第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1.第8期より国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成している。
2.希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載していない。
3.株価収益率については、当社株式は非上場であるため記載していない。
(注) 1.第8期の諸数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていない。
2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していない。
3.株価収益率については、当社株式は非上場であるため記載していない。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第7期の期首から適用しており、第7期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっている。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していない。
2.株価収益率、株主総利回り、最高株価及び最低株価については、当社株式は非上場であるため記載していない。
3.第8期及び第9期の1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載していない。
4.第7期の配当性向については、当期純損失のため記載していない。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第7期の期首から適用しており、第7期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっている。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、当社、連結子会社等が117社、持分法適用関連会社等が55社(2025年3月31日現在)で構成されている。これまでの3回にわたる段階的な事業統合(①2015年10月:燃料輸送事業及び燃料トレーディング事業、②2016年7月:既存燃料事業(上流・調達)及び既存海外発電・エネルギーインフラ事業、③2019年4月:燃料受入・貯蔵・送ガス事業及び既存火力発電事業等)により、燃料上流・調達・輸送から発電、電力・ガスの卸販売に至る一連のバリューチェーンが当社に一元化されている。
当社グループは、国内外において、発電資産、LNG受入基地を開発・保有する世界最大級の発電事業会社であると同時に、海外からのLNG調達、LNG船の保有、LNG生産プロジェクトに関与する燃料事業会社である。これらの大規模事業から得た多様な開発能力を更に進化させ、燃料調達から発電までの一体型プロジェクト(Gas to Power)や大規模再生可能エネルギー事業の開発も積極的に進めている。
また、当社グループは、世界最大級のLNG取扱規模と長期間にわたる燃料トレーディングの経験を有しており、この巨大なエネルギーの流れである「燃料調達→輸送→受入→発電→販売」をトレーディングも活用しながら一体的に最適化することで、最も経済的かつ弾力的な運用を実現する。国内における電力・ガスの販売は、長期相対取引に加えて短期相対取引や市場取引を活用し、お客さまのニーズに応じたエネルギーソリューションを提供している。
更には、当社グループは、関東及び中部地方で約70年にわたり安定して電気をお届けし続けた実績と現在も国内外の火力発電所を保有・操業する中で得たOperation & Maintenance(運転・保守、以下「O&M」という。)及びエンジニアリング(開発・建設)のノウハウを有しており、発電所の建設から保守・運営を行っている。これまでに培った知見と世界の先鋭技術を組み合わせることで、世界トップクラスのO&M・エンジニアリングサービスを提供し、安全で競争力があり機動的な発電所・受入基地の運営を国内外のお客さまにお届けしている。
報告セグメントは「燃料事業」、「海外・再エネ発電事業」、「国内火力・ガス事業」の3つとしている。各報告セグメントの主な事業内容は、以下のとおりである。
「燃料事業」…燃料上流事業等への投資、燃料輸送・燃料トレーディング事業
「海外・再エネ発電事業」…海外の発電事業や国内外の再生可能エネルギー発電事業等への投資
「国内火力・ガス事業」…国内における電力・ガスの販売等
当社及び関係会社の事業を「事業系統図」として示すと以下のとおりである。
[事業系統図]

4 【関係会社の状況】
(1) 連結子会社等
2025年3月31日現在
(注) 1.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数である。
2.※の6社は特定子会社に該当する。なお、その他104社のうち、特定子会社に該当する会社は、JERA Power International B.V.、JERA Scarborough Pty Ltd、Oxbow Solar Farm 1, LLC、JERA Barossa Pty Ltd 、JERA Ichthys Pty Ltd、JERA Meghnaghat Power Limited、JERA Trading International Pte. Ltd.、Crawfish Solar Class B, LLC、Crawfish Solar Holdings, LLC、JERA Gorgon Pty Ltd、Crawfish Solar Holdings 1, LLC、Tokyo Electric Power Company International B.V.、Happy Solar 1, LLC、JERA Global Markets Holdings Ltd.、JERA Nex Americas LLC、Crawfish Solar Holdings 2, LLC、JERA Power Management Asia B.V.、Chubu Electric Power Integra Pty Ltd、JERA Asia Vietnam Holdings Pte. Ltd.である。
3.連結子会社等には、ジョイント・オペレーション(共同支配事業)を含めている。
(2) 持分法適用関連会社等
2025年3月31日現在
(注) 1.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数である。
2.持分法適用関連会社等には、ジョイント・ベンチャー(共同支配企業)を含めている。
(3) その他の関係会社
2025年3月31日現在
(注) 1.議決権の被所有割合の( )内は、間接被所有割合で内数である。
2.*:有価証券報告書を提出している。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数である。
2.臨時従業員の総数は、従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略している。
(2) 提出会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1.従業員数は、当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む就業人員数である。
2.臨時従業員の総数は、従業員数の100分の10未満であるため、記載を省略している。
3.平均勤続年数の算定に当たり、東京電力ホールディングス株式会社及び各基幹事業会社並びに中部電力株式会社からの転籍者及び出向者の勤続年数は、出向元の勤続年数を通算している。
4.平均年間給与には、賞与及び基準外賃金を含めている。
(3) 労働組合の状況
当社に「JERA労働組合」(組合員数 3,187名)が組織されている。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はない。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。
3.労働者の属性(年齢、役職、評定等)を同じくする者の間において男女間の賃金差はなし。
4.2022年より開始した新卒採用において、女性活躍推進の観点から女性採用を強化しており、相対的に賃金水準の低い女性労働者が増加傾向にあることから、引き続き同水準の賃金格差が継続する見込みである。
②連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。
3.労働者の属性(年齢、役職、評定等)を同じくする者の間において男女間の賃金差はなし。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、その達成を保証するものではない。
(1) 会社経営の基本方針[会社のミッション]
2019年4月の既存火力発電事業の統合により、燃料上流・調達・輸送から発電、電力・ガスの卸販売に至る一連のバリューチェーンが当社に一元化され、それに伴い当社は以下のミッション及びビジョンを掲げた。

※2019年4月2日 当社プレス資料「既存火力発電事業等の統合を反映した事業計画等について」より抜粋
当社は、「世界のエネルギー問題に最先端のソリューションを提供する」というミッション(果たすべき使命)と「クリーン・エネルギー経済へと導くLNGと再生可能エネルギーにおけるグローバルリーダー」という2025年に向けたビジョン(将来の在りたい姿)のもとで、国内外のエネルギーに関係する諸問題の解決に積極的に取り組むことで、企業価値を持続的に高めてきた。
上記ビジョンのもとでの事業の着実な進捗及び事業環境の変化を踏まえ、ミッション実現に向けたより長期的な目指す姿を明確にすることを目的に新たなビジョンを策定し、2022年5月12日に「2035年に向けた新たなビジョン」を公表した。

※2022年5月12日 当社プレス資料「2035年に向けた新たなビジョンと環境目標の策定について」より抜粋
当社は「安定供給の維持(stability)、手ごろな価格での提供(Affordability)、脱炭素社会への移行(Sustainability)」の同時達成をゴールと定め、その実現のために、LNG、再生可能エネルギー、水素アンモニアの3つの事業を組み合わせて、各国や地域の個性に合わせた最適なソリューションを提供していく。
(2) 経営目標と財務指標
上記ミッション・ビジョンの達成に向けて、2022年5月12日に公表した「2025年度に向けた財務戦略と新たな経営目標の策定について」では、企業価値の最大化を目的に、2025年度に向けた収益性、資本効率性、成長性及び財務健全性に関する経営目標を策定している※。また、2024年5月16日に公表した「2035年ビジョン実現に向けたJERA成長戦略、2035年までに目指す収支水準・財務戦略」では、同様の項目について2035年度までに目指す水準を新たに公表している。
※「期ずれ」による影響額を除いた数値にて評価を実施。「期ずれ」とは、燃料価格の変動が販売価格に反映されるまでの差分である。
<経営目標>

※2024年5月16日 当社プレス資料「2035年ビジョン実現に向けたJERA成長戦略、2035年までに目指す収支水準・財務戦略」より抜粋
また、中長期的な財務健全性を維持しながら成長投資を推進するために財務戦略も策定している。信用格付A格を維持するためのバランスシートマネジメントを実施するとともに、事業から得られる資金を成長のための投資に積極的に配分するキャピタル・アロケーションを定めている。2022年度~2025年度までには、合計1兆4,000億円程度の投資を予定しており、成長分野には1兆2,000億円、このうち6,500億円程度を脱炭素関連事業へ配分予定である。また安定供給関連についても6,000億円程度を配分予定である。
<キャピタル・アロケーション及びキャピタル・インベストメント>

※2022年5月12日 当社プレス資料「2025年度に向けた財務戦略と新たな経営目標の策定について」より抜粋

※2024年5月16日 当社プレス資料「2035年ビジョン実現に向けたJERA成長戦略、2035年までに目指す収支水準・財務戦略」より抜粋
(3) 経営環境及び優先的に対処すべき課題等
当社を取り巻く環境を踏まえた当面の主要課題として、エネルギーセキュリティの確保と、脱炭素の動きへの対応が挙げられる。
エネルギーセキュリティについては、地政学リスクの顕在化や、LNGの生産不調等による調達環境の激変等により状況が一変する可能性をはらみ、予断を許さない状況にあると認識している。特に、米国における相互関税政策の導入や、中国・中東地域の不安定化等により、燃料・部材調達の国際的なサプライチェーンに対する影響が懸念されており、こうした背景のもとでは、安定的かつ多様な燃料調達が、今後、一層重要性を増していくと考えられる。また、日本においては、DXやGXの進展により、電力需要の中長期的な増加が見込まれており、競争力のある燃料の安定的な確保と計画的な電源開発等による電力の安定供給の必要性が増している。
脱炭素については、エネルギーセキュリティの観点からの再生可能エネルギー導入拡大と気候変動対応の両面から世界規模で脱炭素社会の実現に向けた動きが進む一方で、各国・地域に固有の事情を踏まえ、経済性やエネルギー安定供給との間でバランスを取る現実路線への転換がみられる等、より複雑さを増している。
これらの課題に対して、当社は、「安定供給の維持(Stability)、手ごろな価格での供給(Affordability)、脱炭素社会への移行(Sustainability)」の同時達成をゴールと定め、その実現のために、LNG、再生可能エネルギー、水素・アンモニアの3つの事業を組み合わせて、各地域・国に適合した最適なソリューションを提供していく。
エネルギーセキュリティの確保に対しては、世界最大級の取扱量を誇る燃料調達力と、国内火力発電の半分を占める発電能力を活用し、燃料調達と電力供給の両面から寄与していく。燃料調達の面では、JERA Global Markets Pte. Ltd.(JERAGM)が持つ高い燃料調達能力を活用した機動的かつ安定的な燃料確保、地政学リスク、数量・価格変動リスクへの対応力に優れた燃料ポートフォリオの構築等に引き続き取り組んでいく。電力供給の面では、国内での電力安定供給を確保するため、稼働中の発電所の安定運転に加えて、厳冬・猛暑による急激な需要増や自然災害の発生による予期せぬ電源脱落等の需給変動が発生した場合においても、発電所の増出力運転や補修時期の調整、休止火力の再稼働による供給力確保の検討、計画的な電源の開発等、あらゆる対応を実施していく。
具体的には、GX2040ビジョンにて示された「エネルギー供給に合わせた需要集積」を踏まえ、供給の観点だけでなく、産業構造の変化に合わせた電源の活用や開発を進めていくとともに、JERAとEDF Trading Limitedによる日本国内電力トレーディング事業をJERAGMに統合することにより、グローバル燃料市場と国内電力市場のマーケットリスクに総合的に向き合う体制を活用して、わが国における安定的な電力供給と国内電力市場の一層の活性化を実現していく。
なお、2024年1月31日に武豊火力発電所において発生した火災については、「武豊火力発電所の火災事故に関する事故調査委員会」において、事故原因(2024年5月)及び再発防止策(2024年9月)を取りまとめた。そのうえで、安全を第一に、バイオマスの混焼の比率を17%から8%に下げて本格復旧をするという方針を取りまとめるとともに、地域のみなさまのご理解をいただいたうえで、重負荷期の電力安定供給を目的に、本年1月より石炭のみでの暫定的な運転を開始した(2025年1月~同年3月まで運転)。引き続き、トータルのCO2排出量がバイオマス17%混焼時と変わらないような対応を含め、本格復旧に向けた取り組みを進めていく。
また、スポット市場取引における未供出事象については、電力・ガス取引監視等委員会からの業務改善勧告を真摯に受け止め、経営層の関与のもと、3線管理に向けた新組織の設置、社内ルールの明確化、組織間ディスカッション等の各種再発防止策の実施に取り組んだ。今後も、再発防止策の実施を含め、市場取引業務の改善を着実に推進していく。
脱炭素に対しては、「JERAゼロエミッション2050」に基づき、2050年時点で当社事業から排出されるCO2の実質ゼロに向けた挑戦を、3つのアプローチを通じて進めていく。
・再生可能エネルギーとゼロエミッション火力の相互補完
・国・地域に最適なロードマップの策定
・スマート・トランジションの採用
具体的には、当社がこれまでに参画してきた燃料上流から発電に至るバリューチェーンの強みを活かし、自ら主体的に脱炭素技術の開発に取り組むとともに、再生可能エネルギー事業を一層加速するために、案件開発・建設・運転の人財とノウハウを、グローバル再生可能エネルギー市場の中心である欧州に設置したJERA Nex Limitedに集約し、ローカルの事業開発で活用する「グローカル」体制のもとでそれぞれの事業間でのシナジーを最大化していく。特に、世界的に転換点を迎えている洋上風力事業については、bpとの洋上風力事業合弁会社であるJERA Nex bpの取り組みを通じて、より高い競争力をもった開発プラットフォームを形成し、中長期的な飛躍につなげていく。
加えて、これらの取組みを強力に推進していくためには、戦略を支える強固な基盤の確立が必要であり、人財のマネジメント・育成、企業カルチャーづくり、人権、地域社会との共生、安全、ステークホルダーエンゲージメント、コーポレートガバナンス、リスクマネジメント、情報セキュリティ、コンプライアンス等に注力するとともに、事業開発・最適化・O&Mエンジニアリングの3つのプロ集団から成る事業基盤に「デジタル化」を加えて、更なる強化を図っていく。
当社は、これらの取組みを通じて企業価値をより一層高め、株主をはじめとするステークホルダーのみなさまの期待に応えていく。
<JERAゼロエミッション2050 日本版ロードマップ>

※2022年5月12日 当社プレス資料「2035年に向けた新たなビジョンと環境目標の策定について」より抜粋
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、その達成を保証するものではない。
(1) サステナビリティ課題に対するガバナンス
当社のサステナビリティ推進体制は、取締役会の監督のもと、社長CEO兼COOが議長を務める「サステナビリティ推進会議」がサステナビリティに関わる社内外の課題について検討を行い、重要テーマを経営執行会議へ諮る体制を構築している。また、サステナビリティ推進会議のもと、サステナビリティ専任組織を中心にE(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)の担当部署が集う「実務者会議」を設置し、より全社的・部門横断的な視点でサステナビリティの推進に取り組んでいる。

(2) リスク管理
①基本的な考え方と課題認識
当社は企業活動に伴うリスクを適確に把握し、発生時の損失の最小化に努めることが、企業価値向上とステークホルダーに対する社会的責任を果たすことと考え、実効性の高いリスクマネジメントに取り組んでいる。
当社の企業活動に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、市場リスク(商品、為替、金利)、エネルギー・環境政策を中心とした政策変更リスク、人件費・資機材価格等の高騰、燃料の性状に関する品質管理上の問題、操業事故や自然災害による当社設備の損傷、操業停止及び工事遅延を含む事業投資リスク、コンプライアンスリスク、レピュテーションリスクに加え、サイバーテロやウイルス感染等による発電所制御システム等への影響等がある。
また、ロシア・ウクライナ情勢や米中関係等、国・地域間の政治的・社会的緊張の高まりにより顕在化する地政学リスクに対しても、カントリーリスク(当該国の政情不安等によるリスク)と同様に適切に対処することが求められている。
当社グループは、社会基盤を支えるエネルギー事業者としての社会的責任を全うするため、リスク管理の高度化に継続的に取り組んでいく。
②リスクマネジメント体制
当社は、エネルギーの安定供給をはじめとした重要な社会的責任を果たすために、社長CEO兼COOを統括責任者とする実効性の高いリスクマネジメント体制を構築している。
事業活動に伴うリスクについては、平常時は、業務所管箇所が職務執行の中で管理することを基本とし、複数の所管に関わる場合は、組織横断的に対応の上、適切に管理している。これに対し、危機発生時においては、経営に及ぼす影響を最小限に抑制すべく、社長CEO兼COOを本部長とする緊急対策本部を設置し、迅速かつ的確に対応している。
統括責任者である社長CEO兼COOを委員長とする、リスク管理委員会を四半期ごとに開催し、各部門のCXO、監査役、内部監査部をはじめとするメンバーが参加することで、適切なリスクのモニタリングに努めている(下図リスクマネジメント体制図参照)。特に、経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクに対する対応方針、具体的な施策について報告することで、リスクの顕在化の予防に努めている。また、万一リスクが顕在化した場合は、対応実績について四半期ごとに必要な報告を実施している。
リスク管理委員会で議論された内容は、都度、取締役会等に報告するとともに、新任の社外取締役に対しては当社のリスク管理体制及びリスク管理手法について説明、意見交換を行うことで、社外取締役等の意見も取り入れている。
リスクマネジメント体制図

③統合リスク管理
統合リスク管理については、当社が保有するリスクを「オペレーショナルリスク」「市場リスク」「信用リスク」の3つに定義・分類し、「市場リスク」「信用リスク」から「統合リスク量」の定量化を実施している。また、統合リスク量とリスクキャピタルとの差分を「リスクバッファー」として算出している。
統合リスク管理

リスクバッファーは、発生確率が計算できない不確実性としての「オペレーショナルリスク」を考慮し、一定の水準を維持することとしている。
「オペレーショナルリスク」は、「経営活動への影響度」を縦軸、「リスク発生頻度」を横軸とした「リスクマップ」で管理している。管理しているリスクに対しては、各々のリスクの種類や特性に応じて、当該リスクへの「保有」「軽減」並びに「移転」等の対策を講じている。
「オペレーショナルリスク」のうち、「経営活動への影響度」と「リスク発生頻度」がともに高いリスクについては、「経営で管理する重要なリスク」として特定している。
四半期ごとに開催するリスク管理委員会並びに取締役会等では、統合リスク量とともに、特にこの「経営で管理する重要なリスク」への対応方針や具体的な施策を中心に議論している。
リスクマップイメージ

(3) 重要な戦略並びに指標及び目標
当社グループでは、気候変動及び自然資本・生物多様性への対応を経営の重要課題と捉え、TCFD及びTNFDの枠組みに基づき、関連するリスク・機会の分析ならびに情報開示を行っている。これらの取組の充実化を図ることにより、ステークホルダーの皆さまとの対話を推進し、企業価値の向上を図るとともに、持続的な社会の発展に貢献していく。
※気候変動・自然資本関連の情報開示(TCFD提言等への対応)の詳細は「JERAグループ統合報告書2024」(リンク:https://www.jera.co.jp/static/files/corporate/CCB/JERA_IR2024_jp_03.pdf)p.48-55を参照。
①戦略
TCFD提言に沿ったシナリオ分析の結果を踏まえ、気候変動関連の当社事業のリスクや機会を下表のとおり整理している。
※活動量当たりの財務影響の感度を評価しており、2億円/億kWh、2億円/万t-LNGまでのものを「非常に低い」、2億円-5億円/億kWh、2億円-5億円/万t-LNGのものを「低い」、5億円-10億円/億kWh、5億円-10億円/万t-LNGのものを「高い」、10億円/億kWh、10億円/万t-LNG 以上のものを「非常に高い」としている。
TNFD提言に沿ったLEAPアプローチ※の結果を踏まえ、関連の当社事業のリスクや機会を下表のとおり整理している。
※LEAPアプローチ:TNFDが開示に当たって推奨するステップ、Locate(発見)、Evaluate(診断)、Assess(評価)、Prepare(準備)の頭文字
※1 発生する可能性とリスク・機会の大きさを勘案し「非常に低い」、「低い」、「高い」、「非常に高い」の4段階で評価
※2 短期(現在~2025年)、中期(2026年~2035年)、長期(2036年~2050年)
②指標及び目標
当社は、長期目標として「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、これを達成するためのロードマップとともに、2030・2035年でのCO2排出に係る中間目標を設定の上、毎年継続的に実績値を算定・評価し、進捗の管理を行っている。また「JERAグループサステナビリティ基本方針」を策定し、2024年には非財務KPIを拡充している。今後も当社は持続可能な経営に向けた取り組みを推進する。
目標(「JERAゼロエミッション2050」及びロードマップ)については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境及び優先的に対処すべき課題等」に記載している。非財務KPIにおける気候変動・自然資本に関連した目標は以下の内容である。※非財務KPIの詳細は「JERAグループ統合報告書2024」(リンク:https://www.jera.co.jp/static/files/corporate/CCB/JERA_IR2024_jp_03.pdf)p.46を参照。
2023年度の当社グループの排出量に関連する実績は以下のとおりである。本データについては当社ホームページにも掲載しており、当該ホームページにて公開しているGHG排出量等の一部のデータを対象として、2021年度報告値よりKPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を受けている。
環境データ (リンク:https://www.jera.co.jp/sustainability/data/e)
保証報告書 (リンク:https://www.jera.co.jp/static/files/sustainability/pdf/JERA_独立した第三者保証報告書_20240918.pdf)
※1 算定範囲:国内JERA単体、株式会社常陸那珂ジェネレーション、JERAパワー武豊合同会社、JERAパワー横須賀合同会社、及びJERAパワー姉崎合同会社
※2 算定範囲:※1の算定範囲に共同火力を含めた範囲。共同火力については出資比率ベースで当社持分を算出
※3 算定範囲:※2の算定範囲に海外事業を含めた範囲。海外事業は原則として現地会計年度・現地の報告基準で集計し、出資比率ベースで当社持分を算出
(4) 人的資本に関する取組み
HR部門は「社員と家族を幸せにする世界トップクラスの会社」というポリシーを掲げ、人財領域の“攻め”と“守り”の両面からグループの成長・企業価値創造を牽引している。“攻め”とは、経営層・事業部門のビジネスパートナーとして人財の質と量をグループ全体で事業戦略に適合していくこと。一方、“守り”は、社員が安全・健康に働ける環境を整備し、多様な人財が挑戦できる強固な基盤を築くことと考えている。これらにより、社員が能力とモチベーションを高め、自身の成長を感じ、やりがいをもって自立して働くことができる環境を提供していく。
本ポリシーと攻めと守りの人財戦略のもと、主に下表の取組みを進めてきた。
①魅力ある処遇基盤の構築
イ.戦略
事業のグローバル化やソリューションの高度化に対応するためには、優秀な人財の獲得・定着が必要不可欠である。少子高齢化をはじめとした日本の労働市場を踏まえると、人財獲得競争は今後、益々激しくなっていくことが想定される。そのような環境において、優秀な人財の獲得・定着に向けてはJobをベースとした採用・配置・評価・報酬の仕組みを整備する必要がある(Job型人財マネジメント)。
ロ.指標及び目標
上記考えのもと、以下を実行した。
(a)市場競争力確保に資する賃上げ:月例賃金6.0%引上げ(定期昇給含む)
(b)勤務特性・職種に応じた労務サービスの提供
・発電所勤務者:ランチ手当増額及び通勤制度の見直し
・海外駐在者 :物価補填平均10%程度引上げ、ハードシップ手当平均5%程度引上げ
②人財育成
イ.戦略
2020年3月に策定した「人財育成基本方針」に基づき、社員一人ひとりを重要な財産と考え、社員自身の自立的なキャリア開発をサポートする仕組みを導入している。これにより、各社員の自立的キャリア計画のもと、環境変化の中で必要なcapabilityを備える人財の育成へ繋げる。

ロ.指標及び目標
具体的には人財育成方針のもと、主に以下を実行した(人財への投資額 約38万円/人)
(a) 自立的キャリア開発の推進
①キャリア目標設定→②キャリア開発計画の立案→③キャリア開発面談(目標と自身のGAP認識)→④GAPを埋める様々な研修・制度活用※1、という一連のプロセスにより、社員が成長できる環境を整備している。
※1_研修・制度の具体施策

(b) グローバル人財の育成
2035年のビジョン達成のためには人財のグローバル対応力の向上が必須と考えており、語学学習機会の提供や留学制度、海外拠点への短期駐在研修、新入社員向けグローバルスタートアップ研修等を積極的に提供している。グローバルスタートアップ研修は2024年から開始し、海外拠点のあるシンガポール、フィリピンを渡航先とし、延べ約120名が受講している。
(c) 経営人財の育成
事業環境変化の中で事業発展のためには、必要なcapabilityを備える経営人財を計画的に育成する必要がある。育成施策はサクセッションプラン及び、Future Talent Development System(以下、FTDS)の2階層で構成されている。FTDSでは、キャリア早期のタフアサインと個人特性に合わせた外部研修により、成長を促進させる。

③健康経営の推進
イ.戦略
当社は「社員の健康保持・増進の取組みが、将来的な企業価値向上に寄与する投資である」という考えのもと、「JERAグループ全ての社員が、健康で、安心して挑戦できる基盤づくり」に注力し、代表取締役社長CEO兼COOを最高責任者、CHROを執行責任者とした体制を組成の上、経営の重要課題の一つとして健康経営を推進している。
ロ.指標及び目標
具体的には衛生活動方針・計画のもと、主に以下を実行した。
(a) ワークライフバランスの推進
管理職の意識改革(マネジメント強化研修)、業務スクラップの推進、計画的連休取得の促進等により、時間外労働時間は24時間/月(前年度比0.5時間削減)、休暇取得日数は16日/年(前年度水準維持)となった。
(b) メンタルヘルスケア
若手社員を中心としたメンタルヘルスケア、各種セミナー・選択型研修の開催(睡眠セミナー・ストレスマネジメント強化)、ストレスチェック結果に基づく職場改善等、メンタルヘルス不調の未然防止・早期発見・早期復帰に繋がる取組みを実施。
(c) 健康習慣の推進
健康保険組合とのコラボヘルスの実施(ウェアラブル端末を活用したウォーキングイベント等)、各種セミナー・選択型研修の開催(更年期や婦人科系疾患・生活習慣改善)を通じ、運動(歩行)習慣が前年同期比4ポイントアップ。
これらの取組みにより3年連続で「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」に認定されている。
(5) D&Iに関する取組み
①D&Iに関する取組みの全体像
当社は、多様な人財によるイノベーション創出を進めている。当社がミッションの中で掲げる「最先端のソリューション」の提供には、「全く新しい商品、サービス、プロセスを創出」できるイノベーションが不可欠。D&Iの取組みとして「多様性の受容」「個性の発揮」「フラットでイノベーティブなカルチャーの醸成」を継続的に取組むことで、社員誰もが個性や価値観を最大限発揮することでイノベーションが生まれやすくなる状態を目指す。

②フラットでイノベーティブなカルチャーの醸成に関する取組み
・JERA及びJERA海外拠点によるイベント:
JERAグループでのD&Iの取組みの推進や、海外拠点との相互理解等を目的に、国内外のメンバーが対面で集まるフォーラムを年次開催。国や言語、役職等の壁を超える情報・意見交換を行うことで一体感を醸成。
・有識者を招いた講演・対談:
ビジネス面での新たな価値創造のため、多様な価値観に触れることを目的に社内サロンを開催。当社の事業とは異なる領域の専門家や芸術家等の多彩な分野の有識者を招き、非日常的なつながりからイノベーションが創出されることを目指す。
・ワールドカフェ:
D&Iやカルチャー、職場づくり等のテーマについて、普段の業務で接する機会の少ない多様な社員同士が小グループになりワールドカフェ形式でディスカッションを実施。
・ファミリーイベント:
社員の家族やパートナーの会社理解を深め、JERAのファンになっていただくこと、及び社員のエンゲージメントの向上を目的としたファミリーイベントを開催。
③個性の発揮(社員がイキイキと働ける環境づくり)に関する取組み
・社員のエンゲージメント向上及び当社の企業価値向上の一助とすることを目的に、毎年社員満足度調査を実施。会社(経営方針や戦略等)、働く環境(労働時間やチームワーク等)、能力向上(自身の達成感やスキルアップ等)、D&I等に対する満足度を定量的に把握。
・D&Iに関する要望・改善や自職場のD&I推進に関する取組み等、社員の生の声を拾い上げる仕組み(社員が匿名/非匿名にて自由に投稿できる仕組み)を導入し、会社側と社員側の意思や感情を交える双方向コミュニケーションの活性化を推進。
④多様性の受容(多様な人財が働きやすい環境づくり)に関する取組み
・女性の活躍支援:
多様性推進のために女性比率向上に取り組んでおり、2024年度末における女性管理職比率は6.7%である。今後、2025年度末までに比率8.5%を目指す。

また、女性社員の自立的キャリア形成支援の一環として、社外の女性メンターとのメンタリングプログラムを導入し、今年度は31名が参加。この取組みを通じ、キャリア形成上の悩みや不安の払しょく、エンゲージメント向上を図る。
更に、女性活躍の推進に積極的に取り組む企業を厚生労働省が認定する制度「えるぼし認定」の2つ星を、2024年度に取得。
・障がい者雇用推進に関する取組み:
障がいの有無に関わらず、誰もが笑顔でイキイキと働き、社員一人ひとりが個々の能力を十分に発揮できる社会の実現を目指し、2021年4月にJERAミライフル※1を設立。様々な障がいがある社員44名が一人ひとりの特性に応じた業務に従事。同社がJERAの特例子会社として企業価値向上に貢献するため事業領域拡大を図るとともに、計画的に障がい者雇用を推進。
※1 JERA100%出資の特例子会社
・LGBTQ+への支援に関する取組み:
性的指向や性自認に関わらず、誰もが自分らしく働ける組織を目指し、社外当事者による講演会の開催や専用の外部相談窓口の設置等のLGBTQ+を支援する取組みを推進。「PRIDE指標2024※2」において、PRIDE指標ゴールドを取得。(2023年度から2年連続取得)
※2 任意団体work with Pride事務局が認定する職場におけるLGBTQ+に関する取組みの評価指標
上記のD&Iの取組みが総合的に評価され、「D&I AWARD 2024※3」にて昨年に引き続き最高認定である「ベストワークプレイス」に認定。加えて今年度は、認定企業の中でもロールモデルとなるような取組みをしている企業に与えられる「チャレンジャー企業部門 D&I AWARD賞」を受賞。
※3 株式会社JobRainbowが主催する企業のダイバーシティ&インクルージョンの取組みを評価する日本最大級の認定表彰制度
(6) 安全に関する取組み
当社は「安全は、事業の基盤であるとともに企業価値の源泉であり、全ての事業活動において最優先とする」という「安全理念」を中核とする「JERAグループ安全基本方針」を掲げ、燃料上流から販売までの全てのサプライチェーンにおいて安全最優先を大前提として事業活動を展開するために様々な安全活動に取り組んでいる。
また、グローバルに事業を展開する中、国籍・人種・所属に関わらず、誰もが共通の言葉で当社が目指すべき「安全」を語ることができるようにするため、「JERA安全ビジョン」を定め、社員のみならずグループ会社や協力企業の皆さまと一体となった安全文化醸成活動を展開している。
イ.安全活動戦略・安全活動計画
「JERAグループ安全基本方針」を実現するために中期の全社の「安全活動戦略」を策定するとともに、その各項目を段階的に達成するため、単年度の「安全活動計画」を全社及び各部門ごとに策定し、リーダーシップ、組織体制及び業務運営を軸とした安全活動を展開している。
洋上風力等の再エネ発電事業の展開、アンモニア等の新燃料の導入等、新しい事業への展開においても、事業の特性を踏まえた安全対策を確実に行い、世界最高水準の安全を確保するグローバル企業を目指していく。
[安全ビジョン]

ロ.安全推進体制
当社は、社長CEO兼COOが主査となり、各部門の安全推進責任者が参加する「安全責任者会議」を設置し、2ヶ月に1回の頻度でJERAの安全に関わる事項について議論を行い、そのもとで各部門において安全活動を行うことにより会社全体で一体となった安全活動を展開している。
3 【事業等のリスク】
当社グループの業績や財政状況等に関する変動要因のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、主に以下のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、今後のエネルギー政策や電気事業制度の見直し等の影響を受ける可能性がある。
(1) その他の関係会社等との関係に係るリスク
①東京電力フュエル&パワー株式会社及び中部電力株式会社との資本関係
東京電力フュエル&パワー株式会社と中部電力株式会社は、有価証券報告書提出日現在において、それぞれ当社発行済株式の50%を所有する株主であり、両株主は、2017年6月8日に締結した合弁契約書において、当社グループの事業活動を制約しない措置の詳細ルールについて合意している。
しかしながら、想定外の事態が生じた際に、その対応方針を巡って両株主が合意に至らない場合には、当社グループの事業計画や業務運営、業績、財政状態は影響を受ける可能性がある。
②東京電力ホールディングス株式会社、中部電力株式会社及びそのグループ会社との取引
当社グループは東京電力ホールディングス株式会社のグループ会社である東京電力エナジーパートナー株式会社及び中部電力株式会社のグループ会社である中部電力ミライズ株式会社(2020年4月1日付で中部電力株式会社の権利義務及び電力供給等の契約上の地位を中部電力ミライズ株式会社が承継)への電力供給等の取引を行っている。取引条件については、市場実勢等を参考に、案件ごとに交渉の上で決定している。
第10期連結会計年度における当社グループと東京電力エナジーパートナー株式会社、及び中部電力ミライズ株式会社との間の主たる取引は下表のとおりである。
第10期連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当該各社との契約・取引内容等に変化が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態は影響を受ける可能性がある。なお、2025年度の電力需給契約及びガス需給契約は既に当該各社と締結済である。期中に予期せぬ状況が発生した場合は、当該各社と協議していく。
(2) 外部環境に係るリスク
①経済状況及び天候状況
販売電力量は景気動向や気温の変動等によって増減するため、これらの状況によって当社グループの業績や財政状態は影響を受ける可能性がある。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、サービス業を中心とした内需回復や賃上げを背景に、緩やかな回復基調を維持した。設備投資も堅調で、名目GDPは過去最高を更新する等回復の兆候が見られている。一方で、物価上昇や円安、海外経済の下振れリスクにより、先行きには依然として不透明感が残っている。この他、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクが高まっていることに加えて、金融資本市場の変動等の影響にも一層注意が必要である。こうした変化がもたらすわが国の経済への影響に十分注意する必要があり、今後、これらの影響期間、影響範囲の拡大等の状況によっては、当社グループの業績や財政状態は影響を受ける可能性がある。これらの景気動向については、引き続き、注視していく。
この他、厳冬・猛暑による急激な需要増が発生した場合には、発電所の増出力運転や補修期間の調整、休止火力の再稼働による供給力確保の検討等、あらゆる対応を実施していく。
②燃料価格の変動等
LNG、石炭等の燃料費は、市場価格及び為替相場の変動により影響を受ける可能性があるが、主要な販売先との間で燃料調達に係る市況の変動を適宜反映することとしているため、当社グループの業績や財政状態への影響は限定的である。
しかしながら、急激な市況の変動等があった場合、これに伴う燃料費の変動分を料金に反映させるまでにタイムラグ(「期ずれ」)があるため、一時的に当社グループの業績や財政状態は影響を受ける可能性がある。また、燃料の需給状況、燃料調達先の設備・操業トラブルや輸送上のトラブル、政治情勢の変動等により燃料が円滑に調達できない場合には、燃料費の増減等により、当社グループの業績や財政状態は影響を受ける可能性がある。
③競争環境の変化
エネルギー事業を取り巻く環境は、緩やかな経済成長と人口減少が続く中で、生成AIの普及に伴うデータセンターの増設等の電力需要の増加要因と、省エネルギーの進展等の需要抑制要因が併存しておりエネルギー需給の見通しがより複雑化している。また、GX推進法改正案が閣議決定される等、GX-ETSの導入に向けた制度議論が加速している。更に、稼働停止中の原子力発電所の再稼働や再生可能エネルギーの導入拡大が進展することで、供給側にも構造的変化が見られる。これらの需要と供給の両面での変化が相まって、エネルギーの需給構造は今後、大きく変化する可能性がある。
こうした需給構造の変化に対応するため、当社は競争力と柔軟性を備えた燃料調達ポートフォリオを確立することで需給変動や市場環境の変化に強い供給体制を構築している。更に、水素・アンモニアへの燃料転換による低炭素火力発電や、老朽化設備のリプレースによる高効率化を推進している。これらの施策により、需給の変動や脱炭素化に伴う競争環境の変化に対するリスク低減を図っているが、市場環境の急激な変動や制度変更等により、発電コストや燃料調達コストに見合った収益を確保できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
④脱炭素社会への適応
当社グループは、国内火力発電業界のリーダーとしてエネルギー基本計画に代表されるエネルギー・環境政策を尊重するとともに、再生可能エネルギーの開発も積極的に推進する等、持続可能な環境・社会・経済の実現を目指してCO2排出量削減に向けた取組みを進めていく。
具体的には、上述の日本版ロードマップの詳細化とともに、他の国や地域に最適なロードマップを展開していくことで、事業機会の創出へ繋げていく。
その一方で、2023年6月30日に施行のGX推進法(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律)に基づき、今後制度設計が進められていく見通しである。また、同法に限らず、地球温暖化対策に係る新たな法的規制や制度の導入・強化が進む可能性もある。これらの制度設計の内容次第では、当社の事業計画や業務運営に大幅な変更等が生じる可能性があり、その場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼすおそれがある。
将来的な事業環境の不確実性に対応するため、当社グループは、火力電源にとって事業機会が縮小されるリスクケースも含めた将来の電力市場環境に係る複数のシナリオ設定の上、新規電源の開発及び既存電源の保有に係る計画の策定を行っており、戦略の柔軟性とレジリエンスを確保している。将来の電力需要と電力市場における価格競争力を踏まえつつ、経年化した既存設備と最新鋭の高効率設備への入れ替えを図りながら、採算性のない火力電源の開発・保有(いわゆる座礁資産化)の回避とともに収益の最大化を図っていく。
⑤為替の変動
当社の海外事業への投資については、円高が進行すると在外営業活動体の換算価額を通じて自己資本が減少するリスクがある。今後、海外事業への投資が大きく増加していく場合、当社連結ベースの財政状態は影響を受ける可能性がある。このリスクに対しては、主に社債及び借入金の外貨建負債の保有により、当該リスクを一部低減している。
⑥金利の変動
当社グループの有利子負債残高は、2025年3月末時点で3兆997億円であり、総資産の36.1%に相当する。当社グループは今後、国内外での新たな事業への投資や既存の債務の償還等のための資金調達を必要とする見通しであるが、金融情勢、当社の信用状態又はその他の要因のために調達金利が変動した場合、支払利息が増減するため、当社グループの業績や財政状態は影響を受ける可能性がある。
ただし、有利子負債残高のほとんどは社債・長期借入金で占められており、その大部分は固定金利で調達しているため、当社グループの業績や財政状態への影響は限定的である。
(3) 事業活動に係るリスク
①燃料事業
当社グループは、世界最大級の燃料取扱規模を梃子に燃料調達・上流の最適ポートフォリオを形成し、事業環境の変化に強い体制を構築するとともに、自社輸送船団や海外燃料市場を活用した燃料トレーディング事業の拡大により最適な燃料運用を追求している。
これらの燃料バリューチェーンに係る事業は国内発電事業による燃料消費に裏打ちされたものであり、事業上のリスクは限定的と考えられるが、商品価格の変動リスクや、取引先の信用リスク(カウンターパーティーリスク)等が発生する場合があり、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績や財政状態は影響を受ける可能性がある。
これらのリスクに対しては、新規投資実行時には、分野別投資戦略との整合性を確認した上で、「投資評価委員会」等による審査を実施することで長期的に投資適格性が確保できていることを確認しており、また、投資実行後は、定期的なモニタリングの実施及び撤退基準の設定により、リスクの適切な評価、管理を実施している。また、燃料トレーディング事業においては、商品価格の変動リスクや取引先の信用リスク等に関してそれぞれリスク枠が設定されその枠内で取引が実施されると共に、遵守状況が常にモニタリングされ、リスクが上限に近づくような場合は状況の確認と対応の検討がなされる。
この他、当社グループがLNG上流事業に参画している豪州や米国では、各国内における政治動向の影響により気候変動対策の政策や法令が大きく変動するリスクが顕在化している。これに対しては、必要となる対策を十分に講じることでコンプライアンスを確保すると同時に、日本政府やローカルパートナーを通じて、継続的にプロジェクト運営ができるよう事業環境の安定化を追求していく。
②海外・再エネ発電事業
海外発電については、当社グループは世界10カ国以上に約30件とグローバルで海外発電プロジェクトを運営している。これまで主に、IPP(独立系発電事業者)プロジェクトへの取組みを進めており、IPPプロジェクトの大半は安定的な収益が見込める長期電力販売契約を締結し、国内外において、多数・大規模な発電所を開発・運営してきたノウハウを活かしながら事業展開している。この他、特にアジア地域においては、当該国においてプラットフォーム企業となり得る主要なエネルギー企業と連携することで、発電インフラ開発に加えて、LNGの安定供給や脱炭素を推進する取り組みを進めている。
再生可能エネルギーについては、事業拠点として2024年にJERA Nexが英国に発足しており、翌連結会計年度第2四半期に洋上風力発電事業に特化した会社JERA Nex bpが発足する予定である。JERA Nex bpは競争力の高い案件開発の推進、及び統合された洋上風力発電案件のポートフォリオ最適化を目指している。JERA Nexは米国でのポートフォリオ運営を含め、陸上再生可能エネルギーの開発に引き続き注力していく。グローバルな専門知識とローカルの事業開発能力を活用したグローカル体制を構築する一方で、安全かつ効率的な資産運用とプラットフォーム投資の効果的な管理を最優先に進めていく。
しかしながら、これらの事業は、需要や市場環境の変化、規制の変更等の予期せぬ事態の発生により、当社グループが期待したほどの収益を生まない可能性がある。また、これらの事業の中には第三者との合弁形態で運営されているものがあり、事業環境の変化に伴う合弁形態の見直しや、当社グループが少数株主であるために重要な経営判断に関与できない事態等が生じた場合、合弁事業の結果が、必ずしも当社グループの業績に有益な貢献をもたらさない可能性がある。更に、事業計画の変更、事業・発電所建設の取り止め等があれば、これに伴う関連費用の発生、追加資金拠出等が発生する可能性がある。この他、主に再生可能エネルギー事業に関係するものとして、開発・建設段階においては、人件費の高騰や金利上昇に加え、地政学的リスク発現等に起因するサプライチェーンの混乱により発電設備等の資材調達コストが高騰するリスクや計画的な調達が阻害されるリスク、また、運転開始後においては、風況悪化や日射量の低下に伴い、風力・太陽光の発電量が想定よりも減少するリスクが挙げられる。
加えて、海外での事業については、為替リスクに加えて当該国の政情不安等によるリスク(カントリーリスク)が存在し、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績や財政状態は影響を受ける可能性がある。
これらのリスクに対しては、新規投資実行時には、分野別投資戦略との整合性を確認した上で、「投資評価委員会」等による審査を実施することで長期的に投資適格性が確保できていることを確認しており、また、投資実行後は、定期的なモニタリングの実施及び撤退基準の設定により、リスクの適切な評価、管理を実施している。
③国内火力・ガス事業
国内火力発電では変動する需要に対して柔軟に発電量を調整し、安定して電力を供給することが求められる。当社グループは、国内最大規模の発電設備を有する発電事業者であり、長年培われてきた発電設備の運営技術により、経済的かつ安定的な電力供給を実現している。また、脱炭素社会へのニーズの高まりに対しても燃焼時にCO2を排出しない燃料へのトランジションを推進している。
加えて、大規模な燃料契約を主軸に、これまでの火力発電の運用実績・経験に基づく供給能力で、お客さまの多様なニーズに応え、電力/ガスを販売している。更に、電力トレーディング事業を行う株式会社JERAパワートレーディング(2025年4月1日より、株式会社JERA Global Marketsへ名称変更)は、トレーディングに関する知見等を活かし、着実に実績を積み上げている。
しかしながら、これらの事業は、需要や市場環境の変化、規制の変更等の予期せぬ事態の発生により、当社グループが期待したほどの収益を生まない可能性がある。更に、事業計画の変更、事業・発電所建設の取り止め等があれば、これに伴う関連費用の発生、追加資金拠出等が発生する可能性がある。
これらのリスクに対しては、新規投資実行時には、分野別投資戦略との整合性を確認した上で、「投資評価委員会」等による審査を実施することで長期的に投資適格性が確保できていることを確認しており、また、投資実行後は、定期的なモニタリングの実施及び撤退基準の設定により、リスクの適切な評価、管理を実施している。
また、電力・ガス販売については、長期・大規模な相対取引に加え、短期相対取引や国内市場も活用し、優れた電力・ガス販売ポートフォリオを構築することで、対応している。
④自然災害や不測の事故等
上記各事業に一部共通するが、自然災害、人為的なミス、テロ、又はその他の不測の事態により、当社グループの設備又はこれらの設備を運転制御する情報システム等に重大な事故があった場合、また、戦争や暴動により燃料供給の中断があった場合、当社グループの業務運営に支障を来たす可能性がある。
当社グループでは、良質な電気を経済的かつ安定的にお届けするために、最適な設備の形成・保全に努めるとともに、災害に強い設備形成を実現するために、大規模地震対策等も実施している。しかしながら、事故等のために当社グループの設備が操業を停止した場合には、当社グループの業績や財政状態は影響を受ける可能性がある。
(4) その他のリスク
①コンプライアンス
当社グループは、企業倫理を遵守した業務運営を定着させるための取組みに努めているが、法令違反等の企業倫理に反した行為が発生した場合、当社グループの社会的信用が低下し、業務運営や業績、財政状態は影響を受ける可能性がある。
なお、当社は、2019年4月から2023年10月までの期間において、日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場における売り入札量算定に関し、余剰電力の一部を市場供出していなかった事象について、2024年11月12日、電力・ガス取引監視等委員会から業務改善勧告を受け、同年12月12日、当該業務改善勧告の内容に基づき、再発防止策を取りまとめ、電力・ガス取引監視等委員会に報告した。
当社は、当該業務改善勧告を真摯に受け止め、経営層の関与のもと、3線管理に向けた新組織の設置、社内ルールの明確化、組織間ディスカッション等の各種再発防止策の実施に取り組んでいる。今後も、再発防止策の実施を含め、市場取引業務の改善を着実に推進していく。
②情報管理
当社グループは、お客様情報をはじめ、業務上の重要な情報を保有している。社内規程の整備や、従業員教育等を通じ情報の厳正な管理に留意しているが、これらの情報の漏えい等が発生した場合には、対応に要する直接的な費用が発生するほか、当社グループの社会的信用が低下し、業務運営や業績、財政状態は影響を受ける可能性がある。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社等及び持分法適用関連会社等)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりである。
①財政状態
総資産は、前連結会計年度末に比べ816億円増加し8兆5,897億円となった。これは、持分法で会計処理されている投資の増加等はあったものの、燃料トレーディング事業を営む子会社におけるデリバティブ資産の減少等によるものである。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,530億円減少し5兆5,964億円となった。これは、有利子負債の減少に加え、燃料トレーディング事業を営む子会社におけるデリバティブ負債の減少等によるものである。
資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の増加や為替換算調整勘定の増加等から、前連結会計年度末に比べ3,346億円増加し2兆9,932億円となった。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は、33.7%となった。
②経営成績
売上収益は、販売電力量の減少等により、前連結会計年度に比べ3,548億円減少し3兆3,559億円となった。また、燃料調達価格影響や期首燃料在庫単価の改善等があったものの、海外・再エネ発電事業や燃料事業の利益減等により、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べ2,157億円減少し1,839億円となった。
なお、期ずれについては、燃料価格の変動を販売価格に反映するまで文字とおり「タイムラグ」があるため、期間で区切った際には収支影響が生じるが、中長期的には収支影響はニュートラルになる。この期ずれ影響を除いた親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ49億円減少し1,437億円となった。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの資金(現金及び現金同等物)は、前連結会計年度末に比べ1,437億円減少し、1兆2,616億円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローにおける資金の収入は、前連結会計年度に比べ9,197億円減少し4,051億円となった。これは、期ずれによる差益の減少に伴う税引前当期利益の減少のほか、当社の営業債権の増加、当社棚卸資産の増加等によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローにおける資金の支出は、前連結会計年度に比べ931億円減少し4,353億円となった。これは、前連結会計年度における関係会社の取得による支出の反動等によるものである。
この結果、フリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ8,266億円減少し301億円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ7,545億円減少し1,186億円の支出となった。これは、主に子会社株式の売却による収入の増加等によるものである。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、主に国内火力・ガス事業が、連結会社の売上収益の大半を占めているため、生産、受注及び販売の実績については、上記国内火力・ガス事業について記載している。
国内火力・ガス事業における発電実績、販売実績並びに主要燃料の受払状況については以下のとおりである。
イ:発電実績
(国内火力・ガス事業における発電実績)
ロ:販売実績
(国内火力・ガス事業における販売実績)
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績(国内火力・ガス事業の販売額)に対する割合
ハ:主要燃料の受払状況
(2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものである。
①経営成績等
当連結会計年度におけるわが国の経済は、サービス業を中心とした内需回復や賃上げを背景に、緩やかな回復基調を維持した。設備投資も堅調で、名目GDPは過去最高を更新する等回復の兆候が見られている。一方で、物価上昇や円安、海外経済の下振れリスクにより、先行きには依然として不透明感が残っている。
エネルギー業界では、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東地域での新たな緊張の高まり等により、エネルギー供給の不確実性が一段と増すとともに、各国でのエネルギー安全保障の重要性が再認識された。加えて、国連気候変動枠組条約に関し、米国がパリ協定からの離脱を宣言する等、先進国と途上国間での気候資金を巡る対立等の課題が浮き彫りとなり、脱炭素社会の実現に向けた取り組みの困難さが際立つ年となった。
このような環境下、当社は「共同CEO体制」のもと、グループの総力を挙げてエネルギーの安定供給と脱炭素の両立に向けた取組みを進めた。
まず、安定供給については、電源確保の観点から、稼働中の発電所の安定運転に加えて、CO2排出量の少ない最新鋭の火力発電設備へのリプレースによる電源の新陳代謝を着実に進め、五井火力発電所1~3号機の営業運転を開始した。また、知多火力発電所7、8号の開発に向け、環境影響評価準備書の縦覧を開始した。
燃料調達については、子会社であるJERA Global Markets Pte. Ltd. (JERAGM)を通じた安定調達に加え、戦略的余剰LNG(SBL)の確保を継続的に行い、日本全体のエネルギー安全保障にも貢献した。
次に脱炭素に向けては、「JERA環境コミット2035」に基づき、クリーンエネルギー基盤の構築を更に加速した。
再生可能エネルギーにおいては、2035年までに2000万kWの開発目標を掲げ、JERA NEX Limitedを発足し、本格的に再生可能エネルギーの開発・導入を進めるとともに、bpとの洋上風力事業合弁会社(JERA Nex bp)の発足に関する合意を果たし、世界最大級の洋上風力発電事業者への統合準備を進めている。国内においては、「青森県沖日本海(南側)における洋上風力発電事業(2024年12月)」の事業者に認定される等、洋上風力事業の開発を着実に進めている。
火力発電のゼロエミッション化においては、2024年4月に碧南火力発電所4号機にて世界初となる大型商用発電機によるアンモニア20%転換の大規模実証試験を実施し、アンモニア転換技術の確立に向けて着実に取組みを進めた。加えて、アンモニア50%転換に向けたバーナの開発・燃焼試験、米国での水素転換に向けたガスタービン改造工事、グリーン水素製造、アンモニアのクラッキング・大規模分解触媒の技術開発等、最先端のソリューションの開発・獲得に取り組んだほか、国による支援制度整備の動きにも沿う形で、水素・アンモニア分野の上流開発・販売等のサプライチェーンの構築・拡大に向けた検討・協業等を進めた。
更に、毎日24時間・毎週7日間(年間365日)にわたってCO2を排出しない「24/7カーボンフリー電力」供給に向け、再エネ・ゼロエミ火力・デジタル技術を統合したソリューションの社会実装に取り組むための「JERA Cross」を設立し、日本で初めて水素専焼のゼロエミッション火力で発電した電力の商用利用を開始した(2024年11月、東宝株式会社への提供を開始)。
海外においては、ゼロエミッションに向けて共通の課題を有するアジアにおいて、各国の事情に即した確実なトランジションを可能とするため、パートナー企業との共同による脱炭素ロードマップの策定、水素・アンモニアの活用を含めた国・地域別の特性を考慮したソリューションの検討等を実施した(インドネシアEnergy Transition Master Planの策定支援、フィリピン LNG導入に向けた制度設計支援等)。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
[燃料事業]
燃料上流事業等への投資、燃料輸送・燃料トレーディング事業を行っており、フリーポート計画外停止による影響や燃料トレーディング事業を営む子会社利益の減少等から、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度に比べ99億円減少し1,227億円となった。
[海外・再エネ発電事業]
海外の発電事業や国内外の再生可能エネルギーの発電事業等への投資を行っており、2021年度に実施した海外発電案件減損の戻入の反動や海外IPP事業の減益の影響等から、親会社の所有者に帰属する当期損益は前連結会計年度に比べ254億円減少し83億円の利益となった。
[国内火力・ガス事業]
国内における電力・ガスの販売等を行っており、燃料調達価格や期首燃料在庫単価の影響の改善等はあったものの、期ずれによる差損や石炭等の契約期末評価損等により、親会社の所有者に帰属する当期損益は前連結会計年度に比べ1,310億円減少し1,243億円の利益となった。

②キャッシュ・フローの現状の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
イ.キャッシュ・フロー等
(a)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
(b)有利子負債
当連結会計年度末での有利子負債残高は、3兆0,997億円(うち、社債7,306億円、長期借入金2兆3,494億円、短期借入金196億円)となり、前連結会計年度より39億円減少した。
ロ.財務政策
当社グループの主要な資金需要は、中長期的な成長に必要な設備投資及び投融資向けの資金である。これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入や社債発行による資金調達等にて対応していく方針である。
また、短期運転資金は、主に短期借入金やコマーシャル・ペーパーにより対応していく方針である。
なお、資金の短期流動性を確保する目的でコミットメントライン契約を締結している。
③経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
2025年度連結当期利益額(※「期ずれ」額除き)2,000億円という目標達成に向けて、2025年度までの各年度における連結当期利益の目標額を設定している。2024年度においては設定した目標1,600億円に対し、1,437億円となり未達ではあるが、想定していなかった武豊火力発電所の火災による影響が大きいと考えている。現時点の2025年度業績見通しとしては、2,000億円程度を見込んでおり、目標達成に向けて全社一丸となって取り組んで行く。
※「期ずれ」とは、燃料価格の変動が販売価格に反映されるまでのタイムラグである。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成している。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施している。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定 及び 14.のれん及び無形資産」に記載している。
5 【重要な契約等】
電力受給契約及びガス供給契約
当社は、主要な販売先である東京電力エナジーパートナー株式会社(東京電力ホールディングス株式会社の100%子会社で、東京電力フュエル&パワー株式会社の兄弟会社)及び中部電力ミライズ株式会社(中部電力株式会社の100%子会社)との間で、電力受給契約・ガス供給契約を締結している。契約開始は2019年4月1日となっている。
(2024年4月1日前に締結された金銭消費貸借契約については、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項により記載を省略している。)
6 【研究開発活動】
当社グループ(当社及び連結子会社)における研究開発活動は主として当社で総合的に行っており、火力発電設備の安定的な運転・保守に資する技術研究開発、次世代型火力発電技術に関する技術研究開発等を中心に効率的に研究を実施している。具体例として、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業である「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/アンモニア混焼火力発電技術研究開発・実証事業」(以下、本事業)に参画し、燃料アンモニアの利用に関する技術の確立を目指した研究開発を実施している。アンモニアは、火力発電の燃料として直接利用が可能であり、燃焼時にCO2を排出しない燃料として、温室効果ガスの排出量削減に大きな利点があると期待されている。当社は、碧南火力発電所4号機(発電出力:100万kW)において本事業の実証実験を実施し、定格出力100万kW運転において燃料アンモニアの20%転換を達成するとともに、転換前(石炭専焼)と比較して、窒素酸化物(NOX)は同等以下、硫黄酸化物(SOX)は約20%減少したことを確認した。当社は今後、この実証試験結果を踏まえて、同発電所構内において、アンモニア大規模転換(熱量比20%)の商用運転を目指している。
研究開発は上記課題に対し実施しており、研究開発費は総額で7,910百万円である。なお、セグメントごとの研究開発費の内訳は、海外・再エネ発電事業が154百万円、国内火力・ガス事業が107百万円(その他が7,648百万円)である。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループ(当社及び連結子会社)の設備投資は、主に国内火力・ガス事業において、効率化に努めつつ、電力の長期安定供給を図ることを基本方針として取り組むこととしている。当社グループの当連結会計年度における設備投資額は、グループ全体で548,892百万円となった。セグメント別には、燃料事業が337,173百万円、海外・再エネ発電事業が39,080百万円及び、国内火力・ガス事業が141,845百万円(その他が30,792百万円)となっている。
2 【主要な設備の状況】
提出会社及び国内子会社の主要な設備の状況については、以下のとおりである。
(1) 提出会社
2025年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員数を記載している。
2.土地の( )内数字は面積(単位千㎡)を示し、借地288千㎡を除いたものである。
主要発電設備
汽力発電設備
2025年3月31日現在
(2) 国内子会社
2025年3月31日現在
主要発電設備
2025年3月31日現在
(注) 土地面積の( )内数字は、当社構内の面積を再掲で示している。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設等
連結ベースの2025年3月期の設備投資計画は、グループ全体で199,237百万円である。設備投資計画については、電力の安定供給の確保を大前提とした上で、中長期にわたる徹底的な経営合理化の観点から設備投資額を抑制するよう努めていく。なお、重要な設備の除却、売却等の計画はない。
主要な設備計画
2025年3月31日現在
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
(注)当社の各種類株式の発行可能種類株式総数の合計は50,000,004株であるが、上記の「計」の欄では、当社定款に定める発行可能株式総数50,000,000株を記載している。なお、当社が、実際に発行できる株式の総数は、発行可能株式総数の範囲内である。また、発行可能種類株式総数の合計と発行可能株式総数の一致については、会社法上要求されていない。
② 【発行済株式】
(注) 1.当社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を要する旨定款に定めている。
2.当社は、単元株制度は採用していない。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項なし。
② 【ライツプランの内容】
該当事項なし。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
株式会社JERA第1回新株予約権(2015年9月11日臨時株主総会決議)
(注) 1.有価証券報告書提出日の属する月の前月末現在において、記載すべき内容が、当事業年度の末日における内容から変更がないため、報告書提出日の属する月の前月末現在における記載を省略している。
2.A種種類株式の内容は以下のとおり。
(1)剰余金の配当
当社は、A種種類株式を有する株主(以下「A種種類株主」という。)又はA種種類株式の登録株式質権者(以下「A種種類登録株式質権者」という。)に対しては、剰余金の配当を行わない。
(2)残余財産の分配
当社は、残余財産の分配をする時は、A種種類株主又はA種種類登録株式質権者に対し、普通株式を有する株主又は普通株式の登録株式質権者に先立ち、A種種類株式1株につき1円を支払う。A種種類株主又はA種種類登録株式質権者に対しては、前記のほか残余財産の分配を行わない。
(3)種類株主総会の決議事項
当社が会社法第322条第1項各号に掲げる行為をする場合においては、A種種類株主を構成員とする種類株主総会及び普通株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない。ただし、会社法第322条第1項第1号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りではない。
(4)株式の併合
当社は、A種種類株式について株式の分割又は併合を行わない。当社は、A種種類株主には、募集株式の割当てを受ける権利又は募集新株予約権の割当てを受ける権利を与えず、また、株式無償割当て又は新株予約権無償割当てを行わない。
(5)新株予約権を対価とする取得請求権
A種種類株主は、当社に対し、いつでも、A種種類株式1株当たり当社の新株予約権1個の交付と引き換えに、A種種類株式の全部又は一部を取得することを請求することができる。
(6)A種種類株式の譲渡制限
A種種類株式の取得に係る株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上をもって行う。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1.2022年6月23日開催の株主総会決議により、会社法第450条第1項及び会社法第451条第1項の規定に基づき、 その他資本剰余金を減少させ、資本金及び資本準備金に振り替えたものである。
(5) 【所有者別状況】
2025年3月31日現在
(6) 【大株主の状況】
2025年3月31日現在
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2025年3月31日現在
② 【自己株式等】
該当事項なし。
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項なし。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項なし。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項なし。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
該当事項なし。
3 【配当政策】
当社は、事業計画の実現に必要な資金、借入金の返済資金並びに不測の事態及び国内外における競争力強化・成長に向けた投資機会に備えて事業会社として合理的に保有すべき資金を内部留保とし、原則として当該内部留保以外の資金を株主に還元することを基本方針としている。当該剰余金の配当は期末配当を基本とし、その決定機関は株主総会である。
第10期に係る剰余金の配当は以下のとおりである。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
当社は、国際エネルギー市場から信任される強固で健全な経営・財務体質を備え、自律的かつ独立した企業文化と公正・迅速な意思決定が可能となる経営体制を確保することをコーポレート・ガバナンスの基本理念としている。当社は、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」の定めるところによりコーポレート・ガバナンス体制を適切に構築・実践するとともに、その充実・強化に継続的に取り組んでいる。
①会社の機関の内容
当社は、当社事業に精通した当社出身の取締役及び豊富な知識・経験を有する社外取締役から構成される取締役会が経営の重要な意思決定及び業務執行の監督を行うとともに、独任制の機関である監査役が取締役の職務の執行状況等の監査を実施する監査役設置会社の体制を採用している。
また、経営の意思決定及び監督と、業務執行とを分離し、的確かつ迅速な意思決定と効率的な業務執行を実現するため、執行役員が取締役会における意思決定に基づき業務執行を担う執行役員制度を採用している。
イ.取締役会
取締役会は、適用法令及び当社定款並びに当社の定める規程に基づき、経営目標、事業戦略その他当社の経営上の重要な意思決定を行うとともに、業務執行を監督している。
当社は、多様な領域でグローバルに事業を展開していくためには、事業環境に迅速かつ適切に対応すること及びその判断の客観性と健全性を確保することのできる取締役会の構成が必要であると考えており、当社出身の業務執行取締役、当社の株主出身の取締役に加えて、当社が定める独立性判断基準を満たす社外取締役を登用する等、取締役会全体として知識、経験その他様々な要素における多様性を確保することで、適切な取締役会の構成に努めている。
ロ.監査役
監査役は、各々の経験及び見識を活かし、独任制の機関として、取締役の職務の執行等の監査を実施している。監査役には、当社及び当社の株主出身以外の者を含めるとともに、任意の機関である監査役協議会を設置することで、監査の効率性及び実効性向上を図っている。
②取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を全24回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりである。
(注) 1.上記役員及びその役職は、当事業年度末時点のものである。
2.社外取締役 渡辺章博、同 鍋田和宏は2024年6月の就任以降に開催された取締役会への出席状況を記載している。
3.取締役 佐野敏弘、社外取締役 勝野哲は2024年6月の退任以前に開催された取締役会への出席状況を記載している。
4.社外取締役 鍋田和宏、同 酒井大輔は当社の競合事業者等の役員等を兼任する取締役であり、兼任先と競合しうる議案には出席できないこととしており、招集されない取締役会があるため取締役会の総開催回数が異なる。
取締役会における具体的な検討内容としては、経営方針、事業計画等重要な経営に係る事項の決定、重要な財務・人事・リスク管理等政策の決定、一定額以上の投資・取引等の決定、業務執行状況のモニタリング等である。
また、取締役会に併せて、取締役懇談会を開催し、当社が直面している長期的な戦略的課題や重要な経営課題に関する包括的な議題について自由な意見交換を行っている。
③企業統治に関して提出会社が任意に設置する委員会の活動状況
当社は、取締役会のほか、経営幹部の指名・報酬に係る事項を審議することを目的とした任意の指名・報酬委員会を設置している。
当事業年度において当社は指名・報酬委員会を全10回開催しており、個々の指名・報酬委員会の出席状況については次のとおりである。
(注) 1.上記役員及びその役職は、当事業年度末時点のものである。
2.社外取締役 勝野哲は2024年6月の退任以前に開催された指名・報酬委員会への出席状況を記載している。
3.社外取締役 鍋田和宏は2024年6月の就任以降に開催された指名・報酬委員会への出席状況を記載している。
指名・報酬委員会における具体的な検討内容としては、取締役及び執行役員の指名・役位・分掌等の決定、並びに報酬額の決定(別途取締役会決議)である。
④内部統制システムの整備の状況
当社は、内部統制システムの整備に関する基本的な考え方として「会社の業務の適正を確保するための体制」を定め、この体制に掲げる内部統制システムを整備し、運用している。
<会社の業務の適正を確保するための体制>
当社は、会社業務の適正を確保するため、次の体制を整備・運用するとともに、適宜評価し改善に努める。
イ.取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(a)社会規範に沿った業務運営・企業倫理遵守の徹底を図るため、「JERAグループコンプライアンス基本方針」及び「JERAグループコンプライアンス行動基準」を定め、取締役はこれを率先して実践するとともに、執行役員及び従業員にこれらを遵守させる。社会規範に沿った業務運営・企業倫理遵守を率先して実践するとともに、従業員にこれらを遵守させる。また、コンプライアンスの実践・定着を図るための諸施策等を審議・決定する機関として、社長を議長とするコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス経営を推進する。
(b)取締役会は、原則として毎月1回、また必要に応じて開催し、法令及び定款に従い、重要な職務執行について審議・決定するとともに、取締役から定期的に、また必要に応じて職務執行の状況の報告を受けること等により、取締役の職務執行を監督する。また、執行役員に対して、必要に応じて職務執行の状況について、取締役会への報告を求める。
(c)適切な意思決定を図るため、経営執行会議を設置する。経営執行会議は、原則として週1回、また必要に応じて開催し、取締役会への付議事項を含む経営の重要事項等について審議・報告する。
(d)取締役は、法令及び定款に適合した適切な経営判断を行うため、常に十分な情報の収集に努める。
ロ.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役会、経営執行会議の議事録その他職務執行に係る情報については、法令及び取締役会規程等に従い、その作成から、利活用、保存、廃棄に至るまで適切に管理する。
ハ.リスク管理に関する規程その他の体制
(a)取締役は、当社及びグループ会社(以下「当社グループ」という。)の事業活動に関するリスクを定期的に、また必要に応じて把握・評価し、毎年度の事業計画に適切に反映する。また、当社グループ全体のリスク管理が適切になされるよう、リスク管理規程等の社内規程を整備する。
(b)リスク管理は、リスク管理規程に従い、業務所管箇所が職務執行の中で行うことを基本とし、複数の所管に関わる場合は、組織横断的に対応の上、適切に管理する。業務所管部署は、管理しているリスク項目に重大な変化があった場合は、随時、リスク管理委員会に報告する。
(c)経営に重大な影響を及ぼすおそれのあるリスクについては、社長を委員長とするリスク管理委員会において、リスクの顕在化の予防に努める。万一顕在化した場合には迅速かつ的確に対応することにより、経営に及ぼす影響を最小限に抑制するよう努めるとともに、四半期ごとにリスク管理委員会に必要な報告を行う。
(d)大規模地震等の非常災害の発生に備え、情報連絡体制の構築等、適切な体制を整備する。
ニ.取締役の職務執行が効率的に行われることを確保するための体制
(a)取締役会は原則として毎月1回開催するほか、書面決議等も含め迅速な意思決定を図る。
(b)取締役の職務執行については、組織及び職務権限規程等において責任と権限を明確にし、取締役、執行役員及び従業員がそれぞれ適切かつ迅速に執行するとともに、その執行状況について、適宜、経営執行会議及び取締役会に報告する。
(c)情報のセキュリティ確保を前提に、職務執行の効率性向上や適正の確保に資するIT環境の整備に努める。
ホ.執行役員及び従業員の職務執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(a)執行役員及び従業員が「JERAグループコンプライアンス基本方針」及び「JERAグループコンプライアンス行動基準」を遵守するよう、継続的にコンプライアンス研修を実施すること等により、その定着と徹底を図る。
(b)法令や企業倫理上の問題を相談できる内部通報窓口を設置し、寄せられた事案については、必要に応じてコンプライアンス委員会で審議の上、適切に対応する。なお、相談者のプライバシーについては、内部通報規程及びコンプライアンス委員会規程に従い、厳重に保護する。
(c)規程類管理規程に基づき社内規程を整備し、法令及び定款に基づく職務執行の徹底を図る。
(d)執行役員及び従業員の職務執行が法令及び定款に適合することを確保するため、内部監査部が、執行役員及び従業員の職務執行の状況について、定期的に、また必要に応じて監査し、その結果を社長及び取締役会に報告する。社長及び取締役会は、監査結果を踏まえ、必要な改善を図る。
へ.当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
(a)当社は、グループ会社において業務の適正を確保するための体制をグループ会社が自律的に整備・運用できるよう、適切な支援を行う。
(b)関係会社管理規程等による責任と権限の明確化等により、グループ会社が効率的な意思決定を行い、適切かつ迅速な職務執行ができるように努める。
(c)職務執行上重要な事項については、関係会社管理規程に従い、グループ会社から事前協議や報告を受ける体制を整備する。
(d)当社は、グループ会社にコンプライアンス責任者・推進担当を設置し、グループ会社が自律的にコンプライアンス経営を推進できるよう、適切な支援を行う。
(e)グループ会社が内部通報窓口を利用できる環境を整えるとともに、必要に応じて当社の内部監査部が監査を行うこと等により、グループ会社の業務の適正を確保するよう努める。
ト.監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(a)取締役は、監査役の求めに応じて、監査役の職務を補佐するための執行部門から独立した組織として監査役業務室を設置する。
(b)監査役業務室に所属する従業員は、執行部門の職務を兼務せず、取締役の指揮・命令を受けない。また、取締役は、監査役の指示に基づき職務を遂行したことを理由として、監査役業務室に所属する従業員に不利益を及ぼさない。
(c)取締役は、会社に著しい損害を与えるおそれのある事実を発見した時は、直ちに監査役に報告するとともに、監査役の求める事項について、必要な報告を行う。また、取締役、執行役員及び従業員並びに当社グループの取締役、監査役、執行役員及び従業員又はこれらの者から報告を受けた者から、監査役に対し必要かつ適切な報告が行われるよう体制を整備するとともに、当該報告を行った者が当該報告を行ったことを理由として不利な取り扱いを受けないよう適切に対応する。
(d)監査役が取締役会その他の重要な会議に出席し、必要に応じて意見を述べることのできる体制を整備する。内部監査部及び会計監査人は、監査計画の策定に当たって、監査役と協議するとともに実施計画を監査役に報告する等、連携を図る。監査役の職務の執行に必要と認められる費用については、これを支出する等、監査役監査の実効性を確保するための体制を整備する。
⑤役員報酬の内容
役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注) 上記賞与金の支給対象は、当期末時の取締役(社外取締役を除く)5名である。
⑥責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項及び定款の規定により、社外取締役 ジョセフ・M・ネイラー、同 鈴木みゆき、同 ジョン・リットンハウス、同 リム・フィーホア、同 渡辺章博、同 デビッド・クレイン、同 国谷史朗、社外監査役 大石英生との間で、任務を怠ったことによる損害賠償責任を法定の最低責任限度額に限定する契約を締結している。
⑦役員等賠償責任保険契約に関する事項
当社は、会社法第430条の3第1項に基づき、全ての取締役、監査役が被保険者に含まれる役員賠償責任保険契約を保険会社との間で締結している。なお、取締役会決議に基づき被保険者の保険料負担はない。当該保険契約では、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うこと、または、該当責任の追求にかかる請求を受けることによって生ずることのある損害について、填補することとされている。ただし法令違反の行為のあることを認識して行った行為に起因して生じた損害は填補されない等、一定の免責事由がある。
⑧取締役の定数
当社の取締役の定数は4名以上12名以内とする旨を定款で定めている。
⑨取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、累積投票によらない旨を定款に定めている。
⑩種類株式
当社は、普通株式のほか、A種種類株式及びB種種類株式を発行できる旨を定款で定めている。
A種種類株式及びB種種類株式は、剰余金の配当を受ける権利はなく、残余財産の分配について、普通株式に先立ち、1株につき1円が支払われる。
なお、提出日現在、現に発行している株式は普通株式のみである。
(2) 【役員の状況】
①役員一覧
男性14名 女性2名 (役員のうち女性の比率12.5%)
(注) 1.ジョセフ・M・ネイラー、鈴木みゆき、ジョン・リットンハウス、リム・フィーホア、渡辺章博、デビッド・クレイン、国谷史朗、鍋田和宏、酒井大輔は会社法第2条第15号に定める社外取締役である。
2.大石英生、小野寺正洋は会社法第2条第16号に定める社外監査役である。
3.2025年6月20日から1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで。
4.2022年6月23日から4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで。
5.2023年6月22日から4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで。
6.2024年6月20日から4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで。
②社外取締役及び社外監査役との関係
当社の社外取締役は9名、社外監査役は2名である。
全ての社外取締役、社外監査役は、当社との間に特別な利害関係はない。
社外取締役である鍋田和宏は、中部電力株式会社取締役副社長執行役員である。同社は当社のその他の関係会社である。
社外取締役である酒井大輔は、東京電力ホールディングス株式会社取締役代表執行役副社長及び東京電力フュエル&パワー株式会社代表取締役社長である。両社は、当社のその他の関係会社である。
なお、当社は任意の「社外役員の独立性判断基準」を定めており、社外取締役であるジョセフ・M・ネイラー、鈴木みゆき、ジョン・リットンハウス、リム・フィーホア、デビッド・クレイン、国谷史朗を独立社外取締役に、社外監査役である大石英生を独立社外監査役に指定している。そのほか、事業環境に迅速かつ適切に対応すること及びその判断の客観性と健全性を確保するため、取締役会全体として、知識、経験その他様々な要素における多様性を確保するよう努めている。
(3) 【監査の状況】
①監査役監査の状況
監査役は、取締役並びに内部監査部門及び業務執行部門と意思疎通を図り、取締役会等の重要な会議への出席、取締役からの職務執行状況の聴取、業務及び財産の状況の調査、並びに会社の業務の適正を確保するための体制の整備に関する取締役会決議の内容及び当該決議に基づき整備されている体制(内部統制システム)の状況の監視・検証等を通じて、取締役の職務執行全般について監査している。また、子会社については、子会社の取締役及び監査役等と意思疎通及び情報の交換を図り、必要に応じて子会社から事業の報告を受けている。なお、監査役には、財務及び会計に関する相当程度の知見を有する者が含まれるとともに、監査役業務室の職員が監査役を補佐している。
当社は監査役会等を設置しておらず、当事業年度において開催された取締役会への各監査役の出席状況は以下のとおりである。
近藤通隆は2024年6月開催の定時株主総会の終結の時をもって退任したため、退任までの取締役会への出席状況を記載している。
小野寺正洋は2024年6月開催の定時株主総会において選任され、就任したため、就任後の取締役会への出席状況を記載している。
監査役における主な検討事項は、監査の方針及び監査実施計画、内部統制システムの整備・運用状況、会計監査人の監査の方法及び結果の相当性並びに監査役監査の結果の総括等である。
②内部監査の状況等
イ. 内部監査の組織、人員及び手続
当社の内部監査は、業務執行部門から独立した内部監査部(人員22名)が中心となり、定期的に経営諸活動の遂行状況を監査するとともに、必要に応じて特定のテーマについて監査している。
ロ. 内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びにこれらの監査と内部統制部門との関係性
監査役、内部監査部門及び会計監査人はそれぞれの担当分野において厳正な監査を行うことはもとより、監査計画や監査結果に関する意見交換を定期的に実施すること等により相互連携を図っており、業務執行部門は監査結果に基づき所要の是正措置を講じている。
ハ. 内部監査の実効性を確保するための取組
監査結果は代表取締役社長CEO兼COOに報告するとともに、主要な内部監査結果は取締役会、監査役等に報告している。
③会計監査の状況
イ. 監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
ロ. 継続監査期間
2016年3月期以降の10年間
ハ. 業務を執行した公認会計士
関口 茂
前川 和之
前田 康雄
ニ. 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士13名、会計士試験合格者等8名、その他31名である。
ホ. 監査法人の選定方針と理由
会計監査人の規模、体制、独立性及び業務執行状況等を総合的に勘案し選定している。会計監査人が会社法第340条第1項各号に該当すると判断した場合には、監査役が監査役全員の同意に基づき会計監査人を解任する方針である。また、会計監査人の職務遂行状況等を勘案し、会計監査人が継続してその職責を全うする上で重要な疑義を抱く事象があったと判断した場合には、会計監査人の解任又は不再任を株主総会の議案とする方針である。
ヘ. 監査役による監査法人の評価
監査役は、経営執行部門からの会計監査人についての報告を受けるほか、会計監査人とのコミュニケーションや監査現場の立会い等を行い、会計監査人が監査品質を維持し、適切に監査しているか評価を行っている。その結果、監査役は、会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人が、監査品質を維持し、適切に監査していると評価している。
また、監査役は、会計監査人との意見交換等を通じて、独立性と専門性の有無について確認を行っている。その結果、監査役は、会計監査人であるEY新日本有限責任監査法人が、独立性・専門性ともに問題はないことを確認している。
④監査報酬の内容等
イ. 監査公認会計士等に対する報酬
前連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、会計基準に係る助言業務等である。
当連結会計年度
当社及び当社の連結子会社における非監査業務の内容は、会計基準に係る助言業務等である。
ロ. 監査公認会計士等と同一のネットワーク(EYメンバーファーム)に対する報酬(イを除く)
前連結会計年度
当社及び当社の連結子会社の一部における非監査業務の内容は、アドバイザリー業務委託等である
当連結会計年度
当社及び当社の連結子会社の一部における非監査業務の内容は、アドバイザリー業務委託等である。
ハ. その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前連結会計年度
該当事項なし
当連結会計年度
該当事項なし
ニ. 監査報酬の決定方針
当社は、監査報酬の決定に関する方針を定めていないが、監査時間数等を勘案した上で決定している。
ホ. 監査役が会計監査人の報酬等に同意した理由
会計監査人の監査計画の内容、報酬の算定根拠等を確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等に同意している。
(4) 【役員の報酬等】
当社は、非上場会社であるため、記載すべき事項はない。
なお、役員報酬の内容については、「(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりである。
(5) 【株式の保有状況】
当社は、非上場会社であるため、記載すべき事項はない。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第312条の規定により、国際財務報告基準(以下、IFRS)に準拠して作成している。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号)及び「電気事業会計規則」(1965年通商産業省令第57号)に準拠して作成している。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けている。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っている。具体的には、会計基準等の内容及びその変更等を適切に把握し、的確に対応できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同法人の行う講習会等に参加している。
4.IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握及び影響の分析を行っている。また、IFRSに準拠したグループ会計方針を作成し、これに基づいて会計処理を行っている。更に、公益財団法人財務会計基準機構や監査法人等の行う講習会等への参加により、社内における専門知識の蓄積に努めている。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書】
③ 【連結包括利益計算書】
④ 【連結持分変動計算書】
⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社JERA(以下「当社」という。)は日本に所在する株式会社である。その登記されている本社及び主要な事業所の住所は当社のウェブサイト(https://www.jera.co.jp/)で開示している。当社の連結財務諸表は、2025年3月31日を期末日とし、当社及びその子会社(以下「当社グループ」という。)、並びに当社の関連会社、ジョイント・オペレーション(共同支配事業)及びジョイント・ベンチャー(共同支配企業)に対する持分により構成されている。
当社グループの事業内容は、国内火力・ガス事業、燃料事業、海外・再エネ発電事業である。各事業の内容については注記「6.セグメント情報」に記載している。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、IFRSに準拠して作成している。
本連結財務諸表は、2025年6月26日に代表取締役社長CEO兼COO奥田久栄によって承認されている。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」に記載のとおり、公正価値で測定されている特定の金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成している。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を切り捨て表示している。
(4) 組替
連結財務諸表及び連結財務諸表に対する注記の表示方法を変更した場合には、比較情報を組替表示している。
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業である。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対する変動エクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断している。
ただし、当社グループが議決権の過半数を所有していない場合でも、意思決定機関を実質的に支配していると判断した場合は、当該会社を連結子会社としている。
また、当社グループが議決権の過半数を所有している場合でも、残りの議決権を保有する株主が当該会社の通常の事業活動における意思決定に対して重要な参加権を持つ場合においては、当社グループが支配を有しないため、持分法を適用している。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めている。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えている。当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去している。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させている。
子会社に対する所有持分の変動のうち、子会社に対する支配の喪失とならないものについては、資本取引として会計処理している。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されている。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識している。
② 関連会社及び共同支配の取決め
関連会社とは、当社グループが当該企業に対し、財務及び営業の方針に重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配をしていない企業をいう。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定される。
関連会社については、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって会計処理している。関連会社に対する投資には、取得に際して認識されたのれん(減損損失累計額控除後)が含まれている。
関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社の財務諸表に調整を加えている。
共同支配とは、アレンジメント(取決め)に対する契約上合意された支配の共有であり、取決めのリターンに重要な影響を及ぼす活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合のみ存在する。
当社グループは、第三者と共同で事業を営む場合やジョイント・ベンチャーの契約に基づき第三者と共同で事業体を有する場合に、共同支配契約を締結している。
共同支配契約はジョイント・オペレーションとジョイント・ベンチャーのいずれかに分類している。ここで、ジョイント・オペレーションとは、共同支配を有する当事者が、アレンジメントに関連する資産に対する権利、負債に関する義務を有する契約をいう。また、ジョイント・ベンチャーとは、共同支配を有する当事者が、アレンジメントの純資産に対する権利を有する契約をいう。
ジョイント・オペレーションに該当する場合には、アレンジメントに関するそれぞれの資産及び負債、またそれに関連する収益及び費用について持分相当額を認識している。一方、ジョイント・ベンチャーに該当する場合には、アレンジメントに係る純資産を持分法により連結財務諸表に取り込んでいる。
③ 報告日
本連結財務諸表の作成に当たり、現地法制度上又は株主間協定で当社と異なる決算日が要請されていることにより決算日を統一することが実務上不可能であり、また、事業の特性やその他の実務上の要因によって当社の報告期間の末日をもって仮決算を行うことが実務上不可能な一部の連結子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーについては、12月31日の財務諸表を用いている。
これらの連結子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの決算日と連結決算日との間に生じた重要な取引については、本連結財務諸表に反映している。
(2) 企業結合
企業結合の会計処理は取得法によっており、取得の対価は、取得日の公正価値で測定された移転対価及び被取得企業に対する非支配持分の金額の合計額として測定される。当社グループは、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の公正価値に対する持分割合相当額のいずれかにより、被取得企業に対する非支配持分を測定する。また、発生した取得関連コストは、発生時に費用処理している。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引の換算
外貨建取引は、取引日における為替レート又はそれに近似するレートを用いて各社の機能通貨に換算している。報告期間の期末日における外貨建貨幣性項目は、報告期間の期末日の為替レートにて機能通貨に換算しており、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の測定日における為替レートにて機能通貨に換算している。この結果生じる為替換算差額は、純損益として認識している。ただし、非貨幣性項目の利得又は損失額をその他の包括利益として認識する場合は、当該為替部分はその他の包括利益として認識している。
② 在外営業活動体の換算
在外営業活動体の資産及び負債は、報告期間の期末日の為替レートで換算している。また、在外営業活動体の収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、平均為替レートで換算している。換算により生じる為替換算差額はその他の包括利益として認識し、累計額はその他の資本の構成要素に含めている。
在外営業活動体を処分する場合、当該在外営業活動体に関連する為替換算差額の累計額は、処分時に純損益として認識している。
(4) 金融商品
① デリバティブを除く金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、償却原価で測定する金融資産に分類している。この分類は、当初認識時に決定している。
当社グループでは、金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当該金融資産を認識している。
全ての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される区分に分類される場合を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で測定している。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権は、取引価格で測定している。
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類している。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類している。
公正価値で測定する金融資産のうち、個々の金融資産ごとに、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益で表示するという取消不能の選択を行った資本性金融資産については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類している。
償却原価で測定する金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類している。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定している。
(a) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定している。
(b) 公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動額は純損益として認識している。ただし、資本性金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識している。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期の純損益として認識している。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合にその累積額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えていない。
(ⅲ)認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんど全てを移転する場合において、金融資産の認識を中止している。当社グループが、移転した当該金融資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与を有している範囲において、資産と関連する負債を認識する。
② 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産及びリース債権については、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識している。
当社グループは、期末日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を貸倒引当金として認識している。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増加している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識している。
契約上の支払の期日経過が30日超である場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったものとしているが、信用リスクが著しく増加しているか否か評価を行う際には、期日経過情報の他、当社グループが合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報を考慮している。
なお、金融資産に係る信用リスクが期末日現在で低いと判断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと評価している。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無に関わらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識している。
予想信用損失は、契約に従って企業に支払われるべき全ての契約上のキャッシュ・フローと、企業が受け取ると見込んでいる全てのキャッシュ・フローとの差額の現在価値として測定している。
当社グループは、金融資産の予想信用損失を、以下のものを反映する方法で見積もっている。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
著しい景気変動等の影響を受ける場合には、上記により測定された予想信用損失に必要な調整を行うこととしている。
当社グループは、ある金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額している。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識している。貸倒引当金を減額する事象が生じた場合は、貸倒引当金戻入額を純損益で認識している。
③ デリバティブを除く金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債のいずれかに分類している。この分類は、当初認識時に決定している。
当社グループは、金融負債は、全て、当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識している。
全ての金融負債は公正価値で当初測定しているが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定している。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定している。
(a) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定している。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融損益の一部として当期の純損益として認識している。
(b) 公正価値により測定する金融負債
売買目的で保有する金融負債及び当初認識時に公正価値で測定すると指定した金融負債については、当初認識後の公正価値の変動額は純損益として認識している。
当該金融負債からの利息については、金融費用の一部として当期の純損益として認識している。
(ⅲ)認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止している。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスク、金利リスク、取引契約の商品相場変動リスクをそれぞれヘッジするために、為替予約、金利スワップ契約、商品デリバティブ契約等のデリバティブを利用している。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で再測定している。なお、当社グループの予想される購入、販売又は使用の必要に従った非金融商品項目を授受する目的で締結され、引き続きその目的で保有されているLNGの長期購入契約については、IFRS第9号「金融商品」の第2.4項のいわゆる「自己使用の例外」を適用し、未履行契約として公正価値による評価を行っていない。
当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ会計を適用しようとするヘッジ関係並びにヘッジを実施するに当たってのリスク管理目的及び戦略について、公式に指定及び文書化を行っている。当該文書は、具体的なヘッジ手段、ヘッジ対象となる項目又は取引並びにヘッジされるリスクの性質及びヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の有効性の評価方法等を含んでいる。具体的には、以下の項目を全て満たす場合に、ヘッジが有効と判断している。
・ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があること
・信用リスクの影響が、当該経済的関係から生じる価値変動に著しく優越するものではないこと
・ヘッジ関係のヘッジ比率が、実際にヘッジしているヘッジ対象の量とヘッジ対象の当該量を実際にヘッジするのに使用しているヘッジ手段の量から生じる比率と同じであること
当社グループは、ヘッジ関係が将来に向けて有効であるかどうかを継続的に評価している。ヘッジの非有効部分が生じる原因としては、ヘッジ手段の価値変動がヘッジ対象の価値変動を上回る又は下回る場合がある。
ヘッジ比率については、ヘッジ対象とヘッジ手段の経済的関係及びリスク管理戦略に照らして適切に設定している。
ヘッジ関係について有効性が認められなくなったものの、リスク管理目的に変更がない場合は、ヘッジ関係が再び有効となるようヘッジ比率を再調整している。
また、ヘッジ関係についてリスク管理目的が変更された場合は、ヘッジ会計の適用を中止している。
デリバティブについては、以下のように分類し、会計処理している。
(ⅰ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分は連結包括利益計算書においてその他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに連結損益計算書において純損益として認識している。
その他の包括利益に認識されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えている。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理している。
予定取引又は確定約定の発生がもはや見込まれない場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を純損益に振り替えている。ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生がまだ見込まれる場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識されていた金額は、当該将来キャッシュ・フローが発生するまで引き続き資本に認識している。
(ⅱ)在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資から発生する換算差額については、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様の方法で会計処理している。ヘッジ手段に係る利得及び損失のうち、有効部分は連結包括利益計算書においてその他の包括利益で認識し、非有効部分は連結損益計算書において純損益として認識している。在外営業活動体の処分時には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた利得又は損失の累計額を純損益に振り替えている。
(ⅲ)ヘッジ指定されていないデリバティブ
ヘッジ指定されていないデリバティブの公正価値の変動は、純損益として認識している。
また、現金又は他の金融商品での純額決済又は金融商品との交換により決済できる非金融商品項目の売買契約をデリバティブとして認識し、その公正価値の変動を純損益として認識している。
⑤ 金融商品の相殺
当社グループは、金融資産と金融負債について、認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合に、金融資産と金融負債とを相殺し、純額を連結財政状態計算書に表示している。
(5) 非支配持分に係る売建プット・オプション
非支配持分に付与している子会社持分の売建プット・オプションは、その行使価格の現在価値を金融負債として認識するとともに、非支配持分の認識を中止し、その差額を資本剰余金として認識している。
(6) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されている。
(7) 棚卸資産
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定している。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額である。原価は、主として個別法及び総平均法に基づいて算定しており、購入原価、加工費及び現在の場所及び状態に至るまでに要した全ての費用を含んでいる。
トレーディング目的で保有する棚卸資産については、販売費用控除後の公正価値で測定し、公正価値の変動額は発生した期の純損益として認識している。
(8) 売却目的で保有する非流動資産
非流動資産(又は処分グループ)の帳簿価額が、継続的使用ではなく主に売却取引により回収される場合には、当該非流動資産(又は処分グループ)を売却目的保有に分類している。売却目的保有へ分類するためには、売却の可能性が非常に高く、現状で直ちに売却が可能なことを条件としており、当社グループの経営者が当該資産の売却計画の実行を確約し、1年以内で売却が完了する予定である場合に限られる。
売却目的保有に分類された非流動資産(又は処分グループ)は、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、売却目的保有に分類された後は減価償却又は償却を行っていない。
(9) 有形固定資産(使用権資産を除く)
当社グループは、有形固定資産の認識後の測定において原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上している。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産については、主として定額法で減価償却を行っている。なお、燃料上流事業を営む在外子会社については主として生産高比例法で減価償却を行っている。
主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、以下のとおりである。
・建物及び構築物 3年から41年
・機械装置 2年から25年
有形固定資産の見積耐用年数、減価償却方法及び残存価額は、各連結会計年度末において見直しを行っている。
(10) のれん及び無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定している。企業結合で取得した無形資産は、取得日現在における公正価値で測定している。当社グループは、無形資産の認識後の測定において原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上している。
耐用年数を確定できる無形資産は、見積耐用年数にわたって定額法で償却している。
主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、以下のとおりである。
・ソフトウェア 2年から5年
・鉱業権 35年から40年
無形資産の見積耐用年数及び償却方法は、各連結会計年度末において見直しを行っている。
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については毎期、又は減損の兆候がある場合には都度、減損テストを実施している。
(11) リース
(借手)
当社グループは、契約の締結時に契約がリースであるか又はリースを含んでいるかを判定している。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定している。
契約がリースであるか又はリースを含んでいると判定した場合、リース開始日に使用権資産及びリース負債を認識している。リース負債は未払リース料総額の現在価値で測定し、使用権資産は、リース負債の当初測定の金額に、開始日以前に支払ったリース料等、借手に発生した当初直接コスト及びリースの契約条件で要求されている原状回復義務等のコストを調整した取得原価で測定している。
当初認識後は、使用権資産は耐用年数とリース期間のいずれか短い期間にわたって、定額法で減価償却を行っている。
リース料は実効金利法に基づき金融費用とリース負債の返済額に配分し、金融費用は連結損益計算書において認識している。
ただし、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料をリース期間にわたって、定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識している。
(貸手)
当社グループは、リースをオペレーティング・リース又はファイナンス・リースのいずれかに分類している。原資産の所有に伴うリスクと経済的価値のほとんど全てを移転する場合には、ファイナンス・リースに分類し、原資産の所有に伴うリスクと経済的価値のほとんど全て移転するものではない場合には、オペレーティング・リースに分類している。
ファイナンス・リース取引においては、リース開始日に、ファイナンス・リースに基づいて保有している資産を連結財政状態計算書に表示し、それらを正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として表示している。
オペレーティング・リース取引においては、対象となる資産を連結財政状態計算書に表示し、受取リース料は連結損益計算書においてリース期間にわたって定額法により収益として認識している。
当社グループが中間の貸手であるサブリースを分類する際には、ヘッドリースが短期リースである場合には、オペレーティング・リースに分類し、それ以外の場合には、サブリースは、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類している。
(12) 借入コスト
意図した使用又は販売が可能になるまでに相当の期間を必要とする資産(適格資産)の取得、建設又は製造に直接起因して発生する借入コストは、その資産について実質的に意図した使用ができるまでは、当該資産の取得原価に含めている。
その他の全ての借入コストは、発生した期間に純損益として認識している。
(13) 非金融資産の減損
有形固定資産、無形資産及び使用権資産について、各報告期間の期末日現在で減損している可能性を示す兆候がある場合、資金生成単位で回収可能価額を処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額で評価し、資産の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合、回収可能価額まで減損している。
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については毎期、更に減損の兆候がある場合には都度、減損テストを実施している。
過年度にのれん以外の資産について認識した減損損失については、報告期間の期末日において、認識した減損損失がもはや存在しない、又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定している。このような兆候が存在する場合には、回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が資産又はその資産の属する資金生成単位の帳簿価額を上回る場合には、減損損失を認識しなかった場合の減価償却又は償却控除後の帳簿価額を上限として、帳簿価額を回収可能価額まで増額し、減損損失の戻入れを認識している。のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れていない。
(14) 従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を運営している。
(ⅰ)確定給付制度
当社グループは、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて算定している。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定している。
確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定している。
確定給付制度の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えている。
過去勤務費用は、発生した期の純損益として処理している。
(ⅱ)確定拠出制度
確定拠出型の退職給付に係る費用は、拠出した時点で費用として認識している。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識している。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的若しくは推定的な債務を負っており、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識している。
(15) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に認識している。
貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合、当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いて割引いた金額で引当金を測定している。
報告期間の末日現在において発生可能性のある債務を有しているが、それが報告期間の末日現在の債務であるか否か確認ができないもの、又は引当金の認識基準を満たさないものについては、偶発負債として、注記「38.偶発負債」に記載している。
(16) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、補助金が受領されることについて合理的な保証が得られた時に認識している。
発生した費用に対する補助金は、費用の発生と同じ連結会計年度に収益として計上している。資産の取得に対する補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除している。
(17) 資本
資本金及び資本剰余金
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用は関連する税効果を控除後に資本剰余金から控除している。
(18) 収益
当社グループは、IFRS第16号「リース」に基づくリース収益、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息、配当収益及びデリバティブ取引等に係る損益等を除き、次の5つのステップを適用することにより収益を認識している。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務が充足された時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
当社グループの収益は、主に、国内火力・ガス事業及び海外・再エネ発電事業における電気の供給による収益、燃料事業における燃料の販売による収益である。
顧客に対して供給する電気の料金やその他の条件については、各相手先との契約に定めており、当該契約に基づいて顧客に電気を供給する履行義務を負っている。電気の供給は、主として契約期間にわたり行うものであり、電気の供給という履行義務の充足に従い、一定の期間にわたり収益を認識している。
顧客に対して販売する燃料の販売価格やその他の条件については、各相手先との契約に定めている。当該契約に基づいて顧客に燃料を販売する履行義務を負っており、主に商品が顧客によって指定された目的地に着荷し引き渡した時点で顧客に支配が移転したと判断し収益を認識している。
主な履行義務である電気の供給及び燃料の販売については、顧客との契約に基づき通常1ヶ月程度で債権を回収している。また、主要な顧客との契約における対価は燃料にかかる市況の変動等が反映され、その対価に基づき、履行義務の充足時に収益を認識している。
顧客との契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産として認識し、その後関連する財やサービスの顧客への移転に合わせて規則的に償却している。当社グループは、主に系統連系設備の工事費負担金に係る費用を契約履行コストとして資産計上しており、当該コストに直接関連する財又はサービスが提供されると予想される期間にわたって、定額法により償却している。
(19) 法人所得税
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されている。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識する項目から生じる場合、及び企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識している。
当期税金は、税務当局から還付若しくは税務当局に対する納付が予想される金額で測定され、税額の算定に使用する税率又は税法は、報告期間の期末日までに制定若しくは実質的に制定されているものである。
繰延税金は、資産及び負債の帳簿価額と税務基準額との差異である一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識しており、一時差異等が解消されると見込まれる連結会計年度に適用される税率又は税法によって測定している。なお、当社グループは、IAS第12号で定められる例外措置を適用し、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する繰延税金資産及び負債について認識及び開示を行っていない。
繰延税金負債は、以下を除く将来加算一時差異に対して認識している。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に関連する将来加算一時差異について、一時差異の解消時期をコントロールすることが可能であり、かつ当該一時差異が予測可能な将来に解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産は、企業結合でなく、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響を与えず、かつ取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合を除き、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で、将来減算一時差異、繰越欠損金及び未使用の税額控除について認識している。
子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に関連する将来減算一時差異については、一時差異が予測可能な将来に解消する可能性が高く、かつ当該一時差異が使用できる課税所得の生じる可能性が高い場合のみ、繰延税金資産を認識している。
繰延税金資産と繰延税金負債は、未収法人所得税と未払法人所得税を相殺する法律上強制力のある権利を有する場合、かつ以下のいずれかの要件を満たす場合のみ相殺している。
・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、同一の納税主体に対して課された法人所得税に関するものである場合
・繰延税金資産と繰延税金負債とが、同一の税務当局によって、別々の納税主体に対して課された法人所得税に関するものであり、その納税主体が未収法人所得税と未払法人所得税を純額により決済すること、又は資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合
4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を用いている。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合がある。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直され、会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の期間において認識される。
翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある、仮定及び見積りの不確実性に関する情報は以下のとおりである。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異のうち回収可能と判断した部分について繰延税金資産を計上している。繰延税金資産は、将来の課税所得の見積りに基づいて回収可能性を判断している。当該課税所得の見積りは、経営者が作成した経営計画を基礎として行われ、主要な仮定として販売電力量や燃料価格の見通しが含まれる。主要な仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の回収可能性に影響を与える可能性がある。
法人所得税に関連する内容及び金額については注記「19.法人所得税」に記載している。
(Parkwind NVに係るのれんの評価)
企業結合により取得したのれんは、資金生成単位グループごとに帳簿価額と回収可能価額を比較し、減損テストを実施している。
回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値に基づき算定している。処分コスト控除後の公正価値の算定はインカム・アプローチを使用し、経営者によって承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの現在価値から処分コストを控除して算定しており、主要な仮定として、対象となる洋上風力案件に関する風況、建設工事費、運転期間、割引率を用いている。これらは過去の経験及び外部からの情報に基づいている。
当連結会計年度における減損テストの結果、資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を上回ったことから、減損損失は計上していない。なお、減損テストに用いた主要な仮定が変化した場合、翌連結会計年度以降、減損損失が生じる可能性がある。
当社グループの会計方針を適用する過程で行った判断のうち、連結財務諸表に認識される金額に重要な影響を与えるものは以下のとおりである。
(非金融商品項目の売買契約にかかる会計処理)
当社は発電燃料であるLNGの多くを長期契約により調達している。また、当社グループはJERA Global Markets Pte. Ltd.を通じてLNGの短期売買を含む燃料の最適化を行っている。このような状況において、当社グループの行う個々のLNGの売買契約について、IFRS第9号「金融商品」の適用対象に該当するか分析している。当該分析に基づき、現金又は他の金融商品での純額決済又は金融商品との交換により決済できる非金融商品項目の売買契約をデリバティブとして認識し、その公正価値の変動を純損益として認識している。なお、当社グループの予想される購入、販売又は使用の必要に従った非金融商品項目を授受する目的で締結され、引き続きその目的で保有されているLNGの長期購入契約については、IFRS第9号「金融商品」の第2.4項のいわゆる「自己使用の例外」を適用し、未履行契約として公正価値による評価を行っていない。
5.未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当連結会計年度において当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりである。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中である。
6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営会議が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっている。
当社グループは、市場、製品及びサービスの性質並びに経済的特徴の類似性に基づいて、複数の事業セグメントを集約しており、以下の3区分としている。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「3.重要性がある会計方針」における記載と同一である。
セグメント利益は、連結損益計算書の親会社の所有者に帰属する当期利益と調整を行っている。
セグメント間の売上収益は、市場実勢価格や原価をベースに設定された社内取引価格等に基づいて算定している。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.その他の収益には、IFRS第16号「リース」に基づくリース収益、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息、配当収益及びデリバティブ取引に係る損益等が含まれている。燃料事業の売上収益407,498百万円には、シンガポール等で燃料トレーディング事業を営む子会社において、仕入・売上双方に現物取引・ファイナンシャル取引といった取引契約を活用し、その未実現の評価損益を売上に計上している金額、及び、実現取引を純額で売上計上した金額が含まれている。この金額からセグメント間の内部売上収益を控除したことにより、その他の収益は△756,797百万円、外部顧客への売上収益は△737,898百万円となる。
なお、後述の「(3) 製品及びサービスの区分ごとの外部顧客からの売上収益」及び「(4) 外部顧客からの売上収益の地域別情報」についても同様に、売上収益がマイナスで計上されている。
この他に、国内火力・ガス事業のその他の収益には、経済産業省による戦略的余剰LNG(SBL)の認定供給確保事業による補助金が含まれている。
2.報告セグメントの利益(△は損失)の金額の合計額と連結財務諸表計上額との差額は、セグメント間取引の消去及び未実現利益の控除によるものである。
3.セグメント資産の調整額は、セグメント間取引の消去及び未実現利益の控除によるものである。
4.セグメント負債の調整額は、セグメント間取引の消去によるものである。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.その他の収益には、IFRS第16号「リース」に基づくリース収益、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息、配当収益及びデリバティブ取引に係る損益等が含まれている。燃料事業の売上収益406,243百万円には、シンガポール等で燃料トレーディング事業を営む子会社において、仕入・売上双方に現物取引・ファイナンシャル取引といった取引契約を活用し、その未実現の評価損益を売上に計上している金額、及び、実現取引を純額で売上計上した金額が含まれている。この金額からセグメント間の内部売上収益を控除したことにより、その他の収益は△950,177百万円、外部顧客への売上収益は△939,185百万円となる。
なお、後述の「(3) 製品及びサービスの区分ごとの外部顧客からの売上収益」及び「(4) 外部顧客からの売上収益の地域別情報」についても同様に、売上収益がマイナスで計上されている。
この他に、国内火力・ガス事業のその他の収益には、経済産業省による戦略的余剰LNG(SBL)の認定供給確保事業による補助金が含まれている。
2.報告セグメントの利益(△は損失)の金額の合計額と連結財務諸表計上額との差額は、セグメント間取引の消去及び未実現利益の控除によるものである。
3.セグメント資産の調整額は、セグメント間取引の消去及び未実現利益の控除によるものである。
4.セグメント負債の調整額は、セグメント間取引の消去によるものである。
(3) 製品及びサービスの区分ごとの外部顧客からの売上収益
(4) 外部顧客からの売上収益の地域別情報
(注) 売上収益は販売元が所在している国ごとに分類している。
(5) 非流動資産(金融資産、繰延税金資産、退職給付に係る資産を除く)の地域別情報
(注) 非流動資産は当社グループ各社の所在地を基礎として分類している。
(6) 主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先は以下のとおりである。
なお、共通支配下にあることを当社が把握している企業グループは、単一の顧客とみなしている。
(単位:百万円)
7.企業結合
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称 Parkwind NV(以下、「Parkwind社」)
事業の内容 洋上風力発電事業
② 企業結合を行った主な理由
Parkwind社は、欧州の洋上風力発電事業において、10年以上の開発・建設・運転にかかる実績を有するベルギーの大手洋上風力発電事業者であり、同国で4つの洋上風力発電プロジェクト(総発電容量77.1万kW、同社持分容量42万kW)を運営するとともに、ドイツにおいて建設中の洋上風力発電プロジェクト(発電容量25.7万kW、同社持分容量18万kW)を手掛けている。更に、欧州を中心とした開発中の洋上風力発電プロジェクト(同社持分容量約450万kW)を保有している。
この買収により、Parkwind社が有する欧州での洋上風力発電事業のノウハウや知見を、当社グループが既に参画している事業やアジアを中心とした今後の事業開発機会に活用することができる。
これを通じ、Parkwind社の更なる企業価値向上と、当社グループのグローバルな再生可能エネルギー事業展開の加速を実現していく。更に将来的には、再生可能エネルギー由来の低炭素燃料(グリーン水素・アンモニア等)の調達・製造にも寄与するものと考えている。
当社グループは、2035年に向けたビジョンとして「再生可能エネルギーと低炭素火力を組み合わせたクリーンエネルギー供給基盤を提供することにより、アジアを中心とした世界の健全な成長と発展に貢献する」ことを掲げている。このたびの買収を通じ、クリーンエネルギー供給基盤の構築に向けた動きを加速していく。
③ 企業結合日
2023年7月26日
④ 企業結合の法的形式
現金を対価とする株式取得
⑤ 結合後の企業の名称
変更なし。
⑥ 取得した議決権比率
100.00%
⑦ 取得企業を決定するに至った主な根拠
当社子会社が現金を対価として株式を取得したことによる。
(2) 取得関連費用
企業結合に係る取得関連費用として、1,740百万円が連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されている。
(3) 取得日現在における支払対価、取得資産及び引受負債の公正価値及びのれん(注1)
(注1)前連結会計年度末において取得原価の配分が完了し、のれんの金額は確定している。
(注2)支払対価は全て現金により決済されており、条件付対価はない。
(注3)非支配持分の金額は取得日における被取得企業の識別可能な純資産の公正価値に対する非支配持分割合で測定している。
(注4)取得したのれんは、今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力に関連して発生し、認識されたのれんのうち、税務上損金算入が見込まれるものはない。
(4) 子会社の取得による支出
(5) 企業結合に係る取得日以降の損益情報
企業結合日以降に被取得企業から生じた売上収益及び当期利益は、重要性が乏しいため記載を省略している。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
重要な企業結合はない。
8.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、償却原価で測定する金融資産に分類している。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財政状態計算書における「現金及び現金同等物」の残高と連結キャッシュ・フロー計算書における「現金及び現金同等物」の残高は一致している。
9.営業債権及びその他の債権
各年度の営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりである。
(注)1.営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類している。
10.棚卸資産
各年度の棚卸資産の内訳は、以下のとおりである。
(注)前連結会計年度及び当連結会計年度において、費用として認識された棚卸資産の取得価額は主に「売上原価」に含まれている。
担保に差し入れている棚卸資産については、「21. 社債及び借入金」に記載のとおりである。
売却費用控除後の公正価値で計上した棚卸資産の帳簿価額は、注記「35.公正価値測定」に記載のとおりである。
11.その他の金融資産
(1) 各年度のその他の金融資産の内訳は、以下のとおりである。
(2) 各年度のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の主な銘柄及び公正価値等は以下のとおりである。
上記のうち、市場性のある銘柄の公正価値は以下のとおりである。
市場性のない銘柄は、主に海外・再エネ発電事業セグメントに含まれる投資により構成されている。当該投資の前連結会計年度及び当連結会計年度における公正価値の合計額はそれぞれ、54,610百万円及び58,833百万円である。
株式は主に政策投資目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に指定している。
保有資産の効率化及び有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の売却(認識の中止)を行っている。
各年度における売却時の公正価値及び資本でその他の資本の構成要素として認識されていた累積損益(税引前)は、以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)資本でその他の資本の構成要素として認識されていた累積損益は、売却(認識の中止)時に利益剰余金に振り替えている。当該振替額(税引後)は、当連結会計年度において△688百万円である。
12.その他の資産及び負債
各年度のその他の流動資産、その他の非流動資産、その他の流動負債及びその他の非流動負債の内訳は、以下のとおりである。
(1) その他の流動資産及びその他の非流動資産
(2) その他の流動負債及びその他の非流動負債
13.有形固定資産
(1) 増減表
各年度における有形固定資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
各年度における有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額は、以下のとおりである。
(注)1.減価償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上している。
2.減損損失の内容については、注記「16.非金融資産の減損」に記載のとおりである。
(2) 借入コスト
適格資産の取得原価の構成要素として資産計上した借入コストは、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ16,940百万円、14,924百万円である。
有形固定資産の取得に個別に紐づく借入コストは全額資産化している。一般目的借入から生じる借入コストに関して使用した資産化率は前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ0.87%、1.19%である。
14.のれん及び無形資産
(1) 増減表
各年度におけるのれん及び無形資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
各年度における無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額は、以下のとおりである。
(注)1.償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上している。
所有権に対する制限及び負債の担保として抵当権が設定された無形資産については、注記「21.社債及び借入金」に記載のとおりである。
企業結合により取得した無形資産は、主に売電契約によるものである。
企業結合により取得したのれんは、資金生成単位グループごとに帳簿価額と回収可能価額を比較し、減損テストを実施している。
連結財政状態計算書に計上されている重要なのれんは、2024年3月期のParkwind社買収による連結子会社化等に伴うのれん130,457百万円であり、海外・再エネ発電事業に帰属する。なお、当該のれんの資金生成単位グループは、Parkwind社傘下の連結子会社等が保有する個々の洋上風力案件で構成されている。回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値に基づき算定している。処分コスト控除後の公正価値の算定はインカム・アプローチを使用し、経営者によって承認された事業計画を基礎とした14年~45年間の将来予測による将来キャッシュ・フローの現在価値から処分コストを控除して算定しており、主要な仮定として、対象となる洋上風力案件に関する風況、建設工事費、運転期間及び割引率を用いている。これらは過去の経験及び外部からの情報に基づいている。また、公正価値に基づいて回収可能価額を算定していることから、事業計画の策定に当たっては、市場参加者の合理的な予想や仮定を織り込んでいる。
この評価技法は観察可能な市場データではないインプットを使用しているため、この処分費用控除後の公正価値は公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類される。
のれんの減損テストには、資金生成単位ごとに設定した加重平均資本コスト等を基礎とした割引率を用いており、減損テストに使用した税引前の割引率は8.4%~12.3%である。
当連結会計年度における減損テストの結果、資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を上回ったことから、減損損失は計上していない。なお、減損テストに用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断している。
(2) 重要な無形資産
無形資産のうち、当連結会計年度において重要なものは、豪州LNGプロジェクトにおけるガス田の権益の取得により認識された鉱業権であり、帳簿価額は169,945百万円、平均残存償却期間は37.5年(償却開始していないものを除く)である。
(3) 研究開発費
前連結会計年度及び当連結会計年度における「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に認識された研究開発費は、それぞれ1,347百万円、7,910百万円である。
15.リース取引
(借手のリース取引)
当社グループは、借手として、主として建物及び構築物、機械装置、船舶を賃借している。なお、重要な購入選択権、エスカレーション条項及びリース契約によって課された制限(配当、追加借入及び追加リースに関する制限等)はない。
当社グループの船舶リースの一部は、主に航海数や輸送量に連動する変動支払い条件を含んでおり、変動支払条件は、固定費を最小化するために利用され、変動支払条件を含んでいるリース契約について固定支払リース料はない。
当社グループのリースの一部には、契約条件に延長オプションが含まれているが、多くの場合、行使が合理的に確実ではないためリース負債の測定には含めていない。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、残価保証を含むリース契約はない。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当社グループが貸主と契約しているが利用を開始していないリース契約に係る将来キャッシュ・アウトフローは、それぞれ21,713百万円及び20,240百万円である。
(1) 借手のリース費用に関する開示
各年度の借手のリースに関連する損益の内訳は、以下のとおりである。
(2) 使用権資産の帳簿価額の内訳
各年度の使用権資産の帳簿価額の内訳は以下のとおりである。
(3) 使用権資産の増加額
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額は、それぞれ187,390百万円及び96,966百万円である。
(4) リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、それぞれ122,288百万円及び154,529百万円である。
(5) リース負債
(注)リース負債の満期分析については、注記「34.金融商品 (4) 流動性リスク」に記載している。
(貸手のリース取引)
(1) ファイナンス・リース
当社グループは、ファイナンス・リースの貸手として、船舶等を賃貸しており、各年度のリース収益は以下のとおりである。
各年度のファイナンス・リース契約に基づくリース料債権(割引前)の満期分析は以下のとおりである。
(2) オペレーティング・リース
当社グループは、オペレーティング・リースの貸手として、建物等を賃貸しており、各年度の収益は以下のとおりである。
16.非金融資産の減損
(1) 資金生成単位
当社グループは、原則として独立したキャッシュ・インフローの生成単位ごとに資産のグルーピングを行っている(国内発電事業については相互補完性を考慮したキャッシュ・インフローの生成単位別)。
また、遊休資産や廃止等の処分が決定している資産のうち重要なものについては、それぞれ独立した資産グループとしている。
(2) 減損損失
各年度における減損損失は、以下のとおりであり、連結損益計算書の「その他の費用」に含めて表示している。
国内発電事業に関連する有形固定資産及び無形資産の減損
① 減損損失の金額
国内発電事業において、当社が保有している火力発電所の有形固定資産等について、設備の長期計画停止を計画する等、投資の回収が困難と判断された資産又は資産グループに関して、前連結会計年度において減損損失81百万円、当連結会計年度において294百万円を認識している。
② 回収可能価額の算定方法
減損損失を計上する際の回収可能価額は処分費用控除後の公正価値により算定されている。当該公正価値測定のヒエラルキーはレベル3に分類している。
公正価値は、他への転用や売却が困難なため零円としている。
国内発電事業に係る非金融資産の減損処理額
(注)減損損失の資産の種類については注記「13.有形固定資産」に記載のとおりである。
17.子会社
当連結会計年度末の主要な子会社の状況は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりである。
なお、一部の子会社において、プロジェクト・ファイナンスによる資金調達が行われており、預金について使用制限が付されている。
また、報告期間中に子会社の非支配持分に配分された純損益は、前連結会計年度は61,673百万円、当連結会計年度は28,222百万円であり、大半は子会社のJERA Global Markets Pte. Ltd.に帰属するものである。
18.持分法で会計処理されている投資
(1) 重要性のある関連会社
各年度の当社グループにとって重要性のある関連会社は以下のとおりである。
(単位:%)
(注)上記の表の重要性のある関連会社の決算日は12月31日であるが、連結決算日との間に生じた重要な取引については、本連結財務諸表に反映している。
Freeport LNG Development, L.P.社のIFRS要約連結財務情報及び当該関連会社に対する持分の帳簿価額との調整は、以下のとおりである。
Aboitiz Power Corporation社のIFRS要約連結財務情報及び当該関連会社に対する持分の帳簿価額との調整及び公正価値は、以下のとおりである。
(2) 重要性のあるジョイント・ベンチャー
該当事項なし。
(3) 重要性のない関連会社及びジョイント・ベンチャー
各年度の重要性のない関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額は、以下のとおりである。
なお、一部のジョイント・ベンチャーにおいて、プロジェクト・ファイナンス又は金融機関との契約により、預金についての使用制限が付されている。
重要性のない関連会社及びジョイント・ベンチャーの財務情報は、以下のとおりである。なお、これらの金額は、当社グループの持分に相当する金額である。
(単位:百万円)
ジョイント・ベンチャーを通じて保有している主に海外・再エネ発電セグメントに属する株式について、事業環境の変化に伴い収益性が悪化したことにより前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ12,395百万円、13,624百万円の減損損失を、前連結会計年度において19,668百万円の減損損失の戻入れを「持分法による投資損益」として計上している。
19.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
各年度の繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別内訳は、以下のとおりである。
各年度の繰延税金資産又は繰延税金負債の純額の変動の内容は、以下のとおりである。
繰延税金資産の認識に当たり、将来減算一時差異又は税務上の繰越欠損金の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮している。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮している。認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、回収される可能性が高いと考えている。
各年度における連結財政状態計算書上で繰延税金資産が認識されていない、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金の内訳は、以下のとおりである。
各年度における連結財政状態計算書上で繰延税金資産が認識されていない、税務上の繰越欠損金の失効期限別内訳は、以下のとおりである。
前連結会計年度及び当連結会計年度の繰延税金資産のうち、前連結会計年度又は当連結会計年度に損失が生じており、繰延税金資産の回収可能性が将来の課税所得の有無に依存している納税主体に帰属しているものは、それぞれ201,628百万円及び145,797百万円である。
(2) 法人所得税費用
各年度の法人所得税費用の内訳は、以下のとおりである。
(3) 実効税率の調整
各年度の法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異について、原因となった主な項目の内訳は、以下のとおりである。
当社及び国内子会社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算する適用税率は前連結会計年度、当連結会計年度において27.9%となっている。
なお、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されている。
20.営業債務及びその他の債務
各年度の営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりである。
(注)営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類している。
21.社債及び借入金
(1) 各年度の社債及び借入金の内訳は、以下のとおりである。
(注) 1.平均利率については、期末残高に対する約定利率の加重平均を記載している。
2.社債及び借入金は償却原価で測定する金融負債に分類している。
3.一部の借入金について、財務制限条項が付されている。当社は前連結会計年度及び当連結会計年度において、当該条項を遵守している。当該条項については、必要とされる水準を維持するようにモニタリングしている。
4.社債の発行条件の要約は、以下のとおりである。
※1 2027年12月25日までは固定利率、翌日以降は変動利率となり、2032年12月25日の翌日及び2047年12月25日の翌日は金利のステップアップが発生する。
※2 2029年12月25日までは固定利率、翌日以降は変動利率となり、2032年12月25日の翌日及び2049年12月25日の翌日は金利のステップアップが発生する。
※3 2032年12月25日までは固定利率、翌日以降は変動利率となり、2032年12月25日の翌日及び2052年12月25日の翌日は金利のステップアップが発生する。
(2) 各年度の担保差入資産及び対応する負債は、以下のとおりである。
① 担保差入資産
② 担保差入資産に対応する負債
22.その他の金融負債
各年度のその他の金融負債の内訳は、以下のとおりである。
(注)償却原価で測定する金融負債のその他は金利の負担を伴うものが前連結会計年度に16,040百万円、当連結会計年度に16,121百万円(うち、1年以内に返済予定3,184百万円)含まれており、返済期限は2025年~2027年、平均利率は5.5%である。
23.引当金
引当金の増減は、以下のとおりである。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
引当金の流動、非流動区分ごとの内訳は、以下のとおりである。
(注) 引当金は、連結財政状態計算書の「その他の流動負債」「その他の非流動負債」に含めている。
① 資産除去債務
主として洋上風力発電事業における発電設備の撤去義務及び燃料上流事業における資源開発関連設備の生産終了後の撤去義務等である。
これらの費用は、前者は最長2048年まで、後者は最長2065年までに支払われることを見込んでいるが、将来の事業計画等により影響を受ける。
② その他の引当金
主として発電所設備の撤去に係る費用等に関するものである。
これらの費用は、最長2035年までに支払われることを見込んでいるが、将来の事業計画等により影響を受ける。
24.退職後給付
当社及び一部の連結子会社は、確定給付型の制度として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けているほか、確定拠出型の制度として、確定拠出年金制度を設けている。
当社は、主として、退職一時金制度、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を採用している。当社の確定給付企業年金制度は規約型企業年金制度であり、法令及び年金規約に基づいて運営されている。
年金規約は、従業員の同意を得て、受給資格、給付内容・方法、掛金負担等年金制度の内容を定めている。
制度資産は当社より法的に分離されており、資産運用受託者は制度資産に対し責任を負い、年金制度加入者等に対する忠実義務、分散投資義務等の運営上の責任、及び利益相反行為の禁止を義務付けられている。
退職一時金制度及び確定給付年金制度は、一般的な投資リスク、金利リスク、インフレリスク等に晒されているが、適切に管理することで健全な運用を行っている。
当社は、これまでの複数の企業年金制度及び退職一時金制度を統合し、2024年4月1日付で、新たな退職給付制度に移行している。この制度改訂に伴う過去勤務費用は前連結会計年度に認識している。
(1) 確定給付制度債務及び制度資産の調整表
各年度の確定給付制度債務及び制度資産と連結財政状態計算書に認識された退職給付に係る負債及び資産との関係は、以下のとおりである。
(注) 1.退職給付に係る負債はその他の非流動負債に含めている。
2.退職給付に係る資産はその他の非流動資産に含めている。
(2) 確定給付制度債務の調整表
各年度の確定給付制度債務の増減は、以下のとおりである。
各年度の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、以下のとおりである。
(3) 制度資産の調整表
各年度の制度資産の増減は、以下のとおりである。
(注)なお、当社グループは2026年3月期に1,877百万円の掛金を拠出する予定である。
(4) 制度資産の主な内訳
各年度の制度資産合計に対する主な分類ごとの内訳は、以下のとおりである。
(注)当連結会計年度のその他には、私募REITが含まれている。
当社の企業年金制度における制度資産の運用は、将来の給付を確実に行うために必要な収益を確保することを目的として行っている。
そのために、運用に係るリスクとリターン、過去実績及び将来予測を考慮し、最適なポートフォリオを構築している。
(5) 数理計算上の仮定に関する事項
各年度の数理計算上の仮定の主要なものは、以下のとおりである。
(注)主要な基礎率の変化が各年度における確定給付制度債務に与える感応度は以下のとおりである。これらの感応度のそれぞれは、その他の変数が一定との前提を置いているが、実際には独立して変化するとは限らない。なお、マイナスは確定給付制度債務の減少を、プラスは確定給付制度債務の増加を表している。
(6) 確定拠出年金制度
前連結会計年度及び当連結会計年度における確定拠出年金制度の拠出額は、それぞれ5,935百万円、8,210百万円である。
25.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金
① 授権株式数
前連結会計年度及び当連結会計年度における授権株式数は、普通株式50,000,000株、A種種類株式2株及びB種種類株式2株である。
株式は、権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式及び、剰余金の配当、残余財産の分配、取得請求権及び株主総会の決議事項に関して普通株式と異なる定めをした無額面のA種種類株式及びB種種類株式である。
種類株式の内容については、「第4 提出会社の状況 1株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況 ③その他の新株予約権等の状況」に記載している。
② 全額払込済みの発行済株式
各年度の発行済株式数の増減は、以下のとおりである。
(2) 剰余金
① 資本剰余金
日本における会社法では、株式の発行に対しての払込又は給付した額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれる資本準備金に組み入れることが規定されている。
また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができる。
② 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されている。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できる。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができる。
(3) その他資本性金融商品
当社は、財務基盤のより一層の拡充を図るため、2023年3月30日に永久劣後特約付シンジケートローン(以下「本ローン」という。)による2,000億円(トランシェA 1,000億円、トランシェB 1,000億円)の資金調達を実行している。本ローンは元本の弁済及び償還期日の定めがなく、利息の任意繰延が可能であり、劣後特約の内容で定めた劣後事由(清算及び破産)が発生した場合を除き支払義務がないこと等により、IFRS上、資本性金融商品に分類され、本ローンによる調達額から発行費用を控除した額を、連結財政状態計算書上「資本」区分において「その他資本性金融商品」として計上している。
(4) その他の資本の構成要素
① 在外営業活動体の換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額である。
② キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の変動額の有効部分
当社グループは将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためにヘッジを行っており、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動額のうち有効と認められる部分である。
③ その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動額である。
④ 確定給付型退職給付制度の再測定
確定給付制度債務に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(利息収益に含まれる金額を除く)及び資産上限額の影響(利息収益に含まれる金額を除く)の変動額である。
26.配当金
(1) 配当金支払額
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
無配のため、記載すべき事項はない。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
無配のため、記載すべき事項はない。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
無配のため、記載すべき事項はない。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
27.売上収益
(1) 売上収益の分解
各年度の売上収益の内訳は、注記「6.セグメント情報」に記載のとおりである。
(2) 各年度の契約残高に関する情報は、以下のとおりである。
(注)当連結会計年度の期首現在の契約負債残高は、おおむね当連結会計年度の収益として認識しており、繰り越された金額に重要性はない。また、当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額についても重要性はない。
(3) 各年度の電気の供給に係る残存履行義務に関する情報は、以下のとおりである。
(注)実務上の便法を適用し、当該金額には、当初の契約の予想期間が1年以内の残存履行義務、及び、提供したサービスの時間に基づき請求する契約等の請求する権利を有している金額で収益を認識している残存履行義務に係る取引価格は含めていない。また、変動対価の額については、変動対価の額に関する不確実性が事後的に解消される際に、解消される時点までに計上された収益の著しい減額が発生しない可能性が高い部分に限り、取引価格に含めている。この他に、当連結会計年度末において、収益として認識されると見込んでいる取引価格の総額には、長期脱炭素電源オークションにより得ることができる収入は含めていない。長期脱炭素電源オークションからの収入は、約定した容量確保契約金額から同期間で卸市場・非化石市場等から得た収益のうち、約9割を還付額として差し引いた額になるが、還付額は将来の市場価格により変動することから、変動対価の額に関する不確実性が事後的に解消される際に、解消されるまでに計上された収益の減額が発生しない可能性が高い部分の見積りは困難なため、注記の対象に含めていない。
(4) 各年度の契約履行コストに関する情報は、以下のとおりである。
資産に認識した契約履行コストのうち、償却した金額は前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ151百万円、555百万円である。
28.販売費及び一般管理費
各年度の販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりである。
29.従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度において計上した従業員給付費用の合計金額は、それぞれ89,467百万円、107,717百万円である。
従業員給付費用は「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上している。
30.その他の収益・費用
各年度のその他の収益の主な内訳は下記のとおりである。
各年度のその他の費用の主な内訳は下記のとおりである。
(注)その他に含まれる減損損失の内容については、注記「16.非金融資産の減損」に記載のとおりである。
31.金融収益及び金融費用
(1) 各年度の金融収益の内訳は、以下のとおりである。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に関する受取配当金の内訳は、以下のとおりである。
(2) 各年度の金融費用の内訳は、以下のとおりである。
(注)為替差損には通貨デリバティブの評価損が含まれている。
32.その他の包括利益
各年度の「その他の包括利益」に含まれている、各項目別の当期発生額及び純損益への組替調整額並びに税効果の影響は、以下のとおりである。
33.連結キャッシュ・フロー計算書の補足情報
(1) 利息の支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー及び投資活動によるキャッシュ・フローの「有形固定資産の取得による支出」には、下記の利息の支払額が含まれている。
(2) 非資金取引
前連結会計年度及び当連結会計年度において実施された投資活動及び財務活動に関する非資金取引は、リースによる使用権資産の取得であり各年度における金額は「15.リース取引」に記載のとおりである。
(3) 財務活動に関する負債
各年度の財務活動に関する負債の増減は、以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1年内に返済予定の残高を含んでいる。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1年内に返済予定の残高を含んでいる。
34.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、中長期のグループ戦略及び企業価値の最大化を達成するために、最適な資本構成の実現・維持に努めている。
当社グループが資本管理で重視する指標は、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)(※1)である。当該指標は、継続的に経営者に報告され、モニタリングされている。
(※1)ネットD/Eレシオ=ネット有利子負債(※2)/自己資本(※3)
(※2)ネット有利子負債は有利子負債総額から現金及び現金同等物、3ヶ月超の定期預金を控除したものである。
なお、有利子負債は長短債務からリース負債を控除して計算している。
(※3)自己資本=資本-非支配持分
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるネットD/Eレシオは、それぞれ、0.64倍及び0.62倍となっている。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はない。
(2) 財務リスク管理の基本方針
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・為替リスク・金利リスク・商品価格変動リスク)に晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っている。
(3) 信用リスク
① 信用リスク管理及び信用リスクに対する最大エクスポージャー
信用リスクは、保有する金融資産の相手先が契約上の債務に関して、債務不履行になり、当社グループに財務上の損失を発生させるリスクである。
当社グループは、与信管理規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を定期的に把握する体制となっている。
また、デリバティブ取引については、信用度の高い金融機関等とのみ取引を行っており、信用リスクに及ぼす影響は限定的である。
なお、当社グループでは、営業債権及びその他の債権について特定の相手先グループに対して集中した信用リスクを負っている。
当社グループは、東京電力ホールディングス株式会社及びその関係会社、中部電力株式会社及びその関係会社、Électricité de France S.A.及びその関連会社に対して営業債権及びその他の債権を保有している。
当該顧客に対する営業債権及びその他の債権は、前連結会計年度において営業債権及びその他の債権総額の34.1%、21.6%、24.8%、当連結会計年度において営業債権及びその他の債権総額の12.4%、7.7%、37.2%である。
貸出コミットメントの貸出未実行残高及び保証債務を除き、当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示している金融資産の減損後の帳簿価額であり、貸出コミットメントについては注記「37.コミットメント」に開示されている貸出コミットメントの貸出未実行残高、保証債務については、注記「38.偶発負債」に開示されている保証債務の残高が、当社グループの信用リスクに係る最大エクスポージャーである。
② 貸倒引当金の増減
各年度の貸倒引当金の増減は以下のとおりである。
③ 貸倒引当金に関する金融商品の帳簿価額
各年度の貸倒引当金に関する金融商品の帳簿価額(貸倒引当金控除前)は、以下のとおりである。
④ 信用リスクの分析
各年度における営業債権及びその他の債権、リース債権、貸付金の期日経過情報は、以下のとおりである。
営業債権及びその他の債権、リース債権、貸付金以外の貸倒引当金に関する金融商品においては、格付けに対する集中した信用リスクはない。
(4) 流動性リスク
① 流動性リスク管理
流動性リスクは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行するに当たり、支払期日にその支払を実行できなくなるリスクである。
当社グループは、適切な返済資金を準備するとともに、金融機関より随時利用可能な信用枠を確保し、継続的にキャッシュ・フローの計画と実績をモニタリングすることで流動性リスクを管理している。
② 非デリバティブ金融負債の流動性リスクの分析
各年度の非デリバティブ金融負債の流動性リスクの分析は、以下のとおりである。
前連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 契約上、相手方が権利行使可能な最も早い日に行使されると仮定している。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注) 契約上、相手方が権利行使可能な最も早い日に行使されると仮定している。
③ デリバティブの流動性分析
各年度のデリバティブの流動性リスクの分析は、以下のとおりである。なお、他の契約と純額決済されるデリバティブについても総額で開示している。
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(5) 為替リスク
① 為替リスク管理
当社グループは主に燃料調達取引において、為替変動リスクに晒されている。そのため、先物為替予約等のデリバティブを活用したヘッジ取引により、為替変動リスクの軽減に努めている。
② 為替感応度分析
当社グループが前連結会計年度末及び当連結会計年度末において保有する金融商品について、他の全ての変数が一定であると仮定した上で、日本円が米ドルに対して1%の円高になった場合の税引前利益に与える影響額は、それぞれ1,148百万円、3,297百万円、米ドルがユーロに対して1%の米ドル高になった場合の税引前利益に与える影響額は、それぞれ165百万円、1,045百万円である。
なお、機能通貨建ての金融商品及び在外営業活動体の資産及び負債を表示通貨に換算する際の影響は含んでいない。
(6) 金利リスク
① 金利リスク管理
当社グループは、主に長期借入金に関連する金利変動リスクに晒されており、この変動の影響を最小化するため、主に金利スワップ契約を締結してキャッシュ・フローの変動リスクを管理している。金利スワップ契約は主に受取変動・支払固定の契約であり、長期借入金の変動金利支払分を受け取り、固定金利を支払うことによって、変動金利の長期借入金を固定金利の長期借入金としている。
② 金利感応度分析
当社グループが各年度末において保有する変動金利の長期借入金において、他の全ての変数が一定であると仮定した上で、金利が1%上昇した場合の税引前利益に与える影響は、以下のとおりである。
なお、金利スワップ契約等のデリバティブ取引によって金利が固定化された変動金利の長期借入金は含んでいない。
(7) 商品価格変動リスク
① 商品価格変動リスク管理
当社グループは、商品価格指標に連動する長期の販売契約で電力等を販売し、長期の購買契約に基づいてLNGや石炭等の原材料を調達しており、相場変動等による商品価格の変動リスクに晒されている。
当社グループでは、商品スワップ等のデリバティブの活用により、商品価格の変動リスクの緩和に努めている。
② 商品価格変動感応度分析
当社及びJERA Global Markets Pte. Ltd.において、商品価格変動リスクを計測するために、「VaR(Value at Risk)」の手法を用いている。当該手法による数値は過去の一定期間の市場変動データに基づき、将来のある一定期間のうちに被る可能性のある最大損失額を統計的手法により推定したものである。VaRは、市場リスクファクターの変化に関するデータの推移を混合したものであるため、実際の結果は、以下の算出によるものと大きく乖離する可能性がある。
当社における前連結会計年度末及び当連結会計年度末のVaRは、それぞれ8,518百万円及び8,119百万円である。
(手法:パラメトリック法/信頼区間: 95%(両側)/保有期間:1日間)
JERA Global Markets Pte. Ltd.における前連結会計年度末及び当連結会計年度末のVaRは、それぞれ1,025百万円及び626百万円である。
(手法:モンテカルロ・シミュレーション法/信頼区間: 95%(両側)/保有期間:1日間)
(8) デリバティブ取引及びヘッジ活動
当社グループは、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定している。
① キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループは、キャッシュ・フロー・ヘッジとして主に外貨建取引のキャッシュ・フローを固定化するための為替予約取引、借入金に係る変動金利に伴うキャッシュ・フローを固定化するための金利スワップ取引、燃料調達取引に係るキャッシュ・フローを固定化するための商品スワップ取引、外貨建社債の元利金に係るキャッシュ・フローを固定化するための通貨スワップ取引を指定している。
また、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益として認識した金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ重要性はない。
② 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社グループは、在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクを回避するために、社債及び借入金、通貨スワップを利用している。
また、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益として認識した金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ重要性はない。
③ ヘッジ会計を適用しているヘッジ手段に係る帳簿価額
各年度のヘッジ会計を適用しているヘッジ手段に係るヘッジ種類別の帳簿価額は、以下のとおりである。
④ ヘッジ会計を適用しているヘッジ手段の想定元本及び平均価格
各年度のヘッジ会計を適用しているヘッジ手段に係る想定元本及び平均価格は、以下のとおりである。
(単位:百万円)
(注) 1.ヘッジ対象である借入金の残高に応じて、想定元本が増減する契約を含んでいる。
2.商品スワップ取引は種類が多岐にわたるため、平均価格を算定することは実務上困難である。
⑤ キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジのヘッジ手段のその他の資本の構成要素及び損益
各年度のキャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジのヘッジ手段のその他の資本の構成要素及び損益は、以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)
(9) 金融資産及び金融負債の相殺
各年度における、金融資産及び金融負債の総額、相殺額、連結財政状態計算書上の計上額、及び取引相手先との間の法的強制力のあるマスターネッティング契約又は類似契約の対象となっている金融資産及び金融負債の金額は以下のとおりである。
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
なお、金融商品及び担保は、マスターネッティング契約又は類似の契約の対象であり、倒産その他の事由により取引先が債務を履行できなくなる等の特定の状況が発生した場合にのみ相殺の強制力が生じるものである。
また、ノーショナル・プーリングに関連して認識した金融資産及び負債の金額は以下のとおりである。
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
35.公正価値測定
(1) 公正価値ヒエラルキーの定義
当社グループは、公正価値の測定を、それに使用したインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類している。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:重要な観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値の測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値の測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定している。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替のあった各四半期の期末時点で発生したものとして認識している。
(2) 経常的に公正価値で測定する資産及び負債
各年度における、経常的に公正価値で測定する資産及び負債の内訳は、以下のとおりである。
前連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 前連結会計年度において、レベル1とレベル2の間における振替はない。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注)1.当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間における振替はない。
2.売却目的で保有する資産を含めている。売却目的で保有する資産については「39. 売却目的保有に分類される処分グループ」に記載のとおりである。
3.売却目的で保有する資産に直接関連する負債を含めている。売却目的で保有する資産に直接関連する負債については「39. 売却目的保有に分類される処分グループ」に記載のとおりである。
経常的に公正価値で測定する資産及び負債の公正価値の主な測定方法は、以下のとおりである。
デリバティブ
取引先から提示された価格等によっている。また、トレーディング目的で実施するデリバティブ取引の公正価値については、取引所価格又は取引対象物に関連した期末指標価格に必要に応じて利子率その他の変動要因を調整した価格によっている。主にレベル2に分類している。
なお、重要な観察不能なインプットは主として、一部の燃料価格、相関係数、ボラティリティになる。
株式及び出資金
株式のうち活発な市場が存在する銘柄の公正価値は市場価格に基づいて算定しているため、レベル1に分類している。また、株式及び出資金のうち活発な市場が存在しない銘柄で、公正価値を重要な観察不能なインプットを用いて第三者による鑑定評価、及び純資産価値に基づく評価技法で算定した金額で測定した銘柄についてレベル3に分類している。
なお、重要な観察不能なインプットは主として割引率であり、公正価値は割引率の上昇(低下)により減少(増加)することとなる。
使用した割引率は前連結会計年度末においては5.3%~9.2%、当連結会計年度末において5.8%~9.7%である。
棚卸資産
取引所価格又は取引対象物に関連した期末指標価格に必要に応じて利子率その他の変動要因を調整した価格によっており、レベル2に分類している。
レベル3に分類した資産及び負債については、公正価値測定の評価方針及び手続に従い、担当部署が各対象資産、負債の評価方法を決定し、公正価値を測定している。
また、公正価値の測定結果については適切な権限者が承認している。
各年度におけるレベル3に分類された経常的に公正価値で測定する資産及び負債の増減は、以下のとおりである。
(注)1.売却目的で保有する資産に直接関連する負債の増減も含めている。
2.連結損益計算書において、主に「売上収益」に含まれている。
3.連結包括利益計算書において、「その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動」に含まれている。
(3) 償却原価で測定する金融資産及び負債
各年度における、償却原価で測定する金融資産及び負債の帳簿価額及び公正価値の内訳は以下のとおりである。
なお、長期借入金及び社債以外の償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しているため含めていない。
(※)1年以内に返済予定のもの及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債を含めている。
上記の金融資産及び負債の公正価値の主な測定方法は、以下のとおりである。
長期借入金は、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割引いて算定する方法によっており、レベル2に分類している。
社債は、新規に同様の社債を発行した場合に想定される条件により算定しており、レベル2に分類している。
(4) その他
当社グループにおいて、非支配株主に付与している子会社持分の売建プット・オプションは、その行使価格の現在価値を金融負債として認識するとともに、非支配持分の認識を中止し、その差額を資本剰余金として認識している。
当社グループが非支配株主に対して付与した子会社持分の売建プット・オプションは、行使価格の現在価値で測定されており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は、それぞれ178,877百万円及び146,306百万円であり、連結財政状態計算書上のその他の金融負債(非流動負債)に含まれている。
36.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
当社グループと関連当事者との取引は以下のとおりである。なお、当社グループの子会社との取引は連結財務諸表上消去されているため、開示していない。
関連当事者との取引条件については、市場実勢を勘案して価格交渉の上で決定している。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 「38.偶発負債」に記載のとおりである。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(2) 経営幹部に対する報酬
各年度の経営幹部に対する報酬は、以下のとおりである。
(単位:百万円)
37.コミットメント
(1) 資産の取得に係るコミットメント
各年度における、資産の取得に係るコミットメントは、以下のとおりである。
(2) 貸出コミットメント
当社グループは、持分法適用会社等に対して貸出コミットメントを行っている。
各年度における、当該貸出コミットメントに基づく貸出未実行残高は以下のとおりである。
38.偶発負債
各年度の偶発負債は、以下のとおりである。
保証債務等
ジョイント・ベンチャー、関連会社及びその他の会社における金融機関からの借入金について当社グループが行っている保証及び保証類似行為また、契約の履行に対する保証債務は、以下のとおりである。
(注)前連結会計年度における保証債務には中部電力株式会社(以下「保証会社」)が行っている保証債務が含まれている。保証会社に損失が生じた場合には当社グループがこれを補填する契約を締結していることから、当社グループが保証債務を負担した場合と実質的・経済的に同等の効果をもたらすものとして記載している。
(保証会社別の内訳)
なお、当連結会計年度末において、保証実行により重大な損失が発生する可能性の高い保証はない。
39.売却目的保有に分類される処分グループ
売却目的で保有する資産及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債の主要な種類は以下のとおりである。
(注) 1.売却目的で保有する資産のうち、デリバティブ資産の公正価値ヒエラルキーはレベル2である。なお、公正価値ヒエラルキーについては注記「35.公正価値測定」に記載している。
2.売却目的で保有する資産に直接関連する負債のうち、デリバティブ負債の公正価値ヒエラルキーはレベル3である。なお、公正価値ヒエラルキーについては注記「35.公正価値測定」に記載している。
当連結会計年度における売却目的で保有する資産及び負債のうち、主なものは、海外・再エネ発電事業セグメントにおける北米太陽光案件の一部売却を意思決定したことに係るものである。当社グループでは、これらの資産を期末日から1年以内に売却できるものと考えている。
当該処分グループについては、売却コスト控除後の公正価値が帳簿価額を上回っているため帳簿価額にて測定している。
40.後発事象
(米国Blue Pointへの出資について)
当社グループは、子会社を通じて、CF Industries及び三井物産株式会社とともに、米国ルイジアナ州における低炭素アンモニアの製造プロジェクト「Blue Point」において、2025年4月8日付で出資者間契約を締結した。総事業費は約40億米ドル(約6,000億円)で、当社グループは今後5年間で約14億米ドル(約2,100億円)を出資する予定である。現時点において、本取引が当社連結財務諸表へ与える影響額を合理的に算定することは困難である。
41.追加情報
(武豊火力発電所における火災事故について)
当社の連結子会社であるJERAパワー武豊合同会社の保有する武豊火力発電所において2024年1月31日に火災事故が発生し、発電所の運転を停止していたが、2025年1月7日に石炭のみの稼働を開始した。
なお、火災事故や運転停止により設備の修繕や燃料調達等による費用が生じたため、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益が20,271百万円減少している。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
【電気事業営業費用明細表】
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法によっている。
(2) その他有価証券
市場価格のない株式等以外のものは、時価法(売却原価は移動平均法)により評価し、その評価差額は全部純資産直入法によっている。
市場価格のない株式等は、移動平均法による原価法によっている。
2.デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法によっている。
3.棚卸資産の評価基準及び評価方法
燃料貯蔵品については、総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)によっている。
4.固定資産の減価償却の方法
有形固定資産及び無形固定資産は定額法によっている。
5.引当金の計上基準
退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上している。
退職給付債務の算定に当たり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっている。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしている。
過去勤務費用は、その発生時に全額を費用処理することとしている。
6.収益及び費用の計上基準
当社の収益は、主に電気の供給による収益である。
顧客に対して供給する電気の料金やその他の条件については、各相手先との契約に定めており、当該契約に基づいて顧客に電気を供給する履行義務を負っている。電気の供給は、契約期間にわたり行うものであり、電気の供給という履行義務の充足に従い、一定の期間にわたり収益を認識している。
7.ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理及び振当処理によっている。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段・・・燃料スワップ取引、金利スワップ取引、通貨スワップ取引及び為替予約取引等
ヘッジ対象・・・燃料調達取引、借入金の金利支払額、外貨建社債の元利金支払額及び燃料調達債務等
(3) ヘッジ方針
当社の業務範囲のうち、実需取引に基づくキャッシュ・フローを対象に、市場変動等による損失回避又はコストの低減を図る目的で、デリバティブ取引を実施している。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
燃料スワップ取引及び金利スワップ取引については、ヘッジ対象のキャッシュ・フロー変動の累計又は相場変動とヘッジ手段のキャッシュ・フロー変動の累計又は相場変動を比較して有効性を評価している。なお、ヘッジに高い有効性があると認められる場合、有効性の評価を省略している。
通貨スワップ取引については、契約締結時に受け取る円貨額と契約終了時に支払う円貨額が同額となるよう振当てているため、為替相場の変動による相関関係は確保されていることから、有効性の評価を省略している。
為替予約取引については、リスク管理方針に従い、原則として為替予約の締結時にヘッジ対象と同一通貨建による同一期日の為替予約を振当てているため、その後の為替相場の変動による相関関係は確保されていることから、有効性の評価を省略している。
8.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異の会計処理の方法は、連結財務諸表における会計処理の方法と異なっている。
(重要な会計上の見積り)
繰延税金資産の回収可能性
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報については、連結財務諸表注記「4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定 (繰延税金資産の回収可能性)」に同一の内容を記載しているため、記載を省略している。
(貸借対照表関係)
※1.固定資産の工事費負担金等の受入れによる圧縮記帳額(累計)
※2.1年以内に期限到来の固定負債の内訳
※3.未払税金の内訳
※4.関係会社に対する事項
5.保証債務
(1) 借入金に対する保証債務
(2) その他契約の履行に対する保証債務
(注)上記(2)には中部電力株式会社(以下、「保証会社」という。)が行っている債務保証が含まれている。保証会社に損失が生じた場合には当社がこれを補填する契約を締結していることから、当社が保証債務を負担した場合と実質的・経済的に同等の効果をもたらすものとして記載している。
※6.損益計算書に記載されている附帯事業に係る固定資産の金額
(損益計算書関係)
※1.関係会社に対する事項
(有価証券関係)
子会社株式等及び関連会社株式等は、市場価格のない株式等のため、子会社株式等及び関連会社株式等の時価を記載していない。なお、市場価格のない株式等の子会社株式等及び関連会社株式等の貸借対照表計上額は次のとおりである。
(単位:百万円)
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異がある時の、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
主な履行義務である電気の供給については、顧客との契約に基づき通常1ヶ月程度で債権を回収している。なお、その他の収益を理解するための基礎となる情報は、注記事項「(重要な会計方針)6.収益及び費用の計上基準」に記載のとおりである。
④ 【附属明細表】
【固定資産期中増減明細表】
(単位:百万円)
(注) 「期中増減額」の「帳簿原価減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額である。
【固定資産期中増減明細表(無形固定資産再掲)】
(単位:百万円)
【減価償却費等明細表】
(単位:百万円)
(注) 期末取得価額及び期末帳簿価額には、土地等の非償却資産は含まれていない。
【長期投資及び短期投資明細表】
(単位:百万円)
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略している。
(3) 【その他】
該当事項なし。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、上場会社でないため金融商品取引法第24条の7第1項の適用がない。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出している。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 第9期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)2024年6月27日関東財務局長に提出。
(2) 半期報告書及び確認書
事業年度 第10期中(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)2024年11月13日関東財務局長に提出。
(3) 発行登録書及びその添付書類
2024年11月1日関東財務局長に提出。
(4) 訂正発行登録書
2024年11月11日関東財務局長に提出。
2024年11月12日関東財務局長に提出。
2025年5月28日関東財務局長に提出。
(5) 発行登録追補書類及びその添付書類
2024年11月22日関東財務局長に提出。
2025年2月20日関東財務局長に提出。
2025年4月17日関東財務局長に提出。
2025年6月6日関東財務局長に提出。
(6) 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第3号(特定子会社の異動)の規定に基づく臨時報告書
2024年11月11日関東財務局長に提出。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項なし。