第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 第20期より国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
(注) 第20期の諸数値につきましては、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に
基づく監査を受けておりません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 第20期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
2 第20期の株価収益率及び配当性向については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
3 第23期の1株当たり配当額60円には、記念配当4円を含んでおります。
4 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
2 【沿革】
〔旧大同酸素株式会社の沿革〕
〔旧共同酸素株式会社の沿革〕
3 【事業の内容】
当「エア・ウォーター」グループは、当社、連結子会社138社(注1)、持分法適用会社12社の合計150社で構成され、デジタル&インダストリー、エネルギーソリューション、ヘルス&セーフティー、アグリ&フーズ、並びにその他の事業に関する製品・商品の製造・販売を行っております。
当グループが営んでいる主な事業内容と当社及び関係会社の当該事業における位置付けは次のとおりであります。
以下の事業区分はセグメント情報における事業区分と同一であります。
(注) 1 連結子会社の数には、当社が直接連結経理処理を実施している会社のみ含めており、連結子会社が連結経理処理している関係会社(46社)はその数から除外しております。なお、上記連結子会社には、ジョイント・オペレーション(共同支配事業)を含んでおります。
2 エア・ウォーター炭酸㈱は、2024年4月1日付で、エア・ウォーター・ハイドロ㈱を吸収合併しております。なお、存続会社であるエア・ウォーター炭酸㈱は、同日付をもって商号をエア・ウォーター・グリーンデザイン㈱に変更しております。
3 エア・ウォーター物流㈱は、2024年4月1日付で、同社を存続会社として東日本エア・ウォーター物流㈱を吸収合併しております。
事業の系統図は次のとおりであります。

4 【関係会社の状況】
(注) 1 「議決権の所有割合」欄の(内書)は間接所有であります。
2 「関係内容」欄の役員の兼任の(内書)は提出会社において執行役員又は従業員であるものの数であります。
3 エア・ウォーター東日本㈱、エア・ウォーター西日本㈱、エア・ウォーター・エンジニアリング㈱、エア・ウォーター・ガスプロダクツ㈱、エア・ウォーター・ライフソリューション㈱及びAIR WATER INDIA PVT. LTD.は特定子会社に該当します。
4 川本産業㈱、K&Oエナジーグループ㈱及び㈱歯愛メディカルは有価証券報告書を提出しております。
5 エア・ウォーター炭酸㈱は、2024年4月1日付で、エア・ウォーター・ハイドロ㈱を吸収合併しております。なお、存続会社であるエア・ウォーター炭酸㈱は、同日付をもって商号をエア・ウォーター・グリーンデザイン㈱に変更しております。
6 エア・ウォーター物流㈱は、2024年4月1日付で、同社を存続会社として東日本エア・ウォーター物流㈱を吸収合併しております。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数であり、従業員数欄の(外書)は、当連結会計年度の平均臨時雇用者数であります。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であります。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3 平均勤続年数、平均年齢及び平均年間給与は出向受入者を除いて算出しております。
(3) 労働組合の状況
労使関係については、特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「―」は男性の育児休業取得の対象となる従業員がいないことを示しております。
3 女性の賃金が男性より低い(男性平均年間給与比66.1%)理由は、女性の平均年齢は38.7才と男性よりも約8才若いこと及び女性管理職比率が5.5%であることが要因となっております。
女性管理職比率の向上については、様々な取り組みを継続して行っております。
②連結子会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「―」は男性の育児休業取得の対象となる従業員がいないことを示しております。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの経営理念は、次のとおりであります。
「創業者精神を持って、空気、水、そして地球にかかわる事業の創造と発展に、英知を結集する」
当社グループの事業の原点は、社名に冠した「空気」と「水」であり、このかけがえのない地球の資源を活かして事業を創出し、社会や人々の暮らしに貢献していくことが当社グループの使命であります。当社グループは、この経営理念の下、目まぐるしく変化を続ける経営環境の中でグループの総合力を発揮し、社会の発展に役立つ多種多様な製品・サービスを提供する企業であり続けることを目指しております。
(2) 中長期的な経営戦略
2030年に向けた目指すべき経営の方向性として、「地球の恵みを、社会の望みに。」をパーパスと定義した上で、「地球環境」と「ウェルネス」の2軸を設定し、2022年7月に、2030年度に目指す姿「terrAWell 30」及び2022年度から2024年度の3ヵ年を対象とした中期経営計画「terrAWell 30 1st stage」を公表しました。将来の成長に向けて、新規事業や海外展開を進めるための投資を積極的に行いながら、国内の既存事業を中心とした収益構造の強化を図ることで、成長と投資の好循環を生み出していきます。また、多様な事業、人材、技術と地域密着の事業基盤を活かした掛け算のシナジーを創出し、部分最適から全体最適によるグループ経営資源の最適化を進めることで、経済価値と社会価値の両面から企業価値を高め、持続可能な成長を目指していきます。
(3) 経営環境、対処すべき課題
世界経済は、緩やかながら成長基調で推移すると見込まれるものの、ウクライナや中東情勢、欧米での金融政策の動向、中国景気の低迷などが懸念材料として挙げられます。我が国経済は、賃上げによる所得環境の改善や企業の設備投資意欲も相まって緩やかな回復が期待されますが、エネルギー価格や為替相場の変動が及ぼす影響を注視しております。
このような先行き不透明な事業環境のもと、当社グループは、2030年度に目指す姿「terrAWell 30」及び中期経営計画「terrAWell 30 1st stage」で掲げた基本方針と事業戦略を着実に実行することで、成長領域の拡大とともに、収益力強化と新事業育成を図っております。
当社グループの中長期的な企業価値向上に向け、今後も、継続的な成長投資が不可欠であると認識しており、さらなる市場拡大が期待できる「インド・北米における産業ガス事業」に加え、我が国の産業基盤強化に向けて積極的な環境整備が図られている「半導体・デジタル産業」、「脱炭素・GX(グリーントランスフォーメーション)」、「食の安定供給を見据えた農産分野」を中心に、事業成長の源泉となる設備投資やМ&A投資を行っていく予定であります。
なお、当社グループは、2022年度において、長年目標としてきた「売上収益1兆円」を達成して以降、これまで以上に資本効率性を重視しており、2030年度に向けたROE目標を10%から12%へ上方修正しております。引き続き、グループの中核会社が一体となって、ヒト・モノ・カネや技術といった経営資源の全体最適化を図る「グループ一体経営」を推し進め、資本効率性の改善・向上に対処してまいります。
成長領域と位置付ける海外事業については、規模・成長性の両面で需要拡大が見込まれるインドと北米を重点戦略エリアとして、国内市場でこれまでに培った機器・エンジニアリング技術を活用し、ガス需要を着実に捉えたサプライチェーンを構築することにより、事業拡大を加速します。同時に、海外での事業成長を下支えするグローバル人材の育成を進めていきます。
国内事業については、グループ会社の統合再編をはじめとした構造改革を継続するとともに、高付加価値製品やサービスの充実を図ります。また、エネルギー価格や人件費等のコスト変動に対しては、価格マネジメント、物流・調達の効率化、DX(デジタルトランスフォーメーション)等の施策により、適切に対処することで一層の収益力強化に取り組みます。
社会課題解決を通じた新たな事業創出に向けては、バイオメタンをはじめとしたクリーンエネルギーの供給やCO2の回収・再利用の取り組みを進め、脱炭素社会の実現に向けた技術開発や地域の社会課題解決に貢献するビジネスモデルの構築を推進しております。また、長期的な食料不足が世界的な社会課題となる中、生産者の高齢化や担い手不足という問題に対応し、収穫などの農作業を機械化して代行するアグリサポート事業の強化や、産業ガスの低温技術を生かしたフードロス削減に向けた鮮度保持技術の向上等に努めます。業界大手企業4社による資本業務提携で構築した「米・青果流通加工プラットフォーム」を通じて、調達網のさらなる拡充と産地の分散化を進め、食料の安定供給体制を強化します。さらに、実証中である陸上養殖の事業化を推進し、食料自給率の向上に貢献してまいります。
サステナビリティの取り組みに関しては、社会環境が大きく変化する中、事業活動を通じて提供する社会価値をより重視したサステナブル経営が不可欠であると考えております。地球環境の負荷低減に向けては、「脱炭素社会」「資源循環型社会」「人と自然の共存社会」の実現に向けた取り組みを進めており、特に、カーボンニュートラルの実現に向けては、自社の温室効果ガス(GHG)排出量を減らす「責務」だけにとどまらず、事業活動を通じた社会の温室効果ガス(GHG)排出量削減への「貢献」との両面で取り組みを推進してまいります。加えて、グループの人的資源活用の最大化に向けては、自立的なキャリア形成を促す人事制度改革を実行するなど、価値創造の中核を担う人的資本の強化に努めてまいります。
なお、対処すべき課題を踏まえた各セグメントの取り組みは、次のとおりであります。
(デジタル&インダストリー)
エレクトロニクス分野は、国内への半導体工場の誘致や既存工場の生産増強が進められる中、こうした顧客に向けたガス供給プラントの投資を加速するとともに、半導体市況の回復に伴い増加する半導体関連部品や機能材料の需要を取り込みます。また、ガス精製装置や化学品の供給システムをはじめとして、半導体製造に欠かすことのできない製品・サービスを提供できることを強みに、デジタル産業の最先端ニーズから周辺分野まで幅広い需要に対応します。
産業ガス分野は、販売数量の飛躍的な拡大が望めない中、各種ガスの安定供給体制を構築するとともに、国内製造業の幅広い分野に向けて、ガスの特性を有効利用したガスアプリケーションやきめ細やかなソリューションサービスの深化に取り組みます。同時に、低採算案件の見直しを含めた価格マネジメントを徹底するとともに、生産性の向上をはじめとした収益強化策に取り組みます。
(エネルギーソリューション)
日本政府による「カーボンニュートラル宣言」をきっかけに社会の低・脱炭素需要が高まる中、工業用向けのエネルギー供給分野は、顧客に向けて重油からLNG等への燃料転換を進めるとともに、輸送機器や供給設備の拡販に取り組みます。また、垂直ソーラー発電システム「VERPA」、小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」、家畜ふん尿由来の「バイオメタン」など、脱炭素ソリューションの社会実装化にも注力していきます。
一方で、北海道を中心とした家庭向けのエネルギー供給分野は、人口減少を背景に需要は低減傾向にあり、かつ人手不足の問題も地方部を中心に顕在化しつつありますが、IoT技術を活用した配送の効率化や販売店の商権買収などの直売比率を高める施策により、収益力の強化に努めます。
(ヘルス&セーフティー)
医療分野は、SPD(病院物品物流管理)や病院向け滅菌受託といった医療現場との接点を活かし、医師の働き方改革、遠隔医療の推進などの医療機関のニーズを的確に捉えた製品やバックエンドサービスの拡充を図ることで、医療ガスや病院設備といった主力商材との複合提案による事業拡大を図ります。将来の成長に向けては、健康寿命の延伸や在宅医療体制の構築といった社会的ニーズを踏まえ、人々の健康増進、リハビリによる予後の改善、在宅患者様のQOL(生活の質)向上につながる医療機器や介護用製品の開発体制を強化していきます。
衛生材料、注射針、化粧品・エアゾールなどのコンシューマーヘルス分野は、人々のくらしやヘルスケアに欠かせない高品質で付加価値の高い製品・サービスの拡充を図るとともに、OEM・ODMの受託拡大や生産の内製化により収益性の向上に取り組みます。防災分野は、大規模データセンターの建設を背景に旺盛な需要が続くガス消火設備工事の受注獲得に注力していきます。
(アグリ&フーズ)
フーズ分野は、コスト上昇に対応した製品の価格改定や量目変更などの継続的な実施により、その影響を低減するとともに、物流の内製化や生産体制の効率化を図り、収益性の確保に努めます。また、成長市場である惣菜分野に対応するために、より加工度の高い商品開発を進め、事業拡大と収益性の向上の両立を目指します。
また、アグリ分野は、2023年2月に、㈱ベジテックと、デリカフーズHD㈱との資本業務提携を開始、さらに2024年3月には、㈱神明ホールディングスとの資本業務提携を行い、業界大手4社で農作物調達機能の強化や物流の効率化などに取り組んでおります。当社の主要の事業エリアである北海道における農産事業の基盤強化に注力するとともに、米・青果物の調達・加工・販売までのバリューチェーンをより強固なものとし、全国をカバーする物流ネットワークを掛け合わせることで、安全・安心な農作物をお客様のニーズに対応した形とタイミングで供給する米・青果流通加工プラットフォームの構築を目指していきます。
さらに、飲料製造を行うナチユラルフーズ分野は、脱プラスチック化に向けた紙容器高速ラインへの更新をはじめとした生産性の向上やEC事業の強化に取り組んでいきます。
(その他の事業)
グローバル&エンジニアリング事業は、市場の拡大に伴う成長と高い収益性が見込めること、また既存事業とのシナジーによって新たな需要創出ができると判断した以下3つの事業分野に注力し、新たな成長エンジンとしていくことを目指しております。
インドの産業ガス分野については、政府による積極的なインフラ投資政策を背景に、鉄鋼をはじめとしたガス需要の拡大が見込まれます。川上領域となる鉄鋼向けオンサイト供給案件の新規獲得とともに、川下領域となるローリー・シリンダー事業にかかわる製造・供給拠点の拡充を両輪で進めていきます。北米での産業ガス及び低温機器分野は、現地産業ガスディストリビューターの連携・M&Aを通じて、産業ガス供給事業の展開に向けた事業基盤の構築を図ります。さらに、カリフォルニア州を中心にカーボンニュートラルに関連する取り組みが急速に進展していることから、当社の保有する水素の製造・貯蔵・輸送などのハンドリング技術や炭酸ガスの回収・液化技術等をベースに、水素サプライチェーンの構築や関連機器市場の開拓に取り組みます。高出力無停電電源装置(高出力UPS)分野は、ロータリー式無停電電源装置を中心に、データセンターや半導体工場のBCPに不可欠な「バックアップ電源ソリューション」を提供しており、需要拡大を背景とした新規顧客の獲得による成長を目指します。
電力事業は、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)により売電価格が保証されている一方、円安影響が継続する等により発電燃料となるPKS(パームヤシ殻)や木質ペレット、その海上輸送費をはじめとした調達コスト全般が高止まりすると、厳しい事業環境が想定されます。2024年度は為替予約、発電用燃料調達の多様化や荷揚港湾施設の運用改善などによりコストの低減を図っていきます。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度では、産業ガスを中心とした価格改定が着実に進展するも、年度後半から緩やかな回復基調を想定していた半導体市況の停滞やコロナ5類移行に伴う外部環境の影響により、売上収益・営業利益共に計画を下回る結果となりました。中期経営計画の最終年度となる2024年度についても、引き続き、為替影響を含む原材料価格の上昇の影響や人手不足を背景とした物流費や人件費などが上昇するなど、全体としては不透明な事業環境が継続すると見込んでおります。足元の事業環境を踏まえ、2024年度の業績目標は売上収益1兆1,000億円、営業利益780億円を計画しております。
経営数値目標の達成に向けて、引き続き成長分野と位置付ける海外及びエレクトロニクス(半導体関連)を中心に事業拡大に向けた取組を進展させるとともに、資本効率の向上に向けて取り組んでまいります。
(注) 1 親会社所有者帰属持分当期利益率
(親会社の所有者に帰属する当期利益÷親会社の所有者に帰属する持分(期首期末平均))
2 投下資本利益率=(営業利益×(1-税率))÷(資本合計+有利子負債)(期首期末平均)
3 2022年11月9日公表の通期業績予想
4 2024年5月9日公表の通期業績予想
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中に将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、経営理念「創業者精神を持って空気、水、そして地球にかかわる事業の創造と発展に、英知を結集する」の下、「空気」と「水」を事業の原点とし、このかけがえのない地球の資源を活かして事業を創出し、社会や人々の暮らしに貢献しております。
当社グループは、パーパス(存在意義)である「地球の恵みを、社会の望みに。」をSDGsコミュニケーションコンセプトとして掲げ、空気や水に代表される地球資源を活用し、技術やビジネスモデル、ノウハウを掛け合わせることで、人々の暮らしや産業になくてはならない製品、サービス、ソリューションを生み出してまいりました。当社グループの事業活動を継続するためには、その源泉となる地球環境に対して持続可能な事業活動でなくてはなりません。
そのような中、2019年7月には、2050年の当社グループのあるべき姿として、サステナブルビジョン「地球、社会との共生により循環型社会を実現する」を定め、その実現のために国際社会が目指すSDGsを2030年のマイルストーンとして位置づけ、2021年10月には、「エア・ウォーターグループ環境ビジョン2050」を制定しました。これらの方針の下、気候変動やスマート社会に対応する「地球環境」と、人生100年時代や世界人口の増加に対応する「ウェルネス(健やかな暮らし)」の軸に沿って、経営資源である多様な事業、技術、人材を活かしてグループシナジーによる新事業を創出しながら、経済価値と社会価値の両面から企業価値を向上すべく、事業活動を通じてSDGsに取り組み、社会課題解決への貢献を果たしていきます。
同時に、サステナブルビジョン実現のために、地球、社会とともに将来にわたり持続的に存続、発展するための重要課題として、7つの「成功の柱(マテリアリティ)」である「気候変動への対応」「資源循環の実現」「環境影響物質の抑制」「地域社会との共存共栄」「ウェルネス(健やかな暮らし)」「働く人々のWell-beingの実現」「グループガバナンスの強化」を特定し、KPIとして以下の目標を設定し、取り組みを進めております。マテリアリティの特定プロセスは、当社WEBサイトにおいて開示しております。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/sustainable_vision/sustainable_vision.html
当社グループは、この中で特に「気候変動への対応」と「働く人々のWell‐beingの実現」を企業価値に大きな影響をもたらす要因として捉えております。
(1)ガバナンス
当社グループは、気候変動や資源不足などの環境問題、人と自然との共存、進化し続けるデジタル技術の活用、人材の多様性や人的資本への投資、健康寿命の延伸と、サステナビリティに関わる社会の課題に対し、担当部門において各施策を検討した上で、中長期的な経営課題への対応方針や取組計画等は、代表取締役会長・CEOを議長とした最高経営委員会で審議し、その中で重要な事項は取締役会に報告され、取締役会は、報告された内容に対し適切に監督する態勢を構築しております。取締役会は、毎月1回以上開催され、サステナビリティに関する知識、経験を有した取締役も含まれております。取締役会ではサステナビリティに関わる社会課題への取り組みだけでなく、サステナビリティに関するリスク及び機会への対応の観点からも監督を行っております。
2022年11月からは、経営戦略と一体化させるために経営企画室の傘下に「SDGs事業推進グループ」※を設置し、当社グループのSDGs活動推進のための諸施策を立案・実施しているほか、当社グループ内にSDGsの取り組みの浸透を図るとともに、方針の周知と進捗の確認を行っております。また、SDGsに関わる課題解決の取り組みの具体的な内容については事業グループ・ユニット、地域事業会社にSDGs事業推進担当者を選任し、全社的な推進を行っております。
※「経営企画室SDGs事業推進グループ」は、2024年4月1日から「カーボンニュートラル推進室」にその機能を移管しております。
(2)リスク管理
当社グループでは、経営の健全性・安定性を確保しつつ企業価値を高めていくために、業務やリスクの特性に応じてリスクを適切に管理し、コントロールしていくことを経営上の重要課題の一つとして認識し、リスクマネジメント体制を整備しております。
当社グループは、全社的なコンプライアンス、保安防災、環境保全および人権に関わるリスクについては、「CSR推進室コンプライアンスグループ」※が統括部門として「リスクマネジメント検討会」を定期的に開催し、グループ全体におけるリスク管理体制の強化を推進しております。また、気候変動関連のリスク及び機会については、「経営企画室SDGs事業推進グループ」がTCFDの推奨するシナリオ分析の手法に基づいて、事業グループのTCFD推進責任者と共に評価・分析する体制としております。
それぞれ統括部門は、重要リスク及び機会実現の戦略・対策案について最高経営委員会及び取締役会に付議・報告することで全社のリスクマネジメントプロセスに統合する体制をとっております。
その他情報セキュリティを含むサステナビリティ関連の個別リスク及び機会については、それぞれの担当部門において、社内規程の制定、マニュアルの作成ならびに教育研修の実施などを行うとともに、事前審査や決裁制度を通じて当該リスク及び機会を管理しております。
一方、事業グループ、事業ユニットでは、事業に関連するサステナビリティのリスク及び機会の抽出・検討を行い、事業への影響度の大きい重要リスク及び機会を特定し、3か年毎の中期経営計画策定時や年度ごとの年度活動計画に具体的な戦略・対策を立案し、計画の進捗管理によりリスク及び機会の管理を行っております。
※「CSR推進室コンプライアンスグループ」は、2024年4月1日から「コンプライアンス室」に組織名称が変更になっております。
(3)戦略・指標及び目標
1.気候変動に関する取り組み
当社グループは、2021年8月、金融安定理事会(FSB)「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明し、TCFDの提言に沿って気候変動関連の重要情報を当社WEBサイトにおいて開示しております。本項目は、抜粋を掲載しております。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_recommendations.html
当社グループは、気候変動への対応は「成功の柱(マテリアリティ)」の一つとして、事業の戦略との統合を図っております。
当社グループは、自らのGHG排出量削減という<責務>と製品・事業を通じた社会のGHG排出削減という<貢献>の両面からカーボンニュートラルに取り組んでおります。自らが排出するGHGの削減として、2030年の30%削減目標達成までの道筋や課題、期日などを明確化するためにロードマップを策定しております。このロードマップでは以下の優先順位でGHG削減に取り組むこととしております。社会のGHG排出削減として、具体的には、産業ガス事業で培った精製・分離・貯蔵などのガスコントロール技術を駆使し、バイオガス、メタン、水素などのガス供給やCO2回収・利活用といった低炭素・脱炭素に寄与するカーボンニュートラル技術の開発などを行っております。2024年4月には「エア・ウォーター・グリーンデザイン㈱」を発足させ、炭酸ガス・水素の事業インフラと関連技術を結集することでCO2の回収・利活用や低炭素水素といったイノベーションを加速し、カーボンニュートラル市場に向けた事業展開を推進していきます。

また、気候変動という予測困難で不確実な事象に関するリスクと機会を特定し、それらのリスクと機会がどのように事業の戦略に影響を与えるのかを確認するためにシナリオ分析を行っております。2023年度は全ての事業ユニットとその他の主要事業を対象に、「4℃シナリオ」と「1.5℃シナリオ」を用いて分析を行いました。その結果、リスク、機会共に「1.5℃シナリオ」の方が影響は大きいが、「4℃シナリオ」、「1.5℃シナリオ」のいずれも十分な対応策や機会獲得・拡大を見込んでおり、不確実な長期的な将来に対し、当社の基本戦略は十分なレジリエンスを有していることを確認しました。
事業部門ごとのシナリオ分析の詳細については、当社WEBサイトをご参照ください。
https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/environment/tcfd_recommendations.html
(注) 1 長期:2030年~2050年 中期:2024年~2030年
2 大:売上収益/コスト 100億円以上 中:売上収益/コスト 10億円以上100億円未満
①温室効果ガス(GHG)排出量
当社グループでは、気候関連に係るリスクと機会を測定・管理するための指標として温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1,2,3)を選定しております。GHG排出量の算定にあたっては、2020年度からGHGプロトコルに基づいた算定をしております。
GHG排出量の詳細については、当社WEBサイトをご参照ください。https://www.awi.co.jp/ja/sustainability/esg_data.html
(千t-CO2e)
(注) 1 Scope3は<速報値>:2024年9月末に確定値公表予定
2 2022年度以降は旧エア・ウォーター&エネルギア・パワー山口㈱は連結対象外のため算定対象に含めておりません。
②GHG排出量の削減目標
当社グループは2021年10月、「エア・ウォーターグループ環境ビジョン2050」を制定しました。その中で掲げている脱炭素社会の実現に向けて、2050年までに自社の事業活動でのカーボンニュートラルの実現とサプライチェーン全体でのGHG削減に取り組むとともに、脱炭素ビジネスにより社会に環境価値を提供していきます。環境ビジョン2050の制定を契機に、そのマイルストーンとなる2030年度のGHG削減目標※を2020年度対比で30%削減することを目標としております。※国内連結子会社のエネルギー起源CO2が対象
③GHG排出量の削減状況(2023年度実績)
2023年度のGHG排出量は、バウンダリーの構造的変化、製造プロセスの省エネ、再エネの導入および事業成長による増加などにより、国内エネルギー起源CO2において基準年度比で0.4%増となっております。
④エネルギー種別のGHG排出量
GHG排出量のエネルギー種別について、当社グループは産業ガスを製造する工場において原料空気から酸素・窒素・アルゴンを分離・精製するために、多くの電力を使用しておりGHG排出量(Scope1,2)のうち、電力使用が8割以上を占めております。
2.人的資本
当社グループは「多様な事業・人材・技術」を創造的に掛け合わせることで生み出されるシナジーによって、『社会課題の解決を通じた新たな企業価値の創造』を目指しております。そのなかでも重要となるのが「人材」であります。「人を活かす経営」が当社グループの人的資本経営の基軸にあります。とりわけ「次世代経営人材の育成」「多様性の尊重(DE&I)」「リカレント教育」「健康経営の推進」の4つの取り組みを重視し、「自主自立」「個の尊重」「人が育つ風土の醸成」を人事基本方針に掲げながら、人事戦略を推進しております。
複雑化する社会課題に向き合い、答えを出していくためには、多様な人材が自らを高め、磨き続ける必要があります。2023年度より社内公募制度の導入やグループ内の人事交流の推進、チャレンジを促す人事制度への刷新、グローバル人材育成に向けた取り組みなど、グループ一体となり将来の成長を牽引する経営人材の採用・抜擢・異動・育成を進めております。同時に、育児・介護支援をはじめ福利厚生制度の充実を含めて、下記の方針を立て、さまざまな取組みを進めるとともに、生産性の向上と継続的な賃上げを実施し、従業員のWell-beingの向上を目指します。
① 人材育成方針
当社グループは、「人を活かす経営」の実現に向け、新たな成長を牽引できる経営人材を育成・輩出するとともに、当社では従業員に挑戦の機会を提供し、従業員個人も会社もともに発展できる好循環を創出するための人事制度改革をおこなっております。管理職を対象に年齢や社歴に関わらず、従業員と会社が合意したミッションの大きさに応じたジョブグレードにより、処遇を決める「ミッショングレード制度」を導入し、挑戦する意欲と実力があれば20代での管理職登用も可能になります。一般職層も同様に2024年4月より社員の挑戦への姿勢を尊重し、加点評価するとともに、各自のキャリア選択や成長スピードに応じた早期の抜擢昇格を可能とする「チャレンジグレード制度」を導入しチャレンジ機会の提供を拡大しております。また、同じ人材が一つのポジションに長期滞留しないよう社内公募制度を用いた自立的な異動ローテーションを年2回行い、それぞれの従業員が多様な経験を積み、専門性を高めることで活躍の場をグループ全体に拡げていく仕組みとしております。このような従業員の自立的キャリア形成を支援し、若い人材が積極的に挑戦し、登用・抜擢される風土を醸成していきます。
② 社内環境整備方針
さまざまなライフイベントを迎える従業員が、それぞれの能力を最大限に発揮するためには、「安心して働ける職場環境づくり」が求められます。当社はこれまで、育児中の従業員を支援する育児休業制度、短時間勤務制度、子の看護休暇制度に加え、配偶者転勤時の休職を認める配偶者休職制度、ジョブリターン制度を整備してきました。2023年11月には、当社のワークライフバランス推進に関する取り組みが評価され、プラチナくるみんマークを取得しております。一方で、急速な高齢化により、介護保険制度上の要支援・要介護認定者数が急速に増加しているわが国では、介護をしながら働く従業員の就業をいかにサポートしていくかが大きな社会課題となっております。そこで介護支援に関する全社的な取り組みを進めるとともに、福利厚生制度を見直し、介護により就業が制限される従業員にも多様な就業支援を行い、継続してキャリアを形成できる環境を整備していきます。このほか、柔軟な働き方を通じた生産性の向上を図るため、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入しております。
◇女性活躍の推進
多様性ある組織の構築によって企業が一層の成長をしていくために、女性活躍推進法に基づく行動計画では、重点取り組みとして、女性管理職比率を10%以上とする目標を掲げておりました(2023年度実績:5.5%)。メンター制度によるキャリア構築支援や女性リーダー育成プログラムの強化を図っておりますが、今後もこれらの取り組みを継続した上で、新たな取り組みとして候補者の上司への研修を通して周囲の意識変化にも取り組んでいきます。また、将来的な女性管理職登用を見据えた取り組みとして、女性社員の積極的な採用と女性主任・係長層の登用も進めております。新卒採用者に占める女性比率目標40%以上に対し、21‐23年度における平均値は53.5%と、目標を上回る結果となっております。女性主任・係長層の登用については2023年度末で24.0%となり、着実に育成が進んでおります。

(注) 人的資本に関する連結数値目標は、現在検討中のため、単体数値として記載。
◇男性育児休業・休暇の取得推進
男性社員の育児参加を後押しするため、男性の育休取得率を2024年度に40%以上とすることを目標に掲げていました。2023年度においては、配偶者が出産した男性社員が育児休業・休暇を取得し、早期に目標達成しました。対象者とその上司への声掛けや、人事担当者との個別面談の実施、働き方改革の推進など、本人だけでなく周囲を巻き込んだ取り組みの効果により、社内における男性育休取得の風土醸成は着実に進んでおります。2023年11月には「プラチナくるみん」を取得し、仕事と家庭の両立を図ることができる働きやすい会社へと一層の進化を続けております。今後も、高い育休取得率の維持を目指すとともに、十分な育休期間の取得についても継続して取り組んでいきます。男性育休のさらなる社内浸透を目指し、育休取得者との座談会や社内セミナー、対象者と上司への育休取得推奨の働きかけを継続実施していきます。

(注) 1 上記「育休」には、育児休業(育児・介護休業法第2条に基づく休業)および育児休暇
(年休特別積立規則に基づく育児を目的として取得する5日以上の休暇)を含みます。
2 人的資本に関する連結数値目標は、現在検討中のため、単体数値として記載。
3 【事業等のリスク】
当社グループの事業展開上、事業の状況、経理の状況等に変動を与え、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 当社のリスクマネジメント体制
当社グループの事業活動において特に重要なリスクであると認識しているコンプライアンス、保安防災及び環境保全に係るリスクについては、代表取締役の直轄組織である「コンプライアンス室」がその統括部門として、当社及び子会社を横断的に管理する体制としております。
情報セキュリティ、知的財産、海外事業展開および契約などに関わる個別リスクについては、それぞれの担当部門において、社内規程の制定、マニュアルの作成ならびに教育研修の実施などを行うとともに、事前審査や決裁制度を通じて当該リスクを管理する体制としております。また、コンプライアンス室を事務局とするリスクマネジメント検討会を定期的に開催し、当グループにおける主要なリスクの把握とその対策状況についての検討などを行い、グループ全体におけるリスク管理体制の強化を推進しております。海外子会社については、当該会社を管理する事業ユニットと連携し、リスクマネジメント体制を構築しております。各海外子会社を対象に、年一回、リスクの特定、影響度合いと発生確率に応じたリスクの分析・評価、リスク対応策の検討という一連のプロセスでリスクアセスメントを実施し、その結果を踏まえてBCP(事業継続計画)を策定しております。コンプライアンス室では、これらのリスクアセスメントおよびBCPに対して指導・助言を行うことにより、全社的なグローバルリスクを管理しております。
また、事業活動への影響が大きいと想定されるリスクが発生した場合には、「危機管理規程」に基づき、直ちに危機管理委員会を社内に設置し、発生したリスクに対し迅速かつ適切に対処する体制を整えております。

(2) 事業等のリスク
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度の売上収益は1兆245億4千万円(前期比102.0%)、営業利益は682億7千2百万円(同109.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は443億6千万円(同110.5%)となり、過去最高業績を更新しました。
当連結会計年度の我が国の経済は、新型コロナウイルス禍から社会経済活動の正常化が進み、将来に向けた半導体分野や省力化、脱炭素化などに伴う設備投資が底堅く推移するなど、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、ウクライナや中東情勢のさらなる緊迫化、欧米での金融引き締め政策の継続、半導体市況の低迷、為替市場での大幅な円安の進行などから、依然として先行き不透明な状況が継続しました。
このような事業環境の中、国内産業ガス事業を中心とした価格改定等により収益性が改善し、全社業績を下支えするとともに、木質バイオマス発電事業の大幅回復等が業績に寄与しました。
(主な取り組み)
当社グループは、ユニット制を基軸としたグループ一体経営によって、国内既存事業の収益力を強化する一方、今後の成長領域である海外事業の基盤構築と、社会課題解決に向けたカーボンニュートラル関連や農産関連の取り組みを進めました。
国内既存事業では、各事業ユニットで自律的な成長を果たす「中核会社」を形成するべくグループ会社の統合再編を進めました。また、製品・サービスの価値に見合った利益水準の確保に向けて、低採算案件の見直しを含めた価格マネジメントを徹底するとともに、生産性の向上をはじめとした収益強化策に取り組みました。
海外事業では、重点戦略エリアである北米とインドにおいて、積極的な投資を実行し、産業ガス事業のインフラを拡充しました。北米では、複数のガスディーラーを買収するとともに、ニューヨーク州で北米初の自社ガス製造拠点となるオンサイトガスプラント建設に着手したほか、ヘリウム事業にも参入しました。インドでは、新たに国営鉄鋼公社であるSAIL(Steel Authority of India Limited)社向け大型オンサイトガス供給案件を受注したほか、同国南部での液化ガス製造拠点や北部ガス充填拠点の建設が計画どおり進展しました。
社会課題解決を通じた事業創出に向けて、カーボンニュートラル関連では、垂直ソーラー発電システム「VERPA」や、LNG(液化天然ガス)の代替燃料となる家畜ふん尿を原料とした「バイオメタン」のサプライチェーン構築に取り組みました。また、CO2回収・再利用、低炭素水素、アンモニアといった多様な脱炭素需要を見据え、全社横断的な事業推進体制の構築を進めました。農産関連では、食料安全保障や食料自給率の向上が社会課題となる中、北海道の農産・加工事業体制を再構築するとともに、業界大手企業4社での資本業務提携によって青果流通加工プラットフォームを強化しました。
セグメントの業績及び概況につきましては、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。詳細は「4.事業セグメント」の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
<デジタル&インダストリー>
当セグメントの売上収益は3,394億1千万円(前期比100.4%)、営業利益は335億6千3百万円(同128.5%)となりました。
事業全体では、機能材料事業が半導体市況の低迷等による影響を受けましたが、産業ガスを中心とした価格改定に加え、業務効率化や生産性向上に取り組んだことで、収益力が大きく向上しました。
インダストリアルガス事業は、産業ガス需要が全般的に弱含みで推移する中、大手企業を中心とした新規取引の獲得により産業ガスの拡販を進めるとともに、エネルギーや物流などのコスト上昇に対応し、生産性の向上や産業ガスの価格改定に取り組んだ結果、収益改善が大きく進展しました。さらに、炭酸ガスについては、原料ガス不足の影響を大きく受けた前年度から回復基調で推移しました。
エレクトロニクス事業は、半導体市況が停滞し、需要減の影響を受ける中においても、大手半導体工場向けのオンサイトガス供給が一定の稼働率を維持するとともに、半導体製造の前工程で使用される高純度薬品や塗布材料などが伸長し、業績を下支えしました。また、国内で半導体工場の新増設が相次ぐ中、特殊ケミカル供給機器などの販売が拡大したことで、半導体製造装置向け熱制御関連機器の販売が減少した影響を補いました。
機能材料事業は、半導体製造装置向けOリング(シール材)や精密研磨パッドなどのエレクトロニクス関連製品が顧客の在庫調整による影響を受けたことに加え、顧客における農薬製品の生産調整を背景にナフトキノンの販売が低調に推移し、前年度を下回りました。
<エネルギーソリューション>
当セグメントの売上収益は665億8千8百万円(前期比96.2%)、営業利益は40億4千2百万円(同94.9%)となりました。
エネルギー事業は、低・脱炭素需要が高まる中、顧客に対して重油からLNGへの燃料転換を積極的に進めました。このような状況の下、LNGタンクローリーや小型LNGサテライト設備の販売が順調に推移しました。また、北海道を中心とした家庭向けLPガス供給は、IoT技術を活用した配送の効率化や販売店の商権買収などの直売比率を高める施策により、収益力の強化に努めました。しかしながら、輸入価格に連動してLPガスの販売価格が前年度より下回ったこと、在庫評価影響等により、売上・利益ともに前年度を下回りました。
<ヘルス&セーフティー>
当セグメントの売上収益は2,308億6千5百万円(前期比97.8%)、営業利益は150億7千8百万円(同97.4%)となりました。
事業全体では、コロナ禍を経て変化する医療現場の様々なニーズに対応するため、グループ会社の統合再編を実行するとともに、原材料や人件費の上昇に対応する生産合理化や価格改定に取り組みました。データセンター向けガス消火設備の受注が拡大する防災事業は総じて堅調に推移したものの、コロナ関連の需要が減少した影響により、売上・利益ともに前年度を下回りました。
メディカルプロダクツ事業は、医療ガス分野において価格改定や低採算案件の見直しにより収益性が向上したほか、一酸化窒素吸入療法の症例数が増加しました。また、介護施設向けシャワー入浴装置「美浴」の販売が順調に拡大しました。一方、酸素濃縮装置の自治体向けリース契約が前年度末に終了した影響を受けました。
防災事業は、国内及びシンガポールにおける病院のリニューアル工事が回復基調で推移するとともに、データセンター向けのガス消火設備工事の受注増加や消防向け呼吸器の販売回復により、堅調に推移しました。
サービス事業は、病院の経営効率を高める施策の提案を通じて新規顧客の獲得を進めましたが、SPD(病院物品物流管理)の新規受注に伴う立上げコストが発生したほか、一部大型病院との契約終了の影響を受けました。
コンシューマーヘルス事業は、エアゾール・化粧品分野において積極的な提案営業により化粧品の受託製造が伸長しましたが、マスクや手指消毒剤などの感染管理製品やワクチン針の需要が減少した影響を受けました。
<アグリ&フーズ>
当セグメントの売上収益は1,626億1千万円(前期比106.4%)、営業利益は69億1千7百万円(同125.4%)となりました。
事業全体では、価格改定や生産効率の改善を通じて収益力が向上しました。また、飲料の製造受託量が増加するとともに、青果小売分野の拡大やM&Aに伴う新規連結効果により、好調に推移しました。
フーズ事業は、ハム・デリカ分野では商品開発に注力したコンビニエンスストア向け総菜の新規採用が進み、スイーツ分野では鶏卵不足が緩和されたものの、一部製品においてインフレ影響による買い控えの影響を受け、総じて前年度並みとなりました。
ナチュラルフーズ事業は、飲料充填ラインの増強投資や自社ブランド商品の拡充とともに、得意とする野菜・果実系飲料や大口顧客向けのペットボトル飲料などの受託製造が拡大し、好調に推移しました。
アグリ事業は、北海道を中心とする農産・加工分野において農産品の生育不良や不安定な相場が継続しましたが、青果小売分野においてコロナ禍の収束により全国的に客足が回復したことに加え、農産物直売所の新規出店効果もあり、順調に推移しました。また、九州で青果仲卸事業を展開する丸進青果㈱を新規連結しました。
<その他の事業>
当セグメントの売上収益は2,250億6千7百万円(前期比107.8%)、営業利益は108億2百万円(同210.3%)となりました。
物流事業は、低温物流ネットワークの拡充による新規顧客の獲得とともに、受託料金の改定や働き方改革、業務効率化に資するデジタル活用を進めました。しかしながら、コロナ禍にて特需のあった感染性廃棄物の取扱量減少や、新設した低温物流センターが本格稼働するまで一時的な費用が先行したことで、前年度を下回りました。
㈱日本海水は、石炭や資材などの価格上昇に対応して、製品価値に見合った適正価格での販売及びコスト削減に努めました。電力分野では、発電燃料の海上輸送コストが下落基調で推移したことに加え、苅田バイオマス発電所(福岡県苅田町)が2023年8月より営業運転を開始したことで、売上・利益ともに前年度を上回りました。
グローバル&エンジニアリング事業では、インド産業ガス分野は、旺盛な需要を背景に鉄鋼向けオンサイトガス供給及び外販ガス供給ともに、堅調に推移しました。北米産業ガス分野は、現地ガスディストリビューターを通じた外販ガス供給が順調に推移するとともに、米国カリフォルニア州を中心に水素供給インフラ整備の本格化を背景に、水素関連機器の販売が順調に推移しました。なお、北米においてヘリウムガス供給事業を展開するAmerican Gas Products,LLCを新規連結しました。高出力UPS(無停電電源装置)分野は、アジアや欧州における工事遅延などの解消に加え、生成AIの利用拡大を背景にした市場成長に伴い、東南アジアにおいて、大型データセンター向けの無停電電源プロジェクトを受注したことで、好調に推移しました。
電力事業は、発電燃料の海上輸送コストが下落したことに加え、荷揚げ港湾施設における滞船日数の短縮化の取り組みを進めたことで、前年同期より業績が大きく改善しました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
② 受注状況
製品のほとんどが見込生産であります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2) 財政状態
(資産の部)
総資産は、有形固定資産及びその他の金融資産の増加などにより前連結会計年度末に比べて1,310億5千万円増加し、1兆2,226億9千6百万円となりました。
(負債の部)
負債は、社債及び借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べて690億4千7百万円増加し、7,142億1千万円となりました。
(資本の部)
資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の積み上げなどにより前連結会計年度末に比べて620億3百万円増加し、5,084億8千5百万円となりました。
以上の結果、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の1,892.36円から2,140.68円に増加しております。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の39.4%から40.0%となりました。また、親会社所有者帰属持分当期利益率は前連結会計年度、当連結会計年度共に9.7%となっております。
(3)キャッシュ・フロー
① 資本政策の基本的な考え方
当社は、当連結会計年度において、2030年度に目指す姿『terrAWell 30』の目標水準のうち、資本効率性に関する目標水準を見直し、資本コストを意識した経営の実現に向けて取り組みを強化しております。(2030年度目標:ROE12%以上、ROIC8%以上)
継続している積極投資の回収が進むことに加え、事業規模の拡大からより収益性・効率性を重視した成長戦略を推進してまいります。バランスシートのコントロールを強化するとともに、安定的にフリーキャッシュ・フローを稼げる収益構造を構築していくことで、親会社所有者に帰属する当期利益の30%を配当性向の基準とし、安定的な配当を継続していくことを基本方針としております。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益及び減価償却費などから法人所得税の支払などを差し引いた結果、前連結会計年度に比べ226億7千2百万円収入が増加し、796億2千5百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が減少したものの、事業譲受による支出及び貸付による支出が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ268億3千1百万円支出額が増加し、979億6千6百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、借入による収入が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べて45億3千3百万円減少し、147億2千3百万円の収入となりました。
(現金及び現金同等物)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ9億6千9百万円減少し、649億7千5百万円となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
中長期的に企業価値を高めていくために必要な成長投資の資金については、事業で創出されるキャッシュ・フローを充当し、不足する分は銀行借入或いは社債発行による負債調達を基本としております。
手元資金については、資金効率を重視し事業継続に必要な適正水準を維持する方針としております。なお、資金の機動的かつ安定的な調達に向け、取引銀行3行との間に総額200億円のシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を締結しております。
成長投資については、経済活動の停滞が長期化した局面に備えて十分な財務の安全性を維持するため、今後のM&A投資及び設備投資は、事業環境の変化を慎重に見極めながら厳選していきます。
株主還元については、配当性向の目標を親会社所有者に帰属する当期利益の30%を目安としており、中長期的な成長のための戦略的投資等に必要な内部留保の充実に留意しつつ、将来にわたって業績に見合った安定的な配当を行うことを基本方針としております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
翌連結会計年度の事業環境については、ウクライナや中東情勢のさらなる緊迫化、欧米でのインフレやそれに伴う金融政策の継続、為替市場での円安の進行など不透明な経済環境が当面の間継続することを仮定しております。その前提に基づき、当連結会計年度において会計上の見積りを行った結果、当連結会計年度における連結財務諸表に及ぼす影響は軽微なものと判断しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「3.重要性がある会計方針」に記載しておりますが、特に以下の重要性がある会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 非金融資産の減損
当社グループは決算日において、棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。のれんは償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。資産の回収可能価額は資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としており、資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、 当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。使用価値の算定に際しては、資産の耐用年数や将来キャッシュ・フロー、成長率、割引率等について一定の仮定を用いております。
これらの仮定は過去の実績や当社経営陣により承認された事業計画等に基づく最善の見積りと判断により決定しておりますが、事業戦略の変更や市場環境の変化等により影響を受ける可能性があり、仮定の変更が必要となった場合、認識される減損損失の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎決算日に見直し、税務便益の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。
当社グループは、将来の課税所得及び慎重かつ実現性の高い継続的なタックス・プランニングの検討に基づき繰延税金資産を計上しており、回収可能性の評価に当たり行っている見積りは合理的であると判断しておりますが、見積りは予測不能な事象の発生や状況の変化等により影響を受ける可能性があり、実際の結果が見積りと異なる場合、認識される費用及び計上される資産に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の進捗状況については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
当連結会計年度の研究開発活動につきましては、エア・ウォーターグループの技術の源泉であるガス関連技術のさらなる深化を図るため、グループ横断基幹開発センターとして、グループテクノロジーセンター内に「ガス技術開発センター」 を新設しました。また、事業グループごとに開発センターを設置し、技術開発リソースを集約するとともに、開発から事業化までの一貫体制を構築しました。
さらに、2023年9月には、「ウェルネス(健やかな暮らし)」に関わる新事業の創造、開発、発信するための拠点として、新しいオープンイノベーション施設である、エア・ウォーター健都を開業いたしました。地域と“つながる”ことで産官学民連携によるオープンイノベーションを推進し、体験・実証を通じた「健やかで楽しい暮らし」に関わる新事業の創造により、人生100年時代の社会に貢献していきます。
エア・ウォーターグループの全事業の基盤である、ガス関連技術のさらなる深化と、これまでに培ったそれぞれの事業グループのコア技術をさらに磨くことで様々な分野へ応用展開を図っていきます。また、オープンイノベーションによる積極的な技術開発により、今まで以上に事業の継続的な成長と社会に貢献できる新事業成果の結実に取り組んでまいります。
事業グループごとの研究開発活動につきましては、次のとおりであります。
(デジタル&インダストリー)
デジタル化の急速な進展に伴い、データセンターの処理能力やデータ通信速度の更なる高速化に対応できる材料のニーズが高まっております。また、脱炭素社会の実現に向け、電気自動車の航続距離の伸長や急速充電に対応できる材料が求められております。これに対応するため、半導体や二次電池などのエレクトロニクス分野における幅広い領域を中心として、エア・ウォーターグループ内及び外の技術シナジー発現による差別化商品創出に注力しつつ、新たな材料開発を推進しております。
・エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル㈱においては、高機能を有する電子材料や食品機能材料の開発に注力しております。また、分散している開発拠点を集約し、技術の集中・高度化を図るため、新研究棟の建設を進めており、2025年2月に竣工する予定であります。
・脱炭素社会でますます重要となる蓄電デバイスについては、リチウムイオン電池高性能化のための電解液添加剤の開発の他、リチウムイオン電池及びナトリウムイオン電池でも寿命・容量を向上させる負極用真球状ハードカーボンの材料開発を推進しており、大学との共同研究もスタートしました。
・脱炭素社会の実現に向け、従来とは異なるCO2回収技術の開発を大学との共同研究にてスタートしており、2030年度の社会実装に向け、開発を推進しております。
・㈱FILWELでは、ハードディスクドライブ、シリコンウエハなどの精密研磨に使用されるパッド材の技術を有しております。現在はSiCパワーデバイスの需要拡大に伴い、SiCバルク基板用の研磨パッドの技術開発に注力しております。
(エネルギーソリューション)
2030年までに2013年と比べてCO2を46%削減するという政府方針の実現に向けて、カーボンニュートラルエネルギー関連技術について、産・官・学との連携を通じて、技術の蓄積、洗練、高度化を推進しております。
・当社では、NEDO水素社会構築技術開発事業として「北海道豊富町未利用天然ガスを活用した地域CO2フリー水素サプライチェーンの構築」に向けた取組みを推進しております。本実証事業では、豊富町で自噴する天然ガスを用いて、メタン直接改質(DMR)法によりCO2を直接排出することなく高純度水素及びカーボンナノチューブを製造します。製造した水素は近隣の需要家へ供給し、地産地消型水素サプライチェーンの構築を進めてまいります。2024年5月に建屋の建設に着工し、国内初となるDMR法を用いた商用規模での水素製造を目指しております。
・2022年に発表した小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」の商用化設計を進め、実装に向けた準備を進めております。また、CO2回収の省エネ化を目的とし、NEDOグリーンイノベーション基金事業において、「Na-Fe系酸化物による革新的CO2分離回収技術の開発」を推進しております。2025年には大阪・関西万博において実証を行う予定であります。
・地産地消エネルギーによる資源循環モデルの開発施設「地球の恵みファーム・松本」の建設を進めております。地球の恵みファーム・松本は「バイオマスガス化発電」「メタン発酵発電」「スマート陸上養殖プラント」「スマート農業ハウス」の4施設で構成されており、「メタン発酵発電」を除く3施設について稼働を開始しました。地域で発生する未利用バイオマス資源を有効活用してエネルギー生産を行うとともに、発生する熱やCO2を養殖設備や農業に利用します。未利用資源からエネルギーを獲得し、排出される廃棄物を最小化することで、エネルギーの地産地消と資源循環モデルを実現します。
・家畜糞尿などに由来するバイオガスを活用した新たなバイオエネルギーサプライチェーンの構築に取り組んでおります。環境省が推進する「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の優先テーマとして、バイオガスを用いて液化バイオメタン(LBM)に加工することでLNGの代替燃料として活用する実証を完了し、2024年5月よりバイオメタンの商用販売を開始しております。今後、自治体や企業とのさらなる連携を通じて、環境負荷の少ない地産地消エネルギー社会の実現に貢献してまいります。
(ヘルス&セーフティー)
医療事業において、医科向けや歯科向けの病院内機器製品やサービスの開発ならびにOEM事業を推進していきます。
・ヘルスケア開発センターでは、医療事業を軸に医科向け、歯科向けの開発に取り組んでいきます。今後は、「光センサー技術」・「音解析技術」・「映像解析技術」のコアコンピタンスを活かして医療事業のみならず、美容・審美歯科領域にもビジネスを拡大し開発を推進していきます。
・在宅医療、遠隔診療用途として肺の呼吸音を可視化および解析が出来る電子聴診器システムおよびそれを利用するIoTプラットフォームの開発をしております。音により、いち早く病態変化に気づけるよう病院内または在宅で使用出来る機器・サービスの開発を目指しております。
・慶應義塾大学発GI型POF(屈折率分布型プラスチック光ファイバー)技術を応用し極細内視鏡の開発を推進しております。極細硬性内視鏡の使用により、患者の関節内を低侵襲で手術前後に直接観察でき、迅速かつ正確な病状把握や、手術後の経過観察を効率よく行うことが可能になります。これにより、外来や在宅での検査・治療が可能となり、患者の肉体的負担、医療現場の負担が大幅に軽減されます。
・エア・ウォーター・メディカル㈱では、既存主製品の酸素濃縮器の開発に加えて、新たにOEM事業を展開しております。血液透析治療向けに、ヘルスケア開発センターで開発した電子聴診器システム技術を展開し血流音を可視化するHVSIモニターの製品化を行い2024年5月より製造、販売しております。これにより、医療従事者の主観評価を数値化し定量的に判断出来るようになり医療現場の負担が軽減されます。
・エア・ウォーター・リアライズ㈱では、エアゾール事業、化粧品事業、注射針事業を展開しております。高付加価値製品の開発、産学連携による新技術と新素材の開発、顧客・消費者のニーズを先取りする提案型開発研究にて事業の拡大を目指しております。
(アグリ&フーズ)
農作物の栽培・加工・保存技術や食品・飲料の品質向上、分析・機能性及び新技術・商品開発を推進しております。
・農業従事者の減少と食糧問題への取組であるスマート農業開発において、2020年12月より実施している東京大学との共同研究では、主力品のひとつであるブロッコリーの収穫適期予測プログラムを開発いたしました。また、観察技術とデータ技術を応用して肥料使用適切化の開発にも着手し、生産性・品質向上の両立を目指しております。農産物の鮮度保持技術においては、エチレンガスの制御に着目し、北海道大学の保持技術であるプラチナ触媒を利用して当社の流通・販売・加工の改善を目指して実証試験を行っております。また、室蘭工業大学とは鮮度保持と連携した分析技術を活用し、地域ブロックチェーンへの導入の試みを行っております。
・当社事業の強みをさらに高めるため、農産自社資源の活用・分析による機能性研究によって付加価値を与え市場参入を目指しております。鮮度保持技術と連携し、品質の向上とともに、食と健康への取組を活性化しております。
・当社が資本業務提携している㈱ベジテック、デリカフーズ㈱との研究分科会を発足し、事業上で重要な農産品の保存性向上の取組を進めております。事業や実情に応じた、生きた研究活動が始まりました。栽培・食品・飲料・分析の各分野での研究により、かぼちゃ収穫機・生ハム新製法の確立・食品成分の一斉分析法(332成分)、植物性発酵飲料・農作物栄養成分の迅速分析法を開発しました。バリューチェーン全体の技術力向上と、品質向上・新商品開発の取組を進めて参ります。
(その他の事業)
・㈱日本海水では,SDGs実現に向けた研究開発を行っております。NEDOの研究開発委託事業に採択された「海水を用いたCO2鉱物化法の開発(ブルーカーボンリサイクル技術の開発)」について,発電所や工場などから排出されるCO2の固定化,資源化に向けた新技術開発と実用化を進めております。また,これまでに培ってきたヒ素・フッ素などの水処理用吸着剤の製造技術を応用し,南米の塩湖からバッテリーなどに用いられるリチウム回収に向けたリチウム吸着用樹脂の造粒技術の開発に着手しました。「海水資源の活用」をキーワードに,産学官との技術連携による研究開発を積極的に進めることで,新たなビジネスを創出するとともに、SDGs実現にも貢献していきます。
なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は6,172百万円であり、デジタル&インダストリーが1,964百万円、エネルギーソリューションが874百万円、ヘルス&セーフティーが1,662百万円、アグリ&フーズが1,106百万円、その他の事業が565百万円であります。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度における設備投資の総額(無形資産を含む)は、73,303百万円であり、その主なものは、デジタル&インダストリーにおける高圧ガス製造設備の建設や、その他事業における北海道札幌市に建設中のオープンイノベーション推進施設、福岡県苅田町に建設したバイオマス発電所、インドに建設中のオンサイトガス供給設備などであります。
セグメントごとの設備投資額(無形資産を含む)は、デジタル&インダストリーで34,817百万円、エネルギーソリューションで3,545百万円、ヘルス&セーフティーで7,315百万円、アグリ&フーズで4,535百万円、その他の事業で20,740百万円、全社資産で2,348百万円となりました。
なお、「設備の状況」に記載の金額には消費税等は含まれておりません。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
2024年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額には、日本基準に基づく個別財務諸表の帳簿価額を記載しております。
2 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
3 帳簿価額のうち「その他」は「工具、器具及び備品」及び「無形固定資産」等の合計であります。
4 土地の面積欄の( )内数字は外書で連結会社以外からの借用面積であります。
(2) 国内子会社
2024年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
2 帳簿価額のうち「その他」は「工具、器具及び備品」及び「無形資産」等の合計であります。
3 従業員数の( )は、臨時従業員数を外書しております。
4 東日本エア・ウォーター物流㈱は、2024年4月1日付でエア・ウォーター物流㈱に吸収合併されております。
5 ㈱桂通商は2024年4月1日付で西日本エア・ウォーター物流㈱に吸収合併されており、存続会社である西日本エア・ウォーター物流㈱は、同日にエア・ウォーターLINE㈱に社名変更しております。
(3) 在外子会社
2024年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
2 帳簿価額のうち「その他」は「工具、器具及び備品」及び「無形資産」等の合計であります。
3 従業員数の( )は、臨時従業員数を外書しております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
重要な設備の新設等の計画は以下のとおりであります。
(注) 東日本エア・ウォーター物流㈱は、2024年4月1日付でエア・ウォーター物流㈱に吸収合併されております。
(2) 重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
※当事業年度の末日(2024年3月31日)における内容を記載しております。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2024年5月31日)にかけて変更された事項については、提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載しており、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はありません。
(注) 1 新株予約権1個につき目的となる株式数は、100株とする。
2 (1) 新株予約権者は、上記「新株予約権の行使期間」の期間内において、当社の取締役の地位を喪失した日の翌日(以下、「権利行使開始日」という。)から5年間に限り、新株予約権を行使することができる。
(2) 上記(1)に関わらず新株予約権者は以下の①又は②に定める場合(ただし、②については、上記「組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項」に従って新株予約権者に再編対象会社の新株予約権が交付される場合を除く。)には、それぞれに定める期間内に限り新株予約権を行使できるものとする。
①行使期間の最終日の1年前に新株予約権者が権利行使開始日を迎えなかった場合には、行使期間最終日の1年前の翌日から行使期間最終日まで
②当社が消滅会社となる合併契約承認の議案、又は当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画承認の議案につき当社株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要な場合は、当社の取締役会決議がなされた場合)
当該承認日の翌日から15日間
(3) 新株予約権者が新株予約権を放棄した場合には、かかる新株予約権を行使することができないものとする。
(4) その他の新株予約権の行使の条件は、当社と新株予約権者との間に締結する新株予約権割当契約に定めるところによる。
3 当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下、「組織再編成行為」という。)をする場合において、組織再編成行為の効力発生日の直前において残存する新株予約権(以下、「残存新株予約権」という。)を保有する新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号のイからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する残存新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
(2) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
(3) 新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数
組織再編成行為の条件等を勘案の上、上記「新株予約権の目的となる株式の数」に準じて決定する。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、以下に定める再編後払込金額に上記(3)に従って決定される当該各新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。再編後払込金額は、交付される各新株予約権を行使することにより交付を受けることができる再編対象会社の株式1株当たり1円とする。
(5)新株予約権を行使することができる期間
上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の開始日と組織再編成行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、上記「新株予約権の行使期間」に定める新株予約権を行使することができる期間の満了日までとする。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
上記「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額」に準じて決定する。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。
(8) 新株予約権の取得条項
残存新株予約権の取得条項に準じて決定する。
なお、残存新株予約権の取得条項は次のとおり。
以下の①、②、③、④又は⑤の議案につき当社株主総会で承認された場合(株主総会決議が不要の場合は、当社の取締役会決議がなされた場合)は、取締役会が別途定める日に、当社は無償で新株予約権の全部を取得することができる。
①当社が消滅会社となる合併契約承認の議案
②当社が分割会社となる分割契約もしくは分割計画承認の議案
③当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画承認の議案
④当社の発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当社の承認を要することについての定めを設ける定款の変更承認の議案
⑤新株予約権の目的である株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当社の承認を要することもしくは当該種類の株式について当社が株主総会の決議によってその全部を取得することについての定めを設ける定款の変更承認の議案
(9)その他の新株予約権の行使の条件
上記「新株予約権の行使の条件」に準じて決定する。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)1 有償一般募集
発行価格 1,585円
発行価額 1,519.6円
資本組入額 759.8円
払込金総額 41,029百万円
2 有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
発行価格 1,519.6円
資本組入額 759.8円
払込金総額 6,154百万円
割当先 SMBC日興証券株式会社
(5) 【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 自己株式688,217株のうち、6,882単元は「個人その他」の欄に、17株は「単元未満株式の状況」の欄に含めております。なお、自己株式688,217株は株主名簿上の株式数であり、2024年3月31日現在の実質的な所有株式数は687,217株であります。
2 「その他の法人」及び「単元未満株式の状況」の欄には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ289単元及び73株含まれております。
3 単元未満株式のみを有する株主数は、5,115人であります。
(6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)及び㈱日本カストディ銀行(信託口)の所有株式数は、すべて信託業務に係るものであります。
2 ㈱三井住友銀行の所有株式数には、同行が退職給付信託の信託財産として拠出している株式3,000千株が含まれており、その議決権行使の指図権は同行に留保されております。なお、当該株式に関する株主名簿上の名義は「㈱SMBC信託銀行(㈱三井住友銀行退職給付信託口)」であります。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、株主名簿上は当社名義になっておりますが、実質的に所有していない株式1,000株が含まれております。また、「完全議決権株式(その他)」欄の議決権の数には、同株式に係る議決権の数10個は含まれておりません。
2 「完全議決権株式(その他)」及び「単元未満株式」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式がそれぞれ28,900株(議決権289個)及び73株含まれております。
3 「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式17株、大平産業㈱が他人名義で保有している相互保有株式88株、㈱ガスネット所有の相互保有株式36株、森脇産業㈱が他人名義で所有している相互保有株式65株が含まれております。
② 【自己株式等】
2024年3月31日現在
(注) 1 株主名簿上は当社名義になっておりますが、実質的に所有していない株式が1,000株あります。なお、当該株式は「① 発行済株式」の「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式に含まれております。
2 大平産業㈱及び森脇産業㈱が株式の一部を他人名義で所有している理由等
3 当事業年度末における自己株式数は、以下のとおりであり、上記自己名義所有株式数には、持株会信託所有当社株式数を含めておりません。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社は、2020年10月22日開催の取締役会の決議により、当社グループ社員持株会を活用した中長期的な企業価値向上と福利厚生の拡充を目的としたインセンティブ・プランとして「従業員持株会信託型ESOP」(以下、「本制度」という。)を導入しております。
1.従業員株式所有制度の概要
本制度は、「エア・ウォーターグループ持株会」(以下、「持株会」という。)に加入する全ての当社グループ社員を対象とするインセンティブ・プランであります。
本制度では、当社が信託銀行に持株会専用の信託(以下、「持株会信託」という。)を設定し、持株会信託は、設定後5年間にわたり持株会が取得すると見込まれる相当数の当社株式を、銀行から取得資金の借入を行った上で、株式市場から予め定める期間中に取得しております。その後、持株会信託は、持株会が定期的に行う当社株式の取得に際して、当社株式を機械的かつ継続的に持株会に売却していき、持株会信託の信託財産に属する当社株式の全てが売却された場合などに持株会信託は終了することになります。信託終了時点までに、当社株価の上昇により株式売却益相当額が累積した場合には、持株会信託は、これを残余財産として受益者要件を充足する当社グループ社員に対して分配します。
なお、当社は、持株会信託が当社株式を取得するための借入について、貸付人である銀行との間で補償契約を締結しております。従って、当社株価の下落により株式売却損相当額が累積し、持株会信託が借入債務を完済できなかった場合には、当社が銀行に対して残存債務を一括して弁済することになります。
本制度の仕組みは、以下のとおりであります。

① 当社は、信託契約において定められた一定の要件を充足する当社グループ社員を受益者として持株会信託(他益信託)を設定しております。
② 持株会信託は、銀行から当社株式の取得に必要な資金の借入を行います。当該借入に際しては、当社、持株会信託及び銀行の三者間で、持株会信託が借入債務を完済できなかった場合には、当社が銀行に対して残存債務を弁済する旨の補償契約を締結しております。なお、当社は、当該補償の対価として持株会信託から適正な補償料を受け取ります。
③ 持株会信託は、持株会が設定後5年間にわたり取得すると見込まれる相当数の当社株式を株式市場から予め定める期間中に取得しております。
④ 持株会信託は、信託期間を通じ、持株会が定期的に行う当社株式の取得に際して、上記③に従って取得した当社株式を機械的かつ継続的に持株会に対して時価で売却しております。
⑤ 持株会信託は、持株会への当社株式の売却により得た株式売却代金、保有株式に対する配当金等を原資として、銀行からの借入の元利金返済に充当しております。
⑥ 信託期間を通じ、受益者のために選任された信託管理人が、持株会信託内の当社株式の議決権行使、その他の信託財産管理の指図を行います。
⑦ 上記⑤による借入金の返済後に持株会信託内に残余財産がある場合には、信託契約において予め定められた受益者要件を充足する当社グループ社員に対して、当該受益者が持株会を通じて信託期間内に買い付けた当社株式の数等を基礎とした一定の算式に基づき算出される受益者持分割合に応じて分配されます。
⑧ 上記⑤による借入金の返済後に持株会信託に借入債務が残存する場合には、上記②記載の補償契約に基づき、当社が残存債務を弁済しております。
2.持株会信託の概要
(1)委託者 当社
(2)受託者 三井住友信託銀行株式会社(再信託受託先:株式会社日本カストディ銀行)
(3)受益者 持株会会員のうち受益者要件を充足する者
(4)信託管理人 当社と利害関係のない第三者
(5)信託契約日 2020年11月4日
(6)信託の期間 2020年11月4日から2025年11月30日(予定)まで
(7)信託の目的 持株会に対する安定的かつ継続的な株式の供給及び受益者確定手続
を経て確定される受益者への信託財産の交付
3.従業員持株会に取得させる予定の株式の総数
3,260,000株
なお、2024年3月31日時点における持株会信託の保有持株数は、842,100株であります。
4.当該従業員株式所有制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
信託契約において定める受益者確定基準日において生存し、かつ、持株会に加入している当社グループ社員(但し、信託契約の締結日以降、受益者確定基準日までに転籍又は役員等への昇格による会員資格の喪失によって持株会を退会した者を含む。)
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
(注)当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までに単元未満株式の買取りにより取得した自己株式は含まれておりません。
会社法第155条第13号による取得
(注)1 譲渡制限付株式報酬として割り当てた普通株式の一部を無償取得したものであります。
2 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの無償取得による自己株式は含まれておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当期間における保有自己株式数には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までに単元未満株式の買取りにより取得した自己株式並びに単元未満株式の売渡し及びストックオプションの権利行使により処分した自己株式は含まれておりません。
3 【配当政策】
当社は、継続的な企業価値の向上を図るべく経営基盤の強化を進めていくと同時に、株主の皆様への利益還元を経営の最重要課題の一つとして位置付けております。
このため、剰余金の配当につきましては、中長期的な成長のための戦略的投資等に必要な内部留保の充実に留意しつつ、親会社の所有者に帰属する当期利益の30%を配当性向の目標として、将来にわたって業績に見合った安定的な配当を行うことを基本方針としております。
また、内部留保金につきましては、成長性並びに収益性の高い事業分野における設備投資、研究開発投資及び事業買収投資等に活用いたします。
当社は、会社法第459条に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当を行う旨を定款で定めており、毎年9月30日及び3月31日を基準日とした年2回の配当を行うこととしております。
上記の基本方針に基づき、当事業年度の期末配当金は、1株当たり34円としました。この結果、年間配当金は中間配当30 円をあわせて、1株当たり64円、連結での配当性向は32.9%となりました。
なお、基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、社会的良識に従った公正な企業活動を行い、株主や顧客の皆様、地域社会、従業員等あらゆるステークホルダーから信頼されることが、企業の持続的発展と企業価値の最大化に不可欠であると考えております。そして、内部統制システムを含めたコーポレート・ガバナンスの充実は、ステークホルダーの信頼を獲得し、企業の社会的責任を果たすうえで、最も重要な経営課題であると認識しております。
当社は、的確な経営の意思決定、それに基づく適正かつ迅速な業務執行並びにそれらの監督・監視が十分に機能する経営体制を構築するとともに、幅広い情報公開によって経営の透明性を確保することにより、コーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
1.企業統治の体制の概要
当社は、取締役会において経営の重要な意思決定、業務執行の監督を行い、監査役が取締役会等重要会議への出席等を通じて取締役の職務の執行を監査する監査役会設置会社であります。
当社のコーポレート・ガバナンス体制における各機関及び部門の概要は、次のとおりであります。
(a)取締役会
当社の取締役会は、社内取締役6名(うち女性1名)、社外取締役3名(うち女性1名)の計9名で構成され、法令又は定款に定める事項のほか、当社グループの経営及び業務執行に関する重要事項について決定並びに報告がなされ、取締役相互の監督及び監視に係る機能を果たしております。また、当社では、社外取締役3名を選任し、外部の客観的な視点から当社の経営に有益な助言等をいただくことにより、経営監督機能の強化に努めております。
なお、変化の激しい経営環境下において最適な経営体制を機動的に構築することを可能とし、かつ事業年度毎の取締役の経営責任をより明確化するため、取締役の任期は1年としております。
有価証券報告書提出日現在の取締役会の構成員は以下のとおりであります。
取締役会議長 豊田喜久夫(代表取締役会長)
その他の構成員 松林良祐、田中豪、大塚茂樹、尾上英俊、井上喜久栄、
松井隆雄(社外取締役)、千歳喜弘(社外取締役)、芳賀裕子(社外取締役)
(b)最高経営委員会
当社グループの広範囲にわたる事業領域における的確かつ迅速な意思決定を支える機関として、社内取締役と各事業部門の責任者等で構成する最高経営委員会を原則として月1回開催しております。最高経営委員会は、広範囲かつ多様な見地から取締役会の付議事項について事前審議を行うほか、当社グループの業務執行に関する重要事項について審議を行っております。
有価証券報告書提出日現在の最高経営委員会の構成員は以下のとおりであります。
最高経営委員会議長 豊田喜久夫(代表取締役会長)
その他の構成員 松林良祐、田中豪、大塚茂樹、尾上英俊、井上喜久栄、
森誠治、林邦広、有賀公勝、秋田正倫
(c)監査役・監査役会
当社の監査役会は、社内監査役2名(うち女性1名)、社外監査役3名(うち女性0名)の計5名で構成されております。また、当社では、社外監査役3名を選任し、外部の客観的な視点から当社の監査に有益な助言等をいただくことにより、経営の監視・監督機能の強化に努めております。各監査役は、監査役会が定めた監査の方針、監査の基準等に従い、取締役会その他の重要な会議に出席するなどの方法により経営執行状況の把握と監視に努めるとともに、財務報告に係る内部統制を含めた内部統制システムの整備・運用状況等の監視及び検証を通じて、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合し、会社業務が適正に遂行されているかを監視しております。また、監査役は、会計監査人及び内部監査部門からその監査の状況及び結果について定期的に説明を受けるとともに、情報・意見交換を行っております。
有価証券報告書提出日現在の監査役会の構成員は以下のとおりであります。
監査役会議長 安藤勇治(常勤監査役)
その他の構成員 重藤順子、山田健二(社外監査役)、林醇(社外監査役)、林信夫(社外監査役)
(d)指名・報酬委員会
当社は、2022年8月4日に取締役会の諮問機関として任意の指名・報酬委員会を設置しました。その目的は、取締役の指名・報酬等に係る取締役会の機能の独立性及び客観性を高めるとともに説明責任を強化し、当社コーポレート・ガバナンスの充実を図るためであり、取締役の選解任案をはじめ、取締役の報酬制度や評価に関する事項等を審議しております。
有価証券報告書提出日現在の指名・報酬委員会の構成員は以下のとおりであります。
指名・報酬委員会委員長 豊田喜久夫(代表取締役会長)
その他の構成員 松井隆雄(社外取締役)、林醇(社外監査役)
2.企業統治の体制を採用する理由
当社では、変化の激しい経営環境下において経営の迅速性と機動性を確保することができ、また、前記1に記載したコーポレート・ガバナンス体制により、経営に対する監視・監督機能の客観性並びに中立性を十分に確保することができると判断しているため、監査役会設置会社制度を採用しております。
③ 内部統制システムの整備の状況
当社は、当社及び子会社の業務の適正を確保するための体制の構築に関する基本方針を以下のとおり定め、この基本方針により構築する体制の下で、当社及び子会社の業務の適正性並びに効率性の確保に努めております。
(a)取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ.コンプライアンス体制の基礎として、当社グループの役員及び従業員が法令等を遵守し、社会倫理を尊重した行動を実践するための行動指針となる「エア・ウォーターグループ倫理行動規範」を制定し、社会倫理と遵法精神の教育啓蒙並びに法令遵守に関するルールの整備を進める。
ロ.当社グループにおけるコンプライアンス上の問題を一元的に管理する統括部署として、代表取締役の直轄組織である「コンプライアンス室」を設置し、取締役又は執行役員もしくは理事等の中からその責任者を任命する。また、コンプライアンスに関する重要事項の協議を行う機関として「コンプライアンス委員会」を設置するほか、当社グループの役員及び従業員がコンプライアンス上疑義のある行為等を知った場合に、職制ルートを介さず、直接「コンプライアンス室」及び社外弁護士等に報告、相談を行うことが出来る内部通報制度を設置し、運用する。
ハ.取締役は、定期的又は必要に応じて随時開催する取締役会において、業務執行の状況を報告するとともに、相互にその業務執行を監督する。また、監査役は、監査役会が定めた監査役監査基準に基づき、取締役会その他の重要な会議に出席するほか、子会社を含む業務執行状況の調査等を通じて、当社グループの取締役の職務執行について監査する。
ニ.内部監査部門である「監査室」は、内部監査規程及び内部監査計画に基づき、当社グループの業務活動について社内規則及び法令に対する遵守状況等を内部監査する。また、内部監査の結果については、代表取締役並びに監査役に報告する体制とする。
ホ.当社グループは、独占禁止法の遵守について、定期的に外部専門家からの助言を受け、役員及び従業員に対する独占禁止法に関する教育を継続的に実施するほか、同業他社との接触等の統制を徹底するとともに、「コンプライアンス室」が当社グループにおける独占禁止法の遵守に関する社内規程の運用及び遵守状況のモニタリングを定期的に実施する体制とする。
(b)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役会議事録、稟議決裁書類等の取締役の職務執行に係る情報については、文書又は電磁的媒体に記録し、文書管理に関する社内規程等に基づき、適切かつ確実に保存及び管理する。また、取締役、監査役又は内部監査部門がこれらの文書等の閲覧を要請した場合には、直ちに提出できる体制とする。
(c)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
イ.当社グループの事業活動において特に重要なリスクであると認識しているコンプライアンス、保安防災及び環境保全に係るリスクについては、「コンプライアンス室」がその統括部門として、当社グループを横断的に管理する体制とする。
ロ.情報セキュリティ、品質管理、知的財産及び契約等に係る個別リスクについては、それぞれの担当部門を設置し、社内規程の制定、マニュアルの作成並びに教育研修の実施等を行うとともに、事前審査や決裁制度を通じて当社グループにおける当該リスクを管理する体制とする。
ハ.「コンプライアンス室」を事務局とする「リスクマネジメント検討会」を定期的に開催し、当社グループにおけるリスク管理の状況を把握するとともに、当社グループにおけるリスク管理の強化を推進する体制とする。
ニ.事業活動への影響が大きいと想定されるリスクが発生した場合には、「危機管理規程」に基づき、直ちに危機管理委員会を社内に設置し、発生したリスクに対し迅速かつ適切に対処する体制とする。
(d)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
イ.当社は、適正かつ効率的な職務の執行を確保するための組織規程、職務権限規程において業務分掌並びに意思決定に関する権限を定め、各取締役、執行役員及び理事等の権限と責任の明確化を図る。また、子会社においてもこれに準拠した体制を構築する。
ロ.取締役会で選任された執行役員及び理事等への権限委譲により、広範囲にわたる事業及び業務領域における意思決定の迅速化と業務執行責任の明確化を図る。なお、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制を機動的に構築するため、取締役、執行役員及び理事等の任期は、それぞれ1年とする。
ハ.一定規模以上の事業については、ユニット制を導入し、各ユニット長がその事業執行について権限を委譲される一方で、関連する子会社を含めた連結業績について責任を負う体制とする。
ニ.取締役会において中期経営計画を定め、それに基づく主要経営目標を設定する。併せて年度毎のユニット別、事業部門別、子会社別の事業戦略並びに利益計画を設定し、その実績を月次単位で管理することにより、効率的な取締役の職務執行を確保する。
(e)当社並びにその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
イ.監査役及び内部監査部門である「監査室」は、子会社の監査役と連携して子会社の監査を定期的に実施し、当社グループにおける業務執行の適正を確保する。
ロ.子会社に、原則として当社から取締役及び監査役を派遣して業務執行の適正と監督機能の実効性を確保する。
ハ.関係会社規程において各子会社を主管する担当部門のほか、各子会社が当社に対して報告並びに事前承認を求めるべき事項を明確化し、子会社から当社への報告体制を整備するとともに、子会社に関する一定の重要事項については当社の取締役会においても審議する。
ニ.金融商品取引法に基づき、当社グループの財務報告の信頼性と適正性を確保するため、財務報告に係る内部統制の体制構築に関する基本計画を定め、これに基づき有効かつ適正な評価ができる内部統制システムを構築し、適切に運用する。
(f)監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項並びに当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査役の職務を補助する使用人を配置する。当該使用人は、業務執行上の指揮命令系統には属さずに監査役の指揮命令に従うこととし、当該使用人の任命、異動、評価等に関しては、監査役会の事前の同意を得たうえで決定するものとする。
(g)当社並びに子会社の取締役及び使用人等が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制
イ.監査役が、重要な意思決定のプロセスや業務執行の状況を詳細に把握するため、取締役会その他の重要な会議に出席するほか、稟議決裁書類その他の業務執行に関する文書等をいつでも閲覧し、必要に応じて取締役及び使用人にその職務執行の状況報告を求めることができる体制とする。
ロ.取締役及び使用人は、監査役又は監査役会に対して、法定の事項に加えて、当社グループの経営に重要な影響を及ぼすおそれのある事実、内部監査の実施状況並びに監査の必要上において報告を求められた職務執行の状況について、速やかに報告する体制とする。
ハ.当社の監査役への報告を行った当社グループの取締役及び使用人に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行わない。
(h)監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
当社は、監査役が職務執行について生じる費用の前払又は償還等請求をしたときは、当該監査役の職務執行に必要でないと認められた場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理する。
(i)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役が、代表取締役、会計監査人、内部監査部門並びに子会社の監査役と定期的に意見交換の機会を持ち、監査上の意見及び情報の交換を行うことにより監査の実効性を確保できる体制とする。
当社のコーポレート・ガバナンス体制(内部統制システムの概要を含む。)についての模式図は、次のとおりであります。

④ 取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を月1回以上開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。
(注) 全回数が異なるのは、就任時期の違いによるものであります。
当事業年度においては、M&A戦略、業務提携、設備投資、中期経営計画・予算・決算、人的資本投資、カーボンニュートラルに向けた取り組み等について、重点的に議論いたしました。
⑤ 指名・報酬委員会の活動状況
当事業年度において当社は指名・報酬委員会を2023年5月、2023年6月、2023年12月、2024年1月の4回開催しており、個々の指名・報酬委員の出席状況については次のとおりであります。
当事業年度における具体的内容として、社内取締役及び社外取締役の指名候補案、報酬方針並びに制度、役員の選解任基準、後継者計画、評価制度、指名手順の確認について審議検討を行っております。
⑥ 責任限定契約
当社は、各社外取締役及び各監査役との間に、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の損害賠償責任について、その職務を行うにつき善意でありかつ重大な過失がないときは、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする旨の契約を締結しております。
⑦ 役員等賠償責任保険契約
当社は、当社の会社法上の取締役及び監査役ならびに当社の執行役員制度上の執行役員、理事を被保険者とする、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該契約の内容の概要は、以下のとおりであります。
1.補償地域は全世界、保険期間は2024年3月31日から2025年3月31日までであります。
2.会社訴訟、第三者訴訟、株主代表訴訟等により、被保険者が負担することとなった争訟費用及び損害賠償金等を填補の対象としております。
3.役員等の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置として、被保険者による犯罪行為等に起因する損害等については、填補の対象外としております。
⑧ 取締役の定数
当社の取締役は20名以内とする旨を定款で定めております。
⑨ 剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定めることとする旨を定款で定めております。これは、株主への利益還元を含めた資本政策を機動的に行うことを目的とするものであります。
⑩ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑪ 取締役選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めております。また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款で定めております。
⑫ 取締役の責任免除
当社は、取締役(取締役であった者を含む。)の会社法第423条第1項に定める責任につき、善意でかつ重大な過失がない場合は、取締役会の決議によって、法令が定める限度額の範囲内でその責任を免除することができる旨を定款で定めております。これは、取締役が職務を遂行するにあたり、期待される役割を十分に発揮できるようにするためであります。
⑬ 監査役の責任免除
当社は、監査役(監査役であった者を含む。)の会社法第423条第1項に定める責任につき、善意でかつ重大な過失がない場合は、取締役会の決議によって、法令が定める限度額の範囲内でその責任を免除することができる旨を定款で定めております。これは、監査役が職務を遂行するにあたり、期待される役割を十分に発揮できるようにするためであります。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性11名 女性3名 (役員のうち女性の比率21%)
(注) 1 取締役松井隆雄氏、千歳喜弘氏及び芳賀裕子氏は社外取締役であります。
2 常勤監査役山田健二氏、監査役林醇氏及び監査役林信夫氏は、社外監査役であります。
3 取締役の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
4 監査役の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2028年3月期に係る定時株主総会終結の時までであります。
5 芳賀裕子氏の戸籍上の氏名は林裕子であります。
6 所有株式数には、当社グループの役員持株会における本人の持分を含めた実質所有株式数を記載しております。
② 社外役員の状況
1.社外取締役及び社外監査役の員数並びに当社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係
当社は、社外取締役3名、社外監査役3名を選任しております。
なお、当社と各社外取締役及び各社外監査役との間には、社外役員の独立性に影響を及ぼす人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係はありません。
2.社外取締役及び社外監査役が当社の企業統治において果たす機能及び役割並びに選任状況に関する当社の考え方
社外取締役松井隆雄氏は、公認会計士及び会計専門職大学院教授としての豊富な経験と高い見識を有しており、その経験と見識を活かし、当社の経営全般に対して的確な助言を行うなど、当社の社外取締役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
社外取締役千歳喜弘氏は、他の会社において企業経営者及び技術者としての豊富な経験と高い見識を有しており、その経験と見識を活かし、当社の経営全般に対して的確な助言を行うなど、当社の社外取締役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
社外取締役芳賀裕子氏は、企業戦略の研究者としてM&Aやコーポレートガバナンス等に関する専門的な見識を有していることに加え、経営コンサルタントとして培われた豊富な経験と高い見識を有しており、これらの経験と見識を当社の経営に活かしていただけるものと考え、当社の社外取締役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
社外監査役山田健二氏は、金融機関出身者としての専門的な知識と経験を有しており、その経験と見識を当社の監査に活かしていただけるものと考え、当社の社外取締役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
社外監査役林醇氏は、裁判官及び弁護士としての豊富な経験と高い見識を有しており、その経験と見識を当社の監査に活かし、客観的な立場から当社の業務執行における適正性確保に有用な指摘並びに提言を行うなど、当社が期待する監査機能を十分に発揮しており、当社の社外監査役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
社外監査役林信夫氏は、法制度の研究者及び大学教授としての豊富な経験と高い見識を有しており、その経験と見識を当社の監査に活かし、客観的な立場から当社の業務執行における適正性確保に有用な指摘並びに提言を行うなど、当社が期待する監査機能を十分に発揮しており、当社の社外監査役として適任であると判断しております。また、同氏は、東京証券取引所及び札幌証券取引所が定める一般株主と利益相反の生じるおそれがあるとされる事項に該当しておらず、当社が定める「社外役員の独立性に関する判断基準」を満たしているため、当社は、同氏を独立役員として指定し、当社が上場する取引所に届け出ております。
3.社外取締役及び社外監査役を選任するための当社からの独立性に関する基準又は方針の内容
当社は、社外取締役及び社外監査役の当社からの独立性に関する基準として、次のとおり、「社外役員の独立性に関する判断基準」を定めております。
《社外役員の独立性に関する判断基準》
当社は、社外取締役及び社外監査役(以下、総称して「社外役員」という。)又は社外役員候補者が、次の各要件のいずれにも該当しないと判断される場合には、当社に対し十分な独立性を有しているものと判断する。
1)当社及び当社の子会社(以下、総称して「当社グループ」という。)の業務執行者(※1)又は過去10年間において当社グループの業務執行者になったことがある者
2)過去10年間において当社グループの非業務執行取締役又は監査役になったことがある者については、その就任前の10年間において当社グループの業務執行者になったことがある者
3)当社グループを主要な取引先とする者(※2)又はその業務執行者
4)当社グループの主要な取引先である者(※3)又はその業務執行者
5)当社の主要株主(総議決権数の10%以上の議決権を直接又は間接的に保有している者。以下同じ。)又はその業務執行者
6)当社グループが主要株主となっている者の業務執行者
7)当社グループの会計監査人である監査法人に所属する者
8)当社グループから役員報酬以外に、多額(※4)の金銭その他の財産上の利益を受けている弁護士、公認会計士、税理士又はコンサルタント等(当該財産上の利益を受けている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者をいう。)
9)当社グループから多額(※4)の寄付又は助成を受けている者又はその業務執行者
10)当社グループの業務執行者が他の会社の社外役員に就いている場合における当該他の会社又はその親会社もしくは子会社の業務執行者
11)過去3年間において上記3)から10)までのいずれかに該当していた者
12)上記1)から11)までのいずれかに該当する者が重要な業務執行者(※5)である場合において、その者の配偶者又は二親等以内の親族
但し、上記の各要件のいずれにも該当していない場合であっても、独立役員としての責務を果たせないと判断するに足る事情があるときには、当該社外役員を独立役員に指定しないことがある。
※1 業務執行者とは、法人その他の団体の業務執行取締役、執行役、執行役員、業務を執行する社員、理事、その他これらに準じる者及び使用人等の業務を執行する者をいう。
※2 当社グループを主要な取引先とする者とは、その者の過去3事業年度のいずれかにおいて年間連結売上高の2%以上の支払いを当社グループから受けた者をいう。
※3 当社グループの主要な取引先である者とは、当社の過去3事業年度のいずれかにおいて年間連結売上高の2%以上の支払いを当社グループに行っている者、又は当社の直近事業年度末における連結総資産の2%以上を当社グループに融資している者をいう。
※4 多額とは、過去3事業年度の平均で、個人の場合は年間1,000万円以上、法人、組合等の団体の場合は当該団体の連結売上高もしくは総収金額の2%に相当する額又は年間1,000万円のいずれか高い方であることをいう。
※5 重要な業務執行者とは、業務執行者のうち、業務執行取締役、執行役、執行役員及び部門責任者等の重要な業務を執行する者をいう。
(注)上記の「事業年度」は、個人の場合には、所得税の計算の対象となる年度と読み替える。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制
部門との関係
当社は、社外取締役が独立の立場から経営の監督機能を発揮できるよう、監査役、内部監査部門及び会計監査人との連携の下、随時必要な資料提供や事情説明を行う体制をとっております。また、社外監査役は、監査役会及び取締役会への出席はもとより、代表取締役、内部監査部門、会計監査人等との面談を通じて、当社グループにおける業務の適正性を確保するための体制等の整備状況を確認するほか、重要会議等における質問や発言等を通じて、多角的な視点から経営監視機能を果たしております。
(3) 【監査の状況】
1.監査役監査の状況
a.監査役監査の組織、人員及び手続
監査役監査については、社外監査役3名(うち常勤1名)を含む監査役5名により実施しております。社内監査役2名の内、安藤勇治氏は当社の内部監査部門の長及び当社子会社の取締役管理本部長の経験、重藤順子氏は当社の内部監査部門の長及び当社の関係会社を管理統括する部門の長の経験を有しております。また社外監査役3名の内、常勤監査役である山田健二氏は大手金融機関出身者であり、林醇氏、及び林信夫氏は法務の専門家として、それぞれ裁判官及び弁護士、研究者及び大学教授としての長い経験を有しております。
各監査役は取締役会に出席し、取締役会の意思決定並びに各取締役の職務執行について、その適法性を監査するとともに、取締役の職務の執行に関して直接意見を述べております。監査役5名の内、重藤順子氏及び山田健二氏は、財務・会計に関する相当程度の知見を有しております。
b.監査役及び監査役監査の活動状況
各監査役は、監査役会が定めた監査の方針及び計画に従い、取締役会その他の重要な会議に出席するほか、重要な決裁書類等を閲覧し必要に応じて指導するとともに、業務執行状況の聴取等を通じて、各取締役が行う意思決定の過程及び内容を恒常的に確認しております。また、代表取締役、内部監査部門、会計監査人等との面談を通じて、当社グループにおける業務の適正性を確保するための体制等の整備状況を確認しております。
3名の常勤監査役は、分担して主要なグループ会社25社の監査役を兼務することにより、各社の経営状況の把握に努め、連結グループ全体の監査を実効あるものとしております。また、非常勤監査役2名は、当社及びグループ会社の現場に出向き、事業の活動状況の把握に努めております。
その他、各監査役は会計監査人より四半期毎のレビュー状況等の会計監査について適時に報告を受け、意見交換を行い、監査品質、監査効率の向上に努めております。
当事業年度における各監査役の取締役会及び監査役会の出席状況は以下のとおりであります。
監査役会における具体的な検討内容は以下の通りです。
決議事項:監査計画の作成、監査役の選任議案の同意、監査役の報酬の配分、会計監査人の再任・報酬議案の同意、監査役会の監査報告書の作成、常勤監査役の業務分担及び主要グループ会社の監査役兼務先の決定等
協議事項:取締役会の議案の検討(M&A戦略、業務提携、設備投資、中期経営計画、予算・決算等)、主要グループ会社の監査状況について協議、代表取締役会長・社長との意見交換、社外役員との意見交換等
報告事項:会計監査人の監査報告(KAMに関する意見交換を含む)、コンプライアンス室のコンプライアンス事案に関する活動報告(内部通報制度運用含む)、同監査グループの内部監査に関する活動報告、最高経営委員会の議事内容に関する監査役会議長報告、職務権限決裁報告書の閲覧、事業拠点の視察等
2.内部監査の状況
内部監査については、内部監査部門である監査室(提出日現在11名)は、当社グループにおける法令及び社内諸規則の遵守状況のほか、業務プロセスの適正性と妥当性について定期的に監査を実施しております。また、監査室は、財務報告の信頼性と適正性を確保するための内部統制システムの構築及び運用状況についての有効性の評価について、主管部門としての役割を果たしております。
また、コンプライアンス室(提出日現在9名)は、コンプライアンス、保安防災及び環境保全並びに食品安全等について、当社グループを横断的に管理、統制する専任部署として設置しております。
なお、それぞれの内部監査によって当社の経営に重要な影響を及ぼすおそれのある事実が確認された場合には、代表取締役及び監査役に適宜、報告する体制としております。さらに、最高経営委員会及び取締役会に対し、業務監査等の結果、及びコンプライアンス事案について年2回の定期報告を行っております。
監査役と内部監査部門の連携状況については、監査役と内部監査部門である監査室は、それぞれの監査の実効性を確保するため、定期的に会合を持つほか、必要な都度、情報交換や意見交換を行っております。また、監査役は、監査室より、内部監査の実施状況及び監査結果について説明を受け、意見交換を行うほか、必要に応じ、監査室に対して調査を求めております。
監査役と会計監査人の連携状況については、監査役と会計監査人である有限責任 あずさ監査法人は、定期的に会合を持つほか、必要な都度、意見交換を行っております。監査役は、会計監査人より、その監査計画、監査の実施状況並びに四半期レビュー結果及び期末の監査結果(財務報告に係る内部統制監査を含む。)について説明を受け、意見交換を行っております。また、監査役からは、会計監査人に対し、監査役監査の計画、実施状況及び結果を説明し、意見交換を行っております。
3.会計監査の状況
a. 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b. 継続監査期間
40年間
c. 業務を遂行した公認会計士
神田正史、小池亮介、藤本裕人
d. 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士48名、その他56名であります。
e. 監査法人の選定方針と理由
当社は、会計監査人の選定及び評価に関しては、監査の品質管理に関する取り組み状況が十分であること、国際的なネットワークを有していること、監査の独立性が担保されていること等を総合的に検討し、問題なしと判断したので、有限責任 あずさ監査法人を選任及び再任をしております。
f. 監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社の監査役及び監査役会は、監査法人の評価を行っており、有限責任 あずさ監査法人について、監査の品質は十分であり、会計監査人としての適格性及び独立性を害する事由等の発生はなく、適正な監査の遂行が可能であると評価しております。
4.監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
前連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、主に財務デューデリジェンス業務及びコンフォートレター作成業務であります。連結子会社における非監査業務の内容は、財務デューデリジェンス業務であります。
当連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、主に財務デューデリジェンス業務及びコンフォートレター作成業務であります。連結子会社における非監査業務の内容は、財務デューデリジェンス業務であります。
b. 監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGメンバーファーム)に対する報酬(a.を除く)
前連結会計年度
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務に関するアドバイザリー業務に係るもの等であります。
当連結会計年度
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務に関するアドバイザリー業務に係るもの等であります。
c. その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前連結会計年度
当社の連結子会社であるHITEC Holding B.V.及びその連結子会社は、Deloitte & Touche LLPに対して監査証明業務に基づく報酬として38百万円、AIR WATER AMERICA INC.及びその連結子会社は、Baker Tilly US, LLPに対して監査証明業務に基づく報酬として11百万円を支払っております。
当連結会計年度
当社の連結子会社であるHITEC Holding B.V.及びその連結子会社は、Deloitte & Touche LLPに対して監査証明業務に基づく報酬として45百万円、AIR WATER AMERICA INC.及びその連結子会社は、Baker Tilly US, LLPに対して監査証明業務に基づく報酬として24百万円を支払っております。
d. 監査報酬の決定方針
当社は、監査日数、当社の規模・業務の特性等の要素を勘案して、監査報酬を決定しております。
e. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務執行状況及び報酬見積りの算出根拠などを確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等について適切であると判断したため、会社法第399条第1項の同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当社は、取締役会決議に基づき、当社の取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を図り、各々の取締役がその果たすべき役割を最大限発揮するためのインセンティブとして十分に機能するとともに、優秀な人材を確保・維持できる報酬体系とし、個々の取締役の報酬の決定に際しては各取締役の役割と責任及び業績を踏まえた適正な水準とすることを基本方針としており、具体的には、取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬等及び株式報酬(社外取締役を除く。)により構成しております。
基本報酬は、月例の固定報酬とし、当社の事業内容及び経営環境における各種ファンダメンタルズや、役位、職責に応じて他社水準、当社の業績、従業員の水準をも考慮しながら、総合的に勘案して決定いたします。
業績連動報酬等は、事業年度ごとの業績目標を達成するための短期インセンティブとして業績指標を反映した現金報酬とし、各事業年度の連結売上収益・営業利益、各部門の目標(部門毎の営業利益、ミッション)等に対する達成度合いに応じて算出された額を賞与として毎年、一定の時期に支給いたします。目標となる業績指標とその値は、経営計画と整合するよう計画策定時に設定し、適宜、環境の変化に応じて見直しを行います。
非金銭報酬等は、譲渡制限付株式とし、中長期的な企業価値向上に向けた取り組みや株主の皆様との一層の価値共有を促進することを目的として、一定の譲渡制限期間を設けたうえで、当社普通株式を交付いたします。
譲渡制限付株式は、原則として毎年、当社と付与対象者との間で譲渡制限契約(譲渡制限付株式割当契約)を締結したうえで、役位に応じて決定された数の当社普通株式を交付するものとし、株主価値の共有を中長期にわたって実現するため、譲渡制限期間は、株式交付日から取締役又はその他当社取締役会で定める地位のいずれも退任又は退職する日までの期間といたします。
取締役の報酬の構成割合については、同業種あるいは同規模の他企業の報酬水準レンジとの妥当性を踏まえ、基本報酬、業績連動報酬等、非金銭報酬等それぞれについて、7対2対1の割合を目安としております。
なお、社外取締役及び監査役の報酬については、基本報酬のみとしております。また、各監査役の報酬額については、株主総会の決議により定めた報酬総額の範囲内で、監査役の協議により決定しております。
② 役員の報酬等についての株主総会の決議に関する事項
取締役の金銭報酬の額は、2022年6月28日開催の第22期定時株主総会において年額1,130百万円以内(うち社外取締役分は80百万円以内)と決議いただいております(使用人兼務取締役の使用人分給与は含まない。)。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は11名(うち社外取締役は4名)であります。
また、当該金銭報酬とは別枠で、2019年6月26日開催の第19期定時株主総会において、取締役(社外取締役を除く。)に対する株式報酬として年額100百万円以内、株式数の上限を年125,000株以内と決議いただいております。当該定時株主総会終結時点の取締役(社外取締役を除く。)の員数は18名であります。
監査役の金銭報酬の額は、2007年6月28日開催の第7期定時株主総会において年額98百万円以内と決議いただいております。当該定時株主総会終結時点の監査役の員数は4名であります。
③ 取締役の個人別の報酬等の内容の決定に係る委任に関する事項
取締役の個人別の報酬等の総額については、あらかじめ株主総会において決議された報酬限度額の範囲内で、取締役会の任意の諮問機関である指名・報酬委員会において十分な審議の上で作成した案について、取締役会において決定し、各取締役への具体的な支給時期および配分については、最高経営責任者(CEO)である代表取締役会長豊田喜久夫に一任することとしております。その権限の範囲は、各取締役の基本報酬及び賞与の額並びに譲渡制限付株式の数といたします。
これらの権限を委任した理由は、当社全体の業績を俯瞰しつつ各取締役の担当領域や職責の評価を行うには代表取締役会長が最も適しているからであります。
なお、当該事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容については、上記内容を踏まえて決定しており、取締役会は当該内容が取締役会で決議した決定方針に沿うものであると判断しております。
④ 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)1 業績連動報酬等として取締役に対して賞与を支給しております。業績指標となる、当事業年度を含む連結売上収益・営業利益の推移は、1.(2)主要な経営指標等の推移に記載のとおりであります。
2 非金銭報酬等は、譲渡制限付株式報酬制度に基づく当事業年度における費用計上額を記載しております。
3 当社は監査役の報酬等の算定期間を定時株主総会後の7月から翌年6月までとしており、監査役の報酬等の総額は当社株主総会決議の範囲内となります。なお、上記監査役の報酬等は当事業年度の総額を記載しております。
4 上記の取締役の報酬等の額には、2023年6月23日開催の第23期定時株主総会終結の時をもって退任した取締役5名に支給した報酬等の額が含まれております。
⑤ 役員ごとの連結報酬等の総額等
(注) 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しております。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が専ら株式の価値の変動又は配当によって利益を受けることを目的とする株式を純投資目的である株式とし、それ以外を純投資目的以外の目的である投資株式と区分しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式を、取引先との関係維持・拡大並びに取引機会の創出を目的として保有しております。新規取得及び保有継続の是非については、保有先企業との取引関係、提携・協業等の協力関係等が中長期的に当社グループの企業価値の向上に資するかどうかを判断基準としております。
当社は、個別の銘柄ごとに、保有に伴う便益やリスクが当社の資本コストに見合っているか、及び中長期的に当社グループの企業価値の向上に資するという保有目的に沿っているかを精査し、毎年、取締役会において検証を行っております。
保有の意義や合理性が認められない銘柄は売却し、縮減するなど見直しております。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
みなし保有株式
(注)1 貸借対照表計上額が資本金額の100分の1以下の銘柄も含め、特定投資株式とみなし保有株式を合せて上位60銘柄について記載しております。
2 「-」は、当銘柄を保有していないことを示しております。「*」は、当該銘柄の貸借対照表計上額が当社の資本金額100分の1以下であり、かつ、貸借対照表計上額の大きい順の60銘柄に該当しないために記載を省略していることを示しております。
3 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
4 定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性は保有に伴う便益やリスクが当社の資本コストに見合っているのか、及び中長期的に当社グループの企業価値の向上に資するという保有目的に沿っているかを精査し、2023年11月の取締役会において検証しております。
5 当社株式の保有の有無については、銘柄が持株会社の場合はその主要な子会社の保有分を勘案し記載しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っております。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、又は会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入しております。また、監査法人や専門的情報を有する団体等が主催するセミナーへの参加や会計専門誌の定期購読等を行うことにより連結財務諸表等の適正性確保に取り組んでおります。
4.IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備
当社は、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに準拠したグループ会計マニュアルを作成し、IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
エア・ウォーター㈱(以下、「当社」という。)は日本に所在する株式会社であります。当社の登記している本社の住所は、大阪市中央区であります。
当社及び子会社(以下、「当社グループ」という。)の連結財務諸表は、3月31日を期末日とし、当社グループ並びに当社グループの関連会社及び共同支配の取決めに対する持分により構成されております。
当社グループは、デジタル&インダストリー、エネルギーソリューション、ヘルス&セーフティー、アグリ&フーズ並びにその他の製品・サービスの製造・販売を行っております。各事業の内容については、注記「4.事業セグメント」に記載しております。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。当社は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしていることから、同93条の規定を適用しております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」に記載している退職給付に係る負債(資産)及び公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示しているすべての財務情報は、百万円未満を切り捨て表示しております。
(4) 連結財務諸表の承認
当社グループの連結財務諸表は、2024年6月26日に当社代表取締役会長によって承認されております。
(5) 会計方針の変更
当社グループは、IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)を当連結会計年度より適用しております。
本改訂により、リース及び廃棄義務のように、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異が生じる場合、企業はそれにより生じる繰延税金負債及び繰延税金資産を認識することが明確になりました。
当該基準書の適用は、「14.法人所得税(1)繰延税金資産及び繰延税金負債」への影響を除き当社グループの連結財務諸表への重要な影響はありません。なお、改訂IAS第12号を遡及的に適用し、「14.法人所得税(1)繰延税金資産及び繰延税金負債」における前連結会計年度を修正再表示しております。
また、当社グループは、2023年5月に公表された「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」(IAS第12号の改訂)を適用しております。本改訂の一時的な例外規定を適用し、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールに関する税制から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債について認識及び開示を行っておりません。
(6) 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
当社グループの連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行う必要があります。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りが変更された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の判断、見積り及び仮定に関する主な情報は、以下のとおりであります。
・非金融資産の減損(「12.非金融資産の減損」)
・繰延税金資産の回収可能性(「14.法人所得税」)
・確定給付制度債務の測定(「20.従業員給付」)
・金融商品の公正価値(「23.金融商品」)
・偶発負債(「36.偶発事象」)
当社グループは会計上の見積りの前提として、次期(2025年3月期)の事業環境については、ウクライナや中東情勢のさらなる緊迫化、欧米でのインフレやそれに伴う金融政策の継続、為替市場での円安の進行など不透明な経済環境が当面の間継続することを仮定しております。見積りの前提に変化が生じた場合、重要な影響を与える可能性があります。
(7) 表示方法の変更
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「利息及び配当金の受取額」に含めて表示しておりました「利息の受取額」及び「配当金の受取額」については、明瞭性を高めるため、当連結会計年度より独立掲記しております。
なお、前連結会計年度の「利息及び配当金の受取額」に含まれる「利息の受取額」は、480百万円、「配当金の受取額」は、1,492百万円であります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めて表示しておりました「貸付けによる支出」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より区分掲記しております。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた△827百万円は、「貸付けによる支出」△231百万円、「その他」△595百万円に組替えております。
(8) 未適用の新基準
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた主な公表済基準書及び解釈指針のうち、当連結会計年度末において未適用の主な基準書は下記のとおりであります。なお、適用による連結財務諸表への影響は検討中であります。
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、その企業を支配していると判断しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループで統一された会計方針に基づき作成された各グループ企業の財務諸表を用いております。子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。
連結財務諸表には、子会社の所在する現地法制度上、当社と異なる決算日が要請されていること等により決算日を親会社の決算日に統一することが実務上不可能であり、当社の決算日と異なる日を決算日とする子会社の財務諸表が含まれております。
当該子会社の決算日と当社の決算日の差異は3ヶ月を超えることはありません。決算日の差異により生じる重要な取引又は事象の影響については調整を行っております。
子会社の連結は、当社グループが子会社に対する支配を獲得した日から開始し、子会社に対する支配を喪失した日に終了いたします。
当社グループ間取引、並びに当該取引から発生した債権債務残高及び未実現損益は相殺消去しております。
支配の喪失を伴わない子会社に対する持分の変動があった場合には、資本取引として会計処理を行い、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
支配を喪失した場合には、当社グループは残存する投資の支配を喪失した日の公正価値で測定し認識しております。支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益として認識しております。
子会社の純資産に対する非支配持分は、当社グループの持分とは別個に識別しております。なお、子会社の包括利益は、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが当該企業に対し、財務及び営業の方針決定に重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配を有していない企業をいいます。
当社グループは、関連会社に対する投資を、持分法を用いて会計処理しております。
持分法において関連会社に対する投資は、取得時に取得原価で認識され、取得後の関連会社の純資産の変動に対する当社グループの持分を調整して、連結財政状態計算書に計上しております。
連結損益計算書には関連会社の業績に対する当社グループの持分を反映させております。関連会社のその他の包括利益に認識される金額に変動がある場合には、当該変動に対する当社グループの持分はその他の包括利益で認識しております。
当社グループと関連会社との間の取引から生じる未実現損益に対する当社グループの持分を消去するため、連結財務諸表において調整を行っております。
連結財務諸表には、他の株主との関係等により、決算日を統一することが実務上不可能であるため、決算日の異なる持分法適用会社に対する投資もあります。当該関連会社の決算日と当社の決算日の差異は3ヶ月を超えることはありません。決算日の差異により生じる重要な取引又は事象の影響については調整を行っております。
関連会社に対する重要な影響力を喪失した場合、当社グループは残存する投資を重要な影響力を喪失した日の公正価値で測定し認識しております。重要な影響力の喪失から生じた利得及び損失は純損益として認識しております。
③ 共同支配の取決め
共同支配の取決めとは、関連性のある活動に係る意思決定について支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする取決めをいいます。
ジョイント・ベンチャー(共同支配企業)とは、取決めに対する共同支配を有する当事者が、当該取決めの純資産に対する権利を有している場合の共同契約をいいます。
当社グループは、ジョイント・ベンチャーに対する持分を有する場合、当該持分を、持分法を用いて会計処理しております。
ジョイント・オペレーション(共同支配事業)とは、共同支配を有する当事者が共同支配の取決めに関連性のある資産に対する権利及び負債に対する義務を実質的に有している事業をいいます。
当社グループは、ジョイント・オペレーションに対する持分を有する場合、当該ジョイント・オペレーションに係る投資については、共同支配の営業活動から生じる資産、負債、収益及び費用のうち、当社グループの持分相当額のみを認識しております。
ジョイント・オペレーションとの取引、並びに当該取引から発生した債権債務残高及び未実現損益は、相殺消去しております。
当社グループは、㈱堺ガスセンターはジョイント・オペレーションに該当すると判断しております。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。
移転した対価は、取得企業が移転した資産、取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び取得企業が発行した資本持分の取得日における公正価値の合計で計算しております。
被取得企業に対する非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の公正価値に対する非支配持分割合相当額のいずれかにより測定しております。
企業結合に伴って発生した取得関連コストは、発生時の費用として認識しております。
当社グループが事業を取得する場合、取得日における契約条件、経済状況及び関連する諸条件に基づき、取得資産及び引受負債の分類及び指定を行っております。また、取得した識別可能資産及び引受負債は、原則として、取得日の公正価値で測定しております。
企業結合が段階的に行われた場合、被取得企業に対する支配獲得前に保有していた持分を取得日に公正価値で再評価し、その評価差額は純損益として認識しております。
取得日以前にその他の包括利益に計上されていた被取得企業の持分の金額は、取得企業がその持分を処分した場合と同じ方法で会計処理しております。
のれんは、移転した対価と非支配持分として認識された金額の総額が識別可能取得資産及び引受負債の純額を超過した額として測定しております。
移転した対価と非支配持分として認識された金額の総額が、識別可能取得資産及び引受負債の純額を下回る場合、その差額は純損益として認識しております。
当初認識後、企業結合で取得したのれんは償却せず、当初認識した金額から減損損失累計額を控除した金額で表示しております。また、のれんの減損テストについては、毎年かつ減損の兆候が存在する場合はその都度行っております。
(3) 外貨換算
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。また、当社グループ内の各企業はそれぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しております。外貨建取引は、取引日における直物為替相場又はそれに近似するレートにより機能通貨に換算しております。
外貨建ての貨幣性資産及び負債は、期末日の直物為替相場により機能通貨に換算しております。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定する資本性金融商品及びヘッジが有効な範囲内におけるキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
在外営業活動体の資産及び負債は期末日の直物為替相場により、収益及び費用は取引日の直物為替相場又はそれに近似するレートにより、それぞれ円貨に換算し、その換算差額はその他の包括利益として認識しております。
在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連する累積換算差額を処分した期の純損益として認識しております。
(4) 金融商品
① 金融資産(デリバティブを除く)
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、営業債権を、これらの発生日に当初認識しております。その他のすべての金融資産は、当社グループが当該金融資産の契約当事者となった日に当初認識しております。
当社グループは、金融資産を、(a) 償却原価で測定される金融資産、(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産、(c) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しており、この分類は金融資産の当初認識時に決定しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融商品の取引コストは発生時に純損益で認識し、その他のすべての金融商品については、公正価値に取引コストを加算した金額で当初測定しております。ただし、営業債権については取引価格で測定しております。
(a) 償却原価で測定される金融資産
負債性金融商品は、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づ いて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
負債性金融商品は、次の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収及び金融資産の売却を目的とした事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
・その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
投資先との取引関係の維持又は強化を主な目的として保有する株式などの資本性金融商品は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産として指定し、当該指定を継続的に適用しております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
ただし、純損益を通じて公正価値で測定しない金融資産に対し、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産として指定することにより、会計上のミスマッチを除去又は大幅に低減する場合には、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産として指定する取消不能な選択をする場合があります。
(ⅱ) 事後測定
金融資産は当初認識後、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産については、実効金利法による償却原価で測定しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
公正価値で測定し、その変動額はその他の包括利益として認識しております。
ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融商品については、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には利益剰余金に振り替えております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産を譲渡し、ほとんどすべてのリスクと経済価値が移転した場合に、金融資産の認識を中止しております。
当社グループがリスクと経済価値のほとんどすべてを移転しないが保持もせず、譲渡した金融資産を支配し続ける場合には、継続的関与の範囲内において当該金融資産の認識を継続しており、その場合には、関連する負債も認識しております。
(ⅳ) 減損
当社グループは、金融資産の減損の測定にあたっては、期末日ごとに償却原価で測定する金融資産に当初認識時点からの信用リスクの著しい増加があるかどうかに基づいております。
なお、償却原価で測定する金融資産について、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。ただし、営業債権については、当初から残存期間にわたる予想信用損失を認識しております。
一方、当初認識時点から信用リスクの著しい増加があった場合には、残存期間にわたる予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。
信用リスクが著しく増加しているか否かは、デフォルトリスクの変化に基づいて判断しており、デフォルトリスクに変化があるかどうかの判断にあたっては、主に延滞(期日超過情報)を考慮しております。
当社グループにおいて、債務者の重大な財政的困難、契約上の支払の期日経過が長期間延滞するなど金融資産の見積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える事象が生じた場合に債務不履行が生じていると判断しております。
いずれの金融資産についても、債務者の深刻な財政難、債務者の破産等の法的整理の手続の開始等の場合には、信用減損金融資産として取り扱っております。
また、予想信用損失は、貨幣の時間的価値、過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測等についての、報告日において過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を反映する方法で見積っております。
また、予想信用損失は、契約上受け取ることのできる金額と、過去の信用損失等に基づいて受取りが見込まれる金額との差額の割引現在価値に基づいて測定しております。
なお、法的に債権が消滅する場合等、債権の回収が合理的に見込めない場合には、金融資産の帳簿価額を直接償却しております。
② 金融負債(デリバティブを除く)
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、デリバティブ以外の金融負債を償却原価で測定される金融負債に分類しており、この分類は金融負債の当初認識時に決定しております。すべての金融負債は、当社グループが契約当事者となった日に当初認識しております。
(ⅱ) 事後測定
償却原価で測定される金融負債は、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失は、純損益として認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
当社グループは、金融負債の義務の履行、免除、又は失効、並びに大幅に異なる条件による交換、又は大幅に異なる条件に変更した場合に認識を中止しております。
(ⅳ) 非支配株主へ付与されたプット・オプション
非支配株主に対してプット・オプションを付与した場合は、当該プット・オプションに係る非支配持分の認識を中止し、当該プット・オプションの償還金額の現在価値を金融負債として認識するとともに、差額を資本剰余金として処理しております。当初認識後の変動については資本剰余金に認識しております。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスクや金利リスクをヘッジするために、為替予約、金利スワップ契約のデリバティブを利用しております。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定され、その後も公正価値で再測定しております。
デリバティブの公正価値変動額は純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しております。
当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ会計を適用しようとするヘッジ関係並びにヘッジを実施するにあたってのリスク管理目的及び戦略について、公式に指定及び文書化を行っております。当該文書は、具体的なヘッジ手段、ヘッジ対象となる項目又は取引並びにヘッジされるリスクの性質及びヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対するエクスポージャーを相殺する際のヘッジ手段の公正価値変動の有効性の評価方法などを含めております。当社グループは、ヘッジ開始時及び継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するために有効であるかを評価しております。具体的には、ヘッジ対象とヘッジ手段との間の経済的関係が相殺をもたらす場合においてヘッジが有効であると判断しております。
ヘッジ会計に関する厳格な要件を満たすヘッジは、国際財務報告基準第9号「金融商品」に基づき以下のように分類し、会計処理を行っております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに純損益として認識しております。
その他の包括利益に計上したヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識している金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。
ヘッジ手段が失効、売却、又は他のヘッジ手段への入替えや更新が行われずに終了又は行使された場合、若しくはリスク管理目的の変更等ヘッジ会計が中止された場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識されていた累積損益は、予定取引が発生するか又は発生が見込めなくなるまで引き続き資本に計上しております。
一方、予定取引の発生がもはや見込まれない場合には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。
④ 金融商品の公正価値
期末日現在で活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表価格又はディーラー価格を参照しております。
活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法又は取引先金融機関から提示された価格等を参照して算定しております。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費、及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のすべての原価を含めております。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額とのいずれか低い額で測定しております。原価の算定にあたっては、主として加重平均法を使用しております。また、正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しております。
(7) 有形固定資産
当社グループは、有形固定資産の測定に原価モデルを採用しております。
有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用、並びに資産計上の要件を満たす借入コストを含めております。
土地以外のすべての有形固定資産については、見積耐用年数にわたり、主として定額法で減価償却を実施しております。有形固定資産の見積耐用年数及び償却方法は、期末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
主な有形固定資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
建物及び構築物 2-65年
機械装置及び運搬具 2-50年
工具、器具及び備品 2-38年
(8) 無形資産
当社グループは、無形資産の測定に原価モデルを採用しております。
無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識に際し取得原価で測定し、企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。なお、内部創出の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として認識しております。
耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却し、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。耐用年数を確定できる無形資産の見積耐用年数及び償却方法は、期末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
主な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
ソフトウェア 1-10年
その他の無形資産 2-50年
耐用年数が確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産のうち、商標権については、事業が継続する限り基本的に存続するため、将来の経済的便益が流入する期間が予見できないと判断し、耐用年数を確定できないものと判断しております。
耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については、償却を行わず、毎期個別に又は各資金生成単位で減損テストを実施しております。さらに、減損の兆候が存在する場合はその都度、減損テストを実施しております。
(9) リース
① 借手としてのリース
当社グループは、契約開始時に、契約にリースが含まれているか否かを判断しております。
リースの開始日において、使用権資産及びリース負債を認識しております。
使用権資産は開始日において取得原価で当初測定しております。この取得原価は、リース負債の当初測定額に、開始日又はそれ以前に支払ったリース料を調整し、発生した当初直接コストと原資産の解体及び除去、原資産又は原資産の設置された敷地の原状回復の際に生じるコストの見積りを加え、受領済みリース・インセンティブを控除して算定しております。開始日後においては、原価モデルを適用して、取得価額から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しております。原資産の所有権がリース期間の終了時までに借手に移転する場合又は、使用権資産の取得原価が購入オプションを行使することを反映している場合には、使用権資産を開始日から原資産の耐用年数の終了時までに定額法により減価償却しております。それ以外の場合は、開始日から使用権資産の耐用年数又はリース期間の終了時のいずれか早い時まで定額法により減価償却しております。使用権資産の見積耐用年数は、自己所有の有形固定資産と同様に決定しております。さらに、使用権資産は、(該当ある場合)減損損失によって減額され、特定のリース負債の再測定に際して調整されます。
リース負債は、開始日において同日現在で支払われていないリース料の現在価値で測定しております。開始日後においては、リース負債に係る金利や、支払われたリース料を反映させて帳簿価額を増減しております。リース負債を見直した場合又はリースの条件変更が行われた場合には、リース負債を再測定し使用権資産を修正しております。
リース負債の測定に含めるリース料総額は、以下で構成されます。
・固定リース料(実質的な固定リース料を含む)
・指数又はレートに基づいて算定される変動リース料。当初測定には開始日現在の指数又はレートを用いる
・残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額
・当社グループが行使することが合理的に確実である場合の購入オプションの行使価格、延長オプションを行使することが合理的に確実である場合のオプション期間のリース料、及びリースの早期解約に対するペナルティの支払額(当社グループが早期解約しないことが合理的に確実な場合を除く)
リース負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。指数又はレートの変動により将来のリース料が変動した場合、残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額の見積りが変動した場合、又は購入、延長、あるいは解約オプションを行使するかどうかの判定が変化した場合、リース負債は再測定されます。
このようにリース負債を再測定する場合、対応する修正は使用権資産の帳簿価額を修正するか、使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額されている場合には損益として認識しております。
当社グループは、リース期間が12か月以内の機械の短期リース及び少額資産のリースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しております。当社グループは、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
② セール・アンド・リースバック取引
セール・アンド・リースバック取引は売手である借手から買手である貸手への資産の譲渡が売却に該当するか否かを国際財務報告基準第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下、「IFRS第15号」という。) に基づいて判断しております。資産の売却に該当する場合は、売手である借手は、リースバックから生じた使用権資産を、資産の帳簿価額に基づき測定し、リースバックされなかった部分の損益のみを認識しております。資産の売却に該当しない場合は、売手である借手は、譲渡した資産を引き続き認識するとともに、譲渡収入と同額の金融負債を認識し、金融取引として処理しております。
(10) 非金融資産の減損
① 非金融資産の減損
当社グループは、期末日時点で資産に減損の可能性を示す兆候の有無を判定しております。減損の兆候がある場合、及び資産に年次の減損テストが必要な場合、当社グループはその資産の回収可能価額を測定しております。資産の回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い金額としており、個々の資産について回収可能価額を測定することができない場合には、その資産の属する資金生成単位ごとに回収可能価額を測定しております。資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識しております。使用価値の測定にあたっては、貨幣の時間価値及びその資産に特有のリスクについて現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いて、見積将来キャッシュ・フローの割引現在価値を計算しております。
また、処分コスト控除後の公正価値の測定にあたっては、インカム・アプローチ(割引キャッシュ・フロー法)又はマーケット・アプローチ(類似企業比較法等)を使用しております。
なお、将来キャッシュ・フローの見積りは、経営者により承認された事業計画を基礎としており、事業計画の予測の期間を超えた後の将来キャッシュ・フローは、個別の事情に応じた長期平均成長率をもとに算定しております。
のれんは、取得日以降企業結合のシナジーによる便益が生じると期待される個々の資金生成単位に配分しております。
のれん又は耐用年数を確定できない無形資産、及び未だ使用可能でない無形資産は、減損の兆候がある場合又は少なくとも年次で、減損テストを実施しております。
② 減損の戻入れ
のれん以外の資産に関しては、期末日時点で過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかについて評価を行っております。そのような兆候が存在する場合は、当該資産、資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、当該資産、資金生成単位の帳簿価額を超える場合、算定した回収可能価額と過年度で減損損失が認識されていなかった場合の減価償却累計額控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻し入れております。なお、減損損失の戻入れは、純損益として認識しております。
のれんについては、減損損失の戻入れを行っておりません。
(11) 売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
非流動資産(又は処分グループ)の帳簿価額が、継続的使用よりも主として売却取引によって回収が見込まれる場合に、「売却目的で保有する非流動資産」に分類しております。なお、1年以内に売却の可能性が非常に高く、かつ当該資産(又は処分グループ)が現在の状態で直ちに売却可能である場合にのみ、上記要件に該当するものとしております。売却目的保有に分類した非流動資産(又は処分グループ)については、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しております。
売却目的保有に分類した資産のうち有形固定資産及び無形資産については、減価償却又は償却を行っておりません。
非継続事業には、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成単位が含まれており、当社グループの1つの事業を構成し、その1つの事業の処分の計画がある場合に認識しております。
(12) 借入コスト
意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産に関して、その資産の取得、建設又は製造に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。なお、その他の借入コストはすべて、発生した期に費用として認識しております。
(13) 従業員給付
① 退職給付
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しております。
確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を使用して制度ごとに個別に算定しております。
割引率は、期末日時点の優良社債の利回りに基づき算定しております。
確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した純額にアセットシーリングの影響を加味して資産又は負債として認識しております。
確定給付制度に係る負債又は資産の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識した後、直ちに利益剰余金に反映しております。また、過去勤務費用は、発生した期の費用として処理しております。
確定拠出型の退職給付に係る掛金は、従業員が勤務を提供した期間に費用として認識しております。
② その他の長期従業員給付
退職後給付制度以外の長期従業員債務として、一定の勤続年数に応じた特別休暇や年休特別休暇制度を有しております。
その他の長期従業員給付に対する債務額は、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として稼得した将来給付の見積額を現在価値に割り引いた額で計上しております。
(14) 引当金
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の債務(法的又は推定的)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
貨幣の時間価値の影響に重要性がある場合には、債務を決済するために必要となると見込まれる支出の現在価値で測定しております。現在価値の算定には、貨幣の時間価値と負債に固有のリスクについての現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いております。
(15) 資本
① 普通株式
普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上しております。
② 自己株式
自己株式を取得した場合には、その支払対価を資本の控除項目として認識しております。
自己株式を処分した場合には、帳簿価額と処分時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。
(16) 株式報酬
当社は、持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。
ストック・オプションは、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。ストック・オプションの公正価値は、付与日において、ブラック・ショールズモデルを用いて測定しております。
譲渡制限付株式は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。譲渡制限付株式報酬の公正価値は、付与日において、付与した資本性金融商品の公正価値を参照して測定しております。
(17) 収益
IFRS第15号の適用に伴い、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、「デジタル&インダストリー」「エネルギーソリューション」「ヘルス&セーフティー」
「アグリ&フーズ」の事業、及び「その他の事業」を営んでおります。
「デジタル&インダストリー」は、主に酸素・窒素・アルゴン・炭酸ガス・水素等の産業ガスの製造・販売並びに、電子材料、機能材料等の製造・販売事業を展開しております。「エネルギーソリューション」は、主にLPガス・灯油の販売及び、LNG関連機器の製造・販売事業を展開しております。「ヘルス&セーフティー」は、主に酸素等の医療用ガス、歯科材料、衛生材料、注射針、エアゾール製品等の製造・販売並びに、病院設備工事、病院サービス、在宅医療等の事業を展開しております。「アグリ&フーズ」は、主に青果物の加工・流通及び冷凍食品・食肉加工等の製造・販売並びに清涼飲料水の製造受託等の事業を展開しております。「その他の事業」は、一般貨物・食品・医療・環境等の物流サービスを展開する物流事業、業務用塩等を製造・販売する㈱日本海水、北米・インドをはじめとした海外における産業ガス事業及び高出力UPS(無停電電源装置)事業、木質バイオマスによる電力事業等から構成しております。
① 物品の販売
製品の引渡時点において、顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断し、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。
② 役務の提供、機器工事契約
当社グループでは、以下の要件のいずれかに該当する場合には、サービスに対する支配を一定の期間にわたり移転するため、一定の期間にわたり当社グループの履行義務が充足されると判断し、履行義務の進捗度に応じて収益を認識しております。進捗度の測定方法は、顧客に移転する財又はサービスの性質を考慮しております。
・顧客が当社グループの履行によって提供される便益を、当社グループが履行するにつれて同時に受け取って消費する
・当社グループの履行が、資産(例えば、仕掛品)を創出するか又は増価させ、顧客が当該資産の創出又は増価につれてそれを支配する
・当社グループの履行が、当社グループが他に転用できる資産を創出せず、かつ、当社グループが現在までに完了した履行に対する支払を受ける強制可能な権利を有している
上記の要件を満たさない場合には、役務提供の完了等により当社グループが顧客から対価の支払を受ける権利を得た時点で、当社グループの履行義務が充足されると判断しているため、当該時点で収益を認識しております。
また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。
なお、製品の販売契約における対価は、製品に対する支配が顧客に移転した時点から概ね1年以内に回収しており、重要な金利要素は含んでおりません。
(18) 政府補助金
政府補助金は、当社グループが補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを、費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益として認識しております。
資産に関する政府補助金は、補助金を繰延収益として認識し、関連する資産の耐用年数にわたり、規則的に純損益に認識しております。
(19) 法人所得税
当期及び過去の期間に係る当期税金は、税務当局に対して納付(又は税務当局から還付)されると予想される額で算定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、期末日において制定され又は実質的に制定されているものを使用しております。
繰延税金は、期末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との差額(一時差異)に基づいて算定しております。
原則として繰延税金負債はすべての将来加算一時差異について認識し、繰延税金資産は将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識しております。
ただし、例外として以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・将来加算一時差異がのれんの当初認識から生じる場合
・企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得(又は欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識から生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異に関して、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異に関して、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債の帳簿価額(未認識の繰延税金資産を含む)については、期末日ごとに再検討を行っております。繰延税金資産及び負債は、期末日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、当該資産が実現する又は負債が決済される期の税率を見積り、算定しております。
(20) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益の金額は、当社の普通株主に帰属する当期利益を、その期の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益の金額は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
4.事業セグメント
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別に包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
従って、当社グループは製品・サービス別の事業セグメントから構成されており、報告セグメントを「デジタル&インダストリー」「エネルギーソリューション」「ヘルス&セーフティー」「アグリ&フーズ」「その他の事業」の5区分としております。
「デジタル&インダストリー」は、主に酸素・窒素・アルゴン・炭酸ガス・水素等の産業ガスの製造・販売並びに、電子材料、機能材料等の製造・販売事業を展開しております。
「エネルギーソリューション」は、主にLPガス・灯油の販売及び、LNG関連機器の製造・販売事業を展開しております。
「ヘルス&セーフティー」は、主に酸素等の医療用ガス、歯科材料、衛生材料、注射針、エアゾール製品等の製造・販売並びに、病院設備工事、病院サービス、在宅医療等の事業を展開しております。
「アグリ&フーズ」は、主に青果物の加工・流通及び冷凍食品・食肉加工等の製造・販売並びに清涼飲料水の製造受託等の事業を展開しております。
「その他の事業」は、一般貨物・食品・医療・環境等の物流サービスを展開する物流事業、業務用塩等を製造・販売する㈱日本海水、北米・インドをはじめとした海外における産業ガス事業及び高出力UPS(無停電電源装置)事業、木質バイオマスによる電力事業等から構成しております。
(2) 報告セグメントの変更等に関する事項
当連結会計年度より、従来「デジタル&インダストリー」に区分していた国内のエンジニアリング事業及びインド産業ガス事業などを「その他の事業」に、「エネルギーソリューション」に区分していた炭酸ガス・水素事業を「デジタル&インダストリー」に移しました。
なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメント区分に基づき作成したものを開示しております。
(3) 報告セグメントに関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、連結財務諸表作成のために採用している会計処理の方法と同一であります。
報告セグメントの利益は営業利益であります。セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 セグメント間の内部売上収益又は振替高の調整額△51,679百万円はセグメント間取引消去であります。
2 セグメント利益の調整額5,659百万円は、セグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない当社本社部門の損益に係るものであります。
3 セグメント資産の調整額166,343百万円の内容はセグメント間資産の消去及び各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。全社資産の主なものは、報告セグメントに帰属しない現預金、金融資産、全社共有設備等であります。
4 資本的支出の調整額4,014百万円は主に報告セグメントに帰属しない全社資産等であります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 セグメント間の内部売上収益又は振替高の調整額△51,503百万円はセグメント間取引消去であります。
2 セグメント利益の調整額△2,132百万円は、セグメント間取引消去及び各報告セグメントに配分していない当社本社部門の損益に係るものであります。
3 セグメント資産の調整額180,570百万円の内容はセグメント間資産の消去及び各報告セグメントに配分していない全社資産に係るものであります。全社資産の主なものは、報告セグメントに帰属しない現預金、金融資産、全社共有設備等であります。
4 資本的支出の調整額2,348百万円は主に報告セグメントに帰属しない全社資産等であります。
(4) 製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(5) 地域ごとの情報
① 売上収益
外部顧客からの売上収益の地域別内訳は、以下のとおりであります。
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎としております。
② 非流動資産
非流動資産の地域別内訳は、以下のとおりであります。
(6) 主要な顧客ごとの情報
売上収益の10%以上を占める単一の外部顧客が存在しないため、記載を省略しております。
5.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財政状態計算書における現金及び現金同等物の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上の現金及び現金同等物の残高は一致しております。また、現金及び現金同等物は、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
6.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりであります。
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
7.棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりであります。
費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ187百万円及び△49百万円であります(△は戻入額)。なお、棚卸資産の評価減の金額は売上原価に含まれております。
8.その他の金融資産
(1) 内訳
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりであります。
株式はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に、貸付金は償却原価で測定される金融資産に、デリバティブ資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に、その他は主に純損益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産と償却原価で測定される金融資産にそれぞれ分類しております。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
すべての株式は、主に取引関係の維持強化のために保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に指定しております。
① 主な銘柄及び公正価値
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の主な銘柄及び公正価値は、以下のとおりであります。
② 受取配当金
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に関する受取配当金の内訳は、以下のとおりであります。
③ 認識を中止したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の一部は、取引関係の見直し等の観点から期中に処分しております。処分時の公正価値、処分時の累積利得又は損失は以下のとおりであります。
その他の資本の構成要素として認識されていた累積損益は、売却した場合及び取得原価に比し公正価値が著しく下落した場合にその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えており、当連結会計年度において、750百万円(前連結会計年度は△28百万円)をその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えております。
9.その他の資産
その他の資産の内訳は以下のとおりであります。
10.有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減並びに取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりであります。
(注) 有形固定資産の帳簿価額に含まれる使用権資産については、「13.リース」に記載しております。
(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度において、有形固定資産の取得原価に含めた重要な借入コストはありません。
11.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減並びに取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりであります。
(注) 無形資産の償却費は、連結損益計算書において「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、重要な自己創設無形資産はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、費用として認識した研究開発費は、それぞれ5,451百万円及び6,172百万円であります。
12.非金融資産の減損
(1) 減損損失
前連結会計年度(2023年3月31日)
デジタル&インダストリーについては、主として今後の使用見込みがなくなった遊休設備の減損損失を認識しております。具体的には、個々の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として連結損益計算書の「その他の費用」に計上しております。
減損損失の認識及び測定にあたって、回収可能価額は、使用価値又は処分コスト控除後の公正価値を基に測定しており、重要性の高い資産については主にマーケットアプローチを用いた第三者による不動産鑑定評価額等に基づいて評価しております。売却価額等の観察不能なインプットを含む評価技法を使用しているため、公正価値のヒエラルキーはレベル3に分類しております。
当連結会計年度(2024年3月31日)
個別に重要な減損損失は発生しておりません。
(2) のれんの減損テスト
企業結合で取得したのれんは、企業結合のシナジーから便益が生じると期待される資金生成単位に配分しております。のれんの資金生成単位への配分額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
のれんが配分された資金生成単位の回収可能価額は使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い金額としております。
使用価値及びインカム・アプローチ(割引キャッシュ・フロー法)を使用した処分コスト控除後の公正価値は、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、現在価値に割り引いて測定しております。事業計画は外部情報に基づき、過去の経験を反映したものであり、使用価値は原則として5年を限度とし、処分コスト控除後の公正価値は合理的な期間に基づく将来予測を基礎としております。なお、見積期間を超えるキャッシュ・フローは、資金生成単位が属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積った成長率をもとに算定しております。売上収益の拡大等の計画には不確実性を伴い、これらの経営者による判断が将来キャッシュ・フローの見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。割引率(税引前)は、各資金生成単位の税引前加重平均資本コスト等を基礎に算定しており、前連結会計年度6.9%~15.8%、当連結会計年度8.0%~17.8%を用いております。割引率の決定にあたり採用した計算手法及びインプットデータの選択には高度な専門性を伴います。
なお、一部の資金生成単位は、マーケット・アプローチ(類似企業比較法)を使用した処分コスト控除後の公正価値を採用しており、当該公正価値は、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価手法により測定しております。処分コスト控除後の公正価値(類似企業比較法)の測定にあたり採用した計算手法及び類似企業の選択には高度な専門性を伴います。
重要なのれんが配分された資金生成単位であるAIR WATER INDIA PVT. LTD.において、のれんを23,321百万円計上しております。AIR WATER INDIA PVT. LTD.は処分コスト控除後の公正価値によって評価を行っており、その評価手法として、マーケットアプローチ(類似企業比較法)を使用しております。類似企業比較法については、足元の業績に基づくEBITDAに、上場する同業他社の企業価値との比率(EBITDA倍率は14.1)を乗じて価値を算定しており、その公正価値ヒエラルキーは、測定に用いた重要なインプットに基づきレベル3に分類しております。当連結会計年度において回収可能価額は帳簿価額を7,719百万円上回っており、仮にEBITDA倍率が11.9倍に下落した場合には、回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性があります。
13.リース
(1) 借手のリース
① リースに関連する費用、キャッシュ・フロー及び使用権資産の増加
リースに関連する費用、キャッシュ・フロー及び使用権資産の増加は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
セール・アンド・リースバック取引から生じた利得又は損失は重要ではありません。
② リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額
(単位:百万円)
③ 有形固定資産及び無形資産の帳簿価額に含まれる使用権資産の残高
有形固定資産及び無形資産の帳簿価額に含まれる使用権資産の帳簿価額及び増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
④ リース負債の満期分析
(単位:百万円)
(単位:百万円)
⑤ 借手におけるリース契約の補足情報
a.借手のリース活動の性質
当社グループは、事務所、土地、製造設備、車両等の一部を解約可能又は解約不能な契約に基づき賃借しております。リースの契約条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっております。
b.延長オプション及び解約オプションについて
当社グループにおいては、各社がリース管理に責任を負っており、リース条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっております。
延長オプション及び解約オプションは、当社グループの不動産及び設備に係るリースに多く含まれており、これらの条件は、契約管理の観点から運用上の柔軟性を最大化するために使用されます。
その多くは、1年間ないし原契約と同期間にわたる延長オプション、また6ヶ月前から1年前までに相手方に書面をもって通知した場合に早期解約を行うオプションとなっております。
これらのオプションは、リース契約主体が不動産及び設備を事業に活用する上で、必要に応じて使用されております。
c.残価保証について
当社グループのリース契約には残価保証が含まれているものがあります。当該残価保証について、当社グループが将来のリース期間満了時に支払う可能性が合理的に確実と判断される場合、支払われると見込まれる金額を使用権資産に含めており、一部は使用権資産の償却費として、一部はリース負債から生じる借入利息として、費用化しております。
d.セール・アンド・リースバック取引について
当社グループはガス供給設備等をセール・アンド・リースバック取引により、リースしております。当該契約について、セール・アンド・リースバック取引が売却と判断される場合は、当該売却により発生した売却損益のうち、使用権資産部分に該当する部分を繰り延べております。また、売却と判断されなかった場合は金融取引とし、金融負債を認識しております。
14.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳及び増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)「2.作成の基礎(5)会計方針の変更」に記載のとおり、改訂IAS第12号を遡及的に適用し、前連結会計年度を
修正再表示しております。
繰延税金資産及び負債の増減内容は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(2) 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額は以下のとおりであります。なお、将来減算一時差異の金額は所得ベース、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額は税額ベースであります。
(単位:百万円)
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の失効予定は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
当社グループは日本国内において、グループ通算制度を適用しておりますが、上記には同制度の適用外である地方税(住民税及び事業税)に係る繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び繰越欠損金の金額を含めておりません。地方税(住民税及び事業税)に係る将来減算一時差異の金額は、当連結会計年度末において8,523百万円(前連結会計年度末は9,119百万円)であり、繰越欠損金の金額は、当連結会計年度末において2,257百万円(前連結会計年度末は1,990百万円)であります。なお、地方税に係る繰越欠損金の期限切れは10年であります。
(3) 将来の課税所得に依拠した繰延税金資産
当連結会計年度及び前連結会計年度において税務上の繰越欠損金を認識している会社があり、それらの税務上の繰越欠損金については、当連結会計年度において将来の課税所得の発生が見込まれる範囲内で繰延税金資産を2,490百万円(前連結会計年度は1,231百万円)認識しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の発生の有無に依存しておりますが、繰延税金資産の認識にあたって使用した将来の課税所得は、経営者が承認した事業計画のもとで想定されたものであり、過去の計画と実績の推移からその実現可能性は高いことから、繰延税金資産の回収可能性に問題はないと判断しております。
(4) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
繰延税金費用には、従前は税効果未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額と、繰延税金資産の評価減又は以前に計上した評価減の戻入れにより生じた費用の額が含まれております。これに伴う当連結会計年度における繰延法人所得税の減少額は73百万円(前連結会計年度における増加額は48百万円)であります。
また、OECDは第2の柱モデルルールを公表しており、日本においては令和5年度税制改正により、グローバル・ミニマム課税に対応する法人税が創設され、それに係る規定を含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号))が2023年3月28日に成立しております。2024年4月1日以後開始事業年度より、日本に所在する親会社の子会社等の税負担が最低税率(15%)に至るまで、親会社等に対して追加で課税されることになります。これらの税制による当社の連結財務諸表への影響は軽微と想定しております。
(5) 適用税率の調整
当連結会計年度及び前連結会計年度において、当社グループは、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は30.6%となっております。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
継続事業における各年度の法定実効税率と平均実際負担税率との調整は以下のとおりであります。平均実際負担税率は税引前当期利益に対する法人所得税の負担割合を表示しております。
15.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定される金融負債に分類しております。
16.社債及び借入金
社債及び借入金は主に償却原価で測定しております。
(1) 内訳
(注)1 「平均利率」は、借入金等の期末残高に対する表面金利の加重平均利率を記載しております。
2 社債の発行条件の要約は以下のとおりであります。
(注) ( )内は1年以内の償還予定額であります。
(2) 担保に供している資産
連結グループにおいて担保に供している資産及びそれに対応する債務は以下のとおりであります。
担保に供している資産
担保付債務
17.引当金
(1) 増減明細
引当金の増減は、以下のとおりであります。
引当金の連結財政状態計算書における流動・非流動の区分は、以下のとおりであります。
(2) 引当金の内容
資産除去債務は、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって、当該有形固定資産の除去に関する法令又は契約上の義務を負う場合に、除去に要する将来の支出を計上しております。
将来において経済的便益の流出が予測される時期は、主に各連結会計年度末日より1年を経過した後の時期であることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
工事損失引当金は、損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事契約について、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失を計上しております。
その他には、製品保証引当金等が含まれております。
18.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下のとおりであります。
デリバティブ負債は純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に、その他は主に償却原価で測定する金融負債にそれぞれ分類しております。リース負債に係る情報は、「13.リース」をご参照ください。
19.その他の負債
その他の負債の内訳は以下のとおりであります。
20.従業員給付
(1) 退職給付制度の概要
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しております。
当社及び連結子会社の確定給付企業年金制度のうち、主なものはキャッシュバランスプランを導入しております。給付額は、勤続期間、加入者の職務基準資格別基準給与及び市場金利の動向に基づいた再評価率により計算された利息に基づき設定されております。積立金の管理及び運用に関して、運用受託機関と年金信託契約及び生命保険契約を締結しており、運用受託機関は所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っております。また退職給付一時金制度(非積立型制度であるが、退職給付信託を設定した結果、積立型制度となっているものがあります。)では、退職給付として、勤続期間と給与、又は在職中の成果等を踏まえたポイント等の諸条件に基づいた一時金を支給しており、一部の連結子会社は、中小企業退職金共済制度、特定退職金共済に加入しております。
(2) 確定給付制度
① 連結財務諸表において認識した金額
確定給付制度の連結財政状態計算書上の金額は、以下のとおりであります。
確定給付制度に関して、連結損益計算書上、費用として認識した金額は、以下のとおりであります。
② 確定給付制度債務の現在価値の調整表
確定給付制度債務の現在価値に係る変動は、以下のとおりであります。
③ 制度資産の公正価値の調整表
制度資産の公正価値に係る変動は、以下のとおりであります。
④ 制度資産の公正価値の種類別内訳
制度資産の公正価値の種類別内訳は、以下のとおりであります。
⑤ アセット・シーリングの影響の変動
アセット・シーリングの影響の変動は以下のとおりであります。
⑥ 数理計算上の仮定
確定給付制度債務の現在価値の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は、以下のとおりであります。
主要な数理計算上の仮定である割引率が変動した場合、確定給付制度債務の現在価値は前連結会計年度末及び当連結会計年度末において以下のとおり変動します。この感応度分析は、分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。
⑦ 資産・負債マッチング戦略
当社グループの制度資産の運用方針は、確定給付制度債務の給付を将来にわたり確実に行うために、許容されるリスクの範囲で、必要とされる総合収益を中長期的に確保することを運用目的としております。制度資産については、運用目標を達成するために策定した政策アセットミックスの資産配分目標に基づき、国内外の株式、債券及び生保一般勘定に幅広く分散投資を行い、リスクの低減を図っております。
資産配分については、中長期的なリスク、リターンの予想及び各資産の運用実績の相関に基づき、中長期的に維持すべき配分を設定しております。資産配分の見直しについては、環境の著しい変化があった場合など、必要に応じて適宜見直しを行うことにしております。
⑧ 確定給付制度の将来キャッシュ・フローに与える影響
(i) 確定給付制度への拠出は、将来にわたって年金財政の均衡を保つことができるように定期的に財政再計算を実施して掛金を定めております。財政再計算においては、掛金の設定に係る計算基礎率(予定利率、予定死亡率、予定脱退率など)を見直し、掛金の妥当性を検証しております。
(ii) 翌連結会計年度の拠出額は418百万円と予想しております。
(iii) 確定給付制度債務に係る加重平均デュレーションは、当連結会計年度は主に13.3年(前連結会計年度は主に13.5年)であります。
(3) 確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として計上された金額は、当連結会計年度は1,862百万円(前連結会計年度は1,892百万円)であります。
(4) 従業員給付費用
連結損益計算書上、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計は、当連結会計年度は145,328百万円(前連結会計年度は140,140百万円)であります。
21.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び自己株式
(注) 1 発行済株式は全額払込済みとなっております。
2 自己株式の期中増減は、持株会信託の売却、ストック・オプションの権利行使、譲渡制限付株式報酬としての処分などによるものであります。
(2) 資本剰余金
通常の新株の発行及び新株予約権の行使による新株の発行の際に資本金に組み入れなかった資本準備金とそれ以外のその他資本剰余金からなります。
日本の会社法では、株式の発行に対しての払込又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
(3) その他の資本の構成要素
① 確定給付制度の再測定
確定給付制度の再測定は、期首時点の数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額及び数理計算上の仮定の変更による影響額であります。これについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えております。
② 在外営業活動体の換算差額
外貨建てで作成された在外営業活動体の財務諸表を表示通貨である日本円に換算する際に生じた為替換算差額であります。
③ その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動
公正価値の変動をその他の包括利益を通じて測定すると指定した金融商品の公正価値による評価額と取得価額の評価差額であります。
④ キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の変動額の有効部分
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の純変動額の累積額のうち、ヘッジが有効と認められる部分からなります。
⑤ 新株予約権
当社は新株予約権方式によるストック・オプション制度を採用しており、会社法の規定に基づき、新株予約権を付与しております。新株予約権としてその他の資本の構成要素に計上している金額は、それらの公正価値に基づく金額であり、また、それらの契約条件等は、「22.株式報酬」に記載しております。
⑥ 持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分
持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、確定給付制度の再測定、及び在外営業活動体の換算差額が含まれております。
(4) 利益剰余金及び配当金
① 利益剰余金
当連結会計年度以前に純損益として認識されたもの及びその他の包括利益から振り替えられたものからなります。
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。
積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当することができ、また株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
② 配当
(ⅰ) 配当金支払額
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 配当金の総額には、持株会信託が保有する自社の株式に対する配当金68百万円を含めております。
(注) 配当金の総額には、持株会信託が保有する自社の株式に対する配当金55百万円を含めております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 配当金の総額には、持株会信託が保有する自社の株式に対する配当金50百万円を含めております。
(注) 配当金の総額には、持株会信託が保有する自社の株式に対する配当金36百万円を含めております。
(ⅱ) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 配当金の総額には、持株会信託が保有する自社の株式に対する配当金50百万円を含めております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)配当金の総額には、持株会信託が保有する自社の株式に対する配当金28百万円を含めております。
22.株式報酬
当社は、株式報酬型ストック・オプション制度並びに譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。
(1) 株式報酬型ストック・オプション制度
株式報酬型ストック・オプション制度の目的は、当社の業績と株式価値との連動性をより一層強固なものとし、取締役が株価上昇によるメリットのみならず株価下落によるリスクまでも株主と共有することで、中長期的に継続した業績向上と企業価値増大への意欲や士気を高めることであります。なお、譲渡制限付株式報酬制度の導入に伴い、既に割当て済みのものを除き、2019年以降、当社の取締役(社外取締役を除く)に対する株式報酬型ストック・オプションのための新株予約権の新たな割当ては行わないこととしております。
① ストック・オプションの契約条件等
(ⅰ) 付与対象者
当社取締役(社外取締役を除く)
(ⅱ) 権利確定条件
当社取締役の地位を喪失したこと
(ⅲ) 付与されたストック・オプションの権利行使期間
付与日から20年以内の期間において、権利確定後5年以内
(ⅳ) 決済方法
株式決済
② ストック・オプション数及び加重平均行使価格
(注) 1 ストック・オプションは、すべて権利行使価格1株当たり1円で付与しております。
2 当連結会計年度の権利行使時点の加重平均株価は1915.5円(前連結会計年度は1,599.0円)であります。
③ 期末未行使ストック・オプションの行使価格の範囲及び加重平均残存期間
当連結会計年度における、未行使のストック・オプションの行使価格は1円(前連結会計年度は1円)であり、加重平均残存期間は3.4年(前連結会計年度は4.5年)であります。
(2) 譲渡制限付株式報酬制度
当社の取締役(社外取締役を除く)を対象に、株価変動のメリットとリスクを株主の皆様と共有し、株価上昇及び企業価値向上への貢献意欲を高めるため、譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。
期中に付与した譲渡制限付株式の内容は下記のとおりであります。
(3) 株式報酬費用
当連結会計年度における、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれている株式報酬制度に係る費用は89百万円(前連結会計年度は99百万円)であります。
23.金融商品
(1) 資本管理
当社グループの資本管理方針は、投資家、債権者及び市場の信頼を維持し、将来にわたってビジネスの発展を持続するための強固な資本基盤を維持することであります。経営陣は、普通株主への配当水準のみならず、自己資本利益率も監視しております。自己資本とは、連結財政状態計算書における親会社の所有者に帰属する持分合計を指し、取締役会は自己資本比率を用いた資本管理を実施しております。
上記の目的を達成するため、当社グループは新株発行を行うことがあります。
当連結会計年度において、当社グループの資本管理に関する取組みに変化はありません。
当社グループの自己資本比率は以下のとおりであります。
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・市場リスク)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。デリバティブは、営業上の輸出入取引における為替リスク及び長期借入金の金利変動リスクを回避するためのみに利用し、投機を目的にデリバティブ取引を行っておりません。
(3) 信用リスク
① 概要
当社グループの営業活動から生じる債権である営業債権及びその他の債権並びに契約資産は、顧客の信用リスクに晒されております。当該リスクに関しては、当社グループの社内規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を適宜把握しております。デリバティブ取引の執行・管理については、為替予約を伴う輸出入取引を行う場合には、所定の社内規程に基づき稟議決裁を行い、財務部門が実施しております。金利スワップ取引及び金利オプション取引を伴う長期借入金により資金調達を行う場合には、財務部門の申請により、所定の社内規程に基づき稟議決裁を行い、その内容は取締役会に報告しております。当社グループが利用しているデリバティブ取引につきましては、いずれも大手金融機関を利用しており、信用リスクは限定的と考えております。
なお、特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を要する信用リスクの過度な集中はありません。
金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている減損後の帳簿価額であります。債務保証の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、「36.偶発事象」に記載の保証債務の金額であり、そのリスクは僅少であります。
② 予想信用損失から生じた金額に関する情報
貸倒引当金の対象となる資産の残高は以下のとおりであります。
本表における同一区分内における金融資産の信用リスク格付けは概ね同一と判断しております。
貸倒引当金は以下のとおりであります。貸倒引当金は、連結財政状態計算書上、「営業債権及びその他の債権」及び「その他の金融資産」に含まれております。
(4) 流動性リスク
① 概要
当社グループは、借入金及び社債により資金を調達しておりますが、それら負債は、資金調達環境の悪化などにより支払期日にその支払を実行できなくなる流動性リスクに晒されております。
当社グループは、グループ財務業務基本方針に基づき、年度事業計画に基づく資金調達計画を策定するとともに、当社財務部門は、定期的に、手許流動性及び有利子負債の状況等を把握・集約し、当社の取締役会に報告しております。
なお、当社グループの一部の銀行借入には、一定の資本水準の維持等を要求する財務制限条項が付されております。当社グループは、当該条項にて必要とされる水準を維持するようにモニタリングしております。
② 満期分析
金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(5) 市場リスク
① 概要
当社グループは、事業活動を行ううえで為替変動、金利変動などの市場の変動に伴うリスクに晒されております。市場リスクを適切に管理することにより、リスクの低減を図るよう努めております。また、当社グループでは、市場リスクを適切に管理する目的で主に為替予約、金利スワップなどのデリバティブ取引を利用することがあります。デリバティブ取引の執行・管理については、その目的、利用限度額、取引の範囲、組織体制などを定めた社内規程に従っており、実需に基づいたリスクの回避に限定して利用しております。当社グループでは投機目的でのデリバティブの利用は行わない方針であります。従って、当社が保有するデリバティブの公正価値の変動は原則として、対応する取引の公正価値の変動又はキャッシュ・フローの変動を相殺する効果を有しております。
② 為替リスク
当社グループは、海外でも事業活動を行っており、外貨建取引において、為替相場の変動によるリスクに晒されております。当該外国為替相場の変動リスクを低減するために、必要に応じ為替予約や通貨スワップを利用してヘッジしております。
(a) 為替リスクに対するエクスポージャー
リスク管理方針に基づいて当社グループの経営陣に提供されている為替リスクに対するエクスポージャーに関する定量的データの要約は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(b) 為替リスクの感応度分析
為替変動が純損益及び資本に与える影響は軽微であるため、感応度分析は省略しております。
③ 金利リスク
当社グループは、借入金及び社債のうち、変動金利によるものは金利変動リスクに晒されております。当社グループは、当該リスクをデリバティブ取引(金利スワップ取引)によりヘッジしております。
(a) 金利リスクに対するエクスポージャー
当社グループの金利リスクに対するエクスポージャーは以下のとおりであります。なお、エクスポージャーの金額は、デリバティブ取引により金利変動リスクがヘッジされている金額を除いております。
(単位:百万円)
(b) 金利リスクの感応度分析
金利変動が純損益及び資本に与える影響は軽微であるため、感応度分析は省略しております。
④ 株価変動リスク
当社グループは、主に取引先企業等との関係の強化・維持を目的として事業運営上の関係を有する企業の株式を保有していることから、株価の変動リスクに晒されております。なお、株式については定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、また、取引先企業との関係を勘案して保有状況を定期的に見直しております。
(a) 株価変動リスクの感応度分析
当社グループが期末日現在において保有する資本性金融商品の市場価格が10%変動した場合に、その他の包括利益(税効果考慮前)が受ける影響は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ3,793百万円及び4,954百万円であります。
ただし、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(6) デリバティブ及びヘッジ会計
① ヘッジの概要
当社グループは、外貨建債権債務、外貨建予定取引、社債及び借入金に係る金利変動リスク及び為替変動リスクをそれぞれヘッジするため、為替予約、通貨スワップ及び金利スワップを利用しており、ヘッジの要件を満たすものについてはヘッジ会計を適用しております。また、投機目的のためのデリバティブ取引は行わない方針であります。
デリバティブ取引の執行・管理については、為替予約を伴う輸出入取引を行う場合には、所定の社内規程に基づき稟議決裁を行い、財務部門が実施しております。金利スワップ取引を伴う長期借入金により資金調達を行う場合には、財務部門の申請により、所定の社内規程に基づき稟議決裁を行い、その内容は取締役会に報告しております。当社グループが利用しているデリバティブ取引につきましては、いずれも大手金融機関を利用しており、信用リスクはほとんどないものと考えております。
ヘッジ有効性評価の目的上、ヘッジ対象とヘッジ手段との間の経済的関係を判断するに当たっては、価値の変動に対して高度に相殺効果を有すると予想されるかどうかに基づいております。当社グループは、為替予約及び通貨スワップ契約のうち、スポットレートの変動のみをヘッジ手段に指定し、ヘッジ対象とヘッジ手段の主要な条件は一致しておりますので、ヘッジ関係にその存続期間中に影響を与えると予想されるヘッジ非有効部分の主な発生原因は限定的であります。また、金利スワップ取引については、変動金利を固定化するために使用しており、ヘッジ対象とヘッジ手段の主要な条件は一致しておりますので、ヘッジ関係にその存続中に影響を与えると予想されるヘッジ非有効部分の主な発生原因は限定的であります。
なお、デリバティブの帳簿価額は、連結財政状態計算書上「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」に計上された金額であり、満期までの期間が1年超の金額は非流動資産又は非流動負債に分類しております。
② ヘッジ手段として指定した項目に関する情報
ヘッジ手段が連結財政状態計算書に与える影響は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
③ ヘッジ対象として指定した項目に関する情報
ヘッジ対象が連結財政状態計算書に与える影響は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
④ ヘッジ会計の適用による連結損益計算書及び連結包括利益計算書に与える影響
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたヘッジ手段が連結損益計算書及び連結包括利益計算書に与える影響は、以下のとおりであります。なお、ヘッジ非有効部分の金額に重要性はありません。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注)税効果考慮前の金額であります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)税効果考慮前の金額であります。
⑤ ヘッジ会計を適用していないデリバティブ
当社グループは、ヘッジ会計の要件を満たさない場合においても、経済的に合理的である場合にはデリバティブ取引を利用しております。当該デリバティブ取引の公正価値の変動は純損益として認識しております。
(7) 金融商品の公正価値
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、公正価値測定に用いたインプットのレベル区分に基づき、以下のいずれかに分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、直接又は間接的に観察可能な価格で構成されたインプット
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプット
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、報告期間の末日時点で発生したものとして認識しております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
① 公正価値で測定されていない金融商品
公正価値で測定されていない主な金融商品に係る公正価値の測定方法は、以下のとおりであります。
a.長期貸付金
元利金の合計額を同様の新規貸付を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっております。
b.社債
元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いて算定する方法によっております。
c.長期借入金
元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっております。
公正価値で測定されていない金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。なお、帳簿価額と公正価値が近似している金融商品については、次表に含めておりません。
a.前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1年以内に回収、1年以内に返済及び償還予定の残高を含んでおります。
b.当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1年以内に回収、1年以内に返済及び償還予定の残高を含んでおります。
② 公正価値で測定される金融商品
公正価値で測定される主な金融商品の測定方法は、以下のとおりであります。
a.デリバティブ
レベル2に分類されるデリバティブは、金利や為替レート等の観察可能なインプットを用いて割引現在価値法等により算定しております。
b.資本性金融商品
資本性金融商品の公正価値については、レベル1に分類される上場株式については取引所の市場価格、レベル3に分類される非上場株式については、合理的に入手可能なインプットにより、類似企業比較法又はその他適切な評価技法を用いて算定しております。なお、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント等を加味しております。
c.負債性金融商品
負債性金融商品の公正価値については、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、純資産価値に基づく方法及びその他の適切な評価方法により見積もっております。
公正価値ヒエラルキーのレベルごとに分類した、公正価値で測定される金融商品の内訳は、以下のとおりであります。
a.前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
b.当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
レベル3に分類される金融商品は、主に非上場株式により構成されており、適切な権限者に承認された公正価値測定に係る評価方法を含む評価方針及び手続に従い、評価者が対象となる各金融商品の評価方法を決定し、公正価値を算定しております。その結果は適切な権限者がレビュー、承認しております。
レベル3に分類された金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の増減は見込まれておりません。
レベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりであります。
(注)1 純損益を通じて公正価値を測定する金融資産に関するものであり、連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。純損益に認識された利得又は損失のうち、連結会計期間末において保有する金融資産に係るものは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ471百万円、777百万円、あります。
2 連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動」に含まれております。
(8) 認識の中止の要件を満たさない金融資産の譲渡
当社グループでは売上債権の一部について、手形の裏書等の方法により流動化を行っております。しかし、当該流動化債権の中には、債務者が支払を行わない場合に、当社グループに遡求的に支払義務が発生するものがあり、このような流動化債権については、金融資産の認識の中止の要件を満たさないことから、認識の中止を行っておりません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、このような譲渡資産を連結財政状態計算書の「営業債権及びその他の債権」にそれぞれ538百万円及び269百万円計上し、また、当該資産の譲渡時に生じた入金額を「社債及び借入金」(流動負債)に同額計上しております。なお、これらの公正価値は帳簿価額と合理的に近似しております。
24.売上収益
(1) 収益の分解
当社グループは、製品・サービス別の事業セグメントから構成されており、「デジタル&インダストリー」「エネルギーソリューション」「ヘルス&セーフティー」「アグリ&フーズ」「その他の事業」の5つの報告セグメントより生じた顧客との契約から生じる収益を売上収益として計上しております。
当社グループの売上収益は、「物品の販売」、「機器工事」、「役務の提供」の3つの種類に分解し認識しております。これらの分解された収益と当社グループの報告セグメントとの関連は以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。当該区分変更に伴い、前連結会計年度の収益の分解については、変更後の報告セグメントの区分に基づき表示しております。報告セグメントの
変更に係る詳細は「4.事業セグメント」の「(2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(2) 収益を理解するための基礎となる情報
「連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 (17) 収益」に記載のとおりであります。
(3) 当連結会計年度及び翌連結会計年度以降の収益の金額を理解するための情報
① 契約資産及び契約負債の残高等
顧客との契約から生じた契約残高の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
連結財政状態計算書において、顧客との契約から生じた債権は営業債権及びその他の債権、契約資産はその他の流動資産、契約負債はその他の流動負債に含まれております。
契約資産は一部の機器工事の製造及び販売において履行義務の進捗度に応じて認識したものであり、履行義務の充足部分と交換に受取る対価に対する権利のうち、時の経過以外の条件付きの権利であります。契約資産は、対価に対する権利が無条件になった時点で債権に振り替えられます。契約負債は財又はサービスを顧客に移転する前に、顧客から対価を受け取っている又は対価の支払期限が到来しているものであります。
当連結会計年度の期首時点で契約負債(流動)に含まれていた金額のうち当連結会計年度に収益として認識されなかった金額に重要性はありません。
また、当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
② 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループの主な履行義務は当初の予想期間が1年以内の契約の一部であるため、当連結会計年度末現在で未充足(又は部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額に関する開示は省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(4) 顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。また、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約の獲得の増分コストを発生時に費用として認識しております。
25.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
26.その他の収益及び費用
その他の収益の内訳は、以下のとおりであります。
その他の費用の内訳は、以下のとおりであります。
27.金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は、以下のとおりであります。
金融費用の内訳は、以下のとおりであります。
28.非継続事業
(1) 非継続事業の概要
産業ガス、医療ガス関連事業、海外貿易事業等を取り扱うその他の事業の連結子会社について、当該事業の譲渡を行った結果、2018年12月に事業活動を終了したことにより、前連結会計年度及び当連結会計年度において、かかる損益を非継続事業に分類しております。
また、前連結会計年度は2019年4月1日にコークス炉ガスの精製事業および当該コークス炉ガスの精製に伴い分離される副産品の販売事業を譲渡し、これに伴う清算が完了し、かかる損益を非継続事業に分類しております。
(2) 非継続事業の損益
(3) 非継続事業のキャッシュ・フロー
29.その他の包括利益
30.1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益
(2) 基本的1株当たり利益及び希薄化後1株当たり利益の算定上の基礎
① 普通株主に帰属する利益
② 期中平均普通株式数
31.キャッシュ・フロー情報
(1) 非資金取引
主要な非資金取引の内容は次のとおりであります。
(2) 財務活動に係る負債の変動
財務活動に係る負債の変動は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
32.子会社
主要な子会社の状況については、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、個々に重要性のある非支配持分を有する子会社はありません。
33.企業結合
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
記載すべき重要な事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
記載すべき重要な事項はありません。
34.関連当事者
主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。
35.コミットメント
有形固定資産の取得に係るコミットメントは、以下のとおりであります。
36.偶発事象
保証債務
金融機関からの借入金に対し債務保証を行っております。
37.後発事象
該当事項はありません。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
(2) その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は、全部純資産直入法により処理し、売却原価は、移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2 デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法
3 棚卸資産の評価基準及び評価方法
(1) 商品及び製品
総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)
(2) 仕掛品
総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)
ただし、未成工事支出金は個別法による原価法
(3) 原材料及び貯蔵品
総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)
4 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産除く)
定額法
(2) 無形固定資産(リース資産除く)
定額法
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零(残価保証がある場合は、残価保証額)とする定額法
5 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 役員賞与引当金
役員に対する賞与の支給に備えるため、当事業年度末における支給見込額を計上しております。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、当事業年度末において発生していると認められる額を計上しております。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
数理計算上の差異については、各期の発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数による定額法により、それぞれ発生の翌期から費用処理しております。
過去勤務費用については、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数により費用処理しております。
(4) 関係会社事業損失引当金
関係会社の事業による損失に備えるため、当社が負担することとなる損失見込額を計上しております。
6 収益及び費用の計上基準
当社は、主に「デジタル&インダストリー」、「エネルギーソリューション」、「ヘルス&セーフティー」、「その他の事業」を営んでおります。「デジタル&インダストリー」は、酸素・窒素・アルゴン等の産業ガスの製造・販売のほか高圧ガス関連設備工事及びガス発生装置の製作・据付をしております。「エネルギーソリューション」は、LPガス・灯油等の石油製品等の販売をしております。「ヘルス&セーフティー」は、酸素・窒素等の医療用ガスの製造・販売のほか各種医療機器、病院設備工事等の事業を展開しております。「その他の事業」は、上記以外の事業を行っております。
(1)物品の販売
製品の引渡時点において、顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断し、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。
また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。
(2)役務の提供、機器工事契約
原則として取引成果の見積りが可能な場合は、取引の進捗度に応じて収益を認識しております。見積りが不可能な場合は、発生原価は発生した期の費用として認識し、収益は、費用が回収可能と認められる範囲でのみ認識しております。
また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。
なお、製品の販売契約における対価は、製品に対する支配が顧客に移転した時点から概ね1年以内に回収しており、重要な金利要素は含んでおりません。
7 ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっております。なお、振当処理の要件を満たしている為替予約につきましては、振当処理を行うこととしております。
また、特例処理の要件を満たしている金利スワップにつきましては、特例処理を行うこととしております。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
(3) ヘッジ方針
当社は、取組方針として、為替及び金利変動等のリスクを回避するためにのみデリバティブ取引を利用することとしております。利用に際しては、社内規程に基づきデリバティブ取引を行い、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジしております。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ手段とヘッジ対象に関する重要な条件が同一であり、ヘッジ開始時及びその後も継続して相場変動等を相殺するものと見込まれるため、ヘッジの有効性の判定は省略しております。
8 その他財務諸表作成のための重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(2) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより当事業年度に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があるものは以下のとおりであります。
1. 関係会社株式の減損
(百万円)
非上場の関係会社に対する投資等、市場価格のない株式について、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときには、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、実質価額まで減額処理しております。なお、企業買収において超過収益力等を反映して取得した非上場の関係会社株式については、発行会社の財政状態の悪化がないとしても、超過収益力等の減少に伴う実質価額の大幅な低下が将来の期間にわたって続くと予想され、超過収益力等が見込めなくなった場合には、実質価額が著しく低下している限り、実質価額まで減額処理しております。
関係会社における事業計画の未達等により、実質価額の回復可能性が十分に裏付けられていると判断できない場合、翌事業年度の財務諸表において、関係会社株式の金額に重要な影響を与える可能性があります。
2. 繰延税金資産の回収可能性
(百万円)
繰延税金資産はその回収可能性を評価し、将来減算一時差異等のうち将来にわたり税金負担額を軽減することが認められる範囲内で計上しております。事業計画の前提条件の変化等により繰延税金資産の回収可能性が低下した場合、翌事業年度の財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、繰延税金資産は繰延税金負債と相殺した上で、貸借対照表には繰延税金負債として前事業年度8,359百万円、当事業年度12,081百万円計上しております。
(追加情報)
(従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引)
当社は、従業員への福利厚生等を目的として、従業員持株会に信託を通じて自社の株式を交付する取引を行っております。
(1) 取引の概要
当社は、2020年10月22日開催の取締役会の決議により、従業員持株会を活用した中長期的な企業価値向上と福利厚生の拡充を目的としたインセンティブ・プランとして「従業員持株会信託型ESOP」(以下、「本制度」という。)を再導入しております。
本制度は、「エア・ウォーターグループ持株会」(以下、「持株会」という。)に加入するすべての当社グループ社員を対象とするインセンティブ・プランであります。
本制度では、当社が信託銀行に持株会専用の信託(以下、「持株会信託」という。)を設定し、持株会信託は、信託の設定後5年間にわたり持株会が取得すると見込まれる相当数の当社株式を、銀行から取得資金の借入を行った上で、株式市場から予め定める期間中に取得します。その後、持株会信託は、持株会が定期的に行う当社株式の取得に際して、当社株式を機械的かつ継続的に持株会に売却していき、持株会信託の信託財産に属する当社株式のすべてが売却された場合などに持株会信託は終了します。
信託終了時点までに、当社株価の上昇により株式売却益相当額が累積した場合には、持株会信託は、これを残余財産として受益者要件を充足する当社グループ社員に対して分配します。なお、当社は、持株会信託が当社株式を取得するための借入について、貸付人である銀行との間で保証契約を締結しております。従って、当社株価の下落により株式売却損相当額が累積し、持株会信託が借入債務を完済できなかった場合には、当社が銀行に対して残存債務を一括して弁済することになります。
(2) 信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により純資産の部に自己株式として計上しております。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、前事業年度2,431百万円、1,585,900株、当事業年度末1,290百万円、842,100株であります。
(3) 総額法の適用により計上された借入金の帳簿価額
前事業年度末2,282百万円、当事業年度末798百万円
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権と金銭債務
2 偶発債務
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高は次のとおりであります。
※2 販売費及び一般管理費の主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりであります。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2023年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2024年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
前事業年度(2023年3月31日)
上記の他、土地再評価差額金に係る繰延税金資産が2,950百万円あり、評価性引当額2,950百万円を計上しております。
また、土地再評価差額金に係る繰延税金負債が562百万円あります。
当事業年度(2024年3月31日)
上記の他、土地再評価差額金に係る繰延税金資産が2,950百万円あり、評価性引当額2,950百万円を計上しております。
また、土地再評価差額金に係る繰延税金負債が562百万円あります。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「(重要な会計方針)6 収益及び費用の計上基準」に記載のとおりであります。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注) 1 当期増加額の主なものは、次のとおりであります。
2 土地の当期首残高及び当期末残高の[ ]内は内書きで、土地の再評価に関する法律(1998年3月31日公布法律第34号)により行った事業用土地の再評価実施前の帳簿価額との差額であります。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社は単元未満株式についての権利を定款に定めております。当該規定により単元未満株式を有する株主は、その有する単元未満株式について、以下の権利以外の権利を行使することができません。
(単元未満株式についての権利)
第7条 当会社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4) 単元未満株式の買増しを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。