第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第123期の期首から適用しており、第123期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっている。
2 第121期及び第122期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載していない。
3 第121期及び第122期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため記載していない。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第123期の期首から適用しており、第123期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっている。
2 第121期、第122期及び第123期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載していない。第124期及び第125期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載していない。
3 第121期、第122期及び第123期の株価収益率と配当性向については、1株当たり当期純損失であるため記載していない。
4 株主総利回り(%) = (各事業年度末日の株価 + 過去5年分の1株当たり配当累計額) ÷ 5事業年度前の末日の株価 × 100
5 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものである。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは当社と当社の子会社、関連会社及び当社のその他の関係会社で構成され、自動車及び部品の製造と販売を主な事業内容とし、さらに上記事業における販売活動を支援するために販売金融事業を行っている。
当社グループは世界的な本社機能として「グローバル日産本社」を設置し、各事業への資源配分を決定するとともに、グループ全体の事業を管理している。また、当社グループは4つの地域のマネジメント・コミッティによる地域管理と研究・開発、購買、生産といった機能軸による地域を越えた活動を有機的に統合した組織(グローバル日産グループ)により運営されている。
当社グループの構成図は以下のとおりである。

* 連結子会社
** 持分法適用会社
・上記の他に*日産トレーデイング㈱、*日産ネットワークホールディングス㈱他の関係会社がある。
・また上記のうち、国内証券市場に上場している連結子会社は以下のとおりである。
日産車体㈱…東京
4 【関係会社の状況】
(1) 連結子会社
(2) 持分法適用関連会社
(注) 1 上記のうち、会社名欄の☆印の会社は特定子会社である。
2 上記のうち、会社名欄の♯印の会社は有価証券届出書又は、有価証券報告書の提出会社である。
3 上記のうち、会社名欄の◎印の会社については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えているため、主要な損益情報等を下記に記載している。なお、北米日産会社は同社の子会社、関連会社20社を連結した数値である。また、提出日時点で単体の財務書類を作成していない当該会社の損益情報等については、当社の連結財務諸表作成のために入手している財務情報を基に算出している。
4 上記のうち、会社名欄の※印の会社に対する提出会社の議決権の所有割合(間接所有を含む)は100分の50以下であるが、実質的に支配しているため子会社としたものである。
5 上記のうち、会社名欄の◇印の会社は重要な債務超過会社である。2024年3月末時点で債務超過の金額は、日産インターナショナル社24,014百万円、日産サウスアフリカ社14,401百万円、インドネシア日産自動車会社19,466百万円、アルゼンチン日産社が15,539百万円である。なお、提出日時点で単体の財務書類を作成していない在外連結子会社の債務超過額については、当社の連結財務諸表作成のために入手している当該会社の財務情報を基に算出している。
6 2023年11月8日にルノーが保有する提出会社株式の一部がフランスの信託会社に信託され、提出会社とルノーとの間で締結した改訂新アライアンス契約の法的効力が発効したことにより、第2 [事業の内容]の5 [経営上の重要な契約等]に記載のとおり、当社グループは行使可能な総議決権数の15%を上限として自由にルノーに対する議決権の行使が可能となった(上記表中の比率は、議決権比率ではなく自己株式を除く発行済株式総数に占める所有比率である)。また、現在ルノーの取締役のうち2名は提出会社の推薦を受けて選任された取締役である。以上より、提出会社は引き続きルノーの財務及び経営又は事業の方針の決定に関する影響力を行使できることから関連会社とし、持分法を適用している。ルノー及びルノーが受益者となる信託は、2024年3月31日時点において提出会社の発行済株式総数(自己株式を除く)のそれぞれ15.9%及び24.8%所有しており、また現在当社の取締役のうち2名はルノーの推薦を受けて選任された取締役であることから、その他の関係会社にも該当する。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員は( )内に年間の平均人員を外数で表示している。
2 上記のうち、販売金融事業の従業員数は4,811(193)人である。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員は( )内に年間の平均人員を外数で表示している。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含む。
3 上記は全て、自動車事業の従業員である。
(3) 労働組合の状況
当社従業員は日産自動車労働組合に加入し、同組合は全日産・一般業種労働組合連合会を上部団体とし、全日本自動車産業労働組合総連合会を通じ、日本労働組合総連合会に加盟している。労使関係は安定しており、2024年3月末現在の組合員総数は日産自動車九州株式会社を含め26,531名である。
なお、国内のグループ各社においては大半の企業で会社別労働組合が存在し、全日産・一般業種労働組合連合会を上部団体としている。
また、海外のグループ各社では、各国の労働法・労働環境に即して、従業員の労働組合選択の権利を尊重している。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。また、出向者は出向先の従業員として算出している。
2 男性の育児休業等取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を示したものである。また、出向者は出向先の従業員として算出している。
3 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。また、出向者は出向元会社の従業員として算出している。男女の賃金の差異は、給与・手当・賞与を含めた総支給額を対象者の人数で除し平均を算出のうえ、男性の平均賃金を100としたときの女性の平均賃金の割合を示している。管理職比率など男女間に構成の違いがあることで1名当たり賃金に差が出ているが、賃金制度・体系において性別による処遇差は一切ない。
② 主要な連結子会社(国内)
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。また、出向者は出向先の従業員として算出している。
2 男性の育児休業等取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を示したものである。また、出向者は出向先の従業員として算出している。
3 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。また、出向者は出向元会社の従業員として算出している。男女の賃金の差異は、給与・手当・賞与を含めた総支給額を対象者の人数で除し平均を算出のうえ、男性の平均賃金を100としたときの女性の平均賃金の割合を示している。管理職比率など男女間に構成の違いがあることで1名当たり賃金に差が出ているが、賃金制度・体系において性別による処遇差は一切ない。
4 連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7[提出会社の参考情報]2[その他の参考情報](2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載している。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1) 経営方針及び経営戦略等
当社グループは、「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。」というコーポレートパーパスを定めた。これは長年にわたり掲げてきた企業ビジョン「人々の生活を豊かに」を踏まえ、創業以来大切にしてきた“他がやらぬことをやる”という精神を引き継ぎながら、日産は何のために存在するか、どのように役割を果たすのか、企業としての存在意義を明確化したものである。そして、サプライヤーや販売会社の皆様との関係をさらに強化し、共にビジネスモデルを発展させていく。
グローバルなあらゆる事業活動を通じて企業として成長し、経済的に貢献すると同時に、世界をリードする自動車メーカーとして、社会が直面する課題の解決に貢献することも私たちの使命である。日産は、お客さま、株主、従業員、地域社会などすべてのステークホルダーを大切に思い、将来にわたって価値ある持続可能なモビリティの提供に努める。さらに、持続可能な社会の発展に貢献し、「ゼロ・エミッション」「ゼロ・フェイタリティ」社会を目指し、2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体におけるカーボンニュートラルを実現することを目標としている。
この目標に向け、2021年11月には、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を発表し、2030年度に向けて、当社が進むべき道を示した。
さらに、2024年3月に、自社の価値と競争力を向上させる新たな経営計画「The Arc」を発表した。当社は新型車の積極的な投入、電動化の推進、開発・生産方式の革新、新技術の採用や戦略的パートナーシップなどで構成される本計画により、販売台数の増加と収益性の向上を目指す。
本計画は、2020年度から2023年度にかけて実行した事業構造改革「Nissan NEXT」と長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」の架け橋となるもので、2024年度から2026年度までの中期の取り組みと、2030年度までの中長期の取り組みから構成されている。
中期の取り組みとしては、地域毎に最適化した戦略を通じて販売台数を拡大し、電動車両とエンジンを主動力源とするICE車のバランスの取れたポートフォリオ、主要市場での販売増、財務規律の徹底によって、事業基盤を堅固なものとする。続いて、中長期的には、電動化を加速させ、パートナーシップや新たな収益機会を活用しながら最終的な目標達成に向けて取り組む。そして、2026年度末までに年間販売台数を100万台増加させ、営業利益率は2026年度までに6%以上、2030年度には8%を目指す。
<バランスの取れた商品ポートフォリオ>
当社は今後3年間で30車種の新型車を投入するが、そのうち16車種を電動車両、14車種をICE車とし、バランスの取れたポートフォリオで多様なお客さまのニーズと市場毎に異なる電動化のペースに対応する。2024年度から2030年度の間には、計34車種の電動車両を投入してすべてのセグメントをカバーし、グローバル全体における電動車両のモデルミックスは2026年度に40%、2030年度には60%になる見込みである。
<市場毎に最適化された戦略>
主要市場において2026年度までに実行する主な取り組みは以下のとおりである。
アメリカズ
- 地域全体の販売台数を2023年度比で33万台増加させ、米国では統合型カスタマーエクスペリエンスの向上のために2億米ドルを投資
- 米国とカナダで、7車種の新型車を投入
- 米国で乗用車モデルラインアップの78%を刷新し(日産ブランド)、e-POWERとプラグインハイブリッドを搭載したモデルを投入
中国
- 日産ブランド車のラインナップの73%を刷新し、新エネルギー車8車種を投入(4車種の日産ブランド車を含む)
- 販売台数を20万台増加し、2026年度に年間販売台数100万台を目指す
- 2025年から輸出を開始し、第一段階として10万台レベルを目指す
- 継続して合弁パートナーと生産能力を最適化
日本
- 乗用車モデルラインアップの80%を刷新し、5車種の新型車を投入
- 電動車のモデルミックスを70%へ向上(乗用車)
- 販売台数を2023年度比で9万台増加させ、2026年度に年間60万台の販売を目指す
アフリカ、中東、インド、欧州、オセアニア
- 地域全体で販売台数を2023年度比で30万台増加
- 欧州:6車種の新型車を投入。EVの販売構成比を40%へ向上(乗用車)
- 中東:5車種の新型SUVを投入
- インド:3車種の新型車を投入し、10万台レベルの輸出を目指す
- オセアニア:1トンピックアップとCセグメントクロスオーバーEVを投入
- アフリカ:2車種の新型SUVを投入。AセグメントのICE車を拡大
<EVの競争力>
これらの新型車を投入していくため、当社は新たなアプローチで、手頃な価格で収益性の高いEVの商品化を実現していく。複数のEVのファミリー開発、パワートレインの一体化、次世代モジュラー生産、グループソーシング、バッテリーの革新などにより次世代EVのコストを30%削減(現行アリア比)し、2030年度までにEVでICE車と同等のコストとすることを目指す。
ファミリー開発では、メインモデルをベースに開発する後続モデルの開発費を50%、トリム部品のバリエーションを70%削減し、開発期間を4ヶ月間短縮する。また、次世代モジュラー生産方式を採用することで、車両生産ラインを短縮し、台当たりの生産時間を20%短縮していく。
また、革新的な生産技術で次世代のクルマづくりを行うとともに、カーボンニュートラルの実現に貢献するニッサン インテリジェント ファクトリーを国内外の工場に拡大し、2026年度から2030年度にかけて、日本の追浜工場と日産九州、英国のサンダーランド工場、米国のキャントン工場とスマーナ工場で導入を開始する。世界初の電気自動車生産ハブEV36Zeroについては、英国のサンダーランド工場から、米国のキャントン工場、デカード工場、スマーナ工場、日本の栃木工場、日産九州に2025年度から2028年度にかけて採用していく。
<新技術>
「The Arc」の計画下では、知能化技術もさらに進化させ、高速道路から一般道、敷地内、最終目的地までドアツードアの自動運転技術を実現する次世代プロパイロットを投入する予定である。また、当社はさまざまなお客さまのニーズに対応する多様なEVを提供するため、ニッケル、コバルト、マンガン(NCM)リチウムイオンバッテリーを進化させ、リン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーと全固体電池(ASSB)を投入し、多様なバッテリーをそのラインナップへ追加していく。NCMリチウムイオンバッテリーでは、アリア比で急速充電時間を50%削減し、エネルギー密度は50%向上させる。国内で開発、生産するLFPバッテリーはサクラ比でコストを30%削減する。これらの進化したNCMリチウムイオンバッテリー、LFPバッテリー、全固体電池を搭載したEVは、2028年度に投入する予定である。
<戦略的パートナーシップ及び新たなビジネス機会>
当社は競争力を維持し、グローバルな商品ポートフォリオや技術を提供するために、戦略的にパートナーシップを活用していく。欧州、ラテンアメリカ、ASEAN、インドにおいては、ルノー及び三菱自動車工業株式会社とのアライアンスを引き続き活用する。また、中国の現地資産をフルに活用し、中国とその他の国々のニーズを満たしていく。日本と米国においては、新たなパートナーシップを模索していく。それらのスマートパートナーシップの活用、EVの競争力向上、イノベーションによる差別化、新たな売上の機会などを通じて、EV移行と長期的な収益ある成長を目指す。
<財務規律の徹底:レジリエントで収益性の高い業績を実現>
当社は財務規律を徹底しながら、研究開発費と設備投資額を総売上高の7%から8%の範囲に維持し、バッテリー設備へは4,000億円以上を投資することを計画している。また、電動化への投資は段階的に増加し、2026年度までに全体の70%以上を占めるようになる。
これらの投資を適切に管理することで、すべてのステークホルダーに価値を提供していく。「The Arc」は、当社の競争力を強化し、持続可能な収益性を実現するための包括的な計画である。本計画を通じて、「Nissan Ambition 2030」を実現するために必要な確固たる基盤を構築していく。
<経営指標の改善に向けて>
2024年3月末時点の当社株価は608円30銭、PBRは0.4倍程度と割安な水準であると認識している。
当社は、株主還元と資本効率の向上、財務フレキシビリティの維持、そして将来の成長に向けて、継続的に財務パフォーマンスを改善することに取り組んでいる。
前述のとおり、「The Arc」において、販売台数については2023年度比で100万台増加、営業利益率については2026年度までに6%以上、2030年度には8%を目指すことを発表した。
当社は、電動化への投資を行った後も、M&A実行前フリーキャッシュフローはポジティブを維持し、自己株式取得と配当金の増配により、株主総還元率を30%以上確保することを目指す。また、ネットキャッシュは1兆円レベルと健全な水準を維持することを目指している。
2023年度では、ルノーグループからの5%の自己株式取得と年間配当金による株主総還元率は、約46.2%となる。また、2024年4月1日の自己株式取得と2024年度の配当見通しでは、株主総還元率30%以上を見込んでいる。
「The Arc」は、当社の競争力を強化し、持続可能な収益性を実現する。その結果、投資家やアナリストが私たちの基盤となるパフォーマンスと戦略の進展を評価し、株価とPBRの改善に寄与するものと考えている。
当社は90年にわたり、他がやらぬことに挑戦してきた。人にワクワクを提供する、先進のモビリティを提供するグローバルカンパニーであり続けるために、人・地域・社会に寄り添いながら、事業を展開していく。次世代プロパイロットに代表される運転支援技術に加え、アクティブセーフティとAI技術を融合させたシステムで、ゼロ・フェイタリティの目標へさらに近づくことを目指している。革新的な技術で次世代のクルマづくりをサポートし、カーボンニュートラルの実現に貢献するニッサン・インテリジェント・ファクトリーやEV36Zero、そして、次世代モビリティサービスを通じて、より多くの人の自由な移動を実現し、エネルギーマネジメントサービスを通じて、エネルギーをより効率的に活用していくことを目指している。
社会に貢献するという強い意志と、その取り組みを支える企業文化のもと、当社はこれからも、目標に向かってイノベーションをドライブし続け、移動の可能性を広げ、次世代のために素晴らしい未来の実現を目指す。
(2) 2023年度の経営環境及び主要な経営指標
2023年度は、新型コロナウイルスの鎮静化や半導体の供給不足の解消などにより、経済活動は正常化に向かった。しかしながら、ロシア・ウクライナ問題の長期化や中東での紛争勃発などに伴い、地政学リスクはさらに高まり、急激な為替変動やインフレーションなどの影響もあいまって、事業環境は絶えず変化した。
当社は、引き続き地政学的リスクの高まり、急激な円安、物流費の高騰、インフレーションや電動化に伴う市場の分断化などの影響を受けた。
こうした環境下で、当社グループの当期の経営成績、業績目標とその達成度は下記のとおりとなった。
当社グループのグローバル小売台数は前年度比4.1%増の344万2千台となり、売上高は12兆6,857億円と前連結会計年度に比べ2兆890億円(19.7%)の増収となった。営業利益は5,687億円と前連結会計年度に比べ1,916億円(50.8%)の増益となった。
2020年5月にスタートした「Nissan NEXT」は、当社固有の課題に対応すべく、それまでの事業規模拡大による成長戦略から転換し、収益性を重視しながらコストを最適化することで、持続的な成長と安定的な収益確保を目指すものであった。当社は一歩一歩、着実に取り組みを進めた結果、全ての地域で販売の質を重視しながら、着実に成果を挙げることができた。生産能力と商品ポートフォリオの最適化に取り組み、いずれも20%削減した。また、新型車を積極的に投入し、12車種を発売し、アリアとサクラの投入によりEVのラインアップを充実させ、e-POWERをB、Cセグメントへと拡大した。
アライアンスにおいては、より高い価値を生み出すコラボレーションに焦点を当て、新たな章を開いた。
最終的に、新型コロナウイルスの感染拡大、供給制約、その他市場の変化により、販売台数の目標を達成することはできなかったが、「Nissan NEXT」の目標はほぼ達成することができ、最も重要なことは将来に向けた強固な基盤が確立されたことである。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当連結会計年度における事業上及び財務上の対処すべき課題は、次のとおりである。
・元会長らの不正行為に関連した事項
当社の元代表取締役が金融商品取引法違反(虚偽有価証券報告書提出罪)で起訴されるとともに、元代表取締役会長においては会社法違反(特別背任罪)でも起訴された。併せて当社自身も金融商品取引法違反により起訴された。当社はこの事態を重く受け止め、独立第三者及び独立社外取締役で構成されるガバナンス改善特別委員会を設置し、2019年3月27日に同委員会からガバナンスの改善策及び、将来にわたり事業活動を行っていくための基盤となる健全なガバナンス体制の在り方についての提言をまとめた報告書を受領した。これを受け、当社は指名委員会等設置会社へ移行した。
当社は、2019年9月9日の取締役会において、監査委員会よりゴーン氏らの不正行為に関する社内調査の報告を受けた。2019年9月9日付の「元会長らによる不正行為に関する社内調査報告について」と題する適時開示に記載したとおり、本報告では、ゴーン氏らによる不正行為を認定している。そのうち、ゴーン氏の会社資産の私的流用等及び販売代理店に対する奨励金支払いに関する不適切な行為は、以下のとおりである。2019年9月9日以降、当有価証券報告書提出日時点において、下記の内容に特段の変更は生じていない。今後、下記の内容に重要な進展が生じた場合には、法令等に基づき開示する。
A) ゴーン氏の会社資産の私的流用等
ゴーン氏は、以下を含む様々な方法で当社の資産を私的に流用した。
・将来性のある技術に投資するとの名目で子会社Zi-A Capital社を設立させ、同社の投資資金のうち約2,700万米ドルを、ブラジル(リオデジャネイロ)及びレバノン(ベイルート)所在のゴーン元会長個人のための住宅の購入に流用したほか、会社資金で秘密裏に購入又は賃借した住宅を私的に利用した。
・2003年から10年以上にわたり、実体のないコンサルティング契約に基づくコンサルタント報酬名目で実姉に合計75万米ドルを超える金銭を支払った。
・コーポレートジェットを自身及び家族の私的用途に使用した。
・会社の資金を家族の旅費支払いや、個人的な贈答品支払いなどに充てた。
・業務上の必要性がないにもかかわらず自身の出身国の大学への200万米ドルを超える寄付を会社資金で行わせた。
・2008年、ゴーン氏は個人的に締結した為替スワップ契約のもと約18億5,000万円の含み損を抱え、事実と異なる取引内容を取締役会に説明したうえ為替スワップ契約を当社に承継させて、かかる含み損を当社に承継させた(金融当局の指摘を受け、2009年、当該為替スワップ契約は秘密裏にゴーン氏の関連企業に再承継された)。
・2018年4月以降、三菱自動車工業株式会社との間で設立した合弁会社であるNissan-Mitsubishi B.V.(以下「NMBV」)から、給与・契約金名目での取締役会決議を欠く支払い合計780万ユーロを受領した。
B) 販売代理店に対する奨励金支払いに関する不適切な行為
ゴーン氏は、国外の知人から私的な資金援助を得ていることを当社取締役会及び関係部署に秘したまま、当社子会社から当該知人の経営する企業に対し、自身とその直属の特定少数の部下が承認すれば金銭支出が可能となる予備費予算(CEOリザーブ)を使用して、特別ビジネスプロジェクト費用などの名目で合計1,470万米ドルの支払いを行わせた。
また、国外の販売代理店の関係者からゴーン氏自身又はその関係企業に対して数千万米ドルの支払いがなされていることを当社取締役会及び関係部署に秘したまま、当社子会社から当該販売代理店に対し、CEOリザーブを使用して、販売奨励金名目で合計3,200万米ドルの支払いを行わせた。
金融庁長官から、2019年12月13日付で審判手続開始決定通知書を受領した。これにつき、当社は、課徴金に係る事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書を2019年12月23日に提出した。その後、2020年2月27日付で金融庁長官から24億2,489万5,000円の課徴金納付命令の決定の送達を受けた。
2022年3月3日、当社は東京地方裁判所から金融商品取引法違反(虚偽有価証券報告書提出罪)により、罰金2億円に処するとの有罪判決を受けた。当社は、当社に対する当該判決を厳粛に受け止め、判決の主文並びに理由として述べられた事項を慎重に検討した結果、当該判決に対する控訴を行わないことを決定した。その後、当社及び検察官のいずれも刑事訴訟法が定める控訴期間内に控訴しなかったため、当該判決は確定した。
上記課徴金に関して、金融商品取引法第185条の8第6項の規定に基づき、当該刑事裁判の判決による罰金額である2億円を控除し、課徴金の総額を22億2,489万5,000円に変更する処分が2022年4月26日付で行われた。当該課徴金については、すでに全額納付済である。
また、ゴーン氏がNMBV及び他の当社の子会社に対してアムステルダム地方裁判所に提起した不当解雇訴訟において、NMBVは、ゴーン氏がNMBVから不正に着服した資金の返還を求めゴーン氏に対し反対請求を提起した。アムステルダム地方裁判所は、2021年5月20日に出された判決においてゴーン氏の請求を棄却し、ゴーン氏に対し約500万ユーロの返還を命じたが、ゴーン氏は2021年8月20日に控訴状をアムステルダム高等裁判所に提出した。その後NMBVが提出した交差控訴及び防御の結果、2022年8月23日にアムステルダム高等裁判所による判決が出され、ゴーン氏の請求は大部分が棄却されるとともに、ゴーン氏に対し約420万ユーロの返還が命じられた。上告期限の経過により判決は確定した。
ゴーン氏による会社資金の不正使用により購入された住居の一部については、売却が完了している。
当社は、既に英領バージン諸島においてゴーン氏及びその関係者を相手に、豪華ヨットに対する仮処分命令を申立て、同命令を得た上で、損害賠償等を求めて訴訟を提起し、また日本国内においても、2020年2月12日にゴーン氏に対し、2022年1月19日に当社元代表取締役ケリー氏に対し、損害賠償請求訴訟を提起しているが、本社内調査結果を踏まえ、今後も、ゴーン氏らの責任を明確にすべく、ゴーン氏らの法令違反や不正行為によって被った損害の回復のため法的措置を含めた必要な対応をとっていく方針である。
指名委員会の選出による経営層の新体制が2019年12月に発足、内部監査による監督機能を強化したこと、などに見られるように、種々の再発防止策に取り組んでいる。
当社は、2020年1月16日に東京証券取引所に提出した改善状況報告書に記載した改善措置の継続的実施を含め、これからも必要な改善を随時検討するなど、引き続きガバナンスの向上に努めるとともに、企業風土の改革、企業倫理の再構築、企業情報の適切な開示、コンプライアンスを遵守した経営に努めていく所存であることを表明している。
・公正取引委員会からの勧告に関連した事項
2024年3月7日、当社は公正取引委員会から、下請代金支払遅延等防止法(以下、「下請法」という。)の適用対象となる事業者との取引に関して、下請法に基づく勧告を受けた。
これは、当社が、下請法の適用対象となる事業者36社との取引において、当該事業者から割戻金を受け取った行為の一部が、下請法第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の違反と判断されたものである。本勧告において下請代金の減額に該当すると判断された割戻金の総額は、2021年1月から2023年4月までの約30億円である。当社は、既に、本勧告の対象下請事業者に対して、下請代金の減額に該当すると判断された金額を返金するとともに、割戻金の運用自体も廃止した。
当社は、本勧告を大変重く受け止めている。サプライヤーの皆様との強固な信頼関係なくして双方の事業の発展は成し得ない。法令の遵守状況についての定期的な点検、並びに役員や下請取引に関わる従業員への教育の徹底及び定期的な研修の実施などを通じて、法令遵守体制を強化するとともに、再発防止策の徹底に取り組み、今後の取引適正化を図っていく。
取引先との関係をさらに強化し、双方に価値を創造し、法令遵守の徹底のための更なる取り組みの一環として、法令違反の疑いなどがある場合に、取引先から匿名で意見を集約するホットラインを外部に設置する。さらに、モノづくり部門、並びに、関連部署の担当者からなる社長直轄の「パートナーシップ改革推進室」を新設した。このチームは、積極的に取引先のもとに足を運び、懸念事項を正しく理解し、頂いた声を速やかに社内にフィードバックして、必要な対応を迅速に講じることができるようにする。各部署の通常窓口に加え、新たに2つのルートを設けることで、取引先の状況把握、法令遵守の徹底をより一層図っていきたいと考えている。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) サステナビリティの考え方
日産は長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」で、よりクリーンで安全、インクルーシブな誰もが共生できる社会の実現と、真に持続可能な企業となることを目指している。サステナビリティの取り組みがその長期ビジョンを具現化し、さらにはコーポレートパーパスの実現も可能にしていく。日産は企業のあらゆる側面で、サステナビリティを推進する。
a. ガバナンス
サステナビリティ戦略の目標設定や進捗確認など具体的な活動の社内横断的な管理については、チーフ サステナビリティ オフィサー(CSO:Chief Sustainability Officer)が議長を務めるグローバル・サステナビリティ・ステアリング・コミッティで議論し、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを回すことで、サステナビリティパフォーマンスのさらなる向上を追求している。一方、環境課題についてはチーフ サステナビリティ オフィサーと取締役 代表執行役社長兼最高経営責任者が共同議長を務めるグローバル環境委員会(G-EMC:Global Environmental Management Committee)にて決議する。サステナビリティに関する取り組みは、戦略や重要案件に関する包括的な提案とともに、経営会議(Executive Committee)に報告される。これらの課題は、その重要性に応じて取締役会に報告される。また、2021年度より長期インセンティブ報酬の1つである業績連動型インセンティブ(金銭報酬)においてサステナビリティに関する評価指標を新たに追加し、経営によるコミットメントを明確にした。
b. 戦略
サステナビリティは事業運営の中核をなすものであり、ステークホルダーからの信頼を得るために必要不可欠である。日産は、ステークホルダーの皆さまの関心、環境と社会のグローバルアジェンダ並びに技術革新などの最新動向を踏まえながら、サステナビリティ戦略を策定し、活動を推進している。
サステナビリティ戦略強化に向けて、日産の優先課題をより明確にするため、リスクや機会分析を踏まえた会社全体として取り組むべきマテリアリティを特定した。
マトリックスという形で日産の取り組みの優先順位を定義し、2030年度に向けた会社の方向性をより詳細にステークホルダーにお伝えすることで、協働機会の拡大や信頼関係の向上を図り、さらなる取り組み推進につなげたいと考える。
マテリアリティ特定のプロセス
STEP1. 社会・環境課題の明確化
定期市場動向分析、ステークホルダー・投資家の皆さまとの対話より得られた社会からの期待値、グローバルスタンダード、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)、SDGs、世界経済フォーラム(WEF)発行のリスクレポートなどからグローバルなアジェンダを明確化。
STEP2. 自動車セクター及び日産の重要課題特定
コーポレート長期ビジョンにより実現する世界と、そこで果たすべき自動車セクターの役割という視点からリスクと機会を分析することで、日産にとっての課題を特定。
STEP3. マテリアリティの優先度整理
日産が社会・環境へ与える価値・インパクトと、社会・環境から日産へのインパクトの2側面からリスクと機会で優先度の整理を実施し、日産のつくりだす価値と今後さらに強化して取り組むべき課題をマトリックス型により整理。有識者レビューを行い、フィードバックを反映。
STEP4. 執行役員、取締役との合意
特定したマテリアリティは、各項目の設定理由や背景を含め執行役員、取締役へ報告し、合意を得て決定。
日産のマテリアリティマトリックス

マテリアリティの詳細は当社企業サイトに掲載しているESGデータブックもしくはサステナビリティデータブック(2024年7月末公開予定)を参照いただきたい。
また、マテリアリティの一つである生態系サービスと生物多様性について、2010年に日産は、国連大学と共に自社の活動がバリューチェーン全体の生態系に与える影響と依存を評価し、その研究成果を報告書「Ecosystem Services and the Automotive」として発表した。これは2001~2005年に国連が主導した「ミレニアム生態系評価」に基づく「企業のための生態系サービス評価」の手法を用いたものである。この評価を通じて、自動車メーカーが優先対応すべき3つの重点領域「エネルギーの調達」「材料資源の調達」「水資源の利用」を特定した。また2013年には水に関するインパクト評価を実施し、資源調達段階での水資源の利用が、日産の事業活動での水使用量の20倍以上に上ることが試算された。
これらの評価結果はマテリアリティの判断にも反映されており、「ニッサン・グリーンプログラム」の方針や戦略、具体的なアクションに落とし込まれている。
日産はTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)の提言に賛同するとともにTNFDフォーラムに参画している。今後は、推奨される枠組みに沿った開示についてさらに検討を進めていく予定である。
日産は2023年度に、マテリアリティで特定された重要課題をもとに、第5次中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2030(NGP2030)」、及び社会性の2030年度までの取り組みを包括的に推進する「ニッサン・ソーシャルプログラム2030(NSP2030)」を策定した。「NGP2030」は、技術やビジネスの進化によって環境負荷を低減し、社会と自然にポジティブな影響を与え、人々の生活が、持続可能で自然と調和できる社会創りを目指している。「NSP2030」は社会性に特化した初のプログラムであり、日産が従業員、サプライヤー、パートナー、社会と共に成長し、「人」を中心とした企業になることを目指し、従業員をはじめとするさまざまな「人」へ価値を提供していく。「NSP2030」の重点領域は、安全、品質、責任ある調達、知的財産、地域社会、従業員と定めており、領域毎に2030年度に向けたゴールを定義している。「NGP2030」と「NSP2030」はともに経営計画「The Arc」の土台を成し、「Nissan Ambition 2030」の実現に向けて重要な役割を果たす。
c. リスク管理
日産は「NGP2030」及び「NSP2030」の中で重要課題ごとに活動計画を策定し、先に述べたガバナンスを通じて進捗管理を行っている。また、定期的に市場動向分析を行い、投資家をはじめとするステークホルダーとの対話により得られた社会からの期待値や、グローバルスタンダード、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)、SDGs、世界経済フォーラム(WEF)発行のリスクレポートなどのトレンドも踏まえながら、グローバルなアジェンダを明確化している。さらに、「Nissan Ambition 2030」により実現する世界と、そこで果たすべき自動車セクターの役割という視点からリスクと機会を分析することで、日産にとっての課題を特定している。
具体的な活動計画、指標や目標については、当社企業サイト及び2024年7月末公開予定の「サステナビリティデータブック2024」を参照いただきたい。
なお、特定した重要課題に対応する日産の取り組みの中で、特にステークホルダーからの関心度が高い「気候変動」と「人的資本」について、以下に具体的な活動内容を記載する。
(2) 気候変動
a. ガバナンス
グローバル環境マネジメントのフレームワークとガバナンス
日産は多様化する環境課題に対応し、包括的な環境マネジメントを確実に推進する組織体制を構築している。
チーフ サステナビリティ オフィサーと取締役 代表執行役社長兼最高経営責任者が共同議長を務めるグローバル環境委員会(G-EMC:Global Environmental Management Committee)ではバリューチェーン全体に関わる各役員が出席し、全社的な方針や取締役会への報告内容の決議を行う。また、経営層は企業としてのリスクと機会を明確にし、各部門での具体的な取り組みを決定するとともに、PDCAに基づく進捗状況の効率的な管理・運用を担っている。
また、年次のレポートを発行し、幅広いステークホルダーにその状況を発信している。最新のサステナビリティデータブック等も参照いただきたい。


b. 戦略
中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム(NGP)」
日産は、環境理念である「人とクルマと自然の共生」を実現するため、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム(NGP)」を2002年に発表し、環境への依存と影響を自然が吸収できる範囲に抑えるという究極のゴール達成に向けて取り組みを続けてきた。
2023年度には第五世代に当たる2030年度を見据えた「NGP2030」をスタートした。将来に向けた技術の進化と社会連携の方向性を明確にし、サプライチェーン、パートナーと目標を共有し、ともに環境対応と社会的価値の創出を目指していく。
NGP2030の取り組むべき重要課題とチャレンジ
日産は環境マテリアリティ評価に基づき、「気候変動」「資源への依存」「大気品質と水」を重要課題に設定した。また、ステークホルダーエンゲージメントを通じてそのニーズを把握し、環境課題にかかわる「事業基盤の強化」と新たな価値創出に努めている。
取り組みの指標や進捗は、クルマづくりに携わる開発・生産部門のほか、セールス・サービス部門を含む企業全体での、ビジネス基盤強化と社会価値の創出に取り組んだ成果としてサステナビリティデータブック等を通じて毎年開示している。また、後述の「d.指標と目標」においても気候変動に関連する主要項目について開示している。

CO2排出量の削減に向けた日産の取り組み
日産は、CO2排出量の削減や電動化技術の実用化の実績に加え、2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体(*)におけるカーボンニュートラルを実現する新たな目標を2021年1月に発表した。企業活動では、自社及びクルマの原材料の調達、輸送にかかわるサプライヤーとともに省エネ活動やクリーンなエネルギーへの転換を進め、CO2削減に取り組む。
走行段階CO2削減に向けては、2030年代の早期には、主要市場に投入する新型車をすべて電動車とすることを目指し、電動化と生産技術のイノベーションを推進する。経営計画「The Arc」では電動化を戦略の中核に据え、2030年度までに投入する電動車のモデル数を34車種に増加、グローバルでの電動車モデルミックスは60%以上見込む。
* クルマのライフサイクルには、原材料の採掘から、生産、クルマの使用、使用済み自動車のリサイクルや再利用までを含む

カーボンニュートラルロードマップ(生産工場での事例)
日産では生産工場においてもカーボンニュートラルを目標とした活動を推進している。
達成に向けた取り組みを着実に推進するため、2021年10月、生産工場において2050年までにカーボンニュートラルを実現するロードマップを発表した。
~2030年:まず工場のエネルギーを削減しながら革新的な生産技術導入や電化を推進し、さらに再生可能エネルギーの導入や代替エネルギーの適用拡大を進める。
2030~2050年:2050年に向けては、ガスや蒸気などさまざまな動力形態で運営されている工場設備の全面電化を実施。同時に、使用電力については、再生可能エネルギーと代替燃料を用いた燃料電池で自家発電した電力を全面適用することで、生産工場におけるカーボンニュートラルを実現していく。

c. リスク管理
気候変動シナリオ分析を用いた2050年社会への戦略強化
NGPは中期目標の達成を通じて成果を収めてきたが、気候変動による異常気象の脅威は一段と高まっている。
そこで、国際エネルギー機関(IEA)の4℃と2℃シナリオ、及びIPCCの1.5℃特別報告書に基づき、2050年までの気候変動がもたらすさまざまな機会とリスクを検討した。
特に自動車セクターにおけるリスク要因を定義し、シナリオごとのリスク振れ幅を確認。また、世界170以上に及ぶ市場を前提とした。さらにお客さまや市場の受容性変化、自動車にかかわる規制の強化、クリーンエネルギーへの移行を因子として考慮し、日産の事業活動や商品、サービスについて、気候変動がもたらす機会とリスクに対する戦略のレジリエンス性を以下の4つのステップで検討した。
検討の4ステップ
・過去のマテリアリティの評価や、文献調査などで気候変動によって自動車セクターに決定的な影響を与え得るリスク要因を調査し、人口・経済・地政学、気候変動政策、技術などの区分でメインドライバーを定義
・メインドライバーは物理的リスクと移行リスクに分類され、それぞれがトレードオフの関係にあることを考慮し、地球の平均気温の上昇を1.5℃、2℃、4℃と3種類のシナリオで、そのリスク振れ幅を確認
・自動車セクターへの影響度合いとその時間軸をもとに、メインドライバーから影響力の高い項目をスクリーニング
・シナリオごとの変化、状態、影響を整理し、戦略強化に必要な要素を定性評価に基づいて導出
想定したシナリオと関連する機会とリスク
日産の電動化技術は、2℃以外のシナリオにおいても機会を創出するポテンシャルがあると考えられるが、取り組みのさらなる加速と、リスク対応のためのサプライチェーンとの連携が重要である。とくにゼロ・エミッション車の拡大は、脱炭素社会への移行だけでなく、電力や減災・防災における社会のレジリエンス性に貢献する。電気自動車の性能向上と、環境の持続可能性を確保するにはさらなる開発が伴うが、最終的には社会価値創造とビジネスの両立を可能にすると捉えている。
しかし、社会全体の気候変動対策が遅れた場合、さまざまな移行リスク、物理的リスク及び財務インパクトが生じる可能性がある。炭素税の影響評価を試みたところ、2030年時点のGHG排出量削減により、Scope1&2で炭素税の影響を約100億円抑えることができると試算された。
財務インパクト評価のシナリオ選定背景
二酸化炭素排出に対する価格付けが進み、炭素税を導入する国・地域が拡大している。国・地域により、課税の水準や対象となる業種も異なるが、企業に対する影響が大きいため、この分析では炭素税による財務インパクトを対象とする。
算定式と試算額の評価、前提条件
試算では、日産の炭素税予測の基礎としてIEAレポートなどを参照している。2030年時点のGHG排出量の炭素税を、次の条件で算出した。
①2018年時点の企業活動が継続された場合
②NGPによる環境課題への取り組みが促進され、単年度での炭素税の影響を抑えた場合

対応戦略
日産は、20年以上にわたり中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム」を実践している。また、脱炭素の推進にあたっては、バリューチェーンへの影響を把握し、負の影響を極力抑えた公平な移行(just transition)を考慮した活動を意識している。
このような戦略や、2030年度でのありたい姿を具体化し、投資家をはじめとするステークホルダーの皆さまにより分かりやすく的確に伝えることが重要だと考え、日産はTCFD(*)の提言を支持し、その推奨枠組みに沿った情報開示に努めていく。また、シナリオ分析手法の精度向上とリスク量の正確な把握についても継続して取り組む。
「ニッサン・グリーンプログラム2030(NGP2030)」の詳細や、気候変動以外の取り組みについては2024年7月末に当社企業サイトに掲載するサステナビリティデータブック2024で開示を予定している。
* TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures
d. 指標と目標
長期目標として掲げた、カーボンニュートラルの実現に向け、2030年度までの中期行動計画をまとめた「ニッサン・グリーンプログラム2030」では、各バリューチェーンでのKPIと目標を明確にし、その進捗を毎年報告している。
* 日本、米国、欧州、中国
上記の値は2023年度の到達状況の速報値であり、2024年7月末に当社企業サイトに掲載するサステナビリティデータブック2024にて、確定値と共に分析を公表する予定。
自動車のバリューチェーン全体を捉えた時に、クルマの使用時に排出されるCO2量が占める割合は、企業活動に伴う排出量に比較して著しく多く、全体の80%以上を占める。2023年度では、バリューチェーン全体(Scope 1、2、3の合計値)のCO2排出量118,525kton-CO2のうち、販売したクルマの使用時の排出量が99,276kton-CO2である一方で、企業活動に伴う排出量Scope 1、2はそれぞれ626kton-CO2、1,112kton-CO2(いずれも速報値)であった。これらはGHGプロトコルに基づいた測定結果である。
財務情報と連動したカーボンフットプリント開示の重要性を認識し、当事業年度にScope 1、2の対象範囲を下記のように定義した。それに伴い、過年度の排出量も再計算した。
・従来:日産自動車、連結子会社及び持分法適用関連会社の一部
・新スコープ:日産自動車及び連結子会社
(kton-CO2)
* 各スコープは「GHGプロトコル事業者排出量算定基準」によって以下の様に定められている。
Scope 1 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
Scope 2 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope 3 企業のバリューチェーンで発生するScope2以外の間接排出
上記の2023年度の値は速報値であり、2024年7月末に当社企業サイトに掲載するサステナビリティデータブック2024にて、確定値と共に排出量の推移、第三者保証の詳細などを公表する予定。
(3) 人的資本 「人材育成方針」、「人材の多様性の確保」、「社内環境整備方針」
a. 戦略
コーポレートパーパスや長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を実現すべく、コアビジネスを支えるエンジニアの採用強化を進めるとともに、「人材育成」、「人材の多様性の確保」、「社内環境整備」を包含した人財戦略として「HR Ambition 2030」を2022年に設定した。
この人財戦略は、「従業員体験(エンプロイーエクスペリエンス)の強化」、「スキル重視の人財マネジメント」、「リーダーシップの強化」、「企業文化の変革とイノベーションの促進」、「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(多様性、公平性、包括性)」の5つの柱で構成される。
<HR Ambition 2030>
これらをマネジメントする仕組みとして、エクゼクティブコミッティのメンバーである最高人事責任者(Chief Human Resources Officer:CHRO)が議長を務めるグローバル人事会議にて、年2回その進捗を確認し実行を着実なものとしている。
なお、リスク管理については、前述の(1) サステナビリティの考え方 「c. リスク管理」に記載している。
b. 指標と目標
1.「Nissan Ambition 2030」では、研究開発部門における先進技術領域において3,000人以上の従業員を新規に採用する目標を掲げている。「Nissan Ambition 2030」を発表した2021年度以降2023年度末までに、新卒・中途を合わせて約1,400名を採用し予定どおり進捗している。今後も2026年度までに平均700名/年の採用を予定している。
2.女性管理職比率については、女性管理職比率と間接従業員に占める女性比率とのギャップを縮めていくことを目標とする。2024年3月末時点において、346人の女性管理職がさまざまな分野で活躍しており、全管理職に占める割合は10.7%となっている。将来的には、さらなる女性管理職比率の向上のため、女性社員の積極的な採用と育成を促進する。
3.さらに、「人材育成方針」、「人材の多様性の確保」、「社内環境整備方針」に関する総合的な指標として、グローバル従業員サーベイにおいて指標と目標を定めている。具体的には、エンゲージメントに加え、エネーブルメント、企業倫理、リーダーシップ、企業文化、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンといった全社的に優先度の高い5つの重点領域に対して、中長期的目標としてグローバルベンチマーキングスコアを上回る水準を目指し、前年度からの改善に必要な目標値を毎年設定している。2023年度の実績は目標値を上回った。
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月28日)現在において当社グループが判断したものである。
1.世界経済や景気の急激な変動
(1) 経済状況
当社グループの製品・サービスの需要は、それらを提供している国又は地域の経済状況の影響を強く受けている。従って、日本、中国、北米、ヨーロッパなど、当社グループの主要な市場における経済や景気、特に昨今のインフレーション・市況変動及びそれに伴う需要の変動については正確な予測に努め必要な対策を行っているが、世界同時不況やパンデミック、複雑化する地政学リスクなど予測を超えた急激な変動がある時は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
(2) 資源エネルギー情勢
原油、天然ガス、再生エネルギー等の価格高騰など資源やエネルギー情勢の急激な変化により当社グループの製品・サービスに対する需要も大きく変動する。ガソリン価格が上昇すれば燃費の良い製品に需要がシフトすることが予測され、更に上昇すれば全体の需要は低下することも予測される。鉄、アルミ、樹脂といった従来の自動車の原材料に加えて、リチウム、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウムといった希少金属の価格に予測を超えた急激な変動がある時は、業績の悪化や機会損失の発生等、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
2.自動車市場における急激な変動
自動車業界は世界規模で非常に厳しく、不確実な競争にさらされている。当社グループもその競争に打ち勝つべく、お客様のニーズにあった製品・サービスを素早く提供できるように技術開発・商品開発や販売戦略において努力している。しかしながら、お客様ニーズに合う製品・サービスをタイムリーに提供できなかった場合や、環境や市場の変化への対応が不十分な場合には、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
例えば、成熟市場では人口の減少や少子高齢化の進行により需要が減退したり変化したりする一方で、新興市場では大きく需要が増える可能性もある。これらはビジネスチャンスとして当社グループに有利な結果をもたらす可能性もある一方、特定商品や特定地域への過度な依存が発生し、次なる変化への対応が十分に行われない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
また、車両の電動化が進み、各国での温室ガス排出に対する規制が強化されており、カーボンニュートラルに向けたライフサイクルでの取り組みが必須となってきている。これらの社会・環境要請に対応する取り組みが遅れた場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
さらに、近年、先進運転支援システムが製品に搭載され販売されてきているが、これらは運転支援技術のさらなる進化に伴い、次世代に向けた大きな成長・発展の機会となる。そのためには、公道走行における新たなルール作りが不可欠であり、各国規制当局との連携、自動車メーカー並びに関連技術を有する会社同士での協調が極めて重要である。その一方で、新技術の開発という点では、各国、メーカー共に激しい競争状態にあり、開発費負担の増大、車両コストの増加等により、当社グループの業績や財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
今後、カーシェアリング、ライドシェアリング、ロボットタクシーといった業態の普及に伴い、「自動車メーカーがハードウエアとしてのクルマを製造・販売し、お客様はそのクルマを購入・所有・使用する」という従来のビジネスモデルが大きく変革していくことが想定される。
また、付加価値の中心がハードウエアとしてのクルマの性能から、クルマに関連したサービスも含め、お客様にどのような体験を提供できるのかといったソフトウエアの方に移っていくことも想定される。
その結果、ソフトウエアの部分での魅力が他社との差異化のポイントとなり、予てより当社の強みであったクルマというハードウエアを開発・量産するというノウハウや専門性がそれ程の付加価値を生まないものとなっていく可能性もある。これら想定される変革を見据えて、ニューモビリティ等も含めた、従来の自動車業界以外からの参入の動きもある。
こういった動きに対して当社グループでは2021年11月には2030年のありたい姿を示す長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を発表した。これは、当社のコーポレートパーパスを具現化するために、この先目指す方向性をステークホルダーの方々にビジョンとして示したものであり、「ともに切り拓く、モビリティとその先へ」をスローガンに、よりクリーンで、安全で、インクルーシブな、誰もが共生できる世界の実現を目指し、パートナーの皆様とともに、人々の移動の可能性と社会の可能性を広げていく、という当社の想いと決意を込めたものである。
この長期ビジョンの実現に向け、2024年3月には自社の価値と競争力を向上させる新たな経営計画「The Arc」を発表した。本計画は2020年度から2023年度に実行された事業構造改革「Nissan NEXT」と長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」の架け橋となるもので、2024年度から2026年度までの中期の取り組みと、2030年度までの中長期の取り組みから構成されている。
中期の取り組みとしては、地域毎に最適化した戦略を通じて販売台数を拡大し、電動車両とICE車のバランスの取れたポートフォリオ、主要市場での販売増、財務規律によって、事業基盤を堅固なものにする。続いて、中長期的には、電動化を加速させ、パートナーシップや、新たな収益機会を活用しながら最終的な目標達成に向けて取り組む。
しかしながら、我々の想定を超えた速度や範囲で変革が起き、そのような変化に対して十分に対応できない場合には、我々は新たな競争相手に対して優位性を保つことができず、競争力を失う可能性もある。
3.金融市場に係るリスク
(1) 為替レートの変動
当社グループは世界13の市場で完成車の生産を行い、およそ160の市場で販売をしている。原材料や部品、サービスの調達も多くの国で行っている。
当社の連結財務諸表は日本円で表示するため、一般的に他の通貨に対する円高は当社グループの業績に悪影響を及ぼし、反対に円安は好影響をもたらすことになる。また、当社グループが生産を行う地域の通貨価値が上昇した場合、それらの地域の生産コストを押し上げ、当社グループの競争力の低下をもたらす可能性がある。
当社グループでは、為替変動リスクを軽減するための根本的な対策として、生産の現地化や、原材料及び部品の外貨建てによる購入等の対応を行っている。しかしながら、為替リスクを完全に取り除くことは不可能であるため、想定を超えた変動が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(2) 通貨、金利並びにコモディティ価格のリスクヘッジ
市場金利の上昇及びコモディティ価格の上昇は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
また、当社グループは外貨建債権債務の為替変動のリスク回避、変動金利で調達した有利子負債の金利変動リスク回避及び、コモディティの価格変動リスク回避を目的として、デリバティブ取引を行うことがある。こうしたデリバティブ取引によりリスクを回避することができる一方で、為替変動、金利変動、コモディティ価格の変動によってもたらされる利益を享受できないという可能性もある。
(3) 有価証券の価格変動
当社グループは、戦略的な理由や取引関係維持、キャッシュマネジメント等の理由により市場性のある有価証券を保有する場合があり、それらの有価証券の価格変動リスクを負っている。このため株価や債券価格の変動は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
(4) 資金の流動性
金融市場では通常の想定を超える環境変化が発生する場合がある。また、リクイディティ・リスクは国内外の格付機関による格付の引き下げによっても増加する。そのような事態に対処するため、当社グループでは十分な資金の流動性を確保できるよう社内規定を整備し、内部資金の蓄積や金融機関とのコミットメントライン、調達手段や調達地域の多様化等、あらゆる資金捻出・調達ソースの確保に取り組んでいる。また、当社グループは自動車事業において未使用のコミットメントラインや十分な手元資金を維持することにより、これらのリスクを低減させている。しかしながら市場環境に予期せぬ大規模な変化が発生した場合には、当初計画どおりの資金調達に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に負の影響を及ぼす可能性がある。
(5) 販売金融事業のリスク
販売金融事業は消費者、法人顧客及び販売店に金融ソリューションを提供することにより、これら顧客による日産車の購入又は販売活動に資するものであり、当社グループにとって重要なビジネスのひとつである。販売金融事業は、徹底したリスク管理により適正な収益水準と健全な財務状態を維持しながら自動車販売をサポートしている。しかし、顧客に金融ソリューションを提供するため、販売金融事業は、金利リスク、信用リスク、残存価格変動リスク等のリスクにさらされている。これらのリスク要因が適切に管理されていないと当社グループの業績と財務状況に負の影響を及ぼす可能性がある。
これらのリスクを軽減するため、販売金融事業は健全なポリシーとリスクマネジメントフレームワークを導入している。
金利リスクの場合、当社グループは徹底した資産負債管理により期間と資産負債利率の不一致(固定金利対変動金利)の最小化、及び市場金利の変動に対するエクスポージャーの最小化に努めている。しかしながら、販売金融事業は国内外の格付機関による格付の引き下げ及びマクロ経済状況等の外部要因による金利コスト上昇の影響を受ける。
信用リスクは、審査から回収までのサイクル全体に対して管理されている。審査において販売金融事業は、厳格な与信審査ポリシーに従い、顧客の支払能力、支払履歴、資産状況、適切な担保価値及び融資条件を勘案したうえで与信判断を行っている。与信期間中又は支払延滞があった場合、潜在的な損失を最小限に抑えるために綿密な回収戦略が実施される。
残存価格変動リスクについては、当社グループは独立第三者による評価金額と過去の中古車価格の統計分析結果を基準に、部門横断的なチームにより適切な残存価値設定を行っている。また、新車販売のための販売インセンティブの適切なレベルおよび施策を管理、適切なフリート販売台数の維持管理および認定中古車の販売促進によるブランド価値構築を通じて日産車の将来的市場価値を高める戦略により、残存価格変動リスクの軽減に努めている。
(6) 取引先の信用等のリスク
当社グループは販売会社、金融機関、サプライヤーなど様々な地域の数多くの取引先と取引を行っており、取引先の債務不履行などが発生するリスクにさらされている。当社グループは、これらの取引先の財務情報をもとに継続的な評価を行うことで、かかるリスクを削減するよう努めている。しかしながら、世界的な経済危機をきっかけにした、販売会社、金融機関及びサプライヤーの経営破たんのような予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に負の影響を及ぼす可能性がある。
また、当社グループの主要サプライヤーであるマレリホールディングス株式会社は、2022年6月24日に民事再生法に基づく民事再生手続開始を申し立て、2022年7月19日の債権者集会において再生計画案が可決され、2022年8月9日をもって東京地方裁判所による認可決定が確定した。以後、再建へ向けた取り組みを進めているが、引き続きかかるサプライヤーの債務不履行など信用リスクが顕在化するなどにより、かかるサプライヤーからの供給の停止、遅延又は不足による当社グループの操業の停止、生産の遅延又は減少、もしくは財務的負担の増加やコストの上昇が生じる可能性があり、当社グループの業績と財務状況に大きな負の影響を及ぼす可能性がある。
(7) 退職給付費用及び債務
当社グループの従業員の退職給付に備えるための退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されている。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性がある。
4.事業戦略や競争力維持に係るリスク
(1) 国際的活動及び海外進出に関するリスク
当社グループは世界13の市場で完成車の生産を行い、およそ160の市場で販売を行っている。海外市場への事業進出の際には以下に掲げるようなリスクの検討も十分行っているが、アメリカ・中国及び中東をはじめとする不透明な世界情勢など進出した先で予期しないリスクあるいは想定を超えるリスクが顕在化した場合には計画どおりの操業度や収益性を実現できず、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
・ 政治的又は経済的要因
・ 法律又は規制の変更
・ 法人税、関税その他税制の変更及び移転価格税制等の国際税務問題による影響
・ ストライキ等の労働争議
・ 優秀な人材の採用と定着の難しさ
・ テロ、戦争、クーデター、デモ、暴動、大規模自然災害、伝染病、その他の要因による社会的混乱
(2) 研究開発活動
当社グループが開発する技術は、世の中のニーズに即し、有用かつ現実的で使い易いものでなくてはならない。この目的のため当社グループは、将来のニーズを予測し、優先順位をつけ、電動化、自動運転化、コネクティビティ機能の強化、安全面の強化、モビリティサービス等にかかわる新技術の開発に投資している。しかし、予測を超えた環境の変化や世の中のニーズの変化、相対的な開発競争力の低下により、最終的にお客様にその新技術が受け入れられない可能性もあり、その結果当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。
(3) 他企業との提携等
当社グループは、「Nissan Ambition 2030」及び「The Arc」の達成に向け、より高い競争力を短期間で獲得するために優れた技術・サービスを有する他の企業と戦略的に提携することがある。将来に想定されるビジネスモデルの変革も見据え、従来の自動車業界の企業との提携のみならず、業界の枠を超えた、異業種企業との戦略的な提携等の可能性も含まれる。しかしながら、当該分野の市場環境や技術動向の変化、提携先との活動の進捗状況によっては予定した成果を享受できない可能性もあり、その結果当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。
(4) 製品・サービスの品質
当社グループは、優れた品質の製品・サービスを提供するため、開発・製造から販売・サービスまできめ細かい管理体制を敷き最善の努力を傾けている。しかしながら、より高い付加価値を提案するための新技術の採用は、それが十分に吟味されたものであっても、後に製造物責任や製品リコールなど予期せぬ品質に係る問題を惹起することがある。また、今後自動運転技術が発展し、かつ広く普及していった場合は、運転者の関与の希薄化に伴い、より製造者側の責任が問われるようになることも想定される。製造物責任については賠償原資を確保するため一定の限度額までは保険に加入しているが、必ずしもすべての損害が保険でカバーされるとは限らない。またお客様の安全のため実施したリコールが大規模なものになった場合には多額のコストが発生するだけでなく、ブランドイメージが低下する等、当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
(5) 気候変動によるリスク
気候変動に影響を与えると言われている温室効果ガスは、2015年に採択されたパリ協定にてできるだけ早い時期にピークアウトすること、また、2018年のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)1.5℃特別報告書では、遅くとも2050年までにはネットゼロとすることが必要とされ、国の政策や企業の取り組みが増加している。
当社グループは、事業活動やクルマによって生じる環境への依存と負荷を自然が吸収可能なレベルに抑え、豊かな自然資産を次世代に引き継ぐことを究極のゴールとしている。この実現に向け、クルマの原材料の調達から輸送、走行時などバリューチェーン各段階での排出量削減をサプライヤーと共に取り組んでおり、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム」でグローバルKPIと目標値を設定し、年次成果を公表している。
特に自動車のバリューチェーン全体に占めるクルマの使用時に排出されるCO2量は、企業活動に伴う排出量に比較して著しく多く、全体の80%以上を占めている。よって、企業活動のみならずクルマの使用時についても、継続した削減が重要となる。
2021年1月には、2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体におけるカーボンニュートラルの実現と、2030年代早期より主要市場に投入する新型車をすべて電動車とすることを目指すと発表した。環境対応と社会的価値の創出に向けて、活動を具体化させていく所存である。
また、気候変動のような不確実な将来事象に起因するリスクと機会に対して、複数のシナリオでの変化を評価し、レジリエントな戦略とすることが重要と認識している。このシナリオ分析の実施によって明確になったインパクトを鑑みた戦略構築を行っている。
2024年3月には、リスクと機会への対策と、カーボンニュートラル実現に向けた一層の取り組み拡大をまとめた「ニッサン・グリーンプログラム2030」を発表。最も排出量の多いクルマの使用時については 、2030年までに新車1台当たりのCO2排出量を2018年比で50%削減することを目標にしている。(日本、米国、欧州、中国の新車を対象)。シナリオ分析と合わせ、詳細は2024年7月末に当社企業サイトに掲載するサステナビリティデータブック2024や、第2[事業の状況]の2[サステナビリティに関する考え方及び取組]にて紹介している。
しかしながら社会全体の気候変動対策が遅れた場合、カーボンプライシングの導入や国境炭素税などの脱炭素社会への更なる政策や法規制、研究開発業務の増加、市場需要や企業評判の変化による移行リスクや、異常気象災害の増加や海面の上昇などの物理的リスクにより、それぞれのリスクに対応するコスト増とクルマの販売成績の低下によって財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
(6) 環境や安全に関する規制、企業の社会的責任
自動車業界は、(5)にて記載している気候変動以外にも、排出ガス基準、CO2/燃費基準、騒音、化学物質管理、リサイクル、水資源等、環境や安全に係る様々な規制の影響を受けており、これらの規制はより一層厳格になってきている。
多様化する環境課題に対応しながら、グローバル企業として包括的な環境マネジメントを推進するため、当社では各地域、機能部署、さまざまなステークホルダーと対話・連携する組織体制を構築。チーフサステナビリティーオフィサーと取締役 代表執行役社長兼最高経営責任者が共同議長を務めるグローバル環境委員会(G-EMC)にはバリューチェーン全体から関係する各役員が出席し、年2回の開催で全社的な方針や取締役会への報告内容の決議を行う。グローバル環境委員会の詳細については、第2[事業の状況]の2[サステナビリティに関する考え方及び取組]にて紹介している。また、気候変動を含む環境リスクは、内部統制委員会でも定期的に報告され、ガバナンスが効果的に機能している状態であると認識している。
法規制を遵守することは当然であるが、企業の社会的責任として、また競合他社に対する優位性を保つために「ニッサン・グリーンプログラム2030」を掲げ、環境に対する継続的な取り組みを社内外にコミットしているが、開発や投資の負担は増加しており、これらコストの増加は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
また、上記取り組みを行ったとしても、株主やお客様等のステークホルダーから、他社との比較において優位性を持たないと評価された場合には株価や販売に負の影響を及ぼし、その結果当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
(7) 重要な訴訟等
当社グループが事業活動を進めていく中で、様々な訴訟が起きることがある。それら訴訟については、当社グループ側の主張又は予測と異なる結果となるリスクは避けられず、場合によっては当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
(8) 知的財産保護
当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを保持している。これらの知的財産は今後の当社グループの発展に不可欠なものであり、当社グループは専門の部署を設け知的財産を保護しているが、第三者が当社グループの知的財産を侵害した製品を製造・販売することを、すべて防止できない可能性がある。
(9) 優秀な人財の確保
当社グループでは人財はモノづくりをはじめとする競争力の源泉であり、最も重要な資産と考えている。「Nissan Ambition 2030」で掲げた目標およびそれを実現するための人材戦略については、第2[事業の状況]の2[サステナビリティに関する考え方及び取組]にて述べたとおり、人財育成の投資や評価報酬制度の充実にも力を入れている。しかしながら優秀な人財確保のための競争は厳しく、計画どおりに採用や定着化が進まなかった場合は、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性がある。
(10) コンプライアンス、レピュテーション
2017年に発生した、当社国内車両製造工場における完成検査に係る不適切取扱いの案件を受けて、当社は再発防止に向けた取り組みを進めてきた。特に、完成検査トレーサビリティシステムの導入、経営会議メンバーの工場訪問などによる風通しの良い職場づくり、コンプライアンス意識向上のためのコンプライアンスイベントの開催やコンプライアンス教育など、完成検査問題の風化を防止するための取り組みを継続して実施している。
一方、2018年から2019年にかけて、当社の元代表取締役による不正行為を受けて、独立第三者及び独立社外取締役で構成されるガバナンス改善特別委員会を設置し、2019年6月、東京証券取引所に一連の問題の経緯とその改善措置を記載した「改善報告書」を提出し、2020年1月には改善措置の実施状況及び運用状況を「改善状況報告書」として同取引所に提出した。
2023年11月に規制当局の承認を受け、新たなアライアンス契約が発効した。これに伴い、独占禁止法等の遵守と抵触防止の活動にも、継続して取り組んでいく。
また、2024年3月に当社は公正取引委員会から、下請代金支払遅延等防止法(以下、下請法)の適用対象となる事業者との取引に関して、下請法に基づく勧告を受けた。これは、当社が、下請法の適用対象となる事業者36社との取引において、受け取った割戻金の一部が、下請法第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の規定に抵触すると判断されたものである。当社は、既に、下請事業者に対して、下請代金の減額に該当すると判断された金額を返金するとともに、割戻金の運用も廃止した。当社は、本勧告を重く受けとめ、法の遵守状況についての定期的な点検体制の強化、役員や下請取引に関わる従業員への教育の徹底及び定期的な研修の実施など、法令遵守体制の強化を行うとともに、再発防止策の徹底ならびに今後の取引適正化に全社的に取り組んでいく。当社は引き続き、ガバナンスの改善、企業風土の改革、企業倫理の再構築、企業情報の適切な開示、コンプライアンスを遵守した経営に努めている。
しかしながらコンプライアンスの問題は全ての従業員、全ての執行役員、全ての執行役及び取締役のあらゆる行動にかかわっており、会社全体でコンプライアンスの重要性を明確に認識するとともにその実効性を担保するための環境を整備し、従業員、執行役員、執行役、取締役の一人一人がコンプライアンスの重要性を本当の意味で理解し、常に意識して行動することが定着しない限りは案件の発生を完全に防止することは困難である。もし求められるガバナンスを十分に実現できなかったり、再び重大なコンプライアンス違反の発生を許したりした場合には、当社グループの社会的信用及びブランドや製品に対する信頼は失われ、当社グループの業績に極めて大きな影響を与える可能性がある。2020年より、国連の「国際腐敗防止デー」が設けられた12月に「日産エシックス・デー」を開催し、全地域の従業員を対象として業務に関する行動を振り返り、日産の価値観をいかに日々の業務において実践できるかについて全社的な振り返りを行っている。
さらに守るべき法令やルールは年々増加している一方で企業の社会的責任に対する社会の期待や要求も増大している。仮に、企業の社会的責任に照らして不適切な行為を行ったのが2次3次以降のサプライヤーや販売者であったり、あるいは当社グループが想定した販売ルート以外で流通した製品に関連するものであっても、当社グループ自身が社会的責任を追及され、対応の内容や迅速性が不十分な場合には当社グループの社会的信用や評判に悪い影響を及ぼし、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
5.事業の継続
(1) 大規模災害
日本を本拠とする当社グループとして、地理的リスクについては地震(津波)・水害(台風・洪水)リスクを重点管理すべきリスクと位置付けている。地震リスクについて当社グループでは、地震リスクマネジメントに関する基本方針を設定するとともに、主要な経営会議メンバーで構成されるグローバルベースの災害対策組織を設置している。また、工場などの建屋や設備などの耐震補強も積極的に推進している。なお、火山の噴火についても地震対策の中で対策を講じるべく検討を推進している。しかし、想定を超えた大規模な地震により大きな損害が発生し、操業を中断せざるを得ないような場合は、当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
さらに、地震(津波)、昨今急増している水害(台風・洪水)並びにパンデミックについても、事前の予防対策及び発生時の緊急対応体制の整備、停電時に電気自動車の電池を非常用電源として活用する仕組みの構築等を行っているが、想定を超えた規模で発生した場合などは当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性がある。
東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨や2019年の台風15号・19号等の災害を契機として、下記のような従来想定していなかった様々なリスクも顕在化した。
・ 計画停電の実施や長期にわたる電力不足により、工場の操業が大きく制限されるリスク
・ 原子力発電所からの放射能汚染による立入制限や避難指示により、対象地域内の工場やサプライヤーが復旧又は操業できないリスク
・ 放射能汚染を理由とする、部品・製品の受け入れ制限や遅延のリスク、及び風評による売れ行き低下のリスク
・ 「南海トラフ巨大地震」等で想定される、従来の高さと範囲を大きく超える津波のリスク
・ 日本国内各地に数多く存在する活断層型の地震によりサプライヤーが被災し、工場の操業が大きく制限されるリスク
・ 台風・豪雨(突風)により大きな被害となる土砂崩れや広範囲での停電
当社グループではこれら顕在化した問題に対しても一つ一つ対策を検討・実行し、問題解決の努力を続けているが、当社グループだけでは対応できない問題も多く、また、対応のためのコストも発生するため、業績や財務状況に対する影響は避けられない可能性がある。
(2) 原材料及び部品の購入
当社グループは事業の構造上、多数の取引先から原材料や部品及びサービスを購入している。また、新技術の導入に伴い、産出量が少ないだけでなく産出が特定の国や地域に限られる希少金属の使用も増えている。その結果、需給バランスの急激な変動などによる原材料の価格高騰や供給ひっ迫、災害、パンデミック、又は人権侵害などの発覚、産出国における政情の変化等のリスクにさらされている。当社グループでは、これらのリスクを最小化するため、サプライヤーと連携した事業継続計画(BCP)レベル向上の活動や、代替サプライヤーの検討、サプライチェーン全体での在庫の確保など、購入品の安定的な供給体制強化に継続的に取り組んでいる。しかし予期せぬ市況状況の変化が起こった場合は、必要な原材料・部品等を継続的・安定的に確保できなくなる可能性もあり、当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
(3) 特定サプライヤーへの依存
より高い品質や技術をより競争力ある価格で調達しようとすると、発注が特定のサプライヤーに集中せざるを得ないことがある。また、特別な技術や生産工程を要するものについてはそもそも提供できるサプライヤーが限定されることもある。例えば、世界的な半導体供給のひっ迫は当社グループの生産計画に対して大きな影響を与えうる。当社グループでは、リスクを最小化するため、2次3次以降のサプライヤーを含めた代替サプライヤーの検討、サプライチェーン全体での在庫の確保、半導体サプライヤーとの長期供給契約など、サプライチェーンの見直しと強化に継続的に取り組んでいるが、予期せぬ事由によりサプライヤーからの供給が停止したり、遅延や不足が生じた時は、当社グループの操業も停止し、当社グループの業績と財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
また、当社グループの主要サプライヤーであるマレリホールディングス株式会社は、2022年6月24日に民事再生法に基づく民事再生手続開始を申し立て、2022年7月19日の債権者集会において再生計画案が可決され、2022年8月9日をもって東京地方裁判所による認可決定が確定した。以後、再建へ向けた取り組みを進めているが、引き続き、かかるサプライヤーからの供給の停止、遅延又は不足による当社グループの操業の停止、生産の遅延又は減少、もしくは財務的負担の増加やコストの上昇が生じる可能性があり、当社グループの業績と財務状況に大きな負の影響を及ぼす可能性がある。
(4) 情報システムに係るリスク
当社グループのほとんど全ての業務は情報システムに依存しており、システムやネットワークも年々複雑化高度化している。今や、これらシステムネットワークのサービス無くしては業務の遂行は到底不可能である。この状況に対して大規模な自然災害、火災、停電等の事故は引き続き当該システムに対して脅威であり、更にコンピュータウイルスへの感染やより巧妙化しているサイバー攻撃など人為的な脅威も急激に高まっている。
当社グループではそれらのリスクに備え事業継続計画(BCP)の策定、システム及びインフラの老朽化更新、サイバーセキュリティ対策の向上等、ハード面・ソフト面両方にわたる様々な対策を実施している。しかしながら、想定を超える災害の発生、サイバー攻撃の発生やウイルス等への感染が発生した場合には、システムダウンによる業務の停止、重要なデータの消失、機密情報や個人情報の盗取や漏えい等のインシデントを引き起こす可能性がある。その結果、当社グループの業績や信頼性に対する評判、財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のグローバル全体需要は前連結会計年度に比べ8.6%増の8,454万台となった。当社グループのグローバル小売台数は前連結会計年度に比べ4.1%増の344万2千台となった。売上高は12兆6,857億円となり、前連結会計年度に比べ2兆890億円(19.7%)の増収となった。営業利益は5,687億円となり、前連結会計年度に比べ1,916億円(50.8%)の増益となった。
営業外損益は1,334億円の利益となり、前連結会計年度に比べ49億円の減益となった。経常利益は7,022億円となり、前連結会計年度に比べ1,867億円(36.2%)の増益となった。特別損益は1,029億円の損失となり、前連結会計年度に比べ101億円の改善となった。税金等調整前当期純利益は5,992億円となり、前連結会計年度に比べ1,968億円(48.9%)の増益となった。親会社株主に帰属する当期純利益は4,266億円となり、前連結会計年度に比べ2,047億円(92.3%)の増益となった。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により9,609億円増加、投資活動により8,127億円減少、財務活動により1,316億円減少した。また、現金及び現金同等物に係る換算差額により951億円増加した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し1,118億円(5.6%)増加の2兆1,262億円となった。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
(注) 台数集約期間は2023年4月から2024年3月までである。
b.受注状況
当社グループの受注生産は僅少なので受注状況の記載を省略する。
c.販売実績(小売り)
(注) 1 台数集約期間は、アジアに含まれる中国、台湾は2023年1月から2023年12月まで、日本、北米、欧州、その他、並びに中国、台湾を除くアジアは2023年4月から2024年3月までである。
2 中国には合弁会社である東風汽車有限公司の販売台数が含まれる。
d.販売実績(連結売上)
(注) 台数集約期間は、アジアに含まれる中国、台湾は2023年1月から2023年12月まで、日本、北米、欧州、その他、並びに中国、台湾を除くアジアは2023年4月から2024年3月までである。
(2) 経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであり、原則として連結財務諸表に基づいて分析したものである。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月28日)現在において当社グループが判断したものである。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とする。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
連結財務諸表を作成するにあたって、重要な見積りは以下のとおりである。なお、「会計上の見積りの開示に関する会計基準」の適用に伴い、翌連結会計年度に重要な影響を及ぼす可能性のある一部の項目については、第5[経理の状況]の1[連結財務諸表等]の(重要な会計上の見積り)に記載している。
a.製品保証引当金
当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い、類似の費用特性を有する製品グループごとに保証経過期間における発生費用総額に対して、過去実績に基づく保証期間内の費用発生パターンを見積もり、引当金を算定している。当社グループは、製品の安全を最優先課題として、研究開発・製造から販売サービスまで最善の努力を傾けているが、実際の製品の不具合等により発生した保証費用の発生パターンの実績が見積りと乖離した場合、引当金の追加計上が必要となる可能性がある。
b.退職給付費用
当社グループの従業員の退職給付に備えるための退職給付費用及び債務は、割引率、退職率及び死亡率などの年金数理計算上の基礎率及び年金資産の長期期待運用収益率に基づき算出されている。ただし、国際財務報告基準(IFRS)を適用している在外子会社においては、年金資産の期待運用収益率ではなく、利息純額として年金数理計算上の割引率と同じ指標が用いられている。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性がある。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度における経営成績及び財政状態の状況に関する認識及び分析・検討結果は、次のとおりである。
(業績)
a.売上高
連結売上高は前連結会計年度に対し2兆890億円(19.7%)増加し、12兆6,857億円となった。これは主に、販売台数の増加、台当たり正味売上高の改善及び為替変動によるものである。
b.営業利益
連結営業利益は5,687億円となり、売上高営業利益率は4.5%となった。前連結会計年度の3,771億円の利益に対し1,916億円(50.8%)の増益となった。これは主に、販売台数の増加、台当たり正味売上高の改善及び固定費の徹底管理によるものである。
c.営業外損益
連結営業外損益は1,334億円の利益となり、前連結会計年度の1,383億円の利益に対し、49億円の減益となった。これは主に、持分法による投資利益の減少によるものである。
d.特別損益
連結特別損益は1,029億円の損失となり、前連結会計年度の1,130億円の損失に対し、101億円の改善となった。これは主に、当連結会計年度に一過性の訴訟関連損失及び減損損失を計上したものの、前連結会計年度においてはロシア市場からの撤退に関連する損失等を計上したことによるものである。
e.法人税等
法人税等は1,497億円となり、116億円(7.2%)の減少となった。これは主に、当社において繰延税金資産の回収可能性を判断する際の企業分類の見直しを行ったことによるものである。
f.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は4,266億円となり、前連結会計年度に比べ2,047億円(92.3%)の増益となった。
(事業セグメント)
a.自動車事業
当社グループのグローバル小売台数は344万2千台となり、前連結会計年度に比べ13万7千台(4.1%)の増加となった。日本、北米、欧州等中国以外の地域は前連結会計年度に比べ17.2%増加したものの、中国市場では減少した。日本国内では前連結会計年度に比べ6.5%増の48万4千台、メキシコとカナダを含む北米では前連結会計年度に比べ23.3%増の126万2千台、欧州では前連結会計年度に比べ17.2%増の36万1千台、中国では前連結会計年度に比べ24.1%減の79万4千台、その他地域は前連結会計年度に比べ14.2%増の54万1千台となった。
自動車事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は11兆7,825億円となり、前連結会計年度に比べ2兆957億円(21.6%)の増収となった。営業利益は2,216億円となり、前連結会計年度に比べ1,786億円(415.9%)の増益となった。これは主に、販売台数の増加に加え、台当たり正味売上高の改善及び固定費の徹底管理によるものである。
なお、当連結会計年度におけるセグメント間の取引消去額を含む自動車事業の営業利益は2,600億円となった。
b.販売金融事業
販売金融事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は1兆1,618億円となり、前連結会計年度に比べ1,380億円(13.5%)の増収となった。営業利益は3,087億円となり、前連結会計年度に比べ32億円(1.0%)の減益となった。これは主に、ポートフォリオの拡大や為替変動による増益影響はあったものの、金利上昇に伴う調達コストの増加及び市場の徐々な正常化に伴う貸倒引当金の繰入額の増加によるものである。
(地域セグメント)
a.日本
日本国内市場の全体需要は前連結会計年度に比べ3.2%増加し453万台となった。当社グループの小売台数は前連結会計年度に比べ6.5%増の48万4千台となり、市場占有率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント増の10.7%となった。
この結果、日本地域におけるセグメント間の内部売上高を含む売上高は4兆9,479億円と、前連結会計年度に比べ1兆96億円(25.6%)の増収となった。営業利益は1,081億円となり、前連結会計年度に比べ2,584億円の改善となった。これは主に、インフレーションはあったものの、国内販売については新型「セレナ」等の新車投入による台数の増加及び台当たり正味売上高の改善、輸出については台数の増加及び為替変動の影響によるものである。
b.北米
メキシコとカナダを含む北米市場の全体需要は前連結会計年度に比べ13.1%増加し1,880万台となり、当社グループの小売台数は前連結会計年度に比べ23.3%増の126万2千台となった。
この結果、北米地域におけるセグメント間の内部売上高を含む売上高は7兆2,793億円と、前連結会計年度に比べ1兆3,302億円(22.4%)の増収となった。営業利益は3,345億円となり、前連結会計年度に比べ215億円(6.0%)の減益となった。これは主に、販売台数の増加、原材料価格の減少及び為替変動の影響はあったものの、販売奨励金の増加及びインフレーションによるものである。
米国市場の全体需要は前連結会計年度に比べ12.4%増加し1,568万台となった。当社グループの小売台数は前連結会計年度に比べ19.8%増の91万6千台となり、市場占有率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント増の5.8%となった。
c.欧州
ロシアを含む欧州市場の全体需要は前連結会計年度に比べ12.3%増加し1,635万台となった。当社グループの小売台数は前連結会計年度に比べ17.2%増の36万1千台となり、市場占有率は前連結会計年度に比べ0.1ポイント増の2.2%となった。
この結果、欧州地域におけるセグメント間の内部売上高を含む売上高は1兆8,705億円と、前連結会計年度に比べ4,738億円(33.9%)の増収となった。営業損失は173億円となり、前連結会計年度に比べ127億円の悪化となった。これは主に、「日産ジューク」、「キャシュカイ」、新型「エクストレイル」等の販売台数の増加、原材料価格の減少はあったものの、販売費用の増加及びインフレーションによるものである。
d.アジア
中国を除くアジア市場の小売台数は前連結会計年度に比べ7.6%減の11万6千台となった。アジア地域におけるセグメント間の内部売上高を含む売上高は1兆6,078億円と、前連結会計年度に比べ1,689億円(11.7%)の増収となった。営業利益は1,092億円となり、前連結会計年度に比べ233億円(27.1%)の増益となった。これは主に、輸出台数の増加及び原材料価格の減少によるものである。
中国市場の全体需要は、前連結会計年度に比べ6.0%増加し2,475万台となった。当社グループの小売台数は前連結会計年度に比べ24.1%減の79万4千台となり、市場占有率は前連結会計年度に比べ1.3ポイント減の3.2%となった。これは主に、小型商用車事業の売却、価格競争の激化、及びICE車から新エネルギー車へのシフトが加速したことによるものである。なお、合弁会社である東風汽車有限公司の業績は、持分法による投資損益として営業外損益に計上している。
e.その他
大洋州、中近東、南アフリカ、メキシコを除く中南米等における当社グループの小売台数は、前連結会計年度に比べ22.1%増の42万5千台となった。中南米市場の小売台数は前連結会計年度に比べ23.9%増の16万7千台、中東市場の小売台数は前連結会計年度に比べ26.8%増の15万2千台、南アフリカ等のアフリカ市場の小売台数は前連結会計年度に比べ13.1%減の5万5千台となった。
大洋州、中近東、南アフリカ、メキシコを除く中南米等におけるセグメント間の内部売上高を含む売上高は1兆5,146億円と、前連結会計年度に比べ3,487億円(29.9%)の増収となった。営業利益は273億円となり、前連結会計年度に比べ572億円(67.7%)の減益となった。これは主に、販売費用の増加及びインフレーションによるものである。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
当社グループは、グローバルに展開するグループ会社の資金状況を当社にて一括管理し、グループの資金効率を高めている。
当社グループの資金需要としては、自動車事業における研究開発費及び設備投資と、販売金融事業における金融資産の取得原資などがある。これらの必要資金を安定的に確保するため、運転資金効率の改善を含めた自動車事業の営業キャッシュ・フローの向上やグループ内の余剰資金の活用により、内部資金を最大限に利用している。また、外部調達としては、銀行借入やコマーシャルペーパー及び社債の発行のほか、販売金融事業では保有金融債権の流動化も行い、各地域での金融市場の特性や状況に応じて調達手法を最適に組み合わせることで、低コストでの資金調達を実現している。なお、研究開発費及び設備投資については、電動化、モビリティ革新、グローバルなエコシステムの構築といった重点分野に集中して投入している。また、販売金融事業における自動車ローンや自動車リースを中心とした金融資産の取得については、常に資産の質を重視して管理している。株主への配当については、収益及びキャッシュ・フロー等の状況を総合的に勘案し決定している。
流動性について、当社グループは、地政学的リスクや金融市場の想定外の変化にも対応できるよう、常に十分な流動性の確保を図っている。当社グループは従来から世界の主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、自動車事業と販売金融事業を合わせたグループ全体での未使用のコミットメントラインとして2024年3月末時点で2兆1,823億円を保有している。また、2024年3月末時点での自動車事業における手元資金は2兆143億円である。これらにより当社グループの流動性は十分に高い水準にあると考えている。
当社グループによる無担保資金調達に係わるコスト及びその発行の可否は、一般に当社グループに関する信用格付によっている。ムーディーズ(Moody's)、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、フィッチ・レーティングス(Fitch Ratings)及び格付投資情報センター(R&I)による2024年5月末時点での当社の長期信用格付は以下のとおりである。なお、これらの格付は当社グループの債券の売買・保有を推奨するものではない。また、当社グループの金融債務やコミットメントラインについて、格付の見直しにより強制的に返済の必要が生じたり新たな借入が制限される条件が付されているものはない。
なお、当社グループは、事業の中核と位置付けているサステナビリティの推進に必要となる資金を調達するため、2022年7月にサステナブル・ファイナンス・フレームワークを策定し、フレームワークに基づき2022年度に資金調達を行った。本フレームワークを通じて調達した資金は、バッテリーを含む電動車の開発や生産、EVエコシステム・スマートシティの実現に向けた技術開発やインフラ整備、より安全で持続可能なモビリティの開発など、幅広い取り組みに使用されている。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対するキャッシュ・フローの増減は以下のとおりである。
営業活動
営業活動による収入は9,609億円となり、前連結会計年度の1兆2,211億円の収入に比べて2,602億円減少した。これは主として、自動車事業の収益の改善があった一方で、事業拡大に伴う当連結会計年度の販売金融債権の増加によるものである。
投資活動
投資活動による支出は8,127億円となり、前連結会計年度の4,470億円の支出に比べて3,656億円支出が増加した。これは主として、設備投資の増加と、販売金融事業のリース車両の取得が増加したことによるものである。
財務活動
財務活動による支出は1,316億円となり、前連結会計年度の6,706億円の支出に比べて5,391億円の支出が減少した。これは主として、販売金融事業の資金調達が増加したことによるものである。
なお、当連結会計年度における自動車事業のフリーキャッシュフローは前連結会計年度に比べ1,363億円改善し、3,230億円のプラスとなった。また、当連結会計年度末における自動車事業のネットキャッシュは1兆5,460億円となり、前連結会計年度末から3,328億円増加した。
セグメント別の内訳は以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(百万円)
対前年度増減
(百万円)
5 【経営上の重要な契約等】
当社は、1999年3月27日にルノーとの間で締結された「アライアンス及び資本参加契約」(Alliance and Equity Participation Agreement。以下、「AEPA」という。)並びにこれを改訂した2002年3月28日付「改訂アライアンス基本契約」(Restated Alliance Master Agreement。以下、「RAMA」という。)及びその改訂に代わる新たなアライアンス契約として、2023年7月26日にルノーとの間で「新アライアンス契約」(New Alliance Agreement)を締結した。その後、新アライアンス契約は、2023年11月7日に締結された「第1次改訂新アライアンス契約」(First Amended and Restated New Alliance Agreement。以下、「改訂新アライアンス契約」という。)により改訂され、前提条件の充足を受けて、2023年11月8日に改訂新アライアンス契約の法的効力が発効した。これにより、同日をもってAEPA及びRAMAは失効した。
改訂新アライアンス契約については、ガバナンス向上及び透明性の向上の観点から、契約上の守秘義務に抵触しない範囲で、以下のとおり内容の一部を開示する。
(株式譲渡制限及び株式取得制限)
ルノーと当社グループは、株式譲渡制限及び株式取得制限を伴う約15%の株式を相互に保有する。
(取締役候補者の推薦)
ルノーは当社の取締役会において2名の取締役を推薦する権利を有し、当社はルノーの取締役会において2名の取締役を推薦する権利を有する
(ルノーによる当社株式の信託及び売却)
ルノーは、2023年11月8日時点で同社が保有していた当社株式43.4%のうち、約28.4%をフランスの信託会社に信託し、当該株式が売却されるまでの間、当該株式のすべてに付随する経済面での権利(配当金と株式売却収入)を有する。
ルノーは、同社にとって商慣習上合理的な場合、信託会社に信託した当社株式の売却を指示するが、特定の期間内に売却する義務は負わない。ルノーは、当社と協調的で秩序あるプロセスにおいて自由に信託内の当社株式を売却できるが、当社は筆頭の売却候補として、直接又は第三者を通じてその優先的な地位を享受する。
(議決権行使)
ルノーにより信託会社に信託された当社株式に付随する議決権は、以下の場合を除き、中立的に行使される。
・ルノーが推薦する当社取締役の選任又は解任(信託会社はルノーの指示に従って議決権を行使する)
・ルノーが推薦する当社取締役以外の当社指名委員会が推薦する当社取締役の選任又は解任(信託会社は当社指名委員会の決定及び提案に賛成する)
・当社の取締役会が支持しない株主提案(信託会社は棄権する)
ルノー及び当社グループ双方による議決権行使は、行使可能な総議決権数の15%が上限とされ、両社は当該上限内で自由に相手方に対する議決権の行使が可能である。
(アライアンス オペレーティング ボード)
当社、ルノー及び三菱自動車工業株式会社との間で設立されたアライアンス オペレーティング ボードは、当社、ルノー及び三菱自動車工業株式会社の調整の場として存続する。
なお、改訂新アライアンス契約の当初有効期間は、発効日から15年となる。
6 【研究開発活動】
当社グループは、将来にわたって持続性のあるモビリティ社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は6,099億円であった。
当社グループの研究開発体制及び活動成果は次のとおりである。
(1) 研究開発体制
当社グループの日本における研究開発は、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)を中心に、車両開発を株式会社日産オートモーティブテクノロジー、日産車体株式会社、ユニット開発をジヤトコ株式会社などの関係各社が担当し、当社と密接な連携のもとで推進している。
米欧地域においては、米国の北米日産会社、メキシコのメキシコ日産自動車会社、英国の英国日産自動車製造会社、スペインの日産モトール・イベリカ会社において、一部車種の設計開発業務を行っている。また、米国の日産先進技術開発センター・シリコンバレーにおいて、自動運転車の研究、最先端のICT(Information and Communication Technology)技術開発を行っている。
アジア地域では、中国の日産(中国)投資有限公司、東風汽車集団股份有限公司との合弁会社である東風汽車有限公司、台湾の裕隆汽車製造股份有限公司との合弁会社である裕隆日産汽車股份有限公司、タイのアジア・パシフィック日産自動車会社及びインドのルノー日産テクノロジー&ビジネスセンターインディア社において一部車種のデザイン及び設計開発業務を行っている。また、ルノーとの合弁会社アライアンス研究開発(上海)有限公司を2019年に設立し、自動運転車、電気自動車(EV)、コネクテッドカーに重点を置いた研究開発を行っている。
また、南米地域のブラジル日産自動車会社、南アフリカの日産サウスアフリカ会社においても現地生産車の一部開発業務を行っている。
(2) 新商品の開発状況
国内にて、「フェアレディZ NISMO」、「スカイライン NISMO」、「アトラス」、「日産クリッパー EV」を発売した。海外では、中国において「キャッシュカイ」、「パラディン」、「パスファインダー」および、新エネルギー車(NEV)のヴェヌーシア「V-Online DD-i」、「VX6」を発売した。
(3) 新技術の開発状況
日産は2021年11月に「共に切り拓く モビリティとその先へ」をスローガンとして、新しい長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を発表した。日産は今後10年間で、数多くのワクワクする電動車とイノベーションを提供し、グローバルに事業を拡大していく。この長期ビジョンは、2050年度までに製品のライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現するという当社の目標を支えるものである。
そして、バランスの取れたポートフォリオで多様なお客さまのニーズと市場毎に異なる電動化のペースに対応するため、2024年度から2030年度の間で計34車種の電動車を投入してすべてのセグメントをカバーする。その結果、グローバルな電動車のモデルミックスは2026年度に約40%、2030年度には約60%になる見込みである。
また、電動化の鍵となるバッテリーについては従来のNCMリチウムイオンバッテリーの性能を向上していくとともに、コストに優れるLFPバッテリーおよびバッテリーの革新となる全固体電池の開発を進めていく。これらの進化したNCMリチウムイオンバッテリー、LFPバッテリー、全個体電池を搭載したEVは、2028年度に投入する予定である。さらに、EVと「e-POWER」でモーター・インバーターなど主要部品の共用化・モジュール化することによりコストの大幅低減を実現する次世代電動パワートレイン「X-in-1」技術開発を通じ、電動車の競争力をさらに向上させる。
EVでは、「日産リーフ」、SUVの「日産アリア」、軽自動車の「日産サクラ」に続き、ビジネスユースもサポートする軽商用EVバンの「日産クリッパー EV」を発売した。
「日産クリッパー EV」は、軽商用バンとして必要な荷室性能と積載量を確保しながらも、モーター駆動のEVならではの力強い走りで、重い荷物も軽快に運ぶことが可能である。また、走行時や起動・停車時の静粛性も高く、早朝や深夜をはじめ、住宅街での使用にも適する。
さらに、次世代のEVに向けては競争力を確保するため、プラットフォームを共有するファミリー開発などの効率化を行い、EVのコストをガソリン車(ICE車)と同等にしていくことを目指す。
車両の電動化では、ガソリンエンジンで発電した電力を利用し、モーターの力で走行する「e-POWER」を2016年より採用している。
2023年には、新開発の「e-POWER」専用設計エンジンを搭載した「セレナ」において、燃焼効率の向上やスムースで力強い加速、優れた静粛性などが評価され2023-2024「日本カー・オブ・ザ・イヤー」において「テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」、2024年次「RJCカー・オブ・ザ・イヤー」において「RJCカーオブザイヤー」と「RJCテクノロジーオブザイヤー」を受賞した。さらに、グローバル市場における採用拡大のため、2023年には中国で「エクストレイル」へ「e-POWER」搭載モデルを設定した。
今後も「e-POWER」は環境性能と走行性能を高い次元でバランスさせながら、幅広い車種に搭載可能な技術として進化を続けていく。EV同様、コストのさらなる低減に向け、発電専用エンジンの開発及び定点運転に特化するシステムの簡素化に取り組む。さらに次世代の「e-POWER」向け発電専用エンジンでは、世界最高レベルの熱効率50%を実現する技術を開発し、一層のCO2排出量の削減(燃費向上)を目指す。
車両の軽量化も燃費向上に向けた重要な取り組みのひとつであり、材料、構造合理化、工法の3つの手法により推進している。材料では、高強度と高成形性を両立できる超ハイテン材の採用拡大をいち早く進めており、軽自動車からインフィニティに至るまで、幅広い車種の車体骨格部材に採用している。2020年「ローグ」、「キャシュカイ」、「ノート」、2022年「日産アリア」、2023年「セレナ」など採用車種の拡大を進めている。また、構造合理化においては、新設計したモーター、インバーターを適用した「e-POWER」システムを2020年発売の「ノート」に採用した。6%の出力向上を図りながら、モーターでは15%、インバーターでは30%の軽量化を実現している。2023年「セレナ」にも同様の技術を採用している。
当社グループは「EVを作って売る」のみならず、環境の整備をはじめEVのある生活・社会をより豊かなものにするための様々なソリューション「ニッサンエナジー」を提供しており、それらを合わせた「EVエコシステム」を構築してきた。「ニッサンエナジー」は次の3つの領域で構成される。
・充電ソリューションの拡充:安心・便利なEVライフのための各種充電ソリューションを提供
・EVを活用したエネルギーマネジメントサービス:EVのバッテリーに貯めた電力を、住宅と「シェア」することで、新たな価値を提供。さらにビル、地域社会へ拡大する取り組みを推進。日本では法人や地方自治体のお客様向けに、「ニッサンエナジー・シェア」としてエネルギーマネージメントのサービスを提供
・リチウムイオンバッテリー二次利用事業「4R」の推進:EVがさらに普及する将来を見据え、クルマで使用された後でも高い性能を有する日産のEVのバッテリーを二次利用するための取り組みを推進
加えて、EVを活用し日本が抱える地球温暖化、災害対策、再生可能エネルギーの推進、地方での観光の活性化や交通課題といった課題を解決するための活動、日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』に取り組んでいる。再生可能エネルギーの利活用に有効な手段であるEVは、地球規模の課題である脱炭素社会の実現に大きく貢献するものであり、2024年3月末時点で自治体・企業との連携によるブルー・スイッチ活動は254件となった。
安全面において、日産は事故による犠牲者を減らすため、事故そのものを減らすことに取り組み、安全性能に係わる技術の進化と採用拡大を推進する。
日本では、自動車アセスメント(JNCAP)にて、「セレナ」、「エクストレイル」が最高評価となるファイブスター賞を獲得した。米国では、米国新車アセスメントプログラム(US-NCAP)にて「日産リーフ」、「日産リーフプラス」、「ムラーノ」、「アルティマ」、「マキシマ」、「セントラ」、「ヴァーサ」、「ローグ」、「日産アリア FWD」、「パスファインダー AWD」、インフィニティ「QX50」、「QX60 AWD」が最高評価となる5つ星を獲得した。また、米国道路安全保険協会(IIHS)にて、「パスファインダー」がトップセーフティピック+(TSP+)を獲得、「日産アリア」、インフィニティ「QX60」がトップセーフティピック(TSP)を獲得した。中国では、中国新車アセスメントプログラム(C-NCAP)にて「日産アリア」が5つ星を獲得した。
また、当社グループは交通事故低減に大きな効果が期待できる運転支援技術の採用を推進している。さらに、ドライバーの負担を軽減する技術として、2016年より「プロパイロット」、2019年より高速道路で同一車線内ハンズオフが可能なナビ連動ルート走行を実現した「プロパイロット2.0」を販売しており、2023年には「セレナ」へミニバン世界初として採用した。引き続き、プロパイロット技術を軽自動車に至るまで幅広い車種で採用を推進していく。
また、2027年度には、ドアツードアの自動運転技術を搭載した次世代プロパイロットを投入する予定である。さらに、2030年度にはアクティブセーフティとAI技術を融合させたシステムを実用化し、さらなる交通事故の低減を目指していく。
当社グループは、「Nissan Ambition 2030」に基づき、今後も競争力のある商品、将来に向けた先端技術等のための研究開発活動に積極的に取り組んでいく。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループ(当社及び連結子会社)では、新商品、電動化・自動化や新たなモビリティーサービス、安全・環境対応に向けた新技術の研究開発及び効率的な生産体制の確立などのために、当連結会計年度において全体で4,861億円の設備投資を実施した。
2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりである。
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具器具備品及び建設仮勘定である。
2 従業員数は就業人員であり、臨時従業員は( )内に年間の平均人員を外数で表示している。
(1) 提出会社
2024年3月31日現在
(注) 1 全ての設備を当社製品の製造委託先である日産自動車九州株式会社に貸与している。
2 主な所在地を記載している。
3 各工場には隣接する福利厚生施設、製品保管設備、実験設備並びに当該従業員が含まれている。
(2) 国内子会社
2024年3月31日現在
(3) 在外子会社
2024年3月31日現在
(注) 在外子会社の帳簿価額には使用権資産を含んでいる。
上記の他、主要な借用設備として以下のものがある。
借用中の主な設備の内容
(注) 借用中の設備に属する主な従業員は上記「主要な設備の状況」に含めて記載している。
報告セグメント内訳
(注) 現在休止中の主要な設備はない。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 新設、改修
2024年度(2024年4月~2025年3月)においては、当社グループで6,200億円の設備投資を計画しており、この設備投資に関わる所要資金は自己資金で充当する予定である。
(2) 除却、売却
経常的な設備の更新のための除却及び売却を除き、現時点で重要な設備の除却及び売却の計画はない。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注) 2024年3月27日開催の取締役決議により2024年4月3日付で自己株式を消却し発行済株式総数が100,242,900株減少している。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項なし。
② 【ライツプランの内容】
該当事項なし。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項なし。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)1 自己株式の消却による減少
2 2024年3月27日開催の取締役決議により2024年4月3日付で自己株式を消却し発行済株式総数が100,243千株減少している。
(5) 【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注) 自己株式21,932,155株は「個人その他」に219,321単元、「単元未満株式の状況」に55株含まれている。
(6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(注)1 株主名簿上は、ナティクシス エスエイ アズ トラスティー フォー フィデューシー ニュートン 701910名義となっているが、これはすべてルノー エスエイが実質的に保有しており、ルノー エスエイ名義を加えた合計は、1,620,837千株である。
2 株主名簿上は、ジェーピー モルガン チェース バンク 380856名義となっているが、このうちダイムスペインS.L.が100,505千株、ダイムスペインDAG, S.L.が25,808千株をそれぞれ実質的に所有しており、その合計は126,313千株である。なお、ザ チェース マンハッタン バンク エヌエイ ロンドン スペシャル アカウント ナンバ ー ワン名義でダイムスペインDT, S.L.が13,829千株を実質的に所有しており、これを加えた合計は、140,142千株である。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注) 単元未満株式数には、当社所有の自己株式55株が含まれている。
② 【自己株式等】
2024年3月31日現在
(注) 「所有株式数」のうち、「他人名義」で所有している株式数は、当社取引先持株会名義(住所:神奈川県横浜市西区高島1―1―1)で所有している相互保有会社の持分に相当する株数である。
(100株未満は切捨てて表示している。)
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項なし。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づく取得
(注)東京証券取引所における自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による取得である。
(注)東京証券取引所における自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による取得である。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注)当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれていない。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含まれていない。
3 【配当政策】
当社は、株主への利益還元を重要な経営方針のひとつとして位置付ける。株主還元は、配当を中心に行い、手元資金の水準、利益及びフリーキャッシュフローの実績や見通し、将来に向けた必要投資等を勘案しつつ、安定的な配当を行うことを目指す。
当社は、定款において会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定めており、配当決定機関は、9月30日を基準日とした中間配当は取締役会、期末配当は株主総会である。
当事業年度の剰余金の配当については、中間配当金は1株当たり5円、期末配当金は1株当たり15円とした結果、年間で1株当たり20円となった。
内部留保資金の使途については、今後の事業展開の備え及び研究開発費用等に投入して行く予定である。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は以下のとおりである。
(注) 配当金の総額は、ルノーに対する配当金の内、ルノー株式に占める当社持分相当の配当金を控除したものである。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、2019年6月25日の株主総会をもって、指名委員会等設置会社に移行し、ガバナンス体制の更なる強化を図っている。
ガバナンス体制における、当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、以下のとおりである。
・当社は、社会における存在意義を定義した<人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。>というコーポレートパーパスの下、信頼される企業として、独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造し、その目に見える優れた価値を、全てのステークホルダーに提供するために、コーポレート・ガバナンスの向上を経営に関する最重要課題のひとつとして取り組む。
・当社は、社会からの要請や社会的責任を常に意識しながら事業活動を展開し、事業の持続的な成長とともに、持続可能な社会の発展に尽くす。
・当社は、明確な形で執行と監督・監視・監査を分離できる指名委員会等設置会社を選択する。これにより、意思決定の透明性を向上するとともに、迅速かつ機動的な業務執行を実行する。
・当社は、取締役会その他の機関による監督・監視・監査を通じて、内部統制、コンプライアンス及びリスク管理体制の実効性を担保する。当社の執行役及び役職員は、かかる監督・監視・監査に対し、常に真摯に対応する。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、上記「コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」に記載のとおり、意思決定の透明性を向上するとともに、迅速かつ機動的な業務執行を実行するため、明確な形で執行と監督・監視・監査を分離できる指名委員会等設置会社を採用している。
取締役会については、独立性を有する社外取締役(独立社外取締役)の牽引により、多様な視点を持って、経営の基本方針を決定するとともに、執行役等の職務の執行を監督する役割を担う。取締役の員数は、活発な議論と迅速な意思決定を可能とする適正な規模とし、取締役会が独立社外取締役により牽引される環境を創出するため、過半数は独立社外取締役としている。また、取締役会の議長は、独立社外取締役としている。取締役会においては、経営の基本方針等、法令、定款及び取締役会規則に定めた重要事項の決定を行うとともに、効率的かつ機動的な経営を行うため、原則として業務執行に関する権限(法令で定められた取締役会専決事項に係るものを除く)を大幅に執行役に委譲している。
取締役会及び各委員会の構成については、「③当事業年度における取締役会及び委員会の活動状況」参照のこと。
執行役については、取締役会決議により委任された当社の業務執行の決定及び業務の執行を担っている。(2)[役員の状況]に記載のとおり、提出日現在、執行役として5名(うち、代表執行役1名)が選任されている。また、会社の重要事項や日常的な業務執行に関する事項について審議し議論する会議体を設置するとともに、効率的かつ機動的な経営を行うために、業務執行については明確な形で執行役員及び使用人に権限を委譲している。
③ 当事業年度における取締役会及び委員会の活動状況
i)取締役会の活動状況
当事業年度における当社の取締役会は独立社外取締役が議長を務め、また取締役10名のうち6名が独立社外取締役である。取締役会では、法令及び取締役会規則に基づき、株主総会議案、各委員会の構成員、四半期及び通期決算、中長期経営計画並びに事業計画等の当社グループ経営に関わる重要事項等について決議している。
当事業年度における取締役会は、取締役10名で構成され、うち、木村康、ベルナール デルマス、井原慶子、永井素夫、アンドリュー ハウス、ブレンダ ハーヴィーの6名は独立社外取締役である。なお、木村康を取締役会議長、ジャンドミニク スナールを取締役会副議長とし、ベルナール デルマスが筆頭独立社外取締役を務めている。
当事業年度における、当取締役会に上程された議案には以下が含まれる。
・業務執行状況の報告
・次期中期経営計画の審議及び決議
・ルノーグループとの新たなアライアンス契約締結の決議
・ルノーグループからの自己株式取得及び消却の決議
・公正取引委員会の勧告を受けた下請法違反に関する決議及び社内調査結果の報告
・IR報告
・ニッサン・グリーンプログラム2030(NGP2030)及びニッサン・ソーシャルプログラム2030(NSP2030)の報告及び審議
・内部統制及びリスクマネジメント報告
・コーポレートガバナンス報告書の決議
また、筆頭独立社外取締役が議長を務める社外取締役のみによる会合を定期的に開催し、当社のコーポレート・ガバナンス及びビジネスに関する事項等について幅広く議論している。当事業年度の主な活動としては、ルノーグループとの新たなアライアンスの契約締結に向け執行側と複数回にわたり議論を行った他、個別のビジネス・トピックに関する執行側からのビジネスブリーフィングを行った。
さらに、独立社外取締役と会計監査人との間で、四半期開示制度の動向、気候変動及びその周辺のサステナビリティ開示の現状、インパクト加重会計などに関する意見交換会を当事業年度において2回実施している。
ii)各委員会の活動状況
●指名委員会
当事業年度における指名委員会の委員長は独立社外取締役であり、また、委員5名のうち4名が独立社外取締役である。当委員会では、株主総会に提出する取締役の選任及び解任に関する議案の内容の決定、取締役会に提案する代表執行役の選定及び解職に関する議案の内容の決定、及び社長兼最高経営責任者の後継者計画の内容の策定及び年次の検証を行う権限を有している。
当事業年度における指名委員会は、アンドリュー ハウス(委員長)、木村康、井原慶子、永井素夫、ジャンドミニク スナールの5名で構成されている。
当事業年度における、当委員会の活動には以下が含まれる。
・代表執行役の選定議案を審議
・第125回定時株主総会に提出する取締役選任議案について審議
・社長兼最高経営責任者の後継者育成計画プロセスについて審議
●報酬委員会
当事業年度における報酬委員会の委員(委員長を含む。)は、4名全て独立性を有する社外取締役である。当委員会は、法定の権限である取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針、並びに取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容を決定する権限を有している。
当事業年度における報酬委員会は、井原慶子(委員長)、ベルナール デルマス、永井素夫、アンドリュー ハウスの4名で構成されている。
当事業年度における、当委員会の活動には以下が含まれる。
・取締役及び執行役の報酬に関する方針の決定
・報酬水準検討のためのベンチマーク企業を選定、外部第三者専門機関の調査結果も踏まえた報酬水準の審議
・取締役及び執行役の当事業年度の報酬額及び個人別の報酬等の決定
●監査委員会
当事業年度における監査委員会の委員長は独立社外取締役であり、また、委員5名のうち4名が独立社外取締役である。監査委員会は、適切な資質・能力(社内での情報収集能力、国際的な監査の知見・経験及び監査人・会計士その他金融関連の専門的職務に従事した経験を有する等)を有する取締役を委員として選任し、執行役等の職務執行状況を監査するとともに、取締役会の監督機能の実効性についても監査を行う権限を有している。当委員会では、内部統制システムの構築・運用状況を含む業務執行の監査の一環として、年度監査計画に従って、また、必要に応じて、執行役、執行役員及び使用人から、当社及びグループ会社の業務執行に関する報告を受けている。また、委員長は、社長兼最高経営責任者をはじめとする執行役等と、定期的に会合を持ち、幅広く意見の交換を行っているほか、重要会議等に出席し意見を述べるとともに、決裁書その他の重要書類を閲覧し、必要に応じて執行役、執行役員及び使用人に対して説明又は報告を求めている。委員長が収集した情報については、適時に他の委員にも共有されている。
さらに、監査委員会は、監査の実施にあたり、監査委員会、内部監査部門及び会計監査人の三者が適宜連携し、三様監査の実効性を高める取り組みを実施している。監査委員会のリーダーシップの下、三者間での連携により、監査上の指摘事項及びその対応状況をタイムリーに共有し、内部統制の実効性の向上を図っている。また、監査委員会は、内部監査部門を管轄し、以下の通り、内部監査部門が執行側から極めて高い独立性を確保する体制を構築した上で、内部監査部門から定期的に内部監査計画に基づく内部監査の進捗やその結果について報告を受けるとともに、必要に応じて、内部監査部門に対して内部監査に関する指示を行っている。
加えて、当委員会は、執行役等のマネジメントの関与の疑義がある内部通報の通報先となり、関係する執行役等が通報者及び通報内容を知りえない体制を構築の上、その対応に当たっている。
当事業年度における監査委員会は、永井素夫(委員長)、木村康、ベルナール デルマス、ブレンダ ハーヴィー、ピエール フルーリォの5名で構成されている。なお、当事業年度においては、監査委員会の重点監査項目を定め、それぞれの項目について監査委員会等の場を通じて検討・審議を重ね、必要に応じて執行側等へ提言を実施した。
内部監査部門の独立性を確保するための体制の具体的な内容、監査委員会・内部監査部門・執行側の関係図、重点監査項目及びその他の監査項目並びに当事業年度各月における監査委員会の上記に関する主な活動の詳細な状況は(3)[監査の状況]に記載している。
2023年度の取締役会及び指名・報酬・監査委員会の開催状況及び各取締役の出席状況は以下のとおりである。
(注) 1 ( )内は、出席回数/在任中の開催回数を示す。
2 ◎は議長又は委員長を示す。
3 ※は独立社外取締役を示す。
4 ※※ジャンドミニク スナール及びピエール フルーリォについては、その兼職の状況を鑑みて、利益相反解消のための方針に従い、ルノーに関する案件が審議された取締役会を2回欠席している。
5 #ブレンダ ハーヴィーは2023年6月の定時株主総会において取締役に就任しているため、就任後に開催された取締役会と委員会の出席状況を記載している。
6 ##豊田正和、ジェニファー ロジャーズ、アシュワニ グプタの3名は2023年6月の定時株主総会の時をもって取締役を退任した為、退任までの期間に開催された取締役会と委員会の出席状況を記載している。
④ 企業統治に関するその他の事項
1. 内部統制システムの整備状況
当社の取締役会は、会社法及び会社法施行規則に定める「会社及び企業集団の業務の適正を確保するための体制」を決議し、内部統制について担当する執行役を置いている。その体制の概要及びその整備状況は以下のとおりである。
i) 執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
① 法令に基づく会社の機関設計として指名委員会等設置会社制度を選択した上で、取締役会において、経営の基本方針等、法令、定款及び取締役会規則に定めた重要事項の決定を行う。
② 効率的で機動的な経営を行うため、原則として業務執行の決定に関する権限(法令で定められた取締役会専決事項に係るものを除く)を大幅に執行役に委譲している。
③ 執行役社長兼最高経営責任者等を構成員として、事業戦略、重要な取引・投資等の会社の重要事項について審議し議論するエグゼクティブコミッティ、及び会社の日常的な業務執行に関する事項について審議し議論する別のコミッティを設置している。
④ 地域及び特定の事業領域に関する事項を審議し議論するマネジメントコミッティを設置している。
⑤ マネジメント手法の一つとして、クロス・ファンクション(機能横断的活動)がある。なかでも、クロス・ファンクショナル・チーム(CFT)は、会社が取組むべき各種の課題や問題に対応している。CFTは、機能や組織の枠を越えて働く、当社が独自に開発した強力なマネジメント・ツールである。
⑥ 社内意思決定の迅速化を図り、意思決定プロセスを明確にするため、明確で透明性の高い、各執行役及び使用人の権限と責任を定める権限基準を整備している。
⑦ 中期経営計画及び年度事業計画の策定を通じ、経営方針と事業目的を具体化し、共有することにより、効率的かつ効果的な業務執行を行っている。
ii) 執行役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
① 世界中のグループ会社で働く全ての社員を対象として「グローバル行動規範」を策定し、その周知・徹底を図っている。
② 行動規範の遵守を確実なものとするため、eラーニングなどの教育プログラムを充実させている。
③ 当社の取締役や執行役等を対象に、「取締役・執行役等の法令遵守ガイド」を策定し、その遵守を徹底する。
④ 反社会的勢力に対しては、会社として毅然とした態度で臨むものとし、当社の役員・従業員は、万一反社会的勢力から何らかのアプローチを受けた場合は、速やかに上司及び専門の委員会に報告し、その指示に従うものとしている。
⑤ 当社の役員・従業員は、業務遂行上、直接・間接を問わず、詐欺・恐喝等の不正・犯罪行為に関わることなく良識ある行動をとるものとし、そのような不正・犯罪行為又はそのおそれがある事態に遭遇した場合は、毅然とした態度で臨むと同時に、速やかに上司及び専門の委員会に報告し、その指示に従うものとしている。
⑥ これらの遵守状況をチェックし、遵守を保証するための仕組みとして、「グローバルコンプライアンス委員会」を設置している。グローバルコンプライアンス委員会が検知したコンプライアンス課題のうち本社執行役及びマネジメントコミッティ議長に関連したものについては、監査委員会に直接報告を行う。
⑦ 内部通報制度を導入し、社内外に窓口を設置することにより、社員からの意見・質問・要望及びコンプライアンス違反の疑いのある行為等について直接当社マネジメントに伝えることを可能としている。執行役等のマネジメントの関与の疑義がある案件については、通報先を監査委員会として関係する執行役等が通報者及び通報内容を知りえない体制とする。
⑧ 社内規程を整備し、教育・研修プログラムを通じて、周知・徹底と啓発を行っている。
⑨ 金融商品取引法及び関連する規則や基準に基づき、財務報告の正確性と信頼性を確保するための内部統制の仕組みを強化するべく努めている。当社における財務報告にかかる内部統制には、一般に公正妥当と認められる内部統制の評価の基準(J-SOX)に準拠して実施するテスト、評価及び報告の手続を遵守することを含んでいる。プロセスを整備し、適切に運用するべく取り組むとともに、検出された会計及び内部統制に関する不備を適切にフォローアップし、その是正に取り組んでいる。
⑩ 取締役会は、その構成員の過半数及び議長に独立性を有する社外取締役(独立社外取締役)を選任し、執行役からの定期的な報告受領、独立社外取締役のみによる会合の定期開催、筆頭独立社外取締役の設置、事務局の人員・機能の充実化及び独立性確保等の諸策を講じる等して、執行役等の職務執行状況の監督に注力するとともに、その実効性について、3年に一度、第三者評価機関による評価を受ける。
⑪ 監査委員会は、その構成員の過半数及び委員長を独立社外取締役とし、適切な資質・能力を有する取締役を選任し、執行役等の職務執行状況を監査する。また取締役会の監督機能の実効性についても、適切に監査する。
⑫ 当社及びグループ会社の業務執行に関するプロセス、ポリシー、法令その他の問題について遵守がなされているかの監査を定期的に行うことを目的に、監査委員会の管轄の下、専門の内部監査部門を設置し、有効かつ効率的なグループ・グローバルな内部監査を行う。また、リージョンの内部監査部門を設置し、当社のグローバル内部監査室の統括の下に内部監査を行っている。
⑬ 監査委員会は、必要に応じ、指名委員会及び報酬委員会との間で随時連携を行う。
⑭ ルノーその他の主要株主又はアライアンスの相手方である三菱自動車工業株式会社と当社との間における利益相反の可能性に鑑み、当社の代表執行役は、ルノーその他の主要株主若しくは三菱自動車工業株式会社又はその子会社若しくは関連会社の取締役、執行役その他の役職員を兼任してはならないものとし、当社の代表執行役就任時に当該役職員に就任している場合には、速やかに兼任を解消するための措置を採るものとしている。
⑮ ルノーその他の主要株主若しくはアライアンスの相手方である三菱自動車工業株式会社又はその子会社若しくは関連会社において取締役、執行役等を務めた経験を有する取締役は、当該勤務経験先と当社グループとの間で利益が相反する可能性のある議案が当社の取締役会に上程される場合には、当該議案の審議及び決議に参加しないものとしている。
⑯ 当社・ルノー・三菱自動車工業株式会社間のアライアンスに関する活動については、当社の取締役会、エグゼクティブコミッティ、関係する執行役等の指揮、監督のもと行っている。また、関連する意思決定は、権限基準に基づき、当社の取締役会、執行役、又は従業員が法令を遵守し、当社・ルノー・三菱自動車工業株式会社間の利益相反の可能性にも配慮した上で行っている。
⑰ 社内組織の新設又は変更にあたり、法務、経理、財務その他の管理部署の牽制機能を阻害する可能性のある権限分掌構造を採用しないものとしている。
iii) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
① リスクを早期に発見し、必要な対策を検討・実行することにより、発生率の低減を図るとともに、万一発生した場合に会社に与える被害の最小化に努め、その目的達成のため、「グローバルリスク管理規程」に基づき行動している。
② 全社的・組織横断的なリスクのマネジメントについては、リスクマネジメント委員会メンバーを中心に管理責任者として任命し、その責任の下、リスク管理マニュアルを策定する等具体的対策を講じている。
③ 全社的レベルのリスク以外の個別のビジネスリスクの管理は、それぞれのリスク管理責任者が担当し、リスクの発生を極小化するために、本来業務の一環として必要な措置を講じている。
④ 内部監査部門は、監査委員会の管轄の下、リスクベースの手法による内部統制の状況に対するアシュアランス、及び必要に応じたコンサルティングの提供を目的として、関連する監査基準等に従って監査活動を行っている。
iv) 執行役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
① 法令及び社内規則の定めるところに従い、当社の執行役の職務の執行に係る文書その他の情報を保存し、適切に管理している。
② 各部署の業務遂行に伴って職務権限基準に従って決裁される案件は、書面又は電子システムによって決裁し、適切に保存・管理している。
③ これらの情報は、主管部署が秘匿管理に配慮した厳格な管理を行っており、特に重要な経営会議体に関する資料等については、当社の取締役、執行役等から業務上の必要により閲覧の申請があった場合には、合理的な範囲で閲覧できる仕組みとしている。
④ 情報の作成・利用・管理等に関するポリシーを整備し、情報の適切な保管・管理を徹底のうえ、情報の漏洩や不適切な利用を防止している。さらに、情報セキュリティ委員会を設置し、全社的な情報セキュリティを総合的に管理するとともに、情報セキュリティに関する意思決定を行っている。
v) 当社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(a) 子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
① 適正かつ効率的で統一的なグループ経営が行われるよう、グループ会社横断的な各種マネジメントコミッティを設置している。
② マネジメントコミッティを通じて、グループ会社に対して情報を伝えるとともに、当社の経営方針を共有し、国内外のグループ会社の意思決定が効率的かつ迅速に行われることを確保している。
③ 各グループ会社においても、明確で透明性の高い権限基準を策定するため、当社は協力している。
(b) 子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
① グローバル行動規範の下に、グループ各社は各社独自の行動規範を策定するとともに、コンプライアンス委員会を設置し、法令や企業倫理の遵守を図っている。グローバル・コンプライアンス委員会では、定期的に国内外のグループ会社の状況をモニターし、さらなる法令及び定款の遵守並びに企業倫理の徹底に取り組んでいる。また、グループ会社でも内部通報制度を導入し、意見・質問・要望等を直接所属会社又は当社に提出する仕組みを整備している。
② 内部監査部門は、グループ会社の業務執行の監査を実施するとともに、リスクマネジメント、コントロール及びガバナンスプロセスの有効性の評価並びに向上を目的として監査を実施している。
③ 監査委員会は、連結経営の観点より、グループ全体の監査の実効性を確保するため、定期的にグループ各社の監査役と情報及び意見の交換を行う。
④ 特にグループ会社に対する内部監査その他のモニターの範囲や頻度等については、特定されたリスク、当該グループ会社の規模や業態、重要性等に応じて適宜、合理的な差異を設ける場合があり得る。
(c) 子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
① グループ会社は、グローバルリスク管理規程に基づき行動している。
② グループ全体に影響を与えるグループ会社のリスクのマネジメントについては、リスクマネジメント委員会メンバーを中心に管理責任者として任命し、その責任の下具体的対策を講じている。
③ 上記以外のグループ会社のリスクに関するマネジメントは、それぞれのグループ会社が責任をもち、リスクの発生を極小化するために必要な措置を講じている。
(d) 子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
上記(a)ないし(c)で述べた体制のほか、当社の各機能部署によるグループ会社の対応する機能部署との連携等複数のルートを通じて、グループ会社の取締役等の職務の執行に係る事項のうち重要な事項の報告をグループ会社に求め、その把握に努めている。
vi) 当社の監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項、当該取締役及び使用人の当社の執行役からの独立性に関する事項、並びに当該取締役及び使用人に対する当社の監査委員会の指示の実効性の確保に関する事項
① 当社の監査委員会の職務を補助するための組織として監査委員会事務局を設置し、スタッフを必要数配置し、監査委員の指揮命令の下にその職務を遂行する。
② 当該スタッフの評価は監査委員間で協議し、人事異動や懲戒処分については、監査委員会の同意を必要としている。
vii) 当社の監査委員会への報告に関する体制及び当該報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
(a) 当社の取締役(監査委員を除く)、執行役及び使用人が当社の監査委員会に報告をするための体制
① 当社の監査委員会は、年度監査計画を策定し、監査を実施する。当該計画には社内各部門による業務報告を含み、これに従って、取締役(監査委員を除く)、執行役及び使用人は報告を実施する。
② 当社の取締役(監査委員を除く)、執行役及び使用人は、会社の業績・信用に大きな悪影響を及ぼしたもの、又はそのおそれのあるもの、グローバル行動規範その他の行動規範への重大な違反行為、又はその恐れのあるもの、及びこれに準じる事項を発見した場合、速やかに当社の監査委員会に報告する。
③ 当社の取締役(監査委員を除く)、執行役及び使用人は、当社の監査委員会から業務の執行状況について報告を求められた場合、迅速に対応する。
④ 内部監査部門は、リスクベースの監査計画及び監査発見事項等を当社の監査委員会に継続的に報告する。
(b) 子会社の取締役、監査役その他の役員等及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査委員会に報告をするための体制
① 当社の監査委員会は、連結経営の観点より、グループ全体の監査の実効性を確保するため、定期的にグループ各社の監査役と情報及び意見の交換を行い、グループ各社の監査役は、当社の監査委員会に対して、グループ全体に影響を与える事項を中心に報告を行う。
② グループ会社の役員等及び使用人は、当社の監査委員会から業務の執行状況について報告を求められた場合、迅速に対応する。
③ 当社の取締役(監査委員を除く)、執行役及び使用人(内部監査部門に所属する者を含む。)は、上記v)の体制を通じて報告を受けたグループ各社の事項について、上記(a)のとおり、当社の監査委員会に対して報告を実施する。
(c) 上記(a)ないし(b)の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当該報告をしたことを理由とする不利な取扱いを禁止するものとし、当該報告をした者を保護するために必要な措置をとるとともに、そのような不利な取扱いを行った者に対しては、懲戒処分を含めた厳正な対処を行うものとしている。
viii) 当社の監査委員の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
当社は、監査委員からその職務の執行について費用の前払や債務の弁済等の請求を受けた場合、会社法に従い、当該請求に係る費用又は債務が当該監査委員の職務の執行に必要でないことを証明できる場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理するとともに、毎年、必要と認められる一定額の監査費用予算を設けている。
ix) その他当社の監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
① 当社の監査委員会は、その構成員の過半数及び委員長を独立社外取締役とすることで、独立性をより強化している。その上で、監査委員会の監査の実効性を確保するため、常勤監査委員を1名以上置いている。
② 監査委員会は、監査の実施にあたり、内部監査部門及び会計監査人と適宜連携する。監査委員会は、内部監査部門を管轄し、内部監査部門に対して監査に関する指示を行う。内部監査部門は、内部監査の基本方針、年度計画、予算及び人員計画について監査委員会の承認を得ることとし、監査委員会に対して継続的に職務の執行状況及び発見事項等を報告する。内部監査部門の責任者の人事及び評価については監査委員会の承認を得る。
③ 社長兼最高経営責任者を始めとする執行役と監査委員会は、定期的に又は監査委員会の求めに応じて会合を持ち、幅広く意見の交換を行う。
④ 監査委員会は、重要会議等に出席し、意見を述べることができるほか、決裁書その他の重要書類を閲覧し、必要に応じて執行役及び従業員に対して説明又は報告を求めることができる。
⑤ 監査委員会は、必要に応じ、指名委員会及び報酬委員会との間で、相互に情報・意見交換を行う等、随時連携を行う。
2. 責任限定契約の内容と概要(会社法第427条第1項に規定する契約)
当社は、会社法第427条第1項の規定により、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)との間に、金500万円と法令が定める最低責任限度額のいずれか高い額を限度額として、会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結することができる旨を定款に定めている。
なお、この規定に基づき、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)8名と責任限定契約を締結している。
3. 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
① 被保険者の範囲
当社及び当社の全ての子会社(除く日産車体株式会社)の全ての取締役、執行役、監査役、執行役員、管理職。
2024年6月25日の当社取締役会の決議をもって2024年7月1日更新の契約から日産車体株式会社及びその全ての子会社の全ての取締役、執行役、監査役、執行役員、管理職も対象とする。
② 保険契約の内容の概要
被保険者が①の会社の役員等としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や争訟費用等を補償するもの。ただし、贈収賄などの犯罪行為や意図的に違法行為を行った役員自身の損害等は補償対象外とすることにより、役員等の職務の執行の適正性が損なわれないように措置を講じている。保険料は全額当社が負担する。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性11名 女性4名(役員のうち女性の比率27%)、日本人9名 外国人6名
a. 取締役の状況
(注) 1 取締役 木村康、ベルナール デルマス、井原慶子、永井素夫、アンドリュー ハウス、ブレンダ ハーヴィー、朝田照男及び得能摩利子の8名は独立社外取締役であり、うち取締役 ベルナール デルマスは筆頭独立社外取締役である。
2 取締役の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までである。
b. 執行役の状況
(注) 1 執行役の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結後最初に開催される取締役会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結後最初に開催される取締役会終結の時までである。
2 当社では、意思決定・監督と執行の分離による取締役会の活性のため、また、能力主義に基づく積極的な人材の登用のため、執行役員制度を導入している。
執行役及び執行役員52名の構成は日本人35名、外国人17名、男性47名、女性5名である(執行役及び執行役員のうち女性比率10%)。上記記載の執行役兼エグゼクティブ・コミッティ―メンバー 内田誠、星野朝子、中畔邦雄、坂本秀行、スティーブン マーの5名の他に、執行役員兼エグゼクティブ・コミッティメンバー ギョーム カルティエ、ジェレミー パパン、山﨑庄平、イヴァン エスピノーサ、安徳光郎、渡部英朗、井原徹の7名、専務執行役員 ホセ ロマン、遠藤淳一、レオン ドサーズ、ラケッシ コッチャ、アルフォンソ アルバイサ、浅見孝雄、平井俊弘、小幡泰彦、真野仁志、長谷川博基、秦孝之、アトゥール パスリチャ、幾島剛彦、田川丈二、ハリ ナダの15名、常務執行役員 伊藤由紀夫、アリソン ウィザースプーン、佐藤慶一、神田昌明、ギー ロドリゲス、關口勲、土井三浩、吉澤隆、赤石永一、藤本直也、生浪島俊一、山口一之、富田達三、田沼謹一、平田禎治、村田和彦、坂根学、山田保、ジョージ レオンディス、的場保信、カトリン ペレス、真田裕、アニッシュ バイジャル、ミッシェル バロン、ラバーニヤ ワドゥガウカルの25名で構成されており、フェローとして濱口貞行、佐々木徹夫の2名がいる。
② 社外役員の状況
当社は、視点の多様性を担保するために、株主総会に提出する取締役の選任に関する議案の内容を決定するに当たっては以下の要素を考慮する。
① 国籍及びジェンダーを含むダイバーシティ
② 取締役会の議論に資する専門的な知識と経験を有すること及びその多様性
また、当社は、日本及び国際的な資本市場における独立性基準の動向も踏まえて、社外取締役の独立性基準を定めている。現在の社外取締役8名は、当該基準を満たしており、いずれも当社との間に特別な利害関係はなく、一般株主との利益相反が生じる恐れはないと考えている。
各社外取締役の選任理由は次のとおりである。
社外取締役木村康を選任した理由は、日本の基幹産業における経営者としての経験によるものである。同氏は企業経営に関する豊富な経験と知見を持ち、(社)日本経済団体連合会での役職のほか、石油連盟会長の経験を有している。同氏にはこれまでの経験を通じて、グローバルマネジメント、企業戦略、ESG、セールス/マーケティングを含めたスキル・ノウハウを踏まえて、引き続き当社に貢献することを期待している。2019年6月の就任以来、取締役会議長、指名委員会委員、監査委員会委員として監督し、当社の経営全般について客観的かつ広い視野に立ち、社外取締役としての職責を十分に果たしていることから、社外取締役に選任している。
社外取締役ベルナール デルマスを選任した理由は、自動車業界での国際的な経営経験によるものである。同氏は、研究開発や事業計画、複数部門を統括するマネジメントに関する豊富な経験と知見を有している。同氏にはこれまでの経験を通じて、グローバルマネジメント、自動車業界、製品/技術を含めたスキル・ノウハウを踏まえて、引き続き当社に貢献することを期待している。2019年6月の就任以来、報酬委員会委員として、2023年6月以降は筆頭独立社外取締役、監査委員会委員としても監督し、当社の経営全般について客観的かつ広い視野に立ち、社外取締役としての職責を十分に果たしていることから、社外取締役に選任している。
社外取締役井原慶子を選任した理由は、国際的な女性レーシングドライバーとして活躍されるとともに国内外の自動車メーカーとの技術開発及び環境車普及に長年携わり、大学研究機関でのMaaS研究など自動車産業に関する豊富な経験と知見を有することによるものである。また、国際機関における組織統治及び人材育成を牽引した幅広い業務経験を有している。同氏にはこれまでの経験を通じて、グローバルマネジメント、自動車業界、ESG、デジタルトランスフォーメーションを含めたスキル・ノウハウを踏まえて、引き続き当社に貢献することを期待している。2018年6月の就任以来、特に2019年6月以降は報酬委員会委員長、指名委員会委員として監督し、当社の経営全般について客観的かつ広い視野に立ち、社外取締役としての職責を十分に果たしていることから、社外取締役に選任している。
社外取締役永井素夫を選任した理由は、㈱みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行㈱等の要職を歴任し、リスク管理等の分野において豊富な経験と知見を有しているためである。同氏にはこれまでの経験を通じて、グローバルマネジメント、法務/リスクマネジメント、財務/会計、ESGを含めたスキル・ノウハウを踏まえて、引き続き当社に貢献することを期待している。2014年より当社の常勤監査役として豊富な業務経験を有しており、2019年6月の社外取締役就任以降は監査委員会委員長、指名委員会委員、報酬委員会委員として監督し、当社の経営全般について客観的かつ広い視野に立ち、社外取締役としての職責を十分に果たしていることから、社外取締役に選任している。
社外取締役アンドリュー ハウスを選任した理由は、国際的な企業経営の経験を有し、グローバル企業での要職を通じた消費者向け製品の顧客ニーズや新しいテクノロジーについて、豊富な経験と知見を有しているためである。また、国内外での業務経験を通じた多文化的視点及び国内外企業での社外取締役や委員会活動の豊富な経験も持ち合わせている。同氏にはこれまでの経験を通じて、グローバルマネジメント、ESG、製品/技術、セールス/マーケティングを含めたスキル・ノウハウを踏まえて、引き続き当社に貢献することを期待している。2019年6月の就任以来、指名委員会委員として、2023年6月以降は指名委員会委員長及び報酬委員会委員として監督し、当社の経営全般について客観的かつ広い視野に立ち、社外取締役としての職責を十分に果たしていることから、社外取締役に選任している。
社外取締役ブレンダ ハーヴィーを選任した理由は、グローバルIT企業での要職を通じたデジタルトランスフォーメーション、ビジネストランスフォーメーション、IT技術のトレンド及びイノベーションに関する豊富な経験と知見を有しているためである。また、複数国での業務・在住経験を通じた多文化的視点も持ち合わせている。同氏にはこれまでの経験を通じて、グローバルマネジメント、製品/技術、セールス/マーケティングを含めたスキル・ノウハウを踏まえて、引き続き当社に貢献することを期待している。2023年6月の就任以来、監査委員会委員として監督し、当社の経営全般について客観的かつ広い視野に立ち、社外取締役としての職責を十分に果たしていることから、社外取締役に選任している。
社外取締役朝田照男を選任した理由は、日本の総合商社での経営経験によるものである。同氏は企業経営や財務に関する豊富な経験と知見を持ち、(社)日本経済団体連合会や(公社)経済同友会での役職の経験も有している。また、複数国での業務経験を通じた多文化的視点も持ち合わせている。同氏にはこれまでの経験を通じて、グローバルマネジメント、企業戦略、財務/会計を含めたスキル・ノウハウを踏まえて、当社に貢献することを期待し、社外取締役に選任している。
社外取締役得能摩利子を選任した理由は、世界的なプレステージブランド企業での要職を歴任し、グローバルな視点での企業経営、ブランド、マーケティングに関する豊富な経験と知見を有しているためである。また、複数の日本企業での社外取締役や委員会活動の経験からコーポレートガバナンスに関する知見も持ち合わせている。同氏にはこれまでの経験を通じて、グローバルマネジメント、セールス/マーケティング、 ESGを含めたスキル・ノウハウを踏まえて、当社に貢献することを期待し、社外取締役に選任している。
当社の社外取締役の独立性基準は次のとおりである。
<日産自動車株式会社取締役独立性基準>
当社において、独立性を有する取締役(以下「独立取締役」という。)は、以下の各号のいずれにも該当しないことを要する。
1. 当社又は当社の子会社において、現在又は過去10年間に、業務執行取締役、執行役、執行役員、支配人その他の役員及び使用人(外国法人においてこれらに相当する役職を含み、以下「業務執行者」と総称する。)である若しくはあった者
2. (i)当社の主要株主(注1)である者、又は、(ii)当社の主要株主である会社又はその親会社若しくは子会社において、現在若しくは過去5年間に、取締役、監査役、会計参与若しくは業務執行者である若しくはあった者
3. 当社が主要株主である会社において、現在、取締役、監査役、会計参与又は業務執行者である者
4. (i)当社の主要取引先(注2)である者、又は、(ii)当社の主要取引先である会社又はその親会社若しくは子会社において、現在若しくは過去5年間に、その主要株主、主要な社員、主要なパートナー若しくは業務執行者である若しくはあった者
5. 当社又は当社の子会社から、過去3事業年度の平均で、年間1,000万円又は当該組織の平均年間総費用の30%のいずれか大きい額を超える寄付又は助成を受けている組織の業務執行者である者
6. 当社又は当社の子会社から取締役(非業務執行取締役を含む)の派遣を受け入れている会社又はその親会社若しくは子会社において、取締役、監査役、会計参与又は業務執行者である者
7. (i)当社の主要債権者(注3)である者、又は、(ii)当社の主要債権者である会社又はその親会社若しくは子会社において、現在若しくは過去5年間に、取締役、監査役、会計参与若しくは業務執行者である若しくはあった者
8. (i)当社又はその子会社の(a)会計監査人又は会計参与である公認会計士若しくは税理士又は(b)監査法人若しくは税理士法人において社員、パートナー又は業務執行者である者、又は、(ii)過去3年以内にこれらのいずれかに該当していた者
9. 上記8.項に該当しない弁護士、公認会計士又は税理士その他のコンサルタントであって、役員報酬以外に、当社又はその子会社から、過去3年間の平均で、年間1,000万円以上の金銭その他の財産上の利益を得ている者
10. 上記8.項に該当しない法律事務所、監査法人、税理士法人又はコンサルティング・ファームその他の専門的アドバイザリー・ファームであって、過去3事業年度の平均で、そのファームの連結総売上高の2%以上の支払いを当社又は当社の子会社から受けたファームの社員、パートナー又は業務執行者である者
11. 上記各項のいずれか(但し、本号においては、当該各号における「業務執行者」は、「業務執行取締役、執行役、執行役員その他これらに準じた重要な役職にある者」と読み替える。)に該当する者の配偶者又は二親等内の親族若しくは同居の親族である者
12. 当社において、8年間を超えて取締役(独立取締役を含む)の職にあった者
13. 以上の各号ほか、当社の少数株主を含む全株主との間で恒常的に実質的な利益相反が生じる恐れがある者
(注1) 「主要株主」とは、当社の総議決権の10%以上を直接又は間接に保有する株主をいう。なお、親会社又は支配株主を含む。
(注2) 「主要取引先」とは、(i)直近4事業年度のいずれかにおいて、当社及び当社子会社から、(x)個人である場合には、その年間総収入の2%以上、(y)法人である場合には、その属する企業グループの年間連結総売上高の2%以上の支払いを受けた取引先、又は、(ii)直近4事業年度のいずれかにおいて、当社及び当社子会社に対し、当社の年間連結総売上高の2%以上の支払いを行った取引先(当該取引先が法人である場合には、その属する企業グループの支払いを合計する。)をいう。
(注3) 「主要債権者」とは、当社の資金調達において必要不可欠であり、代替性がない程度に依存している金融機関その他の大口債権者をいう。
③ 社外取締役及び社外監査委員による監督又は監査と内部監査、監査委員監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、独立性を有する為、取締役会を牽引し、取締役会において経営の基本方針を決定するとともに、取締役、執行役等の職務の執行を監督する。また、監査委員会は、内部監査部門を管轄し、内部監査部門に対して監査に関する指示を行い、内部監査部門から継続的に職務の執行状況及び発見事項等の報告を受ける。会計監査人からも同様に報告を受けるとともに、監査の品質管理体制について詳細な説明を受け、その妥当性を確認する。
(3) 【監査の状況】
① 当事業年度における監査委員会監査の状況
監査委員会の委員長は独立社外取締役であり、また、委員5名のうち4名が独立社外取締役で構成されている。監査委員長永井素夫、監査委員ジェニファー ロジャーズ及びピエール フルーリォは、金融機関における長年の経験があり、財務及び会計並びにリスク管理に関する相当の知見を有している。監査委員木村康は、企業経営に関する長年の経験があり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有している。監査委員ベルナール デルマスは、研究開発や事業計画、複数部門を統括するマネジメントに関する豊富な経験と知見を有している。また、監査委員ブレンダ ハーヴィーは、デジタルトランスフォーメーション、ビジネストランスフォーメーション、IT技術のトレンド及びイノベーションに関する豊富な経験と知見を有している。
監査委員会では、内部統制システムの構築・運用状況を含む業務執行の監査の一環として、年度監査計画に従って、また、必要に応じて、執行役、執行役員及び使用人から、当社及びグループ会社の業務執行に関する報告を受けている。
さらに、監査委員会は、監査の実施にあたり、監査委員会、内部監査部門及び会計監査人の三者が適宜連携し、三様監査の実効性を高める取組みを実施している。監査委員会のリーダーシップの下、三者間での連携により、監査上の指摘事項及びその対応状況をタイムリーに共有し、内部統制の実効性の向上を図っている。また、監査委員会は、内部監査部門を管轄し、以下のとおり、内部監査部門が執行側から極めて高い独立性を確保する体制を構築した上で、内部監査部門から定期的に内部監査計画に基づく内部監査の進捗やその結果について報告を受けるとともに、必要に応じて、内部監査部門に対して内部監査に関する指示を行っている。
内部監査部門の独立性を確保するための体制の具体的な内容
監査委員会・内部監査部門・執行側との関係を示した図

加えて、監査委員会は、執行役等のマネジメントの関与の疑義がある内部通報の通報先となり、関係する執行役等が通報者及び通報内容を知りえない体制を構築の上、その対応に当たっている。
監査委員会は、当事業年度に委員会を12回開催し、個々の監査委員の出席状況については次のとおりである。
* 豊田 正和氏及びジェニファー ロジャーズは、2023年6月27日付をもって監査委員を退任した。
** ベルナール デルマス氏及びブレンダ ハーヴィー氏は、2023年6月27日付をもって監査委員に就任した。
当事業年度においては、以下を当委員会の重点監査項目として定め、それぞれの項目について監査委員会等の場を通じて検討・審議を重ね、必要に応じて執行側等へ提言を実施している。
以上の重点監査項目に記載されたもののほか、当委員会では以下についても、当事業年度における活動として取り組んでいる。
当事業年度各月における当委員会の上記に関する主な活動の状況を示すと、以下のとおりとなる。
常勤監査委員は、内部監査や監査法人との連携において主導的な役割を果たすとともに、社長兼最高経営責任者をはじめとする執行役等と定期的な会合を持ち、幅広く意見の交換を行っている。また社内の重要な会議に出席し意見を述べるとともに、決裁書その他の重要書類を閲覧し、必要に応じて執行役、執行役員及び使用人に対して説明又は報告を求めて適時的確な情報の収集・把握等を効率的に行っている。常勤監査委員が収集した情報については、適時に他の委員にも共有した上で議論・決定できる体制を構築することにより、監査委員会の監査・監督機能の向上を図っている。その他、当事業年度における常勤監査委員の主な活動は、次のとおりである。
・元会長及び元代表取締役の不正に対する法的対応
・リスク管理、サイバーセキュリティ等の領域における内部統制システムの構築、運用状況のモニタリング
・会計監査人、経理部門からの報告聴取
・内部監査室からの報告聴取
・内部通報、コンプライアンス違反事案対応
・当社製造拠点及び国内外主要子会社の往査(2拠点及び14社)
・グループ会社のガバナンス強化を目的とした各社との情報交換及び連絡会開催
② 内部監査の状況
a. 内部監査の組織及び人員
当社は、内部監査の実効性を強化するため、執行側から独立し、監査委員会の直接の指揮命令下にある内部監査部門を設置し、監査委員会により選任される内部監査部門責任者 Chief Internal Audit Officer(CIAO)統括の下、内部監査活動を実施している。各地域においては統括会社に設置された内部監査チームが担当し、特に高度の専門性やグローバルで統一的な監査実施と改善措置が求められる販売金融、IS/IT及びモノづくりの分野においては、各地域を横断的に監査する専門チームを設置の上、その活動に従事している。CIAOは、そのリーダーシップの下、地域を超えた内部監査人の間でのコミュニケーションの機会等を通じて”Global One Team”を目指した効果的な組織運営を行っている。
2024年3月末現在、当社26名、海外拠点74名の計100名の内部監査人が在籍している。それらの内部監査人の専門性をより高めるため、内部監査に関する専門資格の取得及び維持を組織として積極的に推奨しており、以下に示すとおり専門資格を有する内部監査人を擁している。
上記に加え、国内の主要関係会社に23名の内部監査人がおり、当社の内部監査部門と連携しながら内部監査活動を行っている。
<内部監査部門 グローバルレポートライン図>

* AMIEO: Africa, Middle East, India, Europe及びOceania
* SF: Sales Finance (販売金融事業)
<内部監査関連資格の保持者数(重複資格保有者を含む)>
b. 内部監査の手続等
・内部監査計画及びその遂行
内部監査部門は、自らリスクアセスメントを実施し、その結果とともにコーポレートリスクマネジメント部門及びコンプライアンス部門から提供されるリスク情報に基づき、まず内部監査活動の中期的な展望を示す3年計画を策定し、その上で、かかる中期計画をベースに年度毎の監査計画を準備し、監査委員会の承認を得ている。なお、期中に監査委員会からの追加の指示や執行側からの監査依頼があった場合、優先順位の変化及び新たなリスクに対応するため、柔軟に監査計画を変更している。
監査計画の遂行に当たっては、日産グループ全体に適用される基本方針「グローバル内部監査ポリシー」及び具体的な内部監査実施基準「グローバル オペレーショナル マニュアル (GOM)」に基づき、全ての監査がグローバルで一体的かつ統一的に実施されている。それらの効果を推進するため、監査計画の進捗及び結果は、2021年度より導入されたクラウドベース型の内部監査管理システムを通じて内部監査人で共有されている。
内部監査部門の活動は監査委員会へ定期的に報告されており、年度監査計画の進捗、個別監査における重要な発見事項に加え、受監部署による改善措置実施に関するフォローアップ状況のほか、セカンドライン強化の取組みの状況などについても報告の対象としている。また、活動結果の概要は、執行側の最高意思決定機関であるエグゼクティブコミッティに加え、内部統制委員会においても報告されている。
・監査改善提案に係るフォローアップ活動
内部監査部門は、内部監査結果に基づき受監部署が作成した改善計画の実施状況を定期的にフォローアップしており、遅延した場合にはその理由を詳細に確認している。フォローアップの結果は、四半期毎にグローバルフォローアップレポートとして取り纏められ、監査委員会に加え、エグゼクティブコミッティメンバー、各地域の責任者、販売金融及び情報システム部門の責任者にも共有し、執行側の各責任者レベルに対する定期的な働きかけを通じて確実な改善計画の実施を促している。
・内部監査の品質保持活動
内部監査部門は、以下の多角的な評価を実施し、監査品質の保持と継続的な向上に取り組んでいる。
1) 受監部署による評価:監査を受けた各部署による監査品質に関する評価(個別監査終了毎に)
2) 執行側役員による評価:主要な執行側役員を対象にした内部監査部門の独立性、監査品質に関する総合的な評価(1年に1回)
3) 外部機関による評価:内部監査人協会(IIA)が公表している国際内部監査基準への適合性に関する外部評価(5年に1回)
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
b.継続監査期間
72年間(在外連結子会社については2008年以降)
c.業務を執行した公認会計士
会計監査人についてはEY新日本有限責任監査法人を選任している。監査証明業務を執行した公認会計士は以下のとおりである。
※ 継続監査年数については、全員7年以内であるため、記載を省略している。
※ 同監査法人は業務執行社員について、当社の会計監査に一定期間を超えて関与することのないよう自主的に措置をとっている。
d.監査業務に係る補助者の構成
監査業務に係る補助者の構成は、公認会計士23名、その他59名であり、その他は公認会計士試験合格者、システム専門家等である。
e.監査法人の選定方針と理由
(会計監査人の選定方針)
当社は、監査委員会が承認した「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」に基づき、監査法人の概要や監査チームの独立性のほか、その専門性、品質管理体制、グローバル展開している当社事業への監査対応能力、当社とのコミュニケーション等を検討し、会計監査人を選定する。
(会計監査人の解任又は不再任の決定の方針)
① 解任の決定の方針
・監査委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められ、速やかに解任する必要があると判断した場合には、監査委員全員の同意により、会計監査人を解任する。この場合、監査委員会が選定した監査委員は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨及び解任の理由を報告する。
・監査委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる等、会計監査人による適正な監査の遂行に重大な支障が生じることが予想される場合、株主総会に提出する会計監査人の解任に関する議案の内容を決定する。
② 不再任の決定の方針
監査委員会は、会計監査人の職務遂行状況を確認した上で、独立性、専門性、品質管理体制及びグローバル展開している当社事業に対応できる監査能力等の観点から、より高い能力等を有する会計監査人に変更することが合理的であると判断した場合には、株主総会に提出する会計監査人の不再任に関する議案の内容を決定する。
f.監査委員会による監査法人の評価
監査委員会は、当社の「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」及びその当否の判断項目等に基づき、会計監査人の評価を実施している。現監査法人であるEY新日本有限責任監査法人については、監査委員会にて、その監査活動を評価・審議した結果、独立性、専門性、品質管理体制、グローバル展開している当社事業への対応やスキルと知見のほか、当社とのコミュニケーション等の観点を踏まえ、当社の会計監査人としてEY新日本有限責任監査法人を再任することを決定している。
④監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
当社における非監査業務の内容は、社債発行のためのコンフォートレター作成等である。
連結子会社における非監査業務の内容は、社債発行のためのコンフォートレター作成である。
b. 監査公認会計士等と同一のネットワーク(アーンストアンドヤング)に対する報酬(a.を除く)
当社における非監査業務の内容は、情報システムに関する導入支援業務等である。
連結子会社における非監査業務の内容は、税務支援業務等である。
c. その他重要な報酬の内容
該当事項なし。
d. 監査報酬の決定方針
当社では、監査公認会計士等の監査報酬を、監査計画、監査内容、監査に要する時間等を十分に考慮し、監査公認会計士等の独立性を保つため、監査委員会による事前同意を受け、適切に決定している。
e. 監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社の経理部門が提案した会計監査人に対する報酬等に対して、当社の監査委員会が会社法第399条第1項の同意をした理由は、社内関係部署及び会計監査人からの必要な資料の入手や報告を通じて、会計監査人の監査計画の内容、前事業年度における職務執行状況や報酬見積りの算出根拠等を検討した結果、会計監査人の報酬等は相当であると判断したためである。
(4) 【役員の報酬等】
<報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針等>
当社は、会社法に従って、報酬委員会が取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めている。当社の役員報酬は、顧客、株主、事業を展開する地域社会、従業員といった当社のステークホルダーに最大限の価値をもたらすべく、その価値創造に向けて動機付けられるよう設計されることを基本方針とし、報酬委員会が以下の原則を総合的に勘案して、決定している。
[役員報酬制度の6つの原則]
当社報酬委員会においては、上記基本方針に則り個々の報酬プログラムを設計し、その設計に従って、適切な審議等を経て、以下のとおり、当事業年度に係る取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容を決定している。また、その内容は、当社報酬委員会が定める報酬等の決定方針に沿うものであると判断している。
全体像
・ 当社は、2020年度から2023年度までの主要な目標を定めた事業構造改革計画「Nissan NEXT」に取り組んできた。
「Nissan NEXT」は、当期間での確実な実行により当社の事業回復基調を確かなものとし、さらに、将来の課題にも対応し持続的な成長に繋がるよう、設計されている。
・ その計画に沿って、持続的な中長期の企業と人材双方の成長を目指し、役員報酬についても、その実現に対して動機付けられることを重視して設計している。
・ 当社は「Nissan NEXT」の財務目標について、会社を成長軌道に戻すために必要とされる指標を選択し、取締役及び執行役の報酬算定のための目標設定を行った。また、目標達成のプロセスについて、従業員の長期的な成長に欠かせない要素である行動指針「日産ウェイ」との整合性を評価している。
・ 2021年度より、長期インセンティブ報酬の一つである業績連動型インセンティブ(金銭報酬)において、サステナビリティに関する評価指標としてカーボンニュートラルと人権尊重を新たに追加した。これは、当社の「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける」というコーポレートパーパスのもと、長期的な企業価値及び社会価値を向上させ、サステナブルな企業とするための取り組みの成果を報酬に反映させるものである。
・ 当社は、コーポレートパーパスの実現に向け、「日産の人権尊重に関する基本方針」に基づき、全役員及び全従業員が日産の事業活動において、全てのステークホルダーの人権を尊重することを明確にし、また、人権に関する理解や人権尊重向上に向けた取り組みを推進している。当社の人権尊重に関する取り組みの実効性を客観的に評価する指標として「企業人権ベンチマーク(CHRB:Corporate Human Rights Benchmark)」の評価結果を採用し、執行役及び執行役を兼務する取締役の業績連動型インセンティブ(金銭報酬)と連動させている。
(注)CHRB評価は隔年で実施されるため、評価対象外年度には同評価指標に基づいて、第三者機関がスコアリングを行った結果を採用する。
・ なお、具体的な指標については、「業績連動型インセンティブ(金銭報酬)」において詳述する。
報酬水準の考え方
報酬水準の検討にあたっては、報酬のベンチマーク結果を参考にしている。トップコーポレートエグゼクティブについては、当社と同様の事業規模と事業展開上の複雑性を有するグローバル企業群を参照している。その他執行役については、日本の株式市場に上場する大手企業群を参照している。
これら企業には、当社と競合する主要な自動車会社を含んでいる。
報酬の構成
i) 取締役
取締役の報酬は、(1)基本報酬に、(2)各人の役割に応じて委員会参加報酬や委員長報酬、筆頭社外取締役報酬等を加算した固定報酬のみとしている。執行役を兼務しない取締役には、変動報酬である年次賞与及び長期インセンティブ報酬は支給しない。また、執行役を兼務する取締役には、取締役としての報酬は支給しない。
ii) 執行役
執行役の報酬は、(1)固定報酬である基本報酬、(2)変動報酬である年次賞与及び長期インセンティブ報酬からなる。
中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した報酬制度及び報酬構成とするため、長期インセンティブ報酬(特に業績連動報酬)の割合を高め、代表執行役CEOの報酬の構成割合は、「基本報酬:年次賞与(基準額):長期インセンティブ報酬(基準額)」=「1(26.7%):1(26.7%):1.8(46.6%)」を目安としている。代表執行役COO及びその他の執行役の報酬構成割合は、代表執行役CEOの報酬構成割合に準じて、職責や報酬水準を考慮し決定しており、役位が上位の執行役ほど、総報酬に占める変動報酬(年次賞与及び長期インセンティブ報酬)の割合が高くなるように設定している。当事業年度の報酬構成割合は、以下(図表)のとおりである。なお、報酬ベンチマーク企業群の報酬水準動向を踏まえ、報酬水準及び報酬構成割合は適宜改定を行っている。
[執行役の報酬構成割合]

(注)1.上記割合は、2023年度の変動報酬の目標の総合達成率を100%とした場合の理論値で計算している。
2.代表執行役COOは、2023年6月27日の第124回定時株主総会の終結時をもって退任している。
基本報酬
執行役の基本報酬については、グローバル企業の報酬のベンチマーク結果や外部専門機関の調査結果に加え、個々のスキルや経験、社内の職責、前年度の貢献、及び当社の業績等に鑑みて設定している。
変動報酬
執行役の変動報酬は、毎年の業績に応じて支給する「年次賞与」と、株主価値を高め、会社の持続的成長と収益性を高める行動を動機付けることを目的とした2種類の「長期インセンティブ報酬」で構成されている。この「長期インセンティブ報酬」は、非業績連動報酬である「譲渡制限付株式ユニット(RSU)」と、目標が達成された場合にのみ支払う「業績連動型インセンティブ(金銭報酬)」で構成されている。そのため、当社の変動報酬プログラムは、経営陣が単年度と中長期の両方の業績目標達成及び株主価値の向上等に対し動機付けられるように設計されている。
年次賞与
2023年度年次賞与
業績連動報酬の年次賞与は、基本報酬に役位別比率を乗じた上で、持続的な成長の実現を目指して設定された評価指標の総合達成率を乗じて算出し、支給する。2023年度については、「Nissan NEXT」の最終年度として重点的に取り組むべき事項に対応し、2022年度と同様に以下の表の5つの評価指標を選択した。
当事業年度も、「Nissan NEXT」の着実な進展に向けて、収益確保を確実に達成する観点に加え、長期的な事業の持続性の観点から、営業利益及び売上高営業利益率の目標水準を設定した。
自動車事業における健全なフリーキャッシュフローは、当社の持続的な成長の実現のために重要な指標の一つである。品質については、品質保証及び顧客満足度からなる内部管理目標である。
コーポレートカルチャーについては、毎年、匿名のグローバル従業員サーベイを実施している。当社は、従業員エンゲージメント/満足度に加え、エネーブルメント(社員の意欲をサポートする環境、能力を発揮するための働きやすさ)、企業倫理、リーダーシップ、企業文化、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンといった全社的に優先度の高い5つの重点領域を特定し、トップマネジメントの直接的なオーナーシップのもとで改善活動に取り組んでいる。毎年の着実なスコア改善に必要な目標値を設定している。
[執行役の2023年度年次賞与のウェイト]
*中国合弁会社比例連結ベースの数値により目標を設定
[年次賞与の支給率モデル]

目標の総合達成率は、達成率50%に相当する閾値(下限)と達成率125%に相当する閾値(上限)をもとに算出された評価指標ごとの目標達成率に、評価ウェイトを乗じた値の合計である。なお、達成率50%に相当する閾値(下限)に満たない指標については、当該値は0と扱い、また達成率125%に相当する閾値(上限)を上回る指標については、当該値は125%と扱う方針としている。

長期インセンティブ報酬
当社の長期インセンティブ報酬は、「譲渡制限付株式ユニット(RSU)」及び「業績連動型インセンティブ(金銭報酬)」の2種類で構成しており、譲渡制限付株式ユニット(RSU)は長期インセンティブ報酬全体の40%を、業績連動型インセンティブ(金銭報酬)は60%を占めている。業績連動型インセンティブ(金銭報酬)は、年次賞与で参照する単年度の業績指標ではなく、複数年にかかる業績指標により評価することで、長期的な取り組みを促進するように設計されている。
[長期インセンティブ報酬の導入目的]
長期インセンティブ報酬は、次の4点に基づいて設計されている。
(1)中長期的な事業の継続や成長に向けた業績目標の達成を動機づけること
(2)役員の利益を株主の利益と一致させること
(3)株主価値の創造を役員に動機付けること
(4)当社の主要な人材の長期的な定着を促進すること
[長期インセンティブ報酬の概要]
■譲渡制限付株式ユニット(RSU)
譲渡制限付株式ユニット(RSU)は、当社が定める期間(以下、「対象期間」という。)中の勤務継続等を条件として対象者毎に予め定める数の当社普通株式(以下、「本交付株式」という。)に相当するRSUを付与するものである。対象期間は3年間とし、このRSUを付与後3事業年度にわたり3分の1ずつ権利確定させ、本交付株式を支給する。RSUは、非金銭報酬等かつ非業績連動報酬であり、当事業年度に執行役に付与したRSUについて、付与後3事業年度にわたり支給する本交付株式の総数は最大で約492千株である。
なお、対象者による重大な不正・違法行為等があった場合には、当社は本交付株式の割当てを受ける権利の剥奪や割当て済みの当社普通株式の返還請求を実施することができる。この方針(マルス・クローバック)は、コーポレートガバナンスを改善するための当社の取り組みの一環として導入された。本方針は事後交付型株式報酬規程に明記した上で、対象者へ付与する際に周知している。
■業績連動型インセンティブ(金銭報酬)
2021年度以降、当社が中長期的な企業価値及び社会価値を向上させ、サステナブルな企業となるための戦略のうち、特に事業への影響が大きく、ステークホルダーの関心も高い下記の2つの観点について、関連する評価指標を追加した。
・カーボンニュートラル:当社は、商品では電動化を戦略の中心とし、さらに革新的な生産技術で次世代のクルマづくりを支え、サプライヤーを含むライフサイクル全体でのカーボンニュートラルを目指す。
・人権尊重:当社は、コーポレートパーパス実現に向け、「日産の人権尊重に関する基本方針」に基づき、役員及び従業員が全ての事業活動において、全てのステークホルダーの人権を尊重することを明確にし、また人権に関する理解や人権尊重向上に向けた取り組みを推進する。
2021年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)
2021年度に付与された業績連動型インセンティブ(金銭報酬)においては、将来の持続的な成長の実現のため特に重要な評価指標に加え、社会的価値評価指標を設定した。各評価指標の2021年度から2023年度までの3事業年度での目標の総合達成率及び役位別比率を基本報酬に乗じて算出し支給する。
[執行役の2021年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)のウェイト]
*中国合弁会社比例連結ベースの数値により目標を設定
**「Nissan NEXT」の着実な推進を目指し、主要モデルの販売の質を向上させ、販売費用の縮小と台当たりの売上高の向上に継続的に取り組むために、2022年度より販売台数(小売り)から売上高に指標を変更した。なお、2021年度については、売上高ではなく、販売台数(小売り)をもとに、目標の総合達成率を既に集計している。
(注)1.世界の機関投資家等の要請に基づき、企業や自治体に対して気候変動、水資源や森林保全の取り組み推進と、その情報開示を求める国際的な非営利団体であるCDPの気候変動のランキングで設定されている最上位のリーダーシップレベル(A又はA-)を維持することを2023年度までの目標値として設定した。
2.ビジネスと人権に関する国際的なイニシアチブで、世界主要企業の人権への取り組みについて格付けを行う企業人権ベンチマーク(CHRB:Corporate Human Rights Benchmark)の評価を採用し、当社の取り組み計画に基づく目標値を設定した。
2022年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)
2022年度に付与された業績連動型インセンティブ(金銭報酬)においても、2021年度と同様、将来の持続的な成長の実現のため、財務的評価指標に加え、社会的価値評価指標を設定した。
また、「Nissan NEXT」の着実な推進を目指し、主要モデルの販売の質を向上させ、販売費用の縮小と台当たりの売上高の向上に継続的に取り組むために、当社の成長を測る指標の1つとして、売上高の指標を設定した。
各評価指標の2022年度から2024年度までの3事業年度での目標の総合達成率及び役位別比率を基本報酬に乗じて算出し支給する。
[執行役の2022年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)のウェイト]
*中国合弁会社比例連結ベースの数値により目標を設定
(注)1.世界の機関投資家等の要請に基づき、企業や自治体に対して気候変動、水資源や森林保全の取り組み推進と、その情報開示を求める国際的な非営利団体であるCDPの気候変動のランキングで設定されている最上位のリーダーシップレベル(A又はA-)を維持することを2024年度までの目標値として設定した。
2.ビジネスと人権に関する国際的なイニシアチブで、世界主要企業の人権への取り組みについて格付けを行う企業人権ベンチマーク(CHRB:Corporate Human Rights Benchmark)の評価を採用し、当社の取り組み計画に基づく目標値を設定した。
2023年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)
2023年度に付与された業績連動型インセンティブ(金銭報酬)においても、2022年度と同様、将来の持続的な成長の実現のため、財務的評価指標に加え、社会的価値評価指標を設定した。
また、「Nissan NEXT」の着実な推進を目指し、主要モデルの販売の質を向上させ、販売費用の縮小と台当たりの売上高の向上に継続的に取り組むために、当社の成長を測る指標の1つとして、売上高の指標を設定した。
各評価指標の2023年度から2025年度までの3事業年度での目標の総合達成率及び役位別比率を基本報酬に乗じて算出し支給する。
[執行役の2023年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)のウェイト]
*中国合弁会社比例連結ベースの数値により目標を設定
(注)1.世界の機関投資家等の要請に基づき、企業や自治体に対して気候変動、水資源や森林保全の取り組み推進と、その情報開示を求める国際的な非営利団体であるCDPの気候変動のランキングで設定されている最上位のリーダーシップレベル(A又はA-)を維持することを2024年度までの目標値として設定した。
2.ビジネスと人権に関する国際的なイニシアチブで、世界主要企業の人権への取り組みについて格付けを行う企業人権ベンチマーク(CHRB:Corporate Human Rights Benchmark)の評価を採用し、当社の取り組み計画に基づく目標値を設定した。
[業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の支給率モデル]

目標の総合達成率は、達成率50%に相当する閾値(下限)と達成率125%に相当する閾値(上限)をもとに算出された評価指標ごとの目標達成率に、評価ウェイトを乗じた値の合計である。なお、達成率50%に相当する閾値(下限)に満たない指標については、当該値は0と扱い、また達成率125%に相当する閾値(上限)を上回る指標については、当該値は125%と扱う方針としている。

[長期インセンティブ報酬の支給スケジュール]

執行役退任時の報酬等の決定方針
当社は、執行役が当社を退任した後一定期間、競業避止義務及び守秘義務等の義務を遵守すること、並びに経営の適切な移行を促進することを目的とする、退任する執行役に対する退任時報酬等の決定方針を有している。当該方針は、当社の報酬委員会の裁量により運用されており、報酬委員会は、執行役退任時の事実関係及び状況を踏まえて、退任時の支給の有無及び金額を決めることができる。
<役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数>
(単位:百万円)
(注)1.当社の取締役又は執行役が、当事業年度において、過去の事業年度に付与された株価連動型インセンティブ受領権を行使して当社から受けた金銭の額から、過去の事業年度に係る有価証券報告書に開示した当時の株価に基づく当該株価連動型インセンティブ受領権の公正価額を控除した額を記載している。当事業年度の実績は無い。
2.当事業年度に費用計上された額(当事業年度中に退任した対象者については、在任期間に対応した報酬額)を記載している。
3.報酬委員会が当社の内規その他の基準に基づき決定した当事業年度中に退任した執行役1名に対して支払った退任に伴う報酬582百万円及び当事業年度中に退任した執行役1名を含む執行役3名に対する税金及び税金調整手当(327百万円)、住宅手当その他のフリンジ・ベネフィット相当額等(174百万円)の金銭報酬の合計額を記載している。
4.上記表に記載した報酬のほかに、当事業年度に当社からの報酬として確定した過年度に係るフリンジ・ベネフィット相当額10百万円の金銭報酬がある(当該フリンジ・ベネフィットの付与対象者は元執行役1名である。)。
5.取締役を兼務する執行役には、執行役としての報酬等のみを支給しており、執行役の区分にて記載している。
6.当事業年度に取締役を退任した2名を含んでいる。
7.当事業年度に執行役を退任した1名を含んでいる。
8.役員に外貨建てで支払われる報酬等については、便宜上年間平均レートを用いて円換算した額を記載している。
<役員ごとの連結報酬等の総額等 但し、連結報酬等の総額1億円以上である者>
(単位:百万円)
(注)1.当事業年度に費用計上された額を記載している。
2.当事業年度に費用計上された在任期間に対応した報酬額を記載している。
3.報酬委員会が当社の内規その他の基準に基づき決定した、対象執行役に対する税金及び税金調整手当(327百万円)、住宅手当その他のフリンジ・ベネフィット相当額等(174百万円)の金銭報酬の合計額を記載している。左記に加え、アシュワニ・グプタの「その他報酬」には、報酬委員会が当社の内規その他の基準に基づき決定した、退任に伴う報酬582百万円が含まれている。この582百万円には、フランスの法律に基づき同氏に対する支給義務が生じる法定支払金213百万円が含まれている。
4.上記表に記載した報酬のほかに、当事業年度に当社からの報酬として確定した過年度に係るフリンジ・ベネフィット相当額10百万円の金銭報酬がある。当該フリンジ・ベネフィットの付与対象者は元執行役クリスチャン・ヴァンデンヘンデであり、当該金額を合算すると、2021年度に係る同人のその他報酬額は76百万円、総報酬額は132百万円となる。
5.役員に外貨建てで支払われる報酬等については、便宜上年間平均レートを用いて円換算した額を記載している。
6.対象執行役は、日本への出向に関連する社会保険料、税金、及び納税支援費用の受領対象者であり、「総報酬」はそれらを含んだ額である。
<執行役に対する年次賞与の評価指標ごとの目標、実績及び支給率等>
2023年度年次賞与
当社は前述のとおり、事業構造改革計画「Nissan NEXT」に取り組んできた。当事業年度の年次賞与の業績目標は、「Nissan NEXT」で定めた業績見通しをベースに物流費の増加、インフレーション等も加味した上で設定している。なお、各評価指標の内容及び選定理由等については年次賞与の箇所に記載したとおりである。
・ 「Nissan NEXT」の着実な進展に向けて、収益確保を確実に達成する観点に加え、長期的な事業の持続性の観点から、営業利益及び売上高営業利益率の指標を設定した。営業利益について、実績は5,687億円となり、達成率は110%となった。売上高営業利益率について、実績は4.5%となり、達成率は109%となった。
・ 自動車事業のフリーキャッシュフローについては、当社の持続的な将来の成長と財務活動を達成するために十分なキャッシュフローを確保するための目標値を設定し、中国合弁会社比例連結ベースで、実績は目標値を上回り、達成率は112%となった。
・ 品質については、品質保証及び顧客満足度からなる目標値を設定し、実績は目標値を上回り、達成率はその上限である125%となった。
・ コーポレートカルチャーについては、従業員エンゲージメント/満足度に加え、エネーブルメント(社員の意欲をサポートする環境、能力を発揮するための働きやすさ)、企業倫理、リーダーシップ、企業文化、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンといった全社的に優先度の高い5つの重点領域に関する前年度からの改善に必要な目標値を設定し、実績は目標値を上回り、達成率はその上限である125%となった。
上記を受け、業績目標の総合達成率は114%となった。なお、算出方法については年次賞与の箇所に記載したとおりである。ただし、当事業年度に退任した対象者を除き、期初に公表したグローバル販売台数目標が未達であったことを勘案し、年次賞与支給額の算出上は総合達成率を98%とみなすこととした。
<執行役に対する業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の評価指標ごとの目標、実績及び支給率等>
上述の年次賞与と同様、業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の業績目標の達成水準は、物流費の増加、インフレーション等も加味した上で「Nissan NEXT」で定めた目標をベースに設定しており、2021年度付与分は2023年度までの3事業年度、2022年度付与分は2024年度までの3事業年度、2023年度付与分は2025年度までの3事業年度での目標の達成度に応じて支給する。なお、各評価指標の内容及び選定理由等については、長期インセンティブ報酬の概要の箇所に記載したとおりである。
この業績連動型インセンティブ(金銭報酬)に基づく支払いは、3年間の評価期間が終了して結果が確定した後に予定されている。この業績評価期間は各年の実績を集計しており、当事業年度の目標と実績に関してはそれぞれ以下のとおりである。
2021年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の2023年度実績
2021年度付与分の業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の3事業年度目である2023年度の指標に係る実績及び達成率に関しては、以下のとおりである。
・ 売上高営業利益率については、「Nissan NEXT」の着実な進展に向けて長期的な事業の持続性の観点から中国合弁会社比例連結ベースで目標を設定し、実績は4.2%となり、達成率は60%となった。
・ 自動車事業のフリーキャッシュフローについては、当社の持続的な将来の成長と財務活動を達成するために十分なキャッシュフローを確保するための目標値を設定し、中国合弁会社比例連結ベースで、実績は目標値を上回り、達成率は112%となった。
・ 売上高については、2022年度に当社の業績見通しを踏まえて目標値を設定し、その実績は12兆6,857億円となり、達成率はその上限である125%となった。
・ カーボンニュートラル(環境)については、世界の機関投資家等の要請に基づき、企業や自治体に対して気候変動、水資源や森林保全の取り組み推進と、その情報開示を求める国際的な非営利団体であるCDPの気候変動のランキングで設定されている最上位のリーダーシップレベル(A又はA-)を維持することを2023年度までの目標値として設定した。実績はA-となり、達成率は100%となった。
・ 人権尊重(社会)については、ビジネスと人権に関する国際的なイニシアチブで、世界主要企業の人権への取り組みについて格付けを行う企業人権ベンチマーク(CHRB:Corporate Human Rights Benchmark)の評価を採用し、当社の取り組み計画に基づく目標値を設定した。その実績は閾値(下限)と目標値の間となり、達成率は53%となった。なお、2023年度はCHRB評価対象外年度となり、2022年に改訂された評価指標に基づいて第三者機関がスコアリングを行った。
上記を受け、2023年度の業績目標の総合達成率は97%となった。
2022年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の2023年度実績
2022年度付与分の業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の2事業年度目である2023年度の指標に係る実績及び達成率に関しては、以下のとおりである。
・ 売上高営業利益率については、「Nissan NEXT」の着実な進展に向けて長期的な事業の持続性の観点から、中国合弁会社比例連結ベースで目標を設定し、実績は4.2%となり、達成率は60%となった。
・ 自動車事業のフリーキャッシュフローについては、当社の持続的な将来の成長と財務活動を達成するために十分なキャッシュフローを確保するための目標値を設定し、中国合弁会社比例連結ベースで、達成率は目標を上回り、達成率は112%となった。
・ 売上高については、2022年度に当社の業績見通しを踏まえて目標値を設定し、その実績は12兆6,857億円となり、達成率はその上限である125%となった。
・ カーボンニュートラル(環境)については、世界の機関投資家等の要請に基づき、企業や自治体に対して気候変動、水資源や森林保全の取り組み推進と、その情報開示を求める国際的な非営利団体であるCDPの気候変動のランキングで設定されている最上位のリーダーシップレベル(A又はA-)を維持することを2024年度までの目標値として設定した。実績はA-となり、達成率は100%となった。
・ 人権尊重(社会)については、ビジネスと人権に関する国際的なイニシアチブで、世界主要企業の人権への取り組みについて格付けを行う企業人権ベンチマーク(CHRB:Corporate Human Rights Benchmark)の評価を採用し、当社の取り組み計画に基づく目標値を設定した。その実績は閾値(下限)と目標値の間となり、達成率は53%となった。なお、2023年度はCHRB評価対象外年度となり、2022年に改訂された評価指標に基づいて第三者機関がスコアリングを行った。
上記を受け、2023年度の業績目標の総合達成率は97%となった。
2023年度業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の2023年度実績
2023年度付与分の業績連動型インセンティブ(金銭報酬)の1事業年度目である2023年度の指標に係る実績及び達成率に関しては、以下のとおりである。
・ 売上高営業利益率については、「Nissan NEXT」の着実な進展に向けて長期的な事業の持続性の観点から、目標を設定した。実績は4.5%となり、達成率は109%となった。
・ 自動車事業のフリーキャッシュフローについては、当社の持続的な将来の成長と財務活動を達成するために十分なキャッシュフローを確保するための目標値を設定し、中国合弁会社比例連結ベースで、達成率は目標を上回り、達成率は112%となった。
・ 売上高については、当社の2023年度の業績見通しを踏まえて目標値を設定し、その実績は12兆6,857億円となり、達成率は112%となった。
・ カーボンニュートラル(環境)については、世界の機関投資家等の要請に基づき、企業や自治体に対して気候変動、水資源や森林保全の取り組み推進と、その情報開示を求める国際的な非営利団体であるCDPの気候変動のランキングで設定されている最上位のリーダーシップレベル(A又はA-)を維持することを2024年度までの目標値として設定した。実績はA-となり、達成率は100%となった。
・ 人権尊重(社会)については、ビジネスと人権に関する国際的なイニシアチブで、世界主要企業の人権への取り組みについて格付けを行う企業人権ベンチマーク(CHRB:Corporate Human Rights Benchmark)の評価を採用し、当社の取り組み計画に基づく目標値を設定した。その実績は閾値(下限)と目標値の間となり、達成率は53%となった。なお、2023年度はCHRB評価対象外年度となり、2022年に改訂された評価指標に基づいて第三者機関がスコアリングを行った。
上記を受け、2023年度の業績目標の総合達成率は108%となった。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを主な目的とした投資株式を純投資目的と区分しているが、当社は、保有目的が純投資目的である投資株式を保有していない。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
(i) 政策保有に関する方針
株式の政策保有については、当社の事業上のメリットの実現を目的とし、連携・協力関係を構築・維持するために合理的に必要とされる範囲に限定することを基本方針としている。
(ii) 保有の合理性の検証方法と取締役会等における検証の内容
当社は個別銘柄ごとの保有目的、取引の性質、将来の事業上の意義やリスク等の精査を行っている。これら戦略的視点での検証に加え、さらに保有に伴う便益と資本コストの比較・保有の適否の判断を執行側で行い、その結果を取締役会において検証をしている。保有の継続が適当でないと判断された場合には、売却を含めた検討を行うこととしている。
その結果、政策保有株式の銘柄数は、2024年3月末時点で3銘柄となっている。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
該当事項なし。
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 当該特定投資株式の銘柄数は、貸借対照表計上額が資本金の100分の1以下の銘柄を含め3社である。
各個別銘柄の定量的な保有効果の記載は困難であるが、当社では保有に伴う便益と資本コスト等の比較など定量面に加え、保有の目的、将来の事業上の意義等の定性面からの検証も行い、保有の適否を判断している。
保有の合理性の検証方法は「②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載している。
みなし保有株式
(注) みなし保有株式についても、特定投資株式と同様の検証を実施している。
各個別銘柄の定量的な保有効果の記載は困難であるが、当社では保有に伴う便益と資本コスト等の比較など定量面に加え、保有の目的、将来の事業上の意義等の定性面からの検証も行い、保有の適否を判断している。
保有の合理性の検証方法は「②保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法ならびに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載している。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項なし。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)に基づいて作成している。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成している。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成している。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)の連結財務諸表及び事業年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人により監査を受けている。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更について的確に対応するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入するなど、情報収集に努めている。
(2) グループ内の統一会計基準書を作成し、連結会社に対して展開するとともに、これを補足するため会計処理上の特定の留意事項をまとめ、財務情報作成用のガイダンスとして随時閲覧できるようにしている。当社の連結財務諸表作成のために入手している連結会社の財務情報は、専門知識を有する社内の経理責任者によって分析的手法等に基づいてレビューされ、不備等があれば修正・再提出させるプロセスを構築している。統一会計基準書は、定期的に内容の更新を行うとともに連結会社に通知し、必要に応じて更新内容について会計処理指示書の作成及び連結会社の経理担当者の教育を行っている。また、これらの活動に際しては、監査法人などが主催するセミナー等への参加を通じ、社内における専門知識の蓄積に努めている。
(3) 開示内容の正確性・的確性の確認を補佐するため、担当の執行役または執行役員などによって構成され、代表執行役CEOが議長を務める「開示審査委員会」にて、開示内容について審議している。
1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる事項)
1 連結の範囲に関する事項
(1) 連結子会社 233社
・国内会社 95社
・在外会社 138社
主要な連結子会社名は、「第1 企業の概況 4.関係会社の状況」に記載しているため、省略している。
当連結会計年度より、Nissan Global Management S.A.については新たに設立したことにより連結の範囲に含めた。また、前連結会計年度では連結子会社であったe.DAMS S.A.他5社については清算により、福岡日産自動車(株)については合併消滅したことにより、それぞれ連結の範囲から除外した。
(2) 非連結子会社 3社
・国内会社 1社
NCサービス(株)
・在外会社 2社
日産マニュファクチャリングタンジールメディタレーニアン他
上記の非連結子会社は、総資産・売上高・当期純損益・利益剰余金等を勘案しても比較的小規模であり、全体としても連結財務諸表に重要な影響を与えていない。
2 持分法の適用に関する事項
(1) 持分法適用会社 39社
・関連会社 39社(国内23社、在外16社)
ルノー、東風汽車有限公司、三菱自動車工業(株)、日産東京販売ホールディングス(株)他
前会計年度では持分法適用非連結子会社であったローズキルンリテール社については清算により持分法適用の範囲から除外した。
(2) 持分法非適用会社 6社
・非連結子会社 3社
日産マニュファクチャリングタンジールメディタレーニアン他
・関連会社 3社
(株)サン他
上記の非連結子会社及び関連会社については、いずれも当期純損益及び利益剰余金等に及ぼす影響が軽微であり、かつ全体としてもその影響の重要性がない。
(3) 持分法の適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、各社の事業年度にかかる財務諸表を基礎としている。
3 連結子会社の事業年度等に関する事項
(1) 連結子会社のうち、決算日が連結決算日(3月31日)と異なる子会社は次のとおりである。
1月31日が決算日の会社
横浜マリノス株式会社
9月30日が決算日の会社
日産フォーミュラEチーム株式会社
12月31日が決算日の会社
メキシコ日産自動車会社
Nissan Exports De Mexico, S. de R.L. de C.V.
エヌアールファイナンスメキシコ
エヌアールファイナンスサービス社
アンゼンインシュランスブローカー社
ブラジル日産自動車会社
アルゼンチン日産社
Nissan Argentina Plan S.A. de Ahorro Para Fines Determinados
チリ日産自動車会社
Nissan-Tanner Financial Services SpA.
Nissan-Tanner Financial Services Retail SpA.
Nissan-Tanner Financial Services Wholesale SpA.
ペルー日産社
アプリーテジービー社
ウクライナ日産自動車会社
裕隆日産汽車股份有限公司
Yi-Jan Overseas Investment Co., Ltd.
ジェットフォード社
日産(中国)投資有限公司
東風日産汽車金融有限公司
東風日産融資租賃有限公司
武漢東風保険経紀有限公司
武漢市東風信達経済信息咨詢有限公司
日産上海社
ジヤトコ メキシコ社
ジヤトコ (広州) 自動変速機有限公司
ジヤトコ (蘇州) 自動変速機有限公司
広州日産国際貿易有限公司
広州日産通商貿易有限公司
日産 (上海) 汽車設計有限公司
Nissan Mobility Service Co., Ltd.
ジヤトコ 米国会社
ジヤトコ 韓国エンジニアリング社
ジヤトコ フランス社
ジヤトコ 韓国サービス社
日産トレーデイングブラジル会社
VINZ 2022 Retail Auto Mortgage Loan Securitization Trust (Phase 1)
VINZ 2022 Retail Auto Mortgage Loan Securitization Trust (Phase 2)
(2) 上記に記載した合計40社のうち、9月30日が決算日の日産フォーミュラEチーム株式会社、12月31日が決算日のメキシコ日産自動車会社他23社については、連結決算日における仮決算による財務諸表で連結している。また、1月31日が決算日の横浜マリノス株式会社、12月31日が決算日の日産(中国)投資有限公司他13社については、各社の決算日現在の財務諸表を使用し、連結決算日との間に生じた重要な取引について調整を行ったうえで連結している。
4 会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
①有価証券
満期保有目的の債券…償却原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの…時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定している)
市場価格のない株式等…移動平均法に基づく原価法
なお、投資事業有限責任組合及びそれに類する組合への出資(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)については、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっている。
②デリバティブ
時価法
③棚卸資産
通常の販売目的で保有する棚卸資産は先入先出法に基づく原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定している)
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
自己所有の固定資産は主として耐用年数を見積耐用年数、残存価額を実質的残存価額とする定額法を採用している。
リース資産(使用権資産を含む)の耐用年数は見積耐用年数又はリース期間とし、残存価額は実質的残存価額とする定額法を採用している。
(3) 重要な引当金の計上基準
①貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込み額を計上している。一部の在外子会社等においては、国際財務報告基準(IFRS)第9号及び米国財務会計基準審議会会計基準編纂書(ASC)第326号を適用し、金融資産について予想信用損失モデルによる減損を認識している。
②製品保証引当金
製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い、過去の実績を基礎に翌期以降保証期間内の費用見積額を計上している。
(4) 退職給付に係る会計処理の方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっている。
過去勤務費用は、発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として4年~15年)による定額法により費用処理している。
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として7年~25年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理することとしている。一部の在外子会社は数理計算上の差異について回廊アプローチを適用し、従業員の平均残存勤務期間あるいは従業員の平均余命期間にて費用処理している。
未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用については、税効果を調整の上、純資産の部におけるその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に計上している。
(5) 重要な収益及び費用の計上基準
当社グループの事業は、製品及びサービスの特性に基づいて、自動車事業と販売金融事業に区分される。自動車事業は、主に自動車及び部品の製造と販売を行っている。販売金融事業は、自動車事業の販売活動を支援するために、販売金融サービス及びリース事業を行っている。
自動車事業における自動車及び部品の販売は、顧客が自己の意思で製品を使用、売却することができる時点で支配が移転したと考えられることから、通常、顧客に製品を引渡した時点で収益を認識している。一定期間にわたりサービスを提供する取引には、主に有償の延長保証及びメンテナンスサービスの提供があり、履行義務の充足に応じて収益を認識している。収益は顧客との契約に基づく対価にて測定され、当該金額から税務当局等の第三者のために回収する金額を除いている。
当社グループは、主に販売店に対して特定期間の車両総販売台数や特定のモデルの販売台数等に基づき販売奨励金を支給している。これら販売奨励金は最頻値法を用いて計算した金額に基づき、車両の販売時に認識し売上高から控除している。
対価については契約に基づいた販売条件により支払いを受けており、対価に含まれる金融要素に金額的重要性はない。
なお、製品の販売における顧客との契約には、製品に材料上又は製造上の不具合が発生した場合に、無償で部品の交換又は補修を行うことを約する条項が含まれており、この保証に係る費用に対して製品保証引当金を認識している。当該引当金は、前述の(3)重要な引当金の計上基準に基づき計上している。
販売金融事業における販売金融商品に係る利息収益は、利息相当額を契約期間にわたり認識している。ファイナンス・リース取引に係る収益は、利息相当額をリース期間にわたり認識している。オペレーティング・リース取引に係る収益は、リース料総額を契約に基づくリース期間に按分し認識している。
(6) 重要な外貨建の資産又は負債の換算の基準
①外貨建取引
外貨建金銭債権債務は、報告期間の期末日の為替レートで当社を含む関係会社の各機能通貨に換算している。この結果生じる換算差額は、為替差益又は為替差損として認識している。
②在外子会社等の資産及び負債の換算
当社の報告通貨は円であり、在外子会社等の大半の機能通貨は各社の現地通貨である。連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、連結株主資本等変動計算書は期中平均為替レートで換算している。ただし、超インフレ経済下にある子会社の収益及び費用は、超インフレ会計の適用により報告期間の期末日の為替レートにより円換算している。
在外子会社等の資産及び負債は、報告期間の期末日の為替レートにより円貨に換算し、その結果生じた換算差額は、連結貸借対照表のその他の包括利益累計額として認識している。
(7) 重要なヘッジ会計の方法
①ヘッジ会計の方法
国内会社においては、原則として繰延ヘッジ処理によっている。なお、振当処理の要件を満たしている為替予約等の内、外貨建売上債権に係るもの以外については振当処理に、特例処理の要件を満たす金利スワップについては特例処理によっている。
また、在外会社においては、国際会計基準または米国会計基準に基づき、ヘッジ対象となるリスクに応じたヘッジ処理を行っている。
②ヘッジ手段とヘッジ対象
・ヘッジ手段…デリバティブ取引
・ヘッジ対象…主として外貨建債権債務等
③ヘッジ方針
当社のリスク管理規定及びデリバティブ取引に関する権限規定に基づき、為替変動リスク、金利変動リスク等を一定の範囲内でヘッジしている。
④ヘッジ有効性の評価方法
在外会社においては、国際会計基準または米国会計基準に基づき、ヘッジ有効性の評価を行っているが、国内会社においては、ヘッジ手段とヘッジ対象の取引に関する重要な条件が同一である場合には、ヘッジ有効性の評価を省略している。
(8) のれんの償却方法及び償却期間
のれん(のれん相当額)は重要性に応じ、20年以内のその効果が発現すると認められる一定の年数にわたって均等償却を行っている。但し、金額が僅少な場合は、すべて発生時の損益として処理している。
2010年4月1日以降に発生した負ののれん(負ののれん相当額)は、当該負ののれんが生じた連結会計年度の利益として処理している。
(9) 連結キャッシュ・フロー計算書の資金の範囲
連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は手元資金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少のリスクしか負わない取得日から3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資からなる。
(10) グループ通算制度及び連結納税制度の適用
当社及び一部の国内子会社はグループ通算制度を適用している。また、一部の在外子会社は連結納税制度を適用している。
(重要な会計上の見積り)
1 固定資産の減損損失
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
当連結会計年度の連結損益計算書に計上した減損損失の金額は、(連結損益計算書関係) 6 ※6 減損損失に記載している。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、事業セグメント(自動車・販売金融)及び相互補完性を考慮した地域区分に基づいて資産のグルーピングを行い、事業用資産の減損の兆候の判定、減損損失の認識の判定及び測定を行っている。減損損失の認識の判定及び測定において将来キャッシュ・フロー及び正味売却価額を、減損損失の測定において割引率を合理的に見積もっている。
将来キャッシュ・フローの見積りに使用される前提は、経営会議において承認された事業計画を基礎としている。地政学リスク、物流費の高騰等の影響のほか、新型車の積極的な投入、電動化の推進を勘案して策定された事業計画をもとに、過去のマーケットシェアの状況、利益率、第三者による需要予測を参考にした地域毎の市場成長率、為替相場を含めた関連する市場動向や、現在見込まれる経営環境の変化等を考慮して将来キャッシュ・フローを見積もっている。正味売却価額の算定においては、不動産鑑定評価額等を参照するほか、一般に入手可能な市場情報を考慮している。割引率は、加重平均資本コストを基に、各国のカントリーリスク等を考慮して算定している。
当連結会計年度末の連結貸借対照表に含まれる自動車事業の事業用資産の残高は2,669,425百万円である。当連結会計年度において、継続した営業損失等の状況により減損の兆候が認められた資産グループについて減損テストを実施した結果、インドの自動車事業の事業用資産について53,644百万円、遊休資産等について5,328百万円の減損損失を計上した。
資産グループに関連する市場動向、経済環境や会社の事業計画の前提条件に重要な変化が生じ、将来キャッシュ・フローや正味売却価額、割引率の見積りを修正した場合には、新たに事業用資産の減損が発生する可能性がある。
2 繰延税金資産
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額(残高)
当連結会計年度末の連結貸借対照表に含まれる繰延税金資産の純額は188,411百万円である。なお、相殺前の繰延税金資産及び評価性引当金の金額については、(税効果会計関係)に記載している。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
将来加算一時差異の解消及び実現可能なタックスプランニングを考慮してもなお残存する将来減算一時差異等に対して、上述した経営会議において承認された事業計画を基礎として、将来発生が見込まれる永久差異や一時差異の金額を考慮して、将来の課税所得を合理的に見積もったうえで、繰延税金資産の回収可能性評価を行っている。
当社の繰延税金資産の純額は296,962百万円であり、繰延税金資産の回収可能性評価に当たり、将来の課税所得の見積りは、上述の事業計画を基礎としている。なお、当社は、当連結会計年度において「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 平成30年2月16日)に基づく企業分類の見直しを行っており、その詳細については(税効果会計関係)に記載している。
上述した市場の動向、経済環境や会社の事業計画の前提条件に重要な変化が生じ、将来の課税所得の見積額を修正した場合、繰延税金資産の評価に影響を与える可能性がある。
3 貸倒引当金
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額(残高)
当連結会計年度末の連結貸借対照表に含まれる販売金融事業の貸倒引当金は135,722百万円である。なお、米国財務会計基準審議会会計基準編纂書(ASC)第326号に準拠している米国日産販売金融会社の貸倒引当金は79,906百万円である。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、金融債権等の貸倒れによる損失に備えるため、回収不能となる金額について過去実績を基礎として見積り、貸倒引当金として計上している。回収不能額を見積もる際には、顧客の信用リスクや担保資産価値について評価している。また、経済指標の著しい悪化が見込まれる等、外部環境の変化により債権の信用リスクが変動した場合には、必要に応じて、関連する要素を追加的に考慮し算定している。例えば、過去の実績に基づく見積りが市場予測と大きく異なる場合や、個別の信用リスクや担保資産の価値が毀損した場合には、見積りと実績に差が生じ引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性がある。
国際財務報告基準(IFRS)第9号及び米国財務会計基準審議会会計基準編纂書(ASC)第326号を適用している在外子会社等においては、予想信用損失モデルによる減損に基づき貸倒引当金を認識している。IFRS第9号においては、信用リスクに応じてステージを分類した上で予想信用損失を算定するのに対し、ASC第326号においては、ステージの分類はせず、全ての金融債権について残存期間の予想信用損失を算定する。将来発生すると予測されるデフォルトによる信用損失は現在価値で測定することが求められている。IFRS及びASCにおける引当金は、過去の実績、中古車価格、失業率やインフレ率などのマクロ経済要因の予測など、信用リスク評価の前提条件の変動によって増加又は減少する可能性がある。
4 リース車両残価損失
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額(残高)
当連結会計年度末の連結貸借対照表の機械装置及び運搬具(純額)に含まれるリース車両残価損失は113,573百万円である。なお、リース契約(貸主)による資産の帳簿価額については、(連結貸借対照表関係) 2 ※2に記載している。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
主として北米地域の関係会社において、リース期間の終了したリース車両の売却収入が、リース期間の終了時における当該資産の帳簿価額を下回る場合に生じる損失に備えるため、リース車両に対し残価損失を見積計上している。
このような残価損失は、見積残存価額が変動した場合、減価償却費の増加又は減少として認識することになる。残価損失の見積りは、主にリース車両の予想売却価格、予想返却率に基づいて更新される。これらは中古車販売実績、リース車両の車両返却率、新車販売動向、中古車の供給状況、顧客の嗜好、マーケティング戦略、一般的な経済状況等、多くの要因に影響を受けるが、これらに限定されるものではない。なお、中古車市場価格が下落し減損の兆候が識別され、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、リース車両の減損が発生する可能性がある。
5 リコール等の市場措置費用
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
当連結会計年度の連結損益計算書に含まれるサービス保証料は69,052百万円である。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、届出等に基づく市場措置が必要と認められた場合には、製品保証費用の見積りとは別に、その見積額を未払費用として計上している。費用の見積りにおいては、対象となるモデルの市場流通台数、市場措置の予想実施率、台当たり市場措置金額及び付帯費用に基づいて将来予想される発生見込額を算定している。なお、市場措置の予想実施率については、販売地域、ブランド、車齢別の過去実績等に基づき見積りを行っている。
四半期毎に市場措置の推移を確認し、市場措置件数が想定以上に増加又は減少したこと等により実際の発生が見積りと異なることがある場合には、未払費用の追加計上もしくは取崩を行う可能性がある。
(表示方法の変更)
1.連結損益計算書関係
前連結会計年度において、「営業外収益」の「雑収入」に含めて表示していた「正味貨幣持高に係る利得」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度においては区分掲記を行っている。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において、「営業外収益」の「雑収入」に表示していた4,159百万円は、「正味貨幣持高に係る利得」として組み替えている。
前連結会計年度において、区分掲記していた「特別損失」の「支払補償費」は金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度においては「その他」に含めて表示している。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において、「特別損失」の「支払補償費」に表示していた21,151百万円は、「その他」として組み替えている。
(追加情報)
(車両配給契約をめぐる紛争に関連する損害賠償訴訟)
2019年7月4日、アル・ダハナ社は、当社、当社の連結子会社である中東日産会社及び持分法適用関連会社である日産ガルフに対し、車両配給契約をめぐる紛争に関連する損害賠償請求訴訟をドバイ第一審裁判所に提起した。同裁判所は、2021年9月29日、当社及び中東日産会社に対し1,159,777,806.50ディルハム及びその利息の支払いを命じる判決を行った。当判決を鑑み、当判決時において判決額及びその利息の合計額である38,758百万円を「販売費及び一般管理費」として計上している。
2022年6月8日、ドバイ控訴裁判所は、上記支払いを命じるドバイ第一審裁判所の判決を破棄した。この判決についても、当社、中東日産会社及びアル・ダハナ社は破毀院に上訴したが、2022年9月14日、破毀院は、2022年6月のドバイ控訴裁判所の判決を破棄し、ドバイ控訴裁判所に差し戻した。2022年11月29日、ドバイ控訴裁判所は、ドバイ第一審裁判所の判決を破棄した。2023年1月25日、アル・ダハナ社はこの判決について破毀院に上訴した。当社及び中東日産会社も、2023年1月27日に破毀院に上訴した。
2024年4月30日にドバイ破毀院は、すべての上訴を棄却した。これにより、ドバイ第一審裁判所の判決を破棄したドバイ控訴裁判所の判決が維持される。
当社は過去に計上した38,758百万円を「販売費及び一般管理費」に、関連する為替差損15,715百万円を「為替差損」に戻し入れた。
(連結貸借対照表関係)
1 ※1 有形固定資産の減価償却累計額
2 ※2 「機械装置及び運搬具(純額)」には、リース契約による資産(貸主)が含まれている。
3 ※3 担保資産及び対象となる債務
(1) 担保に供している資産
(2) 上記担保資産の対象となる債務
上記のうち( )内書はノンリコース債務に対応する担保資産及び対象となる債務を示している。
4 保証債務等の残高
前連結会計年度(2023年3月31日)
保証債務
(*1) 主に、貸倒実績率を基に貸倒引当金を計上している。
(*2) 在外レンタカー事業会社への保証債務残高525百万円は、在外連結子会社が、在外レンタカー事業会社に販売した車両に対して貸付を行った金融機関に対して負っている債務保証である。在外レンタカー事業会社が債務不履行となった場合、在外連結子会社は金融機関に対し契約に基づく再取得価格の支払いが必要となる一方で、対象の車両を取得する。保証債務残高には、在外連結子会社が再取得した車両をその後に売却することによって回収可能となる金額は、含まれていない。
当連結会計年度(2024年3月31日)
保証債務
(*1) 主に、貸倒実績率を基に貸倒引当金を計上している。
(*2) 在外レンタカー事業会社への保証債務残高341百万円は、在外連結子会社が、在外レンタカー事業会社に販売した車両に対して貸付を行った金融機関に対して負っている債務保証である。在外レンタカー事業会社が債務不履行となった場合、在外連結子会社は金融機関に対し契約に基づく再取得価格の支払いが必要となる一方で、対象の車両を取得する。保証債務残高には、在外連結子会社が再取得した車両をその後に売却することによって回収可能となる金額は、含まれていない。
5 偶発債務
・タカタ製エアバッグ・インフレーターに関連した訴訟
タカタ製エアバッグ・インフレーターに関連した進行中の訴訟については、将来発生した場合の債務の金額を合理的に見積もることができないために、当該偶発事象に係る損失について引当金は計上していない。
・有価証券報告書の虚偽記載に関連した訴訟
過去の有価証券報告書の虚偽記載の結果、現在、国内外で訴訟に発展している案件がある。
今後の進行状況等によっては、当社の連結業績に影響が生じる可能性がある。
6 ※4 「無形固定資産」には、のれんが含まれている。
7 ※5 非連結子会社及び関連会社に対する投資等
8 ※6 「販売金融債権」及び流動資産「その他」には、リース債権及びリース投資資産が含まれている。
9 連結子会社における当座貸越契約及び貸出コミットメントに係る貸出未実行残高は次のとおりである。
なお、上記当座貸越契約及び貸出コミットメント契約において、多くは履行されることなく終了し、また借入人の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれているため、必ずしも全額が貸出実行されるものではない。
10 ※7 顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債については、区分して記載していない。
当該金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)3.当連結会計年度及び翌連結会計年度以降の収益の金額を理解するための情報 (1) 契約資産及び契約負債の残高等」に記載している。
(連結損益計算書関係)
1 ※1 顧客との契約から生じる収益
売上高については、顧客との契約から生じる収益及びその他の源泉から生じる収益を区分して記載していない。顧客との契約から生じる収益の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載している。
2 ※2 研究開発費の総額
3 ※3 期末棚卸高は収益性の低下に伴う簿価切下げ後の金額であり、当該簿価切下額(前期に計上した簿価切下額の戻し入れ額を相殺した額)は以下のとおりである。
4 ※4 固定資産売却益
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
固定資産売却益は主として機械装置及び運搬具であり、その売却益は22,111百万円である。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
固定資産売却益は主として機械装置及び運搬具であり、その売却益は15,079百万円である。
5 ※5 固定資産売却損
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
固定資産売却損は主として土地、機械装置及び運搬具であり、土地の売却損は4,107百万円、機械装置及び運搬具は1,157百万円である。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
固定資産売却損は主として機械装置及び運搬具であり、その売却損は4,723百万円である。
6 ※6 減損損失
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度において、当社グループは以下の資産について減損損失を計上した。
当社グループは、事業セグメント(自動車・販売金融)及び相互補完性を考慮した地域区分に基づいて資産のグルーピングを行っている。また将来の使用が見込まれていない遊休資産、処分が決定された資産等については個々の資産ごとに減損の要否を判定している。
提出会社及び一部の連結子会社は、将来の使用が見込まれていないことから遊休となった資産、処分が決定された資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失(8,615百万円)として特別損失に計上した。その内訳は遊休資産6,980百万円(機械装置及び運搬具3,793百万円、建設仮勘定2,127百万円、その他1,060百万円)、売却資産152百万円(土地141百万円、建物及び構築物11百万円)、処分予定資産1,483百万円(建物及び構築物1,217百万円、その他266百万円)である。
なお、当該資産の回収可能価額は主に正味売却価額により測定している。遊休資産及び処分予定資産は不動産鑑定評価基準等に基づく評価額により評価しており、このうち、他への転用や売却が困難なものについては零として評価している。売却資産については売買約定額により評価している。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当社グループは、事業セグメント(自動車・販売金融)及び相互補完性を考慮した地域区分に基づいて固定資産の評価を行っている。当連結会計年度において、ガバナンス体制の変更及び地域間相互補完関係の現状を踏まえ、一部の資産のグルーピングについて見直しを行っている。
当連結会計年度において、継続した営業損失等の状況により減損の兆候が認められた資産グループについて減損テストを実施した結果、以下の自動車事業の事業用資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失(53,644百万円)として特別損失に計上した。なお、当該資産グループの回収可能価額は使用価値により評価しており、使用価値は将来キャッシュ・フローを15%の割引率で割り引いて算定している。
また、当社グループは、将来の使用が見込まれていない遊休資産、処分が決定された資産等については個々の資産ごとに減損の要否を判定しており、以下の資産について減損損失を計上した。
提出会社及び一部の連結子会社は、将来の使用が見込まれていないことから遊休となった資産、処分が決定された資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失(5,328百万円)として特別損失に計上した。その内訳は遊休資産3,884百万円(機械装置及び運搬具3,015百万円、建設仮勘定475百万円、その他394百万円)、処分予定資産1,444百万円(土地1,050百万円、建物及び構築物238百万円、その他156百万円)である。
なお、当該資産の回収可能価額は主に正味売却価額により測定している。遊休資産及び処分予定資産は不動産鑑定評価基準等に基づく評価額により評価しており、このうち、他への転用や売却が困難なものについては零として評価している。
(連結包括利益計算書関係)
※1 その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注) 普通株式の自己株式の株式数の増加3千株は、持分法適用関連会社保有分の増加0千株、単元未満株式の買取りによる増加3千株である。普通株式の自己株式の株式数の減少2,896千株は、譲渡制限付株式ユニット(RSU)制度に基づく自己株式処分による減少2,144千株、持分法適用関連会社保有分の減少752千株である。
2 新株予約権等に関する事項
3 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注) 配当金の総額は、ルノーに対する配当金の内、ルノー株式に占める当社持分相当の配当金を控除したものである。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注) 配当金の総額は、ルノーに対する配当金の内、ルノー株式に占める当社持分相当の配当金を控除したものである。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注) 1 普通株式の発行済株式の株式数の減少211,000千株は、自己株式の消却による減少211,000千株である。
2 普通株式の自己株式の株式数の増加212,583千株は、自己株式の取得による増加211,000千株、持分法適用関連会社保有分の増加1,579千株、単元未満株式の買取りによる増加4千株である。普通株式の自己株式の株式数の減少246,430千株は、自己株式の消却による減少211,000千株、譲渡制限付株式ユニット(RSU)制度に基づく自己株式処分による減少3,166千株、持分法適用関連会社保有分の減少32,264千株である。
2 新株予約権等に関する事項
3 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注) 配当金の総額は、ルノーに対する配当金の内、ルノー株式に占める当社持分相当の配当金を控除したものである。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注) 配当金の総額は、ルノーに対する配当金の内、ルノー株式に占める当社持分相当の配当金を控除したものである。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
1 ※1 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
*在外連結子会社の容易に換金可能な短期投資
(リース取引関係)
1 ファイナンス・リース取引
(借手側)
(1) リース資産の内容
主として、金型及び建物である。
(2) リース資産の減価償却の方法
リース資産(使用権資産を含む)の耐用年数は見積耐用年数又はリース期間とし、残存価額は実質的残存価額とする定額法を採用している。
(貸手側)
(1) リース投資資産の内訳
(2) リース債権及びリース投資資産に係るリース料債権部分の連結決算日後の回収予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
2 オペレーティング・リース取引
(借手側)
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(注) 在外連結子会社において、IFRS第16号「リース」(2016年1月13日)及びASU第2016-02号「リース」(2016年2月25日)を適用しており、当該在外連結子会社に係るオペレーティング・リースについては、上表の金額には含まれていない。
(貸手側)
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社グループは、リスクを適切なレベルに維持しつつ効率的な資金の運用を行うことを目的として、短期的な預金や低リスクの短期投資を行っている。
資金調達については、短期・長期の銀行借入れ、社債、コマーシャル・ペーパー及び債権流動化による調達など、流動性リスクを低減する為に調達手段の多様化を行っている。
デリバティブ取引は、主として外貨建債権債務の為替変動リスクの回避、有利子負債の金利変動リスクの回避、及びコモディティの価格変動リスクの回避を目的としてグループ内のリスク管理規定に基づき行っており、投機目的の取引は行っていない。
販売金融事業においては、厳格な与信審査により顧客へのオートローンやリース、ディーラーへの在庫金融や運転資金ローンなどを中心とした金融サービスを提供している。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク
① 受取手形及び売掛金
当社グループは、製品販売の対価として受取手形や売掛金を保有しており、契約に基づいた販売条件により資金回収を行っている。受取手形及び売掛金は顧客の信用リスクにさらされている。また外貨建てのものについては為替の変動リスクにさらされている。
② 販売金融債権
販売金融債権は当社製品を購入する顧客に提供する自動車ローンやリース、販売会社に提供する在庫金融や運転資金貸付などで構成されている。販売金融債権は、これらの顧客の信用リスクにさらされている。
③ 有価証券及び投資有価証券
当社グループが保有する有価証券及び投資有価証券は、主に非上場外国投資信託及び関連会社株式であり、関連会社株式は市場価格の変動リスクにさらされている。
④ 支払手形及び買掛金
当社グループは、製品の開発・製造・販売に必要な部品・資材・サービスを調達しており、各種支払い条件に基づいた期日の債務として支払手形や買掛金を保有している。これらの調達は様々な地域や国で行っていることから為替の変動リスクにさらされている。
⑤ 借入金、社債及びリース債務
当社グループは、運転資金、設備・事業への投資及び販売金融事業等の目的で各種資金調達を行っている。このうち、一部は変動金利である為、金利の変動リスクにさらされている。また、調達環境の急激な変化により、事業運営に必要な資金が確保できない流動性リスクにもさらされている。
⑥ デリバティブ取引
(1) 為替予約取引
製品等の輸出入による外貨建債権債務の為替変動のリスク回避を目的としている。
(2) 通貨オプション取引
為替予約取引と同様、外貨建債権債務の為替変動のリスク回避を目的としている。
(3) 金利スワップ取引
主に有利子負債の金利変動のリスク回避を目的としている。
(4) 通貨スワップ取引
外貨建債権債務の為替変動及び金利変動のリスク回避を目的としている。
(5) 金利オプション取引
主に有利子負債の金利変動のリスク回避を目的としている。
(6) 商品スワップ取引
主に貴金属(自動車の排気ガス浄化装置用触媒に使用)やベースメタル(自動車の原材料)の価格変動のリスク回避を目的としている。
なお、ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、前述の「4 会計方針に関する事項」に記載されている「(7) 重要なヘッジ会計の方法」参照。
(3) 金融商品に係るリスクと管理体制
① 市場リスクの管理
デリバティブ取引は連結貸借対照表上の資産・負債の有するリスク回避を目的としているが、通貨取引には為替変動のリスク、金利取引には金利変動のリスク、コモディティ取引には価格変動のリスクが依然として存在する。
当社グループのデリバティブ取引はグループ内のリスク管理規定に基づいて行われている。当該規定では、デリバティブ取引の基本的取り組み方、管理方針、管理項目、実行手順、取引相手方の選定基準及び報告体制などが定められている。金融市場リスクは提出会社で集中管理しており、提出会社からの承認及び提出会社への定期的な報告なしで、連結会社がデリバティブ取引等のリスクヘッジ業務を行ってはならない旨が定められている。
また、デリバティブ取引の取得方針は、財務部と協議後、財務に関する最高責任者により決定され、これを受けて当該規定に基づき取引が行われる。デリバティブ取引は、財務部内の専門部署で取引され、その取引契約、残高照合等は財務部内のリスク管理の専門部署で行われている。なお、商品スワップ取引に関しては、購買担当役員と財務に関する最高責任者により取得方針が決定され、これに基づき財務部内にてヘッジ取引が行われている。
デリバティブ取引の状況は、財務に関する最高責任者に定期的に、エグゼクティブコミッティに適宜報告している。
② 信用リスクの管理
当社グループでは販売会社など様々な地域の数多くの取引先と取引を行っている。当社グループは国内・外の営業債権については、与信判断基準に基づく取引条件を設定し、銀行信用状や前受け取引など、適切な債権保全策を図っている。
銀行預金、短期投資やデリバティブなどの金融取引については、取引の相手方が債務不履行に陥ることにより、将来得られるはずである効果を享受できなくなるリスクが存在するが、信用度の高い金融機関を取引相手として取引を行っており、信用リスクは軽微であり、その結果損失が発生する可能性は低いと判断している。なお、信用リスクについては、主に外部格付けの他、様々な分析に基づいた独自の与信管理システムを構築して、取引先の債務不履行に備えている。リスクに基づく取引上限を設け、財務部がグループ全体の管理を行い、モニタリングを行っている。
また、金融機関に加え、ルノー・ファイナンス社(ルノーの金融子会社)との間でデリバティブ取引を行っているが、同社は、その裏付けとして独自の格付け手法を活用して選んだ信用度の高い金融機関を取引相手としてカバー取引を行っている。
販売金融事業では審査から回収までのサイクル全体に対して適切なポリシーとプロセスを構築し、定期的にレビューを行い、信用リスクの綿密な管理を行っている。
③ 資金調達に係る流動性リスクの管理
金融市場の急激な環境変化が発生した場合や国内外の格付機関による格付の引き下げなどにおいても、当社は十分な資金の流動性を確保できるよう手元資金の積増しやコミットメントラインの設定等対応を強化している。
しかしながら想定を超えるような大規模な変化が発生した場合などには、当初計画どおりの資金調達に支障をきたす可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性がある。当社グループでは流動性リスク管理規定に基づき、自動車事業においては将来の借入金の返済予定、運転資金の需要、その他必要資金を考慮に入れた適切な流動性を確保している。販売金融事業では、資産と負債の適切な期日管理を含むアセット・ライアビリティ・マネージメントを徹底し、流動性リスクを管理している。
(4) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
① デリバティブ取引における時価又は評価損益は、期末日時点の市場から妥当と判断できるデリバティブの評価額であって、将来受け払いする実際の金額や損益を表すものではない。
② スワップ取引における契約額である想定元本はデリバティブのリスクそのものを示すものではない。
2 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりである。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
(*1) 現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産、有価証券、支払手形及び買掛金、短期借入金、コマーシャル・ペーパーは、現金であること、または短期間で決済されるため時価が帳簿価格に近似することから、注記を省略している。
(*2) 販売金融債権の連結貸借対照表計上額は、割賦繰延利益等41,407百万円を控除したものである。
(*3) 販売金融債権及び長期貸付金に個別に計上された貸倒引当金は控除している。
(*4) 連結貸借対照表計上額と時価の差額は、主に割引率によるものである。
(*5) 非上場株式及び有限責任事業組合への出資は、「(2) 投資有価証券」には含めていない。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりである。 (単位:百万円)
(*6) 社債には、流動負債における1年内償還予定の社債を含んでいる。連結貸借対照表計上額と時価の差額は、主に市場金利によるものである。
(*7) 長期借入金及びリース債務には、流動負債における1年内返済予定の長期借入金及びリース債務を含んでいる。
(*8) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務はこの注記では純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示している。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(*1) 現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産、有価証券、支払手形及び買掛金、短期借入金、コマーシャル・ペーパーは、現金であること、または短期間で決済されるため時価が帳簿価格に近似することから、注記を省略している。
(*2) 販売金融債権の連結貸借対照表計上額は、割賦繰延利益等38,139百万円を控除したものである。
(*3) 販売金融債権及び長期貸付金に個別に計上された貸倒引当金は控除している。
(*4) 連結貸借対照表計上額と時価の差額は、主に割引率によるものである。
(*5) 非上場株式及び有限責任事業組合への出資は、「(2) 投資有価証券」には含めていない。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりである。 (単位:百万円)
(*6) 社債には、流動負債における1年内償還予定の社債を含んでいる。連結貸借対照表計上額と時価の差額は、主に市場金利によるものである。
(*7) 長期借入金及びリース債務には、流動負債における1年内返済予定の長期借入金及びリース債務を含んでいる。
(*8) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務はこの注記では純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示している。
(注1)金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
(*1) 販売金融債権は、割賦繰延利益等41,407百万円を控除したものである。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(*1) 販売金融債権は、割賦繰延利益等38,139百万円を控除したものである。
(注2)社債、長期借入金、リース債務及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類している。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、最も低いレベルに分類している。
(1) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
(*1)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務はこの注記では純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示している。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(*1)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務はこの注記では純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示している。
(2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
投資有価証券
上場株式の時価は、取引所の価格によっている。活発な市場で取引されているため、その時価をレベル1の時価に分類している。一方で、当社が保有している債券は、市場での取引頻度が低く、活発な市場における相場価格とは認められないため、その時価をレベル2の時価に分類している。
デリバティブ取引
デリバティブ取引の時価は、第三者から入手した相場価格を用いて算定、又は金利や為替レート等の観察可能なインプットを用いて割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類している。
販売金融債権
販売金融債権の時価は、債権の回収期間ごとに区分した将来キャッシュ・フローに対し、満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値により算定しており、レベル3に分類している。
長期貸付金
長期貸付金の時価は、個々の貸付金ごとの将来キャッシュ・フロー(元利金)を、同様の新規貸付を行った場合に想定される利率により割り引いた現在価値により算定しており、レベル3の時価に分類している。
社債
当社の発行する社債の時価は、市場価格のあるものは市場価格に基づき、市場価格のないものは、元利金の合計額を当該社債の残存期間及び市場で観察可能な信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2の時価に分類している。
長期借入金及びリース債務
長期借入金及びリース債務の時価については、元利金の合計額を、新規に同様の借入又はリース取引を行った場合に想定される利率を市場で観察可能な基礎条件に基づき算出し、当該利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2の時価に分類している。
(有価証券関係)
1 満期保有目的の債券
前連結会計年度(2023年3月31日)
該当事項なし。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
2 その他有価証券
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
3 連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
重要性が乏しいため、注記を省略している。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
重要性が乏しいため、注記を省略している
4 保有目的を変更した有価証券
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項なし。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項なし。
5 減損処理を行った有価証券
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項なし。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項なし。
(デリバティブ取引関係)
1 ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
(1) 通貨関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(2) 金利関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(3) 商品関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
該当事項なし。
当連結会計年度(2024年3月31日)
該当事項なし。
2 ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
(1) 通貨関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 通貨スワップの振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている社債と一体として処理されているため、その時価は、「(金融商品関係)2金融商品の時価等に関する事項」の当該社債の時価に含めて記載している。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(2) 金利関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、「(金融商品関係)2金融商品の時価等に関する事項」の当該長期借入金の時価に含めて記載している。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、「(金融商品関係)2金融商品の時価等に関する事項」の当該長期借入金の時価に含めて記載している。
(3) 商品関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(退職給付関係)
1 採用している退職給付制度の概要
当社グループの採用する退職給付制度には確定給付制度と確定拠出年金制度があり、提出会社と一部の連結子会社は確定給付型及び確定拠出型を併用し、一部の連結子会社は確定給付型又は確定拠出型を採用している。提出会社を含む国内会社における確定給付制度としては退職一時金制度及び確定給付企業年金制度がある。また、従業員の退職等に際しては、臨時の割増退職金を支払う場合がある。なお、一部の連結子会社は退職給付に係る負債、退職給付に係る資産及び退職給付費用の計算に簡便法を適用している。
2 確定給付制度
(1) 退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表((3)に掲げられたものを除く)
(2) 年金資産の期首残高と期末残高の調整表((3)に掲げられたものを除く)
(注)国際財務報告基準適用の在外連結子会社における利息の純額のうち年金資産に係るものを含む。
(3) 簡便法を適用した制度の、退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の期首残高と期末残高の調整表
(4) 退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の調整表
(5) 退職給付費用及びその内訳項目の金額
(注)1 簡便法を採用している連結子会社の退職給付費用は、「勤務費用」に計上している。
2 上記退職給付費用以外に、割増退職金を連結損益計算書上「特別損失」の「その他」に前連結会計年度1,599百万円、当連結会計年度4,619百万円計上している。
(6) 退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりである。
(7) 退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりである。
(8) 年金資産に関する事項
①年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりである。
(注)1 年金資産合計には、企業年金制度に対して設定した退職給付信託が前連結会計年度1.2%、当連結会計年度1.3%含まれている。
2 「その他」には、株式や債券などの種類ごとに割合又は金額を特定することが困難なものが含まれている。
②長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、保有している年金資産のポートフォリオ、過去の運用実績、長期的な運用方針及び市場の動向等を考慮している。
(9) 数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎
国内会社
在外会社
3 確定拠出年金制度
当社グループの確定拠出年金制度への要拠出額は、前連結会計年度27,092百万円、当連結会計年度31,383百万円であった。
(ストック・オプション等関係)
1 ストック・オプションにかかる費用計上額及び科目名
2 ストック・オプションの内容、規模及びその変動状況
(1) ストック・オプションの内容
(2) ストック・オプションの規模及びその変動状況
当連結会計年度(2024年3月期)において存在したストック・オプションを対象とし、ストック・オプションの数については、株式数に換算して記載している。
① ストック・オプションの数
(注) 前連結会計年度末に記載されている株数は、当連結会計年度中に連結子会社となった同社の新規連結時点の残高である。
② 単価情報
3 ストック・オプションの公正な評価単価の見積方法
ストック・オプションの公正な評価単価は、二項モデルにより算定している。二項モデルによる評価額を算定するに当たり、同社は非上場企業であるため、付与日時点の株価は同社の事業計画に基づく割引キャッシュ・フロー法により算定した評価額を使用しており、株価変動性は複数の上場類似企業の実績ボラティリティの平均値を採用している。また、算定時点から権利行使期間の最終日までの期間を予想残存期間とし、これに対応する期間に対応する国債の利回りを無リスク利子率として使用している。予想配当については直近の配当実績等を考慮してゼロとしている。
4 ストック・オプションの権利確定数の見積方法
将来の失効数の合理的な見積りは困難であるため、実績の失効数のみ反映させる方法を採用している。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(*1) 評価性引当額が169,416百万円の減少となった。これは、当社において、当連結会計年度に新経営計画に基づく将来の販売台数の更新や外国子会社合算税制の適用に関する検討を踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を判断する際の企業分類の見直しを行った結果、将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額が減少したことによるものである。
(*2) 税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度(2023年3月31日)
(a) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額である。
(b) 税務上の繰越欠損金303,797百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産82,759百万円を計上している。当該税務上の繰越欠損金については、将来の課税所得を見込んだ結果、回収可能と判断している。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(a) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額である。
(b) 税務上の繰越欠損金325,818百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産59,763百万円を計上している。当該税務上の繰越欠損金については、将来の課税所得を見込んだ結果、回収可能と判断している。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、繰延税金資産の「その他」に含めていた「棚卸資産評価損」及び繰延税金負債の「その他」に含めていた「在外連結子会社の未分配利益」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度においては区分掲記している。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っている。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(*)外国子会社合算課税には、外国子会社合算課税の適用に伴って発生した税額控除等の影響を含めて開示している。
(表示方法の変更)
前連結会計年度において、「その他」に含めていた「在外連結子会社の未分配利益」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度においては区分掲記している。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の注記の組替えを行っている。
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社及び一部の国内連結子会社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っている。
(資産除去債務関係)
前連結会計年度(2023年3月31日)
重要性が乏しいため、注記を省略している。
当連結会計年度(2024年3月31日)
重要性が乏しいため、注記を省略している。
(賃貸等不動産関係)
当社及び一部の子会社では、国内(東京都、神奈川県、大阪府その他)及び海外において、賃貸等不動産を有しており、主に自動車及び部品の販売店舗等を有している。
2023年3月期における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益(益)は4,767百万円、売却損益(損)は1,087百万円であり、2024年3月期における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益(益)は4,645百万円、売却損益(益)は1,324百万円である。
また、当該賃貸等不動産の連結貸借対照表計上額、当期増減額及び時価は次のとおりである。
(注) 1 連結貸借対照表計上額は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額である。
2 当期末の時価は、主として社外の不動産鑑定士による不動産鑑定評価書に基づく金額である。
(収益認識関係)
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注)その他の源泉から生じる収益は、主に企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に基づく利息収入等及び企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」に基づくリース収益である。これには、在外連結子会社が適用している国際財務報告基準(IFRS)第9号「金融商品」及びIFRS第16号「リース」、米国財務会計基準審議会会計基準編纂書(ASC)第310号「債権」等の金融商品に関する各基準及びASC第842号「リース」に基づく収益が含まれる。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)その他の源泉から生じる収益は、主に企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」に基づく利息収入等及び企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」に基づくリース収益である。これには、在外連結子会社が適用している国際財務報告基準(IFRS)第9号「金融商品」及びIFRS第16号「リース」、米国財務会計基準審議会会計基準編纂書(ASC)第310号「債権」等の金融商品に関する各基準及びASC第842号「リース」に基づく収益が含まれる。
2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
収益を理解するための基礎となる情報については、連結財務諸表作成のための基本となる事項「4 会計方針に関する事項 (5) 重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりである。
3.当連結会計年度及び翌連結会計年度以降の収益の金額を理解するための情報
(1) 契約資産及び契約負債の残高等
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
顧客との契約から生じた債権
顧客との契約から生じた債権は「受取手形、売掛金及び契約資産」に計上している。
なお、当社グループにおける契約資産の残高に重要性はない。
契約負債
契約負債は「流動負債」及び「固定負債」の「その他」に含めて計上している。契約負債は主に、自動車代金の前受、有償の延長保証及びメンテナンスサービスに関するものであり、収益の認識に伴い取り崩される。
前連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は、149,437百万円である。
また、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から、前連結会計年度に認識した収益の額に重要性はない。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
顧客との契約から生じた債権
顧客との契約から生じた債権は「受取手形、売掛金及び契約資産」に計上している。
なお、当社グループにおける契約資産の残高に重要性はない。
契約負債
契約負債は「流動負債」及び「固定負債」の「その他」に含めて計上している。契約負債は主に、自動車代金の前受、有償の延長保証及びメンテナンスサービスに関するものであり、収益の認識に伴い取り崩される。
当連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は、142,586百万円である。
また、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から、当連結会計年度に認識した収益の額に重要性はない。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
残存履行義務の主な内容は、自動車及び部品の販売、有償の延長保証並びにメンテナンスサービスの提供である。当社グループは、実務上の便法を適用し、当初に予想される契約期間が1年内の自動車及び部品の販売に関する契約等について注記の対象に含めていない。残存履行義務の充足が見込まれる時期ごとの収益は、以下のとおりである。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち、分離された財務情報が入手可能であり、マネジメントが経営資源の配分の決定及び業績を評価するために定期的に検討を行う対象となっているものである。
当社グループの事業は、製品及びサービスの特性に基づいて、自動車事業と販売金融事業に区分される。自動車事業は、自動車及び部品の製造と販売を行っている。販売金融事業は、自動車事業の販売活動を支援するために、販売金融サービス及びリース事業を行っている。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表の作成の基礎となる会計処理の方法と概ね一致している。
事業セグメントの利益は営業利益ベースの数値である。セグメント間の売上高は、第三者間取引価格に基づいている。事業セグメントの資産は総資産ベースの数値である。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 自動車事業セグメントと販売金融事業セグメントを区分した連結財務諸表
・要約連結貸借対照表、要約連結損益計算書及び要約連結キャッシュ・フロー計算書の販売金融事業は株式会社日産フィナンシャルサービス(日本)、米国日産販売金融会社(米国)、エヌアールファイナンスメキシコ(メキシコ)、東風日産汽車金融有限公司(中国)他13社及びカナダ日産自動車会社の販売金融事業(カナダ)で構成されている。
・自動車事業及び消去の数値は連結値から販売金融事業の数値を差し引いたものとしている。
(1) 自動車事業セグメントと販売金融事業セグメントを区分した要約連結貸借対照表
(注) 1 「自動車事業及び消去」の販売金融債権は販売金融会社による製品在庫に関わるグループ内融資の消去額を表している。
2 「自動車事業及び消去」の借入金は「販売金融事業」への貸付金1,456,947百万円の消去後で表示している。
(2) 自動車事業セグメントと販売金融事業セグメントを区分した要約連結損益計算書
(3) 自動車事業セグメントと販売金融事業セグメントを区分した要約連結キャッシュ・フロー計算書
(注) 1 「自動車事業及び消去」の短期借入金の純増減額は、「販売金融事業」への貸付金純増加552,063百万円の消去額を含めて表示している。
2 「自動車事業及び消去」の長期借入金の変動及び社債の償還は、「販売金融事業」への貸付金純減少25,019百万円の消去額を含めて表示している。
(注) 2 所在地別に区分した売上高及び利益又は損失の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 地域は当社並びにグループ会社の所在地を表している。
2 地域の区分は、地理的近接度をベースに事業活動の相互関連性を加味している。
3 本邦以外の区分に属する主な国又は地域
(1) 北米…米国、カナダ、メキシコ
(2) 欧州…フランス、イギリス、スペイン、ロシア他欧州諸国
(3) アジア…中国、タイ、インド、その他アジア諸国
(4) その他…大洋州、中近東、南アフリカ、メキシコを除く中南米
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 自動車事業セグメントと販売金融事業セグメントを区分した連結財務諸表
・要約連結貸借対照表、要約連結損益計算書及び要約連結キャッシュ・フロー計算書の販売金融事業は株式会社日産フィナンシャルサービス(日本)、米国日産販売金融会社(米国)、エヌアールファイナンスメキシコ(メキシコ)、東風日産汽車金融有限公司(中国)他13社及びカナダ日産自動車会社の販売金融事業(カナダ)で構成されている。
・自動車事業及び消去の数値は連結値から販売金融事業の数値を差し引いたものとしている。
(1) 自動車事業セグメントと販売金融事業セグメントを区分した要約連結貸借対照表
(注) 1 「自動車事業及び消去」の販売金融債権は販売金融会社による製品在庫に関わるグループ内融資の消去額を表している。
2 「自動車事業及び消去」の借入金は「販売金融事業」への貸付金1,559,961百万円の消去後で表示している。
(2) 自動車事業セグメントと販売金融事業セグメントを区分した要約連結損益計算書
(3) 自動車事業セグメントと販売金融事業セグメントを区分した要約連結キャッシュ・フロー計算書
(注) 1 「自動車事業及び消去」の短期借入金の純増減額は、「販売金融事業」への貸付金純増加29,054百万円の消去額を含めて表示している。
2 「自動車事業及び消去」の長期借入金の変動及び社債の償還は、「販売金融事業」への貸付金純減少77,729百万円の消去額を含めて表示している。
(注) 2 所在地別に区分した売上高及び利益又は損失の金額に関する情報
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 地域は当社並びにグループ会社の所在地を表している。
2 地域の区分は、地理的近接度をベースに事業活動の相互関連性を加味している。
3 本邦以外の区分に属する主な国又は地域
(1) 北米…米国、カナダ、メキシコ
(2) 欧州…フランス、イギリス、スペイン他欧州諸国
(3) アジア…中国、タイ、インド、その他アジア諸国
(4) その他…大洋州、中近東、南アフリカ、メキシコを除く中南米
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報の中で同様の情報を開示しているため、省略している。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注) 1 地域は顧客の所在地を表している。
2 地域の区分は、地理的近接度をベースに事業活動の相互関連性を加味している。
3 本邦以外の区分に属する主な国又は地域
(1) 北米…米国、カナダ、メキシコ
(2) 欧州…フランス、イギリス、スペイン、ロシア他欧州諸国
(3) アジア…中国、タイ、インド、その他アジア諸国
(4) その他…大洋州、中近東、南アフリカ、メキシコを除く中南米等
(2) 有形固定資産
(単位:百万円)
(注) 1 地域は当社並びにグループ会社の所在地を表している。
2 地域の区分は、地理的近接度をベースに事業活動の相互関連性を加味している。
3 本邦以外の区分に属する主な国又は地域
(1) 北米…米国、カナダ、メキシコ
(2) 欧州…フランス、イギリス、スペイン他欧州諸国
(3) アジア…中国、タイ、インド、その他アジア諸国
(4) その他…大洋州、中近東、南アフリカ、メキシコを除く中南米
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、省略している。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報の中で同様の情報を開示しているため、省略している。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注) 1 地域は顧客の所在地を表している。
2 地域の区分は、地理的近接度をベースに事業活動の相互関連性を加味している。
3 本邦以外の区分に属する主な国又は地域
(1) 北米…米国、カナダ、メキシコ
(2) 欧州…フランス、イギリス、スペイン他欧州諸国
(3) アジア…中国、タイ、インド、その他アジア諸国
(4) その他…大洋州、中近東、南アフリカ、メキシコを除く中南米等
(2) 有形固定資産
(単位:百万円)
(注) 1 地域は当社並びにグループ会社の所在地を表している。
2 地域の区分は、地理的近接度をベースに事業活動の相互関連性を加味している。
3 本邦以外の区分に属する主な国又は地域
(1) 北米…米国、カナダ、メキシコ
(2) 欧州…フランス、イギリス、スペイン他欧州諸国
(3) アジア…中国、タイ、インド、その他アジア諸国
(4) その他…大洋州、中近東、南アフリカ、メキシコを除く中南米
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、省略している。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
重要性が乏しいため、注記を省略している。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項なし。
(関連当事者情報)
1.関連当事者との取引
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 譲渡制限付株式ユニット制度に伴う、金銭報酬債権の現物出資によるものである。
自己株式の処分価額は、2022年6月27日(本自己株式処分の取締役会決議日の前営業日)の東京証券取引所における、当社の普通株式の終値に基づいて決定している。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 譲渡制限付株式ユニット制度に伴う、金銭報酬債権の現物出資によるものである。
自己株式の処分価額は、2023年6月26日(本自己株式処分の取締役会決議日の前営業日)の東京証券取引所における、当社の普通株式の終値に基づいて決定している。
2.親会社又は重要な関連会社に関する注記
重要な関連会社の要約財務情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度における、重要な関連会社であるルノー及び東風汽車有限公司の合算要約財務情報(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)は以下のとおりである。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度における、重要な関連会社であるルノー及び東風汽車有限公司の合算要約財務情報(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)は以下のとおりである。
(1株当たり情報)
(注)1 1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりである。
2 1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりである。
(重要な後発事象)
(自己株式の取得及び消却)
当社は、2024年3月27日開催の取締役会において、以下のとおり、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき自己株式を取得すること及びその具体的な取得方法について決議し、実施した。また、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議し、実施した。
1.自己株式の取得及び消却を行う理由
当社は、ルノーグループ(以下「同社グループ」という。)から、同社グループがフランスの信託会社に信託した当社株式のうち280,690,000株(以下「対象株式」という。)について売却の打診を受け、当社はこのうち100,242,900株について、同社グループとの新たなアライアンス契約における当社株式の売却候補先としての優先的な地位に基づき、自己株式の取得を行うこととした。また、取得した自己株式は全数消却する。なお、同社グループは、対象株式のうち本自己株式取得により同社グループが売却した株数を除く残りの当社株式について、新たなアライアンス契約に従った秩序あるプロセスにより売却することが選択可能となる。
当社のキャッシュポジションに鑑み、当社の事業計画を実現するために必要な財務基盤を維持しつつ、株主還元及び資本効率向上などの資本政策遂行の一環として自己株式の取得を実施するものとする。
2.自己株式の取得の内容
3.自己株式の消却の内容
(三菱自動車工業株式会社の子会社に対する訴訟)
米国ペンシルベニア州フィラデルフィア一般訴訟裁判所における製造物責任訴訟において、当社の持分法適用関連会社である三菱自動車工業株式会社の100%子会社であるミツビシ・モーターズ・ノース・アメリカ・インク(以下「MMNA」という。)に対し、2024年5月6日付で1,010百万米ドルの損害賠償の支払いを命じる判決が下された。MMNAは、2024年5月28日、当該判決を不服として、米国ペンシルベニア州上級裁判所に控訴を提起した。
当該係争案件の今後の進捗状況によっては、当社グループの持分法投資損益に重要な影響を及ぼす可能性がある。
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注) 1 *1提出会社、*2国内連結子会社、*3在外連結子会社
2 当期末残高のうち、( )内は一年以内の償還予定額である。
3 連結決算日後5年内における償還予定額は以下のとおりである。
【借入金等明細表】
(注) 1 「平均利率」については、期末借入残高に対する加重平均利率を記載している。
2 在外連結子会社において、IFRS第16号「リース」(2016年1月13日)及びASU第2016-02号「リース」(2016年2月25日)を適用しており、当該会計基準の適用により認識することになった使用権資産に対応する債務は、1年内に返済予定のリース債務及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く)に含めて計上している。
3 長期借入金(1年以内に返済予定のものを除く)及びノンリコース長期借入金(1年以内に返済予定のものを除く)及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く)の連結決算日後5年内における返済予定額は以下のとおりである。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、作成を省略している。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
営業その他に関し重要な訴訟案件等
・タカタ製エアバッグ・インフレーターに関連した訴訟
タカタ製エアバッグ・インフレーターに関連した進行中の訴訟がある。
・有価証券報告書の虚偽記載に関連した訴訟
過去の有価証券報告書の虚偽記載の結果、現在、国内外で訴訟に発展している案件がある。
・車両配給契約をめぐる紛争に関連する損害賠償訴訟
2019年7月4日、アル・ダハナ社は、当社、当社の連結子会社である中東日産会社及び持分法適用関連会社である日産ガルフに対し、車両配給契約をめぐる紛争に関連する損害賠償請求訴訟をドバイ第一審裁判所に提起した。同裁判所は、2021年9月29日、当社及び中東日産会社に対し1,159,777,806.50ディルハム及びその利息の支払いを命じる判決を行った。当社及び中東日産会社は、この判決を不服として控訴し、アル・ダハナ社も控訴した。
2022年6月8日、ドバイ控訴裁判所は、上記支払いを命じるドバイ第一審裁判所の判決を破棄した。この判決についても、当社、中東日産会社及びアル・ダハナ社は破毀院に上訴したが、2022年9月14日、破毀院は、2022年6月のドバイ控訴裁判所の判決を破棄し、ドバイ控訴裁判所に差し戻した。2022年11月29日、ドバイ控訴裁判所は、ドバイ第一審裁判所の判決を破棄した。2023年1月25日、アル・ダハナ社はこの判決について破毀院に上訴した。当社及び中東日産会社も、2023年1月27日に破毀院に上訴した。
2024年4月30日にドバイ破毀院は、すべての上訴を棄却した。これにより、ドバイ第一審裁判所の判決を破棄したドバイ控訴裁判所の判決が維持される。
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 満期保有目的の債券
償却原価法(定額法)
(2) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法に基づく原価法
(3) その他有価証券
①市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定している)
②市場価格のない株式等
移動平均法に基づく原価法
なお、投資事業有限責任組合及びそれに類する組合への出資(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)については、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっている。
2 デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法
3 棚卸資産の評価基準及び評価方法
先入先出法に基づく原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定している)
4 固定資産の減価償却方法
(1) 有形固定資産
定額法を採用している。
なお、耐用年数は見積耐用年数、残存価額は実質的残存価額によっている。
(2) 無形固定資産
定額法を採用している。
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法を採用している。
(3) リース資産
定額法を採用している。
なお、耐用年数は見積耐用年数又はリース期間とし、残存価額は実質的残存価額によっている。
5 外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、報告期間の期末日の為替レートで円貨に換算している。この結果生じる換算差額は為替差益又は為替差損として認識している。
6 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込み額を計上している。
(2) 製品保証引当金
製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い、過去の実績を基礎に翌期以降保証期間内の費用見積額を計上している。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込み額に基づき、退職給付引当金又は前払年金費用を計上している。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額の期間帰属方法は、給付算定式基準を採用している。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理している。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしている。
(4) 関係会社事業損失引当金
関係会社の事業の損失に備えるため、関係会社の財政状態等を勘案して、損失負担見込額を計上している。
7 重要な収益及び費用の計上基準
当社の収益は、主に自動車及び部品の販売によるものである。加えて、製品の製造又は販売における商標・技術ノウハウ等の使用・実施の許諾に係るロイヤリティ収入を計上している。
自動車及び部品販売は、顧客に法的所有権や危険が移転し処分が可能となる顧客との契約で合意された地点に製品が到着し引き渡しが完了した時点で、請求権が発生し支配が移転すると考えられるため、通常、顧客と契約で合意された方法で製品を引き渡した時点で収益を認識している。
国内販売については、自動車販売は、顧客と合意した地点に製品が到着した時点で収益を認識している。部品販売は、「収益認識に関する会計基準の適用指針」第98項に定める代替的な取扱いを適用し、出荷時に収益を認識している。
また当社は、主に販売店に対して特定期間の車両総販売台数や特定のモデルの販売台数等に基づき販売奨励金を支給している。これら販売奨励金は最頻値法を用いて計算した金額に基づき、車両の販売時に認識し売上高から控除している。
輸出販売については、主に船積時点で収益を認識している。
ロイヤリティ収入は、主にライセンス先(主に関係会社)の売上高に基づいて、当該売上高が計上された時点で認識している。
当社による製品の収益は顧客との契約に基づく対価にて測定され、当該金額から税務当局等の第三者のために回収する金額を除いている。
なお、自動車及び部品の販売、ロイヤリティ収入について顧客から収受する対価は、契約に基づいた販売条件により支払いを受けており、対価に含まれる金融要素に金額的重要性はない。
製品の販売における顧客との契約には、製品に材料上又は製造上の不具合が発生した場合に、無償で部品の交換又は補修を行うことを約する条項が含まれており、この保証に係る費用に対して製品保証引当金を認識している。当該引当金は、前述の6 引当金の計上基準に基づき計上している。
8 ヘッジ会計の方法
(1)ヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジ処理によっている。なお、振当処理の要件を満たしている為替予約等の内、外貨建売上債権に係るもの以外については振当処理に、特例処理の要件を満たす金利スワップについては特例処理によっている。
(2)ヘッジ手段とヘッジ対象
・ヘッジ手段
デリバティブ取引
・ヘッジ対象
主として外貨建金銭債権債務等
(3)ヘッジ方針
リスク管理規定及びデリバティブ取引に関する権限規定に基づき、為替変動リスク、金利変動リスク等を一定の範囲内でヘッジしている。
(4)ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ手段とヘッジ対象の取引に関する重要な条件が同一である場合には、ヘッジ有効性の評価を省略している。
9 その他財務諸表作成のための重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっている。
(2) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用している。
(重要な会計上の見積り)
1 固定資産の減損損失
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
当事業年度の損益計算書における減損損失の計上はない。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
連結財務諸表の(重要な会計上の見積り)1 固定資産の減損損失に同一の内容を記載しているため、記載を省略している。当事業年度の財務諸表に計上している有形固定資産及び無形固定資産の合計残高は839,914百万円である。減損損失の認識の判定を行った結果、事業用資産に対する減損損失の認識は不要と判断した。
2 繰延税金資産
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額(残高)
当事業年度末の貸借対照表に含まれる繰延税金資産の純額は296,962百万円である。なお、相殺前の繰延税金資産及び評価性引当額の金額については(税効果会計関係)に記載している。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
連結財務諸表の(重要な会計上の見積り)2 繰延税金資産に同一の内容を記載しているため、記載を省略している。
3 リコール等の市場措置費用
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
当事業年度の損益計算書に含まれるサービス保証料は49,748百万円である。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
連結財務諸表の(重要な会計上の見積り)5 リコール等の市場措置費用に同一の内容を記載しているため、記載を省略している。
(表示方法の変更)
1.損益計算書関係
前事業年度において、「特別損失」に区分掲記していた「支払補償費」は金銭的重要性が乏しくなったため、当事業年度においては「その他」に含めて表示している。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前事業年度の損益計算書において「特別損失」の「支払補償費」に表示していた21,151百万円は、「その他」として組み替えている。
(追加情報)
(車両配給契約をめぐる紛争に関連する損害賠償訴訟)
2019年7月4日、アル・ダハナ社は、当社、当社の連結子会社である中東日産会社及び持分法適用関連会社である日産ガルフに対し、車両配給契約をめぐる紛争に関連する損害賠償請求訴訟をドバイ第一審裁判所に提起した。同裁判所は、2021年9月29日、当社及び中東日産会社に対し1,159,777,806.50ディルハム及びその利息の支払いを命じる判決を行った。当判決を鑑み、当判決時において判決額及びその利息の合計額である38,758百万円を「販売費及び一般管理費」として計上している。
2022年6月8日、ドバイ控訴裁判所は、上記支払いを命じるドバイ第一審裁判所の判決を破棄した。この判決についても、当社、中東日産会社及びアル・ダハナ社は破毀院に上訴したが、2022年9月14日、破毀院は、2022年6月のドバイ控訴裁判所の判決を破棄し、ドバイ控訴裁判所に差し戻した。2022年11月29日、ドバイ控訴裁判所は、ドバイ第一審裁判所の判決を破棄した。2023年1月25日、アル・ダハナ社はこの判決について破毀院に上訴した。当社及び中東日産会社も、2023年1月27日に破毀院に上訴した。
2024年4月30日にドバイ破毀院は、すべての上訴を棄却した。これにより、ドバイ第一審裁判所の判決を破棄したドバイ控訴裁判所の判決が維持される。
当社は過去に計上した38,758百万円を「販売費及び一般管理費」に、関連する為替差損15,715百万円を「為替差損」に戻し入れた。
(貸借対照表関係)
1 ※1 関係会社に対する金銭債権及び債務(区分掲記されたものを除く)
2 保証債務等の残高
前事業年度(2023年3月31日)
(1) 保証債務
*貸倒実績率を基に貸倒引当金を計上している。
(2) キープウェル・アグリーメント
当社は以下の子会社と信用を補完することを目的とした合意書(キープウェル・アグリーメント)がある。
各金融子会社等の2023年3月末の債務残高は次のとおりである。
当事業年度(2024年3月31日)
(1) 保証債務
*貸倒実績率を基に貸倒引当金を計上している。
(2) キープウェル・アグリーメント
当社は以下の子会社と信用を補完することを目的とした合意書(キープウェル・アグリーメント)がある。
各金融子会社等の2024年3月末の債務残高は次のとおりである。
3 偶発債務
有価証券報告書の虚偽記載に関連した訴訟
過去の有価証券報告書の虚偽記載の結果、現在訴訟に発展している案件がある。
今後の進行状況等によっては、当社の業績に影響が生じる可能性がある。
(損益計算書関係)
1 ※1 関係会社との取引高
2 ※2 販売費及び一般管理費
このうち、主要な費目は次のとおりである。
販売費及び一般管理費のうち当事業年度の販売費の割合は約4割であり、前事業年度とおおよそ変動はない。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(表示方法の変更)
前事業年度において、繰延税金資産の「その他」に含めていた「棚卸資産評価損」は、金額的重要性が増したため、当事業年度においては区分掲記している。また、前事業年度において、区分掲記していた繰延税金資産の「繰延ヘッジ損益」については、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度においては「その他」に含めて表示している。これらの表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の注記の組替えを行っている。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(*)外国子会社合算課税には、外国子会社合算課税の適用に伴って発生した税額控除等の影響を含めて開示している。
(表示方法の変更)
前事業年度において、「その他」に含めていた「税額控除」は、金額的重要性が増したため、当事業年度においては区分掲記している。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の注記の組替えを行っている。
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っている。
(収益認識関係)
収益を理解するための基礎となる情報については、注記事項「重要な会計方針 7 重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりである。
(重要な後発事象)
(自己株式の取得及び消却)
連結財務諸表の注記事項「重要な後発事象」に同一内容を記載しているため、注記を省略している。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略している。
(3) 【その他】
該当事項なし。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社は単元未満株式についての権利を定款に定めている。当該規定により、当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はない。
2 【その他の参考情報】
(1) 当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に提出した書類
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出している。
(2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
その他の国内連結子会社(国内)
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。また、出向者は出向先の従業員として算出している。
2 男性の育児休業等取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を示したものである。また、出向者は出向先の従業員として算出している。
3 対象従業員がいないことを示している。
4 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。また、出向者は出向元会社の従業員として算出している。男女の賃金の差異は、給与・手当・賞与を含めた総支給額を対象者の人数で除し平均を算出のうえ、男性の平均賃金を100としたときの女性の平均賃金の割合を示している。管理職比率など男女間に構成の違いがあることで1名当たり賃金に差が出ているが、賃金制度・体系において性別による処遇差は一切ない。
5 提出会社及び主要な連結子会社については、「第1[企業の概況]5[従業員の状況](4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載している。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項なし。