めています。これら事業に関わる需要や市況、同業他社との競争等が予測し得る水準を超えた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ コンプライアンス
当社グループでは役員及び従業員が健全に職務を遂行するための「スズキグループ行動指針」を制定し、業務に関連する法令、企業倫理や社会的責任を包含したコンプライアンスの取組み全般を推進しています。具体的には、コーポレートガバナンス委員会の設置、承認・決裁手続、他部門による確認手続などを含む業務規程・マニュアル類の整備、コンプライアンス研修や個別の法令等の研修の実施、内部通報窓口(スズキグループ・リスクマネジメント・ホットライン)の設置などを通じて、違反の未然防止並びにコンプライアンス案件への速やかな対策を講じています。
しかしながら、不測の事態によりコンプライアンス違反の事実や不十分な対応があった場合、当社グループの社会的信用に重大な影響を与える場合があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 人財確保及び人財育成
電動化技術、先進安全技術、デジタル技術の強化等の専門領域の人財を中心として、日本国内のみならずインドを含め、これまで以上に積極的な採用を行うとともに、採用後の人財育成にも力を入れています。また、社員一人ひとりの学びの機会を増やし、挑戦と行動を支え、個の職務能力を向上させることで、会社の創造価値を高めていく環境を整えるため、2024年4月より人事制度を全面的に刷新しました。さらに、様々な個性や価値観を持つ従業員が個々の能力を十分に発揮できるよう、性別・年齢・国籍・人種・宗教・障がいの有無等の多様性を尊重するとともに、分け隔てなく公平に登用し、働きやすい職場環境の整備に努めています。
しかしながら、労働市場のひっ迫や人財獲得競争の激化等により、人財の確保ができない場合、人財の育成が不十分な場合や、従業員の多様性が尊重された職場環境が実現できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本に関する取組」をご参照ください。
⑥ 取引先からの部品調達
技術力、品質、価格競争力などの要素を総合的に踏まえ、部品調達先の分散に向けた取組みをしています。
しかしながら、部品によっては調達が特定の取引先に依存している場合や、当社グループが一次取引先を分散していたとしても、一次取引先が部品調達を二次以降の特定の取引先に依存しているものがあります。これらの部品について、火災・自然災害、設備の故障、需給バランスの急激な変化、経済安全保障の動向、人権侵害の発覚等により、継続的・安定的に確保できない場合、当社グループの生産に遅延や休止又はコストの増加を引き起こす可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 人権の尊重
当社グループは、国際的なビジネスを展開する中で、サプライチェーンにおいて人権尊重の原則に基づいた活動を行っています。
しかしながら、当社や製造・非製造子会社、販売子会社を含むグループ会社のみならず、取引先やその二次取引先以降も含むグローバルなバリューチェーン全体の労働環境や人権状況に関する完全な管理は困難であるという課題があります。児童労働や強制労働、差別的な労働慣行、労働者の健康と安全に関する問題などの人権侵害は、法的な責任や罰金、賠償責任などの経済的な損失などに加え、ブランドイメージの損傷やお客様からの信頼喪失などの当社グループの社会的信用に重大な影響が生じることにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 品質保証
当社グループは、優れた品質の製品をお客様に提供することを最優先事項としており、開発・製造から販売・サービスに至るまで適正な管理体制を敷き、品質向上に努めています。
しかしながら、電動化や自動運転技術などの新技術に伴う品質要求は複雑化・高度化しています。予期せぬ品質に係る問題により大規模なリコール等が起こった場合、多額のコストとして品質関連費用が発生することに加え、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 情報セキュリティ・サイバーセキュリティ
当社グループは、事業活動全般にわたり、電子データを用いた設計開発、生産、販売、会計などの作成・処理・蓄積を行っており、これらのシステムは適宜更新・変更されています。また、製品には多様な電子制御装置が組み込まれており、これらは車両や装備の制御に不可欠です。
これらのシステムと装置には安全対策が施されていますが、それでもなお、ハッカーやウィルスによるサイバー攻撃、システム障害、インフラの停止などのリスクが存在します。特にサイバー攻撃はその脅威が増しており、過去には当社海外子会社が標的とされた事例もあり、同様の事態が発生した場合には業務の中断、データの破損や喪失、機密情報の漏洩などが起こる可能性があります。
さらに、当社グループは、個人情報や経営・業務・技術に関する機密情報の保護に努めていますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が流出したり不正に使用されたりするリスクがあります。そのような場合、法的請求、訴訟、賠償責任、罰金の支払いなどが生じ、これもまた当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 他社との提携
当社グループは、研究開発、生産、販売、金融等、国内外の自動車メーカーをはじめ、他社と様々な提携活動を行っていますが、提携先固有の事情等、当社グループの管理できない要因により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪ ブランドイメージ
当社グループのブランドイメージは、お客様や社会からの信頼の表れであり、当社グループの持続的成長において極めて重要な要素です。製品の品質向上、コンプライアンス、適切なリスク管理及び内部統制の強化を通じて、ブランドイメージの向上に努めています。
しかしながら、予期できない原因による製品の不具合やサービス品質の問題、コンプライアンスに違反する行為、またそれらの情報開示の遅延等によりブランドイメージが毀損された場合、お客様の信頼を失い、販売の減少や市場での競争力低下を招くおそれがあります。これにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 市場に関するリスク
① 経済情勢の変化
経済情勢の変化による販売への影響について、長期間の景気低迷、世界経済の悪化や金融危機、経済情勢の急変などの不測の事態は、四輪車、二輪車、船外機等の当社グループ製品の需要の大幅な低下につながり、例えば金利上昇によるお客様の購買意欲低下等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
経済情勢の変化による生産への影響について、当社グループは、世界各国・各地域において事業を展開しており、特に、アジア地域の新興国を中心とした海外生産工場への依存度も年々高まってきています。これらの国・地域での経済情勢の急変などの不測の事態や、各国・各地域の税制や金融政策などの予期せぬ変更や新たな適用があった場合は、例えば政府の外貨不足により当社の部品輸入が制限され計画通り生産ができなくなる等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 他社との競争激化
当社グループは、競争力の維持・向上のための施策に取り組んでいますが、事業を展開する世界各国・各地域の市場において他社との競争にさらされています。世界の四輪車・二輪車・船外機産業の国際化及び異業種参入が今後ますます進展することによって、競争はより一層激化する可能性があります。製品の品質、安全性、価格、環境性能等のほか、製品の開発・生産体制の効率性や販売・サービス体制の整備、販売金融など様々な項目において優位に競争することができなくなった場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 金融・経済のリスク
① 為替及び金利の変動
当社グループは、日本から世界各国・各地域へ四輪車、二輪車、船外機並びにそれらの部品などを輸出するとともに、海外の生産拠点からも、それらの製品や部品を複数の国・地域へ輸出しています。現在では連結売上収益に占める海外売上収益の割合は7割以上を占めます。特に、新興国を中心とした海外生産工場への依存度が高いことから為替変動の影響を受けやすく、為替変動リスク軽減として為替予約等のヘッジや、生産拠点を分散してグローバルに最適化を図るなどの対策を行っています。また、資金の多くを日本で調達していることから、為替及び金利変動リスクの軽減を図るため為替予約等のヘッジや、生産拠点を分散してグローバルに最適化を図るなどの対策を行っています。
しかしながら、全てのリスクをヘッジすることは不可能であり、為替及び金利の変動は当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 原材料・部品価格の変動
当社グループは、原価低減活動の実施や、原材料価格の変動及び取引先基盤強化の取組みによるインプットコストの変動を考慮した製品価格の適正化など、収益改善の取組みを実施しています。
しかしながら、原材料及び部品の購入価格が急激に上昇し、これらのコストを製品の販売価格に十分に転嫁できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 政治・規制・法的手続・災害等に関するリスク
① 政府規制等
国際情勢の変化に対応するため、情報収集やモニタリング活動を行っています。排出ガス、燃費、騒音、安全性及び製造工場からの汚染物質排出に関する厳格な法規制に対応するため、環境技術の開発と製品の改良に積極的に取り組んでいます。また、消費者保護、労働、独占禁止など、国内外の広範な法規制に適応するためのコンプライアンス体制を強化しています。
しかしながら、国際情勢の急激な変化による環境規制や貿易政策、労働法制などの予期せぬ変更は、当社の事業環境に影響を与える可能性があります。また、規制の改正により費用負担が増加した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産の保護
当社グループは、他社製品との区別化のため、技術・ノウハウ等の知的財産を蓄積しており、その保護の対策を講じるとともに、第三者の知的財産権侵害防止の対策を講じています。
しかしながら、当社グループの知的財産が不法に侵害され、あるいは第三者から知的財産侵害の指摘を受け訴訟、製造販売の中止、損害賠償等が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 法的手続
訴訟リスクや法的手続きに対応するため、関連法規に基づく調査にも迅速かつ適切に対応しています。
しかしながら、現在進行中の訴訟や将来発生する可能性のある法的手続において、不利な判断が下され罰金や損害賠償金が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 世界各国・各地域での事業展開
当社グループは、世界各国・各地域において事業を展開しており、また、いくつかの国・地域においては、その国・地域の法律又はその他の要件に従い、現地企業との間で合弁による事業を行っています。これらの事業は、各国・各地域の様々な法律上その他の規制(課税、関税、海外投資及び資金の本国送金に関するものを含みます。)を受けています。これらの規制、又は合弁相手の経営方針、経営環境などに変化があった場合は、当社グループの業績及び財政状態に対して悪影響を及ぼす可能性があります。
また、多くの政府は、関税の賦課や、価格管理規制及び為替管理規制を定めています。当社グループは、これらの規制を遵守するために費用を負担してきており、今後も負担することになると予想しています。新たな法律の制定又は既存の法律の変更によっても、当社グループが更なる費用を負担する可能性があります。さらに、各国・各地域の税制や景気対策等の予期せぬ変更や新たな適用が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 自然災害・パンデミック・戦争・テロ・暴動・ストライキ等の影響
日本では、地震・津波、台風、洪水などの自然災害や原子力発電所の予期せぬ事故など様々なリスクにさらされています。特に、当社の本社をはじめとする主要施設や研究開発拠点、主要生産拠点は周期的な巨大地震が発生する可能性が高い静岡県に集中しています。当社グループでは、東海地震・東南海地震などの自然災害による被害の影響を最小限に抑えるべく、建物・設備等の耐震対策、防火対策、事業継続計画の策定、地震保険への加入等、様々な対策を講じていますが、災害等の規模がその想定を超える場合には当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
海外においても、当社グループは世界各国・各地域において事業を展開しており、海外での事業展開に関連する様々なリスクにさらされています。
これら国内外のリスクには自然災害、パンデミック、戦争、テロ、暴動、ストライキ、さらには政治的・社会的な不安定性や困難に起因するもの等があります。これらの予期せぬ事象が発生すると、原材料や部品の調達、生産、販売及び物流やサービスの提供などに遅延や停止が生じる可能性があります。これらの遅延や停止が起こり、長引くようであれば、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。
※当社グループは当連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っています。
(1) 経営成績
当連結会計年度の業績は、売上収益は5兆8,252億円となり前期に比べ4,676億円(8.7%)増加しました。営業利益は6,429億円となり前期に比べ1,490億円(30.2%)増加しました。税引前利益は7,302億円となり前期に比べ1,385億円(23.4%)増加しました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、4,161億円となり前期に比べ990億円(31.2%)増加しました。
売上収益は販売台数の増加、価格改定、及び為替影響等により増収となりました。営業利益は、研究開発費や労務費等の固定費の増加、及び取引先基盤強化の取組みによる影響等を、増収効果や原価低減等によりカバーし、増益となりました。収益性に関して、当期の営業利益率は11.0%となり前期9.2%から改善、また、ROEは14.6%となり前期12.6%から改善し、稼ぐ力の向上に取り組んできた成果が出たと認識しています。
事業別セグメントの業績は、次のとおりです。
① 四輪事業
売上収益は5兆3,052億円と前期に比べ4,356億円(8.9%)増加しました。営業利益は5,676億円と前期に比べ1,437億円(33.9%)増加しました。
② 二輪事業
売上収益は3,981億円と前期に比べ331億円(9.1%)増加しました。営業利益は408億円と前期に比べ17億円(4.4%)増加しました。主にインドでの販売拡大が増収増益に寄与しました。
③ マリン事業
売上収益は1,097億円と前期に比べ20億円(1.8%)減少しました。営業利益は306億円と前期に比べ31億円(11.4%)増加しました。
④ その他事業
売上収益は121億円と前期に比べ9億円(7.9%)増加しました。営業利益は38億円と前期に比べ5億円(13.5%)増加しました。
生産、受注及び販売の状況は、次のとおりです。
① 生産実績
② 受注実績
当社グループは主に見込み生産を行っているため、受注生産について該当事項はありません。
③ 販売実績
(注) 販売実績は外部顧客への売上高を示しています。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産は、5兆9,937億円(前期末比2,360億円増加)となりました。
負債は、2兆3,056億円(前期末比676億円減少)となりました。借入金につきましては、世界情勢の不安定さを踏まえ、現在の借入水準を当面維持していく考えです。
資本は、3兆6,881億円(前期末比3,036億円増加)となりました。その内、親会社の所有者に帰属する持分は、主に当期利益の計上等により利益剰余金が3,779億円増加したこと、及び為替換算調整勘定の減少等によりその他の資本の構成要素が1,182億円減少したことに伴い、2兆9,707億円(前期末比2,509億円増加)となりました。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は49.6%(前期末:47.2%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュフローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は8,427億円となり、前連結会計年度末に比べ27億円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による資金の増加は、6,698億円(前年同期は5,018億円の増加)となりました。主な要因は、税引前利益7,302億円等です。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による資金の減少は、4,756億円(前年同期は4,774億円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出3,447億円等です。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による資金の減少は、1,860億円(前年同期は929億円の減少)となりました。主な要因は、親会社の所有者への配当金の支払額709億円、及び非支配持分への配当金の支払額299億円等です。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、2025年2月に発表した中期経営計画のなかで、2026年3月期から2031年3月期の6年間のキャピタル・アロケーションを示しました(下図参照)。資金使途に関しては、主に設備投資と研究開発費の成長投資に計4兆円を配分し、中期経営計画の実現を通して企業価値を向上させていく考えです。財源に関しては、主に営業活動から得る現金により調達していく考えです。外部調達に関しては、資金調達の多様化の観点から様々な手法を検討しており、そのひとつとして社債発行枠2,000億円を設定しています。
当社グループの資金の流動性管理にあたっては、急激な外部環境変化に対応できるよう、一定水準の手元流動性を確保する方針としています。また、国内及び欧州においてはキャッシュプールシステムを通してグループ内で機動的に対応できる体制を構築しています。
加えて、当社は取引銀行6行と総額3,000億円のコミットメントライン契約を締結しています。なお、当連結会計年度末においてコミットメントラインは未使用となっています。
当社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物は5,743億円(単独ベース)で、これは月商2.6ヶ月に相当し十分な流動性を確保しています。流動性向上の取組みのひとつとして、子会社から受け取る配当金について一定のルールにて本社への還元を図っており、当連結会計年度では464億円のキャッシュインがありました。
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は8,427億円(連結ベース)です。更にこれとは別に、インドの子会社マルチ・スズキ・インディア社では営業活動から得た現金を主にオープンエンドの投資信託にて運用しており、その残高は約1兆円規模であり、十分な流動性を確保しています。今後の主な設備投資としてインドでの四輪車の生産能力増強投資がありますが、マルチ・スズキ・インディア社の資金にて実施していく考えです。
また、当社グループは国内格付機関である格付投資情報センターから格付を取得しており、当報告書提出日現在における格付は「シングルAプラス(安定的)」となっています。2024年9月実施の格付にて、前回の格付「シングルA(ポジティブ)」から1ランクアップとなりました。
(ご参考)中期経営計画スライド資料 37ページ「キャピタル・アロケーション」
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものの内容及び金額は「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。
(5) 並行開示情報
「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(第3編から第6編までを除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりです。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を切り捨てして表示しています。
① 要約連結貸借対照表
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書
⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(連結の範囲の変更)
新たに設立した1社を連結の範囲に含めました。また、清算結了により2社を連結の範囲から除きました。
(持分法適用範囲の変更)
株式の追加取得により1社を持分法適用の範囲に含めました。また、清算結了等により2社を持分法適用の範囲から除きました。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(連結の範囲の変更)
新たに設立した2社を連結の範囲に含めました。
(持分法適用範囲の変更)
新たに出資した関係会社等2社を持分法適用の範囲に含めました。
(6)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「39.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(有形固定資産)
日本基準では有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について、主として定率法を採用していましたが、IFRSでは定額法を採用しています。また、IFRSの適用に伴い、見積耐用年数を見直しています。この処理により従来の方法によった場合に比べて、税引前利益は90億円増加しています。
(無形資産)
日本基準では、発生時費用処理していた研究開発費について、IFRSでは資産化の要件を満たす支出額を資産計上しています。この処理により従来の方法によった場合に比べて、税引前利益は246億円増加しています。
(負債性金融商品)
日本基準では投資有価証券に含まれる一部の負債性金融商品について、公正価値の変動をその他の包括利益で認識していましたが、IFRSでは「金融収益」及び「金融費用」として認識しています。この処理により従来の方法によった場合に比べて、税引前利益は239億円増加しています。
5 【重要な契約等】
6 【研究開発活動】
当社グループは、お客様の立場になった価値ある製品づくりをモットーとし、世界中のお客様の日々の移動を支え、環境にも優しく、いつも身近にあって頼れる生活のパートナーとなる製品・サービスを提供しながら、下記のように研究開発に取り組んでいます。
当社は、社是と行動理念「小・少・軽・短・美」、「現場・現物・現実」、「中小企業型経営」を具現化し、モビリティのライフサイクル全体でエネルギー極少化を目指して技術開発を行っています。この理念を基に世界の国・地域に最適な商品を生み出し、持続可能なカーボンニュートラル社会の実現と世界中の人々に移動する喜びを提供してまいります。
中期経営計画(2025年~2030年度)「By Your Side」を2月に発表し、私たちチームスズキが目指す姿は、お客様の生活に密着したインフラモビリティ、そのものでありたいと示しています。お客様、社会にとって身近で、頼りになる存在であり続けるために今までの事業の延長線、同じやり方のアップデートだけでなく、新しい取組みを行い、非連続へ挑戦し、成長していきます。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は2,656億円であり、セグメントごとの活動状況は次のとおりです。
(1)四輪事業
① 新商品の開発状況
[国内市場]
当社は、2025年3月12日に軽四輪車と登録車を合わせた日本国内の四輪車累計販売台数3,000万台を達成※1しました。内訳は軽自動車が約2,707万台、登録車が約293万台です。当社はこれまで独創的かつお客様に求められる商品を提供してきました。今後も、ものづくりの理念である「小・少・軽・短・美」を通じて、お客様のニーズに合った価値ある商品を開発していきます。
・2024年9月に、ハイトワゴンタイプの軽乗用車 新型「スペーシア ギア」を発売しました。「アウトドアライフに欠かせないアクティブ軽ハイトワゴン」をコンセプトに、2023年11月にフルモデルチェンジしたスペーシア・スペーシア カスタムに採用した使い勝手の良い装備に加え、アウトドアライフに寄り添う専用のデザイン・装備を採用しました。
・2024年10月に、コンパクトSUV新型「フロンクス」を発売しました。「扱いやすいクーペスタイルSUV」をコンセプトに、力強さ・上質さ・洗練さを合わせ持つデザイン、取り回しの良さと快適な室内空間、スムーズかつスポーティーな走りを実現する高い走行性能、毎日の安心・安全をサポートする最新の安全機能を兼ね備えた、新ジャンルのコンパクトSUVです。日本国内専用仕様として4WD車を設定しました。「フロンクス」は、2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー(主催:日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会)の「10ベストカー」に選出されました。グローバルカーとして、インド、中南米、中近東、アフリカなどでも販売し、ご好評いただいています。
・2025年1月に、ジムニーシリーズで初となる5ドアモデル 新型「ジムニー ノマド」を発表しました。「本格的な悪路走破性を持つ5ドア コンパクトクロカン4×4」をコンセプトに、ジムニーシリーズ最大の魅力である悪路走破性を維持しながら、リヤドアの採用やホイールベースの延長などにより、後席の乗降性・居住性向上と荷室空間の拡大を実現し、ロングドライブでの快適性を高めました。走行性能は、ジムニーシリーズの特長であるラダーフレームを「ジムニー ノマド」用に新作し、重量増加に対して必要な剛性を確保したほか、「FRレイアウト」、「副変速機付パートタイム4WD」、「3リンクリジッドアクスル式サスペンション」などの車体構成を継承しました。
・「スイフト」は2025年次RJCカーオブザイヤーを受賞しました。2004年の発売開始から4代目にあたるモデルで、4代連続での受賞です。
[海外市場]
当社は、海外市場においてもお客様の立場になって、常にお客様の期待を超える価値をもつ商品を開発し、提供してきました。
・2024年5月に、当社のインド子会社Maruti Suzuki India Ltd.(以下、マルチ・スズキ)はインドで新型「スイフト」の販売を開始しました。新型「スイフト」は、マルチ・スズキの子会社、スズキ・モーター・グジャラート社で生産しています。インドの若者世代へ、進化したプレミアムハッチバックという新たな価値を提供していきます。
・2024年11月に、マルチ・スズキはコンパクトセダンの新型「ディザイア」をインド国内で発売しました。「ディザイア」は、2008年3月に販売を開始して以来、これまでにインド国内で累計270万台以上※2の販売を記録している主力モデルのひとつです。新型「ディザイア」は「Progressive Stylish Compact Sedan(先進的でスタイリッシュなコンパクトセダン)」を商品コンセプトに、歴代ディザイアの強みであるセダンらしいフォーマルなデザインと高い経済性に更なる磨きをかけ、伝統的なデザインを求める従来のセダンユーザーだけでなく、先進技術やスタイリングに関心が高い、若いエントリーユーザーにも選んでいただける商品として開発しました。
・当社のパキスタン子会社Pak Suzuki Motor Co.,Ltd.(以下、パックスズキ)は、2024年10月に新型「エブリイ」を発表しました。新型「エブリイ」は、パキスタンで長年ご愛用いただき、仕事でもファミリーカーとしても活躍するワンボックスタイプのコンパクトバン「ボラン」の後継となる新型バンです。日本で販売している軽商用車「エブリイ」と同じボディサイズ及びエンジン排気量を採用しました。パックスズキは、1982年の生産開始以来、日本の軽自動車をベースとしたモデルを中心に、信頼性が高くお求めやすい価格のコンパクトカーを提供してきました。これからも「生活を支えるモビリティ企業」として、地域社会に貢献する企業を目指していきます。
② エネルギー極少化への対応
当社は、お客様の選択肢の幅を広げ、地域のニーズに合った製品・サービスをお届けするとの考え方を軸に、各国でのカーボンニュートラル目標達成に貢献します。お客様のニーズや利用スタイルに対応した電動化技術の開発を進めるとともに、既存内燃機関の更なる熱効率改善やCN燃料に対応したCO2削減、水素燃料を使ったエンジンの研究開発など、マルチパスウェイでの取組みを行っています。電気自動車(BEV)の開発・製品化の推進はもちろんのこと、内燃機関の更なる改善にも力を入れ、ハイブリッド車(HEV)の効率を向上させていきます。
また、CO2排出が少なく、安全な軽量ボディを効率的なエネルギーで生産することにも取り組んでいます。具体的には、引張り強さ1.5GPaの超々ハイテン材を用い、生産CO2排出が少ない「冷間での超々ハイテン成形技術」の開発と実用化、複雑形状成形を短工程で実現する「新金型構造工法」の開発、高強度材接合品質を監視する「溶接電流値コントロール技術」の実用化等の活動を進めています。これらの技術を基に、安全でエコなモビリティを提供します。
アルトを100kg軽量化する「Sライトプロジェクト」の活動を開始しました。部品の材料置換や小型化、機能統合だけでなく、ちょうどいいパッケージの探求により、「軽くて安全」を全社で連携して実現していきます。軽量化によって、車両全体にさまざまな良いことにつながる「天使のサイクル」を生み出します。
EV、HEVの取組みにおいてもエネルギー極少化を進めます。国や地域、お客様の使用状況に合わせ、エネルギー効率がベストとなる選択で過剰にバッテリーを搭載しない、「バッテリーリーンな電動車」をお客様にお届けすることを目指し、開発しています。
BEVでは、スズキBEV世界戦略車第一弾である「e VITARA」を、2024年11月にイタリア・ミラノ、2025年1月にインドで開催された「Bharat Mobility Global Expo 2025」で公開しました。「e VITARA」は、「Emotional Versatile Cruiser」をコンセプトに、近代的なBEVの先進感とSUVの力強さを併せ持つデザイン、高効率なeAxleと安心・安全を追求したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーで構成するBEVパワートレイン、前後に独立した2つのeAxleを配置した電動4WDモーターで駆動する「ALLGRIP-e」、BEV専用に新しく開発したプラットフォーム「HEARTECT-e」を商品特長としたSUVです。2025年春よりスズキ・モーター・グジャラート社で生産を開始し、2025年夏頃からインド、欧州、日本など世界各国で順次販売を開始します。また、スズキ、ダイハツ、トヨタの3社で共同開発したBEVシステムを搭載したBEV軽商用バンにつきましても、2025年度中の導入を目指しています。
HEVでは、現在主軸の12Vマイルドハイブリッドからモーター出力を向上させつつバッテリーリーンな48Vスーパーエネチャージを開発しています。これは、小さく軽い車を作る当社の特徴を活かしたハイブリッドシステムです。また将来のCN燃料との組み合わせも考慮し、更なるエネルギー極少化に向けて、電動車の開発を積極的に進めていきます。
内燃機関車両の改善としては、2023年12月から販売開始した新型スイフトに搭載したZ12E型新エンジンと高効率の新CVTを2025年1月にマイナーチェンジした新型ソリオにも搭載し、WLTCモード22.0km/L(2WD車)という低燃費を実現しました。このパワートレインは採用を拡大し、車両の環境性能を高めていきます。
新型軽乗用車「ワゴンR スマイル」は、デュアルインジェクションやクールドEGRを採用して燃焼効率を高めたR06Dエンジンと、軽量で高効率な新CVT、マイルドハイブリッドの組み合わせにより、25.1km/L(HYBRID X 2WD車)の低燃費を実現し、走行性能との両立を図りました。
さらに、インドでは多様なニーズに応える環境性能に優れた技術を搭載する自動車をラインナップするため、CNG燃料に対応した自動車をマルチ・スズキと共同で開発しました。実績として2023年度にインド国内で約43万台、2024年度には前年比1.5倍の約60万台を販売しています。
また、牛糞をベースとしたバイオガス事業を推進するため、スズキ、全国酪農開発機構(NDDB)及びアジア最大規模の乳業メーカーであるBanas Dairy社の3社は、2023年9月にバイオガス生産プラント設置(2025年稼働)について合意しました。現在、バイオメタンガス燃料に対応したCNG/CBG車の開発と安定した品質のバイオガス燃料を生産する製造技術開発を推進しています。さらに2024年10月には新たに2つの乳業組合とバイオガス生産プラント設置で合意しました。
加えて、当社が支援しマルチ・スズキが開発した高エタノール混合ガソリン対応エンジンを搭載した車を今年度に市場へ投入できるように開発を進めています。
また、燃料を「つくる」プロセスの効率化を研究することを目的とした「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」に参画し、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、バイオマスの利用、生産時の水素・酸素・CO2を最適に循環させて効率的に自動車用バイオエタノール燃料を製造する技術研究を進めています。
③ 安全・安心技術の開発
当社は、事故そのものを未然に防ぐ予防安全技術と、万一の衝突被害を軽減する衝突安全技術を培い続けています。安心して楽しく車に乗っていただくために、事故の無い未来に向けて、さらなる技術の進化と普及に努めていきます。
特に予防安全技術については、各国の道路環境や運転事情を熟知し、確実にお客様の安全運転をサポートする技術を構築することが重要です。当社にとって重要な市場であるインドは、過度な交通渋滞や特有の運転習慣があり、日本の技術をそのまま適用することは容易ではありません。インドでの40年にわたる市場経験を活かし、インドの街中でも有効に機能する予防安全技術を独自に開発する計画です。
④ 環境に優しい生産技術の開発
自動車塗装で塗膜として製品になるのは使用する塗料の約65%です。塗膜にならなかった塗料は回収し、廃棄物として処理しています。廃棄物を減らし、地球に優しい塗装技術へ革新するため、以下の活動を進めています。
・超々近接塗装機を導入し、被塗物と塗装機の距離を250㎜から100㎜に縮め、静電気の力を利用して塗装効率を65%から98%に向上(2025年導入開始)。
・塗装効率の改善により、ブース内の風量を減らし、エネルギー消費を50%削減(2027年開発完了)。
・樹脂塗装をフィルムに置き換えブースや乾燥炉を不要とし、CO2排出を75%低減(2029年開発完了) 。
材料面でも、環境に優しいバイオ樹脂素材「デュラビオ」を用いた樹脂部品の生産技術開発に取り組んでいます。
「デュラビオ」は植物由来のでんぷんを53%配合、また塗装を必要とせず美しい高輝度の外観を実現できる材料です。この材料を使用するため、デザイン意匠を具現化する成形技術及び少ないエネルギーで生産する工法の開発活動を進めています。
この材料を活用することで塗装時に排出されるCO2や大気汚染の原因となるVOCの削減に貢献します。
⑤ 情報通信・自動化技術の開発
2021年12月より国内向け新型「スペーシア」、2022年2月よりインド向け新型「バレーノ」、2022年8月より欧州向け新型「Sクロス」へコネクテッド技術を搭載して以降、合計16車種に対し「スズキコネクト」サービスを提供し、充実させています。
コネクテッド技術を活用して、緊急時の迅速かつきめ細やかなお客様サポートや、離れた場所で車両の状態確認や操作を可能とするリモート機能など、より安心・快適・便利なカーライフをお客様へ提供しています。
今後も、他地域への展開や他モデルへの搭載を順次進めるとともに、コネクテッドデータを活用した品質向上や設計支援の促進、次世代の通信技術を採用し、通信ナビやBEV向け新機能を実装した、新しい世代のコネクテッド開発を進めていきます。
また、2023年3月より法人向け車両管理サービス「スズキフリート」を開始しており、コネクテッド技術を活用し、車両を日々活用されている法人企業の車両運行管理や社員の安全運転啓発などの業務を支援しています。簡易装着可能な通信機を活用することで、法人企業が既に所有されている車両にも装着することが可能です。今後は、走行データを分析することで、各業種・企業に適したカスタマイズサービスを提供することや、カーボンニュートラル対応のEV導入を支援するサービスへの展開を進めていきます。
四輪車のみならず、二輪車や船外機、セニアカーなど他製品への通信技術の搭載にも取り組むとともに、新しい電動モビリティユニットなどの新製品や、カーボンニュートラルを支えるためのIoT先進技術の検討も進めていきます。
「SDV(Software Defined Vehicle)」に対し、有線と無線(OTA)をベストミックスしたソフトウェア更新、ハードウェアを共用し部品費を抑えるECU統合、ソフトウェアを再利用して開発費を抑えるソフトウェアプラットフォームを柱とした「SDVライト(right)」の開発を進めています。「SDVライト」により、決して過剰ではなくアフォーダブル(手頃)な仕組みで、ソフトウェアによる車の価値を創造し、お客様にお届けします。
高齢化や人口減少により、人や物の移動を支えるドライバの人手不足解消が社会課題となっています。この社会課題を解決する自動運転技術の実用化にチャレンジしています。
人の移動については、「交通空白地における交通弱者の足の確保」を目標に、官民一体のプロジェクト(浜松自動運転やらまいかプロジェクト)に2016年から参画してきました。当社のものづくりの根幹である「現場・現物・現実」に即した自動運転技術、モビリティサービスを実現するため、2017年度、2019年度、2022年度、2023年度、2024年度に実証実験を行い、地域住民や自治体の方々から多くの意見をいただきながら、開発を進めています。2024年度は、利用者の予約情報をもとに運行ルート上の停留所に自動で停車する機能や、ソフトウェアの改善によるスムーズな運行について、3か月間の長期実証実験を通して検証しました。今後、これらの検証結果を精査・分析し、ステップアップで自動運転技術の実用化につなげてまいります。
物の移動については、豪州のスタートアップ企業「Applied EV」と共同でジムニーのラダーフレームを活用した物流向けの自動運転電動台車の開発を進めています。当社が培ってきたものづくりの強みとスタートアップ企業の強みである発想力・柔軟性をかけ合わせることで、さまざまな用途で使える自動運転電動台車のプラットフォームを創造し、新たな価値につなげてまいります。
当社はオーナーカーだけでなく人や物の移動による喜びを皆様に提供していきます。
当連結会計年度における四輪事業の研究開発費は2,391億円です。
※1 一般社団法人 全国軽自動車協会連合会及び、一般財団法人 自動車検査登録情報協会データより当社調べ。
※2 2024年9月末までのインド国内販売台数
(2)二輪事業
二輪事業では、カーボンニュートラル達成に向けた技術、お客様の望む魅力的な二輪車を提供する技術の開発を行っています。2025年1月にインドで開催された「Bharat Mobility Global Expo 2025」にて、二輪バッテリーEV(BEV)の世界戦略車第一弾となる新型「e-ACCESS(e-アクセス)」、燃費改善した新型スクーター「ACCESS(アクセス)」、及びバイオエタノール燃料対応の「GIXXER SF 250(ジクサーSF250)」の3車種を公開しました。また、2024年7月に行われた鈴鹿8時間耐久ロードレースに、サステナブル燃料を使用したGSX-R1000Rで出場し、8位完走を果たしました。カーボンニュートラル達成に向かい、多様な選択肢の開発を継続して行きます。
また、新型デュアルパーパスモデル「DR-Z4S」、及び新型スーパーモトモデル「DR-Z4SM」向けに電子スロットルコントロールシステム「Ride-by-wire Electronic Throttle System」を採用しました。アクセルとセンサーの間にワイヤーを介する事で、アクセル操作に忠実且つ繊細なレスポンスを実現しました。
当連結会計年度における二輪事業の研究開発費は202億円です。
(3)マリン事業
マリン事業において、当社は水上での「楽しさ」と「働く」を支える頼れるパートナーとして、環境保護と利便性の向上に努めています。お客様の生活に密接に関わる水辺の環境をクリーンで持続可能なものにするため、製品の改良や新技術の導入に積極的に取り組んでいます。
主な成果として、全面マットブラック仕上げのデザインが高く評価されている船外機「ステルスラインシリーズ」にDF140BTなど新たな3機種を開発し、全7機種としました。
スズキ船外機の性能向上と持続可能な取組みの一環として、エンジン部品(シリンダーブロック及びシリンダーヘッド)向けのアルマイト処理技術を開発し、2024年8月からDF140BTの一部仕様に採用しました。この取組みは、量産船外機として世界初※3の試みです。その結果、エンジンの冷却水路の耐食性が向上し、従来の表面処理と比較して製造時のCO2排出量を約50%削減することができました。
また、2020年から始まったスズキクリーンオーシャンプロジェクトの一環として、海洋マイクロプラスチックの回収に取り組んでいます。2024年には静岡大学との共同研究により、タンパク質を利用したマイクロプラスチックへの染色に成功し、この技術を活用したマイクロプラスチック判別方法の確立を進めています。さらに、船外機製品や部品のプラスチック梱包資材の削減にも継続的に取り組んでおり、梱包資材を紙や生分解性素材に変更することで、2020年10月から2025年2月までの間に約89トンのプラスチックを削減しました。
当社は、マリン事業におけるすべての活動を通じて、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」を実現しています。
当連結会計年度におけるマリン事業の研究開発費は60億円です。
※3 2025年2月当社調べ。
(4)その他の事業
その他代表的なものとして、小型低速電動モビリティ事業において、当社がこれまで培ってきた電動車いすの技術を応用し、乗用モビリティから産業用ロボットまで様々な用途で活躍する電動モビリティの技術開発に取り組んでいます。
具体的には、若者から高齢者まで多くの人の生活の足となる新しいモビリティの提案として「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」に出展したSUZU‐RIDE等の商品化に向けて開発を進めています。
また、様々な分野の産業用ロボットの足となる電動モビリティベースユニットを2024年9月の国際物流総合展や2025年1月のCES2025など国内外の展示会に出展し、多くのパートナーに共感をいただき各種社会課題解決に取り組んでいます。現在、お待ちいただいているパートナー企業様のために、商品化に向けて開発を進めています。
当連結会計年度におけるその他事業の研究開発費は3億円です。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度における設備投資の総額は361,843百万円で、生産設備投資、研究開発設備投資、販売設備投資等を行いました。
セグメントごとの内訳は、次のとおりです。
(注) 1 設備投資額は、当社及び子会社の合計額です。
2 各セグメントの投資内容は、次のとおりです。
四輪事業では、当社においては生産能力の拡充、生産品質の改善を中心に、81,719百万円の設備投資を実施しました。また、Maruti Suzuki India Ltd.においても新商品のための生産設備、生産能力の拡充を中心に、182,653百万円の設備投資を実施しました。
二輪事業では、当社においては生産設備を中心に6,315百万円の設備投資を実施しました。また、Suzuki Motorcycle India Private Ltd.においても新商品のための生産設備を中心に、4,226百万円の設備投資を実施しました。
マリン事業では、当社においては生産設備を中心に3,097百万円の設備投資を実施しました。
2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりです。
(1) 提出会社
2025年3月31日現在
(注) 1 「本社」「湖西工場及び部品工場」「磐田工場」「代理店」は、土地の一部を連結会社以外から賃借しています。賃借料は58百万円です。賃借している土地の面積については、[ ]で外書きしています。
2 「湖西工場及び部品工場」「代理店」は、連結会社へ貸与中の土地を含んでいます。
3 「代理店」は、連結会社以外へ貸与中の土地927百万円(13千㎡)、建物及び構築物等315百万円を含んでいます。
4 現在、休止中の主要な設備はありません。
(2) 国内子会社
2025年3月31日現在
(注) 1 「㈱スズキ部品製造」「㈱スズキ自販近畿他販売会社56社」は、土地、機械装置及び運搬具等の一部を連結会社以外から賃借しています。賃借料は3,143百万円です。賃借している土地の面積については、[ ]で外書きしています。
2 「㈱スズキ部品製造」は、連結会社以外へ貸与中の工具、器具及び備品等118百万円を含んでいます。
3 「㈱スズキ自販近畿他販売会社56社」には、連結会社以外へ貸与中の土地1,294百万円(18千㎡)、建物及び構築物等461百万円を含んでいます。
(3) 在外子会社
2025年3月31日現在
(注) 1 「Suzuki Deutschland GmbH」「Maruti Suzuki India Ltd.」「TDS Lithium-Ion Battery Gujarat Private Ltd.」は、建物及び構築物の一部を連結会社以外から賃借しています。賃借料は309百万円です。
2 「Maruti Suzuki India Ltd.」には連結会社以外へ貸与中の土地9,054百万円(1,255千㎡)、建物及び構築物等3,740百万円及び「TDS Lithium-Ion Battery Gujarat Private Ltd.」へ貸与中の土地を含んでいます。
3 「Magyar Suzuki Corporation Ltd.」「Maruti Suzuki India Ltd.」「PT Suzuki Indomobil Motor」の数値は各社の連結決算数値です。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
当社グループの設備投資は、各市場における需要予測、生産計画、利益計画、キャッシュ・フロー等を総合的に勘案して計画しています。
当連結会計年度後1年間の設備投資計画は、当社及び子会社の総額で380,000百万円です。当社及び子会社別の設備投資計画の内訳は次のとおりです。
なお、セグメントごとの内訳は次のとおりです
(2) 重要な設備の除却等
経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
(注) 2023年12月13日開催の取締役会決議により、2024年4月1日付で株式分割に伴う定款変更が行われ、発行可能株式総数は4,500,000,000株増加し、6,000,000,000株となっています。
② 【発行済株式】
(注) 1 2023年12月13日開催の取締役会決議により、2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割
を行っています。これにより発行済株式総数は1,473,439,800株増加し、1,964,586,400株となっています。
2 「提出日現在発行数」には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により
発行された株式数は含まれていません。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
第1回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2025年3月31日)における内容を記載しています。なお、提出日の前月末(2025年5月31日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注) 1 新株予約権1個当たりの目的となる株式の数(以下「付与株式数」という。)は400株とします。なお、新株予約権を割り当てる日以後、当社が株式分割、株式無償割当又は株式併合等を行う場合で付与株式数の調整を行うことが適切なときには、次の算式により付与株式数を調整するものとします。ただし、かかる調整は新株予約権のうち、当該時点で権利行使していない新株予約権についてのみ行われ、調整の結果1株未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとします。
調整後付与株式数=調整前付与株式数×株式分割、株式無償割当又は株式併合の比率
調整後付与株式数は、株式分割又は株式無償割当の場合は、当該株式分割又は株式無償割当の基準日の翌日以降、株式併合の場合は、その効力発生日以降、これを適用するものとします。ただし、剰余金の額を減少して資本金又は準備金を増加する議案が当社株主総会において承認されることを条件として株式分割又は株式無償割当が行われる場合で、当該株主総会の終結の日以前の日を株式分割又は株式無償割当のための基準日とする場合は、調整後付与株式数は、当該株主総会の終結の日の翌日以降これを適用するものとします。
また、当社が吸収合併もしくは新設合併を行い新株予約権が承継される場合又は当社が完全子会社となる株式交換もしくは株式移転を行い新株予約権が承継される場合には、当社は、合併比率等に応じ、必要と認める付与株式数の調整を行うことができるものとします。
2 当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割もしくは新設分割(それぞれ当社が分割会社となる場合に限る。)、又は株式交換もしくは株式移転(それぞれ当社が完全子会社となる場合に限る。)(以上を総称して以下、「組織再編成行為」という。)をする場合において、組織再編成行為の効力発生日(吸収合併につき吸収合併の効力発生日、新設合併につき新設合併設立会社成立の日、吸収分割につき吸収分割の効力発生日、新設分割につき新設分割設立会社成立の日、株式交換につき株式交換の効力発生日及び株式移転につき株式移転設立完全親会社の成立の日をいう。)の直前において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という。)を保有する新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編成対象会社」という。)の新株予約権を交付することとします。ただし、以下の条件に沿って再編成対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めることを条件とします。
(1) 交付する再編成対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとします。
(2) 新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の種類
再編成対象会社の普通株式とします。
(3) 新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の数
組織再編成行為の条件等を勘案の上、上記(注)1に準じて決定するものとします。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
① 交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、再編成後払込金額に上記(3)に従って決定される当該各新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とします。
② 再編成後払込金額は、交付される各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる再編成対象会社の株式1株当たり1円とします。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編成行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとします。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
① 新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い計算される資本金等増加限度額に0.5を乗じた金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとします。
② 新株予約権の行使により株式を発行する場合において増加する資本準備金の額は、上記①記載の資本金等増加限度額から上記①に定める増加する資本金の額を減じた額とします。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編成対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとします。
(8) 新株予約権の取得条項
以下の①、②、③、④又は⑤のいずれかの議案につき当社株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要の場合は、当社の取締役会決議がなされた場合。)は、取締役会が別途定める日に、当社は無償で新株予約権を取得することができるものとします。
① 当社が消滅会社となる合併契約承認の議案
② 当社が分割会社となる分割契約もしくは新設分割計画承認の議案
③ 当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画承認の議案
④ 当社の発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当社の承認を要することについての定めを設ける定款の変更承認の議案
⑤ 新株予約権の目的である株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当社の承認を要すること又は当該種類の株式について当社が株主総会の決議によってその全部を取得することについての定めを設ける定款の変更承認の議案
(9) その他の新株予約権の行使の条件
上記「新株予約権の行使の条件」に準じて決定するものとします。
(10) その他
当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行いました。これにより「新株予約権の目的となる株式の種類、内容及び数(株)」及び「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)」が調整されています。
第2回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2025年3月31日)における内容を記載しています。なお、提出日の前月末(2025年5月31日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注) 1から(注)2については、「第1回新株予約権」の注記に同じです。
第3回新株予約権
※ 当事業年度の末日(2025年3月31日)における内容を記載しています。なお、提出日の前月末(2025年5月31日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注) 1から(注)2については、「第1回新株予約権」の注記に同じです。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 会社法第370条及び当社定款第26条に基づく2020年7月16日付の取締役会決議により、2020年8月
7日を払込期日として譲渡制限付株式報酬としての新株式30,500株を発行しました。
発行価格 3,950円
資本組入額 1,975円
2 会社法第370条及び当社定款第26条に基づく2021年7月15日付の取締役会決議により、2021年8月
3日を払込期日として譲渡制限付株式報酬としての新株式24,000株を発行しました。
発行価格 4,617円
資本組入額 2,308.5円
3 会社法第370条及び当社定款第26条に基づく2022年7月12日付の取締役会決議により、2022年8月
2日を払込期日として譲渡制限付株式報酬としての新株式24,300株を発行しました。
発行価格 4,290円
資本組入額 2,145円
4 2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。これにより、発行済
株式総数は1,473,439,800株増加し、1,964,586,400株となっています。
(5) 【所有者別状況】
2025年3月31日現在
(注) 1 自己株式34,949,386株は、「個人その他」の欄に349,493単元と「単元未満株式の状況」の欄に86株がそれぞれ含まれています。
2 「その他の法人」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が44単元含まれています。
3 金融機関のうち、東京海上日動火災保険株式会社、及び損害保険ジャパン株式会社の2社が所有していた合計95,709,000株の全株式について、2025年4月に株式売出しを実施いたしました。
(6) 【大株主の状況】
2025年3月31日現在
(注) 1 上記のほか、当社が保有している自己株式34,949千株があります。
2 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)319,374千株の内、316,726千株は投資信託174,743千株、年金信託4,266千株、管理有価証券137,715千株であり、国内機関投資家、公的年金の保有によるものです。株式会社日本カストディ銀行(信託口)146,483千株の内、145,881千株は投資信託95,293千株、年金信託8,060千株、管理有価証券42,526千株であり、国内機関投資家、公的年金の保有によるものです。
3 ジェーピー モルガン チェース バンク 385632 及び ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505001は、主として欧米の機関投資家の所有する株式の保管業務を行うとともに、当該機関投資家の株式名義人となっています。
4 野村證券株式会社及びその共同保有者は、2022年11月8日付で提出された大量保有報告書(変更報告書)によると、2022年10月31日現在で27,739千株を所有しています。当該報告書におけるそれぞれの会社の所有株式数は以下のとおりですが、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないので、上記大株主の状況に含めていません。当社は2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っていますが、下記の保有株券等の数は当該株式分割前の株式数を記載しています。
上記保有株券等の数には、新株予約権付社債の保有に伴う保有潜在株式の数が1,187千株含まれています。
5 ブラックロック・ジャパン株式会社及びその共同保有者は、2023年6月6日付で提出された大量保有報告書(変更報告書)によると、2023年5月31日現在で24,781千株を所有しています。当該報告書におけるそれぞれの会社の所有株式数は以下のとおりですが、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないので、上記大株主の状況に含めていません。当社は2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っていますが、下記の保有株券等の数は当該株式分割前の株式数を記載しています。
6 株式会社三菱UFJ銀行及びその共同保有者は、2024年7月29日付で提出された大量保有報告書(変更報告書)によると、2024年7月22日現在で123,613千株を所有しています。当該報告書におけるそれぞれの会社の所有株式数は以下のとおりですが、このうち、株式会社三菱UFJ銀行を除く5社については、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないので、上記大株主の状況に含めていません。
7 三井住友信託銀行株式会社及びその共同保有者は、2024年12月5日付で提出された大量保有報告書(変更報告書)によると、2024年11月29日現在で118,284千株を所有しています。当該報告書におけるそれぞれの会社の所有株式数は以下のとおりですが、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないので、上記大株主の状況に含めていません。
8 東京海上日動火災保険株式会社が所有していた全株式64,663千株、及び損害保険ジャパン株式会社が所有していた全株式31,046千株について、2025年4月に株式売出しを実施いたしました。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2025年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が、4,400株(議決権44個)含まれています。
2 「単元未満株式」欄には、当社所有の自己株式86株及び浜名部品工業株式会社所有の相互保有株式92株が含まれています。
3 2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。これにより、発行済株式総数は1,473,439,800株増加し、1,964,586,400株となっています。
② 【自己株式等】
2025年3月31日現在
(注) 2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。
2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】 会社法第155条第7号による普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 1 当期間における取得自己株式には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれていません。
2 2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における保有自己株式数には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの取引は含まれて
いません。
2 2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。
3 【配当政策】
当社は企業価値の向上、及び累進配当によって、中長期に保有の株主の皆様へお応えしていきたいと考えています。
具体的には、インドの需要拡大に応える生産能力増強、及びエネルギー極少化に向けた技術開発を中心とした成長投資を積極的に行い、中期経営計画の実現を通して、企業価値を向上させていきたいと考えています。また、株主還元につきましては、累進配当の考えに基づき安定的・継続的に配当を実施していく方針です。
2025年3月期の配当につきましては、当方針を踏まえ、1株当たりの期末配当金を21円、年間配当金を41円といたしました。年間配当金は、前期実績30.5円(株式分割後ベース)と比べ10.5円(34.4%)の増配となります。
さらに、2026年3月期より、中期経営計画「By Your Side」にてお示ししたとおり、累進配当に適した指標としてDOEを新たに採用するとともに、DOE水準を3.0%へ引き上げ株主還元を強化いたします。
なお、当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としています。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会です。当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。
※DOE=1株当たり配当金÷ ((期首1株当たり親会社所有者帰属持分+期末1株当たり親会社所有者帰属持分)÷2)
なお、親会社所有者帰属持分から、その他の資本の構成要素は除く

(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、次のとおりです。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、公正かつ効率的な企業活動を通じて、株主様、お客様、お取引先様、地域社会、従業員等の各ステークホルダーから信頼され、かつ国際社会の中でさらなる貢献をして、持続的に発展していく企業であり続けたいと考えています。その実現のためにはコーポレートガバナンスの継続的な強化が不可欠であると認識し、経営の最重要課題の一つとして様々な施策に積極的に取り組んでいます。
また、ステークホルダーや社会から一層のご信頼をいただけるよう、法令や規則が定める情報の迅速、正確かつ公平な開示を行うほか、当社に対するご理解を深めていただくために有益と判断する情報の積極的な開示にも努め、企業の透明性をさらに高めてまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、監査役制度を基礎として、独立性の高い社外取締役を選任すること、取締役候補者の選任や報酬等に関する任意の委員会を設置すること等により、ガバナンス体制の向上を図ることができると考え、現状の体制を採用しています。
企業統治の体制の概要は、次のとおりです。
コーポレートガバナンス体制

[取締役会]
当社は、取締役会における意思決定のスピードアップ、機動的な業務執行、責任体制の明確化を図るために2006年に執行役員制度を導入し、取締役会の構成のスリム化を進めてまいりました。現在の取締役は9名で、うち4名は、経営監督機能を強化するとともに、それぞれの経験や知見と多様な視点から当社の経営に対して有益な指摘・助言等をいただくために社外取締役を選任しています。
なお、取締役の任期は1年としています。
取締役会は、原則として毎月1回開催するほか、必要に応じて随時開催しています。経営に関する基本方針、経営計画、重要な業務執行に関する事項、株主総会から取締役会に授権された事項その他法令や定款に定める事項について、法令遵守・企業倫理の観点も含めた十分な議論のうえで意思決定を行うとともに、重要な業務執行に関する報告を適宜受けることにより、監督の強化を図っています。
決議事項、審議事項及び報告事項の議題の比率:
当事業年度は社外取締役を交えて中期経営計画の策定に向けた各種戦略を議論するための審議事項が増加しました。

当事業年度における取締役会の主な議題の例:
[監査役会]
監査役は、コーポレートガバナンスの一翼を担う独任制の機関として、監査役会が定めた監査役監査の基準に準拠し会社の適正な経営の遂行のための監査を行うとともに、経営陣に対して適切に意見を述べています。その詳細は「(3)監査の状況 ① 監査役監査の状況」に記載しています。
[人事・報酬等委員会]
取締役及び監査役候補者の選任や取締役の報酬の決定における透明性及び客観性の向上を目的に、任意の委員会として、委員の過半数を社外取締役とする人事・報酬等委員会を設置しています。
人事・報酬等委員会では、取締役及び監査役候補者の選任基準、候補者の適正性、取締役の報酬体系・報酬水準の妥当性等を審議し、取締役会は、その結果を踏まえて決定することとしています。また、一部の事項は取締役会から人事・報酬等委員会に決定を委任します。
なお、上級の執行役員の選任や執行役員の報酬体系につきましても、人事・報酬等委員会の審議の結果を踏まえて取締役会で決定しています。
当事業年度における主な検討内容は次のとおりです。
・ 当事業年度の取締役の個人別の報酬等の決定方針の妥当性
・ 当事業年度の取締役の基本報酬の個人別の具体的な内容の決定
(取締役会から人事・報酬等委員会へ決定を委任)
・ 当事業年度の執行役員の報酬の決定方針・手続の妥当性
・ 2025年6月の定時株主総会に上程する取締役候補者案の妥当性
・ 2025年6月の定時株主総会に上程する取締役の報酬改定議案の内容の妥当性
・ 2025年6月の定時株主総会以降の取締役の個人別の報酬等の決定方針の妥当性
・ 今後の社外役員候補者
本報告書提出日現在における取締役会、監査役会及び人事・報酬等委員会:
◎は議長又は委員長、○は出席メンバーです。
当事業年度に開催した取締役会、監査役会及び人事・報酬等委員会の出席状況:
(注)1 長尾正彦氏、鈴木敏明氏及び齊藤欽司氏の出席状況は、2024年6月27日の取締役退任以前に開催された取締役会を対象としています。
2 加藤勝弘氏、鳥居重利氏及び岡島有孝氏の出席状況は、2024年6月27日の取締役就任以降に開催された取締役会を対象としています。
3 鳥居重利氏は、2025年6月27日に取締役を退任しました。
4 笠井公人氏の出席状況は、2024年6月27日の監査役退任以前に開催された取締役会及び監査役会を対象としています。
5 山岸重雄氏の出席状況は、2024年6月27日の監査役就任以降に開催された取締役会及び監査役会を対象としています。
6 田中範雄氏の出席状況は、2024年6月27日の監査役退任以前に開催された取締役会、監査役会及び人事・報酬等委員会を対象としています。
7 鬼頭潤子氏の出席状況は、2024年6月27日の監査役就任以降に開催された取締役会、監査役会及び人事・報酬等委員会を対象としています。
[経営会議その他の経営・業務執行に関する各種会議]
経営上の重要課題・対策を迅速に審議、決定するために、業務執行取締役、執行役員及び本部長等並びに監査役が出席する経営会議や経営・業務執行に関する情報を報告・共有する会議を定期的かつ必要に応じて随時開催しています。
また、業務計画等の審議や月次の業況報告等を行う各種会議を定期的かつ必要に応じて随時開催し、的確な計画の立案、早期の課題抽出、業務執行状況の把握ができるようにしています。
これらにより、取締役会における意思決定や業務執行の監督の効率性を高めています。
[コーポレートガバナンス委員会]
コンプライアンスの徹底やリスク管理等に関する事項を検討し、対策や施策の実行を推進するために、業務執行取締役、執行役員及び本部長等並びに監査役が出席するコーポレートガバナンス委員会を設置しています。また、 同委員会は、金融商品取引法第24条の4の4第1項に基づく財務報告に係る内部統制の有効性評価結果の検証を行っています。
③ 企業統治に関するその他の事項
当社取締役会において決議した、業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)に関する基本方針は、次のとおりです。
a.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(ⅰ)取締役会は、当社及び当社の連結子会社(以下「スズキグループ」)の役員及び従業員が健全に職務を遂行するための「スズキグループ行動指針」を制定し、その周知・徹底の状況を監督する。
(ⅱ)取締役会の下に、社長を委員長とするコーポレートガバナンス委員会を設置する。コーポレートガバナンス委員会は、コンプライアンスの徹底やリスク管理に関する施策を展開し、また、関係部門との連携により組織横断的な課題への取組みを推進する。
(ⅲ)各本部長は、所管部門の業務分掌を明確に定めるとともに、所管業務に関連する法令等の遵守、承認・決裁手続、他部門による確認手続の定めを含む業務規程・マニュアル類を整備して関係者に周知・徹底する。
(ⅳ)人事部門は、経営企画部門、法務部門、技術部門をはじめ関係各部門と協力して役員及び従業員に対するコンプライアンス研修や個別の法令等の研修を継続的に実施する。
(ⅴ)スズキグループの役員や従業員が、通報をしたことにより不利益な取扱いを受けることなく法令違反等やその可能性を通報できる内部通報窓口(スズキグループ・リスクマネジメント・ホットライン)を当社内外に設置し、未然防止や早期是正を図る。
経営企画部門は、内部通報制度の周知に努め、利用の促進を図る。
b.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役会議事録その他取締役の職務の執行に係る情報は、法令及び社内規程に基づいて各担当部門が保管・管理し、取締役及び監査役が必要に応じて閲覧できるようにする。
c.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(ⅰ)経営上の重要な事項は、審議基準に基づいて取締役会、経営会議、稟議制度等により、リスクを審議・評価したうえで意思決定を行う。
(ⅱ)各本部長は、所管業務において想定されるリスクの発生の未然防止や、発生した場合の対応手続の定めを含む業務規程・マニュアル類を整備して関係者に周知・徹底する。
(ⅲ)大規模災害の発生に備え、行動マニュアルや事業継続計画の策定や訓練を行う。
d.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(ⅰ)経営上の重要な事項は、経営会議等において事前審議を行う。
(ⅱ)取締役会は、執行役員及び本部長の職務執行に関する責任を明確にし、その執行を監督する。
(ⅲ)取締役会は、取締役会や経営会議等で決定した事項の執行状況について、その業務の執行責任者から適宜報告を受け、必要な指示を行う。
(ⅳ)取締役会は、連結子会社を含む中期経営計画を策定し、各事業部門長がその計画を達成するために定める事業年度の業務計画の進捗状況を定期的に検証する。
(ⅴ)社長直轄の内部監査部門は、この基本方針に基づく内部統制の整備・運用状況を定期的に監査し、その結果を取締役会に報告する。
取締役会は、必要に応じて執行役員や本部長等を取締役会に出席させ、内部監査や内部通報等で判明した問題についての説明・報告を求め、是正の指示をし、その結果の報告を求める。
e.当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(ⅰ)取締役会は、連結子会社を含む中期経営計画を策定し、各子会社の社長はその計画を達成するための事業年度の業務計画を定める。
(ⅱ)当社は、子会社管理に関する規程を定め、各子会社の管理を所管する部門を明確にし、子会社から業況の定期的な報告や規程に定める事項の報告を受ける。また、子会社の経営に関する重要事項については事前に当社の承認を得ることとする。
(ⅲ)コーポレートガバナンス委員会は、連結子会社を含むコンプライアンスの徹底やリスク管理に関する施策を子会社の社長に展開し、関係部門との連携により必要な支援を行う。
社長直轄の内部監査部門は、子会社の監査により「スズキグループ行動指針」の周知・徹底、コンプライアンスやリスク管理の状況、内部通報制度の整備の状況を定期的に監査し、その結果を取締役会に報告する。
取締役会は、必要に応じて子会社の社長等を取締役会に出席させ、内部監査や内部通報等で判明した問題についての説明・報告を求め、是正の指示をし、その結果の報告を求める。
(ⅳ)経営企画部門は、子会社に対してスズキグループ・リスクマネジメント・ホットラインの周知を図り、子会社の役員及び従業員が法令違反等やその可能性のある問題を当社に直接通報できるようにする。
f.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、当該使用人の取締役からの独立性に関する事項、及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
(ⅰ)当社は、監査役会事務局を設置し、監査役の指揮命令の下で職務を遂行する監査役専任のスタッフを置く。
(ⅱ)監査役会が指名する監査役はいつでも補助者の変更を請求することができ、取締役は、正当な理由がない限り、その請求を拒否しない。
(ⅲ)監査役会事務局のスタッフの人事異動・処遇・懲罰等は監査役会が指名する監査役の同意を要し、人事考課は監査役会が指名する監査役が行う。
g.監査役への報告に関する事項
(ⅰ)監査役は、取締役会以外にも、経営会議その他の重要な会議や各種委員会に出席して質問をし、意見を述べることができる。
(ⅱ)稟議書その他の重要書類を監査役に回覧する他、取締役会、各部門及び子会社の社長は、監査役の要請に応じて必要な情報を提出し、事業や業務の状況を報告する。
(ⅲ)取締役は、スズキグループに著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに監査役会に報告する。
(ⅳ)社長直轄の内部監査部門は、監査の結果を監査役会に報告する。
(ⅴ)スズキグループ・リスクマネジメント・ホットラインの窓口の一つを監査役とする。また、監査役以外の内部通報窓口への通報状況を監査役に定期的に報告する。
(ⅵ)当社は、監査役に報告をした者に不利益な取扱いをせず、子会社に対してもこれを求める。
h.監査役の職務の執行について生ずる費用の前払い、償還の手続その他職務の執行について生ずる費用や債務の処理に関する事項
当社は、監査役の職務の執行について生ずる費用等を支弁するため、毎年、一定額の予算を設ける。
また、監査役がその職務の執行について費用の前払い等の請求をしたときは、速やかにこれを処理する。
i.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役は、当社の費用負担において、必要に応じて弁護士等の外部専門家から助言等を受けることができる。
当事業年度における業務の適正を確保するための体制の基本方針に基づく運用状況の概要は、次のとおりです。
a.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保すること(コンプライアンス)に関する取組み
・コーポレートガバナンス委員会は、コンプライアンス意識の啓発や個別の法令遵守のための注意喚起を全社に向けて行うとともに、コンプライアンス事案が生じた場合は、都度これを審議して必要な措置を講じ、その内容は適宜取締役及び監査役に報告しています。
・2016年の燃費・排出ガス試験問題及び2018年の完成検査問題を起こした反省から、このような不正を二度と発生させないため、とりわけ、以下の5つの取組みを継続的に実施しています。
- 社長職場対話
上司や部下、同僚、部門間でのコミュニケーションを円滑にし、問題を報告・連絡・相談しやすい風土をつくるため、社長による職場対話を全本部を対象に、職場毎に実施。
- リメンバー5.18活動
上記2つの不正行為を振り返るとともに、業務の法令遵守状況の総点検をスズキグループで実施し、毎年5月18日に活動結果の報告会を開催。
- 品質学習室
上記2つの不正行為を振り返ることができる「品質学習室」を社内に設置し、毎年全社員が訪れて学習、問題の風化を防止するとともにコンプライアンスの意識を醸成。
- コンプライアンスハンドブック
「社是」の精神と行動理念、「スズキグループ行動指針」に基づいて、コンプライアンスの視点からスズキグループの役員及び従業員が取るべき行動を具体的にまとめたもので、職場でのコンプライアンスに関する活動や上司から部下へのコンプライアンスに関する指導に活用。
- 毎日コンプライアンスクイズ(毎コンクイズ)
日常的にコンプライアンスを意識する風土を作るため、毎日1問、役員・従業員のPC立ち上げ時に表示されるコンプライアンス関連のクイズに各人が回答する形式のEラーニングを実施。
・役員等の経営層及び従業員に対するコンプライアンス研修を継続的に実施しています。
・スズキグループの内部通報制度「スズキグループ・リスクマネジメント・ホットライン」を公益通報者保護法に則った内容で運用するとともに、その周知徹底を教育・研修や啓発ポスターの全職場での掲示等により継続的に行い、コンプライアンス問題の早期把握と適切な対処に努めています。
b.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する取組み
・法令及び社内規程に則り、取締役会議事録その他取締役の職務の執行に係る文書及び情報等を適切に管理しています。また、情報セキュリティについては、情報セキュリティ対策と管理を推進する体制を整備するとともに、その取組みについて定期的に点検を実施しています。
c.損失の危険の管理に関する規程その他に関する取組み
・各部門で発生又は認識した問題は、緊急性や重要度に応じて、経営会議やコーポレートガバナンス委員会で速やかに審議して解決に繋げる体制を構築しています。製品の品質、認証、完成検査等に関する問題、部品・原材料不足の問題などによる事業への影響を迅速に把握して必要な経営判断を下すべく、経営会議において各本部より懸念される影響と対策を週次で確認しています。
・品質問題への対応については、迅速な原因究明と対策を行う体制の強化に取り組んでおり、週次及び月次の経営会議等で品質問題の最新状況を常に把握するようにしています。なお、リコール等の市場措置については、関係する役員、本部長、部長等で構成する品質対策委員会で審議のうえ決定しています。
・個人情報や秘密情報を適切に管理するため、サイバーセキュリティを含む情報セキュリティ全般について、「スズキ情報セキュリティ基本方針」に基づき、取締役会が指示・監督するコーポレートガバナンス委員会の下に情報セキュリティ責任者会議を設け、スズキグループの情報セキュリティ対策活動を推進しています。
(ご参考)情報セキュリティ体制

・各部門の業務についての社内規程の整備を継続的に行っており、効率的かつ法令等に則って適正に業務が運営される体制の強化に努めています。なお、毎年定期的に、全社一斉に各業務の適正性を再確認し、必要な改善を図る機会を設けています。
・当社の「お取引先様CSRガイドライン」に則って、お取引先様と一体となって法令遵守のもと、安全及び品質を第一とし、人権尊重、環境保全等の社会的責任を果たすことに取り組んでいます。
・自然災害への対策の一環として、南海トラフ巨大地震を想定した事業継続計画(BCP)を策定して、これに基づき必要な手元資金、借入枠の確保をしています。
d.取締役の職務の執行の効率化に関する取組み
・経営上の重要な事項については、代表取締役及び関係役員等が出席する経営会議において事前に審議をしたうえで、取締役会に諮ることにより、取締役会における意思決定の効率化を図っています。また、経営に関する重要な議題の審議に十分な時間を充てることができるように取締役会のスケジュールを設定するとともに、会議資料の早期配布を図りながら運営しています。
・稟議制度等により取締役及び執行役員への個別案件の決定を委任すること、月次で連結子会社を含む各部門の業務執行状況や計画進捗状況等の報告を受けること、経営上の重要課題・対策を迅速に審議、決定するために代表取締役及び関係役員等が出席する経営会議を定期的、あるいは必要に応じて随時開催すること等により取締役会における意思決定の効率化を図っています。
・取締役会は、連結子会社を含む中期経営計画について、各事業部門の執行責任者より定期的に報告を受け、進捗状況を検証するとともに必要な指示を行っています。
・新たな経営上の課題に対してもその執行責任者を都度明確にし、必要な指示を行うとともに、その執行状況の報告を受けています。
・内部監査部門は、この基本方針に基づく内部統制の整備・運用状況を定期的に監査し、その結果を取締役会に報告しています。
e.当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための取組み
・関係会社業務管理規程に従って、同規程に定められた当社における各子会社の管理担当部門が、子会社から定期的な業況報告や規程に定める事項の報告を受けるとともに、重要事項については事前に当社の承認を得るよう、子会社を管理・監督しています。
・スズキグループ内部通報制度を整備し、子会社における問題の早期の把握・是正に努めています。
・会社業務の各分野に精通した人員を配置した内部監査部門が監査計画に基づいて当社各部門、国内及び海外の子会社の業務全般の適正性や効率性、法令及び社内ルールの遵守状況、資産の管理・保全状況等の内部統制の整備・運用状況を、現場及びリモートによる監査や書面調査などで確認しています。その結果は、監査の都度、社長、関係役員及び監査役会に報告し、かつ半期に一度、取締役会で報告しています。また、被監査部門や被監査子会社に対しては、監査結果に基づき、改善が完了するまで助言・指導を行っています。
・内部監査部門を有する海外子会社に対しては、それら内部監査部門の活動状況を確認するとともに、監査計画や監査結果の報告を受け、必要に応じて助言・指導を行っています。
f~i.監査役監査に関する取組み
・取締役等の指揮命令系統から独立した専任のスタッフ部門である監査役会事務局を設置し、監査役の職務を補助する体制としています。なお、監査役会事務局のスタッフの人事考課は監査役会が指名する監査役が行い、その人事異動等についてもあらかじめ監査役会が指名する監査役の同意を得て実施するようにしています。
・監査役が取締役会のほか、コーポレートガバナンス委員会及び経営会議等の経営・業務執行に関する各種会議に出席することにより、意思決定過程の確認及び必要な報告を受け、自身の意見を述べることができるようにしています。
・当社及び子会社の業務執行に関する決裁書類等は監査役に供するとともに、必要に応じて事業や業務の状況説明を行っています。
・内部監査部門が監査結果を監査役に適宜報告し、監査役が内部監査部門との相互連携により効率的な監査を実施できるようにしています。
・スズキグループ内部通報制度では、監査役への通報ルートを設けるとともに、経営企画部門に設けた窓口及び社外窓口への通報についても全件速やかに監査役に報告し、社内の様々な問題に関する情報を監査役と共有するようにしています。
・監査役の職務の執行のための費用は独立して予算化され、適切に処理されています。
④ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社及び当社の子会社の取締役、監査役、執行役員、本部長等を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約では、被保険者がその職務の執行に関して責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害賠償金及び訴訟費用等が填補されます。ただし、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、当該被保険者が法令違反を認識しながら行った行為に起因する損害等は補填の対象外とする等の免責事由が定められています。なお、当該保険契約の保険料は当社が全額を負担しています。
⑤ 取締役及び監査役の責任免除の決定
当社は、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款で定めています。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、期待される役割を十分に発揮できるようにすることを目的とするものです。
⑥ 責任限定契約の内容の概要
当社は、各社外取締役及び各社外監査役との間で、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項に定める責任について、同法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする責任限定契約を締結しています。
⑦ 取締役の定数
当社は、取締役を15名以内とする旨を定款で定めています。
⑧ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めています。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨も定款で定めています。
⑨ 自己の株式の取得の決定機関
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とすることを目的とするものです。
⑩ 中間配当の決定機関
当社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる旨を定款で定めています。これは、資本政策の機動性を確保することを目的とするものです。
⑪ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性11名 女性3名 (役員のうち女性の比率21%)
(注) 1 取締役 堂道秀明氏、取締役 江草 俊氏、取締役 高橋尚子氏及び取締役 青山朝子氏は、社外取締役です。
2 監査役 長野哲久氏、監査役 福田充宏氏及び監査役 鬼頭潤子氏は、社外監査役です。
3 2025年6月27日開催の定時株主総会の終結の時から1年間です。
4 2024年6月27日開催の定時株主総会の終結の時から4年間です。
5 当社では執行役員制度を導入しています。執行役員は次の26名です(取締役を兼務する執行役員を除く)。
② 社外役員の状況
当社は、社外取締役4名及び社外監査役3名を選任しています。
堂道秀明氏は、外交官としての豊富な国際経験と世界情勢に関する高い見識を有するとともに、世界規模で環境・社会等の様々な課題に取り組まれました。かかる経験及び見識に基づき当社の経営に対する有益な指摘・助言及び監督をしていただくために社外取締役に選任しています。なお、堂道秀明氏は、外務省、独立行政法人国際協力機構を経て、2016年10月から2019年1月までホテルマネージメントインターナショナル株式会社(HMIホテルグループ)の専務執行役員に就任していました。当社とHMIホテルグループ傘下のグランドホテル浜松との間には施設利用等の取引がありますが、これらの取引は、グランドホテル浜松がHMIホテルグループの傘下となった2014年2月以前から続いているものです。なお、直近事業年度における当社からグランドホテル浜松への年間支払額は、HMIホテルグループの年間売上高及び当社グループの連結売上収益の1%未満です。
江草俊氏は、長年にわたってリチウムイオン電池の新規事業化と拡大に携わられ、電池技術に関する高度な専門的知見を有するとともに、会社の取締役や業務執行役員を務められた経験を有しています。かかる経験及び見識に基づき当社の経営に対する有益な指摘・助言及び監督をしていただくために社外取締役に選任しています。なお、当社と江草俊氏が在籍していた株式会社東芝との間には自動車用電池の開発の取引がありますが、直近事業年度における当社から東芝への年間支払額は、東芝グループの連結売上高及び当社グループの連結売上収益の1%未満です。
高橋尚子氏は、オリンピックのマラソン競技で金メダルを獲得され、現役引退後は、自身が尽力するプロジェクトや独立行政法人国際協力機構のオフィシャルサポーターとして、途上国の貧困地域や環境汚染が進む地域等を訪れ、現状を自身の目で確かめ、自分にできることを常に考えながら社会・環境課題に関わる活動をされてきました。かかる経験及び見識に基づき当社の経営に対する有益な指摘・助言及び監督をしていただくために社外取締役に選任しています。なお、高橋尚子氏及び同氏が理事長を務める一般社団法人パラスポーツ推進ネットワークと当社グループとの間に取引関係等はありません。
青山朝子氏は、監査法人における公認会計士としての会計監査や内部統制強化の支援業務、外資系証券会社におけるM&Aアドバイザリー業務を経て、会社の最高財務責任者等を歴任されており、社外取締役を務められた経験も有しています。かかる経験及び見識に基づき、当社の経営に対する有益な指摘・助言及び監督をしていただくために社外取締役に選任しています。なお、当社と青山朝子氏が在籍している日本電気株式会社との間にはクラウドサービス等の取引がありますが、直近事業年度における当社から日本電気株式会社への年間支払額は、日本電気グループ及び当社グループの連結売上収益の1%未満です。
長野哲久氏は、弁護士としての豊富な経験と専門的知見を有しており、独立した立場から適切に当社の経営を監査していただくために社外監査役に選任しています。なお、長野哲久氏及び弁護士法人長野法律事務所と当社グループとの間に取引関係等はありません。
福田充宏氏は、工学博士としての豊富な経験と専門的知見を有しており、独立した立場から適切に当社の経営を監査していただくために社外監査役に選任しています。なお、当社と福田充宏氏が教授を務める国立大学法人静岡大学との間には共同研究開発等の取引がありますが、当社から国立大学法人静岡大学への年間支払額は、国立大学法人静岡大学の年間総収入及び当社グループの連結売上収益の1%未満です。
鬼頭潤子氏は、公認会計士としての財務・会計に関する専門的知見を有しており、独立した立場から適切に当社の経営を監査していただくために社外監査役に選任しています。なお、鬼頭潤子氏及び鬼頭潤子公認会計士事務所と当社グループとの間に取引関係等はありません。
以上の社外取締役及び社外監査役と当社との間に、特別な利害関係はありません。また、当社は、以上の社外取締役及び社外監査役全員を東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届け出ています。
なお、社外役員を選任するための独立性については、東京証券取引所が定める独立性に関する判断基準を踏まえて定めた当社の「社外役員の独立性基準」に基づいて判断しています。
〈社外役員の独立性基準〉
当社は、社外取締役及び社外監査役については、以下に該当しない場合に独立性を有する者と判断する。
1 当社及び当社の子会社(以下「当社グループ」といいます。)の関係者
(1)社外取締役については、現在又は過去において、当社グループの業務執行者(注1)である者、又はあった者
(2)社外監査役については、現在又は過去において、当社グループの取締役、執行役員又は使用人である者、又はあった者
(3)当社グループの現在の取締役又は執行役員の配偶者又は二親等内の親族
2 取引先、大株主等の関係者
(1)次のいずれかの業務執行者である者
① 当社グループを主要な取引先とする企業(注2)
② 当社グループの主要な取引先(注3)
③ 当社の総議決権の10%以上の議決権を保有する大株主
④ 当社グループが総議決権の10%以上の議決権を保有する企業
(2)現在又は過去5年間に、当社グループの会計監査人の代表社員又は社員である者、又はあった者
(3)当社グループから役員報酬以外に多額の報酬を受けている者(注4)
(4)当社グループから多額の寄付を受けている者(注5)
(5)上記(1)から(4)に該当する者の配偶者又は二親等内の親族
(注1)業務執行者:
業務執行取締役、執行役、執行役員又は使用人
(注2)当社グループを主要な取引先とする企業:
過去3年のいずれかの事業年度において、取引先グループの直前事業年度の連結売上高(又はこれに相当する金額)の2%以上の支払いを当社グループから受けている取引先グループに属する企業
(注3)当社グループの主要な取引先:
過去3年のいずれかの事業年度において、当社グループの直前事業年度の連結売上収益の2%以上の支払いや連結資産合計の2%以上の融資を当社グループに行っている取引先グループに属する企業
(注4)多額の報酬を受けている者:
過去3年のいずれかの事業年度において、
・個人として、役員報酬以外に年1,000万円以上の報酬を受けているコンサルタント、法律、会計等の専門家
・年間総収入の2%以上の報酬を受けている団体に所属するコンサルタント、法律、会計等の専門家
(注5)多額の寄付を受けている者:
過去3年のいずれかの事業年度において、
・個人として年1,000万円以上の寄付を受けている者
・年間総収入の2%以上の寄付を受けている団体に所属し、寄付の目的となる活動を運営する者
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
「(3)監査の状況 ① 監査役監査の状況及び② 内部監査の状況」に記載しています。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
a.監査役監査の組織、人員及び手続
〈組織・人員〉
監査役会は、常勤監査役として豊田泰輔氏及び山岸重雄氏、社外監査役として長野哲久氏、福田充宏氏及び鬼頭潤子氏の5名で構成されています。
なお、常勤監査役の豊田泰輔氏は財務部門及び監査部門における豊富な業務経験から、また、社外監査役の鬼頭潤子氏は公認会計士としての豊富な経験から、両氏は財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。常勤監査役の山岸重雄氏は技術・品質・環境等に関し、社外監査役の長野哲久氏は弁護士として法律に関し、社外監査役の福田充宏氏は技術・人材育成等に関して、相当程度の知見を有しています。
また、監査役会の職務執行を補助するため、監査役会事務局を設置し、専任スタッフを4名配置しています。
〈監査役監査の手続〉
監査役監査の手続については、監査役会が定めた監査役監査の基準に準拠し、監査方針及び職務の分担等に従い、取締役会その他重要な会議への出席、重要な決裁書類等の閲覧、取締役及び使用人等からの業務の状況についての報告・聴取等により、会社の適正な経営の遂行について監査を行い、監査役として意見を伝えています。
b.監査役会の活動状況
〈監査役会の開催頻度・監査役の出席状況〉
当社は監査役会を原則として毎月1回開催するほか、必要に応じて随時開催しています。当事業年度において合計16回(うち3回は臨時開催)開催しています。なお、個々の監査役の出席状況については、次のとおりです。
(注)笠井公人氏、田中範雄氏については2024年6月27日に任期満了により退任するまでの出席状況であり、山岸重雄氏、鬼頭潤子氏については2024年6月27日の就任以降の出席状況です。
〈監査役会における主な決議事項・審議事項・報告事項〉
監査役会における主な決議事項、審議事項及び報告事項は、次のとおりです。
なお、当事業年度における重点監査項目は、内部統制システムの整備・運用状況の確認として、新機種開発のスケジュール管理及び四輪技術における開発委託の管理・監督体制の整備について監査しました。
また、代表取締役、社外取締役、執行役員及び本部長と監査役会との意見交換会を行い経営課題やリスク認識について幅広くディスカッションをするとともに、子会社の経営層との意見交換を実施し、グループガバナンス体制の運用状況の確認をしました。
さらに、取締役会開催前に議案について監査役間での意見交換を行い、監査役として有益な意見発言につながるよう取り組んでいます。
〈内部監査部門・会計監査人との連携の状況〉
監査役会は、内部監査部門である監査本部と定期的な会合をもち、監査本部の監査計画及び業務監査結果、子会社内部監査部門の監査結果等について情報・意見交換を行い、連携を図っています。
また、会計監査人と定期的な会合をもち、監査計画、監査結果、期中レビュー、監査業務の品質管理体制の構築及び運用の報告聴取、監査上の主要な検討事項(KAM)に関する意見交換等を通して、情報・意見交換を行い、連携を図っています。
〈監査役会の実効性評価〉
監査役会は、その実効性評価に関して、各監査役が活動を振り返り、チェックリストによる評価及びアンケートによる意見・提案をもとに、監査役全員で議論・検証し、これらの内容を踏まえ、次期の監査計画に取組事項として反映させ、継続的な実効性の向上に努めています。
c.監査役の活動状況
監査役は、監査計画及び職務分担に基づき、主に以下の活動を行っています。
また、常勤監査役は、コーポレートガバナンス委員会及び経営・業務執行会議等への出席、重要な決裁書類の閲覧等、日々の監査の状況を必要に応じて監査役会にて報告・説明し、社外監査役との情報共有・意見交換により監査意見の適正性の向上を図っています。
(注)経営・業務執行会議については、内容等により職務分担しています。
② 内部監査の状況
a.内部監査の組織、人員
社長直轄の組織として監査本部を設置し、会社業務の各分野に精通した人員を中心に66名(2025年3月31日現在)のスタッフが監査計画に基づいて、当社各部門並びに国内・海外の関係会社の業務監査を実施するとともに、監査指摘事項については、改善の助言・指導を行っています。
b.内部監査の手続及び内部統制部門との関係
業務監査においては、業務全般の適正性や効率性、法令及び社内ルールの遵守状況、資産の管理・保全状況等の内部統制の整備・運用状況を、現場及びリモートによる監査や書面調査などで確認しています。業務監査の結果は、監査の都度、指摘事項の改善案とともに社長、関係役員に報告し、かつ監査役会で監査結果報告及び意見交換を行い、半期に一度、取締役会で報告しています。改善については、完了するまで、助言・指導を行い、問題点の早期是正に努めています。
また、金融商品取引法第24条の4の4第1項に基づく財務報告に係る内部統制の有効性評価についてはコーポレートガバナンス委員会のもと実施し、その結果をコーポレートガバナンス委員会から取締役会、監査役会へ報告しています。
なお、内部監査部門を有する海外子会社に対しては、それら内部監査部門の活動状況を確認するとともに、監査計画や監査結果の報告を受け、必要に応じて助言・指導を行っています。
c.会計監査との相互連携
会計監査人とも相互に監査結果を随時共有するとともに、意見交換を実施することで情報共有、意思の疎通を図り、緊密な連携を維持しています。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
清明監査法人
b.継続監査期間
1967年以降
c.業務を執行した公認会計士
今村敬、西川浩司及び岩尾健太郎
d.監査業務に係る補助者の構成
会計監査業務に係る補助者は、公認会計士20名、その他8名です。
e.監査法人の選定方針と理由
監査役会は、「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」を踏まえ、当監査役会で定める評価基準により、清明監査法人の品質管理、監査チームの独立性、専門性、監査報酬の水準・内容、監査役・経営者とのコミュニケーション状況、グループ監査の体制、不正リスクへの対応等を検証した結果、適正な監査の遂行が可能であると判断しました。
〈会計監査人の解任又は不再任の決定の方針〉
会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合、監査役会は、監査役全員の同意により会計監査人を解任いたします。
また、会計監査人が職務を適切に遂行することが困難と判断される等その必要があると判断される場合には、監査役会は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定いたします。
f.監査役及び監査役会による監査法人の評価
監査役会は、社内関係部門(財務部門・内部監査部門)及び会計監査人から必要な資料を入手し、報告を受け、当監査役会で定めた評価基準に照らし、監査法人の評価を行っています。
g.監査法人の異動
当社の監査法人は次のとおり異動しています。
第159期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)連結会計年度の連結財務諸表
及び事業年度の財務諸表 監査法人 清明監査法人
第160期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)連結会計年度の連結財務諸表
及び事業年度の財務諸表 監査法人 PwC Japan有限責任監査法人
なお、臨時報告書(2025年3月13日)に記載した事項は次のとおりであります。
(1)当該異動に係る監査公認会計士等の名称
① 選任する監査公認会計士等の名称
PwC Japan有限責任監査法人
② 退任する監査公認会計士等の名称
清明監査法人
(2)当該異動の年月日
2025年6月予定(第159回定時株主総会開催日)
(3)退任する監査公認会計士等が監査公認会計士等となった年月日
1966年12月
清明監査法人の前身である今村了会計事務所が当社の会計監査人に就任
(4)退任する監査公認会計士等が直近3年間に作成した監査報告書等における意見等に関する事項
該当事項はありません。
(5)当該異動の決定又は当該異動に至った理由及び経緯
当社の会計監査人である清明監査法人は、2025年6月開催予定の第159回定時株主総会の終結をもって任期満了となります。監査役会は、現会計監査人の監査は適切に行われていると考えていますが、2022年7月に行われた公認会計士協会の倫理規則の改正にて会計事務所等の独立性に関する規制が強化され、報酬依存度が5年連続して15%を超える状況が継続する場合、5年目の監査意見の表明後に監査人を辞任しなければならないこととなりました。加えて監査継続年数が長期に渡っていることを考慮し、監査役会において複数の監査法人を比較検討した結果、新たにPwC Japan有限責任監査法人を当社の会計監査人候補者に選定いたしました。
監査役会がPwC Japan有限責任監査法人を会計監査人の候補者とした理由は、同監査法人を起用することで新たな視点での監査が期待できることに加え、当社グループの会計ガバナンスをさらに向上させるべく、品質管理体制、グローバルな対応を含む監査体制、監査方法、独立性等を総合的に検討した結果、適任と判断したためです。
(6)上記(5)の理由及び経緯に対する意見
① 退任する監査公認会計士等の意見
特段の意見はない旨の回答を得ています。
② 監査役会の意見
妥当であると判断しています。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬
(注)当社は、会計監査人に対して、公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務である以下の業務を委託し、対価を支払っています。
・財務諸表等以外の数値情報に関する確認結果報告書の作成業務
なお前連結会計年度は該当事項はありません。
b.監査公認会計士等と同一のネットワークに対する報酬(a.を除く)
該当事項はありません。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d.監査報酬の決定方針
監査報酬については、監査公認会計士等の監査計画、監査内容、監査日数・時間等を考慮のうえ、監査役会による同意を得て、適切に決定しています。
e.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、社内関係部門及び会計監査人からの必要な資料の入手や報告を通じて、前事業年度の監査計画と実績の状況を確認するとともに、当事業年度の監査計画及び報酬額の見積りの妥当性について必要な検証を行ったうえ、会計監査人の報酬等につき、同意を行っています。
(4) 【役員の報酬等】
① 当事業年度の役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
a.取締役の報酬等
取締役の個人別の報酬等の決定方針(以下「決定方針」といいます。)は、委員の過半数を社外取締役とする人事・報酬等委員会に決定方針案の妥当性を諮問し、その答申を踏まえて取締役会の決議で定めています。
当事業年度の報酬等の決定方針は、2024年6月14日開催の人事・報酬等委員会への諮問を経て、同日開催の取締役会の決議で定めました。その概要は次のとおりです。
取締役(社外取締役を除く。)の報酬は、当社の企業価値の持続的な向上に対するインセンティブとして機能するよう、基本報酬、各事業年度の業績に連動する賞与及び中長期的な株価に連動する譲渡制限付株式報酬で構成し、その割合は、概ね基本報酬40%、賞与30%、譲渡制限付株式報酬30%を目安としています。なお、社外取締役の報酬は、その職務に鑑みて基本報酬のみとします。
取締役の基本報酬は月例の固定報酬とし、職務・職責、他社水準及び従業員給与の水準等を考慮して決定し、支給します。賞与は連結営業利益に連動する職位別の計算式に基づいて算定し、毎年、一定の時期に支給します。また、譲渡制限付株式報酬は職位別の基準に基づいて内容を決定し、毎年、一定の時期に交付します。
当事業年度の基本報酬の個人別の具体的な内容の決定は、2024年5月13日開催の取締役会の決議に基づいて人事・報酬等委員会に委任しました。かかる委任をした理由は、報酬決定のプロセスの透明性を高めるためです。また、当事業年度の賞与については2024年6月14日開催の取締役会において職位別の具体的な算定方法を決議し、譲渡制限付株式報酬については、事前に取締役会において概要を説明のうえ、会社法第370条の規定に基づくいわゆる取締役会の書面決議により、2024年7月12日付で個人別の具体的な支給の内容を決議しました。以上により、取締役会は、当事業年度の取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると判断しています。
[賞与(業績連動報酬)の内容]
各事業年度の業績向上に対する意識を高め、企業価値の持続的な向上に対するインセンティブとして機能することを目的として、取締役(社外取締役を除く。)に対して支給しているものです。個人別の具体的な支給額は、取締役会であらかじめ定める業績指標に、取締役会であらかじめ定める一定割合及び職位別乗率を乗じることによって算定します。業績指標は会社の収益性の観点から連結営業利益とし、かつ、提出会社の営業利益も考慮しています。なお、賞与の支給額決定のための連結営業利益及び提出会社の営業利益の目標は設定していません。また、当事業年度(当連結会計年度)の連結営業利益は642,851百万円、提出会社の営業利益は188,095百万円です。
[譲渡制限付株式報酬(非金銭報酬等)の内容]
企業価値の持続的な向上に対するインセンティブとして機能すること、また、株主の皆様とのさらなる価値共有を進めることを目的として、取締役(社外取締役を除く。)に対して交付しているものです。交付対象の取締役は、取締役会決議に基づいて支給される報酬(金銭報酬債権)の全部を現物出資財産として払込むことにより、当社の普通株式の交付を受けます。なお、譲渡制限期間は取締役の地位を退任する日までの間であり、取締役会が正当と認める理由以外での退任等、一定の事由に該当した場合は、交付した株式を当社が無償で取得します。
当事業年度は取締役5名に対して当社普通株式126,300株を交付しました。
b.監査役の報酬等
監査役の報酬は、月例の固定報酬(基本報酬)のみとし、監査役の協議により決定して支給します。
c.当事業年度に係る取締役及び監査役の報酬等についての株主総会の決議に関する事項
取締役の基本報酬及び社外取締役を除く取締役の賞与は、2023年6月23日開催の第157回定時株主総会において年額7億5,000万円以内(うち、社外取締役分は年額5,000万円以内)と決議いただいています。当該株主総会終結後の取締役の員数は8名(うち、社外取締役3名)です。
また、これとは別枠で、2020年6月26日開催の第154回定時株主総会において、社外取締役を除く取締役に対する譲渡制限付株式の付与のために支給する報酬(金銭報酬債権)の総額を年額3億円以内、かつ、交付する株式の総数を年400,000株(※)以内とし、譲渡制限期間は割当を受けた日から取締役の地位を退任する日までの間とする決議をいただいています。当該株主総会終結後の社外取締役を除く取締役の員数は6名です。
監査役の報酬は、2017年6月29日開催の第151回定時株主総会において年額1億2,000万円以内と決議いただいています。当該株主総会終結後の監査役の員数は5名です。
※ 当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行いました。交付する株式の総数は株式分割による調整後の株式数を記載しています。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注) 1 上記の取締役(社外取締役を除く。)の「業績連動報酬」(賞与)及び「非金銭報酬等」(譲渡制限付株式報酬)は、当事業年度に費用計上した額です。
2 上記の取締役(社外取締役を除く。)の報酬は、2024年6月27日開催の第158回定時株主総会の終結時をもって任期満了により退任した3名に対する支給額を含んでいます。
3 上記の監査役(社外監査役を除く。)の報酬は、2024年6月27日開催の第158回定時株主総会の終結時をもって任期満了により退任した1名に対する支給額を含んでいます。
4 上記の社外監査役の報酬は、2024年6月27日開催の第158回定時株主総会の終結時をもって任期満了により退任した1名に対する支給額を含んでいます。
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等
(注) 1 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
2 上記の「業績連動報酬」(賞与)及び「非金銭報酬等」(譲渡制限付株式報酬)は、当事業年度に費用計上した額です。
④ 本報告書提出日現在の役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
a.取締役の報酬等
当社は、2025年2月20日に発表した中期経営計画「By Your Side」に掲げた経営目標の達成や当社の中長期的な企業価値の向上を図るインセンティブ効果を一層高め、かつ、対象取締役と株主の皆様とのさらなる価値共有を進めるべく、2025年6月27日開催の第159回定時株主総会において取締役の報酬改定を承認いただきました。
当該株主総会における承認を条件として変更した取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針(以下「決定方針」といいます。)は、2025年5月12日開催の人事・報酬等委員会への諮問を経て、同日開催の取締役会の決議で定めました。その概要は次のとおりです。
取締役(社外取締役を除く。)の報酬は、当社の企業価値の持続的な向上に対するインセンティブとして機能するよう、基本報酬、短期インセンティブとしての賞与及び中長期インセンティブとしての株式報酬で構成し、その割合は、概ね基本報酬30%、賞与35%、株式報酬35%を目安とします。社外取締役の報酬は、その職務に鑑みて基本報酬のみといたします。
[基本報酬の支給額の決定方法等]
取締役の基本報酬は月例の固定報酬とし、職務・職責、他社水準及び従業員給与の水準等を考慮して決定し、支給いたします。なお、基本報酬の個人別の具体的な内容の決定は、取締役会の決議に基づいて人事・報酬等委員会に委任します。
[賞与(業績連動報酬)の決定方法等]
各事業年度の業績向上に対する意識を高め、かつ、中期経営計画「By Your Side」に掲げた経営目標の達成に向けたインセンティブとして機能することを目的として、取締役(社外取締役を除く。)に対して支給するものです。個人別の具体的な支給額は、人事・報酬等委員会への諮問を経て取締役会であらかじめ定める業績指標に、取締役会であらかじめ定める一定割合及び職位別乗率を乗じることによって算定し、毎年、一定の時期に支給いたします。
2026年3月期の業績指標は、会社の収益性の観点から連結営業利益、提出会社の営業利益及び連結ROEとします。連結営業利益及び提出会社の営業利益については支給額決定のための目標は設定していません。連結ROEについては中期経営計画の経営目標である13%を評価の基準とします。
(補足)
法人税法第34条第1項第3号の「業務執行役員」に該当する取締役に対する業績連動報酬(賞与)は、法人税法上の業績連動給与とすることを企図しています。2026年3月期の取締役の業績連動報酬(賞与)の算定方法は以下のとおりです。
1 算定方法
支給額 = 連結営業利益 × 連結ROE13%との比較による乗率(※) × 0.020% × 職位別乗率
ただし、2026年3月期の連結営業利益は2025年3月期の連結営業利益を上回ったが、2026年3月期の提出会社の営業利益が2025年3月期の提出会社の営業利益を下回った場合は、2026年3月期の連結営業利益のうち2025年3月期と同額までの部分に0.020%及び職位別乗率を乗じて算出した金額と、2026年3月期の連結営業利益のうち2025年3月期を上回った部分に2026年3月期の提出会社の営業利益の2025年3月期比(小数点2位未満切捨て。ただし、営業損失の場合は0。)を乗じた金額に0.020%及び職位別乗率を乗じて算出した金額の合計を支給額とします。
※ 連結ROE13%との比較による乗率:
2026年3月期の連結ROEが13%以上の場合は1.05、13%未満の場合は0.95
a.2026年3月期の連結営業利益及び提出会社の営業利益がともに2025年3月期を上回った:
支給額 = 2026年3月期の連結営業利益 × 連結ROE13%の達成度合いによる乗率 × 0.020%
× 職位別乗率
b.2026年3月期の連結営業利益は2025年3月期の連結営業利益を上回ったが、2026年3月期
の提出会社の営業利益は2025年3月期の提出会社の営業利益を下回った:
支給額 = ① × 連結ROE13%の達成度合いによる乗率 × 0.020% × 職位別乗率
+ ② × 連結ROE13%の達成度合いによる乗率 × 2026年3月期の提出会社の
営業利益の2025年3月期比(小数点2位未満切捨て。ただし、営業損失の場合
は0。) × 0.020% × 職位別乗率
① 2026年3月期の連結営業利益のうち2025年3月期と同額までの部分
② 2026年3月期の連結営業利益のうち2025年3月期を上回った部分
(注)1 法人税法第34条第1項第3号イに規定する利益の状況を示す指標は、2026年3月期の「連結営業利益」とします。
2 上記算式に使用する「連結営業利益」は当該支給額を損金経理する前の金額とします。
3 上記算式に基づく各取締役への支給金額については、10万円未満切捨てとします。
2 職位別乗率
(注) 上記の「員数」は、2025年6月27日現在における取締役(「3 対象者」)です。
3 対象者
法人税法第34条第1項第3号の「業務執行役員」に該当する取締役のみとし、社外取締役は除きます。
4 確定額
法人税法第34条第1項第3号イ(1)に規定する「確定額」は、5億円を限度とします。
賞与支給額の合計が5億円を超えた場合は、各人の支給額を全員の支給額の合計で除したものに、5億円を乗じた金額を、各人の賞与とします(10万円未満切捨て)。
5 その他
取締役が期中に退任した場合の支給額は、職務執行期間を満了した場合の支給額を計算し、その金額を在籍月数によって按分計算したものとします(10万円未満切捨て)。
[業績連動型譲渡制限付株式報酬(非金銭報酬等)の決定方法等]
中期経営計画「By Your Side」に掲げた経営目標の達成と当社の中長期的な企業価値の向上を図るインセンティブとして機能すること、また、株主の皆様とのさらなる価値共有を進めることを目的として、取締役(社外取締役を除く。)に対して交付するものです。個人別の具体的な交付株式数は、人事・報酬等委員会への諮問を経て取締役会であらかじめ定める職位・職責等に応じた基準交付株式数に、中長期的な経営計画・経営課題等を踏まえて事業年度毎に定める財務・非財務の業績評価指標の業績評価期間(各事業年度とします。)の達成度合いを連動させて個人別交付株式数を算定し、毎年、業績評価期間終了後の一定の時期に、株式を付与するための金銭報酬債権報酬を支給し、各対象取締役は、当該金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込むことにより、当社の普通株式の交付を受けます。譲渡制限期間は当社の取締役の地位を退任する日までの間であり、取締役会が正当と認める理由以外での退任等、一定の事由に該当した場合は、交付した株式を当社が無償で取得します。
2026年3月期の業績評価指標は、中期経営計画の株主還元方針の観点からTSR、また、人事制度を通じた従業員一人ひとりの成長の観点から一人当たり連結営業利益とします。支給額決定のための目標は設定していませんが、TSRについては配当込みTOPIX成長率との比較、また、一人当たり連結営業利益(為替影響を除く。)については前連結会計年度の一人当たり連結営業利益を評価の基準とします。
なお、譲渡制限期間及び譲渡制限の解除後において、対象取締役に不法行為又は法令違反等があったと当社取締役会が認めた場合、当該対象取締役が保有する本株式又は譲渡制限が解除された当社普通株式の全部又は一部の返還を求めることができるマルス・クローバック条項を設けています。
(補足)
法人税法第34条第1項第3号の「業務執行役員」に該当する取締役に対する業績連動型譲渡制限付株式報酬の一部(次の1①により算定する個人別交付株式数の90%に相当する部分)については、法人税法上の業績連動給与とすることを企図しています。初回の業績評価対象期間(以下「対象期間」といいます。)である2026年3月期の業績連動型譲渡制限付株式報酬の算定方法は以下のとおりです。
1 対象取締役に交付する個人別交付株式数の算定方法
個人別交付株式数は、次の①と②の合計とし、100株未満の端数が生じた場合には、これを切り捨てるものとします。
① 基準交付株式数(※1)×90%×TSR評価係数(※2)
(1株未満の端数が生じた場合には、これを切り捨て)
② 基準交付株式数(※1)×10%×TSR以外の業績評価係数(※3)
(1株未満の端数が生じた場合には、これを切り捨て)
※1 基準交付株式数
(注) 上記の「員数」は、2025年6月27日現在における取締役(「3 対象者」)です。
※2 TSR評価係数
当社のTSR ÷ 配当込みTOPIX成長率
※2が110%を上回った場合は110%を上限に、90%を下回った場合は90%を下限に変動します。
※3 TSR以外の業績評価係数
対象期間の一人当たり連結営業利益(為替影響を除きます。)÷ 対象期間の前事業年度の一人当たり連結営業利益
※3が110%を上回った場合は110%を上限に、90%を下回った場合は90%を下限に変動します。
2 対象取締役に支給する金銭報酬債権の額の算定方法
対象取締役に交付する個人別交付株式数(上記1で算定)に、株式の割当てに係る当社取締役会決議日の前営業日の東京証券取引所における当社普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直前取引日の終値とします。)を乗じた額とします。
3 対象者
法人税法第34条第1項第3号の「業務執行役員」に該当する取締役のみとし、社外取締役は除きます。
4 確定額
法人税法第34条第1項第3号イ(1)に規定する「確定した額」は、5億円を限度とします。また、「確定した数」は400,000株を上限とします。
対象取締役に支給する金銭報酬債権の額の合計が5億円を超えた場合は、各人の支給額を全員の支給額の合計で除したものに、5億円を乗じた金額を、各対象取締役に支給する金銭報酬債権の額とします(10万円未満切捨て)。
対象取締役に交付する株式数の合計が400,000株を超えた場合は、各人の交付株式数を全員の交付株式数の合計で除したものに、400,000株を乗じた株式数を、各対象取締役に交付する株式数とします(100株未満切捨て)。
5 交付要件
対象期間が終了し、以下の交付要件を満たした場合に、各対象取締役に対して金銭報酬債権を支給し、当該金銭報酬債権の全部を現物出資させることで各対象取締役に本株式を交付するものとします。
① 本株式の割当ての対象となる職務執行期間(前事業年度に係る定時株主総会の開催日から当該事業年度に係る定時株主総会の開催日の前日までの期間をいいます。)中に対象取締役が継続して当社の取締役の地位にあったこと
② 当社取締役会が定める一定の非違行為がなかったこと
③ 当社取締役会が定めるその他必要と認められる要件を充足すること
6 株式が交付されるまでに対象取締役が退任した場合の取り扱い
① 任期満了その他当社取締役会が正当と認める理由により当社の取締役を退任した場合、本株式の交付に代えて、上記2により算定する金銭報酬債権の額に、当該取締役が当社の取締役として選任(再任を含みます。)された直近の株主総会以降の在任月数(1か月に満たない場合は1か月として計算します。)を12か月で除した係数を乗じて算定する金銭を支給します(10万円未満切捨て)。
② 死亡により当社の取締役を退任した場合、本株式の交付に代えて、上記2により算定する金銭報酬債権の額に、当該取締役が当社の取締役として選任(再任を含みます。)された直近の株主総会以降の在任月数(1か月に満たない場合は1か月として計算します。)を12か月で除した係数を乗じて算定する金銭を当該取締役の相続人に支給します(10万円未満切捨て)。
b.監査役の報酬等
監査役の報酬は、月例の固定報酬(基本報酬)のみとし、監査役の協議により決定して支給します。
c.本報告書提出日以降の事業年度に係る取締役及び監査役の報酬等についての株主総会の決議に関する事項
取締役の基本報酬及び取締役(社外取締役を除く。)の賞与は、2025年6月27日開催の第159回定時株主総会において年額10億5,000万円以内(うち、社外取締役分は年額1億5,000万円以内)と決議いただいています。当該株主総会終結後の取締役の員数は9名(うち、社外取締役4名)です。
また、これとは別枠で、2025年6月27日開催の第159回定時株主総会において取締役(社外取締役を除く。)に対する業績連動型譲渡制限付株式の付与のために支給する金銭報酬債権報酬は、年額5億円以内かつ交付する株式の総数を年400,000株以内とし、譲渡制限期間は交付日から取締役の地位を退任する日までの間とする決議をいただいています。当該株主総会終結後の社外取締役を除く取締役の員数は5名です。
監査役の報酬は、2025年6月27日開催の第159回定時株主総会において年額2億円以内と決議いただいています。当該株主総会終結後の監査役の員数は5名です。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式とし、それ以外の投資株式を純投資目的以外の目的である投資株式としています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために、事業機会の創出、業務提携、安定的な取引・協力関係の構築、維持、強化等に資すると判断する場合、取引先等の株式を保有します。
個別の政策保有株式の保有の適否は、毎年、取締役会で検証します。保有に伴う便益やリスク等について、取引の性質や規模等に加え、企業価値向上等の定性面や、資本コストとの比較等の定量面の判断基準を設けて総合的に判断し、売却対象とした銘柄は縮減を進めます。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(注) 1 株式数が増加した銘柄には、株式分割による変動を含んでいません。
2 非上場株式以外の株式の増加1銘柄及び非上場株式の減少のうち1銘柄は、新規上場による増減であり、取得価額及び売却価額の発生はありません。
〈保有銘柄数の推移〉
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 定量的な保有効果の記載が困難であるため、保有の合理性を検証した方法を記載します。
当事業年度における検証は、スタッフ部門が個別銘柄毎に取得の経緯・目的、発行会社との取引状況、発行会社の業績推移、取得価額・時価、配当利回り等の基準、保有に伴う便益やリスク等について整理し、経営会議を経て、取締役会で検証しました。
2 ㈱三菱UFJフィナンシャル・グループは当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
3 ㈱しずおかフィナンシャルグループは当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
4 ㈱みずほフィナンシャルグループは当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
5 ㈱りそなホールディングスは当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
6 ㈱三井住友フィナンシャルグループは当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
7 三井住友トラスト・ホールディングス㈱は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
8 SOMPOホールディングス㈱は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
9 三菱電機㈱は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
なお、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の財務諸表について、清明監査法人による監査を受けています。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための取組みとして、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、当該機構から得られる情報を用いながら、会計基準等の内容を適切に把握し、また、会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を構築・整備しています。また、会計基準設定主体や会計に関する専門機関が実施する研修等に参加しています。
4 IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備
当社は、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っています。また、IFRSに準拠したグループ会計マニュアルを作成し、IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
②【連結損益及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
スズキ株式会社(以下、「当社」という。)は、日本に所在する株式会社です。
連結財務諸表は、当社及び連結子会社(以下、「当社グループ」という。)並びに当社グループの関連会社及び共同支配企業に対する持分から構成されています。
当社グループは四輪車、二輪車、船外機の製造、販売を主な事業としています(「6.セグメント情報」参照)。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨及び初度適用に関する事項
当連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。当社グループは、2025年3月31日に終了する連結会計年度の期首にIFRSを初めて適用し、IFRSへの移行日は2023年4月1日です。
また、IFRSへの移行にあたり、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」を適用しています。IFRSへの移行が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響は「39.初度適用」に記載しています。
連結財務諸表の公表は、2025年6月27日に当社の代表取締役社長である鈴木俊宏によって承認されています。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、「3.重要性がある会計方針」に記載する会計方針に基づいて作成されています。資産及び負債残高は、別途記載がない限り、取得原価に基づいて測定しています。
(3) 機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円(百万円単位、単位未満切捨て)で表示しています。
3.重要性がある会計方針
次の会計方針は、本連結財務諸表(移行日の連結財政状態計算書を含む)に記載されているすべての期間に適用しています。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、その企業を支配していると判断しています。子会社については、当社グループが支配を獲得した日を取得日とし、その日より当社グループが支配を喪失する日まで連結しています。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っています。当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
支配の喪失に至らない連結子会社に対する当社グループの所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失を純損益で認識しています。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させています。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営の方針に関する意思決定に対して、重要な影響力を有しているが、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。
共同支配企業とは、契約上の取決めにより当社グループを含む複数の当事者が共同して支配をしており、その活動に関連する財務上及び経営上の決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要とする企業をいいます。
関連会社及び共同支配企業への投資は、持分法により会計処理しています。関連会社及び共同支配企業が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社及び共同支配企業の財務諸表の調整を行っています。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引
当社グループの各企業はそれぞれ機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨で測定しています。
外貨建取引は、取引日における為替レートにより機能通貨に換算しています。外貨建の貨幣性資産及び負債は、連結決算日の為替レートにより機能通貨に換算しています。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しています。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債は決算日の為替レート、収益及び費用は対応する期間の平均為替レートにより、それぞれ円貨に換算しています。
その換算差額はその他の包括利益として認識しています。在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連する累積換算差額を処分した期の純損益として認識しています。
(3) 金融商品
① 金融資産
(i)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について契約の当事者となった時点で当初認識し、デリバティブ以外の資産について償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産以外は、公正価値に当該金融資産に直接起因する取引コストを加算した金額で測定しています。なお、重要な金融要素を含まない営業債権については、取引価格で当初認識しています。また、金融資産の売買については、約定日において認識又は認識の中止を行っています。
・償却原価で測定する金融資産
次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
(a) 契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
(b) 金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
資本性金融商品のうち、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をしたものについては、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しています。
・純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記の区分にあてはまらない金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しています。
・償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については実効金利法による償却原価により測定しています。
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額はその他の包括利益として認識しています。当該金融資産の認識を中止した場合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には利益剰余金に振り替えています。
なお、当該金融資産からの配当金については当期の純損益として認識しています。
・純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額は純損益として認識しています。
(ⅲ)金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産及びリース債権に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しています。
当社グループは、各報告日ごとに、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しています。当該信用リスクが当初認識後に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。また、当該信用リスクが当初認識後に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。ただし、営業債権及びリース債権については、常に、貸倒引当金を全期間の予想損失に等しい金額で測定しています。
金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かは、当初認識時における債務不履行リスクと各報告日の債務不履行リスクを比較して判断しています。これには、利用可能な合理的かつ裏付け可能な将来の見通しに関する情報を織り込み、考慮しています。
当該測定に係る損益は純損益で認識します。
(ⅳ)認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において、金融資産の認識を中止しています。
② 金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融負債について契約の当事者となった時点で当初認識し、デリバティブ以外の負債について、償却原価で測定する金融負債に分類しています。また、当初認識時に直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しています。
(ⅱ)事後測定
当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失は、金融損益の一部として純損益として認識しています。
(ⅲ)認識の中止
金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消、又は失効となった場合に、金融負債の認識を中止しています。
③ 金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ純額ベースで決済するか又は資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で計上しています。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、将来における為替及び金利の変動によるリスクをヘッジする目的で、先物為替予約、金利通貨スワップ等のデリバティブを利用しており、これらのデリバティブは公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しています。
一部のデリバティブについては、キャッシュ・フロー・ヘッジの指定を行っています。ヘッジの開始時には、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係並びにヘッジを実施するに当たってのリスク管理目的及び戦略について、文書化しています。また、ヘッジ手段が関連するヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動に対して、高度に相殺効果を有するかどうかの評価をヘッジの開始時とともに、その後も継続的に実施しています。
なお、ヘッジ会計が適用されないデリバティブの公正価値の変動は純損益で認識しています。
(キャッシュ・フロー・ヘッジ)
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分はその他の包括利益で認識し、非有効部分は直ちに純損益として認識しています。
その他の資本の構成要素に累積された金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で組替調整額として純損益に振り替えています。
ヘッジ手段が失効又は売却、もしくはヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合には、将来に向かってヘッジ会計を中止しています。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(5) 棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積コストを控除して算定しています。取得原価の算定にあたっては、主として総平均法を使用しており、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のすべてのコストを含んでいます。
(6) 有形固定資産
有形固定資産は原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
取得原価には、資産の取得に直接関連するコスト、解体・除去及び原状回復コストを含めています。
土地等の償却を行わない資産を除き、各資産はそれぞれの見積耐用年数にわたって定額法で減価償却を行っています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、次のとおりです。
建物及び構築物:3~75年
機械装置及び運搬具:3~15年
工具器具及び備品:2~20年
なお、見積耐用年数及び減価償却方法等は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(7) 無形資産
無形資産は原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
見積耐用年数及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
なお、耐用年数を確定できない無形資産はありません。
① 開発資産
製品の開発に関する支出は、当社グループがその開発を完成させる技術上及び事業上の実現可能性を有しており、その成果を使用する意図、能力及びそのための十分な資源を有し、将来経済的便益を得られる可能性が高く、信頼性をもってその原価を測定することが可能な場合にのみ、無形資産として資産認識しています。
開発資産は、開発した製品の見積モデルライフサイクル期間(5年)にわたり定額法で償却しています。
研究に関する支出及び上記の認識要件を満たさない開発に関する支出は、発生時に費用として認識しています。
② その他の無形資産
当社グループのその他の無形資産は主にソフトウェアであり、見積耐用年数(2年~5年)にわたって定額法にて償却しています。
(8) リース
契約の開始時に、契約がリース又はリースを含んだものであるのかどうかを判定しています。
契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判断しています。
① 借手リース
リース開始日に使用権資産及びリース負債を認識しています。使用権資産はリース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した取得原価で測定しており、開始日後は、原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。償却方法は定額法を採用しています。
原資産の所有権がリース期間の終了までに借手に移転する場合又は、使用権資産の取得原価が借手の購入オプションを行使することを反映している場合には、使用権資産を開始日から原資産の見積耐用年数の終了時まで減価償却しています。それ以外の場合には、開始日から使用権資産の耐用年数又はリース期間の終了時のいずれか早い方まで減価償却しています。
リース負債はリース開始日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しており、開始日後はリース負債に係る金利や支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減しています。リース負債は実効金利法を用いて償却原価で測定しています。
なお、リース期間が12ヵ月以内の短期リース、及び少額資産のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料総額をリース期間にわたって、定額法により純損益に認識しています。
② 貸手リース
リースを含む契約について、資産の所有に伴うリスクと経済的価値が実質的にすべて借手に移転するリースをファイナンス・リースに分類し、その他のリースをオペレーティング・リースとして分類しています。
ファイナンス・リースに係る顧客からの受取債権は、リース投資未回収総額を現在価値で認識し、営業債権及びその他の債権に含めています。
オペレーティング・リースとして貸与している資産は、当初認識時に取得原価で測定し、リース契約で定められている期間にわたり、見積残存価額まで定額法によって減価償却しています。
なお、当社グループが中間の貸手の立場である場合、サブリースは、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類しています。
(9) 非金融資産の減損
棚卸資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く非金融資産について、各報告期間の期末日ごとに、減損の兆候の有無の判定を行っています。何らかの兆候が存在する場合、その資産の回収可能価額を見積っています。
持分法で会計処理されている投資は、減損の客観的な証拠が存在する場合に、投資全体の帳簿価額を単一の資産として減損テストを行っています。
回収可能価額は、資産又は資金生成単位の使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち高い方の金額で算定しています。使用価値の評価における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクに関する市場評価等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割引いています。処分コスト控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用しています。
減損損失は資産及び資産生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に純損益として認識しています。
のれん以外の資産に関しては、各報告期間の期末日ごとに、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候の有無の判定を行っています。そのような兆候が存在し、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れています。減損損失の戻入れについては減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限としています。
(10) 従業員給付
① 短期従業員給付
給与、賞与及び年次有給休暇などの短期従業員給付については、勤務の対価として支払うと見込まれる金額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
② 退職後給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定拠出制度と確定給付制度を運営しています。
(a)確定拠出制度
確定拠出制度については、確定拠出制度に支払うべき拠出額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
(b)確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値及び勤務費用を、予測単位積増方式を使用して各制度ごとに個別に算定しています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しています。
確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定しています。
確定給付制度が積立超過である場合は、制度からの返還又は制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値を資産上限額としています。
勤務費用及び確定給付制度に係る負債及び資産の純額に係る利息純額は純損益として計上しています。
数理計算上の差異などの確定給付制度に係る負債及び資産の再測定額は、発生した期にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
過去勤務費用は制度改定又は縮小が発生したとき、あるいは関連するリストラクチャリング費用又は解雇給付を認識したときの、いずれか早い方の期において純損益として認識しています。
(11) 引当金及び偶発負債
当社グループは、過去の事象の結果として現在の義務(法的義務又は推定的義務)を有しており、当該義務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ当該義務の金額について信頼できる見積りが可能である場合に引当金を認識しています。
貨幣の時間価値が重要な場合には、義務の決済のために要すると見積もられた支出額の現在価値で測定しています。現在価値の算定には、貨幣の時間的価値とその負債に固有のリスクに関する現在の市場評価等を反映した税引前割引率を用いています。
報告期間末日現在において発生可能性のある義務を有しているが、それが報告期間末日現在の義務であるか否か確認ができないもの、又は引当金の認識基準を満たさないものについては、当該義務の履行による経済的資源の流出の可能性がほとんどないと判断している場合を除き、偶発負債として注記します。
(12) 収益
① 顧客との契約から生じる収益
当社グループは、四輪車、二輪車、船外機及び電動車いす他の製造販売を主な内容とし、さらに各事業に関連する物流及びその他のサービス等の事業を展開しており、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。当該金額には、消費税及び付加価値税等の税務当局の代理で回収した金額は含まれていません。また、顧客との契約における対価に変動対価が含まれている場合には、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識し、収益は変動対価を控除した金額で測定しています。
変動対価は主に売上リベートで構成されており、過去の実績等から最頻値法を用いて算定しています。
収益は、顧客との契約における履行義務の充足に従い、一時点又は一定期間にわたり認識しています。車両の販売については、製品の引き渡し時点において、顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、主として当該製品の引き渡し時点で収益を認識しています。また、通常の保証期間を超える期間において顧客が有償で受ける延長保証サービスなど、契約で合意した仕様であることを保証すること以外のサービスを提供している場合、当該サービスは、契約に基づく履行義務を充足する際に発生する費用に応じて、保証期間にわたり収益を認識しています。対価は主に受注時から履行義務を充足するまでの期間内に前受金として受領、又は、履行義務充足後1年以内に受領し、重要な金融要素は含まれていません。
② ファイナンス・リース取引に係る収益
製造業者又は販売業者としての貸手となる場合、製品の販売とみなされる部分について売上収益と対応する原価、販売損益をリース開始日に認識しています。
また、ファイナンス・リースに係る金融収益は、当社グループの正味リース投資未回収額に対して、一定の期間利益率を反映する方法で認識しています。
③ オペレーティング・リース取引に係る収益
オペレーティング・リースに係る収益は、リース期間にわたって定額法で認識しています。
④ 利息収益
利息収益は、実効金利法により認識しています。
(13) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための条件を満たし、補助金を受領することに合理的な理由がある場合に、認識しています。
発生した費用に対する補助金は、費用の発生と同じ期間に収益として計上しています。
資産の取得に対する補助金は、繰延収益として負債に計上した後、規則的にその他の収益として計上しています。
(14) 法人所得税
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されています。これらは、その他の包括利益又は資本において直接認識される項目から生じる税金及び企業結合から生じる税金を除き、純損益として認識しています。
① 当期税金
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。税額の算定に使用する税率及び税法は、決算日までに制定又は実質的に制定されたものです。
② 繰延税金
繰延税金は、決算日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に基づいて算定しています。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越欠損金及び繰越税額控除について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は、原則として、将来加算一時差異について認識しています。なお、次の一時差異に対しては、繰延税金資産又は負債を認識していません。
・企業結合ではない取引で、取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異のうち、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、当該資産が実現される又は負債が決済される年度の税率を見積り算定しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しています。
当社グループの税務処理を税務当局が認める可能性が高くないと判断した場合に、不確実性の影響を財務諸表に反映しています。
当社グループは、OECDが公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法に係る繰延税金資産及び繰延税金負債について、IAS第12号「法人所得税」に従い、認識及び情報開示に関する例外規定を適用しています。
(15) 資本
① 資本金及び資本剰余金
当社が発行する資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に認識しています。また、その発行に直接起因する取引コストは資本剰余金から控除しています。
② 自己株式
自己株式は取得原価で認識し、資本から控除しています。当社グループの自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識していません。
なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しています。
(16) 1株当たり利益
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しています。
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、会計方針の適用、資産、負債、収益及び費用の測定及び偶発資産・偶発負債の開示に影響を及ぼす判断、並びに、見積り及び仮定を用いています。これらの見積り及び仮定は過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいています。
しかし、その性質上、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
なお、見積り及び仮定は経営者により継続して見直しています。これらの見積り及び仮定の見直しによる影響は、その見積り及び仮定を見直した期間及びそれ以降の期間において認識しています。
連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針の適用に際して行った判断は次のとおりです。
・連結子会社、関連会社及び共同支配企業の範囲 (注記3(1))
・開発から生じた無形資産の認識 (注記3(7))
・リースを含む契約の会計処理 (注記3(8)、注記14)
連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積り及び仮定に関する情報は、次のとおりです。
・非金融資産の減損 (注記3(9)、注記15)
・退職給付に係る負債 (注記3(10)、注記23)
・金融商品の公正価値 (注記3(3)、注記35)
・引当金 (注記3(11)、注記22)
・偶発負債に係る将来の経済的資源の流出可能性(注記3(11)、注記38(3))
・繰延税金資産の回収可能性 (注記3(14)、注記18)
5.未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当連結会計年度において当社グループが早期適用していない主なものは、次のとおりです。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積もることはできません。
6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会等の意思決定機関が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは経営組織の形態と製品及びサービスの特性に基づいて、「四輪事業」「二輪事業」「マリン事業」「その他事業」の4つを報告セグメントとしています。
各セグメントの主要製品及びサービスは次のとおりです。
(2) 報告セグメントの情報
報告セグメントの会計方針は、「3.重要性がある会計方針」における記載と同一です。
当社グループの報告セグメントごとの情報は次のとおりです。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 調整額の項目には、全社資産(移行日889,600百万円、前連結会計年度879,162百万円、当連結会計年度867,771百万円)の金額が含まれています。全社資産の主な内容は、当社での現金及び現金同等物、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産です。
2 使用権資産に関する減価償却費及び資本的支出は含めていません。
(3) 製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しています。
(4) 地域別に関する情報
各年度の非流動資産及び外部顧客からの売上収益の地域別内訳は、次のとおりです。
非流動資産
(注) 非流動資産は資産の所在地によっており、金融商品、繰延税金資産、退職給付に係る資産等を含んでいません。
外部顧客からの売上収益
(注) 売上収益は、顧客の所在地を基礎とし、国に分類しています。
(5) 主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上収益のうち連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しています。
7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、次のとおりです。
現金及び現金同等物は、償却原価で測定される金融資産に分類しています。
当社グループが保有する現金同等物は、主に譲渡性預金です。
連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物と一致しています。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、次のとおりです。
リース債権を除く営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
9.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ6,808百万円、7,363百万円です。
10.その他の資産
その他の流動資産及びその他の非流動資産の内訳は、次のとおりです。
11.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債
売却目的で保有する資産及び直接関連する負債の内容は、次のとおりです。
当連結会計年度における売却目的で保有する資産は、四輪事業において、当社の連結子会社であるSuzuki Motor (Thailand) Co.,Ltdの工場を閉鎖したことに係るものです。
当該資産は、当連結会計年度において資産の譲渡の可能性が非常に高くなったことに伴い売却目的で保有する資産に分類しています。
当該資産は、売却コスト控除後の公正価値が帳簿価額を上回っているため帳簿価額により測定しています。
12.有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額、帳簿価額の増減は、次のとおりです。
なお、これらには貸手としてのオペレーティング・リースの対象となっている資産が含まれています。
取得原価
(注) 1 建設仮勘定には、建設中の有形固定資産に関する支出が含まれています。
2 有形固定資産の取得に関するコミットメントについては、「38.コミットメント及び偶発事象」をご参照ください。
3 その他には、建設仮勘定から本勘定への振替等が含まれています。
減価償却累計額及び減損損失累計額
(注) 4 減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
帳簿価額
13.無形資産
(1)増減表
無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額、帳簿価額の増減は、次のとおりです。
取得原価
償却累計額及び減損損失累計額
(注) 無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」又は「販売費及び一般管理費」に含めています。
帳簿価額
(2) 研究開発費
研究開発費の内訳は、次のとおりです。
14.リース取引
(1) 借手のリース
①リース活動の性質
当社グループは、主として、生産用の工具や子会社の店舗や土地などの不動産をリースしています。
一部の不動産契約には、延長オプションを含んでおり、当該オプションの行使が合理的な場合には延長されるリース期間の支払をリース負債に含めています。
②リースに係る純損益の内訳及びキャッシュ・フロー
使用権資産のサブリースから生じる賃貸収益、及びリース負債の測定に含めていない変動リース料に係る費用に重要性はありません。
③使用権資産の帳簿価額の内訳
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額は、それぞれ30,631百万円及び22,934百万円です。
④リース負債の満期分析
(2) 貸手のリース
当社グループは、主に車両を賃貸しています。契約上、資産の所有に伴うリスクと経済的価値が実質的にすべて借手に移転するリースはファイナンス・リースに分類しています。それ以外の場合にはオペレーティング・リースに分類し、有形固定資産に計上しています。
当社グループは、リース開始時において、過去の実績及び第三者機関のデータを考慮に入れた将来の中古車価格の見積りに基づいて、リース車両の契約上の残存価額を設定しています。リース期間が終了時し、返却されたリース車両は、主に市場のオークションによって売却します。
リース車両が返却された際に、リース車両の売却額が契約上の残存価額を下回っている場合、その差額が損失となるリスクがあります。
①リースに係る収益
②受取リース料の満期分析
(a) ファイナンス・リース
(b) オペレーティング・リース
③オペレーティング・リースの対象となっている資産
オペレーティング・リースとして会計処理されている有形固定資産の内訳は次のとおりです。
なお、これらは連結財政状態計算書の「有形固定資産」に含まれています。
取得原価
減価償却累計額及び減損損失累計額
15.非金融資産の減損
(1) 資金生成単位
当社グループは、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っており、原則として、経営管理上の事業区分を基準として資金生成単位を識別しています。
(2) 減損損失
当社グループは、資産の回収可能性価額が帳簿価額を下回った場合に減損損失を認識しています。減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に含まれています。
なお、減損損失のセグメント別内訳は、「6.セグメント情報」をご参照ください。
減損損失の内訳は、次のとおりです。
資産のグルーピングは、事業用資産・貸与資産に区分し、主としてそれぞれの事業所単位としています。また処分が決定された資産、将来の使用が見込まれていない遊休資産等については個々の資産ごとに減損の要否を判定しています。
回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値により算定しており、当該公正価値のヒエラルキーはレベル3です。
16.持分法で会計処理されている投資
持分法適用会社に対する投資の帳簿価額は、次のとおりです。
持分法適用会社の純損益及びその他の包括利益の持分取込額は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、持分法適用会社のうち、個々に重要性のある関連会社及び共同支配企業は該当ありません。
17.その他の金融資産
(1) その他の金融資産内訳
その他の金融資産の内訳は、次のとおりです。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当社グループは、取引先との関係維持、強化による収益基盤の拡大を目的とする長期保有の株式等について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。
① 主な銘柄及び公正価値
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の主な銘柄及び公正価値は、次のとおりです。
② 認識を中止したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
期中に認識を中止した、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の認識中止日時点の公正価値、税効果考慮前の累積利得又は損失は、次のとおりです。
(注) 主として取引関係の見直しを目的に、前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の包括利益を通じて
公正価値で測定する金融資産の一部を売却により処分し、認識を中止しています。
18.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、次のとおりです。
繰延税金資産及び繰延税金負債の増減のうち、連結損益計算書で法人所得税費用として認識された金額は、次のとおりです。
(2) 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異等
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額は、次のとおりです。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の繰越期限別の金額は、次のとおりです。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越税額控除の繰越期限別の金額は、次のとおりです。
(3) 繰延税金負債を認識していない将来加算一時差異
該当事項はありません。
(4) 法人所得税費用の内訳
法人所得税費用の内訳は、次のとおりです。
繰延税金費用には、従前は繰延税金資産を未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額、及び繰延税金資産の評価減又は以前に計上した評価減の戻入により生じた繰延税金費用の額を含めています。その額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ4,384百万円(増加額)、1,243百万円(減少額)です。
(5) 法定実効税率と平均実際負担税率との調整
法定実効税率と平均実際負担税率との調整は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における法定実効税率は、日本における法人税、住民税及び事業税を基礎として、30.7%と算定しています。
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に公布され、2026年4月1日以後に開始する事業年度から防衛特別法人税が課されることになりました。これに伴い、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、2026年4月1日以降に開始する事業年度に解消が見込まれる一時差異について、従来の30.7%から31.6%に変更されます。この税率変更に伴う影響は軽微です。
19.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、次のとおりです。
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
20.社債及び借入金
(1) 社債及び借入金の内訳
社債及び借入金の内訳は、次のとおりです。
(注) 1 社債及び借入金は、償却原価で測定される金融負債に分類しています。債務不履行の借入金はありません。
2 社債及び借入金の期日別残高については、「35.金融商品」をご参照ください。
3 平均利率については、当連結会計年度の期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
(2) 担保に供している資産
担保に供している資産及び対応する債務は、次のとおりです。
21.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、次のとおりです。
(注) リース負債に係る情報は、「14.リース取引」をご参照ください。
22.引当金
引当金の内訳及び増減内容は、次のとおりです。
(注)その他には資産除去債務等が含まれています。
製品保証引当金
当社グループは、将来の製品保証に関連する費用に対して製品保証引当金を認識しています。
製品保証に関連する費用には、下記の費用が含まれています。
(ⅰ)製品の保証書に基づく無償の補修費用
(ⅱ)主務官庁への届出等に基づく無償の補修費用
(ⅰ)製品の保証書に基づく無償の補修費用は、製品を販売した時点で認識しており、(ⅱ)主務官庁への届出等に基づく無償の補修費用については、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、過去の発生状況を基礎にした包括的な見積り及び個別的な見積りに基づき、引当金を認識しています。
当該引当金は顧客及び販売店からの請求に応じて、取り崩されます。
これらの引当金の金額は、過去の売上実績、補修実績、製品の不具合に関する過去の経験等、現在入手可能な情報に基づいて予測発生台数及び予測台当たり発生費用を見積り算定しており、仕入先への補償請求により回収が見込まれる金額も反映しています。
23.従業員給付
(1) 退職後給付
当社グループは、従業員の退職給付に充てるため、積立型及び非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。確定給付制度における給付額は、退職時の支給率、勤務年数、退職前の最終平均給与、その他の条件に基づき設定されています。当該負担額については年金数理計算に基づき、その現在価値により債務とし、退職給付に係る負債に含めて計上しています。なお、通常の退職日前における従業員の退職に際して、退職加算金を支払う場合があります。
積立型の確定給付制度は、法令に従い、当社グループ、又は当社グループと法的に分離された年金基金により運営されています。当社グループ、又は年金基金の理事会及び年金運用受託機関は、制度加入者の利益を最優先にして行動することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っています。
当社の制度資産の運用方針は、社内規定に従い、将来にわたる確定給付制度債務の支払を確実に行うために、中長期的に安定的な収益を確保することを目的としています。
当社グループの主要な確定給付制度は、投資リスク、利率リスク、インフレリスク、寿命リスク等のような数理計算上のリスクに晒されています。
(2) 確定給付制度
① 確定給付制度債務及び制度資産
確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値の増減は、次のとおりです。
(注) 1 移行日、前連結会計年度末及び当連結会計年度末の確定給付負債(資産)の純額に含まれる退職給付に係る資産は、それぞれ363百万円、149百万円、98百万円であり、連結財政状態計算書において、その他の非流動資産に含まれています。
2 当社グループ及び年金基金は、法令の定めに従い、将来の給付発生に対する充当や積立不足がある場合の年金財政の均衡保持を目的として、定期的に財政検証を行うとともに、掛金拠出額の再計算を行っています。
3 当社グループは、2026年3月期に11,350百万円の掛金を拠出する予定です。
4 確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度は国内13年、海外14年、当連結会計年度は国内13年、海外13年です。
② 資産上限額の影響の調整表
資産上限額の影響の増減は、次のとおりです。
③ 制度資産の主な内訳
各年度の制度資産の公正価値合計に対する主な分類ごとの内訳は、次のとおりです。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注) 1 生保一般勘定は、生命保険会社により一定の予定利率と元本が保証されています。
2 その他には、不動産ファンド等が含まれています。
④ 数理計算上の仮定に関する事項
各年度の数理計算の仮定の主要なものは、次のとおりです。
主要な基礎率の変化が各年度における確定給付制度債務の現在価値に与える感応度は、次のとおりです。
(注) 確定給付制度債務の評価は将来の不確実な事象への判断を含んでいます。各年度における感応度のそれぞれは、その他の変数が一定との前提を置いていますが、実際には独立して変化するとは限りません。なお、マイナスは確定給付制度債務の現在価値の減少を、プラスは確定給付制度債務の現在価値の増加を表しています。
(3) 確定拠出制度
前連結会計年度及び当連結会計年度において、確定拠出制度に係る費用は、それぞれ1,867百万円及び2,800百万円です。
(4) 従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結損益計算書に含まれる従業員給付費用は、それぞれ443,994百万円及び513,562百万円であり、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
24.その他の負債
その他の流動負債及びその他の非流動負債の内訳は、次のとおりです。
(注)その他には有形固定資産の購入のために受領した政府補助金が含まれています。
詳細は「25.政府補助金」をご参照ください。
25.政府補助金
(1)資産に関する補助金
連結財政状態計算書上で繰延収益として認識した、資産に関する政府補助金の金額は次のとおりです。
主にインドでの輸入関税の免除によるものであり、一定期間内の輸出販売が条件となっています。
(2)収益に関する政府補助金
主にインドのグジャラート州内での設備投資や車両販売等を条件として受領したものです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ7,311百万円及び8,070百万円を純損益に認識しています。
26.資本及びその他の資本項目
(1) 資本管理
当社グループは、グローバル規模での成長を通じた企業価値向上のために、設備投資及び研究開発投資等を行っています。これらの資金需要に対応するために、資金調達に係る債務及び資本の適切なバランスを考慮した資本管理を行っています。
当社グループが資本管理において用いる主な指標は、次のとおりです。
(注) 自己資本額:親会社の所有者に帰属する持分合計
自己資本比率:自己資本額/負債及び資本合計
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
(2) 授権株式数及び発行済株式数(全額払込済み)に関する事項
授権株式数及び発行済株式数の増減は、次のとおりです。
(注) 1 当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面普通株式であり、発行済株式は全額払込済みとなっています。
2 当社は2023年12月13日開催の取締役会において2024年4月1日付で普通株式1株を4株に分割する株式分割を行うことを決議し、それに伴う定款変更により発行可能株式総数は4,500,000,000株増加し6,000,000,000株となっています。
3 当連結会計年度の発行済み株式数の期中増加は、上記株式分割による1,473,439,800株となっています。
(3) 自己株式に関する事項
自己株式の増減は、次のとおりです。
(注) 1 前連結会計年度の普通株式の自己株式の期中増加3,775,265株は、取締役会決議による自己株式の取得3,767,600株及び単元未満買取りによる増加783株及び持分法適用会社が取得した自己株式(当社株式)の当社帰属分6,882株となっています。
2 当連結会計年度の普通株式の自己株式の期中増加26,579,183株は、株式分割を行ったことによる26,575,197株及び単元未満買取りによる増加778株及び持分法適用会社が取得した自己株式(当社株式)の当社帰属分3,208株となっています。
3 前連結会計年度の普通株式の自己株式の減少31,200株は譲渡制限株式報酬によるものです。
4 当連結会計年度の普通株式の自己株式の減少126,300株は譲渡制限株式報酬によるものです。
5 当社は、2024年4月1日付で普通株式1株を4株に株式分割しています。
(4) 各種剰余金の内容及び目的
① 資本剰余金
日本における会社法(以下、「会社法」という。)では、株式の発行に対しての払込み又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されています。また、会社法では、資本準備金の額は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
② 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができることとされています。
③ その他の資本の構成要素
(a) 在外営業活動体の換算差額
在外営業活動体の財務諸表を表示通貨である日本円に換算したことから生じる換算差額です。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたヘッジ手段の公正価値の変動額のうち有効と認められる部分です。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得原価と期末時点の公正価値との差額です。
(d) 確定給付制度の再測定
確定給付制度の再測定とは、数理計算上の差異、制度資産に係る収益(利息収益に含まれる金額を除く)及び資産上限額の影響(利息収益に含まれる金額を除く)の変動額です。また、数理計算上の差異とは、確定給付制度債務に係る実績による修正(期首における数理計算上の仮定と実際の結果との差異)及び数理計算上の仮定の変更による影響額です。これらについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えています。
(e) 新株予約権
当社はストック・オプションを採用しており、会社法に基づき新株予約権を発行しています。
(5) その他の資本の構成要素
その他の資本の構成要素の増減は、次のとおりです。
27.配当金
(1) 配当金支払額
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 当社は2024年4月1日付で普通株式1株を4株に株式分割しています。1株当たり配当額については、当該株式分割前の配当金の額を記載しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 当社は2024年4月1日付で普通株式1株を4株に株式分割しています。2024年6月27日定時株主総会の決議による1株当たり配当額については、当該株式分割前の配当金の額を記載しています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
28.売上収益
(1) 収益の分解
分解した売上収益とセグメントとの関連は、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 その他の源泉から認識した収益は、IFRS第16号「リース」に基づくリース収入等です。
2 国又は地域の区分は、物理的近接度によっています。
3 日本以外の区分に属する主な国又は地域
(1)欧 州・・・・・・ハンガリー、イタリア、英国、ドイツ
(2)ア ジ ア・・・・・・インド、パキスタン、インドネシア、タイ
(3)その他の地域・・・・・・米国、オーストラリア、メキシコ、コロンビア、南アフリカ
4 顧客の所在地を基礎として区分しています。
(2) 契約残高
顧客との契約から生じた債権及び契約負債の残高は、次のとおりです。
(注) 1 契約負債は、主に顧客からの前受金に関連するものです。前連結会計年度及び当連結会計年度に認識された収益のうち、期首現在の契約負債残高に含まれていた金額は、それぞれ92,985百万円、100,435百万円です。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
残存履行義務に配分した取引価額の総額及び収益の認識が見込まれる期間は、次のとおりです。
(注) 1 残存履行義務の主な内容は、延長保証収入及びメンテナンス収入です。
2 当社グループはIFRS第15号第121項(a)の実務上の便法を適用し、当初の予想期間が1年以内の契約について、残存履行義務に配分した取引価格の総額に含めていません。
3 顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
29.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、次のとおりです。
30.その他の収益及び費用
その他の収益の内訳は、次のとおりです。
その他の費用の内訳は、次のとおりです。
(注) 減損損失の内容は、「15.非金融資産の減損」に記載しています。
31.金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は、次のとおりです。
(1) 金融収益
(2) 金融費用
32.その他の包括利益
その他の包括利益の内訳項目ごとの組替調整額及び税効果額は、次のとおりです。
33.1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益の算定上の基礎
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益及びその算定上の基礎は、次のとおりです。
(注) 当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり情報の各金額を算定しています。
(2) 希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益の算定上の基礎
希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益及びその算定上の基礎は、次のとおりです。
(注) 当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり情報の各金額を算定しています。
34.キャッシュ・フロー情報
財務活動から生じた負債の変動は、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
35.金融商品
(1) 財務上のリスク管理
当社グループは、事業活動を遂行する過程において、様々な財務上のリスク(信用リスク、流動性リスク及び市場リスク)に晒されています。そのため、社内管理規定等に基づき、定期的に財務上のリスクのモニタリングを行い、リスクを回避又は低減するための対応を必要に応じて実施しています。
当社グループは、投機目的でのデリバティブ取引は行っていません。
① 信用リスク
当社グループは、保有する金融資産について、相手方が契約上の債務について債務不履行になることで、財務上の損失を被るリスクを保有しています。
営業債権及びその他の債権、その他の金融資産については、債権管理規定に従い、取引先ごとの状況を定期的にモニタリングし、期日及び残高を管理するとともに、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っています。
当社グループは、内部管理規定に基づき、相当期間の期日超過もしくは債務者の破産などがあった場合に債務不履行としています。また、債務者の債務不履行や重大な財政的困難などの減損の証拠が存在する場合、信用減損していると判断しています。将来の回収が合理的に見込めない場合には、金融資産の帳簿価額を直接償却しています。回収が行われた場合は純損益に回収額を計上します。
デリバティブ取引及び銀行取引については、格付けの高い金融機関とのみ取引を行っているため、リスクは限定的と考えています。
なお、特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。
また、報告期間の末日現在の信用リスクに対する最大エクスポージャーは、金融資産の減損後の帳簿価額です。保証債務については、「38.コミットメント及び偶発事象」に表示されている保証債務の残高が、当社グループの信用リスクにかかる最大エクスポージャーです。
当社グループは、一部の営業債権等に対して販売した製品や預り保証金を担保として保有しており、預り保証金は連結財政状態計算書のその他の金融負債に計上しています。
貸倒引当金の増減は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を与えるような、金融資産の総額での帳簿価額の著しい変動はありません。
また、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、直接償却した金融資産のうち、回収活動を継続している金融資産に重要性はありません。
② 流動性リスク
当社グループは、金融機関からの借入や社債の発行などを通して事業資金を調達しており、資金調達環境の悪化などにより、支払債務の履行が困難になるリスクを保有しています。当該リスクに関し、当社グループは資金繰り計画に沿って一定水準の手元流動性を確保するとともに、当社による資金の集中管理等により資金管理の維持に努めています。
加えて、複数の金融機関とコミットメント契約を締結しており、十分な流動性を保有する手段を有しています。
コミットメントラインの総額と借入実行残高は、次のとおりです。
(金融負債の満期分析)
金融負債の期日別残高は、次のとおりです。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
③ 市場リスク
(a) 為替リスク
当社グループはグローバルに事業展開していることから、外貨建の債権債務や金融取引について、損益及びキャッシュ・フローが為替変動の影響を受けるリスクを保有しています。当該為替変動リスクの低減のため、為替予約取引、通貨オプション、金利通貨スワップなどのデリバティブ取引をデリバティブ取引管理規定に基づき利用しています。
(為替感応度分析)
前連結会計年度末及び当連結会計年度末に当社グループが保有する外貨建の債権債務及び金融取引につき、その他すべての変数が一定であることを前提として、日本円が各通貨に対して1%円高となった場合における連結損益計算書の税引前利益への影響額は、次のとおりです。なお、その他すべての通貨の為替変動に対するエクスポージャーに重要性はありません。
(b) 金利リスク
当社グループは、運転資金及び設備投資資金の調達や短期的な余裕資金の運用において金利変動リスクのある金融商品を利用しています。当該金利変動リスクを低減するため、原則として変動金利の長期借入金については、支払利息を固定化する金利スワップ等を利用しています。
その結果、利息の支払いが当社グループに与える影響は小さく、金利リスクは当社グループにとって重要なものではないと考えているため、金利感応度分析は行っておりません。
(c) 価格変動リスク
当社グループは、取引先との関係維持、強化による収益基盤の拡大を目的とする上場株式等を保有しており、資本性金融商品の株価変動リスクに晒されています。これらの資本性金融商品については、定期的に公正価値や発行体の財務状況を把握し、保有状況を見直しています。
また、余剰資金の一部を債券型投資信託で運用しており、債券の価格変動リスクに晒されています。
(市場価格感応度分析)
前連結会計年度末及び当連結会計年度末に当社グループが保有する上場株式につき、その他すべての変数が一定であることを前提として、期末日における株価が10%上昇した場合におけるその他の包括利益(税効果考慮前)への影響額は、次のとおりです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末に当社グループが保有する上場投資信託につき、その他すべての変数が一定であることを前提として、期末日における基準価格が1%上昇した場合における連結損益計算書の税引前利益への影響額は、次のとおりです。
(2) 金融商品の公正価値
① 公正価値のヒエラルキーの定義
当社グループにおける公正価値ヒエラルキーのレベルの定義は、次のとおりです。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した公正価値
レベル2:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて算定した公正価値
レベル3:重要な観察できないインプットを使用して算定した公正価値
公正価値の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、公正価値の算定における優先順位が最も低いレベルに公正価値を分類しています。
また、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しています。
② 公正価値の測定方法
資産及び負債の公正価値は、関連市場情報及び適切な評価方法を使用して決定しています。
資産及び負債の公正価値の測定方法及び前提条件は、次のとおりです。
(現金及び現金同等物、定期預金、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)
これらの公正価値は、短期間で決済されるため、帳簿価額と近似しています。
ただし、割賦債権については、満期までの期間及び予想信用損失などの信用リスクを加味した利率で、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定しています。したがって、観察不能なインプットを使用しているためレベル3に分類しています。
(投資信託、その他の負債性金融商品)
その他の負債性金融商品は、債券及び投資事業組合への出資金などで構成されています。
活発な市場のある投資信託ついては、市場における公正価値に基づいて測定しているため、レベル1に分類しています。
債券及び投資信託について、金融機関等の価格決定モデルに基づき、その価格に使用された観察可能なインプットを用いて測定しているものはレベル2に分類しています。
それ以外の投資信託及び投資事業組合への出資金は、当該投資先資本の公正価値を見積り、当該公正価値の持分相当額で測定しています。これらは観察不能なインプットを使用しているため、レベル3に分類しています。
(株式)
上場株式については、市場における公表価格に基づいて測定しているため、レベル1に分類しています。
非上場の株式については、類似企業比較法などのマーケットアプローチで測定しているため、レベル3に分類しています。
レベル3に区分された非上場株式の公正価値測定に関する重要な観察不能なインプットは、類似企業の株価純資産倍率(PBR)及び流動性ディスカウント(30%)です。公正価値はPBRの上昇(低下)により増加(減少)し、流動性ディスカウントの上昇(低下)により減少(増加)します。
(デリバティブ)
デリバティブは、為替予約、通貨オプション、金利通貨スワップなどから構成されています。
これらの公正価値は、取引先金融機関から提示された価格や為替レート、金利などの市場で観察可能なインプットに基づき測定しているためレベル2に分類しています。
(借入金)
短期借入金は、短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額に近似しています。
長期借入金の公正価値は、条件及び残存期間の類似する債務に対し適用される現在入手可能な利率を使用し、将来キャッシュ・フローを割り引くことによって測定しているため、レベル2に分類しています。
レベル3に分類された金融商品の経常的な公正価値測定は、当社グループの評価方針及び手続に従って、財務部門により行われており、金融商品の個々の資産性質、特徴並びにリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定しています。また、財務部門は公正価値の変動に影響を与え得る重要な指標の推移を継続的に検証しています。
検証の結果、金融商品の公正価値の毀損が著しい際は、部門管理者のレビューと承認を行っています。
なお、レベル3に分類された金融商品について、観察不能なインプットを合理的に考えられる代替的な仮定に変更した場合の公正価値の増減は重要ではありません。
公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分類した、経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の内訳は、次のとおりです。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
③ レベル3に分類した金融商品の調整表
経常的に公正価値で測定するレベル3の金融商品について、増減は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.純損益に含まれる利得又は損失は、連結損益計算書上の「金融収益」及び「金融費用」に表示しています。
2.その他の包括利益に含まれる利得又は損失は、連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に表示しています。
3. 前連結会計年度及び当連結会計年度のレベル3からの振替は、投資先が上場したことによるものです。
④ 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融資産及び金融負債の内訳は、次のとおりです。なお、帳簿価額と公正価値が近似している金融商品については、次の表には含めておりません。
(注) 上記の償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値ヒエラルキーは、割賦債権はレベル3、長期借入金はレベル2に分類しています
(3) 金融資産と金融負債の相殺
移行日、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結財政状態計算書で相殺されている重要な金融商品はありません。
また、同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、強制可能なマスターネッティング又は類似の契約対象であるものの、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部又は全部を満たさないことにより相殺されていない重要な金融商品はありません。
(4) ヘッジ会計
当社グループは、外貨建の借入金に係る金利及び為替の変動リスクをヘッジするため、ヘッジ手段として金利通貨スワップを利用しており、これをキャッシュ・フロー・ヘッジに指定しています。なお、ヘッジ取引の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、原則として1対1の関係となるよう設定しているため、ヘッジの非有効部分に重要性はありません。
ヘッジ指定されているヘッジ手段が当社グループの連結財政状態計算書に与える影響は、次のとおりです。
移行日(2023年4月1日)
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注) デリバティブ金融資産及びデリバティブ金融負債はそれぞれ連結財政状態計算書上の「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」に含まれています。
36.関連当事者
(1) 主要な経営幹部に対する報酬
当社の取締役及び監査役に対する報酬は、次のとおりです。
(2) 関連当事者との取引
当社及び連結子会社は、関連会社から、原材料、部品及びサービスなどについて仕入れており、また、製品、生産用部品、設備及びサービスなどを売上げています。
移行日、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における関連会社に対する債権債務の残高は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における関連会社との取引高は、次のとおりです。
37.主要な子会社
(1) 主要な子会社
当連結会計年度末における主要な子会社の状況は、次のとおりです。
(注)1 TDS Lithium-Ion Battery Gujarat Private Ltd.の議決権の所有割合は100分の50以下ですが、営業活動を指図する能力及び財務的支配を通じてパワーを有しているため子会社としています。
2 「議決権の所有割合(%)」欄の( )内には、間接所有割合を内数で記載しています。
(2) 重要な非支配持分がある子会社の要約財務情報等
当社の子会社のうち、重要な非支配持分がある子会社の要約財務情報等は次のとおりです。なお、要約財務情報は、当社グループ内取引を消去する前の金額です。
Maruti Suzuki India Ltd.(Maruti Suzuki India Ltd.及びその傘下の会社)
① 一般的情報
② 要約財務情報
前連結会計年度に、当社が保有するSuzuki Motor Gujarat Private Ltd.(以下、「SMG」という。) の株式を全て同社へ譲渡しました。それに伴いSMGは同社の子会社となったため、前連結会計年度及び当連結会計年度はSMGを連結した金額となります。
38.コミットメント及び偶発事象
(1) 資産の取得に係るコミットメント
資産の取得に係るコミットメントは、次のとおりです。
(2) 保証債務
当社グループは、持分法適用会社等からの銀行借入等に関し、次のとおり債務保証を行っています。
(3) その他の偶発事象
当社グループは、主に海外において、税務当局との間で様々な税金に関する未解決の事案を有しています。これらは、主に法律の解釈や適用に関するものであり、複数の法的論点が存在することから、現時点では最終結果を予想することは困難であると考えています。
39.初度適用
当社グループは、2023年4月1日を移行日として当連結会計年度よりIFRSを適用しています。
日本基準に準拠して作成された直近の連結財務諸表は2024年3月31日に終了した連結会計年度に関するものです。
(1)IFRS第1号の免除規定
IFRSでは、IFRSを初めて適用する会社(以下、「初度適用企業」という。)に対して、原則として、IFRSで要求される基準を遡及して適用することを求めています。ただし、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下、「IFRS第1号」という。)では、IFRSで要求される基準の一部について強制的に例外規定を適用しなければならないものと任意に免除規定を適用できるものを定めています。
これらの規定の適用に基づく影響は、IFRS移行日において利益剰余金、又はその他の資本の構成要素で調整しています。当社グループが日本基準からIFRSへ移行するにあたり、採用した任意の免除規定は次のとおりです。
・企業結合
初度適用企業は、IFRS移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号「企業結合」(以下、「IFRS第3号」という。)を遡及適用しないことを選択することが認められています。当社グループは、当該免除規定を適用し、移行日前に行われた企業結合に対して、IFRS第3号を適用しないことを選択しています。この結果、移行日前の企業結合から生じたのれんの額については、日本基準に基づく移行日時点での帳簿価額によっています。
・みなし原価
IFRS第1号では、有形固定資産、投資不動産及び無形資産にIFRS移行日現在の公正価値を当該日現在のみなし原価として使用することが認められています。当社グループは、一部の有形固定資産について、移行日現在の公正価値をみなし原価として使用しています。
・在外営業活動体の換算差額
IFRS第1号では、IFRS移行日現在の在外営業活動体の換算差額の累計額をゼロとみなすことを選択することが認められています。当社グループは、在外営業活動体の換算差額の累計額を移行日現在でゼロとみなすことを選択しています。
・リース
IFRS第1号では、初度適用企業は、契約にリースが含まれているか否かの評価をIFRS移行日時点で判断することが認められています。当社グループは、当該免除規定を適用し、移行日時点で存在する事実と状況に基づいて、契約にリースが含まれているかを判断しています。
・移行日以前に認識した金融商品の指定
IFRS第1号では、IFRS第9号「金融商品」(以下、「IFRS第9号」という。)における分類について、当初認識時点で存在する事実及び状況ではなく、移行日時点の事実及び状況に基づき判断することが認められています。また、移行日時点に存在する事実及び状況に基づき資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定することが認められています。
当社グループは、IFRS第9号における分類について、移行日時点で存在する事実及び状況に基づき判断を行っており、一部の資本性金融商品についてその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しています。
(2)IFRS第1号の強制的な例外規定
IFRS第1号では、「見積り」「金融資産及び金融負債の認識の中止」「ヘッジ会計」「非支配持分」及び「金融資産の分類及び測定」等について、IFRSの遡及適用を禁止しています。当社グループは、これらの項目について移行日より将来に向かって適用しています。
(3)調整表
IFRSの初度適用において開示が求められる調整表は次のとおりです。
なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識及び測定の差異」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼす項目を含めて表示しています。
1.移行日(2023年4月1日)の資本に対する調整
2.前連結会計年度(2024年3月31日)の資本に対する調整
3.前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)の包括利益に対する調整
4.資本に対する調整に関する注記
① 表示組替
(1) 現金及び現金同等物
日本基準では「現金及び預金」に含めていた預入期間が3ヶ月超の定期預金については、IFRSでは流動資産の「その他の金融資産」に振り替えています。また、日本基準では、「有価証券」に含めていた短期運用資産(3ヶ月以内のもの)を、IFRSでは「現金及び現金同等物」に振り替えています。
(2) 未収入金及び未払金の振替
日本基準では流動資産の「その他」に含めていた未収入金については、IFRSでは「営業債権及びその他の債権」に振り替えており、また、日本基準では流動負債の「その他」に含めていた未払金については、IFRSでは「営業債務及びその他の債務」に振り替えています。
(3) 貸倒引当金の振替
日本基準では区分掲記していた流動資産の「貸倒引当金」については、IFRSでは「営業債権及びその他の債権」から直接控除して純額で表示するように振り替えています。
(4) その他の金融資産及びその他の金融負債の振替
日本基準では流動資産の「その他」に含めていた短期貸付金については、IFRSでは流動資産の「その他の金融資産」に振り替えており、日本基準では区分掲記していた「投資有価証券」及び「長期貸付金」については、IFRSでは非流動資産の「その他の金融資産」に振り替えています。また、日本基準では流動負債及び固定負債の「その他」に含めていたリース債務は、それぞれIFRSでは流動負債及び非流動負債の「その他の金融負債」に振り替えています。
(5) 持分法で会計処理されている投資の振替
日本基準では「投資有価証券」に含めていた「持分法で会計処理されている投資」については、IFRSでは区分掲記しています。
(6) 社債及び借入金の振替
日本基準では区分掲記していた「短期借入金」及び「1年内返済予定の長期借入金」については、IFRSでは流動負債の「社債及び借入金」に振り替えています。
(7) その他の負債の振替
日本基準では流動負債に区分掲記していた「役員賞与引当金」及び「未払費用」は、IFRSでは「その他の流動負債」に振り替えており、固定負債の「その他」に含めていた資産除去債務は、IFRSでは非流動負債の「引当金」に振り替えています。
② 認識及び測定の差異
(8) 連結範囲に対する調整
日本基準では連結していた一部の子会社について、IFRSでは投資先に対するパワーの観点から実質的な支配関係を考慮し、共同支配企業として持分法を適用しています。
(9) 棚卸資産の振替
日本基準では「原材料及び貯蔵品」として計上していた事務用消耗品及び販売促進用の物品については、IFRSでは資産の定義を満たさないため利益剰余金に振り替えています。また、同じく日本基準で「原材料及び貯蔵品」として計上していた交換部品、予備器具及び保守用部品については、IFRSでは分類を見直したことにより「有形固定資産」に振り替えています。
(10) 有形固定資産の計上額の調整
日本基準では有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について、主として定率法を採用していましたが、IFRSでは定額法を採用しています。また、IFRSの適用に伴い、見積耐用年数を見直しています。
(11) 使用権資産及びリース負債の計上額の調整
日本基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っていましたが、IFRSでは借手リースの分類を行わず、「使用権資産」として計上しています。また、当該リース取引の資産計上に伴うリース負債を「その他の金融負債」に計上しています。
(12) 無形資産の計上額の調整
日本基準では、発生時費用処理していた研究開発費について、IFRSでは資産化の要件を満たす支出額を資産計上しています。
(13) 繰延税金資産及び繰延税金負債の調整
主として日本基準からIFRSへの調整に伴い一時差異が発生したことにより、「繰延税金資産」及び「繰延税金負債」の金額を調整しています。
(14) 退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債の調整
日本基準とIFRSの間で割引率等の数理計算上の仮定の相違が存在するため、IFRSの規定に準拠し、退職給付債務を再計算しています。数理計算上の差異について、日本基準では発生時にその他の包括利益で認識し、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数により按分した額を発生の翌年度から費用処理していましたが、IFRSでは発生時にその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
また、確定給付制度が積立超過である場合には、確定給付資産の純額は資産上限額に制限され、その調整をその他包括利益に認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
(15) 未消化の有給休暇
日本基準では会計処理をしていなかった未消化の有給休暇について、IFRSでは将来の有給休暇の権利を生じさせる勤務を従業員が提供した時点で負債として、「その他の流動負債」に計上しています。
(16) 在外営業活動体の累積換算差額
初度適用に際して、IFRS第1号に規定されている免除規定を選択し、移行日における累積換算差額を全て利益剰余金に振り替えています。
(17) 利益剰余金に対する調整額(税効果後)
利益剰余金の認識・測定の差異調整の主な項目は次のとおりです。
5.純損益及び包括利益に対する調整に関する注記
(18) 売上収益に係る調整
日本基準では顧客が製品の支配を獲得したあとに行う出荷に係る輸送コストについて、「売上高」と「販売費及び一般管理費」に総額で表示していましたが、IFRSでは純額で「売上収益」として表示しています。
(19) 減価償却方法の変更
日本基準では有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について主として定率法を採用していましたが、IFRSでは定額法を採用しています。
(20) 表示科目に対する調整
日本基準では「営業外収益」、「営業外費用」、「特別利益」及び「特別損失」に表示していた項目を、IFRSでは財務関係損益については「金融収益」及び「金融費用」として計上し、それ以外の項目については「その他の収益」、「その他の費用」及び「持分法による投資損益」に表示しています。
(21) 負債性金融商品
日本基準では投資有価証券に含まれる一部の負債性金融商品について、公正価値の変動をその他の包括利益で認識していましたが、IFRSでは「金融収益」及び「金融費用」として認識しています。
(22) 未消化の有給休暇
日本基準では会計処理をしていなかった未消化の有給休暇について、IFRSでは人件費として認識し、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(23) 法人所得税費用
日本基準では「法人税、住民税及び事業税」、「法人税等調整額」を区分掲記していましたが、IFRSでは「法人所得税費用」として一括して表示しています。また、IFRSの適用に伴い、全ての繰延税金資産の回収可能性を再検討しています。
6.キャッシュ・フローに対する調整
日本基準では「営業活動によるキャッシュ・フロー」に区分していた研究開発費の支出額の内、IFRSでは資産の認識要件を満たした開発活動に係る支出を、「投資活動によるキャッシュ・フロー」に区分しています。
日本基準では「営業活動によるキャッシュ・フロー」に区分していた借手リースのオペレーティング・リースの賃借料支払額を、IFRSでは「リース負債の返済による支出」として、「財務活動によるキャッシュ・フロー」に区分しています。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券
① 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
② その他の関係会社有価証券
投資事業有限責任組合に類する組合への出資(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)については、契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっています。
③ その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は主として移動平均法により算定しています。)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
(2) デリバティブ取引
時価法
(3) 棚卸資産
主として総平均法による原価法
(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)
2 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定率法
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法
(3) リース資産
① 所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用しています。
② 所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とした定額法を採用しています。残存価額は、リース契約上の残価保証の取決めがあるものは当該残価保証額とし、それ以外のものは零としています。
3 繰延資産の処理方法
支出時の費用として処理しています。
4 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 製品保証引当金
販売した製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款及び法令等に従い過去の実績を基礎にして計上しています。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しています。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用については、その発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理しています。
数理計算上の差異については、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理しています。
(4) 役員退職慰労引当金
役員の退職慰労金の支給に備えるため、役員退職慰労金規則に基づき、期末要支給額を計上していましたが、2006年6月29日の定時株主総会終結の時をもって役員退職慰労金制度を廃止し、当該定時株主総会において、重任する役員については、それまでの在任年数に基づき、退任時に役員退職慰労金を支給することを決議しました。当事業年度末はその支給見込額を計上しています。
(5) 製造物賠償責任引当金
北米向け輸出製品に対して、「製造物賠償責任保険」(PL保険)で補填されない損害賠償金の支払いに備えるため、過去の実績を基礎に会社負担見込額を算出し計上しています。
(6) リサイクル引当金
当社製品のリサイクル費用に備えるため、市場保有台数等に基づいてリサイクル費用見込額を計上しています。
5 収益及び費用の計上基準
当社は、四輪車、二輪車、船外機及び電動車いす他の製造販売を主な内容とし、さらに各事業に関連する物流及びその他のサービス等の事業を展開しており、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。
当該金額には、消費税及び付加価値税等の税務当局の代理で回収した金額は含まれていません。
また、顧客との契約における対価に変動対価が含まれている場合には、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識し、収益は変動対価を控除した金額で測定しています。
変動対価は主に売上リベートで構成されており、過去の実績等から最頻値法を用いて算定しています。
収益は、顧客との契約における履行義務の充足に従い、主に一時点で認識しています。車両の販売については、製品の引き渡し時点において、顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、主として当該製品の引き渡し時点で収益を認識しています。
対価は主に受注時から履行義務を充足するまでの期間内に前受金として受領、又は、履行義務充足後1年以内に受領し、重要な金融要素は含まれていません。
6 外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。
7 重要なヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジ処理を採用しています。
8 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未確認数理計算上の差異、未認識過去勤務費用の会計処理方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっています。
(2) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しています。
(重要な会計上の見積り)
1 製品保証引当金
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
(2) 識別した項目に係る会計上の見積りの内容に関する情報
「(1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 22. 引当金」に記載した内容と同一です。
2 前払年金費用及び退職給付引当金
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
(2) 識別した項目に係る会計上の見積りの内容に関する情報
「(1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 23. 従業員給付」に記載した内容と同一です。
3 繰延税金資産
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
(2) 識別した項目に係る会計上の見積りの内容に関する情報
「(1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要性がある会計方針(14)法人所得税」に記載した内容と同一です。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)
ほか、関連する企業会計基準、企業会計基準適用指針、実務対応報告及び移管指針の改正
(1) 概要
国際的な会計基準と同様に、借手のすべてのリースについて資産・負債を計上する等の取扱いを定めるものです。
(2) 適用予定日
2028年3月期の期首から適用予定です。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
財務諸表に与える影響額については、現時点で評価中です。
(貸借対照表関係)
1 ※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務は次のとおりです。
(単位:百万円)
2 偶発債務
他の会社の金融機関からの借入に対し、債務保証を行っています。
(単位:百万円)
3 当社は効率的な資金調達を行うため、取引銀行6行とコミットメントライン契約を締結しています。コミットメントライン契約に係る借入未実行残高は、次のとおりです。
(単位:百万円)
(損益計算書関係)
1 ※1 このうちには、関係会社に対するものが、次のとおり含まれています。
(単位:百万円)
2 ※2 他勘定振替高の内訳は次のとおりです。
(単位:百万円)
3 ※3 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりです。
(単位:百万円)
4 ※4 固定資産売却益の内訳は次のとおりです。
(単位:百万円)
5 ※5 固定資産売却損の内訳は次のとおりです。
(単位:百万円)
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
当事業年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(単位:百万円)
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が令和7年3月31日に公布され、令和8年4月1日以後に開始する事業年度から防衛特別法人税が課されることになりました。これに伴い、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、令和8年4月1日以後に開始する事業年度に解消が見込まれる一時差異については従来の29.9%から30.8%になります。
この税率変更により、繰延税金資産の金額(繰延税金負債の金額を控除した金額)は226百万円増加、その他有価証券評価差額金は720百万円減少、また法人税等調整額は947百万円減少します。
4 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1 「当期首残高」及び「当期末残高」は取得価額により記載しています。
2 当期増減額の主なものは次のとおりです。
3 「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失に係る取得価額の減少額です。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、単元未満株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、会社法第166条第1項の規定による請求をする権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利並びに単元未満株式の売渡請求をする権利以外の権利を有していません。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。






