第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 株式付与ESOP信託が所有する当社株式を、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式数に含めており、また、1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
3 従業員数は、「就業人員数」で表示しております。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第176期の期首から適用しており、第176期以降に係る主要な連結経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 株式付与ESOP信託が所有する当社株式を、1株当たり純資産の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式数に含めており、また、1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
3 従業員数は、「就業人員数」で表示しております。
4 第174期の1株当たり配当額60.00円は、創業120周年記念配当20.00円を含んでおります。
5 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
6 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第176期の期首から適用しており、第176期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
7 当社は、2023年10月1日付で持株会社体制に移行しているため、第178期以降の主な経営指標等は、第177期と大きく変動しております。また、これに伴い、従来「売上高」としていた表記を第178期より「営業収益」に変更したため、「売上高及び営業収益」として表示しております。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループ(当社、連結子会社225社、持分法適用非連結子会社3社及び持分法適用関連会社31社(2024年3月31日現在)により構成)におきましては、情報コミュニケーション事業分野、生活・産業事業分野及びエレクトロニクス事業分野の3事業分野にわたり幅広い事業活動を展開しております。各事業における当社グループの主な事業内容と、各事業に係る位置付け等及びセグメントとの関連は次のとおりであります。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

4 【関係会社の状況】
(2024年3月31日現在)
(2024年3月31日現在)
(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2 ※1:特定子会社に該当いたします。なお、その他に含まれる会社のうち特定子会社に該当する会社は Toppan USA, Inc.、Toppan Merrill USA Inc.、Toppan Merrill LLCであります。
3 ※2:有価証券報告書の提出会社であります。
4 ※3:台湾証券取引所において株式を上場しております。
5 ※4:持分は100分の20未満でありますが、実質的な影響力を持っているため、持分法適用関連会社としております。
6 ※5:持分は100分の50超でありますが、共同支配企業であるため、持分法適用関連会社としております。
7 議決権所有割合の( )内は、間接所有割合を内数で記載しております。
8 TOPPAN㈱は、連結売上高に占める売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の割合が10%を超えております。
9 TOPPANエッジ㈱は、連結売上高に占める売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の割合が10%を超えております。
10 Toppan Printing Co. (America), Inc.は、2024年4月1日付でTOPPAN America Inc.に商号変更しております。
11 上記の他に持分法適用非連結子会社が3社ありますが、重要性が乏しいため記載を省略しております。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(2024年3月31日現在)
(注) 1 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2 臨時従業員には、パートタイマーを含み、派遣社員を除いております。
3 全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない当社及び連結子会社の本社部門及び基礎研究部門等に所属している就業人員数であります。
(2) 提出会社の状況
(2024年3月31日現在)
(注) 1 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 提出会社の従業員数は全てセグメントの「全社(共通)」に含まれるため、合計人数のみを記載しております。
4 前連結会計年度末に比べ従業員数が9,167名減少しております。主な理由は、2023年10月1日付で会社分割を行い、持株会社体制へ移行したことによるものであります。
(3) 労働組合の状況
主要な労働組合として、凸版印刷労働組合があり、2024年3月31日現在における組合員数は13,445名であります。凸版印刷労働組合はTOPPAN株式会社(組合員数7,113名)、株式会社トッパンコミュニケーションプロダクツ(同1,868名)、株式会社トッパンパッケージプロダクツ(同1,944名)、株式会社トッパンエレクトロニクスプロダクツ(同795名)、株式会社トッパングラフィックコミュニケーションズ(同1,197名)、トッパンプラスチック株式会社(同227名)、株式会社トッパン建装プロダクツ(同254名)、株式会社トッパン・コスモ(同47名)のそれぞれの組合員をその構成員としております。なお、当社の従業員は出向者のみのため、出向元の組合員数に含んでおります。
現在の労働協約は、2022年10月1日に締結したものであり、その主旨に従って労働条件その他に関する労使の交渉は全て経営協議会を通じて行われ、労使一体となって業績向上に邁進しております。
その他の労働組合として、TOPPANエッジ株式会社にトッパン・フォームズフレンドシップユニオン本社(2024年3月31日現在における同社組合員数1,201名)、図書印刷株式会社に図書印刷労働組合(同713名)などがあり、いずれも安定した労使関係を築いております。
凸版印刷労働組合、トッパン・フォームズフレンドシップユニオン及び図書印刷労働組合は、印刷情報メディア産業労働組合連合会(印刷労連)に、印刷労連は、日本労働組合総連合会に加盟しております。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
(注) 1 ※1:「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。
2 ※2:「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
②主要な連結子会社
(注) 1 ※1:「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。海外現地法人に関しては、上記基準に準じた方法にて算出しております。
2 ※2:「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。海外現地法人に関しては、上記基準に準じた方法にて算出しております。対象となる男性従業員がいない場合は「―」を記載しております。
3 ※3:海外現地法人に関しては、海外現地法人にて算出された平均賃金を2024年3月31日時点の為替レートにて日本円に換算した上で算出しております。
4 「労働者の男女の賃金の差異」は、各社の事業年度において集計したものであり、当社の事業年度と異なる場合があります。「管理職に占める女性労働者の割合」及び「男性労働者の育児休業取得率」については、当社の事業年度と合わせて集計をしております。
5 連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
③連結会社
(注) 1 ※1:「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。海外現地法人に関しては、上記基準に照らし、基準に準じた方法にて算出しております。
2 ※2:「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。海外現地法人に関しては、上記基準に照らし、基準に準じた方法にて算出しております。
3 ※3:海外現地法人に関しては、海外現地法人にて算出された平均賃金を2024年3月31日時点の為替レートにて日本円に換算した上で算出しております。
4 「労働者の男女の賃金の差異」は、各社の事業年度において集計したものであり、当社の事業年度と異なる場合があります。「管理職に占める女性労働者の割合」及び「男性労働者の育児休業取得率」については、当社の事業年度と合わせて集計をしております。
5 ※4:当社及び国内連結子会社の集計は、加重平均にて集計を行い、算出しております。
6 ※5:アジア地域、北米地域、欧州地域連結子会社、当社及び連結子会社の集計は、加重平均にて集計を行い、算出しております。「労働者の男女の賃金の差異」について、海外現地法人にて算出された平均賃金を2024年3月31日時点の為替レートにて、日本円に換算した上で加重平均を行い、算出しております。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、持株会社体制のもと、グループ全体が方向性を同じくし、これまで以上に社会的価値創造を推進すべく、Purpose(存在意義)とValues(価値観)から構成される「TOPPAN's Purpose & Values」をグループ理念としております。「Breathing life into culture, with technology and heart./人を想う感性と心に響く技術で、多様な文化が息づく世界に。」をPurposeに掲げ、その実現のために「Integrity(誠意を持って行動し、信頼関係を築く)」「Passion(情熱を持ち、積極果敢に挑戦する)」「Proactivity(周囲に先駆けて考え、スピーディーに行動する)」「Creativity(創造力を駆使して、新しい価値を生み出す)」の4つのValuesを共有しております。
グループ理念に基づき、当社グループ各企業が持つ強みや特長を掛け合わせ、ステークホルダーの皆さまと共に、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指してまいります。
(2) 経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社グループは、「Digital & Sustainable Transformation」をキーコンセプトに、中期的な経営課題を、①事業ポートフォリオ変革、②経営基盤の強化、③ESGの取り組み深化とし、次の施策を展開することにより経営資源の最適配分と有効活用を進め、事業の拡大を図ってまいります。
① 事業ポートフォリオ変革
「事業ポートフォリオ変革」につきましては、DX、国内SX・海外生活系、新事業の3つを成長事業と位置付け、収益力の向上を目指してまいります。
DX事業については、全社を挙げて取り組むDXのコンセプトを「Erhoeht-X(エルへートクロス)」とし、デジタル技術と高度なオペレーションノウハウを掛け合わせたハイブリッドなDXサービスを根幹に、データ分析、コンサルティングを含めたビジネスモデルの確立を目指します。
国内SX・海外生活系事業については、材料調達から廃棄までのサプライチェーンを通して、CO2排出量・プラスチック使用量削減に貢献し、脱炭素・循環型社会の実現を目指します。
新事業については、競争優位を持つテクノロジー、ビジネスモデルを核に、ヘルスケア、メタバース、センサ関連などの領域で、事業化を推進いたします。
② 経営基盤の強化
「経営基盤の強化」につきましては、事業変革の基盤を形成するため、持株会社体制のもと、知財戦略、人財戦略、システム基盤のモダナイゼーションなどを推進してまいります。
知財戦略については、「知的財産」を、事業競争力を高める重要な経営資産と位置づけ、グループ全体で知財戦略と事業戦略・研究開発戦略を一体化させ、知財活動を強化してまいります。
人財戦略については、DXやSX、グローバル事業などを牽引する人財の強化に向け、次期人事システムの構築や新たな人財開発プログラムの導入など、グループ内の人財活性化施策を推進するとともに、ダイバーシティ&インクルージョンの実現を進めてまいります。
システム基盤のモダナイゼーションについては、グループのシステム統合などにより、経営効率の向上を目指します。
③ ESGの取り組み深化
「ESGの取り組み深化」につきましては、サステナビリティ(持続可能性)経営推進に向け、「サステナビリティ推進委員会」を設置し、当社グループ内のESG、SDGsテーマの課題共有、取り組み連携を強化しております。
SDGsへの取り組みとしては、SDGsが示す課題への事業を通じた貢献において特に注力すべき分野を特定した「TOPPAN Business Action for SDGs」のもと、これまで以上に社会から信頼される強い企業グループを目指してまいります。
環境への取り組みとしては、「TOPPANグループ環境ビジョン2050」に基づき、環境課題への取り組みをサプライチェーン全体や地域社会との協働で進めてまいります。また、2020年よりTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿って、気候変動に関する財務インパクト及びその対応について情報開示を行っております。さらに、2024年中を目途に、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った開示を実施する予定です。
社会への取り組みとしては、従業員一人ひとりの力を最大限に引き出し変革の原動力に変えていくため、「ダイバーシティ&インクルージョン」、「Well-being」を重視し、従業員のスキルアップやキャリア形成支援を進めてまいります。また、「TOPPANグループ人権方針」に基づき事業活動全般において人権に対する取り組みを強化するとともに、「TOPPANグループ サステナブル調達ガイドライン」に基づきサプライチェーン全体で持続可能な調達活動を進めてまいります。
ガバナンスへの取り組みとしては、「コーポレートガバナンス基本方針」及び「関係会社管理規程」に基づき、公正なグループ経営を推進し、グループ全体の価値最大化を目指してまいります。また、政治・経済情勢の変化や気候変動に伴う環境問題、サイバー攻撃の巧妙化や人権課題などを背景に多様化するリスクに対し、適切に対処することで経営に与える影響を最小化するなど、持続可能な企業経営を推進してまいります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。実際の結果は、社会動向の変化等の影響により異なる可能性があります。
当社グループは1900年の創業以来、「印刷」を原点とするあらゆる技術・ノウハウを活用した製品・サービスの提供を通じてステークホルダーであるお客さま、従業員、取引先、地域社会、株主・投資家、行政・自治体等、広く社会に関わり、社会課題の解決に寄与する事業活動を行ってまいりました。今日、気候変動に伴う災害多発や自然破壊等、環境問題の深刻化をはじめ、人権リスクや地政学リスクの高まり等、グローバル規模で問題が多発し、将来予測が困難な時代を迎えております。当社グループは当社事業が社会に与えるインパクトを認識し、企業として責任を果たすとともに、事業を通じて社会課題を解決しながら企業価値向上を目指すサステナビリティ(持続可能性)経営を推進しております。
また、グローバルな社会課題により積極的に対応するため、2019年に「TOPPAN SDGs STATEMENT」、2020年には「TOPPAN Business Action for SDGs」を策定し、SDGs貢献を見据えながら、事業活動と全社活動それぞれのマテリアリティ(重要課題)を定義しております。さらに事業の成長とサステナビリティの実現を同期化し企業価値を高めるべく、2021年の中期経営計画では「Digital & Sustainable Transformation」を掲げております。様々な社会課題の視点を事業に取り込み、「DX」と「SX」を中心に事業ポートフォリオを変革し、事業による価値創造を通じて課題解決につなげ、持続可能なグローバル社会の実現を目指しております。
(1) サステナビリティ共通
①ガバナンス
当社グループは、2020年4月より代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会(以下「サステナ委員会」という。)を設置しております。サステナ委員会は、コーポレートガバナンス体制の中に位置付けられ、グループ全体のサステナビリティ推進の役割を担っております。
1) 取締役会及びサステナビリティ推進委員会
取締役会はサステナ委員会に、当社グループのサステナビリティ課題についての検討・審議を担当させております。サステナ委員会で検討・審議された具体的な取り組み施策は、経営会議を通じて取締役会に報告され、取締役会においてサステナビリティ経営についての総合的な意思決定を行っております。また、取締役会では、サステナビリティの取り組み施策、目標設定及び進捗について、継続的に議論・モニタリング・監督を行っております。
2) TOPPANグループESG経営推進会議
サステナ委員会内に、当社グループ企業の代表取締役社長及び取締役をメンバーとするTOPPANグループESG経営推進会議を設置しており、当社グループ内のESG、SDGsテーマに関する議論を深めるとともに、連携して取り組みを進めております。
3) SDGs推進プロジェクト及びコーポレートESGプロジェクト
サステナ委員会の下部には、部門横断で編成されたSDGs推進プロジェクトとコーポレートESGプロジェクトを設定し、各プロジェクトが連携しながら、個別テーマの対応・推進を担っております。SDGs推進プロジェクトでは主に事業活動におけるサステナビリティの取り組みを推進し、事業におけるSDGs貢献の注力分野「TOPPAN Business Action for SDGs」の活動推進と進捗確認を担っております。コーポレートESGプロジェクトでは、主に自社活動におけるサステナビリティ課題を担当し、2023年度は、地球環境ワーキンググループ(以下WG)、人的資本WG、SCM(サプライチェーンマネジメント)WG、リスクマネジメントWGが編成され、各テーマのプロジェクトを推進いたしました。
4) エグゼクティブ・サステナビリティ推進委員会
将来的なサステナビリティ課題について意見交換を行う場として、エグゼクティブ・サステナビリティ推進委員会を設置しております。外部有識者と当社取締役が意見交換等を行い、重要な課題についてはサステナ委員会と連携して、検討しております。
◇TOPPANグループ サステナビリティ推進体制

②戦略
当社グループは、「Digital & Sustainable Transformation」をキーコンセプトに、社会やお客さま、当社グループのビジネスを、デジタルを起点として変革させる「DX」と、事業を通じた社会課題の解決とともに持続可能性を重視した経営を目指す「SX」により、ワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーとして企業価値向上とサステナブルな社会の実現を目指しております。その一環として、事業ポートフォリオを変革し、経営基盤の強化とESGの取り組み深化を推進しております。2023年度を初年度とする中期経営計画において、2026年3月期には「DX」「SX」関連を含む成長事業の営業利益構成が全体の過半となるよう変革を進めております。
ESGの取り組み深化の観点では、2030年までの長期視点で、事業活動マテリアリティとして定めている、「環境」「まち」「ひと」の3つのテーマにおける注力分野「TOPPAN Business Action for SDGs」を中期経営計画に織り込み、中期経営計画の事業ポートフォリオ変革とも連動させております。また、事業活動マテリアリティを支える基盤として全社活動マテリアリティを設定し、「環境配慮・持続可能な生産」と「従業員の健康・働きがい」を掲げております。
こうした一連の取り組みを、「気候変動」「人的資本・多様性」「知的財産」「人権」「サプライチェーン」というサステナビリティの重要テーマと連携させ、グループ全体で推進しております。
当社グループでは、ワールドワイドでの社会課題解決への貢献と持続的成長のため、グローバル規模で事業を加速させており、国内だけでなく海外にも拠点・サプライチェーンが拡大していることからも、世界共通の課題となっている気候変動への対応は経営の重要課題であると認識しております。地球環境課題への長期的な取り組み方針を定めた「TOPPANグループ環境ビジョン2050」では、「脱炭素社会への貢献」についても設定しており、「2050年の温室効果ガス排出の実質ゼロ」に向けた取り組みを進めております。また、本ビジョンからバックキャストで検討した「TOPPANグループ2030年度中長期環境目標」においても、指標の1つとして温室効果ガス排出量削減を設定し、中長期視点での取り組みを進めております。
また、当社グループは、1900年に大蔵省印刷局から独立した技術者集団が立ち上げたベンチャー企業として創業して以来、「人によるイノベーション」や「共創」は事業成長にとって必要不可欠であると考えております。事業の土台として「人間尊重」を重要な価値観としており、従業員やお客さま等の関係性を重視し、従業員を資源ではなく、会社の貴重な財産である「人財」、すなわち「人的資本」と捉えております。また、価値創造のプロセスにおいては、多様な人財が個々の属性や価値観の違いを認め、尊重し合い、多様な人財の能力を生かし互いに高め合うダイバーシティ&インクルージョンを推進しております。人的資本・多様性は、サステナビリティ経営の重要課題であると認識しております。
当社グループの価値創造における強みは、創業以来培われてきた独自の技術体系「印刷テクノロジー」であり、それらを複合的に組み合わせることで、常に新しい製品・サービスを生み出し続けております。今後さらに複雑化・高度化する社会課題に対応していくために、継続的な技術の深耕と拡充を重要な経営課題として認識し、当社グループ全体で研究開発に注力しております。この研究開発によって生み出されている「知的財産」は、当社グループにとって事業競争力の源泉となる重要な経営資産であり、マーケット志向と研究開発活動を一層密着させた知的財産戦略のもと、グローバルな視点での積極的な知的財産活動を展開しております。
当社グループは、事業を通じて多くのお客さまに多種多様な製品・サービスを提供しており、その事業を維持・発展させるため、グローバルに広がる幅広いサプライチェーンを有しております。当社グループが社会的責任を果たし、持続可能な社会の実現に貢献するためには、サプライチェーン全体でサステナビリティに取り組むことが必要不可欠と考えております。その中でグローバルな社会課題である人権課題についても、サプライチェーン全体で取り組むべき課題と認識しております。
③リスク管理
当社グループのサステナビリティ課題についてのリスク管理は、取締役会の管理のもと、本社主管部門、グループ会社事業(本)部各部門とサステナ委員会の下部組織であるコーポレートESGプロジェクトの1つであるリスクマネジメントWG(責任者:リスク管理担当役員、メンバー:本社主管部門リスク担当者、事務局:法務本部コンプライアンス部)が密接に連携して推進する総合的なリスク管理に組み込まれております。
リスクマネジメントWGは、年1回のリスクアセスメントを実施し、当社グループの経営に重大な影響を与えるリスクを「重大リスク」として特定しております。
「重大リスク」の特定にあたっては、本社主管部門が統括しているグループ会社事業(本)部各部門でのアセスメント結果及び中長期視点での顕在化の可能性、発生頻度やインパクトの強弱等を踏まえております。「重大リスク」は当社グループが事業を展開するグローバルな社会・経済環境の変化に加えて、気候変動に伴う環境問題、デジタル化の進展によるサイバー攻撃の巧妙化、強制労働をはじめとする人権課題等様々なグローバルリスクへの対応も含め、サステナビリティ経営推進の観点からも十分に検討されております。2024年度の「重大リスク」としては、「気候変動及び生物多様性の損失に関するリスク」「人権リスク」「研究開発投資の損失等、製品の研究開発上のリスク」「事業の発展を支える人材の確保」「サプライチェーンに関するリスク」等を含む、19項目が選定されております。(「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」参照)
「重大リスク」は、サステナ委員会に報告・検討された上で、取締役会が報告を受け、取締役会の管理のもと毎年見直しされております。
また、「重大リスク」を含む様々なリスクが顕在化しないように、本社主管部門及びグループ会社事業(本)部各部門で対応策を検討し、国内外の事業活動に結びつけて適切なリスク管理を実施しております。取締役会は、そのリスクへの対応状況について、本社主管部門からリスク管理担当役員を通じて定期的に報告されております。リスクが顕在化した場合には危機管理体制に基づき、迅速な対応が図られております。
なお、経営環境の不確実性が高まり続ける現状を踏まえ、全社リスク管理体制のさらなる強化を目指し、2024年4月1日に新たにChief Risk Officer(CRO)を任命するとともに、今後のリスク統括部門となるGRC本部を新設しております。CROはTOPPANグループ全体のリスク及びその対応状況を、網羅的かつ俯瞰的に管理する責任を担っております。現在CRO指揮のもと、リスクマネジメント手続き・リスクマネジメントに関する会議体の見直しを含め、全社リスクマネジメント体制をさらに強化するための検討を進めております。
④指標と目標
「Digital & Sustainable Transformation」をキーコンセプトとした事業ポートフォリオ変革による持続可能な社会の実現と企業価値の向上を評価するため、成長事業「DX(Erhoeht-X)」「国内SX・海外生活系」「新事業」の営業利益構成及びSDGsに対する事業貢献を定めた「TOPPAN Business Action for SDGs」にて「環境」「まち」「ひと」の3つのテーマに区分した各成長事業と連携する目標値を設定し、これらを指標としております。
「環境」における「サステナブルパッケージの売上比率」は生活系事業のエコプロダクツ・ソリューションの拡大の指標として、「まち」における「生活を豊かにするサービス数(メタバースやweb3時代を見据えたプラットフォーム活用)」はDX事業における安全なパーソナルデータ関連ビジネスの指標として、「ひと」における「健康に貢献するサービス数」は新事業における健康寿命延伸関連ビジネスの指標としてそれぞれ位置付けております。
◇成長事業「DX(Erhoeht-X)」「国内SX・海外生活系」「新事業」の営業利益構成

◇成長事業と連携する「TOPPAN Business Action for SDGs」

(2) 気候変動
当社グループは、気候変動がグローバルで事業を展開しているグループ全体に与える影響の大きさを認識し、気候変動を当社グループのサステナビリティ経営における重要課題の1つとしております。金融安定理事会が設立したTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に対し、2019年に賛同を表明しております。2020年から提言に基づいたシナリオ分析を開始し、TCFDの提言に沿った気候変動に関する財務インパクト及びその対応について継続して開示を行っております。
また、「TOPPANグループ環境ビジョン2050」では生物多様性保全に向けてビジョンも設定しており、2024年1月にはTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)最終提言への賛同を表明し、2024年中のTNFD開示に向けて取り組みを進めております。
①ガバナンス
取締役会は、気候変動対策を経営上の重要課題と位置づけ、気候変動によるリスク回避のための緩和策や適応策への投資判断及び機会の獲得のための成長投資判断(「DX」「SX」を柱とする事業ポートフォリオの変革を含む)を行っております。
取締役会は、サステナ委員会に気候変動関連課題を担当させ、その下部組織であるコーポレートESGプロジェクトにおける地球環境WG(本社関連部門及びグループ会社事業部門が参画)が取り組みを主導しております。地球環境WGはSDGs推進プロジェクト、リスクマネジメントWGと連携して気候関連課題の評価と対応策の取りまとめを行っております。
取締役会は、サステナ委員会より経営会議を通じて、気候関連課題の評価や状況、目標管理についての報告を受けるとともに、気候関連の課題を考慮し、経営戦略の策定等について総合的な意思決定を行っております。
取締役会は毎年4月に、「TOPPANグループ環境ビジョン2050」達成に向けて設定された「TOPPANグループ2030年中長期環境目標」における温室効果ガス排出量の前年度実績及び当該年度の単年度温室効果ガス排出量目標について報告を受け、承認を行っております。

②戦略
地球環境WGは、気候変動に関する重要リスク・重要機会の洗い出し、財務面のインパクト評価、その評価に基づいた対応策検討を行っております。
シナリオ分析として、当社グループの主要事業地域である日本国内拠点に海外拠点を加え、研究開発から調達、生産、製品供給までのバリューチェーン全体に対し、1.5℃シナリオ、4℃シナリオで、2050年までの長期を想定し、考察しております。リスク及び機会の時間軸としては、短期1年以内、中期1~3年、長期4~30年以上として、当社グループの事業活動計画である年度計画、中期計画、長期ビジョンの時間軸との整合を図り、気候関連課題におけるリスクと機会について関係部門による検討を行っております。
シナリオ分析の実施にあたっては、「国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)World Energy Outlook 2021(以下IEA WEO2021)のNZE(Net Zero Emissions by 2050)シナリオ」「IEA WEO2023のSTEPS (Stated Policies Scenario)ないしはAPS(Announced Pledges)シナリオ」「気候変動に関する政府間パネル (IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)第6次報告書における共有社会経済経路シナリオ (SSP:Shared Socio-economic Pathways)と放射強制力を組み合わせたシナリオ及び第5次報告書の代表濃度経路シナリオ(RCP:Representative Concentration Pathways)」の複数シナリオを利用し、定性的・定量的に分析を行っております。対象期間は2030年から2050年としております。
◇シナリオタイプ

当社グループが認識する移行リスクとして、世界全体におけるカーボンニュートラル実現に向けたカーボンプライシング制度の規制拡大を背景に、運用コスト負担の増加等が考えられます。また、当社グループが認識する物理リスクでは、生産事業所の洪水等の浸水被害による生産停止や復旧費用の増加等が挙げられます。その対応として、再生可能エネルギーの段階的な導入等によるScope1+2及びScope3での温室効果ガス排出量削減、防災対策の強化等に取り組んでまいります。Scope1+2温室効果ガス排出量削減については、2050年カーボンニュートラルに向けた移行計画を策定しております。将来を見据えた長期的視野での低炭素投資や対策の意思決定にICP(インターナルカーボンプライシング)制度を活用し、さらなる省エネ・再エネ設備の導入を推進しております。
当社グループの機会として、このような変化に対し、「Digital & Sustainable Transformation」をキーコンセプトとした事業ポートフォリオ変革と連動させ、事業機会の創出・拡大を図ります。具体的には、サプライチェーンの温室効果ガス排出量削減に貢献するDX支援サービスの開発、リサイクル適性の向上や食品ロスの削減ができるサステナブルパッケージの充実化を図ってまいります。
◇重要リスク・重要機会の評価及び主な対応策

◇2050年カーボンニュートラルに向けた移行計画

◇ICP制度概要

※ICP(Internal Carbon Pricing):低炭素投資・対策推進に向け企業内部で独自に設定、使用する炭素価格のこと。CO2排出量1トン当たり費用を自社の基準で仮想的に費用換算し、気候変動リスクを定量化。投資判断の基準の1つとすることで、脱炭素社会に向け、低炭素設備・省エネ投資を加速させることが可能。
③リスク管理
気候変動リスクは当社グループの「重大リスク」の1つに特定され、「(1)サステナビリティ共通 ③リスク管理」に記載のとおり総合的なリスク管理に組み込まれております。サステナ委員会への報告にあたっては地球環境WGとリスクマネジメントWGが密接に連携しております。
地球環境WGは、気候変動関連リスクについて当社グループの事業活動及び提供する製品、サービスに対する現行規制、新規規制、技術、法制、市場、評判、急激又は緩慢な物理変化といったリスクタイプから識別し、それらのリスクタイプから想定されるリスクと機会を抽出し、それぞれの財務インパクトやブランドイメージへの影響を評価しております。また、影響評価を踏まえたリスクの対応計画の策定・推進についても担当しております。気候変動リスクの評価・対応策の内容はそれぞれ、サステナ委員会に報告・検討された上で、取締役会が報告を受け、気候変動リスクの管理及び管理プロセスの監督を行っております。
(「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (1)気候変動及び生物多様性の損失に関するリスク」参照)
④指標と目標
気候変動関連リスクへの対応を評価する指標として「TOPPANグループ2030年度中長期環境目標」における「温室効果ガス排出量削減(Scope1+2)」を設定、気候変動関連機会獲得への対応を評価する指標として「TOPPAN Business Action for SDGs」における「温室効果ガス削減に貢献するサービス数」を設定しております。
◇TOPPANグループ2030年度中長期環境目標「温室効果ガス排出量削減(Scope1+2)」

◇気候変動への取り組みに連動する「TOPPAN Business Action for SDGs」

(3) 人的資本・多様性
当社グループは、「人間尊重」「企業は人なり」の理念のもと、持続的成長と社会への貢献を目指し、社員と企業がともに成長できる職場環境、組織風土を整備し、社会的価値創造を実現する「組織・人財」づくりを目指しております。「人財」を、会社の貴重な財産、すなわち「人的資本」と捉え、「人財」の価値を最大限に引き出すことで生まれる「人によるイノベーション」が事業成長の源泉であると考えております。
多様な人財が心理的安全性の高い環境で、「やる気」「元気」「本気」をもって働き、社会をWell-beingにする製品・サービスを提供することが、TOPPANグループの社会的価値創造実現の形だと考えております。その社会的価値創造の結果として、「人財」の社会への貢献実感とさらなる成長意欲が生まれ、また次の社会的価値創造につながる好循環が、当社グループが考えるWell-being経営であり、この実現に向けて事業戦略と連動した人的資本諸施策を講じております。
①ガバナンス
人事処遇制度の改革・人財の採用計画の策定・人財開発プログラムの開発等の人的資本・多様性に関わる施策立案は当社人事労政本部が担当しております。取締役会は、採用計画の審議・承認をはじめ「人的資本・多様性」施策について報告を受け、継続的に、議論・モニタリング・監督を行っております。人財開発プログラムについては、テーマごとに担当役員が報告を受け、承認しております。
②戦略
当社グループは、2023年度を初年度とする中期経営計画において、中長期の重点施策である事業ポートフォリオ変革に向けて、「DX(Erhoeht-X)」「国内SX・海外生活系」「新事業」の推進に注力しております。この推進に向けて人財の確保や育成を重要な経営課題と認識し、経営基盤の強化における重要なテーマとして「成長事業を牽引する人財の確保・活用・育成」を人財戦略として設定しており、当社グループの中長期的な価値創造に資する「人財」への投資や様々な人事施策を推進しております。
1)事業の発展を支える人財の確保
事業戦略上必要な専門性を持った人財の獲得・採用については、定期採用にこだわらず、経験者・第二新卒といった外部人財採用に加え、当社グループを退職した人財(アルムナイ)との関係性の継続・再度採用する「カムバックキャリア制度」を導入するなど、多様な手法を駆使して必要な人財の確保を図ってまいります。また、定期採用においても就業型インターンシップを取り入れ、応募者と採用部署のマッチングと入社後の定着を高める取り組みを行っております。
2)人財開発プログラムの構築
当社グループでは、グループ全体の社員教育を統括する人財開発センターを2011年より設置し、TOPPANユニバーシティという新たな人財開発体系のもと、人財開発、育成施策を推進しております。その中で、2024年は、第5期「次世代型人財開発のグループ、グローバルへの実装フェーズ」と位置づけ、社員一人ひとりの業務やキャリアに合わせた能力開発を進めるため、多彩な人財開発プログラムを提供する他、当社独自の人財開発に関する R&D 拠点である「人財開発ラボ®」において、従業員の「自己革新」と、TOPPANグループならではの新しい価値創造の実現を促す次世代型人財開発プログラムの実装を図っております。
2023年度においては、社員一人当たりの研修時間は72.2時間、社員一人当たりの人財育成に関する費用は76,188円となりました。(ともにTOPPAN株式会社の社員についての数値)
a DX人財の育成
DX人財の育成にあたっては、①全ての従業員のリスキリングを目指して「リテラシーレベル」人財の拡充 ②リテラシーレベルまで到達した社員にさらに学習の機会を提供し、将来のDX中核人財となる「ベーシックレベル」層の増強 ③サイエンティスト、エンジニア、ビジネスデザイナーなど各領域における「プロフェッショナルレベル」人財のDXビジネス実践の中での育成と外部リソース確保を組み合わせた増強、以上の3つのレベルで育成方針を立て取り組みを進めております。
「リテラシーレベル」に関して2023年度、経済産業省主管の官民連携会議体であるデジタルリテラシー協議会が提唱したDi-Lite(ディライト)資格3つのうち「AIジェネラリストG検定」「データサイエンティストDS 検定」の取得推奨プログラムを新設いたしました。2023年度では、AIジェネラリストG検定を209名、データサイエンティストDS検定を106名が資格取得し、DX人財予備軍層が強化されました。
◇DX人財のレベル定義と強化施策

b SX人財の育成
当社グループが社会的価値創造企業として、ESGへの取り組みを積極的に推進し、持続可能な社会の実現に貢献していくため、SXに対応できる人財育成プログラムを2013年より実施しております。
社会課題の解決と経済的価値を両立させる次世代イノベーション事業の実現をテーマに、ソーシャルイノベーションプログラム、管理職向けのフィールドワークなどを継続実施しております。東日本大震災被災地である福島県でのフィールドワークは継続的に実施しており、10年間で福島への訪問社員数は累計1,925名に上って おります。
また、社会課題解決型のビジネスモデルとして、障がいのあるアーティストの作品を価値化、ビジネスに活用し、その対価をアーティストに還元する「可能性アートプロジェクト」を2018年から実施しており、これを人財育成プログラムとして活用しております。現在では年間50件を超えるビジネス利用があり、アーティストへの累計還元額実績は1,000万円を超えております。
これらのSX人財育成プログラムを継続的に実施し、ソーシャルイノベーション事業の発展に繋げております。
◇SX人財育成プログラム

c グローバル人財の育成
グローバル人財を、語学力・異文化対応力も含めた「ビジネスコミュニケーションスキル」「ビジネスリテラシー」「海外経験」の全てを兼ね備えた人財と定義し、人員の可視化と育成計画の策定・実施をしております。
具体的には、年に一度の語学力測定アセスメント一斉受検による全社的なグローバル人財の人員数とレベルの顕在化、グローバル要員数及び育成ニーズの見極め等を行いながら、各種グローバル関連プログラムへの参加、アカウンティングやファイナンスなど海外ビジネスで求められる基礎的なビジネスリテラシーの習得、海外派遣などを掛け合わせた人事システムの中で人財を育成しております。
d 新事業開発人財の育成
新事業開発人財としての知識・スキル・マインドを醸成するプログラムを実施しております。具体的には、 新事業の創出に向けたフレームワークを体系的に学び、企業内起業家マインドを強化する「新事業開発人財育成プログラム」、アーティストの思考法を参考にした「主観」から事業案を考える「アートイノベーションフレームワーク」によって新しい価値創造に挑戦するフィールドワーク等、様々なプログラムを展開しております。その結果、2023年度末時点で、教育プログラムより経営に提案された新事業計画アイデア(事業計画書数)は312件となりました。
e 経営者人財の育成(サクセッションプラン)
事業の中核的人財となる次世代経営者人財を育成するプログラムとして、39歳以下の若手層に対し、直接トップ経営層からの講話や討議セッションを通して、リーダーとしてのマインド・行動力を学ぶ「麿'sイノベーションプログラム」、コーポレートガバナンス知識の習得と意思決定やリーダーシップなどの事業遂行能力育成を目指す「次世代経営者育成プログラム」など、各種育成プログラムを実施しております。その他、上級管理職を中心に外部のビジネススクールや経営者育成プログラムへの派遣を積極的に推進しております。
3)ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社グループは、価値創造のための重要な要素の1つとして、違いを変革の原動力に変えていくダイバーシティ&インクルージョンを重要視し、「ダイバーシティ&インクルージョン推進方針」のもと、事業活動と一体となった取り組みを推進しております。
事業ポートフォリオ変革においては、人財の流動性を高めるとともに、その人財が社会・環境変化に迅速・柔軟に対応し、チャレンジし続けられる風土・カルチャーを醸成することが重要だと考えております。その風土醸成のため、多様な人財が心理的安全性のもとで、個々の属性や価値観の違いを認め、尊重し合うダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営戦略の1つと位置付けております。
2019年にはダイバーシティ推進室を発足させ、ダイバーシティ&インクルージョンを全社的な経営戦略として進化・加速させていくための方針策定と施策の企画・立案を担い、各事業所のダイバーシティ推進委員が各事業所の特色にあわせて、具体的な施策を展開しております。
社員が個々の属性や価値観の違いを認め合い尊重し、一人ひとりが能力を十分に発揮できるようにするとともに、これらの力を結集して、グループの総合力を最大限に高めることを目指しております。
a 仕事と育児の両立支援、仕事と介護の両立支援
「働く意志を支援する」という考え方に基づき、多様な状況下にある従業員が仕事と生活を両立しやすい環境づくりを進めており、ハード面(働き方改革や制度拡充など)、ソフト面(心理面のフォロー)の両面から施策を展開しております。仕事と育児の両立支援においては、2022年10月より、勤続年数を問わず機動的に利用できる「育児スタートアップ休業制度」を創設するなど、性別問わず誰もが仕事と育児を両立しながら活躍できる環境整備を推進しております。仕事と介護の両立支援においては、従業員の理解促進と不安解消に向け、セミナーなどの情報発信の他、外部専門相談窓口を設置するなど、安心して仕事に取り組める環境を整備しております。
b 女性活躍の推進、性の多様性に関する取り組み
性別を問わず、誰もが健康に働き続けられ、能力に応じて活躍できることを基本的な考え方として、女性の活躍推進を進めております。働き方改革や両立支援制度等の環境整備を施策のベースとして、さらに能力や意欲に基づき女性の管理職への登用を積極的に進めるポジティブアクションを推進しております。また、性の多様性(SOGI・LGBTQ)への理解を促し、誰もが働きやすい職場環境を実現するため、理解促進のためのセミナーや研修の開催、社内相談窓口の設置の他、同性パートナーや事実婚パートナー制度の導入など、従業員の多様な価値観・生き方を支援しております。
4)従業員のWell-being
当社グループでは、従業員のWell-being実現に向けて、各種人的資本施策を複合的に実施するとともに、そのベースとしては、従業員の健康と安全が最重要であると考えております。また、従業員Well-beingに関わる施策立案・実施に向けて、定量的な数値に基づく分析のために継続して従業員エンゲージメント調査を実施しております。
a 健康と安全
「健康経営宣言」「安全衛生・防火基本方針」に基づき、それぞれの取り組みを進めております。「健康経営宣言」では、ワーク・ライフ・バランスも含め、従業員や家族の健康づくりをより一層推進するとともに、健康関連事業を通じ、世の中全ての人々の健康づくりを支援し社会に貢献する、という2つの軸を打ち出し、取り組みを推進しております。また、「安全衛生・防火基本方針」は、社員及び契約社員をはじめとする職場で働く全ての人々を対象に、「安全は全てに優先する」を第一義に制定された方針で、ゼロ災害を目標に取り組んでおります。
メンタルヘルス対策についても重要視しており、会社、産業医、健康保険組合が連携し、一次予防から三次予防、さらに一人ひとりのこころとからだのコンディション向上や対話力アップ、チーム力アップといった「ゼロ次予防」を推進して、「メンタル不調者を出さない職場づくり」に取り組んでおります。取り組みの土台となるリスク判定としては、標準的なストレス判定・生活習慣の乱れによるコンディション低下・環境変化という3指標によるきめ細やかなリスク判定を実現する「3Dストレスチェック&ケア®」を独自開発し、活用しております。
b 従業員エンゲージメント
従業員のやりがい・働きがいを含めたWell-beingの向上に向けて、従業員エンゲージメントの状況を把握するためのサーベイを2021年度から導入しております。グループ会社を含めた45社31,000名を対象に実施しており、本調査を通じて明らかになった社員からの声をもとに、経営と現場が連携し、組織課題の解決に向けたアクションを推進しております。
5)人事処遇制度改革
当社グループは、多彩な能力・キャリアを持つ人財の適切な処遇、従業員のスキルアップ・キャリア形成、若手の抜擢、高年齢社員の活躍、チャレンジできる環境の提供等を目指し、人事諸制度の改革を進めております。
TOPPAN版ジョブ型人事処遇制度は、全職種統一の職能等級制度から職群別の要素を取り入れた等級制度に再構築し、また年功制の排除の観点から、各等級における在位年数も撤廃した制度です。社員の処遇の根幹である等級制度の改定により、多彩な能力・キャリアを持つ人財の活用が進んでおります。人事評価の指標には、新たな項目として「持続可能な社会の実現」「ダイバーシティ&インクルージョン」「人権の尊重」「社会的価値の創造」を加え、成長や行動革新のための方向性を示すことで、組織全体のパフォーマンス向上を目指しております。
さらに、2024年度より人財流動性を高める施策として、新たな常設型社内公募制度「ジョブチャレンジ制度」を新設しております。各部門の業務内容や求める人材スキルなどを掲げて部署異動の希望者を公募する制度で、従業員自らの意思に基づく自律的なキャリア形成を可能とし、やりがいの向上につなげるとともに、事業ポートフォリオと連動した成長事業への人員配置を加速してまいります。
また、2023年10月の持株会社体制移行を踏まえて、TOPPANホールディングス株式会社・TOPPAN株式会社・TOPPANエッジ株式会社・TOPPANデジタル株式会社の人事諸制度の統合を進めております。今後グループ全体での人財流動性を高め、グループシナジーによる企業価値向上を目指してまいります。
③リスク管理
「人的資本・多様性」の観点から、「事業の発展を支える人材の確保」「人権リスク」「労働安全衛生に関するリスク」は、当社グループの「重大リスク」の1つに特定され、「重大リスク」にかかるリスク管理は、「(1)サステナビリティ共通 ③リスク管理」に記載のとおり総合的なリスク管理に組み込まれております。当リスクについては人事労政本部が主管部門として、法務部門・製造部門等の関係部門と連携し、対応を行っております。これらのリスクへの対応状況については、定期的にリスク担当役員から取締役会が報告を受け、管理を行っております。
(「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (4)人権リスク、(12)事業の発展を支える人材の確保、(17)労働安全衛生に関するリスク」参照)
④指標と目標
事業ポートフォリオ変革を支える人財確保の進捗状況を評価する指標として「Erhoeht-X※(DX事業)従事人財数」、ダイバーシティ&インクルージョンを評価する指標として「管理職に占める女性管理職比率」、従業員のWell-beingを評価する指標として「エンゲージメントスコア」・「健康リスク値」・「コンディション危険判定」を設定しております。
なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標のうち「管理職に占める女性管理職比率」を除く合計4項目の実績及び目標は、連結グループにおける主要な事業を営む当社及び一部の連結子会社のものを記載しております。
※「Erhoeht-X®(エルヘートクロス)」:TOPPANグループが全社を挙げ、社会や企業のデジタル革新を支援するとともに、当社自体のデジタル変革を推進するコンセプト

(4) 知的財産
当社グループでは、「知的財産」を事業競争力の源泉であると考え、知的財産戦略を推進して事業における競争優位性の確保に努めております。
当社グループは、「エルへート凸版法」を用いた技術ベンチャーとして1900年に創業いたしました。以降、基盤となる印刷技術を他の分野にも応用し、さらに複合的に組み合わせることで多様な製品・サービスを生み出し、新たな価値を提供することで社会課題の解決に寄与してきました。新たな価値創造のためには、既存の技術に基づく製品・サービス展開だけでなく、テクノロジーによる高付加価値化やイノベーションが重要と考え、従来から研究開発、技術開発、それと連動した知的財産マネジメントに注力してまいりました。
当社グループは、現在、「Digital & Sustainable Transformation」をキーコンセプトとした中期経営計画に基づく事業戦略を推進しており、成長分野である「DX(Erhoeht-X)」「国内SX・海外生活系」「新事業」「エレクトロニクス重点事業」を中心に積極投資を推進し、将来を見据えた事業開発、研究開発活動をさらに強化しております。これらの活動によって生み出される「知的財産」は継続的・将来的な事業競争力を高める重要な経営資産です。創出した知的財産の戦略的な活用によるグループ経営の実行や社会課題の解決、事業利益の増大を通じて企業価値向上に貢献することによる持続的な成長を目指し、知的財産戦略と事業戦略・研究開発戦略を一体化させた、グローバルな視点での積極的な知的財産活動を展開しております。
(知的財産活動と連動する研究開発については「第2事業の状況 6 研究開発活動」参照)
①ガバナンス
当社グループは、事業戦略・研究開発戦略と知的財産戦略を一体化させ、全社で知的財産強化を推進できる体制として、「知財強化プロジェクト」を発足しております。本プロジェクトには、知的財産本部に加えて、研究開発戦略を担う技術戦略室及び事業開発本部、グループ会社の事業(本)部内に設置された知的財産戦略部門が参画しております。本プロジェクトにおいてプロジェクト主幹である知的財産本部が中心となり、当社グループの知的財産活動全体を掌握することで、全社横断的な知的財産課題の解決を進めております。
②戦略
当社グループの知的財産戦略は、事業ポートフォリオの変革を支えるために事業計画及び研究開発計画に基づき立案されるものと考え、知的財産活動をマーケット志向と研究開発活動により一層密着させる取り組みを進めております。中期経営計画においても、「成長を支える経営基盤の強化」の1テーマとして知的財産戦略を設定し、「IPランドスケープの活用による強固なビジネスモデルの創出」「グループ知的資産ガバナンス体制の構築」に取り組んでおります。
知的財産マネジメント活動として、全保有特許の分類、評価による価値の定量化を進め、特許ポートフォリオの管理基盤を構築し、事業ポートフォリオの変革に合わせた特許ポートフォリオの「あるべき姿」を描き、最適化を推進しております。
中期経営計画においても、注力する「DX(Erhoeht-X)」「国内SX・海外生活系」「新事業」分野において、関連する自社特許の保有状況を精査するとともに、中期経営計画に沿った特許ポートフォリオの拡充を進めております。
また、各グループ事業会社・本部の知的財産戦略部が事業計画に沿った独自の知的財産戦略を立案し実行できる体制が重要と考え、その体制のために
・仮説に基づいた事業計画から技術開発の方向性を決定する知的財産分析(ポジショニングの把握等)
・事業優位を獲得する技術開発に連動した知的財産ポートフォリオ、競合が保有する障害知的財産のクリアランスに必要な知的財産戦略の立案・実行
の施策を実行しております。
知的財産戦略策定の際には独自の「知的財産戦略シート」を戦略部門・技術部門・知的財産部門が合同で作成し、市場環境や技術動向、知的財産状況から当該事業の自社の強みを洗い出し、出願・権利化の攻めどころを見出す活動を行っております。
③リスク管理
知的財産に関しては、「特許権や著作権等の知的財産権の侵害」が、当社グループの「重大リスク」の1つに特定され、「重大リスク」にかかるリスク管理は、「(1)サステナビリティ共通 ③リスク管理」に記載のとおり総合的なリスク管理に組み込まれております。当リスクについては知的財産本部が主管部門として、技術戦略室・事業開発部門・法務部門等の関係部門と連携し、対応を行っております。これらのリスクへの対応状況については、定期的に、リスク担当役員から取締役会が報告を受け、管理を行っております。
(「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (18)特許権や著作権等の知的財産権の侵害」参照)
(5) 人権
当社グループは、事業の土台となる基本精神は「人間尊重」であると考え、行動の規範である「TOPPANグループ行動指針」で、人格と個性の尊重、差別行為やハラスメント行為の禁止、児童労働・強制労働の禁止、ダイバーシティ&インクルージョンの推進など、基本的人権を尊重することを定めております。また、2006年から国連「グローバル・コンパクト」に参加し、人権と労働に関わる6つの原則を支持しております。
2021年に事業活動全般において基本的人権を尊重し「社会的価値創造企業」としてさらに進化していくため、「TOPPANグループ人権方針」を策定し、人権に対しての取り組みを強化しております。
①ガバナンス
「TOPPANグループ人権方針」において、当社グループの人権尊重の取り組みについては、取締役会が監督し、人事労政本部の担当責任者が実施の責任を担うことを表明しております。
取締役会は、サステナ委員会に人権尊重の取り組みを担当させ、その下部組織であるコーポレートESGプロジェクトにおける人的資本WG(人権テーマも担当、人事労政本部が主管、担当役員が監督)が取り組みを主導し、人事労政本部、法務本部、製造統括本部等の部門が連携して、当社グループ全体で人権尊重の取り組みを推進しております。
取締役会は、年に一度、人権尊重に係る重要案件・課題について、サステナ委員会で検討・審議された活動内容について経営会議を通じて報告を受けており、取り組みの目標設定及び進捗を議論・モニタリング・監督しております。人権課題に関する事象(労働災害・火災、ハラスメントの発生等)が発生した場合は、社内関係部門による対応策を含め、取締役会が報告を受け、対応について議論を行っております。
②リスク管理
人権リスクは当社グループの「重大リスク」の1つに特定され、「(1)サステナビリティ共通 ③リスク管理」に記載のとおり総合的なリスク管理に組み込まれております。サステナ委員会への報告にあたっては人的資本WG(人権課題を担当)とリスクマネジメントWGが密接に連携しております。
人的資本WGは、人権リスクについての識別・評価、その影響評価を踏まえた対応計画の策定・推進を担当しております。人権リスクの評価・対応策の内容はそれぞれ、サステナ委員会に報告・検討された上で、取締役会が報告を受け、人権リスクの管理及び管理プロセスの監督を行っております。
(「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (4)人権リスク」参照)
③施策
1)人権デューデリジェンスプロセス
当社グループは、「ビジネスと人権に関わる指導原則」を支持するとともに、人権デューデリジェンスの重要性を認識しております。リスク評価に当たっては、「国際人権章典」、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、賃金や労働時間等労働者の人権に関する条約等の人権に関わる国際規範を支持し、その観点での人権デューデリジェンス体制を構築しております。
当社グループは、人権リスクの発生が、レピュテーションリスクや法務リスク、財務リスク等の経営に関するリスクにも繋がる可能性があることを認識し、当社だけでなく国内外のグループ会社やサプライチェーンの人権リスク評価を実施し、軽減・是正に向けた取り組みを行い、人権デューデリジェンスプロセスのPDCAサイクルを回しております。
a 人権リスクの特定
人権デューデリジェンスプロセスの第一歩として、人権リスクの特定を実施しております。当社事業の特性や同業者の動向、国際的な人権基準をもとに、「人権リスク重要度評価」を行い、人権課題を整理・評価いたしました。その結果、当社の人権リスクを「強制労働・人身取引」「差別」「非人道的な扱い」「プライバシーに対する権利」「グループ全体の人権ガバナンス」と特定しております。2023年度も昨年度に引き続き、特定した5つの人権リスクを中心に、TOPPANグループのステークホルダーへの調査・ヒアリングを実施いたしました。グループ会社に対しては、国内72社、海外100社へ書面での人権リスク調査・分析に加え、国内8社・海外1社に対して現地ヒアリング調査を実施し、実態の把握と改善活動に努めております。今後も継続的に国内外グループ会社に対し、現地調査を含めた人権リスク調査を実施し、人権リスクの特定に向けた取り組みを推進いたします。
b 人権リスクの防止・軽減
特定された人権リスク項目については、グループ各社にフィードバック並びに改善策の例示を行い、人権リスク軽減に向けた取り組みを進めております。また、当社グループにおける人権リスク調査の全体周知やベストプラクティスの共有により、人権尊重の取り組みに対する意識の醸成・浸透を図っております。
人権尊重の基本的な考え方の理解に加え、上記調査で特定された個別課題(ハラスメント、ダイバーシティ&インクルージョン、労働安全衛生等)に対する理解を深める全従業員を対象とした研修を毎年実施し、人権尊重の取り組みの具体的対応についても周知徹底をしてまいります。2023年度は、人権リスク調査結果を含む人権に関する教育をグループ会社含め36社の従業員計22,945名に対して実施し、グループにおける人権への取り組みの内容理解を図るとともに、啓蒙活動を行いました。
2)労働者の人権
労働における人権については、当社と労働組合が、労使関係の安定と労働条件の維持改善、企業の平和を確保するために労働協約を締結し、労使の基本的な考え方、組合活動や労使交渉のルール、賃金・労働時間等の労働条件を定めております。労働組合は、当社連結子会社8社の組合員で組織されており、労働協約の債務的部分(組合活動や労使交渉のルール)は、8社共通の内容で締結しております。当該8社以外の連結子会社につきましても、適切な労使関係を構築し、労働者の人権保護に努めております。
適正な賃金の支払いについては、当社グループでは、各国の最低賃金を定めた法令に従い、現地の生活物価を踏まえ、従業員に適正な給与を支払うことを遵守しております。加えて、金銭的報酬はもちろん、法令で定める福利厚生を提供することに加え、働きがいの向上や自己実現・キャリア開発に対する会社の支援・サポート等の非金銭的報酬についても配慮しております。
(6) サプライチェーン
当社グループは、企業が社会的責任を果たし、持続可能な社会の実現に貢献するためには、サプライチェーン全体でCSR調達に取り組むことが重要であると考え、サプライヤーや協力会社の皆さまと共に「CSR調達ガイドライン」に沿った活動を進めてまいりました。近年、企業の人権課題、労働安全衛生、環境等の取り組みについて、社会的な関心や要求が高まり、サプライチェーンマネジメントとして、より具体的かつ幅広い対応が求められていると認識し、2022年1月に「トッパングループCSR調達ガイドライン」(2007年制定、2014年に第2版に改訂)の内容を改訂し、その名称を「TOPPANグループ サステナブル調達ガイドライン」に変更いたしました。サプライチェーン全体に本ガイドラインを周知し、運用、監査、是正するサイクルを回し、サプライヤーや協力会社の皆さまと協力して持続可能な調達活動をさらに推進してまいります。
①ガバナンス
取締役会は、サステナ委員会にサステナブル調達の取り組みを担当させ、その下部組織であるコーポレートESGプロジェクトにおけるSCM(サプライチェーンマネジメント)WG(経営企画本部が主管、担当役員が監督)がグループ全体で進める体制を構築しております。取り組みはホールディングス事業部門管理部門が中心となり、当社グループ全体の関係部門と連携して行っております。
取締役会は、サステナブル調達に係る重要案件・課題について、サステナ委員会で検討・審議された活動内容について、経営会議を通じて報告を受けており、取り組みの目標設定及び進捗を議論・モニタリング・監督しております。サステナブル調達課題に関する事象が発生した場合は、社内関係部門による対応策を含め、取締役会が報告を受け、対応について議論・決議を行っております。
②リスク管理
調達に関するリスクは当社グループの「重大リスク」の1つに特定され、「(1)サステナビリティ共通 ③リスク管理」に記載のとおり総合的なリスク管理に組み込まれております。サステナ委員会への報告にあたってはSCM WGとリスクマネジメントWGが密接に連携しております。
SCM WGは、調達に関するリスクについての識別・評価、その影響評価を踏まえた対応計画の策定・推進を担当しております。調達に関するリスクの評価・対応策の内容はそれぞれ、サステナ委員会に報告・検討された上で、取締役会が報告を受け、調達に関するリスクの管理及び管理プロセスの監督を行っております。
(「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (16)サプライチェーンに関するリスク」参照)
③施策
「TOPPANグループ サステナブル調達ガイドライン」をサプライチェーン全体に周知し、その運用及び監査、是正するサイクルを回すことで、サプライヤーや協力会社の皆さまと協働し、サステナブル調達の取り組みを加速し、サプライチェーンの質的向上を図ってまいります。
2022年度からは、サプライヤーや協力会社の皆さまに対してサステナビリティに関わる国別リスク・業種別リスク・アンケート調査等によるリスク調査を行い、分析を踏まえ、リスクの軽減・是正に向けた取り組みを協働で行うデューデリジェンスプロセスのPDCAサイクルをスタートさせております。2023年度は、サプライヤーや協力会社の皆さまにフィードバックを行うとともに、4社に対して現地訪問の上で、取り組み向上に向けた確認を実施いたしました。その他、「TOPPANグループ サステナブル調達ガイドライン」説明会の実施、サステナブル調達基準の自己評価アンケート、「TOPPANグループ サステナブル調達ガイドライン」の協力同意締結、事業継続に関わる取り組み状況の確認等を実施しております。
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 気候変動及び生物多様性の損失に関するリスク
(リスクの概要)
気候変動については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)気候変動」にも示しましたように年々深刻さを増す気候変動の影響は大きく、環境規制の強化・低炭素な事業活動や代替素材利用への要請といった「移行リスク」と、洪水などの激甚災害による事業所罹災・サプライチェーン寸断による調達停滞といった「物理的リスク」のそれぞれに適切に対応できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、生物多様性においては、豊かな自然の保全と社会経済活動が両立する自然共生社会を目指すことが事業活動の中で求められており、環境課題への取り組みをサプライチェーン全体や地域社会との協働で進めていく必要があります。
(主なリスク対応策)
気候変動リスク対応について当社グループでは、サステナビリティ推進委員会が対応策のとりまとめを行っております。「移行リスク」については、環境規制の要求水準より高いレベルの温室効果ガス排出抑制に向けてSBT認証を受けた削減目標を設定し、省エネ活動や再生可能エネルギーの導入でPDCAを回しております。「物理的リスク」については、BCP対策として罹災に対する備え、被害の軽減策(防風、防水)、製造と調達のバックアップ体制構築による供給体制の維持継続を行っており、長期的な視点でリスクを分析し、対策を進めております。
また、生物多様性リスク対応については、事業活動の推進において、用紙原料の調達における合法性確認や社内外自然共生地域の保全への貢献を行い、サプライチェーン全体で取り組む調達への配慮とともに自然資本の保全を進めております。
(2) 環境汚染リスク(有害物質の漏洩、廃棄物の不法投棄等)
(リスクの概要)
当社グループの製造工程及び研究開発におきましては、特定の有害物質を使用し、廃棄物を管理する必要があり、適用される規制を守るために厳重な注意を払っております。しかし、このような物質に起因する偶発的な汚染や放出及びその結果としての影響を完全に予測することは困難であり、万一発生した場合には、近隣など外部への影響及び当社グループの従業員を含め事業活動にも影響を及ぼす可能性があります。
また、事業活動に伴い発生する紙くずや廃プラスチックなどの廃棄物は、廃棄物処理事業者に委託しておりますが、万一これらの委託事業者が不法投棄や不適切な処理を行っていた場合には、排出事業者として当社グループの社名等が公表される他、当社印刷物の得意先商品名がSNS等で拡散され、得意先の社会的信頼を毀損する可能性があるなど、社会的な信用を失い、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスク対応策)
環境汚染リスク対応として、偶発的な汚染や放出の原因となる有害物質の貯蔵タンクの管理、保全を実施しております。日常での設備点検の他、自社で設定した管理ガイドラインに基づき、使用年数に応じて劣化診断や計画的な更新を行っております。また、薬液類の給油時など取扱い時における漏洩流出リスクを想定し、あらかじめ緊急事態対応手順を整備し、定期訓練を行うことで手順の有効性も確認しております。
また、廃棄物リスク対応では、委託事業者による不法投棄や不適切処理対策として、マニュフェスト管理の徹底、自社評価シートによる廃棄物処理事業者の適正処理の評価や現地視察などを行っております。
また、廃棄物の適正処理とともに、最終埋立量や廃プラスチックのマテリアルリサイクル率の環境目標を設定・管理することにより、事業活動に伴って生じる廃棄物の排出抑制や再使用・再資源化にも取り組み、近年注目されている海洋プラスチック問題、サーキュラーエコノミーに対しても、対応を強化してまいります。
(3) 地震、風水害等の自然災害、感染症による人的・物的被害
(リスクの概要)
当社グループでは、地震、台風等の自然災害の発生や感染症拡大の影響により、事業所の設備や従業員等が大きな被害を受け、その一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業活動、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスク対応策)
当社グループでは、災害が発生した際に、従業員の安全を確保し、事業活動への影響を最小限に留めるために、事業継続計画(BCP)を策定しております。また、全社体制と対応手順を「災害対策基本計画」にまとめ、毎年見直しを行っております。事業継続マネジメント(BCM)活動を進めるにあたっては、本社法務本部内に設置されたBCP推進チームが中心となり、本社各本部及び全国の事業(本)部に配置したBCP推進担当者と活動を行っております。また、BCPにおけるサプライチェーンの重要性を鑑み、その強化を目的として、外部講師による取引先向けの勉強会を年に1回開催しております。なお、セキュア系事業においては、お客さまからの信頼に応えるために、ISO22301の認証を取得しております。
(4) 人権リスク
(リスクの概要)
「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (5)人権」にも記載したように、当社グループでは、「人間尊重」の精神を基本に事業活動を行っており、人権を事業活動やサステナビリティの取り組みを推進するにあたり、最も重要なテーマであると捉えております。
しかしながら、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントをはじめとする人権問題が発生した場合には、職場環境の悪化に留まらず、労災補償やブランド価値の毀損などが発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスク対応策)
当社グループでは、「人権方針」を2021年10月に制定するとともに、自社の行動規範である「行動指針」で、人格と個性の尊重、差別行為やハラスメント行為の禁止、児童労働・強制労働の禁止など、基本的人権を尊重することを定めております。また、「TOPPANグループ サステナブル調達ガイドライン」においても人権を重視する姿勢を明示し、サプライチェーン全体で人権に関する取り組みを推進しております。さらに、国内外グループ会社・サプライヤー等の当社グループを取り巻くステークホルダーへの調査・ヒアリングを通じて人権リスクの軽減・是正に向けた取り組みを行っております。また、取り組み内容については適切に情報開示を行い、一連の人権デューデリジェンスプロセスを実行しております。
推進体制としては、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」の下部に設置されている「コーポレートESGプロジェクト」における「人権ワーキンググループ」が人権尊重の取り組みを主管し、グループ全体への浸透を進め、あらゆる人権リスクに対する対応基盤の構築を目指します。
また、ハラスメントに対しては、「TOPPANグループ行動指針」にハラスメント行為の禁止を定め、研修などを通じて徹底しております。また、総務部門を通じた各職場への啓発活動、各職場の行動指針推進リーダーを中心とした日常業務レベルでの浸透・徹底、各職場の管理職への教育、アンケートによる実態把握などを行っております。各種ハラスメントに関する相談体制を拠点単位で設置するとともに、内部通報制度「TOPPANグループ・ヘルプライン」にも通報することができるようにし、早期に発見し適切に対処する機能を果たしております。
さらに、労使でハラスメントの問題を認識し、労使協力してその行為を防止し、ハラスメントの無い快適な職場環境の実現に向け、「ハラスメント防止に関する取扱い」の労使協定を締結しております。
(5) グループ統制に関するリスク
(リスクの概要)
当社グループは、国内外に多くのグループ会社を持つことから、グループ統制が重要であると認識しております。そのため、財務報告に係る内部統制を含め、「内部統制システム構築の基本方針」に基づき、内部統制システムを整備・運用をしておりますが、グループ会社が行った経営上の意思決定に際し、結果的に法令違反や巨額の損失が発生した場合には、当社グループの社会的信用を失墜し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスク対応策)
当社グループは、グループ会社の事業運営の独立性と自立性を尊重しつつ、グループ会社の取締役の職務執行の適正を確保するため、「関係会社管理規程」において、管理項目ごとに報告等の手続き方法を定め、報告を受けることとしております。
また、当社グループは、コンプライアンス基本規程として「TOPPANグループ行動指針」を定め、この周知徹底を図ることで従業員の職務執行の適法性を確保しております。そのために、本社法務本部コンプライアンス部を中心に、グループ会社の法務部門等と連携し、グループ全体の法令遵守と企業倫理の確立を図るとともに、行動指針推進リーダー制度を導入し、各職場での浸透活動を展開しております。
さらに、当社の内部監査部門が、定期的に当社及びグループ会社における業務執行状況を監査し、その結果を代表取締役、取締役会、監査役会及びグループ会社の取締役等に直接報告しております。
(6) 不祥事(重大な不正、不適切な行為等)・コンプライアンス違反(談合、贈賄、その他法的規制違反)
(リスクの概要)
当社グループは、国内外で多くの拠点を持ち、多種多様な業界にわたる多くの得意先と取引をしていることから、関連する法令や規制は多岐にわたっております。事業活動を行うにあたり、会社法、金融商品取引法、税法、独占禁止法、下請法、贈賄関連諸法などの法規制に従う他、免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。万一、従業員による重大な不正や不適切な行為等の不祥事があった場合、あるいはコンプライアンス違反があった場合には、法令による処罰、損害賠償の請求だけでなく、社会的信用の失墜、得意先や取引先の離反などにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスク対応策)
当社グループは、従業員一人ひとりの遵法精神と企業倫理に基づく行動のあり方を示した「TOPPANグループ行動指針」を制定し、この行動指針の徹底こそがコンプライアンスの実践であると考えております。そこで、行動指針推進リーダー制度を導入し、各職場の行動指針推進リーダーを中心として、日常業務レベルでの行動指針の浸透・徹底を図っております。
また、談合・カルテル、下請法違反、贈賄などを防止するため、研修や監査を実施するなど、従業員のコンプライアンス意識向上のための施策を実施しております。
当社グループは、法令違反の早期発見と迅速かつ適切な対応を行うため、グループ共通の内部通報制度である「TOPPANグループ・ヘルプライン」を設置しております。
(7) 市場環境の変化に関するリスク
(リスクの概要)
当社を取り巻く市場環境は、社会のグローバル化や情報技術の革新、ネットワーク化の進展の他、地球環境保全や人権問題など、サステナブルな社会の実現に向けたニーズも高まり、大きく変化しております。これらの市場環境変化に対する施策が不十分である場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスク対応策)
既存印刷事業の需要が減少する中、DX(Erhoeht-X)、国内SX・海外生活系、新事業の3つを成長事業に掲げ、事業ポートフォリオの変革を推進しております。具体的には、DX(Erhoeht-X)事業においては、顧客企業のBX(ビジネス・トランスフォーメーション)に貢献するデジタルマーケティングの推進の他、デジタル技術と高度なオペレーションノウハウを掛け合わせたハイブリッドBPOの事業展開及び海外セキュア事業の拡大を図ってまいります。国内SX・海外生活系事業においては、バリアフィルムを活用したサステナブル包材のグローバル事業拡大に加え、SX商材の開発・拡販やプラスチックリサイクルスキームへの実証参画などを通じて、CO2排出量やプラスチック使用量削減に貢献してまいります。新事業においては、競争優位を持つテクノロジー・ビジネスモデルを核に、ヘルスケア、メタバース、センサ関連などの領域で、事業化を推進してまいります。
(8) 市場性のある有価証券価格の変動リスク
(リスクの概要)
当社グループは、市場性のある有価証券を保有しております。従って、株式市場及び金利相場等の変動によっては、有価証券の時価に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスクの対応策)
当社は、政策保有株式について資産効率向上を目的とし縮減する方針をとっており、中期経営計画においてその縮減目標を定めております。保有については、事業運営面と投資資産としての価値の両面から総合的に分析し、その保有の合理性について定期的に検証を行うとともに、保有先の財務状況等を把握することでリスクの低減に努めております。
また、その状況については取締役会へ報告するとともに、保有意義の薄れた銘柄については売却の判断を行っております。
(9) 外国為替相場の変動
(リスクの概要)
国内印刷市場の成熟化が進んでいる中、海外市場での事業が拡大しておりますが、海外現地法人において現地通貨で取引されている収支の各項目は、連結財務諸表を作成する際に円に換算されるため、結果として換算する時点での為替相場の変動に影響される可能性があります。
また、為替相場の変動は、当社グループが現地で販売する製品の価格、現地生産品の製造・調達コスト、国内における販売価格にも影響を与えることが想定されます。そのような場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスク対応策)
当社グループでは、為替相場の変動について、リスク管理のガイドラインを制定し、グループ全体で為替リスクの軽減に努めております。事業の中で発生する為替変動リスクは取引の中で極力吸収することに努めるとともに、為替予約等のヘッジ手段も適宜活用しながら為替変動リスクを最小化することに努めております。
(10) 戦略的提携、投資及び企業買収に関するリスク
(リスクの概要)
当社グループは、他社との戦略的提携、合弁事業、投資を通して、多くの事業を推進しており、将来におきましても、他の企業を買収する可能性があります。このような活動は、新技術の獲得、新製品の発売、新規市場参入のためには重要です。しかし、様々な要因により、提携関係を継続できない場合や当初期待した効果を得られない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスク対応策)
当社グループは、各投資の実行に際しては、少額出資検討会、投資契約検討会、経営会議等の承認プロセスを経て投資判断を行っており、出資等の実行後も定期的にモニタリングを実施しております。また、特に出資先がスタートアップ企業や海外の企業等の場合は、必要に応じて外部の調査機関も活用し、十分なデューデリジェンスを行った上で投資を実行しております。しかしながら、当初想定通りの効果(回収)が得られないと判断された投資案件は、改善プランを策定し、改めてリスク等の精査に基づく挽回策を実施しておりますが、その上でなお成果が得られないと判断した場合は、株式売却や清算等もやむなく実施してまいります。こうしたケースは知見やノウハウを蓄積するための重要な機会であり、内容の精査・原因分析を通じて次の投資検討案件へのリスク低減と成功確率を高める活動へ繋げてまいります。
(11) 研究開発投資の損失等、製品の研究開発上のリスク(市場変化、投資先・アライアンス先の業績悪化、事業化・上市タイミング遅れ等)
(リスクの概要)
当社グループの研究開発活動につきましては、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載のとおりであります。当社グループは、各事業分野の新商品開発をはじめ、コストダウン、品質ロスミス削減へ向けての研究開発、さらに産官学との連携を図りながら中長期の収益の柱となる新規事業の創出のための研究開発にも投資をしております。しかしながら、予測を超えた市場の変化、投資先・アライアンス先の業績悪化、事業化や上市のタイミングの遅れなどにより、研究開発投資が十分な成果をもたらさなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスク対応策)
技術戦略室では、グループの研究開発による新事業創出の確度向上を目的とし、事業化の蓋然性に応じた追加投資の優先性や要否判断による経営リソースの有効活用、グループ保有の情報やアセットの活用強化・促進を実施しております。さらに、追加投資対象の研究開発テーマに対し、定期的な進捗確認により抽出した課題をもとに、開発リソースの最適化を図っております。総合研究所では、研究所テーマの中長期スケジュールのもと、細かな進捗確認、ステージアップ判断、リスク把握などを行い、課題遂行の遅延防止に努めております。加えて、市場環境や技術動向、競合他社特許などの調査・分析を定期的に行い、研究開発テーマの方針変更の要否やテーマ継続の可否を適切に判断しております。
(12) 事業の発展を支える人材の確保
(リスクの概要)
「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本・多様性」にも記載したように、当社グループが将来にわたり事業を発展させていくためには、既存製品における高品質化と、高度な新技術導入による新製品・新サービスの開発が重要であると認識しております。そのためには、高度な技術力・企画提案力を有した優れた人材が不可欠となります。当社グループは、計画的な人材の採用と育成に向けた教育に注力しておりますが、優秀な人材を確保又は育成できなかった場合には、当社グループが将来にわたって成長し続けていくことができない可能性があります。
(主なリスク対応策)
当社グループでは、効果的な採用広報により、当社グループに関心を持つ人材の母集団形成を図るとともに、就業型インターンシップの導入、コース別採用、リファラル採用など、新卒採用と経験者採用の両面において様々な採用チャネルを構築し、幅広い領域の人材を採用しております。また、社内の人材開発プログラムを常に更新し、基礎的能力から実践的スキルまで一貫して習得する場を提供し、事業を牽引する人材を育成している他、人事処遇や働き方の改革により従業員のエンゲージメント向上に努めております。さらに、成長事業への人材シフトやローテーションにより、人材面からの事業基盤強化を進めております。
(13) 財務に関するリスク(資金調達、不良棚卸資産の発生、不良債権の発生等)
(リスクの概要)
当社グループは、事業の拡大や急速な技術革新に対応するために、事業投資や設備投資を必要としております。これらの投資に向ける資金調達につきましては、事業計画に基づき外部から調達する場合もありますが、金利情勢の大幅な変化等により適正な条件で必要十分な追加資金を調達することができない可能性があります。
また、環境変化による需要の減少等で市場価格が大きく下落した場合や経年劣化した場合は、棚卸資産の評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、多種多様な業界の得意先と取引をしておりますが、各業界の業況悪化を通じた得意先の経営不振等により、多額の債権の回収が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスク対応策)
当社グループは、事業計画に基づく資金調達を円滑に遂行するため、資金調達手段と調達期間を適切に分散しております。また、有事の際においても事業継続に必要な資金調達を可能とするため、格付けの維持にも資する健全な財務体質の維持・強化に努めております。さらに、金融市場の動向に関する最新の情報と事業環境の分析に基づき、資金計画の見直しを適時に行っております。
また、営業部門、製造部門、管理部門が連携し、販売促進による回転効率の向上及び棚卸資産の品質と管理状況の定期的なチェックによる品質の保持を徹底することで、不良棚卸資産発生と長期在庫化のリスク回避に努めております。
また、当社グループは、与信管理規程に基づき、取引先ごとに与信限度額を設定するとともに、定期的な与信の見直しを行っております。加えて、回収遅延や信用不安が発生した場合には、迅速に債権保全策を講じ、貸倒リスクの回避に努めております。
(14) 情報セキュリティにおけるリスク(サイバー攻撃、情報漏洩)
(リスクの概要)
当社グループでは、事業の一環として得意先から預託された機密情報や個人情報の収集・保管・運用を行っております。特に、BPO事業につきましては、政府・地方自治体や企業等のアウトソーシング需要の取り込みにより、取り扱う情報量が増加しております。また、当社グループが推進するDXにおきましては、データの収集・分析を通じた製品・サービスの提供をビジネスモデルとして実施しており、個人情報を含む情報の利活用を進めております。
(主なリスク対応策)
機密情報や個人情報を含む重要な情報については、厳重な情報セキュリティ管理体制により管理しております。具体的には、当社グループにおいては、「TOPPANグループ情報セキュリティ基本方針」のもと、国内外の法規制及び情報セキュリティに関する規格をもとにした規定を定め、法改正等に合わせた規程類の改定整備や当社グループ各社のセキュリティ対策状況、成熟度の評価・改善指導を適宜行っております。また、従業員等に対しての定期教育による当該規程類の周知や内部監査及び委託先監査による遵守状況の確認、改善指導も行っております。
外部からのサイバー攻撃等による情報漏洩やシステム停止に対する対策としては、端末の振る舞い検知や不正接続端末の遮断、ネットワーク監視、クラウド基盤統制等の技術的な対策の実施に加え、標的型攻撃メールや各種インシデントへの対応、開発部門や製造部門等の特定部門での対応力強化のための教育など、全従業員対象及び各職種・各階層に合わせた教育を実施し、教育、訓練・演習、診断のサイクルを回しながら定着を図っております。
また、重要情報を取扱うエリアを限定し、かつ業務監視を行うなど漏洩対策を実装し、適宜強化・最適化を行っております。さらに当社グループのサービスの脆弱性の監視やサイバー脅威情報を収集・評価・分析し対策に反映させる運用体制を整備するとともに、インシデント対応のためのCSIRT機能(Computer Security Incident Response Team)である「TOPPAN-CERT」(当社グループ全体を対象)及び「TOPPAN Edge CSIRT」(TOPPANエッジグループを対象)を、グローバルで対応できるよう体制を拡充し、関係機関等と連携してサイバーリスク低減に取り組んでまいります。
(15) 製品、デジタルサービスの品質に関するリスク
(リスクの概要)
当社グループでは、全ての製品、デジタルサービスの製造・提供活動におきまして、品質管理上、十分な注意を払い、品質事故やクレームを発生させないための対応を図っておりますが、万一品質事故が発生した際には、業績に影響を及ぼす可能性があります。製品においては、安全性が損なわれた製品が市場に流出した場合、当該製品を販売する得意先と連携し、製品の自主回収を行うこととなります。その場合、多額の回収費用や賠償費用が発生する他、社会的な信用を失い、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。デジタルサービスにおいては、ITシステムの不具合や機器故障、人的ミスの発生等により、当該サービスを利用する得意先の事業・生産ラインなどの突発的な停止が引き起こされることがあり得ます。その場合も同様に、多額の賠償費用が発生する他、社会的な信用を失い、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスク対応策)
当社グループでは、「製品の安全管理についての基本方針」「サービス品質基本方針」のもと、各事業において国際規格に基づく品質マネジメントシステムを構築し、品質管理の徹底と継続的改善を行い、製品、デジタルサービスの品質事故防止に取り組んでおります。製品においては、万一重大な品質事故が発生した場合、当社製造統括本部品質保証センターが中心となり、原因の追究及び対策の指導を全社的に水平展開し、再発の防止に努めております。
また、特に安全衛生面で高い品質保証が求められる食品関連事業・ヘルスケア関連事業に対しては、当社が制定する品質保証ガイドライン及び品質監査チェックシートに基づく監査を実施し、製造を許可する認定制度を採用して、品質事故の未然防止に努めております。デジタルサービスにおいては、当社サービス品質統括室が中心となり、サービス品質規程を定め、サービスのライフサイクル全体を通じて、品質やリスクを適切に管理するとともに継続的な改善活動を全社的に推進しております。
(16) サプライチェーンに関するリスク(原材料の供給問題、不適正な発注、取引先の不正行為等)
(リスクの概要)
事業に使用する用紙・インキ・ガラスといった原材料やエネルギーを外部の取引先から調達しております。また、様々な業種のパートナー企業との協業や業務委託により製品・サービスを提供しております。
事業活動を維持するためには、原材料やエネルギーを適正量・適正価格で安定的に確保することが重要になります。しかし、地政学的事象や取引先の被災・倒産・事故、当社を含むサプライチェーン上で人権問題・環境規制や法令の違反などにより、供給の中断・供給量の大幅な減少や納期の遅延、取引停止などが発生することで、十分に調達量を確保できず、製品・サービスの提供が遅れる可能性があります。また、原材料やエネルギー価格の高騰などにより収益に影響する可能性があります。
(主なリスク対応策)
当社グループは、サステナブル調達の取り組みを進めており、社会要請や国際規格などを鑑み、安定した持続可能な調達(サステナブル調達)を行うためのガイドライン「TOPPANグループ サステナブル調達ガイドライン」を策定しております。取引先・協業企業の皆さまと密接に連携し、このガイドラインの浸透を図るとともに、大規模災害発生時などの事業継続の取り組みや人権・労働・環境・腐敗防止への取り組み状況等を定期的に確認し、サステナブル調達を推進しております。
また、エネルギー調達については、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの導入に向けた取り組みを強化するとともに、複数のエネルギー供給元を確保するなどリスク分散をしております。
さらに、取引先や協業・業務委託企業との取引の透明性・公平性を高め、より深い信頼関係を築くため、対話による課題把握や相談窓口「サプライヤーホットライン」の当社コーポレートWEBサイト上への設置、社内外教育による周知・社内外監査による調査と是正活動などにより、信頼関係の構築と安定した調達の実現に努めております。
(17) 労働安全衛生に関するリスク(火災、労災、労働法規違反、労務トラブル等)
(リスクの概要)
当社グループでは、従業員を会社の貴重な財産、すなわち「人財」と捉え、「企業は人なり」という理念のもと、従業員が「やる気」「元気」「本気」の3つの「気」を持つことで、従業員がそれぞれの力を十分に発揮することが大切であると考えております。それを実現するために、従業員の労働については、国の政策や法制度の動向を踏まえ、労働組合と協議しながら、様々な施策を展開しております。
また、「安全は全てに優先する」を第一義とする「安全衛生・防火基本方針」を制定し、労使一体となり、安全衛生・防火活動に取り組んでおります。
いずれの場合も、労働法規違反により当局から行政処分などを受けた場合や労務・安全衛生・防火の管理において不備があった場合は、当社グループの社会的評価に悪影響を与える可能性があります。
また、火災や労働災害が発生した場合、事業所の従業員や設備等が大きな被害を受け、その一部又は全部の操業が中断し、生産及び出荷が遅延する可能性があり、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業活動、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスク対応策)
当社グループは、ワーク・ライフ・バランスの推進に向けて、各事業所の労使関係の中で、継続した労働時間短縮に向けた取り組みや残業実態の分析、新たな勤務制度の導入・活用状況の検証を行っております。また、グループ全体でも各社の労働時間や年次休暇の取得状況を日々把握できる体制・システムを構築し、グループ全体での生産性の向上と労働時間の短縮を目指すとともに、法令順守の体制を構築しております。コロナ禍において定着した「リモートワーク制度」による働き方改革を継続し、従業員が自律的かつ効率的に業務を行える環境を整備する一方で、各拠点に労務相談の窓口を設け、ハラスメント相談員の資格を持った担当者が対応に当たるなど、労務トラブルの未然防止にも努めております。
安全衛生・防火活動においては、全国の事業所に、安全師範や安全推進担当者を配置するとともに、安全意識の浸透を図るべく、リスクアセスメントなどの「安全勉強会」やグループの工程ごとに横断的に意見交換を行う「安全分科会」を開催しております。また、安全に対する意識と危険に対する感受性の向上を目指すため、「挟まれ・巻き込まれ」や「発火・爆発」などを実際に体感することができる「安全道場」を国内外の主要製造拠点に開場している他、職長教育を中心とした階層別教育も行っております。
また、VR技術を活用し、多言語での解説を搭載したバーチャル映像と音を通じて事故の疑似体験をする安全教育も国内外のグループ会社に展開しております。
(18) 特許権や著作権等の知的財産権の侵害
(リスクの概要)
当社グループでは、事業戦略と知財戦略をマーケット志向と研究開発活動により、一層密着させ、戦略的な知的財産ポートフォリオの構築に取り組んでおり、創出された知的財産により事業競争力の確保、維持、強化をしております。
しかしながら、当社グループの技術等が、見解の相違等により他者の知的財産権を侵害しているとされる可能性や訴訟に巻き込まれる可能性があります。また、他者が当社グループの知的財産を不正使用することを防止できない可能性や侵害を防ぐための対応が成功しない可能性があります。
さらに、当社グループは、お客さまに印刷物や商品パッケージのデザインを提案する業務において、著作物を日常的に取り扱っております。そのため、当社グループが取り扱う著作物の権利について、事前かつ十分に処理状況を確認できなかった等の理由により、他者の著作権を侵害しているとされる可能性や訴訟に巻き込まれる可能性があります。
(主なリスク対応策)
当社グループは、新事業や新商品、新技術の研究・開発にあたり、グローバルな視点も含めて、他者の知的財産権を継続的に調査・経過観察することにより、他者の知的財産権を侵害するリスクを未然に防止しております。当社グループは、事業展開する国や地域に合わせた権利取得を行い、強固な知的財産ポートフォリオを構築することにより、当社グループの知的財産権が他者に侵害されるリスクを回避しております。
また、知的財産に関する階層別の社内教育を定期的に実施して、他者の知的財産権の尊重とその重要性について社内に周知徹底しております。さらに、著作権教育についても社内をはじめ、委託先である外部デザイナーに向けて定期的に実施し、事前かつ適切な著作権処理を徹底することにより、他者の著作権を侵害するリスクを未然に防止しております。
(19) 海外に関するリスク(規制法違反、地政学リスク、訴訟、労働争議、国際税務等、前各項に含まれない事項)
(リスクの概要)
当社グループは、グローバルに事業活動を行っており、今後とも海外市場への事業拡大を重点戦略の1つとして展開いたします。事業展開する国や地域における政治及び経済面における不安定さ、疫病及び大規模な災害の発生、労働争議や紛争の発生などにより、当社グループの事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外子会社におけるガバナンス不全や社内管理の不備により、法規制への違反、外国公務員への贈賄や国際カルテルなどの不法行為、現地従業員による着服、不正会計、税制の変更や不適切な税務申告などが発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、地政学リスクという観点では、国際紛争や政治体制の変更による国際情勢の先行き不透明感が増しており、リスクは高まっております。加えて、そのような状況から派生した輸出入規制の強化、資金決済への制限など、当社グループのビジネスにも影響が及んでおります。紛争の長期化や激化、新たな戦闘や抗争による事業停止や撤退など、さらなる影響を受ける可能性があります。
(主なリスク対応策)
海外ビジネスに関するリスクを低減するためには、各海外子会社におけるガバナンス体制の構築と、その実効性の高い運用が重要であると考えております。そこで、当社グループでは、マネジメント全般、コンプライアンス、情報セキュリティ、人事、安全衛生、会計、税務、品質、環境、調達などについて「あるべき姿」を示し、それに基づき各海外子会社で体制・仕組みの構築と遵守・運用・実践を一体となって進めております。また、社内監査や会計監査などを実施し、指摘事項に対する改善指導を行い、より効果的なガバナンス体制の構築に努めております。
さらに、海外での事業開始前に、第三者機関が提供する事業環境リスク評価システムを活用したリスク評価を行うなど対応を強化するとともに、海外出張者・海外駐在員に対し、渡航前に安全教育やリスク管理・危機管理研修を実施しております。
地政学リスクについては、新興リスクの1つであり、新たなリスク対策・取り組みが必要とされております。これまでも情勢の変化を見ながら当社グループへの影響分析・評価を行い、特に重要な海外地域については綿密なBCP策定を行うなどの対策を講じておりますが、それに加えてカントリーリスクに関する各項目や情報の断続的モニタリングを行い、リスク変化に対してより柔軟に対処できる組織体制を整えるべく、現在準備を進めております。
また、万一不測の事態が発生した場合には、全従業員の健康・安全確保を第一優先とする一方、サプライチェーンへの影響を極小化するよう、グループ全体で最適な事業環境を保てる施策を講じるとともに、内容の改善・見直しを継続していきます。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(業績等の概要)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限解除に伴う経済活動の正常化に加え、インバウンド需要の持ち直しもあり、緩やかな回復基調となりました。一方で、世界的な金融引き締めによる景気の下押しリスクに加え、物価上昇や急激な為替変動など、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループを取り巻く環境におきましては、情報媒体のデジタルシフトによるペーパーメディアの需要減少が続きましたが、生活様式の変化に伴うデジタル需要の増加や地球環境に対する意識の高まりなど、新たな需要が見込まれております。
このような環境の中で当社グループは、「Digital & Sustainable Transformation」をキーコンセプトに、社会やお客さま、TOPPANグループのビジネスを、デジタルを起点として変革させる「DX(Digital Transformation)」と、事業を通じた社会的課題の解決と持続可能性を重視した経営を目指す「SX(Sustainable Transformation)」を柱に、ワールドワイドで事業を展開しております。なお、当社はグループシナジーの最大化を図るとともに、経営資源の最適配分及び迅速な意思決定を可能とするため、2023年10月1日付で「TOPPAN株式会社」及び「TOPPANデジタル株式会社」に当社が有する権利義務の一部を承継させ、持株会社体制へと移行するとともに、商号を「TOPPANホールディングス株式会社」へ変更いたしました。
なお、各セグメントの内訳について、当期よりスタートしている新中期経営計画に基づく成長戦略に沿って名称及び区分定義を見直しております。報告セグメントの取扱いに変更はありません。
以上の結果、当期の売上高は前期に比べ2.4%増の1兆6,782億円となりました。また、営業利益は持株会社への移行に伴う一過性の統合費用の増加等により3.1%減の742億円、経常利益は2.0%増の828億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は22.2%増の743億円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、上記の持株会社への移行に伴う統合費用のうち、全社費用は各セグメントに配分しておりません。
a 情報コミュニケーション事業分野
デジタルビジネス関連では、デジタルギフトや金融系WEBシステム開発などのデジタルセキュアや欧州や中東を中心としたグローバルセキュア、流通・小売業界向けのリテールメディア開発などのデジタルマーケティングが増加し、増収となりました。メタバースの取り組みとしては、バーチャルモールアプリ「メタパ®」に、顧客企業独自の会員DBやチャットボットなどのオリジナル機能を実装することで、目的に合わせたメタバース運用を可能とするサービス「Powered by Metapa」の提供を開始いたしました。
BPO関連では、金融・行政・公共インフラ分野を中心に案件数は増加したものの、昨年度の一過性案件の反動により、減収となりました。
セキュアメディア関連では、ICカード関連が増加したものの、データ・プリント・サービスなどが減少し、減収となりました。
コミュニケーションメディア関連では、商業印刷やSP関連が減少したものの、ゲームカードや書籍などの出版印刷が増加し、増収となりました。
以上の結果、情報コミュニケーション事業分野の売上高は前期に比べ1.4%増の9,000億円、営業利益は6.6%増の456億円となりました。
b 生活・産業事業分野
パッケージ関連では、海外は、インドで豪雨による工場浸水被害や需給バランス悪化に伴う市場価格下落の影響を受けましたが、欧米やアジアで食品向けなどの需要が増加し、増収となりました。国内は、レンジ活用や脱アルミなどのニーズに対応した、世界最高水準のバリア性能を持つ「GL BARRIER」を用いたSXパッケージが拡大し、当事業全体で増収となりました。また、グローバルパッケージ事業の拡大に向け、Toppan Speciality Films社において基材フィルムからバリアフィルムまでの一貫生産体制を構築し、コストや品質面での競争力及びモノマテリアル化ニーズへの対応力を強化いたしました。
建装材関連では、海外は、欧米でのインフレによる住宅金利の上昇や中国経済減速の影響を受けましたが、新興国市場の開拓を進めた他、国内は、環境配慮型化粧シートや高意匠・高機能建材とソリューションサービスを組み合わせた空間演出ブランド「expace(エクスペース)」を拡販し、当事業全体で前年並みとなりました。
以上の結果、生活・産業事業分野の売上高は前期に比べ3.2%増の5,374億円、営業利益は16.6%増の274億円となりました。
c エレクトロニクス事業分野
半導体関連では、半導体市況の回復が遅れる中、フォトマスクは、アジア向けの需要を取り込み堅調に推移したことに加え、高密度半導体パッケージのFC-BGA基板は、大型・高多層の高付加価値品が、データセンターのサーバー向けを中心に拡大し、当事業全体で増収となりました。
ディスプレイ関連では、全般的な市況は弱含みに推移する中、反射防止フィルムは、ノートPCやモニター向けの高付加価値品の需要を取り込み増加しましたが、TFT液晶パネルは、車載向けなどの需要が減少し、当事業全体では減収となりました。
新事業の創出に向けては、スイッチ1つで透明と不透明を瞬時に切り替えられる液晶調光フィルム「LC MAGIC™」や工場や施設における環境データの遠隔監視や設備保全業務を効率化するシステム「e-Platch™(イープラッチ)」の拡販に取り組みました。
以上の結果、エレクトロニクス事業分野の売上高は前期に比べ4.4%増の2,665億円、営業利益は2.9%増の495億円となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,940億円増加し2兆4,328億円となりました。これは現金及び預金が582億円、投資有価証券が572億円、受取手形、売掛金及び契約資産が165億円、機械装置及び運搬具が121億円、建設仮勘定が103億円、繰延税金資産が86億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ789億円増加し8,655億円となりました。これは協力会社への支払条件の見直しなどにより電子記録債務が258億円、支払手形及び買掛金が157億円、それぞれ減少したものの、流動負債のその他に含まれる預り金が614億円、繰延税金負債が203億円、固定負債のその他に含まれる長期預り敷金保証金が153億円、未払法人税等が143億円、流動負債のその他に含まれる契約負債が100億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,151億円増加し1兆5,673億円となりました。これはその他有価証券評価差額金が513億円、非支配株主持分が234億円、為替換算調整勘定が220億円、利益剰余金が171億円、それぞれ増加したことなどによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ752億円増加し5,228億円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,259億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算を行った結果、1,575億円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入があった一方、設備投資などを行ったことから、86億円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得や配当金の支払、長期借入金の返済などを行ったことから、856億円の支出となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額は、販売価額によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 相手先別販売実績につきましては、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ、2.4%増の1兆6,782億円となりました。
売上原価は前期比1.1%増の1兆2,909億円、売上原価率は1.0ポイント低下して76.9%となりました。この結果、売上総利益は前期比7.0%増の3,873億円となりました。売上原価率は2020年3月期に80%を切った後、さらに4期連続で低減しております。総合的なコスト削減策が奏功したものですが、引き続き、組織のスリム化や生産の効率化、原材料調達の見直しなどに取り組んでまいります。
販売費及び一般管理費は前期比9.6%増の3,130億円となりました。対売上高比率は18.7%で、前期の17.4%から1.3ポイント上昇いたしました。これは、人件費の増加129億円、持株会社体制移行に伴う一過性の統合費用46億円などによるものです。当社グループは現在、収益力強化に向けた事業構造改革を推進しており、引き続き最適な人員配置による外部委託費低減、総労務費の圧縮などに注力していく方針です。
営業利益は前期比3.1%減の742億円となりました。売上高営業利益率は4.4%で、前期の4.7%から0.3ポイント低下しております。当社グループは、本業の収益力を測る指標として営業利益を重視しており、その拡大に向けた施策を今後も積極的に講じる方針です。
税金等調整前当期純利益は前期比15.0%増の1,259億円となりました。これは、政策保有株式を含む保有資産価値の見直しを積極的に進めた結果、株高の影響もあり、投資有価証券売却益が187億円増加したことなどによるものです。
以上の結果、非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比22.2%増の743億円となり、1株当たり当期純利益は前期の185円7銭から231円57銭に増加いたしました。
利益率は、総資産当期純利益率(ROA)が前期の2.7%から3.2%へ、自己資本当期純利益率(ROE)が前期の4.5%から5.4%へ、それぞれ上昇いたしました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
情報コミュニケーション事業分野の総資産は1,911億円(22.7%)増加し、1兆325億円となりました。生活・産業事業分野の総資産は328億円(6.3%)増加し、5,576億円となりました。エレクトロニクス事業分野の総資産は355億円(11.6%)増加し、3,427億円となりました。
なお、セグメント別の経営成績については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金は主に製品製造に使用する原材料や部品の調達に費やされており、売上原価や販売費及び一般管理費に計上される財・サービスに対しても同様に費消されております。また、設備投資資金は、生産設備取得等生産体制の構築、情報システムの整備等に支出されております。
これらの必要資金は、主に手元のキャッシュと営業活動によるキャッシュ・フローから創出し、必要に応じて柔軟的かつ機動的に借入や社債発行等により調達しており、資産効率の向上と今後の持続的な成長を実現させるため、M&Aなどの事業投資を含む成長投資や構造改革等の投資財源へ充当してまいります。
また、当社グループは手元流動性残高から有利子負債を控除したネットキャッシュの水準を重視した資金管理を実施しており、必要な流動性資金は充分に確保しております。これらの資金をグループ内ファイナンスで有効に活用することにより、効率的な資金運用を図っております。
これらの方針により、持続的成長に向けた投資の強化、構造改革の推進及び安定的な株主還元のバランスをとり、財務健全性との両立を重視した運営を堅持してまいります。
5 【経営上の重要な契約等】
(1) 技術導入契約
(2) 技術供与契約
該当事項はありません。
(3) 技術導入契約の終了
(注) 当社は、2023年10月1日付でTOPPANホールディングス株式会社に商号変更しております。
(4) 吸収分割契約
(TOPPAN株式会社に対する吸収分割に係る吸収分割契約)
当社は、2023年3月9日開催の取締役会において、2023年10月1日を効力発生日として、当社が営む一切の事業(但し、グループ経営管理事業(当社が株式又は持分を保有する会社等の事業活動に対する支配又は管理並びにグループ経営戦略としての新事業開発に必要な業務及び当社を上場会社である持株会社として運営するために必要な業務に係る事業を含みます。)並びに当社のDXデザイン事業部が営む事業を除きます。)に関して有する権利義務の一部を、当社の完全子会社かつ分割準備会社として設立したTOPPAN株式会社に吸収分割の方法により承継させることを決議し、2023年4月27日付で、当該吸収分割に係る吸収分割契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。
(TOPPANデジタル株式会社に対する吸収分割に係る吸収分割契約)
当社は、2023年3月9日開催の取締役会において、2023年10月1日を効力発生日として、当社のDXデザイン事業部が営む事業に関して当社が有する権利義務の一部を、当社の完全子会社かつ分割準備会社として設立したTOPPANデジタル株式会社に吸収分割の方法により承継させることを決議し、2023年4月27日付で、当該吸収分割に係る吸収分割契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。
6 【研究開発活動】
当社グループは、「人を想う感性と心に響く技術で、多様な文化が息づく世界に。」というグループ共通の価値観を表す「TOPPAN's Purpose & Values」に基づき、「Digital & Sustainable Transformation」をキーコンセプトとして、ビジネスモデルを進化させるため、総合研究所を中心に、事業会社の技術関連部門及びグループ会社が連携して研究開発を進めております。各事業分野の新商品開発に注力するとともに、各研究開発部門、知財関連部門が一体となって進める技術開発により、コストダウン及び品質ロスミス削減によるさらなる収益力の強化を図っております。また、次世代分野についても総合研究所を中心に産官学との連携を図り、中長期の新規事業創出に努めております。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は27,824百万円であり、セグメントにおける主な研究開発とその成果は次のとおりであります。なお、研究開発費につきましては、当社の本社部門及び総合研究所で行っている基礎研究に係る費用を次の各セグメントに配分することができないため、研究開発費の総額のみを記載しております。
(1) 情報コミュニケーション事業分野
当社グループでは、価値共創パートナーとして顧客のデジタル変革を支援し、高い成長を実現するErhorht-X(※1)を推進しております。
物流・運送業界では、貨物取り扱い件数が年々増加する一方、トラック輸送の時間外労働規制の強化による2024年問題や少子高齢化を原因とする人手不足が深刻化しております。この課題に対応するため、新たに次世代ZETA(※2)規格「Advanced M-FSK変調方式」対応の新型「ZETag®(ゼタグ)」を開発いたしました。新型「ZETag®」は従来品と比較して10倍以上(10dB以上)の感度と、20倍以上の転送速度、500~4,000m(最長通信距離は従来品の約2倍)の通信距離を実現いたしました。これにより、高速移動により電波形状が変化しやすく読み取りが難しかった輸送車両などへの活用や、これまで電波が届きにくかったエリアでの読み取りが可能となる他、基地局の設置数を少なくすることができ、より効率的な業務管理を実現いたします。これを活用してパレットやカゴ車など物流・輸送機器の他、トラックなどの輸送車両の所在も自動で管理・可視化することにより、管理業務の負担軽減や円滑な荷役作業を実現するなど、物流業務の効率化を支援いたします。
生産現場においては、機械設備のトラブルを未然に防ぐために人手による定期点検及び予防保全が行われており、多大なリソースが掛かっております。このため、センサによる機械設備の常時監視・予防保全のニーズが高まっており、日本精工株式会社(NSK)と共同で温度センサ搭載RFID(※3)タグを活用した産業機械設備向け保全管理システムの開発に取り組んでおります。NSKの産業機械設備のノウハウと当社グループのRFIDタグの設計技術を掛け合わせることで、産業機械設備向けの新しい保全管理システムを実現し、産業機械や設備の点検・保守履歴の見える化による作業効率向上や、現場で保守履歴・温度推移が確認可能になることによる予防保全の効率化を目指してまいります。
医療現場では、医療技術の高度化や医療制度の複雑化、また医療安全などの観点から多くの説明業務があり、実際の医療提供業務を圧迫しております。デジタルクローン技術を活用してインフォームドコンセント等を支援するサービス「DICTOR™(ディクター)」のα版を北海道大学病院と共同で開発し、2023年9月から医療DXに取り組む複数の医療機関にて実証実験を行っております。「DICTOR™」の開発にあたっては、当社グループの持つアバター生成技術「MetaClone®アバター(※4)」と顧客管理・ID管理を中心とした管理データベース・システム構築のノウハウを活用しております。医師は予め自身の動画と声を登録し、デジタルクローンを生成することで、その後は説明テキスト文の入力のみで、患者や症状に合わせた説明動画が作成できます。患者自身にとっても通常の診察室での説明に加え、繰り返しの視聴や家族とのシェアが可能となり、理解度の向上が期待されます。今後も2024年4月より施行された「医師の働き方改革」の推進と患者市民参画型の医療DXプラットフォームの構築を目指します。
製造現場では、常に設備保全の効率化や製造工程の最適化が求められております。2022年4月に内閣府が発表した「量子未来社会ビジョン」において、量子技術の研究開発・社会実装の取り組みを加速・強化し、我が国産業の成長機会の創出・社会課題解決等に対応することが喫緊の課題であることが示されました。その中で、当社グループでは、量子カーネルを用いた機械学習を製造現場で稼働している複数の製造装置の異常検知に適用し、設備保全及び製造工程の最適化に活用する研究開発を進めており、NEDOの「量子・AIハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業」における「量子・AIアプリケーション開発・実証」委託事業に採択されました。これまでも「量子カーネル」による機械学習に関する研究論文発表(※5)や光量子計算に関する研究、耐量子計算暗号を搭載したICカードの開発など、量子に関する研究と開発を行いながら製造DXを推進しております。今後も量子AIの研究開発を加速し、量子技術の社会実装に貢献いたします。
(2) 生活・産業事業分野
当社グループでは、脱炭素社会、循環型社会の実現に貢献するべく、環境ニーズを捉えたSX商材・サービスの提供を行っております。特にパッケージを起点とした当社グループのサステナブルブランド「SMARTS™(スマーツ)(※6)」を掲げ、社会課題に対応したパッケージの開発を推進しております。
脱炭素社会については、軽量でプラスチック使用量を削減できる液体用紙容器は酒類やトイレタリー分野など日常で使用されている製品で数多く採用されております。そのような中、当社グループは株式会社J-オイルミルズが販売する食用油「スマートグリーンパック®」シリーズの紙パックに採用された「液だれ防止機能キャップ」の開発で、公益社団法人日本包装技術協会が主催する第47回木下賞(※7)「改善合理化部門」を受賞いたしました。従来の紙容器において課題であった口栓からの油だれに対し、口栓の注出部を液だれに有効なカール形状にすることで、内容物の「液だれ防止」を実現いたしました。また、用途に応じて注ぐ量を変えることができる可変性と、ヒンジ構造による利便性を付与したことで、さらなるユーザビリティの向上を実現いたしました。
また、昨今の世界経済情勢の影響を受け、電力・ガスをはじめとするエネルギーコストが高騰し、アルミ箔の価格も連動して高騰しております。CO2排出量削減という社会課題に対して、アルミ箔は製造工程で多くのCO2を排出しているため、食品や日用品のパッケージにおけるアルミレス化は社会課題となっております。このたび、折り曲げた状態を維持できるデッドホールド性を保持する用紙を開発し、カップ麺等に向けたアルミ箔使用材質構成と同等のリクローズ性能を有するアルミレス蓋材を開発いたしました。また、製造時のCO2排出量を従来のアルミ箔を使用した材質構成と比較して約32%削減(※8)が可能です。
循環型社会の実現については、環境負荷の少ない包装材料の開発と併せて、軟包材フィルムの水平リサイクルにも取り組んでおります。日本政府が提唱するプラスチック資源循環戦略では、プラスチック資源について、2025年までにリユース・リサイクルが可能な材質構成に置き換えること、2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクルすること、プラスチック資源の再生利用を倍増することなどのマイルストーンが策定されております。TOPPAN株式会社、三井化学東セロ株式会社、三井化学株式会社の3社は、2025年度の社会実装を目指し、TOPPAN株式会社で発生する印刷調整時のOPPフィルム廃材を三井化学株式会社が回収・印刷除去・造粒を行い、三井化学東セロ株式会社が再生OPPフィルム化を行う共同実証を実施しております。さらに、TOPPAN株式会社は再生フィルムの印刷適性やラミネート適性、製袋・充填適性など、品質評価の役割も担っており、日本政府のマイルストーンに沿って、軟包材の水平リサイクルを推進してまいります。
また、住宅や非住宅に使用される外装建材においても、環境負荷軽減の観点から、より長期間使用できる耐性が求められております。しかしながら、材料の性質上、高耐候性能と建築基準法で求められる不燃性能を両立させることは困難でありました。当社グループは、今まで培われた約20年間の外装用シートに対する知見により、独自の高耐久性能と、アルミ型材へのラミネートにより不燃認定を受けられる材料を開発いたしました。「フォルテフィール™ RZ」は、シートを構成する接着層とインキ層に対して、新たに特殊な材料と添加剤をブレンドし開発した新規耐加水分解性樹脂を搭載することによって、今までにない耐候性・耐久性の大幅な性能向上(当社従来品比1.5倍)を実現いたしました。また、アルミ型材へラミネートすることで、国土交通省より不燃認定されている「NM-5462(1)(※9)」の条件を満たしております。さらに、一般的な環境試験やオリジナルの促進耐候性試験と実曝露試験との関連性を検証した結果から、日本国内において初の退色及び劣化に対する10年間保証を可能といたしました。このように建装材分野においても環境負荷を低減できる商材を提供し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(3) エレクトロニクス事業分野
当社グループでは、これまで独自に培ってきた技術力を基盤として、多様化する二ーズに対応した独創的なキーデバイスを供給することで事業価値の最大化を図っております。
2016年より提供しているスイッチ1つで透明と不透明を瞬時に切り替えられる液晶調光フィルム「LC MAGIC™(エルシーマジック)」とAGC株式会社のガラスを組み合わせて世界初の調光サイドウィンドウガラスを開発いたしました。車載用途では従来の建材用途よりも厳しい環境に対応できる耐久性が要求されますが、液晶や電極の見直しを行い、ガラスの中間膜成分や外部の水分による液晶の透明化といったダメージを防ぐことができる独自の外周封止技術を確立し、自動車のサイドウィンドウに適合する性能を獲得いたしました。さらに、瞬時にON/OFFの切り替えができることで、車内居住空間の快適性向上も可能となり、このたびトヨタ自動車株式会社の「センチュリー」に採用されました。今後も「LC MAGIC™」の車載向け黒色グレード「ノーマルブラック」の改良や量産化技術を進め、各種自動車への搭載を目指します。
また、2050年のカーボンニュートラル達成に向け、再生可能エネルギーの活用等の取り組みが進められておりますが、特に水素は地球上に豊富に存在する「水」から生成可能で、CO2を排出しないエネルギー源であり、その活用への期待が高まっております。水素の社会実装において、CCM/MEAは水素を製造する水電解装置、水素の貯蔵や運搬に関わる電解槽、そして水素を利用する燃料電池において、中核となる重要なデバイスであり、高いエネルギー変換効率と耐久性、市場への安定供給が求められております。当社グループは2004年からCCM/MEAの研究開発に取り組んでおります。今般、大型カラーフィルタの製造で培った塗工技術や搬送技術などの活用により、高性能・高品質なCCM/MEAを枚葉式で量産する体制を構築し、2023年8月より販売を開始いたしました。特徴としては電解質膜の両面に触媒インクをダイレクトコーティングするという世界初の製造方式により、電解質膜と触媒層の密着性を高め、高いエネルギー変換効率を実現いたしました。これらの技術開発に当たっては知財戦略とも連動させており、強力な特許とノウハウの蓄積により、競争優位性を確立しております。今後、水素を「つくる」「ためる・はこぶ」「つかう」の全領域にCCM/MEAを展開することで水素社会を実現し、カーボンニュートラルへ貢献いたします。
(4) その他(新事業)
当社グループでは、ヘルスケアやライフサイエンス、エネルギー等の事業を新事業と位置づけ、新たな柱を開拓するための研究開発・事業開発を推進しております。
厚生労働省によると、65歳以上の認知症患者の数は2025年には約700万人と予測され、高齢者の約5人に1人が該当し、喫緊の社会課題になっております。北海道大学の認知症に関する診断技術の研究を包括的に行う認知症研究拠点と連携する、産業創出部門「認知症包括研究部門」を北海道大学と共同で開設し、当社グループの高感度蛍光検出技術「Digital ICA®(デジタル アイシーエー)(※10)」と、北海道大学の学術的知見を融合し、早期のアルツハイマー病を検出する技術の開発をはじめとする認知症に関する研究を進め、認知症の診断・治療の発展に貢献いたします。
また、抗がん剤評価においては、大阪大学大学院工学研究科の松崎典弥教授と共同で開発した独自バイオマテリアルによる3D細胞培養技術「invivoid®(インビボイド)」を用いた共同研究が広がっております。がん患者の組織から再構築した3D細胞である「がん患者アバター」が従来の抗がん剤評価で用いるマウスを代替できる可能性が示唆されており、国内ではがん研究会と複数の抗がん剤を曝露して得られた効果と、実際に患者に同じ抗がん剤を投与して得られた効果との比較を行う臨床研究を開始いたしました。海外でも米国のMDACC(テキサス大学MDアンダーソンがんセンター)が研究を進めている「免疫治療薬」評価において、免疫機能を付与した「がん患者アバター」をモデルとした新しい免疫治療薬の評価を実施しております。これを通じて今後の米国における研究活動を通じ、CLIA認証(※11)を取得し、米国でのがん検査事業を立ち上げ、個々の患者ごとに最適な抗がん剤を選択するがん個別化医療の提供を目指します。
持続可能な社会の実現に向け、地球温暖化や食糧問題の解決には、これまで以上に植物の力を活用することが有効と考えられており、植物を改良するためのゲノム編集技術に期待が集まっております。植物におけるゲノム編集では、植物に対して予期しない問題を引き起こすリスクや社会的高度な技術の蓄積を必要とするため、本格的な普及には至っておりません。TOPPAN株式会社、産業技術総合研究所、株式会社インプランタイノベーションズは共同で、チタン酸カリウムからなる針状結晶(ウイスカー(※12))と超音波を活用して、ゲノム編集ツールであるCRISPR-Cas9(※13)のリボヌクレオタンパク質(RNP)を植物へ導入する新しいゲノム編集手段として、ウイスカー超音波RNP法を開発いたしました。本技術は、一般的に形質転換が難しい植物に対して、DNAを全く用いないでゲノム編集を行う基盤を構築する新たな一歩であり、2023年9月7日(日本時間)に「Scientific Reports」に掲載されました(※14)。今後はゲノム編集の効率化や多くの植物への適用を検討し、社会にとって安心・安全なゲノム編集品種の作製のための技術基盤を提供していきます。
近年バイオエタノールは、カーボンニュートラルの実現に向けて、自動車燃料や化学品用の原料などさまざまな用途での利用が期待されております。2021年より当社グループは、古紙を原料とした国産バイオエタノール事業の立ち上げについて、ENEOS株式会社と共同で検討を続けてきました。具体的には当社グループが開発している、防水加工された紙やノーカーボン紙等の難再生古紙を原料とする前処理プロセスと、ENEOS株式会社が開発している、エタノールの連続生産プロセスとの組み合わせによる製造効率の向上について検討してきました。このたび共同開発契約を締結し、古紙を原料とした国産バイオエタノールの事業化に向けた実証を開始し、事業採算性を見極め、2030年度以降の事業化を目指します。
(※1)Erhorht-X
当社グループ全体で、社会や企業のデジタル革新を支援するとともに、当社自体のデジタル変革を推進するコンセプト。DX事業においてイノベーションを創出し、社会やお客さまのデジタル変革を推進し、それを通してSDGsの実現、脱炭素社会の実現など「SX」にも貢献していく。
(※2)ZETA
超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネルでの通信、メッシュネットワークによる広域の分散アクセス、双方向での低消費電力通信が可能といった特長を持つ、IoTに適した最新のLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク規格。LPWAの規格の1つであるZETAは、中継器を多段に経由するマルチホップ形式の通信を行うことで、他のLPWAと比べ、基地局の設置を少なくでき、低コストでの運用が可能な方式として注目されている。
(※3)RFID
Radio frequency identificationの略。電波を用いて非接触でデータを読み書きする技術。
(※4)MetaClone®アバター
TOPPAN株式会社が提供する、顔写真等から短時間でフォトリアルな3Dアバターを自動生成することができるサービス。AIと3D復元技術を組み合わせることで、様々なケースに合わせたアバターを提供することができる。
(※5)研究論文発表
掲載誌: EPJ Quantum Technology(発行:英国 Springer Nature社)
タイトル: Performance of quantum kernel on initial learning process
著者名: Takao Tomono, Satoko Natsubori
URL: https://doi.org/10.1140/epjqt/s40507-022-00157-8
(※6)SMARTS™
パッケージを起点とした当社グループのサステナブルブランド。パッケージで培った技術・ノウハウに、マーケティング・DX・BPOなどのリソースを掛け合わせ、バリューチェーンに沿った最適な選択肢を提供する。
(※7)木下賞
公益社団法人日本包装技術協会(JPI)が主催し、JPI第2代会長である故木下又三郎氏の包装界に対する功績を記念して設定された表彰制度。本賞は、包装技術の研究・開発に顕著な業績をあげたものや包装の合理化・改善・向上に顕著な業績をあげたものに与えられる。
(※8) CO2排出量
当社算定。アルミ箔を使用した蓋材との比較。算定範囲はパッケージに関わる①原料の調達・製造 ②製造 ③輸送 ④リサイクル・廃棄。
(※9) NM-5462(1)
不燃材料として発熱性試験及びガス有害性試験において要求されている性能を有しており、国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの。
(※10)Digital ICA®
基板上に設けられた100万個の微小なウェルと検出試薬を用いて、ウェルにDNA・タンパク質・ウイルス・エクソソームなどの生体分子を1分子ずつ分配し、1分子単位で検出する方法。
(※11)CLIA認証
CLIA(Clinical Laboratory Improvement Amendments)は1988年に米国で制定された法律の一部で、米国の医療機関のラボで実施する臨床検査の品質が品質基準を満たしていることを証明するもの。これにより患者と医療提供者は、検査結果が信頼できることを確認できる。
(※12)ウイスカー
細長い針状結晶で、植物細胞に「刺して」孔を開けるために使われる。直径数マイクロメートル、長さ100マイクロメートル程度の大きさで、炭化ケイ素やチタン酸カリウムなどの素材が用いられる。本研究では、チタン酸カリウムのウイスカーを用いている。
(※13)CRISPR-Cas9(クリスパーキャスナイン)
ゲノム編集因子の中で最もよく用いられている因子。ゲノムを切断するCas9タンパク質と切断箇所を指定するガイドRNAが複合体を形成して機能する。
(※14)論文掲載
掲載誌: Scientific Reports
タイトル: The sonication-assisted whisker method enables CRISPR-Cas9 ribonucleoprotein delivery to induce genome editing in rice
著者:Akiyoshi Nakamura, Tsubasa Yano, Nobutaka Mitsuda, Maiko Furubayashi, Seiichiro Ito,
Shigeo S. Sugano, Teruhiko Terakawa
DOI: 10.1038/s41598-023-40433-w
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループ(当社及び連結子会社)は、今後の成長が見込まれる事業分野の生産能力の増強と省力化、合理化及び製品の品質向上に重点を置き、当連結会計年度において1,134億円の設備投資(無形固定資産を含む)を実施いたしました。
当連結会計年度の設備投資等をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(1) 情報コミュニケーション事業分野
当連結会計年度における設備投資等の金額は354億円であり、主な内容は次のとおりであります。
①情報系印刷拠点の川口工場(埼玉県)内で生産設備を集約いたしました。
②携帯電話番号でメッセージを送受信できる「+メッセージ」を活用したサービスの基盤整備や機能拡張を引き続き実施いたしました。
(2) 生活・産業事業分野
当連結会計年度における設備投資等の金額は331億円であり、主な内容は次のとおりであります。
①SX関連商材の拡大に向け、欧州においてバリアフィルム生産拠点の構築を進め、国内、東南アジアでは供給体制の強化を進めました。
②建装材関連では海外において供給体制の強化を進めました。
(3) エレクトロニクス事業分野
当連結会計年度における設備投資等の金額は338億円であり、主な内容は次のとおりであります。
①生成AI、データセンターなどで今後も成長が見込まれる半導体需要を取り込むため、高密度半導体パッケージのFC-BGA基板の生産拠点構築を進めました。
②フォトマスクでは成長投資を継続して実施いたしました。
(4) 全社(共通)
当連結会計年度における設備投資等の金額は110億円であり、主な内容は次のとおりであります。
・経営基盤を強化するべく、経営とシステムの一体化や経営情報の一元化を目指すシステム基盤のモダナイゼーションを進めました。
当連結会計年度における除売却損の金額は19億円であり、主な内容は次のとおりであります。
・当社は、製造拠点の再構築に伴う設備の除却や建物の除却を行いました。
2 【主要な設備の状況】
当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は次のとおりであります。
(1) 提出会社
(2024年3月31日現在)
(2) 国内子会社
(2024年3月31日現在)
(3) 在外子会社
(2024年3月31日現在)
(注) 1 帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、使用権資産及び建設仮勘定の合計です。
2 土地の[ ]内は、賃借中の面積で外数です。
3 従業員数は、就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
4 連結子会社に全部又は主要部分を賃貸している物件です。
5 現在休止中の主要な設備はありません。
6 上記の他、主要な賃借及びリース設備として、以下のものがあります。
国内子会社
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループ(当社及び連結子会社)における重要な設備の新設、除却等の計画は次のとおりであります。
(1) 重要な設備の新設等
(2) 重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注) 2024年5月13日開催の取締役会決議により、2024年5月24日付で自己株式を消却し、発行済株式総数が
10,000,000株減少しております。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 自己株式の消却による減少であります。
2 2024年5月13日開催の取締役会決議により、2024年5月24日付で自己株式を消却し、発行済株式総数が
10,000,000株減少しております。
(5) 【所有者別状況】
(2024年3月31日現在)
(注) 1 自己株式 11,256,699株は、「個人その他」に112,566単元、「単元未満株式の状況」に99株含まれております。
2 「単元未満株式の状況」欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が、50株含まれております。
3 「金融機関」欄には、株式付与ESOP信託が保有する当社株式18,856単元が含まれております。
(6) 【大株主の状況】
(2024年3月31日現在)
(注) 1 当社が当期末において保有している自己株式11,256千株については、上記の表中から除いております。
2 上記の発行済株式より除く自己株式には、株式付与ESOP信託が保有する当社株式は含まれておりません。
3 日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口及び株式会社日本カストディ銀行信託口の所有株式数は、
全て信託業務に係るものであります。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(2024年3月31日現在)
(注) 1 「単元未満株式」欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が50株含まれております。
2 「単元未満株式」欄には、当社所有の自己保有株式が99株含まれております。
3 「完全議決権株式(その他)」欄には、株式付与ESOP信託が保有する当社株式1,885,600株が含まれております。
② 【自己株式等】
(2024年3月31日現在)
(注)株式付与ESOP信託が保有する当社株式は、上記自己保有株式に含まれておりません。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
(株式付与ESOP信託)
①本制度の概要
当社は、2023年11月13日開催の取締役会の決議に基づき、当社及び当社子会社3社(TOPPAN株式会社、TOPPANデジタル株式会社及びTOPPANエッジ株式会社)の本雇社員(以下「対象従業員」という。)を対象とした従業員インセンティブ・プランである「株式付与ESOP信託」を導入しております。本制度は、株式付与ESOP信託が取得した当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を、予め定めた株式交付規程に基づき、一定の要件を充足する対象従業員に交付及び給付するものです。
②従業員に取得させる予定の株式の総数
2024年3月31日時点で、株式付与ESOP信託(日本マスタートラスト信託銀行株式会社)が当社株式1,885,600株を取得しております。
③本制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
対象従業員のうち、受益者要件を充足する者
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
会社法第155条第3号による取得
(注) 1 上記取締役会において、取得の方法は投資一任方式による市場買付けとすることを決議しております。
2 上記取締役会に基づく自己株式の取得は、2024年4月30日の取得をもって終了しております。
会社法第155条第3号による取得
(注) 1 上記取締役会において、取得の方法は投資一任方式による市場買付けとすることを決議しております。
2 当期間における取得自己株式及び提出日現在の未行使割合には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの取得株式数は含まれておりません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取請求による株式数は含まれておりません。
会社法第155条第13号による取得
(注) 1 譲渡制限付株式報酬制度における無償取得によるものであります。
2 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの無償取得による株式数は含まれておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における「その他(単元未満株式の買増請求)」には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買増請求による株式数は含まれておりません。
2 当期間における「保有自己株式数」には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取請求及び単元未満株式の買増請求による株式数は含まれておりません。
3 「保有自己株式数」には、株式付与ESOP信託が保有する当社株式を含めておりません。
3 【配当政策】
当社は、株主各位への機動的な利益還元ができるよう、剰余金の配当等の決定を取締役会の決議によって行うこととしております。また、毎年3月31日を基準日として期末配当を、毎年9月30日を基準日として中間配当を、この他基準日を定めて剰余金の配当を行うことができる旨を定款に定めております。
株主還元方針につきましては、各期の連結業績、配当性向、手元資金の状況、内部留保、今後の投資計画等を総合的に勘案した上で、安定的な配当に加え機動的な自己株式の取得により、連結総還元性向30%以上を目安に利益還元を行ってまいります。
この方針のもと、第178期の期末配当につきましては、2024年5月30日の取締役会において1株につき普通配当24円と決議いたしました。これにより中間配当(1株当たり24円)と合わせて、第178期の1株当たり配当金は48円となりました。その結果、自己株式の取得も考慮した当期の連結総還元性向は70.9%となりました。
なお、当社は2024年5月13日に、2024年5月14日から2025年5月13日を取得期間とした最大1,000億円の自己株式の取得を公表いたしました。
第178期の剰余金の配当は以下のとおりであります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、以下のとおりとしております。
Ⅰ 株主の権利・平等性の確保
当社は、株主の権利を尊重し、株主の平等性を確保するとともに株主の適切な権利行使に係る環境整備に努める。
Ⅱ ステークホルダーとの協働
当社は、株主、株主以外の顧客企業、生活者、取引先、社会・地域社会、従業員をステークホルダーと認識し、ステークホルダーとの適切な協働に努め、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出を図る。
Ⅲ 適切な情報開示と透明性の確保
当社は、当社のディスクロージャーポリシーに従い、法令に基づく開示を適切に行うとともに、当開示以外の情報も主体的に発信し、透明性の確保に努める。
Ⅳ 取締役会等の責務
当社は、透明・公正かつ機動的な意思決定を行うため、取締役会の役割・責務の適切な遂行に努める。
V 株主との対話
当社は、持続的な成長の方向性を決算説明会等で示し、株主との建設的な対話に努めるとともに、株主との建設的な対話を促進するための体制整備や株主構造の把握に努める。
② 企業統治の体制の概要
当社は、監査役会設置会社の形態を採用しております。
取締役会は、株主の負託を受けた機関として、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めるとともに、経営の重要な意思決定及び各取締役の職務執行を監督しております。
監査役及びその過半数を独立社外監査役で構成する監査役会は、経営から独立した立場から取締役の職務執行を監査しております。
また、取締役の人事並びに報酬の客観性・透明性の向上のため、「指名・報酬に関する諮問委員会」を設置しております。
さらに、業務執行の責任者としての権限・責任を明確化する観点から、執行役員制度を採用しております。
加えて、公正なグループ経営を推進するために策定した「関係会社管理規程」及び「海外版関係会社管理規程」に基づき、当社グループ内で互いに連携をとりながら連結経営を実施し、当社グループ全体の価値最大化を目指したガバナンスを展開しております。
(イ) 取締役・取締役会・各種会議(株主総会・経営会議)
当社の取締役は、2024年3月31日現在、15名以内とし、その選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めております。
当社の取締役会は、2024年3月31日現在、取締役9名で構成されており、提出日現在においても構成に変更はありません。
また、2016年4月27日の取締役会の決議によって、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応できる機動的な経営体制を構築するとともに、業務執行の責任者としての権限・責任の一層の明確化を図る観点から執行役員制度を導入しております。提出日現在においては、取締役を兼務する執行役員に加え、17名が取締役を兼務しない執行役員に就任しております。
当社は、原則として月に1回の定例取締役会を開催し、取締役会規則に基づいた意思決定を行うとともに、各取締役からの報告を受け、その業務執行について監督しております。なお、案件の緊急性を考慮し、必要に応じて定例取締役会に加え、臨時取締役会を開催しております。当事業年度においては、合計18回の取締役会を開催いたしました。個々の役員の出席状況については次のとおりであります。
(注)取締役専務執行役員齊藤昌典及び取締役添田秀樹は、2023年6月29日に就任した後に開催された取締役会
14回全てに出席しております。
当事業年度の取締役会は、取締役会規則に従い、グループの経営に関する様々な課題、主要事業における重点課題、重要な業務執行に関する事項について議論を行いました。当事業年度においては、2023年10月の持株会社体制への移行に伴うグループシナジーの創出、中期経営計画の進捗等について活発な議論を行いました。また、ステークホルダーからの関心が高まっているサステナビリティに関する課題への対応として、任意に設置したサステナビリティ推進委員会にて議論を行い、重要な指標の決定については、取締役会で決議することで、その取り組みの強化を図っております。この他、法令及び定款に定められた事項を決議し、また法令に定められた事項及び重要な業務の執行状況につき報告を受けるとともに、業務執行を厳正に監督しております。
運営にあたっては、十分な質疑応答時間を確保しており、当事業年度は開催回数18回、平均出席率99.2%、平均開催時間1時間59分/回、平均議案数11.3件/回となっております。また、毎回の取締役会に際して、議題の概要やポイントを事務局より社外取締役へ事前に説明しており、事前にいただいた質問事項や意見を踏まえ、取締役会審議の活性化を図っております。取締役会とは別に、社外取締役、社外監査役と当社代表取締役との「意見交換会」を開催し、独立した客観的な立場から経営諸課題に関する意見交換を行っております。
また、経営上重要な案件については、代表取締役社長が指名した取締役等を構成員とする経営会議で取締役会へ上程する議題の事前審議を実施するとともに、一定の意思決定を行い、経営効率を意識した経営判断を行っております。当事業年度においては、合計21回の経営会議を開催いたしました。
当社は、株主総会の円滑な運営のため、会社法第309条第2項の定めによる決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めております。
また、取締役及び監査役がその職務の遂行にあたって期待される役割を十分発揮できるよう、会社法第423条第1項に定める取締役及び監査役の損害賠償責任につき、法令の限度において取締役会の決議により免除することができる旨を定款で定めております。
加えて、株主への機動的な利益還元ができるよう、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会決議によって定めることとする旨を定款で定めております。
(ロ) 監査役・監査役会
監査役会は、2024年3月31日現在、常勤監査役2名及び社外監査役3名の計5名で構成されており、常勤監査役久保薗到氏は、当社における長年にわたる経理部長及び資金部長の経験から、社外監査役河戸光彦氏は、会計検査院における長年の経験から、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。提出日現在においても人数に変更はありません。
詳細については、「(3)監査の状況 ①監査役監査の状況」に記載のとおりです。
(ハ) 取締役の指名・報酬に関する諮問委員会
当社では、2016年5月26日の取締役会の決議によって、取締役の指名・報酬に関する諮問委員会を設置しております。これにより、取締役の指名・報酬の決定プロセス及びその内容について、透明性・客観性の一層の向上を図ることとしております。なお、本委員会には、当社の独立性判断基準の要件を充たした社外取締役を含むこととしており、その数は、社内取締役・社内監査役による委員の数を上回るものとしております。また、これに独立性判断基準を充たした社外監査役を加えることができるものとしております。提出日現在においては、社内取締役2名、社外取締役3名、社外監査役1名にて構成されております。
本諮問委員会では、当社側から提示した取締役の指名(代表取締役を含む)・報酬に係る原案について審議し、取締役会又は取締役会の一任を受けた者が当該事項を決定する際の参考にすべき助言を行うことをその役割としております。
当事業年度において当社は取締役の「指名・報酬に関する諮問委員会」を2回開催しており、個々の委員の出席状況については次のとおりであります。
当事業年度の同委員会の具体的な検討内容としては、2023年6月以降の取締役・監査役体制について、候補者の略歴、選定理由等を参照しながら審議を行いました。また、各事業の業績評価等を参照しながら役員報酬額について審議を行いました。
(ニ) 会社の機関・内部統制の関係は、以下の図のとおりであります。

・監査役と会計監査人の連携状況
定期的な情報共有・意見交換を行う他、会計監査人の往査立会時などに随時意見交換を行うなど緊密な連携を図っております。また、お互いの監査計画は、連携した内容を含んでおります。監査役と会計監査人との主な連携内容は、次のとおりであります。
定例で実施しております会計監査人からの監査計画の説明、監査結果報告等の他、監査状況に関する情報共有・意見交換を12回実施いたしました。情報共有・意見交換の主な内容は下記のとおりであります。
・組織再編(持株会社体制移行)に係る会計上の処理
・財務報告に係る内部統制の課題と今後の方向性
・KAM(監査上の主要な検討事項)
・子会社監査における指摘事項等
・監査役と内部監査部門の連携状況
定期的な会合(8回/年)を持つ他、内部監査部門の往査立会時などに随時意見交換するなど緊密な連携を図っております。また、お互いの監査計画は、連携した内容を含んでおります。
・内部監査部門と会計監査人の連携状況
定期的な会合(5回/年)を持つ他、主に内部統制状況の評価につき、随時意見交換するなど緊密な連携を図っております。また、お互いの監査計画は連携した内容を含んでおります。
③ 現企業統治体制を採用する理由
上記②に述べるような体制を採ることにより、十分なガバナンスが達成できると認識しているため、現状の体制を採用しております。
④ 企業統治に関するその他の事項
(イ) 内部統制システムの整備の状況
当社グループは、グループ理念「TOPPAN's Purpose & Values」を共通の指針とし、グループ一丸となって、社会からの期待を超え、さらなる革新を目指して、ステークホルダーの皆さまと共に持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指してまいります。その実現に向けては、全ての事業活動を自ら監視・統制する仕組みを構築し、経営環境の変化に対応した取り組みを継続的に実施することが重要です。そこで、当社は、最大限のグループシナジーの発揮や経営基盤の強化を目的として持株会社体制を採用するとともに、当社及び子会社の業務執行に関する体制及び監査に関する体制を当社取締役会において以下のとおり決定し、この体制に基づく活動を通じて「TOPPAN's Purpose & Values」の実現を図ってまいります。
内部統制の基本方針、業務執行に関する体制及び監査に関する体制については、当社ウェブサイトに公表しております。
https://www.holdings.toppan.com/ja/ir/governance/control.html
(ロ) リスク管理体制の整備の状況
(ⅰ) 危機管理体制
当社では、総合リスクマネジメント体制の構築にあたって、まず顕在化した場合に経営に深刻な影響を及ぼす可能性のあるリスクを、危機管理を要するリスクとして捉え、リスク内容毎に本社主管部門を中心に対応する体制を整備しております。また、2007年1月の取締役会において「危機管理に関する規程」を策定するとともに、グループ各社において体制の再構築を行い、運用しております。
(ⅱ) コンプライアンス
当社では、「TOPPANグループ行動指針」に基づき、コンプライアンス部を中心に、法令遵守と企業倫理の確立に向けた取り組みを積極的に展開しております。その一環として、2004年10月より行動指針推進活動を職場の中で率先垂範する旗振り役として「行動指針推進リーダー制度」を導入し、2024年3月31日現在、グループ各社を含め約910名のリーダーが各職場での勉強会等を実施し行動指針の徹底を図っております。また、コンプライアンスをより機能させるために、公益通報者保護の考え方を踏まえた内部通報制度を制定し、運用しております。
(ⅲ) 環境マネジメント
当社では、「TOPPANグループ地球環境宣言」を基本理念に「TOPPANグループ環境方針」を掲げ、全社の環境マネジメントシステムを構築し、事業活動に伴う環境負荷低減を推進しております。統括する製造統括本部・エコロジーセンターの活動は経営層によるレビューが継続的に実施されております。気候変動におけるリスクについては、移行リスクに関する法規制動向の把握、分析を行い、温室効果ガス排出量を把握、削減目標の管理を行っております。物理リスクにおいてもハザードマップなどをもとに激甚災害への事前準備、サプライチェーンの多重化などにも努めております。
(ハ) 子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社は、子会社の事業運営の独立性と自立性を尊重しつつ、子会社の取締役の職務執行の適正を確保するため、「関係会社管理規程」及び「海外版関係会社管理規程」に基づき、管理項目ごとに報告等の手続き方法を定め、報告を受けることとしております。
また、関係会社社長会を定期的に開催し、情報の共有化を図っております。
(ニ) 責任限定契約
当社は、当社定款第28条第2項及び第39条第2項の規定に基づき、2024年3月31日現在、社外取締役及び監査役との間に会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。また、当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が定める額であります。
なお、提出日現在においても、社外取締役及び監査役と責任限定契約を締結しております。
(ホ) 役員等賠償責任保険契約
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者たる役員が役員としての業務に関し行った行為に基づき保険期間中に損害賠償請求を受けた場合に、法律上負担すべき損害賠償金及び防御費用を填補することとしております。
当該保険契約の被保険者は、当社及び重要性の高い当社の子会社の役員であり、その保険料は、当社役員については当社が全額負担し、子会社の役員については、当該子会社が全額負担しております。なお、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれることのないよう、当該保険契約上に保険金額の上限、免責事由を設定するなど、一定の措置を講じております。
⑤ 会社の支配に関する基本方針
当社においては、当社の社会的使命を十分に理解し、専門性の高い業務知識や営業ノウハウを備えた者が取締役に就任し、法令及び定款の定めを遵守しつつ当社の財務及び事業の方針の決定に携わることが、当社及び当社株主共同の利益に資するものと考えております。
当社取締役会は、当社株式の大規模買付けがなされた場合にこれを受け入れるかどうかは、最終的には株主の皆さまの判断に委ねられるべきものであると考えております。
一方で、大規模買付行為の中には、株主の皆さまが適切に判断を行うために必要な情報が十分に提供されない場合やその目的などからみて、企業価値・株主共同の利益を著しく毀損するおそれがある場合も想定されます。
当社は、当社株式の大規模買付けを行おうとする者に対しては、株主の皆さまが適切な判断を行うために必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて、取締役会の意見等を表明・開示し、株主の皆さまの検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法、その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じることといたします。
なお、取締役会の意見等の表明・開示にあたっては、その内容の客観性・透明性を確保するため、独立性が担保された社外取締役・社外監査役で構成する特別委員会を設置し、取締役会として意見を諮問するとともに、取締役会は本委員会の答申内容を最大限尊重するものといたします。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性 10名 女性 4名 (役員のうち女性の比率 28%)
(2024年6月27日現在)
(注) 1 取締役遠山亮子氏、中林美恵子氏、竹内明日香氏は、社外取締役であります。
2 監査役笠間治雄氏、河戸光彦氏、宮川由香氏は社外監査役であります。
3 取締役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。
4 監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。
② 社外役員の状況
2024年3月31日現在、取締役会の監督機能の強化を図る観点から、社外取締役を3名選任しており、提出日現在におきましても構成に変更はありませんが、野間省伸氏が退任し、新たに竹内明日香氏が選任されております。
社外取締役遠山亮子、中林美恵子及び竹内明日香の各氏と当社との間に特別の利害関係はありません。
当社は、2024年3月31日現在、社外監査役を3名選任しており、提出日現在におきましても人数に変更はありませんが、垣内惠子氏が退任し、新たに宮川由香氏が選任されております。各社外監査役は、経営監視機能の客観性及び中立性の確保のため、各々が自らの職歴、経験、知識を活かして、経営全般に関する助言を行っております。
また、当社は、当社取締役会からの独立性が高い社外監査役を選任することが当社のガバナンス上重要であると認識しております。そうした観点から、当社は、当社から役員報酬以外の金銭その他の財産を得ておらず、当社の主要な取引先の業務執行者及び当社の主要株主等に当たらない、当社取締役会からの独立性が十分担保された社外監査役を選任しております。
当社は、社外取締役及び社外監査役の独立性を判断する際の基準を明確にするべく、2015年11月26日の取締役会決議によって、「社外役員の独立性判断基準」を制定しております。社外取締役及び社外監査役の独立性の判断に当たっては、東京証券取引所の基準に加え、本基準の要件を確認の上、判断することとなります。本基準の内容は、当社ウェブサイトに公表しております。
https://www.holdings.toppan.com/ja/ir/governance/governance-policy.html
なお、社外取締役遠山亮子、中林美恵子、竹内明日香の各氏及び社外監査役笠間治雄、河戸光彦、宮川由香の各氏は、株式会社東京証券取引所の定めに基づく独立役員であります。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
a. 組織・人員構成
当社の監査役会は2024年3月31日現在、5名(社内2名、社外3名)で構成されており、監査役のうち1名は女性で、監査役会の女性比率は20%であります。
監査役の経歴につきましては、「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要 (ロ)監査役・監査役会」に記載のとおりであります。
監査役の職務を補佐する専任組織として、監査役室を設置し、取締役からの指揮命令に属さない専任の監査役スタッフ2名(2024年3月31日現在)を常置しております。
なお、監査役スタッフの人事については、監査役の意見を反映して決定しております。
b. 監査役会
監査役会は、常任監査役が議長を務め、原則として毎月1回開催する他、必要に応じて随時に開催しております。
当事業年度においては、監査役会を15回開催いたしました。各監査役の出席状況は以下のとおりであります。
c. 監査役会の活動状況
監査役会では、年間を通じ、次のような決議、報告、協議がなされました。
なお、監査役会の平均開催時間は1時間37分/回でした。
d. 実施した監査の内容
2023年10月1日に、当社は持株会社体制へ移行し、TOPPANホールディングス株式会社ヘ商号変更いたしました。監査役会は、持株会社体制移行に伴う法的手続きやグループ体制の整備状況はもとより、グループガバナンス強化の進捗状況や事業会社におけるシナジーの発揮状況を当事業年度の最重点項目として監査を実施いたしました。
その他の主な監査内容は、以下のとおりです。
・サスティナビリティ推進委員会への出席によるESG経営の進捗状況
・基幹システム更新に伴う内部統制の整備・運用状況
・下請法遵守状況の確認
・海外子会社の往査 等
② 内部監査の状況
経営の健全性を高めるために、業務部門から独立した経営監査室を設置し、経営監査と業務監査を中心に、連結子会社を含む各事業所や工場への監査を実施しております。2024年3月31日現在、監査に従事する者は26名在籍しております。経営監査では、経営目標との整合性やリスクコントロールが必要十分であるか否かについて、プロセスを重視して検証・評価しております。業務監査では、法令・会社諸規則の遵守状況や不正防止の仕組み、効率性・正確性に問題がないかを検証・評価し、必要に応じて改善を勧告しております。また、監査結果につきましては、その結果を代表取締役、取締役会、監査役会及びグループ会社の取締役等に直接報告しております。
③ 会計監査の状況
a. 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b. 継続監査期間
1978年以降
上記は、現任の監査人である有限責任 あずさ監査法人の前身の1つである監査法人井上達雄会計事務所が監査法人組織になって以降の期間について記載したものです。
c. 業務を執行した公認会計士
指定有限責任社員 業務執行社員: 小林礼治、櫻井清幸、山下誠
d. 監査業務に係る補助者の構成
公認会計士: 25名
その他 : 42名
e. 監査法人の選定方針と理由
当社は、会計監査人の適格性、独立性等を総合的に勘案し、有限責任 あずさ監査法人を選任しております。
また、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目のいずれかに該当すると認められる場合は、会計監査人を解任いたします。
f. 監査役及び監査役会による監査法人の評価
監査役会は、会計監査人の適格性、独立性、監査役等とのコミュニケーション等を自ら定めた評価手続に従い総合的に評価し、会計監査人の職務の執行に支障がある場合等、その必要があると判断した場合は、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定いたします。
監査役会は、会計監査人である有限責任 あずさ監査法人の職務の執行について問題ないと判断しております。
④ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
当社及び当社の連結子会社における非監査業務の主な内容は、財務に対する調査・相談等であります。
b. 監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGグループ)に対する報酬(a.を除く)
当社及び当社の連結子会社における非監査業務の主な内容は、財務に対する調査・相談等であります。
c. その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d. 監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士等に対する監査報酬の決定方針は、以下のとおりであります。
監査法人から提示される監査の方法や日数等の監査計画及び当該計画に基づく監査報酬額につき、その計画及び報酬額の当社の事業規模や業務の内容に対する妥当性の検討を必要な監査時間の確保や効率的な監査業務の実施を勘案し行っております。検討の結果をもとに監査法人との協議を行い、監査役会の同意を得た上、監査報酬を決定しております。
e. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社監査役会は、社内関係部署及び会計監査人からの必要な資料の入手や報告の聴取を通じて、会計監査人の監査計画における監査時間・配員計画、会計監査人の職務遂行状況及び報酬見積の相当性などを確認し、必要な検証を行った上で、取締役会が提案した会計監査人に対する報酬等に対して、会社法第399条第1項の同意をしております。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
(全体像)
当社の役員報酬は、金銭による固定報酬及び業績連動型の賞与、非金銭報酬である譲渡制限付株式報酬で構成されており、その決定方針については、取締役会の決議によって決定しております。一方、各取締役の個別の報酬等の内容については、代表取締役社長CEO麿秀晴氏に一任する旨の取締役会決議を行っており、当該決議を踏まえ、代表取締役社長が個別の報酬等の内容について決定しております。代表取締役社長は、当社の経営全般を監督する立場にあり、当社は、同氏が各取締役の実績・能力を評価し、各取締役の個人別の報酬等の額を決定することが最も合理的かつ適切と判断しております。
取締役の報酬総額は2021年6月29日開催の第175回定時株主総会の決議により「年額14億円以内(うち社外取締役1億円以内)」と定められております。なお、当該決議における取締役の報酬総額には、使用人分の給与は含まないものとしており、係る決議の時点においては取締役9名(内、社外取締役3名)であります。また、上記に加え、社外取締役を除く取締役に対して付与する譲渡制限付株式報酬について、2019年6月27日開催の第173回定時株主総会の決議において本制度により支給される金銭報酬債権の総額は「年額3億円以内」(ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与を含みません。)と定められており、係る決議の時点においては取締役13名(社外取締役を除きます。)であります。監査役の報酬総額は2010年6月29日開催の第164回定時株主総会の決議により「年額1億8,000万円以内」と定められており、係る決議の時点においては監査役5名であります。
社外取締役を除く取締役の各報酬の割合は、固定報酬、業績連動型の賞与、譲渡制限付株式報酬の割合を、7:2:1を目安として、役割及び責任に応じて他企業の水準等を総合的に勘案して決定しております。監督機能を担う社外取締役の報酬は、その職務に鑑み、固定報酬のみとしております。
また、当社では、取締役の報酬等の決定に関する透明性・客観性を担保するため、2016年5月26日開催の取締役会の決議により、取締役の「指名・報酬に関する諮問委員会(以下「諮問委員会」という。)」を設置しております。
諮問委員会では、報酬の決定方針や個別の報酬等の内容について審議し、代表取締役社長に答申する機能を有しており、代表取締役社長は、諮問委員会における答申内容を十分に斟酌した上で、これらの内容を決定しております。
(固定報酬)
当社は、取締役のグループ経営に対する影響や責任範囲を鑑み職位別に基準報酬額を設定しており、固定報酬は当該基準報酬額を基礎とした年度改定により決定しております。本制度により同一の職位であっても各取締役個人の前連結会計年度における成果や経営に対する貢献度に応じて一定の範囲で改定が可能となっております。
監査役の報酬につきましては、株主総会の決議により定められた報酬総額の範囲内で、監査役の協議によって決定しております。
(業績連動報酬)
業績連動型の賞与につきましては、短期的な業績及び企業価値向上のために一定の指標を用いて年度毎の業績と連動する制度設計としております。主たる評価指標としては連結営業利益の対前年伸び率等を採用しておりますが、取締役個人の業績に対する貢献度を適切に反映するために、その他「TOPPAN SDGs Statement」に掲げる目標値の達成度合いやセグメント別連結営業利益の目標達成率等を総合的に勘案して個人ごとの業績評価を決定しております。
(譲渡制限付株式報酬)
譲渡制限付株式報酬は、当社の社外取締役を除く取締役(以下「対象取締役」という。)を対象に、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆さまとの一層の価値共有を進めることを目的として、譲渡制限付株式を割り当てる制度です。
対象取締役は、本制度に基づき当社から支給された金銭報酬債権(役位毎の固定額)の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行又は処分を受けることとなります。
本制度により、当社が新たに発行又は処分する普通株式の総数は、年30万株以内とし、その1株当たりの払込金額は、その発行又は処分に係る各取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として当該普通株式を引き受ける対象取締役に特に有利な金額とならない範囲において、取締役会において決定いたします。
また、本制度による当社の普通株式の発行又は処分に当たっては、当社と譲渡制限付株式報酬の支給を受ける予定の対象取締役との間において、①一定期間、本制度に基づき発行又は処分を受けた当社の普通株式(以下「本株式」という。)に係る第三者への譲渡、担保権の設定その他の処分を禁止すること、②一定の事由が生じた場合には当社が本株式を無償取得することなどをその内容に含む譲渡制限付株式割当契約が締結されることを条件といたします。
なお、本制度においては、対象取締役の他、当社の取締役を兼務しない役付執行役員に対しても、対象取締役に対するものと同様の譲渡制限付株式報酬を取締役会の決議により支給し、当社の普通株式を新たに発行又は処分いたします。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等
(注) 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しております。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とするために保有する株式を純投資目的である投資株式、その他を純投資目的以外の目的である投資株式と区分しております。
② 当社における株式の保有状況
当社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最も大きい会社(最大保有会社)である当社については以下のとおりであります。
a.保有目的が純投資以外の目的である投資株式
(a) 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、中長期的な企業価値の向上に資するため、また取引関係・事業連携の強化など経営戦略の一環として、必要と判断される会社の株式を政策的に保有することを基本的な方針としております。
この方針に則り、個別銘柄毎に保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが社内規則に基づく株式保有コストに見合っているかなど、事業運営面と投資資産としての価値の両面から総合的に分析し、毎年定期的に取締役会においてその保有の合理性について検証の上、継続保有についての検討を行うこととしております。
検討の結果、保有目的や意義の薄れた銘柄については売却を進めるなど縮減を図っております。
(b) 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(注) 非上場株式の上場に伴う、区分の変更は記載しておりません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(注) 1 非上場株式の上場に伴う、区分の変更は記載しておりません。
2 株式数が減少した銘柄には、2023年4月1日付及び2023年10月1日付の吸収分割に伴い、当社より連結子会社に承継した銘柄を含みません。
(c) 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 「―」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。「*」は、当該銘柄の貸借対照表計上額が当社の資本金額の100分の1以下であり、かつ貸借対照表計上額の大きい順の60銘柄に該当しないために記載を省略していることを示しております。
2 定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性は、個別銘柄毎に事業資産と投資資産としての価値の両面から総合的に分析し、定期的に取締役会で検証しております。
3 当社の株式の保有の有無については、各銘柄株式の発行会社の主なグループ会社による保有も含めて記載しております。
4 ㈱T&Dホールディングス、京王電鉄㈱、㈱千葉銀行は2023年4月1日付の吸収分割に伴い、当社より連結子会社に承継しております。
5 VusionGroupは2023年10月1日付の吸収分割に伴い、当社より連結子会社に承継しております。
6 ㈱ispaceは、非上場株式で保有しておりましたが、2023年4月に新規上場したことに伴い、当事業年度より記載しております。
7 ピクシーダストテクノロジーズ㈱は、非上場株式で保有しておりましたが、2023年8月に新規上場したことに伴い、当事業年度より記載しております。
b.保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
③ TOPPAN㈱における株式の保有状況
当社及び連結子会社のうち、投資株式の貸借対照表計上額(投資株式計上額)が最大保有会社の次に大きい会社であるTOPPAN㈱については以下のとおりであります。
a.保有目的が純投資以外の目的である投資株式
(a) 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、中長期的な企業価値の向上に資するため、また取引関係・事業連携の強化など経営戦略の一環として、必要と判断される会社の株式を政策的に保有することを基本的な方針としております。
この方針に則り、個別銘柄毎に保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが社内規則に基づく株式保有コストに見合っているかなど、事業運営面と投資資産としての価値の両面から総合的に分析し、毎年定期的に取締役会においてその保有の合理性について検証の上、継続保有についての検討を行うこととしております。
検討の結果、保有目的や意義の薄れた銘柄については売却を進めるなど縮減を図っております。
(b) 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(注) 株式数が増加した銘柄には、2023年10月1日付の吸収分割に伴い、当社から承継した銘柄を含みません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(c) 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 「―」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。「*」は、当該銘柄の貸借対照表計上額が当社の資本金額の100分の1以下であり、かつ貸借対照表計上額の大きい順の10銘柄に該当しないために記載を省略していることを示しております。
2 定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性は、個別銘柄毎に事業資産と投資資産としての価値の両面から総合的に分析し、定期的に取締役会で検証しております。
3 当社の株式の保有の有無については、各銘柄株式の発行会社の主なグループ会社による保有も含めて記載しております。
4 2023年10月1日付の吸収分割に伴い、当社より承継しております。
みなし保有株式
(注) 1 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
2 定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性は、個別銘柄毎に事業資産と投資資産としての価値の両面から総合的に分析し、定期的に取締役会で検証しております。
3 「―」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
4 2023年10月1日付の吸収分割に伴い、当社より承継しております。
b.保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)に基づいて作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
なお、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組みについて
当社は、以下のとおり連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組みを行っております。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入するととも
に、監査法人等の行う研修への参加や会計専門誌の定期購読等を行っております。
(2) 将来の指定国際会計基準の適用に備え、社内に専門組織を設置し、社内規程やインフラの整備を進めておりま
す。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1 連結の範囲に関する事項
(1) 連結子会社数 225社
主要な連結子会社名は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しているため省略しております。
なお、当連結会計年度より、新規設立等によりTOPPAN TREASURY SERVICES PTE. LTD.他13社の計14社を連結の範囲に含めております。前連結会計年度において非連結子会社であった㈱メモリア及び㈱C-Routeは、重要性が増したことにより当連結会計年度より連結の範囲に含めております。
また、当連結会計年度において、合併等により㈱トッパンプロスプリント他7社の計8社が減少しております。
(2) 他の会社等の議決権の過半数を自己の計算において所有しているにもかかわらず、子会社としなかった当該他の会社等の名称
ADVANCED SUBSTRATE TECHNOLOGIES PTE. LTD.
(子会社としなかった理由)
重要な財務及び営業又は事業の方針の決定に対し、共同支配企業の同意が必要であるため子会社に含めておりません。
(3) 非連結子会社の名称
KEYFIELDS PTE. LTD.
KEYfields (Myanmar) CO., Ltd.
REVOLX PTE. LTD.
(連結の範囲から除いた理由)
非連結子会社3社は、いずれも小規模会社であり、合計の総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等は、いずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないためであります。
2 持分法の適用に関する事項
(1) 全ての非連結子会社及び関連会社に対して持分法を適用しております。
(2) 非連結子会社数 3社
「1 連結の範囲に関する事項 (3)非連結子会社の名称」に記載のとおりであります。
(3) 関連会社数 31社
主要な関連会社名は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しているため省略しております。
なお、当連結会計年度より、新規設立等によりADVANCED SUBSTRATE TECHNOLOGIES PTE. LTD.他1社の計2社を持分法適用の関連会社の範囲に含めております。
また、当連結会計年度において、株式の追加取得に伴う連結子会社化によりToppan Leefung Printing (Shanghai) Co., Ltd.が減少しております。
(4) 他の会社等の議決権の100分の20以上、100分の50以下を自己の計算において所有しているにもかかわらず、関連会社としなかった当該他の会社等の名称
㈱やなせスタジオ
(関連会社としなかった理由)
出資目的及び取引等の状況の実態から、財務及び営業又は事業の方針の決定に対し、重要な影響を与えていないため関連会社に含めておりません。
3 連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社のうち、TOPPAN Next Pte. Ltd. 他98社の決算日は12月31日、㈱アイオイ・システム 他4社の決算日は2月末日であり、それぞれ連結決算日との差は3か月以内であるため、連結財務諸表の作成にあたっては、同日現在の財務諸表を使用し、連結決算日との間に生じた重要な取引については、連結上必要な調整を行っております。
東京書籍㈱の決算日は8月31日であり、連結決算日現在で本決算に準じた仮決算を行った財務諸表を使用しております。
㈱Lentrance 他3社の決算日は9月30日であり、連結決算日現在で本決算に準じた仮決算を行った財務諸表を使用しております。
Toppan Photomasks Company Ltd., Shanghai 他4社の決算日は12月31日であり、連結決算日現在で本決算に準じた仮決算を行った財務諸表を使用しております。
なお、当連結会計年度においてInterFlex Investment Holdings, Inc. 他5社は決算日を12月31日から3月31日に変更し、連結決算日と同日となっております。この決算期変更により、当連結会計年度において、2023年1月1日から2024年3月31日までの15か月間を連結し、決算日変更に伴う影響額は連結損益計算書を通して調整しております。
4 会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
a 有価証券
満期保有目的の債券
… 償却原価法(定額法)
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
… 時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は主として移動平均法により算定しております。)
市場価格のない株式等
… 主として移動平均法による原価法
投資事業有限責任組合及びそれに類する組合への出資(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)
… 組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっております。
b デリバティブ
… 時価法
c 棚卸資産
商品、製品及び仕掛品 … 主として個別法による原価法
(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)
原材料 … 主として移動平均法による原価法
(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)
貯蔵品 … 主として最終仕入原価法
(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
a 有形固定資産(リース資産及び使用権資産を除く)
主として定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
建物及び構築物 …8~50年
機械装置及び運搬具 …2~15年
b 無形固定資産(リース資産を除く)
主として定額法を採用しております。
なお、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(1~10年)に基づく定額法を採用しております。
c リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
d 使用権資産
リース期間又は当該資産の耐用年数のうち、いずれか短い方の期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
(3) 重要な引当金の計上基準
a 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
b 賞与引当金
従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額に基づき計上しております。
c 役員賞与引当金
役員に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額に基づき計上しております。
d 役員退職慰労引当金
一部の連結子会社は、役員の退職慰労金の支出に備えるため、役員退職慰労金規程に基づく期末要支給額を計上しております。
e 株式給付引当金
株式交付規定に基づく従業員への当社株式の給付に備えるため、当連結会計年度末における株式給付債務の見込額に基づき、計上しております。
(4) 退職給付に係る会計処理の方法
a 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
b 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(主として13年)による定額法により費用処理しております。
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(確定給付企業年金制度については主として1年、退職一時金制度については主として12年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理しております。
c 小規模企業等における簡便法の採用
一部の連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。
(5) 重要な収益及び費用の計上基準
a 製品及び商品の販売に係る収益認識
国内販売においては主に顧客に製品又は商品が到着した時に、輸出販売においては主にインコタームズ等で定められた貿易条件に基づき支配が顧客に移転した時に収益を認識しております。
b 一定期間にわたって支配が移転する取引に係る収益認識
BPOサービス、ソフトウェア・コンテンツの受注制作業務及びスペースデザイン・施工業務等について、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の測定は、主に各報告期間の期末日までに発生した実際原価が、予想される総原価の合計に占める割合に基づいて行っております。なお、契約の初期段階等、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないが、発生する費用を回収することが見込まれる場合は、原価回収基準にて収益を認識しております。
c 代理人取引に係る収益認識
顧客への財又はサービスの提供における当社グループの役割が代理人に該当する取引(顧客に移転する財又はサービスの支配を獲得せず、これらの財又はサービスを手配するサービスのみを提供している取引)については、顧客から受け取る額から仕入先に支払う額を控除した純額で収益を認識しております。
d 有償支給取引に係る収益認識
有償支給した支給品を買い戻す義務を負っている場合、有償支給先に残存する支給品について棚卸資産を引き続き認識するとともに、当該支給品の期末棚卸高相当額について有償支給に係る負債を認識しております。なお、当該取引において支給品の譲渡に係る収益は認識しておりません。
e 有償受給取引に係る収益認識
原材料等の仕入価格を控除した純額で収益を認識するとともに、当社グループに残存する当該支給品の期末棚卸高相当額について有償支給に係る資産を認識しております。
f 返品権付きの販売に係る収益認識
返品されると見込まれる製品又は商品については、変動対価に関する定めに従って、販売時に収益及び売上原価相当額を認識せず、当該製品又は商品について受け取った又は受け取る対価の額で返金負債を認識し、返金負債の決済時に顧客から当該製品又は商品を回収する権利を返品資産として認識しております。
(6) 重要な外貨建の資産又は負債の本邦通貨への換算の基準
外貨建金銭債権債務は、連結決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。なお、在外子会社等の資産及び負債並びに収益及び費用は、連結決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は純資産の部における為替換算調整勘定及び非支配株主持分に含めております。
(7) 重要なヘッジ会計の方法
a ヘッジ会計の方法
主として繰延ヘッジ処理を適用しております。ただし、為替予約の一部については振当処理の要件を満たしている場合は振当処理を、金利スワップについては特例処理の要件を満たしている場合には特例処理を適用しております。
b ヘッジ手段とヘッジ対象
c ヘッジ方針
主として、当社の経理規程附属細則に定めている「金融商品リスク管理」及び「金融商品リスク管理ガイドライン」に基づき、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジしております。
d ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ対象とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計を比較し、両者の変動額等を基礎にして有効性の判定を行っております。ただし、金利スワップについては、特例処理の要件に該当すると判定される場合には、有効性の判定は省略しております。
(8) のれんの償却方法及び償却期間
のれんは、効果の発現期間(3年~15年)にわたり規則的に償却しております。
(9) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資からなっております。
(10) その他連結財務諸表作成のための重要な事項
a 繰延資産の処理方法
社債発行費は支出時に全額費用として処理しております。
b 消費税等の会計処理
資産に係る控除対象外消費税及び地方消費税は当連結会計年度の費用として処理しております。
(重要な会計上の見積り)
(固定資産の減損損失の認識の要否)
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、固定資産について、決算日ごとに資産グループ単位で減損の兆候の有無を判定しております。減損の兆候となる主な事象としては、営業活動から生じる損益が継続してマイナス、又は資産の用途もしくは経営戦略の著しい変更、経営環境の著しい悪化等が該当いたします。
減損の兆候が存在すると判定された場合は、当該資産グループの割引前の将来キャッシュ・フローを見積り、当該資産グループの帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを上回る場合には、回収可能価額を見積っております。回収可能価額の算定に当たっては、原則として遊休資産は正味売却価額、その他の資産は使用価値又は正味売却価額を適用しております。使用価値は、資産の経済的残存使用年数を見積り期間とした将来キャッシュ・フローを割引率で割り引いた現在価値としており、現時点で合理的であると判断される一定の仮定に基づいております。将来キャッシュ・フローは当社取締役会等で承認された中長期の事業計画に基づいており、中長期の事業計画は、当該品種の直近の経営成績、外部調査機関から入手した市場予測データ、得意先から提示を受けた製品調達に係る計画、販売価格戦略及び原価削減施策等を踏まえ、経営者が合理的と考える将来の市場動向及び今後の投資計画等に基づいた成長率等により見積っております。割引率は当社グループの過去の加重平均資本コストを基礎として見積っております。正味売却価額は、処分費用見込額控除後の時価としており、時価の算定には観察可能な市場取引又は鑑定評価額等の合理的に算定された額を使用しております。
なお、当社グループは、多種多様な製品の開発、生産、販売からサービスの提供等、幅広い事業活動を展開しており、事業活動に影響を及ぼす要因も非常に多岐に渡っております。このような将来の不確実な市場環境の変動により、経営者による見積りと実際の結果が大きく異なることがあります。見積りに用いた仮定の見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
(退職給付債務及び退職給付費用)
(1)当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社及び一部の連結子会社は、各種の退職給付及び年金制度を有しており、将来の従業員に対する退職給付の支払いに備えるため、退職給付に係る資産・負債及び退職給付費用を計上しております。これらの制度に係る退職給付に係る資産・負債及び退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算定されております。数理計算上の仮定には割引率、年金資産の長期期待運用収益率、昇給率、退職率及び死亡率等が含まれております。割引率については、年金数理人の提供する固定利付国債のイールド情報に基づいて決定しており、年金資産の長期期待運用収益率については、現在及び見込みの資産配分に対する見込長期収益率を考慮して決定しております。また、昇給率、退職率及び死亡率については年金数理人の提供する統計情報を踏まえたものとなっております。
経営者は各条件が決算日において十分に合理的と考えておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果により影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
(未適用の会計基準等)
・「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日)
・「包括利益の表示に関する会計基準」(企業会計基準第25号 2022年10月28日)
・「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日)
(1) 概要
その他の包括利益に対して課税される場合の法人税等の計上区分及びグループ法人税制が適用される場合の子会社株式等の売却に係る税効果の取扱いを定めるものであります。
(2) 適用予定日
2025年3月期の期首より適用予定であります。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当連結財務諸表の作成時において評価中であります。
(表示方法の変更)
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示しておりました「預り金の増減額」及び「預り敷金及び保証金の増減額」は金額的重要性が増したため、当連結会計年度から区分掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」に記載していた10,819百万円は、「預り金の増減額」1,127百万円、「預り敷金及び保証金の増減額」53百万円、「その他」9,638百万円として組替えております。
また、前連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示しておりました「非連結子会社株式の取得による支出」及び「短期貸付けによる支出」は金額的重要性が増したため、当連結会計年度から区分掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」に記載していた△2,478百万円は、「非連結子会社株式の取得による支出」△448百万円、「短期貸付けによる支出」△5百万円、「その他」△2,024百万円として組替えております。
(会計上の見積りの変更)
(耐用年数の変更)
当社は、フォトマスク用製造装置について、近年の半導体業界の変化を反映した最新の市場動向や物理的・機能的要因を多面的に検討した結果、従来の耐用年数と経済的使用可能予測期間の乖離が生じることから、当連結会計年度の期首より、これらの資産の耐用年数を従来の5~15年から6~8年に変更しております。
この結果、従来の耐用年数によった場合に比べ、当連結会計年度の営業利益及び経常利益並びに税金等調整前当期純利益は8,172百万円減少しております。
(連結貸借対照表関係)
※1 担保資産及び担保付債務
(1) 担保に供している資産は次のとおりであります。
上記の他、連結処理により相殺消去されている以下の資産を担保に供しております。
(2) 担保付債務は次のとおりであります。
※2 非連結子会社及び関連会社に対するものは次のとおりであります。
※3 受取手形、売掛金及び契約資産のうち、顧客との契約から生じた債権及び契約資産の金額は、「収益認識関係 3 顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報 (1) 契約資産及び契約負債の残高等」に記載しております。
※4 その他のうち、契約負債の金額は、「収益認識関係 3 顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報 (1) 契約資産及び契約負債の残高等」に記載しております。
(連結損益計算書関係)
※1 顧客との契約から生じる収益
売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載しておりません。顧客との契約から生じる収益の金額は、「収益認識関係 1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。
※2 固定資産売却益のうち主なものは、次のとおりであります。
※3 固定資産除売却損のうち主なものは、次のとおりであります。
※4 一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費は、次のとおりであります。
※5 減損損失
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当社グループは、事業用資産については原則として各主要品種を、遊休資産についてはそれぞれ個別の物件を単位としてグルーピングを行っており、回収可能価額の算定にあたっては、原則として遊休資産は正味売却価額、その他の資産は使用価値又は正味売却価額を適用しております。なお、使用価値の算定に用いる割引率は5.0~12.0%を用いており、正味売却価額は、処分費用見込額控除後の時価としており、時価の算定には観察可能な市場取引又は鑑定評価額等の合理的に算定された額を使用しております。
その結果、当連結会計年度において、主として、以下の資産グループについて帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減少額23,838百万円を減損損失として特別損失に計上しております。
*1 米国ノースカロライナ州の軟包材コンバーティング事業用資産は、当社の連結子会社であるInterFlex Investment Holdings, Inc.によるものであります。当連結会計年度において世界的なインフレ進行による消費停滞等により、グループシナジー効果発現が遅延したことなどから、買収時に想定していた超過収益力の実現も遅延することとなり、減損損失を認識するものであります。その内訳は、のれん10,612百万円、無形固定資産その他3,264百万円であります。なお、当資産グループの回収可能価額は使用価値により測定しております。
*2 神奈川県相模原市の紙器事業生産用資産は、事業環境が悪化したことに伴う収益力の低下を受け、相模原工場の閉鎖・生産停止を決定したことによるものであります。なお、当資産グループの回収可能価額は使用価値により測定しており、帳簿価額を備忘価額まで減額しております。
なお、減損損失の内訳は、軟包材コンバーティング事業用資産13,877百万円、紙器事業生産用資産8,931百万円、その他の事業用資産511百万円、製造設備373百万円、遊休資産144百万円であり、資産種類別の内訳は、建物及び構築物5,808百万円、機械装置及び運搬具3,434百万円、土地0百万円、建設仮勘定56百万円、有形固定資産その他159百万円、のれん10,949百万円、無形固定資産その他3,385百万円、投資その他の資産その他44百万円であります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当社グループは、事業用資産については原則として各主要品種を、遊休資産についてはそれぞれ個別の物件を単位としてグルーピングを行っており、回収可能価額の算定にあたっては、原則として遊休資産は正味売却価額、その他の資産は使用価値又は正味売却価額を適用しております。なお、使用価値の算定に用いる割引率は7.0~11.5%を用いており、正味売却価額は、処分費用見込額控除後の時価としており、時価の算定には観察可能な市場取引又は鑑定評価額等の合理的に算定された額を使用しております。
その結果、当連結会計年度において、主として、以下の資産グループについて帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減少額23,444百万円を減損損失として特別損失に計上しております。
*1 米国ジョージア州の軟包材関連工場は、米国市場における事業環境が悪化し収益性の低下が見込まれることによるものであります。なお、当資産グループの回収可能価額は正味売却価額により測定しております。
*2 米国テキサス州の半導体関連製造設備は、生産性低迷により収益性の低下が見込まれることによるものであります。なお、当資産グループの回収可能価額は正味売却価額により測定しております。
*3 東京都台東区のデジタルビジネス関連事業用資産は、当初の想定よりサービス提供の拡大に時間を要しており、投資額の短期的な回収が見込めなくなったことによるものであります。なお、当資産グループの回収可能価額は使用価値により測定しており、帳簿価額を備忘価額まで減額しております。
*4 埼玉県比企郡の受託充填関連工場は、事業からの撤退の意思決定に伴い、回収が見込めなくなったことによるものであります。なお、当資産グループの回収可能価額は使用価値により測定しております。
*5 ドイツ ノルトライン・ヴェストファーレン州の建装材関連製造設備は、欧州市場における事業環境が悪化したことに伴う収益力の低下が見込まれることによるものであります。なお、当資産グループの回収可能価額は使用価値により測定しており、帳簿価額を備忘価額まで減額しております。
*6 東京都文京区のデジタルビジネス関連事業用資産は、サービス提供の拡大が遅れていることに加え、当初の想定以上にシステム開発・運用などの体制整備に時間を要しており、短期的な回収が見込めなくなったことなどから、減損損失を認識するものであります。なお、当資産グループの回収可能価額は使用価値により測定しており、帳簿価額を備忘価額まで減額しております。
*7 福島県福島市他のラベル関連工場は、事業環境が悪化し収益性の低下が見込まれることによるものであります。なお、当資産グループの回収可能価額は正味売却価額により測定しております。
*8 兵庫県神戸市の受託充填関連工場は、事業環境が悪化し収益性の低下が見込まれることによるものであります。なお、当資産グループの回収可能価額は使用価値により測定しており、帳簿価額を備忘価額まで減額しております。
なお、減損損失の内訳は、軟包材関連工場5,839百万円、デジタルビジネス関連事業用資産3,718百万円、受託充填関連工場2,986百万円、半導体関連製造設備2,740百万円、建装材関連製造設備1,571百万円、ラベル関連工場1,408百万円、その他事業用資産4,937百万円、遊休資産241百万円であり、資産種類別の内訳は、機械装置及び運搬具9,683百万円、無形固定資産その他5,834百万円、建物及び構築物4,444百万円、のれん1,572百万円、土地1,249百万円、有形固定資産その他399百万円、建設仮勘定176百万円、投資その他の資産その他83百万円であります。
※6 段階取得に係る差益の内訳は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
持分法適用会社であったICI㈱の株式を追加取得した結果、連結子会社となったことに伴い発生したものであります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
持分法適用会社であったToppan Leefung Printing (Shanghai) Co., Ltd.の株式を追加取得した結果、連結子会社となったことに伴い発生したものであります。
※7 環境対策費戻入益の内訳は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
板橋工場の土壌汚染対策費用の戻入益であります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
負担すべき補償責任が消滅したことによる戻入益であります。
※8 関係会社清算損の内訳は、次のとおりであります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
深圳凸版信息科技有限公司の清算結了に伴い発生したものであります。
※9 関係会社株式売却損の内訳は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
主として東洋インキSCホールディングス㈱(現 artience㈱)の株式譲渡に伴い発生したものであります。
(連結包括利益計算書関係)
※ その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注) 1 普通株式の自己株式の株式数の増加7,741千株は、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加7,650千株、単元未満株式の買取請求による増加7千株、譲渡制限付株式報酬制度における無償取得による増加1千株、持分法適用関連会社が取得した自己株式(当社株式)の当社帰属分82千株であります。
2 普通株式の自己株式の株式数の減少124千株は、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少 41千株、持分法適用関連会社が売却した自己株式(当社株式)の当社帰属分82千株、単元未満株式の買増請求による減少0千株によるものであります。
2 新株予約権及び自己新株予約権に関する事項
3 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
4 非支配株主に係る売建プット・オプション負債の変動等
当社グループは、国際財務報告基準(IFRS)を適用する連結子会社の非支配株主に対して連結子会社株式に係る売建プット・オプションを付与しており、将来支払うと見込まれる金額をその他の負債に計上するとともに同額を利益剰余金から減額し、当初認識後の変動についても利益剰余金の増減にて認識しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注) 1 普通株式の発行済株式総数の減少21,000千株は、取締役会決議に基づく自己株式の消却による減少であります。
2 普通株式の自己株式の株式数の増加12,775千株は、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加10,879千株、株式付与ESOP信託の当社株式取得による増加1,885千株、単元未満株式の買取請求による増加9千株、譲渡制限付株式報酬制度における無償取得による増加0千株、持分法適用関連会社が取得した自己株式(当社株式)の当社帰属分1千株であります。
3 普通株式の自己株式の株式数の減少21,032千株は、取締役会決議に基づく自己株式の消却による減少21,000千株、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少31千株、持分法適用関連会社が売却した自己株式(当社株式)の当社帰属分0千株、単元未満株式の買増請求による減少0千株によるものであります。
4 当連結会計年度末の自己株式には、株式付与ESOP信託が保有する当社株式1,885千株が含まれております。
2 新株予約権及び自己新株予約権に関する事項
3 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注)「配当金の総額」には、株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金45百万円が含まれております。
4 非支配株主に係る売建プット・オプション負債の変動等
当社グループは、国際財務報告基準(IFRS)を適用する連結子会社の非支配株主に対して連結子会社株式に係る売建プット・オプションを付与しており、将来支払うと見込まれる金額をその他の負債に計上するとともに同額を利益剰余金から減額し、当初認識後の変動についても利益剰余金の増減にて認識しております。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※ 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
(リース取引関係)
1 ファイナンス・リース取引
所有権移転外ファイナンス・リース取引
(1) リース資産の内容
有形固定資産
主として、建物、機械装置及び運搬具であります。
無形固定資産
ソフトウェアであります。
(2) リース資産の減価償却の方法
連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項「4 会計方針に関する事項 (2)重要な減価償却資産の減価償却の方法」に記載のとおりであります。
2 使用権資産
(1) 使用権資産の内容
有形固定資産
主として、建物及び土地使用権であります。
(2) 使用権資産の減価償却の方法
連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項「4 会計方針に関する事項 (2)重要な減価償却資産の減価償却の方法」に記載のとおりであります。
3 オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(借手側)
(貸手側)
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社グループは、長期的な設備投資計画に照らして、必要な資金(主に銀行借入や社債発行)を調達しております。一時的な余剰資金は安全性の高い金融資産で運用し、投機的な運用は行っておりません。また、デリバティブは後述するリスクの回避にのみ限定し、投機的な取引は行っておりません。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。また、その一部には、外貨建てのものがあり、為替の変動リスクに晒されております。有価証券及び投資有価証券は、主に満期保有目的の債券及び取引先企業との業務又は資本提携等に関連する株式であり、市場価格の変動リスクに晒されております。
営業債務である支払手形及び買掛金、電子記録債務は、全てが1年以内の支払期日であります。また、その一部には、外貨建てのものがあり、為替の変動リスクに晒されております。借入金、社債は、主に設備投資等に必要な資金調達を目的としたものであります。その一部は、変動金利であるため金利の変動リスクに晒されております。
デリバティブ取引は、主に外貨建ての営業債権債務及び外貨建予定取引に係る為替の変動リスクに対するヘッジを目的とした為替予約取引及び通貨スワップ取引、社債及び借入金に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジを目的とした金利スワップ取引であります。なお、ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジの方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、前述の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の「4 会計方針に関する事項(7)重要なヘッジ会計の方法」に記載しております。
(3) 金融商品に係るリスク管理体制
①信用リスク(取引先の契約不履行等に係るリスク)の管理
営業債権である受取手形及び売掛金については、債権保全と資金効率の向上を図るべく当社グループの「与信管理規程」に従い管理し、取引先別に期日管理及び残高管理並びに与信管理を行うとともに、取引先の信用状況を定期的に把握しております。
債券の運用については、「金融商品リスク管理ガイドライン」に従い、格付の高い商品を運用対象とし、信用リスクは僅少であります。
デリバティブ取引の利用にあたっては、カウンターパーティーリスクを軽減すべく格付の高い金融機関とのみ取引を行っております。
②市場リスク(為替や金利等の変動リスク)の管理
当社及び一部の連結子会社は、主に外貨建ての営業債権債務及び外貨建予定取引について、為替予約取引及び通貨スワップ取引を利用し、為替の変動リスクをヘッジしております。また、社債及び借入金に係る支払金利の変動リスクを抑制するために、金利スワップ取引をしております。
保有する有価証券については、定期的に発行体(取引先企業)の財務状況を把握し、保有の是非について見直しを行っております。特に上場株式、上場債券については毎月時価の把握を行っております。
デリバティブ取引の利用にあたっては、原則、経営会議での報告及び承認を必要とし、取引の状況は、決算期末に財務担当取締役より取締役会等に報告されます。
(4) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することがあります。また、「デリバティブ取引関係」注記におけるデリバティブ契約額については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
※1 現金は注記を省略しており、預金、受取手形及び売掛金、支払手形及び買掛金、電子記録債務、短期借入金は、短期間で決済されるため時価が帳簿価額と近似するものであることから、記載を省略しております。
※2 市場価格のない株式等は、「(1)有価証券及び投資有価証券」には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
※3 連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他これに準ずる事業体への出資については含めておりません。当該出資の連結貸借対照表計上額は5,779百万円であります。
※4 デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については( )で示しております。
当連結会計年度(2024年3月31日)
※1 現金は注記を省略しており、預金、受取手形及び売掛金、支払手形及び買掛金、電子記録債務、短期借入金は、短期間で決済されるため時価が帳簿価額と近似するものであることから、記載を省略しております。
※2 市場価格のない株式等は、「(1)有価証券及び投資有価証券」には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
※3 連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他これに準ずる事業体への出資については含めておりません。当該出資の連結貸借対照表計上額は6,097百万円であります。
※4 デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については( )で示しております。
(注)1 有価証券及びデリバティブ取引に関する事項
有価証券及び投資有価証券
「有価証券関係」注記を参照。
デリバティブ取引
「デリバティブ取引関係」注記を参照。
(注)2 金銭債権及び満期がある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注)3 短期借入金、社債、長期借入金の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注)1 時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
有価証券及び投資有価証券
上場株式は相場価格を用いて評価しております。上場株式は活発な市場で取引されているため、その時価をレベル1の時価に分類しております。
債券は、主にスワップレートやクレジットスプレッドをもとに早期償還までの将来キャッシュ・フローを割り引いた現在価値により算定された取引先金融機関から提示された価格を時価としており、レベル2の時価に分類しております。
投資信託は、公表されている基準価格や取引先金融機関から提示された価格を時価としており、レベル2の時価に分類しております。
デリバティブ取引
金利スワップ、通貨スワップ及び為替予約の時価は、主に金利や為替レート等の観察可能なインプットを用いて割引現在価値法により算定された取引先金融機関から提示された価格を時価としており、レベル2の時価に分類しております。
金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は当該長期借入金の時価に含めて記載しております。
社債
当社の発行する社債の時価は、市場価格のないものについては、元利金の合計金額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2の時価に分類しております。
長期借入金
固定金利による借入金は、将来キャッシュ・フローを同様の新規借り入れを行った場合に想定される利率で割り引いて算定しており、レベル2の時価に分類しております。
変動金利による借入金は、短期間で市場金利を反映し、また当社の信用状態は実行後大きく異なっていないため時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によって算定しており、レベル2の時価に分類しております。
長期預り敷金・保証金
当該債務の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2の時価に分類しております。
長期預り敷金・保証金は連結貸借対照表の固定負債の「その他」に含まれております。
(注)2 時価をもって連結貸借対照表計上額とする金融商品のうちレベル3の時価に関する情報
重要性が乏しいため、注記を省略しております。
(有価証券関係)
1 満期保有目的の債券
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
2 その他有価証券
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) 非上場株式(連結貸借対照表計上額 18,629百万円)及び組合出資金(連結貸借対照表計上額 5,779百万円)については、市場価格がないことから、上表には含めておりません。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 非上場株式(連結貸借対照表計上額 18,232百万円)及び組合出資金(連結貸借対照表計上額 6,097百万円)については、市場価格がないことから、上表には含めておりません。
3 連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
4 減損処理を行った有価証券
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
その他有価証券の株式2,264百万円の減損処理を行っております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
その他有価証券の株式2,211百万円の減損処理を行っております。
なお、当該有価証券の減損にあたっては、連結会計年度末日における当該銘柄の時価が、取得原価に対し50%以上下落した場合には「著しい下落」があったものとし、減損処理を行っております。また、取得原価に対する時価の下落率が50%未満であっても、当該個別銘柄の連結会計年度末日以前の株価推移等を勘案して、一時的な下落と認められないものについては、減損処理を行っております。
(デリバティブ取引関係)
1 ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
(1) 通貨関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(2) 金利関連
該当事項はありません。
2 ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
(1) 通貨関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
該当事項はありません。
(2) 金利関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) 金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載しております。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載しております。
(退職給付関係)
1 採用している退職給付制度の概要
当社及び国内連結子会社は、確定給付型の制度として確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を、また確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を採用しております。
また、当社及び一部の国内連結子会社において退職給付信託を設定しております。
なお、一部の連結子会社が有する確定給付企業年金制度及び退職一時金制度は、簡便法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算しております。
2 確定給付制度(簡便法を適用した制度を含む)
(1) 退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表
(2) 年金資産の期首残高と期末残高の調整表
(3) 退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表上に計上された退職給付に係る負債
及び退職給付に係る資産の調整表
(4) 退職給付費用及びその内訳項目の金額
(5) 退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりであります。
(6) 退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりであります。
(7) 年金資産に関する事項
①年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりであります。
(注) 年金資産合計には、企業年金制度に対して設定した退職給付信託が前連結会計年度2.7%、当連結会計年度2.6%含まれております。
②長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。
(8) 数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎
(注) 当社は、当連結会計年度より確定給付企業年金制度の対象者に現職従業員が存在しなくなり、予想昇給率は主な数理計算上の計算基礎とならなくなりました。そのため、当連結会計年度の予想昇給率は記載しておりません。
3 確定拠出制度
当社及び連結子会社における確定拠出制度への要拠出額は、前連結会計年度5,504百万円、当連結会計年度5,641百万円であります。
(ストック・オプション等関係)
1 ストック・オプションにかかる費用計上額及び科目名
該当事項はありません。
2 ストック・オプションの内容、規模及びその変動状況
(1) ストック・オプションの内容
(注) 株式数に換算して記載しております。
(2) ストック・オプションの規模及びその変動状況
当連結会計年度(2024年3月期)において存在したストック・オプションを対象とし、ストック・オプションの数については、株式数に換算して記載しております。
① ストック・オプションの数
② 単価情報
3 ストック・オプションの公正な評価単価の見積方法
ストック・オプションの付与時点において、当社の連結子会社である株式会社トッパンフォトマスクは未公開企業であるため、ストック・オプションの公正な評価単価の見積方法を単位当たりの本源的価値の見積りによっております。
また、単位当たりの本源的価値の算定基礎となる同社の株式の評価方法は、DCF法、類似会社比準法により算定した価格を総合的に勘案して決定しております。
なお、算定の結果、付与時点における単位当たりの本源的価値はゼロであるため、公正な評価単価は記載しておりません。
4 ストック・オプションの権利確定数の見積方法
基本的には、将来の失効数の合理的な見積りは困難であるため、実績の失効数のみ反映させる方法を採用しております。
5 ストック・オプションの単位当たりの本源的価値により算定を行う場合の当連結会計年度末における本源的価値の合計額及び当連結会計年度において権利行使されたストック・オプションの権利行使日における本源的価値の合計額
(1) 当連結会計年度末における本源的価値の合計額 293百万円
(2) 当連結会計年度において権利行使された本源的価値の合計額 -百万円
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
※1 評価性引当額は前連結会計年度に比べ558百万円減少しております。この主な内容は、一部の連結子会社において、税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額が減少したことに伴うものであります。
※2 税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度(2023年3月31日) (単位:百万円)
(a) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた金額です。
(b) 税務上の繰越欠損金21,714百万円(法定実効税率を乗じた額)について繰延税金資産10,850百万円を計上しております。当該繰延税金資産10,850百万円は、連結子会社における税務上の繰越欠損金21,714百万円(法定実効税率を乗じた額)の一部について認識したものであります。当該繰越欠損金に係る繰延税金資産は、主として将来の課税所得の見込みにより回収可能と判断しております。
当連結会計年度(2024年3月31日) (単位:百万円)
(a) 税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた金額です。
(b) 税務上の繰越欠損金22,492百万円(法定実効税率を乗じた額)について繰延税金資産13,543百万円を計上しております。当該繰延税金資産13,543百万円は、連結子会社における税務上の繰越欠損金22,492百万円(法定実効税率を乗じた額)の一部について認識したものであります。当該繰越欠損金に係る繰延税金資産は、主として将来の課税所得の見込みにより回収可能と判断しております。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の主要な項目別の内訳
前連結会計年度及び当連結会計年度は、法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間の差異が法定実効税率の100分の5以下であるため注記を省略しております。
(企業結合等関係)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(共通支配下の取引)
(吸収分割による事業承継)
当社は、2023年4月1日に、2022年10月1日付組織運営体制変更後の当社情報コミュニケーション事業本部セキュア事業部が営む事業(以下「本事業」という。)に関して有する権利義務の一部を、当社の連結子会社であるTOPPANエッジ株式会社(以下「TOPPANエッジ」という。)に吸収分割の方法により承継いたしました。
なお、同日付でTOPPANエッジはトッパン・フォームズ株式会社から商号を変更しております。
1 取引の概要
(1)対象となった事業の名称及び事業の内容
2022年10月1日付組織運営体制変更後の当社情報コミュニケーション事業本部セキュア事業部が営む事業
(2)企業結合日
2023年4月1日
(3)企業結合の法的形式
当社を分割会社とし、当社の完全子会社であるTOPPANエッジを承継会社とする吸収分割(簡易吸収分割)
(4)結合後企業の名称
変更なし
(5)その他取引の概要に関する事項
急速な事業環境の変化に対応し、グループシナジーの最大化を実現するためには、本事業とTOPPANエッジの事業を統合し、事業ポートフォリオの変革を加速させることが必要であると判断し、本吸収分割を行うものであります。本事業とTOPPANエッジの事業を統合させたことで、両者のソリューションを掛け合わせた新事業開発、それぞれが強みとするチャネルへのクロスセル展開、重複投資の排除等によるコスト効率化施策を実施することで事業シナジーの最大化を図り、TOPPANグループ全体の事業ポートフォリオ変革を先導する役割を担ってまいります。
2 実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共通支配下の取引として処理しております。
(持株会社体制への移行のための会社分割)
当社は2023年10月1日付で当社を吸収分割会社とし、TOPPAN株式会社及びTOPPANデジタル株式会社を吸収分割承継会社とした吸収分割を実施し、持株会社体制へ移行いたしました。また、同日付で、当社の商号をTOPPANホールディングス株式会社に変更しております。
1 取引の概要
(1)対象となった事業の名称及び事業の内容
①商号:TOPPAN株式会社
事業の内容:当社が営む一切の事業(但し、グループ経営管理事業(当社が株式又は持分を保有する会社等の事業活動に対する支配又は管理並びにグループ経営戦略としての新事業開発に必要な業務及び当社を上場会社である持株会社として運営するために必要な業務に係る事業を含みます。)及び当社DXデザイン事業部が営む事業を除きます。)
②商号:TOPPANデジタル株式会社
事業の内容:当社DXデザイン事業部が営む事業
(2)企業結合日
2023年10月1日
(3)企業結合の法的形式
当社を分割会社とし、当社の完全子会社であるTOPPAN株式会社及びTOPPANデジタル株式会社を承継会社とする吸収分割
(4)結合後企業の名称
分割会社:TOPPANホールディングス株式会社
承継会社:TOPPAN株式会社、TOPPANデジタル株式会社
(5)その他取引の概要に関する事項
急速な事業環境の変化に対応し、事業ポートフォリオの変革を実現するためには、これまで以上にTOPPANグループ一丸となってシナジーの最大化を図るとともに、グループガバナンス強化を通じた経営資源の最適配分、環境変化に対応するための迅速な意思決定を可能とする経営体制へと進化を遂げる必要があると考え、持株会社体制へ移行することといたしました。グループ全体最適の視点から事業会社を一体的に運営することで、TOPPANグループ全体での事業ポートフォリオの変革を推進し、グループとしての企業価値向上に努めてまいります。
2 実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共通支配下の取引として処理しております。
(収益認識関係)
1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
2 顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
当社及び連結子会社は、連結財務諸表「セグメント情報等 セグメント情報 1 報告セグメントの概要」に記載のとおり、情報コミュニケーション事業分野、生活・産業事業分野及びエレクトロニクス事業分野の3事業分野にわたり幅広い事業活動を展開しており、国内外の顧客に向け、多種多様な製品、商品及びサービスを提供しております。
情報コミュニケーション事業分野における各種印刷物等、生活・産業事業分野における各種印刷物等、及びエレクトロニクス事業分野における各種エレクトロニクス製品等の製造・販売取引については、財に対する支配が主として一時点で顧客に移転いたします。
日本の顧客に向けての製品又は商品の販売は、その大部分が日本国内からの出荷取引によるものであり、それらは顧客に製品又は商品が到着した時に収益を認識しております。
一方、アジア及びその他の地域の顧客に向けての製品又は商品の販売は、地域各国における国内出荷取引に加え、当該地域及び日本からの輸出取引により構成されており、国内出荷取引においては主に顧客に製品又は商品が到着した時に、また輸出取引においては主にインコタームズ等で定められた貿易条件に基づき支配が顧客に移転した時に収益を認識しております。
また、日本、アジア及びその他の地域の顧客に対し、主に情報コミュニケーション事業分野において、BPOサービス、ソフトウェア・コンテンツの受注制作業務及びスペースデザイン・施工業務等を提供しております。これらは、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の測定は、主に各報告期間の期末日までに発生した実際原価が、予想される総原価の合計に占める割合に基づいて行っております。また、契約の初期段階等、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないが、発生する費用を回収することが見込まれる場合は、原価回収基準にて収益を認識しております。
取引の対価は、履行義務の充足前に前受金として受領する場合を除き、履行義務を充足してから概ね1年以内に受領しており、重要な金融要素は含まれておりません。また、顧客と約束した対価に変動対価が含まれている取引は、主として返品権付きの販売であり、過去の実績等に基づき変動対価の額を見積っております。顧客との契約は、通常単一の履行義務から構成されておりますが、複数の履行義務から構成されている場合には、財又はサービスの独立販売価格の比率に基づき、それぞれの履行義務に取引価格を配分しております。
3 顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(1) 契約資産及び契約負債の残高等
(単位:百万円)
契約資産は、主に、各種印刷物等の製品や商品の製造・販売、BPOサービス、ソフトウェア・コンテンツの受注制作業務及びスペースデザイン・施工業務等について、期末日時点で完了しているが未請求の部分に係る対価に対する当社及び連結子会社の権利に関するものであります。契約資産は、対価に対する当社及び連結子会社の権利が無条件になった時点で顧客との契約から生じた債権に振り替えられます。
契約負債は、主に、各種印刷物等の製品や商品の製造・販売、BPOサービス、ソフトウェア・コンテンツの受注制作業務及びスペースデザイン・施工業務等について、顧客から受け取った前受金に関するものであります。契約負債は、収益の認識に伴い取り崩されます。
当連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は、4,739百万円であります。
過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から、当連結会計年度に認識した収益(例えば、取引価格の変動)の額は249百万円であります。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
残存履行義務に配分した取引価格の報告セグメントごとの総額は、以下のとおりであります。当該履行義務は、主にエレクトロニクス事業分野における半導体関連の製品の販売に関するものであり、概ね6年以内に安定的に履行義務を充足するにつれて収益として認識されると見込んでおります。なお、当社及び連結子会社では、残存履行義務に配分した取引価格の注記にあたって実務上の便法を適用し、当初に予想される契約期間が1年以内の契約、及び知的財産のライセンス契約のうち売上高又は使用量に基づくロイヤルティについては、注記の対象に含めておりません。
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(1) 契約資産及び契約負債の残高等
(単位:百万円)
契約資産は、主に、各種印刷物等の製品や商品の製造・販売、BPOサービス、ソフトウェア・コンテンツの受注制作業務及びスペースデザイン・施工業務等について、期末日時点で完了しているが未請求の部分に係る対価に対する当社及び連結子会社の権利に関するものであります。契約資産は、対価に対する当社及び連結子会社の権利が無条件になった時点で顧客との契約から生じた債権に振り替えられます。
契約負債は、主に、各種印刷物等の製品や商品の製造・販売、BPOサービス、ソフトウェア・コンテンツの受注制作業務及びスペースデザイン・施工業務等について、顧客から受け取った前受金に関するものであります。契約負債は、収益の認識に伴い取り崩されます。
当連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は、7,205百万円であります。
過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から、当連結会計年度に認識した収益(例えば、取引価格の変動)の額は305百万円であります。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
残存履行義務に配分した取引価格の報告セグメントごとの総額は、以下のとおりであります。当該履行義務は、主にエレクトロニクス事業分野における半導体関連の製品の販売に関するものであり、概ね8年以内に安定的に履行義務を充足するにつれて収益として認識されると見込んでおります。なお、当社及び連結子会社では、残存履行義務に配分した取引価格の注記にあたって実務上の便法を適用し、当初に予想される契約期間が1年以内の契約、及び知的財産のライセンス契約のうち売上高又は使用量に基づくロイヤルティについては、注記の対象に含めておりません。
(単位:百万円)
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
(1) 報告セグメントの決定方法
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、マネジメントによって経営資源の配分の決定及び業績の評価に定期的に使用されているものであります。
(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
当社グループは、主に製品・サービスの特性に基づきセグメントを区分しており、「情報コミュニケーション事業分野」、「生活・産業事業分野」及び「エレクトロニクス事業分野」の3つを報告セグメントとしております。
各セグメントの事業に係る主な製品及びサービスは、以下のとおりであります。
「情報コミュニケーション事業分野」
決済関連サービス、電子書籍、デジタルマーケティングサービス、バックオフィス業務代行、
証券類全般、ICカード、ビジネスフォーム、カタログ等広告宣伝印刷物、雑誌・書籍等出版印刷物
「生活・産業事業分野」
軟包材・紙器等パッケージ類、プラスチック成形品、透明バリアフィルム、
化粧シート・壁紙等建装材、インキ
「エレクトロニクス事業分野」
ディスプレイ用カラーフィルタ、反射防止フィルム、中小型TFT液晶パネル、フォトマスク、
FC-BGA基板
(3) 報告セグメントの変更等に関する事項
(有形固定資産の耐用年数の変更)
「会計上の見積りの変更」に記載のとおり、当連結会計年度の期首よりフォトマスク用製造装置の耐用年数を変更しております。
この変更により、従来の耐用年数によった場合に比べて、当連結会計年度のセグメント利益が「エレクトロニクス事業分野」で8,172百万円減少しております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。報告セグメントの利益は、営業利益の数値であります。セグメント間の内部売上高又は振替高は、主に市場価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注)調整額は以下のとおりであります。
(1)セグメント利益の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社費用△38,443百万円等が含まれております。全社費用は、主に当社の本社部門及び基礎研究部門等に係る費用であります。
(2)セグメント資産の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社資産613,178百万円等が含まれております。全社資産は、主に当社の本社部門及び基礎研究部門等における余資運用資金(現金及び預金、有価証券)、長期投資資金(投資有価証券等)及び固定資産(建物及び構築物、土地等)であります。
(3)減価償却費の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社資産の減価償却費4,303百万円が含まれております。全社資産は、主に当社の本社部門及び基礎研究部門等における固定資産であります。
(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社資産10,937百万円が含まれております。全社資産は、主に当社の本社部門及び基礎研究部門等における固定資産であります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)調整額は以下のとおりであります。
(1)セグメント利益の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社費用△49,149百万円等が含まれております。全社費用は、主に当社の本社部門及び基礎研究部門等に係る費用であります。
(2)セグメント資産の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社資産481,607百万円等が含まれております。全社資産は、主に当社の本社部門及び基礎研究部門等における余資運用資金(現金及び預金、有価証券)、長期投資資金(投資有価証券等)及び固定資産(建物及び構築物、土地等)であります。
(3)減価償却費の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社資産の減価償却費5,943百万円が含まれております。全社資産は、主に当社の本社部門及び基礎研究部門等における固定資産であります。
(4)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社資産11,063百万円が含まれております。全社資産は、主に当社の本社部門及び基礎研究部門等における固定資産であります。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
【関連当事者情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
連結財務諸表提出会社と関連当事者の取引
連結財務諸表提出会社の役員及び主要株主(個人の場合に限る。)等
(注)1 取引条件及び取引条件の決定方針等
一般的な市場価格を勘案し、取引価額を決定しております。
2 当社役員野間省伸氏が2023年3月31日現在、議決権の100%を保有しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
連結財務諸表提出会社と関連当事者の取引
連結財務諸表提出会社の役員及び主要株主(個人の場合に限る。)等
(注)1 取引条件及び取引条件の決定方針等
一般的な市場価格を勘案し、取引価額を決定しております。
2 当社役員野間省伸氏が2024年3月31日現在、議決権の100%を保有しております。
(1株当たり情報)
(注)1 1株当たり当期純利益算定上の基礎は、以下のとおりであります。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3 株式付与ESOP信託が所有する当社株式は、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式数に含めており、また1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。
1株当たり純資産額の算定上、控除した当該自己株式の期末株式数は1,885千株であり、1株当たり当期純利益の算定上、控除した当該自己株式の期中平均株式数は473千株であります。
(重要な後発事象)
(自己株式の取得)
当社は、2024年5月13日開催の取締役会において、会社法第459条第1項の規定による定款の定めに基づき、自己株式を取得することを決議いたしました。
1 自己株式の取得を行う理由
株主還元の強化及び資本効率の向上を目的として、自己株式の取得を行うものであります。
2 取得に係る事項の内容
①取得する株式の種類 当社普通株式
②取得する株式の総数 39,000,000株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 12.31%)
③株式の取得価額の総額 1,000億円(上限)
④取得期間 2024年5月14日から2025年5月13日まで
⑤取得方法 東京証券取引所における市場買付
(自己株式の消却)
当社は、2024年5月13日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議し、自己株式の消却を実施いたしました。
消却に係る事項の内容
①消却した株式の種類 当社普通株式
②消却した株式の総数 10,000,000株
(消却前の発行済株式総数に対する割合 3.04%)
③消却日 2024年5月24日
④消却後の発行済株式総数 318,706,240株
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注)1 「当期末残高」欄の(内書)は、1年内償還予定の金額であります。
2 連結決算日後5年以内における1年ごとの償還予定額の総額は次のとおりであります。
【借入金等明細表】
(注) 1 平均利率については、期末借入金残高に対する加重平均利率を記載しております。
2 リース債務については、リース料総額に含まれる利息相当額を控除する前の金額で連結貸借対照表に計上しているため、平均利率を記載しておりません。
3 長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)の連結決算日後5年内における1年ごとの返済予定額の総額は次のとおりであります。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、記載を省略しております。
(2)【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 満期保有目的の債券
…償却原価法(定額法)
(2) 子会社株式及び関連会社株式
…移動平均法による原価法
(3) その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
…時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しております。)
市場価格のない株式等
…移動平均法による原価法
投資事業有限責任組合及びそれに類する組合への出資(金融商品取引法第2条第2項により有価証券とみなされるもの)
…組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっております。
2 デリバティブの評価基準及び評価方法
…時価法
3 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
建物 …8~50年
機械及び装置 …2~10年
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
なお、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法を採用しております。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
4 繰延資産の処理方法
社債発行費
支出時に全額費用として処理しております。
5 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 賞与引当金
従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額に基づき計上しております。
(3) 役員賞与引当金
役員に対して支給する賞与の支出に充てるため、支給見込額に基づき計上しております。
(4) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
② 数理計算上の差異の費用処理方法
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間内の一定の年数(1年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしております。
なお、当事業年度末では、年金資産の合計額が退職給付債務から未認識数理計算上の差異を控除した金額を超過しているため、当該超過額を前払年金費用(投資その他の資産)に計上しております。
(5) 株式給付引当金
株式交付規定に基づく従業員への当社株式の給付に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき、計上しております。
6 重要な収益及び費用の計上基準
(1) 製品及び商品の販売に係る収益認識
国内販売においては主に顧客に製品又は商品が到着した時に、輸出販売においては主にインコタームズ等で定められた貿易条件に基づき支配が顧客に移転した時に収益を認識しております。
(2) 一定期間にわたって支配が移転する取引に係る収益認識
BPOサービス、ソフトウェア・コンテンツの受注制作業務及びスペースデザイン・施工業務等について、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の測定は、主に各報告期間の期末日までに発生した実際原価が、予想される総原価の合計に占める割合に基づいて行っております。なお、契約の初期段階等、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないが、発生する費用を回収することが見込まれる場合は、原価回収基準にて収益を認識しております。
(3) 代理人取引に係る収益認識
顧客への財又はサービスの提供における当社の役割が代理人に該当する取引(顧客に移転する財又はサービスの支配を獲得せず、これらの財又はサービスを手配するサービスのみを提供している取引)については、顧客から受け取る額から仕入先に支払う額を控除した純額で収益を認識しております。
(4) 有償支給取引に係る収益認識
有償支給した支給品の譲渡時に当該支給品の消滅を認識しております。なお、当該取引において支給品の譲渡に係る収益は認識しておりません。
(5) 有償受給取引に係る収益認識
原材料等の仕入価格を控除した純額で収益を認識するとともに、当社に残存する当該支給品について棚卸資産を認識しております。
(6) 持株会社体制移行後の収益認識
当社における収益は、子会社等からの経営指導料、受取配当金及び賃貸料収入となります。
経営指導料においては、子会社との契約内容に応じた経営指導等を行うことを履行義務として識別しております。この経営指導等は、契約における義務を履行するにつれて子会社が便益を享受すると考えられるため、役務を提供する期間にわたり収益を計上しております。
賃貸料収入については、主に子会社との賃貸契約に基づき、不動産の賃貸を行っており、賃貸借期間にわたって収益を計上しております。
7 ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
主として繰延ヘッジ処理を適用しております。ただし、為替予約の一部取引については振当処理の要件を満たしている場合は振当処理を、金利スワップについては特例処理の要件を満たしている場合には特例処理を適用しております。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
(3) ヘッジ方針
主として、当社の経理規程附属細則に定めている「金融商品リスク管理」及び「金融商品リスク管理ガイドライン」に基づき、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジしております。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ対象とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計を比較し、両者の変動額等を基礎にして有効性の判定を行っております。ただし、金利スワップについては、特例処理の要件に該当すると判定される場合には、有効性の判定は省略しております。
8 その他財務諸表作成のための重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異の会計処理の方法は、連結財務諸表における会計処理の方法と異なっております。
(2) 消費税等の会計処理
資産に係る控除対象外消費税及び地方消費税は当事業年度の費用として処理しております。
(重要な会計上の見積り)
(固定資産の減損損失の認識の要否)
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に同一の内容を記載しているため、記載を省略しております。
(関係会社株式の評価)
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
市場価格のない関係会社株式については、当該株式発行会社の財政状態の悪化等により実質価額が著しく低下したときには、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、株式の評価損を計上しております。
当社は、株式の評価に使用した会計上の見積りに用いられている仮定は適切であると考えておりますが、経営・市場環境の変化等により事業計画の重要な未達が発生し、又は将来の不確実性が増すことにより、見積りに用いた主要な仮定の見直しが必要となる場合には、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。当事業年度では、関係会社株式評価損13,770百万円を特別損失として計上しております。
(表示方法の変更)
(損益計算書関係)
当社は、2023年10月1日に持株会社体制へ移行しております。これに伴い、損益計算書に関して、前事業年度は 売上高、売上原価、売上総利益として表示しておりましたが、当事業年度からは営業収益、営業費用、営業総利益とし、持株会社体制移行後に係る営業収益については、関係会社からの経営指導料・不動産賃貸収入・受取配当金を独立掲記し、また営業費用については、不動産賃貸原価を独立掲記しております。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する資産及び負債
区分掲記されたもの以外で当該関係会社に対する金銭債権又は金銭債務の金額は、次のとおりであります。
※2 担保資産及び担保付債務
担保に供している資産は次のとおりであります。
なお、これに対応する担保付債務はありません。
3 保証債務
関係会社の金融機関等からの借入に対する保証
(損益計算書関係)
※1 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりであります。
※2 関係会社との営業取引及び営業取引以外の取引高の総額は、次のとおりであります。
※3 関係会社株式評価損
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
関係会社株式評価損は、当社連結子会社であるInterFlex Investment Holdings, Inc.の株式の超過収益力等を反映した実質価額が著しく低下したため行った評価損であります。
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当社連結子会社Toppan USA, Inc.他2社によるものであります。
(有価証券関係)
前事業年度(2023年3月31日)
子会社株式及び関連会社株式
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2024年3月31日)
子会社株式及び関連会社株式
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の主要な項目別の内訳
(企業結合等関係)
(吸収分割による事業承継)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(持株会社体制への移行のための会社分割)
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(収益認識関係)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(重要な後発事象)
(自己株式の取得)
当社は、2024年5月13日開催の取締役会において、会社法第459条第1項の規定による定款の定めに基づき、自己株式を取得することを決議いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(自己株式の消却)
当社は、2024年5月13日開催の取締役会において、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議し、自己株式の消却を実施いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1 当期増加額のうち主なものは次のとおりであります。
建物 株式会社トッパンプロスプリントからの現物配当による取得 1,363百万円
機械及び装置 新潟工場 新ライン1期導入立上工事 1,929百万円
株式会社トッパンプロスプリントからの現物配当による取得 1,970百万円
土地 株式会社トッパンプロスプリントからの現物配当による取得 2,418百万円
建設仮勘定 新潟工場 新ライン2期導入立上工事 1,558百万円
川口工場 印刷機更新・移設 1,186百万円
(注) 2 当期減少額のうち主なものは次のとおりであります。
建物 TOPPAN株式会社への資産切り出し 67,082百万円
TOPPANエッジ株式会社への資産切り出し 7,055百万円
構築物 TOPPAN株式会社への資産切り出し 2,156百万円
機械及び装置 TOPPAN株式会社への資産切り出し 50,826百万円
TOPPANエッジ株式会社への資産切り出し 7,473百万円
工具、器具及び
備品 TOPPAN株式会社への切り出し 3,961百万円
土地 TOPPAN株式会社への切り出し 41,631百万円
TOPPANエッジ株式会社への切り出し 2,440百万円
建設仮勘定 TOPPAN株式会社への切り出し 13,366百万円
ソフトウェア TOPPAN株式会社への切り出し 6,567百万円
TOPPANデジタル株式会社への切り出し 3,685百万円
TOPPANエッジ株式会社への切り出し 2,355百万円
(注) 3 当期の減損損失額は、「当期減少額」欄に含めて記載し、当該減損損失の金額を( )として記載しております。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当会社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができません。
1 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
2 株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
(1) 当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
①有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 第177期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 2023年6月29日関東財務局長に提出。
②内部統制報告書及びその添付書類
2023年6月29日関東財務局長に提出。
③四半期報告書及び確認書
第178期第1四半期(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) 2023年8月14日関東財務局長に提出。
第178期第2四半期(自 2023年7月1日 至 2023年9月30日) 2023年11月14日関東財務局長に提出。
第178期第3四半期(自 2023年10月1日 至 2023年12月31日) 2024年2月14日関東財務局長に提出。
④臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)の規定に基づく臨時報告書
2023年6月29日関東財務局長に提出。
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号及び19号(財政状態及び経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象)に基づく臨時報告書
2023年11月1日関東財務局長に提出。
⑤訂正発行登録書
2023年11月1日関東財務局長に提出。
⑥自己株券買付状況報告書
報告期間(自 2023年6月1日 至 2023年6月30日) 2023年7月14日関東財務局長に提出。
報告期間(自 2023年7月1日 至 2023年7月31日) 2023年8月10日関東財務局長に提出。
報告期間(自 2023年8月1日 至 2023年8月31日) 2023年9月15日関東財務局長に提出。
報告期間(自 2023年9月1日 至 2023年9月30日) 2023年10月13日関東財務局長に提出。
報告期間(自 2023年10月1日 至 2023年10月31日) 2023年11月15日関東財務局長に提出。
報告期間(自 2023年11月1日 至 2023年11月30日) 2023年12月15日関東財務局長に提出。
報告期間(自 2023年12月1日 至 2023年12月31日) 2024年1月15日関東財務局長に提出。
報告期間(自 2024年1月1日 至 2024年1月31日) 2024年2月15日関東財務局長に提出。
報告期間(自 2024年2月1日 至 2024年2月29日) 2024年3月15日関東財務局長に提出。
報告期間(自 2024年3月1日 至 2024年3月31日) 2024年4月15日関東財務局長に提出。
報告期間(自 2024年4月1日 至 2024年4月30日) 2024年5月10日関東財務局長に提出。
報告期間(自 2024年5月1日 至 2024年5月31日) 2024年6月14日関東財務局長に提出。
⑦発行登録書(株券、社債券等)及びその添付書類
2023年8月25日関東財務局長に提出。
(2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
連結子会社のうち、主要な連結子会社以外のものに係る管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異は、次のとおりであります。
(注) 1 ※1:「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。海外現地法人に関しては、上記基準に準じた方法にて算出しております。
2 ※2:「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。海外現地法人に関しては、上記基準に準じた方法にて算出しております。対象となる男性従業員がいない場合は「―」を記載しております。
3 ※3:海外現地法人に関しては、海外現地法人にて算出された平均賃金を2024年3月31日時点の為替レートにて日本円に換算した上で算出しております。
4 「労働者の男女の賃金の差異」は、各社の事業年度において集計したものであり、当社の事業年度と異なる場合があります。「管理職に占める女性労働者の割合」及び「男性労働者の育児休業取得率」については、当社の事業年度と合わせて集計をしております。
5 提出会社及び主要な連結子会社については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。