第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載していません。
2 平均臨時雇用者数は、重要性がないため記載していません。
3 金額については、表示単位未満四捨五入で記載しています。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を第131期の期首から適用しており、第131期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
5 第132期の親会社株主に帰属する当期純損失は、Polypore International, LPののれん及び無形固定資産の減損損失を計上したこと等によるものです。
6 第132期の株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しているため記載していません。
7 第133期第1四半期連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第132期連結会計年度の関連する主要な経営指標等について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載していません。
2 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
3 平均臨時雇用者数は、重要性がないため記載していません。
4 金額については、表示単位未満四捨五入で記載しています。
5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を第131期の期首から適用しており、第131期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
6 第132期の当期純損失は、Asahi Kasei Energy Storage Materials Inc.の関係会社株式評価損を計上したこと等によるものです。
7 第132期の株価収益率及び配当性向については、当期純損失を計上しているため記載していません。
2 【沿革】
(注) 2025年4月1日に旭化成メディカル株式会社のバイオプロセス事業等を新たに設立した旭化成ライフサイエンス株式会社に承継し、血液浄化事業等を行う旭化成メディカル株式会社をアイエーホールディングス株式会社へ譲渡しています。
3 【事業の内容】
当社グループは、連結財務諸表提出会社(以下、当社という)及び関係会社368社から構成されています。その主な事業内容はセグメントの区分のとおりであり、当社及び主な関係会社の当該事業に係る位置付けとセグメントとの関連は次のとおりです。
(注) 1 当社はマテリアルセグメント内の複数の事業を行っています。
2 一部の関係会社の事業内容は、複数のセグメントに跨っています。
3 ※は持分法適用会社です。
4 【関係会社の状況】
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数であり、平均臨時雇用者数は重要性がないため記載していません。
(2) 提出会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であり、平均臨時雇用者数は重要性がないため記載していません。
2 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでいます。
(3) 労働組合の状況
当社及び一部の関係会社には、旭化成グループ労働組合連合会が組織されており、UAゼンセン製造産業部門に加盟しています。
当連結会計年度中における労働組合との交渉事項は、賃金改定、労働協約改定等でありましたが、いずれも円満解決しました。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。男性育児休業取得率は、前年産まれた子供に対する育児休業取得等の影響で100%を超える場合があります。
3 旭化成及び5事業会社における男性の育児休業の平均取得日数は40.8日となっています。取得率100%、取得日数の長期化を目指し、管理職を含めた研修等の実施によるマインドセット及び風土改革、男性の育児休業取得促進に関する方針や関連制度等についての社内周知、男性育児休業取得者の事例収集・提供、情報発信に取り組んでいます。
4 労働条件や賃金制度における性別の差異はありません。「正規労働者」の男女賃金差異は、上位等級への登用実績の男女差による影響です。上位等級への登用において男女差が生じていることに対して課題認識をしており、登用基準運用の見直しを行うとともに、KPIを定めて各部門での取組を進め、課題の解消に取り組んでいます。「全労働者」の男女賃金差異は、人員構成の影響を受けています。正規雇用労働者とパート・有期労働者の比率が男女で異なっており、女性の方がパート・有期労働者の水準の影響を受けやすい人員構成となっている結果です。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針・経営戦略等
① 当社グループミッション等
当社グループでは、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。」というグループミッション(存在意義)のもと、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、社会に新たな価値を提供することをグループビジョン(目指す姿)として掲げています。
また、グループバリュー(共通の価値観)として「誠実」「挑戦」「創造」を定めており、すべてのステークホルダーの皆様に対し「誠実」に経営することを通じて、社会の課題解決や事業環境の変化に積極果敢に「挑戦」し、絶えず新たな価値を「創造」することで、事業を通じて企業の社会的責任を果たしていくことを基本方針としています。
② 当社グループ全体の経営方針・経営戦略等
<経営環境・経営課題>
国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に示されるように、持続可能な社会に向けては様々な課題があり、世界中で取り組みが進められています。しかし、国連の2024年の報告によれば、持続可能な開発目標(SDGs)のうち、進捗が順調であると評価されたのはわずか17%に過ぎません。課題解決にはなお多くの挑戦が必要です。
例えば、2024年には世界の年間平均気温が産業革命以来の上昇幅で初めて1.5℃を超えたと報告されており、地球温暖化は進行し、災害も多発しています。また、世界の人口増加による資源不足、生物多様性の喪失などが広がる一方で、健康や安心・快適な生活への期待がますます高まっています。
創業以来の1世紀にわたり、各時代のニーズに応えながら成長してきた当社グループにとって、これらの持続可能な社会に向けた課題は、自らの挑戦課題であると同時に、事業機会として位置づけ、積極的に取り組むものです。これらの課題は1つの企業・産業で解決できないものも多く、企業や産業を超えた共創がますます重要になってきます。例えば、住宅とエネルギー、医療と住宅等のように、これまでの産業の境界を越えて相互に関連しあうテーマ・課題が多く存在しています。このような環境は、マテリアル・住宅・ヘルスケアの3つの領域を持つ当社にとっては大きな事業機会であると認識しています。また当社は100年の歴史で培った人財・コア技術・ブランド・経営ナレッジ等、多様な資産を有しています。グループの特長である多様性(Diversity)を活かし、競合との差別化を重視したアプローチによって高付加価値・高収益(Specialty)のイノベーティブな製品・サービス・ビジネスモデルを持続的に創出していくことを目指します。
一方、足元の状況を見ると、経営環境は急激に変化し、不確実性が著しく高まっています。世界各地で発生している紛争、政情不安、社会的分断や、政策予見性の低下は、エネルギーや原材料などのサプライチェーンの不安定化、金融市場の変動、世界経済の下振れなどのリスク要因となっています。そのような経営環境をしっかりと見極めた上で、グループ全体が1つのチームとして力を結集し、お客様や同業他社、投資家など様々なステークホルダーとともに道を切り拓いて、価値を提供することで、「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の2つの持続可能性(サステナビリティ)の好循環を追求していきます。
ⅰ サステナビリティマネジメントの強化
当社グループは、2021年度に「サステナビリティ基本方針」を制定しました。これは、サステナビリティに関する方針をより具体的に記述することで、当社グループの方針を明示するとともに、持続可能な社会の実現に向けた行動を一段と推進していくことを狙いとするものです。

ⅱ 「中期経営計画2024 ~Be a Trailblazer~」の振り返り
2022年度から2024年度までの「中期経営計画2024 ~Be a Trailblazer~」(以下、「前中計」)では、「スピード」「アセットライト」「高付加価値」の3つを強く意識しながら、成長投資と構造転換の両輪による事業ポートフォリオ変革を進めました。中期視点での持続的な成長に向けて、スウェーデンの製薬企業Calliditas Therapeutics ABの買収や車載リチウムイオン電池用セパレータの工場建設などの投資決定を行いました。
一方、構造転換については、血液浄化事業の譲渡など合計売上高800億円以上の事業を対象に意思決定を行いました。石油化学チェーン関連事業では、アクリロニトリル事業等を運営するタイのPTT Asahi Chemical Co., Ltd.(PTTAC)の事業撤退の決定や、中長期視点で西日本におけるエチレン製造設備のグリーン化並びに将来の能力削減も含めた生産体制最適化の検討を開始しました。
経営指標に関しては、経営環境の悪化を受けマテリアル領域を中心に収益が低迷した影響で、2022年度には減損を計上しROEが大きく低下しました。最終年度の2024年度においては、住宅領域、ヘルスケア領域の堅調な成長に加え、マテリアル領域の利益回復により、営業利益は過去最高となりました。営業利益、当期純利益等は当初計画未達となりましたが、財務健全性については、積極的な投資を進めながらも概ね高い水準を維持しました。2024年度の業績は営業利益:2,119億円、ROE:7.4%、ROIC:5.5%となっています。
今後はこれまでの投資成果の創出と、構造転換や生産性向上の取り組みを通じて、利益成長と資本効率の改善を目指します。
<経営方針・経営戦略>
● 旭化成が2030年に目指す姿
当社はグループビジョンに掲げている「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、社会に新たな価値を提供するべく企業活動を行っています。持続可能な社会に貢献すると同時に、それを当社グループの企業価値の向上につなげていく、という2つのサステナビリティの好循環の実現を目指しています。それに向けて、マテリアル、住宅、ヘルスケアの3つの領域がそれぞれのあり方に基づき、様々な課題の解決、及び実現したい姿に向けて事業を展開しています。多様な事業が社会課題に正面から対峙して、価値提供することで、“持続的にイノベーティブな製品・サービス・ビジネスモデルを創出”することを目指しています。その結果として、高い利益成長と資本効率の向上を実現し、当社グループとして2030年近傍には、営業利益3,800億円、ROIC8%以上、ROE12%以上を目指します。

● 旭化成の特長 「Diversity × Specialty」
当社の特長を表す「Diversity × Specialty」は当社の価値提供の源泉となっています。
「Diversity」は多様な事業展開による成長機会の豊富さや安定的な収益創出力を、「Specialty」は競合との差別化を重視した事業アプローチを通じた高付加価値、高収益の実現を示しています。
DiversityとSpecialtyを掛け合わせる事で、「高い経営安定性」と「成長・新しい事業への挑戦」、「持続的なイノベーションの創出」の好循環が生み出されています。
グループの経営基盤を各領域が共有し合い、柔軟に相互活用することで、それぞれが旭化成らしい勝ち筋で価値を提供する、という姿は旭化成独自のエコシステムとなっています。

● 「中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~」の概要
2025年4月に発表した「中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~」(以下、「本中計」)は、当社が目指す「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の2つのサステナビリティの好循環の実現に向けた、2025年度から2027年度の3年間の経営計画になります。
投資成果創出による利益成長、構造転換や生産性向上による資本効率改善に加え、経営基盤のさらなる強化・活用により、「Diversity × Specialty」を進化させ、最終年度の2027年度には営業利益2,700億円、のれん償却前営業利益3,060億円、ROIC6%、ROE9%を目指します。
ⅰ 投資成果創出による利益成長
2027年度の利益目標である2,700億円に向けては、医薬、クリティカルケア、海外住宅が主な利益成長ドライバーとなります。特に医薬と海外住宅については、M&Aを中心とした先行的投資から確実に利益を創出することが極めて重要です。加えてエレクトロニクスの着実な利益成長や、エナジー&インフラにおけるセパレータの収益改善を見込んでいます。
中期視点での持続的な利益成長に向けては、リソースアロケーションをより明確にし、成長が期待できる事業へ重点的に投入します。本中計においては、事業を10の区分に分け、事業ポートフォリオの方向性や各事業の戦略をより明確にしています。「重点成長」「戦略的成長」事業への投資継続による利益成長の実現と並行して、「収益改善・事業モデル転換」事業の改革も進めます。

ⅱ 構造転換や生産性向上による資本効率改善
収益性・資本効率の低い事業については、構造転換・事業モデルの再構築を進め、資本の最適配置を図ります。本中計においてはマテリアル領域のポートフォリオ変革をさらに加速させ、同領域の2024年度売上高の約20%に相当する事業の構造転換を目指します。特にケミカル事業においては、「ベストオーナー視点での改革」「他社連携による最適化・強化」「自社での構造転換」の3つのアプローチで構造転換を推進しています。これにより、ROICやROEの継続的な改善を目指します。

ⅲ 「Diversity × Specialty」の進化
前中計期間においては、マテリアル領域は事業環境変化を受け構造転換に注力する一方で、住宅領域、ヘルスケア領域は順調に成長しました。
その結果として、2024年度においては住宅領域の営業利益額が3領域の中で最も大きくなり、2030年度に向けては各領域がほぼ同水準の利益目標を目指す形になります。それに合わせる形で今後の成長投資はヘルスケア領域や住宅領域へのアロケーションを増加させます。マテリアル領域は事業ポートフォリオ転換と重点成長事業の投資からの利益創出を通じて2030年度の利益目標の達成を目指します。
「Diversity × Specialty」の進化により、マテリアル領域を中心とする事業構成から、3つの領域における高付加価値事業が高水準の利益貢献を果たす姿へシフトさせていきます。

ⅳ 財務・資本政策
(外部環境・課題)
前中計期間においては、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の高騰や中国経済の成長鈍化等の厳しい経営環境の中でも、当初計画に沿った形で中期的な成長に向けた成長投資を決定しました。
財務健全性を示すD/Eレシオは想定の水準を維持できているものの、生産性向上やコスト削減などによる体質強化を図り、アセットライトを意識した事業モデルへの転換などを通じてキャッシュ創出力や資本効率を持続的に高めていきます。
(具体的な方針・戦略)
■ 資金の源泉と使途の枠組み
本中計の3年間においては、約1兆2,000億円のキャッシュ・インとキャッシュ・アウトを計画しています。キャッシュ・インにおいては営業キャッシュ・フローが約75%を占め、残りの約25%は有利子負債、事業売却、他社資本の活用などにより調達する予定です。
キャッシュ・アウトに関しては成長に向けた投資と株主還元のバランスを重視し、約80%を事業投資、約20%を株主還元とする計画です。
財務健全性指標としてD/Eレシオは0.7程度、有利子負債/EBITDA倍率は3.0程度を目安として、資本のバランスをマネジメントします。

■ 設備投資・投融資
本中計の3年間においては累計で約1兆円の投資(意思決定ベース)を計画しており、そのうち拡大関連投資としては6,700億円を見込んでおります。ヘルスケア領域におけるM&Aを中心とした成長投資に加え、住宅領域においても国内外で中期的成長のための投資を検討する予定です。一方で、マテリアル領域については厳選した事業にフォーカスした投資をすることで、優先順位をより明確にしたリソースアロケーションとしていきます。
投資の意思決定にあたっては、他社資本や補助金を戦略的に活用することを検討します。また、主要な案件ごとに事業の収益性・資本効率や事業ポートフォリオ上の位置づけ等を踏まえた上でのハードルレートを定めています。今後も財務規律を強く意識した上で投資判断を行います。

■ 株主還元
株主還元の基本的な考え方としては、累進配当を特に重視した上で、還元水準の継続的向上を図っていきます。その方針をフォローするため、DOEを指標とした上で、DOE3%程度を目安に中長期的な累進配当を目指します。2024年度は上記の方針に基づき、1株当たり年間配当金として38円と、前期比で2円増配します。2025年度以降も引き続き配当金維持・向上を予定しています。自己株式取得は資本構成適正化に加え、投資案件やキャッシュ・フロー、株価の状況等を総合的に勘案して検討・実施していきます。配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」と合わせてご参照ください。
■ 資本効率の改善と企業価値の向上
本中計においても、前中計に引き続き資本効率を重視しています。ROEについては、減損を計上した2022年度から改善しているものの、現状では株主資本コストの8%を下回っており、PBRについては2021年度以降1倍を下回る状況が続いています。本中計の最終年度では9%を計画していますが、足元においてもROE改善策を進め、まずPBRが1倍を早急に超えるように最善を尽くします。改善に向けて次の5つの取り組みに注力します。
①事業ポートフォリオ変革加速
②収益力向上
③投資マネジメント強化
④資本構成の最適化
⑤資本コスト低減
この中でも特に「事業ポートフォリオ変革加速」と「収益力向上」に重点的に取り組み、それらの成果創出を通じてPBR水準の向上、及び企業価値の向上を追求します。

ⅴ 経営基盤の強化
経営環境の不透明さが増す中では、事業の土台となる経営基盤をより強固にすることが重要であると考えています。経営基盤強化として、「グリーントランスフォーメーション」「人財のトランスフォーメーション」「無形資産の活用」「リスクマネジメントの強化」「コーポレート・ガバナンスの最適化」について重点的に取り組んでいます。
■ グリーントランスフォーメーション
当社グループは持続可能な社会の実現に向けて、2050年時点でのカーボンニュートラル(実質排出ゼロ)を目指しています。また、GHG排出量を2013年度対比で2030年には30%以上の削減、2035年には40%以上の削減を目指しています。カーボンニュートラルの実現に向け、エネルギー使用量の削減、エネルギーの脱炭素化、製造プロセスの革新、高付加価値/低炭素型事業へのシフトなど、様々な取り組みを加速させていきます。自社のGHG排出量の削減への注力に加え、製品やサービスでバリューチェーン全体のGHG排出量削減に貢献することも重要なテーマとして取り組んでいます。当社では第三者専門家の視点を入れて妥当性を確認した、GHG排出量削減効果を期待できる製品・サービスを「環境貢献製品」として拡大・普及することを進めています。これらの「環境貢献製品」によるGHG削減貢献量を、2030年度には2020年度の2倍以上、2035年度には2.5倍以上とすることを目標としています。

■ 人財のトランスフォーメーション
当社は挑戦・成長を自ら求めていく「終身成長」と、多様性を促す「共創力」を人財戦略の柱としています。これらは当社が100年かけて培った、グループバリュー、多様性、自由闊達な風土などの無形資産をさらに磨き、活かしきるということでもあります。
その取り組みを加速させるために、挑戦的風土の強化を狙った新しい人事制度への移行を進めています。「Fair+Open」のコンセプトの下、社員が新たなことに挑戦したり、高い成果・貢献をあげた場合に、これまで以上に積極的に評価・報酬・昇格につなげる形にしていきます。
これらの取り組みが、「従業員の活力と働きがいの向上」と「旭化成グループの持続的成長」の好循環につながると考えています。主要KPIとしては、「従業員エンゲージメント(成長行動指標)」「ラインポスト+高度専門職における女性比率」「従業員エンゲージメント(活力指標)」を掲げています。
具体的な施策概要は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 [個別重要課題] (2) 人的資本・多様性」に記載しているほか、当社統合報告書及びサステナビリティウェブサイトにも記載しています。
統合報告書;
https://www.asahi-kasei.com/jp/ir/library/asahikasei_report/
サステナビリティウェブサイト;
https://www.asahi-kasei.com/jp/sustainability/social/human_resources/

■ 無形資産の最大活用
当社は3領域にわたり、人財、コア技術、マーケティングチャネル等、多様な無形資産を持ち、活用できることが強みであり、これらの無形資産を最大限活用することにより、戦略構築や新事業の創出を推進しています。特にマテリアル領域においては「ソリューション型事業」や「ライセンス型事業」の展開を推進しています。
中でも「ライセンス型事業」は新たな収益源として期待を寄せており、本中計の3年間で、10件の新規のライセンス契約締結を目標としています。2030年までの累積の利益貢献として100億円以上を目指します。
デジタル基盤については、通常の業務の中でDX(デジタルトランスフォーメーション)を当たり前のものとして進める「デジタルノーマル期」に入っており、AIの積極的導入による全社横断型の経営基盤づくりや事業モデルの変革、さらなる業務の高度化や生産性向上などにつなげていきます。当社は経済産業省が東京証券取引所と共同で選定する「DX銘柄」に2021年から2025年まで5年連続で選出されました。

■ リスクマネジメントの強化
詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
■ コーポレート・ガバナンスの最適化
詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。
ⅵ 財務・非財務主要KPI
本中計の実行にあたっては、財務・非財務のKPIを明確にして各施策を実行していきます。財務KPIにおいては、利益成長・資本効率の視点で、営業利益、ROE、ROICの2027年度の目標と2030年度の展望を設定しています。非財務KPIに関しては、GXの観点では当社GHG排出量、環境貢献製品を通じたGHG削減貢献量、無形資産の活用の観点ではライセンス契約の新規締結件数、人財の観点では従業員エンゲージメント調査の活力指標を主要なKPIとして設定しています。
中期経営計画2027で設定した財務・非財務主要KPI一覧

③ 各セグメントの経営方針・経営戦略等
中期経営計画に定める各セグメントの目標に向けて、以下の経営方針・経営戦略を実行していきます。
Ⅰ 「マテリアル」セグメント
本セグメントにおいては、3事業本部制から一体運営へ変更し、併せてコーポレートの研究開発とDX関連の機能の一部を本セグメントへ再編することで、構造転換やキャッシュ・フロー及び投下資本管理の徹底など体質強化を図りながら、半導体関連やカーインテリア、エナジー&インフラ分野での事業拡大による利益成長を目指します。
<経営環境・経営課題>
本セグメントにおいては、事業ポートフォリオの転換を最も重要な経営課題と認識し、次の成長分野への重点的な投資を行う一方で、既存アセットを最大活用することでのキャッシュ創出や事業の構造改革を推進しています。なお2025年4月より、本セグメント内の事業をエレクトロニクス、カーインテリア、エナジー&インフラ、コンフォートライフ、パフォーマンスケミカル、エッセンシャルケミカルという6つの事業分野に再編し、運営しています。これらの事業において、ビジネスモデルや市場の状況、競争優位性等の事業環境は、製品群によって大きく異なるため、各事業が置かれている環境認識に基づいた経営課題に対して取り組んでいます。本セグメントにおける経営環境は以下のとおりと認識しています。
ⅰ エレクトロニクス事業
・生成AIの普及やデータセンター拡大に伴う、先端半導体技術のニーズの高まり
・通信技術の高度化等、新たなライフスタイルによる様々なセンシングニーズの高まり
ⅱ カーインテリア事業
・自動運転の普及に伴う、車室空間の「居心地」に対するニーズの多様化
・デザイン性や機能性を両立し、かつ環境負荷の低い素材へのニーズの高まり
ⅲ エナジー&インフラ事業
・主要国における電気自動車等の環境対応車の需要の立ち上がりと、それに向けたリチウムイオン電池需要の高まり
・米国の規制強化によるアスベスト製隔膜法プラントからイオン交換膜法食塩電解へ転換する動きや、インドや東南アジアでの電解プラントの新増設等に伴う、イオン交換膜需要の高まり
ⅳ コンフォートライフ事業
・欧米ジェネリック医薬品向け製造拠点としてのインドや高齢化が進展する中国など、グローバルな医薬品市場の成長に伴う医薬品添加剤需要の安定成長
ⅴ パフォーマンスケミカル事業
・「CASE」と呼ばれる自動車業界の変革と、それに伴う技術革新の進展や新たなニーズの高まり
・低炭素社会の実現に向けた電気自動車等の環境対応車の需要拡大や資源の有効活用など、自動車業界における環境負荷低減の動き
ⅵ エッセンシャルケミカル事業
・中国の設備増強と内製化進展による石油化学製品のアジア輸出需要の変化、またこれに伴う日本国内の石油化学コンビナート再編の動き
・カーボンニュートラルの動きを受けた、石油化学関連製品の中長期視点でのサステナビリティ対応の加速、脱炭素に貢献する技術やソリューションに対するニーズの高まり
<経営方針・経営戦略>
本セグメントにおける主な取り組みの方針・進捗は、以下のとおりです。
ⅰ エレクトロニクス事業
■ 価値提供の方向性:カスタマーオリエンテッド型による高付加価値素材の提供
・デジタル社会の進展で求められるニーズへの、特徴ある部品・部材、ソリューションの提供
■ 主な取り組み
・電子材料、基板材料事業:AI活用等、DXの加速による先端半導体の進化を支える革新材料開発の強化
・電子部品:省エネ・快適市場において競争力のあるセンシングデバイス・ソリューションの展開
・電子材料と電子部品との融合による特徴ある部材・部品、ソリューションの展開
ⅱ カーインテリア事業
■ 価値提供の方向性:カスタマーオリエンテッド型の商品ラインアップ、対応力による提案力強化
・キーカスタマーへの横断的なマーケティング強化
■ 主な取り組み
・Sage Automotive Interiors, Inc.の事業を軸にして、ファブリック、合成皮革、さらに環境特性に優れたスエード調人工皮革「Dinamica®」を加えた幅広い素材ラインアップと高いデザイン力を融合させた内装材プラットフォームの構築
・地域、素材ごとの最適な生産供給体制構築による、コスト競争力の強化
・環境に配慮した製法による高級感ある新素材、新製品の開発
ⅲ エナジー&インフラ事業
■ 価値提供の方向性:独自の技術・知見を活かしたソリューション提供
・これまでに培った技術や知見などの事業基盤を活かした、旭化成が目指す2つのサステナビリティ(「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」)の好循環の実現への貢献
■ 主な取り組み
・グリーンな素材とソリューションの提供(水素関連の事業化推進、CO2ケミストリーの多面的展開)
・蓄エネルギー分野の深耕(セパレータ事業の成長追求、知見を活かした新しい事業展開)
・イオン交換膜法食塩電解事業を起点とした製造型リカーリングビジネスの拡充と高度化
Ⅱ 「住宅」セグメント
<経営環境・経営課題>
国内の住宅市場では、住宅ローン金利が上昇傾向にあることに加え、資材価格高騰や労務費の増加による建設コストの上昇及び物価上昇による消費マインドの低下などもあり、住宅需要について引き続き注視が必要な状況が続いています。このような状況の中、引き続き社会課題の解決と、お客様満足のさらなる向上に取り組んでいます。国内の住宅事業においては、DXを活用したオンライン集客・紹介活動の拡大等による集客におけるビジネスモデルの転換や、都市・近郊・郊外それぞれのエリア特性・お客様のニーズに合わせたサービスの実施、高付加価値化へのさらなるシフトを通じ、引き続き高品質な住まいの提案に努めていきます。また、気候変動に伴う自然災害の多発化、脱炭素化の加速、環境への配慮による省エネ性能の高い住宅の需要の高まり等、住宅を取り巻くニーズは変化し続けており、環境関連においても積極的に取り組みを行っています。
海外の住宅市場では、経済政策の動向や為替変動、住宅価格の高騰、住宅ローン金利高止まりの影響等について引き続き注視が必要な状況が続いていますが、供給不足を背景とする潜在的な需要は高く、今後も事業展開の拡大を行っていく必要があると考えています。
<経営方針・経営戦略>
本セグメントにおける主な取り組みの方針・進捗は、以下のとおりです。
ⅰ デジタル技術を活用したマーケティング等による集客、受注活動の推進や生産性の向上
ⅱ サステナビリティ活動の推進
・旭化成ホームズ㈱が、事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的イニシアチブである「RE100」において、2023年度に「RE100」達成
・旭化成ホームズ㈱が、国際的イニシアチブ「RE100」が主催する「RE100 Leadership Awards 2024」において、「RE100 enterprising leader」を受賞
・旭化成ホームズ㈱が、一般社団法人産業環境管理協会主催の「令和6年度 資源循環技術・システム表彰」において、経済産業大臣賞を受賞
・旭化成ホームズ㈱が、環境省の「エコ・ファースト制度」において、「エコ・ファースト企業」に認定
・旭化成ホームズ㈱が、環境省主催の令和6年度「気候変動アクション環境大臣表彰」において、「ハウスメーカー由来の電力事業による循環型エネルギー社会の実現」の取り組みを評価され先進導入・積極実践部門 緩和分野を受賞
・旭化成ホームズ㈱が、経済産業省の「GX率先実行宣言」の枠組みに賛同し、2025年1月に同宣言を公表
・旭化成富士支社の工場跡地に設けた環境再生ゾーンである「あさひ・いのちの森」が、公益財団法人都市緑化機構が主催する「SEGES(シージェス:社会・環境貢献緑地評価システム)そだてる緑」においてSuperlative Stage認定を取得
・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)・ZEH-M(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)普及に向けた取り組みの推進
・環境貢献度の高い断熱材「ネオマフォーム™」の拡販
ⅲ レジリエンスの強化
・耐震性、耐火性の高い住宅の提供や防災科学技術研究所とのリアルタイム地震被害推定システム研究など、安心できる住まいを実現させる取り組みの推進
・旭化成ホームズ㈱の「HEBEL HAUS トータルレジリエンス2.0」(総合防災力強化の取り組み)が、一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会主催の「第11回ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2025」において、「ジャパン・レジリエンス・アワード 優秀賞」を受賞
ⅳ 海外事業の展開加速
・豪州事業
大手戸建住宅会社であるNEX Building Group Pty Ltdを中心に、同社の創業の地であるニューサウスウェールズ州以外にも新たなビルダーの買収を通じてエリアを広げ、現在は計5州で事業を展開しています。引き続き生産性・収益性向上に向けた業務プロセスの高度化や、拡販による各エリアのシェアアップでの利益拡大を目指し、ビルダー単独・サプライヤー単独では成しえない多様な価値提供による競争優位性の高い豪州モデルを確立させることで、豪州における注文住宅の建築請負及び分譲住宅の販売においてトップブランドを目指します。
・北米事業
北米のホールディングカンパニーであるSynergos Companies LLCは、建築部材を手掛けるErickson Framing Operations LLCやFocus Companies LLC、基礎・電気・空調設備工事を行うAustin Companies LLC、配管工事を行うBrewer Operations LLCなどのサブコンストラクターを中心に、建築工程の中核となる業種を統合し工業化建築を推進することで、米国の建築業界に施工の効率化という新たな価値を生み出し、高品質な住まいの提供に貢献しています。また、住宅需要の高いアリゾナ州、ネバダ州、フロリダ州に厳選して地域展開を図り事業規模を拡大しています。今後さらなる成長を追求すべく、テキサス州への展開等さらなるエリア拡大も検討し、より一層の成長に向けて事業を推進していきます。
Ⅲ 「ヘルスケア」セグメント
<経営環境・経営課題>
医薬事業においては、2024年5月にCalliditasの買収を発表し、2020年に買収したVeloxisと合わせてグローバルな事業展開を進めており、日米における主力医薬品の販売が伸長したことにより売上高は堅調に増加しています。医療事業においては、生物学的製剤市場の継続的な成長と製薬会社における新薬の開発及び商業生産化へのニーズの高まりにより、ウイルス除去フィルターの需要が増加しています。顧客の在庫調整による一時的な需要停滞は落ち着き、既に増加基調へと転じており、安定生産と生産能力増強を通じて供給責任を果たしていきます。クリティカルケア事業においては、主力のAED(自動体外式除細動器)の販売が前期の出荷増加に伴う在庫調整により一時的に停滞していましたが、足元では改善しており、今後は市場環境回復に合わせた成長を継続していく見通しです。なお、2024年度は医薬事業において診断薬事業などの、医療事業においては血液浄化事業の事業譲渡を決定致しました。
中長期的には、国内では医療費削減圧力が高まることによる市場成長の鈍化が予想される一方、先進諸外国においては、より良い医療に対するニーズの高まりや長寿社会の進展に伴い、引き続き安定的な市場成長が継続すると認識しています。そのため、本セグメントの中長期的な成長のための課題は、グローバルにおける事業展開を加速することであり、当社グループに足りない経営資源を追加・補強する手段としてM&Aやライセンス導入による事業開発を推進していきます。
今後は、2021年度にクリティカルケア事業のZOLLが買収したRespicardia, Inc.やItamar Medical Ltd.、2022年度に医療事業の旭化成メディカル㈱が買収したBionova Scientific, LLC、2024年度に当社が買収したCalliditasなど、過去に投資実行した案件の収益成長による投資成果の刈り取りを図るとともに、既存事業の成長とM&A等の事業開発の活用を継続し、医薬・医療機器の双方でグローバル市場における幅広い事業機会を捉え、当社グループの成長を牽引することを目指します。
<経営方針と経営戦略>
本セグメントにおける主な取り組みの方針・進捗は、以下のとおりです。
ⅰ 医薬事業
・旭化成ファーマ㈱とVeloxisの強みを活かしたグローバルスペシャリティファーマへの進化が着実に進んでいます。事業開発、臨床開発における両社の知見を統合し、免疫・移植の周辺領域での成長の可能性を最大限に追求します。2024年度からは日米の医薬事業を統合した「One AK (Asahi Kasei)Pharma体制」への移行を開始しています。免疫・移植周辺を中心とした疾患領域、及び大病院市場へフォーカスし、旭化成ファーマ㈱、VeloxisとCalliditasの連携のもとで事業開発、臨床開発、販売を推進していきます。
・Veloxisの腎移植手術患者向け免疫抑制剤「Envarsus XR™」の販売が着実に伸長しています。また将来に向けたパイプライン強化のため、OSE Immunotherapeutics SAから導入したCD28阻害薬「VEL-101」(臓器移植における新規免疫抑制薬)の開発を進めています。
・Calliditasを買収し、IgA腎症の治療薬として初めて承認された医薬品「TARPEYO™」の販売拡大を目指します。
・国内市場では重点領域(整形外科領域、救急集中治療、免疫)における新薬上市と販売の拡大を継続します。整形外科領域においては、骨粗鬆症治療薬「テリボン®オートインジェクター」のさらなる市場への浸透を図ります。免疫領域においては、関節リウマチ治療剤「ケブザラ®」と、2021年度にサノフィ㈱より導入した免疫調整剤「プラケニル®」のさらなる市場浸透を図ります。研究開発においては、オープンイノベーションや事業開発を活用し、重点領域におけるパイプラインを拡充しています。2022年度には、発作性夜間ヘモグロビン尿症に対する補体C3阻害薬「エムパベリ®」及び慢性肝疾患における血小板減少症改善薬「ドプテレット®」に関して、日本国内における独占販売契約をSwedish Orphan Biovitrum Japanと締結し、2023年度に販売を開始しました。2023年度よりBasilea Pharmaceutica International Ltdより導入した深在性真菌症治療剤「クレセンバ®」の販売を開始し、さらなる市場浸透を図ります。
ⅱ 医療事業
・生物学的製剤の市場成長に合わせたウイルス除去フィルター「プラノバ™」の市場ポジション・販売拡大を目指し、生産能力増強、生産効率化及び製品開発を引き続き進めていきます。
・2019年度にウイルス等安全性試験受託サービス等を手掛けるVirusure Forschung und Entwicklung GmbHを、2021年度にマイコプラズマ試験受託サービスを手掛けるBionique Testing Laboratories LLCを買収し、製薬企業向けバイオセーフティ試験受託サービス事業へ参入しています。
・2022年度に次世代抗体医薬品CDMOのBionova Scientific, LLCを買収し、バイオ医薬品CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)事業へも参入しています。これらの多様な事業展開を通じて、製剤の安全性と生産性向上に貢献する製薬企業にとってのプレミアムパートナーとなることで製薬市場の成長を取り込みます。
ⅲ クリティカルケア事業
・心肺蘇生、心疾患、睡眠時無呼吸症などの重篤な心肺関連疾患領域をターゲットとし、既存事業の持続的成長、及び企業買収を通じた既存事業強化と周辺領域への拡大により成長を追求します。
・医療従事者向け除細動器や公共施設向けAEDなどの救命救急医療の市場リーダーとして、引き続き技術革新や製品・サービス開発に投資して新製品を投入し、製品ポートフォリオを多様化するとともに、米国外も含めたグローバルでの市場成長を着実に捉えていきます。
・着用型自動除細動器「LifeVest®」は臨床的価値の訴求により市場浸透率をさらに高め、標準的な治療法として確立させることを目指します。
・2021年度に、中枢性睡眠時無呼吸症の治療用機器を手掛けるRespicardia, Inc.、及び睡眠時無呼吸症の在宅検査・診断ソリューションを手掛けるItamar Medical Ltd.の買収により、心疾患患者が併発することの多い睡眠時無呼吸症の診断や治療のための画期的なデバイスを獲得し、新たな分野に進出しました。当該2社の事業拡大と既存の心疾患関連事業とのシナジー創出により、確実な成果の結実を目指します。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 事業上の課題
「(1) 経営方針・経営戦略等 ③ 各セグメントの経営方針・経営戦略等」に記載の項目に加えて、以下の事業上の課題があります。
Ⅰ 「マテリアル」セグメント
ⅰ エレクトロニクス事業
情報通信機器に用いられる電子材料や電子部品のニーズは、AI需要の高まり、デジタルトランスフォーメーションの進展や次世代通信の普及に伴う情報通信高度化の需要が益々拡大することに伴い、年々増加しています。特に自動車の電動化がもたらす変化として、車両の高機能化だけでなく、充電設備の整備も急速に進められており、様々なセンシングデバイスの高度化・高信頼性化が求められています。半導体のニーズが益々拡大する一方で、米中デカップリングによるサプライチェーンの混乱や分断がもたらす影響を的確に捉えて、対応を進めていきます。
特に世界各国の半導体ファウンドリやOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly & Test)を活用する分業体制が業界全体として展開されているため、半導体製造に関わるサプライチェーンの動向に影響を受ける可能性があります。半導体生産に必要なレアガス(希ガス)やレアメタル(希少金属)などの原材料不足や、大規模災害・パンデミック・地政学的問題などの影響を受けての需要変化による製造リードタイムの長期化など、電子部品事業において環境変化を見通しにくい状況となっています。そのような中で、半導体製造関連の主要サプライチェーンの状況(特に米国、中国、台湾)の動向をモニタリングし、リスクの発生状況を常時評価し、迅速に対応していきます。
今後も市場動向を注視しながらデジタル社会で求められる最先端のニーズを捉えて、電子材料と部品の双方を有するユニークさを活かし、特徴ある材料・部品、ソリューションを提供していきます。
ⅱ カーインテリア事業
車室空間には、これまでにない快適性やデザイン性に加えて、リサイクル原料の使用、車体軽量化による自動車燃費の向上、電動化等、環境負荷低減に繋がる製品が求められています。環境特性に優れたスエード調人工皮革「Dinamica®」は、需要増加に対応するため供給能力を増強するとともに、米国子会社のSage Automotive Interiors, Inc.との連携を強化し、2020年に買収した米国Adient plcのファブリック事業や、中国の合弁会社のパートナーであるOmnova社の塩化ビニル樹脂系合成皮革事業との統合効果を発現させていきます。今後も顧客要求に迅速に対応するべく、グローバル市場におけるキーカスタマーへのアプローチやデジタルマーケティングを継続するとともに、価値提供領域をカーシートに加えて天井やドア等の車室空間全体に拡大することで、持続的に成長できるビジネスモデルの構築を推進していきます。
本事業は世界の自動車業界の動向に影響を受ける場合があります。2024年度の自動車内装材事業については自動車生産台数の回復による関連製品の需要増が見られました。事業運営は、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢等の影響によるサプライチェーンの混乱、及び米国関税政策や中国景気の減速に伴う世界経済の成長鈍化等、年間を通じて見通しづらい環境下にあります。そのような中で各国の自動車関連市場を注視するとともに、サプライチェーンと在庫管理を強化し、変化する需要に柔軟に対応していきます。
ⅲ エナジー&インフラ事業
リチウムイオン電池用セパレータは、着実に成長する電気自動車の需要とともに競合他社のキャパシティ増加や販売政策により価格競争が激化していく可能性があります。需要の拡大及び新たなサプライチェーン構築が見込まれる北米に生産拠点を先行して構え、顧客と強いパートナーシップを結びつつ、安定的かつ高水準の品質を強みに、リチウムイオン電池用セパレータのリーディングサプライヤーとして、様々な顧客ニーズに対応していきます。併せて、米国、日本での塗工能力増強を図りつつ、生産技術の大幅な改良を図り、コスト競争力の高い製品を追求していきます。
イオン交換膜法食塩電解は、米国の規制強化によるアスベスト製隔膜法プラントからのプロセス転換や、インド・東南アジアでの電解プラントの新増設等で需要が高まるなか、競合他社の能力増強による競争激化が見込まれます。さらなる事業価値向上に向けて、2020年に買収したRecherche 2000 Inc.の食塩電解用モニタリング装置・システムから、モノ売りとサービスを融合させたソリューションの提供を加速させていきます。
本事業は、各国の規制・環境問題や関税政策、供給制約の顕在化等によるサプライチェーンの変化、テクノロジーの変化により、事業環境が急激に変化することが中期的なリスク要因と考えられるため、事業環境の動向の把握と迅速な対応を続けていきます。
Ⅱ 「住宅」セグメント
国内の住宅市場では、税制の動向や地政学的問題等の発生によりサプライヤーからの部材調達に影響を受ける場合があります。当社は、発注情報の早期確定やスペックの見直し、内製化、複数社からの購買等リスク軽減を検討し対応していきます。北米の住宅市場では、高水準で推移する住宅ローン金利や関税政策が、住宅着工に影響を与える可能性があります。豪州の住宅市場では、住宅価格やローン金利の高止まりにより、住宅着工は調整局面にあります。このような状況の中、供給不足を背景とする潜在的な需要は高いため、北米事業では施工の効率化という新たな価値を生み出し、高品質な住まいの提供に貢献し、豪州事業ではビルダー単独・サプライヤー単独では成しえない多様な価値提供による競争優位性の高い事業モデルの確立に引き続き注力していきます。
また、カーボンニュートラルに向けた対応や脱炭素等の環境意識が高まる中、対応の遅れにより競争優位性や企業ブランド・製品ブランドへの影響が考えられます。「RE100」や「SBT(Science Based Targets)」のフレームワークに基づいた評価・管理・報告を実施し継続的にPDCAを循環させ、サステナビリティへの取り組みを推進しながらビジネスを成長させることで、持続可能な社会貢献に取り組んでいきます。
Ⅲ 「ヘルスケア」セグメント
医薬品や医療機器等の事業においては、一般的に、その販売数量や販売単価等が定期的な薬価・保険償還価格の改定の影響を受ける場合があります。また新薬の研究開発については、期間が長期にわたることに加え、承認取得に至る確率が高くないことなどから、製品化の確度や時期について正確な予測が困難であり、計画どおりに製品化できなかった場合は業績に影響を与える可能性があります。医薬品や医療機器が製品化した場合でも、競合品の開発・上市の動向、有害事象の報告、後発品の上市等により、業績に影響を与える可能性があります。そのため、当社グループでは医薬事業と医療事業の両方を持つことで、多様な成長力・競争力を獲得し、イノベーション獲得機会の増加を図るとともに、医療規制等将来の不確実性への対応力を高めていきます。また、パイプラインの拡充、ライセンス導出・導入、共同開発、グローバル展開の加速等に努めることで持続的な安定成長を図ります。
加えて、大規模自然災害・パンデミック・地政学的問題などによる原材料・部品の不足、調達リードタイムの長期化、調達コストの増加の影響を受ける可能性があります。当社の医薬品、医療機器を必要とする患者や医療従事者へ安定的に製品供給するため、原材料や製品在庫の管理、サプライヤーとの関係強化などサプライチェーン強化を進めていきます。
② 財務上の課題
「(1) 経営方針・経営戦略等 ② 当社グループ全体の経営方針・経営戦略等」 <経営方針・経営戦略> ⅳ 財務・資本政策の項目をご参照ください。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
[サステナビリティ全般]
当社グループでは、サステナビリティの追求を経営の柱として位置づけており、「サステナビリティ基本方針」として明確にしています。すなわち、当社グループはグループミッションである「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献」するため、「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の2つのサステナビリティの好循環を追求すること、その実現に最適なガバナンスを追求すること、そして、持続可能な社会への貢献による価値創出/責任ある事業活動/従業員の活躍の促進の3点を実践すること、を方針としています。
<サステナビリティマネジメント及び旭化成グループのマテリアリティ>
■ ガバナンス
当社では、サステナビリティ全般に関する課題を共有し議論する「サステナビリティ推進委員会」に加え、特に重要なテーマについては、個別の委員会である「リスク・コンプライアンス委員会」「環境安全・品質保証委員会」「DE&I委員会」を設置しています。これらの委員会では、委員長である社長の下、事業部門責任者や関係するスタッフ部門の責任者を委員として議論や方針確認などを行い、グループ全体戦略の立案・推進や事業経営の実行等につなげています。
サステナビリティ推進委員会の実施状況は議論内容とともに取締役会に報告され、取締役会は監督と助言を行っています。取締役会はスキル・マトリックスに記載のとおり、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、人権対応等をはじめとするサステナビリティの課題を経営レベルで監督した経験や専門性を有するメンバーを複数含んでおり、幅広いサステナビリティの課題について、リスクと機会を多面的に認識し、監督できる構成としています。
役員報酬においては、業績連動報酬について、グループ連結の売上高、営業利益、ROIC等の財務指標の達成度とともに、サステナビリティの推進を含む個別に設定する目標の達成度を踏まえた総合的な判断を踏まえて算出することとしています。
サステナビリティマネジメント体制

・サステナビリティ推進委員会の目的、構成メンバー、開催頻度
■ 戦略
当社グループが目指す「持続可能な社会」を実現するための取り組みの重要性は年々高まっています。「持続可能な社会」への課題とは、人と地球環境についての課題であることから、当社グループは、グループビジョンに示している「健康で快適な生活」「環境との共生」の追求が、「持続可能な社会」につながるものと考えています。
創業以来の1世紀で培ってきた多様な人財・技術・事業を活用し、事業活動を支える基盤的な活動を強化しながら、2025年度からの中期経営計画に示す「取り組む課題・実現したい姿」(「カーボンニュートラル/循環型社会」「デジタル革新による新しい価値創出」「より快適・安全・安心なくらし」「人生を豊かにする住まい・街」「生き生きとした健康長寿社会」)の実現に向けて、「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の各分野において、持続的にイノベーティブな製品・サービス・ビジネスモデルを創出します。
■ リスク管理
サステナビリティを追求する上では、多様なリスクを的確に認識して対応するとともに、事業機会を積極的に捉えていくことが必要です。その観点で、「サステナビリティ推進委員会」をはじめとした各委員会で情報共有や議論を行うとともに、中期経営計画の毎年の見直しや年度経営計画の議論の中で適宜リスクと機会の確認を行っています。
特にリスク管理については体系的な管理体制のもと、グループレベルのリスク、事業に固有のリスクの両面からリスク管理を行うこととしており、リスク項目の選定やリスク対応の推進状況などは取締役会でも定期的にモニタリングをしています。サステナビリティに関する事項を含む具体的なリスクに関する認識と管理体制は「3 事業等のリスク」をご参照ください。
■ 指標と目標
当社では、経営における重要課題(マテリアリティ)を以下のように定めています。いずれもサステナビリティを追求していく上で重要な要素であり、これらに重点を置いた経営活動を行い、定量的な管理が可能なものは、指標や目標を設定して管理しています。
旭化成グループのマテリアリティ

「中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~」では、以下を主な目標としています。
・GHG排出量(Scope1+Scope2): 2035年度 40%以上削減(2013年度比)
・GHG削減貢献量: 2035年度 2.5倍以上(2020年度比)
・ラインポストと高度専門職における女性比率: 2030年度 10.0%
・従業員の活力指標: 従業員エンゲージメント調査における好意的な回答者割合 2027年度 60.0%
また、前提の一つである「安全」については、「休業災害件数」「休業度数率」等により管理し、徹底を図っています。
[個別重要課題]
(1)気候変動
■ ガバナンス
当社では気候変動に関する取り組みを中心とするグリーントランスフォーメーション(GX)を重要な経営課題と捉え、経営戦略の中核テーマの一つと位置づけて取り組んでいます。気候変動に関する方針や重要事項は取締役会で、また、関連する具体的事項は経営執行の意思決定機関である経営会議で、審議・決定を行っています(中期経営計画、GHG排出量の削減目標、設備投資計画などの決定と実績の進捗確認等)。なお、2025年度からの中期経営計画の策定においては、GXに関する方向性や目標の見直し等について議論を行い、取りまとめた上で、経営会議・取締役会に提案し、審議・決定をしています。
当社では、取締役会・経営会議でのこれらの決定を事業レベルで推進するため、社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置し、事業の各執行責任者が気候変動を含むサステナビリティに関する課題の共有と議論を実施しています。委員会の結果は取締役会に報告し、全社での取り組みのあり方等についての議論につなげています。さらにサステナビリティ推進委員会の下部組織である「地球環境対策推進委員会」では、GX推進担当役員を委員長として、事業、製造統括、生産技術、研究・開発の本部長等が環境全般についての課題の共有、議論を実施しています。
また、当社ではGHG削減目標達成に向けて、担当役員のもと、専任のプロジェクト体制(カーボンニュートラル推進プロジェクト)で、シナリオを検討しています。検討においては、社長・経営企画担当役員を中心に方向性を定期的に議論しながら内容の深化を進めています。
なお、当社GHG排出量の9割超を占めるマテリアル領域では、2025年4月にカーボンニュートラル、カーボンフットプリント担当部署をそれぞれ設置しました。カーボンニュートラルに向けた取り組みを事業部門、コーポレートで連携しながら、さらに推進していきます。
■ 戦略
[分析の前提]
産業革命前からの気温上昇を「+1.5℃」に抑制するための移行リスクのシナリオは、WEO: Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)を、対策が進まずに気温上昇が「+4.0℃」になる物理的リスクのシナリオは、IPCC SSP3-7.0を適用しています。
マテリアル、住宅、ヘルスケア各領域における機会とリスクは以下のとおりです。
[機会]
当社はカーボンニュートラルな社会への転換をはじめとするメガトレンドを見据え、事業ポートフォリオ変革を推進しています。2025年度からの中期経営計画では、重点成長領域、戦略的育成領域と位置づけている水素、セパレータ等のエナジー&インフラ、エレクトロニクス、海外住宅、ヘルスケア等に、3年間で約6,700億円の拡大関連投資の意思決定をする計画です。その内数として、2027年度までの3年間で1,000億円規模のGHG削減関連投資を実行する構えとしています。
また、気候変動対応を含む環境分野のスタートアップ企業を対象として、2023年度から2027年度の5年間に1億ドルの投資枠を設定しています。
当社の事業展開の方向性は、気候変動の緩和及び適応において様々な製品・サービスを事業機会として提供しうると認識しています。
具体的には、「+1.5℃シナリオ」では、水素社会到来に向けたアルカリ水電解システムの開発・事業化、将来的なEV普及拡大を踏まえたLIB用セパレータ等の事業拡大など、「+4.0℃」シナリオでは、気象災害の甚大化や気温上昇の中で、強靭かつ高断熱な住宅「ヘーベルハウス™」や高い断熱性能を発揮する断熱材「ネオマフォーム™」の需要拡大などです。
[リスク]
「+1.5℃」シナリオでは、主としてカーボンニュートラル化に向けたカーボンプライシング等の政策による規制が強まるとともに、カーボンニュートラルに適した素材への需要シフトをリスクとして想定しています。さらに、循環型経済への移行加速やカーボンニュートラルな社会に向けた革新技術の登場による市場構造変化もリスクとして想定しています。
「+4.0℃」シナリオでは、主として酷暑・大雨・洪水などの物理的リスクを想定しています。特に、風水害の甚大化により、当社の国内外における主要製造拠点の被災とその損害想定額をリスク認識しています。
これらのリスクは濃淡がありながらも、今後の気候変動の中でいずれも発現しうるものと捉えており、当社はリスク低減の取り組みを進めていきます。
具体的には、「+1.5℃」シナリオでは、エネルギー使用の効率向上、再生可能エネルギーの活用拡大、リサイクル技術の開発・社会実装等を進めていきます。「+4.0℃」シナリオでは、BCP(事業継続計画)の継続的見直しや事前対応強化(在庫水準見直し、複数購買検討等)、住宅建設現場での熱中症対策等を進めていきます。
■ リスク管理
当社は気候変動リスクを「グループ重大リスク」の一つとして位置づけるなど、リスクと機会について重点的な管理を行っています。
GHG排出量のScope1、Scope2及びScope3(主要なカテゴリー)について、第三者保証を伴う排出量実績を毎年把握するとともに、目標への進捗状況と併せ、カーボンニュートラル推進プロジェクトで共有し、今後の取り組みを議論・確認しています。
また、中期経営計画の策定や毎年の見直しの中でも、GHG排出量削減への取り組み等を確認し、事業戦略や施策につなげています。
設備投資においては、インターナルカーボンプライシングを適用して採算性を評価し、投資判断を行っています。なお、インターナルカーボンプライシングは、国際エネルギー機関(IEA)が予測する炭素価格や市場価格、当社でのカーボンニュートラルに関するコスト見通しなどを考慮し、設定しています。
■ 指標と目標
当社は、以下の指標を気候変動のリスク・機会に関係するものとして位置づけています。
その他関連事項
* GHG排出量はScope1,2が対象。算定対象ガスは7種類(CO2、CH4、N2O、HFCs、PFCs、SF6、NF3)
また、バリューチェーン全体の観点から社会のGHG排出量の削減等に貢献する製品・サービス(環境貢献製品)のGHG削減貢献量を2020年度比で2030年2倍以上、2035年2.5倍以上にするという目標を掲げています。
(2) 人的資本・多様性
■ 戦略、指標と目標
当社は1922年に創業し、2022年に100周年を迎えましたが、この間事業ポートフォリオを大きく変革してきました。1960年代には石油化学事業と繊維事業が売上高の大半を占めていましたが、社会課題の解決に向けた事業展開により、現在は「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」からなる3領域経営を進めています。大きな変革を遂げながら成長してきましたが、今後も、持続可能な社会への貢献と持続的な企業価値向上の2つのサステナビリティの好循環に向けてさらなる変革が必要です。
当社では、従業員に求める心構えとして「A-Spirit」という言葉を掲げています。旭化成の「A」と、アニマルスピリットの「A」をかけたもので、具体的には、野心的な意欲、健全な危機感、迅速果断、進取の気風、という4つのことを強く意識し、チャレンジングな人間、チャレンジングな人財であってほしいと伝えています。また、そのような想いから、社員一人ひとりが挑戦・成長を自ら求めていく「終身成長」と、当社の多様性を活かしコラボレーションを推進する「共創力」を人財戦略の柱としています。

A-Spiritの体現に向けて、課題と考えているのは次の3つです。
① 自律的なキャリア意識向上と組織の成長との好循環
A-Spiritや「終身成長」は、他律的、受動的な姿勢では体現できません。実現したい夢や意思、自身で思い描くキャリア、それらを原動力にして様々なテーマにチャレンジすることが重要です。今後事業ポートフォリオ転換を進め、高付加価値事業を創出するためには、自ら成長・挑戦機会を求め自律的に動く人財が従来以上に必要であり、社員と組織双方の成長につなげていくことが大切だと考えています。
② 個とチームの力を引き出すマネジメント力の向上
失敗を恐れず思い切って挑戦し、その挑戦(失敗も含め)から学び、また次の挑戦に繋げていくためには、マネージャーによる支援が不可欠です。当社には高い専門性を持った人財や挑戦心あふれる人財が数多く在籍していますが、それを最大限に活かしきりビジネス上の成果に繋げられるよう、マネジメント力の向上も課題と考えています。
③ 多様な人財の活躍
当社の強みは幅広い技術、多様な事業、多様な市場との接点を通じた無形資産であり、これらのポテンシャルを最大限に引き出し、価値創造に活かしていかなければなりません。そのためにも国籍やジェンダーなど属性における多様化をこれまで以上に推し進めながら、質的に多様な人財がつながり合い、化学反応を起こすことで企業価値向上につなげていきます。
以上の課題認識に対して、当社では従来、様々な人事施策を講じてきており、2025年4月に発表した中期経営計画では、あらためて心身の健康を重視し、当社の強みである自由闊達なコミュニケーションをベースとしながら、挑戦的風土の強化を進めることが肝要であるとの認識のもと、各種施策を一層推進していきます。
主要KPIとしては「従業員エンゲージメント(成長行動指標)」「ラインポスト+高度専門職における女性比率」「従業員エンゲージメント(活力指標の好意的回答者比率)」を掲げており、従来そのうちの「ラインポスト+高度専門職における女性比率」を役員報酬に連動させていましたが、2025年度より「従業員エンゲージメント(活力指標が好意的な状態の回答者の割合)」についても連動させることとしました。
(人財育成方針)
高度専門職制度の拡充によるプロフェッショナル人財の育成強化
概要:高度専門職制度とは、新事業創出、事業強化へ積極的に関与し、貢献できると期待できる人財に対しふさわしい処遇を行い、社内外に通用する専門性の高い人財を増やしていく仕組みです。各事業の拡大に必要な専門領域を特定し、各専門領域で課長待遇のエキスパートから執行役員待遇のエグゼクティブフェローまで役割定義を定め、その定義に沿って任命を行っています。高度専門職を設置する専門領域は事業方針に合わせて毎年見直しを行い、事業戦略と人財育成方針をリンクさせているほか、就任者のミッションの一つに「自身の後進の育成」を明確に位置づけることで、技術レベルをサステナブルに維持向上させる仕組みとしています。
KPI:前中計においては高度専門職の人数をKPIとして注視しており、2024年度は目標360名に対し373名と達成することができました。今後は、高度専門職の活動が新事業創出及び事業強化にこれまで以上につながるよう、各領域で活動ロードマップの策定や領域内外の連携を積極的に行う等の取り組みを強化していきます。

エンゲージメント向上 「KSA(活力と成長アセスメント)」
狙い:個人と組織の状態を可視化しマネジメントのPDCAを回すことで、活力や挑戦・成長行動を高めること。
概要:毎年1回、全従業員を対象にサーベイを実施し、3指標「上司部下関係・職場環境」「活力」「成長につながる行動」の組織毎の結果をラインマネージャーにフィードバックしています。各組織が当事者意識を持ち課題や目指したい状態、今後の取り組みについて話し合う「職場対話」を推進し、職場づくりを学ぶ研修も展開してきました。これまでの取り組みから、職場対話を効果的にするための環境整備も必要なケースがあることが分かってきており、今後は、個々の職場の状態に応じて対話にとどまらないアプローチも検討していきます。
KPI:モニタリング指標に定める「成長につながる行動」は2024年度3.73まで向上しました(2023年度3.72、2022年度3.71、2021年度3.69)。上司向け研修の拡大(延べ832名受講)により、2020年の導入時から推奨してきた「職場対話実施率」は2024年度73%と順調に推移しています。今後は、「活力」指標が好意的な状態の回答者(5段階中3.5以上)の割合を高めていくことをKPIに加え、2025年度以降、役員報酬にも連動させます。


DE&I、ジェンダーバランスの実現
狙い:急速に変化する事業環境に対応し継続的に新たな価値を生み出していくためには、人財の多様性を活かし共にビジネスを創り出していく「共創力」を高めることが不可欠であると考え、当社ではDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を経営課題の1つとして位置づけています。「共創力」を発揮していくためには、多様性を“拡げる”“つなげる”という2つの視点が重要であり、多様な技術・事業・人財を有機的につなげることで、当社ならではの価値が発揮できると考えています。
概要・KPI:ジェンダーバランスの実現に向けて、2022年度からKPIとして、管理職の中でも真に指導的役割を果たすポジション(ラインポスト及び高度専門職)の女性比率を2030年度までに10%以上にするという目標を掲げ、その比率を役員報酬にも連動させています(2024年度目標:5.0%以上、実績:4.9%)。
上記を達成するとともに、女性リーダーを継続的に輩出できる仕組みとして、候補者母集団を形成するための様々な取り組みを実施しています。2013年より継続的に実施しているメンタープログラムでは累計165名の新任女性管理職が参加し、直属の上司ではない斜めの関係の上位職が、各自のキャリア形成や課題解決に向けて主体的に考える機会を提供し成長を促すとともに、その後の自己成長に対する意欲を高めています。
また、ラインポストに就く女性管理職のさらなる成長意欲の喚起や視座向上を目的に、2023年度に女性の社外取締役(2名)、2024年度には女性の執行役員(2名)と女性管理職とのラウンドテーブルを実施しました。女性役員が自らのキャリアや経験談、女性管理職への期待を語るとともに、女性管理職同士が意見交換を行うことで経営に必要な視点を養い、参加者の挑戦意欲を高め、意識と行動変革を促す機会となっています。
ジェンダーバランスの実現を目指し、多様な働き方やキャリア形成を支援する施策としては、女性の管理職や高度専門職、育児休業を取得し家事・育児にも積極的に携わる男性社員など、社内で活躍する多様な人財を紹介する「ロールパーツモデルチャンネル」をイントラネットで展開しています。「自身の周囲にロールモデルが少ない」という社員の意見に対応して、様々なロールモデルとなる社員を紹介することで女性社員のキャリアアップへの挑戦意欲を高め、仕事と家庭を両立させるなど中長期的なキャリア形成のイメージを持ってもらうことを狙いとしています。
また、一人ひとりの多様性を活かし組織力に繋げていくためには、各自に内在するアンコンシャスバイアスを知り、コントロールする方法を習得することが重要であるとの考えから、2023年度に役員及び部長職全員に対してアンコンシャスバイアス研修を実施しました。2024年度には課長職全員にも展開し、職場の心理的安全性を高め、多様な社員の活躍を支援できる管理職の育成を図っています。
指導的立場に就く女性社員を増やしていくための上記の全社施策と並行して、各領域・事業会社においてバイネームでの女性人事計画を立て、実際の登用に繋がる取り組みを実施しています。また、2023年度に社長を委員長とするDE&I委員会を設置し、グループ全体における進捗状況の確認や課題改善に向けて、定期的にモニタリング及び意見交換を行っています。これらの様々な取り組みにより、1994年に3名だった女性管理職は2024年度335名に増加しています。また女性の執行役員は2名、取締役は2名、監査役は1名となっています(2025年6月現在)。

障がい者については特例子会社「旭化成アビリティ」での雇用を中心に、継続的に法定雇用率の達成を維持しています。2024年度の障がい者の法定雇用率2.5%のところ、グループ全体での年間雇用率は2.66%でした。直近の2025年3月末時点では2.61%(720名)となっており、2026年7月法定雇用率2.7%への引き上げに対しても備えを進めています。

キャリア採用に関しては、グループの強みである人財の多様性をさらに強化するために、多様な経験やバックグラウンドを有する人財の中途採用を積極的に行ってきました。また、管理職への登用についても同様の考え方で、2024年度はグループ国内正社員における管理職の16.0%をキャリア採用者が占めています。
当社グループにおける海外従業員比率は現在4割強を占めています。海外拠点の主要なポジションへの外国籍及び現地採用の人財登用を拡大し、優秀な人財は各事業に留めることなくグループ全体に貢献する人財として育成を行っています。その結果、グループ経営への参画も進み、現在4名の外国人が旭化成株式会社の執行役員に就任しています。
女性・外国人・キャリア入社者の中核人材登用に関してはコーポレート・ガバナンスに関する報告書にも記載しているほか、障がい者雇用に関する取り組みや各種データ類はサステナビリティレポートを参照ください。
https://www.asahi-kasei.com/jp/sustainability/social/human_resources/
終身成長とシニア人財の活躍
狙い:「終身成長」というコンセプトのもと、シニア人財がさらに専門性を磨き、環境に合わせて挑戦し変化し続けることができるよう支援し、シニア人財の持てる力をより一層引き出すこと。
概要:シニア人財のさらなる活躍の支援の施策として、2023年度から定年を65歳に引き上げました。60歳到達前の社員が自分のwill/can/mustを考えて、それに沿って職務をマッチングする、という仕組みで運用しています。50歳、55歳到達前の社員(2024年度300名程度)は、社内キャリアコンサルタント及び上司との面談を組み入れた節目研修を通じて、キャリアについて深耕する機会を持つことで、マッチングの質を高めていきます。さらに、60歳超の社員及びその上司への実態ヒアリングを行っており、施策の充実に反映していく予定です。
マネジメント力強化並びに次世代経営人財の育成
狙い:マネジメント層の成長、経営層候補の充実を旭化成グループ全体の成長につなげること。
概要:組織マネジメントで重要度の高い新任部長向けのプログラムを継続的に充実させています。新任部長一人ひとりに半年間のコーチングと集合研修で受講者間でのグループコーチングの機会を設けています。当プログラムでは、KSAを用いた自組織の課題分析と自己課題の整理を通じて、改善に向けたアクションプランの実行を支援しています。本プログラム受講者の上司の93%が部下である部長の行動や意識の変化を感じており、柔軟性、他者理解といったヒューマンスキル、組織を牽引しようという意識が向上したと回答しています。
また、次世代経営人財育成プログラムとして、各事業領域や事業会社のリーダー層からアセスメントや経営層との対話により選抜されたメンバーをグループ役員*1)候補として毎年プールし、エグゼクティブコーチングや異業種交流研修により個々の強みの発揮を支援しています。2024年度の活動ではプール人財の候補者拡大を目的に40歳前後を対象とした新たなプログラムを導入し、より若い層の育成を通じて人財プールの活性化に向けた取り組みを強化しています。
KPI:次世代経営人財育成の取り組みの結果、2024年度はグループ役員35ポジションに対して98名(事業部長41名・部長層57名)をプール人財としており、「グループ役員の後継準備率」は280%に達しています。また、2018年度以降、当プール人財から継続的にグループ役員が任命されており、現在のグループ役員35名の過半数が本プログラムから選出されています。
*1) 執行役員の中から旭化成グループ全体の企業価値向上に責任と権限を有する者として、旭化成の取締役会決議に基づきグループ役員を任命しており、具体的には旭化成株式会社の上席執行役員以上及びそれに相応する事業会社の執行役員がこれにあたります。
(社内環境整備方針)
経営戦略と人財戦略を連動させる仕組み
人事部門トップが経営会議メンバーであるほか、社長と人事担当役員・人事部長によるミーティングを定期的に実施し、経営戦略と人財戦略が常に連動する仕組みにしています。また各事業部門トップと人事担当役員・人事部長の定期ミーティングも実施し、事業ポートフォリオ転換を含めた事業課題を人事課題に落とし込み、施策に反映させています。さらには、人事施策が各事業現場にてうまく活用されていくため、HRBP(Human Resource Business Partner)が各事業部門のトップと日常的に議論を行い、人事施策の目的を共有し、企画段階から具体的な活用場面を想定した検討を行うようにしています。
また、経営戦略と人財戦略の連動をさらに進めるため、人事処遇制度を見直すこととし、制度改定に向けた準備を進めています。従来以上に挑戦・成長を評価し、力のある人を早期に登用する、また多様な人財の活躍を促進する仕組みとすることで、「A-Spirit」の体現に繋げていく考えです。
自律的なキャリア形成、「CLAP」の活用、みんなで学ぶ「新卒学部」
狙い:従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成と成長の実現を通し、組織活性化や成果につなげること。
概要:1万超の社内外コンテンツを提供する学習プラットフォームCLAP(Co-Learning Adventure Place)を活用し、全従業員がいつでも学べるような環境を整備し、一人ひとりのキャリア自律を支援しています。その一例として、若手人財が主体的に学び続けるための取り組みとして、「みんなで学ぶ」環境を作るラーニングコミュニティを展開しています。2023年度からは新入社員を対象とした「新卒学部」という同期とともに学び合う9か月のコミュニティ活動を導入したことで、一人当たりのeラーニング学習時間は前年度新入社員の3.5倍に増え、キャリア不安の解消に繋がる結果となりました。この取り組みは、『日本の人事部』が主催する「HRアワード2024(後援:厚生労働省)」の企業人事部門最優秀賞を受賞しました。今後も継続的に学び続ける従業員の増加に向けて、ラーニングコミュニティを取り入れた学び方の変革に継続的に着手していきます。
KPI:2024年度は、CLAPアカウント所有者の約9割(20,800名程度)がCLAPにアクセスし、約8割(19,500名程度)が一つ以上の学習コンテンツを終了しています。外部コンテンツの提供に加えて、2024年度は200超の社内カリキュラムも提供し、キャリアの可能性を広げる学びや専門能力を習得できる環境を整えています。今後も社員の自律的キャリア形成の実現に向けて、社内知見を活かしたカリキュラム提供に向けた活動を推進していきます。
人財の可視化、事業領域を超えた人事異動、公募人事制度
狙い:多様な人財を活かしきること。
概要:幅広い技術、多様な事業、多様な市場との接点といった当社グループの強みを活かすべく、以前より事業領域を越えた人事異動を積極的に行っています。一例としては、当社の住宅事業は近年海外に進出しましたが、この事業展開にあたっては、グループ全体の人財・ノウハウなどの経営基盤を活用することで、スピーディに展開することができました。海外事業の拡大によって業績も伸び、キャッシュ創出力も高めています。2022年度からはタレントマネジメントシステムも導入し、人財の可視化を進め、グループ全体での人財の活用力を一層高めていきます。
また、公募人事制度については2003年度から運用しており、累計で約600名の人財が自らの意思で部署を異動し、新たな環境に挑戦しています。
人事部門の組織ケーパビリティの向上
狙い:人的資本経営を実践するための実働部隊である人事部門の組織能力を強化すること。
概要:人事部門に今後必要となる能力について改めて定義づけを行い、その中でもデータ利活用スキルとキャリアコンサルティング能力については特に力を入れて向上に努めています。データ利活用スキルについては、人事部門全体でデータドリブンな働きができることを目指し、大阪大学開本教授監修のもと独自のプログラムを内製しました。組織行動論等の人・組織に関する諸理論、データ収集や統計分析に関するノウハウを人事部門の社員の多くが習得しています。また、国家資格キャリアコンサルタントの資格取得も奨励しており、2025年4月時点で40名程度が資格を取得しています。
人財戦略及び具体策については、統合報告書にも記載がありますので、あわせて参照ください。
また、人事関連の諸データに関しては当社サステナビリティレポートにも掲載しています。
https://www.asahi-kasei.com/jp/sustainability/esg_data/
(3) その他
① サーキュラーエコノミー
社会がカーボンニュートラルを実現していく上でも重要な課題がサーキュラーエコノミーの実現です。当社グループでは、限りある資源を持続可能なものとして活用していくための取り組みを様々な切り口から進めています。
例えば、当社グループの住宅事業では、サーキュラーエコノミーの実現に資する長寿命な住宅(商品・サービス)を提供しています。LONGLIFEを体現するために、住宅のライフサイクルを考えた仕様開発、邸別設計・施工、60年無料点検に代表されるアフターサービス、ストックの高付加価値化、改修や相続時のコンサルティング等で全体システムを構築しており、当システムをお客様及びパートナー企業とともに機能させることで、世代を超えた住宅の循環利用を可能としています。本件がサーキュラーエコノミーへの移行に大きく寄与するものとして、旭化成ホームズ㈱は、2024年10月に一般社団法人産業環境管理協会主催の「令和6年度 資源循環技術・システム表彰」において、経済産業大臣賞を受賞しました。
また、基礎化学品である苛性ソーダと塩素を製造するプロセスを販売するイオン交換膜法食塩電解事業においては、プロセスの部材である電解セルについて、顧客での予備品保有を不要とする電解セルレンタルサービスの提供に取り組んでいます。これは資源利用効率の向上と貴金属などの有効活用に繋がる取り組みです。当事業では、顧客の電解プロセス運転状況のモニタリングも進めており、従来のモノ売りからソリューション型事業への転換を進めるなど、サーキュラーエコノミーに適合した事業への展開を図っています。
外部との協業の点では、当社は2025年1月に国立研究開発法人産業技術総合研究所、AIST Solutions株式会社と「旭化成-産総研 サステナブルポリマー連携研究ラボ」を設立しました。同ラボは、「サステナブルポリマーの提供を可能にする社会システムの実現」を目標に、リサイクルシステムの社会実装及びリサイクルしやすい設計を実現する技術・システムの提供を目指します。また、当社は消費者も含めた社会全体での資源循環の取り組みの視点で、プラスチックの循環を可視化するプラットフォーム「BLUE Plastics(Blockchain Loop to Unlock the value of the circular Economy、ブルー・プラスチックス)」に取り組んでおり、幅広い業種の企業や団体と議論しながら、サーキュラーエコノミーに関する活動を進めています。
当社グループでは複数の製品について、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つであるISCC PLUS認証を取得しています。当認証は、製品がバイオマス原料や再生原料等を使用して製造されていることを、サプライチェーンでのマスバランス方式管理の観点も含め、第三者機関が確認・認証します。今後、当社グループは、顧客や社会からの期待に応じ、当認証取得製品を提供していきます。なお、プラスチックや循環経済に関する諸課題への対応は、同業他社を含むバリューチェーンの各社での共通的なテーマでもあることから、当社グループはCLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)、循環経済パートナーシップ(J4CE)、サーキュラーパートナーズ(CPs)、一般社団法人日本化学工業協会、日本プラスチック工業連盟等のアライアンスや業界団体の活動にも参画し、課題への取り組みを他社と共に推進しています。
② 責任ある事業活動
■ 環境安全・品質保証活動
当社グループは、あらゆる事業活動において健康、保安防災、労働安全衛生、品質保証及び環境保全を経営の最重要課題と認識し、開発から廃棄に至る製品ライフサイクルのすべてにわたり配慮する環境安全・品質保証活動を実施しています。ここ数年では、当社のベンベルグ工場での火災など重大な事故が発生していますが、経営層・従業員一同、危機感を持って環境安全活動に取り組んでいます。また、全員参加の品質経営を実現するため、品質担当役員による経営層向け品質経営セミナーの実施、品質担当役員が各事業所を訪問し、現場最前線で働くメンバーと双方向でコミュニケーションをするタウンホールミーティング、及び国内海外各拠点における品質教育(グループ全員が品質リスクを理解し、日々の業務を行うために必要な教育)の実施など、様々な施策を行っています。環境安全・品質保証に関するリスクマネジメントの詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (3) 当社グループ全体に係るリスク」もご参照ください。
■ コンプライアンス
当社グループは、事業・業務に関する法令・諸規則や社内ルールの遵守を徹底し、グループミッションに基づくグループバリュー(共通の価値観)である「誠実な行動」を実践するため、「グループ行動規範」を定め、浸透を図っています。具体的な施策として、日常の業務で発生するような事例をもとに職場で討議するとともに、グループ行動規範と照らし合わせ、従業員がとるべき行動に関する理解を深める活動(Cs Talk)を継続しています。また、必要に応じてeラーニングを活用し、従業員教育を実施しています。さらに、従業員のコンプライアンスに関する意識調査を隔年で実施しており、全体の状況把握に加え、職場ごとに結果を報告し職場における活動に反映しています。経営層においては、社長を委員長としたリスク・コンプライアンス委員会を通じ、当社グループで発生した事案の共有、対応策の水平展開を行い、注意喚起や再発防止の徹底を図っています。
■ 人権の尊重
当社グループは持続可能な社会の実現に向け、自社だけではなくバリューチェーン全体における様々な人権課題に対して主体的に責任を果たすことが、事業に係る人びとの人権を守るのみならず、当社グループが社会からの信頼を向上させ、ひいては企業価値の向上につながると考え、人権尊重を重要課題として捉えています。
当社グループは国際人権章典(世界人権宣言並びに国際人権規約)、ILO(国際労働機関)の「労働における基本的原則および権利に関する宣言」、国連グローバル・コンパクトの10原則等の人権に関する国際規範を支持するとともに、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、人権尊重の取り組みを推進します。
当社グループでは、従来、人権に関するグループの考え方を「旭化成グループ行動規範」にて明示し、従業員研修等を通じてグループ内浸透を図っておりましたが、人権尊重の重要性を踏まえ、考え方や実践事項等を整理した「旭化成グループ人権方針」を2022年に取締役会決定により制定しました。また、同方針に基づく取り組みを推進するため、人権尊重に関する情報共有や、取り組みに関する議論・方向付けを行う場として、社長を委員長とする人権専門委員会を設置し、運営しています。2024年度には第3回委員会を開催し、世の中の動向、当社グループにおける人権尊重の取り組み状況や計画等について、共有と議論を行いました。
当社グループは「旭化成グループ人権方針」のグループ内での普及啓発を継続するとともに、当社の事業活動に関する人権への負の影響を排除するため、「人権リスク発現の予防」と「発現したリスクへの対処」の両面において取り組みを進めています。リスク管理については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (3) 当社グループ全体に係るリスク」もご参照ください。
■ ステークホルダーとの対話
当社グループは、お客様、株主・投資家の皆様、お取引先、地域の方々、国内外の一般市民、従業員など、多様なステークホルダーとの信頼関係の上に成り立っています。それぞれのご意見や期待をしっかりと受け止めて事業活動に反映していけるよう、様々なコミュニケーションの機会を設けています。
特に、国内外の株主・投資家の皆様に、当社の目指す姿や経営戦略、ガバナンス等の持続的な企業価値向上に向けた道筋をご理解いただくため、事業説明会での情報開示や、工場・事業所の見学機会を積極的に設けています。2024年度は、経営説明会、決算説明会(年4回)に加え、セパレータ事業のカナダ工場建設投資やCalliditas買収など、成長投資に関する説明会の他、人財・R&D・知財戦略など、当社グループの無形資産戦略に関する説明会も開催しました。また、トップマネジメントは説明会への登壇や面談、スモールミーティング等を通じ、中長期的な企業価値向上に向けたコミュニケーションを積極的に推進しています。資本効率の更なる向上など、対話を通じて示された株式市場の要望も踏まえながら、事業ポートフォリオ変革の加速や各種KPIの向上を図っています。
3 【事業等のリスク】
当社グループはマテリアル、住宅、ヘルスケアの3つの領域にわたる多様な事業を有し、幅広い分野でグローバルに事業活動を展開しています。事業を取り巻く環境は激しく変化しており、当社グループの経営や事業活動に影響を与える変化や不確実性に対し、脅威を低減し、機会を逃さず捉えるべく、領域や事業ごとの特性に応じた対応とグループ横断的な対応を組み合わせ、グループ一体となったリスクマネジメント活動を展開しています。
将来の事項に関する記述につきましては、有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものです。
(1) リスク管理プロセスとリスクマネジメント体制
取締役会の監督のもと、リスクマネジメント全体についての責任者である社長をリスク・コンプライアンス担当役員が補佐します。同役員は、社長の指示のもとリスクマネジメント活動を推進しており、個別のリスク対策について各部門長(スタッフ部門担当役員・事業部門長等)に指示・支援を行います。また、リスク・コンプライアンス担当役員のもとにリスクマネジメントチームを設置し、同チームは社内各部門の活動のモニタリング、具体的なリスク対策支援、スタッフ部門と事業部門の組織間連携強化を推進します。そして、社長は委員長としてリスク・コンプライアンス委員会においてリスクマネジメントに関する経営レベルの決定事項や指示事項を各部門長に周知徹底しています。
<リスクマネジメント体制>

(2) グループ横断的な活動と各事業部門の活動によるリスクマネジメント
スタッフ部門、事業部門のリスク対応責任者を明確にして各組織の自律的なリスク管理を基本とした上で、定期的にグループ横断的な視点を入れてリスクをマネジメントしています。
「グループ重大リスク」は、経営に大きな影響を及ぼすグループ全体に関わるリスクであり、取締役会の決議をもって設定し、スタッフ部門が主導して横断的に取り組んでいます。「事業重要リスク」は、事業の特性上影響の大きいリスクや年度経営計画の達成を阻害する可能性があるリスクであり、事業部門が選定・対応し、対応状況は取締役会へ報告しています。当社グループではこれら二つの活動を組み合わせることでリスクマネジメントを実践しています。
なお、2024年度から、より現場に近い組織のリスクマネジメント活動を拡充させて現場への意識付けを強化する取り組みを進めています。
リスクマネジメントのPDCAサイクル(グループ重大リスクと事業重要リスク)

(3) 当社グループ全体に係るリスク
グループ重大リスクとして設定したリスクについて
① 国内外の生産拠点における事故発生リスク(環境事故、保安事故、労災)
国内外に広く生産拠点を展開している当社グループにとって、事故発生による事業への影響は大きく、事業継続に支障をきたす可能性があります。当社グループでは、安全な操業を継続することは、社会からの信頼、従業員や地域社会の安全、環境配慮等における価値を守るための最重要事項と認識しています。そのため重篤な労災や保安事故の防止に向け、発生した事故の教訓を生かし、不安全行動による重篤災害撲滅を目指したLSA(ライフセービングアクション)活動の推進や、工場等の機械のリスクアセスメント実施における専門技術者の育成及び工場設備等の点検強化、各生産拠点におけるプロセス安全技術の維持を目的とした保安防災伝承活動の展開、防消火技術の向上等を進めています。また、現場の監査における専門家等第三者の視点の導入、人材育成を含む安全文化の醸成強化に努めています。今後はこれらの活動の全社レベルでのさらなる活動定着を進めていきます。
② 国内外の品質不正リスク
製品の設計・検査の不備、不適切な顧客対応や報告が行われた場合や、法規制・規格等の遵守不備があった場合、リコール、当社ブランドに対する社会的信頼の喪失、及び製品の生産・流通の停止等により、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。当社グループでは、領域ごとに様々な製品を提供しており、それぞれの製品の品質を確保することは、お客様をはじめ、全てのステークホルダーの方々の信頼をいただくために最重要と認識しています。品質不正の発生を防ぐため、各拠点の品質保証活動の健全性を確認する点検、現場従業員の品質意識向上を目的として品質担当役員が現場を訪問し双方向でコミュニケーションをするタウンホールミーティング、及びグループ全員が品質リスクを理解し日々の業務を行うための品質教育を国内海外の各拠点で実施しています。
③ 国内外の環境安全・品質保証に関わる法規制要求事項の未遵守リスク
環境安全・品質保証に関わる法規制等の未遵守の状態が発生した場合、リコールや当社ブランドに対する社会的信頼の喪失や製品の生産・流通の停止等により当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。環境安全・品質保証に関わる法規制等の遵守を徹底するために、関連法規等の内容を定期的に更新するとともに専門家等の第三者による確認も経たうえで社内へ周知し、チェックシート等を活用し現場従業員がその遵守状況を確認できる仕組みを構築しています。また、上記取り組みの継続とともに、当社グループにおいて様々な製品に使用している化学品の法規制等の管理を徹底するためのシステムの運用も実施しています。
④ 経済安全保障・グローバルサプライチェーンにおけるリスク
当社グループは、事業ごとに原材料や部品、施工業者、物流経路、倉庫、販売先に至るまで、国内外で多様なサプライチェーンを構成しています。そのため、経済安全保障に関する世界各国の政策動向が事業運営やサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があり、また、世界中で発生する自然災害、保安事故、人権問題、地政学的問題、経営破綻等による、取引先との取引回避や取引先の機能不全に起因してサプライチェーンが途絶する可能性があり、主なリスクとして以下のものを認識しています。
・ 経済制裁・輸出管理規制の強化等の経済安全保障リスクや地政学的問題による企業活動に関するリスク
当社グループは、製品の輸出や海外における現地生産等、幅広く海外で事業展開をしており、安定的な国際通商のメリットを享受しています。そのため、何らかの理由により二国間あるいは多国間の通商環境や地政学的情勢が変化することにより、海外の会社との取引や出資、その他事業活動に影響を受けるリスクがあります。特に、米中デカップリング、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の不安定化等、近年国際関係の緊張が高まっており、これに伴って日本や諸外国において、経済安全保障の観点から経済制裁、輸出管理規制、外国直接投資規制を強化する動きが続いています。これらの規制に対応することにより、取引先との取引の停滞・中断、資金の移動の遅延・停止、事業遂行の遅延・不能等により、業績に影響を及ぼすなどのリスクがあります。地政学的問題や法規制の動向には常に注意を払っており、経営層及び事業部門・スタッフ部門の責任者や担当者への情報共有を通じてグループ全体の感度向上を図るとともに、対応部署の明確化を通じて社内体制強化の検討も進めています。また、適時に規制内容を理解することや関係当局に事前に相談することに加えて、経済制裁については外部の顧客スクリーニングシステム等を利用して慎重な取引審査を行うなどにより、適切な対応に努めています。
・ サプライチェーン/バリューチェーン上の人権課題に関するリスク
昨今、紛争や少数民族に対する弾圧、移民や外国人労働者の不当な扱い、様々なハラスメント(パワーハラスメント、セクシャルハラスメント他)など、国内外において人権を脅かす動きが多発しています。当社グループの事業活動に関しても、バリューチェーンにおける人権課題の発生、特に人権課題への不適切な対応に起因する取引の停止、法令による罰則、当社グループに対する社会的信頼の喪失等は、企業価値にも大きな影響を及ぼしうるリスクです。そこで、当社グループは、様々な人権に関する負の影響を適切に排除するため、「人権リスク発現の予防」と「「発現したリスクへの対処」の両面に取り組んでいます。前者では、外部の顧客スクリーニングシステム等を利用し、リスクの予兆を未然に把握して予防するとともに、当社グループにおける人権リスクの全体像を明らかにし、負の影響の防止・軽減等に向けた取り組みを進めています。後者では、人権侵害やその可能性を従業員が認識した時に、迅速に経営層に情報が伝達されるよう報告ルートを新たに制定して運用を開始しました。
今後も関係する部門が連携し、実効性のある人権尊重の取り組みを進めていきます。
・ 原料・資材の調達リスク
サプライチェーンが各国・地域の法規制の動向や突発事象などにより影響を受ける場合に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではサプライヤーの選定におけるリスク評価や監査の実施、サプライヤー及び販売先のモニタリングなどを通じてリスクを低減させることに加えて、主要製品・事業における原材料の調達ルートの多様化や適正な水準の在庫の確保を通じて、安定操業に向けて取り組んでいます。また、強靭で持続可能なサプライチェーンを維持するための、体系的かつ継続的なサプライチェーンリスクマネジメント(SCRM)の実施へ向けて、2022年度からグループを横断して、リスクの洗い出し・評価・対策の設定を開始しました。サプライチェーンに関連する各部門(製造、経営企画、営業、技術開発などの各部署)との連携や、実効性のあるリスク対策の実施に取り組んでおり、進捗状況を定期的にモニタリングしてSCRMを推進しています。
⑤ サイバーセキュリティ、通信インフラに関するリスク
昨今のサイバー攻撃の急増・巧妙化が進む一方で、サイバーセキュリティ対策が不十分であった場合は、システム停止により事業継続が困難になる可能性があります。安心・安全・安定したIT基盤の運用は経営の大前提であり、当社グループは情報セキュリティ対策を重大な経営課題と認識し、サイバー攻撃の検知・対応ツールの強化、インシデント発生時の迅速で漏れのない情報フローの構築を推進するほか、eラーニングやメール訓練等による従業員のセキュリティ意識の向上施策を実施しています。今後は、経営陣とのサイバーセキュリティ対策に関するディスカッションを強化しつつ、グローバル全体でのサイバーセキュリティ対策や従業員のセキュリティ意識向上施策を継続展開していきます。
⑥ 自然災害やパンデミック、海外有事(テロ、紛争)に関するリスク
自然災害対応については、各製造拠点でリスク想定、減災計画、緊急時対応計画を策定し、継続的に訓練を含めた対応を進めています。また、本社地区では2024年度に、大規模地震への備えとしてグループ安全対策本部マニュアルを整備し、訓練を実施して大規模災害の発生を想定したグループ安全対策本部の初動対応の確認をしました。今後は異なる想定での自然災害訓練の実施や、BCPの整備、充実化を進めていきます。
パンデミックへの備えについては、過去の対応を踏まえたマニュアルを整備しました。海外有事(テロ・紛争)対応についても従業員の安全確保や事業継続に関する対応についてマニュアルを整備しました。
下記の「M&Aに関するリスク」と「気候変動に関するリスク」については、当社の経営に重大な影響を及ぼすリスクとして取締役会でモニタリングしています。
⑦ M&Aに関するリスク
当社グループは、事業ポートフォリオの進化にあたっては、成長投資と構造転換の両輪を回すことが重要と考え、事業投資、新規事業の創出や事業ポートフォリオの転換の手段として、国内外におけるM&Aを通じた事業展開を行っています。ZOLL Medical Corporation(2012年度)、Polypore International Inc.(2015年度)、Sage Automotive Interiors, Inc.(2018年度)、Veloxis Pharmaceuticals A/S(2019年度)、Calliditas Therapeutics AB(2024年度)などの大型買収や近年の「住宅」セグメントや「ヘルスケア」セグメントを中心とした買収などにより、のれん及び無形固定資産残高は増加傾向にあります。M&Aの結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価については、コスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどによって合理的に算定された価額を基礎として算定しており、事業計画等の不確実性を伴う仮定が反映されています。
そのため、事業計画等において初期に期待した投資効果が発現しなかった場合や関係会社の経営が悪化した場合、被買収企業との事業統合が遅延した場合など、のれんや無形固定資産の減損等により当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループでは、買収検討の対象企業のデューデリジェンス(詳細調査)を慎重に行い、買収後の事業統合の計画を入念に検証することで、リスクの低減に努めています。しかし、過去の大型買収が海外での新規市場や成長市場に関する案件であり、想定外の事業環境の変化への対応を誤ると、投資額の回収が困難となるリスクを抱えています。業界動向を見通すことが難しい事業については、より一層の精査をすることやリスクをより慎重に見積もることで対処していきます。
⑧ 気候変動に関するリスク
当社グループは、気候変動に関して生じる変化を重要なリスク要因として認識し、気候変動が事業に及ぼす影響の分析、対応策の検討を行っています。詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 [個別重要課題] (1)気候変動」の記載をご参照ください。
上記以外のリスクについて
上記に記載したリスク以外にも、当社グループの事業運営全体に係るリスクに対して日々の事業活動の中でリスク低減に努めており、主なリスク項目は以下のとおりです。
① 通商に関するリスク
当社グループは、原材料の購入や製品の輸出、海外における現地生産等、幅広く海外で事業を展開し、国際貿易や資金決済に関する二国間あるいは多国間の協定や枠組みのメリットを享受しています。これらの協定や各種枠組み等の変更や新規規制の導入などにより、関税の増加、通関の遅延・不能、資金決済の遅延・不能が生じ、代金回収や事業遂行の遅延・不能、業績悪化等が発生するリスクを負っています。当社グループでは、適時に規制内容を把握することや、関係当局に事前に相談し、対策を講じることによって、これらのリスクの低減に努めています。
米国の追加関税については、動向が流動的であるものの、米国に所在する当社グループの現地法人の原材料調達コストの上昇に繋がる懸念があります。コスト上昇分については、顧客との対話により売値への転嫁に努めるほか、必要に応じてサプライチェーンの変更などの検討を進めます。また、日本やその他の国に所在する当社グループから米国への輸出については、米国の顧客の関税負担増加により需要が減少するリスクがあります。そのため、グローバルに事業戦略を適宜見直していくほか、価格競争の影響を受けにくい高付加価値品の研究、開発を進めます。
また、グループ会社間の国際的な取引価格については、当社グループ税務方針に基づき、日本国政府及び相手国政府の移転価格税制を遵守していますが、税務当局から取引価格が不適切であるとの指摘を受ける可能性や、協議が不調となった場合に二重課税や追徴課税を受ける可能性があります。そのため、重要性の高いグループ会社間取引については、事前確認制度の活用、あるいは、外部専門家の意見も参考にしながら、各国の移転価格税制を踏まえた独立企業間価格を設定しています。
② 事業競争力に関するリスク
当社グループは、「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の3つのセグメントにおいて、付加価値の高い製品・サービスを提供していますが、類似の製品や技術による競合企業のキャッチアップ、新たな競合企業の参入等によって競争環境が激化することや、デジタル技術や脱炭素化に貢献する技術等急速な技術革新による産業構造の変化、急激な需要構造・市場構造の変化などにより、当社グループの各事業の競争力を損なう可能性があります。当社グループでは、競合製品の競争力や産業構造の変化をタイムリーかつ的確に見通すことに努めるとともに、製品やサービスの絶え間ない差別化や模倣困難なビジネスモデルの構築、知的財産等による高い参入障壁を設けることにより、これらのリスクの低減に努めています。
③ 市況変動によるリスク
・ 原油・ナフサ価格変動リスク
当社グループは、原油やナフサを原料とした石油化学製品の製造・販売事業を展開しています。また、各原料市況並びに需給バランスから固有の市況を形成しており、その変動は当該事業や誘導品からなる当社グループの各事業に影響を及ぼします。特に、事業規模が大きいアクリロニトリル事業は市況の変動の影響が大きいため、販売価格のフォーミュラの見直し等、収益の安定化に努めています。
・ 為替変動リスク
当社グループは、輸出入及び外国間等の貿易取引において、外貨建ての決済を行うことに伴い、円に対する外国通貨レートの変動による影響を受けます。そのため、取引においては、先物為替予約等によるヘッジ策やCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の活用による、安定的かつ効率的な資金活用を目指しています。当社グループは、収益の多くが外貨建てであることに加え、当社の報告通貨が円であることから、外国通貨に対して円高が進むと、当社グループの業績にマイナスのインパクトを与えます。当社の試算では、米ドル・円レートが1円変動すると連結営業利益に年間14億円の変動をもたらします。
(4) 各セグメントに係るリスク
「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の各セグメントでは、事業上の課題やリスクへの対策検討を実施するなかで事業重要リスクのPDCA管理も実施しています。各事業の課題やリスクに関する詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
本項の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、将来のリスク、不確実性及び仮定を伴う予測情報を含んでいます。これらの記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた一定の前提条件や見解に基づくものであり、「3 事業等のリスク」等に記載された事項及びその他の要因により、当社グループの実際の業績はこれらの予測された内容とは大幅に異なる可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容
① 経営成績
Ⅰ 当社グループ全体
当社グループの当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日、以下、「当期」)における連結業績は、「マテリアル」が石化市況の上昇による交易条件の改善や、半導体・電子機器関連市場の好調な需要に伴う拡販などにより改善し、「住宅」「ヘルスケア」は堅調に推移したことから、売上高は3兆373億円で前連結会計年度(以下、「前期」)比2,524億円の増収となり、営業利益は2,119億円で前期比712億円の増益となりました。経常利益は1,935億円で持分法による投資損失の減少などにより前期比1,033億円の増益となりました。また、前期比で減損損失は減少しましたが、税金費用が増加したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,350億円で、912億円の増益となりました。その結果、EPS(1株当たり当期純利益)は97.94円と前期比66.34円の増加となりました。
資本効率について、当期のROICは5.5%で前期比0.4%の悪化、ROEは7.4%で前期比4.8%の改善となりました。
財務健全性については、有利子負債の増加を受けて、D/Eレシオは0.62となりました。
〈当社グループの業績〉
Ⅱ セグメント別
ⅰ 「マテリアル」セグメント
売上高は1兆3,688億円で前期比1,070億円の増収となり、営業利益は874億円で前期比448億円の増益となりました。
環境ソリューション事業は、セパレータ事業における分社や北米投資に伴う費用の増加、経時的な価格対応などによる減益影響を受けましたが、基盤マテリアル事業における交易条件の改善や固定費低減により、大幅な増益となりました。
モビリティ&インダストリアル事業は、円安影響や価格転嫁が進捗したことによる交易条件の改善に加え、自動車内装材事業の販売量も増加したことから、増益となりました。
ライフイノベーション事業についても、円安影響に加え、AIサーバーやハイエンドスマホ向けの電子材料や電子部品など、デジタルソリューション事業を中心に主力製品の販売が堅調に推移し、増益となりました。
ⅱ 「住宅」セグメント
売上高は1兆359億円で前期比815億円の増収となり、営業利益は959億円で前期比130億円の増益となりました。
住宅事業は、建築請負部門が、数量が減少する一方で、物件の大型化・高付加価値化による平均単価の上昇やコストダウンによる限界利益率の改善により、増益となりました。不動産部門は、開発事業の営業利益は前年並みとなったものの、賃貸管理事業が管理戸数を順調に伸ばし、増益となりました。海外事業部門は、円安に加えて、北米事業の数量回復と豪州事業の価格転嫁により、増益となりました。
建材事業についても、価格転嫁が進み、増益となりました。
ⅲ 「ヘルスケア」セグメント
売上高は6,159億円で前期比621億円の増収となり、営業利益は640億円で前期比155億円の増益となりました。
医薬・医療事業は、スウェーデンの製薬会社Calliditas Therapeutics ABの買収に伴う費用の計上があった一方、「Envarsus XR™」など主力製剤が好調に販売数量を伸ばし、増益となりました。
クリティカルケア事業は、円安影響に加え、除細動器の価格転嫁や原価低減、「LifeVest®」の新規患者数が増加したこと等により、増益となりました。
Ⅲ 生産、受注及び販売の状況
ⅰ 生産実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではないため、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産の状況については、「Ⅱ セグメント別」における各セグメントの業績に関連付けて示しています。
ⅱ 受注状況
当社グループは注文住宅に関して受注生産を行っており、その受注状況は次のとおりです。その他の製品については主として見込生産を行っているため、特記すべき受注生産はありません。
ⅲ 販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。
2 前期及び当期において、主要な販売先として記載すべきものはありません。
② 財政状態
当期末の総資産は、Calliditas Therapeutics ABを買収したことなどにより、前期比3,525億円増加し、4兆152億円となりました。
流動資産は、現金及び預金が554億円、棚卸資産が405億円増加したことなどから、前期比1,194億円増加し、1兆7,694億円となりました。
固定資産は、投資有価証券が199億円、繰延税金資産が153億円減少したものの、無形固定資産が1,758億円、有形固定資産が673億円、退職給付に係る資産が323億円増加したことなどから、前期比2,331億円増加し、2兆2,458億円となりました。
流動負債は、支払手形及び買掛金が197億円減少したものの、未払費用が291億円、短期借入金が252億円、前受金が213億円増加したことなどから、前期比500億円増加し、9,646億円となりました。
固定負債は、退職給付に係る負債が118億円減少したものの、長期借入金が1,413億円、社債が800億円、繰延税金負債が354億円増加したことなどから、前期比2,371億円増加し、1兆1,367億円となりました。
有利子負債は、前期比2,404億円増加し、1兆1,575億円となりました。
純資産は、配当金の支払500億円や自己株式の取得300億円があり、為替換算調整勘定が226億円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を1,350億円計上したことや退職給付に係る調整累計額が289億円増加したことなどから、前期末の1兆8,486億円から653億円増加し、1兆9,139億円になりました。
その結果、1株当たり純資産は前期比60.96円増加し1,369.16円となり、自己資本比率は前期末の49.5%から46.3%となりました。D/E レシオは前期末から0.12ポイント増加し0.62となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
Ⅰ キャッシュ・フローの状況
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは3,015億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは3,811億円の支出となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は797億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは1,446億円の収入となり、これらに加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による減少85億円などがありました。以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前連結会計年度末に比べ565億円増加し、3,900億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払455億円、投資有価証券売却益325億円、棚卸資産の増加321億円、仕入債務の減少267億円などの支出があったものの、税金等調整前当期純利益1,946億円、減価償却費1,535億円、のれん償却額326億円、未払費用の増加211億円、前受金の増加210億円などの収入があったことから、3,015億円の収入(前期比62億円の収入の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入369億円、貸付金の回収による収入128億円などの収入があったものの、有形固定資産の取得による支出2,017億円、Calliditas Therapeutics AB及びODC Construction, LLCの買収による連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,912億円、無形固定資産の取得による支出163億円、貸付けによる支出92億円などの支出があったことから、3,811億円の支出(前期比2,386億円の支出の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出725億円、配当金の支払500億円、自己株式の取得による支出300億円、社債の償還による支出300億円などの支出があったものの、長期借入れによる収入2,061億円、社債の発行による収入1,000億円、非支配株主からの払込みによる収入163億円などの収入があったことから、1,446億円の収入(前期比2,389億円の収入の増加)となりました。
当社グループの連結キャッシュ・フローの推移
(単位:億円)
Ⅱ 流動性と資金調達の源泉
(資本の財源及び資金の流動性について)
2026年3月31日に終了する連結会計年度においては、各セグメントが安定的なキャッシュ・フローを創出することを見込んでいます。加えて、財務規律の強化や事業ポートフォリオ転換などを通じた収益体質の強化にも取り組み、更なるキャッシュの創出に継続的に努めています。
また、当社グループでは、D/Eレシオ0.7を目安に健全な財務体質を維持しつつ、これを背景に金融情勢に機動的に対応し、金融機関借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行など多様な調達手段により、安定的かつ低コストの資金調達を図ります。同時に資金の年度別返済の集中を避けることで借り換えリスクの低減も図っています。
これらの資金を、経営基盤の強化・変革、持続可能な社会の実現と企業価値の継続的な向上のための戦略的な投資、及び株主の皆様への還元に活用していきます。
なお、当社グループでは、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)とグローバル・ノーショナル・キャッシュ・プーリングを導入しており、国内外の金融子会社、海外現地法人などにおいて集中的な資金調達を行い、子会社へ資金供給するというグループファイナンスの考え方を基本としています。グローバル拡大への対応とグループ経営の深化の視点から、今後も連結ベースでの資金管理体制の更なる充実と資金効率化を図ります。
(2) 重要な判断を要する会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。
当社グループは、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金、棚卸資産の評価、投資その他の資産の評価、訴訟等の偶発事象などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
① 棚卸資産の評価
当社グループで保有する棚卸資産は取得原価をもって貸借対照表価額とし、収益性の低下により期末における回収可能価額が取得原価よりも下落している場合には、回収可能価額まで棚卸資産の評価を切り下げています。回収可能価額は、商品及び製品については正味売却価額に基づき、原材料等については再調達原価に基づいています。経営者は、棚卸資産の評価に用いられた方法及び前提条件は適切であると判断しています。ただし、当社グループは、主に「マテリアル」セグメントを中心として市場価格の変動リスクに晒されており、将来、経営環境の悪化等により市場価格が下落した場合には棚卸資産の簿価を切り下げることになります。
② 企業結合取引の結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価
当社グループは、企業結合取引の結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価について、コスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどの合理的に算定された価額を基礎として算定しています。
経営者は、無形固定資産の時価の見積りに用いられた、事業計画に含まれる将来の販売数量の見込みや割引率等についての主要な仮定について合理的であると判断しています。
③ 有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)の減損
当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)について、帳簿価額が回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合に、減損の兆候があるものとして、減損損失の認識の判定を行っています。減損の存在が相当程度に確実と判断した場合、減損損失の測定を行い、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のうち、いずれか高い金額としています。使用価値は、将来の市場の成長度合い、収益と費用の予想、資産の予想使用期間、割引率等の前提条件に基づき将来キャッシュ・フローを見積もることにより算出しています。
経営者は、減損の兆候及び減損損失の認識に関する判断、及び回収可能価額の見積りに関する評価は合理的であると判断しています。ただし、予測不能な市場環境の悪化等により有形固定資産及び無形固定資産(のれんを含む)の評価に関する見積りの前提に重要な変化が生じた場合には、減損損失を計上する可能性があります。
④ 繰延税金資産の評価
当社グループは、繰延税金資産のうち、回収可能性に不確実性があり、将来において回収が見込まれない金額を評価性引当額として設定しています。繰延税金資産の回収可能性については、課税所得及びタックスプランニングの見積りにより計上していますが、特に課税所得の見積りには将来に関する予測や情報が含まれています。将来の予測や情報に基づき、繰延税金資産の一部又は全部が回収できない可能性が高いと判断した場合には、将来回収が可能と判断される額までを繰延税金資産に計上しています。経営者は、繰延税金資産の回収可能性の判断及び前提となる課税所得やタックスプランニングの見積りは適切であると判断しています。ただし、将来、経営環境の悪化等により、想定していた課税所得が見込まれなくなった場合は、評価性引当額を設定することにより繰延税金資産が取崩される可能性があります。
⑤ 退職給付債務及び費用
当社グループは主として従業員の確定給付制度に基づく退職給付債務及び費用について、割引率、昇給率、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の前提条件を用いた数理計算により算出しています。割引率は測定日時点における、従業員の給付が実行されるまでの予想平均期間に応じた長期国債利回りに基づき決定し、各前提条件については定期的に見直しを行っています。長期期待運用収益率については、過去の年金資産の運用実績及び将来見通しを基礎として決定しています。
経営者は、年金数理計算上用いられた方法及び前提条件は適切であると判断しています。ただし、前提条件を変更した場合、あるいは前提条件と実際の数値に差異が生じた場合には、数理計算上の差異が発生し、当社グループの退職給付債務及び費用に影響を与える可能性があります。
5 【重要な契約等】
(1) 合弁会社株主間契約
(注) PTT Global Chemical Public Company Limitedと協議の結果、PTT Asahi Chemical Co., Ltd.が今後事業を継続することは困難との判断で一致し、本合弁事業を終了することで合意したため、2024年11月15日に事業撤退計画等を反映した修正契約を締結しました。
(2) 米国ODC Construction, LLCの持分の取得について
当社の連結子会社である旭化成ホームズ㈱(以下「旭化成ホームズ」)は、旭化成ホームズの米国子会社を通じて、住宅の建築工事を請負うサブコントラクター、ODC Construction, LLC(本社:米国フロリダ州、CEO:Tony Hartsgrove)の持分100%を取得する契約を2024年8月6日(米国東部時間)に締結し、8月29日(米国東部時間)に当該持分の取得を完了しました。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (企業結合等関係)」に記載しています。
(3) スウェーデン製薬企業Calliditas Therapeutics ABの株式の取得について
当社は、スウェーデンの製薬企業である Calliditas Therapeutics AB(本社:スウェーデン ストックホルム、CEO:Renée Aguiar-Lucander、以下、「Calliditas社」)に対し、Calliditas社を買収することを目的に、当社による株式公開買付(以下、「本公開買付」)を行うことを決議し、2024年9月2日(スウェーデン時間)をもって本公開買付けを完了しました。また、その後当社がスウェーデン法に従って実施したスクイーズアウトの手続きにより、Calliditas社は当社の100%連結子会社になりました。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (企業結合等関係)」に記載しています。
(4) Calliditas Therapeutics ABの買収に係る資金借入について
当社はCalliditas Therapeutics AB買収に係る所要資金調達のために、株式会社三井住友銀行等との間で当座貸越契約を締結し、2024年9月6日に以下のとおり借入を実行しています。
① 借入人 当社
② 借入先 株式会社三井住友銀行、株式会社みずほ銀行
③ 借入形式 円建てローン
④ 借入金額 1,620億円
⑤ 資金使途 Calliditas Therapeutics ABの株式取得資金、Calliditas Therapeutics ABの既存借入債務の弁済資金、Calliditas Therapeutics AB買収に関する費用の支払い
⑥ 借入利率 基準金利+スプレッド
⑦ 借入日 2024年9月6日
⑧ 契約期限 2025年9月5日等
⑨ 担保の有無 なし
⑩ 保証 なし
⑪ 財務制限条項 なし
(5) 連結子会社による優先出資受入れ及び株式譲渡等による血液浄化事業のアイエーホールディングス株式会社への譲渡について
当社は、2024年9月18日の取締役会の決議において、当社の完全子会社であり、透析・アフェレシス等の事業等を行う旭化成メディカル㈱(以下「旭化成メディカル」)が、インテグラル株式会社(代表取締役パートナー:山本礼二郎、本社:東京都千代田区)が設立し、その関連会社が運営するファンドが保有する特別目的会社であるアイエーホールディングス株式会社(以下、出資会社)による出資を受けること、及び当社が保有する旭化成メディカルの株式を譲渡することについて決議し、出資会社と合意しました。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な後発事象)」に記載しています。
(6) 連結子会社による会社分割及び株式の譲渡による診断薬事業などの長瀬産業への譲渡について
当社の連結子会社である旭化成ファーマ㈱は、診断薬事業、大仁医薬工場及び大仁統括センターを長瀬産業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:上島宏之)へ譲渡すること等を内容とした最終契約を2024年9月24日付で締結しました。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しています。
6 【研究開発活動】
当社グループにおける研究開発活動は、次世代の事業を創出するためにグループ横断的に中長期的なテーマを開拓するコーポレートの研究開発機能と、事業競争力の強化に必要なテーマを深掘りする各事業の研究・技術開発機能の体制で推進しています。当社及び連結子会社の研究費、主たる研究開発活動の概要及び成果は以下のとおりです。
1 コーポレートの研究開発における基本方針
(1) ミッションとあるべき姿
コーポレートの研究開発のミッションを以下のとおり定め、研究開発におけるコア技術の育成・獲得・深耕及びイノベーションによる新事業創出を当社グループの成長戦略の両輪として、様々な社会課題を成長のエンジンへ転換し、持続的な成長を実現する原動力とすることを、あるべき姿として目指していきます。
(コーポレートの研究開発のミッション)
(2) 重点戦略分野等
重点戦略分野として、「脱炭素・水素(カーボンニュートラル)」「膜・セパレーション技術」「化合物半導体」の3分野を設定して研究開発テーマに資源配分を進めています。また、これらを含めた研究開発を進めるにあたっては、オープンイノベーションを通じて共創による開発を進めるとともに社会実装を加速し、さらに、DXや知的財産権のフル活用により無形資産の価値の最大化を図り、新事業創出による持続可能な社会への貢献を目指していきます。無形資産の価値の最大化については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針・経営戦略等 ② 当社グループ全体の経営方針・経営戦略等 <経営方針・経営戦略> ●「中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~」の概要 v 経営基盤の強化 ■ 無形資産の最大活用」もご参照ください。
2 新事業創出に向けた研究開発の加速のための取り組み
(1) CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)の活動
当社グループは、2008年に日本国内でCVCを設立し、2011年から米国を拠点として、スタートアップ企業への投資を通して最先端技術・ビジネスを獲得し、新事業の創出を行ってきました。現在は、米国、ドイツ、中国の拠点でグローバルな活動の幅を広げ、3年間で6,000万ドルの投資枠を設けて、1社当たり500万ドルまでの投資に関しては本社での決裁を不要とするなど、スピーディな意思決定、手続きができるような仕組みを運用しています。
2023年4月には、「Care for Earth」投資枠を設定し、水素、蓄エネルギー、カーボンマネジメント、バイオケミカルなどの環境分野の課題解決に取り組むアーリーステージのスタートアップ企業を対象に、2027年度までの5年間にグローバルで1億ドルの出資を実施していく予定です。この投資枠を使い、2023年12月にはアニオン交換型の水電解装置用の膜を開発するカナダのIonomr Innovations Inc.への出資参画を決定しました。詳細は「3 主な研究開発活動 (1) 当社グループ全体(コーポレート) ② 膜・セパレーション技術の開発」をご参照ください。
(2) オープンイノベーションによるミッシングパーツの取り込み
研究テーマの探索/研究開発/事業開発のそれぞれの段階で、アセットライト、高付加価値化、スピードアップの実現へ向けて産官学のパートナーと連携を進めています。外部のオープンイノベーションプラットフォームも積極的に活用し、例えば、サステナブルな価値の提供を目指すオープンイノベーションプログラム「Asahi Kasei Value Co-Creation Table 2024」を前期に引き続き進めており、従来の商流にとらわれない新たなパートナーとの共創を加速しています。
(3) 社内基盤の強化(事業開発視点を重視した独自のアジャイル型ステージゲート管理や、オープンイノベーション文化の醸成)
研究開発テーマのポートフォリオ管理や適切な資源配分を目的として、アジャイル型ステージゲート制度を導入しています。探索、研究、開発、事業開発、事業化準備の各ステージの要件や、各研究開発テーマのステージ上の位置付けを明確にし、研究開発テーマを次のステージに移行させる判断にあたっては、技術視点のみならず、顧客価値視点を重視し、ビジネスモデル、事業戦略、特許戦略、品質保証、製造、環境安全対応等、ステージごとに必要な審査を強化しています。さらに、審査プロセスを通じて、研究開発部門の内外のメンバーから多面的な助言を得ることや、各事業との連携を深め、既存事業との関係性の整理・明確化、パートナー連携の活用強化や出口戦略の多様化に取り組んでいます。
また、研究開発に関わる高度専門人材があふれ出る仕組みの構築と風土の醸成へ向けて、働き方やDE&I、キャリア支援、組織の支援や個の支援の各場面において、挑戦・成長を促して多様性を拡げるためのキャリア施策とマネジメント施策を進め、社内での対話を通じた共創・イノベーションを目指しています。
3 主な研究開発活動
(1) 当社グループ全体(コーポレート)
① 炭素・水素循環型社会実現への貢献
ⅰ バイオエタノールからのバイオ化学品製造の実証
バイオエタノールからバイオ基礎化学品を製造するプロセス開発・設計を進めており、4~5万トン規模のプラントについて2027年稼働を目標に検討を進めています。GHG排出量を削減し、自社基礎化学品や誘導品のCFP低減を推進するとともに、ISCC PLUS認証やバイオマスバランスアプローチを適用したバイオ化学品サプライ事業を目指し、実証実験を通じたデータ取得や技術のパッケージングを実施していきます。
ⅱ アルカリ水電解システムの開発
カーボンニュートラルを実現するための取り組みとして、再生エネルギーを活用したアルカリ水電解システムの開発を実施しています。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の「グリーンイノベーション基金事業/再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造」において、2021~2030年度を事業期間と想定した「大規模アルカリ水電解水素製造システムの開発及びグリーンケミカルプラントの実証」と題したプロジェクトとして、福島県浪江町での10MW級アルカリ水電解システム及び中規模グリーンケミカルプラントの検証や、マレーシアでの60MW級アルカリ水電解システム及びグリーンケミカルプラントの実証を、日揮ホールディングス株式会社と進め、水素を用いたエネルギー貯蔵・利用の実用化に向けた技術開発事業の拡充・強化を行っています。また、同基金の助成を受けて、多様な実証実験が可能な水素製造用のアルカリ水電解パイロット試験設備が2024年5月に当社川崎製造所にて本格稼働しました。同設備に組み込む電解セルは商業機と同じサイズの設備であり、部材の性能や長期耐久性といった開発品の評価試験から、水電解システム全体の信頼性を確認することができるため、当社の水電解技術の開発と事業化を大きく加速させていきます。
ⅲ CO2ケミストリー技術、CO2分離回収システムの開発
当社グループでは、有毒な化合物(ホスゲン)を使用せず、CO2を原料に使用する地球環境負荷の低いポリカーボネート(PC)樹脂製造プロセスを世界で初めて確立し、社会へ新たな価値を提供してきました。また、2018年に実証が完了したCO2を原料とするジフェニルカーボネート製造プロセスや、現在開発中であるCO2誘導体利用技術のイソシアネート製法など、さらなる展開を進めていきます。加えて、ゼオライトを吸着材として用いたCO2分離回収システムの開発も進めており、岡山県倉敷市との間でバイオガス精製システムの性能評価、実証を行う契約を締結し、倉敷市の児島下水処理場においてゼオライト系CO2分離回収システムの実証運転を2025年2月に開始しました。
② 膜・セパレーション技術の開発
当社グループのコア技術である相分離技術をベースに膜・セパレーション技術の研究開発を進めることにより、既存事業の強化に加えて、新たな事業展開を加速しています。
ⅰ バイオプロセスFO(正浸透)膜
医薬品製造プロセスで使用されるバイオプロセスFO(正浸透)膜は、FOシステムとMD(膜蒸留)システムのハイブリッドにより、非加熱・非加圧で濃縮できるため医薬品の変性を防ぐとともに、凍結時間の短縮やエネルギー負荷の低減の実現を通じて医薬品製造プロセスを革新するものであり、既に複数の顧客候補と実証実験に取り組んでいます。
ⅱ アニオン交換型の水電解装置用の膜
水電解にはアルカリ水電解型を含めていくつかの方式がありますが、性能・コストの両面で大幅な改善が期待される次世代膜として、アニオン交換型の水電解装置用の膜(Anion-Exchange Membranes、AEM)への展開にも取り組んでいます。2023年12月にCVCの「Care for Earth」投資枠で出資参画したカナダのIonomrが手掛けるアニオン交換型の水電解は、再生可能エネルギーを利用する際に特に求められる負荷変動対応で優れる他、希少金属を使わないことからコスト面でのポテンシャルも期待されています。今後、研究開発面での同社とのコラボレーションを進め、AEMに関する知見を蓄えるとともに、当社が保有する知見・技術を活用し、同社の膜の性能向上も支援していきます。
③ 化合物半導体の開発
ⅰ 深紫外LED/深紫外レーザー
現在、殺菌、ウイルス不活性化に最も効果の高い、波長265nmを高出力で実現できる深紫外LEDの展開を実施していますが、さらなる高出力化に向けた研究や高効率化のための開発に取り組んでいます。また、名古屋大学との協力により、深紫外レーザーダイオードの開発を行っており、2019年には世界で最も短波長のレーザーダイオードの発振に成功しました。また、その技術をさらに進化させ、2022年11月には深紫外半導体レーザーの室温連続発振に世界で初めて(※)成功し、電池駆動も可能なレーザー発振の成功により、実用化に向けて飛躍的に前進しています。今後は、計測・解析、殺菌などの用途での実用化を目指した取り組みを進めていきます。
ⅱ 窒化アルミニウム(AlN)系材料
窒化アルミニウム(AlN)系材料は、低い電力損失と高い耐圧の特徴を併せ持ち、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)よりも高いエネルギー効率を実現するポテンシャルを有することから、次世代のパワーデバイスへの適用やRF(高周波)アプリケーションへの展開が期待されています。2023年8月には当社グループのCrystal IS, Inc.が4インチ(直径100mm)のAlN単結晶基板の製造に世界で初めて(※)成功しました。また、名古屋大学との協力により、同年12月には電流-電圧特性、耐電圧特性において非常に良好な特性を示す、理想的なAlN系の「pn接合」の実現に世界で初めて(※)成功しました。さらに、2024年11月には実用デバイスにも用いられるHEMT構造で従来から2倍程度向上した2.2MV/cmという耐電圧の向上にも成功しました。また、Crystal ISが製造する4インチ(直径100mm)AlN単結晶基板の使用可能面積が99%を超えてきたことから、国内外の半導体デバイスメーカーへのサンプル基板の提供を2024年度下期より開始しました。各種デバイス生産能力・効率の大幅な向上への貢献を目指してさらなる改善を行っていきます。
※これまでの学会発表や論文などから当社グループ調べによるもの
④ セルロースナノファイバー系材料の開発
バイオ由来のセルロースナノファイバーと、樹脂又は繊維をナノコンポジット化することで、素材の高機能化と環境技術を両立し、サステナビリティに貢献する製品の実現を目指しています。当社グループでは、セルロースナノファイバーからセルロースナノファイバーコンポジットまでの一貫製造プロセスを保有していることの特長を活かし、低コスト、低環境負荷、高機能を満たす製品開発及びマーケティング活動を通じた事業化の検討を進めています。2023年6月には、プラスチックの合成繊維にセルロースナノファイバーを10質量%混ぜて成形した材料で、一般的なフェルトの防音材と比べて厚さが40分の1の0.5mmという薄さながら同等の防音性能を実現しました。開発品は幅広い周波数領域で吸音かつ遮音性能を併せ持ち、薄膜でも立体的に成形できる特徴があります。モーターやコンプレッサーなどの形状に合わせたケースに成形し、騒音源を囲うような使い方を想定し、今後、自動車向けの防音材としての製品化を目指していきます。
⑤ 「旭化成-産総研 サステナブルポリマー連携研究ラボ」の設立
当社と産総研グループは、サステナブルポリマーの提供を可能にする社会システムの実現を目標に、2025年1月1日に「旭化成-産総研 サステナブルポリマー連携研究ラボ」を設立しました。本連携ラボでは、「リサイクル材の確保と利用」を可能にするポリマーリサイクルシステムの社会実装、及び「機能を伴ったリサイクルしやすい設計」を実現する技術・システムの提供を目指します。具体的には、「リサイクル材の確保と利用」に向けた課題の一つである品質確保に向けたグレーディングのモデルケースの創出を目指します。また、「機能を伴ったリサイクルしやすい設計」の実現のために、易解体接着剤に着目し、使用材料の再生・再利用につながる易解体ソリューションの提供に向けた開発を行います。
(2) 「マテリアル」セグメント
・ 環境ソリューション事業
セパレータ事業では、高分子設計・合成、製膜加工や塗工などのコア技術を活かして、「省資源・省エネルギー・コストダウン」「環境負荷軽減」「再生可能エネルギーの普及」に向けた開発を推進しています。電気自動車等の環境対応車、電子機器、電動ツールや蓄電システム用途に展開するリチウムイオン電池用高機能セパレータ等の環境・エネルギー関連素材の展開に注力していきます。また、セパレータの知見を通じて取得できるデータをもとにした、電池の耐久性や寿命、航続距離を伸ばすソリューションの開発も併せて検討していきます。
イオン交換膜事業では製造型リカーリングを推進しており、「メンテナンス最適化」「トラブルレス」「運転条件最適化・簡易化」の顧客課題をソリューション開発により解決するため、顧客とのデータ基盤の構築やシステムの構築に向けた取り組みを行い、ソリューション提案を推進しています。また、イオン交換膜法食塩電解事業で構築した事業基盤を、アルカリ水電解水素製造のビジネスへ展開していきます。中期的には、グリーン水素製造用/イオン交換膜法食塩電解プロセス用が併産できる生産設備を稼働させる予定であり、イオン交換膜事業と水素ビジネスが一体となって成長を目指します。
・ モビリティ&インダストリアル事業
自動車内装材事業では、環境負荷低減に貢献する取り組みとして、スエード調人工皮革「Dinamica®」のリサイクル原料比率向上やモノマテリアル化などを通じたサステナビリティ強化、米国スタートアップNFW社との非石油由来レザーの共同開発など、リサイクル性の高い素材やバイオマス由来原料の積極的な活用を検討しています。
・ ライフイノベーション事業
電子材料事業では、微細化、高集積化、高速化を支える最先端半導体・実装プロセス革新に向け、感光性ポリイミド「パイメル™」や感光性ドライフィルム「サンフォート™」など先進・独自の技術による高付加価値製品の展開を進めています。特にDXの加速によって、知財データの活用や、マテリアルズインフォマティクス(MI)などによる、開発競争の強化を図っています。自律成長に加え、技術導入等による価値創出を模索し、電子部品事業との融合も図り、デジタル社会で求められるニーズに対し特徴ある部品、部材、ソリューションを展開していきます。
電子部品事業では、デジタル社会の進展に対応し、「音」「磁気」「ガス」のセンシング技術を主軸に、省エネ・健康・快適に繋がるソリューションを提供できる技術及び製品の開発を推進しています。豊富な技術資産と柔軟なエンジニア組織運営により、センサ技術、アナログ信号処理技術、アルゴリズム技術等を融合し、独自のソフトウェアを活かした高機能電子部品の開発のみならず、モジュール型ビジネスへの展開にも積極的に取り組んでいきます。特に電気自動車(EV)化に伴うパワー系のセンシングソリューション、またサウンドマネジメントソリューションのトレンドを的確に掴んだ、特徴のあるソリューション提案を進めています。
また、生活者の視点と健康で快適な暮らしへの貢献を意識し、新事業領域として、新規セルロース素材の事業化や、高機能テキスタイルの開発などにも取り組んでいます。
繊維事業では、アパレルと衛生材料を重点マーケット領域と定め、キュプラ繊維「ベンベルグ®」やポリウレタン弾性繊維「ロイカ®」を軸に、独自性を活かし、かつ、サステナビリティに対応した付加価値の高い製品創出や生産プロセス革新のための研究開発を進めています。
(3) 「住宅」セグメント
住宅事業では、「ロングライフの実現」を支えるコア技術について、重点的な研究開発を続けています。シェルター技術については、安全性(耐震・制震技術、火災時の安全性向上技術)、耐久性(耐久性向上・評価技術、維持管理技術、リフォーム技術)に加えて、居住性(温熱・空気環境技術、遮音技術)、環境対応性(省エネルギー技術、低炭素化技術)の開発を行っています。また、住ソフト技術については、都市部における二世帯同居やシニア等の住まい方についての研究を推進するとともに、住宅における生活エネルギー消費量削減と人の生理・心理から捉えた快適性を研究し、健康・快適性と省エネルギーを両立させる、環境共生型住まいを実現する技術開発に注力しています。さらに、AIとデータサイエンス技術を活用して、お客様の暮らしを豊かにする多角的なサービスを提供するデジタルサービスプラットフォームの構築を目指した取り組みを行っています。2021年にはIoTを活用した宅配物の受け取りやセキュリティレベルを選択可能にした収納空間「スマートクローク・ゲートウェイ」の運用を開始し、2023年には、他社と開発を進めているAI 技術を用いて自律移動ロボットを活用し、宅配物をロボットが受け取り、自動で居住空間に運ぶ未来の暮らしの提案を行っています。今後もさらに生成 AI の開発を進め、住宅全体への展開を目指していきます。
建材事業では、「良質空間を追求し、グッド・マテリアルを通じて、未来を見据え新たな価値を創造する」を事業ビジョンとし、軽量気泡コンクリート(ALC)、フェノールフォーム断熱材、杭基礎、鉄骨造構造資材の4つの事業分野において基盤技術の強化を推進しています。
(4) 「ヘルスケア」セグメント
医薬事業では、自社オリジナル製品の研究開発で培った経験をもとに、免疫領域(SLE、移植等)、整形外科領域(骨、疼痛等)及び救急領域を中心に、有効な治療方法がない医療ニーズを解決することによって、「健康でいたい」と願う世界中の人びとのQOL(Quality of Life)向上を図ることを目指して、積極的な研究開発を行っています。創薬技術や創薬シーズ、創薬テーマについては、世界中の企業や大学とのコラボレーションを積極的に推進することによって、絶えざる革新を日々進めています。
医療事業では、治療の可能性を広げ、医療水準を向上させる製品、技術、サービスを提供するために、グループ総力を挙げた研究開発に取り組んでいます。グループのコア技術である膜、フィルター、吸着材等による濾過・分離技術を、化学、機械工学、医薬分野での幅広い知見や保有技術と高度に融合させることで、血液製剤や生物学的製剤のウイルス安全性確保やプロセスエンジニアリングをはじめとしたライフサイエンス分野における技術をさらに発展させていきます。2024年10月には高い透水性を特徴とした次世代ウイルス除去フィルター「プラノバ™ FG1」を発売開始しました。
また、製品のみならずCRO(Contract Research Organization)やCDMO等のサービスを通じて、独自の価値を提案する事業への進化に注力し、ウイルス除去フィルターの提供を超えて医薬品製造の安全性と製造効率向上に貢献することを目指します。2024年6月にはBionovaにおいて、遺伝子治療や細胞治療の重要な原材料であるプラスミドのCDMO拠点を米国テキサス州に新設することを決定しました。
クリティカルケア事業では、革新的医療の提供と収益成長の実現に注力します。従来の心肺蘇生や心疾患領域における市場ポジションの継続的な強化に加えて、睡眠時無呼吸症領域に事業拡大していきます。Respicardia、Itamar、及びZOLLの「LifeVest®」が持つ強みと市場チャネルを統合することで、心疾患と関連があると言われる睡眠時無呼吸症に対して高度な診断・治療ソリューションを提供していきます。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループ(当社及び連結子会社)は、長期的に成長が期待できる製品分野における新規投資、能力拡大投資に重点を置くとともに、製品の信頼性向上やコストダウンを目的とした合理化、情報化、維持投資を行っています。
当連結会計年度のセグメントごとの設備投資額(有形、無形固定資産(のれん除く)検収ベース数値)は次のとおりです。
当連結会計年度は、「マテリアル」セグメントを中心に、競争優位事業の拡大投資及び改良・合理化投資等2,110億円の投資を行いました。
セグメントごとの主な投資内容は以下のとおりです。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
2025年3月31日現在
(2) 国内子会社
2025年3月31日現在
(3) 在外子会社
2025年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額については、連結消去前の金額で表示しています。
2 帳簿価額「その他」は、工具、器具及び備品、使用権資産、建設仮勘定の合計です。
なお、表中の「リース資産」には有形固定資産のみ記載しています。
3 従業員数は就業人員数であり、平均臨時雇用者数は重要性がないため記載していません。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
2025年3月31日現在において、当社グループが実施又は計画している2025年度の設備の新設、重要な拡充、改修等の状況は次のとおりです。
(注) 上記計画の所要資金は、グループ内資金により賄う予定です。
(2) 重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 2024年11月1日開催の取締役会決議により、2025年3月14日付で自己株式の一部の消却を行ったため、発行済株式総数は28,180,100株減少し、1,365,751,932株となっています。
(5) 【所有者別状況】
2025年3月31日現在
(注) 1 上記「その他の法人」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が8,000株(80単元)含まれています。
2 当社は2025年3月31日現在自己株式を6,108,866株保有していますが、このうち6,108,800株(61,088単元)は「個人その他」の欄に、66株は「単元未満株式の状況」の欄にそれぞれ含めて記載しています。
(6) 【大株主の状況】
2025年3月31日現在
(注) 1 所有株式のうち、日本マスタートラスト信託銀行株式会社の224,915千株、株式会社日本カストディ銀行の89,413千株並びにみずほ信託銀行株式会社の19,800千株は信託業務に係る株式です。
2 2019年4月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書(No.3)において、日本生命保険相互会社並びにその共同保有者であるニッセイアセットマネジメント株式会社及び大樹生命保険株式会社が2019年4月15日現在でそれぞれ以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況は株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
<大量保有報告書(変更報告書)に記載された変更後の内容>
3 2023年3月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書(No.1)において、株式会社三菱UFJ銀行並びにその共同保有者である三菱UFJ信託銀行株式会社、MUFG Securities EMEA plc及び三菱UFJ国際投信株式会社が2023年2月27日現在でそれぞれ以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況は株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
<大量保有報告書(変更報告書)に記載された変更後の内容>
4 2023年7月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書(No.24)において、Capital Research and Management Company並びにその共同保有者であるキャピタル・インターナショナル株式会社、Capital International Inc.及びCapital Group Private Client Services, Inc.が2023年6月30日現在でそれぞれ以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況は株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
<大量保有報告書(変更報告書)に記載された変更後の内容>
5 2024年10月18日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書(No.5)において、ブラックロック・ジャパン株式会社並びにその共同保有者であるBlackRock Advisers, LLC、BlackRock Financial Management, Inc.、BlackRock Investment Management (Australia) Limited、BlackRock (Netherlands) BV、BlackRock Fund Managers Limited、BlackRock Asset Management Canada Limited、BlackRock Asset Management Ireland Limited、BlackRock Fund Advisors、BlackRock Institutional Trust Company, N.A.及びBlackRock Investment Management (UK) Limited
が2024年10月15日現在でそれぞれ以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況は株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
<大量保有報告書(変更報告書)に記載された変更後の内容>
6 2025年1月9日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書(No.8)において、三井住友信託銀行株式会社並びにその共同保有者である三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及び日興アセットマネジメント株式会社が2024年12月31日現在でそれぞれ以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況は株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
<大量保有報告書(変更報告書)に記載された変更後の内容>
7 2025年1月10日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書(No.1)において、株式会社みずほ銀行並びにその共同保有者であるみずほ証券 株式会社及びアセットマネジメントOne株式会社が2024年12月31日現在でそれぞれ以下のとおり株式を所有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況は株主名簿の記載内容に基づいて記載しています。
<大量保有報告書(変更報告書)に記載された変更後の内容>
8 「所有株式数(千株)」は、千株未満切り捨てで記載しています。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2025年3月31日現在
(注) 上記「完全議決権株式(その他)」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が8,000株(議決権の数80個)及び取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式1,573,650株が含まれています。
② 【自己株式等】
2025年3月31日現在
(注) 1 取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式1,573,650株は、上記自己名義所有株式に含まれていません。
2 他人名義で所有している理由並びに名義人の氏名又は名称及び名義人の住所は次のとおりです。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社は、当社の取締役(社外取締役を除く)及び当社執行役員並びに当社グループの事業会社における執行役員のうち所定の職位を有する者(以下、併せて「取締役等」)を対象に、株式価値と取締役等の報酬との連動性を明確にし、取締役等が株価上昇によるメリットを享受するのみならず株価下落リスクをも負担し、それらを株主の皆様と共有することで、当社グループにおける持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に貢献する意欲を高めることを目的として、株式報酬制度を導入しています。
① 株式報酬制度の概要
本制度は、当社が金員を拠出することにより設定する信託(以下、「本信託」)が当社株式を取得し、対象となる取締役等に対して当社取締役会で定める株式交付規程に従いポイントを毎期付与し、原則として取締役等の退任時に本信託を通じて累積ポイント数に応じた当社株式及び当社株式を時価で換算した金額相当の金銭が交付される株式報酬制度です。なお、本信託勘定内の当社株式に係る議決権は、一律に行使しないこととします。
② 取締役等に交付する株式の総数又は総額
2025年3月31日現在で、三井住友信託銀行株式会社(信託口)が1,573,650株を保有しています。
③ 本株式交付制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
取締役等を退任した者のうち株式交付規程に定める受益者要件を充足する者。
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 「当期間における取得自己株式」には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 自己株式数には、取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する株式数(1,573,650株)は含まれていません。
2 当期間における「その他(単元未満株式の売渡請求による売渡し)」には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の売渡しによる株式数は含まれていません。
3 当期間における「保有自己株式数」には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の売渡しによる株式数は含まれていません。
3 【配当政策】
当社の株主還元の基本的な考え方として、累進配当を特に重視した上で、還元水準の継続的向上を図っています。株主還元に関する基本方針は次の3点です。
① 中期的なフリー・キャッシュ・フローの見通しから、株主還元の水準を判断する。
② DOE3%を目安とした、中長期的な累進配当を目指す。
③ 自己株式取得は資本構成適正化に加え、投資案件や株価の状況等を総合的に勘案して検討・実施する。
3つの方針の中でも、特に②の累進配当の方針を重視しており、その方針をフォローするため、DOEを指標とした上で、その水準として3%を目安に中長期的な累進配当を実現させていく予定です。2024年度は上記の方針から、1株当たり年間配当金として38円と2円増配します。2025年度以降も引き続き配当金維持・向上を予定しています。
株主還元を含めたキャピタルアロケーションについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針・経営戦略等 ② 当社グループ全体の経営方針・経営戦略等 <経営方針・経営戦略>●「中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~」の概要 ⅳ 財務・資本政策 ■ 資金の源泉と使途の枠組み」を併せてご参照ください。
内部留保については、「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」の3領域において、M&Aを含む戦略的な投資や、新事業創出のための研究開発費など、将来の収益拡大の実現に必要な資金として充当していきます。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことにしており、剰余金の配当の決定機関は取締役会としています。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。」というグループミッションのもと、「健康で快適な生活」と「環境との共生」の実現を通して、世界の人びとに新たな価値を提供し、社会的課題の解決を図っていくことをグループビジョン(目指す姿)としています。そのうえで、イノベーションを起こし、多様な事業の融合によりシナジーを生み出すことで、社会に貢献し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しています。
そのために、事業環境の変化に応じ、透明・公正かつ迅速・果断に意思決定を行うための仕組みとして、当社にとって最適なコーポレート・ガバナンスの在り方を継続的に追求していきます。
② コーポレート・ガバナンス体制の概要
当社におけるコーポレート・ガバナンス体制の概要は以下のとおりです。

Ⅰ 監督
取締役会は、取締役9名中4名(3分の1超)が独立性を有する社外取締役で構成され、法令・定款に従い取締役会の決議事項とすることが定められている事項並びに当社及び当社グループに関する重要事項を決定し、取締役及び執行役員の業務執行を監督しています。
取締役会の下には、社外取締役を過半数の委員とする指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設置し、当社にとって最適な取締役会の構成・規模、取締役・監査役候補の指名方針、社外役員に関する独立性判断基準、取締役の報酬方針・報酬制度、取締役の個人別金銭業績連動報酬の決定等の検討について社外取締役より助言を得ることとしています。
Ⅱ 監査
監査役、会計監査人、内部監査部門(監査部)による3つの監査により経営の適正性を担保しています。
ⅰ 監査役監査
監査役会は、監査役5名中3名(過半数)が独立性を有する社外監査役で構成され、各監査役が、監査役会が定めた監査方針のもと、取締役会への出席、業務状況の調査などを通じ、取締役の職務遂行の監査を行っています。監査役会の機能充実及び常勤監査役と社外監査役との円滑な連携・サポートを図るため、専任スタッフで構成される監査役室を設置しています。
ⅱ 会計監査
会社法及び金融商品取引法に基づく会計監査については、PwC Japan有限責任監査法人が監査を実施しています。
ⅲ 内部監査
監査部を設置し、監査計画に基づき内部監査を実施しています。グループスタッフ部門のそれぞれが行う内部監査の結果についても、監査部に情報が一元化され、内部監査の結果は取締役会に報告されています。
Ⅲ 業務執行
業務執行の迅速化と責任の明確化を図るために執行役員制度を導入し、意思決定・監督機能を担う取締役と業務執行機能を担う執行役員の役割を明確にしています。
グループ決裁権限規程において、経営計画に関する事項、投融資に関する事項、資金調達・資金管理に関する事項、組織及び規程に関する事項、研究開発及び生産技術に関する事項等についてきめ細かな決裁基準を設けて、取締役会から経営会議等に対して権限委譲しています。
Ⅳ 当該体制を採用する理由
当社は、監査役会設置会社の機関設計の体制の下で、社外取締役を過半数の委員とする任意の委員会を置き、役員人事及び役員報酬に関する助言を得ることにより、柔軟な運営のもと客観的で透明性の高い経営への監督を行うとともに、社内外の豊富な経験と幅広い見識を有する取締役で構成される取締役会が重要な経営上の意思決定について関与することで経営への監督の実効性を確保しています。また、社内事情に明るい常勤監査役と高い専門性をもった社外監査役で構成される監査役体制等により、経営の適法性・適正性を確保しています。当該体制によって、機動的・柔軟な経営判断、実効的な経営監督、適法・適正な経営を適切にバランスさせることで、当社のコーポレート・ガバナンスの最適化が図られていると考えています。
③ 取締役会・任意の委員会・監査役会の設置状況
2024年度における取締役会、任意の委員会及び監査役会の設置状況は次のとおりです。
(注) 当社は、経営の透明性・客観性をより高めるために、社外取締役を過半数の委員とする指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設置し、当社にとって最適な取締役会の構成・規模、取締役・監査役候補の指名方針、社外役員に関する独立性判断基準、取締役の報酬方針・報酬制度、取締役の個人別金銭業績連動報酬の決定について社外取締役が積極的に参画し、助言を得ることとしています。
2024年度における取締役会、任意の委員会及び監査役会の個人別の出席状況は次のとおりです。
④ 取締役会の実効性評価の概要
当社取締役会では、その実効性を毎事業年度で定期的に評価しています。2024年度の取締役会実効性評価(以下「今回評価」)の結果概要等は以下のとおりです。なお、当社は、取締役会実効性評価にあたり、客観的な視点も組み込んだ評価サイクルを継続していくため、定期的に第三者機関を活用することとします。
Ⅰ 今回評価のプロセス
Ⅱ 評価結果の概要
ⅰ 当社取締役会は、取締役会の実効性が特に以下の点で十分に確保されていることを確認しました。
・当社取締役会の役割・機能は、事業ポートフォリオマネジメントと経営基盤の強化の推進という取締役会の目指すところを踏まえ、事業ポートフォリオ変革の議論の機会を増やし、充実した審議を行ったため、適切に果たされていると評価
・新中期経営計画について、事業領域、テーマごとに多面的に審議を深めたこと、また資本市場の観点も意識した議論が充実したことを評価
・取締役会の運営面では、オープンで闊達に議論する環境が整備されている点、また、取締役会実効性評価の結果を踏まえ抽出した課題を継続的に改善し、実効性高く、効率的に運営している点を評価
ⅱ 一方で、当社取締役会は、以下の点についてなお課題があることを共有しました。
・「3領域経営」の在り方、財務戦略・株主還元・資本効率等の重要経営課題については、取締役会やオフサイトの機会も活用し、中長期視点の議論をさらに深める重要性を認識している。
・取締役会における議論の質的向上については、資本市場の観点を意識した議論の重要性を確認し、一層の充実を図る余地があることを認識している。
・指名諮問委員会及び報酬諮問委員会の運営をさらに高度化させ、取締役会の構成、役員報酬等に関して、実効的な検討を続ける必要性を認識している。
Ⅲ 取締役会実効性評価のPDCAサイクルと今後の取組み
当社取締役会は、さらなる取締役会の実効性の向上のために対応すべき課題を特定し、以下のとおり改善に向けた取組みを実行してまいります。
⑤ 業務の適正を確保するための体制
当社は、取締役会において、会社法第362条及び会社法施行規則第100条に基づき、業務の適正を確保するための体制の整備について次のとおり決定し、運用しています。
Ⅰ 内部統制システム基本方針
多様な事業をもってグローバルに展開を進めている当社グループ(当社及び当社子会社)を取り巻く事業環境は激しく変化しており、新たなリスクや複雑化するリスクの影響は大きい。当社グループは、以下の基本方針に従って、内部統制システムを整備し、適正かつ効率的に業務を執行する体制を確立・維持する。
グループ経営管理(会社法施行規則第100条第1項第1号・第3号・第5号イ・ハ)
ⅰ 多様な事業を有する当社グループの適切な経営管理のため、適切な事業領域を定め、それぞれの事業の性質に応じて適切な権限委譲を図り、迅速かつ柔軟な意思決定ができる仕組みを確保する。一方で、グループ経営上の重要な事項の決裁について、社内規程において、決定機関又は決定権限者を明確に定め、これに基づき適切に意思決定を行う。
ⅱ 事業の多様化、拠点のグローバル化の進展の中で、法規制や社会的要請への対応の複雑化・高度化に適切に対応するためにグループ全社で遵守すべき共通の原則を定め、これに基づいたグループ経営管理を行う。
ⅲ グループ経営上の重要な情報の報告について、社内規程において報告先と報告事項を明確に定め、これに基づき適切に情報伝達を行う。このほか、社長執行役員は、業務執行状況、重要な経営課題、監査結果等、グループ経営上の重要な情報の把握に努める。
ⅳ 当社グループが持つ多様な無形資産を活用し、ビジネスモデルを変革させ価値創造を促進するため、デジタルデータの活用を積極的に推進し、経営の高度化及び事業の変革に繋げる。
ⅴ グループ経営上の意思決定及び情報伝達の記録・保存管理に関する社内規程を定め、これに基づき適切に情報の記録・保存管理を行う。
リスク管理及びコンプライアンス(会社法第362条第4項第6号、会社法施行規則第100条第1項第2号・第4号・第5号ロ・ニ)
ⅰ 取締役は、取締役会等を通じて、他の取締役の業務執行の監督を行い、監査役による適法性及び妥当性の観点からの職務執行の監査を受ける。
ⅱ 取締役社長を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」を置くとともにリスク・コンプライアンス担当の執行役員を任命する。また、取締役会は当社グループ全体のコンプライアンスに関する遵守状況とリスク対策の進捗状況について報告を求め、これを監督する。
ⅲ リスク管理とコンプライアンスの推進を一元的に管理・運営を所掌する組織を置き、リスクに対する適切な管理が図れる体制を構築する。また、個別のリスク対応及びコンプライアンス施策にあたって適切な所管部場を置き、必要な社内規程の制定、教育・啓発を実施し、モニタリングを通じてその対策状況を確認し、必要に応じて改善を支援・主導させる。財務報告に係る内部統制に関する体制及び手続きを明確にし、これを統括する組織を置く。
ⅳ リスク管理とコンプライアンスの推進に関する基本方針及び企業倫理・コンプライアンスに関する行動基準を定め、これを当社及び当社グループの役員及び従業員に周知させる。
ⅴ コンプライアンスホットライン(内部通報制度)を導入し、グループに働く全ての人及びサプライヤーが利用できる仕組みとする。
ⅵ リスク管理とコンプライアンスの体制の運用について、モニタリング・内部監査を通じ、継続的に改善する。
監査役支援の体制(会社法施行規則第100条第3項第1号・第2号・第3号・第6号)
ⅰ 監査役の職務を補助する部署として監査役室を設置する。
ⅱ 監査役室所属の従業員に対する日常の指揮命令権は監査役に置き、取締役からは指揮命令を受けないものとし、監査役室所属の従業員の異動、人事考課などについては、監査役の事前承認を得なければならない。
ⅲ 監査役室所属の従業員は専任制とし、監査役による監査を実効的に行うために必要な人数及び必要な専門能力及び豊富な業務経験を有する人員を置く。
ⅳ 監査役の職務の執行に必要でないと認められた場合を除き、その費用を負担し、監査役の職務執行について生ずる費用等について、一定額の予算を設ける。
監査役への報告及び社内連携の体制(会社法施行規則第100条第3項第4号イ・ロ、第5号・第7号)
ⅰ 監査役は、その職務を遂行するために必要と判断するときはいつでも当社の取締役、執行役員及び従業員、当社グループ各社の取締役、執行役員及び従業員並びに監査役に報告を求めることができるものとする。
ⅱ 取締役、執行役員及び従業員並びにグループ各社の取締役、執行役員及び従業員並びに監査役は、監査役からの報告の求めのある場合に限らず、リスク管理・コンプライアンスに関する事項を含むグループ経営上の重要な情報をすみやかに監査役に報告する。
ⅲ 監査役への報告をした者(ホットライン通報者を含む)は、当該報告をしたことを理由として一切の不利な取扱いを受けないものとする。
ⅳ 監査役と社外取締役、会計監査人、内部監査部門それぞれとの間で定期的なミーティングの機会を設けるとともに、当社監査役と事業会社監査役間の意見交換を促進し、グループ全体の監査体制の実効性を高める。
反社会的勢力排除の方針
反社会的勢力と断固として闘い、いかなる利益供与、取引その他の関係を持たない。また、対応統括部署を置き、警察を含む外部専門機関との連携、反社会的勢力に関する情報の収集を行い、グループ内での周知・注意喚起を図る。
Ⅱ 内部統制システム運用状況の概要
当社は、上記の「内部統制システム基本方針」に則った体制を整備し適切に運用しております。本年度では、内部通報制度(コンプライアンスホットライン)の運用、Cs Talk(コンプライアンス職場討議)の継続実施を通じたコンプライアンス意識の醸成、保安防災や品質意識の向上の施策等、過年度からの各種施策のより一層の実効性を高める取組みのほか、以下の施策を実施しました。
ⅰ 全社リスクマネジメント運用状況調査とそれを踏まえた対応
当社グループの全社的リスクマネジメント活動の状況について監査部を通じて評価し、概ね当初計画通りに整備・運用されていることを確認しました。当該評価結果を踏まえた改善事項として、より一層の現場レベルでのリスクマネジメント活動の拡充、リスク情報のエスカレーションルールのより着実な浸透を目的とした取組みを進めています。
ⅱ 通商・経済安全保障に関する対応
グループ重大リスクのテーマである「経済安全保障・グローバルサプライチェーンにおけるリスク」については、昨今の環境変化の激しさに対応し、リスクが発現する事業部門と専門性を有するコーポレート部門とがより一層連携を深め、具体的なリスクコントロールのアクションがとれる体制を整備していく必要があります。そこで、新たにプロジェクト体制を組織し、事業部門・コーポレート部門間での情報共有・連携体制の強化を図るべく対応を進めています。
ⅲ グループ基本原則に基づく規程整備
当社の事業が多様化し事業拠点がグローバル化する中で、世界各地域の法規制や社会的要請に適切に対応するため、当社グループ共通の規範として前年度に施行した「グループ基本原則」に準拠したグループ会社全社の社内規程の整備を進めています。
⑥ 会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の支配権の取得を目的とした当社株式の大量取得行為を受け入れるか否かの判断は、最終的には当社の株主の皆様全体の意思に基づいて行われるべきものと考えており、当社株式の大量取得であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。しかしながら、株式の大量取得の中には、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものもあります。
当社は、当社株式の大量取得行為を行おうとする者に対しては、当該大量取得行為が当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれがないかどうか株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、また、当該大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための時間の確保に努めるなど、法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じていきます。
⑦ その他
Ⅰ 取締役の定数
当社は、取締役を12名以内にする旨を定款で定めています。
Ⅱ 取締役の選任方法
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めています。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨も定款で定めています。
Ⅲ 責任限定契約の概要
当社は、取締役小堀秀毅、岡本毅、前田裕子、松田千恵子及び山下良則の5氏並びに監査役真柄琢哉、出口博基、望月明美、浦田晴之及び落合義和の5氏と当社との間で、会社法第427条第1項の規定により、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約をそれぞれ締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、1,000万円と法令の定める最低限度額とのいずれか高い額となります。
Ⅳ 補償契約の概要
当社は、取締役及び監査役の全員との間で会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しており、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしています。
Ⅴ 役員等賠償責任保険契約の概要
当社は、取締役、監査役及び執行役員並びに主要な子会社の取締役、監査役及び執行役員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険により被保険者が負担することになる賠償責任額、和解金、弁護士費用等を塡補することとしており、保険料は当社が全額負担しています。ただし、被保険者の犯罪行為や、法令に違反することを被保険者が認識しながら行った行為に関する当該被保険者自身の損害等は塡補の対象外とすることにより、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じています。
Ⅵ 剰余金の配当等の決定機関
当社は、機動的な配当を可能にするため、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定めることとする旨を定款で定めています。
Ⅶ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性11名 女性3名 (役員のうち女性の比率21.4%)
(注) 1 取締役 岡本毅、前田裕子、松田千恵子及び山下良則は、社外取締役です。
2 監査役 望月明美、浦田晴之及び落合義和は、社外監査役です。
3 2025年6月25日開催の定時株主総会終結の時から1年間
4 2023年6月27日開催の定時株主総会終結の時から4年間
5 2025年6月25日開催の定時株主総会終結の時から4年間
6 2022年6月24日開催の定時株主総会終結の時から4年間
7 当社では、業務執行の迅速化と責任の明確化を図るため、執行役員制度を導入しています。執行役員は46名で、うち4名が取締役を兼務しています。
② 社外役員に関する事項
当社の社外役員(社外取締役及び社外監査役、以下同じ)は、社外取締役4名、社外監査役3名です。
社外取締役は、経営者等としての豊富な経験と高い見識を活かして、当社の経営陣から独立した立場から経営判断が適切に行われていることを監督する機能を担い、社外監査役は、法律や財務・会計等に関する高い専門性と豊富な経験・知識に基づき監査する機能を担っています。それぞれの社外役員に関する事項は下記のとおりです。
なお、当社は、当社の定める「社外役員に関する独立性判断基準」(後掲)及び金融商品取引所の定める「独立役員」に関する独立性の基準に従い、候補者が現在もしくは過去において、当社の業務執行者、重要な取引先、重要な取引先の業務執行者等であるか(あったか)、又は当社から多額の金銭もしくはその他の財産を受け取った事実があるか(あったか)等の利害関係を調査し、それらの事実を総合的に勘案した上で、一般株主との利益相反の生ずるおそれの有無を判断しています。なお、当社は、社外役員全員について金融商品取引所に「独立役員」として届け出ています。
当社と社外役員との間に、人的関係、資本的関係又は取引関係等の面で重要な利害関係はありません。
※ご参考
Ⅰ 取締役・監査役候補指名の方針と手続き
取締役候補者の選出にあたっては、取締役に相応しい識見、能力等に優れた者を候補者としています。社内取締役については、担当領域における専門的知識、経験、能力等を備えていると考えられる者を候補者として選定しています。一方、社外取締役については、高い識見を踏まえた客観的な経営の監督を期待し、それに相応しい経営者、学識経験者、官公庁出身者等で、豊富な経験の持ち主を幅広く候補者としています。
監査役候補者の選出にあたっては、監査役に相応しい識見、能力等に優れた者を候補者としており、選出には監査役会の同意を得ることを必須としています。また、財務・会計に関する知見を有している者が1名以上になるよう配慮しています。
取締役及び監査役候補の指名に関する客観性と透明性をより一層高めるため、社外取締役を主たる委員とする指名諮問委員会を設置し、取締役会の構成・規模、役員の指名方針等についての検討に参画いただき、助言を得ることにしています。
Ⅱ 取締役及び監査役の経験分野・保有する専門性(スキル・マトリックス)
当社は、「世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献」するため、「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の2つのサステナビリティの好循環の実現を追求しています。そして、不連続・不確実な経営環境のもと、成長投資と構造転換の両輪による事業ポートフォリオ変革を加速することが、当社グループにとって、とりわけ重要な経営課題と認識しています。
当社取締役会は、このような経営課題を踏まえ、中期経営計画をはじめとする経営戦略、事業ポートフォリオマネジメントと経営資源配分、サステナビリティ等、広範な事業を営む当社グループの経営の重要事項の監督や重要な意思決定を役割としています。この役割を遂行するにあたって、独立性・多様性の確保に加えて、豊富な経験や高度な専門性を取締役会全体として備える必要があります。
そこで、当社取締役会及び指名諮問委員会では、取締役及び監査役に必要な経験・専門性(スキル)を特定したうえで、その保有状況をスキル・マトリックスにより確認しています。以下の内容は、このようなプロセスを経て、2024年度に改定したものです。
(スキル・マトリックスの検討プロセス)

(構成比)


(注) 1 上記の一覧表は、各氏の主要なスキルを最大4つまで記載しております。各氏が保有する全てのスキルを表すものではありません。
2 「企業経営(上場企業の社長経験)」は、上記の一覧表に掲げる他のスキルの要素を含む、広範かつ多様な経験と位置づけています。
Ⅲ 社外役員に関する独立性判断基準
当社は、社外取締役及び社外監査役が独立性を有すると認定するにあたっては、以下のいずれにも該当することなく、かつ、公正中立的な立場で職務を果たしうることを確認します。
ⅰ 当社グループの業務執行者(業務執行取締役、執行役、執行役員、従業員等)又は過去10年間にこれに該当した者
ⅱ 当社グループを主要な取引先とする者(年間連結売上高の2%以上が当社グループである者)又はその業務執行者
ⅲ 当社グループの主要な取引先(当該取引先による当社グループへの支払いが当社の年間連結売上高の2%以上を占める場合、又は、当社連結総資産の2%以上の金銭の借入先)又はその業務執行者
ⅳ 当社からの役員報酬以外に、当社グループから個人として多額の金銭その他財産上の利益(年間1千万円以上)を得ている者
ⅴ 当社グループから多額の寄付・助成(年間1千万円以上)を受けている者又はその業務執行者
ⅵ 当社グループの主要株主(当社の総株主の議決権の10%以上を直接又は間接的に保有している者)又はその業務執行者
ⅶ 当社グループの役員・従業員をその役員に選任している法人の業務執行者
ⅷ 当社グループの会計監査人又はその所属者
ⅸ 過去3年間、上記ⅱからⅷのいずれかに該当した者
ⅹ 上記ⅰからⅷのいずれかに該当する者の近親者(配偶者、2親等内の親族及び生計を共にする者)
ただし、上記ⅰからⅲ、ⅴからⅶの「業務執行者」は「重要な業務執行者(業務執行取締役、執行役、執行役員等)」に読み替えるものとする。
xi 当社の社外取締役又は社外監査役としての在任期間が通算8年を超える者
社外取締役は、取締役会への出席及び工場・研究施設の見学や研究発表会等への参加の機会並びに監査役及び会計監査人との間で定期ミーティングを通じて、当社グループの現状と課題を把握し、必要に応じて取締役会において意見を表明しています。
(3) 【監査の状況】
① 内部監査及び監査役監査、会計監査の状況
Ⅰ 内部監査の状況
ⅰ 組織及び体制
社長直轄の組織として監査部(23名、2025年3月31日現在)を設置しています。
これに加え、海外事業の拡大への対応として、中国及び北米の地域統括会社内に内部監査拠点を設置し各地域での内部監査活動を推進しているほか、業務監査組織を持つ事業本部・事業会社・関係会社や自主監査活動を行うスタッフ部門組織との間で個別に分担や連携の仕組みを設定するなど、効果的な内部監査体制の整備及び運用に努めています。
ⅱ 活動
当社内部監査基本規程に基づき年次監査計画を立案し、当社社長の承認を得て当社グループの内部監査を実施しています。本事業年度は、関係会社18社を含む21の事業部門組織を対象とした内部監査のほか、本社スタッフ部門の監査2件及び全社的課題を対象としたテーマ監査1件を実施しています。
内部監査はグループ内の事業部及び連結子会社を対象にリスクベースで実施され、個々の監査結果は対象組織及びその所管部門に報告されます。対象組織による改善計画の策定、実行に加え、改善結果についてのフォローアップ監査を一連のプロセスとして設定しており、所管部門及びスタッフ部門がこのプロセスを支援するとともに再発防止策を横展開することで、着実な改善の実施と内部統制の維持向上を図っています。
また、当社内部統制管理規程に基づき、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価及び報告を監査部で実施しています。当事業年度は当社、連結子会社171社及び持分法適用会社9社を対象として全社的な内部統制及び決算・財務プロセスの評価を行い、当社、連結子会社133社及び持分法適用会社8社を対象として業務プロセス及びIT統制の評価を行いました。
ⅲ 報告
内部監査及び財務報告に係る内部統制評価の計画及び結果は、社長、内部統制担当役員、リスク・コンプライアンス担当役員に加えて、当社の取締役会、監査役会に報告されます。また、事業部門(事業本部、事業会社等)及びグループ 内部統制所管部門(コンプライアンス所管部門、経理・財務部門、人事部門、IT部門、購買・物流部門、環境安全・品質保証部門等)と内部監査部門との年次トップミーティングをはじめとする連携活動の中でも報告され、各ライン間のコミュニケーションを継続的に推進し、各部門による内部統制推進に向けた自律的な取り組みを支援することでグループ全体の内部統制水準の向上に努めています。
Ⅱ 監査役監査の状況
ⅰ 監査役会の開催状況と活動内容
各監査役は、監査役会が定めた監査方針のもと、取締役会への出席、業務状況の調査などを通じ、取締役の職務遂行の監査を行っています。
当事業年度において当社は監査役会を月2~3回程度の頻度で開催しており、個々の監査役の出席状況については以下のとおりです。
<各監査役の当事業年度に開催した監査役会、取締役会の出席状況>
(監査役会の活動)
当事業年度における監査役会の事項は、決議・同意事項38件、審議・協議事項63件、報告事項14件でした。主な内容は、以下のとおりです。
(決議・同意事項38件):監査計画、会計監査人の報酬、監査役監査基準の改定、監査役会の実効性評価、監査役会監査報告書 等
(審議・協議事項63件):取締役会の振り返り、監査役報酬、会計監査人の期中レビュー、内部統制報告、期末監査関連事項 等
(報告事項14件):社外取締役との意見交換会レビュー、会計監査人の非保証業務、監査活動状況報告 等
ⅱ 重点監査項目と監査活動状況
当事業年度において監査役会が定めた重点監査項目と監査のポイントは以下のとおりです。
・ ガバナンス
取締役会の実効性、グループ経営基盤の強化、主要関連会議(経営会議、領域会議、委員会等)での審議内容の確認、意思決定プロセスとモニタリング機能の確認等
・ リスクマネジメント・コンプライアンス
リスクマネジメント体制・実行状況の確認、有事対応(予防、発見、統制)の実行状況等
・ 中期経営計画
グループの中長期ポートフォリオ戦略とリソースアロケーション、事業構造転換の進展状況等
上記重点監査項目に対する主な監査活動は以下のとおりです。
・ 取締役会その他重要な会議に出席し、必要に応じて意見表明
・ マテリアル・住宅・ヘルスケア各領域担当役員、執行役員、重要な子会社の社長、グループスタッフ部門への定期的なヒアリング
・ 主にリスクベースの観点から重要と認識する製造拠点、海外拠点について直接確認
・ 内部監査部門、会計監査人との三様監査連絡会の実施
<監査活動の概要>
(注) 1 リスク・コンプライアンス委員会に出席
(監査役会の実効性評価)
2022年度より、監査活動の実効性を継続的に向上させることを目的に、監査役会の実効性評価を実施しています。当事業年度も監査役会の実効性評価に関する自己評価を実施し、翌事業年度の監査計画への反映、実効性の更なる向上のための施策に繋げるべく討議しました。
<評価方法>
・ 記名式且つ自己評価による全18項目のアンケートに沿って、各監査役に対し4段階評価及びその理由について意見表明を求めました。
<当事業年度の取り組み例>
・ 内部監査部門、会計監査人との連携をより強化すべきとの意見に対し、特定のテーマに対して深掘りした議論を行うため、三様監査連絡会を定期開催(6回/年)しました。
・ 三様監査連携の強化に向けて、内部監査部門、会計監査人に対してインタビューを実施し、具体的な改善事項を抽出しました。
・ 社外取締役との連携について、意見交換会の時間を拡充し、議題を監査役会で事前審議することで、議論は活発化しています。
・ 監査役会において、取締役会の振り返りを実施し、監査視点・課題認識の共通理解を図っています。
・ 取締役会へのフィードバックについて、期中に監査状況報告を追加し、監査上の重要事項・視点を共有する機会を増やしています。
<評価結果及び今後に向けての課題認識>
・ 監査役間でオープンかつ深度ある議論が行われ、監査役会全体として実効性は確保されていると認識しています。三様監査等の連携強化により得られた情報を効果的に活用し、監査活動の質を更に向上させていきます。
Ⅲ 会計監査の状況
ⅰ 監査法人の名称
PwC Japan有限責任監査法人
ⅱ 業務を執行した公認会計士
当連結会計年度において監査業務を執行した公認会計士の氏名は以下のとおりです。
指定有限責任社員 業務執行社員:好田 健祐
指定有限責任社員 業務執行社員:五代 英紀
指定有限責任社員 業務執行社員:新田 將貴
ⅲ 監査業務に係る補助者の構成
監査業務に係る補助者の構成は、公認会計士35人、その他80人であり、監査法人の監査計画に基づき決定されています。
ⅳ 継続監査期間
1970年以降
上記の継続監査期間は、プライスウォーターハウスクーパース(又はプライスウォーターハウス)のネットワークに属し、従前に当社の監査を実施していた、旧中央青山監査法人、旧青山監査法人及びその前身である旧プライスウォーターハウス公認会計士共同事務所並びに旧プライスウォーターハウス会計事務所内の個人事務所の監査期間を含めて算定しています。
三様監査(内部監査部門、監査役会、会計監査人)の相互連携については、内部監査部門、監査役会及び事業会社等の監査役が、定期的な連絡会等を通じて連携を強化し、当社グループとしての法令等の遵守及びリスク管理等に関する内部統制システムの有効性について確認しています。監査役会は、内部監査部門、会計監査人との間で監査計画の確認と意見交換を行うとともに、当社グループの期中レビュー並びに監査結果報告を受けています。また、監査上の主要な検討事項(KAM)についても意見交換を行い、確認しています。
② 会計監査人の選定方針と理由
当社の監査役会は、会計監査人の評価基準を定め、これに基づき会計監査人を評価した結果、当社の会計監査人として適切であると判断しています。
会計監査人が会社法第340条第1項の各号のいずれかに該当すると認められる場合、当社の監査役会は監査役全員の同意により会計監査人を解任します。
また、上記の場合のほか、会計監査人が職務を適正に遂行することが困難と認められる場合、監査役会は会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定し、取締役会は、当該決定に基づき、当該議案を株主総会に提出します。
③ 監査役会による会計監査人の評価
当社の監査役会が定める会計監査人の評価基準は、監査業務の品質管理の状況、外部機関による検査等の結果、監査チームの独立性及び専門性、報酬水準の妥当性、経営者、内部監査部門等とのコミュニケーションの状況、国内外の子会社への監査の状況並びに不正リスクに対する職業的懐疑心の発揮状況等を項目としています。
さらに、当社の監査役会は、会計監査人から定期的な報告を受けるなど、年間を通じて会計監査人が適正に職務を執行しているかを監視、検証しています。
④ 監査報酬の内容等
Ⅰ 監査公認会計士等に対する報酬の内容
(注) 上記の監査報酬以外に、前連結会計年度に前々連結会計年度に係る追加監査報酬として27百万円を支払っています。
監査公認会計士等が実施した非監査業務の内容は以下のとおりです。
(前連結会計年度)
社債発行に係るコンフォートレター作成業務等
(当連結会計年度)
各種アドバイザリー業務等
Ⅱ 監査公認会計士等と同一のネットワーク(プライスウォーターハウスクーパース)に属する組織に対する報酬(Ⅰを除く)
監査公認会計士等と同一のネットワークに属する組織が実施した非監査業務の内容は以下のとおりです。
(前連結会計年度)
提出会社: 税務関連業務、各種アドバイザリー業務等
連結子会社:税務関連業務等
上記の他に、当社の非連結子会社が支払った又は支払うべき報酬があります。上記の金額に、当該非連結子会社に係る報酬を加えると、監査公認会計士等と同一のネットワークに属する者に対する、当連結会計年度の当社及び当社の子会社の監査証明業務に基づく報酬の額は744百万円、非監査業務に基づく報酬の額は174百万円になります。
(当連結会計年度)
提出会社: 税務関連業務、各種アドバイザリー業務等
連結子会社:税務関連業務等
上記の他に、当社の非連結子会社が支払った又は支払うべき報酬があります。上記の金額に、当該非連結子会社に係る報酬を加えると、監査公認会計士等と同一のネットワークに属する者に対する、当連結会計年度の当社及び当社の子会社の監査証明業務に基づく報酬の額は819百万円、非監査業務に基づく報酬の額は121百万円になります。
Ⅲ その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
Ⅳ 監査報酬の決定方針
該当はありませんが、監査日数等を勘案した上で決定しています。
Ⅴ 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況及び報酬見積の算出根拠などが適切であるかどうかについて必要な検証を行ったうえ、相当であると判断し、会計監査人の報酬等の額について同意しました。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員報酬等
Ⅰ 当事業年度における取締役及び監査役の報酬等の額
(注) 1 取締役の金銭報酬限度額は、年額8億円以内であり、うち社外取締役分は年額8,000万円以内です(2022年6月24日開催の第131期定時株主総会にて決議されました)。なお、2025年6月25日開催の第134期定時株主総会にて年額10億円以内(うち社外取締役分は年額1億5,000万円以内)に改定されました。
2 監査役の金銭報酬の限度額は、年額1億8,000万円以内です(2022年6月24日開催の第131期定時株主総会にて決議されました)。
3 上記株式報酬の額は、翌事業年度における費用計上額で、当事業年度において費用計上されたものではありません。当社は、株式報酬を株式交付規程に基づくポイントの付与日に費用計上しており、当該付与日はポイントに係る目標達成の基準日(事業年度末日)の翌事業年度に置いています。当該株式報酬は社外取締役及び取締役会長を除く取締役のみを対象とし、3事業年度で4億5,000万円を上限としています。
4 2025年3月31日現在の役員数は、取締役10名(うち、社外取締役4名)、監査役5名(うち、社外監査役3名)です。
Ⅱ 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
(注) 1 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
2 上記株式報酬の額は、翌事業年度における費用計上額で、当事業年度において費用計上されたものではありません。当社は、株式報酬を株式交付規程に基づくポイントの付与日に費用計上しており、当該付与日はポイントに係る目標達成の基準日(事業年度末日)の翌事業年度に置いています。
Ⅲ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当社は取締役の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針を定めており、その内容は以下のとおりです。
また、監査役の報酬については、取締役から独立した立場で取締役の職務執行を監査するという役割に鑑み、業績連動報酬制度は採用せず、固定報酬で構成され、個別の報酬額は監査役の協議により決定しています。
上記方針は、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を確保していくためのコーポレート・ガバナンスの仕組みの1つとして、報酬諮問委員会に諮問し、その答申内容を尊重して取締役会決議により決定しています。なお、当社は、2025年4月23日開催の取締役会において、上記のとおり当該方針の改定を決議し、各業務執行取締役の基礎報酬、金銭業績連動報酬、株式報酬の構成割合を変更して金銭業績連動報酬及び株式報酬の割合を引き上げることとしたほか、利益・投下資本効率を重視する観点より金銭業績連動報酬の財務指標から「連結売上高」を除くとともに、一部字句の修正を行っています。
当社取締役会は、基礎報酬及び株式報酬の内容を、社外取締役が過半数の委員として構成する報酬諮問委員会による審議結果を考慮したうえで決定しており、その決定の客観性・透明性は確保されているため、当該内容は上記方針に沿うものであると判断しています。また、金銭業績連動報酬の決定は、報酬諮問委員会の独立性・客観性・透明性の高いプロセスで行われており、当該内容は上記方針に沿うものであると判断しています。
役員の報酬等についての株主総会の決議に関する事項は以下のとおりです。
取締役報酬の決定に係るプロセスは以下のとおりです。
・ 取締役会にて報酬諮問委員会に個人別の取締役報酬の決定を委任する旨を決議しています。
・ 当該権限の内容は、業務執行取締役の金銭業績連動報酬について、取締役社長から提案された個人別の目標達成度の評価の合理性・適正性を確認し、これを取締役会で決定された計算式の枠組みに投入して個人別の金銭業績連動報酬の金額を決定するものです。なお、職位毎の固定額の基礎報酬の金額は取締役会で決定のうえ支給し、株式報酬については、取締役会で決定された株式交付規程に基づいてポイントを付与し、所定の条件成就時に当社株式を交付します。
・ 報酬諮問委員会に上記権限を委任した理由は、当社グループ全体の業績を俯瞰しつつ、独立性・客観性・透明性の高い立場から個人別の取締役報酬の決定を行うには報酬諮問委員会に委ねることが最も適しているためです。
・ 報酬諮問委員会の当該権限が適切に行使されることを確保するため、報酬諮問委員会は社外取締役を過半数の委員として構成し、取締役会に対して定期的に上記確認及び決定のプロセスを報告することとしています。
・ 報酬諮問委員会の委員の構成は以下のとおりです(提出日現在)。
当事業年度における取締役報酬のうち金銭業績連動報酬の内容は以下のとおりです。
・ 経営陣幹部として業績や経営戦略に紐づいたインセンティブの付与の観点から、投下資本効率を含む財務目標の達成度とサステナビリティの推進等の個人毎の目標を含む非財務目標の達成度の両面を組み合わせて設計しています。
・ グループ連結の売上高、営業利益、ROIC等の財務指標の達成度とともに、サステナビリティの推進を含む個別に設定する目標の達成度を踏まえ、総合的に判断して算出しています。
・ 基準とする財務指標は、事業成果に基づく客観的かつ明確な評価軸としての適性とともに、投下資本効率の向上の意識付けの観点から選択しています。
・個人別の金銭業績連動報酬額を算出するまでに要する計算式の概要は以下のとおりです。
[個人別の金銭業績連動報酬額を算出するまでに要する計算式]
評価によって算出した指数(※) × 職位別の基準額 = 個人別の金銭業績連動報酬額
※財務指標の達成度と非財務目標の達成度を総合考慮した指数
・ 金銭業績連動報酬の算出に要する主な経営指標の直近の事業年度における目標値・基準値とその実績値は以下のとおりです。
※(営業利益-法人税等)÷期中平均投下資本
・ なお、取締役の金銭業績連動報酬について、2025年4月23日開催の取締役会においてその内容を一部改定しました。具体的には、財務指標として「連結売上高」を入れておりましたが、利益・投下資本効率を重視する観点からこれを除いたほか、非財務指標について、2025年度からスタートした新中期経営計画(「中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~」)にあわせ個々人の目標設定を見直しました。これにより、例えば、代表取締役社長の金銭業績連動報酬の決定にあたっては、営業利益・ROE・ROICからなる財務目標に加えて、GHG排出量削減・環境貢献製品によるGHG削減貢献量等を含む、重要テーマへの取り組み推進等の非財務目標に対する達成度が総合的に考慮されることとなりました。
当事業年度における取締役報酬のうち株式報酬の内容は以下のとおりです。
・ 株価上昇によるメリットを享受するのみならず株価下落リスクをも負担し、株主視点を共有するべく、2017年6月28日開催の第126期定時株主総会決議に基づき、株式報酬制度を導入し、2022年6月24日開催の第131期定時株主総会決議に基づき同制度を改定しています。
・ 当社の設定した信託が当社株式を取得し、対象となる取締役に対して当社株式を交付する株式交付信託で、取締役会で定めた株式交付規程に基づき対象取締役に対して職位に応じてポイントを付与し(1事業年度当たり150,000ポイントが上限)、付与を受けたポイント数に応じて、取締役かつ当社グループの役員の退任時に当社株式が対象取締役に交付されます(交付される株式の数は、付与されたポイント数に1を乗じた数)。
・ 取締役会で定めた上記業績目標に係る2024年度の状況は以下のとおりです。
・ なお、取締役の株式報酬について、2025年4月23日開催の取締役会において、新中期経営計画(「中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~」)と連動したものとなるよう改定しました。
具体的には、株式報酬の業績連動評価指標について、中長期的な企業価値向上の観点も加えて、以下のとおりに変更しました。
(下線を付した箇所が変更箇所)
※1 従業員エンゲージメント調査における「活力」指標に関する設問への回答の平均が3.5以上(5段階評価)の好意的な回答をした回答者の全回答者に占める割合
※2 ダイバーシティに関する指標の目標値及び実績値の基準日は、事業年度末日から事業年度末翌日に変更
※3 当社の株主総利回り(TSR)の配当込みTOPIX成長率に比した割合(前年度最終月と当年度最終月の各日の終値平均値を使用)
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式に区分しています。
「純投資目的」とは専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする場合としていますが、当事業年度末時点での保有残高はありません。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
Ⅰ 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、純粋な投資目的以外の目的で保有する株式(政策保有株式)の保有とその議決権行使に関して、以下を方針とします。
ⅰ 当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すため、事業・業務提携、資金調達、サプライチェーンの確保・拡充、取引関係の維持・強化等、事業戦略・経営戦略の一環として必要と判断する企業の株式を保有します。ただし、政策保有株式全体についての株価変動リスクや保有に伴うコスト、資本効率等を考慮し、保有量の縮減を継続的に進めます。
ⅱ 個別の政策保有株式については、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値向上の観点から、保有の意義、効果、経済合理性等について定性・定量両面での評価を毎年定期的に実施し、取締役会で検証します。定性的な評価においては、株式保有を通じて当該企業との取引や提携関係による便益・シナジー等のビジネスメリットが中長期的に得られているか、保有しない場合にどのようなデメリットがあるかといった視点で検証します。定量的な評価においては、株式保有によって得られる取引収益等、事業戦略・経営戦略上の利益をできるだけ定量化するとともに、配当収益も参考にしながら、資本コストを上回る経済効果が得られているかを中期的視点で総合的に検証します。なお、これらの検証の結果、保有の目的に合致しなくなったと判断される株式又は保有効果がコスト・リスクに見合わないと判断される株式については、当該企業の状況を勘案したうえで、売却等による縮減を進めます。
(非上場株式以外の株式については、当事業年度は11銘柄、36,424百万円、前事業年度は13銘柄、30,995百万円の売却を実行しました。)
ⅲ 政策保有株式の議決権の行使については、議案毎に当社及び投資先企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するものであるか等を総合的に検討・判断し、行使します。
Ⅱ 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
Ⅲ 特定投資株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 保有株式の定量的な保有効果については、秘密保持等の観点から記載が困難です。保有の合理性については、Ⅰⅰⅱに記載のとおり当社取締役会で検証しています。
2 保有先企業は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
3 株式の分割により株数が変動しています。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の財務諸表について、PwC Japan有限責任監査法人による監査を受けています。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っています。具体的には、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、情報収集及びコミュニケーションを行うとともに、同財団法人等が主催する各種セミナー等に参加することにより、会計基準等の内容を適切に把握することに努めています。
1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1 連結の範囲に関する事項
(1) 連結子会社の数 309社
主要な連結子会社名は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しているため、省略しています。
なお、当連結会計年度より、新たに設立した11社、新たに株式を取得した10社、新たに持分を取得した6社、新設分割に伴い設立した会社1社、連結財務諸表に与える影響が重要となってきた持分法を適用していない非連結子会社1社を連結子会社としています。
また、連結子会社の清算により3社、当社による連結子会社の吸収合併により1社、連結子会社間の合併により1社、連結子会社の売却により2社を連結子会社から除外しています。
(2) 主要な非連結子会社の名称等
主要な非連結子会社……旭化成ネットワークス㈱等
非連結子会社は、いずれも小規模であり、合計の総資産・売上高・当期純損益(持分相当額)及び利益剰余金(持分相当額)等は、いずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないため連結の範囲から除外しています。
2 持分法の適用に関する事項
(1) 持分法適用の非連結子会社数 5社
主要な会社名……旭化成ネットワークス㈱等
(2) 持分法適用の関連会社数 29社
主要な会社名……旭有機材㈱等
なお、当連結会計年度より、清算により関連会社5社を持分法適用会社から除外しています。
(3) 持分法を適用していない非連結子会社(Asahi Kasei Innovation Partners, Inc.等)及び関連会社(南陽化成㈱等)は、当期純損益(持分相当額)及び利益剰余金(持分相当額)等が連結財務諸表に及ぼす影響が軽微であり、かつ全体としても重要性がないため、持分法の適用範囲から除外しています。
(4) 持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度に係る財務諸表を使用しています。
3 連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社のうち、Thai Asahi Kasei Spandex Co., Ltd.、杭州旭化成アンロン有限公司、杭州旭化成紡織有限公司、旭化成国際貿易(上海)有限公司、Sage Automotive Interiors Poland SP. Z.O.O.、Sage Tunisia S.a.r.l.、European Interior S.R.L.、Sage Automotive Interiors de Mexico, S. de R.L. de C.V.、SAGE DE SAN LUIS POTOSÍ S.A. DE C.V.、Sage Automotive Interiors Limited、Sage Brasil Interiores Automotive Industria e Comercio, Ltda.、Sage-ONF Automotive Interior Material (Jiangsu) Co., Ltd、Sage Automotive Interiors (GuangZhou) Co., Ltd.、Sage Automotive Interiors (Thailand) Co., Ltd.、Sage ONF Automotive Interior Materials Chihuahua、Sage Automotive Services S. de R.L. de C.V.、Limited Liability Company Sage Automotive Interiors Rus、Sage Automotive Interiors El Paso, Inc.、Sage Automotive Interiors de Juarez S. De R.L De C.V.、Asahi Kasei Chemicals Korea Co., Ltd.、旭化成ポリアセタール(張家港)有限公司、ASAHI KASEI PLASTICS MEXICO, S.A. DE C.V.、旭化成塑料(上海)有限公司、旭化成塑料(香港)有限公司、旭化成塑料(広州)有限公司、旭化成塑料(常熟)有限公司、旭化成精細化工(南通)有限公司、旭化成分離膜装置(杭州)有限公司、旭化成電子材料(蘇州)有限公司、旭化成電子材料(常熟)有限公司、Celgard (Shanghai) Materials Technology Co., Ltd.、Daramic Tianjin PE Separator Co., Ltd.、Daramic Separadores de Baterias Ltda.、Daramic Xiangyang Battery Separator Co., Ltd.、Polypore Hong Kong, Limited、Polypore (Shanghai) Membrane Products Co., Ltd.、PPO Energy Storage Materials HK, Ltd、Polypore (Shanghai) Trading Co., Ltd.、Senseair Chengdu Gas Sensors Co., Ltd、旭化成医療機器(杭州)有限公司、旭化成生物工程(上海)有限公司、ZOLL Medical (Shanghai) Co. Ltd.、Suzhou ZOLL Medical Technology Co., Ltd、ZOLL Medical Switzerland AG、PT ZOLL Medical Indonesia、ZOLL Latin America S.A.、I.M.E. 2016 BV、Itamar Medical RPM Ltd.、Acutronic Medical Systems AG、imtmedical AG、imtmedical Pte Ltd、Bionique Testing Laboratories LLC、旭化成(中国)投資有限公司、旭化成マイクロデバイス中国有限公司、旭化成科貿(上海)有限公司の決算日は、いずれも12月31日です。連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日現在で仮決算を行った財務諸表を基礎としています。
4 会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
① 有価証券
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は主として移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
主として移動平均法による原価法
② デリバティブ
時価法
③ 棚卸資産
主として総平均法による原価法
ただし、販売用土地及び住宅については個別法による原価法
(連結貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
① 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
建物及び構築物 7~60年
機械装置及び運搬具 2~22年
② 無形固定資産(リース資産を除く)
ソフトウェア(自社利用)については、社内における利用可能期間(主として5年)に基づく定額法
その他の無形固定資産は主として定額法
③ リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法
(3) 重要な引当金の計上基準
① 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるために、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。
② 株式給付引当金
株式交付規程に基づく取締役等への当社株式等の給付に備えるため、当連結会計年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
③ 修繕引当金
設備の修繕に伴う費用の支出に備えるため、その見込額のうち当連結会計年度末において発生していると認められる額を計上しています。
④ 製品保証引当金
将来の製品保証費用の支出に備えるため、過去の補償費用発生実績に基づき計上しています。
⑤ 固定資産撤去費用引当金
固定資産の撤去工事に伴う費用の支出に備えるため、その見込額を計上しています。
(4) 退職給付に係る会計処理の方法
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として10年)による定額法によりそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理しています。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として10年)による定額法により費用処理しています。
③ 小規模企業等における簡便法の採用
一部の連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しています。
(5) 重要な収益及び費用の計上基準
当社グループは、「マテリアル」セグメント、「住宅」セグメント、「ヘルスケア」セグメントの製品の販売、請負工事、サービスの提供等を主な事業としています。
製品の販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、顧客に引き渡された時点で収益を認識しています。ただし、出荷時から製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である国内販売については、出荷時点で収益を認識しています。
工事契約やサービスについては、一定の期間にわたり充足される履行義務の要件を満たす場合には、一定の期間にわたり収益を認識しています。また、工事契約の履行義務の充足に係る進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合に基づいて行っています。
収益は顧客との契約において約束された対価から、返品、値引き及び割戻し等を控除した著しい減額が生じない可能性が高い範囲内の金額で算定しています。
なお、取引の対価は、履行義務を充足してから主として1年以内に受領しているため、重要な金融要素は含んでいません。
(6) 重要な外貨建の資産又は負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、連結決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。なお、在外子会社等の資産及び負債は連結決算日の直物為替相場により、収益及び費用は期中平均相場により円貨に換算し、換算差額は純資産の部における為替換算調整勘定及び非支配株主持分に含めています。
(7) 重要なヘッジ会計の方法
① ヘッジ会計の方法
主として繰延ヘッジ処理を採用しています。
なお、金利スワップについては特例処理の要件を満たしている場合は特例処理を採用しています。
② ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段 ヘッジ対象
為替予約 外貨建金銭債権債務(予定取引を含む)
金利スワップ 支払利息
③ ヘッジ方針
当社及び一部の連結子会社においては、デリバティブ取引に関する社内規程に基づき、為替レートの変動リスク及び金利変動リスクを回避することを目的としています。
④ ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ手段及びヘッジ対象に関する重要な条件が同一であり、かつ、ヘッジ開始時及びその後も継続して相場変動又はキャッシュ・フロー変動を完全に相殺するものと想定することができるため、ヘッジ有効性の判定は省略しています。
(8) のれんの償却方法及び償却期間
のれんの償却については、その効果の及ぶ合理的な期間で均等償却を行っています。ただし、重要性のないものについては一括償却しています。負ののれんについては、当該負ののれんが生じた連結会計年度の利益として処理しております。
(9) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。
(10) その他連結財務諸表作成のための重要な事項
該当事項はありません。
(重要な会計上の見積り)
前連結会計年度(2024年3月31日)
1.マテリアルセグメントの固定資産に関する減損の兆候、認識及び測定
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、資産グループについて、営業活動から生ずる損益の継続的なマイナスや、使用範囲又は方法について回収可能価額を著しく低下させる変化、経営環境の著しい悪化等の事象が生じているか、又は生じる見込みである場合には、減損の兆候を識別しています。
基盤マテリアル事業を中心にマテリアルセグメントの業績が近年、悪化傾向にあり、既存事業において「戦略的再構築事業」の戦略の見直しや「抜本的事業構造転換」の方針に基づき、構造転換を検討しています。このような経営環境の中、マテリアルセグメントにおいて、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなっている資産グループを構成する事業が存在しており、当該資産グループについて、減損の兆候を識別しています。
当社が営む環境ソリューション事業のうち石油化学製品事業、及びモビリティ&インダストリアル事業のうち合成樹脂事業などの、エチレンセンターを起点に主原材料の社内供給関係にある事業を汎用石化・樹脂資産グループとしてグルーピングしています。当該資産グループの製品について、当連結会計年度において、中国市場を中心とした需要の低迷及び中国におけるエチレンをはじめとする各種石油化学製品の生産能力の拡大に起因した製品の需給バランスの悪化により、製品の販売数量の減少や市況の下落が生じ、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなったことから、減損の兆候を識別しています。当該資産グループについて減損損失の認識の要否を判定した結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を下回ったため、当連結会計年度において58,381百万円の減損損失を計上しています。
また、汎用石化・樹脂資産グループ以外で減損の兆候を識別した資産グループにおいて、減損損失の認識が必要と判定した再生繊維事業などの一部の資産グループについて、減損損失を計上しています。その結果、当連結会計年度においてマテリアルセグメント合計で92,389百万円の減損損失を計上しています。
減損損失の認識の判定及び測定に用いる将来キャッシュ・フローは取締役会により承認された事業計画を基礎としており、製品の需給バランスの見通しに基づく、販売数量や販売価格、原料価格の見通しといった経営者による重要な判断を伴う仮定が含まれています。また、使用価値の見積りに用いる割引率は10%~13.9%を採用しており、加重平均資本コストに貨幣の時間価値と将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクを反映して決定しています。
減損損失の認識及び測定に用いた仮定は、見積りの不確実性の程度が高く、前提とした状況が変化すれば、翌連結会計年度の連結財務諸表において、減損損失を認識する可能性があります。
2.Polypore International, LLCの固定資産に関する減損の認識等
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
Polypore International, LLC(Polypore International, LPより組織変更)の固定資産について、前連結会計年度にのれん及びその他の無形固定資産を対象として、186,376百万円の減損損失を計上しました。
当連結会計年度において、Polypore International, LLCのリチウムイオン電池用乾式セパレータについて、生産面での課題の改善に遅れが生じたことや、環境対応車用途及び三元系(NMC)正極を使用したエネルギー貯蔵システム(ESS)用途の需要低迷により、継続して営業損失が計上され、Polypore International, LLCの資産グループに減損の兆候を識別していますが、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回っているため、減損損失は認識していません。
Polypore International, LLCの割引前将来キャッシュ・フローは、取締役会により承認された事業計画を基礎としており、乾式セパレータの高出力・高耐久性といった特長が活かせるハイブリッド車向けリチウムイオン電池市場における販売数量の増加や、リン酸鉄リチウム(LFP)系の正極を使用したエネルギー貯蔵システム(ESS)向けリチウムイオン電池の北米需要獲得等の計画を考慮して見積られた将来の売上予測といった重要な仮定が含まれています。
これらの仮定に変動が生じた場合は、翌連結会計年度の連結財務諸表における減損の認識に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度(2025年3月31日)
1.マテリアルセグメントの固定資産に関する減損
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、資産グループについて、営業活動から生ずる損益の継続的なマイナスや、使用範囲又は方法について回収可能価額を著しく低下させる変化、経営環境の著しい悪化等の事象が生じているか、又は生じる見込みである場合には、減損の兆候を識別しています。
セパレータ事業や石油化学関連製品を扱う基盤マテリアル事業を含むマテリアルセグメントの業績は、リチウムイオン電池の主たる用途である電気自動車市場の成長遅延や石油化学製品の需給バランスの悪化等に起因して低迷しています。このような経営環境の中、マテリアルセグメントにおいて、継続的に営業損益がマイナスとなっている資産グループを構成する事業が存在しており、減損損失の認識の要否の判定をしています。
減損損失の認識の判定に用いる将来キャッシュ・フローは取締役会により承認された当社グループの中期経営計画の前提となった数値を基礎としており、将来の電気自動車市場の成長やシェアの獲得、石油化学製品の需給バランスの見通しに基づく、販売数量や販売価格、原料価格の見通し等の重要な仮定が含まれています。
減損損失の認識の判定に用いた仮定は、見積りの不確実性の程度が高く、前提とした状況が変化すれば、翌連結会計年度の連結財務諸表において、減損損失を認識する可能性があります。
2.Polypore International, LLCの固定資産に関する減損
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
Polypore International, LLCの固定資産について、2023年3月期にのれん及びその他の無形固定資産を対象として、186,376百万円の減損損失を計上しました。
当連結会計年度において、Polypore International, LLCのリチウムイオン電池用乾式セパレータについて、乾式セパレータの高出力・高耐久性といった特長が活かせるハイブリッド車用途での販売を着実に伸ばしている一方、その他の環境対応車用途や三元系(NMC)正極を使用したエネルギー貯蔵システム(ESS)用途の販売低迷による低水準の稼働継続により、継続して営業損失が計上され、Polypore International, LLCの資産グループに減損の兆候を識別しています。減損損失の認識の要否を判定した結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回っているため、減損損失は認識していません。
Polypore International, LLCの割引前将来キャッシュ・フローは、取締役会により承認された当社グループの中期経営計画の前提となった数値を基礎としており、環境対応車及びリン酸鉄リチウム(LFP)系の正極を使用したエネルギー貯蔵システム(ESS)向けリチウムイオン電池の需要獲得等の計画を考慮して見積られた将来の売上予測といった重要な仮定が含まれています。
これらの仮定に変動が生じた場合は、翌連結会計年度の連結財務諸表における減損の認識に影響を与える可能性があります。
3.Bionova Scientific, LLCの買収により認識されたのれんを含む固定資産に関する減損
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、のれんの減損の兆候の識別、減損損失の認識の判定及び測定は、事業に関連する資産グループにのれんを加えた、より大きな単位で行います。
当連結会計年度において、主にバイオベンチャーへの資金流入の減少による需要の低迷等により、継続して営業損失が計上され、Bionova Scientific, LLCの資産グループに減損の兆候を識別していますが、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を上回っているため、減損損失は認識していません。
Bionova Scientific, LLCの割引前将来キャッシュ・フローは、取締役会により承認された当社グループの中期経営計画の前提となった数値を基礎としており、Bionova Scientific, LLCの事業の成長性を考慮して、将来の顧客パイプラインの獲得、バイオ医薬品の開発製造の受託件数の増加及びプラスミド製造開始による売上高の増加等の重要な仮定が含まれています。
これらの仮定に変動が生じた場合は、翌連結会計年度の連結財務諸表における減損の認識に影響を与える可能性があります。
4.Calliditas Therapeutics ABの買収により取得した技術関連資産の企業結合日時点における時価の見積り
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、企業結合の結果取得した無形固定資産の企業結合日時点における時価について、コスト・アプローチ、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチなどの合理的に算定された価額を基礎として算定しています。当社グループは当連結会計年度に、現金167,810百万円を対価とした取引によりCalliditas Therapeutics AB を完全子会社化し、企業結合日時点において存在していた事実及び状況に基づき識別した技術関連資産の時価を超過収益法により算定し、技術関連資産166,242百万円を計上しています。
当買収の目的は、Calliditas Therapeutics ABが保有するIgA腎症治療薬、事業資産及び人財の活用によってポテンシャルを最大限に活かし、グローバルスペシャリティファーマとしての進化を加速することに加えて、米国での腎疾患及び自己免疫疾患における販売体制の拡充により米国市場でのプレゼンスを確立すること、グローバルスペシャリティファーマとしてのプラットフォームを活用し新たな医薬品や開発パイプラインの導入機会を拡充することにあります。当該技術関連資産の企業結合日時点における時価の見積りにあたっては、将来キャッシュ・フローに含まれる競合品・後発品等参入リスクを踏まえた将来の販売数量及び技術関連資産に対する割引率の決定が重要な仮定として使用されており、仮定に含まれる見積りの不確実性が高い状況にあります。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号)
ほか、関連する企業会計基準、企業会計基準適用指針、実務対応報告及び移管指針の改正
(1) 概要
国際的な会計基準と同様に、借手のすべてのリースについて資産・負債を計上する等の取扱いを定めるものです。
(2) 適用予定日
2028年3月期の期首より適用予定です。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当連結財務諸表の作成時において評価中です。
(表示方法の変更)
連結貸借対照表関係
前連結会計年度において、無形固定資産の「その他」に含めていた「技術関連資産」は、重要性が増加したため、当連結会計年度より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。この結果、前連結会計年度の連結貸借対照表において、無形固定資産の「その他」に表示していた394,052百万円を「技術関連資産」146,643百万円及び「その他」247,409百万円として組替えています。
連結損益計算書関係
前連結会計年度において、営業外費用の「その他」に含めていた「為替差損」は、営業外費用の総額の100分の10を超えたため、当連結会計年度より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において、営業外費用の「その他」に表示していた22,766百万円を「為替差損」2,786百万円及び「その他」19,980百万円として組替えています。
(連結貸借対照表関係)
※1 非連結子会社及び関連会社に対するものは、次のとおりです。
※2 担保に供している資産及び担保付債務は、次のとおりです。
担保資産
担保付債務
上記のほか、前連結会計年度においては114百万円、当連結会計年度においては113百万円の現金及び預金を銀行保証債務の担保として差し入れています。また、前連結会計年度において56百万円、当連結会計年度において53百万円の投資有価証券を取引保証金として取引先に差し入れています。
※3 受取手形、売掛金及び契約資産のうち、顧客との契約から生じた債権及び契約資産の金額は、それぞれ以下のとおりです。
4 偶発債務
(1) 下記会社等の銀行借入等に対し、次の保証を行っています。
① 非連結子会社・関連会社
保証残高は、他社との共同保証による実質他社負担額も含めて記載しています。( )内の金額は実質他社負担額です。
② 上記会社以外
保証残高は、他社との共同保証による実質他社負担額も含めて記載しています。( )内の金額は実質他社負担額です。
(2) 住宅ローン利用による「ヘーベルハウス™」等の購入者のために金融機関に対し保証を行っています。
保証残高は前連結会計年度が35,359百万円(うち、実質他社負担額131百万円)、当連結会計年度が42,331百万円(うち、実質他社負担額37百万円)です。
(3) 訴訟
2017年11月28日に、三井不動産レジデンシャル株式会社は、当社子会社の旭化成建材㈱(以下、「旭化成建材」)が二次下請として施工した横浜市所在のマンション(以下、「本件マンション」)の杭工事において、一部不具合が懸念されること等により本件マンションの建て替え費用等を負担したとして、本件マンション施工会社である三井住友建設株式会社、一次下請会社である株式会社日立ハイテク及び旭化成建材の3社に対して損害賠償を請求する訴訟を東京地方裁判所に提起しました。また、当該訴訟に関連して、三井住友建設株式会社及び株式会社日立ハイテクが損害賠償責任を負担した場合の損害について、旭化成建材に対して請求するための訴訟を提起しました。
従来より旭化成建材は、三井不動産レジデンシャル株式会社、三井住友建設株式会社及び株式会社日立ハイテクの請求には根拠がないと考えており、引き続き訴訟においてその考えを主張していきます。
※5 有形固定資産の取得価額から国庫補助金等により減額されている圧縮記帳累計額は、次のとおりです。
※6 連結会計年度末日満期手形
期末日満期手形の会計処理については、満期日に決済が行われたものとして処理しています。
なお、前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、次の期末日満期手形を満期日に決済が行われたものとして処理しています。
※7 当社グループは、ナイロン原料を安定的に調達するため、原料メーカーとの間で長期購入契約を締結しています。当該契約に則りその一部について前渡金を支払っています。
(連結損益計算書関係)
※1 顧客との契約から生じる収益
売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載していません。顧客との契約から生じる収益の金額は、「収益認識関係」注記に記載しています。
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目の金額は、次のとおりです。
※3 一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費は、次のとおりです。
※4 期末棚卸高は収益性の低下に伴う簿価切下げ後の金額であり、以下の棚卸資産評価損(△は戻入益)が売上原価に含まれています。
※5 持分法による投資損失
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
連結決算において持分法適用関連会社であるPTT Asahi Chemical Co., Ltd.の固定資産について減損損失を計上したことなどに伴い、同社に対する持分法による投資損失41,663百万円を計上しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
持分法適用関連会社であるPTT Asahi Chemical Co., Ltd.において事業撤退に係る損失を計上したことなどに伴い、同社に対する持分法による投資損失9,877百万円を計上しています。
※6 固定資産売却益の内容は、次のとおりです。
※7 固定資産処分損の内容は機械装置等の廃棄・売却損等です。
機械装置等の廃棄・売却に関しては、設備一式について一括契約しているものがあります。
※8 減損損失
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
以下の資産について、減損損失を計上しています。
(注) 汎用石化・樹脂資産グループに関連する設備には、環境ソリューション事業のうち石油化学製品の製造設備、及びモビリティ&インダストリアル事業のうち合成樹脂及びその原料の製造設備などが含まれます。
当社グループは、事業用資産については管理会計上の区分を基礎として製造工程、地域性、投資の意思決定単位等を加味してグルーピングを行っています。遊休資産については個別の資産単位毎に把握しています。
汎用石化・樹脂資産グループに関連する設備、再生繊維製造設備の一部、ガスセンサ事業に関連するのれん他、合成繊維製造設備(滋賀県守山市、宮崎県延岡市 他)、不織布製造設備、化学品原料製造設備及び発泡樹脂製造設備については、収益性が低下したため、帳簿価額を回収可能価額まで減額しました。回収可能価額は、使用価値等により測定しており、使用価値は将来キャッシュ・フローを10%~13.9%で割り引いて算定し、将来キャッシュ・フローがマイナスと見込まれる資産については、回収可能価額を零として評価しています。
また、合成樹脂原料製造設備(Ulsan, Korea及びKuala Lumpur, Malaysia)、再生繊維製造設備の一部、発電用設備及び事務所・試験用設備については、将来の使用見込みがなくなったため、帳簿価額の全額を減額しました。
なお、その他のうち564百万円については、特別損失の「事業構造改善費用」に含めて表示しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
以下の資産について、減損損失を計上しています。
当社グループは、事業用資産については管理会計上の区分を基礎として製造工程、地域性、投資の意思決定単位等を加味してグルーピングを行っています。遊休資産については個別の資産単位ごとに把握しています。
エレクトロニクス材料製造設備、化学品原料製造設備、発泡樹脂製造設備及び電池材料製造設備(Pyeongtaek, Korea)については、収益性が低下したため、帳簿価額を回収可能価額まで減額しました。回収可能価額は、使用価値等により測定しており、使用価値は将来キャッシュ・フローを10.0%~10.6%で割り引いて算定し、将来キャッシュ・フローがマイナスと見込まれる資産については、回収可能価額を零として評価しています。
また、電池材料製造設備(Kentucky, U.S.A.)については、サプライチェーンの効率化に伴い生産体制を見直し、一部製造ラインの廃棄を決定したため、電池材料製造設備(滋賀県守山市 他)、研究開発設備及び輸血用白血球除去フィルター製造設備については、将来の使用見込みがなくなったため、帳簿価額の全額を減額しました。
なお、その他のうち183百万円については、特別損失の「事業構造改善費用」に含めて表示しています。
※9 事業構造改善費用の内容は、次のとおりです。
※10 法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当社は連結子会社であるAsahi Kasei Energy Storage Materials, Inc.(以下「AKESM」)の株式の全てを、同じく当社の連結子会社であるAsahi Kasei Holdings US, Inc.に譲渡しました。
本株式譲渡に関連し、前連結会計年度のAKESMへの投資に係る将来減算一時差異が税務上損金算入されることから、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額として66,351百万円(益)を計上しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
(連結包括利益計算書関係)
※1 その他の包括利益に係る組替調整額並びに法人税等及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注) 1 普通株式の自己株式の株式数の増加12千株は、単元未満株式の買取りによる増加12千株です。
2 普通株式の自己株式の株式数の減少114千株は、取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する株式の処分による減少114千株、単元未満株式の売渡しによる減少0千株です。
3 当連結会計年度末の自己株式数には、取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式1,662千株が含まれています。
2 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注) 1 配当金の総額には、取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金32百万円が含まれています。
2 配当金の総額には、取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金30百万円が含まれています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注) 配当金の総額には、取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金30百万円が含まれています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注) 1 普通株式の発行済株式の株式数の減少は、取締役会決議に基づく自己株式の消却による減少28,180千株です。
2 普通株式の自己株式の株式数の増加28,189千株は、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加28,180千株、単元未満株式の買取りによる増加9千株です。
3 普通株式の自己株式の株式数の減少28,268千株は、取締役会決議に基づく自己株式の消却による減少28,180千株、取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する株式の処分による減少88千株、単元未満株式の売渡しによる減少0千株です。
4 当連結会計年度末の自己株式数には、取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式1,574千株が含まれています。
2 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注) 1 配当金の総額には、取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金30百万円が含まれています。
2 配当金の総額には、取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金28百万円が含まれています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注) 配当金の総額には、取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式に対する配当金31百万円が含まれています。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※1 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
※2 持分及び株式の取得により新たに連結子会社となった会社の資産及び負債の主な内訳
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
持分の取得により新たにODC Construction, LLC及びその連結子会社5社を連結したことに伴う連結開始時の資産及び負債の内訳並びに同社持分の取得価額と同社取得のための支出(純額)との関係は次のとおりです。
株式の取得により新たにCalliditas Therapeutics AB及びその連結子会社5社を連結したことに伴う連結開始時の資産及び負債の内訳並びに同社株式の取得価額と同社取得のための支出(純額)との関係は次のとおりです。
※3 事業の譲渡により減少した資産及び負債の主な内訳
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
フォトマスク用ペリクル事業を譲渡したことにより減少した資産及び負債の内訳並びに事業譲渡による収入(純額)は次のとおりです。
(リース取引関係)
1 所有権移転外ファイナンス・リース取引、IFRS第16号適用の在外子会社及びASC第842号適用の在外子会社における使用権資産
(借主側)
(1) リース資産の内容
① 有形固定資産
主として、使用権資産(建物・土地・製造関連設備)です。
なお、使用権資産は当連結会計年度の連結貸借対照表において「その他」に含めて表示しています。
② 無形固定資産
ソフトウェアです。
(2) リース資産の減価償却の方法
前述の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項 (2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法 ③ リース資産」注記に記載のとおりです。
2 オペレーティング・リース取引
(借主側)
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(単位:百万円)
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社グループは、主に設備投資計画から必要な長期資金については銀行借入、生命保険会社からの借入及び社債発行等で調達しています。余剰資金の一部は安全性の高い金融資産に限定して運用し、短期的な運転資金については銀行借入及びコマーシャル・ペーパー等で調達しています。デリバティブは主に為替及び金利の変動リスクに晒されている資産・負債に係るリスクを軽減することを目的として利用しており、投機目的の取引はありません。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク並びにリスク管理体制
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されています。当該リスクに関しては、当社グループの事業は多岐にわたっており、特定の顧客に営業債権が過度に集中することはありませんが、グループ各社において、取引先ごとの信用状況を把握、管理する体制にしています。
投資有価証券は、市場価格の変動リスクに晒されていますが、政策保有を目的とする取引先企業等の株式が主なものであり、定期的に時価を評価し、発行体の財務状況を把握しています。
営業債務である支払手形及び買掛金は、概ね1年以内の支払期日です。
変動金利の借入金は、金利の変動リスクに晒されていますが、このうち長期のものの一部については、支払利息の固定化を図るために、デリバティブ取引(金利スワップ取引)をヘッジ手段として利用しています。
営業債権及び営業債務には円貨建て以外のものがあり、為替の変動リスクに晒されています。当社グループは、為替の変動による影響を軽減するため、原則として実需の範囲内でデリバティブ取引(為替予約取引)によるヘッジを行っています。なお、ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、前述の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項 (7) 重要なヘッジ会計の方法」をご参照ください。
デリバティブ取引は、取引金融機関の信用リスクに晒されていますが、定期的なモニタリングにより、信用状況の検証をしています。また、当該取引に関する取引権限、取引手続、取引限度等を定めた社内規程に則り、執行・管理しています。
借入金は、流動性リスクに晒されていますが、当社は当社グループの資金計画から必要な手元資金水準を定め、適時、資金繰計画を作成・更新するとともに、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結し、当該リスクを管理しています。
(3) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することもあります。また、「2 金融商品の時価等に関する事項」におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりです。
前連結会計年度(2024年3月31日)
(*1) 現金は注記を省略しており、預金、受取手形及び売掛金、支払手形及び買掛金、短期借入金、コマーシャル・ペーパー及び未払法人税等は短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似することから注記を省略しています。
(*2) 市場価格のない株式等は、「(1) 投資有価証券」には含めていません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりです。
(単位:百万円)
(*3) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については( )で示しています。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(*1) 現金は注記を省略しており、預金、受取手形及び売掛金、支払手形及び買掛金、短期借入金、コマーシャル・ペーパー及び未払法人税等は短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似することから注記を省略しています。
(*2) 市場価格のない株式等は上表には含めていません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりです。
(単位:百万円)
(*3) 「(2) 長期貸付金」には、流動資産の「その他」に含めて表示している1年内回収予定の長期貸付金を含めています。
(*4) 「(4) 長期借入金」には、流動負債の「短期借入金」に含めて表示している1年内返済予定の長期借入金を含めています。
(*5) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については( )で示しています。
(注) 1 金銭債権及び満期がある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
2 社債、長期借入金、リース債務及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1の時価:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した時価
レベル2の時価:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:重要な観察できないインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しています。
なお、現金は注記を省略しており、預金、受取手形及び売掛金、支払手形及び買掛金、短期借入金、コマーシャル・ペーパー及び未払法人税等は短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似することから下記分類には含めていません。
時価をもって連結貸借対照表計上額とする金融資産及び金融負債
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
時価をもって連結貸借対照表計上額としない金融資産及び金融負債
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注) 時価の算定に用いた評価技法とインプットの説明
(有価証券関係)
1 その他有価証券
前連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 非上場株式(連結貸借対照表計上額79,895百万円)及び出資証券(連結貸借対照表計上額618百万円)は、市場価格のない株式等に該当するため、上表の「その他有価証券」には含めていません。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注) 非上場株式(連結貸借対照表計上額82,905百万円)及び出資証券(連結貸借対照表計上額1,310百万円)は、市場価格のない株式等に該当するため、上表の「その他有価証券」には含めていません。
2 連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 上表の「その他有価証券」には、時価評価されていない株式が含まれています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 上表の「その他有価証券」には、時価評価されていない株式が含まれています。
3 減損処理を行った有価証券
前連結会計年度において、投資有価証券について1,773百万円(関係会社株式7百万円、その他有価証券の株式1,739百万円、その他有価証券の転換社債等27百万円)減損処理を行っています。
当連結会計年度において、投資有価証券について2,286百万円(その他有価証券の株式2,226百万円、その他有価証券の転換社債等60百万円)減損処理を行っています。
(デリバティブ取引関係)
1 ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
通貨関連
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
2 ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
(1) 通貨関連
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(2) 金利関連
前連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載しています。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注) 金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載しています。
(退職給付関係)
1 採用している退職給付制度の概要
当社及び連結子会社は、確定給付型の制度として退職一時金制度、基金型確定給付企業年金制度、並びに確定拠出型の制度を採用又は併用しています。
従業員の退職等に際して、退職給付会計に準拠した数理計算による退職給付債務の対象とされない割増退職金を支払う場合があります。
なお、一部の連結子会社は、退職給付債務の算定にあたり、簡便法を採用しています。
2 確定給付制度(簡便法を適用した制度を含む)
(1) 退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表
(単位:百万円)
(2) 年金資産の期首残高と期末残高の調整表
(単位:百万円)
(3) 退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資
産の調整表
(単位:百万円)
(4) 退職給付費用及びその内訳項目の金額
(単位:百万円)
(5) 退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりです。
(単位:百万円)
(6) 退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりです。
(単位:百万円)
(7) 年金資産に関する事項
① 年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりです。
(注) オルタナティブ投資は、主に不動産、プライベートエクイティ、ヘッジファンド等への投資です。
② 長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しています。
(8) 数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎
3 確定拠出制度
当社及び連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は、前連結会計年度8,662百万円、当連結会計年度8,995百万円です。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(注) 税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度(2024年3月31日)
(*1) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。
(*2) 税務上の繰越欠損金92,477百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産55,177百万円を計上しています。これは将来の課税所得の見込みにより回収可能と判断したためです。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(*3) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。
(*4) 税務上の繰越欠損金68,553百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産35,120百万円を計上しています。これは将来の課税所得の見込みにより回収可能と判断したためです。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社及び一部の国内連結子会社は、グループ通算制度を適用しています。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
4 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立し、2026年4月1日以降に開始する連結会計年度から防衛特別法人税が課税されることとなりました。
これに伴い、当連結会計年度の繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、2026年4月1日に開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異については、前連結会計年度のものから変更されています。
この税率変更により、当連結会計年度の繰延税金資産の金額(繰延税金負債の金額を控除した金額)は1,490百万円増加し、法人税等調整額(貸方)が1,937百万円、その他有価証券評価差額金(借方)が447百万円、それぞれ増加しています。
(企業結合等関係)
1 米国ODC Construction, LLCの持分の取得について
当社の連結子会社である旭化成ホームズ㈱(以下、「旭化成ホームズ」)は、旭化成ホームズの米国子会社を通じて、住宅の建築工事を請負うサブコントラクター、ODC Construction, LLC(本社:米国フロリダ州、CEO:Tony Hartsgrove、以下「ODC社」)の持分100%を取得する契約を2024年8月6日(米国東部時間)に締結し、2024年8月29日(米国東部時間)に当該持分の取得を完了しました。
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称 ODC Construction, LLC
事業の内容 米国フロリダ州の住宅建築における躯体施工、基礎施工等
② 企業結合を行った主な理由
旭化成ホームズは、国内事業の強化とともに、今後の成長を担う事業として「北米・豪州住宅」を掲げており、旭化成グループの『中期経営計画 2024 ~Be a Trailblazer~』においても、グループの次なる成長を牽引する事業である10のGrowth Gear“GG10”の一つに位置付けています。
北米住宅事業のホールディングカンパニーであるSynergos Companies LLC(以下、「Synergos」)グループは、建築部材を手掛けるErickson Framing Operations LLCやFocus Companies LLC、基礎・電気・空調設備工事を行うAustin Companies LLC、そして配管工事を行うBrewer Companies LLCといった建築工程の中核となるサブコントラクターを統合し、アリゾナ州・ネバダ州を中心に、建築工程の管理手法を強みに施工の効率化や品質向上を推進しています。
労働力不足や長い工事期間、建築費の上昇により建築現場の合理化とコスト削減のニーズが高まる中、これらに応えることによってSynergosの業績は堅調に推移しており、新たなエリア拡大の機会を検討してきました。
今回のODC社の買収を機に、フロリダ州に事業を拡大します。フロリダ州の新築住宅許可件数は全米50州中第2位(2023年)で、今後も堅調な住宅需要が想定されます。
ODC社は躯体やコンクリート基礎工事を手掛ける、フロリダ州最大のサブコントラクターの一つです。同社は旭化成ホームズが今回事業を拡大するフロリダ州に強力な事業基盤を有するほか、施工管理システムの運用など効率的な事業モデルを追求しています。今後は互いの知見・ノウハウを相互活用することによってシナジーを創出し、一層の施工の効率化と品質向上を目指します。
③ 企業結合日
2024年8月29日
④ 企業結合の法的形式
現金を対価とした持分の取得
⑤ 結合後企業の名称
ODC Construction, LLC
⑥ 取得した議決権比率
企業結合直前に所有していた議決権比率 0%
取得後の議決権比率 100%
⑦ 取得企業を決定するに至った主な根拠
当社の連結子会社による、現金を対価とした持分の取得であるため。
(2) 連結財務諸表に含まれている被取得企業の業績の期間
2024年8月30日から2025年3月31日まで
(3) 被取得企業の取得原価及び対価の種類ごとの内訳
(4) 主要な取得関連費用の内容及び金額
アドバイザリー費用等 662百万円
(5) 発生したのれんの金額、発生原因、償却方法及び償却期間
① 発生したのれんの金額
16,972百万円
② 発生原因
期待される将来の収益力に関連して発生したものです。
③ 償却方法及び償却期間
20年間にわたる均等償却
(6) 企業結合日に受け入れた資産及び引き受けた負債の額並びにその主な内訳
(7) のれん以外の無形固定資産に配分された金額及びその主要な種類別の内訳並びに全体及び主要な種類別の加重平均償却期間
① 無形固定資産に配分された金額及びその主要な種類別の内訳
② 全体及び主要な種類別の加重平均償却期間
(8) 企業結合が当連結会計年度の開始の日に完了したと仮定した場合の当連結会計年度の連結損益計算書に及ぼす影響の概算額及びその算定方法
重要性が乏しいため、記載を省略しています。なお、当該注記は監査証明を受けていません。
2 スウェーデン製薬企業Calliditas Therapeutics ABの株式の取得について
当社は、スウェーデンの製薬企業である Calliditas Therapeutics AB(本社:スウェーデン ストックホルム、CEO:Renée Aguiar-Lucander、以下、「Calliditas社」)に対し、Calliditas社を買収すること(以下、「本買収」)を目的に、当社による株式公開買付(以下、「本公開買付」)を行うことを決議し、2024年9月2日(スウェーデン時間)をもって本公開買付けを完了しました。また、その後当社がスウェーデン法に従って実施したスクイーズアウトの手続きにより、Calliditas社は当社の100%連結子会社になりました。
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称 Calliditas Therapeutics AB
事業の内容 医薬・医療関連製品の研究開発、製造、販売及び付随する事業
② 企業結合を行った主な理由
当社は本買収を通じて、Calliditas社が保有する事業資産や人財の活用によってポテンシャルを最大限に活かし、グローバルスペシャリティファーマとしての進化を加速できると考えております。当社は、本買収により以下の実現を目指します。
• 米国での腎疾患及び自己免疫疾患における販売体制の拡充により、米国市場でのプレゼンスを確立する
• グローバルスペシャリティファーマとしてのプラットフォームを活用し、新たな医薬品や開発パイプラインの導入機会を拡充する
③ 企業結合日
2024年9月9日
④ 企業結合の法的形式
現金を対価とした株式の取得
⑤ 結合後企業の名称
Calliditas Therapeutics AB
⑥ 取得した議決権比率
企業結合直前に所有していた議決権比率 0%
取得後の議決権比率 100%
⑦ 取得企業を決定するに至った主な根拠
当社による、現金を対価とした株式取得であるため。
(2) 連結財務諸表に含まれている被取得企業の業績の期間
2024年10月1日から2025年3月31日まで
(3) 被取得企業の取得原価及び対価の種類ごとの内訳
(4) 主要な取得関連費用の内容及び金額
アドバイザリー費用等 3,220百万円
(5) 発生したのれんの金額、発生原因、償却方法及び償却期間
① 発生したのれんの金額
45,608百万円
② 発生原因
期待される将来の収益力に関連して発生したものです。
③ 償却方法及び償却期間
20年間にわたる均等償却
(6) 企業結合日に受け入れた資産及び引き受けた負債の額並びにその主な内訳
(7) のれん以外の無形固定資産に配分された金額及びその主要な種類別の内訳並びに全体及び主要な種類別の加重平均償却期間
① 無形固定資産に配分された金額及びその主要な種類別の内訳
② 全体及び主要な種類別の加重平均償却期間
(8) 企業結合が当連結会計年度の開始の日に完了したと仮定した場合の当連結会計年度の連結損益計算書に及ぼす影響の概算額及びその算定方法
重要性が乏しいため、記載を省略しています。なお、当該注記は監査証明を受けていません。
(追加情報)
連結子会社による会社分割及び株式の譲渡による診断薬事業などの長瀬産業への譲渡
当社の連結子会社である旭化成ファーマ㈱(以下「旭化成ファーマ」)は、診断薬事業、大仁医薬工場及び大仁統括センターを長瀬産業株式会社(本社:東京都千代田区、社長:上島 宏之、以下「長瀬産業」)へ譲渡すること(以下「本件譲渡」)等を内容とした最終契約を2024年9月24日付で締結しました。
(1) 事業分離の概要
① 分離先企業の名称
長瀬産業株式会社
② 分離した事業の内容
• 診断薬及び診断薬用酵素の製造、開発及び販売に関するすべての事業
• 大仁医薬工場(診断薬用酵素原料、及び「ブレディニン®」等の医薬品の原薬製造工場)
• 大仁統括センター(主に、診断薬事業及び大仁医薬工場を含む大仁地区全体のインフラ管理組織)
③ 事業分離を行った主な理由
当社グループでは、ヘルスケア領域において、医療機器などを扱うクリティカルケア事業の成長、医薬事業の継続的な拡大、バイオプロセス事業の発展による利益成長を目指しています。これらの大きな成長機会には継続的な集中投資が必要であり、将来の優先順位を決定するためにポートフォリオの見直しを行っています。その中で、旭化成ファーマは、診断薬事業(以下、「当該事業」)とのシナジーが発揮できる他社への譲渡、いわゆるベストオーナーの観点も含めた検討を慎重に行ってきました。その結果、当該事業は旭化成グループの傘下ではなく、バイオ関連事業の領域において高いプレゼンスや技術力を持ち、積極的な成長投資が可能な長瀬産業の傘下で事業を運営することが最も適切であり、当該事業の成長を最大化できるとの結論に至りました。
④ 事業分離日
2025年7月1日(予定)
⑤ その他取引の概要に関する事項
2025年7月1日(予定)を効力発生日として、本件譲渡に関する権利義務、及び大仁地区の土地と施設を、会社分割により旭化成ファーマが設立した子会社に承継させ、同日付で旭化成ファーマより長瀬産業に対しその子会社の全株式を譲渡します。
(2) 分離した事業が含まれていた報告セグメントの名称
ヘルスケア
(収益認識関係)
1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。
2 「住宅」セグメントにて、貸手のリースから生じる収益等の源泉から認識した収益133,819百万円を含めています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。
2 「住宅」セグメントにて、貸手のリースから生じる収益等の源泉から認識した収益142,453百万円を含めています。
2 顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項 (5) 重要な収益及び費用の計上基準」注記に記載のとおりです。
3 顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
(1) 契約資産及び契約負債の残高等
(単位:百万円)
契約資産は、主に請負工事に関する履行義務に係る当社グループの対価に関する権利であり、当該権利が無条件になった時点で債権に振り替えられます。また、契約負債は、主に請負工事に関して履行義務の充足の前に顧客から受領した前受金であり、履行義務の充足による収益の計上に伴い、取り崩されます。個々の契約により支払条件は異なるため、通常の支払期限はありません。
前連結会計年度において認識した収益のうち、期首の契約負債残高に含まれていたものは72,948百万円です。なお、前連結会計年度において契約資産及び契約負債の残高に重要な変動はありません。
当連結会計年度において認識した収益のうち、期首の契約負債残高に含まれていたものは83,034百万円です。なお、当連結会計年度において契約資産及び契約負債の残高に重要な変動はありません。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
残存履行義務に配分した取引価格の総額のうち、契約期間が1年超のものは主に「住宅」セグメントに関するものであり、以下の期間に収益の認識が見込まれています。なお、残存履行義務に配分した取引価格の注記にあたって実務上の便法を適用し、以下の注記の対象に含めていない当初に予想される契約期間が1年以内の契約が存在します。
(単位:百万円)
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、事業持株会社制を導入しており、事業持株会社である当社の下、製品・サービス別の3つの事業領域を設け、各事業領域の事業持株会社及び事業会社は、取り扱う製品について国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。
各報告セグメントに属する主要な事業内容及び主要な製品は、次のとおりです。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、前述の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」注記における記載と同一です。報告セグメントの利益は、営業損益です。
セグメント間の内部売上高又は振替高は、主に第三者間取引価格もしくは原価に適正利益を加味した価格に基づいています。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。
2 減価償却費には、のれんの償却額を含んでいません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。
2 減価償却費には、のれんの償却額を含んでいません。
4 報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(注) 全社費用等の主な内容は、各報告セグメントに配分していない全社収益、基礎研究費及びグループ会社の経営モニタリング費用等です。
(単位:百万円)
(注) 全社資産の主な内容は、当社の資産(余剰運用資金<現金及び預金>、長期投資資金<投資有価証券等>及び土地等)です。
(単位:百万円)
(注) 1 調整額は全社資産及びセグメント間取引消去によるものです。
2 減価償却費には、のれんの償却額を含んでいません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
「セグメント情報 3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報」をご参照ください。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2) 有形固定資産
(単位:百万円)
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
「セグメント情報 3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報」をご参照ください。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2) 有形固定資産
(単位:百万円)
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。
なお、2010年4月1日前に行われた企業結合により発生した負ののれんの償却額及び未償却残高については、該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業等を含んでいます。
なお、2010年4月1日前に行われた企業結合により発生した負ののれんの償却額及び未償却残高については、該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社の連結子会社であるZOLL Medical CorporationがVyaire Medical, Inc.の人工呼吸器事業を取得したことにより、「ヘルスケア」セグメントにおいて負ののれん発生益を2,218百万円計上しています。
【関連当事者情報】
1 関連当事者との取引
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
2 重要な関連会社に関する注記
重要な関連会社の要約財務諸表
当連結会計年度において、重要な関連会社はありません。なお、前連結会計年度において重要な関連会社であったPTT Asahi Chemical Co., Ltd.は重要性が乏しくなったため、当連結会計年度は記載を省略しています。
(単位:百万円)
(注) 上記は当社が算出したPTT Asahi Chemical Co., Ltd.の減損損失を同社の前連結会計年度末時点の財務諸表に反映した金額です。
(1株当たり情報)
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載していません。
2 1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりです。
5 取締役等向け株式交付信託に係る信託口が保有する当社株式は、1株当たり当期純利益金額の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含まれています(前連結会計年度1,695千株、当連結会計年度1,599千株)。
(重要な後発事象)
1 連結子会社による優先出資受入れ及び株式譲渡等による血液浄化事業のアイエーホールディングス株式会社への譲渡
当社は、2025年4月1日付で、当社の完全子会社である旭化成メディカル㈱(以下、「旭化成メディカル」)のバイオプロセス事業等を当社の完全子会社として設立した旭化成ライフサイエンス㈱(以下、「旭化成ライフサイエンス」)に承継し、透析・アフェレシス等の事業等(以下、「血液浄化事業」)を行う旭化成メディカルの株式を、インテグラル株式会社(代表取締役パートナー:山本 礼二郎、本社:東京都千代田区)が設立し、その関連会社が運営するファンド(以下、インテグラル株式会社とあわせて「インテグラル」)が保有する特別目的会社であるアイエーホールディングス株式会社(以下、出資会社)に譲渡しました。
(1) 事業分離の概要
① 分離先企業の名称
アイエーホールディングス株式会社
② 分離した事業の内容
• ダイアライザー(人工腎臓)及び関連商品の開発・製造・販売
• 血液浄化(アフェレシス)商品の開発・製造・販売
③ 事業分離を行った主な理由
血液浄化事業は、透析・アフェレシス関連製品の開発・製造・販売において50年の歴史を持ち、日本国内、海外のユーザーより高い評価を受ける製品群を供給しています。高付加価値製品として、透析領域においてビタミンEを固定化したダイアライザーや、アフェレシス領域において難病治療に使用される血漿交換療法用のデバイス、そのほかにも、患者の自己血由来の自己フィブリン糊を自動調製するクリオシールシステム等を提供しています。加えて、血液浄化事業で培った豊富な経験とノウハウを生かし、集中治療領域において患者さまや医療従事者の方々に多様な価値を提供する製品・サービスにも近年新たに事業を展開しています。当社では、本事業の継続的な成長のために選択し得る戦略的オプションを幅広く検討してきましたが、インテグラルより本事業の成長に対する強い意志に基づいた積極的な投資の提案があり、新たなパートナーのもとで、独立し、専業化したうえで、よりいっそう成長投資を強化していくことが本事業にとって重要であると判断しました。
④ 事業分離日
2025年4月1日
⑤ その他取引の概要に関する事項
Ⅰ 当社の完全子会社として、旭化成ライフサイエンスを設立しました。
Ⅱ 旭化成メディカルのバイオプロセス事業等を吸収分割により旭化成ライフサイエンスに承継しました。
Ⅲ インテグラルは出資会社を通じて旭化成メディカルに優先株式による出資を行い、当社は2025年4月1日に保有する旭化成メディカル株式の出資会社への譲渡等を行うことにより、旭化成メディカルの議決権保有割合を当社20%、出資会社80%としました。また、2027年4月頃をめどに残余株式の譲渡を実施し、出資会社の議決権保有割合を100%とします(出資会社の指定する者と共同での保有割合を100%とする場合を含む)。
(2) 実施した会計処理の概要
① 移転損益の金額
事業譲渡益 10,473百万円
(注) 上記金額は2027年4月頃をめどに実施する残余株式の譲渡に伴う損益も含めた金額です。また、今後出資会社と合意した価格調整を行うことから暫定的に算定された金額です。
② 移転した事業に係る資産及び負債の適正な帳簿価額並びにその主な内訳
(注) 現時点では確定していないため、暫定的に算定された金額です。
③ 会計処理
移転したことにより受け取った対価と、移転した事業に係る株主資本相当額との差額を事業譲渡益として認識しています。
(3) 分離した事業が含まれていた報告セグメントの名称
ヘルスケア
2 セグメント区分の変更
2025年4月1日に研究開発等の機能の一部を「マテリアル」へ再編したことに伴い、翌連結会計年度(2026年3月期)より、従来「全社費用等」に含めていた一部の研究組織等を「マテリアル」セグメントに含めて表示します。
なお、変更後のセグメント区分によった場合の当連結会計年度の報告セグメントごとの売上高、利益の金額に関する情報は以下のとおりです。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、プラントエンジニアリング、環境エンジニアリング、各種リサーチ・情報提供事業及び人材派遣・紹介事業を含んでいます。
3 MMA、CHMA、アクリル樹脂、SBラテックスの事業撤退及びアセトニトリルの供給体制再構築
(1) 概要
当社は、2025年5月27日開催の取締役会において、メタクリル酸メチル(MMA)モノマー、シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)、アクリル樹脂(製品名:「デルペット™」、「デルパウダ™」)、SBラテックスの事業撤退及びアセトニトリルの供給体制再構築方針(川崎精製工場閉鎖)について決議しました。
当社は、「中期経営計画2027 ~Trailblaze Together~」の基本方針のひとつに、構造転換や生産性向上による資本効率改善を掲げ、事業のポートフォリオを見直すとともに経営資源の再配分を進めています。今回の構造転換の対象である川崎製造所のアクリル樹脂事業、SBラテックス事業及びアセトニトリル事業は1963年に、またMMA事業は1974年に操業を開始して以来、50年超にわたり国内外のお客さまに製品を提供してきました。
しかし、近年、経済環境の低迷が長期化する中、原料コストの上昇による競争力の低下に加え、中国における石油化学製品の大規模な生産能力の増強を背景とした需給環境の悪化により、当該製品群の稼働率は低水準で推移しており、厳しい状況が続いています。こうした状況は構造的かつ不可逆的であると判断し、当社は川崎製造所において製造している当該製品群からの撤退を決断しました。
(2) 対象事業の売上高(当連結会計年度)
34,635百万円
(3) 対象製品、生産及び販売終了時期
(4) 撤退が営業活動等へ及ぼす重要な影響
翌連結会計年度において、事業構造改善費用約25,000百万円を特別損失として計上する見込みです。
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注) 1 「当期末残高」欄の( )内は内書きで、1年内償還予定の金額です。
2 連結決算日後における償還予定額は以下のとおりです。
【借入金等明細表】
(注) 1 「平均利率」については、借入金の期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
2 長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く)の連結決算日後における返済予定額は以下のとおりです。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、連結財務諸表規則第92条の2の規定により記載を省略しています。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券
子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は主として移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
(2) デリバティブ
時価法
(3) 棚卸資産
主として総平均法による原価法
(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
2 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
ソフトウェア(自社利用)については、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法
その他の無形固定資産は定額法
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法
3 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるために、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 株式給付引当金
株式交付規程に基づく取締役等への当社株式等の給付に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
(3) 修繕引当金
設備の修繕に伴う費用の支出に備えるため、その見込額のうち当事業年度末において発生していると認められる額を計上しています。
(4) 固定資産撤去費用引当金
固定資産の撤去工事に伴う費用の支出に備えるため、その見込額を計上しています。
(5) 債務保証損失引当金
債務保証等に係る損失に備えるため、被保証先の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しています。
(6) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しています。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法によりそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しています。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により費用処理しています。
(7) 関係会社事業損失引当金
関係会社の事業に係る損失に備えるため、当該会社の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しています。
4 収益及び費用の計上基準
当社は、製品の製造及び販売を主な事業としています。製品の販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、顧客に引き渡された時点で収益を認識しています。ただし、出荷時から製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である国内販売については、出荷時点で収益を認識しています。
収益は顧客との契約において約束された対価から、返品、値引き及び割戻し等を控除した著しい減額が生じない可能性が高い範囲内の金額で算定しています。
なお、製品の販売契約における対価は、製品に対する支配が顧客に移転した時点から概ね1年以内に回収しており、重要な金融要素は含んでいません。
5 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 外貨建の資産又は負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。
(2) 繰延資産の処理方法
開発費は、支出時に全額費用計上しています。
(3) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しています。
なお、金利スワップについては、特例処理の要件を満たしている場合は特例処理を採用しています。
(4) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっています。
(重要な会計上の見積り)
前事業年度(2024年3月31日)
固定資産に関する減損の兆候、認識及び測定
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社は、資産グループについて、営業活動から生ずる損益の継続的なマイナスや、使用範囲又は方法について回収可能価額を著しく低下させる変化、経営環境の著しい悪化等の事象が生じているか、又は生じる見込みである場合には、減損の兆候を識別しています。
基盤マテリアル事業を中心に当社の業績が近年、悪化傾向にあり、既存事業において「戦略的再構築事業」の戦略の見直しや「抜本的事業構造転換」の方針に基づき、構造転換を検討しています。このような経営環境の中、当社において、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなっている資産グループを構成する事業が存在しており、当該資産グループについて、減損の兆候を識別しています。
当社が営む環境ソリューション事業のうち石油化学製品事業、及びモビリティ&インダストリアル事業のうち合成樹脂事業などの、エチレンセンターを起点に主原材料の社内供給関係にある事業を汎用石化・樹脂資産グループとしてグルーピングしています。当該資産グループの製品について、当事業年度において、中国市場を中心とした需要の低迷及び中国におけるエチレンをはじめとする各種石油化学製品の生産能力の拡大に起因した製品の需給バランスの悪化により、製品の販売数量の減少や市況の下落が生じ、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなったことから、減損の兆候を識別しています。当該資産グループについて減損損失の認識の要否を判定した結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を下回ったため、当事業年度において58,381百万円の減損損失を計上しています。
また、汎用石化・樹脂資産グループ以外で減損の兆候を識別した資産グループにおいて、減損損失の認識が必要と判定した再生繊維事業などの一部の資産グループについて、減損損失を計上しています。その結果、当事業年度において、当社は合計で84,393百万円の減損損失を計上しています。
なお、共用資産を含む、より大きな単位について、当社の営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなっていることから、減損の兆候を識別していますが、共用資産を含む、より大きな単位から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産の帳簿価額を上回っているため、減損損失の認識は不要と判断しています。
減損損失の認識の判定及び測定に用いる将来キャッシュ・フローは取締役会により承認された事業計画を基礎としており、製品の需給バランスの見通しに基づく、販売数量や販売価格、原料価格の見通しといった経営者による重要な判断を伴う仮定が含まれています。また、使用価値の見積りに用いる割引率は10%を採用しており、加重平均資本コストに貨幣の時間価値と将来キャッシュ・フローがその見積値から乖離するリスクを反映して決定しています。
減損損失の認識及び測定に用いた仮定は、見積りの不確実性の程度が高く、前提とした状況が変化すれば、翌事業年度の財務諸表において、減損損失を認識する可能性があります。
当事業年度(2025年3月31日)
マテリアルセグメントの固定資産に関する減損
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社は、資産グループについて、営業活動から生ずる損益の継続的なマイナスや、使用範囲又は方法につ
いて回収可能価額を著しく低下させる変化、経営環境の著しい悪化等の事象が生じているか、又は生じる
見込みである場合には、減損の兆候を識別しています。
石油化学関連製品を扱う基盤マテリアル事業を含む当社の業績は、石油化学製品の需給バランスの悪化等
に起因して低迷しています。このような経営環境の中、当社において、継続的に営業損益がマイナスとなっ
ている資産グループを構成する事業が存在しており、減損損失の認識の要否の判定をしています。
減損損失の認識の判定に用いる将来キャッシュ・フローは取締役会により承認された当社グループの中期
経営計画の前提となった数値を基礎としており、将来の石油化学製品の需給バランスの見通しに基づく、販
売数量や販売価格、原料価格の見通し等の重要な仮定が含まれています。
減損損失の認識の判定に用いた仮定は、見積りの不確実性の程度が高く、前提とした状況が変化すれば、
翌事業年度の財務諸表において、減損損失を認識する可能性があります。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する資産・負債
関係会社に対する金銭債権又は金銭債務の金額は、次のとおりです。
2 偶発債務
他の会社の銀行借入等に対し、次の保証を行っています。
※3 従業員賞与については、実際支給見積額により未払費用に計上しています。
※4 有形固定資産の取得価額から国庫補助金等により減額されている圧縮記帳累計額は、次のとおりです。
※5 事業年度末日満期手形
期末日満期手形の会計処理については、満期日に決済が行われたものとして処理しています。
なお、前事業年度末日が金融機関の休日であったため、次の期末日満期手形を満期日に決済が行われたものとして処理しています。
※6 当社は、ナイロン原料を安定的に調達するため、原料メーカーとの間で長期購入契約を締結しています。当該契約に則りその一部について前渡金を支払っています。
(損益計算書関係)
※1 関係会社に関する事項
関係会社との営業取引及び営業取引以外の取引の取引高の総額は、次のとおりです。
なお、当社は、各関係会社に対して受託事務費用として、それぞれの費用項目の性質に応じて、各関係会社の利用割合等に基づき、その実費額(前事業年度合計27,708百万円、当事業年度合計29,874百万円)を配賦しています。
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりです。
※3 固定資産処分損の内容は機械装置等の廃棄・売却損等です。
機械装置等の廃棄・売却に関しては、設備一式について一括契約しているものがあります。
※4 関係会社貸倒引当金繰入額及び関係会社事業損失引当金繰入額
持分法適用関連会社であるPTT Asahi Chemical., Ltd.への貸付金に対して、関係会社貸倒引当金繰入額を計上しています。また、同社の事業撤退に係る当社損失負担見込額について関係会社事業損失引当金繰入額を計上しています。
※5 法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当社は連結子会社であるAsahi Kasei Energy Storage Materials, Inc.(以下「AKESM」)の株式の全てを、同じく当社の連結子会社であるAsahi Kasei Holdings US, Inc.に譲渡しました。
本株式譲渡に関連し、前事業年度のAKESM株式評価損計上時に税務上否認していた金額が認容されること及び売却損が税務上損金算入されることから、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額として66,351百万円(益)を計上しています。
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度末 (2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
当事業年度末 (2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(単位:百万円)
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別内訳
(注) 前事業年度において「繰延税金資産」の「その他」に含めていた「貸倒引当金」は、重要性が増したため、当事業年度より独立掲記しています。また、前事業年度において独立掲記していた「繰延税金資産」の「債務保証損失引当金」及び「未収入金」は重要性が乏しくなったため、当事業年度より「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の注記の組替えを行っています。
この結果、前事業年度において、「債務保証損失引当金」に表示していた1,193百万円、「未収入金」に表示していた1,029百万円及び「その他」に表示していた3,183百万円は、「貸倒引当金」145百万円及び「その他」5,261百万円として組替えています。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しています。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
4 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立し、2026年4月1日以降に開始する事業年度から防衛特別法人税が課税されることとなりました。
これに伴い、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、2026年4月1日に開始する事業年度以降に解消が見込まれる一時差異については30.6%から31.5%となります。
この税率変更により、繰延税金資産の金額(繰延税金負債の金額を控除した金額)は1,320百万円増加し、法人税等調整額(貸方)が1,749百万円、その他有価証券評価差額金(借方)が430百万円、それぞれ増加しています。
(収益認識関係)
1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)第80-26項の定めに従って注記を省略しています。
2 顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
「(重要な会計方針)4 収益及び費用の計上基準」に記載のとおりです。
3 顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当事業年度末において存在する顧客との契約から翌事業年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)第80-26項の定めに従って注記を省略しています。
(重要な後発事象)
1 子会社株式の売却
当該取引の詳細は、連結財務諸表の「1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。
旭化成メディカル株式の譲渡に伴い、翌事業年度以降に52,506百万円の関係会社株式売却益を特別利益に計上する見込みです。なお、計上見込みの金額については2027年4月頃をめどに実施する残余株式の譲渡に伴う損益も含めた金額です。また、今後出資会社と合意した価格調整を行うことから暫定的に算定された金額です。
2 MMA、CHMA、アクリル樹脂、SBラテックスの事業撤退及びアセトニトリルの供給体制再構築
連結財務諸表の「1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1 「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額です。
2 「当期増加額」欄のうち、主な内容は、次のとおりです。
感光性樹脂材料「パイメル™」の新工場建設に関する費用等
3 「当期減少額」欄のうち、主な内容は、次のとおりです。
当社を分割会社、旭化成バッテリーセパレータ㈱を分割承継会社とする吸収分割による承継資産
建物 27,965百万円
構築物 5,802百万円
機械及び装置 20,318百万円
車両運搬具 122百万円
工具、器具及び備品 296百万円
建設仮勘定 39,484百万円
ソフトウェア 237百万円
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、単元未満株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、会社法第166条第1項の規定による請求をする権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利並びに単元未満株式の売渡請求をする権利以外の権利を有していません。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1) 有価証券報告書 (事業年度 自 2023年4月1日 2024年6月25日
及びその添付書類 (第133期) 至 2024年3月31日) 関東財務局長に提出
並びに確認書
(2) 内部統制報告書及びその添付書類 2024年6月25日
関東財務局長に提出
(3) 半期報告書 (第134期中 自 2024年4月1日 2024年11月13日
及び確認書 至 2024年9月30日) 関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2 2024年6月26日
(株主総会における議決権行使の結果)に基づく臨時報告書です。 関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号 2025年5月28日
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に 関東財務局長に提出
著しい影響を与える事象)に基づく臨時報告書です。
(5) 発行登録書(普通社債)及びその添付書類 2024年5月10日
関東財務局長に提出
(6) 発行登録追補書類及びその添付書類 2024年11月27日
関東財務局長に提出
(7) 訂正発行登録書 2024年6月28日
2024年12月25日
2025年5月28日
関東財務局長に提出
(8) 自己株券買付状況報告書 2024年12月13日
2025年1月15日
2025年2月14日
2025年3月14日
関東財務局長に提出
(9) 自己株券買付状況報告書の訂正報告書 (2024年12月13日提出) 2025年3月14日
(2025年1月15日提出) 2025年3月14日
(2025年2月14日提出) 2025年3月14日
関東財務局長に提出
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。