第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 本表の金額には、消費税等を含まない。
2 当社は、「役員報酬BIP信託」を導入し、当該信託口が保有する当社株式を連結財務諸表において自己株式として計上している。これに伴い、1株当たり純資産額の算定上、当該信託口が保有する当社株式を期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めている。また、1株当たり当期純利益金額の算定上、当該信託口が保有する当社株式を期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めている。
3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載していない。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第98期の期首から適用しており、第98期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっている。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 本表の金額には、消費税等を含まない。
2 当社は、「役員報酬BIP信託」を導入し、当該信託口が保有する当社株式を財務諸表において自己株式として計上している。これに伴い、1株当たり純資産額の算定上、当該信託口が保有する当社株式を期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めている。また、1株当たり当期純利益金額の算定上、当該信託口が保有する当社株式を期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めている。
3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載していない。
4 最高株価および最低株価は2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものである。
5 当社は、2020年4月1日に当社が営む一般送配電事業を会社分割の方法によって「関西電力送配電株式会社」に承継させた。
6 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第98期の期首から適用しており、第98期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっている。
7 第101期の1株当たり配当額60.00円のうち、期末配当額30.00円については、2025年6月26日開催予定の定時株主総会の決議事項になっている。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
(1) 当社および当社の関係会社の主な事業の内容、当該事業における当社および当社の関係会社の位置付け[2025年3月31日現在の関係会社数:191社(うち連結子会社92社、非連結子会社12社、関連会社87社)]
当社および当社の関係会社は、電気やガス、ユーティリティサービスなどの多様なソリューションを通じて新たな価値を提供する「エネルギー事業」、中立・公平な立場で電気の安全安定供給を行う「送配電事業」、総合的な情報通信サービスを提供する「情報通信事業」および不動産関連サービスや生活・ビジネス関連サービスの提供を行う「生活・ビジネスソリューション事業」において事業展開している。
(2) 当社および当社の関係会社の事業系統図

4 【関係会社の状況】
(注) 1 特定子会社に該当している。
2 有価証券報告書を提出している。
3 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数である。
4 債務超過の状況にあるKANSAI ELECTRIC POWER ICHTHYS PTY LTD を含んでおり、債務超過額は、2025年3月末時点で27,281百万円である。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、出向者および休職者等を除いている。
2 臨時従業員数は、[ ]内に年間の平均人員を外数で記載している。
3 労働組合の状況について特記すべき事項はない。
4 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
(2) 提出会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、出向者および休職者等を除いている。
2 平均年間給与(税込)は、賞与および基準外賃金を含んでいる。
3 労働組合の状況について特記すべき事項はない。
(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものである。
医療・運輸職員を除く正規雇用労働者について、2024年度内に育児休業等を開始した男性正規雇用労働者数を、2024年度内に配偶者が出産した男性正規雇用労働者数で除したものである。当社では子が満3歳に達する年度末まで育児休業の取得が可能であることから、子の出生年度とその子に対する育児休業等の取得開始年度のずれにより、男性労働者の育児休業取得率が100%を超える場合がある。
② 連結子会社(注1)
(注) 1 常時雇用の労働者数101名以上の連結子会社であり、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「管理職に占める女性労働者の割合」、「男性労働者の育児休業取得率」、「労働者の男女の賃金の差異」の内、1項目以上の情報公表が必要となる19社が対象。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
3 管理職とは、役員を除く特別管理職以上の者であり、当社から他社への出向者・休職者・組合専従者を含み、他社から当社への出向者を除く。
4 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものである。
医療・運輸職員を除く正規雇用労働者について、2024年度内に育児休業等を開始した男性正規雇用労働者数を、2024年度内に配偶者が出産した男性正規雇用労働者数で除したものである。関西電力送配電㈱では子が満3歳に達する年度末まで育児休業の取得が可能であることから、子の出生年度とその子に対する育児休業等の取得開始年度のずれにより、男性労働者の育児休業取得率が100%を超える場合がある。
5 当社から他社への出向者・休職者・組合専従者を含み、他社から当社への出向者を除く。
6 正規雇用労働者とは、無期雇用契約社員であり、当該年度中に退職した社員・他社から当社への出向者も含み、当社から他社への出向者・休職している者は除く。パート・有期雇用者とは有期雇用契約社員であり、当該年度において一年に満たない期間臨時的に雇用している従業員を含み、派遣労働者は除く。
7 労働者の男女の賃金の差異は、労務構成の差等により生じている。
8 パート・有期雇用者の算定において、労働者の人員数について労働時間を基に換算している連結子会社もある。
③ 関西電力グループ主要会社(注1)
(注) 1 関西電力グループ主要会社とは、提出会社である関西電力株式会社および常時雇用の労働者数101名以上の主要連結子会社23社が対象。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
3 管理職とは、役員を除く特別管理職以上の者であり、当社から他社への出向者・休職者・組合専従者を含み、他社から当社への出向者を除く。
4 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものである。
医療・運輸職員を除く正規雇用労働者について、2024年度内に育児休職等を開始した男性正規雇用労働者を、2024年度内に配偶者が出産した男性正規雇用労働者で除したものである。関西電力株式会社および関西電力送配電株式会社では、子が満3歳に達する年度末まで育児休職の取得が可能であることから、子の出生年度とその子に対する育児休職等の取得開始年度のずれにより、男性労働者の育児休職取得率が100%を超える場合があり、結果として関西電力グループ主要会社としての数値でも、100%を超える場合がある。
5 当社から他社への出向者・休職者・組合専従者を含み、他社から当社への出向者を除く。
6 正規雇用労働者とは、無期雇用契約社員であり、当該年度中に退職した社員・他社から当社への出向者も含み、当社から他社への出向者・休職している者は除く。パート・有期雇用者とは有期雇用契約社員であり、当該年度において一年に満たない期間臨時的に雇用している従業員を含み、派遣労働者は除く。
7 労働者の男女の賃金の差異は、労務構成の差により生じている。
8 パート・有期雇用者の算定において、労働者の人員数について労働時間を基に換算している連結子会社も含む。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものであり、当社グループとしてその実現を約束するものではない。
(1) 経営理念
これまで、「安全最優先」と「社会的責任の全う」を経営の基軸に位置付け、「お客さまと社会のお役に立ち続ける」ことを使命とする経営理念のもと、事業活動を展開してきたが、金品受取り問題等では、「社会的責任の全う」という点について、社内外から厳しいご指摘をいただいた。これを受け、新しい関西電力グループとして創生し、持続的に成長していくための指針として、2021年3月に「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」を策定した。
この経営理念は、当社グループの最上位概念として、お客さまや社会にとっての「『あたりまえ』を守り、創る」という存在意義のもと、「『公正』『誠実』『共感』『挑戦』」という価値観を大切にして事業活動を行い、持続可能な社会を実現することを掲げている。
(2) ゼロカーボンビジョン2050
国における2050年カーボンニュートラル宣言など地球温暖化対策への社会的な要請が一層高まる中、さらなる地球温暖化問題への対応を自主的かつ積極的に推進していく必要があるとの考えのもと、2021年2月、当社グループは「関西電力グループ『ゼロカーボンビジョン2050』」を策定し、事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロとすることを宣言した。ビジョンにおいては、ゼロカーボン実現に向けた取組みの3つの柱として、「①デマンドサイドのゼロカーボン化」、「②サプライサイドのゼロカーボン化」、「③水素社会への挑戦」を掲げている。
また、2022年3月には、ビジョン実現に向けた道筋である「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を策定し、中間地点として2030年度の目標を設定するとともに、ゼロカーボン社会の実現に向けて取り組む内容を、「お客さまや社会の皆さまとともに取り組むこと」、「関西電力グループ自ら取り組むこと」の2つの観点で整理した。
これまでの取組みの進捗や世界的な脱炭素化の潮流の高まりを踏まえ、2024年4月に「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を改定し、新たにScope3を含むGHG排出量目標を設定するなど、取組みを加速させている。
今後も当社は再生可能エネルギーの主力電源化や、原子力の最大限活用、火力のゼロカーボン化、ゼロカーボン水素の活用に取組み、排出量削減を着実に進める。また、電化や蓄電池などの多種多様なソリューションの提案により、お客さまや社会の皆さまと共に社会全体のCO2排出量を削減していく。
引き続き、お客さまや事業パートナー、自治体など、あらゆるステークホルダーの皆さまと力を合わせ、様々な取組みを進めていく。
(3) 関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)
当社グループは、2021年、5ヵ年の実行計画として「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」を策定した。その後、国際情勢を受けたエネルギー市場の不安定化や脱炭素化の潮流、デジタル技術の一層の進展等、当社を取り巻く事業環境の変化を踏まえ、2024年4月、中期経営計画のアップデートを行った。アップデートでは、2025年度の財務目標と後半2年間の取組みに加え、中長期の目指す姿を示している。
中期経営計画の最終年度にあたる2025年度についても、引き続き、事業運営の大前提となる「ガバナンス確立とコンプライアンス推進」および3本柱(EX、VX、BX)に沿った取組みをグループ一丸となって推進し、中期経営計画の目標達成に向けて全力を尽くしていく。
財務目標(連結)(2024年4月公表)
(注)1 ROA〔総資産事業利益率〕=事業利益〔経常利益+支払利息〕÷ 総資産〔期首・期末平均〕
2 ROIC〔投下資本利益率〕=税引後事業利益 ÷ 投下資本〔期首・期末平均〕
3 各セグメント損益には、連結子会社および持分法適用会社からの受取配当金を含まない。
(4) 関西電力グループ 2025年度計画
当社グループは、中期経営計画の進捗状況や経営環境の変化を踏まえ、2025年4月に「関西電力グループ 2025年度計画」を策定した。
・事業運営の大前提「ガバナンス確立とコンプライアンス推進」
適正な事業運営のため、経営の透明性・客観性を確保するとともに、一人ひとりが「気づく」「言える」
「行動する」を実践できるよう、引き続き、組織風土改革および内部統制強化を両輪で推進
・取組みの3本柱
EX:「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」に基づき、脱炭素化を牽引
VX:既存事業の周辺領域・重なり合う領域で、お客さまや社会の脱炭素ニーズの多様化・高度化をふまえた
新たな価値提供を加速
BX:「人」、「しくみ」、「財務」の視点で、経営のリーダーシップのもと、4つの「高める」の取組みお
よびDX推進・コスト構造改革等を加速
(5) ガバナンス確立とコンプライアンス推進に向けた取組み
金品受取り問題をはじめとする一連の不適切事象に共通する課題として、環境変化とリスクへの確実な対応や組織風土面に問題があるとの認識のもと、内部統制の抜本的な強化と、組織風土改革の取組みを、両輪で推進する。
内部統制強化では、事業運営の適正性確保に向け、法令・ルールの遵守に留まらず、自律的かつ継続的な改善ができる組織作りを目指す。
組織風土改革では、役員・従業員一人ひとりが誇りを持ち、業務に活き活きと取り組むことができ、安心して仕事ができる会社を目指す。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものである。
(1) ガバナンス
当社グループは、経営の最上位概念である「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」において、お客さまや社会にとっての『「あたりまえ」を守り、創る』という存在意義のもと、『「公正」「誠実」「共感」「挑戦」』という価値観を大切にして事業活動を行うことで持続可能な社会を実現することを掲げている。また、この経営理念のもと、具体的にどのように行動すべきかを「関西電力グループ行動憲章」において定めており、当社グループの全ての役員、従業員が本憲章に基づいて行動することで、当社グループの持続的成長ならびに持続可能な社会の実現を目指している。
・「関西電力グループ行動憲章」
<基本的な考え方 抜粋>
「関西電力グループ行動憲章」は、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」のもと、関西電力グループの役員、従業員が、具体的にどのように行動すべきかを示したものであり、全ての社内規程等の前提として、私たちの事業活動における判断の拠り所となるものです。関西電力グループの事業活動は、お客さま、社会のみなさま、株主・投資家のみなさま、ビジネスパートナー、従業員といった様々なステークホルダーのみなさまによって支えられています。こうしたみなさまから頂戴する信頼こそが、関西電力グループが企業としての使命を果たし、持続的に成長を遂げていくための基盤です。関西電力グループは、コンプライアンスを実践・徹底すること、すなわち、法令遵守はもとより時代の要請する社会規範とは何かを常に考え、経営理念に基づき行動し続けることで、社会の一員としての責務を果たします。また、グループの事業活動に対して様々なステークホルダーのみなさまから寄せられる期待に誠実にお応えすることにより、みなさまからの信頼を確固たるものとしていきます。このような認識のもと、関西電力グループは、全ての役員、従業員がそれぞれの持てる知恵を結集し、協働することで、社会の持続的発展に貢献します。
1.コンプライアンスの実践・徹底
2.公正な事業活動
3.適正な情報開示・管理と対話
4.人権の尊重とダイバーシティの推進
5.安全の確保
6.お客さまに選ばれる商品・サービスの提供
7.よりよき環境の創造を目指した取組み
8.地域社会の課題解決・発展に向けた取組み
9.危機管理の徹底
10.役員の責任と本憲章の徹底
・経営理念・行動憲章の実践に向けた活動
当社グループは、2021年3月に策定した経営理念および行動憲章を従業員一人ひとりが真に理解し、日々の業務において実践していくための活動計画を定めており、本計画に基づいて、経営層と従業員との意見交換、各種研修、各職場でのディスカッション、メールマガジンの配信、グループ会社支援等の活動を積極的に行っている。この活動の一環として、「経営理念」、「コンプライアンスチェック」、「安全行動の誓い」を記載した携帯用のコンダクトカードを全従業員に配布しており、従業員は、このカードの裏面に自らの行動宣言を明記し、日々の業務における行動や目標の確認に活用している。
・サステナビリティ推進体制
当社グループは、お客さまと社会のお役に立つ企業グループとして持続的な成長・発展をとげるとともに、グローバルな社会課題の解決を通じた持続可能な社会の実現を目指してサステナビリティに資する取組みを推進している。こうした取組みをより一層推進するため、社長を議長とした「サステナビリティ推進会議」を設置し、社会の持続的な発展に貢献するためのサステナビリティ推進活動に関する総合的方策の策定を行い、具体的な活動を展開している。こうした体制のもと、各事業本部などはサステナビリティ推進会議で策定された方針に基づき、それぞれの活動を展開している。グループ会社においても、当社とコミュニケーションを取りながら、自律的にサステナビリティ活動を展開している。
また、業務執行を担う執行役の報酬については業績連動報酬を支給しており、非財務指標として、CO2排出削減量・社外ESG評価・従業員、組織エンゲージメントを採用している。
役員の報酬等については、P.86「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」を参照。
(体制図)

・取締役会
独立社外取締役を議長とし、サステナビリティに関する事項を含む当社グループの経営に関わる重要事項について決議している。
・執行役会議
社長を議長とし、取締役会の決定した基本方針に基づいて、当社グループ全般の重要な業務執行方針および計画ならびに業務執行に関し審議するとともに、必要な報告を受け、迅速かつ適切な会社運営を実施している。
・サステナビリティ推進会議
社長を議長とし、当社グループ全体のサステナビリティに関するリスク・機会を含む総合的方策の策定や、実践状況の確認を行っている。
・内部統制部会
コンプライアンス推進本部長(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を主査とし、サステナビリティ関連を含む重要リスク項目の抽出、その管理状況の把握・評価を行っている。リスク評価結果については、定期的に取締役会まで報告し、必要に応じてリスク管理の仕組み、体制の改善を行っている。
<気候変動>
当社グループは、気候変動問題を経営上の重要課題として認識し、以下の会議体にて評価・管理し、必要に応じて、各業務執行部門に対して、助言・指導を行っている。(サステナビリティ全般に組み込まれている共通のガバナンス体制については、P.15(1)ガバナンスを参照。)
・ゼロカーボン委員会
社長を委員長とし、「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向けて、「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を策定し、ゼロカーボンの実現に向けた取組み状況の共有や計画の具体化を行い、気候変動への対応を推進している。
なお、2024年4月の「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」改定にあたっては、ゼロカーボン委員会にて議論を行い、取締役による意見交換会を経たうえで、取締役会で決議されている。
「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」
https://www.kepco.co.jp/sustainability/environment/zerocarbon/index.html
「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」
https://www.kepco.co.jp/sustainability/environment/zerocarbon/pdf/zerocarbon_roadmap_01.pdf
(気候変動に関するガバナンス体制図)

(2) 戦略
当社グループが持続的な成長をとげるとともに、SDGs等のグローバルな社会課題の解決を通じて社会の持続的な発展に貢献することを目的とし、中期経営計画(2021-2025)の策定に合わせて下記10個のマテリアリティ(重要課題)を特定している。
その中でも、気候変動への対応については、「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」を中期経営計画と並んで、理念体系における「存在意義」の具体化として位置づけ、カーボンニュートラルの達成に向けて、「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を策定し、脱炭素に向けた取組みを推進している。
(特化したマテリアリティと関連するSDGS)

(マテリアリティ特定プロセス)

<気候変動>
・シナリオ分析
当社グループは、将来の気候変動に関するリスクおよび機会が与える財務上の影響を把握し経営戦略の検討に反映するため、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に係る政府間パネル(IPCC)等を参考に、当社独自のシナリオ分析を行っている。具体的には、1.5℃、2℃および4℃程度の気温上昇といった複数のシナリオにおいて、2050年における日本国内の電力需要や電源別設備容量に加えて、関西エリアの電力需要等を想定・分析している。
(シナリオ分析結果)

(気象庁の予測による年最大日降水量の将来変化※(平均値))

・気候変動に関するリスク・機会の特定と対策
ゼロカーボンエネルギーのリーディングカンパニーを目指す当社グループは、上述の1.5℃シナリオ(2050年カーボンニュートラル達成)をメインシナリオに設定し、気候変動が当社グループに与える影響を評価するとともに、4℃シナリオについても同様の評価を行った。1.5℃シナリオにおける移行リスク・4℃シナリオにおける物理リスクを評価することにより、各シナリオのリスクを網羅できると考えている。なお、以下分析結果については、当社グループ戦略へ適切に反映している。


・当社グループの気候変動戦略
これまでの取組みの進捗を踏まえ、2050年ゼロカーボン社会実現に向け、ゼロカーボン化に向けた取組みを更に加速するため、2024年4月に「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を改定した。ゼロカーボンロードマップに基づいた戦略を展開し、「お客さまや社会の皆さまとともに取り組むこと」と、再エネ、原子力、ゼロカーボン火力等の「関西電力グループ自ら取り組むこと」を着実に実施することで、当社グループ事業は、いずれのシナリオにおいても、レジリエンスを確保できると評価している。
<人的資本>
関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)で掲げた、経営基盤の強化に向けたBXの取組みにおける人財基盤強化の全体像は下図のとおり。


・人財育成方針・社内環境整備方針
(3) リスク管理
当社グループは、「関西電力グループ リスク管理規程」に則り、組織目標の達成に影響を与える可能性のある事象をリスクとして認識、評価したうえで、必要な対策を実施するとともに、対策後にその評価を行い、改善していく一連のプロセスにより、当社グループへの影響を適切なレベルに管理している。
サステナビリティ関連を含む当社グループの事業活動に伴うリスクについては、各業務執行部門(グループ会社含む)が自律的に管理することを基本としつつ、組織横断的に重要とされるリスクに関しては、専門性を備えたリスク管理箇所が、各業務執行部門に助言・指導を行うことで、リスク管理の強化を図っている。
当社グループのリスク管理体制、リスク管理状況、事業等のリスクについては、P.28「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」を参照。
<気候変動>
気候変動リスクは、財務リスク等、気候変動以外のリスクとともに重要リスク項目として抽出されており、内部統制部会のなかで、俯瞰的にリスク管理状況を把握・管理している。
気候変動に関連する個別リスクについてはゼロカーボン委員会等で議論・評価し、評価結果等は適宜内部統制部会へ報告している。また、検討状況を執行役会議等にも提示し、必要なリスク対策をグループ全体の計画・方針に反映することで、将来にわたる持続的成長を実現していく。
(4) 指標及び目標
<気候変動>
「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向け、当社グループは「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を策定し、中間地点とした2030年度の目標を設定している。加えて、当社グループは2023年度より、ゼロカーボン関係の取組状況について社内管理指標を設定し、目標達成に向けて、進捗の管理を実施している。また、従来設定していた2025年度に発電によるCO2排出量を2013年度比で半減する目標は、原子力7基の再稼動実現により、2年前倒しで達成したことから、2024年4月のゼロカーボンロードマップ改定にあたり、新たにチャレンジングな温室効果ガス(GHG)削減目標を設定している。

(GHG排出量(Scope1,2,3))

※1 「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(Ver.2.6)」(環境省/経済産業省)に基づきサプライチェーン全体の温室効果ガスの排出量を算定。排出原単位については「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.4)」に基づき算定。算定対象について、2021年度は当社および関西電力送配電(株)、2022年度からは(株)関電エネルギーソリューション、関電不動産開発(株)、(株)オプテージを追加。
※2 「地球温暖化対策の推進に関する法律(以下、温対法という)」に基づく報告(事業者)中の直接的な温室効果ガス排出量(エネルギー起源CO2、SF6*、N2O)と、温対法に基づく報告(事業者)に含まれない車両燃料由来のCO2排出量を合算。 *暦年値
※3 温対法に基づく報告(事業者)のうち、間接的なCO2排出として、他社から購入した電気と熱によるCO2排出量を合算。電気は電気事業者別排出係数の調整後排出係数を使用。熱は熱供給事業者ごとの排出原単位を2023年度から使用。
※4 スコープ1およびスコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)。
※5 Σ({自社が購入・取得した製品またはサービスの金額データ)*×(排出原単位)}
*2021、2022年度はガス事業にかかるガス購入分もカテゴリー1に計上。2023年度からは燃料およびエネルギー活動と再整理し、カテゴリー3に計上。なお、使用済燃料再処理等拠出金費等の原子力関連の費目については、現時点で適切な排出原単位がなく合理的な算定が困難と判断し、算定からは除外。
※6 Σ({設備投資額)*×(排出原単位)} *無形固定資産(ソフトウェア)含む。
※7 Σ({燃料・熱消費量)×(排出原単位)}*1+Σ({他社購入電力量)×(排出原単位)}*2+Σ({他社販売電力量)×(電気事業者別排出係数)}*3
*1:ガス事業にかかるガス購入分につき、燃料およびエネルギー活動として再整理し、2023年度からカテゴリー3にて計上。
なお、排出原単位はIDEA(Ver.3.4)を利用。
*2:他社購入電力の採掘・輸送にかかるCO2排出。
*3:他社販売電力の生成にかかるCO2排出。
※8 Σ({貨物自動車・資機材の燃料消費量)×(排出原単位)} 2023年度から(株)関電エネルギーソリューションのローリー配送によるLNG販売に伴うCO2排出量を計上しており、Σ({輸送距離)÷(燃費)×(単位発熱量)×(排出係数)×44/12}にて算定。
※9 ①産業廃棄物処分(埋立・リサイクル)および②産業廃棄物輸送*による排出量
*省エネ法(荷主)に基づく/委託輸送分を計上・自家輸送はスコープ1に計上。
Σ{①(廃棄物処理量〔有価物除く〕)×(廃棄物種類・処理方法別の排出原単位)}+②Σ({燃料消費量)×(排出原単位)}
※10 Σ{(従業員数)×(排出原単位)}
※11 Σ{(従業員数)×(営業日数)×(排出原単位)}勤務形態・都市階級別にて計上。
※12 ①ガス販売および②不動産販売ならびに③通信サービス販売事業による排出量①Σ({ガス総販売量)×(排出原単位)}+②Σ({不動産の売却量〔戸数or延床面積〕)×(排出原単位)×(残存法定耐用年数)}+③Σ{(対象年度の開通実績数)×(生涯排出期間)×(1日当たりの使用製品の電力使用量)×(排出原単位)}
※13 ①不動産販売および②通信サービス販売事業による排出量①Σ({不動産売却量〔㎡〕)×(排出原単位)}+②Σ({物販重量)*×(排出原単位)} *売り切り製品以外は算定から除外。
※14 Σ({エネルギー使用量)×(排出原単位)}算定対象については、2022年度は関電不動産開発(株)、(株)オプテージ。2023年度は(株)関電エネルギーソリューションを追加。賃貸する不動産、情報通信機器、エネルギー関連設備等のお客さま使用に伴うCO2排出量。
※15 事業特性上の理由等から該当なし。
※16 統合報告書2024のP.52掲載の数値において第三者保証を受けている(第三者保証報告書:統合報告書2024のP.144)。
https://www.kepco.co.jp/share_corporate/pdf/2024/report2024.pdf
<人的資本>
上記(2)戦略において記載した、人財の多様性の確保を含む人財育成方針および社内環境整備に関する方針に基づき、当社および関西電力送配電株式会社では、以下の指標を用いている。
なお、連結ベースでの指標及び目標の開示については、各社毎に事業内容および事業環境が多岐に亘るため、連結グループに属する全ての会社を総合した指標は、設定していない。
(インプット指標)
(注)1 実践研修受講後に実施するアンケートにおいて、研修を契機とする習得した知識の業務での実践や、DXに関する自律的な学習の実施等、従業員の自律性に基づく追加アクションを行ったと回答した者の比率を表す。
2 医療・運輸職員を除く。
3 延べ100万労働時間あたりの労働災害による休業1日以上の死傷者数のことで、災害の発生頻度を表す。
(アウトプット指標)
(注)1 過去1年間において、成長志向を持ち、自らアクションを起こした者の比率
2 過去1年間において、成長実感が得られた者の比率
3 多様性を活かす職場であると感じている者の比率
4 ①職場において、いかなるハラスメントも許さないという意識が定着していると感じている者の比率
②働き方について、時間・場所ともに満足している者の比率
5 社内アンケートにおける、以下3設問に対して「(かなり+わりと)あてはまる」と回答した者の比率
①「あなたは、自分の仕事にやりがいや誇りを感じている。」
②「あなたは、将来において、会社での仕事のやりがいが高まっていると思う。」
③「あなたは関西電力・関西電力送配電が好きですか。」
3 【事業等のリスク】
(1) 当社グループのリスク管理体制
当社グループ(当社および連結子会社)は、「関西電力グループ リスク管理規程」に則り、組織目標の達成に影響を与える可能性のある事象をリスクとして認識、評価したうえで、必要な対策を実施するとともに、対策後にその評価を行い、改善していく一連のプロセスにより、当社グループへの影響を適切なレベルに管理している。
当社グループの事業活動に伴うリスクについては、各業務執行部門が自律的に管理することを基本とし、組織横断的かつ重要なリスク(情報セキュリティ、子会社の経営管理、人財基盤、市場リスク、財務報告の信頼性、環境、エネルギー政策、災害、コンプライアンス(競争環境における法令含む)、調達の適正性)については、必要に応じてリスクの分野ごとに専門性を備えたリスク管理箇所を定め、業務執行部門に対して、助言・指導を行うことで、リスク管理の強化を図っている。さらに、リスクを統括的に管理する内部統制部会を設置し、CCOを「リスク管理統括責任者」とする体制のもと、当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理するよう努めている。
内部統制部会は、リスク評価結果等を定期的に組織風土改革会議および取締役会へ報告し、必要に応じてリスク管理の仕組み、体制の改善を行っている。さらに、リスク管理体制の整備と運用に関して、経営監査室による内部監査を受け、監査結果を基に改善を図っている。
リスク管理体制 (2025年6月25日時点)

(2) 当社グループのリスク管理状況
2024年度中に内部統制部会を7回開催し、当社グループの事業活動に大きく影響を与える重要リスク項目を抽出し、その管理状況を全社的視点から把握・評価している。
重要リスク項目は、リスク対策を実効的かつ適切に行っていく観点から、経営層で議論を重ね、収支に影響を与える各構成要素に着目して抽出し、事業別(事業ウェイトの大きい電気事業特有と全事業共通)と要因別(戦略、オペレーション、ハザード、財務・金融)の観点で、体系立てて整理するとともに、システム不具合等、近時のリスク事象への対応を踏まえた項目としている。電気事業特有のリスクは、《1》気候変動、《2》原子力関連リスク、《3》広域停電等、《4》競争環境の急激な変化への対応遅れ、全事業共通のリスクは、《5》法規制・規制政策変更、《6》イノベーションの停滞、《7》資産価値毀損、《8》人財基盤の揺らぎ、《9》サプライチェーンの不安定化・断絶、《10》ITガバナンス・情報セキュリティリスク、《11》ガバナンス・コンプライアンスリスク、《12》環境問題(環境法令違反等)、《13》自然災害・国際情勢の変化等、《14》市場・市況変動リスクである。
(分類、重要リスク項目、具体的なリスクの内容は、下表のとおり)

重要リスク項目に関連するリスクについては、事業毎の実態・特性を見極めつつ、発生可能性や影響度などの観点から重要度を評価した上で、対策の検討を行い、期中のリスク対策結果を踏まえ、改めて期末に重要度評価を実施することで、リスク管理のPDCAを回している。
(3) 事業等のリスク
当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性のある「重要リスク項目」の具体的な内容は、以下に記載のとおりである。なお、本記載内容は、提出日(2025年6月25日)現在において当社グループが判断したものであり、今後、経済状況や原子力発電を含むエネルギー政策、ならびに環境政策の変化等の影響を受ける可能性がある。なお、影響額については、一定の前提に基づき算定した理論値であり、前提諸元が急激かつ大幅に変動する場合等には、影響額により算出される変動影響が実際の費用変動と乖離する場合がある。
《1》気候変動
当社グループは、TCFD提言を踏まえて気候変動が当社グループに与える影響を評価し、分析結果については、当社グループ戦略へ適切に反映している。気候変動に関するリスクとして、下記の移行リスクと物理リスクを認識しており、これらのリスクによって、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
<移行リスク>
政策:CO2排出に対する新たな環境規制の導入・強化、国のエネルギー政策において示される電源構成の変化等
技術:分散型電源導入拡大等による系統電力需要の減少、電源構成の変化による需給調整の不安定化等
市場:脱炭素にかかるお客さまニーズにお応えできないことによる競争力の低下、他社との競争激化や制度変更
等に伴う再エネ開発の減少等
評判:ゼロカーボン社会へ向けた変化に対応できないこと等による、当社評価の低下等
<移行リスク>に対応し、持続可能な社会を実現するため、「ゼロカーボンエネルギーのリーディングカンパニー」として、事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロとすることを「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」において宣言している。今後、デマンドサイドの役割が拡大していく中で、ゼロカーボンソリューションプロバイダーとして、全ての部門(家庭・業務、産業、運輸)において、お客さまのゼロカーボン化を実現する最適なソリューションを提案・提供していく。また、分散型エネルギーリソースの活用やレジリエンスの強化等、多様化する社会ニーズも踏まえて再エネを最大限導入・主力電源化し、それを可能にする送配電系統の高度化、出力安定性に優れエネルギー密度が高い原子力エネルギーの安全最優先を前提とした最大限活用、再エネ大量導入に必要な調整力等に優れた火力のゼロカーボン化に取り組む。加えて、水素社会の実現に向けて、非化石エネルギーを活用したゼロカーボン水素の製造・輸送・供給・発電用燃料としての使用に挑戦していく。「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向けて、2030年度を中間地点と位置づけ、当社グループの取組みの道筋を目標とともに「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」で取りまとめており、これまでの取組みの進捗等を踏まえ、2024年4月にロードマップを改定しScope3を含むGHG排出量目標を新たに設定するなど、取組みをさらに加速させている。
国際的には、トランプ米大統領が、就任直後に地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱を表明し、世界第2位の温室効果ガス排出国であるアメリカのパリ協定からの離脱は、今後、世界の温暖化対策への取組みやスピードに影響を及ぼす可能性はあるものの、国内では、2025年2月に第7次エネルギー基本計画等が策定され、エネルギーの安定供給確保とGXの同時実現に向けた明確な方向性が示された。当社は従来から脱炭素化の観点のみならず、責任あるエネルギー事業者として安定供給とゼロカーボン化を両立するという方針であり、カーボンニュートラルの達成に向けて、目指すべき方向性は変わらないと考えている。
<物理リスク>
急性:異常気象激甚化等
慢性:降水量の変化による水力発電の稼動率の低下
急性リスクについては、台風・豪雨等(気候変動に起因する異常気象等)により、当社グループ設備への被害・損害、操業への支障や他社からの電気・資機材の調達等への支障が生じ、当社グループサービスの提供が困難になることで、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
急性リスクに対応するため、自然災害に対する迅速復旧に向けた防災訓練の実施、自治体・高速道路会社等との協定締結や、災害時の被害最小化に向けて、送配電系統等設備のレジリエンス強化等、必要な対応を実施していく。
慢性リスクについては、降水量の減少により水力の発電量が減少することで、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
慢性リスクに対応するため、水力発電所の運転実績に応じた最適な運用方法への見直しや効率的・安定的な設備運用等、必要な対応を実施していく。
《2》原子力関連リスク
原子力発電は、エネルギーセキュリティの確保、経済性、地球環境問題への対応の観点から優れた特性を有しており、エネルギー資源の乏しい我が国において、将来にわたって経済の発展や豊かな暮らしを支えるための重要な電源である。一方で、原子力発電は、大量の放射性物質を取扱い、運転停止後も長期間にわたり崩壊熱を除去し続ける必要があるなどの固有の特性を有する。このため、原子力施設の建設・運転・廃止措置、使用済燃料や放射性廃棄物の輸送・貯蔵・処理・処分等の全ての局面において、自然現象、設備故障、人的過誤、破壊・テロ活動、核燃料物質の転用・拡散等により、放射線被ばくや環境汚染を引き起こすリスクがある。原子力発電において、適切な管理を怠って重大な事故を起こせば、長期にわたる環境汚染を生じさせ、立地地域をはじめ社会のみなさまに甚大な被害を及ぼすだけでなく、我が国のみならず世界に対し経済・社会の両面で影響を与えうるなど、社会的信用の低下が生じる事象等が発生し、当社グループの存続可能性に疑義が生じる重大な影響を与える可能性がある。
原子力発電の安全性を向上させるため、全ての役員および原子力発電に携わる従業員が、「ここまでやれば安全である」と過信せず、原子力発電の特性とリスクを十分認識し、絶えずリスクを抽出および評価して、それを除去ないし低減する取組みを継続する。こうした取組みを深層防護の各層において実施することにより、事故の発生防止対策を徹底し、そのうえで万一、事故が拡大し、炉心損傷に至った場合の対応措置も充実させる。また、「原子力安全推進委員会」において、美浜発電所3号機事故を踏まえた再発防止策の推進や安全文化の醸成、福島第一原子力発電所事故を踏まえた自主的・継続的な取組みに関して、広い視野から確認、議論を行い、全社一丸となり、取組みを推進している。さらに、社外の有識者を主体とする「原子力安全検証委員会」において、独立的な立場から助言等を得て、安全性向上の取組みに反映している。
我が国において重要な電源である原子力発電を将来にわたって一定規模確保するためには、安全の確保、技術・人財基盤の維持等が必要であり、これらを実現するためには、安全性の確認された40年超プラントの運転に加えて、新増設・リプレースが必要になると考えている。当社グループとしては、原子力発電所の安全確保を大前提として、有効に活用していきたいと考えている。
当社グループは他の電力会社と比較して原子力発電の比率が高く、新規制基準等への適合性の確保、各種基準・法令等の変更への対応や原子力差止め訴訟等の結果により、発電所の停止が長期化した場合には、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある(2024年度実績ベースでは、原子力利用率が1%悪化する場合の費用増加影響は53億円程度)。これらのリスクに対応するため、新規制基準等への適合性を確保し、各種基準・法令等の変更に適切に対応していくとともに、訴訟等においても各原子力発電所の安全性に関する主張・立証を適切に行っていく。なお、2023年6月に原子炉等規制法が改正され、高経年化した発電用原子炉の安全規制が見直された。当社グループにおいては、見直し後の安全規制に基づき7基全ての認可を得ており、今後も運転経験や最新知見を踏まえ、劣化評価の見直しの検討を行い、必要に応じて長期施設管理計画の変更を行うこととしている。
当社グループの原子力発電所は7基全てが福井県に集中して立地しているため、局所的な災害により複数の発電所が同時に停止した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。当社は、火力や再生可能エネルギーなどの自社電源および他社電源の柔軟・有効活用なども含め、電源の多様性を確保している。
原子力発電の燃料となるウランは、政情の安定した国々に埋蔵されていることから安定確保が可能である。また、少しの燃料で長期間発電に使うことが可能なうえ、使い終わった燃料は再処理することで再び燃料として使用できることなどから、準国産のエネルギー資源になる。原子力発電所で使用した燃料中のプルトニウム等を燃料として再利用する「原子燃料サイクル」を進めることは、資源に乏しい我が国にとって、エネルギー資源の有効活用およびエネルギーを安定的に確保していくために効果的であるといえる。
使用済燃料は、発電所内の使用済燃料プールで一定期間貯蔵したあと、再処理工場へ搬出する。万が一、プールが満杯になれば発電所を運転できなくなるため、計画的に搬出する必要があることから、当社は「使用済燃料対策ロードマップ」に基づき、「六ヶ所再処理工場への使用済燃料の搬出」、「使用済MOX燃料再処理実証研究に伴う仏国オラノ社への使用済燃料の搬出」および「中間貯蔵施設の2030年頃の操業開始」を進めている。また、2024年の六ヶ所再処理工場の操業計画の見直しに伴い、2025年2月に見直し公表した「使用済燃料対策ロードマップ」では、六ヶ所再処理工場への当社の使用済燃料の搬出において、2030年度まで3年間で198トン(同期間における再処理量の約6割)と明確化し、使用済MOX燃料の再処理実証研究においても、実証研究の実効性向上を目的としたデータの充実化のための使用済燃料の搬出容量枠を約200トン追加している。このロードマップに従って取り組むことで、使用済燃料貯蔵量はプールが満杯にならず推移し、将来的には使用済燃料貯蔵量が減少する見通しであることを示しており、使用済燃料対策に全力で取り組んでいく。
原子力施設の廃止措置や使用済燃料の再処理・処分などの原子力バックエンドコストは、今後の制度の見直しや将来費用の見積額の変動等により費用負担額が増加した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。また、原子力バックエンド事業は、超長期の事業であり不確実性を伴うが、国による制度措置等により事業者のリスクが軽減されている。原子力損害賠償・廃炉等支援機構一般負担金については、今後の負担総額や負担金率の変動等により、当社グループの負担額が増加した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
廃止措置は長期の事業であり不確実性を伴うため、当社グループの廃止措置は大きく4段階に分け、約30年かけて実施することとしている。廃止措置の実施にあたっては、必要な対策等を講じ、安全の確保を最優先に着実に行っている。現在、美浜発電所1、2号機は、第2段階の「原子炉周辺設備解体撤去期間」であり、管理区域内での解体を実施している。解体により発生する廃棄物については、放射能レベル区分に応じて処理する計画であり、これを確実に実現すべく準備を進めている。一方、大飯発電所1、2号機は、第1段階の「解体準備期間」であり、タービン建屋内機器等解体工事等の作業を計画どおり進めるとともに、第2段階への移行に必要な炉内外の放射能調査も計画どおり進めている。
《3》広域停電等
当社グループは、エネルギー事業と送配電事業等を通じて、お客さまへの電気の安定供給を担っている。当該各事業における設備・運用の不備等により、当社グループ起因による停電を招く恐れがあり、エリアの大部分への広域停電となれば、お客さまの社会・経済活動に多大な影響を及ぼし、当社グループの事業運営に大きく影響する可能性がある。
このため、当社グループでは、設備の適切な運用や巡視に努めていることに加えて、事故の再発防止を徹底している。特に、送配電設備の事故防止に向けては、今後進展していく設備の高経年化を見据え、必要な施工力を確保するとともに効率的・効果的な設備改修を進めている。また、調達面では非常用安全在庫の備蓄や安定調達、調達リスクを考慮したサプライヤー選定等を行い、リスク低減を図っている。さらに、発電事業においては、「需給ひっ迫を予防するための発電用燃料に係るガイドライン」に基づく必要な燃料在庫の確保により、リスク低減を図っている。
加えて、万が一、需給ひっ迫が発生した場合には、国や電力広域的推進機関および他の一般送配電事業者と連携し、緊急時の供給力確保対策を取ることとしている。
《4》競争環境の急激な変化への対応遅れ
昨今の世界的な脱炭素化の潮流の高まりを踏まえ、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー由来の電力供給や蓄電池等を活用したエネルギーの効率的な利用に関する顧客のニーズが高まっている。
このような顧客のニーズ変化を受け、従来の大規模発電所だけではなく、地元やエネルギー使用地点に近い場所に分散設置された太陽光発電や風力発電等の発電設備から電力を供給する分散型エネルギーシステムへの移行も進みつつある。こうした動きに対し、当社の取組みが他事業者に劣後する場合、顧客や販売電力量の減少といった影響を受ける可能性がある。
こうしたリスクに対応するため、太陽光発電や風力発電等の分散型エネルギーの活用を提案している。さらに、発電量、電気使用量を精緻に予測し、空調、蓄電池、EV等の各設備をAIで最適制御するエネルギーマネジメントシステムを開発、提案するなど、顧客に対する最適なエネルギーサービスを提供している。
電力システム改革の検証や各種制度の見直しの結果、各種市場からの収支変動等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
次に、小売販売電力量が、冷暖房需要の主たる変動要因である気象(特に気温)や景気の動向、省エネルギーの進展、技術革新による電気の利用形態の変化および他事業者との競争状況等により変動する場合がある。また、販売価格が、他事業者との競争状況等により変動する場合もある。その結果、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。ガス販売量および販売価格についても、上記に準じ変動する場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。さらに、燃料価格や外国為替相場等の動向によって火力燃料費・購入電力料が変動した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。燃料価格や外国為替相場の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」によって一定の調整が図られるものの、燃料価格の高騰が継続する場合、燃料費調整制度において平均燃料価格が上限を超えることにより、燃料価格の上昇を一部料金反映できない可能性がある。
これらのリスクに対応するため、競合他社との差別化につながる最適なエネルギーサービスを開発・提供していくことで、顧客の維持・拡大に取り組んでいく。また、政策動向のリスクに対しては、国の電力システムにかかる政策や規制動向について情報収集するとともに、審議会等の場を通じて当社グループの考え方を主張するなど、適宜対応していく。さらに、電力調達においても、多様な調達先の確保をはじめ、長期・短期契約の組み合わせなど、燃料・電力等の市況変動に影響されにくい調達ポートフォリオの構築や、法人分野の料金における市場価格の変動に対応した料金メニューの設定等により価格変動に伴う収支影響の緩和を図るなど、リスクの抑制に取り組んでいる。
《5》法規制・規制政策変更
小売全面自由化を踏まえた内外無差別な卸販売等の競争政策、容量市場、長期脱炭素電源オークション、非化石価値取引市場、ベースロード市場や需給調整市場といった電力市場整備等、電力システム改革に関する制度の見直し、その他政策動向等により、他事業者との競争のさらなる拡大や各種市場からの収支変動等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
これらのリスク対応について、2025年度は、電力システム改革の検証結果を踏まえた制度改正の議論が国の審議会で行われるため、国の電力システムにかかる政策や規制動向について必要な情報収集を実施するとともに、審議会等の場を通じて当社グループの考え方を主張するなど必要な対応を実施していく。
また、2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画においては、DXやGXの進展による電力需要増加が見込まれる中で、再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用する方向性が明記され、再エネ導入や原子力事業環境整備の進展が期待されるものの、これらの政策が停滞した場合には当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
次に、成長志向型カーボンプライシング構想として、CO2排出に対して、化石燃料賦課金導入、企業間の排出量取引制度(GX-ETS)稼働、発電事業者を対象にした有償オークションへの移行といった方向性が示されている。温室効果ガスの多排出事業にあたる発電事業に対しては、過度な排出規制の導入により、火力発電所の稼働率低下や追加的な費用負担といった影響が生じる可能性がある。
これらのリスク対応について、2025年度は、カーボンプライシングの詳細制度設計が実施される見通しであり、国のエネルギー・環境政策や規制動向について、必要な情報収集を実施するとともに、審議会等の場を通じて当社グループの考え方を主張するなど必要な対応を実施していく。
エネルギー事業においては、将来的に電力需要の増加が見込まれる中で脱炭素化に向けて適切に対応していく必要があるが、事業期間中の市場環境の変化等に伴って収入・費用が変動することによって、電源への投資が適切に回収できず、収支が悪化するリスクがある。
こうした状況下で投資判断を行うために、国の電力システムにかかる政策や規制動向について必要な情報収集を実施するとともに、審議会等の場を通じて当社グループの考え方を主張するなど必要な対応を実施し投資回収の予見性を高めていく。
送配電事業においては、必要な投資の確保とコスト効率化を両立させ、高経年化する送配電設備の確実な増強と更新や再生可能エネルギー主力電源化、レジリエンス強化を進めていく必要があるが、これらが実現できない場合、収支悪化リスクおよび安定供給に支障をきたすリスクがある。
2023年度より、新たな託送料金制度が導入され、本制度下において、第1規制期間(2023-2027年度)に達成すべき目標を明確にした事業計画を策定し、その実施に必要な見積費用(収入の見通し)は国から承認されている。これにより、必要な設備の維持・拡充にかかる費用は見積費用に織り込まれ、概ね確保されている。一方で、昨今の市況価格の上昇に伴い支出が増加している中、これらの費用は現状の制度上反映されていないことから、費用回収できないリスクがある。この点については、制度措置に関する議論の中で訴求するなど必要な対応を講じていく。需給調整市場における調整力調達費用等は事後検証のうえ調整されるため、収支悪化リスクおよび安定供給に支障をきたすリスクは低減されている。
※送配電事業は関西電力送配電(株)が担う。
情報通信分野においては、デジタルインフラの地方分散など取り巻く政策方針の変更によって競争環境や市場環境が大きく変化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。これらのリスクに対応するため、国の情報通信政策や規制動向について、必要な情報を収集し、公正な競争環境の維持・推進に向けた政策提言を継続的に行うとともに、規制環境に合わせた新サービスの開発、既存サービスの拡充、継続したコスト低減等により競争環境の変化に対応できる経営基盤の強化に取り組む。
不動産分野においては、政策金利の一層の上昇により住宅ローン金利が大幅に上昇した場合、住宅購入者の購買意欲が減退し、分譲住宅事業の業績に影響を与える可能性がある。また、都市計画や建築関連法令等の政策変更により、物件開発コストの増加や保有土地の価値毀損等の影響を受ける可能性がある。これらのリスクに対しては、情報の収集と分析により適時適切に対応していく。
《6》イノベーションの停滞
当社グループは、イノベーション推進により目指す状態を、「新事業、新サービスを生み出す力」と「既存事業のオペレーション変革力の双方が優れていること」かつ「イノベーションが自律的かつ持続的に巻き起こせる仕組み(システム)が確立されていること」と定義しており、これらを推進するための体制強化や仕組みの構築を行っている。
しかしながら、政策・経済・社会・技術等の外部環境の変化に適応できずに業務変革や新規事業・サービス創出に向けた活動が停滞することにより、事業の構造転換に支障が生じ、ステークホルダーからの評価が著しく低下する可能性がある。
そのため、将来の外部環境の変化により的確に対応することを目指し、中長期的な技術・社会動向等を調査し、事業機会・脅威を考察することで、先手を打った事業活動を展開していく体制や仕組みの充実を進めている。また、コーポレートベンチャーキャピタル「合同会社K4Ventures」を投資主体に、順次ベンチャー企業等への投資を実施しており、当社やグループ各社との協業を促進するとともに、最新の技術やビジネスモデルを早期に情報収集し、さらなる新規事業・サービス創出を展開していく。
《7》資産価値毀損
主要7カ国(G7)の気候・エネルギー・環境相会合では、石炭火力については、各国の温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標に沿って、2030年代前半または、気温上昇を1.5度に抑えることが可能な期間内に排出削減対策が講じられていない既存の石炭火力発電をフェーズアウトする方針が示されている。
このような事業環境において、火力に対するCO2排出規制強化、法改正(新規制基準に対する追加要求事項等)や訴訟による原子力不稼動事象の顕在化等により既存電源の稼動率が低下することで資産価値が大幅に毀損するリスクがある。
これらのリスクに対応するため、国の電力システムにかかる政策や規制動向について必要な情報収集を実施するとともに、事業者にとって合理的な内容とするべく審議会等の場を通じて当社グループの考え方を主張するなど、必要な対応を実施していく。
また、送配電事業においては、高経年化設備の更新等に必要な投資を収入として確保できない場合、資産価値が毀損するリスクがある。ただし、新たな託送料金制度により、必要な費用は見積費用(収入の見通し)に概ね織り込まれていること、エリア需要の変動は翌規制期間に調整されること、また、災害復旧等にかかる制御不能な費用増は事後調整されることから、中長期的な事業運営の安定性および予見性が一定程度向上しており、資産価値毀損のリスクは低減されている。一方で、昨今の市況価格の上昇に伴い支出が増加している中、これらの費用は現状の制度上反映されていないことから、費用回収できないリスクがある。この点については、制度措置に関する議論の中で訴求するなど必要な対応を講じていく。
なお、上記以外にも、情報通信事業や生活・ビジネスソリューション事業において、競合他社に対する技術力の劣後、顧客志向の変化に伴うサービスの陳腐化や市場環境の変化等が発生することで、資産価値が毀損するリスクがある。ハイパースケールデータセンターは、事業展開の遅延および建設費用の高騰等により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。加えて、当社グループは、オーガニックな成長にこだわらず、M&Aも活用し、成長の加速を目指している。しかしながら、適切な対象会社や提携先を発見できる保証はなく、また、これらの調査の段階で確認または想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生または判明する場合や、M&A実施後の事業展開が計画どおりに進まない可能性があり、その場合は当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があることや、対象事業等の資産価値毀損も考えられ、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。これらのリスクに対し、新サービスの開発・既存サービスの拡充等により、競争環境の変化に対応できる経営基盤の強化に取り組んでいる。
国内再エネ・国際事業ならびにグループ事業や新規事業等への投資については、市場規模や規制等の市場に係る動向や開発計画の遅延等により、想定していた収益性が確保できず資産価値が毀損するリスクがある。このようなリスクに対応するため、投資の妥当性の評価や投資後のモニタリングと撤退・再建策の検討・実施も含めた一連のマネジメントプロセスの構築・運用等により、投資リスクの適正な管理に努めている。
《8》人財基盤の揺らぎ
労働災害の発生等、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
美浜発電所3号機事故をはじめとする事故や災害から得た数々の教訓から、「安全を守る。それは私の使命、我が社の使命」との社長宣言のもと、当社グループの事業活動に係わる全ての人の安全を守ることを最優先に、安全活動を続けている。この宣言に込めた思いを継承していくため、「関西電力グループ安全行動憲章」をグループワイドで共有し、「安全行動の誓い」を規範として安全行動をたゆまず実践することで、安全の実績を着実に積み重ね、ゆるぎない安全文化を構築していく。さらに、グループワイドで災害防止に向けた取組みをより一層促進するため、「安全・健康・『働き方』改革 推進部会」や「安全衛生委員会」にて安全活動の継続的な改善を行うとともに、協力会社等と”相方向”の情報共有やコミュニケーションを深めることで、「災害ゼロ」を目指している。
従業員の意欲の低下や多様で優秀な人財の安定的な確保に支障をきたすなど、人財基盤の強化が進まず、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受け、持続的な成長が妨げられる可能性がある。
2024年度には経営戦略と連動した人財戦略のもと、人財基盤の強化に向けて中期経営計画の推進に必要となる人財確保等の方策を講じるとともに、リスクを統括的に管理する内部統制部会において、業務執行部門それぞれの人財基盤にかかる課題認識やリスク管理・対策の実施状況を評価し、各業務執行部門とリスク管理箇所との間にリスク認識の齟齬がないことや、リスク認識を踏まえた人財確保等の方策が実効的に実施されていることを確認した。このように、人財確保等の方策について内部統制部会での客観的な評価を行ったうえで執行役会議へ報告するリスクマネジメントを通じ、必要に応じて組織横断的な改善を行っている。
人財基盤強化の前提として、2021年に策定した「関西電力グループ人権方針」に基づき、あらゆる事業活動において、人権を尊重する取組みを推進している。その上で、従来より、経営理念・中期経営計画の実現に向けて必要となる人財ポートフォリオを構築すべく、労働市場の変化や事業環境の変化に即した多様な採用コースを用意するとともに、経歴・性別・国籍等にとらわれることなく、多様な人財の積極的な採用を進めることで、優秀な人財の確保とダイバーシティ&インクルージョンを推進している。加えて、従業員一人ひとりの個性を起点として、その強みを最大限に活かす視点での人財育成を実施している。具体的には、2018年に設立した「関西電力グループアカデミー」の中で体系化した研修や育成制度を通じて、従業員の自律的なキャリア形成を促し自発的な成長を支援するだけでなく、研修・異動・評価を連動させて運用し、個人の能力や適性に応じて公平・公正に管理職への登用等を実施することで、潜在的な能力を引き出すとともに、従業員エンゲージメントの向上を図っている。
また、「働き方」改革・健康経営の推進責任者である社長のもと、人事労務担当役員が委員長を務める「安全・健康・『働き方』改革 推進部会」での議論を通じて、より柔軟に働ける勤務制度の整備や従業員の健康増進に向けた方針・施策を策定し、労働組合・健康保険組合・医療スタッフ等と連携しながら、従業員一人ひとりが成長意欲や挑戦意欲をもち、健康で活き活きと輝き、豊かな人生を歩むことができるよう、グループ大で「働き方」改革・健康経営の取組みを推進している。
なお、国や社会の動向といった今日的な観点に加え、当社の経営状況や労働力確保等の状況も踏まえ、2025年度から定年延長を含む、新たな評価・報酬体系を導入している。社員の定年を65歳まで引き上げることで、第一線職場における要員不足に対応するだけでなく、ベテラン層から中堅、若年層への確実な技術継承を行っていくとともに、“今の挑戦”をより重視する制度へ見直し、魅力的な挑戦機会を提供する仕組みを導入することで、従業員一人ひとりが、挑戦意欲や成長意欲を持って活き活きと働くことができる環境、労働状況を整備していく。また、2025年度の賃金改定においては、中期経営計画の取組みを一層強く推し進めるために改定を実施したほか、初任給の引き上げを実施している。
《9》サプライチェーンの不安定化・断絶
取引先における人手不足や採算性悪化により取引先が事業撤退し、もしくは当社グループに対し、取引停止を申し入れることで、資機材等の安定的な調達が困難となる可能性がある。
これらのリスクに対応するため、関西電力グループ調達基本方針に基づき、取引先との対話活動を充実させ、対話活動を通して顕在化した課題に対し、迅速・適切に対応することで、既存の取引先との強固なパートナーシップを確立するとともに、新規取引先を積極的に開拓することで、複数取引先の確保を図る等、安定調達の実現に向けた取組みを進めている。
《10》ITガバナンス・情報セキュリティリスク
当社グループは、AI(人工知能)などのデジタル技術活用や業務の抜本的見直しが遅延する等により、DX(デジタルトランスフォーメーション) 推進が効率的・効果的に実施されない場合、他事業者との競争に劣後し、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。DXを推進し、既存事業の生産性向上や新たな価値創出に取り組むとともに、DXの取組みを加速すべく、役員をトップとし全体戦略の検討や方向づけを行う「DX戦略委員会」、デジタル専業子会社で施策実施に必要な技術支援を行う「K4 Digital株式会社」、施策の検討や展開を行う「各部門」の三位一体でDXを推進している。また、DX戦略委員会での議論結果は、執行役会議での議論を経てDXビジョン・戦略として策定している。
情報システムの要件漏れやプログラムバグの混入等により法令対応が適切に行われず、情報システムの不具合や停止が発生し、お客さま情報の不適切な取扱いや電力市場への誤入札等の社会的信用の低下につながる事案の発生により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。情報システムの品質を確保するため、標準のシステム開発手順を社内ルールとして規定のうえ、開発に直接従事していないIT専門家が第三者視点でルールの遵守状況を確認・監査している。また、IT部門と各部門が連携し、全社横断的にIT投資額や人的資源の確保、リスク対応の妥当性、運用中のシステムにおける法令・規制への対応状況を確認している。さらに、経営上重要なシステム開発プロジェクトは執行役会議に付議し、計画の妥当性を確認している。これらの取組みを継続し、情報システムの不具合や停止を低減していく。
外部からのサイバー攻撃等により、当社グループ設備への被害や損害が生じ、電力の安全・安定供給や当社グループサービスへの支障の発生、当社グループ保有のお客さま情報、重要情報の社外流出による社会的信用の低下につながる事案が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。重要インフラ事業者である当社グループは電力の安全・安定供給を重要な責務として、関係法令・サイバーセキュリティ経営ガイドライン・社内規定等に則って情報セキュリティ対策を継続的に強化するとともに、日々高度化する社外のサイバー攻撃事例や最新の情報セキュリティの技術情報を入手し、早期対策の実施に努めている。また、大阪・関西万博開催に伴うサイバー攻撃等の脅威の高まりに対応するため、全社でサイバー攻撃対応訓練を実施するなどサイバーレジリエンスの強化を図っている。
当社グループが保有するお客さま情報をはじめ、業務上取扱う重要情報について、適切な取扱いがなされず社外へ流出することで、社会的信用の低下につながる事案が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。当社グループが保有する個人情報の適切な保護・利用のため、個人情報保護法やガイドライン等を遵守するとともに、プライバシー権等にも配慮した対策を実施している。また、個人情報を含む業務情報を適切に取扱うために、組織的・人的・物理的・技術的側面から情報セキュリティ対策を継続して講じている。
《11》ガバナンス・コンプライアンスリスク
当社は、会社法に基づいて、業務の適正を確保するための体制を定め、その結果を記載した事業報告に当該体制の決議内容及び運用状況の概要を開示している。業務の適正を確保するための体制の有効性が確保されない場合には、ステークホルダーからの信頼を失墜し、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
当社グループは「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」(2021年3月策定)に基づき、ステークホルダーのみなさまのご期待にお応えし続けることで、持続的な企業価値の向上と社会の持続的発展に貢献していく。その実現に向けた経営の最重要課題は、コーポレート・ガバナンスの強化であると認識し、当社のコーポレート・ガバナンスにおいては、経営の透明性・客観性を高めることを目的に、執行と監督を明確に分離した「指名委員会等設置会社」の機関設計を採用し、取締役会議長は独立社外取締役、構成委員の過半数は独立社外取締役としている。また、取締役会直下に法定外の「コンプライアンス委員会」を設置している。さらに、当社はグループ各社に対して、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等の経営の基本的方向性や行動の規範について、浸透を図るとともに、子会社管理に係る社内規程に基づき、子会社における自律的な管理体制の整備を支援、指導すること、子会社の経営層に対して、各種会議体でのコミュニケーションを通した経営状況の定期的な把握や、会社法をはじめとする法令等に基づく責務・役割の徹底を図るために、外部講師による集合研修を実施すること等により、企業集団の業務の適正を確保している。加えて、子会社における重要な意思決定については、事前に関与することや、特に当社グループの成長の柱となる事業を担う中核会社については、重要な業務執行方針および計画を執行役会議で審議することにより、グループ全体の企業価値の毀損を未然に防止し、またはこれを最小化するよう努めている。
金品受取り問題をはじめとする一連の不適切事象を踏まえ、環境変化とリスクへの確実な対応や組織風土面に問題があるとの認識のもと、内部統制の抜本的な強化と組織風土改革の取組みを両輪で推進している。当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理し、当社グループの持続的な成長を実現するため、内部統制部会を設置し、内部統制システムの整備・運用状況の評価、改善に係る総合的方策の検討ならびに不備事項の改善指示および改善状況の確認・支援を行っている。また、内部統制の抜本的な強化や組織風土改革をはじめとした再発防止策を総合的に推進するため、組織風土改革会議を設置し、一連の不適切事象に係る全社的な課題の把握・分析、再発防止に向けた総合的方策の策定等を行っている。
重大なコンプライアンス違反の発生等、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
当社はこれまでの金品受取り問題、新電力顧客情報の不適切な取扱い、独占禁止法違反といった不適切な事象の発生を受け、取締役会の監督のもと、それぞれ業務改善計画に基づき対応を実施しており、2023年7月に、コンプライアンス推進本部を新設するとともに、コンプライアンス推進の最高責任者としてCCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を設置してグループ全体のコンプライアンス推進やリスクマネジメント等、内部統制の抜本的な強化を進めている。
なお、コンプライアンスに関わる当社グループの不適切な事案の詳細については、以下に記載のとおりである。
(金品受取り問題および役員退任後の嘱託等の報酬に関する問題)
当社グループは、当社の役員等が社外の関係者から金品を受け取っていた問題および役員退任後の嘱託等の報酬に係る問題により、お客さまや社会のみなさまから賜わる信頼を失墜させた。
本問題については、第三者委員会を設置し、2020年3月14日に調査報告書を受領した。その報告書の内容を厳粛かつ真摯に受け止め、電気事業法に基づく業務改善命令に対する業務改善計画を取りまとめ、2020年3月30日に経済産業大臣に提出した。
その後、2020年6月に指名委員会等設置会社に移行し、外部の客観的な視点を取り入れた新たな経営管理体制のもと、ガバナンス改革をはじめとする業務改善計画の取組みを進めており、その実行状況を2020年6月29日、10月13日、2021年3月2日および12月27日に経済産業大臣へ報告した。
今後も取組みを確実に実行するとともに、外部の客観的な視点を踏まえ実行状況を検証し、必要に応じて改善策を加えるなど、引き続き、新たな関西電力グループの創生に向け、全力で取り組んでいく。
(特別高圧電力および高圧電力の取引に関する独占禁止法違反)
当社は、特別高圧電力および高圧電力の取引に関し、2021年4月13日および同年7月13日に、独占禁止法違反に係る被疑事実があるとして、公正取引委員会による立入検査を受け、2023年3月30日に、同委員会から、不当な取引制限を禁止する独占禁止法第3条に違反する行為があったと認定された。なお、当社は排除措置命令および課徴金納付命令のいずれも受けていない。
当社は、2023年4月にコンプライアンス委員会から、原因究明および再発防止策の提言を受け、当社再発防止策を決定した。また、2023年7月14日に業務改善命令を受領し、同年8月10日に業務改善計画を経済産業大臣に提出した。業務改善計画の取組状況については、電力・ガス取引監視等委員会から、1年間のフォローアップを受けており、2024年9月30日に開催された同委員会の専門会合において、「業務改善計画に基づき、着実に取組を進めている」との総括評価を頂戴している。真にコンプライアンスを徹底できる企業へと再生できるよう、これからも引き続き真摯に取組んでいく。
(新電力顧客情報の不適切な取扱いによる電気事業法違反等)
他の小売電気事業者のお客さま情報の不適切な取扱いおよびお客さま情報の漏洩に係る問題について、2022年12月27日に電力・ガス取引監視等委員会から、2023年1月13日に個人情報保護委員会および経済産業省から報告徴収を受領し、それぞれ翌月に回答した。さらに、本件に関し、経済産業省から2023年2月21日に緊急指示を2023年4月17日に業務改善命令を受領した。この間、当社および関西電力送配電の各社社長を本部長・委員長とする「緊急対策本部」・「調査検証・改革委員会」をそれぞれ2023年1月末に設置し、本件に関する事実調査や原因究明を実施した。判明した事実や原因に基づき業務改善計画を取りまとめ、当社コンプライアンス委員会の確認を経て、2023年5月12日に経済産業大臣に提出した。2024年6月、電力・ガス取引監視等委員会において、新電力顧客情報の不正閲覧に係る業務改善計画に係る1年間の取組み実績に対し、内部統制のフレームワーク(COSOフレームワーク)に沿った採点が行われ、多くの項目で実効的に進めているとの評価を頂いた。真にコンプライアンスを徹底できる企業へと再生できるよう、これからも引き続き真摯に取組んでいく。
(当社グループ子会社における不適切事案等)
関西電力送配電株式会社において、過去に柱上変圧器におけるPCBの不適切な取扱いがあったことが判明した。当社コンプライアンス委員会による調査を実施し、当社は、2025年1月に同委員会から調査結果と再発防止策の提言を受けた。また、株式会社KANSOテクノスにおいては、国等から受託した業務の精算報告に関する不適切な取扱いが判明し、社外弁護士による調査を実施のうえで、当社は、2025年4月に調査結果と再発防止策の提言を受けた。グループをあげて徹底した再発防止に努めていく。
株主をはじめとしたステークホルダーのみなさまへの情報開示が不足する等、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
情報開示の充実を図るため、コーポレートガバナンス・ガイドラインにおいて適切な情報開示と透明性の確保に関する考え方を定め、これに基づき、株主をはじめとしたステークホルダーのみなさまに向けて、有価証券報告書やコーポレート・ガバナンス報告書、統合報告書等にて会社の財政状態・経営成績等の財務情報や経営戦略・経営課題、リスクやガバナンスに係る非財務情報等について、積極的に開示を行っている。
テレビCMや新聞広告等の内容、プレス発表、ホームページ、SNS等での情報開示不足や情報の分かりにくさからくる否定的反応により、当社グループのブランドイメージが低下する可能性がある。また、原子力発電に対する社会からの受容性低下や事故や不祥事が発生した場合の対応次第で、社会的信用の低下につながり、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
《12》環境問題(環境法令違反等)
重大な環境コンプライアンス違反等、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
これらのリスク対応について、当社グループは、気候変動問題への取組みをはじめ、生物多様性の向上、資源循環の推進や地域環境保全等といった事業活動に密接に関係する環境問題への対応について、中長期的にめざす方向性を「関西電力グループ環境方針」として定め、環境コンプライアンスの実践・徹底等に取り組んでいる。
具体的には、事業活動において周辺環境や人の健康に影響を及ぼすことがないよう、社内ルールの整備や実務知識付与のための専門教育等を実施し、環境コンプライアンス違反の防止を図るとともに、当社グループ内での同種事象の発生防止対策の実効性を高めるため、各現場の法令遵守に関する仕組みの整備状況に加え、運用状況の確認を進めている。
また、生物多様性への対応としては、発電所建設に当たっては環境アセスメントを実施し、動植物や生態系への影響を最小限に抑えるとともに、水源涵養林の持続的な管理や黒部ダム周辺の在来種保護など、地域の特性に応じた生物多様性の保全に取り組んでいる。
《13》自然災害・国際情勢の変化等
台風・豪雨(気候変動に起因する異常気象等)・地震・津波等の自然災害、武力攻撃、感染症により、当社グループ設備への被害・損害、操業への支障や他社からの電気・資機材の調達等への支障が生じ、当社グループサービスの提供が困難になることで、当社グループに対する社会的信用の低下等が発生することが要因となり、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
従業員とその家族の安全を確保するとともに、電力・ガスを始めとする当社グループサービスの安定供給の責務を果たすため、「災害に強い設備づくり」や「早期復旧に向けた防災体制の確立」を基本に防災部会等を定期的に開催し、災害関連主要リスクに適切に対策を講じるなど、防災対策に取り組んでいる。
海外事業においては、紛争の勃発や緊張状態の高まりを常に注視している。投資済み案件については現時点では大きな影響はないことを確認しており、新規投資については最新の国際情勢を踏まえ適切に判断している。
火力燃料の確保に対しては、調達地域、契約期間、契約相手先、価格指標の分散により、安定調達に資する調達ポートフォリオの構築を行うとともに、多様な取引先との継続的な情報交換ネットワークを構築し、国際情勢の変化と影響の迅速な把握に努めている。
水素事業においても、国際情勢の変化に伴い、サプライチェーン構築における水素調達国の政策変更・情勢不安・経済停滞により上流案件組成への影響、また燃料価格高騰により水素事業の競争力が低下し、サプライチェーン構築が困難となる可能性がある。水素キャリア※1やカラー※2、調達国の分散等、多面的に検討・参画することでリスク最小化に努めている。
※1:気体のままでは貯蔵や長距離の輸送の効率が低い水素を、液体や水素化合物(アンモニア、メチルシクロヘ
キサン等)にして効率的に貯蔵・運搬する方法。
※2:水素は、その製造方法によって、グレー水素(CO2を排出)、ブルー水素(CO2を回収)、グリーン水素(再
エネにて製造)の大きく3種類に区別される。
サプライチェーンに対しては、平常時から、主要な生産拠点の把握、情報収集を間断なく行うとともに、新規取引先を積極的に開拓することで、複数取引先の確保を図る等、安定調達の実現に向けた取組みを進めている。
経済安全保障は、社会の重要なインフラを担う当社グループにとって重要なリスクの一つであると認識しており、経済安全保障推進法の規定内容の遵守はもちろん、経済安全保障上重要な技術や情報の流出防止等の観点でリスク対策を実施している。
同法における「基幹インフラにおける重要設備の導入・維持管理委託の事前審査」について、関西電力の発電事業、ガス製造事業、関西電力送配電の一般送配電事業を対象に2024年5月より制度運用が開始され、これに対応する社内ルール整備が完了したため、以降、適切に対応していく。
《14》市場・市況変動リスク
事業活動に伴い、金利や為替の変動および各種商品の価値・価格等の変動に起因する収支変動の不確実性がある。販売方策の工夫、デリバティブ取引の活用等により、一定以上の損失の回避や収益の安定化、利益またはキャッシュ・フローの安定化を図っている。
当社グループの有利子負債残高(連結)は、2025年3月末時点で、4,471,794百万円(総資産の46.3%に相当)であり、有利子負債残高の96.4%(4,311,944百万円)は長期借入金、社債の長期資金である。長期資金の多くは固定金利であるものの、一部は変動金利での調達であるため、今後調達する長期借入金、社債等を含め、市場金利の動向は当社グループの業績に影響を与える可能性があり、引き続き、その動向を注視する。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
<経営成績等の状況の概要>
(1) 経営成績
当社グループは、2024年、長期的な方向性を見据えながら、中期経営計画の今後2カ年の内容をアップデートし、計画に掲げた取組みを強力に推進してきた。
総販売電力量は1,560億kWhと、前連結会計年度に比べて15.8%増加した。
収入面では、販売電力料収入が増加したことなどから、売上高は4,337,111百万円と、前連結会計年度に比べて277,733百万円の増収(+6.8%)となった。
支出面では、他社購入電力料が増加したことなどから、営業費用は3,868,234百万円と、前連結会計年度に比べて537,791百万円の増加(+16.1%)となった。
この結果、当連結会計年度の営業利益は468,877百万円と、前連結会計年度に比べて260,058百万円の減益(△35.7%)、経常利益は531,686百万円と、前連結会計年度に比べて234,283百万円の減益(△30.6%)となった。また、英国で配電事業を行うエレクトリシティ・ノース・ウエスト社の株式の一部を売却したことに伴い、61,412百万円を特別利益に計上したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は420,364百万円と、前連結会計年度に比べて21,506百万円の減益(△4.9%)となった。
セグメントの経営成績(相殺消去前)は、次のとおりである。
(注) 各セグメント損益には、連結子会社および持分法適用会社からの受取配当金を含まない。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要は、次のとおりである。
<生産、受注及び販売の状況>
当社および連結子会社における生産、受注及び販売の実績については、その大半を占めるエネルギー事業のうち当社の数値を記載している。
(1) 発受電実績
(注) 1 火力発電電力量は、汽力発電電力量と内燃力発電電力量の合計である。
2 新エネルギー発電電力量は、汽力発電設備におけるバイオマスと新エネルギー等発電等設備における太陽光による発電電力量である。
3 発受電電力量と総販売電力量は、提出日(2025年6月25日)現在において把握している電力量を記載している。
4 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
5 2023年度出水率は、1992年度から2021年度までの30カ年平均に対する比である。
2024年度出水率は、1993年度から2022年度までの30カ年平均に対する比である。
6 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
7 発受電電力量の合計と総販売電力量の差は損失電力量等である。
(2) 販売実績
① 総販売電力量
(注) 1 総販売電力量は、提出日(2025年6月25日)現在において把握している電力量を記載している。
2 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
② 料金収入
(3) 生産能力
自社発電認可最大出力
(4) 資材の状況
主要燃料の受払状況
(注) 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
<財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析>
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。重要な会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の計上額に影響を与える見積りを行う必要がある。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載している。
(2) 経営成績
① 経常損益(セグメントの経営成績)
[エネルギー事業]
第7次エネルギー基本計画やGX2040ビジョンで掲げられたエネルギー安定供給と脱炭素の両立に着実に対応すべく、「ゼロカーボンエネルギーのリーディングカンパニー」として、再エネの主力電源化や原子力の最大限活用、火力のゼロカーボン化、ゼロカーボン水素の活用も含めた電源のゼロカーボン化に取り組み、また、お客さまのゼロカーボン化を実現する最適なソリューションをご提案・ご提供するとともに、水素社会に向けた検討・実証にも取り組むなど、お客さまや社会のゼロカーボン化の実現に向けて当社グループのリソースを結集していく。また、デジタル技術の活用や、競争力のある電源ポートフォリオの構築、燃料調達や需給運用の合理化といったコスト構造改革の取組み等により、強靭な企業体質への改革に努めるとともに、エネルギーソリューションを軸とした様々なサービスの開発・提供を通じて事業の拡大を図り、中期経営計画で掲げた目標の達成に取り組む。
(業績)
収入面では、販売電力料収入が増加したことなどから、外部顧客への売上高は3,540,779百万円と、前連結会計年度に比べて205,099百万円の増収(+6.1%)となり、内部売上高を含めた売上高は3,774,142百万円と、前連結会計年度に比べて234,943百万円の増収(+6.6%)となった。
支出面では、他社購入電力料が増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、セグメント利益は411,321百万円と、前連結会計年度に比べて172,546百万円の減益(△29.6%)となった。
(当連結会計年度の取組み)
原子力発電事業については、美浜発電所、高浜発電所および大飯発電所の7基全てのプラントが運転を継続している。原子力プラントの高経年化対策については、法律に基づいた技術評価を実施し、安全性を確認したうえで運転を行っている。また、2023年6月に改正された関連法令に基づき見直しが行われた安全規制や運転期間に関する制度に対しても、適切に対応を進めている。今後とも、原子力プラントの安全・安定運転および安全性・信頼性のより一層の向上に取り組んでいく。
再生可能エネルギーに関して、水力発電事業については、設備更新によって最大出力を増加させた新丸山発電所が営業運転を開始し、また、奥多々良木発電所3、4号機では長期脱炭素電源オークションを活用した設備更新を進めてきた。洋上風力発電事業については、2024年12月に山形県遊佐町沖での洋上風力発電事業者公募において事業者に選定されたほか、新たに北海道松前沖、檜山地方沖および島牧沖において、地域のみなさまや関係行政機関からのご意見を賜わりつつ、環境保全に十分配慮しながら事業実施の可能性を検討してきた。また、2024年5月には国内の太陽光発電事業を投資対象としたファンドを設立するなど、太陽光発電によるコーポレートPPA(電力購入契約)の一層の拡大に取り組んでいるほか、2024年12月からは紀の川蓄電所の運転を開始するなど、電力需給の安定化や再生可能エネルギーの導入加速に貢献している。加えて、系統用蓄電池をはじめとした分散型リソースの運用については、E-Flow合同会社※1がAIを活用したシステムを通じ、卸電力取引市場、需給調整市場および容量市場※2において最適な市場取引を行っている。
国外においては、スペインの大手電力会社イベルドローラ社から株式を取得し、ドイツにおけるヴィンダンカー洋上風力発電事業へ参画した。加えて、再生可能エネルギー事業におけるリーディングカンパニーである同社と戦略的協業に関する覚書を締結し、グローバルな事業拡大の取組みを始めている。一方で、英国の配電会社エレクトリシティ・ノース・ウエスト社の株式の一部売却により売却益を獲得するなど、ポートフォリオの組替えも機動的に進めている。
火力発電事業については、南港発電所1〜3号機の長期脱炭素電源オークションを活用した設備更新が決定し、2025年3月をもって既存設備を廃止した。高経年化が進んでいる姫路第一発電所は、最新の高効率コンバインドサイクル機への設備更新の検討を開始した。また、水素の利活用として、姫路第二発電所での水素混焼発電実証の取組みを進め、当年度は、水素混焼発電に必要となる設備の設計・製作、据付および試運転を行い、大阪・関西万博期間中の実証試験開始に向けて、着実に準備を進めてきた。
※1:2023年4月設立。VPP事業、系統用蓄電池事業、再エネアグリゲーション事業の3事業に重点を置き、2030
年度までに全国で分散型エネルギーリソースの市場取引量250万kW、売上高300億円を目指している。
※2:卸電力取引市場:発電事業者と小売電気事業者が電力量(kWh)を取引する市場。
需給調整市場:一般送配電事業者が周波数調整や需給調整を行うための調整力(⊿kW)を効率的に調達・
運用する市場。
容量市場:将来にわたる日本全体の供給力(kW)を効率的に確保する市場。
ご家庭のお客さまへのサービスについては、従来のオール電化住宅向けなどのメニューに加え、省エネ給湯機エコキュートのリース料金と一定量までの電気料金がセットになったサブスクリプション(定額)メニュー「はぴeセット」を推進した。さらに、2024年4月には蓄電池のリース料金と一定量までの電気料金がセットになった「はぴeセット ストレジ」の提供を開始し、サービスラインナップを拡充した。また、当社の電気とガスをセットにして提案活動を展開し、年度末時点での関電ガスの契約件数は約163万件となった。法人のお客さまへのサービスについては、脱炭素の計画策定から具体策の実行までをトータルサポートする「ゼロカーボンパッケージ」において、より一層サービス内容の充実を図ってきた。具体的には、太陽光発電オンサイトサービス※3、コーポレートPPA、分散型エネルギーリソースの最適制御等を行うエネルギーマネジメントシステムである「SenaSon」、法人のお客さま等が所有する車のEV化を支援する「カンモビパッケージ」のサービス拡充に取り組んだ。また、タイ、ベトナムに加え、2024年11月には新たにインドネシアに現地法人を設立し、東南アジアを中心に海外進出する日系企業の工場に対して、最適なエネルギーシステムの構築・運用に関するソリューション提案を通じて、省エネ・省コスト・省CO2などの多様なニーズにお応えする取組みを推進している。
中核会社の株式会社関電エネルギーソリューションにおいては、全国300を超える地点でユーティリティサービスを提供しており、病院やデータセンター等の大型案件への注力、首都圏活動の強化など、事業拡大に努めてきた。また、2025年3月には、大規模なお客さま設備の運転制御を、当社が遠隔で代行し最適運用する「おまかSave-Pro」をリリースするなど、サービスの高度化にも取り組んでいる。
※3:お客さまの建物の屋根などに、当社が太陽光発電設備を設置、所有したうえで、設置後の運用・メンテナ
ンスまでをワンストップで行うもので、初期投資ゼロで太陽光発電による電気をご使用いただけるサービ
ス。
[送配電事業]
電力系統の運用や送電、変電、配電設備の計画・工事などを行い、中立・公平な立場で安全に安定した電気をお客さまにお届けしている。
脱炭素化やレジリエンス強化をはじめ、エネルギーに関する社会ニーズが多様化する中、それを支える基盤である送配電事業の重要性はこれまで以上に高まっていると認識しており、電力ネットワークの次世代化を進めるとともに、分散型電源などの多様な系統利用者の要請にも柔軟に系統利用サービスを提供し続け、お客さまや社会のご期待にお応えし続けていく。
(業績)
収入面では、エリア需要の増加などにより、託送収益が増加したことなどから、外部顧客への売上高は389,120百万円と、前連結会計年度に比べて47,240百万円の増収(+13.8%)となり、内部売上高を含めた売上高は1,097,551百万円と、前連結会計年度に比べて81,275百万円の増収(+8.0%)となった。
支出面では、需給調整取引に伴う費用や修繕費が増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、セグメント利益は55,794百万円と、前連結会計年度に比べて68,288百万円の減益(△55.0%)となった。
(当連結会計年度の取組み)
関西電力送配電株式会社において、託送料金制度のもと策定した5ヵ年(2023~2027年度)の事業計画に基づき、高経年化設備の計画的更新や、脱炭素化・レジリエンス強化に資する電力ネットワークの次世代化、サービスレベルの向上などを着実に進めることで、電気の安全・安定供給に取り組んだ。また、トヨタ生産方式(カイゼン)・DXを通じた生産性向上や徹底した効率化を推進した。
[情報通信事業]
FTTHを利用した光インターネット、光電話、光テレビの3つのサービスをeo光ブランドで関西一円に展開しているほか、全国をターゲットにモバイル事業「mineo(マイネオ)」および法人ソリューション事業などを展開している。
(業績)
収入面では、株式会社オプテージにおいて、eo電気の燃料費調整額が減少したことなどから、外部顧客への売上高は223,584百万円と、前連結会計年度に比べて1,785百万円の減収(△0.8%)となった。一方で、株式会社関電システムズにおいて、システム開発案件が増加したことなどから、内部売上高を含めた売上高は312,631百万円と、前連結会計年度に比べて11,250百万円の増収(+3.7%)となった。
支出面では、株式会社オプテージにおいて、容量拠出金が増加したことや、委託費等の販売管理費が増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、セグメント利益は46,945百万円と、前連結会計年度に比べて547百万円の減益(△1.2%)となった。
(当連結会計年度の取組み)
株式会社オプテージにおいて、FTTHサービス「eo光」について、2024年10月にオンライン申込専用の新プラン「eo光シンプルプラン10ギガコース」の提供を開始するなどして、約171万件のお客さまに選ばれている。さらに、2025年4月からは、eo光テレビ新コース「CSベーシック」「CSプレミアム」を追加し、サービスラインナップを拡充した。
MVNO事業については、「mineo(マイネオ)」において2025年3月から基本データ容量で選ぶプラン「マイピタ」に50GBコースを追加するなどし、約135万件のお客さまに選ばれている。
また、法人向け事業については、2026年1月から都市型データセンター「曽根崎データセンター」を新たに運用開始する予定のほか、2026年度中には「生成AI向けコンテナ型データセンター」を開設し、「AI学習用GPUサーバ」の提供を予定している。
[生活・ビジネスソリューション事業]
不動産賃貸・分譲・管理、レジャーなどの総合不動産事業に加え、リース、コールセンター運営、メディカル・ヘルスケアなど、お客さまの安心・快適・便利な生活やビジネスを実現するサービスを展開している。
(業績)
収入面では、関電不動産開発株式会社の住宅分譲事業において、引渡戸数の増加や販売単価が向上したことなどから、外部顧客への売上高は183,626百万円と、前連結会計年度に比べて27,178百万円の増収(+17.4%)となり、内部売上高を含めた売上高は221,408百万円と、前連結会計年度に比べて26,386百万円の増収(+13.5%)となった。
支出面では、関電不動産開発株式会社の住宅分譲事業において、商品原価等の売上原価が増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、セグメント利益は26,208百万円と、前連結会計年度に比べて3,819百万円の増益(+17.1%)となった。
(当連結会計年度の取組み)
安心・快適・便利な生活やビジネスを実現する様々な事業を展開している。特に、関電不動産開発株式会社においては、住宅分譲事業では、関西圏、首都圏でタワーマンションなどの販売が好調に推移するとともに、関西初の全邸オール電化かつZEH仕様の戸建住宅やマンションに加え関電グループのVXサービスを組み入れた「スマートエコタウン星田」の開発を行ってきた。
また、賃貸事業では、築50年超のオフィスビル「堂島関電ビル」でテナントのみなさまと協働し「ESG×SDGs」に配慮した大規模リニューアルを実施するとともに、堂島浜や難波等の関西圏での再開発プロジェクトの推進に加え、首都圏においても複合施設の再開発に向けた準備を行っている。
海外事業についても、米国や豪州等で様々な住宅開発や賃貸事業に参画し、日系企業の幹事会社としての事業推進にも着手している。
② 親会社株主に帰属する当期純利益
当期経常利益を531,686百万円計上したことに加え、英国で配電事業を行うエレクトリシティ・ノース・ウエスト社の株式の一部を売却したことに伴い、61,412百万円を特別利益に計上したことなどから、税金等調整前当期純利益は594,572百万円となった。ここから法人税等合計と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引きした親会社株主に帰属する当期純利益は420,364百万円となり、前連結会計年度に比べて21,506百万円の減益(△4.9%)となった。
(3) 財政状態
① 資産・負債の状況
資産は、設備投資額が減価償却費を上回ったことや、現金及び預金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて619,737百万円増加(+6.9%)し、9,652,655百万円となった。
負債は、有利子負債が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べて154,466百万円減少(△2.3%)し、6,545,202百万円となった。
② 純資産の状況
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益(420,364百万円)を計上したことや、新株式発行及び自己株式の処分(378,787百万円)を実施したことなどから、前連結会計年度末に比べて774,204百万円増加(+33.2%)し、3,107,452百万円となった。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて6.6%上昇し、31.8%となった。
また、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べて204.73円増加し、2,752.01円となった。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
① 資金調達
当社グループは、エネルギー事業等を行うための設備投資や債務償還などに必要な資金を可能な限り自己資金にて賄い、不足する資金については主に社債や借入金によって資金調達を行い、コマーシャル・ペーパー等により短期的な運転資金を調達することにより、流動性を確保している。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローについては、法人税等の支払が増加したことや、受取手形、売掛金及び契約資産などが増加したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が579,690百万円減少(△50.2%)し、575,299百万円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、投融資の回収収入が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて支出が85,695百万円減少(△20.0%)し、342,353百万円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、新株式発行及び自己株式の処分を実施したことや、有利子負債の返済額が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が626,580百万円増加し、137,673百万円の収入となった。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて377,004百万円増加(+66.8%)し、941,432百万円となった。
(5)中期経営計画の財務目標および進捗状況
連結財務目標および進捗状況
(注) 1 ROA〔総資産事業利益率〕=事業利益〔経常損益+支払利息〕÷総資産〔期首・期末平均〕
2 ROIC〔投下資本利益率〕=税引後事業利益÷投下資本〔期首・期末平均〕
セグメント別財務目標および進捗状況
(注) 1 各セグメント損益には、連結子会社および持分法適用会社からの受取配当金を含まない。
2 ROA〔総資産事業利益率〕=事業利益〔セグメント損益+支払利息〕÷セグメント資産〔期首・期末平均〕
5 【重要な契約等】
該当事項なし。
6 【研究開発活動】
当社および連結子会社における研究開発活動としては、中期経営計画の達成に向け、『ゼロカーボンへの挑戦(EX)に資する研究開発』『サービス・プロバイダーへの転換(VX)に資する研究開発』および『強靭な企業体質への改革(BX)に資する研究開発』を中心に取組んでいる。
それぞれの取組みについては次のとおりである。
1.ゼロカーボンへの挑戦(EX)に資する研究開発
・原子力発電所における地震・津波・高経年化などの安全性向上を主目的とした研究開発
・水素や再生可能エネルギーなどゼロカーボンを見据えた研究開発
・再生可能エネルギー・分散型電源等の普及拡大に伴う電力品質に関する研究開発 など
2.サービス・プロバイダーへの転換(VX)に資する研究開発
・EVバスの運行管理とエネルギーマネジメントシステムを一体化させた各種先端技術開発のための研究開発
・省エネ、エネルギー診断などのエネルギー事業に必要な商品・サービスに関する研究開発
・将来の分散型電源を見据えたVPP事業・系統用蓄電池事業・再エネアグリゲーション事業のための研究開発
・新規事業開発に係る研究開発 など
3.強靭な企業体質への改革(BX)に資する研究開発
・設備機能向上によるレジリエンス強化に資する研究開発
・発電効率向上や設備の寿命延伸、作業効率化・設備のスリム化などのコスト削減につながる研究開発 など
なお、当連結会計年度における当社および連結子会社の研究開発費の金額は、エネルギー事業について主として上記1~3の研究課題に関して9,126百万円、送配電事業について主として上記1~3の研究課題に関して2,529百万円、エネルギー事業、送配電事業以外の事業について主として上記2~3の研究課題に関して174百万円、合計で11,830百万円である。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社および連結子会社は、当連結会計年度において、エネルギー事業および送配電事業を中心として総額513,093百万円の設備投資を実施した。セグメント別の内訳は以下のとおりである。
(注) 1 本表には、消費税等を含まない。
2 本表には、無形固定資産への投資を含む。
提出会社
(注) 1 本表には、消費税等を含まない。
2 本表には、無形固定資産への投資を含む。
3 水力には新エネルギー等発電等設備に係る設備投資額を含む。
関西電力送配電(株)
(注) 1 本表には、消費税等を含まない。
2 本表には、無形固定資産への投資を含む。
エネルギー事業における設備投資については、設備の高経年化対策、原子力発電の安全性向上対策等の発電設備の安全・安定運転のための投資や、電源の競争力強化等のための投資を基本とした計画としており、実施にあたっては建設費の抑制に努め、資産効率の向上に取り組んでいる。
送配電事業における設備投資については、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う送配電ネットワークの強化や設備拡充の必要性、設備劣化等に関する技術的知見、ならびに電力広域的運営推進機関が策定した「高経年化設備更新ガイドライン」に基づき工事計画を策定している。計画の遂行にあたっては、工法のカイゼン・DXの導入による生産性向上、新規取引先開拓といった調達方法の工夫などにより、効率化を図りながら対応を進めている。
なお、2025年7月31日に赤穂発電所1号機(600,000kW)および2号機(600,000kW)を、2026年3月31日に関西国際空港エネルギーセンター1号機(20,000kW)および2号機(20,000kW)を廃止予定としている。
2 【主要な設備の状況】
当社および連結子会社における主要な設備は以下のとおりである。
(1) 提出会社
(注) 1 帳簿価額の土地の( )内は面積(㎡)である。
2 面積には借地面積165,216㎡を含まない。
3 従業員数は就業人員であり、建設工事関係等従業員(62人)を除く。
4 上記の帳簿価額には貸付設備801百万円を含まない。
5 本表の金額には、消費税等を含まない。
6 面積については、四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
主要発電設備
水力発電設備
(注) 本表は認可最大出力60,000kW以上のものを記載している。
汽力発電設備
(注) 2025年7月31日に赤穂発電所1号機(600,000kW)および2号機(600,000kW)を廃止予定としている。
原子力発電設備
内燃力発電設備
(注) 2026年3月31日に関西国際空港エネルギーセンター1号機(20,000kW)および2号機(20,000kW)を廃止予定としている。
新エネルギー等発電等設備
主要業務設備
(2) 連結子会社
(注) 1 帳簿価額の土地の( )内は面積(㎡)である。
2 関西電力送配電(株)の面積には借地面積1,400,165㎡を含まない。
また、送電・配電設備の電柱借地面積ならびに占使用面積を除く。
3 従業員数は就業人員であり、建設工事関係等従業員(53人)を除く。
4 機械装置その他には、それぞれ連結会社以外の者からのリース資産を含む。
5 本表の金額には、消費税等を含まない。
6 面積については、四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
主要送電設備
主要変電設備
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社および連結子会社の設備の新設、除却等の計画は以下のとおりである。
(1) 新設等
当社グループは、設備の高経年化対策等の電力の安全・安定供給のための投資や、電源競争力の強化等のための投資について、2024年4月にアップデートした「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」で掲げた財務目標を達成するべく、優先順位を見極めながら実施していく。
2025年度の設備投資予定総額については、6,490億円程度(消費税等を除く)であり、所要資金については自己資金および外部資金を充当する予定である。
なお、セグメント毎の設備投資予定額(相殺消去前)は、次のとおりである。
主要な工事件名
(2) 除却等
主要な発電所
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項なし。
② 【ライツプランの内容】
該当事項なし。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項なし。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 有償一般募集
発行価格:1,780.5円 発行価額:1,707.06円 資本組入額:788.34円
2 有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
発行価額:1,707.06円 資本組入額:853.53円 割当先:野村證券株式会社
3 2024年12月27日付で「第三者割当増資における発行株式数の確定に関するお知らせ」において適時開示した
とおり、2024年11月26日付で提出した有価証券届出書の訂正届出書に記載した手取金の総額並びにその使途
の区分ごとの金額について変更が生じている。
①変更の理由
シンジケートカバー取引により、普通株式の取得が行われ、調達資金の手取概算額が変更されたため
②変更の内容
変更箇所については下線で示している
(変更前)
(変更後)
(5) 【所有者別状況】
(注) 1 自己株式16,546株は「個人その他」欄に165単元、「単元未満株式の状況」欄に46株含めて記載している。
なお、自己株式16,546株は、実質的に当社が所有していない名義書換失念株式(441株)を含む株主名簿記載上の株式数であり、2025年3月31日現在の実質的な自己株式の数は16,105株である。
2 「その他の法人」および「単元未満株式の状況」の中には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ142単元および50株含まれている。
(6) 【大株主の状況】
2025年3月31日現在
(注) 1 2025年5月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、ブラックロック・ジャパン株式会社および共同保有者(計9名)が2025年4月30日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日時点における実質所有株式数の確認が出来ないため、上記大株主の状況には含めていない。
なお、当該変更報告書の内容は以下のとおりである。
(注) 2 2025年1月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、野村證券株式会社および共同保有者(計3名)が2025年1月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日時点における実質所有株式数の確認が出来ないため、上記大株主の状況には含めていない。
なお、当該変更報告書の内容は以下のとおりである。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式14,200株(議決権の数142個)および役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する株式557,800株(議決権の数5,578個)が含まれている。
2 「単元未満株式」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式50株、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する株式45株、自己株式46株および相互保有株式52株が含まれている。
② 【自己株式等】
(注) このほか、株主名簿上は当社名義となっているが、実質的には所有していない株式400株および役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する株式557,800株がある。なお、当該株式は「① 発行済株式」の「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式に含まれている。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社は、2018年6月27日開催の第94回定時株主総会において、当社の取締役(社外取締役および国内非居住者である者を除く。)および執行役員(国内非居住者である者を除く。)を対象とした株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入することを決議した。
その後、2020年6月25日開催の第96回定時株主総会において承認を得て、指名委員会等設置会社へ移行し、これにあわせて、株式報酬制度の制度対象者を当社の執行役および執行役員(いずれも国内非居住者を除く。併せて以下「執行役等」という。)へ変更するとともに、本制度を一部改定することにつき、2020年6月25日開催の報酬委員会において決議した。
① 本制度の概要
本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託の仕組みを採用しており、執行役等の役位に応じて当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)を、執行役等に交付および給付(以下「交付等」という。)する株式報酬制度である。
本信託は、当社が拠出する信託金を原資として、株式市場から当社株式を取得する。本信託内の当社株式については、信託期間中、議決権は行使しない。また、信託期間の満了時において、信託契約の変更および追加信託を行うことにより、当初の信託期間(3年間)と同一期間延長することがある。
信託期間中、執行役等には役位に応じてポイントが付与され、退任時に累積ポイントに応じて当社株式等の交付等が行われる。(1ポイントは当社普通株式1株とする。)
② 執行役等に取得させる予定の株式の総数
272,000株(2024年度からの3事業年度を対象とする予定総数)
③ 本制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
執行役等のうち受益者要件を充足する者
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項なし。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項なし。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
(注) 当期間における取得自己株式には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めていない。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間におけるその他(単元未満株式の買増請求)には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買増しによる株式数は含めていない。
2 当期間における保有自己株式数には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り・買増しによる株式数は含めていない。
3 当事業年度および当期間における保有自己株式数には、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する株式数は含めていない。
3 【配当政策】
当社は関西電力グループとして企業価値の向上を図り、株主のみなさまに対して経営の成果を適切に配分することを基本とし、財務体質の健全性を確保したうえで、安定的に配当を実施することを株主還元方針としている。
当事業年度の期末配当については、株主還元方針に基づき、2024年度の業績および2025年度以降の収支状況や、中期経営計画の進捗状況など、経営環境を総合的に勘案し、2025年6月26日開催予定の定時株主総会にて、1株当たり30円の配当を決議する予定としている。これにより年間配当金は、中間配当金30円と合わせて、1株当たり60円となる。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会である。
また、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めている。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりである。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は以下のとおりである。
当社グループは、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」に基づき、ステークホルダーのみなさまのご期待にお応えし続けることで、持続的な企業価値の向上と社会の持続的発展に貢献する。
その実現に向けた経営の最重要課題は、コーポレート・ガバナンスの強化であると認識し、当社のコーポレート・ガバナンスにおいては、経営の透明性・客観性を高めることを目的に、執行と監督を明確に分離した「指名委員会等設置会社」の機関設計を採用する。
監督においては、ステークホルダーのみなさまの視点を反映するため、取締役会を中心に外部の客観的かつ多様な視点を重視した体制を構築し、執行に対して適切な監督を行うことで、経営の透明性・客観性の向上を図る。
また、執行役および従業員等一人ひとりは、「関西電力グループ行動憲章」および「ステークホルダーのみなさまに対する社長宣誓」、「公正な競争の実現に向けたコミットメント」の趣旨に則り、誠実で透明性の高い事業活動を行うとともに、明確化した権限・責任のもと、迅速かつ機動的に意思決定し、実行することで、企業価値の最大化を図る。
② 会社の機関の内容及び内部統制システムの整備状況
当社は、株主総会から経営の負託を受けた取締役会のもとに、執行役会議および各種委員会を置き、業務の執行を適正に行うとともに、取締役会等を通じて取締役および執行役の職務執行を監督している。
なお、取締役会の監督機能をより強化するため、独立性を確保した社外取締役を8名置いており、会社法第427条第1項の規定により、社外取締役との間で、同法第423条第1項の責任について、法令に定める最低責任限度額を限度とする契約を締結している。
また、当社は、取締役および執行役との間で、会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しており、当該契約では、同項第1号の費用について、法令の定める範囲内において補償することとし、同項第2号に定める損失については、補償の対象外としている。
さらに、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者※に対して損害賠償請求がなされたことにより被保険者が被る損害等(法律上の損害賠償金、争訟費用等)を当該保険契約によりてん補することとしている。ただし、犯罪行為や意図的に違法行為を行った場合はてん補の対象外とすること等により、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じている。
※被保険者は以下①、②のとおり。なお、社外派遣役員とは、会社の要請または指示に基づき、社外法人にお
いて役員の地位にある個人をいう。
①当社および当社の取締役、執行役、執行役員、監査特命役員、特任役員および社外派遣役員
②関西電力送配電株式会社および同社の取締役、監査役、執行役員、理事および社外派遣役員
(コーポレート・ガバナンス体制の概念図)

当社の取締役会は独立社外取締役が議長を務め、また、取締役13名のうち8名を独立社外取締役で構成している。取締役会では、法令および取締役会規則に基づき、株主総会議案や各種委員会の構成、執行役人事、役員人事措置、「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」実現に向けたロードマップの改定、中期経営計画(2021-2025)のアップデート、グループの中長期的成長に向けた資本・財務戦略等、当社グループの経営に関わる重要事項等について決議している。また、四半期ごとの決算を含む中期経営計画の進捗状況、内部統制システムの整備・運用状況および株主・投資家をはじめとする各種ステークホルダーとの対話方針等について報告を受け、審議を行っている。
加えて、2024年度も、新電力顧客情報の不適切な取扱いによる電気事業法違反等および特別高圧電力ならびに高圧電力の取引に関する独占禁止法違反を受け策定した業務改善計画のもと、各種再発防止策の進捗状況、組織風土改革および内部統制の抜本的強化の取組状況について、取締役会による特別監督として、取締役会の開催に合わせ、徹底的に審議を行っている。
上記の決議および審議を行うに当たって、取締役会議論の充実およびコーポレート・ガバナンスの強化を目的として、2024年度は、取締役による意見交換会を3回、独立社外取締役のみで構成する会合を2回、取締役および執行役による役員合同研修会を1回開催し、次期中期経営計画策定を念頭に置いた当社グループが目指す姿や、人事制度・人財戦略等、当社の経営課題や将来的な成長戦略の方向性について幅広く議論している。これらの意見交換会や会合等を通じて得られた意見は、以降の取締役会での議論等を通じて経営に反映している。
また、独立社外取締役は、取締役会議題等に係る事前説明の聴取、原子力発電所をはじめとする第一線職場の視察、従業員との対話等、年間を通じて、積極的に当社の状況把握に努めている。
指名委員会については、委員長を含む4名の委員全員が独立社外取締役である。当委員会は、株主総会に提出する取締役の選任および解任に関する議案の内容の決定、取締役の選任方針の決定を行うほか、執行役社長の後継者計画の内容および育成プロセスや顧問の委嘱等について、審議を行っている。2024年度、重点的に審議・意見交換を行った事項には、以下を含む。
✓執行役社長の後継者計画の運用と後継者候補の育成
✓株主総会に提案する取締役人事
✓社外取締役の後継者計画
✓取締役指名方針等の見直し
報酬委員会については、委員長を含む4名の委員全員が独立社外取締役である。当委員会は、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容に関する方針の決定、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容の決定を行うほか、顧問の報酬等について、審議を行っている。2024年度、重点的に審議・意見交換を行った事項には、以下を含む。
✓他社の役員報酬水準や報酬方針の動向等に係る調査結果を踏まえた当社役員報酬のあり方
✓業績連動報酬の仕組みや財務、非財務目標の設定
なお、2024年度の取締役会および指名・報酬委員会の開催状況および個々の取締役の出席状況については次のとおりである。
(注) 1 ( )内は、出席回数/在任中の開催回数を示す。
2 ◎は議長または委員長を示す。
3 ※は独立社外取締役を示す。
4 監査委員会については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (3) 監査の状況」に記載している。
当社グループにおけるコンプライアンスに係る監督機能を強化するため、社外有識者を過半数として、弁護士の菊地伸氏を委員長に計5名で構成する「コンプライアンス委員会」を、社長等執行から独立した委員会として、取締役会直下に設置している。
同委員会は、コンプライアンス推進に係る基本方針や、取締役および執行役等に関する問題事象の対処方針など、特に重要なものについて、審議・承認するとともに、社長等執行に対して必要に応じ直接指導、助言、監督し、取締役会に定期的に報告を行う。
取締役会の決定した基本方針に基づいて、当社グループ全般の重要な業務執行方針および計画ならびに業務執行に関し審議するとともに、必要な報告を受けるため、執行役社長の森望を議長に全ての執行役で構成する「執行役会議」を原則として毎週開催し、迅速かつ適切な会社運営を実施している。
上記に加え、当社は、執行の適正化と円滑化を図るため、各種委員会組織を設置し、執行役会議を通じた意思決定や各部門の業務執行を支援している。これらは各目的に関連する業務を担当する執行役を主として構成し、定期的に開催もしくは必要に応じて適宜開催している。
「組織風土改革会議」については、組織風土改革をはじめとした新電力顧客情報の不適切な取扱いに係る事案および小売電気事業における独占禁止法違反に係る事案の再発防止策を総合的に推進する。同会議は、当該事案に係る全社的な課題の把握・分析、再発防止に向けた総合的方策の策定、組織風土改革や内部統制の強化に向けた具体的方策の検討・推進および実施状況の確認等を行っている。
サステナビリティに係る課題の対応については、当社グループとしての基本的な考え方や、遵守すべき行動の規範を「関西電力グループ行動憲章」に定めるとともに、執行役社長の森望を議長に計22名で構成する「サステナビリティ推進会議」を設置し、当社グループ全体のサステナビリティに関する総合的方策の策定や、実践状況の確認に加え、グループが社会の持続的な発展に貢献するための総合的方策の策定を行い具体的な活動を展開している。
グループ全体の事業に関するコンプライアンス上疑義のある行為等について申し出を受け付ける内部通報制度を整備し、「コンプライアンス相談窓口」を社内外に設置している。また、必要に応じて、事象に則した分野の専門弁護士が対応することとし、弁護士自らの判断でコンプライアンス委員会委員長および監査委員に対処を求め、実効的措置を講じることができる仕組みを確立している。
役員(取締役および執行役等)は、コンプライアンス上問題となる事象、またはその発生のおそれを認識した場合、報告する義務を負い、報告先はコンプライアンス委員会の社外委員および取締役会議長としている。
従業員についても、コンプライアンス上問題となる事象、またはその発生のおそれを認識した場合、上司もしくはコンプライアンス相談窓口へ報告する義務を負うこととしている。
「コンプライアンス相談窓口」は、秘密保護に細心の注意を払って事実調査、対応を行い、通報者および相談者に不利益がないことを、繰り返し周知、徹底するなど、適切に活用できるよう努めている。
なお、コンプライアンス上問題となる事象について、早期に発見し、速やかな是正を図ることを目的として、社内リニエンシー制度を整備し、活用を慫慂している。
当社グループの事業活動に伴うリスクについては、「関西電力グループ リスク管理規程」に基づき、各業務執行部門が自律的に管理することを基本とし、組織横断的かつ重要なリスク(情報セキュリティ、子会社の経営管理、人財基盤、市場リスク、財務報告の信頼性、環境、エネルギー政策、災害、コンプライアンス(競争環境における法令含む)、調達の適正性)については、必要に応じてリスクの分野ごとに専門性を備えたリスク管理箇所を定め、各業務執行部門に対して、助言・指導を行うことで、リスク管理の強化を図っている。これら当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理し、当社グループの持続的な成長を実現するため、「内部統制部会」を設置している。同部会では、内部統制システムの整備・運用状況の評価や、改善に係る総合的方策の検討、また、不備事項の改善指示および改善状況の確認・支援を行う。
原子力安全については、将来世代の従業員まで引き継いでいく原子力安全に係わる理念を社達「原子力発電の安全性向上への決意」として明文化し、これに基づき、たゆまぬ安全性向上に取り組んでいる。また、執行役副社長の藤野研一を委員長に全ての部門の役員等の計18名で構成する「原子力安全推進委員会」において、美浜発電所3号機事故を踏まえた再発防止策の推進や安全文化の醸成、福島第一原子力発電所事故を踏まえた自主的・継続的な取組みに関して、広い視野から確認、議論を行い、全社一丸となり、取組みを推進している。加えて、社外の有識者を主体として上野友慈氏を委員長に計8名で構成する「原子力安全検証委員会」においても、独立的な立場から助言等をいただき、安全性向上の取組みに反映している。なお、これらの状況については、ホームページ等を通じて広くお知らせし、透明性の確保に努めている。
工事の発注や契約手続き、寄付金や協力金に関する拠出手続きの適切性、透明性を確保することを目的に、社外有識者を過半数として、弁護士の瀧洋二郎氏を委員長に計4名で構成する「調達等審査委員会」を設置している。外部の専門家の視点で審査する仕組みを構築することで、工事の発注や寄付等の手続きに関する適切性、透明性を確保している。なお、これらの状況については、ホームページ等を通じて広くお知らせし、透明性の確保に努めている。
子会社に対しては、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等の経営の基本的方向性や行動の規範について、浸透を図るとともに、子会社管理に係る社内規程に基づき、子会社における自律的な管理体制の整備を支援、指導すること、子会社の経営層に対して、各種会議体でのコミュニケーションを通した経営状況の定期的な把握や、会社法をはじめとする法令等に基づく責務・役割の徹底を図るために、外部講師による集合研修を実施すること等により、企業集団の業務の適正を確保している。加えて、子会社における重要な意思決定については、事前に関与することや、経営状況を定期的に把握することに加え、特に当社グループの成長の柱となる事業を担う中核会社については、重要な業務執行方針および計画を執行役会議で審議することにより、グループ全体の企業価値の毀損を未然に防止し、またはこれを最小化するよう努めている。
また、当社は、事業運営の透明性・健全性を確保しつつ、持続的な企業価値の向上を実現するため、次のとおり、業務の適正を確保するための体制を定め、これを実効性の高いものとするべく、継続的な改善に努めるものとする。
業務の適正を確保するための体制の整備についての取締役会決議(2006年4月26日決議 2024年1月31日最終改定)
1.取締役および執行役の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
当社は、執行と監督を明確に分離した指名委員会等設置会社の機関設計を採用するとともに、外部の客観的な視点を重視し、株主総会から経営の負託を受けた取締役会、ならびに指名委員会、報酬委員会および監査委員会の法定3委員会を、それぞれ過半数の独立社外取締役から構成することに加え、取締役会議長および法定3委員会の委員長を独立社外取締役からそれぞれ選定する。また、執行役会議および各種委員会を置き、職務の執行を適正に行う。
取締役および執行役は、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等に定めた経営の基本的方向性や行動の規範に従い、自らの職務の執行を律し、率先してこれを実践する。
取締役会は、経営計画等の経営の基本方針について審議・決定するとともに、経営の基本方針に基づく業務執行の決定については、原則として執行役に委任し、報告を受け、執行役を監督する。
また、コンプライアンスに係る監督機能強化のため、取締役会直下の委員会として、委員長を社外有識者とし過半数を社外委員で構成するコンプライアンスに係る委員会を設置する。同委員会は、コンプライアンスに係る基本方針や、取締役および執行役に関する問題事象の対処方針など特に重要なものについて、審議・承認するとともに、社長等執行に対して必要に応じ直接指導、助言、監督し、取締役会に定期的に報告を行う。取締役および執行役は、違法あるいはコンプライアンス違反の疑いがある行為について、報告する義務を負い、報告先はコンプライアンスに係る委員会および取締役会議長とする。
監査委員会は、取締役・執行役の職務執行について適法性・妥当性の観点から監査を行うとともに、監査の状況・結果について取締役会に報告する。また、必要に応じて執行役等に対して助言又は勧告を行う。監査委員は、執行役会議などの重要な会議体に出席し、執行役から経営上の重要事項に関する説明を聴取する。
また、会計監査人は、会社から独立した立場で、計算書類等の適法かつ適正な作成の観点から会計監査を行う。
2.執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
執行役は、取締役会などの会議体における議事録および業務決定文書等の職務の執行に係る情報について、法令および社内規程に基づき、適正に作成し、保存、管理する。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
事業活動に伴うリスクについては、社内規程に基づき、業務執行箇所が自律的に管理することを基本とし、組織横断的かつ重要なリスクについては、必要に応じてリスクの分野ごとに専門性を備えたリスク管理箇所を定め、業務執行箇所に対して、助言・指導を行う。
さらに、リスクを統括的に管理する委員会において、当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理するよう努める。
4.執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
執行役の職務の執行については、社内規程において、職務権限と責任の所在および指揮命令系統を定めることにより、迅速かつ効率的な執行体制を確保する。
また、重要な業務の執行に関する事項について、全ての執行役により構成する執行役会議において、原則として毎週審議する。
5.使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
執行役は、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等の経営の基本的方向性や行動の規範について、サステナビリティに係る委員会等の活動を通じて、浸透、定着させ、遵守を求める。加えて、当社グループのコンプライアンスに係る推進機能を担う組織を設置し、コンプライアンスに係る委員会の指導、助言、監督を受けることを通じて、使用人の職務の執行の法令等への適合を確保する。
また、使用人および社外の関係者から、違法あるいはコンプライアンス違反の疑いがある行為について、申し出を受け付ける内部通報制度を整備し、コンプライアンス相談窓口を社内外に設置する。使用人は、違法あるいはコンプライアンス違反の疑いがある行為について、報告する義務を負う。その運用に当たっては、通報者の秘密保護や不利な取扱いの排除等を確保する。
6.当社および子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
執行役は、社内規程に基づき、子会社における自律的な管理体制の整備を支援、指導すること等により、当社および子会社から成る企業集団の業務の適正を確保する。
(1) 執行役は、子会社の取締役から定期的に経営状況その他の職務の執行に係る報告を受ける。
(2) 執行役は、子会社の事業活動に伴うリスクについて、子会社が自律的に管理することを基本としつつ、子会社のリスク管理を統括する箇所を定め、子会社の重要な決定への事前関与、経営状況の定期的な把握、リスク管理体制およびリスク管理状況の定期的な確認等を行い、グループ全体の企業価値の毀損を未然に防止し、またはこれを最小化するよう努める。
また、各子会社共通かつ重要なリスクについては、必要に応じて、当社にリスクの分野ごとに専門性を備えたリスク管理箇所を定め、子会社に対して、助言・指導を行うとともに、リスクを統括的に管理する委員会において、子会社の業務執行に伴うリスクを含め、当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理するよう努める。
(3) 執行役は、子会社の取締役の職務の執行について、子会社の社内規程において職務権限と責任の所在および指揮命令系統を定めさせることにより、迅速かつ効率的な執行体制を確保させる。
(4) 執行役は、子会社に対して、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等の経営の基本的方向性や行動の規範について、サステナビリティに係る委員会等の活動を通じて、浸透、定着させ、遵守を求めるとともに、適切な体制を整備させる。加えて、当社グループのコンプライアンスに係る推進機能を担う組織を設置し、コンプライアンスに係る委員会の指導、助言、監督を受けることを通じて、子会社の取締役および使用人の職務の執行の法令等への適合を確保させる。
また、子会社の取締役および使用人から、違法あるいはコンプライアンス違反の疑いがある行為について通報を受け付ける内部通報制度を整備し、コンプライアンス相談窓口を社内外に設置する。その運用に当たっては、通報者の秘密保護や不利な取扱いの排除等を確保するとともに、子会社の取締役および使用人に対して確保させる。
7.監査委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項
執行役は、監査委員会の求めに応じて、監査委員および監査委員会の職務を補助するために、監査実務、監査委員会の運営等を担当する専任組織を設置し、必要な人員を配置する。また、監査委員会の職務を補助する使用人として、監査特命役員を置くことができることとする。
8.監査委員会の職務を補助すべき使用人の執行役からの独立性の確保および当該使用人に対する監査委員会の指示の実効性の確保に関する事項
監査委員および監査委員会の職務を補助する使用人および専任組織は、監査委員会直轄とする。また、当該組織の使用人は、監査委員会の指示に従うとともに、執行役の指揮命令を受けず、当社グループの業務の執行に係るいかなる職位の兼務も行わない。当該使用人の配置、異動、評価に当たっては、監査委員会の意向を尊重する。
9.監査委員会への報告に関する体制
取締役、執行役および使用人ならびに子会社の取締役、監査役、使用人または子会社のこれらの者から報告を受けた者は、当社グループに著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは直ちに監査委員会に報告するとともに、経営、業績に係る重要事項、社内外への開示事項、重要な法令違反等の事実等について、監査委員会に報告する。
10.監査委員会への報告を理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
執行役は、社内規程に基づき、前項の報告を監査委員会に行った者に対する不利な取扱いの排除等を確保し、また子会社に対して確保させる。
11.監査委員会の職務の執行について生じる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
執行役は、社内規程に基づき、監査委員会の職務の執行について生じる費用または債務の処理等については、これを措置する。
12.その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
取締役、執行役および使用人は、監査委員会による監査に協力するとともに、監査委員会の求める諸資料、情報について、遅滞なく提供することにより、監査の実効性を確保する。
なお、監査委員会は、取締役および執行役の直接の関与が疑われる不正事案等において、必要と認めたときは、内部監査部門等に対して調査を求め、またはその職務の執行について具体的に指示できる。
13.業務の適正を確保するための体制の整備・運用状況の確認に関する事項
執行役は、業務の適正を確保するための体制の整備・運用状況に係る適正性・有効性等を定期的に監査するために内部監査組織を設置する。また、社外の有識者の参加も得た内部監査に係る委員会を置き、公正かつ専門的な立場から内部監査の適正性・有効性について審議する。
当該体制の運用状況の概要
1.取締役および執行役の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
当社は、執行と監督を明確に分離した指名委員会等設置会社の機関設計を採用し、外部の客観的な視点を重視し、株主総会から経営の負託を受けた取締役会、ならびに指名委員会、報酬委員会および監査委員会の法定3委員会を、それぞれ過半数の独立社外取締役から構成しており、取締役会議長および法定3委員会の委員長を独立社外取締役からそれぞれ選定している。また、執行役会議および各種委員会を置き、職務の執行を適正に行っている。
取締役および執行役は、経営の基本的方向性や行動の規範に従い、自らの職務の執行を律し、率先してこれを実践している。
取締役会は、2024年度中に14回開催し、経営計画等の経営の基本方針について審議・決定するとともに、経営の基本方針に基づく業務執行の決定については、原則として執行役に委任し、報告を受け、執行役を監督している。また、コンプライアンスに係る監督機能強化のため、取締役会直下の委員会として、委員長を社外有識者とし過半数を社外委員で構成するコンプライアンス委員会を設置している。同委員会は、2024年度中に7回開催し、コンプライアンスに係る基本方針や、取締役および執行役に関する問題事象の対処方針など特に重要なものについて、審議・承認するとともに、社長等執行に対して必要に応じ直接指導、助言、監督し、取締役会に定期的に報告を行っている。
加えて、企業経営の刷新に向け、取締役および執行役等が自らを磨き格別に高い行動規範を堅持するため、コンプライアンス委員会からの提言を踏まえてトレーニングを強化し、コンプライアンス・ガバナンスに関する研修を実施している。取締役および執行役就任時の研修については、就任に当たっての心得や法的責任等に関する研修を実施している。
取締役および執行役は、違法あるいはコンプライアンス違反の疑いがある行為について、報告する義務を負い、コンプライアンス委員会および取締役会議長に報告している。
なお、金品受取り問題をはじめとする一連の不適切事象を踏まえ、環境変化とリスクへの確実な対応や組織風土面に問題があるとの認識のもと、内部統制の抜本的な強化と組織風土改革の取組みを両輪で推進している。当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理し、当社グループの持続的な成長を実現するため、内部統制部会を設置し、内部統制システムの整備・運用状況の評価、改善に係る総合的方策の検討ならびに不備事項の改善指示および改善状況の確認・支援を行っている。また、内部統制の抜本的な強化や組織風土改革をはじめとした再発防止策を総合的に推進するため、2024年度中に組織風土改革会議を20回開催し、一連の不適切事象に係る全社的な課題の把握・分析、再発防止に向けた総合的方策の策定等を行っている。
加えて、取締役会による特別監督として、取締役会開催に併せて、個別の再発防止策の進捗状況はもとより、内部統制の抜本的強化と組織風土改革の取組状況についても報告を求め、フォローアップするとともに、追加的な対策や改善措置の策定、実施についても助言・指導を行っている。
監査委員会は、取締役・執行役の職務執行について適法性・妥当性の観点から監査を行うとともに、監査の状況・結果について取締役会に報告している。また、必要に応じて執行役等に対して助言または勧告を行っている。監査委員は、執行役会議などの重要な会議体に出席し、執行役から経営上の重要事項に関する説明を聴取している。加えて、監査委員会による特別監査として、内部統制の抜本的強化と組織風土改革の取組状況について、定期的かつ必要に応じて報告を求めることとし、その実効性、浸透、定着度合いについて、常勤監査委員等が組織風土改革会議、内部統制部会をはじめとする関連会議等に出席し、適宜、意見表明や監査での気付きをフィードバックするとともに、監査委員会にその内容を報告するなどして、監視・検証を行っている。
また、会計監査人は、会社から独立した立場で、計算書類等の適法かつ適正な作成の観点から会計監査を行っている。
2.執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
執行役は、取締役会などの会議体における議事録および業務決定文書等の職務の執行に係る情報について、法令および社内規程に基づき、適正に作成し、保存、管理している。
3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
執行役は、事業活動に伴うリスクについて、各部門が自律的にリスクを評価して、必要な対策を実施し、部門横断的なリスクについては、リスクの分野ごとに専門性を備えたリスク管理箇所がリスク管理に係る方針、計画等を策定するとともに、業務執行箇所のリスク管理状況を把握、評価し、日常的な支援を行っている。
また、「関西電力グループ リスク管理規程」に基づき、2024年度中に内部統制部会を7回開催し、全社的な視点でリスク管理状況を把握、評価するとともに、組織風土改革会議・取締役会に報告している。
4.執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
執行役は、会社の組織、機構、業務分掌、職位およびそれらの運用について定める「職制規程」ならびに各職位の職責、権限およびそれらの運用について定める「職責権限規程」に基づいて業務運営の責任体制を明確にするとともに、権限の配分、行使を適切な範囲で行い、効率的な体制を構築している。
また、執行役は、2024年度中に執行役会議を48回開催し、重要な業務の執行に関する事項について審議するとともに、必要な報告などを行うことにより効率的な意思決定を行っている。
5.使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
執行役は、「サステナビリティ推進会議規程」に基づき、サステナビリティ推進会議を2024年度中に5回開催し、サステナビリティ活動計画の審議・策定を行い、それに基づき各組織において自律的な取組みを展開するとともに、サステナビリティの浸透状況について確認を行っている。また、執行役等は、従業員とのコミュニケーションの機会等を通じて、全てのステークホルダーのみなさまに誓った社長宣誓や、経営理念等に込めた思いを自らの言葉で伝え浸透を図るとともに、社長宣誓を意識した行動を実践している。さらに、当社グループのコンプライアンスに係る推進機能を担う組織を設置し、コンプライアンス委員会の指導、助言、監督を受けることを通じて、使用人の職務の執行の法令等への適合を確保している。加えて、法令遵守意識を醸成・徹底するため、企業倫理の専門家であるコンプライアンス委員会の社外委員監修のもと、コンプライアンスについて能動的に考える討議型の研修を実施している。
また、使用人および社外の関係者から、違法あるいはコンプライアンス違反の疑いがある行為について、申し出を受け付ける内部通報制度を整備し、コンプライアンス相談窓口を社内外に設置している。使用人は、違法あるいはコンプライアンス違反の疑いがある行為について、報告する義務を負っており、その運用に当たっては、通報者の秘密保護や不利な取扱いの排除等を確保している。
6.当社および子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
執行役は、子会社の経営層との定期的な会議を通して、子会社の経営状況等についてコミュニケーションを行うとともに、四半期ごとに決算実績について報告を受けている。
子会社の事業活動に伴うリスクについては、子会社の重要な決定への事前関与、経営状況の定期的な把握を行うとともに、子会社のリスク管理状況について確認し、内部統制部会で報告を受け、専門性を備えたリスク分野ごとの管理箇所が、定期的に開催する会議等を通して、子会社に日常的な助言・指導を行っている。
また、子会社の経営層に対して、会社法をはじめとする法令等に基づく責務・役割の徹底を図るために、外部講師による集合研修を実施している。
子会社に対し、経営の基本的方向性や行動の規範について、サステナビリティに係る委員会等の活動を通じて、浸透、定着させ、遵守を求めるとともに、業務の適正確保に必要となるコンプライアンス、組織および権限に係る規程の整備状況を確認している。
コンプライアンス相談窓口を社内外に設置し、違法あるいはコンプライアンス違反の疑いがある行為について申し出を受け付けている。その運用に当たっては、通報者の秘密保護や不利な取扱いの排除等を確保するとともに、子会社の取締役および使用人に対して確保させている。
7.監査委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項
執行役は、執行部から独立した組織として監査委員会室を設置し、監査委員会室は14名のスタッフにより監査計画に基づく監査実務、監査委員会の運営等を実施している。また、監査委員会の職務を補助する使用人として、監査特命役員2名を置いている。
8.監査委員会の職務を補助すべき使用人の執行役からの独立性の確保および当該使用人に対する監査委員会の指示の実効性の確保に関する事項
当社は、監査委員会直属の監査業務専任のスタッフについて、執行役の指揮命令を受けず、また、その評価・異動等は監査委員会の意向が尊重されているなど、執行役からの独立性を確保している。
9.監査委員会への報告に関する体制
当社は、「監査委員会監査の実効性確保に関する規程」に基づき、経営・業績に係る重要事項、社内外への開示事項等について、監査委員会に報告を行っている。
10.監査委員会への報告を理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
執行役は、社内規程を整備し、不利な取扱いの排除を確保している。また、子会社の不利な取扱いの排除について、全ての子会社において規程化されていることを確認している。
11.監査委員会の職務の執行について生じる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
執行役は、監査業務に必要な費用を確保している。
12.その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
当社は、「監査委員会監査の実効性確保に関する規程」等の社内規程に基づき、監査委員会または監査委員会スタッフの監査に係る調査に協力している。
主要な委員会等については、委員会等事務局が都度、常勤監査委員等に開催案内を送付し、委員会等の資料・議事録の提供などを適切に行っている。常勤監査委員等は、委員会等に都度出席し、審議状況を聴取し、必要に応じて意見を述べている。
また、取締役および執行役の直接の関与が疑われる不正事案等において、必要に応じ、内部監査部門等に対して調査を求め、職務の執行について具体的に指示することとしている。
13.業務の適正を確保するための体制の整備・運用状況の確認に関する事項
執行役は、内部監査の専任組織として経営監査室を設置し、業務の適正を確保するための体制の整備・運用状況に係る適正性・有効性等を監査しており、その結果については、社外有識者を含む経営監査委員会において審議するとともに執行役会議・取締役会において報告を行っている。
③ 取締役の定員
当社の取締役は、20名以内とする旨定款に定めている。
④ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任の決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めている。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨定款に定めている。
⑤ 取締役会において決議することができる株主総会決議事項
イ.自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨定款に定めている。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とすることを目的とするものである。
ロ.取締役及び執行役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む。)および執行役(執行役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めている。これは、取締役および執行役が期待される役割を十分に発揮できるようにすることを目的とするものである。
ハ.中間配当
当社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日の最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に、中間配当を行うことができる旨定款に定めている。これは、株主への配当の機会を確保することを目的とするものである。
⑥ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めている。これは、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものである。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
1.2025年6月25日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりである。
男性20名 女性5名 (役員のうち女性の比率20.0%)
イ.取締役の状況
(注) 1 榊原定征、友野宏、髙松和子、内藤文雄、真鍋精志、田中素子、園潔および矢萩典代の各氏は、社外取締役である。
2 当社は、社外取締役全員を、株式会社東京証券取引所が定める独立役員として指定し、届け出ている。
3 取締役の任期は、2024年6月26日の選任から、2025年6月26日開催予定の第101回定時株主総会の終結の時までである。
ロ.執行役の状況
(注) 1 野地小百合氏以外の執行役の任期は、2024年6月26日の選任から、2025年6月26日開催予定の第101回定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までである。
2 野地小百合氏の任期は、2025年4月1日から、2025年6月26日開催予定の第101回定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までである。
2.2025年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役13名選任の件」を提案してお
り、当該議案が承認可決されると、当社の役員の状況及びその任期は、以下のとおりとなる予定である。
なお、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会の決議事項の内容等(役職名等)を含めて記載し
ている。
男性21名 女性5名 (役員のうち女性の比率19.2%)
イ.取締役の状況
(注) 1 榊原定征、友野宏、髙松和子、内藤文雄、真鍋精志、園潔、矢萩典代および原悦子の各氏は、社外取締役である。
2 当社は、社外取締役全員を、株式会社東京証券取引所が定める独立役員として指定し、届け出ている。
3 取締役の任期は、2025年6月26日の選任から、2026年3月期に関する定時株主総会の終結の時までである。
ロ.執行役の状況
(注) 執行役の任期は、2025年6月26日の選任から、2026年3月期に関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までである。
② 社外役員の状況
外部の客観的な視点を重視した実効的なガバナンス体制の構築に向け、取締役会の監督機能を強化するため、独立性を確保した社外取締役を8名置き、社外取締役を取締役会長としている。
社外取締役は、株式会社東京証券取引所が定める独立役員の要件を踏まえ、当社が独自に定める独立性基準を満たしており、社外取締役本人ならびに社外取締役が現在または過去において業務執行者であった法人と当社との間の取引の内容等に鑑みて、当社との間に特別の利害関係がないことを確認している。
<当社が定める独立性基準>
当社は、社外取締役が以下1~9のいずれにも該当しない場合に、独立性を有するものと判断する。
③ 社外取締役による監督または監査と内部監査、監査委員会監査及び会計監査との相互連携ならびに内部統制部
門との関係
社外取締役は、取締役会等を通じて、執行役等の職務の執行を監督している。また、社外取締役4名を含む監査委員会は、内部監査部門、会計監査人および内部統制部門と、「(3)監査の状況」に記載のとおり相互連携等を図りながら監査を行うとともに、取締役会において当該監査結果を報告している。
(3) 【監査の状況】
① 監査委員監査の状況
監査委員会を構成する委員は、6名の体制としており、非業務執行取締役のみで構成している。また、委員長は独立社外取締役であり、委員6名のうち4名が独立社外取締役である。監査委員会を構成する取締役には、適切な経験・能力および必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者を選定しており、特に財務・会計に関する十分な知見を有する者を複数確保している。さらに、監査委員会がその役割・機能を適切に果たすことができるように、監査委員会を補助する使用人として、監査特命役員2名を設置するとともに、監査委員会の職務を補助する専任組織として監査委員会室(14名)を設置するなど、監査機能の充実に努めている。監査委員会室については、その独立性を担保するために監査委員会直轄とし、当社グループの業務執行に係るいかなる職務の兼務も行っていない。
監査委員会は、取締役会で決定した当社グループの経営に関わる重要事項等を踏まえた監査計画を策定し、当社グループの事業活動が適法・適正に行われているか、また、リスクの防止と企業価値の向上に向けて適切・妥当な意思決定や業務執行が行われているか、との観点から監査を行うとともに、取締役会や執行役への報告、意見表明等を行っている。2024年度、重点的に行った監査等の事項には、以下を含む。
✓コンプライアンスの徹底に係る取組みの監視、検証
✓重要な経営課題に関する業務執行の監視、検証
✓グループガバナンス強化の監視、検証
✓金品受取り問題および役員退任後の嘱託等の報酬に関する問題について、当社が提起した旧役員を被告とする損害賠償請求訴訟の対応
なお、当事業年度監査委員会の開催状況および個々の監査委員の出席状況については次のとおりである。
(注) 1 ( )内は、出席回数/在任中の開催回数を示す。
2 ◎は委員長を示す。
3 ※は独立社外取締役を示す。
監査委員会は、会計監査人から、期初の段階で、監査計画の説明を受けるとともに、その実施状況について、中間期に期中レビューの状況、期中および期末に年度監査の状況報告を受け、意見交換を行うなど、互いに緊密な連携を保っている。また、監査上の主要な検討事項(KAM)についても、会計監査人と年度中に複数回協議し、意見交換を行っている。
監査委員会と会計監査人との主な連携の状況は次のとおりである。(注1)
(注) 1 監査委員会が選定する監査委員と会計監査人との連携を含む。
2 年度を通じて、各報告時に、監査計画の見直しがあればその報告を受けている。
3 KAMに関連する情報開示の適切性・整合性についても確認をしている。
② 内部監査の状況
イ.内部監査の目的
内部監査については、リスクベースで客観的なアシュアランス業務およびアドバイザリー業務等により、経営理念の実現に寄与し、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に貢献することを目的としており、「経営監査規程」に基づき、業務の適正を確保するための体制の整備・運用状況に係る適正性・有効性等の監査を行っている。
ロ.内部監査の組織・人員・手続
内部監査の専任組織として、公認内部監査人や公認情報システム監査人を擁する「経営監査室」を設置している。内部監査計画については、当社グループを巡る様々なリスク事象等を踏まえ、執行役会議に付議し、監査委員会に報告している。また、監査結果については、執行役会議、取締役会および監査委員会に報告を行っている。
なお、各職場は、監査結果を踏まえ、必要な改善活動を行うなど、適正な業務運営の確保に努めており、経営監査室は、適宜、監査における指摘事項のフォローアップを実施している。
ハ.内部監査、監査委員監査及び会計監査との相互連携等
経営監査室、監査委員会および会計監査人は、適宜、連携して監査を実施することおよび監査計画や監査結果の意見交換等を通じて互いに緊密な連携を保っている。
また、経営監査室は、リスク管理体制において、業務執行部門および横断的なリスク管理箇所から独立し、客観的に監査を行っている。
ニ.内部監査の実効性を確保するための取組み
社外の見識や情報を取り入れ、公正かつ専門的な立場から、グループ全体の内部監査の適正を確保するため、執行役副社長の荒木誠を委員長に社外の有識者を含む計7名で構成する「経営監査委員会」を設置している。
③ 会計監査の状況
イ.監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
ロ.継続監査期間
57年
ハ.業務を執行した公認会計士
筆頭業務執行社員 石井尚志氏 (継続関与年数 6年)
業務執行社員 野出唯知氏 (継続関与年数 4年)
業務執行社員 奥野孝富氏 (継続関与年数 5年)
なお、監査の独立性を保持するため、業務執行社員は公認会計士法に基づくローテーションを適切に実施しており、連続して7会計期間を超えて監査業務に関与しておらず、補助者として従事した期間を含めても、連続して10会計期間を超えて監査業務に関与していない。
また、筆頭業務執行社員としては、連続して5会計期間を超えて監査業務に関与していない。
加えて、同監査法人および当社監査に従事する同監査法人の業務執行社員と当社との間には、特別な利害関係はない。
ニ.監査業務に係る補助者の構成
会計監査業務に係る補助者は、公認会計士17名、その他57名である。
ホ.監査法人の選定方針と理由
会計監査人の選定に際しては、監査法人の品質管理体制、監査の実施体制等、監査委員会が策定した基準により決定することとしている。
なお、会計監査人の解任または不再任の決定の方針は、次のとおりである。
・会計監査人が会社法第340条第1頂各号のいずれかに該当し、会計監査人の解任を相当と判断した場合には、監査委員会は、監査委員全員の同意により、会計監査人を解任する。
・会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当し、または会計監査人としての信頼を損なう事情があることその他の事由により、会計監査人の解任または不再任を相当と判断した場合には、監査委員会は、会計監査人の解任または不再任に関する株主総会提出議案の内容を決定する。
ヘ.監査委員会による監査法人の評価
会計監査人の評価については、日常の監査を通じ、会計監査人の監査品質を監視・検証するとともに、当社の経理部門・内部監査部門および会計監査人からも情報を収集し、監査法人の独立性や専門性について、評価基準に基づき適切に実施している。
監査委員会で策定した評価基準は、以下の7項目である。
1.監査法人の品質管理
2.監査チーム
3.監査報酬・効率性
4.監査委員会とのコミュニケーション
5.経営者等との関係
6.グループ監査
7.不正リスク
この結果、監査委員会は、有限責任監査法人トーマツが当社の会計監査人として適任であると判断している。
④ 監査報酬の内容等
イ.監査公認会計士等に対する報酬
(注) 監査証明業務に基づく報酬については、当連結会計年度において、上記以外に前連結会計年度に係る追加報酬の額が、提出会社において15百万円、連結子会社において17百万円ある。
(前連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、ISSB開示対応コンサルティング業務等である。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、送配電部門収支等に関する合意された手続業務である。
(当連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、第7回米ドル建社債コンフォートレター作成業務委託等である。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、DX機運醸成に関する助言業務である。
ロ.監査公認会計士等と同一のネットワーク(Deloitte Touche Tohmatsu Limitedのメンバーファーム)に対する報酬(イ.を除く)
(前連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、エリア別系統電力需要想定に関するアドバイザリー業務等である。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、大規模システム開発に向けたアドバイザリー業務等である。
(当連結会計年度)
当社における非監査業務の内容は、エリア別系統電力需要想定に関するアドバイザリー業務等である。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、税務デューデリジェンスに関する業務等である。
ハ.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
当社の連結子会社の一部は、監査法人浩陽会計社に対して、監査証明業務に基づく報酬を支払っている。
(当連結会計年度)
当社の連結子会社の一部は、監査法人浩陽会計社に対して、監査証明業務に基づく報酬を支払っている。
ニ.監査報酬の決定方針
該当事項なし。
ホ.監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社の監査委員会は、会計監査人の監査計画、監査の職務遂行状況および報酬見積りなどの相当性を確認し検討した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行っている。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針に係る事項等
イ.取締役および執行役の報酬等の決定に関する方針
(報酬制度の方針および概要)
取締役および執行役の報酬は、会社法の規定に基づき、報酬委員会において決定する。業務執行を担わない取締役の報酬については、その役割を踏まえ、基本報酬のみの構成とする。業務執行を担う執行役の報酬については、企業業績と企業価値の持続的な向上に資するよう、各執行役の地位等に応じて求められる職責などを勘案した基本報酬に加えて、短期インセンティブ報酬としての業績連動報酬および中長期インセンティブ報酬としての株式報酬で構成し、その支給割合については、目安として「基本報酬:業績連動報酬:株式報酬=6:3:1」となるよう、設定する。
(報酬決定プロセス)
社外取締役のみで構成している報酬委員会において、「取締役および執行役の報酬等の決定に関する方針」を定めたうえで、この方針に則り、取締役および執行役の個人別の報酬を決議している。また、報酬水準など、報酬に関する諸課題について、外部機関のデータや他社状況などを活用しつつ、経営環境を踏まえて検討することとしている。
ロ.報酬体系(基本報酬、業績連動報酬、株式報酬)
(基本報酬)
当社の基本報酬は、各取締役および執行役の地位等に応じて求められる職責などを勘案して、役位に応じた基準額を毎月定額で支給している。
(業績連動報酬)
当社の業績連動報酬は、前年度の業績等に係る達成率を踏まえて決定する「業績連動報酬Ⅰ」および、当年度の業績等に係る達成率を踏まえて決定する「業績連動報酬Ⅱ」により構成している。「業績連動報酬Ⅰ」は基本報酬と合わせて毎月定額で支給し、「業績連動報酬Ⅱ」は、2025年6月26日開催予定の第101回定時株主総会後に開催する報酬委員会の決議に基づき、年1回、7月に賞与として支給することを予定している。
なお、業績については、中期経営計画の財務目標に沿った各指標およびESG等の取組実績を踏まえた全社業績と、各担当部門の取組実績を踏まえた個人別業績から構成しており、その支給額については、役位ごとの基準額に、目標に対する達成率を乗じて算定することとしている。
<業績連動報酬の具体的な算定方法(2024年7月~2025年6月における役員報酬)>

(注) 1 業績連動報酬の役位別基準額(年額) 取締役執行役社長 2,700万円
取締役執行役副社長 2,010万円
執行役副社長 1,860万円
執行役常務 1,260万円
2 全社業績は、業績の達成率に応じて0~150%の範囲で変動する。
3 個人別業績は、個人別の成果などに応じて0~120%の範囲で変動する。なお、執行役社長は個人別業績を適用せず、全社業績の割合を100%とする。
4 業績連動報酬Ⅱに係る達成率は、2025年6月26日開催予定の第101回定時株主総会後に開催する報酬委員会において決議を予定している。
なお、2025年7月以降の業績連動報酬について、下記のとおり変更を予定しており、2025年6月26日開催予定の第101回定時株主総会後に開催する報酬委員会において決議を予定している。決議結果は定時株主総会後に提出する臨時報告書にて開示する。
(業績連動報酬)
当社の業績連動報酬は、当年度の業績等に係る達成率を踏まえ、2026年6月開催予定の報酬委員会の決議に基づ
き、年1回、7月に賞与として支給することを予定している。
なお、業績については、中期経営計画の財務目標に沿った各指標およびESG等の取組実績を踏まえた全社業績と、各担当部門の取組実績を踏まえた個人別業績から構成しており、その支給額については、役位ごとの基準額に、目標に対する達成率を乗じて算定することとしている。
<業績連動報酬の具体的な算定方法(2025年7月~2026年6月における役員報酬)>

(注) 1 業績連動報酬の役位別基準額(年額) 取締役執行役社長 2,700万円
取締役執行役副社長 2,010万円
執行役副社長 1,860万円
執行役常務 1,260万円
2 全社業績は、業績の達成率に応じて0~150%の範囲で変動する。
3 個人別業績は、個人別の成果などに応じて0~120%の範囲で変動する。なお、執行役社長は個人別業績を適用せず、全社業績の割合を100%とする。
(株式報酬)
当社の株式報酬は、執行役等に、役位に応じた基準額に基づき、毎年一定のポイントを付与し、退任時にポイントの累積値に応じて、当社株式を交付および当社株式の換価処分金相当額の金銭を支給している。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注) 1 業績連動報酬および株式報酬の金額は、当事業年度の費用計上額を記載している。
2 「取締役」の対象となる役員の員数には、2024年6月26日開催の第100回定時株主総会の終結の時をもって退任した取締役2名も含めている。
3 「執行役」の対象となる役員の員数には、取締役を兼務する執行役の人数を含めている。また、2024年6月26日をもって退任した執行役2名も含めている。
4 当事業年度の業績連動報酬に係る指標の目標および実績については、P.87のとおり。
5 当事業年度の期末時点における取締役(社外取締役を除く)ごとの報酬等の額は、次のとおりである。
(注)業績連動報酬および株式報酬の金額は、当事業年度の費用計上額を記載している。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準および考え方
当社は、投資株式のうち、株式価値の変動または株式に係る配当によって利益を得ることのみを目的に保有する株式を純投資目的と区分し、その他の株式を純投資目的以外と区分している。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
イ.保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有適否に関する検証内容
当社は、事業運営上の必要性や地域社会の発展・繁栄など、グループ全体の企業価値の維持・向上の観点から、株式を保有している。
上場株式の保有適否については、毎年、取締役会において、事業運営上の必要性や経済合理性を総合的に勘案し判断している。
ロ.銘柄数および貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(注)当事業年度において株式数が増加または減少した銘柄には、株式併合、株式分割、株式移転、株式交換、
合併等で変動した銘柄は対象外としております。
③ 特定投資株式およびみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
定量的な保有効果は、記載が困難なため記載していない。なお、保有の合理性は、毎年、取締役会において、事業運営上の必要性や経済合理性を総合的に勘案し判断している。
特定投資株式
(注) 1 ㈱三井住友フィナンシャルグループは、2024年10月1日付で1株につき3株の割合にて株式分割を実施し
ている。
2 レジル㈱は、非上場株式として保有していたが、2024年4月24日に東京証券取引所グロース市場に上場し
たため当事業年度より記載している。
3 岩谷産業㈱は、2024年10月1日付で1株につき4株の割合にて株式分割を実施している。
4 西日本旅客鉄道㈱は、2024年4月1日付で1株につき2株の割合にて株式分割を実施している。
5 石油資源開発㈱は、2024年10月1日付で1株につき5株の割合にて株式分割を実施している。
④ 保有目的が純投資目的である投資株式
当社は、純投資目的の株式を保有していない。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年10月30日大蔵省令第28号 以下「連結財務諸表規則」という。)に準拠し、「電気事業会計規則」(昭和40年6月15日通商産業省令第57号)に準じて作成している。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年11月27日大蔵省令第59号 以下「財務諸表等規則」という。)第2条に基づき「電気事業会計規則」(昭和40年6月15日通商産業省令第57号)によっているが、一部については、財務諸表等規則に準拠して作成している。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表ならびに事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツによる監査を受けている。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、会計基準等の内容を適切に把握し、または会計基準等の変更について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入している。
また、同機構およびその他社外団体等の行うセミナー等に参加している。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結貸借対照表】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1 連結の範囲に関する事項
(1) 連結子会社
連結子会社の数 92社
主要な連結子会社名は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載している。
当連結会計年度中に、新規設立したKXリニューアブルエナジー(同)およびPT.KANSAI ENERGY SOLUTIONS INDONESIA他4社、株式取得により1社を、それぞれ新たに連結の範囲に含めている。
また、合併により1社を、株式の譲渡により海幸ゆきのや(同)他2社を、清算結了により1社を、それぞれ連結の範囲から除外している。
(2) 主要な非連結子会社
S.O.W.アセットファイナンス参号投資事業有限責任組合
非連結子会社は、その純資産および当期純損益の大部分が非支配株主に帰属すること、加えて、合計の総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)および利益剰余金(持分に見合う額)等は、いずれも連結貸借対照表および連結損益計算書に重要な影響を及ぼさないことから、連結の範囲から除外している。
2 持分法の適用に関する事項
(1) 持分法を適用した非連結子会社及び関連会社
関連会社の数 8社
主要な会社の名称 日本原燃㈱、㈱きんでん、㈱エネゲート、SAN ROQUE POWER CORP.
当連結会計年度中の持分比率の低下により1社を持分法適用の範囲から除外している。
(2) 持分法を適用していない主要な非連結子会社及び関連会社
日本原子力発電㈱
持分法を適用していない非連結子会社および関連会社は、それぞれ連結純損益および連結利益剰余金等に及ぼす影響が軽微であり、かつ、全体としてもその影響に重要性が乏しいことから、持分法の適用範囲から除外している。
3 連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社の決算日が連結決算日と異なる会社のうち、1社の決算日は10月31日であり、㈱ニュージェック、KANSAI ELECTRIC POWER HOLDINGS AUSTRALIA PTY LTD、KANSAI ELECTRIC POWER AUSTRALIA PTY LTD、KANSAI ELECTRIC POWER FTS PTE. LTD.、PT.KANSAI ELECTRIC POWER INDONESIA、PT.KANSAI ENERGY SOLUTIONS INDONESIA他11社の決算日は12月31日である。
連結財務諸表の作成にあたっては、10月31日を決算日とする連結子会社および12月31日を決算日とする連結子会社のうち1社について、連結決算日現在で本決算に準じた仮決算を行った財務諸表を使用している。
その他の連結子会社は、当該連結子会社の決算日に係る財務諸表を使用し、連結決算日との間に生じた重要な取引については、連結上必要な調整を行っている。
なお、KDM POWER LIMITEDは、当連結会計年度より従来の3月31日から12月31日へ決算期を変更したことにより、連結決算日現在で本決算に準じた仮決算を行った財務諸表を使用している。
4 会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
ア 有価証券
① 満期保有目的債券
償却原価法
② その他有価証券
・市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は主として移動平均法により算定している。)
・市場価格のない株式等
主として移動平均法による原価法
イ デリバティブ
時価法
ウ 棚卸資産
主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定している。)
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
有形固定資産は主として定額法、無形固定資産は定額法によっている。
(3) 重要な引当金の計上基準
ア 貸倒引当金
貸倒れによる損失に備えるため、期末金銭債権に対して実績率等による回収不能見込額を計上している。
イ 債務保証損失引当金
債務保証に係る損失に備えるため、被保証先の財政状態等を勘案し、損失見込額を計上している。
ウ 渇水準備引当金
渇水による費用の増加に備えるため、「電気事業法等の一部を改正する法律」(平成26年法律第72号)附則第16条第3項の規定により、なおその効力を有するものとされる改正前の電気事業法(昭和39年法律第170号)第36条の規定により、「渇水準備引当金に関する省令」(平成28年経済産業省令第53号)に基づき計算した額を計上している。
(4) 退職給付に係る会計処理の方法
退職給付に充てるため、将来の退職給付見込額を基礎とした現価方式による退職給付債務の額(一部の連結子会社は年金資産の評価額を控除した額)を退職給付に係る負債に計上している。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、期間定額基準によっている。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として3年)による定額法により費用処理している。
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として3年)による定額法(一部の連結子会社は定率法)により按分した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度(一部の連結子会社は発生の当連結会計年度)から費用処理することとしている。
(5) 重要な収益の計上基準
当社および連結子会社の顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容および当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は、以下のとおりである。
ア エネルギー事業
エネルギー事業では、小売・卸売の電気およびガスの販売が主な収入である。
当社の電気販売のうち小売に関しては、契約期間にわたり電気の供給を行うことが履行義務であり、電気事業会計規則に従い、毎月の検針により計量された使用量等に基づき算定される料金を当月分の収益とする検針日基準により収益を認識している。
当社の電気販売のうち卸売に関しては、契約期間にわたり電気の供給を行うことが履行義務であり、供給した電力量等に応じて履行義務を充足し、毎月の供給量等に基づき算定される料金により収益を認識している。
当社のガス販売および子会社の電気販売は、契約期間にわたり電気およびガスの供給を行うことが履行義務であり、時の経過等に応じて履行義務を充足し、毎月の使用量等に基づき算定される料金により収益を認識している。また、期末月に実施した検針の日から期末日までの使用量等にかかる収益については、未検針の使用量および単価を見積り、収益を認識している。
なお、電気料金の一部である、「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」(平成23年法律第108号)第36条第1項の再エネ特措法賦課金は、第三者のために回収する額に該当することから営業収益に含めていない。
イ 送配電事業
送配電事業では、送電サービスが主な収入である。
送電サービスは、契約期間にわたり電気を託送供給することが履行義務であり、電気事業会計規則に従い、毎月の検針により計量された使用量に基づき算定される料金を当月分の収益とする検針日基準により収益を認識している。
ウ 情報通信事業
情報通信事業のコンシューマ向けおよび法人向けサービスでは、光ファイバーネットワークを用いて提供する情報通信サービスが主な収入である。
強制力のある権利および義務を有している期間を契約期間として契約期間にわたりインターネットサービスを提供することが主な履行義務であり、時の経過に応じて履行義務を充足し、固定の月額料金および従量料金に基づき収益を認識している。
なお、情報通信サービスに関して、標準工事費、契約事務手数料等の初期費用収入は、更新オプションとして履行義務を識別し、見積契約更新期間にわたって収益を配分している。
エ 生活・ビジネスソリューション事業
生活・ビジネスソリューション事業の不動産分譲およびフィービジネスでは、不動産の販売および不動産の総合管理サービスが主な収入である。
不動産分譲においては、不動産の販売が履行義務であり、不動産売買契約に基づく販売価格により取引価格を算定し、物件の引渡時点において収益を認識している。
また、不動産の総合管理サービスにおいては、契約期間にわたり設備管理、警備および清掃等の各種サービスを提供することが主な履行義務であり、各サービスの提供度合に応じて収益を認識している。
(6) 重要なヘッジ会計の方法
ア ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用している。なお、為替予約および通貨スワップについて振当処理の要件を満たしているものは振当処理を、金利スワップについて特例処理の要件を満たしているものは特例処理を採用している。
イ ヘッジ対象、ヘッジ手段及びヘッジ方針
通常業務から発生する債権債務などを対象として、為替予約取引、通貨スワップ取引、金利スワップ取引、商品(燃料)スワップ取引などを利用している。
これらの取引は、為替、金利および燃料価格の変動によって生じるキャッシュ・フローの変動リスクまたは債権債務の時価変動リスクを、回避・軽減する目的に限って実行している。
ウ ヘッジ有効性評価の方法
事後テストは決算日ごとに有効性の評価を行っている。なお、ヘッジ対象とヘッジ手段の間に高い有効性が認められるものについては事後テストは省略している。
(7) のれんの償却方法及び償却期間
のれんは5年から20年の期間で均等償却している。
(8) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、要求払預金および取得日から3ヶ月以内に満期日の到来する流動性の高い、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期的な投資を資金の範囲としている。
(9) その他連結財務諸表作成のための重要な事項
ア 原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施に要する費用の計上方法
「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第44号)第3条の規定による改正後の「原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律」(平成17年法律第48号 以下「再処理法」という。)第5条第2項に規定する拠出金(再処理法第2条第4項第1号に規定する再処理関連加工の業務に係る拠出金を除く。)の額を原子力発電所の運転に伴い発生する使用済燃料の量に応じて電気事業営業費用として計上している。
なお、再処理関連加工の業務に係る拠出金については、使用済燃料再処理関連加工仮勘定に計上している。
イ 実用発電用原子炉に係る廃炉の実施に要する費用の計上方法
「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第44号)第3条の規定による改正後の「原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律」(平成17年法律第48号)第11条第2項に規定する当連結会計年度に係る拠出金の額を電気事業営業費用として計上している。
ウ 廃炉円滑化負担金の概要及び原子力廃止関連仮勘定の償却方法
廃炉会計制度は、廃炉の円滑な実施等を目的として措置されており、エネルギー政策の変更や安全規制の変更等に伴い廃止した原子炉の残存簿価等(原子力特定資産簿価、原子力廃止関連仮勘定簿価(原子力廃止関連費用相当額を含む。)および「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備に関する省令」(令和6年経済産業省令第21号 以下「改正省令」という。)附則第2条の規定による廃止前の原子力発電施設解体引当金に関する省令における原子力発電施設解体引当金の要引当額)について、同制度の適用を受け、一般送配電事業者の託送料金により、廃炉円滑化負担金として回収している。
同制度の適用にあたり、当社は改正省令による改正前の「電気事業法施行規則」(平成7年通商産業省令第77号)第45条の21の12の規定により、経済産業大臣宛に廃炉円滑化負担金承認申請書を提出し、経済産業大臣の承認を受けている。また、経済産業大臣から回収すべき廃炉円滑化負担金の通知を受けた関西電力送配電株式会社は、「電気事業法施行規則」(平成7年通商産業省令第77号)第45条の21の11の規定により、廃炉円滑化負担金の回収ならびに当社および日本原子力発電株式会社への払い渡しを行っている。
原子力廃止関連仮勘定は、「電気事業法施行規則等の一部を改正する省令」(平成29年経済産業省令第77号)附則第5条、第8条および改正省令附則第9条の規定により、関西電力送配電株式会社から払い渡される廃炉円滑化負担金相当金に応じて償却している。
エ グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用している。
(重要な会計上の見積り)
前連結会計年度
市場価格のない有価証券の評価
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額 796,812百万円
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
市場価格のない有価証券は、純資産額または事業計画等に基づく将来のキャッシュ・フロー見通し等を用いて評価しており、評価の結果として実質価額が著しく下落した場合に減損処理を実施している。
純資産額または事業計画等に基づく将来のキャッシュ・フロー見通し等は、投資先の事業の状況や財政状態等によって変動する可能性があり、変動した場合には、有価証券の評価に影響を与える可能性がある。
当連結会計年度
市場価格のない有価証券の評価
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額 802,148百万円
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
市場価格のない有価証券は、純資産額または事業計画等に基づく将来のキャッシュ・フロー見通し等を用いて評価しており、評価の結果として実質価額が著しく下落した場合に減損処理を実施している。
純資産額または事業計画等に基づく将来のキャッシュ・フロー見通し等は、投資先の事業の状況や財政状態等によって変動する可能性があり、変動した場合には、有価証券の評価に影響を与える可能性がある。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)
ほか、関連する企業会計基準、企業会計基準適用指針、実務対応報告および移管指針の改正
1 概要
国際的な会計基準と同様に、借手のすべてのリースについて資産・負債を計上する等の取扱いを定めるもの。
2 適用予定日
2028年3月期より適用予定である。
3 当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当連結財務諸表作成時において評価中である。
(表示方法の変更)
1 連結損益計算書関係
前連結会計年度において、区分掲記していた「営業外収益」の「為替差益」は、重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において、「営業外収益」に表示していた「為替差益」18,333百万円、「その他」21,079百万円は、「その他」39,412百万円として組み替えている。
2 連結キャッシュ・フロー計算書関係
前連結会計年度において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「棚卸資産の増減額(△は増加)」は、重要性が増したため、当連結会計年度より区分掲記することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた25,432百万円は、「棚卸資産の増減額(△は増加)」△4,046百万円、「その他」29,479百万円として組み替えている。
前連結会計年度において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「営業譲渡による収入」は、重要性が増したため、当連結会計年度より区分掲記することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた6,489百万円は、「営業譲渡による収入」2,654百万円、「その他」3,834百万円として組み替えている。
前連結会計年度において、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「自己株式の売却による収入」、「非支配株主への配当金の支払額」、「連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出」は、重要性が増したため、当連結会計年度より区分掲記することとし、区分掲記していた「財務活動によるキャッシュ・フロー」の「コマーシャル・ペーパーの発行による収入」、「コマーシャル・ペーパーの償還による支出」は、重要性が乏しくなったため、当連結会計年度より「その他」に含めて表示することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「財務活動によるキャッシュ・フロー」に表示していた「コマーシャル・ペーパーの発行による収入」90,000百万円、「コマーシャル・ペーパーの償還による支出」△252,000百万円、「その他」△9,776百万円は、「自己株式の売却による収入」2百万円、「非支配株主への配当金の支払額」△2,845百万円、「連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出」△160百万円、「その他」△168,773百万円として組み替えている。
(追加情報)
1 「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」の施行に伴う電気事業会計規則の改正
2024年4月1日に「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第44号 以下「改正法」という。)および「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令」(令和6年経済産業省令第21号 以下「改正省令」という。)が施行されたことにより、「原子力発電施設解体引当金に関する省令」(平成元年通商産業省令第30号 以下「解体省令」という。)が廃止され、電気事業会計規則が改正された。
実用発電用原子炉に係る廃炉の実施に必要な費用は、従来、資産除去債務に計上し、資産除去債務相当資産(解体省令第5条第3項ただし書の要引当額の相当額を含む。)については、「資産除去債務に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第21号 平成20年3月31日)を適用し、解体省令の定める積立期間(運転を廃止した特定原子力発電施設に係る積立期間については、解体省令第5条第6項による経済産業大臣から通知を受けた期間)にわたり、定額法により費用化していたが、改正省令の施行日以降は、改正法第3条の規定による改正後の「原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律」第11条第2項に規定する廃炉拠出金を、電気事業営業費用として計上することとなった。
原子力事業者は、従来、その各々が保有する実用発電用原子炉に係る廃炉の実施に要する資金を確保する責任を負っていたが、改正法に基づき、毎年度、使用済燃料再処理・廃炉推進機構(以下「機構」という。)に対して廃炉拠出金を納付することで費用負担の責任を果たすこととなり、機構は廃炉に要する資金の確保・管理・支弁を行う経済的な責任を負うこととなった。
これにより、改正省令の施行時点において、原子力発電設備(資産除去債務相当資産)20,065百万円および資産除去債務537,568百万円を取崩している。
改正法附則第10条第1項の規定により、廃炉推進業務に必要な費用に充てるため機構に支払わなければならない金銭の総額526,880百万円は、改正省令附則第7条の規定により未払廃炉拠出金に計上し、このうち19,732百万円を1年以内に期限到来の固定負債に振り替えている。これによる損益への影響はない。
また、改正省令附則第8条の規定により9,377百万円を原子力廃止関連仮勘定に計上している。
2 執行役及び執行役員に対する株式報酬制度
当社は、当社グループの中長期的な企業価値向上と企業価値増大への貢献意識を高めることを目的として、当社の執行役および執行役員(いずれも国内非居住者である者を除く。併せて以下「執行役等」という。)を対象とした、株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入している。
(1) 取引の概要
本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「信託口」という。)と称される仕組みを採用し、当社が拠出する執行役等の報酬額を原資として当社株式が信託口を通じて取得され、執行役等の役位に応じて当社株式および当社株式の換価処分金相当額の金銭を執行役等に交付および給付する株式報酬制度である。
なお、本制度に関する会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 平成27年3月26日)に準じている。
(2) 信託口に残存する自社の株式
信託口に残存する当社株式を、信託口における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により、純資産の部に自己株式として計上している。
当該自己株式の帳簿価額および株式数は、当連結会計年度末において775百万円、557,845株である。
(連結貸借対照表関係)
1 固定資産の工事費負担金等の受入れによる圧縮記帳額
2 有形固定資産の減価償却累計額
3 非連結子会社及び関連会社に対する主な資産
非連結子会社および関連会社に対する投資額であり、その内訳は、以下のとおりである。
4 担保資産及び担保付債務
(1) 当社の財産は、以下の社債および㈱日本政策投資銀行からの借入金の一般担保に供している。
(2) 連結子会社において担保に供している資産
上記資産を担保としている債務
(3) 一部の連結子会社の出資会社における金融機関からの借入金等に対して担保に供している資産
5 貸付有価証券
有価証券消費貸借契約に基づく貸付有価証券は次のとおりである。
6 棚卸資産の内訳科目及び金額
7 偶発債務
借入金等に対する保証債務
8 特別目的会社の債務等
(1) 連結した特別目的会社のノンリコース債務
(2) 上記ノンリコース債務に対応する資産
(連結損益計算書関係)
1 営業費用の内訳
電気事業営業費用の内訳
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
2 研究開発費
3 特別損失の内容
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
和歌山発電所建設計画の中止
当社は、2023年12月19日に、和歌山発電所建設計画の中止を決定したことに伴い、固定資産に係る減損損失126,495百万円を発電所建設中止損失として計上している。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項なし。
4 減損損失
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(1) 減損損失の金額及び内訳
(2) 減損損失を認識するに至った経緯
当社は、1990年代当時、電力需要の大幅な伸びに対応すべく和歌山発電所建設計画を進めていたが、その後の需要低迷などの要因により、2004年から工事を中断していた。今般、電気事業を取り巻く事業環境の変化を踏まえると、和歌山発電所建設計画を推進できる見通しが得られないことから、2023年12月19日に建設計画の中止を決定した。
当社では、電気事業固定資産および建設仮勘定を一つの資産グループとしているが、建設計画の中止を決定したことに伴い、当該建設仮勘定は電気事業の用に供さないことが確定したため、別個の資産グループとして扱うこととした。また、建設計画の中止が当該資産グループの回収可能価額を著しく低下させる事象にあたり、減損の兆候があると判断した。
(3) 回収可能価額の算定方法
回収可能価額は、正味売却価額により算定しており、当該資産グループの大半を占める土地および土地と一体の構築物については不動産鑑定士による鑑定評価額から、処分費用見込額を控除した価額としている。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項なし。
(連結包括利益計算書関係)
その他の包括利益に係る組替調整額並びに法人税等及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注) 当連結会計年度末の自己株式数には、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する当社株式413,849株が含まれている。
(変動事由の概要)
自己株式の増加株式数の内訳は、次のとおりである。
単元未満株式の買取り請求による増加 168,027株
持分法適用関連会社の持分比率増加に伴う自己株式(当社株式)の当社帰属分の増加 5,058株
自己株式の減少株式数の内訳は、次のとおりである。
単元未満株式の買増し請求による減少 1,358株
役員報酬BIP信託に係る信託口による当社株式の売却による減少 17,929株
役員報酬BIP信託に係る信託口による当社株式の交付による減少 42,600株
2 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
2023年6月28日の定時株主総会において、次のとおり決議している。
・普通株式の配当に関する事項
(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金11百万円が含まれている。
2023年10月30日の取締役会において、次のとおり決議している。
・普通株式の配当に関する事項
(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金10百万円が含まれている。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
2024年6月26日の定時株主総会において、次のとおり決議している。
・普通株式の配当に関する事項
(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金10百万円が含まれている。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注) 当連結会計年度末の自己株式数には、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する当社株式557,845株が含まれている。
(変動事由の概要)
発行済株式の増加株式数の内訳は、次のとおりである。
公募による新株式発行による増加 148,286,600株
第三者割当による新株式発行による増加 27,907,900株
自己株式の増加株式数の内訳は、次のとおりである。
単元未満株式の買取り請求による増加 92,524株
持分法適用関連会社の持分比率増加に伴う自己株式(当社株式)の当社帰属分の増加 3,962株
役員報酬BIP信託に係る信託口による当社株式の取得による増加 221,800株
自己株式の減少株式数の内訳は、次のとおりである。
公募による自己株式の処分による減少 45,700,000株
単元未満株式の買増し請求による減少 2,137株
役員報酬BIP信託に係る信託口による当社株式の売却による減少 23,004株
役員報酬BIP信託に係る信託口による当社株式の交付による減少 54,800株
2 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
2024年6月26日の定時株主総会において、次のとおり決議している。
・普通株式の配当に関する事項
(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金10百万円が含まれている。
2024年10月30日の取締役会において、次のとおり決議している。
・普通株式の配当に関する事項
(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金10百万円が含まれている。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
2025年6月26日の定時株主総会において、次のとおり決議を予定している。
・普通株式の配当に関する事項
(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金16百万円が含まれている。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
1 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に記載されている科目の金額との関係
2 重要な非資金取引の内容
該当事項なし。
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社グループは、電気事業等を行うための設備投資や債務償還などに必要な資金を可能な限り自己資金にて賄い、不足する資金については主に社債や借入金によって資金調達を行い、短期的な運転資金をコマーシャル・ペーパー等により調達している。また、資金運用については短期的な預金等で実施している。
資金調達にあたっては、円貨建ておよび固定金利のものを主としているが、一部については外貨建てもしくは変動金利のものを調達し、償還年限については、金融環境などを総合的に勘案し決定している。
また、有価証券及び投資有価証券については、主に電気事業の運営上必要な株式や譲渡性預金等を保有している。
デリバティブ取引については、後述するリスクを回避するために利用しており、投機目的の取引は行っていない。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されているが、営業債権の大部分を占める電気料金債権は、毎月検針後、30日以内にほとんどが回収される。
有価証券及び投資有価証券のうち、株式については、市場価格等の変動リスクに晒されている。
営業債務である支払手形及び買掛金は、ほとんど1年以内の支払期日である。また、その一部には、燃料等の輸入に伴う外貨建てのものがあり、為替の変動リスクに晒されている。
社債のうち、外貨建て社債については、為替の変動リスクに晒されている。
借入金のうち、変動金利の長期借入金については、金利の変動リスクに晒されている。
社債、借入金およびコマーシャル・ペーパーについては、流動性リスク(支払期日に支払いを実行できなくなるリスク)に晒されている。
デリバティブ取引は、借入金に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利スワップ取引、燃料等の輸入に係る為替の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした先物為替予約取引、および燃料取引に係る燃料価格の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした商品スワップ取引などを行っている。
なお、ヘッジ会計に関するヘッジ対象とヘッジ手段、ヘッジ方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、前述の「会計方針に関する事項」の「重要なヘッジ会計の方法」に記載している。
(3) 金融商品に係るリスク管理体制
① 市場リスク(株価等や為替、金利、燃料価格の変動リスク)の管理
有価証券及び投資有価証券については、主に電気事業の運営上の必要性の観点に加え、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、保有状況を継続的に見直ししている。
外貨建ての営業債務などについては、原則として先物為替予約を利用して為替変動リスクをヘッジしている。
また、外貨建て社債については、為替の変動リスクをヘッジするために、社債発行時に通貨スワップ取引を利用している。
変動金利の長期借入金の一部については、金利の変動リスクをヘッジするために、金利スワップ取引を利用している。
燃料取引については、燃料価格の変動リスクをヘッジするために、必要に応じて商品スワップ取引などを利用している。
電力取引については、卸電力価格の変動リスクをヘッジするために、必要に応じて商品スワップ取引などを利用している。
デリバティブ取引については、取引権限や管理方法等を定めた社内規程に基づき取引を行い、経理室が連結子会社を含めた取引状況の把握、管理を行っている。
② 資金調達に係る流動性リスクの管理
当社グループは、関西電力については各部署からの報告に基づき経理室が、グループ会社については各社が、適時に資金繰計画を作成・更新し、必要な手許流動性を予め確保することにより、流動性リスクを管理している。
(4) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては、変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することがある。また、「デリバティブ取引関係」注記におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではない。
2 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価およびこれらの差額については、次のとおりである。
前連結会計年度(2024年3月31日)
(*1) 「現金及び預金」、「譲渡性預金」、「受取手形及び売掛金」、「短期借入金」、「コマーシャル・ぺーパー」、「支払手形及び買掛金」、「未払税金」は現金であること、および短期で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略している。
(*2) 連結貸借対照表上、「長期投資」および流動資産の「その他」に計上している。
(*3) 市場価格のない株式等、および組合出資金等は、「(1) 有価証券及び投資有価証券」には含まれていない。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりである。
(*4) 連結貸借対照表上、「1年以内に期限到来の固定負債」に計上しているものを含めている。
(*5) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務を純額で表示している。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(*1) 「現金及び預金」、「譲渡性預金」、「受取手形及び売掛金」、「短期借入金」、「コマーシャル・ぺーパー」、「支払手形及び買掛金」、「未払税金」は現金であること、および短期で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略している。
(*2) 連結貸借対照表上、「長期投資」および流動資産の「その他」に計上している。
(*3) 市場価格のない株式等、および組合出資金等は、「(1) 有価証券及び投資有価証券」には含まれていない。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりである。
(*4) 連結貸借対照表上、「1年以内に期限到来の固定負債」に計上しているものを含めている。
(*5) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務を純額で表示している。
(注1) 金銭債権および満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注2) 社債、長期借入金およびその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性および重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類している。なお、市場価格のない株式等および組合出資金等は、次表には含まれていない。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産または負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類している。
(1) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2024年3月31日)
(*) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務を純額で表示している。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(*) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務を純額で表示している。
(2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注) 時価の算定に用いた評価技法および時価の算定に係るインプットの説明
有価証券及び投資有価証券
株式は取引所の相場価格によっており、活発な市場で取引されているためレベル1の時価に分類している。債券は市場価格等によっており、国債はレベル1の時価、それ以外の債券はレベル2の時価にそれぞれ分類している。
社債
当社の発行する社債の時価は、市場価格によっている。なお、為替予約等の振当処理の対象とされた社債(「デリバティブ取引関係」注記参照)については、円貨建固定利付社債とみて、元利金の合計額を同様の社債を発行した場合に適用されると考えられる利率で割り引いて現在価値を算定している。これらについてはレベル2の時価に分類している。
長期借入金
長期借入金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、当社グループの信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額と近似していると考えられるため、当該帳簿価額によっている。固定金利によるものは、一定の期間ごとに区分した当該長期借入金の元利金の合計額を同様の借入において想定される利率で割り引いて現在価値を算定している。
なお、金利スワップの特例処理の対象とされた長期借入金(「デリバティブ取引関係」注記参照)については、当該金利スワップと一体として処理された元利金の合計額を同様の借入において想定される利率で割り引いて現在価値を算定している。これらについてはレベル2の時価に分類している。
デリバティブ取引
デリバティブ取引の時価については、取引先金融機関から提示された価格等によっており、レベル2の時価に分類している。
(有価証券関係)
1 満期保有目的の債券
前連結会計年度(2024年3月31日)
(*)譲渡性預金については、短期で決済され時価が帳簿価額に近似しており、重要性に乏しいため上表の「その他」
には含めていない。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(*)譲渡性預金については、短期で決済され時価が帳簿価額に近似しており、重要性に乏しいため上表の「その他」
には含めていない。
2 その他有価証券
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(デリバティブ取引関係)
1 ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
(1) 通貨関連
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(2) 商品関連
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
2 ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
(1) 通貨関連
前連結会計年度(2024年3月31日)
(*)為替予約等の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている社債と一体として処理されているため、その時価
は、当該社債の時価に含めて記載している。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(*)為替予約等の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている社債と一体として処理されているため、その時価
は、当該社債の時価に含めて記載している。
(2) 金利関連
前連結会計年度(2024年3月31日)
(*)金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、
その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載している。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(*)金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、
その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載している。
(退職給付関係)
1 採用している退職給付制度の概要
当社および連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、主として非積立型の退職一時金制度および確定拠出年金制度等を設けている。
2 確定給付制度
(1) 退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表
(2) 年金資産の期首残高と期末残高の調整表
(3) 退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資
産の調整表
(4) 退職給付費用及びその内訳項目の金額
(5) 退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりである。
(6) 退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりである。
(7) 年金資産に関する事項
① 年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりである。
② 長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在および予想される年金資産の配分と、年金資産を構成
する多様な資産からの現在および将来期待される長期の収益率を考慮している。
(8) 数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎
3 確定拠出制度
当社および連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は、前連結会計年度6,582百万円、当連結会計年度6,592百万円である。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(注) 「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第44号)附則第10条第1項の規定により、廃炉推進業務に必要な費用に充てるため使用済燃料再処理・廃炉推進機構に支払わなければならない金銭に係る繰延税金資産を「未払廃炉拠出金」に計上している。また、「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号)附則第43条第2項の規定により、原子力発電施設解体準備金の金額を30年にわたり均等に取り崩し益金に算入することとなったため、翌連結会計年度以降に益金に算入される金額に係る繰延税金負債を「原子力発電施設解体準備金」に計上している。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(注) 差異の原因となった主要な項目別の内訳は、当連結会計年度における主要な項目を表示しているため、前連結会計年度の表示項目の組替えを行っている。
この結果、前連結会計年度において、「評価性引当額」に表示していた4.2%は、「その他」として組み替えている。
3 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が成立したことに伴い、当連結会計年度の繰延税金資産および繰延税金負債の計算に使用した法定実行税率は前連結会計年度から変更されている。
これにより、繰延税金資産の金額(繰延税金負債の金額を控除した金額)は7,445百万円増加し、法人税等調整額は7,789百万円、その他の包括利益累計額は343百万円それぞれ減少している。
4 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社および一部の連結子会社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理ならびに開示を行っている。
(資産除去債務関係)
資産除去債務のうち連結貸借対照表に計上しているもの
1 資産除去債務の概要
主として、環境保護法等によるガス田の原状回復義務について資産除去債務を計上している。
2 資産除去債務の金額の算定方法
主として、取得からガス田の生産終了後の除却終了時点までを使用見込期間とし、当該期間に対応する国債の利回りを割引率として算定し、資産除去債務を計上している。
3 資産除去債務の総額の増減
(注) 「(追加情報)1「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」の施行に伴う電気事業会計規則の改正」注記参照。
(賃貸等不動産関係)
当社および一部の子会社では、大阪府その他の地域において、賃貸用のオフィスビル等(土地を含む。)を有している。前連結会計年度における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は7,462百万円(主に営業損益に計上)、当連結会計年度における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は13,454百万円(主に営業損益に計上)である。
また、当該賃貸等不動産の連結貸借対照表計上額、期中増減額および時価は、次のとおりである。
(注) 1 連結貸借対照表計上額は、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額である。
2 期中増減額のうち、前連結会計年度の主な増加額は、不動産取得(44,784百万円)、主な減少額は売却(19,529百万円)および減価償却費(6,541百万円)によるものであり、当連結会計年度の主な増加額は、不動産取得(76,813百万円)、主な減少額は売却(21,849百万円)および減価償却費(7,959百万円)によるものである。
3 期末の時価は、主として「不動産鑑定評価基準」による方法または類似の方法に基づく金額(指標等を用いて調整を行ったものを含む。)である。
(収益認識関係)
1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報
(注) 「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」および「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」に基づく施策である「電気・ガス価格激変緩和対策事業」、「酷暑乗り切り緊急支援」および「電気・ガス料金負担軽減支援事業」により、国が定める値引き単価による電気料金・ガス料金の値引きを行っており、その原資として受領する補助金が「その他の源泉から生じる収益」の前連結会計年度に286,876百万円、当連結会計年度に110,627百万円含まれている。
2 顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報については、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項」の「(5)重要な収益の計上基準」に記載のとおりである。
3 顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度 末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情 報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
a.契約資産及び契約負債の残高等
前連結会計年度における顧客との契約から生じた債権は以下のとおりである。なお、当社および連結子会社において、契約資産および契約負債に重要性はないため、記載を省略している。
b.残存履行義務に配分した取引価格
前連結会計年度末において、エネルギー事業における電気販売取引のうち残存履行義務に配分した取引価格の総額は、2,110,944百万円であり、期末日後5年以内に収益として認識されると見込んでいる。また、生活・ビジネスソリューション事業における不動産分譲取引のうち残存履行義務に配分した取引価格の総額は、61,947百万円であり、期末日後2年以内に収益として認識されると見込んでいる。その他の残存履行義務に配分した取引価格に重要性はないため記載を省略している。
なお、実務上の便法を適用し、当初に予想される契約期間が1年以内の契約については注記の対象に含めていない。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
a.契約資産及び契約負債の残高等
当連結会計年度における顧客との契約から生じた債権は以下のとおりである。なお、当社および連結子会社において、契約資産および契約負債に重要性はないため、記載を省略している。
b.残存履行義務に配分した取引価格
エネルギー事業における電気販売取引のうち残存履行義務に配分した取引価格の総額は、当連結会計年度末において1,701,294百万円であり、期末日後4年以内に収益として認識されると見込んでいる。
情報通信事業における法人向けサービス取引のうち残存履行義務に配分した取引価格の総額は、当連結会計年度末において14,113百万円であり、期末日後6年以内に収益として認識されると見込んでいる。
生活・ビジネスソリューション事業における不動産分譲取引のうち残存履行義務に配分した取引価格の総額は、当連結会計年度末において72,769百万円であり、期末日後3年以内に収益として認識されると見込んでいる。
なお、それぞれの事業におけるその他の残存履行義務に配分した取引価格に重要性はないため記載を省略している。また、実務上の便法を適用し、当初に予想される契約期間が1年以内の契約については注記の対象に含めていない。
(注) 当連結会計年度末において、収益として認識されると見込んでいる取引価格の総額には、長期脱炭素電源オークションにより得ることができる収入は含めていない。長期脱炭素電源オークションからの収入は、約定した容量確保契約金額から同期間で卸市場・非化石市場等から得た収益のうち、約9割を還付額として差し引いた額になるが、還付額は将来の市場価格により変動することから、見積りは困難であるため、注記の対象に含めていない。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社および当社の関係会社(以下「当社グループ」という。)の報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社執行役会議が経営資源の配分の決定および業績を評価するためなどに、定期的に検討を行う対象となっているものである。
当社グループは、「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」に基づき、電気やガス、ユーティリティサービスなど多様なソリューションを通じて新たな価値を提供する「エネルギー事業」、中立・公正な立場で電気の安全安定供給を行う「送配電事業」、総合的な情報通信サービスを提供する「情報通信事業」、不動産関連サービスや生活・ビジネス関連サービスの提供を行う「生活・ビジネスソリューション事業」の4事業を報告セグメントとしている。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一である。報告セグメントの利益は連結子会社および持分法適用会社からの受取配当金を経常利益から除いた利益ベースの数値である。
セグメント間の取引高は、原則として第三者間取引価格に基づいている。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 調整額は以下のとおりである。
(1) セグメント利益の調整額△11,862百万円は、セグメント間取引消去および各報告セグメントの業績に帰属しない損益である。
(2) セグメント資産の調整額△2,855,774百万円は、セグメント間取引消去である。
(3) 減価償却費の調整額△4,185百万円は、セグメント間取引消去である。
(4) 受取利息の調整額△11,446百万円は、セグメント間取引消去である。
(5) 支払利息の調整額△11,431百万円は、セグメント間取引消去である。
(6) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額△5,023百万円は、セグメント間取引消去である。
2 セグメント利益は、連結財務諸表の経常利益と調整を行っている。
3 各セグメント利益には、連結子会社および持分法適用会社からの受取配当金を含めていない。
4 有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、資産除去債務相当資産を含めていない。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 調整額は以下のとおりである。
(1) セグメント利益の調整額△8,583百万円は、セグメント間取引消去および各報告セグメントの業績に帰属しない損益である。
(2) セグメント資産の調整額△2,910,499百万円は、セグメント間取引消去である。
(3) 減価償却費の調整額△3,968百万円は、セグメント間取引消去である。
(4) 受取利息の調整額△14,645百万円は、セグメント間取引消去である。
(5) 支払利息の調整額△14,627百万円は、セグメント間取引消去である。
(6) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額△21,775百万円は、セグメント間取引消去である。
2 セグメント利益は、連結財務諸表の経常利益と調整を行っている。
3 各セグメント利益には、連結子会社および持分法適用会社からの受取配当金を含めていない。
4 有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、資産除去債務相当資産を含めていない。
【関連情報】
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報において、製品およびサービスに関する情報を記載しているため、省略している。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が、連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、その記載を省略している。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、その記載を省略している。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、特定の顧客への売上高が、連結損益計算書の売上高の10%以上を占めるものがないため、その記載を省略している。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 和歌山発電所建設計画の中止を決定したことに伴い、固定資産に係る減損損失を発電所中止損失として計上している。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
連結財務諸表規則第15条の2第4項により、記載を省略している。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
連結財務諸表規則第15条の2第4項により、記載を省略している。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
連結財務諸表規則第15条の2第4項により、記載を省略している。
【関連当事者情報】
関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社と関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社の非連結子会社及び関連会社等
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
日本原燃㈱に対する債務保証は、金融機関からの借入金に対して保証したものである。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
日本原燃㈱に対する債務保証は、金融機関からの借入金に対して保証したものである。
(1株当たり情報)
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載していない。
2 1株当たり純資産額の算定上、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する当社株式については、期末発行済株式総数の計算において控除する自己株式に含めている。なお、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する自己株式数は前連結会計年度末413,849株、当連結会計年度末557,845株である。
3 1株当たり当期純利益金額の算定上、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する当社株式については、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めている。なお、役員報酬BIP信託に係る信託口が保有する期中平均自己株式数は前連結会計年度427,522株、当連結会計年度430,947株である。
4 1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額の算定上の基礎は、以下のとおりである。
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注)1 当期末残高の[ ]内は、当期末残高のうち1年以内に償還予定のものである。
2 2022年3月10日の翌日から2027年3月20日までは固定利率、2027年3月20日の翌日以降は変動利率
(2032年3月20日の翌日および2047年3月20日の翌日に金利のステップアップが発生)。
3 2022年3月10日の翌日から2029年3月20日までは固定利率、2029年3月20日の翌日以降は変動利率
(2032年3月20日の翌日および2049年3月20日の翌日に金利のステップアップが発生)。
4 2022年3月10日の翌日から2032年3月20日までは固定利率、2032年3月20日の翌日以降は変動利率
(2032年3月20日の翌日および2052年3月20日の翌日に金利のステップアップが発生)。
5 2027年3月20日以降の各利払日に当社の裁量で期限前償還可能。
6 2029年3月20日以降の各利払日に当社の裁量で期限前償還可能。
7 2032年3月20日以降の各利払日に当社の裁量で期限前償還可能。
8 当該社債は、ノンリコース債務に該当する。
9 当該利率は、変動金利であり、直近の利率を記載している。
10 米国ドル関西電力社債の償還額および支払利息については、その発行時に通貨スワップを付している。
11 連結決算日後5年以内における償還予定額は以下のとおりである。
【借入金等明細表】
(注) 1 長期借入金およびリース債務の当期末残高には、決算日が連結決算日と異なる連結子会社の長期借入金およびリース債務が含まれているため、返済期限が連結決算日より1年以内であるものが含まれている。
2 「平均利率」は、期末の利率および残高に基づく加重平均により算定している。
3 長期借入金、ノンリコース長期借入金およびリース債務の連結決算日後5年以内における返済予定額は以下のとおりである。
【資産除去債務明細表】
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
【電気事業営業費用明細表】
(注)退職給与金には、退職給付引当金繰入額 7,117百万円が含まれている。
(注)退職給与金には、退職給付引当金繰入額 7,357百万円が含まれている。
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
(2) その他有価証券
(ア)市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定している。)
(イ)市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2 棚卸資産の評価基準及び評価方法
貯蔵品
総平均法(一部は移動平均法)による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定している。)
3 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産
法人税法に規定する方法と同一の基準に基づく定額法
(2) 無形固定資産
法人税法に規定する方法と同一の基準に基づく定額法
4 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
貸倒れによる損失に備えるため、期末金銭債権に対して実績率等による回収不能見込額を計上している。
(2) 退職給付引当金
退職給付に充てるため、将来の退職給付見込額を基礎とした現価方式による額を計上している。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、期間定額基準によっている。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(3年)による定額法により費用処理している。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(3年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしている。
(3) 債務保証損失引当金
債務保証に係る損失に備えるため、被保証先の財政状態等を勘案し、損失見込額を計上している。
(4) 渇水準備引当金
渇水による費用の増加に備えるため、「電気事業法等の一部を改正する法律」(平成26年法律第72号)附則第16条第3項の規定により、なおその効力を有するものとされる改正前の電気事業法(昭和39年法律第170号)第36条の規定により、「渇水準備引当金に関する省令」(平成28年経済産業省令第53号)に基づき計算した額を計上している。
5 収益の計上基準
当社の顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容および当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりである。
(1) 電気事業
電気事業においては、主に小売・卸売の電気販売を行っている。
小売の電気販売は、契約期間にわたり電気の供給を行うことが履行義務であり、電気事業会計規則に従い、毎月の検針により計量された使用量等に基づき算定される料金を当月分の収益とする検針日基準により収益(電灯料・電力料)を認識している。なお、これに伴い期末月に実施した検針の日から期末日までの使用量等に係る収益は翌事業年度に計上されることとなる。
また、小売の電気料金の一部である「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」(平成23年法律第108号)第36条第1項の再エネ特措法賦課金は、第三者のために回収する額に該当することから収益(電灯料・電力料)に含めていない。
卸売の電気販売は、契約期間にわたり電気の供給を行うことが履行義務であり、供給した電力量等に応じて履行義務を充足し、毎月の供給量等に基づき算定される料金により収益(他社販売電力料)を認識している。
(2) ガス事業
ガス事業においては、主にガス販売を行っている。
ガス販売は、契約期間にわたりガスの供給を行うことが履行義務であり、時の経過に応じて履行義務を充足し、毎月の使用量等に基づき算定される料金により収益(ガス事業営業収益)を認識している。
なお、期末月に実施した検針の日から期末日までの使用量等に係る収益については、同種の契約をまとめた上で、当事業年度の収益として使用量および単価を見積り認識している。
6 ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用している。
なお、為替予約および通貨スワップについて振当処理の要件を満たしているものは振当処理を、金利スワップについて特例処理の要件を満たしているものは特例処理を採用している。
(2) ヘッジ対象、ヘッジ手段及びヘッジ方針
通常業務から発生する債権債務などを対象として、為替予約取引、通貨スワップ取引、金利スワップ取引、商品(燃料)スワップ取引などを利用している。
これらの取引は、為替、金利および燃料価格の変動によって生じるキャッシュ・フローの変動リスクまたは債権債務の時価変動リスクを、回避・軽減する目的に限って実行している。
(3) ヘッジ有効性評価の方法
事後テストは決算日ごとに有効性の評価を行っている。なお、ヘッジ対象とヘッジ手段の間に高い有効性が認められるものについては事後テストは省略している。
7 その他財務諸表作成のための基礎となる事項
(1)原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施に要する費用の計上方法
「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第44号)第3条の規定による改正後の「原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律」(平成17年法律第48号 以下「再処理法」という。)第5条第2項に規定する拠出金(再処理法第2条第4項第1号に規定する再処理関連加工の業務に係る拠出金を除く。)の額を原子力発電所の運転に伴い発生する使用済燃料の量に応じて使用済燃料再処理等拠出金費として計上している。
なお、再処理関連加工の業務に係る拠出金については、使用済燃料再処理関連加工仮勘定に計上している。
(2)実用発電用原子炉に係る廃炉の実施に要する費用の計上方法
「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第44号)第3条の規定による改正後の「原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律」(平成17年法律第48号)第11条第2項に規定する当事業年度に係る拠出金の額を廃炉拠出金費として計上している。
(3)廃炉円滑化負担金の概要及び原子力廃止関連仮勘定の償却方法
廃炉会計制度は、廃炉の円滑な実施等を目的として措置されており、エネルギー政策の変更や安全規制の変更等に伴い廃止した原子炉の残存簿価等(原子力特定資産簿価、原子力廃止関連仮勘定簿価(原子力廃止関連費用相当額を含む。)および「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備に関する省令」(令和6年経済産業省令第21号 以下「改正省令」という。)附則第2条の規定による廃止前の原子力発電施設解体引当金に関する省令における原子力発電施設解体引当金の要引当額)について、同制度の適用を受け、一般送配電事業者の託送料金により、廃炉円滑化負担金として回収している。
同制度の適用にあたり、当社は改正省令による改正前の「電気事業法施行規則」(平成7年通商産業省令第77号)第45条の21の12の規定により、経済産業大臣宛に廃炉円滑化負担金承認申請書を提出し、経済産業大臣の承認を受けている。また、経済産業大臣から回収すべき廃炉円滑化負担金の通知を受けた関西電力送配電株式会社は、「電気事業法施行規則」(平成7年通商産業省令第77号)第45条の21の11の規定により、廃炉円滑化負担金の回収ならびに当社および日本原子力発電株式会社への払い渡しを行っている。
原子力廃止関連仮勘定は、「電気事業法施行規則等の一部を改正する省令」(平成29年経済産業省令第77号)附則第5条、第8条および改正省令附則第9条の規定により、関西電力送配電株式会社から払い渡される廃炉円滑化負担金相当金に応じて償却している。
(4)退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識過去勤務費用および未認識数理計算上の差異の会計処理の方法は、連結財務諸表における会計処理の方法と異なっている。
(重要な会計上の見積り)
前事業年度
市場価格のない有価証券の評価
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額 1,281,997 百万円
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)「市場価格のない有価証券の評価」の内容と同一である。
当事業年度
市場価格のない有価証券の評価
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額 1,195,891 百万円
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)「市場価格のない有価証券の評価」の内容と同一である。
(追加情報)
1 電気事業会計規則の改正
財務諸表は、電気事業会計規則が改正されたため、改正後の電気事業会計規則により作成している。
2 「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」の施行に伴う
電気事業会計規則の改正
2024年4月1日に「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第44号 以下「改正法」という。)および「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令」(令和6年経済産業省令第21号 以下「改正省令」という。)が施行されたことにより、「原子力発電施設解体引当金に関する省令」(平成元年通商産業省令第30号 以下「解体省令」という。)が廃止され、電気事業会計規則が改正された。
実用発電用原子炉に係る廃炉の実施に必要な費用は、従来、資産除去債務に計上し、資産除去債務相当資産(解体省令第5条第3項ただし書の要引当額の相当額を含む。)については、「資産除去債務に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第21号 平成20年3月31日)を適用し、解体省令の定める積立期間(運転を廃止した特定原子力発電施設に係る積立期間については、解体省令第5条第6項による経済産業大臣から通知を受けた期間)にわたり、定額法により費用化し原子力発電施設解体費として計上していたが、改正省令の施行日以降は、改正法第3条の規定による改正後の「原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律」第11条第2項に規定する廃炉拠出金を、廃炉拠出金費として計上することとなった。
原子力事業者は、従来、その各々が保有する実用発電用原子炉に係る廃炉の実施に要する資金を確保する責任を負っていたが、改正法に基づき、毎年度、使用済燃料再処理・廃炉推進機構(以下「機構」という。)に対して廃炉拠出金を納付することで費用負担の責任を果たすこととなり、機構は廃炉に要する資金の確保・管理・支弁を行う経済的な責任を負うこととなった。
これにより、改正省令の施行時点において、原子力発電設備(資産除去債務相当資産)20,065百万円および資産除去債務537,568百万円を取崩している。
改正法附則第10条第1項の規定により、廃炉推進業務に必要な費用に充てるため機構に支払わなければならない金銭の総額526,880百万円は、改正省令附則第7条の規定により未払廃炉拠出金に計上し、このうち19,732百万円を1年以内に期限到来の固定負債に振り替えている。これによる損益への影響はない。
また、改正省令附則第8条の規定により9,377百万円を原子力廃止関連仮勘定に計上している。
3 執行役及び執行役員に対する株式報酬制度
執行役および執行役員に対する株式報酬制度については、連結財務諸表の注記事項(追加情報)に記載している。
4 電気・ガス価格激変緩和対策事業、酷暑乗り切り緊急支援及び電気・ガス料金負担軽減支援事業に係る補助金
当社は、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」および「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」に基づく施策である「電気・ガス価格激変緩和対策事業」、「酷暑乗り切り緊急支援」および「電気・ガス料金負担軽減支援事業」により、国が定める値引き単価による電気料金・ガス料金の値引きを行っており、その原資として受領する補助金を、前事業年度において、「電気事業雑収益」に262,273百万円、「ガス事業営業収益」に12,047百万円、「その他附帯事業営業収益」に0百万円、当事業年度において、「電気事業雑収益」に100,526百万円、「ガス事業営業収益」に4,947百万円、「その他附帯事業営業収益」に0百万円、それぞれ計上している。
(貸借対照表関係)
1 固定資産の工事費負担金等の受入れによる圧縮記帳額
2 貸付有価証券
有価証券消費貸借契約に基づく貸付有価証券は次のとおりである。
3 会社の財産は、以下の社債および㈱日本政策投資銀行からの借入金の一般担保に供している。
4 1年以内に期限到来の固定負債
5 未払税金
未払税金には、次の税額が含まれている。
6 渇水準備引当金
「電気事業法等の一部を改正する法律」(平成26年法律第72号)附則第16条第3項の規定により、なおその効力を有するものとされる改正前の電気事業法(昭和39年法律第170号)第36条の規定により計上している。
7 偶発債務
(1) 借入金等に対する保証債務
(2) 燃料売買契約の履行に対する保証債務
8 附帯事業に係る固定資産の金額
ガス事業
(損益計算書関係)
1 関係会社に対する事項
2 特別損失の内容
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
和歌山発電所建設計画の中止
当社は、2023年12月19日に、和歌山発電所建設計画の中止を決定したことに伴い、固定資産に係る減損損失126,495百万円を発電所建設中止損失として計上している。
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項なし。
3 減損損失
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(1) 減損損失の金額及び内訳
(2) 減損損失を認識するに至った経緯
当社は、1990年代当時、電力需要の大幅な伸びに対応すべく和歌山発電所建設計画を進めていたが、その後の需要低迷などの要因により、2004年から工事を中断していた。今般、電気事業を取り巻く事業環境の変化を踏まえると、和歌山発電所建設計画を推進できる見通しが得られないことから、2023年12月19日に建設計画の中止を決定した。
当社では、電気事業固定資産および建設仮勘定を一つの資産グループとしているが、建設計画の中止を決定したことに伴い、当該建設仮勘定は電気事業の用に供さないことが確定したため、別個の資産グループとして扱うこととした。また、建設計画の中止が当該資産グループの回収可能価額を著しく低下させる事象にあたり、減損の兆候があると判断した。
(3) 回収可能価額の算定方法
回収可能価額は、正味売却価額により算定しており、当該資産グループの大半を占める土地および土地と一体の構築物については不動産鑑定士による鑑定評価額から、処分費用見込額を控除した価額としている。
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項なし。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2024年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2025年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(注)「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第44号)附則第10条第1項の規定により、廃炉推進業務に必要な費用に充てるため使用済燃料再処理・廃炉推進機構に支払わなければならない金銭に係る繰延税金資産を「未払廃炉拠出金」に計上している。また、「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号)附則第43条第2項の規定により、原子力発電施設解体準備金の金額を30年にわたり均等に取り崩し益金に算入することとなったため、翌事業年度以降に益金に算入される金額に係る繰延税金負債を「原子力発電施設解体準備金」に計上している。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(注)前事業年度は法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間の差異が法定実効税率の100分の5以下であるため注記を省略している。
3 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が成立したことに伴い、当事業年度の繰延税金資産および繰延税金負債の計算に使用した法定実効税率は前事業年度から変更されている。
これにより、繰延税金資産は7,813百万円増加し、法人税等調整額は7,818百万円、評価・換算差額等は5百万円それぞれ減少している。
4 法人税及び地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理ならびに開示を行っている。
④ 【附属明細表】
固定資産期中増減明細表
自 2024年4月1日
至 2025年3月31日
(注) 1 「期末残高」の「差引帳簿価額」には、原子力特定資産の残高9,505百万円を含む。
2 「期中増減額」の「帳簿原価減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額である。
3 当事業年度において租税特別措置法に基づき圧縮記帳した額は次のとおりである。
収用補償金圧縮額 4,387百万円
固定資産期中増減明細表(無形固定資産再掲)
自 2024年4月1日
至 2025年3月31日
(注)「期末残高」欄の( )内は内書きで、償却対象地役権の残高である。
減価償却費等明細表
自 2024年4月1日
至 2025年3月31日
(注)電気事業固定資産の当期償却額 138,432百万円には「附帯事業営業費用」への振替額 575百万円が含まれている。
長期投資及び短期投資明細表
(2025年3月31日)
引当金明細表
自 2024年4月1日
至 2025年3月31日
(注)債務保証損失引当金の「期中減少額」の「その他」は、為替換算による減少額である。
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略している。
(3) 【その他】
該当事項なし。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当ておよび募集新株予約権の割当てを受ける権利
(3) 単元未満株式の買増しを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はない。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間において、次の書類を提出している。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項なし。

