第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため、記載しておりません。
2 従業員数は就業人員であります。なお、従業員数欄の(外書)は、臨時従業員数の年間平均雇用人数であります。
3 第147期より、取締役等に対し、信託を用いた株式報酬制度「株式交付信託」を導入しております。「1株当たり当期純利益」の算定上の基礎となる期中平均株式数には、その計算において控除する自己株式に当該信託口が保有する当社株式を含めております。また、「1株当たり純資産額」の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。
4 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第150期の期首から適用しており、第150期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため、記載しておりません。
2 従業員数は就業人員であります。なお、従業員数欄の(外書)は、臨時従業員数の年間平均雇用人数であります。
3 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
4 第147期より、取締役等に対し、信託を用いた株式報酬制度「株式交付信託」を導入しております。「1株当たり当期純利益」の算定上の基礎となる期中平均株式数には、その計算において控除する自己株式に当該信託口が保有する当社株式を含めております。また、「1株当たり純資産額」の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。
5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第150期の期首から適用しており、第150期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、当社、子会社25社、関連会社10社およびその他の関係会社1社で構成され、油脂事業、加工食品・素材事業、ファインケミカル事業を主な事業とし、さらに食品の販売促進および人材の派遣、情報システムの開発保守、スポーツ施設の経営、損害保険代理、不動産賃貸等の事業活動を展開しております。
当社グループの事業に係る位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、その他の関係会社1社とは、下記のセグメントの内、主に油脂事業、加工食品・素材事業、ファインケミカル事業で原料、食品、油脂、油粕等の売買を行っております。
〔油脂事業〕
(油脂・油糧)
当社が、油脂製品および油粕製品の製造販売を行っております。販売においては、油脂製品および油粕製品の販売の一部を連結子会社である日清商事㈱、㈱日清商会、セッツ㈱および上海日清油脂有限公司、関連会社である幸商事㈱を通じて、それぞれ行っております。生産においては、製油パートナーズジャパン㈱が、搾油受託を行っております。また、物流においては、輸入原材料の入出庫に係る港湾荷役および製品物流を日清物流㈱が行っております。関連会社である中糧日清(大連)有限公司が油脂製品・油粕製品の製造販売を行っております。
上記以外の会社で、油脂・油糧事業を営んでいる子会社は1社、関連会社は1社であります。
(加工油脂)
当社および連結子会社であるIntercontinental Specialty Fats Sdn.Bhd.が加工油脂製品の製造販売を、Intercontinental Specialty Fats (Italy) S.r.l.が加工油脂製品の製造販売および精製受託を、Intercontinental Specialty Fats (Shanghai)Co., Ltdが加工油脂製品の販売を、関連会社である統清股フン有限公司および張家港統清食品有限公司が加工油脂製品の製造販売を行っております。
また、当社の製造において、Intercontinental Specialty Fats Sdn.Bhd.より加工油脂製品の一部を輸入しております。
上記以外の会社で、加工油脂事業を営んでいる子会社は1社であります。
〔加工食品・素材事業〕
当社がMCT(中鎖脂肪酸)関連食品、醸造用ミール、高齢者・介護関連食品およびドレッシング・マヨネーズ類等の製造販売を行っております。
連結子会社である大東カカオ㈱、T.&C. Manufacturing Co.,Pte.Ltd.およびPT Indoagri Daitocacaoがチョコレート関連製品の製造販売を、㈱日清商会が食品大豆および醸造用ミールの販売を行っております。また、関連会社である㈱ピエトロはドレッシング等の食品製造販売および飲食店経営を、和弘食品㈱が麺類用スープ・天然エキス等の製造販売を行っております。
上記以外の会社で、加工食品・素材事業を営んでいる子会社は3社、関連会社は1社であります。
〔ファインケミカル事業〕
当社が化粧品原料、化学品等の製造販売を、連結子会社であるIndustrial Quimica Lasem,S.A.U.が化粧品原料等の製造販売を、日清奥利友(上海)国際貿易有限公司が化粧品原料等の販売を行っております。また、セッツ㈱が化成品の製造販売を行っております。
上記以外の会社で、ファインケミカル事業を営んでいる子会社は1社であります。
〔その他〕
当社が不動産賃貸業を、連結子会社である㈱NSPが情報システムの開発保守を、㈱マーケティングフォースジャパンが食品の販売促進等を、㈱ゴルフジョイがゴルフ練習場の経営を、日清ファイナンス㈱が損害保険代理業を行っております。
上記以外の会社でその他事業を営んでいる子会社は2社、関連会社は1社であります。

4 【関係会社の状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 主要な事業の内容欄には、主としてセグメントの名称を記載しております。
2 当社の連結子会社であるIndustrial Química Lasem,S.A.U.が、2023年12月にIQL-USA Inc.を設立したことから連結の範囲に含めております。また、当社が、2024年2月にNisshin OilliO America Inc.を設立したことから連結の範囲に含めております。
3 当社が、2023年10月に製油パートナーズジャパン株式会社を合弁会社として設立したことから持分法適用の関連会社に含めております。
4 日清商事㈱、日清奥利友(中国)投資有限公司、Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.、PT Indoagri Daitocacaoは特定子会社に該当しております。
5 日清商事㈱の持分は100分の50未満でありますが、実質的な影響力をもっているため連結子会社としております。
6 ㈱ピエトロおよび和弘食品㈱の持分は100分の20未満でありますが、実質的な影響力を持っているため関連会社としております。
7 有価証券報告書を提出している会社は、㈱ピエトロ、和弘食品㈱および丸紅㈱であります。
8 ( )内は間接所有割合(内書)であります。
9 Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.については売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員であります。なお、(外書)は臨時従業員数の年間平均雇用人数であります。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であります。なお、(外書)は臨時従業員数の年間平均雇用人数であります。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
当社グループの労働組合は、日清オイリオグループ労働組合、セッツ労働組合が組織されております。
組合との交渉はすべて円満に推移しており、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金差異
① 提出会社
2024年3月31日現在
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、2024年4月1日時点で算出したものであり、出向者は出向元の労働者として集計しております。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出(「2023年度において雇用する男性労働者のうち育児休業等を取得した者の数」÷「2023年度において雇用する男性労働者のうち配偶者が出産した者の数」)したものであり、出向者は出向元の労働者として集計しております。
3.男女の賃金差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであり、男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合を示しております。なお、「正規雇用労働者」について、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものであります。また、「パート・有期雇用労働者」について、同一労働の賃金に差はなく、定年退職再雇用者やパートタイマーといった雇用形態別人数構成の差によるものであります。
② 連結子会社
2024年3月31日現在
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき、2024年4月1日時点で算出したものであり、出向者は出向元の労働者として集計しております。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合(「2023年度において雇用する男性労働者のうち育児休業等を取得した者の数」÷「2023年度において雇用する男性労働者のうち配偶者が出産した者の数」)を算出したものであり、出向者は出向元の労働者として集計しております。なお、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づく雇用管理区分ごとの算出・公表は行っておりません。また、セッツ㈱の「-」は、対象となる労働者(当該事業年度中に配偶者が出産した男性労働者)がいないことを示しております。
3.男女の賃金差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであり、男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合を示しております。なお、セッツ㈱および㈱NSPについては、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づく公表を行っておりません。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社の経営理念は、次のとおりです。
ステークホルダーの皆様へお約束するコンセプトとして、「コアプロミス」を次のとおり定めています。
また、今般作成した「日清オイリオグループビジョン2030」において「2030年に目指す姿」を次のとおり
定めております。
当社グループは、従来以上に事業活動による価値創造を通じて社会の持続可能性に貢献してまいります。
「ビジョン2030」策定時に、当社グループが2030年に目指す姿に至るために、行動の基本とするValues
(「真摯な姿勢」「つながる」「究める」「切り拓く」「しなやかに強く」)を定めました。
また、理念を実践していくための行動指針である「日清オイリオグループ行動規範」のグループ内での
浸透を図っています。
日清オイリオグループ理念体系は次のとおりです。

(2) 中長期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
日清オイリオグループビジョン2030
近年、当社グループを取り巻く環境は、地球規模での環境課題の累積、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化や中東情勢の悪化等の地政学リスクの顕在化、国内における少子高齢化の進展など大きな変化の渦中にあり、それに伴い従来のビジネスのやり方やモノの考え方が急速に変わってきています。さらに、企業市民として、今まで以上に持続可能な社会「サステナビリティ」に貢献していくことが求められています。
このような中、2021年3月に策定した「ビジョン2030」で示した「2030年に目指す姿」と「戦略の指針」に沿って、当社グループは、社会課題の解決を通じた、多様な共有価値の創造(CSV)を成長のドライバーとすることで、将来にわたって持続的に成長し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
日清オイリオグループビジョン2030の概要

“植物のチカラ®”を価値創造の原点として私たちが生み出す商品・サービスを「生きるエネルギー」と定義し、2030年に向けて当社グループは、「生きるエネルギー」をすべての人にお届けする企業グループになることを目指します。
〇生きるエネルギー
生きるために必要な根源的なエネルギー
おいしい食事で人を元気にするエネルギー
栄養機能で人を健康にするエネルギー
美を演出し活力を与えるエネルギー
油脂と相乗効果を発揮する素材・技術・事業から生み出されるエネルギー
また、「生きるエネルギー」をすべての人にお届けするためには、油脂を素材として提供するだけでなく、当社グループが持つ強みを活かして他の食品メーカーや素材メーカーなどと一緒に価値を共創することが非常に重要であると考えています。生活を支えるあらゆるチャネルでお客さまとの接点を持っている強みにより、社会課題解決のためのプラットフォームの役割を担うことで可能になると考えています。
そして、2030年度に達成を目指す経営指標としてROE10%、ROIC7%を目標値として設定しており、持続的な利益成長と資本効率の改善を通じて、企業価値の向上に取り組んでまいります。
2021年度~2024年度 中期経営計画「Value Up+」
「ビジョン2030」で目指す姿に向けた最初の4年間(2021年度から2024年度まで)を対象とした中期経営計画「Value Up+」の基本方針を「もっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革する」とし、マーケティング、テクノロジー、グローバリゼーションを基調として、CSVを成長ドライバーに据えた戦略、施策を実行しています。2024年度は「Value Up+」の最終年度として経営目標達成に力強く取り組むとともに、「ビジョン2030」で目指すグローバルトップレベルの油脂ソリューションカンパニーへの飛躍に向けた取り組みを加速させてまいります。
中期経営計画「Value Up+」の位置づけ

目標とする経営指標
「Value Up+」最終年度である2024年度の経営目標について、営業利益は、厳しい事業環境が続く中ではありますが、2023年度までの実績を踏まえて、従来計画の170億円を大きく上回る210億円を目指します。また、株主資本コストを確実に上回る資本収益性を実現し、持続的な企業価値向上を目指すことが重要であるとの認識のもと、最重要指標として位置づけているROEについても8.0%以上とします。
加えて、このROE目標の達成に向け、ROICについては、資本コストを意識したマネジメントを行い、2024年度の計画を4.6%から5.0%以上に上方修正いたします。なお、営業キャッシュフローについては、営業利益が改善したことに加え、運転資本が増加から減少に転じたことにより、4年間の累計額は480億円となる見通しです。
※中期経営計画「Value Up+」の経営目標は、現時点で入手可能な情報や、合理的と判断した一定の前提に基づいて策定した計画・目標であり、潜在的なリスクや不確実性などを含んでいることから、その達成や将来の業績を保証するものではありません。また実際の業績等も当中期経営計画とは大きく異なる結果となる可能性がありますので、当中期経営計画のみに依拠して投資判断を下すことはお控え下さい。
「Value Up+」経営目標実現に向けた具体的取り組み
CSV目標とあわせて中期経営計画「Value Up+」の経営目標実現に向けた戦略を推進するフレームワークである「達成チャート」に基づき成長性、積極投資、持続性、効率性の観点から、戦略におけるKPIの進捗状況を把握し、今後の更なる成長に向けた取り組みを推進しています。
具体的な取り組みとして、今後の収益拡大に向け、BtoCの領域においては、「油脂の価値向上」が不可欠であると考えており、まず研究面での健康エビデンスの確立や、油脂による食品への乳感・塩味・うまみの付与など、おいしさの意図的創発の取り組みを推進していきます。また、食用油における新しいカテゴリーとして味つけオイルの市場育成を図ります。クッキングオイルについても、当社の技術をベースに、「酸化の抑制」「吸油が少ない」「少量づかい」といった新たな価値を提供する商品を販売し、収益性を高めてまいります。
BtoBの領域においては、当社の持つ技術やバリューチェーンにおける強みを発揮し、国内外で販売を拡大してまいります。国内における業務用や加工用を中心とするフードサービス分野では、お客さまとの多様な接点のなかでの当社グループの提案力、開拓力、物流力、サポート力の強みを活かします。海外では、マレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn.Bhd.(ISF社)は、グローバルに事業を行っているチョコレートメーカーなどへのチョコレート用油脂を中心とするスペシャリティファットの販売を積極的に拡大してまいります。また、化粧品油剤では、テクニカルサポート機能の拡充などを通じて、グローバル市場でシェアを一層高めてまいります。
BtoBtoCの領域においては、加工食品メーカー、小売り・流通業界の企業と商品の共同開発を行うとともに、積極的にメディアを活用して油脂の栄養機能についての認知や理解を高め、共創への仕掛けを実践します。まずはMCTの脂肪燃焼機能を訴求し、食用油売り場での販売に加えて、加工食品など多様な売り場でMCT採用商品が発売されることで生活者との接点が広がりさらに認知度が高まる、といった形で成功事例を作り、さらにフレイル対策など他の機能へ訴求の対象を広げていきたいと考えています。
これらの収益拡大に向けた取り組みとあわせ、今後の更なる事業成長に向けた積極的な投資を継続してまいります。中期経営計画「Value Up+」では、お客さまとの価値の共創を推進する基盤の構築を目的に、横浜磯子事業場内に新たに「インキュベーションスクエア」の設置に関わる投資を行い、2024年度より稼働を開始しました。この投資により強化・実装された機能を活かし、当社のコアコンピタンスである油脂を磨きあげ、油脂加工技術を究めるとともに、お客さまとの共創により多様な価値を創造する取り組みを進めてまいります。
また、ISF社におけるチョコレート用油脂を中心とするスペシャリティファットの生産能力拡充投資や、当社名古屋工場をはじめとした生産拠点のスマートファクトリー化、堺工場のサステナビリティセンター化構想についても着実に進めてまいります。さらに、設備や情報システムなどの投資に加え、人材、研究開発、知的財産などの無形資産への投資も重要と考えており、特に組織能力の強化・開発を進めていく観点から人材への投資を積極的に実施してまいります。また、従業員の心身の健康、働きがい、生産性の向上を目的として、経営トップが最高責任者となり健康経営を強力に進めており、「健康経営優良法人2024~ホワイト500~」に認定されております。引き続き従業員の健康保持・増進に積極的に取り組んでまいります。
持続性の観点では、環境とサプライチェーンが大きなテーマです。「日清オイリオグループビジョン2030」の「地球環境」や「信頼でつながるサプライチェーン」などで掲げたCSV目標の達成に向けた取り組みを着実に推進してまいります。当社グループは、2023年12月に、新たに「日清オイリオグループ生物多様性方針」および「日清オイリオグループ水方針」を制定いたしました。植物資源を事業のベースとする当社グループにとって、地球環境や資源の保護は、事業の持続性そのものであり、これらの方針に基づき、事業活動を通じて生物多様性の保全・回復や水リスクの解決に真摯に取り組んでまいります。
また、当社グループでは、事業活動を通じた持続可能な社会の実現・発展のためにはサプライチェーン全体としての取り組みが重要との認識のもと、すべての原材料やサービスなどの調達活動の指針となる「日清オイリオグループ調達基本方針」を制定しており、持続可能な調達を推進しています。この「調達基本方針」に基づいた調達活動をより確実に実現することを目的に、サプライヤーの皆さまに期待する事項を明文化した「日清オイリオグループサプライヤーガイドライン」を2024年3月に制定いたしました。このガイドラインに基づき、当社グループでは、サプライヤーの皆さまとともに環境や人権などの社会課題の解決に向けた取り組みを推進してまいります。
効率性の観点については、資本収益性の向上は最優先で取り組むべき課題であるとの認識のもと、2030年にROE10%の水準を達成することを目標化しました。またこのROE目標の達成に向けてはROIC7%の目標を新たに設定し、営業利益と投下資本の両面からマネジメントを強化してまいります。2024年度までの「Value Up+」期間中においては、国内油脂市場の付加価値化・ソリューション強化や、海外事業における拡販戦略などにより、収益性の向上に取り組むとともに、効率性の視点から、在庫・アイテムの適正化や政策保有株式売却など資産構成も見直し、ROIC5.0%以上の達成を目指します。さらに、2030年に向けては、国内油脂における着実な成長と収益性の向上、加工油脂事業・ファインケミカル事業におけるグローバル市場でのプレゼンス拡大、北米における新市場の開拓などに注力し、各事業においてROICや売上拡大、営業利益成長率などをKPI化したうえで、達成に向けた具体的な戦略を立案し、取り組みを進めてまいります。
(3) 経営環境、課題及び対応
世界経済については、インフレ率は一定の低下傾向が見られるものの、金融引き締めによる需要減少の影響や、消費と投資の低迷が続いている中国経済の停滞などに伴い、緩やかな減速傾向で推移しています。また、ウクライナ情勢の長期化や米中貿易摩擦、中東情勢の悪化に伴う原油価格の高騰やサプライチェーン(供給網)の混乱など、地政学リスクに対する警戒感は引き続き高く、先行きの不透明な状況が続くと見込まれます。
国内においては、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の5類に移行されたことに伴い、行動制限が緩和されるとともに、インバウンド需要も増加しており、社会経済活動は一部で足踏み感がみられるものの、緩やかな回復傾向にあります。一方で、原材料価格の高止まりやエネルギー価格の高騰などを受けた物価上昇に伴い、個人消費が弱含むなど、今後の景気動向については、下振れリスクが警戒される状況となっています。
当社グループへの影響が大きい大豆、菜種、パーム油などの原材料については、円安基調の継続に加えて、堅調なバイオ燃料需要の拡大などにより購買価格の高値推移が懸念される状況にあります。また、天候不順による歴史的な不作に伴うオリーブオイル・カカオ豆の相場高騰、原料調達におけるパナマ運河やスエズ運河の迂回航路選択に伴うコスト増加など、当社を取り巻く事業環境は不透明かつ厳しい状況が継続しています。
このような事業環境下、当社グループは、長期的な視点で目指すべき姿と戦略の指針を示す「日清オイリオグループビジョン2030」を策定し、その実現に向け、2021年度から2024年度の当初4か年の中期経営計画「Value Up+」に取り組んでおります。この中期経営計画では、これまでよりもっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革していくための戦略、施策を実行しております。
喫緊の課題としては、消費者のニーズを捉えた国内市場における機能訴求型の商品やソリューションの強化、グローバル市場でのスペシャリティファットや化粧品油剤の販売拡大、今後の成長に向けた投資や事業拡大・基盤強化などに関わる施策の着実な実行への対応などが考えられます。中長期的には、グローバルトップレベルの油脂ソリューションカンパニーへの飛躍に向け、“植物のチカラ®”を価値創造の原点に、社会との多様な共有価値の創造を通じて持続的な成長を目指してまいります。
各事業の状況については、次のとおりです。
[油脂事業]
(油脂・油糧)
国内の油脂事業においては、主要原料相場、為替相場、物流費、資材費、エネルギーコスト、将来コスト・社会的コスト等を踏まえたうえで適正な販売価格を設定し、人々の暮らしや食品産業を支えるための安定供給が求められています。
ホームユースにおいて、当社はキャノーラ油のみならず、オリーブオイル、アマニ油などにおいても高い市場シェアを有しており、「味つけオイル」などの油脂の新しいカテゴリーの創出や油脂の栄養・健康機能を積極的に提案・紹介するなどして需要を喚起し、市場の拡大を牽引しています。
業務用および加工用では、レストランなどの外食、コンビニエンスストア・量販店などの中食、製菓・製パンや加工食品業界などに向けた販売を行っております。競争の激しい市場環境ではありますが、ユーザーとのニーズ協働発掘型営業によるソリューション提案で需要を創造し、収益の獲得、拡大につなげております。商品面ではフライ油の酸化上昇や着色などを抑える「機能フライ油」や、メニューの品質を高める炊飯油や麺さばき油などの「機能性油脂」などの展開により、お客様の課題解決に取り組んでいます。
大豆、菜種を主原料とする商品については、円安基調の継続や堅調なバイオ燃料需要の拡大、世界的に旺盛な油脂需要の増加、主要産地の天候悪化による生産量の減少懸念などにより、不透明かつ厳しいコスト環境が継続することが予想されますが、原料調達先の複線化や生産技術・油脂加工技術の向上、生産・物流機能の最適化等により強靭なサプライチェーンを構築し、安定的に供給してまいります。ミールについては国内の需給などの影響もありますが、国内の販売価格が国際価格と連動した販売を行っています。
中長期的には、国内の人口減少による油脂消費量の減少が見込まれることもあり、一層の合理化、効率化が必要と考えております。こうした環境が見通される中、2023年10月に株式会社J-オイルミルズ社と共同出資会社 製油パートナーズジャパン株式会社を設立しました。国内搾油業の国際競争力強化と安定供給を長期にわたって確保する共同運営体制の構築を目指すとともに、AIやIoTの活用によるスマートファクトリー化、脱炭素社会への取り組みなど、環境・社会課題への解決にも繋がる「次世代型搾油工場」の構築に向けた取り組みを推進していきます。
合わせて、脂質栄養の知見を活かした幅広い商品の開発や情報発信により、油脂を通じた価値創造を推進してまいります。
(加工油脂)
パーム油を活用したチョコレート用油脂を中心とするスペシャリティファットをグローバルに販売するマレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.(以下、ISF社)と日本国内での製菓・製パン向けにショートニングやマーガリンなどを製造販売する事業から構成されます。ISF社はパーム油の分別・精製における高度な技術を有しており、欧州などの高い品質基準を要求する顧客を中心に付加価値品の拡販に努めています。
チョコレート用油脂については、主要産地である西アフリカでの異常気象に伴うカカオの大幅な減産により、カカオ相場の高騰が続くものと予想されており、代替としての需要拡大が見込まれます。
一方で短期的には価格高騰等によるチョコレート市場の成長鈍化などの影響を受ける可能性がありますが、中長期的にはチョコレートおよびチョコレート用油脂の需要は堅調に増加すると考えており、ISF社においてはチョコレート用油脂を中心とするスペシャリティファットの生産能力拡充投資も積極的に実施しており、販売を拡大させていきます。
[加工食品・素材事業]
チョコレート関連事業、ドレッシングなどの調味料、MCTを中心とした機能素材・食品、大豆素材・食品から構成されます。
チョコレートについては、世界的なカカオ不足に伴う価格高騰による原料調達への懸念はありますが、原料調達国の複線化や希少カカオ豆の生産性向上等に取り組むことでサプライチェーンの強靭化を図っています。また、市場動向については、国内・グローバル共に価格高騰に伴う短期的なチョコレート消費量の低下リスクはありますが、国内ではコロナ禍による行動制限が緩和されたことに伴い土産物需要は徐々に回復しつつあり、また、グローバルでは、中長期的なアジアでの中間所得層の増加による、市場の拡大を見込んでいます。
調味料においては、おいしさの追求やアマニ油、MCTオイルなどの健康訴求油脂への関心の高まりなどを背景に油脂の機能を活かした商品開発および販売を展開してまいります。
機能素材・食品においてはMCTの脂肪燃焼やフレイル対策など、健康機能の高さを引き続き啓発し、機能性素材マーケティングによる売上拡大を目指してまいります。
大豆素材・食品においてはプラントベースドフードの市場拡大も見据え、大豆たん白の供給にとどまらず、油脂の活用による食感、おいしさなどのソリューションの提供を強化してまいります。
[ファインケミカル事業]
化粧品用の原料である油剤を主力商品としており、多くの国内化粧品メーカーや、欧米の大手化粧品メーカーと長期にわたり取引を行っております。新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことに伴い、化粧品向け需要は回復傾向にあり、特に国内、中国市場での販売は好調に推移しました。世界の化粧品市場は、中長期的にはアジアを中心に中間所得層の増加が見込まれるエリアでの成長により拡大しています。テクニカルサポート機能の発揮等により、グローバル市場でのプレゼンス拡大を進めてまいります。
環境・衛生においては食の環境を中心とする衛生管理事業や植物資源を活用して環境に好影響を与える商品・サービスの開発を進めてまいります。
(4) その他
当社は、2024年3月13日、ごま油の販売に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立入検査を受けました。当社は、立入検査を受けたことを厳粛に受け止め、公正取引委員会の調査に全面的に協力してまいります。
なお、調査は継続中であり、現時点では財政状態及び経営成績に及ぼす影響は不明ですが、今後、業績予想の修正が必要となった場合は速やかにお知らせいたします。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1)サステナビリティ課題全般
当社グループは、「ビジョン2030」を目指す姿として掲げ、事業活動を通じた社会課題の解決により、社会との共有価値を創造し、持続的な成長と社会の持続的な発展、すなわちサステナビリティの実現を目指しています。当社グループは、サステナビリティ課題全般に関し、以下のとおり考え方を整理し取り組みを進めています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(ガバナンス)
当社グループは、取締役会が設置する委員会「経営サステナビリティ委員会※」にて、企業の持続的な成長と社会の持続的な発展に貢献するための基本方針の立案や、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向けた重要課題などを審議しています。その重要なテーマとして、当社グループ事業に影響を与える重要なリスク・機会の抽出と社会課題の検討、重点領域やCSV目標、具体的取り組み等の設定、進捗状況の確認および見直し等を審議しています。その内容は適宜、取締役会に報告されるとともに、特に重要な案件については取締役会で審議・決議されます。
※2023年7月に、当社グループの持続的な成長と社会の持続的な発展を実現するための基本方針の立案等、重要課題を審議することを目的とし、「経営サステナビリティ委員会」を設置しました(従来のサステナビリティ委員会は廃止)。これにより、ビジョンで目指す姿の実現に向けた重要課題の審議とPDCAの展開を通じて、その確度を高めていきます。
なお、同委員会を含むコーポレートガバナンスに関する体制につきましては、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」のコーポレート・ガバナンスおよび内部統制に関する体制の模式図をご参照ください。
(戦略)
当社グループの価値創造の源泉は、無限の可能性をもつ植物資源と磨かれた技術力、そして価値創造力を掛け合わせた“植物のチカラ®”です。“植物のチカラ®”と私たちの“コアコンピタンスである油脂”を究めた強みでお客さまとともに社会課題を解決する油脂ソリューションを実現します。当社グループの事業に求められるニーズや当社グループが取り組むべきという視点で定めた6つの重点領域(マテリアリティ)、すなわち「すべての人の健康」、「おいしさ・美のある豊かな生活」、「地球環境」、「食のバリューチェーンへの貢献」、「信頼でつながるサプライチェーン」、「人材マネジメント」の領域の中で多様な価値を持つ“生きるエネルギー”を生み出し、その価値をすべての人にお届けします。“生きるエネルギー”は社会課題を解決する一方で、次なる成長のための植物資源の循環や技術の進化を可能とする資本を生み出します。再度投入された資本によって、さらに油脂を究め、社会課題を解決する“生きるエネルギー”を生み出します。このプロセスの循環を通じて、当社グループらしいサステナビリティを実現していきます(図1)。
(図1)価値創造モデル

(リスク管理)
当社グループでは、「ビジョン2030」や中期経営計画「Value Up+」にて目指す姿の実現に対し、ネガティブな影響を及ぼす不確実性を「リスク」と定義してリスク管理を行っています。リスク管理に関する主体的な取り組みを通じて社会的責任を果たし、安定した収益の獲得と更なる企業価値の向上を目的としています。
リスク管理体制として、取締役会がリスクマネジメント委員会を設置し、全社的なリスクを総括的に管理しています。事業に対する財務または戦略面でのリスクを選定し、サステナビリティ課題を当社グループの重要リスクと位置づけ、他の重要リスクと統合的に管理しています。
リスクマネジメント委員会では、リスクを棚卸したうえで影響度合と発生可能性をもとにリスクマップを作成、リスクが顕在化した際の影響度の評価や優先順位付けをおこない、重要なリスクを特定しています。2023年度は14個の重要リスクを特定し、主管部門を中心に対策を立て、PDCAサイクルを回してマネジメントしています。リスクが顕在化した場合の緊急体制も整備し、危機対応を図っています。
また、リスクマネジメント委員会は、全社的リスクの評価や対応方針・状況などを取締役会に報告しています。
なお、重要なリスクは「3事業等のリスク (2)当社グループにおける重要リスクについて」をご参照ください。
(指標と目標)
当社グループは、今後予測される社会動向を分析し、当社グループにおける機会とリスクおよび重要となる社会課題(図2)から、6つの重点領域を設定しており、「重点領域」における課題解決を通じた社会との共有価値の創造(CSV)を、「日清オイリオグループビジョン2030」における成長ドライバーとしています。CSV目標の進捗状況は経営サステナビリティ委員会でモニタリングされており、その後の取り組みに反映されています。
(図2)機会とリスクおよび重要となる社会課題


社会課題:SDGs(国連)、食品産業戦略(農林水産省)、未来投資戦略(内閣府)、企業行動憲章(経団連)より抽出
CSV目標の見直し
「ビジョン2030」では「6つの重点領域」を定め、それぞれの重点領域での価値創造を通じた当社グループの企業価値の拡大を目指しており、その取り組み状況を示すものがCSV目標です。
「ビジョン2030」策定時から、消費者意識や購買行動の変化、サステナブルな生産や調達に対する社会からの要求水準の高まり等、事業を取り巻く環境が大きく変化しています。そこで、2023年度、当社グループの事業に影響を与える新たなリスクと機会の抽出と取り組むべき社会課題の再確認を行い、下記のプロセスを経て「地球環境」、「信頼でつながるサプライチェーン」、「人材マネジメント」を中心に複数のCSV目標を見直しました。今後も環境変化を捉え、定期的に見直しをしていきます。


CSV目標と進捗状況は次のとおりです。

※1:MCTオイル・加工食品、健康オイル、サプリ的オイル、ウェルネス食品等、生活習慣病やフレイル等の対策に貢献できる商品
※2:低栄養、過栄養、パーソナルな健康課題等の解決に貢献できる商品。他社ブランド品含む
※3:脂質の健康情報とは、低栄養・過栄養の改善、パーソナルな健康課題の解決に役立ち、かつ油脂の正しい理解や価値向上に
つながる情報発信を指す1次掲載値のみ(計画策定時に閲覧数の想定が難しい転載は含まない)

※1:食シーンにおけるおいしさや食による美を追求するために開発した新商品
※2:化粧品原料(当社、Industrial Quimica Lasem, S.A.U.、日清奥利友(上海)国際貿易有限公司)、化成品(セッツ㈱)

※1:Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.でのグリーン電力導入拡大が寄与
※2:ホームユース商品のうち、食用油およびギフトを対象とする。


※1:RTRS:責任ある大豆に関する円卓会議
※2:当社の工場内

※ 当社:翌年度4月1日時点で算出
2023年度目標として設定していた「DX推進の基盤構築」、「グローバル人材拡充」については、「強固な人材力の構築」の具体的取り組みとして進める。
2023年度実績
・DX推進の基盤構築 :全社デジタルリテラシー教育100%受講
・グローバル人材の拡充:グローバル人材登録制度の登録者37名に教育プログラム実施(語学、グローバルビジネススキル等)、登録者の中から4名をグローバル業務へ配置
(2)人的資本への対応
① 人的資本についての考え方
当社グループは、「ビジョン2030」および「Value Up+」で目指す姿の実現に向けて、当社グループの成長を牽引する組織能力を強化するべく、積極的な人的資本投資を計画的に行っていく方針です。人材戦略と健康経営における人的資本投資が社員一人ひとりの働きがいを高め、能力を最大限に引き出すことで、多様な人材がエネルギッシュに躍動する組織風土を醸成し、当社グループの持続的成長、価値向上を実現していきます。
② 人材育成方針
当社グループは、一人ひとりの多様な視点や価値観を尊重することが持続的な成長と企業価値向上に重要なことと考えており、そのために、性別や国籍などにかかわらず、多様な経験や知識・スキル、価値観といった個性を持つ人材が更に活躍できるよう育成と社内環境の整備に取り組んでいきます。
また、当社は、「教育最優先の原則」や「部下の教育・育成は、部下を持つ者の最も重要な職務である」といった人材育成を最優先する企業理念をもち、長年にわたり人材育成を経営の重要なテーマとして位置づけ、会社全体がこの問題を主体的に推進していく体質を継続的に育んできました。この企業理念を堅持し、さらに浸透していくこと、そして「一人ひとりの成長こそが会社の持続的成長の源泉である」という考え方のもと、会社は社員の成長に積極的に投資していきます。
さらに、「ビジョン2030」で目指す姿の実現のためには、グローバリゼーション・テクノロジー・マーケティングをはじめとした分野における高度な専門性を有した人材が不可欠であると認識しています。事業戦略遂行上で必要となる人材を確保し続けるとともに、次代を担う人材の育成強化を図っていきます。
③ 社内環境整備に関する方針
当社グループは、健全かつ社員の持てる能力を存分に発揮できる職場環境を提供することが会社の責務であると考えます。育児、介護、治療と仕事の両立支援、柔軟かつ生産性高い働き方への変革、長時間労働の削減、社内コミュニケーションの活性化など、社員が安心して働くことのできる働きやすい職場環境づくりに取り組んでいきます。
④ 健康経営の取り組み
当社グループは、「社員の健康は本人や家族の幸せの基盤であるとともに、会社が持続的に発展していくための最も大切な財産である」との考えのもと、社員一人ひとりがやりがいを持って活力高く働き、健康的で豊かな人生を送れるように、社員の健康保持・増進に積極的に取り組んでいます。重点テーマとして「生活習慣病予防」、「禁煙促進」、「こころの健康」を設定し、疾病予防や食習慣改善、禁煙の支援、運動・コミュニケーション促進などの取り組みを進めていきます。
⑤ 人的資本に関する指標
2024年3月31日現在
上記は、当社正規雇用従業員を対象としています。また、当社グループの人的資本に関する指標につきましては、前述の「人材マネジメント」をご参照ください。
※管理職に占める女性の割合について、2022年度実績は2023年4月1日時点、2023年度実績は2024年4月1日
時点、2024年度目標は2025年4月1日時点で算出します。
(3)気候変動への対応
当社グループは、事業活動を通じた社会課題の解決により、社会との共有価値を創造し、当社グループの持続的な成長と社会の持続的な発展(サステナビリティ)の実現を目指しています。中でも、当社グループの事業活動は植物資源をベースとしており、植物の生育に大きな影響を与える気候変動への対応は経営の重要テーマです。そのため、気候変動に係わる対応を推進していくため、2021年3月にTCFD提言に賛同を表明し、2022年度よりTCFD提言に則った開示(気候変動に伴うリスク・機会の分析、財務影響などのシミュレーション等)を通じた情報公開を実施しています。
① TCFD提言が推奨する4つの開示項目
② 気候変動シナリオ分析
「気候変動の進行が抑制された世界」(1.5℃/2℃シナリオ:産業革命以降の世界平均気温上昇幅が1.5℃/2℃程度に抑えられた世界)と「気候変動が進行する世界」(4℃シナリオ:産業革命以降の世界平均気温上昇幅が4℃程度上昇する世界)について気候変動関連リスクと機会の分析を実施しました。
表Ⅰ:気候関連リスク及び機会の一覧
【表中の用語の定義/考え方】

2023年度は、前述で特定したリスクのうち(★)を付記したリスクに対して、「(a)炭素税・ETS等によるコスト増」「(b)農業における脱炭素による原料大豆価格上昇」「(c)気象災害による生産停止に伴う利益減」について、財務影響を分析しました。具体的な検討にあたっては、IPCC、IEA、NGFS等の各国際機関の公表するシナリオにおける定性/定量情報を参照しました。
※IPCC :気候変動に関する政府間パネル(各国政府の気候変動に関する政策に科学的な基礎を与えること
を目的とした政府間組織)
※IEA :国際エネルギー機関(第一次石油ショックを機に設立されたエネルギー安全保障等のエネルギー
政策全般をカバーする国際機関)
※NGFS:気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク(気候変動リスクへの金融監督上の対応を検討する
ための中央銀行および金融監督当局の国際的なネットワーク)
(a) 炭素税・ETS等によるコスト増
「炭素税・ETS等によるコスト増」については、当社グループで排出量が大きい日清オイリオグループ株式会社(日本)とIntercontinental Specialty Fats Sdn.Bhd.(マレーシア)を対象に、IEAのWorld Energy Outlook 2022におけるAPSシナリオ(Announced Pledges Scenario、2.0℃相当)およびNZEシナリオ(Net Zero Emissions by 2050、1.5℃相当)下の炭素価格を用いて、2030年と2050年の炭素価格による年間負担額をそれぞれ算出しました。この2社で当社グループが管理しているScope1、2排出量の96%以上を占めています。
表Ⅱ:「炭素税・ETS等によるコスト増」の財務算定結果
「現状維持」:2022年度のCO2排出量で算定
「削減目標を達成」:2030年は排出量50%削減(2016年比)、2050年は排出量ゼロで算定
「炭素価格」:IEA WEO2022を参照
「炭素税・ETS等によるコスト増」リスクの分析から、2.0℃および1.5℃シナリオのいずれにおいても削減目標を達成することにより2030年の負担額を半分程度に抑えられるという示唆が得られました。削減目標達成の場合、2030年度の2社合計負担額は2.0℃シナリオで20億円/年、1.5℃シナリオで26.1億円/年です。
(b) 農業における脱炭素による原料大豆価格上昇
主要原材料の一つである大豆の主要生産国である米国とブラジルを対象とし、NGFSによる1.5℃相当シナリオを用いて2030年と2050年の大豆価格変化による年間の調達コスト増加額を算出しました。このシナリオ下での価格変化は炭素価格や生産効率向上のコストを反映したものであり、算定結果は移行リスクによる財務影響を示しています。
表Ⅲ:「農業における脱炭素による原料大豆価格上昇」の財務算定結果
2020~2022年の平均年間購入量を基に価格変化の影響金額を算出
1.5℃シナリオで米国・ブラジル産の大豆がともに上昇し、財務影響算定を行ったリスク項目の中で最も大きな影響(2030年に合計165億円/年、2050年に合計259億円/年)となりました。今後、菜種、パーム油等の価格変化による影響も検証していきます。
(c) 気象災害による生産停止に伴う利益減
「気象災害による生産停止に伴う利益減」については、国内事業を対象に洪水による操業停止を想定しました。また、物理リスクは長期的なリスクであるため、2050年のみを対象にしました。IPCCの4℃シナリオと2℃シナリオ下のそれぞれについて、操業停止による年間営業利益減少を算出しました。
表Ⅳ:「気象災害による生産停止に伴う利益減」の財務算定結果
※ 年間営業利益減少額=災害頻度×操業停止日数×年間営業利益÷245
※ 文部科学省・気象庁による「日本の気候変動2020 詳細版」より、災害頻度は東日本太平洋側における日降水量200mm以上の発生回数(4.0℃ 0.4回/年、2.0℃ 0.3回/年)使用しています。
※ 操業停止日数は、国土交通省による「治水経済調査マニュアル」による床下浸水時の操業停止日数(10日)を使用しています。
「気象災害による生産停止に伴う利益減」リスクの分析から、気象災害の影響が大きいとされ4.0℃シナリオでも影響額は1.76億円/年であり、財務影響算定を行ったリスク項目の中で最も影響が小さいことが示されました。今後、分析対象国の拡大や被災に伴う資産損害による影響(修繕費等)等も検討していく予定です。
このように特定したリスク・機会を踏まえれば、「気候変動の進行が抑制された世界」「気候変動が進行する世界」のいずれに進んだとしても影響が大きく、中長期的観点から当社グループ戦略のレジリエンスをより高めていく必要があると考えています。当社グループの事業活動へ大きく影響するリスク・機会に対して、サプライチェーンの上流から下流までの各プロセスにおいて、主に以下の対応(次頁の表Ⅴ:気候関連リスク・機会への対応策をご参照ください。)を採ります。これらの対応策は、当社グループ戦略のレジリエンスを高めることに貢献すると考えています。
表Ⅴ:気候関連リスク・機会への対応策

※具体的な内容は実施中のものと検討中のものを含む
③ 脱炭素化ロードマップ
脱炭素化に関する移行計画については、(図3)のとおり「脱炭素化を推進する戦略ロードマップ」を策定し、2050年までにカーボンニュートラルを実現いたします。本計画はエネルギー削減に向けて、生産性の向上、再生可能エネルギーの活用、水素インフラの準備などの取り組みとして反映しています。
(図3):脱炭素化を推進する戦略ロードマップ(移行計画)

(4)自然資本への対応
当社グループの事業活動は植物資源をベースとしています。主要原料となる大豆、パーム油、菜種、カカオなどの「植物のチカラ®」を活用して、食品、飼肥料、化成品、化粧品原料などの製造・販売を行っています。大豆(米国、ブラジル)、パーム油(マレーシア、インドネシア)、菜種(カナダ、オーストラリア)、カカオ(西アフリカ、南米)などは世界各地から輸入しており、特定の自然資本および産地に依存しています。このように、植物資源を事業のベースとする当社グループにとって、地球環境や資源の保護は、事業の持続性そのものです。その認識のもと、2023年度に生物多様性方針と水方針を制定しました。今後、これら方針に基づき、事業活動を通じて生物多様性の保全・回復や水リスクの解決に真摯に取り組むことで、社会との共有価値を創造し、当社グループの持続的な成長と社会の持続的な発展の実現に努めます。併せて、TNFDガイドラインに則った開示の情報公開に向け準備を進めてまいります。
日清オイリオグループ生物多様性方針

(2023.12.22制定)
日清オイリオグループ水方針

(2023.12.22制定)
また、植物資源の持続可能性確立に向けて、原料調達方針を策定し、産地状況の調査、認証原料の調達、植林活動による生態系保全・復元などを進めており、パーム油は2030年までに農園までのトレーサビリティ100%達成を目指しております。更に、大豆およびカカオの持続可能な調達に向けてアクションプランを策定し取り組みを開始しました。情報開示および目標、取り組みは以下のとおりです。
3 【事業等のリスク】
(1) リスクマネジメントの考え方
当社グループでは、「ビジョン2030」や中期経営計画「Value Up+」で目指す姿の実現や当社が取り組む事業に対してネガティブな影響を及ぼす不確実性を「リスク」と定義し、リスクコントロールを行っています。リスクマネジメントに対する主体的な取組みを通じて、企業として安定した収益を上げるだけでなく、社会的責任を果たすことを通じて更なる企業価値の向上と発展を目指すことを目的としています。リスクマネジメント体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 (b) リスク管理体制の整備の状況」をご参照ください。
(2) 当社グループにおける重要リスクについて
以下は、リスクマップの中から、リスクマネジメント委員会で選定した当社グループの重要リスクを示しています。

当社グループの重要リスクの内容と対応については次のとおりです。
なお、文中においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
2024年度のリスクマネジメントにおいては、引き続き、「日清オイリオグループビジョン2030」で示した6つの
重点領域における機会とリスクのガバナンス強化に努めてまいります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、株高などを背景にした好調な個人消費を中心に米国経済の底堅さが見られましたが、累積的な金融引き締めの影響などもあり、景気の減速が懸念されております。
また、日本経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴い、外食や旅行を中心に消費は回復したものの、エネルギーコストや原材料価格の高騰を背景とした物価上昇により全体として弱い動きとなりました。
このような環境下、当社グループは「もっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革する」という基本方針のもと、中期経営計画「Value Up+」(2021年度-2024年度)に取り組んでおります。6つの重点領域で設定したCSV目標を成長ドライバーとして成長路線を加速させるとともに、“植物のチカラ®”を価値創造の原点に、社会との多様な共有価値の創造を通じた持続的な成長を目指しております。
当社グループは、株主資本コストを上回るROE水準の達成を重要な経営目標としております。2022年度にはROICを経営目標に加え、収益性と資産効率性の向上に取り組んでおります。また、「成長性」「積極投資」「持続性」「効率性」の4つの視点でKPIと実行施策をフレームワーク(「達成チャート」)で整理し、2024年度においては、ROE8.0%以上、ROIC5.0%以上を経営目標とし、取り組みを進めております。
当連結会計年度の業績については、以下のとおりとなりました。
(注)ROIC(投下資本利益率)は、以下の算定式に基づき算出しております(いずれの数値も連結ベース)。
ROIC =(当連結会計年度の税引後営業利益+持分法投資損益)÷
[{(当事業年度の投下資本)+(前事業年度の投下資本)}÷2]
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ189億29百万円増加し、3,933億82百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が73億97百万円、売上債権が23億48百万円、有形固定資産が40億84百万円、投資有価証券が121億58百万円増加した一方で、棚卸資産が84億26百万円減少したことであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ22億14百万円減少し、2,008億20百万円となりました。主な要因は、1年内償還予定の社債が100億円、未払金が31億73百万円、未払費用が16億31百万円、未払法人税等が11億88百万円、長期借入金が43億18百万円、リース債務(固定)が15億7百万円増加した一方で、仕入債務が32億89百万円、短期借入金が181億86百万円、社債が50億円減少したことであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ211億43百万円増加し、1,925億62百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が107億50百万円、その他の包括利益累計額が93億7百万円増加したことであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ67億40百万円増加しましたが、会社分割に伴う減少11億56百万円があり、164億83百万円となりました。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動によるキャッシュ・フローは、367億15百万円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益211億69百万円、減価償却費92億87百万円、棚卸資産の減少100億22百万円によるキャッシュの増加および売上債権の増加12億86百万円、仕入債務の減少42億74百万円、法人税等の支払50億25百万円によるキャッシュの減少であります。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動によるキャッシュ・フローは、160億83百万円の支出となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出147億63百万円によるキャッシュの減少であります。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動によるキャッシュ・フローは、145億86百万円の支出となりました。主な内訳は、長期借入れによる収入50億64百万円、社債発行による収入50億円によるキャッシュの増加および短期借入金の純減186億53百万円、長期借入金の返済による支出9億47百万円、配当金の支払43億78百万円によるキャッシュの減少であります。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、原価計算に利用した価格等により算定しております。
② 受注実績
当社グループでは、主として計画に基づく生産を行っているため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績および財政状態の分析
当連結会計年度における経営成績および財政状態の分析につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
② セグメントごとの財政状態及び経営成績の分析
セグメント別の資産では、前連結会計年度末に比べ油脂事業において107億41百万円増加、加工食品・素材事業において59億15百万円増加、ファインケミカル事業において11億38百万円増加しました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
・売上高
・〔参考〕売上高(単体)
・営業利益
セグメント別の概況
≪油脂事業≫
油脂事業セグメントでは、油脂・油糧において、天候不順による原料の減産懸念や円安ドル高の進行があるものの、原材料価格が一時期のピークから下落基調となるなか、適正な販売価格の維持・形成に取り組みました。また、付加価値品の拡販に加え、新たな市場創造やソリューション提案の強化に注力しました。この結果、油脂事業セグメント全体では、ミールの販売数量の減少、国内油脂および海外加工油脂の販売単価下落等により減収となりましたが、国内油脂における適正価格での販売等により増益となりました。
[原料の調達環境]
原料の調達面では、ドル円相場が前期に対して円安ドル高で推移したものの、主要原料である大豆・菜種の相場が前期と比較して下落したことから、大豆価格、菜種価格ともに前期を下回りました。
<主要原料相場>
大豆相場は、4月以降ブラジル産の豊作見通しや米国産の作付が順調に進んだことで軟調に推移しましたが、米国の作付面積減少や生産地の高温乾燥から7月には15米ドル台まで上昇しました。その後、収穫期を迎え9月には一旦下落しましたが、ブラジル産の作付けが始まるとエルニーニョ現象による減産懸念が高まり10月以降は再び上昇しました。徐々に減産懸念が後退すると年明けからは軟化し2024年2月には11米ドル台まで下落、その後も12米ドル前後で推移しました。
菜種相場は、4月以降カナダ産の生産量回復、豪州産の豊作等、世界需給改善により軟調に推移しました。
7月には高温乾燥により800カナダドル半ばまで上昇しましたが、収穫期へ向けて天候が改善したことや他油種に連れ安となり、12月には600カナダドル半ばまで下落しました。年明けからは独自材料に乏しい中、大豆に連れ安となり2024年2月に570カナダドル台まで下落した後、パーム相場や原油相場の上昇に連れて600カナダドル台を回復しました。
<為替相場>
ドル円相場は、一昨年の10月に150円台まで円安ドル高が進行した後、米国の利上げ停止と日本の大規模金融緩和政策転換が意識されたことで、1月には130円割れまで円高ドル安となりました。しかしながら日米ともに金融政策の方向性に変更がないことから6月には140円台、10月には150円台まで円安ドル高となりました。その後、米国の追加利上げ期待の後退、日銀による早期のマイナス金利解除観測が高まり、年末には140円台前半まで円高ドル安が進行しました。しかし、こうした動きは長く続かず、年明けからは日米金利差を意識した取引へと戻り、2024年2月には150円台を回復しました。
[油脂の販売]
業務用については、原材料価格が前期と比較し下落基調となるなか、適正な販売価格の維持・形成に取り組みました。また、「ニーズ協働発掘型営業」により、「最終製品の品質向上」「コスト抑制」「生産性の向上」などの課題解決の質の向上に継続的に取り組みました。商品面ではフライ油の酸価上昇や着色などを抑える「機能フライ油」や、メニューの品質を高める炊飯油や麺さばき油などの「機能性油脂」など、「付加価値型商品群」の積極的な提案による拡販に努めました。新型コロナウイルス感染症の5類への移行により外食需要や観光需要が回復し、販売数量は前期を上回りましたが、販売単価が下回ったことで減収となりました。
加工用については、原料相場に見合った商売を進めるも物価上昇を背景とした消費マインドの低下による各業界での生産減により、販売数量が前期を下回り、減収となりました。
ホームユースについては、揚げ物の吸油を抑える「日清ヘルシーオフ」などの拡販により、食用油の価値向上と「新たな価格の均衡点」の形成に努めました。また、オリーブオイルなどの原材料価格高騰が続くなか、販売価格改定の取り組みに加え、「かけるオイルの定着」や「味つけオイルの市場創造」など付加価値品の継続的な浸透に努めましたが、販売単価が前期を下回ったことに加え、物価上昇による生活防衛意識の高まりの影響を受けて販売数量が前期を下回ったことから、減収となりました。
以上の結果、国内油脂全体では売上高は減収となりましたが、油脂コストが低下するなか、粗利単価が改善したことで増益となりました。
[ミールの販売]
大豆ミールについては、シカゴ大豆粕定期は前年並みでしたが、ドル円相場が円安ドル高で推移したことにより販売価格は上昇しました。一方、搾油量の減少により販売数量は減少し、売上高は減収となりました。
菜種ミールについては、搾油量は前年並みとなりましたが、配合飼料への配合率が上昇せず販売数量は減少しました。また、菜種ミール需給が緩和した影響から販売価格は下落し、売上高は減収となりました。
海外加工油脂については、マレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.において、輸出向けが若干減少したものの、国内地場取引先向けの販売が好調に推移したこともあり、全体の販売数量は前年を上回りました。一方、パーム油相場の下落に伴い販売価格が下落したことで減収となり、またパーム油時価評価益の減少などもあり、減益となりました。
イタリアのIntercontinental Specialty Fats(Italy)S.r.l.においては、既存顧客への拡販や新規顧客の獲得により増収となりました。また、利益面では前期のロシアのウクライナ侵攻によるパーム油の需要増に対する反動減があったものの、既存顧客や新規顧客への拡販により、増益となりました。
国内加工油脂については、物価高に伴う消費者の節約志向の定着化や取引先製品のダウンサイズ化・油脂使用量減少といった厳しい状況が続くなか、新規販売先の拡大および既存顧客での新規商品採用、コストに見合った適正価格での販売と継続的なコスト改善への取り組みにより、増収増益となりました。
≪加工食品・素材事業≫
加工食品・素材事業セグメントでは、原材料価格やエネルギーコスト上昇の影響があったものの、チョコレート製品における販売数量増および適正な販売価格への改定により、増収増益となりました。
チョコレートについては、大東カカオ㈱において、新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴う土産市場の需要回復や製パン市場向け調製品の需要回復等により、販売数量は前期を上回りました。また、原材料価格やエネルギーコストが上昇するなか、コストに見合った適正な販売価格への改定を進めたことにより、増収増益となりました。シンガポールのT.&C. Manufacturing Co., Pte.Ltd.およびインドネシアのPT Indoagri Daitocacaoにおいては、販売数量は前年並みとなりました。チョコレート全体では大東カカオ㈱の業績が貢献し、増収増益となりました。
調味料は、ドレッシングの販売数量は前年を上回ったものの、原価率上昇や販管費増加の影響が大きく、増収減益となりました。
機能素材・食品は、「体脂肪燃焼体質化」をコンセプトとした機能性マーケティングを継続するとともに、加工食品メーカーとのMCT(中鎖脂肪酸)のコラボレーション商品の上市を進め、市場規模拡大に努めました。原材料価格の上昇に対する適正価格での販売に努めたものの、販管費の増加等により、増収減益となりました。
大豆素材・食品は、大豆たん白等の販売において原材料価格の上昇に対する適正価格での販売により、増収増益となりました。
≪ファインケミカル事業≫
ファインケミカル事業セグメントでは、新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴い国内、中国市場での販売は好調に推移しました。一方、スペインのIndustrial Quimica Lasem, S.A.U.では、前期は新型コロナウイルス感染症対策緩和に伴う特需がありましたが、当期はその反動の影響が大きく、減収減益となりました。
ファインケミカル製品については、化粧品向け新製品の上市やテクニカルサポートによるソリューション提案をグローバルで展開し、顧客開拓を進めました。国内化粧品向け需要は回復の兆しを見せています。また、中国市場ではコロナ禍からの回復による販売数量増により増収増益となりました。一方、欧州においては長引くインフレがようやく収束に向かい市場も回復しつつあるものの、昨年好調だったIndustrial Quimica Lasem, S.A.U.の販売数量減の影響が大きく、減収減益となりました。
環境・衛生については、アルコール製剤の需要減少により販売数量が減少し、また販売価格の改定を進めたものの、原材料およびエネルギーコスト高騰の影響が大きく、減収減益となりました。
≪その他≫
情報システムをはじめその他の事業セグメントは、減収増益となりました。
≪地域別売上高≫
パーム油相場の下落を背景とした海外加工油脂製品の販売価格下落等の影響により、マレーシア、中国等のアジア向けおよび欧州、米国等のその他地域への売上高は減収となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度末の資金は、前連結会計年度に比べ67億40百万円増加しましたが、会社分割に伴う減少11億56百万円があり、164億83百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益と減価償却費や棚卸資産の減少によるキャッシュの増加および売上債権の増加や仕入債務の減少や法人税等の支払によるキャッシュの減少により367億15百万円の収入(前連結会計年度は3億98百万円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などによるキャッシュの減少により160億83百万円の支出(前連結会計年度は61億43百万円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入や社債発行による収入などによるキャッシュの増加および短期借入金の純減と長期借入金の返済や配当金の支払などによるキャッシュの減少により145億86百万円の支出(前連結会計年度は63億42百万円の収入)となりました。
当社グループの資金運営は、事業活動にかかる運転資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としております。また、資金調達方法として、当社取引銀行5行との間でシンジケーション方式により総額100億円のコミットメントライン契約を締結している等により、資金の流動性は確保しております。
当社と国内子会社10社の間で「キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)」を構築しており、当該システムを利用し効率的な資金配分を行っております。
設備資金、投融資資金等の長期的な資金需要については、金融市場動向、既存の社債の償還時期および借入金の返済時期等も総合的に勘案し、社債および借入金等による資金調達を行っております。
今後の重要な資金の支出予定としては、横浜磯子事業場におけるインキュベーションスクエア設立とマレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.における生産設備増強と品質・生産効率向上を予定しております。
当連結会計年度末の有利子負債の内訳は次のとおりであります。
当連結会計年度(2024年3月31日)
上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
なお、経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等およびその達成状況については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な会社の経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」の目標とする経営指標に記載しております。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表等の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
① 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得見込額等に基づいて回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。
なお、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得等の見積りによるものであるため、その見積りの前提に変更が生じた場合は、繰延税金資産の計上に影響を及ぼす可能性があります。
② 退職給付債務及び退職給付費用
当社グループは、退職給付債務および費用について、昇給率、退職率等の基礎率及び割引率を用いて計算しております。
なお、これらの前提に変動があった場合には、退職給付債務および費用に影響を及ぼす可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価について、事業部等を基礎としてグルーピングされた資産グループごとの収益性の評価及び回収可能価額の算定を行い、収益性が著しく低下している資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額することとしております。
市場環境等の変化により収益性が著しく低下した場合には、減損損失を計上する可能性があります。
なお、当連結会計年度については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※7減損損失」の内容に記載のとおりであります。
当連結会計年度の連結財務諸表を作成するにあたって行った会計上の見積りのうち、当該会計上の見積りが当連結会計年度の翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあると判断したものはありません。
5 【経営上の重要な契約等】
日清オイリオグループ株式会社(以下「当社」といいます)は、2023年8月9日開催の取締役会において、株式会社J-オイルミルズ(以下「J-オイルミルズ」といいます)との間で、2023年10月2日を効力発生日として、共同新設分割により新設する製油パートナーズジャパン株式会社(以下「製油パートナーズジャパン」といいます)について定めた合弁契約について決議、締結いたしました。
この会社分割の概要は次のとおりであります。
(1) 会社分割の目的
当社およびJ-オイルミルズ (以下「両社」といいます)は、 国内製油産業の長期的な課題についての共通認識のもと、将来にわたり日本の食を支えることを目指し「油脂と油粕の安定的な供給」、「持続可能な国際競争力の強化」の実現と、「環境・社会課題の解決」を通して広く社会に貢献することを目的に、2021年5月より搾油合弁会社設立に関する検討を行い、2022年11月より、西日本エリアにおける搾油合弁会社設立に関する協議を進めてまいりました。本分割について、公正取引委員会の承認を得られたことから、2023年10月に本分割を実行することにいたしました。
新会社は、国内搾油業の国際競争力強化と安定供給を長期にわたって確保する共同運営体制の構築を目指すとともに、AIやIoTの活用によるスマートファクトリー化、脱炭素社会への取り組みなど、環境・社会課題への解決にも繋がる「次世代型搾油工場」の構築に向けた取り組みを推進してまいります。
(2) 会社分割の方法
当社およびJ-オイルミルズを新設分割会社とし、両社が共同で新設する製油パートナーズジャパンを承継会社とする共同新設分割といたします。
(3) 会社分割の期日
2023年10月2日
(4)分割する当社事業部門の概要
(注)生産工程の一部を分割することから、経営成績として示すことが困難であるため「-」としており
ます。
(5) 分割に際して発行する株式及び割当
製油パートナーズジャパンは、本分割に際して、普通株式 10,000株を発行し、分割対価として、当社に
5,000株、J-オイルミルズに5,000株を割当て交付いたします。
(6) 割当株式数の算定根拠
割当株式数の算定に当たっては、対象事業に係る資産等の内容を精査し、同事業に係る主要な資産である有形固定資産をコスト・アプローチにより評価し、総合的に勘案して、当事会社間で協議の結果、決定いたしました。
(7)新設分割設立会社の概要
※日清オイリオグループおよびJ-オイルミルズに関しては、商号、本店所在地、代表者の役職・氏名、
事業内容、資本金、および決算期について、いずれも本分割による変更はありません。
6 【研究開発活動】
当社グループは、長年の植物油脂研究で培った知見を活用し、中長期視点の「技術開発」と、お客さまのニーズにスピーディにお応えする「商品開発」を両輪とした研究開発活動を行っております。油脂の製造および加工に関する技術をはじめ、油脂の栄養評価技術や分析・評価技術、官能評価技術を強みとし、健康、おいしさの追求と、環境負荷低減、ユーザーニーズに対応したアプリケーション開発に取り組んでおります。技術力を強化し、知的財産の戦略的な活用を行うことで、グローバルトップレベルの油脂ソリューション企業の実現に貢献してまいります。

当事業年度は、油糧原料の安定確保に向けて、「Bio-Digital Transformation 産学共創拠点」に参画し、微細藻類による油脂生産の検討を開始いたしました。また、東北大学との共同研究により、おいしさを司る油脂由来の香気成分の生成メカニズムを解明するなど、産学官の連携を図りながら技術開発を進めております。
また、海外の研究開発拠点であるマレーシアのNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.では、当社グループのパーム油脂、スペシャリティファットの製造および販売を行う事業会社Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.と連携し、チョコレート用油脂の主原料であるパーム油に関わる油脂加工技術の開発を行っております。今期は国内の研究開発部門と共同で、チョコレート用途に適した成分の分別技術を確立し、設備導入を進めてまいりました。
ファインケミカル事業部では、化粧品領域、化学品領域、および食品領域におけるファインケミカル素材の開発ならびに、その機能評価に基づく価値開発やアプリケーション化を進めるとともに、生産部門と連携して製品の品質優位性を高めるための活動を行っております。また、事業のグローバル展開を支える基盤を形作るために、当社グループであるIndustrial Quimica Lasem, S.A.U.とは、エステル油剤開発、品質管理、生産技術などにおいて多面的な技術連携関係を構築しております。中国では、これまでの当社グループの日清奥利友(上海)国際貿易有限公司との連携による当社製品の技術的、品質的な特徴を顧客にアピールする活動に加え、上海テクニカルサポートセンター(通称:STS)を当事業年度に新たに開設し、中国における市場開拓を着実に進めております。
2024年度には、研究開発部門の機構改革と、横浜磯子事業場内に建設した新たな研究開発拠点である「インキュベーションスクエア」の稼働を開始し、研究開発機能を強化しお客さまと価値を共創するための基盤を整備いたします。国内外を問わず様々なお客さまとの技術や情報の交流を通して、多様な視点とアイデアにより最先端のソリューションを提供してまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費の合計は3,519百万円(前連結会計年度は3,128百万円)であり、セグメント別の研究開発費については以下のとおりです。
〔油脂事業〕
1.油脂・油糧
2024年、日本初のサラダ油である「日清サラダ油」の発売から100周年を迎えました。ホームユース食用油では、毎日ご家庭で使う油はより良いものをお届けしたいとの思いから、長年にわたり積み重ねてきた技術を結集し、「日清ヘルシークリア」を2024年2月に発売いたしました。当社は、これまでも「酸化」を抑える技術を数々と開発してまいりましたが、これまでの技術を結集しさらに進化させた「ウルトラ酸化バリア製法」を開発いたしました。お客さまの「酸化」に対する不安を解消する「日清ヘルシークリア」は、開封後もつくりたての油のおいしさが続くという新たな価値を提供し、クッキングオイルの魅力をさらに高めることで、家庭用食用油市場を活性化してまいります。さらに、オリーブオイル市場の活性を目的に、気軽に初めての方でもオリーブオイルのおいしさを感じていただくことのできる新商品「日清キャノーラ&オリーブ」を2024年2月に発売いたしました。また、本格風味の「BOSCO シーズニングオイル」に、高級食材トリュフの芳醇な香りを手軽に楽しんでいただける「トリュフ&オリーブオイル」を追加発売し、「味つけオイル」による食用油のおいしさ、使い方の提案をさらに広げてまいります。
環境にやさしい企業活動の取り組みの一環として、容器におけるプラスチック使用量削減のため、新容器(紙パックタイプおよび800gPETボトル)を開発いたしました。紙パックタイプ450gは、当社400gPET容器と比較してプラスチックの使用量を55%削減し、FSC認証紙やバイオマス素材を使用しております。また、使いやすい2WAYキャップを採用し、残っている量が分かりやすいスリットを付けております。800gPETボトルは、とってをなくすことで900gPETボトルと比較してプラスチック使用量を39%削減し、再生プラスチックも30%含有しております。さらに、くぼみを配置することで使いやすさも両立しております。
業務用食用油では、お客さまの様々な課題を解決する提案や商品開発を行っております。当事業年度はカスタマーサポート機能を強化し、フライ油分析をはじめとするアフターフォローやメニュー開発支援などお客さまの課題解決に一層の充実を図りました。開発面では、最近の健康ニーズの高まりによりこめ油の利用が多くなっていることを受け、「日清キャノーラ&こめ油」を開発いたしました(2024年4月上市)。ブレンドしたこめ油特有のうま味により揚げ物がおいしくなるだけではなく、通常のこめ油ブレンド油に比べ劣化を抑える長持ち製法を付与しております。また、外食のお客さま向けに、ご飯をおいしくする「日清炊飯油 お店のごはん用」を開発しました(2024年4月上市)。さらにフードロスや環境配慮など多様化するニーズへ対応した炒め油や麺さばき油などの機能性油脂の開発を推進しております。
2.加工油脂
製菓・製パン商品において、油脂は風味、食感、口どけなどおいしさの大事な機能を担っております。当社では「油脂」を究めることで、チョコレート用油脂を中心としてスペシャリティファットやマーガリン・ショートニングなどの製品を開発しております。また、これらの製品の主要原料油であるパーム油を生産する当社グループのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.および、業務用チョコレートを販売する当社グループの大東カカオ株式会社の研究開発部門とも連携することで、油脂製造からアプリケーション開発にわたる領域のニーズに応える研究開発を行っております。既存のお客さまへの新たな提案や新規のお客さまの開拓に取り組んだ結果、ココアバターとの相溶性の高いチョコレート用油脂や口どけのよいクリーム用油脂を上市いたしました。コンビニエンスストア向け商品には、当社独自のエステル交換油を活用することで、サクサクとした食感やジューシー感が特長のシートマーガリンが採用になりました。また、機能性を有する素材と油脂を組み合わせた製パン用油剤により、従来よりもしっとり感があるパン生地に仕上がることが可能となり、消費期限の延長やそれによる食品ロス削減が期待されております。
〔加工食品・素材事業〕
1.MCT
MCTの優れた健康性に着目して機能開発を進め、これまでの「体脂肪やウエストサイズを減らす」に加え、「日常活動時の脂肪の燃焼を高める」や「運動時の脂肪の燃焼を高める」などの新たな機能性表示食品を消費者庁に届出することができました。今後は食用油や加工食品へ広く展開することで、マーケットでの認知度向上や価値化を図り、当社の掲げる「すべての人の健康」の実現を推進してまいります。
2.調味料
ドレッシング類では、シニア層の方から高い支持をいただいているアマニ油をお手軽にお使いいただける「日清アマニ油ドレッシング」に、新たな風味として「黒酢たまねぎ」「旨口チョレギ」を追加発売いたしました。また、ドレッシング主力商品として多くのお客さまより支持をいただいている「日清ドレッシングダイエット」に、大容量タイプへの要望にお応えして、人気の「うまくち和風」「まろやかごま風味」に大容量サイズ400mlを追加発売いたしました。
3.機能素材・食品
MCTを使用した商品として、25gの小容量でエネルギーが100kcal摂取できる「ミニタスエネルギーゼリー」の新味3種(マスカット、ヨーグルト、いちご)を追加発売いたしました。さらに粉末タイプの粥ゼリーの素として、「米粥ゼリーの素」「パン粥ゼリーの素」の2品を上市いたしました。1食120g当たり200kcalのエネルギー密度となっており、同量の粥の2.5倍量のエネルギー摂取が可能となっております。加えてたん白質も5~10g配合していることから、たくさん食べられない方に、エネルギーとたん白質を無理なく食べていただける商品となっております。
当社の独自技術による油脂100%の結晶性油脂「コナファット」は、食感改善、分散補助、粉末の流動性改善といった機能を軸に食品用途で幅広くご利用いただいております。食品での用途をさらに拡大するため、チョコレートの粘度調整やクッキーの品質改良などの新たな価値の提案を進めております。また、食品廃棄の削減に向けて、食品アップサイクルへの利用についても用途提案を進めております。非食品分野では環境を意識した脱石油、脱ケミカルを目指した用途開発、市場開拓を進めております。様々な用途での活用方法をご提案することで、販売数量を着実に増やしております。
4.チョコレート
大東カカオ株式会社と連携を取りながら、カカオを中心に、素材にこだわり、配合・物性・製造技術を磨き、他社がまねのできない多様な技術やユーザーの要求にこたえるための高付加価値技術を構築しております。
大東カカオ株式会社の強みであるロースト方法やカカオ産地を組み合わせた風味づくりを行うとともに、当社との連携を強化し、油脂技術を活用した高機能なチョコレートの開発を進めております。また、持続可能な社会への貢献の一環として、サステナブル認証カカオを使用した製品の発売に加え、認証パーム油の導入に向けた取り組みを開始。市場の要求や顧客からの要望に合わせて、認証原料への切り替えを進めるための検討を実施しております。歴史的なカカオ相場の高騰に加え、カカオ豆の安定的な確保への対応のために、従来以外の産地を評価・検証を実施して品質への影響を最小限にとどめ、顧客へ安定した製品をお届けするための検討を実施しております。さらに、カカオ豆の発酵工程の調査、改善のために大学と共同研究や、防災食用チョコレートの開発を進めております。
5.大豆食品素材
加工食品原料の価格高騰を背景に、粒状大豆たん白、全脂大豆粉末、粉末状大豆たん白、脱脂大豆粉末などの大豆食品素材を利用したアプリケーションを開発いたしました。加えて、お客さまのニーズが多様化していることから、粒状大豆たん白を中心にお客さまニーズに即したPB商品の開発を手掛けました。大豆食品素材の栄養・健康機能を訴求し、代替品としての利用にとどまらず大豆食品素材だからこそできる“植物のチカラ®”を強みとしてさらなる価値創造を進めてまいります。
〔ファインケミカル事業〕
化粧品領域における開発活動としては、グローバルな視野で化粧品業界に広く展開できる高機能素材や植物由来成分からなる素材の開発に取り組んでおります。
化学品領域における開発活動としては、情報関連分野・潤滑用途の素材を中心に顧客と直結した開発を進めております。
食品領域における開発活動としては、主力であるMCT製品の品質向上を図るとともに、新たな機能性素材の開発に取り組んでおります。
Industrial Quimica Lasem, S.A.U.との間では、技術的な相乗作用を得るために、製品のみならず原材料評価、品質管理、製品開発、および生産技術など多岐にわたる連携関係を構築してきました。同社が製造販売する、FSSC22000などの認証を背景とした高品質なMCT「QUOLIO(クオリオ)」については、国内展開を図るとともに、高品質な化粧品原料の製造が可能となる生産設備の改良を行い、グローバル供給体制確立への歩みを進めております。
日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、中国における技術サービスの充実を目的として設置したラボ機能の有効活用を図るとともに、さらに発展させる形で、現地企業を対象とした原料セミナーを複数回開催し、同社製品の優れた特徴をアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。
セッツ株式会社においては、外食厨房や食品加工工場、フィットネス施設や介護施設、保育園等、生活のあらゆる場面の衛生管理に役立つ商品やソリューション提供を通じて、「清潔・キレイ」「健康」「快適」な環境づくりに貢献すべく事業活動を行っております。衛生管理事業部 研究開発部では、微生物制御技術、洗浄技術、顧客技術を融合することで、同社ならではの高付加価値商品開発に取り組んでおります。大学や外部機関との共同研究やネットワークも積極的に活用しております。最重点商品の一つであるアルコール製剤ユービコールノロVに関しては、商品力の更なる強化、ラインアップ化に向け、ウイルス対応技術の一層の深化と応用展開に向け精力的に研究活動を継続しております。一方、既存品の鮮度アップ、新製品開発にも力を入れ、特に油汚れ洗浄剤分野においては、新製品、およびリニューアル製品を上市しました。中性でべたつき油汚れに対し高い洗浄性能を有する「油汚れ用中性レンジスター」、食品工場に特有な固形油脂洗浄機能に除菌効果をプラスした「オイルクリーナー」です。発売以来、お客様からも高い評価が得られております。これら活動により、安全・安心、簡便性(時短・労働力減少への対策)といった価値の提供に努めてまいります。
また、顧客起点・現場主義を重要な行動指針に掲げ研究活動を実践してきており、本年度も全国の現場を訪問し、課題解決に繋がる対策や商品提案を積極的に行っております。ユーザー様から高い信頼を獲得するとともに、得られた知見を活かし商品力の強化に繋げてまいります。
学術活動では、大阪工研協会主催の石けん洗剤技術交流会(8月)において、「食品製造現場における洗浄と解析技術を用いた衛生管理」の題名で講演を、日本食品微生物学会学術総会(9月)において、「グラム陰性菌株に対し薬剤感受性が低下する要因の解析」「抗ノロウイルス効果を有する天然抽出物素材のスクリーニング」の2件の発表を行い、後者は優秀発表賞を受賞しました。11月には、食品微生物科学協会主催の食の安全安心セミナーにて「食の衛生管理に向けた秋のセッツ製品のご紹介」の発表、および、NPO法人カビ相談センター主催の生活環境とカビ管理対策セミナーにて「食品製造現場におけるカビ汚染の実態とその除去方法について」のタイトルで講演を行いました。2024年2月には、第48回分析展と講演・技術発表会において、「強力な洗浄力を持つ「ごっそりフライヤースター」の開発~油脂分析からのアプローチ~」のタイトルで発表しました。また、長年研究を行ってきたブドウ種子抽出エキスの抗ウイルス効果メカニズムの解析検討結果が「Screening of Natural Extracts with Anti-Norovirus Effects and Analysis of this Mechanism in Grape Seed Extract」のタイトルで、Journal of Microorganism Control (2023) Vol.28,No.3 に掲載されました。
これら研究開発活動を通じて、引き続き当社グループは衛生管理事業の拡大に努めてまいります。
今後とも技術力の一層の充実を図り、新製品・新技術開発、新分野開拓に積極的に取り組んでいく方針であります。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループでは、事業構造改革を継承しつつ、より成長路線に軸足を移す、という基本方針に基づき、戦略性、重要性、緊急性に鑑み、投資採算を重視した上で、油脂事業および加工食品・素材事業を中心に19,113百万円の設備投資を行いました。
油脂事業においては16,045百万円、加工食品・素材事業においては2,277百万円、ファインケミカル事業においては725百万円、その他の事業においては65百万円の投資額となりました。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
2024年3月31日現在
(注) 1 設備の帳簿価額は減価償却累計額控除後のものであり、建設仮勘定47億76百万円を含んでおりません。
2 横浜磯子事業場、名古屋工場および水島事業場においては、主に油脂および油粕を生産し、堺工場においては主に油脂を生産しております。
3 各支店および営業所の内訳は、北海道・東北・関東信越・東海北陸・大阪・中四国・九州の各支店、盛岡・郡山・新潟・長野・埼玉・静岡・北陸・四国・岡山・鹿児島の各営業所となります。
(2) 国内子会社
2024年3月31日現在
(注) 1 設備の帳簿価額は減価償却累計額控除後のものであり、建設仮勘定11億20百万円を含んでおりません。
2 日清物流㈱の土地2千㎡については、賃借しております。
(3) 在外子会社
2024年3月31日現在
(注) 1 設備の帳簿価額は減価償却累計額控除後のものであり、建設仮勘定26億26百万円を含んでおりません。
2 Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.の本社・工場の土地73千㎡については、賃借しております。
3 PT Indoagri Daitocacaoの工場の土地19千㎡については、インドネシア共和国の法律に基づく建設権により利用している土地の面積です。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
2024年3月31日現在
(2) 重要な設備の除却等
経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
①【株式の総数】
②【発行済株式】
(2)【新株予約権等の状況】
①【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
②【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)1 2021年2月9日開催の取締役会決議により、2021年4月30日付で自己株式を消却し、発行済株式総数が951,600株減少しております。
(5)【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注) 自己株式1,139,454株は、「個人その他」に11,394単元及び「単元未満株式の状況」に54株含まれております。
(6)【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 株式会社日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数2,647千株には、取締役等への株式報酬制度のために設定した株式交付信託に係る信託口が所有する株式140千株が含まれております。
2 上記のほか当社所有の自己株式1,139千株があります。
(7)【議決権の状況】
①【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注) 1 「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式54株が含まれております。
2 「完全議決権株式(その他)」の欄には、取締役等への株式報酬制度のために設定した株式交付信託に係る信託口が所有する株式140,200株(議決権数1,402個)が含まれております。
②【自己株式等】
2024年3月31日現在
(注) 上記の自己名義所有株式数には、取締役等への株式報酬制度のために設定した株式交付信託に係る信託口が所有する株式140,200株は含まれておりません。
(8)【役員・従業員株式所有制度の内容】
(役員向け株式報酬制度)
当社は2018年5月9日開催の取締役会決議に基づき、2018年8月より、当社の取締役(社外取締役を除きます。以下も同様です。)および執行役員(以下、「取締役等」といいます)に対して、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的として、株式報酬制度(以下、「本制度」といいます)を導入しております。
また、2022年4月28日開催の取締役会において、2023年3月末日に終了する事業年度から2025年3月末日に終了する3事業年度を対象期間として、本制度の継続および一部改訂について2022年6月24日開催の第150回定時株主総会に付議することを決議し、同株主総会において承認可決されました。
1.本制度の概要
当社が設定する信託(以下、「本信託」といいます)に金銭を信託し、本信託において当社普通株式(以下、「当社株式」といいます)の取得を行い、取締役等に対して、当社取締役会が定める株式交付規程に従って付与されるポイント数に応じ、当社株式が本信託を通じて交付される株式報酬制度です。なお、取締役等が当該株式の交付を受ける時期は、原則として取締役等の退任時となります。
2.信託契約の概要
①信託の種類 金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
②委託者 当社
③受託者 三井住友信託銀行株式会社(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行)
④議決権の行使 信託の期間を通じて、本信託内の株式に係る議決権は行使しません
⑤信託の期間 2018年8月から2025年3月
⑥信託金の上限 合計金300百万円
⑦当社株式の取得方法 自己株式の処分による方法または取引所市場(立合外取引を含む)から取得する方法
⑨ポイント付与基準 役位および業績目標の達成度等に応じたポイントを付与
3.取締役等に取得させる予定の株式の総数
当初対象期間に対応する必要資金として2018年8月に149百万円を本信託に拠出し、株式会社日本カストディ銀行が当社株式47,600株を取得しております。さらに、2021年11月に49百万円を本信託に拠出し、株式会社日本カストディ銀行が当社株式16,600株を取得しております。また、2022年12月に299百万円を本信託に拠出し、株式会社日本カストディ銀行が92,800株を取得しております。
なお、2024年3月31日現在において、当該信託口が保有する当社株式は、140,200株であります。
4.本株式報酬制度による受益権およびその他の権利を受けることができる者の範囲
当社取締役および当社執行役員のうち受益者要件を満たす者を対象とする。
2 【自己株式の取得等の状況】
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取請求による株式数は含めておりません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における「その他(単元未満株式の買増請求)」には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買増請求による株式数は含めておりません。
2 当期間における「保有自己株式数」には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取請求および単元未満株式の買増請求による株式数は含めておりません。
3 当連結会計年度末および当期間の自己株式数には、役員向け株式交付信託口が保有する当社株式数140,200 株は含めておりません。
3 【配当政策】
当社は株主の皆様への利益還元を経営上の最重要課題の一つとして認識しております。中期経営計画「Value Up+」においては、最終年度である2024年度の経営目標としてROE8%以上を目指すとともに、2030年度に向けてはROE10%を経営目標に掲げ、積極的な投資による成長と資本収益率の向上に取り組んでおります。この利益成長を伴う資本収益率の向上の成果を株主の皆様に確実に還元するため連結配当性向を重要指標としており、「Value Up+」の最終年度である2024年度の連結配当性向40%に向けた配当を実施することとしております。
また、内部留保につきましては、企業価値向上に向けた投資や、必要な利益還元への備えなど長期的視野で、株主の皆様のご期待に応えるよう活用してまいります。
この方針のもと、当期の期末配当につきましては、これらを総合的に勘案し、前期の75円から35円増配し、1株につき110円といたしました。なお、これにより、中間配当金60円を加えた年間配当金は、1株につき170円となります。
当社は毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる旨を定款にて定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
■配当金及び配当性向推移

(注)2017年10月1日付で普通株式5株を1株とする株式併合を行っており、1株当たり配当金は株式併合後に換算した金額を表示しております。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、企業価値の追求と、その最大化を通じた人々・社会・経済の発展への貢献を経営理念で掲げており、サステナビリティの実現に貢献し、ステークホルダーの皆様から信頼される企業グループであり続けたいと考えています。「日清オイリオグループビジョン2030」(以下、「ビジョン2030」)では、当社グループが社会課題を解決し価値を創造する重点領域を定め、社会との共有価値を創造することで成長を遂げるための戦略の指針と2030年に目指す姿を示しています。
この考えのもと、当社グループは、ステークホルダーの皆様と良好な関係を築き、信頼の向上に努めるとともに、コーポレート・ガバナンスの充実に努めてまいります。
<2030年に目指す姿>
私たちは、“植物のチカラ®”と“油脂をさらに究めた強み”で、食の新たな機能を生み出すプラットフォームの役割を担います。そして多様な価値を創造し、“生きるエネルギー”をすべての人にお届けする企業グループになります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、監査役会設置会社の形態を採用しております。
取締役会は、代表取締役社長を議長とし、取締役9名(うち独立社外取締役3名)で構成し、法令で定められた事項および経営上の重要事項を審議し、決定しております。また、取締役会は、当社の経営に関して豊富な経験を持つ取締役と経営に関する深い知識を持つ、独立性の高い社外取締役により構成され、経営および業務執行についての監督責任を負っております。2023年度は取締役会を全12回開催しており、取締役会の出席状況においては次のとおりです。
2023年度においては、2022年度と同様、取締役会の実効性向上を目的に、集中的な審議の時間を確保する観点から、取締役会メンバー全員が参加し、終日、議論を行うオフサイトミーティングを取締役会とは別に開催しております。
取締役会およびオフサイトミーティングにおける主な取組みについては、「⑤ 取締役会の実効性評価」をご参照下さい。
また、当社は、環境変化に即応した迅速な意思決定を実践するため、執行役員制度を導入しており、執行役員は取締役会から業務執行権限を委譲され、経営計画や取締役会の方針に則り、取締役の監督のもとで業務執行に携わっております。また、社長執行役員を議長とし、全ての執行役員を構成員とする執行役員会を設置しております。執行役員会は、取締役会から委譲された権限範囲内の重要案件に係る意思決定、業務執行状況の報告および確認を行っております。なお、業務執行を監査する目的で常勤監査役が執行役員会に出席しております。
監査役会は、監査役4名(うち独立社外監査役2名)で構成しており、監査役は、取締役会やその他重要な会議への出席、業務および財産の状況調査等を通して、取締役の職務執行、執行役員の業務執行を監査しております。監査役は、会計監査人および内部監査室と緊密な連携を保ち、意見および情報の交換を行い、効果的・効率的な監査を実施しております。また、内部監査室を兼務する監査役スタッフを2名配置して監査役監査業務の補助を行うとともに、内部監査室との連携を強め、監査機能の充実・強化を図っています。監査役会および監査役の具体的な活動状況については、「(3) 監査の状況」をご参照ください。
指名諮問委員会は、委員長である代表取締役社長および社外取締役3名の計4名で構成されており、取締役候補者の検討、評価、原案決定等の審議を行い、取締役会へ答申いたします。
2023年度は指名諮問委員会を全2回開催しました。各回の審議内容は下記のとおりです。
・第1回(2023年9月):
2024年度の社外役員候補について審議
・第2回(2023年12月):
2024年度の社外役員候補と経営体制、サクセッションプランについて審議
報酬諮問委員会は、委員長である代表取締役社長、社外取締役3名および社外監査役2名の計6名で構成されており、主に「取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針」「取締役の個人別の報酬等の内容」「サーベイデータ等を用いた取締役報酬の体系、水準、業績指標等の検証」などについて審議し、取締役会へ答申いたします。
2023年度は報酬諮問委員会を全3回開催しました。各回の審議内容は下記のとおりです。
・第1回(2023年5月):
2022年度の全社業績および期初に設定した目標(単年度業績に対する貢献、将来に向けた貢献(成長、資本効率、ESG))に対する個人評価に基づく個人別賞与額、2022年度株式報酬、および2023年度役員報酬原案(報酬構成比率・水準、賞与業績指標)を決定
・第2回(2023年11月):
当社と規模の近い国内主要企業群に関する外部機関の調査結果等に基づき役員報酬制度の動向を検証するとともに、次期中計に向けた役員報酬制度の点検ポイントについて審議
・第3回(2024年3月):
次期中計に向けた役員報酬制度の在り方(報酬構成比率、報酬水準、業績指標、報酬ガバナンス)や監査役報酬枠について審議
なお、当事業年度における当社の役員の報酬等の額の決定過程ですが、2023年5月31日の報酬諮問委員会の審議に基づく答申を受けて、2023年6月16日開催の取締役会にて2023年度の取締役の固定報酬および賞与支給の条件を決議しております。なお、株式報酬については2022年6月16日開催の取締役会にて決議された株式交付規程に基づき運用しております。監査役の個人別報酬等は2023年6月9日に監査役の協議によって決定しております。
指名諮問委員会および報酬諮問委員会の構成と出席状況は、次のとおりです。
諮問委員会の構成(◎:委員長、〇:委員)
※2024年4月より指名諮問委員会の委員長に山本功氏、報酬諮問委員会の委員長に江藤尚美氏が就任しております。
また、必要に応じて、審議委員会および社長の意思決定支援機関を設置いたします。現在は、以下の審議委員会等を設置しております。
<取締役会が設置する委員会>
経営サステナビリティ委員会、リスクマネジメント委員会、投融資委員会、企業倫理委員会、内部統制委員会
<取締役会が設置する協議会> 社外役員協議会
<業務執行の審議機関> 事業戦略会議
<執行役員会が設置する審議委員会> 品質マネジメント委員会
これらをもって経営および業務執行の健全性、アカウンタビリティは確保されていると考え、現在の企業統治の体制を採用しております。2024年3月末時点のコーポレート・ガバナンスおよび内部統制に関する体制の模式図は、次のとおりとなっております。

※常勤監査役は、経営サステナビリティ委員会、リスクマネジメント委員会、内部統制委員会、事業戦略会議にオブザーバーとして出席しております。
※上記以外に常勤監査役とコーポレートスタッフ部門との定期的な情報交換・情報共有化等、監査の実効性確保に向けた会議体を設置しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
(a) 内部統制システムの整備の状況
コンプライアンス、リスクマネジメント体制については、リスクマネジメント委員会、企業倫理委員会などの委員会を設置し、必要に応じ顧問弁護士などとの連携を図り、専門的な見地から意見を答申しております。
取締役が遵守すべきコンプライアンスの基本、違反に対する懲罰などを取締役倫理規程に定めております。また、すべての役員および従業員において経営理念を実現するための行動指針である「日清オイリオグループ行動規範」(2022年4月改訂)の浸透を図るとともに、企業倫理ホットラインによる通報の受付を行い、提供された通報については、企業倫理委員会で審議し、再発防止を図っております。当社では、当社グループの役員・従業員を対象に企業倫理講演会を開催し、行動規範のグループ内への浸透およびコンプライアンス推進を図っております。また、当社法務部門は、当社グループの法令遵守状況の確認を行うとともに、法務教育を実施しております。
金融商品取引法に基づく内部統制システムについては、その整備・運用方針等の決定のために内部統制委員会を設置し、その評価を内部監査室が担当しております。また、内部監査室は、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンスの視点から業務が健全かつ適切に執行されることを確保するため、内部監査を実施しております。
取締役の職務の執行および執行役員の業務の執行が効率的に行われることを確保する体制については、当社は執行役員制を採用し、各部門の担当執行役員は、経営計画を構成する部門目標の達成責任を負っており、当社グループの中期経営計画の達成に向け、毎月開催される執行役員会において、経営計画の進捗管理を行っております。
設備投資、M&Aおよび事業再編などの重要な投融資案件については、子会社に関する案件も含め、投融資委員会に諮り、審議しております。
(b) リスク管理体制の整備の状況
リスク管理につきましてはリスクマネジメント委員会が全社的なリスクを総括的に管理しており、リスクが顕在化した場合の緊急体制を整備し、危機対応を図っております。リスクマネジメント委員会ではリスクの棚卸を実施のうえで、影響度合と発生可能性をもとにリスクマップを作成するとともに、個々のリスクに対するリスク対策を管理しております。また、リスクが顕在化した際の影響度を軸とした優先順位付けを行ったうえで、重要なリスクとして選定し、主管部門を中心としたPDCAサイクルによるリスクマネジメントを実施しております。リスクマネジメント委員会は全社的リスクの評価や対応方針・状況などを取締役会に報告しています。なお、2021年度から常勤監査役がリスクマネジメント委員会にオブザーバーとして出席しています。また、経理規程、与信管理規程、情報セキュリティ管理規程等の諸規程の今日的な見直しを恒常的に行い、必要に応じて改訂または新たな規程の整備を行っており、内部監査室は、業務における諸規程の遵守状況を監査しております。
当社の情報管理体制としては、取締役会が執行役員の業務執行状況を確認できる体制を確保する視点から、取締役会規程・同運用基準、執行役員会運営規程、文書管理規程等を整備しており、社外取締役および社外監査役による情報収集の利便性の向上を図るため、社内取締役および執行役員と同様の情報システム環境を提供しております。
リスク管理に関する体制の模式図は、次のとおりとなっております。

(c) 当社ならびに子会社からなる企業集団における業務の適正性の確保
経営サステナビリティ推進室が子会社全体の管理を行い、企業集団としての戦略と各子会社運営の適正性を総合的に評価しております。また、当社の執行役員の中から子会社ごとに担当役員を任命し、経営の責任体制を明確にするとともに、担当役員は子会社の適正な業務遂行を指導・監督しております。内部監査室は定期的に子会社の内部監査を実施しております。
子会社の体制としては、取締役を親会社から選任し、子会社の独立企業としての発展と連結グループにおける企業価値の最大化を共に実現すべく、業務遂行状況を監督しております。また、国内子会社については、親会社から監査役を選任し、当該子会社が監査範囲の限定規定を設けることが可能な場合においても、監査役に業務監査権限を付与しております。海外子会社の会計監査につきましては、日清奥利友(中国)投資有限公司他7社につきましては、当社の監査公認会計士等が所属するDeloitte Touche Tohmatsu Limitedグループの現地事務所に委嘱しており、PT Indoagri Daitocacaoについては、Ernst&Youngの現地事務所が同社の財務諸表関係の監査を行っております。
(d) 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方および整備状況
反社会的な勢力や不当な圧力に対しては、「日清オイリオグループ行動規範」の定めのとおり、必要な場合には法的措置を前提として、屈することなく毅然とした態度で臨んでまいります。
具体的には、人事・総務部を対応統括部署として、警察と連携をとるとともに、公益社団法人警視庁管内特殊暴力防止対策連合会が開催する研修会への参加により定期的な情報収集を行うことなどにより、社内体制の整備に努めております。
(e) その他
当社グループの中長期的な企業価値向上の取組みをお伝えすることを目的に、統合報告書を2021年度から発行しており、本年は9月に発行を予定しております。
<責任限定契約>
当社は、社外取締役山本功氏、町田恵美氏および江藤尚美氏、社外監査役草道倫武氏および住田清芽氏との間において、会社法第427条第1項に基づき、会社法第423条第1項の賠償責任について、職務を行うにあたり善意でかつ重大な過失がないときは、金5百万円または会社法第425条第1項に定める最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする契約を締結しております。
<役員等賠償保険契約>
当社は役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、株主や第三者から損害賠償請求を提起された場合において、被保険者が負担することとなる損害賠償金および争訟費用等の損害を当該保険契約により填補することとしております。
当該保険契約の被保険者は当社および国内子会社の取締役、監査役、執行役員および管理職従業員であります。
故意または重過失、犯罪行為等に起因する損害賠償金は上記保険契約により填補されません。
④ 取締役に関する事項
(a) 取締役の定数
当社の取締役は20名以内とする旨を定款で定めております。
(b) 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を、また、累積投票によらないものとする旨を定款で定めております。
⑤ 取締役会の実効性評価
当社では取締役会の実効性を担保し、向上させるため、毎年、各取締役・監査役による取締役会の実効性評価を実施しております。アンケートによる自己評価や意見聴取などを実施し、取締役会で審議したうえでその結果を開示しております。
この度、2023年度の取締役会の実効性評価を実施し、その結果を取締役会において報告・審議いたしました。
概要は以下のとおりです。
(a) 実効性向上に向けた2023年度取締役会の取組み
前年度(2022年度)の評価結果を踏まえて、次の取組みを行うことにより、実効性のさらなる改善を図りました。
ⅰ)「重要な経営課題に関する議論の深化」
経営における重要なテーマについて、取締役会で重点的に審議するとともに、オフサイトミーティングを行い、取締役会メンバー全員が出席の上、終日、活発な意見交換を行いました。
[2023年度のオフサイトミーティングのテーマ]
・ マーケティングと技術に立脚した価値創造について
・ 代替脂質への取り組みと関連技術の発展性について
・ 2030年に向けた国内事業領域における価値創造の戦略・取組みについて
・ 食品事業本部の新たなマーケティング創生について
・ 加工用事業部マーケティング戦略について
・ 北米事業構想について
[取締役会の主な審議事項]
・ ROIC目標達成に向けて(2回)
・ 2030年に目指す姿に向けた成長性と収益性についての具体的な検討
・ 2024年度経営計画
・ 当社における「企業価値向上の取り組み」に関する方針・目標と開示内容について
・ 株主還元方針について
・ 2023年度経営計画
・ 北米事業構想の進捗状況について
ⅱ)「取締役会におけるリスクマネジメントをはじめとしたモニタリング機能のさらなる強化」
取締役会のモニタリング機能の強化につながる以下の改善を行いました。
・ 当社グループの持続的な成長と社会の持続的な発展を実現するための基本方針の立案等、重要課題を審議することを目的とし、2023年7月に「経営サステナビリティ委員会」を新設
(主な審議テーマ)
・CSV目標の見直しや2030年度目標の新規設定(複数回審議)
・北米事業構想の実現に向けた具体的取組み
・リスクと機会の重点領域化について
(新たなリスクと機会の抽出や社会課題の再確認、重点領域の検証等)
・ROIC目標達成に向けて(ポートフォリオマネジメントの考え方)
・TCFD提言への対応
・生物多様性方針・水方針の策定について
・持続可能な大豆調達およびカカオ調達・アクションプランについて
・オフサイトミーティングで形成された課題を受けた具体的なテーマの検討
(企業価値向上に向けた成長シナリオ、国内拠点の設備投資計画など)
(b) 2023年度取締役会実効性評価の実施内容
当社では、2023年度の取締役会の実効性評価を、客観性を担保するために外部機関のサポートを受け、取締役会を構成する取締役・監査役(全13名)を対象に、以下の内容について、アンケート形式での調査を実施しました。
・取締役会の構成
・取締役会の運営
・取締役会の議論
・取締役会のモニタリング機能
・社内取締役のパフォーマンス
・社外取締役のパフォーマンス
・取締役・監査役に対する支援体制
・トレーニング
・株主(投資家)との対話
・自身の取組み
・総括
調査結果を踏まえ、代表取締役社長と社外役員全員との議論を行ったうえで、取締役会にて議論を行い、最終的な評価を行いました。
(c) 評価結果
当社の取締役会の実効性については、おおむね確保されていると判断しました。なお、2021年度以降、3回に渡る評価のスコアは毎年上昇しており、取締役会の実効性向上に向けた改善策がスコアの上昇につながっているものと判断しております。
2024年度も引き続き、調査結果で評価が高かった項目と、改善余地のある項目から抽出した重点的に審議・対応すべき課題を以下のとおり整理し、対策を講じていきます。なお、調査結果に関する個別のトピックスは以下のとおりです。
ⅰ)評価の高い項目
・会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出と経営戦略や経営計画の整合性を認識したうえで十分に議論を行っている点
・経営陣の報酬制度を設計し、具体的な報酬額を報酬諮問委員会から情報を得て適切に決定している点
・社外取締役は、株主からの付託を受けて、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る観点から経営を監督する役割を自覚し、その役割を十分に果たせている点
ⅱ)改善余地のある項目から抽出した2024年度に重点的に審議・対応すべき課題
・経営戦略・経営計画のグループ全体の潜在的なリスクとその対処方法についての十分な議論の実施
・PBR向上に向けた方策の継続検討とモニタリング
・グループ全体の事業ポートフォリオの方針決定と定期的な見直しの実施
・グループガバナンス、グループ会社に対する内部統制の強化
・人的資本に関するマネジメント
(d) さらなる実効性向上に向けた取組み
取締役会のさらなる実効性向上に向け、調査結果から抽出した重点的に審議・対応すべき課題に加え、当社事業に影響を与える機会やリスク等についても一層議論を深め、必要な対応を図ってまいります。また、2024年度においても、取締役会メンバーによるオフサイトミーティングを継続し、経営課題の集中審議を行うとともに、社内・社外役員間の意思疎通の深化を図ってまいります。
企業価値の向上を目指し、取締役会の実効性向上に資するこれらの取組みを通じ、グローバルトップレベルの油脂ソリューション企業への飛躍を実現してまいります。
⑥ 株主総会決議に関する事項
(a) 自己の株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、経済情勢の変化に対応して財務政策等の経営諸施策を機動的に遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めております。
(b) 中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款で定めております。
⑦ 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます)を定めております。
1.基本方針の内容
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念、企業価値を生み出す源泉、あらゆるステークホルダーとの信頼関係などを十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を持続的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。
上場会社である以上、当社株式の大規模買付行為に対し、売却を行うか否かの判断や会社の経営を委ねることの是非に関する判断は、最終的には個々の株主の皆様に委ねられるべきものであります。しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を損なうことが明白であるもの、買収に応じることを株主に強要するおそれがあるものなど、当社グループの企業価値ひいては株主の皆様共同の利益が毀損されるおそれのあるものも想定されるため、株主の皆様が十分な情報を得たうえで判断をされることが必要と考えております。
2.具体的取組みの内容の概要
(1) 企業価値・株主の皆様共同の利益の確保・向上に向けた取組み
当社は、当社の企業価値の源泉が、食品からファインケミカルまでの幅広い事業を通じて得た広範な知識と豊富な経験、蓄積された高い技術力、株主の皆様をはじめとするあらゆるステークホルダーからの信頼とご支援など、1907年の創立以来110年以上の永きに亘って培ってきた経営資源に存すると考えております。
この経営資源に基づき、当社グループは中長期的な視野に立ち、企業収益および企業の社会的価値の向上を目指し、総合的に企業価値を高め、株主の皆様の期待にお応えできるよう努めてまいります。
「日清オイリオグループビジョン2030」(以下「ビジョン2030」といいます)では、2030年に目指す姿を「私たちは、“植物のチカラ®”と“油脂をさらに究めた強み”で、食の新たな機能を生み出すプラットフォームの役割を担います。そして多様な価値を創造し、“生きるエネルギー”をすべての人にお届けする企業グループになります」とし、戦略の基本方針を「これまでより『もっとお客さまの近く』でビジネスを展開する」と定めております。この「ビジョン2030」のもと、注力する重点領域における課題解決を通じた社会との多様な共有価値の創造(CSV)を成長のドライバーとし、持続可能な社会「サステナビリティ」の実現に今まで以上に貢献してまいります。
また、2021年度から2024年度までの中期経営計画「Value Up+」では、CSVを成長ドライバーに、マーケティング、テクノロジー、グローバリゼーションを追求のうえ成長戦略を加速し、「ビジョン2030」で目指す姿の実現に向け、企業価値の向上に努めてまいります。
(2) 不適切な者によって支配されることを防止する取組み
当社は、当社株式の大規模買付行為を行う者の意向を慎重に確認したうえで、当該大規模買付行為の是非を株主の皆様に適切に判断していただくために必要かつ十分な情報(独立社外取締役の意見を尊重した当社取締役会の意見を含みます)を提供し、検討のための時間を確保するよう努める等、金融商品取引法、会社法およびその他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
3.具体的取組みに対する取締役会の判断及びその判断に係わる理由
前記の具体的取組みの内容は、当社の企業価値ひいては株主の皆様共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるものであり、また当社役員の地位の維持を目的とするものではないことから、いずれも前記の基本方針に沿うものと判断しております。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性10名 女性3名 (役員のうち女性の比率23%)
(注) 1 取締役山本功、江藤尚美および志濟聡子は、社外取締役であります。
2 監査役草道倫武および水口啓子は、社外監査役であります。
3 取締役の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4 監査役大場克仁および草道倫武の任期は、2023年3月期に係る定時株主総会終結の時から2027年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
5 監査役渡辺信行の任期は、2022年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
6 監査役水口啓子の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2028年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
7 ()の株数は株式報酬制度に基づく交付予定株式の数であります。
8 当社は執行役員制度を導入しており、社長執行役員1名、専務執行役員4名、常務執行役員5名、執行役員8名で構成されております。
9 当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選任しております。補欠監査役の略歴は次のとおりであります。
② 社外役員の状況
(a) 社外取締役および社外監査役との関係
当社の社外取締役は3名、社外監査役は2名であります。
社外取締役である山本功氏は、長年の証券アナリストおよび財務アドバイザー等の経験を通じて培われた金融市場および経営全般に関する知識や経験を当社の経営に活かしていただいております。なお、同氏と当社との間に利害関係がなく、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断しております。
社外取締役である江藤尚美氏は、コーポレート・ガバナンスやコンプライアンス、サステナビリティの分野において企業実務に基づいた豊富な経験を有しており、その知識や経験を当社の経営に活かしていただいております。なお、同氏と当社との間に利害関係がなく、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断しております。
社外取締役である志濟聡子氏は、IT分野における豊富な知識と経験に加え、複数企業において執行役員として経営に携わった実績を有しており、その知識や経験を当社の経営に活かしていただきたいと考えております。なお、同氏と当社との間に利害関係がなく、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断しております。
社外監査役である草道倫武氏は弁護士としての専門領域における知識と経験を活かし、監査の充実をはかることが期待できると考えております。なお、同氏と当社との間に利害関係がなく、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断しております。
社外監査役である水口啓子氏は、金融機関、格付会社、監査法人等における豊富な勤務経験を有し、企業会計、ガバナンス、開示等に関する豊富な知識と経験を活かした監査の充実をはかることが期待できると考えております。なお、同氏は、BIPROGY株式会社の社外取締役を兼職しており、2023年度中、当社は同社に情報基盤の運用・保守義務の委託料の支払い等が連結子会社を含めてございますが、当該取引額は、同社の連結売上高の0.2%未満であります。これらの状況から、同氏と当社との間に利害関係がなく、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断しております。
5氏はいずれも、株式会社東京証券取引所が一般株主保護のため確保を義務づけている独立役員であります。
社外取締役の専従スタッフは設置しておりませんが、経営サステナビリティ推進室が窓口となり、随時、各種連絡・情報提供等を行う体制をとっております。また、社外監査役については、常勤監査役が窓口となり、随時、各種連絡・情報提供を行うとともに、監査役スタッフが補助する体制をとっております。
社外取締役または社外監査役の選任にあたっては、当社の社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準を満たしており、かつ上記視点を踏まえ、それぞれ選任しております。当社の社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準については、株式会社東京証券取引所が規定する独立役員の要件に加えて、2015年11月の当社取締役会決議に基づき、以下の①~⑪のいずれにも該当しない場合に独立性があると判断しています。
① 現在および最近5年間において当社の議決権所有割合10%以上の大株主(大株主が法人の場合は役員および従業員)
② 直近事業年度において当社グループの主要な取引先(連結売上高2%以上)の役員および従業員
③ 直近事業年度において当社グループを主要な取引先とする企業(当該取引先の連結売上高2%以上)の役員および従業員
④ 直近事業年度において当社の主要な借入先の役員および従業員
⑤ 直近事業年度に先行する3事業年度のいずれかにおいて上記②~④の業務執行者であった者
⑥ 現在および最近3年間において、当社または当社子会社の会計監査人の社員、パートナーまたは従業員であった者もしくは、最近10年間において、当社または当社子会社の会計監査人であった社員、パートナーまたは従業員であって、当社または当社子会社における監査業務を担当していた者
⑦ 当社または当社子会社から役員報酬以外に過去3年間の平均で1,000万円以上の金銭を受け取っている法律・会計等の専門家
⑧ 当社または当社子会社から一定額(過去3事業年度平均1,000万円以上または当該組織の平均年間総費用の30%のいずれか大きい額)を超える寄付を受けている組織の業務執行者
⑨ ①~⑧に掲げる者の配偶者、二親等内の親族または同居の親族
⑩ 当社から役員を派遣している企業の役員および従業員
⑪ 現在および最近5年間において、当社または当社子会社の役員および重要な使用人の配偶者、二親等内の親族または同居の親族
(b) 取締役会への出席状況および発言状況
2023年度においては取締役会を12回開催しました。個々の社外役員の出席状況は以下のとおりです。
社外取締役である山本功氏は、金融市場および経営全般に関する知識や経験に基づき、議案・審議等につき適宜発言しています。特に、経営戦略および資本効率向上に関する積極的な発言で、取締役会での審議を活性化しています。社外取締役であった町田恵美氏は、公認会計士としての専門領域における知識と経験および当社社外監査役を4年間務めた経験も踏まえ、議案・審議等につき適宜発言しています。特に、財務・会計、リスクマネジメント、ESG等に関する積極的な発言で、取締役会での審議を活性化しています。社外取締役である江藤尚美氏は、コーポレート・ガバナンスやコンプライアンス、サステナビリティの分野における企業実務に基づいた豊富な知識と経験に基づき、議案・審議等につき適宜発言しています。特に業務執行における内部統制やコンプライアンスの状況の確認、投資案件に関するリスク把握等の面から発言を積極的に行い、取締役会での審議を活性化しています。なお、町田恵美氏は2024年6月27日開催の定時株主総会をもって任期満了により社外取締役を退任しています。
社外監査役である草道倫武氏は、弁護士としての専門性に基づき、適宜発言を行っております。また、社外監査役であった住田清芽氏は、公認会計士としての専門性に基づき、適宜発言を行っております。なお、住田清芽氏は2024年6月27日開催の定時株主総会をもって任期満了により社外監査役を退任しています。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会を通じて必要な情報の収集および意見の表明を行う等の連携をしております。
社外監査役は、常勤監査役より内部監査室および会計監査人との定期的な意見交換会の情報を得て意見表明を行うほか、取締役会や監査役会を通じて必要な情報の収集および意見の表明を行う等の連携をしております。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
(a) 組織・人員
当社は監査役会設置会社であり、監査役会は常勤監査役2名、社外監査役2名の合計4名で構成されており、監査役会議長は大場克仁常勤監査役が務めております。大場克仁常勤監査役は、長年、事業部・営業部門にて幅広く当社業務に携わり、業務に関する豊富な知見と経験を有しております。渡辺信行常勤監査役は、財務・経理や経営企画、物流部門において幅広く当社業務に携わり、当社執行役員を経験し、財務および会計に関する相当程度の知見を有しております。草道倫武監査役は弁護士であり、法曹としての豊富な経験により、コーポレートガバナンス、法務リスク管理およびコンプライアンス分野における相当程度の知見を有しております。住田清芽監査役は公認会計士としての長年の経験により、財務諸表監査および内部統制監査に精通しており、財務および会計に関する相当程度の知見を有しております。なお、住田清芽氏は2024年6月27日開催の定時株主総会をもって任期満了により社外監査役を退任し、新たに水口啓子氏が社外監査役に選任されました。水口啓子監査役は、金融機関、格付会社、監査法人等における豊富な勤務経験により、企業会計、ガバナンス、開示等に精通しており、財務および会計に関する相当程度の知見を有しております。
また、内部監査室を兼務する監査役スタッフを2名配置して監査役監査業務の補助を行うとともに、内部監査室との連携を強め、監査機能の充実・強化を図っています。
(b) 監査役会及び監査役の活動状況
<監査方針>
当監査役会は監査役監査基準、内部統制システムに係る監査の実施基準等に準拠し、コンプライアンスの視点を意識しつつ、以下の方針で当事業年度(2023年度)の監査活動を行いました。
・「Value Up+」の実現に向けた戦略の推進および活動状況、リスクマネジメントの推進状況、企業集団としてのガバナンスの状況を主要な着眼点とし、本年度において、特に注意を払う領域や項目を重点監査項目に設定し監査活動を行う。
・国内外のグループ子会社については、常勤監査役が重要な子会社の監査役を兼任するほか、往査や子会社取締役との面談、グループ会社監査役連絡会等を通じて各社の状況を監視する。なお当事業年度は、Intercontinental Specialty Fats Sdn.Bhd.、大東カカオ(株)、T.&C. Manufacturing Co., Pte. Ltd.の3社を、特に注視する重点子会社と位置づける。
・各種会議体等におけるディスカッション、取締役、執行役員、子会社代表取締役との面談、および各部門・グループ子会社への往査等を通じて情報収集に努め、良好なコミュニケーションの構築により監査の充実を図る。また、内部監査室、会計監査人と監査情報を共有し、連携を深めることで監査の実効性を高める。
<当事業年度の重点監査項目>
当事業年度における監査役会の重点監査項目は以下のとおりです。
<主な監査活動>
監査役会は、監査役会で策定された監査方針、監査計画及び業務分担に基づいて監査を実施しております。なお、監査役会の監査方針及び監査計画は、取締役会で説明され、監査の結果や状況についても定期的に取締役会に報告されております。当事業年度における主な活動は以下のとおりです。
(注)国内3部門の往査に参加しております。
監査役は、取締役会や執行役員会等の重要会議に出席し、決議における意思決定プロセスの確認を行い、必要により意見表明を行っております。また、各部門及び国内外子会社に対して往査やヒアリングを実施し、各現場との直接対話により、「日清オイリオグループビジョン2030」の浸透度合いや中期経営計画達成に向けた取組み状況、法令遵守の状況、内部統制システムの構築・運用状況等の確認を行っており、往査終了後に監査役の所見を共有して、各部門及び子会社が次年度の取組みに生かせるよう指摘や提言を行っております。子会社については、常勤監査役が重要な子会社6社の監査役を兼任して当該子会社取締役の職務の執行を監査しているほか、往査や面談等を通じて子会社の取締役との意思疎通及び情報の交換を図り、必要に応じて事業の報告や職務の執行状況についての報告を受けております。また、効率性の観点から重要な会議への出席や会計監査人との会合等は、対面での実施のほかWeb会議システムも活用して行っております。
<監査役会の開催状況>
当事業年度においては監査役会を19回開催しました、個々の監査役の出席状況は以下のとおりです。
当事業年度における監査役会の主な検討事項は以下のとおりであり、1回あたりの平均所要時間は約2時間40分でした。当事業年度においては、特に重点監査項目に関連する事項について、各重要会議における審議の内容をはじめ、取締役・執行役員との面談内容や各部門・国内外子会社への往査結果などを監査役会の中で共有し、活発な意見交換を行いました。
<会計監査人との連携>
会計監査人とは定期的な意見交換会を実施するほか必要に応じて随時ミーティングを行い、当社を取り巻く事業環境の変化等を踏まえた財務諸表に対する影響の可能性等について意見交換を実施しました。また、意見交換会の開催頻度を高め、監査手続き上で注意を払った点やトピックスの詳細等について四半期毎に確認しました。
当事業年度において会計監査人と協議した事項は次のとおりです。
(c) 監査役会の実効性評価
監査の実効性向上に向けた取り組みの一つとして、2022年度に引き続き、監査役会の実効性に関する評価を実施しました。これは、監査役会が自らの役割と責務を実効的に果たしているかを評価し、その結果を踏まえた監査役会の運営の継続的な改善を図ることで、監査活動の実効性を高め、良質な企業統治体制の確立、すなわち健全で持続的な成長と中長期的な企業価値を創出し社会的信頼に応える体制の確立を目指すものです。
<評価実施方法>
調査方法は、監査役会においてその実効性評価に関するアンケート形式での自己評価を実施し、その自己評価について社外取締役と意見交換を実施したうえで、最終的な評価を行いました。
なお、今回行った評価項目は次のとおりです。
<実効性向上に向けた2023年度の取組み>
2023年度は、2022年度に実施したトライアルの評価結果を踏まえて次の取組みを行い、実効性の更なる改善を図りました。
<評価結果>
2023年度の当監査役会の実効性については、おおむね確保されていると判断しました。なお、今回の調査結果と社外取締役からの意見を踏まえて以下の項目を監査役会としての当面の課題と認識し、これらに取り組むことにより更なる実効性の向上を図ります。
・主要グループ会社に対する監査役会としてモニタリングの充実
・会計監査人との意見交換内容の更なる充実(継続課題)
・監査役(会)に対する支援体制の充実(継続課題)
② 内部監査の状況
(a)組織・人員、活動内容
当社は、代表取締役社長直轄で他の業務執行ラインから独立した組織である内部監査室(専従者3名、兼務者2名)を設置しております。内部監査室は、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンスの視点から、業務が健全かつ適切に執行されることを確保するため、当社および子会社の内部監査を実施しております。監査にあたっては、リスクベースの監査計画を策定し、リスクマネジメント委員会が選定した「当社グループの重要リスク」および過去の監査における指摘事項等を監査ポイントに加え実施しております。2023年度は、国内の11部門および5子会社、海外の4子会社に対し、内部監査を実施しました。また、国内の9子会社および海外の10子会社に対し、内部統制の整備を目的として、チェックリストによる内部統制自己点検を実施しました。財務報告に係る内部統制については、独立した立場で経営者評価を実施しております。
(b)監査役監査および会計監査との相互連携、内部統制部門との関係
内部監査室は、監査役および会計監査人と相互に緊密な連携を保つことにより、効果的・効率的な監査を実施しております。監査役とは、内部監査室員2名が監査役スタッフを兼務して監査活動をサポートするほか、定期的に意見交換会を開催しており、2023年度は7回実施しました。また、会計監査人とは必要に応じて意見交換しております。
内部監査室は、内部監査等で発見した事項について、コーポレート部門と課題を共有し、業務改善に努めております。
(c)内部監査の実効性を確保するための取り組み
内部監査のレポーティングラインについては、コーポレートガバナンス・コード補充原則4-13③を踏まえ、代表取締役社長に加え、定期的に取締役会および監査役会に対して報告を行っております。また、執行役員会に対しても定期的に報告を行っております。
③ 会計監査の状況
会計に関する事項の監査のため、会計監査人として有限責任監査法人トーマツと監査契約を締結し、公正な監査を受けております。有限責任監査法人トーマツおよびその業務執行社員と当社の間には、特別な利害関係は存在しません。当連結会計年度の会計監査業務に携わっている公認会計士の氏名等については、以下のとおりであります。
(a) 監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
(b) 継続監査期間
1952年3月期以降の73年間
(c) 業務を執行した公認会計士
指定有限責任社員 業務執行社員 滝沢勝己氏、柏村卓世氏
(d) 監査業務に係る補助者の構成
監査業務に係る補助者 45名
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士12名、会計士試験合格者等2名、その他31名です。
監査役と会計監査人は緊密な連携を保ち、意見および情報の交換を定期的に行い、効果的・効率的な監査を実施しております。
(e) 監査法人の選定方針と理由
監査役会は、有限責任監査法人トーマツを会計監査人の評価に関する基準に基づき総合的に評価した結果、会計監査人として再任することを相当と判断しました。
<会計監査人の解任または不再任の決定の方針>
監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合は、監査役全員の同意に基づき会計監査人を解任いたします。この場合、監査役会が選定した監査役は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨と解任の理由を報告いたします。
また、当社が定めた会計監査人の評価に関する基準に基づき、会計監査人の適切性を評価し、適切でないと認められる場合には、株主総会に提出する会計監査人の解任または不再任に関する議案の内容を決定いたします。
(f) 監査役及び監査役会による監査法人の評価
監査役会は、会計監査人の評価を行っております。この評価は、監査役会で策定した会計監査人の評価に関する基準(監査役会の評価、業務執行部門の評価、外部基準の評価)に基づき、会計監査人の適切性を総合的に評価するものです。
④ 監査報酬の内容等
(a) 監査公認会計士等に対する報酬
当連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、社債発行に係るコンフォートレター作成業務であります。
(b) 監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイトグループ)に対する報酬((a)を除く)
前連結会計年度
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、移転価格税制に関するアドバイザリー業務等であります。
当連結会計年度
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、移転価格税制に関するアドバイザリー業務等であります。
(c) その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前連結会計年度
当社の連結子会社PT Indoagri Daitocacaoは、Ernst & Youngの現地事務所に、財務諸表監査に係る報酬を支払っております。
当連結会計年度
当社の連結子会社PT Indoagri Daitocacaoは、Ernst & Youngの現地事務所に、財務諸表監査に係る報酬を支払っております。
(d) 監査報酬の決定方針
当社は、報酬の対象となる業務の内容、同業他社の状況等を総合的に勘案し、監査公認会計士等と交渉し、監査役会の同意を得た上で、監査報酬を決定しております。
(e) 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の監査計画の内容および報酬見積りの算出根拠となる監査時間、会計監査の職務遂行状況について必要な検討を実施し、報酬等の額について検証を行った結果、会社から提示された金額は妥当であると判断し同意しました。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
(a) 取締役の報酬に関する基本方針
・経営理念の実現を促すものであること
・当社の中期経営戦略を反映する設計であるとともに、企業価値の持続的な向上を動機づけるものであること
・優秀な経営人材を確保できる水準であること
・株主や一般従業員等のステークホルダーに対する説明責任の観点から、透明性、公正性、合理性を備えた設計であり、これを担保する適切なプロセスを経て決定されること
(b) 個人別の報酬等の内容および額の算定方法
・社外取締役を除く取締役の報酬は、固定報酬としての「基本報酬」、業績連動報酬としての「賞与」および中長期インセンティブ報酬としての「株式報酬」で構成しております。社外取締役および監査役の報酬は、独立した立場からのそれぞれの専門性・経験等を活かすことを重視し「基本報酬」のみとしております。
・取締役報酬の水準は、外部の報酬サーベイサービスを活用し、当社と同規模クラスの国内主要企業群の水準と比較して競争力を維持できる水準としております。
・社外取締役を除く取締役の「基本報酬」と「賞与」および「株式報酬」の標準的な構成比率は、代表取締役会長、代表取締役社長は概ね「58:27:15」、その他の取締役(社外取締役を除く)は概ね「68:17:15」となるよう設計しております。
・2006年6月28日開催の第134回定時株主総会において、金銭に関する取締役の報酬総額を年額6億円以内(使用人兼務取締役に対する使用人分給与を除く)、監査役の金銭報酬総額を年額6,000万円以内と改定する決議をしております。なお、監査役の金銭報酬総額については、2024年6月27日開催の第152回定時株主総会において年額1億円以内と改定する決議をしております。
(c) 報酬毎の内容および額の算定方法
<基本報酬(固定報酬)>
基本報酬は、取締役としての職務遂行意欲の向上とその職務に対する責任を明確化することを目的とし、職責の大きさを鑑み役位毎に決定し、月次の固定報酬として金銭で支給しております。
<賞与(業績連動報酬)>
賞与は、業績連動報酬として業績と報酬の連動性を高めるとともに、中期経営計画の達成に向けた意欲を高めることを目的とし、対象年度(4月~3月)の業績を踏まえ、翌年度の7月に金銭で支給しております。
個人毎の賞与額は全社業績と個人評価をベースに定性的要素を加味して以下の算式により決定いたします。
個人賞与額 = 役位毎基本賞与額 × 賞与係数
賞与係数 = 全社業績係数 × 個人評価係数 ± 定性係数
役位毎基本賞与額は前述の報酬の標準的な構成比率を基に定めます。
全社業績係数は下表に示した3つの財務指標により決定することとし、それぞれの目標達成度を算出したものに評価ウエイトを乗じて加算し、0.5~1.5の範囲で決定いたします。

※1 「年平均成長率基準 単年度目標」は前中期経営計画の最終年度である2020年度の連結営業利益水準(12,324百万円)をベースとして、今中期経営計画の最終年度である2024年度の目標値(17,000百万円)から算出した年平均成長率8.4%を基準として年度毎に設定した目標値であります。
当該業績指標を選定した理由は、利益および資本効率性の観点から企業価値の成長度を適正に評価・反映させていくためであります。
個人評価係数は、取締役の担当する事業等の主要KPIの達成度により0.8~1.2の範囲で決定いたします。
定性係数は、突発的かつ不可避の環境変化や状況変化に伴う戦略的対応等の影響について審議し賞与係数に加減することがあります。
以上の指標等により賞与係数は原則として0.4~1.8(定性係数を含め最大0~2.0)の範囲で決定いたします。
<株式報酬(中長期インセンティブ報酬)>
株式報酬は、取締役の報酬と株式価値との連動性をより明確にし、取締役が株価の変動による利益・リスクを株主と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的とし、信託を用いた株式報酬制度の導入を2018年6月28日開催の第146回定時株主総会において決議しております。本制度は取締役(社外取締役を除く)に対し、当初信託期間約3年間で金150百万円を信託上限とし、1事業年度あたり30,000ポイントを上限とする株式交付信託であり、株式交付規程に基づき、毎年6月に役位毎に定められた基礎金額に基づくポイントを付与し、原則として退任時に付与された累積ポイント数に応じた株式を一括交付しております(うち30%は納税資金に充てることを目的として金銭で支給)。
また2022年6月24日開催の第150回定時株主総会において株式報酬制度を一部変更のうえ継続することを決議しております。制度変更の目的は、株式報酬制度を業績連動型に変更するとともに、信託期間3年間の信託上限を金300百万円、取締役に付与するポイント数の上限を1事業年度あたり60,000ポイントに増やすことで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を一層高めることであります。支給する株式報酬は80%の固定部分と20%の業績連動部分により構成し、業績連動部分のポイントは非財務指標(サステナビリティ貢献度)として中期経営計画の期間を対象に設定するESG目標の達成度等に基づき、下表により0%~200%の範囲で支給率を決定いたします。(今中期経営計画最終年度である2024年度の目標達成度を2024年度のポイントに反映することとし、2023年度は年度の進捗を確認し支給率は原則100%とします)。

※ 「女性管理職比率」における2023年度の目標および実績の基準日は2024年4月1日時点、2024年度目標の基準日は2025年4月1日時点で算出します。
当該業績指標を選択した理由は、中長期的な観点も含めサステナブルな社会の実現に向けESG目標の達成度を重要な経営目標とすることでサステナビリティ経営をさらに強化していくためであります。
(d)報酬の決定プロセス
取締役の個人別報酬等の決定に関する方針の決定および取締役の個人別報酬等の決定にあたっては、取締役会の諮問機関である報酬諮問委員会において取締役の報酬制度内容全般の審議を行い、同委員会の答申をもって取締役会にて決定しております。取締役会は、上記手続きを踏まえて取締役の個人別の報酬額が決定されることから、その内容が決定方針に沿うものであると判断しております。また監査役の報酬等の額については監査役の協議により決定しております。
なお、当事業年度の審議事項等の詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」をご参照ください。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)1 取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役に対する使用人分給与は含まれておりません。
2 賞与には、支給予定額および2023年7月に支給した賞与の総額と前事業年度の有価証券報告書にて開示した支給予定額の差額が含まれております。
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、株式価値の変動又は配当金といった投資リターンのみを意図して保有する株式を純投資目的の株式とし、中長期的な観点から当社グループの企業価値向上に資すると判断し保有する株式を純投資目的以外の目的である投資株式と判断しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
(保有方針)
近年、市場からの政策保有株式に対する関心の高まりや、コーポレートガバナンス・コードの導入・改訂など、政策保有株式を取り巻く環境が大きく変化しております。また、当社は中期経営計画「Value Up+」において資本効率性の改善を重要な目標としております。これらを踏まえ、当社は2020年度に「資本・業務提携や協業等による事業競争力の維持・強化や、新規事業領域の開拓に向けた出資等による事業の急速な成長・育成に繋がると判断されるものを除き、原則として、政策保有株式を保有しない」という方針に転換いたしました。
この基本方針に則し、既に保有している政策保有株式については、改めて保有意義を精査し、縮減に取り組んでまいります。なお、政策保有株式の縮減は、取引先企業や市場に大きな影響を与える場合があることから、取引先企業との対話を通じ、ご理解をいただきながら段階的に進めております。
(保有の合理性の検証方法及び取締役会等における検証の内容)
毎年、以下の検証プロセスおよび評価項目に基づき、保有の合理性を総合的に精査・検証しております。なお、この評価プロセスおよび評価項目は、基本方針の転換に基づく段階的な縮減を進めていく過渡的な措置として用いるものであり、今後、検証方法のブラッシュアップを検討してまいります。
上記方針に基づき、2023年11月の取締役会にて各銘柄の保有意義及び保有に伴う便益の検証を実施しました。
2022年度末においては67銘柄保有しておりましたが、2023年度に7銘柄(5銘柄は全部売却、2銘柄は一部売却、7銘柄の売却額は380百万円)売却しました。この結果、2023年度末の銘柄数は62銘柄に減少しました。一方、貸借対照表上の計上額は2022年度末の15,566百万円から20,202百万円に増加しました。また、連結自己資本に対する割合は、11.1%となりました。
(検証プロセス)

(評価項目)
当社は、保有目的等の定性項目と直近2年間の売上額・利益額および受取配当金額・株式評価損益等の定量項目により評価・検証を行っております。

(議決権行使基準)
個々の議案を十分に精査し、株主価値向上に資すると判断される議案については、当該発行会社の提案を尊重します。不祥事や反社会的行為の発生などコーポレート・ガバナンス上の重大な欠陥が生じている場合や、株主価値の毀損につながる懸念があると判断される議案については、当該企業との対話を通じ適時・適切に賛否を判断いたします。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
保有方針に合致しないと判断される銘柄については、お取引先様との対話を通じ、ご理解をいただきながら、段階的に縮減を進めてまいります。
定量的な保有効果については、取引における契約上の秘密保持の観点から記載しておりませんが、当社取締役会にて、政策保有上場株式の保有意義・効果を検証し、保有の適否を総合的に判断しています。
特定投資株式
(注) 1 貸借対照表計上額の上位銘柄を選択する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
2 保有先企業は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
みなし保有株式
(注) 1 貸借対照表計上額の上位銘柄を選択する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
2 保有先企業は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
なお、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っております。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構への加入や会計基準設定主体等の行う研修への参加を通して会計制度の動向や会計基準等の内容を把握し、的確に対応することができるように努めております。
1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1 連結の範囲に関する事項
子会社25社のうち、20社を連結の範囲に含めております。
なお、当社の連結子会社であるIndustrial Química Lasem,S.A.U.が、2023年12月にIQL-USA Inc.を設立したことから連結の範囲に含めております。また、当社が、2024年2月にNisshin OilliO America Inc.を設立したことから連結の範囲に含めております。
主要な連結子会社は次のとおりであります。
日清商事㈱、日清物流㈱、大東カカオ㈱、日清奥利友(中国)投資有限公司、
Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.、PT Indoagri Daitocacao
非連結子会社5社の総資産、売上高、純損益および利益剰余金等の持分に見合う額の合計額は、いずれも連結財務諸表に及ぼす影響が軽微であるため、連結の範囲から除外しております。
2 持分法の適用に関する事項
非連結子会社5社および関連会社10社のうち7社に対する投資について、持分法を適用しております。
なお、当社が、2023年10月に製油パートナーズジャパン株式会社を合弁会社として設立したことから持分法適用の関連会社に含めております。
主要な持分法適用関連会社は次のとおりであります。
㈱ピエトロ、和弘食品㈱、幸商事㈱、中糧日清(大連)有限公司
非連結子会社5社および関連会社3社の純損益および利益剰余金等の持分に見合う額の合計額は、いずれも連結財務諸表に及ぼす影響が軽微であるため、持分法の範囲から除外しております。
3.連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社のうち、上海日清油脂有限公司、日清奥利友(中国)投資有限公司、
Intercontinental Specialty Fats (Shanghai) Co.,Ltd.、日清奥利友(上海)国際貿易有限公司、
およびIQL-USA Inc.の決算日は12月31日でありますが、連結決算日である3月31日に仮決算を行い連結しております。
4 会計方針に関する事項
(イ) 重要な資産の評価基準及び評価方法
① 有価証券
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの…………時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動
平均法により算定)
市場価格のない株式等………………………移動平均法による原価法
② デリバティブ…………………………………時価法
③ 棚卸資産
製品……………………………………………主として総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の
低下に基づく簿価切下げの方法)
原材料…………………………………………主として先入先出法による原価法(貸借対照表価額については収益性
の低下に基づく簿価切下げの方法)
(ロ) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
① 有形固定資産(リース資産、使用権資産を除く)……定額法
主な耐用年数は、建物及び構築物が5~50年、機械装置及び運搬具が4~16年
② 無形固定資産(リース資産を除く)……………………定額法
ただし、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法
③ リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
……………………………………………………………自己保有の固定資産に適用する減価償却方法
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
……………………………………………………………リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法
④ 使用権資産…………………………………………………リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法
(ハ) 繰延資産の処理方法
社債発行費…………………………………………………社債償還までの期間にわたる定額法
(ニ) 重要な引当金の計上基準
① 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
② 役員賞与引当金
当社および国内連結子会社は、各社の役員の賞与の支出に備えて当連結会計年度末における支給見込額に基づき計上しております。
③ 役員退職慰労引当金
国内連結子会社は、各社の役員の退職慰労金の支出に備えて各社の支給内規に基づき当連結会計年度末における要支給額を計上しております。
④ 株式給付引当金
当社は、株式交付規程に基づく役員への当社株式の給付等に備えて当連結会計年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しております。
(ホ) 退職給付に係る会計処理の方法
退職給付に係る負債および資産は、従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における見込額に基づき、退職給付債務から年金資産の額を控除した額を計上しております。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
数理計算上の差異は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(発生各年度における従業員の平均残存勤務年数)による定額法により費用処理しております。数理計算上の差異は、発生の翌連結会計年度から費用処理しております。
未認識数理計算上の差異については、税効果を調整の上、純資産の部におけるその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に計上しております。
なお、一部の連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用しております。
(ヘ) 収益及び費用の計上基準
以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に収益を認識する。
当社グループの顧客との契約から生じる収益は、主に油脂事業、加工食品・素材事業、ファインケミカル事業における商品又は製品の販売によるものであり、当社グループは顧客との販売契約に基づき受注した商品又は製品を引き渡す義務を負っております。
販売からの収益は、引渡時点において当該商品又は製品に対する支配が顧客に移転し、当社グループの履行義務が充足されると判断しております。
これらの商品又は製品の販売による収益は、顧客との契約において約束された対価から、消費税等の税金を控除した金額で測定しております。
また、取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重要な金融要素は含んでおりません。
販売促進費等の顧客に支払う対価については、その内容が顧客からの別個の財又はサービスに対する支払いではない場合は、取引価格からその対価を控除し、収益を測定することとしております。
これら商品又は製品のうち国内の販売においては、「収益認識に関する会計基準の適用指針」第98項に定める代替的な取扱いを適用し、出荷時から当該商品又は製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合には、出荷時点に収益を認識しております。
(ト) 重要な外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。なお、在外子会社等の資産及び負債は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、収益および費用については期中平均相場により円貨に換算し、換算差額は純資産の部における為替換算調整勘定および非支配株主持分に含めております。
(チ) 重要なヘッジ会計の方法
① ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しております。なお、為替予約については振当処理の要件を満たしている場合は振当処理を採用し、金利スワップについては特例処理の要件を満たしている場合は特例処理を採用しております。
② ヘッジ手段とヘッジ対象
<ヘッジ手段> <ヘッジ対象>
為替予約取引………………………外貨建売上債権・仕入債務および外貨建予定売上取引・仕入取引・借入金
商品先物取引………………………外貨建予定売上取引・仕入取引
通貨オプション取引………………外貨建仕入債務・外貨建予定仕入取引
通貨金利スワップ…………………外貨建貸付金又は借入金の元本および利息
③ ヘッジ方針
当社グループでは、デリバティブ・商品先物取引等管理規程等に基づき、通常の事業活動における輸出入取引等に係る為替変動リスク、原料価格の相場変動リスクおよび借入金の金利変動リスクについて、必要な範囲内でヘッジすることを方針としております。
④ ヘッジの有効性評価の方法
主としてヘッジ開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ対象の相場変動の累計とヘッジ手段の相場変動の累計とを比較し、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に高い相関関係が認められるかにより有効性を評価しております。
(リ) のれんの償却方法及び償却期間
のれんは、その効果の発現する期間にわたり均等償却しております。
(ヌ) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は、手許現金、要求払預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から満期日又は償還日までの期間が3ヶ月以内の短期投資からなっております。
(未適用の会計基準等)
・「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日)
・「包括利益の表示に関する会計基準」(企業会計基準第25号 2022年10月28日)
・「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日)
(1) 概要
その他の包括利益に対して課税される場合の法人税等の計上区分の取り扱いを定めるもの。
(2) 適用予定日
2025年3月期の期首より適用予定であります。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当連結財務諸表の作成時において評価中であります。
・「グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第46号
2024年3月22日)
(1) 概要
グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等(当期税金)の会計処理及び開示の取扱いを定めるもの。
(2) 適用予定日
2025年3月期の期首より適用予定であります。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
影響額は、当連結財務諸表の作成時において評価中であります。
(追加情報)
(役員向け株式報酬制度)
当社は2018年5月9日開催の取締役会決議に基づき、2018年8月より、当社の取締役(社外取締役を除きます。)および執行役員(以下、「取締役等」といいます。)に対して、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的として、株式報酬制度を導入しております。
① 取引の概要
当社が設定する信託(以下、「本信託」といいます。)に金銭を信託し、本信託において当社普通株式(以下、「当社株式」といいます。)の取得を行い、取締役等に対して、当社取締役会が定める株式交付規程に従って付与されるポイント数に応じ、当社株式が本信託を通じて交付される株式報酬制度です。なお、取締役等が当該株式の交付を受ける時期は、原則として取締役等の退任時となります。
② 信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除きます。)により、純資産の部に自己株式として計上しております。当該自己株式の帳簿価額および株式数は、前連結会計年度454百万円、142千株、当連結会計年度446百万円、140千株であります。
(連結貸借対照表関係)
※1 受取手形及び売掛金のうち、顧客との契約から生じた債権の金額は、それぞれ次のとおりであります。
※2 棚卸資産の内訳
※3 非連結子会社および関連会社に対する主な資産は、次のとおりであります。
※4 有形固定資産の減価償却累計額は、次のとおりであります。
※5 担保資産および担保付債務
担保に供している資産および担保付債務は、次のとおりであります。
担保に供している資産
担保権によって担保されている債務
※6 当社および連結子会社(4社)においては、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行10行と当座貸越契約およびコミットメントライン契約を締結しております。
当座貸越契約およびコミットメントライン契約に係る借入未実行残高等は次のとおりであります。
※7 期末日満期手形の会計処理については、手形交換日をもって決済処理しております。
なお、連結会計年度末日が金融機関の休日であったため、次の期末日満期手形が、期末残高に含まれております。
8 偶発債務は次のとおりであります。
銀行借入金等の保証
(連結損益計算書関係)
※1 顧客との契約から生じる収益
売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載しておりません。顧客との契約から生じる収益の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係) 1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。
※2 通常の販売目的で保有する棚卸資産の収益性の低下による簿価切下額(△は戻入額)は、次のとおりであります。
※3 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は、次のとおりであります。
※4 一般管理費に含まれる研究開発費は、次のとおりであります。
※5 固定資産売却益の内容は、次のとおりであります。
(注)同一の売買契約により発生した固定資産売却益と固定資産売却損は相殺し、連結損益計算書上では固定資産売却益として表示しております。
※6 固定資産除却損の内容は、次のとおりであります。
※7 減損損失の内容は、次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
前連結会計年度において、以下の資産グループについて減損損失を計上しております。
当社グループは、事業用資産においては事業区分をもとに独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位ごとに、遊休資産においては個別物件単位で、資産のグルーピングを行っております。
上記、加工油脂事業に係る資産について、営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなっていることから、資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失の区分に1,332百万円計上しております。その内訳は、建物及び構築物594百万円、機械装置及び運搬具738百万円であります。回収可能価額は使用価値により測定しておりますが、将来キャッシュ・フローがマイナスと見込まれることから、当該固定資産を備忘価額により評価しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度において、以下の資産グループについて減損損失を計上しております。
当社グループは、事業用資産においては事業区分をもとに独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位ごとに、遊休資産においては個別物件単位で、資産のグルーピングを行っております。
上記、遊休資産について、今後使用見込みがないことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失の区分に282百万円計上しております。その内訳は、建物及び構築物214百万円、機械装置及び運搬具20百万円、土地47百万円であります。回収可能価額は、正味売却価額により測定しております。正味売却価額は売却見込額から処分費用見込み額を控除し算定しております。
※8 持分変動利益の内容は、次のとおりであります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
・持分法適用関連会社である製油パートナーズジャパン株式会社の設立時に計上された持分変動による利益(649百万円)であります。
・当社の持分法適用関連会社である株式会社ピエトロの増資に伴う持分変動による利益(90百万円)であります。
(連結包括利益計算書関係)
※1 その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額
(単位:百万円)
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 発行済株式に関する事項
2 自己株式に関する事項
(注)1.当社は、取締役等に対し、信託を用いた株式報酬制度「株式交付信託」を導入しており、当連結会計年度末の自己株式数には当該信託口が保有する当社株式142,800株が含まれております。
(変動事由の概要)
増加数の主な内訳は、次のとおりであります。
単元未満株式の買取りによる増加 628株
減少数の主な内訳は、次のとおりであります。
取締役等への株式報酬制度「株式交付信託」から役員への支給等による減少 2,500株
単元未満株式の買増請求による減少 80株
3 新株予約権等に関する事項
該当事項はありません。
4 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注) 1 2022年6月24日開催の定時株主総会決議の配当金の総額には、取締役等への株式報酬制度のために設定した株式交付信託に係る信託口に対する配当金2百万円が含まれております。
2 2022年11月9日開催の取締役会決議の配当金の総額には、取締役等への株式報酬制度のために設定した株式交付信託に係る信託口に対する配当金2百万円が含まれております。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注) 2023年6月23日開催の定時株主総会決議の配当金の総額には、取締役等への株式報酬制度のために設定した株式交付信託に係る信託口に対する配当金10百万円が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 発行済株式に関する事項
2 自己株式に関する事項
(注)1.当社は、取締役等に対し、信託を用いた株式報酬制度「株式交付信託」を導入しており、当連結会計年度末の自己株式数には当該信託口が保有する当社株式140,200株が含まれております。
(変動事由の概要)
増加数の主な内訳は、次のとおりであります。
単元未満株式の買取りによる増加 963株
減少数の主な内訳は、次のとおりであります。
取締役等への株式報酬制度「株式交付信託」から役員への支給等による減少 2,600株
3 新株予約権等に関する事項
該当事項はありません。
4 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注) 1 2023年6月23日開催の定時株主総会決議の配当金の総額には、取締役等への株式報酬制度のために設定した株式交付信託に係る信託口に対する配当金10百万円が含まれております。
2 2023年11月8日開催の取締役会決議の配当金の総額には、取締役等への株式報酬制度のために設定した株式交付信託に係る信託口に対する配当金8百万円が含まれております。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注) 2024年6月27日開催の定時株主総会決議の配当金の総額には、取締役等への株式報酬制度のために設定した株式交付信託に係る信託口に対する配当金15百万円が含まれております。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※1 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に記載されている科目の金額との関係は、次のとおりであります。
2 重要な非資金取引の内容
新たに計上したファイナンス・リース取引に係る資産および債務の額は、以下のとおりであります。
当社は、2023年8月9日開催の取締役会において、株式会社J-オイルミルズ(以下「J-オイルミルズ」といいます。)との間で、共同新設分割により新設する製油パートナーズジャパン株式会社について定めた合弁契約を締結し、2023年10月2日に、当社水島工場およびJ-オイルミルズ倉敷工場両社における搾油工程を搾油受託事業とし、それに係る資産および負債、権利義務の一部を製油パートナーズジャパン株式会社に承継させました。
当企業結合の結果、移転した事業に係る資産及び負債の内訳は以下のとおりであります。
なお、流動資産には、現金および現金同等物を「会社分割に伴う現金及び現金同等物の減少額」に計上しております。
(リース取引関係)
(借手側)
ファイナンス・リース取引
所有権移転外ファイナンス・リース取引
① リース資産の内容
・有形固定資産
主として、構築物、機械装置および営業用車両等であります。
・無形固定資産
主として、販売管理用ソフトウェア等であります。
② リース資産の減価償却の方法
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっております。
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社グループでは、長期的な資金は、主に油脂事業、加工食品・素材事業、ファインケミカル事業を中心とした投資計画に照らして必要な資金を銀行借入や社債発行により調達しております。また、短期的な運転資金を銀行借入により調達しております。デリバティブ取引は、通常の事業活動に係る輸出入取引等を踏まえ、必要な範囲内で利用しております。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク並びにリスク管理体制
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されておりますが、当該リスクに関しては、当社の執行役員会で定められた与信管理規程および各社毎に定めた社内管理規程等に基づき、取引先毎の期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を随時把握する体制としております。
有価証券及び投資有価証券に分類されるその他有価証券は、主に株式であり、市場価格の変動リスクに晒されておりますが、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、保有状況を継続的に見直しております。
営業債務である支払手形及び買掛金は、1年以内の支払期日であります。
借入金のうち、短期借入金は主に営業取引に係る資金調達であり、社債や長期借入金については、主に設備投資に係る資金調達であります。このうち長期借入金の一部については、デリバティブ取引(金利スワップ取引)を利用して支払金利を固定化しております。
デリバティブ取引は、通貨関連では、為替予約取引、通貨オプション取引、金利関連では、金利スワップ取引、金利オプション取引、商品関連では、穀物等の先物取引であり、それぞれ為替、金利、有価証券及び商品の価格変動リスクに晒されておりますが、これらの取引は、いずれも信用度の高い銀行及び証券会社等を通じて行っているため、契約が履行されないことによるリスクはほとんどないと認識しております。また、デリバティブ取引は、デリバティブ・商品先物取引等管理規程等に基づき、ポジション枠による規制、反対ポジションの設定等によりリスクを一定以下とすることとされており、損失が一定の範囲を超えた場合には精算する方針により、損益に大きな影響を及ぼさないよう管理するとともに、当社グループにおいてはその運用状況及び管理状況は社内監査を受け持つ部門が監査しております。なお、ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジの有効性の評価については、前述の「注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (チ)重要なヘッジ会計の方法」をご参照ください。
(3) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれています。当該価額の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することもあります。
また、「注記事項 (デリバティブ取引関係)」におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価およびこれらの差額については、次のとおりであります。なお、現金は注記を省略しております。預金、受取手形および売掛金、支払手形および買掛金、短期借入金、1年内償還予定の社債は短期間で決済されるため、時価が帳簿価額にほぼ等しいことから、注記を省略しております。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(※1) 市場価格のない株式等の連結貸借対照表計上額は次のとおりであります。
これらについては、市場価格がないため、「(1)有価証券及び投資有価証券」には含めておりません。
(※2) デリバティブ取引は、債権・債務を差し引きした金額を表示しております。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(※1) 市場価格のない株式等の連結貸借対照表計上額は次のとおりであります。
これらについては、市場価格がないため、「(1)有価証券及び投資有価証券」には含めておりません。
(※2) デリバティブ取引は、債権・債務を差し引きした金額を表示しております。
(注1) 金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注2) 社債、長期借入金、リース債務及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に用いたインプットの観察可能性および重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1の時価:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した時価
レベル2の時価:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:重要な観察できないインプットを使用して算定した時価
(時価で連結貸借対照表に計上している金融商品)
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品)
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注)時価の算定に用いた評価技法および時価の算定に係るインプットの説明
(1) 有価証券及び投資有価証券
① その他有価証券
株式は、当期の連結決算日の活発な市場における無調整の相場価格に基づいて評価しているため、レベル1に分類しております。
債券は、取引金融機関から提示される価格に基づいて評価しているため、レベル2に分類しております。
② 関連会社株式
当期の連結決算日の活発な市場における無調整の相場価格に基づいて評価しているため、レベル1に分類しております。
(2) デリバティブ取引
通貨関連、並びに金利関連は、取引金融機関から提示される価格に基づいて評価しているため、レベル2に分類しております。
商品先物関連は、当期の連結決算日の活発な市場における無調整の相場価格に基づいて評価する場合にはレベル1、取引金融機関から提示された価格に基づいて評価する場合にはレベル2に分類しております。
(3) 社債
取引金融機関から提示される価格に基づいて評価しているため、レベル2に分類しております。
(4) 長期借入金
元利金の合計額を、債務の残存期間、および借入実行時の実効レートと指標利率との差を信用リスクとして加味した割引率に基づき割り引いた現在価値を時価としているため、レベル2に分類しております。
(有価証券関係)
1 その他有価証券
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
2 連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(デリバティブ取引関係)
1 ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
(1) 通貨関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(2) 商品先物関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
2 ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
(1) 通貨関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) 為替予約等の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている買掛金と一体として処理されているため、その時価は、当該買掛金の時価に含めて記載しております。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 為替予約等の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている買掛金と一体として処理されているため、その時価は、当該買掛金の時価に含めて記載しております。
(2) 金利関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(3) 商品先物関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(退職給付関係)
1 採用している退職給付制度の概要
当社は、確定給付型の制度として、退職金規程に基づく退職一時金制度のほか、企業年金基金制度を設けております。連結子会社は、退職一時金制度を設けているほか、一部の会社は併せて確定給付企業年金制度(規約型)を設けております。
なお、一部の連結子会社が有する確定給付企業年金制度及び退職一時金制度は、簡便法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算しております。
2 確定給付制度
(1) 退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表(簡便法を適用した制度を除く。)
(単位:百万円)
(2) 年金資産の期首残高と期末残高の調整表(簡便法を適用した制度を除く。)
(単位:百万円)
(3) 簡便法を採用した制度の退職給付に係る負債の期首残高と期末残高の調整表
(単位:百万円)
(4) 退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の調整表
(単位:百万円)
(注)簡便法を適用した制度を含みます。
(5) 退職給付費用及びその内訳項目の金額
(単位:百万円)
(6) 退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(税効果控除前)の内訳
(単位:百万円)
(7) 退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(税効果控除前)の内訳
(単位:百万円)
(8) 年金資産に関する事項
① 年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率
(注)年金資産合計には、企業年金制度および退職一時金制度に対して設定した退職給付信託が、前連結会計年度18%、当連結会計年度19%含まれております。
② 長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。
(9) 数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎
予想昇給率は、2019年3月31日を基準日として算定した年齢別昇給指数を使用しております。
(ストック・オプション等関係)
該当事項はありません。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
(企業結合等関係)
共同支配企業の形成
2023年8月9日開催の取締役会において、株式会社J-オイルミルズ(以下、「J-オイルミルズ」という)との間で、共同新設分割により新設する製油パートナーズジャパン株式会社について定めた合弁契約について決議、締結いたしました。これに基づき、共同新設分割計画書において定める当社の水島工場およびJ-オイルミルズの倉敷工場における搾油工程を搾油受託事業とし、それに係る資産および負債、権利義務の一部を2023年10月2日に製油パートナーズジャパン株式会社に承継させました。
1.取引の概要
① 対象となった事業の名称及び当該事業の内容
当社水島工場およびJ-オイルミルズ倉敷工場両社における搾油工程(油脂類および油粕類の製造ならびに加工)
② 企業結合日
2023年10月2日
③ 企業結合の法的形式
当社およびJ-オイルミルズを新設分割会社とし、両社が共同で新設する製油パートナーズジャパン株式会社を承継会社とする共同新設分割であり、両社の出資比率は同一であります。
④ 結合後企業の名称
製油パートナーズジャパン株式会社
⑤ その他取引の概要に関する事項
当社およびJ-オイルミルズは、国内製油産業の長期的な課題についての共通認識のもと、将来にわたり日本の食を支えることを目指し、「油脂と油粕の安定的な供給」、「持続可能な国際競争力の強化」の実現と、「環境・社会課題の解決」を通して広く社会に貢献することを目的に、2021年5月より搾油合弁会社設立に関する検討を行い、2022年11月より、西日本エリアにおける搾油合弁会社設立に関する協議を進めてまいりました。このたび、本分割について、公正取引委員会の承認を得られたことから、2023年10月に本分割を実行することにいたしました。製油パートナーズジャパン株式会社は、国内搾油業の国際競争力強化と安定供給を長期にわたって確保する共同運営体制の構築を目指すとともに、AIやIoTの活用によるスマートファクトリー化、脱炭素社会への取り組みなど、環境・社会課題への解決にも繋がる「次世代型搾油工場」の構築に向けた取り組みを推進してまいります。
⑥ 共同支配企業の形成と判断した理由
この共同支配企業の形成にあたっては、当社とJ-オイルミルズとの間で、両社が製油パートナーズジャパン株式会社の共同支配企業となる合弁契約書を締結しており、企業結合に際して支払われる対価はすべて議決権のある株式であります。また、その他支配関係を示す一定の事実は存在しません。従いまして、本企業結合は共同支配企業の形成であると判断いたしました。
2.実施する会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)および「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共同支配企業の形成として処理しております。なお、この企業結合の結果、製油パートナーズジャパン株式会社は、当社の持分法適用関連会社となっております。
(資産除去債務関係)
重要性が乏しい為、注記を省略しております。
(賃貸等不動産関係)
賃貸等不動産の総額に重要性が乏しい為、注記を省略しております。
(収益認識関係)
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、情報システム等を含んでおります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、情報システム等を含んでおります。
2.顧客との契約から生じる収益を分解するための基礎となる情報
「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項 (ヘ) 収益及び費用の計上基準」に記載のとおりです。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっております。
当社は、製品別の事業部を置き、各事業部は取り扱う製品について国内および海外の包括的な戦略を立案し事業活動を展開しております。したがって、当社は事業部を基礎とした製品別セグメントから構成されており、「油脂事業」、「加工食品・素材事業」、「ファインケミカル事業」の3つを報告セグメントとしております。
各報告セグメントの主な製品は、以下のとおりであります。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」における記載と同一であります。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、情報システム等を含んでおります。
2 調整額は、以下のとおりであります。
(1) セグメント利益の調整額△820百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用等が含まれております。なお、全社費用は主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(2) セグメント資産の調整額300百万円には、セグメント間取引消去額△1,545百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産1,845百万円が含まれております。全社資産は主に、当社の余資運用資金(現金及び預金)等であります。
3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、情報システム等を含んでおります。
2 調整額は、以下のとおりであります。
(1) セグメント利益の調整額△874百万円には、各報告セグメントに配分していない全社費用等が含まれております。なお、全社費用は主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(2) セグメント資産の調整額1,854百万円には、セグメント間取引消去額△1,569百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産3,424百万円が含まれております。全社資産は主に、当社の余資運用資金(現金及び預金)等であります。
3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
(単位:百万円)
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
【関連当事者情報】
1 関連当事者との取引
(1) 連結財務諸表提出会社と関連当事者の取引
連結財務諸表提出会社の親会社及び主要株主等
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
油脂・油粕販売については市場価格、総原価を勘案して当社希望価格を提示し、毎期価格交渉のうえ、一般的取引条件と同様に決定しております。また、原材料の仕入等については、毎期価格交渉のうえ、一般的取引条件と同様に決定しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
油脂・油粕販売については市場価格、総原価を勘案して当社希望価格を提示し、毎期価格交渉のうえ、一般的取引条件と同様に決定しております。また、原材料の仕入等については、毎期価格交渉のうえ、一般的取引条件と同様に決定しております。
(2) 連結財務諸表提出会社の連結子会社と関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社の子会社の役員及び主要株主等
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 上記の会社は、当社の連結子会社である大東カカオ㈱の役員が議決権の100%を直接保有しております。
2 取引条件及び取引条件の決定方針等
不動産の賃貸借取引については、近隣の取引実勢を勘案の上決定しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 上記の会社は、当社の連結子会社である大東カカオ㈱の役員が議決権の100%を直接保有しております。
2 取引条件及び取引条件の決定方針等
不動産の賃貸借取引については、近隣の取引実勢を勘案の上決定しております。
2 親会社又は重要な関連会社に関する注記
該当事項はありません。
(1株当たり情報)
(注)1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2 1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
3 1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
4 役員向け株式交付信託口が保有する当社株式を「1株当たり当期純利益」の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。(前連結会計年度79千株、当連結会計年度140 千株)
また、「1株当たり純資産額」の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めております。(前連結会計年度142千株、当連結会計年度140千株)
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
⑤【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注)連結決算日後5年内における1年ごとの償還予定額は次のとおりであります。
【借入金等明細表】
(注) 1 平均利率については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。
なお、リース債務の平均利率についてはリース料総額に含まれる利息相当額を控除する前の金額でリース債務を連結貸借対照表に計上しているため、記載しておりません。
2 長期借入金およびリース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)の返済予定額は以下のとおりであります。
【資産除去債務明細表】
該当事項はありません。
(2)【その他】
(当連結会計年度における四半期情報等)
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
① 子会社株式および関連会社株式…………移動平均法による原価法
② その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの………時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等……………………移動平均法による原価法
2 デリバティブの評価基準……………………時価法
3 棚卸資産の評価基準及び評価方法
① 製品…………………………………………総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)
② 原材料………………………………………先入先出法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)
③ 貯蔵品………………………………………総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)
4 固定資産の減価償却の方法
① 有形固定資産(リース資産を除く)……定額法
主な耐用年数は建物および構築物が5~50年、機械及び装置、車両運搬具および工具、器具及び備品が4~16年
② 無形固定資産………………………………定額法
ただし、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法
③ リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
……………………………………………自己保有の固定資産に適用する減価償却方法
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
……………………………………………リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法
5 外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は決算日の直物為替相場により円換算し、換算差額は損益として処理しております。
6 引当金の計上基準
① 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
② 役員賞与引当金
役員の賞与の支払いに備えるため、当事業年度末における支給見込額に基づき計上しております。
③ 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しております。退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。過去勤務費用および数理計算上の差異は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(発生各年度における従業員の平均残存勤務年数)による定額法により費用処理しております。なお、数理計算上の差異は、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
④ 株式給付引当金
株式交付規程に基づく役員への当社株式の給付等に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しております。
7 ヘッジ会計の方法
① ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっております。なお、為替予約については振当処理の要件を満たしている場合は振当処理を採用し、金利スワップについては特例処理の要件を満たしている場合は特例処理を採用しております。
② ヘッジ手段とヘッジ対象
<ヘッジ手段> <ヘッジ対象>
為替予約取引……………………………外貨建売上債権・仕入債務および外貨建予定売上取引・仕入取引・貸付金
商品先物取引……………………………外貨建予定売上取引・仕入取引
通貨オプション取引……………………外貨建仕入債務・外貨建予定仕入取引
③ ヘッジ方針
執行役員会で定められたデリバティブ・商品先物取引等管理規程に基づき、通常の事業活動における輸出入取引等に係る為替変動リスク、原料価格の相場変動リスクおよび借入金の金利変動リスクについて、必要な範囲内でヘッジすることを方針としております。
④ ヘッジの有効性評価の方法
ヘッジ開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ対象の相場変動の累計とヘッジ手段の相場変動の累計とを比較し、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に高い相関関係が認められるかにより有効性を評価しております。
8 収益及び費用の計上基準
以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に収益を認識する。
当社の顧客との契約から生じる収益は、主に油脂事業、加工食品・素材事業、ファインケミカル事業における商品又は製品の販売によるものであり、当社は顧客との販売契約に基づき受注した商品又は製品を引き渡す義務を負っております。
販売からの収益は、引渡時点において当該商品又は製品に対する支配が顧客に移転し、当社の履行義務が充足されると判断しております。
これらの商品又は製品の販売による収益は、顧客との契約において約束された対価から、消費税等の税金を控除した金額で測定しております。
また、取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重要な金融要素は含んでおりません。
販売促進費等の顧客に支払う対価については、その内容が顧客からの別個の財又はサービスに対する支払いではない場合、取引価格からその対価を控除し、収益を測定することとしております。
これら商品又は製品のうち国内の販売においては、「収益認識に関する会計基準の適用指針」第98項に定める代替的な取扱いを適用し、出荷時から当該商品又は製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合には、出荷時点に収益を認識しております。
9 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
① 退職給付に係る会計処理
未認識数理計算上の差異の貸借対照表における取扱いが連結財務諸表と異なっております。貸借対照表上、退職給付債務に未認識数理計算上の差異を加減した額から、年金資産の額を控除した額を前払年金費用(投資その他の資産 その他)に計上しております。
② 繰延資産の処理方法
社債発行費…………………………………社債償還までの期間にわたる定額法
(追加情報)
(役員向け株式報酬制度)
役員向け株式報酬制度に関する注記については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」の(役員向け株式報酬制度)に同一の内容を記載しているので、注記を省略しております。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
区分表示されたもの以外で関係会社に対する金銭債権又は金銭債務の金額は、次のとおりであります。
2 偶発債務は、以下のとおりであります。
銀行借入金等の保証
3 当社においては、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行6行と当座貸越契約およびコミットメントライン契約を締結しております。
当座貸越契約およびコミットメントライン契約に係る借入未実行残高等は次のとおりであります。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との営業取引及び営業取引以外の取引の取引高の総額
※2 販売費及び一般管理費のうち、主要な費目および金額ならびに割合は次のとおりであります。
※3 固定資産売却益の内訳は、次のとおりであります。
(注)同一の売買契約により発生した固定資産売却益と固定資産売却損は相殺し、損益計算書上では固定資産売却益として表示しております。
※4 固定資産除却損の内訳は、次のとおりであります。
※5 減損損失の内訳は、次のとおりであります。
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
以下の資産グループについて減損損失を計上しております。
当社は、事業用資産においては事業区分をもとに独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位ごとに、遊休資産においては個別物件単位で、資産のグルーピングを行っております。
上記、加工油脂事業に係る資産については、営業活動から生じる損益が継続してマイナスになっていることから、資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失の区分に1,332百万円計上しております。その内訳は、建物575百万円、構築物19百万円、機械及び装置730百万円、工具、器具及び備品7百万円であります。回収可能価額は、使用価値により測定しておりますが、将来キャッシュ・フローがマイナスと見込まれることから、当該固定資産を備忘価額により評価しております。
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
以下の資産グループについて減損損失を計上しております。
当社は、事業用資産においては事業区分をもとに独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位ごとに、遊休資産においては個別物件単位で、資産のグルーピングを行っております。
上記、遊休資産について、今後使用見込みがないことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失の区分に282百万円計上しております。その内訳は、建物123百万円、構築物90百万円、機械及び装置20百万円、土地47百万円であります。回収可能価額は正味売却価額により測定しております。正味売却価額は売却見込額から処分費用見込み額を控除し算定しております。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2023年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2024年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
(企業結合等関係)
企業結合等関係に関する注記については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に同一の内容を記載しているので、注記を省略しております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (収益認識関係)」に同一の内容を記載しているので、注記を省略しております。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1 当期償却額の内、()内の金額は減損損失の金額であり、内書きにて示しております。
2 減価償却累計額欄には、減損損失累計額を含んでおります。
3 当期増加額の主なものは以下のとおりであります。
4 当期減少額の内、当社水島工場における搾油工程を製油パートナーズジャパン株式会社に分割した
ものは以下のとおりであります。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3)【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注)当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨を定款で定めております。
会社法第189条第2項各号に掲げる権利
会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
株主の有する株式数に応じて募集株式の割当ておよび募集新株予約権の割当てを受ける権利
株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 第151期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 2023年6月23日関東財務局長に提出。
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
事業年度 第151期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 2023年6月23日関東財務局長に提出。
(3) 四半期報告書及び確認書
第152期第1四半期(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) 2023年8月14日関東財務局長に提出。
第152期第2四半期(自 2023年7月1日 至 2023年9月30日) 2023年11月14日関東財務局長に提出。
第152期第3四半期(自 2023年10月1日 至 2023年12月31日) 2024年2月14日関東財務局長に提出。
(4) 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)の規定に基づく臨時報告書
2023年6月26日関東財務局長に提出。
(5) 発行登録書(普通社債)及びその添付書類
2023年9月22日関東財務局長に提出。
(6) 発行登録追補書類(普通社債)及びその添付書類
2023年10月6日関東財務局長に提出。
(7) 訂正発行登録書(普通社債)
2023年6月26日関東財務局長に提出。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。