第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(2) 提出会社の経営指標等
2 【沿革】
当社の創業は、1840(天保11)年、鹿島岩吉が現在の東京都中央区京橋付近に「大岩」の屋号で店を構えたことに遡る。
松平越中守の江戸屋敷など大名屋敷の普請を得意とし、開国後は洋館建築を多く手掛けるが、1880(明治13)年、鹿島組を名乗って鉄道請負に転身する。以来、全国各地において鉄道、水力発電所等の土木工事を手掛け、大正期には建築分野も拡充し、総合建設業者としての基礎を確立した。
1930(昭和5)年3月、資本金300万円をもって株式会社鹿島組を設立し、会社組織に変更した。
設立後の主な変遷は次のとおりである。
3 【事業の内容】
当社グループは、当社、子会社206社、関連会社107社で構成され、当社は土木事業、建築事業、開発事業等の事業活動を展開するとともに、国内関係会社が主に日本国内において多様な事業を、海外関係会社が海外地域において建設事業、開発事業等を展開している。
当社グループに属する各社の事業に係る位置づけ及びセグメント情報との関連は、次のとおりである。なお、次の5つは、セグメント情報と同一の区分である。
(1) 土木事業
当社が建設事業のうち、土木工事の受注、施工等を行っている。
(2) 建築事業
当社が建設事業のうち、建築工事の受注、施工等を行っている。
(3) 開発事業等
当社が不動産開発全般に関する事業及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般の事業を行っている。
(4) 国内関係会社
当社の国内関係会社が主に日本国内において行っている事業であり、大興物産㈱が建設資機材の販売を、カジマメカトロエンジニアリング㈱が建設用機械の納入を行っているほか、鹿島道路㈱、ケミカルグラウト㈱、㈱クリマテック、㈱イリア等が専門工事の請負を行っており、その一部を当社が発注している。
また、鹿島リース㈱が総合リース業を、鹿島建物総合管理㈱が建物総合管理業を行っており、その一部を当社が発注している。
イートンリアルエステート㈱が不動産の売買及び賃貸等を、鹿島東京開発㈱がビル賃貸・ホテル経営を、鹿島八重洲開発㈱がビル賃貸事業を、㈱森林公園ゴルフ倶楽部がゴルフ場の経営を行っているほか、熱海インフラマネジメント合同会社が有料道路の運営・管理を行っている。
(5) 海外関係会社
当社の海外関係会社が海外地域において行っている事業であり、主にカジマ ユー エス エー インコーポレーテッドが米国を中心とする北米で、カジマ ヨーロッパ リミテッドが欧州で、カジマ アジア パシフィック ホールディングス ピー ティー イー リミテッドがアジアで、カジマ オーストラリア ピー ティー ワイ リミテッドが大洋州でそれぞれ建設事業、開発事業等を行っている。
事業の系統図は次のとおりである。

4 【関係会社の状況】
(1) 連結子会社
(2) 持分法適用関連会社
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載している。なお、執行役員は従業員数には含めていない。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載している。なお、執行役員は従業員数には含めていない。
2 出向、留学者等を含めた在籍者数は、8,609人である。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいる。
(3) 労働組合の状況
鹿島建設社員組合と称し、1946年6月12日に結成され、2024年3月31日現在の組合員数は7,196人であり、結成以来円満に推移しており特記すべき事項はない。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)(以下、「女性活躍推進法」という。)の規定に基づき算出したものである。なお、当事業年度から、一部の役職の取扱いを変更している。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)(以下、「育児・介護休業法」という。)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)(以下、「育児・介護休業法施行規則」という。)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。
3 労働者の男女の賃金差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示している。同一労働において賃金の差異はなく、採用区分、等級別の人数構成等の差によるものである。
② 連結子会社
(注) 1 女性活躍推進法及び育児・介護休業法の規定に基づく公表をしている連結子会社。
2 女性活躍推進法の規定に基づき算出したものである。なお、当事業年度から、一部の役職の取扱いを変更している。
3 育児・介護休業法の規定に基づき、育児・介護休業法施行規則第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものである。
4 育児・介護休業法の規定に基づき、育児・介護休業法施行規則第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。
5 女性活躍推進法及び育児・介護休業法の規定に基づく公表をしていない項目のため、記載を省略している。
6 労働者の男女の賃金差異については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示している。同一労働において賃金の差異はなく、採用区分、等級別の人数構成等の差によるものである。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社グループにおける経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、様々な要素により異なる結果となる可能性がある。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念として「全社一体となって、科学的合理主義と人道主義に基づく創造的な進歩と発展を図り、社業の発展を通じて社会に貢献する。」ことを掲げ、さらに、企業経営の根幹を成す安全衛生・環境・品質に関する基本方針として「関係法令をはじめとする社会的な要求事項に対応できる適正で効果的なマネジメントシステムを確立・改善することにより、生産活動を効率的に推進するとともに、顧客や社会からの信頼に応える。」ことを定めている。
こうした方針に基づく取組みを通して、より高い収益力と企業価値の向上を目指すとともに、社業の永続的発展により株主、顧客をはじめ広く関係者の負託に応え、将来に亘りより豊かな社会の実現に貢献していく。
(2) ビジョン
当社グループを取り巻く経営環境は、近年、産業構造や人々の生活・行動、価値観の変容に加え、地球規模での気候変動と脱炭素化、デジタル化の進展などにより、急速に変化している。
こうした経営環境において、当社グループが持続的に成長するためには、多様な人材を呼び込み、外部リソースと連携しながら価値を共創することが重要と考えている。この認識のもと、当社グループが目指す方向性を広くグループ内外と共有するため、ビジョンを定めている。
ビジョンは、目指す方向性を文章で表現した「ステートメント」とそれを実現するうえで「大切にしたい価値観」から構成されており、過去に対する敬意と未来への挑戦という2つの意を込めている。また、大切にしたい価値観は、当社グループを木に見立て、いかに大きく成長させるかという視点に基づいている。

(3) 鹿島グループのマテリアリティ
当社グループは、SDGsをはじめとした社会課題と事業活動の関連を確認・整理したうえで、社会・環境への影響度が大きく、かつ当社グループの企業価値向上や事業継続における重要度が高い課題を抽出し、7つのマテリアリティを特定している。当連結会計年度において、「鹿島グループ中期経営計画(2024~2026)-中核をさらに強化し、未来を開拓する-」並びに新しい環境ビジョン「鹿島環境ビジョン2050plus」の検討と並行して、マテリアリティの見直しを議論した。社会環境の変化、外部有識者及び社内の意見等を踏まえて検討した結果、環境に関する項目(「脱炭素社会移行への積極的な貢献」を「脱炭素・資源循環・自然再興への貢献」に変更)をはじめ一部を更新している。マテリアリティに取り組むことを通じて、社会課題解決と企業価値向上の両立を目指していく。

参考:「鹿島環境ビジョン2050plus」(2024年5月公表)
2013年に策定した環境ビジョンを「鹿島環境ビジョン2050plus」として改定。3つの分野「脱炭素」「資源循環」「自然再興」が相互に関連しあっていることを認識したうえで、グループの目標や行動計画を再構築したもの。

NbS : Nature-based Solutions
目標とKPI

(4) 経営環境
当連結会計年度における世界経済は、多くの国や地域においてインフレ率が鈍化傾向にあり、政策金利は利上げから据え置きの局面に移行した。経済成長のペースについては、物価や金利が上昇した影響等により停滞が見られた国・地域もあったが、全体としては底堅く推移した。我が国においては、物価が緩やかに上昇する中、雇用環境の改善やインバウンド需要の持ち直しなどにより景気の回復基調は継続し、日本銀行のマイナス金利政策が解除されるなどの変化が見られた。
国内建設市場においては、公共投資が安定的に推移し、企業の設備投資も着実に進んだことから、建設投資の増勢が続いた。建設コストに関しては、資機材費が総じて高い水準で推移する中、工事量の増加に伴い、労務費も上昇傾向となった。
今後の世界経済においては、インフレの減速に伴って金利が低下し、成長ペースが次第に回復することが期待される。しかしながら、景気の先行きには依然として不透明感が残り、経済情勢の見極めが難しい状況が続くと見通している。さらに、脱炭素や循環型経済への対応、人的資本の重要性の高まりなど、社会の要請、顧客のニーズは一段と多様化が進むと見込まれる。こうした経営環境の中で、持続的な成長を実現するためには、変化に伴う様々なリスクに必要な対策を施すとともに、機会を的確にとらえた事業を推進することが重要であると考えている。
建設市場では、環境・先端技術に関連する生産施設や建物・インフラの老朽化対応等への投資がけん引し、国内、海外ともに建設需要の拡大傾向が続くと見込んでいる。一方で、国内の建設業における時間外労働上限規制の適用や世界的に建設コストが上昇する可能性に留意する必要があり、持続可能な建設業の観点から、建設業従事者の処遇改善と働き方改革並びに生産性向上を推進しつつ、需要に応え良質な価値やサービスを提供することが求められている。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
<「鹿島グループ中期経営計画(2024~2026)-中核をさらに強化し、未来を開拓する-」の推進>
このような経営環境の中、2025年3月期からスタートする新たな中期経営計画を策定した。中核である国内建設事業、不動産開発事業、海外事業のさらなる強化を進めるとともに、技術立社としてバリューチェーンの拡充やR&D、イノベーション推進により新たな価値を創出し、社会や顧客とともに未来を開拓していく計画としている。
① ありたい姿
中期経営計画の策定にあたり、経営理念や受け継いできた企業風土、価値観などを「ありたい姿」として具体化している。当社グループの基盤である人と技術をつなぎ合わせ、顧客、さらにその先にある社会に貢献することを目指していく。

② 成長戦略
「ありたい姿」を念頭に置きつつ経営環境などを踏まえ、成長戦略は、1)国内建設事業を深める、2)成長領域を伸ばす、3)技術立社として新たな価値を創る、4)サステナビリティを4つの柱としている。

1)国内建設事業を深める
国内建設事業は、当社グループの技術や経験から生み出される強みを最も発揮できる領域である。需要が拡大している半導体・医薬関連の生産施設、再生可能エネルギー発電施設などの重点分野における設計施工力、エンジニアリング力を強化するとともに、デジタル化の推進により生産性や業務効率を高め、社会や顧客に質の高い付加価値を提供していく。また、時間外労働上限規制を遵守し、安全かつ魅力ある現場環境を追求することが、国内建設事業の持続的な収益力確保につながると考えている。
2)成長領域を伸ばす
建設ノウハウを活かした不動産開発事業、各地域に根づいた海外事業は、当社グループが独自性を持つ成長領域である。国内・海外の不動産開発事業においては、地域ごとの市場動向を見極めた投資と適時の売却による回収を推進し、収益拡大を図っていく。また、建設事業と不動産開発事業のシナジー効果を発揮する事業の推進、外部パートナーとの連携やM&Aなどにより、バリューチェーンの拡充を進めていく。
3)技術立社として新たな価値を創る
日本、シンガポール、米国の拠点を中心に、グローバルなR&D体制の構築を進めている。社会や顧客、ものづくりの最前線である建設現場の課題を特定し、当社グループの技術や外部の先端技術等との組み合わせによる解決を目指していく。また、グループ内外のリソースを連携させたイノベーションを推進することにより、当社グループの競争力向上と技術立社としての新たな価値創出を図っていく。
4)サステナビリティ
環境保全と経済活動が両立する持続可能な社会の実現を目指し、新たに策定した「鹿島環境ビジョン2050plus」に基づき、脱炭素、資源循環、自然再興の取組みを推進していく。
人材に関しては、当社グループの成長・変革を担う人材の確保・育成、職場環境や寮・社宅の整備など人的資本に関する投資を推進していく。サプライチェーンの維持・強化、担い手確保についても、建設技能者の処遇改善や重層下請構造改革などに継続して取り組んでいく。
また、当社グループが社会や顧客からの信頼を受け継いでいくために、サプライチェーン全体で、コンプライアンスを最優先する意識を徹底していく。
③ 投資計画
成長戦略を推進し経営目標を達成するために、R&D・デジタル投資、新たな価値創出に向けた戦略的投資、国内外の不動産開発事業における投資と回収を計画している。また、人的資本強化の一環としての業務用不動産への設備投資も進めていく。
<企業価値・市場評価のさらなる向上と財務戦略>
① 現状分析・評価
中期経営計画(2021~2023)に基づいて、持続的な成長に向けた施策や投資を推進した結果、目標を超える利益を確保し、資本収益性についても目標のROE10%を上回っている。また、情報開示の改善や投資家・市場との対話の充実等の効果もあり、市場における評価は高まりつつあると受け止めている。なお、当社グループの株主資本コストは7~8%程度と認識している。
② 今後の取組み
2025年3月期からスタートする新たな中期経営計画(2024~2026)に掲げた成長戦略を実践し、当社グループの持続的な成長や事業活動を通じた社会や顧客への貢献を目指すとともに、成長投資と株主還元のバランスを考慮した財務戦略により、企業価値・市場評価のさらなる向上を図っていく。
③ 中期経営計画(2024~2026)における財務戦略
(6) 目標とする経営指標
2025年3月期の国内建設事業は、土木事業、建築事業における堅調な建設需要に応えて、着実な施工を進めるとともに、生産性向上や原価低減に向けた取組みによる堅実な業績確保を見込んでいる。国内開発事業では、当連結会計年度に続き、複数物件の売却による売上高、利益への貢献を計画している。海外事業については、東南アジアにおける業績回復が進展する見通しである。米国や欧州においては、物価や金利が不透明な事業環境が続くと見込まれるが、市場・金利動向に応じたリスク対策と機会をとらえた事業展開を図ることにより、海外事業全体で売上高・利益の増加を目指している。なお、為替レートは1米ドル141円83銭を想定している。
このような国内外の状況を勘案し、2025年3月期の業績予想を、2024年5月14日に下記のとおり公表している。
また、中期経営計画(2024~2026)における経営目標として、国内建設事業における着実な利益成長と、成長領域である不動産開発事業、海外事業の収益拡大、バリューチェーン拡充により、ROE10%以上の継続と、2027年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益1,300億円以上、2031年3月期の1,500億円以上を目指している。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
「全社一体となって、科学的合理主義と人道主義に基づく創造的な進歩と発展を図り、社業の発展を通じて社会に貢献する。」という経営理念のもと、社会・環境問題に対応し、持続的に成長できる企業グループを目指すことを、サステナビリティの基本的な考え方としている。
また、社会課題と事業活動の関係を整理し、社会課題解決と当社グループの持続的成長を両立させるための「マテリアリティ(重要課題)」として7項目を特定している。(マテリアリティの詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)鹿島グループのマテリアリティ」に記載している。)
なお、毎年発行している統合報告書にて、サステナビリティについての取組み内容の詳細を記載している。
<鹿島統合報告書> https://www.kajima.co.jp/sustainability/report/index-j.html
(1) サステナビリティ全般(ガバナンスとリスク管理)
2022年5月に、グループ全体のESG経営へのコミットメントを高め、企業価値を向上させることを目的として「サステナビリティ委員会」を新設し、環境関連(E)や人材の多様性確保、人権尊重、サプライチェーンマネジメント(S)など、サステナビリティに関する取組み方針の検討・意思決定とモニタリング、推進体制を明確化(G)している。
サステナビリティ委員会は、社長を委員長とし、委員は関係する執行役員などで構成され、サステナビリティに関する取組み方針の検討・意思決定とモニタリングの機能を担い、定期的に取締役会に報告している。サステナビリティ委員会での議論を踏まえ、当社内及び国内外のグループ会社と連携し、ESG経営の更なる推進を図っている。
サステナビリティに関連するリスク管理については、定期的に実施しているマテリアリティの見直しにおいて、リスクと機会を識別、評価しており、また、社長が委員長を務める「コンプライアンス・リスク管理委員会」において、あらゆるリスクを網羅・検証した上で、重要度に応じた活動を推進している。(リスク管理の詳細については、「3 事業等のリスク」に記載している。)
サステナビリティ委員会
2023年度開催実績
開催回数:6回
取締役会報告回数:3回
主なテーマ:・環境ビジョンの更新(「鹿島環境ビジョン2050plus」)
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、健康経営
・担い手(建設技能労働者)の確保

(2) 個別テーマ
① 人的資本
経営理念に謳っている「人道主義」に基づく家族的な社風が、伝統的に当社の価値創造の源泉の一つであり、社員と会社が互いにWin-Winとなる企業風土を構築するうえでも重要ととらえている。
鹿島グループ中期経営計画(2024~2026)では、ありたい姿として、「高いエンゲージメントのもと多様な人材が個性を発揮する」「一人ひとりが主体性をもって新しいことに挑戦し続ける」ことを掲げ、成長・変革を担う人づくり・仕組みづくりに関する施策を推進することとしている。中核及び新事業分野におけるさらなる成長に向けた好循環を目指し、人的資本投資を充実させていく。

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針、社内環境整備に関する方針、及び当該各方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績は、以下のとおりである。
人材育成
当社グループは、人と技術を軸に、社会と顧客の期待に応え続けることができる高度な専門人材と、その専門人材を束ねるマネジメント人材の育成に積極的に取り組んでいる。中期経営計画で掲げる成長戦略を加速させるため、社員一人ひとりが、高い専門性に加え、ビジネスやマネジメントの教養・スキルをバランスよく習得し、継続的に高めることができるように研修体系の構築を進めている。社員一人ひとりの成長が、当社グループの持続的な成長とビジネス領域の拡大に寄与する取組みを推進している。
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
性別や国籍、宗教の違いや障がいの有無など多様なバックグラウンドと個性を持つ人材がその能力を最大限に発揮できる環境をつくることは、イノベーションを推進するうえで重要である。
近年は特に、様々なライフイベントを迎えても安心して働き、活躍し続けられるよう、育児フレックス制度の拡充など、仕事と育児の両立支援に向けた各種制度を充実させている。
当社は、新卒採用(総合職)における女性社員の比率を20%以上とすることを目標としており、2023年度は21.1%となっている。2014年に設定した女性管理職・女性技術者数を「2014年度から5年で倍増、10年で3倍増させる」という目標は既に達成しており、新たな目標として、「2034年度に(2023年度比で)女性管理職数を3倍程度、女性技術者数を2倍程度」を設定している。
(女性管理職・女性技術者数の推移) 各年度4月1日時点
(注) 1 女性管理職数は「女性活躍推進法」の規定に基づき算出したものである。なお、当事業年度から、一部の役職の取扱いを変更している。
2 2024年度の数値には、グループ会社からの転籍者受け入れによる増員(技術者92名)を含んでいる。
また当社は、2023~2025年度の間で男性社員の育児休業・育児目的休暇取得率を50%以上とすることを2022年度に目標として設定し、出生時育児休業(産後パパ育休)制度の新設や、育児休業の分割取得などの制度拡充を進めた結果、前倒しで達成している。
(男性社員の育児休業・育児目的休暇取得率の推移)
なお、上記については、当社グループに属する全ての会社における指標・目標としていないため、当社グループにおける記載が困難であることから、当社単体での記載としている。
② 気候変動関連(TCFD提言に沿った開示)
「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、気候変動課題をグループの主要リスクとして管理するガバナンス体制を構築している。また、気候変動によるリスクと機会を特定したうえでその影響を明確化し、目標設定のもと取組みを強化している。
当社グループのCO2排出量削減目標
(注) ※印を付した削減目標は、スコープ3のうちカテゴリ1及びカテゴリ11を対象としたものである。
当社グループのCO2排出量実績
(注) 海外建設工事における協力会社排出分や建物運用時のライフサイクル年数等に関する取扱いを変更している。
3 【事業等のリスク】
1 リスク管理体制
当社グループは、事業遂行上のリスクの発生を防止、低減するための活動を推進している。新規事業、開発投資などの「事業リスク」に関しては、専門委員会等が事業に係るリスクの把握と対策について審議を行っている。法令違反などの「業務リスク」に関しては、コンプライアンス・リスク管理委員会が当社グループにおけるリスク管理体制の運用状況の把握、評価を行うとともに、リスク管理の方針及び重大リスク事案への対応などについて審議を行い、必要に応じて取締役会に報告している。
リスク管理活動の実効性を高めるためには、あらゆるリスクを網羅・検証した上で、重要度に応じた活動を推進することが有効であることから、毎年、発生頻度及び顕在化した際の影響度の両面から分析し、企業活動上、重点的な管理が必要とされる業務リスク事項をリスク管理重点課題として選定・展開し、予防的観点からのリスク管理を実施している。顕在化したリスク事案については、早期の報告を義務付け、組織的対応によるリスクの拡大防止と再発防止に努めるなど、PDCAサイクルに基づいた実効的なリスク管理活動を展開している。
本社のリスク所管部署の担当者によって構成するリスク管理連絡会議を定期的に開催し、当社グループに関するリスク顕在化事案や法令改正、社会動向、他社における事例、さらにはリスクマネジメントやリスクコミュニケーションの手法などの情報を報告・共有し、重要な情報については適宜コンプライアンス・リスク管理委員会に報告している。

事業リスクの把握と対策を審議する専門委員会
2 主要なリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
当社グループにおいては、これらの事業を取り巻く様々なリスクや不確定要因等に対して、その予防や分散、リスクヘッジ等を実施することにより、企業活動への影響について最大限の軽減を図っている。
(1) 事業リスク
① 事業環境の変化に関わるリスク
景気悪化等による建設需要の大幅な減少や不動産市場の急激な縮小等、建設事業・開発事業等に係る著しい環境変化が生じた場合には、建設受注高の減少及び不動産販売・賃貸収入の減少等の影響を受ける可能性がある。
また、他の総合建設会社等との競争が激化し、当社グループが品質、コスト及びサービス内容等における競争力を維持できない場合、業績等が悪化する可能性がある。
変化する状況や市場動向を踏まえ策定した「鹿島グループ中期経営計画(2024~2026)-中核をさらに強化し、未来を開拓する-」に掲げる諸施策を推進することにより、経営目標の達成と企業価値の向上を目指している。
② 建設コストの変動リスク
建設工事においては、工事期間が長期に亘る中で資機材及び労務の調達を行う必要があることから、建設コストの変動の影響を受ける。主要資材価格や労務単価の急激な上昇等による想定外の建設コスト増加を請負契約工事金額に反映させることができない場合には、工事採算が悪化する可能性がある。
建設コストの変動による影響を抑えるため、早期調達及び多様な調達先の確保を図るとともに、発注者との契約に物価スライド条項を含める等の対策を実施している。
③ 保有資産の価格・収益性の変動リスク
当社グループは、中期経営計画に定めた投資計画に基づき不動産開発投資、R&D・デジタル投資、戦略的投資及び業務用不動産等への設備投資を推進することとしている。販売用不動産(当連結会計年度末の連結貸借対照表残高2,218億円)の収益性が低下した場合、賃貸等不動産(同3,028億円)及び投資有価証券(同4,424億円)等の保有資産の時価が著しく下落した場合には、評価損や減損損失等が発生する可能性がある。
開発事業資産については、案件毎に価値下落リスク等を把握し、その総量を連結自己資本と対比し一定の水準に収める管理を実施している。連結自己資本は、中期経営計画期間中の国内外開発事業資産の増加を考慮しても十分耐性を持つ財務基盤を維持できる水準を確保している。また、個別案件の投資に当たっては、本社の専門委員会(開発運営委員会、海外開発プロジェクト運営委員会)等においてリスクの把握と対策を審議した上で、基準に則り取締役会や経営会議において審議している。
投資有価証券のうち政策的に保有する株式は、毎年度、全銘柄について、中長期的な視野に立った保有意義や資産効率等を検証した上で、取締役会にて審議し、保有意義の低下した銘柄は原則として売却している。中期経営計画では、政策的に保有する株式の残高を『2026年度末までに連結純資産の20%未満』とすることを目標に3年間で500億円以上売却し、目標到達後も継続的に縮減を進める方針としている。
④ 諸外国における政治・経済情勢等の変化に関わるリスク
当社グループは、北米・欧州・アジア・大洋州等海外における建設事業及び開発事業を展開しており、中期経営計画に基づき、事業規模拡大に伴う経営基盤の整備、ガバナンスの強化等を推進していく方針である。進出国の政治・経済情勢、法制度、為替相場等に著しい変化が生じた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
海外におけるM&Aや新市場への進出等に当たっては、本社の専門委員会(海外事業運営委員会)等においてリスクの把握と対策を審議した上で、基準に則り取締役会や経営会議において審議している。
また、テロ、暴動等が発生した場合に、社員・家族の安否確保を図り、現地支援を行うため、国際危機対策委員会を設置している。
⑤ 建設業の担い手不足に関するリスク
建設業界においては、建設技能労働者が減少傾向にあり、十分な対策を取らなければ、施工体制の維持が困難になり、売上高の減少や労務調達コストの上昇による工事利益率の低下等の影響を受ける可能性がある。
当社グループは、将来の施工体制を維持するため、中期経営計画に基づき、建設技能者の処遇改善、原則二次下請までに限定した施工体制の実現を目指した重層下請構造改革、人材育成や連携強化をはじめとした協力会社支援の充実など各種施策を継続して実施する方針である。
(2) 業務リスク
① 法令リスク
当社グループは、建設業法、建築基準法をはじめ、労働安全衛生関係法令、環境関係法令、独占禁止法等、様々な法的規制の中で事業活動を行っている。そのため、法令等の改正や新たな法的規制の制定、適用基準の変更等があった場合、その内容次第では受注環境やコストへの影響等により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。また、当社グループにおいて法令等に違反する行為があった場合には、刑事・行政処分等による損失発生や事業上の制約、信用の毀損等の発生により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
これらのリスクへの対応として、関係法令等の制定・改正については、担当部署を通じてその内容を周知し必要な対応を実施している。例えば、2024年4月から建設業に適用された時間外労働の上限規制については、働き方改革、デジタル化による業務効率化や質の向上、業務内容に応じた集約化、アウトソーシングなどを進めるとともに、人員配置など施工体制の十分な検討と必要な工期を考慮した見積の提出に努めている。
また、コンプライアンス・マニュアルである「鹿島グループ 企業行動規範 実践の手引き」を策定、法令等の改正や社会情勢の変化も踏まえ適宜改訂し、全役員・従業員に周知している。加えて、コンプライアンス意識の更なる向上と定着を図るため、当社グループの役員及び従業員を対象としたコンプライアンスに係るeラーニング研修を継続的に実施しているほか、各分野の担当部署が、規則・ガイドラインの策定、研修、監査等を実施し、適正な事業活動のより一層の推進を図っている。
② 安全衛生・環境・品質リスク
当社グループが提供する設計、施工をはじめとする各種サービスにおいて、重大な人身事故、環境事故、品質事故等が発生した場合には、信用の毀損、損害賠償や施工遅延・再施工費用等の発生により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
安全衛生・環境・品質の確保は生産活動を支える前提条件であり企業存続の根幹であることから、基本方針並びに安全衛生方針、環境方針、品質方針を定め、関係法令をはじめとする社会的な要求事項に対応できる適正で効果的なマネジメントシステムにより生産活動を行っている。安全を実現するため「建設業労働安全衛生マネジメントシステム(COHSMS)」に準拠した安全衛生管理を行うとともに、環境については、ISO 14001に準拠した環境マネジメントシステムを運用している。また、品質については、土木部門・建築部門それぞれでISO 9001の認証を受けており、海外関係会社は個々に必要な認証を受けている。
③ 情報セキュリティリスク
当社グループは設計、施工をはじめとする各種サービスを提供するにあたり、建造物や顧客に関する情報、経営・技術・知的財産に関する情報、個人情報その他様々な情報を取り扱っている。このような情報が外部からの攻撃や従業員の過失等によって漏洩又は消失等した場合は、信用の毀損、損害賠償や復旧費用等の発生により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
これらのリスクに対応するため、当社グループでは情報セキュリティポリシーを定め、重点的なリスク管理を実施している。サイバー攻撃を想定した訓練を実施し組織的な対応力向上に取り組んでいるほか、当社グループの役員及び従業員を対象としたeラーニングを用いた教育、点検及び監査並びに協力会社に対する啓発活動を行っている。
④ 取引先の信用リスク
発注者、協力会社等の取引先が信用不安に陥った場合には、工事代金の回収不能や施工遅延等により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。特に、一契約の金額の大きい工事における工事代金が回収不能になった場合、その影響は大きい。
新規の営業案件に取り組むに当たっては、企業者の与信、資金計画並びに支払条件などを検証し、工事代金回収不能リスクの回避を図り対応している。新たな契約形態や工事代金の回収が竣工引き渡し後まで残る不利な支払条件を提示された場合等には、本社が関与しリスクの把握と対策を講じるとともに、基準に則り経営会議において審議している。
協力会社と新たに取引を開始する際には、原則として財務状況等を審査したうえで工事下請負基本契約を締結している。また、重要な協力会社に対しては、定期的に訪問し財務状況を含めた経営状況の確認を実施している。
⑤ ハザードリスク(自然災害、パンデミックなど)
大規模地震、風水害等の大規模自然災害が発生した場合には、施工中工事への被害や施工遅延、自社所有建物への被害などにより、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
災害時の事業継続計画(BCP)を策定しており、首都直下地震や豪雨災害等を想定した実践的なBCP訓練を実施するなど、企業としての防災力、事業継続力の更なる向上に取り組んでいる。
パンデミック(感染症の大流行等)が発生した場合には、景気悪化による建設受注高の減少や工事中断による売上高の減少等、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
例えば、感染症の大流行に対しては、感染予防と感染拡大防止を最優先としつつ、事業継続と被害最小化を図るため、情報収集とリスク想定を行い、国内外従業員や協力会社に対して必要な対策を指導する。
2024年度リスク管理重点課題(業務リスク)
(3) 気候変動リスク
① 気候変動に伴う物理的リスク及び脱炭素社会への移行リスク
気候変動に伴う物理的リスクとしては、台風や洪水等による施工中工事への被害や施工遅延、自社所有建物への被害等により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
災害時の事業継続計画(BCP)を策定し豪雨災害等を想定した実践的なBCP訓練の実施等により企業としての防災力、事業継続力の向上に取り組むことに加え、防災・減災及びBCP分野におけるR&Dを推進することにより、社会・顧客に対し関連サービスを提供するとともに、災害発生時には復旧・復興等に貢献することを目指している。
脱炭素社会への移行リスクとしては、温室効果ガス排出量の上限規制による施工量の制限や炭素税の導入によるコスト増等により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。
中期経営計画及び「鹿島環境ビジョン2050plus」に基づき、建設現場等におけるCO2排出量削減と再生可能エネルギー電源への投資に計画的に取り組むことに加え、低炭素コンクリートや省エネルギー関連分野等における保有技術の活用や新たな技術の開発等により、脱炭素社会への移行に対し事業を通じて貢献することを目指している。(気候変動リスクの詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)個別テーマ ②気候変動関連(TCFD提言に沿った開示)」に記載している。)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりである。
① 経営成績の状況
売上高は、建設事業、開発事業等ともに国内外で増加し、前連結会計年度比11.4%増の2兆6,651億円(前連結会計年度は2兆3,915億円)となった。
利益については、建設事業の売上総利益が国内外において増加し、国内の開発事業等の売上総利益も増加したことから、営業利益は前連結会計年度比10.3%増の1,362億円(前連結会計年度は1,235億円)となった。経常利益は、営業外収益の減少等により同4.2%減の1,501億円(同1,567億円)となったものの、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損益が改善したことから、同2.9%増の1,150億円(同1,117億円)となった。なお、当連結会計年度において政策保有株式を27銘柄売却(284億円)しており、投資有価証券売却益を特別利益に計上している。
セグメントごとの経営成績は次のとおりである。(セグメントの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載している。)
a 土木事業
(当社における建設事業のうち土木工事に関する事業)
売上高は、大型工事の施工が着実に進捗したことなどから、前連結会計年度比20.5%増の3,633億円(前連結会計年度は3,016億円)となった。
営業利益は、売上総利益率が高水準であった前連結会計年度を下回り、前連結会計年度比20.6%減の232億円(前連結会計年度は293億円)となった。
b 建築事業
(当社における建設事業のうち建築工事に関する事業)
売上高は、大型工事の施工が順調であったことなどから、前連結会計年度比1.7%増の1兆1,042億円(前連結会計年度は1兆862億円)となった。
営業利益は、当期に完成した工事を中心に損益が改善し、前連結会計年度比14.2%増の533億円(前連結会計年度は466億円)となった。
c 開発事業等
(当社における不動産開発全般に関する事業及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般の事業)
当期に計画していた販売用不動産の売却が実現したことを主因に、売上高は前連結会計年度比90.0%増の853億円(前連結会計年度は449億円)、営業利益は同156.2%増の184億円(同71億円)となった。
d 国内関係会社
(当社の国内関係会社が行っている事業であり、主に日本国内における建設資機材の販売、専門工事の請負、総合リース業、ビル賃貸事業等)
開発系関係会社が保有する販売用不動産の売却を主因に、売上高は前連結会計年度比4.2%増の3,674億円(前連結会計年度は3,526億円)となり、営業利益は同38.8%増の241億円(同174億円)となった。
e 海外関係会社
(当社の海外関係会社が行っている事業であり、北米、欧州、アジア、大洋州などの海外地域における建設事業、開発事業等)
売上高は、米国や大洋州における建設事業売上高の増加を主因に、前連結会計年度比16.3%増の8,596億円(前連結会計年度は7,392億円)となった。
営業利益は、米国開発事業において着実に売却益を計上したものの、高水準であった前連結会計年度を下回ったことなどから、前連結会計年度比25.6%減の169億円(前連結会計年度は227億円)となった。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比3,654億円増加し、3兆1,351億円(前連結会計年度末は2兆7,697億円)となった。これは、保有株式等の時価上昇による含み益の増加を主因とする投資有価証券の増加863億円、現金預金の増加689億円、棚卸資産(販売用不動産、未成工事支出金、開発事業支出金及びその他の棚卸資産)の増加649億円及び有形固定資産の増加616億円があったこと等によるものである。
負債合計は、前連結会計年度末比2,029億円増加し、1兆9,114億円(前連結会計年度末は1兆7,085億円)となった。これは、有利子負債残高※の増加748億円及び未成工事受入金の増加535億円があったこと等によるものである。なお、有利子負債残高は、6,126億円(前連結会計年度末は5,377億円)となった。
純資産合計は、株主資本9,496億円、その他の包括利益累計額2,604億円、非支配株主持分135億円を合わせて、前連結会計年度末比1,625億円増加の1兆2,236億円(前連結会計年度末は1兆611億円)となった。
また、自己資本比率は、前連結会計年度末比0.6ポイント好転し、38.6%(前連結会計年度末は38.0%)となった。
(注) ※短期借入金、コマーシャル・ペーパー、社債(1年内償還予定の社債を含む)及び長期借入金の合計額
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,237億円の収入超過(前連結会計年度は291億円の支出超過)となった。これは、税金等調整前当期純利益1,689億円に減価償却費272億円等の調整を加味した収入に加えて、未成工事受入金及び開発事業等受入金の増加522億円の収入があった一方で、法人税等の支払額505億円、棚卸資産(販売用不動産、未成工事支出金、開発事業支出金及びその他の棚卸資産)の増加487億円、仕入債務の減少332億円及び売上債権の増加316億円の支出があったこと等によるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、629億円の支出超過(前連結会計年度は817億円の支出超過)となった。これは、有形固定資産の取得による支出415億円、貸付けによる支出414億円及び投資有価証券の取得による支出192億円があった一方で、投資有価証券の売却等による収入301億円及び貸付金の回収による収入258億円があったこと等によるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額368億円及び自己株式の取得による支出150億円があった一方で、短期借入金、長期借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債による資金調達と返済の収支が381億円の収入超過となったこと並びに自己株式の処分による収入50億円があったこと等により、95億円の支出超過(前連結会計年度は1,118億円の収入超過)となった。
これらにより、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から678億円増加し、3,500億円(前連結会計年度末は2,822億円)となった。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、また、受注高について当社グループ各社の受注概念が異なるため、「生産の実績」及び「受注の実績」は記載していない。
売上実績
(注) 1 売上実績においては、「外部顧客への売上高」について記載している。
2 前連結会計年度及び当連結会計年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
〔参考〕提出会社単独の受注高及び売上高の状況
a 受注高、売上高及び繰越高
(注) 1 前事業年度以前に受注したもので、契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注高にその増減額を含む。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれる。
2 期末繰越高は、(期首繰越高+当期受注高-当期売上高)である。
b 受注工事高
c 受注工事高の受注方法別比率
建設工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
d 完成工事高
(注) 1 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
2 当事業年度の完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
e 繰越工事高(2024年3月31日現在)
(注) 繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。
(※) 当社からの受注高は繰越工事高に含んでいない。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 経営成績及び財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、2021年に「鹿島グループ中期経営計画(2021~2023)-未来につなぐ投資-」を策定し、変化する経営環境に対応しつつ、業績の維持向上と当社グループの将来にわたる発展を目指してきた。その結果、3期連続で親会社株主に帰属する当期純利益が1,000億円を超えたとともに、ROEは10%を上回り、中期経営計画の経営目標を達成した。また、2050年度のカーボンニュートラルやサプライチェーンを含めた人的資本強化に向けた施策に加え、国内・海外の不動産開発投資を推進し、持続的な成長の基盤整備を着実に進めることができた。こうした投資や施策は、今後も継続して取り組んでいく。
「鹿島グループ中期経営計画(2021~2023)」経営数値目標達成状況
当社グループの当連結会計年度の売上高(2兆6,651億円)は、当社建設事業(土木事業・建築事業)の順調な工事進捗や海外売上高の増加などにより、過去最高となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、増収効果に加え、当社建築事業の利益率向上や国内・海外開発事業の着実な利益計上により、前連結会計年度を上回る1,150億円となった。
業績予想との比較では、売上高は業績予想を上回った。利益面では、営業利益、経常利益が業績予想を下回ったものの、親会社株主に帰属する当期純利益は業績予想を上回った。
当連結会計年度の経営成績(連結業績予想との対比) (単位:百万円)
財政状態については、当連結会計年度末の資産合計が前連結会計年度末比3,654億円増加し、3兆1,351億円となった。計画に基づく国内外の不動産開発投資の進捗により、開発事業資産(販売用不動産及び有形固定資産など)が増加し、建設事業における売上債権(受取手形・完成工事未収入金等)も売上高の増加等に伴って増加している。投資有価証券については、政策保有株式の中長期的な縮減に向けて、保有する株式の一部(27銘柄284億円)を売却したものの、国内株式市場における株価上昇や競争力強化に向けた国内外での戦略的な出資、為替変動に伴う外貨換算増などにより増加した。なお、計画に掲げた政策保有株式の縮減目標(当連結会計年度までの3年間で総額300億円以上の売却)に対しては、3年間で累計533億円を売却し目標を達成している。連結自己資本は、1,000億円を上回る親会社株主に帰属する当期純利益の計上に加え、保有株式の株価上昇などにより、その他有価証券評価差額金が564億円増加したこと等に伴い前連結会計年度末から1,577億円増加の1兆2,101億円、自己資本比率は38.6%となった。連結有利子負債残高は、海外の不動産開発投資において外部資金を活用したことや海外の借入金における為替変動に伴う外貨換算増により前連結会計年度末から748億円増加し、6,126億円となったものの、D/Eレシオ(負債資本倍率)は0.51倍であり、財務の健全性は十分に維持できていると考えている。
経営成績に重要な影響を与える主な要因は、国内外の建設事業及び開発事業における需要やコストの急激な変動等の事業環境の変化である。当連結会計年度においては、国内建設需要は、堅調な公共投資と民間企業の旺盛な設備投資意欲により高い水準を維持し、そうした建設需要を背景に受注競争は緩和の動きが見られた。海外における建設需要は、欧米では製造業を中心に底堅く推移し、東南アジアでは経済活動の正常化に伴い増加基調となった。コストに関しては、国内外ともに資機材価格は総じて高い価格水準に留まっており、労務費にも上昇の傾向が見られるため、動向を注視した適切な対応が必要と考えている。
今後については、国内建設事業は、当面の間は高い水準の建設需要が継続すると予想されるため、適切な施工体制の確保による工期遵守や品質保全、着実な利益確保に取り組むとともに、時間外労働上限規制や働き方改革への対応として、ICTツール等を積極的に活用した施工の自動化、デジタル化、遠隔管理化などによる生産性向上やノンコア業務のアウトソーシングなどを推進していく。また、長期的には建設技能労働者が減少していく見通しであることから、賃金・休暇面での処遇改善やデジタル技術活用による建設業の魅力向上など次世代の担い手確保に向けた施策に取り組んでいる。海外事業においては、地政学的リスクの高まりや、欧米を中心とするインフレ及び金利動向が事業環境に与える影響を見極めつつ、リスク管理を徹底した事業展開を進めていく。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりである。
a 土木事業
(当社における建設事業のうち土木工事に関する事業)
売上高は、大型工事を中心に施工が着実に進捗したことなどから前連結会計年度を大きく上回る3,633億円となった。2025年3月期についても、7,000億円を超える繰越工事高を踏まえ3,500億円を予想し、それ以降も同水準の売上高が継続すると見込んでいる。売上総利益率に関しては、四半期ごとに利益率は改善したが、一部の工事において施工条件の変更等に伴うコストの増加があったことから、高い水準であった前連結会計年度の利益率(18.0%)を下回る13.7%となった。2025年3月期には、15.4%に回復すると予想している。
土木事業における建設需要は、インフラ更新などの国土強靭化に関連した分野や風力発電などのエネルギー分野における需要の拡大が続き、今後も堅調に推移すると考えている。
b 建築事業
(当社における建設事業のうち建築工事に関する事業)
売上高は、生産施設や再開発事業等の大型工事の施工が順調に進捗したことなどから増収となった。2025年3月期以降も強い建設需要が継続すると見通しており、1兆円を超える水準の売上高が継続すると見込んでいる。売上総利益率は、建設コスト上昇の影響が一部の工事にあったものの、当連結会計年度に竣工した工事を中心に損益の改善が進んだことから、前連結会計年度における8.5%から9.2%に上昇した。2025年3月期は、竣工を迎える工事が少なく損益改善が進みにくい時期であるとともに、引き続き建設コスト上昇などにも注意が必要であることから、売上総利益率を9.0%と見込んでいる。
競争環境については、高水準の建設需要を背景に緩和の動きが見られ、受注時の利益率は改善傾向にある。サプライチェーンを含めた施工体制の確保や、建設コスト上昇への対応を確実に行うとともに、技術力や提案力を軸とした受注活動により、採算性の維持・向上を図っていく。
c 開発事業等
(当社における不動産開発全般に関する事業及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般の事業)
開発事業等の売上高及び営業利益は、不動産販売事業において、オフィス、ホテルの売却や分譲マンションの引渡しがあったことを主因に、前連結会計年度を上回った。当社が保有する賃貸ビルは総じて高い稼働率を維持しており、不動産賃貸事業も堅調に推移した。
2025年3月期についても、分譲マンションの引渡しに加え、オフィスの売却を計画しているため、売上高及び営業利益は当連結会計年度を上回る見通しである。国内の不動産開発事業においては、「鹿島グループ中期経営計画(2024~2026)-中核をさらに強化し、未来を開拓する-」の投資計画に基づき、レパートリー拡充、優良資産の積み上げによる収益源の多様化及び収益機会の拡大を目指している。これまでの投資の成果として、2025年3月期からの3年間における売却による回収額は、当連結会計年度までの3年間の実績を大きく上回る計画としている。
d 国内関係会社
(当社の国内関係会社が行っている事業であり、主に日本国内における建設資機材の販売、専門工事の請負、総合リース業、ビル賃貸事業等)
当連結会計年度においては、開発系国内関係会社の保有するオフィスの売却が実現したことを主因に、売上高及び営業利益が前連結会計年度を上回った。
2025年3月期は、不動産開発物件の売却予定がないことから減収減益を予想しているが、建設事業等は堅調に推移し、安定的な業績を維持する見通しである。
e 海外関係会社
(当社の海外関係会社が行っている事業であり、北米、欧州、アジア、大洋州などの海外地域における建設事業、開発事業等)
海外関係会社の売上高は、建設事業、開発事業等ともに増収となったものの、営業利益は前連結会計年度を下回った。建設事業では、東南アジアの一部の工事においてコロナ禍の影響が残ったものの、第3四半期連結会計期間以降、業績は回復基調となった。開発事業等は、各地域においてインフレや金利上昇などの影響を受ける事業環境となったが、米国流通倉庫開発事業において12件を売却し、東南アジアではホテル等運営事業の稼働率改善が進み、全体として底堅い業績を維持した。
2025年3月期については、各地域における施工中工事の順調な進捗と開発事業における物件売却により、売上高は1兆円を超える見通しである。利益面でも、東南アジアにおける業績回復や着実な開発物件の売却益計上により、増益を見込んでいる。
海外事業は当社グループの成長領域であり、中期経営計画(2024~2026)に定めた施策や投資を推進する。不動産開発事業では、事業展開地域の市場特性に合わせた投資を実施し、北米では、流通倉庫、賃貸集合住宅など、短期回転型事業を中心に推進している。東南アジアでは、長期保有型のホテルやオフィスなどの複合開発に加え、短期回転型の販売事業も強化しており、欧州においては、流通倉庫、学生寮、再生可能エネルギー発電施設など多様な事業ポートフォリオの構築を進めている。資産売却により回収した資金・利益を再投資するサイクルの確立が進んでおり、このサイクルを拡大することにより、更なる収益力の強化を図っていく。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは当連結会計年度において、建設コストが上昇した中でも、国内建設事業で着実な利益を確保するとともに、国内外の不動産開発事業における物件売却などによりキャッシュを創出した。これに加え、政策保有株式の売却や有利子負債の活用等によるキャッシュを原資として、投資計画に基づく国内外の不動産開発投資やR&D・デジタル投資、先端技術を保有するスタートアップ企業への出資など当社グループの着実な利益成長と経営基盤強化に繋がる投資を積極的に実施した。また、配当の引き上げとともに、機動的な株主還元として、市場からの100億円の自己株式取得を実施するなど、株主還元を拡充している。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ678億円増加し3,500億円となった。当連結会計年度は、着実な利益計上に加え、未成工事受入金及び開発事業等受入金などの増加による営業キャッシュ・フローの収入超過が、国内外の不動産開発事業に係る有形固定資産の増加などによる投資キャッシュ・フローの支出超過並びに配当金の支払いや自己株式取得による財務キャッシュ・フローの支出超過を上回り、現金及び現金同等物の残高が増加した。今後の建設事業における資金需要の予測は難しいものの、2025年3月期については、完成を迎える大型工事が少なく工事代金の回収が減少することに加え、協力会社等への支払先行に伴う一時的な資金負担の増加により、建設事業収支が悪化することを見込んでいる。ただし、現金及び現金同等物の残高は月商程度の水準を上回り、D/Eレシオも0.5倍程度と財務健全性を維持していることに加え、コミットメントラインを設定する等、安定的な資金運営に向けた多様な資金調達手段を備えていることから、資金面に懸念はないと考えている。
「鹿島グループ中期経営計画(2024~2026)-中核をさらに強化し、未来を開拓する-」の投資計画に基づき推進するR&D・デジタル投資やバリューチェーン拡充・新規事業創出等に向けた戦略的投資、国内外の不動産開発投資などの原資として、今後も国内外における建設事業の収益力を高め、キャッシュの創出に努めるとともに、開発事業資産の計画的な売却や政策保有株式の縮減を進めていく方針である。株主還元については、配当性向の目安を40%とするとともに、業績、財務状況及び経営環境を勘案した自己株式の取得など機動的な株主還元を行うことを基本方針とし、成長投資とのバランスを考慮した柔軟な資金配分を予定している。
また、投資計画の実施に伴う資金需要に対しては、投資効率の向上に向けて、金利動向を見極めながら弾力的に外部資金を活用していくため、2025年3月末の連結有利子負債残高は8,300億円に増加する見通しであるものの、拡大する開発事業資産などに対するリスク耐性を備えるため、D/Eレシオ0.7倍程度を目安として財務健全性を維持していく方針である。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されているが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されている。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。
5 【経営上の重要な契約等】
特記事項なし。
6 【研究開発活動】
当社グループは、中期経営計画に基づき、施工の自動化やデジタル化など中核事業の一層の強化に資する技術とともに、社会課題解決型ビジネスやオープンイノベーションによる新たな価値創出への挑戦を目指して、CO2削減に寄与する環境配慮型技術などの開発を進めている。
当連結会計年度における研究開発費の総額は207億円であり、主な成果は次のとおりである。なお、当社は研究開発活動を土木事業、建築事業のセグメントごとに区分していないため建設事業として記載している。
(建設事業)
1 当社
(1) 中核事業の一層の強化
① 巨大地震による長周期地震動に対して超高層建物全体の揺れを大幅に低減する「KaCLASS※(*1)」を初導入
当社は、巨大地震に伴い発生する長周期地震動による超高層建物全体の揺れを、従来の耐震・制震架構と比べ大幅に低減する制御層制震構造※「KaCLASS※」を開発し、阪急阪神不動産㈱が事業を進める超高層タワーレジデンスであるジオタワー大阪十三(大阪市淀川区)に初導入した。本技術は、建物高さの70%程度の位置に設けた制御層が地震エネルギーを大きく吸収し、建物全体の揺れを大幅に低減するものである。これにより従来の耐震・制震架構と比較して少ない柱梁で高い安全性を確保できることから、開放的な空間が実現可能となる。
*1:Kajima Control Layer Advanced Structural System
② 墨出しを全自動かつ高精度に行う「ロボプリン※」を開発
当社は、建築工事に不可欠な墨出し作業を、全自動かつ高精度に行うロボットプリンタ「ロボプリン※」を開発した。今般、当社機械技術センター(神奈川県小田原市)において実証実験を行い、墨出し作業の生産性を約2倍に向上できることを確認した。本技術は、読み込んだ施工図面データを基に、工事に必要な基準墨や仕上げ墨などをコンクリート床にプリントするものである。特別な装置やアプリが不要であることから導入が容易であり、スタート後は全自動で作業するため、誰でも手軽に高精度の墨出しが可能となる。
③ 現場製造式爆薬によるトンネル全断面発破を実現
当社は、次世代の山岳トンネル自動化施工システム「A4CSEL※ for Tunnel」(クワッドアクセル・フォー・トンネル)の開発を進めている。今般、施工ステップの一つである「装薬」の自動化に向けた一歩として、岩盤面の孔内に装填するまで火薬化しない「バルクエマルション爆薬」を採用した全断面発破を、国内の山岳トンネル工事で初めて実現した。切羽での高所装填作業のための設備を含む製造許可を取得後、2024年2月に、当社が各種実証試験を行っている神岡試験坑道(岐阜県飛騨市)において同爆薬による初発破を行い、4月末までに計14回の発破を実施した。今後も、高い安全性を確保できる同爆薬を用いた技術開発を進めることで、装薬・発破作業の自動化及び効率化を目指していく。
④ 成瀬ダムで自動化施工システムによる「現場の工場化」を実現
当社は、成瀬ダム堤体打設工事(秋田県雄勝郡東成瀬村)において、2020年度から適用している自動化施工システム「A4CSEL※」(クワッドアクセル)の機能・性能の向上及び適用範囲の拡大を推進している。今般、CSG(*2)の自動搬送と自動ダンプトラックでの運搬・荷下ろし作業を実現したことで、既に適用している自動ブルドーザによるまき出し、自動振動ローラによる締固め作業と合わせて、CSGの製造から打設に至る全ての作業を完全自動化することに成功し、当社が同工事において目指してきた「現場の工場化」の一つの形が実現した。
*2:Cemented Sand and Gravel
現地発生材(石や砂れき)とセメント、水を混合してつくる材料
(2) 新たな価値創出への挑戦
① 世界初となる通信用光ファイバを用いた工事振動の検知に成功
当社は、日本電気㈱及び東日本電信電話㈱と共同で、光ファイバセンシング技術を応用し、既に電柱に共架している通信用光ファイバを振動センサとして活用する実証実験を行い、トンネル掘削工事の振動検知に世界で初めて成功した。本技術により、新たにセンサを設置することなく、建設工事現場周辺における振動状況を広範囲かつリアルタイムに把握することが可能となる。
② 交通事故ゼロ社会の実現に向けて「スマートロード」の開発に着手
当社は、トヨタ自動車㈱、㈱NIPPO、東京都市大学及びカリフォルニア大学バークレー校と共同で、将来の新たなモビリティサービスの提供や自動運転社会の到来を見据え、センシング機能を有する道路「スマートロード」の開発に着手した。今般、当社技術研究所(東京都調布市)敷地内に、光ファイバセンサを埋め込んだ試験舗装フィールドを構築し、道路上の歩行者や自転車などの移動体の位置を、同センサで検知したデータにより自動追跡できることを確認した。
③ 月面での施工に必要な構成技術及び要素技術の妥当性を確認
当社は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)及び芝浦工業大学と共同で、当社を代表者として2021年から国土交通省の公募事業「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」に参画し、研究開発を進めている。今般、当社の実験場「鹿島西湘実験フィールド」(神奈川県小田原市)とJAXA相模原キャンパス(相模原市中央区)を結び、自動遠隔建設機械による月面環境での作業を想定した実証実験を行った。その結果、月面での永久陰領域等での施工に必要となる構成技術及び要素技術の妥当性を確認することができた。
④ シンガポールにおいて海外研究開発拠点が入る自社ビル「The GEAR(*3)」が開業
当社及び当社グループのアジア開発事業統括会社であるカジマ・デベロップメント・PTE・リミテッドが、シンガポールで開発を進めてきた自社ビル「The GEAR」が2023年8月に開業した。「The GEAR」は、当社グループのアジア本社、R&Dセンター及びオープンイノベーションハブの3つの機能を併せ持つ建物である。R&Dセンターとして当社技術研究所のシンガポールオフィス(KaTRIS(*4))が建設ロボット、スマートウェルネスオフィス及び環境・バイオ等に関する研究室「ラボ」を構えており、今後、大学やスタートアップ等と連携して、アジアの成長市場に求められる技術開発を進めていく。
*3:Kajima Lab for Global Engineering, Architecture & Real Estate
*4:Kajima Technical Research Institute Singapore
(3) 成長・変革に向けた経営基盤整備とESG推進
① CO2排出量を70%削減した「CUCO※(*5,6)-SUICOMドーム」(クーコスイコムドーム)の試験施工を完了
当社は、デンカ㈱及び㈱竹中工務店と共同で、コンソーシアム「CUCO※」の幹事会社として、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「グリーンイノベーション基金事業/CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」の一環として、コンクリートの製造過程で排出されるCO2の排出量が実質ゼロ以下となるカーボンネガティブコンクリートの開発を進めている。今般、当社技術研究所(東京都調布市)の隣接敷地において、当社保有の「KTドーム※」技術を活用し、躯体部分に低炭素型コンクリート「ECMコンクリート※(*7)」とカーボンネガティブコンクリート「CUCO※-SUICOMショット」を活用した「CUCO※-SUICOMドーム」の試験施工を完了した。試験施工では、これら両コンクリート材料の吹き付け並びに「CUCO※-SUICOMショット」の炭酸化養生を現場で行った。これにより、従来の吹付けコンクリートと比較して、CO2排出量の70%削減を達成した。
*5:Carbon Utilized Concrete
*6:当社、デンカ㈱及び㈱竹中工務店の登録商標
*7:当社及び㈱竹中工務店の登録商標
② 牛のげっぷ中のメタンガスを抑制する海藻の量産培養手法を開発
当社は、牛のげっぷに含まれるメタンガス(*8)排出量低減に寄与する海藻「カギケノリ」の量産培養手法を開発した。カギケノリの形状を自然に近い状態である直立形状から球状に変えることで、人の管理のもと陸上の水槽で安定的に量産できる技術を確立した。本技術で生産した海藻を牛などの反すう動物の餌に混ぜることで、胃の中で発生するメタンガスを抑制する効果が期待できる。
*8:CO2に次いで地球温暖化の原因となっている気体
(国内関係会社)
1 鹿島道路㈱
舗装に関する新技術の開発
アスファルト舗装及びコンクリート舗装関連の各技術(材料、施工、建設機械、品質、環境、維持修繕及びDX化など)について研究開発を進めている。
新たな舗装材料として、雨天でも施工可能な全天候型アスファルト緊急補修材及び環境配慮型添加材を使用したAKD(*9)舗装用混合物の開発を行った。また、舗装建設機械の自動化及び安全性向上策として、ブルドーザなどに搭載する緊急停止装置の開発を行った。
なお、2024年3月に「技術開発総合センター」(埼玉県久喜市)を開設し、新たな研究開発体制を構築した。今後は、各技術部門の研究開発者を集約し、創造力の向上と開発のスピードアップを目指していく。
*9:Anti Kerosene and Durability
2 ケミカルグラウト㈱
微生物を利用した地盤固化に関する新技術の開発
CO2排出量削減を目的として、セメントを使用しない、微生物を利用した地盤固化技術を開発した。
本技術は、地盤中の微生物に栄養を与え炭酸カルシウムを析出させることで、軟弱な地盤を固めて強化するものである。本技術を用いて作製した固化体は自立し、100~200kN/㎡の一軸圧縮強度をもつ。また、透水係数は1×10-2m/secまで減少することが確認された。
今回開発した技術の特徴は、外部微生物の添加は行わず工事の対象となる地盤の常在菌のみを活用し、さらに、食品添加物にも使用される中性無害な栄養剤を使用するため、周辺環境への影響が少なく、安全かつ広範囲に注入ができる点である。また、微生物の活性化に酸素を使用しないため、酸素が不足する地下水位以深の地盤にも適用可能である。
今後、従来のセメントによる施工が行われている液状化対策工事や汚染物質対応の遮水壁工事などへの適用に向け、更に開発を進めていく。
(開発事業等及び海外関係会社)
研究開発活動は特段行われていない。
(注) 工法等に「※」が付されているものは、当社及び関係会社の登録商標である。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度は、当社グループ全体で475億円の設備投資を実施した。
当社の土木事業、建築事業及び開発事業等においては、賃貸事業用建物の建設等を中心に245億円の設備投資を実施した。
国内関係会社においては、賃貸事業用建物の建設等を中心に132億円の設備投資を実施した。
海外関係会社においては、事業用建物の建設等を中心に123億円の設備投資を実施した。
上記設備投資の所要資金については、自己資金及び銀行借入等により賄っている。
(注) 1 上記の設備投資金額には、有形固定資産の他に無形固定資産、長期前払費用が含まれている。
2 当社、国内関係会社及び海外関係会社の記載については、連結調整考慮前の金額を表示している。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
2024年3月31日現在
(2) 国内関係会社
2024年3月31日現在
2023年12月31日現在
(3) 海外関係会社
2023年12月31日現在
(注) 1 提出会社は土木事業、建築事業及び開発事業等を営んでいるが、共通的に使用されている設備もあるため、セグメントごとに区分せず、主要な事業所ごとに一括して記載している。
2 土地及び建物の一部を連結会社以外から賃借している。賃借料は2,727百万円であり、賃借中の土地の面積については、〔 〕内に外書きで記載している。
3 土地及び建物のうち賃貸中の主なものとして、以下のものがある。
4 上記の他、主要な賃借している設備として、以下のものがある。なお、当社は賃借している設備を土木事業、建築事業のセグメントごとに区分していないため建設事業として記載している。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループの設備投資については、将来の需要予測、利益に対する投資割合等を総合的に勘案して計画している。なお、当社は設備投資を土木事業、建築事業のセグメントごとに区分していないため建設事業として記載している。
(開発事業等)
重要な設備の新設の計画は次のとおりである。また、重要な設備の除却等の計画はない。
(注) 投資予定金額の総額については、建築工事費等が未確定であるため、未定である。
(建設事業)
重要な設備の新設、除却等の計画はない。
(国内関係会社)
重要な設備の新設、除却等の計画はない。
(海外関係会社)
重要な設備の新設、除却等の計画はない。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項なし。
② 【ライツプランの内容】
該当事項なし。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項なし。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 2018年6月26日開催の第121期定時株主総会における決議に基づき、2018年10月1日付で当社普通株式2株につき1株の割合で株式併合を実施したため、発行済株式総数が1,057,312,022株から528,656,011株に減少している。
(5) 【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 自己株式44,231,963株は、「個人その他」に442,319単元及び「単元未満株式の状況」に63株含めて記載している。また、当該自己株式には、役員及び従業員向け株式交付信託の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式2,303,000株は含まれていない。
2 「その他の法人」には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が25単元含まれている。
(6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(自己株式等)」は、当社保有の自己株式44,231,900株である。
2 「完全議決権株式(その他)」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式2,500株(議決権25個)並びに役員及び従業員向け株式交付信託の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式2,303,000株(議決権23,030個)を含めている。
② 【自己株式等】
2024年3月31日現在
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
① 役員向け株式交付信託
当社は、当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員(以下総称して「取締役等」という。)に対し、信託を用いた業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入している。
本制度は、取締役等の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性を一層明確にし、取締役等が株価の変動による利益・リスクを株主と共有することにより中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的としている。
本制度においては、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(以下「本信託」という。)が当社の普通株式(以下「当社株式」という。)を取得し、当社が定める株式交付規程に基づき当該取締役等に付与するポイント数に相当する当社株式を、本信託を通じて各取締役等に対して交付する。
② 従業員向け株式交付信託
当社は、一定の職務等級以上の従業員に対し、信託を用いた従業員向けインセンティブ・プラン(以下「本制度」という。)を導入している。
本制度は、幹部層従業員の経営参画意識と会社業績等に対するモチベーションのさらなる向上を目的としている。
本制度においては、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(以下「本信託」という。)が当社の普通株式(以下「当社株式」という。)を取得し、当社が定める株式交付規程に基づき当該従業員に付与するポイント数に相当する当社株式を、本信託を通じて各従業員に対して交付する。
本制度に係る各信託の概要は次のとおりである。
2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】 会社法第155条第3号及び同条第7号による普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項なし。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
会社法第155条第3号による取得
(注) 当該決議による自己株式の取得は、2023年5月23日(約定ベース)をもって終了している。
(注) 当該決議による自己株式の取得は、2024年6月7日(約定ベース)をもって終了している。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めていない。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における保有自己株式数には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めていない。
2 役員及び従業員向け株式交付信託の信託財産として株式会社日本カストディ銀行(信託口)が保有する当社株式は、上記保有自己株式数に含めていない。
3 【配当政策】
当社は、持続的な成長と企業価値向上を目指し、財務の健全性を維持した上で、成長投資と株主還元のバランスを考慮した利益配分を行うことを基本方針としている。配当については、配当性向40%を目安として実施するとともに、業績、財務状況及び経営環境を勘案し、自己株式の取得など機動的な株主還元を行うこととする。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会である。なお、当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款で定めている。
このような方針のもと、当事業年度の業績等を踏まえ、1株当たり年90円の配当(うち中間配当金35円)を実施することとした。
当事業年度の剰余金の配当は次のとおりである。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループでは、「社業の発展を通じて社会に貢献する」ことを経営理念に掲げており、株主、顧客をはじめ、取引先、地域社会、従業員等の全てのステークホルダーから評価、信頼される企業を目指している。
また、取締役会、監査役等による経営監督機能の充実と、内部統制システムの整備によるリスク管理と説明責任の遂行、及びコンプライアンス徹底のための施策を通じて、公正で透明性のある企業活動を実現することを、コーポレート・ガバナンスの基本的な方針としている。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、監査役制度を採用する監査役会設置会社であり、社外監査役を含む監査役が実効性の高い監査を行う体制を整えているとともに、事業に精通した取締役及び企業経営者や外交官等としての豊富な経験に基づく高い知見を有した社外取締役により構成される「取締役会」が、経営の基本方針、重要事項等に係る審議・決定や業務執行状況の監督にあたっている。
また、取締役会の諮問機関として「人事委員会」及び「ガバナンス・報酬委員会」を設置し経営監督機能を強化するとともに、執行役員制度を導入し経営監督機能と業務執行機能の分離・強化並びに経営の効率化・迅速化を図っているほか、業務執行の効率性を高めるため「経営会議」と「特別役員会議」を設置している。
取締役会
原則として毎月1回、その他必要に応じて開催し、経営の基本方針、法定専決事項、その他経営に係る重要事項等に関する審議・決定を行うとともに、業務の執行状況に関する監督、経営計画の進捗状況の確認等を行っている。議長は会長である。
取締役の員数は当報告書の提出日現在、社外取締役5名を含む12名であり、任期は1年としている。当社経営理念のもと、当社グループが将来に亘り持続的に成長・発展するため、取締役会全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び適正規模を勘案したうえで、各分野で培ったビジネス、財務、技術等に関する知見を活かすことのできる能力を備えた人材を選任している。取締役候補の指名に際しては、客観性と透明性を確保するため、「人事委員会」において、指名に関する基本的な考え方や取締役会の構成等について協議を行い、取締役会は、その助言・提言を踏まえ審議、決定することとしている。
監査役・監査役会
監査役の員数は当報告書の提出日現在、社外監査役3名を含む5名である。「監査役会」はすべての監査役で組織し、議長は互選により監査役会で決定しており、現在は常勤監査役の中川雅博である。
監査役会は、原則として毎月1回、その他必要に応じて開催している。
監査役候補の指名に際しては、客観性と透明性を確保するため、「人事委員会」における指名に関する基本的な考え方や監査役会の構成等についての協議を踏まえ、監査役会の同意のもとで候補者を選定している。
人事委員会
「人事委員会」は、取締役等の人事について協議し取締役会に対し提言を行う委員会として設置し、当社のコーポレート・ガバナンスの客観性と透明性の確保を図っている。
構成員は社長及び以下の社外取締役であり、定例会議を原則年1回開催するほか必要に応じ随時開催する。議長は社外取締役の齋藤聖美である。
構成員(当報告書の提出日現在)
天野裕正、齋藤聖美(議長)、斎藤保、飯島彰己
ガバナンス・報酬委員会
「ガバナンス・報酬委員会」は、役員報酬関連を含むコーポレート・ガバナンスに関する重要事項について協議し取締役会に対し提言を行う委員会として設置し、当社のコーポレート・ガバナンスの客観性と透明性の確保を図っている。
構成員は社外取締役及び社外監査役であり、定例会議を原則年1回開催するほか必要に応じ随時開催する。議長は社外取締役の齋藤聖美である。なお、議案内容に応じ社長ほかの経営陣幹部等が説明者として参加する。
構成員(当報告書の提出日現在)
社外取締役:齋藤聖美(議長)、鈴木庸一、斎藤保、飯島彰己、寺脇一峰
社外監査役:中川雅博、武石惠美子、中森真紀子
経営会議・特別役員会議
「経営会議」は、以下の取締役、常勤監査役及び執行役員から構成し、取締役会の付議事項を除く経営上の重要課題について審議・決定、報告等を行う機関であり、議長は社長である。なお、監査役は決議に加わることはできない。
構成員(当報告書の提出日現在)
取締役 :押味至一、天野裕正、越島啓介、風間優、石川洋、勝見剛、熊野隆
常勤監査役:中川雅博、鈴木一史、小林俊明
執行役員 :福田孝晴、北典夫、竹川勝久、市橋克典、島居潤、高林宏隆、西澤直志
「特別役員会議」は、社外役員を除く取締役、常勤監査役及び全執行役員から構成し、取締役会・経営会議での決議・報告事項を周知するとともに、業務執行状況の報告・評価等を行う機関であり、議長は社長である。
(当社のコーポレート・ガバナンス体制図)

③ 企業統治に関するその他の事項
内部統制システム構築の基本方針
当社は、コンプライアンスを徹底し、リスクを管理しながら業務を適正かつ効率的に遂行するとともに、財務報告の信頼性を確保するために、グループ会社を含めた内部統制システム構築の基本方針を以下のとおり定めている。
a 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・コンプライアンス体制の基礎として、「鹿島グループ企業行動規範」を定める。また、社長を委員長とする「コンプライアンス・リスク管理委員会」を設置し、企業倫理の確立及び法令遵守の徹底を図る。
・コンプライアンスの所管部署である法務部が、コンプライアンス・マニュアルの策定、全役員・従業員等を対象とする研修の実施等によりコンプライアンス体制の整備及び維持を図るほか、必要に応じて各分野の担当部署が、規則・ガイドラインを策定し、研修を実施する。
・業務執行部門から独立した内部監査部門である監査部が、業務監査の一環として、コンプライアンス体制の構築・運用状況について、内部監査を実施する。
・法令上疑義のある行為その他のコンプライアンスに関する社内通報体制として、企業行動監理室及び社外委託先を窓口とする企業倫理通報制度を整備する。
b 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
・取締役会、経営会議等の議事録、並びに稟議書、報告書その他取締役の職務執行に係る重要な書類については、「文書取扱規則」及び「情報セキュリティ規程」に基づき適切に保存及び管理する。
c 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・当社グループのリスク管理体制を整備するために、リスク管理に係る規程を定める。
・社長を委員長とする「コンプライアンス・リスク管理委員会」を設置し、リスク管理に関する体制、方針の決定、及び各部署のリスク管理体制についての評価、指導を行う。
・支店・事業部門及び本社の各部署にリスク管理責任者を配置し、各部署において自律的なリスク管理を行う。
・重要な投融資等に関わるリスクについては、専門委員会において、リスクの把握と対策の審議を行う。
・不測の事態が発生した場合には、社長を本部長とする「危機対策本部」を設置し、損害の拡大を防止しこれを最小限に止める体制を整える。
・業務執行部門から独立した内部監査部門である監査部が、リスク管理体制の構築・運用状況について、内部監査を実施する。
d 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するために、取締役会を毎月1回開催するほか、必要に応じて適宜臨時に開催する。
・取締役会から委嘱された業務執行のうち重要事項については、社長を議長とし毎週1回開催される経営会議において議論を行い、その審議を経て執行決定を行う。
・経営の健全性と効率性を高めるために「執行役員制度」を導入し、各執行役員の責任範囲を明確にする。
・当社及びグループ会社の目標値を年度目標として策定し、それに基づく業績管理を行い、毎月1回開催される「特別役員会議」において、達成状況の報告、評価を行う。
e 当社及びその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
・グループ会社における業務の適正を確保するため、グループ会社全てに適用する行動指針として「鹿島グループ企業行動規範」を定めるほか、グループ各社でコンプライアンス・マニュアルの策定、企業倫理通報制度の整備、研修の実施等、当社に準じたコンプライアンス体制を構築、運用する。
・経営管理については、「グループ事業推進規程」に従い、グループ会社における重要事項の決定に関して当社への事前協議・報告を求めるほか、必要に応じ、当社の役員又は従業員をグループ会社の取締役又は監査役として派遣し、適切な監督・監査を行う。
・グループ会社は、「グループ事業推進規程」に従い、業績、財務状況その他重要な事項について、当社に都度報告する。
・当社グループのリスク管理に係る規程を定めるほか、グループ会社に対しては「グループ事業推進規程」に基づき、当社のリスク管理体制に準じた自律的なリスク管理体制を構築、運用させるとともに、適切な報告を求める。
・グループ会社は、当社からの要求内容が、法令上の疑義その他コンプライアンス上問題があると認めた場合にはグループ事業推進部(若しくは海外事業本部)に報告するほか、その従業員等は企業倫理通報制度により自社又は当社の窓口に通報することができる。
・監査部は必要に応じてグループ会社を監査する。
f 監査役の職務を補助すべき使用人に関する体制と当該使用人の取締役からの独立性に関する事項並びに監査役の当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
・監査役の職務を補助すべき組織として監査役室を設置し、所属する監査役補助者は監査役の指示に従いその職務を行う。
・監査役室に所属する監査役補助者の人事異動、評価については、監査役と事前に協議する。
・監査役補助者は業務の執行に係る役職を兼務しない。
g 当社の取締役及び使用人、並びにグループ会社の取締役、監査役及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制並びに監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制等
・当社の取締役及び使用人、並びにグループ会社の取締役、監査役及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者は、当社及びグループ会社の業務又は業績に影響を与える重要な事項について、監査役に都度報告する。前記に関わらず、監査役はいつでも必要に応じて、当社の取締役及び使用人並びにグループ会社の取締役、監査役及び使用人に対して報告を求めることができる。
・当社は、前項の監査役への報告を行った者に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行うことを禁止し、その旨を当社及びグループ会社の取締役、監査役及び使用人に周知徹底する。
・監査役は経営会議等の重要会議に出席することができる。
・監査役の職務執行について生じる費用又は債務は、請求のあった後、速やかに処理する。
・監査役の職務執行のための環境整備に努める。
h 財務報告に係る内部統制の整備、運用及び評価のための体制
・当社グループにおける財務報告に係る内部統制を適正に整備、運用及び評価するために、「内部統制評価規程」を制定するほか、内部統制の有効性を評価、審議する機関として「財務報告に係る内部統制評価委員会」を設置する。
責任限定契約の内容の概要
当社は、全ての社外取締役及び社外監査役との間で、会社法第427条第1項及び定款の規定に基づく会社法第423条第1項の賠償責任について、その職務を行うに当たり善意でかつ重大な過失がないときは、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする旨の契約を締結している。
補償契約の内容の概要
当社は、全ての取締役及び監査役との間で、会社法第430条の2第1項の規定に基づく補償契約を締結し、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしている。
役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、会社法第430条の3第1項の規定に基づく役員等賠償責任保険契約を締結し、当該保険により被保険者が負担することになる、被保険者が会社の役員としての業務につき行った行為に起因して、保険期間中に被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより被保険者が被る法律上の損害賠償金や争訟費用等を填補することとしている。ただし、被保険者が法令に違反することを認識しながら行った行為に起因する損害賠償は補填されない等、一定の免責事項がある。
当該役員等賠償責任保険契約の被保険者は、当社及び当社子会社の取締役、監査役及び執行役員であり、全ての被保険者について、その保険料を全額当社が負担している。
取締役の定数
当社の取締役は13名以内とする旨を定款で定めている。
取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めている。また、累積投票による取締役の選任については、累積投票によらないものとする旨を定款に定めている。
株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとした事項
・自己株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、経済情勢の変化に対応して財務政策等の経営諸施策を機動的に遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款で定めている。
・中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を目的として、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款で定めている。
株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めている。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものである。
建設的な対話の促進に向けた情報開示の取組み
経営企画部「コーポレート・コミュニケーショングループ」を専任部署として、積極的なIR・広報活動等による適時・適切な会社情報の開示等に努めている。
④ 取締役会等の活動状況
取締役会
当事業年度において取締役会を14回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりである。
※風間優は、2023年6月就任後に開催の取締役会11回の全てに出席。
飯島彰己は、2023年6月就任後に開催の取締役会11回のうち10回に出席。
寺脇一峰は、2023年6月就任後に開催の取締役会11回の全てに出席。
2023年6月に退任した取締役の出席状況については次のとおりである。
具体的な検討事項は、経営方針、ガバナンス、決算・財務関係、人事関係、個別案件などについてである。
人事委員会
当事業年度において人事委員会を2回開催しており、個々の構成員の出席状況については次のとおりである。
具体的な協議事項は、取締役・経営幹部等の人事、後継者計画、取締役会のスキルマトリックス、人事委員会及びガバナンス・報酬委員会の構成員などについてである。
ガバナンス・報酬委員会
当事業年度においてガバナンス・報酬委員会を4回開催しており、個々の構成員の出席状況については次のとおりである。
※飯島彰己は、2023年6月就任後に開催のガバナンス・報酬委員会3回の全てに出席。
武石惠美子は、2023年6月就任後に開催のガバナンス・報酬委員会3回の全てに出席。
2023年6月に退任した構成員の出席状況については次のとおりである。
具体的な協議事項は、役員賞与支給額・月例報酬額、役員報酬制度の見直し、働き方改革の現況などについてである。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性14名 女性3名 (役員のうち女性の比率17.6%)
(注) 1 取締役 齋藤 聖美、鈴木 庸一、斎藤 保、飯島 彰己及び寺脇 一峰は社外取締役である。
2 監査役 中川 雅博、武石 惠美子及び中森 真紀子は社外監査役である。
3 上記所有株式数には、役員持株会名義の実質所有株式数が含まれている。なお、2024年6月分の持株会による取得株式数については、有価証券報告書提出日現在確認ができないため、2024年5月24日現在の実質所有株式数を記載している。
4 当社は、業務執行の一層の迅速化・効率化を図るため、執行役員制度を導入している。執行役員の状況は以下のとおりである。
(※印は取締役兼務者)
② 社外役員の状況
社外取締役は、齋藤聖美、鈴木庸一、斎藤保、飯島彰己及び寺脇一峰の5名である。
社外取締役の齋藤聖美は、ジェイ・ボンド東短証券株式会社の代表取締役であり、かどや製油株式会社の社外取締役であるが、いずれについても、社外取締役の独立性に影響を及ぼすような利害関係はない。
社外取締役の鈴木庸一と当社との間に社外取締役の独立性に影響を及ぼすような利害関係はない。
社外取締役の斎藤保は、株式会社IHI代表取締役社長及び代表取締役会長等を歴任し、現在、同社の特別顧問である。株式会社IHIは、当社の取引先であるが、直近事業年度におけるその取引額は、双方の連結売上高の1%未満である。また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の理事長である。当社は同機構から業務委託費や研究開発の助成金等を受領しているが、直近事業年度におけるその金額は当社連結売上高の1%未満である。従って、社外取締役としての独立性は確保されているものと判断している。また、沖電気工業株式会社及び古河電気工業株式会社の社外取締役であるが、いずれについても、社外取締役の独立性に影響を及ぼすような利害関係はない。
社外取締役の飯島彰己は、三井物産株式会社代表取締役社長及び代表取締役会長等を歴任し、現在、同社の顧問である。三井物産株式会社は、当社の取引先であるが、直近事業年度におけるその取引額は、双方の連結売上高の1%未満であり、社外取締役としての独立性は確保されているものと判断している。また、ソフトバンクグループ株式会社及び武田薬品工業株式会社の社外取締役であり、日本銀行の参与であるが、いずれについても、社外取締役の独立性に影響を及ぼすような利害関係はない。
社外取締役の寺脇一峰は、芝浦機械株式会社の社外取締役であり、キユーピー株式会社の社外監査役であるが、いずれについても、社外取締役の独立性に影響を及ぼすような利害関係はない。
なお、齋藤聖美、鈴木庸一、斎藤保、飯島彰己及び寺脇一峰は「①役員一覧」に記載のとおり当社株式を保有しているが、社外取締役と当社の間には、これ以外に取引等の利害関係はない。
社外取締役を選任する目的は、独立した立場から重要な意思決定に関する助言を得ること並びに経営の監督を強化すること等である。
社外監査役は、中川雅博、武石惠美子及び中森真紀子の3名である。
社外監査役の中川雅博は、2013年9月まで株式会社三井住友銀行の業務執行者であった。株式会社三井住友銀行は、当社の主要な取引銀行の一行であるが、当社及び当社の連結子会社の直近事業年度末時点における同行からの借入残高は連結総資産の5%未満である。同行は当社の取引先であるが、直近事業年度におけるその取引額は当社連結売上高の1%未満である。また、2018年4月まで株式会社SMBC信託銀行の業務執行者であった。同行は当社の取引先であるが、直近事業年度におけるその取引額は当社連結売上高の1%未満である。従って、社外監査役としての独立性は確保されているものと判断している。
社外監査役の武石惠美子は、法政大学キャリアデザイン学部教授であり、東京海上日動火災保険株式会社及び日本たばこ産業株式会社の社外監査役であるが、いずれについても、社外監査役の独立性に影響を及ぼすような利害関係はない。
社外監査役の中森真紀子は、中森公認会計士事務所の代表であり、伊藤忠商事株式会社の社外取締役、株式会社LIFULLの社外監査役並びに独立行政法人国民生活センターの監事であるが、いずれについても、社外監査役の独立性に影響を及ぼすような利害関係はない。
なお、中川雅博及び武石惠美子は「①役員一覧」に記載のとおり当社株式を保有しているが、社外監査役と当社の間には、これ以外に取引等の利害関係はない。
社外監査役を選任する目的は、社外監査役が取締役会をはじめとする重要会議に出席し、自らの専門分野から第三者的視点に基づき意見を述べることにより、経営監視機能の客観性、中立性を確保すること等である。
社外役員の選任においては、金融商品取引所の定める独立性に関する判断基準に従って個々の独立性を判断する方針としている。
社外役員を含めた取締役、監査役の選任状況は適正と考えている。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会において、豊富な経験と高い識見に基づき独立した立場から意見・提言を行い、適切な監督を行っている。
社外監査役は、監査役会における各監査役からの監査報告、会計監査人及び内部監査部門との連携のもと、取締役会をはじめとする重要会議への出席等を通じて、取締役の職務執行について監査を実施している。
また、社外取締役と社外監査役は、「コンプライアンス・リスク管理委員会」、「財務報告に係る内部統制評価委員会」からの報告を受け、監督又は監査の有効性の向上に努めている。
加えて、社外取締役と社外監査役は、「ガバナンス・報酬委員会」等において意見交換を行い、相互連携を図っている。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
監査役会は、監査の方針、職務の分担等を定め、各監査役から監査の実施状況及び結果について報告を受けるほか、取締役等及び会計監査人からその職務の執行状況について報告と説明を受けている。
各監査役は、監査役会が定めた監査基準に準拠し、職務の分担に応じて、取締役会その他重要な会議への出席、重要な決裁書類等の閲覧、本社各部署・支店及び国内外の主要なグループ会社からの業務現況報告聴取等の方法により、監査を実施している。
当事業年度において監査役会を15回開催しており、個々の監査役の出席状況については次のとおりである。
※武石惠美子は、2023年6月就任後に開催の監査役会11回の全てに出席。
2023年6月に退任した監査役の出席状況については次のとおりである。
監査役会における主な検討事項は、「鹿島グループ企業行動規範」並びに中期経営計画等を踏まえた取締役の業務執行状況及び会社の財産の状況等、法令・定款等の遵守並びに損失の危険に対する管理体制の構築・運用状況、当社グループにおける業務の適正を確保するための体制の整備・運用状況等である。
各監査役は、取締役、内部監査部門その他と意思疎通を図り、監査を実施している。
常勤監査役は、常勤者としての特性を踏まえ、監査の環境の整備及び社内の情報の収集に積極的に努め、かつ、内部統制システムの構築、運用の状況を日常的に監視し検証している。具体的には、重要な会議への出席、重要な決裁書類等の閲覧、本社各部署・支店及び国内外の主要なグループ会社からの業務現況報告聴取等を実施し、監査結果を監査役会において報告している。また、定例的に常勤監査役会を開催し、相互に情報交換と意思疎通を図っている。
非常勤監査役は、取締役会に出席するほか、主に常勤監査役の日常監査の報告に基づき監査を行っている。
内部監査部門である監査部と、四半期毎及び必要に応じて連携機会を持ち、監査結果の報告を受けるほか、情報の共有を図っており、会計監査人とも、四半期毎及び必要に応じて連携機会を持ち、監査実施状況並びに監査品質の確保及び管理体制の整備状況等について報告と説明を受けている。
監査役及び監査役会は、直属の監査役補助者で構成する監査役室(当報告書の提出日現在従業員5名)を活用している。
社外監査役であり常勤監査役の中川雅博は株式会社三井住友銀行の執行役員並びに株式会社SMBC信託銀行の代表取締役社長等を、常勤監査役の鈴木一史は当社の経営企画部管理グループ長、関連事業部長をそれぞれ歴任しており、財務及び会計に関する相当程度の知見を有している。また、社外監査役の中森真紀子は公認会計士の資格を有しており、財務及び会計に関する専門的知見を有している。
② 内部監査の状況
内部監査部門として監査部(当報告書の提出日現在従業員11名)を設置し、業務執行部門とは独立した立場から、会計及び業務活動に関する適正性、財務報告に係る内部統制の整備・運用状況、並びにリスク管理体制の構築・運用状況等につき、グループ会社を含めて監査を実施している。また、その活動状況を取締役会及び監査役会に直接報告している。
監査部は、監査役と四半期毎あるいは随時の情報交換や相互の監査結果の報告などによって、課題の共有を図っており、監査の効率性と実効性を高めるため、必要により監査日程等の調整を行っている。
会計監査人とは、監査部の体制、監査の概要、監査結果並びにその対応状況等を定期的に報告・協議し、課題の共有を図っている。
この他、財務報告に係る内部統制評価委員会、コンプライアンス・リスク管理委員会等への出席などを通じ、監査の有効性と効率性の向上に努めている。
③ 会計監査の状況
a 監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
b 継続監査期間
1959年12月以降
c 業務を執行した公認会計士
指定有限責任社員 業務執行社員:丸 地 肖 幸
大 村 広 樹
d 監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 7名、その他 25名
e 監査法人の選定方針と理由、並びに監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社の会計監査人を選定するに当たって、監査役会が当社及び当社グループの規模、事業展開に対し、必要かつ十分な監査体制と監査品質を確保できるか否かの観点から、監査法人の概要と欠格事由の有無、当社監査に向けた具体的な監査体制、監査法人における会計監査人の独立性に関する事項その他職務の遂行に関する事項(会社計算規則第131条)の整備状況、監査法人の内部管理体制、監査報酬等の内容と水準について、財務部門等から情報の提供を受け、意見交換を行い、また当該候補者(監査法人)から説明を受けた上で、総合的に判断することとしている。
監査法人の評価については、監査役会は、「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」を「会計監査人が会社法第340条第1項に定める解任事由に該当すると判断した場合、また、会計監査人の職務の遂行に関する事項の整備状況等を勘案して相当であると判断した場合に、解任又は不再任を決定する」としており、会社法に基づき、会計監査人の再任の適否について、毎期判断するに当たり、この方針に照らし、法定解任事由及び欠格事由の有無、当期の監査実績、次期当社監査に向けた具体的な監査体制、監査法人における会計監査人の独立性に関する事項その他職務の遂行に関する事項(会社計算規則第131条)の整備状況、監査法人の内部管理体制、監査報酬等の内容と水準について、財務部門等の意見も徴し、評価を行っている。
監査役会は、直近事業年度における会計監査人の監査体制と監査品質等について「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」等に照らして総合的に評価を行い、その結果、監査法人の再任は妥当であると判断している。
④ 監査報酬の内容等
a 監査公認会計士等に対する報酬
前連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、コンフォートレター作成業務等である。また、連結子会社における非監査業務の内容は、当社連結財務諸表監査の一環として行うレビュー業務等である。
当連結会計年度
当社は、非監査業務を委託していない。また、連結子会社における非監査業務の内容は、当社連結財務諸表監査の一環として行うレビュー業務である。
b 監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイト トウシュ トーマツのメンバーファーム)に対する報酬
(aを除く)
前連結会計年度
当社及び連結子会社における非監査業務の内容は、税務関連業務等である。
当連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、税務関連業務である。また、連結子会社における非監査業務の内容は、デューデリジェンス業務等である。
c その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項なし。
d 監査報酬の決定方針
該当事項なし。
e 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、職務遂行状況並びに当該期の報酬見積の相当性を確認、検討した結果、会計監査人の報酬等の額に同意している。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
取締役
当社は取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針(以下、決定方針)を取締役会の決議により定めており、当事業年度における決定方針の概要は下記のとおりである。
基本的な考え方
a 報酬制度
ただし、社外取締役には、月例報酬のみを支給する。
(ⅰ)月例報酬の合計額は、月額6,000万円以内とする。(2005年6月29日第108期定時株主総会にて決議、決議時における取締役の員数は14名)
(ⅱ)月例報酬は、役位に応じた額とする。
(ⅲ)新しく取締役に就任すること又は取締役を退任することに伴う月例報酬額の改定は、株主総会による選任日の翌月からとする。
(ⅳ)役位が昇進した取締役の月例報酬額は、原則として役位昇進日をもって改定する。
(ⅰ)賞与の合計額は、年額5億円以内とする。(2023年6月28日第126期定時株主総会にて決議、決議時における社外取締役を除く取締役の員数は7名)
(ⅱ)賞与は、事業年度(4月1日~3月31日)を対象に、3月末時点の役位に応じ、取締役会の決議を経て6月末に一括支給する。
(ⅲ)賞与は、原則、役位ごとに定めた賞与基準額に、「当年度の親会社株主に帰属する当期純利益の実績」、「安全成績(度数率、強度率)」及び「社員の健康度(ストレスチェック)」に基づく3つの支給率を8:1:1の評価ウエイトに基づいて計算した評価係数を乗じて算定する。各支給率は200%を上限とし、一定の基準を下回った場合は0%とする。具体的には、下図に示すとおりとする。
<算定式>
賞与額 = 賞与基準額 × 評価係数※
※「当年度の親会社株主に帰属する当期純利益の実績」に基づく支給率×80%+「安全成績(度数率、強度率)」に基づく支給率×10%+「社員の健康度(ストレスチェック)」に基づく支給率×10%


業績連動報酬としての賞与に係る指標として本評価係数を選択した理由は、連結業績に加え、サステナビリティへの対応の重要性を踏まえ「安全成績」と「社員の健康度」の2つの要素を加味したものである。
(ⅳ)会社として重大なコンプライアンス違反があった場合など、上記計算式どおりの支給に疑義が生じるときは、社長は減額等に関する提案を行うことができる。
(ⅴ)事業年度の途中で新たに選任された場合又は退任した場合は、原則として期間中の在任が9か月以上の場合は算定額の満額を、在任が6か月以上9か月未満の場合は算定額の半額を支給し、在任が6か月未満の場合は支給しない。
(ⅰ)株式報酬の合計額は、年額3億円以内とする。(2023年6月28日第126期定時株主総会にて決議、決議時における社外取締役を除く取締役の員数は7名)
(ⅱ)株式報酬は、役位固定部分と業績連動部分で構成する。(基準額の場合における比率は1:1)
(ⅲ)役位固定部分は、役位に応じた額とする。
(ⅳ)業績連動部分は、事業年度(4月1日~3月31日)を対象に、3月末時点の役位に応じて算定する。役位ごとに定めた株式報酬基準額に、「直近3か年の親会社株主に帰属する当期純利益の実績の平均」に基づいて計算した支給率を評価係数として乗じて算定する。支給率は200%を上限とし、一定の基準を下回った場合は0%とする。具体的には、下図に示すとおりとする。
<算定式>
株式報酬額(業績連動部分) = 株式報酬基準額 × 評価係数※
※「直近3か年(当年度を含む)の親会社株主に帰属する当期純利益の実績の平均」に基づく支給率

株式報酬の業績連動部分に係る指標として本評価係数を選択した理由は、中期的な視点に基づく経営のインセンティブとするためである。
(ⅴ)役位固定部分と業績連動部分を合わせて、原則として7~8月に譲渡制限付株式を一括付与する。
(ⅵ)譲渡制限期間は譲渡制限付株式の交付日から当社の取締役及び執行役員のいずれの地位からも退任する日までの期間とする。
(ⅶ)各事業年度において割り当てる譲渡制限付株式の総数は60万株を上限とする。
b 役位ごとに定めた月例報酬額、賞与基準額及び株式報酬基準額は、原則として3年毎に見直すものとする。ただし、その間の経済社会環境の変化等から必要となった場合は、都度、金額を改定する。
監査役
監査役には、固定報酬としての月例報酬を支給する。各監査役の月例報酬額は、勤務の態様等を勘案のうえ、監査役の協議により定める。
月例報酬の合計額は、月額1,500万円以内とする。(1994年6月29日第97期定時株主総会にて決議、決議時における監査役の員数は5名)
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)1 上記業績連動報酬(賞与)の額は、当事業年度において費用計上した、取締役8名に対する役員賞与を記載している。
2 上記株式報酬の額は、当事業年度において費用計上した、2023年の改定前の制度に基づく取締役6名に対する株式報酬及び改定後の制度に基づく取締役6名に対する株式報酬(役位固定部分と業績連動部分)、並びに海外居住となる取締役1名に対する金銭による代替報酬を記載している。
当事業年度における業績連動報酬(賞与)、株式報酬の業績連動部分については、「ガバナンス・報酬委員会」において協議を行い、その助言・提言を踏まえ、役位ごとに定めた賞与基準額に乗じる評価係数を138.9%、株式報酬基準額に乗じる評価係数を137.0%として支給することについて、取締役会で審議、決定した。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の実績に連動する算定式としているため、評価係数の目標は定めていない。
当事業年度における取締役の個人別の報酬等の内容の決定に当たっては、社外取締役及び社外監査役を構成員とする「ガバナンス・報酬委員会」において、決定方針との整合性を含めて協議を行い、取締役会は、その助言・提言を踏まえ審議、決定している。従って、取締役会は、取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると判断している。
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等(連結報酬等の総額が1億円以上である者)
(注) 上記には、当事業年度において費用計上した金額を記載している。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、純投資目的株式は専ら株式の価値の変動又は配当によって利益を受けることを目的とする株式とし、純投資目的以外の株式は発行会社との取引関係の維持・強化等を通じて当社の企業価値向上に資すると判断し保有する株式として区分している。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社では発行会社との取引関係の維持・強化等を通じて当社の企業価値向上に資すると判断される場合にのみ政策的に保有している。
上場株式については毎年度、保有している全銘柄につき、受注高・工事利益・配当利回り等の経済的便益と株式の時価との対照等により、資本コストに見合うものか、保有規模が適正か、などを定量的・定性的に検証している。2023年度においては、2023年7月11日開催の取締役会において審議し、19銘柄を売却するという方針を決定、その後、期中に追加で売却した銘柄を含め、22銘柄の売却を実施した。
非上場株式についても上場株式の検証方法に準じて、財務担当取締役の管理下にて経済的便益との対照等を検証し、保有の適否を随時判断している。技術開発や新ビジネスの探索・創出等を目的とした株式については個別の保有意義を検証し、保有の適否を判断している。
前中期経営計画(2021~2023)に掲げた縮減目標(300億円以上売却)に対する3年間の累計売却実績は、目標を上回る533億円となった。
2024年5月14日公表の「鹿島グループ中期経営計画(2024~2026)-中核をさらに強化し、未来を開拓する-」においては、政策保有株式を、『2026年度末までに連結純資産の20%未満』とすることを目標に、計画期間内に500億円以上を売却し、目標到達後も継続的に縮減する方針としている。
b 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 当社の株式の保有の有無については、銘柄が持株会社の場合はその主要な子会社の保有分(実質所有株式数)を勘案し記載している。
2「*」は、当該銘柄の貸借対照表計上額が当社の資本金額の100分の1以下であり、かつ貸借対照表計上額の大きい順の60銘柄に該当しないために記載を省略していることを示している。
3「-」は、当該銘柄を保有していないことを示している。
みなし保有株式
該当事項なし。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項なし。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に準拠して作成し、「建設業法施行規則」(昭和24年建設省令第14号)に準じて記載している。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)第2条の規定に基づき、同規則及び「建設業法施行規則」(昭和24年建設省令第14号)により作成している。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツによる監査を受けている。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っている。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、又は会計基準の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、各種セミナーに参加している。
また、当社は、一般社団法人日本建設業連合会の会員であり、会計・税制委員会の活動を通じて、建設業会計における企業会計諸制度の変更に対応している。
1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1 連結の範囲に関する事項
(1) 連結子会社数173社
主要な連結子会社名
「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおり。
なお、当連結会計年度から、カジマ ユー エス エー インコーポレーテッドの連結子会社2社、カジマ ヨーロッパ リミテッドの連結子会社1社、カジマ アジア パシフィック ホールディングス ピー ティー イー リミテッドの連結子会社1社及びカジマ オーストラリア ピー ティー ワイ リミテッドの連結子会社2社について、株式又は持分の取得により子会社となったため、新たに連結の範囲に含めることとした。また、持分の追加取得により関連会社から子会社となったカジマ ヨーロッパ リミテッドの連結子会社1社及びその子会社12社について、新たに連結の範囲に含めることとした。鹿島建設(中国)有限公司について、重要性が増したことにより持分法適用の範囲から除外し、新たに連結の範囲に含めることとした。
OK大宮開発合同会社を営業者とする匿名組合について、匿名組合契約が終了したため、連結の範囲から除外した。
(2) 主要な非連結子会社名
㈱アルテス、日本海上工事㈱、㈱鹿島出版会
非連結子会社は、いずれも小規模会社であり、合計の総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等は、いずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないため、連結の範囲から除外している。
(3) 開示対象特別目的会社
開示対象特別目的会社の概要、開示対象特別目的会社を利用した取引の概要及び開示対象特別目的会社との取引金額等については、「開示対象特別目的会社関係」として記載している。
2 持分法の適用に関する事項
(1) すべての非連結子会社(33社)及び関連会社(107社)に対する投資について、持分法を適用している。
主要な非連結子会社名
「1 連結の範囲に関する事項 (2)主要な非連結子会社名」に記載のとおり。
主要な関連会社名
「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおり。
なお、当連結会計年度から、株式又は持分の取得により関連会社となった4社及び重要性が増した関連会社2社について、新たに持分法を適用している。また、清算した関連会社5社、持分を売却した関連会社1社、持分の追加取得により関連会社から子会社となった1社及び重要性が増したことにより連結の範囲に含めることとした子会社1社について、持分法適用の範囲から除外した。
(2) その他
持分法適用会社の投資差額(負の投資差額を除く)については、その効果の及ぶ期間にわたって、均等償却を行っている。
3 連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社のうちイートンリアルエステート㈱、カジマ ユー エス エー インコーポレーテッド、カジマ ヨーロッパ リミテッド、カジマ アジア パシフィック ホールディングス ピー ティー イー リミテッド及びカジマ オーストラリア ピー ティー ワイ リミテッド他156社の決算日は12月31日である。連結財務諸表の作成にあたっては、同決算日現在の財務諸表を使用している。ただし、同決算日から連結決算日3月31日までの期間に発生した重要な取引については、連結上必要な調整を行っている。上記以外の連結子会社の事業年度は連結財務諸表提出会社と同一である。
4 会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
① 有価証券
③ 棚卸資産
ただし、一部の在外連結子会社は、所在地国の会計基準に従い、販売用不動産、未成工事支出金及び開発事業支出金について個別法による低価法を適用している。
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
① 有形固定資産(リース資産及び使用権資産を除く)
国内連結会社は、主として定率法によっている。ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法によっている。なお、耐用年数及び残存価額については、法人税法に規定する方法と同一の基準によっている。
在外連結子会社は、主として見積耐用年数に基づく定額法によっている。
② 無形固定資産(リース資産及び使用権資産を除く)
定額法によっている。
なお、国内連結会社は、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法によっている。
③ リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっている。
④ 使用権資産
リース期間又は当該資産の耐用年数のうち、いずれか短い方の期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっている。
(3) 重要な引当金の計上基準
① 貸倒引当金
国内連結会社は、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上している。
在外連結子会社は、貸倒見積額を計上している。
② 完成工事補償引当金
完成工事に係る瑕疵担保等の費用に備えるため、当連結会計年度の完成工事高に対し、前2連結会計年度の実績率を基礎に将来の支出見込を勘案して計上している。
③ 工事損失引当金
受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における未引渡工事の損失見込額を計上している。
④ 役員賞与引当金
一部の国内連結子会社は、取締役の賞与の支出に備えるため、当連結会計年度における支給見込額を計上している。
⑤ 株式給付引当金
当社が定める役員向け株式交付規程及び従業員向け株式交付規程に基づく当社株式の交付に備えるため、当連結会計年度末における役員及び従業員に付与したポイント数に相当する当社株式の交付見込額を計上している。
(4) 退職給付に係る会計処理の方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっている。
数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理又は費用の減額処理をすることとしている。
一部の在外連結子会社については、所在地国の会計基準に従い、当連結会計年度末における見込額に基づき、退職給付債務の額を計上している。
(5) 重要な収益及び費用の計上基準
当社及び連結子会社の主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりである。
① 建設事業
土木建築及び機器装置その他建設工事全般について、工事請負契約等を締結の上、施工等を行っており、完成した建設物等を顧客に引き渡す履行義務を負っている。
当該契約について、約束した財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、当該財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法を採用しており、履行義務の充足に係る進捗度の測定は、主として各期末までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合に基づいて行っている。
② 開発事業等
不動産開発全般及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般について、不動産売買契約・業務委託契約等を締結の上、業務等を行っており、役務の提供又は物件・成果品の顧客への引渡し等の履行義務を負っている。
当該契約について、約束した財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、当該財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法を採用しており、それ以外の場合には、一時点で充足される履行義務であると判断し、物件・成果品の引渡し時点において収益を認識している。一定の期間にわたり収益を認識する方法を採用している場合の履行義務の充足に係る進捗度の測定は、主として各期末までに発生した原価が、予想される原価の合計に占める割合に基づいて行っている。
なお、建設事業及び開発事業等において、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い契約については代替的な取扱いを適用し、一定の期間にわたり収益を認識せず、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識している。
(6) 重要なヘッジ会計の方法
① ヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジ処理によっている。
なお、為替予約及び通貨スワップについては振当処理の要件を満たしている場合は振当処理に、金利スワップについては特例処理の要件を満たしている場合は特例処理によっている。
② ヘッジ手段とヘッジ対象
③ ヘッジ方針
主として当社の内部規程である「デリバティブ取引の取扱基準」及び「リスク管理要領書」に基づき、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジしている。
④ ヘッジ有効性評価の方法
為替予約及び通貨スワップについては、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致していることを事前テストで確認し、また四半期毎に当該条件に変更がないことを事後テストで確認している。
なお、外貨建予定取引については、過去の取引実績等を総合的に勘案し、取引の実行可能性が極めて高いことを事前テスト及び事後テストで確認している。
金利スワップについては、事前テスト及び事後テストにより、ヘッジ対象とヘッジ手段の過去の変動累計(おおむね5年間程度)を比率分析によって評価し、ヘッジ有効性を確認している。
ただし、ヘッジ手段とヘッジ対象に関する重要な条件が同一であり、ヘッジ開始時及びその後も継続して相場変動又はキャッシュ・フロー変動を完全に相殺するものと想定することができる場合には、有効性の判定は省略している。
⑤ その他
信用リスク極小化のため、デリバティブ取引の契約先はいずれも信用力の高い国内外の金融機関に限定している。
(7) のれんの償却方法及び償却期間
効果の及ぶ期間にわたって、均等償却を行っている。
(8) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
手許現金、随時引出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資からなる。
(9) その他連結財務諸表作成のための重要な事項
① 繰延資産の処理方法
社債発行費は、支出時に全額費用として処理している。
② 支払利息の資産の取得原価への算入に関する注記
支払利息は期間費用として処理している。
ただし、在外連結子会社は、所在地国の会計基準に従い、不動産開発事業等に要した資金に対する支払利息を開発事業支出金の取得原価に算入している。
なお、前連結会計年度における算入額は3,449百万円であり、当連結会計年度における算入額は8,262百万円である。
③ 消費税及び地方消費税に相当する額の会計処理
税抜方式によっている。
④ グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用している。
⑤ 関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続
当社及び一部の国内連結子会社は、複数の企業が一つの建設工事等を受注・施工することを目的に組成する共同企業体(ジョイントベンチャー)については、個別の組織体として認識せず、共同企業体に対する出資割合に応じて自社の会計に取り込む方法により完成工事高及び完成工事原価を計上している。
(重要な会計上の見積り)
約束した財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法(以下、いわゆる「工事進行基準」という。)に係る工事収益総額、工事原価の合計及び進捗度の見積り
1 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
2 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
工事進行基準による完成工事高については、主として予想される工事原価の合計を基礎として当連結会計年度末までに発生した工事原価に応じた進捗度に、予想される工事収益総額を乗じて算定している。
予想される工事収益総額及び工事原価の合計の見積りについては、工事着工段階において実行予算を編成し、着工後の各期末においては工事の現況を踏まえて見直しを実施するとともに、進捗度については、主として各期末までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合に基づいて見積もっている。
当該見積りは、今後の工事の進捗に伴い、施工中の工法変更や施工範囲の変更等に伴う設計変更・追加契約の締結、資材・外注費等に係る市況の変動及び条件変更に伴う外注費の変動等によって影響を受ける可能性があり、翌連結会計年度の連結財務諸表において、完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の金額に重要な影響を及ぼす可能性がある。
(表示方法の変更)
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
「無形固定資産の売却による収入」については、前連結会計年度において区分掲記していたが、金額的重要性が乏しくなったため、当連結会計年度から投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「無形固定資産の売却による収入」に表示していた1,702百万円は、投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」△6,480百万円に含めて組み替えている。
(追加情報)
(役員向け株式交付信託)
1 取引の概要
当社は、当連結会計年度から、当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員(以下総称して「取締役等」という。)に対し、信託を用いた業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入している。
本制度は、取締役等の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性を一層明確にし、取締役等が株価の変動による利益・リスクを株主と共有することにより中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的としている。
本制度においては、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(以下「本信託」という。)が当社の普通株式(以下「当社株式」という。)を取得し、当社が定める株式交付規程に基づき当該取締役等に付与するポイント数に相当する当社株式を、本信託を通じて各取締役等に対して交付する。
2 信託に残存する自社の株式
本信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により、純資産の部に自己株式として計上している。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、当連結会計年度末において1,656百万円及び756,000株である。
(従業員向け株式交付信託)
1 取引の概要
当社は、当連結会計年度から、一定の職務等級以上の従業員に対し、信託を用いた従業員向けインセンティブ・プラン(以下「本制度」という。)を導入している。
本制度は、幹部層従業員の経営参画意識と会社業績等に対するモチベーションのさらなる向上を目的としている。
本制度においては、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(以下「本信託」という。)が当社の普通株式(以下「当社株式」という。)を取得し、当社が定める株式交付規程に基づき当該従業員に付与するポイント数に相当する当社株式を、本信託を通じて各従業員に対して交付する。
2 信託に残存する自社の株式
本信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により、純資産の部に自己株式として計上している。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、当連結会計年度末において3,389百万円及び1,547,000株である。
(連結貸借対照表関係)
※1 このうち、顧客との契約から生じた債権及び契約資産の金額は、次のとおりである。
※2 有形固定資産の減価償却累計額
※3 当社及び国内連結子会社1社は、土地の再評価に関する法律(平成10年3月31日公布 法律第34号)に基づき、事業用土地の再評価を行い、再評価差額に係る税効果相当額を「再評価に係る繰延税金負債」として負債の部に、税効果相当額控除後の再評価差額を「土地再評価差額金」として純資産の部に計上している。
・再評価の方法
土地の再評価に関する法律施行令(平成10年3月31日公布 政令第119号)第2条第4号に定める地価税法(平成3年法律第69号)第16条に規定する地価税の課税価格の計算の基礎となる土地の価額を算定するために国税庁長官が定めて公表した方法により算定した価額に合理的な調整を行って算定する方法及び同条第5号に定める不動産鑑定士による鑑定評価によっている。
・再評価を行った年月日 2002年3月31日
※4 担保資産及び担保付債務
(1) 債務の担保に供している資産は、次のとおりである。
(2) 関連会社等の債務の担保に供している資産は、次のとおりである。
※5 このうち、有価証券消費貸借契約に基づく貸付は、次のとおりである。
※6 このうち、非連結子会社及び関連会社に対する金額は、次のとおりである。
※7 このうち、契約負債の金額は、次のとおりである。
8 偶発債務
下記の会社等の銀行借入金等について保証を行っている。
なお、再保証のある保証債務については、当社グループの負担額を記載している。
※9 損失の発生が見込まれる工事契約に係る棚卸資産は、これに対応する工事損失引当金と相殺せずに両建てで表示している。
工事損失引当金に対応する棚卸資産の額
※10 連結会計年度末日の満期手形等の会計処理については、手形交換日又は決済日をもって決済処理している。
なお、当連結会計年度の末日は金融機関の休日であったため、次の満期手形等が当連結会計年度末日の残高に含まれている。
11 当社は、緊急時における資金調達手段を確保するため、取引銀行の協調融資方式によるコミットメントライン契約を締結している。
連結会計年度末における契約極度額及び本契約に基づく借入未実行残高等は、次のとおりである。
※12 都市再開発法による第一種市街地再開発事業に伴う権利変換により、有形固定資産の取得価額から直接控除した圧縮記帳額は、次のとおりである。
(連結損益計算書関係)
※1 顧客との契約から生じる収益
完成工事高及び開発事業等売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載していない。顧客との契約から生じる収益の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載している。
※2 完成工事原価に含まれる工事損失引当金繰入額は、次のとおりである。
※3 期末棚卸高は収益性の低下に伴う簿価切下後の金額であり、次の棚卸資産評価損が売上原価に含まれている。
※4 このうち、主要な費目及び金額は、次のとおりである。
※5 一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費の総額は、次のとおりである。
※6 固定資産売却益の内訳は、次のとおりである。
※7 固定資産売却損の内訳は、次のとおりである。
※8 固定資産除却損の内訳は、次のとおりである。
※9 減損損失
当社グループは、以下の資産又は資産グループについて減損損失を計上している。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
減損損失を認識した事業用資産については、個別の物件毎にグルーピングしている。
事業用資産の不動産価格の下落等により、上記資産又は資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失(336百万円)として特別損失に計上している。その内訳は、建物及び構築物108百万円、機械、運搬具及び工具器具備品94百万円、土地99百万円、その他33百万円である。
なお、当該資産又は資産グループの回収可能価額は正味売却価額により測定しており、正味売却価額は、主として不動産鑑定評価基準に基づく評価額から処分費用見込額を差引いて算定している。
※10 段階取得に係る差益
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
カジマ ヨーロッパ リミテッド傘下の持分法適用関連会社の持分を追加取得し、連結子会社としたことによるものである。
(連結包括利益計算書関係)
※1 その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注)1 自己株式(普通株式)の増加6,566千株は、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加6,549千株及び単元未満株式の買取りによる増加16千株によるものである。
2 自己株式(普通株式)の減少212千株は、取締役会決議に基づく譲渡制限付株式報酬に係る自己株式の処分によるものである。
2 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注) 配当金の総額と連結株主資本等変動計算書における剰余金の配当の額との差異は、関連会社が保有する当社株式に対する配当のうち、持分相当額を控除していることによるものである。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注)1 自己株式(普通株式)の株式数には、役員及び従業員向け株式交付信託の信託財産として信託口が保有する当社株式(当連結会計年度期首は該当なし、当連結会計年度末2,303千株)を含めている。
2 自己株式(普通株式)の増加7,213千株は、取締役会決議に基づく自己株式の取得による増加4,904千株、役員及び従業員向け株式交付信託の信託財産として信託口が取得したことによる増加2,303千株及び単元未満株式の買取りによる増加6千株によるものである。
3 自己株式(普通株式)の減少2,303千株は、取締役会決議に基づく役員及び従業員向け株式交付信託の信託口に対する自己株式の処分によるものである。
2 配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注)1 配当金の総額と連結株主資本等変動計算書における剰余金の配当の額との差異は、関連会社が保有する当社株式に対する配当のうち、持分相当額を控除していることによるものである。
2 2023年11月13日開催の取締役会決議による配当金の総額には、役員及び従業員向け株式交付信託の信託財産として信託口が保有する当社株式に対する配当金80百万円を含めている。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注) 配当金の総額には、役員及び従業員向け株式交付信託の信託財産として信託口が保有する当社株式に対する配当金126百万円を含めている。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※1 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
※2 株式又は持分の取得により新たに連結子会社となった会社の資産及び負債の主な内訳
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
持分の取得により新たに連結子会社となったカジマ ヨーロッパ リミテッド傘下子会社の連結開始時の資産及び負債の内訳並びに当該持分の取得価額と取得による支出(純額)との関係は次のとおりである。
※3 役員及び従業員向け株式交付信託の設定に伴い、信託口が当社から当社株式を取得したことによる支出5,045百万円並びに当社が信託口に対し自己株式を処分したことによる収入5,045百万円を含めている。
(リース取引関係)
オペレーティング・リース取引
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
借主側
(百万円)
貸主側
(百万円)
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当社グループは、一時的な余剰資金が発生した場合などにおいて、預金等の安全性の高い金融資産に限定して運用しており、また、主に建設事業・開発事業等を行うための資金計画等に照らして、必要な資金を銀行借入や、コマーシャル・ペーパー及び社債発行により調達している。デリバティブ取引は、実需に伴う取引に限定して実施することを原則とし、投機的な取引は行わない方針である。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク並びにリスク管理体制
営業債権である受取手形・完成工事未収入金等は、顧客及び取引先の信用リスクに晒されている。当該リスクに関しては、与信管理を徹底し、主に工事等の入手前に顧客の信用調査を実施し、また入手後も、信用状況を適時に把握する体制をとっている。
営業債務である支払手形・工事未払金等は、1年以内の支払期日である。
有価証券及び投資有価証券は、市場価格の変動等のリスクに晒されているが、定期的に時価を把握する体制をとっている。
借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債は、主に建設事業・開発事業等に必要な資金の調達を目的としたものである。
デリバティブ取引は、通貨関連では、将来発生する外貨建資金需要及び回収に関して、将来の取引市場での為替相場の変動リスクを回避する目的で、為替予約取引及び通貨スワップ取引を行っている。また、金利関連では、金利変動リスクを回避する目的で、金利スワップ取引及びそれに関連した取引を行っている。デリバティブ取引の契約先はいずれも信用度の高い国内外の金融機関に限られており、取引の相手方の債務不履行による損失の発生は予想していない。なお、デリバティブ取引は主として、当社のデリバティブ取引の目的、範囲、取組方針、所管及び実行、リスク管理体制を明記した内部規程である「デリバティブ取引の取扱基準」及び「リスク管理要領書」に則って執行しており、当該基準に記載のない目的でデリバティブ取引を行っていない。なお、ヘッジ会計の方法については、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の「4 会計方針に関する事項 (6) 重要なヘッジ会計の方法」に記載している。
また、資金調達に係る流動性リスクに対応するため、コミットメントラインを設定し、リスクを管理している。
(3) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することがある。また、「デリバティブ取引関係」注記におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではない。
2 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりである。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(※1) 現金預金、支払手形・工事未払金等、短期借入金、コマーシャル・ペーパー及び未払法人税等については、現金であること及び短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略している。
(※2) 受取手形・完成工事未収入金等及び長期貸付金に対応する貸倒引当金をそれぞれ控除している。
(※3) 連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他これに準ずる事業体への出資は、「資産(2)有価証券及び投資有価証券」には含まれていない。当該出資の営業投資有価証券を含む連結貸借対照表計上額は9,204百万円である。
(※4) 市場価格のない株式等は、「資産(2)有価証券及び投資有価証券」には含まれていない。当該金融商品の営業投資有価証券を含む連結貸借対照表計上額は以下のとおりである。
(※5) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示している。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(※1) 現金預金、支払手形・工事未払金等、短期借入金、コマーシャル・ペーパー及び未払法人税等については、現金であること及び短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略している。
(※2) 受取手形・完成工事未収入金等及び長期貸付金に対応する貸倒引当金をそれぞれ控除している。
(※3) 連結貸借対照表に持分相当額を純額で計上する組合その他これに準ずる事業体への出資は、「資産(2)有価証券及び投資有価証券」には含まれていない。当該出資の営業投資有価証券を含む連結貸借対照表計上額は20,012百万円である。
(※4) 市場価格のない株式等は、「資産(2)有価証券及び投資有価証券」には含まれていない。当該金融商品の営業投資有価証券を含む連結貸借対照表計上額は以下のとおりである。
(※5) デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、( )で示している。
(注) 1 金銭債権及び満期がある有価証券の連結決算日後の償還予定額
(注) 2 社債、長期借入金、リース債務及びその他有利子負債の連結決算日後の返済予定額
3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に係るインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類している。
レベル1の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、活発な市場において形成される当該時価の算定の対象となる資産又は負債に関する相場価格により算定した時価
レベル2の時価:観察可能な時価の算定に係るインプットのうち、レベル1のインプット以外の時価の算定に係るインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:観察できない時価の算定に係るインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類している。
(1) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 1 時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
有価証券及び投資有価証券
上場株式、上場投資信託及び債券は相場価格を用いて評価している。上場株式、上場投資信託及び国債は活発な市場で取引されているため、その時価をレベル1の時価に分類している。社債は市場での取引頻度が低く、活発な市場における相場価格とは認められないため、その時価をレベル2の時価に分類している。非上場投資信託の時価は基準価額によっており、レベル2の時価に分類している。一部の在外子会社が保有する非上場株式については主として時価純資産法により評価しており、その時価をレベル3の時価に分類している。
デリバティブ取引
金利スワップ、為替予約及び通貨スワップの時価は、金利や為替レート等の観察可能なインプットを用いて割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類している。
受取手形・完成工事未収入金等
短期間で決済されるものについては、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっており、レベル2の時価に分類している。
回収期間が1年を超えるものの時価は、一定の期間ごとに区分した債権ごとに、債権額と満期までの期間及び信用リスクを加味した利率に基づく割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類している。
長期貸付金
長期貸付金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、貸付先の信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額と近似していると考えられるため、当該帳簿価額によっており、レベル2の時価に分類している。固定金利によるものの時価は、主として将来キャッシュ・フローと国債の利回り等適切な指標に信用スプレッドを上乗せした利率に基づく割引現在価値法により算定しており、時価の算定における観察できないインプットによる影響の重要度に応じてレベル2又はレベル3の時価に分類している。
1年内償還予定の社債及び社債
当社の発行する社債の時価は、主として相場価格によっている。社債は市場での取引頻度が低く、活発な市場における相場価格とは認められないため、その時価をレベル2の時価に分類している。その他の社債の時価は、元利金の合計額と当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率に基づく割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類している。
長期借入金
長期借入金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映し、また、当社の信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額と近似していると考えられるため、当該帳簿価額によっており、レベル2の時価に分類している。固定金利によるものの時価は、元利金の合計額と新規に同様の借入を行った場合に想定される利率に基づく割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類している。
(注) 2 時価をもって連結貸借対照表計上額とする金融資産及び金融負債のうちレベル3の時価に関する情報
(1) 重要な観察できないインプットに関する定量的情報
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(2) 期首残高から期末残高への調整表
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(※1) 連結包括利益計算書の「その他の包括利益」の「その他有価証券評価差額金」及び「為替換算調整勘定」に含まれている。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(※1) 連結包括利益計算書の「その他の包括利益」の「その他有価証券評価差額金」及び「為替換算調整勘定」に含まれている。
(有価証券関係)
1 その他有価証券
2 売却したその他有価証券
3 減損処理を行った有価証券
前連結会計年度において、その他有価証券の株式について減損処理を行い、投資有価証券評価損1,314百万円を計上しており、当連結会計年度において、その他有価証券の株式について減損処理を行い、投資有価証券評価損251百万円を計上している。
(デリバティブ取引関係)
1 ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
(1) 通貨関連
(2) 金利関連
該当事項なし。
2 ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
(1) 通貨関連
(2) 金利関連
(退職給付関係)
1 採用している退職給付制度の概要
当社、国内連結子会社及び一部の在外連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度を設けている。また、当社並びに一部の国内連結子会社及び在外連結子会社において、確定拠出制度を採用している。
確定給付企業年金制度(すべて積立型制度である)では、給与と勤務期間に基づいた一時金又は年金を支給する。
退職一時金制度(一部の連結子会社において、非積立型制度であるが、退職給付信託を設定した結果、積立型制度となっているものがある)では、退職給付として、ポイント又は給与と勤務期間に基づいた一時金を支給する。
なお、一部の連結子会社が有する確定給付企業年金制度及び退職一時金制度は、簡便法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算している。
2 確定給付制度
(1) 退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表(簡便法を適用した制度を除く)
(2) 年金資産の期首残高と期末残高の調整表(簡便法を適用した制度を除く)
(3) 簡便法を適用した制度の、退職給付に係る負債(又は資産)の期首残高と期末残高の調整表
(注) 1 前連結会計年度の退職給付に係る負債(又は資産)の期末残高は、退職給付に係る負債1,610百万円と退職給付に係る資産195百万円の純額である。
2 当連結会計年度の退職給付に係る負債(又は資産)の期末残高は、退職給付に係る負債1,610百万円と退職給付に係る資産232百万円の純額である。
(4) 退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の調整表
(注)簡便法を適用した制度を含む。
(5) 退職給付費用及びその内訳項目の金額
(6) 退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は、次のとおりである。
(7) 退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は、次のとおりである。
(8) 年金資産に関する事項
① 年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりである。
② 長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮している。
(9) 数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎
3 確定拠出制度
当社及び連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は、前連結会計年度3,504百万円、当連結会計年度3,703百万円である。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社及び一部の国内連結子会社は、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っている。
(賃貸等不動産関係)
当社及び一部の連結子会社では、東京都その他の地域及び海外(インドネシア他)において、賃貸収益を得ることを目的として賃貸オフィスビルや賃貸商業施設等を所有している。
前連結会計年度における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は10,652百万円(主な賃貸収益は開発事業等売上高に、主な賃貸費用は開発事業等売上原価に計上)、固定資産売却益は4,049百万円、固定資産売却損は55百万円、固定資産除却損は70百万円(それぞれ特別損益に計上)である。
当連結会計年度における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は11,072百万円(主な賃貸収益は開発事業等売上高に、主な賃貸費用は開発事業等売上原価に計上)、固定資産売却益は0百万円、固定資産売却損は0百万円、固定資産除却損は33百万円(それぞれ特別損益に計上)である。
また、当該賃貸等不動産の連結貸借対照表計上額、期中増減額及び時価は、次のとおりである。
(注) 1 連結貸借対照表計上額は、取得原価から減価償却累計額を控除した金額である。
2 期中増減額のうち、前連結会計年度の主な増加額は不動産購入(39,130百万円)であり、当連結会計年度の主な増加額は、持分法適用関連会社の持分を追加取得し、連結子会社としたことによる増加(33,796百万円)である。
3 期末の時価は、以下によっている。
(1) 国内の不動産については、主として「不動産鑑定評価基準」に基づいて自社で算定した金額(指標等を用いて調整を行ったものを含む)である。
(2) 海外の不動産については、主として現地の鑑定人による鑑定評価額である。
(収益認識関係)
1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注)その他の収益には、リース取引等が含まれている。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)その他の収益には、リース取引等が含まれている。
2 顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
(1) 契約及び履行義務に関する情報
当社及び連結子会社は、国内及び海外の顧客に対して、建設事業及び開発事業等を展開している。建設事業においては、土木建築及び機器装置その他建設工事全般について、工事請負契約等を締結の上、施工等を行っており、完成した建設物等を顧客に引き渡す履行義務を負っている。また、開発事業等においては、不動産開発全般及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般について不動産売買契約・業務委託契約等を締結の上、業務等を行っており、役務の提供又は物件・成果品の顧客への引渡し等の履行義務を負っている。
なお、顧客と約束した対価については、個々の契約によって支払時期が異なることから、履行義務の充足時期と支払時期との間に明確な関連性は乏しい。
(2) 取引価格の算定に関する情報
契約で定められた物価スライド条項等に基づく変動対価は、変動対価の額に関する不確実性が事後的に解消される際に、解消される時点までに計上された収益の著しい減額が発生しない可能性が高い部分に限り取引価格に含めることとしている。また、顧客と約束した対価に含まれる金融要素については、重要性が乏しいと判断されるため、金利相当分の調整は行っていない。
(3) 履行義務への配分額の算定に関する情報
建設物等の部分引渡しを行う場合等、契約の中に複数の履行義務が存在する場合は、取引価格を履行義務毎に配分している。なお、契約書等において履行義務毎の金額が明記されている場合には、当該金額を個々の取引価格としており、明記されていない場合には、見積書等に基づき合理的な方法で取引価格を配分することとしている。
(4) 履行義務の充足時点に関する情報
建設事業は、主として顧客の土地の上に建設し、工事の進捗に応じて顧客が建設物を支配すると考えられるため、一定の期間にわたり充足される履行義務であると判断し、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を認識している。
開発事業等のうち不動産の販売等においては、顧客との不動産売買契約等に基づき物件を引き渡す履行義務を負っているため、一時点で充足される履行義務であると判断し、当該引渡し時点において収益を認識している。また、設計業務等においては、業務の進捗に応じて主として設計図面等の他に転用できない資産が創出され、かつ完了した部分の支払を受ける強制可能な権利を有すると考えられるため、一定の期間にわたり充足される履行義務であると判断し、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を認識している。
進捗度の測定は、主として各期末までに発生した工事原価等が、予想される工事原価等の合計に占める割合に基づいて行っている。
また、契約の初期段階において、実行予算が未編成である等、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれる契約については、発生した原価のうち回収することが見込まれる部分と同額で収益を認識している。
なお、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い契約については代替的な取扱いを適用し、一定の期間にわたり収益を認識せず、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識している。
3 顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
(1) 契約資産及び契約負債の残高等
(単位:百万円)
契約資産は、建設事業における工事請負契約並びに開発事業等における業務委託契約等に基づき充足した履行義務に係る対価に対する当社及び連結子会社の権利に関するものである。契約資産は、当該権利が無条件になった時点で顧客との契約から生じた債権に振替えられる。当該履行義務に係る対価は、個々の契約に定められた支払条件に従って請求し、受領している。
契約負債は、建設事業における工事請負契約並びに開発事業等における不動産販売契約・業務委託契約等に基づき、役務の提供に先立って顧客から受領した前受金等に関するものであり、収益の認識に伴い取り崩される。
前連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は、133,195百万円である。また、契約資産の増減は主として収益認識(契約資産の増加)と、債権への振替(同、減少)により生じたものであり、期末残高は、建設事業における大型工事の竣工時期等の影響により変動する。なお、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務に対して認識した収益に重要性はない。
当連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は、158,793百万円である。また、契約資産の増減は主として収益認識(契約資産の増加)と、債権への振替(同、減少)により生じたものであり、期末残高は、建設事業における大型工事の竣工時期等の影響により変動する。なお、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務に対して認識した収益に重要性はない。
(2) 残存履行義務に配分した取引価格
当社及び連結子会社の建設事業における残存履行義務に配分した取引価格の総額及び収益の認識が見込まれる期間は、以下のとおりである。
(単位:百万円)
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものである。
当社グループは、当社において土木・建築・開発等の事業別に本部を置いて戦略を立案し、事業活動を展開するとともに、主に日本国内における建設資機材の販売、専門工事の請負、総合リース業、ビル賃貸事業など多様な事業を展開する国内関係会社及び北米、欧州、アジア、大洋州などの海外地域において建設事業、開発事業等を展開する海外関係会社が当社と連携しつつ、幅広い多角的な事業を行っている。
したがって、当社グループは、当社の事業別並びに国内関係会社及び海外関係会社別のセグメントから構成されており、以下の5つを報告セグメントとしている。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
当社グループの報告セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」と同一である。報告セグメントの利益は営業利益であり、セグメント間の内部取引における価格は外部顧客との取引価格に準じている。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 セグメント利益の調整額196百万円は、セグメント間取引消去等によるものである。
2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っている。
3 減価償却費には長期前払費用等の償却額が含まれている。
4 資産は、事業セグメントに配分していないため、記載していない。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 セグメント利益の調整額119百万円は、セグメント間取引消去等によるものである。
2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っている。
3 減価償却費には長期前払費用等の償却額が含まれている。
4 資産は、事業セグメントに配分していないため、記載していない。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類している。
2 北米の売上高は、全額が米国である。
(2) 有形固定資産
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はない。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類している。
2 北米の売上高は、全額が米国である。
(2) 有形固定資産
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はない。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
減損損失 336百万円
(注) 1 内訳は、事業用資産336百万円である。
2 減損損失は、事業セグメントに配分していない。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項なし。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当期償却額 645百万円
当期末残高 1,398百万円
(注) のれんは、事業セグメントに配分していない。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当期償却額 395百万円
当期末残高 1,119百万円
(注) のれんは、事業セグメントに配分していない。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項なし。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項なし。
【関連当事者情報】
関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社と関連当事者との取引
連結財務諸表提出会社の役員及び主要株主(個人の場合に限る。)等
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
譲渡制限付株式報酬制度に基づく、金銭報酬債権の現物出資である。
自己株式の処分価額は、本処分に係る取締役会決議の日の前営業日の東京証券取引所における、当社普通株式の終値に基づいて決定している。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項なし。
(開示対象特別目的会社関係)
1 開示対象特別目的会社の概要及び開示対象特別目的会社を利用した取引の概要
当社グループは、資金調達先の多様化を図るため、不動産の流動化を行っている。流動化においては、当社グループが、不動産(信託受益権を含む)を特別目的会社(特例有限会社の形態による)に譲渡し、特別目的会社が当該不動産を裏付けとして借入等によって調達した資金を、売却代金として受領している。
また、特別目的会社に譲渡した不動産について、当社グループが賃借を行っているものがある。さらに、特別目的会社に対しては、匿名組合契約を締結しており、当該契約に基づく出資金を有している。当社グループは、拠出した匿名組合出資金を回収する予定である。
不動産の流動化に係る出資残高のある特別目的会社は次のとおりである。なお、当社グループは、当該特別目的会社について、議決権のある出資等は有しておらず、役員の派遣もない。
2 特別目的会社との取引金額等
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 前連結会計年度における匿名組合出資金に係る取引金額は、出資の返還額を記載している。前連結会計年度末現在、匿名組合出資金の残高は847百万円であり、当連結会計年度末現在、匿名組合出資金の残高は847百万円である。また、匿名組合出資金に係る分配益(前連結会計年度においては特別目的会社の清算に伴うものを含む)は、営業外収益に計上している。
2 不動産の賃貸借契約は不動産信託受託者との間で締結しており、支払リース料は、当該賃貸借契約に基づき不動産信託受託者へ支払っている金額を記載している。
(1株当たり情報)
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載していない。
2 1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりである。
※ 役員及び従業員向け株式交付信託の信託財産として信託口が保有する当社株式を、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めている。控除した当該自己株式の期末株式数は、当連結会計年度において2,303千株(前連結会計年度は該当なし)である。
3 1株当たり当期純利益金額の算定上の基礎は、以下のとおりである。
※ 役員及び従業員向け株式交付信託の信託財産として信託口が保有する当社株式を、1株当たり当期純利益金額の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めている。控除した当該自己株式の期中平均株式数は、当連結会計年度において1,343千株(前連結会計年度は該当なし)である。
(重要な後発事象)
(自己株式の取得)
当社は、2024年5月14日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項を決議し、取得を完了した。
1 自己株式の取得を行う理由
株主還元の拡充並びに資本効率の向上を図るため
2 取得に係る事項の内容
(1) 取得する株式の種類 当社普通株式
(2) 取得する株式の総数 1,200万株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合2.5%)
(3) 株式の取得価額の総額 300億円(上限)
(4) 取得期間 2024年5月15日から2024年9月30日まで
(5) 取得方法 東京証券取引所における市場買付
① 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による市場買付
② 取引一任契約に基づく立会取引市場における市場買付
3 上記決議内容に基づく自己株式取得の実施内容
(1) 取得した株式の種類 当社普通株式
(2) 取得した株式の総数 11,132,800株
(3) 株式の取得価額の総額 29,999,852,200円
(4) 取得期間 2024年5月15日から2024年6月7日まで(約定ベース)
(5) 取得方法 東京証券取引所における市場買付
① 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による市場買付
② 取引一任契約に基づく立会取引市場における市場買付
(無担保社債の発行)
当社は、2024年6月11日開催の取締役会において、無担保社債の発行について以下のとおり包括決議した。
(子会社における契約不適合事案)
当社の連結子会社である鹿島道路株式会社において、一部の道路舗装工事で設計図書と異なるアスファルト合材が使用されていた事実が確認された。同社にて品質確認試験を行った結果、当面の使用における安全性には直ちに問題がないものと公表しているが、今後、外部弁護士等による外部調査委員会及び技術検証委員会(仮称)を設置し、早急に原因究明、再発防止策の立案等を実施する予定である。(2024年5月29日、同年6月19日及び同年6月25日に同社ホームページ上で公表)
なお、調査が継続中であることから、現時点では当社グループの連結業績への影響は不明である。
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注) 1 当期首残高及び当期末残高欄の( )内の金額は、1年以内に償還期限が到来するため、連結貸借対照表に
おいて「1年内償還予定の社債」として掲げてある金額を内書きで示したものである。
2 連結決算日後5年内における1年ごとの償還予定額は次のとおりである。
【借入金等明細表】
(注) 1 「平均利率」については、当期末残高に対する加重平均利率を記載している。
なお、リース債務の「平均利率」については、リース料総額に含まれる利息相当額を控除する前の金額でリース債務を連結貸借対照表に計上している連結会社があるため、記載していない。
2 長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)の連結決算日後5年内における1年ごとの返済予定額は次のとおりである。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度期首及び当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、記載を省略している。
(2) 【その他】
(当連結会計年度における四半期情報等)
(注) 1株当たり四半期(当期)純利益金額の算定上、役員及び従業員向け株式交付信託の信託財産として信託口が保有する当社株式を、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めている。
(当社における独占禁止法違反事件について)
2018年3月23日に当社及び当社社員1名が起訴された東海旅客鉄道株式会社が発注する中央新幹線に係る地下開削工法によるターミナル駅新設工事(品川駅及び名古屋駅)に関する独占禁止法違反事件につき、当社は2021年3月1日に東京地方裁判所から罰金2億5,000万円の判決を受け、当社社員1名についても執行猶予付き有罪判決を受けたことから、これを不服として東京高等裁判所に控訴していたが、2023年3月2日に控訴棄却の判決を受けた。
当社は、本件工事が類例のない難工事であり、指名競争見積手続が開始される5年ほど前から同開始直前まで、発注者が当社以外の特定の会社にのみ技術検討などを依頼していたことを含む種々の事実関係を主張し、独占禁止法適用の前提である「競争」が存在していない状況にあったことを主たる理由に、第一審、控訴審とも一貫して無罪を主張してきた。当社側の主張が認められなかったことは誠に遺憾であり、控訴審判決には承服できないことから、2023年3月14日に最高裁判所に上告の申立てを行っている。
また、本件に関し、当社は2020年12月22日に公正取引委員会から、独占禁止法違反として排除措置命令を受けたが、同命令における違反認定についても受け容れられるものではなく、当社は2021年6月21日に東京地方裁判所に取消訴訟を提起している。
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
【完成工事原価報告書】
(注) 原価計算の方法は、個別原価計算である。
【開発事業等売上原価報告書】
(注) 原価計算の方法は、個別原価計算である。
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(2) その他有価証券
2 デリバティブ等の評価基準及び評価方法
3 棚卸資産の評価基準及び評価方法
4 固定資産の減価償却の方法
5 繰延資産の処理方法
社債発行費は、支出時に全額費用として処理している。
6 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上している。
(2) 完成工事補償引当金
完成工事に係る瑕疵担保等の費用に備えるため、当事業年度の完成工事高に対し、前2事業年度の実績率を基礎に将来の支出見込を勘案して計上している。
(3) 工事損失引当金
受注工事に係る将来の損失に備えるため、当事業年度末における未引渡工事の損失見込額を計上している。
(4) 株式給付引当金
当社が定める役員向け株式交付規程及び従業員向け株式交付規程に基づく当社株式の交付に備えるため、当事業年度末における役員及び従業員に付与したポイント数に相当する当社株式の交付見込額を計上している。
(5) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上している。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっている。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額を、それぞれ発生の翌事業年度から費用処理又は費用の減額処理をすることとしている。
(6) 関係会社事業損失引当金
関係会社の事業の損失に備えるため、関係会社に対する出資金額及び貸付金額等を超えて、当社が負担することとなる損失見込額を計上している。
7 収益及び費用の計上基準
主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりである。
(1) 建設事業
土木建築及び機器装置その他建設工事全般について、工事請負契約等を締結の上、施工等を行っており、完成した建設物等を顧客に引き渡す履行義務を負っている。
当該契約について、約束した財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、当該財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法を採用しており、履行義務の充足に係る進捗度の測定は、主として各期末までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合に基づいて行っている。
(2) 開発事業等
不動産開発全般及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般について、不動産売買契約・業務委託契約等を締結の上、業務等を行っており、役務の提供又は物件・成果品の顧客への引渡し等の履行義務を負っている。
当該契約について、約束した財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、当該財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法を採用しており、それ以外の場合には、一時点で充足される履行義務であると判断し、物件・成果品の引渡し時点において収益を認識している。一定の期間にわたり収益を認識する方法を採用している場合の履行義務の充足に係る進捗度の測定は、主として各期末までに発生した原価が、予想される原価の合計に占める割合に基づいて行っている。
なお、建設事業及び開発事業等において、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い契約については代替的な取扱いを適用し、一定の期間にわたり収益を認識せず、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識している。
8 ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジ処理によっている。
なお、為替予約及び通貨スワップについては振当処理の要件を満たしている場合は振当処理に、金利スワップについては特例処理の要件を満たしている場合は特例処理によっている。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
(3) ヘッジ方針
当社の内部規程である「デリバティブ取引の取扱基準」及び「リスク管理要領書」に基づき、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジしている。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
為替予約及び通貨スワップについては、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致していることを事前テストで確認し、また四半期毎に当該条件に変更がないことを事後テストで確認している。
なお、外貨建予定取引については、過去の取引実績等を総合的に勘案し、取引の実行可能性が極めて高いことを事前テスト及び事後テストで確認している。
金利スワップについては、事前テスト及び事後テストにより、ヘッジ対象とヘッジ手段の過去の変動累計(おおむね5年間程度)を比率分析によって評価し、ヘッジ有効性を確認している。
ただし、ヘッジ手段とヘッジ対象に関する重要な条件が同一であり、ヘッジ開始時及びその後も継続して相場変動又はキャッシュ・フロー変動を完全に相殺するものと想定することができる場合には、有効性の判定は省略している。
(5) その他
信用リスク極小化のため、デリバティブ取引の契約先はいずれも信用力の高い国内外の金融機関に限定している。
9 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異の会計処理の方法は、連結財務諸表における会計処理の方法と異なっている。
(2) 消費税及び地方消費税に相当する額の会計処理
税抜方式によっている。
(3) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用している。
(4) 関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続
複数の企業が一つの建設工事等を受注・施工することを目的に組成する共同企業体(ジョイントベンチャー)については、個別の組織体として認識せず、共同企業体に対する出資割合に応じて当社の会計に取り込む方法により完成工事高及び完成工事原価を計上している。
(重要な会計上の見積り)
約束した財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法(以下、いわゆる「工事進行基準」という。)に係る工事収益総額、工事原価の合計及び進捗度の見積り
1 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
2 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
工事進行基準による完成工事高については、主として予想される工事原価の合計を基礎として当事業年度末までに発生した工事原価に応じた進捗度に、予想される工事収益総額を乗じて算定している。
予想される工事収益総額及び工事原価の合計の見積りについては、工事着工段階において実行予算を編成し、着工後の各期末においては工事の現況を踏まえて見直しを実施するとともに、進捗度については、主として各期末までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合に基づいて見積もっている。
当該見積りは、今後の工事の進捗に伴い、施工中の工法変更や施工範囲の変更等に伴う設計変更・追加契約の締結、資材・外注費等に係る市況の変動及び条件変更に伴う外注費の変動等によって影響を受ける可能性があり、翌事業年度の財務諸表において、完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の金額に重要な影響を及ぼす可能性がある。
(表示方法の変更)
(損益計算書関係)
「匿名組合投資損失」については、前事業年度において区分掲記していたが、営業外費用総額の100分の10以下となったため、当事業年度から営業外費用の「その他」に含めて表示することとした。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前事業年度の損益計算書において、「匿名組合投資損失」に表示していた1,162百万円は、営業外費用の「その他」2,905百万円に含めて組み替えている。
(追加情報)
(役員向け株式交付信託)
1 取引の概要
当社は、当事業年度から、当社の取締役(社外取締役を除く。)及び執行役員(以下総称して「取締役等」という。)に対し、信託を用いた業績連動型株式報酬制度(以下「本制度」という。)を導入している。
本制度は、取締役等の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性を一層明確にし、取締役等が株価の変動による利益・リスクを株主と共有することにより中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的としている。
本制度においては、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(以下「本信託」という。)が当社の普通株式(以下「当社株式」という。)を取得し、当社が定める株式交付規程に基づき当該取締役等に付与するポイント数に相当する当社株式を、本信託を通じて各取締役等に対して交付する。
2 信託に残存する自社の株式
本信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により、純資産の部に自己株式として計上している。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、当事業年度末において1,656百万円及び756,000株である。
(従業員向け株式交付信託)
1 取引の概要
当社は、当事業年度から、一定の職務等級以上の従業員に対し、信託を用いた従業員向けインセンティブ・プラン(以下「本制度」という。)を導入している。
本制度は、幹部層従業員の経営参画意識と会社業績等に対するモチベーションのさらなる向上を目的としている。
本制度においては、当社が金銭を拠出することにより設定する信託(以下「本信託」という。)が当社の普通株式(以下「当社株式」という。)を取得し、当社が定める株式交付規程に基づき当該従業員に付与するポイント数に相当する当社株式を、本信託を通じて各従業員に対して交付する。
2 信託に残存する自社の株式
本信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により、純資産の部に自己株式として計上している。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、当事業年度末において3,389百万円及び1,547,000株である。
(貸借対照表関係)
※1 このうち、関係会社に対するものは、次のとおりである。
※2 担保資産及び担保付債務
(1) 債務の担保に供している資産は、次のとおりである。
(2) 関係会社等の債務の担保に供している資産は、次のとおりである。
※3 下記の資産は、住宅建設瑕疵担保保証金の代用として供託を行っている。
※4 このうち、有価証券消費貸借契約に基づく貸付は、次のとおりである。
5 偶発債務
下記の会社等の銀行借入金等について保証を行っている。
※6 事業年度末日の満期手形等の会計処理については、手形交換日又は決済日をもって決済処理している。
なお、当事業年度末日は金融機関の休日であったため、次の満期手形等が当事業年度末日の残高に含まれている。
7 当社は、緊急時における資金調達手段を確保するため、取引銀行の協調融資方式によるコミットメントライン契約を締結している。
事業年度末における契約極度額及び本契約に基づく借入未実行残高等は、次のとおりである。
※8 都市再開発法による第一種市街地再開発事業に伴う権利変換により、有形固定資産の取得価額から直接控除した圧縮記帳額は、次のとおりである。
(損益計算書関係)
※1 このうち、関係会社に対するものは、次のとおりである。
※2 固定資産売却益の内訳は、次のとおりである。
※3 固定資産売却損の内訳は、次のとおりである。
※4 固定資産除却損の内訳は、次のとおりである。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式は、市場価格のない株式等であることから、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載していない。なお、これらの貸借対照表計上額は、次のとおりである。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っている。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
1 契約及び履行義務に関する情報
主として国内の顧客に対して、建設事業及び開発事業等を展開している。建設事業においては、土木建築及び機器装置その他建設工事全般について、工事請負契約等を締結の上、施工等を行っており、完成した建設物等を顧客に引き渡す履行義務を負っている。また、開発事業等においては、不動産開発全般及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般について不動産売買契約・業務委託契約等を締結の上、業務等を行っており、役務の提供又は物件・成果品の顧客への引渡し等の履行義務を負っている。
なお、顧客と約束した対価については、個々の契約によって支払時期が異なることから、履行義務の充足時期と支払時期との間に明確な関連性は乏しい。
2 取引価格の算定に関する情報
契約で定められた物価スライド条項等に基づく変動対価は、変動対価の額に関する不確実性が事後的に解消される際に、解消される時点までに計上された収益の著しい減額が発生しない可能性が高い部分に限り取引価格に含めることとしている。また、顧客と約束した対価に含まれる金融要素については、重要性が乏しいと判断されるため、金利相当分の調整は行っていない。
3 履行義務への配分額の算定に関する情報
建設物等の部分引渡しを行う場合等、契約の中に複数の履行義務が存在する場合は、取引価格を履行義務毎に配分している。なお、契約書等において履行義務毎の金額が明記されている場合には、当該金額を個々の取引価格としており、明記されていない場合には、見積書等に基づき合理的な方法で取引価格を配分することとしている。
4 履行義務の充足時点に関する情報
建設事業は、主として顧客の土地の上に建設し、工事の進捗に応じて顧客が建設物を支配すると考えられるため、一定の期間にわたり充足される履行義務であると判断し、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を認識している。
開発事業等のうち不動産の販売等においては、顧客との不動産売買契約等に基づき物件を引き渡す履行義務を負っているため、一時点で充足される履行義務であると判断し、当該引渡し時点において収益を認識している。また、設計業務等においては、業務の進捗に応じて主として設計図面等の他に転用できない資産が創出され、かつ完了した部分の支払を受ける強制可能な権利を有すると考えられるため、一定の期間にわたり充足される履行義務であると判断し、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を認識している。
進捗度の測定は、主として各期末までに発生した工事原価等が、予想される工事原価等の合計に占める割合に基づいて行っている。
また、契約の初期段階において、実行予算が未編成である等、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれる契約については、発生した原価のうち回収することが見込まれる部分と同額で収益を認識している。
なお、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い契約については代替的な取扱いを適用し、一定の期間にわたり収益を認識せず、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識している。
(重要な後発事象)
(自己株式の取得)
2024年5月14日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項を決議し、取得を完了した。
1 自己株式の取得を行う理由
株主還元の拡充並びに資本効率の向上を図るため
2 取得に係る事項の内容
(1) 取得する株式の種類 当社普通株式
(2) 取得する株式の総数 1,200万株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合2.5%)
(3) 株式の取得価額の総額 300億円(上限)
(4) 取得期間 2024年5月15日から2024年9月30日まで
(5) 取得方法 東京証券取引所における市場買付
① 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による市場買付
② 取引一任契約に基づく立会取引市場における市場買付
3 上記決議内容に基づく自己株式取得の実施内容
(1) 取得した株式の種類 当社普通株式
(2) 取得した株式の総数 11,132,800株
(3) 株式の取得価額の総額 29,999,852,200円
(4) 取得期間 2024年5月15日から2024年6月7日まで(約定ベース)
(5) 取得方法 東京証券取引所における市場買付
① 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による市場買付
② 取引一任契約に基づく立会取引市場における市場買付
(無担保社債の発行)
2024年6月11日開催の取締役会において、無担保社債の発行について以下のとおり包括決議した。
④ 【附属明細表】
【有価証券明細表】
【株式】
【債券】
【その他】
【有形固定資産等明細表】
(注) 1 建設仮勘定の当期増加額のうち、主なものは次のとおりである。
八重洲二丁目中地区第一種市街地再開発事業 15,414百万円
(仮称)札幌四丁目プラザビル建替計画 1,993百万円
2 土地、建設仮勘定の[ ]内は内書きで、土地の再評価に関する法律(平成10年3月31日公布 法律第34号)に基づく事業用土地の再評価差額である。
3 当事業年度において都市再開発法による第一種市街地再開発事業に伴う権利変換により、取得価額から直接控除した圧縮記帳額は、当期増加額及び当期減少額に含めていない。
4 無形固定資産については資産総額の1%以下につき、「当期首残高」、「当期増加額」及び「当期減少額」の記載を省略している。
5 無形固定資産「その他」の「当期末残高」には、非減価償却資産である電話加入権44百万円を含んでいる。
6 長期前払費用については、「当期首残高」には前期末までに償却が完了したものの残高は含んでおらず、「当期末残高」には当期末までに償却が完了したものの残高を含んでいる。
【引当金明細表】
(注) 1 貸倒引当金の「当期減少額(その他)」は、貸倒懸念債権等特定の債権の回収及び回収不能見込額の減少によるものである。
2 完成工事補償引当金の「当期減少額(その他)」は、完成工事の補償見込額の減少によるものである。
3 工事損失引当金の「当期減少額(その他)」は、受注工事の損失見込額の減少によるものである。
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略している。
(3) 【その他】
(当社における独占禁止法違反事件について)
2018年3月23日に当社及び当社社員1名が起訴された東海旅客鉄道株式会社が発注する中央新幹線に係る地下開削工法によるターミナル駅新設工事(品川駅及び名古屋駅)に関する独占禁止法違反事件につき、当社は2021年3月1日に東京地方裁判所から罰金2億5,000万円の判決を受け、当社社員1名についても執行猶予付き有罪判決を受けたことから、これを不服として東京高等裁判所に控訴していたが、2023年3月2日に控訴棄却の判決を受けた。
当社は、本件工事が類例のない難工事であり、指名競争見積手続が開始される5年ほど前から同開始直前まで、発注者が当社以外の特定の会社にのみ技術検討などを依頼していたことを含む種々の事実関係を主張し、独占禁止法適用の前提である「競争」が存在していない状況にあったことを主たる理由に、第一審、控訴審とも一貫して無罪を主張してきた。当社側の主張が認められなかったことは誠に遺憾であり、控訴審判決には承服できないことから、2023年3月14日に最高裁判所に上告の申立てを行っている。
また、本件に関し、当社は2020年12月22日に公正取引委員会から、独占禁止法違反として排除措置命令を受けたが、同命令における違反認定についても受け容れられるものではなく、当社は2021年6月21日に東京地方裁判所に取消訴訟を提起している。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 1 当会社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
2 会社法第440条第4項の規定により、決算公告は行わない。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はない。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から本有価証券報告書提出日までの間において、関東財務局長に提出した金融商品取引法第25条第1項各号に掲げる書類は、次のとおりである。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項なし。