第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しています。
2 第161期(2022年3月期)において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、第160期(2021年3月期)の関連する主要な経営指標等について、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させています。
3 第163期第1四半期連結会計期間より、ステアリング事業を非継続事業に分類しています。これにより、売上高、税引前利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しており、第162期についても当該変更を反映しています。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、継続事業及び非継続事業の合算を表示しています。
4 当社は2023年8月1日にステアリング事業をグローバルに統括するNSKステアリング&コントロール株式会社(以下「NS&C」)に対する支配を喪失し、第163期第2四半期連結会計期間よりNS&C及び同社の子会社は当社の持分法適用関連会社及びその子会社となりました。支配の喪失に係る損益は非継続事業に、持分法による投資損益は継続事業にそれぞれ含めています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 第159期(2020年3月期)から第163期(2024年3月期)までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載していません。
2 第159期(2020年3月期)及び第160期(2021年3月期)において営業外費用に含まれていた関係会社株式評価損は第161期(2022年3月期)より特別損失に含めることとしました。この表示方法の変更を反映するため、第159期(2020年3月期)及び第160期(2021年3月期)の金額について組み替えを行っています。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第161期(2022年3月期)の期首から適用しており、第161期(2022年3月期)以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
4 最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所プライム市場におけるものであり、それ以前については東京証券取引所第一部におけるものです。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社及び当社の関係会社(当社、子会社86社(うち連結子会社82社)及び関連会社30社(2024年3月31日現在)により構成)におきましては、産業機械事業、自動車事業等を行っています。
産業機械事業については、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品及び状態監視システム等の製造・販売を行っています。自動車事業については、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機用部品等の製造・販売を行っています。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、後記「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][連結財務諸表注記]4.セグメント情報」に記載のとおりです。
各事業における主要製品、当社及び関係会社の位置付け等は次のとおりです。
※ 持分法適用会社であり、当社及び持分法適用会社以外は連結子会社です。
以上の事業の概略を系統図によって示すと、次のとおりです。

なお、米州、欧州、中国及びアセアン・オセアニアにおきましては、NSKアメリカズ社、NSKヨーロッパ社、NSK中国社及びNSKインターナショナル(シンガポール)社が、それぞれの地域の関係会社の統括を行っています。
※ 持分法適用会社であり、当社及び持分法適用会社以外は連結子会社です。
4 【関係会社の状況】
(注) 1 上記のうちNSKアメリカズ社、NSKコーポレーション社、NSKヨーロッパ社、NSKベアリング・ヨーロッパ社、NSKステアリングシステムズ・ヨーロッパ社、NSKベアリング・インド社、NSK中国社及びNSK昆山社は特定子会社です。
2 子会社の議決権に対する所有割合欄の上段( )内は間接所有割合(内数)を示しています。
3 連結財務諸表に重要な影響を与えるため、持分法適用関連会社の損益に含めた持分法適用関連会社の子会社が17社あります。
4 NSKコーポレーション社及びNSK中国社については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えています。
主要な損益情報等
NSKコーポレーション社
(1) 売上高 93,845百万円
(2) 税引前利益 4,208百万円
(3) 当期利益 2,890百万円
(4) 資本合計 24,982百万円
(5) 資産合計 47,577百万円
NSK中国社
(1) 売上高 171,715百万円
(2) 税引前利益 9,170百万円
(3) 当期利益 7,691百万円
(4) 資本合計 61,817百万円
(5) 資産合計 112,224百万円
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(2024年3月31日現在)
(注) 1 従業員数は就業人員です。
2 ( )内は直接雇用の臨時従業員数であり、年間の平均人員を外数で記載しています。
3 自動車事業において、前連結会計年度末に比べ従業員数が4,052名減少していますが、主として、2023年8月にNS&Cに対する支配を喪失し、NS&C及び同社の子会社が連結の範囲から除外されたことによるものです。
(2) 提出会社の状況
(2024年3月31日現在)
(注) 1 従業員数は就業人員です。
2 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでいます。
3 ( )内は直接雇用の臨時従業員数であり、年間の平均人員を外数で記載しています。
(3) 労働組合の状況
当社グループには労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 多様性に関する指標
①提出会社
②連結子会社(注4)
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
なお、提出会社については、従来より当社基準(対象期間を出生日を起点とした1年間)で算出し、公表してきました。この当社算出基準では、83.3%です。
3 男女間賃金差異について
当社において、賃金制度における性別の差異はありません。しかし、階層別の人員構成が男性と女性で異なるため、平均年間賃金に差が生じています。
・正規労働者: それぞれの性別の管理職比率において、男性の比率が女性のそれに比べて高いことに
起因しています。
・非正規労働者: この分類の社員の多くは、定年退職後の再雇用者です。
その賃金は再雇用以前の階層に基づいており、正規労働者と同様の理由に起因してい
ます。
当社では女性の活躍推進を経営課題として位置づけ、管理職候補の育成に力をいれています。
当社の女性活躍推進及びダイバーシティ&インクルージョンの取り組みについては、当社ウェブサイト(https://www.nsk.com/jp/csr/hr/diversity/)に掲載しています。
4 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)などにおいて、常用労働者数が101人以上の事業主は自社の女性の活躍に関する状況把握、課題分析、行動計画の策定、外部公表等が求められています。行動計画で公表した指標が「女性管理職比率」「男性育児休業取得率」「男女間賃金差異」である場合は、内閣府令に基づき有価証券報告書にも開示する必要があります(日本精工九州㈱、旭精機㈱、NSK富山㈱)。加えて、常用労働者数が301人以上の事業主は、男女間賃金差異の開示が義務化されました(日本精工九州㈱、㈱天辻鋼球製作所)。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「MOTION & CONTROL™を通じ、円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強める」という企業理念のもと、
①世界をリードする技術力によって、顧客に積極的提案を行う
②社員一人ひとりの個性と可能性を尊重する
③柔軟で活力のある企業風土で時代を先取りする
④社員は地域に対する使命感をもとに行動する
⑤グローバル経営をめざす
という経営姿勢により社会に貢献する企業を目指していきます。
(2) 経営環境及び対処すべき課題等
当社グループを取り巻く事業環境は、世界的なインフレの継続、欧州や中国の経済回復の遅れ、地政学リスクに伴うサプライチェーン問題など、経済の先行きは未だ不透明な状況にあります。急速に進んだバッテリーEVの普及にも鈍化が見られ、ハイブリッド車需要が増加するなど、自動車産業の将来動向にも変化が見られます。また、産業全般における電動化・自動化・デジタル化に加え、生成AIの急速な普及などの技術革新が急激に進み、企業として取り組むべき課題は増加を続けています。さらには、環境問題、人権の尊重、少子高齢化問題への取り組みなど企業の社会的責任の重要性は増し、経営環境は急速に変化しています。
こうした環境下においても、当社グループは企業理念のもと、技術革新の進展や地球環境負荷の低減に対する取り組みを成長の機会と捉え、技術・製品・サービスを通じ、高い品質と信頼で応えていきます。すなわち、トライボロジーとデジタルの融合による価値創出で、持続可能な社会の発展に貢献し、社会から必要とされ、信頼され、選ばれ続ける企業を目指していきます。
その実現に向けて、2022年度から2026年度までの5ヵ年を対象期間とする『中期経営計画2026』に則り、事業基盤の強化を進めています。当社のコアバリューである「安全・品質・環境・コンプライアンス」を経営の意思決定や行動において最優先される共通の価値基準とし、「収益を伴う成長」「経営資源の強化」「ESG経営」の3つの経営課題に取り組んでいきます。
3つの経営課題とその取り組み内容は以下のとおりです。
1.「収益を伴う成長」として、既存ビジネスを伸ばすとともに新たなビジネス領域を育てることを意味する
“Bearings & Beyond”のもと、事業環境の変化の中でも、持続的成長が可能な事業基盤の確立を目指します。
・当社グループの強みである軸受・精機製品の競争力を高め、産業機械ビジネスの拡大による事業ポートフォリオの変革と、自動車の電動化へのシフトに対応していきます。
・軸受の寿命予測、状態監視、補修・交換などのサービスの提供により、循環型社会への貢献を通じて、事業の拡大を目指します。
・新技術の共創を進め、搬送アシストロボットなどのユニット・システム製品を開発することにより、自動化や安全・安心な社会への貢献を通じて、新商品でのビジネスを広げていきます。
・ステアリング事業については、ジョイントベンチャーパートナーのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第参号投資事業有限責任組合(以下「JIS」)と共に、将来の新しいアライアンスに向けた検討を進めています。
・生産拠点の再編など事業の構造改革を進め、収益改善に取り組んでいきます。
2. 「経営資源の強化」として、デジタルの力で経営資源を強化し、事業変革を起こし続ける基盤を作ります。
・品質・技術・モノづくり及びそれらを支える人材の育成において、デジタル技術を積極的に活用します。
・モノづくりの方針として「生産の超安定化」を掲げ、デジタルを活用した飛躍的生産性の向上と、より安全・安心で、環境にやさしい工場を実現し、モノづくりの変革を目指します。
・多様な人材の登用、多様なキャリアの開発・支援を進め、人的資本の価値最大化を目指します。
3. 「ESG経営」として、事業を通して社会の持続的な発展に貢献し、社会から必要とされ、信頼され、選ばれ続け
る企業を目指します。
・当社グループが製品を「つくる」という面からは、省エネへの取り組み、新技術の開発、及び再生可能エネルギーの活用により、二酸化炭素の自社からの直接排出(Scope1)とエネルギー使用による排出(Scope2)について、2035年度にカーボンニュートラル達成を目指すと共に、サプライチェーン全体(Scope3)での排出量削減にも取り組んでいきます。
・お客様が当社グループの製品を「つかう」という面からは、エネルギーロスを少なくする低摩擦技術や、風力発電・水素エネルギーなどに使用される環境貢献型の製品・サービスの提供により循環型社会の発展に貢献します。
・働き方改革によって働きやすい環境をつくり、ダイバーシティ&インクルージョンを推進します。
・グループガバナンスの強化と、ステークホルダーとの対話を深めていきます。

当社グループは、以上の経営課題に取り組み、『変わる 超える』への挑戦を続け、未来志向の高い目標に向かって、前進を続ける活力のある会社を目指します。企業理念に基づいた企業活動とMOTION & CONTROL™の進化を通じて、社会的課題の解決と社会の持続的発展への貢献を続けていきます。
(3) 目標とする経営指標
当社は2022年5月に『中期経営計画2026』(2023年3月期から2027年3月期)を発表しましたが、2023年5月にJISとの合弁契約を締結したことにより、2023年8月以降、当社のステアリング事業をグローバルに統括するNS&Cは、当社の連結対象から外れ持分法適用会社となりました。加えて、前述した現在の当社グループを取り巻く事業環境を鑑み、2027年3月期の財務目標を以下のように修正しました。
また、非財務目標として、技術開発の取り組みにおいては新商品売上高比率の向上、環境についてはCO2排出量とCO2排出原単位の削減及び環境貢献型製品の開発に取り組んでいます。また、安全な職場環境づくりに対しては休業度数率の減少、ダイバーシティ&インクルージョンに関しては、従業員及び管理職における多様性(女性、外国人、中途採用比率)の向上などに取り組んでいます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ全般
①ガバナンス
当社グループは、機関設計として指名委員会等設置会社を採用しています。取締役会は経営の基本方針などの重要な経営事項の決定にあたるとともに、業務執行の決定を執行機関へ積極的に委任し、執行状況を適切に監督します。
当社のコアバリューである「安全・品質・環境・コンプライアンス」を経営の意思決定や行動において最優先される共通の価値基準とし、執行機関は、『中期経営計画2026』に則り、3つの経営課題である「収益を伴う成長」「経営資源の強化」「ESG経営」に取り組みます。また、CEOを委員長とするコアバリュー委員会は、コアバリュー推進・強化のための方針の議論や関連リスクの共有を通して、全社的課題を設定し、それらの解決に向けた提言と進捗のモニタリングを行います。
②リスク管理
当社グループにおいて、全社及びサステナビリティ分野の主要なリスクを検討するプロセスは、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載のとおりです。
③戦略
当社グループは、重点的に取り組むべきサステナビリティの分野をマテリアリティ(重要課題)として、9項目を特定しました。企業理念のもと、これらの項目について取り組むことで、社会課題解決への貢献と企業としての持続的成長の両立を目指していきます。当社グループでは、社会課題などの外部環境の変化が事業に与える影響に加え、会社の活動が外部のステークホルダーや環境・社会に与える影響を評価するダブルマテリアリティの考え方に基づき項目を特定し、執行部門の代表者により構成される経営会議の審議を経てCEOが決定し、オフィサーズ・ミーティングを通じて当社グループ内に共有しました。

(注) 1 NPDS(NSK Product Development System):お客様の新規案件を、迅速、確実に安定生産に結びつけるため、品質を製品企画から開発・設計、試作、量産までのプロセスでつくりこむための活動
2 NQ1(NSK Quality No.1):不良「ゼロ」の安定生産を目指した活動
④指標及び目標
『中期経営計画2026』の3つの経営課題と取り組みや非財務目標は、「第2[事業の状況]1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](2)経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
サステナビリティに関する取り組みは、当社グループウェブサイトをご参照ください。
https://www.nsk.com/jp/csr/
(2)気候変動
①ガバナンス
取締役会は業務の執行の決定を積極的に委任し、その執行状況を適切に監督するとともに、カーボンニュートラルの取り組みを含む中・長期的な経営課題・方向性等に関するテーマの討議を行っています。
また、コアバリュー委員会は、「安全・品質・環境・コンプライアンス」のコアバリューの推進・強化のための方針の議論や気候関連等のリスクの共有を通して、全社的課題を設定し、それらの解決に向けた提言と活動の進捗のモニタリングを行います。
②リスク管理
当社グループは、これまでも気候関連のリスクを重要性の高いリスクとして認識し、事業や部門を横断して対処してきました。さらに2020年度からは、気候関連財務情報開示タスクフォース(以下「TCFD」)の推奨するシナリオ分析も活用し事業環境の変化と当社の事業への影響を分析するとともに、課題の抽出及び対応策の実施等、取り組みを強化しています。
③戦略
気候変動が当社グループのバリューチェーンに将来的に与える影響及び気候変動対策の有効性の検証を目的に、最長2050年までの期間を想定し、1.5℃~2℃シナリオ、4℃シナリオの2つのシナリオ分析を実施しました。当社グループは持続可能な社会の構築のため、気温上昇を1.5℃~2℃以下に抑制できる社会の実現に貢献することを基本戦略とします。CO2排出規制に関連した移行リスクへの対応に取り組み、製品ライフサイクル全体での脱炭素化という社会的ニーズを当社グループの事業領域であるMOTION & CONTROL™の進化の機会と捉え、事業活動全体で気候変動対策を推進します。一方、気候変動に起因する自然災害に対しては、シナリオ分析結果を踏まえて対策を推進します。
具体的には、エネルギー使用量を可視化した上で、生産工程における標準的な省エネ活動に加えて、工程の変更も視野に入れた技術革新によるエネルギー削減を実施しています。同時に再生可能エネルギーの導入も積極的に進め、事業活動からのCO2排出量の最少化に取り組んでいます。また、低摩擦損失の製品や、風力発電用軸受などの再生可能エネルギー普及に対応した製品の開発・設計・生産・販売を通じて、お客様の使用段階におけるCO2排出削減貢献量の最大化を図ります。
④指標及び目標
当社グループは、事業活動、すなわち「つくる」時のCO2排出量の削減と、顧客における製品・サービスの使用段階、すなわち「つかう」時のCO2排出削減貢献量の拡大を両輪として、長期的な目標を設定し取り組みを進めています。特に事業活動からのCO2排出量の削減については、『中期経営計画2026』では、Scope1とScope2のCO2排出について、2035年度に実質ゼロを目指すカーボンニュートラルの目標を設定しました。
<目標>
2026年度Scope1+2 CO2排出量削減 △50%(対2017年度)
2035年度Scope1+2 カーボンニュートラル達成

なお、TCFD提言に基づく情報開示については、当社グループウェブサイトをご参照ください。
https://www.nsk.com/jp/csr/TCFD/
(3)人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
①ガバナンス
取締役会は業務の執行の決定を積極的に委任し、その執行状況を適切に監督するとともに、人的資本経営の取り組みを含む中・長期的な経営課題・方向性等に関するテーマの討議を行っています。
また、CEOを委員長とする人材委員会を設置しています。人材委員会は、基幹ポストの後継者計画の策定と計画のモニタリングに加え、それらを担う人材の育成など人的資本の価値最大化の取り組みの推進を目的としており、当委員会において全社的な人材施策が報告、討議されています。
②リスク管理
「第2[事業の状況] 3[事業等のリスク] [代表的リスクと対応策] 6 人材・労務に係るリスク」に記載のとおりです。
対象リスクは全社リスクマネジメントの仕組みの中で、その取り組み状況を管理しています。
③戦略
企業理念を実現し、社会課題解決への貢献とNSKグループの持続的成長を両立していくためには、多様な人材の活躍が不可欠です。当社は「人材方針」で、経営姿勢で謳う「社員一人ひとりの個性と可能性を尊重する」(注)ことを明確にするとともに、従業員一人ひとりが企業の貴重な財産であるという考えに基づき、「多様な人材の活用」「成長に資する機会と場の提供」「いきいきと働き続ける職場づくり」という3つの柱で公平で個を活かす活力ある職場づくりを掲げています。
『中期経営計画2026』の経営課題の一つである「経営資源の強化」の主要施策の一つが「人的資本の価値最大化」です。経営戦略を確実かつタイムリーに実行していくためには、明確なKPIを伴った人材戦略との連動が不可欠です。当社は人的資本の価値の最大化は、多様な人材一人ひとりが個性を最大限に発揮し、さらには可能性を広げ成長し続けられる状態が生み出されることによって実現できると考えており、次の目指すべき3つの姿を掲げて取り組みを推進しています。
(注)社員とは、NSKグループで働くすべての人を指します。

1.多様な人材が集まる会社
当社の人材戦略のキードライバーは多様性です。性別、性自認・性的指向、年齢、国籍、生活様式、価値観、キャリア(知見・経験)など、多様なバックグラウンドを持った従業員がそれぞれの力を発揮し、互いに刺激し合うことで、新たな視点や考え方、アイデアが生まれ、競争力の強化やリスクの回避にも繋がっていくと考えています。特に意思決定層における多様性を重要視するとともに、女性活躍推進を経営課題の一つと捉え、各階層で取り組みを進めています。2023年からは若手女性社員が事業所を超えて先輩社員(ロールモデル)に話を聞き、それを記事として社内に発信する取り組みを開始しました。女性の係長層やその候補層を対象にしたキャリア・アドバンスメント研修も継続して実施しており、キャリア形成を支援しています。
2.多様な人材がスキル/能力を伸ばし成長できる会社
働き方やキャリアに対する考え方は多様化し、個々人の自律志向が拡大しています。個の成長・自己実現と企業の成長の相関関係が強くなり、従業員と企業は選び、選ばれる、より対等な関係になってきています。当社では、まず管理職を対象に、ロール型人事制度の導入に向けた準備を進めています。ロール型人事制度とは、従業員一人ひとりが担う役割や責任を明確にし、自らが能動的に未来志向の高い目標の達成に向けて挑戦することを求めていく人事制度です。個々の役割を「ロールディスクリプション(役割記述書)」として人材要件を明確にすることで、従業員は個々のキャリアを描きやすくなり、一人ひとりが自身の成長に向け、「自分で考え、自分で行動する」ことが可能になります。
また、早期育成施策としての若手育成ローテーションから始まり、経営人材候補を継続的に輩出するキャリア開発プログラムを構築しています。基幹ポストへの登用に関しては、人材委員会を最上位機関として、経営人材の後継者計画及び人材投資計画を承認しています。基幹ポストの定義を明確化することで、グローバルに融和性のある後継者管理を実現し、海外人材を含めた年齢、性別、国籍を問わない人材抜擢や戦略的登用を実施しています。
加えて、事業ポートフォリオ及び収益構造の転換のため、DXを推進しており、その中心となるデジタル人材の育成を進めています。デジタル変革本部が中心となり全社的な研修を実施、2023年にはレベル別に設けた育成プログラムの種類を増やし、より実践的なトレーニングや専門チームのハンズオン支援による現場適用を進めています。
3.安全で健全な職場
従業員のこころとからだの健康は事業活動の全ての基盤です。2022年に効果指標や経営課題への結びつきを可視化し、より効果的に施策を推進するため、健康経営戦略マップを見直しました。さらに、「健康宣言」、「健康取組3本柱」なども一部見直し、取り組みをステップアップさせています。健康意識向上のため、eラーニングや健康フェア、ストレスチェック後の組織診断結果説明会、禁煙推奨デーの呼び掛けなど、様々な活動を継続的に実施しています。また、これら施策の進捗や成果の第三者評価として、健康経営優良法人(ホワイト500)の認定継続を目標にしています。
④指標及び目標
人的資本経営の3つの目指す姿に向けて、全ての施策に、KPIとその目標を定めて取り組んでいます。施策には、エンゲージメント調査結果から抽出された課題に対する施策も含んでいます。「人的資本の価値最大化」は、これら一つひとつの取り組みの成果を積み上げることで実現できると考えており、目標に向けて、施策の進捗状況を定期的にモニタリングしています。
多様な人材が集まる会社
多様な人材がスキル/能力を伸ばし成長できる会社
安全で健全な職場
(注) 1 特に記載がない限り、一部グループ会社を含みます。
2 意思決定層における多様性を重視しており、管理職及びスタッフ層(総合職同等)での多様性比率です。
3 対象は提出会社です。
4 当社は、海外事業の拡大に伴い、各地域で現地主体の機動的な事業運営を可能とする体制の構築を目指し、マネジメント層の現地化を図ってきました。地域統括における事業運営上の重要なポストをグローバルポストと定め、その多くに現地の社員が就き、現地主導で事業拡大を展開しています。
グローバルに活躍するマネジメント人材の育成を目的に2011年よりグローバル経営大学を実施しています。
5 2023年3月期と2024年3月期に各プログラムを受講した合計人数です。
6 休業度数率=休業災害発生件数÷延べ実労働時間×1,000,000
休業1日以上の労働災害を休業災害と定義しています。
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が中・長期的観点も含め連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、次のとおりです。
なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社は、経営陣の主要なリスク認識を基にグループ全体を対象にリスク・アセスメントを実施し、経営会議にてリスク重要度を決定し、取締役会にも報告しています。リスク・アセスメントのプロセスにおいては、リスクを発生可能性と影響度の二軸で評価し、さらに総合的な重要度に従い数段階に管理レベルを分けています。また、抽出したリスクは、当連結会計年度末時点での残余リスクに基づき評価していますが、対応策を講じることでその発生可能性と影響度を低減することを意図しています。管理レベルの高い重要リスクへの対応策の進捗状況を定期的に経営陣に報告する仕組みを構築しています。
2024年度の重要リスクは次の表のとおりです。
代表的リスクと対応策
一方、インシデント発生時には、グループ内の各事業所・部署より即時ならびに定期的に報告がリスク管理部署になされる体制を整備し、影響の軽減と収束に向けた措置を講じることとしています。また、当社経営監査部は、各拠点や地域の内部監査部門と連携し、各拠点からの報告や実地監査等を通してリスクやインシデントの管理状況のモニタリングを行い、その結果を監査委員会に報告しています。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月27日)現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。
なお、連結財務諸表作成にあたっての重要性がある会計方針及び見積り等については、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1) [連結財務諸表] [連結財務諸表注記] 2.作成の基礎 (6) 見積り及び判断の利用、3.重要性がある会計方針」に記載のとおりです。
(2) 財政状態及び経営成績の状況
①事業全体の概況
当社は2023年5月12日にJISとの間で、当社及びJISが当社のステアリング事業をグローバルに統括する連結子会社であるNS&Cを共同運営すること等を内容とする契約を締結しました。これに伴い、第1四半期連結会計期間より、ステアリング事業を非継続事業に分類しています。売上高、営業利益、税引前利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示し、当期利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益は、継続事業及び非継続事業の合算を表示しています。なお、当社は2023年8月1日にNS&Cに対する支配を喪失し、第2四半期連結会計期間よりNS&C及び同社の子会社は当社の持分法適用関連会社及びその子会社となりました。支配の喪失に係る損益は非継続事業に、持分法による投資損益は継続事業にそれぞれ含めています。
当社グループは、2022年度から2026年度までの5ヵ年を『中期経営計画2026』と位置づけ、「収益を伴う成長」「経営資源の強化」「ESG経営」の3つの経営課題に取り組んでいます。
当連結会計年度の世界経済を概観すると、景気は欧州と中国において弱さがみられるものの、緩やかな持ち直しが続いています。一方で、インフレの高止まりや為替変動による影響、中国経済の先行き懸念、地政学リスクの高まりなど経済の先行きは未だ不透明な状況にあります。
地域別にみると、日本は足元で一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響により生産活動が低下したものの、景気は緩やかに回復しています。米国では設備投資が伸び悩んだ一方、良好な雇用環境を背景に個人消費が下支えし景気は底堅く推移しました。欧州は個人消費の低迷や鉱工業生産の減少傾向が景況感の悪化につながり景気は停滞しました。中国では不動産市場の低迷が継続し、消費者心理の冷え込みで個人消費が力強さを欠くなど景気は持ち直しの動きに足踏みがみられました。
このような経済環境において当社グループの業績は、為替が円安に推移したこともあり、非継続事業を除いた継続事業の当連結会計年度の売上高は7,888億67百万円(前期比+1.6%)となりました。営業利益は273億91百万円(前期比△37.5%)、税引前利益は262億10百万円(前期比△39.4%)、継続事業及び非継続事業の合算の親会社の所有者に帰属する当期利益は85億2百万円(前期比△53.8%)となりました。
②セグメントごとの業績
(産業機械事業)
半導体市場における調整局面の継続や中国経済の停滞影響を受けて市況が低迷しました。加えて在庫調整の影響により需要が伸び悩み、当連結累計期間は対前期比で減収となりました。
地域別では、日本は工作機械、半導体製造装置及びアフターマーケット向けを中心に市況悪化の影響を受けて需要が減少しました。米州では半導体製造装置向け、欧州はアフターマーケット向けなどの販売が落ち込み減収となりました。中国はアフターマーケット、工作機械及び電機向けの需要が軟調に推移し減収となりました。
この結果、産業機械事業の売上高は3,448億46百万円(前期比△10.5%)、営業利益は80億7百万円(前期比△77.5%)となりました。
当事業では、成長が期待できる電動化、自動化、デジタル化、環境市場での需要増加を取り込むため、供給力の強化と技術サービス体制の強化を進めています。さらに、状態監視システムやアクチュエータなど新たな高付加価値商品の開発と市場投入も推進することで、産業機械事業のビジネス拡大を目指していきます。
(自動車事業)
グローバル自動車生産台数は部材の供給制約による生産調整の解消が進んだことで前年から増加し、当連結累計期間は対前期比で増収となりました。
地域別では、日本、米州及び欧州は前年同期に部品供給停滞などを受けて落ち込んだ自動車生産台数が回復に転じたことで増収となりました。中国は前年同期にゼロコロナ政策に伴う厳格な活動規制により生産活動が停滞した反動により増収となりました。
この結果、自動車事業の売上高は4,088億21百万円(前期比+13.8%)、営業利益は185億76百万円(前期比+193.6%)となりました。
当事業では、自動車の電動化に対し、低トルク・高速回転・軽量化といった当社グループの技術力を活かすことで競争力を強化し、さらには電動油圧ブレーキシステム用ボールねじなど将来に向けた新商品の拡大を図ることで事業の成長を目指していきます。
③財政状態の分析
当連結会計年度において、資産合計は前連結会計年度末に比べて648億20百万円増加した1兆2,980億77百万円となり、負債合計は215億90百万円増加した6,201億23百万円となりました。
資本合計は、自己株式の消却等に伴う利益剰余金の減少等があった一方で、その他の資本の構成要素の増加により、前連結会計年度末に比べて432億30百万円増加した6,779億54百万円となりました。
なお、上記の資産と負債及び資本には、売却目的保有に分類される処分グループに係る資産116億43百万円、売却目的保有に分類される処分グループに係る負債113億70百万円、売却目的保有に分類される処分グループに係るその他の資本の構成要素△3億45百万円が含まれています。
④キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られたキャッシュ・フローは、税引前利益262億10百万円、非継続事業からの税引前損失29億86百万円、減価償却費及び償却費541億21百万円、運転資本等の加減算に加えて、退職給付信託の一部返還を受けたこと等による退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の増減額279億55百万円により、998億18百万円の収入となりました(前連結会計年度は641億63百万円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、保有株式の縮減を進めたことに伴うその他の金融資産の売却による収入179億71百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出499億33百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出109億17百万円、その他の金融資産の取得及び償還等により、908億14百万円の支出となりました(前連結会計年度は487億78百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、短期借入金の純減額221億96百万円、ステアリング事業における持分法適用前の借入実施等に伴う長期借入れによる収入706億77百万円、長期借入金の返済による支出300億52百万円、自己株式の取得による支出217億17百万円、配当金の支払額150億37百万円等により、247億80百万円の支出となりました(前連結会計年度は44億17百万円の収入)。
上記により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて95億25百万円減少した1,505億83百万円となりました。
⑤目標とする経営指標の達成状況等
当連結会計年度は、『中期経営計画2026』(2023年3月期から2027年3月期)の2年目であり、当計画に基づき「収益を伴う成長」「経営資源の強化」「ESG経営」の3つの経営課題に取り組んできました。当社グループを取り巻く環境は、産業機械事業において需要の調整局面が継続しましたが、自動車事業がグローバル自動車生産台数の増加に伴い堅調に推移したことに加えて為替影響もあり、前期に比べて増収となりました。
この結果、当連結会計年度における当社が経営上の目標として掲げる指標と実績は、次のとおりです。
(注) 売上高、営業利益率、ROICの新目標及び実績は非継続事業を除いた継続事業のみで表示しています。
2025年3月期の事業環境につきましては、地政学的な緊張の高まりや為替動向の影響を注視する必要があるものの、下期からの設備投資需要の回復、グローバル自動車生産台数は前年と同水準を見込んでいます。このような環境下においても、当社グループは企業理念のもと、トライボロジーとデジタルの融合による価値創出で、持続可能な社会の発展に貢献し、社会から必要とされ、信頼され、選ばれ続ける企業を目指していきます。
(3) 資本の財源及び資金の流動性
①財務戦略の基本方針
『中期経営計画2026』では、持続可能な社会への貢献と不断の企業価値の向上を目指すために、安定した財務体質のもと、収益を伴う成長を遂げてキャッシュを創出することにより、当社の持続的成長のために必要な投資と株主の皆様への安定的な利益還元に資金配分を継続することを、財務戦略の基本方針としています。

(a) 財務安定性の維持
当社グループの持続的な成長を支え、事業環境の変化にも耐え得るには、「財務安定性の維持」が前提となります。自己資本比率、ネットD/Eレシオ、手元流動性など、当社グループの財務安定性を示す指標は健全な状態を保って推移しています。『中期経営計画2026』では、ネットD/Eレシオの目標を0.4倍以下とすることで、安定的な財務基盤を確保しつつ機動的かつ効果的な有利子負債の活用を図っています。
(b) 収益を伴う成長
安定した財務体質の下、当社グループは「収益を伴う成長」を持続的に遂げて、キャッシュを創出していきます。創出したキャッシュにより、設備投資や研究開発投資、ESG経営に必要な人的資本、DX、さらにはM&A等への投資を実施して経営資源の強化を図り、当社グループの持続的成長と次のキャッシュ創出に繋げていく考えです。
また、株主・投資家の皆様が期待する資本コストを上回る収益率をあげることは、株式上場会社の使命と言えます。『中期経営計画2026』の後半においては、事業環境の変化を踏まえた見直しを行い、「ROE 8%」、「ROIC 6%」を資本効率性の経営目標に設定しました。しかしながら、当社は、過去の株価動向と事業特性、及び株式市場の現況から推計した当社の株主資本コストは概ね8%~9%と認識しています。従いまして、『中期経営計画2026』を超えた先に「ROE 10%」を実現するよう、収益性の改善、DXによる効率化、資本効率の向上に取り組んでいきます。
(c) 安定的な利益還元
当社グループは株主の皆様に対する「安定的な利益還元」を重要な経営方針の一つとして、『中期経営計画2026』においては、配当性向30%~50%を目標に掲げています。また、機動的な資本政策の手法として、自己株式の取得も選択肢の一つと認識しています。自己株式の取得は、キャッシュ・ポジションや株式市場の動向等を勘案して適切かつ機動的に実施したいと考えており、これらの実行にあたっては、財務状況等を勘案して適切に決定していきます。
なお、2025年3月期より、利益還元の指標としてDOE(親会社所有者帰属持分配当率)を採用します。各期の配当は、配当性向30%~50%に加えて、DOE2.5%を下限の目安に、株主の皆様へ安定的・継続的な配当を実施する方針です。

②財務状況
当連結会計年度の財政状態は次のとおりです。
③財務活動の振り返り
当連結会計年度では、資金調達の一環で、当社にとって初めてとなるサステナビリティ・リンク・ボンド150億円を発行しました。サステナビリティ・リンク・ボンドは、予めESG(環境・社会・ガバナンス)に関する目標を設定する社債です。当社グループは、サステナビリティ・リンク・ボンドの発行を通じて環境への取り組みを加速させることで、カーボンニュートラルさらには持続可能な社会の発展への貢献をより確かなものとしていくことを目指しています。
当社グループは、経営資源を有効活用するため資産効率の向上にも取り組んでいます。当連結会計年度においては、政策保有株式の縮減を進めたことに伴うその他の金融資産の売却により179億71百万円の収入がありました。加えて、退職給付信託で保有していたみなし保有株式も当連結会計年度に全て売却しました。これら保有株式の売却により、当連結会計年度末の「連結資本合計に対する株式保有金額の比率」は5.5%まで低下しました(前連結会計年度末は15.1%(みなし保有株式を含む))。また、近年、退職給付信託を含む年金資産が退職給付債務に対して大幅な積立超過の状況にあり、今後もその状況が継続することが見込まれることから、2023年4月に退職給付信託から350億円の返還を受けました。
利益還元については、前連結会計年度に比べて減益となったものの、今後の事業環境等を総合的に勘案した結果、当連結会計年度の1株当たり配当金は前連結会計年度と同額の30円としました。また、2023年5月から6月にかけて25,000千株、217億12百万円の自己株式取得を実施しました。これらの結果、配当性向は173.8%、総還元性向は429.1%となっています。なお、取得した自己株式については、既保有の自己株式と合わせて、2023年8月に51,268千株(消却前の発行済株式総数の9.3%分)の自己株式消却を実施しました。
④資金調達の方針
当社グループは現在、自己資金及び金融機関の借入れ等により資金調達を行っています。運転資金について借入れによる資金調達を行う場合、期限が一年以内の短期借入金で各連結会社がその現地通貨で調達することが一般的で、生産設備などの長期資金は、主として長期借入金及び社債で調達しています。
本報告書提出時点において、格付投資情報センターから「A」、日本格付研究所から「A+」の格付を取得しており、外部からの資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。当社グループは、その健全な財務状況、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力、金融機関とのコミットメントライン契約金額400億円や、コマーシャルペーパー発行枠500億円などにより必要資金の確保と緊急時の流動性を確保しています。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの販売・生産品目は極めて広範囲かつ多種多様であり、また見込み生産を行う製品もあるため、生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示していません。このため、販売及び生産の状況については、「(2)財政状態及び経営成績の状況」に関連づけて記載しています。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの事業展開、経営成績及び財務状況等に重要な影響を与えるリスク要因については、「3[事業等のリスク]」に記載のとおりです。
5 【経営上の重要な契約等】
(ステアリング事業の合弁契約について)
当社は、2023年5月12日にJISとの間で、NS&CがJISを割当予定先としてNS&Cの議決権の50.1%に相当する種類株式(以下「本種類株式」)を第三者割当の方法により発行すること(以下「本第三者割当」)、当社及びJISがNS&Cを共同運営すること、本第三者割当の実行に先立ち、NS&Cが当社に対して特別配当を行うこと、並びに、JISの合意を得た上で、本第三者割当に代えて、NS&Cが発行する本種類株式10,041株のすべてを一旦当社が引き受けた上で、その本種類株式のすべてを当社からJISに対して譲渡する取引を行う可能性があること等を内容とする契約(以下「本契約」)を締結しました。
本契約に関し、当社は2023年7月31日、JISとの協議・合意を経て、本第三者割当に代えて、NS&Cが発行する本種類株式10,041株のすべてを一旦当社が引き受けた上で、本種類株式のすべてを当社からJISに対して19,991百万円で譲渡する取引(以下「本取引」)に変更することを決定し、2023年8月1日に本取引を実行しました。
6 【研究開発活動】
(1)基本方針
当社グループは、企業理念の中で掲げている「円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざす」を実現するため、社会の変化やお客様の新たなニーズを的確にとらえ、コアテクノロジー(トライボロジー(摩擦・潤滑)技術、材料技術、解析技術、メカトロ技術、生産技術)を駆使した製品開発を進めています。これらの開発活動を通して、高機能・新機能製品をタイムリーに市場へ供給することにより、より豊かな社会の実現と省エネルギーやCO2排出量削減など地球環境の保全を図り、持続可能な社会の実現に貢献します。
特に研究開発では、『中期経営計画2026』において“Bearings & Beyond”を掲げ、トライボロジーとデジタルの融合による価値創出で、既存製品の商品力強化と新商品の創出・新事業の拡大に取り組んでいます。
(2)研究開発の状況
①コアテクノロジー
カーボンニュートラル社会の実現に向けた低摩擦や軽量化、電動化に伴う高速化や静音、水素などの特殊環境下も含めた耐久性など、高度化する要求にスピード感をもって応えていくために、リアルデジタルツイン(注)を活用してコアテクノロジーの強化に取り組んでいます。
当社コアテクノロジーの一つであるトライボロジー技術の領域を拡げるとともに深めていくために、当分野で権威ある日本国内の大学と軸受をはじめとする転がり機械要素のトライボロジー解明の鍵となる、材料、潤滑、力学の3分野において革新的な研究開発を継続的に行う「NSKトライボロジー協働研究拠点」を設置しました。転がり軸受製品の寿命延長や性能向上など、高機能な軸受製品や直動製品の創出につながる画期的なソリューションを産み出していきます。さらに、高度な基礎研究を推進できる人材の育成にも継続的に取り組んでいきます。
そのほか新商品・新事業の創出に向けて、40年以上自社でグリース開発をしてきた化学的見地を活かし、製品内に使用されるグリースを少量サンプリングするだけで、余寿命を測定することが可能なグリース劣化診断技術を開発しました。設備の状態保全において、点検/交換などのメンテナンス負担の軽減とグリース使用量削減を通じた環境負荷低減に貢献します。
(注)リアルな現象を再現して詳細に把握し、そのカラクリを推理してデジタル上にモデル化することにより、リアルとデジタルの両面から目に見えない本質を理解し、エンジニアの創造性を高め、既成概念を打ち破るようなソリューションを生み出すことを目指す当社独自の取り組み。
事業別の技術開発の状況は以下のとおりです。
②産業機械事業
産業機械の電動化・自動化による生産性向上、さらに状態監視や予知保全にとどまらず補修や再利用までを組み合わせた循環型社会やカーボンニュートラルなど持続可能な社会の実現などが求められる中、当社グループは、これらのニーズに貢献する製品やサービスを開発しています。
生産性向上に関しては、「サーボモータ用低発塵・高機能軸受」を開発し、新開発のグリースとシールにより従来比2倍以上の低発塵性能を実現し、サーボモータの安定稼働、信頼性向上に貢献します。また、開発した「NSKリニアガイドTM NH型/NS型 高作動オプション」では、業界初となる弾性ボールを採用した独自の高作動化技術により、検査装置、測定機などのなめらかな動きを実現します。また、機械加工の高精度化につながる工作機械の設計や要素技術に関する業績が評価され、日本機械学会から「2023年度 生産加工・工作機械部門 技術業績賞」を受賞しました。さらに、「NSKリニアガイド™ 長寿命シリーズDH型/DS型」は、「2023年“超”モノづくり部品大賞」において「機械・ロボット部品賞」を受賞しました。
状態監視については、回転機械だけではなく複雑な加工プロセスで動作する機械設備においても高い精度で状態監視を可能にする直動製品の状態監視システム実用化に向けた開発を開始しました。トライボロジー技術を活かした当社独自の診断技術と既存の状態監視製品やサービスを融合し、より多くのお客様のニーズや幅広い産業の予知保全に対応します。
さらに予知保全については、当社の産業機械設備に関する知見と情報処理サービスを展開する国内メーカーのRFIDタグ技術を掛け合わせた産業機械設備向けの新しい保全管理システムの開発も開始しました。温度センサを搭載したRFIDタグを活用し、現場での点検/保守履歴や設備稼働状態の見える化で作業負担の軽減と安全性向上に貢献します。
そのほか、日本国内における大規模な洋上風力発電ファームを早期に、かつ確実に実現させるための技術的課題の解決にも取り組んでいます。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプログラムで採択された「大型風洞設備による浮体式風車ウエイク現象の評価技術の研究開発」を通じて、ウエイク現象(注)が風車に作用する荷重変化の特性を把握することで、風車用軸受の信頼性向上を通して今後の風力発電の普及に貢献していきます。
上記に加え新事業への挑戦として、ロボティクス分野では、AGVやサービスロボットへの組み込みが可能な「アクティブキャスタ(PalGo)」を開発しました。これは自社技術を活かした電動駆動用キャスタユニットで、床面の段差や凹凸などを問わずスムースな全方向移動を可能とし、商業施設、医療機関、物流拠点など様々な環境で活用が期待されています。また、「令和5年度神奈川県県内産業DXプロジェクト支援事業」に参加し、実際の医療現場で、当社が開発した搬送アシストロボットについて、薬剤カートを使った自律走行搬送の検証を行いました。そのほか、現場の様々な搬送環境に対応する為に、野外環境の走行に適したリンク式サスペンションや、振り子構造による姿勢維持・免振機能などの独自技術を開発し、サービスロボット向けプラットフォームとしての提案も開始しました。さらに、サービス業を中心とした人手作業の自動化に貢献するフィンガーモジュールの共同開発をドイツ航空宇宙センターと開始し、2023国際ロボット展に出展しました。
今後一層高度化する産業機械市場のニーズに応え、『変わる 超える』の新商品を提案し続けます。
(注)「風車ウエイク」は、風車特有の現象で、前方からの風が風車の後ろに流れる際に、風速が落ちたり、風の流れが乱れたりする現象。
③自動車事業
自動車の電動化や自動化の進展、モビリティとしての多様化も進む中で、当社はそれら機能の省エネルギー、安全性、快適性を実現する製品・技術の開発に全方位で取り組んでいます。
省エネルギーに関しては、脱炭素社会を目指した自動車の電動化が急速に進む中、第7世代「低フリクション円すいころ軸受」を開発しました。ころ数の最適化により全回転域で低フリクションを実現し、トランスミッションやeAxleの効率向上を通して、ICEVやEVなどあらゆるモビリティの燃費・電費向上に貢献します。
加えて、航続距離延伸のため多くのバッテリーを積載するなどで増加する車両重量に対し、高負荷容量となる円すいころ軸受を用いたハブユニットの内部部品一体化を拡げ、更なる重量低減と最高水準の低フリクションを実現させた第3世代「円すいころハブユニット軸受」の量産を開始しました。
また電動化の進展に伴い、駆動用モーターの高出力化や駆動電圧の高電圧化により、軸受性能が低下する電食の発生リスクが高まることに対しては、「耐電食ソリューション」の拡充に引き続き取り組んでいます。
さらに、当社の要素技術を高めるために、当社製品が使われるユニット全体を視野に入れて研究開発を進めています。「電動シフトアクチュエータ」や「磁歪式トルクセンサ」など当社が開発した独自機構に、世界最高水準の高速回転軸受を組み合わせることで、トランスミッション機構の省エネルギー化や滑らかな変速制御の実現へ貢献します。
安全性に関しては、「電動ブレーキアクチュエータ用循環溝一体ボールねじ」の改良を進めています。ボールの循環経路を軸受や周辺部品と一体成型されたナット内径面に直接循環溝を成形することで、循環部品の配置が不要になり、小型・軽量を実現します。
また快適性に関しては、独自の材料技術で軸受を長寿命化した「電動コンプレッサー用軸受」を開発しました。車室内空調に使用されている電動コンプレッサーは、電動車では車載バッテリーや電子機器の熱マネジメントにも使用され、稼働率が高まることから軸受の信頼性の向上が重要になってきています。
多様化するモビリティに関しては、新たな交通手段として注目されるeVTOL(電動垂直離着陸機)に対し、「eVTOL向けガスタービン発電機用軸受」を開発しました。航続距離の延長やカーボンニュートラルの観点で最も現実的な推進機構として使われるガスタービン発電機に対し、新しい軸受潤滑機構を開発することで給油量を減らし、軽量かつ動力損失を抑えつつも、高出力を実現する高速回転性能を確保しました。
そのほか、軸受の摩擦低減、軽量化、長寿命化などのコアテクノロジーを通して、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献していきます。
当連結会計年度の当社グループにおける継続事業の研究開発費は15,602百万円であり、その内訳は、産業機械事業9,278百万円、自動車事業5,998百万円、その他326百万円です。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループは、事業の持続的成長、競争力の向上、新技術への開発投資を戦略的に行うことを基本方針としています。
当連結会計年度では、経済社会活動が正常に動き出したものの、原材料・エネルギー価格の高騰など、先行きは依然不透明な状況にありますが、当社のコアバリューである「安全・品質・環境・コンプライアンス」に関する案件や、生産性向上及び設備更新、更にはDX推進などに対し58,478百万円(対前期+4,386百万円)の設備投資を行いました。
産業機械事業では、生産性向上・設備更新及びBCP対策での生産移管などに30,869百万円(対前期+1,897百万円)の投資を行いました。自動車事業では、生産性向上及び設備更新に加え、新技術・新製品開発などに24,972百万円(対前期+3,502百万円)の投資を行いました。
なお、設備投資額に非継続事業に分類した事業は含めていません。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
(2) 国内子会社
(3) 在外子会社
(注) 1 土地の一部を賃借しており、年間賃借料は139百万円となっています。賃借している土地の面積については[ ]で外書きにしています。
2 建物の一部を賃借しており、年間賃借料は12百万円となっています。
3 土地・建物の一部を賃借しており、年間賃借料は36百万円となっています。賃借している土地の面積については[ ]で外書きにしています。
4 土地・建物の一部を賃借しており、年間賃借料は43百万円となっています。賃借している土地の面積については[ ]で外書きにしています。
5 土地・建物の一部を賃借しており、年間賃借料は18百万円となっています。賃借している土地の面積については[ ]で外書きにしています。
6 建物の一部を賃借しており、年間賃借料は31百万円となっています。
7 土地の一部を賃借しており、年間賃借料は21百万円となっています。
8 土地は全てを中国政府より賃借しています。
9 土地は全てをインドネシア政府より無償賃借しています。
10 土地は全てを天安市(韓国)より無償賃借しています。
3 【設備の新設、除却等の計画】
重要な設備の新設等
当社グループは持続的成長及びコスト競争力を高めるために、生産性向上や設備更新への投資を継続していくと共に新製品の投入やDX推進に向けた投資を推進していきます。また、「安全・品質・環境・コンプライアンス」に対する投資も行っていきます。
年間投資予定額は600億円であり、所要資金については自己資金及び借入金を充当する予定です。
2025年3月期におけるセグメントごとの設備投資計画は次のとおりです。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注) 1 当社は、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却について、取締役会から委任された当社取締役代表執
行役社長の決定に基づき、2023年8月25日付で自己株式51,268,104株の消却を実施しました。これにより、発
行済株式総数は500,000,000株となっています。
2「提出日現在発行数」には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の権利行使により
発行された株式数は含まれていません。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
会社法第236条、第238及び第240条の規定に基づく、ストックオプションの概要は次のとおりです。
(注) 1 当事業年度の末日(2024年3月31日)における内容を記載しています。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2024年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
2 新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株である。
3 当社が株式分割(普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)または株式併合を行う場合、次の算式により目的となる株式の数を調整するものとする。但し、かかる調整は、新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的となる株式の数についてのみ行われ、調整により生ずる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとする。
調整後株式数 = 調整前株式数 × 分割・併合の比率
また、当社が資本の減少を行う場合等、目的となる株式の数の調整を必要とする場合には、当社は必要と認め る株式の数の調整を行うものとし、調整により生ずる1株未満の端数は切り捨てる。
4 当社が株式分割または株式併合を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
また、時価を下回る価額で当社普通株式につき、新株の発行または自己株式の処分を行う場合は、次の算式により行使価額を調整し、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。但し、新株予約権の行使による場合は、行使価額の調整は行わないこととする。
なお、上記株式数において「既発行株式数」とは、当社の発行済株式総数から当社の保有する自己株式の総数を控除した数とし、また自己株式を処分する場合には、「新発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。
また、当社が資本の減少を行う場合等、行使価額の調整を必要とする場合には、当社は必要と認める行使価額の調整を行うものとし、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げる。
5 当社が合併(合併により当社が消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換及び株式移転(以下「組織再編行為」という。)をする場合においては、組織再編行為の効力発生時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」という。)の新株予約権者に対し、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を下記の条件で交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。
但し、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
①交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
②新株予約権の目的となる株式の種類
再編対象会社の普通株式
③新株予約権の目的となる株式の数
組織再編行為の条件に応じて合理的に調整された数とし、調整により生ずる1株未満の端数は切り捨て
る。
④新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
組織再編行為の条件に応じて合理的に調整された額とし、調整により生ずる1円未満の端数は切り上げ
る。
⑤新株予約権の行使期間
上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編行為
の効力発生日のいずれか遅い日から、上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使すること
ができる期間の満了日までとする。
⑥その他行使条件及び取得事由
上記「新株予約権の行使の条件」及び「自己新株予約権の取得の事由及び取得の条件」に準じて定める
ものとする。
⑦新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
上記「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」に準じて定める
ものとする。
⑧新株予約権の取得承認
譲渡による当該新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の承認を要する。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 当社は、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却について、取締役会から委任された当社取締役代表執行
役社長の決定に基づき、2023年8月25日付で自己株式51,268,104株の消却を実施しました。これにより、発行済
株式総数残高は500,000,000株となっています。
(5) 【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注) 自己株式3,722,952株は、「個人その他」に37,229単元、「単元未満株式の状況」に52株含まれています。
(6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 株式数は、千株未満を切り捨てています。
2 上記以外に、当社は自己株式3,722,952株(発行済株式総数に対する所有株式数の割合0.74%)を保有しています。また自己株式には、株式給付信託に係る信託口が所有する当社株式7,090,080株は含めていません。
3 2023年9月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者である日興アセットマネジメント株式会社が2023年8月31日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めていません。
なお、大量保有報告書の内容は次のとおりです。
4 2024年3月18日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ及びその共同保有者である株式会社三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行株式会社、三菱UFJアセットマネジメント株式会社、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社、ファースト・センティア・インベスターズ(香港)リミテッドが、2024年3月11日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末現在における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めていません。
なお、大量保有報告書の内容は次のとおりです。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、株式給付信託に係る信託口が所有する当社株式
7,090,000株(議決権70,900個)が含まれています。
2 「単元未満株式」欄には、当社の自己保有株式、相互保有株式、株式給付信託に係る信託口が所有する株式が次のとおり含まれています。
② 【自己株式等】
2024年3月31日現在
(注) 1 八木工業㈱は、日本精工取引先持株会(東京都品川区大崎一丁目6番3号)の会員であり、他人名義欄に記載されている株式は全て同持株会名義となっています。
2 上記には、株式給付信託に係る信託口が所有する当社株式7,090,080株を含めていません。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
(当社取締役及び執行役に対する株式給付信託)
当社は、2016年5月16日開催の報酬委員会の決議を経て、当社の取締役及び執行役に対し、信託を活用した株式報酬制度「株式給付信託」(以下「本制度」といい、本制度に関してみずほ信託銀行株式会社と締結する信託契約に基づいて設定される信託を「本信託」といいます。)を導入しています。
なお、役員に対する本制度によるインセンティブプランを継続しており、給付すべき株式数の増加が見込まれることから、当社株式の取得資金を株式給付信託に確保するために、金銭を追加拠出しました。
1 本信託の概要
①名称 :株式給付信託
②委託者 :当社
③受託者 :みずほ信託銀行株式会社
(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行)
④受益者 :当社の取締役及び執行役(以下、併せて「対象役員」といいます。)を退任
した者のうち株式給付規定に定める受益者要件を満たす者
⑤信託管理人 :当社と利害関係のない第三者
⑥信託の種類 :金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
⑦本信託契約の締結日:2016年8月25日
⑧金銭を信託した日 :2016年8月25日
⑨信託の期間 :2016年8月25日から信託が終了するまで
(特定の終了期日は定めず、本制度が継続する限り信託は継続します。)
2 本信託における当社株式の取得内容
①取得する株式の種類 :当社普通株式
②株式の取得資金として信託した金額:1,683,949,960円
③取得株式数 :2,073,830株
④株式の取得方法 :当社の自己株式処分を引き受ける方法により取得
⑤株式の取得日 :2016年8月25日
3 本信託における当社株式の追加取得①の内容
①取得する株式の種類 :当社普通株式
②株式の取得資金として信託した金額:3,447,389,258円
③取得株式数 :3,663,538株
④株式の取得方法 :当社の自己株式処分を引き受ける方法により取得
⑤株式の取得日 :2019年8月23日
4 本信託における当社株式の追加取得②の内容
①取得する株式の種類 :当社普通株式
②株式の取得資金として信託した金額:1,346,369,952円
③取得株式数 :1,829,307株
④株式の取得方法 :当社の自己株式処分を引き受ける方法により取得
⑤株式の取得日 :2022年8月22日
5 本制度の仕組み

(当社幹部社員等に対する株式給付信託)
当社は、当社及び一部子会社の一部役職員(以下「幹部社員等」といいます。)に対して当社の株式を給付するインセンティブプラン「幹部社員等株式給付信託」(以下「本制度」といい、本制度に関してみずほ信託銀行株式会社と締結する信託契約に基づいて設定される信託を「本信託」といいます。)を導入しています。
なお、幹部社員等に対する本制度によるインセンティブプランを継続しており、給付すべき株式数の増加が見込まれることから、当社株式の取得資金を幹部社員等株式給付信託に確保するために、金銭を追加拠出しました。
1 本信託の概要
①名称 :幹部社員等株式給付信託
②委託者 :当社
③受託者 :みずほ信託銀行株式会社
(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行)
④受益者 :幹部社員等を退職又は退任した者のうち株式給付規定の定める要件を満たす者
⑤信託管理人 :当社の従業員より選定
⑥信託の種類 :金銭信託以外の金銭の信託(他益信託)
⑦本信託契約の締結日:2017年8月25日
⑧金銭を信託した日 :2017年8月25日
⑨信託の期間 :2017年8月25日から信託が終了するまで
(特定の終了期日は定めず、本制度が継続する限り信託は継続します。)
2 本信託における当社株式の取得内容
①取得する株式の種類 :当社普通株式
②株式の取得資金として信託した金額:222,814,644円
③取得株式数 :153,348株
④株式の取得方法 :当社の自己株式処分を引き受ける方法により取得
⑤株式の取得日 :2017年8月25日
3 本信託における当社株式の追加取得①の内容
①取得する株式の種類 :当社普通株式
②株式の取得資金として信託した金額:153,281,372円
③取得株式数 :162,892株
④株式の取得方法 :当社の自己株式処分を引き受ける方法により取得
⑤株式の取得日 :2019年8月23日
4 本信託における当社株式の追加取得②の内容
①取得する株式の種類 :当社普通株式
②株式の取得資金として信託した金額:808,102,240円
③取得株式数 :1,097,965株
④株式の取得方法 :当社の自己株式処分を引き受ける方法により取得
⑤株式の取得日 :2022年8月22日
5 本制度の仕組み

2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注)2023年5月12日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得は、25,000,000株の買付けにより2023年6月16日に終了しました。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注)「当期間における取得自己株式」には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数及び価額の総額は含まれていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)1 「当期間」における「その他(新株予約権の行使)」及び「保有自己株式数」には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの株式数及び処分価額の総額は含まれていません。
2 当事業年度及び当期間の保有自己株式数には「株式給付信託」制度のために設定したみずほ信託銀行株式会社(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託E口))が所有する当社株式7,090,080株は含まれていません。
3 【配当政策】
当社は株主の皆様に対する「安定的な利益還元」を重要な経営方針の一つとして、『中期経営計画2026』においては、配当性向30%~50%を目標に掲げています。また、機動的な資本政策の手法として、自己株式の取得も選択肢の一つと認識しています。自己株式の取得は、キャッシュ・ポジションや株式市場の動向等を勘案して適切かつ機動的に実施したいと考えており、これらの実行にあたっては、財務状況等を勘案して適切に決定していきます。
当期の期末配当につきましては、上記方針を踏まえた上で当期の業績や今後の事業環境等を総合的に勘案した結果、1株当たり15円といたします。なお、昨年12月4日に1株につき15円の中間配当を実施しましたので、年間での配当金は前期と同額の1株につき30円となります。
なお、2025年3月期より、利益還元の指標としてDOE(親会社所有者帰属持分配当率)を採用します。各期の配当は、配当性向30%~50%に加えて、DOE2.5%を下限の目安に、株主の皆様へ安定的・継続的な配当を実施する方針です。
(注) 配当金の総額は、百万円未満を切り捨てています。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、持続的な企業価値の向上のためには、透明・公正かつ迅速な意思決定を行うための仕組みが不可欠であると考えています。この実現のために、次に示す4つの指針に基づいてコーポレートガバナンス体制を構築します。
1) 取締役会から業務の執行の決定について執行機関へ積極的に委任することにより、
経営の効率性及び機動性を向上させること
2) 監督機関と執行機関とを分離することにより、監督機関の執行機関に対する監督機能を確保すること
3) 監督機関と執行機関とが連携することにより、監督機関の執行機関に対する監督機能を強化すること
4) コンプライアンス体制を強化することにより、経営の公正性を向上させること
当社は、これらコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方と体制を「コーポレートガバナンス規則」に定め、取締役及び執行役がこの規則に則って職務を行っています。
② 会社の経営上の意思決定、執行及び監督に関わる経営管理組織その他のコーポレートガバナンス体制の状況
当社は、経営に関して効率性・機動性と監督のバランスを重視しています。
当社の取締役会は9名の取締役にて構成され、そのうち社外取締役5名、社内取締役4名(うち執行役を兼務する取締役2名)となっています。この構成は、当社事業に精通した社内取締役の知見と社外取締役が有する広い経験・見識との間のバランスにより、取締役会による適切な意思決定や監督を行うことに効果を発揮しています。
当社は、指名委員会等設置会社として、業務の執行の決定を積極的に執行役に委任し、経営の効率性・機動性の向上に努めています。取締役会は、執行役の職務の執行の適正性や公正性を監督しています。当社は、各々、社外取締役が過半数を占める指名委員会、監査委員会及び報酬委員会に独立した権限を与え、会社の経営に関する特に重要な事項についての監督機能を強化しています。
また、当社は、CEOの意思決定補助機関として、経営会議を設置しています。経営会議は当社グループにおける業務執行方針及び執行に関する重要事項について審議を行います。また、経営課題、事業展開の方向性及び業務執行状況等について、情報を共有し理解の統一を図る場として、オフィサーズ・ミーティングを設置しています。オフィサーズ・ミーティングはCEO、執行役、執行役員及びグループオフィサーにて構成され、その議長をCEOが務めています。当社はこれらにより、業務執行の効率性・機動性を適切に確保しています。
上記のコーポレートガバナンス体制を構成する機関等の名称、目的・権限及び構成員の氏名は次のとおりです。
(法定の機関)
(任意の機関等)
③ 内部統制システム構築の基本方針について
当社取締役会は、2006年に「内部統制システム構築の基本方針」を決議して以来、その後も企業に求められる社会的要請の変化に応じ、同方針の見直しをしています。現状の基本方針は次のとおりです(2024年5月9日現在)。
(a) 当社グループにおける業務の適正を確保するための体制
当社は、「NSKグループ経営規則」により、当社グループ全体の内部統制の向上を図り、経営の健全性・透明性を高め、経営管理を円滑に運営することを目的とし、当社グループにおける業務の適正を確保する体制を構築します。
また、当社グループの経営及び業務についての各種規程に則り、当社グループの各部門よりその業務に係る事項、又は子会社の取締役等より職務の執行に係る事項について、定期的、或いは随時報告を受けます。
当社は、監査委員会に対して当社グループの各部門からの定期的な報告を確認できる仕組みを整備します。監査委員会又は監査委員は、当社グループの各部門を訪問し、また子会社の監査役と連携し、その業務及び財産の状況を調査することができることとします。
なお、監査委員会が必要と認めたときは、監査委員の指揮の下でその業務を経営監査部に行わせることができることとします。
(b) 当社執行役及び使用人並びに子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保
するための体制
当社は、「NSK企業倫理規則」、「コーポレートガバナンス規則」及び「コンプライアンス規則」により、当社グループが企業理念体系に則り、当社執行役及び使用人並びに子会社の取締役等及び使用人が遵守すべき普遍的な考え方、コンプライアンスを推進するための体制及び運営の基本的事項(組織、研修体制、内部通報制度等)を定めます。
また、コンプライアンス意識の醸成を図るとともに内部統制の強化・充実に努め、法令違反行為及び定款違反行為を実効的に防止します。特に国内外の競争法については、「競争法遵守規則」の遵守を徹底させるとともに、継続的な教育・啓発活動の推進を通じて、競争法に関するコンプライアンスの意識を醸成させること等により、違反行為をより実効的に防止します。
法務コンプライアンス本部は、当社グループのコンプライアンス体制を強化するための方針を策定し、これに基づく諸施策を実施するとともにその状況を継続的に監視します。法務コンプライアンス本部の活動はコアバリュー委員会に定期的に報告され、同委員会は、コアバリューの一つであるコンプライアンスの推進・強化のための方針の議論や関連リスクの共有を通して、全社的なコンプライアンス課題の解決にむけた提言と進捗のモニタリングを行います。
さらに、「財務報告に係る内部統制規則」に基づき、当社グループ全体の財務報告に係る内部統制の整備及び運用を財務本部が、その評価を経営監査部が担い、財務報告の信頼性を確保するための合理的な保証を得られる体制を確保します。
また、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して断固たる姿勢を貫き、反社会的勢力からの不当、不法な要求に応じず、取引関係を含め、反社会的勢力との関係を一切遮断して、企業活動における社会的責任を果たしていくことを基本方針とします。
(c) 当社執行役及び子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
当社は、「NSKグループ経営規則」により、事業運営の原則、意思決定の仕組み、事業リスクの継続的監視、当社グループ各社の業績目標及び管理に関し、当社執行役及び子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制について定めます。
(d) 当社グループにおける損失の危険の管理に関する規程その他の体制
当社は、「リスク管理規則」により、執行体制上の責任者及び組織の役割を定め、当社グループ全体のリスクを網羅的・総括的に管理し、リスク管理体制を明確にします。
また、経営監査部が各部門のリスク管理の状況を監査し、監査委員会はその結果について報告を受け、定期的に取締役会に報告します。
(e) 当社執行役及び子会社の取締役等の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
当社は、当社執行役及び子会社の取締役等の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制について「NSKグループ経営規則」、「文書等の保存・管理規則」及び「NSKグループ情報セキュリティ管理基準」に定めます。
また、当社執行役及び子会社の取締役等は、監査委員会又は監査委員会が指名する監査委員が求めたときは、これらの情報を閲覧に供することとします。
(f) 監査委員会の職務の執行に必要な事項
1) 監査委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項
監査委員会の職務を補助する組織を経営監査部とします。経営監査部員のうち若干名の使用人は専任又は兼務にて監査委員会の職務を補助することとします。
2) 経営監査部の執行役からの独立性及び経営監査部に対する指示の実効性の確保に関する事項
経営監査部はCEO直属の組織とし、監査対象部門から独立した組織とします。
さらに、監査委員会は組織的監査を行うために経営監査部長又は所属の使用人に対し、直接指揮・命令することができます。
また、同部長及び専任又は兼務にて監査委員会の職務を補助する部員(監査委員会事務局員)の異動発令及び懲戒等は、事前に監査委員会の同意を得るものとし、人事評価に関して、監査委員会は意見を述べることができることとします。
3) 監査委員会への報告に関する当社グループの体制
当社は、当社事業部門責任者及び当社グループの責任者等が、監査委員会が必要と認める事項につき報告する体制を構築します。特に当社グループに著しい損害を及ぼすおそれがある事実について、その認識の有無につき定期的に監査委員会に報告し、その事実が発生したと判断した場合には、直ちにその内容を監査委員会に報告することとします。
さらに報告を補完する手段として、監査委員会が必要と認めた当社グループの重要会議について、監査委員を出席させることができることとします。また、執行役は当社グループにおける内部通報制度を整備し、その運用及び通報の状況について遅滞なく監査委員会に報告します。
上記に定められた内容又は手段による報告のほか、当社グループの取締役、執行役、使用人及び監査役又はこれらの者から報告を受けた者は、監査委員会に報告を行うことができることとします。
なお、当社は、報告の形式を問わず、監査委員会に報告を行った者に対してその報告を理由として不利益な取扱いをすることを禁止し、当社グループ内にその旨を周知します。
4) その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員会は、CEO、会計監査人とそれぞれ定期的に意見交換を行い、経営監査部による内部監査の有効性を確保するため、内部監査に係る年次計画、実施状況及びその結果について、執行役に対して計画変更、追加監査又は改善を勧告することができることとします。さらに、独自に顧問弁護士に委任し、また必要に応じて専門の弁護士、会計士から監査業務に関する助言を受けることができることとします。
なお、監査委員の職務の執行に関して生ずる費用について、当社はその請求に基づき、所定の方法に従って、適正かつ速やかにその処理を行います。
④ 内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況
内部統制システムの構築と整備・運用にあたっての主要な機能とそれを担う組織の役割は次のとおりです。
(コンプライアンス)
法務コンプライアンス本部は、当社グループのコンプライアンス体制を強化するための方針を策定し、これに基づく諸施策を実施するとともに、その状況を継続的に監視し、その活動をコアバリュー委員会に定期的に報告します。
(リスク管理)
経営企画本部は、各事業本部や機能本部、地域本部との連携のもと、CEOを補佐し、主に、当社グループの事業運営における全般的なリスク統括管理の役割を担います。また、グローバルに事業を運営する上で必要となる内部統制システムを維持・強化する責任を負います。
経営監査部は、定期的に、リスクモニタリングを通じてその管理の状況、体制について検証を行うとともに業務監査を通じてその是正と改善を促します。
危機管理委員会は、当社グループが遭遇しうるリスクのうち、自然災害、感染症流行、重大事故等のリスクの管理体制を整備・強化することにより、リスク発生の未然防止や発生時の損害を最小化する役割を担います。また、リスク発生時においては、これに迅速かつ的確に対処する役割を担います。
(承認・報告)
当社グループ各社は、会社運営、制度、統治機構及び株主の利益に関する事項をCFOに、事業運営に係る重要な意思決定に関する事項を所轄の事業本部又は機能本部に事前に申請し承認を得ます。また、各社は当社に対して定期的に報告を行います。
当社のコーポレートガバナンス体制及び内部統制体制は次のとおりです。

コアバリュー委員会:「安全・品質・環境・コンプライアンス」のコアバリューは、当社の経営の意思決定や行動において、最優先される共通の価値基準です。コアバリュー委員会は、コアバリュー推進・強化のための方針の議論や関連リスクの共有を通して、全社的課題を設定し、それらの解決に向けた提言と進捗のモニタリングを行います。
⑤ 「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」について
(a) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社は、資本市場に公開された株式会社であるため、当社株式の大量の買付行為がなされた場合にそれに応じるべきか否かは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきであると考えます。
しかしながら、株式の大量の買付行為の中には、株主の皆様に対する必要十分な情報開示や熟慮のための機会が与えられることなく、あるいは当社取締役会が意見表明を行い、代替案を提示するための情報や時間が提供されずに、突如として強行されるものもあり得ます。このような株式の大量の買付行為の中には、真摯に合理的な経営を行う意思が認められないもの等、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を毀損する買付行為もあり得ます。
かかる当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を毀損する当社株式の大量の買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
(b) 基本方針の実現に資する特別な取り組みの概要
(イ)中期経営計画等による企業価値向上への取り組み
当社グループは企業理念のもと、技術革新の進展や地球環境負荷の低減に対する取り組みを成長の機会と捉え、技術・製品・サービスを通じ、高い品質と信頼で応えていきます。すなわち、トライボロジーとデジタルの融合による価値創出で、持続可能な社会の発展に貢献し、社会から必要とされ、信頼され、選ばれ続ける企業を目指していきます。
その実現に向けて、2022年度から2026年度までの5ヵ年を対象期間とする『中期経営計画2026』に則り、事業基盤の強化を進めていきます。当社のコアバリューである「安全・品質・環境・コンプライアンス」を、経営の意思決定や行動において最優先される共通の価値基準とし、「収益を伴う成長」「経営資源の強化」「ESG経営」の3つの経営課題に取り組んでいきます。
3つの経営課題と取り組み内容は、「第2[事業の状況] 1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等] (2) 経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
(ロ)コーポレートガバナンスに関する取り組み
当社は、社会的責任を果たし、企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、持続的に向上させるため、経営に関する意思決定の透明性と健全性の向上に積極的に取り組んできました。2004年に当時の委員会等設置会社に移行する以前から、執行役員制度の導入、社外取締役の招聘及び任意の報酬委員会・監査委員会の設置をしてきました。現在、当社は指名委員会等設置会社であり、指名・監査・報酬の3つの委員会は、それぞれ社内取締役と過半数を占める社外取締役で構成され、経営に関する意思決定の透明性と健全性の確保に大きな役割を果たしています。
なお、当社の社外取締役については全員を独立役員として株式会社東京証券取引所に届け出ています。
(c) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため
の取り組みの概要
当社は、2008年6月に導入した当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)について、有効期間の満了となる2023年6月23日開催の当社第162期定時株主総会の終結の時をもって継続せず、廃止しました。当社は、今後も、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上に向けて取り組みを進めるとともに、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、当該行為の是非を株主の皆様が検討するために必要かつ十分な情報の提供と時間の確保を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様が当該行為を適切に判断することができる機会の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
(d) 上記の取り組みについての取締役会の判断及びその理由
上記(b)の取り組みは、当社の中長期的な企業価値の向上のための基本的な取り組みの一環であり、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させることを目的として実施しているものです。
また、上記(c)の取り組みは、大量買付行為の是非を株主の皆様が検討するために必要かつ十分な情報、時間及び機会を確保するものであり、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることを目的として実施するものです。
従いまして、上記(b)及び(c)の取り組みは上記(a)の基本方針に沿うものであり、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではありません。
⑥ その他
(a) 自己株式取得に関する要件
当社は、自己株式の取得について、株主還元及び経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議による市場取引等により自己株式を取得することができる旨を定款で定めています。
(b) 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
(c) 取締役の選任に関する決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、累積投票によらない旨を定款で定めています。
(d) 責任限定契約の締結
当社は、会社法第427条第1項及び定款第26条に基づき、取締役(業務執行取締役等である者を除く)全員と会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく損害賠償の限度額は法令が規定する最低責任限度額です。
(e) 補償契約の締結
当社は、取締役及び執行役全員との間で会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しています。同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしています。ただし、補償金額の上限設定や被補償者による損害軽減の対応義務、補償の際に当社諮問委員会での審議を要することとし、被補償者の職務執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じています 。
(f) 役員等賠償責任保険契約の締結
当社は、当社並びに一部の当社子会社及び関連会社の取締役、執行役及び管理職従業員を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険を保険会社との間で締結しており、保険料は特約部分も含め全額を当社並びに一部の当社子会社及び関連会社が負担しています。当該保険契約により、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うこと、または当該責任の追及に係る争訟費用や損害賠償請求を受けることによって生ずることのある損害が保険会社により填補されます。ただし故意または重過失に起因して生じた当該損害は填補されない等の免責事由があります。
(g) 剰余金の配当等に関する事項
当社は、剰余金の配当等、会社法第454条第5項及び第459条第1項各号に掲げる事項については、株主総会の決議によらず取締役会の決議による旨を定款に定めています。これは、当社の配当方針に基づき、剰余金の配当等を機動的に実施するためです。
(h) 会社と特定の株主の間で利益が相反するおそれがある取引を行う場合に株主の利益が害されることを防止
するための措置
当社は、当社と特定の株主との間の取引に関して、会社及び株主共同の利益を害することのないよう、当社取締役会が事前に承認をし、定期的に報告を受けることとしています。
⑦ 会社のコーポレートガバナンスの充実に向けた取り組みの最近1年間の状況
2023年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)に開催した重要な会議は次のとおりです。
株主総会 : 第162期定時株主総会 2023年6月23日
取締役会 : 10回
指名委員会: 6回
監査委員会: 14回
報酬委員会: 4回
(a) 取締役会
(イ)開催実績
10回
(ロ)主な議題
・連結決算、剰余金の処分、内部統制システム構築の基本方針、執行役の選任
・ステアリング事業の合弁会社の設立
・サステナビリティ・リンク・ボンドの発行
・政策保有株式の保有の合理性の検証
・機関投資家との対話結果
・取締役会の実効性評価
・予算運営方針
・指名、監査、報酬委員会の活動状況
・『中期経営計画2026』のモニタリング
(ハ)構成員の氏名及び出席率(出席回数/出席対象となる取締役会の回数)
野上 宰門(議長) 100%(10回/10回)
市井 明俊 100%(10回/10回)
鈴木 啓太 100%( 8回/ 8回)
山名 賢一 100%(10回/10回)
永濱 光弘 100%(10回/10回)
小原 好一 100%(10回/10回)
津田 純嗣 100%(10回/10回)
泉本 小夜子 100%(10回/10回)
藤塚 主夫 88%( 7回/ 8回)
2023年6月23日付で、鈴木啓太氏及び藤塚主夫氏は取締役にそれぞれ就任したため、
出席対象となる取締役会の回数が他の取締役と異なります。
(b) 指名委員会
(イ)開催実績
6回
(ロ)主な議題
・取締役会の構成(スキル・マトリックスを含む)
・2024年度取締役候補者案
・社外取締役候補者の確保
(ハ)構成員の氏名及び出席率(出席回数/出席対象となる委員会の回数)
津田 純嗣(委員長) 100%(6回/ 6回)
藤塚 主夫 100%(5回/ 5回)
市井 明俊 100%(6回/ 6回)
2023年6月23日付で、藤塚主夫氏は指名委員会委員に就任したため、出席対象となる指名委員会の回数が
他の指名委員会委員と異なります。
(c) 監査委員会
(イ)開催実績
14回
(ロ)主な議題
・「(3) [監査の状況]」に記載のとおりです。
(ハ)構成員の氏名及び出席率(出席回数/出席対象となる委員会の回数)
泉本 小夜子(委員長) 100%(14回/14回)
永濱 光弘 100%(14回/14回)
山名 賢一 100%(14回/14回)
(d) 報酬委員会
(イ)開催実績
4回
(ロ)主な議題
・役員の報酬等の額の決定に関する方針
・取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容
・2024年度役員報酬制度
(ハ)構成員の氏名及び出席率(出席回数/出席対象となる委員会の回数)
永濱 光弘(委員長) 100%(4回/ 4回)
小原 好一 75%(3回/ 4回)
鈴木 啓太 100%(3回/ 3回)
2023年6月23日付で、鈴木啓太氏は報酬委員会委員に就任したため、出席対象となる指名委員会の回数が
他の指名委員会委員と異なります。
(2) 【役員の状況】
①役員一覧
男性 25名 女性 2名(役員のうち女性の比率 7.4%)
a. 取締役の状況
(注)1 取締役小原好一、津田純嗣、泉本小夜子、藤塚主夫、林信秀の各氏は、社外取締役です。
2 取締役の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
3 当社は指名委員会等設置会社です。当社の委員会体制については次のとおりです。
4 所有株式数は、百株未満を切り捨てています。
b. 執行役の状況
(注) 1 執行役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度の末日までとしています。
2 所有株式数は、百株未満を切り捨てています。
② 会社と会社の社外取締役の人的関係、資本的関係又は取引関係その他利害関係の概要
当社は、社外取締役が一般株主との利益相反の生ずるおそれのない立場で取締役会及び指名・監査・報酬の3つの委員会に参画し、経営の基本方針などの決定と執行役の職務の執行の監督を担うことで、経営の一層の健全性と透明性を高めるものと考えています。社外取締役の選任にあたっては、経営者若しくは専門家としての幅広い経験と高い見識を有し、当社との間に特別の関係がなく、一般株主との利益相反の生ずるおそれのないことを基準としています。
なお、当社は社外取締役の独立性に関する基準を設けており、その内容は、当社ウェブサイトでご覧いただけます。(https://www.nsk.com/jp/company/governance/index.html)
当社の社外取締役は小原好一、津田純嗣、泉本小夜子、藤塚主夫、林信秀の5氏です。
社外取締役各氏は、当社の定める社外取締役の独立性に関する基準及び、株式会社東京証券取引所の定める独立性基準を満たしていますので、株式会社東京証券取引所に独立役員として届け出ています。なお、当社との関係の具体的な内容は次のとおりですが、いずれも特別の利害関係にありません。また、その他に開示すべき利害関係はありません。
小原好一氏は、2019年7月以降、前田建設工業㈱の業務執行に従事していません。当社は同社と取引がありますが、その取引額は同社の売上高の0.1%未満であり、特別な利害関係はありません。
津田純嗣氏は、2022年6月以降、㈱安川電機の業務執行に従事していません。当社と同社は相互に取引がありますが、その取引額は共に両社の売上高の0.1%未満であり、いずれについても特別な利害関係はありません。
泉本小夜子氏は、2016年8月以降、有限責任監査法人トーマツの運営に従事していません。当社と同監査法人の間に取引はなく、特別な利害関係はありません。
藤塚主夫氏は、2019年4月以降、㈱小松製作所の業務執行に従事していません。当社と同社は相互に取引がありますが、その取引額は当社の売上高の0.3%未満、同社の売上高の0.1%未満であり、いずれについても特別な利害関係はありません。
林信秀氏は、2019年4月以降、㈱みずほ銀行の業務執行に従事していません。当社は同行との間で資金借入の取引がありますが、同行は複数ある借入先のひとつであり特に依存している状況になく、特別な利害関係はありません。
③ 社外取締役による監督と内部監査、監査委員会監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
当社は、社外取締役が取締役会及び指名・監査・報酬の3つの委員会に参画し、執行役の職務の執行の監督を担っています。監査委員会は、内部監査部門である経営監査部と連携の上、組織的な監査を行っており、CEO、会計監査人とそれぞれ定期的に意見交換を行っています。また、当社事業部門責任者及び当社グループ責任者等が、監査委員会が必要と認める事項につき報告する体制が構築されています。
(3) 【監査の状況】
① 監査委員会監査の状況
当社の監査委員会は業務を執行していない3名の取締役で構成され、うち2名は社外取締役です。また、監査委員会委員長の泉本小夜子氏は公認会計士の資格を有し、財務及び会計に関する幅広い経験と高い見識を有しています。
当社はCEO直属の内部監査部門として経営監査部を設置しており、経営監査部員のうち2名は監査委員会事務局の専任として、その他2名が兼任として監査委員会の職務の補助を行っています。また、経営監査部長及び専任又は兼務にて監査委員会の職務を補助する部員(監査委員会事務局員)の異動発令及び懲戒等は、事前に監査委員会の同意を得るものとし、人事評価に関して、監査委員会は意見を述べることができることとします。さらに、監査委員会は組織的監査を行うために同部長または所属の使用人に対し、直接指揮・命令することができます。これらにより、経営監査部の取締役、執行役からの独立性を高め、監査委員会の指示の実効性を確保しています。
監査委員会では、取締役と執行役の職務の監査及び監査報告の作成、会計監査人の選解任等に関する議案内容の決定のために、年度毎に監査方針・監査計画を作成して監査活動を実施しています。
2024年3月期において、監査委員会は14回開催しており、各監査委員の出席状況は次のとおりです。
監査委員会は監査計画に基づき、経営監査部と連携して、組織的な監査を行っています。また、監査委員は経営会議やオフィサーズミーティングその他重要な会議への出席、重要書類等の閲覧等を行い、その結果を監査委員会に報告し、情報を共有しています。2024年3月期の主な活動は、ウェブ会議システム等も活用しながら、本社や主要な製造・研究拠点及び国内外のグループ各社への往査、執行役等とのヒアリングによる業務執行状況の確認、経営監査部からの報告聴取によるリスクモニタリングと内部監査結果等の共有、会計監査人による監査の実施状況・結果報告についての確認等を行いました。これらの活動結果を監査委員会として取締役会に報告し、提言を行っています。監査委員会における主な検討事項は、内部統制システムの整備・運用状況、経営上の重要な課題(当社の中期経営計画等)への取り組み状況、監査上の主要な検討事項(KAM)を含む監査人の評価等です。
② 内部監査の状況
当社の内部監査については、経営監査部が日常のモニタリング活動や定期的なリスク評価に基づき策定した監査計画に従いグループ内組織の監査を行い、内部統制機能を果たすとともに業務プロセスの改善活動をサポートしています。また、財務報告に係る内部統制の評価(J-SOX)についても、執行部門が行う自己点検を確認し、グループ全体の内部統制の有効性の評価を行っています。これら内部監査の実施状況については、CEOに報告すると同時に、監査委員会へも報告し、必要に応じて追加調査及び改善等の指示を受けることで組織監査の実効性向上を図っています。なお、経営監査部の員数は23名です。
③ 会計監査の状況
(a) 監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
(b) 継続監査期間
1970年以降
(c) 業務を執行した公認会計士
当社の会計監査業務を執行した当該監査法人に所属する公認会計士は、田中宏和、松村信、大久保豊の3名です。継続監査年数は3氏とも7年以内です。
なお、会計監査人と監査委員会及び経営監査部は、監査報告をはじめ、意見交換等を定期的に実施しています。
(d) 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士15名、その他38名です。
(e) 監査法人の選定方針と理由
監査委員会は、会計監査人の選定方針を定め、適任と判断した会計監査人を選定しています。具体的には、当社グループのグローバルな事業活動を踏まえ、会計監査人に必要とされる独立性、専門性、監査品質管理、監査計画・監査体制、監査実績や監査報酬水準等も勘案し、監査法人の選定を行いました。
なお、会計監査人の職務の執行に支障がある場合等、監査委員会が必要と判断した場合には、会計監査人の解任または不再任を株主総会に提案します。また、会計監査人が会社法第340条第1項に定められている解任事由に該当すると認められる場合には、監査委員会は会計監査人を解任し、解任後最初に招集される株主総会において、解任の旨及びその理由を報告します。
(f) 監査委員会による監査法人の評価
監査委員会は、監査委員会の定めた評価基準に従い、会計監査人について評価を行いました。執行役、社内関係部署及び会計監査人からの必要な資料の入手や報告を通じて、会計監査人に必要とされる独立性、専門性、監査品質管理、監査活動の状況、監査報告の相当性等について評価した結果、EY新日本有限責任監査法人が会計監査人として適切、妥当であると判断しています。
④ 監査報酬の内容等
(a) 監査公認会計士等に対する報酬
(b) 監査公認会計士等と同一のネットワーク(アーンスト・アンド・ヤング)に属する組織に対する報酬((a)を除く)
前連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、社債発行に伴うコンフォートレター作成業務及び英文財務諸表作成に係る助言業務です。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
当連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、社債発行に伴うコンフォートレター作成業務及び英文財務諸表作成に係る助言業務です。
また、連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等です。
(c) その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
(d) 監査報酬の決定方針
当社の監査報酬は、監査計画、監査日数等を総合的に勘案し、監査委員会の同意を得た上で決定しています。
(e) 監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査委員会は、執行役、社内関係部署及び会計監査人からの必要な資料の入手や報告の聴取を通じて、会計監査人の監査計画の内容、職務執行状況及び報酬額の見積りの算定根拠などを確認し、検討した結果、適正と判断し、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行っています。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
指名委員会等設置会社である当社では、役員報酬の体系及びその水準、個人別の報酬等について、社外取締役が委員長を務める報酬委員会において、外部専門家のアドバイス、他社の水準や動向などに関する客観的な情報を参考に決定します。
当社の役員報酬は、「執行役としての報酬」と「取締役としての報酬」を別々に決定し、取締役が執行役を兼務する場合は、それぞれの報酬を合算して支給します。なお、執行役を兼務する取締役には、取締役としての株式報酬は支給しません。
また、2024年3月期は報酬委員会を4回開催し、役員報酬の体系及びその水準、個人別の報酬を決議しました。
(a) 執行役の報酬
執行役の報酬は、固定報酬である基本報酬と業績に応じて変動する業績連動報酬からなり、基本報酬と業績連動報酬の割合は、概ね4:6を標準としています。
<ご参考>執行役の報酬体系のイメージ
(イ)基本報酬
基本報酬は、執行役の役位に応じた額を決め、また、代表権を有する執行役には、加算を行います。
(ロ)業績連動報酬
業績連動報酬は短期業績連動報酬と中長期業績連動型株式報酬で構成されます。
(i)短期業績連動報酬
収益力の強化、株主資本の効率化、企業価値向上などの経営目標に整合する指標として、営業利益率、ROE、キャッシュ・フロー、売上高に対する新商品売上高比率並びにCO2排出量削減、安全及び品質向上等のESGに関する課題の目標達成度を指標として用い、短期業績連動報酬の額を決定します。更に、個人別の報酬額は、担当する職務の業績達成度等を勘案して支給します。
(ii)中長期業績連動型株式報酬
持続的な企業価値の向上に対する執行役の貢献意識を一層高め、株主との利害の共有を図り、執行役の報酬と中長期的な株式価値との連動性を更に強化することを目的として、株式給付信託の仕組みを活用した業績連動型株式報酬制度を導入しています。
当制度は、当社株式の株主総利回り(TSR)の相対評価(TOPIXの成長率との比較。以下「相対TSR」といいます。)に応じて3年毎にポイントを確定し、退任時に当社株式を給付するものです。但し、そのうちの一定割合については、株式を換価して得られる金銭を給付するものとします。
なお、2021年4月から2024年3月の期間における相対TSRは62.79%となりました(当制度はポイント付与後、3年経過後に確定する仕組みのため、2022年に付与したポイントは2025年、2023年に付与したポイントは2026年に確定します)。TSRがTOPIXの成長率を上回ることを目指し、相対TSR 100%以上を目標値としています。
また、当制度の詳細は、後述の「(d) 執行役に対する中長期業績連動型株式報酬として付与するポイント及び退任時に給付される株式数及び金銭額の算定方法」に記載しています。
(b) 取締役の報酬
取締役の報酬は、固定報酬である基本報酬と変動報酬である株式報酬からなります。
(イ)基本報酬
基本報酬は、社外取締役、社内取締役の別、また、所属する委員会や取締役会における役割等に応じて決定します。
(ロ)株式報酬
持続的な企業価値の向上に対する取締役の貢献意識を一層高め、株主との利害の共有を図ることを目的として、株式給付信託の仕組みを活用した株式報酬制度を導入しています。当制度は、社外取締役、社内取締役の別に応じて、事業年度毎に予め付与したポイントに基づき、退任時に当社株式を給付するものです。但し、そのうちの一定割合については、株式を換価して得られる金銭を支給するものとします。
なお、執行役を兼務する取締役には、取締役としての株式報酬は支給しません。
(c) その他
子会社、関連会社等の別の会社役員に就任している者が執行役に就任した場合には、報酬を別に定めます。
(d) 執行役に対する中長期業績連動型株式報酬として付与するポイント及び退任時に給付される株式数及び金銭額
の算定方法
(イ)付与ポイント
※付与対象期間は4月1日から翌年の3月31日までとします。また、ポイントの付与対象期間中に、役位に変
動があった月については、上位の役職にあったものとみなしてポイント数の調整を行います。
付与されたポイントは、付与対象期間を初年度とする連続する3事業年度(以下「業績評価対象期間」といいます。)が終了した後、最初に到来する定時株主総会開催後に執り行われる報酬委員会開催日(以下「ポイント確定日」といいます。)に、業績評価対象期間における当社株式の株主総利回り(TSR)の相対評価(TOPIXの成長率との比較)に応じて以下の算式に基づき確定します。
(注1)相対TSRは以下の算式で算出するものとし、上限を200%とします。
※TSR=(B-A+C)÷A
A:業績評価対象期間開始前3か月の当社株式の終値平均(1円未満切り捨て)
B:業績評価対象期間終了前3か月の当社株式の終値平均(1円未満切り捨て)
C:業績評価対象期間に係る1株当たり配当額の累計
※TOPIXの成長率=(E-D)÷D
D:業績評価対象期間開始前3か月の配当込みTOPIXの終値平均(1未満の指数切り捨て)
E:業績評価対象期間終了前3か月の配当込みTOPIXの終値平均(1未満の指数切り捨て)
但し、退任(死亡退任を含みます。)した執行役に付与したポイントのうち、退任日において業績評価対象期間が終了していない業績評価前のポイントは、退任日に応じて以下の各号に基づき確定します。
(i)各事業年度の末日から直後の定時株主総会開催後に執り行われる報酬委員会開催日までの期間に退任
した場合(死亡退任を含みます。)は、当該報酬委員会開催日に、以下の算式により確定します。
(注2)相対TSRは以下の算式で算出するものとし、上限を200%とします。
※TSR=(B-A+C)÷A
A:業績評価対象期間開始前3か月の当社株式の終値平均(1円未満切り捨て)
B:退任日直前の事業年度終了前3か月の当社株式の終値平均(1円未満切り捨て)
C:業績評価対象期間開始日から退任日直後最初に到来する定時株主総会開催後に執り
行われる報酬委員会開催日までの期間に係る1株当たり配当額の累計
※TOPIXの成長率=(E-D)÷D
D:業績評価対象期間開始前3か月の配当込みTOPIXの終値平均(1未満の指数切り捨て)
E:退任日直前の事業年度終了前3か月の配当込みTOPIXの終値平均(1未満の指数切り捨て)
(ii) (i)以外の日に退任した場合(死亡退任を含みます。)は、当該退任日直後に執り行われる報酬委員会
開催日に、以下の算式により確定します。
(注3)相対TSRは以下の算式で算出するものとし、上限を200%とします。
※TSR=(B-A+C)÷A
A:業績評価対象期間開始前3か月の当社株式の終値平均(1円未満切り捨て)
B:退任日の属する月の前月を含む3か月の当社株式の終値平均(1円未満切り捨て)
C:業績評価対象期間開始日から退任日までの期間に係る1株当たり配当額の累計
(退任日において既に支給された中間配当額を含みます。)
※TOPIXの成長率=(E-D)÷D
D:業績評価対象期間開始前3か月の配当込みTOPIXの終値平均(1未満の指数切り捨て)
E:退任日の属する月の前月を含む3か月の配当込みTOPIXの終値平均(1未満の指数切り捨て)
以上の計算により確定した業績評価後のポイントを累計し、その累計数に応じて以下のとおり、株式及び金銭を給付します。
但し、2024年3月31日以前に付与したポイントの業績評価には配当抜きのTOPIXを用います。
(ロ)任期満了または会社都合事由により退任する執行役に給付する株式数及び金銭額の算定方法
給付する株式数は、次の算式により算定します(小数点以下切り捨て)。
※上記の算式により算出した給付株式数に単元未満株が生じる場合単元株を切り捨てるものとします。
(注4)権利確定日とは、執行役が各事業年度の末日から直後の定時株主総会開催後に執り行われる
報酬委員会開催日までの期間に退任した場合は当該報酬委員会開催日とし、上記以外の日に
退任した場合は当該退任日直後に執り行われる報酬委員会開催日とします。
給付する金銭額は、次の算式により算定します。
なお、当算式において1円未満の端数がある場合には切り捨てます。
※上記の算式の計算過程のうち「給付株式数×30%」に単元未満株が生じる場合単元株に切上げます。
(注5)時価とは、権利確定日における株式会社東京証券取引所における終値とし、終値が公表されない
場合にあっては、終値の取得できる直近の日まで遡って算定するものとします。
なお、当該事由により退任する執行役の役員等勤続年数が5年以下(1年未満の端数がある場合はその端数を1年に切り上げたもの)で、当該給付が所得税法第30条第5項に定める特定役員退職手当等に該当する場合の給付する株式数、及び給付する金銭額は、次の算式により算定します。
※上記の算式により算出した給付株式数に単元未満株が生じる場合単元株を切り捨てるものとします。
給付する金銭額は、次の算式により算定します。
なお、当算式において1円未満の端数がある場合には切り捨てます。
※上記の算式の計算過程のうち「給付株式数×50%」に単元未満株が生じる場合単元株に切上げます。
(ハ)自己都合事由により退任する執行役の場合
給付は株式のみとし、次の算式により算出します。
(ニ)執行役が死亡した場合
給付は金銭のみとし、次の算式により算出した金額を遺族に給付します。
(注6)遺族給付確定日とは、当該執行役の遺族が当社に対し遺族給付を受ける旨の意思を表示し、
当社に対し指定の書類を提出した日の属する月の末日(ある事業年度の末日に執行役として
在任し、直後の定時株主総会後に執り行われる報酬委員会開催日までの期間に死亡した場合は、
当該報酬委員会開催日)とします。
(注7)時価とは、遺族給付確定日における株式会社東京証券取引所における終値とし、遺族給付確定日
に終値が公表されない場合にあっては、終値の取得できる直近の日まで遡って算定するものと
します。
(ホ)その他
2025年3月期における法人税法第34条第1項第3号イ(1)に規定する役位毎の上限ポイント数は、以下のとおりです。
(注8)1事業年度あたりの業績確定後のポイント数の上限となる数であり、退任時に金銭で給付する部分
に相当するポイント数を含んでいます。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
2023年4月1日から2024年3月31日の期間における取締役及び執行役の報酬等の額は次のとおりです。
(注) 1 取締役(社内)の報酬(株式報酬除く)には、執行役を兼務する者の取締役分が含まれています。
2 業績連動報酬の額は、2024年3月期の業績に基づいた2024年7月1日の支払い予定額です。
3 株式報酬の額は、当事業年度費用計上額を記載しています。
4 記載金額は百万円未満を切り捨てています。
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等
2023年4月1日から2024年3月31日の期間における取締役及び執行役の報酬等の額は次のとおりです。
(注) 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
当社報酬委員会は、外部専門家のアドバイス、他社の水準や動向などに関する客観的な情報を加味し、当該事業年度の執行役、取締役の個人別の報酬等を本方針に則って決定しました。従って、当社報酬委員会は、当該個人別の報酬等の内容が本方針に沿うものであると判断しました。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式について、以下のとおり区分します。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、政策保有目的で他社の株式を原則保有しません。一方、当社グループの中長期的な企業価値の向上を図る上で株式保有が必要と判断する場合には、例外的に株式を保有します。なお、保有の適否については、毎年、執行機関が個別銘柄別に当社の資本コストに見合う便益があるか否かという観点から、定量的及び定性的に検証を行います。取締役会は、執行機関から定期的に報告を受け、検証を行います。
保有の合理性がないと判断する政策保有株式は、株価や市場動向等を考慮して売却を進めます。
その結果、当社が保有する株式の銘柄数は、2023年度において5銘柄(うち上場会社3銘柄)を縮減して、2010年3月末時点の136銘柄(うち上場会社79銘柄)から2024年3月末時点の52銘柄(うち上場会社20銘柄)へ、14年間で84銘柄(うち上場会社59銘柄)を縮減しました。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(注)株式数が増加減少した銘柄には、新規上場、株式の分割や併合、株式の移転・交換等による変動を含みません。
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 ニデック株式会社は、2023年4月1日付で日本電産株式会社より商号変更しています。
2 カヤバ株式会社は、2023年10月1日付でKYB株式会社より商号変更しています。
3「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しています。
みなし保有株式
(注) 特定投資株式とみなし保有株式は合算していません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの
該当事項はありません。

第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
なお、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。その内容は、具体的には次のとおりです。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、公益財
団法人財務会計基準機構に加入し、同機構が主催するセミナー等に参加するなど、情報収集に努めています。
(2) IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を
随時入手し、最新の基準の把握を行っています。また、IFRSに準拠したグループ会計方針を作成し、これに基づい
てグループで統一した会計処理を行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書】
③ 【連結包括利益計算書】
④ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
日本精工株式会社(以下「当社」という。)は、日本に所在する企業であり、株式会社東京証券取引所に株式を上場しています。
当連結会計年度の連結財務諸表は、当社及びその子会社(以下「当社グループ」という。)、並びに関連会社及びジョイント・ベンチャーに対する持分により構成されています。現在、当社グループ並びに関連会社及びジョイント・ベンチャーは、産業機械事業、自動車事業を行っています。産業機械事業については、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、状態監視システム等の製造・販売を行っています。自動車事業については、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機用部品等の製造・販売を行っています。
当連結財務諸表は、2024年6月27日に代表執行役社長市井明俊によって承認されています。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、公正価値で測定される金融商品等を除き、資産及び負債は取得原価を基礎としています。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの各企業が作成する財務諸表に含まれている項目は、その会社が事業活動を行う主要な経済環境における通貨である「機能通貨」を用いて測定しています。本報告書の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しています。日本円で表示しているすべての財務情報は、百万円未満を切り捨てて記載しています。
(4) 未適用の公表済み基準及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」です。この基準書を適用することによる連結財務諸表への影響は検討中です。(強制適用時期2027年1月1日、当社適用予定時期2028年3月期)
(5) 表示方法の変更
(ステアリング事業を非継続事業に分類したことによる変更)
ステアリング事業の資産、負債及びその他の資本の構成要素を売却目的保有に分類される処分グループに分類し、ステアリング事業は第1四半期連結会計期間から非継続事業に分類しています。この結果、前連結会計年度の連結損益計算書、連結キャッシュ・フロー計算書、及び関連する連結財務諸表注記を一部組み替えて表示しています。詳細については、「注記8.売却目的保有に分類される処分グループ及び非継続事業」に記載のとおりです。
(6) 見積り及び判断の利用
IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債及び収益・費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した会計期間及び将来の会計期間において認識されます。
連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び判断は次のとおりです。
① 繰延税金資産の回収可能性 (注記3. 重要性がある会計方針 (11) 法人所得税、注記16. 法人所得税)
(a) 当連結会計年度計上額
(b)その他見積りの内容に関する理解に資する情報
1) 算出方法
将来減算一時差異に対して、将来の収益力に基づく課税所得及びタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。課税所得の見積りは予想売上高及び売上成長率を考慮しています。
2) 主要な仮定
課税所得の見積りの基礎となる将来の事業計画における主要な仮定は、予想売上高及び売上成長率です。予想売上高は、主要な顧客からの受注見込み計画及び各事業セグメントの市況動向を考慮しています。売上成長率は、利用可能な外部データを参考に市況を考慮して見積っています。
3) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
予想売上高及び売上成長率は、経営者による最善の見積りにより算出していますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって実際の結果と異なる可能性があり、大幅な見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
② 確定給付制度債務の測定 (注記3. 重要性がある会計方針 (12) 退職後給付、注記17. 退職後給付)
(a) 当連結会計年度計上額
(b) その他見積りの内容に関する理解に資する情報
当社及び一部の国内子会社は、従業員の退職後給付に充てるため、確定給付型の年金制度及び退職一時金制度を有しています。また英国等の海外子会社でも確定給付型の制度が一部存続しています。
確定給付制度債務の現在価値及び関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算出されています。数理計算上の仮定には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等の様々な見積りが含まれています。当社グループは、これらの変数を含む数理計算上の仮定の適切性について、外部の年金数理人から助言を得ています。このような見積りは、経営者による最善の見積りにより行っていますが、将来の不確実な経済条件の変動等の結果や関連法令の改正・公布によって実際の結果と異なる可能性があり、大幅な見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
③ 金融商品の公正価値測定 (注記3. 重要性がある会計方針 (6) その他の金融資産、注記25. 金融商品)
当社グループは、特定の金融商品の公正価値を評価する際には、観察可能な市場データに基づかないインプットを利用する評価技法を用いています。観察可能な市場データに基づかないインプットは、将来の不確実な経済条件の変動等の結果によって影響を受ける可能性があり、大幅な見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
3.重要性がある会計方針
連結財務諸表の作成にあたって採用した主要な会計方針は次のとおりです。これらの方針は、特に断りのない限り、表示されている全報告期間に継続して適用されています。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社により支配されている企業をいいます。支配とは投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。当社は、子会社に対する支配を獲得した日から当該子会社を連結し、支配を喪失した日から連結を中止しています。
主要な連結子会社については、「第1 [企業の概況] 4 [関係会社の状況]」に記載しています。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合は、当該企業に対して重要な影響力を有していると推定されています。関連会社への投資は、持分法を用いて会計処理しており、取得時に取得原価で認識しています。
③ ジョイント・ベンチャー
ジョイント・ベンチャーとは、共同支配を有する当事者が他の企業等の純資産に対する権利を有するジョイント・アレンジメントをいいます。ジョイント・ベンチャーへの投資は、持分法を用いて会計処理しています。
(2) 企業結合
企業結合については、取得法によって会計処理しています。企業結合により取得した識別可能な資産、引き受けた負債、被取得企業の非支配持分及びのれんは、取得日(被取得企業に対する支配を獲得した日)に認識しています。取得した識別可能な資産及び引き受けた負債は、原則として公正価値で測定しています。被取得企業の非支配持分は、被取得企業の識別可能純資産に非支配持分比率を乗じた金額で測定しています。
のれんは、企業結合で移転された対価(条件付対価含む)の公正価値と被取得企業の非支配持分の合計額が、被取得企業の識別可能な資産、及び引き受けた負債の正味の金額を超過する金額として測定しています。反対に下回る場合には、取得日において純損益として認識しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の直物為替レート又はそれに近似するレートを用いて機能通貨に換算しています。
期末における外貨建貨幣性資産及び負債はすべて期末日の直物為替レートを用いて機能通貨に再換算し、その結果生ずる差額を純損益として認識しています。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債は、期末日の直物為替レート、収益及び費用は、期中の平均為替レートを用いて日本円に換算しています。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益で認識しています。在外営業活動体を処分する場合、当該在外営業活動体に関連する為替換算差額の累計額は、処分時に純損益として認識しています。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、要求払預金、取得日から満期が3ヶ月以内のその他の流動性の高い短期投資で構成されています。
(5) 棚卸資産
棚卸資産は取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額により測定しており、原価は、原材料費、直接労務費、その他の直接費及び関連する製造間接費の適切な配賦額から構成されています。正味実現可能価額は、予想売価から、販売に要する見積費用を控除して算定しています。
商品、製品、仕掛品、原材料の原価は加重平均法により、貯蔵品の原価は先入先出法により算定しています。
(6) その他の金融資産
① 当初認識及び測定分類
金融資産については、契約条件の当事者となった時点(約定日)において認識を行っており、償却原価で測定される金融資産と、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類し、当初認識時にその分類を決定しています。金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定される金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収を目的とするビジネスモデルに基づいて保有されている。
・契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが、特定の日に生
じる。
「償却原価で測定される金融資産」以外の金融商品は「公正価値で測定される金融資産」に分類しています。公正価値で測定される金融資産は、売買目的で保有される資本性金融資産及びデリバティブ資産を除いて、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するか、純損益を通じて公正価値で測定するかを指定し、継続的に適用しています。
② 事後測定
「償却原価で測定される金融資産」は、実効金利法による償却原価により測定しています。「公正価値で測定される金融資産」のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額をその他の包括利益として認識しており、純損益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては純損益として認識しています。なお、当該資産からの配当金については、金融収益として認識しています。
③ 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産等に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しています。
各報告日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しており、当該信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。また、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
但し、営業債権やリース債権については、常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
金融商品の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っています。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛
けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
④ 認識の中止
金融資産からのキャッシュ・フローを受領する権利が消滅する場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値が実質的に移転する場合に、金融資産の認識を中止しています。
(7) 有形固定資産
当社グループは、有形固定資産の測定にあたり「原価モデル」を採用しています。有形固定資産項目は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示されています。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産については、定額法で減価償却を行っています。
主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、次のとおりです。
・建物及び構築物 2-60年
・機械装置 5-12年
・車両運搬具 4- 7年
・工具器具及び備品 2-20年
なお、有形固定資産の見積耐用年数、減価償却方法及び残存価額は、各連結会計年度末において見直しを行っています。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
当初認識時における測定については、「3.重要性がある会計方針 (2) 企業結合」に記載しています。のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示されています。
② 無形資産
無形資産の測定は「原価モデル」を採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で表示しています。個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しており、企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しています。耐用年数を確定できる無形資産は、見積耐用年数にわたって定額法で償却しています。
主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、次のとおりです。
・ソフトウェア 5-10年
・顧客関連資産 21年
・技術関連資産 10年
なお、償却方法及び見積耐用年数は、各連結会計年度末に見直しを行っています。
(9) リース
当社グループは、借手として、契約の開始時に当該契約がリース又はリースを含んだものであるかどうかを判定しています。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転している場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しています。リース又はリースを含んだものである契約について、リースの開始日に使用権資産及びリース負債を認識しています。
① リース負債
リース負債は、リースの開始日において、同日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しています。現在価値の測定に際してはリースの計算利子率もしくは借手の追加借入利子率を使用しています。開始日後においては、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映するように、リース負債の帳簿価額を増減させ測定しています。リース負債に係る金利は、リース負債残高に対して毎期一定の率の金利を生じさせる金額で、金融費用として認識しています。
② 使用権資産
使用権資産は、リースの開始日において取得原価で測定しています。取得原価は、リース負債の当初測定の金額、開始日以前に支払ったリース料から受け取ったリース・インセンティブを控除したもの、発生した当初直接コスト等を調整した金額で構成されています。開始日後においては、「原価モデル」を採用し、使用権資産を取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。使用権資産は、主にリース期間にわたり定額法により減価償却を行っています。
短期リース及び原資産が少額であるリースについて、リース料をリース期間にわたり定額法により費用計上しています。
当社グループは、使用権資産を有形固定資産又は無形資産として、リース負債を流動又は非流動の金融負債として連結財政状態計算書に表示しています。
(10) 非金融資産の減損
有形固定資産及び無形資産について、各報告期間の末日現在で減損している可能性を示す兆候がある場合、減損テストを実施しています。耐用年数が確定できない無形資産及びのれんは償却せず、毎期、及び減損の兆候がある場合にはその都度減損テストを実施しています。
減損テストを実施する際には、資産が他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の単位を資金生成単位とし、減損の判定は資産、資金生成単位又はそのグループごとに内部振替価格を必要に応じて調整したうえで実施しています。資産又は資金生成単位で回収可能価額を処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額で評価し、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合、回収可能価額まで減損しています。
なお、減損を計上した資産(のれんを除く)については、過年度に認識した減損損失がもはや存在しないか、又は減少している可能性を示す兆候があるか否かを評価し、そのような兆候が存在する場合には、報告期間の末日現在で再評価を行い、当初認識した減損損失の減少額を純損益として戻し入れています。
(11) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合に関連するもの、資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、税金費用については純損益として認識しています。
当期税金は、報告期間の課税所得に基づいて算定し、税務当局に納付(又は還付)されると予想される額で認識しています。
繰延税金は、資産負債法により会計上の資産及び負債の帳簿価額と、税務上の資産及び負債金額との一時差異に対して計上されています。但し、以下の一時差異については繰延税金資産及び負債を計上していません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合取引を除く会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引によって発生する資産及び負
債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可
能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、欠損金の繰戻還付及び将来減算一時差異に対して利用できる課税所得が発生すると見込まれる範囲内で計上されています。繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識されています。繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、その全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については帳簿価額を減額しています。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で再認識されています。
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日において実質的に施行されている法定実効税率に基づいて、資産が実現する期間、又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率によって測定されています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は別々の納税主体であるものの当期税金負債及び当期税金資産を純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しています。
なお、当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しています。
(12) 退職後給付
当社及び、当社グループ会社は、確定給付制度、及び確定拠出制度を有しています。
① 確定給付制度
従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積り、当該金額を現在価値に割引いた額から制度資産の公正価値を差し引き、純額を資産又は負債で認識しています。確定給付制度債務の現在価値及び退職給付費用は、予測単位積増方式により算定しており、割引率は会計年度末における優良社債の市場利回りを参照して決定しています。
勤務費用、過去勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息費用は純損益として認識しています。数理計算上の差異、利息費用に含まれる部分を除く制度資産に係る収益及び資産上限額の影響の変動については、それらが生じた期間において「確定給付負債(資産)の純額の再測定」としてその他の包括利益として認識しています。
② 確定拠出制度
確定拠出制度に係る費用は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識しています。
(13) 収益認識
当社グループは、IFRS第15号を適用しており、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除き、顧客との契約について以下の5ステップを適用することにより収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、状態監視システム等、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機用部品等の製造・販売を行っています。軸受等の物品販売については、物品の引渡時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。状態監視システム・サービスの提供等の一定の期間にわたり製品及びサービス等の支配の移転が行われる取引については、顧客に提供する当該製品及びサービスの性質を考慮し、アウトプット法及びインプット法に基づいて履行義務の充足に向けての進捗度を測定し収益を認識しています。また、収益は顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しています。
また、当社グループが代理人として製品の販売に関与している場合には、純額で収益を認識しています。
4.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、当社の取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは顧客産業別の事業本部制を敷き、各事業本部は包括的な戦略を立案し事業活動を展開していることから、その構成単位である「産業機械事業」、「自動車事業」の二つを報告セグメントとしています。
「産業機械事業」は、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、状態監視システム等を製造・販売しています。
「自動車事業」は、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機用部品等を製造・販売しています。
第1四半期連結会計期間より従来自動車事業に含まれていたステアリング事業を非継続事業に分類しています。セグメント情報はステアリング事業を除く継続事業のみの金額を表示しており、前連結会計年度のセグメント情報についても、当該変更を反映しています。なお、当社は2023年8月1日にNS&Cに対する支配を喪失し、第2四半期連結会計期間よりNS&C及び同社の子会社は当社の持分法適用関連会社及びその子会社となりました。NS&C及び同社の子会社の持分法による投資利益は、継続事業として自動車事業の区分に含めています。
(2) セグメント毎の売上高及び業績
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「重要性がある会計方針」における記載と同一です。セグメント間の売上高は市場実勢価格に基づいています。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、鋼球の製造・販売事業及び機械設備製造事業等を含んでいます。
2 セグメント利益の調整額△191百万円には、セグメント間取引消去251百万円、各報告セグメントに配分していないその他の営業費用△442百万円が含まれています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、鋼球の製造・販売事業及び機械設備製造事業等を含んでいます。
2 セグメント利益の調整額△1,543百万円には、セグメント間取引消去△229百万円、各報告セグメントに配分していないその他の営業費用△1,313百万円が含まれています。
(3) 製品及びサービスごとの情報
「(2) セグメント毎の売上高及び業績」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
(4) 地域別の情報
① 外部顧客への売上高
「注記21.売上高」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
② 非流動資産
当連結会計年度は売却目的保有に分類される処分グループに分類した資産を含めていません。
(注) 1 非流動資産は有形固定資産、のれん及び無形資産の残高です。
2 国又は地域の分類は、地域的近接度によっています。
3 日本及び中国以外の分類に属する主な国又は地域
米州:米国、カナダ、メキシコ、ブラジル等
欧州:英国、ドイツ、ポーランド等欧州諸国等
その他アジア:日本及び中国を除いた東アジア、東南アジア諸国、インド及びオーストラリア等
(5) 主要な顧客に関する情報
前連結会計年度及び当連結会計年度において、外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載をしていません。
5.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は次のとおりです。
6.売上債権及びその他の債権
売上債権及びその他の債権の内訳は次のとおりです。
売上債権及びその他の債権における貸倒引当金の期中増減は次のとおりです。
7.棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりです。
期中に費用認識された棚卸資産の金額は、前連結会計年度、当連結会計年度においてそれぞれ、599,955百万円、622,276百万円です。また、そのうち評価減計上額はそれぞれ、8,049百万円、5,824百万円です。
8.売却目的保有に分類される処分グループ及び非継続事業
当社は2023年5月12日にJISとの間で、当社及びJISが当社のステアリング事業をグローバルに統括する連結子会社であるNS&Cを共同運営すること等を内容とする契約を締結しました。これに伴い、ステアリング事業を売却目的保有に分類される処分グループに分類し、第1四半期連結会計期間から非継続事業に分類しています。なお、当社は2023年8月1日にNS&Cに対する支配を喪失し、第2四半期連結会計期間よりNS&C及び同社の子会社は当社の持分法適用関連会社及びその子会社となりました。支配の喪失に係る損益は非継続事業に、持分法による投資損益は継続事業にそれぞれ含めています。また、当社の欧州子会社は第3四半期連結会計期間にNS&Cの欧州子会社との間で、2023年12月1日よりステアリング製品の販売・技術に関する事業を譲渡すること等を内容とする契約を締結し、実行しました。なお、一部の会社については、後日個別譲渡を予定しています。
① 売却目的保有に分類される処分グループ
売却目的保有に分類される処分グループに係る資産及び負債の期末残高の内訳は次のとおりです。
② 非継続事業
当連結会計年度は2023年8月1日に当社がNS&Cに対する支配を喪失する以前のNS&C及び同社の子会社、及び後日個別譲渡を予定している一部の会社を非継続事業の範囲に含めています。また、前連結会計年度はステアリング事業の全てを非継続事業に組み替えています。
(1) 非継続事業の損益
非継続事業の損益は次のとおりです。
(2) 非継続事業のキャッシュ・フロー
非継続事業のキャッシュ・フローは次のとおりです。
③ NS&Cの株式譲渡
(1) 取引の概要
当社は2023年5月12日にJISとの間で、当社及びJISが当社のステアリング事業をグローバルに統括する連結子会社であるNS&Cを共同運営すること等を内容とする契約を締結しました。本契約に関し、JISとの協議・合意を経て、NS&Cの議決権の50.1%に相当する種類株式10,041株を一旦当社が引き受けた上で、2023年8月1日に本種類株式を当社からJISに対して19,991百万円で譲渡しました。この結果、当社はNS&Cに対する支配を喪失し、第2四半期連結会計期間よりNS&C及び同社の子会社は当社の持分法適用関連会社及びその子会社となりました。
(2) 支配の喪失を伴う資産及び負債
(単位:百万円)
(3) 支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー
(単位:百万円)
連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出は、連結キャッシュ・フロー計算書において
「投資活動によるキャッシュ・フロー」に含まれています。
(4) 支配の喪失に伴う損益
当連結会計年度において、NS&Cに対する支配の喪失に伴う損失は114百万円であり、連結損益計算書上、「非継続事業からの当期利益」に含めています。なお、当該損失には残存する投資を支配喪失日の公正価値で測定することにより生じた利益337百万円が含まれています。
この残存する投資の公正価値は、NS&Cの公正価値総額から種類株式の公正価値を差し引いて算定しており、それぞれの評価モデルを採用しています。NS&Cの公正価値総額はインカム・アプローチにより算定しており、当該測定で利用された将来キャッシュ・フローの算定には、売上高及び営業費用等の経営者による重要な仮定を利用しています。また、種類株式の権利を反映させた公正価値は算定モデル(二項モデル等)を用いて算定しています。これらの公正価値ヒエラルキーは、レベル3です。
④ 欧州子会社のステアリング事業譲渡
(1) 取引の概要
当社の欧州子会社は第3四半期連結会計期間にNS&Cの欧州子会社との間で、2023年12月1日よりステアリング製品の販売・技術に関する事業を譲渡すること等を内容とする契約を締結し、実行しました。
(2) 支配の喪失を伴う資産及び負債
(単位:百万円)
(3) 支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー
支配の喪失を伴う資産に現金及び現金同等物は含まれず、事業譲渡による対価は当連結会計年度末時点で受領していないため、当連結会計年度において事業譲渡による収入は計上していません。
(4) 支配の喪失に伴う損益
当連結会計年度において、当社の欧州子会社におけるステアリング製品の販売・技術に関する事業の支配喪失に伴う譲渡益は1,016百万円であり、連結損益計算書上、「非継続事業からの当期利益」に含めています。
9.有形固定資産
(1)有形固定資産の内訳
連結財政状態計算書の「有形固定資産」の内訳は次のとおりです。
(2)有形固定資産の増減表
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は次のとおりです。
取得原価
減価償却累計額、及び減損損失累計額
(注) 減価償却費は、連結損益計算書の売上原価、又は販売費及び一般管理費に計上しています。
帳簿価額
10.のれん及び無形資産
(1) のれん及び無形資産の内訳
連結財政状態計算書の「のれん及び無形資産」の内訳は次のとおりです。
(2) のれん及び無形資産の増減表
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は次のとおりです。
取得原価
償却累計額、及び減損損失累計額
(注) 償却費は、連結損益計算書の売上原価、又は販売費及び一般管理費に計上しています。
帳簿価額
(注) 1 顧客関連資産、技術関連資産及び商標権は、2021年3月1日にCMS事業の取得により発生したものであり、当連結会計年度末の残存償却年数は顧客関連資産が18年、技術関連資産が7年です。なお、商標権については事業が継続する限り基本的に存続するものであるため、耐用年数が確定できない無形資産としています。
2 各決算日において重要な自己創設無形資産はありません。
(3) のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト
各資金生成単位に配分した主なのれん及び耐用年数を確定できない無形資産は次のとおりです。
(単位:百万円)
のれんの減損損失は、資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に認識しています。
前連結会計年度において計上した減損損失はありません。産業機械軸受事業において、当該資金生成単位の回収可能価額は、使用価値に基づき測定しています。使用価値は、受注残情報、受注確度に基づく販売予測や製品セクター・個別製品毎の販売トレンド等を反映した今後4年間の事業計画に基づく将来キャッシュ・フロー、及び5年目以降の継続価値に基づき算定しています。継続価値算定においては、成長率0%と仮定しています。将来キャッシュ・フローの割引現在価値は、税引前割引率8.9%で割り引いて算定しています。
回収可能価額が資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、使用した仮定に合理的な範囲で変動があった場合にも減損は発生しないと判断しています。
当連結会計年度において計上した減損損失はありません。産業機械軸受事業において、当該資金生成単位の回収可能価額は、使用価値に基づき測定しています。使用価値は、受注残情報、受注確度に基づく販売予測や製品セクター・個別製品毎の販売トレンド等を反映した今後3年間の事業計画に基づく将来キャッシュ・フロー、及び4年目以降の継続価値に基づき算定しています。継続価値算定においては、成長率0%と仮定しています。将来キャッシュ・フローの割引現在価値は、税引前割引率7.2%で割り引いて算定しています。
回収可能価額が資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、使用した仮定に合理的な範囲で変動があった場合にも減損は発生しないと判断しています。
11.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は次のとおりです。
12.仕入債務及びその他の債務
仕入債務及びその他の債務の内訳は次のとおりです。
13.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は次のとおりです。
(注) 1 平均利率は、期末残高の加重平均利率により算定しています。
2 社債の発行条件の要約は次のとおりです。
上記金融負債等に対し、担保に供している資産はありません。
14.リース取引
当社グループは、借手として、主として物流倉庫及び生産工場における土地を賃借しています。リース契約には延長(解約)オプションを含むものがありますが、エスカレーション条項を含む重要なリース契約はありません。また、リース契約によって課された重要な制限はありません。
使用権資産の帳簿価額及び減価償却費は次のとおりです。
リース取引に係るキャッシュ・アウトフロー総額は次のとおりです。
借手のリースに関連する費用及び収益の内訳は次のとおりです。
使用権資産の増加額は次のとおりです。
リース負債の変動額、リース負債の期日別残高については「注記25.金融商品」に記載しています。
15.引当金
引当金の内訳は次のとおりです。
引当金の増減内訳は次のとおりです。
環境対策引当金
建物及び設備等に使用されているアスベスト及びポリ塩化ビフェニル(PCB)等の除去、処分に関する支出に備えるため、今後発生すると見込まれる費用を計上しています。
経済的便益の流出が予測される時期は、主に各連結会計年度末日より1年を経過した後の時期であると見込んでいます。
その他
「その他」には、リストラクチャリング引当金が含まれています。
16.法人所得税
(1) 繰延税金
繰延税金資産及び繰延税金負債の増減内容は、次のとおりです。
前連結会計年度
(注) 純損益で認識された額の合計と繰延税金費用との差額は、為替の変動によるものです。
当連結会計年度
(注)1 純損益で認識された額の合計と繰延税金費用との差額は、為替の変動によるものです。
2 英国子会社が有する税務上の繰越欠損金に対する繰延税金資産は2,232百万円です。
当該繰延税金資産は、前連結会計年度又は当連結会計年度に損失が生じており、繰延税金資産の回収可能性が将来の課税所得の有無に依存している納税主体に帰属する繰延税金資産3,856百万円に含まれています。将来の収益力に基づく課税所得の見積りは将来の事業計画を基礎としており、その主要な仮定は、2.作成の基礎(6)見積り及び判断の利用に記載のとおり予想売上高及び売上成長率であり、欧州事業構造改革による収益力回復を考慮しています。
未認識の繰延税金資産
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金、将来減算一時差異及び繰越税額控除は次のとおりです。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限は次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度の繰延税金資産を認識していない繰越欠損金のうち、繰越期限がないものは、それぞれ7,341百万円、15,883百万円であり、これらは英国子会社に帰属するものです。
繰延税金資産を認識していない繰越税額控除の金額と繰越期限は次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度の繰延税金資産のうち、前連結会計年度又は当連結会計年度に損失が生じており、繰延税金資産の回収可能性が将来の課税所得の有無に依存している納税主体に帰属しているものは、それぞれ6,152百万円、3,856百万円です。当社グループは、将来減算一時差異に対して、将来の収益力に基づく課税所得及びタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。
未認識の繰延税金負債
繰延税金負債を認識していない子会社の未分配利益に係る将来加算一時差異は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ41,325百万円、49,236百万円です。これは当社グループが一時差異の解消時期をコントロールする立場にあり、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識していません。
(2) 法人所得税費用
当社及び国内連結子会社は、主に法人税(国税)、住民税及び事業税(地方税)を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計年度及び当連結会計年度の法定実効税率は30.5%です。他の納税管轄地における税額は、それぞれの管轄地において一般的な税率により計算しています。なお、当社及び一部の子会社は、グループ通算制度を適用しています。継続事業のみの金額を表示しており、前連結会計年度についても当該変更を反映しています。
法人所得税費用の内訳は次のとおりです。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却により認識された法人所得税は、前連結会計年度において794百万円、当連結会計年度において4,827百万円です。
日本の法定実効税率と税効果会計適用後の法人所得税の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳は、次のとおりです。
(3) 第2の柱の法人所得税に係る潜在的な影響
日本においては令和5年度税制改正において、グローバル・ミニマム課税に対応する法人税が創設され、それに係る規定を含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号))(以下「改正法人税法」という。)が2023年3月28日に成立しています。改正法人税法では、グローバル・ミニマム課税のルールのうち、所得合算ルール(IIR)が導入されており、日本に所在する親会社の子会社等の税負担が最低税率(15%)に至るまで、日本に所在する親会社に対して追加で上乗せ課税されることになります。当社において2025年4月1日から開始される事業年度より適用されます。また、日本以外の一部の法域において2024年1月1日から開始される事業年度から先行して適用されますが、これらの課税が当社グループの連結財務諸表へ与える影響は軽微です。
17.退職後給付
(1) 確定給付制度
① 日本
当社及び一部の国内連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型の退職給付制度及び確定拠出制度を採用しています。また、役員・幹部社員等に株式報酬制度を設けているほか、退職給付信託を設定しています。なお、従業員の退職等に際して、退職給付会計に準拠した数理計算による退職給付制度債務の対象とされない割増退職金を支払う場合があります。
また、将来の退職給付に備えることを目的として株式による退職給付信託を設定していますが、近年、退職給付信託を含む制度資産が退職給付債務に対して大幅な積立超過の状況にあり、今後もその状況が継続することが見込まれるため、当連結会計年度において退職給付信託の一部返還を受けました。
② 英国
英国の連結子会社では、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型及び確定拠出型の退職給付制度を採用しています。なお、2003年以降に入社した社員は確定拠出制度に加入しており、確定給付型への新規加入を停止しました。さらに、確定給付型については、将来積立てを要するさらなる給付の発生が生じないよう2016年12月末に制度の凍結を実施し、当該制度加入者に対して確定拠出型への移行スキームを提供しました。
また、2024年3月に退職給付制度バイイン(Buy-in)を実施しました。取引の実施に際して、保有していた制度資産を保険会社に対して拠出し、保険会社との間で、将来にわたって当該制度加入者への給付に相当する金額の受領を保証する保険契約を締結しました。退職給付制度バイイン実施に伴い発生した制度資産の残高は52,607百万円です。
③ その他
主として米国及びその他アジアを含む一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型の退職給付制度及び退職後医療給付制度を採用しています。米国における退職後医療給付制度は、退職給付と類似の性格であることから、退職給付に係る負債に含めて表示しています。
連結財務諸表上で認識した金額は次のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
確定給付制度債務の現在価値の変動は次のとおりです。
当連結会計年度末の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは次のとおりです。
制度資産の公正価値の変動は次のとおりです。
当社グループは、2025年3月期に、3,128百万円の掛け金を拠出する予定です。
制度資産は、将来にわたり年金給付等の支払を確実に行うため、許容されるリスクのもとで必要とされる収益を長期的に確保することを目的として運用しています。運用にあたっては、投資対象資産のリスク及びリターンを考慮した上で資産構成の基本方針を策定し、これに沿った投資を実行しており、運用状況を定期的にモニタリングすることにより適切に管理しています。また資産構成の基本方針は、市場環境の変化や積立状況の変化に対応するため、定期的に見直しを行っています。
制度資産の構成項目は次のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
重要な数理計算上の仮定は次のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
報告期間の末日時点で、以下に示された割合で重要な数理計算上の仮定が変動した場合、確定給付制度債務の増減額は次のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) 本分析は、他のすべての変数が一定であると仮定しています。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 本分析は、他のすべての変数が一定であると仮定しています。
(2) 確定拠出制度
確定拠出制度に関して前連結会計年度、及び当連結会計年度において費用として認識した金額は、それぞれ次のとおりです。
(3) 従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書(継続事業)の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上している従業員給付費用の合計金額は、それぞれ181,557百万円及び186,273百万円です。
18.持分法適用会社に対する投資
「第1[企業の概況]4[関係会社の状況]」において同様の内容を記載しているため、主要な子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの記載を省略しています。
当社が保有するジョイント・ベンチャーに対する持分のうち重要なものはNSKワーナー株式会社の普通株式(持分割合 50%)とNSKステアリング&コントロール株式会社の普通株式(持分割合 49.9%)です。要約財務情報は次のとおりです。
(1)NSKワーナー株式会社 (単位:百万円)
(単位:百万円)
当社がNSKワーナー株式会社より受け取った配当金は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ2,689百万円及び1,971百万円です。
(2)NSKステアリング&コントロール株式会社 (単位:百万円)
(単位:百万円)
(注)1 NSKステアリング&コントロール株式会社(以下「NS&C」)及び同社の子会社は2023年8月1日より当社の持分法適用関連会社及びその子会社となったため、損益計算書及び包括利益計算書は2023年8月1日以降のものを表示しています。詳細については、「注記8.売却目的保有に分類される処分グループ及び非継続事業」に記載のとおりです。
2 NS&Cが持分法適用関連会社となった2023年8月1日以降、当社がNS&Cより受け取った配当金はありません。
19.資本及びその他の資本項目
(1) 発行済株式及び自己株式
前連結会計年度
(注) 1 自己株式の株式数には、株式給付信託の信託口が保有する当社株式が、当連結会計年度において、
7,669,880株含まれています。
2 発行済株式は全額払込済みです。
(自己株式変動事由の概要)
増加数の内訳は、次のとおりです。
単元未満株式の買取りによる増加 1,750株
持分法適用会社が取得した自己株式(当社株式)の当社帰属分 10,933株
減少数の内訳は、次のとおりです。
単元未満株式の買増請求による減少 95株
株式給付信託における株式給付等 274,400株
当連結会計年度
(注) 1 自己株式の株式数には、株式給付信託の信託口が保有する当社株式が、当連結会計年度において、
7,090,080株含まれています。
2 発行済株式は全額払込済みです。
3 当社は、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却について、取締役会から委任された当社取締役代表執行役社長の決定に基づき、2023年8月25日付で自己株式51,268,104株の消却を実施しました。
(自己株式変動事由の概要)
増加数の内訳は、次のとおりです。
単元未満株式の買取りによる増加 1,749株
持分法適用会社が取得した自己株式(当社株式)の当社帰属分 10,311株
取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加 25,000,000株
減少数の内訳は、次のとおりです。
単元未満株式の買増請求による減少 2株
株式給付信託における株式給付等 579,800株
自己株式の消却による減少 51,268,104株
(2) 資本剰余金
資本剰余金には、株式の発行及び自己株式の売却等の資本取引によって生じる剰余金が計上されています。
資本剰余金の増減には、当社の子会社に対する支配の喪失を伴わない持分の変動による影響も含まれています。
(3) 利益剰余金
利益剰余金には、企業が獲得した利益のうち、社外に分配せず、企業内に留保した剰余金が計上されています。
20.株式報酬
(1) ストックオプション制度
当社グループは、2016年3月期まで、取締役、執行役及び一部の従業員に対してストックオプションとして、当社株式を購入する権利を付与していました。行使期間は、割当契約に定められた期間であり、その期間内に行使されない場合は、当該オプションは失効します。
対象者に対して付与されたストックオプションは、持分決済型株式報酬として会計処理されています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において存在する当社グループのストックオプション制度の詳細は、次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における行使可能株式総数及び平均行使価格は以下のとおりです。なお、未行使のストックオプションの加重平均残存契約年数はそれぞれ2.3年、1.3年です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において行使されたストックオプションはありません。
(2) 株式給付信託(取締役及び執行役向け)
当社は、2016年5月16日開催の報酬委員会の決議を経て、当社の取締役及び執行役に対して、信託を活用した株式報酬制度である株式給付信託を導入しています。株式給付信託が当社株式を取得し、当社が付与した総ポイントに応じた当社株式(株式給付部分)及び株式価値に応じた金銭(現金給付部分)を退任時に給付します。なお、信託として保有する当社株式は、自己株式として会計処理しています。また、当該報酬制度は、株式給付部分については持分決済型株式報酬、現金給付部分については現金決済型株式報酬として会計処理しています。
当社は、2019年3月27日開催の報酬委員会において、当社役員に対する信託を活用した株式報酬制度の一部改訂を決議し、2019年4月1日から執行役を対象とする株式報酬制度を業績連動型の制度に改定しました。ただし、執行役を兼務しない取締役を対象とする株式報酬制度については、従前どおり当社の事業業績に連動しない株式報酬制度を適用しています。
当連結会計年度においては、2024年3月期の対価として交付されたポイント数等に基づき、株式報酬費用を認識しています。前連結会計年度及び当連結会計年度における持分決済型株式報酬取引に関する費用は、それぞれ229百万円、249百万円、現金決済型報酬取引に関する費用はそれぞれ、117百万円、155百万円を連結損益計算書に計上しています。なお、当連結会計年度末において株式給付信託の信託口で保有する当社株式は5,972,675株です。
当該報酬制度に基づき付与される当社株式の公正な評価単価の測定方法
(a) 取締役への株式報酬として付与される当社株式の加重平均公正価値測定の主要な前提条件は以下のとおり
です。
(注) 1 付与日から株式が交付される日までの年数としています。
2 過去の配当実績に基づき算定しています。
3 予想残存期間に対応する国債の利回りに基づいています。
(b) 執行役への株式報酬として付与される当社株式の加重平均公正価値は、業績評価対象期間終了時点での
当社株式の株主総利回りとTOPIXの成長率の比較である相対TSRの影響を加味して算定しています。
加重平均公正価値測定の主要な前提条件は以下のとおりです。
(注) 1 業績評価前のポイント数です。
2 付与日から株式が交付される日までの年数としています。
3 付与日時点での配当見込額に基づき算定しています。
4 付与日の属する年の前年のTOPIX及びTOPIX配当指数推定値を元に算定しています。
5 計算期間に応じた国債の利回りに基づいています。
(3) 株式給付信託(当社及び一部子会社の一部役職員向け)
当社は、当社及び一部子会社の一部役職員(以下「幹部社員等」といいます。)に対して、信託を活用した株式報酬制度である株式給付信託を導入しています。株式給付信託が当社株式を取得し、当社が付与した総ポイントに応じた当社株式(株式給付部分)及び株式価値に応じた金銭(現金給付部分)を退職又は退任時に給付します。
ただし、幹部社員等のうち当社執行役員の一部に対して業績連動型の制度を適用することを決定し、2022年4月1日付で同制度を見直しました。
なお、信託として保有する株式は、自己株式として会計処理しています。また、当該報酬制度は、株式部分については持分決済型株式報酬、現金部分については現金決済型株式報酬として会計処理しています。
当連結会計年度においては、2024年3月期の対価として交付されたポイント数等に基づき、株式報酬費用を認識しています。前連結会計年度及び当連結会計年度における持分決済型株式報酬取引に関する費用は、それぞれ141百万円、133百万円、現金決済型報酬取引に関する費用はそれぞれ64百万円、66百万円を連結損益計算書に計上しています。なお、当連結会計年度末において株式給付信託の信託口で保有する当社株式は1,117,405株です。
当該報酬制度に基づき付与される当社株式の公正な評価単価の測定方法
(a) 当社執行役員の一部を除く幹部社員等に株式報酬として付与される当社株式の加重平均公正価値測定の
主要な前提条件は以下のとおりです。
(注) 1 付与日から株式が交付される日までの年数としています。
2 過去の配当実績に基づき算定しています。
3 予想残存期間に対応する国債の利回りに基づいています。
(b) 当社執行役員の一部に株式報酬として付与される当社株式の加重平均公正価値測定の主要な前提条件は
以下のとおりです。
(注) 1 業績評価前のポイント数です。
2 付与日から株式が交付される日までの年数としています。
3 付与日時点での配当見込額に基づき算定しています。
4 付与日の属する年の前年のTOPIX及びTOPIX配当指数推定値を元に算定しています。
5 計算期間に応じた国債の利回りに基づいています。
21.売上高
(1) 収益の分解
売上高は報告セグメントを以下のとおり地域別に分解しています。
なお、第1四半期連結会計期間より従来自動車事業に含まれていたステアリング事業を非継続事業に分類し、報告セグメントから除外しています。前連結会計年度の売上高についても、当該変更を反映しています。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
2 国又は地域の分類は、地域的近接度によっています。
3 日本及び中国以外の分類に属する主な国又は地域
米州:米国、カナダ、メキシコ、ブラジル等
欧州:英国、ドイツ、ポーランド等欧州諸国等
その他アジア:日本及び中国を除いた東アジア、東南アジア諸国、インド及びオーストラリア等
4 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、鋼球の製造・販売事業及び機械設備製造事業等を含んでいます。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
2 国又は地域の分類は、地域的近接度によっています。
3 日本及び中国以外の分類に属する主な国又は地域
米州:米国、カナダ、メキシコ、ブラジル等
欧州:英国、ドイツ、ポーランド等欧州諸国等
その他アジア:日本及び中国を除いた東アジア、東南アジア諸国、インド及びオーストラリア等
4 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、鋼球の製造・販売事業及び機械設備製造事業等を含んでいます。
産業機械事業は、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、状態監視システム等を製造・販売しており、自動車事業は、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機用部品等を製造・販売しています。軸受等の物品販売については、物品の支配が顧客に移転したとき、すなわち物品を顧客の指定した場所へ配送し引き渡した時点で収益を認識しています。状態監視システム・サービスの提供等の一定の期間にわたり製品及びサービス等の支配の移転が行われる取引については、顧客に提供する当該製品及びサービスの性質を考慮し、アウトプット法及びインプット法に基づいて履行義務の充足に向けての進捗度を測定し収益を認識しています。顧客への引き渡し後、主として3カ月以内に支払いを受けており、約束した対価の金額に重要な金融要素は含まれていません。
当社グループは、各顧客との取引開始時点で物品の取引価格を決定していますが、一定期間の取引数量等に応じた割戻しを行うものがあり、これらの変動対価の金額は契約条件等に基づき取引価格を調整しています。
(2) 契約残高
当社グループの契約残高は、主に顧客との契約から生じた債権であり、残高は「注記6. 売上債権及びその他の債権」に記載しています。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、当初の予想契約期間が1年を超える重要な取引を認識していないため、実務上の便法を適用し、残存履行義務に関する情報は開示していません。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
22.販売費及び一般管理費
前連結会計年度及び当連結会計年度における、販売費及び一般管理費の主な内訳は次のとおりです。
継続事業のみの金額を表示しており、前連結会計年度についても当該変更を反映しています。
23. その他の営業費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における、「その他の営業費用」の内訳は次のとおりです。
継続事業のみの金額を表示しており、前連結会計年度についても当該変更を反映しています。
当社及び当社の一部子会社による過去における製品の取引に関する競争法違反の疑いに関連して、今後発生し損害し得る損害賠償請求に関連する損失を「引当金(非流動)」に計上していましたが、今後当該損失が発生する可能性が低いと判断されることから、当連結会計年度末において当該損失に相当する額を「引当金(非流動)」から取り崩しています。これによる戻入益を当連結会計年度の「独占禁止法関連費用」に含めています。
24.金融収益及び費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における、金融収益及び費用は次のとおりです。
継続事業のみの金額を表示しており、前連結会計年度についても当該変更を反映しています。
25.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、持続的に成長を続け、企業価値を最大化するための資本管理を行っています。
経営指標として、安定的な収益力を表わす営業利益率を重視するとともに、資産の効率性を追求してROE(親会社所有者帰属持分利益率)及びROIC(投下資本利益率)の向上と、ネットD/Eレシオ(純有利子負債/親会社の所有者に帰属する持分)の適切な管理を行います。
(2) 財務リスク管理
当社グループは事業活動を行う過程において、財務上のリスク(市場リスク、信用リスク、流動性リスク)に晒されています。当社グループはこれらのリスクへ対応する為、一定の方針に基づきリスク管理を行っています。
① 市場リスク
(a) 外国為替リスク
当社グループは、国際的に事業活動を行っており、様々な通貨、主に米ドル及びユーロに関して生じる為替変動リスクに晒されています。外国為替リスクは、認識されている外貨建資産及び負債から発生しています。
また、当社グループ各社は、為替変動リスクに対応するため、外貨建債権債務の均衡を図り、社内規定に従い必要に応じ先物為替予約によるリスクヘッジを行っています。
為替感応度分析
連結会計年度末における外貨建資産・負債の残高のうちヘッジが付されていないエクスポージャーに対して、米ドル及びユーロが1%上昇した場合に、連結会計年度の税引前利益に与える影響額は次のとおりです。但し、本分析においては、その他の変動要因(残高・金利等)は一定であることを前提としています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において存在する主な為替予約の詳細は次のとおりです。
(b) 金利リスク
当社グループの借入金のうち一部は変動金利による借入金であり、金利変動リスクに晒されています。社内規定に従い必要に応じデリバティブ取引(金利スワップ取引)を利用してヘッジします。
金利感応度分析
当社グループの変動金利借入金について、連結会計年度末に金利が一律1%上昇した場合の税引前利益への影響額は次のとおりです。当該分析は、連結会計年度末に当社グループが保有する変動金利借入金の将来にわたる残高の増減、為替変動の影響、借り換え時期・金利改定時期等を考慮せず、その他のすべての変数を一定として計算しています。
(c) 価格リスク
当社グループは、主に業務上の関係を有する企業の株式等を保有しており、資本性金融商品の株価変動リスクに晒されています。株式等については、定期的に時価や発行体の財務状況等を把握し、取引先及び取引金融機関との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しています。
価格感応度分析
当社グループが保有する活発な市場のある株式について、連結会計年度末に株価が一律1%下落した場合のその他の包括利益(税効果考慮後)への影響額は次のとおりです。
② 信用リスク
売上債権は、顧客の信用リスクに晒されています。当社グループは、取引先ごとに債権期日管理及び残高管理等を行っており、取引先が契約上の債務に関して債務不履行となるリスクの早期把握、軽減を図っています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における最大信用リスク額は、信用リスクに晒される金融資産の連結財政状態計算書価額により表されています。
また、当社グループは、回収期日を経過した売上債権をリスクの高いものと考え、取引先をモニタリング管理しています。
なお、金融資産に対して担保として保有する重要な資産及びその他の信用補完をするものはありません。
③ 流動性リスク
当社グループは、十分なキャッシュが得られずに、金融負債の支払義務の履行が困難となる流動性リスクに晒されています。当社グループは、各部署及び主要な連結子会社からの報告に基づき適時資金計画を作成・更新するとともに、手許流動性を充分な水準に維持すること等により、流動性リスクを管理しています。当社グループは、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力に加えて、金融機関との400億円のコミットメントラインの設定や、500億円のコマーシャルペーパー発行枠などを確保しており、このようなリスクは少ないと考えています。
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別の残高は次のとおりです。
(3) 公正価値の見積り
① 帳簿価額及び公正価値
金融資産・負債の帳簿価額及び公正価値は次のとおりです。なお、社債及び長期借入金以外の償却原価で測定する金融資産・負債の公正価値は帳簿価額と近似しているため含めていません。また、経常的に公正価値で測定する金融商品についても、公正価値と帳簿価額が一致するため含めていません。
売上債権及びその他の債権、仕入債務及びその他の債務、短期借入金については、主に短期間で決済されるため公正価値は帳簿価額と同額としています。
投資有価証券のうち、活発な市場がある上場株式の公正価値は、取引所の価格により算定しています。活発な市場がない非上場株式等の公正価値は、主として株価純資産倍率によるマルチプル方式により算定しています。また、前連結会計年度及び当連結会計年度の非上場株式の公正価値測定に用いている観察不能なインプットである非流動性ディスカウントは30%としています。
デリバティブ金融資産及び金融負債のうち、為替予約及び金利スワップについては、同取引を約定した金融機関から提示された評価額によっています。
長期借入金の公正価値については、元利金の合計額を、当該長期借入金の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しています。但し、変動金利による長期借入金については、金利が一定期間毎に更改される条件となっており、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから当該帳簿価額によっています。
当社の発行する社債の公正価値は、市場価格に基づき算定しています。
② 公正価値ヒエラルキー
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを次のとおり分類しています。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格(無調整)により測定された公正価値
レベル2:資産又は負債について、直接的に観察可能なインプット又は間接的に観察可能なインプットのうち
レベル1に含まれる市場価格以外のインプットにより測定された公正価値
レベル3:資産又は負債について、観察可能な市場データに基づかないインプットにより測定された公正価値
公正価値で測定される又は公正価値が開示される当社グループの金融資産及び負債のヒエラルキー別分類は次のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
レベル1に分類される金融資産は、上場株式です。
レベル2に分類される金融資産は、為替予約であり、金融負債は、借入金、社債、為替予約、金利スワップです。
レベル3に分類される金融資産は、非上場株式等です。
当社グループは、これらの資産及び負債のレベル間振替を各四半期連結会計期間末に認識することとしています。
なお、ステアリング事業の資産、負債は売却目的保有に分類される処分グループに分類しており、当連結会計年度末の金融資産、金融負債には含まれていません。
次の表は、前連結会計年度及び当連結会計年度における経常的に公正価値にて測定されるレベル3の金融商品の変動を表示しています。
その他の包括利益で認識された利得及び損失は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に関するものであり、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の純変動」に含めています。
資本性金融商品のうち、活発な市場における市場価格がある金融商品の主な銘柄及びそれらの公正価値は、次のとおりです。
(注) ニデック株式会社は、2023年4月1日付で日本電産株式会社より商号変更しています。
活発な市場のない金融商品の公正価値は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ5,229百万円及び6,293百万円です。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る評価差額については、連結会計年度に認識の中止を行ったもの等に係る部分を利益剰余金に振替えています。前連結会計年度及び当連結会計年度の振替額(税引後)はそれぞれ、1,835百万円及び11,004百万円です。
取引関係の見直し等により処分したその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産は次のとおりです。
(4) 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、当社グループが認識された金額を相殺する法的権利を有し、かつ純額ベースで決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図が存在する場合に、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しています。
(5) 財務活動から生じた負債の変動額
財務活動によるキャッシュ・フローに分類される負債の変動額は、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
26.1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益
(2) 基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
27.配当金
(1) 配当金支払額
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 2022年5月20日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する配当金75百万円が含まれています。
2 2022年10月31日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する配当金115百万円が含まれています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 2023年5月23日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する配当金115百万円が含まれています。
2 2023年10月31日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する配当金107百万円が含まれています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注)2023年5月23日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する
配当金115百万円が含まれています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)2024年5月22日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託の信託口が所有する自社の株式に対する
配当金106百万円が含まれています。
28.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
当社グループと関連当事者との取引金額及び未決済金額は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注)1 上記金額のうち、取引金額には消費税等を含めず、期末残高には消費税等を含めて表示しています。
2 製品の購入については、関連当事者の総原価を勘案し、価格交渉のうえ決定しています。
3 連結子会社との取引は、連結財務諸表上消去されているため、開示の対象に含めていません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)1 上記金額のうち、取引金額には消費税等を含めず、期末残高には消費税等を含めて表示しています。
2 製品の購入については、関連当事者の総原価を勘案し、価格交渉のうえ決定しています。
3 連結子会社との取引は、連結財務諸表上消去されているため、開示の対象に含めていません。
4 第2四半期連結会計期間より、NSKステアリング&コントロール株式会社(以下「NS&C」)は当社の連結子会社
から持分法適用関連会社となりました。
当社とNS&Cの間の自動車関連製品の購入等の取引金額は、当社が代理人として行った取引のため、当該取引
金額については純額で表示しています。
(2) 経営幹部への報酬
当社グループにおける主な経営幹部に対する報酬は次のとおりです。
29.偶発事象
(訴訟事項等)
当社及び当社の一部子会社による過去における製品の取引に関する競争法違反の疑いに関連して、当社は、第3四半期連結会計期間末まで、合理的に見積もられた、今後発生し得る損害賠償請求に関連する損失を「引当金(非流動)」に計上していましたが、現時点で具体的に想定し得る損害賠償請求に係る相手方との交渉の状況等をふまえ、今後当該損害賠償請求に関連する損失が発生する可能性が低いと判断されることから、当連結会計年度末において当該損失に相当する額を「引当金(非流動)」から取り崩しています。これらの損害賠償請求のほか、当社又は当社の子会社若しくは関係会社が、今後、上記競争法違反の疑いに関連する損害賠償請求を受けた場合には、当社グループは当該請求に対して適切に対処していきます。
また、米国のIntercontinental Terminals Company LLC(以下「ITC」といいます。)がテキサス州ヒューストンにおいて所有するタンクターミナル構内において、2019年3月17日(現地時間)に火災が発生し、周辺住民等は当該火災によって健康被害等の損害を被ったとして、当該タンクターミナルの所有者であるITCその他の関係者らに対して、2021年1月13日(現地時間)以降、米国テキサス州の地方裁判所において複数の訴訟を提起しました。その後、当該周辺住民等は、当社製品が当該タンクターミナル内の装置の一部に使用されていたなどと主張して、他の関係者らとともに当社及び当社の一部子会社に対しても複数の訴訟を提起するに至りました。当社グループは、これらの請求に対して、当社製品が当該火災と無関係であることを主張して争っていく所存です。
なお、当社又は当社の子会社若しくは関係会社は、上記訴訟と同種又は類似の訴訟等を今後提起される可能性があります。当社グループとしましては、原告等による請求に対して、適切に対処していきます。
30.後発事象
該当事項はありません。
(2) 【その他】
① 当連結会計年度における四半期情報
(注)第163期第1四半期連結会計期間より、ステアリング事業を非継続事業に分類しています。これにより、第1四半期連結累計期間から第163期連結会計年度の売上高、税引前四半期(当期)利益金額は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しています。また、親会社の所有者に帰属する四半期(当期)利益金額、基本的1株当たり四半期(当期)利益金額は、継続事業及び非継続事業の合算を表示しています。
② 重要な訴訟事件等
重要な訴訟事件等については「注記29. 偶発事象(訴訟事項等)」に記載しています。
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1. 有価証券の評価基準及び評価方法
子会社株式及び関連会社株式は移動平均法による原価法です。その他有価証券は、市場価格のない株式等以外のものについては時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)、市場価格のない株式等については移動平均法による原価法です。
2. 棚卸資産の評価基準及び評価方法
製品、原材料及び仕掛品は総平均法に基づく原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)です。
貯蔵品は先入先出法に基づく原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)です。
3. 固定資産の減価償却の方法
有形固定資産(リース資産を除く)及び無形固定資産(リース資産を除く)は定額法です。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産は、リース期間を耐用年数とし、残存価額をゼロとする定額法を採用しています。
4. 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
期末の金銭債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、また貸倒懸念債権等特定の債権については回収可能性を勘案して個別に貸倒見積額を計上しています。
(2) 退職給付引当金
従業員への退職給付に備えるため、期末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき退職給付引当金又は前払年金費用を計上しています。
(3) 役員株式給付引当金
当社の取締役及び執行役に対する当社株式等の給付に備えるため、期末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
(4) 従業員株式給付引当金
当社及び一部子会社の一部役職員に対する当社株式等の給付に備えるため、期末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
(5) 環境対策引当金
建物及び設備等に使用されているアスベスト及びポリ塩化ビフェニル(PCB)の除去、処分に関する支出に備えるため、今後発生すると見込まれる費用を計上しています。
(6) 関係会社事業損失引当金
関係会社の事業に係る損失に備えるため、当該会社の財政状態を勘案し、損失負担見込額を計上しています。
5. 収益及び費用の計上基準
当社は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、顧客との契約について以下の5ステップを適用することにより収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社は、一般産業向けの軸受、精密機器関連製品、自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受の製造・販売、自動変速機用部品等の販売を行っております。このような物品販売による収益は、物品の引渡時点において顧客が当該物品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。また、収益は顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しています。
また、当社が代理人として製品の販売に関与している場合には、純額で収益を認識しています。
(重要な会計上の見積り)
財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債及び収益・費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した事業年度及び将来の事業年度において認識されます。
財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び判断は次のとおりです。
1.繰延税金資産の回収可能性
(1) 科目名及び当事業年度計上額
(2) その他見積りの内容に関する理解に資する情報
連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (6)見積り及び判断の利用 の同項目に同一の内容を記載していますので、記載を省略しています。
2.確定給付制度債務の測定
(1) 科目名及び当事業年度計上額
(2) その他見積りの内容に関する理解に資する情報
連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (6)見積り及び判断の利用 の同項目に同一の内容を記載していますので、記載を省略しています。
3.関係会社株式の評価
(1) 科目名及び当事業年度計上額
(2) その他見積りの内容に関する理解に資する情報
当社は、関係会社株式について、期末における株式の時価が著しく下落し、回復の可能性が見込めない場合に、評価損を計上することとしています。
回復の可能性については、関係会社株式の事業計画等に基づき判断していますが、将来の不確実な経済条件の結果により、影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
(表示方法の変更)
(貸借対照表関係)
前事業年度において「無形固定資産」の「その他」に含めていました「ソフトウエア」及び「ソフトウエア仮勘定」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記しています。この結果、前事業年度の貸借対照表において、「無形固定資産」の「その他」に表示していました14,051百万円は、「ソフトウエア」7,858百万円、「ソフトウエア仮勘定」4,458百万円、「その他」1,734百万円として組み替えています。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する主な資産及び負債は次のとおりです。
※2 事業年度末日の満期手形、電子記録債権、電子記録債務の会計処理については、手形交換日又は決済日をもって決済処理をしています。なお、当事業年度末日は金融機関休業日であったため、次の期末日満期手形、電子記録債権、電子記録債務が期末残高に含まれています。
3 偶発債務
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高は次のとおりです。
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は、次のとおりです。
※3 事業構造改革関連費用
(前事業年度)
当社のステアリング事業の構造改革に係る外部専門家費用について、特別損失として867百万円の事業構造改革関連費用を計上しました。
(当事業年度)
特別損失として1,174百万円の事業構造改革関連費用を計上しました。主な内容はステアリング事業の構造改革に係る外部専門家費用です。
※4 関係会社株式評価損の内容は、次のとおりです。
(前事業年度)
特別損失としてラネーNSKステアリングシステムズ社294百万円、NSK-AKSプレシジョンボール社148百万円、計442百万円の関係会社株式評価損を計上しました。
(当事業年度)
特別損失としてAKSプレシジョンボール・ヨーロッパ社119百万円の関係会社株式評価損を計上しました。
※5 固定資産売却損の内容は、次のとおりです。
なお、同一物件の売却により発生した売却益は売却損と相殺し、固定資産売却損として表示しています。
※6 過年度法人税等
(前事業年度)
移転価格税制に基づく更正処分に係る日米相互協議の合意により、法人税等の還付を受けることが確実に見込まれるため、当該見込額1,557百万円を過年度法人税等として計上しています。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載していません。
なお、市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額は次のとおりです。
(単位:百万円)
(税効果会計関係)
1. 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2. 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3. 法人税及び地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
(企業結合等関係)
(共通支配下の取引等)
当社は、2023年4月1日付で、当社のステアリング&アクチュエータ本部の事業(以下「ステアリング事業」)を、吸収分割により当社の完全子会社である株式会社ADTechに承継いたしました。
1. 取引の概要
(1)対象となった事業の内容
ステアリング事業
(2)企業結合日
2023年4月1日
(3)企業結合の法的形式
当社を吸収分割会社、株式会社ADTechを吸収分割承継会社とする吸収分割です。
(4)結合後企業の名称
株式会社ADTech
なお、株式会社ADTechは2023年4月1日付でNSKステアリング&コントロール株式会社に商号変更しています。
(5)その他取引の概要に関する事項
当社は、本吸収分割を含むグループ内組織再編により、株式会社ADTechにステアリング事業の子会社株式をはじめとする主要なステアリング事業の資産等を承継させることで、株式会社ADTechをグローバル統括会社とする独立採算のステアリング事業組織を構築し、事業区分管理の強化を図ります。
2. 実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共通支配下の取引として処理しました。
(収益認識関係)
連結財務諸表注記 21. 売上高に同一の内容を記載していますので、注記を省略しています。
(重要な後発事象)
(連結子会社の吸収合併)
当社は、2024年2月2日開催の取締役会において、当社の完全子会社であるNSK人事サービス株式会社及びNSKネットアンドシステム株式会社を吸収合併することを決議し、2024年4月1日付で吸収合併を行いました。
1. 取引の概要
(1)結合当事企業の名称及びその事業内容
(2)企業結合日
2024年4月1日
(3)企業結合の法的形式
当社を吸収合併存続会社、NSK人事サービス株式会社及びNSKネットアンドシステム株式会社を吸収合併消滅会社とする吸収合併
(4)結合後企業の名称
日本精工株式会社
(5)その他取引の概要に関する事項
当社グループ内の経営資源の集約及び業務の効率化を目的としています。
2. 実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共通支配下の取引として処理しました。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注1)機械及び装置の主な増加は次のとおりです。
(注2)当期減少額のうち、ステアリング事業をNSKステアリング&コントロール株式会社に吸収分割したことによるものは次のとおりです。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に次の書類を提出しています。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。