第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 国際会計基準(以下「IFRS会計基準」という。)により連結財務諸表を作成しております。
2 収益には、消費税等は含まれておりません。
3 2021年10月1日付にて、株式併合(普通株式5株を1株に併合)を実施いたしました。第18期(2021年3月期)の期首に株式併合が行われたと仮定し、1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり利益(親会社の所有者に帰属)及び希薄化後1株当たり利益(親会社の所有者に帰属)を算定しております。
4 従業員数は就業人員数を表示しております。
5 第20期(2023年3月期)の希薄化後1株当たり利益(親会社の所有者に帰属)については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 第19期(2022年3月期)より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用し損益計算書上の表示科目を「売上高」から「収益」へ変更しております。
2 収益及び売上高には、消費税等は含まれておりません。
3 2021年10月1日付にて株式併合(普通株式5株を1株に併合)を実施いたしました。第18期(2021年3月期)の期首に株式併合が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算定しております。
4 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
5 2021年10月1日付にて株式併合(普通株式5株を1株に併合)を実施いたしました。第19期(2022年3月期)の1株当たり配当額は、株式併合後の株式数に基づく中間配当額45円00銭と期末配当額61円00銭の合計金額106円00銭を記載しております。株式併合前の中間配当額は9円00銭であります。
6 従業員数は就業人員数を表示しております。
7 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。第19期(2022年3月期)の株価につきましては、株式併合後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式併合前の最高株価及び最低株価を括弧内に記載しております。
2 【沿革】
(注) 1 ニチメン株式会社の前身である日本綿花株式会社は1892年に設立され、綿花の輸入商として営業を
開始し、その後1943年に日綿實業株式会社、1982年にニチメン株式会社へと商号を変更しました。
2 日商岩井株式会社は1968年に日商株式会社と岩井産業株式会社が合併して発足しましたが、日商株
式会社の前身である鈴木商店は1874年に鈴木岩治郎が洋糖引取商として創業しました。その後、金
融恐慌期の1927年に破綻しましたが、翌年の1928年に旧鈴木商店の高畑誠一らが、後継会社として
日商株式会社を設立しました。また、岩井産業株式会社の前身である岩井商店は、1862年に岩井文
助が雑貨舶来商として創業した岩井文助商店の暖簾を引き継いで、1896年に創業しました。その後、
1943年に岩井産業株式会社へと商号を変更しました。
3 【事業の内容】
当社グループは、総合商社として、物品の売買及び貿易業をはじめ、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。当企業集団にてかかる事業を推進する連結対象会社は、連結子会社346社、持分法適用会社123社の計469社(うち、当社が直接連結経理処理を実施している連結対象会社は、連結子会社175社、持分法適用会社72社の計247社)から構成されております。
当社グループは、2024年4月1日付にて「航空産業・交通プロジェクト」、「インフラ・ヘルスケア」の一部事業領域を再編し、「航空・社会インフラ」、「エネルギー・ヘルスケア」、「その他」へ変更しております。
当社グループの事業区分ごとの主な取扱商品又はサービス・事業の内容及び主な関係会社は以下のとおりであります。
2025年3月31日現在
(注) 1 関係会社のうち、2025年3月31日現在、国内証券市場に公開している会社は以下のとおりです。
・ロイヤルホールディングス㈱(東証プライム、福証本則)
・フジ日本㈱(東証スタンダード)
・さくらインターネット㈱(東証プライム)
2 2024年10月1日を以って、フジ日本精糖㈱は、フジ日本㈱に社名変更いたしました。
3 2024年7月1日を以って、日商エレクトロニクス㈱は、双日テックイノベーション㈱に社名変更
いたしました。
4 【関係会社の状況】
(1) 連結子会社
2025年3月31日現在
(注) 1 特定子会社に該当します。また、上記記載会社以外では、海外現地法人の双日欧州会社、双日米国会社
傘下のSojitz Energy Services LLCが特定子会社に該当します。
2 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合であります。
3 2024年7月1日を以って、日商エレクトロニクス㈱は、双日テックイノベーション㈱に社名変更
いたしました。
(2) 持分法適用会社
2025年3月31日現在
(注) 1 有価証券報告書を提出しております。
2 持分は100分の20未満でありますが、実質的な影響力を持っているため持分法適用会社としております。
3 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合であります。
4 SJフューチャーホールディングス㈱については、㈱JALUXの議決権を48.1%所有しております。
5 2024年10月1日を以って、フジ日本精糖㈱は、フジ日本㈱に社名変更いたしました。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの
出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間平均雇用人員数を外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
2025年3月31日現在
上記従業員数に海外支店・海外駐在員事務所の現地社員71名及び受入出向者32名を加え、海外現地法人及び事業会社への出向者540名を除いた提出会社の就業人員数は2,049名であり、セグメント別内訳は下記のとおりであります。
(注) 1 臨時従業員数は[ ]内に年間平均雇用人員数を外数で記載しております。
2 平均年間給与額には、賞与、超過勤務手当、基準外給与を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 女性活躍推進法等に基づく「女性管理職比率」、「男性の育児休業取得率」及び「男女の賃金の差異」
(注) 1 労働基準法第41条第2号で定める監督もしくは管理の地位にある者
2 アに対するイの割合
ア 2024年度中に子が出生した男性社員の数
イ 2024年度中に出生後1年に満たない子を養育する目的で初めて育児休業等を取得した男性社員の数
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業などの取得割合を算出したもので、イには2023年度に子が出生した男性社員の数を含みます。
3 ウに対するエの割合
ウ 2024年度中に子が出生した男性社員の数
エ ウのうち、2024年度中に初めて育児休業等を取得した者と、2025年度において子の出生後1年以内に初めて育児休業等の取得を計画していることが確認できた者の合計
4 男性社員の年間平均賃金に対する女性社員の年間平均賃金の割合
5 有期雇用契約から無期雇用契約に転換した個別に雇用契約を締結する社員(契約社員)を含む
◆ 当社(提出会社)における男女の賃金の差異の要因について
当社の正社員は総合職と事務職で構成されています。総合職は基幹業務において主体的に役割を担い、事務職は総合職を補佐し事務処理業務全般を担う職種です。また、非正社員は主に定年再雇用社員です。当社では、それぞれの職種ごとに役割等級制度を採用し、年齢や性別を問わず、本人の資質や能力、取り組み意欲に応じて役割が決定されています。職務の内容や異動の範囲などが同じ役割等級では性別の違いによる賃金の差はありません(時間外勤務などの変動要因によるものを除く)が、賃金に差異が生じている主な要因は以下のとおりです。
① 当社では総合職において管理職層で女性社員の割合が低いことが挙げられます。現在、人材戦略の重要施策として、女性活躍推進に取り組んでいます。2030年代に全社員に占める女性社員比率50%程度、女性課長比率を50%程度にすることを目指し、新卒及びキャリア採用における女性総合職社員の採用増加に加えて、仕事と育児の両立環境の整備、各世代層のパイプライン形成と経験の蓄積やキャリア意識の醸成を積極的に進めています。今後は管理職層の女性社員増加により、この要因による男女の賃金の差異は縮小していくと考えています。
各世代層のパイプライン形成については、「1) 人材戦略基本方針①「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」● 女性活躍推進(41ページ)」をご参照ください。
② 総合職とは役割が異なる事務職において全員が女性社員(2025年3月31日現在)となっていることも、男女の賃金の差異の要因です。当社は事務職を多様な働き方の1つの形態と位置づけ、今後も採用を継続していく方針です。事務職は、性別に関わりなく選択可能な職種ですが、新卒採用・キャリア採用共に応募者は女性となっていることから、今後も男女の賃金の差異への影響は発生すると考えています。一方、当社では、総合職と事務職との間で相互に職種転換を可能とする制度を設けており、男女共に入社後に社員個人のキャリア・働き方に応じた職種転換が可能となっています。
③ 非正社員は、主に定年再雇用制度に基づき定年退職後(60歳定年制)に再雇用された社員、及び役員退任後に有期雇用社員として再雇用された社員です。定年再雇用者に対する賃金は、定年後に担う職種と役割・責任に基づき設定される役割等級に準じて決定されますが、定年前までの業務内容や経験に基づいた役割・責任に応じた設定となるため、非正社員での男女の賃金の差異に影響しています。
◆ 男女の賃金の差異の過去5年間の推移
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、双日グループ企業理念、双日グループスローガンを掲げ、企業理念にある「豊かな未来」の創造に向け、当社グループの事業基盤拡充や持続的成長などの「双日が得る価値」と、国・地域経済の発展や人権・環境配慮などの「社会が得る価値」の2つの価値の実現と最大化に取り組んでいます。
(双日グループ企業理念)
双日グループは、誠実な心で世界を結び、
新たな価値と豊かな未来を創造します。
(双日グループスローガン)
New way, New value
(双日の価値創造モデル)

「豊かな未来」の創造、「2つの価値」の実現に向けて、当社では人材を最も重要な経営資源と考え、「人財」と表記し、価値創造モデルの中心に据えています。世界中のニーズを把握し、価値を生み出す人財力を高めていくことが、双日の価値創造の源泉です。
実効性の高い戦略と充実したコーポレート・ガバナンスのもと、常に新しい発想を持ち、トレーディング・権益投資・事業投資を通じた機能を発揮して、将来を見据え、外部環境の目まぐるしい変化やニーズの多様化に先駆けたスピード感あるビジネスを展開しています。
また、世界各国に広がる事業拠点やパートナーシップ、それぞれの地域で長年にわたり育んできたお客様との信頼関係やブランド力など、築き上げてきた確固たる事業基盤が、当社の持続的な成長を支えています。
当社が創造した価値は、「社会が得る価値」として還元され、ステークホルダーからの信頼獲得につながります。また、創造した価値は、「双日が得る価値」として、当社の人材基盤やビジネスノウハウといった各事業基盤を拡充するものとして還元され、当社の競争力強化や新たなビジネスチャンスの増加につながります。
また、このような企業理念のもと、2030年における「目指す姿」として「事業や人材を創造し続ける総合商社」を掲げており、総合商社としての使命である、必要なモノ・サービスを必要なところに届けつつ、マーケットニーズや社会課題に応える事業や人といった価値を創造し続けることにより、持続的な企業価値向上を実現しています。
(2) 「中期経営計画2026」の進捗状況
① 「中期経営計画2026 - Set for Next Stage -」について
当社は2030年の目指す姿として、「事業や人材を創造し続ける総合商社」を掲げており、Next Stageとして当期利益2,000億円と時価総額2兆円に成長させることをターゲットとしております。本中計は、このNext Stageを見据えて、成長基盤と人的資本の強化に取り組む中期経営計画と位置づけています。Next Stageに到達するためのキーメッセージとなる「双日らしい成長ストーリー」の実現に向け、成長基盤と人材への積極投資を行っていきます。

本中計の具体的な定量目標として3点を掲げています。一つ目は、将来の成長に向けて、財務規律を堅持した上で6,000億円の投資を実行します。二つ目に、3ヶ年平均で当社が認識する株主資本コスト9~10%を超過するROE12%超・当期利益1,200億円超をそれぞれ確保し、企業価値と株主価値の向上を図ります。三つ目に、基礎的営業キャッシュ・フローの3割程度を株主還元に充当します。

(注) 1 基礎的営業キャッシュ・フロー:会計上の営業キャッシュ・フローから運転資金増減等を控除したもの
2 株主資本DOE:支払配当÷株主資本
3 株主資本:その他の資本の構成要素を除外した前期末自己資本
双日らしい成長ストーリーの実現並びに定量目標の達成のためには、当社の独自性や強みをさらに磨き上げ、競争優位を生み出すことが不可欠です。既存領域を核としてさらに磨き上げると共に、多数の事業である「点」を繋ぎ合わせ、掛け合わせることによって事業と収益の「カタマリ」構築を進めてまいります。また、全ての事業領域に必要不可欠な要素として「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と「GX(グリーントランスフォーメーション)」領域を全社横断的に強化しています。
加えて、収益力の強化・競争優位の源泉として、継続して人的資本・ヒトの魅力(ちから)を強化してまいります。多様なスキル・経験を持つ自立した個の確立や、個の力を最大化する組織・カルチャーの組成に向けてヒトへの投資を積極的に進めています。
② 成長基盤の強化
「中期経営計画2026」の初年度では、双日の競争優位を活かせる新規投資の拡大と既存事業の磨きこみにより、双日らしい成長ストーリーの実現に向けた取り組みを進めております。
-新規投資の拡大-
豪州インフラ事業においては、豪州最大級のインフラ開発企業の買収を決定しております。新たな機能を獲得し、大規模プロジェクトを一貫して手がけると共に、Next Stageに向けたポートフォリオ変革を進めています。
エネルギー需要の拡大や脱炭素社会の実現に対応する省エネルギーサービス事業においては、前中計に続き米国・豪州で既存事業の拡充を狙いとしたボルトオン投資を実行することで、着実に収益のカタマリを構築しています。今後は、他成長市場へのスピーディーな面展開も視野に、収益のカタマリをさらに拡大していきます。
持続可能なサプライチェーンの構築を目指す水産事業においては、過去からの上流・中流での取り組みに、新たな投資により獲得した米国での小売機能を掛け合わせ、バリューチェーンの拡大を通じた収益のカタマリ化に取り組んでいます。今後はグループ間の更なる協業推進により、原料調達力や販売力を一層高めていきます。
-既存事業を磨く-
化学事業においては、広範なネットワークと提案力・実行力を武器に、収益力の拡大に取り組んでおります。引き続き新規投資による事業領域の獲得・拡大と併せ、収益力を拡大させていきます。
東南アジアの肥料事業においては、現地における長年の事業経営を通じて得たトップクラスの市場シェア、高い販売力に更なる磨きをかけることに加え、後述のとおりDX活用による新たな事業領域にも挑戦しております。
また、賃貸マンション事業や船舶事業においては、ベストオーナーとなりうる外部パートナーへ既存事業の一部をシェアアウトしつつ、双日の強みである機能の提供を継続することで、パートナーと共に事業を成長させ規模感を拡大し、持続的な成長を図る体制を整備しました。
他事業セグメントにおいても双日らしい成長ストーリーを実行することで、Next Stageに向けて加速度的な成長を実現します。
③ 本部別の成長戦略
<自動車>
自動車販売を中核とした既存事業の強みを活かし、持続的な成長を目指す戦略を展開しています。既に知見や実績のある領域の拡大を基盤に、「グローバル・ニッチトップ」「ドミナント」「バリューチェーン」の3つを成長戦略のキーワードとして、独自性による競争優位のあるビジネスモデルを追求します。これにより持続的な成長を実現すると共に、社会課題やニーズに対してソリューションや価値を提供し、豊かなモビリティ社会の実現へ寄与していきます。
<航空・社会インフラ>
航空・船舶・鉄道の3大輸送手段における長年の経験と豊富な知見を梯子に、変化する顧客やマーケットニーズを的確に捉え、オペレーションの最適化、ライフサイクル全般を見据えた周辺サービス事業といった新たな価値を提供してまいります。当社機能の先鋭化・多角化を推し進め、各事業を面として紡ぎ、社内外との共創を通じて、社会的な共感力と訴求力が高い事業を創出していきます。
<エネルギー・ヘルスケア>
エネルギー及びヘルスケア領域において、脱炭素、人口増加、高齢化などの社会課題解決に対応し、従来の「アセット型」インフラビジネスに加え、顧客へのサービス・ソリューション提供を行う「事業型ビジネス」を構築し、収益機会及び規模の拡大を目指します。また、投資先企業の顧客基盤・人脈やパートナー企業を通じたローカルネットワークを拡充し、当社の有形・無形の資産を活用することで双日ならではの競争優位を構築し、新たな価値を創造していきます。
<金属・資源・リサイクル>
既存の上流権益投資・トレーディング事業に加え、社会ニーズに応じた新たな価値を提供する新規事業の創出・推進に取り組んでいます。脱炭素の推進、高品位資源・グリーン素材・リサイクル原料の供給、重要鉱物のサプライチェーンの強化、デジタル化などを通じ、既存事業のビジネスモデルを変革することで、さらなる安定的な資源の供給体制を構築し、持続可能な社会の実現に向けて貢献していきます。
<化学>
国内外の化学業界でパラダイムシフトが進む中、市場ニーズの変化を先読みし迅速かつ柔軟に対応することでトレードの強靭化を図ります。また、知見ある領域での事業投融資を進めるとともに、脱炭素社会、カーボンニュートラルの実現といった次世代の市場ニーズに対応可能な環境対応事業への投資を推進していきます。
<生活産業・アグリビジネス>
継続成長が期待できるアジアの新興国を中心に、肥料・アグリビジネス事業、食料・飼料畜産事業、林産・バイオマス事業などの既存事業をさらに強化していきます。東南アジアでトップクラスの市場シェアを保有する肥料事業においては、デジタルを組み合わせることで新たなビジネスを構築、収益の拡大を進めています。また、ベトナムで取り組む畜産・食肉加工事業では、肥育から食肉加工、販売までの一貫体制を構築し、同国の食文化の発展に寄与するとともに収益化を図っていきます。
<リテール・コンシューマーサービス>
消費者との接点を多く持つことを強みとし、世界中の人々の「生活の豊かさ」と「利便性」を高めることを目標に、多様な事業を展開し続けています。小売から卸・流通、食品加工まで幅広く事業を行っているベトナムでは、DX投資によるサプライチェーンの効率化に取り組み、新たな価値を創出していきます。水産事業では、寿司種とマグロに強みを持つ複数の事業会社の調達・販売シナジーを創出し、北米の寿司市場を中心に海外売上の拡大に挑戦していきます。
④ DX
1) "Digital-in-All"の実現に向けて
当社は全ての事業とデジタルの一体化を前提とした"Digital-in-All"を掲げ、デジタル技術の徹底的な活用を経営戦略の中心として据えています。「中期経営計画2026」では、以下3つの柱を通じ、双日らしい成長ストーリーの実現による価値創造を図ります。
(a) デジタルビジネスの収益化
双日テックイノベーション、さくらインターネット、AIスタートアップ企業などのデジタルパートナーとの共創
(b) 既存ビジネスの価値向上・競争力強化
当社の独自性・強みに基づき蓄積してきた7営業本部の事業基盤とデジタルの掛け合わせによるビジネスの深化
(c) データ・AI活用のためのデジタル基盤の整備・構築
また、上記の推進役を担うデジタル人材育成について、「中期経営計画2026」の3ヶ年で応用レベルは総合職の50%(約1,000人)、うちエキスパートは10%(約200人)の育成を目指しています。初年度を終えた2025年3月末時点では、いずれも進捗率は約50%弱と順調に進んでいます。なお、これまでは、主に双日本社にてデジタル人材育成を進めてまいりましたが、応用基礎コースのグループ会社への展開も開始しており、グループ全体でのデジタルリテラシーの底上げとDXを牽引する人材の育成を進めています。
2) 双日らしい成長ストーリー実現のために取り組んでいるDX事例
(a) 成長市場への面展開
当社に知見があり、成長が期待できる市場にて、関連性のある事業・領域に集中的に事業創出を行うことで、点から線に、線から面に展開し、市場ニーズ・成長を取り込みます。例えばベトナムにおいては、小売店の受発注管理やキャッシュレス決済サービスなどを手掛けるSaaS企業へ出資し、ベトナム小売事業者向けにデジタル取引アプリケーション(ECO)を提供します。これにより、販売/流通在庫データをシームレスに連携し、営業/物流業務の効率性とコストを改善すると同時に、多様なトランザクションデータを活用し、マーケティング支援などの新たな価値提供を推進しています。タイの化成肥料製造会社であるThai Central Chemical Co. Ltdを肥料事業からアグリプラットフォーム事業への拡大を目指すアグリビジネス事業では、農業シミュレーションモデルを活用し、天候・苗・土壌データから単収を最大化するための施肥設計を行うプログラムを大学の研究機関とともに開発しました。同プログラムに当社が有する農家データを蓄積・活用することで双日独自のメソッドを構築しています。また、土壌の衛星画像をAI解析することによって、土壌成分や病害非感染農地を把握するシステムについて研究中で、これらを組み合わせることで農家の営農を支援するための総合的なサービス提供を実現し、さらにオフテイクまで繋げたプラットフォームを目指しています。
(b) ビジネスモデルの変革・深化
マーケットインの徹底により、社会ニーズに合わせた様々なビジネス変革に取り組んでいます。例えば、化学事業では化学物質データ、取引実績、業界ニュースなどの膨大な外部情報を蓄積し、情報同士の関係性をグラフ構造で表現する技術(Graph-RAG)を用いることで、生成AIがより文脈に即した高精度な出力を実現する取組を行っています。これにより、パラダイムシフトが化学製造フローの複雑な構造に与える連鎖的な影響を予見し、新たなビジネスチャンスへと繋げていきます。
(c) バリューチェーンの事業領域拡大
幅広い業界での知見・接点を活かし、付加価値の高い領域に積極展開することで、自らの事業ポートフォリオを変革し、事業価値の最大化を図っています。例えば、本マグロの養殖事業において、デジタルツインやAI画像解析、IoT技術を活用し、本マグロの遊泳シミュレーションによる尾数カウントや満腹状態を判断するシステムを開発中です。また、赤潮を予測するアプリを開発し、環境変動に迅速に対応できる体制を整えています。これらの取組により、迅速な経営判断やコスト削減、生産性向上など、養殖事業における経営管理高度化を推進しています。また、自動車販売事業では中古車スキャナーの開発を進めており、デジタルスキャン技術によって中古車を画像データ化しAI解析することにより、中古車の傷の状態などを正確に把握することが可能となります。この車体情報を価格予測モデルで分析することで、より透明性の高い車両査定の自動化・均一化を行い、これを基軸とした中古車の流通プラットフォームを構築していきます。
これらの取組が評価され、当社はDX銘柄2023、DX注目企業2024に引き続き、DX銘柄2025に選定されました。今後も"Digital-in-All"による価値創造の取り組みを推進します。
⑤ GX
GXに関しては、2050年に向けた長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」での脱炭素目標に向けた取り組みを加速させています。この目標は、単に既存事業の温室効果ガス排出量を減らしていくだけではなく、時代の変化に合わせたソリューションを創造し、脱炭素社会の実現と当社の収益拡大を目指すものです。その実現に向けて、新エネルギー・脱炭素の領域における技術革新や社会への普及速度を注視し、当社としてどのような機能・知見を発揮できるかを見極め、そのステージに合ったソリューションを創造・提供していきます。
2024年度においては、ターコイズ水素に関する製造技術を開発する企業との協業を一層強化し、同社の技術を活用した国内外でのプロジェクトの組成を加速させるべく、追加投資を実行しています。そのほか、バイオ燃料事業や森林カーボンクレジットを活用したオフセットソリューションの取り組みを推進しています。今後も引き続きGXに資する事業に積極的に資源配分することで、脱炭素社会の実現と当社の企業価値向上の両立を目指します。
(詳細は「第2 サステナビリティに関する考え方及び取組 ② 気候変動対応」を参照)
⑥ 人的資本の強化
「中期経営計画2026」では、当社グループの人材戦略基本方針として、双日らしい成長ストーリーの実現に向けた「事業創出力」と「事業経営力」の強化に取り組んでおります。多様な人材の強化とミドルマネジメントの強化を進め、機動的な人材配置により持続的に事業創出と経営ができる人材を育成します。
人的資本の強化を支える土台として、「双日らしいカルチャー」、「Digital-in-All」、「データを活用した対話」により、挑戦や思考の柔軟さといった双日らしい独自の風土・文化を深化させ、事業創出力、事業経営力の最大化を図っていきます。
(詳細は「第2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人材戦略に関する基本方針」を参照)
(3) キャッシュフロー・マネジメント
基礎的営業キャッシュ・フローと資産入替を原資に、さらなる成長に向けた成長・ヒト投資と株主還元を実行します。基礎的営業キャッシュ・フローの7割程度を成長・ヒト投資に、3割程度を株主還元に充当します。
これを踏まえ、2024年度の実績は以下のとおりとなりました。

(4) 剰余金の配当等の決定に関する方針
「中期経営計画2026」期間累計の基礎的営業キャッシュ・フローの3割程度を株主還元する方針です。
① 配当
・安定的かつ継続的な配当を行うため株主資本DOE4.5%を配当方針とし、業績変動や株価・為替による影響を最小限に抑える
・当期純利益による株主資本の積み上げが、株主還元による株主資本の減少幅を上回る限りにおいて、累進的に増配となる配当方針
② 自己株式取得
・キャッシュフロー・マネジメント方針に基づき、「中期経営計画2026」期間を通じて機動的に自己株式取得を実施
この方針に基づき、当期の期末配当金につきましては、1株当たり75円とします。1株当たり75円の中間配当を実施していますので、当期の年間配当金は1株当たり150円となります。
また、当期においては、2024年4月1日~2024年4月5日の期間中に自己株式773,200株を3,041,588,400円にて、2024年10月1日~2025年3月24日の期間中に自己株式6,500,000株を20,927,075,900円にて、それぞれ取得しました。加えて、2025年5月1日に公表の通り、2025年5月2日~2025年7月31日に100億円または2,800,000株を上限とする自己株式取得を決定しました。
なお、当社は2024年6月18日開催の第21回定時株主総会において、会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当を取締役会決議により行うことを可能とするよう定款変更しています。

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) サステナビリティに関する基本方針
① サステナビリティに関する考え方
双日グループにとってのサステナビリティとは、「双日グループ企業理念」に基づき、ステークホルダーと共に事業を通じた「2つの価値(双日が得る価値と社会が得る価値)」の最大化を図り、当社グループと社会の持続的な成長を目指すことです。
この「2つの価値」の最大化に向けて、当社は中長期的に取り組むべき「マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)」を定めました。このマテリアリティの策定にあたってはパリ協定や持続可能な開発目標(SDGs)などを参照し、当社グループと社会の持続的な成長のために対処すべき普遍的な課題として「人権」「環境」「資源」「地域社会」「人材」「ガバナンス」を抽出、設定しました。
このマテリアリティの中から、優先的に取り組むテーマを特定し2050年に向けた長期ビジョンとして「脱炭素社会実現への挑戦」と「サプライチェーンを含む人権尊重」の2本柱からなる「サステナビリティ チャレンジ」を策定しました。この長期ビジョンは中期経営計画をはじめとする成長戦略を策定する上での基盤にもなっています。
当社は、ステークホルダーとの対話などを通じ、当社グループにとってのリスクと機会の把握に努め、脱炭素社会実現に向けた対策や人権関連方針などの各種個別方針を策定しています。また、それらを「中期経営計画2026」にも反映し、具体的なアクションにつなげています。当社グループは2018年8月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の最終提言に賛同し、そのフレームワークを活用して積極的な情報開示と透明性向上に努めています。


当社は、取締役会、経営会議、サステナビリティ委員会といった会議体から構成するガバナンス体制を敷いています。サステナビリティ委員会は社長CEOが委員長を務め、年に4回以上開催されています。
サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関する方針や考え方の整理、サステナビリティ推進体制の構築、リスクと機会の特定・評価、指標や目標の策定、機会を始めとする各取り組み状況のモニタリングなどを行っています。また、執行役員の中から、サステナビリティ全般を管掌する担当役員が任命されており、IR・サステナビリティ推進部が事務局としてサステナビリティ委員会の執行の実務を担っています。
サステナビリティ委員会の活動については、取締役会による監督が適切に図られる体制となっており、サステナビリティ委員会における活動や検討・協議された方針、課題などは、定期的に経営会議及び取締役会に付議・報告されます。
経営会議は社長CEOが議長を務め、原則毎月2回開催され、サステナビリティに関する全社方針や戦略などの重要事項の審議・決裁を行うほか、サステナビリティ委員会の活動報告を受けて、必要に応じてサステナビリティ委員会に対応の指示を行っています。取締役会はこれらのプロセスを定期的に監督しています。
当社は、サステナビリティ委員会を軸として、企業の社会的側面における姿勢や活動に対する社会からの期待や要請に応えるべく、横断的に連携して、サステナビリティ関連活動を推進しています。
<サステナビリティ推進・実行体制図>

<2024年度サステナビリティ関連の会議体における主な承認・報告事項>
<ステークホルダーダイアログの開催>
当社は、サステナビリティ経営を推進するにあたり、さまざまなステークホルダーとの対話を行い、外部からの意見と視点を尊重した事業活動を実践することが重要と考えています。そのため、サステナビリティ課題について大学教授、投資家、NGO等の社外有識者と、双方向に対話する場として、2018年より毎年ステークホルダーダイアログを開催しています。
当社は、「中期経営計画2026」における成長戦略にて、GX(グリーン・トランスフォーメーション)を掲げており、ネットゼロ社会の実現に向けた「機会」を捉え、サステナビリティ経営と成長戦略の両面から企業価値向上を図るべく、主に、以下観点から有識者のみなさまと議論いたしました。
● 企業の成長フェーズを踏まえたサステナビリティ(気候変動)への向き合い
● 投資家の視点や、当社における脱炭素事業やサステナビリティ全般への取り組みに対する評価
<参考>
過去に開催したステークホルダーダイアログのテーマ
ステークホルダーとの関わり|理念・長期ビジョン・方針|サステナビリティ|双日株式会社
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/policy/stkholder/
IR・サステナビリティ推進部は、社内外の動向の把握、ステークホルダーとのコミュニケーション、外部専門家(弁護士や投資家等)や有識者からの助言・指摘等を通じて、当社グループにおけるサステナビリティに関するリスクの識別・特定・評価に関する情報を収集し、サステナビリティ委員会に報告しています。サステナビリティ委員会は、それらの報告を受けて、当社グループにおけるサステナビリティに関するリスクを特定・評価し、対応方針を検討・議論しています。
また、サステナビリティに関するリスクについては、「環境・気候変動リスク」、「人権リスク」を当社グループが認識するリスクとして特定しており、必要なリスク対応については、内部統制委員会が全社的リスク管理の枠組みの中で、その他のリスクと併せて対応状況のモニタリング、改善施策の協議、各担当部署への指示を行い、その結果については、定期的に経営会議、取締役会、監査等委員会に報告しています。加えて、当社グループの個別の投融資案件を審議する投融資審議会での審議過程において、サステナビリティに関するリスクの特定と評価を行っています。環境・社会に関するリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (2)」個別のリスクについて ⑧環境・気候変動リスク(53ページ) ⑨人権リスク(54ページ)を併せてご参照ください。
② 気候変動対応
脱炭素社会実現への挑戦
当社は、再生可能エネルギー事業やトランジション期間を支える事業である「エッセンシャルインフラ」及び「エネルギー・素材ソリューション」を注力分野として掲げています。その戦略の基盤となるのが、脱炭素ロードマップです。このロードマップでは、「技術・社会動向の見立て」を年代ごとに想定し、それに対応した当社の新エネルギー・脱炭素プロジェクトや事業を具体的に記載しています。技術動向は常に変化しているため、リスクと機会を定期的に見直し、対応方針を更新しながら、自社の持続可能な成長と脱炭素社会の実現に貢献していきます。
脱炭素ロードマップにおける当社の考え方は以下のとおりです。
■ 脱炭素社会に向けた年代ごとの技術や社会動向を「機会」と捉えています。
■ 再生可能エネルギーの利用は今後も拡大し、将来的には余剰再エネ電力を活用したグリーン水素の利用が見込まれますが、脱炭素社会への移行には、再生可能エネルギーの普及に伴う不安定さを補完し、需給を下支えするトランジション期間が必要です。当社は、高効率のガス火力発電や省エネルギーサービス事業を推進することで、トランジション事業を通じて脱炭素社会への移行を事業機会につなげていきます。
■ 一方で、バイオ燃料・合成燃料、クリーン水素やアンモニア等の新エネルギーは、脱炭素社会に向けた中長期的な技術革新及び燃料転換の中心的な役割を担うものとして位置づけていますが、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、技術開発・社会実装を進めていくことが不可欠です。
■ また、新エネルギー・脱炭素領域では、技術成熟度の違いや、収益化の時期も異なるため、それらの実情を踏まえながら、当社の強みを活かしたバリューチェーン構築やソリューション提供を目指すべく、最適な資源配分のポートフォリオを見極めながら推進していきます。
<脱炭素ロードマップ>

1) シナリオ分析
● 移行リスク
外部調査、内部分析も踏まえ、「リスク」と「機会」が、当社グループの経営戦略、事業活動、財務計画に対する影響がより大きいと考えられる事業分野について随時シナリオ分析を行い、財務への影響を分析しています。具体的には、GHG排出量の多いリスクのある箇所(サプライチェーン上のGHG排出量分析図(26ページ))の中で、特に影響が大きいと考えられる石炭権益事業と発電事業における移行リスクについてシナリオ分析を行いました。
<シナリオ分析>
● 物理的リスク
気候変動が抑制できず温暖化が進行した場合の物理的リスクについては、特に海岸洪水や河岸洪水などの水リスク(急性リスク)に注目して分析を行っています。具体的には、世界資源研究所(World Resources Institute)が提供する水リスク分析ツール「Aqueduct」の評価において、「Extremely High」及び「High」とされた地点に所在する事業・資産(製造・加工工場などの非オフィス)が水リスクにさらされていると考え、その2025年3月末現在の有形固定資産額(リース資産は除く)を財務影響額として分析しました。その結果、東南アジア地域を中心に、一部の事業拠点における海岸洪水・河岸洪水の水リスクが高いことを確認し、財務影響のある資産(有形固定資産)の額は約290億円になると算定しました。
2) Scope1、Scope2の削減
当社は、GHG排出の削減は脱炭素社会実現に向けた当社グループの責務であると考えています。そのため、当社グループはGHG排出(Scope1とScope2)の削減を加速し、脱炭素社会への耐性を高めると共に、この社会移行を新たな機会と捉え、幅広い分野におけるビジネスを進めていきます。2021年3月には、「サステナビリティ チャレンジ」を実践すべく脱炭素対応方針を策定し、Scope1とScope2の削減目標(後述)を設定しました。
中計2026では、Scope1とScope2の削減目標の達成に向けて、当社グループにおける脱炭素推進施策の実行と、それを後押しする仕組みを作りました。今後も脱炭素社会の実現に向けた取り組みの拡大を推進していきます。
3) Scope3、Scope4(削減貢献量)の計測と把握
脱炭素社会の実現には、当社グループのGHG排出(Scope1とScope2)削減に加えて、サプライチェーン全体のGHG排出(Scope3)削減が必要であると考えています。また、Scope3の多い産業とそのサプライチェーン上の工程においては現在または将来的に排出削減のストレスがかかる可能性が高いと考えています。一方で、当社は、国内外のネットワークを活用し、多岐にわたる分野で事業を展開していることから、Scope3の計測と把握は非常に複雑で困難です。その中で、外部専門家を起用して、当社のサプライチェーンにおいてScope3の多い箇所を、まずは特定しました。その結果、2021年3月期より当社グループへの影響が特に大きいと考えられた発電、製鉄分野から計測、その後順次計測セクターを拡大し、2024年3月期において全セクターの把握を実施完了しました。
その結果を示したものが26ページの<サプライチェーン上のGHG排出量分析図(Scope3、Scope4(削減貢献量))2025年3月期速報値ベース)>です。一方で、Scope3が多い所はGHG削減貢献を行う新たな事業創出の機会のある箇所でもあると捉え、削減貢献事業を推進し、その削減貢献量をScope4として定義し、計測と把握を行っています。
<参考>
当社グループの2024年3月期におけるカテゴリー別Scope3の全量データ
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/e/data/
2025年3月期の実績値は、追って当社ウェブサイト及び統合報告書にて開示予定です。
<サプライチェーン上のGHG排出量分析図(Scope3、Scope4(削減貢献量)) 2025年3月期(速報値ベース)>
横軸に当社グループが関わる「GHG排出が多い産業」を、縦軸に「サプライチェーンの各工程」を配置し、当社にとってのリスクと機会を定性・定量的に分析・特定しています。
(下図の発電・製鉄セクターのScope3、Scope4(削減貢献量)は、有価証券報告書提出日現在の速報値)
リスク(Scope3):GHG排出が多い箇所ほど、濃いオレンジ色で示しています。一般的に「GHG排出削減の圧力」
や「代替される脅威」にさらされやすくなります。
機会(Scope4(削減貢献量)):最下段は代替となる新規事業の機会であり、当社は削減貢献量として積み上げていきます。
なお、WBCSDのガイダンス(注)に基づき、削減貢献量は、当社の脱炭素目標及びその進捗の排出量と相殺しておりません。
(注) World Business Council for Sustainable Development(持続可能な発展のための世界経済人会議)で公表された削減貢献量ガイダンスを指す。

(注) 1 2025年3月期データ(速報値ベース)。GHGプロトコルが定める、Scope3の15カテゴリーを簡略化して作成しています。
<詳細>
カテゴリー別
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/e/data/
2 Scope4(削減貢献量)の計算方法:(IEAが公表する2023年の世界火力発電原単位(843g/kWh)-当社発電原単位)×発電量
当社は、前項で説明した当社グループの気候変動における移行リスクとその機会を評価及び管理するための指標と目標を脱炭素対応方針として設定しています。2025年3月期における進捗は、Scope1とScope2で4割程度削減、一般炭権益はすでに9割程度削減を達成しています。Scope1とScope2の削減目標の達成に向けて、当社グループは脱炭素推進施策を策定し、事業会社での脱炭素に向けた取り組み(再エネ・省エネなど)を促進する仕組みを整備しました。
また、サプライチェーン上のGHG排出量(Scope3)については全セクターの計測を完了しました。Scope3は当社にとって「リスク」であると同時に、サプライチェーン全体での削減貢献による新たな事業創出の「機会」であると捉え、自社の成長と紐づけた取り組みを推進すると共に、これらの取り組みを通じて削減貢献したGHG排出量(Scope4)を積み上げることで、事業を通じた社会課題の解決を自社の強みと収益機会につなげていきます。今後も、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進していきます。
<脱炭素方針と進捗状況>

<Scope1、Scope2排出量の推移(2020年度以降の新規事業を含む総量)>
(注) 集計対象範囲の見直しの結果、過年度数値をリステートしています。
エネルギー起源CO2とは、石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料を燃焼する際に排出される二酸化炭素を指します。
現在当社の脱炭素方針における削減目標はCO2を対象としています。
なお、上記の目標は、現時点の将来見通しに基づいたものであり、社会動向や技術革新の状況の変化に応じて柔軟に見直しを行います。また、2024年度のScope1、Scope2排出量は現時点の集計値(速報)であり、第三者保証を取得した数値については当社ウェブサイト及び統合報告書にて開示いたします。
③ サプライチェーンを含む人権尊重
当社グループはグローバルに様々な事業を展開していますが、その事業に関わるサプライチェーン上のどの国・地域においても人権尊重に努めるべく、人権リスクの把握及び低減を図っています。「国際人権章典」及び国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」を支持し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則って人権尊重の対応を行っています。
対応にあたっては、ステークホルダーとの対話を行いながら「方針の策定・共有」「リスク評価」「改善・救済」「実績開示」というプロセスを踏んでいます。各プロセスの取り組み内容は、外部動向及び内部環境などを踏まえ、定期的に見直し、改善を図っています。また、リスク評価やグリーバンスメカニズムを中心として、一連のプロセスで改善すべき点が判明した場合は、速やかに是正を行っています。

当社グループは、「国連グローバル・コンパクト」の10の原則などを踏まえて、「双日グループ人権方針」や「双日グループ サプライチェーンCSR行動指針」などの方針を策定するとともに、定期的に見直し、必要に応じて改定を行っています。
また、サプライチェーン上の人権尊重においては、事業現場における認識と理解が重要であると考えています。そこで、グループ内でセミナーやeラーニングを実施するとともに、グループ各社の経営陣とIR・サステナビリティ推進部(サステナビリティ委員会事務局)間の対話を通じ、方針や取り組みの周知及び現場の対応状況の確認を行い、人権尊重意識の徹底と理解の浸透を図っています。また、取引先に対しても当社の方針を周知し、理解と実践を求めています。
<人権リスクセミナー>
2025年2月に、弁護士の大村恵実氏を招聘し、『「ビジネスと人権」の経営課題と対応』と題し、本部長向け勉強会を開催しました。営業本部及び職能組織の担当本部長15名が参加し、高リスク事業分野の留意点や日本企業が直面する取引先の人権課題などにつき受講しました。なお、同勉強会は、役職員約2,000名も動画で受講しています。
1) 新規事業投融資におけるリスク管理
新規投融資を行う際は、各事業分野における人権リスクの課題や対応のポイントに基づき、申請部署において強制労働、児童労働、先住民族への影響など想定されるリスクを洗い出し、対応策を策定しています。必要な場合はデュー・ディリジェンスを行い、人権リスクの洗い出しと対応策に漏れが無いように確認しています。
2) 既存事業及びサプライチェーンにおけるリスク管理
● 高リスク事業分野の特定
サプライチェーンを含む人権課題は様々であるため、特に人権対応が強く求められる事業分野を分析した上で、優先順位を付けて取り組むことが重要であると考えています。そのリスクベースアプローチの観点から、英国NGO「ビジネスと人権リソースセンター」が有する人権リスクの発生事例データベースをもとに、当社グループの事業の中でも特にリスクが高い高リスク事業分野を特定すると共に、サプライチェーン全体において一般的にどの工程で人権リスクが発生しやすいか、分析・確認をしています。高リスク事業分野は、最新の発生事例データベース、当社グループにおける事業環境・状況、外部専門家の意見などを踏まえ、定期的に見直しを行っています。

● リスク評価
リスク評価を効果的に行うため、高リスク事業分野における課題や対応のポイントを整理し、グループ内に周知しています。高リスク事業分野の事業を行う組織は、取引先に対してアンケート、ヒアリング、現地訪問などを行いながら対応状況を調査します。調査結果は、IR・サステナビリティ推進部と各組織の年次での対話にて共有し、重大な課題が発見された場合に備えて、現地訪問などによる調査体制を整備しています。対話やヒアリングで得られた気づきや、外部専門家の意見も取り入れ、課題や対応のポイントを随時更新しています。
● 現地訪問による調査
当社グループは、人権リスクを調査・確認するために、必要に応じて個々の取引や事業において取引や事業が行われている現場に赴き、調査を行っています。
例えば、木材の調達(輸入)について、合法性の確認、環境への配慮、社会への配慮の3本柱からなる木材調達方針を定めており、年次調査にてトレーサビリティ及び環境・社会配慮等について確認しています。年次調査では、必要に応じて、現地訪問による調査や、懸念サプライヤーに対して外部専門家の関与する詳細デュー・ディリジェンスも実施しています。2024年度は現地訪問による調査をインドネシアで4件、中国で4件、マレーシアで3件、タイで1件、ベトナムで9件行いました。
また、2024年12月には水産品の調達方針を策定しましたが、これに基づき2025年度からリスク評価を開始し、2026年度以降、現地デュー・ディリジェンスを行う予定です。
● 外国人技能実習生に対する人権尊重
当社では一部のグループ会社において外国人技能実習生を受け入れていますが、当該グループ会社に対しては、2022年度より毎年アンケート調査を実施して関連法令の遵守の確認に加え、受入現場を訪問して労働現場を確認し、経営層、及び技能実習生と対話を実施することで、技能実習生の労働・生活環境を把握し、問題がないことの確認と同時にリスクの低減に努めています。
技能実習生を受け入れている当社グループ会社は、人権尊重に配慮するとともに、日本語学習の機会の提供、旅行やレクリエーションを開催するなど、技能実習生との円滑なコミュニケーションを意識した取組を行っています。
また、グループ会社間での情報交換会や、外部専門家による講演の開催、受入れに当たっての課題などに関する意見交換を行うなど、グループ内での意識向上を図っています。
● 改善・救済
リスク評価において問題が発見された場合、事実を確認の上、取引先などの関連するステークホルダーに問題の改善対応を求めます。
2024年度の高リスク事業分野に対するリスク評価においては、重大な問題がないことを確認しました。
一連のリスク管理体制は毎年見直しを行っており、リスク評価の過程で見つかった課題や外部専門家の意見を、社内制度へ反映するなど改善を重ねています。
<グリーバンスメカニズム>
サプライチェーン上の負の影響を早期に発見し、是正・救済を行うため、当社サプライチェーン上を含む全てのステークホルダーの方から人権に関する苦情やお問い合わせを受け付ける体制を整備しています。
1) 木材調達
当社グループの人権に関するリスク評価において、高リスク事業分野の一つである木材分野においては木材調達方針を策定しています。2024年3月には改定を行い、森林破壊のない(注1)サプライチェーンの構築を目指すことを掲げました。その方針に基づき、海外から調達(輸入)する木材については、原産地までのトレーサビリティと、環境・社会(人権)へ配慮した森林管理の適切性に応じて以下の4つのレベルに分けて評価し、調達比率を指標とした目標を定めています。
レベルA:認証材(注2)
レベルB:トレーサビリティに加え、認証以外で環境・社会(人権)に配慮した森林管理の適切性を検証済みの木材
レベルC:トレーサビリティが確保されている木材
レベルD:トレーサビリティの確保が不十分な木材
(注) 1 自然林転換及び保護価値の高い森林の毀損がないことを指します。
自然林転換とは、2020年12月31日より後に、自然林が人工林や森林以外の土地利用に転換されることを指します。
2 FSC(R)、PEFCなどによる認証木材
<各レベルでの調達比率推移>

(注) 1 2020年度以降はレベルAを認証材のみとしております(2024年度のレベルA比率は18%)。
2 上表における調達比率は、WWFジャパンの「林産物調達チェックリスト」を用いて当社が実施した評価に
基づいて決定した[レベルごとの木材(輸入材)の調達金額]÷[調査対象とした木材(輸入材)総調達金額]で算定しています。また2024年度調査対象結果は、前年度の2023年度における木材調達金額を基に算出しています。なお、2020年度より第三者保証を取得しています。
上表のとおり、2024年度には2025年度目標(レベルA+B材 100%)を前倒しで達成しました。今後もこれを維持するために、取引開始前の調査、年次調査、現地詳細デュー・ディリジェンス、認証材の取扱量拡大、サプライヤーへの認証取得の奨励、需要家を巻き込んだ環境配慮材の取扱推進などに取り組んでいきます。
<詳細>
当社グループの木材調達方針
https://www.sojitz.com/jp/csr/supply/lumber/
2)水産品調達
当社グループは、水産品の生産・調達・加工・販売を、日本のみならずアジア、米国などにおいてグローバルに展開しています。近年では、米国にて寿司テイクアウトチェーンや寿司レストラン運営会社を設立するなど、より消費者に近いリテール領域に注力し、サプライチェーンを拡大しています。その過程で、持続可能で責任ある水産品の調達を実現するため、当社及び当社グループの水産事業会社を対象とした、水産品調達方針を2024年12月に定めました。
本方針では、サプライチェーンにおけるIUU(違法、無報告、無規制)漁業の排除に努めることや、トレーサビリティ確保に努めること等を掲げています。
特にマグロ類について、調達・養殖・加工・販売活動をグローバルに行っており、持続可能なサプライチェーンの実現に対して一定の影響力を有し、重要な役割を担っていることを踏まえ、以下の目標を掲げています。
<詳細>
水産品調達方針
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/policy/marine/
④ 自然資本・生物多様性への対応
● 生物多様性の基本的な考え方
当社グループは、事業活動において食料資源、水産資源、林産資源の取り扱いや資源開発、工場建設などを行っておりますが、これらの活動は森林、海洋、河川といった生態系に影響を与える可能性があります。また、事業活動・社会活動は自然資本に依存していることから、自然資本を棄損するとその恩恵を受けられなくなり、持続的な活動ができなくなる可能性があります。当社グループは、総合商社として広い地域で多岐にわたる事業を行っており、一部の事業においては直接的に自然資本を活用しているため、自然資本を尊重し、その恩恵を受け続ける必要があります。また、昨今の国際的な関心の高まりとともに、当社に対するステークホルダーの皆様の期待も高まっていることもあり、当社グループの持続的な事業活動及び企業価値向上には、生物多様性への配慮が欠かせません。双日グループはマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)として「環境」と「資源」を定め、事業を通じた地球環境への貢献により、「社会課題の解決」を「自社の強み」に変え、事業基盤の拡充及び成長につなげていくことを目指しています。さらに、環境方針において、生物多様性への対応や事業に関わる環境負荷の最小化を掲げています。特に木材や水産品については、分野別のガイドラインを参照しながら考え方を整理し、個別の調達方針を策定しており、これらの方針に基づき、自然資本に配慮し、生物多様性の維持・保全を進めていきます。
当社グループは木材製品を取り扱う企業として、木材及び木材製品の合法性と環境及び社会への配慮を確保し、持続可能な社会の実現に貢献することが求められています。当社ではその重要性を強く認識し、合法性や環境・社会配慮を柱とする木材調達方針を制定しています。当社グループには約1,500社の木材関連の仕入先がありますが、その中でも特に原産地のカントリーリスクが高い国や、仕入金額が大きい仕入先の木材を特定しています。特定した木材に対して、原産地までのトレーサビリティと環境・社会への配慮を確認するために、WWFジャパンの『林産物調達チェックリスト』を採用しています。このチェックリストをカスタマイズして活用し、環境及び社会に配慮した適切な森林管理を確認しています。
上記取り組みに加えて、2024年度は、TNFD(注)ガイダンスを参照し、下図の手順に従って当社事業における自然への依存と影響を確認しました。
(注) Taskforce on Nature-related Financial Disclosuresの略。国連開発計画(UNDP)などによって設立された「自然関連財務情報開示タスクフォース」の略称であり、企業が投資家や市場に対して自然に関連するリスクや機会等を開示するためのフレームワークを策定しています。

● 自然への依存と影響の重要度が高い事業・分析対象を特定
TNFDのガイダンスを参照し、分析ツールのひとつであるENCORE(注)を活用し、まずは世の中一般の事業が自然資本にどのように依存し、また、どのような影響を及ぼす可能性があるかを確認しました。その結果、ENCOREで依存・影響の重要度が高いと評価されている25事業を特定し、さらに「依存」「影響」ともに水に関する項目のスコアが一般的に高い傾向を確認しました。特定した事業のうち、当社が注力領域として掲げている水産バリューチェーン(マグロの養殖を行う双日ツナファーム鷹島、水産品加工を行うマリンフーズとトライ産業など)をTNFDのLEAP(Locate、Evaluate、Assess、Prepare)アプローチによる分析の対象としました。
(注) 民間企業による自然関連の依存や影響の大きさを把握することを目的に、国連環境計画・自然資本金融同盟(UNEP-NCFA)などが共同開発した分析ツール
<詳細>
ENCOREを用いた当社ポートフォリオにおける概観分析図及びその抜粋(依存・影響ヒートマップ)
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/e/biodiversity/
● 水産バリューチェーンのLEAP分析を実施
Locate 自然との接点の発見
双日ツナファーム鷹島の自社養殖、上流の飼料・種苗調達、及び下流のトライ産業やマリンフーズといった国内加工工程を対象とし、生物多様性や生態系サービスの質の低下につながるリスクが大きい箇所を優先地域として特定し、各地域の特徴を整理しています。

Evaluate (自然との依存・影響の診断)
Locateで特定した優先地域について、リスク要素や分析ポイントを洗い出しました。さらにそれらポイントについて、まずは自社養殖である双日ツナファーム鷹島における自然の状態の確認や規制の調査、及び事業会社へのヒアリングによる実態把握を実施しました。
Assess (重要なリスク・機会の評価)
以上を踏まえ、TNFDのセクター別ガイダンスに沿ったリスク・機会の洗い出しを実施した結果、重要性が高いと評価されたリスク・機会と当社グループの取り組みは次のとおりです。
(注) Integrated Biodiversity Assessment Tool(IBAT): IUCNレッドリスト、保護地域、生物多様性上重要地域(KBA)などのデータベースへのアクセスが可能な地理空間データを提供するツール。
Prepare (対応と報告の準備)
双日ツナファーム鷹島では、飼育にICTを積極的に導入し、「国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)」との産学連携によるスマート養殖システムの構築を進めています。また、国立大学法人九州大学と赤潮の発生予測アプリの開発及び実証を開始しました。これらの技術を双日ツナファーム鷹島に限らず、他の養殖場が抱える課題の解決にも活用し、サステナブルな海洋資源の保全に取り組んでいます。
今後は、LEAPアプローチによる分析を通じて得た知見を個別事業の運営に活用していくとともに、分析対象を上流の飼料・種苗調達、及び下流のトライ産業やマリンフーズといった加工工程に拡大します。また引き続き、自然資本(生物多様性・水リスク)を注視し、事業ポートフォリオに対する依存・影響を見極めていきます。
● その他取り組み
当社グループは鉱山などの上流資源の開発や採掘に当たって、自然資本の毀損や生態系への影響を想定した適切な環境・社会影響評価、管理やモニタリング計画に加え、閉山計画も含めた事業計画を策定し、国や地方自治体の定める法令の順守や必要な許認可取得を通じ、環境保全に配慮した活動を行っています。
開発段階では対象地域の生物多様性への影響を最小限に抑えるように環境負荷の低減に努めながら進め、操業段階への移行後では採掘域内に流れる小川の水流を維持すべく移転工事を実施するなど、定期的な環境影響のモニタリングと共に万が一に備えた防止策なども十分に講じた上で活動しています。終掘後のリハビリテーションにおいては、閉山を待たず採掘活動と並行しながら植林や緑化活動をすべての鉱山において徹底することで、自然資本の毀損リスクの顕在化や拡大の未然防止を図り、環境負荷の低減と環境保全を進めています。
具体的には、豪州に保有するグレゴリー炭鉱や、ミティオ・ダウンズ・サウス炭鉱の露天掘操業では、採掘の為に剥がした表土を別の場所で一時保存し、採掘終了に併せて再度その表土で覆い被せながら再緑化を行うことで、採掘前の状態に回復させる取り組みを行っております。さらに、両炭鉱の敷地内や周辺地域において、開発・操業活動で影響を受けかねないライチョウバトやキンググラスなどの希少動植物の生息区域を関連法令に則って確保し、かつ承認された計画通りの保全活動を行っています。
2004年に制定した双日グループ環境方針において、気候変動防止に向けたCO2をはじめとする温室効果ガスの削減、生物多様性への対応など、事業にかかわる環境負荷の最小化に取り組むことを掲げています。以下については、個別の指標と目標を定めています。
・木材調達
③サプライチェーンを含む人権尊重の指標と目標をご参照ください。
・水産事業
上述の評価結果を踏まえて、必要に応じて、追加の分析や指標と目標を検討していきます。
<参考>
生物多様性
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/e/biodiversity/
(ご参考) 外部評価の推移
当社グループの事業を通じた当社のサステナビリティ課題解決の取り組みは、外部評価機関にも継続的に高く評価されています。2024年度は前年度に引き続いて、S&P Global Sustainability Award(サステナビリティ格付)において、Trading Companies & Distributorsセクターにおいて「Top 1%」に選定されました。
(注) CDPでは、企業からの申請に基づきスコアアピールの制度が設けられており、当社は2024年度気候変動スコア
「B」に対して現在アピールを行っています。本スコアは見直しの結果、変更される可能性があります。
<参考>
サステナビリティ全般に関する取り組み
Sojitz ESG Book
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/
(2) 人材戦略に関する基本方針
全社方針として掲げる2030年の目指す姿「事業や人材を創造し続ける総合商社」の実現に向け、価値創造の源泉である多様性と自律性を備えた個の成長を、組織の成長、会社の成長につなげています。
「中期経営計画2026」を支える人材戦略
「中期経営計画2026」の人材戦略では、当社グループの人材戦略基本方針として、双日らしい成長ストーリーの実現に向けた「事業創出力」と「事業経営力」の強化を目指します。
「中期経営計画2026」基本方針に掲げるNext Stage(当期利益2,000億円、ROE15%超)に向けた基盤の確立には、強みある事業群への進化、高い収益性の確保が不可欠であり、既存事業の拡大と新規事業投資を通じたグループの拡大、ネットワーク活用による共創の促進を中心に「グループ・グローバルへの取り組み」を強化していきます。自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個の強化とそれを組織力向上につなげるミドルマネジメントの強化、環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢の加速により、「事業創出できる」「事業経営できる」ヒト(組織・人材)を持続的に創出していきます。
持続的な価値創造に向けた「事業基盤」と「人的資本」の強化を支える土台として、「双日らしいカルチャー」の醸成、「Digital-in-All」の実践、「データを活用した対話」の浸透により、新たな事業創出や生産性向上につなげ、当社スローガン"New way, New value"を体現していきます。挑戦や思考の柔軟さといった双日らしい独自の風土・文化を深化させ、社員が徹底的に対話することを通じて、事業創造につなげていきます。
2030年の目指す姿の実現に向け、Next Stageを実現していくために重要なのは人材のギアチェンジです。社員一人ひとりがどこよりも挑戦・成長できる環境を目指して、報酬の引き上げを含む人事制度(役割等級・評価など)の見直しを実施し、新たな人事制度を2024年4月から導入しています。双日らしい成長ストーリーを実現するヒトの魅力(ちから)を強化し、社員一人ひとりの成長が、組織の成長・活性化につながり、会社の成長・企業価値向上を実現させるという当社らしい人的資本経営を加速させていきます。

(注) 1 ミドルマネジメント:対話を通じて個の力を組織力に変える本社課長(及び候補)、海外・グループ会社キーポジション(及び候補)
を対象とするもの
2 人材マネジメント: 人材の計画的な育成を通じて事業創出(Value creation)・事業経営(Value up)につなげる
商社にとって価値創造の中核であり最も重要な資本は「人材」です。自ら変革し新たな価値を創造し続けられる「個」の集団を形成し、価値創造につなげる「人的資本経営」を次の実行体制のもとで推進しています。
人的資本経営の実行体制として、取締役会で経営視点で方針を議論し、重要な人事事項は、社長が議長を務める人事審議会で審議・決裁しています。具体的な取り組みである人材KPIの進捗状況や人事施策の効果・課題などは経営会議と取締役会で定期的に議論・決定しながら進めています。
リスクの早期発見・対処のため、コンプライアンスホットラインや社内目安箱の設置に加え、エンゲージメントサーベイや360度サーベイなどからも現場の意見を吸い上げ、モニタリングする体制を整え、持続的な企業価値向上の推進力を高めていきます。
<人的資本経営 実行体制図>

人的資本価値の毀損「リスク」と、価値向上のための「機会」という「攻めと守り」の両面から各重要課題にアプローチすることによって、企業価値向上につなげています。また、2030年の目指す姿の体現に向け、足元の課題のみならず、将来を見据えて今着手すべき課題に対しても取り組みを開始しています。

1) 人材KPI(動的)
2030年の目指す姿に向けて双日らしい成長ストーリーを実現するためには、「事業創出力」と「事業経営力」を備えるとともに、"Digital-in-All"を実践できるヒト(組織・人材)の育成・強化が必要となることから、人材KPIを設定し、各種施策の効果を測っていきます。
具体的には、「事業創出力」「事業経営力」の向上に向けた「双日らしいカルチャーの醸成(挑戦指数、風通し指数)」、「多様な人材活躍(女性総合職 海外・国内出向経験割合、海外グループ会社CxO(現地人材)比率、デジタル応用人材)」に取り組んでいきます。また、一部KPIでは、定期的に実施しているエンゲージメントサーベイ(注)の回答率を用いることで社員の声を定点観測し施策につなげていきます。

(注) 2025年3月期の数値は現時点の集計値であり、第三者保証を取得した数値については当社ウェブサイト及び統合報告書で開示いたします。
<参考>
エンゲージメントサーベイ
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/s/human_resources/
Next Stageに向けた「中期経営計画2026」における当社グループの人材戦略基本方針として、「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」の3点を掲げています。
1) 人材戦略基本方針①「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」
「多様性を競争力に」をテーマに、人材の多様性を、変化の激しい市場環境に対応し、常にスピード感をもって事業創造できる組織の力へと変えることで、「事業や人材を創造し続ける総合商社」を目指しています。ジェンダー、現地人材、高い専門性を持つキャリア採用者など、多様な人材の獲得と活躍機会の提供を積極的かつ継続的に行いながら、それぞれの特性や能力を最大限に活かせる職場環境整備、マネジメント層の教育など様々な取り組みを実施しています。
● 女性活躍推進
組織の意思決定に関わる女性社員を増やすため、ダイバーシティマネジメントを担う組織を中心に人材パイプライン拡張や、ライフイベントを見越した「キャリアを止めない」環境作りに取り組んでいます。2030年代には男女間の差がなく適所適材が実現している状態を目指します。
多様性をイノベーションの創出といった競争力につなげていくために、女性活躍推進を人材戦略の最重要テーマの1つと位置づけています。「中期経営計画2026」の最終年度には課長に占める女性の比率を20%程度とし、2030年代には、これを50%程度へ引き上げていきます。2016年度以降、女性の採用人数を増やしてきた結果、すでに20代の社員比率は約半数を女性が占めている中、パイプライン形成に向けて、成長機会の提供やキャリア支援に取り組んでいます。
将来、意思決定を担う人材を育成するための施策として、2021年度から「キャリアの早回し」として、ライフイベントと重なりにくいタイミングで若手社員を国内外の事業会社にトレーニーとして派遣し、挑戦の機会を提供しています。さらに、管理職に求められるミッション遂行や意思決定など難易度の高い経験を積むことを目的に、2024年度から「駐在・出向経験割合」を新たなKPIに設定し、国内外の事業会社において役員などを担う女性社員を増やしています。
2024年7月には、人材パイプライン強化のために、会長を含む経営と現場が一体となり施策を議論、提案を行う会議として「女性活躍推進コミッティ」を創設しました。社外有識者を招聘し、「ワークとライフの両立の難しさ」などの女性活躍を巡る課題や施策を多角的に議論しています。また、自らの意思で挑戦・成長する意欲のある社員の活躍を後押しするために、女性執行役員が主催するラウンドテーブルを開催し、社長も参加して、女性社員との直接対話を行いました。また、女性活躍推進を含む人材施策の進捗は取締役会や経営会議に報告しています。

- 女性課長比率は、2026年度20%程度とした目標に対し、2025年3月31日現在で10%
- 女性総合職の新卒採用比率は2018年度以降継続して30%以上を維持 (2025年度入社:40%)
- (ご参考)女性総合職の海外・国内出向経験割合については、人材KPI(40ページ)をご参照ください。
- (ご参考)取締役11名のうち4名が女性取締役(2025年3月31日現在で女性取締役比率:36%)
- (ご参考)女性執行役員は3名、うち1名は取締役 専務執行役員(2025年3月31日現在で女性役員比率:18
%)
これらの女性活躍の取り組みにより、当社は女性活躍推進に優れた上場企業として「なでしこ銘柄2025」に選定されました(2017年3月以降、8度目)。
<参考>
双日、「なでしこ銘柄」に8回目の選定 ~女性活躍をさらなる競争力に
https://www.sojitz.com/jp/news/article/topics-20250324.html
ジェンダーに関わらず仕事と育児を両立することについて、職場全体が理解・応援できる環境を整えることは、女性がライフイベントを経てもキャリアを中断することなく活躍できる企業風土醸成のために重要であり、男性社員を含めた育児休暇取得率100%の維持を目指しています。その中で、業務効率化やチームマネジメント力の強化に向けた取り組み、早期復職支援や両立支援策の推進により、社員のキャリア形成を支援しています。
男性の育児休業取得率については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 女性活躍推進法等に基づく「女性管理職比率」、「男性の育児休業取得率」及び「男女の賃金の差異」(11ページ)をご参照ください。
● ビジネスへのデジタル実装に向けたデジタル人材育成
当社は社内外のパートナーと共にデジタルを活用することで、ビジネスモデルや業務プロセスの変革を実践できるデジタル人材を育成するため、スキル分野・スキルレベルの設計と研修カリキュラムの独自開発を行いました。既に、入門・基礎による全社員のリテラシーレベルの底上げが完了し、上位の応用人材も「中期経営計画2023」の目標であった300人の育成を24年3月末時点に達成(実績:321人、そのうちエキスパート:60人)しました。これらのデジタル人材(注)を活用することで、鉱物取引における価格最適化、水産事業会社の商品販売戦略などのデータ分析や、本マグロ養殖事業のデジタルツインによる尾数推定方法の特許出願など、ビジネス課題への実践を着実に進めています。また、エキスパートとなった管理職を営業本部・コーポレートの各組織内のデジタル専門部隊のマネジメントに抜擢し、"Digital-in-All"の実現に向けて強固な体制を築いています。
「中期経営計画2026」においては、全社のデジタルリテラシーの更新・底上げを継続しつつ、応用人材の研修カリキュラムの強化と育成人数のさらなる拡大を進めていきます。応用基礎では、データとテクノロジーをビジネスモデルにどのように組み入れるかを構想するためにビジネスアーキテクチャ研修(約20時間程度)を24年8月に新設しました。応用人材は全総合職の50%程度(約1,000名)、そのうち全総合職の10%程度(約200名)はエキスパートとして育成することで、全組織に応用人材が配置され、同人材を基軸とした全社レベルでの"Digital-in-All"の実現を目指します。詳細は17~18ページをご参照ください。
(注) 当社ではデジタル人材の育成において、独自の5段階レベル(入門、基礎、応用基礎、エキスパート、ソートリーダー)と2つのスキル分野(データ分析、ビジネスデザイン)を設定しています。
<参考>
DX戦略
https://www.sojitz.com/jp/corporate/strategy/dx/
● キャリア採用者の活躍
当社では、経営人材、DXなどの専門人材、ジェンダー、現地人材などの多様性強化に向けたキャリア採用に注力しています。2025年3月末現在で、管理職ポストにおけるキャリア採用者の割合は24%、役員ポストにおいては39%を占めています。なお、2024年度の採用に占めるキャリア採用者の比率は26%でした。今後も、年間の新規採用者数の30~40%程度をキャリア採用者としていく予定です。また、2030年代の女性社員・課長職比率目標を50%程度に引き上げたことを踏まえ、新卒・キャリアともに女性の採用目標も50%へ引き上げました。キャリア入社の活躍としては、2025年4月に営業本部で初の部長職に女性キャリア採用者が就任しました。また、社外から迎えた専務執行役員 CDO 兼 CIO 兼 デジタル推進担当本部長は、2024年6月に取締役に就任しており、今後も他社で培った経験を経営や現場との対話に活かし、双日グループの新規事業の創出と事業モデルの変革につながるデジタルの実装を加速していきます。
● 現地人材の活躍
海外事業会社を起点に現地ネットワークに入り込み、事業領域の拡大や新規事業の創出につなげるため、現地人材のCxOポストをさらに拡大し、2022年3月末に40%だった海外事業会社の現地人材CxO比率が、2025年3月末現在で48%となりました(注)。2025年度までに50%と設定していた目標値を、「中期経営計画2026」では60%に引き上げ、さらなる現地化を目指しています。域内での意見交換/情報共有によるマーケットイン・事業機会発掘の強化、共創と共有を推進するための海外地域における取り組みとして、海外事業会社CxOで構成するアドバイザリーボードを米国で開催しており、当時の社長も参加し、米州の事業会社のCxOと今後の成長戦略に関して積極的に議論しました。2024年度は他地域でも同様の会議が拡大しており、このような交流を通じ、当社グループが持つ多種多様な事業と掛け合わさることにより、事業拡大につなげ、グループ力強化を目指しています。
(注) 2024年度の数値は現時点の集計値であり、第三者保証を取得した数値については当社ウェブサイト及び統合報告書にて開示いたします。
● トレーニー制度
当社では、400社を超えるグループ会社を通じて多様なビジネスを展開しており、それぞれの事業会社の経営を担う人材の育成は重要な課題です。将来の経営人材の育成・確保のため、トレーニー制度を設け、若手社員を国内外へ派遣しています。2020年度からは所属部署とは異なる分野の事業会社に社員をトレーニーとして派遣する制度を開始しました。社員が新たな経験を通じて、多角的な視野を身に付け、知識や人脈に加え社員の幅出しのきっかけとなる成長の機会となっています。また、エンゲージメントサーベイの結果から、女性は20代のうちに海外を経験することで、30代以降、海外経験に対する意欲が低下しづらくなることがわかったことから、「キャリアの早回し」を促す派遣も行っています。2024年度は18ヶ国に派遣した海外トレーニーのうち47%が女性社員です。今後も活躍の場を広げる機会を提供し、社員一人ひとりのさらなる成長を後押しします。
<参考>
女性総合職海外・国内経験割合について(人材KPI)統合報告書2024 51ページ
http://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/sojitz-doc/pdf/jp/ir_202405/reports/annual/ar2024j_all.pdf
● 発想×双日プロジェクト(通称:Hassojitzプロジェクト)
当社における「さらなる成長」を考え、未来構想力や戦略的思考を定着させるべく、2019年に新規事業創出プロジェクト「発想×双日プロジェクト」を開始しました。第1回目に社長賞を受賞した「ワイヤレス充電」案件は、2023年3月より公道での実証実験を開始しています。開始から6年目となる2024年度は「先を読み、新たなKATI(カチ)を共に創る」をテーマに、外部の有識者やアルムナイメンバーとのディスカッションを行い、発想を起点とした事業創出力の強化を継続(発想の実現に主眼を置き実施)しています。Hassojitzプロジェクトでは起業家精神の醸成と自律的に事業創出ができる人材の育成を促進しています。
<参考>
ワイヤレス充電事業
https://www.sojitz.com/jp/newway_newvalue/article/nwnv_post_11.html
● 多様な個の力を競争力に変える企業風土・文化醸成
当社グループの価値創造の源泉である人材同士の活発なタテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーションは、多角的な意見・情報共有(風通し)による意思決定の質向上、自由な発想や組み合わせによるイノベーション創出、目標達成に向けた挑戦・貢献意欲・組織エンゲージメント向上など、会社・組織の成長と発展に重要な役割を果たすと考えています。
多様性と自律性を備える「個」それぞれが当社らしさを考え、行動に変えていくことが人的資本経営の先にあるべき姿と考え、2023年4月、全社を巻き込んだ対話型プロジェクト“双日らしさの追求プロジェクト”を立ち上げました。社内外へのヒアリングを通じた現状認識、全組織から選抜されたコアメンバーによるワークショップや経営陣とのラウンドテーブルで意見交換・議論を繰り返し、将来と現在、会社と個人などの観点から、当社らしさやありたい姿を言語化しています。2030年の目指す姿の実現について社員一人ひとりが“自分ごと”として言語化することにより、社員の日々の行動と経営目標の方向性を合致させ、挑戦意欲を高め人材の力が会社の力につながるよう、全社をあげて取り組んでいます。
● 双日アルムナイ
<詳細>
双日アルムナイ活動内容
https://sojitz-alumni.com/page
● 多様なキャリアプラン実現に向けた支援(双日プロフェッショナルシェア株式会社)
<詳細>
双日プロフェッショナルシェア
https://www.sojitz.com/jp/corporate/strategy/jinzai/
2) 人材戦略基本方針②「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」
多様性と自律性を備える「個」の成長(Will/Can)を組織と会社の成長(Shall)、企業価値向上につなげるためには、経営層と現場社員の結節点・橋渡し役として戦略遂行とエンゲージメント向上を担うミドルマネジメント層の強化が不可欠と考えています。
● ミドルマネジメントの強化による組織力向上
当社の価値創造の源泉である人材の力を最大化するため、対話を通じて社員の力を引き出し組織力の向上につなげるマネジメント力の強化が重要であると考えています。エンゲージメントサーベイ結果(2024年度回答率99%)を分析し、部課長の中で最も現場に近い課長職が組織エンゲージメントに大きな影響を与えることがわかりました。組織エンゲージメント向上においては、部長職と比べて課長職の影響力が高いため、課長職を中心としたミドルマネジメント層の強化に取り組んでいます。
また対話力の高い課長職の組織は、「風通し」「挑戦意欲」「成長実感」が高い傾向にあることがデータから明らかになりました。当社におけるミドルマネジメントの強化は「対話力向上が最重要」と位置づけ、研修の実施など強化施策を実行しています。今後、対話の質をより向上させ、組織の統率力向上、「事業創出力・事業経営力」の強化につなげます。
<参考>
統合報告書2024>双日らしい人的資本経営の追求>組織力向上につなげるミドルマネジメントの強化
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/sojitz-doc/pdf/jp/ir_202405/reports/annual/ar2024j_all.pdf
● 活躍し続けられる人材育成(研修プログラム)
<詳細>
研修プログラム
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/s/human_resources/
3) 人材戦略基本方針③「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」
テクノロジーの発展や地政学リスクなどの著しい環境変化や多様な顧客ニーズに対応し続けるため、機動的かつ計画的な人材配置や育成・抜擢を行い、2030年の目指す姿の実現に向け事業創出力と事業経営力を高めていきます。
● 多様な経験機会による人材育成(ジョブローテーション制度、社内公募制度)
<詳細>
ジョブローテーション制度、社内公募制度
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/s/human_resources/
● 機動的・計画的な人材配置や育成を支える人材の可視化
「個」と「組織」の強化をさらに進めるべく、人材データを活用(データサイエンス)しています。エンゲージメントサーベイや360度サーベイなど、定期的に実施する全社サーベイや人事データを多角的・多面的に分析しデータドリブンな人材戦略の遂行につなげています。また、全社でタレントマネジメントシステムを活用し、タテ・ヨコ・ナナメの対話促進、適所適材の実現、公正・公平な評価フィードバック、社員の成長を可視化するなど、社員個人と組織をデータでつなぎ、人的資本経営の基盤を充実させていきます。また24年度から管理職向けに実施しているアセスメント結果を用いて、事業本部ごとにキーポジションの人材を見える化し、経営と議論を開始しました。
4) 多様な人材の活躍を支える制度・取り組み
当社グループの成長は社員と共にあると考え、多様な価値観やキャリア志向を持つ全ての社員が、挑戦・成長を積み重ねることで、高いモチベーションを維持しながら自律的に働き続けられる環境を整えていきます。
● グループ全体で企業価値向上を加速させる取り組み(従業員持株会・株式の付与)
当社は、グループ全体で持続的な企業価値向上及び株価上昇に向けた意識醸成を企図し、株主への利益還元だけではなく、当社を支える社員への株式の付与を通じて社員一人ひとりの会社への帰属意識と企業価値向上に向けたモチベーションを高めていきます。2023年5月には、従業員持株会の会員である社員に対して、特別報酬として1人あたり100株を付与しました。2025年3月現在で、当社における社員の持株会加入率は90%程度となり、収益の拡大による資金の循環を人や事業の成長につなげるべく、グループ全体で企業価値向上に向けた取り組みを加速させていきます。「中期経営計画2026」の数値目標を双日グループ一丸となって達成した際は、社員に対して特別報酬を付与する予定です。
● 健康経営
当社グループにとって最大の資本である社員とその家族が心身共に健康であり、社員が働きやすさと働きがいを持てる健全な職場環境づくりは、会社の重要な責任の1つと考え、『双日グループ健康憲章 “Sojitz Healthy Value”宣言』を策定しています(2018年3月)。疾病の未然予防・健康増進に加え、仕事と治療の両立を図るべく、健康推進担当の組織体制を強化し、各健康関連施策を実施しています。2022年度に策定した健康経営戦略マップをもとにフィジカルヘルス対策/メンタルヘルス対策/女性の健康対策を主軸として健康施策を実行し、それらの取り組みが評価され、「健康経営銘柄」に2年連続3度目の選定を受けています。定期健康診断の一次受診率100%を継続しつつ、疾病の早期発見・予防を目指し、2023年度まで二次健診受診率を人材KPIとして定め、目標の70%を上回る77%まで向上しました。2024年度以降は、引き続き社内でのモニタリングを継続し、84%となっています。
<参考>
Sojitz ESG BOOK 労働安全衛生(「双日グループ健康憲章」)
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/s/health/
健康経営戦略マップ
https://www.sojitz.com/pdf/jp/sustainability/sojitz_esg/s/health/strategymap.pdf
フィジカルヘルス対策では、健康に対する社員の意識と行動の変容を促すことを目的に、2023年度に引き続き、「双日健康フェス」を開催しました。2024年度は「睡眠」をメインテーマとし、「睡眠×運動」、「睡眠×食事」など睡眠に関するセミナー、その他体力測定会など10種類の施策を実施し、社長を含む経営層も参加しました。

双日健康フェスの様子
メンタルヘルス対策では、精神科産業医をはじめ、社内・社外カウンセラーなど複数の相談窓口を設置し、メンタル不調者の早期発見・早期治療に取り組んでいます。所属長が産業医からアドバイスを受け、不調者のケアや職場復帰を支援するなど、産業保健スタッフと所属組織が連携して行っています。ストレスチェックの組織分析の結果、課題のある組織に対しフィードバックを実施していますが、これらの組織はエンゲージメントサーベイの積極肯定回答率が低いという傾向も見られ、働く環境の改善に取り組んでいます。加えて、国内と比較して負荷のかかりやすい海外勤務者に対しては、毎月ヘルスチェックを実施する事で、自身の健康状態を振り返り、必要に応じて産業医や外部相談窓口に相談する機会とし、早期発見や発症予防につなげています。
女性の健康対策については、2022年4月以降、子宮頸がん・乳がん検診の対象の全年齢への拡大、社内診療室への婦人科嘱託医の配置、不妊治療に関わる相談窓口の設置、外部企業と契約し、医師や専門家による女性の健康に関するオンラインセミナーの配信など、施策を強化しています。不妊治療と仕事との両立の難しさなど、本人のみならず、所属組織の理解を深める事に加え、女性社員が自身の健康やキャリア形成についてのリテラシーを向上させることを目的としたセミナーを実施するなど、一人ひとりの社員が活躍できる環境整備を進めています。
エンゲージメントサーベイの結果から、「健康施策に対する社員の満足度」、「社員のヘルスリテラシー」に対する肯定回答率(注)も上昇しており、着実に健康経営が社内に浸透しています。今後も健康経営を推進し、社員一人ひとりが心身健康な状態を維持し、誰もが挑戦を当たり前にする環境づくりを進めていきます。
(注) 回答選択肢6択のうち、「①とてもそう思う」「②そう思う」「③どちらかといえばそう思う」の回答割合
<多様な人材の活躍を支える主な制度・取り組み一覧>

3 【事業等のリスク】
(1) 当社グループのリスク管理
① リスク管理の考え方
当社グループは、総合商社としてグローバルかつ多角的に事業を行っており、展開する事業の性質上、様々なリスクに晒されております。
このため、リスクを「事業戦略及びビジネス目標の達成に影響を与える不確実性」と定義し、経営環境の多面的な分析とリスクの把握、戦略的対応を通じて企業価値向上に資するよう、全社的リスク管理の高度化に取り組んでおります。また、リスクの重要性を評価のうえ、適切かつ合理的な方法でリスク管理を推進しています。
② 全社的リスク管理体制
当社グループが取り組む全社的リスク管理においては、社長・CFOがメンバーを務める「内部統制委員会」(事務局:内部統制統括部)が、各種社内委員会(88ページ)とも連携しながら、方針の協議と策定、業務執行組織(第1線及び第2線)が実行するリスク管理の状況の全体俯瞰とモニタリング、並びに関係先への指示など、その枠組みを有効に機能させる主体となります。
また、監査部は第3線として独立した立場で、第1線・第2線が運用しているリスク管理についての客観的な検証を行います。
これらを踏まえ、内部統制委員会は、経営会議・取締役会・監査等委員会に対して、全社的リスク管理の状況について定期的に報告を行います。
全社的リスク管理体制の概要は下図のとおりです。
図1:全社的リスク管理の体制

全社的リスク管理のプロセス
当社グループにおける全社的リスク管理のプロセスは以下となっております。
図2:全社的リスク管理のプロセス

当社グループでは、第1線(営業本部など)・第2線(コーポレート)の各部署において、外部環境、経営戦略、業務プロセスなど、将来予想によるものも含めて網羅的にリスクを検討、識別しています。識別されたリスクについては、影響度と発生可能性による2軸評価によって重要度を測定し、内部統制委員会における協議と取締役会への報告を経て、リスク対応方針を決定しています。
このリスク対応方針に沿って、第1線(営業本部など)では、業務執行におけるリスクについての自律的コントロールを行う一方、第2線(コーポレート)では、担当するリスクに関連して経常的に実施する管理業務のほか、第1線への支援やモニタリング、PDCA管理も含めた継続的レビューを行います。第1線及び第2線が行うリスク管理活動については、内部統制委員会がモニタリングし、リスクの重要度に応じて有効性評価を実施したうえで、経営会議・取締役会・監査等委員会に報告を行います。
昨今の外部環境や事業領域の変化を踏まえ、個々のリスクをサプライチェーン全体で捉え、突発的なリスク発現時の影響度合いの把握や、機動的な対応を通じた、レジリエンス(回復力)強化に取り組んでおります。地政学リスク、災害リスクそれぞれについては想定するシナリオを策定し、営業本部・コーポレートとの対話並びに経営会議での議論を通じて、リスク発現時の対応策などを確認しております。また、不正なアクセスやサイバー攻撃への対策の強化にも重点的に取り組んでおります。
さらに、リスク・リターンを踏まえた事業投資マネジメントを行うことで、当社グループのバランスシートの劣化を防ぎ、企業価値の維持・向上につなげております。
(2) 個別のリスクについて
当社グループの事業に関しては以下のようなものがあります。
このほか、当社グループ資産が晒されるリスクを「リスクアセット」として計測管理し、この結果をリスクに対する収益性や、財務の健全性を維持するための指標として活用し、リスクをコントロールしています。リスクアセットは自己資本の1倍以内に収めることを目標としており、2025年3月末のリスクアセットは自己資本の0.7倍であります。
なお、将来事項に関する記述につきましては、当期末現在において入手可能な情報に基づく当社の判断、一定の前提又は仮定のもとでの予測などであります。
① マクロ経済環境の変化によるリスク
当社グループは、グローバルにビジネスを展開し、事業活動は多岐にわたっており、当社グループの業績は、日本及び関係各国の政治経済状況や世界経済全体の影響を受けます。そのため、世界的あるいは特定地域における経済動向は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② カントリーリスク
当社グループは、カントリーリスク発現時の損失の発生を最小化するためには、特定の国・地域に対するエクスポージャーの集中を避ける必要があると考えております。また、カントリーリスクが大きい国との取り組みでは、貿易保険などを活用し案件ごとにカントリーリスクヘッジ策を講じることを原則としております。
カントリーリスクの管理にあたっては、各国・地域ごとにカントリーリスクの大きさに応じて客観的な手法に基づく9段階の国格付けを付与すると共に、国格付けと国の経済規模に応じてネットエクスポージャー(エクスポージャーの総額から貿易保険などのカントリーリスクヘッジを差し引いたもの)の上限枠を設定し、各々の国のネットエクスポージャーを上限枠内に抑制しております。
しかしながら、これらのリスク管理やヘッジを行っていても、当社グループの取引先所在国や当社グループが事業活動を行う国の政治・経済・法制度・社会情勢の変化によって計画どおりの事業活動を行えない可能性や損失発生の可能性を完全に排除することはできません。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 地政学リスク
当社グループは、グローバルにビジネスを展開しており、特定国・地域における社会的、政治的、軍事的な緊張の高まりにより、従業員、物資、資本、情報などの経営資源が危険に晒されたり、貿易・投資、その他の自由な経済活動が阻害されたりする可能性があります。
こうした地政学リスクの高まりによる不確実な情勢に対応するため、特定国・地域における取引内容やビジネスへの影響を確認するとともに、調査・分析及び研修を通じて、有事の際に適切な対応がとれるよう努めております。また、安全保障貿易管理委員会を中心に各国の外交政策、制裁措置、武力紛争などの外部環境変化へ柔軟に対応しております。
しかしながら、全ての地政学リスクを回避することは困難であり、経営資源に影響を与える事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 市場リスク
当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク並びに上場有価証券の保有などに伴う価格変動リスクなどの市場リスクに晒されております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化することを基本方針としております。
1)為替リスク
当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクに晒されております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じておりますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外の事業会社からの受取配当金、海外連結子会社・持分法適用関連会社の損益の多くが外貨建であり、日本円に換算する際の為替変動リスクを負っています。さらに、当社グループは、海外に多くの現地法人・事業会社などを保有しており、財務諸表を日本円に換算する際の為替変動により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、為替の収益感応度(米ドルのみ)は、1円/米ドル変動すると、売上総利益で年間8億円程度、当期純利益(当社株主帰属)で年間3億円程度、自己資本で20億円程度の影響があります。
2)金利リスク
当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しておりますが、金利変動リスクを完全に回避できるものではなく、金利水準の急上昇による調達コスト増大が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、2025年3月末の当社グループの有利子負債残高は1兆864億73百万円であり、平均利率につきましては、短期借入金は3.35%、1年内返済予定の長期借入金は2.43%、長期借入金(1年内返済予定のものを除く)は1.80%となっております。
3)商品価格リスク
当社グループは、総合商社として様々な事業分野において多岐にわたる商品を取り扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。取扱い商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額と最大損失額を設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額が最大損失額の90%に抵触した場合、最大損失額の範囲内に収めるべく速やかにポジションを解消するルール)を設定し運用しておりますが、これらの対応を行ってもリスクを完全に回避できる保証はなく、予期せぬ市場の変動などにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、各商品ポジションに関しては、モニタリングの上、本部別に増減内容の分析を行うなど、適正水準にコントロールするための施策を行っております。
4)上場有価証券の価格リスク
当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。保有する上場株式については、受取配当金や関連する収益が資本コスト(WACC)を上回っているかを定量的に検証するとともに、当社企業価値の向上に寄与しているかといった定性面についても精査し、個別銘柄ごとの保有意義見直しを継続していく方針です。
保有上場株式の株価が大幅に下落した場合、有価証券の公正価値の変動によって、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 信用リスク
当社グループは、多様な商取引を行う中で国内外の取引先に対し信用供与を行っております。これらの商取引においては、販売先の業績不振や経営破綻などにより、当社の債権が回収できないリスクが存在します。
これらのリスクについて、取引先に対し11段階の信用格付けを付与し、当該格付や当社が負うリスクの類型により取引先ごとに取引限度を設定し、債権残並びに契約残を設定された限度の範囲内でコントロールしております。また、定期的に取引先信用状況やサプライチェーン全体を俯瞰し取引条件を見直し、かつ取引先の信用状況やその変化に応じ、担保・保証の取得や保険の付保など保全措置を講じ、信用リスクが顕在化した場合に、予想される損失の軽減にも努めております。さらに、債権査定制度を導入し、回収に懸念のある債権については、当該取引先の信用状況、債権回収実績、保全内容などを基に回収可能性について査定を行い、回収が難しいと判断する債権額を算定し適時に貸倒引当金を計上しております。
また仕入先において、経営不振などにより仕入契約どおりに当社商品供給がなされない場合、当社グループが主契約者として販売先に販売契約の義務を果たせず、契約履行責任を問われるなどのリスクも存在します。
しかしながら、こうした信用リスクの管理を行った場合でもリスクを完全に回避できる保証はなく、取引先の破綻などにより債権の回収不能などの事象が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 事業投資リスク
当社グループは、様々な事業領域において事業投資を行っております。事業投資は、事業計画どおりに収益獲得ができないリスク、投下資本回収リスク、事業撤退時に損失が発生するリスクが存在します。事業投資から発生する損失の予防と抑制を目的として、当社グループは事業投資案件の実行の判断時、また投資実行後の管理や撤退に関して事業投資基準を設けて、管理しております。
新規事業投資案件の実行時においては、取り組み意義やキャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を厳格に評価しております。特に収益性の評価に関しては内部収益率(IRR)を指標とし、これに対しハードルレートを設定した上で、これを上回る案件を取り上げることとしており、事業投資実行の判断において、当社グループの株主価値を向上させ、かつリスクに見合う収益が得られる案件を選別する仕組みを構築しております。
実行済の事業投資案件については、毎年、モニタリング・撤退該否判定として、ROIC(Return on Invested Capital)や、キャッシュリターンベースでのROICであるCROIC(Cash-Return on Invested Capital)が資本コストを超えているかを測定し、定期的に事業性を評価しながらそれぞれの事業の問題点を早期に把握し、適時適切に改善策の実行、あるいは撤退を進めることで当社グループのバランスシートの劣化を防ぎ、企業価値の維持・向上につなげております。モニタリング・撤退該否判定に関する概要は下図のとおりです。
図:モニタリング・撤退該否判定

このように、事業投資の実行時、実行後の仕組みを整備しておりますが、期待どおりの収益が上がらないリスクや事業計画を達成できないリスクを完全に回避することは困難であり、想定どおりに事業が進まない場合、当社グループが保有するのれん及び固定資産などの価値が毀損し、減損損失が発生する、又は当該事業からの撤退などに伴い損失が発生する可能性があります。これらの場合において、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 資金調達リスク
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。金融機関との取引関係の維持、一定の長期調達比率の確保などによる安定的な資金調達を行っておりますが、金融市場の混乱や格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約されると共に、調達コストが増加するなどにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 環境・気候変動リスク
当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、環境・気候変動などにかかわる問題が発生した場合、又は環境団体を含む様々な主体から環境にかかわる問題に関与していると批判を受けた場合に、当社グループの社会的評価の低下、事業活動の停止・中止、訴訟や損害賠償などの負担、サプライチェーンからの除外などが生じるリスクがあります。
また、気候変動を抑制できずに温暖化が進行した場合に、当社事業の収益や資産価値に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、気候変動抑止のために法規制が強化されるなどの移行リスクと、気温上昇により洪水などの災害が発生し、被害が生じる物理的リスクがあります。
当社グループは、6つのマテリアリティのうち環境・人権を優先的に取り組むテーマとして長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、環境・気候変動への対応の一環として脱炭素社会への実現に取り組んでおります。
(詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティに関する基本方針 リスク管理(23ページ)」を併せてご参照ください。)
⑨ 人権リスク
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、事業活動とそのサプライチェーンは多岐・広範にわたっております。当社グループの事業活動及びサプライチェーンにおいて、労働安全衛生、人権などにかかわる問題が発生した場合、又は人権保護団体などから労働安全衛生、人権などにかかわる問題に関与していると批判を受けた場合に、事業活動の停止・中止、被害・損害の補償、訴訟や損害賠償などの負担が発生するリスク、当社グループがサプライチェーンから外される、又は当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループは、6つのマテリアリティのうち環境・人権を優先的に取り組むテーマとして長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、人権方針や人権にかかわる個別方針を策定・実行するなどサプライチェーンを含む人権尊重に取り組んでおります。
(詳細は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティに関する基本方針 リスク管理(23ページ)」を併せてご参照ください。)
⑩ コンプライアンスリスク
当社グループは、様々な事業領域で活動を行っており、事業活動に関連する法令・規制は、会社法、税法、汚職など腐敗行為防止のための諸法令、ハラスメント防止のための諸法令、独占禁止法、関税法、外為法を含む貿易関連諸法令や化学品規制などを含む各種業界法など広範囲にわたっております。これらの国内外の法令・規制を遵守するため、当社グループではコンプライアンスプログラムを制定し、コンプライアンス委員会を設け、グループ全役職員にコンプライアンスマインドを浸透・定着させるための取り組みを、全社をあげて実施しております。また、安全保障貿易管理委員会を中心とした安全保障貿易に関する実行体制の整備・運用にも取り組んでおります。しかしながら、このような取り組みによっても事業活動におけるコンプライアンスリスクを完全に排除することはできるものではなく、関係する法律や規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 法務リスク
事業活動に関連して、当社グループが国内又は海外において訴訟、仲裁などの法的手続きの被告又は当事者となることがあります。訴訟などには不確実性が伴い、その可能性の程度や時期、結果を現時点で予測することはできませんが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫ システムリスク
コンピュータシステムの品質不良や運用トラブルによるビジネス遂行の支障や損失、並びにITリソースやシステムの統合管理の不十分さなどによるシステムリスクが存在します。
当社グループは、システムを適切に保守・運用するため、チーフ・インフォメーション・オフィサー(CIO)を中心とした管理体制を構築しております。重要な情報システムやネットワーク設備について、これらの機器設備を二重化するなど障害対策を施すと共に、グループ全体のIT資産・脆弱性の一元的な管理を行い、システムの安定運用を図っております。
このように総合的なシステムの強化と事故防止に努めておりますが、予期できない自然災害や障害を原因として情報通信システムが不稼働の状態に陥る可能性は排除できません。
なお、本社含めグループ連結会社でシステムリスクが顕在化した際には、予想される損失については、保険の付保による軽減に努めております。しかしながら、被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 情報セキュリティリスク
不正なアクセスやサイバー攻撃、情報資産(紙媒体を含む)の管理ミスなどによる情報の漏洩、改ざん、破壊、紛失などにより、損失を被り、社会的評価が悪影響を受ける情報セキュリティリスクが存在します。
当社グループは、情報資産を適切に保護・管理するため、各種規程を整備し、チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)を議長とする情報・ITシステムセキュリティ委員会を中心とした管理体制を構築し、情報セキュリティに係る体制を強化しております。
ファイアウォールによる外部からの不正アクセスの防止、システムの脆弱性を悪用するウイルス対策、暗号化技術の採用などによる情報漏洩対策の強化にも努めております。
その他、グループ全体のセキュリティガバナンス強化に重点的に取り組んでおり、サイバー攻撃を早期に検知し影響を抑え込むソフトウエアの導入、不審メールに対する訓練など、セキュリティ対策をグループ全体に展開しております。
また、定期的なセキュリティリスクアセスメントを通じて当社グループが抱えるセキュリティ上の課題・リスクを可視化し、優先度をつけた中長期的なセキュリティ対策を実施しております。
このように総合的な情報セキュリティの強化と事故防止に努めておりますが、近年急増しているサイバー攻撃やコンピュータへの不正アクセスなどにより、個人情報を含めた重要な情報資産が漏洩又は毀損する可能性は排除できません。なお、本社含めグループ連結会社でセキュリティリスクが顕在化した際には、対応にかかる費用や取引先・顧客への補償費用といった予想される損失については、保険の付保による軽減に努めております。しかしながら、被害の規模によっては当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 災害等リスク
地震、風水害などの自然災害や感染症の大規模な流行により事務所・設備・従業員とその家族などに被害が発生し、当社グループに直接的又は間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアル並びに感染症マニュアルの作成、防災訓練、従業員の安否確認システムの整備、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じております。
大規模な災害時における取引上のサプライチェーン維持の取り組みとして、代替取引先・代替商品の検討を行い取引継続の強靭化に取り組むと共に、保険の付保を行うなどして被災した場合の損害の低減を講じております。
しかしながら、被害を完全に回避できるものではなく、サプライチェーン寸断により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 人的資本リスク
当社グループは、人材を会社の資本、価値の源泉と捉え、価値創造できる人材を輩出し続ける人的資本経営を推進しており、経営戦略・事業戦略の実現に向けた人材の確保・育成に努めております。人材確保に関しては、多様性の推進、イノベーションの創出、機能強化を目指し、M&Aやデジタル人材など専門性の高い人材の獲得に注力するなど、人材ポートフォリオを意識した採用を推進しています。また、キャリア採用の強化を通じて、当社社員の年齢構成の適正化を図るほか、新卒・キャリア採用ともに女性比率の目標を設定し、ジェンダーに関わらず適材適所で活躍できる環境の整備に取り組んでいます。
人材育成に関しては、「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」、「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」、「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」を重点テーマと置き、経営人材、デジタル人材、外国人人材など、事業戦略の実現に必要となる人材の育成を強化しています。重要テーマについては人材KPIを設定し、進捗や効果を定量的にモニタリングする体制を整備しています。
このように人材戦略に基づいた様々な取り組みを行っていても、高齢化に伴う労働人口の減少や、人材の流動化により必要な資質・能力を有した人材の確保・育成が十分にできない場合、事業計画の進捗に遅れが生じる可能性があります。
人的資本リスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人材戦略に関する基本方針 リスク管理(39ページ)」を併せてご参照ください。
⑯ 品質に関するリスク
当社グループは、総合商社として様々な事業を展開しています。近時、事業領域が拡大・多様化するなか、製造業やサービス業への進出も増加しています。それに伴い、品質管理体制強化の目的で、全社共通の品質管理基本方針である「双日グループ・品質管理ポリシー」を制定し、現場での自律的、主体的な品質管理を推進しております。また、全社横断組織として品質管理委員会を設置し、事業現場で提供するモノ・サービスの品質管理状況を網羅的にモニタリングする体制を整えております。体制の概要は下図のとおりです。
図:品質管理モニタリング体制図

また、個々の事業においては、品質に起因したリスク発現に対して、事業特性も考慮しながら、顧客対応を実践しており、品質管理委員会では、その実践状況を議論・研究し、成果や気付きを全社に共有の上、他事業への応用・品質改善につなげる取り組みをしております。とりわけトレード事業においては、個々の商流のサプライチェーン全体を見据えた品質起因のリスクの洗い出しとリスク対応の点検を行っております。
しかしながら、品質問題の発生を完全に抑制することは困難であり、当該問題により生じた損害について、当社グループが責任を負う可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑰ レピュテーションリスク
当社グループにおいて、製品やサービスの品質問題、コンプライアンス違反、情報漏洩やセキュリティ侵害などの事象が発現した場合に、発生した事実はもとより、情報開示の適時性や開示内容の客観性などの不備不足により、ステークホルダーからの当社グループへの信用やブランド価値が毀損する可能性があります。
対外発信においては、開示における透明性・適時性・公平性などを確認し、一貫性のある適切な発信が行われるよう努めていますが、報道やSNSなどの情報により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループのウェブサイト・SNSは、システムの脆弱性に起因する掲載情報の改ざんリスクや収集した個人情報の流出リスクに晒されております。システムの脆弱性に関しては、上記⑬の「情報セキュリティリスク」に記載のとおり、可能な限りの安全対策に努め、運用に関しては、グループ共通のSNS運用ポリシーや運用規程を定め、当社グループからの適切な情報発信を行う体制を整えておりますが、このように情報発信内容と運用における対策をもちましても、運用に起因する批判・非難の集中や意図しない著作権・商標権・肖像権の侵害、取引先や顧客に限らない第三者による外部サイトやSNSに当社グループを特定しての投稿が為されるケースもあり得ます。情報の真贋によらず、その内容と発信媒体あるいは時期により影響度は異なり、それを事前に予測することはできないものの、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度は、日本を除く各国中銀が金融引き締めから緩和に転じ始めました。一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、予断を許さない状況が続く中東情勢、中国における景気の低迷に加え、2025年1月以降、米国の新政権の政策変更など、地政学的な不確実性が増しています。
当社グループがビジネスを展開する地域を概観すると、米国ではFRBが2024年9月~12月において3回、計1.0%の利下げを実施し、政策金利は4.25~4.5%になっています。消費・雇用は堅調に推移していますが、関税政策を含む新政権の政策変更に伴い、今後の経済環境は不透明感が強まっています。
EU経済圏では、個人消費は底堅く推移していますが、製造業の不振が長期化しており、低成長が続いています。ECBは2025年3月にインフレ圧力の鈍化と景気指標の下振れを受け、5会合連続の利下げを行い、政策金利は2.65%となっています。
中国は、内需の低迷や不動産不況が課題であるものの、2024年後半からの金融緩和策などにより、2024年1~12月の実質GDP成長率は政府目標の+5.0%前後を達成しました。一方で、米中の貿易摩擦は激化する方向にあり、先行きは不透明な状況となっています。
ベトナムでは、米国などへの輸出が経済成長をけん引し、2024年1月~12月の実質GDP成長率は前年比+7.09%と大幅に上昇しました。2025年初めも輸出は増加傾向にありますが、米国新政権の保護主義的政策の影響が懸念されます。
インドでは、民間消費や輸出が好調で、景気は堅調に推移しています。足元のインフレ率は中央銀行が想定範囲内とする2~6%で推移しています。また、中央銀行は2025年2月に政策金利を6.5%から6.25%に約5年ぶりに引き下げ、景気を下支えする方針を示しています。
日本では、日銀が2024年7月に続いて2025年1月にも利上げを行い、政策金利を0.5%程度としました。国内の景気は緩やかに回復していますが、米国新政権の政策変更による影響には注視していく必要があります。
当期の当社グループの業績につきましては、次のとおりであります。
収益は、米国電気設備工事事業会社の取得及び米国省エネルギーサービス事業会社の取引増加によるエネルギー・ヘルスケアでの増収に加え、パナマ自動車販売事業会社の前期取得による自動車での増収などにより、2兆5,097億14百万円と前期比3.9%の増収となりました。
売上総利益は、米国省エネルギーサービス事業会社の取引増加及び米国電気設備工事事業会社の取得によるエネルギー・ヘルスケアでの増益に加え、ベトナム業務用食品卸売事業会社の前期取得、冷凍マグロ加工販売事業会社の利益率改善によるリテール・コンシューマーサービスでの増益により、前期比208億38百万円増益の3,467億93百万円となりました。
税引前利益は、売上総利益の増益に加え、資産入れ替えに伴うその他の収益・費用の増加などにより、前期比98億2百万円増益の1,353億円となりました。
当期純利益は、税引前利益1,353億円から、法人所得税費用211億1百万円を控除した結果、当期純利益は前期比111億39百万円増益の1,141億99百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期純利益は前期比98億71百万円増益の、1,106億36百万円となりました。
当期包括利益は、当期純利益にFVTOCIの金融資産や在外営業活動体の換算差額などを計上した結果、当期包括利益は前期比668億40百万円減少し、1,064億43百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期包括利益は前期比650億78百万円減少し、1,032億39百万円となりました。
連結純損益計算書
(単位:億円)
(注) 基礎的収益力=売上総利益+販売費及び一般管理費(貸倒引当金繰入・貸倒償却を除く)+金利収支
+受取配当金+持分法による投資損益
(注) 販売費及び一般管理費のうち貸倒引当金繰入・貸倒償却金額は、前期比 △2億円(△2→△4)
(2) 資本の財源と資金の流動性及び調達状況について
① 財政状態
当期末の資産合計は、連結子会社の新規取得などにより、前期末比2,003億79百万円増加の3兆872億52百万円となりました。
負債合計は、新規調達による有利子負債の増加などにより、前期末比1,483億91百万円増加の2兆796億36百万円となりました。
資本のうち親会社の所有者に帰属する持分合計は、配当金の支払いや、自己株式の取得があったものの、当期純利益の積み上がりなどにより、前期末比448億80百万円増加の9,689億56百万円となりました。
この結果、当期末の自己資本比率は31.4%となりました。また、有利子負債総額から現金及び現金同等物、及び定期預金を差し引いたネット有利子負債は前期末比1,900億円増加の8,872億90百万円となり、ネット有利子負債倍率は0.92倍となりました。
(注) 自己資本比率及びネット有利子負債倍率の算出には、親会社の所有者に帰属する持分を使用しております。また、有利子負債総額にはリース負債を含めておりません。
連結貸借対照表
(単位:億円)
(注) 自己資本は、資本のうち「当社株主に帰属する持分」とする
② キャッシュ・フロー
当期のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは166億88百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは941億6百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは1,063億88百万円の収入となりました。これに現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当期末における現金及び現金同等物の残高は1,922億99百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期の営業活動による資金は、営業収入や配当収入があったものの、一時的な運転資金の増加などにより166億88百万円の支出となりました。前期比では1,288億75百万円の支出増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期の投資活動による資金は、米国電気設備工事事業会社への出資や有形固定資産の取得などにより941億6百万円の支出となりました。前期比では1,065億35百万円の支出増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期の財務活動による資金は、配当金の支払い及び自己株式の取得などの支出があったものの、借入金による調達などにより1,063億88百万円の収入となりました。前期比では2,929億11百万円の収入増加となりました。
③ 資金の流動性と資金調達について
当社グループは、資金調達構造の安定性維持・向上を財務戦略の基本方針とし、一定水準の長期調達比率の維持や、経済・金融環境の変化に備えた十分な手元流動性の確保により、安定した財務基盤の維持に努め、当期末の流動比率は159.8%、長期調達比率は81.6%となりました。
また、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、円貨1,000億円(未使用)及び25.75億米ドル(11.54億米ドル使用)の長期コミットメントライン契約を有しております。
(3) セグメント情報
セグメント別の成長戦略、及び経営成績に係る変動要因の分析については以下のとおりです。
当社グループは、2024年4月1日付にて「航空産業・交通プロジェクト」、「インフラ・ヘルスケア」の一部事業領域を再編し、「航空・社会インフラ」、「エネルギー・ヘルスケア」、「その他」へ変更しております。
自動車
(単位:億円)
航空・社会インフラ
(単位:億円)
エネルギー・ヘルスケア
(単位:億円)
金属・資源・リサイクル
(単位:億円)
化学
(単位:億円)
生活産業・アグリビジネス
(単位:億円)
リテール・コンシューマーサービス
(単位:億円)
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を用いております。実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重大なものは以下のとおりであります。
① 金融商品の公正価値
当社グループは、資産又は負債の公正価値を測定する際に、入手可能な限り、市場の観察可能なデータを用いております。公正価値の具体的な算定方法は次のとおりであります。
(a) 資本性金融商品
上場株式については、取引所の価格によっております。非上場株式については、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法、類似会社の市場価格に基づく評価技法、純資産価値に基づく評価技法、その他の評価技法を用いて算定しております。非上場株式の公正価値測定に当たっては、割引率、評価倍率等の観察可能でないインプットを利用しており、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント、非支配持分ディスカウントを加味しております。非上場株式の公正価値の評価方針及び手続の決定はコーポレートにおいて行っており、評価モデルを含む公正価値測定については、個々の株式の事業内容、事業計画の入手可否及び類似上場企業等を定期的に確認し、その妥当性を検証しております。
(b) デリバティブ金融資産及びデリバティブ金融負債
通貨関連デリバティブ
為替予約取引、直物為替先渡取引、通貨オプション取引及び通貨スワップ取引については、期末日の先物為替相場に基づき算出しております。
金利関連デリバティブ
金利スワップについては、将来キャッシュ・フローを満期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。
商品関連デリバティブ
商品先物取引については、期末日現在の取引所の最終価格により算定しております。商品先渡取引、商品オプション取引及び商品スワップ取引については、一般に公表されている期末指標価格に基づいて算定しております。また、電力関連デリバティブについては発電量や価格見通しを踏まえた将来キャッシュ・フローの割引現在価値により算定しております。
② 非金融資産の減損
当社グループは期末日において、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数の確定できない無形資産については毎期、さらに減損の兆候がある場合には都度、減損テストを実施しております。個別資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、当該資産を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。
回収可能価額は、個別資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としております。公正価値は市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積もって算定しております。使用価値は、貨幣の時間価値及び個別資産又は資金生成単位に固有のリスクに関する現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いて、見積将来キャッシュ・フローを割引いて算定しております。将来キャッシュ・フロー見積りにあたって利用する事業計画は原則として5年を限度としております。なお、当社グループは、使用価値及び公正価値の算定上の複雑さに応じて外部専門家を適宜利用しております。
過年度にのれん以外の資産について認識した減損損失については、期末日において、認識した減損損失がもはや存在しない又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合には、回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が資産の帳簿価額を上回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで増額し、減損損失の戻入れを認識しております。のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れておりません。
なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区分して認識しないため、個別に減損テストを実施しておりません。持分法適用会社に対する投資が減損している可能性が示唆されている場合には、投資全体の帳簿価額について回収可能価額を帳簿価額と比較することにより単一の資産として減損テストを行っております。
当社グループでは、固定資産の減損会計等の会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。
③ 引当金
引当金は、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合、当該負債に特有のリスクを反映させた現在の税引前の割引率を用いて割引いた金額で引当金を計上しております。
④ 確定給付制度債務の測定
確定給付制度は、確定拠出制度以外の退職給付制度であります。確定給付制度債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割り引くことによって算定しております。制度資産の公正価値は当該算定結果から差し引いております。
割引率は、当社グループの確定給付制度債務と概ね同じ満期日を有するもので、かつ支払見込給付と同じ通貨建ての、主として報告日における信用格付けAAの債券の利回りであります。
過去勤務費用は、即時に純損益で認識しております。
当社グループは、確定給付制度から生じるすべての確定給付負債(資産)の純額の再測定を即時にその他の包括利益で認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の帳簿価額と税務基準額との差額である一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識しており、期末日における法定税率又は実質的法定税率、及び税法に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率又は税法で算定しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産の帳簿価額は期末日において再検討しており、繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産の帳簿価額を減額しております。
(目標とする経営指標の達成状況等)
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 「中期経営計画2026」の進捗状況(15~19ページ)」をご参照ください。
(販売、仕入及び成約の状況)
① 販売の状況
「(1) 当連結会計年度の経営成績の分析」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記5 セグメント情報」をご参照下さい。
② 仕入の状況
仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
③ 成約の状況
成約は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。
(注) 将来情報に関するご注意
本資料に掲載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、業績を確約するものではありません。実際の業績等は、内外主要市場の経済状況や為替相場の変動など様々な要因により大きく異なる可能性があります。重要な変更事象等が発生した場合は、適時開示等にてお知らせします。
5 【重要な契約等】
一部の銀行借入等に係る契約では、財務制限条項により連結純資産水準等の一定の財務内容の維持が求められておりますが、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項により、当該契約に係る記載を省略しております。
6 【研究開発活動】
特記事項はありません。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
(1) 提出会社
当連結会計年度において、重要な設備投資及び設備の除却、売却等はありません。
(2) 国内子会社
当連結会計年度において、重要な設備投資及び設備の除却、売却等はありません。
(3) 在外子会社
当連結会計年度において、連結範囲の変更により以下の設備が新たに当社グループの主要な設備となりました。
(注) 帳簿価額は当連結会計年度末のものです。
2 【主要な設備の状況】
当社グループ(当社及び連結子会社)の2025年3月31日現在における主要な設備は以下のとおりであります。
(1) 提出会社
(注) 「その他」には、構築物、器具備品、無形資産が含まれております。
(2) 国内子会社
(注) 1 「その他」には、構築物、器具備品、機械装置、車両運搬具、無形資産が含まれております。
2 2025年5月1日を以って、第一紡績㈱は双日ロジテック㈱に社名変更しております。
(3) 在外子会社
(注) 「その他」には、構築物、器具備品、機械装置、車両運搬具、無形資産が含まれております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 2021年10月1日付で普通株式5株を1株に併合する株式併合を実施したため、
発行済株式総数が1,001,199,601株減少しております。
2 2023年3月31日開催の取締役会決議に基づき、2023年4月7日付で自己株式を消却したため、
発行済株式数が15,299,900株減少しております。
3 2023年9月22日開催の取締役会決議に基づき、2023年9月29日付で自己株式を消却したため、
発行済株式数が10,000,000株減少しております。
(5) 【所有者別状況】
2025年3月31日現在
(注) 1 自己株式12,850,211株は「個人その他」の欄に128,502単元、「単元未満株式の状況」の欄に11株を含めて記載しております。
2 株式会社証券保管振替機構名義の株式480株は「その他の法人」の欄に4単元、「単元未満株式の状況」の欄に80株を含めて記載しております。
(6) 【大株主の状況】
2025年3月31日現在
(注) 1 所有株式数は千株未満を切り捨て、発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は小数点第3位以下を四捨五入して表示しております。
2 上記所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は、次のとおりであります。
3 各株主の持株数につきましては信託口等をまとめて集計しておりません。
4 2025年4月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、株式会社 三菱UFJフィナンシャル・グループ及びその共同保有者が2025年4月14日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2025年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は以下のとおりであります。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2025年3月31日現在
(注) 1 役員報酬BIP信託にかかる信託口が所有する当社株式が、「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式に1,320,500株(議決権13,205個)含まれております。
2 単元未満株式に含まれる自己株式及び役員報酬BIP信託に係る信託口が所有する当社株式は下記のとおりであります。
3 株式会社証券保管振替機構名義の失念登録の株式を「完全議決権株式(その他)」に400株(議決権4個)、「単元未満株式」の欄に80株を含めて記載しております。
② 【自己株式等】
2025年3月31日現在
(注) 1 上記の自己保有株式及び自己保有の単元未満株式11株のほか、役員報酬BIP信託にかかる信託口が所有する当社株式1,320,504株を連結財務諸表上、自己株式として処理しております。
2 2024年9月27日開催の取締役会決議に基づき、2024年10月1日から2025年3月24日までの期間に自己株式6,500,000株を取得しております。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
取締役などに対する業績連動型株式報酬等の報酬制度
2024年6月18日開催の第21回定時株主総会において、当社は、取締役及び執行役員(社外取締役、監査等委員である取締役及び国内非居住者を除き、以下「取締役など」という。)を対象に、当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、会社業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性の高い役員報酬制度として、業績連動型株式報酬等の報酬制度(以下「本制度」という。)の継続及び一部改定を決議いたしました。本制度は取締役などの会社業績への中長期的な貢献をその累計の職務執行期間に応じて評価することを目的としており、取締役などの退任後に交付などをされる株式総数などが最終確定することを企図しております。
(a) 制度の概要
本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)を用いた株式報酬制度です。BIP信託は、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)及び譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)と同様に、役位や業績指標の達成度などに応じて当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式など」という。)並びに当社株式などに生じる配当金を取締役などに交付及び給付する仕組みです。
(b) 取締役などに取得させる予定の株式の総額
2018年8月7日に1,727,600株、689百万円をBIP信託口が取得しております。
また、2021年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合で株式併合を実施後、2021年12月1日に700,100株、1,342百万円、2024年8月21日付で538,300株、2,006百万円をBIP信託口が取得しております。
なお、当事業年度末の当該信託内の株式の数及び帳簿価額は、それぞれ1,320,504株及び3,525百万円です。
(c) 本制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
取締役などのうち退任などの交付条件を満たす者。
2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】会社法第155条第3号及び会社法第155条第7号並びに会社法第155条第8号による普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注) 2024年2月22日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得は、2024年4月5日の自己株式取得をもって、
終了しております。
(注) 2024年9月27日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得は、2025年3月24日の自己株式取得をもって、
終了しております。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における取得自己株式には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株の買取りに
よる株式数は含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における保有自己株式には、2025年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株の買取りに
よる株式数は含めておりません。
2 当事業年度及び当期間における保有自己株式数には、役員報酬BIP信託に係る信託口が所有する当社株式は
含まれておりません。
3 【配当政策】
当社は、安定的かつ継続的に配当を行うと共に、内部留保の拡充と有効活用によって企業競争力と株主価値を向上させることを基本方針とし、経営の最重要課題の1つと位置づけております。
この基本方針のもと、「中期経営計画2026」においては、中計期間3ヶ年累計の基礎的営業キャッシュ・フロー(注1)の3割程度を株主還元に充当します。また、株主資本DOE(注2)4.5%を基本とする累進的な配当方針としております。
(注) 1 基礎的営業キャッシュ・フロー:会計上の営業キャッシュ・フローから運転資金増減等を控除したもの
2 株主資本DOE:支払配当 ÷ 株主資本
3 株主資本:その他の資本の構成要素を除外した前期末自己資本
(1) 当期末の配当
上記基本方針及び当期の決算を踏まえた自己資本の状況などを総合的に勘案し、以下のとおりとします。
①配当財産の種類
金銭
②株主に対する配当財産の割当てに関する事項及びその総額
当社普通株式1株につき75円、総額159億11百万円
なお、2024年12月2日に1株当たり75円の中間配当金をお支払いしておりますので、1株当たりの年間配当は150円、年間配当総額は323億10百万円となります。
③剰余金の配当の効力が生じる日
2025年6月2日
(注)基準日が当事業年度に属する取締役会決議による剰余金の配当は、以下のとおりであります。
(2) 次期の配当
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当等を取締役会の決議によって行うことを可能とする旨、定款に定めております。
2026年3月期の中間配当は、配当基準日である2025年9月30日時点の発行済普通株式に対し、1株当たり82円50銭とすることを、2025年5月1日開催の取締役会にて決議しております。当該中間配当の配当総額は、17,271百万円(効力発生日:2025年12月1日)の見込みです。詳細については、同日に公表しました「剰余金の配当(2025年3月期期末配当及び2026年3月期中間配当)に関するお知らせ」をご参照ください。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① 基本的な考え方
当社は、「双日グループ企業理念」(「双日グループは、誠実な心で世界を結び、新たな価値と豊かな未来を創造します」)に加え、「2030年双日の目指す姿」(「事業や人材を創造し続ける総合商社」)に基づき、中長期にわたる企業価値の向上を図っております。
この実現に向け、コーポレート・ガバナンスの充実が経営の重要課題であるとの認識のもと、株主をはじめとするステークホルダーに対する経営責任と説明責任を果たすことを含め、健全性、透明性、効率性の高い経営体制の確立に努めております。このような考えのもと、当社は、2020年6月より、取締役会議長を独立社外取締役とし、また、指名・報酬委員会につき独立社外取締役が過半数を占める構成としました。さらに、2023年6月からは、取締役会の過半数を独立社外取締役とし、2024年6月には、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることで取締役会の監督機能を強化すると共に取締役会から業務執行取締役への権限委任を進めることで意思決定の迅速化を図るべく監査等委員会設置会社へ移行するなど、経営の透明性確保とコーポレート・ガバナンス体制の強化を図ってまいりました。
このような体制のもと、経営判断の質とスピードを高め、絶え間なく変化し続ける事業環境のもとで当社グループの企業価値向上を図ってまいります。
<コーポレート・ガバナンス体制図(定時株主総会終結時点(2025年6月18日))>

② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
1) 経営及び業務執行体制
当社では、「経営の監督及び意思決定」と「業務執行」の分離による権限と責任の明確化及び業務執行の迅速化を実現するため、執行役員制度を導入しております。
取締役会は、当社グループ経営に係る基本方針と最重要案件の審議、決議を行う最高意思決定機関であると共に、業務執行機関からの重要事項の付議、定例報告などを通じて業務の執行状況の監督を行っております。
業務執行機関としては、当社グループの経営及び執行に係る重要事項を全社的視野並びに中長期的な観点で審議、決裁する経営会議を設置し、最高経営責任者である社長が議長を務めております。加えて、社長管下には、重要な投融資案件を審議・決裁する投融資審議会、重要な人事事項を審議・決裁する人事審議会、組織横断的な視点で取り組むべき事項を推進する社内委員会を設置しております。
なお、急速な経営環境の変化に迅速かつ適切に対応し、経営に対する責任を明確にするため、取締役(監査等委員である取締役を除く。)と執行役員の任期を1年としております。
2) 経営に対する監視・監督体制
当社では、取締役会の業務執行に対する監督機能の強化と客観的かつ多様な視点から適切な助言・提言を受けることを目的に、取締役会の過半数を独立社外取締役とし、取締役会の議長を独立社外取締役としています。
また、当社は監査等委員会設置会社であり、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員が取締役会の構成員となります。これにより、取締役会における議論に監査結果を反映させることが可能となり、取締役会の監督機能の一層の強化を図ります。
加えて、取締役会の諮問機関である指名委員会、報酬委員会についても、その過半数を独立社外取締役とし、委員長を独立社外取締役とすることにより、取締役の選任、報酬に関する妥当性、透明性を確保しております。
③ 会社の機関
1) 取締役会
最高意思決定機関として、当社グループ経営に係る基本方針と最重要案件の審議・決議を行うと共に、業務執行機関からの重要事項の付議、定例報告などを通じて業務の執行状況の監督を行っております。また、社外取締役は、業務執行取締役及び当社執行体制全般に対する監督、当社ガバナンス体制全般への意見具申を行っております。
● 取締役の選任方針
広範で多岐にわたる事業を行う総合商社における適切な意思決定・経営監督の実現のため、取締役の選任においては、ジェンダー、年齢、国際性等の多様性を考慮し、社内及び社外それぞれから豊富な経験、高い見識、高度な専門性を有する者を複数選任することとしております。
● 取締役の選任手続き
上記選任方針に基づき、取締役会の諮問機関である指名委員会の審議結果を踏まえ、取締役会が個々の候補の実績並びに取締役としての資質について審議の上決議し、株主総会に付議しております。
● 取締役会の構成
当社は、定款において取締役の員数を12名以内(うち監査等委員である取締役は5名以内)と定めています。
有価証券報告書提出日現在の取締役会は取締役計11名で構成されております。取締役会の構成の内訳は次のとおりであり、取締役会の監督機能の強化による透明性の高い経営の実現を図っております。
当社は2025年6月18日開催予定の第22回定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名選任の件」及び「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しており、当該議案が原案どおり承認可決された場合においても同様に、取締役会の構成の内訳は以下のとおりとなる予定です。なお、以下記載の表は、当該定時株主総会でかかる議案が承認可決された場合の人員構成であり、株主総会の直後に開催が予定される取締役会及び監査等委員会の決議事項の内容を含めて記載しております。
<構成の内訳>
・独立社外取締役は、11名中6名(過半数)
・取締役(監査等委員である取締役を除く。)は7名(うち3名は独立社外取締役)、監査等委員である取締役は4名(うち3名は独立社外取締役)
・女性取締役は、11名中4名(36.4%)
・取締役会の議長は、独立社外取締役
(注) ◎:委員長
● スキルマトリックス
当社経営戦略の実践にあたり、当社取締役会には、執行による迅速かつ果敢な意思決定を支援し、的確に業務執行を監督することが求められます。
そのため取締役会として、国際情勢・経済・文化などに関する知見と、多様性を受容し対話できるグローバルな視点が重要と考えます。加えて、経営戦略や施策の策定・遂行に関する知見、持続的な成長に向け、機会を創出するM&Aや投融資・金融・デジタルトランスフォーメーションの知見、事業価値を高める事業経営の経験が重要と考えています。
また、事業基盤を強固にするためのリスクマネジメント、法務、財務・会計、人事、内部統制、さらには脱炭素社会の実現、人権などの社会課題の解決を一層推し進めるための環境・社会に関する専門性が必要と考えます。
(注) 1 取締役会に必要とされるスキル、キャリア、専門性は、事業環境の変化及び経営方針の変更に応じて見直していきます。
2 経営の監督にあたり、各役員の知見から特に注視すべき分野に●印をつけています。
<スキルの選定主旨>
● 2024年度における取締役会の活動状況
当社は、取締役会を毎月1回開催するほか必要に応じて随時開催しています。2024年度の取締役会の出席状況は以下のとおりでした。
(注) 1 植村幸祐氏、渋谷誠氏、荒川朋美氏、山本員裕氏及び鈴木智子氏は、2024年6月18日の取締役就任後に開催された取締役会11回全てに出席しております。なお、山本員裕氏は、監査等委員会設置会社への移行前は当社の監査役に就任しており、2024年度において移行前の期間に開催された取締役会4回のうち4回出席しております。
2 齋木尚子氏は、2025年6月18日開催予定の定時株主総会終結の時をもって退任予定です。また、山本員裕氏は、2025年6月18日開催予定の定時株主総会終結の時をもって辞任予定です。
● 取締役会での審議内容など
当社は、法令・定款によるほか、取締役会規程を定め、経営方針・経営計画や重要な人事などの当社グループ経営に係る基本事項・重要事項並びに定量面より重要性の高い投融資案件などの業務執行に係る重要事項に関して、取締役会で審議・決議しております。取締役会決議事項を除く業務執行に関しては、各事案の内容・規模・重要性・リスクなどに応じて、最高経営責任者である社長、その管下の業務執行機関である経営会議・投融資審議会・人事審議会などにおいて、審議・決裁しております。
当社は、2024年6月に監査等委員会設置会社へ移行したことにより、取締役会から業務執行取締役への権限委任を進めました。また、取締役会におけるモニタリングのための議論を効果的・効率的なものとするため、従来の報告事項を体系的に整理し、関連議案を統合するなど見直しを行いました。
当社では、これら重要議案に関する取締役会での審議時間をしっかりと確保するべく、期初に取締役会の年間スケジュールを確定し、議案数や開催時間の平準化に努めています。
<2024年度取締役会における主な審議内容>
2024年度は、「中期経営計画2026」及び監査等委員会設置会社への移行初年度であり、新たな取締役会体制のもと、中期経営計画の進捗状況や新規投融資案件の検討に関し、活発な議論を行いました。総審議時間に占める割合でも、「成長戦略、投融資」に関する割合が最も多いという結果になりました(グラフ①)。
また、当社では、取締役会への付議を予定する投融資案件につき、取締役会での審議を充実させるため、付議予定月の前月等に、取締役会の議事外で、全取締役の出席のもと立案部門より案件を説明する機会を設け、事前に十分な情報共有を図っています。加えて、各営業本部や主要海外拠点から、中計期間におけるアクションプラン、注力領域、課題と打ち手等につき報告する場も設けております。こういった議事外での報告を含めると、「成長戦略、投融資」に割いた時間は全体の50%超となりました(グラフ②)。

●取締役の支援体制・情報共有体制
当社は、取締役がその機能や役割を適切に果たせるよう、以下を実施しております。
・取締役を補佐する専属組織として取締役会業務室を設置し、専任スタッフ5名(有価証券報告書提出日現在)を中心に、取締役に対して適時適切な情報提供、報告及び連絡などを実施。
・取締役会開催にあたっては、取締役が議案内容について理解を深められるよう、事前説明会の概ね5営業日前までに資料を配布して十分な検討時間を確保。また、取締役会の2営業日前までに議案の事前説明会を設け、議案に関する十分な情報を提供。
・新任取締役に対しては、中期経営計画、DX推進活動、内部統制・リスク管理体制、IRやサステナビリティの取り組みに関するレクチャーを、就任時に各業務執行部門より実施。加えて、外部弁護士による、取締役や監査等委員の職務・責任などに関するレクチャーも実施。
・取締役が最新のマクロ経済情勢についての理解を深められるよう、当社シンクタンク子会社による月例説明会を実施。加えて、その他の必要な情報についても、継続的に情報提供。
・外部機関において開催されるセミナーなどへの参加機会を必要に応じて提供。
加えて、社外取締役に対して以下のような情報提供・共有の機会を設けることにより、社外取締役の当社事業についての理解を深め、また、取締役間のコミュニケーション・相互理解を促進し、取締役会での建設的な議論の促進につなげております。
・業務執行取締役・社外取締役間の情報共有セッション(原則、毎月実施)
・全取締役によるオフサイトミーティング(2回/年)
・社外取締役会議(1回/年)
・監査等委員と監査等委員ではない社外取締役間の意見交換会(2回/年)
・社外取締役による事業所訪問(2回/年)
・サマーセッション(1泊2日役員合宿)へのオブザーバー参加(1回/年)
・経営会議や投融資審議会の資料の共有
・証券アナリストによるレポート・社内報などの共有
・投融資審議会にオブザーバーとして参加する機会を提供
● 取締役会の実効性に関する分析・評価
当社は、取締役会の機能向上を図るため、毎年、取締役会の実効性評価を行っております。2024年度は、監査等委員会設置会社への移行を機に取締役会のより一層の機能向上を図るため、独立した第三者機関(ボードルーム・レビュー・ジャパン株式会社)を起用し、分析・評価を実施しました。
2024年度の評価方法とその結果、及び同結果を踏まえた2025年度の取組方針は以下のとおりです。
1.評価方法
2.実効性評価結果
アンケート及び個別インタビュー結果を踏まえ取締役会で議論した結果、当社取締役会における実効性は確保されていることを確認しました。
(1) 評価された事項
アンケート・個別インタビューを通じて、総じて高い評価であった点は、以下のとおりでした。
1) 監査等委員会設置会社への移行関連
・監査等委員会設置会社への移行に伴う執行への権限委任による議題数の減少及び報告事項の整理統合により、経営判断のスピード化及び取締役会における議論の質の向上を一定程度図ることができた。
・監査等委員会は、初年度としては順調な滑り出しであり、適切な運営と構成のもと適切な議論がなされている。
2) 取締役会の規模・構成
・適切な規模・構成割合であり、スキルマトリックスの観点からもバランスの取れたメンバー構成となっている。
3) 取締役会の運営
・取締役会は適切な運営(開催頻度・時間、議題、資料、説明等)のもと、執行側から情報の提示・共有が適切になされている。
・取締役会ではオープンで活発な議論がなされており、社外取締役からは、社内の他会議体での議論とは異なる、企業価値向上に資する観点からの意見や指摘がある。
・事前ブリーフィングや議事外での意見交換が活発に行われるため、取締役会でどのような議論をすべきか準備が整った状態で取締役会本番を迎えられる。
・議長による取締役会前の論点整理や当日の議事運営が、取締役会の議論の質の向上に寄与している。
4) 社外取締役に対する支援体制
・社外取締役への支援体制(事前ブリーフィング、業務執行取締役との情報共有セッション、経営層の合宿型研修サマーセッションへのオブザーバー参加、国内外事業所視察等)は適切になされている。
(2) 2024年度の取組方針と対応
1) 「中期経営計画2026」
2) 監査等委員会設置会社への移行
(3) 2025年度の取組方針
1) 中長期戦略、経営資源の配分等に関する取締役会等での議論の継続
・監査等委員会設置会社への移行に伴う権限委任による議題数の減少等により創出できた時間を活用し、「中期経営計画2026」達成及びNext Stage(企業価値2倍成長)に向けた、中長期戦略、経営資源の配分等について継続的に議論していく。
・議論にあたっては、執行側と社外取締役との現状認識・情報のギャップを踏まえたコミュニケーションや説明を行うことに留意し、議事外の場も利用して、議論をより充実させる。
・取締役会で議論をより深めるべきと考える具体的なテーマや論点を積極的に提案・提言し、取締役会における議論の深化を図る。
2)監督機能の高度化に向けた社外取締役への情報提供の工夫
・事前ブリーフィングや議事外での活発な意見交換は維持しつつ、取締役会がより大所高所からの本質的な議論の場となるよう、取締役会における議題設定や情報・資料の粒度に工夫を加える。
・社外取締役が、執行側の事案や課題に対する認識の共有・意見交換を自由に行い、取締役会でのモニタリングの議論につなげられるよう、従来の情報共有の仕組み(社外取締役会議や監査等委員と監査等委員ではない社外取締役の意見交換会等)を引き続き継続しつつ、必要に応じて改善を図る。
2) 取締役会の諮問機関(指名委員会、報酬委員会)
当社は、取締役会の諮問機関として以下を設置しております。当社は2025年6月18日開催予定の第22回定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名選任の件」を提案しており、当該議案が原案どおり承認可決された場合、両委員会の委員は以下のとおりとなる予定です。なお、当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会の決議事項の内容を含めて記載しております。
● 2024年度の活動状況
当社は、2024年度は、指名委員会を合計7回、報酬委員会を合計9回開催し、指名委員会及び報酬委員会共に、各委員の出席状況は以下のとおりです。
● 2024年度における各委員会の主な審議内容
3) 監査等委員会
有価証券報告書提出日現在、当社の監査等委員会は、常勤の社内取締役1名及び独立社外取締役3名の、計4名で構成されています(男性2名、女性2名)。監査等委員会による監査の実効性を確保するため、当社グループの事業に精通した社内取締役を常勤監査等委員としており、係る常勤監査等委員を監査等委員会の委員長としています。
当社は2025年6月18日開催予定の第22回定時株主総会の議案(決議事項)として、「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しており、当該議案が原案どおり承認可決された場合においても、監査等委員会の構成の内訳は上記のとおりとなる予定です。なお、当該定時株主総会の直後に開催が予定される監査等委員会において、当社グループの事業に精通した社内取締役を常勤監査等委員及び監査等委員会の委員長として選任予定です。
また、当該定時株主総会終結時点の監査等委員のうち3名は、以下のとおり財務及び会計に関する相当程度の知見を有しています。
・常勤の社内取締役である真鍋佳樹氏は、当社において、主計、経理、財務の責任者などの要職を歴任しており、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
・独立社外取締役である鈴木智子氏は、公認会計士として、監査法人において従事後、公認会計士事務所を開設され長年監査業務に従事し、財務及び会計に関する高い専門性を有しております。
・同じく独立社外取締役である武田和彦氏は、ソニー株式会社(現ソニーグループ株式会社)において、経営企画管理・経理などの職務を担当し、その主要子会社においてCFOの要職を歴任するなど、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
● 監査の体制

(注) 1 シニア・オーディター
・監査等委員会の監査の実効性を担保するため、「シニア・オーディター」を2名設置。
・シニア・オーディターは、当社グループの事業及び業務に精通し、財務・経理、リスク管理等の知見を
有する者であり、監査等委員と同等の視点から監査等委員会の職務を補完・サポートする。
・シニア・オーディターは、監査等委員会の指示に従い職務を遂行する。
・シニア・オーディターの人事評価・異動については、監査等委員会との協議を経ることで、監査の
独立性を担保。
2 監査部から監査等委員会へのレポートラインの設定
・監査等委員会は監査部から、定期的に監査状況の報告を受ける。
・監査等委員会は、監査部に対して報告・調査を求め、また、必要に応じて具体的指示が可能。
3 内部統制委員会から監査等委員会へのレポートラインの設定
・内部統制委員会は、社長管下の業務執行機関であり、内部統制システムの整備・運用状況の全体俯瞰と
定期的なモニタリングを実施し、各種委員会と連携して、社内制度・体制などに関する課題抽出と対応
策の検討、担当部署への指示・改善を行う。
・監査等委員会は内部統制委員会から、定期的に業務執行における内部統制システムの整備・運用状況の
報告を受ける。
その他、監査等委員会・監査部・会計監査人の三者間では、定期的に面談し、それぞれの監査状況や意見交換などを行い、連携を図ります。
④ 業務執行機関
当社は、最高経営責任者である社長管下の業務執行機関として以下を設置しております。
1) 経営会議
業務執行取締役及び営業本部長やコーポレートの責任者などから構成され、当社グループの経営政策、経営戦略及び経営管理事項を全社的視野並びに中長期的な観点から審議・決裁を行います。経営会議は原則月2回の頻度で開催するほか、必要に応じ開催します。
2024年度は合計27回開催し、メンバーは計13名(男性10名、女性3名)で構成されておりました。また、2024年度は、主に「中期経営計画2026」における事業投資や人事施策等の進捗確認、マクロ環境や為替・カントリーリスクなどに関する報告、その他重要な営業・コーポレート案件などについて、議論・検討しました。
なお、2025年度の経営会議は、計12名(男性9名、女性3名)で構成されております。
2) 投融資審議会
業務執行取締役やコーポレートの責任者などから構成され、重要な投融資案件(投融資保証案件、与信案件など)を全社的な視野に立って審議・決裁を行います。投融資審議会は原則月2回の頻度で開催しており、2024年度は合計21回開催しました。
3) 人事審議会
業務執行取締役やコーポレートの責任者などから構成され、重要な人事事項を全社的な視野に立って審議・決裁を行います。人事審議会は、原則月2回の頻度で開催しており、2024年度は合計20回開催しました。
4) 社内委員会
企業価値向上のため、組織横断的に取り組むべき経営事項を推進する社長管下の業務執行機関として、以下の社内委員会を設置しており(有価証券報告書提出日現在)、各社内委員会で議論された内容は、取締役会や経営会議に定期的に報告されます。また、各委員会の開催頻度と2024年度の回数は以下のとおりです。
また、特定テーマの実務・取り組みにつき組織横断的に議論・検討する「事業継続マネジメント検討部会」及び「開示検討部会」を設置しております。当社の企業価値向上に資する体制を構築していくため、今後も継続的に、必要な見直しを行い、体制の高度化を図ってまいります。
⑤ 取締役に関する事項
1) 取締役の員数
当社は、当社の取締役は12名以内(うち、監査等委員である取締役は5名以内)とする旨、定款に定めております。
2) 取締役の選任決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、累積投票によらない旨、定款に定めております。
⑥ 株主総会決議に関する事項
1) 株主総会決議事項を取締役会で決議することができるとしている事項
● 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引などにより自己の株式を取得することができる旨、定款に定めております。これは、財務政策などの経営諸施策を機動的に遂行することを目的とするものであります。
● 取締役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役(取締役であった者及び監査役であった者を含む)による会社法第423条第1項の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨、定款に定めております。これは、取締役が善意にして、かつ重大な過失がないことを前提としたもので、職務の遂行にあたり期待される役割を効率的かつ有効に発揮できるようにするためであります。
● 剰余金の配当など
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当などを取締役会の決議によって行うことを可能とする旨、定款に定めております。
2) 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めております。これは、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑦ 株主・投資家との対話
当社は、株主・投資家に対し、経営方針や持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向けた取り組みについて、適切な情報を適時に提供すると共に、分かりやすい言葉・論理で明確に説明し、皆様からの意見を経営へ報告・反映するなど、建設的な対話を行うことを基本方針としております。
また、当社では株主・投資家をはじめとするステークホルダーへ公平かつ適切な情報開示を行うため、フェア・ディスクロージャー・ルールの趣旨に則り、社内規程として、インサイダー取引防止規程のほか、法令・規則の遵守、透明性、適時性、公平性、継続性、機密性を基本原則とする情報開示規程を定め、これらを遵守すると共に、各役職員への徹底を図っております。
1) 株主・投資家への情報提供
国内外の株主・投資家の皆様に対して公正かつ平等に情報発信を行うことを基本とし、中期経営計画や決算内容については、取締役会での決議後速やかにTDnetや当社ウェブサイトにて公表しております。また、当社の経営理念・ビジョン、事業活動、ビジネスモデルなどについて理解を深めていただくべく、統合報告書、ステークホルダーとのコミュニケーション誌の発行、事業説明会や統合報告書説明会、個人株主説明会の開催、個人投資家説明会への参加、当社ウェブサイトにおける関連情報の開示など、積極的な情報提供を行っております。
2) 株主・投資家との対話における体制及び取り組み
代表取締役社長及びCFOを中心とする経営層は、投資家との個別面談やスモールミーティング、各種説明会において、メインスピーカーとして登壇しております。また、対話の中で得た株主・投資家からの見解・意見をIR専任組織が適宜社内に共有しております。
なお、当社を投資対象とする投資家層は広まっており、新規・既存及び国内外問わず、属性を検証した上で、説明会や面談などを通じて対話を深化させ、企業価値向上を目指しております。また、米国にIR活動に従事する駐在員を配置し、ステークホルダーとのつながりを強化することに注力しております。
<株主や投資家との対話の主なテーマ・関心事項>
・「中期経営計画2026」及び長期ビジョン
・PBR1倍超に向けた取り組み
・株主還元方針
・サステナビリティに対する考え方及び取り組み
・人材戦略
・監査等委員会設置会社への移行による変化
・株主総会議案関連
・投資家側の投資方針及び投資対象への期待、要望事項
<2024年度 対話実施状況>
<詳細>
各IRイベント
https://www.sojitz.com/jp/ir/meetings/
⑧ 内部統制システムに関する基本的な考え方及びその整備・運用状況
1) 基本的な考え方
当社は、「双日グループ企業理念」に基づき、規程・組織・体制などの内部統制システムを整備し、会社法及び会社法施行規則を踏まえ、2024年6月18日の取締役会にて、「当社グループの業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針」を以下のとおり決議しております。
2) 整備・運用状況
● 内部統制システム全般
社長管下の業務執行機関である内部統制委員会が、内部統制システムの整備及び運用状況のモニタリングを実施し、内部統制体制の維持・高度化を図っております。
(運用状況の概要)
内部統制委員会は、内部統制システム全般の整備・運用状況を俯瞰し、定期的なモニタリングを通じて、社内制度・体制などに関する全社的な課題の抽出と対応策の検討、担当部署への指示、改善を行っております。また、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制評価の進捗を監督し、財務報告の信頼性の確保に取り組んでおります。
内部統制委員会は当期に4回開催し、その内容を取締役会に報告しております。
なお、個々の分野での具体的な施策については、社長管下の各委員会(コンプライアンス委員会、サステナビリティ委員会、安全保障貿易管理委員会、品質管理委員会、DX推進委員会、情報・ITシステムセキュリティ委員会)・各種検討部会(開示検討部会、事業継続マネジメント検討部会)において取り組んでおります。
● コンプライアンス
「双日グループコンプライアンス・プログラム」にコンプライアンス徹底のための手順を定めると共に、「双日グループ・コンプライアンス行動基準」を策定し、当社グループ役職員の拠りどころとなる世界共通の判断基準を示しております。
また、チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO)を委員長とするコンプライアンス委員会を中心に、各グループ会社及び海外拠点において、それぞれコンプライアンス責任者やコンプライアンス委員会を設置するなど、グループ全体が連携して法令・企業倫理遵守を推進する体制を構築しております。
コンプライアンス違反の防止や早期発見に向けては、CCO及び社外弁護士へのホットライン(内部通報制度)、委員会事務局につながる相談窓口及び24時間365日活用できる多言語対応の「双日エシックスホットライン」をグループ役職員に周知するほか、当社ホームページ内にコンプライアンスに関する問い合わせ窓口を設置し、社外からの通報を受ける体制を整えております。
加えて、腐敗行為を防止するために、「双日グループ腐敗行為防止規程」及び「双日グループ腐敗行為防止要領」を制定し、グループ会社においても、これに準じた規程を導入しております。
国内外の制裁・輸出規制違反リスクについては、「双日グループ制裁対応・輸出管理基本方針」を制定し、リスクに対応する体制を構築しております。
また、世界各国で事業展開をするにあたり、税務コンプライアンスの遵守、税務コストの適正化及び税務当局との関係に関する「双日グループ税務ポリシー」を定め、適時適切な納税義務の履行に努めております。
その他、法令遵守はもとより、あらゆるハラスメントの存在しない、良好な就業環境を維持・継続するためにeラーニングを含む研修などのプログラムを整備して実施しております。
(運用状況の概要)
コンプライアンス委員会で策定した活動計画に基づき、コンプライアンス事案に関する再発防止策の協議や行動基準の実践に向けた当社グループ会社に対する支援・指導を継続的に行っております。
当期における具体的な活動は以下のとおりです。
・コンプライアンス委員会の開催(4回)
・CCOによる本部長及び当社グループ会社社長との面談
・グループ会社コンプライアンス担当者連絡会の定期開催
・海外拠点コンプライアンス担当者との定期連絡会議開催
・ハラスメント防止、腐敗行為防止などの重要課題に関する研修・セミナー・説明会の実施
・新入社員向け、キャリア入社社員向け、海外赴任者向けなど各種研修の実施
・飲酒に起因する不祥事に関する注意喚起レターの発出
・リスクベース・アプローチによる個別の国内事業会社へのコンプライアンス体制強化支援
(調査協力、カスタマイズ型の研修の実施など)
特に、安全保障貿易管理に関しては、安全保障貿易管理委員会で策定した活動計画に基づき、委員会事務局が制裁・輸出規制違反防止のための活動及び当社グループ会社に対する支援・指導を行っております。
当期における具体的な活動は以下のとおりです。
・安全保障貿易管理委員会の開催(2回)
・新入社員向け、キャリア入社社員向け、海外赴任者向けなど、各種研修の実施
・海外拠点の現地安全保障貿易管理関連規程の改定・制定を支援
・安全保障情勢の変化(米中関係、ミャンマー情勢、ロシア・ウクライナ情勢など)に伴う制裁強化など
に呼応した対応支援
● リスク管理
事業運営において晒される様々なリスクに対処するため、リスク管理に関する諸規程を定めて管理・運用し、継続的なリスク管理体制の高度化を図っております。
また、内部統制の基本的な考え方である3線モデル(第1線:営業本部、第2線:コーポレート、第3線:内部監査)における第1線、及び第2線のリスクマネジメント力の強化を進めております。
(運用状況の概要)
当社グループでは、全社的なリスク管理については、社長管下の業務執行機関である内部統制委員会が、事業環境の変化を勘案のうえ、全社を俯瞰し、主要なリスクを特定、重要性の評価を行った上で、リスク対応方針の協議・決定をしております。この他、個々のリスクに関しては、関係するコーポレートの各部署が各種社内規程を整備し、運用の徹底を図っております。また、社内委員会における全社横断的な観点からのモニタリングを通じて、各々のリスクの特性に応じたきめ細かな対応を図っております。
これらの運営状況については、内部統制委員会がモニタリングし、定期的に経営会議及び取締役会に報告しております。
また、事業環境の変化などに伴い、グループ内でのリスク認識や取り組みの強化、新たなリスク領域への対応が必要となった場合などは、適宜、経営に報告の上、対処しております。第1線、第2線のリスクマネジメント力の強化を目的として、2025年4月において、全社的なリスク管理に関する諸規程の改定を行っております。
さらに、世界情勢の変化や地政学リスクの高まりなどを受け、個々のリスクをサプライチェーン全体で捉え、突発的なリスク発現時の影響度合いの把握や、機動的な対応を通じた、レジリエンス(回復力)強化に取り組んでおります。当期は、地政学リスク、災害リスクそれぞれについてシナリオを策定し、営業本部・コーポレートとの対話並びに経営会議での議論を通じて、リスク発現時の対応策を確認しております。
不測の事態に対しては、「双日グループ危機管理基本方針書」において、平常時及び発生時の危機管理体制を定めております。また、「危機管理運営要領」にて、発生時の具体的な体制と役割を定め、安全確保のための役職員の安否及び物的被害の確認と報告などの初期対応や、被害拡大を防ぐために、危機の発生している地域及びその状況に応じた適時適切な判断を行うことができる体制を整えております。
こうした取り組みも含む、当社グループ内のルール・ガイドラインの新設・変更、注意事項などの主要情報をまとめた「内部統制通信」の配信、組織ごとにリスクポイントをチェックする自己点検の実施などを通じ、当社グループ社員へリスク対応の重要性について意識の浸透を図っております。
その他、グループ役職員のリスク感度を向上させるべく、多種のリスク管理研修を通じた恒常的な教育・啓蒙活動を実施しております。
● 業務執行体制
当社は、「経営の監督及び意思決定」と「業務執行」の分離による権限と責任の明確化、及び業務執行の迅速化を実現するため、執行役員制度を導入しております。また、社内規程などを整備することにより、各意思決定機関、各役位・職位、各部署の権限の内容・範囲、業務分掌や意思決定プロセスなどを明確化しております。
最高経営責任者である社長を議長とし、執行役員を構成メンバーとする経営会議においては、当社グループの経営及び執行に係る重要事項を全社的視野並びに中長期的な観点で審議、決裁しております。さらに、社長管下には、重要な投融資案件を審議・決裁する投融資審議会、重要な人事事項を審議・決裁する人事審議会、組織横断的な視点で取り組むべき事項を推進する複数の社内委員会を設置しております。
当社は、取締役会から業務執行取締役への権限委任を進めることで、意思決定のさらなる迅速化を図ると共に、取締役会においては中長期的な経営戦略、及びそれに影響を及ぼす重要な事項に関する議論を深めるべく、2024年6月18日開催の第21回定時株主総会における承認をもって監査等委員会設置会社へ移行しました。
また、「グループ経営基本規程」、「グループ経営運営規程」にて当社グループの経営管理体制について定めるとともに、子会社ごとの各種規程の整備を行うことなどによって、グループ経営の効率化及びグループ企業価値の最大化を図っております。
(運用状況の概要)
当社は、27名(有価証券報告書提出日現在)の執行役員を任命しております。また、取締役会規程をはじめとする社内規程類の内容について絶えず検討を行い、定期的に見直しを行っております。なお、経営会議をはじめとする各種会議体・社内委員会の役割・開催頻度などは、87~88ページをご参照ください。
監査等委員会設置会社への移行に伴い取締役会から業務執行取締役への権限委任を行っております。取締役会においては、より重要な議案に審議時間を割けるよう、期初に取締役会の年間スケジュール及び定例議案を確定し、議案数や時間の平準化に努めるとともに、複数の報告のうち関連性のあるものは1つの議題にまとめるなど、効率的な運営に努めております。
● グループ会社経営管理
「グループ経営基本規程」、「グループ経営運営規程」に定めた当社グループの経営管理体制に基づき、主管責任者(営業本部長又は担当本部長)の下、各グループ会社が体制の整備を行っております。また、各社の体制整備状況については、定期的にモニタリングを行っております。
加えて、当社取締役は、主管者又は当社がグループ会社に派遣した取締役、監査役などを通じ、グループ会社の経営状況を把握するものとしております。
(運用状況の概要)
主管者は、グループ連結会社の社長に対し、中期経営計画、経営目標及び経営課題などに関する期待役割を提示し、社長は期待役割に対する取組方針を主管者に明示しております。グループ会社からは年度事業報告・月次営業活動報告などの定期的な報告を取得、また当社が派遣した取締役や監査役などを通じ、適正な経営基盤やガバナンスの整備及び運用などに対する経営監督を行っております。また、個社運営上での重要事項については当社への事前協議を求め、グループ会社の重要な業務執行について適切に管理しております。
この他、グループ経営を推進するために、グループ経営方針に基づいた個社各種規程の整備の実施や、グループ会社の役職員向け研修などにおいて、当社グループの経営理念、方針の浸透に努めております。
当社監査部は当社取締役会で決議した監査計画に基づき、社長の管轄のもと、グループ会社の監査を実施し、組織体のガバナンス・リスク管理・内部統制が適切に機能しているかを検証すると共に、損失の未然防止や問題解決に向け、実効性のある改善提案を実施しております。また、監査結果は社長のほか、監査等委員会へも定期的に報告を行っております。
さらに、グループ会社におけるガバナンス強化の一環として、各グループ会社における取締役会の実効性向上のために、「取締役会運営ガイダンス」を策定し、各社の取締役会の運営状況のモニタリングを実施、経営会議及び取締役会に対し、定期報告を行っております。
また、新任のグループ会社取締役・監査役向けには、外部専門家を招いて毎年研修を実施しております。
● 情報の保存及び管理
取締役会議事録などの重要文書をはじめとする職務執行に係る文書の取扱いについては、取締役会規程及び文書保存規程などに基づき責任部署が法定保存期間に応じて適切に管理すると共に、必要に応じて閲覧に供せる体制としております。また、職務執行に係る情報については、その重要性・秘匿性に応じた区分や管理方法を規程に定め、運用状況のモニタリングなどを実施、さらにはCISOを議長とする情報・ITシステムセキュリティ委員会を定期的に開催し、情報セキュリティに係る体制を強化しております。
(運用状況の概要)
職務執行に関わる情報については、規程に定める情報の区分や管理方法、保存期間などについて定期的に見直すと共に、適切な管理の徹底に努めております。なお、当社グループでは、特に厳格な管理が求められる情報を「特定の管理が必要な情報」として、具体的な管理・運用方法のガイドラインを策定しており、保有状況の調査や必要な改善指導を継続して行っております。その他、グループ全体のセキュリティガバナンス強化に取り組んでおり、手口の高度化・巧妙化が進むサイバー攻撃を早期に検知し影響を抑え込むソフトウエアの導入やセキュリティリスクアセスメントの実施及び改善指導など、セキュリティ対策をグループ全体に展開し、継続的な強化に努めております。加えて、2025年度にITセキュリティ規程を改定し、パスワードの複雑性の強度を高くし、アカウント保護の強化を図ります。
なお、情報・ITシステムセキュリティ委員会は当期に2回開催しました。
● 監査等委員会の監査の実効性
(a)監査等委員会の職務を補助する体制
監査等委員会の監査の実効性を担保するため、「シニア・オーディター」を2名配置しております。
シニア・オーディターは、当社グループの事業及び業務に精通し、財務・経理、リスク管理などの知見を有する者であり、監査等委員と同等の視点から監査等委員会の職務を補完・サポートするものです。
(運用状況の概要)
シニア・オーディターは、監査等委員会の指示のもと国内外連結子会社などへの往査の同行、内部監査の各種報告会への出席をはじめ、適切に監査等委員の補助をしております。
(b)監査等委員会への報告に関する体制
監査等委員会への報告体制については、取締役からの報告に加え、内部統制委員会、コンプライアンス委員会などの各種委員会や監査部などを通じた当社グループに関する事項、連結子会社からの事業報告など、監査に必要な報告が適宜行われる体制を整備しております。また、監査等委員会への報告者が不利な取扱いを受けないよう、関連規程に規定しております。
会計監査については、監査等委員会が会計監査人より監査計画の説明及び定期的な監査実施状況の報告を受け、相互に情報を共有し、効率的な監査が実施できる体制を構築すると共に、会計監査人が独立性を保持しているかの監視及び検証を行い、また監査の品質管理状況などについても恒常的に評価しております。
(運用状況の概要)
監査等委員会への報告は適時に行われており、監査等委員と代表取締役との面談、監査等委員と会計監査人との定期的な面談に加え、三様監査面談(監査等委員、会計監査人、監査部)も実施し、会計監査人、監査部との連携を一層深めております。
また、国内外連結子会社などに対しては、往査やweb会議システムを活用したリモート監査により十分なコミュニケーションを図り、監査を実施しております。
(c)その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
当社は監査等委員の職務の遂行に必要な費用を支出しております。また、監査等委員会が選定した監査等委員が、重要な会議へ出席し直接審議や報告状況を認識できる体制とし、当社代表取締役との意見交換も実施しております。
(運用状況の概要)
監査等委員会が選定した監査等委員は、経営会議、投融資審議会、各種社内委員会(内部統制委員会、コンプライアンス委員会、サステナビリティ委員会、安全保障貿易管理委員会、品質管理委員会、DX推進委員会、情報・ITシステムセキュリティ委員会)、監査報告会に毎回出席し、監査等委員会に報告すべき事項については、監査等委員会において報告しております。
代表取締役との意見交換については、年2回面談を実施し、会社が対処すべき課題、監査等委員会の監査の環境整備状況、監査上の重要課題などについて意見交換を行っております。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
1) 有価証券報告書提出日現在の役員は下記のとおりです。
男性 7名 女性 4名 (役員のうち女性の比率36.4%)
(注) 1 齋木尚子氏、朱殷卿氏及び亀岡剛氏は、社外取締役であります。
2 山本員裕氏、小久江晴子氏及び鈴木智子氏は、監査等委員である社外取締役であります。
3 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4 監査等委員である取締役の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
5 当社は、株式会社東京証券取引所に対して、齋木尚子氏、朱殷卿氏、亀岡剛氏、山本員裕氏、小久江晴子氏及び鈴木智子氏を独立役員とする独立役員届出書を提出しております。
6 所有株式数は、株式報酬制度に基づき退任後に交付される予定の株式の数(有価証券報告書提出日現在)及び持株会を通じた保有を含めて表示しております。
2) 当社は2025年6月18日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名選任の件」及び「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しており、当該議案が承認可決されますと、当社の役員の状況は以下のとおりになる予定であります。なお、当該定時株主総会の直後に開催予定の取締役会の決議事項の内容(役職名等)も含め記載しております。
男性 7名 女性 4名 (役員のうち女性の比率36.4%)
(注) 1 朱殷卿氏、亀岡剛氏及び定塚由美子氏は、社外取締役であります。
2 小久江晴子氏、鈴木智子氏及び武田和彦氏は、監査等委員である社外取締役であります。
3 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4 監査等委員である取締役の真鍋佳樹氏、小久江晴子氏、鈴木智子氏の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
5 監査等委員である取締役の武田和彦氏の任期は、2025年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
6 当社は、株式会社東京証券取引所に対して、朱殷卿氏、亀岡剛氏、定塚由美子氏、小久江晴子氏、鈴木智子氏及び武田和彦氏を独立役員とする独立役員届出書を提出する予定です。
7 所有株式数は、株式報酬制度に基づき退任後に交付される予定の株式の数(定時株主総会終結時点)及び持株会を通じた保有を含めて表示しております。
(ご参考)有価証券報告書提出日現在の執行役員は次のとおりです。
(注) *印の執行役員は、取締役を兼務しております。
② 社外取締役に関する事項
当社の社外取締役は6名(うち、監査等委員である取締役は3名)であります(有価証券報告書提出日現在)。当社は2025年6月18日開催予定の第22回定時株主総会の議案(決議事項)として、「取締役(監査等委員である取締役を除く。)7名選任の件」及び「監査等委員である取締役1名選任の件」を提案しており、当該議案が原案どおり承認可決された場合においても、社外取締役の内訳は6名(うち、監査等委員である取締役は3名)となる予定です。
1) 社外取締役の選任及び独立性に関する基準
当社は、社外取締役の実質的な独立性を重視し、会社法及び金融商品取引所が定める独立役員の要件に加え独自の社外取締役の独立性基準を策定し、社外取締役全員がこの基準を満たしていることを確認しております。
2) 社外取締役の当社との利害関係及び当社の企業統治において果たす機能・役割、選任の状況に関する考え方
当社は社外取締役との間に、特別な利害関係はありません。
なお、資本的関係につきましては、各社外取締役の当社株式の保有状況を「① 役員一覧(98~103ページ)」に記載しております。
<社外取締役(監査等委員である取締役を除く)>
<監査等委員である社外取締役>
③ 責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役(業務執行取締役である者を除く。)との間で責任限度額を10百万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度とする責任限定契約を締結しております。
④ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社の取締役及び当社の子会社の取締役、監査役等を被保険者として、役員等賠償責任保険契約を締結しており、当該保険契約では、被保険者がその会社役員としての業務につき行った行為(不作為を含みます)に起因して損害賠償請求がなされた場合に、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用などが填補されます。ただし贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害などは補償対象外とすることにより、役員などの職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じております。保険料は全額当社が負担しております。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査及び監査等委員会監査の状況
1) 組織・人員
●2024年4月~第21回定時株主総会(2024年6月18日)まで
監査等委員会設置会社への移行前の監査役会設置会社における監査役は社外監査役3名を含む5名であり、個々の監査役の出席状況は以下のとおりです。
●第21回定時株主総会終結(2024年6月18日)以降
個々の監査等委員の出席状況は以下のとおりです。
なお、2025年6月18日開催予定の定時株主総会の終結の時をもって、山本員裕氏は辞任し、武田和彦氏が社外監査等委員に就任します。
2) 監査等委員会の活動状況
● 監査等委員及び監査等委員会の活動状況:
監査等委員会は、監査等委員会が定めた監査等委員会監査等基準、監査実施計画及び業務分担に基づき、以下の主な活動内容に示す方法などにより監査を実施し、経営に対する監視・監査を行っております。
監査等委員会は、会計監査人より監査計画の説明及び定期的な監査実施状況の報告を受けることで、効率的な監査を実施すると共に、会計監査人の独立性について監視しております。また、監査部による内部監査計画を承認し期中には監査実施状況の報告を受けるなど、会計監査人、監査部と連携の上、当社の状況を適時適切に把握する体制としております。
内部統制委員会からは事務局である内部統制統括部を通じ、定期的に業務執行における内部統制システムの整備・運用状況の報告を受けレポートラインを構築しております。
国内外連結子会社に対しては、往査やウェブ会議システムを活用したリモート監査により十分なコミュニケーションを図り、監査を実施しております。
監査等委員会は、2024年度は下記事項に重点を置き監査を行いました。
(1)グループガバナンスの状況
連結経営の視点を踏まえ、当社及び国内外グループ会社の業務執行が社会的責任を常に自覚し、公正かつ適正な判断の下、責任ある行動に基づいて行われているかを監視・監査する。
(2)グループ・コンプライアンス遵守の状況
グループ全体にコンプライアンス意識の浸透、法令・社内ルールの遵守徹底を促し、企業不祥事など、会社に著しい損害を及ぼす事象の発生を未然に防止する。
(3)内部統制システム
内部統制システムの整備及び運用の状況を把握し、会計監査人、内部監査及び内部統制を所管する部署、加えてグループ会社監査役と連携してモニタリングを行い、その有効性を検証する。また、金融商品取引法に定める財務報告の信頼性を確保する体制の整備・運用状況についても、広義の内部統制システムの構成要素として上記と同様にモニタリング及び検証を行う。
(4)投融資を含む資産の健全性や事業経営のフォローアップ体制
社内外の環境が変化する中、グループ全体の事業の収益性と資産の質を維持・確保するため、投融資を含む資産評価や事業のフォローアップのプロセスを検証し、適時適切な判断がなされているかを監視・監査する。
(5)内部統制システムにおける社内連携
監査等委員会設置会社移行初年度として、内部統制システムを利用した組織的監査の充実を図り、監査部とのコミュニケーションを強化するとともに、内部統制委員会からも内部統制システムの整備・運営状況の定期報告を受けることで、監査の質と効率性の向上を目指す。
〇印は担当を示し、△は部分的担当あるいは任意の担当を示しております。
(注) 1 社外監査等委員(2024年6月18日までは社外監査役)は、投融資審議会にオブザーバーとして出席しました。
2 社外監査等委員は、原則として1名以上が出席しました。
3 (監査役)は、2024年4月から6月18日までに監査役により実施された回数、(監査等委員)は6月18日以降監査等委員より実施された回数を示しております。
● 監査等委員会の活動状況:
監査等委員会は、原則として毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時に開催しております。当事業年度においては、監査等委員会を12回開催しており、1回当たりの所要時間は約2時間でした。
監査等委員会における主な決議事項、協議事項、報告事項は以下のとおりです。
(注) Key Audit Matters
(ご参考)会計監査人との報告会、連携状況
② 内部監査の状況
当社は、他の業務執行部門から独立した組織として監査部を設置しています。監査部39名(有価証券報告書提出日現在)は、営業部、コーポレート、連結子会社を主たる対象とし、当社グループの経営諸活動及び業務管理等が法令及び社内規程に準拠し、適正に遂行されていることを内部監査し、検証します。
監査部による内部監査の実施状況は、以下のとおりです。
・監査部は、監査の年度運営方針、重点項目及び年間スケジュールなどを付した年度監査計画を立案し、当該計画に基づき内部監査を実施。
・監査時は、組織体のガバナンス・リスク管理・内部統制が適切に機能しているかを検証すると共に、損失の未然防止や問題解決に向け、実効性のある改善提案を実施。
・監査後は、監査対象組織につき、監査結果の表明、問題点についての意見交換、改善策の協議のため、監査部は、監査講評会(出席者:監査対象組織の社長、コーポレート各部の責任者、常勤監査等委員など)を開催。監査講評会終了後には、内部監査報告書を作成し、監査報告会(代表取締役、常勤監査等委員、その他社長が必要と認めた者で構成)へ提出。
・監査での指摘事項について、監査対象組織より3ヶ月後、6ヶ月後に改善状況の報告を受けると共に、フォローアップ監査により改善状況を確認。
また、内部監査の実効性を確保するための当社取り組みは以下のとおりです。
・監査部の年度監査計画は、監査等委員会の決議を取得し、経営会議及び取締役会に報告。
・監査部は、内部監査結果を、代表取締役社長のみならず、取締役会及び監査等委員会に対しても、定期的に報告。
・監査部長、常勤監査等委員及びその補助者は、定期的に会合を持ち、各々の監査活動における気づきや課題等のタイムリーな共有、及び意見交換を実施。
・監査部、監査等委員会、会計監査人の3者間では、四半期に一度、各々の監査結果の共有及び意見交換を目的とした報告会を実施。
・監査部の組織業績の審議及び評価、並びに監査部長の個人評価には、監査等委員会との協議を必要とし、監査の独立性を確保。
③ 会計監査の状況
a) 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b) 継続監査期間
22年
なお、現任の監査人である有限責任 あずさ監査法人の前身の1つである監査法人朝日会計社は、1969年より当社の前身である日商岩井株式会社の財務諸表監査業務を行っています。
c) 業務を執行した公認会計士
杉浦 宏明、富田 亮平、引敷林 嗣伸
d) 監査業務に係る補助者の構成
公認会計士15名、その他50名
e) 監査等委員会による監査法人の評価及び選定方針・理由
監査等委員会は、監査等委員会が定めた会計監査人評価基準に照らし、会計監査人との面談などを通じ、品質管理、外部機関による検査結果、監査チームの独立性・専門性・メンバー構成、監査報酬、監査の有効性・効率性、監査等委員・経営者などとのコミュニケーション、グループ監査などの観点を総合的に勘案し、会計監査人を評価の上、会計監査人を選定しております。
係る方針に基づき、有限責任 あずさ監査法人を当社の会計監査人として再任することを監査等委員会にて決定いたしました。
f) 会計監査人の解任又は不再任の決定の方針
監査等委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合には、監査等委員である取締役全員の同意に基づき、会計監査人を解任します。
また、監査等委員会は、会計監査人の職務遂行状況などを総合的に判断し、会計監査人が適正な監査を遂行することが困難であると認められる場合には、監査等委員会での決議により、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定する方針です。
④ 監査報酬の内容等
a)監査公認会計士等に対する報酬
(単位:百万円)
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、合意された手続業務であります。
b)監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGグループ)に対する報酬(aを除く)
(単位:百万円)
当社における非監査業務の内容は、非財務情報に係る保証業務などであります。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務などであります。
c)その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
当社の重要な連結子会社である双日米国会社はDeloitte & Touche LLPに対して、マリンフーズ(株)は有限責任監査法人トーマツに対して、Thai Central Chemical Public Co., Ltd.はDeloitte Touche Tohmatsu Jaiyos Audit Co., Ltd.に対して、監査証明業務に基づく報酬を支払っております。
d)監査報酬の決定方針
監査日数等を勘案し、会社法第399条第1項及び第3項に規定する監査等委員会の同意を得た上で決定しております。
e)監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
取締役会が提案した会計監査人に対する報酬等に対して、当社の監査等委員会は、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況及び報酬見積りの算出根拠などが適切であるかどうかについて必要な検証を行った結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項及び第3項の同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員区分毎の報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注) 1 百万円未満は切り捨てて表示しております。
2 当社は、2024年6月18日開催の第21回定時株主総会決議に基づき、同日付で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しております。期末日現在の人員数は、取締役7名、監査等委員である取締役4名であります。取締役の報酬等の総額には、2024年6月18日開催の定時株主総会終結の時をもって任期満了により退任した取締役2名の報酬等の額、及び監査等委員会設置会社への移行に伴い新たに監査等委員である取締役に就任した取締役2名の移行前の期間における報酬等の額を含んでおります。監査役の報酬等の額は、監査等委員会設置会社への移行前の期間についてのものであります。
3 2024年度における取締役の個人別の報酬等の額は、監査等委員会設置会社への移行前後のいずれにおいても、役員報酬ポリシー、基本報酬(固定報酬)の役位別基本報酬、業績連動報酬(短期)の算定方法、及び業績連動報酬(中長期)の算定方法に基づき、各評価指標の目標額等を含め、後述の決定方針に整合することを取締役会で確認したため、当該方針に沿うものであると判断しております。
4 業績連動報酬(中長期)は、BIP信託を用いた株式報酬制度であり、上記株式報酬の総額は、2024年度に退任が決まっている対象者を含めて、BIP信託に関する株式交付ポイントの付与に係る2024年度の費用計上額です。
② 決議の内容
当社取締役の報酬の限度額などは、以下のとおり決議されています。
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等
当事業年度の報酬総額が1億円以上である役員の氏名、役員区分及び報酬額の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 百万円未満は切り捨てて表示しております。
2 業績連動報酬(中長期)は、BIP信託を用いた株式報酬制度であり、上記株式報酬の総額は、
BIP信託に関する株式交付ポイントの付与に係る2024年度の費用計上額です。
④ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針
1) 役員報酬ポリシー
当社は、取締役の中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高めることを目的に、会社業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性の高い役員報酬制度とすることを基本方針としております。この基本方針のもと、当社の企業理念、価値創造モデル、2030年に目指す姿、そして2024年4月からスタートした「中期経営計画2026」の実現に向けた報酬制度とするため、2024年3月22日開催の取締役会にて、取締役と執行役員に対する報酬制度として、「役員報酬ポリシー」(当社における取締役等の個人別の報酬等の内容に係る決定方針)を決議しております。その内容は、以下のとおりです。
(注) 株式報酬は、取締役の退任後、受益者要件を満たしていることを確認した上で、株式交付1ポイントにつき当社株式1株として、累積株式交付ポイント数に応じて当社株式の交付等を行います。受益者要件は、株式報酬制度としての主旨を達成するために必要と認められる要件を設定しています。
2) 2025事業年度の取締役の報酬制度
役員報酬ポリシーに基づき、2025年度における取締役の報酬制度の概要を次のとおり定めております。
● 報酬の種類
取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)の報酬は、基本報酬(固定報酬)、業績連動報酬(短期)及び業績連動報酬(中長期)によって構成します。社外取締役の報酬は、基本報酬(固定報酬)のみとします。ただし、社外取締役が取締役会議長、指名委員会委員長、又は報酬委員会委員長の職に就く場合は、基本報酬(固定報酬)に加え、所定の手当を金銭で毎月支給します。
● 基本報酬
基本報酬(固定報酬)は、職責に応じて役位ごとに決定する金銭報酬であり、年俸制とし、役位別に定めた基本報酬額の12分の1を毎月支給します。
● 短期業績連動報酬
業績連動報酬(短期)は、単年度の会社業績や中期経営計画の進捗度に連動する金銭報酬であり、所定の役位にある取締役を対象に、役位別の標準報酬額(全ての評価指標につき、目標達成率が100%であった場合の報酬額を指します)を基準として、連結当期純利益、連結当期純利益進捗度(中期経営計画期間中(2024~2026年度)の連結当期純利益の進捗度を指します)、ROE、基礎的営業キャッシュ・フロー及び基礎的営業キャッシュ・フロー進捗度(中期経営計画期間中(2024~2026年度)の基礎的営業キャッシュ・フローの進捗度を指します)を評価指標とし、評価指標ごとの目標達成度に基づき定められる金銭を支給します。
評価指標ごとの目標達成度は、評価指標ごとの目標額等と実績値を比較して算出し、評価指標ごとの目標額等は、事業年度ごとに、その期首にあたる毎年4月又は5月を目処として、報酬委員会の審議を経て、取締役会決議により定めます。業績連動報酬(短期)の具体的な算定方法は、後記のとおりとし、事業年度終了後、毎年7月に支給します。
なお、2024年度の業績連動報酬(短期)の算定で使用した評価指標毎の目標額など及び実績は、後記の「報酬の構成」のとおりです。
なお、2025年度の業績連動報酬(短期)の算定で使用する目標額等は、以下のとおりです。
(注) 2025年度は1,200億円相当の連結当期純利益(単年度)を見込むものの、米国関税影響△50億円を考慮して見通しを1,150億円としておりますが、業績連動報酬(短期)の算定で使用する目標額は連結当期純利益を1,200億円とし、それに伴い他の評価指標も対外公表値と異なる目標値を設定しております。
● 中長期業績連動報酬
業績連動報酬(中長期)は、中期経営計画の達成度や企業価値向上(ESGや株価)に連動する株式報酬であり、所定の役位にある取締役を対象に、事業年度ごとに、役位別の標準報酬額及び基準株価に基づき算出される基準ポイントを付与し、3事業年度の終了ごとに、累積した基準ポイントに対し、評価指標ごとの目標達成度に基づき算出される係数を乗じることで株式交付ポイントを計算し、対象取締役の退任時に、所定の事由を全て充足することを条件として、累積した株式交付ポイントをもとに計算される当社の株式及び金銭を支給します。
株式交付ポイントの計算において、中期経営計画期間中(2024~2026年度)の評価指標は、連結当期純利益、株式成長率(対象期間における配当込みTOPIXの成長率に対する当社のTotal Shareholders Return(株主総利回り。以下「TSR」という。)の割合を指します)及び別途設定するESG評価項目とし、当該評価指標ごとの目標額等は、報酬委員会の審議を経て、取締役会決議により定めております。
業績連動報酬(中長期)の制度概要及び具体的な算定方法は、後記のとおりです。なお、業績連動報酬(中長期)の算定で使用する目標額等は、後記の「報酬の構成」のとおりです。
● 報酬の構成
当社は、報酬と業績の連動性をさらに高めると共に、中長期の企業価値向上への取り組み・進捗をより十分に反映した評価指標の体系とすることを企図して、2024年度より、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)及び執行役員の報酬比率について、全体に占める基本報酬比率を職責に応じて40~64%程度へ引き下げ、業績連動報酬比率を引き上げることといたしました。
各指標の目標値は、会社実績と連動性が高く、かつ透明性・客観性の高い役員報酬制度とするため、「中期経営計画2026」の目標を踏まえて、報酬委員会で審議し、取締役会で決議しております。
<取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)及び執行役員の報酬の構成>

(注) 1 親会社の所有者に帰属する当期純利益を指します。
2 各指標の実績が目標値の40%未満の場合、当該指標に係る報酬は支給されません。
3 当社のTSR(Total Shareholders Return:株主総利回り)と配当込みTOPIXとの相対比較で評価を行います。
4 ESG項目の評価方法は「9)業績連動報酬(中長期)の算定方法 2.株式交付ポイントの算定方法(注)3 ESG係数(126ページ)」に記載しています。
● 報酬の減額・不支給・返還請求
当社は、以下に定める場合、取締役の基本報酬(固定報酬)、業績連動報酬(短期)又は業績連動報酬(中長期)の未払分につき減額又は不支給とし、これらの既払分の全部又は一部につき返還請求することができます。
① 重大な会計の誤り、又は不正による決算の事後修正が取締役会で決議された場合
② 故意又は重大な過失による任務懈怠(法令・定款・社内規程への違反、職務執行における善管注意義務・忠実義務違反などを含むが、これに限られない)により、当社に重大な損害を与えた場合
③ 当社の意思に反して、自己都合により退任した場合(ただし、傷病等やむを得ない事由による自己都合退任の場合は除く)
④ 正当な理由により、取締役を解任された場合
⑤ 当社の許可なく同業他社に就職した場合
3) 役員の報酬等の決定方法
取締役の報酬等は、役員報酬ポリシー、基本報酬(固定報酬)の役位別基本報酬額、業績連動報酬(短期)の算定方法、及び業績連動報酬(中長期)の算定方法につき、各評価指標の目標額等を含め、報酬委員会の審議を経て、取締役会決議により決定し、当該決定に基づき、個人別の報酬等の額が算出・決定されます。監査等委員の報酬等は、監査等委員会において協議、決定されます。
報酬委員会は、取締役会の諮問機関として設置されているものであり、取締役・執行役員の報酬水準、評価・報酬に関する諸制度の審議及び提案を行うことを役割としております。委員は社外取締役を過半数とし、社外取締役が委員長を務めることとしております。2024年度におきましては、社外取締役3名(朱殷卿取締役、齋木尚子取締役、亀岡剛取締役)及び業務執行取締役1名(藤本昌義取締役会長)で構成され、朱殷卿取締役が委員長を務めました。
役員の報酬の決定等に関する、取締役会、報酬委員会の当事業年度の活動内容は次のとおりです。
2024年4月 (報酬委員会)/業績連動報酬(中長期)のうち、ESG関連指標の最終評価について
2024年5月 (報酬委員会)/2024業績連動報酬(短期・中長期)算出に用いる業績目標額等設定について
株主総会以降の報酬委員会構成について
(取締役会) /2024業績連動報酬(短期・中長期)算出に用いる業績目標額等設定について
2024年6月 (報酬委員会)/2023年度 業績連動報酬(短期)について
(取締役会) /2023年度 業績連動報酬(短期)について
2024年8月 (報酬委員会)/報酬委員会 2024年度上期活動報告について
2024年9月 (報酬委員会)/業績連動報酬の評価指標進捗について
業績連動報酬ESGの評価方法について
次期役員報酬制度改定について
(取締役会) /報酬委員会 2024年度上期活動報告について
2024年11月 (報酬委員会)/次期役員報酬制度改定について
2025年1月 (報酬委員会)/次期役員報酬制度改定について
2025年3月 (報酬委員会)/報酬委員会 2024年度活動報告及び2025年度活動方針について
4) 業績連動報酬(短期)の算定方法
業績連動報酬(短期)は、各事業年度に評価指標ごとに以下①~⑤の算定式を用いて算出された金額の総和とします。
業績連動報酬(短期)の報酬額 = ①+②+③+④+⑤
①[(当該事業年度の連結当期純利益÷当該事業年度の連結当期純利益目標額)×465,000×30%×(支給対象期間における在任月数(注1)÷12)]×役位係数(注2)(注3)
②[(連結当期純利益累計額÷連結当期純利益累計目標額)×465,000×30%×(支給対象期間における在任月数(注1)÷12)]×役位係数(注2)(注3)
③[(当該事業年度のROE÷当該事業年度のROE目標値)×465,000×20%×(支給対象期間における在任月数(注1)÷12)]×役位係数(注2)(注3)
④[(当該事業年度の基礎的営業キャッシュ・フロー÷当該事業年度の基礎的営業キャッシュ・フロー目標額)×465,000×10%×(支給対象期間における在任月数(注1)÷12)]×役位係数(注2)(注3)
⑤[(基礎的営業キャッシュ・フロー累計額÷基礎的営業キャッシュ・フロー累計目標額)×465,000×10%×(支給対象期間における在任月数(注1)÷12)]×役位係数(注2)(注3)
(注) 1 「在任月数」は、1ヶ月未満を切り捨てて計算します。各支給対象期間中に制度対象者の役位が変更された場合、役位変更日の属する月については当該月において在任日数が多い役位(在任日数が同じ場合は変更後の役位)を基準として在任月数を計算します。
なお、取締役を兼務しない執行役員が職務執行期間の途中で新たに取締役に就任し、取締役を兼務することとなった場合は、当該執行役員兼務取締役の支給対象期間は7月1日から翌年6月末までとみなします。
2 「役位係数」は、以下のとおりです。
(執行役員を兼務する取締役)
3 1万円単位は、四捨五入により計算します。
4 「連結当期純利益累計額」は、中期経営計画期間中(2024~2026年度)における終了事業年度ごとの連結当期純利益の合計額を指し、「連結当期純利益累計目標額」は当該各終了事業年度における連結当期純利益目標額の合計額を指します。
5 「基礎的営業キャッシュ・フロー累計額」は、中期経営計画期間中(2024~2026年度)における終了事業年度ごとの基礎的営業キャッシュ・フローの合計額を指し、「基礎的営業キャッシュ・フロー累計目標額」は当該各終了事業年度における基礎的営業キャッシュ・フローの目標額の合計額を指します。
6 各指標の目標達成度(上記①~⑤の下線部)の上限値は1.50(目標額等に対し150%)、下限値は0.40(同40%)とし、0.40(同40%)未満の場合は当該指標に係る報酬は不支給とします。
7 任期途中にて退任し、又は死亡した場合の評価指標ごとの実績額などの扱いは以下のとおりです。
・連結当期純利益は、その時点で開示済みの四半期決算報告における連結四半期純利益の額を1年間の連結当期純利益の額に換算(例:2024年度第1四半期決算が開示済みの場合、当該第1四半期決算における上記連結四半期純利益の額を4倍)した額とします。
・基礎的営業キャッシュ・フローの実績額の扱いも連結当期純利益と同様とします。
・ROEは、その時点で開示済みの四半期決算報告における連結四半期純利益の額を1年間の連結当期純利益に換算(同上)した額とし、その時点で開示済みの四半期決算報告における自己資本で除して計算します。
なお、役位ごとの業績連動報酬(短期)の上限額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
5) 業績連動報酬(中長期)の制度概要
2024年6月18日開催の第21回定時株主総会において、当社は、取締役及び執行役員(社外取締役、監査等委員である取締役及び国内非居住者を除き、以下「取締役等」という。)を対象に、当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、会社業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性の高い役員報酬制度として、業績連動型株式報酬等の報酬制度(以下「本制度」という。)の継続及び一部内容の改定を決議しております。
本制度は取締役等の会社業績への中長期的な貢献をその累計の職務執行期間に応じて評価することを目的としており、取締役等の退任後に交付される株式総数等が最終確定することを企図しております。
本制度は、BIP信託を用いた株式報酬制度です。BIP信託は、欧米の業績連動型株式報酬(Performance Share)及び譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)と同様に、役位や業績指標の達成度等に応じて当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)並びに当社株式等に生じる配当金を取締役等に交付及び給付(以下「交付等」という。)する仕組みです。(下図ご参照)

① 当社は、本制度の一部改定に関して、2024年6月18日開催の第21回定時株主総会において承認を得ています。
② 当社は、信託契約の変更の合意に基づき、①の株主総会決議で承認を受けた範囲内で金銭を拠出し、受益者要件を充足する取締役などを受益者とする信託の信託期間を延長します。
③ 当社は、本制度の継続にあたり、株式交付規程を一部改定します。
④ 本信託は、信託管理人の指図に従い、信託契約の変更時に信託財産内に残存する金銭及び②で拠出された金銭を原資として当社株式を当社(自己株式処分)又は株式市場から取得します。信託期間の延長後に本信託が取得する株式数は、①の株主総会の承認決議の範囲内とします。
⑤ 本信託内の当社株式に対する配当は、他の当社株式と同様に行われます。
⑥ 本信託内の当社株式については、信託期間を通じ、議決権を行使しないものとします。
⑦ 信託期間中、役位に応じて、毎年、取締役等に基準ポイントを付与し、対象期間の終了後、累積ポイントに評価指標の達成率などを乗じて株式交付ポイントを決定します。一定の受益者要件を満たす取締役などは、退任後に、累積された株式交付ポイント(以下「累積株式交付ポイント数」といいます。)のうち一定の割合に相当する当社株式の交付を受け、残りの累積株式交付ポイント数に相当する株式数の当社株式については、信託契約の定めに従い、納税資金に充当する目的で換価した上で換価処分相当額の金銭を受領し、あわせて本信託内の当社株式に関して⑤で支払われていた配当についても、配当基準日における累積株式交付ポイント数に応じた金銭を受領します。
⑧ 信託期間中の各事業年度の業績目標の未達成などにより、信託期間満了時に残余株式が生じた場合、信託契約の変更及び追加信託を行うことにより本制度又はこれと同種の新たな株式報酬制度として延長後の本信託をさらに継続利用するか、又は、本信託から当社に当該残余株式を無償譲渡し、取締役会決議により消却を行う予定です。
⑨ 本信託の終了時に、受益者に分配された後の残余財産は、信託金から株式取得資金を控除した信託費用準備金の範囲内で当社に帰属する予定です。また、信託費用準備金を超過する部分については、当社及び取締役等と利害関係のない団体への寄附を行う予定です。
6) 業績連動報酬(中長期)の算定方法
基準ポイント及び株式交付ポイントの算定は以下のとおり算定します。
1.基準ポイントの算定式
・基準ポイント = (930,000×支給対象期間における在任月数(注1)÷12×役位係数(注2))(注3)
×0.9÷前提株価(注4)
ただし、対象期間の最終事業年度に係る基準ポイントは、次のとおりです。
・基準ポイント = [(930,000×支給対象期間における在任月数÷12×役位係数)(注3)×0.9÷前提株価]
+[(930,000×最終事業年度に係る職務執行期間の在任月数÷12×役位係数)(注3)×在任期間調整係数(注5)÷前提株価]
(注) 1 「在任月数」は、1ヶ月未満を切り捨てて計算します。各支給対象期間中に制度対象者の役位(取締役が執行役員を兼務する場合においては執行役員の地位をいう。以下同じ。)が変更された場合、役位変更日の属する月については当該月において在任日数が多い役位(在任日数が同じ場合は変更後の役位)を基準として在任月数を計算します。
なお、取締役を兼務しない執行役員が職務執行期間の途中で新たに取締役に就任し、取締役を兼務することとなった場合は、当該執行役員兼務取締役の支給対象期間は7月1日から翌年6月末までとみなします。
2 「役位係数」は、以下のとおりです。
(執行役員を兼務する取締役)
3 1万円単位は、四捨五入により計算します。
4 2024年7月(信託期間の延長が行われた場合には、延長時の前月)の東京証券取引所における当社株式の終値の平均値(小数点以下切り捨て)
5 在任期間調整係数は、以下のとおりです。
2.株式交付ポイントの算定方法
株式交付ポイント=(A)+(B)+(C)
(A)累積基準ポイント×40%×連結当期純利益係数(注1)
(B)累積基準ポイント×40%×株式成長率係数(注2)
(C)累積基準ポイント×20%×ESG係数(注3)
(注) 株式交付ポイントは、(A)及び(B)に係る部分と、(C)に係る部分を分けて算定するものとし、それぞれ1未満のポイントは切り捨てます。
(注) 1 連結当期純利益係数
・対象期間における連結当期純利益累計額の目標に対する達成度に応じて下表のとおり算定します。連結当期純利益とは、親会社の所有者に帰属する当期純利益をいいます。
・達成度(%) = (連結当期純利益累計額÷3,600億円)×100(小数点第2位切り捨て)
2 株式成長率係数
・対象期間における配当込みTOPIXの成長率に対する当社のTSRの割合に応じて下表のとおり算定します。
・当社のTSRは次のとおり算出します。
TSR(%) = (B+C)÷A×100(小数点第2位切り捨て)
A:2024年1~3月の東京証券取引所における当社株式終値の平均株価
B:2027年1~3月の東京証券取引所における当社株式終値の平均株価
C:2024年度から2026年度までの1株当たりの配当額の累計額
・配当込みTOPIX成長率は、次のとおり算出します。
配当込みTOPIX成長率(%)=E÷D×100(小数点第2位切り捨て)
D:2024年1~3月の配当込みTOPIXの平均 (*)
E:2027年1~3月の配当込みTOPIXの平均 (*)
*「配当込みTOPIXの平均」は、日本取引所グループが公表する「3-1株価指数&株価平均(年月末・日別)第一部 配当込みTOPIX」を参照します。
・当社株式成長率 = 当社TSR÷配当込みTOPIX成長率×100(小数点第2位切り捨て)
3 ESG係数
・以下3つの項目を報酬委員会が定性・定量で評価し、各評価項目の評価点数の累計でESG係数を算出します。
なお、累計評価点数の上限は60点とし、下限は18点とします。
ESG係数(%) = 対象期間中の各事業年度の累計評価点数 ÷ 30×100
(注) 任期途中にて退任し、又は死亡した場合の扱いは以下のとおりです。
・当該制度対象者が支給対象期間の途中で退任(傷病等やむを得ない事由による自己都合退任を含め、それ以外の自己都合退任を除く。)し、国内非居住者となる人事異動が発令され、又は死亡した場合は、当該退任日、当該発令日又は当該死亡日に基準ポイントをそれぞれ付与します。
・対象期間の最終事業年度に対応する各制度対象者の支給対象期間が終了する前に、当該制度対象者が退任し、国内非居住者となる旨の人事異動が発令され、又は死亡した場合は、当該退任日、当該発令日又は当該死亡日に当該制度対象者が保有する当該対象期間に係る累積基準ポイントを、当該制度対象者の保有する当該対象期間に係る株式交付ポイントとみなします。
なお、役位ごとの株式交付ポイントの上限数は、以下のとおりです。
取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)及び執行役員が国内非居住者である期間中は、これらの者に対して、本制度に基づく基準ポイント及び株式交付ポイントは新たに付与されませんが、前述の基準ポイント及び株式交付ポイントの算定式を用いて算出した相当の金銭を支給します。
7) 監査等委員である取締役の報酬制度
監査等委員である取締役の報酬については、取締役の職務執行を監査するという役割に鑑みて、業績連動報酬は導入せず、基本報酬(金銭)のみとし、金額は監査等委員である取締役の協議により決定します。
8) 役員の報酬等の決定方法
取締役の報酬等は、役員報酬ポリシー、基本報酬(固定報酬)の役位別基本報酬額、業績連動報酬(短期)の算定方法、及び業績連動報酬(中長期)の算定方法につき、各評価指標の目標額等を含め、報酬委員会の審議を経て、取締役会決議により決定し、当該決定に基づき、個人別の報酬等の額が算出・決定されます。監査等委員である取締役の報酬等は、監査等委員である取締役の協議により決定されます。
報酬委員会は、取締役会の諮問機関として設置されているものであり、取締役(監査等委員である取締役を除く)及び執行役員の報酬水準、評価・報酬に関する諸制度の審議及び提案を行うことを役割としております。委員は社外取締役を過半数とし、社外取締役が委員長を務めることとしております。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、以下のとおり区分しております。
純投資目的である投資株式:キャピタルゲインなどの獲得を目的として保有する株式
純投資目的以外の目的である投資株式:純投資目的である投資株式以外の株式
② 純投資目的以外の目的である投資株式
1) 株式の保有方針及び議決権の行使
〔「中期経営計画2026」における株式の保有方針〕
政策保有株式として引き続き保有する上場株式については、従前どおり毎年個別の銘柄ごとに受取配当金や関連する収益が資本コスト(WACC)を上回っているかを定量的に検証すると共に、当社企業価値の向上に寄与しているかといった定性面についても精査し、保有意義の見直しを行っております。検証の結果、保有意義が認められる銘柄については、継続して保有し、保有による効果・便益を追求します。保有意義が希薄化した銘柄については、一定期間内での改善を目指す、あるいは、改善が見込めない銘柄については売却を検討します。なお、保有意義の見直しは、取締役会及び経営会議にて個別の銘柄ごとに行っております。
(参考)
単体保有株式の連結資本合計比率の実績は以下のとおりです。
<単体ベース、上場株式・非上場株式の保有状況>
(注) 上場株式については、各時点における株価を反映しております。
〔議決権の行使〕
上場株式の保有意義を踏まえ、当社と投資先企業双方の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に適うか否かを基準に、議決権を行使することとし、議決権の行使状況を会社として把握する体制としております。
2) 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
3) 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄毎の株式数、貸借対照表計上額などに関する情報
特定投資株式
(注) 1 定量的な保有効果の記載については、取引先との取扱数量などの情報を含むため、困難であります。一方で、全ての銘柄において、保有により実現している収益が資本コストを上回っていることは確認済みです。なお、保有の合理性を検証した方法につきましては、「1)株式の保有方針及び議決権の行使」をご参照ください。
2 当社の株式の保有の有無は、2025年3月31日付の当社株主名簿にて確認できる範囲で記載しております。
みなし保有株式
該当する銘柄はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
④ 当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当する銘柄はありません。
⑤ 当事業年度の前4事業年度及び当事業年度に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの
該当する銘柄はありません。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS会計基準」という。)に準拠して作成しております。
本報告書の連結財務諸表等の金額については、百万円未満を切り捨てて表示しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
なお、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
本報告書の財務諸表等の金額については、百万円未満を切り捨てて表示しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表並びに事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、以下の通り連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRS会計基準に基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。
① 会計基準等の内容を適切に把握し、また会計基準等の変更などについて的確に対応するため、公益財団法人財務
会計基準機構への加入、専門的知識を有する団体が主催するセミナーへの参加、会計専門誌の定期購読などを行っ
ております。また、社団法人日本貿易会へ加入し情報交換を行うとともに、会計基準等の変更などに際しては、同
会を通して意見発信を行っております。
② IFRS会計基準に基づく適正な連結財務諸表を作成するため、IFRS会計基準に準拠したグループ会計方針書及びグ
ループ会計処理ガイダンスを作成し、これらに基づきグループで統一的な会計処理を行っております。また、国際
会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握及び当社グループへの影響の
分析を行い、適時これらを更新しております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
①【連結財政状態計算書】
②【連結純損益計算書】
③【連結純損益及びその他の包括利益計算書】
④【連結持分変動計算書】
⑤【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
1 報告企業
双日株式会社(以下「当社」という。)は日本に所在する企業であります。当社の連結財務諸表は2025年3月31日を期末日とし、当社及び子会社(以下「当社グループ」という。)、並びに当社グループの関連会社及び共同支配企業に対する持分により構成されております。当社グループは総合商社として、物品の売買及び貿易業をはじめ、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。
2 作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRS会計基準に準拠している旨の記載
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS会計基準」という。)に準拠して作成しております。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は「注記3 重要性のある会計方針」にて別途記載している場合を除き、取得原価を基礎としております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示しているすべての財務情報は百万円未満を切り捨てております。
(4) 見積り及び判断の利用
IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を用いております。実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における重要な会計上の見積り及び判断の利用は以下の通りであります。
① イギリス領・北海における石油ガス権益に関する有形固定資産の評価
エネルギー・ヘルスケアセグメントに含まれる連結子会社Sojitz Energy Development Ltd.ではイギリス領・北海において石油ガス権益に関する有形固定資産を保有しております。
有形固定資産については、減損の兆候がある場合には回収可能価額を見積もることが求められており、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合には当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識することが求められております。なお、回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方として算定しております。詳細は「注記3 重要性のある会計方針(9)非金融資産の減損」をご参照ください。
前連結会計年度及び当連結会計年度における当該資産に関する減損テストにおいて、回収可能価額は、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法を用いた処分コスト控除後の公正価値を使用して算定しており、当該公正価値のヒエラルキーはレベル3に分類しております。処分コスト控除後の公正価値の測定に用いる将来キャッシュ・フローは、経営者が作成した事業計画を基礎として見積もられ、将来の資源価格、生産量の前提となる可採埋蔵量及び開発計画の実行可能性といった主要な仮定を使用しております。また、処分コスト控除後の公正価値の測定に用いる割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要としております。
前連結会計年度における減損テストにおいて、主に長期市況見通しの下落により、従来事業計画で想定していた将来キャッシュ・フローが見込めなくなり、回収可能額である7,451百万円まで減損したことから、減損損失△3,379百万円を認識しております。
また、当連結会計年度末における当該有形固定資産の残高は6,530百万円であり、当該有形固定資産の減損テストの結果、当連結会計年度において当該有形固定資産に係る減損損失を計上しておりません。
② 台湾洋上風力発電事業に関連する投資及び金融資産の評価
当社グループは、子会社及び中間持株会社を通じて台湾洋上風力発電事業を営む会社(以下、事業会社)に対して投資及び融資をしております。
(a) 台湾洋上風力発電事業に関する投資の評価
前連結会計年度における事業会社への追加拠出の結果、前連結会計年度末において「持分法で会計処理されている投資」には、事業会社に出資する中間持株会社への投資が13,373百万円含まれております。
持分法を適用する投資については、減損の兆候があると認められた場合に回収可能価額を見積もり、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合には当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を認識することが求められております。詳細は「注記3 重要性のある会計方針(9)非金融資産の減損」をご参照ください。
前連結会計年度末において、中間持株会社に対する投資の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値を用いて算定しており、処分コスト控除後の公正価値の見積りにおいては、事業計画の基礎となる追加工事費用や完工までの期間の見通し及び割引率といった主要な仮定を使用しております。
処分コスト控除後の公正価値を用いて中間持株会社への投資の回収可能価額を見積もった結果、回収可能価額が帳簿価額を上回ったことから、前連結会計年度において当該投資に対する減損損失を計上しておりません。
(b) 台湾洋上風力発電事業に関する融資の評価
前連結会計年度末において、「営業債権及びその他の債権」には、当社の子会社から中間持株会社に対する融資が10,518百万円含まれており、償却原価で測定する金融資産に分類しております。償却原価で測定する金融資産の減損の認識に当たり、当該金融資産にかかる予想信用損失に対して貸倒引当金を認識することが求められております。期末日時点で金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合、期末日後12ヶ月以内に発生する可能性がある債務不履行から生じる予想信用損失に基づいて貸倒引当金を算定し、一方で、期末日時点で金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品の予想存続期間にわたり発生する可能性のある全ての債務不履行から生じる予想信用損失に基づいて貸倒引当金を算定することが求められております。詳細は「注記3 重要性のある会計方針(10)金融商品」をご参照ください。
前連結会計年度末における当該金融資産における予想信用損失の見積りは、事業会社の事業計画及び同事業から生じるキャッシュ・フローにより影響を受けており、事業計画の基礎となる追加工事費用や完工までの期間の見通し及び割引率を主要な仮定として使用しております。なお、中間持株会社に対する金融資産の信用リスクについて、当初認識時から著しい増加は生じていないと判断しており、期末日後12ヶ月以内に発生する可能性がある債務不履行から生じる予想信用損失を測定した結果、前連結会計年度末において当該金融資産に関する貸倒引当金を計上しておりません。
なお、当連結会計年度末においては洋上風力発電所が商業運転を開始したことにより、同事業に関連する投資の処分コスト控除後の公正価値の見積り及び当該金融資産の予想信用損失の見積りの不確実性が低下したため、会計上の見積り及び判断の利用について重要性は無いものと判断しております。
③ 豪州における中古車卸売・小売事業に関するのれんの評価
当連結会計年度末において、自動車セグメントに含まれる豪州における中古車卸売・小売事業に関するのれんの金額は8,441百万円であります。こののれんは、双日株式会社がAlbert Automotive Holdings Pty Ltdの支配を獲得した際に生じたものであります。
のれんについては、減損の兆候がある場合又は少なくとも年次で、のれんを含む資金生成単位グループの回収可能価額を見積もることが求められており、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合には、当該資金生成単位グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し減損損失を認識することが求められております。なお、回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方として算定しております。詳細は「注記3 重要性のある会計方針(9)非金融資産の減損」をご参照ください。
当該のれんについての処分コスト控除後の公正価値の見積りの不確実性が高まったことから、当連結会計年度において、会計上の見積りについて重要性があるものと判断しております。のれんの減損テストにおいては、のれんを含む資金生成単位グループにおける回収可能価額として、処分コスト控除後の公正価値を用いております。処分コスト控除後の公正価値の測定に用いる将来キャッシュ・フローは、経営者が作成した事業計画を基礎として見積もっており、小売事業の店舗拡大、売上総利益率の改善及び卸売事業の売上成長率といった主要な仮定を使用しております。また、処分コスト控除後の公正価値の測定に用いる割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要としております。
処分コスト控除後の公正価値を用いて当該のれんの回収可能価額を見積もった結果、回収可能価額が帳簿価額を上回ったことから、当連結会計年度において当該のれんに対する減損損失を計上しておりません。
④ その他の重要な会計上の見積り及び判断の利用
連結財務諸表上で認識する金額に重大な影響を与える会計方針の適用に際して行う重要な判断に関する情報は、次の注記に含めております。
・注記3(1)-連結の基礎
・注記3(14)-顧客との契約から生じる収益
翌連結会計年度において重要性がある修正をもたらすリスクのある、見積り及び仮定の不確実性に関する情報は、次の注記に含めております。
・注記16-引当金
・注記23-減損損失
・注記31-従業員給付
・注記32-繰延税金及び法人所得税費用
・注記33(6)-金融商品の公正価値
当社グループは、資産又は負債の公正価値を測定する際に、入手可能な限り、市場の観察可能なデータを用いております。公正価値は、用いられる評価技法へのインプットに基づいて、次の3つのレベルに区分されます。
レベル1:測定日において当社グループがアクセスできる同一の資産又は負債に関する活発な市場における相場価格(無調整)
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外の直接に又は間接に観察可能なインプット
レベル3:観察可能でないインプット
公正価値を測定する際の仮定に関する詳細な情報は、次の注記に含めております。
・注記10-投資不動産
・注記23-減損損失
・注記33(6)-金融商品の公正価値
(5) 会計方針の変更
当社グループは、当連結会計年度より強制適用となった基準書及び解釈指針を適用しております。適用による当社グループへの重要な影響はありません。
3 重要性のある会計方針
以下に記載されている会計方針は、これらの連結財務諸表において表示されているすべての期間について継続的に適用されており、当社グループに首尾一貫して適用されております。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは当社グループが支配している企業であります。企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当社グループはその企業を支配しております。当社グループが他の企業の議決権の過半数を所有している場合には、そのような所有が支配を構成していないことが明確に立証できる場合を除いて、支配が存在すると判断し、子会社に含めております。また、当社グループが保有する議決権が半数以下の場合であっても、他の投資企業との合意等により、その企業の財務及び経営方針を支配していると判断される場合には、子会社に含めております。
子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの期間、連結財務諸表に含まれます。子会社が採用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。
また、連結財務諸表には、子会社の所在する現地法制度及び事業の特性等により決算日を当社の決算日と同じ日とすることが実務上不可能であるため、当社の決算日と異なる日を決算日とする子会社の財務諸表が含まれております。連結財務諸表の作成に用いる子会社の財務諸表を当社と異なる決算日で作成する場合、その子会社の決算日と当社の決算日の間に生じた重要な取引又は事象の影響については調整を行っております。当社グループの連結財務諸表に含まれる当該子会社の決算日は主に12月31日であり、当社の決算日との差異は3ヶ月を超えることはありません。
支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動については資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
一方、子会社に対する支配を喪失した場合には、当社グループは、子会社の資産及び負債、子会社に関連する非支配持分及びその他の資本の構成要素の認識を中止しております。支配の喪失から生じた利得又は損失は、純損益で認識しております。支配喪失後においても、当社グループが従前の子会社に対する持分を保持する場合には、その持分は支配喪失日の公正価値で測定しております。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響を有しているものの、支配または共同支配をしていない企業であります。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定しております。
当社グループが保有する議決権は20%未満であるものの、役員の派遣及び株主間出資協定書等により、重要な影響力が認められると判断される場合には、関連会社に含めております。
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が取決めに対する契約上合意された支配を共有し、関連性のある活動に関する意思決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要としており、かつ、当社グループが当該取決めの純資産に対する権利を有している企業をいいます。
関連会社及び共同支配企業への投資は、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従い売却目的で保有する資産に分類されるものを除き、持分法を適用して会計処理しております(以下「持分法適用会社」という。)。持分法適用会社に対する投資は、持分法適用後の帳簿価額から減損損失累計額を控除した額をもって計上しており、帳簿価額には取得時に認識したのれんが含まれております。
連結財務諸表は、重要な影響力又は共同支配の獲得日から喪失日までの持分法適用会社の純損益及びその他の包括利益の変動に対する当社グループの持分を含めておりますが、当社グループの持分がゼロにまで減少した後の追加的な損失の計上及び負債の認識は、法的義務もしくは推定的義務が生じている範囲又は持分法適用会社に代わって支払う金額の範囲でのみ行っております。
持分法適用会社が採用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該持分法適用会社の財務諸表に調整を加えております。
また、連結財務諸表には、他の株主との関係等により決算日を当社の決算日と同じ日とすることが実務上不可能であるために決算日が異なる持分法適用会社に対する投資が含まれております。当該持分法適用会社の決算日は主に12月31日であり、持分法適用会社の決算日と当社の決算日の間に生じた重要な取引又は事象の影響については調整を行っております。
③ 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。当社グループはのれんを取得日時点で公正価値測定した移転された対価及び被取得企業に対する非支配持分の認識額が、取得日時点において通常公正価値により測定された識別可能な取得資産及び引受負債の正味の金額を超過した額として測定しております。これら差額が負の金額である場合には、即時に純損益で認識しております。当社グループは、非支配持分を公正価値で測定するか、又は識別可能な純資産の認識金額の比例持分で測定するかを個々の取引ごとに選択しています。負債又は持分証券の発行に関連するものを除いて、企業結合に関連して当社グループに発生する取引コストは発生時に費用処理しております。
④ 連結上消去される取引
連結グループ内の債権債務残高及び取引、並びに連結グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表作成に際して消去しております。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引の換算
外貨建取引は、取引日における為替レートで各社の機能通貨に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性項目は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。
貨幣性項目の為替換算差額は、発生する期間の純損益で認識しております。
外貨建ての取得原価により測定する非貨幣性項目は、取引日の為替レートで機能通貨に換算しております。
外貨建ての公正価値により測定する非貨幣性項目は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。非貨幣性項目の為替換算差額は、非貨幣性項目に係る利得又は損失をその他の包括利益に認識する場合には、当該利得又は損失の為替部分はその他の包括利益に認識し、非貨幣性項目に係る利得又は損失を純損益に認識する場合には、当該利得又は損失の為替部分は純損益で認識しております。
② 在外営業活動体の換算
在外営業活動体の資産及び負債は、取得により発生したのれん及び公正価値の調整額を含め、期末日の為替レートで表示通貨に換算しております。また、在外営業活動体の収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートで表示通貨に換算しております。
為替換算差額はその他の包括利益で認識しております。当社グループの在外営業活動体が処分される場合、当該在外営業活動体に関連した為替換算差額の累計額は処分時に純損益に振り替えております。
なお、当社グループは、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」の免除規定を採用し、移行日に存在していた累積換算差額を利益剰余金に振り替えております。
(3) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価格の変動リスクを負わない取得日から3ヶ月以内に満期日又は償還期限の到来する短期投資からなっております。
(4) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか小さい額で測定しております。
棚卸資産の取得原価は、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のコストのすべてを含んでおり、主として平均法に基づいて算定しております。代替性がない棚卸資産は個別法に基づいて算定しております。
なお、トレーディング目的で取得した棚卸資産については、売却コスト控除後の公正価値で測定し、公正価値の変動を純損益で認識しております。
(5) 有形固定資産
当社グループは、有形固定資産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連するコストが含まれております。有形固定資産の重要な構成要素について、異なる費消が行われる場合、それぞれ別個の有形固定資産項目として会計処理をしております。
有形固定資産は、各構成要素の見積耐用年数にわたり、主として定額法により減価償却を行っております。有形固定資産の見積耐用年数は、主として次のとおりであります。
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は期末日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(6) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは取得価額から減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。
② 無形資産
当社グループは無形資産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日時点の公正価値としております。自己創設無形資産については、資産認識の要件を満たすものを除き、関連する支出は発生時に費用処理しております。資産の認識基準を満たす自己創設無形資産は、認識基準を最初に満たした日以降に発生する支出の合計額を取得原価としております。
耐用年数を確定できる無形資産は、主にソフトウエア、鉱業権、顧客関連資産であります。これらは鉱業権を除き、見積利用可能期間にわたって定額法により償却し、鉱業権については、主として見積埋蔵量に基づく生産高比例法により償却しております。なお、自社利用のソフトウエアについては、見積利用可能期間を概ね5年としております。
耐用年数を確定できる無形資産の償却方法、耐用年数及び残存価額は期末日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
耐用年数を確定できない無形資産は、主に企業結合により取得したフランチャイズ権であり、これらについては償却を行っておりません。当該資産の耐用年数を確定できないものと判断する事象又は状況が引き続き存在しているか否かについて、期末日に見直しを行っております。
(7) 投資不動産
投資不動産とは、賃料収入又はキャピタル・ゲイン、もしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産であります。通常の営業過程で販売するものや、商品又はサービスの製造・販売、もしくはその他の管理目的で使用する不動産は含まれておりません。
当社グループは投資不動産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額をもって計上しております。
減価償却については、見積耐用年数にわたり、主として定額法により減価償却を行っており、見積耐用年数は、主として2年~80年であります。減価償却方法、耐用年数及び残存価額は期末日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(8) 借入コスト
意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を要する資産に関して、その資産の取得、建設又は生産に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。その他の借入コストはすべて、発生した期間に費用として認識しております。
(9) 非金融資産の減損
当社グループは期末日において、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数の確定できない無形資産については毎期、さらに減損の兆候がある場合には都度、減損テストを実施しております。個別資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。
回収可能価額は、個別資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としております。公正価値は市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積もって算定しております。使用価値は、貨幣の時間価値及び個別資産又は資金生成単位に固有のリスクに関する現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いて、見積将来キャッシュ・フローを割引いて算定しております。当該キャッシュ・フローの見積りは、過去の実績を反映した予算を基礎とした事業計画に基づくものであり、当該事業計画は原則として5年を限度としております。なお、当社グループは、使用価値及び公正価値の算定上の複雑さに応じて外部専門家を適宜利用しております。
過年度にのれん以外の資産について認識した減損損失については、期末日において、認識した減損損失がもはや存在しない又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合には、回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が資産の帳簿価額を上回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで増額し、減損損失の戻入れを認識しております。のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れておりません。
なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区分して認識しないため、個別に減損テストを実施しておりません。持分法適用会社に対する投資が減損している可能性が示唆されている場合には、投資全体の帳簿価額について回収可能価額を帳簿価額と比較することにより単一の資産として減損テストを行っております。
(10)金融商品
① 金融資産
金融資産は当該金融商品の契約条項の当事者になった場合に当初認識を行い、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合において、金融資産の認識を中止しております。
当社グループでは、通常の方法による金融資産の売買において、償却原価で測定する金融資産及びFVTOCIの負債性金融商品については決済日に認識及び認識の中止をしており、それ以外の金融資産については取引日に認識及び認識の中止をしております。
当初認識された金融資産については償却原価で測定する金融資産、FVTOCIの負債性金融商品、FVTOCIの資本性金融商品及びFVTPLの金融資産に分類しております。
当社グループでは営業債権の一部について、手形の割引等の方法により流動化を行っております。しかし、当該流動化債権の中には、債務者が支払を行わない場合に、当社グループに遡及的に支払義務が発生するものがあり、このような流動化債権については、リスクと経済価値のほとんど全てが移転しているとはみなされないことから認識の中止を行っておりません。
(a) 償却原価で測定する金融資産
次の条件が共に満たされる金融資産を償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルの中で資産が保有されている
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値により測定し、その取得に直接起因する取引コストを加算して測定しております。また、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しております。
(b) FVTOCIの負債性金融商品
次の条件が共に満たされる金融資産をFVTOCIの負債性金融商品に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収及び金融資産の売却の両方を達成することを目的とした事業モデルの中で資産が保有されている
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる
FVTOCIの負債性金融商品は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しております。ただし、公正価値の事後的な変動のうち、実効金利法に基づく金融収益、為替換算差額及び減損損失は純損益に認識しております。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累積額を純損益に振り替えております。
(c) FVTOCIの資本性金融商品
売買目的ではない資本性金融商品への投資については、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、当社グループでは取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融商品について、その保有目的に鑑み当該指定を行っております。
FVTOCIの資本性金融商品については、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しております。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合にその累積額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えておりません。なお、配当については純損益として認識しております。
(d) FVTPLの金融資産
上記以外の金融資産はFVTPLの金融資産に分類しております。FVTPLの金融資産は、当初認識時に公正価値により測定し、その取得に直接起因する取引コストは、発生時に純損益で認識しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しております。
なお、重大な金融要素を含まない営業債権は、当初認識時に取引価格で測定しております。
② 金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産、FVTOCIの負債性金融商品、リース債権、契約資産及び金融保証契約について、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しています。
期末日時点で金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合、期末日後12ヶ月以内に発生する可能性がある債務不履行から生じる予想信用損失(12ヶ月の予想信用損失)に基づいて貸倒引当金を算定しております。一方、期末日時点で金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品の予想存続期間にわたり発生する可能性のあるすべての債務不履行から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損失)に基づいて貸倒引当金を算定しております。ただし、営業債権及び契約資産については、常に全期間の予想信用損失に基づいて貸倒引当金を算定しております。信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かの判定にあたっては、外部・内部の信用格付の変動や期日経過の情報などの入手可能で合理的かつ裏付け可能な情報を考慮しております。予想信用損失は、契約上のキャッシュ・フローと回収可能なキャッシュ・フローとの差額に基づいており、見積りに際しては、過去の貸倒実績、発行者又は債務者の財政状態並びに将来予測に関する入手可能で合理的かつ裏付け可能な情報を含んでおります。
発行者又は債務者の重大な財務的困難や期日経過を含む契約違反など、金融資産の全体または一部分を回収することができない、または回収が極めて困難であると判断した場合に債務不履行であると判断しております。信用減損の証拠については、発行者又は債務者の重大な財務的困難や期日経過を含む契約違反などの事象を用いて判断しています。また、報告日時点で信用減損の証拠がある金融資産については、個別に予想信用損失を見積り、貸倒引当金を算定しております。一方、信用減損の証拠がない金融資産については、内部の信用格付に基づいて信用リスクの特性が類似する金融資産ごとにグルーピングを行い、集合的に予想信用損失を見積り、貸倒引当金を算定しております。
金融資産の全体または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、当該金額を貸倒引当金と相殺して帳簿価額を直接減額しています。
③ 金融負債
金融負債は、当該金融商品の契約条項の当事者になった場合に当初認識をしており、その当初認識時にFVTPLの金融負債及び償却原価で測定する金融負債に分類しております。
金融負債は、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し又は失効となった時に認識を中止しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
FVTPLの金融負債以外の金融負債は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。償却原価で測定する金融負債は、当初認識時に公正価値からその発行に直接起因する取引コストを減算して測定し、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しております。
また、1年以内に期限が到来する金融機関からの借入金残高については、長期コミットメントライン契約による借換の能力があるものとして、当該未使用残高を上限に非流動負債として分類しております。
(b) FVTPLの金融負債
FVTPLの金融負債は、当初認識時に公正価値により測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループでは、為替変動リスク、金利変動リスク及び商品価格変動リスクをヘッジするために、先物為替予約取引、金利スワップ取引、商品先物・先渡取引などのデリバティブ取引を行っております。
デリバティブは公正価値で当初認識しており、公正価値の事後的な変動は次のとおり処理しております。
(a) 公正価値ヘッジ
当社グループでは、主として確定約定並びに在庫商品に係る公正価値の変動リスクをヘッジする目的で、商品先物・先渡取引をヘッジ手段とした公正価値ヘッジを行っております。また、固定利付借入金の公正価値変動リスクをヘッジする目的で金利スワップ取引をヘッジ手段とした公正価値ヘッジを行っております。
公正価値ヘッジにおいてヘッジ手段であるデリバティブの公正価値変動は純損益として認識しております。また、ヘッジされたリスクに対応するヘッジ対象の公正価値の変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正して、純損益として認識しております。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループでは、主として変動利付借入金の金利に係るキャッシュ・フロー変動リスクをヘッジする目的で金利スワップ取引をヘッジ手段としたキャッシュ・フロー・ヘッジを行っております。また、外貨建確定約定及び予定取引に係るキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする目的で為替予約取引等をヘッジ手段としたキャッシュ・フロー・ヘッジを行っております。
キャッシュ・フロー・ヘッジにおいてヘッジ手段であるデリバティブの公正価値変動のうち有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益として認識し、累積額はその他の資本の構成要素に含めております。
その他の資本の構成要素に累積された金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える会計期間において、純損益に振り替えております。ただし、予定取引のヘッジがその後において非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の資本の構成要素に累積された金額を当該非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額に直接含めて処理しております。なお、非有効部分は、直ちに純損益に認識しています。
ヘッジ手段が失効、売却、終結又は行使された場合、ヘッジがヘッジ会計の要件を満たしていない場合及びヘッジ指定を取り消した場合には、ヘッジ会計を将来に向けて中止しております。予定取引の発生がもはや見込まれない場合には、その他の資本の構成要素に累積された金額を、即時に純損益に振り替えております。
(c) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社グループでは、在外営業活動体に対する純投資に係る為替相場の変動リスクをヘッジする目的で為替予約取引及び外貨建て借入金をヘッジ手段とした在外営業活動体に対する純投資のヘッジを行っております。
在外営業活動体に対する純投資のヘッジにおいては、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様に会計処理を行い、デリバティブ及び借入金等のデリバティブ以外のヘッジ手段の公正価値変動のうち有効なヘッジと判定される部分はその他の包括利益として認識し、累積額はその他の資本の構成要素に含めております。その他の包括利益に認識したヘッジの有効部分は、在外営業活動体の処分時にその他の資本の構成要素から純損益に振り替えております。
(d) ヘッジ指定されていないデリバティブ
デリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しております。
⑤ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識した金額を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、純額で決済する又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合に、相殺して純額で表示しております。
(11)引当金
引当金は、過去の事象の結果として現在の債務(法的債務又は推定的債務)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響に重要性がある場合、当該負債に特有のリスクを反映させた現在の税引前の割引率を用いて割引いた金額で引当金を計上しております。
(12)売却目的で保有する非流動資産
当社グループが資産入れ替えの一環として、資産又は処分グループを売却するという意思決定を行ったことや、保有方針を変更した結果、非流動資産又は処分グループが、継続的使用ではなく、主に売却取引により回収される場合、当該資産又は処分グループを売却目的保有に分類しております。
売却目的保有へ分類するためには、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ、その売却の可能性が非常に高いことを条件としており、経営者が当該資産又は処分グループの売却計画の実行を確約し、1年以内で売却が完了する予定である場合に限られております。
売却目的保有に分類する直前に、資産又は処分グループの構成要素を当社グループの会計方針に従って再測定しております。売却目的保有に分類した後は、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうちいずれか低い方の金額で測定しております。
処分グループの減損損失はまずのれんに配分し、その後残りの資産に比例的に配分しております。売却目的保有として当初分類した資産又は処分グループの減損損失及びその後の再測定により発生する損益は純損益として認識しております。
売却目的保有に分類した有形固定資産、無形資産及び投資不動産について減価償却又は償却を行っておりません。
子会社に対する支配の喪失を伴う売却計画を確約している場合、売却後にその子会社に対する非支配持分を当社グループが保持するかどうかにかかわらず、その子会社のすべての資産及び負債を売却目的保有に分類しております。
(13)資本
① 資本金及び資本剰余金
当社が発行する資本性金融商品は、資本金及び資本剰余金に計上しております。また、その発行に直接起因する取引コストは資本剰余金から控除しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、取得原価で認識し、資本から控除して表示しております。また、その取得に直接起因する取引コストは、資本剰余金から控除しております。
自己株式を売却した場合には、受取対価を資本の増加として認識しております。
(14)顧客との契約から生じる収益
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財又はサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
当社グループは顧客との契約に含まれる別個の財又はサービスを識別し、これを取引単位として履行義務を識別しております。当社グループでは、通常の商取引において、仲介業者又は代理人としての機能を果たす場合があるため、履行義務の識別にあたっては本人か代理人かの検討を行っており、自らの約束の性質が、特定された財又はサービスを自ら提供する履行義務である場合には本人と判定しております。一方、それらの財又はサービスが他の当事者によって提供されるように手配する履行義務である場合には代理人として判定しております。本人か代理人かの検討に際しては、下記の指標に基づき総合的に判断しております。
・当社グループが、特定された財又はサービスを提供する約束の履行に対する主たる責任を有している
・特定された財又はサービスが顧客に移転される前、又は顧客へ支配の移転の後に、当社グループが在庫リスクを有している
・特定された財又はサービスの価格の設定において当社グループに裁量権がある
当社グループが本人に該当する取引である場合には、履行義務を充足する時点、又は充足するにつれて、特定された財又はサービスと交換に権利を得ると見込んでいる対価の総額で収益を認識しております。また、当社グループが代理人に該当する取引である場合には、履行義務を充足する時点、又は充足するにつれて、特定された財又はサービスが当該他の当事者によって提供されるように手配することと交換に権利を得ると見込んでいる報酬又は手数料の金額もしくは対価の純額で収益を認識しております。
当社グループは、収益を、顧客への財又はサービスの移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価の金額で認識しております。当該金額には、消費税や付加価値税等の税務当局の代理で回収した金額は含めておりません。また、顧客との契約における対価に変動対価が含まれている場合には、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めております。取引価格について、変動対価等を含む収益の額に重要性はありません。
当社グループは、契約開始時において、当社グループが約束した財又はサービスを顧客に移転する時点と顧客が当該財又はサービスに対して支払を行う時点との期間が1年以内となると見込んでいる場合には、約束した対価の金額に関する重大な金融要素の影響について調整しておりません。
当社グループにおける主要な取引の収益の認識時点は以下のとおりです。
(a) 商品の販売に係る収益
商品の販売に係る収益には、主に卸売、小売、製造・加工を通じた商品の販売、不動産の販売等が含まれております。当社グループでは、引渡、検収、契約上の受渡条件を満たした時点において、顧客が財に対する支配を獲得し、当社グループの履行義務が充足されると判断しているため、当該時点で収益を認識しております。
商品の販売に係る収益の対価は、履行義務の充足時点から主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
(b) サービス及びその他の販売に係る収益
サービス及びその他の販売に係る収益には、主にシステム関連、自動車部品品質検査、建物管理等のサービス提供が含まれております。当社グループでは、これらの収益のうち、以下の要件のいずれかに該当する場合には、サービスに対する支配を一定の期間にわたり移転するため、一定の期間にわたり当社グループの履行義務が充足されると判断し、履行義務の進捗度に応じて収益を認識しております。進捗度の測定方法は、顧客に移転する財又はサービスの性質を考慮しております。
・顧客が当社グループの履行によって提供される便益を、当社グループが履行するにつれて同時に受け取って消費する
・当社グループの履行が、資産(例えば、仕掛品)を創出するか又は増価させ、顧客が当該資産の創出又は増価につれてそれを支配する
・当社グループの履行が、当社グループが他に転用できる資産を創出せず、かつ、当社グループが現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を有している
また、上記の要件を満たさない場合には、役務提供の完了等により当社グループが顧客から対価の支払を受ける権利を得た時点で、当社グループの履行義務が充足されると判断しているため、当該時点で収益を認識しております。
サービス及びその他の販売に係る収益の対価は、履行義務の充足時点から主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
(15)金融収益及び金融費用
金融収益は受取利息、受取配当金及びその他の金融収益から構成されており、その他の金融収益は主に金融商品売却益及び金融商品評価益が含まれております。受取利息は実効金利法を用いて発生時に認識しております。受取配当金は当社グループの受領権が確定した日に認識しております。
金融費用は支払利息及びその他の金融費用から構成されており、その他の金融費用には金融商品売却損及び金融商品評価損が含まれております。
(16)従業員給付
① 退職後給付
(a) 確定給付制度
確定給付制度は、確定拠出制度以外の退職給付制度であります。確定給付制度債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割り引くことによって算定しております。制度資産の公正価値は当該算定結果から差し引いております。
割引率は、当社グループの確定給付制度債務と概ね同じ満期日を有するもので、かつ支払見込給付と同じ通貨建ての、主として報告日における信用格付けAAの債券の利回りであります。
過去勤務費用は、即時に純損益で認識しております。
当社グループは、確定給付制度から生じるすべての確定給付負債(資産)の純額の再測定を即時にその他の包括利益で認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。
(b) 確定拠出制度
確定拠出制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した企業に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職給付制度であります。確定拠出制度の拠出債務は、従業員が関連するサービスを提供した期間に費用として認識しております。
(c) 複数事業主制度
一部の子会社では確定給付制度に分類される複数事業主による年金制度に加入しております。これらについては、確定給付の会計処理を行うために十分な情報を入手できないことから、従業員が関連するサービスを提供した期間に費用として認識する確定拠出制度と同様の処理を行っております。
② その他の長期従業員給付
退職後給付以外の長期従業員給付に対する債務は、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を現在価値に割引くことによって算定しております。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。
賞与については、当社グループが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的及び推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積ることができる額を負債として認識しております。
(17)株式に基づく報酬
当社グループは、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、取締役等を対象に業績連動型株式報酬等の報酬制度を導入しております。
持分決済型の株式報酬制度では、受領したサービスを付与日における当社株式の公正価値で測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。
(18)法人所得税
法人所得税費用は当期税金費用と繰延税金費用から構成されております。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識する項目から生じる場合、及び企業結合から生じる場合を除き、純損益で認識しております。
当期税金費用は税務当局から還付もしくは税務当局に対する納付が予想される金額で測定され、税額の算定に使用する税率又は税法は、期末日までに制定もしくは実質的に制定されているものであります。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の帳簿価額と税務基準額との差額である一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識しており、期末日における法定税率又は実質的法定税率、及び税法に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率又は税法で算定しております。以下の場合には、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識しておりません。
・将来加算一時差異がのれんの当初認識から生じる場合
・企業結合ではなく、取引日に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ取引時に、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生ずる場合
・子会社、関連会社に対する投資並びに共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異について、解消する時期をコントロールでき、かつ、予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合
・OECDが公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定された税法に係る繰延税金資産及び負債である場合(IAS第12号「法人所得税」で定められる一時的な例外規定を適用)
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は別々の納税主体であるものの当期税金資産及び当期税金負債とを純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産の帳簿価額は期末日において再検討しており、繰延税金資産の便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産の帳簿価額を減額しております。
(19)リース
当社グループは、契約の開始時に、当該契約がリース又はリースを含んだものであるかどうかを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合に、当該契約はリース又はリースを含んでおります。
① 借手としてのリース
当社グループは、借手のリースについて、リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識しております。
リース負債は、リースの開始日における未払リース料総額をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定し、当初認識後はリース負債に係る金利及び支払われたリース料を反映するようにリース負債の帳簿価額を増減した金額で測定しております。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの追加借入利子率を使用しており、通常、当社グループは、割引率として追加借入利子率を使用しております。リース負債の測定に際しては、リース要素とこれに関連する非リース要素は分離せず、単一のリース構成要素として認識することを選択しております。
使用権資産は、リース負債の当初測定額に当初直接コストなどを調整した取得原価で当初測定し、当初認識後は減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しております。使用権資産の減価償却は、リース期間又は使用権資産の耐用年数のいずれか短い期間にわたって定額法により行っております。リース期間については、リースの解約不能期間に加えて、行使することが合理的に確実である場合におけるリースの延長オプションの対象期間と、行使しないことが合理的に確実である場合におけるリースの解約オプションの対象期間を含む期間として決定しております。
短期リース及び少額資産のリースに関するリース料については、リース期間にわたり定額法によって費用として認識しております。
② 貸手としてのリース
当社グループは、貨車、不動産及び船舶等を賃貸しており、リースの契約日にリースをファイナンス・リース又は、オペレーティング・リースのいずれかに分類しております。原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合には、ファイナンス・リースに分類し、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するものではない場合には、オペレーティング・リースに分類しております。
当社グループが、中間の貸手である場合、サブリースは原資産ではなく、ヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類しております。なお、ヘッドリースが短期リースである場合、サブリースはオペレーティング・リースに分類しております。
(a) ファイナンス・リース
リース開始日において、ファイナンス・リースに基づいて保有している資産の認識を中止し、正味リース投資未回収額に等しい金額でリース債権を認識しております。当初認識後は、リース料の受取りに応じて借手からの債権の回収を認識し、正味リース投資未回収額に対して一定の期間利益率となるように、リース期間にわたり金融収益を認識しております。
(b) オペレーティング・リース
オペレーティング・リースの対象となっている原資産を連結財政状態計算書に引き続き認識しております。オペレーティング・リースによるリース料を、定額法又は他の規則的な基礎のいずれかで収益として認識しております。また、オペレーティング・リースの対象となっている原資産は、保有している同様の資産と整合的な方法で減価償却を行っております。なお、オペレーティング・リース契約を獲得するために発生した当初直接コストは対象となる原資産の帳簿価額に加算し、リース期間にわたりリース収益と同じ基礎によって費用として認識しております。
4 未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設又は改訂は以下のとおりであり、当連結会計年度末(2025年3月31日)において、当社グループはこれらを適用しておりません。適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点では見積ることができません。
5 セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、商品・サービス、機能及び産業領域別の事業本部を置き、各事業本部は、物品の売買及び貿易業をはじめとして、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。
各報告セグメントの主な商品・サービスは「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しております。
「その他」の区分には、ネットワークサービス事業、国内地域法人、物流・保険サービス事業等を含んでおります。
なお、2024年4月1日付にて「航空産業・交通プロジェクト」、「インフラ・ヘルスケア」の一部事業領域を再編し、「航空・社会インフラ」、「エネルギー・ヘルスケア」、「その他」へ変更しております。これに従い、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成しております。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は法人所得税費用の計算方法を除き、「注記3 重要性のある会計方針」における記載と概ね同一であります。
セグメント間の取引は、市場価格を勘案し、一般的取引条件と同様の価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当期純利益(親会社の所有者に帰属)の調整額33百万円には、当社において発生する実際の法人所得税費用と、社内で設定している計算方法により各セグメントに配分した法人所得税費用との差異△810百万円、各セグメントに配分していない全社資産に関わる受取配当金等843百万円が含まれております。
セグメント資産の調整額△105,401百万円には、セグメント間取引消去等△210,137百万円、各セグメントに配分していない全社資産104,735百万円が含まれており、その主なものは当社における現預金等の余資運用資産及び有価証券等であります。
資本的支出には、使用権資産に係る金額を含めております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当期純利益(親会社の所有者に帰属)の調整額6,226百万円には、当社において発生する実際の法人所得税費用と、社内で設定している計算方法により各セグメントに配分した法人所得税費用との差異5,275百万円、各セグメントに配分していない全社資産に関わる受取配当金等950百万円が含まれております。
セグメント資産の調整額△148,095百万円には、セグメント間取引消去等△234,389百万円、各セグメントに配分していない全社資産86,294百万円が含まれており、その主なものは当社における現預金等の余資運用資産及び有価証券等であります。
資本的支出には、使用権資産に係る金額を含めております。
(3) 製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。
(4) 地域別情報
外部顧客からの収益および非流動資産(金融資産及び繰延税金資産を除く)の地域別情報は次のとおりであります。
① 外部顧客からの収益
収益は、顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
② 非流動資産(金融資産及び繰延税金資産を除く)
(5) 主要な顧客に関する情報
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社グループの収益合計のうち10%以上を占める単一の顧客はありません。
6 営業債権及びその他の債権
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における営業債権及びその他の債権の内訳は次のとおりであります。
7 棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりであります。
また、費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ4,073百万円及び3,482百万円であります。
8 有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
[取得原価]
(注)「その他」には、主に連結範囲の変更による影響が含まれております。
[減価償却累計額及び減損損失累計額]
(注)「その他」には、主に連結範囲の変更による影響が含まれております。
[帳簿価額]
建設中の有形固定資産に関する支出額は、上記の中で、建設仮勘定として記載しております。
減価償却費は連結純損益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。
9 のれん及び無形資産
(1) のれん
① 取得原価、減損損失累計額及び帳簿価額
のれんの取得原価及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
[取得原価]
[減損損失累計額]
[帳簿価額]
② 減損テスト
のれんが配分されている資金生成単位については毎期、さらに減損の兆候がある場合には都度、減損テストを行っております。資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額が重要なものは次のとおりであります。
(注)複数の資金生成単位を合計しております。
重要なのれんが配分された資金生成単位の回収可能価額は、経営者によって承認された最長5年間の予測を基礎とする使用価値または、市場参加者の仮定を反映した予測を基礎とする処分コスト控除後の公正価値に基づき測定しております。
当該キャッシュ・フローの予測は、過去の実績を反映した予算に基づいております。また、予測の決定に用いられた主な仮定は当該期間にわたる売上総利益の成長率となっており、売上総利益の成長率はこれらの資金生成単位が属する国の名目GDP成長率予測等と整合したものとなっております。
重要なのれんが配分された資金生成単位の回収可能価額の算定に用いた税引前の割引率及び最終成長率は次のとおりであります。
(a) 税引前の割引率
(b) 最終成長率
経営者によって承認された予測の期間を超えたキャッシュ・フローについては企業が営業活動をしている国もしくは市場の長期平均成長率以下の成長率を用いております。
これらののれんについては、主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しております。
(2) 無形資産
無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は次のとおりであります。
[取得原価]
[償却累計額及び減損損失累計額]
[帳簿価額]
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における「鉱業権」の帳簿価額のうち重要なものは、豪州の子会社が保有する炭鉱権益であり、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ3,900百万円及び3,192百万円であります。
耐用年数を確定できない資産は、主に「その他」に含まれるフランチャイズ権であり、帳簿価額は前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ10,674百万円及び10,541百万円であります。これらのフランチャイズ権は企業結合時に取得したものであり、事業が継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断しております。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、重要な自己創設無形資産はありません。
償却費は、連結純損益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。
10 投資不動産
(1) 投資不動産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減、並びに帳簿価額及び公正価値
投資不動産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減、並びに帳簿価額及び公正価値は次のとおりであります。
[取得原価]
(注)「その他」には、主に連結範囲の変更による影響が含まれております。
[減価償却累計額及び減損損失累計額]
(注)「その他」には、主に連結範囲の変更による影響が含まれております。
[帳簿価額及び公正価値]
公正価値は、社外の不動産鑑定士による不動産鑑定評価書に基づく金額及び「不動産鑑定評価基準」を参考に当社グループで測定した金額であります。これらは、主に市場公開価格や取引事例法、DCF法により測定しております。
公正価値は、用いられる評価技法により3つのレベルに区分され、その内容は「注記2 作成の基礎 (4)見積り及び判断の利用」に記載しております。投資不動産については、公正価値ヒエラルキーレベル3に区分されます。
(2) 投資不動産に関する損益
賃貸収益は連結純損益計算書の「サービス及びその他の販売に係る収益」及び「その他の収益」に計上しております。
賃貸費用は賃貸収益に対応する費用であり、連結純損益計算書の「原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の費用」に計上しております。
11 持分法適用会社に対する投資
(1) 持分法で会計処理されている投資、持分法による投資損益及び持分法によるその他の包括利益
持分法で会計処理されている投資、持分法による投資損益及び持分法によるその他の包括利益の内訳は次のとおりであります。
[持分法で会計処理されている投資]
[持分法による投資損益]
[持分法によるその他の包括利益]
(2) 共同支配企業
① 重要な共同支配企業
当社グループの持分法適用会社であるエルエヌジージャパン㈱は重要な共同支配企業に該当します。
当社グループは同社を通じて、アジア・オセアニア・中東地域において大規模LNG事業に参画しております。
同社は上場しておりません。
同社の要約財務諸表と、同社に対する当社グループの関与の帳簿価額との調整額は次のとおりであります。なお、当該要約財務諸表は、当社グループの会計方針に基づき、同社の財務諸表に調整を加え作成しております。
上記の流動資産に含まれる現金及び現金同等物は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ15,436百万円及び38,377百万円であります。また、流動負債に含まれる金融負債(営業債務及びその他の債務並びに引当金を除く)は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ4,835百万円及び10,078百万円、非流動負債に含まれる金融負債(営業債務及びその他の債務並びに引当金を除く)は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ99,793百万円及び115,350百万円であります。
② 個々に重要性のない共同支配企業
個々に重要性のない共同支配企業に対する当社グループの関与の帳簿価額、当期純利益、その他の包括利益及び当期包括利益に対する持分は次のとおりであります。
(3) 関連会社
① 重要な関連会社
当社グループの持分法適用会社である㈱メタルワンは重要な関連会社に該当します。
当社グループは鉄鋼製品分野において、日本最大規模の鉄鋼総合商社である同社を通じ、鉄鋼製品の国内外の顧客基盤と流通ネットワークの拡充を図るとともに、当社で取り組むエネルギー関連事業や海外事業などでの協業や連携強化を通じて、鉄鋼製品取引を一層拡大させ、グローバル・バリューチェーンを展開・構築していきます。
同社は上場しておりません。
同社の要約財務諸表と、同社に対する当社グループの関与の帳簿価額との調整表は次のとおりであります。なお、当該要約財務諸表は、当社グループの会計方針に基づき、同社の財務諸表に調整を加え作成しております。
② 個々に重要性のない関連会社
個々に重要性のない関連会社に対する当社グループの関与の帳簿価額、並びに当期純利益、その他の包括利益及び当期包括利益に対する持分は次のとおりであります。
12 その他の投資
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるその他の投資の内訳は次のとおりであります。
13 その他の流動資産及びその他の非流動資産(非金融資産)
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるその他の流動資産及びその他の非流動資産(非金融資産)の内訳は次のとおりであります。
14 営業債務及びその他の債務
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における営業債務及びその他の債務の内訳は次のとおりであります。
15 社債及び借入金
(1) 社債及び借入金の内訳
社債及び借入金の内訳は次のとおりであります。
「平均利率」については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。金利変動リスクを回避する目的で、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用している借入金についてはデリバティブ取引に基づく利率にて算定しております。なお、社債については「(2)社債の明細」に記載しております。
当社グループは、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、当連結会計年度末において円貨1,000億円(未使用)及び25.75億米ドル(11.54億米ドル使用)の長期コミットメントライン契約を有しております。
なお、一部の銀行借入等に係る契約では、財務制限条項により連結純資産水準等の一定の財務内容の維持が求められております。当該条項につきましては、必要とされる水準を維持するようにモニタリングしております。
(2) 社債の明細
(注) 前連結会計年度末のうち、下段( )内の金額は1年内償還予定の金額であります。
16 引当金
引当金の増減内訳は次のとおりであります。
「その他」には、主に連結範囲の変更による影響が含まれております。
また、資産除去債務は、主に石炭、石油ガスの採掘設備等の撤去費用に関するものであります。これらの費用は主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
17 その他の流動負債及びその他の非流動負債(非金融負債)
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるその他の流動負債及びその他の非流動負債(非金融負債)の内訳は次のとおりであります。
18 売却目的で保有する資産及び直接関連する負債
売却目的で保有する資産及び直接関連する負債の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度末において、売却目的保有に分類した資産及び直接関連する負債のうち主なものは、金属・資源・リサイクルセグメントに含まれるインドネシアの一般炭炭鉱に関する持分法で会計処理されている投資を保有する子会社、及びカナダのモリブデン鉱山事業に関する子会社であります。これらは、当連結会計年度末に売却完了しております。
19 資本
(1) 資本管理
当社は企業価値の向上のため、財務体質の健全性と調達構造の安定性を維持し、持続的な成長の実現により自己資本(注1)を積み上げ、財務基盤を拡充することを基本方針としております。
また、当社はリスクアセット自己資本倍率(注2)を主な指標として、一定のストレスシナリオ下においても1倍以内となるようにコントロールしており、この指標は経営者に定期的に報告され、モニタリングされております。
(注1)自己資本は、資本のうち親会社の所有者に帰属する持分です。
(注2)リスクアセット自己資本倍率とは、リスクアセット(資産の価値が毀損するリスクを評価し、その
大きさを金額に換算したもの)の自己資本に対する倍率です。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるリスクアセット自己資本倍率の水準は次のとおりであります。
(2) 発行可能株式総数、発行済株式総数及び自己株式数
(注1) 前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、フジ日本㈱が当社の株式(普通無額面株式)をそれぞれ40,000株保有しておりますが、持分法適用会社であるため、自己株式数(普通無額面株式)には含まれておりません。
(注2) 前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、自己株式数には役員報酬BIP信託に係る信託口が所有する当社株式がそれぞれ886,140株及び1,320,504株が含まれております。
(注3) 前連結会計年度において、2023年3月31日開催の取締役会決議に基づき、当社の保有する自己株式について、2023年4月7日に15,299,900株の消却を実行いたしました。また、2023年9月22日開催の取締役会決議に基づき、当社の保有する自己株式について、2023年9月29日に10,000,000株の消却を実行いたしました。
(注4) 前連結会計年度において、2023年3月31日開催の取締役会決議に基づき、2023年4月10日から2023年9月29日までの期間に自己株式9,789,300株を取得しております。また、2024年2月22日開催の取締役会決議に基づき、2024年2月26日から2024年3月31日までの期間に自己株式3,226,800株を取得しております。
(注5) 当連結会計年度において、2024年2月22日開催の取締役会決議に基づき、2024年4月1日から2024年4月5日までの期間に自己株式773,200株を取得しております。また、2024年9月27日開催の取締役会決議に基づき、2024年10月1日から2025年3月24日までの期間に自己株式6,500,000株を取得しております。
(3) 剰余金
① 資本剰余金
資本剰余金は、主として資本準備金から構成されております。
② 利益剰余金
利益剰余金は、利益準備金及び未処分の留保利益から構成されております。
なお、利益剰余金には、IFRS会計基準への移行日における在外営業活動体の換算差額累計額が含まれております。
(4) 配当
① 配当金支払額
② 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
③ 配当の基準日及び効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注) 配当金の総額については、2025年4月30日現在の自己株式を除いた発行済株式数により算定された見込み額であり、最終的な中間配当金総額は配当基準日における当該株式数に1株当たり82円50銭を乗じた金額となります。
20 収益
(1) 収益の分解
当社グループは、「自動車」、「航空・社会インフラ」、「エネルギー・ヘルスケア」、「金属・資源・リサイクル」、「化学」、「生活産業・アグリビジネス」、「リテール・コンシューマーサービス」の7つの事業本部を基本として組織が構成されており、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績の評価をするために、定期的に検討を行う対象としております。これらの事業本部に加え、ネットワークサービス事業、国内地域法人、物流・保険サービス事業等を含む「その他」で計上する収益を「収益」として表示しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度における事業本部別の収益は「注記5 セグメント情報 (2) 報告セグメントに関する情報」に記載のとおりであります。なお、製品及びサービスの区分は事業区分と同一であります。
(2) 顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債
顧客との契約から生じた債権は、「営業債権及びその他の債権」に含まれている受取手形及び売掛金が該当します。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、契約資産及び契約負債の額、並びに前連結会計年度及び当連結会計年度における、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。なお、契約資産は「営業債権及びその他の債権」に、また契約負債は「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」にそれぞれ含めております。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において残存する履行義務に配分した取引価格及び収益を認識すると見込んでいる時期は以下のとおりであります。
当連結会計年度末において残存する履行義務に配分した取引価格のうち、当連結会計年度末以降における状況の変化により契約解消となる事が見込まれる181,045百万円は、上表に含まれておりません。また、当該状況の変化に伴う翌連結会計年度以降の純利益への影響に重要性はありません。
残存履行義務に配分した取引価格に変動対価が含まれている場合には、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めております。
なお、当社グループは実務上の便法を適用しているため、当初の予想残存期間が1年以内の契約については、上表に含めておりません。
(4)顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。なお、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を適用し、契約の獲得の増分コストを発生時に費用として認識しております。
21 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は次のとおりであります。
22 固定資産除売却損益
固定資産除売却損益の内訳は次のとおりであります。
23 減損損失
減損損失の資産種類別の内訳は次のとおりであります。減損損失は主に連結純損益計算書の「固定資産減損損失」及び「関係会社整理損」に計上しております。
減損損失のセグメント別の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度において認識した減損損失のうち主なものは、エネルギー・ヘルスケアセグメントに含まれるイギリス領・北海において石油ガス権益を保有する連結子会社Sojitz Energy Development Ltd.の有形固定資産に係るものであり、減損損失△3,379百万円を認識しております。詳細につきましては「注記2 作成の基礎(4)見積り及び判断の利用」に記載しております。
24 関係会社整理益
関係会社整理益で認識した金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ8,073百万円及び17,253百万円であります。
なお、上記関係会社整理益のうち、支配の喪失を伴う子会社の売却等から生じた利益は、当連結会計年度において7,172百万円であり、このうち従前の子会社に対して保持している残余持分を支配喪失日の公正価値で測定したことによる利益に重要性はありません。また、前連結会計年度に認識したこれらの利益に重要性はありません。
25 関係会社整理損
関係会社整理損の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度において、「関係会社売却損等」にはエネルギー・ヘルスケアセグメントにおける米国ガス火力発電事業の売却に伴う損失が含まれております。
26 為替差額
純損益に認識された為替差額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ△4,540百万円及び△4,297百万円であり、連結純損益計算書の「その他の費用」に計上しております。なお、当該金額には為替リスクのヘッジを目的として行った通貨関連デリバティブから生じた損益を含めております。
27 金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における受取配当金は、主にFVTOCIの金融資産からの配当金によるものです。
上記のほか、商品関連デリバティブの評価損益を、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結純損益計算書の「商品の販売に係る収益」に純額でそれぞれ1,429百万円及び1,171百万円計上しております。
また、通貨関連デリバティブの評価損益を、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結純損益計算書の「その他の費用」及び「その他の収益」に純額でそれぞれ△1,254百万円及び814百万円計上しております。
28 1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり利益及び希薄化後1株当たり利益
(2) 基本的1株当たり利益及び希薄化後1株当たり利益の算定の基礎
29 その他の包括利益
その他の包括利益の各内訳項目ごとの組替調整額及び税効果額は次のとおりであります。
30 キャッシュ・フロー情報
(1) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳及び連結財政状態計算書との関係は次のとおりであります。
(2) 子会社の取得による収支
新たに子会社となった会社に関する支配獲得時の資産及び負債の主な内訳並びに支払対価と取得による収支の関係は次のとおりであります。
(3) 子会社の売却による収支
株式の売却により子会社でなくなった会社に関する支配喪失時の資産及び負債の主な内訳並びに受取対価と売却による収支の関係は次のとおりであります。
(4) 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」には、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結純損益計算書における関係会社整理益の調整がそれぞれ△8,073百万円及び△17,253百万円含まれております。
(5) 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」には、前連結会計年度において、主に航空機関連取引による回収が含まれております。
(6) 財務活動に係る負債の変動
財務活動に係る負債の変動は以下の通りであります。
前連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)
当連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)
31 従業員給付
(1) 退職後給付
① 採用している退職給付制度の概要
当社は、退職給付制度として確定拠出年金制度及び退職一時金制度並びに前払退職金制度を設けております。
国内子会社は、主に確定給付型の制度として、企業年金基金制度及び退職一時金制度を設けております。また、一部の在外子会社においても確定給付型の制度を設けております。
これらの制度における給付額は、従業員の役割等級や給与水準等に基づき算定されております。
なお、従業員の退職等に際して割増退職金を支払う場合があります。
② 確定給付制度
(a) 確定給付負債(資産)の純額
前連結会計年度及び当連結会計年度における確定給付負債(資産)の純額の増減は次のとおりであります。
(b) 制度資産
前連結会計年度末における制度資産の構成項目は以下のとおりであります。
当連結会計年度末における制度資産の構成項目は以下のとおりであります。
(c) 重要な数理計算上の仮定
(d) 確定給付制度債務の感応度分析
(e) 確定給付制度の満期構成に関する情報
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均支払期間は、それぞれ9.7年及び9.4年であります。
(f) 翌年度における制度資産への拠出額
翌連結会計年度における当社グループの制度資産に対する予想拠出額は264百万円であります。
③ 確定拠出制度
前連結会計年度及び当連結会計年度において認識した確定拠出制度に関する費用の合計額は、それぞれ2,408百万円及び3,066百万円であります。
④ 複数事業主制度
前連結会計年度及び当連結会計年度において認識した確定拠出制度として処理している複数事業主制度に関する費用の合計額は、17百万円及び282百万円であります。
(2) 従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度において費用として認識した従業員給付費用の合計額は、それぞれ154,963百万円及び175,064百万円であり、これらは連結純損益計算書の「原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しております。
32 繰延税金及び法人所得税費用
(1) 繰延税金
① 繰延税金資産及び繰延税金負債の構成要素
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の構成要素は次のとおりであります。
② 繰延税金資産及び繰延税金負債の増減内容
繰延税金資産及び繰延税金負債の増減内容は次のとおりであります。
③ 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金
連結財政状態計算書において繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金(繰越期限別内訳)は次のとおりであります。
④ 繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る一時差異
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、それぞれ155,970百万円及び162,149百万円であります。これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
(2) 法人所得税費用
① 法人所得税費用の内訳
法人所得税費用の内訳は次のとおりであります。
従前は未認識であった税務上の欠損金又は過去の期間の一時差異から生じた便益のうち、当期税金費用の減額のために使用した額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ12,335百万円及び7,572百万円であり、これらは当期税金費用に含めております。
なお、当連結会計年度より、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定された税法により発生する法人所得税を連結純損益計算書における「法人所得税費用」にて認識しております。当連結会計年度において認識した金額に重要性はありません。
② 法定実効税率の調整
法定実効税率と法人所得税費用の負担率との調整表は次のとおりであります。
当連結会計年度における法定実効税率は、日本における法人税、住民税及び事業税に基づき、30.6%と算定しております。
33 金融商品
(1) 金融商品の分類
金融商品の分類ごとの内訳は次のとおりであります。
(2) 金融商品に関するリスク管理の基本方針
当社グループは総合商社として、物品の売買及び貿易業をはじめ、国内及び海外における各種製品の製造・販売やサービスの提供、各種プロジェクトの企画・調整、各種事業分野への投資、並びに金融活動などグローバルに多角的な事業を行っております。これらの事業は性質上、様々なリスクにさらされており、当社グループでは、リスクをリスク項目ごとに分類・定義した上で、リスクの性質に応じた管理を行っております。
(3) 信用リスク管理
当社グループは、多様な商取引により国内外の多数の取引先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。当社グループは、当社のリスク管理規程に従い、営業債権及び貸付金について、信用供与を行っている取引先ごとに信用格付けを付与することで取引先ごとの取引限度を設定し、信用供与額を取引限度に収めることにより信用リスクをコントロールしております。また、取引先の信用状態に応じて必要な担保・保証などの保全措置を講じると共に、債権査定制度により、当社グループが営業債権を有する取引先の中から一定の基準により査定先を抽出した上で、その信用状態と当社グループの債権、保全などの状況を点検することで、信用リスクの状況把握と個別貸倒引当金算定の厳格化に努めております。なお、当社グループは、特定の相手先に対する過度に集中した信用リスクを負っておりません。
デリバティブ取引の利用にあたっては、信用リスクを最小限にするため、取引の相手先を国際的に認知された格付機関による信用度の高い金融機関などに限定し、デリバティブ契約相手の契約不履行による信用リスクの極小化に努めております。
① 信用リスクに対する最大エクスポージャー
保証債務を除き、保有する担保及びその他の信用補完を考慮に入れない場合の当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは連結財政状態計算書における金融資産の減損後の帳簿価額となっております。保証債務に係る信用リスクの最大エクスポージャーは、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ43,963百万円及び48,726百万円であります。
② 金融資産の総額での帳簿価額及び貸倒引当金の増減
単純化したアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」の総額での帳簿価額は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)単純化したアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」には、主に受取手形及び売掛金が含まれております。
当連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)単純化したアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」には、主に受取手形及び売掛金が含まれております。
信用減損金融資産ではない金融資産の総額での帳簿価額には、主に内部の信用格付における評価が正常先に相当する債権等が含まれております。また、信用減損金融資産の総額での帳簿価額には内部の信用格付における評価が貸倒懸念先及び破産更生先の債権等が含まれております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を及ぼす総額での帳簿価額の著しい変動はありません。
単純化したアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」に係る貸倒引当金の増減は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」には、主に為替変動による影響が含まれております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」には、主に為替変動による影響が含まれております。
一般的なアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」等の総額での帳簿価額は、次のとおりであります。
前連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)一般的なアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」には、主に貸付金が含まれております。
当連結会計年度末(2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)一般的なアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」には、主に貸付金が含まれております。
貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失で測定している金融資産の総額での帳簿価額には、内部の信用格付における評価が正常先に相当する債権等が含まれております。
貸倒引当金を全期間の予想信用損失で測定している金融資産のうち、著しい信用リスクの増大があった金融資産の総額での帳簿価額には、内部の信用格付における評価が要注意先に相当する債権等が含まれており、信用減損金融資産の総額での帳簿価額には、内部の信用格付における評価が貸倒懸念先及び破産更生先の債権等が含まれております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、貸倒引当金の変動に影響を及ぼす総額での帳簿価額の著しい変動はありません。
一般的なアプローチを適用している「営業債権及びその他の債権」等に係る貸倒引当金の増減は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」には、主に為替変動による影響が含まれております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」には、主に為替変動による影響が含まれております。
(4) 流動性リスク管理
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行などにより調達しております。このため、金融市場の混乱や、格付会社による当社グループの信用格付けの大幅な引下げなどの事態が生じた場合には、資金調達が制約され、支払期日にその支払を実行できなくなる可能性があります。これに対し、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、円貨1,000億円(未使用)及び25.75億米ドル(11.54億米ドル使用)の長期コミットメントライン契約を有し、当該コミットメントライン契約の参加取引行をはじめとした各金融機関と良好な関係を維持しております。
① 非デリバティブ金融負債
非デリバティブ金融負債の期日別内訳は次のとおりであります。なお、リース負債は「注記35 リース」に記載しております。
前連結会計年度末(2024年3月31日)
当連結会計年度末(2025年3月31日)
上記のほか保証債務が、前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ43,963百万円及び48,726百万円あります。
② デリバティブ
デリバティブの期日別内訳は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2024年3月31日)
当連結会計年度末(2025年3月31日)
(5) 市場リスク管理
当社グループは、貿易業や事業投資を通じた外貨建の取引などに伴う為替変動リスク、資金の調達や運用などに伴う金利変動リスク、営業活動における売買契約・在庫商品などに伴う商品価格変動リスク、並びに上場有価証券の保有などに伴う株価変動リスクなどの市場リスクにさらされております。当社グループは、これらの市場リスクを商品の売買残高などの資産・負債のマッチングや、先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化に努めております。
① 為替変動リスク
1) 為替変動リスクの内容及び管理方針
当社グループは、外貨建の輸出入取引・外国間取引を主要な事業活動として行っており、その収益・費用などは主に外国通貨による受払いとして発生する一方、当社グループの連結決算上の報告通貨が日本円であることから、外国通貨の対日本円での為替変動リスクにさらされております。この為替変動リスクに伴う損失の発生又は拡大を未然に防ぐために、先物為替予約などのヘッジ策を講じております。
2) 為替変動リスクの感応度分析
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、当社グループが保有する金融商品の米ドルに対する為替レートがそれぞれ1%円高になった場合における、税引前利益及びその他の包括利益(税効果調整前)に与える影響額は次のとおりであります。なお、当該分析は他のすべての変数が一定であると仮定しております。
当該分析には機能通貨建ての金融商品、外貨建て収益及び費用の換算並びに在外営業活動体の資産及び負債の換算による影響額は含まれておりません。
② 金利変動リスク
1) 金利変動リスクの内容及び管理方針
当社グループは、営業債権などによる信用供与・有価証券投資・固定資産取得などのため金融機関からの借入又は社債発行などを通じて資金調達を行っております。資産・負債を金利感応度の有無により分類し、金利感応度のある資産と負債との差額を金利ミスマッチ金額と捉え、固定・変動調達比率を調整することで金利変動リスクを管理しております。
2) 金利変動リスクの感応度分析
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、当社グループが保有する金融商品の金利が1%上昇した場合における、税引前利益に与える影響額は次のとおりであります。なお、当該分析は他のすべての変数が一定であると仮定しております。
当該分析では、期末における金利の変動による影響を受ける金融商品の正味残高に1%を乗じて影響額を算定しております。なお、変動金利付金融商品(金利スワップ取引による調達金利の固定化及び変動化を加味しております。)の他、現金及び現金同等物、受取手形及び売掛金、支払手形及び買掛金等についても金利の変動による影響を受ける金融商品として取り扱っております。
③ 商品価格変動リスク
1) 商品価格変動リスクの内容及び管理方針
当社グループは、様々な事業分野において多岐に亘る商品を取扱っており、相場変動などによる商品価格変動リスクにさらされております。取扱い商品については、社内組織単位ごとにポジション(ロング・ショート)限度額とMax Loss Amount(MLA)を設定の上、ポジション・損失管理を行うと共に、損切りルール(評価額を含む損失額がMLAの90%に抵触した場合、MLAの範囲内に収めるべく速やかにポジションを解消するルール)を設定し運用しております。各商品ポジションに関しては、モニタリングの上、本部別に増減内容の分析を行うなど、適正水準にコントロールするための施策を行っております。
2) 商品価格変動リスクの感応度分析
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、当社グループが保有する金属関連デリバティブの商品価格が1%下落した場合における、税引前利益に与える影響額は次のとおりであります。その他の商品価格変動リスクが税引前利益に与える影響額に重要性はありません。なお、当該分析は他のすべての変数が一定であると仮定しております。
④ 株価変動リスク
1) 株価変動リスクの内容及び管理方針
当社グループは、市場性のある有価証券を保有しており、市場価格の変動リスクにさらされております。保有する上場株式については、受取配当金や関連する収益が資本コスト(WACC)を上回っているかを定量的に検証するとともに、当社企業価値の向上に寄与しているかといった定性面についても精査し、個別銘柄ごとの保有意義見直しを継続していく方針です。
2) 株価変動リスクの感応度分析
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、当社グループが保有する上場株式の株価が1%下落した場合における、その他の包括利益(税効果調整前)に与える影響額は次のとおりであります。なお、当該分析は他のすべての変数が一定であると仮定しております。
(6) 金融商品の公正価値
金融商品の公正価値は、次のとおりであります。
公正価値は、用いられる評価技法により3つのレベルに区分され、その内容は「注記2 作成の基礎 (4)見積り及び判断の利用」に記載しております。
① 償却原価で測定する金融資産及び金融負債
上記の公正価値の算定方法は次のとおりであります。
(a)受取手形及び売掛金
一定の期間ごとに区分した債権ごとに、その将来キャッシュ・フローを、期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。
(b)支払手形及び買掛金
一定の期間ごとに区分した債務ごとに、その将来キャッシュ・フローを、期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。
(c)社債及び長期借入金
社債については、主に市場価格に基づき算定しております。
長期借入金については、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
これらの償却原価で測定する金融資産及び金融負債については、公正価値ヒエラルキーレベル2に区分されます。
なお、非支配持分に付与されたプット・オプションは上表に含まれておりません。当該負債を「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に含めており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ合計3,245百万円及び5,584百万円計上しております。当該公正価値はいずれも帳簿価額と近似しております。
② 公正価値で測定する金融資産及び金融負債
1) 公正価値ヒエラルキーのレベル別分析
次の表は連結財政状態計算書において公正価値で測定している金融資産及び金融負債について、測定を行う際に用いたインプットの重要性を反映した公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分析したものとなっております。なお、非経常的に公正価値で測定している金融資産及び金融負債は含めておりません。
前連結会計年度末(2024年3月31日)
当連結会計年度末(2025年3月31日)
上記の公正価値の算定方法は次のとおりであります。
(a)その他の投資
上場株式については、取引所の価格によっており、公正価値ヒエラルキーレベル1に区分されます。
非上場株式については、割引将来キャッシュ・フローに基づく評価技法、類似会社の市場価格に基づく評価技法、純資産価値に基づく評価技法、その他の評価技法を用いて算定しており、公正価値ヒエラルキーレベル3に区分されます。非上場株式の公正価値測定に当たっては、割引率、評価倍率等の観察可能でないインプットを利用しており、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント、非支配持分ディスカウントを加味しております。非上場株式の公正価値の評価方針及び手続の決定はコーポレートにおいて行っており、評価モデルを含む公正価値測定については、個々の株式の事業内容、事業計画の入手可否及び類似上場企業等を定期的に確認し、その妥当性を検証しております。
(b)デリバティブ金融資産及びデリバティブ金融負債
主な種類別の公正価値の算定方法は以下の通りです。
通貨関連デリバティブ
為替予約取引、直物為替先渡取引、通貨オプション取引及び通貨スワップ取引については、期末日の先物為替相場に基づき算出しております。
金利関連デリバティブ
金利スワップについては、将来キャッシュ・フローを満期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。
商品関連デリバティブ
商品先物取引については、主に期末日現在の取引所の最終価格により算定しております。商品先渡取引、商品オプション取引及び商品スワップ取引については、一般に公表されている期末指標価格に基づいて算定しております。また、電力関連デリバティブについては発電量や価格見通しを踏まえた将来キャッシュ・フローの割引現在価値により算定しております。
なお、デリバティブ金融資産及びデリバティブ金融負債については、公正価値ヒエラルキーレベル1に区分される商品先物取引及び公正価値ヒエラルキーレベル3に区分される電力関連デリバティブを除き、公正価値ヒエラルキーレベル2に区分されます。
2) 公正価値ヒエラルキーレベル3に区分される経常的な公正価値測定
経常的に公正価値で測定している主な金融資産及び金融負債のうち公正価値ヒエラルキーレベル3に区分されるものの増減は次のとおりであります。
(単位:百万円)
純損益に認識した利得又は損失は連結純損益計算書において「その他の金融収益」に含めております。純損益に認識した利得又は損失合計のうち、連結会計年度末において保有する金融商品に係るものは、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ346百万円及び△111百万円であります。
その他の包括利益に認識した利得又は損失は連結純損益及びその他の包括利益計算書において「FVTOCIの金融資産」に含めております。
また、上記のほか、当連結会計年度においてデリバティブ金融負債が76百万円増加しておりますが、これは主に企業結合による取得によるものであります。
(7) FVTOCIの金融資産
当社グループでは、取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融商品に対する投資について、その保有目的に鑑み、FVTOCIの金融資産に指定しております。
① 主な銘柄ごとの公正価値
FVTOCIの金融資産に指定した資本性金融商品に対する投資の内、活発な市場がある主な銘柄ごとの公正価値は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2024年3月31日)
当連結会計年度末(2025年3月31日)
(注)DM三井製糖ホールディングス㈱は、2025年4月1日付で、DM三井製糖㈱へ商号を変更しております。
② 受取配当金
③ 期中に認識を中止したFVTOCIの金融資産
当社グループでは、定期的なポートフォリオの見直しやリスクアセットの管理等を目的として、FVTOCIの金融資産の売却を行っており、その売却日における公正価値及び売却に係る累積利得(税引前)は次のとおりであります。
④ 利益剰余金への振替額
当社グループでは、FVTOCIの金融資産の公正価値の変動による累積利得又は損失は、投資を処分した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合に利益剰余金に振り替えることとしております。利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得(税引後)は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ9,361百万円及び1,273百万円であります。
(8) ヘッジ会計
当社グループは、市場リスクを先物為替予約取引、商品先物・先渡取引、金利スワップ取引などのヘッジ取引によって極小化に努めております。リスク・エクスポージャーのリスク区分毎のリスク管理方針は、(5)市場リスク管理に記載のとおりです。
当社グループでは、ヘッジの開始時においてヘッジ関係並びにヘッジの実施についてのリスク管理目的及び戦略の公式な指定及び文書化を行っております。当該文書にはヘッジ手段の特定、ヘッジの対象となる項目又は取引、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺するに際してのヘッジ手段の有効性の評価方法が含まれております。これらのヘッジについて、ヘッジの開始時及びヘッジ指定されていた会計期間を通じて実際に極めて有効であったか否かを判断するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価、及びヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺しあう関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しています。
当社グループは、ヘッジの開始時においてヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、原則として1対1の関係となるように設定しております。ヘッジ関係について有効性が認められなくなったものの、リスク管理目的に変更が無い場合は、ヘッジ関係が再び有効となるようヘッジ比率を再調整しています。なお、信用リスクによる影響を含め、ヘッジ非有効部分がヘッジ関係に与える影響に重要性はありません。
当社グループが、リスク区分毎のリスク管理戦略に基づき決定した特定のリスク要素をヘッジ対象として指定する場合は、当該リスク要素はヘッジ対象全体から独立に識別可能な構成要素であり、当該リスク要素の変動に起因するキャッシュ・フロー又は公正価値の変動が信頼性をもって測定可能なものを指定しております。
① ヘッジ会計の種類
(a) 公正価値ヘッジ
当社グループでは、主として確定約定並びに在庫商品に係る公正価値の変動リスクをヘッジする目的で商品先物・先渡取引をヘッジ指定しております。また、固定利付借入金の公正価値変動リスクをヘッジする目的で金利スワップ取引をヘッジ手段とした公正価値ヘッジを行っております。
公正価値ヘッジにおいてヘッジ手段であるデリバティブの公正価値変動は純損益として認識しております。また、ヘッジされたリスクに対応するヘッジ対象の公正価値の変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正して、純損益として認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効金額を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動と概ね見合っており、純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループでは、主として変動利付借入金の金利に係るキャッシュ・フロー変動リスクをヘッジする目的で金利スワップ取引をヘッジ指定し、また、外貨建確定約定及び予定取引に係るキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする目的で為替予約取引をヘッジ指定しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジにおいてはヘッジ手段に係る利得または損失のうち有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益に認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効金額を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動と概ね見合っており、純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。また、予定取引の発生が見込まれなくなったために、その他の資本の構成要素から純損益に振り替えた金額に重要性はありません。
(c) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
当社グループでは、在外営業活動体に対する純投資に係る為替相場の変動リスクをヘッジする目的で為替予約取引及び外貨建借入金をヘッジ指定しております。
在外営業活動体に対する純投資のヘッジにおいてはヘッジ手段に係る利得または損失のうち有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益に認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効金額を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動と概ね見合っており、純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
② ヘッジ会計の種類ごとのヘッジ手段の帳簿価額
ヘッジ会計の種類ごとのヘッジ手段の帳簿価額は次のとおりであります。
上記のデリバティブ契約は、連結財政状態計算書において「デリバティブ金融資産」及び「デリバティブ金融負債」に計上しています。なお、上記の他に、キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資ヘッジにヘッジ指定している外貨建借入金が前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてそれぞれ34,733百万円及び40,415百万円であり、連結財政状態計算書において「社債及び借入金」に計上しています。
主なヘッジ手段の名目金額及び平均価格は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2024年3月31日)
米ドルの為替予約のうち主なものは連結会計年度末より1年以内の期間に満期を迎えるものであり、1年超の期間に満期を迎える米ドルの為替予約に関する純額の名目金額が将来キャッシュ・フローに与える影響に重要性はありません。また、金利スワップ契約が満期を迎える名目金額は、連結会計年度末より1年以内、1年超から5年以内及び5年超の期間において、それぞれ4,330百万円、14,232百万円及び19,938百万円であります。
当連結会計年度末(2025年3月31日)
米ドルの為替予約のうち主なものは連結会計年度末より1年以内の期間に満期を迎えるものであり、1年超の期間に満期を迎える米ドルの為替予約に関する純額の名目金額が将来キャッシュ・フローに与える影響に重要性はありません。また、金利スワップ契約が満期を迎える名目金額は、連結会計年度末より1年以内、1年超から5年以内及び5年超の期間において、それぞれ6,982百万円、101,144百万円及び40,998百万円であります。
公正価値ヘッジに分類されるヘッジ対象の帳簿価額及び公正価値ヘッジ調整額の累計額は次のとおりであります。
前連結会計年度末(2024年3月31日)
(注1)「その他の投資」
(注2)「社債及び借入金(非流動)」
(注3)「棚卸資産」、「その他の流動資産」及び「その他の流動負債」
当連結会計年度末(2025年3月31日)
(注1)「その他の投資」
(注2)「社債及び借入金(非流動)」
(注3)「棚卸資産」、「その他の流動資産」及び「その他の流動負債」
キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジに係るその他の資本の構成要素の計上額は以下のとおりであります。
前連結会計年度末(2024年3月31日)
当連結会計年度末(2025年3月31日)
キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジに係るその他の資本の構成要素に計上された金額の増減の内訳は以下のとおりであります。なお、ヘッジ手段のオプションの時間的価値及びヘッジ手段に含まれる先渡要素、外貨ベーシス・スプレッドを除いてヘッジ指定している場合における、これらのヘッジ手段から除いた金額に重要性はありません。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
③ 連結純損益計算書及びその他の包括利益計算書におけるヘッジの影響
キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジについて、連結純損益及びその他の包括利益計算書上、その他の包括利益に計上された金額(税効果考慮前)は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注1)「収益」、「原価」、「その他の収益」
(注2)「支払利息」
(注3)「収益」
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注1)「収益」、「原価」、「その他の収益」
(注2)「支払利息」
(注3)「収益」
(9) デリバティブ
デリバティブの種類別の内訳は次のとおりであります。
① 通貨関連
② 金利関連
③ 商品関連
(10) 金融資産の譲渡
当社グループでは営業債権の一部について、手形の割引等の方法により流動化を行っております。当該流動化債権の一部は、債務者の債務不履行が生じた場合に当社グループに支払い義務が遡及することから、金融資産の認識の中止の要件を満たさないと判断し認識の中止を行っておりません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、このような譲渡資産を「営業債権及びその他の債権」にそれぞれ18,594百万円及び21,730百万円計上するとともに、当該資産の譲渡時に生じた入金額を関連する負債として「社債及び借入金」に計上しております。流動化された譲渡資産は、通常短期間に当初の決済期日が到来するため、これらの譲渡資産及び関連する負債の計上額の差異に重要性はありません。なお、当該負債は譲渡資産に対して支払が行われた場合に決済されることとなりますが、その間、当社グループが当該譲渡資産を利用することはできません。
(11) 金融資産及び金融負債の相殺
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、同一の取引相手先に対して認識したデリバティブ金融資産及びデリバティブ金融負債のうち、強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品の内訳は次のとおりであります。
金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品に関する相殺の権利は、倒産その他の事由により取引先が債務を履行できなくなるなどの特定の状況が発生した場合にのみ強制力が生じるものであります。
34 株式に基づく報酬
当社は、取締役及び執行役員(社外取締役及び国内非居住者を除き、以下「取締役等」という。)を対象に、当社の中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、会社業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性の高い役員報酬制度である業績連動型株式報酬等の報酬制度を導入しております。
本制度においては、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)を用いております。
BIP信託は役位や業績指標の達成度等に応じて当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭(以下「当社株式等」という。)並びに当社株式等に生じる配当金を取締役等に交付及び給付する仕組みです。
なお、BIP信託が保有する株式は、自己株式として会計処理しています。また、本制度は持分決済型株式報酬として会計処理しています。
当連結会計年度においては、当連結会計年度を対象として付与されることが見込まれる株式交付ポイントに基づき、株式報酬費用を認識しています。なお、当連結会計年度末において信託として保有する株式は1,320,504株です。
本制度に関して計上された費用は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ735百万円及び405百万円であります。
35 リース
(1) 借手としてのリース
当社グループは、借手としてオフィスビル等の不動産、機械装置等のリースを行っております。
① 使用権資産の帳簿価額の内訳
使用権資産の帳簿価額の原資産別内訳は次のとおりであります。
② 借手としてのリースに係る費用、収益、キャッシュ・フロー
借手としてのリースに係る費用、収益、キャッシュ・フローは次のとおりであります。
なお、セール・アンド・リースバック取引から生じた利得又は損失に重要性はありません。
③ リース負債
リース負債の満期分析は次のとおりであります。
(2) 貸手としてのリース
当社グループでは、貨車、不動産及び船舶等を賃貸しております。
① リースに係る収益
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるオペレーティング・リースに係る収益はそれぞれ12,753百万円及び15,044百万円であります。これらに含まれる指数又はレートに応じて決まるものではない変動リース料に係る収益に重要性はありません。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度におけるファイナンス・リースに係る収益の純額に重要性はありません。
② リース料の満期分析
(a) ファイナンス・リース
ファイナンス・リースに係るリース料債権の満期分析は次のとおりであります。
(b) オペレーティング・リース
オペレーティング・リースに係る受取リース料の満期分析は次のとおりであります。
36 担保
(1) 債務の担保に供している資産
債務の担保に供している資産及び対応する債務の内訳は次のとおりであります。
債務の担保に供している資産は上記のほか、連結上消去されている子会社株式があります。
また、当社グループでは輸入金融を利用する際に、銀行に対しトラスト・レシートを差し入れ、輸入商品又は当該商品の売却代金に対する担保権を付与しております。しかし、輸入取引量が膨大であり、当該担保提供資産の金額を把握することが実務上困難であることから、上記金額には含めておりません。
(2) 取引保証金等の代用として供している資産
取引保証金等の代用として供している資産の内訳は次のとおりであります。
取引保証金等の代用として供している資産は上記のほか、連結上消去されている子会社株式があります。
37 偶発債務
当社グループは、子会社以外の会社の銀行借入等の債務に対して、次のとおり保証を行っております。
被保証先による不履行が生じた際に、当社グループは、保証の履行に応ずる義務があります。
(注)主として持分法適用会社による金融機関からの借入金に対する保証であります。
38 重要な子会社
当社の重要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況 (1) 連結子会社」に記載のとおりであります。
39 企業結合
前連結会計年度及び当連結会計年度における重要な企業結合は以下の通りであります。
(1) DaiTanViet Joint Stock Companyの取得
① 企業結合の概要
当社グループは、前連結会計年度において、DaiTanViet Joint Stock Companyの全株式を取得し、同社に対する支配を獲得しました。
本取引の概要は以下のとおりであります。
② 取得資産、引受負債及び認識したのれん
なお、認識したのれんは、当社グループ会社との相乗効果を含む今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力から発生したものであります。
③ 移転された対価の主要な種類ごとの取得日公正価値
上記の対価に関する支払いは連結キャッシュ・フロー計算書上、「子会社の取得による収支」に含まれております。
④ 取得関連費用
取得関連費用として、販売費及び一般管理費に286百万円を計上しており、うち52百万円は前連結会計年度において発生したものです。
⑤ 取得日以降の損益情報及びプロフォーマ損益情報
本企業結合に係る取得日以降の損益及びプロフォーマ損益情報(非監査情報)の連結財務諸表全体に対する影響に重要性はありません。
(2) SILABA MOTORS, S.A.関連事業の取得
① 企業結合の概要
当社グループは、前連結会計年度において、SILABA MOTORS, S.A.関連事業(SILABA MOTORS, S.A.及び同社が店舗利用する不動産の保有会社であるPREMIUM PROPERTIES INTERNATIONAL, S.A.)の議決権100%を取得し、同事業に対する支配を獲得しました。
本取引の概要は以下のとおりであります。
② 取得資産、引受負債及び認識したのれん
なお、認識したのれんは、当社グループ会社との相乗効果を含む今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力から発生したものであります。
③ 移転された対価の主要な種類ごとの取得日公正価値
上記の対価に関する支払いは連結キャッシュ・フロー計算書上、「子会社の取得による収支」に含まれております。
④ 取得関連費用
取得関連費用として、販売費及び一般管理費に245百万円を計上しており、うち98百万円は前連結会計年度において発生したものです。
⑤ 取得日以降の損益情報及びプロフォーマ損益情報
本企業結合に係る取得日以降の損益及びプロフォーマ損益情報(非監査情報)の連結財務諸表全体に対する影響に重要性はありません。
(3) Freestate Electric, LLCの取得
① 企業結合の概要
当社グループは、当連結会計年度において、Freestate Electric, LLCの持分の90%を取得し、同社に対する支配を獲得しました。
本取引の概要は以下のとおりであります。
② 取得資産、引受負債及び認識したのれん
なお、取得日における非支配持分は取得資産及び引受負債の正味の比例持分にて測定しております。
認識したのれんは、当社グループ会社との相乗効果を含む今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力から発生したものであります。
③ 移転された対価の主要な種類ごとの取得日公正価値
上記の対価に関する支払いは連結キャッシュ・フロー計算書上、「子会社の取得による収支」に含まれております。
④ 取得関連費用
当連結会計年度において、取得関連費用として販売費及び一般管理費に272百万円を計上しております。
⑤ 取得日以降の損益情報及びプロフォーマ損益情報
本企業結合に係る取得日以降の損益及びプロフォーマ損益情報(非監査情報)の連結財務諸表全体に対する影響に重要性はありません。
40 関連当事者
(1) 関連当事者との取引
関連当事者との取引は市場価格を勘案し、一般的取引条件と同様の価格に基づいており、重要な取引はありません。
(2) 経営幹部に対する報酬
当社の取締役に対する報酬額は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ720百万円及び676百万円であります。詳細につきましては「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等 ① 役員区分毎の報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数」に記載しております。
41 重要な後発事象
当社は、2025年5月1日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、以下の通り自己株式取得に係る事項について決議しております。
(1) 取得する株式の種類 : 当社普通株式
(2) 取得する株式の総数 : 2,800,000株を上限とする
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合約1.3%)
(3) 株式の取得価額の総額 : 10,000百万円を上限とする
(4) 取得する期間 : 2025年5月2日~2025年7月31日
(5) 取得する方法 : 東京証券取引所における市場買付
42 連結財務諸表の承認
連結財務諸表の発行は、代表取締役 社長CEO 植村 幸祐 及び代表取締役 専務執行役員CFO 渋谷 誠によって2025年6月16日に承認されております。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
(注) 第1四半期連結累計期間及び第3四半期連結累計期間に係る財務情報に対するレビュー:無
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 売買目的有価証券
時価法(売却原価は移動平均法により算定)によっております。
(2) 満期保有目的の債券
償却原価法(定額法)によっております。
(3) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法によっております。
(4) その他有価証券
① 市場価格のない株式等以外のもの
決算期末日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)によっております。
② 市場価格のない株式等
移動平均法による原価法によっております。
なお、投資事業有限責任組合及びそれに類する組合への出資(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)については、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっております。
2 デリバティブ等の評価基準及び評価方法
(1) デリバティブ
時価法によっております。
(2) 運用目的の金銭の信託
時価法によっております。
3 棚卸資産の評価基準及び評価方法
(1) 通常の販売目的で保有する棚卸資産
個別法又は移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)によっております。
(2) トレーディング目的で保有する棚卸資産
時価法によっております。
4 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定率法によっております。
ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法によっております。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっております。
5 繰延資産の処理方法
社債発行費は、社債の償還までの期間にわたり定額法により償却しております。
6 外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、決算期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。
7 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 投資損失引当金
関係会社等に対する投資損失に備えるため、投資先の財政状態や事業価値等を勘案して会社所定の基準により個別に設定した損失見込額を計上しております。
(3) 賞与引当金
従業員に対する賞与の支払に備えて、支給見込額を計上しております。
(4) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しております。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
② 数理計算上の差異の費用処理方法
数理計算上の差異は、発生の翌事業年度に費用処理しております。
(5) 株式給付引当金
株式交付規程に基づく取締役及び執行役員への当社株式の交付等に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しております。
(6) 債務保証等損失引当金
関係会社等に対する債務保証等の偶発債務による損失に備えるため、被保証先の財政状態等を勘案の上、必要と認められる額を計上しております。
8 収益の計上基準
当社は、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しております。
当社は、顧客との契約に含まれる別個の財又はサービスを識別し、これを取引単位として履行義務を識別しております。当社では、通常の商取引において、仲介業者又は代理人としての機能を果たす場合があるため、履行義務の識別にあたっては本人か代理人かの検討を行っており、自らの約束の性質が、特定された財又はサービスを自ら提供する履行義務である場合には本人と判定しております。一方、それらの財又はサービスが他の当事者によって提供されるように手配する履行義務である場合には代理人として判定しております。
当社が本人に該当する取引である場合には、特定された財又はサービスと交換に権利を得ると見込んでいる対価の総額で収益を認識しております。また、当社が代理人に該当する取引である場合には、特定された財又はサービスが当該他の当事者によって提供されるように手配することと交換に権利を得ると見込んでいる報酬又は手数料の金額もしくは対価の純額で収益を認識しております。なお、代理人に該当する取引に関連して一時的に当社へ法的所有権が移転する棚卸資産は、流動資産における「その他」に含めて表示しております。
収益には、主に国内外における商品の販売が含まれております。当社では、引渡、検収、契約上の受渡条件を満たした時点において、顧客が財に対する支配を獲得し、当社の履行義務が充足されると判断しているため、当該時点で収益を認識しております。
なお、収益の対価は、履行義務の充足時点から主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
9 ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジ処理によっております。
なお、振当処理の要件を満たしている為替予約、通貨スワップ及び通貨オプションについては振当処理に、特例処理の要件を満たしている金利スワップについては特例処理によっております。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
外貨建取引の為替変動リスクに対して為替予約取引、通貨スワップ取引、通貨オプション取引を、借入金、貸付金、利付債券等の金利変動リスクに対して金利スワップ取引、金利キャップ取引、金利オプション取引を、貴金属、穀物、石油等の商品価格変動リスクに対しては商品先物取引、商品先渡取引等をヘッジ手段として用いております。
(3) ヘッジ方針
当社の事業活動に伴って発生する通貨、金利、有価証券、商品の相場変動リスクを回避するため、社内管理規程に基づき、主としてデリバティブ取引によりリスクをヘッジしております。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ対象のキャッシュ・フロー変動の累計又は相場変動とヘッジ手段のキャッシュ・フロー変動の累計又は相場変動を四半期毎に比較し、両者の変動額等を基礎にして、ヘッジ有効性を評価しております。ただし、特例処理によっている金利スワップについては、有効性の評価を省略しております。
(表示方法の変更)
前事業年度において、損益計算書にて独立掲記しておりました「関係会社株式等売却益」及び「関係会社等整理・引当損」は、当事業年度より明瞭性の観点からそれぞれ「関係会社整理益」及び「関係会社整理・引当損」に表示科目を変更の上、「関係会社株式」及び「関係会社出資金等」等の売却、清算、及び評価等の結果生じた特別利益及び特別損失をそれぞれに含めて表示をしております。
これらの結果、前事業年度の損益計算書において「関係会社株式等売却益」に表示していた7,629百万円及び「関係会社等整理・引当損」に表示していた28,207百万円は、当事業年度の損益計算書よりそれぞれ「関係会社整理益」及び「関係会社整理・引当損」へ同額を組み替えております。
(重要な会計上の見積り)
1 関係会社株式
(1) 前事業年度末及び当事業年度末の貸借対照表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
前事業年度末及び当事業年度末の貸借対照表において計上されている関係会社株式は取得原価をもって貸借対照表価額としておりますが、市場価格のない株式等について、当該株式発行会社の財政状態の悪化により、実質価額が著しく低下し、かつ回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には相当の減額を行い、評価損を認識しております。また、超過収益力を反映して1株当たりの純資産額に比べて高い価額で取得した市場価格のない株式等においては、株式発行会社の財政状態の悪化がない場合でも、超過収益力が毀損したことにより、それを反映した実質価額が著しく低下した場合には、評価損を認識しております。
実質価額の算定においては、株式発行会社の1株当たりの純資産額を基礎として実質価額を算定しておりますが、超過収益力を反映して1株当たりの純資産額に比べて高い価額で取得した市場価格のない株式等においては、外部専門家を適宜利用の上、当該株式発行会社の事業計画を踏まえた割引キャッシュ・フロー法等により実質価額を算定しております。その結果、実質価額が貸借対照表価額に比べて50%程度以上低下した場合においては実質価額の著しい低下が生じているものと判断し、実行可能で合理的な事業計画等により、おおむね5年以内に回復すると見込まれる場合を除き、回復可能性はないものとして評価損を認識しております。また、回復可能性は毎期見直し、その後の実績が事業計画等を下回った場合など、事業計画等に基づく業績回復が予定通りに進まないことが判明したときは、その期末において評価損計上の要否を検討しております。
なお、これらの会計上の見積りは、財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。
(3) Albert Automotive Holdings Pty Ltdに対する投資の評価
当事業年度の貸借対照表に計上されている関係会社株式には、自動車セグメントに含まれる、豪州における中古車卸売・小売事業を営む非上場の子会社であるAlbert Automotive Holdings Pty Ltdに対する投資17,107百万円が含まれております。
当該投資の評価において、同社が営む中古車卸売・小売事業の超過収益力を反映した実質価額を算定しております。実質価額は、経営者が作成した事業計画を基礎として見積もられ、小売事業の店舗拡大、売上総利益率の改善及び卸売事業の売上成長率といった主要な仮定を使用しております。また、実質価額の算定に用いる割引率の見積りにおいては、計算手法及びインプットデータの選択に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要としております。
その結果、実質価額が著しく低下していないことから、当事業年度において評価損は計上しておりません。
2 長期貸付金
(1) 前事業年度末及び当事業年度末の貸借対照表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
上記のうち、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。
(3) 台湾洋上風力発電事業に関連する子会社に対する長期貸付金の評価
当社は、子会社であるStarwind Offshore GmbH(以下「Starwind」という。)及び中間持株会社を通じて台湾洋上風力発電事業を営む会社(以下「事業会社」という。)に融資をしており、前事業年度の貸借対照表において、Starwindに対する長期貸付金10,473百万円を計上しております。
Starwindは中間持株会社を通じて事業会社に対して融資を行うことのみを目的とする会社であるため、Starwindに対する融資の評価は、事業会社の事業計画及び同事業から生じるキャッシュ・フローにより影響を受けます。事業会社の事業計画及び同事業から生じるキャッシュ・フローには追加工事費用や完工までの期間の見通し及び割引率といった経営者による主要な仮定を使用しております。
前事業年度において、当該融資について個別に回収可能性を検討した結果、貸倒引当金を計上しておりません。
なお、当連結会計年度において、洋上風力発電所が商業運転を開始したことにより、同事業に関連する子会社に対する長期貸付金の評価に係る見積りの不確実性が低下したため、会計上の見積りについて重要性は無いものと判断しております。
(追加情報)
該当事項はありません。
(貸借対照表関係)
※1 担保に供している資産及び担保に係る債務
取引保証金等の代用として供している資産
※2 固定化営業債権
財務諸表等規則第32条第1項第10号の債権であります。
これらの債権の担保資産処分等による回収見込額は、前事業年度末3,561百万円、当事業年度末2,154百万円であります。
※3 関係会社に対する資産及び負債
区分掲記されたもの以外で関係会社に対するものは次のとおりであります。
4 保証債務
下記保証債務は、主として関係会社による金融機関からの借入金に対する保証であります。
(注) 上記に含まれる保証予約等の保証類似行為による金額は、前事業年度末2,937百万円、当事業年度末
2,521百万円であります。
5 受取手形割引高
(注) 輸出手形割引高に含まれる輸出貿易信用状取引における銀行間決済未済の銀行買取残高は、前事業年度末
2,437百万円、当事業年度末1,967百万円であります。
※6 期末日満期手形
期末日満期手形の会計処理については、手形交換日をもって決済処理しております。
なお、前事業年度の末日が金融機関の休日であったため、次の期末日満期手形が、前事業年度末残高に含まれております。
(損益計算書関係)
※1 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は次のとおりであります。
なお、販売費及び一般管理費に含まれる販売費のおおよその割合は前事業年度が56%、当事業年度が54%、一般管理費のおおよその割合は前事業年度が44%、当事業年度が46%であります。
※2 関係会社との取引
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度末(2024年3月31日) (単位:百万円)
当事業年度末(2025年3月31日) (単位:百万円)
(注) 上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(重要な後発事象)
連結財務諸表注記「41 重要な後発事象」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注)「当期減少額」の( )内は内書きで、減損損失の計上額を記しております。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。


