第一部【企業情報】
第1【企業の概況】
1【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注)1.第88期及び第91期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載していません。
2.第88期及び第91期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため記載していません。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第89期の期首から適用しており、第89期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
4.第90期において、当社の連結子会社であった(株)アルプス物流及び子会社25社を持分法適用会社に変更しています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注)1.第88期及び第90期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載していません。
2.第88期及び第90期の株価収益率、配当性向については、1株当たり当期純損失であるため記載していません。
3.最高・最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(プライム市場)におけるものであり、それ以前については東京証券取引所(市場第一部)におけるものです。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第89期の期首から適用しており、第89期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
5.2025年3月期の1株当たり配当額60円00銭のうち、期末配当額30円00銭については、2025年6月25日開催予定の定時株主総会の決議事項になっています。
2【沿革】
3【事業の内容】
当社グループは、当社、子会社55社及び関連会社36社より構成され、コンポーネント事業、センサー・コミュニケーション事業、モジュール・システム事業、その他の4事業区分に関係する事業を行っています。
なお、モジュール・システム事業は、2025年4月1日付で、モビリティ事業に名称を変更しています。
主な製品及び事業の内容は以下のとおりです。
当社グループの主要な会社の位置づけ及びセグメントの情報は、以下のとおりです。
主要な事業系統図は以下のとおりです。
なお、当社子会社は複数セグメントに跨って事業展開を行っている会社が多いため、セグメント別に区分せず一括して記載しています。

(注)上記の系統図以外に31社の連結子会社及び31社の持分法適用会社が存在しています。
4【関係会社の状況】
2025年3月31日現在
(注)1.●印は特定子会社に該当しています。
2. LDEC(株)が(株)アルプス物流の議決権を100%保有しています。
3.国内の証券市場に上場している当社の持分法適用関連会社はありません。なお、(株)アルプス物流は東証プライム市場に上場していましたが、2024年12月17日に上場廃止しています。
4.議決権の所有割合欄の( )内数字は間接所有割合(内数)です。
5.役員の兼任等には、当社役員と当社従業員を含んでいます。
6.現在清算手続き中の連結子会社は以下の2社です。
TIANJIN ALPS ELECTRONICS CO., LTD.
ALPINE ELECTRONICS OF MIDDLE EAST FZE
7. (株)デバイス&システム・プラットフォーム開発センターは会社清算したため、持分法の適用から除外しています。
8.売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超える連結子会社の主要な損益情報等は以下のとおりです。
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注)1.従業員数は、就業人員(当社グループからグループ外部への出向者は除く)です。
2.従業員数欄の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員を外書しています。
(2)提出会社の状況
2025年3月31日現在
総合職相当及び管理職相当(内数)
2025年3月31日現在
(注)1.従業員数は、就業人員(当社から社外への出向者は除く)です。
2.従業員数欄の( )は、臨時従業員の年間平均雇用人員を外書しています。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
(3)労働組合の状況
当社及び連結子会社の多くは労働組合を持たず、従業員による組織にて労使交渉に当たっています。
なお、労使の関係は安定しています。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
2025年3月31日現在
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
3.「労働者の男女の賃金の差異」について、賃金制度は性別に関係なく同一の基準を適用していますが、全体の人数構成や各区分内における等級別人数構成等の影響で、男女の賃金差が生じています。具体的には正規雇用労働者は管理職相当、総合職相当、一般職相当の3区分に分けることができますが、それぞれの区分内での男女の賃金の差異は86.7%、78.7%、79.5%となっています。しかし、正規雇用労働者でまとめて集計すると賃金の差異は各区分内での差よりも大きくなり、上記表のとおり62.9%となります。
これは賃金水準が相対的に高くなる管理職相当や総合職相当において男性の人数が多いことによります。この是正に向け管理職や総合職相当の女性採用強化の取り組みを継続的に行っています。
また、等級別人数構成の差には、ライフイベントによるキャリア中断や長時間労働が前提にあった過去の働き方における昇格の遅れ等も影響していると考えられます。この是正に向け、女性活躍推進の取り組みやキャリア支援、人事制度の見直し等の具体的な取り組みを行っています。
② 連結子会社
2025年3月31日現在
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
第2【事業の状況】
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、企業理念「アルプスアルパインは人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します」、及び現在のESG、SDGsにも通ずる創業期制定の社訓をベースとした「価値の追究」「地球との調和」「社会への貢献」「個の尊重」「公正な経営」の5つの経営姿勢をグループ共通の価値観として、各社が連携して経営計画を推進し、企業価値の最大化を図っていきます。
(2)中長期的な経営戦略と目標とする経営指標
当社は、今回、次の10年を見据えた新たな長期企業ビジョンとしてビジョン2035を策定しました。
当社は、長い年月にわたり感性工学を基幹技術として研究を続け、人の五感に対して心地よい直感操作と感触、快適空間の提供を価値として、ヒューマンマシーンインタフェースを中核に技術を進化させてきました。当社の五感に関わる強い要素技術を、モビリティ事業の資産であるソフトウェア、そしてセンサー事業で培ってきた独自IC設計技術と融合し、これにより当社が掲げる「感動・安全・環境」という提供価値を実現していきます。今後の成長の核として、マルチモーダルな高度化した融合センシングデータの提供を進め、モビリティー市場におけるデジタルキャビンでの活用はもとより、新たな事業領域として今後加速度的に進化していくロボティックスや、高齢化・少子化による社会課題解決に貢献する市場に向けて製品や技術を展開させていきます。この我々の向かっていく姿を「人の感性に寄り添うテクノロジーで未来をつくる」と表現しました。
これらビジョン2035で目指す姿を達成するべく、2025年4月より2028年3月までの中期経営計画2027をスタートさせました。中期経営計画2027では、当社のコア技術を活かしたユーザー中心の製品開発、環境に配慮した持続可能な技術の導入、多様性の推進、持続可能なサプライチェーンの管理、そして革新的な技術の開発を通じて人々の生活を向上させ、持続可能な未来の構築の実現を目指していきます。
<中期経営計画2027 基本方針>
1.高付加価値の追求
従来の売上成長主義から脱却し資本コストを意識したROIC経営を開始しました。各事業の収益力を強化する施策とともに、会社全体の収益力を最大化する最適ポートフォリオを構築します。
高付加価値製品であるデジタルキャビンへのシフト、不採算製品の縮小、製品ラインアップの絞り込みを図ります。
2.次の事業の仕込み
第2次中期経営計画期間まで収益を牽引していたスマートフォン関連の製品を継承する次世代電子部品・デバイスの有望市場として、コア技術に立脚した新製品や、センサー領域を核とした次の事業の柱となる市場・製品を開拓します。
3.経営基盤の強化
今後の人手不足を補いコスト競争力を維持・拡大するための生産拠点再編・国内強靭化、SDV時代を担うソフトウェア開発の強化、人的投資、バランスシートマネジメントの実践等を通じて、会社全体の収益を支える経営基盤の強化を図ります。
<中期経営計画2027 事業ポートフォリオ>
事業セグメントの位置づけは、事業セグメントを収益基盤の維持・拡大を目指す「コンポーネント事業」、今後の成長領域と位置づけて伸ばす「センサー・コミュニケーション事業」、改善により収益体質の良質化を図る「モビリティ事業」と定義し、よりバランスの取れた成長に向けた取り組みを進めていきます。なお、2026年3月期より従来の「モジュール・システム事業」は、製品の融合が進み、今後デジタルキャビンへの移行とその実現のための内部の組織体制の一本化を進めることから「モビリティ事業」へ名称を変更しました。
これらの取り組みを通じて、2027年3月期でPBR1倍以上、2028年3月期にROE10%の達成を目指します。
(3)会社の経営環境と対処すべき課題
当社は日本をはじめ北米、欧州、中国、その他アジアを中心に23の国と地域に186拠点を持ち、約40,000種類の製品・サービスを車載市場、モバイル市場、民生市場向けに販売しています。車載市場は、主に日本・北米・欧州の大手自動車メーカー向けに直接販売するTier1ビジネスを中心に、世界中の自動車部品メーカー向けに販売するTier2ビジネスも行っています。モバイル市場は、大手スマートフォンメーカーをはじめ、その他モバイル関連製品を扱う顧客にも販売を行っています。また、民生市場は、自動車やモバイル製品以外のパソコン、家電、ゲーム機器や一部産業機器等のメーカーに販売しています。
当社グループを取り巻く経営環境は、グローバル市場での競争が激化しており、世界市場での競争力を維持するために、経済的な変動に対応する必要があります。特に足許では、米国発動の追加関税等の地政学リスクにより不確実性が高い状況にあり、短期での関税対応と中長期を見据えたサプライチェーンの見直しが重要課題になっています。
また、車載市場における当社の事業領域では、車の自動運転や電動化とともに車室内の電子化による技術進化が急速に進んでいます。特にインフォテインメントシステムやデジタルキャビンの開発が進み、車内の快適性と利便性が向上しています。近年では中国資本の企業がこの分野で躍進し、これに対抗して、従来の当社顧客の多くを占める日本や欧米の企業も技術開発と市場拡大に注力しており、企業間競争が激化しています。モバイル市場においては、技術のコモディティ化による競合企業の参入が進み、より一層のコスト対応力が求められるとともに当社のコア技術が活きる新製品の開発が求められています。また、これらの既存市場だけでなく、新規市場開拓としてロボティクス、ライフサイエンス、住宅設備、産業機器、農業、介護、環境、リサイクル市場への参入で当社製品の強みを活かすことを目指します。
中期経営計画2027では中期の重要課題として、①モビリティ事業の収益化、②成長ドライバーの不在、③収益予想のボラティリティ低減、④資本効率の改善による収益力の強化の4点を掲げ、課題解決に取り組みます。
加えて当社グループは、中長期的に企業価値を向上させるためにESG(環境・社会・ガバナンス)領域からも重要な経営課題を特定し、中長期と短期の視点を均衡させた実効性の高い戦略を策定し実行していきます。具体的には、環境価値の高い製品の創出やインターナルカーボンプライシング制度の導入等を通じた事業の持続的な良質化を目指しつつ、GHG(温室効果ガス)排出量の削減、省エネ推進、廃棄物削減等により環境負荷を低減させながらコスト競争力の向上も図ります。また、再生材の利用や廃棄物削減・再資源化による資源循環の促進を本格化させます。これら活動の推進力を、人財のリスキリング(再教育)とリーダー育成により増強していきます。更に、経営関連会議の実効性改善策等を通じてコーポレート・ガバナンスを強化し、前述の活動を後押ししながら、当社グループは持続的な成長を目指していきます。
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。
(1)サステナビリティー全般
当社グループでは、社会や顧客からの要求、法規制への対応に留まらず、将来にわたり持続的に成長し、社会的価値と経済的価値を創出するためサステナビリティー経営は重要な課題であると捉え、サステナビリティー課題を含むマテリアリティーを設定するとともに、全社及び各本部や部門の中期経営計画へ落とし込み、活動を推進することで、企業理念である「人と地球に喜ばれる新たな価値の創造」の実現を目指しています。
① ガバナンス
2025年度よりサステナビリティ委員会の位置づけを変更し経営会議の一つとして、サステナビリティー課題の監督は取締役会が行い、各本部における活動の進捗管理・課題に関する議論と取締役会への報告をサステナビリティ委員会が実施することで、経営レベルでの課題検討と意思決定のスピードの向上に取り組むとともに、サステナビリティーに係るマテリアリティーごとに担当役員を新たに明示することでサステナビリティー経営の更なる強化を図っています。
<推進体制>

<サステナビリティーに係る会議体>
<2024年度の経営会議における主なサステナビリティー議題>
<サステナビリティーに関連するインセンティブ>
2024年6月支給分より、サステナビリティー課題に対して役員自らがリーダーシップを発揮して活動を推進することを目的として、ESG評価に係る指標を譲渡制限付株式報酬に追加しています。ESG評価機関の評価結果を基にして算出する当社の基準により、その結果を役位別に定める株式報酬額に対して±20%の範囲で加減算しています。詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」を参照ください。
② リスク管理
当社グループでは、ビジョン2035の実現及び中期経営目標の達成に向け、サステナビリティー課題を含めたマテリアリティー設定プロセスにおいて、関係部門に対して社内外の環境認識並びに機会とリスクに関する調査及びヒアリングを定期的に実施することでリスクと機会を識別しています。識別したリスクと機会は、経営諸会議で検証・評価し、機会への戦略とリスクへの対応策を検討しています。
<マテリアリティー設定プロセス>
<リスクと機会の特定>

中期経営計画2027においては、気候変動に伴う自然災害や世界各国の環境関連規制への対応及び環境対応製品の拡充による新規ビジネス獲得等の「環境への対応」と、価値創造に必要となる人財育成及びエンゲージメント向上によるイノベーション促進や生産性の向上等の「人的資本」をサステナビリティー経営における重要なテーマと認識し取り組みを強化しています。
なお、当社グループでは、ESG担当役員をリスク管理責任者とし、リスクを網羅的に整理し優先順位付けを行ったリスクマップ並びにリスク管理規定を整備しています。また、この規定に基づく危機管理マニュアルに明示したリスク情報一覧表により、想定されるリスク及び影響と対応策を展開し、各責任部門にてリスクへの対応を行っています。サステナビリティー関連リスクの詳細は「3.事業等のリスク」を参照ください。
③ 戦略
当社グループは、サステナビリティー経営による社会的責任の遂行は、企業の持続的成長及び価値の最大化に欠かせない重要な経営課題であると捉え取り組みを進めています。また2025年1月に、従来の事業側面に加えてESRS(欧州サステナビリティ報告基準)に基づくダブルマテリアリティー及び人的資本経営の側面も加味したマテリアリティーを改めて特定するとともに、「事業への影響度」と「ステークホルダーの関心度」を軸とするマテリアリティーマップへ落とし込み、それぞれに対応するテーマ/施策及びKPI(中期)を設定しています。なお、各マテリアリティーは提案部門が中期経営計画へ落とし込み、主体的に活動を推進するとともに、サステナビリティ委員会による進捗確認等を行うことで、サステナビリティー活動におけるPDCAサイクルを実行しています。
<マテリアリティーマップ>

※下線テーマがサステナビリティーに係るマテリアリティー
※(E):環境、(S):社会、(G):ガバナンス
④ 指標及び目標
当社グループでは、マテリアリティーごとにテーマ/施策、KPI(中期)をそれぞれ設定し、ESG視点による進捗管理と評価を行っています。また、2024年度の活動実績は2025年9月に発行予定の当社統合報告書にて開示する予定です。
※1 2025年度中に決定
※2 廃棄物における埋立以外の比率
※3 連結指標は活動を開始して間もないため、今後目標設定予定
※4 CMRT(Conflict Minerals Reporting Template):紛争鉱物報告テンプレート
(2)気候変動への取り組みとTCFDへの対応
当社は、2020年9月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しています。気候変動関連リスクと機会の分析を行い、その結果を事業戦略につなげることで持続可能な成長及びリスクへの適切な対応を目指していきます。
① ガバナンス
「気候変動への適応と緩和」をマテリアリティーの項目として設定し、気候変動課題に対する基本方針や対応策等の重要事項を取締役会で審議・決議しています。社長は気候変動対応を含むサステナビリティー課題に対する最高責任と権限を有しており、社長から任命された取締役がサステナビリティ委員会の委員長として、全てのサステナビリティー施策を監督する責任を負っています。2024年度のサステナビリティ委員会は、執行役員が参加する経営レベルの会議として実施しました。これにより、経営層による意思決定と役員間の連携をより密にし、重要課題に迅速かつ的確に対応できる体制としました。また、サステナビリティーに係る課題に対して役員自らがリーダーシップを発揮して活動を推進することを目的とし、2024年6月よりESG評価に係る指標を役員報酬である譲渡制限付株式報酬の評価指標に追加しています。
サステナビリティ委員会は、各施策の進捗状況を定期的に確認するだけでなく、気候変動や資源循環等の重要課題について議論を行い、必要に応じて全社方針の決定を行っています。具体的には、スコープ3におけるGHG排出量について、当社1次サプライヤーのスコープ3のGHG排出量が占める割合は約6割であるという調査結果を共有した上で、スコープ3のGHG排出量削減の重要戦略として「製品設計段階での排出量削減」を設定しました。また、気候変動の機会について、EUタクソノミー適合性評価結果を共有し、サステナビリティー推進部門と技術本部が協力して、環境価値の創出に向けた活動を推進していくことを決定しました。なお、従前のマテリアリティーである「脱炭素社会の実現」では、気候変動の緩和を最重要課題としていましたが、今後は一定程度の気候変動による異常気象を肯定し、気候変動に対して適応する取り組みも必要であると考え、新しいマテリアリティーでは「気候変動の適応と緩和」と改めています。
なお、サステナビリティ委員会で審議された環境に関連する施策・KPIは、取締役会に報告しています。
② 戦略
当社は、気候変動に関するシナリオ分析を実施し、その結果を基にリスクと機会を特定しました。これにより、当社の事業に与えるインパクトを内部的な基準に基づいて定量的に評価しました。
1)シナリオ分析方法
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)及びIEA(International Energy Agency)の情報を基に、物理シナリオ(RCP8.5、RCP2.6)及び移行シナリオ(STEPS、NZE)を選定し、4℃と1.5℃のシナリオ世界観における分析を行いました。2030年時点の4℃シナリオと1.5℃シナリオには気温上昇に大きな差異が見られないこと、事業視点で2050年時点の移行リスク・機会を予測することは困難であるため次の組み合わせに対して評価を行いました。
2)シナリオ分析結果
シナリオ分析の結果、4℃シナリオの場合、異常気象に伴う災害の激甚化に対して国内外の拠点への対策のみならず、サプライチェーン全体に範囲を広げたリスク対策の重要性を認識しています。一方、1.5℃シナリオの場合は、移行リスクを低減するために、脱炭素化に対する取り組みを継続的に推進するとともに、気候変動に適応する製品・サービス・市場における機会への積極的な対応が必要であると再確認しました。
3)リスクと機会の評価
リスクは、移行リスク(政策と法規制、技術、市場、評判)と物理リスク(急性、慢性)の側面から評価しました。
※1 短期:1年以内、中期:3年以内、長期:3年超(現在は2030年まで)
※2 大:売上~10%、中:売上3%程度、小:売上0.5%~
※3 CBAM(Carbon Border Adjustment Mechanism):EUが導入した炭素国境調整措置
機会は、資源効率性、エネルギー源、製品とサービス、市場、レジリエンスの側面から評価しています。
※1 短期:1年以内、中期:3年以内、長期:3年超(現在は2030年まで)
※2 大:売上~10%、中:売上3%程度、小:売上0.5%~
4)リスクマネジメント
企業の持続的成長と企業価値向上を実現するためには、事業を取り巻く様々なリスク項目について、事業への影響度と重要度を見極めた上で、中長期で施策を立案、対応していくことが重要であると認識しています。当社は、リスクに対する備えを検討するためのフレームワークとしてリスクマップを作成しており、気候変動関連リスクは経営上のリスクとしてリスクマップに含まれています。具体的な活動としては、年に1回、担当部門がリスク調査を行い、洗い出されたリスクはサステナビリティ委員会で評価・管理しています。また、財務影響度の大きいリスクは取締役会に報告し審議されています。
③ 指標及び目標
当社は、2050年度にバリューチェーン全体のGHG排出ゼロを目指し活動を推進しています。中期目標として2030年度にGHG排出量(スコープ1、2)を2021年度比90%削減することを目指しており、2024年4月にSBT(Science Based Targets)認定を取得しました。また、「RE100」に加盟し、2030年度に再エネ導入率100%達成を宣言しています。
当社は、徹底した省エネ活動や積極的な再エネ利活用を推進することで、GHG排出量削減に貢献していきます。
(3)人的資本
当社グループは、創業以来「人に賭ける」の考え方を継承し、個人の能力開発・発揮及び組織としての成果最大化を基盤とした人的資本に関する取り組みを実施しています。2025年4月より3ヵ年の中期経営計画2027の開始に当たり、企業理念や事業戦略を踏まえ、「多様で自律した社員が企業理念に共感し、互いに信頼・連携しながら主体的に行動することにより、個人の成長、組織成果の最大化と会社の持続的成長を実現」を目指す姿として定義しました。また、目指す姿(To be)の達成に向けて、①人財ポートフォリオの充実、②価値創造人財の確保と育成、③個の能力を発揮できる風土醸成の3つを人的資本経営の重点テーマとして整理し、これらの課題を解決することを通じて、人的資本の拡充・活用と目指す姿の実現及び企業価値の向上を目指します。

① ガバナンス
当社グループでは、人的資本経営を担う責任者として人事総務本部長を設置し、取締役及び執行役員と連携して人と組織に関する課題のリスク把握と適切なリスクマネジメントを行っています。
人的資本に関する方針・計画等に関しては、その重要性に応じた議論を経て、取締役会及び執行役員の出席する人的資本会議に対して付議・報告しています。また、サステナビリティ委員会へは、人的資本に関する各取り組みの進捗状況を定期的に報告・討議することで、サステナビリティー経営全般としての統制を図っています。
<人的資本に関連する付議・報告の状況>
② 戦略
1)人財ポートフォリオの充実
事業戦略を実行するための組織編制を機動的に実施できるように、人財ポートフォリオの解像度をグローバルで高める取り組みを行っています。海外現地法人における管理職の育成状況を把握するなど、グローバルで人財に関する情報の更新を定期的に行い、国や地域を越えて人財を活用することで事業環境の変化に追従し、組織目標の達成に貢献していくことを目指しています。また、事業を創出する人財育成の充実・強化が急務となっており、当社の企業理念及びビジョン2035の実践には、社会的な課題等を起点とした新たな価値や事業を創出できる人財の育成が重要と考え、事業構想に関する国内外学習の機会を提供するなどの取り組みを積極的に進めています。
2)価値創造人財の確保と育成
自身の強みを活かし、組織に貢献できる人財を「価値創造人財」と定義し、多様な価値を生み出す人財の確保・最適配置・育成を目指します。採用場面では、採用市場への情報発信を増強させるとともに多様な採用経路を確保し、当社企業理念への共感や相互理解などを通じたマッチング性を重視した取り組みを進めています。また、新入社員のみならず全ての社員は、自身が希望する研修を受講できるなど能力開発に係る機会の創出に加え、社内公募制度や本部等をまたいだ異動を積極的に促進させることで最適配置を行っています。
3)個の能力を発揮できる風土醸成
当社の企業理念やビジョン2035など上位方針の実現に向けて、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる心理的安全性の高い風土醸成を更に進め、多様な社員がポテンシャルを存分に発揮できる環境整備に取り組んでいます。特に、DE&Iの観点では、女性活躍推進やシニア向けのキャリア支援、外国籍社員向けのサポートの拡充等に取り組むとともに、様々な立場から物事を多面的に捉える機会を管理職をはじめ幅広い社員に提供しています。これにより、評価や登用においても成果や役割貢献等を基にする考え方が浸透したことで、男性社員の育児休暇取得率等が上昇するなど具体的な成果へとつながっています。
<個の能力を発揮できる風土醸成に係る活動概要>
当社グループでは、これまで対話型マネジメントの浸透に向けた取り組みを通じて、挑戦と成長を生む企業風土の実現に取り組んできました。これにより、自らの働きがいや成長した姿を見出し、主体的に行動する社員が増加しつつありますが、それに伴いマネジメントとしてやるべきことも年々増大し、課題が高難度化する状況の中で中間管理職層が部下と向き合う時間が十分に取れないことが課題となってきています。そのため、社員のキャリア自律支援を継続的に行うとともに、中間管理職層がマネジメント業務に集中できる環境づくりも進めていきます。
なお、当社グループでは、女性活躍推進法に基づく行動計画を策定しており、女性が活躍できる社内環境の整備を計画的に実施しています。

また、2024年度より全社員を対象にエンゲージメントサーベイを定期的に実施することとしました。こうした多様な人財が社内で活躍できる風土醸成を通じて、エンゲージメントが高まり、更なる成果発揮へつながることを期待しています。
4)労働環境・安全衛生
当社グループでは、重点テーマを遂行するに当たり、その基盤となる労働環境及び安全衛生の維持・向上は欠かせない事項であると捉え「安全衛生方針」を策定し、従業員一人ひとりが安全に、そして心身ともに健康に働ける職場環境づくりに努めています。

また、2021年4月に「健康経営宣言」を制定しており、従業員の健康管理を重要な経営課題と捉え、健康診断やストレスチェックの定期的な実施、特定保健指導の実施率向上をはじめとする様々な「健康経営」の実践に積極的に取り組むとともに、2022年度より健康経営ワーキンググループを発足させ、取り組みを推進しています。

③ 指標及び目標
当社における、2022~2024年度における指標/目標及び活動実績は次のとおりです。
なお、当社グループは、各社それぞれ独自に人事制度を整備・管理していること、特に海外現地法人においては各国の法規制や慣習、外部環境や社内での課題認識等も異なることから、日本の国内法令に基づく集計を除き、人的資本管理関連指標の取りまとめを行っていません。
※1 提出会社の人財の確保と育成を目的としており、国内・海外連結子会社は含まず
※2 提出会社を対象として実施しており、国内・海外連結子会社は含まず
※3 提出会社の女性社員比率向上を目的としており、国内・海外連結子会社は含まず
※4 本取り組みは国内法を基本としたものであり、海外連結子会社は対象に含まず
なお、これまで当社グループは日本国内の従業員に関するデータを中心に人的資本に関する取り組みを進めていましたが、中期経営計画2027においては、グローバルでの人的資本に関するデータ整備と一体的なマネジメント体制の構築に向けて、以下の指標/目標を設定し取り組みを進めていきます。
※国内外の動向等を踏まえ今後も労務費上昇が見込まれることから、付加価値創出額も同様に上昇させていくことを想定し、2024年度と同程度の目標設定としています
3【事業等のリスク】
(1)リスクマネジメントの考え方
当社グループは、リスクマネジメントを事業の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現するための「経営・事業運営の基盤=攻めの経営を支える基盤」と位置づけ、事業のグローバル化、サプライチェーンの複雑化等により多様化するリスクに対して、今後起こり得るリスクやそれらによる事業への影響度に応じて被害を回避又は最小化するための取り組みを進めています。
(2)リスクマネジメントの活動サイクル
当社は、リスク管理部門を設置し、当該部門が中心となって、各種委員会・会議を通じて、リスクマップにて定められる主要リスクごとにリスク低減施策・BCPを策定し、リスク対応力の向上に努めています。また、リスク管理部門が主管となって、リスク管理に関する教育・訓練を実施しています。
更に、事業に重大な影響を及ぼしうる自然災害、サイバー攻撃等の危機が発生した場合には、社長を本部長とする危機対策本部を設置し、早期復旧、損害の最小化を図っています。

(3)当社グループにおける主要リスクについて
有価証券報告書に記載した事業の状況・経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクを可視化し、それらの発生可能性、事業への影響度、リスク対策の実施状況等の観点から評価したリスクマップを整備し、その中から優先順位付けした当社グループの主要リスクを示しています。
<リスクマップ(当社グループの主要リスク)>

当社グループにおける主要リスクの内容と取り組みについては次のとおりです。なお、文中においては将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①事業戦略リスク
1)ビジョン2035・中期経営計画2027に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは、注力事業の成長と収益体質への変換を図り、企業価値を向上させるため、ビジョン2035「人の感性に寄り添うテクノロジーで未来をつくる」及び中期経営計画2027を策定しました。当該ビジョン及び中期経営計画は、策定時点における経済・事業環境の認識等様々な前提に基づくものであり、前提が想定どおりとならない場合等には、成長戦略の実施や目標の達成が困難となり、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、ビジョン2035の実現及び中期経営計画2027の達成に向けて、当社グループ全体にこれらを浸透させる活動に取り組みます。
また、中期経営計画2027の各種施策に主管・担当役員を充て、施策内容と実行時期を明確にした上で、執行役員会及び取締役会において進捗状況をモニタリングしながら、進めていきます。
2)顧客ニーズ及び新技術の導入に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループの事業は、自動車やスマートフォンをはじめとして技術革新のスピードが非常に早く、顧客要求の変化や新製品・サービスの導入が頻繁な市場であり、新たな技術・製品・サービスの開発により短期間に既存の製品・サービスが陳腐化して市場競争力を失い、販売価格が大幅に下落することがあります。また、コンポーネント事業においては、スマートフォン向けカメラ用アクチュエーターの映像の高精細化・高画質化の動きが進み、センサー・コミュニケーション事業やモビリティ事業の車載ビジネスにおいては、システム及びソフトウェアの高度化やセキュリティー対策等、急速に技術革新が進んでいます。そのため、それらの市場の変化に迅速な対応ができない場合や、製品の販売が想定した台数に達しない場合、又は顧客ニーズに合わせた新製品の導入ができない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
新技術の導入に当たっては、これらの変化に対応すべく、中期経営計画2027における戦略投資テーマ(国内生産競争力強化・センサー領域・ソフトウェア・人的資本等)及び個々の開発テーマに対し、投下資本利益率(ROIC)に基づく投資判断を行い、計画的かつ適切に投資を行っていくことで、技術力強化と人財育成を図っていきます。
また、営業・マーケティング部門が市場・顧客動向を把握し、技術部門等にフィードバックを図ることにより、市場変化に対応した新技術開発を進めています。
3)M&A及び事業再構築に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは、事業拡大を図るため、当社の事業内容とシナジーを発揮でき、かつ成長が見込まれる会社の買収や事業譲受等のM&Aを検討していきます。M&Aの実施に当たっては、市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の経営成績、財務状況、市場競争力、M&A実行後の対象会社と当社グループとの経営・業務・意識統合プロセスの検討及び計画、経営課題及びその対応方針等を十分に考慮して進めます。しかし、事前の調査・検討に不足や見落としが生じることや、買収した事業が計画通りに展開することができず、投下した資金の回収ができない場合や追加的費用が発生した場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、成長性が高く、安定的な収益の得られる事業構造の確立のため、事業ポートフォリオにおける非注力・ノンコア事業/不採算事業の整理、終息の取り組み(カーブアウト)を進めています。しかし、各国の規制、雇用問題、当社グループが売却を検討している事業に対する市場における需要不足等により、これらが実行されない可能性があります。これらが実行された場合においても、顧客等からの評価の低下等、予期せぬ結果をもたらす可能性もあります。
<主な取り組み>
M&Aの実施に当たっては、当社事業計画に照らし合わせ、市場・技術動向や顧客ニーズ、相手先企業のポテンシャル等のリスクを執行役員会及び取締役会にて十分に分析・審議した上で、実施していきます。
また、事業再構築に当たっては、市場・業界動向、戦略、売却価格、プロセス及び潜在リスク等様々な視点から分析した上で、執行役員会及び取締役会にて審議し、慎重に進めています。
4)製品品質に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループの製品の品質に起因して顧客の損失が発生した場合、生産物賠償責任保険の適用を超える賠償責任を問われる可能性があります。その結果として、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、品質保証体制を構築し、品質改善活動を通じ品質の維持・向上に努め、また問題発生の未然防止に取り組んでいます。
5)固定資産の評価及び減損損失に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループの当連結会計年度末における有形固定資産及び無形固定資産の帳簿価額は1,587億円です。当社グループは顧客の需要予測による将来の販売計画に基づいて設備投資を行っていますが、固定資産の回収可能性は、個人消費の動向、新製品の導入タイミング、新仕様や規格変更への対応及び技術革新のスピード等に影響を受けます。特に自動車市場においては、自動車販売台数に基づく顧客の需要変動や顧客ニーズの変化、技術革新への対応等が遅延した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、投資判断を行う際、その収益性・投資回収予定時期を社内で厳格に精査することで減損損失の計上リスクの軽減に努めています。しかし、急激な経営環境の悪化により収益性が低下し、帳簿価額の全部又は一部を回収できないと判断した場合、減損損失を計上する可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、各市場における製品ライフサイクルを分析し生産設備等の経済的耐用年数を設定しています。また、投資判断を行う際、NPV(正味現在価値)・IRR(内部収益率)基準に基づく収益性・投資回収予定時期を社内で厳格に精査することで、減損損失の計上リスクの回避や極小化に努めています。
②地政学・経済安全保障リスク
<リスクの内容>
米中貿易摩擦、ロシア・ウクライナ情勢、台湾情勢及びインド・パキスタン情勢等の影響により、原油及び天然ガス等の価格高騰、サプライチェーンの混乱、インフレ対策を主眼とした各国中央銀行の利上げ等による為替相場の急変が続くこともあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に下記③ 4)顧客の生産計画に係るリスク及び5)特定の部品の供給体制に係るリスクに記載の影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、事業展開する各国・各地域において事業・投資の許可、関税をはじめとする輸出入規制等、様々な政府規制・法規制の適用を受けています。今後、各国で関税引き上げを伴う保護主義経済政策の本格化が予想され、当社車載製品を中心に売上減少又は原価率悪化の可能性があり、この場合、当社グループの業績及び財務状態に影響を及ぼします。
<主な取り組み>
当社グループは、政府各省庁及び企業・団体等から情報収集し分析を行うことで、各国・各地域における規制・政策及び業界動向を注視し対策を実施していきます。
また、関税引き上げに対する対応として、資材調達から顧客への製品納入に至るサプライチェーンの見直し及び顧客への価格転嫁を図っていきます。
③市場環境リスク
1)経済状況の変動に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは、コンポーネント事業、センサー・コミュニケーション事業、モビリティ事業を中心としてグローバルに事業を展開しており、当連結会計年度の海外売上高は88.8%を占めています。従って、当社グループは直接あるいは間接的に、自動車やスマートフォン等をはじめとし、IoT・AIの活用により新たなビジネスも生まれているEI市場等、グローバルの各市場における経済状況の影響を受ける環境にあり、各市場における景気の変動等によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、物流コストや各種原材料・エネルギーコストの高騰、貿易摩擦、テロ・戦争・感染症拡大・その他の社会的混乱、不利な政治又は経済要因、予期しない法律又は税制の変更等のリスクが常に内在しています。従って、これらの事象が起きた場合には、当社グループ事業の遂行が妨げられ当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、生産拠点と販売拠点が綿密に連携し、迅速に顧客に販売動向や市場の動向を共有することで、生産規模の最適化を図っています。
2)外国為替に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは、グローバルに事業展開しており、結果として為替レートの変動による影響を受けます。一例として、外国通貨に対する円高、特に米ドル、ユーロ及び人民元に対して円高に変動した場合には、当社グループの業績にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。為替レートの変動が想定から大きく乖離した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、先物為替予約、通貨オプション及び外貨建て債権債務の相殺等、為替変動による影響額の極小化を図っています。
3)有価証券の時価変動に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは、売買を目的とした有価証券は保有していませんが、当連結会計年度末において、600億円の有価証券を保有しています。時価を有するものについては全て時価評価を行っており、株式市場における時価の変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、事業上必要である場合を除き、投資株式を取得・保有しないこととし、現在保有している株式については、合理性を確認しながら保有の是非を判断しています。
4)顧客の生産計画に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは国内外のメーカーからの受注生産が大部分を占めるため、顧客の生産計画の影響を直接受けます。地政学・経済安全保障上の各種影響による高まりを受けたエネルギー問題、物流費や部材の高騰、関税引き上げ等不確実な政治経済状況によるサプライチェーン全体への混乱で見通しが立てづらい状況が加速しています。当社グループは、顧客の生産計画に基づき、市場動向、部材の調達リードタイム、安定供給を勘案して取引先に部材手配を行っていますが、市場環境や上記地政学・経済安全保障上の各種影響等に伴う顧客の生産計画の変動影響を受け、生産調整・過剰在庫が発生するリスクがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、営業部門、生産部門及び資材部門が綿密に連携し、顧客や市場の動向を迅速に共有化し、生産規模及び在庫の適正化を図る取り組みを進めています。
5)特定の部品の供給体制に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは、重要部品を当社グループ内で製造するよう努めていますが、一部の重要部品については、当社グループ外の企業から供給を受けています。従って、これらの供給元企業が、上記②地政学・経済安全保障リスクに記載の各種影響、自然災害・感染症、事故等の事由により当社グループの必要とする数量の部品を予定通り供給できない場合、生産遅延や販売機会の損失等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
供給問題を未然に防ぐ対策として、当社グループは、サプライチェーンマネジメントの強靭化に取り組み、代替調達先の確保や、自然災害・感染症、事故等の発生時は調達部品の生産地を特定できるシステム等により、迅速な対応が取れるよう取り組んでいます。また、取引先への事業方針の説明及び取引先との交流会を適宜実施することにより、パートナーシップの構築を図るとともに、取引先に対する定期的な評価を通じて、部品の安定調達の体制強化を図ります。
6)競合に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは、コンポーネント事業におけるスマートフォン向けカメラ用アクチュエーターをはじめとしたデジタル機器向けコンポーネント製品、センサー・コミュニケーション事業やモビリティ事業におけるデジタルキャビン製品等全ての事業分野において、他社との激しい競争に晒されています。特に車載ビジネス分野においては、SDV(Software Defined Vehicle)化やADAS(先進運転支援システム)の進展により、IT・通信分野等、業種・業態の垣根を越えた企業間の開発競争が激化しています。また、従来製品・技術においては市場成熟化の中でコスト競争が激化し、新興国の同業他社が低コストを武器に当社グループと競合しています。それらに起因する市場環境の変化によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、当社コア技術を活用した新製品の導入や高品質の製品供給、グローバルネットワークの整備・拡充、M&Aや業務提携の推進等により、顧客満足を得るべく努めます。また、グローバル生産拠点の再編及び生産自動化技術の導入等により、コスト競争力強化を同時に進めていきます。
7)顧客の財務状況に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループの実質的な売掛金を保有している顧客が、景気低迷等のために支払いが困難になり、その売掛金を回収できなくなった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループの顧客が適時に支払うことができないことから生じる見積損失について、売掛金に対する貸倒引当金として計上しています。貸倒引当金は当連結会計年度末において40億円計上しています。なお、通常の業務の過程に関連する売掛金は、担保又は信用保険の対象にはなりません。
④人財・労務リスク
1)人財確保及び人財定着に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループが事業活動を推進し将来にわたって発展するためには、研究開発・製造・販売・管理等様々な分野において人財の確保と育成が必要です。社員一人ひとりが働きがいをもってチャレンジを楽しむ組織風土の醸成が重要であり、併せて社会環境の変化に合致した労働環境を構築するためにD&I(ダイバーシティー&インクルージョン)の推進が必要です。
一方、国内の少子高齢化に伴う労働人口減少をはじめグローバルでの人財獲得・競争が激化する中、働き方・キャリアに関する価値観が多様化して人財の流動性が高まっているため、年々、人財の確保に関する難易度が高まっています。
雇用環境の変化等により、当社が求める人財の確保やその定着・育成が計画通りに進まなかった場合には、当社グループの将来の成長に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
人的資本経営の重要性が高まる中、当社グループは、経営陣と社員が対話を行うタウンホールミーティングを含む社員のエンゲージメント向上施策に取り組むとともに、社内公募制度等様々な分野でチャレンジできる環境整備と、採用ブランディングの向上やインターンシップの実施等の採用力強化により、多様な人財の採用と育成に取り組んでいます。
また、社員の高齢化や、定年再雇用者が増加する中、各人の適性に応じた職務の割当てにより、社員一人ひとりの豊富な経験や能力を十分に発揮できる環境の整備に努めています。
更に、育児・介護等との両立支援やテレワーク勤務制度等多様な人財が働きやすい職場環境づくり、競争力のある報酬水準となるように賃金の引上げ等を実施し、人財の定着と動機付けを図っています。
2)労働安全衛生に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは、国内を対象として「安全衛生方針」を定め、社員一人ひとりが安全に、そして心身ともに健康に働ける職場環境づくりに努めています。
しかし、死亡・後遺症が残る又はそれらに準じる怪我や疾病等人的被害が発生した場合や、生産に影響が出る火災等が発生した場合には、社会的な信用が低下するとともに、生産・出荷や顧客との取引が停止することにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、怪我や疾病につながるリスクや火災等につながるリスクの低減に向け、国内全拠点を対象に、年1回安全衛生アセスメントを実施しています。また、労働災害防止や交通事故防止を目的に安全衛生教育及び交通安全講習会を実施しています。
更に、国内を対象として「健康経営宣言」を制定し、健康診断やストレスチェックの定期的な実施、特定保健指導の実施率向上、禁煙施策、メンタルヘルスへの取り組み等により、健康経営優良法人に5年連続で認定されているなど健康経営を進め、引き続き従業員の健康維持・増進を経営の重要テーマの一つと位置づけ、積極的に取り組みます。
⑤環境関連リスク
1)気候変動に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは、気候変動に伴うリスクが事業活動に大きく影響すると認識しています。低炭素経済への移行に伴い、広範囲に及ぶ政策・法規制・技術・市場の変化が生じることに起因する移行リスクとして、炭素税導入によるエネルギー調達コスト増加、排出量取引の導入によるCO2排出量削減対策や排出権導入に伴うコスト増加等を想定しています。また、異常気象に伴う災害の激甚化に伴うサプライチェーンの寸断や自社操業の停止による売上減少、生産継続・復旧対応コストの増加等の物理リスクを想定しています。それらが当社の想定した範囲を超えて発生した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、2020年9月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明し、その開示項目に沿ったシナリオ分析を実施し、事業戦略につなげることで、持続可能な成長及びリスクへの適正な対応を目指していきます。
上記移行リスクに対応する取り組みとして、当社グループは、製品カーボンフットプリントの算定・削減、使用電力の100%再生可能エネルギー化の推進、再エネ電力証書の購入等の施策に取り組んでいます。また、物理リスクに対応する取り組みとして、当社グループは、生産拠点の自然災害リスクに鑑み、生産移管や複数社購買の検討等、BCP対応の強化を行っています。
2)環境汚染及び環境負荷物質に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループの事業活動を通じて環境汚染が発生した場合、汚染除去費用や損害賠償費用等の対応費用が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、欧州や中国を中心に環境負荷物質に対する規制が強化される方向にあり、必要な要件を満たせない場合、販売機会の損失や市場における回収につながるリスクがあります。
<主な取り組み>
当社グループは、グループ経営、コンプライアンス及び環境保全についての基本理念と行動指針を定めています。その中で、経営姿勢の一つとして、地球との調和を掲げ、環境リスク対策への取り組みを行っています。具体的には、化学物質を含む環境汚染物質の管理及び排出削減、大気汚染物質の排出モニタリングと排ガス処理装置の定期点検、国内事業所における土壌・地下水の浄化等を実施しています。
なお、環境関連リスクに関する施策について、全執行役員で構成される「サステナビリティ委員会」で進捗管理・評価・個別施策の審議を行い、取締役会が監督及びモニタリング機能を果たすことにより、サステナビリティーの重点課題に関する目標達成と企業価値向上を目指しています。
⑥ガバナンスリスク
1)コーポレート・ガバナンスに係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは、グローバルに事業展開しており、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しない場合、経営者によるステークホルダーの利益に反する企業運営及び組織的な不祥事につながる可能性があり、この場合、事業の持続的成長に支障が生じ、企業価値が毀損し、当社グループの株価の低下、業績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、コーポレート・ガバナンス体制の機関設計として「監査等委員会設置会社」を選択し、取締役の職務執行の組織的監査を行っており、定款の定めに基づき、「重要な業務執行の決定」を取締役に委任し、経営判断の迅速化を図っています。また、取締役会の実効性を担保するために、毎年取締役会へのアンケートを実施し、取締役会で分析・評価し、その結果をもとに具体的な改善策を実施しています。
加えて、社外取締役や監査等委員が社内取締役及び執行役員等の業務執行を監査することにより、経営の透明性向上や適法な会社運営の確保に努めています。なお、取締役の報酬は、報酬諮問委員会を設置して、公平性・透明性・客観性を強化し、当社取締役に求められる役割と責任に見合った報酬体系及び報酬水準となるよう設計しています。なお、業務執行取締役及び執行役員に対する賞与及び譲渡制限付株式報酬において、重大な法令違反等の非違行為等が生じた場合には、報酬諮問委員会の審議のうえ、取締役会の決議により、支給済みである報酬の一部又は全部について対象者に返還を求めるクローバック制度を導入しています。
2)グループ統制に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは、国内外に多くのグループ会社を持つことから、グループ統制が重要であると認識しています。そのため、「業務の適正を確保するための体制」に基づき、内部統制システムを整備・運用をしていますが、グループ会社が行った経営上の意思決定に際し、結果的に法令違反や巨額の損失が発生した場合には、当社グループの社会的信用を失墜し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、グループ会社の事業運営の独立性と自立性を尊重しつつ、グループ会社の取締役の職務執行の適正を確保するため、「構成会社経営管理規程」において、管理項目ごとに報告等の手続き方法を定め、報告を受けることとしています。
また、当社の内部監査部門が、定期的に当社及び当社グループ会社における業務執行状況を監査し、その結果を代表取締役、取締役会、監査等委員会及びグループ会社の取締役等に直接報告しています。
⑦法務・コンプライアンスリスク
<リスクの内容>
当社グループは、事業を展開する各国において法令等の遵守を求められています。そのため、例えば、高いシェアを有する製品については、独占禁止法に関する調査手続きを受ける可能性、当社グループの製造する自動車向け製品については、その不具合に伴って顧客・消費者から訴訟提起を受ける可能性があります。これらの事象が発生した場合には、当該対応に要する費用が生じることで、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、法令、社内規程や社会規範等のコンプライアンス違反や人権侵害、ハラスメントによる問題、製品品質に関する不正等が生じることにより、当社グループの企業イメージ毀損、当社製品の生産及び出荷の停止、顧客からの損害賠償請求等、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響する可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループにおいては、定期的に役員・社員向けの社内研修を実施するなど、法令遵守・品質維持等を謳う「アルプスアルパイングループ行動規範」の遵守体制を確保しています。また、社内外に内部通報窓口を設置することで、コンプライアンス違反の把握と未然防止に努めています。更に、有事の際には法務部門と社外弁護士等が連携し適切な措置を講じる体制を確保しています。
⑧自然災害・感染症リスク
1)自然災害に係るリスク
<リスクの内容>
当社グループが事業を展開する地域において、地震・津波・風水害等の自然災害が発生し、当社の想定範囲を超えた場合、設備等への被害、重要な業務の中断、顧客への納期問題等の発生により収益性が悪化し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、自然災害の発生に備え、防災対策や重要な情報インフラのバックアップ体制の整備を行っています。また、事業に重大な影響を及ぼしうる自然災害が発生した際は、危機対策本部を設置するなど、迅速に対応に当たる体制を構築しています。各拠点において、事業活動が停止又は停止に至る可能性のある事象が発生した際は、拠点責任者が予め定められたルールに基づき報告し、全社で収集した情報を共有する体制を整えています。また、顧客に当社グループの被害状況や納入への影響を報告する体制を整備しています。
2)感染症に係るリスク
<リスクの内容>
新型コロナウイルス感染症は、日本をはじめ、世界的に収束傾向にありますが、今後も類似の感染症や新たな感染症が発生し、拡大するリスクは常にあり、当社グループ内に拡散した場合、又は、経済活動の停滞が生じた場合、操業停止やサプライチェーンの停止等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループ社員への感染を未然に防止するため、テレワーク、フレックスタイム勤務を活用した時差出勤、衛生管理の徹底を継続することにより、感染予防と拡散防止に努めます。
⑨財務リスク
1)資金繰りに係るリスク
<リスクの内容>
当社グループは、取引先銀行とシンジケート方式のコミットメントライン契約を締結していますが、これら契約の財務制限条項に抵触した場合には、借入金の繰上げ返済請求を受けることがあり、当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、財務制限条項に抵触しないよう、財務部門において各事業の事業計画を横断的にモニタリングし、資金調達リスクの低減を図っています。
2)繰延税金資産に係るリスク
<リスクの内容>
当連結会計年度末において、繰延税金資産を152億円計上しています。当社グループは将来の収益力に基づく課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。将来課税所得の見積りは、事業計画及びグループ会社間の取引価格を基礎としています。事業計画は、主に、各事業の主要顧客への販売数量及び販売価格、予測されている営業利益率、売上規模に応じた固定費の見積り及び想定為替レートを前提に策定しています。当社グループは、経営環境の変化に応じて事業計画を見直し経営成績の維持を図るとともに、必要な税務戦略を考慮しています。しかし、将来において事業計画の主要な仮定が変化した場合、繰延税金資産の取崩しが発生する可能性があります。
<主な取り組み>
当社は、繰延税金資産に影響を与えるような事業計画の変動要因や、各国・地域の税制変更を定期的に確認しており、将来の見通しの変化等により事業計画の変動が判明した場合には、繰延税金資産の回収可能性に関しての見直しの要否を適時に判断しています。
⑩IT・情報セキュリティーリスク
<リスクの内容>
昨今のサイバー攻撃の高度化や、ITを活用したビジネス詐欺の巧妙化に伴い、当社が事業活動を通じて創出した情報、顧客・サプライヤー又はその他団体及び個人(社員含む)から預かった情報の漏洩・改ざん・破壊等の被害が発生するリスクがあります。
また、社員の働き方の多様化に伴う情報の持ち出しや不適切な取扱いにより秘密情報の外部漏洩が発生するリスクがあります。更に、クラウドシステムの活用推進は、事業活動のDX化を促し、大きな利便性が得られる反面、当社グループが直接管理できないリスクの増大にもつながっています。
このようなリスクが具現化した場合、当社製品の生産及び出荷の停止、顧客やその関係者の機密情報漏洩に起因する損害賠償請求、企業戦略や新技術の漏洩による競争力低下、並びに当社グループの企業イメージ毀損による販売機会の損失等、当社グループの事業、業績及び財務状況に影響する可能性があります。
また、通信機能を有する車載製品の需要が増加してきており、サイバーセキュリティー体制整備が顧客の採用条件として明示されるようになり、対策の遅れが販売機会の損失につながる可能性もあります。
<主な取り組み>
2024年7月に第三者による当社グループのサーバーへの不正アクセスを受ける事件が発生しました。
当該事件を踏まえ、当社では、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)体制を構築し、サーバーアクセスの認証強化、社内ネットワーク脆弱性診断の定期実施、重要情報の管理・統制プロセスの改善、情報セキュリティーインシデントを想定した訓練を含む、当社及び当社サプライチェーン全体での情報管理強化対策に取り組んでいます。また、社内研修による社員の知識習得とコンプライアンス意識向上を継続実施します。これらを通じて、再発防止に努め、信頼回復を図っていきます。また、サイバーセキュリティーに対応した開発体制整備や情報セキュリティーに十分配慮した通信機能を有する製品開発に取り組んでいきます。
⑪知的財産リスク
<リスクの内容>
特許・その他の知的財産は、当社グループに関連する製品市場の多くが技術革新に重点を置いていること等から、重要な競争力の要因となっています。当社グループは、自社開発技術・製品・サービスにおいて、特許・商標及びその他の知的財産権を取得し、場合によっては特許・その他の知的財産権を行使すること等により、当該技術・製品・サービスの保護を図っています。一方、製品開発に当たっては第三者の知的財産権を尊重した開発を行っていますが、実際に侵害しているか否かを問わず第三者による知的財産権侵害の申し立てを受ける可能性があります。
また、当社グループが知的財産権を侵害しているとして提訴されている訴訟案件については、裁判の経過により将来において損害賠償等が確定した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。更に当社グループの製品には、他社の知的財産権のライセンスを受けているものもありますが、当該知的財産権の保有者が将来において、ライセンスを当社グループに引き続き与えるという保証はありません。当社グループにとって好ましくない事態が生じた場合には、当社グループの事業はその影響を受ける可能性があります。
<主な取り組み>
当社グループは、社員向けに知的財産権に関する定期的な教育・研修を実施するとともに、当社グループ社員による知財侵害者発掘奨励制度を導入し、知的財産権保護に努めています。また、他社の知的財産権の侵害を未然に防止するために、先行する知的財産権の調査を徹底するとともに、外部の特許事務所を活用するなどの対策を講じています。
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ132億円減少の7,407億円、自己資本は228億円増加の4,139億円となり、自己資本比率は55.9%となりました。
流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加と、商品及び製品の減少等により、前連結会計年度末と比べ34億円増加の4,949億円となりました。
固定資産は、投資有価証券、無形固定資産の減少等により、前連結会計年度末と比べ167億円減少の2,457億円となりました。
流動負債は、その他流動負債、短期借入金の減少等により、前連結会計年度末と比べ208億円減少の2,268億円となりました。
固定負債は、長期借入金の減少と、繰延税金負債の増加等により、前連結会計年度末と比べ151億円減少の983億円となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、北米では実質賃金の上昇が個人消費を促進し、比較的堅調に推移しました。欧州では、エネルギー価格の安定が個人消費を支える一方で、全体的な経済状況は安定しているもののドイツやイタリア等での自動車産業を中心とした製造業の不振もあり、地域ごとにばらつきがある状況です。中国では、輸出の増加が経済を支えていますが、不動産市場の低迷と個人消費の低下が課題で、景気回復には足踏みも見られます。日本では、国内消費の回復とインバウンド需要、輸出の増加が成長を支えていますが、物価上昇による実質賃金の低下もあり、景気は緩やかな回復基調にあります。
当連結会計年度における事業環境は、円安による売上高及び営業利益への押し上げ効果に加え、車載市場では、新車販売がグローバルで増加基調にある中、パワートレイン構成の変化や中国資本の自動車メーカーの拡大により新規顧客の開拓や採用製品の増加によるTier2ビジネスが増加しています。一方で、当社主要顧客である日本・北米・欧州の自動車メーカー向けのTier1ビジネスは低迷が続いています。モバイル市場では、大手スマートフォンメーカー向けが堅調です。民生市場では、ゲーム機器向けやその他電子部品の需要が拡大しています。
また当社は、2025年3月期が最終年度となる第2次中期経営計画を中止して、2025年3月期を経営構造改革期間と位置づけ、抜本的な改革に全力を挙げてきました。その結果、経営構造改革のうちコスト構造改革として計画した施策の効果も相まって前期比で増益とすることができました。
当連結会計年度における経営成績の概況については以下のとおりです。なお、下記に示す売上高は外部顧客に対する売上高であり、報告セグメント間売上高は内部取引売上高として消去しています。
セグメントの状況
<コンポーネント事業>
売上高は、円安による押し上げ効果のほか、民生市場向け製品やモバイル市場向け製品の需要及び車載市場向け製品の拡販により増加しました。営業利益は、円安や売上高の増加が寄与し増加しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるコンポーネント事業の売上高は3,480億円(前期比14.0%増)、営業利益は303億円(前期比48.5%増)となりました。
<センサー・コミュニケーション事業>
売上高は、車載市場向け製品が従来モデルのキーレスエントリーシステム製品からデジタルキー製品への置き換えによる端境期にあり減少する一方で、円安による押し上げ効果やモバイル市場向け製品の需要が増加し事業全体ではほぼ前年度と同じとなりました。営業利益は、開発費が増加し前期比で減少しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるセンサー・コミュニケーション事業の売上高は841億円(前期比0.1%増)、営業損失は33億円(前期における営業損失は14億円)となりました。
<モジュール・システム事業>
売上高は、円安による押し上げ効果があったものの、欧州向けシステム製品のモデル終息や中国市場における当社主要顧客である日本・北米・欧州自動車メーカーの低迷により減少しました。営業利益は、売上高の減少や賃金の上昇があったものの、変動費の改善や顧客からの開発費回収増、前連結会計年度の減損損失により減価償却費が軽減されたことにより増加しました。なお、当事業は、売上高の外貨取引額が原価の外貨取引額でほぼ相殺されるため、為替影響を受けにくい利益構成となっています。
以上の結果、当連結会計年度におけるモジュール・システム事業の売上高は5,372億円(前期比3.1%減)、営業利益は56億円(前期における営業損失は11億円)となりました。
特別利益の計上について
2025年3月期において、経営構造改革の施策として(株)アルプス物流株式の売却益270億円、及びパワーインダクターの事業譲渡益64億円を特別利益に計上しました。
以上により、上記の3事業セグメントにその他を加えた当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高9,904億円(前期比2.7%増)、営業利益341億円(前期比73.0%増)、経常利益305億円(前期比23.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益378億円(前期における親会社株主に帰属する当期純損失は298億円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ251億円増加し、当連結会計年度末の残高は、1,474億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における営業活動による資金の増加は、658億円(前期は891億円の増加)となりました。
この増加は、主に税金等調整前当期純利益578億円、減価償却費351億円及び棚卸資産の減少額237億円による資金の増加と、関係会社株式売却益270億円、法人税等の支払額114億円及び売上債権の増加額114億円による資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における投資活動による資金の減少は、16億円(前期は550億円の減少)となりました。
この減少は、主に有形及び無形固定資産の取得による支出506億円による資金の減少と、関係会社株式の売却による収入370億円及び事業譲渡による収入85億円による資金の増加によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における財務活動による資金の減少は、372億円(前期は18億円の減少)となりました。
この減少は、主に短期借入金減少額197億円、長期借入金の返済による支出96億円及び配当金の支払額82億円による資金の減少によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.金額は、販売価格によっています。
2)受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しています。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、下記のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されています。
この連結財務諸表の作成に際し、連結決算日における資産・負債の数値及び連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える会計上の見積りを用いています。
当社は、特に以下の会計上の見積りが、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものと考えています。
1)棚卸資産の評価
棚卸資産は取得原価又は正味売却価額のいずれか低い金額で評価しています。正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、取得原価と正味売却価額との差額について評価損を計上しています。正味売却価額は、主に顧客との販売契約に基づく予定売価を基に見積もっています。また、一定の保有期間を超えた場合、滞留又は陳腐化しているとみなし、評価損を計上しています。更に、保有期間にかかわらず将来廃却が見込まれる棚卸資産についても評価損を計上しています。
市場環境の悪化による顧客の需要減少や製品ライフサイクルの変化等に伴い、棚卸資産の収益性の低下、滞留、陳腐化が生じた場合、将来において追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。
2)繰延税金資産
繰延税金資産については、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の収益力に基づく翌期の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。課税所得の見積りは、事業計画及びグループ会社間の取引価格を基礎としています。事業計画は、主に主要顧客への販売数量及び販売価格、予測されている営業利益率、売上規模に応じた固定費の見積り及び想定為替レートを前提に策定しています。また、中国市場における当社主要顧客である日本・北米・欧州自動車メーカーの低迷に伴う製品販売数量への影響、部材高騰の長期化やインフレの継続といった事業環境下における目標とする原価改善の達成状況、米国の関税政策による影響についても考慮しています。グループ会社間の取引価格は、各国の移転価格税制を考慮し、連結子会社ごとに設定しています。
将来において、事業環境の変化による顧客の需要減少や、移転価格を含む税務関連の動向の変化等により課税所得が予想を下回り、すでに計上されている繰延税金資産の全部又は一部を回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、税金費用が計上される可能性があります。
当連結会計年度の繰延税金資産の回収可能性を判断するに当たり、将来課税所得の見積りに用いた重要な仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」を参照ください。
3)退職給付に係る負債
退職給付費用及び退職給付に係る負債は、数理計算上の前提条件に基づいて算出されています。前提条件には、割引率、長期期待運用収益率、退職率及び死亡率等の仮定が含まれています。このうち、退職給付費用及び退職給付に係る負債の計算に影響を与える最も重要な仮定は、割引率及び年金資産に係る長期期待運用収益率です。
割引率は優良債券の利回りを参考に決定しており、連結会計年度末において割引率を再検討した結果、割引率の変動が退職給付債務に重要な影響を及ぼすと判断した場合にはこれを見直した上で、退職給付債務を算定しています。長期期待運用収益率は、保有している年金資産のポートフォリオに基づく一定期間における運用実績を基に、今後の運用方針及び市場動向を考慮して設定しています。
これらの仮定が実際の結果と異なる場合、又は仮定を変更した場合、将来期間における退職給付費用及び退職給付に係る負債に影響を及ぼすことがあります。
当連結会計年度の退職給付費用の計算に使用した割引率及び長期期待運用収益率は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」を参照ください。
4)固定資産の減損
当社グループの資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象があり、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。減損損失の測定に当たって見積られる回収可能価額は、資産又は資産グループの正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額を使用しています。
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において見積られる将来キャッシュ・フローは、事業計画を基礎として算定しています。当該事業計画は、主に顧客・製品別にまとめた受注予測、予測されている限界利益率及び固定費を前提として策定しています。また、中国市場における当社主要顧客である日本・北米・欧州自動車メーカーの低迷に伴う製品販売数量への影響、部材高騰の長期化やインフレの継続といった事業環境下における目標とする原価改善の達成状況、米国の関税政策による影響についても考慮しています。また、使用価値の算定に使用する割引率は、当社に要求される加重平均資本コストを採用しています。将来、事業環境の変化等により固定資産の収益性が低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
また、固定資産の耐用年数については、各市場における製品ライフサイクルを基礎として、生産設備等の経済的耐用年数を設定しています。製品ライフサイクルについては、事業・市場・顧客単位等の性質を勘案して決定しています。
当連結会計年度において減損会計を適用するに当たり、将来キャッシュ・フローの見積りに用いた重要な仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」を参照ください。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の当社グループにおける連結業績は、売上高9,904億円(前期比2.7%増)、営業利益341億円(前期比73.0%増)、経常利益305億円(前期比23.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益378億円(前期における親会社株主に帰属する当期純損失は298億円)となりました。
セグメント別の売上高及び営業利益については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」を参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要の主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は設備投資、業務提携等によるものです。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としています。日本、欧州、中国、米国及びアセアンの各地域においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入しグループ資金の効率化を図るとともに、金融機関とのコミットメントライン契約により流動性を担保しています。
運転資金及び設備投資資金については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金にて調達しています。資金の源泉を安定的に確保するため、CCC改善による流動性資金の拡充、金融機関からの借入金の長期化等、資金調達の多様化を図っています。なお、当連結会計年度における資金調達については、当社グループの連結子会社が長期借入金として総額8億円を調達しました。
5【重要な契約等】
(持分法適用関連会社であるアルプス物流に対する持分の一部売却)
当社は、2024年5月9日付の取締役会決議に基づき、ロジスティード株式会社(以下、「ロジスティード」という。)及びロジスティードが発行済株式の全てを所有するLDEC(株)との間で、当社の持分法適用関連会社である(株)アルプス物流の普通株式の売却等に関する取引基本契約を締結しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益及び包括利益計算書関係)」を参照ください。
(パワーインダクター事業の譲渡(承継))
当社は、2024年8月29日付の取締役会決議に基づき、DELTA ELECTRONICS INC.グループ(本社:台湾 台北市、会長兼CEO:鄭平)の日本法人であるデルタ電子株式会社との間で、当該事業の譲渡(承継)に関する最終契約を締結しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」を参照ください。
(財務制限条項が付された借入金契約)
(注)1.財務制限条項の内容は以下のとおりです。
(1)2020年3月期末日以降の各連結会計年度において、連結貸借対照表上の株主資本合計金額を2020年3月
期第3四半期会計期間の末日における連結貸借対照表上の株主資本合計金額の75%以上の金額を維持す
ること。
(2)各連結会計年度の末日において、連結損益計算書上の営業損益を2期連続して損失としないこと。
2.財務制限条項の内容は以下のとおりです。
(1)2023年3月期末日以降の各連結会計年度において、連結貸借対照表上の株主資本合計金額を2020年3月
期第1四半期会計期間の末日における連結貸借対照表上の株主資本合計金額の75%以上の金額を維持す
ること。
(2)各連結会計年度の末日において、連結損益計算書上の営業損益を2期連続して損失としないこと。
3.財務制限条項の内容は以下のとおりです。
(1)2024年3月期末日以降の各連結会計年度の末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計
金額を、2023年3月期末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の75%に相当す
る金額、又は直近の連結会計年度の末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の合計金額の
75%に相当する金額のうち、いずれか高い方の金額以上に維持すること。
(2)各連結会計年度の末日において、連結損益計算書上の営業損益を2期連続して損失としないこと。
4.財務制限条項の内容は以下のとおりです。
(1)2024年3月期末日以降の各連結会計年度の末日において、連結貸借対照表上の株主資本合計金額を、
(a)2024年3月期末日においては、2023年3月期末日における連結貸借対照表上の株主資本合計金額の
75%以上の金額に、(b)2025年3月期以降の各連結会計年度の末日においては、2024年3月期末日にお
ける連結貸借対照表上の株主資本合計金額の75%以上の金額に、それぞれ維持すること。
(2)各連結会計年度の末日において、連結損益計算書上の営業損益を2期連続して損失としないこと。
5.財務制限条項の内容は以下のとおりです。
(1)各連結会計年度の末日における連結貸借対照表に記載される純資産の部の金額を、直前の連結会計年度
の末日における連結貸借対照表上に記載される純資産の部の金額の75%以上を維持すること。
(2)各連結会計年度の末日において、連結損益計算書上の営業損益を2期連続して損失としないこと。
6【研究開発活動】
当社グループ(当社及び連結子会社)は、企業理念「アルプスアルパインは人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します」を実現することで、事業活動を通じて持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。
当社グループ76年間で培った独自のコア技術を深耕して製品力を高める「縦のI型」と、広範なデバイスや技術をシステムに仕上げる「横のI型」を合わせた革新的「T型」企業(Innovative T-shaped Company)へと進化することで、自動車産業をはじめ、モバイル、民生機器、更にはエネルギーやヘルスケア、インダストリー等様々な市場へ向けて、電子部品からシステム商品まで、多様な顧客ニーズに新たな価値を提供しています。
2025年4月から始まる第3次中期経営計画において、10年先の未来を見据えた長期企業ビジョンとして「人の感性に寄り添うテクノロジーで未来をつくる」を掲げて、当社コア技術融合により独自性を有し、かつ本質的な問題を解決する価値提供を目指します。
当社グループの研究開発費の総額は24,346百万円です。
(1)コンポーネント事業
当事業は、収益基盤事業として育んできた当社独自のコア技術と、実績に裏付けされた高い生産技術力と品質を強みに新しい発想で製品と価値を創出し、継続的な事業拡大を目指しています。
コンシューマーや車載市場の既存事業に対しては、業界トップの品揃えと高い品質・生産力による優位性を活かし高シェアを維持するとともに、開発・生産体制の最適化に取り組み、市場における競争力確保と収益性の向上を図ります。
また、車載市場においては、電気自動車の拡大や自動運転技術等の進化により新たに期待される地域ごとのニーズにタイムリーに応えるために、グローバルでの開発体制を強化していきます。アミューズメント市場においてはジョイスティック等の入力デバイスや振動デバイスでのシェア拡大を図りながら、次世代デバイスに求められる製品の研究・開発に積極的に投資をしていきます。アクチュエーターについては従来のスマートフォン向けビジネスの拡充と収益性改善の取り組みを強化しながら、SMA(Shape Memory Alloy)技術を用いた新しい製品・用途向けのアクチュエーター開発に積極的に取り組み、長期的な技術優位性並びに市場競争力の確保を目指します。
コンポーネント事業に係る研究開発費は6,911百万円です。
(2)センサー・コミュニケーション事業
当事業は、様々な情報を計測してデータ化するセンシング技術と、そのデータを使ってモノを動かす制御技術、長年培ってきた通信技術を駆使し、センシングプロデューサーとして社会課題に取り組み、豊かな社会づくりへの貢献を目指しています。
昨今の米国関税策による混乱や電気自動車シフトの遅れ等、事業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。自動車業界においては SDV(Software Defined Vehicle)化の進展を背景に車載セキュリティーの重要性がますます高まる中、当事業においてスマートフォンによる自動車のキーシェアを安全かつ快適に実現するデジタルキーシステムを開発しました。これは車載エッジ端末やセンサーに加えデジタルキーサーバーを含んだ標準化システムであり、自動車以外のパーソナルモビリティーや、オフィス、住宅等、様々な鍵の解錠/施錠ソリューションとしても提案を行うことで、セキュアで快適な社会生活に貢献していきます。
また、当事業は当社の成長ドライバーとして位置づけており、2025年4月より開始する第3次中期経営計画において、センサー領域への戦略投資を計画しています。中でも車載、スマートフォン、産業ロボット、医療機器等多岐にわたり使用される磁気センサーにおいて、東京大学と共同研究で、量子物質を使用した磁気センサーの開発に着手していきます。新たな磁気センサーを活用することにより、従来では検出できない小さい磁場の測定が可能となり、不良品検知や病気の早期発見等、産機・ライフサイエンス市場における新しい事業創出の実現を目指します。
今後も、社会のスマート化進展、安心・安全ニーズの高まり、カーボンニュートラル実現に向けた取り組み加速を背景に、センシング・高周波・静電・ソフトウェアの技術融合や、センサーと加飾デザインの組み合わせ、小型・軽量化、IoTによる人の安全・効率や環境への貢献を通じて顧客の期待に応えていきます。
センサー・コミュニケーション事業に係る研究開発費は9,572百万円です。
(3)モジュール・システム事業
当事業は、昨年から引き続き、総合力を活かしたデジタルキャビンソリューションとして、空間価値創出を目指した各種製品開発を進めています。
具体的には、2026年納入開始予定の、統合ディスプレイオーディオ(IVI+METER)、プレミアムサウンド製品、車室内センシングを行うオーバーヘッドコンソール製品、静電タッチで操作可能なステアリングホイールスイッチ製品等を開発しています。
また、SDV(Software Defined Vehicle)化に対応し、車室内空間価値を高めるための製品群として、キャビンコントローラーやシステムインテグレーション環境等を開発しています。開発に当たっては、当社グループだけでなく、大学や研究機関、他社と協業し、それぞれの技術・製品力を結集し、シナジー効果を目指します。
そのような状況を受け、2025年度より「モジュール・システム事業」の名称を「モビリティ事業」へ変更しました。新たに「モビリティ事業」とすることで、従来の自動車(四輪)・バイク(二輪)にとどまらず、「移動(モビリティ)全体」及び車両企画・構想・設計の段階から関与するTier0.5領域までを視野に入れた事業領域へと拡大します。モビリティ事業として一体化することにより、複合化された高付加価値の製品を生み出し、収益性の強化と事業の良質化を図ります。
モジュール・システム事業に係る研究開発費は7,584百万円です。
第3【設備の状況】
1【設備投資等の概要】
当社グループ(当社及び連結子会社)では、顧客に満足される品質の確保と原価低減等を目的としてコンポーネント事業、センサー・コミュニケーション事業及びモジュール・システム事業を中心に総額51,886百万円の設備投資を実施しました。
当連結会計年度におけるセグメント別の設備投資の状況については、次のとおりです。
なお、有形固定資産の他、無形固定資産への投資を含めて記載し、セグメント別の設備投資の額にはセグメント間の内部利益額を含んでいます。
(1)コンポーネント事業
当事業においては、当社を中心に新製品の開発・合理化・増産等を目的として投資を行っています。当連結会計年度はスイッチ類、アクチュエーター、ハプティック等の電子部品の開発や製造設備への投資を行いました。
当事業における設備投資の額は17,293百万円です。
(2)センサー・コミュニケーション事業
当事業においては、当社を中心に新製品の開発・合理化・増産等を目的として投資を行っています。当連結会計年度はセンサー、通信デバイス等の電子部品の開発や製造設備への投資を行いました。
当事業における設備投資の額は7,519百万円です。
(3)モジュール・システム事業
当事業においては、当社を中心に新製品の開発・合理化・増産等を目的として投資を行っています。当連結会計年度は車載モジュール、情報通信機器(インフォテインメント、ディスプレイ)、サウンド等の製品の開発や製造設備への投資を行いました。
当事業における設備投資の額は25,456百万円です。
2【主要な設備の状況】
(1)提出会社
(注)1.帳簿価額は有形固定資産の帳簿価額です。建設仮勘定の金額を含みません。
2.遊休状態にある主要な設備はありません。
3.従業員数の[ ]は、臨時従業員数を外書しています。
(2)国内子会社
国内子会社の設備については、重要性が乏しいため記載を省略しています。
(3)在外子会社
(注)1.帳簿価額は有形固定資産の帳簿価額です。建設仮勘定の金額を含みません。
2.遊休状態にある主要な設備はありません。
3.土地及び建物の一部を賃借しており、賃借している土地の面積については[ ](千㎡)で外書しています。
4.従業員数の[ ]は、臨時従業員数を外書しています。
5. 土地はALPINE ELECTRONICS (CHINA) CO., LTD.が土地使用権62千㎡を貸与しています。
3【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設等
(2)重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4【提出会社の状況】
1【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2)【新株予約権等の状況】
① 【ストック・オプション制度の内容】
当社は、株式報酬型ストック・オプション制度を採用しています。当該制度は、当社の業績と株式価値との連動性をより明確にし、当社取締役が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落によるリスクまでも株主の皆様と共有することで、中長期的な業績向上と株価上昇に対する意欲や士気を一層高めることを目的としています。
当社における第10回の新株予約権については、2019年1月1日付で当社を株式交換完全親会社、アルパイン株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換を実施したことに伴い、アルパイン株式会社が発行していた新株予約権(以下、「旧アルパイン新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、当該新株予約権に代わり、当該新株予約権と同数の当社の新株予約権を2019年1月1日付で交付したものです。当該制度の内容は以下のとおりです。
なお、2019年6月21日開催の第86回定時株主総会の決議に基づき、譲渡制限付株式報酬制度を導入しました。これに伴い、従来の株式報酬型ストック・オプション制度を廃止し、すでに付与済みのものを除き、新たな新株予約権の発行は行っていません。
※ 当事業年度の末日(2025年3月31日)における内容を記載しています。提出日の前月末現在(2025年5月31日)において、記載すべき内容が当事業年度の末日における内容から変更がないため、提出日の前月末現在に係る記載を省略しています。
(注)1.付与対象者の区分は、当初付与日時点に基づくものです。
2.新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、各新株予約権の目的である株式の数(以下、「付与株式数」という。)について、第5回の新株予約権は1個当たり100株、第10回の新株予約権は1個当たり68株とする。
なお、新株予約権を割り当てる日(以下、「割当日」という。)後、当社が当社普通株式につき、株式分割(当社普通株式の株式無償割当てを含む。以下、株式分割の記載につき同じ。)又は株式併合を行う場合、次の算式により付与株式数を調整するものとする。ただし、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数について行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとする。
調整後付与株式数は、株式分割の場合は、当該株式分割の基準日の翌日(基準日を定めないときは、その効力発生日)以降、株式併合の場合は、その効力発生日以降、これを適用する。ただし、剰余金の額を減少して資本金又は準備金を増加する議案が当社株主総会において承認されることを条件として株式分割が行われる場合で、当該株主総会の終結の日以前の日を株式分割のための基準日とする場合は、調整後付与株式数は、当該株主総会の終結の日の翌日以降これを適用する。
また、上記の他、割当日後、当社が合併、会社分割又は株式交換を行う場合及びその他これらの場合に準じて付与株式数の調整を必要とする場合、当社は、当社取締役会において必要と認める付与株式数の調整を行うことができる。
3.各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、当該各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる株式1株当たりの行使価額を1円とし、これに付与株式数を乗じた金額とする。
4.新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関しては次のとおりとする。
①新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし、計算の結果1円未満の端数が生じる場合は、これを切り上げるものとする。
②新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記①記載の資本金等増加限度額から上記①に定める増加する資本金の額を減じた額とする。
5.新株予約権の行使の条件は、次のとおりとする。
①第5回の新株予約権者は、当社の監査等委員でない取締役又は執行役員のいずれかの地位を喪失した日の翌日から10日以内(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)に限り、新株予約権を行使することができる。
②第10回の新株予約権者は、アルパイン株式会社の取締役(非業務執行取締役、監査等委員である取締役を除く。)の地位を喪失した日の翌日から10日以内(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)に限り、新株予約権を行使することができる。
③上記①又は②にかかわらず、当社が消滅会社となる合併契約承認の議案、当社が分割会社となる分割契約若しくは分割計画承認の議案、当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画承認の議案につき、当社株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要の場合は、当社取締役会決議又は会社法第416条第4項の規定に従い委任された執行役の決定がなされた場合)、当該承認日の翌日から30日間に限り新株予約権を行使できるものとする。ただし、下記(注)6に定める組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項に従って新株予約権者に再編成対象会社の新株予約権が交付される場合を除くものとする。
④その他の条件については、当社と新株予約権者との間で締結する「新株予約権割当契約」に定めるところによる。
6.当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割若しくは新設分割(それぞれ当社が分割会社となる場合に限る。)、株式交換若しくは株式移転(それぞれ当社が完全子会社となる場合に限る。)(以上を総称して以下「組織再編成行為」という。)をする場合において、組織再編成行為の効力発生日(吸収合併につき吸収合併がその効力を生ずる日、新設合併につき新設合併設立株式会社成立の日、吸収分割につき吸収分割がその効力を生ずる日、新設分割につき新設分割設立株式会社成立の日、株式交換につき株式交換がその効力を生ずる日、及び株式移転につき株式移転設立完全親会社の成立の日をいう。以下同じ。)の直前において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という。)を保有する新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編成対象会社」という。)の新株予約権をそれぞれ交付することとする。ただし、以下の各号に沿って再編成対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めることを条件とする。
①交付する再編成対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
②新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の種類
再編成対象会社の普通株式とする。
③新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の数
組織再編成行為の条件等を勘案のうえ、(注)2に準じて決定する。
④新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、以下に定める再編成後行使価額に上記③に従って決定される当該各新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。再編成後行使価額は、交付される各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる再編成対象会社の株式1株当たり1円とする。
⑤新株予約権を行使することができる期間
新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編成行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。
⑥新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
(注)4に準じて決定する。
⑦譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編成対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。
⑧新株予約権の行使の条件
(注)5に準じて決定する。
⑨新株予約権の取得条項
当社は、以下のa)、b)、c)、d)又はe)の議案につき当社株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要の場合は、当社取締役会決議がなされた場合)は、当社取締役会が別途定める日に、新株予約権を無償で取得することができる。
a)当社が消滅会社となる合併契約承認の議案
b)当社が分割会社となる分割契約又は分割計画承認の議案
c)当社が完全子会社となる株式交換契約又は株式移転計画承認の議案
d)当社の発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当社の承認を要することについての定めを設ける定款の変更承認の議案
e)新株予約権の目的である種類の株式の内容として譲渡による当該種類の株式の取得について当社の承認を要すること又は当該種類の株式について当社が株主総会の決議によってその全部を取得することについての定めを設ける定款の変更承認の議案
7.第10回の決議年月日は、第10回の新株予約権に対応する旧アルパイン新株予約権に係る決議年月日です。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)アルパイン(株)との株式交換(交換比率1:0.68)による増加です。
(5)【所有者別状況】
(注)1.自己株式13,628,814株は、「個人その他」に136,288単元、「単元未満株式の状況」に14株含まれています。
2.「その他の法人」の中には、証券保管振替機構名義の株式が10単元含まれています。
(6)【大株主の状況】
2025年3月31日現在
(注)次の法人から、公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、株式を保有している旨が記載されているものの、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができないため、大株主の状況に含めていません。なお、大量保有報告書の内容は以下のとおりです。
(7)【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注)1.「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式が1,000株(議決権10個)が含まれています。
2.「単元未満株式」欄の普通株式には、当社保有の自己株式が14株含まれています。
② 【自己株式等】
2【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】
自己株式の取得の事由 会社法第155条第3号及び会社法第155条第7号に該当
当該取得に係る株式の種類 普通株式
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づく取得
(注)2025年4月30日開催の取締役会において、自己株式の取得方法は東京証券取引所における市場買付とすることを決議しています。なお、当期間における取得自己株式には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの当該決議に基づく取得による株式は含まれていません。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
(注)当期間における取得自己株式には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれていません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)当事業年度の内訳は、譲渡制限付株式報酬としての処分、ストック・オプションの権利行使及び従業員に対する売渡し等です。
なお、当期間における保有自己株式の保有状況には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り及び単元未満株主の売渡請求による売渡しは含まれていません。
3【配当政策】
当社は、資本政策として、成長投資・健全な財務・株主還元の3つのバランスを取る方針としています。
株主還元方針は、中長期に安定的かつ継続的に還元するためにDOE(自己資本配当率)を採用のうえ、3%を目安としています。本方針は2024年度から開始し、原則として4年間運用し、2028年度から始まる中期経営計画2030のタイミングで必要な見直しを行います。なお、当該期間中においても大きな経済危機等想定外の事態が発生した場合は見直すことがあります。
剰余金の配当は、第2四半期末日を基準日とする中間配当と期末配当の年2回とし、それぞれの決定機関は、取締役会と定款に定めています。ただし、当面は、原則として期末配当の決定を株主総会に諮ることとしています。
当事業年度の配当については、業績動向、経営環境等を勘案し、中間配当として1株当たり30円、期末配当については1株当たり30円とし、年間配当を1株当たり60円としました。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
また、株主還元として、2025年4月30日に200億円の自己株式取得の実施を発表しました。今後の自己株式の取得は、他の投資案件との比較、資本効率や財務状況を勘案しながら総合的に判断する方針とします。
4【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループでは、コーポレート・ガバナンスの定義を「企業価値を増大するため、経営層による適正かつ効率的な意思決定と業務執行並びにステークホルダーに対する迅速な結果報告及び健全かつ効率的で透明性のある経営を実現する仕組みの構築・運用」としています。株主をはじめ、全てのステークホルダーの利益最大化が重要と考え、持続的な成長と中長期的な企業価値の最大化を図り、かつステークホルダー間の利益をバランスよく満たしその利益を直接・間接的に還元することを基本としています。また当社は、株主、顧客、地域社会並びに従業員等のステークホルダーに対する責任を果たすとともに、企業として実効性あるコーポレート・ガバナンスを実現するために「アルプスアルパイン株式会社 コーポレートガバナンス・ポリシー」を制定し、当社ウェブサイトにて掲載しています。
② 企業統治の体制の概要
当社は、会社法上の機関設計として監査等委員会設置会社を採用しています。業務執行者から独立した監査等委員会が、会計監査人や内部監査部門との緊密な連携の下、監査・監督機能を強化することで、一層のコーポレート・ガバナンスの強化と公正で透明性の高い経営の実現を図ります。
1)取締役・取締役会・執行役員・執行役員会等
2025年6月24日(有価証券報告書提出日)現在の当社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く)7名(うち社外取締役3名)及び監査等委員である取締役4名(うち社外取締役3名)で構成され、独立社外取締役が取締役会の過半数を占めています。取締役会では、経営に関する重要事項の決議・報告を行うとともに、経営の基本方針や中短期経営計画等の企業価値の向上に向けた議論を行っています。また、これら中長期的な課題に関する取り組みについて議論する時間を十分に確保するために、重要な業務執行については業務執行取締役への委任を進め、取締役会では業務執行に関する事項に係る判断の妥当性や進捗状況を監督しています。
なお、当社は2025年6月25日開催予定の第92回定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員であるものを除く)7名選任の件」及び「監査等委員である取締役1名選任の件」を上程していますが、当該議案が原案どおり可決された後も上記の員数に変更はありません。
当社は執行役員制度を導入しており、営業・技術・生産・資材・品質・管理等の機能ごとの責任者を設置し、取締役会の重要な業務執行の決定を委任された取締役が、担当執行役員に対して、当社並びに各子会社の業態や規模に応じた効率的な業務執行ができるように指導・監督しています。また、事業領域やビジネスユニットごとに担当の執行役員を配置し、担当役員に事業における執行権限を大幅に委譲することにより、迅速かつ的確な意思決定が行える体制を整備しています。更に、執行職が、執行役員からの委任・権限委譲の下、特定の業務領域における業務執行を効率的かつ迅速に行う体制を整備しています。
取締役会は月1回の定例開催に加えて、必要に応じて臨時取締役会を開催し、十分に議論を尽くした上で決議しています。また、重要な決議事項については、コーポレート部門による事前確認を行い、議案の適法性及び合理性を確保しています。加えて、中長期的な経営課題に関しては、より議論を深めるためのディスカッションを行う機会を確保しています。
なお、2024年度における各取締役の取締役会の出席状況は、次のとおりです。
※栗山年弘氏及び遠藤浩一氏の出席状況について、2023年度当社取締役であったため、2024年6月26日まで
に開催された取締役会のみを対象としています。
※山上浩氏及び小林淳二氏の出席状況について、2024年6月26日から取締役を務めており、就任後に開催された取締役会を対象としています。
イ.取締役会における主な議案(2025年3月期)
取締役会における具体的な審議内容としては、ビジョン2035及び中期経営計画2027策定、(株)アルプス物流に対する持分の一部売却及びパワーインダクター事業の譲渡を含む事業ポートフォリオの見直し検討、グローバル生産体制の最適化を目的とした海外拠点の統廃合の検討、環境への取り組みや気候変動対策をはじめとしたESG課題への対応としてサステナビリティー活動の年間計画に対する進捗状況の報告等が行われました。
ロ.取締役会実効性評価
当社は、取締役会の実効性の向上による有効的なコーポレート・ガバナンスの実現と取締役会機能の一層の充実を図るべく、年に1回、取締役会の実効性評価を実施しています。2024年度に実施した取締役会実効性評価の概要は下記のとおりです。
<目的・趣旨>
当社は、株主・顧客・従業員・地域社会等に対する責任を果たし、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために、より実効性のあるコーポレート・ガバナンスを実現し、取締役会機能の一層の向上を図ることを目的に、2024年度アルプスアルパイン取締役会の実効性評価を実施しています。
<評価プロセス>
(1)今回の取締役会実効性評価の方法とスケジュールを2025年2月度の取締役会にて報告を行いました。
(2)同年3月に当社取締役11名に対して記名式の実効性評価アンケートを実施しました。
(3)同年4月10日開催の経営委員会(社内取締役、役付執行役員、ESG・法務担当執行役員が出席)において、取締役会の実効性に関する意見交換を実施しました。
(4)同年4月18日開催の社外取締役等連絡会(社外取締役、社内監査等委員が出席)において、取締役会の実効性に関する意見交換を実施しました。
(5)同年4月22日開催の取締役会において、経営委員会及び社外取締役等連絡会の意見交換内容を踏まえて議論した後、2024年度取締役会実効性の評価を決定しました。
<アンケート項目>
2024年度のアンケートの大項目は以下のとおりとし、大項目の下に詳細な小項目を設けて多面的な調査を行っています。実効性評価アンケートは、毎年の継続的な測定が可能なように、一定の質問項目については継続する一方で、評価の質を高めるために、質問項目の見直しを毎年行っています。
なお、2024年度は、昨年度低評価項目に対する課題解決等の進捗状況を確認することから、2023年度と同一の質問項目にて実施しました。
また、以下の項目に自由記入設問を設け、アンケート項目にとらわれず多様な意見や提言を吸い上げられるようにしています。
・取締役会の規模・構成
・取締役会の運営
・取締役会の審議内容
・取締役間のコミュニケーション
・取締役会の支援体制
・指名諮問委員会・報酬諮問委員会の運営状況
<実効性向上に向けた2024年度の取り組み>
2023年度の取締役会実効性評価の結果を踏まえ、2024年度の当社の取り組みは以下のとおりです。
◇取締役会を含む経営会議における資料作成の改善
2024年度は、経営会議付議基準に対応するよう決議内容を記載することにより、決議対象を明確化するとともに、サマリーペーパーの作成及び本体資料と別紙(Appendix)の効果的な使い分けにより、取締役会が案件の審議や執行の監督を行う上で必要十分な情報を提供する取り組みを行いました。
2024年度実効性評価アンケートにおいて、2023年度より改善がみられるとの回答を得たものの、専門用語や略語の使用が多く、理解が困難となるケースや、資料のまとめ方等に課題が見られるとの回答もあり、更なる改善の必要性を認識しました。
◇取締役会における中長期的な企業価値の向上に向けた議論の機会提供
2024年度は、取締役会の議題順序を議題の重要度・優先度に応じて設定し、重要議題を優先的に議論しました。また、企業価値向上に関する重要テーマは、年間計画として事前に設定することで、企業価値向上に関する議論の機会と時間の確保に努めました。
2024年度実効性評価アンケートにおいて、企業価値向上に関する重要テーマの議論時間が確保できているとの回答を得ました。一方で、取締役会の議題が多く、年間計画通りに議論できないこともあり、経営会議付議基準(執行役員への権限委譲)に関する検討の必要性を認識しました。
◇取締役会体制の見直し
従来、取締役会には取締役の出席に加え、執行役員が陪席していましたが、2024年度は、取締役のみを出席対象とし、執行役員は関連する議案のみに出席するよう取締役会体制の変更を行いました。
2024年度実効性評価アンケートにおいて、社内外取締役間のコミュニケーションが改善し、取締役会の議論が充実したとの回答を得ました。一方で、上記取り組みにより、社外取締役と執行役員の間のコミュニケーション機会が減少したとの回答があり、改善の必要性を認識しました。
◇役員に対するトレーニングの機会・内容の見直し
2024年度は、従来より実施している定例の役員研修会(取締役及び執行役員が出席)に加え、執行役員に対して、外部から講師を招聘し、ファイナンス研修を実施しました。
2024年度実効性評価アンケートにおいて、経営会議の議論の質を向上させるために、取締役・執行役員に対するトレーニングを継続的に実施する必要があるとの回答を得ました。
<2024年度 実効性評価結果の概要>
2024年度実効性評価アンケートを踏まえ、経営委員会及び社外取締役等連絡会の意見交換並びに取締役会での議論の結果、2024年度の取締役会の実効性については以下の内容が確認されました。
・取締役会の人数は適正かつ多様性に富み、実効的な経営の監督を担保する体制が整えられている。
・取締役間で自由闊達な議論が行われている。
・ステークホルダー(従業員、株主、投資家等)に対する適切な情報開示と建設的な対応が行われてい
る。
・取締役会において中長期の方向性や経営戦略に関する議論ができている。
上記の内容を総括した結果、当社取締役会は、2024年度の取締役会の実効性は適切に確保されていると判断しました。一方で、実効性を更に高めていくためには、下記の2024年度の取り組みを更に深化させていく必要性が認識されました。
・取締役会を含む経営会議における資料の継続改善
・企業価値向上に関する重要テーマの議論時間確保と内容の充実
・取締役・執行役員に対する更なるトレーニングの実施
・役員間コミュニケーションの改善(主に社外取締役と執行役員)
当社は、上記の点を含め、取締役会の実効性の維持・向上に引き続き取り組み、経営に対する万全の監督を担保するとともに、持続的な企業価値の向上を目指していきます。
2)監査等委員会
監査等委員会は、当社及び当社の子会社の取締役、執行役員又は従業員等が法的義務及び社内規定を遵守しているかについて監査するとともに、経営の基本方針及び中長期の経営計画等に準じて、健全・公正妥当かつ効率的に業務を執行しているかを監視し検証します。2025年6月24日(有価証券報告書提出日)現在の監査等委員会は、非業務執行の取締役4名(うち独立社外取締役3名)で構成されています。また、委員長は、委員の互選により社外取締役から選出します。また、監査等委員会の職務の補助者を置くこととし、当該業務を担う使用人については取締役(監査等委員である取締役を除く)からの独立性を確保します。
なお、2025年6月25日開催予定の第92回定時株主総会の議案(決議事項)として、「監査等委員である取締役1名選任の件」を上程していますが、当該議案が原案どおり可決された後も、監査等委員会は非業務執行の取締役4名(うち独立社外取締役3名)で構成されることに変更ありません。
3)指名諮問委員会・報酬諮問委員会
当社は2025年6月25日開催予定の第92回定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員であるものを除く)7名選任の件」及び「監査等委員である取締役1名選任の件」を上程していますが、当該議案が原案どおり可決された後も各諮問委員会の構成員に変更はありません。
なお、2024年度における各委員会の委員と出席状況は次のとおりです。
※「委員」欄の◎は委員長
※栗山年弘氏の出席状況について、2023年度取締役であったため、2024年6月26日までに開催された指名
諮問委員会を対象としています。
※小平哲氏及び東葭葉子氏の出席状況について、2024年6月26日から指名諮問委員を務めており、就任後
に開催された指名諮問委員会を対象としています。
※伊達英文氏の出席状況について、2024年6月26日から報酬諮問委員を務めており、就任後に開催された
指名諮問委員会を対象としています。
各諮問委員会の具体的な検討内容は、次のとおりです。
4)サステナビリティ委員会
サステナビリティー活動をマネジメントする組織として、全執行役員で構成されるサステナビリティ委員会を設置しています。中期経営計画及び短期経営計画にサステナビリティー課題を組み込み、各本部で取り組んでいます。本委員会は四半期ごとに開催し、取り組みの進捗管理・評価・個別施策の審議を行っています。なお、本委員会は、年に4回、取締役会に定期報告をしています。
③ 取締役会・株主総会に関する事項
1)取締役の定数
当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く)は8名以内、また、監査等委員である取締役は7名以内と定款に定めています。
2)取締役の選解任の決議要件
取締役の選任決議は、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらないものとする旨を定款に定めています。
3)取締役会で決議できる株主総会決議事項
イ.自己の株式の取得
当社は、機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めています。
ロ.剰余金の配当等
当社は、機動的な配当政策及び資本政策の遂行を可能にするため、剰余金の配当等会社法第459条第1項に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会決議によって定めることとする旨を定款で定めており、期末配当の決定を株主総会に諮ることとしています。なお、当社は剰余金の配当の基準日を、期末配当は毎年3月31日、中間配当は毎年9月30日とする旨を定款に定めています。
4)株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の機動的な運営を可能にすることを目的としています。
当社コーポレート・ガバナンス体制の概要は以下のとおりです。

④ 当該体制を採用する理由
当社は、2016年度に監査等委員会設置会社に移行し、コーポレート・ガバナンス体制の拡充を図ってきました。2024年度は、2023年度同様、取締役を11名(うち社外取締役6名)、取締役の過半数を社外取締役が占める構成とし、業務執行取締役と独立社外取締役を含む非業務執行取締役のバランスが取れた構成としました。また、当社は執行役員制度を導入し、取締役会と執行組織の役割・責務を明確に分離した上で、業務執行権限を執行組織に委任しています。
更に、取締役会の独立性・客観性の観点から透明性を確保するため、経営監督の機能を強化し、より機動的な経営を推進し、競争力強化と適切なリスクテイクを支える環境を整備しています。
⑤ 内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況
当社は、創業の精神(社訓)をグループ経営の原点と位置づけ、企業理念、経営姿勢、グループ行動規範及びグループ経営規定を制定し、当社のグループ経営、コンプライアンス及び環境保全についての基本理念と行動指針を定めて当社及び子会社に展開します。これを踏まえて、当社が業務の適正を確保するための体制の整備において、取締役会において決議した基本方針及び当該体制の運用実績の概要は、次のとおりです。
1)当社及び当社子会社の取締役及び使用人の法令及び定款適合性を確保するための体制
イ.当社は、法令の趣旨や社会の要請、企業倫理に基づいて公正な経営を目指し、良識と責任ある行動をとるため、コンプライアンスの基本理念と行動指針を宣言するとともに、その具体的内容を明確にした社内規定を定めます。
ロ.当社は、利害関係のない独立した社外取締役(以下、「独立社外取締役」という。)の候補者を選定します。独立社外取締役が出席する取締役会において経営の方針や重要事項を審議・決定し、また各取締役の職務執行状況の監督を行うため、当社取締役会規則に決議事項及び報告事項の具体的内容・基準を明確に定めるとともに、これらの審議、決定及び監督を行うための能力・資質を有した者が取締役として株主総会で選任されるよう取締役候補者の選任基準を設定します。
ハ.当社は、取締役会決議の適法性を担保するため、上程される議案の適法性に関する確認制度を整備します。
ニ.当社は、健全な企業風土を醸成するため、役員及び従業員に対してコンプライアンス教育を実施します。
ホ.当社は、子会社の取締役及び従業員の職務の執行の法令及び定款適合性を確保するために、子会社の経営に関する指導・管理を行う制度を整備します。また、子会社の状況等に応じてコンプライアンスに係る取り組みを推進する体制の構築とその活動を支援します。
◇運用状況の概要
・当社は、グループ行動規範を定めるとともに、それらの具体的内容を明確にした各種の社内規定を定め、役員及び従業員に対して、コンプライアンス教育等の社内教育によりその浸透を図っています。また、子会社等のグループ会社に対して、コンプライアンスの推進や内部統制構築等に対する助言や支援を行っています。
・当社は、取締役会の諮問機関として、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設置しています。各諮問委員会の構成員は、独立社外取締役が過半数を占め、委員長は独立社外取締役が務めています。指名諮問委員会は、取締役会の諮問を受け、取締役及び執行役員の候補者を選定し、取締役会に答申しています。また、取締役会の決議により、監査等委員を除く取締役の報酬配分の具体的金額等を報酬諮問委員会にて決定しています。
・2024年度は、取締役会規則・細則にて定める付議基準に基づき、経営方針及び個別重要事項を審議・決定するとともに、各取締役・執行役員から業務執行の報告を受けました。また、取締役会決議の適法性を担保するため、事前確認規定に基づき、管理担当執行役員及びコーポレート部門による上程議案の事前確認も行っています。
2)当社の取締役の職務執行に係る情報の保存・管理及び当社子会社の取締役等の職務執行に係る事項の当社への報告に関する体制
イ.当社は、文書管理の基本事項を社内規定に定め、取締役の職務執行に係る情報を適切に記録し、保存・管理します。
ロ.当社は、当社子会社の取締役等の職務執行に関する当社への報告に関し、各社の役割・機能等を踏まえた報告制度を整備します。
◇運用状況の概要
・当社は、取締役会規則・細則並びに執行役員会規則・細則に基づき、議事録の作成・保管を行うとともに、文書管理規定・情報管理規定等に基づき、情報の管理を行っています。また、情報セキュリティ基本方針を定め、従業員等への教育に注力し、適切な情報管理の徹底に努めています。
・子会社より、経営管理規定に基づき、グループ経営上の重要事項について、報告を受けています。
3)当社及び当社子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
イ.当社は、グループ全体のリスクの統括的管理及び情報の共有化を図るため、リスク管理に関する社内規定を定め、種々のリスクに関する管理・報告の体制を整備します。
ロ.当社は、子会社に関連する一定のリスクについて当社への事前協議及び報告体制を整備します。また、子会社に対して当社のリスク管理に関する規定に準拠して各社で体制を整備させるとともに、その状況に応じて必要な支援を行います。
◇運用状況の概要
・当社は、リスク管理基本方針の下、リスク管理規定等を定め、経営に甚大な影響を及ぼすリスクに関する管理・報告体制の整備・運用をしています。また、拠点及び拠点所在地域において、事業活動の停止及びその可能性がある事象が発生した際は、全社危機対策本部を設置し、対応方針・施策・計画の検討と決定を行います。
・当社子会社においては、各社の規模や業態に応じたリスク管理体制を整備し、経営管理規定に基づき、当社に対しリスクに関する協議・報告を行っています。
4)当社及び当社子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
イ.当社は、取締役会の重要な業務執行の一部を取締役に委任し、取締役から権限を委譲された執行役員が、業務執行を効率的かつ迅速に行います。職務の執行状況については、取締役及び執行役員が取締役会に定期的に報告することにより、経営が効率的に行われる体制を構築します。
ロ.当社は、取締役会において中期経営計画・短期経営計画を審議・決定し、各取締役は、その計画に定める目標達成のために行動するとともに、進捗状況を取締役会において報告します。
ハ.当社は、グループ全体の基本方針・戦略に基づいて、子会社の運営管理上の区分を定め、これらを踏まえた効率的な業務執行を確保するための体制を構築します。また、子会社である各社の状況等に応じて経営・業務の指導及び業績の管理を行う制度を整備します。
◇運用状況の概要
・当社は、執行役員制を導入しており、日常の業務執行は執行役員が行うことで、効率的かつ迅速な意思決定を図っています。また、執行役員会では経営方針・計画の審議、重要な業務執行の決定を行っているほか、経営方針・予算の進捗状況等の報告を受け、評価し改善につなげています。
・社外取締役等連絡会を四半期ごとに開催しており、独立社外取締役間の情報共有を図るとともに、各々の専門性を越えた意見交換の場として活用しています。
・当社では、3年ごとに中期経営計画を、毎年短期経営計画を取締役会にて決定し、取締役及び執行役員は、担当分野における計画の進捗状況を取締役会及び執行役員会にて毎月報告しています。また、これらの計画の進捗状況は、四半期ごとに開催される国内外拠点の経営幹部で構成される経営会議においても共有しています。
5)当社及び当社子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するためのその他の体制
イ.当社は、グループのコンプライアンスに関する基本理念と行動指針を定めて当社及び当社子会社に展開し、グループにおける共通の価値観としてこれを共有します。
ロ.当社は、グループ内における取引の価格についての適正な基準を設定します。
ハ.当社は、企業倫理や社内規定及び法令に係る違反の防止、早期発見及びその是正を図るため、当社及び当社子会社において内部通報制度(倫理ホットライン)(以下、「倫理ホットライン」という。)を整備し、通報窓口を定期的に周知します。
ニ. 当社の内部監査部門は、当社及び当社子会社の経営・事業に係る活動全般について監査を行い、内部監査の結果を取締役会並びに監査等委員会及び会計監査人に報告します。
ホ. 当社の監査等委員会は、当社子会社の取締役及び監査役等と意思疎通及び情報交換を図り、必要に応じて子会社から事業の報告を受けます。
◇運用状況の概要
・当社は、グループ内における取引について、グループ会社取引価格基準に基づき、適正な取引を行っています。
・当社は、内部通報制度として倫理ホットラインを設置し、社報や社内ポータルサイト等を活用し通報窓口等について社内へ周知をしています。当社は、倫理ホットラインの運用状況について定期的に取締役会に報告し、社内ポータルサイトにて当該年度の累計受付件数を掲載し、適切な運用の状況を報告しています。
・内部監査部門は、内部監査計画に基づき、当社及び子会社に対し、業務の有効性・効率性、財務報告の信頼性、コンプライアンスの重点項目の整備状況と運用状況等について内部監査を実施し、内部監査の結果は取締役会と監査等委員会に報告しています。
・当社の監査等委員は、定期的に国内の子会社の往査及び社長や監査役等と面談を行っています。また、海外子会社の社長等とは日本出張時及び往査時に面談を実施し、現地の状況や事業計画の遂行状況や課題の把握等、それに対する助言や提案を行い、その結果を取締役会で報告し、内部統制上の課題等を認識した場合には、必要な改善要請を行って、是正に向けた全社的な取り組みにつなげています。更に常勤監査等委員は、業務執行部門の幹部及び内部監査部門と定期的に情報共有を行っています。
6)監査等委員会の職務を補助する使用人に関する事項
当社は、監査等委員会の職務を補助する部署を設け、専任のスタッフ(以下、「監査等委員会補助スタッフ」という。)を配置します。
◇運用状況の概要
・当社では、監査等委員会規則に基づき、監査等委員会の職務を補助する部署を設け、相応の知識・能力・職務経験等を有する監査等委員会補助スタッフを適宜配置しています。
7)当社の監査等委員会補助スタッフの取締役からの独立性及び当該補助スタッフに対する指示の実効性の確保に関する事項
イ.監査等委員会補助スタッフは、他の職務を兼任せず、専ら当社監査等委員会の指揮命令に従うものとします。
ロ.当社は、監査等委員会の同意等の下に監査等委員会補助スタッフの人事異動及び人事考課を実施します。
◇運用状況の概要
・当社では、監査等委員会監査等基準に基づき、監査等委員会補助スタッフは執行部門からの独立性を確保し、人事異動・考課は監査等委員会の同意等の下において実施しています。
8)当社の取締役及び使用人が当社の監査等委員会に報告するための体制
イ.当社は、重大な内部不正行為や会社に著しい損害を及ぼすおそれのある重要事項について、取締役が監査等委員会へ報告を行います。
ロ.当社は、重大な内部不正行為や会社に著しい損害を及ぼすおそれのある重要事項について、従業員が倫理ホットラインの窓口等への通報を通じて、直接又は間接的に監査等委員会に報告できる体制を整備します。
◇運用状況の概要
・当社では、取締役会議案についてコーポレート部門担当取締役が事前に監査等委員会に説明し意見を求める場を定期的に設定しています。かつ当社及び当社子会社の取締役が会社経営に著しい影響を及ぼす重要事項や内部不正行為を把握、認識した場合には、適時、直接又は間接的に監査等委員会に報告ができる環境を整備しています。
・当社及び当社子会社の従業員が重大な内部不正行為や会社に著しい損害を及ぼすおそれのある重要事項を把握、認識した場合には、インシデント報告として担当役員に報告する体制を整備・運用しているほか、監査等委員も窓口に含む倫理ホットラインに通報できる内部通報の体制を整備・運用しています。
9)当社子会社の取締役・監査役・使用人等又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査等委員会に報告をするための体制
イ.当社は、当社子会社で発生した重大な内部不正行為や会社に著しい損害を及ぼすおそれのある重要事項について、当該子会社の取締役・監査役等が直接、又は当社の担当取締役等を通して当社の監査等委員会に報告する体制を整備します。
ロ.当社は、子会社の従業員が倫理ホットラインの窓口等への通報を通じて直接又は間接的に当社の監査等委員会に報告できる体制を整備します。
◇運用状況の概要
・国内の当社子会社で発生した重大な内部不正行為や会社に著しい損害を及ぼすおそれのある重要事項について、当該子会社の取締役・監査役・従業員等が直接又は間接的に当社の監査等委員会に報告できる体制として、インシデント報告マニュアル・倫理ホットライン制度等を整備・運用・周知しています。
・主要な当社子会社には内部通報制度を設置し、その従業員が利用できるように指導しているほか、その運用状況を定期的に当社の倫理ホットライン事務局がモニタリングし、その結果を当社の管理担当執行役員及び監査等委員会に報告しています。
10)監査等委員会に報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当社は、当社及び当社子会社の取締役、監査役及び従業員等が監査等委員会に対して報告・通報したことを理由とした不利益な取扱いを社内規定等によって禁止します。
◇運用状況の概要
・当社は、社内規定により、当社及び当社子会社の取締役、監査役及び従業員等が内部通報窓口等に対して報告・通報をしたことを理由とする不利益な取扱いを禁止しています。
11)その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保する体制
イ.監査等委員は、経営計画会議等の重要な社内会議に出席するなど、取締役、執行役員や幹部従業員と定期及び随時に会合をもつこととします。
ロ.監査等委員会は、監査の実施上必要な場合には、内部監査部門の監査に加え、監査等委員会の決議により外部の専門家を使用できることとします。
ハ.監査等委員会は、内部監査部門及び会計監査人と緊密な連携を図るために、定期及び随時に会合をもつこととします。
◇運用状況の概要
・監査等委員は、取締役会や経営計画会議等の重要な会議に出席するほか、取締役、執行役員やコーポレート部門の部門長等の幹部従業員と定期及び随時に会合を行っています。
・監査等委員会の決議により外部の専門家を使用できることを監査等委員会監査等基準に明記し、監査等委員の監査に関する費用は、監査計画に基づく予算を確保するとともに、監査等委員の職務執行について生ずる費用の前払又は償還の手続等に関する方針を定め、適切に運用しています。
・監査等委員会は、会計監査人・経理部門と監査等結果報告会等を開催し、随時打合せを行っています。また、内部監査部門とは毎月の会合やグループ監査等委員会連絡会等を定期及び随時に開催し、情報や課題を共有し、議論を行っています。
⑥ 財務報告の適正を確保するための体制
当社は、内部統制の整備・運用状況を業務の自己点検や独立部門による評価を通じて確認した上で、財務報告の信頼性に関わる内部統制の有効性について内部統制報告書に開示します。
当社グループの内部統制体制の概要は以下のとおりです。

⑦ 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況
当社グループは、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力及び団体とは一切関係を持たず、更にそれらからの要求を断固拒否する方針を堅持します。
反社会的勢力及び団体に対する対応を統括する組織を人事・総務部門内に設置し、社内関係部門及び警察等外部専門組織機関との協力体制を整備しています。また、不当要求に対応するため、対応部門に対する社内研修を実施するなどの教育を併せて行っています。
⑧ リスク管理体制の整備の状況
リスク管理体制については、前項の「⑤内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備状況 3)当社及び当社子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制」に記載した体制を中心として、当社グループにおけるリスク管理体制の整備を図っています。
⑨ 責任限定契約
当社と取締役(業務執行取締役等を除く)は、会社法第427条第1項及び定款の規定に基づき、同法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任の限度額は法令が定める最低責任限度額としています。
⑩ 補償契約の内容の概要
当社は、全取締役との間で、会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しており、当該契約の内容の概要は、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することができるとしています。ただし、当社が役員に対して責任を追及する場合において当該役員に生じる防御費用等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じています。
⑪ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約(D&O保険)を締結し、被保険者が負担することになる、役員等としての職務の遂行において損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や訴訟費用等を当該保険契約により補填することとしています。ただし、悪意に基づく法令違反に起因する損害賠償請求等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じています。当該保険契約の対象範囲は当社の取締役、執行役員並びに子会社の取締役、監査役及びこれらに相当する役員であり、保険料は全額当社が負担しています。
また、当該保険契約期間は1年間であり、当該期間の満了前に取締役会において決議のうえ、これを更新する予定です。
(2)【役員の状況】
① 役員一覧
2025年6月24日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下のとおりです。
男性 8名 女性 3名 (役員のうち女性の比率 27.3%)
(注)1.任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
2.任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から、2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
3.任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
4.取締役 藤江直文氏、隠樹紀子氏及び伊達英文氏は、社外取締役です。
5.取締役(監査等委員)中矢一也氏、東葭葉子氏及び五味祐子氏は、社外取締役(監査等委員)です。
6.当社は、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠の監査等委員である取締役1名を選任しています。補欠の監査等委員である取締役の略歴は次のとおりです。
7.当社グループの経営執行は、執行役員を主体として行っており、執行役員の状況は以下のとおりです。
② 2025年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く)7名選任の件」及び「監査等委員である取締役1名選任の件」を上程しています。当該決議が承認可決された場合、当社の役員の状況及びその任期は、以下のとおりとなる予定です。なお、役員の役職等については、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項の内容を含めて記載しています。
男性 8名 女性 3名 (役員のうち女性の比率 27.3%)
(注)1. 任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から、2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
2. 任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から、2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
3. 任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から、2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
4.取締役 藤江直文氏、隠樹紀子氏及び伊達英文氏は、社外取締役です。
5.取締役(監査等委員)中矢一也氏、東葭葉子氏及び五味祐子氏は、社外取締役(監査等委員)です。
6. 当社は、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠の監査等委員である取締役1名を選任しています。補欠の監査等委員である取締役の略歴は「① 役員一覧(注)6.」に記載の内容から変更ありません。
7. 執行役員は「① 役員一覧(注)7.」に記載の内容から変更ありません。
③ 社外役員の状況
当社は、事業経営、法律、会計等の専門的な経験や見識に基づき、客観的な立場から当社経営に対して助言・監督して頂くため、社外取締役を選任しています。社外取締役は、経営の適法性の確保に尽力するとともに、独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映するため、取締役会で積極的な意見交換や助言を行い、経営陣の選解任及び報酬の決定や会社と経営陣・支配株主等との間の利益相反の監督及びその他の取締役会の重要な意思決定を通じて、経営監督の強化に努めています。また、定期的に当社拠点を訪問し、必要な情報を収集するとともに、他の取締役、執行役員や従業員と情報・意見交換を行い、実効性のある監督に努めています。なお、社外取締役の選任については、当社の定める独立性基準を含む取締役候補者の選任基準に基づき判断しており、各氏の同意を得た上で全員を独立役員として指定し、東京証券取引所に独立役員として届出ています。なお、2025年6月24日(有価証券報告書提出日)現在の社外取締役については以下のとおりです。
藤江直文氏は、アイシン精機株式会社(現・株式会社アイシン)での業務執行者としての経験等、自動車業界で幅広く活躍し、車載事業への深い知見を有していることから、当社の取締役として適切な人材と判断したため、同氏を社外取締役として選任しました。同氏の略歴にあるアイシン精機株式会社(現・株式会社アイシン)と当社とは取引関係がありますが、年間の取引金額は当社及び当該各企業との直近事業年度の連結売上高の1%未満であるため、当社の独立性基準及び東京証券取引所の独立性基準にそれぞれ照らして充分に独立性を有していると判断しています。
隠樹紀子氏は、長年にわたり金融業界にて活躍し、証券アナリストとしての豊富な経験と、それに基づく客観的に企業を分析する高い知見を有していることから、当社の取締役として適切な人材と判断したため、同氏を社外取締役として選任しました。同氏の略歴にある三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社と当社及び当社の連結子会社との間には金融取引実績等の取引はなく、また、同氏が社外取締役を務める株式会社ディスコと当社とは取引関係にありますが、年間の取引金額は直近事業年度の連結売上金額の1%未満であるため、当社の独立性基準及び東京証券取引所の独立性基準にそれぞれ照らして充分に独立性を有していると判断しています。
伊達英文氏は、三菱化学株式会社(現・三菱ケミカル株式会社)及び株式会社三菱ケミカルホールディングス(現・三菱ケミカルグループ株式会社)での業務執行者としての経験等を通じて、経営企画・経理・財務・税務に関する経験・知見を有していることから、当社の取締役として適切な人材と判断したため、同氏を社外取締役として選任しました。同氏の略歴にある三菱ケミカルグループ株式会社及びその関係会社と当社とは取引関係にありますが、取引金額は直近事業年度の連結売上金額の1%未満であるため、当社の独立性基準及び東京証券取引所の独立性基準にそれぞれ照らして充分に独立性を有していると判断しています。
中矢一也氏は、PHC株式会社、パナソニック株式会社及びコニカミノルタ株式会社での業務執行者としての経験及びシャープ株式会社では非業務執行者としての経験等を通じて培われた専門的な知識・経験と幅広い見識を有し、当社の取締役として適切な人材と判断したため、同氏を監査等委員である社外取締役として選任しました。同氏の略歴にあるPHC株式会社、パナソニック株式会社、及びコニカミノルタ株式会社と当社とは各々取引関係がありますが、いずれも年間取引金額は、当社の直近事業年度の連結売上高の1%未満であるため、当社の独立性基準及び東京証券取引所の独立性基準にそれぞれ照らして充分に独立性を有していると判断しています。
東葭葉子氏は、会計事務所における長年の会計監査経験と公認会計士として培われた専門的な知識・経験と幅広い知見を有していることから、当社の取締役として適切な人材と判断したため、同氏を監査等委員である社外取締役として選任しました。同氏の略歴にあるコクヨ株式会社と当社及び当社の連結子会社との間には取引は無く、また、マブチモーター株式会社と当社とは取引関係はあるものの、その年間取引額は同社及び当社の直近事業年度の連結売上高の1%未満であるため、当社の独立性基準及び東京証券取引所の独立性基準にそれぞれ照らして充分に独立性を有していると判断しています。
五味祐子氏は、長年にわたり弁護士として法律実務に携わるとともに、政府関係機関の有識者委員等を歴任され、更に他社の社外役員を務めるなど、専門的な知識・経験と幅広い見識を有していることから、当社の取締役として適切な人材と判断したため、同氏を監査等委員である社外取締役として選任しました。同氏の略歴にある国広総合法律事務所、コクヨ株式会社と当社及び当社の連結子会社との間にはそれぞれ取引関係は無いことから、当社の独立性基準及び東京証券取引所の独立性基準にそれぞれ照らして充分に独立性を有していると判断しています。
④ 当社の定める独立性基準を含む取締役候補者の選任基準
当社は、次の条件を有する者を取締役として選任するとともに、社外取締役に関しては、独立性基準項目のいずれにも該当しない場合は、独立性を有していると判断し、独立社外取締役とみなします。
<社内・社外取締役共通>
1)経営に関し客観的判断能力を有するとともに、経営判断能力、先見性、洞察力に優れていること
2)遵法精神に富んでいること
3)人望、品格に優れ、高い倫理観を有していること
4)業務遂行上、健康面で支障のないこと
<社外取締役>
1)企業経営者としての実践経験を有すること、若しくは、経営の監督機能発揮に必要な特定専門分野におけ
る実績と広範な見識を有すること
2)取締役として職務遂行を行うための十分な時間が確保できること
3)独立社外取締役については、当社「社外取締役の独立性基準」に照らして独立要件を満たしていること
<社外取締役独立性基準>
当社は、当社の社外取締役が以下の基準項目のいずれにも該当しない場合は、独立性を有していると判断し、独立社外取締役とみなします。
1)当社及びその連結子会社(以下、「当社グループ」という。)の出身者(注1)
2)当社の大株主(注2)
3)当社グループの主要な取引先(注3)企業等の業務執行者、又は、当社グループの主要な借入先(注4)
企業等の業務執行者
4)当社グループの会計監査人である監査法人に所属する公認会計士
5)当社グループから多額(注5)の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、弁護士、司法書士、税理
士、弁理士等の専門家
6)当社グループから多額の寄付を受けている者(注6)
7)社外取締役の相互就任関係(注7)となる他の会社の業務執行者
8)近親者(注8)が上記1から7までのいずれかに該当する者
9)過去3年間において、上記2から8までのいずれかに該当していた者
10)前各項の定めにかかわらず、その他当社と利益相反関係が生じ得る特段の事由が存在すると認められる者
(注)1.現に所属している業務執行取締役、その他これらに準じる者及び使用人(以下、「業務執行者」という。)及び過去に一度でも当社グループに所属したことがある業務執行者をいう。
2.大株主とは、直近事業年度末において自己又は他人の名義をもって議決権ベースで5%以上の保有株主をいう。大株主が法人、組合等の団体の場合は、当該団体に所属の業務執行者をいう。
3.主要な取引先とは、当社グループの販売先又は仕入先であって、その年間取引金額が当社又は相手方の直近事業年度の連結売上高の2%を超えるものをいう。
4.主要借入先とは、当社グループが借入を行っている金融機関でその借入金残高が直近事業年度末において、当社の連結総資産又は当該金融機関の連結総資産の2%を超える金融機関をいう。
5.多額とは、当該専門家の役務提供への関与に応じて以下に定めるとおりとする。
(1)当該専門家が個人として当社グループに役務提供をしている場合は、当社グループから収受している対価(取締役報酬を除く)が、年間10百万円を超えるときを多額という。
(2)当該専門家が所属する法人、組合等の団体が当社グループに役務提供をしている場合は当該団体が当社グループから収受している対価の合計金額が、当該団体の年間総収入金額の2%を超えるときを多額という。ただし、当該2%を超過しない場合であっても、当該専門家が直接関わっている役務提供の対価として当該団体が収受している金額が年間10百万円を超えるときは多額とみなす。
6.当社グループから年間10百万円を超える寄付を受けている者(法人、組合等の団体である場合は当該団体に所属する者のうち、当該寄付に関わる研究その他の活動に直接関与する者)をいう。
7.当社グループの業務執行者が他の会社の社外取締役であり、かつ、当該他の会社の業務執行者が当社の社外取締役である関係をいう。
8.近親者とは、配偶者及び二親等内の親族をいう。
⑤ 社外取締役のサポート体制
社外取締役が独立した立場から経営への監視と監督を的確かつ有効に実行できるよう、経営戦略室、ガバナンス推進室、コンプライアンス・監査室が経営に関わる必要な資料の提供や説明を行う体制、取締役会開催前に上程議案を事前に説明する場の設置等のサポート体制をそれぞれ構築しています。また、当社の工場や子会社の視察、展示会の見学等を通じて当社の事業に対する理解を深めてもらうためのサポートを行っています。
⑥ 社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
当社の社外取締役は、いずれも当社経営陣から独立した立場で、取締役会や経営計画会議等の重要会議に出席し必要な意見を述べるとともに、経営の健全性・適正性を確保するため、内部監査部門からの内部監査報告、内部統制の整備・運用状況等に関する報告、監査等委員会からの監査報告等を定期的に受け、社外取締役が当社グループの現状と課題を把握し、独立した視点で経営を監視・監督し、適宜意見を述べるための情報を提供しています。
また、監査等委員会は、内部監査部門から活動計画の報告に対して監査テーマの選定等についての助言や、会計監査人からの会計監査報告の内容等を共有するなど適宜情報交換を行っています。
更に、四半期ごとに監査等委員でない社外取締役も含めた社外取締役等連絡会を開催し、社外取締役間で情報共有、意見交換を行うとともに、必要に応じて、取締役会に提言を行っています。
(3)【監査の状況】
① 監査等委員会監査の状況
1)組織・人員
イ.構成
有価証券報告書提出日現在、当社監査等委員会は、男性2名、女性2名の計4名からなり、事業経営経験者、公認会計士、弁護士として、それぞれ豊富な経験を持つ3名の社外監査等委員と、当社事業に精通した社内監査等委員1名で構成されています。そして、独立した組織として、活動の透明性を高め、より実質的なガバナンスを強化する観点から、当事業年度は社外監査等委員 東葭葉子氏を委員長に選定しています。監査等委員は、重要会議出席、重要書類閲覧、代表取締役・その他の取締役・執行役員や従業員との面談を通じ、法令・コンプライアンス遵守状況、リスクマネジメント体制の整備・運用状況、内部統制システムの整備・運用状況、財務報告開示内容の適正性等について監視し、相互に連携して取締役会から独立した客観的な立場から取締役の業務執行状況を監査するとともに、内部監査部門や会計監査人と連携を取り、取締役会やその他の重要な会議の場において、経営陣に対して意見を述べています。また、社外監査等委員は、指名諮問委員会及び報酬諮問委員会の委員を担っており、それぞれの委員会に参加して議論や助言を行っています。
なお、当社は、2025年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「監査等委員1名選任の件」を提案しており、当該決議が承認可決された場合、監査等委員会は引き続き4名の監査等委員(うち3名は社外監査等委員)で構成されることになります。
ロ.常勤監査等委員
日常的に取締役(監査等委員である取締役を除く)からの情報収集や、執行役員会等執行部門の重要な社内会議における情報収集及び報告の受領等を行い、並行して、内部監査部門を窓口とした管理部門との連携を図ることにより、情報収集力を活かして監査等委員会のモニタリング機能を強化するため、常勤監査等委員を選定しています。常勤監査等委員は、これらの活動を通じて得た情報を他の監査等委員と共有し、監査等委員会では、得られた監査情報に基づき、重点監査項目を中心に意見交換を行い、監査意見を形成しています。
ハ.財務及び会計に関する相当程度の知見を有する監査等委員
社外監査等委員 東葭葉子氏は、会計事務所における長年の会計監査経験と公認会計士として培われた専門的な知識・経験と幅広い見識を有しており、取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための積極的な発言を行っています。
ニ.監査等委員会の職務を補助するスタッフ
当社は、監査等委員会の職務を補助する部署を設け、経営企画、法務、コンプライアンス、営業・マーケティング、経理・財務、IR等の知識、能力、職務経験等を有する専任の監査等委員会スタッフを3名配置し、監査等委員会の職務遂行のサポートを行っています。
2)監査等委員会の活動状況
イ.開催実績・開催頻度・出席状況
監査等委員会は月1回の定例開催に加え、必要に応じて随時開催を行います。当事業年度は14回開催し、平均開催時間は1時間23分、出席状況は以下のとおりです。なお、監査等委員の詳しい略歴については、「(2)役員の状況」を参照ください。
ロ.監査等委員会の主な検討事項
ハ.重点監査項目
当社では主な検討事項に加え、特に重点的に監査を実施する項目を定めており、当事業年度における重点監査項目及び取り組みは以下のとおりです。
(a)経営方針・計画の遂行状況:
・経営構造改革のシナリオ及び実行状況
・2024年度短計方針・施策・戦略の実行状況
・第3次中期経営計画の策定と評価方法の設定
(b)重要事項:
ニ.会計監査人の監査の相当性
監査等委員会は、会計監査人から監査計画の概要を受領し、監査重点項目等について説明を受け、意見交換を行うとともに、事業報告及びその附属明細書の内容の確認等に係るスケジュールについても確認を行いました。また、各四半期における定期的な期中レビュー及び決算監査に関する協議に加え、財務諸表監査における監査上の主要な検討事項(KAM)やその他の記載事項の確認及び海外往査への同行等を通じ、会計監査人と緊密なコミュニケーションを取り、協議を行いました。そして、事業等のリスクがある項目から繰延税金資産の回収可能性等の具体的なテーマを設定し、経理部門とも連携して検討を重ね、主要な検討事項を意識した監査を実施し、会計監査人から適時適切に報告を受け、監査手続が遅延なく予定通りに完了していることを確認しました。当事業年度における会計監査人との面談は17回実施し、また、会計監査人における審査等管理体制の状況確認や監査報酬の適正性の確認を行うとともに、会計監査チームの活動内容の品質について、所属する監査法人の会計監査チームに属さない社員と打合せを持ち意見交換を行うなど、会計監査人の監査の相当性を確認しています。
ホ.監査環境の整備及び連携強化
監査等委員会は、適切に職務を遂行するため、取締役会・経営会議・執行役員会等の重要会議に出席・傍聴するほか、代表取締役やその他の取締役、執行役員及び従業員(子会社を含む)と定期あるいは随時の面談を行っています。監査等委員でない社外取締役には、社外取締役等連絡会及び監査等委員会が実施する上記の面談に参加し、連携を図っています。また、内部監査部門とは、監査等委員会を含む毎月3回の定例打合せを行い、内部監査計画や定期及び随時に内部監査結果の報告を直接受け、内部統制システムの整備及びその運用状況等について確認を行い、一部の国内・海外往査の計画立案から加わり、実際の往査に同行するなど、緊密なコミュニケーションを図り、連携しています。更に、会計監査人とは、定期的・随時に会議を開催し、相互に必要な情報を適時提供し合うとともに、内部統制に関しても積極的に意見交換を行い、財務報告書の信頼性を確保するための取り組みを実施しています。当事業年度は、会計監査人からマネジメントレターの説明を受け、執行側と会計的な課題の共有と意見交換を行いました。海外拠点の往査は、アセアン・インド、欧州、中国、北米拠点を対象に、会計監査人は計画段階から参画、実際の往査も同行し、会計課題について助言や提言を受け、その結果を取締役会で報告しました。
このように、三様監査の実効性の更なる向上を目指し、内部監査部門及び会計監査人と、常日頃からコミュニケーションを取ることで、スタッフとともに情報収集及び監査環境の整備に努めており、両部門との連携を重視し、会議を開催して相互に必要な情報を適時提供し合い、意見交換や協議を適宜行っています。
ヘ.取締役会に対する監査等委員会からの提案及びモニタリング
当事業年度の取締役会監査及び取締役会実効性評価を通じて、監査等委員会からガバナンス強化に向けた役員研修の充実や予算の規範性等に関して提案を行い、また取締役会における決議プロセスの改善等の申し入れ、各改善状況のモニタリングを実施しています。
ト.監査等委員会からの提言・発信
監査等委員会における議論を踏まえて、執行側に対して経営に関する提言を行いました。また、監査等委員会の活動内容や、近時のガバナンス動向や当社を取り巻くリスクに関する影響及びそれらへの取り組みに関する考察等をまとめ、半期ごとに経営陣に向け情報発信を行っています。(当事業年度は2回発行)
チ.グループ監査等委員会連絡会
当社グループにおいては、持分法適用会社である(株)アルプス物流とグループ監査等委員会連絡会を年1回(当事業年度は10月開催)、両社の内部監査部門も出席して開催し、グループ全体のモニタリング強化のため、相互の情報を共有するとともに、当事業年度は「DE&I~多様な価値観の取組み」及び「内部統制基準の改訂への対応」について、プレゼンテーション及びディスカッションを実施し、グループ全体のレベルアップに取り組んでいます。
リ.監査等委員会の実効性評価
監査等委員会の実効性の向上を目的として、当年度の活動を振り返り、来年度監査方針・計画に反映するため、実効性評価を実施しています。取締役会の職務執行を監視・監督する監査等委員会が適切に機能しているか、自らがその実効性を評価・分析することで、取締役会で実施する実効性評価の前提にもなり、更に、取締役会実効性評価とともに一体的な評価・議論を行うことで、当社が目指すガバナンス向上のための施策を明確にして、今後の経営に資することを目的としています。
方法としましては、監査等委員4名に対し、委員会の構成・運営、監査活動、会計監査・三様監査等について、各々の所感を含む自己評価を実施しました。その結果を監査等委員会において、経営の仕組みや経営者マインド、取締役・執行役員の指名プロセス、また監査等委員会のサクセッションプラン、内部監査部門との連携、DXを活用したグループの内部統制に係る網羅的な取り組み等の課題検証及び対策等の議論を行いました。その上で、取締役会においても報告を行い、経営陣と課題を共有し、今後も継続的に議論を行い、当社のガバナンスの向上のために努めていきます。
② 内部監査の状況
当社では代表取締役社長直轄の独立した組織として、コンプライアンス・監査室(10名)を設置しています。同室は、事業計画に合わせた内部監査計画を立案し、その計画に基づいて当社並びに国内外の関係会社に対する内部監査を実施し、業務の有効性と効率性を検証・評価しています。監査結果は、監査対象部門・関係会社の代表者の他、取締役会及び監査等委員会に報告を行い、適正な内部統制に向けた牽制機能の充実を図るとともに、業務改善提案を行ってその状況を確認するなどのフォローを実施しています。
当社グループの持分法適用会社である(株)アルプス物流とはグループ監査等委員会連絡会等(当事業年度は10月開催)において、内部監査の実施状況等の監査情報及び課題を共有しています。
③ 会計監査の状況
1)監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
2)継続監査期間
24年間
3)業務を執行した公認会計士
田島 一郎
橋本 悠生
4)監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者の構成は、公認会計士8名、その他23名です。
5)監査法人の選定方針と理由
当社の監査法人の選定方針は、日本監査役協会の「会計監査人の選定基準策定に関する実務指針」に準拠し、監査法人の概要・独立性・専門性・品質管理体制・監査の実施体制・監査報酬見積額等の視点から成る会計監査人の選定基準を定め、監査等委員会の決議に基づき、選定することとしています。
なお、監査等委員会は、会計監査人の職務の執行に支障がある場合等、その必要があると判断した場合は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定します。また、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合は、監査等委員全員の同意に基づき、会計監査人を解任し、この場合、監査等委員会は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨及びその理由を報告します。
以上を踏まえ、EY新日本有限責任監査法人を評価した結果、同監査法人を会計監査人として再任することが適当であると判断しました。
6)監査等委員及び監査等委員会による監査法人の評価
当社の監査等委員及び監査等委員会は、日本監査役協会の「会計監査人の評価基準策定に関する実務指針」に準拠し、監査法人の品質管理、監査チーム、監査報酬、監査等委員会とのコミュニケーション、経営者等との関係、グループ監査、不正リスク等の視点から成る会計監査人の評価基準を定めており、会計監査人の再任の適否について、取締役、社内関係部署及び会計監査人から必要な資料を入手し、かつ、報告を受け、その独立性及び専門性、監査体制、職務遂行状況等が適切であるかについて評価しています。
④ 監査報酬の内容等
1)監査公認会計士等に対する報酬
2)監査公認会計士等と同一のネットワーク(Ernst & Young)に対する報酬(上記1)を除く)
(注)当社及び連結子会社における前連結会計年度及び当連結会計年度の非監査業務の内容は、会計税務等に関するアドバイザリー業務等です。
3)その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前連結会計年度及び当連結会計年度に当社の一部の連結子会社が当社監査公認会計士等と同一のネットワーク以外に属している監査公認会計士等へ支払っている監査証明業務に基づく報酬に、重要なものはありません。
4)監査報酬の決定方針
監査報酬は、会計監査人から提示された監査計画に基づく監査日数・当社の規模・特性等を勘案した上で決定しています。
5)監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査等委員会は、社内関係部署及び会計監査人より必要な資料を入手し、報告を受けた上で、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況、報酬見積りの算定根拠について確認し、審議した結果、これらについて適切であると判断したため、会計監査人の報酬等について、会社法第399条第1項及び第3項の同意を行っています。
(4)【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当社の役員の報酬等に関する方針は、「短期及び中長期の業績との連動性を重視した報酬体系により、役員の企業業績及び株価向上へ向けた行動を最大限に促進し、グループ全体の持続的な企業価値の向上を図る」として取締役会にて定めています。
また、報酬水準及び、報酬構成の割合(基本報酬、賞与及び株式報酬の割合)は、外部専門機関の調査データ等を参考に設定しています。
1)具体的な役員報酬の仕組み
イ.社内取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬
当社では、社内取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、基本報酬、賞与、譲渡制限付株式報酬で構成しています。
基本報酬は、固定的報酬として月額にて支給しています。
賞与は、短期業績との連動性を重視し、単年度の業績(営業利益率、親会社株主に帰属する当期純利益、自己資本利益率)に応じて、役位別に定めた標準支給額に対して、0~200%の範囲で変動する仕組みとする事で、全社業績を反映しています。
また、報酬諮問委員会にて個人別の評価を行い、上記で算出された役位別支給額に対して加減算を行う事で、個人別の成果・業績を賞与に反映しています。
譲渡制限付株式報酬は、役位別に定める譲渡制限付株式報酬額に応じて、譲渡制限付株式としての当社の普通株式の発行又は処分に係る取締役会決議の日の前営業日における株式会社東京証券取引所の当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値とし、1円未満の端数は切り上げる)を基礎として、当該普通株式を引き受ける対象役員に特に有利な金額とならない範囲において、当社の取締役会が決定した額から算出した数の譲渡制限付株式を割当てるものです。これは、当社株式の株価上昇によるメリットのみならず、株価下落によるリスクまでも株主と共有する仕組みです。
また、役員によるサステナビリティー課題への取り組みを促進するため、2024年から譲渡制限付株式報酬の一部へESG評価指標を組み入れることとしました。ESG評価指標は複数の第三者機関による評価を総合し、標準報酬額に対して80~120%の範囲で変動する仕組みとしています。
ロ.社外取締役及び監査等委員である取締役の報酬
当社では、社外取締役及び監査等委員である取締役の報酬は基本報酬のみであり、固定的報酬として月額にて支給しています。
2)役員報酬に関する株主総会決議内容
イ.当社の取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等の額は、2016年6月23日開催の定時株主総会にて、年額7億円以内(うち社外取締役年額1名当たり10百万円以内、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まない)とする旨を決議しています。当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役を除く)の員数は12名です。また、2019年6月21日開催の定時株主総会にて、取締役(社外取締役及び、監査等委員である取締役を除く)に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬について、本譲渡制限付株式報酬の上限株式数を年200,000株とすることを決議しています。当該定時株主総会終結時点の取締役(社外取締役及び、監査等委員である取締役を除く)の員数は5名です。
ロ.取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等の額のうち、社外取締役の報酬等の額は、2020年6月24日開催の定時株主総会にて、年額50百万円以内とする旨を決議しています。当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役を除く)の員数は8名(うち社外取締役2名)です。
ハ.監査等委員である取締役の報酬額は、2019年6月21日開催の定時株主総会にて、年額120百万円以内とする旨を決議しています。当該定時株主総会終結時点の監査等委員である取締役の員数は6名です。
3)役員報酬の決定プロセス
当社の取締役の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定権限を有する機関は、取締役会及び監査等委員会であり、株主総会で承認された報酬総額の限度内で、取締役(監査等委員である取締役を除く)は取締役会で報酬額を決定し、監査等委員である取締役は監査等委員会で報酬額を決定する事としています。
また、取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等の決定については、株主総会が決定する取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬総額の限度内で、取締役全員の同意をもって報酬諮問委員会にその決定を委ねることができる事としています。これに基づき、取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬配分の具体的金額等の決定を報酬諮問委員会に委ねる旨を取締役会で決議し、一任を受けた報酬諮問委員会で、報酬配分の具体的金額を決定しています。報酬諮問委員会では、業務執行取締役の賞与に対する全社業績の反映及び個人別の評価、また、譲渡制限付株式報酬へのESG評価指標の結果の評価を毎期行うこととしています。報酬諮問委員会に、取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬配分の具体的金額等の決定を委任した理由は、報酬の客観性及び透明性を高めるとともに、コーポレート・ガバナンスを向上させるには、社外取締役が過半数を占める報酬諮問委員会で決定する事が望ましいと判断したためです。
なお、報酬諮問委員会の委員は、次のとおりです。
※2024年度は、合計5回の報酬諮問委員会を開催しました。
取締役会は、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等について、報酬等の内容や、決定方法が取締役会で決議された決定方針と整合していることを確認しており、当該決定方針に沿うものであると判断しています。また、監査等委員である取締役の報酬等については、株主総会が決定する監査等委員である取締役の報酬総額の限度内で、2024年6月の監査等委員会で決定しています。
4)業績連動報酬に係る指標と実績
賞与に係る指標は、単年度の業績向上に向けた動機付けを図る観点から、報告セグメント(コンポーネント事業、センサー・コミュニケーション事業及びモジュール・システム事業)の営業利益率及び親会社株主に帰属する当期純利益を指標としています。また、資本効率視点も踏まえた経営を推進するため、評価指標として自己資本利益率を追加しました。この指標に基づき業績連動賞与の支給率を決定し、これをもとに算定した賞与額を支給しています。
2025年3月期の報告セグメントの営業利益率及び親会社株主に帰属する当期純利益は、期初業績予想の営業利益率2.4%、親会社株主に帰属する当期純利益322億円に対して、実績は、営業利益率は3.4%、親会社株主に帰属する当期純利益は366億円となっています。また、自己資本利益率の実績は9.0%となっています。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)1.取締役(監査等委員である取締役を除く)の支給額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。
2.当事業年度末日における取締役(監査等委員である取締役を除く)は7名(うち社外取締役3名)、監査等委員である取締役4名(うち社外取締役3名)です。
3.業績連動報酬等には、当事業年度における費用計上額を記載しています。
4.非金銭報酬等には、当事業年度における費用計上額を記載しています。
5.上記のほか、当社は2014年6月20日開催の第81回定時株主総会終結の時をもって取締役(社外取締役を除く)の退職慰労金制度を廃止し、同株主総会終結後引き続いて在任する取締役(社外取締役を除く)に対しては、退職慰労金制度廃止までの在任期間に対応する退職慰労金を各氏の退任時に贈呈することを決議しています。これに基づき、当事業年度中に退任した取締役1名に対し114百万円の退職慰労金を支給しています。
③ 報酬の返還等
当社は、業務執行取締役及び執行役員に対する賞与及び譲渡制限付株式報酬において、重大な法令違反等の非違行為等が生じた場合には、報酬諮問委員会の審議のうえ、取締役会の決議により、支給済みである報酬の一部又は全部について対象者に返還を求めるクローバック制度を導入しています。また、賞与の算定基準となる業績について、支給後に修正が生じた場合には、支給率を再算定し、支給済みの賞与の全部もしくは一部の返還を求める措置を講じます。
(5)【株式の保有状況】
① 保有株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を得ることを目的とするものを「純投資目的の投資株式」とし、それ以外の目的で保有する株式を「純投資目的以外の投資株式」又は「政策保有株式」とします。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
1)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、事業戦略上重要であり、中長期的な企業価値向上に資すると判断される場合、その株式を取得・保有することとしています。保有は、資本効率性向上を目的として、便益と資本コスト及びリスク管理を勘案して必要最低限とし、それ以外については適正な時期を判断して縮減を進めています。保有の継続又は売却等の判断は、銘柄ごとに保有目的、中長期的な見通し、経済合理性等を評価基準として検証し、取締役会において報告しています。
また、当社は、政策保有株式として保有している会社から当社株式の売却の申出があった場合、売却を妨げる行為は行いません。
2)銘柄及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(注)株式数が増加した非上場株式は、当事業年度の非上場化に伴い非上場株式以外の株式から振り替えられた
銘柄であり、取得価額の発生はありません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(注)1.非上場株式の銘柄数の減少は、会社清算によるものです。
2.株式数が減少した非上場株式以外の株式のうち1銘柄は、当事業年度の非上場化に伴い非上場株式へ
振り替えられた銘柄であり、売却価額の発生はありません。
3)特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注)当社は、特定投資株式における定量的な保有効果の記載が困難であるため、毎期個別の特定投資株式について
上記1)記載の方法にて検証しており、2025年3月31日を基準とした検証の結果、現状保有する特定投資株式
はいずれも保有方針及び保有の合理性に関する評価基準に沿った目的で保有していることを確認しています。
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に
変更したもの
該当事項はありません。
第5【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)に基づいて作成しています。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っています。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、又は会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同財団法人の刊行物を入手するとともに、同財団法人が主催するセミナーへ参加しています。
1【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
②【連結損益及び包括利益計算書】
③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1.連結の範囲に関する事項
(1)連結子会社の数 53社
主要な連結子会社の名称は、「第1 企業の概況 4.関係会社の状況」に記載しているため省略しています。
なお、ALPINE ELECTRONICS OF U.K., LTD.は会社清算したため、連結の範囲から除外しています。
(2)非連結子会社の名称等
ALPINE DO BRASIL LTDA.をはじめとする2社です。いずれも総資産額、売上高、当期純損益(持分相当額)及び利益剰余金(持分相当額)の観点からみて小規模であり、全体としても連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないため、連結の範囲から除外しています。
2.持分法の適用に関する事項
(1)持分法を適用した関連会社の数 31社
(関連会社の名称)
LDEC(株)及びその子会社(株)アルプス物流他26社
(株)アサヒ
NEUSOFT REACH AUTOMOTIVE TECHNOLOGY (SHANGHAI) CO., LTD.
Lumax Alps Alpine India Private Limited.
持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度に係る財務諸表を使用し、連結決算日との間に生じた重要な取引については、連結上必要な調整を行っています。
なお、当連結会計年度において、持分法適用会社である(株)アルプス物流の株式の全てを売却していますが、先んじて(株)アルプス物流の議決権を100%保有することとなったLDEC(株)の株式(議決権比率20%)を取得しているため、LDEC(株)を通じて、(株)アルプス物流他26社を持分法適用の範囲に含めています。また、(株)デバイス&システム・プラットフォーム開発センターは会社清算したため、持分法の適用から除外しています。
(2)持分法を適用していない非連結子会社及び関連会社
持分法を適用していない非連結子会社はALPINE DO BRASIL LTDA.をはじめとする2社、関連会社は5社であり、いずれも当期純損益(持分相当額)及び利益剰余金(持分相当額)の観点からみて小規模であり、全体としても連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないため、持分法の適用から除外しています。
3.連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社37社の決算日は連結決算日に一致しています。
連結子会社のうち決算日が12月31日の会社は以下の16社です。
* 連結決算日現在で本決算に準じた仮決算を行った財務諸表を基礎としています。
4.会計方針に関する事項
(1)重要な資産の評価基準及び評価方法
① 有価証券
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
期末決算日の市場価格等に基づく時価法を採用しています。
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算出しています。)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法を採用しています。
② デリバティブ
時価法を採用しています。
③ 棚卸資産
主として総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しています。
(2)重要な減価償却資産の減価償却の方法
① 有形固定資産(リース資産を除く)
主に定額法を採用しています。一部の国内連結子会社は定率法を採用していますが、1998年4月1日以降取得した建物(建物附属設備は除く)並びに2016年4月1日以降取得した建物附属設備及び構築物については、定額法を採用しています。
なお、主な耐用年数は次のとおりです。
建物及び構築物 2~80年
機械装置及び運搬具 1~17年
工具器具備品及び金型 1~20年
② 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しています。
ただし、自社利用のソフトウェアについては社内における利用可能期間(2~10年)に基づく定額法を採用しています。市場販売目的のソフトウェアについては見込販売数量に基づく償却額と、残存見込販売有効期間に基づく均等償却額とのいずれか大きい金額を計上する方法を採用しています。
③ リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却の方法と同一の方法を採用しています。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数として、残存価額を零とする定額法を採用しています。
なお、一部の在外連結子会社については、国際財務報告基準第16号「リース」(以下、「IFRS第16号」という。)を適用しています。IFRS第16号により、リースの借手については、原則として全てのリースを連結貸借対照表に資産及び負債として計上しており、資産計上された使用権資産の減価償却方法は定額法によっています。
(3)重要な引当金の計上基準
① 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
② 賞与引当金
従業員の賞与の支給に備えて、支給見込額のうち当連結会計年度の負担額を計上しています。
③ 役員賞与引当金
役員賞与の支給に備えて、支給見込額のうち当連結会計年度の負担額を計上しています。
④ 製品保証引当金
販売した製品に係るクレームやアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、当該費用の発生額を個別に見積れるものは個別に見積り、個別に見積れないものは、売上高に対する過去の実績率に基づき見積計上しています。
⑤ 役員退職慰労引当金
一部の国内連結子会社は、役員の退職慰労金の支給に備えて、内規に基づく期末要支給額を役員退職慰労引当金として計上しています。
⑥ 環境対策費用引当金
土壌汚染対策や有害物質の処理等の環境対策に係る費用に備えるため、今後発生すると見込まれる金額を引当計上しています。
(4)重要な収益及び費用の計上基準
① 主要な事業における収益の計上基準
当社グループの主要な事業においては、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。
当社グループの顧客との契約から生じる収益に関して、主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は「(収益認識関係) 2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報」を参照ください。
② ファイナンス・リース取引に係る収益の計上基準
リース料受取時に売上高と売上原価を計上する方法によっています。
(5)重要な外貨建資産又は負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、連結決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。なお、在外子会社等の資産及び負債は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、収益及び費用は期中平均相場により円貨に換算し、換算差額は純資産の部における為替換算調整勘定及び非支配株主持分に含めています。
(6)重要なヘッジ会計の方法
① ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によるヘッジ会計を行っています。
② ヘッジ手段とヘッジ対象
(ヘッジ手段) (ヘッジ対象)
先物為替予約 外貨建債権債務等
③ ヘッジ方針
先物為替予約取引は、外貨建取引の為替変動リスクを回避する目的で実施しており、取引額は現有する外貨建債権債務及び売上・仕入予定額の範囲に限定しています。
④ ヘッジ有効性評価の方法
先物為替予約取引については、為替の変動の累計を比率分析する方法によっています。
⑤ その他リスク管理方法のうちヘッジ会計に係るもの
特記すべき事項はありません。
(7)退職給付に係る会計処理の方法
従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における見込額に基づき、退職給付債務から年金資産を控除した額を計上しています。
当社及び一部の連結子会社は、退職給付債務の算定に際し、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準に基づいています。
過去勤務費用は、発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主に1年)による按分額を費用処理しています。
数理計算上の差異は、発生時の従業員の平均残存勤務期間の年数(主に11~15年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理しています。
未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用については、税効果を調整の上、純資産の部におけるその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に計上しています。
(8)のれんの償却方法及び償却期間
のれんは5年間で均等償却しています。
(9)連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、要求払預金及び取得日から3ヶ月以内に満期日の到来する流動性の高い、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期的な投資からなっています。
(重要な会計上の見積り)
1. 固定資産の減損
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
モジュール・システム事業の車載モジュール
モジュール・システム事業の情報通信機器
なお、当連結会計年度において減損損失を計上していませんが、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクに鑑みて開示項目として識別しています。
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
① 算出方法
当連結会計年度において、モジュール・システム事業の車載モジュールにおいて、営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなったため、減損の兆候があると判断しましたが、減損損失の認識の判定において、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローがその帳簿価額を上回っていることから減損損失は認識していません。割引前将来キャッシュ・フローは、これらの事業における事業計画を基礎とし、主要な資産である機械装置の経済的残存使用年数(モジュール・システム事業の車載モジュール 約5.3年)にわたり算定しています。
モジュール・システム事業の情報通信機器については、営業活動から生じる損益が継続してマイナスではないこと、資産グループの使用範囲又は方法について回収可能価額を著しく低下させる変化を識別していないこと、事業計画、経営環境の変化等を考慮して減損の兆候の有無を検討した結果、減損の兆候はないと判断しています。
これらの事業における事業計画は、主に顧客・製品別にまとめた受注予測、予測されている限界利益率及び固定費を前提として策定しています。また、中国市場における当社主要顧客である日本・北米・欧州自動車メーカーの低迷に伴う製品販売数量への影響、部材高騰の長期化やインフレの継続といった事業環境下における目標とする原価改善の達成状況、米国の関税政策による影響についても考慮しています。
② 主要な仮定
当連結会計年度の減損判定における割引前将来キャッシュ・フローの算出に用いた主要な仮定は、受注予測及び限界利益率です。
受注予測は、顧客との交渉状況や製品開発状況を基礎として作成しており、加えて外部の調査会社が発行している最新の自動車販売台数予測を活用しています。また、限界利益率は、過去の実績推移を考慮した数値を設定しています。
なお、車載モジュール及び情報通信機器の受注予測については、モデルごとの受注金額が大きいことから、モデルごとの受注獲得の成否及び受注獲得時の計画販売数量からの変動が将来キャッシュ・フローに大きな影響を与えます。特に長期にわたる受注予測については、不確実性を伴うことから、過去の受注予測に対する受注実績の達成状況も勘案して作成しています。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
モジュール・システム事業の車載モジュール及び情報通信機器について、主要な仮定である受注予測が想定よりも減少した場合や、限界利益率が想定よりも減少した場合には、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
2. 繰延税金資産の回収可能性
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
当社において計上した繰延税金資産の金額は以下のとおりです。
(注)上記を含み連結財務諸表に計上した繰延税金資産の金額は、前連結会計年度16,978百万円、当連結会計年度15,234百万円です。
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
① 算出方法
将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の収益力に基づく翌期の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。課税所得の見積りは、事業計画及びグループ会社間の取引価格を基礎としています。事業計画は、主に主要顧客への販売数量及び販売価格、予測されている営業利益率、売上規模に応じた固定費の見積り及び想定為替レートを前提に策定しています。また、中国市場における当社主要顧客である日本・北米・欧州自動車メーカーの低迷に伴う製品販売数量への影響、部材高騰の長期化やインフレの継続といった事業環境下における目標とする原価改善の達成状況、米国の関税政策による影響についても考慮しています。グループ会社間の取引価格は、各国の移転価格税制を考慮し、連結子会社ごとに設定しています。
② 主要な仮定
課税所得の見積りの基礎となる事業計画における主要な仮定は、各事業の売上予測、営業利益率及びグループ会社間の取引価格です。売上予測は主要顧客からの発注予測データや交渉状況を基礎に予測しています。営業利益率は、過去の実績推移及び現在の事業環境を踏まえ、想定される販売規模に応じたコストを見積ることで決定しています。また、当社の課税所得の見積りの基礎となるグループ会社間の取引価格は、各国の移転価格税制を考慮し、連結グループの経営成績や過去の実績に基づき予測しています。
③ 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
主要な仮定である各事業の売上予測が想定よりも減少又は増加した場合や、過去の実績推移及び現在の事業環境を踏まえて見積もった営業利益率が想定よりも減少又は増加した場合には、繰延税金資産が減少又は増加する可能性があります。
(会計方針の変更)
(「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下、「2022年改正会計基準という。)等を当連結会計年度の期首から適用しています。
法人税等の計上区分(その他の包括利益に対する課税)に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱い及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日。以下、「2022年改正適用指針」という。)第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いに従っています。なお、これによる連結財務諸表に与える影響はありません。
また、連結会社間における子会社株式等の売却に伴い生じた売却損益を税務上繰り延べる場合の連結財務諸表における取扱いの見直しに関連する改正については、2022年改正適用指針を当連結会計年度の期首から適用しています。当該会計方針の変更は、遡及適用され、前連結会計年度については遡及適用後の連結財務諸表となっています。なお、これによる前連結会計年度の連結財務諸表に与える影響はありません。
(未適用の会計基準等)
(リースに関する会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日 企業会計基準委員会)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日 企業会計基準委員会)等
(1)概要
企業会計基準委員会において、日本基準を国際的に整合性のあるものとする取り組みの一環として、借手の全てのリースについて資産及び負債を認識するリースに関する会計基準の開発に向けて、国際的な会計基準を踏まえた検討が行われ、基本的な方針として、IFRS第16号の単一の会計処理モデルを基礎とするものの、IFRS第16号の全ての定めを採り入れるのではなく、主要な定めのみを採り入れることにより、簡素で利便性が高く、かつ、IFRS第16号の定めを個別財務諸表に用いても、基本的に修正が不要となることを目指したリース会計基準等が公表されました。
借手の会計処理として、借手のリースの費用配分の方法については、IFRS第16号と同様に、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、全てのリースについて使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上する単一の会計処理モデルが適用されます。
(2)適用予定日
2028年3月期の期首から適用します。
(3)当該会計基準等の適用による影響
「リースに関する会計基準」等の適用による連結財務諸表に与える影響額については、現時点で評価中です。
(表示方法の変更)
(連結損益及び包括利益計算書)
前連結会計年度において、区分掲記していました特別損失の「投資有価証券評価損」は、重要性が乏しいため、当連結会計年度において、特別損失の「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の組み替えを行っています。
この結果、前連結会計年度において、区分掲記していました特別損失の「投資有価証券評価損」545百万円は、「その他」として組み替えています。
(連結キャッシュ・フロー計算書)
(1) 前連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示していました「貸倒引当金の増減額(△は減少)」は、当連結会計年度において、重要性が増したため、区分掲記しています。一方、前連結会計年度において、区分掲記していました営業活動によるキャッシュ・フローの「退職給付費用」「投資有価証券評価損益(△は益)」及び「投資有価証券売却損益(△は益)」については、重要性が乏しいため、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示しています。
この結果、前連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」に表示していました807百万円のうち、92百万円については、「貸倒引当金の増減額(△は減少)」として組み替え、前連結会計年度において、区分掲記していました営業活動によるキャッシュ・フローの「退職給付費用」1,264百万円、「投資有価証券評価損益(△は益)」545百万円及び「投資有価証券売却損益(△は益)」△811百万円は、「その他」として組み替えています。
(2) 前連結会計年度において、区分掲記していました投資活動によるキャッシュ・フローの「投資有価証券の取得による支出」及び「投資有価証券の売却による収入」については、重要性が乏しいため、当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示しています。
この結果、前連結会計年度において、区分掲記していました投資活動によるキャッシュ・フローの「投資有価証券の取得による支出」△1,625百万円及び「投資有価証券の売却による収入」1,145百万円については、「その他」として組み替えています。
(3) 前連結会計年度において、区分掲記していました財務活動によるキャッシュ・フローの「自己株式の取得による支出」及び「非支配株主への配当金の支払額」については、重要性が乏しいため、当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示しています。
この結果、前連結会計年度において、区分掲記していました財務活動によるキャッシュ・フローの「自己株式の取得による支出」△2百万円及び「非支配株主への配当金の支払額」△403百万円については、「その他」として組み替えています。
(連結貸借対照表関係)
※1 顧客との契約から生じた債権及び契約負債の残高
「受取手形及び売掛金」のうち、顧客との契約から生じた債権の残高、及び流動負債「その他」のうち、契約負債の残高は、「(収益認識関係)3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から、翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報 (1)顧客との契約から生じた債権及び契約負債の残高等」に記載しています。
※2 非連結子会社及び関連会社に対するものは、次のとおりです。
※3 のれん
「のれん」は、資産の総額の100分の1以下であるため、「無形固定資産」に含めて表示しています。
※4 事業用土地の再評価
土地の再評価に関する法律(平成10年3月31日公布法律第34号)に基づき、2002年3月31日に事業用の土地の再評価を行っています。
なお、再評価差額については、土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律(平成11年3月31日公布法律第24号)に基づき、当該再評価差額を純資産の部の「土地再評価差額金」として計上しています。
・再評価の方法…土地の再評価に関する法律施行令(平成10年3月31日公布政令第119号)第2条第3号に定める地方税法(昭和25年法律第226号)第341条第10号に定める固定資産税評価額に基づき算出しています。
・再評価を行った年月日…2002年3月31日
5 当社及び連結子会社の一部は、流動性を確保し、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関4社と貸出コミットメント契約を締結しています。
連結会計年度末における貸出コミットメントに係る借入未実行残高等は次のとおりです。
(連結損益及び包括利益計算書関係)
※1 顧客との契約から生じる収益
売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載していません。顧客との契約から生じる収益の金額は、「(セグメント情報等)」を参照ください。
※2 期末棚卸高は収益性の低下に伴う簿価切下後の金額であり、次の棚卸資産評価損(△は戻入益)が売上原価に含まれています。
※3 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりです。
※4 一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費の総額
※5 固定資産売却益の内訳は次のとおりです。
※6 関係会社株式売却益
当社は、2024年5月9日付の取締役会決議に基づき、ロジスティード株式会社(以下、「ロジスティード」という。)及びロジスティードが発行済株式の全てを所有するLDEC(株)(以下、「公開買付者」という。)との間で、当社の持分法適用関連会社である(株)アルプス物流の普通株式(以下、「アルプス物流株式」という。)の売却等に関する取引基本契約(以下、取引基本契約に定めた一連の取引を「本取引」という。)を締結し、2025年1月30日付で本取引が完了しました。
本取引の概要は以下のとおりです。
① 公開買付者がアルプス物流株式に対する公開買付け(以下、「本公開買付け」という。)を実施すること、当社及び当社の完全子会社であるアルパイン株式会社が所有するアルプス物流株式の全てについて本公開買付けに応募しないこと
② 本公開買付けの成立後に、アルパイン株式会社が所有するアルプス物流株式の全てを吸収分割の方法により
当社に承継させた上で、(株)アルプス物流がその株主を当社及び公開買付者のみとするための株式併合を実
施すること
③ 株式併合の効力発生を条件として、(株)アルプス物流が実施する自己株式取得に応じて当社が所有するアル
プス物流株式の全てを70,721百万円で売却すること(以下、「本自己株式取得」という。)
④ 本自己株式取得に先んじて当社が公開買付者に対して本自己株式取得に係る代金支払請求権の一部の現物出
資を行い、公開買付者の株式(議決権比率20%)を30,702百万円で取得すること
公開買付者は2024年8月22日に本公開買付けを開始し、本公開買付けは2024年10月4日に成立しました。2025年1月30日に当社は(株)アルプス物流が実施する自己株式取得に応じてアルプス物流株式を売却しました。
取引の結果、公開買付者を通じて、引き続き(株)アルプス物流他26社を持分法適用の範囲に含めています。これに伴い発生した関係会社株式売却益27,074百万円を特別利益に計上しています。
※7 事業譲渡益
当連結会計年度において、当社はパワーインダクター事業をDELTA ELECTRONICS INC.グループ(本社:台湾 台北市、会長兼CEO:鄭平)に譲渡しました。これに伴い発生した事業譲渡益6,424百万円を特別利益に計上しています。
本件詳細については、「(企業結合等関係)」を参照ください。
※8 固定資産除売却損の内訳は次のとおりです。
※9 減損損失
当社グループは、事業用資産について管理会計上の区分を基準として、資産グルーピング単位を決定しています。処分予定資産及び遊休資産については、物件ごとに収支管理が可能であるため、個々に独立した単位としています。
なお、当社グループは以下の資産について減損損失を計上しました。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
主にモジュール・システム事業を構成するモジュール製品及びセンサー・コミュニケーション事業に含まれる一部車載市場向け製品に係る事業用固定資産について、新製品の生産立ち上げに伴うコストの増加が想定以上に継続することに加え、これら製品に係る収益構造良化に時間を要する見込みとなり、その最新状況を将来キャッシュ・フローの見積りに反映した結果、将来キャッシュ・フローの現在価値が当社の保有する事業用固定資産の帳簿価額を下回ったため、事業用固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額(モジュール・システム事業 35,759百万円、センサー・コミュニケーション事業1,518百万円)を減損損失として特別損失に計上しています。また、他の事業用資産についても、事業環境の悪化により、これらの資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額(1,830百万円)を減損損失として特別損失に計上しています。これらの事業用資産の減少額の内訳は、機械装置及び運搬具17,365百万円、工具器具備品及び金型6,716百万円、建設仮勘定6,330百万円、建物及び構築物5,586百万円、無形固定資産1,834百万円、土地1,092百万円、その他184百万円です。
なお、事業用資産の回収可能価額は、使用価値を使用しており、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスであるため、回収可能価額を零と測定しています。
処分予定資産及び遊休資産については、時価の下落等資産価値が下落しているものや今後の使用見込みがないものについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額(177百万円)を減損損失として特別損失に計上しています。その内訳は、土地65百万円、建物及び構築物54百万円、建設仮勘定50百万円、その他6百万円です。
処分予定資産の回収可能価額は、売却予定のものは売却価額とし、それ以外は零として算定しています。また、遊休資産の回収可能価額は、不動産鑑定評価基準に基づいて算定された正味売却価額により評価しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
主にセンサー・コミュニケーション事業に含まれる通信デバイスに係る事業用固定資産について、将来キャッシュ・フローの現在価値が当社グループの保有する事業用固定資産の帳簿価額を下回ったため、事業用固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額(1,436百万円)を減損損失として特別損失に計上しています。また、他の事業用資産についても、資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額(719百万円)を減損損失として特別損失に計上しています。これらの事業用資産の減少額の内訳は、機械装置及び運搬具1,310百万円、工具器具備品及び金型354百万円、建設仮勘定246百万円、無形固定資産222百万円、その他21百万円です。
なお、事業用資産の回収可能価額は、使用価値を使用しており、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスであるため、回収可能価額を零と測定しています。
処分予定資産については、今後の使用見込みがないものについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額(2,386百万円)を減損損失として特別損失に計上しています。その内訳は、土地1,588百万円、建物及び構築物496百万円、建設仮勘定195百万円、機械装置及び運搬具98百万円、その他6百万円です。
処分予定資産の回収可能価額は、売却予定のものは正味売却価額とし、それ以外は零として算定しています。
※10 特別退職金
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度において、当社の連結子会社であるALPS ELECTRIC(MALAYSIA) SDN. BHD.のジェンカ工場の閉鎖を決定しました。これに伴い従業員に対する割増退職金の支払額298百万円を特別退職金として特別損失に計上しています。
※11 その他の包括利益に係る組替調整額並びに法人税等及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注)普通株式の自己株式の株式数の増加1千株は、単元未満株式の買取り1千株によるものです。また、株式数の減少105千株は、譲渡制限付株式報酬としての処分90千株、ストック・オプションの権利行使15千株等によるものです。
2.新株予約権に関する事項
3.配当に関する事項
(1)配当金支払額
(2)基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注)普通株式の自己株式の株式数の増加1千株は、単元未満株式の買取り1千株によるものです。また、株式数の減少71千株は、譲渡制限付株式報酬としての処分45千株、ストック・オプションの権利行使25千株等によるものです。
2.新株予約権に関する事項
3.配当に関する事項
(1)配当金支払額
(2)基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
2025年6月25日開催の定時株主総会の議案として、次のとおり付議する予定です。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※1 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
2 重要な非資金取引の内容
(リース取引関係)
(借主側)
オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(単位:百万円)
(貸主側)
1.ファイナンス・リース取引
(1)リース投資資産の内訳
流動資産
(単位:百万円)
(2)リース債権及びリース投資資産に係るリース料債権部分の連結決算日後の回収予定額
流動資産
(単位:百万円)
(単位:百万円)
2.オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(単位:百万円)
(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当社グループは、各事業を行うための設備投資計画に照らして、必要な資金(主に銀行借入)を調達しています。一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用し、また、短期的な運転資金を銀行借入によって調達しています。デリバティブは、後述するリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針です。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されています。また、海外で事業を行うに当たり生じる外貨建ての営業債権は、為替の変動リスクに晒されていますが、同じ外貨建ての買掛金の残高の範囲内にあるものを除き、先物為替予約、通貨オプションを利用してヘッジしています。
有価証券及び投資有価証券は、主に業務上の関係を有する企業の株式であり、市場価格の変動リスクに晒されています。
営業債務である支払手形及び買掛金は、そのほとんどが4ヶ月以内に支払期日が到来するものです。
借入金は、設備投資資金、運転資金、研究開発資金の確保等を目的としています。借入金の金利変動リスクについては、随時、市場金利の動向をモニタリングするなどにより対応しています。また、資金調達に係る流動性リスクについては、担当部署が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに手元流動性を確保することにより適切に管理しています。
デリバティブ取引は外貨建ての営業債権債務に係る為替の変動リスクに対するヘッジを目的とした先物為替予約取引及び通貨オプション取引です。なお、ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジの有効性評価の方法等については、前述の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項(6)重要なヘッジ会計の方法」を参照ください。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
① 信用リスク(取引先の契約不履行等に係るリスク)の管理
当社は、営業債権について、顧客与信管理規定に従い、販売部門長が取引先に対する受注及び債権の与信額残高を管理するとともに、与信管理部門が主要な取引先の財務状況を定期的にモニタリングし、回収懸念の早期把握や軽減を図っています。連結子会社についても、当社と同様の管理を行っています。
デリバティブ取引については、取引先を高格付を有する金融機関に限定しているため信用リスクはほとんどないと認識しています。
② 市場リスク(為替や金利等の変動リスク)の管理
当社は外貨建ての営業債権債務について、通貨別月別に把握された為替変動リスクに対して、原則として先物為替予約、通貨オプションを利用してヘッジしています。
有価証券及び投資有価証券については、定期的に時価や発行企業の財務状況を把握し、市況や発行企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。
デリバティブ取引の執行・管理については、取引方針・取引権限等を定めた管理規定に従い、担当部門が決裁者の承認を得て行っています。取引実績は取締役会に報告しています。
連結子会社についても、当社と同様の管理を行っています。
③ 資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払いを実行できなくなるリスク)の管理
当社は、事業計画に基づき、財務部門で適時に資金計画表を作成・更新するとともに、手元流動性の維持等により流動性リスクを管理しています。連結子会社についても、当社と同様の管理を行っています。
(4)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価には市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれています。当該価額の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することがあります。また、「(デリバティブ取引関係)」におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2.金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりです。
前連結会計年度(2024年3月31日)
(※1)「現金及び預金」、「受取手形及び売掛金」、「支払手形及び買掛金」及び「短期借入金」については、現金であること、及び短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しています。
(※2)市場価格のない株式等は、「投資有価証券」には含まれていません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりです。
(※3)デリバティブ取引によって生じた正味の債権債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については( )で示しています。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(※1)「現金及び預金」、「受取手形及び売掛金」、「支払手形及び買掛金」及び「短期借入金」については、現金であること、及び短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しています。
(※2)市場価格のない株式等は、「投資有価証券」には含まれていません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりです。
(※3)デリバティブ取引によって生じた正味の債権債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については( )で示しています。
(注1)金銭債権の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注2)短期借入金、長期借入金、リース債務及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
3.金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しています。
(1)時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(2)時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注)時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
投資有価証券
上場株式は相場価格を用いて評価しています。上場株式は活発な市場で取引されているため、その時価をレベル1の時価に分類しています。
デリバティブ取引
為替予約及び通貨オプションの時価は、為替レート等の観察可能なインプットを用いて割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しています。
長期借入金
長期借入金の時価は、元利金の合計額を、当該債務の残存期間及び信用リスクを加味した利率を基に、割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しています。
(有価証券関係)
1.その他有価証券
前連結会計年度(2024年3月31日)
(注)非上場株式及びその他(連結貸借対照表計上額277百万円)については、市場価格がないことから、上表の「その他有価証券」には含めていません。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注)非上場株式及びその他(連結貸借対照表計上額324百万円)については、市場価格がないことから、上表の「その他有価証券」には含めていません。
2.売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
3.減損処理を行った有価証券
前連結会計年度において、有価証券545百万円(その他有価証券の上場株式232百万円、その他有価証券の非上場株式312百万円)の減損処理を行っています。
当連結会計年度において、有価証券190百万円(関連会社株式97百万円、その他有価証券の上場株式92百万円)の減損処理を行っています。
なお、株式の減損処理については、期末日における時価が取得価額の30%以上下落した場合は、原則減損処理を実施しています。
(デリバティブ取引関係)
1.ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
(1)通貨関連
前連結会計年度(2024年3月31日)
(注)1.オプション取引はゼロコストオプションであり、コールオプション及びプットオプションが一体の契約のため、一括して記載しています。
2.ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引は除いています。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(注)1.オプション取引はゼロコストオプションであり、コールオプション及びプットオプションが一体の契約のため、一括して記載しています。
2.ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引は除いています。
(2)金利関連
該当事項はありません。
2.ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
(1)通貨関連
該当事項はありません。
(2)金利関連
該当事項はありません。
(退職給付関係)
1.採用している退職給付制度の概要
当社及び連結子会社は、確定給付型の制度として、企業年金基金制度、退職一時金制度、及び複数事業主制度の企業年金基金制度を設けています。
また、従業員の退職等に際して、退職給付会計に準拠した数理計算による退職給付債務の対象とされない割増退職金を支払う場合があります。
なお、当社及び一部の連結子会社は、確定給付型制度の他、確定拠出型の制度として、確定拠出年金制度を設けています。更に、一部の在外子会社では、所在地国の法令に基づく制度として、確定給付型の企業年金基金制度、及び退職一時金制度、また、確定拠出型の確定拠出年金制度を設けています。
2.確定給付制度
(1)退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表
(2)年金資産の期首残高と期末残高の調整表
(3)退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の調整表
(4)退職給付費用及びその内訳項目の金額
(注)特別損失に計上しています。
(5)退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりです。
(6)退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(法人税等及び税効果控除前)の内訳は次のとおりです。
(7)年金資産に関する事項
① 年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりです。
(注)オルタナティブには、ファンド・オブ・ヘッジファンズ運用、マルチアセット運用等を含んでいます。
② 長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しています。
(8)数理計算上の計算基礎に関する事項
(注)退職給付債務の計算は、給付算定式基準により将来のポイント累計を織込まない方法を採用しているため、予想昇給率は記載していません。
(9)複数事業主制度の企業年金について
確定拠出制度と同様に会計処理する、複数事業主制度の企業年金基金への要拠出額は、前連結会計年度2百万円、当連結会計年度2百万円です。
① 制度全体の積立状況に関する事項
② 制度全体に占める当社グループの加入人数割合
前連結会計年度 0.04%(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度 1.49%(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
③ 補足説明
上記①の差引額について、前連結会計年度の主な要因は別途積立金1,959百万円です。当連結会計年度の要因は別途積立金1,906百万円です。本年度における過去勤務債務の償却方法は期間30年の元利均等償却です。
なお、上記②の割合は実際の負担割合と一致しません。
3.確定拠出制度
当社及び連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は、前連結会計年度893百万円、当連結会計年度876百万円です。
(ストック・オプション等関係)
1.ストック・オプションに係る費用計上額及び科目
該当事項はありません。
2.ストック・オプションの内容、規模及びその変動状況
(1)ストック・オプションの内容
(注)1.株式数に換算して記載しています。
2.付与対象者の区分及び人数は、アルパイン株式会社における当初付与日時点のものです。
3.2019年1月1日付の当社とアルパイン株式会社との株式交換により、同社の新株予約権に対し、株式交
換比率を踏まえ当社の新株予約権の割当交付したものです。
(2)ストック・オプションの規模及びその変動状況
当連結会計年度(2025年3月期)において存在したストック・オプションを対象とし、ストック・オプションの数については、株式数に換算して記載しています。
① ストック・オプションの数
② 単価情報
(注)付与日における公正な評価単価については、アルパイン株式会社における当初付与日時点のものです。
3.ストック・オプションの権利確定数の見積方法
基本的には、将来の失効数の合理的な見積りは困難であるため、実績の失効数のみ反映させる方法を採用しています。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(注)1.評価性引当額が15,408百万円増加しています。この増加の主な内容は、親会社において税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額が増加したことに伴うものです。
2.税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度(2024年3月31日)
(a)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。
(b)税務上の繰越欠損金30,822百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産127百万円を計上しています。当該税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み等により回収可能と判断しています。
当連結会計年度(2025年3月31日)
(c)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額です。
(d)税務上の繰越欠損金34,745百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産182百万円を計上しています。当該税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み等により回収可能と判断しています。
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社及び一部の国内連結子会社は、グループ通算制度を適用しています。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
4.法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
税法の改正に伴い、2026年4月1日以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、法定実効税率を30.4%から31.3%に変更して計算しています。
この変更により、当連結会計年度の繰延税金負債(繰延税金資産の金額を控除した金額)が182百万円増加し、法人税等調整額が4百万円増加し、その他有価証券評価差額金が178百万円減少しています。
(企業結合等関係)
(パワーインダクター事業の譲渡(承継))
当社は、パワーインダクター事業を、DELTA ELECTRONICS INC.グループ(以下、「デルタグループ」という。本社:台湾 台北市、会長兼CEO:鄭平)の日本法人であるデルタ電子株式会社に譲渡(承継)させる吸収分割契約を、2024年9月27日付で締結(以下、「本契約」という。)して事業を承継(以下、「本吸収分割」という。)し、2025年1月6日付で譲渡(承継)が完了しました。
1.事業分離の概要
(1)分離先企業の名称
デルタ電子株式会社
(2)分離した事業の内容
DDR(Double Data Rate)、DIMM(Dual Inline Memory Module)等の次世代半導体メモリー市場向け製品を含むパワーインダクター及び当該製品に使用される磁性材料の研究開発、製造、販売に関する事業
(3)事業分離を行った主な理由
パワーインダクター事業は、当社固有の磁性技術をベースとし特定市場での地位を確保していますが、当該部品事業領域では多くの電子部品メーカーが存在する中、自社の保有する技術だけでは今後将来的にグローバル市場全体の成長を取り込むことは困難と考えました。加えて、当社の中長期的な方向性においては、他技術・製品とのシナジーが弱く、新たなパートナーの下で固有磁性技術の最大限の活用を図り成長機会を最大化させると判断しました。
そうした中、パートナーの選定に当たり、今後大きく拡大が期待されるデータセンター需要への事業取り組みにおいて、当社との事業取引が多く、かつ長期に渡って信頼関係を構築しており、電源関連製品において業界をリードするデルタグループこそがベストと判断しました。このことにより当事業及び磁性材料を最大活用、そしてスケールメリットを享受できる当社にとって最大の魅力となり、また、デルタグループも当磁性材料の固有性能に着目していたことから、本吸収分割が両社の最大価値化につながると判断しました。
(4)事業分離日
2025年1月6日
(5)法的形式を含むその他取引の概要に関する事項
受取対価を現金等の財産のみとする吸収分割
2.実施した会計処理の概要
(1)移転損益の金額
事業譲渡益 6,424百万円
受領価額10,205百万円のうち約15%は留保額として本契約に定めるエスクロー口座へ保管され、条件を満たした場合には2027年3月期までに最大1,653百万円の特別利益が計上される見込みです。
(2)移転した事業に係る資産の適正な帳簿価額及びその主な内訳
(3)実施した会計処理の概要
「事業分離等に関する会計基準」(企業会計基準第7号 2024年11月1日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2024年11月1日)に基づき処理をしています。
3.移転した事業が含まれている報告セグメントの名称
センサー・コミュニケーション事業
4.当連結会計年度の連結損益計算書に計上されている移転した事業に係る損益の影響額
売上高 2,670百万円
営業損失 490百万円
5.継続的関与の概要
パワーインダクター事業関連製品の製造販売に関する業務受託をしています。
(収益認識関係)
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
顧客との契約から生じる収益を分解した情報は、「(セグメント情報等)」に記載しています。
2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
顧客との契約について、当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき収益を認識しています。
ステップ1:契約の識別
ステップ2:履行義務の識別
ステップ3:取引価格の算定
ステップ4:履行義務への取引価格の配分
ステップ5:履行義務の充足による収益の認識
当社グループの主要な事業における収益を理解するための基礎となる情報は、以下のとおりです。
(1)コンポーネント事業及びセンサー・コミュニケーション事業
コンポーネント事業は、スイッチ類、アクチュエーター、ハプティック等の電子部品の製造及び販売を行っています。センサー・コミュニケーション事業は、センサー、通信デバイス等の電子部品の製造及び販売を行っています。これらの製品の販売については、製品の引渡時点で当該製品に対する支配が顧客に移転し、履行義務が充足されると判断されることから、主として製品を引き渡した時点としています。
当社グループは、販売した製品に欠陥が見つかった際は、当社グループの責任である部分について修理や取替等を行っています。当該保証は顧客との契約に定められた仕様に従っているという保証を顧客に提供するものであり、別個のサービスを提供するものではないことから、独立した履行義務とは識別していません。また、返品、返金及びその他の類似の義務について、金額的に重要なものはありません。
取引の対価は履行義務の充足後、主として3ヶ月以内に受領しており、重要な金融要素はありません。
取引価格は、顧客との契約に基づき、顧客と約束した対価を基礎として算定されています。顧客と約束した対価に変動対価が含まれる場合、その不確実性が解消される時点までに計上された収益の著しい減額が発生しない可能性が高い範囲で取引価格に含めています。価格交渉を毎年定期的に行っている一部の顧客との取引で、通常の価格改定時期を過ぎても交渉が妥結しないケースや、新製品の販売時点で価格の交渉が決着せず、仮単価で収益を認識しているケースに関しては、交渉妥結後に通常の改定時期又は販売時点以降の対価が遡及修正されることがあります。こうした取引のうち、期末時点でも交渉が妥結していないものに関して、期末時点での交渉状況に基づく最頻値法による変動対価の見積りを行った上で収益の金額を修正しています。なお、上記以外に重要な変動対価はありません。
コンポーネント事業及びセンサー・コミュニケーション事業における製品の販売は単一の履行義務のため、他の履行義務への取引価格の配分は行っていません。
(2)モジュール・システム事業
①モジュール・システム製品の製造及び販売
モジュール・システム事業は、車載モジュール、情報通信機器(インフォテインメント、ディスプレイ)、サウンド等の製品の製造及び販売を行っています。これらの製品の販売については、製品の引渡時点で当該製品に対する支配が顧客に移転し、履行義務が充足されると判断されることから、主として製品を引き渡した時点としています。
当社グループは、販売した製品に欠陥が見つかった際は、当社グループの責任である部分について修理や取替等を行っています。当該保証は、「② 付随サービスの提供」に記載した追加的な製品保証サービスを除き、顧客との契約に定められた仕様に従っているという保証を顧客に提供するものであり、別個のサービスを提供するものではないことから、独立した履行義務とは識別していません。返品、返金その他の類似の義務について、金額的に重要なものはありません。
取引の対価は履行義務の充足後、主として3ヶ月以内に受領しており、重要な金融要素はありません。
取引価格は、顧客との契約に基づき、顧客と約束した対価を基礎として算定されています。なお、顧客と約束した対価に変動対価が含まれる場合、その不確実性が解消される時点までに計上された収益の著しい減額が発生しない可能性が高い範囲で取引価格に含めています。価格交渉を毎年定期的に行っている顧客との取引で、通常の価格改定時期を過ぎても交渉が妥結しないケースや、新製品の販売時点で価格の交渉が決着せず、仮単価で収益を認識しているケースに関しては、交渉妥結後に通常の改定時期又は販売時点以降の対価が遡及修正されることがあります。こうした取引のうち、期末時点でも交渉が妥結していないものに関して、期末時点での交渉状況に基づく最頻値法による変動対価の見積りを行った上で収益の金額を修正しています。なお、上記以外に重要な変動対価はありません。
モジュール・システム事業における製品の販売は、「② 付随サービスの提供」に記載したものを除き、単一の履行義務のため、他の履行義務への取引価格の配分は行っていません。
②付随サービスの提供
モジュール・システム事業における製品販売取引のうち、一部“アルパイン”ブランドの市販ビジネスでは、製品の販売に付随して、カーナビゲーションシステムの地図無償アップデートサービスや追加的な保証サービス(以下、「付随サービス」という。)を提供しています。当該付随サービスは製品販売とは別個の履行義務として識別しており、付随サービスの提供期間にわたり顧客が便益を享受することから、その提供期間にわたり履行義務が充足されるにつれて収益を認識しています。また、顧客から対価を受領した際に契約負債を計上し、付随サービスの提供期間にわたって収益が認識されるにつれて当該契約負債を取り崩しています。
付随サービスに関しては、将来の役務に対する対価を製品の販売時に事前に受け取っているものの、履行義務の現金販売価格と実際に受領する対価に重要な差異がないと考えられることから、重要な金融要素は存在しません。
取引価格は、顧客との契約に基づき、顧客と約束した対価を基礎としており、重要な変動対価はありません。
製品販売及び付随サービスの取引価格は、独立販売価格の比率に基づいて各履行義務に配分しています。付随サービスの独立販売価格は予想発生費用を元に見積もっており、これと製品の独立販売価格の比率を用いて、それぞれの履行義務に係る取引価格を算出し、取引価格を各履行義務に配分しています。
(3)その他事業
その他事業においては、主にシステムソリューションの提供や、オフィスサービス等を行っています。
システムソリューションの提供やオフィスサービス等については、サービスの提供期間にわたり顧客が便益を享受することから、一定期間にわたり充足される履行義務とみなし、サービスの提供期間にわたって収益を認識しています。なお、サービスの提供前に顧客から対価を受領した際は契約負債を計上し、サービスの提供期間にわたって収益が認識されるにつれて当該契約負債を取り崩しています。
サービスに対する保証、返品、返金及びその他の類似の義務については、金額的に重要なものはありません。
取引の対価は履行義務の充足後、主として2ヶ月以内に受領していますが、サービスの提供前に一括して対価の受領がされるケースがあります。この場合、履行義務の現金販売価格と実際に受領する対価に重要な差異が存在しないため、重要な金融要素はありません。
取引価格は、顧客との契約に基づき、顧客と約束した対価を基礎としており、重要な変動対価はありません。
その他事業における履行義務は単一の履行義務のため、他の履行義務への取引価格の配分は行っていません。
3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から、翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
(1)顧客との契約から生じた債権及び契約負債の残高等
顧客との契約から生じた債権及び契約負債の内訳は以下のとおりです。
(単位:百万円)
顧客との契約から生じた債権以外の受取手形及び売掛金は主に金融・リース事業に係るものであり、その金額に重要性がないため、顧客との契約から生じた債権に含めて開示を行っています。
契約負債は、主にモジュール・システム事業における付随サービス、及びその他事業におけるシステムソリューションの提供により生じています。これらの詳細については、「2. 顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報」を参照ください。
なお、当社グループでは契約資産を生じさせる取引はありません。
前連結会計年度に認識された収益の額のうち、期首の契約負債残高に含まれていた額は、1,986百万円です。
当連結会計年度に認識された収益の額のうち、期首の契約負債残高に含まれていた額は、2,238百万円です。
(2)残存履行義務に配分した取引価格
残存履行義務に配分した取引価格の総額及び収益の認識が見込まれる期間は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社の事業セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社は、製品・サービス別のグループ会社を持ち、当社及び各グループ会社は、取り扱う製品・サービスについて包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。
当社は、製品の種類及び販売市場の共通性を考慮した製品・サービス別のセグメントから構成され、「コンポーネント事業」、「センサー・コミュニケーション事業」、「モジュール・システム事業」の3つを報告セグメントとしています。
「コンポーネント事業」は、スイッチ類、アクチュエーター、ハプティック等の電子部品を製造、販売しています。「センサー・コミュニケーション事業」は、センサー、通信デバイス等の電子部品を製造、販売しています。「モジュール・システム事業」は、車載モジュール、情報通信機器(インフォテインメント、ディスプレイ)、サウンド等の製品を製造、販売しています。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一です。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。セグメント間の内部売上高及び振替高は取引高の実績に基づいています。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、システムの開発、オフィスサービス、金融・リース事業等を含んでいます。
2.調整額は、以下のとおりです。
(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△170百万円は、セグメント間取引消去です。
(2)セグメント資産の調整額250,590百万円は、全社資産279,694百万円、セグメント間取引消去△29,103百万円です。全社資産の主なものは、当社及び一部グループ会社の余資運用資金(現金及び預金並びに有価証券)、長期投資資金(投資有価証券)、土地等です。
3.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。
4.外部顧客への売上高は、顧客との契約から生じる収益及びその他の収益が含まれています。その他の収益は主に金融・リース事業に係るものであり、その金額に重要性はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、システムの開発、オフィスサービス、金融・リース事業等を含んでいます。
2.調整額は、以下のとおりです。
(1)セグメント利益又は損失(△)の調整額△52百万円は、セグメント間取引消去です。
(2)セグメント資産の調整額254,093百万円は、全社資産280,628百万円、セグメント間取引消去△26,534百万円です。全社資産の主なものは、当社及び一部グループ会社の余資運用資金(現金及び預金並びに有価証券)、長期投資資金(投資有価証券)、土地等です。
3.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っています。
4.外部顧客への売上高は、顧客との契約から生じる収益及びその他の収益が含まれています。その他の収益は主に金融・リース事業に係るものであり、その金額に重要性はありません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2) 有形固定資産
3.主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
(2) 有形固定資産
3.主要な顧客ごとの情報
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
金額的重要性が低いため、記載を省略しています。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。
(関連当事者情報)
1.関連当事者との取引
(1)連結財務諸表提出会社と関連当事者の取引
連結財務諸表提出会社の役員及び個人主要株主等
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)譲渡制限付株式報酬制度に伴う、金銭報酬債権の現物出資によるものです。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)譲渡制限付株式報酬制度に伴う、金銭報酬債権の現物出資によるものです。
(2)連結財務諸表提出会社の連結子会社と関連当事者との取引
該当事項はありません。
2.親会社又は重要な関連会社に関する注記
(1)親会社情報
該当事項はありません。
(2)重要な関連会社の要約財務諸表
当連結会計年度において、重要な関連会社はありません。
前連結会計年度において、重要な関連会社は(株)アルプス物流及びNEUSOFT REACH AUTOMOTIVE TECHNOLOGY (SHANGHAI) CO., LTD.であり、その要約連結財務情報は以下のとおりです。
(1株当たり情報)
なお、前連結会計年度の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載していません。
(注)1.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりです。
2.1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりです。
(重要な後発事象)
(自己株式の取得及び消却)
当社は、2025年4月30日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき自己株式取得に係る事項、及び会社法第178条の規定に基づき自己株式消却に係る事項について決議しました。
1.自己株式の取得及び消却を行う理由
株主還元策の一環として1株当たりの価値の向上、及び資本効率の向上を目的として自己株式の取得及び消却を行います。
2.取得に係る事項の内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 2,000万株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合9.73%)
(3)株式の取得価額の総額 200億円(上限)
(4)取得期間 2025年5月1日 ~ 2026年3月31日
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
3.消却に係る事項の内容
(1)消却する株式の種類 当社普通株式
(2)消却する株式の総数 上記2.により取得した自己株式の全株式数
(3)消却予定日 2026年4月30日
(参考)
2025年3月31日時点の自己株式の保有状況
発行済株式総数(自己株式を除く) 205,652,636株
自己株式数 13,628,814株
⑤【連結附属明細表】
【社債明細表】
該当事項はありません。
【借入金等明細表】
(注)1.「平均利率」については、借入金の期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
2.リース債務の平均利率を記載していないのは、利子込法を採用しているためです。
3.長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く)の連結決算日後5年内における返済予定額は次のとおりです。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、作成を省略しています。
(2)【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.有価証券の評価基準及び評価方法
(1)子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法を採用しています。
(2)その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
期末決算日の市場価格等に基づく時価法を採用しています。
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算出しています。)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法を採用しています。
2.デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法を採用しています。
3.棚卸資産の評価基準及び評価方法
(1)商品及び製品、仕掛品、原材料
総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しています。
(2)貯蔵品
最終仕入原価法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)を採用しています。
4.固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しています。
なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
建物 3~50年
機械及び装置 1~9年
工具、器具及び備品 1~15年
金型 1~5年
(2)無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しています。ただし、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(5~10年)に基づく定額法を採用しています。市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売数量に基づく償却額と残存見込販売有効期間に基づく均等償却額とのいずれか大きい金額を計上する方法を採用しています。
(3)リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却の方法と同一の方法を採用しています。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数として、残存価額を零とする定額法を採用しています。
(4)長期前払費用
定額法を採用しています。
5.外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。
6.引当金の計上基準
(1)貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2)賞与引当金
従業員の賞与の支給に備えて、支給見込額のうち当事業年度の負担額を計上しています。
(3)役員賞与引当金
役員賞与の支給に備えて、支給見込額のうち当事業年度の負担額を計上しています。
(4)製品保証引当金
販売した製品に係るクレーム費用の発生に備えるため、当該費用の発生額を個別に見積り計上しています。
また、個別に見積り計上していない製品保証費用は、売上高に対する過去の実績率に基づき、当該費用の発生見込額を計上しています。
(5)棚卸資産損失引当金
仕入先の所有する棚卸資産を当社が購入することに伴い発生する損失に備えるため、当社が負担することとなる損失の見積額を引当計上しています。
(6)退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しています。
退職給付債務の算定に際し、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準に基づいています。
過去勤務費用は、発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(1年)による按分額を費用処理しています。
数理計算上の差異は、発生時の従業員の平均残存勤務期間の年数(主に13~15年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しています。
なお、当事業年度末においては、一部の退職年金制度について、退職給付引当金が借方残高となったため、前払年金費用として計上しています。
(7)環境対策費用引当金
土壌汚染対策や有害物質の処理等の環境対策に係る費用に備えるため、今後発生すると見込まれる金額を引当計上しています。
7.ヘッジ会計の方法
(1)ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によるヘッジ会計を行っています。
(2)ヘッジ手段とヘッジ対象
(3)ヘッジ方針
先物為替予約取引は、外貨建取引の為替変動リスクを回避する目的で実施しており、取引額は現有する外貨建債権債務及び売上・仕入予定額の範囲に限定しています。
(4)ヘッジ有効性評価の方法
先物為替予約取引については、為替の変動の累計を比率分析する方法によっています。
8.退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっています。
9.重要な収益及び費用の計上基準
顧客との契約について、当社は、以下の5ステップアプローチに基づき収益を認識しています。
ステップ1:契約の識別
ステップ2:履行義務の識別
ステップ3:取引価格の算定
ステップ4:履行義務への取引価格の配分
ステップ5:履行義務の充足による収益の認識
当社の主要な事業における収益を理解するための基礎となる情報は、以下のとおりです。
(1)コンポーネント事業及びセンサー・コミュニケーション事業
コンポーネント事業は、スイッチ類、アクチュエーター、ハプティック等の電子部品の製造及び販売を行っています。センサー・コミュニケーション事業は、センサー、通信デバイスの電子部品の製造及び販売を行っています。これらの製品の販売については、顧客に製品を引き渡した時点で収益を認識しています。
(2)モジュール・システム事業
モジュール・システム事業は、車載モジュール、情報通信機器(インフォテインメント、ディスプレイ)、サウンド等の製品の製造及び販売を行っています。これらの製品の販売については、顧客に製品を引き渡した時点で収益を認識しています。
(重要な会計上の見積り)
1.固定資産の減損
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
モジュール・システム事業の車載モジュール
モジュール・システム事業の情報通信機器
当事業年度において、モジュール・システム事業の車載モジュール及び情報通信機器の将来キャッシュ・フローの現在価値が当社の保有する事業用固定資産の帳簿価額を下回ることになったため、車載モジュールにおいて減損損失を1,590百万円、情報通信機器において減損損失を2,078百万円計上しています。なお、詳細は「(損益計算書関係)※5 減損損失」を参照ください。
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
① 算出方法
当事業年度において、モジュール・システム事業の車載モジュール及び情報通信機器については、営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなったため、減損の兆候があると判断しました。当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローがその帳簿価額を下回っていることから、減損損失を認識しました。将来キャッシュ・フローの現在価値から回収可能価額を見積り、車載モジュールにおいて減損損失を1,590百万円、情報通信機器において減損損失を2,078百万円計上しました。
これらの事業における事業計画は、主に顧客・製品別にまとめた受注予測、予測されている限界利益率及び固定費を前提として策定しています。また、中国市場における当社主要顧客である日本・北米・欧州自動車メーカーの低迷に伴う製品販売数量への影響、部材高騰の長期化やインフレの継続といった事業環境下における目標とする原価改善の達成状況、米国の関税政策による影響についても考慮しています。
② 主要な仮定
「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)1.固定資産の減損」に記載した内容と同一です。
③ 翌事業年度の財務諸表に与える影響
「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)1.固定資産の減損」に記載した内容と同一です。
2.繰延税金資産の回収可能性
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)2.繰延税金資産の回収可能性」に記載した内容と同一です。
(会計方針の変更)
(「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用)
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下、「2022年改正会計基準」という。)を当事業年度の期首から適用しています。
法人税等の計上区分に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱い及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日)第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いに従っています。なお、これによる財務諸表に与える影響はありません。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権債務
2 偶発債務
債務保証
当社は、下記の関係会社について、決済サービス、出店契約及び関税に対して債務保証を行っています。
3 当社は、流動性を確保し、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関4社と貸出コミットメント契約を締結しています。当事業年度末における貸出コミットメントに係る借入未実行残高等は次のとおりです。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引に係るものが次のとおり含まれています。
※2 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度10%、当事業年度10%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度90%、当事業年度90%です。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりです。
※3 関係会社株式売却益
当社は、「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益及び包括利益計算書関係)」に記載のとおり関係会社である(株)アルプス物流が実施する自己株式取得に応じてアルプス物流株式の全てを70,721百万円で売却していますが、先んじて(株)アルプス物流の議決権を100%保有することとなったLDEC(株)の株式(議決権比率20%)を30,702百万円で取得し、LDEC(株)を関係会社としています。
売却原価は株式売却直前の(株)アルプス物流の株式簿価を譲渡部分と残存部分の時価の比率で按分し算出し、売却に伴う手数料等を控除した結果、これに伴い発生した関係会社株式売却益35,049百万円を特別利益に計上しています。
※4 事業譲渡益
当事業年度において、当社はパワーインダクター事業をDELTA ELECTRONICS INC.グループに譲渡しました。これに伴い発生した事業譲渡益6,541百万円を特別利益に計上しています。
本件詳細については、「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」を参照ください。
※5 減損損失
事業用資産については、管理会計上の区分を基準として、資産グルーピング単位を決定しています。処分予定資産及び遊休資産については、物件ごとに収支管理が可能であるため、個々に独立した単位としています。
なお、当社は以下の資産について減損損失を計上しました。
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
主にモジュール・システム事業を構成するモジュール製品及びセンサー・コミュニケーション事業に含まれる一部車載市場向け製品に係る事業用固定資産について、新製品の生産立ち上げに伴うコストの増加が想定以上に継続することに加え、これら製品に係る収益構造良化に時間を要する見込みとなり、その最新状況を将来キャッシュ・フローの見積りに反映した結果、将来キャッシュ・フローの現在価値が当社の保有する事業用固定資産の帳簿価額を下回ったため、事業用固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額(モジュール・システム事業4,267百万円、センサー・コミュニケーション事業554百万円)を減損損失として特別損失に計上しています。
また、他の事業用資産については、事業環境の悪化により、これらの資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額(543百万円)を減損損失として特別損失に計上しています。これらの事業用資産の減少額の内訳は、機械及び装置1,713百万円、工具器具備品及び金型1,541百万円、ソフトウェア1,199百万円、建設仮勘定855百万円、その他54百万円です。
なお、事業用資産の回収可能価額は、使用価値を使用しており、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスであるため、回収可能価額を零と測定しています。
処分予定資産及び遊休資産については、時価の下落等資産価値が下落しているものや今後の使用見込みがないものについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額(136百万円)を減損損失として特別損失に計上しています。その内訳は、土地64百万円、建物54百万円、その他16百万円です。
処分予定資産の回収可能価額は、売却予定のものは売却価額とし、それ以外は零として算定しています。
また、遊休資産の回収可能価額は、不動産鑑定評価基準に基づいて算定された正味売却価額により評価しています。
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
事業用資産については、主にモジュール・システム事業及びセンサー・コミュニケーション事業に含まれる通信デバイスに係る事業用固定資産について、事業用固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額(モジュール・システム事業5,023百万円、センサー・コミュニケーション事業1,253百万円)を減損損失として特別損失に計上しています。また、他の事業用資産についても、事業環境の悪化により、これらの資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額(92百万円)を減損損失として特別損失に計上しています。これらの事業用資産の減少額の内訳は、機械及び装置2,349百万円、工具、器具及び備品1,698百万円、建設仮勘定1,294百万円、ソフトウェア899百万円、その他128百万円です。
なお、事業用資産の回収可能価額は、使用価値を使用しており、使用価値算定に当たり割引率は7.58%を使用していますが、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスである場合は、回収可能価額を零と測定しています。
処分予定資産については、時価の下落等資産価値が下落しているものや今後の使用見込みがないものについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額(2,154百万円)を減損損失として特別損失に計上しています。その内訳は、土地1,530百万円、建物323百万円、建設仮勘定195百万円、その他104百万円です。
処分予定資産の回収可能価額は、売却予定のものは正味売却価額とし、それ以外は零として算定しています。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2024年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等
当事業年度(2025年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しています。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に
関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれら
に関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
4.法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
税法の改正に伴い、2026年4月1日以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に
ついては、法定実効税率を30.4%から31.3%に変更して計算しています。
この変更により、当事業年度の繰延税金負債(繰延税金資産の金額を控除した金額)が34百万円増加し、その他
有価証券評価差額金が34百万円減少しています。
(収益認識関係)
「1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(収益認識関係)2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報」に記載した内容と同一です。
(重要な後発事象)
(自己株式の取得及び消却)
当社は、2025年4月30日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき自己株式取得に係る事項、及び会社法第178条の規定に基づき自己株式消却に係る事項について決議しました。
詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」を参照ください。
④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注)1.「当期減少額」の( )は内書きで、減損損失の計上額です。
2.「減価償却累計額」には、減損損失累計額が含まれています。
3.有形固定資産の主な増加要因は以下のとおりです。
4.無形固定資産の主な増加要因は以下のとおりです。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3)【その他】
該当事項はありません。
第6【提出会社の株式事務の概要】
第7【提出会社の参考情報】
1【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
第二部【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。