第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
(注) 1 キャッシュ・フローに関する数値の△は、現金及び現金同等物の流出を示しています。
2 第19期、第20期及び第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式がないため、記載していません。第17期及び第18期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、1株当たり当期純損失金額であり、また、潜在株式がないため、記載していません。
3 第17期、第18期、第19期及び第20期の株価収益率については、当社株式が非上場であったため、記載していません。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第18期の期首から適用しており、第18期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
5 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に各連結会計年度の平均人員を外数で記載しています。
(2)提出会社の経営指標等
(注) 1 第19期、第20期及び第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式がないため、記載していません。第17期及び第18期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、1株当たり当期純損失金額であり、また、潜在株式がないため、記載していません。
2 第17期、第18期、第19期及び第20期の株価収益率については、当社株式が非上場であったため、記載していません。
3 第17期及び第18期の配当性向については、当期純損失のため、記載していません。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第18期の期首から適用しており、第18期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
5 第21期の1株当たり配当金40円については、2025年6月25日開催予定の定時株主総会の決議事項となっています。
6 株主総利回りについては、当社が2024年10月23日に東京証券取引所プライム市場に上場したため、記載していません。
7 第21期の最高・最低株価については、東京証券取引所プライム市場におけるものです。また、当社は2024年10月23日に東京証券取引所プライム市場に上場したため、第17期、第18期、第19期及び第20期については記載していません。
2 【沿革】
(1) 提出会社の沿革
当社は、東京地下鉄株式会社法(平成14年法律第188号)に基づき、帝都高速度交通営団(以下「営団」といいます。)の財産の全部を現物出資により引継ぎ、営団の一切の権利及び義務を承継して2004年4月1日に設立されました。なお、参考として、営団の「沿革」を以下にあわせて記載します。
(2) 営団の沿革
(3) 当社の完全民営化について
東京における地下鉄は、1920年8月29日に創立した当社の前身である民間会社の東京地下鉄道株式会社により、1927年12月30日東洋初の地下鉄として浅草~上野間を開業したことに始まりますが、民間会社では、巨額の資金を必要とする新線建設を進めることは困難でありました。このような情勢の中で、当社の前身である営団は、東京都の区の存する区域及びその付近における交通機関の整備拡充を図るため、地下鉄を建設運営することを目的として、1941年7月4日に設立されました。以来、設立から62年余り、営団は設立目的に従い、地下鉄の建設及び運営を行ってきました。
政府の行政改革の一環として、営団の完全民営化の方針が初めて示されたのは、臨時行政改革推進審議会が1986年6月10日に答申した「今後における行財政改革の基本方向」においてでした。当時は地下鉄ネットワークが整備途上であったこともあり、具体的措置は実施されませんでしたが、南北線、半蔵門線の全区間が着工され、地下鉄ネットワークがほぼ概成される見込みとなったことを受け、1995年2月24日に閣議決定された「特殊法人の整理合理化について」において、営団は完全民営化の第一段階として当時建設中の南北線及び半蔵門線が完成した時点を目途に特殊会社化することとされました。
その後、南北線が全線開業し、半蔵門線についても2003年春に開業が見込まれるという状況の中、特殊法人等改革基本法(平成13年法律第58号)に基づき、2001年12月19日に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」において、営団について以下のとおり明記されました。
特殊法人等整理合理化計画(平成13年12月19日閣議決定)(抄)
帝都高速度交通営団
完全民営化に向けた第一段階として、現在建設中の11号線が開業した時点から概ね1年後 (平成16年春の予定)に特殊会社化する。
この計画の決定を受け、東京地下鉄株式会社法案が第155回国会に提出され、2002年12月11日に成立し、同18日に公布、施行されました。これにより、2004年4月1日、東京地下鉄株式会社が設立されることとなりました。
さらに、上記の「特殊法人等整理合理化計画」を受け、東京地下鉄株式会社法附則第2条においても、「国及び東京都は、特殊法人等整理合理化計画の趣旨を踏まえ、この法律の施行の状況を勘案し、できる限り速やかにこの法律の廃止、その保有する株式の売却その他の必要な措置を講ずるものとする」旨規定されており、また、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法においては、令和9年度までに生じた政府が保有する当社株式の売却収入は、復興債の償還費用の財源に充てることとされています。こうした背景から、当社は、株式上場に向けた準備を進めてきました。
その後、2021年7月15日に交通政策審議会が答申した「東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等について」(交通政策審議会答申第371号)において、東京8号線の延伸(有楽町線延伸(豊洲・住吉間))や都心部・品川地下鉄構想(南北線延伸(品川・白金高輪間))の必要性が示され、事業主体は当社が適切であるとされました。また、当社が両路線の事業主体になることが完全民営化の方針に影響を与えないよう、「事業主体となることと一体不可分のものとして東京メトロ株式の確実な売却が必要」であり、また、当社株式の売却に当たっては、当社の役割を踏まえ段階的に進めていくこと、具体的には、国及び東京都が当面当社株式の2分の1を保有することが適切であり、その後の当社株式の売却について国と東京都は、これまでの閣議決定や法律において完全民営化の方針が規定されていることを堅持しつつ、その中で、首都の中枢エリアを支える地下鉄の公共性や地下鉄ネットワーク整備の進展を踏まえながら対応することが求められるとの考え方が示されました。
さらに、2022年3月28日に財政制度等審議会が答申した「東京地下鉄株式会社の株式の処分について」及び同日に東京都が公表した「東京地下鉄株式会社の株式の処分の基本的な考え方」において、売却株式数については、「新規公開時においては、売出人である財務省及び東京都が同時・同率にてその保有する株式の2分の1を売却すること」及び「その後の売却においては、国と東京都の協議を踏まえて対応すること」が適当であるという考え方が示されました。この方針に沿って、2024年10月23日、財務大臣及び東京都が保有する当社株式の2分の1については、売出しが実施されました。
当社は、同日に東京証券取引所プライム市場へ上場しましたが、前述の法律の規定及び答申の内容に基づき関係者と連携しながら、引き続き完全民営化に向けた取組を進めていきます。
3 【事業の内容】
当社グループは、当社及び当社の関係会社(うち連結子会社14社、非連結子会社2社、持分法適用関連会社4社))で構成され、その営んでいる主要な事業内容は、次のとおりです。
なお、各区分は、セグメント情報の報告セグメントと同一です。
(1) 運輸業
東京都区部を中心に、9路線からなる地下鉄ネットワークを保有し、鉄道の運行及び運営並びに鉄道施設等の保守管理を行っています。
(2) 不動産事業
鉄道事業とのシナジー効果が発揮できる事業展開を基本とし、当社路線の沿線において、渋谷マークシティ、渋谷ヒカリエ、東急プラザ原宿「ハラカド」など、オフィスビルやホテルを中心とした不動産の賃貸を行っています。
(3) 流通・広告事業
当社資産などを活用し、当社路線の駅においてEchikaなどの商業施設の運営を行う流通事業、主として駅構内や車両内の広告を取り扱う広告事業、携帯電話通信サービスの営業許諾などを行う情報通信事業などを行っています。
(4) その他
(注)1 2025年4月1日付けで、㈱地下鉄メインテナンスは東京メトロ電気メインテナンス㈱に商号変更しています。
2 流通・広告事業は、2025年4月1日付けでライフ・ビジネスサービス事業に改称しています。
3 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、当社施設の管理運営事業等を含んでいます。
以上の企業集団の状況について、事業系統図を示すと次のとおりです。

(注) 1 上図は、当社及び子会社15社の概要図です。
2 ※は非連結子会社です。

4 【関係会社の状況】
(1) 連結子会社
(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメント情報の名称を記載しています。
なお、流通・広告事業は、2025年4月1日付けでライフ・ビジネスサービス事業に改称しています。
2 当連結会計年度より、新たに設立した東京メトロアセットマネジメント㈱を連結の範囲に含めています。
3 上記子会社のうち特定子会社に該当するものはありません。
4 2025年4月1日付けで、㈱地下鉄メインテナンスは東京メトロ電気メインテナンス㈱に商号変更しています。
(2) 持分法適用関連会社
(注) 議決権の所有割合欄の中で(外書)は緊密な者(公益財団法人メトロ文化財団)の所有割合です。なお、当財団は、1956年に当社の前身である営団が出捐し、設立された財団法人(設立当初の名称は財団法人地下鉄互助会)であり、主に交通文化活動等の社会貢献活動を担っています。また、当社は当財団に地下鉄博物館の運営に供する土地を無償で貸し出しているほか、当連結会計年度において5億1千8百万円の寄付を行いました。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載しています。
2 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントです。
(2) 提出会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しています。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
3 平均勤続年数は、営団における勤続年数を含んでいます。なお、当社設立後の平均勤続年数は14.5年です。
4 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントです。
(3) 労働組合の状況
提出会社の従業員により、東京地下鉄労働組合(組合員数9,298人)が組織されており、日本私鉄労働組合総連合会に加盟しています。
また、提出会社の労使間及び連結子会社の労使間において、特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下、「女性活躍推進法」といいます。)の規定に基づき算出し、記載しています。なお、管理職に占める女性労働者の割合は、2024年4月1日時点の実績となります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出し、記載しています。
3 「正規雇用労働者」及び「パート・有期労働者」ともに同一労働の賃金に差はなく、「正規雇用労働者」間での賃金の差異は勤続年数、平均年齢の違いなどにより、「パート・有期労働者」間での賃金の差異は労働時間の違いにより生じています。
②連結子会社
(注)1 女性活躍推進法の規定に基づき算出し、記載しています。なお、管理職に占める女性労働者の割合は、2024年4月1日時点の実績となります。
2 連結子会社は女性活躍推進法上の公表項目としていませんが、参考情報として「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出し、記載しています。
3 「正規雇用労働者」及び「パート・有期労働者」ともに同一労働の賃金に差はなく、「正規雇用労働者」間での賃金の差異は勤続年数、平均年齢の違いなどにより、「パート・有期労働者」間での賃金の差異は労働時間の違いにより生じています。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、東京を中心とした首都圏の鉄道ネットワークの中核を担う交通事業者として、2004年4月の発足時に定めたグループ理念である「東京を走らせる力」を念頭に、様々な取組を進めてきました。そして、2024年10月に当社は東京証券取引所プライム市場に株式を上場し、変革と飛躍にドライブをかける新たなステージを迎えることとなりました。この株式上場を契機に従前の経営体系図を見直し、当社グループのミッションである「東京を走らせる力」を中心に、実現したい未来である「ビジョン」、約束する価値である「バリュー」、大切にする精神である「スピリット」からなる経営指針を新たに策定しました。

<東京メトログループ理念>
(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等
当社の基幹事業である鉄道事業における旅客運輸収入は、東京都心部の開発進展やインバウンドの増加をはじめとしたお出かけ需要により着実に回復し、コロナ禍で取り組んだコスト構造改革の取組も功を奏し、経営は堅調に推移しています。一方で、自然災害の激甚化、テレワーク・オンライン会議の定着等による移動需要の減少、労務費、原材料費等の物価上昇や人手不足の本格化、さらにはテロ・サイバー犯罪のリスクの増加等、当社を取り巻く外部環境は大きく変化しています。
このような状況を踏まえ、2025年度は新たに作成した3か年の中期経営計画の初年度として、各種事業戦略及びコーポレート戦略の着実な実施に努めていきます。具体的には鉄道の安全性・利便性向上を第一に、自然災害対策、バリアフリー設備整備、無線式列車制御システム(CBTCシステム)や状態基準保全(CBM)といった新技術の開発・導入、クレジットカードやQRコード(※)といった新乗車サービスの推進のほか、海外鉄道ビジネスの展開等による事業領域の拡大にも取り組んでいきます。また、鉄道駅バリアフリー料金を活用し、ホームドア整備を進めていきます。有楽町線延伸(豊洲・住吉間)及び南北線延伸(品川・白金高輪間)は2024年11月に工事着手し、新たな未来へ向けた第一歩を踏み出しました。引き続き、十分な公的支援をもとに2030年代半ばの開業に向け、着実に取り組んでいきます。※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
都市・生活創造事業では、将来開発を見据えた不動産取得の推進による不動産事業の拡大や、新規ビジネス開発を含めたライフサービス事業・ビジネスサービス事業の推進を通じて成長を目指していきます。
また、長期環境目標「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」の実現に向けた取組を引き続き推進するほか、人的資本経営、DE&Iの推進により社員一人ひとりの最大活躍を目指していきます。さらに、人権の尊重、コーポレート・ガバナンスの更なる充実、デジタル技術の活用・促進により経営基盤の強化を図っていきます。
(当社グループ中期経営計画「Run!〜次代を翔けろ〜」に基づく取組について)
(1)運輸業
① 鉄道事業の安全性・利便性向上
激甚化する自然災害への対策や、駅構内及び車両内の防犯カメラの高度化、巡回警備の強化等社会情勢の変化に応じたセキュリティ強化及びお客様の利便性向上に向けた取組により、安全・安心な鉄道サービスを提供していきます。全てのお客様が鉄道を安心してご利用いただけるよう駅や車両の更なるバリアフリー化のため、ホームドア整備(大規模改良工事実施中の南砂町駅を除き2025年度に全駅設置完了予定)やエレベーター整備等を促進していきます。
② 新線建設(有楽町線延伸・南北線延伸)の着実な推進
2024年11月に着手した新線建設(有楽町線延伸・南北線延伸)は、当社の未来への成長戦略であり、十分な公的支援をもとに引き続き2030年代半ばの開業に向け、着実に取り組んでいきます。また、2025年3月に基本合意を締結した有楽町線延伸部と東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線との相互直通運転(住吉・押上間は半蔵門線と線路共用)に向けた取組の推進による鉄道ネットワークの強化を通じて、臨海部・都心部へのアクセス利便性の向上や沿線まちづくりへの寄与、東京圏の国際競争力強化に貢献していきます。
③ 新技術の導入及びDX等による鉄道オペレーションの進化
無線技術を活用した列車制御により、列車間隔を詰めることが可能となり高い遅延回復効果を発揮できるCBTCシステムの仕様共通化や、稠密運行路線において必要な要件を有した乗務員が先頭車両に乗務する自動運転技術(GOA2.5)等新技術の導入により、安全性の確保を前提に運行安定性を向上させ、輸送システムの変革を目指していきます。また、更なる安全・安定性向上、メンテナンスの共通化、コスト削減及び保全業務の生産性向上を目指すべく、設備状態データに最新のAI・ビッグデータ分析技術等を用いて、故障予知や劣化予測を行うCBMを推進していきます。加えて、これまで培ってきた鉄道運営ノウハウ(グループ会社も含めた鉄道技術、知見、システム、教育)を活用した他鉄道事業者向けサービスの提供を行い、事業領域を拡大するとともに、鉄道業界における鉄道インフラの維持・サービス向上に貢献していきます。
④ 鉄道需要創出の促進
お出かけ機会を創出するため、メトポの「ランク制度」や「休日メトロ放題」を引き続き提供するほか、「東京メトロmy!アプリ」の利便性向上や魅力向上に向けた取組を推進していきます。
また、インバウンド旅行者のご利用促進を図るべく、資本業務提携先であるリンクティビティ株式会社と連携し、Tokyo Subway Ticketや観光施設・体験とのセット商品(Tokyo City Pass等)の販売を強化するほか、2025年3月から開始したクレジットカードのタッチ決済及びQRコードを活用した企画乗車券サービスに続き、クレジットカードのタッチ決済による後払い乗車サービスの実施に向けた検討も進めていきます。
このほか、デジタル領域での取組を強化し、そこから得られるデータを統合的に活用することで、お客様一人ひとりのニーズを細やかに把握し、お客様への提案精度向上、沿線地域・他社との結びつき強化、グループ全体でのマーケティング推進につなげていきます。
⑤ 海外鉄道ビジネスの拡大
今後の成長の牽引役の1つとして、海外鉄道ビジネスの取組を強化していきます。約100年に渡り培ってきた鉄道運営に関する技術やノウハウを活用し、世界のO&M市場に進出し、新たな収益源を獲得していきます。また、環境に優しい鉄道技術の海外展開を通じて世界各都市の持続可能な発展に貢献していきます。
(2)不動産事業
① 不動産開発、まちづくりとの連携強化
東京においてまちづくり・鉄道成長にも寄与する不動産開発を強化していくとともに、駅周辺の都市開発と一体となった魅力的な空間の構築を図ることで、人々の快適な生活環境の形成に貢献していきます。
② 不動産取得の推進、保有物件の価値向上
不動産事業の拡大を目的に、駅直結物件や保有資産の隣接地に加え、これまで獲得したノウハウを活かし相互直通先沿線も含めた駅徒歩圏まで不動産取得エリアを拡大し、資本コストを考慮しつつオフィスビル・商業ビル・住宅・ホテル・開発用地等の不動産を取得していきます。また、保有不動産の売却で得た資金を新たな開発・取得に活用し、不動産循環型事業モデルを推進していきます。
③ 新たな領域への挑戦
都心部でのインバウンド需要をはじめとした、更なる宿泊ニーズの高まりを見据え、ホテルを開発するとともに当社が主体となって東京の来街者に対してホスピタリティ溢れるサービスを提供するために、ホテル経営・運営事業への参画を目指していきます。
(3)ライフサービス事業・ビジネスサービス事業
① 高架下商業施設のリニューアル、駅ナカの魅力向上
東西線高架下の商業施設をリニューアルし、まちと一体となった賑わいを創出するほか、駅ナカの様々なサービスを拡充させることによって、駅まちの魅力向上に取り組んでいきます。
② 既存アセットの有効活用
改札口ディスプレイ跡地を活用したデジタルサイネージの開発の推進に加え、クライアントニーズを踏まえたデジタルサイネージの増設や移設、媒体の仕様変更を行うことにより、媒体価値の向上に取り組んでいきます。また、当社グループが保有する発車メロディや駅案内標等のアセットに広告価値を付加した活用により、収益の向上を図っていきます。
③ 新たな分野への挑戦
事業領域の拡大として、沿線エリアのお客様の生活基盤を支えるサービスや、生活を豊かにするサービスを当社グループ自らの手で提供するとともに、東京に集う人々が関心を寄せワクワクするような体験を提供するコンテンツビジネスへの参画を目指すことで、ライフサービス事業・ビジネスサービス事業の拡大を加速させていきます。
(4)その他(新たな取組)
コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)活動「Tokyo Metro Ventures」
当社グループが保有する事業アセットとスタートアップ企業の技術やアイデアを掛け合わせることで、東京の未来を創る革新的なサービスの開発と社会実装を推進し、東京の多様な魅力と価値の向上を目指していきます。
(5)サステナビリティ(ESG)の取組
① 環境への取組
鉄道をより一層環境に優しい交通手段にしていくとともに、脱炭素社会の実現に向け、当社グループ全事業が排出するCO₂量について、これまで2030年度目標として定めていた△50%(2013年度比)の目標年次を2027年度に前倒すとともに、2030年度目標を△50%から△53%(2013年度比)に高め、「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」の達成に向け、更なる推進を図っていきます。
② 社会とのつながり強化
各地域のコミュニティと連携しながら、東京の鉄道事業者として、事業基盤である沿線地域の成長・発展に対し継続的にサポートを行うとともに、お客様、取引先、社員、地域・社会をはじめとする全ての人々の人権を尊重し、多様な価値観を活かした事業活動を進めていきます。
③ ガバナンス体制の充実
社会情勢の変化、法令改正の状況等を踏まえ、必要に応じ、コーポレート・ガバナンスの更なる充実に向けて随時取組の見直しを行っていきます。
(6)人財戦略
人的資本経営の更なる推進・人事施策
「採用強化」「働きやすさ向上」「やりがい創出」「人財育成」「福利厚生拡充」「健康経営推進」の観点から各種人事施策を実行し、人財獲得及び社員一人ひとりの最大活躍を実現していきます。また、エンゲージメント調査等を通じて人財戦略の実効性を検証し、推進していきます。
(7) デジタル戦略
データ共有基盤の整備・デジタル技術の活用とデジタル人財育成
新たな価値創出の源泉としてデータとデジタル技術を積極的に活用するため、データ共有基盤の整備や生成AIの活用・DXの促進、XR事業に取り組むとともに、全社員のデジタルリテラシーの底上げを図っていきます。
当社グループは、中長期的視点で期待される様々な施策を実現していくとともに、新たな価値の創造により、持続的な企業価値の向上を図り、全てのステークホルダーから信頼され、選択され、支持される企業を目指していきます。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、中期経営計画「Run!~次代を翔けろ~」における経営目標として、資本効率を意識することで企業価値及び経営効率の向上を目指すという観点から連結ROE、持続的な成長に向けて本業の収益力を向上させていくという観点から連結営業利益、キャッシュ創出力を持続的に向上させていくという観点から連結EBITDA、本業から得られるキャッシュと負債のバランスを踏まえて一定の財務健全性を確保するという観点から連結純有利子負債/EBITDA倍率の4つを定めています。なお、目標値は当社グループの経営上の目標を示すものにすぎず、その達成を保証するものではありません。当該目標値の達成については、後記「3 事業等のリスク」に記載しているリスクの顕在化により影響を受けます。
(注)1 親会社株主に帰属する当期純利益/((期首純資産+期末純資産)/2)で計算したものとします。
2 営業利益+減価償却費により計算したものとします。
3 (債務残高-現金及び現金同等物)/(営業利益+減価償却費)で計算したものとします。
4 新線建設推進長期借入金(1,921億円)及び新線建設費を含めた数値とします。
「Run!~次代を翔けろ~」において目標とする経営指標である連結ROE、連結営業利益、連結EBITDA及び連結純有利子負債/EBITDA倍率に関連する各連結指標並びにセグメント毎の連結経営指標の推移は以下のとおりです。
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第18期の期首から適用していますが、上表の第17期以前の連結経営指標等については、当該会計基準の変更を反映していません。
2 セグメント毎の営業収益はセグメント間の内部営業収益又は振替高を含めた金額を記載しています。また、セグメント毎の営業利益又は営業損失(△)は、セグメント間の取引消去前の金額を記載しています。なお、セグメント毎の営業利益率は、セグメント毎の営業利益又は営業損失(△)をセグメント毎の営業収益で除して算出しており、小数点以下第1位を四捨五入しています。
3 営業利益又は営業損失(△)+減価償却費により算出したものです。
4 セグメント毎の営業利益又は営業損失(△)+セグメント毎の減価償却費により算出したものです。なお、セグメント利益又は損失(△)の調整額は含めていません。
5 現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。
6 有利子負債残高-現金及び現金同等物により算出したものです。
7 親会社株主に帰属する当期純利益又は損失(△)/((期首純資産+期末純資産)/2)で計算したものです。また、小数点以下第2位を四捨五入しています。
8 小数点以下第2位を四捨五入しています。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ全般
①ガバナンス
社長を委員長、全業務執行役員をメンバーとしたサステナビリティ推進委員会を設置し、必要に応じて外部有識者を交えて議論を進める体制としています。2024年度はサステナビリティ推進委員会を6回実施しました。また、重要案件について年1回以上、取締役会/経営会議に付議し、サステナビリティ経営の推進の強化を図っています。

②戦略
当社グループは、ビジョンである「次の『あたりまえ』と『ワクワク』を」の実現を目指し、10のサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を定め、各事業を通じたバリューを提供することにより、環境、社会、経済の持続可能性に配慮したサステナビリティ経営を推進しています。
また、マルチステークホルダー方針を策定し、「お客様」「株主・投資家」「取引先」「地域・社会」をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要になっていることを踏まえ、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでいます。特に、「取引先」については、パートナーシップ構築宣言を宣言しているほか、調達方針及び調達ガイドラインに環境への配慮及び人権の尊重を盛り込むことで、サプライチェーンにおける環境汚染や人権侵害におけるリスクの低減に努めています。マルチステークホルダー方針、パートナーシップ構築宣言、調達方針及び調達ガイドラインの詳細については、当社HPをご覧ください。
マルチステークホルダー方針
https://www.tokyometro.jp/corporate/csr/pdf/stakeholders.pdf
パートナーシップ構築宣言
https://www.biz-partnership.jp/declaration/56828-08-00-tokyo.pdf
東京メトログループ 調達方針
https://www.tokyometro.jp/corporate/business/procurement/pdf/procurement_policy.pdf
東京メトログループ 調達ガイドライン
https://www.tokyometro.jp/corporate/business/procurement/pdf/procurement_guideline.pdf

③リスク管理
取締役会/経営会議において、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に関する非財務KPIのフォローアップを実施し、グループ全体のリスクマネジメントとの連携を含め、サステナビリティに関するリスクの管理を進めています。
(リスクマネジメント体制等の詳細については、当社のサステナビリティレポート2024(https://www.tokyometro.jp/corporate/csr/report/pdf/sr2024.pdf)をご覧ください。)
④指標及び目標
サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)ごとに2030年度目標として非財務KPIを設定し、社会課題の解決に向けた取組を推進しています。(中期経営計画「Run!~次代を翔けろ~」では、一部の非財務KPIの数値等を見直しました。)


(2)気候変動
①ガバナンス
気候変動や資源循環関連対応を中心とした環境保全活動を全社的に推進するため、サステナビリティ推進部担当執行役員が委員長を務める環境委員会を設置し、環境基本方針に基づき、環境目標、活動、検証・評価、見直し・改善のPDCAサイクルに沿って環境マネジメント推進体制を運用しています。また、年2回以上環境委員会にて環境目標を設定、各部門の活動進捗状況の検証・評価、結果の報告、見直しを行い、環境保全活動を継続的に改善しています。中でも、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)におけるテーマ4の「地球にやさしいメトロ」の実現に向けて設定している環境方針や長期環境目標、気候変動の関連非財務指標の設定等のKPIは、社長が委員長を務めるサステナビリティ推進委員会、経営会議及び取締役会に原則として年1回以上付議・報告し気候関連のリスクや機会の検討・承認・フォローアップを実施しています。環境委員会及びサステナビリティ推進委員会の関係性については、「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」と同様の体制となっています。
②戦略
気候変動のシナリオについては、脱炭素社会実現シナリオ(移行リスク/機会)と温暖化進展シナリオ(物理的リスク/機会)の2つを設定しています。脱炭素社会シナリオ(移行リスク/機会)は、今世紀末までの平均気温の上昇を2℃未満/1.5℃に抑えた世界観のもと、脱炭素社会への移行に伴う社会変化が当社事業に影響を及ぼす可能性が高い社会を、温暖化進展シナリオ(物理的リスク/機会)は、今世紀までの平均気温が4度以上上昇する可能性があり温度上昇による気候の変化が、当社事業に影響を及ぼす可能性が高い社会を想定しています。各シナリオにおいて、2030年までを短中期、2050年までを長期と定義し、影響を受ける可能性と大きさの2軸から、12のリスクと5の機会を特定し、各々における取組の方向性を示しています。
シナリオ分析を踏まえて、当社グループでは、長期環境目標「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」において、「2050年度 実質ゼロ」の目標を設定しました。2025年度から始まる新たな中期経営計画では、更なる高みを目指し、2030年度目標を当初目標の△50%から△53%(ともに2013年度比)に引き上げました。当社グループのCO₂排出量は、ほとんどが電力由来です。長期環境目標達成に向け、電力由来のCO₂排出量は、これまで続けてきた省エネを更に推進するとともに、再生可能エネルギーへ転換を進めることで削減するほか、電力以外のその他燃料からのCO₂排出量は、クレジット等の活用でオフセットする方針です。取組を推進するにあたり2024年4月より、インターナルカーボンプライシングを導入しました。
2024年度は、丸ノ内線及び南北線を100%再エネ化、東西線の一部を実質再エネ化するとともに、バーチャルPPA締結により小水力発電、陸上風力、太陽光発電由来の再生可能エネルギーを導入し目標達成に向け取組を推進しました。また、他の交通手段と比較してCO₂排出量が少ない鉄道事業の特性を活かし、各ステークホルダーとの連携を深め当社線のご利用を促す取組を推進しています。さらに、気候変動による水害の激甚化を想定し、浸水深に応じた駅出入口の止水板の改良、防水扉の設置、上屋建て替えによる完全防水型出入口への改良、換気口浸水防止機の改良、換気塔の嵩上げ、地上駅・地上設備の外壁の鉄筋コンクリート化、トンネル坑口への防水ゲートの設置等のハード面の対策とBCP(事業継続計画)の策定や関係自治体等との連携等のソフト面の対策を行っています。
なお、当社はTCFD提言への賛同を表明しており、それに向けた同フレームワークに準じた情報開示を行っています。


③リスク管理
脱炭素社会実現シナリオ(移行リスク/機会)、温暖化進展シナリオ(物理的リスク/機会)の各シナリオ分析に基づき外部環境の変化から生じる影響を、「可能性」(3:十分想定される 2:想定し得る 1:想定しがたい 0:想定できない)と「大きさ」(3:大 2:中 1:小 0:ほぼなし)を掛け合わせることで、リスクにおいては6点以上、機会については4点以上を当社における12のリスク(移行リスク5つ、物理的リスク7つ)、5の機会(移行機会4つ、物理的機会1つ)を重要として特定しています。今後は、設定したリスクについてサステナビリティ推進委員会においてTCFD提言に基づく気候関連リスクのフォローアップを実施するとともに、グループ全体のリスクマネジメントとの連携も含めた気候関連リスクの管理体制構築の検討を進めます。
なお、「主な移行リスク/機会・物理的リスク/機会」については、「(2)気候変動 ②戦略」に記載しています。

④指標及び目標
以下のとおり指標及び目標を設定し、長期環境目標「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」達成に向けて取組を推進していきます。なお、下表に2023年度実績として記載したCO₂排出量については、第三者認証を取得済みです。
(注1) 当社グループ全事業における指標
(注2) Scope3の対象カテゴリーはカテゴリー1 19.4%、カテゴリー2 63.3%、カテゴリー3 10.9%、その他 6.3%(カテゴリー5、6、7、13)。Scope3の目標設定等については今後検討します。
(3)人的資本・多様性
①ガバナンス
「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」に記載しています。
②戦略
1.人財戦略の全体像
[経営戦略の実現に向けた“目指す組織の姿”]
経営環境の変化や将来的な生産年齢人口の減少が見込まれる中、社員の働き方や業務の在り方についても転換期を迎えています。今後も多様化するお客様のニーズに応えていくことで、選ばれ続ける企業であることを目指しています。これまでの経験等の延長線上で「答え」を出すことが難しくなっている背景を踏まえ、多様な社員がお互いに認め合い、アイデアを出し合い、切磋琢磨することでさらなる価値を創出し続ける組織となることを目指していきます。
目指す組織像の実現に向けて、DE&Iをさらに推進し、多様化するお客様のニーズに応えることはもちろん、人財確保の観点からも、多様な人財を組織に迎え入れるとともに、社員一人ひとりの置かれた状況や特性に配慮した環境や機会を提供することにより、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる企業風土を醸成していきます。そして、 エンゲージメント向上やイノベーションによる新たな価値創造へとつなげていきます。人事部担当執行役員を委員長とした「DE&I推進委員会」を設置し、DE&I推進に関わる事項を協議・報告する場を設けるとともに、「東京メトログループDE&I宣言」を制定しています。
[人財戦略の中核となる目指す人財像]
人的資本経営を推進するにあたり、目指す人財像を策定しています。
(1)「自律」する人財
高い規範意識のもと、自ら学び、自分の考えを磨き行動
(2)「挑戦」する人財
変化の兆しを感じ取り、変化を恐れず行動
(3)「協働」する人財
異なる価値観を受容・尊重し、周囲と連携
目指す人財像を踏まえ、「WORK×LIFE SMILE ACTION ~社員一人ひとりの最大活躍のために~」をテーマに人事施策を策定・実行していきます。
[人財戦略の実効性を検証し、高めていくための取組]
当社では、エンゲージメント調査等を通じて、会社・仕事内容・職場・上司等に対する社員の期待度・満足度を継続的に調査し、人財戦略の実効性を検証していきます。また、抽出された課題に対して迅速に対応していくことにより、社員のエンゲージメントを向上させるべく、検証結果に基づき全社的な課題及び組織ごとのアクションプランを策定・実行していきます。
2.人財の多様性の確保を含む人財育成に関する方針(注1)
[メンバー・チームの安心感を高め、自律・挑戦・協働を促すリーダーシップの発揮]
社員一人ひとりが、「自律」「挑戦」を実現し、社員同士の「協働」により組織としてのアウトプットを最大化するためには、リーダーがメンバー・チームの安心感を高め、メンバーの「自律」「挑戦」「協働」を促す必要があります。具体的には、メンバーが気軽に相談できる雰囲気を作ったり軸を持った発言・行動等により「メンバーの安心を高める」ことを基本とし、そのうえで、メンバーに業務を任せ考える機会を作ったり、メンバー同士のつながりを強めたりすることで、メンバーの「自律」「挑戦」「協働」を促していきます。
組織のリーダーの行動が変革することで、組織の風土が変わり、全社員が公平に「自律」「挑戦」「協働」を実現する機会を得ることができます。これらを実現するため、引き続き、各マネジメント職への階層別研修や心理的安全性研修等を実施していくとともに、1on1ミーティング等によりリーダーとメンバーの関わりの質・量の水準を高めていきます。
[目指す人財像の実現に向けた人財育成]
当社にとって変わらぬ責務である「安心の提供」を実現するための研修・訓練を日々、継続的に行うとともに、「「自律」・「挑戦」・「協働」の実現に向けたマインド醸成、知識・スキル向上」に向けた各種研修等を実施しています。社員がより自律的に学べる機会を提供するために、動画視聴型ビジネススクール等の受講を促進しています。
さらに、時代のニーズに即した知識・技能を備えた人財を育成していきます。デジタル技術の活用やデータ分析のさらなる推進のため、社内を牽引するデジタル人財の育成を強化し、業務変革や新しい領域でのビジネス展開につなげていきます。
また、人財育成の質を維持することを前提に、研修・訓練の実施内容及び実施方法の最適化を図っています。
[知識・技能の向上と行動変革に向けた取組]
日常の業務遂行において、従前通り確実に業務を遂行することに加え、「自律」「挑戦」「協働」といった目指す人財像に合致する主体的な行動を評価することにより、全社員の行動変革を促していきます。
また、社員一人ひとりの考えや主体性を重視し、幅広い選択肢のもとキャリアを形成できるようにしていきます。自部門に閉じた業務遂行だけでなく、社内外の様々な価値観に触れる機会を提供することで、社員のさらなる成長を促していきます。
<DE&I推進の取組>
DE&Iを実現していけるよう、体制整備を図るとともに、各種施策を加速度的に推進していきます。
■DE&I研修
全社員を対象として、DE&Iの必要性を理解し、多様な価値観を持つ社員が活き活きと働くことができる企業となることを目的に研修を実施しています。
■DE&Iマネジメント研修
新たにマネジメント層になった社員を対象として、誰もが活き活きと活躍し続けることができる職場風土を構築・維持することを目的に、DE&Iの観点から、ダイバーシティ経営や職場の心理的安全性の確保等、マネジメントに欠かせない要素の研修を実施しています。
<評価・報酬等各種人事制度>
人財育成・処遇面から社員のモチベーションを維持・向上させることを目的とし、一人ひとりの活躍に応じた適切な評価、役職・評価結果に応じたメリハリのある報酬、適切な評価による登用・配置等が実現できるよう各種人事制度を検証し、必要に応じて見直しを行います。
<1on1ミーティング>
上司・部下間のコミュニケーションの絶対量を増やし、部下の自律的な業務遂行やキャリア形成を支援することを目的として、2020年度より順次導入しています。導入後に実施したアンケートでは約8割の社員が1on1ミーティングに満足していると回答しました。
<社内複業制度>
社員が新たな視点やスキルを獲得すること及び新たな価値の創出を目的として、本社各部が募集する業務について、職種、部門を越えて一時的に従事する社内複業制度を2022年度より導入しています。2024年度末までに13件の募集事例、累計活用実績53名の活用事例があります。
<社内人材公募>
意欲及び能力のある社員が自ら手を挙げ新たな業務に挑戦すること及び適正な人財配置を目的として、社内人材公募制度を2007年度から導入しています。2024年度末までに49件の募集事例、累計活用実績66名の活用実績があります。
<フレキシブルラーニング休職制度>
業務との両立が難しい自己研鑽(修学、資格取得等)を支援し、社員の学びなおしを促進することを目的として、最大2年間取得可能な本制度を2021年度より導入し、2024年度末までに累計16名が活用しています。取得に際し、社員が取得目的や会社への還元方等を説明する制度とし、社員が自律的にキャリア形成について考える機会としています。
3.社内環境整備に関する方針(注1)
[働きやすさ向上施策の推進]
交替勤務という特殊な勤務形態であることを踏まえ、ライフステージに合わせた働き方を実現するため、働きやすさ向上を進めています。
<育児休職制度>
育児休職制度については、子が3歳の年度末まで取得可能であり、2022年10月より、男性の育児休職制度を一部有給化することで従来よりも取得しやすい制度としました。なお、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の策定・実施等により「くるみん認定」を受けています。
<短時間勤務制度>
1日の労働時間または労働日数を減らす勤務制度であり、子が小学校3年生まで取得可能です。2024年4月から短時間勤務の取得通算年数を撤廃し、取得要件を緩和しました。
<不妊治療支援>
不妊治療を理由に最大1年取得可能な休職等の制度を設けており、アプリを活用して妊活の疑問等について専門家のアドバイスを受けられるサービスを社員に提供しています。
<勤務間インターバル制度>
勤務終了後、一定時間の休息時間(インターバル)を確保することで、社員の心身の健康保持やワークライフバランス・生産性向上を実現します。
<職場環境整備>
酷暑対策として空調ベストや帯電防止機能を備えた通気性の良いTシャツを導入するとともに、設備面については、長期的な計画を策定・推進することにより、誰もが長く活躍できる職場を実現していきます。
[健康経営の推進]
人事部担当執行役員を委員長とした「健康経営推進委員会」において、健康課題を確実に解決していくために重点取組項目(喫煙対策・運動・睡眠等)の目標値を定め、組織的かつ計画的に健康づくり活動を推進しています。
また、「東京メトログループ健康宣言」をふまえ、当社グループの社員・会社・健康保険組合が一体となって、お客様に安心を提供し続け、社員とその家族が幸せで豊かな人生を送れるよう、こころとからだの健康づくりに積極的に取り組んでいます。
社員が心身ともに健康で働ける職場づくりに向けた取組を実施した結果、優良な健康経営を実践している企業として、2025年3月に健康経営優良法人2025(大規模法人部門)に認定されました。
[労働安全衛生の推進]
お客様に安心して当社グループをご利用いただくためには、社員が万全な状態で業務を遂行できる職場環境づくりが必要です。社員の安全確保と健康保持、職場環境の維持向上を図るため、職場ごとに安全衛生委員会等を設置し、労働災害の防止、疾病の予防等について調査・審議しています。また、基本動作の励行等の取組や、生活習慣の改善を確実に積み重ねることが重要という考えのもと、安全衛生教育に取り組んでいます。
技術部門では、危険予知トレーニング活動やゼロ災運動、リスクアセスメント等の取組を通じて、社員の安全意識の高揚や職場における安全水準の向上に努めています。一方で、駅係員や乗務員への暴力行為による労働災害が多発していることから、駅に暴力行為の防止を呼びかけるポスターを掲出する等、鉄道業界全体で暴力行為の撲滅に向けた啓発活動に取り組んでいます。
(注1)施策については、特に記載がない限り、当社における施策を記載しています。
③リスク管理
「(1)サステナビリティ全般 ③リスク管理」に記載しています。
④指標及び目標
(注1) 連結ベースでの指標・目標を定めていないことから、当社における指標、実績及び目標を記載しています。
(注2) 実績の対象期間は、女性社員比率(2024年4月1日時点)を除き、2025年3月期となります。
<人材戦略に関する詳細はこちら> https://www.tokyometro.jp/corporate/work_life/index.html
(4)人権
①ガバナンス
当社グループは、事業活動において影響を受けるすべての人々の人権を尊重すべく、2023年3月に「東京メトログループ人権方針(以下、「本方針」といいます。)」を定めました。本方針は、人権尊重の取組についての約束を示すものであり、人権に関する国際規範等を踏まえ、当社グループ全ての役員及び社員(雇用形態を問わない)に適用するとともに、取引先・パートナー等に対しても、本方針の理解と支持を求めています。
本方針を実現するため、当社グループは、「(1)サステナビリティ全般 ①ガバナンス」と同様、取締役会の監督のもとサステナビリティ推進委員会を中心とした推進体制を構築しているほか、サステナビリティ推進委員会のもと、サステナビリティ推進部担当執行役員がリーダーを務める人権尊重推進ワーキンググループを設置し、人権尊重の取組を進めています。
②戦略
当社グループは、本方針における以下の課題を優先して取り組むべき人権課題として認識しています。なお、以下の課題は有識者意見交換会の内容を反映しており、社会の変化や事業の動向などを踏まえ、適宜見直しを図ります。
・安全に商品・サービスの提供を受ける権利の侵害
・安全かつ健康的な作業・生活環境を享受する権利の侵害
・過重労働の発生、休息・余暇を持つ権利の侵害
・ハラスメントの発生
・プライバシーの侵害
・雇用条件・待遇における差別
・機会・評価における差別
人権を尊重する責任を果たすために、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを通じて、人権への負の影響を特定し、その防止または軽減に取り組みます。対応策に優先順位をつける必要がある場合には、規模、範囲、救済可能性を考慮し、人権に対する最も深刻な負の影響に対処することを優先します。その上で、人権への負の影響を直接的または間接的に引き起こした場合は、適切な手続きを通じて、是正及び救済に取り組みます。
取引先については、「東京地下鉄株式会社 調達ガイドライン」を改定し、人権や環境に関する指針を充実させるとともに、当社グループ一体でお取引先様とのパートナーシップの強化を図るため、「東京メトログループ 調達方針」及び「東京メトログループ 調達ガイドライン」に改正しました。サプライチェーンにおいて当社グループの取引先・パートナー等が人権への負の影響を引き起こしている場合、当社グループは、当該関係者に対し、人権を侵害しないよう働きかけを行います。
社員については、暴力行為等のカスタマーハラスメントに対して毅然と対応することを表明する「東京メトログループカスタマーハラスメント対応ポリシー」を制定し、カスタマーハラスメントの抑制、安全な就業環境の確保を図っています。
今後も、関連するステークホルダーと誠実に対話し協議することにより、人権尊重の取組の向上及び改善に努めるほか、役員及び社員に対して、教育・研修を通じて取引先・パートナー等に対しても、人権を侵害しないよう理解浸透に努めます。
■人権尊重に向けた取組の流れ

③リスク管理
当社グループの事業活動を通じ人権を侵害する行為が発生した場合には、当社グループが社会的非難を受け、業績等に影響を及ぼす可能性があります。そのため、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを通じて、人権への負の影響を特定し、その防止、軽減に取り組んでいきます。
2024年度も引き続きお客様の人権への負の影響を特定し、その防止又は軽減に取り組むために影響調査を実施しました。2023年度と同様に「提供する施設の安全衛生」、「多様なお客様が利用できる環境」について不足感を感じており、人権課題として認識している可能性があることが判明しましたが、2023年度と比較してその割合は減少しました。今後も継続して影響調査を行うとともに、各種清掃業務の着実な実施や、バリアフリー移動経路情報等を伝える「東京メトロmy!アプリ」や「バリアフリー便利帳」の更なる周知を図っていき、お身体の不自由なお客様をはじめとした全てのお客様に安心してご利用いただけるよう、エレベーター、エスカレーター及びバリアフリートイレの整備を進めます。
また、東京メトログループにおける人権侵害の早期発見及び是正対応することを目的に、当社グループと取引のある取引先から人権侵害を含むコンプライアンス違反を通報できるよう、「お取引先様コンプライアンス通報窓口」を設置しました。(https://www.tokyometro.jp/corporate/csr/compliance/index.html)
なお、「(4)人権 ①ガバナンス」に記載している推進体制の構築に合わせて、当該リスクに関しての評価や管理を行うための体制を整備していきます。
④指標及び目標
「(1)サステナビリティ全般 ④指標及び目標」に掲載している非財務KPIと新中期経営計画である「Run! ~次代を翔けろ~」における目標を達成できるよう、引き続き人権尊重の取組みを推進していきます。
3 【事業等のリスク】
当社グループの事業等において、経営者が当社グループの財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクについては、次のようなものがあります。
なお、当社グループでは、事業等のリスクを、将来の経営成績等に与える影響の程度や蓋然性、リスクの性質等に応じて、分類しています。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。また、以下のリスクは当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、予想される主なリスクを例示したものです。
(1) 当社グループの経営環境に関連するリスク
① 人口動向等について
当社グループは、東京都区部及びその周辺地域で鉄道事業を中心に事業を展開しています。わが国における経済的中心地である東京都区部に強固な基盤を有することは、高い営業収益力を保つ上で当社グループの強みの一つであり、この営業基盤の特性を最大限活用していきます。
しかしながら、首都圏の人口動向については、中長期的には減少傾向となることが予想されています。また、首都圏における就業・就学人口の減少、高齢化の進展等による人口構造の変化や、テレワークやウェブ会議の進展・定着とこれに伴う通勤・移動需要の減少等の社会構造の変化が進んだ場合、さらには今後、首都圏における経済情勢の大きな変化、大企業の本社機能又は政府機関の東京都区部からの移転等が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 電力料金、原材料価格及び労務費の高騰について
当社グループは、今後も効率的な事業運営に努めていきますが、列車の運行等に際し多大な電力を消費するほか、継続的な設備投資やトンネルをはじめとした鉄道設備の維持補修等を行っていることから、電力料金、原材料価格及び労務費の動向が、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、2022年度の電力料金の大幅な高騰を踏まえ、2023年度より調達先を変更し、従前より燃料価格や市場価格の影響を受けにくい新たな電気料金制度のもとで電力を使用しておりますが、電力料金が高騰し、それが長期にわたって継続する場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、これらのコストが上昇する要因としては、円安の進行や燃料価格等の高騰、再生可能エネルギー発電促進賦課金の増額、労働需給のひっ迫等が想定されます。
(2) 自然災害、感染症、気候変動等に関連するリスク
① 自然災害・事故等について
当社グループは、安全の確保を常に念頭に置き、技術面からの更なる安全性向上に向けた取組を実施するとともに、安全管理規程に基づく安全マネジメント体制の運用等制度面からの取組も推進し、安全の確保を目指しています。さらに、首都直下地震や大規模浸水等に備えた鉄道事業における自然災害対策として、施設の耐震性の強化、帰宅困難者対策、洪水等による浸水対策等の諸課題への取組を強化するとともに、危機管理機能の強化を推進しています。
しかしながら、地震・洪水・台風等の自然災害、大規模停電又は電力の使用制限や、これらに伴う保守部品等のリソース供給不足、重大な犯罪行為やテロリストによる攻撃等により当社の路線の運行に支障を来す事態となった場合や、当社の路線において重大な事故等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
特に当社の路線、コンピューターシステム及び本社施設等は、そのほとんどが東京都区部に位置していることから、当該地域に大地震をはじめとする重大な自然災害・事故等が発生した場合には、当社グループの多くの施設等に被害が及ぶ可能性があります。また、当社の路線、施設の大半は地下にあるため、火災、浸水等の災害が発生した場合には、その被害が大きくなる可能性があり、これにより、事業が復旧するまでに相応の時間を要する等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 感染症について
新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が当社沿線地域において大規模に流行し、外出自粛等により通勤・通学・業務・私事利用を問わず鉄道利用者が大幅に減少した場合、世界的な流行に伴い訪日外国人が大幅に減少した場合や、列車運行等の事業運営に支障を来す場合等には、当社グループの業績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
③ 気候変動について
近年、気候変動は大きな社会経済リスク及び機会をもたらす要因の一つであり、世界中の政府や企業において脱炭素化の動きが広がっています。鉄道事業を中心に事業展開する当社グループは、自然災害による事業リスクに加え、電力を大量消費する事業特性を有することから、当社グループのサステナビリティ戦略を推進することを目的に、社長が議長を務めるサステナビリティ推進委員会を設置し、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に沿って気候変動問題に関する取組を進めています。また、当社グループはTCFD提言に賛同しており、主要事業である鉄道事業への気候関連リスク/機会を特定し、段階的に開示を進めています。
加えて、長期環境目標「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」を設定し、当社グループ全事業で排出するCO₂量について、「2030年度 △53%(2013年度比)」、「2050年度 実質ゼロ」を目指し、バーチャルPPAをはじめとした再生可能エネルギーの活用やエネルギー効率に優れた車両の導入等の省エネ施策に取り組んでいます。
当社グループは、このような取組を引き続き推進していく予定ですが、今後、政策・法規制の見直しやエネルギーミックスの変化による電力料金の上昇、豪雨の激甚化による鉄道施設の損傷・沿線地域の被災等が生じた場合や、ステークホルダーの皆様から気候変動に関する情報開示に十分に対応していないと判断され、当社グループの社会的信用の低下等が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 人権について
日本国内における労働力人口減少や働き方改革等といった雇用環境等の変化が生じる中で、当社グループの事業に関わる人的資本は多様化しており、社会的、国際的に人権意識が一層高まっていることも踏まえ、人権問題に対しては、より多面的に対処する必要性が高まっていると考えています。そのため、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に「人権の尊重」を掲げ、人権尊重に向けた取組を強化し、2023年に「東京メトログループ人権方針」を制定・公表するとともに、各ステークホルダーにおける人権への負の影響を特定し、その防止又は軽減に取り組むために影響調査を実施しました。2025年4月には、適用対象にグループ会社を加えた「東京メトログループ調達方針」及び「東京メトログループ調達ガイドライン」を新たに策定し、内部通報窓口の対象者に当社グループの取引先を追加するなど、人権尊重の取組をさらに進めるための体制を整備しました。
しかしながら、こういった取組にも関わらず、当社グループ内のみならず、取引先、事業パートナー等を含む当社グループを取り巻く国内外のステークホルダーに関し、当社グループの事業活動を通じ人権を侵害する行為が発生し、当社グループの社会的信用の低下が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 当社グループの経営に関連するリスク
① 法的規制等について
鉄道事業においては、鉄道事業法(昭和61年法律第92号)の定めにより、経営しようとする路線及び鉄道事業の種別について許可を受ける必要があります(同法第3条)。
収益の中心となる運賃面においては、上限運賃を設定するときは国土交通大臣の認可を受けなければならず、上限運賃の範囲内で運賃を改定する場合にも、事前に国土交通大臣に届け出ることとされています(同法第16条)。
当社が現在取得しているこれらの国土交通大臣の許可及び認可には期間の定めは無く、当社の現在の運賃は、2019年9月5日に変更の認可を受けたものです(2019年10月1日より改定後の運賃を適用)。
なお、運賃の改定を施行するに当たっては、所定の手続を経る必要があることから、機動的な運賃の改定を行うことができない場合等には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、2021年12月に軌道法施行規則(大正12年内務省・鉄道省令)及び鉄道事業法施行規則(昭和62年運輸省令第6号)の改正により創設された「鉄道駅バリアフリー料金制度」に基づき、バリアフリー設備の整備費等に充当するための料金を定める場合には、バリアフリー整備・徴収計画を作成の上、事前に国土交通大臣に届け出ることとされています(鉄道事業法第16条第4項)。鉄道駅バリアフリー料金は、第二次交通政策基本計画(2021年5月8日閣議決定)に基づき、利用者に過度の負担感を与えないものとする必要があるとされており、また、その総徴収額はバリアフリー整備・徴収計画における総整備費を超えない額とすることとされています。
当社は2023年3月18日から、運賃に加算して鉄道駅バリアフリー料金の収受を開始しておりますが、法令又は運用の変更等により、バリアフリー整備・徴収計画に定めたとおりに料金の徴収ができない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
鉄道事業を休廃止する場合には、事前に(廃止の場合は廃止日の1年前までに)国土交通大臣に届出を行うこととされています(同法第28条、第28条の2)。また、鉄道事業法、同法に基づく命令、これらに基づく処分、許可・認可に付した条件に違反した場合、正当な理由がないのに許可又は認可を受けた事項を実施しない場合、同法第6条に定める事業許可の欠格事由に該当することとなった場合などの際には、国土交通大臣は事業の停止を命じ又は許可を取り消すことができるとされています(同法第30条)。仮に、国土交通大臣より事業の停止や許可の取消しを受けた場合には、事業活動の継続に支障を来すこととなりますが、現在、同法に抵触する事実等は存在せず、事業活動の継続に支障を来す要因は発生していません。
当社は鉄道事業法に加えて、東京地下鉄株式会社法(平成14年法律第188号)や安全、環境、バリアフリー等の規制に関する様々な法令の適用を受けており、これらの法令が改正され又はその運用が変更された場合、その内容によっては当社の事業活動における柔軟性の減少、費用の増加等を招き、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、東京地下鉄株式会社法の概要は以下のとおりですが、この法律においては、国及び同法附則第11条の規定により営団から株式の譲渡を受けた地方公共団体は、特殊法人等改革基本法に基づく特殊法人等整理合理化計画の趣旨を踏まえ、この法律の施行の状況を勘案し、できる限り速やかにこの法律の廃止、その保有する株式の売却その他の必要な措置を講ずるものとする旨規定されています(東京地下鉄株式会社法附則第2条)。
また、2021年4月2日に開催された、第3回交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等に関する小委員会において、国土交通省が配布した資料には、「東京メトロが完全民営化(政府が株式を全て売却)した場合には、JR本州3社・JR九州の例を踏まえると、現行の東京メトロ法に基づく監督規定は廃止される一方、引き続き、鉄道事業法等の規定に基づき鉄道事業を運営することとなる。」旨記載されています。
(ⅰ) 制定趣旨・目的等
東京地下鉄株式会社法は、当社の設立について定めるとともに、その目的、事業に関する事項について規定しています。同法は、鉄道事業法に加えて当社を規制するとともに、商号の使用制限等の特例措置を定めています。
なお、東京地下鉄株式会社法に基づく政府の規制は、当社の経営の自主性の確保を前提とするものであり、毎事業年度の開始前に事業計画を国土交通大臣に提出することは求められているものの、事業計画の認可、関連事業の実施についての認可等は不要とされています。
(ⅱ) 概要
ア 国土交通大臣による認可を必要とする事項
(ア) 発行する株式又は新株予約権を引き受ける者の募集等の認可(東京地下鉄株式会社法第4条第1項)
会社法(平成17年法律第86号)第199条第1項に規定するその発行する株式若しくは会社法第238条第1項に規定する募集新株予約権を引き受ける者の募集をし、又は株式交換若しくは株式交付に際して株式、新株予約権若しくは新株予約権付社債を発行しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければなりません。
(イ) 代表取締役等の選定等の決議の認可(同法第5条)
代表取締役又は代表執行役の選定及び解職並びに監査等委員である取締役若しくは監査役の選任及び解任又は監査委員の選定及び解職の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じません。
(ウ) 定款の変更等の認可(同法第7条)
定款の変更、剰余金の配当その他の剰余金の処分(損失の処理を除く)、合併、分割及び解散の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じません。
イ その他の規制事項
国土交通大臣への事業計画及び財務諸表の提出義務(同法第6条、第8条)、国土交通大臣の監督・命令権限並びに報告指示及び検査権限(同法第9条、第10条)が規定されています。
ウ 特例措置
(ア) 商号の使用制限(同法第2条)
当社でない者は、その商号中に東京地下鉄株式会社という文字を使用してはなりません。
(イ) 一般担保(同法第3条)
社債権者は、当社の財産について、民法の規定による一般の先取特権に次いで優先弁済を受けることができます。
② 鉄道事業に関する道路占用料について
当社の路線は、主として道路の地下を運行しているため、道路法(昭和27年法律第180号)第39条第1項の規定により、道路占用料徴収の対象となっていますが、有価証券報告書提出日現在、指定国道以外の道路における出入口等の地上施設を除く地下施設については、各種法令・条例等の減免措置の適用により、道路占用料の全額を免除されています。しかしながら、指定国道以外の道路について、今後、現行の各種法令等の改正により、減免措置が受けられなくなった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、指定国道における出入口等の地上施設を除く地下施設の道路占用料については、他の第三セクターの地下鉄事業者と同様、道路法施行令(昭和27年政令第479号)で定める金額の10%とされており、2025年度から徴収が開始される予定です。
当社の完全民営化後の指定国道の道路占用料の取扱いについては、現時点では取扱いを決めず、完全民営化の時期が具体化した段階で改めて協議するとの方針が示されております。しかしながら、指定国道の道路占用料について、今後、徴収率が変更された場合や、将来における当社の完全民営化後の取扱いの内容によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 中期経営計画について
当社グループは、2025年度から2027年度までの新たな中期経営計画「Run!~次代を翔けろ~」を2025年4月に公表しました。
本計画においては、自然災害対策やバリアフリー化を含めたさらなる鉄道の安全・サービス向上、新線建設の着実な推進に取り組むほか、自動運転等の新技術の開発・推進や鉄道需要の創出に加え、まちづくり・鉄道成長にも寄与する都市・生活創造事業の拡大、新たなビジネスの取組を推進することとし、資本効率性、収益性、財務健全性を踏まえた経営目標値を設定しました。
しかしながら、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載された事項を含む様々なリスク要因により本計画に掲げる取組が計画どおりに進捗しない可能性や、本計画を策定するための各種の前提が変化する可能性があります。このような場合には、当社グループは、かかる状況や変化に対応した成長戦略又は事業運営を立案又は実行するよう努めますが、適時に成長戦略や事業運営を変更し、又は改善することができないなど様々な要因により、本計画で掲げた経営目標について、当初計画した期間内に又は当該期間経過後においても達成できない可能性があります。
④ 他事業者との競合等について
当社グループは、運輸業において一部の鉄道事業者及びタクシー、バス等の交通機関と競合関係にあるほか、自家用車等の他の交通手段の利用の多寡にも影響を受けます。したがって、他事業者による新線開業や、他事業者同士による相互乗り入れ等の新しいサービスの提供は、当社の路線の輸送人員を減少させ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は他事業者との相互乗り入れ等により、当社の利用者の利便性向上及び輸送人員の拡大を図っていますが、自然災害や事故、停電又は電力の使用制限その他の理由により相互乗り入れ等のサービスを提供できなくなった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 長期債務について
当社は、前身の営団時代から地下鉄ネットワークの整備拡充に努め、その建設資金の多くを財政融資資金法(昭和26年法律第100号)に基づく財政投融資による政府からの借入金及び交通債券等の長期資金にて調達してきました。また、当社は、これら債務の償還や鉄道事業を中心とした継続的な設備投資のために、社債の発行や借入金により長期資金を調達しています。さらに、有楽町線延伸(豊洲・住吉間)、南北線延伸(品川・白金高輪間)及び豊洲駅の改良事業(以下、「有楽町線、南北線延伸事業等」といいます。)に充当するため、2023年3月30日に独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、「鉄道・運輸機構」といいます。)から、1,921億円の長期資金(新線建設推進長期借入金)を調達しており、2025年3月31日現在の社債及び借入金残高は1兆868億1千2百万円となっています。
なお、新線建設推進長期借入金による資金は、分別管理を目的として信託を設定しており、2025年3月31日現在の当該長期借入金残高は1,921億円となっています。
当社グループは、債務残高を収益力との関係性において一定の水準に抑制するなど財務規律を堅持し、財務健全性の維持・向上を図っていますが、金利が大幅に上昇した場合や当社の信用格付が引き下げられた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 不動産事業及び流通・広告事業等について
今後の人口動向やそれに伴う競争激化等の経営環境の変化を踏まえると、運輸業の拡大には一定の限度があるため、当社グループの今後の成長及び収益基盤の強化という観点から、不動産事業及び流通・広告事業等、運輸業以外の事業分野である事業領域・規模の拡大を追求することが将来的な課題となっています。そのため、今後さらにこれら事業の積極的な展開を促進していきますが、当社グループの経営資源の制約や経済環境の悪化等で、期待される収益が獲得できず、又は、新たな事業分野におけるリスクが顕在化した場合等には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 都営地下鉄との一元化について
当社は、当社と同じく東京都区部及びその周辺地域における地下鉄道事業を営む都営地下鉄とのサービスの一体化は、当社の利用者の利便性向上につながるものと考えており、地下鉄利用者の利便性向上への取組の検討を進めていきます。
また、当社は国及び東京都との間で、当社の完全民営化並びに当社と都営地下鉄とのサービスの一体化及び経営の一元化に関して従来から意見交換を行っています。これらの課題について具体的な解決策やサービス向上策の実現に向けて実務的な検討を行うことを目的として、「東京の地下鉄の一元化等に関する協議会」が2010年8月に設置されました。また、2013年7月には都営地下鉄と当社とのサービスの改善・一体化を推進することを目的として「東京の地下鉄の運営改革会議」が設置されました。当社・都営地下鉄間の運賃の乗換負担軽減策を含むサービスの一体化に関するこれらの協議の結果によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
他方、都営地下鉄については、公営企業という組織形態や累積欠損を抱えていること等を考慮すると、当社との経営の一元化を図るために解決されなければならない多くの問題が残されており、仮に経営の一元化を実施する場合においても、相当程度の時間を要することが想定されます。また、経営の一元化を実施する場合には、都営地下鉄の経営状況の改善や当社の企業価値向上が図られることが基本と考えますが、経営の一元化の具体的な内容によっては、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 新線建設について
当社は、有楽町線延伸(豊洲・住吉間)及び南北線延伸(品川・白金高輪間)(以下「両路線」といいます。)については、沿線の開発状況等を勘案した輸送需要予測の動向を踏まえ、交通政策審議会答申第371号及び国と東京都の合意に基づく十分な公的支援及び当社株式の売却が確実に実施されることを前提に、当社ネットワークに関連する両路線の整備主体となることがさらなる企業価値向上に資するものと判断し、2022年1月に国土交通大臣に対し第一種鉄道事業許可の申請を行い、同年3月に許可を受け、2023年3月に工事施行認可の申請を行いました。2024年5月に環境影響評価書の提出、同月の東京都都市計画審議会での議決及び同年6月に都市計画が決定され、同月に南北線延伸、同年10月に有楽町線延伸における鉄道事業法の工事施行認可を受け、各種協議・手続を経て同年11月に両線ともに着工しました。
しかしながら、両路線の新線建設を進めるにあたり、輸送需要を含めた事業環境の変化、想定外の建設スケジュールの長期化や追加コストの発生、公的支援の実施状況等によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
今後も当社は、両路線を除き新線建設を行わず、また、新線建設に対する協力を求められる場合には、都市鉄道ネットワークの一部を構成する事業者としての立場から、「当社の経営に悪影響を及ぼさない範囲内において行う」という方針で対応していきたいと考えています。
なお、1982年1月に免許申請を行った8号線(豊洲・亀有間14.7km)については、半蔵門線(水天宮前・押上間)の開業や輸送需要予測の減少等、免許申請時とは事業環境が異なってきたことから、当社としては、整備主体となることは極めて困難と認識しています。
⑨ コンプライアンスについて
当社グループは、「コンプライアンスに関する規定」、「東京メトログループコンプライアンス行動基準」などの周知、徹底に加え、コンプライアンス教育を定期的に実施するなどの啓発活動を行うとともに、コンプライアンスに反する行為等を通報できる「企業倫理向上窓口」を設置するなど、コンプライアンス体制の整備・拡充に努めています。
しかしながら、当社グループの役職員によるコンプライアンスに反する行為が発生した場合には、法令等に基づく罰則や規制当局による処分、コンプライアンス違反に起因する損害賠償請求等を受けること等により、当社グループの社会的信用が低下するとともに、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 財務大臣及び東京都の当社株式保有について
有価証券報告書提出日現在において、当社の発行済株式のうち、26.71%(議決権比率26.72%)を財務大臣が、23.29%(議決権比率23.30%)を東京都が保有しており、財務大臣及び東京都は引き続き当社の経営に重要な影響を及ぼしうることになります。当社グループの事業その他に関する政府や東京都の利益は、当社の他の株主の利益と相反する可能性があり、当社グループの他の株主の利益に反する影響力の行使がなされる可能性があります。
なお、東京地下鉄株式会社法附則第2条により、「国及び東京都は、特殊法人等整理合理化計画の趣旨を踏まえ、この法律の施行の状況を勘案し、できる限り速やかにこの法律の廃止、その保有する株式の売却その他の必要な措置を講ずるものとする」旨規定されております。また、2021年7月15日に交通政策審議会が答申した「東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等について」(交通政策審議会答申第371号)において、当社株式の売却に当たっては、国及び東京都が当面当社株式の2分の1を保有することが適切であり、その後の当社株式の売却について国と東京都は、これまでの閣議決定や法律において完全民営化の方針が規定されていることを堅持しつつ、その中で、首都の中枢エリアを支える地下鉄の公共性や地下鉄ネットワーク整備の進展を踏まえながら対応することが求められるとの考え方が示されております。さらに、2022年3月28日に財政制度等審議会が答申した「東京地下鉄株式会社の株式の処分について」及び同日に東京都が公表した「東京地下鉄株式会社の株式の処分の基本的な考え方」において、新規公開後の「その後の売却においては、国と東京都の協議を踏まえて対応すること」が適当であるとの考え方が示されております。以上のとおり、今後、地下鉄の公共性や地下鉄ネットワーク整備の進展等を踏まえつつ、国と東京都が保有する当社株式の全部又は一部を売却することが想定されており、かかる売却が実施される場合には、短期的に当社株式の需給バランスに影響が生じ、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。
(4) システム関連のリスク
① 情報システムについて
当社グループの事業は、コンピューターシステムや通信ネットワークといった情報システムに大きく依存しています。当社グループでは、サイバーセキュリティ推進体制の整備や専門機関による定期的なシステム監査の実施等の施策に取り組んでいます。しかしながら、上記(2)①に記載した自然災害・事故等のほか、人為的ミス及びコンピューターウィルス等並びに第三者による妨害行為等により、列車運行や電力供給に関するシステム等に障害が発生した場合には、正常な列車運行その他の事業運営に支障を来す可能性や、これに伴う当社グループの社会的信用の低下等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 個人情報保護について
当社グループでは、各事業において顧客情報等の個人情報を保有しています。個人情報については当社グループの「個人情報保護方針」や「情報管理規程」に基づき厳正な管理を行っていますが、何らかの原因により情報が流出した場合には、損害賠償等による費用を負担する必要が生じるほか、当社グループに対する信用が損なわれる等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、緩やかに回復しているものの、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇や金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
このような状況下で、当社グループは、2022年4月に公表し、2023年3月に設備投資計画の見直しやポストコロナを見据えた経営目標値の上方修正等を行った中期経営計画「東京メトロプラン2024」(2022年度~2024年度)に基づき、各種施策を積極的に推進しました。本計画期間において、鉄道事業の持続可能性の向上を図るべく、安全の確保を前提に、次世代に向けたコスト構造や業務の抜本的な見直し等、『構造変革』に取り組むとともに、新線建設、お出かけ機会の創出、都市・生活創造事業の強化等、『新たな飛躍』を目指した各種施策に取り組みました。
当連結会計年度の業績は、経済活動の活性化等により、都心部を中心に沿線全域で平日、休日ともに好調に推移したことに伴い、旅客運輸収入が増加し、営業収益が4,078億3千2百万円(前期比4.8%増)となり、営業利益が869億4千2百万円(前期比13.9%増)、経常利益が770億8百万円(前期比16.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が537億4千8百万円(前期比16.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
[運輸業]
① 安全性・利便性の向上
(セキュリティ強化)
テロ行為や犯罪に備え、全車両への車内セキュリティカメラ設置を2024年度末までに完了しました。
(自然災害対策)
阪神・淡路大震災及び東日本大震災後の通達に基づく耐震補強(高架橋、石積み擁壁)は完了しています。また、熊本地震後の通達に基づく震災対策として、早期運行再開を目的としたロッキング橋脚、こ線道路橋・人道橋の補強は完了し、現在はトンネル中柱の耐震補強工事を進めています。
大規模浸水対策として、浸水深等に応じた駅出入口の止水板の改良、防水扉の設置、上屋建て替えによる完全防水型出入口への改良、換気口浸水防止機の改良、換気塔の嵩上げ、地上駅・地上設備の外壁の鉄筋コンクリート化、トンネル坑口への防水ゲートの設置等を進めており、現在61.1%の進捗となっています。
(お客様の円滑な移動の実現)
お身体の不自由なお客様をはじめとした全てのお客様に安心してご利用いただけるよう、エレベーター、エスカレーター及びバリアフリートイレの整備を進めており、2024年5月に東西線南砂町駅にエレベーター、同年11月に副都心線池袋駅にエレベーター、日比谷線茅場町駅にエレベーター及びエスカレーターを設置しました。また、ホームと車両床面の段差・隙間縮小のため、東西線、半蔵門線、南北線及び副都心線(※)においてホームの嵩上げ、くし状ゴムの設置を進めています。
※銀座線・丸ノ内線・日比谷線・千代田線は完了
ホームドアの整備については、2025年度中の全路線全駅(大規模改良中の南砂町駅を除く)への設置完了を予定しており、2路線において設置工事を進めています。
現在の全線及び設置工事中2路線の整備率は、以下のとおりです(※)。
※他路線は設置完了
また、東西線南砂町駅においては、混雑緩和を目的としたホーム2面3線化のため、2024年5月に第1回線路切替工事を行い、新設したホーム、出入口、改札等の供用を開始しました。
(その他)
日本の地下鉄で初めての無線式列車制御システム(CBTCシステム)を丸ノ内線全線で2024年12月から使用開始しました。CBTCシステムは無線通信技術を利用した信号保安システムで、高い遅延回復効果や軌道回路に起因する輸送障害の減少等により運行の安定性が向上しています。
また、2021年6月に発生した日比谷線八丁堀駅における多機能トイレの機能不備によるお客様の発見遅れについては、公表した再発防止対策報告書に基づく取組を確実に推進し、当社施設の確実な施工、保守・点検及び適切な取扱いを徹底しています。
② 有楽町線延伸・南北線延伸等によるネットワーク発展・充実
(有楽町線・南北線の延伸)
新線建設(有楽町線延伸・南北線延伸)については、都市計画決定が告示され、工事施行認可を受けたことを踏まえ、地質及び埋設物の調査並びに設計及び工事説明会を実施し、2024年11月に工事着手しました。
③ 鉄道事業の成長に向けたアクションプラン
(目的地と連動した移動価値)
沿線施設と連動したお出かけ機会の創出に向けて、企業や自治体とタイアップしたスタンプラリーや観光施設等の入場券とTokyo Subway Ticketのセット発売及び商業施設で使用可能なクーポンと東京メトロ24時間券のセット発売を行いました。また、2025年3月から様々な観光施設をおトクに周遊できる乗車券付きの観光チケット「Tokyo City Pass」を発売しました。
(他サービスと連携した移動価値)
「東京メトロmy!アプリ」を介して、お出かけ情報の提供や二次交通との連携による観光予約等、ご乗車の機会が増えるような「楽しみ」の企画・提案を行っています。2024年4月から、同アプリを介して飲食店ポータルサイトであるオズモールを予約いただいたお客様に、メトロポイントクラブ(メトポ)のポイント付与を開始しました。また、同年9月に、キッザニア東京と同アプリを介した通年での利用予約を開始したほか、2025年3月から、クレジットカードのタッチ決済及びQRコード(※)を活用した乗車サービスの開始に合わせ、同アプリと乗車券販売サイトとの連携を開始しました。 ※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
(頻度に応じた移動価値)
より分かりやすくお得に多くのお客様にご利用いただけるよう、2024年4月に、PASMOをお持ちの方を対象とした「メトロポイントクラブ(メトポ)」とTo Me CARDをお持ちの方を対象とした「メトロポイント」の2つのポイントサービスを統合しました。また、同年5月に、モバイルのPASMOをご利用のお客様において、モバイルPASMOアプリ上でメトポの登録手続及びポイントからのチャージを可能にしました。さらに、2025年3月に、カード型PASMOも含めてWeb上でのメトポの登録手続に対応したことで、全てのお客様の登録手続がオンラインで可能となりました。
④ 新技術の導入とDXによる鉄道オペレーションの進化
(技術開発ビジョン)
新技術の導入・開発やDXの推進等により、持続的な企業価値向上を図り、将来にわたる安心の提供を実現するため、状態基準保全(CBM)の一環として、車両・設備の状態監視を進めています。また、故障予知技術・劣化予測技術の促進の検討を進めています。2024年11月には、鉄道会社として初めてお客様向けチャットボット及びお客様センター業務双方への生成AIの本格的な活用を開始しました。
⑤ 不動産事業の拡大とまちづくりとの連携
(まちづくりとの連携)
駅周辺開発を計画・検討する都市開発事業者等と連携した「えき・まち連携プロジェクト」として、5駅において開発提案を募集しています。
⑥ 海外鉄道ビジネスの拡大・新規ビジネスの開発推進
(海外鉄道ビジネス)
海外鉄道ビジネスについては、O&M(オペレーション&メンテナンス)事業において、英国に本社を置く鉄道事業者The Go-Ahead Group Limited、住友商事株式会社及び当社の3社で出資設立した事業会社GTS Rail Operations Limitedが、英国ロンドン市における地下鉄Elizabeth line(エリザベス・ライン)の運営事業を受注しました。同社は、現行の運営事業者からの移管を経て2025年5月から鉄道運営事業を開始します。また、都市鉄道整備が進むフィリピン、ベトナム等において、鉄道整備、技術支援に係る各プロジェクトを推進したほか、世界の鉄道関係者向けオンライン講座・訪日研修の「Tokyo Metro Academy」を開催(オンライン講座18講座及び訪日研修3回)しました。
(新規ビジネスの開発)
新規事業の創出を目的とした社内事業開発プログラム「メトロのたまご」を通じて社員が提案したスケートボードパーク&スクール事業「RAMP ZERO」を、日比谷線南千住駅高架下において2024年4月に営業開始しました。また、「Tokyo Metro ACCELERATOR 2022」で最終審査を通過したSTUDIO BUKI株式会社との協業施策として、子どもが作中で東京メトロの運転士になれるパーソナライズド絵本「僕は私は運転士!」を同年4月に販売開始しました。同様に、最終審査を通過した株式会社休日ハックとの協業施策として、漫画・謎解き・街歩きを掛け合わせたオリジナル体験型エンターテイメント「メトロタイムゲート」を同年5月から8月まで実施したところ、期間終了前に早期に完売したため、2025年2月から3月までリバイバル開催しました。
また、「東京メトロ×プログラボ」を中心とした教育事業のスムーズな運営と拡大を目指し、2024年12月に「東京メトロエデュケーショナル株式会社」を設立しました。今後、プログラボが理念に掲げる「未来を担う子ども達の『夢を実現するチカラ』を育む」ことを目指して教室運営を行います。
加えて、スタートアップ企業との協業や出資を通じて、革新的なサービスを創出し、東京の未来を共に創ることを目的としたCVC活動「Tokyo Metro Ventures」を2025年3月から開始しました。
⑦ 脱炭素・循環型社会への貢献
(脱炭素社会への取組)
脱炭素社会の実現に向けた取組として、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、当社の気候関連リスク、機会等を特定し、開示しています。指標、目標として掲げている長期環境目標「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」について、2030年度目標を△50%から△53%(ともに2013年度比)に高め、更なる推進を図っています。
電力由来エネルギーの脱炭素化として、2024年4月に丸ノ内線・南北線は使用電力全てを水力発電由来の再生可能エネルギーに置き換えました。また、鉄道業界では初となる取組として、同年7月に小水力発電を、同年10月には陸上風力発電を活用したバーチャルPPA(需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの環境価値のみを仮想的に調達する契約)による環境価値の調達を行いました。
このほか、変電所や車両、その他電気設備が保有するデータを分析・見える化し、変電所電圧の適正化や駅補助電源装置の制御方式を変更することで、回生電力のロスを削減するなど、更なるエネルギーの有効活用化を推進しました。
また、これらの取組に加えて、当社の鉄道運行を通じて生まれた社会における環境面でのポジティブインパクト(削減貢献量)を活用し、他者と連携した取組を実施することにより、鉄道の環境優位性をPRしました。
(循環型社会の実現に向けた取組)
当社グループ運営の飲食店等から排出される使用済み油をSAF(Sustainable Aviation Fuel:化石燃料以外を原料とする持続可能な航空燃料)の原料に再利用する取組に参加し、2024年6月に、東西線浦安駅で使用済み油回収イベントを実施しました。
⑧ 経営基盤の強化
(安全文化の醸成)
お客様の安全を第一に、事故の未然防止、再発防止に取り組むため、グループ全役員・社員を対象にした安全研修をはじめとし、「安全を最優先する企業風土の形成」「ヒューマンファクター概念の浸透」「部門間連携強化による総合力の発揮」「PDCAサイクルによる安全管理体制の強化」を実現するための施策を継続実施したほか、社員一人ひとりが自ら考え行動を起こすことができる安全文化の醸成に努めています。
(豊かな社会のためのパートナーシップ)
女子駅伝部やパリ2024パラリンピック競技大会に出場したパラフェンシング選手である安直樹選手の活動支援のほか、東京マラソンへの参画を通じて、スポーツ選手が活躍できる環境づくりに貢献するとともに地域・社会の活性化に取り組んでいます。
安選手は、2025年2月に開催されたパラフェンシングのブラジルワールドカップにおいて、エペ、フルーレの2種目で銅メダルを獲得しました。女子駅伝部は、2024年11月、第44回全日本実業団対抗女子駅伝競走大会(クイーンズ駅伝)に初出場を果たしました。さらに2025年3月に開催された名古屋ウィメンズマラソンにおいて、上杉真穂選手が全体4位(日本人2位)の好成績を収めました。
また、沿線の盲学校と連携し、当社総合研修訓練センターにある模擬ホーム等を活用し、生徒たちが線路の幅やレールの形状、ホームの高さ等に触れて駅設備の仕組みを学ぶ体験会を実施しました。
運輸業の当連結会計年度の業績は、経済活動の活性化等により、都心部を中心に沿線全域で平日、休日ともに好調に推移したことに伴い、旅客運輸収入が増加し、営業収益が3,729億1千7百万円(前期比4.6%増)、営業利益が741億6千1百万円(前期比16.3%増)となりました。
(運輸成績表)
(注)1 記載数値は、千キロ未満、千人未満、百万円未満を切り捨てて表示しています。
2 乗車効率の算出方法:人キロ÷(客車走行キロ×客車平均定員)×100
3 第17期から第19期の各連結会計年度における、旅客運輸収入は下表のとおりです。
[不動産事業]
不動産事業においては、収益性の向上を図るべく、駅周辺の都市開発と一体となった建物の整備を進めています。2024年4月には神宮前六丁目用地再開発建物が東急プラザ原宿「ハラカド」として開業したほか、同年12月には、池袋二丁目用地に「スーパーホテル池袋西口天然温泉」が開業しました。また、新宿駅西口地区開発計画においては新築工事を推進し、東上野地区においては東上野四丁目A―1地区再開発準備組合へ事業協力者として参画しています。加えて、遊休資産の有効活用として同年7月には北馬込一丁目用地(旧家族寮)に介護付有料老人ホームの「チャームスイート旗の台」、同年12月には弥生町五丁目用地(旧研修施設)に「メトロステージPLUS中野弥生町」がそれぞれ開業したほか、同年12月に東陽町スクウェアビル、2025年2月にTS青山ビルをそれぞれ取得しています。そのほか、不動産事業の成長を目的に不動産アセットマネジメント事業へ参入するため2024年4月に設立した「東京メトロアセットマネジメント株式会社」は、2025年3月から「東京メトロプライベートリート投資法人」の運用を開始しました。
不動産事業の当連結会計年度の業績は、営業収益が146億6千3百万円(前期比7.4%増)、営業利益が42億円(前期比7.9%減)となりました。
[流通・広告事業]
流通・広告事業においては、収益性の向上を図るとともに、お客様の「新たな日常」を支え、ニーズに迅速に対応するため、各種開発を推進しました。
流通事業については、2024年11月に日本橋駅構内に「日本橋メトロピア」、2025年3月に錦糸町駅構内に「錦糸町メトロピア」を開業しました。東西線高架下においては同年3月に葛西駅西側の開発に加え、浦安駅に「M’av浦安」を開業しました。そのほか、駅構内店舗等における店舗入替や駅構内の空きスペースにおける自動販売機、コインロッカー等の増設、東西線高架下や錦糸町駅における新規店舗の開発を進めました。
広告事業については、改札口付近にデジタルサイネージ及び広告看板を新設したことに加え、デジタルサイネージの販売促進や、中づり・まど上、駅ばりポスターの貸切商品等、クライアントニーズに応じたインパクトのある商品の展開により、収益拡大に努めました。
流通・広告事業の当連結会計年度の業績は、営業収益が250億1千7百万円(前期比4.6%増)、営業利益が84億6百万円(前期比5.5%増)となりました。
当社グループの財政状態については、当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ72億2千1百万円増の2兆297億4千5百万円、負債合計は409億1千2百万円減の1兆3,132億1千5百万円、純資産合計は481億3千3百万円増の7,165億2千9百万円となりました。
資産の部の増加については、設備投資に伴う固定資産の増加等によるものです。
負債の部の減少については、長期債務の償還等によるものです。
純資産の部の増加については、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものです。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、35.3%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ169億3百万円減少し、当連結会計年度末には737億6千2百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、1,235億4千4百万円(前期比115億2千2百万円収入減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益743億3千2百万円(前期比87億9千万円の収入増)と非資金科目である減価償却費720億9千9百万円(前期比16億4千8百万円の収入減)を計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、895億4百万円(前期比107億2千5百万円支出減)となりました。これは主に、設備投資等を中心に有形及び無形固定資産の取得による支出1,159億8千万円(前期比118億4千7百万円の支出増)と有形及び無形固定資産の売却による収入218億6千3百万円(前期比216億1千6百万円の収入増)があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、509億4千3百万円(前期比177億8千9百万円の支出増)となりました。これは、長期借入れの返済による支出が320億8千6百万円(前期比209億9千6百万円の資金の減少)及び配当金の支払額が185億9千2百万円(前期比69億7千2百万円の資金の減少)あったこと等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの業種構成はサービス業が中心であり、受注生産形態をとらない会社が多いため、「① 財政状態及び経営成績の状況」においてセグメントの業績を記載することとしています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の分析は次のとおりです。
当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。
(単位:百万円)
[営業収益及び営業利益]
当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度に比べ185億6千4百万円増の4,078億3千2百万円となりました。
これは、経済活動の活性化等により、都心部を中心に沿線全域で平日、休日ともに好調に推移したことに伴い、旅客運輸収入が増加したこと等によるものです。
営業費は、前連結会計年度に比べ79億8千1百万円増の3,208億8千9百万円となりました。これは、修繕工事に伴う修繕費の増等があったこと等によるものです。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ105億8千3百万円増の869億4千2百万円となりました。なお、各セグメントの営業利益の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。
[営業外損益及び経常利益]
当連結会計年度の営業外収益は、固定資産維持管理協力金等の計上により、前連結会計年度に比べ6千9百万円増の21億2千5百万円となりました。
営業外費用は、支払利息の減少等により、前連結会計年度に比べ4億8千8百万円減の120億6千万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ111億4千1百万円増の770億8百万円となりました。
[特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益]
当連結会計年度の特別利益は、鉄道施設受贈財産評価額の減少等により、前連結会計年度に比べ30億8百万円減の100億6千5百万円となりました。
特別損失は、固定資産圧縮損の減少等により、前連結会計年度に比べ6億5千7百万円減の127億4千1百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は743億3千2百万円となり、法人税等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ74億8千5百万円増の537億4千8百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動により得られた資金並びに社債及び借入金を設備投資等に充当しています。
当社グループの主な資金需要は、営業活動に係る資金支出では、鉄道事業に係る修繕費や管理委託費等の経費、人件費などがあります。また、投資活動に係る資金支出では、車両更新やホームドア整備などの安全対策、バリアフリー整備などの旅客サービス等の運輸業への投資、持続的な成長を実現する不動産事業及び流通・広告事業への投資のほか、有楽町線、南北線延伸事業等に係る投資があります。
資金調達の方法は、償却前営業利益を基本に、不足する資金を金融市場動向等に鑑み、社債の募集及び金融機関からの借入により長期資金を調達しています。また、運転資金として短期的に資金を必要とする場合は、国内金融機関との当座貸越契約により短期資金を調達することで、緊急時の流動性を確保しています。これらにより、当社グループの事業運営に必要な運転資金、設備投資資金の調達は問題なく対応可能と認識しています。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成され、連結財務諸表の作成にあたっては連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っています。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
ⅰ固定資産の減損
当社グループは多くの固定資産を保有しており、回収可能価額を将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額など多くの前提条件に基づいて算出しています。そのため、景気低迷、他事業者との競合、市場価格の下落、感染症の発生等により当初見込んだ収益が得られなかった場合、又は算出の前提条件に変更があった場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失を認識する可能性があります。
ⅱ繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際して、将来の課税所得を合理的に見積っています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少し繰延税金資産の一部又は全部を将来実現できないと判断した場合、その判断を行った期間に繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
ⅲ退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される割引率、退職率、死亡率及び長期期待運用収益率等の前提条件に基づいて算出しています。
実際の結果が、前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響を及ぼす可能性があります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の推移につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。なお、第17期及び第18期において、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、旅客人員の減少等により営業損益がマイナスとなったため、EBITDAが減少しましたが、その後は回復傾向にあり、足元の状況は堅調に推移しているものと判断しています。また、連結純有利子負債/EBITDA倍率につきましても、第21期において6.4倍となっており、堅調に推移しているものと判断しています。
5 【重要な契約等】
有楽町線、南北線延伸事業等の資金として、2023年3月17日に総額1,921億円の金銭消費貸借契約を鉄道・運輸機構と結んでいます。
6 【研究開発活動】
特記すべき事項はありません。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の総投資額は、119,007百万円となりました。なお、設備投資の金額には、無形固定資産への投資額を含めて記載しています。
運輸業については、ホームドア新設等の安全対策、バリアフリー整備等の旅客サービス等を実施し、設備投資額は99,667百万円となりました。
不動産事業については、新宿駅西口地区開発計画の新築工事推進等に伴い、設備投資額は13,121百万円、流通・広告事業については、錦糸町メトロピアの店舗開発等に伴い、設備投資額は5,460百万円となりました。
その他の設備投資額は、845百万円となりました。
2 【主要な設備の状況】
当社グループの2025年3月31日現在におけるセグメントごとの設備の概要は次のとおりです。
(1) セグメント総括表
(注) 1 帳簿価額「その他」は工具器具備品等です。
2 土地面積[ ]内は連結会社以外から賃借中の面積(外書)です。
3 従業員数[ ]内は臨時従業員の平均人員(外書)です。
4 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントです。
※以下にセグメント別の主要な設備の内訳を記載します。
(2) 運輸業
(提出会社)
線路及び電路設備
車両数
車両基地
(3) 不動産事業
(提出会社)
(注) ※1 千住MKビル、アクロポリス東京、茗荷谷駅MFビル、渋谷マークシティ、渋谷ヒカリエ、メトロシティ神谷町、渋谷スクランブルスクエア、虎ノ門ヒルズステーションタワー及び東急プラザ原宿「ハラカド」は共同所有物件であり、記載の数値は当社の持分相当です。
※2 AOYAMA M's TOWERは当社子会社との共同所有物件であり、記載の数値は当社の持分相当です。
※3 メトロシティ早稲田は、2024年4月1日に早稲田駅前ビルから名称を変更しています。
※4 メトロシティ築地新富町は、2024年4月1日に築地第一長岡ビルから名称を変更しています。
※5 メトロシティ半蔵門は、2024年4月1日に新半蔵門ビルから名称を変更しています。
※6 メトロシティ上野稲荷町は、2024年4月1日に東上野フロントビルから名称を変更しています。
(子会社)
(注) 賃貸面積は、連結会社以外への賃貸面積です。
(4) 流通・広告事業
(提出会社)
(注) アコルデ代々木上原は共同所有物件であり、記載の数値は当社の持分相当です。
(子会社)
(注) 賃貸面積は、連結会社以外への賃貸面積です。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(注) 1 経常的な設備投資に伴うものを除き、重要な設備の除却及び売却の計画はありません。
2 設備の新設に対する所要資金は、自己資金、社債、借入金及び工事負担金等で充当する予定です。
3 当該工事については、関係先と調整中のため総額は総事業費、既支払額は当社の支払総額を記載しています。
4 東西線ホームドア整備については、一部の大規模改良工事実施中の駅を除いた完成予定年度を記載しています。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 発行済株式総数、資本金及び資本準備金の増加は会社設立によるものです。
なお、営団は、東京地下鉄株式会社法附則第6条、第7条及び第11条の規定に基づき、2004年4月1日付けで当社にその財産の全部を出資しており、それにより取得した株式を営団への出資の割合に応じて政府及び東京都に無償譲渡しています。1株当たりの発行価格は207円(内資本組入額100円)です。
(5) 【所有者別状況】
2025年3月31日現在
(6) 【大株主の状況】
2025年3月31日現在
(7) 【議決権の状況】
①【発行済株式】
2025年3月31日現在
②【自己株式等】
2025年3月31日現在
2 【自己株式の取得等の状況】
該当事項はありません。
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
該当事項はありません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
該当事項はありません。
3 【配当政策】
当社は、東京都区部及びその周辺において、公共性の高い地下鉄事業を中心に事業展開を行っており、長期にわたる安定的な経営基盤の確保・強化に努めるとともに、連結配当性向40%以上の分配を目指し、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としています。加えて、2025年4月28日に公表した中期経営計画「Run!~次代を翔けろ~」において、2025年度から2027年度までの中期経営計画期間中は、DOE(純資産配当率)3.4%程度を確保することとしました。
また、当社は会社法第454条第5項に規定する剰余金の配当(以下「中間配当」といいます。)を行うことができる旨を定款に定めており、配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。当社はこれまで、各事業年度につき1回、期末配当のみ実施することを基本的な方針としていましたが、翌事業年度より、中間配当及び期末配当の年2回の剰余金の配当を行う予定です。
当事業年度の剰余金の配当については、上記の基本方針や今後の経営の見通し等を踏まえ、1株当たり40円を、2025年6月25日開催予定の定時株主総会で決議して実施する予定であります。
内部留保金については、企業価値向上の観点から、ホームドア整備等の安全対策やバリアフリー設備整備等の旅客サービス向上に向けた投資等を実施することに加え、鉄道事業の成長にも寄与する不動産開発や、事業運営能力の向上につながる新技術への投資等へ活用していく方針としています。
なお、東京地下鉄株式会社法に基づき、剰余金の配当その他剰余金の処分の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければその効力を生じません。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりです。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、全てのステークホルダーへの提供価値を高め、より信頼される企業となるため、コーポレート・ガバナンスの充実を図ることで経営の透明性・公正性を確保するとともに、迅速な業務遂行に努め、より効率的な企業経営による経営基盤の強化を目指しています。
②会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況(有価証券報告書提出日現在)
ⅰ会社の機関の基本説明
当社の取締役会は、社外取締役4名を含む11名で構成され、原則月1回の開催により、法令又は定款に規定するもののほか、経営に関する重要な事項についての決定及び業務執行の監督を行っています。なお、当社は、2025年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役11名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、取締役11名(うち社外取締役4名)となる予定です。
また、社長の諮問機関である経営会議は、代表取締役、執行役員及び必要に応じて社長の指名する者が出席することとしており、経営に関する重要な事項について審議し、迅速かつ適切な業務執行を行っています。
当社は監査役制度を採用しており、3名の社外監査役を含む監査役4名で構成され、監査役会の開催のほか、取締役会その他重要な会議への出席、重要な決裁書類の閲覧など、取締役の職務執行について厳正な監査を行っています。なお、当社は、2025年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「監査役4名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、監査役4名(うち社外監査役3名)となる予定です。
コーポレート・ガバナンス体制に関する模式図

ⅱ当該企業統治の体制を採用する理由
事業内容、規模等を総合的に勘案し、上記のコーポレート・ガバナンス体制を採用しています。
ⅲ内部統制システムの整備状況
コンプライアンスの推進、財務報告の信頼性の確保、業務の有効性・効率性の向上及び資産の保全の4つの目的を達成するため、当社における内部統制システムの基本方針を次の内容で決議しています。
ア 当社の取締役・使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・ コンプライアンスに関する規程及び行動基準に基づき、取締役社長を最高推進責任者とする体制のもと、コンプライアンスを重視した職務の執行を推進します。
・ 総括推進責任者(最高推進責任者の指名した取締役又は執行役員)を委員長とするコンプライアンスに関する委員会を設置し、必要な案件を協議します。
・ 内部監査を担当する組織として取締役社長の直属にある監査室は、各部門の業務全般について内部監査に関する規程に基づき監査を実施します。
・ コンプライアンスの一層の浸透を図るため、すべての役職員を対象とする研修を継続的に実施します。
・ 内部通報制度を設け、コンプライアンスに反する行為又は疑問のある行為に対して適切に対処します。
内部通報をした者に対しては、内部通報制度を活用したことを理由として、不利益な取扱いは行いません。
・ 財務報告の信頼性を確保するための内部統制を整備及び運用します。
・ 秩序や安全を脅かす反社会的勢力とは決して関係を持たず、反社会的勢力の活動を助長するような行為は行いません。
イ 当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
・ 取締役会及び経営会議の議事録、決裁文書その他取締役の職務執行に係る文書に関し、文書管理に関する規程に基づく保存期間、管理体制等の下で適切に保存及び管理します。
ウ 当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・ リスクマネジメントに関する規程及び基本方針に基づき、取締役社長を最高推進責任者とする体制のもと、リスク管理体制を構築し、具体的リスクへの対応を適切に実施します。
・ 総括推進責任者(最高推進責任者の指名した取締役又は執行役員)を委員長とするリスクマネジメントに関する委員会を設置し、必要な案件を協議します。
・ 鉄道輸送の安全確保のため、事故、災害及び不測の異常事態に関しては、事故、災害等の対策に関する規程に基づき適切に対応するほか、鉄道輸送について更なる安全管理体制の充実を図ります。
エ 当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・ 取締役社長を議長とする取締役会を原則として月1回以上開催し、経営に関する最重要事項の審議、取締役の職務執行状況の監督等を行うほか、経営の機動的かつ円滑な遂行のために、取締役社長を議長とする経営会議を原則として週1回以上開催し、経営に関する重要事項を審議します。
・ 取締役又は執行役員は、業務の執行状況について、取締役会及び経営会議において報告します。
・ 取締役会において中期経営計画に基づく経営目標値及び業績評価指標を踏まえた年度計画を策定し、業績の管理を行います。
・ 業務組織、業務分掌、職制及び職務権限に関する規程に基づき、組織的かつ効率的な職務執行を図ります。
オ 当社及び当社子会社(以下「グループ会社」といいます。)から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
・ コンプライアンス及びリスクマネジメントに関する規程に基づき、コンプライアンス及びリスクマネジメントへの取組を、グループ全体として推進します。さらに、内部通報制度の相談・通報範囲をグループ全体とします。内部通報をした者に対しては、内部通報制度を活用したことを理由として、不利益な取扱いは行いません。
・ グループ会社管理に関する規程に基づき、グループ全体の適正かつ効率的な業務執行を図ります。
・ 財務報告の信頼性を確保するための内部統制を、グループ全体の取組として推進します。
・ グループ会社は、グループ会社管理に関する規程の定めるところに従い、当社に報告し、決定に際しては、当社の承認を経るものとします。
・ 監査室は、グループ会社の業務全般について内部監査に関する規程に基づき監査を実施します。
カ 当社の監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項
・ 監査役室は業務執行部門から独立した組織とし、監査役室長は監査役の命を受け、監査役の監査に関する補助業務を行います。
・ 監査役室に室長を含む使用人数名を置き、監査業務を補助すべき専属の使用人とします。
・ 監査役室の使用人の人事については、監査役と事前協議します。
キ 当社の監査役への報告に関する体制
・ 監査室は、内部監査結果について取締役社長に報告後、監査役に報告します。
・ 取締役及び使用人は、監査役監査規程の定めるところに従い、監査役に対し、計算書類及びその附属明細書、株主総会に提出する議案及び書類並びに会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実及び後発事象に関する文書を提出するとともに、業務執行に関する重要な決裁文書等の文書類を回付し、説明を行います。
・ 取締役及び使用人は、監査役会規程の定めるところに従い、監査役会において報告を行います。
・ 取締役及び使用人は、グループ会社管理に関する規程の定めるところに従い、グループ会社の取締役及び使用人から報告を受け、監査役に報告します。
・ 上記の報告をした者に対しては、当該報告を行ったことを理由として、不利益な取扱いは行いません。
ク その他当社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・ 代表取締役は、監査役と定期的に意見交換を行います。
・ 取締役は、監査役が監査役監査規程に基づき、重要な意思決定の経過、業務執行状況等を把握するため、重要な会議に出席し、必要に応じて意見を述べることができるよう措置します。
・ 監査室及び会計監査人は、監査役監査規程の定めるところに従い、監査の効果的な実施のため、監査役又は監査役会に、監査に関する報告をするほか、相互の監査計画についての意見の交換を図り、連絡を密にします。
・ 監査役又は監査役会は、その職務の執行上必要がある場合は、監査役監査規程に基づき、取締役社長の承認を得て監査役室以外の使用人に臨時に監査に関する業務を行わせることができます。
・ 監査役は、職務の執行上必要と認める費用について、監査役監査規程の定めに従い、会社に請求することができます。
③リスク管理体制の整備状況
当社は、鉄道運行に関する事故等への対応強化を図るとともに、グループ全体のリスクマネジメント体制の強化を図るため、コンプライアンス・リスクマネジメント基本規程に基づき、リスクに対する施策を実行し、リスクの低減と防止に努めています。
また、企業不祥事や法令違反などを惹起するリスクに対しては、東京メトログループコンプライアンス行動基準を基に、コンプライアンスマニュアルの活用や社員に対する教育を行うなど、コンプライアンス経営の推進を図っています。
④取締役会等の状況
ⅰ 取締役会
取締役会は、山村明義(代表取締役社長 社長執行役員)を議長とし、川澄俊文(代表取締役会長)、小坂彰洋(代表取締役 専務執行役員)、小川孝行(代表取締役 専務執行役員)、中澤英樹(取締役 常務執行役員)、堂免敬一(取締役 執行役員)、鈴木信行(取締役 執行役員)、杉山武彦(社外取締役)、小林英三(社外取締役)、武井奈津子(社外取締役)、井村順子(社外取締役)の11名の取締役で構成され、原則月1回開催しています。
当事業年度において当社は取締役会を年24回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりです。
取締役会における主な検討内容としては、法令又は定款に規定するもののほか、経営に関する重要な事項についての決定及び業務執行の監督を行っています。
ⅱ 指名・報酬委員会
取締役等の指名・報酬等に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化することを目的として、指名・報酬委員会を設置しています。指名・報酬委員会は、杉山武彦(社外取締役)、小林英三(社外取締役)、武井奈津子(社外取締役)、山村明義(代表取締役社長 社長執行役員)、小坂彰洋(代表取締役 専務執行役員)の5名で構成され、杉山武彦(社外取締役)が委員長を務めています。
当事業年度において当社は指名・報酬委員会を年6回開催しており、個々の出席状況については次のとおりです。
指名・報酬委員会における主な検討内容としては、取締役等の指名・報酬等について審議の上、その結果を取締役会に報告しています。具体的には、役員報酬制度、個人別の役員報酬額、スキルマトリックスの枠組み等に関する審議を行っております。
なお、当社は2025年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役11名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項として「指名・報酬委員会の委員の選定」が付議され、指名・報酬委員会は、小林英三(社外取締役)、武井奈津子(社外取締役)、井村順子(社外取締役)、小坂彰洋(代表取締役社長 社長執行役員)、山村明義(取締役)の5名で構成され、小林英三(社外取締役)が委員長を務める予定です。
⑤責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項に基づき、社外取締役及び監査役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、法令が定める額としています。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役及び監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
⑥役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険により被保険者が法律上負担することになる、第三者訴訟において発生する争訟費用及び損害賠償金を塡補することとしています。
当該保険契約の被保険者は取締役、監査役及び執行役員です。
⑦取締役の定数
当社の取締役は15名以内とする旨を定款に定めています。
⑧取締役の選解任の決議要件
当社は、取締役の選任決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めています。
また、累積投票による取締役の選任については、累積投票によらない旨を定款に定めています。
⑨株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。
⑩株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとした事項
ⅰ 中間配当
当社は、株主への利益還元を機動的に行えるよう、取締役会の決議によって、毎年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して会社法第454条第5項による中間配当をすることができる旨を定款に定めています。
ⅱ 自己株式の取得
当社は、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
1 2025年6月24日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりです。
男性12名 女性3名 (役員のうち女性の比率 20.0%)
(注) 1 取締役の任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
2 監査役の任期は、2021年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
2 2025年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役11名選任の件」及び「監査役4名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、当社の役員の状況は、以下のとおりとなる予定です。なお、役員の役職等については、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項の内容(役職等)を含めて記載しています。
男性11名 女性4名 (役員のうち女性の比率 26.7%)
(注) 1 取締役の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
2 監査役の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2029年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
② 社外役員の状況
当社の社外取締役は杉山武彦、小林英三、武井奈津子、井村順子の4名です。また、社外監査役は徳田郁生、齋藤宏及び延與桂の3名です。
社外取締役の杉山武彦は、一橋大学商学部教授のほか、運輸政策研究所の所長を務めるなど、交通経済学者としての豊富な識見を有し、経営陣から独立した客観的視点から業務執行に対する監督をすることに適任であると考え、社外取締役に選任しています。
社外取締役の小林英三は、日本銀行理事のほか、日本証券金融株式会社において代表取締役社長を務めるなど、経営、財務・会計、人事・労務・人財開発に関する豊富な識見を有し、経営陣から独立した客観的視点から業務執行に対する監督をすることに適任であると考え、社外取締役に選任しています。
社外取締役の武井奈津子は、ソニーグループ株式会社において常務法務部シニアゼネラルマネージャーを務めるなど、経営、法務、リスクマネジメントに関する豊富な識見を有し、経営陣から独立した客観的視点から業務執行に対する監督をすることに適任であると考え、社外取締役に選任しています。
社外取締役の井村順子は、新日本有限責任監査法人(現 EY新日本有限責任監査法人)においてシニアパートナーを務めるなど、財務・会計、人事・労務・人財開発に関する豊富な識見を有し、経営陣から独立した客観的視点から業務執行に対する監督をすることに適任であると考え、社外取締役に選任しています。
社外監査役の徳田郁生は、財務省における行政経験を経た幅広い識見と卓越した手腕を有しており、経営を監査することに適任であると考え、社外監査役に選任しています。
社外監査役の齋藤宏は、株式会社みずほコーポレート銀行(現 株式会社みずほ銀行)において要職を歴任するなど、民間的経営の観点からの卓越した手腕と識見を有しており、経営を監査することに適任であると考え、社外監査役に選任しています。
社外監査役の延與桂は、東京都における行政経験を経た幅広い識見と卓越した手腕を有しており、経営を監査することに適任であると考え、社外監査役に選任しています。
また、2025年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役11名選任の件」及び「監査役4名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、社外取締役は杉山武彦氏が退任し、加藤一誠氏が就任して計4名となり、社外監査役は徳田郁生氏及び齋藤宏氏が退任し、櫛引雅亮氏及び坂井辰史氏が就任して計3名となります。社外役員の独立性に関しては、株式会社東京証券取引所が定める独立性基準に加え、当社の独立性判断基準を策定し、判断しております。上記定時株主総会後、独立役員として指定する予定の候補者のうち、櫛引雅亮氏は、2025年3月まで、株式会社プロネッドの業務執行者を務めており、同社にとって当社は連結売上高の2%以上を占める取引先に当たるものの、同氏は監査、財務・会計、法務・リスクマネジメントに関する見識に長け、その人格、見識等に照らし、当社の独立役員としてふさわしいと当社としては考えており、また、同社の業務執行者であった期間も短期間であることから、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断しております。同氏以外の各候補者と当社の間に開示すべき特別な利害関係はありません。
また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項として「指名・報酬委員会の委員の選定」が付議され、社外取締役からは小林英三氏、武井奈津子氏及び井村順子氏が同委員会の委員として選任される予定です。
③ 社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役に対しては、経営陣との定期的な意見交換や鉄道現業の視察の機会を設けるなど、他の取締役と情報格差が生じないよう情報提供を行う体制を整備し、必要に応じて担当部等からの説明等を行えるようにしています。
社外監査役に対しては他の監査役と情報格差が生じないよう情報提供を行い、社外監査役から社内調査を受けた場合には、円滑に対応できるようにしています。また、監査役を補佐するための専任スタッフとして監査役室に5名を配置し、監査役監査の補助を行っています。
(3) 【監査の状況】
①監査役監査の状況
有価証券報告書提出日現在、当社の監査役会は、常勤監査役2名(社外監査役1名)及び非常勤監査役2名(社外監査役2名)で構成されています。当事業年度において監査役会は13回開催しており、個々の監査役の出席状況は次のとおりです。
なお、当社は、2025年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「監査役4名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、監査役会は引き続き4名の監査役(うち3名は社外監査役)で構成されることになります。
監査役会における具体的な検討内容
a 監査報告
・監査報告書の作成
b 会計監査人の監査の相当性
・会計監査人の再任の適否確認
・会計監査人の報酬の適切性
・監査の方法及び監査結果の相当性
c 監査計画
・監査役監査の方針及び監査計画
・重点監査項目
・その他の監査項目
d 監査活動報告
・各監査役の活動報告
各監査役は、監査役会が定めた監査役監査の規程等に準拠し、監査計画に従い、取締役会に出席し、取締役の職務の執行状況の監査を実施しています。また、常勤監査役は、取締役、内部監査部門その他の使用人等と意思疎通を図るため、取締役会以外の重要な会議に出席し、取締役及び使用人等からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、重要な決裁書類等を閲覧し、本社及び主要な事業所において業務及び財産の状況を調査しました。
②内部監査の状況
内部監査については、社長直轄の組織である監査室に23名を配置し、うち室長以下9名が社内規程に基づく適正な業務の執行状況について内部監査を行うとともに、グループ会社の監査も行っています。また、監査結果については社長、取締役会及び監査役に対して、デュアルレポーティングラインでの報告を行っています。
③監査役、会計監査人及び内部監査部門の連携
監査役は、会計監査人から監査計画や、会計監査人の職務の遂行が適正に行われることを確保するための体制、監査結果、会計監査人が把握した内部統制の状況について報告を受けるとともに、意見交換を行う等、緊密に連携しています。また、監査室から、内部監査及び財務報告に係る内部統制評価の計画及び結果の報告を受けています。
監査室は、内部監査及び財務報告に係る内部統制評価の計画の策定及びその実施にあたっては、会計監査人の行う監査との調整を図るとともに、会計監査人の求めに応じて内部監査及び財務報告に係る内部統制評価の計画、進捗状況及び結果を報告する等、緊密に連携しています。
④会計監査の状況
a. 監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
b. 提出会社の財務書類について連続して監査関連業務を行っている場合におけるその期間
24年間(営団時の監査期間を含む)
c. 業務を執行した公認会計士
小口誠司(継続監査年数 3年)
後藤久美子(継続監査年数 3年)
d. 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査に係る補助者は、公認会計士6名、その他30名です。
e. 監査法人の選定方針と理由
監査役会は、監査役会で定めている基準により、監査法人の品質管理体制、独立性、専門性及び監査実績を総合的に勘案し、有限責任監査法人トーマツを会計監査人として選定しています。
なお、監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に該当する場合は、監査役の全員の同意により会計監査人を解任します。この場合、監査役会が選定した監査役は、会計監査人を解任した旨及び解任の理由を解任後最初に招集される株主総会に報告します。
また、監査役会は、会計監査人の職務執行に支障がある場合等解任又は不再任の必要があると判断した場合は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定します。
f. 監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社監査役会は、会計監査人に対する評価を行っています。この評価にあたっては、監査役会で定めている基準により、会計監査人の職務執行状況等を確認しています。
⑤監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
b. 監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
前連結会計年度
当社は、監査公認会計士等に対して、公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務である、社債発行に係るコンフォートレター作成業務等についての対価を支払っています。
当連結会計年度
当社は、監査公認会計士等に対して、公認会計士法第2条第1項の業務以外の業務である、株式上場に係るコンフォートレター作成業務等についての対価を支払っています。
c. 監査公認会計士等と同一のネットワークに属するDeloitte Touche Tohmatsu Limitedのメンバーファームに対する報酬(a.を除く)
d. 監査公認会計士等と同一のネットワークに属するDeloitte Touche Tohmatsu Limitedのメンバーファームの提出会社に対する非監査業務の内容
前連結会計年度
提出会社における非監査業務の内容はありません。
当連結会計年度
提出会社における非監査業務の内容は、社内制度設計に係る支援業務等です。
e. その他重要な報酬の内容
該当事項はありません。
f. 監査報酬の決定方針
監査公認会計士等に対する監査報酬は、当社グループの資産額、取引額、監査時間等を勘案し、監査計画の妥当性を判断したうえで決定し、代表取締役が監査役会の同意を得ることとしています。
g. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人から説明を受けた当事業年度の会計監査計画の監査日数や人員配置などの内容、前年度の監査実績の検証と評価、会計監査人の監査の遂行状況の相当性、報酬の前提となる見積金額の算出根拠を精査した結果、会計監査人の報酬等の額について同意しました。
(4) 【役員の報酬等】
①取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項
当社は、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を取締役会の決議により決定しています。その内容は以下のとおりです。
1 基本方針
当社は、社外取締役でない取締役に対し、役位に応じた職責等を踏まえた基本報酬を支給するとともに、事業年度ごとの業績に連動する役員賞与を支給します。社外取締役に対しては、その職責に鑑み、基本報酬のみを支給します。なお、取締役の報酬総額については、株主総会で決議された報酬限度額とします。
2 取締役の個人別の報酬の内容についての決定に関する事項
取締役の個人別の報酬額(基本報酬・役員賞与)の決定については、取締役会において決議の上、代表取締役社長に一任します。代表取締役社長は、透明性及び公正性を確保する観点から、委員の過半数が社外取締役で構成される指名・報酬委員会に諮り、当該委員会の審議結果を踏まえてこれを決定します。
3 基本報酬の決定に関する方針
基本報酬は、月例による固定報酬とし、役位に応じた職責、当社の業績、他社水準、従業員給与の水準等を勘案し決定します。
4 業績連動報酬(役員賞与)の決定に関する方針
役員賞与は、事業年度ごとの業績向上への動機づけとなる連結営業利益を指標とし、役位に応じた職責、代表権の有無等を勘案して決定し、現金報酬として毎年一定の時期に支給します。
5 取締役の個人別の報酬(基本報酬・役員賞与)の額に対する割合の決定に関する方針
社外取締役でない取締役の基本報酬と役員賞与の割合については、事業年度ごとの業績に連動する報酬が全報酬の一定程度の割合を占める構成となるように、おおよそ8:2としています。
なお、当社は、2025年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(社外取締役を除く)に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬決定の件」を提案しており、当該議案の承認可決を条件として、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を以下のとおり変更することについて、同年5月16日開催の取締役会において決議しております。
1 基本方針
当社は、社外取締役でない取締役に対し、役位に応じた職責等を踏まえた基本報酬及び事業年度ごとの業績に連動する役員賞与を金銭にて支給するとともに、株主目線での経営の促進(株主との利害の共有)、中長期の企業価値増大への動機付けとすることを目的として、株式報酬による中期・長期インセンティブを付与します。社外取締役に対しては、その職責に鑑み、基本報酬のみを支給します。なお、取締役の金銭報酬の総額及び株式報酬の総額については、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内とします。
2 取締役の個人別の報酬の内容についての決定に関する事項
取締役の個人別の報酬額の決定については、取締役会において決議の上、代表取締役社長に一任します。
代表取締役社長は、透明性及び公正性を確保する観点から、委員の過半数が独立社外取締役で構成される指名・報酬委員会に諮り、当該委員会の審議結果を踏まえてこれを決定します(株式報酬については、取締役会で定める基準に従い決定します。)。
なお、株式報酬については、支給対象となる取締役が、法令、当社の規程等に関して重要な点で違反があった場合その他一定の事由に該当する場合は、指名・報酬委員会に諮り、当該委員会の審議結果を踏まえ、取締役会において、株式報酬を受ける権利の全ての没収又は支給済みの株式報酬の全て若しくは相当額の金銭の返還について、当該取締役に請求するか否か決定します。
3 基本報酬の決定に関する方針
基本報酬は、月例による固定報酬とし、役位に応じた職責、当社の業績、他社水準、従業員給与の水準等を勘案し決定します。
4 業績連動報酬(役員賞与)の決定に関する方針
役員賞与は、事業年度ごとの業績に連動する指標として当社の業績、役位に応じた職責、代表権の有無、業績に対する個人の貢献等を勘案して決定し、金銭報酬として毎年一定の時期に支給します。
5 株式報酬(PSU/RS)の決定に関する方針
(1)中期インセンティブ:パフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)
株主目線での経営の促進(株主との利害の共有)に加え、中期的な企業価値増大への動機付けを目的として、中期経営計画に掲げる目標値の達成度等に応じて変動する業績連動型の株式報酬(譲渡制限付株式)を中期経営計画終了後に付与します。
(2)長期インセンティブ:譲渡制限付株式報酬(RS)
株主目線での経営の促進(株主との利害の共有)に加え、安全・安心をはじめとしたサステナビリティ経営の実現による長期的な企業価値増大への動機付けを目的として、役位に応じた一定の株式報酬(譲渡制限付株式)を毎年付与します。
6 取締役の個人別の報酬(基本報酬・役員賞与・株式報酬(PSU/RS))の額に対する割合の決定に関する方針
社外取締役でない取締役の基本報酬、役員賞与、株式報酬(PSU/RS)の割合については、全ての業績指標等が目標に達した時に、基本報酬、役員賞与、PSU、RSがおおよそ5:1:2:2となるように構成します。
②取締役の個人別の報酬等の内容の決定に係る委任に関する事項
当社においては、取締役会の委任決議に基づき代表取締役社長山村明義が取締役の個人別の報酬額の具体的内容を決定しています。
これらの権限を委任した理由は、当社全体の業績を俯瞰し、各取締役の職責を勘案して報酬内容を決定するには、業務執行を統括する代表取締役社長が適しているためです。
なお、取締役の個人別の報酬額の具体的内容については、透明性及び公正性を確保する観点から、委員の過半数が社外取締役で構成される指名・報酬委員会に諮り、当該委員会の審議結果を踏まえ決定されていることから、取締役会は、その内容が取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に沿うものであると判断しています。
③役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数並びに業績連動報酬に係る指標に関する事項
(注)1 上記業績連動報酬(役員賞与)は、当期中に役員賞与引当金として計上した額です。なお、当社の業績目標であり、業績連動報酬の指標としている連結営業利益の当事業年度における実績は、86,942百万円でした。
2 取締役の報酬限度額は、年額300百万円です。
(2004年3月24日開催の創立総会決議 終結時点での取締役の員数12名(うち社外0名))
3 監査役の報酬限度額は、年額70百万円です。
(2004年3月24日開催の創立総会決議 終結時点での監査役の員数4名(うち社外3名))
④役員ごとの連結報酬等の総額等
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載していません。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式と区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、取引や事業戦略上、特に必要である場合にのみ、他社株式を取得・保有することを基本とし、毎年度、取締役会において、全保有銘柄を対象に、保有目的、中長期的な便益や将来の見通しを踏まえ、保有に伴うリスク・リターンが目標とする資本効率性に係る水準に見合っているか等を考慮し、その保有の適否を検証した上で、必要が認められなくなったものは縮減を図ることとしています。
なお、2025年3月末時点で保有している株式につきましては、検証の結果、継続保有が妥当であると判断しています。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)第2条の規定に基づき、「財務諸表等規則」及び「鉄道事業会計規則」(昭和62年運輸省令第7号)により作成しています。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けています。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っています。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、連結財務諸表を適正に作成できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入するとともに、監査法人等が主催するセミナー等に参加しています。
1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1 連結の範囲に関する事項
(1) 連結子会社数 14社
連結子会社は、東京メトロ都市開発㈱、㈱メトロセルビス、㈱メトロコマース、メトロ開発㈱、㈱メトロライフサポート、㈱地下鉄メインテナンス、メトロ車両㈱、㈱メトロフルール、㈱メトロプロパティーズ、㈱メトロアドエージェンシー、㈱メトロレールファシリティーズ、㈱メトロステーションファシリティーズ、㈱メトロビジネスアソシエ及び東京メトロアセットマネジメント㈱です。
東京メトロアセットマネジメント㈱は、当連結会計年度において新たに設立したため、連結の範囲に含めています。
なお、㈱地下鉄メインテナンスは、2025年4月1日付けで東京メトロ電気メインテナンス㈱に社名変更しています。
(2) 非連結子会社 2社
非連結子会社は、ベトナム東京メトロ(VIETNAM TOKYO METRO ONE MEMBER LIMITED LIABILITY COMPANY)及び東京メトロエデュケーショナル㈱です。
(連結の範囲から除いた理由)
非連結子会社は小規模であり、総資産、売上高、当期純損益及び利益剰余金等のうち持分に見合う額の合計がいずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないためです。
2 持分法の適用に関する事項
(1) 非連結子会社 1社
非連結子会社のうち、ベトナム東京メトロ(VIETNAM TOKYO METRO ONE MEMBER LIMITED LIABILITY COMPANY)に対する投資について持分法を適用しています。
(持分法の範囲から除いた理由)
東京メトロエデュケーショナル㈱は小規模であり、当期純損益及び利益剰余金等のうち持分に見合う額が連結財務諸表に及ぼす影響が軽微であり、かつ全体としても重要性がないためです。
(2) 関連会社 4社
関連会社は、渋谷熱供給㈱、㈱はとバス、日本コンサルタンツ㈱及びリンクティビティ㈱であり、これらすべての会社に対する投資について持分法を適用しています。
当連結会計年度より、リンクティビティ㈱を持分法適用の関連会社に含めています。これは、2024年4月にリンクティビティ㈱の株式を取得したことによります。
3 連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社の決算日はすべて3月31日であり、連結決算日と同一です。
4 会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
① 有価証券
その他有価証券
ア 市場価格のない株式等以外のもの
連結決算日の市場価格等による時価法によっています。
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は総平均法により算定しています)
イ 市場価格のない株式等
総平均法による原価法によっています。
② 棚卸資産
ア 商品
主として売価還元法による原価法によっています。
イ 貯蔵品
主として移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法)によっています。
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
① 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっています。
ただし、取替資産については取替法によっています。
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
② 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっています。
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
③ リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっています。
(3) 繰延資産の処理方法
社債発行費
支出時に全額費用処理しています。
(4) 重要な引当金の計上基準
① 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
② 賞与引当金
従業員に支給する賞与に充てるため、支給見込額に基づき計上しています。
③ 役員賞与引当金
役員(執行役員含む)に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額に基づき当連結会計年度に見合う分を計上しています。
④ 役員退職慰労引当金
役員の退職慰労金の支出に備えるため、連結会計年度末要支給額を計上しています。なお、役員退職慰労金制度を2023年6月27日開催の第19期定時株主総会終結の時をもって廃止し、それ以降追加の引当はありません。
⑤ 環境安全対策引当金
保管するポリ塩化ビフェニル(PCB)の処理費用の支出に備えるため、今後発生すると見込まれる金額を計上しています。
⑥ 撤去損失引当金
契約に基づき将来発生が見込まれる固定資産等に関する当社が負担すべき撤去費用に備えるため、当連結会計年度末における撤去費用見込額を計上しています。
(5) 退職給付に係る会計処理の方法
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定に当たり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として15年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理しています。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として15年)による定額法により費用処理しています。
(6) 重要な収益及び費用の計上基準
当社グループは顧客との契約について、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しており、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転し履行義務を充足した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。
① 定期運輸収入
運送約款等に基づき、定期乗車券の有効期間にわたり同一の区間及び経路について列車による運送サービスを提供することを履行義務としており、有効期間の開始日の属する月から有効期間の経過に応じて収益を認識しています。取引の対価は、履行義務の充足前の一定時点に前もって受領しています。
② 定期外運輸収入
運送約款等に基づき、列車による運送サービスを提供することを履行義務としており、当該履行義務は顧客への乗車券類等の発売日とサービス提供日は概ね一致していることから、顧客に発売した時点で収益を認識しています。取引の対価は通常、履行義務の充足前の一定時点に前もって受領しています。
③ 流通事業収入
主に駅構内や周辺の商業施設等における商品の販売及びサービスの提供から得られる収入であり、当社グループの履行義務が代理人に該当する取引について、受け取る対価の総額から第三者への支払額を差し引いた純額で収益を認識しています。取引の対価は主に月次で請求しており、請求日から概ね翌月末までに受領しています。
④ 広告事業収入
主に駅構内や車両内における広告媒体の販売から得られる収入であり、顧客の広告を契約期間にわたり掲出し経過期間に応じて履行義務が充足されるため、サービスの提供期間にわたって収益を認識しています。取引の対価は主に月次で請求しており、請求日から概ね翌月末までに受領しています。
⑤ 情報通信事業収入
主に当社鉄道施設における携帯電話に係る諸設備の営業許諾を行っており、サービスの提供に伴い一定期間にわたり収益を認識しています。取引の対価は主に、履行義務の充足前の一定時点に前もって受領しています。
(7) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。
(8) その他連結財務諸表作成のための重要な事項
工事負担金等の処理
地方公共団体等による工事負担金等(補助金、鉄道施設受贈財産評価額を含む)は、工事完成時に当該工事負担金等相当額を取得した固定資産の取得原価から直接減額して計上しています。
なお、連結損益計算書においては、工事負担金等相当額を特別利益に計上するとともに、固定資産の取得原価から直接減額した額を固定資産圧縮損として特別損失に計上しています。
(重要な会計上の見積り)
当社は、連結財務諸表の作成にあたって様々な会計上の見積りを行っております。
主な収益である旅客運輸収入についての見積りを基礎として、運輸業をはじめ、各セグメントの将来にわたる経営状況を予測するほか、2025年度以降の様々な制度や事象を考慮し、2025年度以降の旅客運輸収入をはじめとした将来収支を見積もっています。
この見積りをもとに策定した合理的な計画(※)に基づき、固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性を見積っております。
なお、現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、見積りには不確実性を伴い、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
1 固定資産の減損
(1) 連結財務諸表に計上した金額
(2) 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① 金額の算出方法
当社グループでは、減損の認識の判定及び回収可能額の算定に際し、合理的な計画に基づきそれらを見積っています。
なお、資産のグルーピングについては、独立したキャッシュ・フローを生み出す単位を構成する物件を1つのグルーピングとしています。ただし、鉄道事業における固定資産についてはネットワーク性に鑑み、単一のグルーピングとして整理しています。
また、減損損失の測定にあたって割引率を用いる際、加重平均資本コストを採用することとしています。
② 主要な仮定
上述の計画(※)を主な仮定としております。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響等
現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、将来の不確実な状況変化等によって影響を受ける可能性があり、見込んだ収益が得られなかった場合、又は算出の前提条件に変更があった場合には、減損損失の発生に重要な影響を与える可能性があります。
2 繰延税金資産の回収可能性
(1) 連結財務諸表に計上した金額
(2) 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① 金額の算出方法
当社グループでは、合理的な計画に基づき、将来の課税所得の発生時期や主要な一時差異等の項目にかかる解消年度のスケジューリングを行い、企業分類を判定し、回収可能と見込まれる金額について繰延税金資産を計上しています。
② 主要な仮定
上述の計画(※)を主な仮定としております。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響等
現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、将来の不確実な状況変化等によって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合には、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)
ほか、関連する企業会計基準、企業会計基準適用指針、実務対応報告及び移管指針の改正
(1)概要
国際的な会計基準と同様に、借手のすべてのリースについて資産・負債を計上する等の取り扱いを定めるもの。
(2)適用予定日
2028年3月期の期首より適用予定であります。
(3)当該会計基準等の適用による影響
連結財務諸表に与える影響については、現時点で未定であります。
(表示方法の変更)
(連結損益計算書関係)
前連結会計年度において、連結損益計算書の特別利益の「その他」に含めておりました「固定資産売却益」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において、「特別利益」に表示していた「その他」144百万円は、「固定資産売却益」23百万円、「その他」121百万円として組み替えています。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含まれていた「投資有価証券の取得による支出」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」に表示していた「その他」1,057百万円は、「投資有価証券の取得による支出」△25百万円、「その他」1,082百万円として組み替えています。
(追加情報)
<労働基準監督署からの是正勧告>
当社は、2024年8月2日付で、足立労働基準監督署から、一部の職場について労働基準法に規定する労働時間及び割増賃金の支払に関する是正勧告を受けました。今回の是正勧告を受け、当該職場と類似の勤務態様を採用している職場も含め勤務の見直しを行うとともに、対象となる従業員に対して清算金を支払いました。
当該事項に伴い「勤務に係る支払清算金」として、65億7千万円を特別損失に計上しております。
(連結貸借対照表関係)
※1 新線建設推進長期借入金及び新線建設推進資金信託
有楽町線、南北線延伸事業等のため、鉄道・運輸機構より資金を借り入れ、分別管理を目的として信託を設定しています。
※2 受取手形、売掛金及び契約資産のうち、顧客との契約から生じた債権及び契約資産の金額は、それぞれ以下のとおりです。
※3 有形固定資産減価償却累計額
※4 固定資産の取得価額から控除した国庫補助金等などの圧縮記帳累計額及び内訳は、次のとおりです。
※5 非連結子会社及び関連会社に対するものは、次のとおりです。
※6 担保に供している資産及び担保付債務
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
東京地下鉄株式会社法第3条及び附則第14条第1項の規定により、当社の総財産を社債587,000百万円の一般担保に供しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
東京地下鉄株式会社法第3条及び附則第14条第1項の規定により、当社の総財産を社債577,000百万円の一般担保に供しています。
(連結損益計算書関係)
※1 営業収益については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載しておりません。顧客との契約から生じる収益の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係) 1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しています。
※2 販売費及び一般管理費の内訳は、次のとおりです。
※3 引当金繰入額の内訳及び退職給付費用は、次のとおりです。
※4 固定資産売却益の内訳は、次のとおりです。
※5 補助金の内訳は、次のとおりです。
※6 鉄道施設受贈財産評価額の内訳は、次のとおりです。
※7 工事負担金等受入額の内訳は、次のとおりです。
※8 固定資産圧縮損は、法人税法第42条ほかの規定に基づく国庫補助金等などによる圧縮額です。
※9 減損損失
当社グループは、以下の資産グループについて減損損失を計上しました。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(1) 減損損失を認識した資産及び減損損失の金額
(2) 減損損失の認識に至った経緯
賃貸物件については、収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなったこと、事業物件については、事業廃止により投資額の回収が見込めなくなったこと、遊休資産については、撤去を予定していることにより投資額の回収が見込めなくなったことから、減損損失を認識しています。
(3) 資産グルーピングの方法
管理会計上の物件ごとに資産のグルーピングを行っています。また、鉄道事業資産については、全路線がネットワークとしてキャッシュ・フローを生成していることから、一つの資産グループとしています。なお、遊休資産等については、それぞれ個別に資産グループとしています。
(4) 回収可能価額の算定方法
当該資産グループの回収可能価額は、正味売却価額及び使用価値により測定しています。賃貸物件について、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスとなる資産は、回収可能価額を零として評価しています。事業物件及び遊休資産については、備忘価額まで減損損失を計上しています。なお、使用価値については、将来キャッシュ・フローを4.0%で割り引いて算定しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(1) 減損損失を認識した資産及び減損損失の金額
(2) 減損損失の認識に至った経緯
賃貸物件については、収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなったこと、遊休資産については、工事の一時休止により投資額の回収が見込めなくなったことから、減損損失を認識しています。
(3) 資産グルーピングの方法
管理会計上の物件ごとに資産のグルーピングを行っています。また、鉄道事業資産については、全路線がネットワークとしてキャッシュ・フローを生成していることから、一つの資産グループとしています。なお、遊休資産等については、それぞれ個別に資産グループとしています。
(4) 回収可能価額の算定方法
当該資産グループの回収可能価額は、正味売却価額及び使用価値により測定しています。賃貸物件について、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスとなる資産は、回収可能価額を零として評価しています。遊休資産については、備忘価額まで減損損失を計上しています。
(連結包括利益計算書関係)
※ その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数に関する事項
2 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数に関する事項
2 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
2025年6月25日開催の定時株主総会の議案として、次のとおり付議する予定です。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※ 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係は、次のとおりです。
(リース取引関係)
(借主側)
1 ファイナンス・リース取引
リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナンス・リース取引については、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しています。
2 オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(貸主側)
オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社グループの所要資金は、設備投資資金、社債償還及び借入金返済のための借換資金並びに運転資金に大別されます。このうち、設備投資資金及び借換資金については、社債発行や銀行等からの長期借入により調達し、運転資金の一時的な不足については、銀行からの短期借入により調達する方針です。
また、一時的な余資については、年度ごとの資金運用方針に基づき、安全性の高い金融資産で運用しています。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク並びにリスク管理体制
新線建設推進資金信託は、有楽町線、南北線延伸事業等のため、鉄道・運輸機構より借入れた資金の分別管理を目的として設定しており、信託財産は預金です。
営業債権である受取手形及び売掛金、未収運賃並びに未収金は、顧客の信用リスクに晒されています。当該リスクに関しては、取引相手ごとに期日及び残高を把握することにより管理しています。
投資有価証券は、業務上の関係を有する企業の株式等であり、市場価格の変動リスク等に晒されておりますが、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握しています。
営業債務である支払手形及び買掛金、未払金、未払消費税等並びに未払法人税等は、そのすべてが1年以内の支払期日です。
社債及び長期借入金は、主として設備投資及び前身の営団時代の地下鉄ネットワークの整備拡充に必要な資金の調達を目的としたものです。また、新線建設推進長期借入金は、有楽町線、南北線延伸事業等のため、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づき、総額192,120百万円を鉄道・運輸機構より借り入れたものです。これらはすべて固定金利であり、また、返済・償還期限が長期間となっており、将来の想定外の事由によるフリー・キャッシュ・フローの減少に伴い、支払期日に支払いを実行できなくなるリスクに晒されています。
2 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりです。なお、現金及び預金、受取手形及び売掛金、未収運賃、未収金、有価証券、支払手形及び買掛金、未払金、未払消費税等並びに未払法人税等は短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似することから、記載を省略しています。
新線建設推進資金信託は、信託財産構成物がすべて預金であるため、時価が帳簿価額に近似することから、記載を省略しています。
前連結会計年度(2024年3月31日)
(注)市場価格のない株式等は、「(1)投資有価証券」には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりです。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注)市場価格のない株式等は、「(1)投資有価証券」には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりです。なお、投資事業有限責任組合等への出資金については、「時価の算定に関する会計基準の適用指針」第24-16項に基づき、時価開示の対象とはしておりません。
3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1の時価:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した時価
レベル2の時価:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:重要な観察できないインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しています。
(1) 時価をもって連結貸借対照表計上額とする金融資産及び金融負債
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(2) 時価をもって連結貸借対照表計上額としない金融資産及び金融負債
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注)1 時価の算定に用いた評価技法及びインプットの説明
投資有価証券
上場株式は相場価格を用いて評価しています。上場株式は活発な市場で取引されているため、その時価をレベル1の時価に分類しています。
社債
当社の発行する社債の時価は、市場価格(売買参考統計値)に基づき評価しており、レベル2の時価に分類しています。
長期借入金及び新線建設推進長期借入金
これらの時価は、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法等によっており、レベル2の時価に分類しています。
なお、長期借入金のうち、財政投融資資金と新線建設推進長期借入金については、法令等に基づく特殊な金銭債務であり、同様の手段での再調達が困難なため、新規に同様の社債を発行した場合に想定される利率で、元利金の合計額を割り引いた現在価値により算定しています。
2 社債及び長期借入金の連結貸借対照表計上額及び時価については、それぞれ1年内償還予定の社債及び1年内返済予定の長期借入金を含めています。
3 社債、長期借入金及びリース債務の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(有価証券関係)
1 その他有価証券
前連結会計年度(2024年3月31日)
(注)非上場株式(連結貸借対照表計上額209百万円)については、市場価格がないことから、上表の「その他有価証券」には含めていません。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注)非上場株式(連結貸借対照表計上額194百万円)及び投資事業有限責任組合等への出資金(連結貸借対照表計上額1,100百万円)については、市場価格がないことから、上表の「その他有価証券」には含めていません。
2 連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項はありません。
3 減損処理を行った有価証券
当連結会計年度において、有価証券について15百万円(その他有価証券の株式15百万円)減損処理を行っています。
(退職給付関係)
1 採用している退職給付制度の概要
当社は確定給付型の制度として確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けています。なお、当社は2009年1月に適格退職年金制度の廃止及び退職一時金の制度変更を行い、また、2018年4月に導入した60歳から65歳への定年延長に伴う確定給付型年金及び退職一時金の制度変更を行っています。また、一部の連結子会社は確定給付型の制度として退職一時金制度を設けています。
なお、一部の連結子会社が有する退職一時金制度は、簡便法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算しています。
2 確定給付制度
(1)退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表
(単位:百万円)
(注)簡便法を適用している制度を含めています。
(2)年金資産の期首残高と期末残高の調整表
(単位:百万円)
(3)退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の調整表
(単位:百万円)
(4)退職給付費用及びその内訳項目の金額
(単位:百万円)
(注)簡便法を適用している連結子会社の退職給付費用は、勤務費用に含めています。
(5)退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりです。
(単位:百万円)
(6)退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりです。
(単位:百万円)
(7)年金資産に関する事項
① 年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりです。
② 長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しています。
(8)数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎(加重平均で表しています。)
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、次のとおりです。
(注) 税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度(2024年3月31日)
(a) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。
(b) 税務上の繰越欠損金14,198百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産14,198百万円を計上しています。当該繰延税金資産を計上した繰越欠損金は、将来課税所得の見込みにより、回収可能と判断し、評価性引当額を認識していません。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(c) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。
(d) 税務上の繰越欠損金4,116百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産4,116百万円を計上しています。当該繰延税金資産を計上した繰越欠損金は、将来課税所得の見込みにより、回収可能と判断し、評価性引当額を認識していません。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(注)前連結会計年度は、法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間の差異が法定実効税率の100分の5以下であるため、注記を省略しています。
3 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が、2025年3月31日に成立したことに伴い、2026年4月1日以後開始される事業年度において解消が見込まれる一時差異等については、繰延税金資産及び繰延税金負債を計算する法定実効税率を30.6%から31.5%または34.6%から35.4%に変更し、計算しています。
なお、この変更による影響は軽微です。
(資産除去債務関係)
1 資産除去債務のうち連結貸借対照表に計上しているもの
(1) 資産除去債務の概要
保有する車両等についてアスベストを含むものがあり、その車両等を除去する際に石綿障害予防規則等が規定する特別な方法による必要があるという法令上の義務です。
(2) 当該資産除去債務の金額の算定方法
当該資産除去債務については、除去費用の見積り等をもとに算出しています。なお、対象資産は取得時より相当年数を経過しているため、割引計算を行っていません。
(3) 当該資産除去債務の総額の増減
2 資産除去債務のうち連結貸借対照表に計上していないもの
当社の鉄道路線は、主として道路の地下を運行しているため、道路法(昭和27年法律第180号)第40条の規定により、道路占用を廃止した場合には、これらの施設を撤去し、原状回復する義務を有していますが、道路占用を廃止する蓋然性は極めて低いことから、当該資産除去債務を計上していません。
(賃貸等不動産関係)
当社グループでは、東京都その他の地域において、賃貸用のオフィスビル及び商業施設等を有しています。
2024年3月期における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は6,402百万円(賃貸収益は営業収益に、賃貸費用は営業費に計上)及び減損損失は383百万円(特別損失に計上)です。
2025年3月期における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は5,584百万円(賃貸収益は営業収益に、賃貸費用は営業費に計上)及び減損損失は7百万円(特別損失に計上)です。
また、当該賃貸等不動産の連結貸借対照表計上額、期中増減額及び時価は次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1 連結貸借対照表計上額は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額です。
2 期中増減額のうち、前連結会計年度の主な増加額は不動産取得(18,346百万円)、主な減少額は減価償却(2,898百万円)、当連結会計年度の主な増加額は不動産取得(15,285百万円)、主な減少額は不動産売却(7,158 百万円)及び減価償却(2,637 百万円)です。
3 連結決算日における時価は、主要な物件については不動産鑑定評価基準に基づく価額、その他の物件については一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標に基づく価額等です。
(収益認識関係)
2 収益を理解するための基礎となる情報
「4 会計方針に関する事項 (6) 重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりです。
3 当期及び翌期以降の収益の金額を理解するための情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(1) 契約残高
契約資産は、主として一定の期間にわたり履行義務が充足される契約において、収益を認識したが、未請求の作業に係る対価に関連するものです。契約資産は権利が無条件になった時点で債権に振り替えられます。これは通常、請求書を顧客に発行した時点です。
契約負債は、主として運輸業における定期乗車券について、顧客から受け取った前受対価に関連するものであり、有効期間が6か月以内であるため、1年以内に収益を認識しています。
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の残高は以下のとおりです。
連結貸借対照表において、顧客との契約から生じた債権及び契約資産は、「受取手形、売掛金及び契約資産」、「未収運賃」及び「未収金」に含まれており、契約負債は、「前受運賃」、流動負債の「その他」及び固定負債の「その他」に含まれています。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を適用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しています。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(1) 契約残高
契約資産は、主として一定の期間にわたり履行義務が充足される契約において、収益を認識したが、未請求の作業に係る対価に関連するものです。契約資産は権利が無条件になった時点で債権に振り替えられます。これは通常、請求書を顧客に発行した時点です。
契約負債は、主として運輸業における定期乗車券について、顧客から受け取った前受対価に関連するものであり、有効期間が6か月以内であるため、1年以内に収益を認識しています。
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の残高は以下のとおりです。
連結貸借対照表において、顧客との契約から生じた債権及び契約資産は、「受取手形、売掛金及び契約資産」、「未収運賃」及び「未収金」に含まれており、契約負債は、「前受運賃」、流動負債の「その他」及び固定負債の「その他」に含まれています。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を適用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しています。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(セグメント情報)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、当社の鉄道事業を中心とした運輸業に加え、鉄道事業とのシナジー効果が発揮できる不動産事業、並びに当社資産等を活用した流通・広告事業を展開しています。
したがって、当社グループは、上記の事業別セグメントから構成されており、これらを「運輸業」、「不動産事業」及び「流通・広告事業」の3つの報告セグメントに区分しています。
「運輸業」は、東京都区部を中心に、9路線からなる地下鉄ネットワークを保有し、鉄道の運行及び運営並びに鉄道施設等の保守管理を行っています。
「不動産事業」は、鉄道事業とのシナジー効果が発揮できる事業展開を基本とし、当社の沿線において、渋谷マークシティなど、オフィスビルやホテルを中心とした不動産の賃貸を行っています。
「流通・広告事業」は、当社資産などを活用し、当社沿線の駅においてEchikaなどの商業施設の運営、主として駅構内や車両内の広告を取り扱う広告事業、携帯電話通信サービスの営業許諾などを行う情報通信事業などを行っています。
2 報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であり、セグメント間の内部営業収益又は振替高は市場価格等に基づいています。
3 報告セグメントごとの営業収益、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 セグメント利益又は損失(△)の調整額106百万円、その他の項目における減価償却費の調整額△47百万円及び有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額△41百万円は、セグメント間取引消去です。
2 セグメント資産の調整額97,253百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産99,048百万円及びセグメント間取引消去△1,795百万円です。また、全社資産の主なものは、当社での運用資金(現金及び預金)、有価証券及び投資有価証券等です。
3 セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 セグメント利益の調整額112百万円、その他の項目における減価償却費の調整額△45百万円及び有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額△87百万円は、セグメント間取引消去です。
2 セグメント資産の調整額91,379百万円は、各報告セグメントに配分していない全社資産93,167百万円及びセグメント間取引消去△1,787百万円です。また、全社資産の主なものは、当社での運用資金(現金及び預金)、有価証券及び投資有価証券等です。
3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
【関連情報】
1 製品及びサービスごとの情報
「セグメント情報」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2 地域ごとの情報
海外の外部顧客への営業収益が存在しないため、該当事項はありません。
海外に所在している有形固定資産が存在しないため、該当事項はありません。
3 主要な顧客ごとの情報
連結損益計算書の営業収益の10%以上を占める顧客が存在しないため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。
【関連当事者情報】
1 関連当事者との取引
(1) 連結財務諸表提出会社と関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社の親会社及び主要株主(会社等の場合に限る)等
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)取引条件及び取引条件の決定方針等
財務省からの借入金の利率は1.2%~4.75%、最終償還日は2033年3月20日です。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しています。
(2) 連結財務諸表提出会社の連結子会社と関連当事者との取引
該当事項はありません。
2 親会社又は重要な関連会社に関する注記
該当事項はありません。
(1株当たり情報)
(注)1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
2 1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりです。
3 1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりです。
(重要な後発事象)
<確定拠出年金制度への移行>
当社は、2025年4月1日に確定給付企業年金制度の一部について確定拠出年金制度へ移行したことにより、「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」(企業会計基準適用指針第1号2016年12月16日)及び「退職給付制度間の移行等の会計処理に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第2号2007年2月7日)を適用し、確定拠出年金制度への移行部分について退職給付制度の一部終了の処理を行います。これによる影響額は、翌連結会計年度において、特別利益として約64億円計上する予定であります。
<社債の発行>
当社は2025年3月24日に開催した取締役会における決議に基づき、2025年5月23日に第63回及び第64回社債の発行を決定し、2025年5月29日に発行しています。それぞれの概要は以下のとおりです。
(東京地下鉄株式会社第63回社債)(グリーンボンド)
発行年月日 2025年5月29日
発行総額 100億円
発行価格 額面100円につき金100円
利率 年1.910%
償還期限 2035年5月29日
資金使途 設備資金
担保 一般担保
(東京地下鉄株式会社第64回社債)
発行年月日 2025年5月29日
発行総額 100億円
発行価格 額面100円につき金100円
利率 年2.905%
償還期限 2045年5月29日
資金使途 借入金返済資金
担保 一般担保
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注) 1 連結決算日後5年以内における償還予定額は次のとおりです。
【借入金等明細表】
(注) 1 「平均利率」については、借入金の当連結会計年度末残高に対する加重平均利率を記載しています。
2 リース債務の平均利率については、リース料総額に含まれる利息相当額を控除する前の金額でリース債務を連結貸借対照表に計上しているため、記載していません。
3 長期借入金、新線建設推進長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く)の連結決算日後5年以内における返済予定額は次のとおりです。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、記載を省略しています。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
【営業費明細表】
(注) 事業別営業費合計の100分の5を超える主な費用並びに営業費(全事業)に含まれている引当金繰入額は次のとおりです。
※1 鉄道事業営業費 運送営業費
※2 関連事業営業費 販売費及び一般管理費
諸税
※3 営業費(全事業)に含まれている引当金繰入額
なお、退職給付費用は次のとおりです。
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
総平均法による原価法によっています。
(2) その他有価証券
① 市場価格のない株式等以外のもの
決算日の市場価格等による時価法によっています。
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は総平均法により算定しています)
② 市場価格のない株式等
総平均法による原価法によっています。
③ 組合出資金等(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第2項による有価証券とみなされるもの)
組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっています。
2 棚卸資産の評価基準及び評価方法
貯蔵品
移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法)によっています。
3 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっています。
ただし、取替資産については取替法によっています。
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっています。
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっています。
4 繰延資産の処理方法
社債発行費
支出時に全額費用処理しています。
5 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 賞与引当金
従業員に支給する賞与に充てるため、支給見込額に基づき計上しています。
(3) 役員賞与引当金
役員(執行役員含む)に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額に基づき当事業年度に見合う分を計上しています。
(4) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しています。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定に当たり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しています。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法により費用処理しています。
(5) 役員退職慰労引当金
役員の退職慰労金の支出に備えるため、事業年度末要支給額を計上しています。なお、役員退職慰労金制度を2023年6月27日開催の第19期定時株主総会終結の時をもって廃止し、それ以降追加の引当はありません。
(6) 環境安全対策引当金
保管するポリ塩化ビフェニル(PCB)の処理費用の支出に備えるため、今後発生すると見込まれる金額を計上しています。
(7) 撤去損失引当金
契約に基づき将来発生が見込まれる固定資産等に関する当社が負担すべき撤去費用に備えるため、当事業年度末における撤去費用見込額を計上しています。
6 重要な収益及び費用の計上基準
当社は顧客との契約について、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しており、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転し履行義務を充足した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。
(1) 定期運輸収入
運送約款等に基づき、定期乗車券の有効期間にわたり同一の区間及び経路について列車による運送サービスを提供することを履行義務としており、有効期間の開始日の属する月から有効期間の経過に応じて収益を認識しています。取引の対価は、履行義務の充足前の一定時点に前もって受領しています。
(2) 定期外運輸収入
運送約款等に基づき、列車による運送サービスを提供することを履行義務としており、当該履行義務は顧客への乗車券類等の発売日とサービス提供日は概ね一致していることから、顧客に発売した時点で収益を認識しています。取引の対価は通常、履行義務の充足前の一定時点に前もって受領しています。
7 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっています。
(2) 工事負担金等の処理
地方公共団体等による工事負担金等(補助金、鉄道施設受贈財産評価額を含む)は、工事完成時に当該工事負担金等相当額を取得した固定資産の取得原価から直接減額して計上しています。
なお、損益計算書においては、工事負担金等相当額を特別利益に計上するとともに、固定資産の取得原価から直接減額した額を固定資産圧縮損として特別損失に計上しています。
(重要な会計上の見積り)
当社は、財務諸表の作成にあたって様々な会計上の見積りを行っています。
主な収益である旅客運輸収入についての見積りを基礎として、運輸業をはじめ、各セグメントの将来にわたる経営状況を予測するほか、2025年度以降の様々な制度や事象を考慮し、2025年度以降の旅客運輸収入をはじめとした将来収支を見積もっております。
この見積りをもとに策定した合理的な計画(※)に基づき、固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性を見積っております。
なお、 現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っておりますが、見積りには不確実性を伴い、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
1 固定資産の減損
(1) 財務諸表に計上した金額
(2) 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① 金額の算出方法
当社では、減損の認識の判定及び回収可能額の算定に際し、合理的な計画に基づきそれらを見積もっています。
なお、資産のグルーピングについては、独立したキャッシュ・フローを生み出す単位を構成する物件を1つのグルーピングとしています。ただし、鉄道事業における固定資産についてはネットワーク性に鑑み、単一のグルーピングとして整理しています。
また、減損損失の測定にあたって割引率を用いる際、加重平均資本コストを採用することとしています。
② 主要な仮定
上述の計画(※)を主な仮定としています。
③ 翌事業年度の財務諸表に与える影響等
現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っていますが、将来の不確実な状況変化等によって影響を受ける可能性があり、見込んだ収益が得られなかった場合、又は算出の前提条件に変更があった場合には、減損損失の発生に重要な影響を与える可能性があります。上述の計画を主な仮定としています。
2 繰延税金資産の回収可能性
(1) 財務諸表に計上した金額
(2) 会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
① 金額の算出方法
当社では、合理的な計画に基づき、将来の課税所得の発生時期や主要な一時差異等の項目にかかる解消年度のスケジューリングを行い、企業分類を判定し、回収可能と見込まれる金額について繰延税金資産を計上しています。
② 主要な仮定
上述の計画(※)を主な仮定としています。
③ 翌事業年度の財務諸表に与える影響等
現在の状況及び入手可能な情報に基づき、合理的と考えられる見積り及び判断を行っていますが、将来の不確実な状況変化等によって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合には、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(表示方法の変更)
(貸借対照表関係)
前事業年度において、独立掲記していました「投資その他の資産」の「従業員に対する貸付金」は金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「投資その他の資産」の「長期貸付金」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表を組替を行っています。
この結果、前事業年度の貸借対照表において、「投資その他の資産」に表示していた「従業員に対する貸付金」2百万円、「長期貸付金」116百万円は、「長期貸付金」119百万円として組替えています。
(損益計算書関係)
前事業年度において、「特別利益」の「その他」に含めていた「固定資産売却益」は金額的重要性が増したため、当事業年度から独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表を組替を行っています。
この結果、前事業年度の損益計算書において、「特別利益」に表示していた「その他」145百万円は、「固定資産売却益」23百万円、「その他」122百万円として組替えています。
(追加情報)
<労働基準監督署からの是正勧告>
当社は、2024年8月2日付で、足立労働基準監督署から、一部の職場について労働基準法に規定する労働時間及び割増賃金の支払に関する是正勧告を受けました。今回の是正勧告を受け、当該職場と類似の勤務態様を採用している職場も含め勤務の見直しを行うとともに、対象となる従業員に対して清算金を支払いました。
当該事項に伴い「勤務に係る支払清算金」として、64億1千3百万円を特別損失に計上しています
(貸借対照表関係)
※1 新線建設推進長期借入金及び新線建設推進資金信託
有楽町線、南北線延伸事業等のため、鉄道・運輸機構より資金を借り入れ、分別管理を目的として信託を設定しています。
※2 固定資産の取得価額から控除した国庫補助金等などの圧縮記帳累計額及び内訳は、以下のとおりです。
※3 担保に供している資産及び担保付債務
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
東京地下鉄株式会社法第3条及び附則第14条第1項の規定により、当社の総財産を社債587,000百万円の一般担保に供しています。
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
東京地下鉄株式会社法第3条及び附則第14条第1項の規定により、当社の総財産を社債577,000百万円の一般担保に供しています。
(損益計算書関係)
※1 営業外収益のうち関係会社に係る取引は、次のとおりです。
※2 固定資産売却益の内訳は、次のとおりです。
※3 補助金の内訳は、次のとおりです。
※4 鉄道施設受贈財産評価額の内訳は、次のとおりです。
※5 工事負担金等受入額の内訳は、次のとおりです。
※6 固定資産圧縮損は、法人税法第42条ほかの規定に基づく国庫補助金等などによる圧縮額です。
(有価証券関係)
(子会社株式及び関連会社株式)
子会社株式及び関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載しておりません。
なお、市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上の額は次のとおりです。
(単位:百万円)
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、次のとおりです。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が、2025年3月31日に成立したことに伴い、2026年4月1日以後開始される事業年度において解消が見込まれる一時差異等については、繰延税金資産及び繰延税金負債を計算する法定実効税率を30.6%から31.5%に変更し、計算しています。
なお、この変更による影響は軽微です。
(収益認識関係)
収益を理解するための基礎となる情報については、重要な会計方針に係る事項に関する注記の6重要な収益及び費用の計上基準に記載のとおりです。
(1株当たり情報)
(重要な後発事象)
<確定拠出年金制度への移行>
当社は、2025年4月1日に確定給付企業年金制度の一部について確定拠出年金制度へ移行したことにより、「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」(企業会計基準適用指針第1号2016年12月16日)及び「退職給付制度間の移行等の会計処理に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第2号2007年2月7日)を適用し、確定拠出年金制度への移行部分について退職給付制度の一部終了の処理を行います。これによる影響額は、翌事業年度において、特別利益として約64億円計上する予定です。
<社債の発行>
当社は2025年3月24日に開催した取締役会における決議に基づき、2025年5月23日に第63回及び第64回社債の発行を決定し、2025年5月29日に発行しています。それぞれの概要は以下のとおりです。
(東京地下鉄株式会社第63回社債)(グリーンボンド)
発行年月日 2025年5月29日
発行総額 100億円
発行価格 額面100円につき金100円
利率 年1.910%
償還期限 2035年5月29日
資金使途 設備資金
担保 一般担保
(東京地下鉄株式会社第64回社債)
発行年月日 2025年5月29日
発行総額 100億円
発行価格 額面100円につき金100円
利率 年2.905%
償還期限 2045年5月29日
資金使途 借入金返済資金
担保 一般担保
④ 【附属明細表】
【有価証券明細表】
【株式】
【その他】
【有形固定資産等明細表】
なお、建設仮勘定の当期増加額の主なものは、固定資産に振り替えている金額を差し引いた純額のみ記載しています。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨、
定款に定めております。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4) 株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類
(2) 半期報告書及び確認書
(3) 臨時報告書及びその添付書類
2024年9月20日関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項並びに企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第1項及び同条第2項第1号(株式の売出し)の規定に基づく臨時報告書
(4) 臨時報告書の訂正報告書及びその添付書類
2024年10月7日及び10月15日関東財務局長に提出
上記(3)臨時報告書の訂正報告書
(5) 有価証券届出書及びその添付書類
2024年9月20日関東財務局長に提出
株式の売出しに係る有価証券届出書
(6) 有価証券届出書の訂正届出書
2024年10月7日及び10月15日関東財務局長に提出
上記(5)有価証券届出書の訂正届出書
(7) 発行登録追補書類及びその添付書類
2025年5月23日関東財務局長に提出
(8) 訂正発行登録書(普通社債)
2024年9月20日、10月7日、10月15日及び2025年4月28日関東財務局長に提出
2023年12月19日付で提出した発行登録書の訂正発行登録書
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。