(注) 上記のうち、九州支社(福岡)は、法定の縦覧場所ではありませんが、投資者の便宜を考慮して縦覧に供する場所としております。
第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 当社は、国際会計基準(以下、IFRS)に準拠して連結財務諸表を作成しております。
2 第153期の「株価収益率」については、当期純損失であるため記載しておりません。
3 第156期よりIAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)を適用しております。これに伴い、第155期について 遡及適用後の数値を表示しております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第154期の期首から適用しており、第154期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 「売上高」には、消費税等は含まれておりません。
3 第157期の1株当たり配当額130円00銭のうち、期末配当額65円00銭については、2025年6月20日開催予定の定時株主総会の決議事項になっております。
4 第153期の「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。
5 第153期の「株価収益率」及び「配当性向」については、当期純損失であるため記載しておりません。
6 「1株当たり純資産額」、「1株当たり当期純利益又は当期純損失(△)」及び「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」については、自己株式を控除した株式数により算出しております。
7 最高株価及び最低株価は東京証券取引所(プライム市場)におけるものであります。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、長年培ってきた信用、国内外のグローバルネットワーク、あらゆる分野の取引先とのグローバルリレーション、知的資産といったビジネス基盤と、ビジネス創出力、ロジスティクス構築力、金融サービス提供力、IT活用力、リスク管理力、情報収集・分析力といった機能を統合することにより、顧客の多様なニーズに応え、多角的な事業活動をグローバル連結ベースで展開しております。
当社は戦略を軸とする「Strategic Business Unit」(SBU)を基本単位とし、戦略上の親和性の高いSBUを束ねる組織として9つのセグメント(グループ)に区分しております。当社の各グループ、及びその関係会社、各地域拠点が共同でそれぞれの事業を推進しております。
当社グループの事業セグメント毎の取扱商品又は事業の内容、及び主要な関係会社名は以下のとおりであります。
(注)(子)は連結子会社、(持)は持分法適用会社であります。
4 【関係会社の状況】
(1) 子会社
(注) 1 連結子会社が保有する子会社のうち、当該連結子会社にて連結処理されているもの (2025年3月31日現在339社)については、上記会社数から除外しています。
2 当社は、2024年4月1日付で、「事業部門」・「エネルギーイノベーション・イニシアチブ」及び「本部」・「部」を廃止し、戦略事業単位である「Strategic Business Unit」 (SBU)をベースとした組織運営を行っております。SBUを束ねる組織として、新たに9グループを設置しております。
3 議決権所有割合欄の( )内は、間接所有であり、内数表示しております。
4 役員の兼任等には出向者及び転籍者を含んでおります。
5 Edgen Group及びヤサト興産は債務超過の状況にある会社であり、債務超過の額はそれぞれ17,082百万円及び23,599百万円であります。
また、上記記載会社以外では、Summit Southern Cross Power Holdings傘下のBluewaters Power 3 Holdingsが債務超過の状況にある会社であり、債務超過の額は13,135百万円であります。
6 Edgen Group、SMS Construction And Mining Systems、Sunstate Equipment Company、Highline Produce、SCAP C、Sumisho Coal Australia Holdings、SC Quebrada Blanca、Pacific Summit Energy、
米州住友商事、欧州住友商事は特定子会社に該当します。また、上記記載会社以外では、EXグループのVan Phong Power Company Limited、資源グループのBunga Raya Aluminiumが特定子会社に該当します。
7 SML Isuzuの議決権所有割合は100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため、子会社としております。
8 SCSKは、有価証券報告書提出会社であります。
9 上記はIFRSで要求される開示の一部であり、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 35 子会社」で上記を参照しております。
(2) 関連会社等
(注) 1 連結子会社が保有する持分法適用会社のうち、当該連結子会社にて持分法処理されているもの (2025年3月31日現在72社)については、上記会社数から除外しています。
2 当社は、2024年4月1日付で、「事業部門」・「エネルギーイノベーション・イニシアチブ」及び「本部」・「部」を廃止し、戦略事業単位である「Strategic Business Unit」 (SBU)をベースとした組織運営を行っております。SBUを束ねる組織として、新たに9グループを設置しております。
3 議決権所有割合欄の( )内は、間接所有であり、内数表示しております。
4 役員の兼任等には出向者及び転籍者を含んでおります。
5 Dynatec Madagascar及びAmbatovy Mineralsの議決権所有割合は100分の50超でありますが、共同支配企業であるため、関連会社としております。
6 マミーマート及びウェルネオシュガーは、有価証券報告書提出会社であります。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(2025年3月31日現在)
(注)1 上記従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は〔 〕に年間の平均人員数を外数で記載しております。
2 臨時従業員には、派遣契約による従業員を含めております。
(2) 提出会社の状況
(2025年3月31日現在)
(注)1 上記従業員のうち、他社への出向者は1,660人、嘱託は357人であります。
また、上記従業員のほか他社からの出向者は194人、海外支店・駐在員事務所が現地で雇用している従業員は123人、相談役・顧問は17人であります。
2 平均年間給与は、賞与、時間外勤務手当及び在宅勤務手当を含んでおります。
3 嘱託を除いた従業員の平均年間給与は17,902,172円であります。
(3) 労働組合の状況
当社及び子会社において、労働組合との間に特記すべき事項はありません。
(4) 提出会社の多様性に関する指標
① 管理職に占める女性従業員の割合:10.3% (2025年3月31日時点)
② 男性の育児休業取得率 :78.6% (2025年3月31日時点)
③ 男女間賃金差異
(注)1 管理職に占める女性従業員の割合(女性管理職比率)及び男女間賃金差異は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 男性の育児休業取得率は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3 男女間賃金差異の計算対象期間:2024年4月1日~2025年3月31日
4 男女間賃金差異の計算対象項目:例月給(基本給、出向手当、別居手当、在宅勤務手当、時間外勤務手当、
管理職深夜割増手当、賞与)
5 差異理由:当社における男女間の賃金差は、女性管理職比率の構造的な違いが主な要因です。特に、部長・課長・係長など各等級で比較した場合、同一等級での性別による処遇の差はありません。当社では2022年にコース別人事管理を廃止し、職掌を一本化したうえで、個々人のスキル・能力・意欲等に応じて柔軟にキャリア形成ができる制度へ移行しました。また、職務・成果に基づく任用・登用の徹底を進めています。こうした取り組みを通じて、2030年までに女性管理職比率20%以上の実現を目指すとともに中長期的には賃金差の更なる縮小が見込まれます。
(5) 子会社の多様性に関する指標
常用労働者数が101~300人の事業会社
常用労働者数が301人以上の事業会社
(注)1 事業セグメントには、子会社が所属する事業セグメントを記載しております。
2 管理職に占める女性従業員の割合(女性管理職比率)及び男女間賃金差異は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出したものであります。
3 公表項目には、各子会社が男性の育児休業取得率を算出するにあたり準拠している以下いずれかの法令を記載しております。
①「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づき算出した、男性の育児休業の取得割合
②「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第1号に基づき算出した、男性の育児休業等取得割合
③「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の6第2号に基づき算出した、男性の育児休業等と育児目的休暇の取得割合
また、正規雇用及び非正規雇用の*印は、対象期間において配偶者が出産した男性従業員が居ないことを示しております。
4 非正規雇用の*印は、非正規雇用の女性従業員が居ないことを示しております。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
●中期経営計画2026の進捗
中期経営計画2026では、「No.1事業群」をテーマに掲げ、競争優位を磨き、社会課題解決を通じた飛躍的な成長を実現すべく、「強みを核とした成長」及び「成長の原動力の強化」に重点的に取り組み、「事業ポートフォリオ変革」を加速させております。
中期経営計画2026の一年目となる2024年度は、政治的混乱や地政学的緊張の高まり、主要先進国の成長鈍化等、事業環境の不確実性はより高まりましたが、「No.1事業群」の実現に向けた各施策を着実に実行し、期初計画を上回る利益成長を果たしました。

(1) 中期経営計画2026における取組の状況
① 事業ポートフォリオ変革
・主な成長分野を中心に過去最高レベルの7,300億円の投資を実行
(SCSKによるネットワンシステムズ買収 等)
・資産入替が着実に進捗し、事業ポートフォリオの新陳代謝を加速
(ティーガイアの売却、米国タイヤ販売事業におけるマイダス社の売却(注)等)
(注)2025年度中を目途に売却完了予定
② 強みを核とした成長
・主な成長分野について、建機やアグリ事業等足元低調なビジネスもあるがリースや都市総合開発、デジタル等で収益基盤を拡大
・主な成長分野における進捗と今後の方針は以下のとおり

③ 成長の原動力の強化
・親和性のあるビジネスを同一グループに再編したことにより、都市総合開発ではインフラ事業の知見やノウハウを活かした海外不動産案件の投資実行等のシナジーが拡大
・WILL選考(注)の実施、社内公募制の拡大のように多様な“個”の意志・ポテンシャルを最大限に引き出す施策に加え、経営人財を計画的に育成する人財マネジメントサイクルと、積極的なキャリア採用や女性・若手の登用等、(属性に囚われず)真にビジネスの成長戦略を後押しする人財配置を推進
(注)初期配属組織を確約する新卒向け採用選考
(2) 定量計画
① 経営環境
全般
世界経済は、米国の関税措置を背景に先行きの不透明感が強まっており、家計や企業の経済活動に慎重姿勢が見られる中、成長ペースは鈍化していく見通しです。
先進国経済では、米国は関税措置が、今後の経済活動全般に悪影響を及ぼすことが懸念されています。ユーロ圏では、物価の安定に伴い、政策当局は金融緩和方針を強めており、主要国における積極的な財政政策と相まって、景気は緩やかな回復基調を維持する見通しです。日本経済は、米国の関税措置の影響が懸念されるものの、実質賃金の改善に伴う個人消費の回復を背景に景気は緩やかな持ち直しの動きが続くと見られます。新興国経済では、中国は財政支援が景気の下支え要因となる一方で、不動産市場の低迷や米国との通商関係を巡る先行き不透明感により、成長ペースの鈍化が継続する見通しです。アジア諸国は米国の関税措置の影響により、回復の足取りは重くなると見られております。
今後のリスク要因としては、政策運営の不透明感、金融市場の混乱、ロシア・ウクライナやイスラエル・パレスチナ情勢の再緊迫化、関税引き上げによる物価への影響、新興国の債務問題、アジアやアフリカなどにおける地政学的リスクの高まりなどが挙げられます。
鉄鋼グループ
当グループは、鋼管・鋼材などの鉄鋼製品を幅広く取り扱っております。
鋼管分野では、米国では鋼管価格が足元回復傾向にあるものの、今後の原油価格次第では鋼管需要減退の恐れもあります。その他地域向けでは一部プロジェクトの端境期となっております。また、世界各国でエネルギー安定供給の重要性から石油・ガス開発は維持され、加えて脱炭素に向けたエナジートランジションの動きも継続するものとみられます。
鋼材分野では、米国では鋼材価格が上昇傾向にあるものの、物価高や景気動向による鋼材需要への影響が出る可能性があります。その他地域では中国での需要低迷が継続し、中国からの鋼材が東南アジア等に流入しており、各地市況が押し下げられております。他方、欧州洋上風力発電用の基礎構造物事業への出資等、収益基盤の拡大に取り組んでおります。
このような環境を踏まえ、当グループとしては既存事業を堅持しつつ、当グループが強みを有する事業・地域に経営資本を傾注し、収益力を強化してまいります。また、DXを通じた新たな価値提供、再生可能エネルギー・CCSなどカーボンニュートラル化に資する鉄鋼製品・サービスの供給による産業のGX実現への貢献にも取り組んでいきます。
自動車グループ
当グループは、自動車業界のバリューチェーンを俯瞰し、自動車、タイヤ、及びその他関連商品の製造、販売、リース並びにこれらの関連サービス・周辺事業を行っております。
当グループを取り巻く環境では、各国の経済発展、人・モノの移動の増加を支える自動車ニーズの伸長、所有から利活用(リース・レンタル・サブスクリプション等)へのシフト、カーボンニュートラル実現へ向けた環境車の普及、循環型経済の構築へ向けた再利用・リサイクル促進へのニーズが高まっております。一方で、米国の関税措置の影響や地政学リスクがもたらすサプライチェーンの混乱、原材料コスト・人件費・金利等の上昇による経済の成長鈍化懸念があり、動向を注視しております。
このような環境を踏まえ、足元の市場環境の変化への備えを確実にするとともに、自動車流通販売事業における商品や販売・サービス網の拡充による成長促進、自動車リース事業を軸とするモビリティサービス領域におけるサービス拡大と新たな事業機会の取り込み、部品製造事業・販売金融事業・タイヤ販売事業のバリューアップによる収益規模拡大、Beyond Mobility(移動から発生する、移動を越えた領域)の新規事業の創出・育成に取り組んでいきます。
輸送機・建機グループ
当グループは、リース・ファイナンス事業、グローバルにバリューチェーンを展開する航空機・船舶海洋・建設機械事業、高い専門性を持つ防衛宇宙・安全保障ビジネスを中心に、各種取引及び事業投資を行っております。
当グループを取り巻く事業環境は、米国の関税措置の影響や金利高止まりによる景気減速懸念はありますが、航空機リース市況は引き続き好況に推移し、海上貨物輸送やインフラ建設・更新の需要は堅調で、いずれも引き続き成長が見込まれます。同時に、脱炭素社会や循環経済の実現に向けた社会的な要請が一層高まっております。
こうした環境を踏まえ、当グループは強みを持つ事業の収益性向上に注力します。リース・ファイナンス事業では優良資産の積み上げと資産効率の向上を図り、建設機械事業では米国の関税措置といった不確実性への影響を注視しつつ、コスト削減やフリートマネジメントを柱とした収益改善施策を進めます。
また、航空機事業における退役機の部品販売を始めとするアフターマーケット事業、船舶海洋事業における洋上風力で使用される構造物の製造など、社会的な課題やニーズに応える事業を積極的に進め、成長を加速していきます。
都市総合開発グループ
当グループは、不動産・工業団地・サステナブルシティ・基幹インフラの開発・運営・アセットマネジメント事業、建材、セメントなどの建設資材関連事業、産業用設備などの機電設備関連事業、物流・保険関連事業を展開しております。
不動産分野では国内不動産事業や米国住宅案件が好調に推移し、期初予想を上回る水準となりました。また、国内の建設資機材及び機械設備のトレード事業や物流、保険事業においても堅調を維持しました。世界の都市開発需要は引き続き旺盛なるも、マクロ環境としては気候変動等災害や地政学リスク、各国の金利動向やコスト上昇に対するレジリエンスの重要性が増しております。
このような認識のもと、流動性の高さや金融ストラクチャリングを導入しうる優良案件・市場に注力し、自然環境に配慮した安心安全で災害に強いインフラ開発及び街づくりのグローバル展開を目指していきます。
メディア・デジタルグループ
当グループは、デジタルソリューション事業、情報通信事業、携帯端末流通事業、第5世代移動通信システム(5G)事業、ケーブルテレビ事業、テレビ通販事業、映像コンテンツ関連事業、グローバルCVC事業(スタートアップ投資)を行っております。
デジタルソリューション事業では、デジタルやデータ活用の重要性の高まりにより、IT投資需要が拡大しており、デジタル技術の社会実装による新市場の創出・拡大も進行しております。こうした事業機会の広がりを着実に捉えるべく、国内外デジタル事業の領域拡大・機能強化に取り組んでいきます。
ケーブルテレビ事業及びテレビ通販事業では、顧客や消費者のニーズ、購買行動・形態の多様化が見込まれております。こうした事業環境の変化を踏まえ、ケーブルテレビ事業では新規サービスの拡充、テレビ通販事業ではTV・デジタル・リアルを連携させたエンタメショッピングへの変革・進化に取り組んでいきます。映像コンテンツ関連事業では、日本コンテンツに対するグローバルな需要の高まりを踏まえ、アニメ等の日本コンテンツの海外事業展開を推し進めていきます。
ライフスタイルグループ
当グループは、食品スーパー・ブランドなどのリテイル事業、食品・食品原料や青果などの食料事業、ドラッグストア・調剤薬局及びマネージドケア・クリニックなどのヘルスケア事業を展開しております。
リテイル及び食料分野では、消費者の価値観やライフスタイルの多様化・ニーズの細分化、食と健康に関する消費者意識の高まりが見込まれます。ヘルスケア分野においては、高齢化加速に伴う医療費適正化ニーズが加速する見通しであります。また、全般的に気候変動や地政学リスクの継続や人件費・燃料費の高止まりの懸念があり、動向を注視していきますが、生活を支える事業としての社会的重要性は引き続き高いものになっていくものと見ております。
このような環境を踏まえ、リテイル事業を中心に圧倒的な顧客へのアクセスを持つ強みを生かし、データ活用によるマーケティング及びDX・AI活用によるオペレーションの高度化や新規事業拡大に取り組みます。食料分野では、食料・食品の調達・加工・販売のノウハウとネットワークを生かした収益基盤の拡大と成長が見込まれる分野への事業展開を図ります。また、ヘルスケア分野では、国内外の医療費高騰の解決に向け、医療費抑制・適正化に資するビジネス実現を目指します。
資源グループ
当グループは、金属資源等の開発・操業・生産、製品の製造・販売を展開し、トレード分野でも当社事業とのシナジー発揮や、商品デリバティブの活用等、多様な機能を提供しております。
資源価格は、地政学リスク等を背景に先行きの不透明感が強まっておりますが、中長期の市況変動サイクル、業界におけるプレイヤー・地域の偏在性、経済安全保障・技術革新を含むバリューチェーンや需給バランスの環境変化、資源案件開発の高難度化等の諸環境を踏まえ、当社ならではの経験・強みを発揮し、社会課題解決を通じた成長を図る事業ポートフォリオ、基盤の改善・強化を進めております。
下振れ耐性強化と収益基盤拡充の観点から、足元では、マダガスカル・ニッケル事業の一層の体質改善並びにそれを踏まえた方針見定めに注力すると共に、基幹産業を支えるベースメタルを中心に権益積み増し、市況影響を受けにくい製造業・トレード等の中下流ビジネス拡充に取り組み、環境負荷低減に資する投資や機能提供の促進、気候変動緩和に寄与するバリューチェーン構築を推進しております。これら取り組みを通じて、日本及び世界の産業発展と持続可能な社会の実現に貢献し、人々の豊かな未来を創造することを目指します。
化学品・エレクトロニクス・農業グループ
当グループは、基礎化学品、農業資材、医薬、化粧品、動物薬、エレクトロニクス材料・製品の開発、製造、販売事業を展開しております。
2024年度は、農業資材分野はブラジルでの天候不順や市況下落に起因する需要減や貸倒損失により低調な推移となりましたが、エレクトロニクス材料・製品分野、医薬品関連分野等では需要の増加を捉え業績が堅調に推移しました。2025年度は、米国の関税措置等の外的要因に起因する景況感や市況の悪化 は懸念されるものの、グループ全体では農業資材分野での業績回復による収益増を見込んでおります。
このような環境を踏まえ、農業資材分野では下振れ耐性にも資するべく、更なる機能強化やバイオ農薬等の高付加価値製品の販売強化に取り組みます。基礎化学品分野では、ディストリビューション・物流の機能を更に強化して、需給バランスやトレードフローの変化を捉えたビジネス拡大に注力します。グリーンケミカル分野では、環境負荷低減や経済安全保障のニーズを踏まえた新規事業開発を継続します。エレクトロニクス分野やライフサイエンス分野においても既存事業の強化・拡大に取り組むとともに新規ビジネス創出により更なる成長を目指します。
エネルギートランスフォーメーショングループ
当グループは、国内外における発電事業、国内電力小売事業、天然ガス・LNGなどのエネルギー権益開発・生産及び販売事業、海洋インフラ・船舶燃料供給事業、カーボンニュートラル社会実現に資する次世代エネルギー分野での事業開発を行っております。
海外発電事業は堅調に推移しており、アジア・欧米事業を中心に収益が増加しました。また、国内電力小売事業は、猛暑の影響もあり電力需要は堅調でしたが、前年度好調だったこともあり反動減となっております。
エネルギー分野においては、一部トレード事業において前年度好調の反動減があったものの、市況の高止まりや価格変動を上手く収益化したことにより、エネルギートレードビジネスは好業績で推移しました。このような環境を踏まえ、当グループでは世界的な地政学リスクの高まりに備えるためにも市況変動リスク管理を一層強化いたします。
また、2050年のカーボンニュートラルを達成すべく、当社発電ポートフォリオの低炭素化を促進する新たな電力・エネルギーサービスの事業化を進め、次世代エネルギー関連事業の開発にも引き続き取り組んでいきます。
不可逆的なGX潮流を事業機会と捉え、脱炭素・循環型エネルギーシステムの構築やサステナブルなカーボンサイクル実現を通じて、住友商事グループ全体のエネルギートランスフォーメーション事業を牽引していきます。
② 定量計画
・利益計画
2025年度は、成長分野で昨年度低調だった鉄鋼、建機、アグリ事業の改善に加え、強みのある事業に経営資源を更に投入することで530億円の増益を計画しているほか、米国タイヤ販売事業におけるマイダス社売却などの資産入替関連及び特殊損益で400億円の利益を見込んでおり、積上げで6,100億円の利益となります。一方、米国関税措置を含めた不透明な事業環境を踏まえ△400億円のバッファーを設定し、通期業績予想は5,700億円としております。
米国の関税措置が事業及び業績に与える影響等については、現時点で見積ることが困難ではあるものの、クロスボーダー取引における契約当事者としての当社への直接的な関税負担の影響は限定的ながら、間接的な影響は一定程度生じる可能性があり、その他のリスク要因も含めて、△400億円のバッファーに織り込んでおります。

*「資産入替関連及び特殊損益」は従来の一過性損益を呼び変えたもの。
・キャッシュ・フローアロケーション
株主還元後フリーキャッシュ・フロー黒字の基本方針、キャッシュ・フローアロケーション方針の変更はありません。
2024年度の実績及び中期経営計画2026中の計画については以下のとおりです。

(3) 株主還元方針
2024年度から開始した中期経営計画2026以降の株主還元方針については以下のとおりです。
・総還元性向を40%以上として、配当及び柔軟かつ機動的な自己株取得を実施
・累進配当(注)により、配当の更なる安定性向上及び利益成長に応じた増配を目指す
(注)1株当たり年間配当金の前期実績に対して、配当維持または増配を行うことを指します。
2025年度の年間配当金は2025年度通期連結業績予想5,700億円を踏まえ、前期比10円増配となる1株当たり140円とする予定です。また、2025年5月1日の取締役会決議において、800億円(うち、2025年度の株主還元:600億円)を上限とする自己株式の取得を決定しました。
今後も、持続的な利益成長及び更なる収益基盤の強化に努めることで、株主還元の充実を図り、株主価値上を目指してまいります。

詳細については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」を参照願います。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は以下のとおりであります。
● サステナビリティに関する考え方
当社グループでは、「Enriching lives and the world」をコーポレートメッセージとして掲げ、持続可能な社会の実現と豊かな暮らしづくりをめざし、世界各国で事業を展開しております。このメッセージの背景には、「自利利他公私一如」という住友グループの事業精神を伝える言葉があり、「住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するほどの事業でなければならない」という想いが込められているものです。この考えは、当社グループのサステナビリティ経営の源泉であり、社会課題をめぐる長期的な事業環境変化を見通して戦略的に経営資源を配分し、当社の強みを活かしながら社会が真に必要とする価値を創造し続けること、それこそが持続可能な社会と住友商事の持続的な成長を実現するとの信念で、サステナビリティ経営を進めております。
● サステナビリティに関する取組
サステナビリティ経営の全体像、及び、気候変動、人権尊重、人的資本のそれぞれの項目に分けて、当社の取組を以下に記載します。なお、各項目それぞれにおいて、①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標及び目標の4段構成で当社の取組を説明します。
(1) サステナビリティ経営の全体像
① ガバナンス
(a) サステナビリティ経営の監督
取締役会は、当社グループの幅広い事業活動において、サステナビリティ関連の多様な機会とリスクを踏まえて、重要な経営事項を決定するとともに、経営会議及び執行役員が行う意思決定及び業務執行を監督しております。
重要な経営事項の意思決定については、取締役会が、経営会議やその諮問機関である全社投融資委員会、サステナビリティ推進委員会、全社経営戦略推進サポート委員会等での検討を経て取締役会に付議された、サステナビリティ関連方針・目標の策定・改訂、サステナビリティ関連を含む事業ポートフォリオ全体のリスクと機会、サステナビリティ推進に係る重要な取組、重要な個別案件の実施の是非等についての審議・決定を行っております。
また、取締役会は、各事業分野の戦略とその進捗状況、並びにサステナビリティ関連を含む事業ポートフォリオ全体のリスクと機会の状況について定期的に報告を受けております。具体的には、マテリアリティに基づく中長期目標の進捗状況のレビューやサステナビリティ関連方針の遵守状況に関するレビュー、サステナビリティ関連のリスクと機会などの全社的な施策・テーマに関する報告を年に複数回受けており、取締役会として業務執行側の取組状況を監督しております。
なお、取締役会は、その役割を十分に果たすため、取締役会として備えるべき知識・経験・能力等(以下、「スキル」)を特定しており、そのスキルの一つにサステナビリティを設定しております。各取締役が有するスキルは、その経歴、知識、経験、能力、保有資格、具体的な成果等を総合的に考慮し、各取締役と協議の上で決定しており、サステナビリティに係るスキルを有する複数の取締役を含み、取締役会を構成しております。詳細は当社HPのサステナビリティ関連ページを参照ください。
加えて、取締役を含む当社役員がサステナビリティ経営へのコミットメントをより強く意識できるよう、非財務指標「気候変動問題対応」、「女性活躍推進」、「従業員エンゲージメント」の評価結果を役員の報酬に反映しております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」を参照ください。
(b) サステナビリティ経営の業務執行
当社グループのサステナビリティ関連の重要な経営事項の意思決定及び業務執行は、社内規程の定めに応じて経営会議及び執行役員が行っております。経営会議はサステナビリティ関連の多様なリスク及び機会を評価・管理し、効果的な意思決定を行うため、サステナビリティ推進委員会等に諮問した上で、総合的な意思決定を行っております。
また、サステナビリティ関連の取組やリスクと機会への対応については、サステナビリティを推進する施策の企画や社内浸透を担当する専門組織であるサステナビリティ推進部と、当社の経営計画全体や重要施策の企画を行う経営企画部等の関連コーポレート組織、各営業グループ、海外地域組織のサステナビリティ推進担当者が連携し、グループ内の調査機関や各営業組織、海外拠点等からもたらされる情報等を基に、全社的企画や施策の立案や推進を行っております。
加えて、ESGに関する社外有識者で構成される「サステナビリティ・アドバイザリーボード」を設置し、当社のサステナビリティ経営全般について助言・提言を得て取り進めております。
当社のサステナビリティ経営におけるガバナンス体制図は次の通りです。
当社のサステナビリティ経営を含むコーポレート・ガバナンスの状況等の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照ください。

② 戦略
当社グループは、これまで長年にわたって確立してきた事業基盤の上に、各SBU、各事業会社がステークホルダーと向き合いサステナビリティへの取組を継続することで、さまざまな事業機会の獲得及び当社グループの持続的な成長・発展につながると考えて、事業活動を行っております。
一方で、各SBU、各事業会社がサステナビリティの重要性を認識した事業活動を怠れば、ステークホルダーからの信頼を喪失し、長期的には顧客喪失や事業運営に必要な人材確保に影響が生じる等により、企業価値を棄損するリスクもあります。
当社グループとしては、今後も引き続き持続可能な成長・発展につながる事業活動を推進すべく、当社グループ内のみならず、バリューチェーン上の多くの関係者と協力し、バリューチェーン全体でサステナビリティ関連のリスクと機会を特定し、対応していく必要があると認識して、以下のような取組を行っております。
(a) マテリアリティの特定と中長期目標の設定・実践
当社グループが取り組むべき重要な社会課題とその解決に向けた一歩進んだ中長期のコミットメントとして、6つのマテリアリティを特定しております。“安心で豊かな暮らしを実現する”、“気候変動問題を克服する”、“自然資本を保全・再生する”、“人権を尊重する”、“人材育成とDE&Iを推進する”、“ガバナンスを維持・強化する”というそれぞれのマテリアリティ毎に設定した長期・中期目標に対してアクションプランを策定・実行し、進捗レビューを行うPDCAサイクルを継続することで、社会課題の解決を通じた持続的な成長を実現していきます。詳細は後述の「④ 指標及び目標」を参照ください。

(b) サステナビリティ関連の方針策定
当社グループの活動は広範な分野、地域に分散した事業から成り立ち、様々な社会課題と関わりを持っております。常にそれらの社会課題を考慮に入れ、当社グループは、国際行動規範を尊重し、持続可能な社会の実現に向けて取引先や事業パートナーとともに社会的責任を果たすべく、「環境方針」、「気候変動問題に対する方針」、「人権方針」、「サプライチェーンCSR行動指針」、並びに「森林経営方針」や「林産物調達方針」等、持続可能な調達を要する主要な天然資源に関する個別のサステナビリティ関連の方針を策定・周知し、事業活動に取組んでおります。
③ リスク管理
(a) 全社のサステナビリティ関連リスクの管理
当社グループでは、全社ポートフォリオ戦略の検討における様々なリスクへ対応するため、営業活動に含まれる複数のリスクファクターを選別し管理を行っております。この全社リスク管理プロセスの中で、サステナビリティを重要なファクターの一つと捉え、その他のリスクと同様に経営会議および取締役会に付議・報告を行っております。
具体的には、中期経営計画に基づく当社グループ全体の経営状況の定期レビューにおいて、サステナビリティ関連及び他の種類のリスクに関して、今後の管理・対応方針につき経営会議や取締役会にて議論し、中期経営計画における具体的な施策の検討等に反映しております。
当社グループ全体でのサステナビリティ関連のリスク及び機会の分析の中でも、気候変動についてはセクター毎にシナリオ分析を実施し、事業におけるリスク及び機会の確認を行っております。詳細は、「(2) 気候変動問題に関する取組 ② 戦略」を参照ください。
(b) 個別事業におけるサステナビリティ関連のリスク管理
新規事業に関しては、デューデリジェンスの際に、事業の性格やリスクを踏まえ、環境コンサルタントによる環境評価や法律事務所等による人権・労働問題の評価によって、事業が健全に経営されているか、環境や地域社会、従業員等のステークホルダーに深刻な影響を与えていないかを確認しております。事業実施に関する審査過程においては、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する評価シートを各SBUが作成し、同一のセクターや国に属する先行事例等から、潜在的なリスク及び機会の発生可能性や顕在化時に生じる社会・環境、並びに自社事業に与える影響をSBU自らが特定・評価した上で、サステナビリティ推進部が関連する外部情報を参照の上レビューしております。全社投融資委員会は、特定・評価したサステナビリティ関連のリスク及び機会を踏まえ、対象事業の価値創造及び価値棄損に関する重要な対応策の検討・確認を行っております。
既存事業に関しては、各事業における社会・環境関連を含むリスク及び機会の全般的な管理状況を定期的に確認しております。具体的には、事業会社との対話を通じた定期的なモニタリングや、内部監査等のプロセスを通じ、社会・環境関連リスク及び機会の管理状況を確認し、課題がある場合はその事業の特性に応じて改善を進めます。当社グループの事業活動の影響について、地域住民やNGO等、ステークホルダーから問題の指摘を受けた場合は、実態を踏まえて、対話・協議を行い、改善に努めております。

なお、サステナビリティ関連のリスク管理のプロセスについては、前報告期間から変更はありません。
④ 指標及び目標
特定した6つのマテリアリティに関して、長期及び中期目標を下表のとおり設定し取組んでおります。中期目標に対する取組の進捗状況は、サステナビリティ推進委員会でのモニタリングを経て、経営会議や取締役会に報告され、そこで議論がされております。それら含む長期目標・中期目標に対する取組の2024年度末時点の進捗は、2025年9月に当社HPのサステナビリティ関連ページに掲載予定です。
マテリアリティに対する長期目標・中期目標

(*1) 住友商事グループの社員参加型の社会貢献活動プログラム
(*2) 他者のエネルギー資源使用に伴う間接排出量
(*3) 個別事業で目標を設定し削減に注力
(*4) サプライチェーンを含む事業活動全体に関し、人権侵害等に関する従業員・地域住民等ステークホルダーからの訴えを受け付け、問題解決につなげる仕組み
(2) 気候変動問題に対する取組
当社は、パリ協定における世界的合意を重視し、同協定に掲げられた社会のカーボンニュートラル化目標の達成により積極的な役割を果たすため、「気候変動問題に対する方針」を掲げ、事業活動を行っております。
「気候変動問題に対する方針」は、2019年に取締役会にて決議・制定後、随時見直しを行っております。2024年5月には、気候変動対策やエネルギー安全保障といった各種外部環境の変化を受けて、当社グループの気候関連目標のうち、持分発電容量ベースの比率目標の更新を行いました。また、一般炭鉱山から生じる間接的CO2排出量を2020年代後半までにゼロとすること、及び、天然ガス開発事業については社会のエネルギー・トランジションに資する案件に限り取組むことを明確に示しました。
気候変動問題に対する方針 (2024年5月改訂)
■ TCFD提言に基づく情報開示
当社は、気候変動がもたらすリスク及び機会を把握し、事業活動に活かすべく、2019年3月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、以降TCFDのフレームワークに基づいた開示を行ってきました。2024年度の開示については、当社HPのサステナビリティ関連ページに掲載予定です。
① ガバナンス
(a) 監督
当社グループの気候変動関連のリスク及び機会を踏まえた重要な経営事項の決定と、業務執行の監督については、取締役会が責任を持って行っております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (a) サステナビリティ経営の監督」を参照ください。
気候変動関連の重要な経営事項の意思決定については、取締役会規程等において明確に定められた権限分担に基づいて、取締役会が、経営会議等での検討を経て取締役会に付議された、気候変動関連の方針・目標の策定・改訂、気候変動関連を含む事業ポートフォリオ全体のリスクと機会、重要な個別案件の実施の是非等について、審議・決定を行っております。
取締役会は、気候変動問題に対する取組として、マクロ環境の分析及びその対応状況等の報告を年に複数回受けており、業務執行側の取組状況を監督しております。
なお、当社取締役報酬に関する気候関連のパフォーマンス指標については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」を参照ください。
(b) 業務執行
気候関連のリスク及び機会の評価、管理、それらを踏まえた重要な経営事項の意思決定及び業務執行は、経営会議及び執行役員が行っております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス (b) サステナビリティ経営の業務執行」を参照ください。
② 戦略
当社は、以下のとおり、TCFD提言に沿った形でシナリオ分析を実施しております。2023年度においては、「エネルギー」「資源」「輸送」「素材」「不動産」「その他(森林)」等の当社ビジネス・モデルへの影響を分析しました。
事業環境が大きく変化した際に、新たなビジネス機会及び事業の耐性を客観的に評価する観点から、主にIEA及びPRI等のシナリオを用いて、主に2050年までのビジネス・モデルに対する移行リスク及び機会の影響を分析しております。リスク及び機会の影響が及び得る時間軸として、中期:2030年、長期:2050年を設定の上、分析を行っております。2024年度の分析内容詳細は、当社HPのサステナビリティ関連ページを参照ください。
なお、これらのシナリオは、世界的な気候変動緩和の長期的な動向について、複数のシナリオを想定した場合に、各セクターにおいて起こりうる事業環境変化の一例として参照したものであり、当社の経営方針や事業戦略の前提を示すものではありません。

<特定した当社グループのビジネス・モデル>
<特定した気候関連のリスク及び機会>
③ リスク管理
当社グループの活動は広範な分野、地域に分散した事業から成り立ち、様々な社会課題と関わりを持っております。当社は、常にそれらの社会課題を考慮に入れるため、グループ全体の事業活動から生じる社会・環境への影響を適切にコントロールするための方針を設定し、グループ内で周知・徹底を図っております。具体的には、当社では新規事業を検討・実施する際の審査過程において、社会・環境に関するリスクの評価や対応策の確認を行っております。特に気候変動問題については、多様な気候変動影響や社会の気候変動対応に起因する事業環境の変化によって発生し得る、事業の持続可能性が妨げられるリスク及び機会について、主に以下の点を確認し、社内規程の定めに応じて経営会議や取締役会で議論しております。
・気候の変動あるいは自然災害・異常気象の頻発による影響
・規制の導入による影響
・技術の変化等による影響
・気候変動緩和や気候変動への適応の進展による事業の拡大や業績の改善余地
既存事業に関しても、当社は各事業における社会・環境関連を含むリスクの全般的な管理状況を定期的にモニタリングしており、個別事業に関するリスク管理に加え、当社全体が抱える社会・環境関連リスクの状況を把握し、経営の戦略的判断への活用を可能にする体制を整えております。また、気候変動問題に係るリスクへの対応については、各営業グループにおいて、関連する事業分野における規制の導入や市場変化を把握した上で事業展開を行うことに加えて、全社ポートフォリオ管理の一環として、サステナビリティ推進部が気候変動問題に対する世界的取組や各種規制の動向を踏まえた、当社グループの主要なリスクの状況を収集・分析し、定期的に経営会議、取締役会に報告しております。その上で、ポートフォリオ全体の確認を行い、許容できないリスクがあれば、関連コーポレート部署と共同でエクスポージャーの削減を含む対応を検討する体制となっております。
④ 指標及び目標
(a) 温室効果ガス排出量及びその他気候関連の指標
■ カーボンニュートラル化対象 CO2排出量
当社グループは、2019年に「気候変動問題に対する方針」を制定しており、2050年にカーボンニュートラル化することを目指しております。同方針の下、カーボンニュートラル化の対象範囲には、提出会社及び子会社のScope1・2に加え、発電事業及び化石エネルギー権益事業も含めております。うち発電事業については、基準年も含めて、建設中の案件であっても完工・稼働後に見込まれる推計値も含めております。
住友商事グループカーボンニュートラル化対象CO2排出量についての速報値は以下のとおりです。なお、確定値については2025年9月に当社HPに掲載予定です。
<住友商事グループ カーボンニュートラル化対象 CO2排出量> (集計対象範囲※)
(単位:千t-CO2e)
(※) 具体的な集計対象範囲は、以下のとおりです。
・提出会社及び子会社の直接的CO2排出と、各社の使用するエネルギーの生成に伴う間接的CO2排出。
(ただし、発電事業については持分法適用関連会社の排出も対象に含む)
・提出会社及び子会社、持分法適用関連会社の化石エネルギー権益事業で生産されたエネルギー資源の、他者の使用に伴う間接的CO2排出。
尚、カーボンニュートラル化とは、当社グループの事業によるCO2排出と、CO2排出削減への貢献を合わせたネットCO2排出量をゼロとすることを指す。
■ 温室効果ガス排出量(GHGプロトコルに基づいた算出実績)
温室効果ガス(GHG)排出量の実績(速報値)は以下の通りです。なお、確定値については2025年9月に当社HPのサステナビリティ関連ページに掲載予定です。
GHG排出量は、GHGプロトコルを参考に策定した会社方針に基づき算定しております。
排出原単位は、環境省が公表する温室効果ガス排出量算定・報告公表制度の排出係数を使用しているほか、IEAが発行する「Emissions Factors 2024」に掲載された2022年の国別の排出係数等を使用しております。
<GHG排出量(Scope1/2)> (集計対象範囲※)
(単位:千t-CO2e)
(※) 提出会社及び子会社
集計対象範囲の決定においては、2023年度よりGHGプロトコルの経営支配力基準を適用しております。
■ 内部炭素価格
2023年4月より、当社内で内部炭素価格制度(ICP)を運用し炭素排出コストを算出しております。カーボンニュートラル社会の実現に資する新たな事業機会創出に向けた全社の施策検討や投資判断時の将来事業への影響等の確認に活用しております。
当社ICPにおいては、IEAが発行するWorld Energy Outlook 2024のNet Zero Emission Scenario(NZEシナリオ)の炭素価格の見通しを使用し、新規及び既存案件の所在地に応じたシナリオ分析を行っております。
<当社ICPにおける炭素価格>
(単位:$/t-CO2)
(b) 気候関連の目標
当社グループとして、2050年度にカーボンニュートラル化を目指す目標を設定しており、中間目標としてグループのCO2排出量の総量を、基準年の2019年度比で2035年度までに、原則として50%以上削減する目標を設定しております。当該目標は、当社グループとして、パリ協定及び関連する世界的な合意を重視し、同協定に掲げられた社会のカーボンニュートラル化目標の達成に、より積極的な役割を果たすことを目的としております。
2050年カーボンニュートラル化目標の対象範囲は、当社単体及び子会社の直接的CO2排出と各社の使用するエネルギーの生成に伴う間接的CO2排出(ただし、発電事業については持分法適用関連会社の排出も対象に含める。)及び当社単体及び子会社、持分法適用関連会社の化石エネルギー権益事業で生産されたエネルギー資源の、他者の使用に伴う間接的CO2排出となっております。
■ 気候変動関連の目標のレビュー及びモニタリング
当社グループの気候変動関連目標のレビューは、経営会議を経た上で、取締役会にて行っております。詳細は「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス」の項目を参照ください。
当社グループの気候変動関連目標の進捗モニタリング指標としては、Scope1、Scope2排出量の推移のほか、2035年度目標のモニタリング指標として、火力発電事業のCO2排出量、再生可能エネルギー発電事業の発電容量、化石エネルギー権益事業のうち、一般炭鉱山から生じる間接的CO2排出量を設定しております。
(3) 人権尊重に関する開示
当社は、従来、人間尊重を経営姿勢の基本とすることを経営理念の中で掲げておりますが、改めて住友商事グループ人権方針を制定し、人権を尊重する責任を果たすことを明確に示しております。取組に当たっては、「国際人権章典」及び国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」が定める人権を尊重し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に則って活動しております。
① ガバナンス
当社グループの人権に関するガバナンスは、サステナビリティ経営全般のガバナンスに組込まれております。詳細は、「(1) サステナビリティ経営の全体像 ① ガバナンス」を参照ください。
② 戦略
(a) 人権尊重意識の徹底と理解の浸透
当社グループは、幅広い国・地域、産業分野で事業活動を展開しており、その事業活動において人権の尊重を実現するためには、当社グループの役職員がビジネスと人権の考えを理解し、サプライヤーをはじめとする取引先や事業パートナーに働きかけることで、サプライチェーン全体で人権の尊重に努める必要があります。それらサプライチェーンにおける関係者がビジネスと人権に関する理解が進まない場合には、関連する従業員や地域コミュニティ等ライツホルダーへの負の影響が見落とされ、事業活動によってその負の影響のさらなる悪化につながり、結果的に製品やサービス供給の停滞による企業業績の悪化や、レピュテーションの悪化により企業価値が棄損するリスクがあります。逆に当社グループ内、さらにはサプライチェーンに働きかけることで、サプライチェーンのレジリエンス強化やレピュテーション向上による人材の獲得及びリテンションなどの効果が期待されます。
当社グループでは、上述の「住友商事グループ人権方針」や「住友商事グループのサプライチェーンCSR行動指針」を策定し、当社従業員への周知・徹底を図るとともに、当社グループ会社や取引先へ理解・賛同を求めるよう努めております。
また、特に持続可能な調達を要する主要な天然資源については個別の方針を制定して取組んでおり、2022年3月に持続可能な森林経営、及び林産物の調達に関して、「森林経営方針」、「林産物調達方針」を策定しました。これら方針に基づき、森林事業を行う事業会社、林産物調達を行うサプライヤーに対して、人権を含めた調達方針に定めるコミットメントにつき確認しております。
(b) 人権デューデリジェンス
当社は、当社グループの事業活動が与える人権へのリスクを特定・防止・是正するために、2020年より人権デューデリジェンスを開始しております。2020年度は、その最初のステップとして、グループ全体の人権への影響・リスクを評価するために、優先的に対応すべき顕著な人権課題の特定に取組みました。2021年度から2024年度にかけては、全事業を対象に人権デューデリジェンスを実施し、人権リスクの特定と評価を行いました。本取組により人権リスクの特定・評価に加えて、従業員へのビジネスと人権に関する理解の浸透にもつながっております。これまでの人権デューデリジェンスの結果については、当社HPを参照ください。
全事業を対象とする人権デューデリジェンスが一巡したことから、2024年度は、これまでの人権デューデリジェンスの結果及び各事業の特性・リスク等も踏まえた全社的なリスクマッピングをおこない、当社グループにおいて人権リスクが高い事業の特定に取り組みました。
今後は、ライツホルダーとのエンゲージメント等も含め強化した人権デューデリジェンスの実践などを通じて、リスクベースアプローチで取り組んでいきます。
また、サプライチェーン全体での人権尊重への取組の必要性や事業活動を行う上で注意を要する人権問題に関するe-learningを当社単体の全従業員に展開しており、2024年度は、海外地域組織及び連結子会社まで対象を拡大し、展開を完了しております。
(c) グリーバンスメカニズム(社外ステークホルダー向け通報窓口)の設置
人権尊重に関する意識の徹底や人権デューデリジェンス等の取組を通じて、事業活動に伴う人権リスクの特定や負の影響の防止・軽減を図っておりますが、すべての人権リスクを回避することは難しく、発生した負の影響につき速やかに是正することが重要と認識しております。
当社は、従業員を対象にした内部通報窓口のほか、一般の方やお客様を含む社外ステークホルダーの方々からのご意見やお問合せを受付け対応しております。
2024年度からは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠して苦情処理プラットフォームを提供する一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)に正会員企業として加盟し、JaCERが提供する苦情処理プラットフォームでステークホルダーの方々から人権に関する様々な意見を受付けております。専門性を有する第三者を介して意見を受付け、公平性・透明性を向上し、受付けた事案については、サステナビリティ・DE&I推進グループ長を含む経営陣やサステナビリティ推進委員会に報告のうえ、適時・適切に是正、再発防止を徹底しております。
③ リスク管理
(a) 新規投資に係るリスク評価
新規投資に係るデューデリジェンスの際には、事業の性格を踏まえ、環境評価や、人権・労働問題の評価をおこないます。リスク管理の実効性をさらに高めるため、投資申請時に、SASB等のリスク情報をもとに作成した社会・環境関連リスクの評価シートを作成し、各事業の内容・地域特性等から想定されるリスク及び機会を洗い出すとともに、全社投融資委員会などでの会議体においても社会・環境への影響を踏まえた意思決定が行われる体制を整えております。
(b) 既存事業に係るリスク評価
上述のとおり、2020年より人権デューデリジェンスを開始しております。
<人権デューデリジェンスのプロセス>
2021年度から2024年度にかけては、外部専門家を起用し、全てのSBUに対してインタビューを実施し、それぞれの事業におけるサプライチェーンや事業活動に関連する地域住民等、ステークホルダーへの影響を含めたビジネスの実態や顕在化事例を確認するとともに、想定される潜在的リスクについても特定し、それらに対する対応状況もヒアリングしました。ヒアリング結果を踏まえて、人権リスクの発生可能性と発生した場合に生じる深刻度の観点から、優先してリスク低減に取り組むべきSBU、あるいはSBU内の個別事業を特定しました。サステナビリティ推進部と対象SBU・対象事業会社が協力し、特定された人権リスクに対する具体的な防止・軽減策の検討・実行を進めております。
今後、リスクベースアプローチで人権デューデリジェンスに取り組むためには人権リスクが高い事業の特定が必要なことから、2024年度は、上述の通りこれまでの人権デューデリジェンスの結果及び各事業の特性・リスク等も踏まえた全社的なリスクマッピングをおこないました。具体的には、OECDが定めるデューデリジェンスのガイダンスに基づき、4つのリスク要因(セクター、製品、地理的、企業固有)を踏まえつつ、社外有識者の意見を得ながら、当社グループにおける人権リスクが高い事業の特定に取り組みました。
人権リスクへの対応については、そのリスクの深刻度や事業への関与度合い等、さまざまな要因によって対応方法や時間軸が異なることから、各SBUや事業会社が主体となり実施する必要があります。特定・評価した人権リスクについては、その重要性に基づき、各SBU・事業会社が優先順位付けをした上で、具体的なアクションプランに落とし込みPDCAサイクルを回しております。その進捗については、住友商事グループのマテリアリティの長期目標・中期目標達成に向けた具体的な取組として継続的にフォローし、定期的にサステナビリティ推進委員会から経営会議や取締役会へ報告し、議論しております。

(c) 受付けた事案への対応
当社のグリーバンスメカニズムやグループ会社を通じて、社内外のステークホルダーの方々から受け付けた人権事案については、サステナビリティ推進部や関連する営業部署よりサステナビリティ・DE&I推進グループ長を含む経営陣やサステナビリティ推進委員会に直ちに事態が報告され、事実把握と最善の対応を速やかに実施しております。その進捗状況や対応策については、重要性に応じて、サステナビリティ推進委員会から経営会議や取締役会等へ報告、議論しております。
④ 指標及び目標
2024年度に新たに定めたマテリアリティの一つに「人権を尊重する」を設定し、以下のとおり長期目標・中期目標を設定しております。詳細は「(1) サステナビリティ経営の全体像 ④ 指標及び目標」を参照ください。
なお、人権に関する取組進捗の詳細は、当社HPのサステナビリティ関連ページを参照ください。また、2024年度の取組進捗については、2025年9月に当社HPのサステナビリティ関連ページに掲載予定です。
(4) 人的資本に関する開示
① ガバナンス
当社では、重要な人材マネジメントに関する方針・戦略・施策は、経営会議で議論し、取締役会で重要な方向性の決定と監督・モニタリングを実施しております。
② 戦略
(a) 人的資本の方針・考え方
当社グループには400年以上にわたる歴史の中で受け継がれてきた住友の事業精神があり、その一つである「事業は人なり」は、当社グループの競争力の源泉、成長の原動力は「人」であるとする揺るぎない価値観です。こうした社員を大切にする文化は、当社グループのDNAとして受け継がれてきており、当社グループの経営理念や行動指針にも反映されています。また、グローバル人材マネジメントポリシーにて示しているグローバルベースでのタレントマネジメントに関するビジョンや考え方を実践しております。
グローバルに多種多様なビジネスを展開する当社グループは、経営資本を最大限活用し、社会課題の解決を通じて、新たな価値を創造し、中長期的かつ持続可能な企業価値の向上を目指しています。この価値創造モデルを牽引するのは、さまざまな知識・経験を持って事業を構想・推進する一人ひとりの社員、すなわち人的資本です。従い、当社グループは、多様な人財一人ひとりが働きがいを感じ、未来を拓く挑戦に邁進できるよう、この人的資本に継続的な投資を行い、その進化を図っていきます。
(b) 人的資本に対する取り組み
まず、当社グループのDNAと企業文化の共有・浸透を図ることで、社員のモチベーションや帰属意識を高めています。これにより、組織を超えて共通の目標に向かって一丸となる組織風土が醸成されております。
また、多様な人財を確保し、一人ひとりの違いを認め、尊重し、誰もが自分らしく活躍できる環境づくりを推進しています。これにより、多様な発想やイノベーションを生み出す土壌を醸成しております。
さらに、ビジネス戦略実行に必要なスキル・経験・能力を有する人財を育成し、グローバルに活躍できる経営人財のパイプラインを構築しています。こうした社員への成長機会への投資は、個々人の市場価値を高めるとともに、組織力の強化にも繋がっております。
加えて、社員の生産性向上とパフォーマンスの最大化に向けては、働きやすい環境と心身の健康をサポートする体制を整備しています。また、金銭的な報酬のみならず、非金銭的なキャリア開発の機会等を含めた、フェアで透明性の高いトータル・リワードを提供しております。
こうした取り組みにより、社員の成長がビジネスの成長を牽引し、その成果により創出された新たな成長機会が社員に還元される好循環の実現を目指しています。この人財を原動力とした持続的な好循環こそが、当社グループの成長の礎であると考えております。
<多様性の確保>
グローバルに事業を展開する当社グループでは、多様な視点や考え方を持つ一人ひとりが自分らしく力を発揮できる組織文化の醸成に取り組んでいます。こうした環境づくりは、個々の力を最大限に引き出し、新たな価値や革新を生み出す源泉となり、企業価値の向上にもつながると考えています。具体的には、以下のような様々な施策に取り組んでおります。
・年齢、ジェンダー、国籍等の属性に捉われない登用やキャリア支援:Pay for Job, Pay for Performance に基づいた職務等級制度、自律的なキャリア形成を支援するキャリア開発プログラム等。
・多様性への理解浸透のための社内啓発:Diversity Weeksを継続的に開催。社長対談や経営陣によるメッセージ発信、各種研修、介護・育児に関する社員座談会、アラムナイによるセミナー、労働組合との共催のファミリーデー等を実施。
・女性の活躍支援:社内メンター制度、社内外マネジメント研修への積極派遣、社内で相談し合える女性のコミュニティ形成、配偶者の転勤時等のライフイベントに応じたアサイメントの柔軟対応等。
・障がい者の活躍支援:障がい者の働く環境の整備とさらなる雇用促進を目的に2014年に特例子会社住商ウェルサポート株式会社を設立。同社では一人ひとりの障がい、能力特性に合わせた活躍の場を創出し、基本動作やスキルが身につけられる指導環境を整備する等、職場への定着支援を積極的に実施。
・LGBTQ+への取り組み:同性パートナーに福利厚生・人事制度を適用可、通称名の利用可、ユニバーサルトイレや相談窓口の設置等。
(補足)当社グループでは、Diversity, Equity and Inclusion(DE&I)を「価値創造、イノベーション、競争力の源泉」と位置づけております。人財の採用・登用においても、各国の雇用関連法規を遵守し、いかなる属性(人種、国籍、性別、年齢、性的指向、性自認、性表現等)に基づく不当な優遇・差別を行わず、適性と能力に基づく機会の提供を重視することを基本としております。
<健康経営と働き方改革>
社員一人ひとりが最大限に力を発揮するためには、心身の「健康」が最重要であり、これを基盤としてこそ、新たな価値創造を続けていくことができるという考えのもと、「イキイキワクワク健康経営宣言」を策定しております。また、高い付加価値を生み出すアウトプット志向の働き方を実現するため、社員の自立的且つ柔軟な働き方を促進しています。具体的には、以下のような様々な施策に取り組んでおります。
・心身の健康を支えるインフラ整備:社内診療所(内科・歯科・心療内科)、カウンセリングセンター、マッサージルームの設置等。
・女性特有の健康課題に対する理解促進:フェムテック展示会の開催。
・ヘルスリテラシー向上・健康維持に向けた施策:未病・予防の観点から、各種健康セミナーを実施するとともに、健康保険組合との協働による健康施策を展開。ストレスチェックは海外組織も含めて実施し、その分析結果を職場環境の改善に活用。また、海外赴任者向けにはグローバル医療サポートを提供。さらに、長時間労働者に対する面談による原因解明と改善策の速やかな実行を通じた長時間労働防止の徹底。
・各種補助:健康診断・人間ドックの費用補助、高度医療見舞金制度の導入、福利厚生のカフェテリアプランにおける健康・育児・介護に関する支援の強化等。
・柔軟な働き方の促進:テレワーク制度、コアタイムの無いスーパーフレックス制度、ドレスコードフリー等。
・多様なライフとキャリアを支援する制度:子のみを帯同する海外駐在への支援、男性の育児休業取得の促進、配偶者の転勤同行後の復職制度(配偶者転勤時退職制度)、保育施設との提携、介護セミナーや専門家による個別相談等。
(c) 人財戦略ロードマップ
長期的な観点のみならず、中期経営計画の実現に向け、戦略実行力を高めるため、戦略ステージ毎に注力すべき施策も特定したうえで、人財戦略を推進しております。
前中計においては、経営基盤のシフトとして、人事諸制度の基盤整備に取り組みました。具体的には、年次管理を撤廃し職務の大きさに基づき等級を決定する「職務等級制度の導入」、他者との比較による相対評価から個々人の育成に主眼を置いた絶対評価に転換した「評価制度の改革」、コース別人事管理を撤廃し、プロフェッショナル職に統一した「職掌一本化」です。この3つの打ち手を講じ、旧来あった壁を撤廃し、適所適材の実現と一人ひとりが持っている力を発揮できる状態を目指しておりました。
2024年からスタートした中期経営計画2026では、「人と組織のエンパワーメント」をNo.1事業群を目指すための重要な要素の一つとして掲げております。成長のステージに大きく舵をきった現中計において、人と組織の力をこれまで以上に引き出すことで、戦略実行力を高めていきます。変化が激しく複雑で予測がつかないビジネス環境において、“Unlock Your Power”を標榜し、多様な知識・経験を持つ社員一人ひとりが、これまで以上にエンパワーされ、Enriching lives and the worldの実現に向けて夢中になれる職場で、新たなビジネス創出や課題解決に当たることを追求します。特に、当社グループにおける、人と組織が具備すべきケイパビリティとして、「事業構想力」「リーダーシップ」「スピード」を優先事項とし、飛躍的成長を確実なものにしていくため、さまざまな施策を講じております。具体的な取り組み事例は以下のとおりです。
・経営人財の育成:将来の重要ポジションの後継候補を計画的に育成するため、必要なスキル・経験を確実に身につけた候補者を多く輩出することを目指しております。ノミネーションを通じてポテンシャルのある人財を早期に特定し、タレントプールを構築、育成のためのタフアサイメントポジションを設定・マッチングし、育成のサイクルを回すことで、経営人財を確実に輩出していきます。
・多様な“個”の意志・ポテンシャルを最大限引き出す施策:社員一人ひとりの意志を尊重し、自律的なキャリア形成を支援するため、社内公募制をより柔軟に利用できる制度に改定し、拡大させております。また、平等なキャリア開発機会の提供の一環として、「いつでもどこでも誰でも」自ら学べるe-learningプラットフォームを2024年4月に導入しております。将来の社員に向けては、新卒採用において、一人ひとりの「WILL(意欲)」を大切にすることを意図した、初期配属を入社前に確定できる「WILL選考」を行っております。
・ラインマネージャーエンパワーメント:任用・異動・評価等の人事関係事項をラインマネージャーに権限委譲し、より一層、一人ひとりの社員に向き合い、戦略に合致した効率的かつ効果的な組織運営を推進しております。ラインマネージャーに求められるスキル向上に注力しており、ラインマネージャー向けサイトの開設や、e-learningを提供しております。

③ リスク管理
詳細については、「3 事業等のリスク ⑮人的資本に関するリスク」をご参照願います。
④ 指標及び目標
(※)1 当社グループに属する全ての会社において指標及び目標を設定しているものではありません。
働きがいある職場と社員エンゲージメントにつきましては、当社単体及び当社の国内外拠点における
指標及び目標を記載しております。
(※)2 同様に、女性活躍推進につきましては、当社単体における指標及び目標(該当年度の翌年度4月1日時点)
を記載しております。
(※)3 日本経済団体連合会が2021年3月に公表した「2030年30%へのチャレンジ」に賛同し、設定したもの。
(a) 働きがいある職場と社員エンゲージメント
2023年度から当社の国内海外拠点を含めたグローバルベースで、年1回のエンゲージメントサーベイを実施しております。上記の人的資本の方針・考え方に基づき、人的資本に対する取り組みを実行する過程で、エンゲージメントサーベイで計測する「社員エンゲージメント」「社員を活かす環境」が向上していくと考えており、当社における目標を上表のとおり設定しております。
本サーベイでは、①組織へのコミットメントの度合いや仕事に対する自発的な取り組み意欲を示す社員エンゲージメント、及び、②社員一人ひとりの持つ能力を発揮するための働く環境について調査しております。結果は、社員と共有し、各現場でさまざまな取り組みを行っております。また、執行役員の毎年の目標においても、エンゲージメント及びDE&Iにかかる目標数値を設定し、その結果は、譲渡制限付業績連動型株式報酬の株式交付割合に反映しております。
(b) 女性活躍推進
グローバルベースで様々な領域で活躍する女性を育成していくため、足下での状況を踏まえた上で、2030年度達成に向けた当社における目標を上表のとおり設定し、継続的に取り組みを進めております。
2022年には、コース別人事管理を廃止し、職掌を一本化することで、職掌にとらわれず、個々人のスキル・能力・意欲等に応じてキャリア形成が可能な制度へと移行しました。また、従来整備しているライフイベントと就業の両立支援策に加え、女性リーダーの登用・育成を一層加速させていくための強化策を、シニアマネジメント層の議論を経て実行に移しております。具体的には、配偶者の転勤時等のライフイベントに応じたアサインメントの柔軟な個別対応や、社内で相談し合える女性のコミュニティ形成等、活躍の阻害要因を極力排除し、真に力を発揮し成長できる機会を提供しております。さらに、各組織においても、個別の課題に応じて、メンター・コーチング制度やネットワーキング施策等に取り組んでおります。
3 【事業等のリスク】
当社の事業その他に関するリスクとして投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する情報は、別段の記載がない限り、当期末時点における当社の判断、目標、一定の前提または仮定に基づく予測等であり、多くの要因によって実現しない可能性があり、また、予測等に基づき策定した中期経営計画を修正する可能性や達成できない可能性もあります。
(1) 当社グループにおけるリスクマネジメントの基本方針・体制
当社においては、「リスク」を「あらかじめ予測し若しくは予測していない事態の発生により損失を被る可能性」及び「事業活動から得られるリターンが予想から外れる可能性」と定義し、以下3点をリスクマネジメントの目的としております。
① 「業績安定」
② 「体質強化」
③ 「信用維持」
当社は、営業活動を投資と商取引に大別の上、それぞれに固有のリスクファクター及び双方に共通するリスクファクターを特定し、その発生する蓋然性及び発生した時の影響を分析・評価しております。

(2) 事業投資に係るリスク
① 全般
当期末現在、当社は315社の連結子会社及び192社の持分法適用会社を有しています(注)。当社では連結子会社及び持分法適用会社への投資に関しては、技術革新等を含む事業環境の変化や、主要顧客の喪失、原料価格の上昇等により、計画した利益が獲得できず、投下資金の回収不能や撤退時における追加の資金負担といったリスクが考えられます。当社ではこれらリスクを管理するため、新規投資実行時及び実行後のモニタリングに大別して様々な制度を導入しています。
(注) 連結子会社が保有する関係会社のうち、当該連結子会社にて連結または持分法処理されているもの(当期末現在、子会社339社、持分法適用会社72社)については、上記会社数から除外しています。
(a) 新規投資実行時
取り組みの初期段階から「投資テーマ」を明確にし、デューデリジェンスによって重点的に検証しています。加えて、当該事業リスクに応じた割引率を適用することにより、投資対象の「適正な価格」を算定するとともに、2021年には、過去の大型投資案件の計画未達・損失発生等の要因を網羅的に分析し、新たに投資規範を設定、新規投資検討の際には常にこの規範に照らして議論するなど、定性・定量の両面から評価を実施しています。また、投資案件の意思決定に際しては、案件の規模や重要性に応じて、検討・実行の各段階において、経営会議及びその諮問機関である全社投融資委員会、またはグループ経営会議(各営業グループにおける投資意思決定機関)を開催し、個別案件の戦略上の位置付け、案件選定の背景・理由、並びに投資後のバリューアップ施策の前提とその確からしさなど、投資の成否を左右する諸条件について早い段階から課題の特定、議論の深掘りを行うとともに、その対応策も踏まえた案件実行可否につき審議しています。
(b) 投資実行後
投資実行後の支援にあたっては、投資の意思決定時点において課題を明確にし、投資実行後もスムーズに課題解決に取り組める体制を整えています。特に重要な案件については、統合支援機能として「100日プラン(注)実行支援制度」を設けています。更に、投資先のモニタリング制度として、2018年度より「フルポテンシャルプラン」を導入し、ROIC/WACCなど複数の定量指標に基づくスコアリングによって投資先を分類、課題先は明確な時間軸に基づき改善、又は撤退を促し、投資ポートフォリオの質の向上を進めてきました。その結果、一定の改善、成果が得られたことから、2025年度より本制度を改定し、一定の定量基準にて撤退候補先を洗い出すとともに、営業グループの自律経営という方針のもと、投資先の成長性や収益性、新規投資案件の進捗状況にフォーカスした投資先レビューの枠組みへ高度化させ、従来以上にポートフォリオの入れ替え、最適化に取り組んでいます。
また、ガバナンスの高度化を目的とし、投資先の事業に則したKAI、KPI設定を通じた経営の可視化、最適なマネジメントチームの組成、及び事業価値向上を促進するマネジメント報酬の設計等を通じ、事業会社における業務品質の向上を図っています。
さらに、価値向上実現へのコミットメントを高めるべく、投資パフォーマンスに連動した報酬制度を導入しました。
(注) 投資実行後の早い段階で、投資先のマネジメントと目標とすべき経営指標や財務指標を含めた事業価値最大化を図る中期計画を策定すべく、経営インフラの構築・整備を行う活動のこと。

② 鉱物資源、ガス開発・生産事業に係るリスク
当社は、鉱物資源、ガス等の開発事業を各国で展開しており、以下に例示するようなリスクを負っています。これらが顕在化することにより、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があることから、当社では、マーケット情報の収集や分析に取り組み、当該事業のプロジェクトマネジメントの強化に努めています。
(a) 開発事業において、計画を超えた開発費用の増加や工期の遅延が起こること
(b) 事業参画前には専門家を起用して十分な地質調査を実施しますが、それにもかかわらず事業開始後に埋蔵量が変動すること
(c) 操業にかかわる技術的問題等に起因して、生産量が計画を下回り、あるいは生産コストが上昇すること
(d) 許認可の取得・更新の遅延、税制の変更、事業資産の接収や権利の侵害等、事業所在国の政府にかかわる事由に起因して計画が実現しないこと
(3) タイプ別リスク
① 信用リスク
当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っています。また、当社は、主としてヘッジを目的とするデリバティブ取引を活用しており、当該取引にも契約相手先の信用リスクが存在します。
当社では、内部格付制度に基づく取引先等の信用力チェックや担保・保証等の取得、取引先の分散等により、かかるリスクの管理に努めており、また、上記の信用リスクが顕在化した場合に備えるため、取引先の信用力、担保価値その他一定の前提、見積り及び評価に基づいて貸倒引当金を設定していますが、予期せぬ要因等によりこれら取引先、契約相手先が、支払不能、契約不履行等に陥る場合、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
② 商品市況の変動に係るリスク
当社グループは金属・エネルギーを始めとする各種商品の売買を行っており、当該商品の価格変動リスクを負っています。
当社は、商品ごとの枠設定による管理体制の構築や、ヘッジ取引等によりリスクの軽減に努めており、主要な商品については、ポジション枠及び損失限度枠の設定、ミドル・バックオフィスの設置により職務分離を確保しています。
また、当社グループは直接・間接的に鉱物・原油及びガス資源権益を保有しており、生産物の価格変動リスクを負っています。これら事業については、ヘッジポリシーを定め、ヘッジが必要と判断される場合は、デリバティブ取引等を用いてヘッジを実施することにより業績の下振れリスクを抑制しています。
③ カントリーリスク
当社は、日本を含む60ヶ国以上において商取引及び事業活動を行っており、関係各国の政治・経済・社会情勢等の事業環境の変化に起因して生じる事業遅延・停止等が当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当社は、案件ごとに保険を付保するなどのリスク回避策を講じるとともに、社内国格付に応じたエクスポージャーの上限目安額を設定し、国ごとのエクスポージャー管理を実施することにより事業ポートフォリオが適切な分散を保つよう管理しています。
ロシア及びウクライナ関連ビジネスにおいては、住友商事グループの役職員とその家族、取引先をはじめとする、すべてのステークホルダーの安心と安全を最優先事項として掲げています。また、取引先を含む事業パートナーやステークホルダーとの協議を踏まえ、社長を議長とする経営会議の管理の下で、住友商事の危機対応方針に即し対処しています。
④ 金利・為替の変動に係るリスク
当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。また、当社は取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用を供与する場合があります。これらの取引により生ずる収益・費用及び資産・負債の公正価値は、金利変動の影響を受ける場合があります。
また、当社が行う外貨建投資並びに外貨建取引により生ずる収益・費用及び外貨建債権・債務の円貨換算額、並びに外貨建で作成されている海外連結対象会社の財務諸表の円貨換算額は、外国為替レートの変動の影響を受ける場合があります。
当社ではこれら金利変動、外国為替レートの変動によるリスクを回避するため、デリバティブ等を活用していますが、これらによりリスクが十分に回避できる保証はありません。
⑤ 株式市場の変動に係るリスク
当社が保有する市場性のある有価証券は、日本企業が発行する株式への投資が大きな割合を占めており、日本の株式市場が今後低迷した場合には、有価証券の公正価値の変動によって、当社の業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。また、当社の企業年金では、年金資産の一部を市場性のある株式により運用しています。よって、株価の下落は年金資産を目減りさせるリスクがあります。
⑥ 不動産等、固定資産の価値下落に係るリスク
当社は、日本及び海外において、オフィスビルや商業用施設、居住用不動産の開発、賃貸、保守・管理事業等の不動産事業を行っており、不動産市況が悪化した場合には、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
また、地価及び賃貸価格の下落が生じた場合には、当社が保有する賃貸用の土地及び建物、並びに開発用の土地及びその他の不動産の評価額について、減損処理を行う必要が生ずる可能性があります。
不動産のほか、当社が所有する他の固定資産についても減損のリスクに晒されており、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 情報セキュリティに係るリスク
当社は、情報セキュリティの重要性を認識しており、関連規程の整備や役職員への啓発、情報セキュリティを確保するための技術的な対策等を施し、情報資産を管理することに努めています。また、テレワーク環境等、情報システム利用環境の多様化に応じた情報セキュリティの強化も図っています。さらに、当社は事業活動の多くを情報システムの機能に依存していることから、情報システム運営の上でも安全性の確保に努めています。しかしながら、サイバー攻撃が年々巧妙化する中、予期せぬ外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、ウィルスやマルウェアの侵入、情報システムの機能不全等により、情報の漏洩・滅失・毀損、事業活動の一時的停止等、当社の事業活動が重大な悪影響を受ける可能性があります。
これらのリスクに適切に対応するため、チーフ・インフォメーション・オフィサーを委員長とするIT戦略委員会を中心に、2017年10月制定の「情報セキュリティ基本方針」に沿って、情報資産の適切な管理に努めています。また、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス等に対してはシステム上の対策に加え、外部専門機関とも連携の上、最新情報を入手し、適切かつ迅速に対応できるように努めています。
⑧ リーガル・コンプライアンスリスク
当社は、日本及び海外において、多種多様な事業活動を手掛けているため、広範な法律及び規制に服しています。これらの法律及び規制は、事業及び投資認可、輸出入活動(国家安全保障上の規制を含む)、競争法制、汚職・腐敗行為防止、為替管理、金融商品取引、個人情報・データ保護、人権保護、環境保護、消費者保護、関税及びその他の租税等の分野にわたることに加え、国によっては追加的または将来制定され得る関係の法律及び規制に新たに服する可能性があります。また、新興国においては、法令の欠如、法令の予期し得ない変更、並びに司法機関及び行政機関等による規制実務の変更によって、法令遵守のための当社における負担がより増加する可能性があります。
これらの法律及び規制の遵守を徹底するため、当社は、コンプライアンスに関する最高責任者としてチーフ・コンプライアンス・オフィサーを置いており、チーフ・コンプライアンス・オフィサーは、コンプライアンス施策の企画、立案及びその実施につきコンプライアンス委員会から助言を受け、コンプライアンスに関する適切な施策を策定・実行しています。また、コンプライアンスの基本方針を住友商事グループ全体に明確に示すために、当社は、「住友商事グループ・コンプライアンスポリシー」を制定し、セミナー等の継続的な啓発活動を通じて、グループ全体への「コンプライアンス最優先」及び、万一、コンプライアンス上の問題が発生したときは直ちに上司あるいは関係部署に対して事態を報告し、最善の措置をとること、すなわち「即一報」の意識の浸透・徹底を図っており、コンプライアンス問題の発生防止に努めています。
しかしながら、このような取り組みをもってしても、当社または当社グループに属する役職員が、現在または将来の法律及び規制を遵守できなかった場合には、罰金等のペナルティの対象になるとともに、事業が制約され、信用の低下を被る可能性があるため、当社の事業展開、業績、財政状態及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 訴訟等に関するリスク
当社は、日本及び海外において訴訟等の係争案件に関わっています。また、事業遂行上、偶発的に発生する訴訟等やそれに至らない請求等を受ける可能性があります。
訴訟等に固有の不確実性を考慮すると、現時点において、当社の関わる訴訟等の結果を予測することはできません。また、これらの訴訟等で当社が勝訴するという保証や、将来において当社の社会的信用や当社の業績及び財務状況がそれらの訴訟等による悪影響を受けないという保証はありません。
⑩ 社会・環境リスク
当社グループは、世界中の異なる国・地域で、複数の分野に跨り事業を展開しており、その事業活動は、地球環境や地域社会、顧客、役職員等のステークホルダーにさまざまな影響をもたらします。そのため、当社グループの事業活動が、人々の人権や地球環境に負の影響を与えた場合には、その影響の解消・緩和や損害の賠償等による追加的費用の発生や事業の停止等によって、財政状態の悪化、信用の毀損等の影響を受ける可能性があります。
当社は、社会・環境に配慮し、社会とともに持続的に成長することを目指し、「環境方針」「人権方針」「サプライチェーンCSR行動指針」を制定して、社会・環境問題に関する考え方を明確にしています。持続可能な調達を要する主要な天然資源についても、個別の方針を制定して取り組んでいます。事業活動が与える社会・環境面への影響を適切に管理するために、新規投資の際には、各事業の社会・環境への関わりや影響、それらの管理の状況を確認し、投資実行後も、定期的なモニタリングを行うなど、社会・環境リスク管理の全社的なフレームワークを整えています。
世界的な重要課題である気候変動に関しては、事業を通じて、社会の持続可能な発展に必要な気候変動問題の解決、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献する方針を掲げ、発電事業における再生可能エネルギーへのシフトなど、より環境負荷の低い事業ポートフォリオへの継続的なシフト等の取り組みを進めています。
また、人権の尊重に関しては、当社グループの全事業とサプライチェーンにおいて人権が尊重されるよう努めることを目標に掲げています。当社全事業・サプライチェーンを対象として実施した人権デューデリジェンスの結果などを踏まえ、全社的なリスクマッピングをおこない、当社グループにおける人権リスクが高い事業を特定しております。各SBUや事業会社が主体となり、引き続き人権リスクの低減・防止に努めます。
⑪ 自然災害等に関するリスク
当社が事業活動を展開する国や地域において地震、津波、大雨、洪水等の自然災害、または新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合に、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。当社では地震災害等に備え、災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の作成、社員の安否確認システムの構築、災害用物資の備蓄、防災訓練、建物・システムの耐震化及びデータのバック・アップ等の対策を講じていますが、これによって災害による被害を十分に回避できる保証はありません。
⑫ オペレーショナルリスク
当社は、営業グループ、国内外の地域組織及び全世界のグループ会社を通じて、幅広い分野でビジネスを展開しており、それぞれの組織において内部統制を適切に構築する必要があります。しかしながら、当社が内部統制を適切に構築したとしても、役職員の事務処理ミスや不正行為等のオペレーショナルリスクを完全に防止することができる保証はありません。事務処理ミスや不正行為等が発生した場合、当社は財政状態の悪化、信用の毀損等の悪影響を受ける可能性があります。これらのリスクをできる限り抑えるために、内部統制に関する基本規程を定め、適正な内部統制の構築・運用・評価・改善を通じて、グループガバナンスの向上及びグループ全体の業務品質向上に取り組んでいます。
⑬ 資金の流動性に関するリスク
当社は、事業資金を金融機関からの借入または社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しています。金融市場の混乱や、金融機関が貸出を圧縮した場合、また、格付会社による当社の信用格付の大幅な引下げ等の事態が生じた場合、当社は、必要な資金を必要な時期に、希望する条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増加する可能性があり、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
そのため、現預金、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、調達先の分散や調達手段の多様化に努めており、これにより、財務健全性の維持・向上を図ります。
⑭ 繰延税金資産に関するリスク
当社及び連結子会社は繰延税金資産の回収可能性の評価を、有税償却に関する無税化の実現可能性やその時期、当社及び連結子会社の課税所得の予想など、現状入手可能なすべての将来情報を用いて判断しています。当社及び連結子会社は、回収可能性を見込めると判断した部分について繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や法定税率の変更を含む税制改正等により回収可能額が変動する可能性があります。
また、経営環境悪化に伴う事業計画の目標未達等により、将来の課税所得の見込みが、現在のタックス・プランニング上の見込みよりも低下した場合、繰延税金資産の回収可能額が減少し、繰延税金資産を減額することになり、当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 人的資本に関するリスク
当社グループが事業を展開する地域・分野及びビジネスモデルは劇的に多様化しており、環境は非連続かつ相当なスピードで変化しています。ビジネスを展開するにあたって、特定分野に高度な専門性及び経験を持った人財が必要となる可能性は常にあります。当社では、タイムリーに社内外のTop Tierプロフェッショナル人財を確保するために、通年採用を実施し、また人材育成、健康経営・働き方改革の推進、競争力のある報酬やキャリア開発の機会の提供等を通じて、多様な人財一人ひとりが働きがいを感じ、未来を拓く挑戦に邁進できる、魅力的な職場環境の整備に取り組んでいます。
しかしながら、ビジネスモデルの急激な変化により特定の専門人材に対する需要が急増する、あるいは当該専門人材に対する労働市場が成熟しておらず、加えて当社の人財の確保・育成の取り組みをもっても十分な対応が想定通りに進まない場合、当社の事業が悪影響を受ける可能性があります。
(4) 集中リスク
当社グループの商取引及び投資活動において、特定の国、分野、または取引先に対するエクスポージャーが集中するリスクがあります。事業環境の悪化等により当社が期待するリターンが得られない、もしくは損失を被る場合は、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けています。また、特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、営業グループやビジネスラインへ配分する投下資本額について十分なディスカッションを行っています。また、当社グループとして成約残及び債権残が高額になる取引先については定期的に状況をモニターしています。具体的な取り組みは以下のとおりです。
・当社が抱えるエクスポージャーが大きい特定の国については、前述のカントリーリスク管理制度に則りきめ細かく管理しています。
・資源・エネルギー上流案件については、定期的なプロジェクト価値のモニタリングを実施しています。
・定期的に大口債権残・成約残のある先との取引状況や当該取引先の経営状況等の情報を把握し、管理しています。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 企業環境
当期の世界経済は、緩やかな持ち直しの動きが続きましたが、多くの国での政権交代により、政策の不確実性が高まりました。特に米国の大統領選以降は、世界の政治経済の不透明感が増し、経済見通しの重しとなりました。米国は、堅調な雇用情勢を受けて家計消費が経済活動をけん引した一方で、投資活動の伸び悩みを受けて、金融政策は約2年半ぶりに緩和へと転じました。欧州ではエネルギー価格の高止まりやグリーン投資の停滞などにより景気回復は遅れ、財政支出増で対応するなど成長回帰に向けて政策を転換しました。中国は、不動産問題が依然として景気回復の重しとなり、内需は力強さを欠いています。アジア諸国は、中国からの輸出圧力の強まりや米国の関税引き上げへの対応もあって、回復基調は続いているものの、減速感が強まりました。
紛争が続いているロシア・ウクライナやイスラエル・ハマス情勢については、停戦合意へ向けて歩み出す動きもあるものの、予断を許さない状況が続いています。米国がパリ協定、WHOやIPEF(インド太平洋経済枠組み)などの国際的枠組みから離脱し、また、NATOへの関与を減衰させることは、多くの企業の経営判断に影響を及ぼし、世界の貿易や投資に変化をもたらし始めました。さらに、米国を中心に反ESGや反DE&Iの動きが強まり、欧州においてもサステナビリティ関連施策の見直しが行われていることは、金融機関や事業会社による再生可能エネルギー・サステナビリティ関連投融資に影響を及ぼしました。
国際商品市況は、先行き不安を反映して金価格が史上最高値を更新しました。エネルギー関連では、厳寒の影響で欧州の天然ガス価格が上昇したものの、一時的な動きに留まりました。石油では、協調減産にもかかわらず、総じて低位安定した値動きとなりました。一方、気候変動や安全保障にかかわる重要鉱物では供給不安が高まりましたが、EVや風力発電などの需要が弱まり、需給状況は不安定となっています。
国内経済は、緩やかな回復基調が続き、我が国の名目国内総生産(GDP)額は初めて600兆円を超えました。GX(グリーントランスフォーメーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)の取組により、設備投資も回復の動きが続いています。一方、食料品を中心に物価が上昇し、実質賃金がプラス圏で安定しないため、個人消費は横ばい圏内の動きとなりました。
為替レートは、約35年振りに一時1ドル160円まで円安が進行しました。また、好調な企業業績を反映して日経平均株価は最高値となる約42,000円へと上昇したものの、為替市場で一服感が強まったことや長期金利の上昇、先行き不透明感の強まりを受けて反落しました。
(2) 業績
(3) 事業セグメント
当社は戦略を軸とする「Strategic Business Unit」(SBU)を基本単位とし、戦略上の親和性の高いSBUを束ねる組織として9つのセグメント(グループ)に区分しております。
9つのセグメントは鉄鋼グループ、自動車グループ、輸送機・建機グループ、都市総合開発グループ、メディア・デジタルグループ、ライフスタイルグループ、資源グループ、化学品・エレクトロニクス・農業グループ、エネルギートランスフォーメーショングループから構成されております。
当社は、2024年4月1日付で、「事業部門」・「エネルギーイノベーション・イニシアチブ」及び「本部」・ 「部」を廃止し、戦略事業単位であるSBUをベースとした組織運営を行っております。これに伴い、前期のセグメント情報は組替えております。
前期及び当期の売上総利益、当期利益(親会社の所有者に帰属)の事業セグメント別実績は以下のとおりであります。
事業セグメント別売上総利益の内訳
事業セグメント別当期利益(親会社の所有者に帰属)の内訳
(4) 仕入、成約及び販売の実績
① 仕入の状況
仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
② 成約の状況
成約は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
③ 販売の状況
当期において、特記事項はありません。上記「(2) 業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照ください。
(5) 連結包括利益計算書における主要な項目
以下は、連結包括利益計算書における主要な項目についての説明であります。
収益
当社では、収益を、商品販売に係る収益とサービス及びその他の販売に係る収益に区分して表示しております。
商品販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売
・不動産の開発販売
・長期請負工事契約に係る収益
サービス及びその他の販売に係る収益としては、以下の取引に関連して発生する収益が含まれております。
・ソフトウェアの開発に関連するサービス
・賃貸用不動産、船舶などの貸付金、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リース
売上総利益
売上総利益は、以下により構成されております。
・当社が主たる契約当事者として関与する取引における総利益
・当社が代理人等として関与する取引における手数料
固定資産評価損益
棚卸資産、繰延税金資産及び生物資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額については、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積り、のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を少なくとも年1回見積った上で、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失を認識しております。また、減損損失の戻し入れを行った場合は当該戻し入れ金額も含めております。
固定資産売却損益
当社は、資産のポートフォリオの戦略的かつ積極的な入替えを図っております。その結果、不動産等のバリューを実現するために売却する場合や、価格の下落した不動産等を売却する場合、売却損益を計上することになります。
受取配当金
受取配当金には、当社の子会社及び持分法適用会社以外で、当社が株式を保有している会社からの配当金が計上されております。
有価証券損益
当社は事業活動の一環として相応の規模の投資を行っております。これらの投資対象のうち、公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識する金融資産(以下、FVTPLの金融資産)は公正価値で当初認識しております。当初認識後は公正価値の変動を当期利益で認識しております。また、償却原価で測定される金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定される金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、帳簿価額の変動について、必要な場合には減損損失を認識しております。償却原価で測定される金融資産並びに子会社及び持分法適用会社への投資等を売却する際に、売却損益を認識しております。
持分法による投資損益
投資戦略やビジネスチャンスの拡大に関連して、当社は、各セグメントで状況に応じ、新規または既存の会社の買収や出資、他の企業とのジョイント・ベンチャーの結成、または同業他社とのビジネス・アライアンスの組成を行っております。一般的に、当社は、出資比率が20%以上50%以下である会社の投資に対し、その持分利益や損失を計上しております。
FVTOCIの金融資産
公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識する金融資産(以下、FVTOCIの金融資産)は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動をその他の包括利益で認識しております。
確定給付制度の再測定
当社は、確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益で認識しております。
在外営業活動体の換算差額
在外営業活動体の資産・負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中平均レートを用いて日本円に換算しており、在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。当社のIFRS移行日以降、当該差額はその他の資本の構成要素である「在外営業活動体の換算差額」として表示しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債、または当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、その他の包括利益で認識しております。
(6) 重要性がある会計方針及び見積り
IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の資産・負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに期中の収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、または、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産・負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断材料が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従って、異なる前提条件の下においては、結果が異なる場合があります。以下、当社の財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要性がある会計方針につき説明します。なお、当社の主な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」を参照願います。
金融資産の減損
当社は、償却原価で測定する金融資産、リース債権、契約資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識しております。
当社は、信用リスクの変動及び予想信用損失の算定にあたっては、主に当社独自の信用格付けである Sumisho Credit Rating(SCR)を用いております。これには、債務者の過去の貸倒実績、現在の財務状態及び合理的に利用可能な将来予測情報等が含まれております。
公正価値で測定する金融資産
当社は、有価証券やその他の投資等の金融資産を保有しており、FVTOCIの金融資産と、FVTPLの金融資産とに分類しております。当社は、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大などを目的として保有しており、公正価値の変動を業績評価指標としていない金融資産をFVTOCIの金融資産として分類し、公正価値の変動を獲得するために保有し、業績評価指標としている金融資産をFVTPLの金融資産として分類しております。当該金融資産の公正価値は、市場価格、割引将来キャッシュ・フローや純資産に基づく評価モデル等の評価方法により算定しております。
非流動資産の回収可能性
当社は、様々な非流動資産を保有しており、持分法で会計処理されている投資や無形資産などの非流動資産について、帳簿価額の回収可能性を損なうと考えられる企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損テストを行っております。実際に減損の兆候があるかどうかの判定に際しては、様々な見積りや前提が必要となります。例えば、キャッシュ・フローが直接的に減損の懸念がある資産に関係して発生しているのかどうか、資産の残存耐用年数がキャッシュ・フローを生み出す期間として適切かどうか、生み出すキャッシュ・フローの額が適切かどうか、及び、残存価額が適切かどうか、などを考慮しなければなりません。また、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回、更に減損の発生が予測される場合は、その都度、減損テストを実施しております。減損テスト時には、資産の回収可能価額を見積っております。資産または資金生成単位の回収可能価額は使用価値と処分費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割引いております。当社では、過去の経験や社内の事業計画、及び適切な割引率を基礎として将来キャッシュ・フローを見積っております。これらの見積りは、事業戦略の変更や、市場環境の変化により、重要な影響を受ける可能性があります。なお、非流動資産の回収可能性に関連する会計上の見積りのうち、重要なものは以下になります。詳細については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 11 持分法適用会社に対する投資、注記 13 無形資産」を参照願います。
① マダガスカルニッケル事業
Ambatovy Minerals S.A.及び Dynatec Madagascar S.A.(以下両社を称して「プロジェクト会社」という)の固定資産に減損の兆候が認められ、かつ、減損テストの結果、回収可能価額が固定資産の帳簿価額を下回った場合には、当社において持分相当額を持分法投資損失として認識いたします。認識した持分法投資損失がプロジェクト会社の株式に対する持分法投資額を超える場合、実質的に純投資と考えられる貸付金等の長期持分に対して配分します。プロジェクト会社における固定資産の回収可能価額を算定する場合は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方が採用され、その見積りには、プロジェクト会社の生産数量、将来の資源価格(主にニッケル及びコバルト等の中・長期予想価格、割引率といった重要な仮定が使用されております。
当期においては、プロジェクト会社が英国裁判所に申し立てていたRestructuring Plan(英国法に基づく債務整理手続、以下「英国Restructuring Plan」という)が2024年11月に認可され、同年12月に同債務整理手続が完了しております。
プロジェクト会社に対する株主融資について足元の状況を踏まえて回収可能性を考慮した結果、英国Restructuring Planによりコミット済みの未拠出額も含めた全額につき損失計上しております。これに伴い、連結包括利益計算書において14,107百万円の損失を「持分法による投資損益」、4,752百万円の損失を「その他の損益」に計上しております。
② 欧米州青果事業
欧米州青果事業において、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストは、複数の資金生成単位グループに分けて実施しており、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、取得価額の前提とした事業計画に対して、直近の事業環境を反映させた将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて、独立した鑑定人の支援を受け、評価しております。使用価値に大きく影響を及ぼす仮定は、バナナ&パイン事業における販売数量・マージン・割引率等であります。
③ 北欧駐車場事業
北欧駐車場事業において、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストは、事業全体を一つの資金生成単位グループとして実施しており、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値の見積りにおいては、取得価額の前提とした事業計画に対して、直近の事業環境を反映させた将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて、独立した鑑定人の支援を受け、評価しております。使用価値に大きく影響を及ぼす仮定は、駐車場事業の収益、割引率等であります。
繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産の全部または一部について、回収が不確実となった場合に、マネジメントの判断により、減額しております。繰延税金資産の回収可能性の評価にあたっては、繰延税金資産計上の根拠となっている将来の一時差異の解消が見込まれる期間内、または、繰越欠損金の繰越可能期間内に、納税地において将来十分な課税所得を生み出せるかどうかを評価しなければなりません。当社では、有利・不利に関わらず、入手可能なすべての根拠・確証を用いてこの評価を実施しております。繰延税金資産の評価は、見積りと判断に基づいております。納税地での将来の課税所得に影響を与える当社の収益力に変化があった場合、現状の繰延税金資産の回収可能性の評価も変わる場合があります。
引当金の測定
引当金は、過去の事象の結果として、当社が、現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額が合理的に見積り可能である場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。
確定給付債務の測定
確定給付型年金制度は、確定拠出型年金制度以外の退職後給付制度であります。確定給付型年金制度に関連する当社の純債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割引き、制度資産の公正価値を差し引くことによって算定しております。割引率は、当社の債務と概ね同じ満期日を有するもので、期末日において信用格付AAの債券の利回りであります。この計算は、毎年、年金数理人によって予測単位積増方式を用いて行っております。
(7) 資産及び負債・資本
(8) キャッシュ・フロー
(9) 資金調達と流動性
当社の財務運営は財務健全性の維持・向上を基本方針とし、低利かつ中長期にわたり、安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性の保持を図ることとしております。当社グループ内での資金管理については、グループファイナンスを整備し、資金調達を当社及び金融子会社、海外現地法人に集中した上で、キャッシュ・マネジメント・システムを通じて、当社グループ内で資金を効率的に活用する体制を整えております。
当社は総額3兆2,547億円の社債及び借入金を有しており、このうち短期の借入金は、前期比65億円増加の2,925億円で、内訳は全額が短期借入金(主として銀行借入金)となっております。
一年以内に期限の到来する社債及び長期借入金2,876億円を含めた当期の社債及び長期借入金は、前期比465億円増加の2兆9,623億円となっております。このうち、銀行及び保険会社からの長期借入残高は、前期比711億円減少の2兆3,109億円、社債残高は前期比1,176億円増加の6,513億円となっております。
当社の銀行からの借入の多くは、日本の商慣行上の規定に基づいております。当社は、このような規定が当社の営業活動や財務活動の柔軟性を制限しないと確信しておりますが、いくつかの借入契約においては、特定の財務比率及び純資産の一定水準の維持が求められております。さらに、主に政府系金融機関との契約においては、当社が株式及び社債の発行等により資金を調達した際に、当該金融機関から、当該借入金の期限前返済を求められる可能性があり、また、一部の契約では当社の剰余金の配当等について当該金融機関の事前承認を請求される可能性があります。当社は、このような請求を受けたことはなく、今後も受けることはないと判断しております。
詳細は、「3 事業等のリスク (3) タイプ別リスク ⑬ 資金の流動性に関するリスク」を参照願います。
資金調達については、各金融機関との良好な関係に基づく銀行借入等の間接金融を中心に、コマーシャルペーパーや社債等の直接金融との適切なバランスに留意し、調達期間の長期化を通じた償還期日の分散等による安定的な調達構造を構築しております。外貨建ての資金調達については、銀行借入や外貨建て社債発行、通貨スワップの他、金融子会社、海外現地法人におけるコマーシャルペーパー、ユーロMTN等の活用によって資金調達ソースの多様化に取り組んでおります。また、2022年3月にグリーンファイナンス・フレームワークを策定し、本フレームワークに基づきグリーンボンドを発行しております。2024年2月には、本フレームワークの対象事業の拡大及びソーシャル対象事業の追加を行い、サステナブルファイナンス・フレームワークとして改定しております。
なお、当社は、資本市場での直接調達を目的として、以下の資金調達プログラムを設定しており、当期末時点での当社の長期及び短期の信用格付は、ムーディーズでBaa1(見通し安定的)/P-2、スタンダード&プアーズでA-(見通し安定的)/A-2、格付投資情報センターでAA-(見通し安定的)/a-1+となっております。
・3,000億円の国内及び海外公募普通社債発行登録枠
・国内における5,000億円のコマーシャルペーパー発行枠
・米州住友商事により設定された、1,500百万米ドルのコマーシャルペーパープログラム
・当社及び英国のSumitomo Corporation Capital Europe(以下、「SCCE」という。) が共同で設定した3,000百万米ドルのユーロMTNプログラム
・SCCEが設定した1,500百万米ドルのユーロコマーシャルペーパープログラム
保有流動性については、金融市場の混乱等、複数の有事シナリオを想定し、当期末時点で現預金と国内外の主要な金融機関との総額1,210百万米ドル、及び2,850億円を上限とする以下の長期コミットメントラインを中心に、当社及び当社子会社における資金需要や一年以内に期日が到来する借入や社債の償還資金等を補完する十分な流動性を確保しております。なお、当有価証券報告書の提出日までに、これらのコミットメントラインに基づく借入はありません。また、これらのコミットメントラインには、借入の実行を制限する重大なコベナンツ、格付トリガー条項などは付されておりません。なお、これらのコミットメントラインのほかに、当社は、コミットメントベースでない借入枠を有しております。
・米国及び欧州の大手銀行によるシンジケート団との間で締結した、1,060百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ建)/マルチ・ボロワー(住友商事及び英国、米国、シンガポールにおける当社子会社への融資)型長期コミットメントライン
・大手米銀との間に締結した、米州住友商事への100百万米ドルの長期コミットメントライン
・大手欧銀との間に締結した、SCCEへの50百万米ドルのマルチ・カレンシー(円・米ドル・ユーロ・ポンド建)型長期コミットメントライン
・大手邦銀のシンジケート団による1,500億円の長期コミットメントライン(内、790億円はマルチ・カレンシー型)
・有力地方銀行のシンジケート団による1,350億円の長期コミットメントライン
資金調達の内訳
当期末時点での当社の期限別の支払債務は、以下のとおりであります。
期限別内訳
当社は、資金供与に関する契約(貸付契約、出資契約)及び設備使用契約等を締結しており、当期末における契約残高は、9,018億円です。
当期末時点では、資本的支出に対する重要な契約はありません。
上述の契約に加えて、当社のビジネスに関連して、当社は、顧客の債務に対する保証などの様々な偶発債務を負っています。また、当社は、訴訟による偶発債務の影響を受ける可能性があります。これらの偶発債務に関する詳細は、「(10) 偶発債務」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 36 契約及び偶発債務」を参照願います。当社は、現状においては、それらの偶発債務がもたらす資金需要が重大なものとはならないと判断しておりますが、仮に予想に反して、当社が保証を行っている債務に重大な不履行が生じた場合、また、訴訟の結果が、当社に大きく不利なものであった場合には、新たに、大きな資金調達が必要となる可能性があります。
当社は、主に、ワーキング・キャピタル、新規や既存ビジネスへの投資や債務の返済のために、将来にわたり継続的な資金調達を行う必要があります。当社は、成長戦略として買収、株式取得または貸付による投資を行っており、当期は、有形固定資産及び投資不動産の取得に1,237億円、また、事業の取得及びその他の投資の取得に5,622億円の投資を行いました。当社は、現在、全てのセグメントにおいて、既存のコア・ビジネス及び周辺分野を中心に追加投資を検討しております。
しかしながら、これらの投資は、現在、予備調査段階のものや、今後の様々な条件により、その実施が左右されるものであり、結果的に実現されない可能性もあります。また当社は、手許の現金、現在の借入枠や営業活動によるキャッシュ・インで当面必要とされる資金需要を十分に満たせると考えておりますが、それは保証されている訳ではありません。当社の営業活動によるキャッシュ・インが想定より少なかった場合、当社は、追加借入の実施、他の資金調達手段の検討、または投資計画の修正を行う可能性があります。
(10) 偶発債務
当社の取引に関連して、顧客の債務に対する保証履行のような偶発債務を負うことがあります。当社は、世界各国のサプライヤーや顧客と多種多様な営業活動を行うことにより、営業債権及び保証等に係る信用リスクを分散させており、これらに関し重大な追加損失は発生しないものと見込んでおります。
当社の当期末における保証に対する偶発債務の残高(最長期限2050年)は1,940億円で、このうち持分法適用会社の債務に対する保証が1,313億円、第三者の債務に対する保証が627億円です。これらの保証は主に持分法適用会社、サプライヤー、及び顧客の信用を補完するために行っているものであります。
(11) 市場リスクに関する定量的・定性的情報
当社のビジネスは、金利、外国為替レート、商品価格、株価の変動リスクを伴い、これらのリスクマネジメントを行うため、為替予約取引、通貨スワップ・オプション取引、金利スワップ・先物・オプション取引、商品先物・先渡・スワップ・オプション取引等のデリバティブを利用しております。また、後述のリスク管理体制の下、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
金利変動リスク
当社は、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されております。コーポレートグループの財務・経理・リスクマネジメントグループ長が管掌する部署では、当社のビジネスに伴う金利変動リスクをモニタリングしております。特に、金利の変動は借入コストに影響を与えます。これは、当社の借入金には変動金利で借り入れているものがあり、また、都度借換えを行う短期借入金があるためです。
しかしながら、金利変動が借入コストに与える影響は、金利変動の影響を受ける資産からの収益により相殺されます。また、当社は、金利変動リスクをミニマイズするために資産・負債の金利を調整・マッチングさせるよう、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用しております。
為替変動リスク
当社は、グローバルなビジネス活動を行っており、各拠点の外貨建による売買取引、ファイナンス及び投資によって、為替変動リスクに晒されている場合があります。これらのうち、永続性の高い投資等を除いた取引については、為替変動リスクを軽減するために、各拠点において外貨借入・外貨預金等に加えて、第三者との間で、為替予約取引・通貨スワップ取引・通貨オプション取引等のデリバティブ取引を必要に応じ行っております。
商品市況変動リスク
当社は、貴金属、非鉄金属、燃料、及び農産物等の現物取引、並びに鉱物、石油、及びガス開発プロジェクトへの投資を行っており、関連する商品価格の変動リスクに晒されております。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品価格の変動によるリスクを減少させるよう努めております。また、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も限定的に実施しております。
株価変動リスク
当社は、戦略的な目的で金融機関や顧客・サプライヤーが発行する株式等への投資を行っておりますが、これらの株式投資には株価変動リスクが伴います。これらの株式投資に関しては、継続的なヘッジ手段を講じておりません。当社が保有する市場性のある株式の当期末における公正価値は、1,968億円であります。
リスク管理体制
デリバティブや市場リスクを伴う取引を行う営業グループは、取引規模に応じてマネジメントの承認を事前に取得しなければなりません。マネジメントは、場合によってはデリバティブについて専門的知識を有するスタッフのサポートを得て、案件の要否を判断し、当該申請における、取引の目的、利用市場、取引相手先、与信限度、取引限度、損失限度を明確にします。
財務・経理・リスクマネジメントグループ長が管掌する部署は、取引の実施・モニタリングに際して、以下の機能を提供しております。
・金融商品及び市況商品のデリバティブに関する口座開設、取引確認、代金決済と引渡し、帳簿記録の保管等のバックオフィス業務
・ポジション残高の照合
・ポジションのモニタリングと全社ベースでの関連取引のリスク分析・計測、シニアマネジメントへの定期的な報告
当社の子会社が市況商品取引を行う際には、上記のリスク管理体制に沿うことを要求しております。
5 【重要な契約等】
特記事項はありません。
6 【研究開発活動】
特記事項はありません。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当期、全社セグメントにおいて、基幹システムの更新を実施しております。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社の設備の状況
(注)1 ( )は賃借分の土地の面積を示しております。
2 土地の帳簿価額は借地権を含めた金額で記載しております。
3 土地及び建物・構築物の帳簿価額は使用権資産を含めた金額で記載しております。
(2) 国内子会社の設備の状況
(注)1 事業セグメントには、子会社の所属する事業セグメントを記載しております。
2 帳簿価額は使用権資産を含めた金額で記載しております。
3 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )に外数で記載しております。
(3) 在外子会社の設備の状況
(注)1 事業セグメントには、子会社または当該事業が所属する事業セグメントを記載しております。
2 ( )は賃借分の土地の面積を示しております。
3 帳簿価額は使用権資産を含めた金額で記載しております。
4 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は( )に外数で記載しております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
都市総合開発グループにおいて、当期末日時点で国内オフィスビルの売買契約を締結しており、当報告書提出日現在で売却済であります。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注) 米国において、米国預託証券(ADR)を発行しております。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストック・オプション制度の内容】
会社法に基づき発行した新株予約権は、次のとおりであります。
1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2025年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2025年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1 株式の内容は、「1(1)②発行済株式」の「内容」欄に記載のとおりである。
2 新株予約権1個につき、当社普通株式1,000株とする。ただし、新株予約権発行後に当社が株式分割または株式併合を行う場合、次の算式により、新株予約権の目的となる株式の数及び新株予約権1個当たりの株式の数を調整する。ただし、かかる調整は、本件新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てる。
3 (1) 次のいずれかに該当する事由が生じた場合、上記に定める権利行使期間満了前といえども、直ちに新株予約権を行使する資格を喪失し、新株予約権は消滅する。
・新株予約権者が、在任中に禁錮以上の刑に処せられた場合
・新株予約権者またはその法定相続人が、当社所定の書面により新株予約権の全部または一部を放棄する旨を申し出た場合
(2) 新株予約権の譲渡、質入れその他の担保設定は認めない。
(3) 新株予約権の相続は、新株予約権者の法定相続人に限りこれを認める。当該法定相続人は、新株予約権者の死亡後6ヶ月間に限り、当該新株予約権を行使することができる。
(4) 新株予約権の行使は、割当てられた新株予約権を整数個の単位で行使するものとする。
4 当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換または株式移転(これらを総称して以下、「組織再編成行為」という。)をする場合において、組織再編成行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編成対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編成対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編成対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約または株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
(1) 交付する再編成対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
(2) 新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の種類
再編成対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編成対象会社の株式の数
組織再編成行為の条件等を勘案のうえ、決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、以下に定める再編成後行使価額に当該各新株予約権の目的である株式の数を乗じて得られる金額とする。再編成後行使価額は、交付される各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる再編成対象会社の株式1株当たり1円とする。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
上記新株予約権の行使期間に準じて決定する。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
上記新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額に準じて決定する。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編成対象会社の承認を要するものとする。
(8) 新株予約権の取得条項
新株予約権者が上記(注)3(1)のいずれかに該当する事由が生じた場合、その他理由のいかんを問わず権利を行使することができなくなった場合、当該新株予約権について、当社はこれを無償で取得することができる。
(9) その他の新株予約権の行使の条件
上記(注)3に準じて決定する。
2. 2007年5月18日開催の取締役会及び2007年6月22日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2025年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2025年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
3. 2008年5月16日開催の取締役会及び2008年6月20日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2025年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2025年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
4. 2009年5月15日開催の取締役会及び2009年6月19日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2025年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2025年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
5. 2010年5月18日開催の取締役会及び2010年6月22日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2025年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2025年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
6. 2011年5月17日開催の取締役会及び2011年6月24日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2025年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2025年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
7. 2012年5月16日開催の取締役会及び2012年6月22日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2025年3月31日)における内容を記載している。当期の末日から提出日の前月末(2025年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当期の末日における内容から変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
8. 2013年5月15日開催の取締役会及び2013年6月21日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2025年3月31日)における内容を記載している。当期の末日から提出日の前月末(2025年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当期の末日における内容から変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
9. 2014年5月14日開催及び2014年7月31日開催の取締役会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2025年3月31日)における内容を記載している。当期の末日から提出日の前月末(2025年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当期の末日における内容から変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
10. 2015年5月15日開催及び2015年7月30日開催の取締役会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2025年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2025年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
11. 2016年5月18日開催及び2016年8月1日開催の取締役会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2025年3月31日)における内容を記載している。なお、提出日の前月末(2025年5月31日)現在において、これらの事項に変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
12. 2017年5月17日開催及び2017年7月28日開催の取締役会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプション)
※ 当期の末日(2025年3月31日)における内容を記載している。当期の末日から提出日の前月末(2025年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当期の末日における内容から変更はない。
(注) 1~4については、1. 2006年6月23日開催の定時株主総会決議による新株予約権(株式報酬型ストック・オプ ション)の(注)1~4に同じ。ただし、新株予約権1個につき、当社普通株式100株とする。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 譲渡制限付株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものであります。
発行価格 1,255円
資本組入額 627.5円
割当先 当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員 計46名
2 株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものであります。
発行価格 1,496円
資本組入額 748円
割当先 当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員(いずれも退任者を含む。) 計42名
3 株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものであります。
発行価格 1,831円
資本組入額 915.5円
割当先 当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員(いずれも退任者を含む。) 計33名
4 自己株式の消却による減少であります。
5 自己株式の消却による減少であります。
6 株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものであります。
発行価格 2,927円
資本組入額 1,463.5円
割当先 当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員(退任者を含む。) 計30名
7 株式報酬の付与を目的とした新株式の有償発行によるものであります。
発行価格 3,937円
資本組入額 1,968.5円
割当先 当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員 計23名
8 自己株式の消却による減少であります。
(5) 【所有者別状況】
(注) 1 自己株式1,092,736株は、「個人その他」に10,927単元及び「単元未満株式の状況」に36株含めて記載しております。
2 証券保管振替機構名義の失念株式6,510株は、「その他の法人」に65単元及び「単元未満株式の状況」に10 株含めて記載しております。
(6) 【大株主の状況】
(2025年3月31日現在)
(注) 1 2020年7月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、野村證券他2名の共同保有者が2020年7月15日現在で以下のとおり当社株式を保有している旨が記載されております。ただし、当社として2025年3月31日現在における実質所有状況の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
2 2021年10月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、ブラックロック・ジャパン他9名の共同保有者が2021年9月30日現在で以下のとおり当社株式を保有している旨が記載されております。ただし、当社として2025年3月31日現在における実質所有状況の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
3 2023年8月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、三井住友トラスト・アセットマネジメント他1名の共同保有者が2023年8月15日現在で以下のとおり当社株式を保有している旨が記載されております。ただし、当社として2025年3月31日現在における実質所有状況の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
4 2025年3月17日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書の変更報告書において、ナショナル・インデムニティー・カンパニーが2025年3月10日現在で以下のとおり当社株式を保有している旨が記載されております。ただし、当社として2025年3月31日現在における実質所有状況の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の株式数及び議決権の数には、証券保管振替機構名義の株式6,500株及びこの株式に係る議決権65個が含まれております。
2 「単元未満株式」欄の株式数に含まれる自己株式及び証券保管振替機構名義の失念株式の所有者並びに所有株式数は次のとおりであります。
② 【自己株式等】
2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】
会社法第155条第3号及び第7号に該当する普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
会社法第155条第3号に該当する取得
(注) 当期間における取得自己株式には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの株式の取得による
株式数は含めておりません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号に該当する取得
(注) 当期間における取得自己株式には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当期間における処理状況には、2025年6月1日からこの有価証券報告書提出日までに処分した株式数は含めておりません。
3 【配当政策】
(利益配分に関する基本的方針)
2024年度から開始した「中期経営計画2026」以降の株主還元方針については、以下の通りとしております。
・総還元性向を40%以上として、配当及び柔軟かつ機動的な自己株式取得を実施する
・累進配当(※)により、配当の更なる安定性向上及び利益成長に応じた増配を目指す
※1株当たり年間配当金の前期実績に対して、配当維持または増配を行うもの
(当期・翌期の配当)
2024年度の年間配当金は、当期の親会社の所有者に帰属する当期利益が5,619億円になったことを踏まえ、2024年度第3四半期決算発表時(2025年2月4日)に公表しました配当予想のとおり、1株当たり130円とする予定です。
当期の中間配当金は65円でしたので、期末配当金は65円となります。
2025年度の年間配当金は、2025年度通期連結業績予想5,700億円を踏まえ、前期比10円増配となる1株当たり140円とする予定です。
(当期・翌期の自己株式の取得)
2024年度の株主還元として、2024年5月2日に500億円を上限とした自己株式の取得(2024年5月7日~7月19日)を決定し、6月17日に買付が完了しております。
加えて、2025年5月1日に800億円(うち、2024年度の追加株主還元:200億円、2025年度の株主還元:600億円)を上限とする自己株式の取得(2025年5月2日~2026年3月31日)を決定しました。
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めております。
(注) 当期の中間配当に関する取締役会決議日 2024年 10月31日 配当総額 78,648,631,945円
当期の期末配当に関する株主総会決議日 2025年 6月20日 (予定) 配当総額 78,650,431,015円
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
当パートでは、特別の記載がない限り、提出日時点の事項を記載しております。
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方及び当該コーポレート・ガバナンス体制を採用する理由
イ コーポレートガバナンスの基本原則
当社は、「住友の事業精神」と当社の「経営理念」が企業倫理のバックボーンであり、コーポレートガバナンスを支える基盤であると考えております。当社は、この考えのもと、コーポレートガバナンスの要諦は「経営の効率性の向上」と「経営の健全性の維持」及びこれらを達成するための「経営の透明性の確保」にあるとの認識に立ち、「住友商事コーポレートガバナンス原則」を策定しました。当社は、同原則に則り、より良いガバナンス体制の構築と事業活動の遂行に努めることが、当社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上、及び社会における企業としての使命を果たすことに資するものであり、株主を含めた全てのステークホルダーの利益にかなうものと認識し、コーポレートガバナンスのより一層の充実に向けて不断の改善に努めております。
ロ コーポレートガバナンス体制と特徴
当社では、提出日(2025年6月18日)時点では、監査役会設置会社制度のもと、独立性のある社外取締役及び社外監査役の選任並びに独立社外取締役を主要な構成員とする指名・報酬諮問委員会の設置などにより経営に対する実効的な監督・監視機能を確保しております。現在、当社では、経験や専門性が異なる複数の独立した社外取締役を選任し、より多様な視点から、取締役会の適切な意思決定と、監督機能の一層の強化を図っております。また、取締役会の諮問機関として、過半数が社外取締役で構成され、社外取締役が委員長を務める指名・報酬諮問委員会を設置し、経営陣幹部の指名・報酬に係る取締役会の機能の独立性・客観性・透明性を高めております。監査役体制については、外部の視点からの監視体制強化のため、監査役5人のうち3人が独立した社外監査役で、1人が企業経営経験者、1人が法律家、1人が会計の専門家と、多角的な視点からの監査体制となっております。さらに、監査役は、取締役会への出席に加え、すべての社内会議に出席でき、監査に欠くことのできない十分な情報を入手できるようになっております。これらにより、実効性が高く、充実したコーポレートガバナンス体制を構築しております。
※当社は、2025年6月20日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、第2号議案「定款の一部変更の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社は監査等委員会設置会社に移行します。
これにより、適時的確な経営執行並びに重要事項に関わる意思決定及び執行の監督機能を担う取締役会の実効性の強化を図ります。より具体的には、①当社取締役会と経営執行との役割において、監督と執行とをより明確に区分し、取締役会から経営執行への権限委譲を進めることで、経営執行において一層のアジャイルな戦略実行と迅速な意思決定を可能とし、②取締役15名の過半数となる8名の経験や専門性が異なる独立した社外取締役を選任し、より多様な視点から、取締役会の経営執行に対する監督と適切な意思決定機能の一層の強化を図り、③取締役会の諮問機関として、過半数が社外取締役で構成され、社外取締役が委員長を務める指名・報酬諮問委員会を引き続き設置し、経営陣幹部の指名・報酬に係る取締役会の機能の独立性・客観性・透明性を高め、④監査等委員会については、外部の視点からの監査体制強化のため、監査等委員である取締役5名のうち3名が独立した社外取締役であり、また、そのそれぞれが法律、会計、企業経営等の分野における高度な専門知識と豊富な経験を有する専門家であることから、多角的な視点からの監査ができる体制をとる予定です。また、監査等委員である取締役は、すべての重要な社内会議に出席でき、監査に欠くことのできない十分な情報を入手できるように努め、これらにより、実効性が高く、充実したコーポレートガバナンス体制を構築できるものと考えております。
[当社の企業統治の体制(企業統治に関して当社が任意に設置する委員会その他これに類するものを含む。)の概要]
ハ 「経営の効率性の向上」と「経営の健全性の維持」のための仕組み
(イ)取締役及び取締役会
① 取締役会の構成・社外取締役の選任
取締役会は、十分な議論と迅速かつ合理的な意思決定を行うにあたり適切な人数で構成するとともに、経験、知識、専門性、性別などの多様性を確保しております。また、取締役11名のうち、経験や専門性が異なる社外取締役5名を選任し、多様な視点から、取締役会の適切な意思決定を図るとともに、監督機能の一層の強化を図っております。各社外取締役は、当社が上場している金融商品取引所が定める独立性に関する基準及び当社が定める独立性に関する基準(「(2) 役員の状況 ② 社外役員の状況(提出日時点)」参照)を満たしております。
② 取締役会での審議の充実、監督機能の強化及びその活動状況
取締役会では、経営方針・経営計画などの経営全般に係る重要事項についてより集中して議論を行えるよう要付議事項を厳選するとともに、重点的に議論すべき年間の議題を取締役会メンバーで議論のうえ選定しております。また、各営業グループの戦略の進捗状況及び課題並びにその対応方針に関する報告を受け、当該課題に焦点を当てて審議することで、業務執行に対する監督機能の更なる強化を図っております。加えて、主要な委員会の活動報告を受けることにより、会社全体の業務執行の状況について定期的にモニタリングしております。また、取締役会での審議のより一層の充実のため、取締役会の場以外のオフサイト・ミーティングにおいても、経営方針・計画、ESG(環境・社会・ガバナンス)を含むさまざまな経営上の重要事項について自由闊達な議論を行っております。
取締役会の開催に際しては、その都度、社外取締役・監査役に対して、取締役会に付議する案件の内容を事前に説明しております。また、取締役会における議論に社外役員が積極的に貢献することを目的として、社外取締役・社外監査役で構成する社外役員会を毎月開催し、活発な討議が行われております。
取締役会は、原則として毎月1回開催することとしており、2024年度は16回開催されました(2024年6月21日以降は13回開催)。個々の取締役・監査役の出席状況は以下のとおりです。
③ 取締役会長・社長執行役員の職務の分離及び在任期間の制限
相互牽制の観点から、原則として、取締役会長及び社長執行役員を置くこととし、これらの役位の兼務は行わないこととしております。取締役会長は、取締役会を招集し、その議長となるほか、経営の監督を行い、日常の業務執行に関与せず、代表権もありません。
さらに、取締役会長及び社長執行役員の在任期間は、原則としてそれぞれ6年までと定めております。これにより、経営トップが長期間交代しないことでガバナンス上の弊害が発生する可能性を排除しております。
④ 取締役会の諮問機関の設置及びその活動状況
取締役会の諮問機関として、過半数が社外取締役で構成される「指名・報酬諮問委員会」(委員長:社外取締役)を設置しております。同委員会は、(a)社長執行役員の選任・解任の方針・手続、(b)取締役会長の選定・解職の方針・手続、(c)取締役及び監査役の指名基準、(d)社長執行役員の選任・解任(社長の後継者指名を含む。)、(e)取締役及び監査役候補者の指名(代表取締役・役付取締役の決定を含む。)、(f)経営会議構成員の選任、(g)取締役及び執行役員の報酬・賞与の体系・水準、並びに監査役の報酬枠、(h)顧問制度に関する検討を行い、その結果を取締役会に答申します。また、それ以外で取締役会から委任を受けた事項を審議・決定し取締役会に答申・報告します。
当事業年度における指名・報酬諮問委員会の活動状況につきましては、「(4) 役員の報酬等 ③ 2024年度に係る報酬体系及び実績 イ 役員報酬等の決定プロセス」に詳細を記載しております。
(ロ)監査役及び監査役会
① 監査役の役割・責務
監査役は、取締役会と協働して会社の監督機能を担うとともに、株主の負託を受けて取締役の職務の執行を監督する独立の法定機関です。さまざまなステークホルダーの利害に配慮しつつ、その職務を適正に執行することにより、当社及び当社グループのコーポレートガバナンス体制を一層充実させ、健全で持続的な成長と中長期的な企業価値創出の実現により、社会的信頼に応えるべく努めております。
② 監査役会の構成と監査役の選任方針
監査役会は、社内の常勤監査役2名と社外の非常勤監査役3名の5名で構成されております。
社内監査役については、誠実な人格、高い識見と能力を有し、業務上の専門的知識と広範囲にわたる経験を兼ね備えた者を、性別や国籍等を問わず、選定することとしております。
社外監査役については、誠実な人格、高い識見と能力を有し、特に企業経営、法律、会計等の分野における高度な専門知識と豊富な経験を有する者を、性別や国籍等を問わず、選定することとしております。
③ 監査役監査の実効性の確保
監査役は、「(3) 監査の状況 ① 監査役監査の状況」に記載のとおり監査を実施することにより、監査の実効性を確保しております。
監査役の職務を補佐する専任組織を設置し、所属者の人事評価については、監査役会または監査役会が指名する監査役が行っております。また、人事異動についても監査役会または監査役会が指名する監査役と事前協議を行い、同意を得るものとしており、所属者の取締役からの独立性を確保しております。
④ 内部監査部、会計監査人との連携
監査役は、内部監査部及び会計監査人と緊密に連携しております。監査役は、効率的な監査を行うため、内部監査部から内部監査の計画及び結果について適時に報告を受けております。また、会計監査人とは定期的な打合せを通じ会計監査人の監査活動の把握と情報交換を図るとともに、会計監査人の監査講評会への出席、在庫棚卸監査への立会いなどを行い、監査役の監査活動の効率化と質的向上を図っております。
※第157期定時株主総会において、監査等委員会設置会社への移行が承認された場合、常勤監査等委員である社内取締役2名と非常勤監査等委員である社外取締役3名の5名で構成される監査等委員会が監査を担うこととなります。移行後も監査体制の強化・充実を図っていきます。
(ハ)取締役・監査役のトレーニング及び情報提供
社外取締役・社外監査役に対して、就任時に、当社グループの経営理念、経営方針、事業、財務、組織、中期経営計画及びリスク管理体制などについて説明する機会を設けております。これに加え、取締役及び監査役が必要な知識の習得や適切な更新等の研鑚を行えるよう、セミナーやeラーニングなどの機会を提供しております。
また、住友の事業精神及び当社の事業活動への理解を深めるため、原則として社外取締役・社外監査役は就任年度中に住友関連施設を訪問するとともに、少なくとも毎年国内1回及び海外1回の現場視察の機会を提供するようにしております。なお、2024年度は、国内1回、海外1回の現場視察に加え、住友関連施設の訪問を実施しました。
ニ 「経営の透明性の確保」のための体制
(イ)情報開示の基本方針
経営方針と営業活動を全てのステークホルダーに正しく理解してもらうため、法定の情報開示にとどまらず、任意の情報開示を積極的に行うとともに、開示内容の充実に努めております。
(ロ)株主・投資家とのコミュニケーション
以下のような取組により、株主・投資家との積極的なコミュニケーションを図っております。
① 株主総会に関連した取組
当社は、株主総会資料へのアクセス方法等を記載した通知書面(書面交付請求をした株主に対しては株主総会資料)を定時株主総会の約3週間前に発送しております。また、上記発送に先立ち、株主総会資料を英訳とともに当社ウェブサイトに掲載しております。さらに、インターネットによる議決権行使(株式会社ICJが運営する機関投資家向け議決権電子行使プラットフォームを含む。)を可能とすることで、株主・投資家のために議案内容の十分な検討時間を確保しております。また、株主総会の様子を株主向けにインターネット上で同時配信し、株主総会終了後に当社ウェブサイト上で一定期間、株主総会の模様を動画配信しているほか、株主総会に際して株主からインターネットによる事前質問の受付を行っております。
② 各種情報の開示
当社ウェブサイト上では、決算情報・有価証券報告書・適時開示資料や会社説明会資料など、投資判断に資する資料をタイムリーに掲載しております。また、統合報告書や、サステナビリティディスクロージャーサイトにおいて、財務情報のみならず、非財務情報についても積極的な開示を行っております。
③ IR・SR活動
株主・投資家の皆様とのダイレクト・コミュニケーションの場の一つとして、国内のアナリスト・機関投資家向けに経営トップの出席のもと、年4回、定期的な決算説明会を開催しております。また、国内のみならず、欧州、北米、アジア等の株主・機関投資家と個別ミーティングによる対話を継続的に実施しております(ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取組や方針等に関する建設的な対話を含む)。個人投資家向けには、主要都市での会社説明会に加えて、オンラインでの会社説明会を開催しております。
今後も、経営の「透明性」を高めつつ、株主・投資家の皆様との信頼関係の強化に努めてまいります。
② コーポレートガバナンス体制
提出日時点では、当社のコーポレートガバナンス体制は以下のとおりであります。
また、コーポレートガバナンスに対する取組については、当社ウェブサイト
(https://sumitomocorp.disclosure.site/ja/themes/37)に詳細な内容を掲載しております。

※ 当社は、2025年6月20日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として、第2号議案「定款の一部変更の件」を提案しており、当該議案が承認可決されると、当社は監査等委員会設置会社に移行します。移行後におけるコーポレートガバナンス体制は以下を予定しております。

③ 住友商事コーポレートガバナンス原則(提出日時点)
④ 当社グループの内部統制への取組み
当社グループでは、持続的な成長・発展に向けて、グループ全体のビジネスにおいて「事業活動に関わる法令等の遵守」「資産の保全」「業務の有効性及び効率性」「財務報告の信頼性」などを合理的に保証するため、内部統制に関する基本規程を定め、適正な内部統制の構築・運用・評価・改善を通じて、グループガバナンスの向上及びグループ全体の業務品質向上に取り組んでおります。
これらの実践に当たって、当社では経営会議の諮問機関として内部統制委員会を設置し、同委員会がグループ全体の内部統制の改善に向け、必要に応じた全社施策の立案・実行など、適正な内部統制の推進を図っており、会社法に基づく内部統制システムの整備及び金融商品取引法に基づく内部統制報告制度への対応についても、同委員会の評価を経て、取締役会にて報告しております。
加えて、各種内部統制フレームワークの効率的運用、相乗効果創出、内部監査機能との連携等を行うため、当社グループ内部統制関連業務を統合的に行う「内部統制推進部」を「内部統制・内部監査グループ長」の下に内部監査部と並列させて設置し、課題の把握やグループ内の内部統制活動の活用を能動的に行い、グループ全体でより効果的かつ一貫性のある内部統制活動としております。
また、当社はグループ各社の自律的経営の基礎として、事業戦略の実現を阻害するリスクを適切にコントロールするために最適な経営管理体制の構築・運用を支援しております。具体的には、事業を運営する上で、コントロールすべき基礎的な統制項目を特定、当社とグループ各社で対話を行いながらリスクをコントロールし、内部統制状況を改善していく循環(PDCA)を作り出すことによって、業務品質と企業価値の向上につなげていきます。
⑤ リスク管理体制の整備の状況
イ リスクマネジメントの目的と基本方針
当社においては、「リスク」を「あらかじめ予測し若しくは予測していない事態の発生により損失を被る可能性」及び「事業活動から得られるリターンが予想から外れる可能性」と定義し、以下3点をリスクマネジメントの目的としております。
1.「業績安定」:計画と実績の乖離を少なくして安定収益を確保すること。
2.「体質強化」:リスクを体力(親会社の所有者に帰属する持分)の範囲内に収め、リスク顕在化の場合にも事業に支障を来さないようにすること。
3.「信用維持」:法令遵守等の社会的な責任を果たし、信用を維持すること。
当社は営業活動を、投資と商取引に大別の上、それぞれに固有のリスクファクター及び双方に共通するリスクファクターを特定の上、その発生する蓋然性及び発生した時の影響を分析・評価しております。また、合理的に定量化が可能なものは定量化し、リスク量を体力の範囲内に収め、リスクに対するリターンの極大化を基本方針としております。
ロ リスクマネジメント体制
(イ)営業グループにおけるリスクマネジメント
当社の営業グループと各地域拠点は「自主管理・自己責任」の原則に基づき、担当事業分野に関わる専門的知見・経験を活かして個々の案件のリスクを分析・評価したうえで、全社共通の考え方・尺度・ルールといったフレームワークに基づき、案件推進の可否判断を実施しております。各営業グループを担当するリスク管理部署のスタッフは、リスクマネジメントの専門的見地からこれをサポートする機能と役割を果たしております。
(ロ)事業ポートフォリオ戦略の議論と検証
各営業グループ・地域拠点では、ビジネスライン毎に、足元の収益性と将来の成長性の視点から、方向性を検討して、事業ポートフォリオ戦略を策定します。各営業グループ・地域拠点の事業ポートフォリオ戦略は、社長執行役員・コーポレートグループと営業グループの間で定期的に開催される戦略会議において議論され、大口のビジネスラインに関する方向性の検証や問題ビジネスラインの早期洗い出しと方向付けを行います。
また、個別の営業グループ・地域拠点にとどまらない課題(全社リスクアセットのコントロール、営業グループ間の経営資源の再配分等)については、社長執行役員・グループCEO等がメンバーとなっている経営会議において議論・決定しております。
(ハ)全社レベルのリスクマネジメントを担当するリスク管理部署の役割
全社レベルのリスクマネジメントを担当するリスク管理部署では、主として以下の役割を果たしております。
・全社レベルのリスクマネジメントに関する枠組み(ルール、組織、システム等)の構築
・全社統一的な意思決定支援ツール・手法の開発・改良、社内への普及
・全社レベルのリスクテイク状況のモニタリングとマネジメントへの報告
・リスクマネジメント要員の全社適正配置
・重要な事業分野、国・地域のリスク分析と社内への情報提供
・取引先に対する社内信用格付の付与
リスク管理専門部署以外も、それぞれの専門性と担当業務に応じて、後述の事業全般に関わるリスクのリスクマネジメントを分担しております。
また、一定金額を上回る大型案件は、全社的に大きなインパクトを与える可能性があるため、コーポレートグループの主要メンバーで構成される投融資委員会において取り進めの是非・条件等について議論しております。
(ニ)全社横断組織
リスクマネジメントに関する社内の体制・組織・規程等は、過去の経験を通じて蓄積されたノウハウ、人材を前提に、会社運営の基本方針に基づいて設計してありますが、社会・経済情勢の変化等によっては、現行の枠組みの中での単一の組織では適切に対応できないリスクが大きくなってくるケースがあります。このような場合には、機動的かつ適切な対応策を講じるために全社横断的なチーム・委員会を設置して対応することとしております。
ハ 具体的な管理の仕組み
(イ)投資に関わるリスクの管理
・投資リスク管理
投資案件は、一旦実施すると撤退の判断が難しく、撤退した場合の損失インパクトが大きくなる傾向があります。このため、投資の入り口から出口まで一貫した管理を実施しております。投資の入り口では、案件毎の事業リスクを反映した投資基準を上回る案件を厳選しております。特に、大型・重要案件については、多面的な議論を踏まえた意思決定とすべく、投資の検討段階と実行段階のそれぞれにおいて、全社投融資委員会を開催し案件取り進めの可否を十分に検討した上で、経営会議に諮ることとしております。投資実施後においても、特に重要案件については全社投融資委員会のもとでモニタリングを行い、投資後の100日プランや業績改善の実行支援等、投資テーマ実現による事業価値最大化のために必要な施策を立案し、実行しております。さらに、2021年度には、価値向上実現へのコミットを高めるべく、投資先のパフォーマンスに連動した報酬制度を導入しました。
また、2025年度より、従前のモニタリング制度「フルポテンシャルプラン」を改定し、一定の定量基準にて撤退候補先を洗い出すとともに、営業グループの自律経営という方針のもと、投資先の成長性や収益性、新規投資案件の進捗状況にフォーカスした投資先レビューの枠組みへ高度化させ、従来以上にポートフォリオの入れ替え、最適化に取り組んでおります。
(ロ)商取引に関わるリスクの管理
・信用リスク管理
当社は、取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っております。当社は、取引先の信用リスク管理に、当社独自の信用格付であるSumisho Credit Rating(以下、SCR)を用いております。このSCRでは、取引先の信用力に応じて合計9段階に格付けし、格付に応じて与信枠設定の決裁権限を定めております。また、取引先の与信枠を定期的に見直し、信用リスクのエクスポージャーを当該枠内で適切に管理しているほか、取引先の信用評価を継続的に実施し、必要な場合には担保取得などの保全措置も講じております。
・市場リスク管理
主な市況商品・金融商品の取引については、契約残高に限度枠を設定するとともに、半期損失限度枠を設定し、実現損及び評価損の合計が損失限度枠内に収まっているか常時モニターし、一部取引については潜在損失額(Value at Risk=潜在リスクの推定値)を用いてリスク量を管理しております。また、取引の確認や受渡し・決済、残高照合を行うバックオフィス業務や、損益やポジションを管理・モニターするミドルオフィス業務を財務・経理・リスクマネジメントグループ長が管掌する部署が担当し、取引を執行するフロントオフィスと完全分離することで、内部牽制を徹底しております。
(ハ)その他事業全般に関わるリスクの管理
当社では、訴訟等のリーガルリスク、事務処理ミスや不正行為などのオペレーショナルリスク、自然災害リスクに加えて、社会・環境リスク・情報セキュリティリスク等、従来以上に経営への影響が高まっているこれらの分野において、リスクの発生そのものを回避、もしくは発生する確率や発生時の影響を極小化することをリスクマネジメントの基本方針としております。具体的には、内部統制委員会を中心とした全社的な内部統制強化に向けた取り組みや、各営業グループ・国内外の地域組織によるそれぞれのビジネス特性に応じた独自の内部統制活動を通して、グローバル連結ベースでのリスクに関するモニタリングも定期的に実施しております。そして、その結果を踏まえた組織体制や業務フローの見直しを行うことを通じて、「業務品質」の継続的な向上を図っております。
(ニ)集中リスク管理
グローバルかつ多様な事業分野においてビジネスを推進している総合商社では、特定のリスクファクターに過度な集中が生じないように管理する必要があります。当社では、特定の国・地域に対するリスクエクスポージャーの過度な集中を防ぐために、カントリーリスク管理制度を設けております。また、特定分野への過度な集中を避け、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築するために、社長執行役員とグループCEOとで行われる戦略会議や大型・重要案件の審議機関である投融資委員会において、営業グループやビジネスラインへ配分する投下資本額について十分なディスカッションを行っております。
(ホ)リスクマネジメントを定着させる仕組み
当社は、多様化したリスクに対して可能な限りのリスクマネジメント・フレームワークを整えてはいますが、ビジネスに伴う損失を完全に防ぐことは出来ません。万一、損失事態が発生してしまった場合には、できるだけ早期に発見可能な体制を整えること、発見後は直ちに関係情報を収集・分析し、迅速かつ適切に対応するとともに、当該情報をマネジメント層・関係部署が共有することにより、損失の累増や二次損失の発生を抑止することに努めております。
⑥ 業務の適正を確保するための体制の整備についての取締役会決議
当社は、会社法及び会社法施行規則に定める業務の適正を確保するために必要な体制(内部統制システム)の整備について、次のとおり取締役会において決議しております。なお、本決議に基づく内部統制システムの運用状況について、内部統制委員会による評価を実施し、内部統制システムが有効に機能していることを確認しております。また、その旨を取締役会において報告しております。
提出日時点での当社の内部統制システムにかかる取締役会決議の内容は次のとおりであります。
⑦ 取締役(業務執行取締役等(会社法第2条第15号イに規定する業務執行取締役等をいう。以下同じ。)であるものを除く。)及び監査役との間で締結している責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び監査役全員との間で、会社法第427条第1項に基づき、善意かつ重大な過失がないときの責任を法令の定める限度までとする旨の責任限定契約を締結しております。
⑧ 役員等(会社法第423条第1項に規定する役員等(取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人))を被保険者とする役員等損害賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、当社並びに当社の一部の連結子会社及び持分法適用会社等の全部又は一部の取締役、監査役及び執行役員等(以下、本項において「取締役等」という。)を被保険者とする会社法第430条の3第1項に定める役員等賠償責任保険契約を締結しております。当該保険契約では、取締役等がその職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害等を塡補することとしております。ただし、取締役等が法令違反であることを認識して行った行為に起因して生じた損害は塡補されないなど、一定の免責事由があります。なお、当該保険契約の保険料は、当社が全額負担しております。
⑨ その他当社定款規定について
イ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。また、取締役の選任決議は累積投票によらない旨定款に定めております。
ロ 自己の株式の取得の決定機関
当社は、機動的な資本政策の遂行を可能とするため、取締役会の決議をもって自己の株式を市場取引等によって取得することができる旨定款に定めております。
ハ 中間配当の決定機関
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。
ニ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。
ホ 取締役及び監査役の責任免除の決定機関
当社は、取締役及び監査役が、職務を遂行するにあたり、期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議によって、法令の定める範囲内で、取締役及び監査役の責任を免除できる旨を定款に定めております。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
a. 2025年6月18日(有価証券報告書提出日)現在の当社の役員の状況は以下のとおりであります。
男性13名 女性3名 (役員のうち女性の比率18.8%)
(注) 1 取締役 井手明子・御立尚資・高原豪久・朝倉陽保・大槻奈那は、社外取締役であります。
2 監査役 長嶋由紀子・稲田伸夫・國井泰成は、社外監査役であります。
3 2024年6月21日開催の定時株主総会の終結の時から1年間
4 2023年6月23日開催の定時株主総会の終結の時から4年間
5 2022年6月24日開催の定時株主総会の終結の時から4年間
6 2021年6月18日開催の定時株主総会の終結の時から4年間
7 2024年6月21日開催の定時株主総会の終結の時から4年間
(ご参考) 2025年6月18日現在の執行役員の陣容は次のとおりであります。
(注) 1 *1は、取締役(代表取締役)です。
2 *2は、2025年4月1日付で新たに就任した執行役員です。
3 *3は、 CSO: Chief Strategy Officer
4 *4は、 CSDO: Chief Sustainability, DE&I Officer
5 *5は、 CAO: Chief Administration Officer、CCO: Chief Compliance Officer
6 *6は、 CDO: Chief Digital Officer、CIO: Chief Information Officer
7 *7は、 CPO: Chief People Officer
b. 定時株主総会後の役員の状況
2025年6月20日開催予定の第157期定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役
を除く)10名選任の件」及び「監査等委員である取締役5名選任の件」を提案しております。当該議案が承認可決
された場合、当社の役員の状況は、以下のとおりとなる予定です。
男性12名 女性3名 (役員のうち女性の比率20%)
(注) 1 取締役 井手明子・御立尚資・高原豪久・朝倉陽保・大槻奈那・長嶋由紀子・稲田伸夫・國井泰成は、
社外取締役であります。
2 当社は、法令に定める監査等委員である取締役の員数を欠くことになる場合に備え、補欠の監査等委員と
して大槻奈那を選任しています。任期の満了前に退任した監査等委員である取締役の補欠として
選任された監査等委員である取締役の任期は、退任した監査等委員である取締役の任期の満了する時まで
となっております。
3 2025年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から1年間
4 2025年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から2年間
(ご参考) 定時株主総会後の執行役員の陣容は次のとおりであります。
(注) 1 *1は、取締役(代表取締役)です。
2 *2は、2025年4月1日付で新たに就任した執行役員です。
3 *3は、 CSO: Chief Strategy Officer
4 *4は、 CSDO: Chief Sustainability, DE&I Officer
5 *5は、 CAO: Chief Administration Officer、CCO: Chief Compliance Officer
6 *6は、 CDO: Chief Digital Officer、CIO: Chief Information Officer
7 *7は、 CPO: Chief People Officer
② 社外役員の状況(提出日時点)
イ 社外取締役及び社外監査役の員数
当社の社外取締役の員数は5名、社外監査役の員数は3名であります。
ロ 当社は、「社外役員の選任基準及び独立性に関する基準」を次のとおり制定しております。当社の社外取締役及び社外監査役は、当社の定める「社外役員の選任及び独立性に関する基準」及び当社が上場している金融商品取引所が定める独立性基準を満たしており、社外取締役及び社外監査役全員を独立役員に指定しております。
社外役員の選任及び独立性に関する基準(提出日時点)
ハ 社外取締役の当社のコーポレート・ガバナンスにおいて果たす機能及び役割並びに当該社外取締役の選任状況に対する当社の考え方は以下のとおりであります。
当社と社外取締役との間には、人的関係・資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。
取締役井手明子は、2014年5月までらでぃっしゅぼーや株式会社(現:オイシックス・ラ・大地株式会社)の代表取締役として業務執行に携わっておりました。同社と当社との間に取引関係はありません。また、同氏が2014年6月まで執行役員を務めていた株式会社NTTドコモは当社の取引先ですが、その取引額は、同社の年間連結営業収益及び当社の年間連結収益のいずれも0.1%未満と僅少であります。これらのことから、独立性に影響はないものと判断しております。
取締役御立尚資は、2018年8月まで特定非営利活動法人 国際連合世界食糧計画WFP協会の理事を務めておりました。また、同氏は、2017年9月までボストン コンサルティング グループのマネージング・ディレクター・アンド・シニア・パートナーとして業務執行に携わっておりましたが、これらの法人と当社の間に取引関係はありません。また、同氏が2017年4月まで副代表幹事を務めていた公益社団法人 経済同友会に対して、当社は会費等を支払っておりますが、その額は、同会の年間経常収益の1%未満と僅少であることから、独立性に影響はないものと判断しております。
取締役高原豪久は、ユニ・チャーム株式会社の代表取締役 社長執行役員として業務執行に携わっております。当社は、同社と共同でThe Hartz Mountain Corporationに出資しており、当該出資に当たりユニ・チャーム株式会社との間で株主間契約を締結しておりますが、当社の出資金額は、当社の連結総資産額の0.1%未満及びユニ・チャーム株式会社の連結総資産額の0.4%未満と僅少であります。これらのことから、独立性に影響はないものと判断しております。
取締役朝倉陽保は、2022年11月まで株式会社丸の内キャピタルの代表取締役社長 CEO兼CIOとして業務執行に携わっておりました。同社と当社との間には取引関係はありません。また、同氏が2015年6月まで専務取締役(COO)として業務執行に携わっていた株式会社産業革新機構(現:株式会社産業革新投資機構)に当社は出資しておりますが、当社の出資金額は、当社の連結総資産額の0.1%未満と僅少であり、また当社の同社に対する出資比率は0.2%未満と僅少であります。これらのことから、独立性に影響はないものと判断しております。
取締役大槻奈那は、2015年12月までマネジング・ディレクターとして業務執行に携わっていたメリルリンチ日本証券株式会社(現:BofA証券株式会社)に対して、当社は業務委託費を支払っておりますが、その額は、同社の年間連結営業収益の0.1%未満と僅少であることから、独立性に影響はないものと判断しております。また、同氏は2022年8月までマネックス証券株式会社の専門役員 チーフアナリストとして業務執行に携わっておりましたが、同社と当社との間に取引関係はありません。
ニ 社外監査役の当社のコーポレート・ガバナンスにおいて果たす機能及び役割並びに当該監査役の選任状況に対する当社の考え方は以下のとおりであります。(提出日現在)
当社と社外監査役との間には、人的関係・資本的関係または取引関係その他の利害関係はありません。
監査役長嶋由紀子は、株式会社リクルートホールディングスの常勤監査役、株式会社リクルートの常勤監査役及び日本たばこ産業株式会社の社外取締役であります。株式会社リクルートホールディングス及び日本たばこ産業株式会社と当社との間には、特別な関係はありません。株式会社リクルートは当社の取引先であります。監査役稲田伸夫は、野村證券株式会社の社外取締役(監査等委員)及び日本たばこ産業株式会社の社外監査役であります。野村證券株式会社は当社の取引先であります。日本たばこ産業株式会社と当社との間には、特別な関係はありません。監査役國井泰成は、MS&ADインシュアランスグループホールディングズ株式会社の社外監査役であります。MS&ADインシュアランスグループホールディングズ株式会社と当社との間には、特別な関係はありません。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役及び社外監査役は、取締役会において、内部監査結果及び内部監査計画、監査役監査及び会計監査結果、監査役の監査実施計画、金融商品取引法に基づく内部統制に係る評価結果、会社法に基づく内部統制システムの整備・運用状況の報告を受けております。また、社外監査役は、常勤監査役と常に連携し、「(3) 監査の状況 ② 内部監査の状況」に記載する、内部監査及び会計監査との相互連携や内部統制を所管する部署との関係等を通じて、多角的な視点からの監査を実施しております。
(3) 【監査の状況】
当社は2025年6月20日開催の第157期定時株主総会における承認をもって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行します。以下については、移行前の監査役会設置会社における内容を記載しております。
① 監査役監査の状況
イ 組織、人員及び手続
監査役会は、社内の常勤監査役2名と社外の非常勤監査役3名の合計5名で構成されております。社外監査役のうち1名は企業経営及び上場企業における常勤監査役としての経験を有しており、1名は検事総長の経歴を持つ法律家、また、1名は財務及び会計に関する相当程度の知見を有する公認会計士です。いずれの社外監査役も当社が上場する金融商品取引所が定める独立性に関する基準及び当社が定める独立性に関する基準を満たしております。また、監査役の職務を補佐する専任組織として、監査役業務部(5名)を設置しております。監査役会は、監査方針及び監査計画を作成し、それに基づいて、監査を実行しました。
ロ 監査役会の活動状況
監査役会は、原則として毎月1回開催しており、その他にも、必要に応じて随時開催しております。当期においては合計17回開催し、監査役5名は在任中の全ての監査役会に出席しました。なお、1回あたりの所要時間は約2時間30分でした。監査役会は、取締役会に付議される主要な案件の状況、内部統制上の重要な課題への対応状況等、監査に関する重要な事項等について報告を受け、協議を行い、又は決議を行いました。
監査役会は、監査の方針、職務の分担等を定め、各監査役から監査の実施状況及び結果について報告を受けるほか、取締役等及び会計監査人からその職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求めました。
また、当期は、当社グループが、社会課題の解決を通じて社会と共に持続的に成長する企業グループを目指してマテリアリティを更新し、「中期経営計画2026」では「No.1 事業群」をテーマに掲げ、競争優位を磨き、飛躍的な成長を実現すべく「事業ポートフォリオ変革」を加速させ、「強みを核とした成長」及び「成長の原動力の強化」に重点的に取り組むことを踏まえつつ、 以下事項の監査に取り組みました。
(1) 会社法その他の法令、当社定款及び社内規則並びに「住友商事グループの経営理念・行動指針」の遵守状況
(2) 法令等遵守体制、リスク管理体制等の住友商事グループとしての内部統制システムの構築・運用状況
(3) 金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の構築・運用状況
(4) 会計監査人の独立性、専門性、監査品質管理体制の監視・検証を通じた財務報告の適正性
ハ 監査役の活動状況
各監査役は、監査役会が定めた監査役監査の基準に準拠し、監査の方針、職務の分担等に従い、取締役、内部監査部門その他の使用人等及び会計監査人と意思疎通を図り、情報の収集及び監査の環境の整備に努めるとともに、上記重点監査項目を踏まえ、以下の方法で監査を実施しました。
(1)重要な会議への出席
全監査役は、取締役会に出席し、重要な意思決定の過程及び取締役の職務の執行状況を把握するとともに、必要に応じて意見を述べました。また、監査役会では、執行部門から取締役会付議案件の事前説明を受け、必要に応じて意見を述べるとともに、監査役相互間で適宜意見交換を実施しました。
常勤監査役は、重要な意思決定の過程及び役職員の職務執行状況を把握するため、経営会議、戦略会議、全社投融資委員会、内部統制委員会、コンプライアンス委員会、サステナビリティ推進委員会などの重要な会議に出席し、必要に応じて意見を述べました。
(2)経営・業務執行責任者との意見交換
常勤監査役は、会長、社長執行役員及びコーポレートグループのグループ長等と定期的打合せを持ち、経営方針、会社が対処すべき課題について意見交換をしました。
(3)往査
コーポレートグループや営業グループの組織の長など64名から業務及び財産の状況、法令等遵守体制並びに損失危険管理体制等、職務の執行状況を聴取し、調査しました。国内外の地域組織合計で16か所(国内6か所/海外10か所)及び事業会社合計で26社(国内15社/海外11社)ヒヤリングを実施し、主管者(子会社の代表取締役を含む)等から組織運営状況・課題や内部統制の整備・運用状況などを聴取し、現場を視察しました。また、業務執行に関する起案文書、報告文書その他の重要な文書を閲覧し、必要に応じて報告者に説明を求めました。
(4)内部監査組織との連携
内部監査組織に年度監査計画の提出を求め、定期的に情報交換を行うとともに、監査役会において内部監査の結果に関する報告を受け、監査役監査目的達成のため、内部監査を活用しました。
(5)会計監査人との連携
会計監査人と定期的に会合を持ち、監査に関する報告を適時かつ随時に受領できるようにし、重要な子会社の監査上の論点、内部統制監査報告などの論点につき積極的に意見及び情報の交換を行いました。
(6)子会社等監査役との連携
当社が子会社等に派遣している常勤監査役とは、情報連絡会や個社単位の打合せなどを通じて意見交換及び情報交換を行いました。また、当社派遣監査役による監査活動報告書の供覧を受け、子会社等の経営状況・監査実施状況の把握に努めました。
② 内部監査の状況
当社は、全社業務をモニタリングするための独立した組織として「内部監査部」(約50名)を置き、当社及び海外現地法人、国内外関係会社の監査を行っています。内部監査は年間の監査計画に基づき実施しており、監査の結果については、毎月社長執行役員に直接報告するとともに、取締役会及び監査役にも定期的に直接報告しております。監査は国際内部監査基準に準じて定期的に実施し、資産及びリスクの管理、コンプライアンス、業務運営からなる監査先の内部統制全体を対象としております。監査先に内在するリスクの重要度を考慮の上、監査先の内部統制の有効性・妥当性を評価するとともに、改善に向けた適切な助言を提供し、住友商事グループのガバナンス、内部統制の向上に貢献しております。
また、内部監査部は、監査役及び会計監査人と定期的に情報交換を行い、それぞれの監査の効率的な実施に努めております。監査等委員会設置会社への移行後もこれらの連携を継続し、三様監査の強化を図っていきます。

③ 会計監査の状況
イ 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
ロ 継続監査期間
56年
上記は、現任の監査人である有限責任 あずさ監査法人の前身である監査法人朝日会計社が監査法人組織になって以降の期間について記載したものであります。
ハ 業務を執行した公認会計士
宍戸 通孝
笠島 健二
髙橋 毅
ニ 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者の人数は98名であり、その構成は公認会計士30名、公認会計士試験合格者17名、その他51名となっております。
ホ 監査法人の選定方針と理由
監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める事項に該当すると認められる場合は、監査役全員の同意に基づき、会計監査人を解任する方針です。この場合、監査役会が選定した監査役は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨及びその理由を報告します。
また、監査役会は、会計監査人の適格性や独立性を害する事由の発生などにより、その適正な職務遂行に支障が生じると認められる場合は、会社法第344条に基づき、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任及び新たな会計監査人の選任に関する議案の内容を決定します。
ヘ 監査役及び監査役会による監査法人の評価
監査役及び監査役会は、以下の各項目に定める観点から会計監査人の監査活動の適切性・妥当性を評価するとともに、独立性及び専門性の有無について確認しております。
① 監査法人の品質管理
② 監査チーム
③ 監査報酬等
④ 監査役等とのコミュニケーション
⑤ 経営者等との関係
⑥ グループ監査
⑦ 不正リスク
上記の各項目に定める観点から会計監査人を評価した結果、監査役及び監査役会は、会計監査人の監査活動は適切かつ妥当であり、会計監査人に求められる独立性と専門性を有しており、尚且つ、会社法第340条第1項各号に定める事項には該当していないと判断しております。
④ 監査報酬の内容等
イ 監査公認会計士等に対する報酬
(前期)
当社が監査公認会計士等に対して支払っている非監査業務の内容は、主として、コンフォートレター作成業務であります。連結子会社が監査公認会計士等に対して支払っている非監査業務の内容は、主として、リファード業務であります。
(当期)
当社が監査公認会計士等に対して支払っている非監査業務の内容は、主として、コンフォートレター作成業務であります。連結子会社が監査公認会計士等に対して支払っている非監査業務の内容は、主として、合意された手続業務等であります。
ロ 監査公認会計士等と同一ネットワークに属する組織に対する報酬(イを除く)
(前期)
当社が監査公認会計士等と同一ネットワークに属する組織に対して支払っている非監査業務の内容は、ESG定量データの保証業務であります。連結子会社が監査公認会計士等と同一ネットワークに属する組織に対して支払っている非監査業務の内容は、主として、税務関連業務等であります。
(当期)
当社が監査公認会計士等と同一ネットワークに属する組織に対して支払っている非監査業務の内容は、ESG定量データの保証業務であります。連結子会社が監査公認会計士等と同一ネットワークに属する組織に対して支払っている非監査業務の内容は、主として、税務関連業務等であります。
ハ その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前期及び当期に当社監査公認会計士等と同一のネットワーク以外に属している監査公認会計士等へ支払っている監査証明業務に基づく報酬に、重要なものはありません。
ニ 監査報酬の決定方針
当社は、監査日数や業務内容等の妥当性を勘案して監査報酬を決定しております。
ホ 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、監査計画の内容、従前の事業年度における職務執行状況や報酬見積もりの算出根拠などを確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
① 取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項
当社は、過半数が社外取締役で構成される指名・報酬諮問委員会(委員長:社外取締役)の審議を
経て、取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を決議しました。
その概要は、以下のとおりです。
イ 報酬体系(●は、それぞれの報酬等の支給対象者を示します。)
ロ 各報酬の水準及び割合
外部専門機関による客観的な報酬市場調査データ等を参考に、当社の経営環境や経営戦略・
人材戦略を踏まえ、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に不可欠な
優秀な経営人材を確保・リテインするために適切な報酬水準を設定したうえで、持続的な
成長に向けた健全なインセンティブとして機能させるために、役割に応じて、固定報酬
(例月報酬)と変動報酬(短期的な成果に連動する業績連動賞与と中長期的な成果や
株主価値等に連動する株式報酬)の割合等を適切に設定します。
ハ 各報酬の決定方針及び決定方法
○各報酬の決定方針:以下のとおりです。
○各報酬の決定方法:株主総会にてご承認いただいた限度額の範囲で、取締役会にて決定しま
す。取締役会決議にあたっては、指名・報酬諮問委員会が内容を検討し、その結果を取締役会
に答申します。その他の決定方法については以下のとおりです。
ニ 報酬内容が方針に沿うものであると取締役会が判断した理由
当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容を決定するにあたっては、取締役会で決定
された役員報酬の基本方針及び体系並びにその決定プロセスに基づき、指名・報酬諮問委員会
にてその内容が検討されていることから、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に沿
うものであると判断しています。
なお、当社は、2025年6月20日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として提案しております
第2号議案「定款の一部変更の件」が承認可決された場合、監査等委員会設置会社に移行いたしま
すが、同第2号議案、第6号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬額の決定の件」及
び第8号議案「取締役(監査等委員である取締役を除く)に対する譲渡制限付業績連動型株式報酬制
度に係る報酬決定の件」の全てが原案どおり承認可決された場合、当該定時株主総会の直後に開催
が予定されている取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針の対象者を
「取締役」から「取締役(監査等委員である取締役を除く)」に変更することを付議する予定です。
② 監査役の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項
各監査役の報酬等については、株主総会にてご承認いただいた限度額の範囲で、監査役間の協議
にて決定します。監査役には、固定報酬としての例月報酬のみを支給しています。
なお、上記2025年6月20日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として提案しております上記
第2号議案及び第7号議案「監査等委員である取締役の報酬額の決定の件」が承認可決された場合、
監査等委員の報酬等については、株主総会にてご承認いただいた限度額の範囲で、監査等委員の
協議にて決定することとする予定です。また、監査等委員には、固定報酬としての例月報酬のみ
を支給する予定です。
③ 2024年度に係る報酬体系及び実績
2024年度に係る報酬の決定プロセス、報酬水準、報酬構成比率、業績連動賞与、株式報酬、報酬等
の総額等は以下のとおりです。
イ 役員報酬等の決定プロセス
各取締役の報酬等については、株主総会にてご承認いただいた限度額の範囲で、取締役会にて
決定しています。取締役会決議にあたっては、指名・報酬諮問委員会が内容を検討し、その結
果を取締役会に答申することにより、透明性及び客観性を一層高めるよう努めています。
なお、2025年3月期に係る指名・報酬諮問委員会の活動概要は以下のとおりです。
ロ 業務執行取締役及び執行役員の報酬水準及び報酬構成比率
・外部専門機関による客観的な報酬市場調査データ等を参考に、当社の経営環境や経営戦略・
人材戦略を踏まえ、適切な報酬水準及び報酬構成比率を設定しています。
・また、代表取締役社長執行役員CEOの報酬イメージは以下のとおりです。
※ 業績達成率、株式成長率及び非財務指標評価がいずれも100%の場合に算出したイメージで
あり、これらの比率の変動に応じて各報酬の構成比率は変動します。
ハ 業績連動賞与
・各年度の通期予想(当期連結純利益)又は ROE12%時の当期連結純利益のいずれか高い金額を
目標業績として単年度ごとに設定し、その達成割合に応じて総支給額を決定します。
・業績レンジは、毎年度定める目標業績から±50%の範囲とし、総支給額の水準を目標業績
達成時に100%、業績レンジに応じて変動幅を25%~175%となるよう設定します。
・業績が当該レンジに収まらなかった場合には、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえ、
別途取締役会にて総支給額を決定します。
・各業務執行取締役への支給額は、役位や個人評価に応じて配分のうえ、事業年度終了後に
支給します。
・各業務執行取締役の個人評価は、経営戦略と成果へのコミットメントをより強く意識すること
ができるよう、財務指標(担当事業領域における事業計画等の達成状況)と非財務指標
(戦略事業単位であるStrategic Business Unit(SBU)毎の目標の達成状況及び全社重要課題へ
の取組状況等)の両側面により実施し、その割合を各50%とします。
・非財務指標のうち、全社重要課題であるDX(デジタルトランスフォーメーション)による
ビジネス変革、サステナビリティ経営の高度化及びDiversity, Equity & Inclusionの推進に
ついては、その割合を全体の20%とします。
[業績連動賞与の総支給額(イメージ)]

[具体的な算定方法]
以下の方法に基づき算定します。
(1)賞与総支給額
次のいずれか少ない額とします。
◆7.5億円
◆下記(2)で定める個人支給額の最大支給額の合計
(2)個人支給額:「役位別標準額 ± 個人評価反映額」
①役位別標準額
対象取締役の執行役員としての役位に応じた役位別標準額は、以下のとおりとなります。
(千円未満切り捨て)。
2024年度連結純利益 × A% + B億円
②個人評価反映額
個人評価の結果に基づき、取締役会にて決議された、対象取締役の執行役員としての
役位に応じた評価反映額の加減算を実施。
[業績指標の実績]
業績連動賞与の算定の基礎として選定した業績指標の実績(2024年度の実績)は下表のとおり
です。当事業年度終了後に代表取締役 社長執行役員 CEO(上野真吾)が各業務執行取締役との
面談を経て決定した個人評価を踏まえ、2024年度(2025年6月支給)の業績連動賞与の支給を
行います。なお、代表取締役 社長執行役員 CEOは、業務執行を統括する立場から俯瞰的に
各業務執行取締役の個人評価を決定できるため、当該決定を代表取締役 社長執行役員 CEOに
委任しています。また、適切な決定を担保するため、代表取締役 社長執行役員 CEOはその
結果を指名・報酬諮問委員会に報告することとしています。
※2024年度の通期予想(当期連結純利益):5,300億円 < ROE12%時の当期純利益:5,397億円
となり、2024年度の業績目標を5,397億円として設定。
ニ 株式報酬
・当社グループの中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した経営を推進するため、2018
年に取締役(社外取締役を除き、以下「対象取締役」という。)に対して役位に応じて決定さ
れた数の当社普通株式を譲渡制限付株式として交付する譲渡制限付株式報酬制度(以下「旧制
度①(譲渡制限付株式報酬)」という。)とともに、業績連動型株式報酬制度(以下「旧制度
②(業績連動型株式報酬)」という。)を導入し、対象取締役に対して、各年の定時株主総会の
終結時から翌年の定時株主総会の終結時までの期間(以下「役務提供期間」という。)におけ
る役務提供の対価として、役務提供期間の開始日の属する年の6月1日からその3年後の6月の
末日までの期間(以下「評価期間」 という。)における当社株式成長率(TOPIX(東証株価指数)
成長率に対する配当を含む当社株価成長率の割合をいう。以下同じ。)に応じて算定された数
の当社普通株式を交付することとしています。(旧制度②(業績連動型株式報酬)においては、
企業価値向上による株価上昇に加え、当社株価がTOPIX(市場)に比してより一層成長すること
を目指しています。)
・2021年6月18日開催の第153期定時株主総会において、旧制度①(譲渡制限付株式報酬)及び旧
制度②(業績連動型株式報酬)を一本化した譲渡制限付業績連動型株式報酬制度(以下「新制
度」という。)を導入しています。対象取締役に対して、役務提供期間における役務提供の対
価として、評価期間における当社株式成長率(※1:2023年6月に評価期間が開始する株式報酬
からは配当を含めずに算定。)及び非財務指標の評価(※2:2023年6月に評価期間が開始する
評価期間が開始する株式報酬より追加)(※1及び※2につき2023年6月23日開催の第155期定時
株主総会において承認)に応じて算定された数の当社普通株式を譲渡制限付株式として交付す
ることとしています。株主価値の共有を中長期にわたって実現するため、譲渡制限付株式の
譲渡制限期間は、株式交付日から取締役又は執行役員その他取締役会で定める地位のいずれ
も退任又は退職する日までの期間としています。
・2024年6月末日に新制度の評価期間(2021年6月1日から2024年6月末日まで)が終了したこと
から、当該評価期間における当社株式成長率(200.63%)を踏まえ、対象取締役5名に対し、
譲渡制限付株式として当社普通株式119,400株を発行し、割り当てました。
ホ 報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 1 対象となる役員の報酬等は全て当社から支給しております。
2 「報酬等の総額」の内訳の各記載金額は百万円未満を四捨五入しているため、
それらの合計額と取締役の「報酬等の総額」とは必ずしも一致しておりません。
3 2024年6月21日開催の第156期定時株主総会の終結時をもって任期満了により取締役
を退任しました。
4 2024年度に会計処理(費用計上)した金額を記載しており、実際に当事業年度に交付
した株式による報酬額とは異なります。
ヘ 取締役及び監査役に対する報酬等の総額等は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)
④ 2025年度に係る報酬体系
前述のとおり、2025年6月20日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として提案しております第2号議案が原案どおり承認可決されることを前提として、当社は監査等委員会設置会社へ移行し、同第6号議案、第7号議案及び第8号議案の全てが承認可決されることを前提として、例月報酬の対象者は「取締役及び監査役」から「取締役(監査等委員を含む)」へ、業績連動賞与の対象者は「取締役(取締役会長及び取締役 副会長並びに社外取締役を除く)」から「取締役(取締役会長及び取締役 副会長並びに監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)」へ、株式報酬の対象者が「取締役(社外取締役を除く)」から「取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)」へと変更されますが、この点を除き、2024年度に係る報酬体系と同様です。
(5) 【株式の保有状況】
当社は、投資株式の内、株式価値の変動又は株式に係る配当金による利益を享受する目的で保有する株式を純投資目的で保有する株式に区分し、投資採算という観点に立ち、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大等を目的として保有する株式を純投資目的以外の目的で保有する株式としております。
① 純投資目的以外の目的で保有する株式
当期(2025年3月31日)
当期において株式数が増加した銘柄
当期において株式数が減少した銘柄
(注) 上記の増加した銘柄数及び減少した銘柄数には、株式の併合や株式の分割等のコーポレートアクション(除く、有償増資)により、株式数が増加若しくは減少した銘柄は含めておりません。
純投資目的以外の目的で保有する上場株式(特定投資株式)
当社は、純投資目的以外の目的で上場株式を保有するに当たっては、個別銘柄毎に資本コストとの比較をはじめ投資採算という観点に立ち、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大につながるかどうかなど様々な検討を十分に行ったうえで、保有意義を見直し、その内容を毎年取締役会に報告しております。その結果、保有意義が認められない株式については縮減方針としております。
なお、当社株式を純投資目的以外の目的で保有している会社から当該株式の売却の意向が示された場合には、原則としてこれを尊重し、取引関係にも影響を及ぼしません。
[2024年度の取締役会における報告内容]
当社が2024年3月31日時点で保有する上場株式に関して、個別銘柄毎に定量面・定性面から保有意義の検証を行い、その結果について、取締役会にて報告しております。定量評価においては、銘柄毎の資本コストとの比較を確認し、定性評価においては、銘柄毎に戦略との合致度や出資目的の達成度等について、確認しております。その結果、定量面・定性面の両側面から保有意義が認められないと判断された銘柄については、売却を検討していくこととしております。
なお、当期においては、一部売却も含め、11銘柄(売却価額合計81,729百万円)の上場株式を売却しております。
(注) 1 「定量的な保有効果」に関しては、取引先との関係等を考慮し、全銘柄において記載を省略しておりますが、毎年、資本コストとの比較を行い、戦略性等の定性的な側面も確認の上、保有の合理性を検証しております。
2 「-」は、当該銘柄を特定投資株式として保有していないことを示しております。
3 「当社株式の保有の有無」に関しては、同社子会社による保有は含めておりません。当期の状況を当社の株主名簿で確認できる範囲で記載しております。当期に特定投資株式として保有していない銘柄は、前期の状況を記載しております。
② 純投資目的で保有する株式
当期において、純投資目的から純投資目的以外に、純投資目的以外から純投資目的に区分変更した銘柄はありません。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、連結財務諸表規則)第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、国際会計基準(以下、IFRS)に準拠して作成しております。 本報告書の連結財務諸表等の金額の表示は、百万円未満を四捨五入して記載しております。
(注) 本報告書においては、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)における当連結会計年度を「当期」、前連結会計年度を「前期」と記載しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、財務諸表等規則)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
本報告書の財務諸表等の金額の表示は、百万円未満を切捨てて記載しております。
(注) 本報告書においては、第157期事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)における当事業年度を「当期」、前事業年度を「前期」と記載しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表並びに第157期事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は以下のとおりであります。(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等に適時かつ的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、研修等へ参加しております。(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針及び会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
「連結財務諸表注記」参照
前期の修正再表示については「連結財務諸表注記2 作成の基礎 (6) その他」を参照ください。
② 【連結包括利益計算書】
「連結財務諸表注記」参照
③ 【連結持分変動計算書】
前期(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
当期(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
「連結財務諸表注記」参照
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
「連結財務諸表注記」参照
【連結財務諸表注記】
1 報告企業
住友商事株式会社(以下、親会社)は日本に所在する企業であります。親会社の連結財務諸表は2025年3月31日を期末日とし、親会社及び子会社(以下、当社)、並びに当社の関連会社及び共同支配の取決めに対する持分により構成されております。当社は、長年培ってきた信用、国内外のグローバルネットワーク、あらゆる分野の取引先とのグローバルリレーション、知的資産といったビジネス基盤と、ビジネス創出力、ロジスティクス構築力、金融サービス提供力、IT活用力、リスク管理力、情報収集・分析力といった機能を統合することにより、顧客の多様なニーズに応え、多角的な事業活動をグローバル連結ベースで展開しております。
2 作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は連結財政状態計算書における以下の重要な項目を除き、取得原価を基礎として作成されております。
・デリバティブについては公正価値で測定しております。
・公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識する金融商品については、公正価値で測定しております。
・公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益で認識する金融商品については、公正価値で測定しております。
・確定給付制度に係る資産または負債は、確定給付債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除したものとして認識されております。
・棚卸資産のうち、短期的な価格変動により利益を獲得する目的で取得したものについては、売却費用控除後の公正価値で測定しております。
・生物資産は、売却費用控除後の公正価値で測定しております。
・売却目的保有に分類された非流動資産又は処分グループは、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
本報告書の連結財務諸表は親会社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示しているすべての財務情報は、百万円未満を四捨五入して記載しております。
(4) 見積り及び判断の利用
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、マネジメントは、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行うことが義務付けられております。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間と将来の会計期間において認識されます。
連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える会計方針の適用に際する判断に関する情報は、以下の注記に含まれております。
・リースを含む契約の会計処理-注記3 重要性がある会計方針 (9) リース
・関連会社及び共同支配の取決めの範囲-注記11 持分法適用会社に対する投資
翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある、仮定及び見積りの不確実性に関する情報は、以下の注記に含まれております。
・金融資産の減損-注記27 金融商品及び関連する開示
・公正価値で測定する金融資産-注記27 金融商品及び関連する開示
・非流動資産の回収可能性-注記11 持分法適用会社に対する投資、注記12 有形固定資産、注記13 無形資産、注記14 投資不動産
・繰延税金資産の回収可能性-注記16 繰延税金
・引当金の測定-注記20 引当金、注記36 契約及び偶発債務
・確定給付債務の測定-注記21 従業員給付
(5) 会計方針の変更
当社は、当期より強制適用となった基準書及び解釈指針を適用しております。適用による当社への重要な影響はありません。
(6) その他
連結財政状態計算書における「契約資産(流動資産)」に含まれる一部の取引の表示をIFRIC第12号「サービス委譲契約」に従い、詳細に検討した結果、当期より「営業債権及びその他の債権(流動資産並びに非流動資産)」に含めて表示しております。また、当期の表示形式に合わせて、前期の金額も修正再表示しております。なお、「契約資産(流動資産)」及び「営業債権及びその他の債権(流動資産並びに非流動資産)」に関連する注記についても同様に前期の金額を修正再表示しております。
3 重要性がある会計方針
連結財務諸表の作成にあたり適用した重要性がある会計方針は次のとおりであります。
(1) 連結の基礎
① 企業結合
当社はIFRS第3号「企業結合」(以下、IFRS第3号)及びIFRS第10号「連結財務諸表」をすべての企業結合に適用しております。
当社は、注記5で開示している企業結合に対して取得法を適用しております。
支配とは、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、その投資先に対するパワーを通じてそれらのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。取得日とは支配が取得企業に移転した日をいいます。取得日及び支配がある当事者から他の当事者に移転したか否かを決定するためには判断が必要な場合があります。
当社はのれんを取得日時点で測定した被取得企業に対する非支配持分の認識額を含む譲渡対価の公正価値から、取得日時点における識別可能な取得資産及び引受負債の純認識額(通常、公正価値)を控除した額として測定しております。
譲渡対価には、当社から被取得企業の従前の所有者に対して移転した資産、発生した負債、及び当社が発行した持分の公正価値が含まれております。譲渡対価には、偶発対価の公正価値が含まれております。
被取得企業の偶発負債は、それが現在の債務であり、過去の事象から発生したもので、かつその公正価値を信頼性をもって測定できる場合に限り、企業結合において認識されております。
現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な持分を保有者に与えている非支配持分は、公正価値もしくは被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する非支配持分の比例的な取り分で当初測定しております。
この測定方法の選択は、取引ごとに行っております。その他の非支配持分は、公正価値もしくは他のIFRSが適用される場合は、他のIFRSに基づき、測定しております。
仲介手数料、弁護士費用、デューデリジェンス費用及びその他の専門家報酬、コンサルティング料等の、企業結合に関連して当社に発生する取引費用は、発生時に費用処理しております。
非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理されているため、当該取引からのれんは認識されておりません。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した会計年度末までに完了していない場合には、完了していない項目を暫定的な金額で報告しております。取得日時点に存在していた事実と状況を取得日当初に把握していたとしたら、認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下、測定期間)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。この新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しております。
測定期間は最長で1年間であります。
② 子会社
子会社とは、当社により支配されている企業をいいます。子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、当社の連結財務諸表に含まれております。子会社の会計方針は、当社が適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しております。
当社の連結財務諸表には、報告期間の末日を親会社の報告期間の末日に統一することが実務上不可能であり、親会社の報告期間の末日と異なる日を報告期間の末日とする子会社の財務諸表が含まれております。当該子会社の所在する現地法制度上、親会社と異なる決算日が要請されていることにより、決算日を統一することが実務上不可能であり、また、現地における会計システムを取り巻く環境や事業の特性などから、親会社の報告期間の末日を子会社の報告期間の末日として仮決算を行うことが実務上不可能であります。当該子会社の報告期間の末日と親会社の報告期間の末日の差異は3ヶ月を超えることはありません。
連結財務諸表の作成に用いる子会社の財務諸表を当社と異なる報告期間の末日で作成する場合、その子会社の報告期間の末日と当社の報告期間の末日の間に生じた重要な取引または事象の影響については調整を行っております。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本の部に直接認識されております。
③ 共通支配下の企業との企業結合
共通支配下における企業結合とは、企業結合当事企業もしくは事業のすべてが、企業結合の前後で同一の企業により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的でない場合の企業結合であります。当社は、すべての共通支配下における企業結合取引について、継続的に帳簿価額に基づき会計処理しております。
④ 関連会社及び共同支配の取決め
関連会社とは、当社がその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業をいいます。当社が他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社は当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。
共同支配の取決めは、各投資者が有する契約上の権利及び義務に基づいて、共同支配事業または共同支配企業のいずれかに分類されます。
当社は、共同支配事業に対する持分に係る資産、負債、収益及び費用の会計処理を、特定の資産、負債、収益及び費用に適用される適切なIFRSに基づき行っております。
関連会社及び共同支配企業への投資は、持分法を用いて会計処理しており(以下、持分法適用会社)、取得時に取得原価で認識しております。当社の投資には、取得時に認識したのれん(減損損失累計額控除後)が含まれております。
連結財務諸表には、重要な影響または共同支配が開始した日から終了する日までの持分法適用会社の収益・費用及び持分の変動に対する当社持分が含まれております。持分法適用会社の会計方針は、当社が適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しております。
また、連結財務諸表には、他の株主との関係等により、決算日を統一することが実務上不可能であるため、決算日の異なる持分法適用会社に対する投資もあります。当該持分法適用会社の報告期間の末日は主に12月末日であります。
決算日の差異より生じる期間の重要な取引または事象の影響については調整を行っております。
⑤ 連結上消去される取引
連結グループ内の債権債務残高及び取引、並びに連結グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。持分法適用会社との取引から発生した未実現利益は、被投資企業に対する当社持分を上限として投資から控除しております。未実現損失は、減損が生じている証拠がない場合に限り、未実現利益と同様の方法で控除しております。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レートで当社の各機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しております。貨幣性項目にかかる換算差額は、期首における機能通貨建の償却原価に当期中の実効金利及び支払金利を調整した金額と、期末日の為替レートで換算した外貨建償却原価との差額であります。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に再換算しております。
再換算によって発生した換算差額は、当期利益で認識しております。ただし、FVTOCIの金融資産の再換算により発生した差額、在外営業活動体に対する純投資のヘッジ手段として指定された金融商品(以下③参照)、及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益に計上しております。外貨建取得原価により測定されている非貨幣性項目は、取引日の為替レートを使用して換算しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産・負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については平均為替レートを用いて日本円に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。
当社のIFRS移行日以降、当該差額は「在外営業活動体の換算差額」として、その他の資本の構成要素に含めております。在外営業活動体の持分全体の処分、及び支配、重要な影響力または共同支配の喪失を伴う持分の一部処分につき、当該換算差額は、処分損益の一部として当期利益に振替えられます。
③ 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社は、在外営業活動体に対する純投資を直接保有しているか中間的な親会社を通じて保有しているかにかかわらず、在外営業活動体の機能通貨と親会社の機能通貨(円)との間に発生する換算差額についてヘッジ会計を適用しております。
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ手段として指定されている金融商品の再換算により発生した換算差額は、ヘッジが有効な範囲においてその他の包括利益で認識し、「在外営業活動体の換算差額」として、その他の資本の構成要素に含めております。ヘッジが有効でない部分については、当期利益で認識しております。純投資のうちヘッジされている部分が処分された場合には、当該換算差額は処分損益の一部として当期利益に振替えられます。
(3) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
当社は、営業債権及びその他の債権を、これらの発生日に当初認識しております。その他のすべての金融資産は、当社が当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しております。
非デリバティブ金融資産の分類及び測定モデルの概要は以下のとおりであります。
償却原価で測定される金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合に償却原価で事後測定しております。
・当社のビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高にかかる利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
償却原価で測定される金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。但し、重大な金融要素を含んでいない営業債権及びその他の債権については取引価格で当初認識しております。当初認識後、償却原価で測定される金融資産の帳簿価額については実効金利法を用いて算定し、必要な場合には減損損失を控除しております。
FVTOCIの負債性金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で事後測定しております。
・当社のビジネスモデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収と売却の両方を目的として保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高にかかる利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
FVTOCIの負債性金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。
当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動は「FVTOCIの金融資産」として、その他の資本の構成要素に含めております。FVTOCIの負債性金融資産の認識を中止した場合、その他の資本の構成要素の残高を当期利益に振替えております。
FVTPLの金融資産
資本性金融商品を除く金融資産で上記の償却原価で測定する区分及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する区分の要件を満たさないものは、公正価値で測定し、その変動を当期利益で認識しております。当該資産には、売買目的で保有する金融資産が含まれております。
資本性金融商品は公正価値で測定しその変動を当期利益で認識しております。ただし、当社が当初認識時に公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(撤回不能)を行う場合はこの限りではありません。
FVTPLの金融資産は、当初認識時に公正価値で認識し、取引費用は発生時に当期利益で認識しております。
FVTOCIの資本性金融資産
当社は当初認識時に、資本性金融商品への投資における公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(撤回不能)を行う場合があります。当該選択は、売買目的以外で保有する資本性金融商品に対してのみ認められております。
FVTOCIの資本性金融資産は、公正価値(直接帰属する取引費用も含む)で当初認識しております。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動は「FVTOCIの金融資産」として、その他の資本の構成要素に含めております。
FVTOCIの資本性金融資産の認識を中止した場合、または、取得原価に比し公正価値の著しい下落が一時的ではない場合、その他の資本の構成要素の残高は直接利益剰余金に振替え、当期利益で認識しておりません。
ただし、FVTOCIの資本性金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期利益で認識しております。
金融資産の認識の中止
当社は、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、または、当該金融資産の所有にかかるリスク及び便益を実質的にすべて移転する取引において、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、当該金融資産の認識を中止しております。移転した金融資産に関して当社が創出した、または当社が引き続き保有する持分については、別個の資産・負債として認識しております。
② 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物とは、現金及び容易に一定の金額に現金化が可能な流動性の高い投資をいい、預入時点から満期日までが3ヶ月以内の短期定期預金を含んでおります。
③ 非デリバティブ金融負債
当社は、当社が発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。その他の金融負債はすべて、当社が当該金融商品の契約の当事者になる取引日に認識しております。
当社は、金融負債が消滅した場合、つまり、契約上の義務が免責、取消または失効となった場合に、金融負債の認識を中止しております。
当社は、非デリバティブ金融負債として、社債及び借入金、営業債務及びその他の債務を有しており、公正価値(直接帰属する取引費用を控除後)で当初認識しております。
売買目的で保有する非デリバティブ金融負債は、当初認識後公正価値で測定し、その変動については当期利益で認識しております。売買目的以外で保有する非デリバティブ金融負債については、当初認識後、実効金利法を用いた償却原価により測定しております。
なお、金融負債が条件変更または交換されたものの、大幅な条件変更を伴わないことから当該金融負債の認識の中止が生じない場合にも、条件変更または交換時に利得または損失を認識しております。
④ 資本
普通株式
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しております。
自己株式
自己株式を取得した場合は、直接取引費用を含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識しております。自己株式を売却した場合、受取対価を資本の増加として認識しております。
⑤ デリバティブ及びヘッジ会計
当社は、金利変動リスク、為替変動リスク、在庫及び成約の価格変動リスクをヘッジするためデリバティブを利用しております。これらに用いられるデリバティブは主に、為替予約、通貨スワップ、金利スワップ及び商品先物取引などであります。
当初のヘッジ指定時点において、当社は、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスク管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略、ヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジ関係の有効性の評価方法、有効性及び非有効性の測定方法、及び非有効部分の発生原因の分析を文書化しております。
当社は、ヘッジ関係の開始時及び継続期間中にわたって、ヘッジ手段の公正価値の変動又はキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ対象の公正価値の変動又はキャッシュ・フローの変動と高い相殺関係があるかどうかを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は、密接に合致しているかどうかの定性的な評価、あるいはヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価格変動が相殺しあう関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しております。
予定取引に対してキャッシュ・フロー・ヘッジを適用するためには、当該予定取引の発生可能性が非常に高い必要があります。
デリバティブは公正価値で当初認識し、関連する取引費用は発生時に当期利益として認識しております。当初認識後は、デリバティブは公正価値で測定し、その変動は以下のように会計処理しております。
公正価値ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動は当期利益で認識しております。ヘッジ対象の帳簿価額は公正価値で測定し、ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象に係る利得または損失は、その変動を当期利益で認識しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債、当期利益に影響を与え得る発生可能性の非常に高い予定取引に関連する特定のリスクに起因するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、「キャッシュ・フロー・ヘッジ」として、その他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素に含めております。また、通貨金利スワップの通貨ベーシス・スプレッド部分については、ヘッジ手段から除外し、公正価値の変動を「ヘッジ・コスト」としてその他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素に含めております。その他の資本の構成要素に累積された残高は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが当期利益に影響を及ぼす期間と同一期間にわたり当期利益に振り替えられております。デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ非有効部分は、即時に当期利益で認識しております。
ヘッジがヘッジ会計の要件を満たさない場合、ヘッジ手段が失効、売却、終了または行使された場合、あるいはヘッジ指定が取り消された場合には、ヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しております。
ヘッジ会計を中止した場合、当社は、既にその他の包括利益で認識したキャッシュ・フロー・ヘッジの残高を、予定取引が当期利益に影響を与えるまで引き続き計上しております。予定取引の発生が予想されなくなった場合は、キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、即時に当期利益で認識されます。
⑥ トレーディング目的等のデリバティブ
当社には、ヘッジ目的で保有しているデリバティブのうちヘッジ会計の要件を満たしていないものがあります。また、当社は、デリバティブをヘッジ目的以外のトレーディング目的でも保有しております。これらのデリバティブの公正価値の変動はすべて即時に当期利益で認識しております。
⑦ 金融資産及び負債の表示
金融資産及び負債は、当社が残高を相殺する法的権利を有し、純額で決済するか、または資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
(4) 棚卸資産
棚卸資産は主として、商品、原材料・仕掛品及び販売不動産から構成されております。
棚卸資産については、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の営業過程における予想販売価額から完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額であります。
なお、短期的な価格変動により利益を獲得する目的で取得した棚卸資産については、売却費用控除後の公正価値で測定し、公正価値の変動を当期利益で認識しております。
短期的な価格変動により利益を獲得する目的以外で取得した棚卸資産については、個々の棚卸資産に代替性がない場合、個別法に基づき算定し、個々の棚卸資産に代替性がある場合、主に移動平均法に基づいて算定しております。
(5) 売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
当社は、非流動資産又は処分グループの帳簿価額が継続的使用ではなく主に売却取引により回収される場合は、当該資産又は処分グループを売却目的保有に分類し、流動資産に振り替えております。これに該当するのは、資産又は処分グループが売却に関する通常又は慣例的な条件のみに従って直ちに売却することが可能であり、その売却の可能性が非常に高い場合です。経営者は当該資産又は処分グループの売却計画の実行を確約している必要があり、売却が完了したものと認識されるための要件を売却目的保有に分類した日から1年以内に満たす予定でなければなりません。
売却目的保有に分類された非流動資産又は処分グループは、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しております。
(6) 有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産については、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
取得原価には資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び土地の原状回復費用、及び資産計上すべき借入費用が含まれております。
有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しております。
② 減価償却
減価償却費は償却可能価額をもとに算定しております。償却可能価額は、資産の取得価額または取得価額に準じる額から残存価額を差し引いて算出しております。
減価償却については、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、主に定額法に基づいております。定額法を採用している理由は、これが資産によって生み出される将来の経済的便益の消費の想定パターンに最も近似していると考えられるためであります。
なお、鉱業権の減価償却については、見積埋蔵量に基づき、生産高比例法に基づいて費用計上しております。土地は償却しておりません。
前期及び当期における見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び附属設備 3-50年
・機械設備 2-20年
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、毎期末日に見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(7) 無形資産
① のれん
当初認識
子会社の取得により生じたのれんは無形資産に計上しております。当初認識時におけるのれんの測定については、(1)①に記載しております。
当初認識後の測定
のれんは取得価額から減損損失累計額を控除して測定しております。持分法適用会社については、のれんの帳簿価額を投資の帳簿価額に含めております。また、当該投資にかかる減損損失は、持分法適用会社の帳簿価額の一部を構成するいかなる資産(のれんを含む)にも配分しておりません。
② ソフトウェアに係る支出の資産化
当社は、販売目的もしくは内部利用目的のソフトウェアを購入または開発するための特定のコストを支出しております。
新しい科学的または技術的知識の獲得のために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用計上しております。開発活動による支出については、信頼性をもって測定可能であり、製品または工程が技術的及び商業的に実現可能であり、将来経済的便益を得られる可能性が高く、当社が開発を完成させ、当該資産を使用または販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ自己創設無形資産として資産計上しております。
資産計上したソフトウェアに係る支出は、取得価額から償却累計額及び減損損失累計額を差し引いて測定しております。
③ 企業結合により取得した無形資産
企業結合により取得し、のれんとは区分して認識した販売権、商標権、顧客との関係等の無形資産は取得日の公正価値で計上しております。
その後は、取得価額から償却累計額及び減損損失累計額を差し引いて測定しております。
④ その他の無形資産
当社が取得したその他の無形資産で有限の耐用年数が付されたものについては、取得価額から償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しております。
商標権の一部については、事業を継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断し、償却しておりません。
⑤ 償却
償却費は、資産の取得価額から残存価額を差し引いた額をもとに算定しております。のれん以外の無形資産の償却は、当該資産が使用可能な状態になった日から見積耐用年数にわたり、定額法に基づいております。定額法を採用している理由は、これが無形資産によって生み出される将来の経済的便益の消費の想定パターンに最も近似していると考えられるためであります。前期及び当期における主な見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウェア 3-10年
・販売権・商標権・顧客との関係 3-30年
・その他 3-20年
償却方法、耐用年数及び残存価額は、毎期末日に見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(8) 投資不動産
投資不動産とは、賃料収入またはキャピタル・ゲイン、もしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産であります。通常の営業過程で販売する不動産や、商品またはサービスの製造・販売、またはその他の管理目的で使用する不動産は含まれておりません。投資不動産は、取得原価から減価償却累計額((6)②参照)及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
(9) リース
契約時に、当該契約がリース又はリースを含んだものであるのかどうかを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。
契約がリースであるか又はリースを含んでいる場合、開始日において使用権資産及びリース負債を連結財政状態計算書に計上しております。リース期間が12ヶ月以内に終了する短期リースに係るリース料は、リース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
使用権資産の測定は原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
取得原価は、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整しております。使用権資産は、リース期間にわたり規則的に減価償却を行っております。
リース負債は、支払われていないリース料の現在価値で測定しております。リース料は、リース負債残高に対して毎期一定の率の金利を生じさせるよう、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しております。金融費用は、連結包括利益計算書上、減価償却費と区分して表示しております。
(10) 減損
① 非デリバティブ金融資産
当社は、償却原価で測定する金融資産、リース債権、契約資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識しております。
期末日時点で金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合、期末日後12ヶ月以内の生じうる債務不履行から生じる予想信用損失に基づき測定しております。
一方、期末日時点で信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品の予想存続期間にわたって生じうるすべての債務不履行から生じる予想信用損失をもとに測定しております。
ただし、重大な金利要素を含んでいない営業債権等については、いずれの場合においても常に全期間の予想信用損失に基づき測定しております。
当社は、信用リスクの変動及び予想信用損失の算定にあたっては、主に当社独自の信用格付けであるSumisho Credit Rating(SCR)を用いております。これには、債務者の過去の貸倒実績、現在の財務状態及び合理的に利用可能な将来予測情報等が含まれております。
信用減損の証拠については、債務者の重大な財政的困難や期日経過を含む契約違反等の事象を用いて判断しております。
また、報告日時点で信用減損の証拠がある金融資産については、担保や保証等を含め債務者の個別の状況を総合的に評価した上で個別に予想信用損失を測定しております。なお、金融資産の全部又は一部が回収できないと合理的に判断される場合は、当該金融資産の帳簿価格を直接減額しております。
② 非金融資産
棚卸資産、生物資産及び繰延税金資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数を確定できない、または未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を少なくとも年1回見積っております。
資産または資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割引いております。資金生成単位については、継続的に使用することにより他の資産または資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしております。
のれんの資金生成単位については、のれんが内部報告目的で管理される単位に基づき決定し、集約前の事業セグメントの範囲内となっております。
全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を算定して判断しております。
減損損失については、資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には当期利益で認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分されております。
のれんに関連する減損損失は戻し入れておりません。過去に認識したその他の資産の減損損失については、各期末日において、損失の減少または消滅を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻し入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻し入れております。減損損失については、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費または償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻し入れております。
持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは別個に認識されておらず、個別に減損テストを実施しておりませんが、持分法適用会社に対する投資の総額を単一の資産として、持分法適用会社に対する投資が減損しているかもしれないという客観的な証拠が存在する場合に、減損テストの対象としております。
(11) 従業員給付
① 確定給付型年金制度
確定給付型年金制度は、確定拠出型年金制度(以下②参照)以外の退職後給付制度であります。確定給付型年金制度に関連する当社の純債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割引き、制度資産の公正価値を差し引くことによって算定しております。
割引率は、当社の債務と概ね同じ満期日を有するもので、期末日において信用格付AAの債券の利回りであります。この計算は、毎年、年金数理人によって予測単位積増方式を用いて行っております。
年金制度が改定された場合、従業員による過去の勤務に関連する給付金の増減部分は、即時に当期利益で認識しております。
当社は、確定給付負債(資産)の純額の再測定を、その他の包括利益で認識し、即時にその他の資本の構成要素から利益剰余金に振替えております。
② 確定拠出型年金制度
一部の子会社では、確定拠出型年金制度を採用しております。確定拠出型年金制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的または推定的債務を負わない退職後給付制度であります。確定拠出型年金制度の拠出は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識しております。また、一部の子会社では退職一時金制度または退職年金制度に加え複数事業主による年金制度に加入しており、期中の拠出額を年金費用として当期利益で認識し、未払拠出金を債務として認識しております。
なお上記のほか、親会社及び一部の子会社では、自ら希望した従業員が、当期の勤務に係る賞与の一部を掛金として拠出させることができる選択型確定拠出年金制度を設けております。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。
賞与については、当社が、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的または推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
④ 株式報酬取引
当社は、取締役及び執行役員に対して、一定の譲渡制限期間を設けた上で、予め定めた業績条件の達成度に応じて交付株式数を変動させる「譲渡制限付業績連動型株式報酬」を採用しております。当該株式報酬の公正価値は付与日時点で見積り、付与日から役務提供期間終了までの期間にわたり人件費として認識し、同額を資本の増加として認識しております。公正価値は、当社株式の公正価値等を基礎として、モンテカルロ・シミュレーションを用いて測定しております。
(12) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社が、現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額が合理的に見積り可能である場合に認識しております。引当金は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
資産除去債務
当社が公表している環境方針及び当社がその適用を受ける法規制や契約等に従い、当社は、主として石炭の採掘等に関する設備の撤去及び賃借事務所等に対する原状回復義務に係る費用等を認識しております。
(13) 収益
当社は、通常の商取引において提供される商品の販売、サービス及びその他の販売に係る収益(リース取引及び金融商品取引を除く)を以下の5ステップアプローチに基づき、認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に収益を認識する。
収益の主要な区分におけるそれぞれの収益認識基準、本人代理人の判定に関する基準は以下のとおりであります。
① 商品販売に係る収益
商品販売による収益には、卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売、不動産の開発販売などが含まれております。当社は、これらの収益を個々の契約内容に応じ、引渡、出荷、または検収時点など、約束した商品を顧客に移転することによって履行義務を充足した時に認識しております。顧客による検収条件は、契約内容や顧客との取り決めにより定められるものであり、事前に取り決めた仕様を満たさない場合には、最終的な検収終了まで収益は繰延べられることとなります。当社は原則として、販売した商品に欠陥等がない限り返品を受け付けないこととしております。
当社が技術提供、資材調達、建設工事を請負う電力発電所の建設事業や、顧客仕様のソフトウェアの開発請負事業などの長期請負工事契約については、一定の条件を満たす場合、収益と原価を一定期間にわたり履行義務が充足されることによって認識しております。履行義務が充足される進捗度は、工事契約等に必要な見積総原価に対する、現在までにかかった工事原価の割合に基づいて算定しております。当初の収益の見積り、完成までの進捗状況に変更が生じる可能性がある場合、見積りの見直しを行っております。
② サービス及びその他の販売に係る収益
サービス及びその他の販売に係る収益には、ソフトウェアに関連するサービス、賃貸用不動産、船舶などの貸付金、ファイナンス・リース及びオペレーティング・リースなどが含まれております。
ソフトウェアに関連するサービスのうち、保守管理に係る収益は、保守管理契約期間にわたって認識する場合と、実際のサービスの提供に応じて認識する場合とがあります。
船舶などの貸付金に係る収益は、実効金利法に基づき認識しております。
ファイナンス・リースに係る収益は、リースの計算利子率に基づき認識しております。
オペレーティング・リースに係る収益は、連結包括利益計算書にリース期間にわたり、定額法で認識しております。
③ 収益の本人代理人の判定
当社は、通常の商取引において、仲介業者または代理人としての機能を果たす場合があります。このような取引における収益を報告するにあたり、収益を顧客から受け取る対価の総額(グロス)で認識するか、または顧客から受け取る対価の総額から第三者に対する手数料その他の支払額を差し引いた純額(ネット)で認識するかを判断しております。ただし、グロスまたはネット、いずれの方法で認識した場合でも、売上総利益及び当期利益に影響はありません。
収益の本人代理人の判定に際しては、その取引における履行義務の性質が、特定された財又はサービスを顧客に移転される前に支配し、自ら提供する履行義務(すなわち、「本人」)に該当するか、それらの財又はサービスが当該他の当事者によって提供されるように手配する履行義務(すなわち、「代理人」)に該当するかを基準としております。当社が「本人」に該当する取引である場合には、履行義務を充足する時点で、又は充足するにつれて収益をグロスで認識しております。当社が「代理人」に該当する取引である場合には、履行義務を充足する時点で、又は充足するにつれて、特定された財又はサービスが当該他の当事者によって提供されるように手配することと交換に権利を得ると見込んでいる報酬又は手数料の金額にて収益をネットで認識しております。
ある取引において当社が本人に該当し、その結果、当該取引に係る収益をグロスで認識するための判断要素として、次の指標を考慮しております。
・当社が、特定された財又はサービスを提供する約束の履行に対する主たる責任を有している。
・特定された財又はサービスが顧客に移転される前、又は顧客への支配の移転の後に、当社が在庫リスクを有している。
・特定された財又はサービスの価格の設定において当社に裁量権がある。
(14) 金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金、有価証券売却益、FVTPLの金融資産の公正価値の変動及び当期利益で認識されたヘッジ手段に係る利益等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。受取配当金は、当社の受領権が確定した日に認識しております。金融資産(除くFVTPLの金融資産)からの利息収益は、実効金利法により計上しております。
金融費用は、支払利息、有価証券売却損、FVTPLの金融資産の公正価値の変動、金融資産の減損損失及び当期利益で認識されたヘッジ手段に係る損失等から構成されております。適格資産の取得、建設または製造に直接起因しない借入費用は、実効金利法により当期利益で認識しております。
(15) 借入費用
当社は、意図した使用または販売が可能となるまでに相当の期間を必要とする資産、つまり適格資産の取得、建設または製造に直接起因する借入費用は、その資産が実質的に意図した使用または販売を可能にする時まで、それらの資産の取得原価に加算しております。
上記以外のすべての借入費用は、それが発生した会計期間に当期利益で認識しております。
(16) 法人所得税費用
法人所得税費用は、当期税金と繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本の部またはその他の包括利益で認識される項目を除き、当期利益で認識しております。
当期税金は、期末日時点において施行または実質的に施行される税率を乗じて算定する当期の課税所得または損失に係る納税見込額あるいは還付見込額の見積りに、前年までの納税見込額あるいは還付見込額の調整額を加えたものであります。
繰延税金は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異に対して認識しております。繰延税金資産及び負債は、期末日に施行または実質的に施行される法律に基づいて一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しております。
企業結合以外の取引で、会計上または税務上のいずれの損益にも影響を及ぼさず、かつ取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引における資産または負債の当初認識に係る差異については、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。さらに、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識しておりません。
IAS第12号「法人所得税」における一時的な例外規定の適用により、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び負債は認識しておりません。
繰延税金資産は、未使用の税務上の欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しております。
子会社、関連会社及び共同支配の取決めに対する投資に係る将来加算一時差異について繰延税金負債を認識しております。ただし、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内での一時差異の解消が期待できない可能性が高い場合には認識しておりません。子会社、関連会社及び共同支配の取決めに係る将来減算一時差異から発生する繰延税金資産は、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な将来に解消されることが予期される可能性が高い範囲でのみ認識しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合または異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び負債を純額ベースで決済することを意図している場合、もしくはこれら税金資産及び負債が同時に実現する予定である場合に相殺しております。
(17) 1株当たり当期利益(損失)
当社は、普通株式に係る基本的及び希薄化後1株当たり当期利益(損失)(以下、EPS)を開示しております。基本的EPSは、当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)から譲渡制限付株式に帰属する当期利益(損失)を差し引いた調整後の当期利益(損失)を、その期間の自己株式と譲渡制限付株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。希薄化後EPSは、すべての希薄化効果のある潜在的普通株式による影響について、当期利益(損失)(親会社の所有者に帰属)及び自己株式を調整した発行済株式の加重平均株式数を調整することにより算定しております。当社の潜在的普通株式はストック・オプション制度、譲渡制限付株式報酬制度、業績連動型株式報酬制度及び譲渡制限付業績連動型株式報酬制度に係るものであります。
(18) 事業セグメント
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位であります。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、マネジメントが定期的にレビューしております。
(19) 未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設または改訂は次のとおりであり、2025年3月31日現在において当社はこれらを適用しておりません。適用による当社への影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
4 セグメント情報
(1) 事業セグメント
当社は戦略を軸とするSBUを基本単位とし、戦略上の親和性の高いSBUを束ねる組織として9つのセグメント(グループ)に区分しております。当社のレポーティング・セグメントは次のとおりであります。
以下のグループの記載にある「トレード」とは、グループが、契約当事者として行う取引及び代理人として関与する取引を表しております。収益の認識基準については、注記3(13)を参照願います。
鉄鋼グループ-鉄鋼グループは、鋼管・鋼材などの鉄鋼製品を取り扱い、幅広い分野で顧客のニーズに対応したバリューチェーンを展開しております。鋼管分野では、石油・ガス会社向けに、当社独自のSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)に加えて、オイルフィールドサービス分野への展開を図り、トータルサービスプロバイダーとしての機能を拡充しております。鋼材分野では、調達・在庫管理・加工などの機能を備えた国内外のスチールサービスセンター網を通じ、自動車・家電メーカー向けを中心にジャストインタイムで薄板製品を納入するサービスを展開しております。鉄鋼グループは、エネルギー鋼管SBU、鋼材事業SBU及び鉄鋼GXSBUから構成されております。
自動車グループ-自動車グループは、自動車、タイヤ及びその他関連商品の国内・海外取引を行っております。当該グループのビジネスは、製造、販売、リース並びにこれらの関連サービス・周辺事業などの幅広い分野に及んでおります。自動車グループは、自動車製造・エンジニアリングSBU、自動車流通販売SBU、モビリティサービスSBU、タイヤSBU、Beyond Mobility SBUから構成されております。
輸送機・建機グループ-輸送機・建機グループは、船舶、航空機、建設機械及び関連機器・部品の国内・海外取引を行っております。当該グループのビジネスは、販売・サービス、リース・ファイナンス、製造などの幅広い分野に及んでおります。輸送機・建機グループは、総合リースSBU、航空SBU、防衛宇宙・技術SBU、船舶海洋SBU、建機ソリューションSBUから構成されております。
都市総合開発グループ-都市総合開発グループは、ビル・商業施設・住宅・物流施設・ファンドの運営などの不動産事業、サステナブルシティ・工業団地の開発・運営事業、建材・セメント・産業用設備などの建設資機材関連事業、総合物流インフラ事業、保険事業や、鉄道・空港・港湾・水事業などの基幹インフラ関連事業に取り組んでおります。都市総合開発グループは、不動産SBU、工業団地・サステナブルシティSBU、産業マテリアル&システムSBU、物流・保険SBU、基幹インフラSBUから構成されております。
メディア・デジタルグループ-メディア・デジタルグループは、デジタルソリューション事業、情報通信インフラ事業、モバイル付加価値サービス事業、第5世代移動通信システム(5G)事業、ケーブルテレビ事業、テレビ通販事業、映像コンテンツ関連事業、グローバルCVC事業(スタートアップ投資)を行っております。メディア・デジタルグループは、デジタルSBU、スマートプラットフォームSBU、5G SBU、ケーブルプラットフォームSBU、メディア・コマース&コンテンツSBU、新事業投資SBUから構成されております。
ライフスタイルグループ-ライフスタイルグループは、食品スーパー・ブランド等のリテイル事業、食品・食品原料や青果等の食料事業、ドラッグストア・調剤薬局及びマネージドケア・クリニック等のヘルスケア事業を行っております。ライフスタイルグループは、リテイルSBU、食料SBU、グローバル青果SBU、ヘルスケアSBUから構成されております。
資源グループ-資源グループは、銅、ニッケル、アルミ、石炭、鉄鉱石、貴金属等の商材に係る権益の開発・操業・生産、製品の製造・販売及び商品デリバティブの活用等の幅広い機能を提供するトレードビジネスを推進しております。資源グループは、非鉄金属SBU、アルミSBU、石炭・原子燃料SBU、鉄鋼原料・炭素SBU及びコモディティビジネスSBUから構成されております。
化学品・エレクトロニクス・農業グループ-化学品・エレクトロニクス・農業グループは合成樹脂、有機・無機化学品、電子材料、シリコンウェハー、医薬、農薬、肥料、動物薬などのトレード及びこれらの事業投資を含む関連ビジネスを行っております。更に、アジアを中心としたEMS(Electronics Manufacturing Services)事業を展開しております。化学品・エレクトロニクス・農業グループは、基礎化学品SBU、エレクトロニクスSBU、グリーンケミカルSBU、ライフサイエンスSBU及びアグリ事業SBUから構成されております。
エネルギートランスフォーメーショングループ-エネルギートランスフォーメーショングループは、再生可能エネルギーを含む国内外の発電事業及び電力機器・プラント関連の建設工事請負・エンジニアリングなどの大規模なインフラビジネスに取り組んでおります。また、天然ガス、液化天然ガス(LNG)等のエネルギー権益開発・生産及び販売事業、海洋インフラ・船舶燃料供給事業に通り組んでおります。更に、国内電力小売り、環境関連ビジネス、蓄電池関連ビジネス、次世代エネルギー分野での事業開発を行っております。エネルギートランスフォーメーショングループは、エネルギーイノベーション・イニシアチブSBU、国内エネルギーソリューションSBU、海外エネルギーソリューションSBU、インドネシアエネルギーソリューションSBU、ガスバリューチェーンSBU、海洋・海運エネルギーソリューションSBUから構成されております。
それぞれの事業セグメントは、戦略目標の設定、経営管理、及びその結果に対する説明責任に関して、各々が自主性を発揮して、事業活動を行っております。また、マネジメントは、各セグメントの財務情報を定期的に評価し、業績評価や資源配分を行っております。
当社のセグメント情報は次のとおりであります。
前期(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
当期(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
(注) 1 当社は、2024年4月1日付で、「事業部門」・「エネルギーイノベーション・イニシアチブ」及び「本部」・「部」を廃止し、戦略事業単位である「Strategic Business Unit」(SBU)をベースとした組織運営を行っております。SBUを束ねる組織として、新たに9グループを設置しております。これに伴い、前期のセグメント情報は、組替えて表示しております。
2 各セグメントに配賦できない全社資産は、主に全社目的のために保有される現金及び現金同等物、及び市場性のある有価証券により構成されております。
3 消去又は全社の当期利益(親会社の所有者に帰属)には、特定の事業セグメントに配賦されない損益、及びセグメント間の内部取引消去が含まれております。
4 セグメント間の取引は、通常の市場価格にて行われております。
5 顧客との契約から生じる収益は、経済的要因別に区分の結果、各セグメントに分解されております。
6 自動車グループにおいて、前期に北欧駐車場事業に関する減損損失を計上しております。前期における当期利益(親会社の所有者に帰属)に対する影響額は、△12,249百万円であります。
7 メディア・デジタルグループにおいて、前期にミャンマー通信事業に関する損失を計上しております。前期における当期利益(親会社の所有者に帰属)に対する影響額は、△35,215百万円であります。
8 資源グループにおいて、前期に南アフリカ鉄鋼石事業に関する減損損失戻入益、マダガスカルニッケル事業に関する減損損失を計上しております。また、当期にマダガスカルニッケル事業に関する損失を計上しております。前期及び当期における当期利益(親会社の所有者に帰属)に対する影響額は、それぞれ△74,938百万円及び△18,859百万円であります。
(2) 地域別情報
当社の地域別収益の内訳は次のとおりであります。
当社の所在地域別に分析した非流動資産(金融資産及び繰延税金資産を除く)の帳簿価額の内訳は次のとおりで
あります。
5 子会社の取得
(1) 前期
前期における主な企業結合は、Sunstate Equipment Co., LLCにおける建設機材レンタル事業の買収や北米における硫酸事業の取得等であります。これらの企業結合に関わる買収基準日における支払対価、既保有分、取得資産・負債の公正価値及び非支配持分の総額は、次のとおりであります。支払対価は現金であります。
なお、一部の企業結合については、連結財務諸表の発行日において、取得価額の取得資産・負債への配分が完了していないため、暫定的な金額で報告しております。
非支配持分は、識別可能な被取得企業の純資産に対する持分割合相当額で測定しております。
(2) 当期
2024年12月25日、当社の連結子会社であるSCSK株式会社は、ネットワンシステムズ株式会社(以下、ネットワンシステムズ)に対する株式公開買付けを通じて、ネットワンシステムズの議決権の79.69%を取得しております。ネットワンシステムズ株式の取得の結果、ネットワーク・セキュリティ・クラウドからデータ活用等のアプリケーションの提供までを一体化したデジタルサービスの展開等単なる資本提携・業務提携を大きく上回る様々なシナジー効果が期待できます。
買収基準日における支払対価、取得資産・負債の公正価値及び非支配持分は、次のとおりであります。支払対価は現金であります。
企業結合に係る取得関連費用として当期に1,113百万円が連結包括利益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されております。
なお、当期末において、現時点で入手可能な情報を基に取得対価の配分を行っております。その結果、非流動資産106,014百万円、非流動負債32,461百万円を認識しております。上記金額は、暫定的に見積もられた公正価値であり、のれんの資金生成単位への配分は完了しておりません。非流動資産の主な内容は、顧客関連資産であり、当該資産の公正価値は超過収益法に基づき算定しております。顧客関連資産の見積耐用年数は、主に20年です。のれんは、主に、今後の事業展開により期待される超過収益力であり、メディア・デジタルグループで認識されております。
当期においてネットワンシステムズ以外の重要な企業結合は発生しておりません。
また、前期に暫定的な会計処理を行っていたものは、当期において取得価額の配分が完了しております。取得価額の配分が当期に与える影響は軽微であります。
6 有価証券及びその他の投資
連結財政状態計算書の「有価証券」及び「その他の投資」計上額の内訳は次のとおりであります。
前期末及び当期末において、償却原価で測定される「有価証券」及び「その他の投資」の公正価値は、13,928百万円及び15,258百万円であります。
当社は、投資先企業との取引関係の維持・強化による中長期的な収益の拡大などを目的として保有している投資について、FVTOCIの金融資産に分類しています。
期末に「その他の投資」に計上されているFVTOCIの金融資産の公正価値及び受取配当金は次のとおりであります。
上記のうち、主な銘柄の公正価値は次のとおりであります。
期中に処分したFVTOCIの金融資産は次のとおりであります。
これらは主に、取引関係の見直し等により売却したものです。なお、前期及び当期において、その他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた累積利得(税引後)は、それぞれ16,572百万円及び50,338百万円であります。
取得原価に比し公正価値の著しい下落が一時的ではないFVTOCIの金融資産について、前期及び当期にその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた累積損益(税引後)は、それぞれ△4,238百万円及び△838百万円であります。
7 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は次のとおりであります。
売掛金には、FVTPLの金融資産が、前期末及び当期末において、それぞれ98,978百万円及び178,133百万円含まれております。
当社は、主に輸出取引に伴い発生した受取手形を一部割引いております。これらの手形の振出人が支払不能となった場合には、当社に銀行等への支払義務が生じることとなります。
これらの割引手形は、前期末及び当期末でそれぞれ3,218百万円及び1,301百万円を連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権」に含めて表示しております。
また、割引きにより入金を受けた金額は、「社債及び借入金」として表示しております。
8 リース
(1) 貸手側
当社は、オペレーティング・リースとして、建設機械、オフィスビル、及び船舶等の賃貸を行っております。前期末及び当期末においてオペレーティング・リースの対象となっている資産の取得原価は、それぞれ816,465百万円及び900,713百万円、また、減価償却及び減損損失累計額の合計は、それぞれ243,522百万円及び265,515百万円であり、これらは連結財政状態計算書の「有形固定資産」、「無形資産」及び「投資不動産」に含まれております。
当社が有するオペレーティング・リースに基づく将来の受取リース料は次のとおりであります。
当社は、賃貸契約上、IFRS第16号「リース」(以下、IFRS第16号)に基づくファイナンス・リースに分類される自動車、船舶、発電設備及びサービス装置等の賃貸を行っております。
当社が有するファイナンス・リースに基づく将来の受取額総額は次のとおりであります。
当社が有するファイナンス・リースに係る主な損益は次のとおりであります。
(2) 借手側
当社は、オフィスビル及び船舶、機械設備、店舗等を賃借しております。
① 使用権資産
使用権資産の帳簿価額は次のとおりであります。
使用権資産の減価償却費は次のとおりであります。
前期及び当期における使用権資産の取得は、それぞれ49,821百万円及び93,658百万円、また、企業結合による取得は、それぞれ2,902百万円及び12,250百万円であります。
② リース負債の満期分析
当社のリース負債に係る残存契約満期金額は次のとおりであります。
③ 使用権資産に関連する損益
④ リースに係るキャッシュ・アウトフロー
9 担保差入資産
借入金及び取引保証等に対する担保差入資産は次のとおりであります。
(注) 主にデリバティブ取引に係る差入保証金及び賃貸物件に係る敷金であります。
当社は、輸入金融を利用する際、通常は銀行にトラスト・レシートを差し入れ、輸入商品または当該商品の売却代金に対する担保権を付与しております。輸入取引量が膨大であることから、手形を期日に決済するにあたり、個々に当該手形とその売却代金との関連付けは行っておらず、これらトラスト・レシートの対象資産の金額を算出することは実務上困難であり、上記金額には含まれておりません。
10 棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりであります。
上記の内、販売費用控除後の公正価値で計上した棚卸資産の帳簿価額は、前期末及び当期末において、それぞれ94,575百万円及び151,416百万円であります。
前期及び当期において費用認識された棚卸資産の評価損計上額は、それぞれ6,080百万円及び6,966百万円であります。
11 持分法適用会社に対する投資
(1) 持分法適用会社に対する投資の持分の帳簿価額及び持分取込額
当社の連結財務諸表数値に基づいた、関連会社及び共同支配企業に対する当社の持分の要約財務情報は次のとおりであります。
前期に以下のとおり利益及び損失を計上しております。なお、当該利益及び損失は連結包括利益計算書の「持分法による投資損益」に含まれており、セグメントは当期情報に組み替えております。
南アフリカ鉄鉱石事業において、資源価格の市況回復に伴い長期事業計画を見直した結果、資源グループにおいて13,782百万円の減損損失戻入益を計上しております。
マダガスカルニッケル事業において、プラント設備の不具合等、足元の操業状況を踏まえて生産量の見通しを下方修正し、今般事業計画の見直しを実施しました。当事業において保有する固定資産につき見直し後の事業計画に基づいて回収可能価額まで減損損失を認識した結果、当社グループが保有する投融資につき、資源グループにおいて75,462百万円の減損損失を計上しております。
ミャンマー通信事業において、ドルの兌換規制の状況が改善されていないこと等を受けて、リース債権の評価を見直した結果、当社グループが保有する投資につき、2022年度に計上した減損損失の戻入も加味し、メディア・デジタルグループにおいて35,215百万円の減損損失を計上しております。
当期にマダガスカルニッケル事業において、Ambatovy Minerals S.A.及びDynatec Madagascar S.A.に対する株主融資について足元の状況を踏まえて回収可能性を考慮した結果、英国裁判所に申し立てていたRestructuring Plan(英国法に基づく債務整理手続)によりコミット済みの未拠出額も含めた全額につき損失計上しております。これに伴い、連結包括利益計算書において14,107百万円の損失を「持分法による投資損益」、4,752百万円の損失を「その他の損益」に計上しております。
上記要約財務情報を構成する共同支配企業のうち、当社の経営上、重要性のある共同支配企業は、三井住友ファイナンス&リース(所有比率50%)、Ambatovy Minerals S.A.(所有比率54.17%)及びDynatec Madagascar S.A.(所有比率54.17%)であります。Ambatovy Minerals S.A.及びDynatec Madagascar S.A.については、50%超の議決権を有しておりますが、株主間協定に基づき共同支配企業と判断しております。
三井住友ファイナンス&リース
三井住友ファイナンス&リースの要約財務諸表は次のとおりであります。
なお、下記要約財務諸表には三井住友ファイナンス&リースに対するのれん等の金額が含まれております。
三井住友ファイナンス&リースは、リースを始めとする様々な金融サービスを提供しております。当社が三井住友ファイナンス&リースより受け取った配当金は、前期及び当期において、それぞれ12,666百万円及び21,227百万円であります。
マダガスカルニッケル事業
Ambatovy Minerals S.A.及びDynatec Madagascar S.A.両社財務諸表を合算した要約財務諸表は次のとおりであります。
Ambatovy Minerals S.A.及びDynatec Madagascar S.A.(以下両社を称して「プロジェクト会社」という)は、マダガスカル共和国において、ニッケル採掘事業及びニッケル精錬事業を運営しております。
両社財務諸表を合算した要約財務諸表における非流動資産には、これら事業に係る鉱業権及び精錬設備を含んだ固定資産が、前期において179,877百万円含まれております。
プロジェクト会社の固定資産に減損の兆候が認められ、かつ、減損テストの結果、回収可能価額が固定資産の帳簿価額を下回った場合には、当社において持分相当額を持分法投資損失として認識します。認識した持分法投資損失がプロジェクト会社の株式に対する持分法投資額を超える場合、実質的に純投資と考えられる貸付金等の長期持分に対して配分します。プロジェクト会社における固定資産の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方が採用され、その見積りには、プロジェクト会社の生産数量、将来の資源価格(主にニッケル及びコバルト等の中・長期予想価格)、割引率といった重要な仮定が使用されており、これらの仮定の変動により当社の業績に重要な影響を与えるリスクがあります。
当期においては、プロジェクト会社が英国裁判所に申し立てていたRestructuring Plan(英国法に基づく債務整理手続、以下「英国Restructuring Plan」という)が2024年11月に認可され、同年12月に同債務整理手続が完了しております。
プロジェクト会社に対する株主融資について足元の状況を踏まえて回収可能性を考慮した結果、英国Restructuring Planによりコミット済みの未拠出額も含めた全額につき損失計上しております。これに伴い、連結包括利益計算書において14,107百万円の損失を「持分法による投資損益」、4,752百万円の損失を「その他の損益」に計上しております。
(2) 持分法適用会社に対する債権残高及び債務残高
当社の持分法適用会社に対する債権残高、債務残高は次のとおりであります。
(3) 持分法適用会社との取引概要
当社は、持分法適用会社と第三者間の販売及び仕入取引に関して、多様な仲介取引を行っております。それら取引による手数料収入に重要性はありません。
持分法適用会社との取引概要は次のとおりであります。
持分法適用会社との取引は独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っております。
12 有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
〔取得原価〕
〔減価償却累計額及び減損損失累計額〕
有形固定資産の減価償却費は、連結包括利益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。また、有形固定資産の減損損失は、連結包括利益計算書の「固定資産評価損益」に含めております。前期及び当期において計上した有形固定資産の減損損失の金額は、それぞれ19,494百万円及び6,478百万円であります。前期は主にライフスタイルグループにおいて、当期は主に自動車グループにおいて、それぞれ18,849百万円及び3,202百万円の減損損失を計上しております。
〔帳簿価額〕
13 無形資産
(1) のれん
のれんの取得原価及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
〔取得原価〕
〔減損損失累計額〕
前期に北欧駐車場事業において、12,249百万円ののれんの減損損失を認識しており、連結包括利益計算書の「固定資産評価損益」に含まれております。
〔帳簿価額〕
企業結合で生じたのれんは、取得日に、企業結合から利益がもたらされる資金生成単位またはグループに配分しております。のれんの帳簿価額のセグメント別内訳は、次のとおりであります。
(注) 2024年4月1日付の機構改正に伴い、前期の内訳を組み替えて表示しております。
前期末において主なのれんは、米国建機レンタル事業で33,574百万円、北欧駐車場事業で20,646百万円、欧米州青果事業で13,392百万円であります。当期末において主なのれんは、SCSKで179,151百万円、米国建機レンタル事業で34,040百万円、北欧駐車場事業で21,842百万円、欧米州青果事業で13,410百万円であります。
(2) その他無形資産
その他無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
〔取得原価〕
〔償却累計額及び減損損失累計額〕
〔帳簿価額〕
販売権・商標権・顧客との関係のうち、主なものはSCSK、米国建機レンタル事業、欧米州青果事業及び北欧駐車場事業であります。SCSKでは当期末において116,584百万円であります。米国建機レンタル事業では前期末及び当期末において、それぞれ25,544百万円及び23,950百万円であります。欧米州青果事業では前期末及び当期末において、それぞれ24,904百万円及び23,467百万円であります。北欧駐車場事業では前期末及び当期末において、それぞれ15,652百万円及び14,514百万円であります。このうち耐用年数を確定できる資産の平均残存償却期間は、SCSKでは20年、米国建機レンタル事業では14年、欧米州青果事業では15年、北欧駐車場事業で7年であります。
前期及び当期において、それぞれ550百万円及び993百万円のその他無形資産の減損損失を認識しております。
上記の無形資産のうち、耐用年数を確定できる資産は、その耐用年数にわたって償却しております。償却対象の無形資産償却費は、連結包括利益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めております。
上記の無形資産のうち、耐用年数を確定できない資産は、前期末及び当期末において、それぞれ24,667百万円及び28,974百万円であります。このうち、主なものは商標権であります。これらの商標権は企業結合時に取得したものであり、事業が継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断しております。耐用年数を確定できない資産のうち、重要なものはありません。
(3) のれん及びその他無形資産の減損テスト
当社は、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、少なくとも年1回減損テストを行っており、さらに、減損の兆候がある場合には、その都度、減損テストを行っております。重要なのれん及びその他無形資産の減損テストの前提は次のとおりであります。
欧米州青果事業
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストは、バナナ&パイン事業について実施しており、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、欧米州青果事業の事業計画に対して、直近の事業環境を反映させた4年間の将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて、独立した鑑定人の支援を受け、評価しております。使用価値に大きく影響を及ぼす仮定は、バナナ&パイン事業において販売数量・マージン・割引率等であります。成長率及び割引率は次のとおりであります。
成長率は、資金生成単位グループが属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しております。
割引率は、資金生成単位グループの加重平均資本コストを基礎に算定しております。
なお、欧米州青果事業においては、減損テストに用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
北欧駐車場事業
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストは、スウェーデン・ノルウェー・フィンランドの北欧3ヶ国の駐車場事業全体を一つの資金生成単位グループとして実施しており、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、北欧駐車場事業の事業計画に対して、直近の事業環境を反映させた将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて、独立した鑑定人の支援を受け、評価しております。事業計画の対象期間は駐車場拠点の平均賃借期間を基礎に算定し6~8年間としております。使用価値に大きく影響を及ぼす仮定は、駐車場事業の収益、割引率等であります。成長率及び割引率は次のとおりであります。
成長率は、各国の長期平均成長率を勘案して決定しております。
割引率は、各国の加重平均資本コストを基礎に算定しております。
なお、北欧駐車場事業においては、当期末の減損テストに用いた使用価値は帳簿価額を7,661百万円上回っております。事業環境の変化等により駐車場事業の収益性が大幅に低下する場合、または仮に割引率が約1.2%上昇した場合には、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性があります。
その他
その他ののれんの減損テストにおいても、回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、マネジメントが承認した事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割引いて算定しております。事業計画は原則として5年を限度としており、業界の将来の趨勢に関するマネジメントの評価と過去のデータを反映したものであり、外部情報及び内部情報に基づき作成しております。成長率は、各資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しております。当社は市場もしくは国の長期平均成長率を超過する成長率は用いておりません(国内:最大で1%程度、海外:最大で5%程度)。割引率は、各資金生成単位の加重平均資本コストもしくは資本コスト等を基礎に算定しております(国内:5%~8%程度、海外:6%~20%程度)。
14 投資不動産
投資不動産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は次のとおりであります。
〔取得原価〕
〔減価償却累計額及び減損損失累計額〕
前期において、6,012百万円の減損損失を認識しており、連結包括利益計算書の「固定資産評価損益」に含まれております。
〔帳簿価額及び公正価値〕
各基準日現在の公正価値は、投資不動産の所在する地域及び評価される不動産の種類に関する最近の鑑定経験を有し、かつ不動産鑑定士等の公認された適切な専門家としての資格を有する独立的鑑定人による評価に基づいております。その評価は、当該不動産の所在する国の評価基準に従い類似資産の取引価格を反映した市場証拠等に基づいております。
なお、すべての投資不動産はIFRS第13号「公正価値測定」におけるレベル3-観察不能な価格を含むインプットにて測定しております。
投資不動産に係る賃貸料収入は、前期及び当期において、それぞれ40,524百万円及び42,689百万円であり、連結包括利益計算書の「収益」に含まれております。賃貸料収入に付随して発生した直接的な費用(修理、メンテナンスを含む)は、前期及び当期において、それぞれ30,497百万円及び32,457百万円であり、主に「原価」に含まれております。
15 生物資産
生物資産の増減は次のとおりであります。
当社はニュージーランド及び米国において、山林資産(主に松)を保有しております。売却費用控除後の公正価値にて当該資産を測定しております。
なお、すべての生物資産はIFRS第13号「公正価値測定」におけるレベル3-観察不能な価格を含むインプットにて測定しております。
16 繰延税金
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳は次のとおりであります。
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は次のとおりであります。
繰延税金資産及び繰延税金負債の増減内容は次のとおりであります。
当社は、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異または繰越欠損金の一部または全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮しております。当社は、認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が認識できる期間における将来課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性は高いと判断しております。ただし、認識可能と考えられる繰延税金資産の金額は、控除可能である期間における将来課税所得見込が減少すれば、同様に減少することとなります。繰延税金資産は回収可能性の評価により、前期及び当期において、それぞれ12,358百万円減少及び27,074百万円減少しております。
当社は、一部の税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異について、繰延税金資産を認識しておりません。これらは、主に親会社の子会社への投資に係るものであります。当社はこうした繰延税金資産の回収可能性を評価し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しております。将来の課税所得の発生可能性が高くないため、繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異は、それぞれ559,967百万円(前期末446,517百万円)及び210,393百万円(前期末148,796百万円)であります。将来減算一時差異は現行の税法上は失効することはありません。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は次のとおりであります。
前期末及び当期末において、当社は子会社の投資に係る将来加算一時差異については、原則、繰延税金負債を認識しております。これは、当社が一時差異の取崩しの時期をコントロールする立場にあり、このような差異を予測可能な期間内に取崩すことが前提であるためであります。一方で、予測可能な範囲内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合については、繰延税金負債を認識しておりません。前期末及び当期末において、繰延税金負債を認識していない子会社の投資に係る将来加算一時差異は、それぞれ1,245,190百万円及び955,786百万円であります。
当社は、IAS第12号「法人所得税」における一時的な例外規定の適用により、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び負債は認識しておりません。
その他の流動資産には、前期末及び当期末において未収法人所得税が、それぞれ27,324百万円及び10,987百万円含まれております。
17 社債及び借入金
社債及び借入金(非流動負債)の内訳及び借入利率は次のとおりであります。
社債及び借入金(流動負債)の内訳は次のとおりであります。
社債及び借入金(流動負債)の連結財政状態計算書の残高と合計との差額は、一年以内に期限の到来する社債及び借入金となっております。
前期及び当期の短期借入金の加重平均利率は、それぞれ4.61%及び2.81%となっております。
前期のコマーシャルペーパーの加重平均利率は、2.74%となっております。
当社は、海外の1つの銀行団、米銀及び欧銀との間で合計1,210百万米ドル、国内の2つの銀行団との間で合計285,000百万円の信用枠を締結しております。当期末において、これらの信用枠は未使用となっております。
主な長短銀行借入は、以下のような契約に基づいております。
銀行は、債権保全を必要とする相当の事由が生じた場合、借手に対し、担保差入または追加差入、乃至は保証人をたてることを要求することができ、また、それらの担保を、その銀行に対する借手のすべての債務への担保として扱うことが認められております。一部の銀行借入に係る契約では、特定の財務比率及び純資産の一定水準の維持が求められております。債務不履行の際に銀行による一定の占有権を認めている契約もあります。また、主に政府系金融機関との契約では、当社が株式及び社債の発行等により資金調達した際に、当該金融機関が借入金の期限前返済が可能と判断した場合には、当該借入金の期限前返済を請求することが認められております。また、一部契約では、銀行が請求した際には、借手は、剰余金の配当案等について、銀行からの事前承認を受けるよう定められております。当社はこのような請求を受けたことはなく、今後も受けることはないと判断しております。
なお、当社は、前期及び当期において、すべての社債及び借入金に係る契約を遵守しております。
18 財務活動から生じた負債
財務活動から生じた負債の増減は次のとおりであります。
前期(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
連結キャッシュ・フロー計算書における短期借入債務の収支には、上記科目のほかに関連会社からの預託金が含まれております。
当期(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
連結キャッシュ・フロー計算書における短期借入債務の収支には、上記科目のほかに関連会社からの預託金が含まれております。
19 営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は次のとおりであります。
買掛金には、FVTPLの金融負債が、前期末及び当期末において、それぞれ211,341百万円及び376,357百万円含まれております。
営業債務及びその他の債務の連結財政状態計算書における内訳は次のとおりであります。
20 引当金
引当金の内訳は次のとおりであります。
資産除去債務は、主に石炭の採掘等に関する設備の撤去及び賃借事務所等に対する原状回復義務に係る費用等に関するものであります。
従業員給付に係る引当金は、長期有給休暇に係る引当金等により構成されております。
その他引当金には、製品保証引当金等が含まれております。
21 従業員給付
(1) 退職後給付
親会社は、取締役及び執行役員を除く、ほぼすべての従業員に対して、確定給付型の年金制度及び退職一時金制度を設けております。確定給付型年金制度の給付額は、勤務年数、退職時の給与支給額、及びその他の要素に基づき設定されております。また、法令及び規約を遵守し、加入者等のために忠実に積立金の管理及び運用に関する業務を遂行する責任を負っており、掛金拠出の義務が課されております。なお、確定給付企業年金法に基づき、掛金の妥当性等を適時に把握する目的から、財政再計算を3年毎に実施しております。
年金形態は規約型であります。年金制度に関する重要事項の諮問機関として、各関係役員及び従業員等により構成される年金運営委員会を設置しております。当委員会において、資産運用実績や制度の状況、会計処理などの各種報告を行うこと、また、制度改訂や投資方針変更などの検討を目的として、適時にミーティングを実施しております。
子会社の多くは、内部積立による退職一時金制度と、外部積立による退職年金制度のいずれか、または両制度を併せて採用しております。役員を除く従業員は、通常の定年退職や早期退職にあたり、ほとんどの場合において、退職時の給与や勤続年数等に基づく退職一時金を受領する権利を有しております。また、一部の子会社では、確定拠出型の年金制度を採用しております。
なお、上記のほか、一部の子会社では、自ら希望した従業員が、当期の勤務に係る賞与の一部を掛金として拠出させることができる選択型確定拠出年金制度を設けております。
給付債務の現在価値及び制度資産の公正価値の変動は次のとおりであります。
(注) 利用可能な最大の経済的便益は、現在価値で算定した将来掛金の減額によって算定されております。
当社の給付債務の測定基準日は主に3月31日であります。
当社の年金積立は、税法上の損金算入限度額、制度資産の積立状態、数理計算等の様々な要因を考慮の上行われます。制度資産への拠出は、既に提供された役務に対する給付に加え、将来提供される部分に対する給付を賄うことも意図しております。これに加え、親会社では、期末時点の給付債務の積立不足額を積み立てるため、現金を退職給付信託に拠出する場合があります。
当社の制度資産運用は、年金受給者(将来の年金受給者を含む)に対する給付を確保するとともに、許容されるリスクの範囲内で制度資産価値の増大を図ることを目的としております。制度資産の運用にあたっては、投資対象資産のリスクやリターンを考慮した上で、将来にわたり最適な組み合わせである政策的資産構成(以下、政策アセットミックス)を策定し、運用受託機関の選定、資産配分状況のモニタリングなどにより資産運用状況を管理しております。政策アセットミックスは、設定した当初前提からの市場環境の変化や積立状況の変化に対応するため、定期的に見直しを行っております。当社の目標とする資産別配分比率は株式22%、債券48%及びその他30%であります。
運用受託機関とは定期的にミーティングを実施し、年金資産運用に関する重要事項についての協議を行うとともに、機関における運用指針等に反する行為や経営上の重大な事態の有無などについても報告を求めております。
制度資産の項目毎の公正価値は次のとおりであります。
数理計算のために使用した主要な仮定は次のとおりであります。
数理計算のための主要な仮定が合理的な範囲で変動した場合、期末の給付債務に影響を及ぼす可能性があります。例えば、前期及び当期において、割引率が0.5%上昇した場合、給付債務はそれぞれ18,327百万円及び15,371百万円減少します。また、割引率が0.5%低下した場合、給付債務はそれぞれ22,249百万円及び18,429百万円増加します。なお、この分析は、主要な仮定における感応度の概要を提供するものであり、予測されるキャッシュ・フロー情報の全ての影響は考慮しておりません。
当社の翌連結会計年度における予定拠出額は10,545百万円であります。
当期における給付債務の加重平均デュレーションは17年であります。
前期及び当期における確定拠出年金制度に関する費用認識額は、それぞれ△7,956百万円及び△8,437百万円であります。
一部の国内子会社では、退職一時金制度または退職年金制度に加えて複数事業主による年金制度に加入しており、期中の拠出額を年金費用として、未払拠出金を債務として認識しております。子会社の翌連結会計年度における当該年金制度に対する予定拠出額は849百万円であります。
(2) 従業員給付費用
前期及び当期における「原価」に含まれる人件費の合計金額は、それぞれ△200,438百万円及び△216,468百万円であります。
22 資本金
親会社の発行可能株式総数及び発行済株式総数は次のとおりであります。
上記の発行済株式総数に含まれる自己株式数は、前期末及び当期末において、それぞれ1,143,723株及び1,092,736株であります。
当期末時点の発行済株式総数は、譲渡制限付業績連動型株式報酬としての新株式発行により304,800株増加しております。また、2024年5月2日開催の取締役会において決議した自己株式の消却により、発行済株式総数が2024年8月28日付で12,288,300株減少しております。
23 剰余金
(1) 資本剰余金
日本における会社法(以下、会社法)では、株式の発行に対しての払込みまたは給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
(2) 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取崩すことができることとされております。
親会社における会社法上の分配可能額は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成された親会社の会計帳簿上の利益剰余金の金額に基づいて算定されております。
また、会社法は分配可能額の算定にあたり一定の制限を設けております。親会社の会計帳簿上、その他利益剰余金として記帳されている金額は、前期末及び当期末において、それぞれ932,036百万円及び1,234,587百万円であり、上記の制約を受けておりません。
24 その他の資本の構成要素及びその他の包括利益
その他の資本の構成要素の各項目の増減は次のとおりであります。
非支配持分に含まれるその他の包括利益の各項目の内訳は次のとおりであります。
その他の包括利益の各項目の内訳とそれらに係る税効果額(非支配持分を含む)は次のとおりであります。
25 配当
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるもの
26 株式報酬
当社の株式報酬制度に関する説明は次のとおりであります。
(1) 株式報酬型ストック・オプション制度
親会社は、取締役及び執行役員に対して株式報酬型ストック・オプション制度を採用しております。当該制度の下では、新株予約権1個当たり普通株式100株(2006年以前の付与分は1,000株)が付与対象者に対して付与されることとなりますが、新株予約権の権利行使価格は1株当たり1円であります。
新株予約権は発行日に100%付与されます。付与された新株予約権は、取締役及び執行役員のいずれの地位も喪失した日の翌日から10年間行使可能となります。
なお、2018年度以降、株式報酬型ストック・オプションの新たな発行は行わないこととしております。
株式報酬型ストック・オプションの状況は次のとおりであります。
(2) 業績連動型株式報酬制度
親会社は、予め定めた業績条件(株価条件)の達成度に応じて交付株式数を変動させる「業績連動型株式報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット)」を採用しております。これは、株主価値との連動性を強化し中長期的な企業価値向上にむけた取組みや株主との一層の価値共有を進めることを目的としたものです。
当制度の下では、付与対象者(社外取締役を除く取締役及び執行役員)が一定期間継続して親会社の取締役又は執行役員を務めることを条件として、監査役より適正である旨の表明を受けて取締役会にて決定された算定方法に基づき、3年間の評価期間における株価条件(3年間の評価期間における当社株式成長率)の達成度に応じて0~150%の間で調整された数の当社普通株式を、評価期間終了後に交付します。また、2021年6月18日開催の第153期定時株主総会において、当制度に基づき当該定時株主総会終結以後に退任する対象取締役及び執行役員に交付する当社普通株式に譲渡制限を設定することの承認を得ております。なお、本制度の詳細は、第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等に記載されております。
期中に発行された業績連動型株式の内容は次のとおりであります。
2023年6月末日に本制度の評価期間が終了したことから、当期に発行された業績連動型株式はありません。
(3) 譲渡制限付業績連動型株式報酬制度
親会社は、一定の譲渡制限期間を設けた上で、予め定めた業績条件(株価条件)の達成度に応じて交付株式数を変動させる「譲渡制限付業績連動型株式報酬(リストリクテッド・パフォーマンス・シェア・ユニット)」を採用しております。これは、株主価値との連動性を強化し中長期的な企業価値向上にむけた取組みや株主との一層の価値共有を進めるという現行株式報酬の目的を更に推し進めることを目的として、「譲渡制限付株式報酬」及び「業績連動型株式報酬制度」を一本化したものです。
当制度の下では、付与対象者(社外取締役を除く取締役及び執行役員)が一定期間継続して親会社の取締役又は執行役員を務めることを条件として、監査役より適正である旨の表明を受けて取締役会にて決定された算定方法に基づき、3年間の評価期間における当社株式成長率(0~150%の間で調整された数)及び非財務指標(「気候変動問題対応」、「女性活躍推進」及び「従業員エンゲージメント」)についての取り組みの進捗・成果に応じた評価(80%~120%の間で調整された数(2026年6月末日に評価期間が終了する株式報酬から適用))を乗じて算出した当社普通株式を、評価期間終了後に交付します。本制度の詳細は、第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等に記載されております。
期中に発行された譲渡制限付業績連動型株式の内容は次のとおりであります。
本制度の最初の評価期間終了は2024年6月末日となるため、前期に発行された譲渡制限付業績連動型株式はありません。
また、期中に付与された譲渡制限付業績連動型株式報酬の加重平均公正価値及びその算定基礎は次のとおりであります。評価にあたっては、モンテカルロ・シミュレーションを用いております。
(4) 株式報酬費用
前期及び当期における業績連動型株式報酬制度及び譲渡制限付業績連動型株式報酬制度に係る費用は、計874百万円及び計1,418百万円であります。
27 金融商品及び関連する開示
(1) 資本管理
当社の資本管理は、経営の健全性・効率性を維持し、持続的な成長を実現するため、事業のリスクに見合った適正な資本水準、並びに負債・資本構成を維持することを基本方針としております。
当社が資本管理において用いる主な指標には、以下のものがあります。
・リスクアセット(注1)と株主資本のバランス
・ネット有利子負債(注2)の株主資本に対する倍率(ネットのデット・エクイティ・レシオ)
(注)1 将来に亘る一定の期間に、一定の確率の下で、保有する有形・無形の資産、契約、事業活動等から生じうる最大損失可能性額をいいます。
(注)2 有利子負債の金額から現金及び現金同等物並びに定期預金の金額を控除したものであります。
当社は、中期経営計画の策定及び見直しの都度、収益及び投資計画に加え、これらの指標についてもマネジメントがモニターし、確認しております。また、株主資本は為替や株価等、市況の影響を直接受けることから、そのような影響を極力ミニマイズするために、重要な外貨建事業投資に係る為替リスクに対するヘッジや、保有株式の見直しを適宜実施しております。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
(2) 財務上のリスク管理方針
当社は国際的に営業活動を行っており、為替、金利及び商品価格の変動リスクに晒されております。当社が取り組んでいるデリバティブは、主にこれらのリスクを軽減するための為替予約、通貨スワップ、金利スワップ及び商品先物取引等であります。当社は為替変動リスク、金利変動リスク及び商品価格変動リスクの変化を継続的に監視すること及びヘッジ機会を検討することによって、これらのリスクを評価しております。また当社は、これらのデリバティブ取引より生じる信用リスクに晒されておりますが、契約相手の大部分は国際的に認知された金融機関であり、契約も多数の主要な金融機関に分散されているため、そのようなリスクは小さいと考えております。当社の財務運営の方針・目的は、中長期にわたり安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性を保持することであります。
① 為替リスク管理
当社は国際的に営業活動を行っており、当社の営業拠点の現地通貨以外の通貨による売買取引、ファイナンス及び投資に関連する為替変動リスクに晒されております。当社の為替リスク管理の方針は、外貨建の資産と負債や未認識の確定契約が相殺されることも考慮の上、為替予約や通貨スワップ等を利用して非機能通貨のキャッシュ・フローの経済的価値を保全することであります。
外貨感応度分析
以下の表は、当社の米ドルの為替リスクエクスポージャーに対する感応度分析であります。
感応度分析は、期末日現在における、為替差額を当期利益又は損失で認識する外貨建の営業債権・債務、予定販売・購入取引、デリバティブ等から生じる為替リスクエクスポージャーに対して、日本円が1%円高となった場合に、連結包括利益計算書の税引前利益又は損失に与える影響を示しております。本分析においては、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としております。
② 金利リスク管理
当社は、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されております。特に、金利の変動は借入コストに影響を与えます。これは、当社が変動金利の借入を行っているためであり、また、都度借換えを行う短期借入金があるためであります。
しかしながら、金利変動が借入コストに与える影響は、金利変動の影響を受ける資産からの収益により相殺されます。当社は、これら資産・負債から生じる金利変動リスクをモニタリングし、急激な金利変動時には、金利スワップ等のデリバティブ取引等を利用することで、損益の変動を機動的にヘッジする体制を整えております。
金利感応度分析
次の表は、前期及び当期において、金利が1%上昇した場合に、金利変動の影響を受ける商品から生じる損益が当社の税引前利益又は損失に与える影響を示しております。この分析は、前期末及び当期末に当社が保有する正味の変動金利性金融商品残高に1%を乗じて算出しており、将来にわたる残高の増減、為替変動の影響、変動金利性の借入金に係る借換時期・金利改定時期の分散効果等を考慮せず、その他のすべての変数を一定として計算しております。
変動金利条件付有利子負債・融資、固定金利条件付であっても金利スワップ契約により実質変動金利条件付となっている有利子負債・融資、現金及び現金同等物、定期預金並びに期末日で未決済の売掛金・買掛金等を金利変動の影響を受ける商品として感応度を算定しております。
③ 信用リスク管理
当社は、取引先に対し、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っており、信用リスクを負っております。当社は、取引先の信用リスク管理に、当社独自の信用格付であるSumisho Credit Rating(以下、SCR)を用いております。このSCRでは、取引先を信用力に応じて合計9段階に格付けし、格付に応じて与信枠設定の決裁権限を定めております。また、取引先の与信枠を定期的に見直し、信用リスクのエクスポージャーを当該枠内で適切に管理しているほか、取引先の信用評価を継続的に実施し、必要な場合には担保取得などの保全措置も講じております。
当社の債権は、広範囲の産業や地域に広がる多数の取引先に対する債権から構成されており、単独の相手先またはその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクのエクスポージャーを有しておりません。
また、預金とデリバティブについては、取引先の大部分が国際的に認知された金融機関であることから、それらの信用リスクは限定的であります。
連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額、及び保証並びに資金供与に関する契約の額は、獲得した担保の評価額を考慮に入れない、当社の金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。
損失評価引当金
営業債権等及び契約資産、並びに貸付金に対する損失評価引当金の増減は、次のとおりであります。
前期(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
(単位:百万円)
当期(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
(単位:百万円)
金融資産の帳簿価額
営業債権等及び契約資産、並びに貸付金の帳簿価額は、次のとおりであります。
前期(2024年3月31日)
(単位:百万円)
当期(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当社では金融資産の帳簿価額が最大エクスポージャーとなり、これらに係る担保及びその他の信用補完に重要なものはありません。
④ 商品価格リスク管理
当社は、貴金属、非鉄金属、燃料、農産物等の現物取引、鉱物、石油、及びガス開発プロジェクトへの投資を行っており、関連する商品価格の変動リスクに晒されております。当社は、商品の売り繋ぎや売り買い数量・時期等のマッチング、デリバティブ等の活用によって、商品の価格の変動によるリスクを減少させるよう努めております。また、予め決められたポジション限度・損失限度枠内で、トレーディング目的のデリバティブ取引も実施しておりますが、限定的であるため、当該取引の公正価値変動が当社連結の当期利益及び資本合計に与える影響は重要ではありません。
⑤ 流動性リスク管理
当社の財務運営の方針・目的は、中長期にわたり安定的な資金調達を行うこと、及び十分な流動性を保持することであります。当社では、金融市場の混乱等いくつかの有事シナリオを想定し、流動性リスクを監視しております。必要となる流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローや、良好な関係を築いている金融機関からの借入、資本市場における社債発行、及びコマーシャルペーパーの発行等により調達した資金を、総じて格付機関から高い格付を付与された信用力の高い金融機関に預金として確保しております。
また、当社は、国内の有力金融機関及び海外の大手金融機関との間で未実行の複数の長期コミットメントライン契約を締結しており、コミットメントベースではない借入枠と併せ、流動性リスクの軽減を図っております。
当社の非デリバティブ金融負債の残存契約満期金額は次のとおりであります。なお、「リース負債」については、注記8において開示しております。
当社のデリバティブの流動性分析の結果は次のとおりであります。この表は、デリバティブ金融商品の将来の収入・支出をもとに作成しております。総額決済するデリバティブについても、取引毎に収入・支出純額で表示しております。受取金額または支払金額が固定されていない場合、開示金額は前期末及び当期末時点でのイールド・カーブを参照して見積られた金利で算出しております。
(3) 金融商品の公正価値
① 公正価値の測定方法
金融資産及び金融負債の公正価値は、次のとおり決定しております。金融商品の公正価値の見積りにおいて、市場価格が入手できる場合は、市場価格を用いております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値に関しては、将来キャッシュ・フローを割引く方法、またはその他の適切な評価方法により見積っております。
現金及び現金同等物、定期預金、有価証券
満期までの期間が短期であるため帳簿価額と公正価値はほぼ同額であります。
その他の投資
市場性のある有価証券の公正価値は市場価格を用いて見積っております。非上場普通株式は、割引将来キャッシュ・フロー、収益、利益性及び純資産に基づく評価モデル、類似業種比較法及びその他の評価方法により、公正価値を算定しております。
営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務
帳簿価額と公正価値がほぼ同額であるとみなされる変動金利付貸付金等を除く当該債権債務の公正価値については、同程度の信用格付を有する貸付先または顧客に対して、同一の残存期間で同条件の貸付または信用供与を行う場合の金利を用いて、将来キャッシュ・フローを割引く方法により見積っております。
社債及び借入金
帳簿価額と公正価値がほぼ同額であるとみなされる変動金利付債務を除く社債及び借入金の公正価値については、同一の残存期間で同条件の借入を行う場合の金利を用いて、将来キャッシュ・フローを割引く方法により見積っております。
第三者の債務に対する保証
金融保証の公正価値は、独立した企業間の取引として、保証人の受け取るまたは受け取り得る保証料に基づき見積っております。
金利スワップ、通貨スワップ及び通貨オプション
金利スワップ、通貨スワップ及び通貨オプションの公正価値については、ブローカーによる提示相場や、利用可能な情報に基づく適切な評価方法により見積っております。
為替予約
為替予約の公正価値については、同様の条件により行う為替予約の市場価格に基づき見積っております。
金利先物取引・債券先物取引
金利先物取引・債券先物取引の公正価値については、市場価格を用いて見積っております。
商品先物、先渡及びスワップ取引
商品先物、先渡及びスワップ取引の公正価値については、市場価格等を用いて見積っております。
その他の流動負債
満期までの期間が短期であるため帳簿価額と公正価値はほぼ同額であります。
② 償却原価で測定される金融商品
償却原価で測定される金融商品の公正価値は次のとおりであります。なお、償却原価で測定する金融資産のうち「有価証券」及び「その他の投資」については、注記6において開示しております。
③ 公正価値で測定される金融商品
IFRS第13号「公正価値測定」は、公正価値の測定に利用するインプットの重要性を反映させた公正価値の階層を用いて、公正価値の測定を分類することを要求しております。
公正価値の階層は、以下のレベルとなっております。
レベル1―活発な市場における同一資産・負債の市場価格
レベル2―直接または間接的に観察可能な、公表価格以外の価格で構成されたインプット
レベル3―観察不能な価格を含むインプット
公正価値の測定に使用される公正価値の階層のレベルは、公正価値の測定の重要なインプットのうち、最も低いレベルにより決定しております。
公正価値の階層ごとに分類された、連結財政状態計算書に公正価値で認識される金融資産及び金融負債は次のとおりであります。
経常的にレベル3で測定される金融商品の当期首から当期末までの変動は次のとおりであります。
(注) 1 連結包括利益計算書の「商品販売に係る収益」、「商品販売に係る原価」及び「有価証券損益」に含まれております。
(注) 2 為替相場の変動による影響(在外営業活動体の換算差額に含まれるもの)を含めております。
(注) 3 ティーガイア株式に対する公開買付けによる影響を含めております。
(4) デリバティブ及びヘッジ
公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとは、資産及び負債、または確定約定に係る公正価値の変動リスクを回避するためのヘッジであります。当社は、確定約定に関する公正価値の変動をヘッジするために、商品先物取引及び為替予約を利用しております。また、当社は、変動金利を稼得する資産に対して固定金利支払の借入を行っている場合、当該借入の公正価値の変動をヘッジするために金利スワップを利用しております。公正価値ヘッジとして指定されたデリバティブの公正価値の変動は当期利益又は損失として認識され、ヘッジが有効な範囲においてヘッジ対象の公正価値の変動による当期利益又は損失と相殺されております。前期及び当期に計上されたヘッジ対象の損益は、それぞれ5,445百万円の損失及び18,617百万円の利益であり、ヘッジ手段の損益は、それぞれ5,445百万円の利益及び18,617百万円の損失であります。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとは、将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジであります。当社は予定取引に関するキャッシュ・フローの変動をヘッジするために商品先物取引及び為替予約を、また、変動金利の借入に関連するキャッシュ・フローの変動をヘッジするために金利スワップを利用しております。キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動は、ヘッジが有効な範囲において「キャッシュ・フロー・ヘッジ」としてその他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素に含めております。なお、通貨金利スワップの通貨ベーシス・スプレッド部分については、ヘッジ手段から除外し、公正価値の変動を「ヘッジ・コスト」としてその他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素に含めております。その他の資本の構成要素に累積された残高は、ヘッジ対象が当期利益又は損失に認識された時点で当期利益又は損失へ振り替えております。
前期末及び当期末において1年以内に当期利益又は損失に振り替えられると見込まれるデリバティブ損益の金額(税効果後)は、それぞれ10,004百万円の利益及び4,567百万円の利益であります。
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社は、在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクを回避するために、通貨スワップ、外貨建借入金及び外貨建社債を利用しております。ヘッジ手段であるデリバティブ取引の公正価値の変動及び外貨建借入金の換算差額は、ヘッジが有効な範囲においてその他の包括利益として認識し、その他の資本の構成要素に含まれております。
ヘッジに指定されないデリバティブ
当社は、ヘッジ関係がヘッジ会計を適用する要件を満たさない場合を含め、デリバティブを利用することが経済的に合理的である場合には、デリバティブを利用しております。
当社は、外貨建資産、負債及び会計上未認識の確定契約に係る為替変動を経済的にヘッジするために為替予約取引を利用しております。当社はまた、在庫及び会計上未認識の確定契約に係る市況商品の市場価格の変動を経済的にヘッジするために商品先物及び先渡取引、並びにスワップ契約を締結しております。当社はマネジメントの承認する範囲内でトレーディング目的の商品デリバティブ取引を行っております。これらのデリバティブにはヘッジ会計は適用されず、公正価値の変動はすべて当期利益又は損失として認識しております。
デリバティブの公正価値は次のとおりであります。
前期(2024年3月31日)
上記以外に、在外営業活動体に対する純投資ヘッジのヘッジ手段に指定されている外貨建借入金及び外貨建社債がそれぞれ342,227百万円及び50,127百万円あります。
なお、デリバティブ債権・債務記載額と連結財政状態計算書残高との相違は、非支配持分株主に対するプット・オプション付与に係る金融負債及びデリバティブ債権・債務及び預託金との相殺等によるものであります。連結財政状態計算書におけるその他の金融資産・負債のうち、強制可能なマスターネッティング契約又は類似の契約の対象である金額は76,767百万円であります。
当期(2025年3月31日)
上記以外に、在外営業活動体に対する純投資ヘッジのヘッジ手段に指定されている外貨建借入金が101,927百万円あります。
なお、デリバティブ債権・債務記載額と連結財政状態計算書残高との相違は、非支配持分株主に対するプット・オプション付与に係る金融負債及びデリバティブ債権・債務及び預託金との相殺等によるものであります。連結財政状態計算書におけるその他の金融資産・負債のうち、強制可能なマスターネッティング契約又は類似の契約の対象である金額は73,625百万円であります。
28 収益
(1) 契約残高
① 契約資産
当社が通常の営業活動において、顧客に移転した財またはサービスと交換に受け取る対価に対する権利のうち、時の経過以外の条件が付されているものを、契約資産として表示しております。契約資産は、対価に対する当社の権利が無条件になった時点で顧客との契約から生じた債権に振り替えられます。当期中における契約資産の変動の主な要因は、エネルギートランスフォーメーショングループにおける長期請負工事契約の履行義務の充足によるものです。
② 契約負債
当社が通常の営業活動において、財またはサービスを移転する義務のうち、顧客から対価を受け取っている、または対価の期限が到来しているものを契約負債として表示しております。当期中において契約負債の残高に重大な変動はありません。また、当期首現在の契約負債残高のうち当期中に収益として認識していない金額に重要性はありません。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
当社は通常の営業活動において、一部の取引に関して長期販売契約を締結しております。当該契約にかかる当社の履行義務のうち、未充足の履行義務に配分した取引価格の総額は、前期末時点及び当期末時点でそれぞれ2,350,150百万円及び2,314,552百万円であります。当該履行義務には、エネルギー事業やバイオマス燃料事業における長期販売契約等が含まれております。当期末時点において、これらの残存履行義務は最長で23年以内に充足されることを見込んでおります。なお、当社は実務上の便法を適用している為、この金額には履行義務が充足される予想期間を1年以内として締結している販売契約は含んでおりません。
また、当該長期販売契約において約束された対価が変動性のある金額を含んでいる場合、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めております。
29 為替換算損益
機能通貨以外の通貨で記帳されている資産及び負債を換算することにより発生する損益及びそれらの資産及び負債を決済することにより発生する損益は、発生した時点で当期利益又は損失として認識しております。連結包括利益計算書に含まれるこれらの為替換算損益は、前期及び当期において、それぞれ8,080百万円及び15,045百万円の損失であります。
30 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は次のとおりであります。
上記のうち、設備経費には設備賃借料、有形固定資産減価償却費等が含まれております。
人件費のうち、前期及び当期における当社取締役の報酬等の額は、それぞれ1,198百万円、1,204百万円と
なっております。
31 金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は次のとおりであります。
有価証券損益のその他は、主に関係会社株式に係る損益であります。そのうち、子会社の支配喪失に伴う売却損益等は、前期及び当期において、それぞれ1,820百万円及び3,412百万円であります。
上記のほか、ヘッジ指定されていないデリバティブの評価損益(純額)が、前期及び当期において、それぞれ「収益/原価」に△12,164百万円及び54,716百万円、「その他の損益」に△27百万円及び1,120百万円含まれております。
また、償却原価で測定された金融資産に係る受取利息が、前期及び当期において、それぞれ「収益」に18,900百万円及び14,964百万円、償却原価で測定された金融負債に係る支払利息が、前期及び当期において、それぞれ「原価」に△2,875百万円及び△2,456百万円含まれております。
32 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は次のとおりであります。
当社は、主に法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した適用税率は前期31.0%及び当期31.0%となっております。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されます。
本邦において、2025年3月31日に、「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)及び「地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律」(令和7年法律第7号)が公布され、2026年4月1日以後に開始する事業年度から法人税率等が変更されることとなりました。これに伴い、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、従来の31.0%から、2026年4月1日に開始する事業年度以降に解消が見込まれる一時差異等については32.0%となります。なお、この税率変更に伴う影響は軽微であります。
また当社は、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールに関する税法から生じる法人所得税を当期より連結包括利益計算書の法人所得税費用に含めて認識しておりますが、当社グループの業績に与える影響は軽微です。
なお、IAS第12号「法人所得税」における一時的な例外規定の適用により、第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び負債は認識しておりません。
適用税率と、連結包括利益計算書における平均実効税率との差異要因は次のとおりであります。
33 1株当たり情報
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益は次の情報に基づいて算定しております。
34 キャッシュ・フロー情報
キャッシュ・フローの補足情報は次のとおりであります。
事業の取得時における資産・負債の公正価値は、注記5に記載しております。
前期中に売却した事業に関する受取対価の総額は、4,502百万円であります。
売却時における資産・負債の内訳は以下のとおりであります。
当期中に売却した事業に関する受取対価の総額は、3,227百万円であります。
売却時における資産・負債の内訳は以下のとおりであります。
35 子会社
当社の主要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況 (1)子会社」に記載のとおりであります。
36 契約及び偶発債務
(1) 契約
当社は、通常の営業活動において、船舶や資材をはじめとする一部の商品に関して固定価格または変動価格による長期購入契約を締結しております。これらの購入契約に対しては、通常、顧客への販売契約を取り付けております。当期末の固定価格または変動価格による持分法適用会社との長期購入契約の残高は、925,807百万円で最長期限は2045年であります。
当社はまた、資金供与に関する契約(貸付契約、出資契約)及び設備使用契約等を締結しており、当期末の契約残高は、901,807百万円であります。このうち、持分法適用会社との当期末の契約残高は、170,563百万円であります。
当社が借手であるリース契約については、注記8に記載しております。
(2) 保証
当社は、様々な保証契約を締結しております。これらの契約には、持分法適用会社やサプライヤー、顧客に対する信用補完等が含まれます。
主な保証に対する、割引前の将来最大支払可能性額は、次のとおりであります。
① 持分法適用会社の債務に対する保証
当社は、一部の持分法適用会社の銀行借入、仕入先への支払債務及びその他の債務に対して保証(最長期限2034年)を行っております。一部の保証には、裏保証が付されており、当該裏保証の残高は当期末で701百万円であります。銀行からの借手である持分法適用会社が返済不能となった場合、当社は返済不能額を負担し、また付随する損失を負担することがあります。
② 第三者の債務に対する保証
当社は、主にサプライヤーや顧客を中心に第三者の債務に対して保証(最長期限2050年)を行っております。一部の保証には、裏保証が付されており、当該裏保証の残高は当期末で8,697百万円であります。当社は債務者が保証債務の対象となっている債務を返済できない場合、当該債務を負担しなければなりません。また、一部の保証債務は債務者の資産により担保されております。
上記契約及び保証のうち、発生しうる予想信用損失については、損失評価引当金を計上しており、マネジメントは、これらに関し重大な追加損失は発生しないものと見込んでおります。
(3) 訴訟等
当社は、事業遂行上偶発的に発生する訴訟や訴訟に至らない請求等を受けておりますが、当社の経営上、重要な影響を及ぼすものはありません。
37 後発事象
当期の連結財務諸表承認日である2025年6月18日現在における重要な後発事象は次のとおりであります。
自己株式の取得及び消却に係る事項の決定
当社は、2025年5月1日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式を取得すること、及び会社法第178条の規定に基づき自己株式の消却を行うことについて決議しました。
1.自己株式の取得を行う理由
資本効率の向上、及び株主還元の充実を図るため、自己株式を取得するもの
2.取得に係る事項の内容
(1) 取得する株式の種類 :当社普通株式
(2) 取得する株式の総数 :35百万株を上限とする
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合約2.9%)
(3) 株式の取得価額の総額 :800億円を上限とする
(4) 取得期間 :2025年5月2日~2026年3月31日
3.消却に係る事項の内容
(1) 消却する株式の種類 :当社普通株式
(2) 消却する株式の総数 :上記2により取得する自己株式のうち、株式報酬として充当を見込む
株数(100万株)を除いた全数
(3) 消却予定日 :2026年4月10日
<ご参考> 2025年3月31日時点の自己株式の保有状況
発行済株式総数(自己株式を除く) 1,210,006,631株
自己株式数 1,092,736株
ベトナムにおける石炭火力発電事業の一部持分譲渡
当社は、第三者企業に対し、当社100%子会社のVan Phong Power Company Limited(以下「Van Phong社」という。)に係る当社出資持分を譲渡することを2025年5月1日に決定しました。一定の前提条件の充足をもってVan Phong社に対する当社の出資持分比率は50%となり、連結子会社から持分法適用会社に区分変更される見込みです。
38 連結財務諸表の承認
2025年6月18日に、連結財務諸表は当社代表取締役 社長執行役員 CEO 上野 真吾及び最高財務責任者 諸岡 礼二によって承認されております。
(2) 【その他】
当期における半期情報等
(注) 第1四半期連結累計期間及び第3四半期連結累計期間に係る財務情報に対するレビュー :有
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前期(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
当期(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法
売買目的有価証券:時価法(売却原価は移動平均法により算定)
満期保有目的債券:償却原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの:時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等:移動平均法による原価法
子会社株式及び関連会社株式:移動平均法による原価法
(2) デリバティブの評価基準及び評価方法:時価法
(3) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
通常の販売目的で保有する棚卸資産:移動平均法または個別法による原価法
(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
トレーディング目的で保有する棚卸資産:時価法
2 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産
2007年3月31日以前に取得した有形固定資産:旧定額法
2007年4月1日以降に取得した有形固定資産:定額法
(2) 無形固定資産:定額法
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法
3 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金:債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については取引先の財務情報等を基に分類した社内の債権格付に基づき損失見込額を計上し、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し回収不能見込額を計上しております。
(2) 退職給付引当金:従業員の退職給付に備えるため、当期末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上することとしておりますが、当期末においては年金資産の見込額を上回る退職給付債務は発生していないと認められるため、退職給付引当金は計上しておりません。
退職給付見込額の期間帰属方法は、給付算定式基準を採用しております。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(12年)による定額法により費用計上しております。
数理計算上の差異は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(12年)による定額法により翌期から費用計上しております。
4 収益及び費用の計上基準
収益の主な履行義務の内容、履行義務を充足する通常の時点は以下のとおりです。
当社の主な履行義務には、卸売、加工等を通じた幅広い産業分野における商品の販売、不動産の開発販売などが含まれております。当社は、これらの収益を個々の契約内容に応じ、引渡、出荷、または検収時点など、約束した商品を顧客に移転することによって履行義務を充足した時に認識しております。
当社は原則として、販売した商品に欠陥等がない限り返品を受け付けないこととしております。
当社の主な履行義務が、技術提供、資材調達、建設工事を請負う電力発電所の建設事業などの長期請負工事契約等である場合は、一定の条件を満たす場合、収益と原価を一定期間にわたり履行義務が充足されることによって認識しております。履行義務が充足される進捗度は、工事契約等に必要な見積総原価に対する、現在までにかかった工事原価の割合に基づいて算定しております。
収益の本人代理人の判定に関する基準は以下のとおりです。
当社は、通常の商取引において、仲介業者または代理人としての機能を果たす場合があります。
収益の本人代理人の判定に際しては、その取引における履行義務の性質が、特定された財又はサービスを顧客に移転される前に支配し、自ら提供する履行義務(すなわち、「本人」)に該当するか、それらの財又はサービスが当該他の当事者によって提供されるように手配する履行義務(すなわち、「代理人」)に該当するかを基準としております。当社が「本人」に該当する取引である場合には、履行義務を充足する時点で、又は充足するにつれて収益を総額で認識しております。当社が「代理人」に該当する取引である場合には、履行義務を充足する時点で、又は充足するにつれて、特定された財又はサービスが当該他の当事者によって提供されるように手配することと交換に権利を得ると見込んでいる報酬又は手数料の金額にて収益を純額で認識しております。
5 繰延資産の処理方法
支出時に全額費用処理しております。
6 ヘッジ会計の処理方法
原則として繰延ヘッジ処理を採用しております。また、金利スワップのうち、その想定元本、利息の受払条件(利子率、利息の受払日等)及び契約期間がヘッジ対象とほぼ同一である場合には、特例処理を採用しております。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより当期に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌期に係る財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があるものは、次のとおりです。
市場価格のない株式等については、取得原価をもって貸借対照表価額としておりますが、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときは、相当の減額を行い、当期の損失として処理しております。実質価額については将来事業計画をもとに見積もる場合があります。当該見積りは、技術革新等を含む環境の変化や、パートナーの業績不振等によって影響を受ける可能性があり、計画した将来キャッシュ・フローの時期及び金額が見積りと異なった場合、翌期の財務諸表において減損損失が生じる可能性があります。
(未適用の会計基準等)
・「リースに関する会計基準」(企業会計基準第34号 2024年9月13日)
・「リースに関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第33号 2024年9月13日)
ほか、関連する企業会計基準、企業会計基準適用指針、実務対応報告及び移管指針の改正
(1) 概要
国際的な会計基準と同様に、借手の全てのリースについて資産・負債を計上する等の取り扱いを定めるものであります。
(2) 適用予定日
2028年3月期の期首より適用予定であります。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当財務諸表の作成時において評価中であります。
(会計上の見積りの変更)
有価証券の評価
エチオピア通信事業に対する投資について、36,931百万円の損失を損益計算書の「投資有価証券評価損」に計上しております。
(貸借対照表関係)
※(1) 担保差入資産
(注) 主にデリバティブ取引に係る差入保証金及び賃貸物件に係る敷金であります。
同上見合債務
担保に供している資産には、関係会社の借入金等に対して担保提供を行った当社資産も含めております。
(2) 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分掲記したものを除く)
(3) 保証債務
(注) 本注記の対象は、保証類似行為を含んでいます。金額は当社の自己負担額を記載しています。
※(4) 受取手形割引高
※(5) 期末日満期手形の処理について
期末日満期手形の会計処理については、手形交換日をもって決済処理しております。なお、前期末日が金融機関の休日であったため、次の満期手形が前期末残高に含まれております。
(損益計算書関係)
(1) 関係会社との取引高
(注) 損益計算書の「収益」は、一部の取引高を純額表示しております。
※(2) 賃貸用不動産等の売却益であります。
※(3) ソフトウェアの減損等であります。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
(注)市場価格のない子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額
これらについては、市場価格がないことから、上表の「子会社株式及び関連会社株式」には含めておりません。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主要な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
4 法人税等の税率変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
2025年3月31日に、「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)及び「地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律」(令和7年法律第7号)が公布され、2026年4月1日以後に開始する事業年度から法人税率等が変更されることとなりました。これに伴い、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、従来の31.0%から、2026年4月1日に開始する事業年度以降に解消が見込まれる一時差異等については32.0%となります。
なお、この税率変更に伴う影響は軽微であります。
(重要な後発事象)
自己株式の取得及び消却に係る事項の決定
当社は、2025年5月1日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式を取得すること、及び会社法第178条の規定に基づき自己株式の消却を行うことについて決議しました。
1.自己株式の取得を行う理由
資本効率の向上、及び株主還元の充実を図るため、自己株式を取得するもの
2.取得に係る事項の内容
(1) 取得する株式の種類 :当社普通株式
(2) 取得する株式の総数 :35百万株を上限とする
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合約2.9%)
(3) 株式の取得価額の総額 :800億円を上限とする
(4) 取得期間 :2025年5月2日~2026年3月31日
3.消却に係る事項の内容
(1) 消却する株式の種類 :当社普通株式
(2) 消却する株式の総数 :上記2により取得する自己株式のうち、株式報酬として充当を見込む
株数(100万株)を除いた全数
(3) 消却予定日 :2026年4月10日
<ご参考> 2025年3月31日時点の自己株式の保有状況
発行済株式総数(自己株式を除く) 1,210,006,631株
自己株式数 1,092,736株
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から当有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。