第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注)1 2022年度より国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しています。
2 希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
(注)1 2022年度の諸数値については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
3 2021年3月期の自己資本利益率及び株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失が計上されているため記載していません。
4 2021年3月期に、従来、決算日が12月31日であった連結子会社6社の決算日を3月31日に変更又は連結決算日に仮決算を行う方法に変更しました。これにより、2021年3月期は連結子会社6社の決算対象期間が15ヶ月(2020年1月~2021年3月)となる変則決算となっています。
5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年3月期の期首から適用しており、2022年3月期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
2 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
3 2021年3月期及び2024年3月期の自己資本利益率、株価収益率及び配当性向については、当期純損失が計上されているため記載していません。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年3月期の期首から適用しており、2022年3月期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
5 2021年10月1日付で当社の車両事業及びモーターサイクル&エンジン事業(現・パワースポーツ&エンジン事業)を会社分割の方法により川崎車両株式会社及びカワサキモータース株式会社へ承継させたことに伴い、2022年3月期第3四半期より両事業の数値は含まれていません。
6 2025年3月期の1株当たり配当額150円のうち、期末配当額80円については、2025年6月26日開催予定の定時株主総会の決議事項となっています。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、当社(提出会社)、子会社132社及び関連会社(共同支配企業を含む)28社により構成されており、当社を中心として航空宇宙システム事業、車両事業、エネルギーソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業、パワースポーツ&エンジン事業及びその他事業を営んでいます。これらの6事業区分はセグメント情報の報告セグメントの区分と同一です。
当社グループの主な事業内容と当社及び主要関係会社の位置づけを概説すれば、以下のとおりです。
[主な事業内容]
航空宇宙システム事業
航空機、航空機用エンジン、宇宙関連機器等の製造・販売
車両事業
鉄道車両、除雪機械等の製造・販売
エネルギーソリューション&マリン事業
エネルギー関連機器・システム、水素関連設備、舶用推進関連機器・システム、プラント関連機器・システム、船舶、破砕機等の製造・販売
精密機械・ロボット事業
油圧機器、産業用ロボット等の製造・販売
パワースポーツ&エンジン事業
二輪車、オフロード四輪車(SxS、ATV)、パーソナルウォータークラフト(PWC)「ジェットスキー」、汎用ガソリンエンジン等の製造・販売
その他事業
商業、販売・受注の仲介・斡旋、福利施設の管理等
[当社及び主要関係会社の位置づけ]
航空宇宙システム事業
当社で製造・販売を行っているほか、日本飛行機㈱(連結子会社)が独自に製造・販売並びに製造の一部分担を行っています。
車両事業
川崎車両㈱(連結子会社)で製造・販売を行っているほか、海外向け鉄道車両についてはKawasaki Rail Car, Inc.(連結子会社)が一部の製造・販売を、Kawasaki Rail Car Lincoln, Inc.(連結子会社)が一部の製造を行っています。
エネルギーソリューション&マリン事業
当社で製造・販売を行っているほか、川重冷熱工業㈱(連結子会社)がボイラ及び空調機器の製造・販売を独自に行い、㈱カワサキマシンシステムズ(連結子会社)が産業用ガスタービンの販売を、㈱アーステクニカ(連結子会社)が破砕機等の製造・販売を、安徽海螺川崎工程有限公司(持分法適用関連会社)他が産業機械、環境装置等の製造・販売を、南通中遠海運川崎船舶工程有限公司、大連中遠海運川崎船舶工程有限公司(いずれも持分法適用関連会社)が独自に船舶の製造・販売を行っています。
精密機械・ロボット事業
当社で製造・販売を行っているほか、Flutek, Ltd. (連結子会社)他が油圧機器の製造・販売を、川崎精密機械(蘇州)有限公司(連結子会社)他が製造を、川崎精密機械商貿(上海)有限公司(連結子会社)他が販売を独自に行っています。また、Kawasaki Robotics (USA) Inc.、川崎機器人(昆山)有限公司、川崎機器人(天津)有限公司(いずれも連結子会社)他が産業用ロボットを、㈱メディカロイド(持分法適用関連会社)が医療用ロボットの製造・販売を行っています。
パワースポーツ&エンジン事業
カワサキモータース㈱(連結子会社)で製造・販売を行っているほか、製造については二輪車、オフロード四輪車(SxS、ATV)、PWC「ジェットスキー」、汎用ガソリンエンジンをKawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.A.、Kawasaki Motores de Mexico S.A. de C.V.、Kawasaki Motors Enterprise (Thailand) Co., Ltd.(いずれも連結子会社)他がそれぞれ製造しています。また、販売面においては、国内向け二輪車他を㈱カワサキモータースジャパン(連結子会社)が、海外向け二輪車他をKawasaki Motors Corp., U.S.A.、Kawasaki Motors Europe N.V.、Kawasaki Motors (Phils.) Corporation、PT. Kawasaki Motor Indonesia(いずれも連結子会社)他が、それぞれ販売しています。
その他事業
川重商事㈱(連結子会社)他が商業を、㈱カワサキライフコーポレーション(連結子会社)他が商業及び福利施設管理等の諸事業を営んでいます。
以上で述べた事項を事業系統図によって示せば、次のとおりです。

(注) 1 実線枠は連結子会社、点線枠は持分法適用関連会社であり、主要な会社のみ記載しています。
2 他3社は安徽海螺川崎装備製造有限公司、安徽海螺川崎節能設備製造有限公司、上海海螺川崎節能環保工程有限公司です。
4 【関係会社の状況】
(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、事業セグメントに記載された名称を記載しています。
2 「議決権の所有割合欄」の(内書)は間接所有です。
3 特定子会社です。
4 Kawasaki Motors Corp., U.S.A.については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。
主要な損益情報等 ① 売上収益 348,106百万円
② 税引前利益 4,336
③ 当期利益 1,416
④ 資本合計 57,056
⑤ 資産合計 318,424
5 ㈱メディカロイドは債務超過の状況にある会社であり、債務超過額は13,801百万円です。
6 当社は、2025年4月1日に、カワサキモータース㈱の発行済株式の20%をカワサキモータース㈱に譲渡するとともに、カワサキモータース㈱が伊藤忠商事㈱に対して第三者割当を行い、発行済株式の20%の割り当てを行いました。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 32.後発事象」をご参照下さい。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員のみを対象としています。なお、臨時従業員数については従業員総数の100分の10未満であるため記載を省略しています。
2 従業員数は再雇用従業員を含みます。
(2) 提出会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員のみを対象としています。なお、臨時従業員数については従業員総数の100分の10未満であるため記載を省略しています。
2 従業員数は再雇用従業員を含みます。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含みます。
(3) 労働組合の状況
当社の労働組合は、川崎重工労働組合と称し、上部団体は日本基幹産業労働組合連合会(略称 基幹労連)です。
また、組合とは信頼関係を基礎に労働協約を締結し、労働条件や安全衛生、その他労使間の重要問題について経営協議会・労働協議会・安全衛生協議会等を開催し、相互の理解と隔意ない意見交換により円満に解決を図っています。
なお、当連結会計年度、連結会社において労働組合との間に特記すべき事項等は生じていません。
(4) 従業員の多様性に関する指標
従業員の多様性に関する指標については、以下のとおりです。
なお、当社グループの多様性に関する取組については「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 戦略並びに指標及び目標 ③ 多様な人財が個性と能力を最大限発揮する環境整備」をご参照下さい。
①提出会社及び常用雇用労働者数301名以上の国内連結子会社
2025年3月31日現在
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3 「労働者の男女の賃金の差異」の算出に当たり、「全労働者」及び「パート・有期労働者」の人員数について労働時間をもとに換算して算出しています。
4 育児休業取得事由に該当する従業員はいません。
5 パート・有期労働者に該当する男性又は女性従業員はいません。
②常用雇用労働者数300名以下で女性活躍推進法により該当指標を公表している国内連結子会社
2025年3月31日現在
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3 「労働者の男女の賃金の差異」の算出に当たり、「全労働者」及び「パート・有期労働者」の人員数について労働時間をもとに換算して算出しています。
4 育児休業取得事由に該当する従業員はいません。
5 パート・有期労働者に該当する男性又は女性従業員はいません。
男女の賃金差異の主要因は、女性管理職や上位職層の女性比率の低さ等にあり、女性管理職比率の引上げ、上位職層への女性登用拡大を含むジェンダー格差解消に取り組んでいます。2025年度より、階層別育成プログラムを導入し、女性の育成・登用に向けた施策を更に強化してまいります。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
[経営の基本方針]
当社グループは、カワサキグループ・ミッションステートメントにおいて、「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」をグループミッションとして掲げ、最先端の技術で新たな価値を創造し、顧客や社会の可能性を切り拓く企業グループを目指しています。
また、「選択と集中」「質主量従」「リスクマネジメント」を指針とし、資本コストを上回る利益を安定的に創出するとともに、社会課題に対するソリューションの提供を通じてSDGs達成に貢献すべく、経済的価値・社会的価値の2つの軸で企業価値を高める経営を推進していきます。
[中長期的な会社の経営戦略・対処すべき課題]
「グループビジョン2030」は今年で制定5年目となり、その実現に向けて各種施策を推進しています。既存事業の強化、事業間シナジー促進による将来の柱となる新事業育成、更に選択と集中を行って事業ポートフォリオの変革を実現し、持続的な成長を追求しています。
進捗状況の詳細は、当社Webサイト「グループビジョン2030進捗報告会」をご参照下さい。
https://www.khi.co.jp/groupvision2030/archive.html
《注力するフィールド》
新たな時代の社会課題を見据え、様々なソリューションをタイムリーに提供するために、以下の3つのフィールドに注力しています。地球環境問題や高齢化社会・労働力不足への対応等に加え、昨今では防衛・防災・資源・食料の観点から国家の安全保障に対する関心が高まっており、これらの重要課題に対しても当社のソリューションを最大限に活かす取組を加速しています。
取組の詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 戦略並びに指標及び目標 ① 事業を通じて創出する社会・環境価値~3つの注力フィールド~」をご参照下さい。
「安全安心リモート社会」-安全安心の新しい価値を創出
医療・ヘルスケア、介護、ものづくり、産業インフラなど様々な分野で、当社グループが持つ遠隔操作・情報技術、ロボティクス技術等を用いて、リモート社会の実現によりすべての人々が社会参加できる新しい働き方・暮らし方を提案しています。また防衛・防災分野においても、様々なリモート技術を開発する等、安全かつ安心して暮らせる社会の実現に積極的に取り組んでいます。
「近未来モビリティ」-新しい輸送システムで人とモノの移動を変革
物流量の増加や少子高齢化に伴う労働力不足の中で、新しい輸送・移動手段を提案し、豊かでスマートかつシームレスな移動が可能な社会を創造します。
「エネルギー・環境ソリューション」-クリーンエネルギーの安定供給に向けて
世界ではエネルギー源として、液化天然ガス(LNG)に回帰する動きも見られますが、将来的にはカーボンニュートラルの実現に向けて水素の導入が進むと考えており、またエネルギー安全保障の観点からも、2030年以降の液化水素サプライチェーンの商用化に向けて、日本政府の協力を得ながら全社一丸となって取り組んでいます。
《成長シナリオ》
「グループビジョン2030」の成長シナリオに沿って、初期段階は精密機械・ロボットやパワースポーツ&エンジン等の量産系事業が収益を支えてきました。現在は航空宇宙システムやエネルギーソリューション&マリンの需要回復により、受注系事業が中長期的な稼ぎ頭として軸となり、車両事業も安定して黒字を出せる体質となった結果、昨年度は受注・売上・利益・配当、すべてにおいて過去最高を更新しました。グループビジョン2030の目標として掲げる事業利益率10%超の達成に向け、順調に伸長しています。
そして、新しい社会の創出に向けて、水素事業では政府の支援(Green Innovation基金)による液化水素サプライチェーンプロジェクトを皮切りにマーケットを順調に成長させ、医療・介護・ソーシャルロボット事業、近未来モビリティ等をはじめとする新規事業についてもマーケットの拡大と安定した成長軌道を描くことを目指します。そのためにも政府や自治体、他企業、研究機関との連携を進めるべく、2024年11月に東京-羽田にソーシャルイノベーション共創拠点「CO-CREATION PARK – KAWARUBA」を開設しました。約半年で2,000名超の来場者があり、多様なパートナーとともに、社会課題起点で新たなソリューション開発を進めています。
成長シナリオを支える仕組みとしては、デジタル・トランスフォーメーション(DX)と人財育成を重視しています。DXにおいてはAI活用等を推進し、業務プロセスの見える化・効率化により、新たなソリューションの創出と経営の意思決定のスピードアップ、更には“やりがい”“成長”を実感できる働き方を実現していきます。人財育成においては多様性を尊重し、従業員が個性と能力を発揮する環境整備に取り組み、挑戦し続ける人と組織の実現を目指します。
《コンプライアンス強化に向けて》
昨年、潜水艦修繕事業及び舶用エンジン事業における不正事案が相次いで判明しました。当社グループは、度重なるコンプライアンス違反が判明したことを深刻に受け止め、2024年4月16日に社長を委員長とするコンプライアンス特別推進委員会を立ち上げ、主体的に当社グループの組織風土・ガバナンスにおける課題に向き合い、再発防止策を検討してまいりました。改革の方向性として、「不正ができない仕組みの構築」「不正発見の強化」「組織風土・意識改革」の3つの柱を掲げ、川崎重工グループ一体となって改革に取り組んでいます。
取組の詳細は、第202期事業報告における内部統制システムの運用状況の概要をご参照下さい。
https://www.khi.co.jp/ir/pdf/kaiji_jikou_202.pdf
また、両事案ともに外部有識者からなる特別調査委員会を設置し、コンプライアンス特別推進委員会とも連携しつつ、中立性を担保した上で、事実関係の調査と原因分析、再発防止策の提言を目的とし、類似案件の洗い出し等も含めて、客観的かつ専門的観点から調査を実施しています。
当社グループは、この機会にすべての膿を出し切り、これまでの体制を見直すだけでなく、風土・文化を抜本的に変える覚悟を持ってコンプライアンス・ガバナンス体制を再構築し、再発防止策を徹底していきます。一部の社外取締役をコンプライアンス特別推進委員会のオブザーバーに配置するなどしてその取組を一層強化し、再び皆様からの信頼を得られるよう、全社一丸となって改革に全力で取り組んでまいります。
[経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題]
世界経済は、米国では堅調な雇用・所得環境を背景に底堅く推移しているものの、新たな関税政策による各国の景気減速や経済成長の鈍化への警戒感が強まっています。加えて、長期化する中国経済の停滞や米中関係の緊張といった地政学的リスクの懸念など、先行きは依然として不透明な状況です。
国内においては、好調な雇用・所得環境や設備投資の拡大、インバウンド需要の増加等、内需主導で緩やかな景気回復が見られるものの、米国関税政策及びそれに伴う産業構造の変化や金融資本市場の急激な変動など、先行きの不透明感が高まっています。
このような状況の下、当社グループは収益性の向上に向け、適正な販売価格の実現やコスト競争力の強化、サプライチェーンの多様化に継続的に取り組んでいきます。また、経営資源の投入については、案件の厳選に努めつつも、注力する3つのフィールドについては、スピード感をもって積極的な投資を実行するなど、メリハリのある意思決定を行っていきます。資金面に関しても、前述の収益性向上や投資選別のほか、適正在庫の実現、資産圧縮などの対応策を進めることで、キャッシュ・フロー創出力の強化及び有利子負債の削減に努めていきます。
[経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等]
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を、利益(事業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益)及び税後ROIC※とし、グループ全体として事業利益率を2027年度までに8%、2030年度までに10%超、税後ROICは資本コスト(WACC)+3%以上を目標としています。
これらの経営指標の改善の結果として自己資本利益率(ROE = 親会社の所有者に帰属する当期利益 ÷ 自己資本の期首・期末平均)の向上も図っていきます。
※税後ROIC = (親会社の所有者に帰属する当期利益 + 支払利息 × (1 - 実効税率)) ÷ 投下資本(純有利子負債の期首・期末平均 + 自己資本の期首・期末平均)
[セグメントごとの戦略及び課題]
① 航空宇宙システム事業
・事業拡大に向けた体制整備:旺盛な需要に対応するサプライチェーン及び増産体制の再整備。新たな事業機会獲得に向け業務効率化・生産性の向上を推進。防衛航空機・ヘリコプタの既受注開発案件・量産契約の着実な推進。
・防衛事業に係る活動強化:防衛省が掲げる、防衛力強化に向けた7つの重視分野への取り組み推進。
・市場動向を踏まえた技術戦略の推進:防衛力強化の実現に向けた民生技術の活用を含む技術開発の促進。NEDOグリーンイノベーション基金活用による脱炭素社会に向けた環境技術開発の推進。
② 車両事業
・海外案件の納入スケジュール遵守:ダッカ6号線 2024年度 最終車両引き渡し完了、2025年度 基地設備引き渡し。米国R211 2024年度 最終車両の出車完了(Base契約)、量産車引き渡し開始(Option1契約)、2025年度 最終車両の引き渡し(Base契約)。
・顧客に信頼される品質レベルの達成:仕損じ、手直し費用の削減。国内外拠点でのKPS(Kawasaki Production System)による生産管理の維持。
・部品・サービスの拡販、保守分野の事業拡大:北米向け軌道遠隔監視装置の拡販とサービス提供プラットフォームの構築。国内鉄道事業者向け車両状態監視事業の推進。
③ エネルギーソリューション&マリン事業
・低炭素・脱炭素社会実現に向け貢献する製品の提供:LPG/アンモニア運搬船、高効率ガスタービン/ガスエンジン、ごみ処理施設(省エネ)、舶用ハイブリッド推進システム。
・脱炭素エネルギーへのトランジション製品の展開:液化水素運搬船、水素出荷・受入基地の商用化、舶用水素ボイラ・舶用水素エンジンの開発、低炭素(天然ガス炊き、水素混焼)から脱炭素(水素専焼)に対応できるガスタービン/ガスエンジンを活用した省エネシステムの導入推進、CO2分離回収技術の開発。
④ 精密機械・ロボット事業
油圧事業の発展に向けた施策
・建機向け新製品開発/市場開拓:電動化・自動化に向け、高い制御技術・開発力を活用し市場を開拓。
・アフターセールス事業の強化:過去の販売実績を活かしたアフターセールスの拡大と販売ネットワーク構築・拡大。
・水素関連事業/防衛事業の強化:水素圧縮機、燃料電池システムなどの開発や、当社グループ内向け防衛関連製品の拡充。
ロボット事業の戦略性のある挑戦
・高付加価値領域への集中投資:半導体市場の本格的回復に向けた供給体制整備、及び新分野への事業拡大。
・医療向け事業の強化:「hinotori™」の普及、及び遠隔操作技術等による差別化。
・ブランド力の強化:オープン戦略の推進と協業・共創の拡大、及びソーシャルロボット分野の事業化推進。
⑤ パワースポーツ&エンジン事業
・市場動向に応じた製品の供給:継続的な新機種の投入。機動的な生産・販売計画の変更により製品供給を確保。
・四輪ビジネスの拡大、脱炭素・電動化対応:製品競争力強化に向けた開発投資、外部環境の変化に柔軟に対応するため北米二工場(アメリカ、メキシコ)をフレキシブルに活用。電動・ハイブリッドモデル等あらゆる選択肢を通じてカーボンニュートラル社会の実現に貢献。
・DXを通じた業務改革の推進:デジタル化によるグローバルオペレーションの効率化。デジタル技術活用による開発期間の短縮と効率化。
・キャッシュ・フローの改善:収益力の強化、適正な在庫水準の維持。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 基本方針
当社グループでは、経営におけるサステナビリティの位置づけを明確にするため、「川崎重工グループサステナビリティ経営方針」を制定しています。「グループミッション」の達成に向けて、製品とサービスを通じて社会と環境のサステナビリティに貢献することを企業としての使命と捉え、将来にわたり世界が直面する様々な社会・環境課題に対して革新的な解決策をつくり出すことに挑戦します。また、責任ある企業行動と経営基盤の強化を通じて、持続可能な社会と当社グループの継続的な企業価値向上をともに実現することを目指します。
この方針の下、定期的に事業活動における重要課題(マテリアリティ)を見直し、事業環境とステークホルダーからの要請・期待を踏まえた経営を行うこととしています。2021年度に実施した見直しにおいては、「グループビジョン2030」における3つの注力フィールド「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」を「事業を通じて創出する社会・環境価値」とし、直面する社会課題に対し当社グループが長期で取り組むべき最重要課題と位置づけました。また、「グループミッション」とSDGsとの親和性は極めて高いと考えており、最重要課題と位置づけた3つの注力フィールドそれぞれにおける施策の推進により、事業を通じてSDGsの達成に貢献していきます。
更に、水素事業などを通じて顧客に脱炭素化ソリューションを提供する企業として、バリューチェーンを含めた事業活動における脱炭素化の早期実現を目指すとともに、ビジネスと人権、人財活躍推進、コンプライアンス、技術開発・DXなどを「事業活動を支える基盤」の重要事項と位置づけ、取組を強化していきます。
《川崎重工グループサステナビリティ経営方針》
(2) ガバナンス
当社グループでは、取締役会をグループ全体のサステナビリティ基本方針と基本計画を審議・決定する最高意思決定機関と位置づけています。また、取締役会の監督の下、社長を委員長とする執行側の委員会としてサステナビリティ委員会を設置し、取締役会で定めた基本計画に基づく各種施策を決定し、その進捗状況を取締役会に報告する体制としています。人的資本に関しても、人財マネジメントに関する基本方針・計画の決定は取締役会が行うものとし、特に重要な事項については指名諮問委員会や報酬諮問委員会に意見を求めています。執行側の会議体として全社人財マネジメント委員会を組織し、重要事項を協議・検討するほか、定期的に関係部門を招集し、ディスカッションを行っています。
《取締役会におけるサステナビリティ、人的資本に関する審議テーマ》
取締役会では、各種グループ基本方針を制定し、基本的な考え方や具体的方針を明文化しています。また、「グループビジョン2030」策定以降は、サステナビリティ経営方針の実現に向け、これまで審議してきた環境経営基本計画などに加え、経営基盤強化のための人事制度改革やその運用、取締役のスキル・マトリックスや後継者育成計画、人財の多様性、エンゲージメントなど、人的資本に関する重要なテーマについても実効性の高い議論を行っています。サステナビリティ並びに人的資本に関連して、近年の取締役会で審議・報告されたテーマは下図のとおりです。

《サステナビリティに関するガバナンス体制》
サステナビリティに関する事項は、主に以下の項目についてサステナビリティ委員会で審議・報告を行っています。
1.社会・環境と当社グループ相互の持続可能性の実現、当社グループの企業価値向上に資する各種施策、及びその実行や達成状況に関する事項
2.当社グループの事業活動が社会・環境に及ぼす負の影響の把握とその低減・撲滅に向けた各種施策、及びその実行や達成状況に関する事項
サステナビリティ委員会はカンパニープレジデントや川崎車両㈱社長、カワサキモータース㈱社長、サステナビリティ担当役員、本社各本部長などの委員から構成されます。社外の知見及び意見を委員会の意思決定に反映させる観点から社外取締役も出席し、更に業務執行監査の観点から監査等委員も出席しています。サステナビリティ委員会は原則として年2回以上開催することとしており、2024年度は3回開催し、取締役会へ報告しています。また、サステナビリティに関する企画立案機能を強化し、経営戦略と一体化して推進していくため、企画本部でサステナビリティの統括を行っています。
サステナビリティ推進体制図

《人的資本に関するガバナンス体制》
経営に大きな影響を及ぼす全社的な人財の育成・活用の方針、特に①経営者の育成、②重点施策における人財の活用、③新事業・新製品への人財の投入、④各種人事施策の運用状況などについては全社人財マネジメント委員会で協議・検討しています。
全社人財マネジメント委員会は社長が議長となり、カンパニープレジデントや川崎車両㈱社長、カワサキモータース㈱社長を中心に招集し、年4回開催することとしています。人財マネジメント委員会で協議した内容を反映し、各種施策について経営会議で審議の上、取締役会に報告する体制としています。
また、各種人事施策の詳細立案・策定時の意見収集、全社方針の伝達を目的として本社人事本部がカンパニーの人事・勤労担当部門長を招集し、各種会議体を開催しています。
人財マネジメント体制図

(3) リスク管理
サステナビリティに関するリスクの識別・評価は、サステナビリティ委員会にて実施しており、事業環境とステークホルダーからの要請・期待の変化に対して、リスクと機会の両面から必要な対応について審議・報告を行っています。2024年度は主にサステナビリティ開示規制やESG評価への対応のほか、人権デューデリジェンスに関して議論しました。更に、定期的な重要課題(マテリアリティ)の見直しにおいても、各課題に関するリスク評価を行っています。これらの内容はその重要性に応じて取締役会に報告され、取締役会はサステナビリティ課題への対応状況を監督しています。
また、リスクマネジメント担当部門による全社的リスク管理においても、サステナビリティに関する事項、特にカーボンニュートラルや循環型社会を目指す地球環境に関する事項、新たな価値提供を担う人財と組織強化を目的とした人的資本の確保に関する事項等はリスクモニターの対象としています。これらのリスクについては、主管部門が継続的にリスク評価やモニタリングを行っており、その活動内容は少なくとも年に2回、取締役会に報告されています。2024年度は2回報告を行い、取締役会では対応の方向性を審議した上で、各リスクの対象となる部門へ必要なフィードバックを行っています。
全社的リスク管理に関しては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 <リスク管理体制の整備の状況>」、又は当社Webサイト(https://www.khi.co.jp/sustainability/governance/risk.html)をご参照下さい。
《重要課題(マテリアリティ)》
当社グループでは、多様化するステークホルダーからの期待・要望と事業環境の変化を踏まえ、当社グループの企業活動が社会に与える影響を認識・整理し、2018年に重要課題(マテリアリティ)を特定しました。
更に2021年には、前年に発表した「グループビジョン2030」を受け、重要課題(マテリアリティ)の見直しを行いました。2018年と同様、重要課題(マテリアリティ)は「事業を通じて創出する社会・環境価値」と「事業活動を支える基盤」に大別し、事業を通じた取組を「当社グループが長期で達成すべき最重要課題」と定義し、その事業活動を支える課題を、最重要課題の達成に向けた「基盤項目」と位置づけています。今後も、事業環境や社会からの期待の変化に即し、定期的に重要課題(マテリアリティ)の見直しを行っていきます。
重要課題(マテリアリティ)の特定プロセスのほか、外部有識者のコメントやそれを受けた対応など、詳細は当社Webサイト(https://www.khi.co.jp/sustainability/materiality/task.html)をご参照下さい。
抽出した重要課題(マテリアリティ)のマッピング

(4) 戦略並びに指標及び目標
特定した重要課題(マテリアリティ)の主な事項に関する戦略並びに指標及び目標は以下のとおりです。
①事業を通じて創出する社会・環境価値~3つの注力フィールド~
3つの注力フィールドである「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」は、「事業を通じて創出する社会・環境価値」として、直面する社会課題に対し当社グループが長期で取り組むべき最重要課題と位置づけたものです。詳細は、統合報告書「Kawasaki Report」(次回2025年9月発行予定)(https://www.khi.co.jp/sustainability/library/kawasaki_report/index.html)をご参照下さい。
a) 安全安心リモート社会
医療・ヘルスケア、介護、ものづくり、産業インフラ等様々な分野で、当社グループが持つ遠隔操作・情報技術、ロボティクス技術等を用いて、リモート社会の実現により、すべての人々が社会参加できる新しい働き方・暮らし方を提案しています。また防衛・防災分野においても、様々なリモート技術を開発する等、安全かつ安心して暮らせる社会の実現に積極的に取り組んでいます。
一例として医療・ヘルスケアの分野で、手術支援ロボット「hinotori™」の販売が国内外で進んでおり、また介護現場への機器導入を支援するサービス事業への参入やソーシャルロボットの開発等、課題に寄り添ったソリューション事業に取り組んでいます。更に、食料の分野で安全安心を目指した持続可能な水産養殖システムを開発し、トラウトサーモンの育成試験に成功しました。
・手術支援ロボット「hinotori™」
国内では厚生労働省の承認により適応対象診療科を拡大しているほか、2023年9月のシンガポールにおける販売承認取得を皮切りに、欧州医療機器規則(MDR)に基づくCEマーク認証取得に向けた申請を行うなど、グローバル展開を推進しています。2024年度末時点で国内外累計89施設へ導入、累計9,436症例と着実に実績を積んでいます。
・介護現場に対するソリューション事業
2024年度より、介護施設における介護テクノロジーの導入・活用・定着を促進することで、介護人材不足の社会課題を解決する“介護業務支援サービス”に参入しました。当事業年度は、4施設、6回、延べ300名、300時間以上の介護現場オペレーション計測を行い、様々な介護テクノロジーの改善効果及び投資効果を定量的に提示するサービスを提供しました。更に、厚生労働省、経済産業省、自治体等と連携し、その取組を地域のモデル施設へ展開する活動も推進しています。並行して、介護領域向けソーシャルロボットの社会実装の実現に向けた開発にも着手しており、介護施設の協力を得て認知症の方との会話などの実証試験を行っています。
・水産養殖システム
食料安全保障への貢献を目指した持続可能な水産養殖システムを開発し、2025年4月、事業化に向けたステップとして神戸港海域で実施していたトラウトサーモンの育成試験に成功しました。30㎥の生簀で従来の海面養殖に比べて約4倍にあたる60kg/㎥という、海面養殖としては国内最高レベル(当社調べ)の飼育密度を達成するとともに、高品質なトラウトサーモンの飼育を実現したことで、都市近郊での持続可能な海面養殖実現に向けた重要な成果と捉えています。
b) 近未来モビリティ
物流量の増加や少子高齢化に伴う労働力不足の中で、新しい輸送・移動手段を提案し、豊かでスマートかつシームレスな移動が可能な社会を創造します。
昨年度は無人ヘリコプター「K-RACER」が南海トラフ地震を想定した訓練に参加し、人を介さない「無人物資輸送」に成功しました。また、医療従事者の負担軽減及び業務効率化を目指す取組として、屋内配送用サービスロボット「FORRO」を用いた病院内の自動配送サービスを展開しています。更に、陸海空のモビリティを知り尽くした当社だからこそ提案できるコンセプトモデル、新感覚オフロードパーソナルモビリティ「CORLEO(コルレオ)」と、誰もが自由に快適に移動を楽しむことができる公共交通システム「ALICE SYSTEM(アリス システム)」を大阪・関西万博で展示しています。引き続き、心弾む新たなソリューションの提供にも挑戦し、人とモノの移動を変革していきます。
・無人ヘリコプター「K-RACER」
2023年12月に200kg(日本で開発された無人機では最大)の貨物搭載能力を確認した無人ヘリコプター「K-RACER-X2」は、2025年1月に南海トラフ地震の発生を想定した実動訓練に参加し、無操縦者航空機による物資の荷揚げから荷降ろしまでの一連のプロセスを人の手を介さずに行う「無人物資輸送」に成功しました。今後も各ステークホルダーとの連携を強化し、平時と災害時の両面で安全で新しい物流網を構築することで、激甚化する自然災害への対処能力の向上にも貢献していきます。
・屋内配送用サービスロボット「FORRO(フォーロ)」
藤田医科大学病院では、複数台のロボットとエレベータ・自動ドアを連携した24時間運用により、その効果や信頼性が確認され、2024年4月に正式導入されたほか、多くの病院で導入を視野に入れた実証試験を行っています。
c) エネルギー・環境ソリューション
世界ではエネルギー源として、液化天然ガス(LNG)に回帰する動きも見られますが、将来的にはカーボンニュートラルの実現に向けて水素の導入が進むと考えており、またエネルギー安全保障の観点からも、2030年以降の液化水素サプライチェーンの商用化に向けて、日本政府の協力を得ながら全社一丸となって取り組んでいます。
水素社会実現までの移行期間においては、天然ガスと親和性の高いブルー水素がグリーン水素の普及を支える形で水素導入が進む可能性が高まりつつあり、ブルー水素に必要不可欠なCO2分離・回収・貯蔵の技術等を当社が保有していることから、多くのビジネスチャンスがあると考えています。また、当社は天然ガスだけでなく水素も燃料として利用できるガスタービンやガスエンジンも保有しており、早期に水素社会を実現できるよう各取組を加速します。
・液化水素サプライチェーン構築に向けて
2024年6月、当社とダイムラー・トラック社は、欧州における道路貨物輸送の脱炭素化に向けて「ドイツ向け液化水素サプライチェーンの構築及び欧州における液化水素ステーションの輸送網の構築に向けた協力の覚書」を締結しました。今後、液化水素サプライチェーン構築の検討に加え、液化水素ターミナル、海上輸送、液体水素貯蔵についてもあわせて検討を進め、2030年代早期に欧州への液化水素サプライチェーンの確立を目指します。国内においては、2025年5月、川崎市扇島にて世界初の国際水素サプライチェーンの国内基地の建設に着工しました。出荷/受入両機能を含むこの国内基地と今後建造する液化水素運搬船を用いて、2030年度までに、上流から下流まで国際水素サプライチェーンとしての性能、安全性、耐久性、信頼性、経済性等の商用化に求められる要件を確認します。
・水素燃料の利活用に向けて
2025年4月、主にバス・トラックなどの燃料電池大型商用車向けの大規模水素ステーションに対応する「大容量モデルの油圧ブースター式水素圧縮機(水素供給能力600N㎥/h)の販売活動を開始しました。水素を大流量で迅速かつ、より多くの車両に充填できる大規模水素ステーションの実現のため、水素ステーション内で水素ガスを圧縮する役割を担う水素圧縮機の大容量化を図ります。また、当社播磨工場にて水素液化プラント向け遠心式水素圧縮機「KM Comp-H2」の実証設備建設に着手しました。本装置での実証を通して、液化プロセスを効率化し、水素の供給コスト低減を目指します。
・CO2分離・回収事業の推進
回収したCO2を地中に貯留することで実質的にネガティブエミッションが実現できることから、カーボンニュートラルの実現に向けて、大気中からCO2を直接回収するDAC(Direct Air Capture)への期待が高まっています。当社は長年の潜水艦技術で培ったCO2を回収する技術を応用したDACシステム供給に加え、各種エネルギー事業者と連携を図り、CO2を分離・回収・利用・貯留するCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)サービス事業の展開を目指しています。また、2024年7月には鹿島建設とともに、当社が保有する先進的DAC技術を鹿島らが開発したCO2吸収コンクリート「CO2-SUICOM®(シーオーツースイコム)」の製造に利用するための共同研究を開始しました。
②気候変動への対応
当社グループは、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して1.5℃に抑えるというパリ協定で掲げた目標の実現を目指し、「グループビジョン2030」の下、水素発電を軸とした自主的な取組に加え、省エネルギーの更なる進展、再生可能エネルギーの導入拡大及び廃棄物発電の拡充により、2030年に当社及び国内連結子会社においてカーボンニュートラルを目指します※。更に、当社グループの脱炭素ソリューションを社会や取引先、顧客にも広げ、世の中のカーボンニュートラルの早期実現に貢献していきます。そのために当社グループは高効率の発電設備、水素との混焼ガスタービンなど化石燃料からカーボンニュートラルへの移行(トランジション)に不可欠な製品やサービスを多く取り揃え、この分野でも大きく貢献していきます。
※昨今のエネルギー市場におけるLNGへの回帰傾向や主要パートナーの状況等を踏まえ、カーボンニュートラルの実現
時期について見直しを進めています。

また、激甚化する自然災害に対しては、リスク分析に基づき、事業継続計画(BCP)やサプライチェーンの強靭化などの対策を進めています。気候変動関連のリスクと機会及びそれらがもたらす事業・戦略・財務計画への影響については、2019年に賛同署名したTCFD提言のフレームワークに基づき、分析・評価を行っています。当社は、1.5℃、4℃のシナリオを採用し、「グループビジョン2030」の目指す姿である2030年時点における事業セグメントごとの影響評価と財務インパクト評価を実施していますが、2024年度はその一部見直しを行いました。また、当社グループの2032年度に向けた温室効果ガス削減目標について、国際的な気候変動イニシアティブであるSBTi(Science Based Targets initiative)※より認証を取得しました。
なお、シナリオ分析を含むTCFD提言に基づく情報開示は統合報告書「Kawasaki Report」(次回2025年9月発行予定)(https://www.khi.co.jp/sustainability/library/kawasaki_report/index.html)をご参照下さい。
※SBTi:CDP、国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4団体が共同で
2015年に設立し、科学的根拠に基づく目標設定のベストプラクティスを定義・推進し、企業の目標を独自に評価
する国際的イニシアティブ。
(注) 1.CO2排出量は2023年度実績(KPMGあずさサステナビリティ㈱による検証済)です。最新の情報は当社Webサイト(2025年7月更新予定)(https://www.khi.co.jp/sustainability/esg/data.html)をご参照下さい。
2.Zero-Carbon Readyは、カテゴリー⑪の対応策に記載の取組を示す当社の造語です。
③多様な人財が個性と能力を最大限発揮する環境整備
社会が求める新たな価値を持続的に提供するために人財は最も重要な財産であり、「グループビジョン2030」においても、人的資本の充実は成長シナリオを支える重要な要素と位置づけています。この認識の下、当社グループは人的資本に関する基本方針に則り、多様な人財の獲得・育成、その個性と能力を発揮する環境整備、前向きに挑戦し続ける人と組織の実現に向けて、各種施策を展開しています。なお、各種施策の詳細やその他の取組については、各項目に記載したURLから当社Webサイトをご参照下さい。
《人財育成方針》
社内外の組織の枠・製品の枠を超えて新たな事業領域に挑戦し成果を出す人財を育成するとともに、組織を動機づけ成果を最大化させるための適切なマネジメントが必要と考えています。
そのため、2021年から、自ら高い目標を掲げ覚悟とスピード感をもってやり抜く人財を後押しし評価する「チャレンジ&コミットメント」をコンセプトとする人事制度をスタートさせ、年齢・性別・国籍等の属性に関わらず、期待役割と成果を実現し得る人財を社内外から獲得・配置するとともに、行動特性評価による適正配置や、部課長を対象とした研修を実施しマネジメント層の育成にも取り組んでいます。
また、持続的に事業変革をリードする経営者の育成強化が必要と考えており、経営者に求める素養の可視化、外部アセスメントの活用、社長・副社長による面談などを行い、後継者候補を選定しています。加えて、「Kawasaki経営実戦塾」「Kawasaki経営塾」「Kawasaki経営入門塾」などの経営者育成プログラムを幅広い層を対象に実施し、計画的な経営者育成に取り組んでいます。
人財マネジメント (https://www.khi.co.jp/sustainability/society/h-management.html)
人財開発 (https://www.khi.co.jp/sustainability/society/h-development.html)
《社内環境整備方針》
「グループビジョン2030」の達成と更にその先の飛躍に向けて「枠を超え成長し続けるオープンで自由闊達・創造的なチーム」であり続けるため、より多くの人財が働きがいと働きやすさを実感できる環境づくりが重要と考えてい
人財マネジメント (https://www.khi.co.jp/sustainability/society/h-management.html)
(注)1.エンゲージメントサーベイにおいて、「会社でスキルや経験を発揮できる機会があり、働きやすい環境であるかどうか(働きやすさ)」に関する複数の設問において、肯定的な回答をしている社員の割合。
2.同サーベイにおいて、「会社への貢献意欲・自発的に取り組む姿勢が醸成されているか(働きがい)」に関する複数の設問において、肯定的な回答をしている社員の割合。
《ダイバーシティの促進》
持続的な企業価値の向上を図っていくためには、国籍、性別、年齢、宗教の違いや障がいの有無などに関わらず、世界中で活躍する従業員一人ひとりが持つ能力や特性を存分に発揮でき、それを最大化する組織づくりが重要です。特に、育児・介護と仕事の両立支援を目的に、子どもが3歳に到達するまで取得できる「育児休業」、小学校卒業まで利用できる「短時間勤務制度」、最長3年間取得できる「介護休業」、育児・介護などで必要なときに時間単位で休暇を取れる制度など、国の基準を上回る取組をしています。これらのダイバーシティ推進の積極的な取組が評価され、女性活躍に優れた企業として「なでしこ銘柄」(2014年度)に選定され、「えるぼし」(2016年)や「くるみん」(2010年、2015年)の認定も取得しています。
今後も、新卒採用において事務系総合職の40%以上、技術系総合職の15%以上を目標として女性の積極採用を継続的に推進するとともに、人財育成や環境醸成等の各種施策により女性をはじめとする多様な人財の活躍推進を図ります。また、仕事と育児の両立に対する理解促進や働きやすい職場づくりの一助になると考え、男性育児休業取得率の向上に向けて取り組んでいます。セミナー等による意識改革や制度・環境の整備に加え、DXを活用した業務プロセス改革により育児休業を取得しやすい職場環境を実現し、早期の目標達成を目指します。
当事業年度の主な施策
● DE&I推進に向けた「意識改革プログラム」を人事本部主催で経営陣に対して実施
● LGBTやアンコンシャスバイアスなど「多様性について考えるセミナー」の開催
● 大学と連携した「女性エンジニア養成プログラム」でのワークショップや地元企業との「技術系女性交流会」「女性リーダー育成勉強会」などのイベントを開催
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
(https://www.khi.co.jp/sustainability/society/diversity.html)
《安全・衛生・健康》
当社グループは、従業員が心身ともに健康で安全に働ける環境を提供することを大切にしています。すべての従業員が安心して働けるように、安全・衛生・健康を保持するための労働災害対策・傷病休業対策・生活習慣の改善を推進し、休業災害の発生防止に重点をおいて、休業災害度数率の低減に向けた安全管理活動の改善に努めています。また、労働生産性に影響する生活習慣の6項目を点数化した当社独自指数の「健康スコア」を測定し、健康スコアが平均以下の従業員の6割以上が生活習慣を改善し達成する水準を目標に掲げ、生活習慣の改善に向けた施策に反映しています。休業災害度数率は、2022~2024年の3年平均は目標を達成したものの、2024年は前年より悪化する結果となりました。引き続き、下表の対応策の徹底・強化により改善を目指します。また、安全・健康における長期ビジョンの実現に向けて、安全な設備や作業環境への「安全投資」による災害の低減、従業員の心と身体に対する「健康投資」による労働損失の低減、労働生産性の向上を目指します。
労働安全衛生健康 (https://www.khi.co.jp/sustainability/society/health.html)
(注)今期3年間(2022~2024年)の平均が、直近5年間(2017~2021年)の平均値比9%以上削減することを目標としています。
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。これらのリスクは、経営会議等での審議等を経て抽出しており、取締役会において連結財務諸表での重要性、影響度、網羅性を確認した上で選定しています。また、当社グループでは、事業等のリスクを、将来の経営成績等に与える影響の程度や発生の蓋然性等に応じて、「特に重要なリスク」「その他の重要なリスク」に分類しています。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
なお、リスクを把握し、管理する体制・枠組みについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照下さい。
(特に重要なリスク)
(その他の重要なリスク)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。これらは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の経営方針・経営戦略等を踏まえて分析しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況
① 連結業績の概況
世界経済は、米国では堅調な雇用・所得環境を背景に底堅く推移しているものの、新たな関税政策による各国の景気減速や経済成長の鈍化への警戒感が強まっています。加えて、長期化する中国経済の停滞や米中関係の緊張といった地政学的リスクの懸念など、先行きは依然として不透明な状況です。
国内においては、好調な雇用・所得環境や設備投資の拡大、インバウンド需要の増加等、内需主導で緩やかな景気回復が見られるものの、米国関税政策及びそれに伴うサプライチェーンの変化や金融資本市場の急激な変動など、先行きの不透明感が高まっています 。
このような経営環境の中で、当連結会計年度における当社グループの連結受注高は、航空宇宙システム事業、車両事業、エネルギーソリューション&マリン事業などでの増加により、前期比で増加となりました。連結売上収益については、航空宇宙システム事業を中心とした各事業での増収により、前期比で増収となりました。利益面に関しては、事業利益は、航空宇宙システム事業、精密機械・ロボット事業での改善や、エネルギーソリューション&マリン事業での増益などにより、前期比で増益となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、事業利益の増加などにより、前期比で増益となりました。
この結果、当社グループの連結受注高は前期比5,472億円増加の2兆6,307億円、連結売上収益は前期比2,800億円増収の2兆1,293億円、事業利益は前期比969億円増益の1,431億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比626億円増益の880億円となりました。また、事業利益率は6.7%、税後ROIC※は8.0%、ROEは13.2%となりました。資本コスト(WACC)は7%台と算出しています。
なお、当社グループの潜水艦修繕職場における不適切事案及び舶用エンジンにおける検査不正については、社長を委員長とするコンプライアンス特別推進委員会、並びに外部有識者で構成するそれぞれの特別調査委員会を設置し、昨年12月及び本年1月にそれぞれの特別調査委員会より個々の事案における事実関係の調査や原因分析等に関する中間報告書を受領し、その内容を公表しました。特別調査委員会の調査は継続中です。引き続き、当社グループとして、コンプライアンス・ガバナンス体制の再構築や企業風土の改革に取り組んでまいります。
本件による業績への影響については、今後の調査結果を踏まえ、影響が見込まれる場合には速やかに業績見通しへ反映していきます。
※ 税後ROIC = (親会社の所有者に帰属する当期利益 + 支払利息 × (1 - 実効税率)) ÷ 投下資本
(純有利子負債の期首・期末平均 + 自己資本の期首・期末平均)
② セグメント別業績の概要
航空宇宙システム事業
抜本的な防衛力強化や航空旅客需要の回復による需要の増加が期待される中で、連結受注高は、防衛省向けや民間航空エンジン分担製造品などが増加したことにより、前期に比べ1,902億円増加の8,828億円となりました。
連結売上収益は、民間航空エンジンの運航上の問題に係る損失を計上した前期に比べ、防衛省向けや民間航空エンジン分担製造品などが増加したことにより、1,716億円増収の5,678億円となりました。
事業損益は、増収などにより、前期に比べ708億円改善して558億円の利益となりました。
車両事業
国内市場はインバウンドの復調等により鉄道車両への投資が再開されつつあり、海外市場は大都市の混雑緩和対策のための都市交通整備などに伴う需要が見込まれる中で、連結受注高は、ニューヨーク市交通局向け新型地下鉄電車のオプション契約を受注したことにより、前期に比べ1,627億円増加の2,515億円となりました。
連結売上収益は、国内・アジア向けが減少したものの、米国向けが増加したことなどにより、前期に比べ263億円増収の2,223億円となりました。
事業利益は、増収などにより、前期に比べ46億円増益の84億円となりました。
エネルギーソリューション&マリン事業
国内外の分散型電源需要やエネルギーインフラ整備需要は依然根強く、国内ごみ焼却設備の老朽化更新需要も継続しています。連結受注高は、LPG/アンモニア運搬船や防衛省向け潜水艦の受注増加などにより、前期に比べ1,403億円増加の5,420億円となりました。
連結売上収益は、国内向けごみ処理施設整備・運営事業の大口案件や防衛省向け艦艇用機器での増収などにより、前期に比べ448億円増収の3,981億円となりました。
事業利益は、増収や持分法による投資利益の増加などにより、前期に比べ123億円増益の442億円となりました。
精密機械・ロボット事業
半導体メモリ市場の価格と需要が底を打ち、中国建設機械市場は輸出を中心に回復傾向にある中で、連結受注高は、半導体製造装置向けロボットや中国建設機械市場向け油圧機器が増加したことなどにより、前期に比べ359億円増加の2,492億円となりました。
連結売上収益は、半導体製造装置向けロボットや精密機械分野での増収を主要因として、前期に比べ135億円増収の2,415億円となりました。
事業損益は、増収に加え、これまで進めてきた価格転嫁等の収益改善活動の効果などにより、前期に比べ89億円改善して70億円の利益となりました。
パワースポーツ&エンジン事業
米国政権による関税政策の影響が懸念されますが、連結売上収益は、リコールや生産遅延等の影響で北米向け四輪車が一時的に減少したものの、二輪車の増加と円安が収益を押し上げたことにより、169億円増収の6,093億円となりました。
事業利益は、増収はあったものの、増産投資による固定費の増加などにより、前期並みの478億円となりました。
その他事業
連結売上収益は、前期に比べ66億円増収の901億円となりました。
事業利益は、前期に比べ41億円増益の52億円となりました。
当社グループは「グループビジョン2030」において、注力するフィールドを「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」とし、手術支援ロボットをはじめとする医療・ヘルスケア事業、配送ロボットや無人輸送ヘリコプタの事業化、カーボンニュートラル社会の早期実現に向けた水素事業、CO2分離・回収事業や電動化の推進など、社会課題ソリューション創出への取組を新たなソーシャルイノベーション共創拠点「CO-CREATION PARK – KAWARUBA」も活用しながら着実に進めています。
更に、地震や豪雨などにより甚大な被害を受けた被災地の復興支援に協力するとともに、今後可能性が高まる様々な自然災害へ対応できる支援パッケージの充実に努めています。
(2) 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、営業債権及びその他の債権などの増加により前期末に比べ2,969億円増加し、2兆239億円となりました。
非流動資産は、有形固定資産の増加などにより前期末に比べ398億円増加し、9,930億円となりました。
この結果、総資産は前期末に比べ3,367億円増加の3兆169億円となりました。
(負債)
有利子負債は、前期末に比べ386億円増加の6,925億円となりました。
負債全体では、営業債務及びその他の債務や契約負債の増加などにより前期末に比べ2,662億円増加の2兆2,918億円となりました。
(資本)
資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上などにより、前期末に比べ705億円増加の7,250億円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前期に比べ486億円増の1,327億円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前期に比べ1,172億円増の1,489億円となりました。収入の主な内訳は、契約負債の増加額988億円、減価償却費及び償却費934億円であり、支出の主な内訳は、営業債権及びその他の債権の増加額961億円、棚卸資産の増加額692億円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、前期に比べ213億円増の1,112億円となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、前期に比べ33億円減の96億円となりました。これは主に債権流動化による収入によるものです。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財務政策
当社グループの運転資金・投資向け資金等の必要資金については、主として営業キャッシュ・フローで獲得した資金を財源としていますが、必要に応じて、短期的な資金については銀行借入やコマーシャル・ペーパーなど、設備投資資金・投融資資金等の長期的な資金については、設備投資・事業投資計画に基づき、金融市場動向や固定資産とのバランス、既存借入金及び既発行債の償還時期などを総合的に勘案し、長期借入金や社債などによって調達しています。
当社グループは上述の多様な資金調達源に加え、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、事業活動に必要な資金の流動性を確保しています。また、当社と国内子会社間、また海外の一部地域の関係会社間ではキャッシュ・マネジメント・システムによる資金融通を行っており、グループ内の資金効率向上に努めています。
② 資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では生産活動に必要な運転資金(材料費、外注費、人件費等)、受注活動又は販売促進のための販売費、新規事業の立ち上げや製品競争力の強化のための研究開発費などがあります。投資活動に係る資金支出には、事業の遂行、新規立ち上げ、生産性向上のための設備や施設への投資などがあります。
(5) 経営方針・経営戦略及び経営指標等に照らした経営成績等の分析・検討
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を事業利益率及びROICとし、事業利益率については2027年度に8%、2030年度に10%超の水準、税後ROICについては資本コスト(WACC)+3%以上を確保すべく努めていきます。なお、現状のWACCは7%台と推計しています。
2024年度は、事業利益1,431億円、事業利益率6.7%、税後ROIC8.0%と航空宇宙システム事業、エネルギーソリューション&マリン事業における増益に加え、為替レートが計画の前提レートより円安で推移したことにより年初に公表した計画から上振れし、過去最高益を達成しました。
2025年度は、為替変動による減益を見込んでいるものの、エネルギーソリューション&マリン事業をはじめ利益率改善に向けた取組が進んでいることに加え、精密機械・ロボット事業の市況回復等により事業利益は1,450億円、事業利益率6.3%、税後ROIC6.9%を見込んでいます。収益性の向上及び有利子負債の圧縮に取り組み、掲げた見通しの超過達成に向けて取り組んでいきます。なお、米国関税政策による当社業績への影響については主にパワースポーツ&エンジン事業において生じる見込みであり、市場が軟調に推移するリスクを本見通しに一定程度反映しています。ただし、関税負担によるコストアップに関しては、政策が流動的である点を考慮し未反映です。
「グループビジョン2030」においては、まずパワースポーツ&エンジン事業をはじめとする量産系事業がコロナ禍から立ち上がり、航空宇宙システム事業をはじめとする受注系事業の業績が回復・拡大し、更に水素や医療ロボットといった新規事業が収益の柱となって安定的な成長軌道を描くことを目指しています。現状はまさに受注系事業が成長軌道に回帰した段階であり、掲げた成長シナリオに沿って進捗していると考えています。為替の変動や関税政策動向をはじめ、先行きへの不透明感はありますが、目標とする水準に向け、各セグメントにおける重点施策の着実な実行に加え、適正な販売価格の実現やコスト競争力の強化に継続的に取り組んでいきます。
また、2024年度のフリー・キャッシュ・フローに関しては377億円と3期ぶりの黒字となりました。引き続き収益性の向上及び運転資本の効率的な運用により安定的なキャッシュ・フローの獲得に努めていきます。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の全社及びセグメントごとの事業利益率は、次のとおりです。
(単位:%)
航空宇宙システム事業においては、増収などにより、事業利益率は前期に比べ13.6ポイント上昇しました。また、エネルギーソリューション&マリン事業においては、増収や持分法による投資利益の増加などにより、前期に比べ2.0ポイント上昇しました。更に、精密機械・ロボット事業においては、増収に加え、これまで進めてきた価格転嫁等の収益改善活動の効果などにより、前期に比べ3.7ポイント上昇しました。
(6) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりです。
(注) 金額は、生産高(製造原価)によっています。
② 受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は、次のとおりです。
(注) 1 パワースポーツ&エンジン事業については、主として見込み生産を行っていることから、受注高について売上収益と同額とし、受注残高を表示していませんでしたが、当連結会計年度に個別受注案件を獲得したため、受注残高を表示しています。
2 セグメント間の取引については、受注高及び受注残高から相殺消去しています。
③ 販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりです。
(注) 1 販売高は、外部顧客に対する売上収益です。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。その作成においては、連結財政状態計算書上の資産、負債の計上額、及び連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積り及び仮定を使用しています。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の見積り及び判断の利用」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
5 【重要な契約等】
(1) 技術援助契約(導入)
(2) 子会社(カワサキモータース株式会社)の事業強化に向けた資本業務提携
① 資本業務提携に関する契約
当社は、2024年11月8日開催の取締役会において、当社連結子会社のカワサキモータース株式会社(以下、カワサキモータース)が伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠商事)に対して第三者割当を行い、発行済株式の20%を割り当てることを決議し、同日付で各当事会社間において資本業務提携に関する契約を締結しました。なお、当該契約に基づき、2025年4月1日付にて伊藤忠商事によるカワサキモータースの株式取得が実行されました。
② 資本業務提携の目的及び理由
当社グループにおいて2020年度に制定した「グループビジョン2030」の実現に向けた取組の一環として、カワサキモータースが売上高1兆円を目標に様々な経営施策を実行する中、伊藤忠商事と当社をあわせた3社は各社のリソースを活用した協業の可能性について協議を重ね、伊藤忠商事をパワースポーツ&エンジン事業の中長期的なパートナーとして、人材交流を積極的に進め、成長戦略の実現を共同で行っていくことを確認し、本業務提携の合意に至りました。
本業務提携により、主力市場である世界最大規模の北米市場において、ユーザー向けファイナンスを直接提供できる体制を整え、市場状況の変化に対する耐性を高め、販売基盤をより強固なものとすることで、カワサキモータースの成長戦略を更に加速、強化します。
③ 資本業務提携の内容
(ⅰ)業務提携の内容
a)ユーザー向けファイナンス事業を目的とした合弁会社の設立
本業務提携により、伊藤忠商事とカワサキモータースそれぞれの現地子会社が50%ずつを出資し、米国市場向けにユーザーへのローン供与を行うファイナンス事業を目的とした合弁会社を設立しました。
米国市場は、パワースポーツ商品の購入に当たり、長期の分割払いに対する顧客ニーズが高いことから、販売代理店及び顧客に対する迅速な審査プロセスや、競争力のあるファイナンスメニューを提供することが求められます。
そこで、魅力的な新規モデル導入と並行して、マーケットインの視点で本合弁会社による質の高い金融サービスの提供を行うことにより、カワサキモータースの製品・サービスの更なる拡販を推進し、米国でのバリューチェーンを延伸することで、カワサキモータースの売上の過半を占める米国市場において、顧客基盤の抜本的な強化を行い、競争優位性を確立します。
b)グローバル販売協力・物流効率化
あわせて、両社の人材交流や伊藤忠商事が有するグローバル拠点の活用により、パワースポーツ商品のグローバルな拡販を推進していきます。
伊藤忠商事が自動車ビジネスを通じて深い知見を持つCIS・中近東・アフリカ・中南米等の新興市場を筆頭に、カワサキモータースの市場開拓が進んでいない国について、更なる需要取り込みを企図しています。
また、同社グループの有する陸海送物流ネットワークを活用した物流の効率化を図ります。
(ⅱ)資本提携の内容
上記のとおり、広範な業務提携を行うに当たり、その効果を最大限に実現するべく、先述した合弁会社の設立に加え、カワサキモータースの株式の20%を伊藤忠商事が保有する資本提携を行いました。
(3) 財務上の特約
2024年4月1日前に締結された金銭消費貸借契約については、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項により記載を省略しています。2024年4月1日以降に締結された金銭消費貸借契約については、財務上の特約は付されていません。
6 【研究開発活動】
当連結会計年度は、「グループビジョン2030」で描いた成長シナリオの着実な推進を見据え、各事業の足元の競争力強化や事業ポートフォリオの変革、更には「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」の注力フィールドへのチャレンジに向けた研究開発に取り組みました。
これに向けて、各事業部門と本社各部門が一体となり当社グループの技術シナジーの最大化を図るほか、社外パートナーとも連携し、最新のデジタル技術も取り入れながら、将来にわたる顧客への提供価値を高めるべく研究開発を推進しました。また、将来のカーボンニュートラルに向けては、グリーンイノベーション基金などの政府支援も活用しながら、液化水素サプライチェーンの構築を目指した商用化実証など、水素社会の実現を目指した取組にも注力しています。
当連結会計年度における研究開発費は489億円であり、各事業セグメントの主な研究開発の内容及び費用は以下のとおりです。
航空宇宙システム事業
防衛航空事業では防衛省による抜本的な防衛力強化の方針を受け、固定翼機や回転翼機の近代化・派生型事業や次期練習機に向けた研究開発、新SSM等のスタンドオフ防衛能力向上に向けた研究開発、先進的なAI技術を活用した無人化・自律化システムの研究開発、VR等のデジタル技術を活用した教育訓練システムの研究開発に重点的に取り組んでいます。民間航空機事業ではロボットを活用した生産技術、宇宙事業では有人・探査分野や小型衛星の研究開発を推進しています。また基盤技術として、デジタル技術を用いた航空機設計・製造プロセス高度化にも取り組んでいます。
航空エンジン事業では、自社開発エンジンの防衛事業への展開実績を足掛かりとして、小型・軽量・高出力なエンジン(KJ300シリーズ)の実用化に向けた研究開発を推進しています。また、堅調な成長が見込まれる民間航空エンジン整備事業に必要な各種研究開発、更に航空エンジンの高効率化・環境性能向上に貢献する圧縮機・燃焼器・ギアシステム技術や革新的な生産技術に関する研究開発についても取り組んでいます。
加えて、小型航空エンジンの水素100%燃料による運転試験の実施など水素航空機のエンジン/燃焼システム技術や燃料タンクに関する研究開発にグリーンイノベーション基金も活用しながら取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は63億円です。
車両事業
鉄道保守関連ビジネスの拡大を目指して、各種センシング・デジタル技術を活用した車両・軌道の状態監視や診断による効率的なメンテナンスシステムの開発と実証を推進しています。また、鉄道事業者の課題解決ニーズに応えるメンテナンス性向上、自動化・ロボット化による合理的生産技術等の開発に取り組んでいます。更に、非電化鉄道でのカーボンニュートラルを目指し水素を動力源とする車両システムの開発と実証に取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は10億円です。
エネルギーソリューション&マリン事業
エネルギー事業では、エネルギートランジションへの対応に向けガスタービンやガスエンジンの水素混焼・専燃対応のための技術開発や、エネルギー分野で培ってきた圧縮機に関する豊富な実績・知見を活用した大型遠心式水素圧縮機の開発にも取り組んでいます。更に、カーボンニュートラルの実現に向けたCO2分離回収システムの実用化開発などの研究開発に取り組んでいます。
プラント事業では、地上用大型液化水素タンクなど液化水素の出荷/受入基地向け機器の研究開発や、循環型社会の実現に向けた廃リチウムイオン電池リサイクルシステム、AI技術を活用した資源選別支援システム、ごみ処理施設の自動運転システムなどの研究開発に取り組んでいます。
舶用推進・船舶海洋事業では、液化水素運搬船の輸送効率向上のための船型や新形式タンク・燃料供給システムなどの研究開発や、大型化する船舶の更なる安全管理と人手不足が進む乗組員の負担軽減を目指した安全離着岸支援システムなどの開発に取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は58億円です。
精密機械・ロボット事業
精密機械事業では、ショベル分野において製品競争力の強化に加え、カーボンニュートラルや省人化などESGの視点から、電動化に向けた高速電動油圧ポンプユニット「K-Axle™」や、自動化/自律化に向けた将来建機油圧制御システムの開発に取り組んでいます。このほか、ショベル以外の建設機械分野や農業機械分野、一般産業機械分野への拡販に向けた油圧機器の開発・シリーズ展開も進めています。また、水素関連事業として産業車両/商用車を含む燃料電池車用高圧水素ガス弁や建設機械を含むモビリティ向け燃料電池システム、水素ステーション用油圧ブースター式水素圧縮機等の開発に取り組んでいます。
ロボット事業では、産業用ロボット分野において半導体製造用ロボットや物流業界向けロボットなど人手不足への対応等の社会的ニーズが特に高まっている製品の開発に取り組んでいます。また、これまで産業用ロボット分野で培った技術を活用し医療分野で医療従事者や患者の負担を軽減する「hinotori™」サージカルロボットシステムや、労働力不足や生活の様々な課題などに幅広く社会適用が可能なソーシャルロボットの開発を推進しています。更に、インテグレーションを効率化しロボットの社会実装を加速させるロボットデジタルプラットフォーム「ROBO CROSS」の構築に他社とも連携しながら取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は66億円です。
パワースポーツ&エンジン事業
Kawasakiのブランド力強化を目指して、二輪事業では、伝統のブランドの血統を受け継ぐレトロスポーツモデル「W230」・「MEGURO S1」を、四輪事業では、コミュニティ内をより便利にクリーンに移動できるカワサキ初の電動四輪車となるパーソナルトランスポートビークル「NAV」シリーズや、毎日の仕事から休日のレジャーまで快適にこなせる汎用性と、上質なデザインを備えたオフロード四輪「RIDGE」シリーズに4〜6人乗り2列シートの新モデル「RIDGE CREW」を追加する等の新機種開発を行いました。また、継続的な新機種の投入に向けてデジタル技術の活用による開発期間の短縮と効率化を推進しています。更に、EVやHEVにとどまらず、水素エンジンなどの内燃機関エンジンを含めカーボンニュートラル社会の実現に向けた多様な選択肢に挑戦しています。加えて、2030年以降の更なる成長を見据え、パワースポーツ向けエンジンのノウハウを活かした航空機用レシプロエンジンの開発にも取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は144億円です。
本社部門・その他
社長直轄プロジェクト本部では、激甚化する自然災害や医療・介護・物流・製造現場等の労働力不足などの社会課題に対して、無人ヘリコプター「K-RACER」や配送ロボット、ソーシャルロボットなどを活用したソリューションの開発を進め早期の社会実装を目指しています。
技術開発本部では、当社グループの更なる企業価値向上を目指し事業部門と一体となって「新製品・新事業」の開発に取り組んでいます。また、「グループビジョン2030」で掲げた注力フィールドを中心に将来の社会課題解決の実現に必要な技術開発にも積極的に挑戦するとともに、持続的な事業成長の源泉となる基盤技術開発や食料安全保障など新たな分野へのチャレンジに向けたイノベーション活動にも取り組んでいます。更に、TQM活動をベースにバリューチェーン全体のプロセス標準化を通して製品品質の向上や足元の収益向上にも取り組んでいます。加えて、DX戦略本部と連携してAI活用やデジタルプラットフォームの構築によるデータ活用を通じたビジネスモデルの変革や事業プロセス全体の生産性向上を推進するほか、全社の技術系人財の育成強化にも取り組んでいます。
水素戦略本部では、商用水素サプライチェーンの実現に向け世界初の液化水素運搬船による海上輸送・荷役等の各種試験を通じて得た知見を活用し、水素供給コストの低減に向けた水素関連製品の大型化や高効率化、更にはそれらの高効率生産のための技術開発などを実施し、水素エネルギーの着実な社会実装を推進しています。
これら本社部門に係る研究開発費は145億円です。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループでは、主にパワースポーツ&エンジン事業での増産対応のための設備や航空宇宙システム事業及び精密機械・ロボット事業での生産合理化対応のための設備を中心に設備投資を実施しました。その結果、当連結会計年度の設備投資額は、1,411億円(無形資産及び使用権資産に係るものを含む)となりました。
各セグメントにおける主な投資内容は以下のとおりです。
(単位:億円)
(注) 1 所要資金については、自己資金、借入金等によります。
2 その他事業には、全社共通設備を含みます。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
(注) 1 上記の帳簿価額は、日本基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しています。
2 上記の帳簿価額には、建設仮勘定並びに無形固定資産の金額は含みません。
3 名古屋第一工場・名古屋第二工場の従業員数は岐阜工場に含みます。
4 神戸本社には、中部・関西・中国・四国・九州・沖縄支社、寮社宅等福利厚生施設他を含みます。
5 東京本社には、海外事務所、北海道・東北支社他を含みます。
(2) 国内子会社
(注) 1 上記の帳簿価額は、日本基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しています。
2 上記の帳簿価額には、建設仮勘定並びに無形固定資産の金額は含みません。
3 カワサキモータース㈱明石工場には、西日本地区に複数保有する開発用テストコース他を含みます。
(3) 在外子会社
(注) 1 上記の帳簿価額は、IFRSに基づく金額を記載しています。
2 上記の帳簿価額には、建設仮勘定並びに無形資産の金額は含みません。
3 2025年3月31日付で航空宇宙システム事業及び車両事業を組織再編によりKawasaki Rail Car Lincoln, Inc.に移管しています。
4 タイ コーンケン県に建設予定の研究開発拠点です。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
当社グループの当連結会計年度終了後1年間の設備投資については、増産対応のための設備及び生産合理化対応のための設備を中心に約1,540億円(無形資産及び使用権資産に係るものを含む)を計画しています。
各セグメントの計画内容は次のとおりです。
(単位:億円)
(注) 1 所要資金については、自己資金、借入金等により賄う予定です。
2 その他事業には、全社共通設備を含みます。
(2) 重要な設備の除却等
重要な設備の除却等の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 発行済株式総数及び資本準備金の増加は、2021年8月1日付で川重冷熱工業株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換を行ったことによるものです。
(5) 【所有者別状況】
(注) 1 自己株式46,325株は「個人その他」に463単元、「単元未満株式の状況」に25株含みます。
2 証券保管振替機構名義の株式540株は「その他の法人」に5単元、「単元未満株式の状況」に40株含みます。
(6) 【大株主の状況】
2025年3月31日現在
(注) 1 上記の所有株数のうち、信託業務に係る株式数は次のとおりです。
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 25,208千株
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 13,585千株
2 三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社から、2024年11月7日付で変更報告書が公衆の縦覧に供され、同社及び共同保有者1社が2024年10月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数が確認できないため、大株主の状況には含めていません。
3 野村アセットマネジメント株式会社から、2025年2月7日付で大量保有報告書が公衆の縦覧に供され、同社及び共同保有者1社が2025年1月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数が確認できないため、大株主の状況には含めていません。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」には㈱証券保管振替機構名義の株式を500株(議決権5個)含みます。
2 「単元未満株式」には当社所有の自己株式25株及び㈱証券保管振替機構名義の株式40株を含みます。
3 業績連動型株式報酬制度により設定された取締役等を受益者とする信託及び管理職層向けインセンティブ・プランにより設定された従業員を受益者とする信託が保有する株式738,900株は、「完全議決権株式(その他)」欄に含まれており、「完全議決権株式(自己株式等)」欄には含まれていません。
② 【自己株式等】
(注) 所有株式数には、業績連動型株式報酬制度により設定された取締役等を受益者とする信託及び管理職層向けインセンティブ・プランにより設定された従業員を受益者とする信託が保有する株式738,900株は含みません。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
(役員向け業績連動型株式報酬制度)
当社は、2021年6月25日開催の第198期定時株主総会及び同日開催の取締役会の決議により、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。以下、本項目において同じ。)を対象とする業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」という。)を導入しました。本制度は、報酬と当社の業績及び株主価値との連動性をより明確にすることで、取締役が株価の変動による利益・リスクを株主をはじめとするステークホルダーと共有し、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的としています。
① 本制度の概要
本制度は、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(以下、「本信託」という。)が当社株式を取得し、当社が取締役に付与するポイント数に相当する数の当社株式が本信託を通じて取締役に対して交付される、という役員向け株式交付信託の仕組みを採用しています。なお、取締役が当社株式等の交付を受ける時期は、原則として役員の退任時です。
当社執行役員等、一部の子会社取締役、同執行役員に対しても本制度と同様の業績連動型株式報酬制度を導入し、当社執行役員等、一部の子会社取締役、同執行役員も取締役と同様に本信託の受益者となります。また、当社は当社執行役員等、一部の子会社取締役、同執行役員に対して交付するための株式取得資金につきましても併せて本信託に信託します。
② 各取締役に付与されるポイントの算定方法及び上限
当社は、当社取締役会で定める株式交付規程に基づき、各取締役に対し、信託期間中の株式交付規程に定めるポイント付与日において、ポジション及び業績目標の達成度等に応じたポイントを付与します。
ただし、当社が取締役に対して付与するポイントの総数は、1事業年度当たり50,000ポイントを上限とします。
③ 本信託に株式取得資金として拠出される信託金の上限額
当社は、本制度により当社株式を取締役に交付するのに必要な当社株式の取得資金として、2022年3月末日に終了する事業年度から2024年3月末日に終了する事業年度までの3事業年度(以下、「対象期間」という。)中に、合計金975百万円を上限とする金銭を対象期間中に在任する取締役に対する報酬として拠出し、一定の要件を満たす取締役を受益者として本信託を設定しました。本信託は当社が信託した金銭を原資として、当社株式を、当社からの自己株式の処分による方法又は取引所市場(立会外取引を含みます。)から取得する方法により、取得しています。なお、当社の取締役会の決定により、対象期間を5事業年度以内の期間を都度定めて延長するとともに、これに伴い、本信託の信託期間を延長し(当社が設定する本信託と同一の目的の信託に本信託の信託財産を移転することにより実質的に信託期間を延長することも含みます。)、本制度を継続することがあります。この場合、当社は、当該延長分の対象期間中に、本制度により取締役に交付するために必要な当社株式の追加取得資金として、当該延長分の対象期間の事業年度数に金325百万円を乗じた金額を上限とする金銭を本信託に追加拠出し、前記②のポイントの付与及び後記④の当社株式の交付を継続します。
ただし、上記によるポイント付与を継続しない場合であっても、本信託の期間満了時において、既にポイントを付与されているものの未だ退任していない取締役がいる場合には、当該取締役が退任し当社株式の交付が完了するまで、本信託の信託期間を延長することがあります。
④ 各取締役に対する当社株式の交付
各取締役に交付すべき当社株式の数は、当該取締役に付与されたポイント数に1(ただし、当社株式について、株式分割・株式併合等、交付すべき当社株式数の調整を行うことが合理的であると認められる事象が生じた場合には、かかる分割比率・併合比率等に応じて、合理的な調整を行います。)を乗じた数とします。
各取締役に対する当社株式の交付は、各取締役がその退任時に所定の受益者確定手続きを行うことにより、本信託から行われます。なお、現制度に基づき付与されたポイント相当の当社株式で未交付のものは、本制度に基づき付与されたポイント相当の当社株式とともに本信託から交付されます。また、源泉徴収税の納税資金を当社が源泉徴収するのに必要な場合など、株式交付規程・信託契約に定めた一定の場合に該当する場合には、交付すべき当社株式の一部を本信託内で売却換金した上で、当社株式に代わり金銭で交付することがあります。
⑤ 本信託の概要
名称:役員向け株式交付信託
委託者:当社
受託者:三井住友信託銀行株式会社
(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行)
受益者:当社の取締役及び委任契約を締結している執行役員等並びに一部の当社子会社の取締役及び執行役員
信託管理人:当社及び当社役員から独立した第三者
議決権行使:信託の期間を通じて、本信託内の株式に係る議決権は行使しません
信託の種類:金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
信託契約日:2021年8月16日
信託の期間:2021年8月~2027年8月
信託の目的:株式交付規程に基づき当社株式を受益者へ交付すること
(管理職層向けインセンティブ・プラン)
当社は、当社及び一部の子会社の一部従業員を対象に、インセンティブ・プランとして管理職層向け株式交付信託(RS信託※)制度(以下、「本制度」という。)を導入しています。本制度は「グループビジョン2030」の趣旨を踏まえ、従業員に当社株式を付与することで「従業員株主」として、今まで以上に従業員の経営参画意識を高め、人財の価値を引き出しながら企業価値向上を図る取組の一つです。また、交付する当社株式に、退職までの譲渡制限を付すことで、持続的な企業価値向上を図るインセンティブを与えることを目的としています。
※RS信託:株式交付信託の仕組みを利用して、特定譲渡制限付株式(RS:Restricted Stock)を交付する制度
① 本制度の概要
本制度は、当社が拠出する金銭を原資として信託(以下、「本信託」という。)を設定し、本信託が当社株式の取得を行い、従業員のうち一定の要件を充足する者に対して付与されるポイントに基づき、本信託を通じて当社株式を交付するインセンティブ・プランです。交付される当社株式については、当社と各従業員との間で譲渡制限契約を締結することにより退職までの譲渡制限を付しています。
② 従業員に付与されるポイントの算定方法
当社は、株式交付規程に基づき、従業員に対し、ポイント付与日において、職務等級及び業績目標の達成度等に応じたポイントを付与します。
③ 本信託に株式取得資金として拠出される信託金の上限額
当社は、本制度により当社株式を従業員に交付するのに必要な当社株式の取得資金として、合計金419百万円を上限とする金銭を従業員に対する報酬として拠出し、一定の要件を満たす従業員を受益者として本信託を設定しました。本信託は当社が信託した金銭を原資として、当社株式を、取引所市場(立会外取引を含みます。)から取得する方法により、取得しています。
④ 従業員に対する当社株式の交付
従業員に交付すべき当社株式の数は、当該従業員に付与されたポイント数に1(ただし、当社株式について、株式分割・株式併合等、交付すべき当社株式数の調整を行うことが合理的であると認められる事象が生じた場合には、かかる分割比率・併合比率等に応じて、合理的な調整を行います。)を乗じた数とします。交付される当社株式について、当社と当該従業員との間で、当社株式の交付日から退職する日までを譲渡制限期間とする譲渡制限契約を締結します。かかる譲渡制限は、当該従業員の退職時に解除されます。
⑤ 本信託の概要
名称:管理職層向け株式交付信託(RS 信託)
委託者:当社
受託者:三井住友信託銀行株式会社
(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行)
受益者:当社及び一部の当社子会社の従業員のうち受益者要件を満たす者
信託管理人:当社及び当社役員から独立した第三者
議決権行使:受託者は、信託管理人からの指図に基づき、信託期間を通じ議決権を行使します
信託の種類:金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
信託契約日:2025年2月18日
信託の期間:2025年2月~2027年8月
信託の目的:株式交付規程に基づき当社株式を受益者へ交付すること
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得(単元未満株式の買取請求)
(注) 当期間における取得自己株式には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含みません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における「その他(単元未満株式の買増請求による売渡)」及び「保有自己株式数」には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含みません。
2 「保有自己株式数」には、業績連動型株式報酬制度により設定された取締役等を受益者とする信託及び管理職層向けインセンティブ・プランにより設定された従業員を受益者とする信託が保有する株式738,900株は含みません。
3 【配当政策】
当社グループは、企業価値の向上、すなわち資本コストを上回る利益を将来にわたって安定的に創出していくことを経営の基本方針に掲げており、将来の成長に必要となる先端的な研究開発と革新的な設備投資を持続的に行い、長期的な株主価値の向上による株主還元を経営の重要課題の一つとしています。
また、株主価値向上と配当による株主還元をバランス良く実施していくため、将来の業績見通しに加え、フリー・キャッシュ・フロー、純負債資本倍率(ネットD/Eレシオ)等の財務状況を総合的に勘案し、安定的な配当を念頭に親会社の所有者に帰属する当期利益に対する中長期的な連結配当性向の基準を30%としています。
なお、当社の剰余金の配当は、中間及び期末の年2回を基本的な方針とし、配当の決定機関は、中間は取締役会、期末は株主総会としています。
当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めています。
基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりです。
(注) 2025年3月31日を基準日とする期末配当であり、2025年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として提案しています。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、グループ全体として、株主・顧客・従業員・地域社会等のステークホルダーの皆様に対しても透明性の高い経営を行い、円滑な関係を構築しながら、効率的で健全な経営の維持により企業価値を向上させることをコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方とし、当社グループにふさわしいコーポレート・ガバナンスの構築及びその継続的な充実・強化に取り組んでいます。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
<企業統治の体制の概要>
当社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の任意の諮問機関として指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設置し、業務執行機関として経営会議、執行役員会等を設置しています。取締役と各事業責任者(カンパニープレジデント等)を分けることにより経営の監督と執行の分離を進め、取締役会の監督機能の強化を図っています。当社における主な会議体並びにその内容及び活動状況は以下のとおりです。
取締役会は、その員数13名(うち、5名は監査等委員である取締役)のうち社外取締役は7名(うち、3名は監査等委員である取締役)であり、過半数を占めています。また、2024年6月には初めて女性の社内取締役(監査等委員)が就任しました。有価証券報告書提出日(2025年6月24日)現在、女性取締役は5名、外国籍取締役は2名と、知識・経験・能力のバランスに加えてその多様性を促進し、より多角的な経営判断ができる体制としています。なお、議長は取締役会の決議により会長が務めています。
取締役会では、社内規程に基づき上程される各議案について審議するほか、取締役会実効性評価の結果等を踏まえ設定したテーマについて討議を行っています。当事業年度は、グループガバナンスのあるべき姿、監査・コンプライアンス体制の強化、企業価値向上に向けた各事業の方向性等について議論しました。また、サステナビリティやコンプライアンス、リスクマネジメント、品質管理等、重要な経営課題については、基本方針を取締役会で決議し、執行側にその状況の報告を求める体制を整備しています。
これに加え、取締役会における審議の透明性及び客観性の向上を目的に設置している指名諮問委員会及び報酬諮問委員会は、議長及び構成員の過半数を社外取締役としています。指名諮問委員会は役員選解任に関する方針・基準及び役員選解任案の妥当性等について、報酬諮問委員会は役員報酬に関する方針・制度及び個別報酬の妥当性等についてそれぞれ審議し、取締役会に答申若しくは助言を行っています。
監査等委員会は社外取締役3名を含めた取締役5名で構成し、監査の実効性確保のため、社内取締役2名を常勤の監査等委員として選任しています。また、監査等委員には、適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者、特に、財務報告の信頼性確保のため、財務・会計に関する十分な知見を有している者を1名以上選任しています。
業務執行に関しては、経営環境の急速な変化に対応できる体制として執行役員制度を採用し、業務執行決定権限の相当部分を、取締役会にて選任された執行役員に委譲することにより、意思決定の迅速化を図っています。
グループ経営全般における社長の諮問機関として、代表取締役及びカンパニープレジデント等で構成する経営会議を設置し、業務執行における重要事項等を審議するほか、全社経営戦略会議や重要プロジェクト会議にて各事業・プロジェクトにおける戦略、アクションプラン、並びにリスク評価や対応策等について多角的な議論を行うことにより、意思決定及び業務執行がより適切かつ効率的に行われる体制としています。
更に、社長を委員長とし、執行役員全員で構成する執行役員会を設置し、取締役会で決定した経営方針や経営計画、経営会議における決定事項に基づき、業務執行方針を示達するほか、経営課題に関する意見交換等を行うことにより、グループ経営における意思統一を図っています。
(注)当社は、監査等委員である取締役1名の退任に伴い、2025年6月26日開催予定の第202期定時株主総会の議案(決議事項)として、「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、女性取締役は4名、外国籍取締役は2名となります。
有価証券報告書提出日(2025年6月24日)現在のそれぞれの会議体の議長又は委員長、及び構成員は下表のとおりです。なお、執行役員の担当業務は「(2) 役員の状況 ① 役員一覧 b) 執行役員の状況〔業務執行体制〕」をご参照下さい。(●は議長又は委員長を示しています。)
(注) 取締役監査等委員(常勤)は、重要な意思決定の過程及び職務の執行状況の把握のため、経営会議に出席しています。
※ 取締役監査等委員(社外)石井 淳子は2025年6月26日開催予定の第202期定時株主総会の会日をもって退任予定です。当該定時株主総会において「監査等委員である取締役1名選任の件」が承認可決されると、板垣 利明が取締役監査等委員(社外)として就任します。また、定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会の決議事項が承認可決されると、取締役監査等委員(社外)石井 淳子に代わり、取締役監査等委員(社外)津久井 進が指名諮問委員会及び報酬諮問委員会の委員に就任します。
当事業年度の出席状況は下表のとおりです。
[取締役会の出席状況]
(注)取締役監査等委員(常勤)柿原 アツ子と取締役監査等委員(社外)天谷 知子は第201期定時株主総会の会日(2024年6月26日)に就任したため、出席対象となる取締役会の回数が他の構成員と異なります。
[監査等委員会の出席状況]
「(3) 監査の状況 ① 監査等委員会による監査の状況」をご参照下さい。
[指名諮問委員会・報酬諮問委員会の出席状況]
(注)取締役(社外)吉田 勝彦は第201期定時株主総会の会日(2024年6月26日)に開催した取締役会の決議により委員に就任したため、出席対象となる指名諮問委員会及び報酬諮問委員会の回数が他の構成員と異なります。
当社の企業統治の体制図は以下のとおりです。

<企業統治の体制を採用する理由>
経営の透明性を確保しながらも、効率的で健全な経営を維持し、企業価値の持続的な向上を実現するのに相応しい体制であると考え、本体制を採用しています。
③ 企業統治に関するその他の事項
<内部統制システムの整備状況>
当社は、取締役会において、内部統制システムの整備に関する基本方針について、会社法に基づく決議を行うとともに、毎期末に内部統制システムの整備・運用状況を確認し、取締役会へ報告しています。
当社の内部統制システム整備の基本方針は以下のとおりです。
<リスク管理体制の整備の状況>
当社グループでは、リスクの「見える化」とリスク対応の有効性を確保するために「全社的リスク管理体制
(ERM)」を構築し、経営に重大な影響を及ぼす重要リスクの把握と対応を行い、グループ経営原則に掲げているリスクマネジメントの充実を図っています。
「全社的リスク管理体制」を推進し継続的な取組とするため、リスク管理に関する重要事項の審議や実施状況のモニタリングを行うリスク管理体制を整備し運営しています。また、本社企画本部リスクマネジメント部に事務局機能を持たせ、本社各部門が協力して全社的リスク管理を推進・支援するとともに、各事業部門においても事業部門長を責任者とした同様の体制を構築し、全社的リスク管理活動に取り組む体制を整備しています。
以上のような「全社的リスク管理体制」の下、多様なリスクに適切に対処するため、リスクの種類に応じ、担当会議体及び担当部署で、管理方法や管理体制等を整備・運用するとともに、各管理活動の有効性及び実効性を一元的にモニタリングする体制を整備して、リスクを個別かつ統合的に管理しています。また、リスクモニタリングと当社を取り巻くグローバルリスクトレンドの分析から注視すべきリスクに関しては、年2回取締役会で審議し選定した後、事業施策へ反映した対応を行っています。また、昨今の地政学的な問題や気候、政治、経済不安で発生する急激に顕在化するリスクに対しては、当社事業に変化がある場合に臨時に取締役会で審議を行い、緊急対応を行っています。
なお、重要リスクのうち、特に大規模プロジェクト遂行においては、重要プロジェクト会議にて受注前のリスク検知と適正なリスク評価、適切なリスク回避策の実行が重要課題であると認識し、事前のリスクチェック機能を強化してきました。また、これまでの大型損失案件等から得た教訓を規律として社則化するとともに、損失リスクの総量を組織の財務体力に見合った範囲に抑えるリスク統制アプローチの導入を進めてきました。
更に、従来のプロジェクトリスク管理委員会を包含する形で「月次経営概況報告」を導入し、履行中の個別プロジェクトの進捗に限らず、受注・マーケット状況や米中台情勢など、経営計画又は経営実績に大きな影響を与える可能性があるものについて、経営会議及び取締役会へ毎月報告しています。
これらの取組により、事業環境の変化の兆候やリスクについて、幅広くかつ早期に把握できる体制が維持されており、今後も取締役会におけるモニタリングを通じてリスク管理体制の強化を図っていきます。

<コンプライアンスの推進体制>
当社グループでは、コンプライアンスの徹底はすべての事業活動の土台となるべきものと位置づけ、コンプライアンスに対する体制を整えています。当社グループの役職員が事業活動を行うに当たり、遵守すべき倫理基準である「川崎重工グループ行動規範」を定めるとともに、実用の参考資料「コンプライアンスガイドブック」の活用やe-learning等による教育も充実させています。また、10月を「コンプライアンス月間」とし、トップメッセージの発信やグループ報への掲載などを通じて当社グループを挙げてコンプライアンスに対する意識の向上を図っています。そのほか、「コンプライアンス報告・相談制度」の窓口である外部弁護士を増員し、従業員の相談によりタイムリーに対応する仕組みを整備しています。また、適切なコンプライアンス活動をスムーズに全社展開するために、①事業部門のコンプライアンス部と本社コンプライアンス部の定例的な情報交換ミーティング開催、②海外拠点との定例会議への参画など現場とのコミュニケーションルートを密にする取組を推進しています。
潜水艦修繕職場における不適切事案及び舶用エンジンにおける検査不正を踏まえ、社長を委員長とするコンプライアンス特別推進委員会を設置し、不正ができない仕組みの構築、不正発見の強化、組織風土・意識改革を当社グループ全体で進めることで、コンプライアンス・ガバナンス体制の再構築、また再発防止に取り組んでいます。具体的には、不正ができない仕組みの構築に関しては、調達プロセスや試験・検査プロセスの調査を行い、リスクがあると判断されたプロセスについては是正を行う取組を進めています。不正発見の強化に関しては、本社部門に防衛事業管理本部を設置し、防衛事業に対するガバナンスを強化したほか、監査部門を本社部門に集約するなど、監査・コンプライアンス体制を強化する取組を行っています。組織風土・意識改革については、コンプライアンス教育を引き続き充実させるとともに、新入社員・キャリア採用者などフレッシュアイからの意見聴取や、心理的安全性のある職場作りに向けた管理職への研修実施など、組織風土・意識改革を促進する取組を行っています。
<CEOサクセッションプラン>
a)基本方針
当社ではCEOサクセッションプランの策定を通して、コーポレートガバナンスの更なる強化を推進するとともに、候補者へのタフアサイメントによる能力伸長を通じて計画的な育成を行うことで、川崎重工グループが持続的に企業価値を高めていくことを目指します。CEOサクセッションプランを通じて、今後も当社が社会課題の解決に貢献していくために次世代への継承を円滑かつ確実に進めていきます。

b)CEO人財要件
ア.当社が社会に貢献していくために技術の革新を生み出し続け、「つぎの社会へ、信頼のこたえを」提示
していくために、リーダーとして必要な人財要件として以下の3つを定めました。
イ.当社が重要視する人財要件をもとにCEOとしての経営能力、業務執行能力を評価し、育成状況をモニタ
リングしています。
《CEO人財要件》

c)CEO候補者の選定・育成・評価
ア.CEO人財要件をもとにCEOと副社長による候補者の選定を実施し、外部アセスメントによる候補者の評価
も確認することで選定における客観性をより高めるようにしています。
イ.候補者の選定・育成・評価について毎年指名諮問委員会で審議し、その評価及び結果を取締役と共有
することで、取締役会ではそれぞれの状況をタイムリーに確認できるよう、透明性を確保しています。

《CEO交代・延長の判断基準》
CEOの交代については、事業環境や経営状況、候補者の育成状況などを総合的に判断し、指名諮問委員会の意見を踏まえて、取締役会で決議します。

<その他の事項>
a)責任限定契約
監査等委員である取締役及び監査等委員でない社外取締役は、会社法第427条第1項及び定款第31条に基づき、その責任範囲を1千万円又は法令が規定する額(取締役報酬の2年分)のいずれか高い方を限度とする契約を当社と結んでいます。
b)役員等賠償責任保険契約
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約の被保険者の範囲は、当社及び一部国内子会社の取締役(監査等委員である取締役を含む。)、監査役及び執行役員等(出向先で取締役等として勤務する、当社及び一部国内子会社の従業員を含む。)であり、被保険者は保険料を負担していません。当該保険契約により被保険者が職務の遂行に伴って行った行為に起因して被る可能性のある法律上の損害賠償金及び訴訟費用について塡補されることとなります。ただし、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、法令違反の行為のあることを認識して行った行為に起因して生じた損害等は塡補の対象としないこととしています。
c)取締役の定数
当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)を12名以内とし、監査等委員である取締役を5名以内とする旨を定款で定めています。
d)取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨を定款で定めています。
e)株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の特別決議について、機動的な株主総会運営を可能とするため、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。
f)自己株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、会社の業務又は財産の状況に応じた機動的な自己株式の取得を行えるよう、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。
g)中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
a) 取締役の状況
1.2025年6月24日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は以下のとおりです。
男性 8名 女性 5名 (役員のうち女性の比率38.5%)
(注) 1 取締役 ジェニファー ロジャーズ、辻村 英雄、吉田 勝彦、メラニー・ブロック、石井 淳子、津久井 進、天谷 知子は「社外取締役」です。
2 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
3 監査等委員である取締役の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
4 当社は、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠の監査等委員である社外取締役1名を選出しています。補欠の監査等委員である社外取締役の略歴は以下のとおりです。
(注)補欠の監査等委員である取締役の選任の効力は、2026年3月期に係る定時株主総会開始の時までです。
5 当社は、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)に対する業績連動型株式報酬制度に基づき退任時に各対象者に交付される予定の株式の数を、各対象者が所有する当社株式の数と併記しています。なお、業績連動株式報酬にかかる株式数には、業績指標の目標達成度が100%であった場合に交付される見込みの株式総数が含められています。そのため、実際に交付される株式は、業績指標の目標達成度により増減することがあります。なお、本制度に基づく交付予定株式にかかる議決権は、各対象者に将来交付されるまでの間、行使されることはありません。
※業績連動型株式報酬の詳細は「1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容」のとおりです。
2.2025年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役(監査等委員である取締役を除く。)8名選任の件」及び「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社の役員の状況は、以下のとおりとなる予定です。
なお、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会及び監査等委員会の決議事項の内容(役職等)も含めて記載しています。
男性 9名 女性 4名 (役員のうち女性の比率30.8%)
(注) 1 取締役 ジェニファー ロジャーズ、辻村 英雄、吉田 勝彦、メラニー・ブロック、津久井 進、天谷 知子、板垣 利明は「社外取締役」です。
2 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
3 監査等委員である取締役のうち、加藤 信久、柿原 アツ子、津久井 進、天谷 知子の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時まで、板垣 利明の任期は2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
4 当社は、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠の監査等委員である社外取締役1名を選出しています。補欠の監査等委員である社外取締役の略歴は以下のとおりです。
(注)補欠の監査等委員である取締役の選任の効力は、2026年3月期に係る定時株主総会開始の時までです。
5 当社は、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)に対する業績連動型株式報酬制度に基づき退任時に各対象者に交付される予定の株式の数を、各対象者が所有する当社株式の数と併記しています。なお、業績連動株式報酬にかかる株式数には、業績指標の目標達成度が100%であった場合に交付される見込みの株式総数が含められています。そのため、実際に交付される株式は、業績指標の目標達成度により増減することがあります。なお、本制度に基づく交付予定株式にかかる議決権は、各対象者に将来交付されるまでの間、行使されることはありません。
※業績連動型株式報酬の詳細は「1 株式等の状況 (8) 役員・従業員株式所有制度の内容」のとおりです。
b) 執行役員の状況
当社では、コーポレートの全体最適を追求する戦略的意思決定機能と、それぞれの事業の業務執行機能を分離・強化して経営の効率性を高めるため、執行役員制度を導入しています。提出日現在の業務執行体制は次のとおりです。
〔業務執行体制〕
◎は代表取締役です。
② 社外役員の状況
2025年6月24日(有価証券報告書提出日)現在の当社の社外取締役(監査等委員である社外取締役を除く。以下、本項目において同じ。)は4名、監査等委員である社外取締役は3名です。
(注) 2025年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役(監査等委員である取締役を除く。)8名選任の件」及び「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社の社外取締役は4名、監査等委員である社外取締役は3名となる予定です。
2025年6月24日(有価証券報告書提出日)現在の当社の社外取締役及び監査等委員である社外取締役に関する考え方は以下のとおりです。
<社外取締役(監査等委員である社外取締役を除く。以下、本項目において同じ。)>
当社では、社外取締役4名(いずれも東京証券取引所規則の定める独立役員)を置き、経営全般に対する取締役会の監督機能を強化しています。社外取締役は、その出身分野や国籍・性別等の多様性に留意し、当社とは異なる分野における豊富な経験と専門的知見をもとに、業務執行を行う経営陣から独立した客観的立場から適切な意見・助言をいただける方を候補者とし、選任しています。なお、独立性は、候補者の出身会社と当社グループ間の相互の取引関係や出資状況について、総合的に勘案して判断しています。
社外取締役のジェニファー ロジャーズは、これまでの豊富な国際経験に加え、法務・コンプライアンス・リスクマネジメントに関する高い見識を活かし、当社グループの経営に関する重要事項の決定に際して意見・助言を行っています。なお、同氏は、現在株式会社三井住友フィナンシャルグループ社外取締役、アシュリオンジャパン・ホールディングス合同会社 ゼネラル・カウンセル インターナショナルに就任していますが、当社との特別な利害関係はありません。
社外取締役の辻村 英雄は、これまでの豊富な経営経験に加え、商品開発・知的財産に関する高い見識を活かし、当社グループの経営に関する重要事項の決定に際して意見・助言を行っています。なお、同氏と当社との特別な利害関係はありません。
社外取締役の吉田 勝彦は、これまでの豊富な経営経験に加え、営業、マーケティングに関する高い見識を活かし、当社グループの経営に関する重要事項の決定に際して意見・助言を行っています。なお、同氏は、現在一般社団法人日本子育て支援協会理事長、シチズン時計株式会社社外取締役、株式会社リブドゥコーポレーション社外取締役に就任していますが、当社との特別な利害関係はありません。
社外取締役のメラニー・ブロックは、長年にわたり国際的なビジネス支援に携わってきたことによる、豊富な国際経験とグローバル視点での事業戦略・マーケティングに関する高い見識を活かし、当社グループの経営に関する重要事項の決定に際して意見・助言を行っています。なお、同氏は、現在株式会社Melanie Brock Advisory代表取締役、セガサミーホールディングス株式会社社外取締役、三菱地所株式会社社外取締役、アサヒグループホールディングス株式会社社外取締役に就任していますが、当社との特別な利害関係はありません。また、同氏が現に業務執行者である株式会社Melanie Brock Advisoryと当社は、コンサルティング契約を締結していますが、年間のコンサルタント料は1千万円以内であり、当社が定める「役員に関する独立性判断基準」を満たしていることから、同氏の独立性に問題はなく、独立役員として適任であると判断しています。
社外取締役は、会社法第427条第1項及び定款第31条に基づき、その責任範囲を1千万円又は法令が規定する額(取締役報酬の2年分)のいずれか高い方を限度とする契約を当社と結んでいます。
<社外取締役(監査等委員である社外取締役を除く。以下、本項目において同じ。)による監督と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携>
社外取締役は内部監査部門である監査総括部より、内部監査計画及び財務報告に係る内部統制の評価の基本方針、並びにその監査結果及び評価結果について説明を受け、これらに対し適宜意見を述べています。また、取締役会にて監査等委員会による監査計画及び監査方法の報告等に対し適宜意見を述べるほか、全監査等委員との会合を定期的に開催し、意見交換を行っています。更に、社外取締役と会計監査人は定期的に面談を行い、必要な情報交換を行っています。
<社外取締役(監査等委員である社外取締役を除く。以下、本項目において同じ。)による監督と内部統制部門との関係>
当社グループでは、本社企画本部がグループ全体における内部統制企画立案機能を担い、業務を遂行する各部門自らが業務の適正を確保するための活動を行う体制としています。
社外取締役は、取締役会において業務執行とは独立した立場から当社グループの業務執行に対して意見・助言を述べることにより、その監督機能の強化に努めています。また、取締役会に付議される内部統制システム整備の基本方針や、毎期末に取締役会にて報告される内部統制システムの整備・運用状況の評価結果に対し、適宜意見を述べています。
<監査等委員である社外取締役>
当社では、監査等委員である社外取締役3名(いずれも東京証券取引所規則の定める独立役員)を置き、監査機能の客観性及び中立性を確保し、監査機能の充実を図っています。
監査等委員である社外取締役の石井 淳子は、労働行政に関する豊富な経験と高い見識を活かし、公正かつ独立した立場から監査を行っています。なお、同氏は、現在三井住友海上火災保険株式会社社外取締役に就任していますが、当社との特別な利害関係はありません。
監査等委員である社外取締役の津久井 進は、弁護士としての豊富な経験と法務に関する高い見識を活かし、公正かつ独立した立場から監査を行っています。なお、同氏と当社との特別な利害関係はありません。
監査等委員である社外取締役の天谷 知子は、金融監督・国際金融規制に関する高い見識を活かし、公正かつ独立した立場から監査を行っています。なお、同氏は東日本旅客鉄道株式会社社外取締役に就任しています。同社グループと当社グループとの間に、取引実績はありますが、売上高に占めるその割合は僅少であることなどから同氏の独立性に問題はなく、独立役員として適任であると判断しています。
監査等委員である社外取締役は、会社法第427条第1項及び定款第32条に基づき、その責任範囲を1千万円又は法令が規定する額(取締役報酬の2年分)のいずれか高い方を限度とする契約を当社と結んでいます。
<監査等委員である社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携>
監査等委員である社外取締役は、本社及び事業部門に対する業務監査や子会社への調査を実施するとともに、監査等委員会への出席などを通じて常勤監査等委員との情報共有に努めています。また、監査総括部から内部監査計画及び財務報告に係る内部統制の評価の基本方針、並びにその監査結果及び評価結果について説明を受け、これらに対し適宜意見を述べるほか、然るべき情報交換を行い緊密な連携関係の構築に努めています。これに加え、会計方針の変更等に際しては、その当否について会計監査人の意見を求めるほか、会計監査人から定期的に監査・レビュー報告を受けるなど相互に連携し、監査機能の充実を図っています。
<監査等委員である社外取締役による監督又は監査と内部統制部門との関係>
当社グループでは、本社企画本部がグループ全体における内部統制企画立案機能を担い、業務を遂行する各部門自らが業務の適正を確保するための活動を行う体制としています。
監査等委員である社外取締役は、取締役会において業務執行とは独立した立場から当社グループの業務執行に対して意見・助言を述べることにより、その監督機能の強化に努めています。また、取締役会に付議される内部統制システム整備の基本方針や、毎期末に取締役会にて報告される内部統制システムの整備・運用状況の評価結果に対し、適宜意見を述べています。更に、本社及び事業部門に対する業務監査の一環として、その中立的・独立的な立場より内部統制部門に対する業務監査を実施しています。
(注)2025年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役(監査等委員である取締役を除く。)8名選任の件」及び「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社の社外取締役は4名、監査等委員である社外取締役は3名となる予定です。当該議案が承認可決された場合の当社の社外取締役及び監査等委員である社外取締役に関する考え方は以下のとおりです。
<社外取締役(監査等委員である社外取締役を除く。以下、本項目において同じ。)>
社外取締役のジェニファー ロジャーズは、これまでの豊富な国際経験に加え、法務・コンプライアンス・リスクマネジメントに関する高い見識を活かし、当社グループの経営に関する重要事項の決定に際して意見・助言を行っています。なお、同氏は、現在株式会社三井住友フィナンシャルグループ社外取締役、アシュリオンジャパン・ホールディングス合同会社 ゼネラル・カウンセル インターナショナルに就任していますが、当社との特別な利害関係はありません。
社外取締役の辻村 英雄は、これまでの豊富な経営経験に加え、商品開発・知的財産に関する高い見識を活かし、当社グループの経営に関する重要事項の決定に際して意見・助言を行っています。なお、同氏と当社との特別な利害関係はありません。
社外取締役の吉田 勝彦は、これまでの豊富な経営経験に加え、営業、マーケティングに関する高い見識を活かし、当社グループの経営に関する重要事項の決定に際して意見・助言を行っています。なお、同氏は、現在一般社団法人日本子育て支援協会理事長、シチズン時計株式会社社外取締役、株式会社リブドゥコーポレーション社外取締役に就任していますが、当社との特別な利害関係はありません。
社外取締役のメラニー・ブロックは、長年にわたり国際的なビジネス支援に携わってきたことによる、豊富な国際経験とグローバル視点での事業戦略・マーケティングに関する高い見識を活かし、当社グループの経営に関する重要事項の決定に際して意見・助言を行っています。なお、同氏は、現在株式会社Melanie Brock Advisory代表取締役、セガサミーホールディングス株式会社社外取締役、三菱地所株式会社社外取締役、アサヒグループホールディングス株式会社社外取締役に就任していますが、当社との特別な利害関係はありません。また、同氏が現に業務執行者である株式会社Melanie Brock Advisoryと当社は、コンサルティング契約を締結していますが、年間のコンサルタント料は1千万円以内であり、当社が定める「役員に関する独立性判断基準」を満たしていることから、同氏の独立性に問題はなく、独立役員として適任であると判断しています。
社外取締役は、会社法第427条第1項及び定款第31条に基づき、その責任範囲を1千万円又は法令が規定する額(取締役報酬の2年分)のいずれか高い方を限度とする契約を当社と結んでいます。
<監査等委員である社外取締役>
監査等委員である社外取締役の津久井 進は、弁護士としての豊富な経験と法務に関する高い見識を活かし、公正かつ独立した立場から監査を行っています。なお、同氏と当社との特別な利害関係はありません。
監査等委員である社外取締役の天谷 知子は、金融監督・国際金融規制に関する高い見識を活かし、公正かつ独立した立場から監査を行っています。なお、同氏は東日本旅客鉄道株式会社社外取締役に就任しています。同社グループと当社グループとの間に、取引実績はありますが、売上高に占めるその割合は僅少であることなどから同氏の独立性に問題はなく、独立役員として適任であると判断しています。
また、今回新たに監査等委員に就任する板垣 利明には、財務経理、マーケティング、IT、デジタルに関する高い見識を活かし、公正かつ独立した立場から監査を行っていただくことを期待しています。なお、同氏は株式会社ブリヂストン社外取締役、みずほ信託銀行株式会社社外取締役に就任しています。みずほ信託銀行株式会社と当社グループとの間に、取引実績はありますが、売上高に占めるその割合は僅少であることなどから同氏の独立性に問題はなく、独立役員として適任であると判断しています。
監査等委員である社外取締役は、会社法第427条第1項及び定款第32条に基づき、その責任範囲を1千万円又は法令が規定する額(取締役報酬の2年分)のいずれか高い方を限度とする契約を当社と結んでいます。
(3) 【監査の状況】
① 監査等委員会による監査の状況
a)監査等委員会の構成
有価証券報告書提出日(2025年6月24日)現在、監査等委員会は監査等委員である取締役5名で構成し、このうち3名は当社との取引関係等の利害関係のない社外取締役(東京証券取引所規則の定める独立役員)を選任しています。また、監査の実効性確保のため、社内取締役2名を常勤の監査等委員として選任するとともに、財務報告の信頼性確保のため財務及び会計に関する十分な知見を有する監査等委員を配置しています。
常勤監査等委員である加藤 信久は、当社において財務経理・管理・海外関連業務に従事し、財務及び会計に関する十分な知見を有しています。社外監査等委員である天谷 知子は、金融庁において公認会計士・監査審査会事務局長、金融国際審議官等の要職を歴任し、財務及び会計に関する十分な知見を有しています。
社外取締役を含めた全監査等委員は、相互・緊密に情報共有を行い、監査等委員会の監査機能の充実を図っています。
なお、監査等委員である社外取締役 石井 淳子は、2025年6月26日開催予定の第202期定時株主総会の終結の時をもって辞任する予定ですが、同株主総会の議案(決議事項)として、板垣 利明氏を監査等委員である社外取締役候補者とする「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、監査等委員会は引き続き社外監査等委員3名を含む5名の監査等委員で構成されることとなります。
これらに加え、監査等委員会の職務執行を補助するため、監査等委員会室を設置し、専任スタッフを複数名配置しています。なお、当該専任スタッフの人事異動・評価等に関しては監査等委員会の事前の同意を得るものとし、業務執行取締役からの独立性を高め、監査等委員会の指示の実効性を確保しています。
b)監査等委員会の活動状況
当事業年度において当社は、監査等委員会を18回開催し、1回当たりの平均所要時間は約1時間40分となっています。なお、各監査等委員の出席状況については次のとおりです。
(注)常勤監査等委員 柿原アツ子と社外監査等委員 天谷知子は第201期定時株主総会の会日(2024年6月26日)に
就任したため、出席対象となる監査等委員会の回数が他の構成員と異なります。
当事業年度における監査等委員会の主な決議、報告、審議・協議事項は次のとおりです。
決議13件:監査基本方針・監査体制及び分担・監査実施計画、常勤監査等委員・選定監査等委員の選定、会計監査人の再任、会計監査人の報酬等の同意、監査報告書 等
報告41件:監査実施状況、内部監査計画・結果、輸出関連法規遵守状況監査計画・結果、期末監査の結果、指名諮問委員会・報酬諮問委員会の審議状況、有価証券報告書の内容 等
審議・協議19件:監査報告書、監査上の主要な検討事項(KAM)の内容、会計監査人再任の検討、会計監査人の非保証業務に関する事前了解 等
当事業年度における監査等委員会の重点監査事項として、「グループビジョン2030」達成に向けた取組状況、グループ全体のコンプライアンスリスク管理強化への取組状況、TQM・KPS活動の進展状況、財務報告に係る内部統制の運用状況を定め、各監査等委員は、監査等委員会で決定された監査基本方針・監査体制及び分担等に従い、主に以下の活動を実施しています。
(注)1 テーマに応じて出席しています。
2 委員に就任している社外監査等委員1名が出席しています。
3 カンパニー・ディビジョンの業務執行状況調査には調査単位ごとに社外監査等委員1名が従事しています。
4 川崎車両㈱・カワサキモータース㈱との会合には社外監査等委員全員が出席しています。
なお、監査等委員会として、潜水艦修繕職場における不適切事案及び舶用エンジンにおける検査不正について、継続中である社外有識者で構成する特別調査委員会による調査と社長を委員長とするコンプライアンス特別推進委員会の活動並びに再発防止策の実施状況・実効性を注視しています。
常勤監査等委員は、取締役会及び経営会議等のその他重要な会議へ出席し必要な意見を述べるとともに、上記の活動を通して監査の環境の整備及び社内の情報の収集に努め、内部統制システムの構築・運用の状況を日常的に監視しています。また、収集した社内の情報等については、適時に社外監査等委員と共有しています。
社外監査等委員は、それぞれの専門的知見に基づき、取締役会及び(必要に応じて)経営会議等のその他重要な会議へ出席し必要な意見を述べるほか、上記の活動を通して監査に必要な情報の入手に努めるとともに、他の監査等委員と協力して監査の環境の整備に努めています。また、監査等委員会への出席などを通じて常勤監査等委員との情報共有に努めています。
監査等委員会は、会計監査人と定期的に会合を開催し、監査計画及び監査重点項目の説明や監査結果の報告を相互に行うとともに、情報交換や意見交換を行うなど連携を図っています。なお、監査上の主要な検討事項(KAM)については、会計監査人及び取締役・経理部門と緊密に連携の上、ディスカッションを行っています。
監査等委員会は、内部監査部門である監査総括部と定期的に会合を開催し、監査計画及び監査重点項目の説明や監査結果の報告を相互に行うとともに、情報交換や意見交換を行うなど連携を図っています。また、監査総括部長の人事異動・評価等については、監査等委員会の事前の同意を得るものとすることにより、監査総括部の独立性を確保しています。
② 内部監査の状況
内部監査については、潜水艦修繕職場における不適切事案及び舶用エンジンにおける検査不正を踏まえて監査機能を監査総括部(35名)に集約し、リスクベースの内部監査を実施するとともに、データ分析による不正リスクの抽出等、不正の防止や早期発見につながる施策を進めることで、当社グループの内部統制機能の向上を図っています。
監査総括部長は、個々の監査結果を監査報告書により社長及び監査等委員会に報告するとともに、取締役会及び経営会議に年2回の総括報告を行っています。
<内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携>
監査等委員会と監査総括部は定期的に会合を行い、それぞれの監査結果・指摘事項等の情報を共有しています。
また、監査等委員会は会計監査人と定期的に会合を行い、この会合に監査総括部長が同席し、必要な情報交換及び相互連携に努めています。
<内部監査、監査等委員会監査及び会計監査と内部統制部門との関係>
当社グループでは、本社企画本部がグループ全体における内部統制企画立案機能を担い、業務を遂行する各部門自らが業務の適正を確保するための活動を行うとともに、監査総括部が独立的モニタリングとして内部監査を行っています。また、より中立的・独立的な観点から内部統制部門に対し監査等委員会による監査を実施するとともに、財務報告に関してはより専門的な見地から行う監査として会計監査人による会計監査を実施しています。
③ 会計監査の状況
a)業務を執行した公認会計士の氏名及び所属する監査法人名
b)継続監査期間
51年間
上記は、調査が著しく困難であったため、現任の監査人である有限責任 あずさ監査法人の前身の一つである新和監査法人が監査法人組織になって以降の期間について記載したものです。実際の継続監査期間は、この期間を超える可能性があります。
c)監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 27名
その他 56名
<監査法人の選定方針と理由>
監査等委員会では、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに不再任に関する議案の内容を決定するに当たり、「監査等委員会監査等基準」及び「会計監査人選解任等基準」に基づき、会計監査人の解任又は再任の適否について判断することとしています。その結果、監査等委員会として、会計監査人の解任又は不再任の判断を行った場合は、「監査等委員会監査等基準」及び「会計監査人選解任等基準」に基づき、新たな会計監査人候補者の独立性、監査体制、過去の業務実績等について検討し、会計監査人候補者を選定することとしています。
なお、監査等委員会として、会計監査人の再任の適否について上記基準に照らして検討した結果、会計監査人が監査品質を維持し、適切に監査していることを確認したため、再任が適当と判断し、会計監査人を再任することを決定しています。
(会計監査人の解任又は不再任の決定の方針)
監査等委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める解任事由に該当すると認められる場合は、監査等委員全員の同意に基づき会計監査人を解任します。
また、そのほか、法令及び基準等が定める会計監査人の独立性、監査体制、職務遂行状況等を総合的に評価し、変更の必要があると判断される場合には、監査等委員会は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定します。
<監査等委員及び監査等委員会による監査法人の評価>
監査等委員会は、「会計監査人選解任等基準」に基づき、以下の事項について、経理部門・内部監査部門・会計監査人などへのヒアリングや意見交換を行い、その結果も踏まえ、会計監査人が監査品質を維持し、適切に監査しているかを総合的に評価しています。
①会計監査の実施状況
②会計監査人が執行部門と協議した重要な事項
③会計監査人の独立性に関する事項その他職務の遂行に関する事項
④会計監査人の状況と監査体制
⑤その他必要な事項
④ 監査報酬の内容等
a)監査公認会計士等に対する報酬
(単位:百万円)
当社における非監査業務の内容は、経理周辺業務に関するアドバイザリー報酬などの、会計に関するコンサルティング業務等です。連結子会社における非監査業務の内容は、会計事項及び情報開示に関する助言・指導等です。
b)監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMG)に対する報酬[a)を除く]
(単位:百万円)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、主に税務に関するアドバイザリー業務等です。
c)その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
当社の連結子会社であるKawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.A.は、RSM US LLPに対して、監査証明業務に基づく報酬を支払っています。また、同じく当社の連結子会社であるKawasaki Motors Europe N.V.は、Ernst & Young Accountants LLPに対して、監査証明業務に基づく報酬を支払っています。
d)監査報酬の決定方針
監査に係る方針、監査日数及び監査報酬の見積りの算定根拠等を勘案し、決定しています。
e)監査等委員会が監査報酬に同意した理由
監査等委員会は、日本監査役協会の「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、会計監査人の監査計画、監査の実施状況及び報酬見積りの算出根拠などの妥当性を確認し、検証した結果、会計監査人の報酬等の額について同意の判断を行っています。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
<取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬>
当社は、2021年5月20日及び2021年6月25日開催の取締役会において、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個人別の報酬等の内容について、その決定に関する方針(以下、「改正前」という。)を定めています。
また、2024年5月9日、2024年9月26日及び2025年5月21日開催の取締役会において、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の報酬について一部改正(以下、「改正後」という。)を決議しています。
なお、報酬年度を当年7月から翌年6月に設定しているため、2025年6月までの報酬は改正前の方針により算定し、2025年7月以降の報酬は改正後の方針により算定します。
改正点は 「ア.取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の報酬」のうち、(構成)と(報酬構成比)の下線部のとおりです。
ア.取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。以下、本項目において「対象取締役」という。)の報酬
対象取締役の報酬は、2020年11月に制定しました「グループビジョン2030」「つぎの社会へ、信頼のこたえを ~Trustworthy Solutions for the Future~」の実現に向け、次の基本方針に基づくものとしています。
(基本方針)
「ペイ・フォー・ミッション(企業として成すべきことを成したことへの報酬)」の考え方に基づき、各役員の職責と成果に応じた報酬体系とし、短期に加え、中長期の企業価値の向上への貢献に報いるとともに、株主をはじめとするステークホルダーとの価値共有を実現する。
(構成)
(報酬構成比)
(報酬水準)
他社の状況及び外部専門機関による役員報酬調査データを勘案の上、適切な水準となるよう設定します。取締役社長執行役員の報酬を100とした場合の役位別の報酬水準は概ね以下のとおりです。
取締役会長 77
取締役社長執行役員 100
取締役副社長執行役員 57
(対象取締役が設定する目標)
対象取締役は、全社及び管掌組織・担当業務における短期的課題・中長期的課題に対して目標を設定し、その達成度を短期インセンティブ型報酬、長期インセンティブ型報酬に反映します。
このうち、短期的課題に対する目標は、当事業年度において実現すべき目標とし、その実現に向けて各対象取締役が実行するアクション及び達成水準を設定します。また、中長期的課題に対する目標は、「グループビジョン2030」で定めた2030年に目指す将来像を踏まえて実現すべき目標とし、その実現に向けて各対象取締役が実行するアクション及び達成水準を設定します。
なお、設定する目標は、業績に関する重要な財務指標に加え非財務指標を含むものとします。
各対象取締役が設定した目標は、毎期末に評価を行った上でその達成度を報酬へ反映します。各対象取締役の評価は代表取締役社長執行役員が代表取締役副社長執行役員と共同で各対象取締役との個別面談を実施した上で、代表取締役副社長執行役員との協議により策定し、報酬諮問委員会の審議を経て、決定しています。また、代表取締役社長執行役員及び代表取締役副社長執行役員の評価は、報酬諮問委員会の委員である社外取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員が共同で代表取締役社長執行役員及び代表取締役副社長執行役員との個別面談を実施した上で、代表取締役社長執行役員については当該社外取締役の協議により、代表取締役副社長執行役員については当該社外取締役及び代表取締役社長執行役員の協議により決定しています。
(実績)
業績連動報酬は2023年度実績を基礎としており、業績連動報酬に係る当期利益の実績は253億円です。
イ.社外取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬
その職務の独立性という観点から業績連動を伴わない固定報酬としています。
ウ.報酬決定方法
取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬は、あらかじめ株主総会で決議された報酬等の範囲内で、過半数を社外取締役で構成し、かつ議長を社外取締役とする報酬諮問委員会の審議を踏まえ、取締役会決議により決定しています。
取締役会決議により、各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個別報酬の決定を代表取締役社長執行役員に一任することがありますが、その場合も、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に従い、報酬諮問委員会での審議を踏まえて決定することとしています。
当事業年度に係る取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個人別の報酬等の内容については、当社グループの業績、各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の職責を踏まえて決定する必要があるため、代表取締役社長執行役員の橋本 康彦が取締役会の委任を受け決定していますが、委任に当たっては、2021年5月20日及び2021年6月25日開催の取締役会において決定した取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に従い、報酬諮問委員会での審議を踏まえて決定することとしており、当該方針に沿うものであると判断しています。
エ.取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬に関する株主総会決議
取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬限度額は、第197期定時株主総会(2020年6月25日開催)において、年額800百万円以内と決議いただいています。
また、業績連動型株式報酬については、第198期定時株主総会(2021年6月25日開催)において、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬限度額とは別枠で、年額325百万円以内かつ年50,000株以内と決議いただいています。
<監査等委員である取締役の報酬>
監査等委員である取締役の報酬は、その職務の独立性という観点から業績連動を伴わない固定報酬としており、監査等委員である取締役の協議により決定しています。監査等委員である取締役の報酬限度額は第200期定時株主総会(2023年6月28日開催)において年額150百万円以内と決議いただいています。
<取締役会及び報酬諮問委員会の活動内容>
取締役(監査等委員である取締役を除く。)報酬に関する方針・制度等については、過半数を社外取締役で構成し、かつ議長を社外取締役とする報酬諮問委員会の審議を踏まえ、取締役会にて決議しています。
報酬諮問委員会は、当事業年度は13回開催し、上記内容に係る審議に加え、今後の役員報酬のあり方等についての議論を行いました。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)1 株式報酬については、2021年6月25日開催の第198期定時株主総会の決議により導入した業績連動型株式報酬に基づき、当事業年度中に費用計上した額を記載しており、実際の支給額とは異なります。
2 合計欄は実際の支給人数を記載しています。
③ 役員ごとの報酬等の総額が1億円以上である役員の報酬等
(注)株式報酬については、当事業年度中に費用計上した額を記載しており、実際の支給額とは異なります。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、純投資目的株式には専ら株式価値の変動又は配当金を目的として保有する株式を、純投資目的以外の株式にはそれら目的に加え中長期的な企業価値の向上に資すると判断し保有する株式を区分しています。
なお、当社は純投資目的の株式は保有していません。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は資本効率向上の観点から、保有する投資株式を、相手先との十分な対話を経た上で順次縮減することとしています。保有の合理性については、資本コストを踏まえ、取引額・配当等に加え、経営戦略上の重要性や事業上の関係性等を勘案して検証しています。
また、毎年、取締役会において、上記の方法に基づいて個別銘柄ごとに保有の適否を検証しています。当事業年度は、2024年5月22日開催の取締役会にて実施しました。
b)銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c)特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注)1 定量的な保有効果について
当社は保有株式について資本コストを踏まえ、取引額・配当等に加え、経営戦略上の重要性や事業上の関係性等を総合的に判断し保有しています。定量的な保有効果については記載が困難ですが、上記「a)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載のとおり、すべての銘柄について保有意義があると判断しています。
2 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しています。
みなし保有株式
(注)1 定量的な保有効果について
当社は保有株式について資本コストを踏まえ、取引額・配当等に加え、経営戦略上の重要性や事業上の関係性等を総合的に判断し保有しています。定量的な保有効果については記載が困難ですが、上記「a)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載のとおり、すべての銘柄について保有意義があると判断しています。
2 みなし保有株式銘柄のグループ会社が当社の株式を保有しています。
3 ㈱三井住友フィナンシャルグループ は、2024年10月1日付で、普通株式1株につき3株の割合で株式分割をしています。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けています。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について連結財務諸表等に的確に反映する体制を
構築するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、また、同機構や監査法人等が主催するセミナーへ参加しています。
4 IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っています。また、IFRSに準拠したグループ会計方針書を作成し、IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
川崎重工業株式会社(以下、「当社」とする。)は日本に所在する企業です。当社の連結財務諸表は2025年3月31日を期末日とし、当社及びその子会社(以下、「当社グループ」とする。)、並びに当社グループの関連会社及び共同支配企業に対する持分により構成されます。当社グループは、当社を中心として航空宇宙システム事業、車両事業、エネルギーソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業、パワースポーツ&エンジン事業及びその他事業を営んでいます。
2.作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。
連結財務諸表は、取締役会から一任を受けた代表取締役社長 橋本 康彦により、2025年6月24日に承認されています。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記3.「重要性がある会計方針」に記載している金融商品及び確定給付負債(資産)等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3) 機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、別段の記載がない限り百万円未満を切捨てして表示しています。
(4) 重要な会計上の見積り及び判断の利用
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられています。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間と将来の会計期間において認識しています。
連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び会計方針の適用に関する判断は、以下のとおりです。
・非金融資産の減損(注記3.(9)「非金融資産の減損」、注記11.「非金融資産の減損」)
・引当金(注記3.(12)「引当金」、注記18.「引当金」)
・収益(注記3.(14)「収益」、注記24.「収益」)
・法人所得税(注記3.(16)「法人所得税」、注記14.「繰延税金及び法人所得税」)
(5) 会計方針の変更
当社グループは、当連結会計年度より、以下の基準書を適用しています。
上記基準書の適用は、注記16.(5)「財務特約条項」、注記21.(3) ④「サプライヤー・ファイナンス契約」への影響を除き当社グループの連結財務諸表への重要な影響はありません。
(6) 未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている基準書及び解釈指針の新設又は改訂のうち、以下を除き、早期適用していない基準等で当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすものはありません。なお、以下基準の適用による影響は検討中です。
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループが支配する企業をいいます。
当社グループが、企業への関与により生じる投資企業のリターンが、被投資企業の業績の結果によって変動する可能性があり、かつ投資先に対するパワーによりリターンに影響を及ぼす能力を有している場合に投資先を支配しています。
子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、連結財務諸表に含めています。子会社が適用する会計方針が当社グループの運用する会計方針と異なる場合には、当該連結子会社の財務諸表を調整しています。当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
支配を喪失しない子会社に対する当社グループの所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。当社グループの持分及び非支配持分の帳簿価額は、子会社に対する持分の変動を反映して調整していますが、非支配持分の調整額と受取対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益で認識しています。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配はしていない企業をいいます。
関連会社に対する投資は、取得時に取得原価で認識し、その後は持分法を用いて会計処理しています。投資の取得原価には取引コストを含めています。
連結財務諸表には、他の株主との関係等により、決算日を親会社の決算日に統一することが実務上不可能であるため、親会社の決算日と異なる持分法適用会社に対する投資を含めています。当該持分法適用会社の決算日の差異は3ヶ月を超えることはありません。決算日の差異により生じる期間の重要な取引又は事象については必要な調整を行った上で持分法を適用しています。持分法適用会社が適用する会計方針が当社グループの運用する会計方針と異なる場合には、当該持分法適用会社の財務諸表を調整しています。
損失に対する当社グループの持分が持分法適用会社に対する投資を上回った場合には、長期持分を含めたその投資の帳簿価額をゼロまで減額しています。当社グループが投資先に代わって債務を負担又は支払いを行う場合を除き、それ以上の損失は認識していません。
③ 共同支配の取決め
共同支配の取決めは、当社グループが共同支配(取決めのリターンに重要な影響を及ぼす活動に関する意思決定が、全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在する)を有する取決めです。当社グループでは、共同支配の取決めとして共同支配企業があり、当社グループが取決めの純資産に対する権利のみを有する場合、関連会社と同様に、持分法を用いて会計処理しています。
④ 企業結合
企業結合は、取得法で会計処理しています。
のれんは、移転した対価と被取得企業の非支配持分の金額の合計が、取得日における識別可能な取得資産及び引受負債の公正価値の正味価額を上回る場合にその超過額として測定しています。その差額が負の金額である場合には、即時に純利益として認識しています。
負債又は持分証券の発行に関連するものを除いて、企業結合に関連して当社グループに発生する取得関連コストは発生時に費用処理しています。
また、共通支配下の企業又は事業が関わる企業結合(すべての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的でない企業結合)については、帳簿価額に基づき会計処理しています。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、当初認識時に、取引日の為替レート又はそれに近似するレートで各社の機能通貨に換算しています。
期末日における外貨建貨幣性資産・負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しています。外貨建非貨幣性項目のうち、取得原価で測定されているものは取引日の為替レート又はそれに近似するレートで、公正価値で測定されるものは、当該公正価値の測定日における為替レートで機能通貨に換算しています。
換算及び決済によって発生した為替差額は、純損益として認識しています。ただし、非貨幣性項目の利得又は損失がその他の包括利益に認識される場合は、当該為替差額もその他の包括利益に認識しています。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産・負債は、取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含め、期末日の為替レートで日本円に換算しています。在外営業活動体の収益及び費用は、為替レートの著しい変動がない限り、期中平均為替レートを用いて日本円に換算しています。為替換算差額はその他の包括利益で認識しています。
在外営業活動体の一部又はそのすべてが処分され、支配又は重要な影響力を喪失した場合には、その他の資本の構成要素に認識した累積換算差額を純損益に振り替えています。
(3) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
金融資産は、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
金融資産は、契約の当事者となった時点で認識しています。通常の方法で売買される金融資産は取引日に認識しています。
金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合において、金融資産の認識を中止しています。
(ⅰ)償却原価で測定する金融資産
以下の要件をいずれも満たす金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
(a)当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている
(b)金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時にその取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算して測定しています。ただし、重要な金融要素を含まない営業債権は取引価格で当初測定しています。
また、当初認識後は、実効金利法を用いて償却原価で測定しています。
(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は公正価値で測定する金融資産に分類しています。
公正価値で測定する金融資産のうち、売買目的で保有していない資本性金融商品への投資については、公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行うことが認められており、当社グループでは金融商品ごとに当該指定を行っています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時にその取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算して測定しています。また、当初認識後は、公正価値で測定し、その事後的な変動はその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した公正価値の変動額は、認識を中止した場合にその累計額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えていません。なお、配当については純損益として認識しています。
(ⅲ)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記以外の金融資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値により測定し、その取得に直接起因する費用は、発生時に純損益で認識しています。また、当初認識後は、公正価値で測定し、その事後的な変動は純損益として認識しています。
② 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産、契約資産及びリース債権について、予想信用損失に係る引当金を認識しています。
報告日において、ある金融商品に関する信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る引当金を、当該金融商品の存続期間にわたって発生する可能性のあるすべての債務不履行事象から生じる予想信用損失(存続期間にわたる予想信用損失)と同額で測定しています。
報告日において、ある金融商品に関する信用リスクが当初認識以降に著しくは増大していない場合には、当該金融商品に係る引当金を、報告日から12ヶ月以内に発生する可能性のある債務不履行事象によって生じる予想信用損失(12ヶ月の予想信用損失)と同額で測定しています。
ただし、営業債権、契約資産及びリース債権については、引当金を常に存続期間にわたる予想信用損失と同額で測定しています。
信用リスクの著しい増大の評価及び予想信用損失の測定の詳細については、注記21.「金融商品」に記載しています。
③ 非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
償却原価で測定する金融負債は、当初認識時にその取得に直接起因する取引コストを公正価値に減算して測定しています。また、当初認識後は、実効金利法を用いて償却原価で測定しています。
金融負債は、契約の当事者となった時点で認識しています。
金融負債が消滅した場合、すなわち、契約中に特定した債務が履行により消滅、免責、取消、又は失効となった時に、かつ、その時にのみ、金融負債の認識を中止します。
④ デリバティブ取引及びヘッジ会計
当社グループは、通常の営業活動において、為替変動及び金利変動などの市場リスクに晒されています。これらのリスクを管理するため、当社グループは、原則として、リスクの純額を把握し、社内規程に則りデリバティブ取引を必要に応じて締結するなど、リスクを相殺する効果を有する取引を活用して市場リスクの軽減を図っています。当初のヘッジ指定時点において、当社グループは、リスク管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略、及びヘッジ関係の有効性の評価方法を含む、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係を正式に文書化しています。また、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係及びリスク管理方針に基づき適切なヘッジ比率を設定しています。
当社グループでは、ヘッジ手段がヘッジ対象期間において関連するヘッジ対象の公正価値やキャッシュ・フローの変動に対して高度に相殺効果を有すると予想することが可能であるか否かについて、継続的に評価を実施しています。
デリバティブは公正価値で当初認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動は以下のとおり処理しています。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動は、純損益として認識しています。また、ヘッジされたリスクに対応するヘッジ対象の公正価値の変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正して、純損益として認識しています。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動のうち、有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益として認識し、累積額は、その他の資本の構成要素に含めています。また、ヘッジ効果が有効でない部分は、純損益として認識しています。その他の資本の構成要素に累積された金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える会計期間において、その他の資本の構成要素から純損益に振り替えています。ただし、予定取引のヘッジがその後において非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の資本の構成要素に累積された金額は、当該非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
ヘッジ手段が失効、売却、終結又は行使された場合、ヘッジがヘッジ会計の要件を満たしていない場合には、ヘッジ会計を将来に向けて中止しています。予定取引の発生がもはや見込まれない場合には、その他の資本の構成要素に累積された金額は、即時にその他の資本の構成要素から純損益に振り替えています。
(ⅲ)ヘッジ指定されていないデリバティブ
デリバティブの公正価値の変動は、純損益として認識しています。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(5) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い金額で測定しています。
棚卸資産の取得原価は主として個別法、先入先出法、移動平均法に基づいて算定しており、棚卸資産の取得に係る費用、製造費及び加工費、並びに当該棚卸資産を現在の場所及び状態とするまでに要したその他の費用を含めています。
正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額です。
(6) 有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しています。
取得原価には資産の取得に直接関連する費用、資産計上の要件を満たす借入費用並びに解体、除去及び原状回復費用を含めています。
有形固定資産の処分損益は、処分により受け取る金額と有形固定資産の帳簿価額との差額により算出し、純損益で認識しています。
② 減価償却
有形固定資産は、その資産が使用可能となった日から、減価償却しています。
減価償却費は償却可能額をもとに算定しています。償却可能額は、資産の取得原価から残存価額を差し引いて算出しています。
土地等の償却を行わない資産を除き、有形固定資産は見積耐用年数にわたり、主に定額法で減価償却を行っています。
主な見積耐用年数は以下のとおりです。
・建物及び構築物 3~50年
・機械装置及び運搬具 2~20年
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、期末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しています。
(7) 無形資産
① 認識と測定
(ⅰ)開発費
開発活動には、新規の又は大幅に改良された製品又は工程を生み出すための計画又は設計を含めています。開発費は、以下の要件をすべて満たした場合のみ資産化しています。
・技術的実行可能性
・完了及び利用・売却意図
・使用・売却能力
・将来の経済的便益
・適切な資源の利用可能性
・信頼性のある測定
将来の経済的便益が流入する可能性を実証することができないため、研究局面に関する支出は資産化せず、発生時に費用として認識しています。
資産化される費用には、材料費、直接労務費、資産の意図した使用のための準備に直接関連する間接費用を含めています。その他の開発費は、発生時に費用として認識しています。
資産化された開発費は、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を差し引いて表示しています。
(ⅱ)ソフトウェア及びその他の無形資産
当社グループが取得したソフトウェア及びその他の無形資産で耐用年数を確定できるものは、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除して計上しています。また、耐用年数を確定できないものは、取得原価から減損損失累計額を控除して計上しています。
(ⅲ)のれん
子会社の取得により生じたのれんは無形資産に計上しています。当初認識時におけるのれんの測定については、(1) ④ 「企業結合」に記載しています。
のれんは、原価モデルを採用し、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しています。持分法適用会社については、のれんの帳簿価額を投資の帳簿価額に含めています。
② 償却
のれん以外の耐用年数を確定できる無形資産は、その資産が使用可能となった日から見積耐用年数にわたって償却しています。償却方法は、開発費については開発対象の製品機種の生産台数に応じた生産高比例法、その他の無形資産については定額法によっています。
主な見積耐用年数は以下のとおりです。
・ソフトウェア 5年
・開発費 2~10年
償却方法、耐用年数及び残存価額は、期末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しています。
(8) リース
① 借手としてのリース
リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識しています。
使用権資産の測定においては原価モデルを採用し、リース開始日における取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。この取得原価は、リース負債の当初測定額に、開始日又はそれ以前に支払ったリース料を調整し、当初直接コスト、リース契約に基づき要求される解体、除去及び原状回復費用を含め、受領済みのリース・インセンティブを控除して測定しています。当初認識後、使用権資産は、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方の日まで、定額法により減価償却しています。
リース負債は、開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しています。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの追加借入利子率を用いています。
リース負債は、実効金利法により測定しています。各契約に原資産を購入するオプションやリース期間の延長、解約のオプションが付与されていて、そのオプションを行使する見通しに変化が生じた場合には、リース負債を再測定しています。
なお、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しており、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しています。
当社グループは、財政状態計算書において、使用権資産は他の資産として区分し、リース負債を「社債、借入金及びその他の金融負債」に含めて表示しています。
② 貸手としてのリース
契約上、原資産の所有に伴う実質的なすべてのリスクと経済価値を借手に移転するリースは、ファイナンス・リースとして分類しています。ファイナンス・リース以外のリースは、オペレーティング・リースとして分類しています。
ファイナンス・リース取引においては、正味リース投資未回収額をリース債権(「営業債権及びその他の債権」に含めて表示)として認識しています。未稼得金融収益はリース期間にわたり純投資額に対して一定率で配分し、その帰属する期間に収益認識しています。
オペレーティング・リース取引においては、受取リース料は、リース期間にわたって定額法により収益として認識しています。
(9) 非金融資産の減損
当社グループの有形固定資産及び無形資産等の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積り、減損テストを実施しています。のれん及び耐用年数を確定できない、又は未だ使用可能ではない無形資産については、年に一度定期的に減損テストを行うほか、減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しています。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としています。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いています。資金生成単位については、他の資産又は資産グループからのキャッシュ・イン・フローから概ね独立したキャッシュ・イン・フローを生成するものとして識別する資産グループの最小単位としています。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に認識しています。減損損失は純損益として認識しています。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額します。
のれんに関連する減損損失は戻し入れていません。のれん以外の資産については、過去に認識した減損損失は、期末日ごとに、過年度に計上した減損損失の戻入れの兆候の有無を判断しています。そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻し入れています。
(10) 政府補助金
政府補助金は、当社グループが補助金を受領し、その補助金に付帯する諸条件を遵守することが合理的に確かである場合に、公正価値で測定し、以下の方法で認識しています。
資産に関する補助金は、取得原価から補助金を控除して、資産の帳簿価額を算定する方法で認識しています。収益に関する補助金は、関連する費用から当該補助金を控除する方法で認識しています。
(11) 従業員給付
① 長期従業員給付
(ⅰ)退職後給付
(a)確定拠出制度
当社及び一部の子会社では、確定拠出型制度を採用しています。確定拠出年金制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度です。確定拠出年金制度の拠出債務は、従業員が関連したサービスを提供した期間に、従業員給付費用として純損益で認識しています。
(b)確定給付制度
確定給付型制度は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額を、負債又は資産として認識しています。
確定給付制度債務の現在価値及び勤務費用は、予測単位積増方式を用いて制度ごとに算定しています。
割引率は、確定給付制度債務を支払う際に使用する通貨及び見積り支払期日に対応した、期末日時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しています。
確定給付制度から生じる再測定は、数理計算上の差異・制度資産に係る収益(利息を除く)及び資産上限額の影響から構成され、それらを即時にその他の包括利益に計上しており、直ちに利益剰余金に振り替えています。
制度が改訂された場合、従業員による過去の勤務に関連する給付金の変動部分は、即時に純損益として認識しています。
(ⅱ)その他の長期従業員給付
退職後給付制度以外の長期従業員債務として、長期勤続を達成時に休暇や手当が付与される制度を有しています。当該長期従業員給付は、従業員が過年度及び当年度に提供したサービスの対価として獲得した将来給付の見積額を現在価値に割り引いて算定しています。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しています。
賞与については、当社グループが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的及び推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合にそれらの制度に基づいて支払われる見積額を負債として認識しています。
(12) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループがその金額について信頼できる見積りが可能である法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高い場合に認識しています。
貨幣の時間価値の影響が重要な場合には、当該引当金は債務の決済に必要と予想される支出額の現在価値で測定しています。
(13) 株主資本
① 普通株式
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、取得に直接関連して発生したコストを含めた支払対価を資本から控除しています。自己株式を処分した場合には、受取対価と自己株式の帳簿価額との差額を資本として処理しています。
(14) 収益
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、約束した財又はサービスの顧客への移転を当該財又はサービスと交換に権利を得ると見込んでいる対価を反映する金額で収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
当社グループの顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりです。
① 製品等の販売
製品等の販売による収益については、当社グループは顧客との契約に基づいて製品等を引き渡す履行義務を負っており、製品等の引渡時点又は検収時点で支配が顧客に移転すると判断していることから、製品等の引渡日又は検収日に収益を認識しています。製品等の販売による収益は、契約において約束した対価からリベート及び値引きを控除した金額で測定しています。
② 工事契約、役務の提供
工事契約、役務の提供に係る収益は、顧客からの受注に基づく製品の製造と、それに伴う製品のメンテナンス等によるものであり、顧客との契約に基づいて財又はサービスを提供する履行義務を負っています。工事契約、役務の提供については、財又はサービスに対する支配を一定期間にわたり移転するため、履行義務の完全な充足に向けて合理的に進捗度を測定することにより収益を認識しています。進捗度の測定は、顧客に移転することを約束した財又はサービスの性質を考慮しています。航空宇宙システム事業、エネルギーソリューション&マリン事業等における工事契約等、発生した原価が履行義務の充足における進捗度に比例する場合は、現時点の累計発生原価の取引全体の見積総原価の割合などに基づくインプット法で進捗度を測定しています。エネルギーソリューション&マリン事業等におけるメンテナンス契約等、一定の期間にわたって提供するサービスに対して固定額を請求する契約や、航空宇宙システム事業における民間航空エンジンのメンテナンス契約や車両事業における鉄道車両の製造等、履行が完了した部分に対する顧客にとっての価値に直接対応する対価の額を顧客から受け取る権利を有する契約の場合、経過した期間の契約期間全体に占める割合や現時点までの履行済みの義務が履行義務全体に占める割合などに基づくアウトプット法に基づいて進捗度を測定しています。なお、進捗度を合理的に見積ることができないが、発生するコストを回収すると見込んでいる場合は、発生したコストの範囲で収益を認識しています。
これらの履行義務に対する対価は、履行義務の充足時点から通常1年以内に受領しています。なお、対価に重要な金融要素は含まれていません。
当社グループでは、製品が契約に定められた仕様を満たしていることに関する保証を提供していますが、当該製品保証は別個のサービスを提供するものではないことから、独立した履行義務として区別していません。
リベート及び事後的な値引きなど、対価の変動を含む取引契約については、その不確実性が解消される際に重要な売上収益の戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲で当該変動価格を見積り、取引価格を決定しています。
また、顧客との契約の履行のためのコストのうち、回収が見込まれる金額を資産計上しています。当該資産は、関連するサービスが顧客へ移転するパターンに応じて償却を行っています。
(15) 金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用は、受取利息、支払利息、受取配当金、為替差損益、デリバティブ損益(その他の包括利益で認識される損益を除く)等から構成されています。受取利息及び支払利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しています。受取配当金は、当社グループの受領権が確定した日に認識しています。
(16) 法人所得税
税金費用は、当期税金費用と繰延税金費用から構成されています。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益で認識しています。
当期税金費用は、税務当局に対する納付又は税務当局から還付が予想される金額として測定しています。当該税額の算定は、期末日までに制定又は実質的に制定された税率及び税法に従っています。
繰延税金費用は、期末日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額との一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に基づいて算定しています。
繰延税金資産は、未使用の税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。また、期末日ごとに見直し、繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった部分について減額しています。
繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識しています。ただし、以下の場合は繰延税金負債を認識していません。
・予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合の子会社に対する投資に係る差異
・のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異
繰延税金資産及び負債は、期末日に施行又は実質的に施行される法律に基づいて一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産・負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産・負債を純額ベースで決済することを意図している場合、若しくはこれらの税金資産及び負債が同時に実現する予定である場合に相殺しています。
法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法上の解釈に基づき税務ポジションが発生する可能性が高い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識しています。
(17) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を控除した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。
希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在的普通株式の影響を調整して計算しています。
4.事業セグメント
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。当社グループは、製品別を基本とするカンパニー制を採用しており、各カンパニーは、委譲された権限の下、国内及び海外における事業活動を展開しています。従って、当社グループは当該カンパニーを基礎とした製品別を基本とするカンパニー別のセグメントから構成されており、「航空宇宙システム」、「車両」、「エネルギーソリューション&マリン」、「精密機械・ロボット」、「パワースポーツ&エンジン」、「その他」の6つを報告セグメントとしています。
各報告セグメントの主な事業内容は、以下のとおりです。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告セグメントの会計方針は、注記3.「重要性がある会計方針」で記載している当社グループの会計方針と概ね同一です。
当社グループの報告セグメントに関する情報は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 セグメント間の内部売上収益又は振替高は、通常の市場価格等にて計上しています。
2 セグメント利益又は損失(事業利益又は事業損失)の調整額△21,723百万円には、セグメント間取引消去△1,753百万円、セグメントに帰属しない一般管理費等△19,970百万円を含めています。
3 セグメント利益又は損失(事業利益又は事業損失)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費、持分法による投資損益、その他の収益及びその他の費用を控除しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1 セグメント間の内部売上収益又は振替高は、通常の市場価格等にて計上しています。
2 セグメント利益又は損失(事業利益又は事業損失)の調整額△25,609百万円には、セグメント間取引消去△777百万円、セグメントに帰属しない一般管理費等△24,832百万円を含めています。
3 セグメント利益又は損失(事業利益又は事業損失)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費、持分法による投資損益、その他の収益及びその他の費用を控除しています。
(3) 製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しています。
(4) 地域別情報
当社グループの地域別収益は顧客の地理的分布に基づいており、その内訳は注記24.「収益」に記載のとおりです。
当社グループの所在地域別に分析した非流動資産(金融資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産等を除く)の帳簿価額の内訳は、以下のとおりです。
(5) 主要な顧客に関する情報
連結売上収益の10%以上を占める顧客の売上収益は、以下のとおりです。
5.子会社及び非支配持分の取得
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
重要な企業結合はありません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
重要な企業結合はありません。
6.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。
現金及び現金同等物は、いずれも償却原価で測定する金融資産に分類しています。
なお、連結財政状態計算書上の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上の残高は一致しています。
7.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。
営業債権及びその他の債権は、その他に含まれるリース債権を除き、いずれも償却原価で測定する金融資産に分類しています。
上記のうち、12ヶ月を超えて回収される営業債権及びその他の債権は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ66,387百万円、105,253百万円です。
8.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。
費用として認識した棚卸資産の評価減(△は評価減の戻入)の金額は連結損益計算書の売上原価に含めており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ203百万円、1,764百万円です。
上記のうち、12ヶ月を超えて払出・売却される棚卸資産は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、金額的に重要なものはありません。
9.有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減、取得原価並びに減価償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりです。
帳簿価額
取得原価
減価償却累計額及び減損損失累計額
(注) 1.減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
2.減損損失は、連結損益計算書の「売上原価」に含めています。
3.減損損失の内容は、注記11.「非金融資産の減損」に記載しています。
10.無形資産
無形資産の帳簿価額の増減、取得原価並びに償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりです。
帳簿価額
取得原価
償却累計額及び減損損失累計額
(注) 1.償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
2.減損損失は、連結損益計算書の「売上原価」に含めています。
3.減損損失の内容は、注記11.「非金融資産の減損」に記載しています。
11.非金融資産の減損
当社グループは、以下の資産グループについて減損損失を計上しており、連結損益計算書の「売上原価」に計上しています。
当社グループは、ビジネス・ユニットをもとに、概ね独立したキャッシュ・イン・フローを生み出す最小の単位である資金生成単位にグルーピングしています。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
現在の市場環境を前提に収益性が低下したことに伴い、当社エネルギーソリューション&マリンカンパニーの坂出工場に係る資産について567百万円、当社パワースポーツ&エンジンセグメントの子会社に係る資産について440百万円減損損失を計上したものです。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
重要な減損損失は生じていません。
12.リース
当社グループは、オフィスや倉庫として土地と建物を賃借しています。典型的なオフィスの賃貸借契約の期間は10~20年であり、契約期間終了後に一定期間の賃貸借契約を延長するオプションが含まれている契約があります。
当社グループは、一部の賃貸不動産をオペレーティング・リース又はファイナンス・リースによりサブリースしています。
オフィス等の賃貸借契約には、解約不能期間終了の1年前まで当社グループが行使可能な延長オプションが付されているものがあります。オフィス等の賃貸借契約は借地借家法の適用対象であり、契約満了時に賃貸人が契約更新を拒否する正当な事由がない限り、当社グループは契約を更新することが可能です。契約更新の権利は当社グループだけが行使可能であり、貸手は行使できません。当社グループは、リース開始日に、契約更新の権利を行使することが合理的に確実であるか否かを評価します。当社グループは、当社グループがコントロールできる範囲内にある重大な事象の発生又は重大な状況の変化があった時に、当該オプションを行使することが合理的に確実であるか否かを見直します。
また、当社グループは、オフィス等以外に主に機械装置をリースしており、機械装置リース期間は5~10年です。この中には、契約期間終了時に当社グループが当該資産を購入できるオプションを有しているリースや、当社グループが契約期間終了時のリース資産の残存価値を保証しているリースがあります。
当社グループは、これらの機械装置の使用状況をモニタリングし、報告日時点で残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額を再評価することを通じて、使用権資産とリース負債を再測定しています。
その他IT機器等のリースの中には短期リース及び(又は)少額資産のリースが含まれており、そのようなリースについては使用権資産とリース負債を認識していません。
(1)使用権資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における使用権資産の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の減価償却費及び増加額は、以下のとおりです。
(2)リース負債
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるリース負債の満期分析は、注記21.「金融商品」に記載のとおりです。
(3)純損益に認識された金額
使用権資産のサブリースから生じる賃貸収益、及びリース負債の測定に含めていない変動リース料に係る費用に重要性はありません。
(4)リースに係るキャッシュ・アウト・フロー
(5)セール・アンド・リースバック
セール・アンド・リースバックに関する情報は重要性がないため記載を省略しています。
当社グループが貸手となるリースの情報は重要性がないため記載を省略しています。
13.その他の金融資産
(1) その他の金融資産の内訳
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1.デリバティブ資産には、ヘッジ手段として指定したものが含まれており、その公正価値変動のうち有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益として認識しています。
2.一部の海外LNGタンク建設工事においては、海外下請工事会社の契約不履行等の契約違反により当社は損害(約510億円)を被りました。本事案については、ICC(The International Chamber of Commerce)へ仲裁申立を行っています。なお、本事案は今後仲裁を通じて解決を図っていく予定であり、契約上の権利に基づく金融資産を「その他」に計上しています。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
事業上の関係を有しており、長期間保有する株式をその他の包括利益を通じて公正価値で測定するものと指定しています。
① 主な銘柄及び公正価値の内訳
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の主な銘柄及び公正価値は、以下のとおりです。
② 認識の中止
当社は、主に保有資産の効率化及び有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の一部を売却することにより、認識を中止しています。期中に売却したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値、累積利得又は損失(△)は、以下のとおりです。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の認識を中止した場合、その他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失をその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。期中に累積利得又は損失(税引後)をその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ△2,130百万円、△455百万円です。
③ 受取配当金
14.繰延税金及び法人所得税
(1) 繰延税金
① 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 純損益を通じて認識された額の合計と繰延税金費用との差額は、為替の変動によるものです。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 純損益を通じて認識された額の合計と繰延税金費用との差額は、為替の変動によるものです。
当社グループは、繰延税金資産の認識に当たり、繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しています。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得及びタックス・プランニングを考慮しています。当社グループは、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における繰延税金資産は、回収される可能性が高いものと考えていますが、当社グループを取り巻く市場の動向や為替変動などの経済情勢により、将来課税所得の予測の不確実性は増大します。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末の繰延税金資産のうち、それぞれの前連結会計年度又は当連結会計年度に損失が生じている納税主体に帰属しているものは、それぞれ105,585百万円、23,976百万円です。
② 繰延税金資産を認識していない繰越欠損金及び将来減算一時差異
③ 繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限
④ 繰延税金負債を認識していない将来加算一時差異
当社グループは子会社の投資に係る将来加算一時差異については、報告期間末において配当することが予定されている未分配利益に係るものを除き、繰延税金負債を認識していません。これは、当社グループが一時差異の取崩しの時期をコントロールする立場にあり、このような差異を予測可能な期間内に取崩さないことが確実であるためです。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、繰延税金負債を認識していない子会社の投資に係る将来加算一時差異はそれぞれ319,032百万円及び247,781百万円です。
(2) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は、以下のとおりです。
繰延税金費用には、従前は税効果未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額と、繰延税金資産の評価減又は以前に計上した評価減の戻入により生じた費用の額を含めています。これに伴う繰延税金費用の増減額は、前連結会計年度においては504百万円(減少額)、当連結会計年度においては軽微です。また、税率変更の影響による繰延税金費用の増減額は、前連結会計年度においては軽微、当連結会計年度においては2,601百万円(減少額)です。
当期税金費用には、従前は税効果未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額を含めています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、これに伴う当期税金費用の減少額はいずれも軽微です。
(3) 適用税率の調整
法定実効税率と実際負担税率との差異について、原因となった主要な項目の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社グループは、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率はいずれも30.5%となっています。ただし、在外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。
15.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。
営業債務及びその他の債務は、いずれも償却原価で測定する金融負債に分類しています。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、支払手形及び買掛金のうち担保を供している金額、及び担保に供している資産(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産等)に重要性はありません。
16.社債、借入金及びその他の金融負債
(1) 内訳
社債、借入金及びその他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。
当連結会計年度末における短期借入金及び長期借入金の平均利率は、それぞれ3.480%及び0.600%です。
長期借入金の返済期限は、2025年~2035年です。
(2) 契約条項及び返済スケジュール
社債の契約条項及び返済スケジュールは、以下のとおりです。
(3) 債権流動化
当社グループでは、営業取引から生じた債権の一部を譲渡していますが、そのうち債務者が支払いを行わない場合に当社グループに遡及的な支払義務が生じるような流動化資産については、認識の中止の要件を満たさないことから、認識の中止は行っていません。また、契約資産についても譲渡していますが、同様に認識の中止の要件を満たさないことから、認識の中止を行っていません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、このような譲渡資産を連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権」にそれぞれ83,118百万円及び106,166百万円、「契約資産」にそれぞれ85,152百万円及び76,939百万円計上しています。また、当該資産の譲渡時に生じた入金額を、関連する負債として「社債、借入金及びその他の金融負債」にそれぞれ同額計上しています。譲渡資産及び関連する負債の帳簿価額は概ね公正価値に近似しています。
(4) 財務活動に係る負債の調整表
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(5) 財務特約条項
当社グループの金銭消費貸借契約の一部には、以下の財務制限条項が付されています。当該財務制限条項に抵触した場合、貸付人の請求によって契約上の債務について期限の利益を喪失する可能性があります。
① 連結会計年度の末日における連結財政状態計算書の資本の金額を、前連結会計年度の末日における資本の金額
の75%以上に維持すること
② 2期連続して連結損益計算書において税引前損益からその他の収益・費用を加減した損益が損失とならないこ
と
当社グループは、当連結会計年度末時点において、当該金銭消費貸借契約に係る財務制限条項に抵触しておらず、当該財務制限条項を遵守することが困難になる兆候はないと判断していることから、借入残高を非流動負債として分類しています。非流動負債に分類した借入金の帳簿価額は73,000百万円(前連結会計年度は77,000百万円)です。
17.従業員給付
(1) 退職給付制度の概要
当社グループは確定給付型の制度として、退職一時金制度、確定給付企業年金制度及びキャッシュバランスプラン(市場金利連動型年金)を設けているほか、確定拠出型の制度として、確定拠出年金制度を設けています。また、当社においては、退職給付信託が設定されています。
退職一時金制度は、退職者に対し一時金を支給するもので、当社及び一部の子会社が直接退職者へ支払義務を負っています。
確定給付企業年金制度及びキャッシュバランスプラン(市場金利連動型年金)は、会社が委託金融機関に定期的に掛金を拠出することで積立を行っており、受給資格を有する従業員の退職後に、当該積立金から委託金融機関が一時金又は年金を給付します。
確定拠出年金制度は、加入を選択する従業員及び当該従業員の雇用者である会社が、加入期間にわたり掛金を拠出し、加入者自らが積立金の運用を行う制度であり、給付は委託機関が行います。
これらの退職給付制度により、当社グループは数理計算上のリスク(金利リスク、市場リスク等)に晒されています。
当連結会計年度に、海外の一部の連結子会社の確定給付制度が終了しました。
(2) 確定給付制度
① 連結財政状態計算書で認識した金額の内訳
確定給付制度債務及び制度資産と連結財政状態計算書に計上した確定給付負債及び資産の純額との関係は、以下のとおりです。
(注) 退職給付に係る資産は、連結財政状態計算書の「その他の非流動資産」に含めています。
② 確定給付制度債務の現在価値の増減
確定給付制度債務の現在価値の増減は、以下のとおりです。
(注) 当期勤務費用、利息費用、過去勤務費用は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
確定給付制度債務の当社の加重平均デュレーションは、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ14.3年、13.3年です。
③ 制度資産の公正価値の増減
制度資産の公正価値の増減は、以下のとおりです。
当社グループは、翌連結会計年度において確定給付制度に対し2,484百万円の掛金を拠出する予定です。
④ 制度資産の構成
当社グループにおける制度資産の運用は、許容されるリスクの範囲内で、必要とされる総合収益を中長期的に確保することにより、年金給付及び一時金給付の支払を将来にわたり確実に行うために十分な資産を確保することを目的として行っています。
主な運用の目標は、将来にわたって健全な年金財政を維持するに足るだけの収益率を確保することとし、定期的に制度資産の運用状況を専門委員会において客観的に再確認しています。個別資産については、運用科目ごとに市場における収益率を上回る成果を上げるよう努めています。また、資産全体については、少なくとも運用科目ごとの市場における収益率を資産構成比に応じて組み合わせた収益率を上回ることを運用の目標としています。
運用の目標を達成するため、各運用対象資産の期待運用収益率の予測、標準偏差(リスク)及び相関関係を考慮した上で、将来にわたる最適な資産の組み合わせである政策的資産構成割合(以下、「政策アセットミックス」という。)を定め、これを維持するよう努めています。この政策アセットミックスは原則として3年ごとに見直しを行っていますが、基金を取り巻く環境に著しい変化があった場合等、必要に応じて見直しを行うこととしています。
⑤ 現在価値の算定に用いた重要な数理計算上の仮定
重要な数理計算上の仮定として、当社における数理計算に使用している割引率を記載しています。
⑥ 確定給付制度債務の感応度分析
期末日時点で重要な数理計算上の仮定が0.5%変動した場合の確定給付制度債務の増加額及び減少額(△)は以下のとおりです。当該分析は、他のすべての変数が一定であると仮定しています。当該分析は前連結会計年度と同一の基礎に基づいて実施しています。なお、マイナスは負債の減少を表し、プラスは負債の増加を表しています。
(3) 確定拠出制度
前連結会計年度及び当連結会計年度において、確定拠出制度に係る年金費用は、それぞれ3,394百万円、3,815百万円です。
(4) 従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度において計上した従業員給付費用の総額は、それぞれ299,711百万円、398,883百万円です。
18.引当金
(1) 増減明細
引当金の増減は、以下のとおりです。
(2) 引当金の内容
① 保証工事引当金
保証工事費用の支出に備えるため、過去の実績又は個別の見積りに基づき計上しています。主に発生から1年以内の支出が見込まれます。
② 受注工事損失引当金
当連結会計年度末の未引渡工事のうち、大幅な損失が発生すると見込まれ、かつ、当連結会計年度末時点で当該損失額を合理的に見積ることが可能な工事について、翌連結会計年度以降の損失見積額を計上しています。支出の時期は将来の工事の進捗等に影響を受けます。
③ その他
その他には資産除去債務や環境対策引当金、制裁金に係る引当金などが含まれています。
19.払込資本及びその他の資本
(1) 資本管理
当社グループは、持続的な企業価値の向上及び財務基盤の強化のために、資本コストを上回る利益を将来にわたって安定的に創出していくことを経営の基本方針としています。
そのため、長期的な株主価値向上のための先進的な研究開発と革新的な設備投資を継続的に行うことと、配当による株主還元を、財務の健全性を維持しつつバランスよく実施していくことが重要だと考えています。
上記を踏まえ、当社グループは税後ROIC及びネットD/Eレシオを重要なモニタリング対象としています。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2) 資本金及び自己株式
授権株式数及び発行済株式数の増減は、以下のとおりです。
すべての普通株式は無額面であり、すべての発行済株式は全額払込済です。
なお、上記の自己株式数には、業績連動型株式報酬制度により設定された取締役等を受益者とする信託及び管理職層向けインセンティブ・プランにより設定された従業員を受益者とする信託が保有する株式が、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ376千株、738千株含まれています。
(3) 剰余金
① 資本剰余金
日本における会社法(以下、会社法)では、株式の発行に対して払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されています。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
② 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本剰余金に含まれている資本準備金及び利益剰余金に含まれている利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されています。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
(4) その他の資本の構成要素
① 確定給付制度の再測定
個々の確定給付制度について認識した数理計算上の差異から構成されています。
② その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の純変動額の累積額が含まれます。
③ キャッシュ・フロー・ヘッジ
未発生のヘッジ取引に関連するキャッシュ・フロー・ヘッジ手段の公正価値の純変動額の累積額のうち、ヘッジが有効な部分から構成されています。
④ 在外営業活動体の換算差額
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じた為替換算差額から構成されています。
(5) 配当金
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
① 配当の総額及び1株当たり配当額
(注)2023年6月28日定時株主総会の決議による配当金の総額には、業績連動型株式報酬制度により設定された取締役等を受益者とする信託が保有する株式に対する配当金23百万円が含まれています。
2023年11月8日取締役会の決議による配当金の総額には、業績連動型株式報酬制度により設定された取締役等を受益者とする信託が保有する株式に対する配当金7百万円が含まれています。
② 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注)2024年6月26日定時株主総会の決議による配当金の総額には、業績連動型株式報酬制度により設定された取締役等を受益者とする信託が保有する株式に対する配当金11百万円が含まれています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
① 配当の総額及び1株当たり配当額
(注)2024年6月26日定時株主総会の決議による配当金の総額には、業績連動型株式報酬制度により設定された取締役等を受益者とする信託が保有する株式に対する配当金11百万円が含まれています。
2024年11月8日取締役会の決議による配当金の総額には、業績連動型株式報酬制度により設定された取締役等を受益者とする信託が保有する株式に対する配当金25百万円が含まれています。
② 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注)2025年6月26日定時株主総会の決議による配当金の総額には、業績連動型株式報酬制度により設定された取締役等を受益者とする信託及び管理職層向けインセンティブ・プランにより設定された従業員を受益者とする信託が保有する株式に対する配当金59百万円が含まれています。
20.その他の包括利益
その他の包括利益の増減は、以下のとおりです。
21.金融商品
(1) 財務リスク管理
当社グループは、金融商品に係る以下のリスクを負っています。
・信用リスク((2)参照)
・流動性リスク((3)参照)
・市場リスク((4)参照)
(2) 信用リスク
① 信用リスクの内容とリスク管理方針
当社グループの営業債権及びその他の債権、契約資産、その他の金融資産については、顧客等の信用リスクに晒されています。これらの信用リスクに対し、当社グループでは、各事業における営業管理部門が主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っています。また、デリバティブ取引の利用に当たっては、カウンターパーティーの信用リスクを軽減するために格付の高い金融機関とのみ取引を行っているため、当該取引に係る信用リスクは限定的と考えています。なお、特定の取引先について、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。また、金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額です。
営業債権、契約資産及びリース債権については、常に全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しています(単純化したアプローチ)。営業債権、契約資産及びリース債権以外の債権等については、原則として12ヶ月の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定していますが、信用リスクの著しい増加がある場合は、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しています(原則的アプローチ)。当初認識以降の信用リスクの著しい増大の有無は、期末日ごとに、期日経過の情報などの入手可能で合理的かつ裏付け可能な情報を考慮して判断し、契約で定められた支払期限を30日超過した場合には、金融資産の信用リスクが当初認識時より著しく増大しているとしています。
また、当社グループは、当社グループが担保権の実行などを行わなければ、金融資産の全体又は一部を回収することができない、又は回収が極めて困難であると判断した場合に金融資産が債務不履行になっていると考えます。いずれの金融資産についても、発行者又は債務者の重大な財政的困難、契約違反(債務不履行又は期日経過事象など)、借手が破産又は他の財務上の再編を行う可能性が高くなった場合には、信用減損金融資産として取り扱っています。これらの判断には、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しており、当該情報に基づいて反証可能である場合には、信用リスクの著しい増大は生じていないものと判断しています。また、将来の回収が合理的に見込めない場合には、直接償却しています。
② 信用リスク・エクスポージャー
(i)貸倒引当金の対象となる資産の残高の総額
貸倒引当金の対象となる資産の残高の総額は、以下のとおりです。
(ⅱ)債務保証
当社グループは、持分法適用会社、顧客や従業員の金融機関との取引及びリース会社との取引に対して、以下のとおり保証を行っています。
③ 貸倒引当金の増減
貸倒引当金の金額は、以下のように算定しています。
・営業債権、契約資産及びリース債権
多数の取引先より構成されているため、債権等を取引先の信用リスク特性に応じて区分した上で、過去の貸倒実績に将来の経済状況等の予測を加味して予想信用損失を測定しています。
・営業債権、契約資産及びリース債権以外の債権等
信用リスクが著しくは増大していない資産については、過去の貸倒実績率に基づく引当率を総額での帳簿価額に乗じて予想信用損失を測定しています。
信用リスクが著しく増大している資産及び信用減損金融資産については、当該資産に係る取引先の財務状況等を考慮して個別に算定した回収可能価額と、総額での帳簿価額との差額をもって予想信用損失を測定しています。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 全期間の予想信用損失に等しい金額で測定すべき資産は僅少なため、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定すべき資産と合わせて開示しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 全期間の予想信用損失に等しい金額で測定すべき資産は僅少なため、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定すべき資産と合わせて開示しています。
なお、いずれの資産についても、前連結会計年度及び当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
また、担保として保有する物件及びその他の信用補完をする重要なものはありません。
(3) 流動性リスク
① 流動性リスクの内容と管理方針
流動性リスクとは、当社グループが現金又はその他の金融資産により決済する金融負債に関連する債務を履行する際に、困難に直面するリスクのことです。
当社グループは、期限の到来した金融負債の返済義務を履行するに当たり、支払期日にその支払を履行できなくなる流動性リスクに晒されています。そのため、当社グループでは、グループ各社が適時に資金計画を作成・更新し、金融負債返済のための資金を適切に確保することで、流動性リスクを管理しています。
また、キャッシュ・マネジメント・システムにより当社グループ各社間で資金融通を行うほか、資金調達手段の多様化、資金調達環境を考慮した長短のバランスの調整、コミットメントラインの確保などにより、機動的な資金調達能力を維持しています。
② 満期分析
金融負債の期日別内訳は、以下のとおりです。
(ⅰ)前連結会計年度(2024年3月31日)
(ⅱ)当連結会計年度(2025年3月31日)
③ 当座貸越契約及びコミットメントライン契約(借手側)
当社グループは運転資金の安定的かつ効率的な調達等を行うため、複数の金融機関と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しています。これらの契約に基づく借入未実行残高等は以下のとおりです。
④ サプライヤー・ファイナンス契約
当社グループは、第三者金融機関とサプライヤー・ファイナンス契約を締結しており、各仕入先と締結した契約に基づいて、第三者金融機関に対して支払いを行っています。仕入先は、第三者金融機関より割引による早期支払いを自らの裁量で受けることができます。当社グループは、サプライヤー・ファイナンス契約のための担保資産あるいは第三者による保証の提供を行っていません。
サプライヤー・ファイナンス契約に係る金融負債の帳簿価額は以下のとおりです。
(注) 当社グループは、「サプライヤー・ファイナンス契約」(IAS第7号及びIFRS第7号の改訂)に基づく経過措置を適用しており、適用初年度の期首現在の情報を開示していません。
サプライヤー・ファイナンス契約等に係る支払期日の範囲は以下のとおりです。
(注) 当社グループは、「サプライヤー・ファイナンス契約」(IAS第7号及びIFRS第7号の改訂)に基づく経過措置を適用しており、適用初年度の期首現在の情報を開示していません。
当社グループが締結しているサプライヤー・ファイナンス契約は、当該契約に参加していない他の仕入先と合意した通常の支払条件と比較して支払期日の集中や大幅な延長をもたらすものではなく、サプライヤー・ファイナンス契約による重大な流動性リスクを抱えていません。
当連結会計年度において、サプライヤー・ファイナンス契約の対象となる金融負債の帳簿価額に、重要な非資金変動はありません。
(4) 市場リスク
① 為替リスク
(i)為替リスクの内容及び管理方針
当社グループは、グローバルに事業を展開していることから、外貨建ての債権債務に係る為替リスクに晒されています。当社及び一部の連結子会社は、外貨建ての営業債権債務について、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対して、主に先物為替予約を利用してヘッジしています。なお、為替の状況により、原則として、輸出に係る予定取引により確実に発生すると見込まれる外貨建ての営業債権から外貨建ての営業債務をネットしたポジションについて先物為替予約を行っています。
(ⅱ)為替リスクのエクスポージャー
当社グループの為替リスクに対するエクスポージャーは、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(ⅲ)為替感応度分析
各期末日において、日本円が米ドル、ユーロに対して1%円高になった場合の税引前利益に与える影響は以下のとおりです。本分析においては、その他すべての変数は一定であることを前提としています。
② 金利リスク
金利リスクの内容及び管理方針
当社グループは、変動金利による借入を行っていることから、金利の変動リスクに晒されています。当社及び一部の連結子会社は、長期借入の一部について、支払金利の変動リスクヘッジとして支払利息を固定化する金利スワップ取引を利用しています。
(5) ヘッジ会計
外貨建営業取引に係る為替変動及び借入金に係る金利変動に伴うキャッシュ・フロー変動リスクをヘッジするために為替予約取引及び金利スワップを利用し、これをキャッシュ・フロー・ヘッジに指定しています。なお、ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、注記3.「重要性がある会計方針 (3) 金融商品 ④ デリバティブ取引及びヘッジ会計」に記載しています。
① ヘッジ指定されている重要なデリバティブ
(ⅰ) 前連結会計年度末(2024年3月31日)
(ⅱ) 当連結会計年度末(2025年3月31日)
デリバティブ資産又はデリバティブ負債は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」又は「社債、借入金及びその他の金融負債」にそれぞれ含めています。
② キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の残高は、以下のとおりです。
純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の公正価値の変動の記載は省略しています。
③ 連結損益計算書及び連結包括利益計算書における影響
(i) 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(ⅱ) 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、純損益に認識したヘッジの非有効部分に関する記載は省略しています。
(6) 金融商品の公正価値
① 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類
それぞれのレベルは、以下のように定義付けられています。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて測定した公正価値
レベル3:重要な観察できないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、公正価値の算定における優先順位が最も低いレベルに公正価値を分類しています。
② 公正価値の算定方法
金融資産及び金融負債の公正価値の算定方法は以下のとおりです。
(i)現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務、債権流動化に伴う支払債務、短期借入金、コマーシャル・ペーパー
短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっています。
(ⅱ)デリバティブ
為替予約は報告期間の末日の先物為替相場に基づき算定しています。また、金利スワップは、報告期間の末日における金利をもとに将来予測されるキャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定しています。
(ⅲ)株式・出資金
活発な市場のある株式等の公正価値は、市場価格に基づいて算定しています。活発な市場のない株式等の公正価値は、原則として、類似会社の市場価格に基づく評価技法等を用いて算定しています。
(ⅳ)長期借入金
元利金の合計額を、同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定しています。
(ⅴ)社債
市場価格に基づいて算定しています。
③ 公正価値で測定する金融商品
公正価値で測定される金融商品を評価方法ごとに分析した表は、以下のとおりです。公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替の有無は、報告期間の末日ごとに判断しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、公正価値レベル1とレベル2の間の重要な振替は行われていません。また、公正価値で測定する金融資産は、連結財政状態計算書の「その他の金融資産」の流動・非流動に区分して計上しています。同様に、公正価値で測定する金融負債は、「社債、借入金及びその他の金融負債」の流動・非流動に区分して計上しています。
(i)前連結会計年度(2024年3月31日)
(ⅱ)当連結会計年度(2025年3月31日)
(a) 評価技法及び重要な観察可能でないインプット
レベル3に分類される活発な市場のない株式等の公正価値については、類似会社の市場価格に基づく評価技法等を用いて算定しています。公正価値の算定に用いる重要な観察可能でないインプットは、株価純資産倍率(0.5倍~2.4倍)及び非流動性ディスカウント(30%)です。公正価値の見積りは、株価純資産倍率の増加(減少)により増加(減少)し、非流動性ディスカウントの増加(減少)により減少(増加)します。
なお、レベル3に分類される金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の公正価値の増減は重要ではありません。
(b) 評価プロセス
レベル3の金融商品に係る公正価値の測定は、関連する社内規程に従い実施しており、測定結果については部門管理者の承認を受けています。
(c) レベル3に分類される金融商品の期首残高と期末残高の調整表
(注) 1. 連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれています。なお、すべてその他の包括利益に認識したもので、純損益に認識したものはありません。
2. 連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。
3. 投資先を連結子会社化及び持分法適用会社化したことによる振替です。
④ 公正価値で測定されない金融商品
公正価値で測定されない金融資産及び金融負債の公正価値及び帳簿価額は、以下のとおりです。
(注) 上記以外の償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は、帳簿価額と近似しています。なお、上記の償却原価で測定する金融負債の公正価値ヒエラルキーは、借入金はレベル3、社債はレベル2に分類しています。
22.連結
(1) 当社グループの構成
当連結会計年度末の主要な子会社の状況は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。
当連結会計年度末までに、主要な子会社及び議決権の所有割合に重要な変動はありません。
(2) 重要性のある非支配持分が存在する子会社
当社グループには、重要性のある非支配持分が存在する子会社はありません。
(3) 重大な制限
該当事項はありません。
23.持分法で会計処理されている投資
(1) 持分に関する情報
① 重要性のある関連会社
当社グループには、重要性のある関連会社はありません。
② 重要性のある共同支配企業
当社グループには、重要性のある共同支配企業はありません。
③ 持分法で会計処理している重要性のない関連会社及び共同支配企業
(i)財務情報
(ⅱ)持分法上の帳簿価額
前連結会計年度及び当連結会計年度における持分法で会計処理している関連会社の持分の帳簿価額は、それぞれ47,907百万円、63,373百万円です。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度における持分法で会計処理している共同支配企業の持分の帳簿価額は、それぞれ43,047百万円、44,898百万円です。
(2) 重大な制限
該当事項はありません。
(3) 関連会社及び共同支配企業に対する偶発負債
当社グループは、一部の関連会社及び共同支配企業の金融機関借入金に対して、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ9,974百万円、2,392百万円の債務保証を行っています。
24.収益
(1) 収益の分解
当社グループは、注記4.「事業セグメント」に記載の6つの事業を基本として構成しています。その上で、顧客との契約から生じる収益についての理解のため、一部(「航空宇宙システム」、「エネルギーソリューション&マリン」、「精密機械・ロボット」)を、更に製品の種類に基づき区分した形で収益を分解しています。製品の種類別の内訳及び地域別の内訳と報告セグメントとの関連は以下のとおりです。
① 製品の種類別の内訳
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
② 地域別の内訳
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
③ 返金負債
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当社が、民間航空エンジンの国際共同事業体であるInternational Aero Engines, LLC(以下、「IAE社」という。)を通じて参画しているPW1100G-JMエンジンプログラム(以下、「同プログラム」という。)は、運航上重要な問題が発生したため、現在、IAE社とともに状況改善に向けて対応を進めています。当社は同プログラム参画メンバーとして発生する損失の一部を負担することとなるため、耐空性改善命令により発生する損失の一部負担分として59,611百万円を連結財政状態計算書の「返金負債」へ計上するとともに、60,047百万円を連結損益計算書の「売上収益」から減額しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社が、民間航空エンジンの国際共同事業体であるInternational Aero Engines, LLC(以下、「IAE社」という。)を通じて参画しているPW1100G-JMエンジンプログラム(以下、「同プログラム」という。)は、運航上重要な問題が発生したため、現在、IAE社とともに状況改善に向けて対応を進めています。当社は同プログラム参画メンバーとして発生する損失の一部を負担することとなるため、耐空性改善命令により発生する損失の一部負担分として43,477百万円を連結財政状態計算書の「返金負債」へ計上しています。
当社グループの各セグメントにおける主な収益計上方法は以下のとおりです。
・「航空宇宙システム」、「車両」、「エネルギーソリューション&マリン」
これらセグメントにおいては、民間航空機向け分担製造品や民間航空エンジン分担製造品などの製品の販売のほか、鉄道車両の製造や各種プラントの建設などの工事契約の実施及びそれらのメンテナンス契約などの役務の提供を行っています。製品の販売については、主に一時点で充足される履行義務のため、原則として物品の引渡日又は検収日に収益を認識しています。工事契約の実施及び役務の提供については、一定の期間にわたり充足される履行義務のため、合理的に進捗度を測定し収益を認識しています。進捗度の測定は、主として発生したコストに基づいたインプット法により行っていますが、メンテナンス契約等の役務の提供や、鉄道車両の製造等の一部の工事契約については、アウトプット法により行っています。
「航空宇宙システム」では、当社が参画している民間航空エンジンプログラムに関連して負担する費用の一部について、顧客に支払われる対価として、当該金額を見積もって売上収益から減額しています。また、民間航空エンジンプログラムに関して当社が参画割合に応じて負担する一種の値引きについて、収益認識時に当該値引きの金額を変動対価として見積もって売上収益から減額しています。
・「精密機械・ロボット」、「パワースポーツ&エンジン」、「その他」
これらセグメントにおける建設機械市場向け油圧機器や各種ロボット、二輪車及び四輪車などの製品の販売については、主に一時点で充足される履行義務のため、原則として物品の引渡日又は検収日に収益を認識しています。
(2) 契約残高
① 顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の内訳は以下のとおりです。
顧客との契約から生じた債権は、連結財政状態計算書上の「営業債権及びその他の債権」に含まれています。
契約資産は、主として一定の期間にわたり履行義務が充足される契約において、報告期間の末日時点での進捗度に基づいて測定した履行義務の充足分と交換に受け取る対価に対する権利のうち、債権を除いたものです。契約資産は、対価に対する権利が時の経過のみを要求される無条件な状態となった時点で顧客との契約から生じた債権に振り替えられます。契約資産の増減は、主として収益認識(契約資産の増加)と、営業債権への振替(契約資産の減少)により生じたものです。
契約負債は、主として顧客と約束した財又はサービスを顧客に移転する前に前受金として対価の支払いを受けた際に認識しています。その後、当社グループが履行義務を充足した時点で契約負債としての認識を中止し、収益として認識しています。契約負債の増減は、主に前受金の受取り(契約負債の増加)と、収益認識(契約負債の減少)により生じたものです。
② 認識した収益のうち、期首時点の契約負債残高に含まれていたもの及び過去の期間に充足していた履行義務から認識した収益
認識した収益のうち、期首時点の契約負債残高に含まれていたものの金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ225,223百万円、240,243百万円です。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足していた履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
残存履行義務に配分した取引価格の総額及び収益の認識が見込まれる期間は、以下のとおりです。なお、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な変動対価の額等はありません。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) パワースポーツ&エンジン事業については、主として見込み生産を行っていることから、残存履行義務に配分した取引価格を表示していません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
各報告セグメントの残存履行義務は、当連結会計年度末から起算して以下の期間に収益として認識することを見込んでいます。
・航空宇宙システム:約9割が4年以内、約1割が4年超
・車両:約9割が1年以内、約1割が1年超
・エネルギーソリューション&マリン:約9割が5年以内、約1割が5年超
・精密機械・ロボット:1年以内
・パワースポーツ&エンジン:1年以内
・その他:1年以内
(4) 契約コストから認識した資産
当社グループが資産計上している契約履行コストは、民間航空エンジン事業における顧客との契約の履行のためのコストのうち、回収が見込まれる金額を資産計上したものです。当該資産は、連結財政状態計算書上「棚卸資産」に計上し、関連するサービスが顧客へ移転するパターンに応じて償却を行っています。前連結会計年度及び当連結会計年度における、資産計上した契約履行コストに係る償却費は、12,867百万円及び535百万円です。
25.その他の資産及び負債
(1) その他の資産
その他の資産の内訳は、以下のとおりです。
(2) その他の負債
その他の負債の内訳は、以下のとおりです。
26.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりです。
27.その他の収益及び費用
(1) その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりです。
(2) その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりです。
28.金融収益及び金融費用
(1) 金融収益
金融収益の内訳は、以下のとおりです。
(2) 金融費用
金融費用の内訳は、以下のとおりです。
29.政府補助金
当社グループが受領した政府補助金は、主に研究開発活動に係るものです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において受領した政府補助金は、それぞれ11,591百万円、10,606百万円です。なお、当該金額のうち、収益に関する補助金は研究開発費から控除し、資産に関する補助金は取得した資産の取得原価から控除しています。
30.1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益及び算定上の基礎は、以下のとおりです。
(注)1 希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
2 資本において自己株式として計上されている取締役等を受益者とする信託が保有する当社株式は、1株当たり当期利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めています。(前連結会計年度末:376,200株、当連結会計年度末:738,900株)
31.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
当社グループとの関連当事者との間の取引及び債権債務の残高は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 総原価を勘案して、当社希望価格を提示し、価格交渉の上、取引条件を決定しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 総原価を勘案して、当社希望価格を提示し、価格交渉の上、取引条件を決定しています。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
取締役に対する報酬は、以下のとおりです。
32.後発事象
(子会社株式の一部売却)
1.当該事象の内容
当社は、2024年11月8日付の取締役会決議に基づき、2025年4月1日に、当社が保有する連結子会社カワサキモータース株式会社(以下、「カワサキモータース」という。)の発行済株式の20%をカワサキモータースに譲渡するとともに、カワサキモータースが伊藤忠商事株式会社に対して第三者割当を行い、発行済株式の20%の割り当てを行いました。なお、これらの取引後においても、カワサキモータースは引き続き当社の連結子会社です。
(本株式譲渡の概要)
(本第三者割当の概要)
2.当該事象の損益に与える影響額
当該事象により、2026年3月期の個別決算において、774億円の「関係会社株式売却益」を特別利益として計上する予定です。なお、本取引後もカワサキモータースは引き続き当社の連結子会社であるため、連結損益への影響は軽微です。
(2) 【その他】
1 当連結会計年度における半期情報等
2 重要な訴訟事件等
(海外LNGタンク建設工事における損害賠償請求について)
一部の海外LNGタンク建設工事においては、海外下請工事会社の契約不履行等の契約違反により当社が被った損害について、ICC(The International Chamber of Commerce)へ仲裁申立を行いました。なお、仲裁手続きの中で、相手方から当社に対して損害の請求がなされていますが、当社は当該請求の内容は正当な根拠を欠く不当なものであると考えています。当社は、引き続き仲裁手続きを通じて、当社の正当性を主張してまいります。
3 その他
(ワシントン地下鉄車両7000系の脱線事故について)
2021年10月に米国において、当社の連結子会社であるKawasaki Rail Car, Inc.が供給し、ワシントン首都圏交通局(WMATA: Washington Metropolitan Area Transit Authority)が車両の保守・運行を実施している7000系車両で、脱線事故が発生しました。
米国国家運輸安全委員会(NTSB:National Transportation Safety Board)からの最終報告では当社グループに契約履行上の瑕疵はなく、WMATAが今回の脱線事故前から発生していた車輪間隔拡大の経過分析を実施していれば、より適切な対応ができたとしています。
また、当社グループに契約履行上の瑕疵はないとされているにも関わらず、WMATAより当社グループの責任において7000系車両の車輪・車軸を交換するよう要求されていますが、契約に従い、WMATAに対し当社グループで負担する必要はない旨を回答しています。
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法
①子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法を採用しています。
②その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)を採用しています。
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法を採用しています。
(2) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
個別法及び移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しています。
(3) デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法を採用しています。
2 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しています。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しています。
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づいています。
(3) リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用しています。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額をゼロとする定額法を採用しています。
3 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 賞与引当金
従業員の賞与金の支払に備えて、賞与支給見込額の当期負担額を計上しています。
(3) 保証工事引当金
保証工事費用の支出に備えるため、過去の実績又は個別の見積りに基づき計上しています。
(4) 受注工事損失引当金
当事業年度末の未引渡工事のうち、大幅な損失が発生すると見込まれ、かつ、当事業年度末時点で当該損失額を合理的に見積ることが可能な工事について、翌事業年度以降の損失見積額を計上しています。
(5) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産(退職給付信託を含む)の見込額に基づき計上しています。
①退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定に当たり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
②数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用については、その発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により費用処理しています。
数理計算上の差異については、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しています。
(6) 債務保証損失引当金
関係会社への債務保証等に係る損失に備えるため、被保証先の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しています。
4 重要な収益及び費用の計上基準
当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、約束した財又はサービスの顧客への移転を当該財又はサービスと交換に権利を得ると見込んでいる対価を反映する金額で収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
当社の顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりです。
①製品等の販売
製品等の販売による収益については、当社は顧客との契約に基づいて製品等を引き渡す履行義務を負っており、製品等の引渡時点又は検収時点で支配が顧客に移転すると判断していることから、製品等の引渡日又は検収日に収益を認識しています。製品等の販売による収益は、契約において約束した対価からリベート及び値引きを控除した金額で測定しています。
②工事契約、役務の提供
工事契約、役務の提供に係る収益は、顧客からの受注に基づく製品の製造と、それに伴う製品のメンテナンス等によるものであり、顧客との契約に基づいて財又はサービスを提供する履行義務を負っています。工事契約、役務の提供については、財又はサービスに対する支配を一定期間にわたり移転するため、履行義務の完全な充足に向けて合理的に進捗度を測定することにより収益を認識しています。進捗度の測定は、顧客に移転することを約束した財又はサービスの性質を考慮しています。航空宇宙システム事業、エネルギーソリューション&マリン事業等における工事契約等、発生した原価が履行義務の充足における進捗度に比例する場合は、現時点の累計発生原価の取引全体の見積り総原価の割合などに基づくインプット法で進捗度を測定しています。エネルギーソリューション&マリン事業等におけるメンテナンス契約等、一定の期間にわたって提供するサービスに対して固定額を請求する契約や、航空宇宙システム事業における民間航空エンジンのメンテナンス契約等、履行が完了した部分に対する顧客にとっての価値に直接対応する対価の額を顧客から受け取る権利を有する契約の場合、経過した期間の契約期間全体に占める割合や現時点までの履行済みの義務が履行義務全体に占める割合などに基づくアウトプット法に基づいて進捗度を測定しています。なお、進捗度を合理的に見積ることができないが、発生するコストを回収すると見込んでいる場合は、発生したコストの範囲で収益を認識しています。
これらの履行義務に対する対価は、履行義務の充足時点から通常1年以内に受領しています。なお、対価に重要な金融要素は含まれていません。
当社では、製品が契約に定められた仕様を満たしていることに関する保証を提供していますが、当該製品保証は別個のサービスを提供するものではないことから、独立した履行義務として区別していません。
リベート及び事後的な値引きなど、対価の変動を含む取引契約については、その不確実性が解消される際に重要な売上収益の戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲で当該変動価格を見積り、取引価格を決定しています。
また、顧客との契約の履行のためのコストのうち、回収が見込まれる金額を資産計上しています。当該資産は、関連するサービスが顧客へ移転するパターンに応じて償却を行っています。
5 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) ヘッジ会計の処理
①ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっています。
②ヘッジ手段とヘッジ対象
③ヘッジ方針
社内規程に基づき、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジしています。
④ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ対象とヘッジ手段の相場変動の累計を比較し、両者の変動額等を基礎にして判断しています。
(2) 外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。
(3) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっています。
(4) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しています。
(重要な会計上の見積り)
1 繰延税金資産の回収可能性
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
①見積りの算出方法
繰延税金資産は、事業計画を基礎として将来の一定期間における課税所得の発生やタックスプランニングに基づき、回収可能性を検討しています。
②見積りの算出に用いた主な仮定
事業計画における主要な要素である売上高及び利益の予測は、将来の経済情勢の変動やその他の要因について一定の仮定を置いた上で実施しています。
③翌年度の財務諸表に与える影響
将来に係る見積りは、将来の経済情勢の変動やその他の要因により影響を受けます。当社は、回収可能性の見積りを合理的に行っていますが、これらの将来に係る見積りの諸条件の変化により、翌事業年度以降の財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(表示方法の変更)
(貸借対照表)
前事業年度において、「流動資産」の「その他」に含めていた「短期貸付金」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記しています。
(損益計算書)
前事業年度において、独立掲記していた「営業外費用」の「固定資産除却損」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「営業外費用」の「その他」に含めて表示しています。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権債務(区分表示したものを除く)
2 保証債務
※3 一部の海外LNGタンク建設工事においては、海外下請工事会社の契約不履行等の契約違反により当社は損害(約510億円)を被りました。本事案については、ICC(The International Chamber of Commerce)へ仲裁申立を行っています。なお、本事案は今後仲裁を通じて解決を図っていく予定であり、契約上の権利に基づく金融資産を投資その他の資産「その他」に計上しています。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりです。
おおよその割合
※3 前事業年度(2024年3月31日)
当社エネルギーソリューション&マリンカンパニーの坂出工場に係る資産について、現在の市場環境を前提に
収益性が低下したことに伴うものです。
※4 前事業年度(2024年3月31日)
当社が保有する株式会社メディカロイドの株式について、実質価額が低下したため、関係会社株式評価損12,955百万円及び債務保証損失引当金繰入額5,231百万円を特別損失に計上しています。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2024年3月31日)
子会社株式及び関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載していません。
なお、市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額は次のとおりです。
当事業年度(2025年3月31日)
子会社株式及び関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載していません。
なお、市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額は次のとおりです。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(注) 前事業年度は、税引前当期純損失を計上しているため、記載を省略しています。
3 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に公布され、2026年4月1日以後に開始する事業年度から法人税率等の引上げが行われることとなりました。
これに伴い、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、2026年4月1日に開始する事業年度以降に解消が見込まれる一時差異については従来の30.5%から31.4%に変更となります。
この税率変更により、繰延税金資産(繰延税金負債の金額を控除した金額)は1,895百万円増加し、法人税等調整額(借方)が1,923百万円、その他有価証券評価差額金(貸方)が25百万円、繰延ヘッジ損益(貸方)が1百万円それぞれ減少しました。
4 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しています。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
(企業結合等関係)
前事業年度(2024年3月31日)
該当事項はありません。
当事業年度(2025年3月31日)
該当事項はありません。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 24. 収益」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
(重要な後発事象)
(子会社株式の一部売却)
当社は、2024年11月8日付の取締役会決議に基づき、2025年4月1日に、当社が保有する連結子会社カワサキモータース株式会社(以下、「カワサキモータース」という。)の発行済株式の20%をカワサキモータースに譲渡するとともに、カワサキモータースが伊藤忠商事株式会社に対して第三者割当を行い、発行済株式の20%の割り当てを行いました。詳細については、「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 32. 後発事象」をご参照下さい。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注)1 「建物」の「当期増加額」のうち主なものは、精密機械・ロボット事業の事務所棟取得によるものであり、「機械及び装置」の「当期増加額」のうち主なものは、航空宇宙システム事業及びエネルギーソリューション&マリン事業の生産設備取得によるものであり、「工具、器具及び備品」の「当期増加額」のうち主なものは、航空宇宙システム事業の生産設備取得によるものです。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
重要な訴訟事件等
(海外LNGタンク建設工事における損害賠償請求について)
一部の海外LNGタンク建設工事においては、海外下請工事会社の契約不履行等の契約違反により当社が被った損害について、ICC(The International Chamber of Commerce)へ仲裁申立を行いました。なお、仲裁手続きの中で、相手方から当社に対して損害の請求がなされていますが、当社は当該請求の内容は正当な根拠を欠く不当なものであると考えています。当社は、引き続き仲裁手続きを通じて、当社の正当性を主張してまいります。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、単元未満株主は、会社法第189条第2号各号に掲げる権利、会社法第166条第1項の規定による請求をする権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利、並びに単元未満株式の売渡請求をする権利以外の権利を有していません。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。




