第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注)1.国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しています。
2.従業員数は就業人員数を表示しています。
3.従業員数の〔 〕内は平均臨時雇用人員で外数となっています。
4.第90期および第91期の希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益については、潜在的に希薄化効果のある株式が存在しないため記載していません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)などを第91期の期首から適用しており、第91期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準を適用した後の指標等となっています。
2.従業員数は就業人員数を表示しています。
3.従業員数の〔 〕内は平均臨時雇用人員で外数となっています。
4.第90期および第91期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
5.株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
6.第90期の株価収益率および配当性向については、1株当たり当期純損失であるため、記載していません。
7.第93期の1株当たり配当額106.0円には、記念配当20.0円(うち1株当たり中間配当額48.0円には、記念配当10.0円)が含まれています。
8.第94期の1株当たり配当額115.0円のうち、期末配当額67.0円については、2025年6月25日開催予定の定時株主総会の決議事項になっています。
2 【沿革】
当社は旧中島飛行機株式会社を前身として1953年に設立され、その後当社に対する出資5社(富士工業株式会社、富士自動車工業株式会社、大宮富士工業株式会社、宇都宮車輛株式会社、東京富士産業株式会社)を吸収合併し、1966年には額面株式1株の金額500円を50円に変更する目的をもって、東邦化学株式会社(1965年富士重工業株式会社と商号変更、東京都新宿区所在)に、東京都千代田区所在の富士重工業株式会社が吸収合併され、2017年4月に株式会社SUBARUと商号変更し、現在に至ったものです。その間の変遷は次の通りです。
(注) 会社の設立年月日 1945年12月27日
この設立年月日は、株式額面変更のために合併を行った合併会社(旧 東邦化学株式会社)の設立年月日であり、事実上の存続会社である被合併会社の設立年月日は1953年7月17日です。
3 【事業の内容】
当社および当社の関係会社(子会社82社、関連会社6社およびその他の関係会社1社(2025年3月31日現在)により構成)においては、自動車部門、航空宇宙部門およびその他部門の3部門に関係する事業を主として行っており、その製品は多岐にわたっています。各事業における当社および関係会社の位置付けなどは次の通りです。
なお、次の3部門は「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一です。
[自動車]
当部門においては、自動車ならびにその部品の製造、販売および修理を行っています。
なお、開発・生産における協力関係のもと、トヨタ自動車株式会社とは、スポーツカー(当社の国内生産拠点である群馬製作所において生産)および電気自動車の共同開発を行っており、また、ダイハツ工業株式会社からは、軽・小型自動車のOEM供給を受けています。
[航空宇宙]
当部門においては、航空機、宇宙関連機器ならびにその部品の製造、販売および修理を行っています。
[その他]
当部門においては、不動産の賃貸などを行っています。
各事業における主な関係会社については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」をご参照ください。
以上の企業集団などについて図示すると、次の通りです。

4 【関係会社の状況】
(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。
2.「議決権の所有(又は被所有)割合」欄の[内書]は間接所有です。
3.特定子会社です。
4.有価証券報告書の提出会社です。
5.2024年4月1日付で株式会社スバルITクリエーションズは、デジタル技術の急速な発展・普及に伴う事業環境の変化に迅速に対応するために、当社へ吸収合併しました。
6.スバル オブ アメリカ インクについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えています。
主要な損益情報等
(1) 売上高 3,351,074百万円
(2) 経常利益 69,233百万円
(3) 当期純利益 51,184百万円
(4) 純資産額 602,640百万円
(5) 総資産額 1,531,371百万円
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(期間従業員、アルバイト、パートタイマー、外部からの派遣社員、応援およびゲストエンジニア)は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。
(2) 提出会社の状況
2025年3月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(期間従業員、アルバイト、パートタイマー、外部からの派遣社員、応援およびゲストエンジニア)は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。
2.平均年間給与は、基準外賃金および賞与を含んでいます。
3.執行役員(専務および常務含む) 28名につきましては、従業員数に含まれていません。
(3) 労働組合の状況
労働組合は、当社のSUBARU労働組合と国内連結子会社等の全国スバル販売労働組合、部品関係労働組合協議会、スバルITクリエーションズ労働組合、スバルロジスティクス労働組合およびSUBARUテクノ労働組合とでSUBARU関連労働組合連合会を結成し、同連合会を通じて全日本自動車産業労働組合総連合会、日本労働組合総連合会に所属しています。組合員数は、29,668名です。
なお、労使関係は円滑に運営されています。
(4) 多様性に関する指標
①提出会社
(注)1.「管理職に占める女性労働者の割合」および「男女の賃金格差」については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「男性の育児休業取得率」については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76条)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。なお、同施行規則第71条の6第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合は100.0%です。
3.対象期間は2024年4月~2025年3月です。
4.他社からの出向者については従業員に含まず、出向元の従業員として集計しています。
5.男女の賃金格差については男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。同一労働の賃金に男女差はなく、主に資格・役職等の人数構成差によって生じています。
②連結子会社
(注)1.「管理職に占める女性労働者の割合」および「男女の賃金格差」については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「男性の育児休業取得率」については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76条)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
3.対象期間は国内スバル販売会社を除く連結子会社は2024年4月~2025年3月、国内スバル販売会社は2024年1月~12月です。
4.他社からの出向者については従業員に含まず、出向元の従業員として集計しています。
5.男女の賃金格差については男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。同一労働の賃金に男女差はなく、主に資格・役職等の人数構成差によって生じています。
6.連結子会社(国内スバル販売会社を除く)については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)において公表義務がない場合、公表項目として選択していない場合は「-」の記載をしています。
7.連結子会社(国内スバル販売会社)については、男性の育児休業等取得率について対象者(当該年度中に配偶者が出生した男性従業員)がいなかった場合、男女の賃金格差の「うちパート・有期労働者」について男女いずれかあるいは男女両方の労働者が在籍しておらず、算出不可である場合は「-」の記載をしています。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)が判断したものです。
当社グループは、『“お客様第一”を基軸に「存在感と魅力ある企業」を目指す』という経営理念のもと、ありたい姿である「笑顔をつくる会社」の実現に向け、提供価値である「安心と愉しさ」を進化させていきます。そして、SUBARUを自動車事業と航空宇宙事業における魅力あるグローバルブランドへ持続的に成長させるとともに、すべてのステークホルダーの皆様に事業活動へ共感いただくことを通じてSUBARUグループの持続的な成長と愉しく持続可能な社会の実現を目指しています。
(1) ありたい姿、提供価値、経営理念
<ありたい姿> 笑顔をつくる会社
<提供価値> 安心と愉しさ
<経営理念> “お客様第一”を基軸に「存在感と魅力ある企業」を目指す
(2) 基本方針
<品質方針>
私たちは何より品質を大切にしてお客様の信頼に応えます
1.お客様に安心して長くお使いいただける商品をお届けします
2.お客様の声に常に耳を傾け、商品とサービスに活かします
3.法令・社会規範・社内規則を遵守し、お客様に信頼される仕事をします
<SUBARUグローバルサステナビリティ方針>
私たちSUBARUグループ*は、人・社会・環境の調和を目指し、
1.事業を通じて、地球環境の保護を含む様々な社会課題の解決と、持続可能な社会の実現に貢献します。
2.高品質と個性を大切にし、先進の技術で、SUBARUならではの価値を提供し続け、SUBARUグループに関わるすべての人々の人生を豊かにしていきます。
3.国際社会における良き企業市民として、人権および多様な価値観・個性を尊重し、すべてのステークホルダーに誠実に向き合います。
4.従業員一人ひとりが、安全に安心して働くことができ、かつ働きがいを感じられるよう職場環境を向上させます。
5.国際ルールや各国・地域の法令を遵守するとともに、その文化・慣習等を尊重し、公正で透明な企業統治を行います。
6.ステークホルダーとの対話を経営に活かすとともに、適時かつ適切に企業情報を開示します。
*SUBARUグループ:株式会社SUBARUおよびすべての子会社
(3) 新経営体制における方針
当社グループは、2023年の新経営体制への移行に伴い、同年8月2日に公表した「新経営体制における方針(以降、「新体制の方針」)」※1において、2030年に向けた電動化計画をアップデートし、2023年から2028年までの5年間を大変重要な期間と位置づけ、「モノづくり」と「価値づくり」で世界最先端を目指した取り組みを進めています。100年に一度の大変革期を勝ち残っていくために、これらの取り組みを強力に推進し「安心と愉しさ」を追求し続けていきます。さらに近年の自動車産業を取り巻く非連続かつ従来以上にスピード感のある変化に対しては「柔軟性と拡張性」の観点を念頭に置き、よりタイムリーに対応していきます。
※1:詳細は2023年8月に公表した「新体制の方針」と2024年5月および2024年11月に公表したアップデートをご参照ください。https://www.subaru.co.jp/outline/about/policy/
(4) 対処すべき課題
<経営環境の変化の下での収益確保に向けた取り組み>
自動車メーカーとしては決して規模の大きくない当社グループが、厳しい競争環境のなかで稼ぐ力を維持し持続的に成長していくためには、お客様にSUBARUならではの価値を認めていただくことが何より大事であり、また徹底した差別化戦略・付加価値戦略が不可欠です。これまで、当社グループの強みを発揮できる分野や市場にターゲットを絞り、限られた経営資源を投入する「選択と集中」を推し進めることで「付加価値」を高めて、競争力を強化してきました。
市場については米国を最重要市場と設定し、商品は日常からアクティブライフまで使い勝手が良く、米国市場を中心にお客様との親和性が高いSUV領域に、開発においては当社グループの技術の強みを活かすことができる「安心と愉しさ」を追求する領域に経営資源を集中してきました。また、当社グループにとって大事なパートナーである販売店と共に、より良い社会の実現に向けて各地域に寄り添った支援活動「Love Promise」を米国において継続的に進めています。これらビジネスモデルや取り組みに対し、販売店・お客様・地域コミュニティからの共感をいただいており、共にSUBARUブランドを磨き、成長を遂げてきました。その結果、2008年からコロナ禍前の2019年にかけて12年連続で小売販売が前年実績を超え、販売台数は約3.7倍と急成長しました。
コロナ禍後も米国市場での堅調さは維持し、2025年3月には米国で販売する自動車ブランドの中で唯一、32か月連続で前年同月超えを記録しました。
2025年3月期の当社グループの全世界の売上台数93.6万台のうち、米国における売上台数は66.2万台を占めました。米国売上台数のうち50%強は米国現地生産車となりますが、日本で生産され輸入する車両も半数程度あります。日本から輸入する完成車のほか、米国現地生産車においては一部の国から輸入する部品などが米国の関税政策の影響を受けます。
しかしながら、当社グループがこれまで育んできたSUBARUブランドの強さおよびお客様との関係の深さに鑑みると、今後も米国市場を最重要市場と位置付けることが、当社グループにとって最善の選択であると考えています。今後、米国市場で最量販車種である「フォレスター」の生産地を米国に移管することを予定し、米国市場で需要が伸びているストロングハイブリッド車両も生産いたします。また、売上台数の増加・売上構成の改善・販売奨励金の抑制・原価低減・費用圧縮などあらゆる収益機会の創出を行うことにより、収益の確保に努めます。
<大変革期の勝ち残りに向けて>
①「柔軟性と拡張性」の考え方のもと「モノづくり革新」と「価値づくり」を推進
当社グループは、BEV※2はカーボンニュートラルの実現に向けた有力な選択肢ではあるものの、その移行スピードは不透明であり、ICE※3系商品の需要も一定程度継続すると考えています。先行きの見えない変化に柔軟に対応していくためには、従来の考え方・手法を革新的に変えていく必要があり、2023年8月2日に発表した「新体制の方針」の中で、BEVを切り口に大変革に突き進むことを発信しました。
一方で、最終的にどのパワーユニットの商品を選択するかを決めるのはお客様です。そのための選択肢として、BEVだけではなく、ICE系商品も幅広く用意することこそが「柔軟性」であり、それを実現するために「モノづくり」と「価値づくり」で世界最先端を狙うという考え方は、方針発表当初から何ら変わるものではありません。その一つの手段として、更地にゼロから生産の構えを構築し、開発の手法・プロセスもゼロからスタートできるBEVに一旦舵を切り、「モノづくり革新」と「価値づくり」を実現し、その成果をICE系商品にも展開します。このようにして市場の変化に対応できる「柔軟性」を身に付けていきます。

※2:Battery Electric Vehicle(電気自動車)
※3:Internal Combustion Engine(内燃機関)
(商品ラインアップ)
BEVの市場導入については、2026年末までにSUVを4車種、2028年末までにはさらに4車種と合計8車種のラインアップを予定しています。2026年末までに導入を予定する4車種のうち、2022年に市場に導入した「ソルテラ」はトヨタ自動車株式会社(以下「トヨタ」という。)と共に両社の強みを持ち寄りつくりあげ、その改良モデルを2025年4月に公開しました。また同時にBEVラインナップの第2弾となる新型「トレイルシーカー」を公開しました。新型「トレイルシーカー」は2026年以降に米国市場への導入を予定しており、当社の矢島工場で生産し、トヨタへの供給も予定しています。また2024年度は、トヨタハイブリッドシステムをベースとし水平対向エンジンと機械式AWDを組み合わせたSUBARUらしい独自のストロングハイブリッドシステムである次世代e-BOXERを開発・公表しました。搭載する国内向け「クロストレック」、国内および米国向けの新型「フォレスター」を発表し、すでに多くの受注をいただいています。今後も市場の動向を見据えながら展開拡大を計画します。
新型「トレイルシーカー」(米国仕様車) ストロングハイブリッドシステム
さらに、SUBARUのフラッグシップクロスオーバーSUVとして歴史を積み重ねてきた「アウトバック」をフルモデルチェンジいたします。パワーユニットは、改良された水平対向2.5L直噴NAエンジンと2.4L直噴ターボエンジンを採用し、2026年以降に米国市場への導入を予定しています。このように、市場のニーズに合わせたBEV/HEV※4/ICEそれぞれのラインアップを充実させ、電動化移行期における商品の柔軟性を確保していきます。
※4:Hybrid Electric Vehicle(ハイブリッド自動車)
(生産体制の再編計画)
電動車の生産に向け、当社グループは2022年5月より生産体制の再編計画を段階的にアップデートしてきました。国内では2024年秋に北本工場において、ストロングハイブリッドシステムの基幹ユニットとなるトランスアクスルの生産を当初予定通りに開始しました。また、新型「トレイルシーカー」およびトヨタへ供給予定の新型BEVならびにガソリンエンジン車の混流生産を矢島工場にて計画しており、2025年度はその準備が本格化します。矢島工場にある2本のラインのうち、1本のラインを約半年にわたり生産を止めて工事を行うため、一定数の生産台数の減少を想定していますが、その影響を最小限に抑えられるように進めていきます。
大泉新工場は現在、環境規制およびお客様の受容などの動向を踏まえながら、「段階的」な立ち上げ準備をしています。またバッテリーの生産工場は、パナソニックエナジー株式会社とともに大泉新工場の近接地への建設を予定しています。群馬県太田市を中心に近距離圏内に工場が位置するメリットを活かし、お取引先様および部品物流まで含めたサプライチェーンのさらなる「高効率化」を図ります。
段階的な立ち上げおよびロケーションメリットの活用などにより、「合理的な生産」の実現を目指すというこれまでの方針に変わりはありませんが、昨今の経営環境を踏まえ、投資の実行のタイミングはこれまで以上に精緻かつ柔軟に判断いたします。

(モノづくり革新)
モノづくり革新を通じて、小回りの利く「SUBARUの規模だからこそできる」製造・開発・お取引先様領域まで含めたサプライチェーンが一体となった“ひとつのSUBARU化”を進めることで、高密度なモノづくりを推進する―この考え方を軸に、「開発手番半減」、「部品点数半減」、「生産工程半減」を実現し、世界最先端のモノづくりを成し遂げます。開発を含むこれまでの「モノづくり」は、お客様ニーズの多様化やクルマの複雑化などにより対応領域が多岐にわたり、個々の領域の専門化およびお取引先様も含めた分業が一気に進みました。結果として、前工程の手離れを待つリレー式のモノづくりを定着させてきました。この形は、時代の変化に適応しながら成長する過程において発生した制約に対し、でき得る範囲で効率的かつ効果的に対応してきた結果であると評価しています。
一方で、従来とは大きく車両構造の異なるBEVという「新しい商品」を企画・開発し、更地にゼロから建設する「新しい工場」で生産を始めるということは、「モノづくり」のアプローチやプロセスを大きく変えるチャンスであると捉えており、これらを起点に合理的で高密度なモノづくりを推進し、徹底的に極めていきます。お取引先様と共に集い、開発・生産など様々な検討を行う「大部屋活動」では、「ひとつのSUBARU化」を推し進め、モノの流れである「サプライチェーン」と開発の流れである「エンジニアリングチェーン」を一体化した「アジャイル」なモノづくりの検討を進めています。高密度な工場ロケーションやサプライチェーン網、それらを基盤とした物流システム確立などの「高効率なパッケージ」と合わせて「開発手番半減」、「部品点数半減」、「生産工程半減」を実現します。
「新しい工場」では「生産ラインのモジュール化」および「柔軟なサブラインの構築」、そして当社が長年突き詰めてきた「変種変量短生産」の考えに基づく「高効率」な混流生産手法をさらに進化させていきます。更地にゼロから建設する「自由度」を十分に活かしながら、敷地および建屋空間の最大活用も視野に入れて効率化を図っていきます。同時に、ラインで流れるBEVを始めとした「新しい商品」に関しても開発初期段階での「車両構造」および「仕様」のシンプル化による部品点数の大幅な削減を進め、「生産工程半減」へつなげます。これらの取り組みに加え、ストロングハイブリッドシステムの基幹ユニットとなるトランスアクスルを製造する埼玉県の北本工場を含めた各工場のロケーションメリットを最大活用し物流効率を極限まで高めることにより、リードタイムの大幅な短縮につなげていき、従来以上にお客様のニーズにお応えする商品をより早くお届けすることを目指します。

(価値づくり)
米国では販売子会社であるスバル オブ アメリカ インク(SOA)と全米の販売店が一体となった「Love Promise」という活動が実を結んでいます。SUBARUの商品を核として、販売店・お客様・地域社会の人と人そしてSUBARUを強固につなげるこの取り組みこそが、SUBARUの「社会と未来への価値貢献」であり、これを守りさらに取り組みの輪を拡げていくという想いは、この先の大変革期や電動化時代においても決して変わるものではありません。そしてSUBARUは、フォーブス誌の「社会へ良い影響をもたらす企業ランキング」において、米国内3,000を超えるブランドの中で、2023年と2024年は2年連続で2位に、2025年には3位に選ばれました。これは、商品だけでなく、SUBARUの理念や取り組みに対する総合的な評価ですが、その根幹は「安心と愉しさ」という不変の提供価値を具現化するために追求し続けてきた「テクノロジー」にあると考えています。
例えば、運転支援システム「アイサイト」は、30年以上にわたる開発の過程で「安心」という「価値」を磨いてきました。今後も究極の安全を目指し、お客様にあらゆる運転環境下においても絶対的な安心を感じていただくために、SUBARUの強み領域におけるテクノロジーの進化を加速させていきます。商品や機能を核とし、お客様には「安心」、「挑戦」、「いつでも新しい」というような「SUBARUと共に過ごすことでの色褪せない情緒的な価値」を感じていただけると考えています。
電動化が進むことにより、「今まで以上にお客様の人生に寄り添うSUBARU」を目指していきます。
テクノロジーの進化に向けた取り組みのポイントは、2つあります。1つ目のポイントは「協業の深化」です。特にBEVでは新たな領域の「価値づくり」が必要であり、従来のお取引先様との関係を越えて、いかに協業のカタチをより深化させるかが大切です。2つ目のポイントは、「知能化」です。SUBARUらしい「安心と愉しさ」の強化はもちろん、BEVならではの「シームレスでストレスフリー」といった新たな価値を加え、そしてそれらをICE系商品にも展開していきます。

協業の深化
2024年1月に稼働を開始した群馬県太田市の開発拠点「イノベーション・ハブ」では、当社従業員とお取引先様が垣根なく集い、開発・生産など様々な検討を行う「大部屋活動」を推し進めています。
軽量・コンパクトな次世代電動車両用e-Axleは株式会社アイシンと共同で開発しています。単なる共同開発の枠に留まらず、調達・生産の領域まで踏み込むことにより両社の強みを活かした競争力のあるe-Axleを実現するために、共に歩みを進めています。

互いに100年を超える歴史を持つパナソニック エナジー株式会社とは、「次の100年をつくり上げるために、互いの技術と知見を持ち寄り、世界最先端の性能とコストを実現する」という大義のもとで、バッテリー供給に関する協業を進めています。新設するバッテリー工場のロケーションメリットやコスト視点も踏まえた両社の様々な知見の活用など、競争力を高める取り組みを進めています。
世界的な半導体メーカーであるAMDとは、「2030年死亡交通事故ゼロ」の実現に向けて、アイサイトとAI推論の融合に関わる協業を行っています。その協業により実現する最適化されたSoC※5は、「ADAS※6」のみならず「車両運動」領域などを制御する「統合ECU」の重要な構成要素を担います。
これらの「協業の深化」により、世界最先端の「安心と愉しさ」の実現を目指していきます。
※5:System on a Chip
※6:Advanced Driver-Assistance Systems(先進運転支援システム)
知能化
「統合ECU」はSUBARUの強みである安全や走りの領域に絞り込んだ「内製開発」により、コスト競争力を保ちつつ、車両の「頭脳」として、SUBARUらしい高度な「知能化」を実現します。「統合ECU」を活用した制御ノウハウやBEVをつくりあげる過程で得た知見を蓄積するとともに、当社が得意とする内製化のスピードをさらに高め、ICE系商品への活用および実装も踏まえて検討を深めます。
当社グループは、この100年に一度と言われる大変革期の中、「モノづくり革新」と「価値づくり」を推し進めます。開発・生産の工程はもちろん、事業活動全体の効率化・生産性を突き詰め、商品競争力を磨き、SUBARUらしいアフォーダブルな商品として提供することで「お客様に感じていただける価値の最大化」に取り組みます。2030年以降に向けてそれらを実現することにより、「業界高位の収益力」を維持し、勝ち残っていきます。

②脱炭素社会に向けた取り組み
当社グループは脱炭素社会に貢献するため、商品(スコープ3)および工場・オフィスなど(スコープ1および2)に関する長期目標(長期ビジョン)を2050年とし、それを補完する中期目標(マイルストーン)を設定しています。これらの目標は非連続かつ急速に変化する事業環境に応じて随時見直されており、2023年には、工場・オフィスなどの中期目標を「2035年度に2016年度比60%削減」に引き上げました。当社グループのバリューチェーン全体のCO2排出量は販売した商品の使用によるものが大部分を占めるため、前述の通り自動車の電動化に向けた取り組みを着実に進めていくことが重要です。また、当社グループが直接排出するCO2(スコープ1および2)の削減に当社自らが率先して取り組むことは、バリューチェーン全体での削減活動をより充実させていくものと考え、再生可能エネルギーの利用や高効率な設備への更新などに取り組んでいきます。
なお、商品および工場・オフィスに「素材部品」、「輸送」、「廃棄」を加えたバリューチェーン全体の脱炭素社会に向けた取り組みは、各領域でのCO2削減を目的とした会議体にて管理され、最終的には環境委員会にて全体統括されています。
<人財づくり>
当社が目指す世界最先端の「モノづくり」「価値づくり」は「真の競争力をもった人・組織」により実現されると認識しており、その強化に取り組んでいます。当社では「真の競争力をもった人・組織」とは、「人財それぞれの異なる能力が最大発揮されている」、「本質業務に注力し成果創出までのスピードが速い」、「全体最適の意識を持ち、組織の壁を容易に越えながら動ける」、「挑戦・応援できる風土がある」状態と捉えており、その実現に向けた各種施策を実施しています。
「個の成長」に向けた人財育成では、自律的なキャリアプランの形成を職場や上司がサポートする仕組みをベースに、さらにチャレンジを加速する施策として「公募型ジョブローテーション」や従業員が学びの機会を自ら探し出し会社から全面支援を受けることができる制度などを導入し、推進しています。ほかにも全従業員が自身のレベルや目的に応じて選択できる多様な研修プログラムを整備し、個々に応じたキャリア開発が実現できうる仕組みづくりを進めています。「個の成長」を後押しする仕組みの整備や様々な施策の継続により、自律的な人財の育成が着実に実を結びつつあります。
「組織の成長」に向けて、直接部門では全員参加の現場主権による現場力強化活動を、間接部門ではDX推進による業務の効率化・機械化の推進を基軸として生産性向上を図り、成長につなげていきます。IT・AI活用の領域においては技術部門で構築済の「ソフトウエア人財育成プロジェクト」に加え、すべてのSUBARU社員を対象とした「ITアカデミー」を設立しました。
また、さらなる成長を目指す観点では、「つながりの強化」を最重要項目に位置付け注力していきます。経営として目指す姿と従業員一人ひとりの取り組みのつながりの深化、部署間の連携や協働の強化、全社のチャレンジを支援・応援できる仕組みづくり、従業員同士の接点増加などを通じて、個々のチャレンジをより大きな成果につなげるとともに、挑戦に向かう人財創出スピードを向上させていきます。一例として全役職者約4,000名を対象に「組織の壁を越え、組織の力を強化する」手法を学ぶ大規模研修を進めています。
自律した人財一人ひとりが持つ熱意や個性を最大限に活かし、「ひとつのSUBARU」として持続的に最大限の成果を創出できるよう、「真の競争力をもった人・組織」の実現に向けた取り組みを強力に推し進めていきます。
<資本コストや株価を意識した経営>
当社は持続的な成長に向けて「資本コストや株価を意識した経営の実現」が不可欠だと考えています。当社の直近の資本コスト(WACC ※CAPMベース)は7%半ばですが、ROEは12.8%と資本コストを上回る数値で推移しております。自動車業界の大変革期においても、世界最先端の「モノづくり」「価値づくり」を着実に実行し、競争力のあるSUBARUらしい商品を市場へ導入することで2030年を見据えた長期的目標として、「業界高位の収益力」「ROE10%以上」を追求していきます。
2025年3月期は、足許のキャッシュの状況および株価の水準などを踏まえ、より一層、株主の皆様に報いる趣旨から安定的・累進的な配当を目指し、DOE(親会社所有者帰属持分配当率)の考え方を取り入れた株主還元方針に変更いたしました。一方、PERについては、現状6倍前後とプライム市場平均PERに対し低位で推移し、また、PBRは1倍を下回っています。米国における関税政策など自動車産業の不確実性を背景に期待が醸成されづらい状況であることが要因と捉えており、今後より一層のIR活動の強化に取り組み、「モノづくり革新」「価値づくり」の着実な実行の進捗開示などを通して、当社グループへの期待値向上へつなげていきます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)が判断したものです。
SUBARUグループのサステナビリティ
当社グループは、「”お客様第一”を基軸に『存在感と魅力ある企業』を目指す」という経営理念のもと、ありたい姿「笑顔をつくる会社」の実現に向け、SUBARUグローバルサステナビリティ方針に基づきサステナビリティ重点6領域の取り組みを推進してきました。従業員一人ひとりが成長の原動力となり、提供価値である「安心と愉しさ」をさらに進化させ、お客様をはじめとしたステークホルダーの皆様との関係を深めることで、SUBARUグループの持続的な成長と愉しく持続可能な社会の実現の両立を図っていきます。
自動車産業が100年に一度とも言われる大変革期をむかえるなか、当社グループは2023年8月に「新体制の方針」を公表しました。「モノづくり」と「価値づくり」で世界最先端を目指すべく取り組みを進めるなかで、時代ごとに求められる価値をお客様やステークホルダーの皆様にお届けし、当社グループの持続的な成長につなげていくため、また、昨今のサステナビリティを取り巻く環境の変化などを踏まえ、2023年以降、SUBARUグループのサステナビリティについての議論を重ねてきました。そして、SUBARUの価値や強みを一層活かした形で持続可能な社会の実現とSUBARUグループの持続的な成長を両立していきたいという思いのもと、CSR重点6領域を「サステナビリティ重点6領域」として発展させています。今後は、従来のCSR視点に加え、より長期視点で事業活動そのものを通じた社会価値・経済価値の創出を目指していきます。
価値創造プロセス図

(1)ガバナンス
当社グループのあらゆるサステナビリティに関わる取り組みを議論する場として、「サステナビリティ委員会」を設置し、年2回開催しています。サステナビリティ委員会は、委員長を代表取締役社長とし、全執行役員がメンバーとして加わり、各事業を社会的側面からも考察し、取り組みの強化を図っています。当社グループとして、国内、海外各拠点と連携しながらグループが一体となってサステナビリティ実現に向けた取り組みを包括的に推進し、関係する委員会や部門のPDCAの状況をモニタリングしています。また、同委員会での議論内容は取締役会に付議・報告をしています。
<2024年度サステナビリティ委員会における主な議論内容>
・「サステナビリティ重点6領域」の取り組み強化に向けた整理・検討
・当社グループのサステナビリティ取り組み進捗
・人権取り組み進捗
・ESG評価機関による評価と対応
・2024年度/2025年度統合レポート/サステナビリティWebの方向性と内容
<体制>

(2)戦略
当社は、2018年に「CSR重点6領域」として「人を中心とした自動車文化」、「共感・共生」、「安心」、「ダイバーシティ」、「環境」、「コンプライアンス」を定め、各領域で「2025年のありたい姿」を設け活動を推進してきました。
2024年度にCSR重点6領域を「サステナビリティ重点6領域」へ発展させたことに伴い、「重点領域」については、社会環境やサステナビリティに関する考え方の変化の趨勢を捉え、「人を中心とした自動車文化」を「人を中心としたモビリティ文化」に、「ダイバーシティ」を「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」に変更しました。このほかの4つの領域も含め、ありたい姿、重点テーマ、主なKPIと目標を新たに設定し各取り組みをさらに深化させていきます。
具体的にはサステナビリティ重点6領域の「ありたい姿」は、より長期視点に立ちSUBARUが目指す不変的な方向性を示すために時間軸を設けないこととし、「重点テーマ」は当社グループの強みを活かして重点的に取り組む項目を設定することで、「ありたい姿」「重点テーマ」の定義を明確化し、さらにはそのKPIと目標値を定めることで「サステナビリティ重点6領域」の各取り組みを強化していきます。
「人を中心としたモビリティ文化」
従来は主に自動車事業に焦点を当てたものでしたが、今後は航空宇宙事業も含めたSUBARUグループの商品やサービスの多様性を持つと同時に、SUBARUのDNAを継承しつつ時代の変化に対応した新たな価値をお客様や社会に提供し、当社グループでは他社とは異なる存在感と魅力ある企業を目指していきます。具体的にはSUBARUと過ごすことによる色褪せない価値を提供し、人の心や人生を豊かにするパートナーとなることを目指します。
「共感・共生」
当社グループは、企業活動を行っていくうえでの重要なステークホルダーはお客様と地域社会であると考えています。そのため、お客様と地域社会には日ごろのコミュニケーションを通じてSUBARUを信頼、共感していただき、共感・共生のコミュニティを形成していくことを目指します。具体的にはお客様には「安心と愉しさ」を実現するモビリティ・サービス・体験を提供し、地域社会にはその課題解決につながる活動を推進していきます。
「安心」
当社グループは、お客様・地域社会・従業員をはじめとするすべてのステークホルダーにとって、「最高の安心」を感じていただける企業となることを目指していきます。その中でもお客様に常に寄り添い、常に安心を感じていただけるような取り組みを推進していきます。お客様が安心して長く使い続けていただける「品質」No.1を目指し、「人の命を守る」ことにこだわり、2030年に死亡交通事故ゼロ※1を目指して取り組みを進めていきます。
※1:SUBARU車乗車中の死亡事故およびSUBARU車との衝突による歩行者・自転車などの死亡事故ゼロを目指す。
「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」
当社グループでは、働くすべての従業員の多様な価値観を尊重し、働きやすい職場環境の整備をするなどダイバーシティの取り組みを推進してきました。今後は、これに加え、すべての従業員が公平な機会を得られる環境を提供し、多様な個が一丸となって能力を最大限発揮していくことで、イノベーションを創出し、SUBARU独自の持続的な価値創造を実現していきます。
「環境」
当社グループは、環境方針のなかで「大地と空と自然」をSUBARUのフィールドと定め、自然との共生を目指す取り組みへの注力を掲げました。これは、自動車と航空宇宙事業を柱とするSUBARUの事業フィールドである「大地と空と自然」を大切に守っていきたいという思いを込めたものです。企業活動を通じて地球環境を大切に守っていくために「気候変動の抑制」、「サーキュラーエコノミーの実現」、「自然との共生」の3つを重点テーマとして新たに設定し、環境アクションプランを実行していきます。
「コンプライアンス」
当社は、過去の業務遂行において社会規範への意識が欠如していたことや社内ルールの不備、また業務遂行に関連する法令の理解が乏しかったことなどへの反省から、意識改革の必要性を痛感し、徹底した組織風土改革を推し進めています。お客様をはじめとするすべてのステークホルダーから信頼され、共感される存在となることを目指し、当社グループとしてコンプライアンス重視、優先の取り組みを進めていきます。今後は従業員一人ひとりが受け身ではなく能動的にコンプライアンスを考え、行動に移す「考えるコンプライアンスの浸透」を図っていきます。
(3)リスク管理
当社グループは、グループ全体のリスク顕在化と拡大を防止するため、取締役会が選任したCRMO(最高リスク管理責任者)が、リスクマネジメント・コンプライアンス活動を統括し、活動状況などを取締役会に報告する体制をとっています。当社グループでは、「人権」、「人的資本」、「気候変動」などのサステナビリティ領域も含む課題について、経営レベルで影響度の大きいリスクや機会を把握し、適宜経営会議などで提案・議論しており、特に重要な案件については取締役会の審議を経て意思決定しています。
(4)指標および目標
当社グループは下表の通り、「サステナビリティ重点6領域」の各領域において、「ありたい姿」を明確にし、そのKPIと目標値を定めることで取り組みの強化を図っています。
なお、「人を中心としたモビリティ文化」と「共感・共生」については、他の4領域の取り組みと相互に影響し合う領域であるため、主なKPIと目標は設定せず、他の4領域の取り組みの進捗を把握していきます。
※2: 定量・定性ともに含む
※3: 当社単体においてのKPIや目標も含む
※4: SUBARU車乗車中の死亡事故およびSUBARU車との衝突による歩行者・自転車などの死亡事故ゼロを目指す。
※5: スバルリビングサービス株式会社
※6: スバルブルーム株式会社
※7: 追加的な対策を取らずに現状を維持した場合の排出量(Business As Usual排出量)
気候変動
当社グループは気候変動への取り組みを最も重要な課題の一つとして認識しており、2050年のカーボンニュートラルを目指し、商品および工場・オフィスでのCO2排出削減の「長期目標」およびそのマイルストーンとしての「中期目標」を策定し取り組むことで、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
(1)ガバナンス
当社は「環境委員会」を設け、社会が要求する将来の環境水準と合致する大局的かつ中長期的な方策(目標など)を議論するとともに、それらの進捗を評価しています。環境委員会の委員長は、取締役会が選任したサステナビリティ部門を担当する執行役員が務めます。環境委員会で行われた議論の内容は、サステナビリティ委員会へ報告されます。また、必要に応じて、経営会議および取締役会へ付議・報告しています。気候変動に関する課題についても当環境管理体制に組み込み、特に重要な案件については取締役会の審議を経て意思決定しています。
なお、商品および工場・オフィスに「素材部品」、「輸送」、「廃棄」を加えたバリューチェーン全体の脱炭素社会に向けた取り組みは、各領域でのCO2削減を目的とした会議体にて管理され、最終的には環境委員会にて全体統括されています。
(2)戦略
当社グループでは、電動化に向けて先行きを見通すことが難しい段階のなか、規制やマーケットの動向を注視しながら、その変化に「柔軟」に対応し、ある程度方向性が見えてきた断面では一気に「拡張」していくという「柔軟性と拡張性」の観点が極めて重要との認識を持ち、各種取り組みを推進しています。中長期的な視点では、カーボンニュートラル実現に向けた手段として、いずれはBEVが主軸になっていくと見ていますが、足元のBEV移行初期においては、「開発」、「商品」、「生産」の各領域で取り巻く環境変化への「柔軟性」を確保します。具体的には、市場のニーズに対応したHEVの導入を進めていくとともにトヨタ自動車との共同開発によるBEVのラインアップ充実を図り、2028年末までに導入を見込むBEVはアライアンスの知見を活かした「自社での開発」を目指します。さらに、当社は、省エネルギーの施策をはじめ、カーボンニュートラル電力の自家発電や購入、および水素・アンモニアなどのカーボンニュートラル燃料の導入などの施策を講じ、2035年までのスコープ1、2排出量の削減施策を計画的に実行し、目標達成を目指します。
また、当社グループは、各国の燃費規制などの政策動向や国際エネルギー機関などが公表している各シナリオの情報をもとに、2050年カーボンニュートラル(=1.5℃シナリオ)を想定した独自のシナリオを含む様々なシナリオと、持続可能な事業活動に向けて認識されたリスクと機会を考慮し対応策を検討しています。例えば、市場において電動車の販売比率が大きく高まるシナリオ、市場での電動車の浸透が緩やかに進むシナリオ、気候変動への対応が進まず自然災害の激甚化が進展するシナリオなどを考慮し、電動化への移行や水災害に関する対応策の策定を進めています。
シナリオ別に認識しているリスクと機会を考慮した対応策の具体例
(3)リスク管理
当社グループでは、気候変動に関連する課題について、経営レベルで影響度の大きいリスクや機会を把握しています。「政策・規制」、「技術」、「市場」などの移行リスクに関しては、各専門部門が広く情報を収集し、将来予測から不確定な気候変動リスクの認識に努めています。これらの移行リスクは、執行会議にて提案・議論され、特に重要な案件については取締役会の審議を経て意思決定しています。また、気候変動の物理的なリスクに関わる浸水などの自然災害に伴う操業リスクに関しては、BCPの一環として、リスクマネジメント・コンプライアンス室が中心となり関連規程類の整備を進め、緊急時のSUBARUグループ全体にわたる情報を一元的に掌握するとともに、その対応を統括管理する体制を整えています。
気候変動に関するリスクと機会の詳細については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク (16)気候変動」をご参照ください。
(4)指標および目標
当社グループは脱炭素社会に貢献するため、商品(スコープ3)および工場・オフィスなど(スコープ1および2)に関する長期目標(長期ビジョン)を2050年とし、それを補完する中期目標(マイルストーン)を掲げています。当社のバリューチェーン全体のCO2排出量は販売した商品の使用によるものが大部分を占めるため、自動車の電動化に向けた取り組みを着実に進めていくことが重要です。また、当社グループが直接排出するCO2(スコープ1および2)の削減に当社自らが率先して取り組むことはバリューチェーン全体での削減活動をより充実させていくものと考え、再生可能エネルギーの利用や高効率な設備への更新などに取り組んでいきます。
※8:「油井から車輪」の意味。EVなどが使用する電力の発電エネルギー源までさかのぼってCO2排出量を算出する考え方を指す。
※9: 2050年に世界で販売されるSUBARU車の燃費(届出値)から算出するCO2排出量を、同2010年比で90%以上削減。
総量ベース。
市場環境変化による販売台数の増減は加味するが、走行距離の多少は考慮しない。
※10:他社からOEM供給を受ける車種を除く。
※11:EV・ハイブリッドなど、電力利用を高める技術を指す。
商品に関する中期目標に対する2023年度実績については、全世界販売台数に対する割合として電動車で7.8%、電気自動車で1.5%でした。
2024年度には、高い燃費性能を持つ次世代e-BOXER ストロングハイブリッド車を導入しており、2026年には2車種目のBEVの導入を予定しています。また、国内生産体制の再編を進めており、2027年以降にはBEV専用ラインの追加を行うなど電動車の供給能力の強化に取り組んでいきます。
また、工場・オフィスに関する中期目標に対する2023年度実績は、スコープ1、2排出量はマーケット基準で471,854tであり2016年度比20.9%削減(ロケーション基準で545,917t)となりました。引き続き、SUBARUグループは2035年度の中期目標の達成向け、省エネルギー施策をはじめとして、カーボンニュートラル電力の自家発電や購入、水素・アンモニアなどのカーボンニュートラル燃料の導入などの施策を講じることで、スコープ1、2排出量の削減施策を計画的に実行していきます。
なお、これらの2024年度の実績は2025年発行の統合レポートおよび当社ウェブサイトにて開示予定です。
人的資本
当社グループは、事業活動を取り巻く環境が急激に変化するなか、SUBARUグループが競争力を高め持続的に成長していくためには、原動力となる人財が基盤であると捉え、人的資本経営に取り組んでいます。
(1)ガバナンス
当社は「真の競争力をもった人・組織」の実現を目指す人事戦略に基づき、各拠点の人事部門が連携し人財の確保や育成、組織風土の醸成、安心・安全な職場づくりなどをはじめとする各種の人的資本経営に関する取り組みを推進しています。
これらは、人事領域を管掌する執行役員のもとで管理、推進されるとともにその重要度に応じ、業務執行の審議を行う会議体である経営会議等に付議、報告されます。また、重要事項については個別に取締役会にも付議・報告されることで、取締役会による監督が適切に図られる体制となっています。
また、2025年4月より新たに、CHRO(Chief Human Resources Officer:最高人財責任者)を新設しました。CHROの管掌のもと、100年に一度の大変革期において持続的な企業競争力を創出しうる人財、組織づくりを加速させ、人的資本経営をより強力に推進していきます。
(2)戦略
当社グループは2023年8月に公表した「新体制の方針」で目指す世界最先端の「モノづくり」「価値づくり」は「真の競争力をもった人・組織」により実現されると認識し、その強化に取り組んでいます。当社では「真の競争力をもった人・組織」を以下4つの状態と捉えています。
・人財それぞれの異なる能力が最大発揮されている ・本質業務に注力し成果創出までのスピードが速い
・全体最適の意識を持ち組織の壁を容易に越えながら動ける ・挑戦・応援できる風土がある
当社ではこれらの実現に向け、「個の成長」と「組織の成長」そして最重要項目と位置付ける「つながりの強化」という3つの観点から各種施策を推進しています。
「個の成長」
人財育成については、自律的なキャリアプランの形成を職場や上司がサポートする仕組みをベースに、更にチャレンジを加速する施策として「公募型ジョブローテーション」や従業員が学びの機会を自ら探し出し会社から全面支援を受けることができる制度などを導入し推進しています。他にも全従業員が自身のレベルや目的に応じて選択できる多様な研修プログラムを整備し、個々に応じたキャリア開発が実現できうる仕組みづくりを進めています。
「組織の成長」
直接部門で全員参加の現場主権による現場力強化活動を、間接部門ではDX推進による業務の効率化・機械化の推進を基軸として生産性向上を図り、成長に繋げていきます。IT・AI活用の領域においては技術部門で構築済の「ソフトウエア人財育成プロジェクト」に加え、全てのSUBARU社員を対象とした「ITアカデミー」を設立しました。
「つながりの強化」
さらなる成長を目指す観点で最重要項目に位置付け注力していきます。経営として目指す姿と従業員一人ひとりの取り組みのつながりの深化、部署間の連携や協働の強化、全社のチャレンジを支援・応援できる仕組みづくり、従業員同士の接点増加などを通じて、個々のチャレンジをより大きな成果につなげるとともに、挑戦に向かう人財創出スピードを向上させていきます。つながり強化の一例として全役職者約4,000名を対象に「組織の壁を越え組織の力を強化する」手法を学ぶ大規模研修を進めています。
上記施策を実行することで、人財一人ひとりが能力を最大限に発揮しながら協働し、「ひとつのSUBARU」として持続的に最大限の成果を創出し続ける「真の競争力をもった人・組織」を実現させ、企業競争力を創出していきます。
<中核人財の登用等における多様性の確保についての考え方>
全グループ従業員の様々な個性や価値観、経験、経歴などにもとづき育まれてきた能力が十分に発揮されるとともに、その多様な個が一丸となることでイノベーションが創出されSUBARU独自の持続的な価値創造が実現すると考えています。性別、国籍、文化、ライフスタイルなどの多様性を尊重し、誰しもが持ち合わせる多様な個性を最大限発揮できる組織づくりや働きやすい職場環境の整備、そして公平な機会提供を進めていきます。また、国内・海外の関係会社においても、それぞれの事業内容や地域性を踏まえて取り組んでいます。
<人財育成方針と社内環境整備方針>
(女性活躍)
当社では、多様な人財の活躍に向けた取り組みにおいて、特に女性の活躍推進が重要課題であると考えます。「採用」、「制度」、「キャリア形成支援」、「風土醸成」の4つの柱を軸に取り組みを進め、女性が様々なライフイベントを通じて働き続け、活躍するための環境整備を行っています。また、多様なキャリア観に基づき女性一人ひとりが自分らしく活躍することを前提としつつ、女性活躍を促進するうえでの一つの指標として女性管理職数を掲げており、各種取り組みを進めています。
具体的には、多様な個の能力を最大限活かす組織を実現するうえでの重要課題の一つとして、2024年から経営トップを含む全役員層が参加する「女性活躍推進会議」を発足し、女性の能力をさらに活かし経営に好影響を与える人財育成を目指しています。このほか、管理職を目指す女性従業員を対象に一人ひとりに向き合い対象の女性従業員、上司、人事部門が連携し、本人に合った育成を個人単位で行う「Women's Leadership Program」を継続して推進しています。
また、働き方の面においても、従来から「仕事と育児の両立支援」を重要な取り組みとして位置付け、育児休業や短時間勤務などの各種制度は法律を上回る基準で運用しています。
(キャリア採用従業員)
当社では、環境変化に対応し持続的な成長を図るために、近年、キャリア採用を積極的に進めています。2025年3月末時点の正規従業員におけるキャリア採用従業員数は4,747名、うち管理職者数は240名です。なお、2018年4月以降7年間において、累計のキャリア採用数は906名です。
また、2020年12月にIT企業の集積地である東京都渋谷区に開設したAI開発拠点「SUBARU Lab(スバルラボ)」は、2025年2月に同地区に2拠点目を開設するとともに、その機能をソフトウエア全般の開発へと広げています。AI開発に必要となる人財のほか、CASE領域における幅広いソフトウエア開発人財に対する採用の拡大につなげる取り組みなどもより強化しています。
(外国籍従業員)
当社グループでは、国籍を問わず各拠点の方針や事業に適した人財を採用しています。2025年3月末時点で当社に在籍する外国籍従業員は129名在籍です。このうち管理職は4名おり、製造部門および技術部門で活躍しています。
引き続き、女性従業員、キャリア採用従業員、外国籍従業員など、あらゆる多様な人財が活き活きと働き活躍できるよう働きやすい職場環境整備、適所適在の人財配置や人財育成に努めていきます。
(3)リスク管理
「人的資本」については、当社が「真の競争力をもった人・組織」によって様々な機会を創出し、競争力を高めていくことを目指し人財の確保や育成、組織風土の醸成、安心・安全な職場づくりなどをはじめとする人的資本経営に関する取り組みを推進しています。
この一方で、自動車業界をはじめ人財の獲得競争が激化していることから、サプライチェーン全体で人財の確保ができないリスクに対し対応策を講じています。具体的には、2025年6月2日に製造業向けに特化した大手人財サービス企業である日総工産株式会社と株式会社ワールドインテックとともに人財サービス会社「株式会社SUBARU nw Sight」を設立し、2025年9月からお取引先様と当社への人財サービスなどの提供を開始する予定です。
このような取り組みを通じてお取引先様と一体となった「ひとつのSUBARU化」を進め、迅速かつ効率的な人財獲得・育成のための体制を構築し、モノづくりにおける競争力強化につなげていきます。
人的資本に関するリスクと機会の詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (14)人権尊重、(15)人財の確保と育成」をご参照ください。
(4)指標および目標
・従業員エンゲージメント指数(SUBARU単体) 2028年:70%
当社では2017年度から毎年、従業員意識調査を実施しており、調査結果は人事施策や組織風土改革の推進、各職場の課題抽出および対策立案などに活用されています。また同調査により算出される従業員エンゲージメントは自社の取り組みを評価する重要な経営指標の一つと位置づけており、2022年度からは従業員エンゲージメント指数の改善ポイントを役員報酬の定性(非財務)評価としても採用しています。
・女性管理職者数(SUBARU単体) 2030年:100人
・障がい者雇用率(SUBARU・SLS・SBC:三社合算) 2030年:3.0%
当社はサステナビリティ重点6領域で定める「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」および「中核人財の登用等における多様性の確保についての考え方」が、イノベーションを創出するうえで重要であると考えています。多様な個が能力を発揮し、互いを尊重しながら協働できる組織づくりに向けて、「女性管理職数」「障がい者雇用率」の目標を掲げています。
なお、2024年度の従業員エンゲージメント指数は51%となりました。引き続き「真の競争力をもった人・組織」の実現に向けた各種取り組みを強化していきます。2025年3月末時点の女性管理職者数については、全体1,122名のうち女性は42名(3.7%)、また、2025年4月時点では管理職への新規登用等により全体1,168名のうち女性は52名(4.5%)となり「2025年までに女性管理職数を2021年時点の2倍(48名)以上」という目標を達成しました。引き続き、女性活躍推進を持続的な企業成長の重要テーマと位置づけ、「女性管理職数を2030年までに100名以上」とする目標を新たに定め、全社で取り組みを進めていきます。2024年6月時点の障がい者雇用率については、2.59%(障がい者雇用 354人)となりました。今後も、当社グループ全体で障がいのある従業員が働くことを通じて輝くことができる環境を目指し、働きやすい職場づくりに取り組んでいきます。
3 【事業等のリスク】
当社グループでは緊急事態発生時の対応だけでなく、日々の企業活動において重大な影響を及ぼす様々なリスクに対し、リスク発生時のダメージを最小化するためのリスクマネジメントの実践を経営の最重要課題の一つとして推進しています。
自動車業界は100年に一度の大変革期を迎えており、グローバルに事業を展開する当社グループは、世界情勢の変化に素早く対応し、経営の持続性の確保と経営基盤の強靱化を図りつつ、人的、社会的および経済的損失の最小化にこれまで以上に取り組んでいく必要があります。このような環境のなかで事業活動を行っていくうえで、グループ全体での戦略的なリスクマネジメントの推進が不可欠であり、当社グループをリスクに強い体質にし、企業価値の向上を図ることが重要であると考えています。
当社グループのリスクマネジメント体制
当社は、グループのリスク顕在化と拡大を防止するため、取締役会が選任したCRMO(最高リスク管理責任者)が、当社グループのリスクマネジメント・コンプライアンス活動を統括し、活動状況などを取締役会に報告するとともに、重要な案件については取締役会の審議を経て意思決定しています。具体的な推進体制として、各部門に本部長クラスのリスク管理責任者を置き、CRMOを委員長、リスクマネジメント・コンプライアンス室および法務部からなるリスクマネジメントグループを業務執行責任範囲とする執行役員を副委員長とする「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」(以下「リスコン委員会」という)において、重要事項の審議・協議、決定および情報交換・連絡を行い、重要度に応じて取締役会に上程しています。CRMOは、リスクマネジメント・コンプライアンス室や法務部などのコーポレート部門の専門的見地からの支援を受けつつ、各事業に横断的な役割を担う経営企画部や各部門・カンパニーと密接に連携し、グループを通じたリスク管理の強化を推進しています。さらに、監査部が各部門および各子会社の業務遂行について計画的に監査を実施しています。

リスクマネジメントの取り組み
2024年度は、平時の取り組みとして、リスコン委員会において、グループ全体の「リスクマネジメント方針」と各部門の「リスクマネジメント行動指針」のもと、各本部の重要リスクの洗い出しを実施、影響度の大きな課題を優先的に対応し、日常業務としてリスクの抑制を図る活動を推進しました。
2023年8月2日に公表した「新体制の方針」の実現をより確実に進めていくために、各本部の重要リスクに加え、外部変化や足元の環境を踏まえた経営レベルの議論を通じて策定したリスクマップを活用するなどリスクマネジメントの一層の強化を進めています。これに加えて、最適なリスク管理とその実効性向上のためのリスクマネジメント研修会を実施、リスクリテラシー向上と委員会活動の活性化を図りました。
さらに、当社グループの重点リスク低減に向け、それぞれのリスク分野を担当するリスクオーナー主導のもと「サイバーインシデント訓練」の実施、「関連企業の適正取引」の徹底推進、当社の「自然災害におけるBCP体制」の充実などに取り組み、リスコン委員会で定期的なフォローによる実効性の向上を図りました。加えて、海外の重要な子会社との直接的なリスクマネジメント活動を推進しています。具体的には、定期的なリスク評価の実施、リスク軽減策の共有、そして現地の法規制や文化に対応したリスクマネジメントの強化を図っています。
また、定期的に「安否確認システム」の訓練などを実施することで、当社に影響を及ぼすおそれのある災害発生時の情報共有に備えています。
主要な事業等のリスク
当社グループの経営成績および財務状況、キャッシュ・フローなどに数百億円以上の大きな影響を与え、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事業等のリスクと対応策は以下の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループに関するすべてのリスクを列挙したものではありません。
米国の関税政策
当社グループは、米国を主要市場とした自動車事業を行っており、米国の関税政策により主に米国販売子会社が日本から輸入する完成車や、米国生産拠点の現地生産車について一部の国から輸入する部品などが関税の対象となります。現在、各拠点や日米間で関係部門が密に連携し、情報の収集や対応策の検討を行っています。引き続き、関税政策の影響を最小化すべく、売上台数の増加・売上構成の改善・販売奨励金の抑制・原価低減・費用圧縮などにグループ一丸で取り組むとともに、2026年3月期は複数のSUBARUらしい魅力的な新商品をお客様に提供し収益の確保に努めていきます。
しかし、関税政策の長期化やそれにもとづく為替や金融市場の大きな変動ならびに需要が減少した場合は、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
経済・金融環境の変動に関連するリスク
(1) 主要市場の経済動向
当社グループの主要な市場である国および地域の経済情勢は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより、当社グループの売上収益の約8割を占める北米における景気の後退や需要の減少、価格競争の激化などが進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上収益や収益性に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替の変動
当社グループにおいて北米売上収益は約8割を占め、売上収益、営業利益、資産等のなかには、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しています。通期の業績見通しなどにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの売上収益と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。当社では為替リスクを最小限にすべく、状況に応じ為替予約などによるヘッジを実施していますが、期末日に極端な為替変動が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(3) 金融市場の変動
当社グループは、事業活動の資金を内部資金および金融機関からの借入や社債の発行によって確保しています。また、十分な手元流動性を確保するために、一定額の現金および現金同等物残高の確保を行っています。しかし、経済・金融危機などの発生により金融市場から適切な条件で資金調達が出来なくなった場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは市場性のある証券や債券などの金融資産を保有しており、金融市場の影響により公正価値や金利などが著しく変動した場合、金融資産の減損および年金資産の減少による従業員給付債務の増加により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原材料価格の変動
当社グループは、原材料を多数のお取引先様から適時適切な量で調達していますが、特定の原材料およびお取引先様に依存している場合があります。原材料の調達においては、持続的な競争力を確保するために、お取引先様との共存共栄に根差した生産性改善・品質改善等に取り組んでいます。
一方、地政学リスク、需給の逼迫、環境規制などの要因による原材料価格や物流費、エネルギー価格の高騰や人件費の上昇等によるコストの増加に対し、原価改善努力や当社製品価格への転嫁等でその影響を吸収しきれない場合、当社グループの経営成績と財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、米国の関税政策により、米国生産拠点の現地生産車について一部の国から輸入する部品の調達コスト増加の影響があるため、原材料や部品調達への影響を注視するとともに、お取引先様と一体となり最適な調達を行うことで引き続き原価改善に取り組んでいきます。
業界および事業活動に関連するリスク
(5) 特定の事業および市場への集中
当社グループは、主に自動車と航空宇宙の2つの事業により構成され、“お客様第一”を基軸に「存在感と魅力ある企業」を目指し、選択と集中を進め、限られた経営資源を最大限活用することで高収益なビジネスモデルを展開しています。自動車事業の売上収益が9割以上を占め、販売市場は主に北米を中心とした先進国です。主要生産拠点は国内の群馬製作所および米国のスバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)の2拠点となり、主にSUV(多目的スポーツ車)を中心とした生産と販売を行っています。このため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争などが予測し得る水準を超えて推移した場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(6) 市場における需要・競争環境の変化
当社グループの主力事業である自動車業界は大きな環境変化を迎えており、モビリティサービスの普及に伴う異業種からの参入や環境対応に伴う電動化へのシフト、シェアリングや自動運転普及に伴う移動手段の多様化によって、お客様の価値観や嗜好ニーズはさらに多様化していくことが予想されるなど、当社を取り巻く環境は非連続かつ急速に変化しています。このような状況のなか、当社グループは2023年6月に経営体制を刷新し、同年8月に「新体制の方針」として、2028年までの5年間を大変重要な期間と位置づけて、「モノづくり革新」と「価値づくり」の2つに強い決意をもって取り組んでいくことを発表しました。2024年4月には、これら2つの取り組みを加速させることを主眼に、全社組織の横串機能強化と執行責任の明確化ならびに具現化していく体制(自動車事業 5つのCXO(Chief X Officer、の新設※1など)、2025年4月には、更に2つのCXO※2や組織改編(カスタマーファースト推進本部の新設・営業部門再編)を実施、核心的重点テーマへの取り組みのスピードアップと全体最適化の実現を目指します。このように、常に市場環境や需要動向を捉え、お客様ニーズに基づく商品企画を行い、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に導入することに努めています。このような取組みの一方で、当社グループの新型車や新商品が販売計画に満たない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
※1:CMzO(最高モノづくり責任者)、CBBO(最高バッテリービジネス責任者)、CDCO(最高デジタルカー責任者)、
CCBO(最高コネクトビジネス責任者)、CCIO(最高コスト改革責任者)
※2:CLO(最高物流責任者)、CHRO(最高人財責任者)
(7) 商品ならびに販売・サービスに関する責任
当社グループは、品質の高さをSUBARUブランドの大事な根幹、付加価値の源泉であると位置づけ、「品質改革」の3つの切り口である「品質最優先の意識の徹底と体制強化」「つくりの品質の改革」「生まれの品質の改革」に取り組み、着実な成果を生んでいます。
今後もこれらの改革を加速させるとともに、電動化など新技術対応を含めた開発最上流から、生産、物流、そしてアフターサービスなど、様々な接点でお客様に価値を感じていただける品質を確保します。そのために、厳格な完成検査体制を維持して確かな品質で商品をお届けするとともに、万が一不具合が発生してしまった場合には、お客様へのご迷惑を最小限にするとともに、迅速な解決を最優先とした業務プロセスの改革に取り組みます。
さらに、お客様視点に重点を置いた啓発活動を全社で展開することで、従業員全員の品質最優先の意識の徹底を図っていきます。
このように品質改革に取り組む一方で、大規模なリコールなどが起こった場合、多額のコストとして品質関連費用などが発生することに加え、ブランドイメージの毀損などにより、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(8) サプライチェーンの分断
当社グループは、自動車や航空機などの製造にあたり、多数のお取引先様から部品や材料を調達しています。定期的にお取引先様の品質保証力や供給能力のチェックを行うとともに、必要に応じお取引先様の経営状況のチェックも行い、安定調達に努めています。物流については、2025年4月から、CLO(Chief Logistics Officer:最高物流責任者)ならびに物流本部を新設し、ドライバー不足などサプライチェーンを取り巻く環境変化に、迅速かつ柔軟な対応を進め、今まで以上に安全で効率的な物流の実現に向けた取り組みを行っていきます。
また、有事が発生した際は、平時より整備をしている「サプライチェーン情報データベース」に基づき、影響を受ける可能性のあるお取引先様や部品を早期に特定することにより、生産継続に必要な在庫数の確認や代替品の生産検討、さらには生産設備の復旧支援を行うなど、サプライチェーン分断の影響を最小限に留める対応を取っています。しかしながら、大規模な地震や台風などの自然災害、工場火災やサイバー攻撃被害、地域紛争などによりサプライチェーンの分断や需給のひっ迫、物流網の混乱が発生した場合、安定したコスト・納期・品質で調達の維持や商品の出荷が出来ず、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(9) 知的財産の侵害
当社グループは、製品やサービスを通じてお客様に「安心と愉しさ」という価値をお届けするために必要な技術・ノウハウなどを知的財産として保護し、SUBARUのブランド価値の維持・向上に努めています。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や、知的財産に関わる訴訟などが生じて当社に不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(10) サイバーセキュリティ
当社グループは、製品の開発・生産・販売など、事業活動において情報技術やネットワーク、システムを利用しています。また、製品では電子部品を搭載し、ソフトウエア制御しています。これらの資産を守るためにサイバーセキュリティ基本方針を定め、サイバーセキュリティ部門が中心となりセキュリティマネジメントシステムを構築し、これに基づく活動をサイバーセキュリティ会議の運営を通じて行っています。
また、セキュリティインシデントの未然防止やサイバーセキュリティ対策の一層の強化に向けて、セキュリティに関する外部専門家の知見も取り入れITガバナンスの強化や技術的な対策を講じています。
具体的には従業員の意識向上に向けたセキュリティ教育や監査を定期的に実施するとともに、セキュリティ防御システムの増強も行うことで日々進化するサイバー攻撃からのリスク低減を図っています。これに加え、サイバー攻撃検知の迅速化を図るための監視とセキュリティインシデント発生時のSIRT(Security Incident Response Team)体制も整備しています。データのバックアップについては、当社データセンター内の自社運用ならびにクラウド環境において、複数箇所に分散しバックアップが取れる体制を整えており、局所的な災害などにおいても、事業継続や復旧の早期化に向けた対策を講じています。当社グループの情報技術やネットワーク、システムは、安全対策が施されているものの、サイバー攻撃、不正アクセス、マルウェアによる攻撃、人為的なミスによる個人・企業情報の漏洩、大規模な停電、火災などが発生した場合、重要な業務やサービスの中断、データの破損・喪失、機密情報の漏洩などが発生し、ブランドイメージの毀損や当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(11) コンプライアンス
当社グループは、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題の一つと位置付け、法令・社内諸規程などの遵守はもとより、社会規範に則した公明かつ公正な企業活動を遂行することを役職員一人ひとりに浸透させるべく、コンプライアンス体制・組織の構築および運営、ならびに各種研修等の活動を行っています。コンプライアンスリスクの回避または最小化に努めているものの、当社グループおよび委託先などにおいて重大な法令違反や役職員の不正・不適切行為などが発生した場合、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下などによるブランドイメージの毀損が事業基盤に重大な影響を与え、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(12)訴訟など法的手続き
当社グループは、事業活動を行うなかで、お客様、お取引先様や第三者との間で様々な訴訟そのほかの法的手続の当事者となる可能性があります。現在係争中の案件や将来の法的手続において当社グループに不利な判断がなされた場合、ブランドイメージの毀損や当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(13)ステークホルダーコミュニケーション
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、すべてのステークホルダーから満足と信頼を得るために、コーポレートガバナンスガイドラインを定め、コーポレートガバナンスの強化を経営の最重要課題の一つとして取り組んでいます。また、ディスクロージャーポリシーに基づき、フェアディスクロージャーに努め、法令に基づく開示を行っています。さらに、経営戦略や事業活動など当社グループを深く理解していただくために有効と思われる会社情報を、迅速、公正公平、適正に開示しています。また、当社グループの持続的な成長に向けた発信として、2023年8月に公表した「新体制の方針」の各取り組みの進捗や、電動化・人的資本・知的財産・ガバナンスなどのESG情報、および資本コストや株価を意識した経営について株主・投資家等と建設的な対話を図るとともに、社内関係者へのフィードバックを行うなどステークホルダーコミュニケーションの向上に努めています。しかしながら、株主との建設的な対話やステークホルダーとのコミュニケーションが不十分な場合、インサイダー取引などの不公正取引や虚偽記載などの法令違反行為による巨額の課徴金支払いなどが発生した場合は、株主や投資家をはじめとしたステークホルダーからの信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下などによるブランドイメージの毀損が事業基盤に重大な影響を与え、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(14) 人権尊重
当社グループは人を第一に考え、「人を中心としたモノづくり」を行っています。「一人ひとりの人権と個性を尊重」することを、SUBARUの重要な経営課題と捉え、SUBARUグループの「人権方針」を策定するとともに、同方針をもとに、ビジネス上の人権リスクを特定し、その対応策を策定、実行する「人権デュー・ディリジェンス」を実施しています。そのなかで明確化したSUBARUグループにとって特に重要なリスクについての対応策を着実に進め、継続的にリスク軽減を進めています。また、サプライチェーンを含め、事業に関連するビジネスパートナーやそのほかの関係者にも、本方針に基づく人権尊重の働きかけを行い、人権尊重の取り組みを推進しています。
それにもかかわらず、当社グループおよび上記関係者において、労働環境・労働安全衛生上の問題、様々なハラスメント、労働者の権利・機会の侵害、人権上の問題のある調達などを行った場合には、関連法規への抵触に加え、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下によるブランドイメージの毀損、販売の低迷、人財流出、資材・資金の調達難などが事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(15) 人財の確保と育成
当社は、従業員一人ひとりがSUBARUグループの持続的な成長と持続可能な社会の実現の両立を担う原動力となるべく、「真の競争力をもった人・組織」の実現を目指すとともに、自身のキャリア形成を考え、チャレンジする風土づくりや多様な人財が活躍できる環境整備を進めています。「モノづくり」と「価値づくり」で世界最先端を目指すべく、電動化対応、先進安全技術、IT分野の強化などの専門領域における人財確保に向けて、積極的な採用を行っています。2020年12月にIT企業の集積地である東京都渋谷区に新たな開発拠点として「SUBARU Lab(スバルラボ)」を開設し、これまでAI開発に必要な人財の採用に取り組んできました。2025年2月には拠点を拡張し、その機能をソフトウエア全般の開発に広げイノベーションの創出につなげていきます。
また、独自の価値創造を実現し続けるため、様々な個性や価値観を持つ従業員が個々の能力を十分に発揮できるよう、性別・国籍・文化・ライフスタイルなどの多様性を尊重した登用を行うとともに働きやすい職場環境の整備に努めています。特に安全衛生については、重要な経営課題と位置づけ「安全衛生はすべての業務に優先する」ことを基本理念とし、労働災害防止、疾病予防、労働環境向上に向けた取り組みを全社的に進めています。今後、労働市場のひっ迫、異業種も含めた人財獲得競争の激化、コンプライアンス事案につながるような労務問題により人財の確保ができない場合、安全衛生への対応が不十分な場合、あるいは人財の流出が続いた場合は、当社グループの事業活動や経営に影響を及ぼす可能性があります。同様に、人財の育成が不十分な場合や、従業員の多様性が尊重された誰もが活躍できる職場環境が実現できない場合においても、当社グループの事業活動などに影響を及ぼす可能性があります。
(16) 気候変動
当社グループは、気候変動に関連する「政策・規制」、「技術」、「市場」などの移行リスクに関して、各専門部門が広く情報を収集し、将来予測から不確定な気候変動リスクの認識に努めています。また、気候変動の物理的なリスクに関わる浸水などの自然災害に伴う操業リスクに関しては、BCPの一環として、リスクマネジメント・コンプライアンス室が中心となり関連規程類の整備を進め、緊急時のSUBARUグループ全体にわたる情報を一元的に掌握するとともに、その対応を統括管理する体制を整えています。このような取り組みの一方、気候変動に対する取り組みが適切に進まない、あるいは異常気象による調達・生産・物流活動の停滞などが生じた場合、さらに現時点での将来予測が極めて困難な移行リスク・物理リスクの影響および発現度により、研究開発費用などの増加、顧客満足やブランドイメージの低下による販売機会の逸失、異常気象による調達・生産・物流活動の停滞などにより、SUBARUグループの経営成績や財政状態に重要な影響を及ぼす可能性が考えられます。
気候変動に関する認識している主な機会
気候変動に対する適切な取り組みにより、新たな市場の開拓や雇用の創出、資本やエネルギーの効率的な活用が期待されます。
※リスク・機会に関しては、過去の事実や現在入手可能な情報に基づいたものであり、将来の経済の動向、SUBARUを取り巻く事業環境などの要因により、大きく異なる可能性がある。また、気候変動に適応したSUBARUの商品が貢献できる機会を表したものであり、気候変動の悪化などを期待するものではない。
その他事業活動に影響を与える各国規制やイベント性のリスク
(17) 事業活動に影響を与える各国の政治・規制・法的手続き
当社グループは、北米を中心に世界各国において事業を展開しています。海外市場での事業活動においては、政治的、経済的要因、法律または規制の変更、課税、関税、その他の税制変更等のリスクが内在しています。当該リスクが顕在化した場合や事業展開をしている国・地域において政治的要因・通商政策の強化、通商紛争などが発生した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
特に、米国の関税政策により、米国販売子会社が日本から輸入する完成車や、米国生産拠点において一部の国から輸入する部品などが関税の影響を受けています。当社グループでは、今後も動向を注視し、関税政策の影響を最小化すべく様々な対応を行っていきます。
また、環境などに関する主な法的規制は、自動車の燃費、排出ガス、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベルに関するもので、これらの規制は、今後、さらに強化される可能性があります。各種規制への対応が不十分な場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(18) 地政学・地経学的災害(国際紛争・テロリスク)
当社グループは、世界各国において事業展開をしており、統括部門が日々情報収集やモニタリング活動を行い関連部門で情報を共有しています。しかしながら、当該国や地域においてテロ、戦争、内戦、政治 不安、治安不安などが発生し、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売および物流、サービスの提供などの遅延や停止が長期化する場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(19) 自然災害と関連する損害
当社グループでは、日ごろから事業継続に備えた規程類の定期的な整備とアップデートおよび訓練などを実施しています。さらに、各事業所単位では、重要業務の選定、緊急連絡体制の整備等BCPの強化を図り、全社コーポレート部門と密接に連携しながら事業継続や早期復旧を的確かつ迅速に行うための対応を進めています。しかしながら、大規模な地震、台風、豪雨、関連する火災・洪水等の自然災害や火災などの事故の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売および物流、サービスの提供などの遅延や停止が長期化する場合や、企業機能停止が長期化する場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(20)感染症等の発生
当社グループは経営に重要な影響を及ぼしかつ通常の意思決定ルートでは対処困難な緊急性が求められるリスクについて、有事の際に対応できる体制を整備しているものの、感染症やその他未知見な災害(パンデミック等)の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、生産、商品の販売やサービスの提供などの遅延や停止が長期化する場合や企業機能停止が長期化する場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りです。文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績
当連結会計年度の世界経済は、地政学リスクの高まりや主要国でのインフレーションなどにより、先行き不透明な状況が継続しました。国内では、物価上昇が続くなかで緩やかな景気回復が見られました。また米国も底堅い雇用環境を背景に景気は堅調に推移しましたが、政権交代を受けて先行きの不透明感が増大しました。
このような経営環境のなか、当社は、自動車業界の100年に一度と言われる大変革期においても、「安心と愉しさ」という不変の提供価値を具現化するために、「柔軟性と拡張性」の考え方のもとで、「モノづくり」と「価値づくり」で世界最先端を狙う取り組みを強力に推進してきました。
(売上収益)
新型「フォレスター」およびストロングハイブリッドシステムを搭載した「クロストレック」が価格面で貢献したことならびに為替変動による増収効果などがあったものの、販売奨励金の増加および自動車売上台数の減少などにより、売上収益は4兆6,858億円と前連結会計年度に比べ172億円(0.4%)の減収となりました。
(営業利益)
上記の理由に加え、研究開発費の増加および航空宇宙事業における引当金の計上などにより、営業利益は4,053億円と前連結会計年度に比べ629億円(13.4%)の減益となりました。
(税引前利益)
4,485億円と前連結会計年度に比べ841億円(15.8%)の減益となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
3,381億円と前連結会計年度に比べ470億円(12.2%)の減益となりました。
セグメントごとの経営成績は次の通りです。
(自動車事業)
当社の重点市場である米国の自動車全体需要は約1,620万台と前連結会計年度を約3%上回りました。また、国内の自動車全体需要は約458万台と前連結会計年度を約1%上回る結果となりました。
このような事業環境のなか、当連結会計年度の国内の生産台数は、前連結会計年度並みの60.2万台となりました。また、海外市場における販売状況および在庫台数などを踏まえた生産を行ったことにより、海外の生産台数は34.5万台と前連結会計年度に比べ2.3万台(6.3%)の減少となりました。以上の結果、国内と海外の生産台数の合計は94.6万台と前連結会計年度に比べ2.3万台(2.4%)の減少となりました。
国内は、「フォレスター」などの登録車を中心に堅調に推移し、売上台数は10.4万台と前連結会計年度に比べ0.5万台(5.4%)の増加となりました。海外の卸売に相当する売上台数は、上記の販売状況などに呼応した生産を行ったことにより、83.2万台と前連結会計年度に比べ4.5万台(5.2%)の減少となりました。以上の結果、海外と国内の売上台数の合計は93.6万台と前連結会計年度に比べ4.0万台(4.1%)の減少となりました。なお、重点市場の米国におけるお客様への小売販売は32か月連続で前年同月超えを達成し堅調さを維持しています。
新型「フォレスター」およびストロングハイブリッドシステムを搭載した「クロストレック」が価格面で貢献したことならびに為替変動などによる増収効果などがあったものの、販売奨励金の増加および自動車売上台数の減少などにより、売上収益は、4兆5,690億円と前連結会計年度に比べ246億円(0.5%)の減収となりました。またセグメント利益は、4,204億円と前連結会計年度に比べ411億円(8.9%)の減益となりました。
なお、当連結会計年度の連結売上台数は次の通りです。
(航空宇宙事業)
防衛事業における生産の増加およびヘリコプター事業における納入機数の増加などにより、売上収益は1,116億円と前連結会計年度に比べ73億円(7.0%)の増収となりました。また、セグメント損失は、工事損失引当金を計上したことおよび民間機事業において納入機数が減少したことなどにより、196億円と前連結会計年度に比べ223億円の減益となりました。
(その他事業)
売上収益は51億円と前連結会計年度に比べ2億円(3.1%)の増収となりました。また、セグメント利益は37億円と前連結会計年度に比べ1億円(1.5%)の増益となりました。
生産、受注および販売の実績は、次の通りです。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。なお、自動車の生産台数は、海外市場における販売状況および在庫台数などを踏まえた生産を行ったことにより、前連結会計年度を下回りました。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次の通りです。
なお、自動車事業については見込生産を行っています。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りです。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。
(2) 財政状態
① 資産の状況
当連結会計年度末の資産は、5兆882億円と前連結会計年度末に比べ2,741億円の増加となりました。主な要因は、外貨建定期預金の増加などにより「その他の金融資産(流動)」が1,448億円増加したこと、設備投資などで「有形固定資産」が928億円増加したこと、新車在庫の増加などに伴い「棚卸資産」が789億円増加したこと、法人税等および配当金支払いなどにより「現金及び現金同等物」が1,065億円減少したことです。
② 負債の状況
負債は、2兆3,725億円と前連結会計年度末に比べ1,238億円の増加となりました。主な要因は、未払費用の増加などにより「その他の流動負債」が495億円増加したこと、買掛金の増加などで「営業債務及びその他の債務」が413億円増加したこと、自動車環境規制関連引当金の増加などに伴い「引当金(流動・非流動)」が412億円増加したこと、「未払法人所得税」が413億円減少したことです。
③ 資本の状況
資本は、2兆7,157億円と前連結会計年度末に比べ1,503億円の増加となりました。主な要因は、当期利益の計上、配当金の支払いおよび取得した自己株式の消却により「利益剰余金」が1,995億円増加したこと、有価証券評価差額金および為替換算の影響により「その他の資本の構成要素」が486億円減少したことです。
(単位:百万円)
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、9,415億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は4,921億円(前連結会計年度は7,677億円の増加)となりました。主な要因は、税引前利益4,485億円、減価償却費及び償却費2,325億円、法人所得税の支払額1,732億円などです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は4,041億円(前連結会計年度は7,037億円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出(売却による収入との純額)1,687億円、定期預金の増加1,243億円、無形資産の取得及び内部開発に関わる支出944億円などです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は1,873億円(前連結会計年度は665億円の減少)となりました。主な要因は、親会社の所有者への配当金の支払額786億円、自己株式の取得による支出600億円、リース負債の返済による支出479億円などです。
(単位:百万円)
(4) 資本政策の方針
当社では資本政策の考え方として“「財務健全性と安定性の実現」「成長投資」「株主還元」の三位一体での実行”を掲げています。事業、市場、商品等の領域において「選択と集中」を進める当社にとって、経営基盤となる「財務健全性と財務安定性」の確保は不可欠であると考えます。そのうえで自動車業界の大変革期における世界最先端の「モノづくり」と「価値づくり」を実現し、SUBARUらしい商品の実現を支える「成長投資」と持続的な企業経営における重要要素と位置付ける「株主還元」のバランスを持った実行を目指しています。
資本政策の実行にあたっては、資本コストや株価を意識した経営視点での取り組み実行が重要であると認識しております。2025年3月末時点において、資本コスト(WACC※CAPMベース)は国内金利の上昇傾向を受け7%半ば程度に上昇しましたが、資本収益性(ROE)は12.8%と資本コストを上回る数値で推移しております。加えて2024年8月の株式市場急落、その後の米国における関税政策を主とする自動車産業の不確実性の高まりを受け、PBRは0.7倍、PERは5.8倍となり、特にPERはプライム市場平均に対して低位の水準にあり改善課題と認識しています。この状況を踏まえ、当社では「ROE向上」「最適資金配分/1株あたり価値向上」「PER向上」「実効性の向上」という4つの取り組みテーマの実行により、2030年を見据えた長期目標として「業界高位の収益力」と「ROE10%以上」を追求しています。これらに関しては、経営会議および取締役会等において定期的に報告され、取り組みのアップデートを実施しています。
①経営資源の配分に関する考え方
当社は、財務健全性と安定性の担保に必要となる手元資金水準を考慮しつつ、設備投資や研究開発投資をはじめとする成長投資や株主還元等へ経営資源の適切かつ安定的な配分を目指しています。
成長投資に関しては、2030年頃までに最大で約1.5兆円を電動化関連の投資金額として見込み、その内訳として「国内における電池・電動車生産」「電動車開発」「米国における電池・電動車生産」を計画しています。一方で、変化の激しい足元の経営環境を鑑み電動化投資に関する大きな方向性は維持しつつも投資時期を含めた計画見直しを実施しています。
株主還元については、不確実性が高い経営環境下において資本効率向上をより意識するとともに、引き続き株主還元を持続的な企業経営の重要な要素と位置づけて取り組むべく、2025年2月に株主還元方針の見直しを公表しました。毎期の業績、投資計画、経営環境などを総合的に勘案したうえで、目標還元水準を総還元性向40%以上とし、配当を株主還元の基本と位置づけ、累進的な配当実現を目指すべくDOE3.5%を設定しています。また、配当額が総還元性向40%を下回る場合は自己株式取得を主として対応していきます。なお、2025年3月期業績に基づく株主還元については、米国における関税政策を主とする不確実性を鑑み、自己株式取得の実施判断を保留としております。
②資金調達及び資金の流動性に係る分析
当社は、当社グループの中期的な資金需要を念頭に置いた資金調達計画を策定し経営会議および取締役会の審議を経て意思決定しています。成長投資およびその他の事業資金については、事業活動により獲得した内部資金に加えて、市場環境に応じた適切な手段により外部から調達することとしており、銀行からの借入及び国内普通社債発行による資金調達を実施しています。手元資金は、2025年3月末時点において3か月超の定期預金を含む現金及び現金同等物の残高として1兆5,897億円となっています。これに加え、未使用のコミットメントライン約2,000億円を有しており、成長投資および変化の激しい事業環境を考慮しても十分な流動性を確保していると考えています。これらは安全性並びに流動性の極めて高い短期金融商品で運用しています。
中長期的な資金の確保については、引き続き営業キャッシュ・フローに加え、外部からの調達により行っていきます。安定的な外部資金調達能力の維持向上を重視し、国内の格付機関である格付投資情報センター(R&I)から格付を取得しており、格付は「シングルAマイナス(安定的)」となっています。強固な財務体質を維持し、取引金融機関と良好な関係を構築していることからも、今後の資金調達に関して問題はないと認識しています。
なお、連結子会社は原則として銀行などの外部から資金調達を行わず、当社及び関係会社を通じたキャッシュ・マネジメント・サービスやグループ・ファイナンスの活用により、資金調達の集約と資金効率化、流動性の確保を図っています。
(5) 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、様々な見積りによる判断が行なわれていますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果は異なることがあります。
連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しており、特に重要な見積りを伴う会計方針は以下の通りです。
① 損失評価引当金
当社グループは、各報告日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価 しており、当該信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。また、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。ただし、営業債権、リース債権および契約資産については、常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
将来、取引先などの財務状況が悪化するなどにより支払能力が低下した場合、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があるため、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えています。
② 製品保証引当金
当社グループは、製品販売時に付与した保証約款に基づく製品保証とともに、主務官庁への届出等に基づいて個別に無償の補修を行っています。
保証約款に基づく製品保証の対象は、各国における保証約款に基づき、期間および走行距離や不具合の原因などにより決定しています。
保証約款に基づく製品保証の保証修理費用は、製品を販売した時点で引当金を認識しており、保証期間内に不具合が発生して部品を修理または交換する際に発生する費用の総額について、過去の補修実績、過去の売上台数を基礎として将来の発生見込みに基づく最善の見積りにより引当計上しています。
主務官庁への届出などに基づく個別の保証修理費用は、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に引当金を認識しており、製品の不具合に関する過去の経験を基礎として算定した1台当たり将来保証修理費用などおよび対象台数に基づく最善の見積りにより引当計上しています。
当社グループは、発生が見込まれる保証修理費用について、現在入手可能な情報に基づき必要十分な金額を引当計上していると考えていますが、製品保証引当金の計算では将来複数年にわたり生じる保証修理費用を予測しているため、実際の保証修理費用が見積りと乖離することにより、製品保証引当金を追加計上する必要が生じる可能性があることから、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えています。
③ 従業員給付
当社グループは、従業員給付のうち退職給付について、将来の退職給付の支払いに備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき、退職給付を計上していますが、この計算は主として数理計算上で算定される前提条件に基づいて行われています。この前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率などが含まれており、それぞれの条件は現時点で十分に合理的と考えられる方法で計算されています。当社は、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用および債務に影響を与える可能性があるため、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えています。
割引率が変動した場合の確定給付制度債務に与える影響額については、連結財務諸表注記の「19 従業員給付(4)数理計算の仮定」を参照ください。
④ 金融資産
当社グループは、価格変動性の高い公開会社の株式、株価の決定が困難である非公開会社の株式、国債、社債および投資信託などを保有しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、投資価値の変動により損失が発生することがあるため、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えています。
⑤ 繰延税金資産
繰延税金資産は将来減算一時差異などを使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識し、繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識しています。当該見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期および金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の有価証券報告書において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
5 【重要な契約等】
2006年3月 トヨタ自動車株式会社と業務提携
2008年4月 トヨタ自動車株式会社、ダイハツ工業株式会社と開発・生産における新たな協力関係に合意
2019年9月 トヨタ自動車株式会社と長期的連携関係のさらなる発展・強化を目指し、新たな業務資本提携に合意
6 【研究開発活動】
当社グループは、2023年の新経営体制への移行に伴い、同年8月2日に公表した「新体制の方針」において、2030年に向けた電動化計画をアップデートし、2023年から2028年までの5年間を大変重要な期間と位置づけ、「モノづくり」と「価値づくり」で世界最先端を目指した取り組みを進めています。昨今の自動車産業を取り巻く非連続な環境変化やそのスピード感は従来以上のものと捉えています。このような状況の中、2024年11月にビジネスアップデートとして各種取り組みの進捗を報告しました。市場の変化に対応できる「柔軟性」を身につけ、内燃機関からBEVに変わっていく過渡期において、国内外工場再編による「生産体制」の刷新と、「開発プロセス」や「商品企画」の刷新を合わせることで、この2つの取り組みを早期に実現すべく、研究開発活動を進めています。
当連結会計年度におけるグループ全体での研究開発支出は1,600億円です。セグメントごとの研究開発活動状況および研究開発支出は次の通りです。このうち、連結損益計算書の「研究開発費」に計上されている金額は1,424億円です。研究開発支出との差額は主に、開発資産等への振替額・償却額等です。
(1) 自動車事業
自動車の研究開発では、当社の「提供価値」である「安心と愉しさ」の提供を通じてお客様から共感され、信頼していただける存在となることを目指し商品の開発を推進しています。当事業に関わる研究開発支出は1,592億円です。
① 開発拠点の刷新
2025年2月に東京都渋谷区のソフトウエア開発拠点「SUBARU Lab」を拡張しました。クルマのハードウエアにおけるポテンシャルを最大限に引き出すとともに、時代ごとに求められる価値提供につながるソフトウエア開発を強化し、ハードおよびソフトの両面にてSUBARUらしさを際立たせることにつなげます。また、IT企業が集積する渋谷にオフィスを増設することにより、AI開発人財に加え、CASE領域における幅広いソフトウエア開発人財に対する採用の拡大と、協業も見据えた他企業とのコミュニケーションの活性化を図り、当社が掲げる「価値づくり」を加速させます。
② 安心・安全への取り組み
SUBARUは「人の命を守る」ことにこだわり、2030年の死亡交通事故ゼロ※1の実現に向けて取り組みを進めています。これらの取り組みの結果、これまでも日本、米国、欧州をはじめとする国内外の第三者機関による安全性能試験・評価において高い評価を受けており、最高ランクの評価を多数獲得しています。また、当社は、2024年8月にスバル研究実験センター美深試験場(北海道中川郡美深町)の周回コース全域に、Sub6帯※2に対応する、スタンドアローン構成(以下、SA構成)のローカル5G※3設備を導入し、協調型自動運転の実証実験を開始しました。主に先行研究などを担う当社技術研究所では、これまで自動運転技術の先行研究として移動通信を用いた自動運転システムの研究を進めてきましたが、この度、SA構成のローカル5G設備による高速かつ信頼性の高い通信環境下において、複数の自動運転車両による自動合流などの管制制御※4や遠隔で車両の走行制御※5を行う自動運転の実証実験を開始しました。周回コースには、全7基のSub6帯に対応する無線基地局を設置し、当該エリア全域における協調型自動運転の遠隔制御を可能としました。なお、テストコースへのローカル5G設備導入は国内自動車メーカーとして初の事例です。
加えて、米国IIHS※6によって行われた2024年安全性評価において、新型フォレスター(2025年モデル)※7※8が最高評価となる「トップセイフティピックプラス(TSP+)」を獲得しました。
SUBARUは、引き続き未来のモビリティ社会においても事故低減に貢献し「安心と愉しさ」をお届けできるよう研究開発に取り組んでいきます。
※1: SUBARU車乗車中の死亡事故およびSUBARU車との衝突による歩行者・自転車などの死亡事故ゼロを目指す。
※2:6GHz以下の周波数帯を利用する5Gで、ミリ波に比べ一つの基地局でより広いエリアをカバーすることが可能。
直進性が高く、帯域幅が広いため高速で大容量のデータ伝送が可能。
※3:MNO(Mobile Network Operator/移動体通信事業者)の通信設備を使用せず独自で構築し運用可能な5Gで、制御信号に
4Gの無線を必要とせず5Gのみで構成されるネットワーク。
※4:サーバーにおいて、車両の走行ルートなどを算出し、車両へ走行計画として指示すること。
※5:サーバーにおいて、車両の走行計画および制御に必要なデータを算出し、車両の走行制御指示を行うこと。
※6:Insurance Institute for Highway Safety(道路安全保険協会)
※7:米国仕様車
※8:ウィルダネスグレード(併売する先代モデル)は対象外。
③ 新商品開発状況
当連結会計年度において、「安心と愉しさ」でお客様の笑顔をつくるべく、以下の商品を展開しました。
i. 2024年10月にレガシィ アウトバック「Limited EX」をベースとした特別仕様車「30th Anniversary」を発表しました。レガシィ アウトバック特別仕様車「30th Anniversary」は、1994年に「アウトバック」※9が誕生して以来、30年の集大成として、どこまでも走り続けられるような安心感と快適性、荷物を効率的に積める積載性、質感の高い内装といった上質さの中に、SUBARUがこれまで磨き続けてきたスポーティな走行性能を織り込んだ30周年記念モデルです。
※9:北米でデビュー、日本市場では「レガシィ グランドワゴン」として1995年に発売。
ⅱ. 2024年12月、新型「クロストレック」e-BOXER(ストロングハイブリッド)を発表しました。今回発表した新型「クロストレック」e-BOXER(ストロングハイブリッド)は、従来のクロストレックのラインナップに最上級モデルとして追加します。SUBARU初のストロングハイブリッドを搭載し、走行性能と環境性能を高い次元で両立。加えて、高度運転支援システムである「アイサイトX(エックス)」を搭載することで、快適なドライブをサポートします。走行性能では、状況に応じて動力源であるエンジンとモーターを効率よく使い分けるシリーズ・パラレル方式のストロングハイブリッドを採用。新開発の2.5L水平対向エンジンとトランスアクスルを搭載し、エンジンのゆとりある動力性能と高出力の駆動用モーターにより高い加速性能を実現しました。また、SUBARU独自のシンメトリカルAWDの基本レイアウトを継承し、前後輪をプロペラシャフトでつなげる機械式AWDを踏襲することで、様々な路面で優れた走行安定性を発揮します。
ⅲ.2025年1月、現行SUBARU BRZ向けアップデートサービス「SUBARU Sport Drive e-Tune」を発表しました。今回発表した「SUBARU Sport Drive e-Tune」は、現行SUBARU BRZ Dタイプに採用されているスロットルセッティング(MT車)やトランスミッション制御(AT車)を、ソフトウエアアップデートでAタイプからCタイプのSUBARU BRZに組み込むことで、動的性能をよりスポーティにし、ドライバーがより意のままに車両を操りやすくすることができるサービスです。SUBARUのソフトウエアアップデートサービスは、お客様にSUBARU車を末永くお乗りいただきたいという想いのもと、第一弾として2023年1月にレヴォーグ向け「SUBARU Active Damper e-Tune」を発表。SUBARU BRZ向け「SUBARU Sport Drive e-Tune」は第二弾として今回商品化しました。今後もSUBARUは、これまでにはない新たな発想で、お客様の「安心と愉しさ」を実現できるサービスを提供していきます。
ⅳ.2025年4月、米国ニューヨーク国際オートショーにおいて、新型「アウトバック」(米国仕様車)を世界初公開しました。1995年の初代発売以来、乗用車とSUVの長所を融合させたクロスオーバーSUVとしてその歴史を積み重ねてきたアウトバックは、今年で30周年を迎え、今回のフルモデルチェンジで7代目となります。歴代モデルを通じ、どこまでも走り続けたくなるような安心感と快適性、荷物を効率的に積める積載性、質感の高い内装といった、クルマとしての本質的価値を磨き続けることで、乗る人の生活をさらに豊かなものにするパートナーとして信頼を築き上げ、SUBARUのフラッグシップクロスオーバーSUVとして、唯一無二のキャラクターを確立してきました。新型「アウトバック」は、お客さまの様々な嗜好やライフスタイルに寄り添いながらも、自然と共生する「アドベンチャー」要素を盛り込み、走行性能を磨き上げるとともに、デザイン、実用性、インフォテインメントを中心に大幅に商品を進化させました。
ⅴ.2025年4月、米国ニューヨーク国際オートショーにおいて、新型「トレイルシーカー」と、「ソルテラ」改良モデル(米国仕様車)を世界初公開しました。SUBARUグローバルバッテリーEVラインナップ第2弾となる新型「トレイルシーカー」は、バッテリーEVならではの走行性能と、クロスオーバーユーティリティビークルとしての実用性を高い次元で両立。日常でも非日常でも使いやすく、アクティブなライフスタイルを後押しするモデルであり、SUBARUのバッテリーEVのバリエーションを拡充しました。新型トレイルシーカーとソルテラは、トヨタとSUBARUが、「もっといいクルマづくり」を目指して、互いに強みとする技術や知見を持ち寄り、両社のエンジニアが切磋琢磨しながら共同開発しました。SUBARUは、カーボンニュートラル社会実現への貢献を目指して、電動化などの取り組みを加速させていきます。
(2) 航空宇宙事業
航空宇宙カンパニーは将来にわたる持続的成長に向け、新規事業開拓および生産性向上を中心とした以下の研究開発を行っています。
ヘリコプター分野では、さらなる安心・安全につながる装備品の開発や原価低減に関する研究を継続し、商品価値の向上に取り組んでいます。
民間機分野では、次世代旅客機への事業対応を見据えて、高レート生産に向けた省人化・自動化技術、軽量化に向けた新材料適用技術の開発に取り組んでいます。
防衛分野では、操縦/整備教育システムや無人機システムの研究開発に取り組んでいます。
その他、サプライチェーンを含めた生産プロセスにおけるDX推進に加え、持続可能な航空燃料(SAF)の活用、航空機部品の製造過程で排出される炭素繊維複合材料の再利用や電動化等のGX推進の取り組み、将来モビリティの実現に向けた技術実証を続けています。
当事業に関わる研究開発支出は7億円です。
(3) その他事業
当連結会計年度におけるその他事業の研究開発支出はありません。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度において、当社グループが実施した設備投資の総額は1,761億円であり、その主な内容は自動車部門における生産、研究開発および販売に関する設備投資です。セグメントごとの設備投資は、以下の通りです。
(注) 1.経常的な設備の更新のための除却または売却を除き、重要な設備の除却または売却はありません。
2.上記のほかに自動車事業において、リース用車両などの事業用資産の取得に係る投資金額として691億円があります。
3.セグメントごとの主な投資内容は、次の通りです。
自動車事業では、当社において、新商品のための生産設備、研究開発設備、品質・職場環境改善を中心に1,186億円の設備投資を実施しました。また、スバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)において、新商品のための生産設備、品質・職場環境改善を中心に、286億円の設備投資を実施しました。
航空宇宙事業では、当社において生産基盤強化、職場環境改善を中心に91億円の設備投資を実施しました。
2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、以下の通りです。
(1) 提出会社
2025年3月31日現在
(2) 国内子会社
2025年3月31日現在
(3) 在外子会社
2025年3月31日現在
(注) 1.提出会社および国内子会社の帳簿価額は日本基準に基づく金額を、在外子会社の帳簿価額はIFRSに基づく金額を各々記載しています。
2. 帳簿価額のうち、「その他」は、工具、器具及び備品・建設仮勘定の合計です。
3.貸与中の土地14,630百万円(321千㎡)、建物及び構築物5,977百万円、その他75百万円を含んでいます。
4.土地および建物の一部を賃借しており、賃借料は4,575百万円です。賃借している土地の面積については、[ ]で外書きしています。
5.上記のほか、建物の賃借資産が主にスバル オブ アメリカ インクに42,399百万円あります。
また、車両運搬具の賃貸資産が主にスバルファイナンス(株)に6,759百万円、スバル オブ アメリカ インクに22,966百万円あります。
6.従業員数の[ ]は、臨時従業員数を外書きしています。なお、臨時従業員には、期間従業員・パートタイマーおよび派遣社員を記載しています。
3 【設備の新設、除却等の計画】
設備投資計画については、米国の関税政策の動向など当社グループを取り巻く事業環境は不透明な状況が続いており、現時点で合理的な見通しを算定することが困難であることから、未定であります。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 自己株式の消却による減少です。
(5) 【所有者別状況】
2025年3月31日現在
(注) 1.自己株式1,623,478株は「個人その他」に16,234単元、また「単元未満株式の状況」に78株含まれています。
2.上記「その他の法人」および「単元未満株式の状況」には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ68単元および2株含まれています。
(6) 【大株主の状況】
2025年3月31日現在
(注) 1.上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、次の通りです。
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 107,181千株
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 34,973千株
2.2021年4月7日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、株式会社みずほ銀行およびその共同保有者であるアセットマネジメントOne株式会社が2021年3月31日現在で以下の株式を所有している旨が掲載されているものの、株式会社みずほ銀行を除き、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができていませんので、上記大株主の状況には含めていません。変更報告書の内容は以下の通りです。
3.2020年12月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社およびその共同保有者である日興アセットマネジメント株式会社が2020年11月30日現在で以下の株式を所有している旨が掲載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができていませんので、上記大株主の状況には含めていません。変更報告書の内容は以下の通りです。
4.2024年12月5日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、ブラックロック・ジャパン株式会社およびその共同保有者であるブラックロック・アドバイザーズ・エルエルシー、ブラックロック・フィナンシャル・マネジメント・インク、ブラックロック・インベストメント・マネジメント(オーストラリア)リミテッド、ブラックロック(ネザーランド)、ブラックロック・ファンド・マネジャーズ・リミテッド、ブラックロック・アセット・マネジメント・アイルランド・リミテッド、ブラックロック・ファンド・アドバイザーズ、ブラックロック・インスティテューショナル・トラスト・カンパニー、エヌ.エイ.、ブラックロック・インベストメント・マネジメント(ユーケー)リミテッドが2024年11月29日現在で以下の株式を所有している旨が掲載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができていませんので、上記大株主の状況には含めていません。大量保有報告書の内容は以下の通りです。
5.2022年5月20日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、野村證券株式会社およびその共同保有者であるノムラ インターナショナル ピーエルシー、野村アセットマネジメント株式会社が2022年5月13日現在で以下の株式を所有している旨が掲載されているものの当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができていませんので上記大株主の状況には含めていません。変更報告書の内容は以下の通りです。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2025年3月31日現在
(注) 1.「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が6,800株含まれています。また、「議決権の数」欄には、同機構名義の完全議決権株式に係る議決権の数68個が含まれています。
2.「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式78株が含まれています。
② 【自己株式等】
2025年3月31日現在
(注) 富士機械株式会社の他人名義所有株式400,000株は、同社が退職給付信託(株式会社日本カストディ銀行[東京都中央区晴海1丁目8-12](三井住友信託銀行再信託分・富士機械株式会社退職給付信託口)名義分)に拠出したものです。
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
会社法第155条第3号による取得
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
(注) 当期間における取得自己株式は、単元未満株式の買取りによる取得76株です。また、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)1.当事業年度における内訳は、譲渡制限付株式の割当(株式数85,476株、処分価額の総額276,174,523円)および単元未満株式の売渡請求による売渡(株式数106株、処分価額の総額342,488円)です。
2.当期間における保有自己株式数には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれていません。
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様の利益を重要な経営課題と位置付けており、毎期の業績、投資計画、経営環境などを総合的に勘案しながら、配当を基本と位置づけ総還元性向40%以上を目指します。配当はDOE(親会社所有者帰属持分配当率)を3.5%とし、配当額が総還元性向40%を下回る場合には、自己株式の取得を主として対応いたします。なお、DOEのベースとなる親会社所有者帰属持分は、累進的な配当を目指すため、為替などの影響で大きく増減する「その他の資本の構成要素」は除きます。
なお、当社は中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を基本としています。剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であり、中間配当については、「取締役会の決議によって、毎年9月30日に最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に対し、会社法第454条第5項の定めるところにより剰余金の配当をすることができる」旨を定款に定めています。
当期末の配当については、2025年3月期の業績および今後の事業展開などを勘案し、直近の配当予想通り、1株当たりの普通配当を67円、年間配当金はすでに実施した中間配当48円と合わせて115円とすることを2025年6月25日開催予定の第94期定時株主総会において決議し実施する予定です。
基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下の通りです。
4 【コーポレートガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレートガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、SUBARUのありたい姿である「笑顔をつくる会社」を目指し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ることにより、すべてのステークホルダーの皆様の満足と信頼を得るべく、コーポレートガバナンスの強化を経営の最重要課題の一つとして取り組んでいます。
当社は、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を明確に区別し、意思決定の迅速化を図り、効率的な経営を実現することを目指します。また、社外役員によるモニタリングおよび助言を通じ、適切な経営の意思決定・監督と業務執行を確保するとともに、リスクマネジメント体制およびコンプライアンス体制の向上を図ります。そして、経営の透明性を高めるために、適切かつ適時な開示を実施します。
② 企業統治の体制の概要とその体制を採用する理由
当社は、企業統治体制として監査役会設置会社を選択し、取締役会においては監督と執行の分離を意識しつつ重要な業務執行の決定・監督を、監査役会においては、各監査役が監査に関する重要事項についての協議または決議等を行っています。また、独立性の高い社外取締役および社外監査役の関与により、経営のモニタリングの実効性を高めることなどを通じて、事業の健全性・効率性を高めることが可能な体制としています。
有価証券報告書提出日(2025年6月23日)現在、当社取締役会は8名で構成され、うち3名が独立性の高い社外取締役です。また、監査役会は4名で構成され、うち2名が独立性の高い社外監査役です。また、現状の機関設計を前提とした実質的なガバナンス体制の向上を図るため、任意の会議として役員指名会議(取締役5名のうち3名が社外取締役)および役員報酬会議(取締役5名のうち3名が社外取締役)を設置しています。なお、2025年5月20日開催の取締役会において、ガバナンス全般に関する議論を強化することを目的に「役員指名会議」を「ガバナンス・役員指名会議」と改称することを決議しました。
当社は、2025年6月25日開催予定の第94期定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役会8名選任の件」、「監査役1名選任の件」を提案しており、当該議案の決議ならびに当該株主総会後の取締役会をもって、当社のコーポレートガバナンス体制および取締役会、監査役会、ガバナンス・役員指名会議、役員報酬会議の構成は以下の通りとなります。

2025年度の取締役会、ガバナンス・役員指名会議、役員報酬会議の構成
2025年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役8名選任の件」「監査役1名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決された場合、取締役会の構成員は以下の 12名となります。
◎は議長、〇は出席メンバーを示しています。
(2024年度の主な活動)
取締役会、役員指名会議、役員報酬会議の主な活動状況は以下の通りです。
(取締役会)
取締役会は、独立性の高い社外取締役3名を含む取締役8名で構成され、2024年度は13回開催※し、議長は取締役会長 中村知美氏が務めました。
※上記の取締役会の開催回数のほか、会社法第370条および当社定款に基づき、取締役会決議があったものとみなす書面決議が1回ありました。
<2024年度における主な審議内容>
・取締役および監査役候補者ならびにCEOその他の経営陣の決定
・自己株式取得に係る事項および自己株式消却の決定
・役員報酬制度および取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針の改定、役員報酬制度に基づく取締役および
執行役員の個人別の報酬等の決定に関する役員報酬会議への委任の決定
・電動車戦略をはじめとする中長期の経営課題、IR/SR活動、サステナビリティ委員会およびリスクマネジメント・コンプライアンス委員会等の報告事項に関する議論
・取締役会のモニタリング機能の強化に資する取締役会規程の改定
(取締役会の実効性を高めるための取り組み)
当社は、会社役員に対し、経営を監督するうえで必要となる事業活動に関する情報や知識を継続的に提供しています。また、社外役員に対しては、当社の経営理念・企業文化・経営環境などについて継続的に情報提供を行うため、執行部門からの業務報告や事業の理解深化を目的とした国内外の重要拠点への現地視察などの機会を設けるとともに、役員相互での情報共有・意見交換を充実させることなどを行っています。
経営懇話会
取締役・監査役(12名)が参加し、経営における重要なテーマについて役員相互で情報共有、意見交換を行うもので、2024年度は3回開催しました。
<2024年度における主なディスカッションテーマ>
・事業戦略の実現に向けた人事戦略の考え方について
・電動化戦略の検討の進捗
・当社取締役会の在り方およびガバナンスについて
・品質改善の取り組み
・取締役会の実効性に関する評価の結果
(役員指名会議)
役員指名会議は、独立性の高い社外取締役3名(土井美和子氏、八馬史尚氏および山下茂氏)、社内取締役2名(中村知美氏および大崎篤氏)により構成され、2024年度は6回開催し、議長は取締役会長 中村知美氏が務めました。
<2024年度における主な審議内容>
・CEO等の後継者計画の検討、役員360度評価の実施、非取締役執行役員を含む役員のスキル・マトリックス等を
活用し、CEOを中心とする役員人材を育成
・執行役員の業績結果を共有すること等による、役員評価プロセスの透明性向上・当社の役員体制、人事および
その役割分担ならびに重要な連結子会社の役員人事等の答申に関する審議等
※2025年5月20日開催の取締役会において、ガバナンス全般に関する議論を強化することを目的に「ガバナンス・
役員指名会議」と改称することを決議しました。
(役員報酬会議)
役員報酬会議は、独立性の高い社外取締役3名(土井美和子氏、八馬史尚氏および山下茂氏)、社内取締役2名(中村知美氏および大崎篤氏)により構成され、2024年度は5回開催し、議長は取締役会長 中村知美氏が務めました。
<2024年度における主な審議内容>
・外部調査データを活用した役員報酬水準およびインセンティブ設計などに関する検討
・考課に基づいた取締役(社外取締役を除く)および執行役員の個人別業績連動報酬額の決定
・譲渡制限付株式報酬に係る個人別基準額等の決定
(業務執行体制)
業務執行体制については、執行役員制度を採用し、取締役の業務執行の権限を執行役員に委譲することにより、取締役会における経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を明確に区分し、意思決定の迅速化を図っています。
監査の状況については「(3) 監査の状況 ① 監査役監査の状況」をご参照ください。
2024年度における取締役会、役員指名会議、役員報酬会議の構成、当事業年度の開催回数および出席回数
◎は議長、〇は出席メンバーを示しています。
※1:取締役 阿部康行氏(2024年6月退任)は、退任までに開催された取締役会(3回)および、役員指名会議(1回)、役員報酬会議(2回)すべてに出席しております。
※2:社外取締役 山下茂氏は、当社取締役に就任した2024年6月19日開催の第93期定時株主総会以降の取締役会を対象にしています。
※3:社外取締役 山下茂氏は、2024年6月19日開催の取締役会決議により、当社役員指名会議および役員報酬会議の委員に就任した以降の役員指名会議、役員報酬会議を対象にしています。
(取締役会の実効性の評価の結果)
取締役会は、「コーポレートガバナンスガイドライン」第23条に則り、取締役会の実効性に関し、毎年、分析・評価を行い、洗い出された課題に対する改善策を検討・実施する取り組みをしております。
2024年度は、この取り組みを取締役会の機能発揮によりつなげていくことを目指し、2023年度までに認識した課題への取り組み状況の確認に加え、アンケートの評価項目の再整理および取締役へのインタビューを行い、課題認識における相違の理由や背景の把握・分析を実施いたしました。
①評価および分析の方法
I. 実施時期:2024年12月~2025年2月
II. 実施方法:第三者機関作成のアンケート(自己評価方式)への回答およびインタビュー
・アンケート回答者:取締役(8名)および監査役(4名)(計12名)
・インタビュー対象者:取締役会議長、代表取締役社長、代表取締役副社長、社外取締役(3名)(計6名)
III. 実施要領
・第三者機関が取締役および監査役に対し、無記名式による自己評価アンケートを実施
・第三者機関が取締役会議長、代表取締役社長、代表取締役副社長、社外取締役に対してインタビューを実施
・第三者機関がアンケートおよびインタビュー結果を集計・分析
・第三者機関より受領した報告書を経営懇話会および取締役会で検証・議論
IV.アンケートによる評価項目
① 取締役会の役割・機能 ⑥ 取締役会のリスクマネジメント・内部統制
② 取締役会の構成 ⑦ 役員指名会議・役員報酬会議の運営
③ 取締役会の運営 ⑧ 株主との対話
④ 取締役会に対する支援体制 ⑨ 取締役会の継続的な改善
⑤ 取締役会の風土・コミュニケーション
評価項目に付随する各質問に対して4段階の自己評価を行うとともに、当社取締役会の特徴および当社取締役会の実効性をさらに高めるために必要な点などについて回答者自身の考えを自由に記入し、第三者機関に直接提出いたしました。
②評価結果
当社取締役会は、第三者機関から集計・分析結果の報告を受け、以下の通り議論・確認を行いました。
I. 総評
当社の取締役会の実効性は、概ね確保されていることが確認されました。
II. 当社取締役会の特徴
III. 2023年度に掲げた課題に対する対応状況
IV.当社取締役会の実効性のさらなる向上にむけた経営懇話会での議論の概要
第三者機関による評価結果とそこで示された課題について、経営懇話会において以下のような論点を中心に
議論を行いました。

※ 当社のコーポレートガバナンスガイドラインは、当社ホームページをご覧ください。
https://www.subaru.co.jp/csr/pdf/governance_guideline.pdf
③ 企業統治に関するその他の事項
a. 内部統制システムの整備の状況及びリスク管理体制の整備の状況
当社は、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要な体制の整備についての基本方針を以下の内容で決議しています。(2023年4月1日最終改訂)
(Ⅰ) 取締役の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
取締役による法令等違反行為の予防措置として、以下の体制を整備する。
・取締役は、取締役及び監査役が、各種会議への出席、りん議書の閲覧、執行役員・使用人からの業務報告を受けること等により、他の取締役の職務執行の監督及び監査役の監査を実効的に行うための体制を整備する。
・コンプライアンスに係る規程を定め、取締役が法令・定款・社内規程を遵守するための体制を整備する。
・執行役員・使用人が取締役の職務執行上の法令・定款違反行為等を発見した場合の社内報告体制として、内部通報制度(コンプライアンス・ホットライン)を定める。
・必要に応じて、取締役を対象とした、外部の専門家によるコンプライアンス等に関する研修を行う。
・取締役は、他の取締役の法令・定款違反行為を発見した場合、直ちに監査役会及び取締役会に報告し、是正処置を講じる。
(Ⅱ) その他株式会社の業務ならびに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
ⅰ 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
・取締役会議事録、りん議書、その他取締役の職務の執行に係る文書及びその他の情報の保存、管理に関して社内規程を定め、その規程及び法令に従い、適切に当該情報の保存及び管理を行う。
ⅱ 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・当社は、リスクの現実化と拡大を防止するため、リスクマネジメントに係る規程を定めるとともに、各部門の業務に応じて、個別の規程、マニュアル、ガイドライン等を定める。
・事業性のリスクについては、取締役及び執行役員が一定の決裁ルールに従い精査し、あわせて、各部門・カンパニーそれぞれによる管理と、経営企画部を中心とした関連部門による全社横断的な管理を行う。
・全社的な緊急連絡体制を整備し、緊急時における迅速な対応と損失の拡大防止を図る。
・リスクマネジメントの実践を推進するため、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置し、リスクマネジメントに係る重要な事項に関する審議・協議、決定、情報交換・連絡を行う。
ⅲ 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・執行役員制度を導入し、取締役の業務執行の権限を執行役員に対し委譲する。COO(COOを選定しない場合にはCEO)は最高執行責任者として、これらの業務執行を統括する。CEOは最高経営責任者として、経営全体を統括する。
・取締役は、各種会議への出席や業務報告を定期的に受けること等を通じて、執行役員・使用人の業務執行を監督する。
・取締役会で審議する案件を、事前に経営会議(取締役会の事前審議機関で全社的経営案件を審議する会議)や執行会議(各執行部門の意思決定機関)にて審議し、問題点を整理することで、取締役会における審議の効率化を図る。
・取締役会で中長期の経営目標を定め、その共有を図るとともに、その進捗状況を定期的に検証する。
・取締役会は、定期的に取締役会について評価と分析を行い、業務執行に係る意思決定及び監督の両面において、取締役の役割・責務が効率的に果たせるように取り組む。
ⅳ 執行役員・使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・コンプライアンスに係る規程を定め、執行役員・使用人が法令・定款・社内規程を遵守するための体制を整備する。
・コンプライアンスの実践を推進するため、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置し、重要なコンプライアンス事項に関する審議・協議、決定、情報交換・連絡を行う。
・執行役員・使用人を対象に、計画的にコンプライアンス講習会等の教育を実施し、コンプライアンス啓発に取り組む。
・執行役員・使用人が業務上の不正行為等を発見した場合の社内報告体制として、内部通報制度(コンプライアンス・ホットライン)を定め、不正行為等の早期発見及び是正を図る。
・内部監査部門として、組織上の独立が確保された監査部を設置する。
ⅴ 企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社は、当社グループに属する各子会社の健全な事業運営を通じて、当社グループのブランド価値の向上及び総合力の向上を図るべく、子会社管理に係る規程を定め、同規程に基づき、各子会社の業務又は経営について管理を担当する当社の部署を中心に子会社を管理・支援を行う。
①子会社の取締役の職務の執行に係る事項の当該株式会社への報告に関する体制
・当社は、子会社管理に係る規程に基づき、子会社から、その経営成績、財務状況その他の重要な事項については、定期的に、及び必要な事項については、随時、報告を受ける体制とする。
②子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・当社は、リスクの現実化と拡大を防止するため、子会社において、その事業内容や規模等に応じて、リスクマネジメントに係る規程、その他の社内規程、マニュアル、ガイドライン等を整備することを推進し、子会社におけるリスクマネジメント体制を構築させる。
③子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・当社は、子会社管理に係る規程に基づき、子会社からその業務内容の報告を受け、重要な事項については、その業務内容について事前協議を行うこと等により、子会社の取締役の職務の執行の効率性を確保する。
④子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・当社は、子会社に対して、法令・定款・社内規程等の遵守に関する体制の整備及びその状況に関する定期的な点検や結果の報告を求め、当社のリスクマネジメント・コンプライアンス委員会でその内容等の確認を実施する。
・当社は、子会社における業務上の不正行為等を発見した場合における報告体制として、当社または子会社の内部通報制度(コンプライアンス・ホットライン)を設置し、不正行為等の早期発見及び是正を図る。
⑤企業集団における業務の適正を確保するためのその他の体制
・当社は、内部監査を実施する組織として当社に監査部を設置し、子会社・関連会社の業務監査を定期的に、及び必要な事項については随時、実施する。
・当社は、子会社・関連会社の監査役を定期的に招集し、当社監査役を交えて国内子会社・関連会社における監査機能強化のための意見交換等を行う。
・当社は、当社の執行役員・使用人に一部の国内子会社・関連会社の監査役を兼務させ、監査機能の強化を図る。
・外国子会社については、当該国の法令等を遵守させるとともに、実情・国情に応じて、可能な範囲で本方針に準じた体制とする。
ⅵ 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
・監査役の求めに応じ、監査役の職務を補助するため、当社の使用人から1名以上のスタッフを配置する。
ⅶ 当該使用人の取締役からの独立性に関する事項及び監査役の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
・当該補助スタッフが業務執行を行う役職を兼務する場合において、監査役補助業務の遂行については、取締役及び執行部門は干渉しないこととし、取締役からの独立性を確保するとともに、当該補助スタッフが監査役の指揮命令に従う旨を当社の役員及び従業員に周知する。
・当該補助スタッフの人事については監査役会の同意を得て実施する。
ⅷ 当社及び当社子会社の取締役・執行役員・使用人が当社の監査役に報告するための体制その他の当社の監査役への報告に関する体制及び当社の監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・当社の監査役が当社又は子会社の取締役・執行役員・使用人から定期的に職務の執行状況について報告を受けられる体制を整備する。
・当社の監査役が必要に応じ、各事業部門等に関する当社又は子会社の取締役・執行役員・使用人の職務の執行状況について情報を収集することができる体制を整備する。
・当社又は子会社の取締役は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事項、重大な法令・定款違反、その他コンプライアンス上重要な事項が生じた場合、当社の監査役へ報告する。
・当社の監査役は、リスクマネジメント及びコンプライアンスに係る重要な事項の審議・協議、決定、情報交換・連絡を行う組織であるリスクマネジメント・コンプライアンス委員会に出席することができる。
・当社及び子会社の代表取締役、取締役又は会計監査人は、当社の監査役の求めに応じ、当社の監査役が開催する意見交換会に出席する。
・当社の監査役に報告を行った者が、当該報告を行ったことを理由として不利な取扱いを受けない事を確保するための体制を整備する。
・監査役の職務の執行について生じる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生じる費用又は債務の処理については、監査役の請求等に従い円滑に行い得る体制を整備する。
当社では、CRMO(最高リスク管理責任者)が、リスクマネジメント・コンプライアンス室や法務部などの全社共通部門の専門的見地からの支援を受けつつ、各事業の横串を担う経営企画部や各部門・カンパニーと密接に連携し、企業集団を通じたリスク管理の強化を推進しています。また、監査部が各部門および各子会社の業務遂行について計画的に監査を実施しています。
2024年度における業務の適正を確保するための体制の運用状況の概要は以下の通りです。
(コンプライアンスに関する取り組みの状況)
当社は、当社グループのすべての役員・従業員が法令、定款および社内規程等を遵守し、社会倫理・規範に則した行動を行うため、「コンプライアンスガイドライン」や規程を定め、各種委員会を設置・運営することにより、コンプライアンス体制の維持・強化に取り組んでいます。
具体的なコンプライアンス推進体制としては、取締役会が選任したCRMO(最高リスク管理責任者)を委員長とする 「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」において、各種方針等の策定、全社コンプライアンス活動の状況、内部通報制度の運用状況など、重要なコンプライアンス事項に関する審議・協議、決定および情報交換・連絡を行っています。また、当社および子会社が設置運営する内部通報制度を積極的かつ適正に運用することで、通常の業務ラインでは捉え切れない問題の早期発見と解決、問題発生自体の牽制を図り、コンプライアンスにおける自浄作用と活動の実効性を高めています。
リスクマネジメント・コンプライアンス室は、これら活動の全社マネジメントを行うとともに、「コンプライアンスマニュアル」等のツールの作成・展開や、関係部署と連携した研修の実施などを通じて、役員を含むグループ全体のコンプライアンス意識の醸成を図っています。
<コンプライアンス体制の強化に関する主な取り組み>
・SUBARU全部門および国内グループ会社における遵守対象法令の明確化: 各部門において遵
守すべき法令を明確にし、透明性を高めています。
・グローバルな法令遵守体制のPDCAサイクルの強化: グループ全体で自律的に法令遵守体制を評価
し、効果的なPDCAサイクルを回すための取り組みを行っています。
・リテラシー向上: 社会的なハラスメント意識の高まりに伴い、継続的な動画研修と議論型の研修
を実施し、当事者意識を醸成しています。
・内部通報制度の多言語対応と信頼性向上: 英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語での内部通
報窓口を設け、従業員が安心して通報できる環境を整備しています。不正の未然防止や早期発見
にも寄与しています。
(リスク管理に関する取り組みの状況)
当社は、グループ全体のリスクを適切に管理するため、リスクマネジメントに関連する規程を定めており、事業リスクについては取締役会や各種会議体、決裁ルールに従って取締役および執行役員が内容を精査しています。平時には各部門に本部長クラスのリスク管理責任者を配置し、有事には状況に応じた対策本部体制をとっています。また、取締役会が選任したCRMO(最高リスク管理責任者)を委員長とするリスクマネジメント・コンプライアンス委員会を設置し、グループ全体のリスクマネジメント方針やリスクマップを策定、それを基にリスク抑制活動を推進しています。また、全社的な緊急連絡体制の整備についても、災害発生時の情報共有に備えて「緊急事態対応基本マニュアル」に基づき「安否確認システム」を整備しています。
主なリスク管理強化の取り組みは以下の通りです:
・2023年8月に発表され、その後2024年5月と11月にアップデートされた「新体制の方針」に基づく優先対応
課題をアップデートしたリスクマップを羅針盤に、全社リスクマネジメント活動を実施しています。
・当社グループの重点リスク低減に向け、リスクオーナー主導のもと「サイバーインシデント訓練」の実施、「関連企業の適正取引」の徹底推進、当社の「自然災害におけるBCP体制」の充実などに取り組み、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会で定期的なフォローを行っています。
・各部門でのリスクマネジメント活動の推進実務担当者向けに、リスクマネジメント手法やリテラシー向上の
ための研修を実施しています。
・海外の重要な子会社との連携を一層強化したリスクマネジメント活動を推進しています。
(職務の執行の効率性の確保に関する取り組みの状況)
当社は、取締役の担当分野、執行役員の業務執行責任範囲(執行役員への権限委譲の範囲)、CEOを含むCXO(業務執行統括者)を取締役会で決定し、運用しています。また、取締役と執行役員の役割および責任を一層明確化する趣旨で、社長をはじめとする役位の位置付けを、取締役に付するものではなく、執行役員に付するものとして運用しています。
取締役は、各種会議に出席することや執行役員から業務報告を定期的に受けることで監督し、取締役の職務執行の迅速化を図っています。また、取締役会に諮る必要のある重要案件については、経営会議・執行会議で議論を深め、当該案件の論点整理や方向付けをすることなどにより、取締役会において重点的に審議すべき論点を明確にしています。さらに、必要に応じて資料の早期展開と事前説明を行うことで、取締役会における議論の深化と効率化を図っています。
取締役及び監査役を対象とした第三者機関作成アンケートによる取締役会の実効性評価・分析を年1回実施し、結果を開示しています。取締役会は、実効性評価での結果を起点に、今後の課題とされた項目を次年度の取締役会のアジェンダに織り込み、ボードメンバーで議論し、課題解消に取り組んでいます。
取締役の職務の執行に係る文書およびその他の情報は、社内規則に則り、適切に保存・管理しています。
(当社及びその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための取り組みの状況)
当社は、監査・監督機能を強化するために、執行役員や使用人に子会社の取締役または監査役を兼務させています。当社は、各子会社から定期的および随時に報告を受け、必要に応じて協議し、重大な影響を及ぼす事項は経営会議に報告しています。
また、当社は、子会社管理全社規則に基づき、子会社案件を当社と事前協議を行うべき案件と子会社判断で決議するべき案件に区分しており、子会社から当社への情報伝達ルートも確認しています。さらに、子会社の規程の整備状況も継続的に確認しています。
なお、これらの運用をさらに強化すべく、子会社の会社組織上の管理を、事業運営および組織基盤の構築を支援する事業管理責任部署が、責任をもって主体的に実施する体制としています。
さらに、内部監査全社規則に基づき、当社の内部監査部門が当社および子会社の業務監査を実施し、その監査結果は半期ごとに取締役会で、四半期ごとに全執行役員で構成される合同会議で報告され、必要に応じて是正措置を行っています。
(監査役監査の実効性の確保に関する取り組みの状況)
当社は、「監査役監査基準」など監査役監査の実効性を確保するための規程や「内部通報制度」などを整備し、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事項、重大な法令・定款違反、その他コンプライアンス上重要な事案が生じた場合、監査役が適時適切に取締役および使用人から、情報収集できる体制を整備しています。また、監査役の職務を補助するため、取締役からの独立性が確保された使用人を配置し社内に周知することで、監査役の業務が円滑に遂行できる体制にしています。
当社の監査役は、取締役会、経営会議、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会など重要な会議に出席し、必要に応じて意見を述べるとともに、取締役・執行役員との定例面談および主要な事業所や子会社への往査などを実施し、内部統制システムの整備・運用状況などを確認しています。
さらに内部監査部門、法務部門、リスクマネジメント・コンプライアンス室から、内部通報制度の運用状況を含み、定期報告等を受けるとともに、子会社を管理する担当部署から随時子会社の状況報告を受けております。
また、主要な子会社の監査役との協議会を開催するとともに、会計監査人とは定期的かつ適宜に、また内部監査部門とは随時に、情報・意見交換を行うことで三様監査体制下における緊密な相互連携を図っています。
なお、監査役の職務の執行について生じる費用については、監査役の請求などに従い円滑に処理する体制を整備しています。
b. 責任限定契約の内容の概要
当社は取締役(当会社またはその子会社の業務執行取締役または支配人その他の使用人である者を除く。)および監査役との間において、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく責任の限度額は、同法第425条第1項が規定する額としています。
c. 取締役および監査役の責任免除
当社は会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含む。)および監査役(監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において免除することができる旨を定款に定めています。これは、取締役および監査役が職務を遂行するにあたり、期待される役割を十分に果たすことができる環境を整えることを目的とするものです。
d. 取締役の定数
当社の取締役は15名以内とする旨を定款に定めています。
e. 取締役の選解任の決議要件
当社は取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、および累積投票によらない旨を定款に定めています。
f. 中間配当
当社は株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めています。
g. 自己の株式の取得
当社は会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めています。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものです。
h. 株主総会の特別決議要件
当社は会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
a.2025年6月23日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は、以下の通りです。
男性9名 女性3名 (役員のうち女性の比率25%)
(注) 1.取締役 土井 美和子氏、八馬 史尚氏および山下 茂氏は、社外取締役です。
2.監査役 古澤 ゆり氏および桝田 恭正氏は、社外監査役です。
3.当社の取締役・監査役候補者の指名の方針および手続は以下の通りです。
・取締役会は、当社の経営理念、実効的なコーポレートガバナンス、持続的な成長および中長期的な企業価値の向上を実現するため、当社の取締役・監査役として相応しい豊富な経験と高い能力・見識および高度な専門性を有する人物を取締役・監査役候補者に指名します。
・取締役会は、取締役会全体の多様性等に配慮するとともに、独立した立場から経営の監督機能を担い、経営の透明性と株主価値の向上を図る観点から、複数の独立した社外取締役を指名します。
・取締役・監査役候補者は、役員人事の決定における公正性・透明性を確保するため、取締役会の諮問に基づき、役員指名会議が、独立社外取締役も含めた委員による十分な審議に基づいて承認した指名案を取締役会へ答申し、取締役会の決議をもって決定します。
・役員指名会議は、取締役会の決議により社外取締役が過半数となる構成とし、議長は取締役会の決議によって選任されます。
・監査役候補者の指名を行うにあたっては、監査役会の同意を得ています。
・取締役・監査役候補者の指名を行う際は、個々の指名について、経歴、兼職の状況、見識および当社において期待される役割等、その理由について取締役会で説明を行います。
4.2024年6月19日開催の第93期定時株主総会における選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
5.2021年6月23日開催の第90期定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
6.2022年6月22日開催の第91期定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
7.2023年6月21日開催の第92期定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
8.2024年6月19日開催の第93期定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
9.当社は、取締役 土井 美和子氏、八馬 史尚氏、山下 茂氏、および 監査役 古澤 ゆり氏、桝田 恭正氏を、株式会社東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届け出ています。
10.当社はグループ経営の意思決定と監督機能の強化を目的とした取締役会の活性化を図るとともに、業務執行の責任の明確化と迅速化を図るため、執行役員制度を導入しています。
2025年6月23日(有価証券報告書提出日)現在の執行役員は下記の通り27名(取締役を兼務している者を除く)です。
b.2025年6月25日開催予定の第94期定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役会8名選任の件」、「監査役1名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、当社の役員の状況は以下の通りとなる予定です。
① 役員一覧
男性9名 女性3名 (役員のうち女性の比率25%)
(注) 1.取締役 土井 美和子氏、八馬 史尚氏および山下 茂氏は、社外取締役です。
2.監査役 古澤 ゆり氏および桝田 恭正氏は、社外監査役です。
3.当社の取締役・監査役候補者の指名の方針および手続は以下の通りです。
・取締役会は、当社の経営理念、実効的なコーポレートガバナンス、持続的な成長および中長期的な企業価値の向上を実現するため、当社の取締役・監査役として相応しい豊富な経験と高い能力・見識および高度な専門性を有する人物を取締役・監査役候補者に指名します。
・取締役会は、取締役会全体の多様性等に配慮するとともに、独立した立場から経営の監督機能を担い、経営の透明性と株主価値の向上を図る観点から、複数の独立した社外取締役を指名します。
・取締役・監査役候補者は、役員人事の決定における公正性・透明性を確保するため、取締役会の諮問に基づき、ガバナンス・役員指名会議が、独立社外取締役も含めた委員による十分な審議に基づいて承認した指名案を取締役会へ答申し、取締役会の決議をもって決定します。
・ガバナンス・役員指名会議は、取締役会の決議により社外取締役が過半数となる構成とし、議長は取締役会の決議によって選任されます。
・監査役候補者の指名を行うにあたっては、監査役会の同意を得ています。
・取締役・監査役候補者の指名を行う際は、個々の指名について、経歴、兼職の状況、見識および当社において期待される役割等、その理由について取締役会で説明を行います。
4.2025年6月25日開催の第94期定時株主総会における選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
5.2022年6月22日開催の第91期定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
6.2023年6月21日開催の第92期定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
7.2024年6月19日開催の第93期定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
8.2025年6月25日開催の第94期定時株主総会における選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
9.当社は、取締役 土井 美和子氏、八馬 史尚氏、山下 茂氏、および 監査役 古澤 ゆり氏、桝田 恭正氏を、株式会社東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届け出ています。
10.当社はグループ経営の意思決定と監督機能の強化を目的とした取締役会の活性化を図るとともに、業務執行の責任の明確化と迅速化を図るため、執行役員制度を導入しています。
2025年6月25日開催予定の第94期定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役会8名選任の件」、「監査役1名選任の件」が承認可決されますと、当社の執行役員は下記の通り25名(取締役を兼務している者を除く)となる予定です。
② 社外取締役、社外監査役の機能・役割および選任状況についての考え方
当社は社外取締役3名、社外監査役2名を選任しています。社外取締役には、経営陣から独立した立場からのモニタリング機能と、広範かつ高度な知見に基づく当社経営に対する的確な助言者の役割を期待して選任しています。
土井 美和子氏は、電機メーカーにおける情報技術分野の研究者・責任者としての豊富な経験と高い見識を有し、その高度な専門性に基づき政府の委員会委員等も多数歴任されていることから、取締役として適任であると考えます。同氏と当社の間には、人的関係、資本的関係または取引関係(社外取締役の報酬を除きます。)その他の利害関係はありません。なお、同氏は、「役員の状況」に記載の通り、当社株式を保有しています。また、同氏は、過去には、株式会社東芝研究開発センター首席技監でしたが、同社と当社の間には、株主・投資者の判断に影響を及ぼす恐れがあると考えられる規模・性質の取引関係はなく、人的関係、資本的関係その他の利害関係もありません。
八馬 史尚氏は、食品業界の製造販売企業において監督と執行の両面から企業経営に携わられ、企業経営者としての豊富な経験と幅広い知識を備えていることから、取締役として適任であると考えます。同氏と当社の間には、人的関係、資本的関係または取引関係(社外取締役の報酬を除きます。)その他の利害関係はありません。なお、同氏は、「役員の状況」に記載の通り、当社株式を保有しています。また、同氏は、過去には、株式会社J-オイルミルズの取締役でしたが、同社と当社の間には、株主・投資者の判断に影響を及ぼす恐れがあると考えられる規模・性質の取引関係はなく、人的関係、資本的関係その他の利害関係もありません。
山下 茂氏は、育児・マタニティ・女性ケア・ホームヘルスケア・介護用品等の業界の製造販売企業において監督と執行の両面から企業経営に携わられ、企業経営者としての豊富な経験と幅広い知識を備えていることから、取締役として適任であると考えます。同氏と当社の間には、人的関係、資本的関係または取引関係(社外取締役の報酬を除きます。)その他の利害関係はありません。なお、同氏は、「役員の状況」に記載の通り、当社株式を保有しています。また、同氏は、過去には、ピジョン株式会社の取締役でしたが、同社と当社の間には、株主・投資者の判断に影響を及ぼす恐れがあると考えられる規模・性質の取引関係はなく、人的関係、資本的関係その他の利害関係もありません。
社外監査役には、経営陣から独立した経営監視機能として、広範かつ高度な知見に基づく適法性・妥当性の観点からの監査の役割を期待して選任をしています。
古澤 ゆり氏は、国土交通省において要職を歴任し、内閣の機関では、働き方改革・女性活躍・ダイバーシティ推進にも携わり、また、民間企業での海外事業展開も経験しており、幅広い視野と高い見識を有していることから、社外監査役として適任であると考えます。なお、同氏は、「役員の状況」に記載の通り、当社株式を保有しています。同氏と当社との間には、人的関係または取引関係(社外監査役の報酬を除きます。)その他の利害関係はありません。
桝田 恭正氏は、企業経営者としての豊富な経験と幅広い知識を備え、なかでも企業活動における財務・会計に関する十分な知見を有していることから、社外監査役として適任であると考えます。同氏と当社との間には、人的関係または取引関係(社外監査役の報酬を除きます。)その他の利害関係はありません。また、同氏は、過去には、アステラス製薬株式会社の上席執行役員財務担当(CFO)でしたが、同社と当社の間には、人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。
当社は社外役員の独立性に関する基準を定め、社外取締役および社外監査役を選任しており、この基準に照らして、上記社外取締役および社外監査役を独立性のある「独立役員」と位置付けています。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
1.組織、人員
当社の監査役は4名であり、常勤監査役が2名、残る2名が当社とは特別の利害関係のない社外監査役です。社外監査役 桝田恭正氏は、アステラス製薬株式会社においてCFO、また、デロイトトーマツグループにおいて独立非執行役員を歴任するなど、財務及び会計に関する相当程度の知見を有するものです。
また、他の3名の監査役についても、当社及び他事業会社において、幅広い分野の経験を有するものを選任しています。
監査役の職務を補助するため、専任の使用人2名を配置しており、監査役監査が円滑に遂行できる体制としています。
2.監査役会の状況
当事業年度において、当社は監査役会を12回開催しており、各監査役の出席状況については以下の通りです。
当社監査役会構成メンバーと監査役会出席状況
監査役会における具体的な検討内容
1) 主な決議事項
・当事業年度の監査方針、監査計画ならびに監査業務分担
・株主総会(監査役選任)議案の同意
・監査報告書の作成
・会計監査人の評価および再任
・会計監査人の監査報酬の同意
2) 主な報告・共有事項
・当社事業所および関係会社往査の結果ならびに所見報告
・常勤監査役から社外監査役への経営会議、事業執行会議等、会社の重要事項に関する情報共有
・予防的監査の視点から社内や業界において発生するリスクマネジメント上配慮すべき事案に関する担当部門
からの状況報告
なお、監査役会で提起された個別意見については、関連役員等に対して適宜提示し、適切な執行判断を形成する一助としております。
3.監査役の主な活動
グループ全体のガバナンスの持続的な健全性の維持・向上に資することを監査の基本方針とし、経営環境の変化を踏まえた経営課題認識やその下でのリスク認識のあり方及び当該リスクへの対処の方途などへの取り組みについて幅広く現状の確認を行い、内部統制及びリスク管理の有効性に関する検証を行いました。
具体的な取り組み
1) 経営モニタリングと執行状況の確認
監査役は、監査役監査計画に基づき、取締役会、経営会議、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会など重要な会議に出席し、経営意思決定プロセスのモニタリングを行うとともに、必要に応じ、会議外の機会を含めて説明を求め、積極的に意見を述べています。
また、取締役や執行役員等との意見交換及び主要な事業所やグループ会社への往査等を通じ、重点監査項目を主に内部統制の整備・運用状況を含む業務執行状況を確認しました。
なお、必要に応じて適宜、オンライン会議等のリモート手段を活用しながら監査を実施いたしました。
2) 内部統制関係部門とのミーティング
監査役は、定期的に法務部およびリスクマネジメント・コンプライアンス室から内部通報制度の運用状況を含むコンプライアンス上の懸案事項等について報告を受けており、人事部門からは懲戒案件及び労働災害等の状況について報告を受けています。
また、子会社を管理する担当部署からは、子会社のガバナンス及び内部統制の状況等について、適宜報告を受けています。
3) 三様監査体制における連携
監査役は、内部監査部門と監査業務報告会を定期的に開催し、すべての内部監査結果について報告を受け、内部統制上の課題等について情報・意見交換を行うとともに、監査役監査への反映を行っています。
また、会計監査人とは、四半期ごとに会計監査の状況について報告を受け、随時に効果的、効率的な監査の確保という観点から意見交換を行っており、三様監査体制下における緊密な相互連携を図っています。
この際、KAM(監査上の主要な検討事項)については、期初から、候補の在り方を含めて、四半期報告の機会等を捉えて、対象の妥当性や監査対応の在り方などについて、会計監査人等との意見交換を行っています。
さらに、グループ会社の監査役とも、適宜、意見交換会を開催し、情報共有を行うほか、グループ会社往査時に当該会社の監査役に陪席を求める等、連携を図っています。
以上の監査活動を通じて確認した所見に基づき、全監査役と取締役会議長及び代表取締役との意見交換やグループ企業社長会等、様々な執行側との機会をとらえて、グループガバナンスの強化を含む、重要経営課題の解決に向けた情報共有を図るとともに、必要な助言、提言を行っています。
② 内部監査の状況
当社における内部監査は、社長直属の監査部(15名)を設置しており、当社及び国内外のグループ会社の業務遂行について、独立・客観的な立場で内部統制の整備・運用状況及びリスクマネジメントの有効性を評価し、改善に向けた助言・提案を行っております。
監査部は、内部監査の実効性を確保するための取り組みとして、年度初めにグループ全体のリスク及び内部統制の状況を考慮した業務監査計画を策定し、計画的に業務監査を実施しています。業務監査における監査報告書については、月に一度の定例報告会にて社長に直接報告すると同時に、すべての取締役および監査役ならびに関係部門に配布しています。さらに、これと並行して、半期ごとに取締役会で、四半期ごとに全執行役員で構成される合同会議で報告しています。
当社の監査部と監査役は、上述[3-3)]の「三様監査体制における連携」に記載した通り、連携を深め監査機能強化を図っています。また、会計監査人とは、四半期ごとに監査計画や監査結果等について情報共有を行うことで監査機能の強化に努めています。さらに、監査部は内部監査部門を設置している当社グループ企業と定期的な情報交換を実施し、連携を図っています。
なお、監査部は、毎年自らの活動に対して評価を実施するとともに、定期的に外部の専門家による評価を受け、監査業務が適切に行われていることを確認しています。
③ 会計監査の状況
a. 当該監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b. 継続監査期間
24年間
業務執行社員のローテーションに関しては適切に実施されており、連続して7会計期間を超えて監査業務に関与していません。
c. 業務を執行した公認会計士
服部 將一(継続監査年数 6年)
蓮見 貴史(継続監査年数 5年)
安﨑 修二(継続監査年数 5年)
d. 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士15名、その他43名です。
e. 監査法人の選定方針と理由
監査役会があずさ監査法人を会計監査人として選定した理由は、同監査法人が当社の会計監査人に求められる職務遂行状況、監査体制および独立性・専門性等を有し、当社の会計監査が適正かつ妥当に行われることを確保する体制を備えているものと判断したためです。
また、監査役会は、会社法第340条第1項各号に定めるいずれかの事由が生じた場合には会計監査人を解任する他、その必要があると判断したときは、会計監査人の解任または不再任に関する議案を決定し、取締役会は、当該決定に基づき、当該議案を株主総会に提案します。
f. 監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社は会計監査人に関し、監査役会において、職務遂行状況、監査体制および独立性・専門性等が適切であるかを確認しています。
④ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬の内容
前連結会計年度における当社の非監査業務の内容は、社債発行に係るコンフォートレター作成業務です。また、連結子会社の非監査業務の内容は、合意された手続業務です。
当連結会計年度における当社の非監査業務の内容は、社債発行に係るコンフォートレター作成業務です。また、連結子会社の非監査業務の内容は、合意された手続業務です。
b. 監査公認会計士と同一のネットワークファーム(KPMG)に対する報酬(a.を除く)
前連結会計年度および当連結会計年度における当社および連結子会社の非監査業務の内容は、主に税務関連業務です。
c. その他重要な報酬の内容
該当事項はありません。
d.監査報酬の決定方針
監査報酬は、監査日数、会社の規模・業務の特性等の要素を勘案して適切に決定しています。
e.監査役会による監査報酬の同意理由
監査役会は、会計監査人から説明を受けた2025年3月期の会計監査の計画日数や人員配置などの内容、前期の監査実績の検証と評価、会計監査人の監査の遂行状況の相当性および報酬の前提となる見積りの算出根拠を精査した結果、会計監査人の報酬等の額について同意いたしました。
(4) 【役員の報酬等】
① 当社の役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針
2024年度における取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針は次の通りです。
(2024年5月15日取締役会において決定)
※1:業績連動報酬および非金銭報酬には、譲渡制限付株式報酬(PSU)がそれぞれ0.5含まれています。
※2:業績連動報酬および非金銭報酬には、譲渡制限付株式報酬(PSU)がそれぞれ0.3含まれています。
・取締役および監査役の報酬等についての株主総会の決議に関する事項
2016年6月28日開催の第85期定時株主総会において、取締役に支給する1年間の報酬等の総額は、12億円以内(
うち、社外取締役分2億円以内)とする決議がされています。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は8名
(うち、社外取締役は2名)です。また、2024年6月19日開催の第93期定時株主総会において、譲渡制限付株
式報酬の付与に関する金銭報酬の総額は、上記の範囲内で、年額2億円を上限とする決議がされています。当該
定時株主総会終結時点の取締役(社外取締役および国内非居住者である取締役を除きます。)の員数は5名で
す。
監査役に支給する1年間の報酬等の総額は、2024年6月19日開催の第93期定時株主総会において、2億円以内と
する決議がされています。当該定時株主総会終結時点の監査役の員数は4名です
・取締役の個人別の報酬等の内容の決定に係る委任に関する事項
当社は、現状の機関設計を前提とした実質的なガバナンス体制の向上を図るため、任意の委員会として役員報酬
会議を設置し、取締役会の委任決議に基づき、役員報酬会議が取締役の個人別の報酬額等の具体的内容につい
て、社外取締役も含めた委員による十分な審議の上で決定しています。
役員報酬会議における役員報酬等に関する決定プロセスの公平性や透明性を確保するため、取締役会の決議によ
り社外取締役が過半数となる構成とし、議長は取締役会の決議によって選任しています。
当事業年度の役員報酬会議は、社外取締役3名(土井美和子氏、八馬史尚氏および山下茂氏)、社内取締役2名
(中村知美氏および大崎篤氏)により構成され、議長は取締役会長 中村知美氏が務めました。
当事業年度は役員報酬会議を5回開催し、取締役の報酬制度および個人別の報酬等の内容に係る決定方針の改定
案の答申、外部調査データを活用した役員報酬水準に関する検討、考課に基づいた取締役(社外取締役を除く)
の業績連動報酬、譲渡制限付株式報酬に係る個人別基準額等の決定を行いました。
これらの措置を講じ、当該手続を経て取締役の個人別の報酬額が決定されていることから、取締役会はその内容が決定方針に沿うものであると判断しています。
・業績連動報酬等に関する事項
当社は、年次業績連動賞与について、連結税引前利益をKPIとし、上位の役位ほど年次業績への連動性を強めた
報酬テーブルを設定し、各取締役に支給する賞与の額を決定しています。
また、当社グループの中長期戦略の目標達成を後押しするため、譲渡制限付株式報酬の一部について、財務指標
(ROE、相対TSR(対 配当込み TOPIX成長率))、非財務指標(従業員エンゲージメント)の目標達成度合いに連動
させて付与株式数を決定するパフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)を採用しています。なお、社外取締役に
は、独立した立場から経営の監視・監督機能を担う役割を考慮し、年次業績連動賞与及び譲渡制限付株式報酬の
支給は行っていません。
当事業年度の業績に対する年次業務連動賞与の額ならびにPSUの付与株式数の算定に用いた業績指標(KPI)に関する実績は下表の通りです。
・非金銭報酬等の内容
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)に対し、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとと
もに、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、譲渡制限付株式報酬を交付するものとし、そ
のための金銭報酬を支給することとしています(以下、「譲渡制限付株式報酬制度」という)。取締役は、当社
の取締役会決議に基づき、上記の通り支給された金銭報酬に係る債権の全部を現物出資財産として当社に給付し、
それと引き換えに当社の普通株式の発行または処分を受けるものとします。なお、かかる発行または処分にあた
っては、当社と取締役との間で、当該株式に関して割当てを受けた日より当社取締役を退任するまでの期間(た
だし、当社取締役退任後、引き続き当社執行役員に就任する場合には、当該執行役員を退任するまでの期間)に
譲渡制限が付される等の内容を含む譲渡制限付株式割当契約を締結することとしています。
なお、社外取締役には、独立した立場から経営の監視・監督機能を担う役割を考慮し、譲渡制限付株式報酬の支
給は行っていません。
② 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注) 1.上表には、当事業年度の末日までに退任した社外取締役1名を対象に含んでいます。当事業年度末においては、取締役8名(うち社外取締役3名)、監査役4名(うち社外監査役2名)です。
2.上表の総額は、当事業年度に費用計上した金額を示しており、未確定の報酬(国内非居住者に付与されるファントムストック、PSU等)が含まれています。
3.ファントムストックおよびPSUの額については、2025年3月31日付※の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値にて算出しており、実際の支給の際には、交付時株価を適用いたします。
③ 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
(注) 1.連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
2.上表の総額は、当事業年度に費用計上した金額を示しており、未確定の報酬(国内非居住者に付与されるファントムストック、PSU等)が含まれています。
3.ファントムストックおよびPSUの額については、2025年3月31日付※の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値にて算出しており、実際の支給の際には、交付時株価を適用いたします。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準および考え方
当社は投資株式について、もっぱら株式の価格の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の投資株式(政策保有株式)として区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a. 保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、政策保有株式として保有する上場株式について当該企業と対話を行い、毎年取締役会において、定量的には保有に伴う便益を「配当利回り」で、資本コストは「WACC」でそれぞれ測定し比較検証しています。その結果を参考に、定性的に中長期的な経営戦略および事業戦略に資すると判断した場合のみ保有を継続することとしています。
上記の方針に基づき、政策保有株式として保有する上場株式の縮減を着実に行ってきました。2015年3月末時点で保有していた60銘柄が、縮減の結果、2021年3月末時点では2銘柄となりました。2025年3月期において、非上場の株式会社が、東京証券取引所グロース市場へ株式上場を行った(2025年3月27日上場)ことにより、1銘柄増加し、3銘柄となりました。これら3銘柄は以下c.の理由から現時点で保有は不可欠であると判断していますが、今後も継続的に、少なくとも年に1回は当該企業と対話を行い、毎年取締役会において評価・精査し、保有の要否について判断していきます。
b. 銘柄数および貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(注) 非上場株式以外の株式の増加1銘柄及び非上場株式の減少のうち1銘柄は、新規上場による増減であり
取得価額及び売却価額の発生はありません。
c. 特定投資株式およびみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注)1.当社の株式の保有の有無については、銘柄が持株会社の場合はその子会社のうち、当社が主に取引を行っている会社の保有分(実質所有株式数)を勘案し、記載しています。
2.定量的な保有効果は記載が困難でありますが、「a.保有方針および保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載の方法で保有の適否を個別銘柄ごとに検証しております。
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
当社は純投資目的である投資株式の保有はありません。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表および財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号、以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
なお、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表および事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組およびIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組およびIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。その内容は以下の通りです。(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更などについて的確に対応するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、同機構ほかが実施する研修などに参加しています。
(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っています。また、IFRSに基づいて連結財務諸表を適正に作成するため、IFRSに準拠したグループ会計方針および関連する会計指針を作成し、これらに基づいてグループで統一した会計処理を行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社SUBARU(以下「当社」という。) は日本に所在する企業です。
当社の連結財務諸表は当社および連結子会社(以下、「当社グループ」)ならびに当社グループの関連会社に対する持分から構成されています。
主な生産拠点は、日本、米国にあります。
当社グループは、自動車事業においては、自動車ならびにその部品の製造、販売および修理を行っています。
航空宇宙事業においては、航空機、宇宙関連機器ならびにその部品の製造、販売および修理を行っています。
2.作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第312条の規定により、連結財務諸表をIFRSに準拠して作成しています。
連結財務諸表の公表は2025年6月23日に代表取締役社長 大崎篤、及び、最高財務責任者 常務執行役員 戸田真介によって承認されています。
(2) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈のない限り、百万円未満を四捨五入して表示しています。
(3) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表注記の「3.重要性がある会計方針」に別途記載している一部の資産及び負債を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(4) 表示方法の変更
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他の金融資産の取得による支出」に表示していました「有価証券の取得による支出」および「貸付けによる支出」、「その他の金融資産の売却または回収による収入」に表示していました「有価証券の売却による収入」および「貸付金の回収による収入」は、それぞれ金額的重要性が増したため、当連結会計年度より区分掲記しています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他の金融資産の取得による支出」に表示していました△339,655百万円は、「有価証券の取得による支出」△154,821百万円、「貸付けによる支出」△184,150百万円、「その他」△684百万円、「その他の金融資産の売却または回収による収入」に表示していました301,676百万円は、「有価証券の売却による収入」127,817百万円、「貸付金の回収による収入」173,849百万円、「その他」10百万円としてそれぞれ組替えています。
3.重要性がある会計方針
以下の会計方針は、本連結財務諸表に記載されているすべての期間に適用しています。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは、当該企業を支配していることとなります。
子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、連結財務諸表に含まれます。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えています。当社グループ間の債権債務残高および内部取引高、ならびに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
支配の喪失に至らない連結子会社に対する当社の所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されています。
連結子会社の非支配持分は、当社グループの持分とは別個に識別されています。子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させています。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得または損失は純損益で認識しています。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが当該企業に対し、財務および営業の方針の決定に重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業をいいます。
関連会社への投資は、取得時には取得原価で認識され、以後は持分法によって会計処理しています。
関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社の財務諸表に調整を加えています。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引
当社グループの各企業は、その企業が営業活動を行う主たる経済環境の通貨として、それぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しています。
各企業が個別財務諸表を作成する際、その企業の機能通貨以外の通貨での取引の換算については、取引日の為替レートを使用しています。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで換算しています。
換算または決済により生じる換算差額は、通常、純損益として認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値を測定すると指定した資本性金融商品については、換算差額は、その他の包括利益で認識しています。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については、期末日の為替レートで換算しています。収益及び費用については、当該期間の為替レートが著しく変動していない限り、平均為替レートを用いて日本円に換算しています。なお、為替レートに著しい変動がある場合には、取引日の為替レートを用いて換算しています。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。在外営業活動体の為替換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益として認識しています。
(3) 金融商品
① 金融資産
(ⅰ)当初認識時点および測定
当社グループは、金融資産について、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
営業債権は、発生日に当初認識しています。その他のすべての金融資産は、当社グループが金融商品の契約当事者となった時点で当初認識しています。
金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される場合は、公正価値で当初測定し、それ以外の区分に分類される場合は、個々の金融商品ごとに公正価値に取引費用を加算した金額で当初測定しています。なお、重要な金融要素を含まない営業債権につきましては、取引価格で当初測定しています。
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基
づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが
特定の日に生じる。
負債性金融商品への投資は、以下の要件をともに満たす場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて、
金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが
特定の日に生じる。
資本性金融商品を除く金融資産で、上記の測定区分の要件を満たさないものは、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
資本性金融商品については、売買目的で保有される資本性金融商品を除き、個々の商品ごとに、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するかを指定し、当該指定を継続的に適用しています。当該指定がされなかった資本性金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下の通り測定しています。
償却原価により測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動額は、純損益として認識しています。
また、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品は、純損益に認識される利息収益、為替差損益及び減損を除き、公正価値の変動額は、その他の包括利益として認識しています。認識の中止時の利得または損失は、純損益に認識しています。
一方、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品は、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識しています。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期の純損益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合にその累積額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えていません。
(ⅲ)金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、リース債権及び契約資産等に係る減損については、当該金融資産、リース債権及び契約資産等に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識しています。
各報告日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しており、当該信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。また、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
ただし、営業債権、リース債権及び契約資産については、常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
金融商品の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っています。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況および将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を
掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
当該測定に係る金額は、純損益で認識しています。
減損損失認識後に、予想信用損失の測定金額が減少した場合には、当該減少額を純損益として戻入れています。
(ⅳ)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、または金融資産を譲渡し、かつ、当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合に金融資産の認識を中止しています。
② 金融負債
(ⅰ)当初認識および測定
当社グループは、金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債のいずれかに分類しています。この分類は、当初認識時に決定しています。金融負債は、当社グループが契約当事者となった時点で当初認識しています。
すべての金融負債は公正価値で当初測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しています。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下の通り測定しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債については、デリバティブを含んでおり、当初認識後公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しています。
償却原価で測定する金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定しています。
実効金利法による償却および認識が中止された場合の利得および損失については、金融損益の一部として当期の純損益として認識しています。
(ⅲ)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効となった時に、金融負債の認識を中止いたします。
③ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的権利を有し、かつ純額で決済するかまたは資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書で相殺し、純額で表示しています。
④ デリバティブおよびヘッジ会計
当社グループは、認識されている金融資産と負債および将来の取引に関するキャッシュ・フローを固定するため、先物為替予約を利用しています。また、借入金に係る支払金利に関するキャッシュ・フローを固定するため、金利スワップ取引を利用しています。
なお、上記デリバティブについて、ヘッジ会計の適用となるものはありません。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(5) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価および見積販売費用を控除した額です。取得原価は、主として移動平均法による原価法に基づいて算定しており、購入原価、加工費および現在の場所および状態に至るまでに要したすべての費用を含んでいます。
(6) 有形固定資産
有形固定資産については、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しています。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去および土地の原状回復費用、および資産計上すべき借入費用が含まれています。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、主に定額法で計上しています。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、以下の通りです。
・建物及び構築物 2~60年
・機械装置及び運搬具 2~20年
・工具器具及び備品 2~20年
なお、見積耐用年数、残存価額および減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(7) 無形資産及びのれん
① のれん
当社グループはのれんを、取得日時点で測定した被取得企業に対する非支配持分の認識額を含む譲渡対価の公正価値から、取得日時点における識別可能な取得資産および引受負債の純認識額(通常、公正価値)を控除した額として測定しています。のれんの償却は行わず、毎期および減損の兆候が存在する場合には、その都度、減損テストを実施しています。のれんの減損損失は純損益において認識され、その後の戻入れは行っていません。また、のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した額で計上しています。
② 開発資産
新しい科学的または技術的知識の獲得のために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用認識しています。開発活動による支出については、信頼性をもって測定可能であり、技術的かつ商業的に実現可能であり、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用または販売する意図およびそのための十分な資質を有している場合にのみ、無形資産として資産認識しています。
開発資産の見積耐用年数は以下の通りです。定額法で償却しています。
・開発資産 2~5年
③ その他の無形資産
個別に取得した無形資産は、原価モデルを採用し、当初認識時に取得原価で計上しています。
のれん以外の無形資産は、当初認識後、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却され、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で計上しています。主要な無形資産の見積耐用年数は、以下の通りです。なお、耐用年数を確定できない無形資産はありません。
・ソフトウエア 2~10年
なお、見積耐用年数、残存価額および償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(8) リース
リース契約開始時に、当社グループは、その契約がリースであるか否か、またはその契約にリースが含まれているか否かを判断しています。
契約により、特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合に、当該契約はリースであるか、またはリースを含んでいることになります。契約により特定された資産の使用を支配する権利を移転するか否かを判定する際に、当社グループはIFRS第16号のリースの定義を用いています。
<当社グループが借手のリース>
リース開始日において使用権資産及びリース負債を認識しています。
使用権資産は開始日において取得原価で測定しています。開始日後においては、原価モデルを適用して、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。原資産の所有権がリース期間の終了時までに借手に移転する場合または、使用権資産の取得原価が借手の購入オプションを行使することを反映している場合には、使用権資産を開始日から原資産の見積耐用年数の終了時まで減価償却しています。それ以外の場合は、開始日から使用権資産の見積耐用年数またはリース期間の終了時のいずれか早い時まで減価償却しています。
リース負債は、開始日において同日現在支払われていないリース料の現在価値で測定しています。開始日後においては、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映させ帳簿価額を増減しています。リース負債を見直した場合または独立したリースとして会計処理することが要求されないリースの条件変更が行われた場合には、リース負債を再測定し使用権資産を修正するか純損益に認識しています。
なお、短期リース及び少額資産のリースについては、IFRS第16号第5項、第6項を適用し、リース料をリース期間にわたり定額法により費用認識しています。
<当社グループが貸手のリース>
資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するリース取引をファイナンス・リースに、それ以外の場合はオペレーティング・リースに分類しています。
ファイナンス・リースに係る顧客からの受取債権は、リース投資未回収総額をリースの計算利子率で割引いた現在価値で当初認識し、連結財政状態計算書上の営業債権及びその他の債権に含めています。
オペレーティング・リース取引においては、対象となるリース物件を連結財政状態計算書に認識し、受取リース料を売上収益として、リース期間にわたって認識しています。
(9) 投資不動産
投資不動産は、賃貸収入またはキャピタル・ゲイン、もしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産です。投資不動産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しています。土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上しています。主要な資産項目の見積耐用年数は、以下の通りです。
・建物及び構築物 2~50年
(10) 減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っています。のれんおよび未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を毎年同じ時期に見積っています。
資産または資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としています。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値および当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いています。減損テストにおいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産または資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しています。のれんの資金生成単位については、のれんが内部報告目的で管理される単位に基づき決定し、集約前の事業セグメントの範囲内となっています。企業結合により取得したのれんは、結合のシナジーが得られると期待される資金生成単位に配分しています。
当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成していません。全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額に基づき減損テストを実施しています。
減損損失は、資産または資金生成単位の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合に純損益として認識しています。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しています。
のれんに関連する減損損失は戻入れしていません。その他の資産については、過去に認識した減損損失は、毎期末日において損失の減少または消滅を示す兆候の有無を評価しています。回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れしています。減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費および償却額を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として回収可能価額まで戻入れしています。
(11) 従業員給付
① 短期従業員給付
給与、賞与及び年次有給休暇等の短期従業員給付については、勤務の対価として支払うと見込まれる金額を、従業員が勤務を提供した時に費用として認識しています。
② 退職給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定拠出制度と確定給付制度を運営しています。
(a) 確定拠出制度
確定拠出制度については、確定拠出制度に支払うべき拠出額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
(b) 確定給付制度
当社グループは、確定給付制度として、退職一時金制度および確定給付年金制度を採用しています。
当社グループは、確定給付制度債務の現在価値および関連する当期勤務費用ならびに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて算定しています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき決定しています。
確定給付制度に係る負債または資産は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定しています。また、確定給付制度に係る負債または資産の純額に係る純利息費用は、金融費用として計上しています。
確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値の再測定に伴う調整額は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、発生時にその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。
過去勤務費用は以下のいずれか早い時点で費用として認識しています。
(ⅰ)制度改訂または縮小が発生した時点
(ⅱ)関連するリストラクチャリング費用を認識する時点
(12) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しています。なお、貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値および当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割り引いています。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しています。
① 資産除去債務
賃借契約終了時に原状回復義務のある賃借事務所等の原状回復費用見込額について、資産除去債務を認識しています。
② 製品保証引当金
当社グループは、製品販売時に付与した保証約款に基づく製品保証とともに、主務官庁への届出等に基づいて個別に無償の補修を行っています。
保証約款に基づく製品保証の対象は、各国における保証約款に基づき、期間および走行距離や不具合の原因等により決定しています。
保証約款に基づく製品保証の保証修理費用は、製品を販売した時点で引当金を認識しており、保証期間内に不具合が発生して部品を修理または交換する際に発生する費用の総額について、過去の補修実績、過去の売上台数を基礎として将来の発生見込みに基づく最善の見積りにより引当計上しています。
主務官庁への届出等に基づく保証修理費用については、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に引当金を認識しており、製品の不具合に関する過去の経験を基礎として算定した1台当たり将来保証修理費用等および対象台数に基づく最善の見積りにより引当計上しています。
③ 工事損失引当金
航空宇宙事業の受注工事の損失に備えるため、連結会計年度末における未引渡工事のうち、損失の発生が見込まれ、かつ、損失金額を信頼性をもって見積ることができる工事について、当該損失見込額を認識しています。
④ 自動車環境規制関連引当金
環境規制に対応する費用の発生に備えるため、当連結会計年度末における発生見込額を計上しています。
(13) 収益
① 顧客との契約から生じる収益
当社グループは、顧客との契約における履行義務を識別し、収益を、顧客への財またはサービスの移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価の金額で認識しています。また、顧客との契約における対価に変動対価が含まれている場合には、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めています。
収益は、顧客との契約における履行義務の充足に従い、一時点または一定期間にわたり認識しています。
自動車事業では、新車販売について、新車の引渡時点において顧客が当該車両に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該車両の引渡時点で収益を認識しています。
なお、自動車事業では、製品に関して通常の契約不適合責任に加えて、オプションの保証延長サービスを有償で提供しています。当該保証延長サービスの収益は、履行義務の進捗に応じて一定期間にわたり収益を認識しています。
航空宇宙事業は請負契約を顧客と締結しています。請負契約の工事に係る収益については、履行義務の進捗に応じて一定期間にわたり収益を認識しています。進捗度の測定は、発生したコストに基づいたインプット法などにより行っています。請負契約に係る対価の支払は、通常、顧客との契約に基づき段階的に行っています。
② ファイナンス・リースの収益
当社グループが製造業者または販売業者としての貸手となる場合は、製品の販売とみなされる部分について売上収益と対応する原価、販売損益をリース開始日に認識しています。
ファイナンス・リースに係る金融収益は、当社グループの正味リース投資未回収額に対して一定の期間利益率を反映する方法で認識しています。
③ オペレーティング・リースの収益
オペレーティング・リースに係る収益は、リース期間にわたって定額法により認識しています。
④ 利息収益
利息収益は、実効金利法により認識しています。
⑤ 配当金
配当による収益は、配当を受ける権利が確定した時点で認識しています。
(14) 政府補助金
補助金交付のための条件を満たし、補助金を受領することに合理的な保証がある場合は、補助金収入を公正価値で測定し、認識しています。発生した費用に対する補助金は、費用の発生と同じ連結会計年度に収益として計上しています。資産の取得に対する補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しています。
(15) 法人所得税
法人所得税は、当期税金および繰延税金から構成されています。これらは、企業結合に関連するもの、および直接資本の部またはその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しています。
当期税金は、税務当局に対する納付または税務当局から還付が予想される金額で測定しています。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる純損益を稼得する国において、連結会計年度末日までに制定または実質的に制定されている税率および税法に従っています。
繰延税金は、連結会計年度末日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除に対して認識しています。
繰延税金資産は将来減算一時差異などを使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異などについて認識され、繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識しています。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を認識していません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社および関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額または一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しています。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しています。
繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末日において制定されている、または実質的に制定されている法定税率および税法に基づいて資産が実現する期間または負債が決済される期間に適用されると予想される税率および税法によって測定しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しています。
(16) 1株当たり利益
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、希薄化株式の影響を考慮し、親会社の所有者に帰属する当期利益および加重平均普通株式数を調整することにより計算しています。
(17) 事業セグメント
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位です。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分および業績の評価を行うために、当社の取締役会が定期的にレビューしています。
(18) 売却目的で保有する非流動資産
継続的な使用ではなく、売却により回収が見込まれる資産および資産グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産および処分グループとして分類し、非流動資産は減価償却または償却は行わず、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しています。
(19) 資本
① 資本金及び資本剰余金
当社が発行した普通株式は資本として分類し、発行価額を資本金及び資本剰余金に含めています。
② 自己株式
自己株式は取得原価で測定され、資本から控除しています。当社グループの自己株式の購入、売却または消却において利得または損失は認識していません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本剰余金として認識しています。
(20) 借入費用
当社グループは、意図した使用または販売が可能となるまでに相当の期間を必要とする資産、つまり、適格資産の取得、建設または生成に直接帰属する借入費用は、その資産が実質的に意図した使用または販売を可能にするときまで、それらの資産の取得原価に加算しています。
上記以外のすべての借入費用は、それが発生した連結会計年度に純損益として認識しています。
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定を行うことが要求されています。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間およびそれ以降の将来の会計期間において認識されます。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断は以下の通りです。
・開発活動から生じた無形資産の認識(注記「3.重要性がある会計方針(7) 無形資産及びのれん」)
・リースを含む契約の会計処理(注記「3.重要性がある会計方針(8) リース」)
経営者が行った重要な会計上の見積りは以下の通りです。なお、計上金額、算定方法および仮定、見積りの不確実性については、各注記をご参照ください。
・製品保証引当金の会計処理(注記「3.重要性がある会計方針(12) 引当金」、注記「18.引当金」)
・繰延税金資産の回収可能性(注記「3.重要性がある会計方針(15) 法人所得税」、注記「25.法人所得税に関する注記」)
5.未適用の新基準
IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」
2024年4月に公表されたIFRS第18号は、2027年1月1日以降に開始する連結会計年度から適用されます。IFRS第18号は、IAS第1号「財務諸表の表示」と置き換わり、IAS第1号は廃止されます。IFRS第18号においては、主として損益計算書の財務業績に関する表示および開示に関する新たな規定が設けられています。また、IFRS第18号の公表と併せてIAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」の改訂などが行われています。これらの適用による連結財務諸表への影響については検討中です。
6.セグメント情報
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社は、自動車事業を中核に据え、航空宇宙の事業部門については社内カンパニー制を導入して、責任の明確化と執行の迅速化を図っています。この事業区分に基づいて各グループ会社を管理していますので、事業セグメントとしては「自動車」、「航空宇宙」およびそのいずれにも属さない「その他」の3つを事業セグメントとしています。
うち、「自動車」および「航空宇宙」の2つを報告セグメントとしています。
報告されている事業セグメントの会計処理方法は、「3.重要性がある会計方針」における記載と概ね同一です。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。
セグメント間の内部売上収益および振替高は、市場実勢価格に基づいています。
各事業の主要製品およびサービスは以下の通りです。
(1) セグメントごとの売上収益、利益または損失、その他の重要な項目の金額に関する情報
前連結会計年度および当連結会計年度における当社グループの事業の種類別セグメント情報は、以下の通りです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.各セグメントの営業利益の算出方法は、連結損益計算書における営業利益(△損失)の算出方法と一致しており、金融収益、金融費用、法人所得税費用を含んでいません。また、各セグメントに直接賦課できない営業費用は、最も合理的な配賦基準に基づいて、各セグメントに配賦しています。
2.各セグメントおよび消去又は全社の資産の合計は、連結財政状態計算書の総資産と一致しており、持分法で会計処理されている投資、デリバティブ資産および繰延税金資産等を含んでいます。また、消去又は全社に含まれる金額を除く、各セグメントに直接賦課できない資産については、最も合理的な配賦基準に基づいて、各セグメントに配賦しています。
3.資産の消去又は全社の項目には、セグメント間取引の消去の金額および全社資産の金額が含まれています。全社資産の主な内容は、現金及び現金同等物、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産です。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.各セグメントの営業利益の算出方法は、連結損益計算書における営業利益(△損失)の算出方法と一致しており、金融収益、金融費用、法人所得税費用を含んでいません。また、各セグメントに直接賦課できない営業費用は、最も合理的な配賦基準に基づいて、各セグメントに配賦しています。
2.各セグメントおよび消去又は全社の資産の合計は、連結財政状態計算書の総資産と一致しており、持分法で会計処理されている投資、デリバティブ資産および繰延税金資産等を含んでいます。また、消去又は全社に含まれる金額を除く、各セグメントに直接賦課できない資産については、最も合理的な配賦基準に基づいて、各セグメントに配賦しています。
3.資産の消去又は全社の項目には、セグメント間取引の消去の金額および全社資産の金額が含まれています。全社資産の主な内容は、現金及び現金同等物、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産です。
(2) 製品およびサービスに関する情報
製品およびサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しています。
(3) 地域に関する情報
前連結会計年度および当連結会計年度における地域別売上収益の情報、当社グループの所在地別に区分した非流動資産(金融商品及び繰延税金資産を除く)の金額は、以下の通りです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
(4) 主要な顧客に関する情報
特定の顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益の10%に満たないため、主要な顧客に関する記載はありません。
7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下の通りです。
現金及び現金同等物は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
当社グループが保有する短期投資は、主にマネー・マーケット・ファンドや短期債券です。
当連結会計年度の現金及び現金同等物には、利用制限のあるものはありません。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下の通りです。
リース債権及び契約資産を除く営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
9.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下の通りです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ12,408百万円、21,967百万円です。
10.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、以下の通りです。
(注)償却原価で測定する負債性金融商品の主な内訳は定期預金です。
投資先との取引関係の維持または強化を主な目的として保有する株式等の資本性証券について、当初認識時に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定した資本性証券の主な銘柄は、以下の通りです。
前連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度(2025年3月31日)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定した資本性証券の認識の中止
一部のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産について、取引関係の見直しなどにより売却しています。前連結会計年度および当連結会計年度において、売却により認識を中止したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定した資本性証券の公正価値および資本でその他の包括利益として認識されていた累計利得または損失(税引前)は以下の通りです。
前連結会計年度および当連結会計年度において、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定した資本性証券のうち、公正価値の著しい価値の下落による利益剰余金への振替はありません。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定した資本性金融商品に係る受取配当は、ほとんどが報告期間の末日現在で保有している投資に関するものです。
11.有形固定資産
(1) 有形固定資産の帳簿価額の増減、および取得原価、減価償却累計額ならびに減損損失累計額は、以下の通りです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
帳簿価額
(注)1. 機械装置及び運搬具のうち、( )内はオペレーティング・リースに供している車両運搬具です。
2. 建設仮勘定には、建設中の有形固定資産に関する支出額が含まれています。
3. 減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含まれています。
4. その他には、棚卸資産から車両運搬具への振替、車両運搬具から棚卸資産への振替、および建設仮勘定から本勘定への振替などが含まれています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
帳簿価額
(注)1. 機械装置及び運搬具のうち、( )内はオペレーティング・リースに供している車両運搬具です。
2. 建設仮勘定には、建設中の有形固定資産に関する支出額が含まれています。
3. 減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含まれています。
4. その他には、棚卸資産から車両運搬具への振替、車両運搬具から棚卸資産への振替、および建設仮勘定から本勘定への振替などが含まれています。
取得原価
(注)1. 機械装置及び運搬具のうち、( )内はオペレーティング・リースに供している車両運搬具です。
2. 建設仮勘定には、建設中の有形固定資産に関する支出額が含まれています。
減価償却累計額及び減損損失累計額
(注) 機械装置及び運搬具のうち、( )内はオペレーティング・リースに供している車両運搬具です。
(2) 負債の担保の用に供されている有形固定資産の帳簿価額
負債の担保の用に供されている有形固定資産の金額については、「16.資金調達に係る債務」を
ご参照ください。
(3) 有形固定資産の内訳
有形固定資産は自己所有の有形固定資産と使用権資産で構成され、帳簿価額は以下の通りです。
(4) コミットメント
有形固定資産の取得に関するコミットメントについては、「32.コミットメント」をご参照ください。
12.無形資産及びのれん
無形資産及びのれんの帳簿価額の増減、および取得原価、償却累計額ならびに減損損失累計額は、以下の通りです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
帳簿価額
(単位:百万円)
(注) 無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
帳簿価額
(単位:百万円)
(注) 無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
取得原価
(単位:百万円)
償却累計額及び減損損失累計額
(単位:百万円)
13.投資不動産
投資不動産の帳簿価額の増減および取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額は、以下の通りです。
(1) 投資不動産の帳簿価額の増減
帳簿価額
(単位:百万円)
(2) 取得原価、減価償却累計額および、減損損失累計額、ならびに、公正価値
(単位:百万円)
主要な投資不動産の公正価値は、所在する地域における適切な専門家としての資格を有する独立した鑑定人による評価に基づいています。
その評価は、割引キャッシュ・フロー法による評価額または観察可能な類似資産の市場取引価格などに基づいています。
投資不動産の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3です。
なお、公正価値のヒエラルキーの定義については「30.公正価値」に記載しています。
(3) 投資不動産に関する損益
(単位:百万円)
賃貸収益は主に連結損益計算書の「売上収益」に計上しています。
賃貸費用は賃貸収益に対応する費用(減価償却費、保繕費、保険料、租税公課など)であり、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「その他の費用」に計上しています。
14.持分法で会計処理されている投資
持分法適用会社に対する投資の帳簿価額は、以下の通りです。
(単位:百万円)
持分法適用会社の純損益およびその他の包括利益の持分取込額は、以下の通りです。
(単位:百万円)
(注)当連結会計年度において、全株式売却により持分法で会計処理されている関連会社が1社減少しており、上記以外に持分法で会計処理されている投資の売却損 2,319百万円を「金融費用」に計上しています。
前連結会計年度および当連結会計年度において、持分法適用会社のうち、個々に重要性のある関連会社または共同支配企業は該当ありません。
15.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下の通りです。
(単位:百万円)
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
16.資金調達に係る債務
(1) 資金調達に係る債務の内訳は、以下の通りです。
なお、当連結会計年度末の一部の借入金について、財務制限条項が付されています。
当社は当連結会計年度において当該条項を遵守しています。当該条項については、必要とされる水準を維持するようにモニタリングしています。
(単位:百万円)
(注)1.平均利率については、資金調達に係る債務の当連結会計年度における期中平均残高に対する加重平均利率を記載しています。
2.社債の平均利率・返済期限については、下記(2)をご参照ください。
(2) 社債の銘柄別明細は、以下の通りです。
(単位:百万円)
(注)()内書は、1年以内の償還予定額です。
(3) 担保資産及び担保付債務
① 担保に提供している資産は、以下の通りです。
(単位:百万円)
② 担保付債務
担保付債務の内訳は、以下の通りです。
(単位:百万円)
日本における慣行として、銀行借入金については一般的な契約に基づき行われており、現在および将来に発生する債務について、銀行の請求に基づき担保の設定または保証の差入れの義務があります。また、当社グループが支払遅延あるいは債務不履行に陥った場合、銀行は、すべての債務について銀行預金と相殺し、残額について契約内容に応じて担保権を行使する権利を有しています。
17.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下の通りです。
(単位:百万円)
18.引当金
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1.その他には、資産除去債務や自動車環境規制関連引当金などが含まれています。
2.その他には、主として外貨換算調整額の影響が含まれています。
製品保証引当金
販売した製品の保証修理費用の発生に備えるため、以下の金額の合計額を計上しています。
1.保証書の約款に従い、過去の実績を基礎に将来保証見込みを加味して算出した見積額
2.主務官庁への届出などに基づく将来の保証修理費用として算出した見積額
顧客および販売店からの請求等に応じて取り崩されます。なお、発生が見込まれる保証修理費用について、現在入手可能な情報に基づき必要十分な金額を引当計上していると考えていますが、製品保証引当金の計算では将来複数年にわたり生じる保証修理費用を予測しているため、実際の保証修理費用が見積りと乖離することにより、製品保証引当金を追加計上する必要が生じる可能性があることから、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
工事損失引当金
航空宇宙事業の受注工事の損失に備えるため、連結会計年度末における未引渡工事のうち、損失の発生が見込まれ、かつ、損失金額を信頼性をもって見積ることができる工事について、当該損失見込額を認識しています 。支出の時期は将来の受注工事の進捗などにより影響を受けます。
19.従業員給付
(1) 従業員給付制度の概要
当社および国内連結子会社は、確定給付型の制度として、退職一時金制度および確定給付年金制度を、当社および一部の国内連結子会社は確定拠出年金制度を設けています。また、従業員の退職などに際して割増退職金を支払う場合があります。
在外子会社は主として確定拠出型の制度を設けています。
当連結会計年度末現在、当社および国内連結子会社において、退職一時金制度は48社、確定給付年金制度は6年金、確定拠出年金制度は26年金を有しています。また、複数事業主により設立された確定給付企業年金制度が1基金あります。
当社は規約型企業年金制度において、法令、法令に基づいてする厚生労働大臣の処分および規約を遵守し、加入者などのために忠実にその業務を遂行する責任を負っており、自己または加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって資産管理運用契約を締結することおよび積立金の運用に関し特定の方法を指図することは禁止されています。
国内の企業年金制度においては、会社の財務状況や資産運用の見通しなどをもとに5年ごとに財政再計算を行い、積立基準に満たない場合は掛け金の引き上げを行います。
制度資産の運用は、従業員の将来の給付を確保するために許容されるリスクのもとで安定的な収益を確保することを目的として最適なポートフォリオを策定し、これに基づく資産配分を維持するよう努めており、市場環境や積立状況の変化に対応して定期的に見直しを行っています。
グループの主要な制度は、金利リスクなどのリスクに晒されています。
(2) 調整表の開示
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
上記の調整表には、福利厚生に係るその他の従業員給付等 期首1,954百万円、期末1,936百万円は含まれていません。
また、退職給付に係る資産 期首3,361百万円、期末10,240百万円は、連結財政状態計算書上の「その他の非流動資産」に含まれています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
上記の調整表には、福利厚生に係るその他の従業員給付等 期首1,936百万円、期末1,862百万円は含まれていません。
また、退職給付に係る資産 期首10,240百万円、期末13,297百万円は、連結財政状態計算書上の「その他の非流動資産」に含まれています。
(3) 制度資産の内訳
(単位:百万円)
(注)その他は、マルチアセット、不動産などの投資ファンドを通じて運用されている投資です。
(4) 数理計算の仮定
主要なものは、以下の通りです。
上記の数理計算上の仮定の変動が確定給付制度債務に与える影響の感応度分析は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
なお、感応度分析にあたっては、当社が合理的に考えうる数理計算上の仮定の変化による確定給付制度債務の
変動を示したものです。
これらの分析は、あくまでも試算ベースであり、実際の結果はこれらの分析と異なる可能性があります。
また、分析を行うにあたって、制度のすべての給付支払についての予想キャッシュ・フローを考慮していない
ため、近似値を示しています。
当社グループの翌連結会計年度までに予定される、会社拠出掛金の金額は4,495百万円です。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度は国内制度11年、海外制度6年、当連結会計年度は国内制度10年、海外制度6年です。
(5) 複数事業主制度
一部の国内連結子会社は複数事業主制度である年金基金に加入しています。
加入している年金基金は確定給付制度ですが、拠出額に対応する年金資産の額を合理的に算定できないため、当該年金基金への要拠出額を退職給付費用として処理する方法を採用しています。
各年金基金が解散し清算する場合は、法令により算定された最低積立基準額などに基づき、不足金の徴収もしくは残余財産の分配が行われます。また、事業者が脱退する場合は、脱退により生ずると見込まれる債務および不足金が徴収されます。
複数事業主制度に関する事項は次の通りです。
制度全体の積立状況に関する事項
(単位:百万円)
(注)各会計年度の直近の数値を主として開示しています。
制度全体に占める当社グループの掛金拠出割合
前連結会計年度 5%(主として、自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度 7%(主として、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
翌年度における複数事業主制度に対する拠出額
当社グループは、翌連結会計年度における複数事業主制度に対する拠出額を10百万円と見積もっています。
(6) 人件費
連結損益計算書に含まれる人件費は、以下の通りです。
(単位:百万円)
人件費には、給与、賞与、法定福利費および退職給付費用などを含めています。
20.資本及びその他の資本項目
(1) 資本の管理
当社グループは、グローバル規模での成長を通じた企業価値向上のために、設備投資および研究開発投資等を行っています。
これらの資金需要に対応するために、資金調達に係る債務及び資本の適切なバランスを考慮した資本管理を行っています。
前連結会計年度および当連結会計年度における自己資本比率は、以下の通りです。
なお、自己資本額は「親会社の所有者に帰属する持分合計」であり、自己資本比率はこれを「負債及び資本合計」で除することによって計算しています。
(単位:百万円)
(2) 資本金及び資本剰余金
日本の会社法(以下、「会社法」)では、株式の発行に対しての払込または給付の2分の1以上を資本金に組み入れ残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることができると規定されています。
また、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
前連結会計年度および当連結会計年度における授権株式数は、1,500,000,000株です。
全額払込済みの発行済株式数の期中における変動内訳は以下の通りです。
(注)1.当社の発行する株式は、すべて権利内容に制限のない無額面の普通株式です。
2.発行済株式の減少株式数15,274,300株は、保有自己株式の消却によるものです。
3.発行済株式の減少株式数20,844,100株は、保有自己株式の消却によるものです。
(3) 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10 分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損補填に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
(4) 自己株式
会社法では、株主総会の決議により分配可能額の範囲内で、取得する株式数、取得価格の総額などを決定し、自己株式を取得することができると規定されています。また、市場取引または公開買付による場合には、定款の定めにより、会社法上定められた要件の範囲内で取締役会の決議により自己株式を取得することができます。
自己株式の期中における変動内訳は以下の通りです。
前連結会計年度の自己株式の増加株式数15,276,655株は、主に自己株式の取得によるものです。
前連結会計年度の自己株式の減少株式数15,363,271株は、主に自己株式の消却によるものです。
当連結会計年度の自己株式の増加株式数20,845,711株は、主に自己株式の取得によるものです。
当連結会計年度の自己株式の減少株式数20,929,682株は、主に自己株式の消却によるものです。
(5) その他の資本の構成要素
① 確定給付制度の再測定
確定給付制度の再測定は、期首時点の数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額、数理計算上の仮定の変更による影響額および制度資産に係る収益(利息に含まれている金額を除く)による影響額です。これについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えています。
② その他の包括利益を通じて測定するものとして指定した資本性金融商品の公正価値の純変動額およびその他の
包括利益を通じて測定する負債性金融商品の公正価値の純変動額
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る評価損益の累計額です。
③ 在外営業活動体の為替換算差額
在外営業活動体の財務諸表をそれらの機能通貨から当社の表示通貨である日本円に換算することによって生じた換算差額です。
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の資本の構成要素の内訳ごとの増減は、以下の通りです。
(単位:百万円)
(6) その他の包括利益
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の包括利益の内訳と対応する税効果額(非支配持分を含む)は、以下の通りです。
(単位:百万円)
前連結会計年度及び当連結会計年度における非支配持分に含まれるその他の包括利益の内訳は、以下の通りです。
(単位:百万円)
21.売上収益
(1) 収益の分解
当社グループは、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用しており、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:履行義務の充足時に収益を認識する
自動車セグメントは自動車の製造・販売・メンテナンスなどのサービスを主な事業としています。
車両の販売については、多くの場合、製品の引き渡し時点において、顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、主として当該製品の引き渡し時点で収益を認識しています。メンテナンスなどのサービス収入は、一定期間にわたって収益として認識しています。製品の販売に係る対価の支払は、通常、製品に対する支配が顧客に移転してから30日以内に行われています。
なお、製品の販売における顧客との契約には製品が合意された仕様に従っていることを保証する条項が含まれており、当社グループは、この保証に関連する費用に対して製品保証引当金を認識しています。製品保証引当金の詳細につきましては、「3.重要性がある会計方針 (12) 引当金 ② 製品保証引当金」をご参照ください。
航空宇宙セグメントでは請負契約を顧客と締結しています。請負契約の工事に係る収益については、履行義務の進捗に応じて収益認識しています。進捗度の測定は、発生したコストに基づいたインプット法などにより行っています。請負契約に係る対価の支払は、通常、顧客との契約に基づき段階的に行われています。
当社グループの事業セグメントは、連結財務諸表注記の「6.セグメント情報」に記載の通り、自動車、航空宇宙およびその他の3つに区分されています。また、売上収益は顧客の所在地を基礎として、地域別に分解しています。これらの分解した売上収益と各セグメントの売上収益との関係は以下の通りです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
2.その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号「リース」にしたがい会計処理している製品のリース収益などが含まれています。
3.その他セグメントには、不動産賃貸事業などが含まれています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
2.その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号「リース」にしたがい会計処理している製品のリース収益などが含まれています。
3.その他セグメントには、不動産賃貸事業などが含まれています。
(2) 契約残高
前連結会計年度および当連結会計年度における顧客との契約から生じた債権、契約資産および契約負債は、以下の通りです。
契約資産は主に、航空宇宙事業における航空機製作および定期修理などの契約について、進捗度の測定に基づいて認識した当社グループの権利に関連するものであり、当該工事の納品がすべて完了した時点で債権に振り替えられます。
契約負債は主に、自動車事業の有償保証延長サービスなどの前受対価、および航空宇宙事業の航空機製作や定期修理などの完了時に収益を認識する契約に関連するものです。
当連結会計年度に認識した収益のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた金額は、135,938百万円(前連結会計年度:110,836百万円)です。
過去の期間に充足(または部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
未充足(または部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額および収益の認識が見込まれる期間別の内訳は、以下の通りです。
なお、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
また、実務上の便法として、当初予想契約期間が1年を超えない取引については、以下の金額に含めていません。
(4) 顧客との契約の獲得または履行のためのコストから認識した資産
当社グループにおいては、資産として認識すべき重要な契約獲得の増分コストおよび契約を履行するためのコストはありません。
22.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下の通りです。
23.その他の収益およびその他の費用
(1) その他の収益
その他の収益の内訳は、以下の通りです。
(2) その他の費用
その他の費用の内訳は、以下の通りです。
24.金融収益及び金融費用
(1) 金融収益
金融収益の内訳は、以下の通りです。
25.法人所得税に関する注記
(1) 法人所得税
① 純損益を通じて認識される法人所得税費用
② 適用税率の調整
当社グループは、日本については主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計年度および当連結会計年度の法定実効税率は30.5%です。
また、海外子会社についてはその納税管轄地における一般的な法人税等の税率をもって計算しています。
(2) 繰延税金資産及び繰延税金負債
① 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は、次の通りです。
② 連結財政状態計算書上で繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除は、次の通りです。なお、税額ベースで表示しています。
③ 繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の繰越期限と会計年度の金額は、以下の通りです。なお、税額ベースで表示しています。
④ 繰延税金資産を認識していない繰越税額控除の繰越期限と会計年度の金額は、以下の通りです。なお、税額ベースで表示しています。
⑤ 当社グループは子会社の投資に係る将来加算一時差異について、報告期間末において配当することが予定されている未処分利益に係るものについて繰延税金負債を認識いたしました。当該将来加算一時差異を除く子会社の投資に係る将来加算一時差異については、前連結会計年度および当連結会計年度において、繰延税金負債を認識していません。これは当社グループが当該一時差異を解消する時期をコントロールすることができ、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いためです。前連結会計年度および当連結会計年度において、繰延税金負債を認識していない子会社の投資に係る将来加算一時差異はそれぞれ、642,836百万円、692,743百万円です。
⑥ 繰延税金資産は将来減算一時差異等を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識し、繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識しています。当該見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期および金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の有価証券報告書において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。なお、前連結会計年度または当連結会計年度に損失が生じている納税主体について、繰延税金負債を超過する繰延税金資産は前連結会計年度および当連結会計年度において該当ありません。
⑦ 国際的な税制改革-第2の柱モデルルール
当社グループは、IAS第12号「法人所得税」(2023年5月23日改訂)の一時的な例外規定を適用し、経済開発協力機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールに関する税制から生じる法人所得税に係る繰延税金資産および負債について、認識および開示を行っておりません。
⑧ グローバル・ミニマム課税
当社が所在する日本において、第2の柱モデルルールに則したグローバル・ミニマム課税制度を導入する「所得税法等の一部を改正する法律」(2023年法律第3号)が2023年3月28日に成立しました。当該法律は、当社に対して2024年4月1日に開始する連結会計年度から適用されています。
2025年3月期における法人所得税への影響について評価を行った結果、当連結会計年度においては、当該制度に基づく追加的な法人所得税(トップアップ課税)は発生しておらず、当社グループの連結財務諸表に与える影響は軽微であると判断しております。
⑨ 法人税等の税率の変更による繰延税金資産および繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立し、2026年4月1日以後開始する連結会計年度より「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。これに伴い、2026年4月1日以後開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産および繰延税金負債については、法定実効税率を30.5%から31.4%に変更し計算しております。この変更により、当連結会計年度の法人所得税費用が556百万円増加し、繰延税金資産(繰延税金負債の金額を控除した金額)が1,102百万円、その他の資本の構成要素が546百万円それぞれ減少しております。
26.1株当たり利益
(1)基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益の算定上の基礎
前連結会計年度および当連結会計年度における基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、以下の
情報に基づいて算定しています。
(2)希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益の算定上の基礎
前連結会計年度および当連結会計年度における希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期利益は、以下
の情報に基づいて算定しています。
27.配当金
(1) 配当金支払額
配当金の支払額は、以下の通りです。
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)2023年11月2日取締役会決議の1株当たり配当額には、記念配当10円が含まれています。
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)2024年6月19日第93期定時株主総会決議の1株当たり配当額には、記念配当10円が含まれています。
(2) 配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、以下の通りです。
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)2024年6月19日第93期定時株主総会決議の1株当たり配当額には、記念配当10円が含まれています。
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)2025年6月25日開催の定時株主総会の議案として付議する予定です。
28.キャッシュ・フロー情報
財務活動に係る負債の調整表
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
29.金融リスク管理
(1) リスク管理に関する事項
当社グループの事業活動は、事業環境・金融市場環境による影響を受けています。
事業活動の過程で保有するまたは引き受ける金融商品は固有のリスクに晒されています。
リスクには、①信用リスク、②市場リスクおよび③流動性リスクが含まれています。
当社グループは、社内での管理体制の構築や金融商品を用いてグループの財政状態および業績に与える影響を最小限にする危機管理を実行しています。
具体的には、当社グループは以下のような方法に従って管理をしています。
(2) 信用リスク
(a) 当社グループが保有する金融資産の信用リスク
信用リスクは、保有する金融資産の相手先が契約上の債務に関して債務不履行になり、当社グループに財務上の損失が発生するリスクです。具体的には以下のような信用リスクに晒されています。営業債権、リース債権、契約資産及びその他の債権は、顧客および取引先の信用リスクに晒されています。また、主に余剰資金の運用のため保有している債券などは、発行体の信用リスクに晒されています。さらに、為替変動リスクおよび金利変動リスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引、および銀行取引については、これらの取引の相手方である金融機関の信用リスクに晒されています。
(b) 当社グループの有するリスクへの対応状況について
顧客に対する信用リスクについては、各社ごとの与信管理基準に則り、相手先ごとの期日管理および残高管理などを行うとともに、信用状況を把握する体制としています。
営業債権、リース債権、契約資産以外の債権については、取引日後において金融資産の資金回収が契約上の支払期日から30日以上延滞している場合(支払期間の猶予の要請を含む)に、当該金融資産の信用リスクが当初認識以降に著しく増大したものと判定しています。ただし、支払遅延および支払期間の猶予要請があった場合でも、一時的な資金需要に起因し、債務不履行のリスクが低く、近い将来において契約上のキャッシュ・フローの義務を履行するための能力が外部格付などの客観的なデータに基づいて明らかである場合は、信用リスクの著しい増大とは判定していません。
負債性金融商品である有価証券については、大手格付機関から提供された格付情報に基づき、報告日時点で信用リスクが低いと判断されていない場合に、当初の認識時から当該金融商品に関わる信用リスクが著しく増大したと判断しています。
予想信用損失は、取引および信用リスク管理の過程で入手可能な財務情報に基づき、倒産件数などのマクロ経済状況や債務者の実際または予想される業績の重要な変化などを考慮しつつ、認識および測定しています。
債務者が、支払期限到来後90日以内に支払いを行わない場合および債務者の破産などによる法的整理手続の開始などがあった場合債務不履行としています。債務不履行に該当した場合、または、発行者または債務者の著しい財政的困難などの減損の証拠が存在する場合、信用減損しているものと判断しています。
金融資産及び契約資産の全部または一部が回収不能と評価され、信用調査の結果償却することが適切であると判断した場合、信用減損している金融資産の帳簿価額を直接償却しています。
直接償却を行った場合でも履行に向けて回収活動を継続し、回収が行われた場合は純損益に回収額を計上します。
債権には、特定の取引先または取引先グループに対する信用リスクの著しい集中はありません。
デリバティブ取引および銀行取引の相手先は、信用度の高い金融機関に限定しているため、相手方の契約不履行による信用リスクは、ほとんどないと判断しています。また、余剰資金の運用・デリバティブ取引について、信用リスクの発生を未然に減少させるべく、各社の社内規程およびこれに付随して細目を定める各規定に基づき、財務・経理担当部門が、当該案件ごとに権限規程に定める決裁権者による稟議決裁を受け、格付の高い金融機関との間でのみ行うこととしています。
期日経過債権はほとんどありません。
連結財政状態計算書に計上されている金融資産の減損後の帳簿価額および保証債務の金額が、信用補完として受け入れた担保の評価額を考慮しない場合の信用リスクの最大エクスポージャーとなります。
当社グループは顧客に対する営業貸付金について、通常、販売した製品を担保として保有しています。
その他の債権、負債性金融商品である有価証券の予想信用損失の測定
期末日時点で、その他の債権および負債性金融商品である有価証券に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合、信用リスクの特徴が類似したものごとにグルーピングした上で、過去の貸倒実績および将来予測情報に基づき、将来12か月の予想信用損失を見積もることにより当該金融商品に係る損失評価引当金を算定しています。
一方、期末日時点で、当初認識時以降の信用リスクが著しく増大している場合、過去の信用損失実績および将来予測情報に基づき、当該金融商品の回収に係る全期間の予想信用損失を見積ることにより、損失評価引当金を算定しています。
営業債権、リース債権、契約資産の予想信用損失の測定
すべての営業債権、リース債権及び契約資産は単純化したアプローチに基づき、信用リスクの特徴が類似したものごとにグルーピングしたうえで、営業債権等が回収されるまでの全期間の予想信用損失をもって損失評価引当金を算定しています。営業債権等については、過去の貸倒実績および営業債権等ごとの延滞日数に関する将来予測情報に基づいて予想信用損失を見積ることにより損失評価引当金を算定しています。
(注)1.その他には、主に回収による損失評価引当金の戻入が含まれています。
2.その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品については、いずれも高い信用格付であり、重要な引当金を計上していません。
保証契約
当社グループでは主として子会社の取引先に対する保証を行っていますが、信用リスクは限定的で重要性がないことから上記の表に含めていません。
金額については「34.偶発事象」において記載しています。
(3) 市場リスク
① 為替リスク
(為替リスクの管理)
当社グループでは、外貨建ての営業債権債務について、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対して、原則として先物為替予約、通貨オプションを利用してヘッジしています。なお、為替相場の状況により、半年を限度として、外貨建ての営業債権と営業債務をネットしたポジションに対して先物為替予約取引などを行っています。
(為替感応度分析)
前連結会計年度および当連結会計年度において保有する金融商品の為替リスクに対する感応度分析は、以下の通りです。なお、感応度分析は、期末日現在における為替差額を当期利益で認識する外貨建ての預金、営業債権債務、デリバティブ等から生じる為替リスクエクスポージャーに対して、為替以外のその他のすべての変数が一定であることを前提として、米ドルに対して日本円が1%円高(上昇)となった場合における税引後利益への影響を示しています。
(4) 流動性リスク
(流動性リスクの管理)
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金及び社債により調達しています。このため、金融システム・金融資本市場の混乱や、格付け会社による当社グループの信用格付けの大幅に引き下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約され、支払期日に支払いを実行できなくなる可能性があります。(以下「流動性リスク」)
当社グループは、流動性・安定性の確保のために、十分な規模の現金及び現金同等物を保有することに加え、主要金融機関とコミットメントライン契約などを締結しており、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を保持することに努めています。
コミットメントラインのうち、未使用の金額は、以下の通りです。
(金融負債の満期分析)
① 非デリバティブ金融負債
前連結会計年度および当連結会計年度における非デリバティブ金融負債の期日別の内訳は、以下の通りです。
金融保証契約については、その履行請求に基づき支払義務が発生します。取引先に対する保証残高は「34.偶発事象」に記載の通りです。
② デリバティブ金融負債
前連結会計年度および当連結会計年度におけるデリバティブ金融負債の期日別の内訳は、以下の通りです。
30.公正価値
(1) 公正価値ヒエラルキーの定義
当社グループは、公正価値の測定に使われる評価手法におけるインプットを次の3つのレベルに順位付けしています。
レベル1 測定日現在において入手しうる同一の資産または負債の活発な市場における公表価格
レベル2 レベル1に分類される公表価格以外で、当該資産または負債について、直接または間接的に市場で観察可能なインプット
レベル3 当該資産または負債について、市場で観察不能なインプット
(2) 公正価値の測定方法
資産及び負債の公正価値は、関連市場情報および適切な評価方法を使用して決定しています。
資産及び負債の公正価値の測定方法および前提条件は、以下の通りです。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)
現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権ならびに、営業債務及びその他の債務は償却原価で測定しています。ただし、そのうちリース債権はIFRS第16号「リース」にしたがい、測定しています。
営業貸付金及びリース債権の公正価値については、一定の期間ごとに区分した債権ごとに、債権額を満期までの期間および信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定しています。従って、信用リスクが観察不能であるため、公正価値の測定はレベル3に分類しています。
営業貸付金、リース債権以外の金融商品の公正価値は、短期間で決済されるため、帳簿価額と近似しています。
(その他の負債性金融商品)
負債性金融商品(公正価値で測定する金融資産)は、主に国債、社債、投資信託および投資事業組合への出資金などで構成されています。
活発な市場のある国債および投資信託の公正価値は、市場における公正価値に基づいて測定しています。従って、国債および投資信託の公正価値の測定はレベル1に分類しています。
社債などの公正価値は金融機関などの価格決定モデルに基づき、信用格付けや割引率などの市場で観察可能なインプットを用いて測定しています。従って、社債などの公正価値の測定はレベル2に分類しています。
投資事業組合への出資金の公正価値は、組合財産の公正価値を見積もった上、当該公正価値に対する持分相当額で測定しています。従って、投資事業組合への出資金の公正価値の測定は、観察不能なインプットを用いているため、レベル3に分類しています。
その他の負債性金融商品はその他の金融資産(流動)またはその他の金融資産(非流動)に計上しています。
(資本性金融商品)
資本性金融商品は、主に株式で構成されています。
活発な市場のある資本性金融商品の公正価値は、市場における公表価格に基づいて測定しています。
従って、活発な市場のある資本性金融商品の公正価値の測定はレベル1に分類しています。
活発な市場のない資本性金融商品の公正価値は、原則として、類似企業比較法またはその他の適切な評価方法を用いて測定しています。従って、活発な市場のない資本性金融商品の公正価値の測定はレベル3に分類しています。
資本性金融商品はその他の金融資産(流動)またはその他の金融資産(非流動)に計上しています。
当該公正価値は、適切な権限者に承認された連結決算方針書にしたがい、当社グループの経理部門担当者などが評価方法を決定し、測定しています。
(資金調達に係る債務)
資金調達に係る債務は償却原価で測定しています。資金調達に係る債務の公正価値は、条件および残存期間の類似する債務に対し適用される現在入手可能な利率を使用し、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割り引くことによって測定しています。従って、資金調達に係る債務の公正価値の測定はレベル2に分類しています。
(デリバティブ)
デリバティブは、先物為替予約および金利スワップ等から構成されています。
公正価値は、取引先金融機関から提示された価格や為替レートなどの観察可能なインプットに基づいて測定しています。従って、デリバティブの公正価値の測定はレベル2に分類しています。
デリバティブはその他の金融資産(流動)またはその他の金融負債(流動)に計上しています。
(その他の金融負債)
デリバティブ以外のその他の金融負債には、主に有償支給に係る負債が含まれています。
有償支給に係る負債は償却原価で測定し、リース負債はIFRS第16号「リース」にしたがい、測定しています。
その他の金融負債の公正価値は、帳簿価額と近似しています。
(3) 経常的に公正価値で測定する資産及び負債
前連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象または状況の変化が生じた日に認識しています。
レベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
前連結会計年度および当連結会計年度における経常的に公正価値により測定するレベル3の資産及び負債の増減は、以下の通りです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.前連結会計年度および当連結会計年度の純損益に含まれる利得または損失は、連結損益計算書の金融収益及び金融費用に含まれています。
2.前連結会計年度および当連結会計年度のその他の包括利益に含まれる利得または損失は、連結包括利益計算書のその他の包括利益を通じて測定するものとして指定した資本性金融商品の公正価値の純変動額に含まれています。
3.当連結会計年度の負債性金融商品の純損益に含まれる報告期間の末日に保有する資産に係る未実現損益は、連結損益計算書の「金融収益」に含まれています。
(4) 公正価値で測定されない金融資産及び金融負債
前連結会計年度および当連結会計年度における公正価値で測定されない金融資産及び金融負債の帳簿価額と公正価値は、以下の通りです。
(単位:百万円)
(注) 1.帳簿価額と公正価値が近似していることから、公正価値の開示を省略しています。
2.「(3) 経常的に公正価値で測定する資産及び負債」において開示されている項目は含まれていません。
3.その他の金融負債にはデリバティブ11,710百万円(前連結会計年度)、44百万円(当連結会計年度)およびリース負債123,849百万円(前連結会計年度)、130,844百万円(当連結会計年度)は含まれていません。
4.現金及び現金同等物については帳簿価額と公正価値が近似しているため表に含まれていません。
(5) 非経常的に公正価値で測定する資産及び負債
前連結会計年度および当連結会計年度において、非経常的に公正価値で測定された重要な資産及び負債はありません。
31.金融資産および金融負債の相殺
前連結会計年度および当連結会計年度における金融資産及び金融負債の相殺に関する情報は、以下の通りです。
前連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
上表の相殺要件を満たさない金額は、強制可能なマスター・ネッティング契約および類似の契約の対象である金融資産または金融負債のうち、純額で決済する意図を有していないものです。
32.コミットメント
決算日後の資産の取得に係るコミットメントは、以下の通りです。
(単位:百万円)
33.リース
(1) 借手
➀ 借手のリース
(ⅰ)リース契約に係る費用およびキャッシュ・フロー
(単位:百万円)
使用権資産のサブリースによる収益は重要なものはありません。
(注)1.短期リースはIFRS第16号第6項を適用して会計処理しています。
2.少額資産のリースはIFRS第16号第6項を適用して会計処理しています。
(ⅱ)有形固定資産の帳簿価額に含まれる使用権資産
(単位:百万円)
(ⅲ)使用権資産の増減額
(単位:百万円)
② リース負債の満期分析
(単位:百万円)
流動性リスクの管理方針
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持および健全なバランスシートの維持により、流動性リスクに対処しています。
③ 借手のリース活動の性質
当社グループは、主として、自動車事業における金型などの生産用工具、ネットワーク機器および端末機をリースにより賃借しています。
また、自動車事業における、店舗、社宅、倉庫などの不動産についてもリースにより賃借しています。
④ 借手が潜在的に晒されている将来キャッシュ・アウトフローのうちリース負債の測定に反映されていないもの
潜在的に晒されている将来キャッシュ・アウトフローのうちリース負債の測定に反映されていないものについて、重要なものはありません。
⑤ リースにより課されている制限または特約
リースにより課されている制限(配当、追加借入および追加リースに関する制限など)はありません。
⑥ 変動リース料
リース契約には、相手先との取引に基づいて、リース料を改定する条項を含むものなどがありますが、前連結会計年度および当連結会計年度において、費用として認識した変動リース料に重要性はありません。
(2) 貸手
➀ ファイナンス・リース
契約上、資産の所有に伴うリスクと経済価値が実質的にすべて取引先に移転するリースは、ファイナンス・リースに分類し、それ以外の場合には、オペレーティング・リースに分類しています。
ファイナンス・リース取引におけるリース債権は、リース開始日に正味リース投資未回収額を債権として計上しています。
また、車両の物的な破損などに備えて保険に加入しています。
(ⅰ)リース収益
(単位:百万円)
(ⅱ)貸手のリース活動の性質(ファイナンス・リース)
当社グループは、主に車両運搬具をファイナンス・リースにより賃貸しています。
(ⅲ)正味リース投資未回収額の帳簿価額の著しい変動
該当事項はありません。
(ⅳ) リース料債権の満期分析
(単位:百万円)
② オペレーティング・リース
(ⅰ)リース収益
(単位:百万円)
(ⅱ)貸手のリース活動の性質(オペレーティング・リース)
当社グループは、車両運搬具およびオフィスビルなどの不動産をオペレーティング・リースにより賃貸しています。
(ⅲ)受取リース料の満期分析
(単位:百万円)
車両の物的な破損などに備えて保険に加入しています。
(ⅰ)リース収益で開示している金額の大部分は海外子会社における車両のレンタル料およびオフィスビルなどの不動産賃貸収入であり、前者は契約開始時に料金全額の前払いを受けており、後者は解約オプションを借手が有しており、当該オプションを借手が行使しない可能性が合理的に確実とは言えないため、(ⅲ) 受取リース料の満期分析に当該取引に関連する金額は含まれていません。
34.偶発事象
(1) 保証
当社グループは営業上の取引先などに対して、次の通り保証を行っています。
(単位:百万円)
(2) その他の偶発事象
2016年5月4日のタカタ株式会社(現・TKJP株式会社)の米国子会社とNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)との修正合意内容、2016年5月27日の国土交通省の「タカタ製エアバッグ・インフレータに係るリコールの拡大スケジュールについて」およびこれら両当局からの要請を踏まえたその他地域(中国及び豪州他)における対応方針に基づいたタカタ製エアバッグインフレータに関する市場措置範囲拡大に伴う費用について、金額を合理的に見積ることができる費用については計上しています。しかしながら、今後新たな事象の発生などにより追加的な計上が必要となる可能性があります。
35.重要な子会社
当社グループの構成については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」において同様の内容を記載しているため、記載を省略しています。
36.関連当事者
主要な経営幹部に対する報酬
当社の取締役および監査役に対する報酬は、以下の通りです。
37. 重要な後発事象
該当事項はありません。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報など
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
2.出資金の評価基準および評価方法
移動平均法による原価法です。
なお、組合への出資については、入手可能な直近の決算書を基礎とし持分相当額を純額で取り込む方法によっています。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより当事業年度に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があるものは、次の通りです。
1.繰延税金資産
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2) 繰延税金資産の認識は、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期および金額によって見積っています。当該見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期および金額が見積りと異なった場合、翌事業年度の財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
2.製品保証引当金
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2) 当社は、製品販売時に付与した保証約款に基づく製品保証とともに、主務官庁への届出等に基づいて個別に無償の補修を行っています。
保証約款に基づく製品保証の対象は、各国における保証約款に基づき、期間および走行距離や不具合の原因等により決定しています。
保証約款に基づく製品保証の保証修理費用は、製品を販売した時点で引当金を認識しており、保証期間内に不具合が発生して部品を修理または交換する際に発生する費用の総額について、過去の補修実績、過去の売上台数を基礎として将来の発生見込みに基づく最善の見積りにより引当計上しています。
主務官庁への届出等に基づく保証修理費用については、支出が発生する可能性が高く、合理的な見積りができる場合に引当金を認識しており、製品の不具合に関する過去の経験を基礎として算定した台当たり補修費用等および対象台数に基づく最善の見積りにより引当計上しています。
発生が見込まれる保証修理費用について、現在入手可能な情報に基づき必要十分な金額を引当計上していると考えていますが、製品保証引当金の計算では将来複数年にわたり生じる保証修理費用を予測しているため、実際の保証修理費用が見積りと乖離することにより、製品保証引当金を追加計上する必要が生じる可能性があることから、財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
(貸借対照表関係)
※1 担保に供している資産ならびに担保付債務
前事業年度の土地33百万円は、関係会社の預り保証金等1,503百万円の担保に供しています。
当事業年度の土地33百万円は、関係会社の預り保証金等1,487百万円の担保に供しています。
※2 関係会社に対する金銭債権および金銭債務
※3 圧縮記帳
国庫補助金等により有形固定資産の取得価額から控除している圧縮記帳額およびその内訳は、次の通りです。
4 偶発債務
(1) 金融機関からの借入金等に対する保証債務
(2) その他の偶発債務
2016年5月4日のタカタ株式会社(現・TKJP株式会社)の米国子会社とNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)との修正合意内容、2016年5月27日の国土交通省の「タカタ製エアバッグ・インフレータに係るリコールの拡大スケジュールについて」およびこれら両当局からの要請を踏まえたその他地域(中国および豪州他)における対応方針に基づいたタカタ製エアバッグインフレータに関する市場措置範囲拡大に伴う費用について、金額を合理的に見積ることができる費用については計上しています。しかしながら、今後新たな事象の発生などにより追加的な計上が必要となる可能性があります。
(損益計算書関係)
※1 売上原価に含まれている工事損失引当金繰入額(△は戻入額)は、次の通りです。
※2 各科目に含まれている関係会社に対するものは、次の通りです。
※3 販売費及び一般管理費のうち主要な費目および金額ならびにおおよその割合は、次の通りです。
販売費の主なもの
一般管理費の主なもの
おおよその割合
※4 固定資産売却益の内訳は、次の通りです。
※5 固定資産除売却損の内訳は、次の通りです。
(有価証券関係)
子会社株式および関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式および関連会社株式の時価を記載していません。
なお、市場価格のない株式等の子会社株式および関連会社株式の貸借対照表計上額は、次の通りです。
(単位:百万円)
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3.法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しています。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)にしたがって、法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理ならびに開示を行っています。
4.法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立し、2026年4月1日以後開始する事業年度より「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。これに伴い、2026年4月1日以後開始する事業年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、法定実効税率を30.5%から31.4%に変更し計算しております。この変更により、当事業年度の繰延税金資産(繰延税金負債の金額を控除した金額)が1,131百万円増加し、法人税等調整額が1,609百万円、その他有価証券評価差額金が478百万円それぞれ減少しております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 21.売上収益」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注)「当期増加額」欄の主な内容は次のとおりです。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、単元未満株主は次に掲げる権利以外の権利を有していません。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式および募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4) 株式取扱規程に定めるところにより、その有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を
売り渡すことを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度(第93期)(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)2024年6月20日関東財務局長に提出。
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2024年6月20日関東財務局長に提出。
(3) 半期報告書及び確認書
(第94期中)(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)2024年11月7日関東財務局長に提出。
(4) 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書
2024年6月20日関東財務局長に提出。
(5) 有価証券届出書及びその添付書類
株式のその他の者に対する割当てに係る有価証券届出書
2024年7月9日関東財務局長に提出。
(6) 自己株券買付状況報告書
2024年7月8日、2024年8月1日、2024年9月5日、2024年10月1日関東財務局長に提出。
(7) 発行登録追補書類(普通社債)及びその添付書類
2024年8月29日関東財務局長に提出。
(8) 発行登録書(普通社債)の訂正
訂正発行登録書(普通社債)2024年6月20日関東財務局長に提出。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。

