第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1.国際会計基準(以下、IFRS)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2.第98期、第99期及び第100期の希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.平均臨時雇用者数については、( )内に外数で記載しております。また、より実態に応じた記載を目的とし、平均臨時雇用者数に派遣社員の人数を含めて表示しております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1.第98期、第99期及び第100期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.平均臨時雇用者数については、( )内に外数で記載しております。また、より実態に応じた記載を目的とし、平均臨時雇用者数に派遣社員の人数を含めて表示しております。
3.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、当社及び子会社33社、関連会社7社で構成され、油圧緩衝器・油圧機器等の製造・販売並びに各事業に関連するサービス業務等を行っております。当社グループの事業に係る位置づけ及び報告セグメントとの関連は次のとおりであります。なお、当社は「AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業」、「HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業」、及び「航空機器事業」の3つを報告セグメントとしております。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 6.セグメント情報」をご参照ください。
◆AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業
AC事業では、国内においては、金山カヤバ㈱他から製品・部品等の供給を受け、当社が四輪車用油圧緩衝器、油圧機器等を製造のうえ、自動車メーカー及び市販・サービス市場等へ販売しております。また、カヤバモーターサイクルサスペンション㈱から製品・部品等の供給を受け、二輪車用油圧緩衝器等を二輪車メーカー等へ販売しております。カヤバロジスティクス㈱は、物流・サービス提供等に係わる事業を行っております。
海外においては、KYB Americas Corporation他は、四輪車用及び二輪車用油圧緩衝器、油圧機器等を製造し、各国の自動車メーカー等へ販売しております。また、関係会社間において、製品・部品等の供給も行っております。KYB Europe GmbH他は、欧州・米国・中国・東南アジア及びその他地域の市販市場等へ販売しております。凱迩必(中国)投資有限公司は、関係会社の統轄等に係わる事業を行っております。
◆HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業
HC事業では、国内においては、当社、㈱タカコ他が産業用油圧機器等を製造のうえ、建設機械メーカー等へ販売しております。
また、海外においては、凱迩必機械工業(鎮江)有限公司他が産業用油圧機器を製造し、各国の建設機械メーカー等へ販売しております。凱迩必(中国)投資有限公司は、関係会社の統轄等に係わる事業を行っております。
◆航空機器事業
航空機器事業では、当社が航空機用離着陸装置、操舵装置、制御装置及び緊急装置等を製造し、販売しております。
◆特装車両事業及びその他
特装車両事業及びその他の製品では、国内においては当社が製造した特装車両等を特約販売会社等へ販売しております。
海外においては、KYB-Conmat Pvt. Ltd.が特装車両等を製造し、インド及び周辺国の市場へ販売しております。
[事業系統図]
以上に述べた事項を図で表すと次のとおりであります。

4 【関係会社の状況】
(1) 連結子会社
(注) 1.特定子会社であります。
2.子会社の「議決権の所有割合」欄の( )内数字は間接所有割合(内数)であります。
3.KYB Americas Corporationについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等
(2) 持分法適用関連会社
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(注) 1.従業員数は、就業人員であります。
2.従業員数には、当社から出向している従業員で出向先において役員の39人は含まれておりません。
3.全社(共通)は、当社の経理・総務・人事部門等の管理部門の従業員であります。
4.臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
(注) 1.従業員数は、就業人員であります。
2.従業員数は、他社への出向者(123人)を除き、他社から当社への出向者(33人)を含んでおります。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.全社(共通)は、当社の経理・総務・人事部門等の管理部門の従業員であります。
5.臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
6.前連結会計年度末に比べ従業員数が671名増加しておりますが、主として2023年4月1日付で、当社の完全子会社であったKYB-YS株式会社を吸収合併したことによるものです。
(3) 労働組合の状況
提出会社の労働組合は上部団体としてJAMに加盟しております。一部連結子会社については独自に組織する労働組合があります。なお、労使関係については、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女賃金の差異
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
② 連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針
当社グループは、持続的な成長と企業価値向上の実現を通してステークホルダーの期待に応えるとともに、社会に貢献するという企業の社会的責任を果たすため、経営理念および以下の基本方針に基づき、取締役会を中心に迅速かつ効率的な経営体制の構築並びに公正性かつ透明性の高い経営監督機能の確立を追求し、コーポレート・ガバナンスの強化及び充実に取り組んでまいります。
<経営理念>
「人々の暮らしを安全・快適にする技術や製品を提供し、社会に貢献するカヤバグループ」
1.規範を遵守するとともに、何事にも真摯に向き合います。
2.高い目標に挑戦し、より活気あふれる企業風土を築きます。
3.優しさと誠実さを保ち、自然を愛し環境を大切にします。
4.常に独創性を追い求め、お客様・株主様・お取引先様・社会の発展に貢献します。
<コーポレートガバナンス基本方針>
1.当社は、株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
2.当社は、株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーとの適切な協働に努める。
3.当社は、法令に基づく開示はもとより、ステークホルダーにとって重要または有用な情報についても主体的に開示する。
4.当社の取締役会は、株主受託者責任および説明責任を認識し、持続的かつ安定的な成長および企業価値の向上ならびに収益力および資本効率の改善のために、その役割および責務を適切に果たす。
5.当社は、株主との建設的な対話を促進し、当社の経営方針などに対する理解を得るとともに、当社への意見を経営の改善に繋げるなど適切な対応に努める。
(2) 経営環境
ポストコロナ社会へシフトし経済活動は持ち直すも、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢緊迫化を始めとする地政学リスクの高まりに加え、米大統領選挙の結果は世界の構図に影響を及ぼすことも想定されます。また、欧州や中国地域の景気減速影響もあり、需要予測の困難な状況が長期化しております。また、インフレリスク再燃懸念や為替の不安定さにより、依然として世界経済には不透明感が漂っております。
当社を取り巻く事業環境は、AC事業は電動化や自動運転化、また、AIやIoTの発展により移動や運搬の概念とは異なる新たな価値創造がされ、大きな変革期を迎えております。HC事業は建設機械業界の無人化や省エネ化のトレンドに対して、電子化・電動化・システム化による高付加価値化を求められております。特装車両事業では、トラックメーカーの減産による影響は回復傾向にある一方、生コンクリート出荷量や工事の仕事量は減少傾向が見られます。
一方、グローバルでの法規制の強化と企業のESGやSDGs、カーボンニュートラルに対する社会的な要求が急速に高まっております。更には、人口や社会の変化による働き方の多様化とグローバル化や経済成長に伴う賃金上昇の加速、デジタル技術の飛躍的進化に伴う業界の垣根を越えた連携や異業種からの参入による産業構造の変化など、当社を取り巻く環境は急速な変化を見せています。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、持続的な成長と企業価値向上の実現を通じて、ステークホルダーの期待に応えるとともに、社会に貢献するという企業の社会的責任を果たす一方、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいりました。
2023中期経営計画2年目の2024年度は、依然として続くエネルギー、原材料価格の高騰、急激な為替変動等にさらされながらも、不適切行為の再発防止、規範意識とコンプライアンスは永続的な課題として実施しながら、「品質経営を極める~TQM(※1)を実践し、チームの力を向上~」をスローガンに、TQM活動を起点にスピードをあげて以下の方策を展開、推進してまいります。また、IoTやAIなどデジタル技術を活用した業務変革を進めており、デジタル変革推進本部を中心に変革を強力に牽引してまいります。
1.マネジメント
「全員参加のTQM活動」「規範意識の醸成・定着」「成長戦略」「革新的モノづくり」「目標に向けた絶え間ないコスト低減活動」「環境対応への取り組み」
当社の経営の根幹であります「規範意識の醸成・定着」につきましては、過去の不適切行為を忘れることなく、更なる規範意識の浸透と不適切行為の再発防止に取り組んでまいります。ガバナンスを強化し、グループ全体で高い規範意識を定着してまいります。また、免震・制振用オイルダンパーの適合化は2023年度末で約99%まで進捗いたしました。引き続き適合化完了に向けて対応を進めてまいります。
「成長戦略」における環境認識としましては、就業人口の減少が予測され、自動施工、電動化対応は必至であります。デジタル化の進展によりモノづくりや働き方改革への取組み、自動化、無人化、脱炭素化・省エネ化に向け電子化・電動化への技術対応など大きな変化と認識しております。将来への種まきも踏まえて、電動化に対応した製品開発と、その早期投入や、需要拡大が見込まれる成長市場へM&Aも視野に入れた積極的投資を進め、新たなビジネス創出・利益拡大に努めてまいります。
「革新的モノづくり」につきましては、加工から組立が完全に一貫となった自己完結革新工場の2030年の実現を目指す、Ship’30活動を進めております。革新ラインの要素技術開発、信頼性の高い設備の開発と導入、TPM(※2)活動を通じた設備維持管理体制構築による設備故障率低減、これらの取り組みはAI・IoT技術を駆使して2030年の実現に向けて取り組んでまいります。
「目標に向けた絶え間ないコスト低減活動」につきましては、デジタル技術を活用した間接部門の業務合理化を進めることで総就業時間を削減し、固定費低減を進めてまいります。また、資材やエネルギーの高騰、短期間での為替レートの大きな変動がある中、調達部門、生産管理部門や技術部門と連携を強化したVE・VA提案、部品標準化による原価低減、為替変動を柔軟に対応できる生産拠点と他国の競争力ある部品の活用を組み合わせた最適調達を推進し、変動費低減を図ってまいります。さらには、棚卸資産回転率の指標管理を継続し、全社棚卸資産圧縮を推進してまいります。
「環境対応への取り組み」としては、2030年に「CO2排出量 2018年度比 50%削減」、また、2050年にカーボンニュートラル(CN)の目標を掲げており、サステナビリティ委員会、ESG推進部、CN推進室を中心に目標達成に向けた取り組みを強化しております。2023年度にはCDP(国際NGO)による「気候変動分野」でB評価の認定を取得しました。引き続き人と地球に優しい製品づくりを推進するとともに、環境保全活動を積極的に推進してまいります。
これらの活動につきましては、「全員参加のTQM活動」を推進し、方針管理・日常管理・小集団改善活動により仕事の質を高め、目標達成に向けて取り組んでまいります。
(※1)TQM:Total Quality Management(総合的品質管理)の略で、製造部門のみならず全社的な業務改善へも発展させた管理手法
(※2)TPM:Total Productive Maintenanceの略で、ロスを未然防止する仕組みを構築し、部署を越えた全員参加での改善・維持活動
2.オートモーティブコンポーネンツ事業
「新しい挑戦を!」~顧客・社会・働くカヤバ人財が満足出来る商品の為に~
AC事業の2023中期経営計画は「新しい挑戦を!」をスローガンに掲げ、母機の電動化・自動化のトレンドに対し、新商品・改良商品の開発を促進するとともに、新領域への進出を図り、収益力向上だけでなく全てのステークホルダーのニーズを満たす挑戦をしてまいります。
具体的には、高機能・高付加価値商品である電子制御セミアクティブサスペンションのラインアップ拡充による販売拡大、自動運転のカギとなるステアバイワイヤシステムの技術の深耕、またe-Axle向けの電動ポンプや二輪車用車高調整システムの開発、さらに、将来への種まきとして電動油圧アクティブサス、フル電動サスペンションやステアリングとサスペンションの協調制御といった、全ての移動を快適にする技術に挑戦してまいります。また、地方行政への道路維持管理支援としてサービス提供を進めている「スマート道路モニタリング」のセンシング技術を活用、AIを用いた情報処理によりステアリングやサスペンションの開発や制御に応用してまいります。
一方、成長市場への進出によるシェア拡大や新規顧客開拓へ向けた戦略構築を行い、市場でのプレゼンス向上を図ってまいります。環境対応の観点からは、原料生成過程でCO2を吸収できる天然系の基油を用いた作動油開発に挑戦、万が一の漏出時にも生分解性を有し、さらには廃棄後の回収・リサイクル性まで訴求し、LCAの観点で環境負荷低減とCO2排出ゼロを目指します。
3.ハイドロリックコンポーネンツ事業
「“ゆるぎない信頼”をベースにした成長への再スタート」
2023中期経営計画においては「“ゆるぎない信頼”をベースにした成長への再スタート」をスローガンに掲げ、ボリュームゾーンである既存ビジネスと次期主力商品となる新たなビジネスを両輪にして活動を進めてまいります。既存ビジネスでは価格・品質・供給の各分野で市場におけるプレゼンスを示すことで、収益性とシェアの確保に取り組み、さらに、新たなビジネスでは環境・性能・情報の各分野で既存製品にない付加価値の創造につながる製品・サービスの市場投入を意識した体制構築を加速してまいります。
具体的には、シリンダ・モータといった既存製品軸での原価低減活動を事業の総力を挙げて推進し、市場シェアの拡大につながるコスト競争力の強化を図ります。さらに、将来の建機の電動化・自動化に向けた電子制御化・電動化・システム化の先行開発を進め、建機ショベル以外の製品市場参入にも挑戦してまいります。また、油圧機器の油状態診断システム開発では、将来の事業化を見据え、建設機械や工場設備で評価を進めてまいります。これは、センサ・通信機を取り付けた油圧機器をクラウドで結び、建設機械や工場設備などの油圧機器の作動油状態をリアルタイムに診断するシステムで、作動油の廃棄量低減で環境にやさしく、メンテナンス作業の効率化が図れるようになるものです。これらの新たなビジネスへの取り組みを進めて「成長」し、景気変動に強い事業構造を目指してまいります。
4.特装車両事業
「真のダントツミキサメーカーを目指す」
特装車両事業につきましては、お客様目線で活動し、顧客価値の創造により、「真のダントツミキサメーカーを目指す」ことを基本戦略とし活動してまいります。リニア新幹線や都市再開発等の建設需要を確実に取り込みながら、ドラム軽量化による積載量の増加、生コン打設作業時の安全対策、使い勝手の向上など、お客様のニーズを反映させた高付加価値製品の市場投入に向け、開発を進めてまいります。また、トラック電動化への対応といたしましては、国内初となるEV対応ミキサの開発を進めてまいります。サービス体制におきましては、パーツカタログ整備や部品発注のDX化によるアフターサービスの強化を推進してまいります。これらの取り組みにより顧客価値の創造を目指し、お客様の満足度向上に努めるだけでなく、当社の新たな収益基盤として、これまで培った技術・経験を投入しキャンピングカーの事業化に向けた取り組みを進めてまいります。
5.航空機器事業
航空機器事業につきましては、2022年2月9日に公表いたしましたとおり、経営資源の選択と集中による企業競争力強化を図るべく、撤退を決定いたしております。お客様のご理解を得ながら、ご迷惑をおかけすることの無いよう、粛々と撤退を進めてまいります。
6.技術・製品開発
「[攻め]の研究 / 技術開発による永続的な新価値創造」
技術・製品開発におきましては現在起点の発想に基づくフォアキャスト型の製品ロードマップにより、お客様の困りごとや市場の課題に応えてまいりました。一方、CNやSDGsなどの社会環境変化へ対応するため、未来起点の発想に基づく、ありたい姿から「何をすべきか」という視点を取り入れた、バックキャスト型の技術ロードマップ活動も融合させて新技術・新製品開発や新規ビジネス創出を進めてまいります。成熟領域であるAC・HC事業の油圧製品におきましては電子制御・電動化・自動化製品を開発する一方、センシング技術・通信技術・データ分析技術を用いた情報サービス分野での事業創出を図ってまいります。また、これら事業戦略や新価値創造に際してはIPランドスケープ(※3)の活用・推進も行ってまいります。
先進的な研究開発・生産技術開発実現に向けて、デジタル技術を融合・活用した開発やプロセス革新も進めてまいります。モデルベース開発手法の拡大やデジタルツイン(※4)活用といったデジタル・リアルの融合のほか、Ship’30活動とも連携し、人に頼ったモノづくりから脱却する技術開発を行い、さらなる効率化を目指してまいります。これらデジタル技術を活用できる人財のみならず、電気・電子、電動化技術に係る人財を拡大し、全社一体となりさらなる開発の加速を進めてまいります。
(※3)IPランドスケープ:知財を中心とした情報を統合的に分析し、企業の経営戦略に役立てる活動
(※4)デジタルツイン:現実空間から収集した各種データを用い、仮想空間(コンピュータ)上で双子のように再現すること
7.人財育成
「従業員が心身ともに健康で働き甲斐のある職場づくり」
2023中期経営計画に掲げる「品質経営を極める」は2年目を迎え、2024年度はTQM実践教育により能力の向上を図ります。経営目標の達成および組織の活性化に向けては小集団活動を推進し、RPAやデジタル技術も活用しながら業務改善意識の定着を図り、抜本的なムダ取りに取り組んでまいります。
また、当社は従業員や家族の健康を重要な経営資源、企業活力の源泉と位置づけ、従業員が心身ともに健康で働き甲斐のある職場づくりに取り組んでおります。経営理念である「高い目標に挑戦し、より活気あふれる企業風土を築きます」の実現のため、健康増進活動に取り組む従業員への積極的な支援と、組織的な健康増進施策を推進し、2024年も「健康経営優良法人」に5年連続で認定されました。今後も継続して取得するとともに、2025年のホワイト500認定取得を目指してまいります。
8.モノづくり
「質を極め~量変動に追従できる革新的モノづくりの実現」
革新的モノづくりにつきましては、これまでも最適な生産を実現し生産革新活動を進めて収益性強化に努めてまいりました。次の時代に向けてモノづくり現場をより一層進化させ、自己完結革新工場を2030年に実現することを目指し、デジタル技術を軸にしたShip’30活動を前中期経営計画から進めております。2023中期経営計画ではShip’30活動における生産工程革新といたしまして、コンセプトライン構想および実現に向けた取り組みの推進、運搬や検査などの自動化の実現や、設備モニタリングシステムの展開といったIoTの活用を図ってまいります。また、革新ライン構築に向けて信頼性の高い設備開発と導入を進めてまいります。設備管理革新活動としては、高度化する設備群への対応と故障率低減に向けたTPM体制構築および故障分析と対策・保全の実施を進めてまいります。さらに、KPS(※5)活動を推進し、モノづくり現場の底上げを図り生産性を向上させるとともに、活動を通じ人財の育成を図ってまいります。
(※5)KPS:Kayaba Production Systemの略でムダの徹底的排除の思想に基づく生産方式を指す
当社グループは、これらの重点方策活動を着実に実施し、筋肉質で高収益な企業体質への改革に取り組んでまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、3年間(2024年3月期~2026年3月期)の2023中期経営計画を策定しており、当連結会計年度における実績、2025年3月期における見通し及び最終年度における目標数値は以下のとおりです。
(注) セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出したもので、日本基準の営業利益に相当いたします。
また、収益基盤の安定化を図るため、収益力改善については、固定費管理体制強化、最適調達による変動費削減、グローバル総原価低減の推進、グループ生産体制の最適化を、財務体質改善については、棚卸資産回転率の指標管理強化による全社棚卸資産圧縮を推進し、重要な指標と位置付けております当社グループ自己資本比率やROEの改善を進め、グループ一体となった利益確保を通じ企業価値向上に向けて取り組んでまいります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
当社グループでは環境や社会の課題解決に向けた活動を実践し、持続可能な社会の実現に貢献するべく活動を推進しています。経営理念である「人々の暮らしを安全・快適にする技術や製品を提供し、社会に貢献するカヤバグループ」を根幹に、創業者から受け継がれてきた独創の精神に立ち返り、豊かな未来を描く新たな歴史を創り続けます。
気候変動問題に対しては、地球温暖化防止、循環型の持続可能な社会の実現に向けて、人と地球に優しい製品づくりを目指すとともに、省エネ化や再生可能エネルギーの導入、廃棄物削減などを推進します。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス
当社グループでは持続可能な社会の実現へ貢献すべく各種取り組みを推進しており、会社全体を取りまとめる組織として、ESG推進部が事務局、社長が委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティに関する取り組みを討議の上、取締役会へ3か月に1回報告または上申しております。
加えて、サステナビリティ委員会の傘下として、各事業部内に事業ESGワーキングチームを設置して、気候変動に関するリスクや機会の抽出、対応策の検討などを実施し、サステナビリティ委員会へ報告しております。また、気候変動リスクに対応するサステナビリティ委員会と会社全般のリスク管理を行うリスク管理委員会は連携しながら活動を行なっております。
取締役会ではサステナビリティ委員会からの報告または上申を受けてプロセスを監督し、必要に応じた決議を行っております。
また、気候変動や環境保全に関連して業績に影響を与える事項は、機能部門および事業部門が業務執行状況を報告する「経営報告会」や、安全・環境部による「環境安全監査」等においても監視を行っております。
サステナビリティに関する体制図は、以下のとおりです。

(2) 戦略
当社グループはESG経営を方針策定の基盤とし、環境への対応はもちろんのこと、機会を企業価値向上へと繋げ、持続可能な社会に貢献する製品開発を推進しています。またESG推進部を中心に環境・社会・ガバナンスに関するすべての社内活動を推進しています。
<気候変動>
当社グループは2050年カーボンニュートラル達成を目標として、温室効果ガス排出量削減の活動、製品の環境負荷物質低減のための対策、CO2低排出・省エネルギー製品の開発を行っています。気候変動に関するリスクとその影響から見えるビジネス機会に関しては、受注減や工場の操業が停止する事態に陥ることが重大な財務的影響の定義とし、発生の可能性、影響の大きさ、質的影響で分類し、どのくらいのインパクトがあるかを定義しています。下表に示すシナリオ分析により影響度を評価し、事業戦略や経営計画に反映させていきます。
また、当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は次のとおりです。
※当社グループでは、「組織をつくるのは人であり、人は組織の財産」という考えのもと、人材を「人財」と表現しています。
<人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針>
当社グループは、人財の多様性を経営健全化実現のための重要な取り組みの一つと捉え、多様な価値観、文化、慣習を受容・尊重した働きがいのある職場を創出するとともに、経営戦略、製品開発に柔軟性のある風通しの良い企業風土の構築を目指します。
<社内環境整備に関する方針>
当社グループは、「カヤバ健康宣言」において、従業員や家族の健康を重要な経営資源、企業活力の源泉と位置付けており、働きやすい環境の下で当社グループで働く一人ひとりがそれぞれの能力を最大限発揮できるよう、従業員の働きがい・エンゲージメント向上に取り組みます。
また、以下のような方策に取り組んでおります。
① 多様な人財の活用と適材適所の人員配置
ⅰ)女性の活躍推進
女性の活躍推進に対する管理職の意識を変えることを目的とした研修を2023年度より新規で開始しています。
また、当社では女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況が優れている企業に与えられる「えるぼし」を2023年に取得し、その中で、女性管理職比率が2年連続向上した点を評価いただきました。女性管理職に関しては、2025年度目標にて24名を掲げていますが、2023年度実績においては18名に留まっております。管理職候補となる職位の女性従業員の数を増やすため、座談会による女性従業員からの意見収集を行い、2024年度は自身のキャリアを考えるステップアップ研修を開講予定です。今後も女性従業員が活躍できる環境整備を進めていきます。
ⅱ)障がい者雇用
障がい者の担当業務領域の拡充と受け入れ職場の拡大等により、障がい者雇用率の向上と、障がい者と健常者がともに働きがいを感じられる職場環境の実現に向けた活動を進めております。当社では2019年9月に「業務支援センター」を設置し、社内の各部門、官公庁、学校、各種団体と連携して雇用促進や定着率の安定に向けた取り組みを進めてきた結果、2019年3月末に1.88%であった障がい者雇用率が、2024年3月末現在では2.55%となり、2024年4月より引き上げられた法定雇用率2.50%を上回る雇用率となっています。引き続き、職場環境の実現に向けた活動をしていきます。
ⅲ)ローテーション促進
従来より人財の固定化による不正リスク防止を目的としたローテーションを進めてきましたが、定期的なジョブローテーションによる組織の活性化および従業員のスキル向上を目的に加え、従業員のローテーション促進を進めていきます。
② 経営理念の実現に貢献する人財育成
ⅰ)TQM(Total Quality Management)教育
2023中期経営計画において、TQM活動を起点に重点方策を実施することから、2023年度はTQM教育を全社展開してまいりました。2024年度から各事業・各本部を対象に、外部講師による実践教育を通じて、経営目標達成に必要な組織能力を高めるために抽出した実施事項に取り組んでまいります。全社の活動を共有しそれぞれが自分事として課題や問題を顕在化させ、改善、フィードバックすることにより、中期スローガン“品質経営を極める”を実現していきます。
ⅱ)人財育成プログラム
「経営理念(規範、活気、愛、独創)の実現に貢献する人財の育成」を基本とし、そのために必要な資質が備わる人財育成プログラムの体系を整備しています。2024年度より若手従業員の管理職へのステップアップを後押しするため、自身の位置づけや求められる期待役割を把握し、これからのキャリアについて学ぶ研修を開始していきます。
ⅲ)規範意識教育
従業員一人ひとりに規範意識が浸透し風通しの良い職場にするため、毎年10月に全従業員を対象とした教育を行うほか昇格時研修においても実施しております。
③ 働きがい・エンゲージメント向上
ⅰ)健康経営
経営トップ主導の元、2019年に立ち上げた健康経営推進プロジェクトを中心に健康経営に取り組んでおり、2023年度大規模法人、中小規模法人健康経営優良法人で、グループ計7社が認定されました。プロジェクト立ち上げ当初は、疾病による休業者を減らす活動を行っていましたが、現在は、疾病を未然に防ぐ健康増進活動にシフトしており、「喫煙率低減」「仕事満足度向上」「肥満該当率低減」「高ストレス者低減」「睡眠充足率向上」の5つを重点方策として掲げております。その活動による改善効果を経年で把握し、その後の施策検討をするため、健康診断結果や面談記録を一元管理する健康管理システムを2022年度に導入しました。また、上記重点方策のPDCAを回すためのツールとして、2023年度に「カヤバ健康支援サービス」を採用しました。2024年度は「喫煙率の低減」を最重要課題として捉え、受動喫煙・禁煙の双方の観点からの活動を強化するとともに、従業員の健康リテラシー向上を図るための「カヤバ健康支援サービス」の普及のため、人事部門・健康管理センター・健康保険組合・労働組合とコラボした活動を行っていきます。これら活動を継続することが、従業員の仕事満足度向上に寄与し、パフォーマンス最大化につながるものと考えています。

ⅱ)ワークライフバランス
安心して仕事に従事できる職場環境作りやワークライフバランスの両立支援につなげるためテレワーク制度、フレックスタイム制度、育児・介護休職および短時間勤務制度、配偶者転勤休職制度などの様々な制度を設け、多様な働き方を推進しています。中でも、育児制度においては、出産育児にかかわる制度周知を目的とした「出産・子育てのためのガイドブック」を女性従業員用・男性従業員用・幹部従業員用それぞれの作成と各事業所相談窓口設置等により男性の積極的な育児参加を推進する取り組みを進めています。
ⅲ)間接業務合理化
なくす・へらす・かえるの観点から間接部門における業務合理化を進めており、2023年度はカヤバ生産方式(KPS)の思想を用いた改善による抜本的な業務ムダどりの実践に取り組んできました。また、RPA(Robotic Process Automation)などのデジタル技術を活用した合理化実践にも積極的に取り組んでおり、今後も従業員の総就業時間低減と年次有給休暇取得率向上を目指していきます。
(3) リスク管理
会社全般のリスクへの対応については、取締役会の下部組織であるリスク管理委員会において、全社的な対策を講じる必要のある重点リスクと責任部署を決定し、各責任部署がリスク管理活動を行い、四半期毎に取締役会へ報告しています。詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。気候変動に関するリスクについては、気候変動課題への対応を事業で推進するチームである事業ESGワーキングチームで、AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業、HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業、特装車両事業のそれぞれでTCFDの推奨するシナリオ分析を活用して気候変動リスクの検討を実施し、サステナビリティ委員会で討議し、取締役会へ報告しています。現在は各事業の中期・長期のリスクと機会による財務影響度を検討しております。
(4) 指標及び目標
当社グループでは、上記「戦略」において記載した、気候変動について、当社及び連結子会社の生産拠点において次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

また、当社グループでは、上記「戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。
なお、当該指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績および財政状態のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) リスク管理の仕組み
① 「リスク管理委員会」について
当社グループでは、経営目的の達成および事業の運営を阻害する可能性のある事象をリスクと定義し、リスク管理に取り組んでおります。また、全社的リスク低減のため、「リスク管理委員会」を取締役会の下部組織として設置しております。リスク管理委員会において、全社的に対策を講じる必要のある重点リスクと責任部署を決定し、各責任部署がリスク管理活動を行っており、大規模災害等のBCPについても同様に活動しています。また、事業リスクに関しては当該リスクを抱える事業部が責任をもって取り扱う一方、リスク管理委員会はモニタリングを行います。
体制については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しておりますコーポレート・ガバナンス体制図をご参照ください。
また、リスク管理委員会の構成は、以下のとおりです。
② リスク管理の流れ
以下のスケジュールに基づき、1年単位でリスク低減活動を行なっております。
③ リスク評価方法
リスクを、財務、人的被害、操業停止、法令違反、評判などの視点から事業の運営に及ぼす影響度と、発生する可能性から、リスクの大きさを評価しております。
(2) リスク管理の現状
① 全社リスクの内容と対応状況
2024年度のリスク管理活動では、子会社を含む全拠点から抽出したリスクから、リスクが大きいと評価した以下9件を重点リスクとして選定しております。これらについては、それぞれの責任部署が、年度活動計画を策定し、それに基づいてリスク低減活動を行なっており、活動の進捗や、リスクの状況については、四半期ごとに取締役会へ報告しております。
なお、2023年度より、重点リスクに3つのリスクを追加しております。紛争など地政学リスクが顕在化しており、従業員の安全をどう確保するかが重要な課題となってきたため、「紛争等有事の安全措置」を新たに追加しております。また、転職が一般化してきている現況より、これまでの対応だけでは人財のつなぎ止め、確保に限界が出てくることが予想されるために「人財不足」を、大規模災害以外にも取引先の撤退、倒産などによるサプライチェーン寸断が現実味を増しており、予防措置の重要性が高まってきたために「サプライチェーン寸断」を、それぞれの取り組みをより強化するために追加しております。
各全社リスクの詳細は以下のとおりです。
1.品質不正
品質不正による法令違反やお客様との契約違反は、お客様からの損害賠償請求や是正対応費用などにより、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、品質不正に直結する品質記録の改ざんなどを防止する活動を行っております。具体的には、拠点が自主監査で使用するマニュアルの見直し/改定を行い、拠点自身での発見力強化を行います。また拠点自主監査後の品質管理部による現地又はWeb監査により、品質不正の懸念事項の発見漏れを防ぎ、是正を行うことで品質不正リスクを低減してまいります。
2.大規模災害
当社グループでは、地震、火災、風水害での自社生産設備の損傷やサプライヤーチェーンの寸断、サイバーインシデントなどによる操業停止の可能性があるため、災害発生時の被害を最小化する活動や災害発生時の復旧訓練の実施など、生産能力早期復旧のための対策をとっております。また、発生の可能性が高いと推測される国内地震を中心に、国内外火災に対しても、訓練の実施に取り組んでまいります。また減災対応や復旧戦略策定についても見直し・強化を進め、大規模災害時の操業停止リスクを低減してまいります。
3.人権問題
職場でハラスメントが発生した場合、職場環境悪化による生産性低下や人財流出によって事業活動が鈍化し、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、労務訴訟などで賠償請求を受けるリスクもあります。
当社グループでは、いきいきと働くことのできる職場環境の土台づくりの一環として、内部通報件数やストレスチェックの結果から選定した重点拠点、部署への個別対応、および従業員へのハラスメント防止教材の事例集拡充により、多様な価値観を尊重する職場づくりをすすめ、ハラスメントによる事業活動の鈍化や労務訴訟リスクを低減してまいります。
4.サイバー攻撃
近年の情報システム環境の進化・複雑化に加え、テレワークの普及による従業員の外部からのアクセス機会が増える一方、サイバー攻撃は急増し、複雑・高度化しており、情報セキュリティに係るリスクが高まっています。これらにより、情報漏えいやシステム障害等が発生した場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、グループ共通のサイバーセキュリティ教育・訓練、サプライチェーンセキュリティ強化、サイバーインシデント対応マニュアルの整備等を実施することで、グループ全体の防衛力を強化し、サイバー攻撃による操業停止リスクを低減してまいります。
5.労働災害
労働災害の発生は、従業員の生命を脅かすだけでなく、是正対応などのために操業停止又は、生産能力が著しく低下する可能性があります。現在、発生頻度の高い災害を重点災害と位置づけ、重点災害発生拠点に対する特別管理および再発防止策をグループ内で水平展開することで、労働災害の人的被害リスクを低減してまいります。
6.火災
当社グループの多くの工場では、油の特性を利用した油圧製品の生産を行っており、有機溶剤を使用する塗装設備、作動油・化学薬品等を貯蔵するタンク等が設置されていることから、火災の発生や有害物質が流出する可能性があり、万が一、事故が発生した場合には生産活動が一時的に停止する可能性があります。過去事例を反映した防火体制チェックリストによる点検の実施、火災の原因となりうる設備に加え、爆発リスクのある設備の見える化、清掃状況の見える化、防火教育にて、火災による操業停止リスクを低減してまいります。
7. 紛争等有事の安全措置
当社グループはグローバルに事業活動を行っており、世界のさまざまな国や地域で発生する紛争等により、生産活動や販売活動の継続に影響を与えるだけでなく、従業員の生命を脅かす可能性があります。紛争等有事の際に従業員の安全を確保するため、円滑に退避できるように有事に特化した退避マニュアルの整備、運用等をすることで、従業員の人的被害リスクを低減し、事業活動再開にも備えてまいります。
8. 人財不足
転職が一般化してきている現状から、当社グループでも人財流出により、事業活動が鈍化し、経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。定期採用戦略、中途採用戦略を推進するとともに、退職理由の分析から職場環境の改善、人事制度の見直し等を実施し、人財不足リスクを低減してまいります。
9. サプライチェーン寸断
当社グループのサプライチェーンには、後継者不足、設備老朽化などによる廃業、事業撤退が懸念される取引先があります。予期せず取引先からの部品供給が停止した場合、一時的に生産活動が停滞し、事業継続に影響する可能性があります。取引先の状況を注視し、コミュニケーションを深め、懸念取引先に対しては、転注等の代替手段で継続供給を確保し、供給停止リスクを低減してまいります。
② 各事業の個別リスクの内容と対応状況
全拠点から抽出したリスクのうち、各事業や各拠点で個別に対応するリスクについてはリスク管理委員会の活動に依らず、各事業等で対応しており、以下のものがあります。これらは、2023中期および2024年度方針に掲げ、各事業等の日常の管理活動の中でリスク低減活動を実施しております。その進捗については経営報告会等の会議体を通じて定期的に報告されております。
上記のリスクに関する詳細は以下のとおりです。
1.需要動向・生産活動停止
当社グループのAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業・HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業の主要製品は自動車、建設機械および産業車両メーカー等(以下、お客様といいます)へ供給する組付用部品であり、世界的な自動車生産台数や建設機械生産台数に大きく左右されます。当社は世界的な供給体制を構築しておりますが、各市場における景気悪化による自動車ならびに建設機械需要の減退等により、この部門の収益性に大きな影響を与えます。また、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢緊迫化を始めとする地政学リスクの高まりに加え、米大統領選挙の結果は世界の構図に影響を及ぼすことも想定され、国際関係の変化が増しております。それを受け、製品や主要部材の供給遅延や制限に伴うお客様の生産調整や生産稼働停止が発生するだけでなく、該当地域での生産・販売活動停止や事業撤退により当社の事業継続が困難となり、収益性や生産活動に大きな影響を与える可能性があります。
2022年に撤退を表明した航空機器事業については、お客様等との調整を進め、ご迷惑をおかけすることの無いよう管理に努めておりますが、その中でも予見しきれない費用や損失が発生した場合、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。特装車両事業の製品は、国内を中心に展開しております。特にコンクリートミキサ車を主力とする特装車両は、景気の先行きと相関の深い建設工事の増減により需要が変動する可能性があります。
当社グループでは、グローバルで情報収集・分析を行い、状況に応じた対応をしております。
2.品質不良の発生
品質に関しては、自動車では操縦安定性を支えるショックアブソーバや操舵力を補助するパワーステアリング等の重要な部品を供給しており、建設機械・産業車両等では母機を駆動させるシリンダ、モータ等の主要な機能部品を供給しております。また、特装車両事業部ではコンクリートミキサ車などの特装車両をお客様へ納入しております。仮に当社グループが供給した製品に品質不良が発生した場合、その損害賠償をお客様から求められる等で多額の費用が発生する可能性があります。当社グループでは、品質経営を基盤に品質管理体制強化など品質向上を継続して追求し、品質不良発生の未然防止に努めております。また、グループ全体での不正防止活動への取組やコンプライアンス教育を通じ、問題が発生した際には対応が迅速且つ確実に行われるよう体制を整備しています。
3.製品販売価格
価格に関しては、国内・海外市場共に熾烈な価格競争にさらされており、お客様からのコスト低減、価格引下げ要請が常に存在します。当社グループでは、高品質・高付加価値製品を提供することによる競合優位を目指すと共に、生産性向上などを通じた継続的な原価低減によるコスト競争力向上に努めております。
4.原材料・部品等の調達価格
当社グループは、原材料、構成部品等を多数の取引先から購入しておりますが、調達する原材料等は国際商品市況や為替等の影響を大きく受けます。複数購買の実施や購買機能の集約等による原価低減を図っておりますが、原材料等の価格上昇を当社の販売価格に十分に反映出来ない場合、あるいは、販売価格引下げを原材料および構成部品価格に十分に反映出来ない場合、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
5.資金調達
当社グループは、主に国内外の金融機関等より設備資金ならびに運転資金の調達を実施しております。金融市場の動向には十分留意しておりますが、全般的な市況および景気の後退、金融収縮、当社グループの信用力の低下等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性もあります。その結果、当社グループの財政状況や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
6.為替相場変動・金利上昇
当社グループは、海外売上高が58.5%と海外市場に大きく依存しているため日本からの輸出はもとより在外関係会社の経営成績等も為替の影響を大きく受けます。このような為替変動リスクに対してはグローバルな生産拠点の配置や為替予約等によりリスクの軽減を図っておりますが、想定を超えた為替相場の変動は、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは有利子負債を有しており、固定金利での調達により金利変動リスクの軽減に努めておりますが、日本および海外における将来の金利上昇は、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
7.得意先の信用リスク
当社グループは、自動車、トラック並びに建設機械メーカー各社様や系列販売会社様をはじめ多くのお客様と取引を行っております。取引先の予期せぬ信用リスクにより、経営成績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、取引先の信用リスクについては細心の注意を払い、与信管理や取引先との関係強化等を通じてリスク管理を行っています。
8.重要な訴訟等の発生
当社グループを相手とした訴訟が起こされ、当社の主張と相違する結果となった場合には、その請求内容等によっては、当社グループの経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。国内外の弁護士と連携し、事案の内容に応じて適切に対応しております。
③ 建築物用免振・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について
当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)は、建築物用の免震・制振部材としてオイルダンパーを製造・販売してまいりましたが、その一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品を建築物に取り付けていた事実(以下、「本件」といいます。)が判明し、国土交通省に報告を行うとともに、対応状況について、2018年10月16日に公表いたしました。(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。
本問題に関する再発防止策および対応については、以下の当社ホームページ上で公表しておりますのでご参照ください。
なお、2022年3月末時点で、再発防止策の具体策全67項目の内、全項目を「完了」しており、引き続きその維持・定着の取り組みを継続しております。
再発防止策の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/prevent.html
対応の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/exchange_progress.html
本件に関し、現時点において収集可能な情報、及びその情報が合理的な事実に基づくものであると判断された免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等について、製品保証引当金を計上しております。
なお、本件に関連して訴訟を提起されている案件もありますが、一部案件においては追加費用の発生なく終了し、またその他案件の訴訟手続きも進んでおり、現時点においては経済的便益の流出の可能性は低下していると判断しております。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(百万円未満四捨五入)
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動制限の緩和が進み、景気回復の動きが見られましたが、一方で、中東地域を含めた地政学リスクの高まりによる不安定な世界情勢やエネルギー資源の高騰、インフレ加速に対する各国の金融引締め政策といった景気減速のリスクは依然として残されています。
こうした中、わが国経済は、海外からの入国者増加や政府による賃上げ方針といった景気循環の下地があるものの、円安基調による物価高の長期化が需要抑制要因となって個人消費は足踏み状態であり、構造的な人手不足問題や中国経済の減速等により、不確実性が高まる中で先行きの見通しづらい経営環境が続いています。
当社グループの事業に関する市場におきましては、自動車関連で需要の持ち直しがみられたものの、建設機械関連では中国市場を中心に需要が大きく減速したことや二輪需要の変動、米国や中米・欧州での生産性の悪化等により、当連結会計年度は前年比で厳しい経営環境となりました。
このような環境のもと、当社グループの売上高は4,428億円と、前連結会計年度に比べ116億円の増収となりましたが、営業利益につきましては224億円(前連結会計年度営業利益325億円)、税引前利益は214億円(前連結会計年度税引前利益318億円)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は158億円(前連結会計年度親会社の所有者に帰属する当期利益272億円)となりました。
(建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について)
2019年3月期において、当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。
(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。
当連結会計年度においては、2024年3月31日時点で交換が未完了の不適合品及び性能不明品(性能検査記録のデータ書き換え有無が確認できないもの)の全数(免震用オイルダンパー55本、制振用オイルダンパー344本の合計399本)を対象として、交換用免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等を製品保証引当金に計上しており、当該製品保証引当金の当連結会計年度末の残高は29億円であります。
セグメント別の業績は次のとおりです。
なお、当社グループ再編に伴いセグメント管理区分の見直しを行った結果、従来「その他」に含まれていたその他製品の一部を「AC事業」に含めて開示しております。このため、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値で比較しております。
(a) AC事業
当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。四輪車用油圧緩衝器は、中国市場における需要は減少したものの、北米や欧州における半導体不足からの回復によるOEM製品の生産増、円安による為替影響等により、売上高は2,149億円と前連結会計年度に比べ6.3%の増収となりました。二輪車用油圧緩衝器は、東南アジアや中国での需要減少により、売上高は413億円と前連結会計年度に比べ10.0%の減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は2,930億円と前連結会計年度に比べ4.8%の増収となったものの、北米や欧州での生産性悪化のためセグメント利益は165億円と前連結会計年度に比べ23億円の減益となりました。
(b) HC事業
当セグメントは、産業用油圧機器、システム製品、その他製品から構成されております。建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、主要な市場である中国での需要減少の影響を大きく受け、売上高は1,245億円と前連結会計年度に比べ4.4%の減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,344億円と前連結会計年度に比べ2.5%の減収となり、セグメント利益は54億円と前連結会計年度に比べ21億円の減益となりました。
(c) 航空機器事業
当セグメントは、航空機器用油圧機器から構成されております。北米における一部製品の生産終了等により、売上高は39億円と前連結会計年度に比べ11.5%の減収となり、セグメント損失は20億円と前連結会計年度に比べ6億円の減益となりました。
(d) 特装車両事業及びその他
当セグメントは、特装車両等から構成されております。コンクリートミキサ車を主とする特装車両において、半導体不足等の影響緩和により、国内得意先の需要が回復傾向にあることから、当セグメントの売上高は114億円と前連結会計年度に比べ23.7%の増収となり、セグメント利益は11億円と前連結会計年度に比べ5億円の増益となりました。
(百万円未満四捨五入)
流動資産は、現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権の増加等により40億円増加しました。また、非流動資産につきましては、持分法で会計処理されている投資及びその他の非流動資産の増加等により257億円増加しました。この結果、総資産は297億円増加し、4,765億円となりました。
負債につきましては、社債及び借入金が増加したものの、その他の金融負債が減少したことにより、負債総額は57億円減少し、2,501億円となりました。
資本は、当期利益に伴う利益剰余金の増加、為替影響によるその他の資本の構成要素の増加により、354億円増加し、2,264億円となりました。
親会社所有者帰属持分比率は、資本が増加したことから45.6%と前連結会計年度末に比べ4.7ポイント好転しました。
② キャッシュ・フローの状況
(百万円未満四捨五入)
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせて164億円の資金流入、また財務活動によるキャッシュ・フローは150億円の資金流出となり、為替換算により17億円増加した結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末比31億円増加し、466億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により当連結会計年度は399億円の資金流入(前連結会計年度比159億円の増加)となりました。これは主に税引前利益214億円、減価償却費及び償却費189億円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は235億円(前連結会計年度比100億円の支出増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出246億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により流出した資金は150億円(前連結会計年度は202億円の支出)となりました。主な流出は、長期借入金の返済による支出113億円や配当金の支払額68億円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
(b) 受注実績
四輪車用・二輪車用油圧緩衝器およびパワーステアリング製品を主とするAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業、建設機械向け産業用油圧機器およびシステム製品を主とするHC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業は、見込み生産を行っております。航空機器用離着陸装置、同操舵装置等を主とする航空機器事業についても、一部製品においても正式受注が納期間際であることから、その殆どが内示に基づく見込み生産となっております。
特装車両事業及びその他についても、同様にその殆どが内示に基づく見込み生産となっております。従って、受注高および受注残高を算出することは困難であることから、記載を省略しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(注)上記金額には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売実績を含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、中国経済の落ち込みによる減収があったものの、インフレコスト回収と為替円安効果により、売上高は前連結会計年度比2.7%増加の4,428億円となりました。一方、米国やメキシコでの生産性悪化によるコスト増、市販製品の販売減少に伴う製品構成の変化、及び中国や欧州市場低迷に伴う建設機械向け製品の販売数量減少により、セグメント利益は前連結会計年度比17.8%減少の210億円、営業利益は前連結会計年度比31.1%減少の224億円と、いずれも減益となりました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を可能とする経営基盤を築くことを目標に 2023中期経営計画を策定しております。当社グループは幅広い製品群の事業を展開しており、各事業及びその製品群のポートフォリオ評価や計画に対する進捗や見通しを把握するため、売上高、セグメント利益及びセグメント利益率の分析を重視しております。中期経営計画の数値目標については「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
2023中期経営計画の初年度にあたる2024年3月期では、売上高4,500億円、セグメント利益280億円、セグメント利益率6.2%を目標に掲げて活動を進めてまいりました。しかしながら、当連結会計年度の経営成績は、それぞれ売上高4,428億円、セグメント利益210億円(セグメント利益率4.7%)と、中国・欧州市場低迷に伴う建設機械向け製品の販売数量減や米国・メキシコの生産性悪化によるコスト増の要因等により目標に対し未達の結果となりました。
2023中期経営計画では、「品質経営を極める」をスローガンに掲げ、顧客価値創造を目指した人財・情報・仕事の質を高めることで製品・サービスの質を向上させる活動を進めております。当社を支える2大コア事業であるAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業とHC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業の2023年度の基本方針及び進捗、2023中期経営計画の2年目にあたる2024年度の方針は以下のとおりです。
AC事業は、2023年度は「新しい挑戦を!」をスローガンに、母機の電動化・自動化のトレンドに対し、新商品・改良商品の開発を促進するとともに、新領域への進出を図り、収益力向上だけでなく全てのステークホルダーのニーズを満たす活動に取り組んでまいりました。2023年度ではVWグループ向け電子制御サスペンションやHero MotoCorp向け倒立フロントフォークの納入を開始し、高い付加価値を提供してまいりました。また、環境に優しいショックアブソーバー用環境作動油である「サステナルブ」を開発し、ラリー選手権参戦車両へも投入しました。当年度も引き続き、高付加価値製品の拡充と市場投入、新市場進出や新興メーカーへの参入、そして電動化への取組みを進めて事業の地盤固めと更なる飛躍を目指します。
HC事業は、2023中期経営計画では「“ゆるぎない信頼”をベースにした成長への再スタート」をスローガンに、ボリュームゾーンである既存ビジネスと次期主力商品となる新たなビジネスを両輪にして活動を進めてまいりました。その中で2023年度は、将来の事業化を見据え、当社の油圧技術の強みとセンサ技術を活かした油漏れ検知センサや油状態診断システムを開発いたしました。当年度、既存ビジネスでは価格・品質・供給の各分野で市場におけるプレゼンスを示すことで、収益性とシェアの確保に取り組んでまいります。加えて、新たなビジネスでは環境・性能・情報の各分野で既存製品にない付加価値の創造につながる製品・サービスの市場投入を意識した体制構築を加速してまいります。
この他、航空機器事業については、2018年度に判明いたしました防衛装備品の不適切事項からお客様からの信頼を取り戻すべく、コンプライアンス強化のもと、生産のしくみ改善に継続して取り組んでおります。
特装車両事業については、ドラム軽量化による積載量の増加、生コン打設作業時の安全対策、使い勝手の向上など、お客様のニーズを反映させた高付加価値製品の市場投入に向け、開発を進めてまいります。またトラックEV化に向けた製品仕様や脱炭素社会に貢献できる新製品及び他事業との連携による次世代製品の研究開発を推進し、特装事業の基盤強化を戦略として取り組んでおります。加えて、新たな収益基盤として、これまで培った技術・経験を投入しキャンピングカーの事業化に向けた取り組みを進めてまいります。
また、当社グループの資金需要、資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、鋼材等の原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債の発行および金融機関からの長期借入を基本としております。本連結会計年度におきましては、設備投資等のためDBJ-対話型サステナビリティ・リンク・ローン及びMizuho Eco Financeの借入契約の締結により総額70億円の借入を実行いたしました。当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は1,015億円となっております。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は466億円となっております。
5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
(1) 目的
当社では、モノづくりを通して豊かな社会づくりに貢献する信頼のブランドを確立していくため、2023年度よりスタートした2023中期経営計画の「品質経営を極める」をスローガンとして、カヤバグループ一丸となり研究開発活動を今後も精力的に推進してまいります。
現行製品の性能向上はもとより、高機能化やシステム化への対応及び軽量化や省エネルギー、CO2削減への貢献、環境負荷物質削減などを通して世界中の至る所で地域の人々の暮らしを支え、安心・安全・快適さを提供するための新製品開発と革新的なモノづくりに挑戦し続けています。また、グローバル化の加速に伴い、国際感覚を身につけた人財の育成やマネジメントシステムの構築も進め、グローバル生産・販売・技術の一体活動でイノベーションを起こすことによってカヤバグループの新しい価値を創造し、企業価値の向上に繋げ、技術の持続的成長を目指します。
(2) 体制
当社では、基盤技術研究所と生産技術研究所を中核として、独創性に優れた先行技術の研究開発を行っています。
研究所では基礎研究や要素技術開発を、各事業の技術部門は新製品及び性能向上や低コスト化など商品力向上のための開発を担うとともに、全社を横断して研究所と各事業技術部門が一体となったプロジェクト活動も推進しています。また、研究開発からモノづくりまでを無駄なく連続的に、スムーズかつタイムリーに実施していくために、長期的な環境変化とそれに伴う社会ニーズや顧客ニーズの調査、分析、予測に基づいた将来技術のあるべき姿とそこに向けた持続的成長戦略を、ロードマップとして明確に定め、活動を進めています。また、欧州技術者駐在員事務所(欧州テクニカルセンターと同敷地内)を活用し、自動車、油圧機器を問わず、欧州地区をはじめとする世界の最先端情報を収集し、技術トレンドの把握と社内の研究開発テーマへのブレークダウンを行っています。
工機センターでは、先進性に溢れた信頼性の高い設備や金型の内製化に取り組んでおり、生産技術研究所で開発された新しい工法や各工場で培われたノウハウの具現化を推進しています。各部門でAIやIoTなどのデジタル技術の全社的活用・推進を行っています。
一方で、従来からの研究開発及び製品化に向けた体制に加え、新しい時代に対応するための取組みも進めております。
まず、持続的成長のための商品開発として、EV化や自動化に対応すべく当社のコア技術である振動制御・パワー制御と電子制御、センサ、電動機・インバータ等の技術を高度に融合させ、EV、建機、産業用車両の安全・快適性能の追求、エネルギー消費低減、自動運転へ貢献する製品の開発を進めております。2023年には基盤技術研究所に電動化ユニット先行開発室を設置し、電動化対応製品の開発加速を図っております。また収益力強化としてShip’30活動としてデジタル技術を軸にしたカヤバ生産方式の追究と進化による次世代革新工場を目指し、生産工程・設備管理革新のためのデジタル技術やAI技術の研究開発も進めております。
製品開発や新サービスの展開、生産工程・設備管理革新により、今まで以上にお客様に安心してお使いいただける製品のご提供を目指していきます。
当社グループの関係会社は、主に自動車機器・油圧機器・電子機器の製造販売及び製品の改良開発を行っています。そして、課題の解決にあたっては、当社の研究所をはじめとする機能部門や、各事業の技術・生産・品質部門が支援、協業する体制をとっています。
製品の高機能化やシステム化におきましては、当社独自の取組みは勿論のこと、お客様あるいは関連機器サプライヤーとの共同研究開発を推進するとともに、効率的な研究開発推進のために産学交流による最先端技術開発にも積極的に取り組んでいます。また、昨今、製品機能の高度化・複雑化に対応すると共に、開発効率の向上を図るため、全社的にモデルベース開発(MBD)の推進に取り組んでいます。これにより、開発期間の短縮と共にお客様からのニーズに素早く対応し、ご高評をいただけるように努めていきます。
(3) 成果
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は7,589百万円であります。
① AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業
四輪車用の油圧緩衝器では、比例ソレノイド(連結子会社である株式会社タカコと共同開発による内製)を搭載した電子制御減衰力調整式ショックアブソーバがトヨタ自動車株式会社様のクラウンスポーツ、クラウンセダン、クラウンエステート及びセンチュリー(SUV)に採用されました。オイルシールを低摩擦化することで、より上質で滑らかな走りと圧倒的な乗心地の良さを実現した本製品は、電動化・自動運転化が進む将来において益々の採用拡大が見込まれます。また、極微低速域における作動時の摩擦力をコントロールしたProsmooth®(プロスムース)を進化させた技術がトヨタ自動車株式会社様のカローラアクティブスポーツに採用されました。ピストン外周バンドに更に改良を加えることで、走りの楽しさと乗心地の良さを同時に追求した車両運動性能の実現に大きく寄与し、大変ご好評を頂いております。極微低速域における作動時の油圧力をコントロールしたSwing Valveを含め、今後多くの自動車メーカーへこれらの付加価値製品の採用拡大を図ってまいります。一方、環境に配慮した取り組みとして、業界初の生分解性を有する作動油SustainaLub®(サステナルブ®)を開発しました。スーパー耐久レース(トヨタ自動車株式会社様:水素カローラ)、全日本ラリー(カヤバラリーチーム)といった様々なモータースポーツでの試用を開始し、過酷な状況下で好成績に繋げるなど高い信頼性を実現しています。今後も更なる技術提案及び新製品展開を進め、持続可能なモビリティ社会への貢献を果たしてまいります。
欧州テクニカルセンターでは、電子制御減衰力調整式ショックアブソーバを制御ソフト含め、システムで開発しています。さらなる性能向上として、2つの減衰力可変機構を持つショックアブソーバの開発を行い、量産を開始しました。本製品は、伸び側と縮み側の減衰力を独立に、高速かつ精密な応答で調整可能となっており、お客様に対して、路面状況や好みに合わせて車両挙動を常に最適にコントロールすることで、安全でダイナミックな操縦性とかつてない乗り心地実現に貢献します。これらの製品を中心とした高付加価値製品の開発を継続し、カヤバグループの一員として、各欧州顧客へのアプローチを推進し、今後さらに高まる電動化・自動運転化に対する要求への対応を進めていきます。
二輪車用の油圧緩衝器では、電動モーターサイクル用に当社製リアクッションが採用されました。海外のお客様ではインドの現地顧客向けに当社製倒立型フロントフォークが初採用されました。小型倒立フロントフォークのネックである底付き性能を大幅改善した小径サイズのHCS(Hydraulic Compression Stop)を開発し、ヨーロッパメーカーのEV車両に初採用されました。またハイエンドアドベンチャーモデルに当社製気液分離型フロントフォーク及びリアクッションが採用されました。国内の二輪車レースシーンにおいては、全日本ロードレース選手権(JSB1000)及び全日本モトクロス選手権IA1クラスにおいて(いずれも最上級カテゴリー)、当社製のフロントフォークとリアクッションを装着した選手がいずれも総合優勝を収めました。今後も様々な製品開発を行い、多岐にわたって高い技術力をお届けします。
四輪車用電動パワーステアリング機器では、連結子会社である長岡カヤバ株式会社で生産するコントローラ一体型モータ(PowerPack)をベースに、要求が高まる自動運転やステアバイワイヤに対応可能なステアリングアクチュエータを開発しております。機能失陥後も作動が継続可能な冗長機能を有した次世代PowerPackを採用し、2024年後半より量産開始の予定です。また、将来のステアバイワイヤシステム提供を目指した自動車メーカーとの先行開発も進めています。
四輪用オイルポンプ製品では、これまでのトランスミッション用製品で培った高圧領域で静粛性や効率に優れるベーン式に加え、低圧領域での商品性の高い内接ギヤ式をポンプ部分のラインナップに加え、モータと組合せた電動オイルポンプを開発し、お客様へ試作品提供を始めました。需要が増えているeAxleやバッテリーなどEV基幹部品へ幅広く供給することを目指し、展示会への出展など幅広く開発・受注活動を推進して参ります。
鉄道車両用製品では、2024年3月に金沢-敦賀間の延伸開業となった北陸新幹線にセミアクティブサスペンションシステムが採用されております。また、在来線車両への普及を狙った電子制御サスペンションDTeeS®を開発中で、鉄道車両の乗り心地向上に貢献できるよう取り組んでおります。
また当事業ではモータースポーツへの取り組みを通し、常に新しい挑戦とチーム力育成(人財育成)を行っております。2023年には、全日本ラリー選手権へカヤバ社員チームでの参戦を開始し、好成績(最高位2位)を獲得。実践を通じたフィードバック開発により、カヤバサスペンション装着チームが、見事シリーズチャンピオンを獲得しております。2024年は更にステップアップ、社員ドライバーでの参戦とし、全日本ラリー選手権の最高峰クラスに挑戦しております。実践で得た技術ノウハウをフィードバックし、新たに新商品開発を推進してまいります。
電動化・自動運転の拡大や様々な情報流通インフラ整備を踏まえ、自社製品の作動状況(情報)を活用する道路モニタリングシステムの開発も進めており、電子制御を始めとしたシステム製品を応用することでCASE/MaaSに向けた新用途・新商品開発を推進しています。
当セグメントにおける研究開発費の金額は5,541百万円であります。
② HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業
HC事業では、コア製品である油圧ポンプ、バルブ、シリンダ、モータのラインナップ拡充や省エネ性能向上、コスト低減といった競争力向上に向けた開発と併行し、自動化・遠隔操作・電動化・IoT化等の将来ニーズに対応する電子制御化、省エネシステム、センシング技術、電動ユニット等の新たな付加価値創造に向けた開発を進めています。中・大型建設機械用では、従来の性能・品質を維持しながらチューブ肉厚を20%薄肉化した油圧シリンダを開発、量産化しました。使用素材を低減することでSDGsなどの環境ニーズへの適応力を高めた商品として、すでに建機メーカー各社でご採用頂いています。ショベル向けでは、2022年度にミニショベル用で量産開始した、「電子制御コントロールバルブ(バルブの操作信号を油圧から電気信号へ変更)」のラインナップ拡大を順調に進めています。オペレータの操作要求に対して高い応答性・安定性を提供することで、母機の自動化対応、操作性・作業効率の向上に貢献します。ミニショベル向けでは、現行品(PSVL-42)に対し大幅な小型化、低コスト化、また最大押しのけ容積と最高使用圧力をUPした3~4tクラス向けロードセンシングシステム用ポンプ「PSVL-50」の開発を完了し、性能向上と環境ニーズを両立した商品として2024年に量産開始予定です。IoTを活用したシステム製品としては、「油状態診断システム」の開発を継続しています。建設機械や工場設備で使用される油圧機器の作動油状態をカヤバ独自の油状態センサでリアルタイムに検知しクラウド上で分析、作動油・機器の劣化異常を診断し、保守・交換の時期を適切なタイミングで提案します。2026年のサービス開始を目指し、市場での更なる評価を進め「モノ+コト売り」のシステム製品として、機械停止ロスの未然防止、廃油量削減、メンテナンス最適化への貢献を目指します。
当セグメントにおける研究開発費の金額は1,918百万円であります。
③ 航空機器事業
航空機器事業は、事業ポートフォリオの全面的な再検討の結果、経営資源の選択と集中による企業競争力強化を図るべく、2022年2月9日に事業の撤退を公表いたしました。その後、航空機器に関わる製品開発ならびに修理を含めたすべての製販活動を段階的に終了させていきます。
当セグメントにおける研究開発費の金額は46百万円であります。
④ 特装車両事業及びその他
環境性能や安全性向上などの社会ニーズにこたえるコンクリートミキサ車の開発を進めております。
また、ミキサ車業界以外の新規分野へも進出するための製品開発に取り組んでおります。レジャー分野へ進出する第一弾として欧州車両メーカーのバンをベースに、カヤバの架装技術・油圧技術・サスペンション技術などを取り入れ、これまでにない快適性と走行性を追求したキャンピングカーを開発しています。
当セグメントにおける研究開発費の金額は83百万円であります。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資につきましては、生産体制の整備・拡充、新製品立ち上げ及び品質向上に向けた対応として、31,866百万円(無形資産及び長期前払費用に係るものを含む)の投資を実施いたしました。
セグメント別の内訳としましては、AC事業で15,374百万円、HC事業で15,255百万円、航空機器事業で907百万円、特装車両事業及びその他で331百万円の投資を行いました。各セグメントの値はセグメント間取引調整前のものです。
なお、当連結会計年度において、1,030百万円の減損損失を計上しています。減損損失の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 13.非金融資産の減損」に記載のとおりです。
2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりであります。
(1) 提出会社
(注) 1. 上記の帳簿価額には無形資産及び長期前払費用の金額は含みません。
2. 上記の帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定の合計額であります。
3. 上記のセグメントの名称には各事業所における主要なセグメント名称のみ記載しております。
(2) 国内子会社
(注) 1. 上記の帳簿価額には無形資産及び長期前払費用の金額は含みません。
2. 上記の帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定の合計額であります。
(3) 在外子会社
(注) 1. 上記の帳簿価額には無形資産及び長期前払費用の金額は含みません。
2. 上記の帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定の合計額であります。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当連結会計年度末現在において、当社グループ設備の新設・改修等に係る設備投資計画は146億円であります。各セグメント毎の内訳は、AC事業で88億円、HC事業で39億円であり、主な目的としては新製品立ち上げへの対応や生産体制の整備及びCN推進に係るものとなります。また、その所要資金は主に自己資金及び長期借入金で賄う予定であります。
なお、経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
(注) 当社の各種類株式の発行可能種類株式総数は57,300,125株であり、当社定款に定める発行可能株式総数57,300,000株を超過いたしますが、発行可能種類株式総数の合計が、発行可能株式総数以下であることにつきましては、会社法上求められておりません。
② 【発行済株式】
(注)1.完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社の標準となる株式です。
(注)2.A種優先株式は、配当金や残余財産の分配について優先権を持つ代わりに議決権を有さないため、単元株式数を1株としております。なお、A種優先株式の内容は次のとおりです。
① 剰余金の配当
(1) 優先配当金
当社は、剰余金の配当を行うときは、当該剰余金の配当に係る基準日(以下「配当基準日」という。)の最終の株主名簿に記載または記録されたA種優先株式を有する株主(以下「A種優先株主」という。)またはA種優先株式の登録株式質権者(以下「A種優先登録株式質権者」という。)に対して、配当基準日の最終の株主名簿に記載または記録された普通株式を有する株主(以下「普通株主」という。)および普通株式の登録株式質権者(以下「普通登録株式質権者」という。)に先立ち、A種優先株式1株につき第2号に定める額の金銭による剰余金の配当(かかる配当により支払われる金銭を、以下「A種優先配当金」という。)を行う。
(2) 優先配当金の額
A種優先株式1株当たりのA種優先配当金の額は、A種優先株式の払込金額に、配当基準日が2026年3月末日までに終了する事業年度に属する場合、年率7.5%を乗じて算出した額の金銭について、配当基準日が2027年4月1日以降に終了する事業年度に属する場合、年率8.5%を乗じて算出した額の金銭について、配当基準日の属する事業年度の初日(ただし、配当基準日が2022年3月末日に終了する事業年度に属する場合は、払込期日)(同日を含む。)から配当基準日(同日を含む。)までの期間の実日数につき、1年を365日(ただし、当該事業年度に閏日を含む場合は366日)として日割計算により算出される金額とする。また、配当基準日が2027年3月末日に終了する事業年度に属する場合、A種優先株式1株当たりのA種優先配当金の額は、当該配当基準日が2026年4月1日から2026年6月28日までの日となる場合、A種優先株式の払込金額に年率7.5%を乗じて算出した額の金銭について、2026年4月1日(同日を含む。)から当該配当基準日(同日を含む。)までの期間の実日数につき、1年を365日として日割計算により算出される金額とし、当該配当基準日が2026年6月29日から2027年3月末日までの日となる場合、A種優先株式の払込金額に年率8.5%を乗じて算出した額の金銭について、2026年6月29日(同日を含む。)から当該配当基準日(同日を含む。)までの期間の実日数につき、1年を365日として日割計算により算出される金額に、2026年6月28日が配当基準日となったと仮定した場合に算出されるA種優先配当金の額を加えた金額とする。ただし、配当基準日の属する事業年度中の、配当基準日より前の日を基準日としてA種優先株主またはA種優先登録株式質権者に対し剰余金を配当したときは、A種優先株式1株当たりのA種優先配当金の額は、その各配当におけるA種優先株式1株当たりのA種優先配当金の合計額を控除した金額とする(A種優先配当金は、円位未満小数第2位まで算出し、その小数第2位を四捨五入する。)。
(3) 累積条項
ある事業年度に属する日を基準日としてA種優先株主またはA種優先登録株式質権者に対して行われた1株当たりの剰余金の配当(当該事業年度より前の各事業年度に係るA種優先配当金につき本号に従い累積したA種累積未払配当金相当額(以下に定義される。)の配当を除く。)の総額が、当該事業年度に係るA種優先配当金の額(当該事業年度の末日を基準日とする剰余金の配当が行われると仮定した場合において、第2号に従い計算されるA種優先配当金の額をいう。ただし、かかる計算においては、第2号ただし書の規定による控除は適用されないものとして計算するものとする。)に達しないときは、その不足額は、当該事業年度(以下、本号において「不足事業年度」という。)の翌事業年度以降の事業年度に累積する。この場合の累積額は、不足事業年度の翌事業年度の初日(同日を含む。)から累積額がA種優先株主またはA種優先登録株式質権者に対して実際に支払われた日(同日を含む。)までの間、不足事業年度の翌事業年度以降の各事業年度において、当該事業年度が2026年3月末日以前に終了する事業年度の場合は年率7.5%の利率で、当該事業年度が2027年3月末日に終了する事業年度の場合は、2026年4月1日から2026年6月28日までの期間を年率7.5%、2026年6月29日から2027年3月31日までの期間を年率8.5%の利率で、当該事業年度が2027年4月1日以降に開始する事業年度の場合は年率8.5%の利率で、単利計算により算出した金額を加算した金額とする。なお、当該計算は、1年を365日(ただし、当該事業年度に閏日を含む場合は366日)とした日割計算により行うものとし、除算は最後に行い、円位未満小数第2位まで算出し、その小数第2位を四捨五入する。当社は、剰余金の配当を行う場合に、本号に従い累積した不足額(以下「A種累積未払配当金相当額」という。)について、当該翌事業年度以降、A種優先配当金ならびに普通株主および普通登録株式質権者に対する剰余金の配当に先立ち、A種優先株主またはA種優先登録株式質権者に対して配当として支払う。
(4) 非参加条項
A種優先株主またはA種優先登録株式質権者に対して、A種優先配当金を超えて剰余金の配当を行わない。ただし、当社が行う吸収分割手続の中で行われる会社法第758条第8号ロもしくは同法第760条第7号ロに規定される剰余金の配当または当社が行う新設分割手続の中で行われる同法第763条第1項第12号ロもしくは同法第765条第1項第8号ロに規定される剰余金の配当についてはこの限りではない。
② 残余財産の分配
(1) 優先分配金
当社は、残余財産を分配するときは、A種優先株主またはA種優先登録株式質権者に対して、普通株主および普通登録株式質権者に先立ち、A種優先株式1株当たり、100,000,000円にA種累積未払配当金相当額、前事業年度A種未払配当金相当額(以下に定義される。)および当事業年度A種未払配当金相当額(以下に定義される。)を加えた金額を金銭により分配する。
「前事業年度A種未払配当金相当額」とは、基準日の如何にかかわらず、残余財産分配日の属する事業年度の前事業年度に係るA種優先配当金のうち、残余財産分配日までに実際に支払われていないA種優先配当金がある場合における当該前事業年度に係るA種優先配当金の不足額(ただし、A種累積未払配当金相当額に含まれる場合を除く。)をいう。
「当事業年度A種未払配当金相当額」とは、残余財産分配日を剰余金の配当の基準日と仮定し、残余財産分配日の属する事業年度の初日(ただし、残余財産分配日が2022年3月末日に終了する事業年度に属する場合は、払込期日とし、以下本号において同じ。)(同日を含む。)から残余財産分配日(同日を含む。)までの日数につき、① 剰余金の配当(2) 優先配当金の額に従って日割計算で算出される優先配当金の額から、残余財産分配日の属する事業年度の初日(同日を含む。)以降に当該事業年度に属する日を基準日として実際に支払われた配当(A種累積未払配当金相当額および前事業年度A種未払配当金相当額を除く。)がある場合における当該配当の合計額を控除した金額をいう。
(2) 非参加条項
A種優先株主またはA種優先登録株式質権者に対して、前号に係るものを超えて、残余財産の分配を行わない。
③ 議決権
A種優先株主は、株主総会において議決権を有しない。
④ 普通株式を対価とする取得請求権(転換権)
(1) 転換権の内容
A種優先株主は、払込期日以降いつでも、当社に対し、第4号に定める数の普通株式の交付と引換えに、その保有するA種優先株式の全部または一部を取得することを請求すること(以下「転換請求」という。)ができるものとし、当社は、当転換請求に係るA種優先株式を取得するのと引換えに、法令上可能な範囲で、第4号に定める数の普通株式を交付するものとする。なお、第6号に従い、転換請求の効力が発生する日を、以下「転換請求権効力発生日」という。
(2) 当初転換価額
当初転換価額は、3,150円とする。
(3) 転換価額の調整
(a) 以下に掲げる事由が発生した場合には、それぞれ以下のとおり転換価額を調整する。
1.普通株式につき株式の分割または株式無償割当てをする場合、次の算式により転換価額を調整する。なお、株式無償割当ての場合には、次の算式における「分割前発行済普通株式数」は「無償割当て前発行済普通株式数(ただし、その時点で当社が保有する普通株式を除く。)」、「分割後発行済普通株式数」は「無償割当て後発行済普通株式数(ただし、その時点で当社が保有する普通株式を除く。)」とそれぞれ読み替える。
調整後転換価額は、株式の分割に係る基準日の翌日または株式無償割当ての効力が生ずる日(株式無償割当てに係る基準日を定めた場合は当該基準日の翌日)以降これを適用する。
2.普通株式につき株式の併合をする場合、次の算式により転換価額を調整する。
調整後転換価額は、株式の併合の効力が生ずる日以降これを適用する。
3.下記(d)に定める普通株式1株当たりの時価を下回る払込金額をもって普通株式を発行または当社が保有する普通株式を処分する場合(株式無償割当ての場合、普通株式の交付と引換えに取得される株式もしくは新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。以下本号において同じ。)の取得による場合、普通株式を目的とする新株予約権の行使による場合または合併、株式交換もしくは会社分割により普通株式を交付する場合を除く。)、次の算式(以下「転換価額調整式」という。)により転換価額を調整する。転換価額調整式における「1株当たりの払込金額」は、金銭以外の財産を出資の目的とする場合には、当該財産の適正な評価額とする。調整後転換価額は、払込期日(払込期間を定めた場合には当該払込期間の最終日)の翌日以降、また株主への割当てに係る基準日を定めた場合は当該基準日(以下「株主割当日」という。)の翌日以降これを適用する。なお、当社が保有する普通株式を処分する場合には、次の算式における「新発行株式数」は「処分株式数」、「自己株式数」は「処分前自己株式数」とそれぞれ読み替える。
4.当社に取得をさせることによりまたは当社に取得されることにより、下記(d)に定める普通株式1株当たりの時価を下回る普通株式1株当たりの転換価額をもって普通株式の交付を受けることができる株式を発行または処分する場合(株式無償割当ての場合を含む。)、かかる株式の払込期日(払込期間を定めた場合には当該払込期間の最終日。以下本4.において同じ。)に、株式無償割当ての場合にはその効力が生ずる日(株式無償割当てに係る基準日を定めた場合は当該基準日。以下本4.において同じ。)に、また株主割当日がある場合はその日に、発行または処分される株式の全てが当初の条件で取得され普通株式が交付されたものとみなし、転換価額調整式において「1株当たりの払込金額」としてかかる価額を使用して計算される額を、調整後転換価額とする。調整後転換価額は、払込期日の翌日以降、株式無償割当ての場合にはその効力が生ずる日の翌日以降、また株主割当日がある場合にはその日の翌日以降、これを適用する。上記にかかわらず、取得に際して交付される普通株式の対価が上記の時点で確定していない場合は、調整後転換価額は、当該対価の確定時点において発行または処分される株式の全てが当該対価の確定時点の条件で取得され普通株式が交付されたものとみなして算出するものとし、当該対価が確定した日の翌日以降これを適用する。
5.行使することによりまたは当社に取得されることにより、普通株式1株当たりの新株予約権の払込価額と新株予約権の行使に際して出資される財産(金銭以外の財産を出資の目的とする場合には、当該財産の適正な評価額とする。以下本5.において同じ。)の合計額が下記(d)に定める普通株式1株当たりの時価を下回る価額をもって普通株式の交付を受けることができる新株予約権を発行する場合(新株予約権無償割当ての場合を含む。)、かかる新株予約権の割当日に、新株予約権無償割当ての場合にはその効力が生ずる日(新株予約権無償割当てに係る基準日を定めた場合は当該基準日。以下本5.において同じ。)に、また株主割当日がある場合はその日に、発行される新株予約権全てが当初の条件で行使されまたは取得されて普通株式が交付されたものとみなし、転換価額調整式において「1株当たりの払込金額」として普通株式1株当たりの新株予約権の払込価額と新株予約権の行使に際して出資される財産の普通株式1株当たりの価額の合計額を使用して計算される額を、調整後転換価額とする。調整後転換価額は、かかる新株予約権の割当日の翌日以降、新株予約権無償割当ての場合にはその効力が生ずる日の翌日以降、また株主割当日がある場合にはその翌日以降、これを適用する。上記にかかわらず、取得または行使に際して交付される普通株式の対価が上記の時点で確定していない場合は、調整後転換価額は、当該対価の確定時点において発行される新株予約権全てが当該対価の確定時点の条件で行使されまたは取得されて普通株式が交付されたものとみなして算出するものとし、当該対価が確定した日の翌日以降これを適用する。
(b) 上記(a)に掲げた事由によるほか、下記1.乃至3.のいずれかに該当する場合には、当社はA種優先株主およびA種優先登録株式質権者に対して、あらかじめ書面によりその旨ならびにその事由、調整後転換価額、適用の日およびその他必要な事項を通知したうえ、転換価額の調整を適切に行うものとする。
1.合併、株式交換、株式交換による他の株式会社の発行済株式の全部の取得、株式移転、吸収分割、吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部もしくは一部の承継または新設分割のために転換価額の調整を必要とするとき。
2.転換価額を調整すべき事由が2つ以上相接して発生し、一方の事由に基づく調整後の転換価額の算出に当たり使用すべき時価につき、他方の事由による影響を考慮する必要があるとき。
3.その他、発行済普通株式数(ただし、当社が保有する普通株式の数を除く。)の変更または変更の可能性を生ずる事由の発生によって転換価額の調整を必要とするとき。
(c) 転換価額の調整に際して計算が必要な場合は、円位未満小数第2位まで算出し、その小数第2位を四捨五入する。
(d) 転換価額調整式に使用する普通株式1株当たりの時価は、調整後転換価額を適用する日に先立つ45取引日目に始まる連続する30取引日のVWAPの平均値とする。
(e) 転換価額の調整に際し計算を行った結果、調整後転換価額と調整前転換価額との差額が0.1円未満にとどまるときは、転換価額の調整はこれを行わない。ただし、本(e)により不要とされた調整は繰り越されて、その後の調整の計算において斟酌される。
(4) 取得と引換えに交付すべき普通株式数
なお、本号においては、② 残余財産の分配(1) 優先分配金に定める前事業年度A種未払配当金相当額および当事業年度A種未払配当金相当額の計算における「残余財産分配日」を「転換請求権効力発生日」と読み替えて、前事業年度A種未払配当金相当額および当事業年度A種未払配当金相当額を計算する。
(5) 転換請求受付場所
みずほ信託銀行株式会社 証券代行部
(6) 転換請求の効力発生
転換請求の効力は、転換請求に要する書類が第5号に記載する転換請求受付場所に到達したときまたは当該書類に記載された効力発生希望日のいずれか遅い時点に発生する。
(7) 転換に係る制限
本項の他の規定にかかわらず、A種優先株主は、転換請求に基づき交付される普通株式の累計数が2,574,843株(普通株式につき株式の分割、無償割当て又は併合が行われた場合には、当該株式の分割、無償割当て又は併合の割合に応じて調整される。)を超えることとなる転換請求を行うことができない。
(8) 米国1956年銀行持株会社法(Banking Holding Company Act of 1956)(以下「BHC法」という。)
本項の他の規定にかかわらず、BHC法の適用を受け、本号および次号に従う旨の書面による撤回不能の通知を当社に対して行ったA種優先株主(当該通知をしたA種優先株主を、以下「BHC株主」という。)は、その有するA種優先株式について、転換請求後にBHC株主およびその関係会社(BHC法第2条(k)に定める「affiliate」をいう。以下本号において同じ。)が有することとなる普通株式の合計数が発行済普通株式数(ただし、当社が保有する普通株式の数を除く。)の4.99%(またはBHC法第4条(k)にかかわらずBHC法第4条(c)(6)により許容される割合が改正によりこれを下回るか若しくは上回る割合に変更された場合には当該割合)を超えることとなる場合には、当該超過部分に対応する転換請求をすることができない。なお、BHC株主は、当社の普通株式または普通株式の交付を受けることができるその他の証券若しくは権利(普通株式を目的とした新株予約権およびA種優先株式を含む。)を有する関係会社がある場合は、当社に対して書面により通知しなければならない。
(9) BHC株主からの譲受人
本項の他の規定にかかわらず、BHC株主からA種優先株式を譲り受けた者(以下「特定譲受人」という。)は、その有するA種優先株式について、転換請求をすることができない。ただし、特定譲受人が、以下の(a)から(c)までに定めるBHC株主によるA種優先株式の譲渡によりA種優先株式を譲り受けた場合は、この限りでない。
(a) BHC株主が広く公に行ったA種優先株式の売出し
(b) 特定譲受人を含むいずれの譲受人も、自らまたは他の者と共同して、当社の発行済普通株式数(ただし、当社が保有する普通株式の数を除く。)の2%以上を取得することができるA種優先株式を譲り受けない譲渡
(c) BHC株主から株式を譲り受けるより前に当社の発行済普通株式数(ただし、当社が保有する普通株式の数を除く。)の過半数を有する者に対する譲渡
⑤ 現金対価の取得条項
(1) 現金対価の取得条項の内容
当社は、2026年6月28日以降、当社の取締役会が別途定める日(以下「償還日」という。)の到来をもって、A種優先株主またはA種優先登録株式質権者の意思にかかわらず、A種優先株主またはA種優先登録株式質権者に対して償還日から2週間以上前までに通知を行ったうえで、当社がA種優先株式の全部または一部を取得するのと引換えに、A種優先株式の償還日における会社法第461条第2項に定める分配可能額を限度として、A種優先株主またはA種優先登録株式質権者に対して第2号に定める金額の金銭を交付することができる。なお、A種優先株式の一部を取得するときは、取得するA種優先株式は、取得の対象となるA種優先株式の数に応じた比例按分の方法により決定する。
(2) 償還価額
A種優先株式1株当たりの償還価額は、100,000,000円にA種累積未払配当金相当額、前事業年度A種未払配当金相当額および当事業年度A種未払配当金相当額を加えた額とする。なお、本号においては、② 残余財産の分配(1) 優先分配金に定める前事業年度A種未払配当金相当額および当事業年度A種未払配当金相当額の計算における「残余財産分配日」を「償還日」と読み替えて、前事業年度A種未払配当金相当額および当事業年度A種未払配当金相当額を計算する。
⑥ 譲渡制限
A種優先株式を譲渡により取得するには、当社の取締役会の承認を受けなければならない。
⑦ 株式の併合または分割および株式無償割当て
法令に別段の定めがある場合を除き、A種優先株式について株式の併合または分割は行わない。A種優先株主には、募集株式または募集新株予約権の割当てを受ける権利を与えず、株式または新株予約権の無償割当てを行わない。
⑧ 会社法第322条第2項に規定する定款の定めの有無
会社法第322条第2項に規定する定款の定めはありません。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)1.有償第三者割当
発行価格 ;100,000,000円
資本組入額: 50,000,000円
割当先 :株式会社みずほ銀行、株式会社日本政策投資銀行、明治安田生命保険相互会社、株式会社大垣共立銀行、株式会社七十七銀行、損害保険ジャパン株式会社、芙蓉総合リース株式会社、みずほリース株式会社
(注)2.株式の発行と同時に、会社法第447条第1項及び3項並びに第448条第1項の規定に基づき、資本金の額及び資本準備金の額をそれぞれ減少し、その他資本剰余金へ振り替えております。
(注)3.その他資本剰余金からの配当に伴い、資本準備金を積み立てております。
(注)4.2024年2月8日開催の取締役会決議により、2024年2月29日付で自己株式を消却し、発行済株式総数が514,100株減少しております。
(5) 【所有者別状況】
① 普通株式
(注) 1.自己株式193,166株は、「個人その他」に1,931単元、「単元未満株式の状況」に66株を含めて記載しております。
2.上記の「その他の法人」の欄には、証券保管振替機構名義の株式が2単元含まれております。
② A種優先株式
(6) 【大株主の状況】
所有株式数別
2024年3月31日現在
(注) 1.日本マスタートラスト信託銀行株式会社及び株式会社日本カストディ銀行の所有株式は、すべて信託業務に係る株式であります。
2.みずほ信託銀行株式会社 退職給付信託 みずほ銀行口 再信託受託者 株式会社日本カストディ銀行の所有株式数は、株式会社みずほ銀行が同行に委託した退職給付信託の信託財産であり、当該議決権行使の指図権は株式会社みずほ銀行が留保しております。
3.2023年6月6日付で三井住友信託銀行株式会社及び共同保有者より大量保有報告書にかかる変更報告書が関東財務局長に提出されており、以下のとおり2023年5月31日現在で1,022千株を保有している旨が記載されておりますが、当社として議決権行使基準日現在における実質所有株式数の確認ができないため、大株主の状況には含めておりません。
所有議決権数別
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注) 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式が200株(議決権2個)含まれております。
② 【自己株式等】
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
会社法第155条第3号に基づく普通株式の取得
(注)1.当該取締役会において、取得方法は東京証券取引所における市場買付と決議しました。
(注)2.当期間における取得自己株式数には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの自己株式の取得による株式は含まれておりません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号の規定に基づく取得
(注) 当期間における取得自己株式数には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当期間における保有自己株式数には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りおよび売渡による株式は含まれておりません。
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様への適切な利益還元を経営上の最重要課題の一つとして認識しており、連結配当性向30%以上を目指しております。
当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めており、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本としております。
剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当期の期末配当につきましては、配当方針ならびに当期の業績を勘案し、1株当たり100円としております。これにより、年間の配当金は1株当たり200円となります。
また、次期の配当金につきましては、中間配当を1株当たり100円、期末配当を1株当たり100円とし、年間の配当金は1株当たり200円を予定しております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、持続的な成長と企業価値向上の実現を通してステークホルダーの期待に応えるとともに、社会に貢献するという企業の社会的責任を果たすため、取締役会を中心に迅速かつ効率的な経営体制の構築ならびに公正性かつ透明性の高い経営監督機能の確立を追求し、以下の経営理念および基本方針に基づき、コーポレート・ガバナンスの強化および充実に取り組むことを基本的な考え方としております。
<経営理念>
「人々の暮らしを安全・快適にする技術や製品を提供し、社会に貢献するカヤバグループ」
1.規範を遵守するとともに、何事にも真摯に向き合います。
2.高い目標に挑戦し、より活気あふれる企業風土を築きます。
3.優しさと誠実さを保ち、自然を愛し環境を大切にします。
4.常に独創性を追い求め、お客様・株主様・お取引先様・社会の発展に貢献します。
<コーポレートガバナンス基本方針>
1.当社は、株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
2.当社は、株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーとの適切な協働に努める。
3.当社は、法令に基づく開示はもとより、ステークホルダーにとって重要または有用な情報についても主体的に開示する。
4.当社の取締役会は、株主受託者責任および説明責任を認識し、持続的かつ安定的な成長および企業価値の向上ならびに収益力および資本効率の改善のために、その役割および責務を適切に果たす。
5.当社は、株主との建設的な対話を促進し、当社の経営方針などに対する理解を得るとともに、当社への意見を経営の改善に繋げるなど適切な対応に努める。
② 企業統治の体制の概要および採用の理由
当社は会社法上の機関設計として、監査役会設置会社を採用しております。
<取締役会>
取締役会は、社外取締役4名を含む7名で構成し、法令、定款および取締役会規則、その他社内規程等に従い、経営に係る重要事項の意思決定や取締役の職務執行を監督しており、原則として毎月1回開催いたします。尚、社外取締役4名を独立役員として登録しております。
<執行役員会>
執行役員会は、取締役会へ上程する案件の事前審議機関として、全社的な視点から経営に係る重要事項を審議します。
<その他経営会議>
その他の会議体としては、機能部門および事業部門が業務執行状況を報告する「経営報告会」、社長はじめ常勤取締役が分担して自ら各工場、グループ企業の現場に赴き、方針展開状況やモノづくりの重要課題をフォローする「トップ報告会」、社長が海外グループ企業の経営執行状況を定期的に監督する「海外統轄会社報告会」などの会議体を設置し、当社グループ全体の経営監視体制の強化を図っております。
<監査役会>
監査役会は、常勤監査役4名(うち社外監査役2名)、非常勤社外監査役1名の計5名で構成されています。社外監査役による監査により、実効性のある経営監視が期待でき、有効なガバナンス体制がとられているものと判断しております。尚、社外監査役3名を独立役員として登録しております 。
監査役は、監査役会で立案した監査計画に基づき取締役会その他重要な会議に出席すると共に、各事業への往査により取締役の職務執行状況を監査しております。
上記のうち、主な会議体ごとの構成員は以下のとおりです。
(注) ◎は議長を示しております。
〔コーポレート・ガバナンス体制図〕

③ 内部統制システムの整備の状況
業務の適正を確保するため、以下の「内部統制システムの基本方針」を取締役会において決議しております。
ⅰ) 当社および子会社の取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
(a) 当社は、当社および子会社から成る企業集団(以下、「当社グループ」といいます。)の役員および従業員が法令および定款を遵守するとともに、高い倫理基準に基づく公正で誠実な企業行動を遂行するための「企業行動指針」を定める。
(b) 当社は、経営理念実現の前提となるコンプライアンスの最高価値化を確立させるため、当社社長を委員長としたコンプライアンス委員会を設置し、「グループコンプライアンス推進に関する規程」等の下、当社グループのコンプライアンスの推進を行う。また、当社グループの役員および従業員に対する教育を実施し、規範意識の醸成およびその意識改革に取り組む。
(c) 当社の監査部は、リスクベースで監査を行うとともに不正の存否の調査も行い、その結果を取締役会に報告する。
(d) 当社の監査部J-SOX室は、財務報告に係る内部統制の評価を実施し、その結果を取締役会へ報告する。
(e) 当社グループは、不適切行為等に対して、再発防止策を実行する。
(f) 当社は、企業不祥事に繋がるリスクを軽減するため、機能部署による各種点検および監査を実施する。
(g) 当社グループの従業員等が、不利益を被る危険を懸念することなく、違法または不適切な行為等に関する情報や真摯な疑念を伝えることができるよう、社内外に適切な内部通報体制を整備するとともに、制度の周知徹底を行い、実効性向上を図る。内部統制部は、当社グループの内部通報の状況について定期的に取締役会に報告する。
ⅱ) 当社および子会社の取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
(a) 当社グループは、取締役の職務執行に係る情報を、法令および社内規程に基づき適切に保存および管理する。
(b) 当社は、「情報セキュリティ基本方針」に基づき、情報資産保護のための体制を構築し、サイバー攻撃等による情報漏えい、システム障害等のリスクへの対策を講じる。
ⅲ) 当社および子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(a) リスク管理を体系的に定める「リスク管理規程」を制定し、当社グループのリスク管理を推進する。
(b) リスク管理委員会を設置し、当社グループにおいて想定されるリスクの抽出と評価を実施するとともに重点リスクとその責任部署を決定する。リスク管理委員会は、責任部署の重点リスクに対する活動状況を定期的に取締役会に報告する。
(c) 当社グループにおいて重要事項の発生事実を認識した場合、「即報規則」に基づき、報告責任者が即時に社長に報告することを徹底する。社長は、発生事実に応じて関係者に対応を指示し、影響を最小限に抑制するための措置を講じる。
(d) 当社は、企業不祥事の芽をいち早く察知して対処可能とすべく、現場から積極的な情報の吸い上げに努める。
ⅳ) 当社および子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(a) 当社グループは、取締役会の承認や報告を求める事項を「取締役会規則」に定め、意思決定の迅速化と業務執行の効率化を図る。
(b) 当社グループの中期および年度経営計画を策定し、経営目標を共有するとともに、経営会議で業務の執行状況を定期的に管理する。
(c) 執行役員会等の会議体で経営執行に係る重要事項について十分に事前審議を行い、取締役会における意思決定の適正化および効率化を図る。
ⅴ) 当社および子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(a) 子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
(ア) 当社グループの健全性を保ち、連結経営の効率化のために「グループ企業管理規程」を定める。
(イ) 子会社は、「グループ企業管理規程」の定めに従い、当社の経営会議において定期的に経営状況を報告する。
(b) 子会社が当社に対し事前承認を求める、または報告すべき事項を「グローバル職務権限規程」に定める。子会社は「グローバル職務権限規程」に基づき、各社の「職務権限規程」を制定する。
(c) 当社グループは、グループガバナンスの状況を適切にモニタリングし、グループガバナンスの強化を図る。
(d) 当社は、海外地域拠点の自立化に向け、常務執行役員以上の執行役員自らが、海外各地域を統轄する。
ⅵ) 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
取締役会は、監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合、補助従業員を置く。
ⅶ) 前号の当該使用人の取締役からの独立性および当該使用人に対する指示の実効性に関する事項
監査役の職務を補助すべき使用人の人事異動、人事評価、懲戒処分等については、監査役会の同意を得る。
ⅷ) 当社および当社の子会社の取締役および使用人の監査役への報告に関する体制
(a) 当社グループの役員および従業員は、当社グループに著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、これを直ちに監査役に報告する。
(b) 取締役および執行役員は、取締役会および執行役員会等を通じて、その担当する業務の執行状況を監査役に報告する。
(c) 当社グループは、監査役へ報告した者が報告をしたことを理由として、いかなる不利益な取扱いも行わない。
ⅸ) その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(a) 取締役会は、監査役に対して、経営会議への出席、重要書類の閲覧、当社グループの実地調査等の機会を確保する。
(b) 代表取締役は、監査役会と定期的に会合をもち、経営方針、会社が対処すべき課題、会社を取り巻くリスク、監査上の重要課題等について意見を交換する。
(c) 監査の実効性確保のため、社外取締役、監査役、グループ企業監査役、監査部および外部会計監査人との間で、情報交換及び連携する機会を確保する。
(d) 監査役がその職務の執行のために要する費用は、会社が負担するものとし、速やかに前払または支払の手続きに応じる。
④ 企業統治に関するその他の事項
ⅰ) 株式会社の支配に関する基本方針について
(a) 基本方針の内容
上場会社である当社の株式は株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付提案またはこれに類似する行為があった場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。
しかしながら、わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大規模買付提案またはこれに類似する行為を強行する動きが過去にみられたところであり、今後、当社に対しそのような行為が強行されることも否定できません。
当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
(b) 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
当社では、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させるための取組みとして、以下の施策を実施しております。これらの取組みは、上記(a)の会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。
(ア) 「中期重点方策」による企業価値向上への取組み
当社は、中期経営計画達成に向けて、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の施策を実施しております。
(イ) コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、上記「①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」に記載のとおりであります。
(c) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
企業価値ひいては株主共同の利益の中長期的な向上または確保を目指す当社の経営にあたっては、幅広いノウハウと豊富な経験、ならびに顧客、従業員および取引先等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠です。これら当社の事業特性に関する十分な理解がなくては、株主の皆様が将来実現することのできる株主価値を適切に判断することはできません。突然大規模な買付行為がなされたときに、大規模な買付を行う者の提示する当社株式の取得対価が当社の企業価値ひいては株主共同の利益と比べて妥当か否かを、株主の皆様が短期間の内に適切に判断するためには、大規模な買付を行う者および当社取締役会の双方から必要かつ十分な情報が提供されることが不可欠であり、当社株式をそのまま継続保有することを考える株主の皆様にとっても、大規模な買付を行う者が考える当社の経営に参画したときの経営方針や事業計画の内容等は、その継続保有を検討するうえで重要な判断材料であります。同様に、当社取締役会が当該大規模な買付行為についてどのような意見を有しているのかも、株主の皆様にとっては重要な判断材料となると考えます。
これらを考慮し、当社買収防衛策を2022年6月23日開催の第100期定時株主総会において株主の皆様のご承認を賜り継続しております。これにより、大規模な買付行為に際しては、大規模な買付を行う者から事前に株主の皆様の判断の為に必要かつ十分な大規模な買付行為に関する情報が提供され、当社取締役会は、かかる情報が提供された後、大規模な買付行為に対する当社取締役会としての意見を、必要に応じて独立した外部専門家(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家)の助言を受けながら慎重に検討したうえで公表いたします。さらに、当社取締役会は、必要と認めれば、大規模買付提案の条件の改善交渉や株主の皆様に対する代替案の提示も行います。かかるプロセスを経ることにより、株主の皆様は当社取締役会の意見を参考にしつつ、大規模な買付を行う者の提案と当社取締役会から代替案が提示された場合にはその代替案を検討することが可能となり、最終的な判断を決定するために必要な情報と機会を与えられることとなります。当社は、当社買収防衛策の詳細を2022年5月23日付で「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の継続について」として公表いたしました。この適時開示文書の全文はインターネット上の当社ウェブサイト(https://www.kyb.co.jp/media/ir_20220523_02.pdf)に掲載しております。
(d) 上記(b)(c)の取組みについての取締役会の判断およびその判断に係る理由
上記(b)の取組みは、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして実施しております。これは、上記(a)の基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
また、上記(c)の取組みにつきましても、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして実施しております。これは、以下の諸点に照らして、上記(a)の基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(ア) 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
当社買収防衛策は、経済産業省および法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しています。
また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」および東京証券取引所が2015年6月1日に公表した「コーポレート・ガバナンス・コード」の「原則1-5いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえたものとなっております。
(イ) 株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること
当社買収防衛策は、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。
(ウ) 独立性の高い社外役員の判断の重視と情報開示
当社買収防衛策における対抗措置の発動等の運用に際しての実質的な判断は、独立性の高い、社外取締役および社外監査役のみから構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に適うように当社買収防衛策の透明な運営が行われる仕組みが確保されています。
(エ) 株主意思を重視するものであること
当社買収防衛策は、2022年6月23日開催の第100期定時株主総会でのご承認により継続したものであり、株主の皆様のご意向が反映されております。
また、当社買収防衛策は、有効期間の満了前であっても、株主総会において、当社買収防衛策の変更または廃止の決議がなされた場合には、その時点で変更又は廃止されることになり、株主の合理的意思に依拠したものとなっております。
(オ) デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
当社買収防衛策は、当社の株主総会で選任された取締役で構成される当社取締役会により廃止することができるものとされており、当社の株式を大量に買付けた者が、当社株主総会で取締役を指名し、かかる取締役で構成される当社取締役会により、当社買収防衛策を廃止することが可能です。従って、当社買収防衛策は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は期差任期制を採用していないため、当社買収防衛策はスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
ⅱ) 責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定により、社外取締役および監査役(社外監査役に限らない)との間で、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任の限度額は、法令に定める最低責任限度額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役または監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
ⅲ) 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は取締役(社外含む)、監査役(社外含む)、および執行役員の全員を被保険者として、役員等賠償責任保険(D&O保険)契約を締結しております。当該保険契約は、役員等がその職務の執行に関して責任を負うこと、または当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずる損害について補填する契約です。但し、法令違反の行為であることを認識して行った行為に起因して生じた損害は補填されないなど、一定の免責事由があります。また、当該契約の保険料の全額を当社が負担しております。
ⅳ) 取締役の定数
当社の取締役は12名以内とする旨定款に定めております。
ⅴ) 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
ⅵ) 取締役の選任は累積投票によらないこととしている事項
当社は、取締役の選任は累積投票によらない旨定款に定めております。
ⅶ) 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の議決に必要な定足数の確保をより確実にし、円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
ⅷ) 剰余金の配当等を取締役会で決議することができることとしている事項
当社は、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により行なうことができる旨定款に定めております。これは、機動的な配当政策および資本政策の遂行を可能にするためであります。また、当社は、剰余金の配当の基準日について、期末配当は毎年3月31日、中間配当は毎年9月30日とする旨定款に定めております。
ⅸ) 種類株式の発行
当社は、種類株式発行会社であって、株式ごとに異なる数の単元株式数を定めており、普通株式の単元株式数は100株としておりますが、A種優先株式の単元株式数は1株としております。また、普通株式は、株主としての権利内容に制限のない株式でありますが、A種優先株主は法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会において議決権を有しておりません。これは、A種優先株式を配当金や残余財産の分配について優先権を持つ代わりに議決権がない内容としたものであります。なお、その他A種優先株式の詳細については、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (1)株式の総数等 ②発行済株式」の記載をご参照下さい。
⑤ 取締役会の活動状況
取締役会は、当事業年度において社外取締役4名を含む8名で構成し、法令、定款および取締役会規則、その他社内規程等に従い、経営に係る重要事項の意思決定や取締役の職務執行を監督しております。取締役会は、原則として毎月1回開催する他、必要に応じて随時開催しております。当事業年度において当社は取締役会を17回開催しており、個々の取締役会への出席状況については次のとおりであります。
(注)1 加藤孝明氏、齋藤圭介氏、佐藤元氏、鶴田六郎氏は2023年6月23日開催の定時株主総会終結の時を持って退任しておりますので、退任までの期間に開催された取締役会を対象としております。
(注)2 齋藤考氏、鶴田千寿子氏の取締役会開催・出席回数については、2023年6月23日委員就任以降に開催された取締役会を対象としております。
取締役会の具体的な検討内容として、会社方針/設備投資計画、取締役及び執行役員の選解任、決算(連結・単体)、有価証券報告書、コーポレートガバナンス報告書、株主総会の招集決議及び招集にあたって決定すべき事項、取締役(社外取締役除く)賞与支給、関係会社役員選解任、重要な規程類の改訂、その他執行役員会等で審議を終了した業務執行に関する重要事項等を実施しております。
⑥ 指名委員会の活動状況
指名委員会は、当事業年度において社外取締役4名を含む7名で構成し、取締役会の客観性、透明性を高め、株主を含む各ステークホルダーからの信頼を獲得し、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値を向上するため構成しております。指名委員会は、原則として年1回開催する他、必要に応じて随時開催し、取締役会に結果を上程しております。当事業年度において当社は指名委員会を2回開催しており、個々の委員の出席状況については次のとおりであります。
(注)1 鶴田六郎氏は2023年6月23日開催の定時株主総会終結の時を持って退任しておりますので、退任までの期間に開催された取締役会を対象としております
(注)2 川瀬正裕氏、鶴田千寿子氏の指名委員会開催・出席回数については、2023年6月23日委員就任以降に開催された指名委員会を対象としております。
指名委員会の具体的な検討内容として、取締役候補者選任、取締役・執行役員業務分掌変更等を実施しております。
⑦ 報酬委員会の活動状況
報酬委員会は、当事業年度において社外取締役4名を含む7名で構成し、役員報酬の客観性および透明性を高め、株主を含む各ステークホルダーからの信頼を獲得し、当社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上するため構成しております。報酬委員会は、原則として年1回開催する他、必要に応じて随時開催し、取締役会に結果を上程しております。当事業年度において当社は報酬委員会を2回開催しており、個々の委員の出席状況については次のとおりであります。
(注)1 加藤孝明氏、鶴田六郎氏は2023年6月23日開催の定時株主総会終結の時を持って退任しておりますので、退任までの期間に開催された取締役会を対象としております
(注)2 川瀬正裕氏、鶴田千寿子氏の報酬委員会開催・出席回数については、2023年6月23日委員就任以降に開催された報酬委員会を対象としております。
報酬委員会の具体的な検討内容として、取締役の報酬等に係る決定方針、取締役業績連動報酬等を実施しております。
(2) 【役員の状況】
男性 9名 女性 3名 (役員のうち女性の比率25%)
(注) 1.取締役 塩澤修平氏、坂田政一氏、須永明美氏および鶴田千寿子氏は、社外取締役であります。
2.常勤監査役 田中順一氏、相楽昌彦氏および監査役 渡辺淳子氏は、社外監査役であります。
3.2024年6月25日開催の定時株主総会の終結の時から1年間。
4.2024年6月25日開催の定時株主総会の終結の時から4年間。
5.2022年6月23日開催の定時株主総会の終結の時から4年間。
6.当社は、コーポレート・ガバナンスの強化および意思決定の迅速化、業務執行の効率化を図ることを目的として執行役員制度を導入しております。執行役員の状況は次のとおりであります。
社外取締役および社外監査役
(a) 社外取締役および社外監査役の選任
当社は、社外取締役4名および社外監査役3名を選任しております。社外取締役および社外監査役の選任にあたっては、会社法上の要件に基づいております。独立役員の選任にあたっては、金融商品取引所等が定める独立性に関する判断基準に基づいております。
(b) 社外取締役の機能と役割
当社は、社外の立場からの視点を取締役会に反映させ、取締役会の機能強化およびコーポレート・ガバナンスの向上を図るため取締役7名のうち4名を社外取締役としております。
(c) 社外監査役の機能と役割
当社は、経営の意思決定機能と執行役員による業務執行を管理監督する機能を持つ取締役会に対し、監査役5名中の3名を社外監査役とすることで経営への監視機能を強化しております。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
(ⅰ) 監査役会の組織・人員
(1)当社は監査役会設置会社であり、常勤監査役4名(うち社外監査役2名)と非常勤社外監査役1名の計5名で構成されています。
また、監査役会の直下に監査役室を設置し、監査役の職務の遂行を補助するため、専任スタッフを1名配置しています。
(2)監査役会は監査役会規程に則って運営され、期初に策定する監査方針・監査年間計画及び役割分担に基づき取締役会その他重要な会議に出席すると共に、各事業への往査により取締役の職務執行状況を監査しております。また常勤監査役は、主要な子会社の非常勤監査役を兼務し、各社の業務執行状況の監査を行っております。
(ⅱ) 監査役会の活動状況
(1)当事業年度において当社は定例監査役会を原則毎月1回開催し、適宜必要に応じて臨時監査役会を開催しています。
(2)当事業年度に開催した監査役会は合計20回であり、個々の監査役の出席状況については、次のとおりです。
(3)当事業年度の監査役会の具体的な検討内容は以下のとおりです。
決議事項12件 :会計監査人再任、会計監査人の監査報酬に対する同意、監査役会監査報告書、
監査方針及び重点監査項目・職務分担の決定、
監査役選任議案への同意、監査役関連規程の改定等
報告事項18件:業務執行確認書の確認、監査役月次活動状況等
審議・協議事項34件:取締役会決議事項の意見交換、監査方針案、代表取締役との意見交換会について等
これらに加え、監査役会では内部統制システムの有効性確認、会計監査人の監査の相当性確認、
会計監査人の評価について議論しています。
(4)監査役の主な活動状況は以下のとおりです。
A) カヤバ重要会議への出席(株主総会、取締役会、執行役員会、経営報告会)
B) コンプライアンス委員会への参画
C) 代表取締役、社外取締役との意見交換
D) 内部統制部、監査部(内部監査部門)との連携
E) カヤバグループ監査役連絡会の開催・運営
F) 担当子会社の重要会議への出席・監査報告の提出
G) 重要な決裁書類等の閲覧
H) 往査(各事業部、工場、機能本部、国内外子会社、国内外関連会社)
Ⅰ) 会計監査人からの報告聴取(四半期レビュー、監査結果報告)
J) 取締役、執行役員、従業員からの情報収集
K) 事業報告、有価証券報告書の確認
L) 自己啓蒙(日本監査役協会研修会・講習会等への参加)
② 内部監査の状況
当社の監査部門は、本社監査部(部員9名)および海外統轄会社(米国、ドイツ、中国)に設置されており、財務報告に係る内部統制(J-SOX)を含めた内部統制システムの整備・運用状況に関する監査を実施しております。内部監査は社内規程に基づき実施しており、本社監査部と海外統轄会社で担当地域を分けて実施することでグローバルな監査体制としております。(海外統轄会社の監査部門は各地域の傘下会社の監査を実施し、それ以外の地域を本社監査部が監査を行う体制)また、J-SOX評価に関しましても、社内規程に基づき、カヤバグループの財務報告に関する内部統制の適切性評価を行っております。会計監査人である太陽有限責任監査法人とは連絡会等を通じた情報交換を行うなど、実効的なJ-SOX評価の実施を図っております。
内部監査の結果は、取締役会へ報告すると共に、適宜、監査役及び監査役会とも情報共有しつつ連携を図っております。監査で発見された指摘事項は被監査部署に対し改善対応を求め、対応完了までフォローアップを行うことで内部統制システムの向上に努めております。
③ 会計監査の状況
(ⅰ) 監査法人の名称
太陽有限責任監査法人
(ⅱ) 継続監査期間
2年間
(ⅲ) 業務を執行した公認会計士の氏名
指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 新井 達哉
指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 中野 秀俊
指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 今川 義弘
(ⅳ) 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士7名、その他29名であります。
(ⅴ) 監査法人の選定方針と理由
当社は、会計監査人の選定については、当社監査役会が公益社団法人日本監査役協会「会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針」に基づき基準を作成し、会計監査人の職務遂行状況、監査体制、独立性及び専門性などを総合的に評価し、会計監査人の選定(選任・再任)の議案内容を決定しています。
なお、太陽有限責任監査法人は、金融庁から2023年12月26日付で処分を受けており、その概要は以下のとおりであります。
(イ) 処分対象
太陽有限責任監査法人
(ロ) 処分内容
契約の新規の締結に関する業務の停止3ヶ月
(2024年1月1日から同年3月31日まで。ただし、既に監査契約を締結している被監査会社について、監査契約の期間更新や上場したことに伴う契約の新規の締結を除く。)
(ハ) 処分理由
他社の訂正報告書等の監査において、同監査法人の社員である2名の公認会計士が、相当の注意を怠り、重大な虚偽のある財務書類を重大な虚偽のないものと証明したため。
監査役会は、太陽有限責任監査法人から処分の内容及び業務改善計画の概要についての説明を受けました。その結果、今回の処分は当社の監査に直接に影響を及ぼすものではなく、業務改善計画の進捗も進んでおり、また当社の監査業務は適正に行われていることを確認し、太陽有限責任監査法人を会計監査人として選定いたしました。
(ⅵ) 監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社は、会計監査人の評価については、当社監査役会が公益社団法人日本監査役協会「会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針」に基づき会計監査人にヒアリング、評価するとともに当社関係部署から会計監査人の活動実態等に関して聴取し評価を行い、当事業年度において会計監査人の職務遂行状況、監査体制、独立性及び専門性などについて適切であると判断しています。
(ⅶ) 監査法人の異動
当社の監査法人は次のとおり異動しております。
第100期(連結・個別) 有限責任 あずさ監査法人
第101期(連結・個別) 太陽有限責任監査法人
なお、臨時報告書に記載した事項は次のとおりであります。
(1) 異動に係る監査公認会計士等の名称
① 選任する監査公認会計士等の名称
太陽有限責任監査法人
② 退任する監査公認会計士等の名称
有限責任 あずさ監査法人
(2) 異動の年月日
2022年6月23日(第100期定時株主総会開催日)
(3) 退任する監査公認会計士等が監査公認会計士等となった年月日
1969年
(4) 退任する監査公認会計士等が直近3年間に作成した監査報告書等又は内部統制監査報告書における意見等に関する事項
該当事項はありません。
(5) 異動の決定又は異動に至った理由及び経緯
当社の会計監査人である有限責任 あずさ監査法人は、2022年6月23日開催の第100期定時株主総会の終結の時をもって任期満了となります。当社は有限責任 あずさ監査法人を長年にわたり会計監査人として選任してまいりましたが、監査継続年数が53年間と長期にわたっていること、また、監査報酬の増額が見込まれること等から、監査法人の変更の必要性も含め、改めて複数の監査法人との比較検討を行ってまいりました。
その結果、太陽有限責任監査法人が、新たな視点での監査が期待できることに加え、必要とされる専門性、独立性、品質管理体制及びグローバルな監査体制を有していること、並びに当社の事業規模に適した監査報酬であること等を総合的に勘案し、当社の会計監査人として適任であると判断いたしました。
(6) 上記(5)の理由及び経緯に対する意見
① 退任する監査公認会計士等の意見
特段の意見はない旨の回答を得ております。
② 監査役会の意見
妥当であると判断しております。
④ 監査報酬の内容等
(ⅰ) 監査公認会計士等に対する報酬の内容
監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容は以下のとおりです。
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
(ⅱ) 監査公認会計士等と同一のネットワーク(Grant Thornton)に対する報酬((ⅰ)を除く)
非監査業務の内容は以下のとおりです。
(前連結会計年度)
連結子会社における非監査業務の内容は税務に関する支援業務等であります。
(当連結会計年度)
連結子会社における非監査業務の内容は税務に関する支援業務等であります。
(ⅲ) その他重要な報酬の内容
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
(ⅳ) 監査報酬の決定方針
該当事項はありませんが、規模・特性・監査日数等を勘案し、監査役会の同意を受けた上で定めております。
(ⅴ) 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社監査役会は、役員、社内関係部署および会計監査人から必要な資料を入手し報告を受けた他、前連結会計年度の監査計画・監査の遂行状況、当該期の報酬見積りの相当性を確認した結果、会計監査人の報酬等について、監査品質を維持向上していくために合理的な水準であると判断し、会社法第399条第1項及び第2項の同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
(a) 提出会社の役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
イ.報酬構成
役員の報酬は、役職・職責に応じて毎月固定額を支給する固定報酬(基本報酬)と、会社業績の達成度によって変動する業績連動報酬(賞与)によって構成されております。なお、社外取締役および監査役の報酬については、その各々の役割と独立性の観点から、固定報酬のみとし、業績連動報酬は支給しておりません。
(注) 1.取締役の固定報酬における報酬総額限度額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。
2.取締役および監査役の報酬等に関して、上記が決議された当時の取締役および監査役の員数は以下のとおりです。
・1997年6月27日開催 第75期定時株主総会 取締役20名
・2022年6月23日開催 第100期定時株主総会 取締役10名、監査役5名
ロ.決定方法
取締役の報酬に関しては、代表取締役および社外取締役から構成される任意の報酬委員会で固定報酬および業績連動報酬の算定基準の妥当性を検証した上で、取締役会に対し妥当である旨の答申を行っております。
取締役の固定報酬額は、報酬委員会の答申を受け、株主総会で決議された報酬総額限度額の範囲内において、取締役会決議により決定されます。また、取締役(社外取締役を除く)の業績連動報酬については、業績連動賞与算定の基礎となる指標の達成度に応じて、株主総会で決議された報酬総限度額の範囲内において、報酬委員会の答申を受け、取締役会の決議により決定され、支給が確定致します。
監査役の固定報酬額は、株主総会で決議された報酬総額限度額の範囲内において、監査役の協議により確定しております。
ハ.業績連動報酬の算定および支給額の決定方法
(ⅰ)算定の基礎となる指標、業績および当該指標を選択した理由
業績連動報酬は、業績連動報酬支給事業年度の前事業年度(以下、基準事業年度)における、以下の算定指標(4項目)の連結業績予想達成度に応じて算定いたします。なお、以下の指標を選択した理由は、当社グループの経営上重要な指標となっているためです。
(注) 目標は、基準事業年度(2024年3月期)の前事業年度(2023年3月期)期末決算短信に記載する基準事業年度にかかる連結業績予想値を使用しております。なお、前事業年度期末決算短信に基準事業年度にかかる連結業績予想値が公表されなかった場合は、基準事業年度の最初に公表された連結業績予想値を評価指標として使用いたします。
(ⅱ)支給総額の算定(金銭報酬)
業績連動報酬(金銭報酬)の支給総額限度額は、親会社の所有者に帰属する当期利益の金額の1.0%といたします。ただし、取締役(社外取締役を除く)の総報酬(固定報酬+業績連動報酬(金銭報酬))に占める業績連動報酬比率40%を超えないことといたします。
支給総額は、支給総額限度額に(ⅰ)に記載の算定指標の達成項目数に応じた支給割合を乗じて算定いたします。なお、親会社の所有者に帰属する当期損失を計上した場合には、業績連動報酬(金銭報酬)は支給いたしません。
(ⅲ)支給総額の算定(株式報酬)
業績連動報酬(株式報酬)は、事後交付型業績連動型株式報酬制度(パフォーマンス・シェア・ユニット制度)(以下「本制度」という。)を導入しております。本制度は、当社の取締役(社外取締役を除き、以下「対象取締役」という。)に、当社の企業価値の向上を図るインセンティブを付与すると共に、株主と一層の価値共有を進めることを目的とするものであり、対象取締役に対し、 (ⅰ)に記載の算定指標の達成項目数に応じた支給割合に応じて算定される数の当社普通株式を、対象取締役の報酬等として付与する業績連動型の報酬制度です。
(b) 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数
(注) 1.取締役(社外取締役を除く)の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。
2.上記には、2023年6月23日開催の第101期定時株主総会終結の時をもって退任した取締役4名を含んでおります。
3.業績連動報酬のうち株式報酬は、当期までに費用計上した金額の合計額であります。(ただし過年度開示済分は除く)
(c) 当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると取締役会が判断した理由
当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等の内容は、報酬委員会が原案について決定方針との整合性を含め総合的に審議し、取締役会に対し原案が妥当である旨の答申を行った上で、取締役会としてもその答申内容を尊重して決定していることから、決定方針に沿うものであると判断しております。
(d) 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
(e) 使用人兼務役員の使用人給与のうち重要なもの
該当事項はありません。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準と考え方
当社は、保有目的が純投資目的での投資株式は有しておらず、中長期的な企業価値向上の観点から、事業戦略上や事業運営上において、信頼関係や取引関係の維持または強化が見込まれる投資株式に関し、成長性や経済合理性を総合的に判断した上で、必要と認められる政策保有株式を保有しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
(a) 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、中長期的な企業価値向上の観点から、事業戦略上や事業運営上の信頼関係や取引関係の維持または強化が見込まれる株式については、成長性や経済合理性を総合的に判断し、必要と認められる政策保有株式を保有しております。
個別の政策保有株式については、毎年取締役会で検証します。保有に伴う便益やリスク等について、取引状況や規模等・資本コストとの比較などの観点から保有継続の合理性を総合的に判断し、合理性が薄れたと判断した株式については、売却を検討することとしており、同検証結果に基づき当事業年度において5銘柄の売却を行いました。
(b) 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(c) 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1.貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
2.定量的な保有効果の記載が困難であるため、保有の合理性の検証方法を記載します。
当事業年度における検証は、個別銘柄毎に、取得の目的、発行会社との取引状況、発行会社の業績推移、取得価額・時価、配当利回り等の基準、保有に伴う便益やリスク等について整理し、2023年8月8日の取締役会において2023年3月31日を基準とした検証を行いました。
3.スズキ㈱は、2024年3月31日付で、普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っております。
4.SOMPOホールディングス㈱は当社株式を保有しておりませんが、同社子会社である損害保険ジャパン㈱は当社株式を保有しております。
5.SOMPOホールディングス㈱は、2024年3月31日付で、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。
6.ヤマハ発動機㈱は、2023年12月31日付で、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。
7.㈱みずほフィナンシャルグループは当社株式を保有しておりませんが、同社子会社である㈱みずほ銀行は当社株式を保有しております。
8.東海旅客鉄道㈱は、2023年9月30日付で、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。
9.㈱九州フィナンシャルグループは当社株式を保有しておりませんが、同社子会社である㈱肥後銀行は当社株式を保有しております。
みなし保有株式
(注) 1.貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりません。
2.定量的な保有効果の記載が困難であるため、保有の合理性の検証方法を記載します。
当事業年度における検証は、個別銘柄毎に、取得の目的、発行会社との取引状況、発行会社の業績推移、取得価額・時価、配当利回り等の基準、保有に伴う便益やリスク等について整理し、2023年8月8日の取締役会において2023年3月31日を基準とした検証を行いました。
3.スズキ㈱は、2024年3月31日付で、普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、連結財務諸表規則)第93条の規定により、国際会計基準(以下、IFRS)に基づいて作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、財務諸表等規則)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、太陽有限責任監査法人により監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、以下のとおり連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成するための体制の整備を行っております。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等に適時かつ的確に対応することができる体制を整備する
ため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、研修等へ参加しております。また、IFRSの内容に関する社内勉強
会を定期的に実施し、実務担当者へのIFRSに関する知識の習得を推進しております。
(2) IFRSの適用においては、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針を作成し、それに基づいて会計処理を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書】
③ 【連結包括利益計算書】
④ 【連結持分変動計算書】
⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記事項】
1.報告企業
カヤバ株式会社(以下、「当社」)は、日本に所在する株式会社です。当社及び子会社(以下、「当社グループ」)の主な事業内容は、油圧緩衝器・油圧機器の製造・販売ならびに各事業に関連するサービス業務等を行っております。
当社グループの2024年3月31日に終了する年度の連結財務諸表は、2024年6月25日に取締役会によって承認されております。
なお、当社は2023年10月1日付でKYB株式会社からカヤバ株式会社へ商号変更しております。
2.作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、連結財務諸表規則第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 表示通貨及び単位
連結財務諸表の表示通貨は、当社の機能通貨である日本円であり、百万円未満を四捨五入しております。
3.重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループがその活動から便益を享受するために、その会社の財務及び経営方針を直接的もしくは間接的に支配している会社をいいます。当社は、各連結会計年度の3月31日現在まで支配している事業体である子会社の財務諸表に基づき作成します。支配とは、親会社が投資先の企業活動から便益を獲得できるよう、当該企業の財務及び経営方針を決定する力を有することをいいます。現時点で行使可能又は転換可能である潜在的な議決権の存在とその効果は、グループが他の企業を支配しているか否かの判断時に考慮されます。子会社は当社グループが支配を獲得した日から連結を開始し、支配が終了した日以降は連結を中止します。
連結財務諸表の作成にあたり、連結会社間の内部取引高及び債権債務残高を相殺消去します。グループ企業間の残高や取引は、グループ内取引から生じた未実現利益を含め、全額消去します。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが当該企業の財務及び営業の方針に重要な影響力を有している会社です。関連会社については、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって会計処理します。
③ ジョイント・ベンチャー
ジョイント・ベンチャーとは、当社グループと他の当事者が、ある経済活動を行う場合に共同支配を確立するための契約上の合意です。当社グループでは、このような共同支配される経済的活動は、被共同支配企業を通じて行われております。当社グループは、被共同支配に対する持分について、関連会社と同様に、持分法を用いて会計処理します。
(2) 企業結合
当社グループは、企業結合の会計処理として取得法を適用します。企業結合において取得した識別可能資産及び引き受けた識別可能負債と偶発負債は、当初、取得日における公正価値で測定します。取得に関連して発生した費用は、発生時に費用として認識します。非支配持分は、当社グループの持分とは別個に識別されます。被取得企業に対する非支配持分の測定については、非支配持分を公正価値で測定するか、取得企業の識別可能な資産・負債の純額に対する非支配持分の比例割合で測定するか、個々の企業結合取引ごとに選択します。
のれんは、移転された企業結合の対価、被取得企業の非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計額が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定します。
割安購入により、当該金額が取得した子会社の純資産の公正価値を下回る場合、差額は純損益で直接認識されます。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
当社グループ各社の財務諸表は、その企業が事業活動を行う主たる経済環境の通貨である機能通貨で作成されます。連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示されます。
外貨建取引は、取引日における為替レートで当社グループ各社の機能通貨に換算します。期末日における外貨建の貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算します。また、公正価値で測定する外貨建の非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算します。当該取引の決済から生じる為替換算差額は、純損益で認識します。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じるヘッジの有効部分については、その他の包括利益で認識します。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債については、期末日の為替レート、収益及び費用については、連結会計期間中の為替レートが著しく変動していない限り、期中平均レートを用いて日本円に換算します。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益で認識します。当該差額は「在外営業活動体の為替換算差額」として、その他の資本の構成要素に含めます。在外営業活動体の持分全体の処分、及び支配又は重要な影響力の喪失を伴う持分の一部処分に伴い、当該累積換算差額は、処分損益の一部として純損益に振り替えます。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から概ね3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっております。
(5) 金融商品
① デリバティブ以外の金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産を(a) 償却原価で測定する金融資産、(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産、(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産、(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類しており、当初認識時において、その分類を決定しております。当社グループは、営業債権及びその他の債権を発生日に認識しており、その他の金融資産の通常の購入及び売却は、取引日に認識します。取引日とは、当社グループが資産を購入又は売却することを確約した日です。
当初認識時において、すべての金融資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産を除き、公正価値に、当該金融資産に直接帰属する取引費用を加算した金額で測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
金融資産は、次の条件がともに満たされる場合に、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・ 契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている場合
・ 金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる場合
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
金融資産は、次の条件がともに満たされる場合に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しております。
・ 契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている場合
・ 金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる場合
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
一部の資本性金融資産は、公正価値で測定し、その変動をその他の包括利益を通じて認識するという取消不能の選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に分類しております。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記の償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産、及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。なお、当社グループは、当初認識時において、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産として取消不能の選択を行ったものはありません。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定します。
(a) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定します。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る公正価値の変動額は、その他の包括利益を通じて認識し、当該金融資産の認識を中止した場合、過去に認識したその他の包括利益は純損益に振り替えております。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に係る公正価値の変動額は、その他の包括利益を通じて認識し、当該金融資産の認識を中止した場合、利益剰余金に直接振り替えております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産からの配当金については、純損益で認識しております。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益を通じて認識しております。
(ⅲ)認識の中止
金融資産は、当該金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅したか、あるいは当該金融資産が譲渡され、当社グループが所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転したときに認識を中止しております。
(ⅳ)減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産に係る予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
当社グループは、報告期間の末日ごとに、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかを評価しております。当該評価を行う際には、金融資産の債務不履行発生のリスクを報告日現在と当初認識日現在で比較し、当初認識以降の信用リスクの著しい増大を示す、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しております。
なお、当社グループは、金融資産に係る信用リスクが報告日現在で低いと判断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと推定しております。
金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増加していない場合には、12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
なお、上記にかかわらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、常に貸倒引当金の全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
当社グループは、金融資産の予想信用損失を、以下のものを反映する方法で見積もっております。
・ 一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・ 貨幣の時間価値
・ 過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
予想信用損失は、金融資産の予想存続期間にわたる信用損失の確率加重した見積りであります。信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値であります。
なお、当社グループは、営業債権の予想信用損失を見積もる際に、予想信用損失の引当マトリクスを用いた実務上の簡便法を採用しております。当該引当マトリクスは、上記の見積り方法と整合するものであります。
金融資産の予想信用損失は、減損損失として、純損益に認識しております。減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を純損益として戻し入れしております。
② デリバティブ以外の金融負債
(ⅰ)当初認識時の測定
すべての金融負債は公正価値で当初測定しますが、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定します。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失は、純損益で認識します。
(ⅲ)認識の中止
金融負債は、義務が履行されたか、免除されたか、又は失効した場合に認識を中止します。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、ヘッジ会計の開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、並びに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化しております。当社グループはまた、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し極めて有効であるかどうかについても、ヘッジ開始時及び継続的に評価し文書化しております。
ヘッジ指定されていないデリバティブはデリバティブ契約を締結した日の公正価値で当初認識を行い、当初認識後は期末日ごとに公正価値で再測定し、その変動を純損益として認識しております。また、ヘッジ会計を適用している場合の会計処理は以下のとおりです。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとして指定され、かつ、その要件を満たすデリバティブの公正価値の変動は、ヘッジされたリスクをもたらすヘッジ対象資産または負債の公正価値の変動とともに、純損益として認識しております。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジの手段として指定され、かつ、その要件を満たすデリバティブの公正価値の変動のうち、有効部分は、その他の包括利益を通じて資本で認識しております。非有効部分に関する利得又は損失は、純損益で即時認識しております。
資本に累積された金額は、ヘッジ対象が純損益に影響を与える期に、純損益に組み替えます。しかしながら、ヘッジ対象である予定取引が非金融資産もしくは負債の認識を生じさせるものである場合には、それまで資本に繰り延べていた利得又は損失を振り替え、当該資産もしくは負債の測定額に含めます。
ヘッジ対象である予定取引の発生の可能性がなくなった時点で、資本に計上されている利得又は損失の累計額を純損益に振り替えます。
(6) 棚卸資産
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のすべてのコストを含みます。
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で計上します。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する原価の見積額及び販売に要するコストの見積額を控除した額です。原価は主として総平均法を用いて算定します。
(7) 有形固定資産
有形固定資産の測定については原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示します。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、撤去及び原状回復費用並びに借入費用で資産計上の要件を満たすものが含まれます。
取得後に追加的に発生した支出については、その支出により将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、金額を信頼性をもって測定することができる場合にのみ、当該取得資産の帳簿価額に算入するか個別の資産として認識するかのいずれかにより会計処理します。他のすべての修繕及び維持にかかる費用は、発生時に純損益で認識します。
有形固定資産項目の減価償却は、取得原価から残存価額を控除した償却可能価額について、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、主として定額法に基づいて行います。
主な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりです。
・ 建物及び構築物 2~65年
・ 機械装置及び運搬具 2~25年
・ 工具、器具及び備品 2~20年
有形固定資産の減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末日ごとに見直しを行います。
(8) 無形資産及びのれん
無形資産の認識後の測定については原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示します。
個別に取得した無形資産は、当初認識に際し取得原価で測定し、企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定します。なお、自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として計上します。
無形資産は、資産の取得原価から残存価額を控除した額について、見積耐用年数にわたり、定額法で償却します。主な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりです。
・ ソフトウエア:5年
・ 開発費 :5年
無形資産の償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末日ごとに見直しを行います。
のれんは、子会社又は事業譲受時に非支配持分の取得価額が被取得企業の識別可能な取得資産及び負債の純額を上回る場合の超過額を示しております。また、当初認識時におけるのれんの測定等の詳細は「(2) 企業結合」に記載しております。
(9) リース
当社グループは、契約の開始時に、当該契約がリース又はリースを含んでいるかを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。
契約がリースであるかリースを含んでいると判定した場合、リース開始日に使用権資産及びリース負債を認識しております。
① 使用権資産
使用権資産の認識後の測定については原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で、連結財政状態計算書において「有形固定資産」に含めて表示しております。
取得原価は、リース負債の当初測定の金額に、前払リース料等、借手に発生した当初直接コスト、リースの契約条件で要求されている原資産の原状回復義務等のコストを調整して測定しております。
使用権資産は、見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間にわたり、定額法で償却します。
② リース負債
リース負債は、リース開始日において残存リース料を借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しており、連結財政状態計算書において、流動負債及び非流動負債の「その他の金融負債」に含めて表示しております。
リース料は、利息法に基づき金融費用とリース負債の返済額に配分し、金融費用は純損益で認識しております。
なお、原資産が少額であるリースについては、認識の免除を適用し、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース期間にわたって定額法により費用として認識しております。
(10) 非金融資産の減損
当社グループは、原則として、会社別・事業別に資金生成単位としてグルーピングを行っております。各年度において、各資産についての減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候が存在する場合、又は、毎年減損テストが要求されている場合には、その資産の回収可能価額を見積ります。回収可能価額は、資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定します。売却費用控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用します。また、使用価値の評価における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割り引きます。
資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産又は資金生成単位について減損を認識し、回収可能価額まで評価減します。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかについて評価を行います。そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として、減損損失を戻し入れます。
のれんは、毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施します。のれんは、帳簿価額は取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示します。持分法適用会社については、のれんの帳簿価額を投資の帳簿価額に含めます。のれんの減損損失は純損益で認識し、戻し入れは行いません。
のれんは、減損テスト実施のために、企業結合からの便益を得ることが期待される個々の資金生成単位又は資金生成単位グループに配分します。
(11) 退職後給付
当社グループの各会社は、さまざまな年金制度を有しております。年金制度は通常、保険会社、又は信託会社が管理する基金への支払いを通じて積み立てます。その積立金額は定期的な数理計算によって算定されます。当社グループは確定給付制度と確定拠出制度を有します。
確定給付制度に関連して連結財政状態計算書で認識される負債は、報告期間の末日現在の確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を差し引いた額です。確定給付制度債務は、予測単位積増方式を用いて毎年算定します。割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定します。
確定給付負債の純額の再測定による増減は、発生時にその他の包括利益に計上するとともに、直ちに利益剰余金に振り替えております。過去勤務費用は、発生した期間に純損益で認識します。
確定拠出型の退職後給付に係る費用は、確定拠出制度に支払うべき拠出額を従業員が関連するサービスを提供した期間に費用として認識します。
(12) 引当金及び偶発負債
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために資源の流出が必要となる可能性が高く、その金額について信頼性をもって見積ることができる場合に認識します。
引当金は、貨幣の時間価値が重要である場合には、債務の決済に必要とされると見込まれる支出に、貨幣の時間価値の現在の市場評価と当該債務に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値で測定します。時間の経過による引当金の増加は利息費用として認識します。
決算日現在において発生可能性のある債務を有しているが、それが決算日現在の債務であるか否か確認ができないもの、又は引当金の認識基準を満たさないものについては、偶発負債として注記します。
(13) 自己株式
自己株式を取得した場合は、直接関連する費用を含む税効果考慮後の支払対価を、資本の控除項目として認識します。自己株式を売却した場合、受取対価を資本の増加として認識します。
(14) 収益認識
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の適用により、収益を以下の5ステップアプローチに基づいて認識しております。
ステップ1:顧客との契約の識別
ステップ2:履行義務の識別
ステップ3:取引価格の算定
ステップ4:履行義務への取引価格の配分
ステップ5:履行義務の充足による収益認識
① 一時点で充足される履行義務
当社グループはAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業においては四輪用油圧緩衝器、二輪用油圧緩衝器、四輪用油圧機器等の製造販売を行っており、HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業においては産業用油圧機器、舞台機構、艦艇機器、免制振装置等の製造販売を行っております。航空機器事業においては航空機用の離着陸装置、操舵装置、制御装置等の製造販売を行っています。また、その他事業では、特装車両、電子機器等の製造販売を行っています。これらの製品の販売においては顧客との契約に基づき、顧客が製品の支配を獲得した時点(主として当該製品の引渡時点や船積日等)で履行義務が充足され、一時点で収益を認識しており、主として1年以内に対価を受領しています。また、仮単価等の取引はあるものの変動対価の見積もりに重要性はありません。返品が認められた契約については、認識した収益の累計額に重大な戻入が生じない可能性が非常に高い範囲で収益が認識されますが、重要な戻入は生じていません。
② 一定期間にわたって充足される履行義務
当社グループは一定の規模を有する舞台機構などの工事等に係る収益については、顧客との契約に基づき、履行義務の進捗に応じて一定期間にわたって収益を認識しております。顧客に提供する当該工事等の性質を考慮した結果、原価の発生が工事の進捗度を適切に表すと判断したため、進捗度は、見積原価総額に対する実際原価の割合で算出しています。
(15) 政府補助金
政府補助金は、企業は補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識します。政府補助金が費用項目に関連する場合は、当該補助金で補償することが意図されている関連費用を認識する期間にわたって、規則的に収益認識しております。資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。
(16) 借入費用
意図された使用又は販売が可能になるまでに相当の期間を必要とする資産である、適格資産の取得又は製造に直接関連する借入費用は、当該資産が実質的に使用又は売却することができるようになるまで、当該資産の取得原価の一部として資産計上します。その他の借入費用は、発生した会計期間に費用として認識します。
(17) 法人所得税
① 法人所得税
法人所得税費用は当期税金費用及び繰延税金費用から構成されます。当該法人所得税費用は、その他の包括利益又は直接資本の部で認識される項目を除き、純損益として認識します。
当期税金費用は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定します。税額については、決算日までに制定又は実質的に制定された税率及び税法に基づいて算定しております。
繰延税金費用は、決算日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に対して認識します。繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識し、繰延税金負債は将来加算一時差異等について認識します。ただし、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産又は負債を計上しておりません。
・ のれんの当初認識から生じる一時差異
・ 企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・ 子会社、関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債の相殺が行われるのは、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、単一の納税主体又は純額ベースでの決済を行うことを意図している異なる納税主体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものである場合です。
当社及び一部の国内子会社は、グループ通算制度を適用しております。
② グローバル・ミニマム課税制度の取扱い
令和5年度税制改正において、グローバル・ミニマム課税に対応する法人税が創設され、それに係る規定(以下「グローバル・ミニマム課税制度」という。)を含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号))が2023年3月28日に成立しました。
当社グループは、2023年5月に公表された国際会計基準第12号「法人所得税」の修正で定められる例外措置を適用しており、当連結会計年度末時点において、これに関する繰延税金資産および負債は認識しておりません。
また当社グループの在外子会社の一部所在地国においても、グローバル・ミニマム課税制度に係る税制が成立しており、一部所在地国において上乗せ課税が生じる可能性がありますが、これらの課税が当社グループの連結財務諸表へ与える影響は軽微であります。
(18) 株式報酬
当社は、取締役に対する持分決済型の株式に基づく報酬制度として、事後交付型業績連動型株式報酬制度を採用しております。
事後交付型業績連動型株式報酬は、付与する資本性金融商品の付与日における公正価値を参照して測定しており、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
4.重要な会計上の見積り及び判断
当社グループの連結財務諸表は、経営者の見積り及び仮定を含みます。これらの見積り及び仮定は過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づきますが、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある、主な見積り及び仮定は以下のとおりです。
(1) 法人所得税
当社グループは、複数の租税区域の法人所得税の影響を受けます。世界各地における法人所得税の見積額を決定する際には、重要な判断が必要です。取引及び計算方法によっては、最終的な税額に不確実性を含むものも多くあります。当社グループは追加徴収が求められるかどうかの見積りに基づいて、予想される税務調査上の問題について負債を認識します。これらの問題に係る最終税額が当初に認識した金額と異なる場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。なお、当連結会計年度において、法人所得税費用として計上した金額は4,063百万円です。
繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識します。繰延税金資産の認識に際しては、課税所得が生じる可能性の判断において、将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、金額を算定します。将来獲得しうる課税所得は、取締役会で承認された最新の事業計画を基に見積りを行っております。なお、当連結会計年度において繰延税金資産に計上した金額は3,048百万円です。
当連結会計年度において、事業計画は顧客の生産計画を基礎として作成しており、新規製品の販売見込みや外部機関による市場の成長率の予測等の一定の仮定を加味しています。ただし、課税所得が生じる時期及び金額は、当社製品の主要な需要先の市場環境には高い不確実性を伴うため、見直しが必要になった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 引当金及び偶発負債
当社グループは、製品保証引当金等、種々の引当金を連結財政状態計算書に計上しています。これらの引当金は、決算日における債務に関するリスク及び不確実性を考慮に入れた、債務の決済に要する支出の最善の見積りに基づいて計上されます。
債務の決済に要する支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しますが、予想しえない事象の発生や状況の変化によって影響を受ける可能性があり、実際の支払額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
また、偶発負債については、決算日におけるすべての利用可能な証拠を勘案し、その発生可能性及び金額的影響を考慮した上で開示します。
免震・制振用オイルダンパーの不適切行為に係る製品保証引当金に関しては、当社グループは、現時点において収集可能な情報、及びその情報が合理的な事実に基づくものであると判断された免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等について製品保証引当金を計上しております。本件に関する当連結会計年度の製品保証引当金の残高は2,873百万円です。
なお、本製品保証引当金に関する会計上の見積りの内容の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 16.引当金」をご参照ください。
(3) 固定資産の減損損失の認識の要否
当社グループは、原則として、会社別・事業別に資金生成単位としてグルーピングを行っております。減損の兆候があると認められる場合には、資産の回収可能価額を見積ります。回収可能価額は、資産又は資金生成単位の売却費用控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定します。売却費用控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用します。また、使用価値の評価における将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した税引前割引率を使用して、現在価値まで割り引きを行います。資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合は、その資産又は資金生成単位について減損損失を認識いたします。
当連結会計年度の連結財務諸表に計上した有形固定資産、のれん及び無形資産の金額はそれぞれ、156,950百万円、248百万円及び3,087百万円であり、減損損失は1,030百万円であります。
なお、将来キャッシュ・フローは、取締役会で承認された最新の事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見込額、及び資産の使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローを用いております。また、事業計画には新規製品の販売見込みや外部機関による市場の成長率の予測等の一定の仮定を加味しております。これらの仮定については、経営者の最善の見積りと判断により決定しますが、将来の不確実な経済状況の変動の結果によっては影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 棚卸資産の評価
当社グループは、棚卸資産については、原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で測定しており、正味実現可能価額が帳簿価額より下落している場合には、当該正味実現可能価額で測定し、帳簿価額との差額を原則として売上原価に認識しております。
当連結会計年度の売上原価に計上した棚卸資産の評価損の金額は6,882百万円であり、棚卸資産の金額は70,020百万円であります。
当社製品の主要な需要先の市場環境には高い不確実性を伴うため、市場環境が悪化して正味実現可能価額等の見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
5.未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が公表された基準書及び解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりであります。これらの適用による当社グループの連結財務諸表に与える影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、製品・サービス別に事業本部又は事業部を置き、各事業本部又は事業部は、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しておりますので、事業セグメントは「AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業」、「HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業」、「航空機器事業」、「特装車両事業」及びそのいずれにも属さない「その他」によって区分しております。
このうち、「特装車両事業」及び「その他」については、報告セグメントにおける量的基準等を勘案した結果、「その他」に含めて開示しております。したがって、当社グループは、「AC事業」、「HC事業」及び「航空機器事業」の3つを報告セグメントとしております。
「AC事業」は、四輪車用・二輪車用油圧緩衝器及びパワーステアリング製品を主とする四輪車用油圧機器等を生産しております。「HC事業」は、建設機械向けを主とする産業用油圧機器、舞台機構、艦艇機器、免制振装置等を生産しております。「航空機器事業」は、航空機用の離着陸装置、操舵装置、制御装置等を生産しております。
なお、各セグメントにおける主要製品は、下記のとおりであります。
(2) 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、注記「3.重要性がある会計方針」における記載と同一であります。
報告セグメントの損益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
セグメント間の内部売上高及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
(3) 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない特装車両事業及びその他を含んでおります。
2.セグメント損益の調整額62百万円は、セグメント間取引消去であります。
3.セグメント損益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
4.その他の収益・費用については、注記「25.収益・費用(金融収益及び金融費用を除く)」に記載しております。
5.非流動資産には、持分法で会計処理されている投資、その他の金融資産、及び繰延税金資産等を含めておりません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない特装車両事業及びその他を含んでおります。
2.セグメント損益の調整額13百万円は、セグメント間取引消去であります。
3.セグメント損益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
4.その他の収益・費用については、注記「25.収益・費用(金融収益及び金融費用を除く)」に記載しております。
5.非流動資産には、持分法で会計処理されている投資、その他の金融資産、及び繰延税金資産等を含めておりません。
(4) 報告セグメントの変更等に関する事項
当連結会計年度より、当社グループ再編に伴いセグメント管理区分の見直しを行った結果、従来「その他」に含まれていたその他製品の一部を「AC事業」に含めて開示しております。
このため、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを記載しております。
(5) 製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスの区分が報告セグメント区分と同一であるため、記載を省略しております。
(6) 地域別情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
① 売上高
(注) 1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.地域は、地理的近接度により区分しております。
3.各区分に属する主な国又は地域
(1) 日本……………日本
(2) 欧州……………ドイツ、イギリス、スペイン、イタリア、フランス、チェコ、ポーランド
(3) 米国……………米国
(4) 中国……………中国
(5) 東南アジア……インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム
(6) その他…………台湾、韓国、アラブ首長国連邦、メキシコ、ブラジル、カナダ、トルコ、インド
② 非流動資産
(注) 1.非流動資産は所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.非流動資産には、持分法で会計処理されている投資、その他の金融資産、及び繰延税金資産等を含めておりません。
3.地域は、地理的近接度により区分しております。
4.各区分に属する主な国又は地域
(1) 日本……………日本
(2) 欧州……………ドイツ、イギリス、スペイン、イタリア、フランス、チェコ
(3) 米国……………米国
(4) 中国……………中国
(5) 東南アジア……インドネシア、タイ、ベトナム
(6) その他…………台湾、アラブ首長国連邦、メキシコ、ブラジル、インド
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
① 売上高
(注) 1.売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.地域は、地理的近接度により区分しております。
3.各区分に属する主な国又は地域
(1) 日本……………日本
(2) 欧州……………ドイツ、イギリス、スペイン、イタリア、フランス、チェコ、ポーランド
(3) 米国……………米国
(4) 中国……………中国
(5) 東南アジア……インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム
(6) その他…………台湾、韓国、アラブ首長国連邦、メキシコ、ブラジル、カナダ、トルコ、インド
② 非流動資産
(注) 1.非流動資産は所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
2.非流動資産には、持分法で会計処理されている投資、その他の金融資産、及び繰延税金資産等を含めておりません。
3.地域は、地理的近接度により区分しております。
4.各区分に属する主な国又は地域
(1) 日本……………日本
(2) 欧州……………ドイツ、イギリス、スペイン、イタリア、フランス、チェコ
(3) 米国……………米国
(4) 中国……………中国
(5) 東南アジア……インドネシア、タイ、ベトナム
(6) その他…………台湾、アラブ首長国連邦、メキシコ、ブラジル、インド
(7) 主要な顧客に関する情報
当社グループは、トヨタ自動車株式会社及びその子会社に対し製品の販売等を行っております。当該顧客に対する売上高は、前連結会計年度において41,835百万円、当連結会計年度において50,000百万円であり、AC事業に含まれております。
7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。
連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
9.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。
当連結会計年度において売上原価として認識した棚卸資産の評価減の金額は、6,882百万円(前連結会計年度は6,017百万円)です。
10.有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は、以下のとおりです。
負債の担保に供した有形固定資産の金額については、注記「15. 社債及び借入金」に記載しております。
減損損失については、注記「13.非金融資産の減損」に記載しております。
建設中の有形固定資産については、上記の中で建設仮勘定の科目として表示しております。
11.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減は、以下のとおりです。
(注) 無形資産の償却費は、連結損益計算書上の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
また、当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度における期中に費用として認識された研究開発活動による支出は、7,139百万円及び7,589百万円であり、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
減損損失については、注記「13.非金融資産の減損」に記載しております。
12.リース
当社グループがリースにより使用している使用権資産の内訳、及び期中における増減は以下のとおりです。
なお、当社グループはリースの原資産を主として事業活動に使用しております。
(注) 「その他」は主にリース契約の解約による減少です。
当社グループのリース契約の一部には、更新オプション及び購入選択権が付されておりますが、これらのオプションを行使する可能性が合理的に確実である場合にのみ、オプションの対象期間をリース期間に反映しております。
リース負債の満期分析については、注記「18. 金融商品 (5)流動性リスク管理」に記載しております。
純損益に認識された金額は以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度のリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、それぞれ6,652百万円、6,476百万円であります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、使用権資産のサブリースによる収益及びセール・アンド・リースバック取引から生じた利得または損失はありません。
13.非金融資産の減損
当社グループは、会社別・事業別にキャッシュ・フローを生み出す最小単位をグルーピングしています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、事業環境の悪化等により、関連する資産について減損処理を行いました。当該減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に含まれております。
減損損失の報告セグメントごとの内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 地域の区分は、注記「6.セグメント情報」に記載しております。
遊休資産については、個別資産毎に資金生成単位としております。当該遊休資産は事業用途としての利用が見込めなくなったことから、回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は使用価値であり、その価値は零としております。
事業用資産については、過年度に減損処理を実施したものの、引き続き収益性が低く将来キャッシュ・フローが見込めない資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値により測定しており、公正価値ヒエラルキーのレベルは3です。
のれんは期末日毎に減損テストを行っております。減損テストでは資金生成単位毎の帳簿価額(当該資金生成単位に配分されたのれんの額を含む)と当該資金生成単位の使用価値の比較を行いました。使用価値は、各資金生成単位の将来キャッシュ・フローを割り引いて算定しております。将来キャッシュ・フローの見積額は、取締役会で承認された最長5年間の事業計画を基礎としており、それ以降の将来キャッシュ・フローについては、一定で推移するとの推定により試算しております。また、割引率については、税引前加重平均資本コスト等を基礎に、外部情報や内部情報を用いて事業に係るリスクが適切に反映されるように算定し、14.2%としております。
なお、前連結会計年度において、のれんの減損損失は認識しておりません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 地域の区分は、注記「6.セグメント情報」に記載しております。
遊休資産については、個別資産毎に資金生成単位としております。当該遊休資産は事業用途としての利用が見込めなくなったことから、回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は使用価値であり、その価値は零としております。
事業用資産については、過年度に減損処理を実施したものの、引き続き収益性が低く将来キャッシュ・フローが見込めない資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値により測定しており、公正価値ヒエラルキーのレベルは3です。
のれんは期末日毎に減損テストを行っております。その他事業において、事業環境の悪化等に伴う収益性の低下により、のれんを含む資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、のれんの全額296百万円について減損損失を計上しております。回収可能価額は、マーケット・アプローチを用いた鑑定評価額に基づく処分費用控除後の公正価値により測定しております。公正価値のヒエラルキーはレベル3です。
14.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
15.社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は、以下のとおりです。
(注)1.平均利率は当連結会計年度末の残高に対する加重平均利率を記載しております。
(注)2.社債及び借入金は償却原価で測定する金融負債に分類しております。
社債の発行条件の要約は以下のとおりであります。
担保に供している資産及び担保付債務は、以下のとおりです。
上記以外に所有権に対する制限及び負債の担保として抵当権が設定されたものはありません。
16.引当金
引当金の内訳は、以下のとおりです。
(注)1.製品保証引当金については、製品の品質保証費用の支払に備えるため、過去の発生実績に基づく連結会計年度の売上高に対応する発生見込額に、発生した品質保証費用の実状を考慮した保証見込額を加えて計上しており、当該製品保証引当金の当連結会計年度末の残高は、2,737百万円(前連結会計年度2,847百万円)であります。
(注)2.2019年3月期において、当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。
当連結会計年度においては、2024年3月31日時点で交換が未完了の不適合品及び性能不明品(性能検査記録のデータ書き換え有無が確認できないもの)の全数(免震用オイルダンパー55本、制振用オイルダンパー344本の合計399本)を対象として、交換用免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等を製品保証引当金に計上しており、当該製品保証引当金の当連結会計年度末の残高は2,873百万円(前連結会計年度4,445百万円)であります。
(注)3.その他には、訴訟や補償などの支払に備えた引当金が含まれておりますが、当社及び当社子会社の立場が著しく不利になる可能性があるため、IAS第37号第92項に従い個別に記載しておりません。
引当金の増減は、以下のとおりです。
引当金の説明については、注記「3.重要性がある会計方針 (12) 引当金及び偶発負債」に記載しております。
その他は、主に環境対策引当金、資産除去債務、役員賞与引当金及び従業員給付に係る負債です。
17.退職後給付
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度を採用しております。確定給付制度における給付額は、勤続年数、職能・職務等級、役職などの評価要素に基づき決定しております。また、従業員の退職等に際して割増退職金を支払う場合があります。
積立型の確定給付制度は、連結会社と法的に分離された年金基金により運営されています。年金基金の理事会及び年金運用受託機関は、制度加入者の利益を最優先にして行動する事が法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っております。また、当社は基金への掛金拠出等の義務を負っております。なお、当社は将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、5年毎に掛金の額を再計算する事を規則で規定しております。
確定給付制度の会計方針については、注記「3.重要性がある会計方針 (11)退職後給付」をご参照ください。
また、一部の連結子会社は、確定給付制度のほか確定拠出制度を設けております。
(1) 確定給付制度
① 確定給付制度に関するリスク
当社グループは、確定給付制度について様々なリスクに晒されております。主なリスクは、以下のとおりです。なお、当社グループは、制度資産に関して重大な集中リスクには晒されておりません。
② 連結財政状態計算書上の認識額
確定給付制度債務の現在価値、制度資産の公正価値及び連結財政状態計算書上の退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債は、以下のとおりです。
③ 確定給付制度債務(資産)の純額
確定給付制度債務(資産)の純額の現在価値の調整表は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
④ 制度資産の内訳
制度資産の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
国内株式合計には、退職一時金制度に対して設定した退職給付信託が23,479百万円含まれております。
当連結会計年度(2024年3月31日)
国内株式合計には、退職一時金制度に対して設定した退職給付信託が20,752百万円含まれております。
⑤ 数理計算上の仮定
数理計算のために使用した主要な仮定は、以下のとおりです。
⑥ 感応度分析
数理計算上の仮定が変動した場合の確定給付制度債務への影響は、以下のとおりです。本分析においては、その他すべての変数は一定のものと仮定しております。また、本分析は報告期間の末日において合理的と見込まれる変数の変動幅に基づいております。
⑦ 将来キャッシュ・フローに関連する情報
当連結会計年度における確定給付制度への翌年度の予想拠出額は1,101百万円です。また、確定給付負債の加重平均残存期間は11.13年(前連結会計年度は11.72年)です。
⑧ 資産・負債の対応に関する情報
当社グループでは、積立を有する制度の場合、年金スキームに基づく義務に対応した、長期的な投資により資産・負債を対応させております。投資のデュレーションと予想利回りが、年金債務から生じる予想キャッシュ・アウトフローとどのように対応しているのかを積極的にモニターしており、このリスク管理のプロセスは前連結会計年度から変更しておりません。
(2) 確定拠出制度
確定拠出制度に係る退職後給付費用は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識し、未払拠出額を債務として認識しております。
確定拠出制度に係る退職後給付費用は、以下のとおりです。
18.金融商品
(1) 資本管理
当社グループの資本管理における目的は、株主へのリターンの提供、他の利害関係者への便益の供与、ならびに資本コスト削減に向けた最適な資本構成の維持のために、継続企業として存続するためのグループの能力を維持することにあります。
資本構成を維持又は調整するために、当社グループは、株主に対して支払う配当の金額を調整したり、株主に対して資本を償還したり、新株を発行したり、又は資産の売却による債務の削減を行う場合があります。
当社グループは資本負債比率に基づいて資本を監視しています。この比率は正味負債額を総資本で除することで算出されます。正味負債額は借入総額から現金及び現金同等物を差し引いて算出されます。総資本は連結財政状態計算書に示される「資本」に正味負債額を加えて算出されます。
当社グループは、中期経営計画の策定及び見直しの都度、収益及び投資計画に加え、これらの指標についてもマネジメントがモニターし、確認しております。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
(2) 金融商品の分類
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、連結財政状態計算書における「その他の金融資産」に含まれております。
(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産)
当社グループは、投資先との取引関係の維持、強化による収益基盤の拡大を目的とする長期保有の株式について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において「その他の金融資産」に計上されている、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値及び受取配当金は以下のとおりです。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産のうち、上場株式の主な銘柄及び公正価値は以下のとおりです。
期中に処分したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、以下のとおりです。
これらは主に、取引関係の見直し等により売却したものです。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた累積利得・損失(税引後)は、それぞれ△90百万円、1,070百万円です。
(3) 財務リスク管理
当社グループは、信用リスク、流動性リスク、市場リスク(為替リスク、金利リスク及び株価変動リスク)などの様々なリスクに晒されております。また、当社グループは市場リスクをヘッジするために、先物為替予約、金利スワップ等のデリバティブ金融商品を利用しています。デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限を定めた社内規程に従っており、デリバティブ金融商品を利用した投機的な取引は行わない方針です。
また、当社グループは設備投資計画に照らして、必要な資金を調達しております。一時的な余剰資金は安全性の高い金融資産で運用し、短期的な運転資金を銀行借入により調達しております。資金調達に係る流動性リスクについては、各社が月次で資金繰り計画を作成するなどの方法により管理しております。
(4) 信用リスク管理
当社グループは、保有する金融資産の相手先の債務が不履行になることにより、金融資産が回収不能になるリスク、すなわち信用リスクに晒されております。当該リスクに対応するために、当社グループの与信管理規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を定期的に把握する体制としております。さらに、必要に応じて担保設定・ファクタリング等を利用することによって保全措置を図っています。
また、当社グループでは、為替相場の変動に係るリスクを軽減するために、金融機関等とデリバティブ金融商品の取引を行っていますが、デリバティブ金融商品の取引については、信用力の高い金融機関を相手方として行うことが基本となっており、信用リスクに及ぼす影響は限定的です。
なお、特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。
金融資産については、連結財政状態計算書に表示されている減損後の帳簿価額が、当社グループの信用リスクに係る最大エクスポージャーとなります。
これらの信用リスクに係るエクスポージャーに関し、担保として保有する物件及びその他の信用補完するものはありません。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
貸倒引当金の増減
当社グループは、取引先の信用状態に応じて営業債権等の回収可能性を検討し、貸倒引当金を計上しております。貸倒引当金の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(5) 流動性リスク管理
当社グループは、金融機関からの借入により、運転資金や設備投資資金の調達を行っておりますが、これらの債務の履行が困難となるリスク、すなわち流動性リスクに晒されております。当社グループは、事業を遂行するにあたって必要最小限の手元資金を確保するために、適宜金融機関からの借入を行っており、また突発的な資金需要の発生や市場の流動性が著しく低下した時などの緊急的な事態に備えて金融機関との借入枠を設定しています。
また、当社は、グループ各社の資金需要を適宜把握した上で、月次ベースの資金計画を作成し、日々のキャッシュ・フローと比較するという方法でモニタリングを行い、流動性リスクを管理しております。
当社グループの非デリバティブ金融負債及びデリバティブ金融負債の残存契約満期期間ごとの金額は、以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(6) 市場リスク管理
① 為替リスク管理
当社グループは、グローバルに事業展開を行っており、一部の原材料の調達及び製品の販売を外貨建取引で実施していることから、当該取引より発生する外貨建の債権債務について、為替リスクに晒されております。当社グループの為替リスクは、主に米ドルの為替変動により発生しています。
為替感応度分析
当社グループの為替リスクエクスポージャー(純額)に対する感応度分析は、以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、日本円が、米ドル及びユーロに対して1円円高又は円安となった場合の、当社グループのセグメント利益に与える影響額は、上記のとおりです。本分析においては、その他すべての変数は一定のものと仮定しております。
② 金利リスク管理
当社グループは、事業活動を進める上で、運転資金及び設備投資等に必要となる資金を調達することに伴い発生する利息を支払っていますが、変動金利での借入を行っている場合には、利息の金額は市場金利の変動に影響を受けることから、利息の将来キャッシュ・フローが変動する金利リスクに晒されております。当社グループは、資金使途を設備投資等の目的としている長期借入金のうち、変動金利の借入の一部については、金利の上昇による利息の支払額の増加を抑えるために、利息の受取額を変動金利、利息の支払額を固定金利としてその差額を授受する金利スワップ契約を金融機関と締結しています。その結果、長期の借入金の利率を実質的に固定化することによって、利息の将来キャッシュ・フローの安定化が図られ、金利リスクをヘッジすることが可能となっております。
金利感応度分析
当社グループの金利リスクエクスポージャーに対する感応度分析は、以下のとおりです。
感応度分析は、金利スワップ契約により利息の支払い額を固定化していない変動金利の有利子負債を対象に、金利が1%変動(上昇又は低下)した場合における税引前利益に与える影響額を示しています。本分析においては、その他すべての変数を一定のものとして仮定しております。
③ 株価変動リスク管理
当社グループは、業務上の関係を有する企業の上場株式を保有しており、それらは市場価格の変動リスクに晒されておりますが、定期的に時価や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、取引状況や規模等・資本コストとの比較なども勘案し、保有状況を継続的に見直しております。
(7) 金融商品の帳簿価額及び公正価値
① 公正価値の測定方法
金融資産及び金融負債の公正価値は、次のとおり決定しております。金融商品の公正価値の見積りにおいて、市場価格が入手できる場合は、市場価格を用いております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値に関しては、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、又はその他の適切な評価方法により見積もっております。
② 金融商品の区分ごとの公正価値
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債及び償却原価で測定する金融負債の公正価値は以下のとおりです。なお、公正価値で測定する金融商品については、「(2) 金融商品の分類」において開示しております。
社債及び借入金を除く、償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しています。
③ 公正価値ヒエラルキー
公正価値で測定する金融商品について、測定に使用したインプットの観察可能性及び重要性に応じた公正価値測定額を、レベル1からレベル3まで分類しております。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における相場価格
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
「② 金融商品の区分ごとの公正価値」で開示している、償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値ヒエラルキーは全てレベル3です。
公正価値ヒエラルキーのレベル間での振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識することとしております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、上記のレベル間での振替はありません。
④ レベル2、3に区分される公正価値測定に関する情報
公正価値ヒエラルキーのレベル2及びレベル3に区分される公正価値評価の方法は、非上場株式及び出資金は類似企業比較法等、適切な評価技法を用いて算定しております。会員権については、活発でない市場における同一資産を基に評価しています。また、事後の公正価値の変動をその他の包括利益として計上しております。
デリバティブの公正価値については、取引先金融機関等から提示された価格等に基づき測定しております。
借入金については、将来キャッシュ・フローを、同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。社債については、元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しております。
(8) デリバティブ及びヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとは、予定取引又は既に認識された資産もしくは負債に関連して発生する将来キャッシュ・フローの変動に対するヘッジであります。キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブの公正価値の変動はその他の包括利益として認識し、ヘッジ対象に指定された未認識の予定取引又は既に認識された資産もしくは負債に関連して発生する将来キャッシュ・フローの変動が純損益に認識されるまで当該会計処理を継続しております。
当社グループでは、社内管理規程に基づき、外貨建取引に係る為替変動及び借入金に係る金利変動に伴うキャッシュ・フロー変動リスクをヘッジするために金利通貨スワップ及び金利スワップを利用し、これをキャッシュ・フロー・ヘッジに指定しております。
ヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジ期間にわたりヘッジ関係の高い有効性を保つため、原則としてヘッジ手段とヘッジ対象の想定元本、期間(満期)及び金利基礎数値が一致するようにしております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して純損益に認識された金額はありません。
19.株式報酬
(1) 株式に基づく報酬制度の内容
当社は、前連結会計年度より、取締役(社外取締役を除き、以下「対象取締役」という。)に対して、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを付与すると共に、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、事後交付型業績連動型株式報酬制度(パフォーマンス・シェア・ユニット)(以下「本制度」という。)を導入しております。
本制度は、対象取締役の役位毎に設定した基準交付株式数に、前事業年度期末決算短信に記載した翌事業年度(以下「評価期間」という。)の連結業績の予想値の達成割合、及び役務提供期間比率を乗じて算定される数の当社の普通株式を、対象取締役の報酬等として交付する業績連動型の報酬制度です。本制度の詳細については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」に記載のとおりです。
また、当社は、前連結会計年度において、本制度の導入目的の一つである、取締役と株主の皆様との一層の価値共有を早期に実現するため、本制度導入に係る移行措置(以下「本移行措置」という。)として、本制度に準じて、第100期事業年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで。)を評価期間とみなして算定された数の当社の普通株式を、対象取締役の報酬等として交付しております。
本制度及び本移行措置は、持分決済型の株式報酬として会計処理しております。
(2) 期中に付与された株式数及び株式の加重平均公正価値
本制度及び本移行措置に係る期中に付与された株式数、基準交付株式数及び株式の加重平均公正価値は、以下のとおりです。
本制度の公正価値は、モンテカルロ・シミュレーションを用いて算定しております。算定に使用した主な基礎数値は、以下のとおりです。
また、本移行措置の公正価値は、付与日における当社株式の市場価格を基礎として算定し、予想配当利回りを考慮に入れた修正は行っておりません。
(3) 株式に基づく報酬費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における本制度及び本移行措置に係る費用計上額は、43百万円及び18百万円であり、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含まれております。
20.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び資本剰余金
日本の会社法(以下、会社法)では、株式の発行に対しての払込又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることができると規定されております。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
授権株式総数、発行済株式数及び資本金等の残高の増減は、以下のとおりです。
(2) 利益剰余金
利益剰余金は、利益準備金とその他利益剰余金により構成されます。その他利益剰余金は、主に当社グループの稼得した利益の累積額であります。
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが想定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができることとされております。
(3) 自己株式
会社法では、株主総会の決議により分配可能額の範囲内で、取得する株式数、取得価格の総額等を決定し、自己株式を取得することができると規定されております。また、市場取引又は公開買付による場合には、定款の定めにより、会社法上定められた要件の範囲内で、取締役会の決議により自己株式を取得することができます。
自己株式数及び自己株式残高の増減は、以下のとおりです。
(4) その他の資本の構成要素
① その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の評価差額です。
② キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の純変動
当社グループは将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジを行っており、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の純変動額のうち有効と認められる部分です。
③ 在外営業活動体の為替換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額です。
④ 確定給付制度の再測定
確定給付制度債務に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(利息収益に含まれる金額を除く)及び資産上限額の影響(利息収益に含まれる金額を除く)の変動額です。
21.配当金
各連結会計年度における配当金支払額は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(1) 配当金の支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(1) 配当金の支払額
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
22. 売上高
(1) 収益の分解
当社グループの事業は、AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業、HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業、航空機器事業、その他により構成されており、当社グループでは、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループでは、これらの事業を通じて得られる収益を売上高として表示しています。また、売上高は主要な製品別に分解しています。これらを分解した売上高と注記「6.セグメント情報」で記載しているセグメント別の売上高との関連は、以下のとおりです。
(2) 契約残高
顧客との契約から生じた債権、契約資産及び契約負債の残高は以下のとおりです。
契約資産は主に、一定期間にわたり充足した履行義務に係る対価に対する当社グループの権利であり、支払に対する権利が無条件になった時点で債権に振り替えられます。
契約負債は主に、製品の引渡前に当社グループが顧客から受け取った対価です。
前連結会計年度及び当連結会計年度に認識した収益のうち、前期首現在及び当期首現在の契約負債残高に含まれていたものは、296百万円及び510百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(または部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格の算定
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(4) 顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
当連結会計年度において顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産はありません。なお、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約の獲得コストを発生時に費用として認識しています。
23.費用の性質別内訳
売上原価、販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりです。
24.金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は、以下のとおりです。
25.収益・費用(金融収益及び金融費用を除く)
(1) 売上高
売上高の内訳は、以下のとおりです。
(2) その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりです。
(3) その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりです。
(注) 当連結会計年度において、免震・制振用オイルダンパーの不適合品の交換工事等が進捗したことに伴い、免震・制振用オイルダンパー事案に係る製品保証引当金の繰入及び取崩額を製品保証引当金繰入額として計上し、当連結会計年度に追加的に発生した交換工事に要する費用及び対応部の人件費等の諸費用を製品保証対策費として計上しております。
26.法人所得税
(1) 税金費用
法人所得税費用の主要な内訳は、以下のとおりです。
従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益のうち、当期税金費用の減額のために使用した額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ907百万円及び4,786百万円であり、これらは当期税金費用に含めております。また、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益のうち、繰延税金費用の減額のために使用した額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ20百万円及び357百万円であり、これらは繰延税金費用に含めております。
(2) 法定実効税率と実際負担税率の調整表
当社グループの法定実効税率と実際負担税率との調整は、以下のとおりです。実際負担税率は税引前利益に対する法人所得税費用の負担割合を表示しています。
当社グループは、主に法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計年度及び当連結会計年度の法定実効税率はいずれも29.9%となっています。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。
(3) 繰延税金資産及び負債の変動内訳
繰延税金資産及び負債の変動の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 為替の変動による差額は純損益で認識した額に含めて表示しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 為替の変動による差額は純損益で認識した額に含めて表示しております。
(4) 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金は、以下のとおりです。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は、以下のとおりです。
27.その他の包括利益
その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額は、以下のとおりです。
28.1株当たり利益
基本的及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりです。
29.キャッシュ・フロー情報
財務活動に係る負債の変動は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 当連結会計年度における「リース負債」の「その他」は、主にリース契約の解約による減少です。
30.偶発負債
建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為に関連して訴訟を提起されている案件もありますが、当社の立場が著しく不利な立場になる可能性があるため、IAS第37号第92項に従い、個別に記載しておりません。
なお、本件の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 16.引当金」に記載のとおりです。
31.コミットメント
有形固定資産の取得に関して契約上確約している重要なコミットメントは、前連結会計年度末1,453百万円であり、当連結会計年度末3,442百万円であります。
32.関連当事者との取引
経営幹部に対する報酬
当社グループの経営幹部に対する報酬は、以下のとおりです。
33.子会社
当社グループの主要な子会社は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。
34.持分法で会計処理されている投資
持分法で会計処理されている、個々に重要性のない関連会社に対する当社グループに帰属する持分の帳簿価額は、以下のとおりです。
持分法で会計処理されている、個々に重要性のない関連会社の要約財務情報は、以下のとおりです。なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものであります。
35.後発事象
該当事項はありません。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.棚卸資産の評価基準及び評価方法
主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)によっております。
2.有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法によっております。
(2) その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
決算日の市場価格等に基づく時価法によっております。(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しております。)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法によっております。
3.デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法によっております。
4.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっております。
なお、耐用年数及び残存価額については、法人税法に規定する方法と同一の基準によっております。ただし、工具、器具及び備品のうち金型については定率法によっております。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法によっております。
なお、耐用年数については、法人税法に規定する方法と同一の基準によっております。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用しております。
(4) 長期前払費用
均等償却によっております。
なお、償却期間については、法人税法に規定する方法と同一の基準によっております。
5.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 投資損失引当金
関係会社への投資に係る損失に備えるため、当該会社の財政状態等を勘案し、必要と認められる額を計上しております。
(3) 製品保証引当金
将来の無償補修費用の支出に備えるため、個別案件に対する見積額及び売上高に対する過去の実績率を基準とした見積額を計上しております。
(4) 事業損失引当金
関係会社の事業の損失及び特定の案件に係る事業の損失に備えるため、個別に事業の状況等を勘案し、損失負担見込額を計上しております。
(5) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産に基づき、当事業年度末において発生していると認められる額を計上しております。
また、数理計算上の差異は、その発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数(15年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。過去勤務費用は、発生年度において一括して費用処理しております。
6.収益及び費用の計上基準
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を適用しており、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転したと判断した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識することとしております。
(1) 一時点で充足される履行義務
当社は、AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業においては四輪用油圧緩衝器、二輪用油圧緩衝器、四輪用油圧機器等の製造販売を行っており、HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業においては産業用油圧機器、艦艇機器、免制振装置等の製造販売を行っております。航空機器事業においては航空機用の離着陸装置、操舵装置、制御装置等の製造販売を行っております。また、その他事業では、特装車両等の製造販売を行っております。これらの製品の販売においては顧客との契約に基づき、顧客が製品の支配を獲得した時点(主として当該製品の引渡時点)で履行義務が充足されますが、製品の国内の販売においては、「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)第98項に定める代替的な取扱いを適用し、出荷時から当該製品の支配が顧客に移転される時までの期間が通常の期間であるため、出荷時に収益を認識しております。
(2) 一定期間にわたって充足される履行義務
当社は、一定の規模を有する舞台機構などの工事等に係る収益については、顧客との契約に基づき、履行義務の進捗に応じて一定期間にわたって収益を認識しております。進捗度は、見積原価総額に対する実際原価の割合で算出しております。
7.ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理によっております。
ただし、特例処理の要件を満たす金利スワップについては、特例処理を採用しております。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段‥為替予約取引及び金利スワップ取引
ヘッジ対象‥外貨建取引及び借入金利息
(3) ヘッジ方針
当社の社内管理規程に基づき、外貨建取引に係る為替変動リスク及び借入金に係る金利変動リスクをヘッジすることを目的として、実需の範囲内でデリバティブ取引を利用する方針であります。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ手段とヘッジ対象に関する重要な条件が同一であるため、有効性の評価は省略しております。
8.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表における会計処理の方法と異なっております。
(2) グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しております。
(3) 記載金額の表示
百万円未満を切り捨てて表示しております。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りは、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて合理的な金額を算出しております。当事業年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目は以下のとおりです。
(免震・制振用オイルダンパーの不適切行為に係る製品保証引当金)
当社は、現時点において収集可能な情報、及びその情報が合理的な事実に基づくものであると判断された免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等について、製品保証引当金を計上しております。今後の交換工事の進捗等の状況により、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
本件に関する当事業年度の製品保証引当金の残高は2,873百万円(前事業年度は4,444百万円)です。
なお、本製品保証引当金に関する会計上の見積りの内容の詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しているため、注記を省略しております。
(固定資産の減損損失の認識の要否)
当社は、原則として、事業用資産について工場を基準としてグルーピングを行っております。減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定します。判定の結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回り減損損失の認識が必要とされた場合、帳簿価額を回収可能価額(正味売却価額又は使用価値のいずれか高い価額)まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識されます。
将来キャッシュ・フローは、取締役会で承認された最新の事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見込み額、及び資産の使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローを用いております。また、事業計画には新規製品の販売見込みや外部機関による市場の成長率の予測等の一定の仮定を加味しております。
これらの仮定については、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済状況の変動等の結果によっては影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度の財務諸表に計上した有形固定資産及び無形固定資産の金額はそれぞれ、75,046百万円(前事業年度は56,037百万円)、376百万円(前事業年度は65百万円)であり、減損損失の金額は662百万円(前事業年度は718百万円)であります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産は、将来の税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で認識します。繰延税金資産の認識に際しては、課税所得が生じる可能性の判断において、将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、金額を算定します。将来獲得しうる課税所得は、取締役会で承認された最新の事業計画を基に見積りを行っております。
当事業年度において、事業計画は顧客の生産計画を基礎として作成しており、新規製品の販売見込みや外部機関による市場の成長率の予測等の一定の仮定を加味しております。ただし、課税所得が生じる時期及び金額は、当社製品の主要な需要先の市場環境には高い不確実性を伴うため、見直しが必要になった場合、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度の繰延税金資産6,651百万円(前事業年度は5,828百万円)と繰延税金負債3,130百万円(前事業年度は3,559百万円)を相殺した結果、繰延税金資産3,521百万円(前事業年度は繰延税金資産2,269百万円)を計上しております。
(棚卸資産の評価)
当社は、棚卸資産については、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しており、正味売却価額が帳簿価額より下落している場合には、当該正味売却価額で測定し、帳簿価額との差額を原則として売上原価に認識しております。
当社製品の主要な需要先の市場環境には高い不確実性を伴うため、市場環境が悪化して正味売却価額等の見直しが必要になった場合、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度の財務諸表に計上した棚卸資産の金額は17,718百万円(前事業年度は17,057百万円)であり、売上原価に含まれている棚卸資産の評価損の金額は5,306百万円(前事業年度は4,384百万円)であります。
(表示方法の変更)
前事業年度において、「流動負債」の「未払金」に含めていた「未払法人税等」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記することとしております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前事業年度の貸借対照表において、「流動負債」の「未払金」に表示していた4,908百万円は、「未払法人税等」371百万円、「未払金」4,537百万円として組み替えております。
(貸借対照表関係)
※1.関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示されたものを除く)
2.偶発債務
(1) 関係会社の金融機関からの借入金等に対する保証
(2) 建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について
2019年3月期において、当社及び当社の子会社であったカヤバシステムマシナリー株式会社(当該子会社は2021年7月1日をもって当社を存続会社とした吸収合併により解散しております)にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。
本件に関し、現時点において収集可能な情報、及びその情報が合理的な事実に基づくものであると判断された免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等について、製品保証引当金を計上しております。
なお、本件に関連して訴訟を提起されている案件もありますが、一部案件においては追加費用の発生なく終了し、またその他案件の訴訟手続きも進んでおり、現時点においては経済的便益の流出の可能性は低下していると判断しております。
(損益計算書関係)
※1.販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度55%、当事業年度47%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度45%、当事業年度53%であります。主要な費目及び金額は次のとおりであります。
※2.関係会社との取引高
※3.製品保証対策費及び製品保証引当金戻入額
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度において、免震・制振用オイルダンパーの不適合品の交換工事等が進捗したことに伴い、免震・制振用オイルダンパー事案に係る製品保証引当金の繰入額及び取崩額を製品保証引当金戻入額として計上し、当事業年度に追加的に発生した交換工事に要する費用及び対応部の人件費等の諸費用を製品保証対策費として計上しております。
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度において、免震・制振用オイルダンパーの不適合品の交換工事等が進捗したことに伴い、免震・制振用オイルダンパー事案に係る製品保証引当金の繰入額及び取崩額を製品保証引当金戻入額として計上し、当事業年度に追加的に発生した交換工事に要する費用及び対応部の人件費等の諸費用を製品保証対策費として計上しております。
※4.事業損失引当金繰入額
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当社の子会社であるKYB金山株式会社(現金山カヤバ株式会社)の事業の損失に備えるため、174百万円を事業損失引当金繰入額に計上しております。
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当社における特定の案件に係る事業の損失に備えるため、合わせて2,214百万円を事業損失引当金繰入額に計上しております。
(有価証券関係)
前事業年度(2023年3月31日現在)
子会社株式及び関連会社株式(貸借対照表計上額 子会社株式32,810百万円、関連会社株式786百万円)は、市場価格のない株式等のため、記載しておりません。
当事業年度(2024年3月31日現在)
子会社株式及び関連会社株式(貸借対照表計上額 子会社株式33,530百万円、関連会社株式770百万円)は、市場価格のない株式等のため、記載しておりません。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主要な項目別の内訳
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(企業結合等関係)
共通支配下の取引等
(KYB-YS株式会社の吸収合併)
当社は、2023年4月1日を効力発生日として、当社の完全子会社であるKYB-YS株式会社(以下、「YS」といいます。)を吸収合併いたしました。
①企業結合の概要
(ⅰ)結合当事企業の名称及び当該事業の内容
結合当事企業の名称 KYB-YS株式会社
事業の内容 自動車用ステーダンパ、排煙ダンパ、フリーロック、油圧機器及び精密加工部品、鋳物等の製造・販売
(ⅱ)企業結合日
2023年4月1日
(ⅲ)企業結合の法的形式
当社を存続会社とする吸収合併方式で、YSは解散いたしました。
(ⅳ)結合後企業の名称
KYB株式会社(現カヤバ株式会社)
(ⅴ)その他取引の概要に関する事項
当社は、油圧機器の製造・販売子会社であるYSを合併することにより、営業力の強化を進め、収益力の向上を図り、また、当社の財務基盤の強化を目指します。
併せて、本合併により人財ローテーションの活性化、グループガバナンス体制の強化にも努めてまいります。
②実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 2019年1月16日)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号 2019年1月16日)に基づき、共通支配下の取引として処理しております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「重要な会計方針 6.収益及び費用の計上基準」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注) 1.当期首残高及び当期末残高は取得価額により記載しております。
2.「当期減少額」欄の( )内は内書きで、減損損失の計上額であります。
3.当期増加額のうち主なものは、次のとおりであります。
4. 当期増加額のうち子会社の吸収合併によるものは、次のとおりであります。
5.当期減少額のうち主なものは、次のとおりであります。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度(第101期) (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 2023年6月23日関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2023年6月23日関東財務局長に提出
(3) 四半期報告書及び確認書
(第102期第1四半期)(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) 2023年8月9日関東財務局長に提出
(第102期第2四半期)(自 2023年7月1日 至 2023年9月30日) 2023年11月8日関東財務局長に提出
(第102期第3四半期)(自 2023年10月1日 至 2023年12月31日) 2024年2月9日関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書
2023年6月26日関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)の規定に基づく臨時報告書であります。
(5) 訂正発行登録書
2023年5月11日関東財務局長に提出
2023年6月26日関東財務局長に提出
(6) 自己株券買付状況報告書
2023年7月18日関東財務局長に提出
2023年8月10日関東財務局長に提出
2023年9月6日関東財務局長に提出
2023年10月13日関東財務局長に提出
2023年11月10日関東財務局長に提出
2023年12月12日関東財務局長に提出
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。