第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1)連結経営指標等
(注)1.平均臨時雇用人員については、第127期より、臨時従業員の対象を雇用契約期間に1年以上の定めのある従業員から6か月以上の定めのある従業員に変更したうえで算定しております。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第128期の期首から適用しており、第128期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(2)提出会社の経営指標等
(注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
3.平均臨時雇用人員については、第127期より、臨時従業員の対象を雇用契約期間に1年以上の定めのある従業員から6か月以上の定めのある従業員に変更したうえで算定しております。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第128期の期首から適用しており、第128期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
DNPグループは、当社及び子会社143社、関連会社26社で構成され、スマートコミュニケーション、ライフ&ヘルスケア、エレクトロニクスに関連する事業活動を行っております。
DNPグループの事業における位置づけ等は、おおむね次のとおりであります。なお、次の3部門は、セグメントの区分と同一であります。
また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
≪スマートコミュニケーション部門≫
単行本・辞書・年史等の書籍、週刊誌・月刊誌・季刊誌等の雑誌、企業PR誌、教科書、電子書籍、
販促から顧客分析に関わるデジタルマーケティング支援、
企業の業務プロセス・販売プロセスに関わるBPRコンサルとBPOサービス、
コンタクトセンター事業、IPS、ICカード、決済関連サービス、カード関連機器、
認証・セキュリティサービスと関連製品、ICタグ、ホログラム、ビジネスフォーム、
カタログ、チラシ、パンフレット、カレンダー、POP、デジタルサイネージ(電子看板)、
イベント・店舗・商品・コンテンツ等の企画・開発・制作・施工・運営、生成AIを活用したサービス、
昇華型熱転写製品(カラーインクリボン、受像紙、昇華型フォトプリンター)、
溶融型熱転写製品(モノクロインクリボン)、証明写真機事業、顔写真・IDソリューション、
エンタメ・アミューズフォトソリューション、
電子書籍流通・販売、図書販売、図書館運営、その他
[主な関係会社]
≪ライフ&ヘルスケア部門≫
リチウムイオン電池用部材、太陽電池用部材、電子部品搬送用資材、多機能断熱ボックス、
その他産業用高機能材、食品・飲料・菓子・日用品・医療品用等の各種包装材料、カップ類、
プラスチックボトル、ラミネートチューブ、プラスチック成型容器、無菌充填システム、
住宅・店舗・オフィス・車両・家電製品・家具等の内外装材、自動車等のプラスチック成型部品、
金属化粧板、医薬原薬中間体受託製造、医薬品受託製剤、炭酸飲料、コーヒー飲料、ティー飲料、
果汁飲料、機能性飲料、ミネラルウォーター、アルコール飲料、その他
[主な関係会社]
≪エレクトロニクス部門≫
ディスプレイ用光学フィルム、有機ELディスプレイ用メタルマスク、
液晶ディスプレイ用大型フォトマスク、半導体製品用フォトマスク、リードフレーム、LSI設計、
ハードディスク用サスペンション部品、スマホ用カメラモジュール部品、その他
[主な関係会社]
<複数の事業を行う関係会社>
(注)※:持分法適用関連会社
<事業系統図>
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

4 【関係会社の状況】
(1)連結子会社
(注)1.議決権の所有割合欄の( )内は間接所有割合(内数)、[ ]内は緊密な者または同意している者の所有割合[外数]であります。
2.㈱DNPエリオ、㈱DNP・SIG Combibloc及び㈱丸善リサーチサービスは、持分が100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。
3.㈱DNPテクノパック及び㈱DNPファインオプトロニクスは、特定子会社であります。
4.丸善CHIホールディングス㈱、北海道コカ・コーラボトリング㈱及び㈱インテリジェント ウェイブは、有価証券報告書提出会社であります。
5.連結売上高に占める各連結子会社の売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の割合が10%を超えていないため、「主要な損益情報等」の記載を省略しております。
6.「役員の兼任等」には、当社との兼任及び当社からの出向者を含んでおります。
(2)持分法適用の関連会社
(注)1.議決権の所有割合欄の( )内は、間接所有割合(内数)であります。
2.ブックオフグループホールディングス㈱は持分が100分の20未満でありますが、実質的な影響力を持っているため関連会社としております。
3.BIPROGY㈱及びブックオフグループホールディングス㈱は、有価証券報告書提出会社であります。
4.「役員の兼任等」には、当社との兼任及び当社からの出向者を含んでおります。
5 【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員数(DNPグループからグループ外への出向者を除き、グループ外からDNPグループへの出向者を含む。)であります。従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員数であります。
2.臨時従業員は、雇用契約期間に6か月以上の定めのある従業員であります。
3.全社(共通)は、提出会社の本社部門及び提出会社の基礎研究部門等に所属している就業人員数であります。
(2)提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注)1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員数であります。
2.臨時従業員は、雇用契約期間に6か月以上の定めのある従業員であります。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.全社(共通)は、本社部門及び基礎研究部門等に所属している就業人員数であります。
(3)労働組合の状況
大日本印刷グループ労働組合連合会は、現在27労働組合が加盟し、グループ内の組合員数は約21,500人であります。
労使関係について、特に記載すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.当社においては、処遇制度上、賃金体系・水準面で男女の差はありませんが、実態として、管理職クラスの女性従業員の割合が低いことに加え、相対的に賃金が高めの高年齢層に男性従業員が多いといった人員構成などの要因により、賃金の差異が生じています。また、パート・有期労働者については、製造部門の交替制勤務従事者に男性が多く、深夜割増手当などの交替制勤務によるインセンティブが支給されているため、格差が生じています。
4.短時間勤務者、パート労働者については、正規雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しています。
5.社員個々の性自認を尊重し、本算定にあたり、社員から性自認についての申告があった際は、原則、申告に基づく性別に含めて算定することとしています。
② 主要な連結子会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.短時間勤務者、パート労働者については、正規雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しています。
4.社員個々の性自認を尊重し、本算定にあたり、社員から性自認についての申告があった際は、原則、申告に基づく性別に含めて算定することとしています。
5.連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
DNPグループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、DNPグループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
DNPグループは、サステナブルな社会の実現を目指し、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」ことを企業理念に掲げています。また、この理念に基づき、持続可能なより良い社会と、より心豊かな暮らしを実現するために、長期を見据えて、自らがより良い未来をつくり出すための事業活動を展開していくことを「経営の基本方針」としています。
さまざまな活動を通じて、社会課題を解決するとともに、人々の期待に応える新しい価値を創出し、それらの価値を生活者の身近に常に存在する「あたりまえ」のものにしていきます。人々にとって「欠かせない価値」を生み出し続けることで、DNP自身が「欠かせない存在」になるように努めており、こうした姿勢を「未来のあたりまえをつくる。」というブランドステートメントで表明しています。
DNPグループは、「経営の基本方針」に沿った取り組みを通じて、持続的に事業価値・株主価値を創出していきます。また、事業活動の評価指標としてROEとPBRを用いて、価値向上の達成状況を評価していきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略
DNPグループは、「経営の基本方針」に基づき、2026年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画を2023年4月から実行しています。この計画では、「事業戦略」を中心に持続的な価値創出の具体策を実行するとともに、それを支える経営基盤の強化に向けて「財務戦略」と「非財務戦略」を推進し、事業価値・株主価値を高めていきます。
<三つの戦略>
〔1:事業戦略〕
〔1-1:中長期の事業ポートフォリオの考え方〕
「事業戦略」では、市場成長性・魅力度と事業収益性を基準として、目指すべき中長期の事業ポートフォリオを明確に示しました。市場成長性・魅力度が高い「成長牽引事業」(*1)と「新規事業」(*2)を「注力事業領域」と位置付けています。この「注力事業領域」の五つの事業にリソース(経営資源)を集中的に投入し、必要な組織・体制なども十分に整備して、利益の創出を一層加速・拡大させていきます。また、DNP独自の強みの進化と深耕のほか、DNPとは異なる強みを持った企業との連携・M&Aを含む、DNPならではの社会・関係資本である多様なパートナーとの共創などによって、「No.1」を獲得していく戦略を推進していきます。
*1 成長牽引事業:デジタルインターフェース関連、半導体関連、モビリティ・産業用高機能材関連
*2 新規事業:コンテンツ・XR(Extended Reality)コミュニケーション関連、メディカル・ヘルスケア関連
一方、市場成長性・魅力度の伸び率は低水準ながら収益性の高い「基盤事業」(*3)については、事業効率の向上などによって、安定的なキャッシュの創出に努めていきます。また、現状では市場成長性が低く収益性が厳しい「再構築事業」(*4)については、生産能力や拠点の縮小・撤退を含めた最適化を進めるとともに、注力事業領域へのリソースの再配分や、当事業のなかでも独自の強みを有した製品・サービスの強化などによる構造改革を推進していきます。
*3 基盤事業:イメージングコミュニケーション関連、情報セキュア関連
*4 再構築事業:既存印刷関連、飲料事業
〔1-2:各セグメントにおける戦略〕
〇スマートコミュニケーション部門
当部門では、投下資本とキャッシュ創出のバランスを見ながら効率的・効果的な投資を行うほか、DNP独自の強みを活かし、国内外の企業との協業・サービス開発を進めていきます。また、紙メディア印刷関連は、再構築事業の一つとして市場規模に対応した合理化・適正化を進めます。
当部門の注力事業領域である「コンテンツ・XRコミュニケーション関連」では、リアルとバーチャルの空間をシームレスかつセキュアに行き来できるメタバース等を実現し、人々の体験価値を拡大していきます。国内外の多様なIP(Intellectual Property:知的財産)ホルダーやクリエイターとのネットワーク、アーカイブ事業、高精細画像処理技術や版権処理の実績と信頼、そして、個人や情報を安全に認証しながら大量のデータを流通させ、複雑なビジネスプロセスを統合・最適化させる能力などのDNPならではの強みを活かしていきます。また、着実に収益を積み上げる基盤事業として、写真プリント等の多様な製品・サービスをグローバルに展開する「イメージングコミュニケーション関連」、企業・団体等の最適な業務プロセスを設計して関連業務を受託するBPO(Business Process Outsourcing)事業、国内トップシェアのICカードや各種認証サービス等の「情報セキュア関連」の事業を推進していきます。
具体策として、「イメージングコミュニケーション関連」や「情報セキュア関連」でグローバルな投資を拡大するほか、企業・自治体等の業務効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)化のニーズを捉えたBPO事業の拡大を図ります。「コンテンツ・XRコミュニケーション関連」では、国内外の多数のパートナーとの連携を深めて、新規市場を創出していきます。
〇ライフ&ヘルスケア部門
当部門の注力事業領域の一つ「モビリティ・産業用高機能材関連」では、世界シェアトップのリチウムイオン電池用バッテリーパウチのEV向けのグローバル展開を積極的な設備投資によって推進します。この製品とモビリティ(移動用車両)向けの多様な内外装加飾材を中心に、数十年先を見据えてEVの航続距離の延伸や自動運転、快適な移動空間の実現に取り組んでいきます。
もう一つの注力事業領域の「メディカル・ヘルスケア関連」では、出版・包装・半導体等の事業で培った画像処理技術やカラーマネジメント技術、無菌・無酸素充填技術、ミクロ・ナノ造形技術、精密有機合成技術等を掛け合わせ、原薬製造・製剤・剤形変更・医療パッケージ製造などの製薬サポート事業を展開していきます。また、画像診断やオンライン診療などのスマートヘルスケア事業の拡大に努め、人々の健康寿命の延伸に貢献していきます。
一方、市場環境が厳しい包装関連事業等では拠点の再編などによる収益性の改善・向上を図るとともに、「DNP透明蒸着フィルム IB(Innovative Barrier)-FILM®」等の独自製品や環境配慮包材の拡大を進めます。
具体策としては、リチウムイオン電池用バッテリーパウチの米国拠点への投資、バリアフィルムや環境配慮包材等のグローバル供給能力拡大のほか、メディカル・ヘルスケア関連のパートナーとの相乗効果の最大化などにも取り組んでいきます。
〇エレクトロニクス部門
当部門では、積極的な設備投資を推進するほか、DNP独自の強みを活かした新製品開発や、社外のパートナーとのアライアンスによる半導体サプライチェーンへの提供価値拡大などによって、事業の拡大を加速させていきます。
注力事業領域の一つ「デジタルインターフェース関連」では、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクやディスプレイ用光学フィルムなど、世界トップシェアの製品を中心に、技術革新の潮流も捉えて、リアルとバーチャル、アナログとデジタルをつなぐ新しい価値を創出していきます。
もう一つの注力事業領域「半導体関連」では、自動運転や遠隔教育・遠隔医療、クラウド環境やデータセンターの広がりなどによって全世界のデータ流通量が飛躍的に増大するなか、半導体サプライチェーン全体に不可欠なファインデバイスを開発・提供していきます。
〔2:財務戦略〕
持続的な事業価値と株主価値の創出に向けて、安定的な財務基盤を構築・維持した上で、キャッシュを成長投資に振り向けるとともに、株主還元にも適切に配分していきます。
〇キャッシュ・アロケーション戦略
注力事業領域への積極的な投資とそれぞれの事業の効率化を推進し、成長投資の原資となる営業キャッシュ・フローを安定的に創出していきます。資産効率の改善に向けて、政策保有株式の売却を加速し、遊休不動産の縮減にも着実に取り組んでいます。また、有利子負債の活用を含む適切な資金調達方法を検討するなど、資金効率の最大化に努めていきます。
創出したキャッシュは、注力事業領域に集中的に投資するとともに、経営基盤の構築に向けた投資にも配分していきます。長期にわたって企業活動を推進し、社会や人々に価値を提供し続けていくため、成長投資の推進と株主還元のバランスを考慮した上で、株主還元にも積極的に配分していきます。
〔3:非財務戦略〕
〇人的資本の強化
DNPグループは、「人への投資」を積極的に進めるなかで、2022年に「人的資本ポリシー」を策定し、「人への投資」を企業価値の向上にさらに明確に結びつけ、グローバルでの「人的創造性(付加価値生産性)」を飛躍的に高めていくため、以下の取り組みを進めています。
価値創造に向けた社員のキャリア自律支援と組織力の強化に向けて、DNP版「よりジョブ型も意識した処遇と関連施策」を展開しており、複線型のポスト型処遇、キャリア自律支援に向けた人的投資、競争力の高い報酬水準・体系の維持・確保、組織開発の充実などを進めています。
また、「DNPグループ健康宣言」に基づき、多様な個の強みを引き出すチーム力の強化とマネジメント改革に向けて、「DNP価値目標(DVO)制度」の浸透や組織のエンゲージメントを高める施策を展開し、社員の幸せ(幸福度)を高める健康経営を推進しています。
事業戦略に基づく適材適所の人材配置の実現については、タレントマネジメントシステムを活用したICT人材・DX人材のスキルレベルの可視化、人材ポートフォリオに基づく採用・育成、人材再配置に必要なリスキリングの強化などを進めていきます。
DNPグループはまた、多様な社員を活かし、一人ひとりの強みを掛け合わせることが価値の創出に欠かせないと考え、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進を重要な経営課題の一つとしています。D&I推進の基本方針である「多様な人材の育成」「多様な働き方の実現」「多様な人材が活躍できる風土醸成」の具現化に向けた施策をさらに進めていきます。
〇知的資本の強化
DNP独自の強みと社外のパートナーとの連携を活かして、知的資本を強化していきます。
研究開発の方針として、DNP自身がつくり出したい「より良い未来」の姿を描き、それを起点とした“未来シナリオ”を実現するため、独自の技術等の強みを強化・連動させて、新製品・新サービスの開発・提供につなげていきます。注力事業領域を中心とした新規テーマの創出、基盤技術の強化と新製品開発、オープンイノベーションによる戦略的な技術の獲得と製品化・事業化などを推進していきます。また、ライフ&ヘルスケア部門を中心とした海外での事業展開・マーケティング・研究開発の強化にも努めます。多様な事業を通じて獲得してきた特許等の知的資本の新製品・新サービスへの展開、社内外の強みを積極的に掛け合わせる組織風土の構築・醸成なども進めて、既存事業と新規事業の両方で新しい価値を創出していきます。
また、DNPグループにとってのDXは、アナログとデジタル、リアルとバーチャル、モノづくりとサービスなど、両極端ともいえる強みを融合し、独自のビジネスモデルや価値を生み出すことだと位置付けています。DXに関するこの基本方針に沿って、新規事業の創出と既存事業の変革、生産性の飛躍的な向上、社内の情報基盤の革新などを進めていきます。
〇環境への取り組み
DNPグループは常に、事業活動と地球環境の共生を考え、環境問題への対応を重要な経営課題の一つに位置付けています。「価値の創出(事業の推進)」と「基盤の強化」の両輪で環境課題の解決に取り組むことで、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に貢献していきます。
「価値の創出(事業の推進)」については、環境負荷の低減と事業の付加価値の向上をともに実現する事業ポートフォリオへの転換、環境をテーマとした新規事業の創出、低炭素材料・素材の開発・活用、製品単位のCO2排出量の算定と削減、循環型社会に向けたリサイクルスキームの構築、リサイクル材の活用促進などに取り組んでいきます。
「基盤の強化」では、環境負荷の見える化、再生可能エネルギーの導入、環境負荷を考慮した省エネ設備への投資、生産拠点の最適化、プラスチックを中心とした資源の効率的な利用、原材料のトレーサビリティの確保、生態系への負荷の低減などに取り組んでいきます。
〔4:ガバナンス〕
DNPグループは、環境・社会・経済の急激な変化等、経営に大きな影響を与えるリスクを評価して中長期的な経営戦略に反映し、また、そのリスクを事業機会に転換していくプロセスの強化に取り組んでいます。
この取り組みを一層加速させるため、2022年4月に代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を始動させました。当委員会では、中期経営計画を実行していく過程で、環境・社会・経済の急激な変化を捉え、適切に経営戦略に反映していくため、経営会議・取締役会に報告・提言していきます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
DNPグループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてDNPグループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
DNPグループは、健全な社会と経済、快適で心豊かな人々の暮らしは、サステナブルな地球の上で成り立つと考えています。近年は特に、環境・社会・経済が急激に変化しており、経営に影響を与えるリスク(変動要素)もますます多様かつ広範囲に及んでいます。
このようななか、環境・社会・経済の持続可能性を高め、DNPグループ自身の持続的な成長をさらに推進していくため、2022年4月に「サステナビリティ推進委員会」を代表取締役社長を委員長、代表取締役専務を副委員長とし、本社の各部門を担当する取締役・執行役員を委員として構成する体制に再編し、機能を強化しました。自然災害等の有事発生時でも社員の安全を確保して生産活動を維持していくための「BCM推進委員会」と、社員のコンプライアンス意識の向上を図ってリスクの低減を図る「企業倫理行動委員会」と連携することで、全社的リスクを網羅し、柔軟で強靭なガバナンス体制を構築しています。
サステナビリティ推進委員会は、サステナビリティに係るDNPグループの在り方を適切に経営戦略に反映していくことを目的として、年4回の定例開催を基本として必要に応じて適宜開催し、以下の内容の協議などを行い、取締役会に報告と提言を行います。
①サステナビリティに関する中長期的な経営リスク管理、事業機会の把握及び経営戦略への反映
②サステナビリティ活動方針の構築と各部門での実行の統括
③サステナビリティに関する課題の掌握、目標・計画の策定、計画推進・活動状況の評価及び是正・改善
取締役会は、当委員会で協議・決議された事項の報告・提言を受け、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応方針並びに実行計画等について、審議・監督を行っています。
(2)戦略
DNPグループは、企業理念に「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」ことを掲げ、サステナブルな経営の考え方として「持続可能なより良い社会、より心豊かな暮らし」の実現を目指しています。これらに基づき、長期を見据えて、自らが「より良い未来」をつくり出すための事業活動を展開しています。2024年3月、「より良い未来」として目指す、それぞれ相互関係にある「4つの社会」の実現に向けて、DNPが何をすべきか、どのような価値をつくり出していくのかを具体化することで、DNPが社会と共に成長し続けるために重要なこととしてのマテリアリティを特定しました。
■DNPのマテリアリティ
・安全・安心かつ健康に心豊かに暮らせる社会
DNPグループは、自ら変化を生み出し、変化に柔軟に対応することで、環境・社会・経済の持続可能性を高めていきます。
・快適にコミュニケーションができる社会
DNPグループは、リアルとデジタルをつなぐことで、得られる体験価値の質を高めるとともに、人々の活動の機会を拡げていきます。
・人が互いに尊重し合う社会
DNPグループは、相互に理解を深め、認め合うことで、誰もがいきいきと活躍できる場をつくっていきます。
・経済成長と地球環境が両立する社会
DNPグループは、環境保全・環境負荷の低減に取り組むことで、ネイチャーポジティブなバリューチェーンを実現していきます。
マテリアリティに基づく活動として、中期経営計画における「事業戦略」「財務戦略」「非財務戦略」に沿った取り組みを推進しています。「価値の創出」とそれを支える「経営基盤の強化」により、事業活動を通じて社会課題を解決するとともに、人々の期待に応える新しい価値を創出し、DNPグループの持続的な成長を図っていきます。
非財務資本の強化では、特に重要だと考えている「人的資本」「知的資本」「環境への取り組み」を加速させています。また、事業活動のグローバル化が進むなかで、人権の尊重が今後、ますます重要になると認識しており、2020年3月に「DNPグループ人権方針」を策定して以降、継続的に人権尊重のマネジメントを強化しています。サプライチェーン全体で人権に配慮した調達に取り組んでおり、鉱物資源や木材・紙を中心に、リスク評価やトレーサビリティの確保など取り組みを進めています。
① 人的資本の強化
価値創出の要であり、成長の原動力である「人的資本の強化」に関しては、「人的資本ポリシーに基づき人への投資を拡大する」という方針のもと、
・価値創造に向けた社員のキャリア自律支援と組織力の強化
・社員の幸せ(幸福度)を高める健康経営の推進
・人材ポートフォリオに基づく採用、注力分野への人材配置とリスキリングの展開
・多様な個を活かすダイバーシティ&インクルージョンの推進
を進めています。
その為の人材育成方針として、社員一人ひとりが自律した個として主体的に必要な知識と技術を身につけ、最大限に自身の役割を果たし、自らの成長と自己実現を図ることができる人材の継続的な輩出を目指します。社内環境整備方針としては、ダイバーシティ宣言や健康宣言に基づき、多様な個人の強みを引き出すチーム力や組織力の強化に向けて、DNP価値目標(DVO)制度によるチーム目標の設定や組織のエンゲージメントを高める施策などを推進していきます。
これらの方針に基づく具体的な取り組みとして、「キャリア自律型」の仕組みであるDNP版「よりジョブ型も意識した処遇と関連施策」などを展開します。社員は自律的にキャリアを描くなかで自らを磨き、会社は「価値創造に向けた社員のキャリア自律」を支援していくことで、人的資本ポリシーに謳う「社会(社内・社外)で活躍できる人財」の輩出を目指していきます。
また、DX人材については、経済産業省のデジタルスキル標準に基づきDX人材を再定義し、全社員に対してDXリテラシーの向上を図っています。さらに専門人材については、各人のスキルレベルを可視化し、レベルアップを図るためのキャリアディベロップメントプログラム(CDP)を整備・運用し、DX推進における専門的な役割を担う人材育成を進めています。
こうした取り組みを通じて、人への投資を企業価値の向上に結び付けていく中で、グローバルでの『人的創造性(付加価値生産性)』の飛躍的向上を実現していきます。
② 知的資本の強化
DNPグループは、他社と差別化してグローバルな競争力を高めていくため、長年培った「印刷と情報(Printing & Information)」の強みを進化・深耕させるとともに、社外のパートナーとの連携を深めることで知的資本を充実させています。
また、特許戦略の推進にも注力しているほか、研究開発の投資として、毎年300億円規模を継続的に実施しており、特に、注力事業領域を中心に、知的資本を有効に掛け合わせて、製品化・事業化を加速させる取り組みを強化しています。さらに、事業の成長と生産性の革新の両面で「DX」を強力に推進しており、そのための技術や人材の充実も図っています。重要な成長戦略の一つとして、社内のDX人材の育成と必要な外部人材の獲得、パートナー企業との連携等を位置付けており、DXによる価値創出のためのリソースをさらに拡充していきます。
こうした「事業化の推進」、「技術・研究開発」とその活動を支える「知的財産の戦略的獲得」を三位一体で強力に推進していきます。
③ 環境への取り組み
DNPグループは、事業活動と地球環境の共生を絶えず考え、環境問題への対応を重要な経営課題の一つに位置付けており、行動規範の中に「環境保全と持続可能な社会の実現」を掲げています。近年特に、地球環境に対する負荷の低減が強く求められるなか、サプライチェーン全体で環境を強く意識した活動を推進しています。2020年3月には「DNPグループ環境ビジョン2050」を策定し、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを加速させています。
特に気候変動対応を重要課題の一つに位置付けており、事業活動にともなう気候変動リスクの抽出と長期リスクに対する戦略検討のため、国際的な枠組みであるTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が提言するフレームワークに沿って、「移行」および「物理的影響」に関するシナリオ分析に基づく定性的・定量的な財務影響と影響を受ける期間の評価・分析を実施しています。さらに、自然資本への影響評価や取り組みについて、TNFD(Task Force on Nature-related Financial Disclosures)の提言に沿った評価・分析を進め、情報開示の質と量の充実に取り組んでいます。
環境ビジョン2050に掲げる「脱炭素社会」の構築に向けて、グループ全体におけるGHG排出量(Scope1、2、3)を把握し、実績の分析に基づいて削減に取り組んでいます。具体的には、事業ポートフォリオの転換、省エネルギー活動の強化、再生可能エネルギーの導入等により、自社拠点での事業活動にともなうGHG排出量を2050年までに実質ゼロにすることを目指すとともに、製品・サービスを通じて脱炭素社会の構築などに貢献していきます。また、「循環型社会」の実現に向けて、サプライチェーン全体で資源の効率的な循環利用を進めており、自社で生じるプラスチック不要物を中心に、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルの取り組みを進め、資源循環率の向上に努めています。さらに、「自然共生社会」の実現に向け、サプライチェーン全体で生物多様性への影響の最小化と地域生態系への調和を目指しており、原材料調達のトレーサビリティ確保や生態系に配慮した事業所内の緑地づくりを進めています。
(3)リスク管理
DNPグループは、柔軟で強靭なガバナンス体制のもとに、変動要素(リスク)によるマイナスの影響を最小限に抑えるとともに、事業機会の拡大につなげるため、統合的なリスクマネジメントを推進しています。
環境・社会・経済に関するリスクと機会は、サステナビリティ推進委員会が年に1回以上特定し、評価・管理しています。また、事業計画や財務的影響、市場の変化や環境・社会に与える影響の大きさ、発生可能性等の観点を踏まえ、優先課題の特定や活動の優先順位付け、目標の設定を行い、経営に反映させています。特に重要度や優先度が高いリスクについてはリスク管理部門を選定し、経営会議での協議を経て事業戦略・計画に反映させ、各組織が中心となって対応しています。機会については、DNPグループ全体で重点テーマを管理し、戦略的な事業展開につなげています。
(4)指標・目標
DNPグループは、サステナビリティに関する取り組みについて、的確な進捗管理を可能とし、着実に実行するため、具体的な指標と目標を設定しています。これらの進捗状況は、サステナビリティ推進委員会のガバナンスにおいてモニタリングされています。
人的資本・知的資本・環境への取り組みについては、次の指標を用いております。
①人的資本の強化
DNPグループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
②知的資本の強化
DNPグループでは、知的資本の強化に向けて、次の指標を設定しております。
*データマネジメント基盤:DNPグループ内の各種システムからデータを集約し、集約されたデータを加工、
分析、可視化し、経営判断に活用する基盤を指す
③環境への取り組み
「DNPグループ環境ビジョン2050」の実現に向けて、中期目標を掲げて具体的な活動を進めています。
GHG排出量削減および水使用量の削減に関しては、範囲を財務会計上の全グループ会社として算定し、結果を記載しております。また、資源循環率の改善に関しては、全グループ会社の製造拠点における産業廃棄物を対象として算定し、結果を記載しております。
*スーパーエコプロダクツ:自社独自の基準により特定した環境配慮に優れた製品・サービス
2023年度実績は、いずれも目標を上回る進捗となり、特に注力しているGHG排出量の削減についても、2030年度目標を前倒しで達成する見込みです。取り組みをさらに加速させるべく、2024年4月により挑戦的な目標に更新しました。また、目標達成年度を2030年度に統一しました。
<中期目標>
*GHG排出量削減目標:パリ協定の努力目標である「1.5℃目標(温度上昇を1.5℃以内に抑える水準の目標)」に準じて、「基準年度比で年率4.2%の削減」とする。
3 【事業等のリスク】
DNPグループは、地球環境の持続可能性を高め、健全な社会と経済、快適で心豊かな人々の暮らしを実現していく新しい価値の創出に努めており、それによってDNP自身の持続的な成長を達成していきます。また、その実現に向けて、環境・社会・経済に関するさまざまな課題と、変動要素としてのリスクを正しく認識し、統合的なリスクマネジメントを行う取り組みに注力しています。これら事業環境の変化におけるリスクを、DNP独自の「P&I」(印刷と情報)の強みの進化・深耕によって成長機会への転換を推進しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてDNPグループが判断したものであります。
(1)環境関連のリスク
○あらゆる企業活動の土台となる地球環境の持続可能性に関連する変動要素
・気候変動による自然災害の頻発・激甚化、渇水や洪水等水リスクの高まり
・プラスチック汚染や生物多様性の損失の加速
○地球環境保全に関連した制度や市場動向の変動要素
・気候変動リスクや自然関連情報等の開示の強化、グローバル化
・GHG排出量の規制強化、エネルギー関連施策の見直し、循環経済への移行の加速
・環境負荷削減に資する製品・サービスの市場拡大、技術革新の加速 等
DNPグループは、事業活動と地球環境の共生を絶えず考え、「DNPグループ環境ビジョン2050」に掲げる「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた取り組みを加速させています。例えば、短期的なリスクである風水害等の大規模な自然災害等への対応としては、製造設備その他の主要施設に防火・耐震・水害対策等を施すとともに、製造拠点や原材料調達先の分散を図り、生産活動の停止や製品供給の混乱を最小化する事業継続計画(BCP)を策定し、その適切なマネジメント(BCM)を推進しています。また、各種保険によるリスク移転も図っており、事業の存続を脅かすような緊急事態が発生したとしても、事業活動が早急に復旧できる強い企業体質を構築しています。しかしながら、甚大な自然災害や感染症の流行など、社会インフラの大規模な損壊や機能低下、生産活動の停止につながるような予想を超える事態が発生した場合は、業績に大きな影響を与える可能性があります。
長期環境ビジョンの達成に向けて、DNPグループは中期目標を設定し、環境負荷の削減を計画的に進めています。しかしながら、GHG排出量削減のさらなる強化や脱石化製品への移行の加速、代替素材への切り替え要請の高まりによる削減目標の引き上げや製品仕様の見直し等によって、事業への影響や追加的措置が必要となる場合があり、企業活動に大きく影響する可能性があります。
またDNPグループの事業は、印刷用紙等の森林資源や鉱物資源等の原材料、製造工程で使用する水やエネルギー等の供給サービス、水質や大気排出、事業所の土地利用等の調整サービスなど、さまざまな形で自然の恩恵を受けています。さらに、グローバルなサプライチェーンの構築など、社会と密接に関係しながら事業活動を展開しています。こうした状況をグループ全体で明確に認識し、環境の持続性を確保しつつ、社会とともに持続的に成長するため、サプライチェーン全体における環境負荷の把握・削減、トレーサビリティの確保を進めています。しかしながら、地球環境の急激な変動や生物多様性の損失の加速などによって、DNPが必要とする自然資本に想定以上の変動がある場合は、企業活動への影響が大きくなります。
国内外では、気候変動への対応や生物多様性の保全などに関する法的規制や国際規範の強化が進み、社会課題の解決に取り組む姿勢を重視して企業価値を判断する傾向がますます強まっています。特にカーボンニュートラルの実現や循環経済への移行は、緊急度と深刻度が増しており、ネイチャーポジティブに向けた各種インフラや事業構造の変革がさらに強く求められています。DNPグループはこうした変化を先取りすることに加え、自ら主体的に変化を起こすことによって、価値創造と基盤強化の両輪で環境課題の解決に取り組みます。また、国際的な開示基準に沿って透明性を有した情報を積極的に開示することにより、ステークホルダーとの対話を進めていきます。
(2)社会関連のリスク
○人的資本と人権に関する変動要素
・少子高齢化や労働力不足、雇用の流動化の加速
・多様な社会で生きる多様な人々の尊厳に関する課題の変化
・あらゆる人が心地よく生きるための諸条件の変化(心身の健康・安全・衛生等)
・サプライチェーン全体における人権リスク対応の重要性の高まり
○健全な社会の構築に向けた制度や市場動向の変動要素
・各国・地域の法制度・政治制度の変更、サプライチェーン上のリスク対応の強化
・地政学的リスク/カントリーリスクの拡大
・文化や制度・ルールの違いによる各種リスクの顕在化
・レピュテーションリスクの増大 等
DNPグループは、「人的資本ポリシー」に基づき、社員の心理的安全性が高く健康で活力ある職場の実現に注力するほか、社員一人ひとりの状況に配慮した働き方を実現し、多様な強みを掛け合わせていく「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)」の取り組みや、注力事業領域を中心とした人材ポートフォリオに基づく採用・人材配置・リスキリング等を推進しています。しかしながら、国内外の雇用情勢の急激な変化にともない、高い専門性を有する人材や、変化に柔軟に対応しながら業務を遂行できる人材の確保・育成ができない場合など、競争優位性の高い組織体制の構築が難しくなる可能性があります。
近年は特に、海外での事業活動やグローバルに拡大するサプライチェーンに関して、多様な社会的・政治的・経済的変動要素が顕在化しています。世界各地での労働環境の適正化や人権への配慮がますます重要となるなか、「DNPグループ人権方針」に基づく労働環境や人権への配慮などの社会的責任を果たし続けていくことが、企業として長期的に発展していくための重要な基盤となります。それに対して、各国・地域や経済圏における人権デュー・ディリジェンスの重要性の高まりなど、社会関連の法律や規制の予期しない制定や変更、地政学的リスクやカントリーリスクの増大等が起きることによって、DNPグループの国内外の事業活動や原材料調達に支障が生じ、業績に影響を与える可能性があります。
DNPグループは、果たすべき3つの責任として「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」を掲げており、社員全員に対して企業倫理の浸透・徹底を図っています。すべての企業活動において法令等を守るだけでなく、高い倫理観を持ち、常に公正・公平な態度で、社会の維持・発展に寄与することで、将来にわたって信頼を得るべく努めています。しかしながら昨今、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の広がりを背景として、企業に対する批判的な評価や評判によって企業のレピュテーションが低下するような事案が国内外で発生する可能性があります。そのため、グローバルレベルでのコーポレート・ガバナンス、コンプライアンス体制を強化するとともに、社員に対する企業倫理の浸透・徹底を図っています。また、国内外のSNSなどのモニタリングを行い、早期のリスク発見と適宜適切な対応に努めています。
(3)経済関連のリスク
○各国・地域とグローバルな市場における経済活動の短期および中長期の変動要素
・ビジネスモデル/技術/製品・サービス等の開発の加速
・デジタルトランスフォーメーション(DX)やグローバルネットワーク等の加速
・各種経済指標の急激な変動(国内外の景気・業界動向・消費意欲・物価・為替・GDP他)
・世界経済の地政学的要因によるバランスの変化や分断化
○経済活動の基盤となる制度や市場動向の変動要素
・資本主義の見直し、バーチャルな経済圏の確立等による金融インフラの変動
・情報インフラ関連の変動(GDPR等各種ルール・規制の強化/緩和、情報セキュリティへの脅威) 等
DNPグループは、特定の業種に偏らない数万社の企業や、自治体・各種団体・生活者等と多様な事業活動を行っています。この強靭で安定的な事業基盤を強みにするとともに、オールDNPの強みの掛け合わせと、社外のパートナーとの連携を推進しながら成長牽引事業・新規事業からなる注力事業領域と長期間安定的にキャッシュを生み出す基盤事業を中心に価値の創出に努めています。また、DXの進展やAI利用が拡大するなか、リアルとデジタルを繋ぐ付加価値の創出やAI革新による事業化のスピードアップなどを進めるとともに、「DNPグループAI倫理方針」を策定し、AIの適切かつ効果的・効率的な利活用を推進し、事業活動・研究開発活動などでの価値創出を加速させていきます。しかしながら、国内外の景気や消費の動向などが想定以上に低迷した場合や、特に新興国での生産や需要の変化が大きい場合など、生産量の減少や単価の下落等によって業績が影響を受ける可能性があります。また、新規のビジネスモデルや技術、製品・サービスの開発において、さらなる競争の激化や変化に対する対応の遅れ、予想を上回る商品サイクルの短期化、市場動向の変化等が業績に影響を与える可能性があります。戦略的な事業・資本提携や企業買収は、事業拡大の迅速化や効果の拡大に有効ですが、提携先・買収先等を取り巻く事業環境が悪化し、当初想定していたような相乗効果が得られない場合、業績に影響を与える可能性があります。
原材料等の調達については、国内外の複数のメーカーから印刷用紙やフィルム材料を購入するなど、安定的な数量の確保と最適な調達価格の維持に努めています。しかしながら、地政学リスクの高まり、石油価格や為替の大幅な変動や新興国での急激な需要の増加、天然資源の枯渇、気候変動の影響、サプライチェーンにおける人権の問題などにより、需給バランスが崩れる懸念もあります。また為替相場については、現地生産化や為替予約などによって変動リスクをヘッジしていますが、これらの状況が急激に変動する場合には、業績に影響を与える可能性があります。
また、事業活動において、世界規模のコンピュータネットワークなど情報システムを活用するなかで、ソフトウェアやハードウェアの不具合のほか、日々巧妙化・高度化するサイバー攻撃によるコンピュータウイルスへの感染、個人情報の漏えいなどの発生リスクが高まっており、更なる自社防御強化が必須です。DNPグループは、個人情報を含む重要情報の保護、つまり情報セキュリティを経営の最重要課題のひとつとして捉え、体制の強化や社員教育などを通じてシステムとデータの保守・管理に万全を尽くしていますが、万一、DNPグループのサプライヤーやパートナーにおいてサイバー攻撃による被害や重要情報に関連する事故などが発生した場合には、事業の停止等事業活動に影響を与える可能性があります。
事業活動において自社が保有する知的財産やノウハウ等を適切に保護、管理、活用することが不可欠です。DNPグループでは、自らの技術・ノウハウ等の流出を防止するための管理を厳重に行っていますが、不測の事態による外部流出の可能性があります。一方で他者の知的財産を必要とする事業や製品開発において当該知的財産を利用できない場合、事業拡大や業績に影響を与える可能性があります。また、他者の知的財産権を尊重し、侵害しないよう対応していますが、他者から訴訟等を提起され、差止請求や損害賠償請求を受ける可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるDNPグループの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるDNPグループを取り巻く状況は、国内の雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の回復等により、景気の緩やかな回復が見られました。一方、地政学リスクの長期化や世界各地の金融政策の影響、国内の物価上昇や人手不足など、先行きが不透明な状況が続いています。また、国連のグテーレス事務総長が「地球沸騰化」と表現したような気候変動や、能登半島地震をはじめとする自然災害の影響も、引き続き懸念されます。
DNPグループは、環境・社会・経済が急激に変わるなかでも、変化やリスクに対応するだけでなく、長期を見据えて変革を起こし、自らが「より良い未来」をつくり出す事業活動を展開しています。独自の「P&I」(印刷と情報)の強みを掛け合わせ、多様なパートナーとの連携を深めて、事業領域の拡大に努めています。
現在は2023-2025年度の3か年の「中期経営計画」を推進しており、「事業戦略」「財務戦略」「非財務戦略」に基づく具体的な取り組みを通じて、持続的な事業価値・株主価値の創出に注力しています。事業戦略では、中長期にわたって強みを発揮できる事業ポートフォリオの構築を進めるとともに、注力事業領域を中心とした新しい価値の創出を加速させています。財務戦略では、創出したキャッシュを事業のさらなる成長のための投資と株主還元に適切に配分していきます。非財務戦略としては、「人への投資の拡大」「知的資本の強化」「環境への取り組み」を中心に推進し、サステナブルな成長を支える経営基盤の強化を図っていきます。三つの戦略のより詳細な内容は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略 <三つの戦略>」に記載しています。
また、自然災害等の不測の事態に対しても、事業継続マネジメント(BCM)の徹底を図り、グループを挙げてさまざまな企業活動を持続的に推進していきます。
これらの結果、当連結会計年度のDNPグループの売上高は1兆4,248億円(前期比3.8%増)、営業利益は754億円(前期比23.2%増)、経常利益は987億円(前期比18.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券の売却にともなう特別利益の計上もあり、1,109億円(前期比29.5%増)となりました。また、DNPグループが収益性指標の一つとしている自己資本利益率(ROE)は9.8%となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度から、部門(事業セグメント)の名称について、「情報コミュニケーション部門」を「スマートコミュニケーション部門」に、「生活・産業部門」を「ライフ&ヘルスケア部門」に変更し、「飲料事業」を「ライフ&ヘルスケア部門」に移行しています。前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいています。
(スマートコミュニケーション部門)
イメージングコミュニケーション関連は、写真プリント用部材が欧州・アジア市場を中心に好調に推移しました。
情報セキュア関連は、BPOの大型案件に加え、ICカードでは、1つのICチップで接触型と非接触型の規格に対応可能なデュアルインターフェイスカードが特に堅調に推移しました。
マーケティング関連は、企業等に向けたマーケティング施策の実績や知見とデジタルの強みを掛け合わせた価値の提供に努めたものの、カタログ・パンフレット等の紙メディアの縮小の影響を受け、前年を下回りました。
出版関連は、リアル書店やネット販売のハイブリッドな書籍の流通販売事業、指定管理者としての受託館数が増加した図書館運営業務が堅調に推移したものの、雑誌等の市場縮小の影響により、当事業全体では前年並みとなりました。
コンテンツ・XRコミュニケーション関連では、リアルとバーチャルの空間の融合等によって人々の体験価値を高めるXRコミュニケーション事業の強化に努めました。その一環として、脳神経科学とITの融合によるブレインテック事業とXR事業に強みを持つ株式会社ハコスコとの連携を進めるなど、新規事業の創出に注力しています。
教育関連では、レノボ・ジャパン合同会社とともに、東京都の「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム事業に係るプラットフォーム構築・運営組織」に採択されました。今後も、国が掲げる“誰一人取り残すことのない”多様な教育機会の提供に取り組み、全国の自治体や教育現場の活動を支援していきます。
その結果、部門全体の売上高は7,194億円(前期比0.1%減)となりました。営業利益は、情報セキュア関連の売上増加や人的資本の再配置などの事業構造改革の進展などはあったものの、紙媒体を中心とした減収の影響を受けたことにより、261億円(前期比2.1%減)となりました。
(ライフ&ヘルスケア部門)
モビリティ・産業用高機能材関連は、リチウムイオン電池用バッテリーパウチが、車載向けで下期に電気自動車(EV)需要停滞の影響を受けたものの、IT向けではスマートフォンの新機種での採用が進むなど需要が回復し、全体で堅調に推移しました。太陽電池関連は、世界的な需要の高まりによって封止材を中心に好調に推移しました。自動車用の加飾フィルムは、内装用に加えて、塗装工程短縮と環境負荷低減を実現する、デザイン性に優れた外装用の製品の販売が堅調に推移しました。
包装関連は、原材料値上げ等を一因とする物価高騰による生活者の買い控えの影響を受けたものの、プラスチック成型品の増加などにより、前年並みとなりました。また、「DNP環境配慮パッケージング GREEN PACKAGING®」をはじめとする機能性包材の開発・販売に注力したほか、製造拠点の再編などによる体質強化を進めました。
生活空間関連は、高い耐久性とデザイン性を両立させた外装材「アートテック®」が国内外で堅調に推移したものの、国内の新設住宅(持家)着工戸数の減少によって住宅向けの内装材が減少し、前年を下回りました。
飲料事業は、コロナ禍からの人流の回復や昨年夏の暑さが長引いたことなどによって販売数量が増加したほか、価格改定が寄与し、前年を上回りました。
メディカル・ヘルスケア関連では、当連結会計年度より、シミックCMO株式会社を連結子会社とし、2023年6月からシミックグループと共同で原薬から製剤までの一貫製造や付加価値型医薬品の開発などを行っています。
その結果、部門全体の売上高は4,723億円(前期比4.6%増)となりました。営業利益は、原材料費やエネルギー費の上昇ペースが落ち着き、十分に価格転嫁できなかった影響が緩和されたことにより、133億円(前期比67.2%増)となりました。
(エレクトロニクス部門)
デジタルインターフェース関連は、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクが、スマートフォンでの有機ELディスプレイ採用拡大にともなって堅調に推移しました。光学フィルムも、サプライチェーン全体の前年度の在庫調整の影響の一巡による需要回復に加え、主にテレビのパネルサイズの大型化にともなう出荷面積の拡大もあり、当事業全体で前年を上回りました。
半導体関連は、半導体製造用フォトマスクが顧客企業の製品開発需要によって前年並みとなったものの、市場全体の減速によって半導体パッケージ用のリードフレーム等が減少し、当事業全体で前年を下回りました。
その結果、部門全体の売上高は2,353億円(前期比15.6%増)となりました。営業利益は、半導体関連の売上の減少に加え、原材料費等のコスト上昇の影響を受けたものの、デジタルインターフェース関連が好調に推移し、581億円(前期比23.9%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産、負債、純資産については、総資産は、投資有価証券や退職給付に係る資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,252億円増加し、1兆9,556億円となりました。
負債は、繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ368億円増加し、7,189億円となりました。
純資産は、自己株式の取得や剰余金の配当による減少の一方、当期利益による増加やその他有価証券評価差額金、退職給付に係る調整累計額の増加などにより、前連結会計年度末に比べ884億円増加し、1兆2,366億円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ237億円減少し、2,345億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,430億円、減価償却費559億円などにより725億円の収入(前連結会計年度は379億円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出594億円、投資有価証券の売却による収入816億円などにより183億円の収入(前連結会計年度は250億円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出885億円、配当金の支払額164億円などにより1,186億円の支出(前連結会計年度は524億円の支出)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるDNPグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
DNPグループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は、前連結会計年度(以下「前期」)に比べて516億円増加し、1兆4,248億円(前期比3.8%増)となりました。
売上原価は、前期に比べて298億円増加して1兆1,111億円(前期比2.8%増)となり、売上高に対する比率は前期の78.7%から78.0%となりました。販売費及び一般管理費は、前期に比べて75億円増加して2,382億円(前期比3.3%増)となり、この結果、営業利益は前期に比べて142億円増加して754億円(前期比23.2%増)となりました。
営業外収益は、受取配当金の減少や持分法による投資利益の増加等により前期に比べて17億円増加して284億円(前期比6.5%増)となり、営業外費用は、前期に比べて9億円増加して51億円(前期比21.5%増)となりました。この結果、経常利益は前期に比べて150億円増加して987億円(前期比18.0%増)となりました。
特別利益は、投資有価証券売却益の増加等により、前期に比べて414億円増加して859億円(前期比93.2%増)となり、特別損失は、減損損失の増加等により前期に比べて331億円増加して415億円(前期比395.0%増)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,109億円(前期比29.5%増)となりました。
DNPグループの経営成績に重要な影響を与えた要因は以下のとおりです。
当連結会計年度におけるDNPグループを取り巻く状況は、国内の雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の回復等により、景気の緩やかな回復が見られました。一方、地政学リスクの長期化や世界各地の金融政策の影響、国内の物価上昇や人手不足など、先行きが不透明な状況が続いています。また、国連のグテーレス事務総長が「地球沸騰化」と表現したような気候変動や、能登半島地震をはじめとする自然災害の影響も、引き続き懸念されます。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
スマートコミュニケーション部門については、イメージングコミュニケーション事業やBPOの大型案件、金融機関向けのICカードが増加したほか、リアル書店やネット販売のハイブリッドな書籍の流通販売事業、図書館運営業務も堅調に推移しましたが、紙媒体の市場縮小の影響を受けて出版印刷物や商業印刷物が伸び悩んだ結果、部門全体の売上高は前期比0.1%減の7,194億円となりました。営業利益は、事業構造改革の進展などはあったものの、紙媒体を中心とした減収の影響を受け、前期比2.1%減の261億円となりました。営業利益率は、前期の3.7%から0.1ポイント低下し、3.6%となりました。
ライフ&ヘルスケア部門については、包装関連事業は、物価高騰による買い控えの影響を受けたものの、プラスチック成型品の増加などにより、前年並みとなりました。生活空間関連事業は、国内の新設住宅(持家)着工戸数の減少によって住宅向けの内装材が減少し、前年を下回りました。モビリティ・産業用高機能材関連は、車載向けのバッテリーパウチが下期から得意先の在庫調整の影響を受けたものの、IT向けは増加し、全体では堅調に推移しました。また、太陽電池関連の封止材が増加したほか、自動車用の加飾フィルムも堅調でした。飲料事業は、人流の回復や価格改定が寄与し、前年を上回りました。メディカル・ヘルスケア関連は、当連結会計年度より、シミックCMO株式会社を連結子会社としています。その結果、部門全体の売上高は前期比4.6%増の4,723億円となりました。営業利益は、原材料費やエネルギー費の上昇ペースが落ち着き、これまで十分に価格転嫁できなかった影響が緩和されたことにより、前期比67.2%増の133億円となりました。営業利益率は、前期の1.8%から1.0ポイント上昇し、2.8%となりました。
エレクトロニクス部門については、デジタルインターフェース関連は、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクが堅調に推移したほか、光学フィルムも需要回復に加えてテレビの大型化にともなう出荷面積の拡大もあり、前年を上回りました。半導体関連は、フォトマスクが顧客企業の製品開発需要によって前年並みとなったものの、市場全体の減速により半導体パッケージ用のリードフレーム等が減少し、前年を下回りました。その結果、部門全体の売上高は前期比15.6%増の2,353億円となりました。営業利益は、デジタルインターフェース関連が好調に推移し、前期比23.9%増の581億円となりました。営業利益率は、前期の23.1%から1.6ポイント上昇し、24.7%となりました。
セグメント資産の状況については、スマートコミュニケーション部門は前期末に比べて、32億円減少して8,145億円(前期末比0.4%減)となりました。
ライフ&ヘルスケア部門は前期末に比べて、467億円増加して5,479億円(前期末比9.3%増)となりました。
エレクトロニクス部門は前期末に比べて、476億円増加して2,901億円(前期末比19.6%増)となりました。
報告セグメント合計では前期末に比べて、912億円増加して1兆6,525億円(前期末比5.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資本の流動性に係る情報
DNPグループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前期末に比べ237億円減少し、2,345億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整当期純利益1,430億円、減価償却費559億円などにより725億円の収入(前期は379億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出594億円、投資有価証券の売却による収入816億円などにより183億円の収入(前期は250億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出885億円、配当金の支払額164億円などにより1,186億円の支出(前期は524億円の支出)となりました。
a.財務戦略の基本的な考え方
DNPグループは、社会課題を解決し、人々の期待に応える新しい価値の創出のため、成長領域を中心とした事業へ集中的に事業投資(研究開発投資、設備投資、戦略的提携やM&A投資)を行うとともに、それらを支える人財投資に経営資源を投入していきます。そのほか、資本効率の向上、財務基盤の安定化と株主還元の実施など、さまざまな資本政策を総合的に勘案して推進していきます。
b.DNPグループの資本の財源
DNPグループは、主に営業活動により確保されるキャッシュ・フローにより、成長を維持・発展させていくために必要な資金を確保しております。
設備投資資金などの資金需要については自己資金で賄うことを基本としておりますが、自己資金に加え、他人資本も活用し、成長投資資金を調達していきます。
c.DNPグループの経営資源の配分に関する考え方
DNPグループは、成長領域を中心とした注力事業への投資などを進めていきます。
重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源泉等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)新設等」に記載のとおりであります。
また、利益の配分については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
DNPグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
5 【経営上の重要な契約等】
(1)技術導入契約
(注)契約期間2024年4月1日から2034年3月31日までの契約を新たに締結しています。
(2)その他
6 【研究開発活動】
DNPグループは、新規事業の創出・新製品開発から生産技術の開発に至るまで、幅広い研究開発活動を続けており、その活動は事業活動の原動力として機能しております。
DNPグループの研究開発は、研究開発・事業化推進センター、技術開発センター、AB(アドバンストビジネス)センター及び各事業分野の開発部門を中心に推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は35,236百万円、3つの事業部門に関する研究開発費が13,707百万円、各事業部門に配分することができない本社開発部門等の費用が21,528百万円であります。
当連結会計年度における各事業部門の主な研究開発とその成果は次のとおりです。
(1) スマートコミュニケーション部門
マーケティング分野では、電子商取引の普及に伴い生活者の買い物スタイルが変化している中で、リアル店舗を見直す動きが加速しています。そこで、店舗でのお客様の振る舞いをデータ取得・分析し、新しい買い物体験を支援する駅構内のショールーミング店舗「&found」の実証実験を推進しました。今後も、企業ブランドや商品の魅力に触れ、新しい体験価値を実感できる次世代型店舗への事業化に取り組んでいきます。
認証・セキュリティ分野では、キャッシュレス決済の拡大に伴いクレジットカードの不正利用が増加し、対策強化が求められています。そこで、クレジットカードのオンライン決済の不正利用を検知・判定する「DNP 3Dセキュア2.0」に、不正利用されたデバイス情報をカード発行会社間で共有する機能や、カード会社提供アプリを使った本人認証の新機能を追加しました。今後も、キャッシュレス決済におけるクレジットカード会社各社のセキュリティ強化を支援していきます。
BPO(Business Process Outsourcing)分野では、様々な分野で急速に普及が進む生成AIの利活用を促進するため、多様なドキュメントを生成AIの学習に適した形式に整形する技術を開発しました。この技術により膨大なマニュアルやドキュメントを参照して業務を行う審査やコンタクトセンターの問合せ対応等の精度が向上します。契約書・帳票類・業務マニュアル等、膨大なドキュメントを取り扱う自治体や金融機関を中心に、生成AIを活用した業務改革の実現を目指します。
XRコミュニケーション分野では、新しい教育機会の創造や、探究的な学びの広がりのためにオンラインの仮想空間が活用されています。そこで、日本語の指導が必要な児童・生徒や不登校の児童・生徒に対して参加意欲の向上を図るため、仮想空間における居場所や学びの場となる「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム」を開発しました。メタバースを活用して、体験価値の高い教育サービスを提供し、全国の自治体や教育現場の活動を支援していきます。
イメージングコミュニケーション分野では、生活者の体験価値を高める写真プリントソリューションを開発しています。アイドルやキャラクター、スポーツ選手等を応援する「推し活」のニーズに応えて、DNPクラウド型画像販売ソリューション Imaging Mall®に、“推し” の画像や記念日を選べるポストカードカレンダーをラインナップしました。さらに、ファンクラブなど利用者限定のフォトグッズ販売機能も追加しました。
当部門に係る研究開発費は2,278百万円であります。
(2) ライフ&ヘルスケア部門
包装分野では、「DNPライフサイクルCO2認証システムCO2算定サービスによるカーボンニュートラル取り組み支援」で、一般社団法人サステナブル経営推進機構が主催する「第6回エコプロアワード」で奨励賞を受賞しました。本システムを活用することでパッケージの原材料調達や製造などのサプライチェーン上流でのCO2排出量把握に関する課題を解決し、カーボンニュートラル実現に向けた情報・コミュニケーションの基盤を提供する先進的な取り組みとして評価されました。今後、環境負荷改善やコンサルティングサービスなどにも取り組み、幅広い業界に対してカーボンニュートラルの対応を進めていきます。
生活空間分野では、マット(低艶)な質感で意匠性が高く、指紋がつきにくい内装用化粧シート「DNP EBオレフィンシート サフマーレ® プレミア」及びフローリング用化粧シート「DNP EBオレフィンシート サフマーレ® フロア プレミア」を発売しました。DNPは、基材に塗工した各種材料を電子線(Electron Beam)の照射で硬化させ、多様な機能を持たせる独自のEBコーティング技術で、長年にわたり市場から高い評価を得ています。この技術を進化させ、人々が暮らすあらゆる空間の価値を向上させる「空間ソリューション」の一環で、地球環境にも配慮した“人と環境にやさしい”高質感内装化粧シートを開発・提供していきます。
モビリティ分野では、交通移動サービスと交通以外のサービスを連携し、地域住民や旅行者の移動の利便性向上や地域の課題を解決するMaaS(Mobility as a Service)が注目を集めています。DNPは他社と連携して、デジタル田園都市国家構想・三重広域連携モデル事業の運営に向けて一般社団法人三重広域DXプラットフォームを設立し、デジタル技術を活用した新たなまちづくり「美村(びそん)プロジェクト」を推進しています。地域の多様なデジタルサービスやイベント等との連携とマイナンバーカードの活用により、地域の魅力を住民や観光客等に体験してもらう「美村パスポートサービス」を2024年2月に開始しました。
高機能マテリアル分野では、高い耐久性と信頼性を備えた太陽電池モジュール向けのバックシートや封止材を提供して実績を重ねてきました。今回、両面採光型太陽電池モジュールの発電量を向上させる「DNP太陽光発電所用反射シート」の提供を開始しました。本製品は、両面で光を受けて発電するタイプの太陽電池モジュールが設置された発電所の地面に敷設するシートで、太陽光の反射能を向上させることでモジュールの裏面に入射する光を増加させて発電量を高める効果があります。両面採光型太陽電池モジュールの導入を検討している発電事業者や、太陽光発電所の設計・調達・建設等を手掛けるEPC(Engineering/Procurement/Construction)事業者、運用・メンテナンス等を手掛けるO&M(Operation & Maintenance)事業者等に本製品を提供し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
当部門に係る研究開発費は2,089百万円であります。
(3) エレクトロニクス部門
最先端のロジック半導体では極端紫外線(EUV)光源を用いるEUVリソグラフィによる生産が進んでいます。DNPは2023年に3ナノメートル世代のEUVリソグラフィ向けフォトマスク製造プロセスの開発を完了し、2024年度中に2台目と3台目のマルチ電子ビームマスク描画装置を稼働させるなど、2ナノメートル世代のEUVリソグラフィ向けフォトマスク製造プロセスの開発を本格化しています。更にRapidus株式会社がNEDOから受託した国プロ「高集積最先端ロジック半導体の製造技術開発」の再委託先として参画し、2025年度までに、EUVリソグラフィに対応した2ナノメートル世代のロジック半導体向けフォトマスクの製造プロセスの開発を完了し、2027年度の量産開始に向けて生産技術の確立を進めます。
自動運転車向けのLiDAR(Light Detection and Ranging:レーザー光を用いて対象物までの距離や対象物の形などを計測する技術)では、凍結や結露を防止して検出感度を向上させるために高い透過率と導電性を持つ薄膜が求められています。そこで、マイクロ波の照射により作製した銀の導電性繊維(銀ナノワイヤー)を用いて、高い透明性、導電性、耐久性、フレキシブル性を備えた透明導電フィルムを開発しました。自動運転用LiDARだけでなく、ディスプレイ分野における反射防止フィルムや液晶位相差フィルム等の機能性光学フィルムや、通信分野の電磁波シールドなどに新しい機能を提供していきます。
当部門に係る研究開発費は9,340百万円であります。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
DNPグループは、当連結会計年度において事業の成長と基盤構築のための投資を実施し、投資額は資産計上ベースで683億円となりました。主な設備投資として、市場成長性・魅力度が高い「成長牽引事業」である「デジタルインターフェース関連」や「半導体関連」などで工場や製造設備の増強を行いました。
セグメントごとの概況は次のとおりであります。
(1)スマートコミュニケーション部門
スマートコミュニケーション部門における設備投資額は245億円でありました。
紙メディア事業の合理化に向けて、製造拠点再編に向けての投資やコンテンツXRコミュニケーション拡大に向けた投資、アナログとデジタルの双方の特徴を生かしたハイブリット製造体制の構築に向けた投資を行いました。
(2)ライフ&ヘルスケア部門
ライフ&ヘルスケア部門における設備投資額は182億円でありました。
モビリティ関連に対する投資や、海外を含む各拠点の生産性向上・収益拡大に繋がる投資、および「新規事業」としてのメディカル・ヘルスケア事業の拡大に向けた投資を行いました。
(3)エレクトロニクス部門
エレクトロニクス部門における設備投資額は246億円でありました。
電子デバイス事業では、フォトマスクの最先端対応とメタルマスク・光学フィルムの生産増強を図るため、国内拠点だけでなく海外拠点も含めて、引き続き生産設備を導入しました。
2 【主要な設備の状況】
DNPグループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。
(1) 提出会社
2024年3月31日現在
(注)1.帳簿価額には建設仮勘定は含まれておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は工具器具備品及び無形固定資産(のれんを除く)の合計であります。
3.連結子会社へ貸与している資産が含まれております。
4.連結子会社へ貸与している資産であります。
5.上記の他、リース契約等による賃借設備として、製版用機器並びに事務用コンピュータ及び事務機器等があります。
(2) 国内子会社
2024年3月31日現在
(注)1.帳簿価額には建設仮勘定は含まれておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は工具器具備品、無形固定資産(のれんを除く)の合計であります。
3.北海道コカ・コーラボトリング㈱の札幌工場における従業員数は全て同社の連結子会社の従業員であるため、記載しておりません。
(3) 在外子会社
2024年3月31日現在
(注)1.帳簿価額には建設仮勘定は含まれておりません。
2.帳簿価額のうち「その他」は工具器具備品、無形固定資産(のれんを除く)及び使用権資産の合計であります。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当連結会計年度末現在において実施中及び計画中の重要な設備の新設、除却等の計画は以下のとおりであります。
(1) 新設等
(注)1.2021年3月に一部の設備について稼働を開始しております。
2.2024年度上期に主要な設備について稼働を開始しております。
(2) 除却等
経常的な設備の更新のための売却・除却を除き、重要な設備の売却・除却の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1)【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2)【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3)【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4)【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)自己株式の消却による減少であります。
(5)【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注)1.自己株式37,631,115株は「個人その他」に376,311単元が、また「単元未満株式の状況」に15株が含まれております。
2.「その他の法人」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が、15単元含まれております。
(6)【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(注)1.上記のほか、当社が実質的に所有している自己株式が37,631,115株あります。
2.「第一生命保険株式会社」については、上記のほかに退職給付信託に係る信託財産として設定した当社株式が1,882千株あります。
3.「株式会社みずほ銀行」については、上記のほかに退職給付信託に係る信託財産として設定した当社株式が2,229千株あります。
4.2017年3月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、ブラックロック・ジャパン株式会社が2017年3月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含めておりません。
なお、当社は2017年10月1日付にて株式併合(当社普通株式2株につき1株の割合で併合)を実施しておりますが、下記の所有株式数は株式併合前の株数を記載しております。
また、当社は2021年5月24日付、2023年3月20日付及び2024年3月19日付で、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却をそれぞれ実施し、発行済株式総数が合計で47,000,000株減少し、277,240,346株となっておりますが、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は、当該消却前の割合で記載しております。
大量保有報告書の内容は以下のとおりであります。
(7)【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注)1.「完全議決権株式(その他)」の「株式数」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の名義書換失念株式1,500株が含まれております。また、「議決権の数」の欄には、同株式に係る議決権の数15個が含まれております。
2.「単元未満株式」の「株式数」の欄には、自己株式が15株含まれております。
② 【自己株式等】
2024年3月31日現在
2 【自己株式の取得等の状況】
(1)【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2)【取締役会決議による取得の状況】
会社法第155条第3号による取得
(注)「当期間における取得自己株式」及び「提出日現在の未行使割合」には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの取得株式数は含めておりません。
(3)【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
(注)「当期間における取得自己株式」には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。
会社法第155条第13号による取得
(注)1.譲渡制限付株式報酬制度における無償取得によるものであります。
2.「当期間における取得自己株式」には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの無償取得
による株式数は含めておりません。
(4)【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)当期間における「保有自己株式数」には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの取締役会決議による取得並びに単元未満株式の買取り及び売渡しによる株式数は含めておりません。
3 【配当政策】
当社は、利益の配分については、株主の皆様へ安定的かつ継続的に行うことを基本とし、中長期の経営視点から、財務基盤の安定性を維持した上で、成長事業への投資と株主還元のバランスを考慮した上で、業績と配当性向などを総合的に勘案して実行していきます。また、将来の事業展開に備えて、適切な内部留保を確保し、経営基盤の強化を図ります。
内部留保資金につきましては、資金需要や市場動向をみながら、今後の新製品・新サービス・新技術の開発投資、新規事業展開のための設備投資、戦略的提携やM&A、それらを支える人材への投資などに充当していきます。こうした施策は将来にわたる利益の増大に寄与し、株主の皆様への利益還元に寄与するものと考えております。
この方針に基づき、当期の配当金については、期末配当金を1株当たり32円とし、中間配当金(1株当たり32円)とあわせて、年間配当金は64円となりました。
当社は会社法第454条第5項に定める中間配当をすることができる旨を定款に定めており、中間配当と期末配当との年2回の剰余金の配当を行っております。剰余金の配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンス体制の概要及びこの体制を採用する理由
DNPグループは、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念を掲げています。この理念のもと、中長期にわたり事業を安定的に拡大していくには、企業としての社会的責任を常に認識することが大切と考えており、「価値の創造」「誠実な行動」「高い透明性(説明責任)」の3つを企業が果たすべき責任と捉え、その実践に努めています。
健全な起業家精神に基づく様々なビジネスチャンスに果敢に挑戦するとともに、各ステークホルダーから信頼されることが、今後の事業競争力の向上に不可欠であるため、内部統制システムを含めたコーポレート・ガバナンスの充実は、経営上の重要課題と考えています。的確な経営の意思決定、それに基づく適正かつ迅速な業務執行、並びにそれらの監督・監査を可能とする体制を構築・運用するとともに、個々人のコンプライアンス意識を高めるための研修・教育を徹底しています。
このような基本的な考え方に基づき、当社では、監査役会設置会社の機関設計を採用しつつ、社外取締役や執行役員制度の導入に加えて、独立性を有する社外役員で構成される諮問委員会や、サステナビリティ推進委員会をはじめとした全社リスクを管理する任意の委員会を設置・運営することで、取締役会の適正性・機動性・柔軟性及び多様性を確保し、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資することができると考えています。
当社のコーポレート・ガバナンスの体制図は、以下のとおりです。
<体制図>

〔取締役会、監査役会〕
当社の取締役会は、多岐にわたる事業分野に関して、それぞれの専門的知識や経験を備えた取締役が、企業理念の実現に向けた経営の意思決定に参加し、責任と権限をもって職務を遂行するとともに、他の取締役の職務執行の監督を行うことのできる体制としています。原則として月1回開催され、必要に応じて執行役員が報告者として出席し、重要な経営課題について審議・決定しています。取締役会に付議する議案の基準については、法令及び定款に準拠して制定された取締役会規則で明確にしています。なお、その他の意思決定や業務執行については、組織規則等に基づき、取締役会で担当委任された各基本組織の担当取締役又は執行役員が組織長へ適切な権限委譲を実施することで、効率化を図っています。
当社は監査役会設置会社であり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有する監査役3名を含む5名から構成されます。各監査役は、取締役の職務執行について、監査役会の定める監査基準及び分担に従い監査を実施し、必要に応じて取締役及び執行役員等に対して、業務執行に関する報告を求めます。各監査役は取締役会に出席し、付議議案について必要な発言を行います。
当社には、社外取締役が4名、社外監査役が3名おり、全員が東京証券取引所及び当社の定める「独立性基準」を満たした独立役員です。独立役員が、それぞれが有する様々な専門的知識や経験に基づき、経営陣から独立した立場で、取締役会の付議議案に関して発言することを通じて、経営の透明性が確保できるとともに、一般株主の利益を保護することになるものと考えています。
<取締役会等の活動状況>
昨今の社会環境の急変に伴い、経営に影響を与える変動要素がますます多様かつ広範囲になってきていることから、当社取締役会は、このような状況においても適切にリスク評価したうえで中長期的な経営戦略に反映し、事業機会へと変換していくプロセスを強化することが、よりサステナブルな社会に貢献できると考え、諮問委員会における審議を経て、2022年3月にサステナビリティ推進委員会の組織改定を決議・設置し、代表取締役社長が委員長に就任しました。
●サステナビリティ推進委員会は、環境対応を中心に取り組んできた「サステナビリティ委員会」が機能強化
され、中長期的なリスクを管理し、事業機会の把握や経営戦略への反映を担います。
●BCM推進委員会は、「自然災害等の有事発生時でも、社員の安全を確保し生産活動を維持できるよう、
企業継続を担保する組織」として事業継続リスクへの対応を行います。
●企業倫理行動委員会は、「企業継続の基本となる社員のコンプライアンス意識の向上を図り、リスクの低減を
図る組織」として、一人ひとりの法令や社会倫理に基づく働き方を追求する活動につなげていきます。
この3つの委員会が互いに連携して当社の全社リスクを網羅し、サステナビリティ推進委員会を中心に経営のマテリアリティを定期的に検証して経営会議や取締役会で審議することで、当社の中長期的経営戦略に適切に反映していきます。
また、当社監査室は、「内部監査規程」に基づき、業務執行部門から独立した立場で、監査計画に則り、当社各基本組織及びグループ会社の内部監査及び指導を実施し、その進捗や結果を、当社取締役会に加え、個別に、代表取締役社長、当社監査役及び会計監査人に報告しています。
②取締役会全体の実効性評価
当社では、現状の取締役会の体制や活動状況に関する取締役・監査役の率直な意見を把握する機会として、2015年のコーポレートガバナンス・コード適用開始以降、毎年4月に取締役会全体の実効性評価を実施し、抽出された課題への対応状況を次年度に評価することを積み重ねることで、ガバナンスの一層の充実に努めています。全取締役・監査役に対して、以下の大項目に関する数十問の設問で構成するアンケート調査(現在は5段階評価、その他自由記述方式の設問)を行い、その結果を分析し、社外役員における分析結果のレビューを踏まえて、5月の取締役会において、今後の取り組み課題を共有しています。
アンケート内容は、社会の潮流を踏まえた設問となるよう、外部機関の標準的な設問等も参考に毎年見直しを行っています。なお、基本的な項目については維持することで、中長期的な取り組み課題への改善状況も評価できるようにしています。
毎年の評価フローについては、次の図のとおりです。これら一連の継続的プロセスは、取締役会全体の機能向上及び監督機能の強化につながるものと考えています。
(実効性評価フロー図)

2024年4月に実施した第9回実効性評価(2023年4月から2024年3月までの取締役会(計14回)を対象としたアンケート)は、一昨年(第8回)の実効性評価の結果に対する取り組み課題への対応状況や現在の中期経営計画の進捗に関する審議状況等を確認したほか、自由記述欄をさらに拡充しました。アンケート結果については、取締役会事務局が回収・分析した上で、社外役員が分析結果をレビューしました。
(主な分析結果の概要)
今回の実効性評価の結果から、当社取締役会は、資本政策を重視した現行の中期経営計画に基づき、着実に企業理念の実現に向けた監督機能を果たしていることが窺える一方、これまで以上に株主・投資家等の声に耳を傾けて、経営戦略に適切に反映させていくための取締役会の議論の在り方には課題が尽きないことも確認されています。なお、これまでの実効性評価における改善課題であった「社内外での役員間の情報格差への対応」に取り組んだ結果もあり、社内役員と社外役員の平均評価に有意な差は、ほとんど現れませんでした。
今回のアンケートの分析結果を踏まえた今後の取り組み方針ですが、以下の課題に取り組むことを、全取締役・監査役で共有しました。
(i)取締役会で決議・報告された重要な投資案件やIR活動状況等の進捗報告に関する一層のフォロー
(ii)社外役員と経営陣・社員間のコミュニケーション機会の継続
③責任限定契約の内容の概要
当社は、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役全員との間で会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項が定める損害賠償責任について、当社の取締役及び監査役として職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、同法第425条第1項が定める最低責任限度額を限度とする旨の責任限定契約を締結しています。
④役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、全ての取締役、執行役員及び監査役を被保険者とする役員等賠償責任保険契約を締結しており、保険料の全額を当社が負担しています。当該保険契約では、被保険者がその職務の執行(不作為を含みます)に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害賠償金や訴訟費用等が填補されます。ただし、違法な私的利益供与、犯罪行為等による損害については填補されない等の免責事由があります。その付保内容については、当社の事業規模及び役員の職務の執行の適正性へ与える影響等に鑑みて決定しています。
⑤会社の支配に関する基本方針
イ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者のあり方は、最終的には株主全体の意思に基づいて決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるか否かの判断についても、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えます。
しかし、当社株式の大量買付行為の中には、大量買付者のみが他の株主の犠牲の上に利益を得るような大量買付行為、株主が買付けに応じるか否かの判断をするために合理的に必要な期間・情報を与えない大量買付行為、大量買付け後の経営の提案が不適切である大量買付行為、大量買付者の買付価格が不当に低い大量買付行為等、株主共同の利益を毀損するものもあり得ます。
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方として、当社の企業理念を理解し、当社の様々なステークホルダーとの信頼関係を築きながら、企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることができる者でなければならないと考えます。したがって、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
ロ.会社の支配に関する基本方針の実現のための取り組み
当社は、当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主が適切な判断を行うために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の検討のために必要な時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法、及びその他関連法令に基づき、適宜適切な措置を講じます。また、取締役会の意見等の開示にあたっては、その内容の客観性を確保するため、社外役員で構成する独立した委員会に取締役会としての意見を諮問するとともに、同委員会の答申を最大限尊重します。
当社取締役会では、この取り組みに公正性・中立性・合理性が担保されていると考えますので、上記の基本方針に沿うものであり、また、株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しています。
⑥取締役会で決議できる株主総会決議事項
イ.自己の株式の取得
当社は、資本効率の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行のため、会社法第165条第2項により、取締役会の決議によって同条第1項に定める市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めています。
ロ.取締役の責任免除
当社は、取締役が期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、同法第423条第1項の取締役(取締役であった者を含みます。)の責任を、法令の限度において、取締役会決議によって免除することができる旨を定款で定めています。
ハ.監査役の責任免除
当社は、監査役が期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項の規定により、同法第423条第1項の監査役(監査役であった者を含みます。)の責任を、法令の限度において、取締役会決議によって免除することができる旨を定款で定めています。
ニ.中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元のため、取締役会決議によって毎年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して、会社法第454条第5項に定める金銭による剰余金の配当をすることができる旨を定款で定めています。
⑦取締役の定数
当社は、定款で取締役の定数を16名以内と定めています。
⑧取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、及び累積投票によらない旨を、定款で定めています。
⑨株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営のため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって決議を行う旨を定款で定めています。
<業務の適正を確保するための体制の整備についての決議の内容の概要及び当該体制の運用状況の概要>
会社法及び会社法施行規則に基づいて取締役会が決議した、当社の業務並びに当社及び当社子会社から成る企業集団(DNPグループ)の業務の適正を確保するための体制の整備の内容の概要及び当該体制の運用状況の概要は次のとおりです。
イ.DNPグループの取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
a.当社は、原則として月1回開催される取締役会において、DNPグループにおける重要な経営課題について意思決定を行うとともに、取締役の職務の執行を監督します。また、業務執行取締役で構成される経営会議を設置し、経営方針や経営戦略、またサステナビリティ推進委員会で検討される変動要素(中長期的な経営リスク)の総合的なマネジメント推進状況の審議を行います。さらに、取締役の報酬や候補者の指名等については、独立性を有する社外役員のみで構成される諮問委員会における助言・提言を得ることとし、取締役会はそれを尊重することとしています。
b.当社は、DNPグループの全ての役職員の行動の規範として制定した「DNPグループ行動規範」の徹底を図ります。
c.当社は、「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」に基づき、DNPグループのコンプライアンス体制における内部統制の統括組織として企業倫理行動委員会を設置し、コンプライアンスに関する体制を整備します。
d.当社は、業務執行部門から独立した内部監査部門として監査室を設置し、DNPグループの内部監査及び指導を行います。
e.当社は、DNPグループにおける内部通報の窓口である「オープンドア・ルーム」を社内外に設置し、また資材調達先及び業務委託先等社外からの情報提供の窓口である「コンプライアンス・ホットライン」を設置することにより、DNPグループの役職員の法令違反等に関する通報・情報を受け、その対応(通報者に対して不利な取扱いをしないことを含みます)を行います。
<運用状況の概要>
・当社取締役会は、独立性を有する社外取締役4名を含む11名(2024年3月末日時点)で構成され、当期は14回開催し、「取締役会規則」に基づき重要事項につき審議・決定を行うとともに、取締役の職務執行等を監督しました。また、経営会議を12回開催し、経営上の重要な案件について検討・審議を行いました。諮問委員会は5回開催し、取締役の報酬や候補者の指名のほか、サステナビリティ推進委員会で検討している当社マテリアリティの特定、女性経営リーダー育成を含む人的資本強化の施策といった重要な経営事項について審議し、助言・提言を行いました。
・「DNPグループ行動規範」をDNPグループの全ての役職員に配布するとともに、当社企業倫理行動委員会を中心に、新入社員研修などの階層別研修の機会を通じて、周知徹底を図っています。当社企業倫理行動委員会は、毎月1回以上開催し、DNPグループにおけるコンプライアンスに関する重要事項について適切に審議しています。また、国内外の社員が直接情報提供を行うことができる通報窓口を社内外に設置するとともに、資材調達先及び業務委託先等社外からの通報窓口も設置して、その周知・徹底を図り、適切に運営しています。当社監査室は、「内部監査規程」に基づき、業務執行部門から独立した立場で、監査計画に則り、当社各基本組織及びグループ会社の内部監査及び指導を実施し、その進捗や結果を、当社取締役会に加え、個別に、代表取締役社長、当社監査役及び会計監査人に報告しています。
ロ.当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
情報の保存及び管理について定めた規程等に従い、取締役の職務の執行に係る情報を文書又は電子文書に記録し、適切に保存・管理します。
<運用状況の概要>
取締役の職務の執行に係る情報については、「情報セキュリティ基本規程」並びに「文書管理基準」及び「電子情報管理基準」に従い、担当部門にて適切に保存・管理しています。
ハ.DNPグループの損失の危険の管理に関する規程その他の体制
DNPグループにおけるコンプライアンス、情報セキュリティ、環境、災害、人権、製品安全、インサイダー取引及び輸出管理等の経営に重要な影響を及ぼすリスクについては、各リスクに対応する組織において、規程等の整備並びに各基本組織及び各グループ会社に対する検査・指導・教育を実施し、リスクの低減及び未然防止に努めるとともに、リスク発生時には、速やかにこれに対応し、損失の最小化を図ります。また、定期的にリスクの棚卸しを行い、経営に重要な影響を及ぼす新たなリスクについては、速やかに対応すべき組織及び責任者を定めます。
<運用状況の概要>
当社に設置した各種委員会その他の本社各基本組織では、経営に重要な影響を及ぼすリスクを選定し、そのリスクに対応すべき組織及び責任者を定めており、そのリスクに対する評価・改善活動を実施し、そのリスクの未然防止に努めています。なお、社会環境の急変により経営に影響を与える変動要素が多様かつ広範囲となっている状況に的確に対応するため、「サステナビリティ推進委員会」が中長期的な経営リスクを管理し、事業機会の把握及び経営戦略への反映を担うとともに、事業継続リスク対応を担う「BCM推進委員会」及び社員の法令・社会倫理上のリスクを担う「企業倫理行動委員会」が互いに連携して当社の全社リスクを網羅し、経営のマテリアリティを定期的に検証しています。
ニ.DNPグループの取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
a.当社は、規程等で定める範囲において、業務執行取締役から各基本組織を担当する執行役員又は組織長へ適切な権限委譲を実施することにより、業務執行の効率化を図ります。
b.当社は、各グループ会社が制定・整備する規程等を通じて、DNPグループにおける効率的な業務執行体制の構築を図ります。
<運用状況の概要>
当社は、業務執行取締役の権限を、「組織規則」、「職務権限規程」、「稟議規程」その他の規程等に基づき、各基本組織を担当する執行役員又は組織長へ適切に委譲し、責任体制の明確化を図っています。各グループ会社においても、各社の事業内容、規模等に照らして制定された規程等に基づき、職務権限の整備が行われています。
ホ.その他DNPグループにおける業務の適正を確保するための体制
a.当社は、業務の適正を確保するための体制等の構築及び運用に関して、「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」及び「関係会社管理規程」を制定し、各グループ会社には、これらを基礎として、規程等を制定・整備するよう指導します。
b.各グループ会社には、前号の規程等に基づき、それぞれの事業内容・規模等を勘案して、親会社との事前協議事項又は事後報告事項を定めた規程等を自律的に整備させ、各グループ会社の取締役等の重要な職務執行に関する当社への報告体制を構築・運用させるとともに、その職務執行が、法令及び定款に適合すること及び効率的に行われることを確保します。なお、当社の上場子会社については、当該子会社の取締役会に一定数の社外役員が出席し、一般株主の利益保護を図るとともに、親会社である当社は、当該子会社の取締役会の意思決定を尊重することを「関係会社管理規程」で定めています。
c.DNPグループは、毎事業年度、当社各基本組織及びグループ会社における業務の適正を確保するための体制等の構築及び運用状況を確認するとともに、その内容を当社企業倫理行動委員会に報告します。
<運用状況の概要>
・各グループ会社は、当社の「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」及び「関係会社管理規程」を基礎として、本社各基本組織の指導のもと、各社の事業内容、規模等を踏まえた規程等を制定・整備しています。また、重要な意思決定については、当社との事前協議事項又は事後報告事項を定めた「稟議規程」等に基づき、当社との事前協議又は当社への事後報告を行っています。
・当社の上場子会社に対しては、一般株主の利益保護の観点から一定割合(1/3)以上の社外取締役を選任することを推奨し、取締役会における意思決定の客観性を高めるよう指導しています。
・当社各基本組織及び各グループ会社は、コンプライアンス体制における内部統制の整備・運用状況を確認し、当期末までに「部門確認書」として取り纏め、当社企業倫理行動委員会に報告しています。なお、当社の上場子会社については、各社が自律的に実施している取り組みが記載された「内部統制報告書」等の内容を、当社企業倫理行動委員会に報告しています。当社企業倫理行動委員会は、その結果について各法令等を主管する本社各基本組織に伝達し、本社各基本組織はその状況を確認し、必要に応じて、各基本組織及び各グループ会社に対して指導・教育を実施しています。
・当社監査室、当社企業倫理行動委員会、各専門の委員会その他の本社各基本組織は、当社各基本組織及び各グループ会社の内部統制の整備・運用状況について、監査もしくは検査、指導・教育を行っています。
ヘ.当社監査役の職務を補助すべき使用人に関する体制と当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役の職務を補助するため、監査役室を設置します。監査役室のスタッフは、当社監査役の指揮命令のもとに職務を執行しなければならないものとし、その人事考課、異動、懲戒等については、当社監査役会の同意を得るものとします。
<運用状況の概要>
当社は、取締役等の指揮命令から独立した監査役室のスタッフ2名(専任スタッフ1名、兼任スタッフ1名)を選任しています。当該スタッフに対しては、業務執行の実効性を確保するため、適切な調査・情報収集権限を付与しており、その人事考課、異動、懲戒等については、当社監査役会の同意を得ています。
ト.DNPグループの取締役及び使用人等が当社監査役に報告をするための体制及びその他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
a.当社監査役は、必要に応じて、いつでもDNPグループの役職員に対して、業務執行等に関する報告を求めることができるものとし、DNPグループの役職員は、法令及び規程等に定められた事項のほか、当社監査役から報告を求められた場合は、速やかに報告を行います。
b.当社監査役は、当社代表取締役社長及びグループ会社監査役との間で、それぞれ定期的又は随時に意見交換を行います。
c.当社監査役の職務の執行上必要と認める費用については、当社が負担するものとし、当社監査役会は、事前・事後に当社に請求できるものとします。
<運用状況の概要>
・当社監査役は、DNPグループの役職員から監査に必要な情報について適宜適切に報告を受けており、DNPグループに対する監査内容及びDNPグループにおける業務の適正を確保するための体制等の構築及び運用状況等については、当社監査室及び当社企業倫理行動委員会からそれぞれ定期的に報告を受けています。また、当社監査役は、「監査役監査基準」に基づき、内部通報における重要な情報が監査役にも提供されていること、及び通報を行ったことを理由として不利な取扱いを受けないことが確保されていることを確認しています。
・当社監査役は、当社代表取締役社長と定期的に意見交換を行い、グループ会社の監査役とは、適宜連絡会を開催しています。
・当社監査役の職務に関する費用は当社に必要と認められる範囲において当社負担としています。
(2) 【役員の状況】
①役員一覧
男性 15名 女性 2名 (役員のうち女性の比率 11.8%)
(注)1.代表取締役会長北島義俊は、2024年2月13日に逝去し退任しました。
2.取締役宮島司、田村良明、白川浩、杉浦宜彦は、社外取締役です。
3.常勤監査役森ヶ山和久、監査役石井妙子、市川育義は、社外監査役です。
4.当社は、取締役会の監督機能の強化と経営効率の向上を図るため、執行役員制度を導入しています。
「執行役員」は次のとおりです。
5.2024年6月27日開催の定時株主総会から1年です。
6.2023年6月29日開催の定時株主総会から4年です。
7.2021年6月29日開催の定時株主総会から4年です。
<大日本印刷株式会社 独立役員の独立性基準>
以下のいずれにも該当せず、当社の経営陣から独立した中立の存在でなければならない。
イ.当社及び当社の関係会社(以下、総称して「当社グループ」)の業務執行者(過去10年前から現在までに該当する者。なお、過去10年間において、当社グループの非業務執行取締役又は監査役であったことがある者については、当該取締役又は監査役への就任の前10年間において業務執行者に該当する者を含む。)
ロ.当社グループを主要な取引先((注)当社グループに製品又はサービスを提供する取引先グループ〔直接の取引先が属する連結グループに属する者〕であって、当社グループに提供する製品又はサービスの取引金額が当該取引先グループの直近事業年度における連結年間売上高もしくは総収入金額の2%の額を超える者)とする者又はその業務執行者
ハ.当社グループの主要な取引先((注)当社グループが製品又はサービスを提供する取引先グループであって、当社グループから当該取引先グループに対する製品又はサービスの取引金額が、当社グループの直近事業年度における連結年間売上高の2%の額を超える者)又はその業務執行者
ニ.当社グループの主要な借入先((注)当社グループの直近事業年度における連結総資産の2%を超える貸付を行っている者)又はその業務執行者
ホ.当社グループから役員報酬以外に多額の金銭その他の財産((注)当社グループから、役員報酬以外に、直近事業年度において、年間1,000万円又はその者の売上高もしくは総収入金額の2%のいずれか高い方の額を超える財産)を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家(当該財産を得ている者が団体である場合は、当該団体に所属する者)
ヘ.当社の主要株主(総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者)又はその業務執行者
ト.当社グループが大口出資者(総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者)となっている者の業務執行者
チ.当社の法定監査を行う監査法人に所属する者
リ.最近(1年以内)において、上記ロ.からチ.に該当していた者
ヌ.上記イ.からホ.までのいずれかに掲げる者(重要でない者を除く。)の近親者(二親等内の親族)
ル.社外役員の相互就任の関係にある先の業務執行者(過去10年前から現在までに該当する者)
ヲ.当社が寄付((注)直近3事業年度の平均で年間1,000万円又は寄付先の年間総収入金額の2%のいずれか高い方の額を超える寄付)を行っている先又はその業務執行者(過去10年前から現在までに該当する者)
(3) 【監査の状況】
①監査役監査の状況
イ.組織・人員
a.当社は、監査役会設置会社であり、常勤監査役2名、常勤社外監査役1名、非常勤社外監査役2名の合計5名で構成されています。
なお、各監査役の経験等は次のとおりです。
b.監査役会は、監査役の職務を補助するために監査役室を設置し、専任スタッフ1名及び兼任スタッフ1名の計2名を配置するとともに、当該スタッフに対して適切な調査・情報収集権限を付与しています。
ロ.監査役会の活動状況
a.各監査役は、監査役会の定める監査基準及び期初の監査役会において決定した監査方針、監査方法、職務分担に基づき、年間を通じて監査活動を行っています。
当事業年度においては、Web会議システムを使用したヒアリングを一部で実施しましたが、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行したことを踏まえ、国内事業所、海外事業所ともに対面でのヒアリング・往査をメインとして実施し、現地・現物の確認と把握に重点を置いた活動に努めました。
b.監査役会は、年度計画に基づき、取締役会開催に先立ち月次で開催するほか、単独でも開催しています。
さらに必要に応じて適宜開催いたします。当事業年度は合計19回開催いたしました。
なお、個々の監査役の出席状況は次のとおりです。
(注) 星野 尚樹、佐野 敏夫及び松浦 恂は、2023年6月29日開催の第129期定時株主総会終結の時をもって、退任いたしました。
c.当事業年度における監査役会での主な議題は以下のとおりであり、議題に応じて、協議、審議、執行部門への要請事項の検討、意見表明等を行っております。
・決議事項として、監査方針、重点監査項目、監査方法、職務分担、監査役監査基準、会計監査人の評価及び再任・不再任、監査報告書案等
・報告及び協議事項として、会計監査人監査計画及び監査結果、「監査上の主要な検討事項(KAM)」について会計監査人の検討状況、常勤監査役活動状況及び監査結果、監査室による監査結果、企業倫理行動委員会等からの報告事項等
・執行部門への職務執行状況の聴取
・会計監査人又は監査室との意見交換会及び両者を交えた三者による意見交換会
ハ.監査役の活動状況
a.監査役は、取締役会及び同議案事前説明会に出席し、議事運営・決議内容・手続き等を監査し、必要に応じて意見表明を行っています。
なお、当事業年度における個々の監査役の取締役会の出席状況は次のとおりです。
b.監査役は、会計監査人から期初に監査計画の説明を受け、期中に適時監査状況を聴取し、期末に監査結果の報告を受ける等、緊密な連携を図っています。また、常勤監査役は重要な子会社を含む、会計監査人による期中・期末監査講評及び棚卸への立会いを適宜実施しています。
監査上の主要な検討事項(KAM)については、前年度までの監査結果及び期中の監査を通じて、会計監査人が候補とした事項、その理由及び監査手続きについて適宜説明を受け、意見交換を行いました。それらの過程を経て、最終的に会計監査人が特に重要であると判断した事項がKAMとして決定されました。
c.常勤監査役は、監査役の協議によって決定した担当部門について、単独または共同で本社部門からの定例報告の受領、取締役・執行役員・事業部長・本社部長へのヒアリング、子会社への往査、必要と判断した社内会議への出席等を行い、執行部門の職務執行状況を確認するとともに、意見交換や所感表明を行っています。当事業年度における主な実施状況は以下のとおりです。
・監査室からの監査報告書の受領、監査室との定期連絡会の開催及び監査室と被監査部門との意見交換会への立会い
・サステナビリティ推進委員会事務局、企業倫理行動委員会事務局等、主要な本社部門からの定期的な報告の聴取
・本社及び事業部の担当取締役又は執行役員、本社部門長、国内子会社・海外子会社及び工場・事業所へのヒアリング・往査
・企業倫理行動委員会へのオブザーバー参加他、社内会議への出席等
d.常勤監査役は、国内グループ各社の常勤監査役との連携と監査実施内容の共有化等によるグループベースでの監査役監査の充実を目的としたグループ監査役連絡会を主催しており、同会には会計監査人も出席して意見交換を行っております。当事業年度においては3回実施しました。
e.監査役と代表取締役社長は年2回意見交換会を実施しています。
1回は監査役全員が、個々人の所見に基づく提言や意見表明を行いました。1回は常勤監査役全員が、1年間の監査結果を踏まえた監査所見に基づく提言や意見交換を行いました。
f.独立社外監査役は、独立社外取締役とともに、定例開催される社外役員連絡会に出席し、法務部担当取締役及び取締役会事務局に対して、取締役会の運営等に関する提言・意見表明を行っています。
g.独立社外監査役の石井 妙子は、2023年6月まで諮問委員会の委員を務め、専門的知見を活かした助言・意見表明を行いました。
②内部監査の状況
当社では、的確な経営の意思決定、適正かつ迅速な業務執行、並びにそれらの検査及び監査を可能とする体制を維持していくため、企業倫理行動委員会(事務局人員:内部統制チーム15名を含め、本務23名)が、財務報告の内部統制やコンプライアンス体制を推進するための内部統制統括組織として、「DNPグループ・コンプライアンス管理基本規程」に基づき業務執行部門を検査、指導し、運用状況等について定期的に監査役へ報告しています。また、監査室(人員:12名)が、「内部監査規程」に基づき会計監査・業務監査を実施し、監査役へ実施状況を報告することで、業務の適正を確保しています。なお、企業倫理行動委員会及び監査室は、それぞれの活動状況・監査結果に関して、適宜会計監査人と連携するとともに、取締役会に直接報告しています。
③会計監査の状況
イ.監査法人の名称
アーク有限責任監査法人
ロ.業務を執行した公認会計士
澁谷 徳一
長﨑 善道
海老澤 弘毅
ハ.監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 8名、その他 25名
ニ.継続監査期間
1983年5月期~
ホ.監査法人の選定方針と理由、監査役及び監査役会による監査法人の評価内容
当社は監査法人を選定するにあたり、その監査体制、独立性、監査品質、品質管理、監査業務の執行状況等を総合的に判断しています。
アーク有限責任監査法人は、職業的専門家としての知識・技能を持った独立性の高い監査チームを組織し、当社の業務内容・事業環境や会計方針に精通した上で、適正かつ厳格な監査業務を遂行していることから、監査役会は、当社の会計監査人として適切と考えています。
へ.会計監査人の解任又は不再任の決定の方針
当社監査役会は、会計監査人の監査体制、独立性、監査品質、品質管理、監査業務の執行状況等を総合的に判断し、適正な監査の遂行が困難であると認められる場合、会社法第344条に基づき会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定し、当社取締役会は、当該決定に基づき、当該議案を株主総会に提出いたします。
また、当社監査役会は、会社法第340条に基づき会計監査人を解任することができるものとし、この場合、当社監査役会が選定した監査役は、解任後最初に招集される株主総会において、会計監査人を解任した旨及びその理由を報告いたします。
④監査報酬の内容等
イ.監査公認会計士等に対する報酬の内容
ロ.監査公認会計士等と同一のネットワーク(KRESTON International)に対する報酬(イ.を除く)
該当事項はありません。
ハ.その他重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
ニ.監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
当社における非監査業務の内容は、合意された手続業務です。
ホ.監査報酬の決定方針
当社の監査報酬の決定方針は、監査予定日数、会社規模等を総合的に勘案の上、決定しております。
ヘ.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社監査役会は、取締役、社内関係部署及び会計監査人からの必要な資料の入手や報告の聴取を通じて、会計監査人の監査計画の内容、従前の事業年度における職務執行状況や報酬見積の算出根拠などを検討した結果、会計監査人の報酬等について会社から提出された報酬案に同意しました。
(4) 【役員の報酬等】
〔取締役及び監査役の報酬等についての株主総会の決議に関する事項〕
当社取締役及び監査役の報酬は、株主総会で決議された報酬限度額内で算定しています。
※決議がされた時点において、その定めの対象とされていた員数
〔取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項〕
当社取締役会は、客観的な報酬市場データを参考に水準を設定し、独立社外役員(社外取締役2名、社外監査役1名。なお、2023年6月から社外取締役3名の構成に変更)のみで構成する諮問委員会の審議・検討を経た上で、その検討内容を尊重して、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針(以下「決定方針」といいます)を決議しています。当事業年度における決定方針は、2023年4月17日開催の取締役会で決議しています。
当事業年度においては、取締役会で各人別の報酬額の具体的内容の決定を代表取締役社長北島義斉に委任する旨の決議をし、受任した同氏がこれを決定しています。これらの権限を取締役会が委任した理由は、当社全体の業績を俯瞰しつつ各取締役の担当職務の評価を行うには、代表取締役社長が最も適しているからです。
当社は、代表取締役社長が委任を受けた権限を適切に行使するよう、諮問委員会において決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行った上で、代表取締役社長がその検討内容を踏まえ、取締役の個人別の報酬等の内容を決定しています。
当社取締役会は、上記のとおり、諮問委員会における決定方針との整合性を含めた多角的な検討を経て取締役の個人別の報酬額を決定していることから、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容は、決定方針に沿うものであると判断しています。
当事業年度における決定方針の概要は以下のとおりです。
①業務執行取締役の報酬
業務執行取締役の報酬は、 イ.固定報酬、 ロ.賞与及び ハ.株式報酬により構成されます。
(a)固定報酬と(b)賞与及び株式報酬の構成比率は、「(a)固定報酬 55%」:「(b)賞与及び株式報酬 45%」を目安とします。
また、報酬全体に占める株式報酬の割合は、12%を目安とします。なお、これらは、業績連動報酬としての目標を達成した場合における割合となります。
(当事業年度における報酬イメージ)

固定報酬、賞与及び株式報酬の額又は数の決定方針は、以下のとおりです。
イ. 固定報酬:固定報酬は、客観的な報酬市場データを参考としつつ、役位を基準として、担当する職務、責任等の要素を勘案して決定するものとします。固定報酬は、毎月支給します。
ロ. 賞与:賞与は、「連結営業利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」及び「ROE」を指標として、主として当事業年度の貢献度等を勘案して決定するものとします。賞与は、各事業年度の終了後において、当該事業年度の業績を基礎として算定した上で支給します。
ハ. 株式報酬:株式報酬は、中長期的な企業価値向上に向けたインセンティブを高めること、取締役が株式を保有することにより株主との利益共有を図ることを目的として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。
業務執行取締役に割り当てる株式については、退任時まで譲渡制限を付すものとします。譲渡制限が解除される株式の数の算定方法については、(a)一定期間継続して当社の取締役であったことを条件(在任条件)とする部分と、(b)中長期的な経営目標の達成のインセンティブとするべく、3か年の中期経営計画と連動することとし、中期経営計画の目標として設定される指標(現行の指標としては、連結営業利益及びROE)の達成を条件(業績条件)とする部分につき、それぞれ設定しています。将来的には、連結営業利益及びROEに加え、非財務指標(環境指標等)の導入も検討していきます。
業務執行取締役は、当社から支給された金銭債権の全部を現物出資財産として当社に給付し、当社の普通株式について発行又は処分を受けることとなります。
株式報酬として発行又は処分される当社の普通株式の総数は、年30万株以内(ただし、当社の普通株式の株式分割(当社の普通株式の無償割当てを含みます)又は株式併合が行われた場合その他譲渡制限付株式として発行又は処分される当社の普通株式の総数の調整が必要な事由が生じた場合には、当該総数は合理的に調整されます)とし、その1株当たりの払込金額は、各取締役会決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社の普通株式の終値(同日に取引が成立していない場合は、それに先立つ直近取引日の終値)を基礎として当該普通株式を引き受ける業務執行取締役に特に有利な金額とならない範囲において、取締役会において決定します。
また、当社の普通株式の発行又は処分並びにその現物出資財産としての金銭債権の支給にあたっては、当社と業務執行取締役との間で、①当社又は当社子会社の役職員を退任又は退職するまでの期間、株式報酬として割り当てられた当社の普通株式の譲渡、担保権の設定その他の処分をしてはならないこと、②「業績条件」を設定した株式報酬として割り当てられた株式について、当該業績条件を達成することができなかった場合、全部又は一部について譲渡制限を解除せず、予め決定する時期に当社が無償取得すること、③その他一定の事由が生じた場合には当社が無償取得すること等を含む譲渡制限付株式割当契約を締結することを条件とします。
●業績連動報酬等に関する事項
業績連動報酬等に係る業績指標及び算定方法は、上記「取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項」①に記載のとおりです。「賞与」の「連結営業利益」の指標は、当事業年度の連結業績予想である670億円としています。「株式報酬の業績条件型」とする部分の「連結営業利益」の指標は、中期経営計画の目標達成を意識づけることを目的として、中期経営計画期間と合わせて、評価期間を3年に設定の上、2023年度を初年度とする中期経営計画の最終年となる2025年度の「連結営業利益」目標である850億円としています。また、「親会社株主に帰属する当期純利益」及び「ROE」の各指標の目標は、「親会社株主に帰属する当期純利益」880億円、「ROE」8.0%です。実績は「連結営業利益」754億円、「親会社株主に帰属する当期純利益」1,109億円、「ROE」9.8%となりました。
当該指標を選択した理由は、事業年度の連結業績及び中期経営計画の達成状況を業績連動報酬に明確に反映させるためです。
②社外取締役の報酬
社外取締役については、業務執行から独立した立場を確保する観点から、業績との連動は行わず、固定報酬のみとします。
③監査役の報酬
監査役については、その役割と独立性の観点から、業績との連動は行わず、固定報酬のみとし、株主総会で決議された報酬限度内で、監査役の協議により決定します。
〔役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数〕
(注)1.賞与は、当事業年度に係る賞与として支払い予定の額であります。
2.当事業年度末現在の人員は、取締役(社外取締役を除く)7名、監査役(社外監査役を除く)2名、社外役員7名であります。
〔役員ごとの連結報酬等の総額等〕
(注)1.連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しております。
2.賞与は、当事業年度に係る賞与として支払い予定の額であります。
3.取締役北島義俊氏は、2024年2月13日に逝去し、退任しました。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、株式価値の変動や配当金の受領により、利益を得ることを目的とする純投資目的の投資株式は保有しておりません。当社が取得する投資株式は、営業政策上の得意先との関係強化や、新技術・新製品の共同開発先との連携強化を目的としており、純投資目的以外の目的である投資株式に区分して保有しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
保有する個々の株式については、保有先との取引状況の推移、保有先の業績動向、当社の事業の状況や中長期的な経済合理性・将来の見通しを踏まえて具体的に精査し、保有の意義・目的について、定期的に検証を行っています。その結果、保有の意義がないと判断した株式については、売却を進めています。
当事業年度においては、下記に記載のとおり、28銘柄の株式数が減少しました。
ロ.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
ハ.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注)1.貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
2.定量的な保有効果の記載については、取引契約書上の問題等があり差し控えさせていただきます。保有の合理性は、保有先との取引状況の推移、保有先の業績動向、当社の事業の状況や中長期的な経済合理性・将来の見通しを踏まえて具体的に精査し、保有の意義・目的について、定期的に検証しております。
3.当社株式の保有の有無において、当該銘柄が持株会社の場合には、持株会社及び主要な子会社の当社株式の保有状況を確認しております。
4.「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。「*」は、当該銘柄の貸借対照表計上額が当社の資本金額の100分の1以下であり、かつ貸借対照表計上額の大きい順の60銘柄に該当しないため記載を省略していることを示しております。
5.東京応化工業㈱は、2024年1月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割しております。
6.㈱ヤクルト本社は、2023年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割しております。
7.森永製菓㈱は、2024年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割しております。
8.信越化学工業㈱は、2023年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割しております。
9.㈱マツキヨココカラ&カンパニーは、2023年10月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割しております。
10.三井住友トラスト・ホールディングス㈱は、2024年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割しております。
11.東海旅客鉄道㈱は、2023年10月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割しております。
12.㈱セゾン情報システムズは、2024年4月1日付で㈱セゾンテクノロジーへ商号を変更しております。
みなし保有株式
(注)1.貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
2.当社株式の保有の有無において、当該銘柄が持株会社の場合には、持株会社及び主要な子会社の当社株式の保有状況を確認しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)に基づいて作成しております。
(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、アーク有限責任監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っております。
具体的には、公益財団法人財務会計基準機構に加入し、同機構の行う研修に参加すること等で、会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備しております。
1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1.連結の範囲に関する事項
(1)連結子会社の数 111社
連結子会社名は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しているため省略しております。
当連結会計年度より、株式取得等に伴いシミックCMO㈱他6社を新たに連結の範囲に含めております。
また、合併による消滅等に伴い3社を連結の範囲から除外しております。
(2)主要な非連結子会社の名称等
㈱DNPテクノリサーチ
(連結の範囲から除いた理由)
非連結子会社は、いずれも小規模であり、合計の総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等は、いずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないためであります。
2.持分法の適用に関する事項
(1)持分法を適用した関連会社の数 19社
主要な持分法適用会社はBIPROGY㈱、ブックオフグループホールディングス㈱、教育出版㈱、
DICグラフィックス㈱、Photronics DNP Mask Corporation、MK Smart Joint Stock Company、
Photronics DNP Mask Corporation Xiamenであります。
当連結会計年度より、株式取得等に伴い2社を新たに持分法の適用範囲に含めております。
また、清算結了等に伴い2社を持分法の適用範囲から除外しております。
(2)持分法を適用していない非連結子会社及び関連会社のうち主要な会社の名称等
㈱DNPテクノリサーチ
(持分法を適用していない理由)
持分法を適用していない非連結子会社及び関連会社は、それぞれ当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等からみて、持分法の対象から除いても連結財務諸表に及ぼす影響が軽微であり、かつ全体としても重要性がないためであります。
(3)持分法の適用の手続について特に記載する必要があると認められる事項
持分法適用会社のうち、決算日が連結決算日と異なる会社については、主として各社の事業年度に係る財務諸表を使用しております。
3.連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社のうち、北海道コカ・コーラボトリング㈱他33社の決算日は12月31日、丸善CHIホールディングス㈱他18社の決算日は1月31日でありますが、連結財務諸表の作成にあたってはそれぞれ同日現在の財務諸表を使用しております。
また、㈱インテリジェント ウェイブの決算日は6月30日、シミックCMO㈱他4社の決算日は9月30日、DNP田村プラスチック㈱他1社の決算日は10月31日、㈱DNP・SIG Combiblocの決算日は12月31日であり、それぞれ仮決算に基づく財務諸表を使用しております。
上記の決算日または仮決算日と連結決算日との間に生じた重要な取引については、連結上必要な調整を行っております。
4.会計方針に関する事項
(1)重要な資産の評価基準及び評価方法
イ.有価証券
満期保有目的の債券
償却原価法(定額法)
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は主として移動平均法により算定しております。)
市場価格のない株式等
主として移動平均法による原価法
ロ.デリバティブ
主として時価法
ハ.棚卸資産
貸借対照表価額については、収益性の低下による簿価切下げの方法により算定しております。
(2)重要な減価償却資産の減価償却の方法
イ.有形固定資産(リース資産及び使用権資産を除く)
当社及び国内連結子会社は、主として定率法を採用しております。
ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法を採用しております。
また、取得価額が10万円以上20万円未満の資産については、主として3年間で均等償却する方法を採用しております。
在外連結子会社は、主として定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
ロ.無形固定資産(リース資産及び使用権資産を除く)
主として定額法を採用しております。
なお、自社利用のソフトウエアについては、主として社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法を採用しております。
ハ.リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用しております。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
ニ.使用権資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
(3)重要な引当金の計上基準
イ.貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
ロ.賞与引当金
従業員に対して翌連結会計年度に支給する賞与のうち、当連結会計年度に負担すべき支給見込額を計上しております。
ハ.補修対策引当金
一部の製品に生じた不具合に対して、今後必要と見込まれる補修対策費用を合理的に見積もり、支払見込額を計上しております。
(4)退職給付に係る会計処理の方法
イ.退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
ロ.数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数(主として9年)による定率法により計算した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理しております。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数(主として6年)による定額法により費用処理しております。
(5)重要な収益及び費用の計上基準
当社及び連結子会社の顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりであります。
イ.主要な事業における主な履行義務の内容
当社及び連結子会社の主な履行義務は、「スマートコミュニケーション部門」、「ライフ&ヘルスケア部門」、「エレクトロニクス部門」の各部門における、製品及び商品の販売、サービスの提供等であります。各部門における具体的な商材は「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりであります。
ロ.当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)
① 製品及び商品の販売
国内の製品及び商品の販売については、主に「収益認識に関する会計基準の適用指針」第98項に定める代替的な取扱いを適用し、出荷時から当該製品及び商品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合については、出荷基準で収益を認識しております。製品及び商品の輸出販売については、顧客との契約に基づいた貿易条件により、当該製品及び商品に対する危険負担が移転した時点で顧客が支配を獲得するため、当該時点で履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。また、一部の連結子会社(スマートコミュニケーション部門)における店舗での商品販売については、顧客に商品を引き渡した時点で顧客が支配を獲得するため、当該時点で履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。
② サービスの提供
サービスの提供については、履行義務が一時点で充足される場合には、サービスの提供を顧客が検収した時点で、当該履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。また、履行義務が顧客との契約により契約期間の一定期間にわたり充足される場合には、時の経過に伴い当該履行義務が充足されると判断し、契約期間にわたって均等按分し収益を認識しております。
(6)重要な外貨建の資産又は負債の本邦通貨への換算の基準
外貨建金銭債権債務は、連結決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。なお、在外子会社等の資産及び負債は、在外子会社の決算日の直物為替相場により円貨に換算し、収益及び費用は期中平均相場により円貨に換算し、換算差額は純資産の部における為替換算調整勘定及び非支配株主持分に含めております。
(7)重要なヘッジ会計の方法
イ.ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しております。
なお、為替予約については振当処理の要件を満たしている場合は振当処理によっております。
ロ.ヘッジ手段とヘッジ対象
ハ.ヘッジ方針
当社及び連結子会社の市場リスクに係る社内規程に基づき、為替変動リスクをヘッジしております。
ニ.ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ対象とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計を比較し、両者の変動額等を基礎にして、ヘッジ有効性を評価しております。
(8)のれんの償却方法及び償却期間
のれんについては、20年以内のその効果の発現する期間にわたって定額法により償却することとしております。
(9)連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなります。
(重要な会計上の見積り)
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.補修対策引当金
(1) 当連結会計年度に計上した金額 27,056百万円
(2) その他の情報
当社グループは、補修対策費用の引当金を認識しております。
この引当金は、一部の壁紙製品に生じた不具合に対して科学的検証・分析を実施し、将来に発生が見込まれる補修対策費用として、必要な金額を合理的に見積っております。
見積り計算は補修単価及び補修数量を基礎として行っておりますが、補修単価については、過去の補修工事価格を基に今後の人件費、材料費等の変動リスクを加味しております。また、補修数量については、対象となり得る製品の生産数量を基に今後補修が必要となる数量を見積っております。
このため、人件費、材料費等の価格変動、今後の不具合発生状況等によって影響を受ける可能性があります。
実際の支払額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
2.繰延税金資産
(1) 当連結会計年度に計上した金額 42,579百万円
(2) その他の情報
繰延税金資産は、将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、事業計画等に基づく将来の課税所得等によって回収される可能性が高い範囲内で認識しており、その時期及び金額を合理的に見積り算定しております。
当社グループでは繰延税金資産の金額を算出するにあたって、取締役会が承認する事業計画を基礎として見積りを行っております。新型コロナウイルス感染症や地政学リスクが及ぼす経営環境への影響を正確には見通せない状況ですが、その影響は一定期間続くとの仮定に基づき会計上の見積りを行っております。
当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.補修対策引当金
(1) 当連結会計年度に計上した金額 7,157百万円
(2) その他の情報
当社グループは、補修対策費用の引当金を認識しております。
この引当金は、一部の壁紙製品に生じた不具合に対して科学的検証・分析を実施し、将来に発生が見込まれる補修対策費用として、必要な金額を合理的に見積っております。
見積り計算は補修単価及び補修数量を基礎として行っておりますが、補修単価については、過去の補修工事価格を基に今後の人件費、材料費等の変動リスクを加味しております。また、補修数量については、対象となり得る製品の生産数量を基に今後補修が必要となる数量を見積っております。
このため、人件費、材料費等の価格変動、今後の不具合発生状況等によって影響を受ける可能性があります。
実際の支払額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
2.繰延税金資産
(1) 当連結会計年度に計上した金額 52,284百万円
(2) その他の情報
繰延税金資産は、将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、事業計画等に基づく将来の課税所得等によって回収される可能性が高い範囲内で認識しており、その時期及び金額を合理的に見積り算定しております。
当社グループでは繰延税金資産の金額を算出するにあたって、取締役会により承認された事業計画を基礎として見積りを行っております。地政学リスクが及ぼす経営環境への影響を正確には見通せない状況ですが、その影響は一定期間続くとの仮定に基づき会計上の見積りを行っております。
当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
(連結貸借対照表関係)
※1.担保提供資産及び担保付債務
※2.非連結子会社及び関連会社に対するものは、次のとおりであります。
3.受取手形割引高
※4.流動負債及び固定負債のその他のうち、契約負債の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係) 3.(1)契約資産及び契約負債の残高等」に記載しております。
(連結損益計算書関係)
※1.顧客との契約から生じる収益
売上高には、顧客との契約から生じる収益とそれ以外の収益を含めておりますが、そのほとんどが顧客との契約から生じる収益であり、それ以外の収益に重要性はないため、区分表示しておりません。
※2.販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は、次のとおりであります。
※3.販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費
なお、当期製造費用に含まれる研究開発費はありません。
※4.固定資産売却益の内訳
※5.固定資産売却損の内訳
※6.補修対策引当金戻入額
当連結会計年度末までに想定している全ての補修数量の9割を超える工事が完了しましたが、人件費、材料費等の価格変動、不具合発生状況等による影響で、実際の支払額が見積りと異なったため、補修対策引当金戻入額を計上しております。
※7.減損損失
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当社グループは以下の資産グループについて減損損失を計上しております。
当社グループは、減損損失の算定にあたり、主として損益の単位となる事業グループを基準に資産のグルーピングを行っております。また、遊休資産については個別物件ごとに減損の検討を行っております。
この結果、収益性が低下した事業用資産グループ、使用見込がない遊休資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失(6,286百万円)として特別損失に計上しております。
その内訳は、建物及び構築物2,273百万円、機械装置及び運搬具966百万円、土地118百万円、のれん194百万円、ソフトウエア1,495百万円、その他1,239百万円であります。
収益性が低下した資産の回収可能価額は、使用価値又は正味売却可能価額により測定しております。使用価値により測定している資産については、主として今後の営業活動から生じるキャッシュ・フローが見込めないため零として評価しております。正味売却可能価額により測定している資産については、売却予定価額等により算定しております。なお、閉鎖・移転を計画している拠点については、拠点の閉鎖・移転時に不要となる資産の帳簿価額をそれぞれ減額しております。
遊休資産の回収可能価額については、正味売却価額により測定しており、正味売却価額については不動産鑑定等を基準として算定しておりますが、売却価額の算定が困難な遊休資産については、帳簿価額を備忘価額まで減額しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当社グループは以下の資産グループについて減損損失を計上しております。
当社グループは、減損損失の算定にあたり、主として損益の単位となる事業グループを基準に資産のグルーピングを行っております。また、遊休資産については個別物件ごとに減損の検討を行っております。
この結果、収益性が低下した事業用資産グループ、使用見込がない遊休資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失(38,263百万円)として特別損失に計上しております。
その内訳は、建物及び構築物15,669百万円、機械装置及び運搬具3,901百万円、土地3,091百万円、建設仮勘定818百万円、のれん1,157百万円、ソフトウエア9,963百万円、その他3,660百万円であります。
収益性が低下した資産の回収可能価額は、使用価値又は正味売却価額により測定しております。使用価値により測定している資産については、主として今後の営業活動から生じるキャッシュ・フローが見込めないため零として評価しております。正味売却価額により測定している資産については、不動産鑑定等を基準として算定しております。なお、閉鎖・移転を計画している拠点については、拠点の閉鎖・移転時に不要となる資産の帳簿価額をそれぞれ減額しております。
遊休資産の回収可能価額については、正味売却価額により測定しており、正味売却価額については売却予定価額等により算定しておりますが、売却価額の算定が困難な遊休資産については、帳簿価額を備忘価額まで減額しております。
(連結包括利益計算書関係)
※ その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注)1.普通株式の発行済株式総数の減少25,000千株は、自己株式の消却による減少25,000千株であります。
2.普通株式の自己株式の株式数の増加7,619千株は、取締役会決議による自己株式の取得による増加7,616千株、単元未満株式の買取りによる増加3千株であります。
3.普通株式の自己株式の株式数の減少25,070千株は、自己株式の消却による減少25,000千株、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少70千株、持分法適用関連会社に対する持分率の変動による減少0千株であります。
2.配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注)1.普通株式の発行済株式総数の減少15,000千株は、自己株式の消却による減少15,000千株であります。
2.普通株式の自己株式の株式数の増加21,968千株は、取締役会決議による自己株式の取得による増加21,954千株、譲渡制限付株式報酬制度における自己株式の無償取得による増加10千株、単元未満株式の買取りによる増加3千株であります。
3.普通株式の自己株式の株式数の減少15,051千株は、自己株式の消却による減少15,000千株、譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分による減少51千株、単元未満株式の売渡しによる減少0千株、持分法適用関連会社に対する持分率の変動による減少0千株であります。
2.配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※ 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
(リース取引関係)
1.ファイナンス・リース取引
重要性が乏しいため、記載は省略しております。
2.オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当社グループは、資金運用については、安全性の高い金融資産で運用しており、資金調達については、銀行からの借入や社債の発行により必要な資金を調達しております。デリバティブ取引は、後述するリスクを回避するために利用しており、投機目的のためのデリバティブ取引は行わないこととしております。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
営業債権である受取手形及び売掛金は、顧客の信用リスクに晒されております。また、その一部には輸出に伴う外貨建てのものがあり、為替の変動リスクに晒されております。有価証券及び投資有価証券は、主として株式であり、市場価格の変動リスクに晒されております。
営業債務である支払手形及び買掛金は、ほとんど1年以内の支払期日であります。また、その一部には、原料等の輸入に伴う外貨建てのものがあり、為替の変動リスクに晒されております。借入金及び社債は、主に設備投資に必要な資金の調達を目的としたものであり、償還日は決算日後、最長で16年後であります。このうち一部は、変動金利であるため金利の変動リスクに晒されております。
デリバティブ取引は、外貨建て債権債務に係る為替の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした為替予約取引であります。なお、ヘッジ会計に関するヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジの有効性の評価方法等については、前述の「会計方針に関する事項」の「重要なヘッジ会計の方法」をご参照ください。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
① 信用リスク(取引先の契約不履行等に係るリスク)の管理
当社は、社内規程に従い、営業債権について、各事業部門において主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。連結子会社についても、当社の社内規程に準じて、同様の管理を行っております。
デリバティブ取引の利用にあたっては、信用リスクを軽減するために、格付の高い金融機関に限定して取引を行っております。
当期の連結決算日現在における最大信用リスク額は、信用リスクに晒される金融資産の貸借対照表価額により表わされております。
② 市場リスクの管理
当社及び一部の連結子会社は、為替相場の変動による損失を防ぐ目的で、輸出取引に関しては外貨建て売上債権額及び受注残高を限度として、輸入取引に関しては一定額以上の取引に関しての外貨建て買入債務について、為替予約取引を行っております。
投資有価証券については、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況を把握しております。
デリバティブ取引の管理、実行については、取引方法や限度額を定めた社内規程に基づき、経理本部等にて行っております。
③ 資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払いを実行できなくなるリスク)の管理
当社及び連結子会社は、各部署からの報告に基づいた資金繰計画を作成、適時更新することで、適正な手許流動性を維持することなどにより、流動性リスクを管理しております。
(4)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することもあります。また、「デリバティブ取引関係」注記におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2. 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
※1.「現金及び預金」、「受取手形」、「売掛金」、「有価証券」、「支払手形及び買掛金」及び「短期借入金」については、現金であること、及び短期間で決済されるため、時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しております。
※2.市場価格のない株式等は、「(1)投資有価証券」には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
※3.デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示しております。
※4.連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他これに準ずる事業体への出資については含めておりません。当該出資の連結貸借対照表計上額は548百万円であります。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
※1.「現金及び預金」、「受取手形」、「売掛金」、「有価証券」、「支払手形及び買掛金」及び「短期借入金」については、現金であること、及び短期間で決済されるため、時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しております。
※2.市場価格のない株式等は、「(1)投資有価証券」には含まれておりません。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
※3.デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示しております。
※4.連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他これに準ずる事業体への出資については含めておりません。当該出資の連結貸借対照表計上額は538百万円であります。
(注1)金銭債権及び満期がある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注2)社債、長期借入金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
3.金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
※ 一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従い、投資信託の基準価額を時価とみなす投資信託については含めておりません。当該投資信託の連結貸借対照表計上額は35百万円であります。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
※ 一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従い、投資信託の基準価額を時価とみなす投資信託については含めておりません。当該投資信託の連結貸借対照表計上額は65百万円であります。
(2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
投資有価証券
上場株式及び社債は主として相場価格を用いて評価しております。上場株式は活発な市場で取引されているため、その時価をレベル1の時価に分類しております。一方で、当社グループが保有している社債は、市場での取引頻度が低く、活発な市場における相場価格とは認められないため、その時価をレベル2の時価に分類しております。
デリバティブ取引
為替予約の時価は、金利や為替レート等の観察可能なインプットを用いて割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しております。
社債(1年内償還予定を含む)
当社グループの発行する社債の時価は、相場価格を利用できるものについては、日本証券業協会の売買参考統計値を用いて公正価値を算定しており、相場価格を利用できないものについては、元利金の合計額と当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率を基に割引現在価値法により算定しており、それぞれレベル2の時価に分類しております。
長期借入金(1年内返済予定を含む)
長期借入金の時価は、主として元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2の時価に分類しております。
(有価証券関係)
1.満期保有目的の債券
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
2.その他有価証券
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
3.当連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
4.減損処理を行った有価証券
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
表中の「取得原価」は減損処理後の帳簿価額であります。なお、当連結会計年度において減損処理を行い、投資有価証券評価損337百万円を計上しております。
なお、減損処理にあたっては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
表中の「取得原価」は減損処理後の帳簿価額であります。なお、当連結会計年度において減損処理を行い、投資有価証券評価損685百万円を計上しております。
なお、減損処理にあたっては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。
(デリバティブ取引関係)
1. ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
通貨関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
2. ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
通貨関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注)為替予約の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている売掛金及び買掛金と一体として処理されているため、その時価は、当該売掛金及び買掛金の時価に含めて記載しております。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注)為替予約の振当処理によるものは、ヘッジ対象とされている売掛金及び買掛金と一体として処理されているため、その時価は、当該売掛金及び買掛金の時価に含めて記載しております。
(退職給付関係)
1.採用している退職給付制度の概要
当社及び主な国内連結子会社は、確定給付型の制度として確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を設けております。
当社は、退職給付信託を設定しております。
なお、一部の連結子会社は、簡便法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算しております。
また、一部の海外連結子会社は、確定給付制度のほか、確定拠出制度を設けております。
2.確定給付制度(簡便法を適用した制度を含む。)
(1)退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表
(単位:百万円)
(2)年金資産の期首残高と期末残高の調整表
(単位:百万円)
(3)退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の調整表
(単位:百万円)
(4)退職給付費用及びその内訳項目の金額
(単位:百万円)
(注)1.企業年金基金に対する従業員からの拠出額を控除しております。
2.簡便法を適用した連結子会社の退職給付費用は、「勤務費用」に計上しております。
3.上記退職給付費用以外に割増退職金を支払っており、前連結会計年度においては145百万円を、当連結会計年度においては495百万円を特別損失に計上しております。
(5)退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(6)退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(7)年金資産に関する事項
①年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりであります。
(注)1.オルタナティブは、主にヘッジファンド、マルチアセット、インフラ、不動産を投資対象とした運用商品であります。
2.年金資産合計には、企業年金制度に対して設定した退職給付信託が前連結会計年度は14%、当連結会計年度は17%含まれております。
②長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。
(8)数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎
(注)上記に記載している割引率は、複数の割引率を加重平均で表わしております。
3.確定拠出制度
当社及び連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は、前連結会計年度2,548百万円、当連結会計年度2,527百万円であります。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(注)1.評価性引当額が6,447百万円減少しております。この主な内容は次のとおりであります。
税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額については、税務上の繰越欠損金の解消に伴い減少しました。
将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額については、期末時点における将来の課税所得を見積った結果、翌期以降の回収可能額が増加したため減少しました。
2.税務上の繰越欠損金及びその繰延税金資産の繰越期限別の金額
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
(a)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
(b)税務上の繰越欠損金18,678百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産3,985百万円を計上しております。
この繰延税金資産3,985百万円は、当社及び連結子会社における税務上の繰越欠損金のうち一部について、将来の課税所得の見積りにより回収可能と判断したため計上したものです。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(a)税務上の繰越欠損金は、法定実効税率を乗じた額であります。
(b)税務上の繰越欠損金10,956百万円(法定実効税率を乗じた額)について、繰延税金資産538百万円を計上しております。
この繰延税金資産538百万円は、連結子会社における税務上の繰越欠損金のうち一部について、将来の課税所得の見積りにより回収可能と判断したため計上したものです。
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(収益認識関係)
1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報
顧客との契約から生じる収益を分解した情報は、「注記事項(セグメント情報等)」の売上高に記載のとおりであります。
2.顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (5) 重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
3.顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
(1) 契約資産及び契約負債の残高等
(単位:百万円)
契約資産は、主に、顧客との契約について期末日時点で完了しているが、未請求の履行義務に係る対価に対する当社及び連結子会社の権利に関連するものであります。契約資産は、対価に対する当社及び連結子会社の権利が無条件になった時点で顧客との契約から生じた債権に振り替えられます。
契約負債は、主に、契約に基づく履行に先立って顧客から受領した対価に関連するものであり、契約に基づき履行した時点で収益に振り替えられます。契約負債は、連結貸借対照表上、流動負債及び固定負債のその他に含まれております。
前連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額に重要性はありません。
過去の期間に充足した履行義務から、前連結会計年度に認識した収益(例えば、取引価格の変動)の額に重要性はありません。
当連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額に重要性はありません。
過去の期間に充足した履行義務から、当連結会計年度に認識した収益(例えば、取引価格の変動)の額に重要性はありません。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
(1)報告セグメントの決定方法
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、提供する製品やサービス別に事業部門を構成し、各事業部門単位で国内及び海外の包括的な戦略を立案し事業活動を展開しており、「スマートコミュニケーション部門」「ライフ&ヘルスケア部門」「エレクトロニクス部門」の3部門を報告セグメントとしております。
(2)各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類
各部門における具体的な商材は「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりであります。
(3)報告セグメントの変更等に関する事項
当連結会計年度より、事業領域とその戦略をより明確化し、具体策の実行を加速させるため、報告セグメントの名称を「情報コミュニケーション部門」を「スマートコミュニケーション部門」に、「生活・産業部門」を「ライフ&ヘルスケア部門」に変更しております。これにともない、快適な人々の暮らしに一層寄与していくため、「飲料事業」を関係の深い「ライフ&ヘルスケア部門」へ移行し、「飲料部門」のセグメントを廃止しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の名称及び区分方法により作成しており、「3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報」の前連結会計年度に記載しております。
2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部売上高及び振替高は、市場実勢価格に基づいております。
3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1.調整額は、以下のとおりであります。
(1)セグメント利益の調整額は、報告セグメントに帰属しない基礎研究並びに各セグメント共有の研究等に係る費用であります。
(2)セグメント資産の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産及びセグメント間取引消去等であります。
(3)減損損失の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。
(4)持分法適用会社への投資額の調整額は、各報告セグメントに属していないものであります。
(5)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、本社建物等の設備投資額であります。
2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
3.売上高には、顧客との契約から生じる収益とそれ以外の収益を含めておりますが、そのほとんどが顧客との契約から生じる収益であり、それ以外の収益に重要性はないため、区分表示しておりません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1.調整額は、以下のとおりであります。
(1)セグメント利益の調整額は、報告セグメントに帰属しない基礎研究並びに各セグメント共有の研究等に係る費用であります。
(2)セグメント資産の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産及びセグメント間取引消去等であります。
(3)減損損失の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。
(4)持分法適用会社への投資額の調整額は、各報告セグメントに属していないものであります。
(5)有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、本社建物等の設備投資額であります。
2.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。
3.売上高には、顧客との契約から生じる収益とそれ以外の収益を含めておりますが、そのほとんどが顧客との契約から生じる収益であり、それ以外の収益に重要性はないため、区分表示しておりません。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.国又は地域の区分の方法は、地理的近接度によっております。
3.各区分に属する主な国又は地域は以下のとおりであります。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えているため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.国又は地域の区分の方法は、地理的近接度によっております。
3.各区分に属する主な国又は地域は以下のとおりであります。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が、連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えているため、記載を省略しております。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載事項はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注)のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)のれんの償却額に関しては、セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
【関連当事者情報】
該当事項はありません。
(1株当たり情報)
(注)1.1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
2.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(重要な後発事象)
投資有価証券の売却
当社は、保有資産の効率化を図るため、保有する上場有価証券1銘柄を2024年4月15日付で売却しました。
当該事象により、2025年3月期において、投資有価証券売却益586億円を特別利益として計上します。
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注)1.丸善CHIホールディングス㈱が発行するものを集約しております。
【借入金等明細表】
(注)1.「平均利率」については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。
2.リース債務の平均利率については、リース料総額に含まれる利息相当額を控除する前の金額でリース債務を連結貸借対照表に計上している部分を除いて算出しております。
3.長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)の連結決算日後5年内における返済予定額は以下のとおりであります。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、記載を省略しております。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
(2) その他有価証券
① 市場価格のない株式等以外のもの
時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しております。)
② 市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2.デリバティブの評価基準
時価法
3.棚卸資産の評価基準及び評価方法
貸借対照表価額については、収益性の低下による簿価切下げの方法により算定しております。
4.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定率法
ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法を採用しております。また、取得価額が10万円以上20万円未満の資産については、3年間で均等償却する方法を採用しております。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(主として5年)に基づく定額法を採用しております。
(3) リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用しております。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
5.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 賞与引当金
従業員に対して翌事業年度に支給する賞与のうち、当事業年度に負担すべき支給見込額を計上しております。
(3) 役員賞与引当金
役員に対して翌事業年度に支給する賞与のうち、当事業年度に負担すべき支給見込額を計上しております。
(4) 補修対策引当金
一部の製品に生じた不具合に対して、今後必要と見込まれる補修対策費用を合理的に見積もり、支払見込額を計上しております。
(5) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数(9年)による定率法により計算した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数(6年)による定額法により費用処理しております。
なお、当事業年度において、確定給付企業年金制度につきましては、年金資産が退職給付債務を上回っているため、前払年金費用として貸借対照表の投資その他の資産に計上しております。
6.収益及び費用の計上基準
当社の主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりであります。
国内の製品及び商品の販売については、主に「収益認識に関する会計基準の適用指針」第98項に定める代替的な取扱いを適用し、出荷時から当該製品及び商品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間である場合については、出荷基準で収益を認識しております。製品及び商品の輸出販売については、顧客との契約に基づいた貿易条件により、当該製品及び商品に対する危険負担が移転した時点で顧客が支配を獲得するため、当該時点で履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。
サービスの提供については、履行義務が一時点で充足される場合には、サービスの提供を顧客が検収した時点で、当該履行義務が充足されると判断し、収益を認識しております。また、履行義務が顧客との契約により契約期間の一定期間にわたり充足される場合には、時の経過に伴い当該履行義務が充足されると判断し、契約期間にわたって均等按分し収益を認識しております。
7.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(退職給付に係る会計処理)
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(重要な会計上の見積り)
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.補修対策引当金
(1)当事業年度に計上した金額 27,056百万円
(2)その他の情報
当社は、補修対策費用の引当金を認識しております。
この引当金は、一部の壁紙製品に生じた不具合に対して科学的検証・分析を実施し、将来に発生が見込まれる補修対策費用として、必要な金額を合理的に見積っております。
見積り計算は補修単価及び補修数量を基礎として行っておりますが、補修単価については、過去の補修工事価格を基に今後の人件費、材料費等の変動リスクを加味しております。また、補修数量については、対象となり得る製品の生産数量を基に今後補修が必要となる数量を見積っております。
このため、人件費、材料費等の価格変動、今後の不具合発生状況等によって影響を受ける可能性があります。
実際の支払額が見積りと異なった場合、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
2.繰延税金資産
(1)当事業年度に計上した金額 23,613百万円
(2)その他の情報
繰延税金資産は、将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、事業計画等に基づく将来の課税所得等によって回収される可能性が高い範囲内で認識しており、その時期及び金額を合理的に見積り算定しております。
当社では繰延税金資産の金額を算出するにあたって、取締役会が承認する事業計画を基礎として見積りを行っております。新型コロナウイルス感染症や地政学リスクが及ぼす経営環境への影響を正確には見通せない状況ですが、その影響は一定期間続くとの仮定に基づき会計上の見積りを行っております。
当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定に変更が生じた場合、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.補修対策引当金
(1)当事業年度に計上した金額 7,157百万円
(2)その他の情報
当社は、補修対策費用の引当金を認識しております。
この引当金は、一部の壁紙製品に生じた不具合に対して科学的検証・分析を実施し、将来に発生が見込まれる補修対策費用として、必要な金額を合理的に見積っております。
見積り計算は補修単価及び補修数量を基礎として行っておりますが、補修単価については、過去の補修工事価格を基に今後の人件費、材料費等の変動リスクを加味しております。また、補修数量については、対象となり得る製品の生産数量を基に今後補修が必要となる数量を見積っております。
このため、人件費、材料費等の価格変動、今後の不具合発生状況等によって影響を受ける可能性があります。
実際の支払額が見積りと異なった場合、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
2.繰延税金資産
(1)当事業年度に計上した金額 28,434百万円
(2)その他の情報
繰延税金資産は、将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、事業計画等に基づく将来の課税所得等によって回収される可能性が高い範囲内で認識しており、その時期及び金額を合理的に見積り算定しております。
当社では繰延税金資産の金額を算出するにあたって、取締役会により承認された事業計画を基礎として見積りを行っております。地政学リスクが及ぼす経営環境への影響を正確には見通せない状況ですが、その影響は一定期間続くとの仮定に基づき会計上の見積りを行っております。
当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定に変更が生じた場合、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
(貸借対照表関係)
※1.関係会社に対する資産及び負債
関係会社に対する金銭債権又は金銭債務の金額は、次のとおりであります。
2.受取手形割引高
(損益計算書関係)
※1.関係会社との営業取引及び営業取引以外の取引による取引高の総額は、次のとおりであります。
※2.補修対策引当金戻入額
当事業年度末までに想定している全ての補修数量の9割を超える工事が完了しましたが、人件費、材料費等の価格変動、不具合発生状況等による影響で、実際の支払額が見積りと異なったため、補修対策引当金戻入額を計上しております。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2023年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2024年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「注記事項(重要な会計方針)6.収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
(重要な後発事象)
投資有価証券の売却
連結財務諸表「注記事項(重要な後発事象)」に記載の内容と同一のため、記載を省略しております。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注)1.当期首残高及び当期末残高については、取得価額により記載しております。
2.「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額であります。
3.主な増加、減少(簿価)は次のとおりであります。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2)【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注)当社定款の定めにより、当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができません。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4) 株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
(1)当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に提出した書類
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(2)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
連結子会社のうち、主要な連結子会社以外のものに係る管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異は、次のとおりであります。
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.短時間勤務者、パート労働者については、正規雇用労働者の所定労働時間(1日8時間)で換算した人員数を基に平均年間賃金を算出しています。
4.社員個々の性自認を尊重し、本算定にあたり、社員から性自認についての申告があった際は、原則、申告に基づく性別に含めて算定することとしています。
5.提出会社及び主要な連結子会社については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。
