第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 第118期より国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
(注) 1 第118期の日本基準諸数値につきましては、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第118期の期首から適用しており、第118期の主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 第118期の株価収益率及び配当性向については、当期純損失であるため記載しておりません。
3 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所市場プライム市場におけるものであります。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第118期の期首から適用しており、第118期以降の主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、連結財務諸表提出会社(以下、「当社」という。)、トヨタ自動車㈱(その他の関係会社)及び連結子会社17社、非連結子会社1社、関連会社2社で構成され、鋼材(特殊鋼及びステンレス鋼)、鍛造品、電子機能材料・部品及び磁石応用製品の製造・販売を主な内容とし、事業活動を展開しております。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
なお、以下に示す区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「4.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
鋼(ハガネ)カンパニー
当社が、特殊鋼(熱間圧延材)の製造・販売を行うほか、アイチセラテック㈱及び近江鉱業㈱は製鋼用資材の生産、アイチ物流㈱は鋼材製品の運搬・保管を行っております。
ステンレスカンパニー
当社が、ステンレス鋼及びチタン(熱間圧延材、二次加工品)並びにステンレス構造物エンジニアリングの製造・販売を行うほか、愛鋼㈱は当社製品の販売、特殊鋼及びステンレス鋼の加工・販売、アイチ テクノメタル フカウミ㈱はステンレス鋼の圧延・二次加工・販売を行っております。また、アイチコリア㈱はアジアにおいて、当社製品の販売を行っております。
鍛(キタエル)カンパニー
当社が、型打鍛造品(自動車部品粗形材、機械部品粗形材など)及び鍛造用金型加工品の製造・販売を行うほか、㈱アスデックスは鍛造用金型加工品の製造・販売を行っております。また、アイチ フォージ フィリピン㈱、アイチ フォージ(タイランド)㈱、上海愛知鍛造有限公司及びアイチ フォージング インドネシア㈱はアジア、アイチフォージ ユーエスエイ㈱は北米で型打鍛造品の製造・販売を行っております。
スマートカンパニー
当社は電子機能材料・部品及び磁石応用製品並びに植物活性材、金属繊維を製造・販売しております。
主な製品として、電子機能材料・部品では、高度なメッキ技術による車載用放熱部品等の電子部品や超小型・超高感度磁気センサであるアモルファスMIセンサがあります。また磁石応用製品としては、医療市場向けの義歯用アタッチメント、自動車・家電市場向けのネオジム系異方性ボンド磁石があります。アイチ ヨーロッパ㈲は欧州において、電子機能材料・部品及び金属繊維等の販売、愛知磁石科技(平湖)有限公司はアジアにおいて、磁石応用製品の販売、浙江愛智機電有限公司はアジアにおいて、磁石応用製品の製造を行っております。
その他事業
アイチ情報システム㈱がコンピュータソフト開発、アイコーサービス㈱が物品販売や緑化などのサービス事業を行っております。
(事業系統図)

4 【関係会社の状況】
(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、その他の関係会社を除き、セグメントの名称を記載しております。
2 「議決権所有割合」欄の( )内は、間接所有割合で内数であります。
3 特定子会社に該当します。
4 持分は、100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため、子会社としております。
5 有価証券報告書を提出している会社であります。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。なお、臨時従業員数(パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含む)は、当連結会計年度の平均人員を( )外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。なお、臨時従業員数(パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含む)は、当連結会計年度の平均人員を( )外数で記載しております。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
① 提出会社の労働組合は、愛知製鋼労働組合と呼称し、日本基幹産業労働組合連合会に加盟しております。
② 2024年3月31日現在の組合員数は2,294名であります。
③ 会社と労働組合の間に特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 労働者の男女の賃金の差異についての補足説明
・当社の給与制度および評価制度において、性別による差異はありません。
<正規雇用労働者について>
・勤続年数に男女で差があること(男性18.2年、女性13.7年)や基幹職の女性比率が1.3%であることなど
から全体で見た場合、差異はありますが、等級、勤続年数、職種、学歴などの性別以外の条件が同じ場
合、基本賃金での差異はありません。
・主に大卒者の職種である総合事技職と業務職の2つの職種について、総合事技職の方が給与水準は高い設
定になっておりますが、総合事技職の女性比率が16.4%、業務職の女性比率が100%となっております。
なお、職種は採用時に本人の希望に沿って決まり、入社後には職種転換制度(条件あり)も利用すること
ができます。
<パート・有期労働者について>
・男性は正社員から定年を迎えた再雇用者が多く、給与水準が比較的高い傾向にあります。
・パート労働者はほとんどが女性であり、週所定労働時間や1日の所定労働時間をフルタイムに換算せず、
実数値で算出しております。
② 連結子会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
当社は、国際的な視野に立ち、企業集団の総合力を結集して、「研究と創造」の精神で高い技術による魅力ある商品を提供することにより、株主、顧客、社会に貢献することを経営の基本方針としております。この経営の方針は、「経営理念」として掲げており、その内容は次のとおりです。
-経営理念-
国際的な視野に立ち、活力に溢れ、信頼される企業体質をもとに、
魅力ある商品を提供することによって社会に貢献する。
1.研究と創意につとめ、常に時流に先んずる。
2.相互の信頼と理解のもとに、一致協力する。
3.責任ある判断と行動のもとに、常に最善を尽くす。
この経営理念を実践することにより、年々変化する経営環境においても持続的な成長を続けると共に、広く社会から信頼され、必要とされるべく、「世界中で選ばれる会社」を目指しています。
その実現に向けて、「愛知製鋼グループが将来目指す姿」を示した「愛知製鋼グループ 2030年ビジョン」(2020年8月4日公表。以下、「2030年ビジョン」という。)及びその実行計画である「愛知製鋼グループ 2024-26年度 中期経営計画」(2024年5月30日公表。以下、「中期経営計画」という。)を策定、公表しております。
1.中期経営計画の基本方針
2030年ビジョンの実現に向け、社会課題解決の重要性の高まりや常に変化する環境を先読みしつつ、お客様のお役に立ち、必要とされる会社を目指し、社会的価値の創造と持続的成長へ繋げる3年間としてまいります。
2.中期経営計画の重点施策
24-26年度の中期経営計画の3年間で、当社が社会から必要とされる「良き企業」であり、「成長する企業」であることを改めてお約束し、社会的価値の創造と成長戦略を確かなものにし、持続的な社会に貢献してまいります。そのうえで、地球環境・社会への貢献を進めつつ、お客様のお役に立ち続けることを通じて、2030年ビジョンの実現を見据えた、連結営業利益150億円を目指してまいります。
(1)稼ぐ力を強化し、成長戦略を確かなものにする
①スピード感ある価値創造
・お客様の困り事解決に向け素材メーカーの知見、技術を活かし営業、開発一体で部材、部品ニーズへ貢献
②鋼・鍛のポテンシャルを最大発揮
(鋼)・創業から培った鋼づくりを極めカーボンニュートラル(CN)へ貢献
・パートナー協業による成長市場のモビリティ社会実現に貢献
(鍛)・業界再編を見据え新たな工法開発でのサプライチェーン維持、鍛鋼一貫で電動化進展へ貢献
③新事業の成長促進
・電子部品:一貫生産の強みを活かし電動化進展へ確実な供給対応と品質保証度を高め競争力に貢献
・GMPS :実証から「構内物流」での社会実装により、少子高齢化、物流の運転手不足問題解決へ貢献
・磁石 :調達リスク高まる重希土類不使用のマグファイン®の技術力を高め、安定供給に貢献
④素材を通じた社会への貢献
・ステンレス: 生産能力増強とエンジニアリング機能拡大・技術力強化でインフラ老朽化対策へ貢献
・鉄供給材:カンキツグリーニング病の症状軽減を通し世界の農業問題解決に貢献
(2)社会的価値の創造を推進する
①サステナビリティ課題への対応
・当社のアイデンティティである資源循環型のモノづくりを強化し、会社の力・基盤強化につなげ持続的社会へ貢献
②厳しく温かく人が育つ風土の醸成
・社会課題を素早く認識し、正しく問題解決できる人材育成でサステナブル社会に貢献
③将来の持続的成長に向けた財務戦略
・長期目線に立った成長戦略を軸に「成長投資」と「株主還元」にキャッシュを積極配分しPBR改善
3.経営指標
目標とする経営指標につきましては、2030年時点での連結営業利益200億円以上を達成するため、中期経営計画の最終年度にあたる2026年度に連結売上収益3,338億円、連結営業利益150億円の達成を目指してまいります。
4.対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境は、春季労使交渉での高い賃上げ率や物価上昇とも相まってデフレからの脱却の兆しが見え、個人消費の改善や企業の強い投資意欲、自動車の生産回復で輸出増加、インバウンド需要の増加など緩やかな回復が期待されます。一方、幅広い業種で人手不足が深刻化しつつあるなど、景気回復テンポが鈍るリスクもあり、予断を許さない状況にあります。
また、自動車業界では、足元ではBEVの成長スピードが鈍化しておりますが、中長期的には世界のBEVシフトは再加速する可能性が高く、自動車メーカーによる競争は激しさを増すことが予想されます。当社は創業以来、特殊鋼や鍛造品など素材や部品を通じてクルマの可能性を広げてまいりましたが、今後はお客様のニーズの変化にしっかりとお応えするため、開発と一体となった提案型の営業体制により、鍛鋼一貫の強みを活かして、「お客様が何にお困りか」「その解決には、どんな素材・技術・部品が必要か」を全員で考え、変化に応じた良品廉価な製品・サービスを提供していくことで、お客様のお役に立ち続ける会社を目指してまいります。
目指す姿に必要な、変化に強い企業体質を作るため、これまで注力してきた「モノをつくる力」に加えて、カンパニーをまたぐ課題への対応や、製品・サービス軸の事業運営へのシフト、さらには、コーポレートの横串機能を強化し、リソーセスの最適配分を図るなど、全方位での収益構造改革を推進することで、「稼ぐ力」を向上してまいります。
さらに、2050年度を目標としているCNの早期実現も見据え、7工場のうち5工場は2022年度までにCNを達成しており、CNなエネルギーの使用も含め、2030年でのCO2排出量50%削減(2013年度比)の目途付けも進んでおります。その先の2050年でのCN実現には水素活用における技術的なブレークスルーが必要と考えられるため、先に紹介しました、刈谷工場での水素・都市ガス兼用バーナでの実証実験、実用化に向けた取り組みなど、計画的に進めてまいります。
上記のとおり、当社グループは“世のため、人のため”、“お役に立つ”という創業の精神に立ち戻り、課題に現地現物で正面から向き合うことで、変化に強い企業体質を作りながら、次世代への成長戦略推進に、愛知製鋼グループ一丸で取り組み、企業価値を高めてまいります。
具体的には、「2030年ビジョン」実現を目指し、新しい中期経営計画期間となる24-26年度において、「変革のリーダー、私。」をスローガンに掲げ、一人ひとりが主役となって、以下の方針に則り、施策に取り組んでまいります。
1.創業の精神に則り、正直で真っ当な企業をもう一度目指す(コンプライアンス・ガバナンスの強化)
1-(1):常にお客様を意識し、期待に応える
1-(2):安全・品質は絶対である
1-(3):持続可能性を自覚し、社会的責任を果たす
2.足元の稼ぐ力を取り戻し、将来の成長戦略を明確にし、未来への責任を果たす
2-(1):(稼ぐ力)鋼・鍛のポテンシャルを最大限に発揮する(TPSの徹底・拡販)
2-(2):(成長戦略)2030年ビジョン達成に向けた実現性のある“ロードマップ”の作成と更なる事業
戦略・開発戦略の策定
2-(3):チャレンジを可能とする安定的な財務基盤の構築
3.厳しく温かく人が育つ風土の醸成
3-(1):問題解決を通した人材育成の強化(改善マインド・改善能力)
3-(2):アイチの価値観の共有・徹底を通じた一体感のレベルアップ
当社グループは、PBRを踏まえ企業価値について市場から大変厳しい評価をいただいていると自覚し、従来以上に、企業価値向上を図ってまいります。当社グループの資本収益性は資本コストを大幅に下回る状況にあり、改善には利益率の改善が急務と考えておりますので、上記の諸施策により、営業利益の回復を進めてまいります。その過程で資産の売却など資産のスリム化や、生み出したキャッシュを持続的成長のために振り向けていくとともに、配当方針の変更や自己株式の取得など、資本政策も併せて検討してまいります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する考え方
当社グループは「国際的視野に立ち、活力に溢れ、信頼される企業体質をもとに、魅力ある商品を提供することによって社会に貢献する」という経営理念に基づき、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することが、中長期的な企業価値の向上につながると考えています。その実現に向け、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2030年ビジョンの基本方針として「事業とモノづくり力の変革で収益力を向上させESG経営を実践」を掲げ、サステナビリティ活動を積極的に推進しています。
特に気候変動に対しては、エネルギー多消費産業であり鉄スクラップを原材料にモノづくりを行う資源循環型企業として重要な経営課題の1つと認識し、重点的に取り組んでいます。
また、当社グループは人的資本が価値創造の源泉であるとの認識に基づき、これまでも人を大切にする経営に取り組んできましたが、更なる人的資本の高度化に向け多様性、人材育成、社員の健康・安全の実現を目指し、重点的に取り組んでいます。
(2) ガバナンス
経営に重大な影響を及ぼすサステナビリティ全般に関するリスク・機会への対応方針・取り組み状況・事業戦略は、業務執行における最上位の意思決定機関であり、経営に関わる重要事項を審議する「経営トップミーティング(原則月2回開催、議長:取締役社長)」で議論・審議しています。取締役会はその報告を受け、特に重要案件は審議することで監督機能を果たしています。2024年度には、全社横断したサステナビリティ施策を企画、推進するサステナビリティ推進室を設置し、サステナビリティに関する取り組みの更なる充実を図っています。
(気候変動への対応)
地球環境会議(年2回開催、議長:取締役社長)では、気候変動に係る戦略の実行や活動の進捗を管理しており、その内容は経営トップミーティング及び取締役会にて報告されています。また、地球環境会議の下に6つの分科会を設置し、担当範囲を明確にすることで効率的・重点的に活動を推進しています。経営トップミーティングでは気候変動への対応方針・戦略、CO2排出削減目標計画の策定・見直しなどを審議・決定しています。
(人的資本経営)
社外役員が過半数を占める任意の役員報酬・人事案策定委員会(年3回開催、委員長:社外取締役)における経営陣幹部のサクセッションプラン、HRコミッティ(年2回開催、議長:取締役社長)における経営視点での人事課題などの議論を経て、経営トップミーティングにて人材戦略及び具体的な課題や施策(組織の新設・改編、主要ポストの任免、重要な人事施策の新設・改廃など)に関する検討・決議、進捗状況の共有を行っています。特に人材戦略や経営陣幹部の選任については、取締役会で検討・決議することで監督機能を確保しています。
(サステナビリティのガバナンス体制図)

(3) リスク管理
当社グループではリスク管理体制や、事前の予防対策、緊急事態発生時の対応などを定めた「危機管理規程」を制定し、想定されるさまざまなリスクに備えています。危機管理最高責任者であるCRO(チーフリスクオフィサー)はリスクマネジメント本部長が担当し、平素の予防管理の推進および危機事象の予見/発生時の対応を推進しています。
リスク管理のプロセスにおいては、各部門・グループ各社が現場で各種施策を立案する際に、業態、事業特性及び社会状況からサステナビリティを始めとしたリスクを抽出しています。抽出されたリスクは各種機能会議体等にて報告され、影響度・発生頻度・時間軸などから経営に重大な影響を及ぼすリスクを特定、重要度を評価しています。経営に重大な影響を及ぼすリスクは経営トップミーティングにおいて、対応策と管理指標を設定し、経営計画に落とし込み、継続的な監視と予防・軽減策を実施しています。取締役会では経営計画の審議、定期的な執行状況と管理指標の進捗を確認することで監督機能を果たしています。
万が一リスク事象が発生または予見される際には、対策本部を設置し、被害の未然防止、最小化、早期収束に向け、社内外関係先とも連携のうえ、対処することとしています。
(リスク管理プロセス)

(4) 戦略と指標・目標
当社は、サステナビリティを経営の軸に据えた2030年ビジョンを策定し、「事業とモノづくり力の変革で収益力を向上させESG経営を実践」を基本方針に「持続可能な地球環境への貢献」「事業の変革で豊かな社会を創造」「従業員の幸せと会社の発展」という3つの経営指針に基づき、事業活動を推進しています。
その実現に向けて優先的に取り組むべき経営重要課題であるマテリアリティとして掲げ、SDGsにおける169のターゲットを整理・紐づけし、重要課題KPIとして具体的な指標と目標を設定することで、計画的に実行しています。各指標の進捗状況は各業務推進会議でモニタリングすることで、必要に応じ迅速な活動の改善を図っています。
(指標・目標と実績)
(注)気候変動への対応及び人的資本経営の指標・目標は下記の「気候変動への対応」及び「人的資本経営」に記載しています。
(気候変動への対応)
当社は2021年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同表明し、2022年よりTCFDフレームワークに基づき、情報開示を実施しています。戦略においては、気候変動による事業への影響の把握と気候関連リスク・機会に対応するため、シナリオ分析を実施しました。
1.5℃シナリオでは主要顧客である自動車業界のCASE進展、鉄鋼業界への脱炭素化要求などはリスクであると同時に、次世代電動アクスル部品、電子部品などの電動車向け部品の拡大や自動運転支援システムの普及拡大など新たなビジネス機会の創出につながることを認識しました。4℃シナリオでは自然災害等によるサプライチェーンへの影響を改めて確認しました。
上記の結果を踏まえ、引き続き脱炭素に貢献する技術・製品の開発・製造・販売を進めるとともに、サプライチェーンの強靭化やステークホルダーとのコミュニケーションの強化に努めていきます。
■参照シナリオ

■シナリオ分析結果

① CO2排出量削減目標
当社の事業活動におけるCO2排出量を「2030年までに50%削減(2013年度比)及び2050年までにカーボンニュートラルの実現に挑戦」と目標を掲げ、その実現と前倒し達成に向け、取り組んでいます。

(注) 1 排出量は全て提出会社のScope1、Scope2の合計値
2 「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(資源エネルギー庁)及び契約電力会社の各年度の排出係数に基づき算定。ただし、2023年度は2022年度排出係数を適用した速報値
② 実現に向けたロードマップ
上記の目標の実現に向けて「①省エネの深化・追求」「②再生エネルギーの活用」「③脱炭素技術の開発・導入」を軸に活動を推進しています。

上記の戦略に関する指標及び実績は次のとおりです。
(集計範囲)提出会社
(算定方法)「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(資源エネルギー庁)及び
契約電力会社の各年度の排出係数に基づき算定しています。ただし、2023年度は2022年度排出係数を適
用した速報値となっています。CO2排出量の実績は「愛知製鋼統合レポート」にて公表しています。
(https://www.aichi-steel.co.jp/ir/library/integrate_report/)。
2023年度実績を記載した「愛知製鋼統合レポート2024」は2024年9月発行を予定しています。
(注)集計値の見直しと係数等の変更に伴い、過年度数値を遡及して修正しています。
(人的資本経営)
当社は、社員が幸せを感じられる「価値ある会社人生」を追求することが、結果として会社の成長につながると考え、2030年ビジョンの経営指針の一つとして「従業員の幸せと会社の発展」を掲げ、その実現に向けた人材への投資を積極的に行っています。
① ダイバーシティ&インクルージョン
多様な属性や、感性・能力・価値観・経験を持った社員が、互いに理解し認め合い、能力を高めあい、存分に発揮することではじめて、新たな価値が生まれると考えています。そのために、多様な人材を計画的に採用することや、能力を発揮できる環境整備などに取り組み、全ての社員が活躍できる会社づくりを進めています。
a.女性の活躍支援
定期採用においては、従来から女性の採用比率目標を設定して積極的な採用を実施しています。また、入社後に女性がライフイベントなどに応じてワーク・ライフ・バランスを取りながら積極的なキャリア形成を図るためには、より柔軟な働き方を選択できる環境が重要と考え、研修等を通して自身のキャリア計画を支援する活動などに取り組んでいます。また、ライフイベントと仕事を両立できる勤務制度として「コアタイムのないフレックスタイム勤務」「在宅勤務制度」などに加え、育児支援制度、介護支援制度を軸とした「ナイスファミリー制度」を導入し、柔軟な働き方ができる環境の整備を進めてきました。今後も、継続的に働き方改革に取り組み多様性を尊重する職場づくりを推進します。
b.シニアの継続的な活躍
希望者の全員が定年後も継続して働くことができる「ナイスシニア制度」を設けています。身体的負担を軽減する作業環境の整備や後進の指導・育成、技能伝承の役割を担ってもらうなど、働くことへのモチベーションを維持できるよう労使で協議したうえで処遇の改善・見直しを進めています。また60歳の定年後であっても必要であればリーダーを継続できる制度を導入し、65歳現役社会の実現に向けた取り組みを積極的に推進しています。
c.障がい者のイキイキ職場拡大
製造現場から事務部門まで幅広い職場で、障がいのある社員が活躍しています。法定雇用率を踏まえた計画的な定期採用・中途採用に加え、障がい特性と業務のマッチングを重視し、採用の段階から職場実習や面談を重ねて、配属職場を決めています。入社後も、ともにイキイキと働けるよう、「障がい者職場生活相談員」などによる当該社員との定期的な面談や受入職場へのフォローアップなどの就労支援に継続して取り組んでいます。
② 人材育成
当社は2030年ビジョンの一つとして「人材育成」ビジョンを定めています。「素材でモノづくりの可能性を広げる会社」として、これからもお客様から選ばれ続けるには、世の中の変化に柔軟に対応する力の向上が必要と考え、「専門性」と「基礎力」両面からの人材の育成・確保に取り組んでいます。それぞれの職務に必要な「専門性」に加え、変化に即応できる「基礎力」として、モノづくり企業として永年培ってきた「技能」と「問題解決力」、DX(デジタルトランスフォーメーション)に必要な「デジタルリテラシー」の強化を重点施策として実施しています。

a.問題解決力
「問題解決力」は、「職場でのOJT」を通して身に付けることを基本とし、その効果を「集合研修」で高めるという考え方のもと、研修体系の充実を図ってきました。また、「集合研修」でも指導者向けの教育を受けた管理・監督者が後進を指導を指導することでOJTとOff-JTの相乗効果を高めています。
b.デジタルリテラシー
業務において必要かつ適切なデジタル技術を適用できる「DX人材」の育成に2021年度より取り組んでいます。2023年度は「デジタルリテラシー基礎教育」に加え、「DXアセスメント」により個人別に到達レベルを見える化し、最適な教育プログラムを実施することで、改革を牽引する「DXリーダー」の育成・選抜の更なる推進に繋げていきます。また、DXによる業務改革を体験できる「さわれるDX展示会」を開催するなど、社員の意識醸成にも取り組み、全社でのDX活用促進に努めています。
③ 社員の健康・安全
心身ともに健康で、活動的な生活を送ることは、「価値ある会社人生」のために欠かせない要素であり、社員とその家族の「幸せ」にもつながると考えています。当社は「健康・安全」を重要課題と位置づけ、社員の心と身体の健康保持・増進を図り、人にやさしく、安全・安心な職場環境づくりを推進しています。
a.健康経営の実践
社員の健康保持・増進に取り組むことは、活力向上や生産性の向上などの効果をもたらすと考えています。特に生活習慣病予防・メンタルヘルスを重点事項に掲げ、会社・健康保険組合・労働組合のコラボヘルスにより、課題の共有と諸施策の充実を図っています。生活習慣病予防では、「治療」から「予防」へと軸足を移すための取り組みとして、健康習慣の改善を促す「健康チャレンジ8(※)」普及活動に取り組んでおり、職場主体の活動を展開することで従業員の意識向上を図っています。メンタルヘルスでは、メンタル相談窓口の設置、本人・管理監督者双方への教育、ストレスチェックに基づく個人・職場へのケアなどに加え、メンタルヘルス専門の顧問医制度を新たに導入し、不調者の発生未然防止と早期発見・早期ケアの取り組みを強化しています。こうした活動が認められ、当社は2024年3月に7年連続で「健康経営優良法人」に認定されました。
※「①適正体重、②朝食、③飲酒、④間食、⑤禁煙、⑥運動、⑦睡眠、⑧ストレス」の8つの生活習慣に着目し、1つでも多くの健康習慣の実践を促進する活動
④ 社員エンゲージメント
会社と個人の目的・目標が一体となり、ともに成長していけるしくみを築くことが、社員一人ひとりの挑戦を促し、どんな環境変化にも対応できる組織力につながると考えています。そのためには、仕事を通して成長し続けられること、仕事に対する意欲を持ち続けられることが重要であり、これを定期的に調査・確認することで各種人事施策に反映しています。
また、「人が育つ土壌(=風土)」としての職場づくりにも注力しており、2021年度から3年間かけて実施した「風土改革プロジェクト」での議論をたたき台に作成したリーダー育成のための教育プログラムを2024年度より開始します。管理監督者の「ふるまい」や「めんどう見」の見える化から始め、今後は、管理監督者の相互研鑽の場の設定や、さらなる改善につなげるための評価方法の確立を進めていきます。また、老朽化した独身寮は2023年2月に竣工した第1ステップに続き、2023年12月に第2ステップが竣工し快適な住環境を提供しているほか、多様な社員の要望に応じて福利厚生を選択できるカフェテリア制度を導入するなど、福利厚生の充実に向け更なる環境整備を進めています。
上記の戦略に関する指標、目標及び実績は次のとおりです。
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。
2 モラールサーベイは、会社の経営や施策、仕事への意欲などに対する社員の意識調査です。
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況
当社グループの主力製品である鋼材及び鍛造品の主要需要先は自動車業界であります。経済状況により自動車業界が影響を受ける場合、製品需要の大幅な変動で、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料、エネルギー及び副資材価格の変動及び市場環境の変化
当社グループが主要原材料として調達する鉄スクラップや合金鉄の価格は、国際商品市況の影響を受けて大きく変動することがあります。また、生産活動全般において大量の電力やLNGなどのエネルギー、製鋼工程等において電極・耐火物等の副資材を消費しており、これらの価格上昇分の売価への転嫁に努めておりますが転嫁できない場合は、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、供給元については、その分散や関係強化により安定調達に努めていますが、地政学的リスクや供給元の災害、事故等による供給能力の制約で調達が困難となった場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替相場の変動
当社グループは、製品の一部を輸出するとともに、原材料である合金鉄の大部分を輸入に依存しています。為替相場の変動は、当社グループにおける製品、原材料の輸出入価格及び電力やLNGなどのエネルギー価格に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの外貨建取引及び連結財務諸表作成のための海外子会社の財務諸表数値は、外貨から円貨への換算において、為替相場変動の影響を受け、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 価格競争
当社グループの主要需要先である自動車業界をはじめとする各業界は、厳しいコスト競争の下にあります。激化する価格競争の環境下で、経済変動による需要の減少などに伴い製品価格の大幅な低下や、市場シェア低下の可能性があります。このような場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 製品の品質不具合
当社グループは、厳格な品質管理体制や品質管理基準に従い、鉄鋼製品はじめ、各種製品を製造しています。しかしながら、製品の品質不具合が生じた場合、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 人材確保・育成
当社グループは、国内において少子高齢化が進むなかで、有能な人材の確保、一人ひとりの能力向上及びその最大限の発揮に取り組んでいますが、計画通りの人材確保、人材育成が進まない場合、当社グループの競争力低下を招き、財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製造設備の故障
当社グループの製造設備は、安定生産に向けて日々の点検や定期補修に努めていますが、設備トラブルが発生し、操業が中断した場合、生産量の減少や修繕コストの増加等により、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 特定販売先への依存
当社グループの製品の売上収益は、トヨタ自動車株式会社及びトヨタグループ企業集団に対する依存度が非常に高いため、同社の自動車販売台数の動向が、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、同社は、2024年3月31日現在、当社の議決権の23.9%(間接所有含む)を所有しております。
(9) グローバルな事業展開
当社グループは、さまざまな国で商品の生産及び販売を行っています。その国々における、不利な政治的又は経済的な要因や予期せぬ法律又は規制の変更、ストライキ、テロ、戦争、疾病等の要因による社会的又は経済的な混乱で、生産・出荷活動が遅延・停止する可能性があります。遅延・停止が長期間にわたる場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 気候変動
当社グループは、資源循環型企業として、気候変動への対応を経営の最重要課題と捉え、2021年に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同を表明し、CO2排出量を2030年50%削減(2013年度比)、2050年にカーボンニュートラルの実現を目指しています。今後、顧客からの要求や法規制の強化による生産コストの上昇や新たな税負担で、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 気候変動への対応を除く環境規則
当社グループは、国内外の環境法規制を遵守するとともに、「アイチ環境取り組みプラン2025」を策定し環境への負荷低減に努めています。しかし、環境に関する法規制は、改正・強化される傾向にあり、その対応のため費用が増加し、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 有形固定資産及び無形資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産及び無形資産について、経営環境の著しい悪化等により収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった場合、その資産の減損損失の計上を行うことにより、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 情報セキュリティ
当社グループは、顧客及び取引先の機密情報や個人情報、また、当社グループの機密情報や個人情報を有しております。サイバー攻撃を含む意図的な行為や過失等により、システム障害が生じる場合や、機密情報及び個人情報の外部流出が起きた場合、当社グループの事業活動の停滞や社会的信用の低下等で、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 自然災害
当社グループの国内工場や取引先の多くが中部地区に所在するため、この地域で大規模地震などの自然災害が発生した場合、生産・出荷活動が遅延・停止する可能性があります。遅延・停止が長期間にわたる場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 人権
当社グループは世界各国から原材料や副資材を調達するとともに、国内外の拠点でグローバルな事業活動を実施しています。当社グループでは、すべての役員・従業員が、当社グループの人権に関する最上位方針である「愛知製鋼グループ人権方針」の遵守を基本として事業活動を進めていますが、サプライチェーンにおいて人権問題が発生した場合、生産・出荷活動が遅延・停止する可能性があります。遅延・停止が長期間にわたる場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(16) その他の法令・公的規制の変更
当社グループは、事業を展開する日本及び各国において、労働・安全衛生、通商・貿易・為替、知的財産、租税等の様々な法令・公的規制の適用を受け、遵守に努めています。今後、これらの法令又は公的規制が改正もしくは変更される場合、対応費用の増加等により、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 訴訟
当社グループは、事業活動を遂行するうえで、訴訟を提起される可能性があります。訴訟の結果によっては、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(当社及び当社取締役等に対する訴訟の提起)
2022年5月16日に、当社及び当社取締役等は、マグネデザイン株式会社及び本蔵義信氏より損害賠償請求訴訟を提起されております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「32.偶発事象」をご参照ください。
(18) 株価の変動
当社グループが保有する投資有価証券の価値が、投資先の業績不振、証券市場における市況の悪化等で大幅に変動した場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(経営成績等の状況の概要)
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国においては雇用者数の増加や個人消費の拡大を背景に景気は堅調に推移しましたが、欧州ではインフレの進行により景気に弱さが見られ、中国では不動産市場の調整と雇用・所得の回復の鈍さを背景に低成長にとどまりました。我が国では、所得の伸びが物価の伸びを下回り、内需は力強さを欠いております。
このような環境のもと、当連結会計年度の売上収益は、販売価格の値上がりにより、前連結会計年度(285,141百万円)に比べ4.0%増の296,516百万円となりました。
なお、セグメント区分ごとの売上収益は、次のようになっております。
鋼(ハガネ)カンパニー
主力製品である特殊鋼の販売数量は減少したものの、販売価格の値上がりにより、当連結会計年度の売上収益は108,216百万円と、前連結会計年度(105,687百万円)に比べ2.4%増加しました。
ステンレスカンパニー
主力製品であるステンレス鋼の販売価格の値上がりがあったものの、販売数量の減少により、当連結会計年度の売上収益は41,259百万円と、前連結会計年度(42,244百万円)に比べ2.3%減少しました。
鍛(キタエル)カンパニー
主力製品である自動車用型打鍛造品の販売数量の増加及び販売価格の値上がりにより、当連結会計年度の売上収益は124,262百万円と、前連結会計年度(114,463百万円)に比べ8.6%増加しました。
スマートカンパニー
電子部品の売上収益は増加したものの、磁石の売上収益の減少により、当連結会計年度の売上収益は19,940百万円と、前連結会計年度(20,243百万円)に比べ1.5%減少しました。
その他事業
当連結会計年度の売上収益は2,838百万円と、前連結会計年度(2,502百万円)に比べ13.4%増加しました。
利益につきましては、販売価格の値上がりや鉄スクラップ・購入鋳片・エネルギー等購入品価格の値下がり、原価低減などの収益改善活動の効果などが増益要因となり、営業利益は前連結会計年度(3,260百万円)に比べ218.2%増の10,372百万円となりました。また、税引前利益は前連結会計年度(4,099百万円)に比べ167.0%増の10,947百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度(1,610百万円)に比べ309.4%増の6,593百万円となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、退職給付に係る資産及びその他の金融資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ57,659百万円増の443,108百万円となりました。
負債合計は、借入金の減少があったものの、営業債務及びその他の債務及び繰延税金負債などの増加により、9,970百万円増の181,097百万円となりました。
資本合計は、確定給付制度の再測定及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る純変動の増加などにより、47,688百万円増の262,010百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末(47,534百万円)に比べ987百万円減少し、46,546百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は33,817百万円と前連結会計年度(13,028百万円)に比べ20,788百万円増加しました。これは、税引前利益が10,947百万円と6,847百万円増加、棚卸資産の減少による資金の増加1,185百万円(前連結会計年度は、棚卸資産の増加による資金の減少4,560百万円)、営業債権及びその他の債権の減少による資金の増加1,776百万円(前連結会計年度は、営業債権及びその他の債権の増加による資金の減少2,075百万円)、営業債務及びその他の債務の増加による資金の増加1,037百万円(前連結会計年度は、営業債務及びその他の債務の減少による資金の減少2,864百万円)があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は18,895百万円と前連結会計年度(15,958百万円)に比べ2,936百万円増加しました。これは、有形固定資産の取得による支出が18,304百万円と3,584百万円増加したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は16,283百万円(前連結会計年度は、財務活動による資金の増加16,998百万円)となりました。これは、前連結会計年度は、長期借入れによる収入20,038百万円(当連結会計年度は、該当なし)があったことに対して、当連結会計年度は長期借入金の返済による支出が12,702百万円増加したことなどによるものであります。
(生産、受注及び販売の実績)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、内部振替前の金額によっております。
2 金額は、販売価格によっております。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、スマートカンパニー及びその他事業は見込生産を行っているため、記載しておりません。
(注) セグメント間の内部受注金額は、消去しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「2.作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」及び「3.重要性がある会計方針」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績
当社グループの当連結会計年度の売上収益は、販売数量は減少したものの、販売価格の値上がりにより、前連結会計年度と比較して4.0%増加し、296,516百万円と過去最高となりました。
セグメント別の売上収益については、鋼(ハガネ)カンパニーは特殊鋼の販売数量は減少したものの、販売価格の値上がりにより、前連結会計年度と比較して2.4%増加、ステンレスカンパニーはステンレス鋼の販売価格は値上がりしたものの、販売数量の減少により、前連結会計年度と比較して2.3%減少、鍛(キタエル)カンパニーは鍛造品の販売数量増加や販売価格の値上がりにより、前連結会計年度と比較して8.6%増加、スマートカンパニーは電子部品の売上収益は増加したものの、磁石の売上収益の減少により、前連結会計年度と比較して1.5%減少しました。
利益につきましては、販売数量は減少したものの、販売価格の値上がりや購入品価格の値下がり、原価低減等が増益要因となり、当連結会計年度の営業利益は10,372百万円となり、前連結会計年度(3,260百万円)に比べ7,112百万円増加しました。税引前利益は10,947百万円となり、前連結会計年度(4,099百万円)に比べ6,848百万円増加しました。親会社の所有者に帰属する当期利益は6,593百万円となり、前連結会計年度(1,610百万円)に比べ4,982百万円増加しました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末(47,534百万円)に比べ987百万円減少し、46,546百万円となりました。
これは、営業活動によるキャッシュ・フローが33,817百万円の資金の増加、投資活動によるキャッシュ・フローが18,895百万円の資金の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが16,283百万円の資金の減少であったことによるものであります。
当社グループは、中期的には製造設備の合理化や生産能力増強、安定供給のための設備保全に対応するための設備投資を計画的に行っていく予定でありますので、今後も、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの状況を睨みながら、必要に応じて外部資金の調達や政策保有株式等の資産の売却を行い資金の流動性を維持するとともに、営業活動によるキャッシュ・フローの増加に努めていく所存であります。
なお、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は56.6%(前連結会計年度末は52.9%)となっており、安定した財務基盤を維持しております。今後も、グローバルで金融機関との良好な関係を維持し、資金流動性と調達力を確保してまいります。
(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが目標とする経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。当連結会計年度の経営成績は2023年度を最終年とした「21-23年度 中期経営計画」の目標としていた経営指標(連結売上収益2,508億円、連結営業利益150億円)に対して、当連結会計年度の売上収益は296,516百万円、営業利益は10,372百万円となっております。想定を超える電動化の進展や中国経済の減速により販売数量が伸び悩んでおりますが、20年度以降のエネルギー等購入品価格の高騰分の販売価格への反映は概ね完了いたしました。今後は、さらなるモノづくり力の向上に励むとともに、お客様や世の中のニーズの変化をいち早く捉え、タイムリーに、良品廉価な製品・サービスを提供していくことで、5月30日に公表いたしました「愛知製鋼グループ 2024-26年度 中期経営計画」の達成を目指してまいります。
5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
当社グループは、「つくろう、未来を。つくろう、素材で。」のスローガンの下、「素材業のDNA」を活かした用途・商品開発と展開、スマート社会に向けた次世代事業の着実な育成と強化をめざして、自動車向け特殊鋼及びステンレス鋼の開発、特殊鋼を素材とする自動車部品用鍛造品の開発、電子機能材料・部品及び磁石応用製品の開発等を中心に積極的な研究開発活動を行っております。
主力製品である特殊鋼・鍛造品では、自動車の電動化(HEV、BEV、FCEV)時代の機構革新による、部品機能変化、新規搭載部品、ユニットの更なる小型軽量化、そしてグローバルコスト競争激化に対し、鍛鋼一貫の技術力を活かし、材料設計から部品製造までを見据え、プロセススルーで開発を推進、新素材と既存開発鋼を駆使した高機能・高付加価値部品の提供を目指してまいります。
当連結会計年度の研究開発活動に関する支出は、5,203百万円、研究開発人員は約300名であります。
なお、研究開発活動に係る支出は無形資産に計上された開発資産を含んでおります。
セグメント別の研究の目的、研究の成果及び研究開発活動に関する支出は、次のとおりであります。
(1) 鋼(ハガネ)カンパニー
自動車部品用の新しい特殊鋼の開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりであります。
鋼材開発では、省資源・低コストを実現した省Mo(モリブデン)鋼「SCrH20」の拡販を推進、更に他の鋼種についても省Mo化を検討しております。また、カーボンニュートラルへ貢献するため、部品の製造工程の省略を実現する鋼材開発や、CO2の発生の少ない環境対応プロセスに対応した鋼材開発を推進しております。
また、電動ユニット部品の小型・軽量化に対応した高強度用鋼の開発や、鍛鋼一貫開発として、鍛(キタエル)カンパニーに関わる革新的な工法開発の競争力をより引き出す材料開発にも注力しております。加えて、次世代モビリティ時代を見据え東北大学との「次世代電動アクスル用素材・プロセス共創研究所」の設立や、当社での電動アクスル開発挑戦で得た設計技術・評価技術を活かし、更なる高強度鋼・高機能鋼の研究開発を推進しております。
鋼(ハガネ)カンパニーに係る研究開発活動に関する支出は1,826百万円であります。
(2) ステンレスカンパニー
インフラ関連や自動車部品用のステンレス鋼の開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりであります。
ステンレス鋼ではエネルギー/社会インフラの高寿命化に貢献する商品であるステンレス鉄筋バーや二相系ステンレス形鋼の商品レパートリーの拡充、また、ステンレス構造部材ビジネスの拡大や、水素社会に対応する安心安全な省資源・低コストの鋼材開発に取り組んでおります。
特に燃料電池車向けの高圧水素用ステンレス鋼の開発に注力しており、2013年に高圧水素用ステンレス鋼「AUS316L-H2」を開発し、同年より水素ステーション向けに、2014年からはその高強度仕様鋼がトヨタ自動車㈱の燃料電池自動車初代MIRAIに採用されております。2020年には、新たにレアメタルであるMoを使用せず、既存の「AUS316L-H2」と同等の強度と耐水素脆化特性を確保すると共に、省資源化によるコスト低減と、お客様の部品加工性の向上にも大きく寄与する省資源高強度高圧水素用ステンレス鋼「AUS305-H2」を開発し、新型MIRAI向けに供給を開始いたしました。加えて、これら開発鋼の強度やサイズレパートリを拡充し、水素インフラへ供給拡大してきております。
また、これらの開発に必要不可欠な、高圧水素ガス環境下での評価技術の構築にも注力しており、世界で初めて90MPa高圧水素ガス環境における回転曲げ疲労試験装置を開発、試験評価を開始しました。この装置により、長時間を要する疲労試験時間を10分の1以下に短縮することを実現しました。
当社は、1993年より水素社会実現に向けたNEDO事業に継続的に参画しており、2023年度から始まったNEDO事業「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業/共通基盤整備に係る技術開発/水素社会構築に向けた鋼材研究開発」にも採択されました。NEDO事業を通して、水素社会実現に向けた基盤構築を進めるとともに、そこで得た確かな技術知見を高圧水素用ステンレス鋼の開発に活かしております。
今後、更にこれまで培った技術知見や開発設備により開発を加速し、水素社会の早期実現に貢献していきます。
ステンレスカンパニーに係る研究開発活動に関する支出は726百万円であります。
(3) 鍛(キタエル)カンパニー
自動車部品用の鍛造品製造プロセス開発、製造方法の開発を行っております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりであります。
次世代の電動ユニット車における部品の高機能化・低コスト化ニーズを受け、2017年に導入した研究開発用サーボ式鍛造プレスラインをフルに活用し、革新的な工法開発や、より高度な鍛造製品の開発を推進しております。また、新たな計測技術開発やCAEを用いた成形シミュレーションの精度向上、型設計自動最適化技術の開発などのデジタル技術の活用により、商品力の進化や飛躍的に開発スピードを向上させるためのDXの取り組みも推進しております。更に、熱間鍛造品メーカーから部品完成品メーカーへ進化を目指し、部品の付加価値を向上する設計技術開発、機械加工領域も含めた開発にも取り組んでおります。
特に電動ユニット向けの部品開発に注力しており、鍛造技術と材料技術の融合による鍛鋼一貫の温間鍛造技術の開発でニアネットシェイプと熱処理省略を実現、それにより低コスト化とCO2排出量低減を達成し、2022年に量産を開始し、適用を広げてきております。また、更なる受注拡大に向けて、部品の付加価値向上やコスト競争力向上により、自動車部品のカーボンニュートラルへ貢献する技術開発にも取り組んでおります。
鍛(キタエル)カンパニー に係る研究開発活動に関する支出は549百万円であります。
(4) スマートカンパニー
車載電子機器用放熱部品の開発、MIセンサの開発、モータ用磁石の開発など、進化を続けるスマート社会に向けた新しい素材、製品の開発等を行っております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりであります。
MIセンサ開発の分野では、セキュリティ・医療分野に向けたワイドレンジ型MIセンサの技術開発に成功し、2022年6月からサンプル販売を開始しました。微小磁場の高感度な検出と広い測定範囲(ワイドレンジ)を両立する「磁気フィードバック技術」を採用したセンサを展開することにより、強力な磁気を発するMRI検査室周辺での金属検知や、製造ラインでの異物混入検知、磁気式セキュリティゲートなどへの応用の拡大を目指しております。
当社が開発した「磁気マーカシステム」は、2017年から国土交通省、内閣府などと共に様々な場所/環境で実証実験を行い、その性能、信頼性において高い評価を得ており、従来からの公道、公共交通分野では、JR東日本の気仙沼線BRT(※1)にて、2022年12月より柳津駅から陸前横山駅間で実用化された自動運転バスに導入されたほか、中部国際空港島などで更に実証を積み重ね、実用化に向けて着実に進捗させております。2023年度は特に工場敷地内の牽引車の自動走行化について開発を推進し、量産ラインでの実用化を達成し、事業化を開始いたしました。
モータ開発の分野では、2022年2月に、34,000回転/分の小型軽量モータに、小型高減速機を組み合わせ、省資源・小型軽量化に貢献する高速回転・高減速の次世代電動アクスルの技術実証に世界で初めて成功しました。その電動アクスル挑戦で得た要素技術・評価技術を活かし、魅力ある高機能部品・素材の開発・実用化を推進しています。2023年度は世界最軽量の60kWクラスの電動アクスルの設計・試作を完了し、車両搭載し実車走行を達成しました。
また、国公立大学法人や公益財団法人などとイネ科植物が根から分泌する天然の鉄キレート剤(※2)「ムギネ酸」(※3)の化学構造を改良した環境調和型の鉄キレート剤「プロリンデオキシムギネ酸(以下、PDMA)」を開発しました。
全世界の陸地の約3分の1は農耕に適さないとされるアルカリ性不良土壌で占められています。PDMAは世界の食料問題を解決する手段の一つとして今後の実用展開が期待されています。2021年9月には国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)に当社が代表企業機関となる「高活性生分解性キレート鉄肥料の実用化研究」が採択され、国公立大学法人とともにPDMAの低コスト化の研究開発と、作用メカニズムの深堀、海外のアルカリ土壌での実証を進めており、論文や学会発表を積極的に進め、その認知度も上がってきています。
スマートカンパニーに係る研究開発活動に関する支出は2,101百万円であります。
※1 Bus Rapid Transitの略。バス専用道等を用いた高速輸送システム。
※2 「キレート」はギリシャ語で「蟹のはさみ」の意。鉄イオンを取り囲んでアルカリ土壌中でも安定に存在させる物質。
※3 植物が分泌する天然の鉄キレート物質。1976年に岩手大学の高城成一博士が「ムギの根から分泌する酸」として発見し、1978年にその化学構造式が竹本常松博士らによって決定され、この名が付けられた。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
以下の設備投資金額は、有形固定資産(使用権資産を含む)及び無形資産に係るものであります。
当社グループは、製鋼から圧延、鍛造まで全工程にわたる生産プロセス改革に取り組んでおり、当連結会計年度は全体で23,688百万円の設備投資を実施しました。
鋼(ハガネ)カンパニーにおいては、維持更新等を目的とした設備投資を9,349百万円実施しました。
ステンレスカンパニーにおいては、合理化及び維持更新等を目的とした設備投資を3,529百万円実施しました。
鍛(キタエル)カンパニーにおいては、維持更新等を目的とした設備投資を8,784百万円実施しました。
スマートカンパニーにおいては、生産能力増強等を目的とした設備投資を2,001百万円実施しました。
所要資金については、自己資金及び借入金によっております。
2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、次のとおりであります。
(1) 提出会社
2024年3月31日現在
(注) 1 日本基準に基づく数値を記載しております。
2 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、リース資産及び建設仮勘定の合計であります。
3 上記には貸与中の土地 46百万円(3千㎡)、建物機械装置他 65百万円を含んでおります。
4 土地の一部を賃借しており、賃借している土地の面積については[ ]で外書きしております。
(2) 国内子会社
2024年3月31日現在
(注) 1 日本基準に基づく数値を記載しております。
2 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品及び建設仮勘定の合計であります。
(3) 在外子会社
2024年3月31日現在
(注) 1 IFRS基準に基づく数値を記載しております。
2 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、使用権資産及び建設仮勘定の合計であります。
3 賃借している土地の面積については[ ]で外書きしております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
当連結会計年度末現在における当社グループの重要な設備の新設及び改修の計画は以下のとおりであります。
(注) 設備完成後の生産能力は2024年3月末と同程度になる見込みであります。
(2) 重要な設備の除却等
経常的な設備の更新に伴う除却等を除き、重要な設備の除却・売却の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 株式の併合(10株を1株に併合)によるものであります。
(5) 【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 期末現在の自己株式は144,468株であり、「個人その他」に1,444単元、「単元未満株式の状況」に68株含まれております。
2 上記「その他の法人」欄には、証券保管振替機構名義の株式が、1単元含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(注) 上記には信託業務に係る株式として、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)1,515千株、
株式会社日本カストディ銀行(信託口)638千株が含まれております。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式が100株(議決権1個)含まれております。
2 「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式が68株含まれております。
② 【自己株式等】
2024年3月31日現在
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当期間における保有自己株式数には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り及び売渡しによる株式は含めておりません。
3 【配当政策】
当社は、株主のみなさまの利益の尊重を重要な経営方針としており、企業体質の充実・強化を図りつつ、計画的な事業展開により、企業価値の向上並びに配当政策の充実に努めております。この方針のもと、配当金につきましては、将来の事業展開に必要な内部留保を確保しながら、業績、財政状態及び配当性向等を総合的に勘案して株主のみなさまのご期待にお応えしていきたいと考えており、連結配当性向は30%を目安としております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回、剰余金の配当を行うことを基本方針としております。また、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって剰余金の配当を行うことができる旨を定款に定めており、これらの剰余金の配当の決定機関は、定款に基づき取締役会としております。
当期の配当金につきましては、中間配当において1株につき40円、期末配当において1株につき60円とし、あわせて1株につき100円(配当性向29.9%)となりました。引き続き、配当を通じて株主還元を実施してまいります。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは経営理念のもと、持続可能な社会の実現が企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上の基盤であると考えております。こうした考えのもと、経営の公正性・透明性・効率性の維持・向上の実現と株主やお客様をはじめとした全ステークホルダーとの良好な関係の構築に向け、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでおります。
(Aichi Way)
2018年1月にグローバル全社員の行動規範・普遍的な価値観として『伝承』・『感謝』・『創造』を基軸とする『Aichi Way』を制定、グループ全役員・社員全員への浸透を図るとともに、一人ひとりが着実に実践することで、一層の経営基盤強化を推し進め、品格ある企業集団となることを目指しております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は監査役会設置会社であります。経営の最高意思決定機関である取締役会に業務執行の権限・責任を集中させ、業務執行及び取締役会から独立した監査役及び監査役会に取締役会に対する監査機能を担わせることができ、適切な経営の意思決定と業務執行を実現するとともに組織的に十分牽制の効く体制を整備できると考えております。なお、当社では経営者としての豊富な経験と幅広い見識を有する独立社外取締役2名と社外監査役2名が、取締役の職務の執行を監督・監査し、経営監視機能の客観性及び中立性確保の面で十分に機能する体制を整備しております。
(カンパニー・本部・部門)
主要製品を基軸としたバーチャル会社である「カンパニー」と、カンパニーの事業運営を支える機能軸の本部で構成される「コーポレートオフィス」、そして監査機能を「トップ直轄」に据えた組織体系としております。2024年4月にコンプライアンス機能を更に強化するため、安全・品質機能を担うリスクマネジメント本部を新設しております。なお、カンパニーに「プレジデント」、本部には「本部長」をそれぞれ配置し、責任・権限の委譲を進めるとともに、さらなる意思決定の迅速化を図っております。
(取締役会)
毎月定例取締役会を開催するほか、必要に応じ臨時取締役会を開催し法令で定められた事項、その他経営に関する重要事項を決定するとともに、代表取締役の職務の執行を監督しております。社外取締役は、独立した立場から経営判断・意思決定の過程で、幅広い経験、見識に基づいた助言・提言をしております。
(監査役会)
当社の監査役会は常勤監査役2名、社外監査役2名で構成されております。常勤監査役は取締役の職務の執行状況を日常的にモニタリングして、職務執行の適法性・適正性を監査するとともに、必要に応じ内部監査担当部署からも報告を受け、内部統制システムの整備・運用状況を監査しております。社外監査役は取締役会への出席及び常勤監査役から監査状況の報告を聴取し、必要に応じて監査法人、内部監査担当部署の監査室とも連携して、独立した立場から取締役の職務の執行を監査しております。
(役員報酬・人事案策定委員会)
当社は過半数を独立社外取締役で構成し、委員長を独立社外取締役とする任意の役員報酬・人事案策定委員会を設置しております。
同委員会では経営陣幹部の選解任と取締役候補者、監査役候補者の指名について、適宜かつ定期的に経験・知識、業績等を評価のうえ審議、取締役会に答申しております。取締役会では同委員会の答申を踏まえ、経営陣幹部の選解任、取締役・監査役候補者の指名を決定しております。なお、監査役候補者については、事前に監査役会の同意を得ております。
また、同委員会においては、経営陣幹部、取締役の報酬についても同様に審議、取締役会に答申しております。取締役会では同委員会の答申を踏まえ決定しております。
(各種業務推進会議)
役員及び経営陣幹部等で構成される各種業務推進会議にて、経営に関わる重要事項の審議・情報共有や業務執行状況の確認を行っております。
機関ごとの構成員は次の通りであります。 (◎は議長、委員長を表す)
なお、当社のコーポレート・ガバナンスの体制は次の通りであります。

③ 企業統治に関するその他の事項
(内部統制システムの整備の状況)
当社は以下のとおり、当社及び当社グループの業務の適正を確保するために必要な体制を整備し、コンプライアンス・リスクマネジメントの徹底、職務の効率性確保、グループ管理体制及び監査役に関する事項につき、適正な運用に努め、毎年その運用状況を確認し、体制のさらなる充実をめざします。
業務執行部門においては、業務分掌規程・決裁基準等に基づき執行部門の役割責任を明確にして、有効かつ効率的な業務の執行を行っております。あわせて、法令遵守/経理/安全衛生/環境/品質保証/調達等に関する内部監査機能を持つ部門が、執行部門の業務の適法性・適正性を監査する体制を整備しております。
当社は、以下の基本方針(2022年4月28日取締役会決議(基本方針の一部を見直し))に基づき、内部統制システムを整備しております。
取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
企業倫理規程及び愛知製鋼グループ企業行動指針を策定・周知し、社員への教育・啓蒙等により法令違反を予防し、また法令違反が生じた場合に適切に対処することができるよう、経営トップミーティング等及び法令遵守責任者を中心とした法令遵守体制を構築いたします。総務担当部署、監査役及び社外弁護士を窓口とした内部通報制度を設け、法令違反を未然に防止し、社内の自浄作用を活性化させます。また、内部監査担当部署は、全社の法令遵守状況を監査し、定期的に取締役社長に報告いたします。
取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役会規程及び文書管理規程を策定・周知し、議事録・決裁書類その他の重要な文書の保存及び管理が適切に行われるよう、情報保存管理体制を構築いたします。
損失の危険の管理に関する規程その他の体制
危機管理規程及びリスクの態様に応じた各種規程を策定・周知し、会社にとって重大なリスクが発生又は予見される際に、機敏かつ的確に対応し、健全な企業活動を維持することができるよう、経営トップミーティング等を中心としたリスク管理体制を構築いたします。
取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
取締役会が決議した中長期及び年次の経営計画をもとに部門長は方針を具体化し、職務執行の効率性を確保します。取締役は、経営計画に基づき、業務執行責任者を指揮監督するとともに、機動的な意思決定を行います。業務執行責任者は、取締役の指揮監督に基づき、機動的に業務執行を行います。
企業集団における業務の適正を確保するための体制
・子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の会社への報告に関する体制
子会社の経営上の重要事項は、子会社管理規程に基づき、適時に報告を受けます。
・子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
子会社管理規程に定める「子会社の異常時緊急報告ルール」に従い、適時に報告を受け、子会社に対して重大なリスクが発生又は予見される際に、機敏かつ的確に対応し、健全な企業活動を維持することができるようにいたします。
・子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
子会社社長との会議、会合等を定期的に開催し、グループ方針の周知、徹底を図るとともに、経営課題への取組状況を確認し、業務の適正を確保するための必要な助言、支援を行います。また、当社の取締役、監査役及び業務執行責任者が、子会社の取締役、監査役に就任し、子会社の業務執行を監査、監視いたします。
・子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
子会社における業務の適正を目的として、子会社全てに適用する「愛知製鋼グループ企業行動指針」を定め、教育、啓蒙等により法令違反の予防を実施いたします。また、愛知製鋼グループ全体として、内部通報制度を設け、法令違反を未然に防止し、グループ全体の自浄作用を活性化させます。
内部監査担当部署は、愛知製鋼グループ全体の法令遵守状況を監査し、定期的に取締役社長に報告いたします。
監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、当該使用人の取締役からの独立性に関する事項及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査役の職務を補助するため、監査役会直属の専任の使用人を配置します。当該使用人に関する人事異動、昇格・降格、人事考課は、事前に監査役会又は常勤監査役の同意を得ます。当該使用人は必要とする会議に出席し、社内各部門・子会社は当該使用人の調査・情報収集に協力いたします。
取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制
取締役は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実又は法令・定款に違反する事実を発見したときは、直ちに監査役に報告いたします。また、取締役、業務執行責任者及び使用人は、監査役の求めに応じて適時、業務の報告を行います。
監査役は、取締役会のほか経営トップミーティングその他の重要な会議に出席します。また、りん議書は、閲覧のため監査役に回付します。
子会社の取締役等から報告を受けた者が監査役に報告するための体制
子会社管理規程に定める「子会社の異常時緊急報告ルール」に従い、主管部署又は業務担当部署は子会社から適時報告を受け、社内「エスカレーションルール」に基づき、監査役は当該部署から適時報告を受けます。
監査役への報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
企業倫理規程に基づく内部通報制度と同等に、通報者が報告したことにより不利益な扱いを受けないよう運用いたします。
監査役の職務執行について生じる監査費用の前払い又は償還の手続きその他の監査費用の処理に係る方針
通常の監査に必要な費用は監査計画に基づき半期毎に予算化し、請求に基づき、前払い又は実費の支払いを実施いたします。監査費用が追加的に発生した場合又は発生が予想される場合、監査役は速やかに費用を経理部に請求し、経理部は前払い又は実費の支払いを実施いたします。
その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役は、取締役社長、会計監査人とそれぞれ定期的に意見交換を行います。また内部監査担当部署との連携を密にし、適時報告を受けます。
(IR活動及びCSR活動等)
当社では、適時開示に係る開示体制及び内部管理体制を充実させ、有効に機能する環境を整備しております。同時にIR活動の一環として決算説明会の開催やアナリスト・機関投資家・個人投資家とのミーティングを通じて、投資家のみなさまへの積極的かつタイムリーな情報開示とその充実に努め、社会から一層信頼される会社をめざしております。
また当社は、中長期・年次経営計画に基づく環境保全活動、社会貢献活動、コンプライアンス活動、リスクマネジメント活動等のCSR活動を積極的に推進しております。
(責任限定契約の内容の概要)
当社と各社外取締役及び監査役の間では、会社法第427条第1項の規定に基づき、同第423条第1項に定める責任について、同425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする契約を締結しております。
(会社補償契約の内容の概要)
当社と各取締役及び各監査役の間では、会社法第430条の2第1項の規定に基づき、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償する補償契約を締結しております。
(役員等賠償責任保険契約の内容の概要)
当社は役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、当該保険により、被保険者となる役員等が、役員等として行った業務に起因して保険期間中に損害賠償請求がなされたことにより被る損害を補填することとしております。なお、被保険者である役員等の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、犯罪行為に起因する損害賠償請求に対しては補填しないこと、一定の免責金額を設ける等の措置を講じております。当該役員等賠償責任保険契約の被保険者である役員等は、当社及び当社子会社の全ての取締役、経営役員、執行職及び監査役であり、その保険料は全額当社及び当社子会社による会社負担としております。
(取締役の定数)
当社の取締役は10名以内とする旨を定款に定めております。
(取締役の選任の決議要件)
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
(取締役会で決議することができる株主総会決議事項)
当社は、機動的な配当政策及び資本政策を遂行するため、剰余金の配当、自己株式の取得等、会社法第459条第1項各号に定める事項について、取締役会で決議することができる旨を定款で定めております。
また、取締役及び監査役が職務の遂行にあたり期待される役割を充分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、同第423条第1項に定める責任について、法令の限度において、取締役会の決議によって免除できる旨を定款で定めております。
(株主総会の特別決議要件)
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上にあたる多数をもって行う旨を定款で定めております。
④ 取締役会、役員報酬・人事案策定委員会の活動状況
(取締役会)
短期的視点としては、主要顧客である自動車業界の急激な量変動・減産影響及びエネルギー・資材価格の上昇といった足元の状況を踏まえ、収益最大化のための価格体系改革・在庫管理・原価低減方策等について活発に議論・審議等を行いました。中長期的視点としては、「省エネの深化・追求」、「再生エネルギーの活用」、「脱炭素技術の開発・導入」の3つを軸としたカーボン・ニュートラル実現に向けての戦略に加え、人的資本の価値を最大限に引き出すための人材育成ビジョン等、持続的な企業価値向上に向けた議論・審議等を行いました。その他、安全・品質や海外戦略等、幅広いトピックについて議論・審議等を行いました。
(役員報酬・人事案策定委員会)
賞与を中心とした役員報酬制度、代表取締役社長の後継者計画、及び新役員体制戦略について独立社外取締役を中心に議論・意見交換等がなされました。
当事業年度において当社は取締役会を年14回、役員報酬・人事案策定委員会を年3回開催しており、個々の取締役・監査役の出席状況は次のとおりであります。
(注) 全回数が異なるのは、就任時期の違いによるものです。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性9名 女性1名 (役員のうち女性の比率10%)
(注) 1 取締役 安井香一、取締役 新居勇子は、社外取締役であります。
2 監査役 小倉克幸、監査役 熊澤聡太郎は、社外監査役であります。
3 2024年6月13日開催の定時株主総会で選任され、任期は選任後1年以内に終了する事業年度のうち、
最終のものに関する定時株主総会の終結の時に満了します。
4 2021年6月23日開催の定時株主総会で選任され、任期は選任後4年以内に終了する事業年度のうち、
最終のものに関する定時株主総会の終結の時に満了します。
5 2024年6月13日開催の定時株主総会で選任され、任期は選任後4年以内に終了する事業年度のうち、
最終のものに関する定時株主総会の終結の時に満了します。
6 2023年6月21日開催の定時株主総会で選任され、任期は選任後4年以内に終了する事業年度のうち、
最終のものに関する定時株主総会の終結の時に満了します。
7 当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める
補欠監査役1名を選出しています。補欠監査役の略歴は以下のとおりです。
② 社外役員の状況
(a)社外役員を選任するにあたっての方針の内容
当社は、社外役員の選任にあたり、独立性については証券取引所が定める有価証券上場規程施行規則を参考とし、かつ知識、経験及び能力を総合評価した上、経営に対する監督ができる人物を選任しております。
(b)社外取締役の選任理由と当社との関係
(安井香一取締役)
社外取締役の安井香一氏を選任した理由は、中部地区の中核企業である東邦瓦斯株式会社において、営業部門の要職を経て企業経営者として活躍されることで培われた豊富な経験と幅広い見識及び優れた人格と高い倫理性を活かし、経営全般の監督機能強化に尽力いただくことを期待したからであり、その独立した立場及び他業種出身という視点及び企業経営者としての豊富な経験と幅広い見識に基づき、経営全般に関する議題について積極的に意見・提言を行うことで、経営全般の監督機能の強化に貢献いただいております。同氏は、東邦瓦斯株式会社の相談役であります。当社は同社との間で、ガスの需給取引を行っておりますが、これらの取引はガス事業者との通常の取引であり、またその取引額は売上高の3%未満であるため、一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断し、株式会社東京証券取引所及び株式会社名古屋証券取引所の定めに基づく独立役員として指定しております。
(新居勇子取締役)
社外取締役の新居勇子氏を選任した理由は、グローバルに事業を展開する全日本空輸株式会社及びANAあきんど株式会社において、営業部門の要職として活躍されることで培われた豊富な経験と幅広い見識及び優れた人格と高い倫理性を活かし、経営全般の監督機能強化に尽力いただくことを期待したからであり、その独立した立場及び他業種出身という視点及びグローバル企業における豊富な経験と幅広い見識に基づき、経営全般に関する議題について積極的に意見・提言を行うことで、経営全般の監督機能の強化に貢献いただいております。同氏と当社との間に人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はなく、一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断したため、株式会社東京証券取引所及び株式会社名古屋証券取引所の定めに基づく独立役員として指定しております。
(c)社外監査役の選任理由と当社との関係
(小倉克幸監査役)
社外監査役の小倉克幸氏を選任した理由は、グローバルに事業を展開するトヨタ自動車株式会社において、経理や人事などの管理部門において活躍されることで培われた豊富な経験及び経理・財務や監査業務を始めとする幅広い見識並びに優れた人格と高い倫理性を有しており、当社の経営に対して有益なご意見やご指摘をいただくことで、コーポレート・ガバナンスの強化に資すると判断したためであります。同氏は、当社のその他の関係会社であるトヨタ自動車株式会社の常勤監査役です。当社と同社の関係は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (生産、受注及び販売の実績)」及び「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 [連結財務諸表注記] 30.関連当事者」に記載のとおりであり、また、当社と本人の取引はありません。
(熊澤聡太郎監査役)
社外監査役の熊澤聡太郎氏を選任した理由は、グローバルに事業を展開する株式会社豊田自動織機において、開発部門の要職として活躍されることで培われた豊富な経験と幅広い見識及び優れた人格と高い倫理性を有しており、当社の経営に対して有益なご意見やご指摘をいただくことで、コーポレート・ガバナンスの強化に資すると判断したためであります。同氏は、当社の第4位の株主である株式会社豊田自動織機の経営役員であります。当社は同社との間で、当社製品等の取引を行っておりますが、これらの取引は定型的な取引であり、また、当社と本人の取引はありません。
当社と各社外取締役及び社外監査役のその他の関係は「①役員一覧」に記載のとおりであり、上記以外に、当社と当社の各社外取締役及び社外監査役との間に特別な利害関係はありません。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部
監査担当部署との関係
当社は監査役監査、内部監査、会計監査の実効性を高め、かつ全体としての監査の質的向上を図るため、各監査における計画、結果の報告、意見交換、監査立ち会い結果などを共有し、緊密な相互連携の強化に努めています。また、この監査報告は適宜取締役会に報告され、社外取締役の意見を踏まえて適切に実施しています。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
当社における監査役会は、常勤監査役2名及び社外監査役2名からなり、取締役の職務の執行並びに当社及び国内外グループ会社の業務や財政状況を監査しています。具体的には、常勤監査役からの活動報告、カンパニープレジデント等からの事業概況や業務執行状況の報告、代表取締役・社外取締役との意見交換等を実施して、取締役の執行状況を監査し、経営監視機能を果たしています。なお、監査役のうち、知野広明氏は当社において経理・財務担当の役員としての、小倉克幸氏はトヨタ自動車株式会社において経理部及び財務部の室長としての経験を有しており、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
当事業年度において当社は監査役会を年13回開催しており、個々の監査役の出席状況については次のとおりであります。
(注) 全回数が異なるのは、就任時期の違いによるものです。
監査役会における具体的な検討内容は、監査の方針及び監査計画、内部統制システムの整備・運用状況、監査法人の監査の方法及び結果の相当性等です。
また、常勤監査役の活動としては、年間の監査計画に基づき、社内40部署及び国内外グループ会社9社に対する実地監査を実施するとともに、取締役会や経営トップミーティング等の重要会議への出席、内部監査担当部署及び監査法人との情報交換等を実施しています。
② 内部監査の状況
当社における内部監査は、業務執行の法令及び定款への適合性など業務の適正性を確保するため、業務執行部門による相互牽制機能に加え、内部監査担当部署(監査室(人員3名)及び法令遵守/経理/安全衛生/環境/品質保証/調達等に関する内部監査機能を持つ部門)が、すべての部門及び子会社を適法性と合理性の観点から監査して、その結果を取締役社長に報告することに加え、内部監査担当部署は内部監査の実効性を確保するため、取締役会、監査役会にも適宜、必要に応じて報告を行っております。また、監査役、監査法人及び内部監査担当部署は、必要に応じて随時情報を共有するなど、効率的で実効性のある監査を連携して進めております。
③ 会計監査の状況
(a)監査法人の名称
PwC Japan有限責任監査法人
(注)PwCあらた有限責任監査法人は、2023年12月1日付でPwC京都監査法人と合併し、名称をPwC Japan有限責任監査法人に変更しております。
(b)継続監査期間
1969年以降
当社は、2007年以降、継続してPwC Japan有限責任監査法人による監査を受けております。また、少なくとも1969年から2006年まで継続して旧監査法人伊東会計事務所及び旧中央青山監査法人による監査を受けております。なお、1968年以前については調査が著しく困難であったため、継続監査期間は上記の期間より前となる可能性があります。
(c)業務を執行した公認会計士の氏名
小笠原 修文
小林 正英
(d)監査業務にかかる補助者の構成
当社の会計監査業務にかかる補助者は、公認会計士6名、その他9名であります。
(e)監査法人の選定方針と理由
当社は監査法人の選定方針として、適切な監査ができると認められる専門性、独立性、監査体制の整備状況等を有していることを基準としており、選定方針に沿った評価を実施、適合性を確認し選定しております。
(f)監査役及び監査役会による監査法人の評価
業務執行部門(経理部)から監査法人の活動実績及びその評価を聴取し、あわせて常勤監査役が定期的に会計監査について監査法人から活動内容の報告を受け、また必要に応じて監査現場に立ち会うことにより、監査法人の職業倫理の遵守状況、独立性の保持、監査体制及び監査品質を維持した適切な監査をしていることを確認しております。
④ 監査報酬の内容等
(a)監査公認会計士等に対する報酬の内容
当社における非監査業務の内容は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の賦課金に係る特例の認定申請に関して合意された手続き業務です。
(b)監査公認会計士等と同一のネットワーク(プライスウォーターハウスクーパース)に対する報酬((a)を除く)
当社及び当社の連結子会社における非監査業務の内容は、主として税務関連業務です。
(c)その他重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
(d)監査報酬の決定方針
該当事項はありません。
(e)監査役会が会計監査人の報酬に同意した理由
当社監査役会は、社内関係部署及び会計監査人からの資料の入手、報告等をもとに、会計監査人の監査計画の監査日数や人員配置などの内容、会計監査の職務執行状況及び報酬見積りの算出根拠等を検討した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
取締役の報酬については、過半数を独立社外取締役で構成し、独立社外取締役を委員長とする役員報酬・人事案策定委員会を2018年12月に立ち上げ、審議、取締役会に答申しており、取締役会では同委員会の答申を踏まえ決定しております。
② 取締役報酬の決定方針
当社は会社法第361条第7項の規定に基づき、取締役の個人別の報酬等に係る決定方針を取締役会で定めており、その概要は以下のとおりです。
(基本的な考え方)
当社の取締役報酬制度は、以下の考え方に基づき設計する。
1.取締役のそれぞれに求められる役割及び責任に応じたものとする。
2.当社の事業戦略に整合したものであり、持続的な企業価値向上に向けた取り組みを取締役に促すものと
する。
3.経営者としてより一層強い責任感を持ち、株主と同じ目線に立った経営の推進を動機付けるものとする。
4.経済環境や市場動向に加えて、他社の支給水準を考慮の上、報酬の水準を設定する。
5.報酬制度の決定プロセスは客観的で透明性の高いものとする。
(報酬の構成及び割合)
社外取締役を除く取締役の報酬については、a.固定報酬としての月額報酬、b.短期インセンティブ報酬としての賞与、c.中長期インセンティブ報酬としての譲渡制限付株式報酬から構成することとする。
a.固定報酬としての月額報酬
各取締役の役割・職責に応じて決定し、固定報酬として月額報酬を支給する。
b.短期インセンティブ報酬としての賞与
以下の基準に基づき決定し、支給の時期は原則として毎年6月頃とする。
1) 賞与は、各期の業績をベースとし、配当、従業員の賞与水準、他社動向及び中長期業績や過去の支給実績
などを総合的に勘案する。業績連動部分に関しては、中期経営計画で連結営業利益を目標指標としている
ことから、連結営業損益に連動させる。
2) 賞与金額は、過去の連結営業損益の推移等から基準営業利益及び基準賞与額を決めた上で、当該事業年度
の連結営業損益との比較を行い、賞与支給のための指数を算出したうえで、基準賞与額に指数を乗じ算定
する。なお、この指数は当該事業年度の連結営業損益が零又は損失の場合は0%となり、利益の場合はそ
の金額に連動して増加するものとする。
3) 個人別の賞与金額の決定にあたっては、会社業績への貢献度や、中期経営計画におけるプロジェクト等の
進捗率を勘案した評価を反映するものとする。
c.中長期インセンティブ報酬としての譲渡制限付株式報酬
株主との更なる価値共有を進め、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして位置付けるため、一定の譲渡制限期間を設けた上で、当社普通株式を付与する。なお、付与の時期は原則として毎年7月頃とする。
1) 原則として毎年、当社と付与対象者の間で譲渡制限付株式割当契約を締結した上で、その職位に応じて決
定された数の当社普通株式を付与する。
2) その付与される株式の数は、当社が付与対象者に対して支給する報酬全体の金額の概ね10%程度の金額
に相当する数を目安とする。
3) 譲渡制限期間は、譲渡制限付株式割当契約により割当を受けた当社の普通株式の払込期日から当社の取締
役会が予め定める地位を退任する時点の直後の時点までの期間とする。
なお、社外取締役を除く取締役の報酬の構成割合は、業績目標を100%達成した場合に、a:b:cの割合が概ね72:18:10となるよう設計する。
社外取締役の報酬については、独立した立場で経営の監視・監督機能を担う役割のため、賞与及び株式報酬の支給はなく、固定報酬としての月額報酬のみとする。当該固定報酬としての月額報酬は、経済環境や市場動向、他社の支給水準を考慮の上、決定する。
(取締役の個人別の報酬等の内容についての決定の方法に関する事項)
当社の取締役の報酬等については、過半数を独立社外取締役で構成し、委員長を独立社外取締役とする任意の役員報酬・人事案策定委員会において、報酬等の体系及び水準、個人別の報酬等の内容、それらの決定方針並びに手続きについて諮問し、その結果を踏まえ、取締役の報酬等の方針並びに個人別報酬等の内容等を決定する。
(取締役の個人別の報酬等の決定に係る委任に関する事項)
固定報酬としての月額報酬、及び、賞与のうち個人別の評価に係る金額の部分については、その内容の決定を代表取締役社長に委任する。
1) 権限を委任する理由は、当社全体の業績を俯瞰しつつ各取締役の担当事業の評価を行うには代表取締役社
長が最も適しているためである。
2) 当該権限が代表取締役社長によって適切に行使されるよう、過半数を独立社外取締役で構成し、委員長を
独立社外取締役とする任意の役員報酬・人事案策定委員会に原案を諮問し答申を得るものとする。
なお、取締役の個人別報酬等の内容の決定にあたっては、役員報酬・人事案策定委員会が原案について決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行っているため、取締役会も基本的にその答申を尊重し、決定方針に沿うものであると判断しております。
③ 業績連動報酬に関する事項
当社の持続的な企業価値向上及び事業計画達成のための短期インセンティブとして、業績連動報酬である賞与を支給しております。当該報酬の内容の概要等は「②取締役報酬の決定方針」に記載の通りです。
④ 非金銭報酬に関する事項
株主とのさらなる価値共有を進め、当社の企業価値の持続的な向上を図る中長期インセンティブとして、取締役(社外取締役を除く。以下「対象取締役」)に非金銭報酬である譲渡制限付株式報酬を支給しております。対象取締役への具体的な支給時期及び配分については、取締役会において決定します。
対象取締役は、当社から支給された金銭債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について割当を受けます。また、当社が対象取締役に対して発行または処分する普通株式の総数は、年20,000株以内とし、その1株当たりの払込金額は、各取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として対象取締役に特に有利な金額とならない範囲において、取締役会が決定します。
なお、支給の際に付された条件の概要等は以下のとおりです。
1) 対象取締役は、割当を受けた当社の普通株式(以下「本割当株式」)の払込期日から当社の取締役会が予
め定める地位を退任する時点の直後の時点までの期間(以下「譲渡制限期間」)、本割当株式について、
譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならない(以下「譲渡制限」)。
2) 対象取締役が、譲渡制限期間の開始日からその後最初に到来する定時株主総会終結時点の直前時までの期
間の満了前に当社の取締役会が予め定める地位を退任した場合には、その退任につき、任期満了、死亡そ
の他正当な理由がある場合を除き、当社は本割当株式を無償で取得する。
3) 上記1)の定めにかかわらず、対象取締役が、譲渡制限期間中、継続して、当社の取締役会が予め定める地
位にあったことを条件として、本割当株式の全部について、譲渡制限期間が満了した時点をもって譲渡制
限を解除する。ただし、当該対象取締役が、上記2)に定める任期満了、死亡その他正当な理由により、譲
渡制限期間が満了する前に上記2)に定める地位を退任した場合には、譲渡制限を解除する本割当株式の数
及び譲渡制限を解除する時期を、必要に応じて合理的に調整するものとする。また、当社は、上記の規
定に従い譲渡制限が解除された直後の時点において、なお譲渡制限が解除されていない本割当株式を当然
に無償で取得する。
4) 上記1)の定めにかかわらず、当社は、譲渡制限期間中に、当社が消滅会社となる合併契約、当社が完全子
会社となる株式交換契約又は株式移転計画その他の組織再編等に関する事項が当社の株主総会(ただし、
当該組織再編等に関して当社の株主総会による承認を要さない場合においては、当社の取締役会)で承認
された場合には、当社の取締役会の決議により、譲渡制限期間の開始日から当該組織再編等の承認の日ま
での期間を踏まえて合理的に定める数の本割当株式について、当該組織再編等の効力発生日に先立ち、譲
渡制限を解除する。また、当社は、上記に規定する場合、譲渡制限が解除された直後の時点において、譲
渡制限が解除されていない本割当株式を当然に無償で取得する。
⑤ 役員等の報酬に関する株主総会の決議
取締役の月額報酬及び賞与の限度額は、2020年6月18日開催の第116回定時株主総会にて年額600百万円以内(ただし使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず、うち社外取締役分は年額100百万円以内)と決議されています。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は6名(うち、社外取締役は2名)です。また、監査役の報酬限度額は、2020年6月18日開催の第116回定時株主総会にて年額150百万円以内と決議されております。当該定時株主総会終結時点の監査役の員数は4名(うち、社外監査役は2名)です。
譲渡制限付株式報酬の報酬総額は、2020年6月18日開催の第116回定時株主総会にて年額50百万円以内(ただし使用人兼務取締役の使用人分給与は含まない)の金銭債権を支給すること及び譲渡制限付株式の譲渡制限期間として当該譲渡制限付株式の払込期日から当社の取締役会が定める地位を退任した時点の直後の時点までの期間とすることにつき、ご承認をいただいております。当該定時株主総会終結時点の取締役(社外取締役を除く。)の員数は4名です。
⑥ 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)1 業績連動報酬は、2024年5月16日開催の取締役会で決議した賞与金額を計上しております。
2 非金銭報酬は、取締役(社外取締役を除く)に対し交付した譲渡制限付株式に関し、当事業年度に費用化された金額を計上しております。
3 上記には、2023年6月21日開催の第119回定時株主総会終結の時をもって退任した取締役及び監査役を含んでおります。
当社は株主とのさらなる価値共有を進め、当社の企業価値の持続的な向上を図る中長期インセンティブとして、取締役(社外取締役を除く。)に非金銭報酬である譲渡制限付株式報酬を支給しております。当該譲渡制限付株式報酬の内容の概要等については、「④非金銭報酬に関する事項」に記載のとおりであります。
なお、社外取締役・監査役は独立した立場で経営の監視・監督機能を担う役割のため、業績連動報酬である賞与及び非金銭報酬である譲渡制限付株式報酬の支給はなく、固定報酬としての月額報酬のみ支給しております。
⑦ 取締役の個人別の報酬等の決定についての委任に関する事項
当事業年度における社外取締役を除く取締役に支給した固定報酬としての月額報酬及び業績連動報酬である賞与のうち、個人別の評価に係る金額の部分については、その内容の決定を代表取締役社長の後藤尚英に委任しております。権限を委任した理由及び権限が適切に行使されるようにするための措置については、「②取締役報酬の決定方針」に記載のとおりであります。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資を純投資目的である投資株式とし、それ以外を純投資目的以外の目的である投資株式としており、純投資目的の株式は保有しない方針です。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
(a) 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の
内容
事業戦略や将来の関係等を総合的に勘案したうえで、中長期的な視点に立ち、企業価値を向上させるために有効と認められる場合のみ、保有目的が純投資目的以外の目的である株式を保有しております。
個別の保有株式につきましては、社内運営要領に従い、毎年、保有目的、保有に伴う便益やリスク等を定性、定量両面から評価し、当社の中期経営計画の達成に資するかという観点から保有の適否を取締役会が検証しております。具体的には、個別銘柄ごとの取引状況や事業面での連携等の定性的評価と、配当金・事業上の利益などが当社の加重平均資本コストを超えているかという定量的評価を行っております。検証の結果、保有が適当でないと判断したものについては、売却等の意思決定をしております。
(b) 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(c) 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
2 名港海運㈱以下の株式は貸借対照表計上額が資本金額の100分の1以下でありますが、全13銘柄について記載しております。
3 スズキ㈱は、2024年3月31日を基準日として2024年4月1日付で、普通株式1株につき4株の割合で株式分割しており、分割後の株式数で記載しております。
4 Vardhman Special Steels Ltdは、2023年5月26日を基準日として2023年5月31日付で、普通株式1株につき2株の割合で株式分割しております。
5 保有先企業は当社の株式を保有しておりませんが、同社子会社が当社の株式を保有しております。
みなし保有株式
(注) 1 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
2 ㈱デンソーは、2023年9月30日を基準日として2023年10月1日付で、普通株式1株につき4株の割合で株式分割しております。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、PwC Japan有限責任監査法人による監査を受けております。
なお、従来、当社が監査証明を受けているPwCあらた有限責任監査法人は、2023年12月1日付でPwC京都監査法人と合併し、名称をPwC Japan有限責任監査法人に変更しております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は、以下のとおりであります。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等に的確に対応することができる体制を整備するため、公
益財団法人財務会計基準機構へ加入し、情報収集に努めております。
(2) IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、国際会計基準審議会が公表するプレスリリース等を適時
に入手し、また、IFRSに準拠したグループ会計方針及び実務指針を定め、それらに基づいて会計処理を行ってお
ります。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
愛知製鋼株式会社(以下、「当社」という。)は日本に所在する株式会社であります。
当社の連結財務諸表は2024年3月31日を連結会計年度末とし、当社及びその子会社(以下、「当社グループ」という。)により構成されております。当社グループの主要な事業は、鋼材(特殊鋼及びステンレス鋼)、鍛造品、電子機能材料・部品及び磁石応用製品の製造・販売であります。
2.作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
連結財務諸表は2024年6月27日に代表取締役社長 後藤 尚英によって承認されております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、「注記3.重要性がある会計方針」に記載のとおり、公正価値で測定する金融資産等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を切捨てて表示しております。
(4) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っております。ただし、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間及び将来の会計期間において認識しております。
連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針の適用において行った判断に関する情報は以下のとおりであります。
・連結の範囲(注記3.重要性がある会計方針 (1)連結の基礎)
・収益の認識(注記3.重要性がある会計方針 (14)収益)
翌連結会計年度以降の連結財務諸表において重要な修正をもたらすリスクのある見積り及び仮定は以下のとおりであります。
・非金融資産の減損の兆候判断、減損テストにおける将来キャッシュ・フローの見積り及び仮定(注記3.重要性がある会計方針 (9)非金融資産の減損、注記8.有形固定資産 (2)減損損失)
・確定給付制度債務の測定における数理計算上の仮定(注記3.重要性がある会計方針 (10)従業員給付、注記16.従業員給付)
・繰延税金資産の回収可能性検討における将来課税所得の見積り及び仮定(注記3.重要性がある会計方針 (15)法人所得税、注記17.法人所得税)
・金融商品の公正価値測定における非上場株式及び出資金の評価額の見積り(注記3.重要性がある会計方針 (4)金融商品、注記21.金融商品)
(5) 会計方針の変更
当社グループは、当連結会計年度において、以下の基準を適用しております。
なお、連結財務諸表への重要な影響はありません。また、IAS12号(2021年5月改訂)を遡及適用し、「注記17.法人所得税 (1)繰延税金資産及び繰延税金負債」における前連結会計年度を修正再表示しております。
(6) 未適用の基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた基準書及び解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは以下のとおりであります。
3.重要性がある会計方針
連結財務諸表の作成にあたって採用した重要性がある会計方針は以下のとおりであります。これらの方針は、特段の記載がない限り、表示しているすべての連結会計年度に継続して適用しております。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業であります。投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動にさらされ、かつ、投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しております。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した時点から支配を喪失するまでの間、当社の連結財務諸表に含まれております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、当該子会社の財務諸表を修正しております。当社グループ内の債権債務残高及び取引並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表上消去しております。子会社の包括利益は非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者に帰属する持分と非支配持分に帰属させております。非支配持分は、当初の支配獲得日での持分額及び支配獲得日からの非支配持分の変動から構成されております。
連結財務諸表には、子会社の所在する現地法制度上、親会社と異なる決算日が要請されていることにより、親会社の決算日と異なる日を決算日とする子会社の財務諸表が含まれておりますが、これらの子会社は連結決算日である3月31日で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
なお、支配の喪失に至らない、子会社に対する持分の変動は、資本取引として会計処理し、親会社の所有者に帰属する持分及び非支配持分の帳簿価額は、子会社に対する相対的な持分の変動を反映するよう修正しております。非支配持分の金額と支払対価又は受領した対価との差額は、資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属する持分として認識しております。
また、子会社に対する支配を喪失した場合、受領した対価の公正価値及び残存する持分の公正価値の合計と、子会社の資産(のれんを含む)及び負債並びに非支配持分の従前の帳簿価額の差額を、純損益として認識しております。
② 企業結合
企業結合は取得法によって会計処理しております。
取得対価は、被取得企業の支配と交換に移転した資産、被取得企業の旧所有者に対する負債及び当社が発行する資本持分の取得日の公正価値の合計として測定しております。企業結合に関連して発生する取引コストは、発生時に費用処理しております。
企業結合において取得した識別可能な資産及び引き受けた負債は、IFRS第3号「企業結合」(以下、「IFRS第3号」という。)が公正価値測定の例外として規定する繰延税金資産及び負債、従業員給付契約に係る資産及び負債等を除き、取得日の公正価値で測定しております。当社グループは非支配持分を、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する非支配持分の比例割合で測定するかについて、個々の取引ごとに選択しております。
取得対価、被取得企業の非支配持分の金額及び段階取得の場合は取得日以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日の公正価値の合計金額が、識別可能な資産及び負債の正味の金額を超過する場合、その超過額をのれんとして認識しております。反対に下回る場合には、差額を純損益として認識しております。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引
当社グループ各社の財務諸表は、その企業の機能通貨で作成しております。機能通貨以外の通貨(外貨)での取引については、取引日の為替レートで換算しております。
外貨建貨幣性項目は、連結会計年度末の為替レートで機能通貨に換算しております。外貨建非貨幣性項目は、取得原価で測定されるものを取引日の為替レートで、公正価値で測定されるものは当該公正価値が測定された日の為替レートで機能通貨に換算しております。
決済又は換算により生じる為替差額は、外貨建貨幣性項目に係るものは純損益として認識し、外貨建非貨幣性項目に係るものは利得又は損失が認識される区分に応じて、その他の包括利益又は純損益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の財務諸表における機能通貨から連結財務諸表の表示通貨への換算については、資産及び負債は、連結会計年度末の為替レートで換算し、収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートで換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体を処分した場合には、当該在外営業活動体に係る為替差額の累計額を、処分した連結会計年度の純損益として認識しております。
(3) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、要求払預金及び取得日から3ヶ月以内に満期日の到来する流動性の高い、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期的な投資からなっております。
(4) 金融商品
① 金融資産(デリバティブを除く)
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融商品の契約の当事者となった取引日に金融資産を認識しております。
金融資産は、当初認識時に公正価値で測定しております。なお、純損益を通じて公正価値を測定する金融資産以外は、金融資産の取得に直接起因する取引コストを加算しております。
(ⅱ)分類及び事後測定
(a) 償却原価で測定する金融資産
当社グループは、契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とした事業モデルの中で保有されており、金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しております。当初認識後は、実効金利法による償却原価により測定しております。
(b) 公正価値で測定する金融資産
当社グループは、償却原価で測定する金融資産以外の金融資産を、公正価値で測定する金融資産に分類しております。公正価値で測定する金融資産は、その保有目的に応じて、さらに以下の区分に分類しております。
(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産)
投資先との取引関係の維持・発展を主な目的として保有する株式などの資本性金融資産について、当初認識時に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。当初認識後は、公正価値の変動をその他の包括利益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産から生じる配当金については、純損益として認識しております。なお、その他の包括利益として認識していた累積損益は、公正価値が著しく下落した場合又は認識を中止した場合に、その他の包括利益から利益剰余金に振替えております。
(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産)
契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されており、金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる金融資産をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しております。当初認識後は、公正価値の変動をその他の包括利益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産から生じる為替差損益及び実効金利法による利息収益は純損益として認識しております。なお、その他の包括利益として認識していた累積損益は、認識を中止した場合に、その他の包括利益から純損益に振替えております。
(純損益を通じて公正価値で測定する金融資産)
公正価値で測定する金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産以外の金融資産を、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。当初認識後は、公正価値の変動を純損益として認識しております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産へ分類した金融資産はありません。
(ⅲ)金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る予想信用損失を、損失評価引当金として認識しております。
各報告日において、将来予測情報を含めた合理的に利用可能な情報を考慮し、金融資産に係る損失評価引当金を報告日後12ヶ月以内に生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(12ヶ月の予想信用損失)に等しい金額で測定しております。ただし、金融資産に関する信用リスクが当初認識以降に著しく増大していると判断した場合には、12ヶ月の予想信用損失ではなく、金融資産の予想存続期間にわたるすべての生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損失)に等しい金額で測定しております。信用リスクが著しく増大しているかどうかについては、金融資産のデフォルトリスクの変化に基づいて判断しております。
なお、いずれの金融資産についても、その全部又は一部について回収ができない又は回収が極めて困難であると判断された場合に債務不履行とみなしております。
重大な金融要素を含んでいない営業債権に係る損失評価引当金については、上記に関わらず、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。経営状態に重大な問題が生じていない場合は、過去の貸倒実績率等を考慮して集合的に予想信用損失を測定しております。債務不履行や財務状況の悪化等により経営状態に重大な問題が生じている場合は、将来の回収可能価額などに基づき個別に予想信用損失を測定しております。
なお、いずれの金融資産についても、債務者の破産などによる法的整理の手続の開始等の可能性が高くなった場合には、信用減損金融資産として取り扱っております。
金融資産の全部又は一部分を回収できないと合理的に判断される場合は、金融資産の帳簿価額を直接減額しております。
(ⅳ)認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時点又は金融資産が譲渡され、当社グループから所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転した場合に、金融資産の認識を中止しております。
② 金融負債(デリバティブを除く)
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融商品の契約の当事者となった取引日に金融負債を認識しております。
金融負債は、当初認識時に公正価値で測定しております。なお、償却原価で測定する金融負債については、金融負債の発行に直接起因する取引コストを控除しております。
(ⅱ)分類及び事後測定
当社グループは、デリバティブを除くすべての金融負債を償却原価で測定する金融負債に分類しております。当初認識後は、実効金利法による償却原価により測定しております。
(ⅲ)認識の中止
当社グループは、金融負債の契約上の債務が免責、取消又は失効となった場合に、金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産及び金融負債の相殺
金融資産及び金融負債は、認識された金額を相殺する法的強制力のある権利を有し、純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合には、相殺して連結財政状態計算書に純額で表示しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスクや金利リスクをヘッジするために、通貨スワップ、金利スワップを利用しております。すべてのデリバティブの当初認識はデリバティブ契約を締結した日の公正価値で行っております。また、当初認識後の再測定も公正価値で行っており、その変動は純損益で認識しております。
ヘッジ会計を適用する取引については、取引開始時にヘッジ関係並びにヘッジの実施についてのリスク管理目的及び戦略の公式な指定及び文書化を行っております。また、各報告日又はヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった時点のいずれか早い方において、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動がヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するために有効かどうかも継続的に判定しております。
ヘッジ会計を適用する取引については、以下のように分類し、会計処理を行っております。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しております。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正し、純損益として認識しております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、公正価値ヘッジを適用した取引はありません。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち、有効なヘッジと認められる部分はその他の包括利益として認識し、累積額はその他の資本の構成要素に含めております。なお、ヘッジ非有効部分は純損益として認識しております。その他の資本の構成要素に累積されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振替えております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、キャッシュ・フロー・ヘッジを適用した取引はありません。
(5) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で測定しております。取得原価は商品及び製品、仕掛品については主として総平均法、原材料及び貯蔵品については主として移動平均法に基づいて算定され、購入原価、加工費等の棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したすべてのコストを含んでおります。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売コストを控除して算定しております。
(6) 有形固定資産
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。取得原価には、購入価格及び資産の取得に直接起因するコスト、資産除去債務の認識に伴う解体・除去コスト及び原状回復コスト、適格資産に関連する借入コストを含めております。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で減価償却を行っております。
主要な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
建物及び構築物 2~60年
機械装置及び運搬具 2~17年
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用することとしております。
(7) 無形資産
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で認識しております。
(ⅰ)個別に取得した無形資産及び企業結合で取得した無形資産
個別に取得した無形資産は当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産は、取得日の公正価値で測定しております。
(ⅱ)自己創設無形資産
開発(又は内部プロジェクトの開発局面)から生じた無形資産は、当社グループが、以下のすべてを立証できる場合、かつ、その場合にのみ、計上しております。
(a) 使用又は売却に利用できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
(b) 無形資産を完成させて、使用する又は売却するという意図
(c) 無形資産を使用又は売却できる能力
(d) 無形資産が可能性の高い将来の経済的便益を創出する方法
(e) 開発を完成させて、無形資産を使用する又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
(f) 開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
上記の資産計上の要件を満たさない研究開発活動に関する支出は発生時に純損益として認識しており、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含めております。
(ⅲ)償却
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却を行っております。
主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
ソフトウェア 2~10年
見積耐用年数及び償却方法は、連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用することとしております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要な耐用年数を確定できない無形資産はありません。
(8) リース
(借手側)
リース取引におけるリース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っております。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っております。使用権資産は、リース期間にわたって定額法で減価償却を行っております。
リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金利費用とリース負債残高の返済部分とに配分しております。金利費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
契約がリースであるか否か又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態をとらないものであっても、契約の実質に基づき判断しております。
なお、リース期間が12ヶ月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについて、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたって定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。
(貸手側)
当社グループが、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するものではないリースは、オペレーティング・リースに分類しております。オペレーティング・リース取引においては、対象となる原資産を連結財政状態計算書に計上しており、受取リース料は連結損益計算書においてリース期間にわたって定額法により収益として認識しております。
契約がリースであるか否か又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態をとらないものであっても、契約の実質に基づき判断しております。
(9) 非金融資産の減損
棚卸資産、退職給付に係る資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産について、報告期間の末日ごとにおいて、過去の経営成績及び将来の事業計画等、固定資産の市場価値などから減損の兆候の有無を判断しております。
減損の兆候がある場合は、減損テストを実施しております。のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については、毎年同じ時期又は減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。
のれん以外の資産の資金生成単位は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループとしております。当社グループは、事業用資産については、当社は事業セグメントであるカンパニー単位、連結子会社は会社単位、貸与資産及び遊休資産については個別物件単位でグルーピングしております。のれんを配分する資金生成単位又は資金生成単位のグループは、のれんが内部報告目的で管理される最小単位に基づき決定し、事業セグメントの範囲内としております。全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を算定して判断しております。
回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうち、いずれか高い方の金額としております。使用価値における見積将来キャッシュ・フローは、将来の事業計画等を基礎とした資産グループの継続的使用と処分から生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローを、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割引いて算定しております。なお、将来の事業計画等の前提条件には、製品需要や製品価格、原材料、エネルギー及び副資材価格等の多くの見積りが存在しております。
資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、純損益として減損損失を認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、当該資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分した後、当該資金生成単位内ののれん以外の資産の帳簿価額を比例的に減額しております。
過去に認識したのれん以外の資産の減損損失は、報告期間の末日ごとに、減損損失がもはや存在しない又は減少している可能性を示す兆候の有無を判断しております。減損の戻入の兆候がある場合には、当該資産又は資産グループの回収可能価額の見積りを行い、減損損失を戻入れしております。減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を上限として戻入れしております。なお、のれんに関連する減損損失は戻入れしておりません。
(10) 従業員給付
① 退職後給付
(ⅰ)確定給付制度
確定給付制度は、確定拠出制度以外の退職後給付制度であります。確定給付負債(資産)の純額は、従業員が過年度及び当連結会計年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付見積額の現在価値から制度資産の公正価値を差し引いた金額に対して、利用可能な経済的便益を検討の上、必要に応じて資産上限額に関する調整を行うことにより認識しております。
確定給付負債(資産)の純額に係る利息費用は、確定給付負債(資産)の純額に割引率を乗じて算定し、金融費用として認識しております。割引率は、連結会計年度末時点の優良社債等の市場利回りを使用しております。
制度の改訂又は縮小から生じる確定給付制度債務の現在価値の変動は、過去勤務費用として、発生時に純損益として認識しております。
当社グループは、確定給付負債(資産)の純額の再測定による調整額は発生時にその他の包括利益として認識し、資本内部でその他の包括利益から利益剰余金に振替えております。
(ⅱ)確定拠出制度
確定拠出制度は、雇用主が一定額の掛金を他の独立した事業体に拠出し、その拠出額以上の支払について法的又は推定的債務を負わない退職後給付制度であります。確定拠出制度の拠出は、従業員がサービスを提供した期間に純損益として認識しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で純損益として認識しております。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的又は推定的債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
③ その他の長期従業員給付
永年勤続制度に対する債務は、従業員が過年度及び当連結会計年度に提供したサービスの対価として獲得した将来給付見積額を現在価値に割引いて算定しております。
(11) 株式報酬
当社は、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値で測定しており、付与日から権利確定期間にわたり、連結損益計算書において費用として認識し、同額を連結財政状態計算書において資本の増加として認識しております。
(12) 引当金
過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有し、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に引当金を認識しております。貨幣の時間的価値に重要性がある場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは、金融費用として認識しております。
(13) 資本
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金として認識し、直接発行コスト(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しております。
自己株式を取得した場合は、直接取引コストを含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識しております。自己株式を売却した場合は、帳簿価額と受取対価の差額を資本剰余金として認識しております。
(14) 収益
当社グループは、IFRS第16号「リース」に基づくリース料収入等を除く顧客との契約について、以下の5ステップアプローチに基づいて収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
当社グループは鋼(ハガネ)カンパニーにおける特殊鋼(熱間圧延材)、製鋼用資材、ステンレスカンパニーにおけるステンレス鋼及びチタン(熱間圧延材、二次加工品)、ステンレス鋼構造物エンジニアリング、鍛(キタエル)カンパニーにおける型打鍛造品(自動車部品粗形材、機械部品粗形材など)、鍛造用金型加工品、スマートカンパニーにおける電子機能材料・部品、磁石応用製品、植物活性材、金属繊維などの販売を行っております。
当社グループでは、主に完成した製品を顧客に納入することを履行義務として識別しており、また、これらの製品の販売においては、主に顧客が製品を検収した時点で当該製品に対する支配が顧客に移転、履行義務が充足されると判断し、当該時点で収益を認識しております。製品の販売から生じる収益は、顧客との契約において約束された対価から値引き、リベートなどを控除した金額で測定しております。また、製品の販売対価は、顧客が製品を検収した時点から概ね90日以内に回収しており、重要な金融要素は含んでおりません。
買戻し契約に該当する一部の有償支給取引については、金融取引として棚卸資産を引き続き認識するとともに、有償支給先に残存する支給品の期末棚卸高について金融負債を認識しております。また、有償受給取引については、加工代相当額のみを純額で収益を認識しております。
(15) 法人所得税
法人所得税は、当期法人所得税と繰延法人所得税から構成されております。これらは、資本又はその他の包括利益で直接認識される項目から生じるもの、企業結合に関連するものを除き、純損益で認識しております。
当期法人所得税は、連結会計年度末時点において制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で算定しております。
繰延法人所得税は、連結会計年度末における会計上の資産及び負債の帳簿価額と、関連する税務基準額との差額により生じる一時差異等に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、将来その使用対象となる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識し、繰延税金負債は、将来加算一時差異について認識しております。なお、繰延税金資産は、毎期見直され、繰延税金資産の一部又は全部の便益を実現させるのに十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲内で帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は、報告期間の末日に再検討され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収できる可能性が高くなった範囲で認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識により生じる将来加算一時差異
・企業結合取引を除き、取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引の当初認識により生じる一時差異
・子会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールすることができ、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
・子会社に対する投資に係る将来減算一時差異について、当該一時差異を活用できる課税所得が稼得される可能性が低い場合又は当該一時差異が予測可能な期間内に解消する可能性が低い場合
繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末時点において制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率によって算定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しております。
(16) 政府補助金
政府補助金は、その補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた場合に公正価値で認識しております。収益に関する補助金は、当該費用の発生と同じ期間に収益として認識しております。資産の取得に対する補助金は、補助金を控除して資産の帳簿価額を算定し、見積耐用年数にわたって規則的に純損益として認識しております。
(17) 借入コスト
適格資産(意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とする資産)の取得、建設又は生産に直接起因する借入コストは、意図した使用又は販売に向けて当該資産を準備するために必要な活動のほとんどすべてが完了した時点まで、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。
その他の借入コストは発生した連結会計年度に純損益として認識しております。
(18)賦課金
賦課金は、賦課金の支払を生じさせる事象が発生した時点で、支払が見込まれる金額を負債として認識しております。
(19) 1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、各連結会計年度の自己株式を調整した普通株式の加重平均発行済株式数で除して算定しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する潜在株式の影響を調整し、算定しております。
4.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループはカンパニー制を採用しており、製品軸ごとに区分した各カンパニーにおいて、製造から販売まで一貫した事業企画・運営をするとともに、国内外子会社をカンパニーに振り分け、グループ一体での事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは、「鋼(ハガネ)カンパニー」「ステンレスカンパニー」「鍛(キタエル)カンパニー」「スマートカンパニー」「その他事業」の5つを報告セグメントとしております。
各報告セグメントに属する主な製品及びサービスは以下のとおりであります。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告セグメントの会計方針は、「注記3.重要性がある会計方針」で記載している当社グループの会計方針と同一であります。セグメントごとの売上収益、利益又は損失、その他の項目に関する情報は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 セグメント間の内部売上収益は市場実勢価格に基づいております。
2 セグメント利益又は損失の調整額は、セグメント間取引消去であります。
3 セグメント利益又は損失は営業利益に基づいており合計額は連結損益計算書の営業利益と一致しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 セグメント間の内部売上収益は市場実勢価格に基づいております。
2 セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去であります。
3 セグメント利益は営業利益に基づいており合計額は連結損益計算書の営業利益と一致しております。
(3) 製品及びサービスに関する情報
(2) 報告セグメントに関する情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(4) 地域に関する情報
地域に関する情報は以下のとおりであります。
① 外部顧客への売上収益
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎としております。
② 非流動資産
(注) 非流動資産は資産の所在地を基礎とし、営業債権及びその他の債権、その他の金融資産、退職給付に係る資産及び繰延税金資産を含んでおりません。
(5) 主要な顧客に関する情報
当社グループの主要な顧客への売上収益は以下のとおりであります。
5.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりであります。
6.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりであります。
(注) 営業債権及びその他の債権は償却原価で測定する金融資産に分類しております。
7.棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりであります。
(注) 1 費用として認識された棚卸資産は前連結会計年度256,073百万円、当連結会計年度257,467百万円であります。なお、連結損益計算書の「売上原価」に含めており、棚卸資産の取得原価の主な内訳は、原材料の購入原価であります。
2 費用として認識された棚卸資産の評価減の金額は以下のとおりであります。なお、重要な評価減の戻入はありません。
8.有形固定資産
(1) 有形固定資産の増減明細
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は以下のとおりであります。
なお、有形固定資産の減価償却費は連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の費用」に含めております。
また、オペレーティング・リースの対象となっている原資産に重要性はありません。
(注) 建設中の有形固定資産に関する金額は建設仮勘定として表示しております。
(2) 減損損失
認識した減損損失は以下のとおりであります。
なお、減損損失は連結損益計算書の「その他の費用」に含めております。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
回収可能価額は、遊休資産については処分コスト控除後の公正価値により測定しておりますが、当該資産については売却が困難なことから実質的な価値はないと判断されるため、帳簿価額を備忘価額まで減額しております。公正価値のヒエラルキーはレベル3であります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
回収可能価額は、遊休資産については処分コスト控除後の公正価値により測定しておりますが、当該資産のうち売却が困難なことから実質的な価値はないと判断された資産については、帳簿価額を備忘価額又は零まで減額しております。公正価値のヒエラルキーはレベル3であります。
(3) 借入コスト
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
資産化した借入コストの金額に重要性はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
資産化した借入コストの金額に重要性はありません。
9.無形資産
無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は以下のとおりであります。なお、無形資産の償却費は連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」に含めております。
(注) 1 制作又は開発中の無形資産に関する金額は無形資産仮勘定として表示しております。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度において、開発資産を除く自己創設の無形資産に重要性はありません。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度において、のれんはありません。
10.その他の金融資産
(1) その他の金融資産の内訳
その他の金融資産の内訳は以下のとおりであります。
(注) 1 株式及び出資金はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しております。
2 定期預金(預入期間3ヶ月超)は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
3 デリバティブ資産(ヘッジ会計が適用されているものを除く)は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産のうち、主な株式及び出資金の銘柄及び公正価値は以下のとおりであります。
(注) 株式及び出資金は主に取引関係の維持・発展を目的に保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しております。
(3) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の認識の中止
当社グループは主に保有資産の効率化を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の売却(認識の中止)を行っております。株式及び出資金売却時の公正価値及びその他の包括利益として認識していた累積損益は以下のとおりであります。
(4) その他の包括利益として認識していた累積損益の利益剰余金への振替額
その他の包括利益として認識していた累積損益は、公正価値が著しく下落した場合又は認識を中止した場合に、その他の包括利益から利益剰余金に振替えております。その他の包括利益として認識していた累積損益の利益剰余金への振替額の内訳は以下のとおりであります。
11.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりであります。
(注) 営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
12.借入金
借入金の内訳は以下のとおりであります。
(注) 1 借入金は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
2 平均利率は当連結会計年度末の残高に対する加重平均利率であります。
13.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は以下のとおりであります。
(注) デリバティブ負債(ヘッジ会計が適用されているものを除く)は、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
14.財務活動から生じる負債の変動
財務活動から生じる主な負債残高の変動は以下のとおりであります。
(注) 1 長期借入金及びリース負債は、1年以内に返済又は支払する予定の残高を含んでおります。
2 デリバティブは、長期借入金の為替変動リスクをヘッジする目的で保有しているものであり、デリバティブ負債及びデリバティブ資産(△)の純額で表示しております。
15.引当金
引当金の増減は以下のとおりであります。
(注) 資産除去債務は、工場設備等に関連する有害物質を除去する法的義務及び不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務を有する場合などに、当該義務を履行するにあたって将来見込まれる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産(建物等の有形固定資産)の取得原価に含めており、当該資産は「注記3.重要性がある会計方針 (6)有形固定資産」に記載の見積耐用年数にわたって減価償却を行っております。なお、経済的便益の流出が見込まれる時期は、当該資産の解体・除去コスト及び原状回復コストが発生した時点であります。
16.従業員給付
(1) 退職後給付
① 採用している退職後給付制度の概要
当社グループは、従業員の退職後給付に充てるため、確定給付型の年金及び一時金制度並びに確定拠出型の制度を採用しており、確定給付型の各制度のうち、一部の国内制度に退職給付信託を設定しております。確定給付型の各制度における給付額は、勤続年数、従業員の給与水準及びその他条件に基づき設定されております。なお、従業員の退職等に際して割増金を支払う場合があります。また、将来の給付に備え、賃金及び給与の一定比率により年金数理計算したものを掛金として拠出しております。
確定給付型の各制度のうち積立型の制度については、法令に従い、当社グループとは切り離された年金運用受託機関等により運営されております。年金運用受託機関は、契約に基づいて制度資産の運用等を行う受託者責任を負っております。
確定給付型の各制度は、数理計算上のリスク及び制度資産の公正価値変動リスクにさらされております。数理計算上のリスクは主として金利リスクであります。金利リスクは、確定給付制度債務の現在価値の算定における割引率に優良社債等の市場利回りを使用しているため、利回りが低下した場合に債務が増加することであります。制度資産の公正価値変動リスクは、利回りの低下や市場環境の悪化等により制度資産の目標利益が獲得できないことなど、制度の積立状況が悪化し、制度資産の公正価値が減少することであります。
② 確定給付制度
(ⅰ)確定給付制度債務及び制度資産の調整表
確定給付制度債務及び制度資産の純額と連結財政状態計算書に認識された確定給付負債及び資産の純額との関係は以下のとおりであります。
(ⅱ)確定給付制度債務の現在価値の増減
確定給付制度債務の現在価値の増減は以下のとおりであります。
(ⅲ)制度資産の公正価値の増減
制度資産の公正価値の増減は以下のとおりであります。
(注) 2024年4月1日から2025年3月31日までの1年間の事業主からの制度資産への予定拠出額は11百万円であります。
(ⅳ)制度資産の主な内訳
制度資産の運用は、安定収益資産を中心としてリスク(収益変動)を管理、リスク当たり収益性の向上を図ることを基本方針とし、持続性向上(資産が債務を下回らないような運用)を目的とした基本資産配分の計画に基づいて行われております。具体的には、安全性を考慮した多様な資産への分散投資によりリスクを許容範囲内に抑制しつつ、目標利益が獲得できる基本資産配分を決定、運用することで、安全かつ効率的な給付財源の確保を目指しております。なお、基本資産配分は、設定当初前提からの市場の変動や、積立状況の変化を勘案しながら、必要に応じて見直しを行っております。
制度資産の主な種類ごとの内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) その他には、現金及び預金、ヘッジファンド等へのオルタナティブ投資などが含まれております。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) その他には、現金及び預金、ヘッジファンド等へのオルタナティブ投資などが含まれております。
(ⅴ)数理計算上の仮定
重要な数理計算上の仮定は以下のとおりであります。
(ⅵ)感応度分析
重要な数理計算上の仮定の加重平均の変動に対する確定給付制度債務の感応度分析は以下のとおりであります。
本分析は、他のすべての仮定は不変として1つの仮定を変動させたものであります。実際には、ここに示したようなことが単独で発生する可能性は低く、複数の仮定の変化が相互に関連して生じる可能性があります。
(ⅶ)確定給付制度債務の満期分析に関する情報
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度が8.8年、当連結会計年度が8.6年であります。
③ 確定拠出型制度
確定拠出型制度に関して費用として認識した金額は、前連結会計年度が230百万円、当連結会計年度が226百万円であります。なお、厚生年金保険料については、確定拠出型制度と同様に会計処理され、従業員給付費用に含まれております。
(2) 従業員給付費用
連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計金額は、前連結会計年度が38,394百万円、当連結会計年度が40,465百万円であります。
17.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 純損益を通じて認識した金額と繰延税金費用との差額は外貨換算差額によるものであります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 純損益を通じて認識した金額と繰延税金費用との差額は外貨換算差額によるものであります。
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異は以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金及び繰越税額控除の失効期限別の内訳は以下のとおりであります。
繰延税金負債として認識していない子会社に対する投資に係る将来加算一時差異は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ2,149百万円及び2,149百万円であります。これらは、当社グループが一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いことから、当該一時差異に係る繰延税金負債を認識しておりません。
(2) 法人所得税費用
当期法人所得税費用及び繰延法人所得税費用の内訳は以下のとおりであります。
(注) 繰延法人所得税費用は、前連結会計年度及び当連結会計年度ともに、主に一時差異の発生及び解消によるものであります。
法定実効税率と実際負担税率との調整は以下のとおりであります。
(注) 当社は主に、法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計年度及び当連結会計年度における法定実効税率は、いずれも30.9%であります。なお、在外営業活動体については、その所在地における法人税等が課されております。
(3) 第2の柱モデルルール(グローバル・ミニマム課税)の影響
当社が所在する日本において、第2の柱モデルルール(グローバル・ミニマム課税制度)を導入する「所得税法等の一部を改正する法律」(2023年法律第3号)が2023年3月28日に成立し、2024年4月1日に開始する連結会計年度から適用が予定されております。
なお、当該制度の対象となる子会社の直近の税務申告書、国別報告書及び財務諸表に基づき、制度適用に伴う潜在的なエクスポージャーの評価を実施した結果、一部の子会社が所在する法域の税負担が基準税率15%に至るまで、日本に所在する親会社である当社に対して上乗せ(トップアップ)課税が行われる可能性がありますが、連結財務諸表への重要な影響はありません。
また、IAS第12号「法人所得税」(2023年5月改訂)の例外規定を適用し、当該制度適用に伴う当社法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債は認識しておりません。
18.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金、資本剰余金及び自己株式
日本の会社法では、株式の発行に対しての払込又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。なお、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。また、株主総会の決議により、分配可能額の範囲内で、取得する株式数、取得価額の総額等を決定し、自己株式を取得することができると規定されております。市場取引又は公開買付による場合には、定款の定めにより、会社法上定められた要件の範囲内で、取締役会の決議により自己株式を取得することができます。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における授権株式数は47,600,000株であります。
全額払込済みの発行済株式数及び自己株式数の増減は以下のとおりであります。なお、当社の発行する株式は、すべて権利内容に制限のない無額面の普通株式であります。
(注) 自己株式数の増減は前連結会計年度、当連結会計年度ともに譲渡制限付株式報酬による処分及び単元未満株式の買い取りによるものであります。
(2) 利益剰余金
日本の会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議により、利益準備金を取り崩すことができると規定されております。
(3) その他の資本の構成要素
① 確定給付制度の再測定
確定給付制度の再測定は、期首時点の数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額、数理計算上の仮定の変更による影響額及び制度資産の収益の変動による影響額であります。これらについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振替えております。
② 在外営業活動体の換算差額
当社グループの在外営業活動体の財務諸表をそれらの機能通貨から、当社グループの表示通貨である日本円に換算することによって生じた換算差額であります。
③ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に係る純変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る評価損益の累計額であります。
19.配当
(1) 配当金支払額
配当金の支払額は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは以下のとおりであります。
20.株式報酬
(1) 制度の内容
当社は社外取締役を除く取締役(以下、「対象取締役」という。)、取締役を兼務しない経営役員(以下、対象取締役と総称して「対象取締役等」という。)に対する中長期的なインセンティブの付与及び株主価値の共有を目的とした報酬制度として、譲渡制限付株式報酬制度(以下、「本制度」という。)を導入しております。
当社の対象取締役等は、本制度に基づき当社から支給された金銭債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行又は処分を受けることとなります。
本制度により当社が対象取締役に対して発行又は処分する普通株式の総数は、年20,000株以内とし、その1株当たりの払込金額は、各取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所の当社普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として当該普通株式を引き受ける対象取締役等に特に有利な金額とならないに範囲において、取締役会が決定いたします。
本制度による当社の普通株式の発行又は処分に当たっては、当社と対象取締役等との間で譲渡制限付株式割当契約を締結するものとし、その内容としては、①対象取締役等は、一定期間、譲渡制限付株式割当契約により割当てを受けた当社の普通株式について、譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならないこと、②一定の事由が生じた場合には当社が当該普通株式を無償で取得すること等が含まれることとしております。なお、譲渡制限付株式の譲渡制限期間については、払込期日から当社の取締役、取締役を兼務しない経営役員その他これらに準ずる地位のいずれの地位をも退任又は退職した直後の時点までの期間としております。
(2) 期中に付与された株式数と公正価値
期中に付与された株式数と公正価値は以下のとおりであります。
(注) 付与日の公正価値は、当社普通株式の市場価格に基づき算定しております。
(3) 株式報酬に係る費用
株式報酬に係る費用は、前連結会計年度32百万円、当連結会計年度41百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含めております。
21.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、事業活動の維持及び事業計画の実現を支えるための最適な資金調達、健全な財務状態の維持及びより強固な財務基盤の確立することを基本方針としております。
当社グループの財務状況は引き続き健全性を保っており、製造設備の維持更新、合理化及び生産能力増強並びに次世代事業の育成と強化に必要な設備投資及び研究開発などに必要な資金を営業活動によるキャッシュ・フローや外部からの資金調達を通じて、充分に供給できるものと考えております。
なお、当社グループは、親会社の所有者に帰属する持分を自己資本として定義しております。
また、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2) 財務リスクの管理
当社グループは事業活動を行ううえで、様々な財務リスクにさらされており、当該リスクを回避又は低減するため、一定の方針に基づくリスク管理を行っております。デリバティブ取引は、外貨建資産及び負債の為替及び金利の変動リスクを回避するために通貨スワップ取引及び金利スワップ取引を利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。
① 信用リスク
売掛金、受取手形及び電子記録債権等の営業債権については、顧客の信用リスクにさらされております。当該リスクに関しては、与信管理規程に従い、顧客ごとの期日及び残高管理を行うとともに、信用状況を半期ごとに把握する体制とし、財務状況等の悪化による回収懸念の早期把握や軽減をはかっております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末の営業債権は主にトヨタ自動車㈱及びその子会社、豊田通商㈱及びその子会社、㈱アイシン及びその子会社に対するものであり、いずれも信用力が高く信用リスクは限定的であります。
デリバティブ取引の利用にあたっては、高格付を有する金融機関に限定しているため信用リスクは軽微であると認識しております。
金融資産の帳簿価額の合計は信用リスクに係る最大エクスポージャーを表しております。
(ⅰ)損失評価引当金の増減
損失評価引当金の増減は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) 損失評価引当金は主として顧客との契約から生じた営業債権に係るものであります。なお、信用減損金融資産を除き、信用リスクが著しく増大した金融資産及はありません。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 損失評価引当金は主として顧客との契約から生じた営業債権に係るものであります。なお、信用減損金融資産を除き、信用リスクが著しく増大した金融資産及はありません。
(ⅱ)信用リスク・エクスポージャー
営業債権及びその他の債権(損失評価引当金控除前)に係る信用リスク・エクスポージャーは以下のとおりであります。なお、営業債権及びその他の債権以外の金融資産は、主として大手金融機関に預入している現金及び預金や定期預金等であり、明らかに信用リスクが低いため、記載しておりません。また、損失評価引当金を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定している金融資産は、金融資産及び金融負債の相殺要件を満たさない有償支給取引に係る未収入金等であります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
② 市場リスク
(ⅰ)為替リスク
外貨建の金銭債権及び金銭債務は、為替変動リスクにさらされております。
当社グループは、通貨別に把握された為替変動のリスクを軽減するため、外貨建の貸付金について、通貨スワップを利用してヘッジをしております。デリバティブ取引については、決裁基準に基づき個別承認を受けて執行し、執行後は経理部が取引先の信用状況等を調査し、定期的に経理業務執行責任者に報告しております。
当該デリバティブの詳細は以下のとおりであります。
ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
為替感応度分析
当社グループが連結会計年度末において保有する外貨建金融商品について、以下の外国為替に対して日本円が1%円高となった場合に税引前利益に与える影響は以下のとおりであります。
なお、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(注) 通貨スワップを利用してヘッジしている外貨建の貸付金は含んでおりません。
(ⅱ)金利リスク
変動金利の借入金は、金利変動リスクにさらされております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、変動金利の借入金及び金利スワップの利用はありません。
(ⅲ)資本性金融資産の価格変動リスク
当社グループが保有する株式は、主に取引関係の維持・発展を目的に保有する株式であり、市場価格の変動リスクにさらされております。当社グループは、定期的に保有する株式の時価や発行体(取引先企業等)の財務状況を把握しております。なお、当社グループは短期トレーディング目的で保有する資本性金融資産はなく、これらの投資を活発に売買することはしておりません。
資本性金融資産の感応度分析
当社グループが各連結会計年度末において保有する資本性金融資産について、上場株式の株価が10%下落した場合に連結包括利益計算書のその他の包括利益に与える影響は以下のとおりであります。
③ 流動性リスク
当社グループは、借入金により資金調達をしており、資金調達環境の悪化等により支払期日にその支払が困難になるリスクにさらされております。
当社グループは定期的に資金計画を作成及び更新するとともに、手許資金と外部借入(コミットメントライン契約を含む)等により、適切な手元流動性を確保しております。
金融負債の期日別残高は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
当社グループのコミットメントライン契約に係る借入未実行残高は以下のとおりであります。
(3) 金融商品の公正価値
① 公正価値ヒエラルキー
金融商品の公正価値ヒエラルキーは以下のとおりであります。なお、レベル間の振替が行われた金融商品は、振替のあった報告期間の期末日に認識しております。
レベル1:活発な市場における公表価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:重要な観察不能なインプットを含む評価技法を用いて測定した公正価値
② 公正価値の測定方法
公正価値の測定は社内規程等に従い、経理部門にて実施しており、当該測定結果については、適切な権限者が承認しております。金融商品の区分ごとの測定方法は以下のとおりであります。
(ⅰ)現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務
短期間で決済されるため、公正価値と帳簿価額が近似していることから、帳簿価額により測定しております。
(ⅱ)借入金
短期借入金は、短期間で返済されるため、公正価値と帳簿価額が近似していることから、帳簿価額により測定しております。
長期借入金は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の借入れを行った場合に想定される利率で割引いた現在価値により測定しております。
(ⅲ)その他の金融資産、その他の金融負債
上場株式は、連結会計年度末の市場価格によって測定しております。
非上場株式及び出資金は、重要性の高い銘柄については修正簿価純資産法に基づく評価技法、それ以外の銘柄については主に簿価純資産方式を用いて算定した価格により測定しております。なお、観察不能なインプットである非流動性ディスカウントは30%としており、非流動性ディスカウントが上昇した場合には、公正価値は減少する関係にあります。
デリバティブ資産及び負債は、観察可能な市場データに基づいて取引金融機関が算定した価格により測定しております。
定期預金、その他の金融資産のその他及びその他の金融負債のその他は、短期間で決済されるため、公正価値と帳簿価額が近似していることから、帳簿価額により測定しております。
③ 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額及び公正価値は以下のとおりであります。
なお、償却原価で測定する金融商品のうち、短期金銭債権及び短期金銭債務等の帳簿価額と公正価値が近似している金融商品については、短期借入金を除き、注記を省略しております。
(注)1 償却原価で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーはレベル2であります。
2 借入金には短期借入金を含んでおります。
④ 経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正価値
経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正価値ヒエラルキーは以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) レベル間の振替が行われた金融商品はありません。
レベル3に分類した金融資産の期首残高から期末残高への調整表は以下のとおりであります。
(注)1 その他の包括利益に含まれている利得又は損失は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に関するものであります。これらの利得又は損失は連結包括利益計算書上「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の純変動」及び「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産の純変動」に含まれております。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産の残高及び公正価値の変動に重要性はありません。
(4) 金融資産及び金融負債の相殺
当社グループでは、一部の金融資産及び金融負債について、認識された金額を相殺する法的強制力のある権利を有し、純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有していることから、金融資産と金融負債を相殺し連結財政状態計算書に純額で表示しております。
買戻し契約に該当する有償支給取引等において、同一の取引先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、連結財政状態計算書で相殺した金額及び連結財政状態計算書に表示した金融資産の純額の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
22.リース取引
(1) 借手側
当社グループは主として工場用地、業務用車両等の賃借取引を行っております。
なお、重要な変動リース料、残価保証、購入選択権及びエスカレーション条項並びにリース契約によって課された制限(追加借入及び追加リースに関する制限等)はありません。
① 使用権資産に関連する損益及びリースに係るキャッシュ・アウトフロー
使用権資産に関連する損益及びリースに係るキャッシュ・アウトフローは以下のとおりであります。
② 使用権資産の帳簿価額
使用権資産の帳簿価額の内訳は以下のとおりであります。
なお、使用権資産の増加額は、「注記8.有形固定資産」に記載しております。
③ 延長オプション及び解約オプション
当社グループにおいては、各社がリース管理に責任を負っており、リース条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっております。
延長オプション及び解約オプションは、主に土地、建物及び構築物に係る不動産リースに含まれており、それぞれの契約が定める期間に基づく延長オプション、事前通知解約条項に基づく早期解約を行うオプションとなっております。なお、これらのオプションは、リース契約主体が不動産を事業に活用する上で、必要に応じて使用されております。
④ リース負債
リース負債の満期分析については、「注記21.金融商品 (2)財務リスクの管理 ③流動性リスク」に記載しております。
(2) 貸手側
当社グループの貸手リース取引において、重要性のあるリース取引はありません。
23.売上収益
(1) 収益の分解
当社グループは、「注記4.セグメント情報」で記載のとおり、「鋼(ハガネ)カンパニー」「ステンレスカンパニー」「鍛(キタエル)カンパニー」「スマートカンパニー」「その他事業」の5つを報告セグメントとしております。また、売上収益を報告セグメント別に拠点の所在地に基づいて地域別に分解しております。これらの分解した収益と各報告セグメントの売上収益との関連は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 外部顧客への売上収益で表示しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 外部顧客への売上収益で表示しております。
(2) 契約残高
顧客との契約から生じた債権は以下のとおりであります。
なお、前連結会計年度期首、前連結会計年度及び当連結会計年度において、契約負債の残高及び過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を適用し、残存履行義務に配分した取引価格に関する情報の記載を省略しております。
(4) 契約コストから認識した資産
前連結会計年度及び当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産はありません。なお、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約の獲得の増分コストを発生時に費用として認識しております。
24.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりであります。
25.研究開発費
研究開発費は以下のとおりであります。なお、研究開発費は連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含めております。
(注) 資産化された開発資産の償却費は含めておりません。
26.その他の収益及び費用
(1) その他の収益
その他の収益の内訳は以下のとおりであります。
(2) その他の費用
その他の費用の内訳は以下のとおりであります。
27.金融収益及び費用
(1) 金融収益
金融収益の内訳は以下のとおりであります。
(注) 前連結会計年度において、ヘッジ指定されていない通貨スワップの評価損益は、為替差益に含めております。
(2) 金融費用
金融費用の内訳は以下のとおりであります。
28.その他の包括利益
その他の包括利益の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
29.1株当たり利益
基本的及び希薄化後1株当たり当期利益の算定基礎は以下のとおりであります。
30.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
当社グループと関連当事者との取引は以下のとおりであります。
関連当事者との価格その他の取引条件については、交渉のうえで決定しております。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
主要な経営幹部に対する報酬は以下のとおりであります。
31.子会社
当連結会計年度末時点の当社グループの子会社は以下のとおりであります。前連結会計年度及び当連結会計年度において、個々に重要性のある非支配持分を有する子会社は該当ありません。
(注)1 議決権は過半数を所有しておりませんが、当社グループが議決権の48.0%を所有しており、董事会(日本の会社法における取締役会に相当)の構成員の過半数を占めていることなどから実質的に支配しているため、子会社としております。
2 前連結会計年度において連結子会社であったアイチ マグファイン チェコ㈲は清算したため、当連結会計年度より連結の範囲から除外しております。
32.偶発事象
(当社及び当社取締役等に対する訴訟の提起)
2022年5月16日に、当社及び当社取締役等は、マグネデザイン株式会社及び本蔵義信氏(以下併せて「当社元取締役等」と総称します。)より損害賠償請求訴訟を提起されております。当社元取締役等は、当社が行った刑事告訴等が不当であり、それらにより損害を被ったと主張し、当社及び当社取締役等に対して合計120億4千万円の支払いをするよう請求しております。当社及び当社取締役等は、請求棄却を主張し、当社元取締役等の主張に対する防御を行います。なお、現時点において、本件訴訟の最終的な判決の結果の予想及び財務上の影響の見積りは困難であります。
33.支出に係るコミットメント
資産の取得に関して、契約しているものの連結財務諸表上認識していない重要なコミットメントは以下のとおりであります。
(注) 有形固定資産の金額には、使用権資産の取得に係るリース契約を含んでおります。
34. 後発事象
該当事項はありません。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法
子会社株式及び関連会社株式…………移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの……時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等…………………移動平均法による原価法
(2) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
製品、仕掛品……………………………総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
原材料、貯蔵品…………………………移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
ただし、貯蔵品のうちロール、鋳型については減価償却に準じ耐用年数に応じて減価額を控除しております。
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定率法で行っております。
ただし、第2棒鋼圧延工場については、定額法で行っております。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法で行っております。
(3) リース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零(残価保証の取決めがある場合は残価保証額)とする定額法を採用しております。
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率等により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 役員賞与引当金
役員賞与の支出に備えるため、当事業年度における支給見込額を計上しております。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、当事業年度末において発生していると認められる額を計上しております。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
数理計算上の差異については、従業員の平均残存勤務期間(主として15年)による定額法により、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしております。
過去勤務費用については、従業員の平均残存勤務期間(主として15年)による定額法により、費用処理することとしております。
(4) 役員退職慰労引当金
役員(経営役員含む)の退職慰労金の支払に備えるため、退職慰労金制度廃止時点での内規に基づく期末要支給額を計上しております。
4.収益及び費用の計上基準
当社はカンパニー制を採用しており、鋼(ハガネ)カンパニーにおける特殊鋼(熱間圧延材)、ステンレスカンパニーにおけるステンレス鋼及びチタン(熱間圧延材、二次加工品)、ステンレス鋼構造物エンジニアリング、鍛(キタエル)カンパニーにおける型打鍛造品(自動車部品粗形材、機械部品粗形材など)、鍛造用金型加工品、スマートカンパニーにおける電子機能材料・部品、磁石応用製品、植物活性材、金属繊維などの販売を行っております。
主に完成した製品を顧客に納入することを履行義務として識別しており、また、これらの製品の販売においては、主に顧客が製品を検収した時点で当該製品に対する支配が顧客に移転、履行義務が充足されると判断し、当該時点で収益を認識しております。
5.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(2) ヘッジ会計の方法
(a) ヘッジ会計の方法
通貨スワップについては、振当処理の要件を満たしているため振当処理を採用しております。
(b) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段……通貨スワップ
ヘッジ対象……外貨建貸付金
(c) ヘッジ方針
海外連結子会社に対する外貨建貸付金について、将来の為替変動によるリスクを回避するため、通貨スワップ取引を利用しております。
(d) ヘッジ有効性評価の方法
通貨スワップの振当処理の特例処理の要件を満たしているため、有効性の判定を省略しております。
(3) 固定資産の減損
事業用資産は事業セグメントであるカンパニー単位、貸与資産及び遊休資産は個別物件単位でグルーピングし、減損の兆候の把握、認識及び測定を行っております。
(重要な会計上の見積り)
1.退職給付の数理計算の前提条件
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(注) 負債に計上しているものについては、( )で示しております。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
前払年金費用、退職給付引当金及び退職給付費用は、数理計算上使用される前提条件に基づいております。これらの前提条件には、割引率や年金資産の長期期待運用収益率等の多くの見積りが存在しております。特に割引率は重要な前提条件であり、期末時点の国債の市場利回りに基づき算定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合に、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
2.繰延税金資産の回収可能性
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(注) 負債に計上しているものについては、( )で示しております。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金のうち未使用のもの及び将来減算一時差異を、利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。課税所得が生じる可能性の判断においては、事業計画等から将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、それに基づき、繰延税金資産の計上金額を算定しております。これらの見積りは将来の不確実な経済状況及び会社の経営状況の影響を受け、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。また、税制改正により、実効税率が変更された場合に、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
3.固定資産の減損
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社は過去の経営成績及び将来の事業計画等、固定資産の市場価値などから資産又は資産グループごとに固定資産の減損の兆候を把握し、兆候のある資産又は資産グループについては、将来キャッシュ・フローを見積り、将来キャッシュ・フローが固定資産の帳簿価額を下回った場合、帳簿価額が回収可能価額を超える部分について減損損失を認識しております。将来の事業計画等の将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額のうち使用価値の前提条件には、製品需要や製品価格、原材料、エネルギー及び副資材価格等の多くの見積りが存在します。将来、これらの前提条件の変動等により回収可能価額が減少した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
遊休資産については、個別物件単位でグルーピングしており、当事業年度において、将来の使用が見込めなくなった遊休資産の減損損失を1,271百万円(前事業年度は、103百万円)計上しております。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示したものを除く)
※2 固定資産の取得価額から直接控除している、国庫補助金等による圧縮記帳額
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高
※2 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度39%、当事業年度38%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度61%、当事業年度62%であります。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。
※3 減損損失
以下の資産グループについては設備更新計画の決定による将来使用価値の変化により、減損損失を計上しました。
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
なお、回収可能価額は正味売却価額としており、機械及び装置ほかについては実質的な価値はないと判断されるため、帳簿価額を備忘価額まで減額して評価しております。
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
なお、いずれの資産グループも回収可能価額は正味売却価額としており、建設仮勘定の一部については売却可能価額等に基づいた時価まで減額しておりますが、実質的な価値はないと判断される資産については、帳簿価額を備忘価額又は零まで減額して評価しております。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式(当事業年度の貸借対照表計上額は子会社株式9,836百万円、関連会社株式145百万円、前事業年度の貸借対照表計上額は子会社株式9,836百万円、関連会社株式145百万円)は、市場価格がない株式等のため、時価を記載しておりません。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、財務諸表「注記事項(重要な会計方針)4.収益及び費用の計上基準」に記載した内容と同一であります。
(偶発事象)
(当社及び当社取締役等に対する訴訟の提起)
2022年5月16日に、当社及び当社取締役等は、マグネデザイン株式会社及び本蔵義信氏(以下併せて「当社元取締役等」と総称します。)より損害賠償請求訴訟を提起されております。当社元取締役等は、当社が行った刑事告訴等が不当であり、それらにより損害を被ったと主張し、当社及び当社取締役等に対して合計120億4千万円の支払いをするよう請求しております。当社及び当社取締役等は、請求棄却を主張し、当社元取締役等の主張に対する防御を行います。なお、現時点において、本件訴訟の最終的な判決の結果の予想及び財務上の影響の見積りは困難であります。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1 「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額であります。
2 「当期増加額」のうち主なものは以下のとおりであります。
機械及び装置 1棒鋼圧延ライン改造 1,127百万円
フリッカ制御装置(2号機)更新 1,126百万円
リヤシャフト熱鍛ライン老朽更新 777百万円
2棒鋼圧延主機モータ交流化更新(中間B) 766百万円
1号電気炉 炉用変圧器更新 638百万円
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができません。
・会社法第189条第2項各号に掲げる権利
・会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
・株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
・単元未満株式の買増しを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。