第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」は、潜在株式がないため記載していない。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第72期の期首から適用しており、第72期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっている。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」は、潜在株式がないため記載していない。
2 配当性向は、配当金総額(株式給付信託(BBT)の信託口に対する配当金を含む。)を当期純利益で除して算定している。
3 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものである。
4 第71期の1株当たり配当額28円には、創立125周年記念配当5円を含んでいる。
5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第72期の期首から適用しており、第72期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっている。
2 【沿革】
1896年4月、水野甚次郎が広島県呉市に水野組として発足したのが当社の起源である。
その後、全国各地において主として土木工事を施工してきたが、1929年4月に合名会社水野組に改組し、1945年3月に本店を広島市に移転、さらに1954年4月株式会社水野組と改めた。1963年6月に株式の額面500円を50円に変更するため、1950年4月に設立された株式会社水野組(本店・呉市)に吸収合併されたことから、当社の設立は1950年4月となっている。その後1967年2月に社名を五洋建設株式会社(英文社名=PENTA-OCEAN CONSTRUCTION CO.,LTD.)と商号変更し現在に至っている。
当社及び主要な子会社の主な変遷は次のとおりである。
3 【事業の内容】
当社グループは、当社、子会社31社及び関連会社8社で構成され、国内土木事業、国内建築事業、海外建設事業及びこれらに関連する建設資材の販売、機器リース並びに国内開発事業、造船事業等の事業活動を展開している。
当社グループの事業に関わる位置付け及びセグメント情報との関連は、次のとおりである。
なお、これらはセグメント情報に記載された区分と同一である。
(1) 国内土木事業
当社及び連結子会社である五栄土木㈱、洋伸建設㈱等が営んでおり、当社は工事の一部をこれらの連結子会社に発注している。
(2) 国内建築事業
当社及び連結子会社であるペンタビルダーズ㈱が営んでおり、当社は工事の一部を連結子会社に発注している。
(3) 海外建設事業
当社及び連結子会社であるUG M&E社等が営んでおり、当社は工事の一部をこれらの連結子会社に発注している。また、連結子会社であるアンドロメダ・ファイブ社及びカシオペア・ファイブ社が大型自航式浚渫船の賃貸・運航管理を営んでいる。
(4) その他
当社が不動産の自主開発、販売及び賃貸等の開発事業を営んでおり、連結子会社に対して、土地・建物の賃貸を行っている。また、連結子会社である警固屋船渠㈱が造船事業を営んでいる。連結子会社であるペンタテクノサービス㈱が事務機器等のリース事業を営んでおり、当社に事務機器等の一部をリースしている。このほか、連結子会社であるジャイワット㈱等が環境関連事業を営んでいる。
事業の系統図は次のとおりである。

4 【関係会社の状況】
(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載している。
2 ペンタオーシャン・マレーシア社及びサイアム・ゴヨウ社に対する議決権の所有割合は、100分の50以下であるが、実質的に支配しているため子会社としている。
3 カシオペア・ファイブ社及びUG M&E社は特定子会社に該当する。
4 外貨については、次の略号で表示している。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員であり、海外の現地採用の従業員(1,698人)及び臨時従業員(223人)は、年間の
平均人員を〔 〕外数で記載している。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注)1 従業員数は就業人員であり、海外の現地採用の従業員(1,490人)及び臨時従業員(205人)は、年間の
平均人員を〔 〕外数で記載している。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいる。
(3) 労働組合の状況
労使関係について特記すべき事項はない。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものである。
② 連結子会社
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表項目として選択していない、または公表義務の対象ではないため、記載を省略している。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年3月31日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであるが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について、当社が保証するものではない。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、すべての事業活動、企業活動のよりどころとなるものとして「経営理念」、サステナビリティ経営の「ビジョン」および「マテリアリティ」、そして「行動規範」からなる理念体系を定めています。

「経営理念」
『社会との共感』 『豊かな環境の創造』 『進取の精神の実践』
「ビジョン」
サステナビリティ経営を実践する“真のグローバル・ゼネラルコントラクター”
~サステナブルな建設事業活動を通じて社会の持続的な発展に貢献する
「行動規範」
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、上記の経営理念、ビジョンの実現を目指し、企業価値の向上を図るため、3か年を期間とする中期経営計画を策定しております。
その中で、本業収益力を示す営業利益や株主価値を示す1株当たり当期純利益などの業績指標、財務の健全性を表す有利子負債残高、D/Eレシオ(ネット)などの経営指標とともに、自己資本利益率(ROE)と総還元性向を株主価値向上への取組みを明確化するための目標数値としております。
中期経営計画(2023~2025年度)の最終年度である2025年度における主要数値の目標は次のとおりです。
○中期経営計画の最終年度(2025年度)目標
(3) 中長期的な会社の経営戦略並びに会社の対処すべき課題
国内外の社会、経済情勢は、ウクライナ情勢や中東情勢等の地政学的リスク、中国経済の成長鈍化等、先行き不透明な状況にあるものの、欧米でインフレ抑制が進み、全体的には景気回復、拡大に転じるものと予想されます。我が国においては、物価高騰対策や持続的な賃上げによる経済活性化、国土強靭化等を盛り込んだ総合経済対策の実施、インバウンドの拡大等によって、緩やかな景気回復が続く見通しです。
建設事業を取り巻く事業環境は、国内にあっては切れ目のない予算執行による堅調な公共投資と、旺盛な物流や都市再開発に加え、経済安全保障やCNに関連した設備投資等の民間投資が見込まれます。海外においても、当社の拠点であるシンガポールをはじめ東南アジアでは引き続き堅調な建設需要が見込まれます。その一方で、建設資材価格の高騰及び供給制約、建設技能者の確保などの課題もありますが、技術に裏打ちされたターゲットを明確にした営業戦略とフロントローディングの取組みにより、事業拡大による安定的な利益確保を目指してまいります。
■中期経営計画(2023~2025年度)
● 目指す姿(ビジョン)
サステナビリティ経営を実践する“真のグローバル・ゼネラルコントラクター”
~サステナブルな建設事業活動を通じて社会の持続的な発展に貢献する
● 目指す姿と基本戦略
1. 良質な社会インフラ・建築物を提供する企業
○ 良質な社会インフラ・建築物の建設(サステナブルな建設)
○ 技術に裏打ちされた競争力の強化、総合力の発揮
(フロントローディング、部門間連携、技術開発、外部連携)
2. 現場生産性向上を推進するDX先進企業
○ DXの推進
○ 設計・施工・管理の効率化
(BIM/CIM、デジタルツイン、自動・自律化、AI活用)
○ 現場書類のデータ化、情報共有の効率化
○ 現場遠隔支援体制の拡充
3. 豊かな地球環境を創造するGX先進企業
○ 建設事業活動のCN化
○ 本業によるCN実現への貢献
(洋上風力建設、建物のZEB化)
○ 豊かな環境の創造
(資源循環、ブルーカーボン)
4.多様な人材が活躍するD&I先進企業
○ 多様な人材の確保・育成
○ D&Iの進化~女性、外国人の活躍推進
○ 働き方改革の加速
5. サステナビリティ経営の実践
○ サステナビリティ経営の推進
○ 人間尊重~人権の尊重、労働安全衛生の確保
○ 実効あるガバナンスの推進
● 投資計画
1. 設備投資: 約300億円/年
○ 洋上風力建設に用いる大型作業船の建造
○ 作業船のDX、GXへの対応
2. 研究開発投資: 約30億円/年
○ DX、GXの推進に向けた技術開発の強化
● 財務計画
1. 資金使途に応じた資金調達
○ 洋上風力建設拡大に向けた設備投資への対応
○ 事業量の拡大による運転資金需要への対応
2. 為替リスクへの対応
○ 外貨建て債権・債務のバランス均衡に向けた取組みの強化
○ 費用対効果を考慮した為替ヘッジの実行
● 株主還元
1. 利益配分の基本方針: バランスよく
○ 株主への還元~継続的かつ安定的な配当、自己株買いによる株式価値向上
○ 成長への投資~収益力向上、企業価値増大
○ 資本の充実~将来への備え
2. 目標総還元性向(連結):40%以上
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)サステナビリティ経営の実践
当社グループは「良質な社会インフラ・建築物の建設こそが最大の社会貢献」と考え、ESG重視のサステナビリティ経営を実践しています。安全、環境への配慮と技術に裏打ちされた確かな品質の提供を通じて、株主、顧客、取引先、従業員のみならず、地域社会にとって魅力ある企業を目指します。
①ガバナンス
当社は、サステナビリティに関わる課題への適切な対応が、リスクの減少のみならず収益機会の増大につながる重要な経営課題であると認識し、代表取締役社長を委員長とするCSR委員会の下、人権委員会、カーボンニュートラル推進委員会、リスクマネジメント委員会、中央安全衛生環境委員会、品質・環境マネジメント委員会、D&I推進委員会※を設置し、サステナビリティ経営を推進しています。取締役会においても、その活動を定期的に共有するとともに、中長期的な企業価値向上につながるよう議論を深めています。
サステナビリティのガバナンス体制概要は下図のとおりです。

※2024年7月に働き方改革推進委員会より改組予定
②戦略
当社グループは、2023年5月に公表した中期経営計画(2023~2025年度)において、「サステナビリティ経営を実践する真のグローバル・ゼネラルコントラクター」を目指す姿としています。
サステナビリティ経営の推進に当たっては、企業の中長期の成長と、社会の持続可能性の両立を目指し、最優先でリソースを投入するべき課題をマテリアリティ(重要課題)として特定しました。
具体的には、①気候変動問題への対応、②豊かな環境の創造、③良質な社会インフラ・建築物の建設、④技術開発・技術力の強化、⑤D&Iの推進、⑥人権の尊重と持続可能なサプライチェーン、⑦労働安全衛生の確保、⑧実効あるガバナンスの推進の8項目のマテリアリティを特定しました。それぞれに関して、具体的な方針、体制、指標を定めて進捗を管理しています。
当社グループのマテリアリティ(重要課題)

③リスク管理
マテリアリティ特定のプロセスを通じて、グローバルなESG基準、規制等の動向及びステークホルダーの要望を分析し、重要課題に関連した中長期のリスクと機会を把握しています。主要なリスクに関しては、CSR委員会等でマテリアリティ指標のモニタリングを行うと同時に、個別リスクに関しては、CSR委員会傘下の各委員会等で進捗管理を行います。中でも経営への影響が大きく、全社的な対応が必要なリスクに関しては、全社のリスクマネジメント委員会で管理を行います。
④指標及び目標
当社グループのマテリアリティ項目の主な指標及び目標は以下のとおりです。

※最新の実績については、当社ホームページ内に掲載しております「ESGデータシート」をご覧ください。
https://www.penta-ocean.co.jp/sustainability/stakeholder/esg.html
なお、2023年度における実績は、後日開示を予定しております。
(2)人的資本、多様性
①ガバナンス
取締役会においては、使用人に関する重要な賃金制度、職務体系、重要な組織等の設置、変更及び廃止など、人材戦略に関する経営方針を審議、決議しています。同じく取締役会にて、人材戦略に関する具体的な課題や施策、すなわち、人材採用、人員数・人件費、能力開発、後継者人材の育成、障がい者雇用などの計画・実績について、四半期に一回の頻度で業務執行報告を行っています。
取締役会の内部委員会として設置される人事委員会では、取締役、監査役、執行役員等の選任・解任に関する事項のほかに、その他重要な人事に関する事項を審議し、代表取締役に答申しています。人事委員会は、会社法に定める社外取締役全員とその他の取締役若干名で構成されており、委員の過半数は社外取締役としています。
また、公正・透明な評価、納得性の高い適正な処遇、一段高い社員の能力発揮や一層の成果向上に向けた人材育成に資する活動を行うことを目的に、人事制度運営委員会を設置しています。人事制度運営委員会は人事担当役員を委員長とし、各部門の本部長から委員長が指名した者及び人事部長から構成されており、人事制度改定や人事評価調整の指導方針、能力開発施策など人材戦略について審議した事項について、代表取締役社長に上申しています。

②戦略
当社は、「先見性・勇気・スピード」でお客様の要望や社会の要請に応える人材の確保・育成を基本方針とし多様な人材が活躍する社会の実現のためにD&Iを推進しています。以下の施策を通じて当社が掲げるサステナビリティ経営へ貢献することを目指します。
○ 働き手の確保(新卒・キャリア採用、離職防止の強化)
○ 働き手のパフォーマンス向上
・人材育成(教育・環境づくりを通じた人的資本(資質・能力)の向上)
・健康(ウェルビーイング)の向上
・D&Iの推進(発想力の向上、組織力の強化)
○ 働き手の満足度(従業員エンゲージメント)向上
・人事制度(公正な評価制度の担保、それに伴う報酬体系の整備)
・ワークライフバランスの推進(福利厚生制度の拡充、育児・介護休業等を含む)
・職場環境の整備(ハラスメントへの適正な対処・未然防止への環境整備、風通しの良い職場環境の構築等で組織への信頼性向上)
イ. 働き手の確保
当社は、新卒採用において、完全オープンエントリー制を取り入れ、学生の皆さんとの対話を重視した採用活動を展開しています。新卒採用の一環として、学生の業界理解の向上と将来の進路決定に必要となる就業体験機会を提供するために、毎年度、インターンシップ生の受け入れも実施しています。
また、社外で様々なキャリアに裏打ちされたスキルを当社で活かし、当社の組織力向上を達成するために、積極的なキャリア採用を推進しています。
当社は、職場教育・集合研修・自己啓発援助の機会を設け、人材育成に努めており、また、「役割等級制度」「目標管理制度」「人事評価制度」などを整備・運用を通じて、社員の適性把握、社員の意欲向上、組織の活性化、公正な処遇などを実現しています。さらに、職種(土木職・建築職・事務職)ごとに特色のある育成制度を整備・運用することとあわせて、「安全品質教育センター」のシニア社員による若手現場社員に対するマンツーマン教育を継続的に実施しています。これらの施策を通じ、若手社員の自己成長を促し、社員の定着を図っています。
ロ.働き手のパフォーマンス向上
(イ)人材育成
当社は、真のグローバル・ゼネラルコントラクターとして総合力を発揮すべく、個々人の力を伸ばすとともに、その力を結集して組織力を高める能力開発を推進しています。
個々の能力向上は、職場教育(OJT=On the Job Training)、集合研修(Off-JT)、自己啓発援助(SDS)を3本柱としています。現場力、技術力の強化に資する知識、技術、目標意識、行動力の育成について、社員が相互に若しくは結集して能力を活用し合う環境を醸成し、組織力の向上を図っています。
建設業においては、仕事を通し成長していくこと(OJT)が重要であると考え、新入社員一人ひとりに対し、先輩社員をOJTの担当者に選任し、きめ細やかな教育を実施することで、教える方も教わる方もともに育つ、「共育風土」の醸成を図っています。
同時に、経験だけでは得られない知識や能力、ものの見方・考え方などを習得するための集合研修(Off-JT)として、職務遂行能力の成長段階に応じた等級別研修をはじめ、専門知識の習得を目的とした各本部主催の職種別研修などを実施しています。
また、社員には、建設業で働く上で必要な公的資格や免許取得を推進しており、社内講習会の実施をはじめ、受験料等の取得費用や資格の重要度に応じた合格報奨金を支給するなど、全面的なバックアップを行っています。その他、社員個人が外部主催研修を選び受講できる選択型研修の推奨や、通信教育等の自己啓発に対する支援など、各種の学びの場や機会を提供するのみならず、自己研鑽やリスキリングのための自己啓発支援金制度も整備しています。
(ロ)健康(ウェルビーイング)の向上
当社は、サステナブルな建設事業活動を実践することで社会の持続的な発展に貢献することを目指しています。達成に向けて、その活動を担う役職員の心と体の健康づくりを推進しています。
当社においては、継続して働き方改革の推進に取り組んできました。労働時間の適正化、ワークライフバランスの向上を図ることで、心身ともに健康な状態を目指しています。毎年実施しているストレスチェックのフィードバックレポートによる組織運営の改善、メンタルヘルス問題に関する外部カウンセリング機関の利用などにより、職員のメンタルヘルス対策に努めています。また、健康保険組合との連携などを通じ役職員の健康増進を図るとともに、復職支援、療養と仕事の両立支援、福利厚生制度の充実などにより、健康でいきいきと働ける環境づくりに努めています。
(ハ)D&Iの推進
当社は、D&I推進のために、性別や国籍を問わない多様な人材の確保・育成に取り組んでいます。また、女性活躍推進や男性も含めたワークライフバランス向上のため、ライフイベントを迎えても働きやすい環境を整備しています。海外の現地国で働く外国人を対象に、目標管理型の人事評価、報酬制度であるグローバル人事制度を導入するとともに、外国人留学生向けにグローバル総合職を新設して定期的な採用等を行っています。
(ⅰ) 女性活躍推進
女性が配属された工事事務所では、チェックリストを用いた職場環境(更衣室・休憩室・快適トイレ等)の確認を実施するとともに、現場職員や協力業者を対象としたハラスメント研修を実施しています。
先輩女性社員が中心となり、定期的に若手女性社員へのヒアリング(女性特有の悩みやキャリアに関する相談)や若手女性総合職研修を実施し、キャリアやロールモデルの共有、会社の制度や育児と仕事の両立に関する情報を提供しています。
(ⅱ) 外国籍社員の活躍推進
日本語を母国語としない優秀な外国人留学生(日本・ASEANの大学及び大学院)を毎年採用し、入社後に日本語教育や外国籍社員向け研修を実施することで国内・海外問わず活躍できる人材として育成しています。現場の課題解決ができるエンジニアとして、日本人と現地スタッフとの橋渡し役を担い、将来的には、マネジメント人材として期待しています。
また、2020年4月から新しい人事制度「グローバル総合職」を導入し、外国籍社員がさらに活躍できる体制を整えました。
(ⅲ) グローバル人事制度
2017年度から当社国際部門の主要拠点であるシンガポールと香港の外国人職員を対象とした人事評価制度を導入しており、2018年7月からは等級・報酬制度も導入しました。
人事評価制度は、目標達成の動機づけと人材開発の促進、上司・部下のコミュニケーションの促進を目的としており、等級・報酬制度は、業績達成・目標達成に対して適切にインセンティブを持たせ、報酬に国際部門の業績や評価を反映させることで、外国人職員の目標達成に対するエンゲージメントを高めることができます。
(ⅳ) 障がい者の雇用
「障害者雇用促進法」の立法趣旨に則り、サテライトオフィスを利用した障がい者雇用の拡大などの取組みを行っています。現在は東京(新宿・三鷹)と神奈川(横浜)に作業室を設置しており、障がい者の方にも働きやすい環境づくりを行っています。
(ⅴ) シニア社員の活躍推進
当社は、高年齢者雇用安定法改正を受け、定年到達後も継続勤務を希望する総合職、担当職全員に新しい仕事と労働条件を提示しています。
また、豊富な知識・経験を持ったシニア社員を安全品質教育センターでの若手社員教育の指導員とするなど、活躍の場の創出も行っています。
ハ.働き手の満足度(従業員エンゲージメント)向上
(イ) 人事制度
当社の人事制度は、社員に目指すべき人材像を明確に示し、常に一段階高いレベルの役割と行動を志向することにより、プロフェッショナル人材を継続的に創出し、その結果、業績の向上と社員の自己実現を両立させることを目指しています。
人事制度に重要な以下の3点の実現のため、「役割等級制度」「目標管理制度」「人事評価制度」「能力開発制度」などを整備、運用しています。
・社員の強み・弱み、適性を把握し、能力開発及び適正配置に結び付けられていること
・社員のやる気・意欲の向上、組織の活性化につながる仕組みであること
・公正な処遇を実現することができる仕組みであること
(ⅰ)チャレンジする環境づくり
当社は、社員の自己実現と業績向上の両立に向け、目標設定とそのフォローに力を入れています。
目標は、年度当初に上司と面談を実施し、社員本人にとって挑戦的かつ実現可能なものを設定しており、その後の期中も、上司は日常業務や面談の場を通してフォローを行い、目標の達成と社員自身の成長を促します。
期末には、目標に対する達成度や発揮された取組み(行動・姿勢)度合によって評価が決まり、その結果を本人にフィードバックし、結果に対する本人の納得性を高めるとともに、次年度以降の本人の成長課題を明確にしています。
また、この仕組みが適切に機能しているかどうかをチェックするため、毎年、労働組合と会社が共同で人事制度の運用状況に関するアンケートを実施しており、その結果をもとに、社員の生の声が制度運営に反映されるよう改善を図っています。
(ⅱ) 評価者の育成
人事制度運用の成否の最大の鍵は評価者が握っており、当社では人事評価の目的を社員に周知するとともに、評価スキルのばらつきをなくすために、新任評価者を対象とした研修を毎年継続的に実施しています。併せて、一定期間毎に全評価者・全管理職を対象とした評価者更新研修も実施しています。
(ロ)ワークライフバランスの推進
2022年度に「次世代育成支援に向けた第5次行動計画」を策定し、性別に関わらずワークライフバランスを実現しながら、その能力を発揮できるようにする取組みを3か年計画で行っています。
具体的な取組みとして、育児と仕事、介護と仕事の両立支援ハンドブックを作成し、性別に関わらず育児休業や介護休業、子の看護休暇や介護休暇を取得しやすい環境づくり、育休取得者面談シートを活用し、会社や上司と復職後の働き方やキャリアについて相互理解を深める取組みを行っています。
2022年には育児と仕事の両立のための制度を拡充するとともに、ジョブリターン制度(育児、介護、配偶者の転勤等による既退職者の再雇用推進)やテレワーク制度を通じた多様な働き方を推進しています。従業員に年5日の計画的な休暇取得を義務付け、休暇を取得しやすい環境を整備しています。また、役職員向けにダイバーシティ講演会を毎年開催し、仕事と私生活の調和のための意識醸成を図っています。
また、我が国における少子化対策の一環として、信頼できる企業で働く独身者専用の縁結びアプリの福利厚生サービスを2024年から社員に提供しています。さらに、不妊治療を行う際の休暇制度や、治療に要する費用支援についても検討しています。
(ⅰ) 育児休業
出産・育児などのライフイベントを迎えても社員が仕事を継続できるように育児休業制度を設けています。2022年度より出生時育児休業中の就業を認めることで、男性の育児休業取得推進を進めています。加えて、育児支援制度として短時間勤務や始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ制度など(最大、子が小学校を修了するまで)を用意し、男性・女性を問わず仕事と育児が両立しやすい環境を整えています。
(ⅱ) 介護休業と介護・看護休暇
家族の介護を行う必要が生じた社員が仕事を継続できるように介護休業制度を設けています。加えて、要介護者または小学校修了前の子どもを持つ社員に家族や子の介護や看護の必要が生じた場合、その社員が年次有給休暇とは別に6日~12日の休暇を取得できる制度を整えています。
(ⅲ) 年次有給休暇取得
2017年度から半日単位での有給休暇の取得、2021年度から時間単位での有給休暇取得を可能としています。これにより、例えば単身赴任者は金曜日の昼から月曜日の昼までといった柔軟な休暇取得が可能となり、ワークライフバランスの推進に資することができると考えています。
(ハ)職場環境の整備
当社が推進するサステナビリティ経営を支える根幹には、高い倫理観とコンプライアンス精神が求められます。研修や職制などを通じて、どんなことでも言い合える「風通しのよい職場環境」の醸成に努めています。
また、働き方改革の一環として、現場業務の遠隔支援強化やデジタル化による施工管理の効率化・高度化などにより、省力化・効率化の推進を推し進めています。フレックスタイム制の導入や朝礼の交代制、柔軟な勤務時間の設定の推進など、柔軟な働き方にも取り組んでいます。
③リスク管理
当社は、経営資源の成長分野への重点的な投入、役職員の能力開発やスキル向上などを通じて、持続的な成長と生産性向上に取り組み、企業価値の最大化に注力しています。その上で、生み出した収益・成果に基づいて、社会情勢や自社の状況を踏まえた適切な方法による賃金の引上げを行うとともに、従業員のエンゲージメント向上や更なる生産性の向上に資するよう、人材投資に積極的に取り組んでいます。当社の競争力の源泉たる人材の採用計画、育成計画が不達若しくは不十分だった場合、持続的な成長と生産性向上の阻害要因になりえます。採用や育成については、部門間が連携して、計画・実施・振り返りを不断に行い、成長機会の損失の最小化に努めています。
④指標及び目標
※1 海外現地採用職員を含む。目標は2035年度
※2 その他の人的資本・多様性関連の実績については、当社ホームページ内に掲載しております「ESGデータシート」をご覧ください。
https://www.penta-ocean.co.jp/sustainability/stakeholder/esg.html
(3)人権の尊重と持続可能なサプライチェーン
当社グループは、サステナビリティ経営の基盤となる人間の尊重の観点から、マテリアリティの1つに掲げた「人権の尊重と持続可能なサプライチェーン」について、取組みを強化しています。
①ガバナンス
当社は、代表取締役社長を委員長とする人権委員会を2023年5月に新設し、当社グループの人権方針の策定、定期的な人権影響評価の実施を通じた重要な人権リスクの把握、救済・是正措置の実効性モニタリング等、人権デューデリジェンスの推進等に関して審議を行っています。
持続可能なサプライチェーンに関しても、2023年5月から新たにCSR委員会(委員長:代表取締役社長)の任務の一つとして追加することで体制を明確にし、戦略の策定と推進を行っています。
②戦略
イ.人権の尊重
人権を尊重する企業の責任を果たしていくために、「五洋建設グループ人権方針」を策定しています。人権方針は、社外の専門家からの助言を得て作成し、2023年6月27日の取締役会決議を経て策定・開示しました。取組みにあたっては「国連グローバルコンパクト」署名企業として、「国際人権章典」、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」等の人権に関する国際規範を支持、尊重するとともに、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」のフレームワークに沿って活動を推進しています。

具体的には、是正・苦情処理メカニズムとして、人権への負の影響の早期発見と是正を図ることを目的に、当社グループの企業活動の影響を受ける全ての人々を対象とした人権相談窓口を、2023年8月に新たに設置しました。
また、ダイバーシティ推進センターにて、一人ひとりの人権を尊重し働きやすい明るい職場づくりを目指す取組みを実施しています。毎年、同和問題、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、障がい者雇用、メンタルヘルス等をテーマにした人権関係の研修・教育(e-ラーニングを含む)を実施するほか、グループ会社社員やその家族を含めた人権啓発標語募集、人権に関するポスターやリーフレットの作成など、広く人権への理解向上を図っています。
五洋建設グループ人権方針
https://www.penta-ocean.co.jp/sustainability/management/policies/humanrights.html
ロ.持続可能なサプライチェーン
取引先とのパートナーシップを推進するとともに、法令の遵守、人権の尊重、環境への配慮等に取り組み、持続可能なサプライチェーンを取引先とともに構築することを目的に、「五洋建設グループ持続可能なサプライチェーン方針・ガイドライン」を、2023年11月21日の取締役会決議を経て策定・開示しました。本方針・ガイドラインを全取引先に送付するとともに、主要な取引先を対象とした説明会を各地で開催することで、理解の促進と本方針・ガイドラインに基づく実践をお願いしています。また、社内に向けても、説明会の開催や全役職員を対象としたeラーニング等で周知を図っています。
五洋建設グループ 持続可能なサプライチェーン方針・ガイドライン
https://www.penta-ocean.co.jp/sustainability/management/policies/ssc.html
③リスク管理
イ.人権の尊重
2022年度に、建設業界における人権リスク評価を社外の専門家の助言も得ながら実施した結果、以下を重要な人権リスクとして認識しています。
・労働安全衛生の徹底、ハラスメントの禁止
・差別、非人道的な扱い
・適正な労働時間と賃金
・強制労働、児童労働の禁止
・結社の自由と団体交渉権の尊重
・外国人労働者等への人権侵害の禁止
・先住民、地域住民の権利の尊重
人権リスクは、社会の要請や企業活動に応じて変化する人権課題に対応していくために、定期的に人権影響評価を実施し見直します。
2023年度には、五洋建設グループの人権リスクの特定・評価のために、社内(グループ会社、海外を含む)を対象とした人権モニタリングを実施しました。2024年度は、モニタリング結果に基づきリスクの予防・是正策を検討し、人権委員会で審議の上推進するとともに、サプライチェーンの人権デューデリジェンスに着手する予定です。
ロ.持続可能なサプライチェーン
持続可能なサプライチェーンガイドラインの項目(法令遵守、適正取引、人権尊重、環境保全等)を具体化した設問からなるセルフ・アセスメント質問表(SAQ)を作成し、取引先に取組み状況の自己評価を依頼することで、サプライチェーンにおけるリスクの特定を行います。
初年度となる2024年度は、主要取引先である「五洋建設グループ労務安全協議会」の役員会社や、主なサプライヤー等を対象に、自己評価を実施します。今後、モニタリングの対象は順次拡げていく予定です。
④指標及び目標
「人権の尊重と持続可能なサプライチェーン」に関する指標と目標は、「(1)サステナビリティ経営の実践 ④ 指標及び目標」に記載しています。
(4)気候変動
①ガバナンス
当社は、気候変動問題への対応を経営上の重要課題と認識し、2021年7月、代表取締役社長を委員長とするカーボンニュートラル推進委員会と推進部署であるCN推進室を設立し、部門を超えて温室効果ガスの削減に向けた取組みを強化しています。
当委員会は、当社グループのサステナビリティ経営を統括するCSR委員会(委員長:代表取締役社長)の下部組織として、人権委員会、リスクマネジメント委員会、中央安全衛生環境委員会、品質・環境マネジメント委員会、D&I推進委員会と並んで設立され、当社グループの気候変動問題への対応の基本方針、戦略の企画・立案、取組状況のモニタリング結果に基づく対応策等の重要事項の審議を担っています。その審議結果はCSR委員会に報告・審議されます。決定された方針や戦略は各部門の事業計画、全社の年度計画及び中期経営計画に織り込まれ実施されます。さらに取締役会は、CSR委員会からの報告を受け、気候関連問題への対応を含むサステナビリティに関わる全ての課題について監督します。
気候変動問題への対応の実施状況は、カーボンニュートラル推進委員会で継続的にモニタリングを行い、取組方針や戦略の見直し・改善に繋げます。

※2024年7月に働き方改革推進委員会より改組予定
②戦略
建設業は、建設工事に起因するCO2排出量は他産業に比べて比較的少ないものの、サプライチェーン全体でみると、鋼材やセメント等製造段階で多くのCO2排出を伴う建設資材を使用すること、また完成後も建物やインフラ構造物の耐用年数が長く、運用段階でCO2排出量が多いという特性があります。さらに、当社が強みを持つ海洋土木工事では、作業船を使用するため、建築や陸上の土木工事に比べてCO2の排出量が多いという特徴があります。
海洋土木工事に強みを持つ当社は、作業船の稼働による影響で、完成工事高が同規模の同業他社に比べてCO2排出量が多くなっています。特に海外においては、複数の大型浚渫船が稼働しているため、排出量削減の基準年とした2019年度を例にとると、完成工事高は国内の約40%にも関わらず、CO2排出量は国内の約1.9倍となっています。したがって、建設事業活動においても、気候変動問題に関する政策の変化や規制の強化が、経営に与える影響は同業他社に比べて相対的に大きいため、気候変動問題に対する対応を経営上の重要課題の一つと捉えています。
その課題解決の一環として、気候変動問題が当社グループに与えるリスクと機会を特定し、発生可能性と影響の程度を分析し、重要性が高いものについてシナリオ分析を実施しました。
リスクは、低炭素社会への移行に伴うCO2削減のための政策や規制の強化(省エネ法の強化やZEBの義務化、炭素税の導入等)の影響による「移行リスク」と、慢性的な気温上昇や温暖化による異常気象の激甚化・頻発化等の影響による「物理的リスク」に分類しました。
機会は、気候変動問題への対応に関する事業機会を検討し、「移行リスク」と「物理的リスク」への対応として想定される事業機会を抽出しました。シナリオ分析は、産業革命前と比べて今世紀末の気温上昇を1.5~2℃未満に抑える「1.5~2℃シナリオ」と、気温上昇が4℃を超える「4℃シナリオ」の二つのシナリオ※を想定し、特定したリスクと機会が、2030年における当社グループの財務へ与える影響を定量的に分析し「大、中、小」の三段階で評価しました。
その結果、気候変動問題への対応として、作業船のカーボンニュートラル化に向けた維持更新、新造等の設備投資の増加が見込まれますが、当社にとっては、それを上回る事業機会が創出されると考えています。土木分野では洋上風力発電建設の推進が、建築分野ではZEBの推進が挙げられます。特に、海洋土木技術に強みを持つ当社は、洋上風力建設のトップランナーとしてわが国の再生可能エネルギーの供給拡大に貢献してまいります。
また、今回実施したシナリオ分析により特定されたリスクと機会への対応策は、年度事業計画や中期経営計画(2023~2025年度)に織り込み、着実に実行することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※1.5~2℃シナリオ:IEA 持続可能な開発シナリオ(SDS)、IEA ネットゼロシナリオ(NZE)
IPCC 代表的濃度経路シナリオ(RCP 2.6)
4℃シナリオ :IEA 公表政策シナリオ(STEPS)、IPCC 代表的濃度経路シナリオ(RCP 8.5)
当社グループのリスクと機会

当社グループの対応策

③リスク管理
当社は、代表取締役社長を委員長とするCSR委員会の下に設置されたリスクマネジメント委員会が中心となって、事業活動において想定されるリスクを体系的に分類し、各リスクについてリスク担当部署を設定し、リスクマネジメントを実施しています。そのため事業活動を行う上で発生する気候変動を含む種々のリスクについて、リスクの発生の防止及びリスク発生に伴う損失の最小化を図ることを目的として「リスク管理規則」を制定しています。
気候変動リスクはCN推進室が担当部署となり、長期的な視点でリスクの識別・評価・対策を行います。法規制の改定や社会経済情勢の変化等により、リスク対策に変更の必要が生じたときは、カーボンニュートラル推進委員会において、個別リスクとその対応策を適宜見直します。カーボンニュートラル推進委員会での審議結果は、CSR委員会で報告・審議されます。CSR委員会の活動状況は取締役会へ報告され、取締役会は気候変動のリスクマネジメントの実施状況を監督します。また、気候変動リスク発生時には、経営に与える影響度に応じて決められている報告先(重大リスクは取締役会報告)へ迅速に報告され、適時適切に対応する体制を整えています。
④指標及び目標
当社は、2050年カーボンニュートラル実現を目指して、当社のCO2排出量の過半を占める海外事業も含め、2019年度を基準年度としてCO2排出量の削減目標を設定しています。
Scope1、2は、太陽光や風力等の再生可能エネルギーを積極的に利用するとともに、作業船・建機の電動化やICTを活用した施工の効率化、自動・自律化施工の導入推進、また作業船・建機の燃料として短期的には燃費を向上させる添加剤の活用、中期的には代替燃料(BDF、GTL)、再エネ由来の電力活用(陸電供給や大容量蓄電池の活用を含む)、長期的には加えて水素・アンモニア等次世代エネルギーの導入によりCO2排出量の削減を推進します。まずは、建設現場のCO2の見える化を図り、グリーンモデル現場で施工の効率化による省エネ化と重油・軽油用の燃費を向上させる添加剤の活用、工事事務所のZEB化(再エネ由来の電力利用)を推進し、2030年度までに全現場に展開します。
Scope3は、当社の施工する建物のZEB化、すなわち省エネと太陽光発電等の再生可能エネルギー由来の電力使用を推進するとともに、CO2吸着材料や低炭素型コンクリートの導入等の拡大によりCO2排出量を削減します。建築分野では特に当社の設計施工案件においてZEB化を推進するとともに、土木分野ではプレキャストコンクリート(PCa)や低炭素コンクリートの積極的活用を図ります。また、浚渫土の固化処理によるCO2固定化やCO2吸収コンクリートに関する研究を推進します。
なお、当社グループのCO2排出量削減目標は科学的知見に整合しており、SBT(Science Based Targets)※1 「1.5℃水準」の認定を取得しています。
当社グループのCO2の排出量削減目標
(単位:千t-CO2)
最新の実績については、当社ホームページ内に掲載しております「ESGデータシート」をご覧ください。
https://www.penta-ocean.co.jp/sustainability/stakeholder/esg.html
なお、2023年度におけるCO2の排出量実績については、後日開示を予定しております。
※1 SBT:パリ協定と科学的に整合した温室効果ガス削減目標の設定を企業に促す国際的なイニシアティブで、最新の「気候科学の知見に整合」している目標を設定することが認定の要件となります。当社の削減目標は地球上の気温上昇を産業革命前の気温と比べて、1.5℃に抑えることを目指すために必要な削減レベルと整合しています。
※2 Scope1:作業船・建機の燃料使用による直接排出
※3 Scope2:購入した電気・熱の使用に伴う間接排出
※4 Scope3:サプライチェーンにおける間接排出。なお、基準年度である2019年度は、カテゴリ11(竣工引渡後の建築物の使用時のCO2排出量)がScope3排出量の71%を、カテゴリ1(建設資材の製造時のCO2排出量)が26%、併せて97%を占めます。
3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、株価及び財政状態などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがある。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年3月31日)現在において当社グループが判断したものである。
(1)市場のリスク
公共投資の減少や国内外の景気後退による民間設備投資の減少などにより、建設投資が想定を超えて大幅に減少した場合には、競争環境や事業環境が大幅に変化し、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
(2)取引先の信用リスク
建設工事においては、一般的に一件の取引額が大きく、工事代金の多くの部分が引渡し時に支払われる場合が多いことから、発注者、協力業者、共同施工会社などが信用不安に陥った場合には、資金の回収不能や施工遅延などにより、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
上記のリスクに対応するため、一定の基準を設けて取引先の与信審査を実施している。また、引き渡しから工事代金の回収までに要する期間が長期に及ぶリスクを検証し、社内基準に則り取締役会にて審議している。
(3)工事用資材価格、労務費などの変動
工事用資材価格、労務費などが高騰した場合には、工事原価の上昇による利益率の低下により、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
上記のリスクに対応するため、早期調達や集中購買、価格動向の調査等を実施している。また、発注者との工事請負契約締結の際に物価スライド条項を適用するよう努めている。
(4)海外工事におけるカントリーリスク
当社グループは、東南アジアを中心として海外で事業を展開しているため、現地での予期しない法律や規制の変更、テロ・戦争・紛争の発生などにより、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
上記のリスクに対応するため、進出国における法令や諸規則、政治経済、社会情勢などについて、現地の専門家等より定期的に情報を入手し研修を実施するなど、リスクの早期把握、未然防止に努めている。
(5)為替相場の変動
当社グループは、東南アジアを中心として海外で事業を展開しているため、外国通貨の急激な為替相場の変動等により、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
上記のリスクに対応するため、為替変動による業績への影響を緩和することを目的として、主要通貨に関して先物為替予約等を活用して為替ヘッジを行っている。
(6)保有資産の時価変動等
保有する棚卸不動産、有価証券などの時価の著しい下落や事業用の固定資産の収益性の著しい低下などが発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
上記のリスクに対応するため、資産の購入・売却に関する社内基準に則り取締役会にて審議している。また、政策保有株式は、銘柄ごとに保有目的、保有に伴う便益やリスク及び資本コストと見合っているか等について、毎年、取締役会にて具体的に検証し保有の適否を判断している。
(7)施工リスク(品質)
契約不適合や瑕疵による多額の損害賠償や改修費用が発生した場合には、当社グループの業績や企業評価に影響を与える可能性がある。
上記のリスクに対応するため、品質管理に万全を期すべく、国内外の各拠点において着工前のリスクアセスメントや品質パトロールを実施しリスク低減を図っている。
(8)施工リスク(安全衛生環境)
工事の施工にあたり予期しない重大事故や労働災害などが発生した場合には、受注機会の喪失や工期遅延などにより、当社グループの業績や企業評価に影響を与える可能性がある。
上記のリスクに対応するため、事故防止に万全を期すべく着工前のリスクアセスメントや安全衛生環境パトロールを実施しリスク低減を図っている。
(9)コンプライアンスリスク
当社グループの事業は、建設業法、宅地建物取引業法などによる法的規制を受けているが、万一これらに抵触する事象が発生した場合には、当社グループの業績や企業評価に影響を与える可能性がある。
上記のリスクに対応するため、代表取締役社長を委員長とするCSR委員会の下に「リスクマネジメント委員会」を設置し、同委員会を中心に「コンプライアンス基本方針」に基づき、役職員の法令遵守はもとより、社会的規範・企業倫理を尊重し常に誠実な行動の徹底を図っている。
(10)情報リスク
個人情報や機密情報の漏洩などの情報セキュリティ事故が発生した場合には、社会的信用の失墜や損害賠償の発生等により、当社グループの業績や企業評価に影響を与える可能性がある。
上記のリスクに対応するため、情報管理規則を定めるとともに、外部専門家による情報セキュリティ診断をもとに情報セキュリティの強化を図っている。また、e-ラ―ニング等による情報教育を通じて情報管理技術・意識の向上に努めている。
(11)BCP、大規模災害リスク
大規模地震、津波、感染症の大流行などが発生し、工事中の構造物の損傷や流失、保有資産やサプライチェーンの毀損などにより、工事中断や物件の引渡遅延等により多額の費用が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
上記のリスクに対応するため、事業継続計画を策定しており、毎年大規模なBCP防災訓練と津波避難訓練を行うことにより発災時のリスクを最小限に抑制するよう努めている。
(12)気候変動に関するリスク
気候変動問題に関する政策・規制強化により設備投資や資材調達コストが増加する移行リスクや、自然災害が激甚化・頻発化し、サプライチェーンの寸断や施工中の工事が被災することで工期遅延が発生するなどの物理的リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
上記のリスクに対応するため、2022年5月にTCFD提言への賛同を表明し、関連情報を開示するとともに、事業活動で排出するCO2削減やBCP体制の強化に努め、建物の省エネルギー化、洋上風力発電施設の建設などを通じて、脱炭素社会の実現に向けて貢献していく。
(13)人権に関するリスク
配慮すべき人権が広範囲に及び、自社のみならずサプライチェーン全体における人権尊重に取り組む必要がある中で、人権問題への対応や未然防止を怠ることは、社会的信用の失墜、職場の生産性低下や離職者の増加など、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
上記のリスクに対応するため、2022年度から国際規範に則した形へ取組みを強化した。2023年度には代表取締役社長を委員長とする人権委員会の設置、人権方針の策定、人権相談窓口の新設を実施するとともに、社内(グループ会社、海外を含む)を対象とした人権モニタリングを実施した。今後、モニタリング結果に基づくリスクの予防・是正策を実施するとともに、サプライチェーンも含めた人権デューデリジェンスを行い、リスクの低減を図っていく。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、受取手形・完成工事未収入金等の増加及び有形固定資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ578億円増加し、5,660億円となった。負債合計は、借入金や社債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ417億円増加し、3,930億円となった。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末と比べ161億円増加し、1,731億円となった。
(2)経営成績の状況
①事業全体の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が第5類へ移行し、個人消費やインバウンド消費の回復等により、緩やかな景気回復が続いた。世界経済も総じて回復基調にあるものの、欧米における金融引き締め及び資源・原材料価格の高騰や供給制約が続いており、ウクライナ情勢や中東情勢等の地政学的リスク、中国経済の成長鈍化等、依然として先行き不透明な状況が続いている。
建設業を取り巻く環境は、国内では政府による防災・減災、国土強靭化加速化対策等による堅調な公共投資の継続ならびに経済安全保障等の観点からの民間設備投資の増加により、建設投資は官民ともに堅調に推移した。その一方で、建設資材価格の高止まりが続いていることに加えて、建設需要が集中する地域において協力会社の労務逼迫が生じている。また海外においても、当社の主要市場であるシンガポール、香港及び東南アジアの建設投資は堅調であったが、国内同様、建設資材価格や労務費の高騰が続いた。
このような事業環境の下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高6,177億円(前連結会計年度比23.0%増)、営業利益292億円(同607.7%増)、経常利益272億円(同1,823.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益179億円(同2,511.3%増)となった。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況(セグメント利益は連結損益計算書の営業利益ベース)
(国内土木事業)
国内土木事業においては、前年度に受注した大型港湾工事等の進捗により、売上高は2,664億円(前連結会計年度比34.3%増)、セグメント利益は278億円(同59.6%増)と、売上・利益ともに大幅な増加となった。
当社個別の受注高については、前年度に国内最大規模の大型港湾工事や洋上風力建設工事を受注した影響で、前期より369億円減少し2,736億円(同11.9%減)となったが、これら大型工事の影響を除けば前期比625億円の大幅な増加となった。
(国内建築事業)
国内建築事業においては、手持工事が順調に進捗したことにより、売上高は1,893億円(同16.5%増)となった。売上高の増加に加え、工事採算の改善によりセグメント利益は49億円(同133.4%増)となった。
当社個別の受注高については、官庁及び民間の大型工事を複数受注したことが寄与し、前期に過去最大規模の再開発工事の受注が含まれているにもかかわらず、前期より289億円増加し2,506億円(同13.0%増)となった。
(海外建設事業)
海外建設事業においては、売上高は1,506億円(同13.2%増)となり、セグメント損失は42億円(前連結会計年度は161億円のセグメント損失)となった。これは、船舶の稼働率低下による船舶管理収支の悪化に加え、前期に工事損失引当金を計上した工事において当連結会計年度の為替変動の影響などにより工事損失額が増加したことなどによるものである。
当社個別の受注高については、大型港湾工事が期ずれしたことなどから、前期より684億円減少し680億円(同50.2%減)となった。
(その他)
国内開発事業、造船事業、環境関連事業等を主な内容とするその他の売上高は114億円(前連結会計年度比36.7%増)となり、セグメント利益は6億円(同11.5%減)となった。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりである。
④目標とする経営指標の達成状況
目標の達成状況を判断するための主要な指標と当連結会計年度における達成状況は以下のとおりである。
なお当社グループは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標及び(3)中長期的な会社の経営戦略並びに会社の対処すべき課題」に記載しているとおり、2023年度を初年度とする「中期経営計画(2023~2025年度)」を策定しており、その中で目標とする業績指標、財務指標及び総還元性向を定めている。
⑤生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
イ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
ロ.売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) 1 その他の受注実績については、当社グループ各社における受注の定義が異なり、また、金額も
僅少であるため、建設事業のみ記載している。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。
3 受注実績、売上実績については、セグメント間の取引を相殺消去して記載している。
4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりである。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりである。
提出会社における受注高、売上高の状況
イ.受注高、売上高及び繰越高
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含む。
したがって当期売上高にもかかる増減額が含まれる。
2 前期繰越高の上段( )内表示額は前期における次期繰越高を表わし、下段表示額は、当該事業年度の外国為替相場が変動したため海外繰越高を修正したものである。
3 当期受注高のうち海外工事の割合は、第73期20.4%、第74期11.5%でそのうち請負金額100億円以上の主なものは次のとおりである。
ロ.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
ハ.完成工事高
(注)1 海外完成工事高の地域別割合は、次のとおりである。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
第73期 請負金額20億円以上の主なもの
第74期 請負金額20億円以上の主なもの
3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。
ニ.次期繰越工事高(2024年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事高のうち請負金額50億円以上の主なものは、次のとおりである。
(3)キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ122億円(25.7%)増加し、596億円となった。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益が274億円となったことなどにより、91億円の収入超過(前連結会計年度は197億円の収入超過)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
SEP型多目的起重機船の建造による支出などにより、64億円の支出超過(前連結会計年度は117億円の支出超過)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
借入金の増加や社債の発行による収入などにより、67億円の収入超過(前連結会計年度は70億円の支出超過)となった。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの資金の源泉は、主として国内及び海外建設事業に係る営業活動からのキャッシュ・フローと金融機関からの借入及び社債の発行等による収入からなる。
資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、または自己資本比率、D/Eレシオ(ネット)や自己資本利益率(ROE)といった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施することとしている。
なお、コミットメントライン契約については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」に記載のとおりである。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成に当たっては、資産・負債並びに収益・費用の数値に影響を与える見積り及び判断が一定の会計基準の範囲内で行われており、これらの見積り等については、継続して評価し、事象の変化等により必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合がある。
連結財務諸表を作成するに当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。
①重要な収益及び費用の計上基準
主要な事業である建設事業においては、顧客との工事請負契約に基づき、目的物の完成及び顧客に引渡す義務を負っている。
当該履行義務は、主として工事の進捗に伴い支配を顧客に移転することになるため、一定の期間にわたり充足されると判断しており、履行義務の充足に係る進捗度に基づき、一定の期間にわたり収益を認識している。一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による完成工事高、工事収益総額、工事原価総額等を、信頼性をもって見積る必要があるが、これらの見積りは、気象条件、海象条件、施工条件、資機材価格等様々な仮定に基づいている。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する完成工事高、完成工事原価等に重要な影響を与える可能性がある。
②退職給付に係る会計処理
当社グループの退職給付債務、退職給付費用及び年金資産は、数理計算上の仮定と見積りに基づいて計算されている。これらの数理計算上の仮定には、退職給付債務の割引率、予想昇給率、死亡率、退職率、期待運用収益率等の様々な計算基礎がある。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債、退職給付費用等の金額に重要な影響を与える可能性がある。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務、退職給付費用及び年金資産の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」に記載している。
5 【経営上の重要な契約等】
該当事項なし。
6 【研究開発活動】
当連結会計年度は、レジリエンス、DX・GXの推進に着目した技術の積極的導入を技術開発方針として、ブランド技術の開発や技術提案力の向上に資する技術開発を推進した。
なお、当連結会計年度における研究開発費は、31億円であった。
また、当連結会計年度における主要な研究開発内容及び成果は次のとおりである。
(国内土木事業、国内建築事業及び海外建設事業)
1.土木分野
(1) BIM/CIMへの取組み
国土交通省は「発注工事の原則BIM/CIM化」を2023年までに達成するという目標を掲げ、BIM/CIM導入の取組みを加速させてきた。当社は2016年度より桟橋工事に港湾分野として初の全面的なBIM/CIMを導入して効果の検証を行うなど、積極的にBIM/CIMに取り組んできており、当連結会計年度も土木分野での取組案件数約100件を6年連続で達成した。
当連結会計年度においては、BIM/CIMモデルを情報の基盤とした施工情報共有システム(i-PentaCOL)をトンネル工事に適用し、出来形・品質や現場状況など日々の施工情報の集約・管理を実施した。土工現場においてはUAVやSLAM技術※1を活用した3D-LiDAR※2など、多様な三次元測量を積極的に実施し、可視化による施工検討の迅速化や出来形管理の省力化を進めた。このほか、既設構造物との干渉を避けるよう複雑な作業手順をBIM/CIMモデルで視覚化しながら策定するとともに、建設機械の最適操作手順をオペレータ目線で再現したVR施工シミュレーションを行うなど、より円滑な施工に向けた現場教育も実施した。当社はこれからも生産性向上や現場職員の負担軽減に寄与できるよう、BIM/CIMの導入・活用に積極的に取り組む予定である。
※1 SLAM技術:移動体が今どこにいるのかを推測する「自己位置推定」と、その周辺がどういう状況にあるのかを把握する「環境地図作成」を同時に行う技術の総称
※2 3D-LiDAR:レーザー光を使用してターゲットの表面までの距離を3次元的に測定するマッピング技術
(2) 地盤情報の可視化ツール(Gi-CIM)の開発
地盤改良工事は施工対象が地中となるため、既設埋設物との干渉リスクがあり、また出来形や品質を直接確認することができない。当社はこれらの課題に対して、既設埋設物等のCIMモデルに地盤改良の調査・設計・施工管理等の情報を3次元的に統合して可視化することができるGi-CIM(Ground improvement Construction Information Modeling)を開発し、これまで多くの工事で活用してきた。Gi-CIMには、施工管理装置のモニター画面に表示される施工情報をOCR(光学的文字認識)により数値データ化し、新たに搭載した3Dモデルの自動作成機能により、施工状況をリアルタイムで三次元的に把握することが可能となっている。
本OCR機能をこれまでは浸透固化処理工法を中心に適用してきたが、当連結会計年度においては、深層混合処理工法にも適用し、改良杭の施工履歴(セメントスラリーの添加量や攪拌翼の回転数など)をリアルタイムに見える化することで、施工不良を防止し、適正な施工品質の確保に貢献した。今後も、サンドコンパクションパイル工法や静的圧入締固め工法など他工法へ適用範囲を拡大し、地盤改良工事の安全・品質および施工の信頼性向上に取り組んでいく。
(3) プレキャスト技術の開発と現場実装
近年、建設現場における担い手不足や働き方改革を背景に、施工プロセスにおける生産性向上を図る取組みが広く行われている。港湾の桟橋工事などでは、工期短縮や作業人員の削減など生産性向上の観点からプレキャスト施工は有益な方法である。しかしながら、大型起重機船の調達、陸上製作ヤードの確保、部材接合技術が必要であり、従来の現場打ちコンクリートによる構築方法と比較して建設コストが増加する傾向にある。
当社は、国内最大の原塩ターミナルである三ツ子島埠頭の桟橋工事において、幅30m×全長240mの桟橋上部工を12基のプレキャスト部材(幅30m×長さ20m、1,600t/基)に分割し、2,200t吊起重機船を用いて据付工事を行った。鋼管杭とプレキャスト部材、プレキャスト部材同士の接合は当社で開発したスマート接合技術を適用した。プレキャスト部材としてRC中空構造のフラットスラブ形式を採用するなど上部工の軽量化や鋼管杭本数の削減により、従来の現場打ちコンクリートによる工法と比較して全体工期を56%短縮、労働員数を27%削減などプレキャスト工法のメリットを享受しながら、課題であったコスト削減(11%)をも達成した。本工事を適用した桟橋構築技術は、当連結会計年度において土木技術の発展に顕著な貢献をなし、社会の発展に寄与したと認められ「令和5年度土木学会技術賞」を受賞した。
また、北陸地方整備局発注の新潟空港進入灯(10側)橋脚工事では、橋脚コンクリートのプレキャスト化により夜間の海上高所作業が低減され、場所打ち工法と比べて労働員数を46%削減、海上施工日数を47%短縮するとともに、夜間海上作業の低減により災害発生リスクも減少させた。本工事は、建設生産プロセスの高度化・効率化、国民サービスの向上等につながる優れた実績として評価され「令和5年度インフラDX大賞優秀賞」を受賞した。
(4) 山岳トンネルにおける防水シート自動溶着システムの開発
一般に、山岳トンネルの防水工においては、トンネル壁面(支保工面)全面に展張した幅約2m/枚の防水シート同士を3人の作業員が手作業で溶着して接合するが、狭隘な足場台車上での高所作業となり、トンネル天端付近は上向きの不安定な姿勢での作業となる。また、防水シートは凹凸のある支保工面に展張されるため、溶着部が不規則に波打ち、確実に溶着するためには熟練の技能が必要となる。しかし、近年の建設業界では担い手・熟練工不足が著しい。そこで当社は、作業員の技量によらず、1人で安全に防水シートを溶着接合できる「防水シート自動溶着システム」を開発し、高速道路トンネル新設工事に導入した。一般に使用されている足場台車に追加設置した溶着機走行用レールと当社が開発した自走式溶着機により、作業員が足場台車に上ることなく、複雑で不規則な溶着部のたわみやよれに溶着機が追従しながら、自動で溶着できることを確認した。
当連結会計年度において、国土交通省が運用する新技術情報提供システム(NETIS)に登録した。今後も山岳トンネル工事における安全性・生産性の向上に資する技術開発に取り組んでいく予定である。
(5) 海外大型プロジェクトへの国内技術導入
海外のプロジェクトでは、国内で経験のない施工条件や課題が課せられる場合が多く、また設計や施工計画・管理に必要な気海象情報が不足することが多い。バングラデシュのマタバリプロジェクトの建設場所は波浪条件の厳しい外洋に面しており、潮流が速く海域は著しい濁りが発生する。このような環境下にあるため、現地に波高・流速計、濁度計などを設置して時系列データを取得するとともに、定期的な深浅測量や採水調査などを実施し、海底地形変化や海中の濁度に関する総合的なモニタリング調査を行った。これらの物理データを検証データとして、航路埋没予測解析モデルを高精度化し、予測した埋め戻り土砂量を浚渫計画に反映した。インドネシアのパティンバン新港プロジェクトにおいても施工中の航路の埋め戻りが懸念されたため、工事着手に先立ち、過去の実測データに基づいて埋没予測解析を実施し、施工計画に反映した。
また、インドネシアのパティンバン新港プロジェクトやマダガスカルのトアマシナ港拡張事業に対して、国内で活用実績が豊富な気海象予測システム、海外機関が公開している気海象推算データに基づく稼働率解析、数値波動水路(CADMAS-SURF)等の高精度波浪解析技術を適用し、構造物の設計、海上作業の施工計画や日々の施工管理・安全管理に反映した。
(6) 桟橋の調査診断システム及び残存耐力評価技術の開発
従来の港湾施設の目視調査は、専門技術者が小型船に乗り、船上から構造物を観察して劣化状況を把握していたが、劣化状況の判断が点検実施者の主観に依存せざるを得ないこと、また桟橋下部では狭隘な空間で上向きの作業となるため労力・時間を要することが問題となっていた。そこで「i-Boat」を航行させ、搭載したカメラにより桟橋下面の劣化状況を撮影し、得られた画像から構造物の劣化度を客観的に診断できるシステムを開発し、これまで複数の桟橋調査に適用してきた。
また、点検・診断結果からAIを用いて桟橋の残存耐力を評価する技術も開発した。これは、現在および将来(経年劣化後)の桟橋に対して、地震時の損傷状態を予測するものである。施設管理者にとって供用継続の可否や補修・補強の意思決定がしやすいため、不具合が生じてから対策を行う事後保全から、合理的・計画的な予防保全への転換が期待できる。本技術について、当社は当連結会計年度より、内閣府が主導する国家プロジェクトである「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」に参画し、AIを用いた残存耐力評価技術の高精度化や社会実装に向けた取組みを産官学の共同研究体制により開始した。
なお、3D画像処理から劣化度診断、残存耐力評価までの維持管理トータルシステムについて、当連結会計年度において「第7回インフラメンテナンス大賞 情報通信技術の優れた活用に関する総務大臣賞」を受賞した。
(7) 可塑性グラウト増深工法の開発(社会実装に向けた現場実証)
船舶大型化に対応するため既設係船岸を増深するニーズが高まり、法線を変更せずに増深できる可塑性グラウト増深工法を開発した。本工法は捨石マウンド内の一部に可塑性グラウトを注入・固化した後、前面の捨石を掘削して増深する工法であり、(国研)港湾空港技術研究所と(一社)日本埋立浚渫協会により共同で開発した技術である。本工法の社会実装を促進するため、当社を代表とした8社は、(国研)港湾空港技術研究所から公募された「革新的社会資本整備研究開発推進事業」に応募して採択され、川崎港東扇島の実岸壁において現場実証を行った。実岸壁で一連の施工を行い、工法の実現性・有効性を示し、港湾分野において実用化できることを明らかにした。この技術的成果は、有識者や国の監修のもと「可塑性グラウト増深工法ガイドライン」としてまとめられる予定である。なお、本技術の現場実証に関して土木学会論文集に発表した論文は、「令和6年度日本港湾協会論文賞」を受賞した。
(8) 新船種作業船の開発・建造
国内洋上風力発電プロジェクトは、港湾区域に引き続き、一般海域においても洋上風力発電の開発を促進する法律が整備され、全国各地で取組みが本格化している。また、洋上風力発電の導入が進む欧州では、風車の大型化が進んでいる。
これらの動向を見据え、10~15MWクラスの風車を複数基運搬・設置可能な1,600t吊SEP型多目的起重機船「CP-16001」の建造に着手し、当連結会計年度において引渡しを受けた。さらに、現在DEME Offshore社が保有する外国船籍のSEP船「Sea Challenger」を1,600t吊に大規模改造し、2026年の運用開始を目指す予定である。また、洋上風力発電向けのケーブル敷設船、大型基礎設置船、資材運搬船などの保有に向けて検討を進めている。
当社は、保有する「CP-8001」、「CP-16001」と自航式多目的起重機船「CP-5001」に加え、新たに1,600t吊SEP型多目的起重機船1隻とケーブル敷設船などを投入することで、洋上風力建設工事に積極的に参入していく予定である。
2.建築分野
(1) 設計、施工へのBIM活用
当社は、フロントローディングによる品質および生産性の向上を目指し、設計、施工の各フェーズでBIMを活用するとともに、BIMの教育についても継続的に実施してきた。
当連結会計年度では、前連結会計年度からの継続案件と新規案件の合計48件に対してBIMを活用し、その取組みを通じて現場職員へのBIMリテラシー向上を図った。また意匠・構造設計者を対象としたBIMソフトウェア教育を若手職員10人に対して実施し、これまでに累計60人以上に設計BIM技術を習得させた。冷凍冷蔵倉庫やごみ処理場、物流倉庫のランプウェイなどにおいては干渉チェックをはじめ、複雑に絡み合う部材の可視化などBIM機能を利用した効果的な活用手法を構築した。また建築遮音設計システムなど外部システムとのデータ連携を行う情報抽出用プログラムを開発し、属人化の解消に向けた取組みを進めている。今後も、BIMデジタル人材の育成をさらに推進していくとともに、BIM機能拡張に向けた技術開発にも精力的に取り組む予定である。
(2) ICT技術を用いた業務効率化システムの開発と運用
当社は、BIMやタブレット端末を活用したシステム開発を行い、ICT技術による現場業務の効率化および生産性向上に向けて継続して取り組んでいる。
当連結会計年度では、BIMを活用した「五洋建設統合施工管理システムPiCOMS(ピーコムス):Penta-ocean integrated Construction Management System」にRTK測位を用いた高精度の位置情報を組み合わせ、PCa(プレキャスト)部材の運送・保管管理業務へ適用拡大を行った。建設現場での運用を通じて生産性向上効果を確認した。またAR(Augmented Reality)技術を活用し建設重機の配置状況をタブレット端末上で確認できる「Degisite(デジサイト)-AR Lite」を開発した。建設重機の実大3Dモデルを現場映像に重ね合わせることで配置計画の事前確認が容易となり、さらに発注者や近隣住民の方などに対しわかりやすく情報伝達できることを確認した。
現場での運用を通じて、当社職員だけではなく、協力業者に対しても現場業務の効率化が図れることを確認した。引き続き、ICT技術の開発および現場運用を通して、生産性向上への取組みを加速させていく予定である。
(3) CO2低減型コンクリート「CELBIC」の開発と活用
当社は、これまでに脱炭素社会の形成と地球環境問題の改善に寄与することを目的に、建築構造物に求められる所要の品質を確保しつつ、コンクリート材料に由来する二酸化炭素の排出量の約9~63%を削減するCELBIC(セルビック:Consideration for Environmental Load using Blast furnace slag In Concrete)を開発し、建設現場に導入してきた。
当連結会計年度は、CELBICの適用範囲の拡大ならびに再生骨材を併用することで低炭素性と資源循環性を併せ持つ「高炉スラグ微粉末高含有再生骨材コンクリート」の早急な実用化に向けて開発を進めてきた。今後もカーボンニュートラル社会の実現に向けて、技術開発および普及展開を進めていく。
(4) ZEB化技術への取組み
カーボンニュートラル社会の実現に向けた機運が高まる中、建物の省エネルギー・ZEB化に対して顧客の関心が高まっている。当社は、これまでにZEBの実績を積み重ねつつ、ZEB化技術の開発に積極的に取り組んでいる。
当連結会計年度では、再生可能エネルギー100%の工場として建設した自社工場「室蘭製作所」での取組みが高く評価され、北海道経済産業局より「北国の省エネ・新エネ大賞」を受賞した。またZEB化提案技術の一つとして、エネルギー効率や設置自由度が高い水冷式空調設備の省エネ運転制御技術を開発し、空調設備全体の省エネ化に効果的であることを確認した。
今後も、積み重ねた実績に裏付けられたZEB化技術を活用し、顧客への設計提案、技術提案に積極的に取り組んでいく予定である。
(5) 環境配慮技術の取組み
近年、利用者のウェルネスやプロダクティビティに影響を与えるオフィス空間に対して、より良い環境創出が求められている。当社では、室内環境を評価し改善するため人のしぐさ・行動から室内の温熱や衛生状態を見える化する技術の開発に取り組んでいる。
新型コロナウイルス感染症の流行による人々の衛生意識の高まりに鑑み、当連結会計年度では、オフィス空間に設置したカメラ画像から机上面等と執務者の手との接触を検知することで、机上面等における細菌等の付着汚染量を類推し数値化して評価する「感染リスク可視化システム」を開発した。自社施設での運用結果からカメラ画像による行動追跡に基づき算出した値が実測値と一致することを確認した。
今後は、顧客の建物施設管理業務に対しての清掃等の衛生管理サポートに関する提案力や運用データの集積・分析から室内環境改善に関する提案力を高めていくとともに、同技術の新たな活用につながる技術開発に取り組んでいく予定である。
3.環境分野
(1) 副産物の有効利用技術
カルシア改質土は、浚渫土にカルシア改質材(転炉系製鋼スラグを成分管理、粒度調整した材料)を混合することで、浚渫土の物理性・化学性を改善した材料である。港湾工事によって発生する浚渫土を有効活用し、埋立材や干潟・浅場の中詰材、潜堤材等として使用されている。
これまでに開発した、大規模施工に対応可能なカルシア落下混合船やバックホウ混合を効率化するカルシアバケット、軟弱な海底地盤の表層改良を可能とするカルシア改質土のバッチ式原位置混合工法の改良や適用を進めている。今後は、これらのカルシア改質技術を活用したCO2排出量の少ない施工方法やカルシア改質土でのCO2固定方法等のカーボンニュートラル技術、ブルーカーボン生態系の形成のための海藻の生育基盤作成技術の開発を行っていく。
(2) 泥土のリサイクル技術
河川・湖沼の浚渫土や陸上の掘削工事にともなって発生する泥土の利活用は重要な課題であり、その解決のため当社はこれまで様々な技術開発に取り組んできた。
吸水性泥土改質材「ワトル」は、製紙会社から発生するペーパースラッジ焼却灰(PS灰)に特殊薬剤を混合し水和処理した製品で、泥土に対し、吸水による物理的改質(瞬時の改良効果)に加え、時間経過にともなう化学的改質(緩やかな強度発現)を合わせ持つことが特徴である。従来、建設汚泥や含水比が高い発生土に対して、天日干しやセメント・石灰等による固化処理が用いられてきたが、時間やコスト、アルカリ化等の課題があった。「ワトル」はこのような課題を解決する多くの使用実績があるが、さらにカーボンリサイクルへの貢献など環境負荷の低減、利用用途の拡大など、より高機能な材料の開発へと取組みを進めていく。
4.技術評価証等の取得
NETIS
<新規登録>
・防水シート自動溶着器 KK -230038-A
・UAVによるAR施工管理支援システム KTK-230004-A
・DXを使用したクラウド航行安全監視システム KTK-230006-A
・深層混合処理工法 3DCIMシステム KTK-230007-A
<更新>
・Gi-CIM KTK-210009-A
技術評価証
<新規登録>
・カルシア改質土のバッチ式原位置混合工法 第 22006号
<更新>
・4Dソナーによる施工管理 第 12004号
・高含水泥土造粒固化処理工法 第 02004号
・曲がり削孔工法(リアルタイムで誘導する曲線ボーリング) 第 08001号
性能評定
<新規登録>
・非耐力壁の一部に水平部分を有するせっこうボードを用いた耐火壁構造
(クランク耐火壁)の耐火性能に関する技術的評価
:一般財団法人ベターリビング、評定CBL FP012-23号、2024年3月
<更新>
・異種強度を打ち分けた鉄筋コンクリート梁工法の設計法及び施工方法 -Dicos Beam工法-
:日本ERI株式会社、構造性能評価 ERI-K19023-01、2023年7月
・RCS合成壁/杭工法の合成構造としての性能
:一般財団法人ベターリビング、評定CBL FP022-18号、2024年2月
大臣認定
<新規登録>
・押出成形セメント板/吹付けロックウール合成被覆/鋼管柱(耐火構造1.5時間/柱)
:国土交通大臣認定(一般)、FP090CN-0994、2023年8月
・軽量気泡コンクリートパネル/吹付けロックウール合成耐火被覆/鋼管柱(耐火構造1時間/柱)
:国土交通大臣認定(一般)、FP060CN-1028、2024年3月
・軽量気泡コンクリートパネル/吹付けロックウール合成耐火被覆/鋼管柱(耐火構造2時間/柱)
:国土交通大臣認定(一般)、FP120CN-1043、2024年3月
・仕上材・軽量気泡コンクリ-トパネル・吹付けロックウール合成耐火被覆/鉄骨はり(耐火構造1時間/はり)
:国土交通大臣認定(一般)、FP060BM-0786、2024年3月
・仕上材・軽量気泡コンクリ-トパネル・吹付けロックウール合成耐火被覆/鉄骨はり(耐火構造2時間/はり)
:国土交通大臣認定(一般)、FP120BM-0796、2024年3月
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
(国内土木事業、国内建築事業及び海外建設事業)
当連結会計年度における主な設備投資の内容は、洋上風力関連作業船の設備投資他、施工能力向上のための建設機械・作業船などの新設及び更新等であり、その総額は10,484百万円である。なお、前連結会計年度に建造中であった1,600t吊SEP型多目的起重機船は、当連結会計年度に完成した。
(その他)
当連結会計年度における主な設備投資の内容は、賃貸事業用建物の更新、リース用事務機器、副産物リサイクル設備の更新等であり、その総額は402百万円である。
2 【主要な設備の状況】
提出会社は国内土木事業、国内建築事業、海外建設事業及びその他事業を営んでいるが、大半の設備は共通的に使用されているので、セグメントに分類せず、主要な事業所ごとに一括して記載している。
(1)提出会社
2024年3月31日現在
(2)国内子会社
2024年3月31日現在
(3)在外子会社
2024年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額に建設仮勘定は含まない。
2 土地及び建物の一部を連結会社以外から賃借している。賃借料は1,024百万円であり、賃借土地の面積については、( )内に外書きで示している。
3 提出会社の那須技術研究所は、研究開発施設である。他の施設は、主に事務所ビル、建設機械等である。
4 土地建物のうち、主な賃貸事業用の資産の帳簿価額
3 【設備の新設、除却等の計画】
(国内土木事業、国内建築事業及び海外建設事業)
施工の機械化・合理化等のため、機械設備・作業船等の拡充更新を推進しており、当連結会計年度後1年間の設備投資額(新設・拡充)は、41,418百万円を予定している。なお、重要な設備の新設及び改造の計画は以下のとおりであり、除却等の計画はない。
(その他)
リース用事務機器の購入等により、当連結会計年度後1年間の設備投資額(新設・拡充)は、382百万円を予定している。なお、重要な設備の新設及び除却等の計画はない。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項なし。
② 【ライツプランの内容】
該当事項なし。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項なし。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項なし。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 有償第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)
(5) 【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 自己株式211,761株は、「個人その他」の欄に2,117単元、「単元未満株式の状況」の欄に61株を含めて記載している。また、当該自己株式には、株式給付信託(BBT)にかかる信託口が保有する株式945,400株は含めていない。
2 「その他の法人」の欄には、証券保管振替機構名義の株式25単元を含めて記載している。
(6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(注)1 上記所有株式数のうち、※印は全て信託業務に係る株式数である。
2 発行済株式の総数に対する所有株式数の割合は、発行済株式の総数から自己株式211,761株を控除して計算している。なお、当該自己株式には、株式給付信託(BBT)にかかる信託口が保有する当社株式945,400株を含めていない。
3 2022年3月14日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者1社が2022年3月8日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況は株主名簿によっている。
なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりである。
4 2023年4月3日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、三菱UFJ信託銀行株式会社及びその共同保有者1社が2023年3月27日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況は株主名簿によっている。
なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりである。
5 2023年5月8日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、野村アセットマネジメント株式会社及びその共同保有者1社が2023年4月28日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況は株主名簿によっている。
なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりである。
6 2024年1月18日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、マラソン・アセット・マネジメント・リミテッドが2024年1月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況は株主名簿によっている。
なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりである。
7 2024年4月1日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、株式会社みずほ銀行及びその共同保有者4社が2024年3月25日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況は株主名簿によっている。
なお、その大量保有報告書(変更報告書)の内容は次のとおりである。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、証券保管振替機構名義の株式2,500株(議決権25個)及び株式給付信託(BBT)にかかる信託口が保有する当社株式945,400株(議決権9,454個)を含めて記載している。
2 「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式61株を含めて記載している。
② 【自己株式等】
2024年3月31日現在
(注)株式給付信託(BBT)にかかる信託口が保有する当社株式945,400株は、上記自己保有株式に含めていない。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
① 取締役及び執行役員に対する業績連動型株式報酬制度の概要
当社は、取締役及び執行役員(社外取締役を除く。以下「取締役等」という。)を対象に業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))」(以下「本制度」という。)を2017年度から導入している。本制度は、取締役等の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性をより明確にし、取締役等が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも株主の皆様と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的としている。
本制度は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が本制度に基づき設定される信託(以下「本信託」という。)を通じて取得され、取締役等に対して、当社が定める役員株式給付規程に従って、当社株式及び当社株式を時価で換算した金額相当の金銭(以下「当社株式等」という。)が本信託を通じて給付される業績連動型株式報酬制度である。なお、取締役等が当社株式等の給付を受ける時期は、原則として取締役等の退任時となる。
(本信託の内容)
② 取締役等に取得させる予定の株式の総数
上限550,000株(3事業年度)
③ 本制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
取締役等を退任した者のうち、役員株式給付規程に則って、当該取締役等に付与されたポイント数に応じた当社株式の給付を受ける者
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項なし。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
会社法第155条第3号による取得
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までに取得した株式数は含めていない。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めていない。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における保有自己株式数には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までに取得した株式数、単元未満株式の買取りによる株式数は含めていない。
2 当事業年度及び当期間における保有自己株式数には、株式給付信託(BBT)にかかる信託口が保有する当社株式は含めていない。
3 【配当政策】
当社は、将来に備えた経営基盤の強化及び技術開発や設備投資等の成長への投資により収益力の向上、企業価値の増大を図るとともに、株主の皆様に対して継続的かつ安定的な配当、自己株式の取得による株主還元の充実及び資本効率の向上を図ることを基本方針としている。
また、当社は、カーボンニュートラルへの取組みを推進するため、洋上風力建設関連の作業船等の設備投資を積極的に行う予定であり、株主還元の目標を連結総還元性向40%以上としている。
内部留保については、技術開発や設備投資等、企業価値向上のための投資等に活用していく考えである。
当事業年度の剰余金の配当については、上記方針と当期の業績を踏まえ、普通株式1株当たり24円とした。
なお、株主の皆様への利益還元の機会を充実させるため、年1回の期末配当に加え、中間配当が実施できる旨の定款変更について2024年6月25日開催の第74回定時株主総会において決議した。配当の決定機関は、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会である。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりである。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、サステナビリティを重視した経営理念を実践し、「良質な社会インフラ・建築物の建設こそが最大の社会貢献」と考えて、技術に裏打ちされた確かな安全と品質の提供はもちろんのこと、ESGの観点からあらゆるサステナビリティの課題に真摯に取り組むことで、様々なステークホルダーにとって魅力ある企業として持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。
その実現のため、コーポレート・ガバナンスの充実を重要な経営課題と位置付け、基本的な考え方、運営指針となる「五洋建設コーポレートガバナンス・ガイドライン」を定めております。本ガイドラインに則り、経営環境の変化に対応しながら、迅速かつ果断な意思決定ができる体制を構築することで、経営の透明性を確保してまいります。
②コーポレート・ガバナンスの体制の概要及び当該体制を採用する理由
イ.コーポレート・ガバナンスの体制の概要
当社グループでは、経営の健全性・透明性及び遵法性を確保し、会社の永続的な成長・発展のため、次のとおりコーポレート・ガバナンス体制の構築・充実を図っている。

ロ.現状の体制を採用している理由
当社は、社外取締役4名を含む10名の取締役によって取締役会を構成し、法令、定款及び社内規則並びに五洋建設コーポレートガバナンス・ガイドラインに基づいて運営している。取締役会は原則月2回の開催とし、経営に関する重要事項の決定や、業務執行状況の監督を行っている。また、業務執行の責任を明確化するため、執行役員制度を導入している。
役員候補者の選定や役員報酬案については、代表取締役が、社外取締役全員と過半を超えない若干名のその他の取締役で構成され、社外取締役を委員長とする人事委員会に諮問し、取締役会で決定する。役員報酬は、業績に連動した役員業績評価制度を導入している。
当社は監査役会設置会社であり、社外監査役3名を含む4名の監査役によって監査役会を構成している。各監査役は、取締役会をはじめ執行役員会議、グループ経営会議等の重要会議に出席し、取締役の職務執行を監視している。こうしたコーポレート・ガバナンス体制を採用することで、公正で透明性の高い経営を行うことができると考えている。なお、提出日現在の各機関の構成員は以下のとおりである。
(イ)取締役会
議長:代表取締役社長 清水 琢三
構成員:植田 和哉、山下 朋之、野口 哲史、渡部 浩、日高 修
高橋 秀法(社外取締役)、中野 北斗(社外取締役)、関口 美奈(社外取締役)
林田 博(社外取締役)
(ロ)人事委員会
委員長:取締役 高橋 秀法(社外取締役)
構成員:中野 北斗(社外取締役)、関口 美奈(社外取締役)、林田 博(社外取締役)
清水 琢三、山下 朋之
(ハ)監査役会
議長:常勤監査役 稲富 路生
構成員:竹林 久(社外監査役)、米澤 伸明(社外監査役)、古賀 直人(社外監査役)
③コーポレート・ガバナンスに関するその他の事項
当社は、会社法及び会社法施行規則に従い、次のとおり、業務の適正を確保するための体制(いわゆる内部統制システム)の整備方針を取締役会にて決議し、その体制を整備・運用している。
イ.内部統制システムに関する基本方針
当社は、誠実で透明性の高い経営活動の推進が不可欠と考え、サステナビリティを重視した経営理念を策定している。その経営理念の実現を図るべく、取締役及び取締役会はリスク管理の徹底及び法令等の遵守、並びに業務の適正かつ効率的な遂行を確保するため、経営活動に関わるすべての行動について会社法に基づき、内部統制基本方針を策定し、これを実施する。
(イ)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役の業務執行について取締役会規則及び社内規則に則り、取締役会議事録、重要な会議の記録等情報の適切な保存及び管理を行う。
(ロ)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(ⅰ)リスク管理規則、対策本部規程を定め、それに則りコンプライアンス、財務、情報、品質安全衛生環境、事業継続等に関するリスク管理体制を整備・運用し、損失の危険の管理を行う。また、必要に応じ研修の実施、マニュアルの作成・配布等を行う。
(ⅱ)リスクマネジメント委員会は、リスクマネジメントの推進を図り、内部監査部門の監査等を通じて、リスク管理体制の継続的改善に取組む。
(ⅲ)リスクマネジメント委員会によるリスク管理体制の下、役職員はリスク発生時に迅速な情報伝達及び緊急時の対応を迅速・適切に行う。また、同委員会は適宜対策本部を設置し、損害の拡大等を防止し、これを最小限に止める活動を行う。
(ハ)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
取締役による業務執行を適正かつ効率的に行うため、取締役会規則、執行役員制度、執行役員規則及び決裁権限基準等社内規則を整備し、もって取締役会の活性化と意思決定の迅速化を図る。
(ニ)取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(ⅰ)取締役会は、取締役その他役職員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するため、「経営理念」、サステナビリティ経営の「ビジョン」と「マテリアリティ」、「行動規範」からなる理念体系を定め、企業倫理を確立し、反社会的勢力排除も含め、コンプライアンスの徹底を図る。
(ⅱ)リスクマネジメント委員会は、コンプライアンスの基本方針またはガイドラインを策定し、会社全体のコンプライアンスの推進を図る。各業務執行部門は、同委員会の方針に従い、研修の実施等により、コンプライアンスの推進を図る。
(ⅲ)取締役会は、取締役及び使用人に、業務の執行状況を定期的且つ必要に応じて適宜報告させ、取締役及び使用人の職務における法令、定款及び社内規則の遵守状況を把握する。これにより、法令違反等を未然に防止すべく努めるとともに、万一、法令違反等が発生した場合には、違反者を厳正に処分するとともに、更に再発防止のための社内体制を整備し、運用する。
(ⅳ)内部監査部門は、社内規則に則り、内部監査を実施し、使用人の職務における法令、定款及び社内規則の遵守状況並びにその他業務の遂行状況を検証し、その結果を取締役会に報告する。
(ⅴ)コンプライアンスに関し、法令違反等の事実の通報を行わせる公益通報者保護法の趣旨を社内に周知・徹底させるとともに企業不祥事を未然に防止するためコンプライアンス相談窓口を設置する。
(ホ)当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(ⅰ)取締役会は、取締役会規則に則り、グループ会社の経営方針・経営計画その他経営に関する重要事項を決議し、当社を含めたグループ全体の業務の適正を確保するための体制を整備する。
(ⅱ)取締役会は、金融商品取引法その他の法令・指針等に従い、当社及びグループ会社の財務報告の信頼性、有効性を確保するとともにグループ会社の損失の危険に関する規程及び体制を整備し、当該統制システムの評価を継続的に行う。
(ⅲ)取締役または執行役員は、関係会社管理規程に従い、グループ会社の取締役に対して業務執行における重要事項について報告を求めるとともに必要に応じて協議する。
(ⅳ)グループ会社各社にリスクマネジメント委員会を設置し、研修等を通じてコンプライアンスの周知・徹底を図る。また、その業態に応じて規則の整備等を行う。
(ⅴ)内部監査部門は、取締役会において決議されたグループ会社の経営方針並びに関係会社管理規程に基づき、内部監査規則に則り、グループ会社の業務遂行状況及び管理等の適正さについて監査を行い、その結果を取締役会に報告する。
(ヘ)監査役に関する事項
(ⅰ)監査役または監査役会が求めた場合には、取締役、執行役員等の指揮命令に属さない使用人を選任する。
(ⅱ)補助すべき使用人に関する人事異動等については、監査役または監査役会の事前承認を必要とする。
(ⅲ)取締役及び使用人は、法令・定款に違反するおそれのある事項等企業経営に影響を及ぼす重要な事項について規則を整備し、これに則り監査役に報告する。内部監査部門は、内部監査に関する結果について監査役に報告する。
(ⅳ)監査役及び監査役会は内部監査部門と随時連絡、連携を行い、必要に応じ、その他関係部門に協力を求めることができる。監査役は業務の適正を確保するために重要な会議へ出席することができる。
ロ.内部統制システムの整備状況
(イ)内部統制システムの整備
取締役会での基本方針の決定を受けて、継続して既存の社内規則等の体系化を図るとともに、リスク管理体制を見直し、実効性のある内部統制システムの整備をすすめている。
(ロ)サステナビリティの重視
当社グループは、「経営理念」、サステナビリティ経営の「ビジョン」と「マテリアリティ」、「行動規範」からなる理念体系に基づき、サステナビリティの課題に真摯に取り組むため、CSR委員会及びCSR推進室を設置し、当社のサステナビリティ活動計画の企画・立案及び実施状況をモニタリングするとともに、その成果をコーポレートレポートにまとめている。
(ハ)コンプライアンスの一層の徹底
当社は、コンプライアンスを含めたリスク管理体制の一層の徹底並びに子会社を含めたグループ全体の実効ある内部統制システムの構築・遂行を図るため、リスクマネジメント委員会を設置しており、コンプライアンス方針や体制、指針等をまとめたコンプライアンスハンドブックの配布や、社内イントラネット上でのデータベースの利用、教育・研修等を通じて、役職員へのコンプライアンスの徹底を図っている。
ハ.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方
当社は、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力及び団体とは、いかなるものであっても断固として対決するとともに、一切の関係を排除することを基本方針としている。
ニ.取締役の定数
当社は、取締役を15名以内とする旨定款に定めている。
ホ.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行い、累積投票によらないものとする旨定款に定めている。
ヘ.取締役及び監査役の責任免除
当社は、取締役が萎縮することなく職務に専念し、期待される職務を適切に行えるよう、会社法第426条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項に関する取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨、定款に定めている。また、当社定款及び会社法第427条第1項の規定に基づき、当社と各社外取締役及び各社外監査役は、同法第423条第1項に関する損害賠償責任を限定する契約を締結している。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、同法第425条第1項に定める最低責任限度額としている。
ト.役員等賠償責任保険契約の概要
当社は、会社法第430条の3に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者が負担することになる法律上の損害賠償金、争訟費用及び各種費用の損害を当該保険により補填することとしている。
当該保険は、役員等がその職務の執行に伴い損害賠償の責任を負うことを過度におそれることによりその職務の執行が萎縮することが無いようにすることを目的としている。保険期間は1年間で、取締役会での決議を経て毎年4月に契約を更新している。補償は、主に従業員に対する取締役としての監視監督義務の不履行または善管注意義務違反による株主代表訴訟、または第三者訴訟による損害賠償金、争訟費用及び各種費用の損害などを対象としている。
当該保険契約の被保険者は、当社及び当社グループの国内連結子会社の役員(取締役、監査役、執行役員、退任役員)と重要な使用人及び社外派遣役員であり、すべての被保険者について、その保険料を全額当社が負担している。なお、当社グループの国内連結子会社とは、五栄土木㈱、洋伸建設㈱、ペンタビルダーズ㈱、警固屋船渠㈱、ペンタテクノサービス㈱、ジャイワット㈱、㈱サンドテクノ、domi環境㈱、三木バイオテック㈱、ペンタ保険サービス㈱、PKYマリン㈱、ジャパンオフショアマリン㈱の12社である。
チ.株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めている。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものである。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりである。
Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
上場会社である当社の株式は、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付提案又はこれに類似する行為があった場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主の皆様の意思により判断されるべきであると考えております。
しかしながら、このような株式の大規模な買付や買付提案の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないものなど、不適切なものも少なくありません。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、経営の基本理念、企業価値のさまざまな源泉、並びに当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
そのため、当社取締役会は、万一、当社の支配権の移転を伴う大量買付を意図する者が現れた場合は、買付者に買付の条件並びに買収した場合の経営方針、事業計画等に関する十分な情報を提供させ、当社取締役会や必要な場合には株主がその内容を検討し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するための十分な時間を確保することが、最終判断者である株主の皆様に対する当社取締役会の責務であると考えております。
Ⅱ.基本方針の実現に資する取組み
当社グループは、多数の株主、投資家の皆様に長期的に当社への投資を継続していただくため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、次の諸施策を実施しており、これらの取組みは、上記の基本方針の実現に資するものと考えております。
1.「中期経営計画」等による企業価値向上への取組み
当社グループは、「良質な社会インフラ・建築物の建設こそが最大の社会貢献」と考え、安全、環境への配慮と技術に裏打ちされた確かな品質の提供を通じて、株主、顧客、取引先、従業員のみならず、地域社会にとって魅力のある企業として持続的に発展することを目指しています。このような意識を役職員で共有するため「経営理念」、サステナビリティ経営の「ビジョン」と「マテリアリティ」、「行動規範」からなる理念体系を策定し、サステナビリティの課題に真摯に取り組んでいます。
当社グループは、経営環境の変化に対応、あるいは先取りをしながら、この理念体系に基づくサステナブルな事業活動を行い、企業価値の向上を図るため、3か年を期間とする中期経営計画を策定しております。この中期経営計画は、環境の変化を踏まえた経営方針を掲げ、実効性の高い施策を策定し、実行していくものです。毎期、計画の進捗状況を確認し、状況に応じて計画を見直すとともに、3か年ごとに計画の達成状況を検証し、その評価を次の計画の策定に活かしております。当社グループは、このサイクルを継続していくことによって、環境の変化に柔軟に対応しながら、中長期的な企業価値の向上が実現できるものと考えております。
2.「コーポレート・ガバナンスの強化」による企業価値向上の取組み
当社は、会社の永続的な成長・発展のため、コーポレート・ガバナンスの充実を重要な経営課題と位置付け、基本的な考え方、運営指針となる「五洋建設コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定しており、継続的に取締役会で見直しを行っております。本ガイドラインに則り、経営環境の変化に対応しながら、迅速かつ果断な意思決定ができる体制を構築し、さらなるコーポレート・ガバナンスの充実を図ってまいります。
○コーポレート・ガバナンス体制
当社は、社外取締役、監査役会、会計監査人、内部監査部門が連携を図ることで経営に対する監督・監査機能の強化を図っています。取締役会の活性化と意思決定の迅速化を図るとともに、業務執行の責任を明確にするため執行役員制度を導入し、社外取締役を委員長とする役員人事及び報酬の諮問機関である人事委員会を設置しています。取締役会は原則月2回の開催とし、経営方針、法律で定められた事項、その他会社規則で定めた重要事項について活発な討議の上、意思決定を行っております。取締役、執行役員の報酬は、その責任を明確にするため、業績と報酬が連動する役員業績評価制度を導入しております。また、性別・年齢・国籍等にかかわらず、多様な人材の確保を推進しています。
当社は監査役制度を採用しており、そのうち3名が社外監査役です。監査役は取締役会に常時出席しているほか、執行役員会議をはじめとした社内の重要会議にも積極的に参加しており、取締役の職務執行を充分に監視する体制を整えております。
社外取締役と社外監査役は、自主的に社外者のみの意見交換会を開催し、独立した立場に基づく情報交換・認識共有を図っております。
こうしたコーポレート・ガバナンス体制を採用することで、公正で透明性の高い経営を行うことができると考えております。
○独立役員
当社は、社外役員全員について、一般株主と利益相反のおそれがないと判断し、当社が上場する金融商品取引所に対し、独立役員として届け出ております。これら独立役員については、取締役会などにおける業務執行に係る決定局面等において、一般株主の利益への配慮がなされるよう、必要な意見を述べるなど、一般株主の利益保護を踏まえた行動をとることが期待されます。
○コンプライアンスへの取組み
コンプライアンスについては、内部統制システムの構築に当たりリスク管理体制を明確にするため、代表取締役社長を委員長とするCSR委員会の下にリスクマネジメント委員会を設置しています。法令遵守はもとより、社会的規範・倫理を尊重した公明正大な企業活動を確実に実践すべく取り組んでいます。役職員一人ひとりが、経営理念を実現し、事業活動を適正に遂行して社会的責任を果たしていく上で、社会の一員として遵守すべき行動規範を定め、浸透に努めています。違法又は不適切な行為の通報先に、社内窓口のほか経営陣から独立した社外の弁護士に内部通報窓口を設け、内部通報制度により伝えられた情報を適切に活用する体制を構築しています。
以上の取組みを通じて、当社グループは企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を図ってまいります。
Ⅲ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための具体的な取組み
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるための取組みとして、2007年6月28日開催の第57期定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき、「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」を導入いたしました。しかしながら、その後当社を取り巻く外部環境が変化するとともに、金融商品取引法による大量買付行為に対する法制度の整備が行われたことから、株主の皆様並びに当社取締役会が適正な判断をするために必要な情報や時間を確保するという当買収防衛策の導入目的が一定程度担保される状況となりました。これを勘案し、当社は2013年5月13日開催の取締役会において、当買収防衛策の有効期限である2013年6月27日開催の第63期定時株主総会終結の時をもって、当買収防衛策を継続しないことを決議いたしました。
今後当社は、当社株式の取引状況や株主の異動を引き続き注視し、万一、当社株式の大量買付を企図する者が現れた場合は、金融商品取引法の定める手続きに則り、当該大量買付者に適切な情報開示を求めるとともに、当社の判断や意見も公表することで、株主の皆様が大規模買付行為に対し適切な判断を行うための情報と時間の確保に努めてまいります。
④取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を原則月2回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりである。
取締役会における具体的な検討内容は、以下のとおりである。
イ.株主総会関係事項
(イ)株主総会の招集及び附議議案の決定
(ロ)事業報告、計算書類、附属明細書及び連結計算書類の承認
(ハ)取締役候補者及び監査役候補者の決定
ロ.業務関係事項
(イ)経営方針に関する重要な事項
(ロ)関係会社の管理に関する重要な事項
(ハ)重要な組織の設置、変更及び廃止
(ニ)重要な会社規則の制定又は改廃
(ホ)大型工事への入札参加、開発事業及びPFI事業等への参画
(ヘ)重要な財産の処分及び譲受に関する事項
(ト)多額の借財に関する事項
(チ)取締役及び監査役の責任免除に関する事項
ハ.株式関係事項
(イ)社債等の発行
ニ.人事関係事項
(イ)代表取締役の選定
(ロ)取締役招集権者並びに議長の代行順位の決定
(ハ)取締役の業績評価、報酬等の決定及びその他の処遇
(ニ)執行役員の選任、解任、業績評価、報酬額等の決定及びその他の処遇
(ホ)顧問の委任、解任
⑤人事委員会の活動状況
当事業年度において当社は人事委員会を10回開催しており、個々の委員の出席状況については次のとおりである。
人事委員会における具体的な検討内容として、代表取締役から諮問された取締役や監査役の候補者選定、代表取締役の選定・解職、執行役員の選任・解任、取締役や執行役員の業績評価・報酬など、人事に関する重要事項について審議・検討を行い、審議結果を代表取締役に答申している。なお、委員の過半数は社外取締役としている。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性13名 女性1名 (役員のうち女性の比率7.1%)
(注) 1 取締役高橋秀法、中野北斗、関口美奈、林田博は社外取締役である。
2 監査役竹林久、米澤伸明、古賀直人は社外監査役である。
3 任期は、2024年6月25日開催の定時株主総会の終結の時から1年間である。
4 任期は、2021年6月25日開催の定時株主総会の終結の時から4年間である。
5 任期は、2022年6月24日開催の定時株主総会の終結の時から4年間である。
6 任期は、2024年6月25日開催の定時株主総会の終結の時から4年間である。
7 取締役会の活性化と意思決定の迅速化を図るとともに、業務執行の責任と権限を明確にし、経営効率の向上と競争力の強化を図るため執行役員制度を導入している。
なお、2024年6月25日現在の執行役員は次のとおりである。
※は取締役兼務者である。
② 社外役員の状況
当社の社外取締役は次の4名である。
また、当社の社外監査役は次の3名である。
当社は、社外役員7名全員について、一般株主と利益相反のおそれがないと判断し、当社が上場する金融商品取引所に対し、独立役員として届け出ている。これら独立役員については、取締役会などにおける業務執行に係る決定局面等において、一般株主の利益への配慮がなされるよう、必要な意見を述べるなど、一般株主の利益保護を踏まえた行動をとることが期待される。
なお当社は、定款第30条第2項及び第41条第2項並びに会社法第427条第1項の規定に基づき、社外取締役または社外監査役が、その任務を怠ったことにより当社に対して損害を与えた場合において、その職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度として、当社に対して損害賠償責任を負う旨の責任限定契約を締結している。
<社外役員の独立性に関する基準>
当社における独立社外取締役及び独立社外監査役(以下、社外役員という。)とは、以下のいずれにも該当しない者をいう。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
当社は、社外取締役及び社外監査役に対して、取締役会や主要経営会議等の議案、議題について事前説明を実施するほか、取締役、監査役の調査事項に係る資料の作成及び提出を行っている。
社外取締役は、原則毎月2回開催される取締役会に常時出席しているほか、執行役員会議をはじめとした社内の重要会議にも積極的に参加しており、独立した立場から発言・助言を行うことで、経営の重要事項を決定し、業務執行を監督する機能を担っている。
また社外監査役は、取締役会及び監査役会において、議案審議等に必要な発言を適宜行うとともに、外部の見地からの貴重な意見を述べ、取締役の職務執行を監視している。
なお、当社は、会計監査人としてEY新日本有限責任監査法人と監査契約を締結しており、監査役会、総合監査部、会計監査人は、定期的に監査計画、監査結果の情報交換等により連携し監査の実効性を高めている。
これらの活動が「(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② イ.コーポレート・ガバナンスの体制の概要」に記載の体制に反映されることで内部統制部門との情報共有を図り、有効な内部統制を機能させている。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
当社は監査役会設置会社であり、原則毎月1回、また必要に応じて適宜監査役会を開催している。
監査役会は、社外監査役3名を含む4名の監査役によって構成され、下記のとおり適切な経験・能力及び必要な財務・会計・法律に関する知識を有する者が選任されているため、監査役の職務を果たすために必要な判断能力は十分に備えていると考えている。
当事業年度の監査役会の出席状況は以下のとおりである。
② 監査役会の主な活動
当社の監査役会は、監査役会で決定された監査の方針・監査業務の内容・業務分担等に従い監査計画を立案し、下記の監査活動を実施している。
イ.取締役・取締役会に対する監査
取締役会に出席し、決議事項の内容などを監査し、必要により意見表明を行っている。
また、代表取締役との四半期ごとの意見交換、取締役及び各部門のキーパーソンへのヒアリングを行い、必要に応じて提言を行うとともに、社外取締役とは定期的に意見交換を行い、情報の共有化に努めている。
ロ.業務執行状況
全国内支店・海外重要拠点・重要なグループ会社への往査を実施し、内部統制システムの運用状況及び財産の保全状況などを確認したうえで、必要に応じて提言を行っている。
また、執行役員会議及びその他の重要会議に出席し、業務執行状況の把握に努めるとともに必要に応じて担当部署と意見交換を行っている。
ハ.内部監査部門、会計監査人との連携
内部監査部門の監査結果報告に対して内容の確認を行い、監査役監査の往査時に役立てている。
また、会計監査人からの四半期レビュー報告及び年度監査報告に対して質疑を行い、財務・会計の状況の把握を行うとともに、監査現場に立会い、監査実施状況、専門性及び独立性の確認等を行っている。
具体的な検討内容として審議した項目は、以下のとおりである。
(イ)内部統制の整備・運用状況の確認
(ロ)国内子会社及び国際部門のガバナンス強化に対する評価
(ハ)会計監査人の評価
(ニ)グループ全体の「働き方改革」の進捗の確認
(ホ)KAMの対象項目の選定における妥当性の検討
③ 内部監査の状況
当社における内部監査は、社長直轄の総合監査部(内部監査担当人員6名)が監査役会と連携を取り、当社各部門及びグループ会社の業務執行状況を監査し、その結果を代表取締役、取締役会及び監査役会に報告している。監査役会と総合監査部並びに会計監査人は、監査計画段階からその日程及び項目について、効果的な監査となるよう打合せを行っている。また、互いの監査結果については、書面にて報告するほか、双方の監査が「実効性のある監査」となるべく、適宜、意見交換を行い、緊密な連携を図っている。
④ 会計監査の状況
イ.監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
ロ.継続監査期間
61年間
ハ.業務を執行した公認会計士
当事業年度において業務を執行した公認会計士の氏名及び監査業務に係る補助者の構成等は次のとおりである。
なお、EY新日本有限責任監査法人は、業務執行社員について、当社の会計監査に一定期間を超えて関与することのないよう措置を取っている。
ニ.監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 6名 その他 20名
ホ.監査法人の選定方針と理由
当社監査役会が、EY新日本有限責任監査法人を会計監査人として選定した理由は、同監査法人は、会計監査人に必要とされる専門性、独立性及び監査品質を有しているとともに、当社及び関係会社の事業環境や事業内容、リスクに精通し、また、期中においても重点監査項目をタイムリーに見直すなど状況の変化に対応した監査を行っており、当社の会計監査が適正かつ妥当に行われることを確保する上で、十分な体制を備えていると判断したためである。
なお、当社監査役会は、会社法第340条に定める監査役会による会計監査人の解任のほか、会計監査人の職務の執行に支障がある場合等、その必要があると判断した場合は、会計監査人の解任または不再任に関する議題を決定し、株主総会に提案することとしている。
ヘ.監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社の監査役及び監査役会は、監査法人に対して評価を行っている。この評価については、当事業年度におけるEY新日本有限責任監査法人の職務の遂行に対して、事業年度を通して会計監査や監査品質維持体制についての報告聴取や監査現場への立会いを行うとともに、社内関係部署から再任に関する意見を聞くことにより、会計監査人としての監査活動の適切性及び妥当性を評価の上、総合的に判断している。
⑤ 監査報酬の内容等
イ.監査公認会計士等に対する報酬
当社における非監査業務の内容は、主に環境情報に対する保証業務等である。
ロ.監査公認会計士等と同一のネットワーク(Ernst&Youngグループ)に属する者に対する報酬(イ.を除く)
当社における非監査業務の内容は、海外における税務申告に関する業務等である。
ハ.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項なし。
ニ.監査報酬の決定方針
該当事項なし。
ホ.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社監査役会は、社内関係部署及び会計監査人からの報告聴取や関連資料の入手を通じて、会計監査人の監査計画の内容、従前の事業年度における職務執行状況や監査報酬の見積算出根拠等を確認した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行っている。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
当社役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針は次のとおりである。
イ.基本方針
取締役及び執行役員(以下、「取締役等」という。)の報酬は、基本報酬(金銭による固定報酬)、個人業績に連動する業績連動報酬(個人業績連動報酬)及び会社業績に連動する業績連動報酬(短期インセンティブ報酬)から成る金銭による業績連動報酬、株式給付信託による業績連動型株式報酬(非金銭)により構成している。社外取締役は、その職務に鑑み、個人別に設定される基本報酬(金銭による固定報酬)のみとし、業績連動報酬(金銭及び非金銭)の対象外としている。監査役の報酬は、固定の金銭報酬のみとしている。
ロ.固定報酬(金銭)の額又はその算定方法の決定方針
固定報酬額は、執行役員の役位ごとに定めた基本報酬に、取締役の責任の重さに見合った取締役加算報酬を加えた報酬額としている。
ハ.業績連動報酬(金銭)に係る業績指標の内容及び額又はその算定方法の決定方針
業績連動報酬(金銭)は、個人業績連動報酬と会社業績に連動する短期インセンティブ報酬により構成している。なお、社外取締役は業績連動報酬(金銭)の対象外としている。
[個人業績連動報酬]
個人が所属する部門あるいは支店の業績等の客観的指標に基づいた評価及び個人の定性的な評価により個人ごとの評価を決定し、固定報酬(金銭)の±10%の変動額を個人業績連動報酬としている。
客観的指標に基づく評価は、将来の売上高の指標となる建設事業の受注高の達成度、現状の収益の指標となる営業利益・営業利益率を各部門あるいは各支店の目標に対する実績の評価、また、工事代金回収率、建設事業における品質・安全への取組み(表彰、生産性向上等の創意工夫による加点、事故・災害による減点、労働災害の度数率・強度率の目標達成度)や子会社の業績(営業利益)を加味して決定している。定性的な評価は、取締役が各取締役等の個人業績を評価し、決定している。
なお、当事業年度における主な客観的指標の目標は、個別の建設事業の受注高5,400億円、営業利益315億円、営業利益率5.5%で、実績は、建設事業の受注高5,922億円、営業利益263億円、営業利益率4.7%であった。
[短期インセンティブ報酬]
短期インセンティブ報酬は、役位ごとに定めた基準金額に、会社業績評価係数、営業利益係数、ROE(自己資本利益率)係数、配当性向係数を乗じた年次インセンティブ係数を乗じて評価している。年次インセンティブ係数は、2019年度の業績に基づく係数を基準に評価する。
会社業績評価係数は、個人業績連動報酬の評価と同じ方法で、会社業績に対する目標達成度等による客観評価、取締役各個人の定性評価の平均値、及び期末株価の期初からの変動を日経平均並びに同業主要会社の変動と比較して評価する株価評価に基づいて決定している。営業利益係数は、基準年度(2019年度)の連結営業利益額に対する当該年度の連結営業利益額の倍率で、ROE係数は10%以上を1.0、5%未満を0とし、配当性向係数は配当性向30%以上を1.0、無配を0として評価している。ROE及び配当性向が中期経営計画の目標に合わせて設定された基準値を超えた時は1.0、またROEが5%以下や無配になった場合には0となり、短期インセンティブ報酬がゼロとなるよう設定している。
ニ.業績連動報酬(非金銭)の内容、及び額若しくはポイント数又はその算定方法の決定方針
株式給付信託による業績連動型株式報酬としている。役位ごとに定めたポイントに、個人業績連動報酬と同じ方法で、会社業績に対して評価した全社評価係数、個人の定性的な評価による個人評価係数、3年ごとに見直す基準株価に対する基準株価係数を乗じて、取締役等に付与するポイントを年度ごとに決定している。なお、2021年度からは社外取締役は業績連動型株式報酬(非金銭)の対象外としている。
ホ.金銭報酬の額、業績連動報酬等の額または非金銭報酬等の額の取締役の個人別の報酬等の額に対する割合の決定に関する方針
報酬額全体における固定報酬(金銭)、業績連動報酬(金銭)、業績連動報酬(非金銭)の割合は概ね以下のとおりとしている。
固定報酬(金銭) 65%
業績連動報酬(金銭) 25%
業績連動報酬(非金銭) 10%
ヘ.取締役に対し報酬等を与える時期又は条件の決定方針
固定報酬(金銭)及び業績連動報酬(金銭)のうち個人業績連動報酬は毎月支給する。
業績連動報酬(金銭)のうち短期インセンティブ報酬は毎年7月に支給する。
業績連動報酬(非金銭)は、在任中ポイントを累積し、取締役等の退任時、累積ポイントに基づき当社株式(うち一定部分は当社株式を時価で換算した金額相当の金銭)を支給する。なお、給付額は退任事由及び給付時の株価によって変動する。
ト.取締役の個人別の報酬等の内容についての決定方針
代表取締役が、個人別の役員報酬案を社外取締役全員と若干名の取締役により構成された人事委員会(委員長は社外取締役)に諮問し、人事委員会は、審議、検討結果を代表取締役に答申する。答申結果を踏まえ取締役会で決議している。
取締役の個人別の報酬等の内容については、上記の手続きを経て決定されることから、取締役会はその内容が決定方針に沿うものであると判断している。
また、2021年6月25日開催の第71期定時株主総会において、金銭による固定報酬及び業績連動報酬の限度額は年額600百万円以内、株式給付信託による業績連動報酬(非金銭)については、給付株式の上限を3事業年度ごとに55万株(うち取締役17万株)、信託の拠出上限額を3事業年度ごとに550百万円(うち取締役170百万円)と決議しており、その範囲内で各役員の固定報酬及び業績連動報酬を取締役会で決議している。
(業績連動型株式報酬制度の詳細については、「第4 提出会社の状況 1株式等の状況(8)役員・従業員株式所有制度の内容」を参照)
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
当事業年度における当社の取締役及び監査役に対する役員報酬は次のとおりである。
(注) 株式報酬は、当事業年度中の支給額及び役員株式給付引当金の繰入額である。
なお、給付時期は取締役または執行役員退任時とし、給付額は退任事由及び給付時の株価によって変動する。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とした株式の保有は行っていない。上場株式の保有に当たっては、投資先企業との良好な取引関係の維持・強化等により、相互の企業価値向上につながると判断した場合に限り、投資株式の保有を行っている。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社取締役会では、上場株式の保有に当たっては、投資企業との良好な取引関係の維持・強化等により、相互の企業価値向上につながるかといった観点から、総合的に判断することとしている。
保有株式については、毎年6月、銘柄ごとに、投資先企業の財政状態、経営成績、株価及び配当の状況並びに過去3年間の取引状況及び将来の計画を確認し、保有目的、保有に伴う便益やリスク及び資本コストと見合っているか等について、取締役会にて保有の適否を具体的に検証し判断しているが、保有リスクの抑制や資本の効率性の観点から、取引企業との十分な対話を経た上で、段階的に削減を進める。
当事業年度においては、上記方針のもと、2023年6月6日及び2023年12月18日に開催された取締役会にて個別銘柄ごとに検証を行い、投資株式8銘柄を売却している。
ロ.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
ハ.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注)1 特定投資株式の京浜急行電鉄㈱の株式以下は、貸借対照表計上額が資本金額の100分の1以下であるが、当事業年度において提出会社が保有する特定投資株式とみなし保有株式を合わせて60銘柄に満たないため、全銘柄について記載している。
2 銘柄ごとの定量的な保有効果については、取引先との関係等を考慮し開示を控えているが、保有の合理性は、上記「イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載の方法により検証を行っている。
3 当社株式の保有の有無については、銘柄が持株会社の場合はその主要な子会社の保有分を勘案して記載している。
みなし保有株式
(注)1 みなし保有株式の㈱トクヤマの株式以下は、貸借対照表計上額が資本金額の100分の1以下であるが、当事業年度において提出会社の保有する特定投資株式とみなし保有株式を合わせて60銘柄に満たないため、全銘柄について記載している。
2 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算していない。
3 銘柄ごとの定量的な保有効果については、取引先との関係等を考慮し開示を控えているが、保有の合理性は、上記「イ.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容」に記載の方法により検証を行っている。
4 当社株式の保有の有無については、銘柄が持株会社の場合はその主要な子会社の保有分を勘案して記載している。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に準拠して作成し、「建設業法施行規則」(昭和24年建設省令第14号)に準じて記載している。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)第2条の規定に基づき、同規則及び「建設業法施行規則」(昭和24年建設省令第14号)により作成している。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けている。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みについて
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組みを行っている。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、または会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、各種セミナーに参加している。
また、一般社団法人日本建設業連合会の会計・税制委員会へ参加し、建設業における会計基準等の動向等について適宜把握に努めている。
1 【連結財務諸表等】
(1)【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
②【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1 連結の範囲に関する事項
イ.連結子会社の数 30社
連結子会社名は、「第1企業の概況 4関係会社の状況」に記載のとおり。
ロ.非連結子会社の数 1社
天保山ターミナルサービス㈱
(連結の範囲から除いた理由)
非連結子会社は、総資産、売上高、当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等からみて、いずれも連結財務諸表に及ぼす影響が軽微であるため、連結の範囲から除外している。
2 持分法の適用に関する事項
イ.持分法を適用した関連会社数
関連会社 1社
関連会社名は、「第1企業の概況 4関係会社の状況」に記載のとおり。
ロ.持分法非適用の非連結子会社・関連会社
非連結子会社 1社
関連会社 7社
主な関連会社名は、「第1企業の概況 4関係会社の状況」に記載のとおり。
(持分法の適用範囲から除いた理由)
当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等からみて、持分法の対象から除いても連結財務諸表に及ぼす影響が軽微であり、かつ、全体としても重要性がないため、持分法適用の範囲から除外している。
3 連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社のうち、在外連結子会社2社の決算日は12月31日である。連結財務諸表作成に当たっては、同決算日現在の財務諸表を使用している。ただし、1月1日から連結決算日3月31日までの期間に発生した重要な取引については連結上必要な調整を行っている。
上記以外の連結子会社28社の決算日は、連結財務諸表提出会社と同一である。
4 会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
①有価証券
満期保有目的の債券
償却原価法(定額法)
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定している)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
②デリバティブ
時価法
③棚卸資産
未成工事支出金等
個別法による原価法
棚卸不動産
個別法による原価法
ただし、未成工事支出金等に含まれる材料貯蔵品については先入先出法による原価法によっている。なお、未成工事支出金を除く棚卸資産の連結貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定している。
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
①有形固定資産(リース資産を除く)
当社及び国内連結子会社は、主として定率法を採用している。ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については定額法によっている。
在外連結子会社は主に定額法を採用している。
なお、耐用年数及び残存価額は主として法人税法の定めと同一の基準によっている。
②無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用している。なお、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法を採用している。
③リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用している。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用している。
(3) 重要な引当金の計上基準
①貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については過去の貸倒実績率を基礎とした将来の貸倒損失の発生見込率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上している。
②完成工事補償引当金
完成工事に係る契約不適合責任により要する費用に備えるため、過去の実績をもとに将来の補償見込を加味して計上している。
③賞与引当金
従業員に対して支給する賞与の支出に備えるため、当連結会計年度末における支給見込額に基づき計上している。
④工事損失引当金
当連結会計年度末手持工事のうち、損失の発生が見込まれるものについて将来の損失に備えるため、その損失見込額を計上している。
⑤役員株式給付引当金
役員株式給付規程に基づく取締役及び執行役員に対する将来の当社株式の給付に備えるため、当連結会計年度末における株式給付債務の見込額を計上している。
(4) 退職給付に係る会計処理の方法
①退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当連結会計年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっている。
②数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用は全額発生時の損益として計上することとしており、各連結会計年度の数理計算上の差異は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数(10年)による定額法により、それぞれの発生年度の翌連結会計年度から費用処理することとしている。
③小規模企業等における簡便法の採用
一部の連結子会社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算に、退職給付に係る期末自己都合要支給額を退職給付債務とする方法を用いた簡便法を適用している。
(5) 重要な収益及び費用の計上基準
主要な事業である建設事業においては、顧客との工事請負契約に基づき、目的物の完成及び顧客に引渡す義務を負っている。
当該履行義務は、主として工事の進捗に伴い支配を顧客に移転することとなるため、一定の期間にわたり充足されると判断しており、履行義務の充足に係る進捗度に基づき、一定の期間にわたり収益を認識している。
履行義務の充足に係る進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価総額に占める割合に基づいて行っている。
履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないが、発生する費用を回収することが見込まれる場合は、原価回収基準にて収益を認識することとしている。なお、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い工事については、代替的な取扱いを適用し、一定期間にわたり収益を認識せず、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識している。
(6) 重要なヘッジ会計の方法
①ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用している。なお、金利スワップについては、特例処理の要件を満たしている場合は特例処理を採用している。
②ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段
金利スワップ取引、為替予約取引
ヘッジ対象
長期借入金、外貨建金銭債権債務(予定取引を含む)
③ヘッジ方針
特定の金融資産・負債を対象に為替変動リスク及び金利変動リスクを回避するためにデリバティブ取引を行っている。
④ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ取引は、主として当社で行っており、取引の目的、実行及び管理等を明確にした社内規則(金融派生商品取引に関する実施規則)に則して、社内の金融派生商品取引検討会及び財務部にて定期的にヘッジ有効性を評価している。ただし、特例処理によっている金利スワップについては、有効性の評価を省略している。
(7) のれんの償却方法及び償却期間
のれんは、発生年度以降20年以内で、その効果の及ぶ期間にわたって均等償却している。
(8) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなる。
(9) その他連結財務諸表作成のための重要な事項
①繰延資産の処理方法
社債発行費
支出時に全額費用処理している。
②関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続
共同企業体による受注工事の会計処理
共同企業体において発生する資産、負債、収益及び費用は、主として当社出資比率に応じて連結財務諸表に含めて表示している。
(重要な会計上の見積り)
(重要な収益及び費用の計上基準)
主要な事業である建設事業においては、顧客との工事請負契約に基づき、目的物の完成及び顧客に引渡す義務を負っている。
当該履行義務は、主として工事の進捗に伴い支配を顧客に移転することとなるため、一定の期間にわたり充足されると判断しており、履行義務の充足に係る進捗度に基づき、一定の期間にわたり収益を認識している。
一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による完成工事高は、工事収益総額に工事進捗度を乗じて算定される。工事収益総額は契約書等を締結済みの金額と、契約書等がまだ締結されていない顧客との間で実質的に合意した金額として見積った金額の合計として算定される。工事進捗度の測定は各報告期間の期末日までに発生した工事原価が予想される工事原価総額に占める割合に基づいて行っている。
また、工事請負契約について、工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、その超過すると見込まれる額のうち、当該工事請負契約に関して既に計上された損益の額を控除した残額を工事損失引当金に計上している。
なお、当連結会計年度においては、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による完成工事高585,229百万円、工事損失引当金8,699百万円を計上している。また、前連結会計年度においては、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による完成工事高472,201百万円、工事損失引当金11,103百万円を計上していた。
(1)工事収益総額
工事の進行途上において顧客との新たな合意によって工事契約の変更が行われることがあるが、その変更金額が工事契約の変更の都度決まらない場合がある。このため、契約書等がまだ締結されていない工事契約の変更を工事収益総額に含める場合、対価の変更について、当事者間での実質的な合意及び合意の内容に基づく対価の額の信頼性をもった見積りが必要となる。
実質的な合意の判断及び対価の額の見積りは、顧客との協議状況を踏まえて行われることから、主観性を伴い不確実性を伴うものとなる。
(2)工事原価総額
工事は個別性が強く、基本的な仕様や作業内容が顧客の指図に基づいて行われることから、工事原価総額の見積りにおいて画一的な判断尺度を得られにくい。このため、工事原価総額の見積りは、工事に対する専門的な知識と施工経験に基づいた一定の仮定と判断を伴い不確実性を伴うものとなる。
また、工事は一般に長期にわたることから、工事の進行途上における工事契約の変更、気象・海象条件の変化、建設資材単価や労務単価等の変動が生じる場合があり、工事原価総額の適時・適切な見直しには複雑性が伴う。
上記のとおり、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による完成工事高及び完成工事原価の計上は様々な仮定に基づいており、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する完成工事高、完成工事原価等に重要な影響を与える可能性がある。
(表示方法の変更)
(連結損益計算書関係)
前連結会計年度において営業外費用の「その他」に含めて表示していた「貸倒引当金繰入額」は、営業外費用の総額の100分の10を超えたため、当連結会計年度より独立掲記している。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前連結会計年度の連結損益計算書において営業外費用の「その他」に表示していた376百万円は、「貸倒引当金繰入額」として組替えている。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
1 前連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示していた「預り金の増減額(△は減少)」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記している。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」に表示していた12,466百万円は、「預り金の増減額(△は減少)」として組替えている。
2 前連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示していた「コマーシャル・ペーパーの純増減額(△は減少)」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記している。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に表示していた△0百万円は、「コマーシャル・ペーパーの純増減額(△は減少)」として組替えている。
(追加情報)
(取締役及び執行役員に対する業績連動型株式報酬制度)
1 取引の概要
当社は、取締役及び執行役員(以下「取締役等」という。)を対象に業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))」(以下「本制度」という。)を2017年度から導入している。本制度は、取締役等の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性をより明確にし、取締役等が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも株主の皆様と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的としている。
本制度は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が本制度に基づき設定される信託(以下「本信託」という。)を通じて取得され、取締役等に対して、当社が定める役員株式給付規程に従って、当社株式及び当社株式を時価で換算した金額相当の金銭(以下「当社株式等」という。)が本信託を通じて給付される業績連動型株式報酬制度である。なお、取締役等が当社株式等の給付を受ける時期は、原則として取締役等の退任時となる。
2 信託に残存する当社の株式
信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により、純資産の部に自己株式として計上している。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、前連結会計年度419百万円(644,700株)、当連結会計年度681百万円(945,400株)である。
(連結貸借対照表関係)
1 ※2 受取手形・完成工事未収入金等のうち、顧客との契約から生じた債権及び契約資産の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)3 (1)契約資産及び契約負債の残高等」に記載している。
2 ※4 未成工事支出金等の内訳
3 ※5 棚卸不動産の内訳
4 ※6 このうち非連結子会社及び関連会社に対する金額は、次のとおりである。
5 下記資産は、住宅建設瑕疵担保保証等の担保に供している。
6 保証債務
下記の相手先の手付金等保証契約に対して保証を行っている。
7 ※4※8 損失の発生が見込まれる工事契約に係る未成工事支出金と工事損失引当金は、相殺せずに両建てで表示している。
損失の発生が見込まれる工事契約に係る未成工事支出金のうち、工事損失引当金に対応する額
8 当社は、必要資金の機動的な調達を可能にするため取引銀行8行と融資枠200億円のコミットメントライン契約を締結している。
連結会計年度末におけるコミットメントライン契約に係る借入未実行残高は、次のとおりである。
9 ※9※10 土地の再評価に関する法律(平成10年3月31日公布法律第34号)及び土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律(平成11年3月31日公布法律第24号)に基づき事業用の土地の再評価を行い、当該評価差額に係る税金相当額を「再評価に係る繰延税金負債」として負債の部に計上し、これを控除した金額を「土地再評価差額金」として純資産の部に計上している。
・再評価を行った日 2000年3月31日
・再評価の方法 土地の再評価に関する法律施行令(平成10年3月31日公布政令第119号)第2条第4号に定める路線価に基づき、奥行価格補正等の合理的な調整を行って算出した他、第5号に定める鑑定評価等に基づいて算出している。
10 連結会計年度末日満期手形
連結会計年度末日満期手形の会計処理については、手形交換日をもって決済処理している。なお、当連結会計年度の末日は金融機関の休業日であったため、次の期末日満期手形が当連結会計年度末残高に含まれている。
(連結損益計算書関係)
1 ※1 顧客との契約から生じる収益
売上高については、顧客との契約から生じる収益及びそれ以外の収益を区分して記載していない。顧客との契約から生じる収益の金額は、連結財務諸表「注記事項(セグメント情報等)3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報」に記載している。
2 ※2 売上原価に含まれる工事損失引当金繰入額
3 ※3 期末棚卸高は収益性の低下に伴う簿価切下げ後の金額であり、次の棚卸資産評価損(△戻入益)が売上原価に含まれている。
4 ※4 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりである。
5 一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費の総額
6 ※5 固定資産売却益の内訳は次のとおりである。
7 ※6 減損損失
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項なし。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度において、当社グループは以下の資産について減損損失を計上した。
当社グループは、原則として、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分(会社、支店、各事業)を単位としてグルーピングしており、遊休資産については個別資産ごとにグルーピングしている。
当社の連結子会社であるUG M&E社に係るのれんについて、株式取得時において想定していた収益が見込めなくなったことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を「減損損失」として特別損失に計上している。なお、回収可能価額は使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを10.55%で割り引いて算定している。
8 ※7 固定資産除却損の内訳は次のとおりである。
9 ※8 特別損失の「その他」の内訳は次のとおりである。
10 ※8 特別損失の「その他」に含まれる固定資産売却損の内訳は次のとおりである。
(連結包括利益計算書関係)
※1 その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注)1 当連結会計年度末の普通株式の自己株式数には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式644千株が含まれている。
2 (変動事由の概要)
増加は、単元未満株式の買取りによる増加である。
減少は、株式給付信託(BBT)による当社株式の給付による減少である。
2 新株予約権等に関する事項
該当事項なし。
3 配当に関する事項
(1)配当金支払額
(注)2022年6月24日開催の定時株主総会決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金16百万円が含まれている。
(2)基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注)2023年6月27日開催の定時株主総会決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金15百万円が含まれている。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注)1 当連結会計年度末の普通株式の自己株式数には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式945千株が含まれている。
2 (変動事由の概要)
増加は、単元未満株式の買取りによる増加0千株及び株式給付信託(BBT)による当社株式の取得による増加365千株である。
減少は、株式給付信託(BBT)による当社株式の給付による減少である。
2 新株予約権等に関する事項
該当事項なし。
3 配当に関する事項
(1)配当金支払額
(注)2023年6月27日開催の定時株主総会決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金15百万円が含まれている。
(2)基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注)2024年6月25日開催の定時株主総会決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)が保有する当社株式に対する配当金22百万円が含まれている。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※1 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に記載されている科目の金額との関係
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当社グループは、資金運用については短期的な預金等に限定し、また、資金調達については社債及び銀行借入等によっている。デリバティブは、後述するリスクを回避するために利用しており、投機目的のデリバティブ取引は行わない。
(2)金融商品の内容及びリスク並びにリスク管理体制
営業債権である受取手形・完成工事未収入金等は、顧客の信用リスクに晒されているが、当社グループの内部管理規程に従って、リスク低減を図っている。また、外貨建のものは為替の変動リスクに晒されているが、外貨建の営業債務をネットしたポジションについて先物為替予約を利用してヘッジしている。
有価証券及び投資有価証券は、主に株式及び満期保有目的の債券であり、市場価格の変動リスク等に晒されているが、定期的に時価や発行体の財務状況等の把握を行っている。
未収入金は、主に工事に係る立替金や労災保険料還付未収入金等の営業取引に基づいて発生した受取手形・完成工事未収入金等以外の債権であり、一部、相手先の信用リスクに晒されているが、そのほとんどが短期的に回収するものであり、月次で残高管理を行っている。
営業債務である工事未払金等は、そのほとんどが1年以内の支払期日である。
社債、借入金及びコマーシャル・ペーパーは、主に運転資金及び設備投資に係る資金調達であり、変動金利のものは金利変動リスクに晒されているが、このうち長期借入金については支払金利の変動リスクを回避し支払利息の固定化を図る目的で、主として個別契約ごとに金利スワップ取引を利用してヘッジしている。
営業債務や社債、借入金は、資金調達に係る流動性リスクに晒されているが、月次に資金計画を作成するなどの方法により管理している。
デリバティブ取引の執行・管理については、取引の目的・実行及び管理を明確にした内部管理規程に従って行っている。なお、ヘッジの有効性の評価の方法は、先物為替予約については内部管理規程に従って定期的に有効性を評価しているほか、金利スワップ取引については特例処理の要件を満たしているため有効性の評価を省略している。
(3)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することもある。また、「デリバティブ取引関係」注記におけるデリバティブ取引に関する契約額等については、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではない。
2 金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりである。「現金預金」、「未収入金」、「工事未払金等」、「コマーシャル・ペーパー」並びに「短期借入金」は、現金であること、及び短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略している。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(※1)市場価格のない株式等は「(2)有価証券及び投資有価証券」には含まれていない。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりである。
(※2)社債には1年内償還予定の社債も含まれており、また、長期借入金には1年以内返済予定の長期借入金も含まれている。
(※3)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示している。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(※1)市場価格のない株式等は「(2)有価証券及び投資有価証券」には含まれていない。当該金融商品の連結貸借対照表計上額は以下のとおりである。
(※2)長期借入金には1年以内返済予定の長期借入金も含まれている。
(※3)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示している。
(注1)金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注2)社債、長期借入金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類している。
レベル1の時価:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した時価
レベル2の時価:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:重要な観察できないインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類している。
(1)時価で連結貸借対照表に計上している金融商品
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(2)時価で連結貸借対照表に計上している金融商品以外の金融商品
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注)時価の算定に用いた評価技法及びインプットの説明
有価証券及び投資有価証券
上場株式及び国債は、相場価格を用いて評価している。上場株式及び国債は活発な市場で取引されているため、その時価をレベル1の時価に分類している。
デリバティブ取引
デリバティブ取引の時価については、取引先金融機関から提示された価格等に基づき算定しており、レベル2の時価に分類している。
なお、金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載している(下記「長期借入金」参照)。
受取手形・完成工事未収入金等
これらの時価については、一定期間ごとに区分した債権ごとに債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値により算定しており、レベル2の時価に分類している。
社債
当社の発行する社債の時価は、市場価格に基づき算定している。社債の公正価値は、市場価格があるものの活発な市場で取引されているわけではないため、レベル2の時価に分類している。
長期借入金
長期借入金の時価については、元利金の合計額を同様の新規発行・借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定しており、レベル2の時価に分類している。変動金利による長期借入金は、主として金利スワップの特例処理の対象とされており(上記「デリバティブ取引」参照)、当該金利スワップと一体として処理された元利金の合計額を、同様の借入を行った場合に適用される合理的に見積られる利率で割り引いて算定する方法によっている。
(有価証券関係)
1 満期保有目的の債券
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
2 その他有価証券
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
3 連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(デリバティブ取引関係)
1 ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
(1)通貨関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
該当事項なし。
2 ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引
(1)通貨関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(2)金利関連
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注)金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載している。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注)金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該長期借入金の時価に含めて記載している。
(退職給付関係)
1 採用している退職給付制度の概要
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用している。
確定給付企業年金制度(すべて積立型制度で、当社のみが採用している。)では、キャッシュ・バランス・プランを導入している。当該制度では、加入者ごとに積立額及び年金額の原資に相当する仮想個人勘定を設ける。仮想個人勘定には、主として市場金利の動向に基づく利息クレジットと、等級と評価に基づく拠出クレジットを累積する。また、確定給付企業年金制度には、退職給付信託が設定されている。
退職一時金制度(非積立型制度であるが、退職給付信託を設定した結果、積立型制度となっているものがある。)では、退職給付として、等級と評価に基づいた一時金を支給する。
なお、一部の連結子会社が有する退職一時金制度は、簡便法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算している。
2 確定給付制度
(1) 退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表
(百万円)
(2) 年金資産の期首残高と期末残高の調整表
(百万円)
(3) 退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産の調整表
(百万円)
(4) 退職給付費用及びその内訳項目の金額
(百万円)
(注)簡便法を採用している連結子会社の退職給付費用は、「勤務費用」に計上している。
(5) 退職給付に係る調整額
退職給付に係る調整額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりである。
(百万円)
(6) 退職給付に係る調整累計額
退職給付に係る調整累計額に計上した項目(税効果控除前)の内訳は次のとおりである。
(百万円)
(7) 年金資産に関する事項
①年金資産の主な内訳
年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりである。
(注)年金資産合計には、企業年金制度に対して設定した退職給付信託が前連結会計年度11%、当連結会計年度13%含まれている。
②長期期待運用収益率の設定方法
年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮している。
(8) 数理計算上の計算基礎に関する事項
主要な数理計算上の計算基礎
3 確定拠出制度
連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は、前連結会計年度17百万円、当連結会計年度20百万円である。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社及び一部の国内連結子会社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っている。
(資産除去債務関係)
重要性が乏しいため、記載を省略している。
(収益認識関係)
1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報
顧客との契約から生じる収益を分解した情報は、「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりである。
2 顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
主要な事業である建設事業について、契約及び履行義務に関する情報及び履行義務の充足時点に関する情報は、「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 (5)重要な収益及び費用の計上基準」に記載のとおりである。
取引価格は、工事請負契約額に契約変更及び変動対価の額を加減して算定している。契約変更及び変動対価の額の見積りに当たっては、発生し得ると考えられる対価の額における最も可能性の高い単一の金額による方法によっている。なお、契約変更及び変動対価の額は、これらの額に関する不確実性が事後的に解消される際に、解消される時点までに計上された収益の著しい減額が発生しない可能性が高い部分に限り、取引価格に含めている。
また、顧客との契約にインフレスライド条項が定められており、これに該当する場合は、当該金額を見積って取引価格を加減している。
取引の対価は、主として、工事施工期間中に複数回に分けて、あるいは、工事の進捗に応じて受領しており、重要な金融要素は含んでいない。
取引価格を履行義務へ配分する際には、各履行義務の充足に要するコスト等を基に見積った独立販売価格の比率により配分している。
3 顧客との契約に基づく履行義務の充足と当該契約から生じるキャッシュ・フローとの関係並びに当連結会計年度末において存在する顧客との契約から翌連結会計年度以降に認識すると見込まれる収益の金額及び時期に関する情報
(1)契約資産及び契約負債の残高等
(単位:百万円)
建設事業の支払条件は、請負契約毎に異なるため、履行義務の充足との関連性に乏しいが、主として、工事施工期間中に複数回に分けて、あるいは、履行義務の充足に応じて支払われる。
契約資産は、期末日時点で履行義務を充足しているが、請求期限が到来していない対価の額であり、収益の認識に伴って増加し、顧客に対して対価の額を請求した時点で顧客との契約から生じた債権に振り替えられる。また、工事収益総額や工事原価総額の見積り等の見直しに伴い増加又は減少する。
契約負債は、主に顧客からの前受金に関連するものであり、顧客への前受金等の請求に伴って増加し、収益の認識に伴って、売上高へ振り替えられる。
前連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は23,743百万円である。また、当連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は46,748百万円である。
なお、連結貸借対照表上、契約資産及び顧客との契約から生じた債権は「受取手形・完成工事未収入金等」に含めて表示しており、契約負債は「未成工事受入金」として表示している。
(2)残存履行義務へ配分した取引価格
前連結会計年度末において建設事業に係る残存履行義務に配分した取引価格の総額は1,227,870百万円である。また、当連結会計年度末において建設事業に係る残存履行義務に配分した取引価格の総額は1,224,720百万円である。当社は残存履行義務について、履行義務の充足につれて、概ね、今後1年から3年の間でほとんどすべて収益を認識することを見込んでいる。
なお、残存履行義務に配分した取引価格の総額には、契約変更及び変動対価の見積り額を含んでいる。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものである。
当社は、当社の主たる事業である建設事業について市場を基礎として「国内土木事業」「国内建築事業」「海外建設事業」及び「その他事業」の4事業セグメントにより構成されている。また、子会社及び関連会社は、それぞれ1事業セグメントを構成しており、主として当社の各事業セグメントに関連して、建設事業及びこれに伴う建設資材の販売や機器リース、並びに造船事業等の事業活動を展開している。
従って、当社グループは「国内土木事業」「国内建築事業」「海外建設事業」を報告セグメントとしている。
各報告セグメントの概要は以下のとおりである。
・国内土木事業:国内における土木工事の請負及びこれに付帯する事業
・国内建築事業:国内における建築工事の請負及びこれに付帯する事業
・海外建設事業:海外における土木工事並びに建築工事の請負及びこれに付帯する事業
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」における記載と概ね同一である。報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値である。セグメント間の内部売上高及び振替高は市場実勢価格に基づいている。なお、当社グループは事業セグメントに資産を配分していない。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、国内開発事業、造船事業、事務機器等のリース事業、保険代理店事業及び環境関連事業等を含んでいる。
2.セグメント利益又は損失(△)の調整額は、セグメント間取引消去である。
3.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っている。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、国内開発事業、造船事業、事務機器等のリース事業、保険代理店事業及び環境関連事業等を含んでいる。
2.セグメント利益又は損失(△)の調整額は、セグメント間取引消去である。
3.セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っている。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
「セグメント情報」に同様の情報を開示しているため、記載を省略している。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類している。
2 東南アジアのうち、シンガポールは71,028百万円である。
(2) 有形固定資産
(注) 東南アジアのうち、シンガポールは12,990百万円である。
3 主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
「セグメント情報」に同様の情報を開示しているため、記載を省略している。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(注)1 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類している。
2 東南アジアのうち、シンガポールは89,591百万円である。
(2) 有形固定資産
(注) 東南アジアのうち、シンガポールは12,918百万円である。
3 主要な顧客ごとの情報
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項なし。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
報告セグメントに配分された減損損失はない。
なお、報告セグメントに配分されていない減損損失の金額及び内容は、連結財務諸表「注記事項(連結損益計算書関係)」に同様の情報を開示しているため、記載を省略している。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注)のれんについて、減損損失892百万円を計上している。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項なし。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項なし。
【関連当事者情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項なし。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項なし。
(1株当たり情報)
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載していない。
2.1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、以下のとおりである。
株式給付信託(BBT)が保有する当社株式を、1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めている。
なお、自己株式の期中平均株式数は、前連結会計年度868千株、当連結会計年度1,026千株であり、このうち株式給付信託(BBT)が保有する当社株式の期中平均株式数は、前連結会計年度657千株、当連結会計年度814千株である。
3.1株当たり純資産額の算定上の基礎は、以下のとおりである。
株式給付信託(BBT)が保有する当社株式を、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式総数から控除する自己株式に含めている。
なお、自己株式の期末株式数は、前連結会計年度856千株、当連結会計年度1,157千株であり、このうち株式給付信託(BBT)が保有する当社株式の期末株式数は、前連結会計年度644千株、当連結会計年度945千株である。
(重要な後発事象)
自己株式の取得
当社は、2024年5月10日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項について決議し、自己株式取得を実施した。
(1)自己株式取得を行う理由 株主還元の充実及び資本効率の向上を図るため
(2)取得に係る事項の内容
①取得対象株式の種類 当社普通株式
②取得し得る株式の総数 3,300,000株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合1.1%)
③株式の取得価額の総額 20億円(上限)
④取得期間 2024年5月13日~2024年8月30日
⑤取得方法 東京証券取引所における市場買付
(3)取得結果
①取得した株式の種類 当社普通株式
②取得した株式の総数 1,500,000株
③取得した株式の総額 983,875,650円
④取得日 2024年5月15日から2024年5月31日まで(約定ベース)
⑤取得方法 東京証券取引所における市場買付
⑤ 【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注)1 「当期末残高」の欄の(内書)は、1年内償還予定の金額である。
2 連結決算日後5年内における1年ごとの償還予定額の総額
【借入金等明細表】
(注)1 「平均利率」は、各借入金の当期末残高に対する加重平均利率を記載している。
なお、リース債務の「平均利率」については、リース料総額に含まれる利息相当額を控除する前の金額でリース債務を連結貸借対照表に計上しているため、記載していない。
2 長期借入金及びリース債務(1年以内に返済予定のものを除く)の連結決算日後5年内における返済予定額は以下のとおりである。
【資産除去債務明細表】
当連結会計年度末における資産除去債務の金額が、当連結会計年度末における負債及び純資産の合計額の100分の1以下であるため、記載を省略している。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
【完成工事原価報告書】
(注) 1 原価計算の方法は、個別原価計算である。
2 「経費」には、工事損失引当金繰入額及び戻入額を含めて表示している。
【その他の売上原価報告書】
(注) 原価計算の方法は、個別原価計算である。
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 満期保有目的の債券
償却原価法(定額法)
(2) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
(3) その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定している)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2 デリバティブ等の評価基準及び評価方法
デリバティブ
時価法
3 棚卸資産の評価基準及び評価方法
(1) 未成工事支出金
個別法による原価法
(2) 棚卸不動産
個別法による原価法
(3) 材料貯蔵品
先入先出法による原価法
なお、未成工事支出金を除く棚卸資産の貸借対照表価額は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定している。
4 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定率法を採用している。ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については定額法によっている。なお、耐用年数及び残存価額は法人税法の定めと同一の基準によっている。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用している。なお、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法を採用している。
(3) リース資産
所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産
自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用している。
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用している。
5 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については過去の貸倒実績率を基礎とした将来の貸倒損失の発生見込率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上している。
(2) 完成工事補償引当金
完成工事に係る契約不適合責任により要する費用に備えるため、過去の実績をもとに将来の補償見込を加味して計上している。
(3) 賞与引当金
従業員に対して支給する賞与の支出に備えるため、当事業年度末における支給見込額に基づき計上している。
(4) 工事損失引当金
当事業年度末手持工事のうち、損失の発生が見込まれるものについて将来の損失に備えるため、その損失見込額を計上している。
(5) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、当事業年度末において発生していると認められる額を計上している。
退職給付引当金及び退職給付費用の処理方法は次のとおりである。
①退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっている。
②数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用は全額発生時の損益として計上することとしており、各事業年度の数理計算上の差異は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定年数(10年)による定額法により、それぞれの発生年度の翌事業年度から費用処理することとしている。
なお、年金資産の額が退職給付債務に未認識数理計算上の差異を加減した額を超過している場合には、前払年金費用(投資その他の資産「その他」)として計上している。
(6) 役員株式給付引当金
役員株式給付規程に基づく取締役及び執行役員に対する将来の当社株式の給付に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額を計上している。
6 収益及び費用の計上基準
主要な事業である建設事業においては、顧客との工事請負契約に基づき、目的物の完成及び顧客に引渡す義務を負っている。
当該履行義務は、主として工事の進捗に伴い支配を顧客に移転することとなるため、一定の期間にわたり充足されると判断しており、履行義務の充足に係る進捗度に基づき、一定の期間にわたり収益を認識している。
履行義務の充足に係る進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価総額に占める割合に基づいて行っている。
履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないが、発生する費用を回収することが見込まれる場合は、原価回収基準にて収益を認識することとしている。なお、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い工事については、代替的な取扱いを適用し、一定期間にわたり収益を認識せず、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識している。
7 ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用している。なお、金利スワップについては、特例処理の要件を満たしている場合は特例処理を採用している。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段
金利スワップ取引、為替予約取引
ヘッジ対象
長期借入金、外貨建金銭債権債務(予定取引を含む)
(3) ヘッジ方針
特定の金融資産・負債を対象に為替変動リスク及び金利変動リスクを回避するためにデリバティブ取引を行っている。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ取引は、取引の目的、実行及び管理等を明確にした社内規則(金融派生商品取引に関する実施規則)に則して、社内の金融派生商品取引検討会及び財務部にて定期的にヘッジ有効性を評価している。ただし、特例処理によっている金利スワップについては、有効性の評価を省略している。
8 その他財務諸表作成のための基礎となる事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異の会計処理方法は、連結財務諸表における会計処理の方法と異なっている。
(2) 繰延資産の処理方法
社債発行費は、支出時に全額費用として処理している。
(2) 関連する会計基準等の定めが明らかでない場合に採用した会計処理の原則及び手続
共同企業体による受注工事の会計処理
共同企業体において発生する資産、負債、収益及び費用は、主として当社出資比率に応じて財務諸表に含めて表示している。
(重要な会計上の見積り)
(重要な収益及び費用の計上基準)
主要な事業である建設事業においては、顧客との工事請負契約に基づき、目的物の完成及び顧客に引渡す義務を負っている。
当該履行義務は、主として工事の進捗に伴い支配を顧客に移転することとなるため、一定の期間にわたり充足されると判断しており、履行義務の充足に係る進捗度に基づき、一定の期間にわたり収益を認識している。
一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による完成工事高は、工事収益総額に工事進捗度を乗じて算定される。工事収益総額は契約書等を締結済みの金額と、契約書等がまだ締結されていない顧客との間で実質的に合意した金額として見積った金額の合計として算定される。工事進捗度の測定は各報告期間の期末日までに発生した工事原価が予想される工事原価総額に占める割合に基づいて行っている。
また、工事請負契約について、工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、その超過すると見込まれる額のうち、当該工事請負契約に関して既に計上された損益の額を控除した残額を工事損失引当金に計上している。
なお、当事業年度においては、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による完成工事高551,996百万円、工事損失引当金7,922百万円を計上している。また、前事業年度においては、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による完成工事高450,485百万円、工事損失引当金10,850百万円を計上していた。
(1)工事収益総額
工事の進行途上において顧客との新たな合意によって工事契約の変更が行われることがあるが、その変更金額が工事契約の変更の都度決まらない場合がある。そのため、契約書等がまだ締結されていない工事契約の変更を工事収益総額に含める場合、対価の変更について、当事者間での実質的な合意及び合意の内容に基づく対価の額の信頼性をもった見積りが必要となる。
実質的な合意の判断及び対価の額の見積りは、顧客との協議状況を踏まえて行われることから、主観性を伴い不確実性を伴うものとなる。
(2)工事原価総額
工事は個別性が強く、基本的な仕様や作業内容が顧客の指図に基づいて行われることから、工事原価総額の見積りにおいて画一的な判断尺度を得られにくい。このため、工事原価総額の見積りは、工事に対する専門的な知識と施工経験に基づいた一定の仮定と判断を伴い不確実性を伴うものとなる。
また、工事は一般に長期にわたることから、工事の進行途上における工事契約の変更、気象・海象条件の変化、建設資材単価や労務単価等の変動が生じる場合があり、工事原価総額の適時・適切な見直しには複雑性が伴う。
上記のとおり、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による完成工事高及び完成工事原価の計上は様々な仮定に基づいており、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度の財務諸表において認識する完成工事高、完成工事原価等に重要な影響を与える可能性がある。
(表示方法の変更)
(損益計算書関係)
1 前事業年度において営業外費用の「その他」に含めて表示していた「貸倒引当金繰入額」は、営業外費用の総額の100分の10を超えたため、当事業年度より独立掲記している。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前事業年度の損益計算書において営業外費用の「その他」に表示していた376百万円は、「貸倒引当金繰入額」として組替えている。
2 前事業年度において独立掲記していた特別損失の「固定資産除却損」は、特別損失の総額の100分の10以下となったため、当事業年度より特別損失の「その他」に含めて表示している。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っている。
この結果、前事業年度の損益計算書において特別損失の「固定資産除却損」に表示していた111百万円は、「その他」として組替えている。
(追加情報)
(取締役及び執行役員に対する業績連動型株式報酬制度)
取締役等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する注記については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略している。
(貸借対照表関係)
1 下記資産は、住宅建設瑕疵担保保証等の担保に供している
2 下記の相手先の手付金等保証契約に対して保証を行っている。
下記の関係会社の契約履行保証を行っている。
下記の関係会社の不動産賃貸借保証を行っている。
3 当社は、必要資金の機動的な調達を可能にするため取引銀行8行と融資枠200億円のコミットメントライン契約を締結している。
事業年度末におけるコミットメントライン契約に係る借入未実行残高は、次のとおりである。
4 事業年度末日満期手形
事業年度末日満期手形の会計処理については、手形交換日をもって決済処理している。なお、当事業年度の末日は金融機関の休業日であったため、次の期末日満期手形が当事業年度末残高に含まれている。
(損益計算書関係)
1 関係会社に対するものは、次のとおりである。
2 ※3 固定資産売却益の内訳は、次のとおりである。
3 ※4 関係会社株式評価損の内容は、次のとおりである。
4 ※5 特別損失の「その他」の内訳は、次のとおりである。
5 ※5 特別損失の「その他」に含まれる固定資産売却損の内訳は、次のとおりである。
6 ※5 特別損失の「その他」に含まれる固定資産除却損の内訳は、次のとおりである。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式の時価等に関する事項
前事業年度(2023年3月31日)
2023年3月31日における貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりである。
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2024年3月31日)
2024年3月31日における貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については、次のとおりである。
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(表示方法の変更)
前事業年度において繰延税金資産の「その他」に含めて表示していた「関係会社株式評価損」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記している。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の注記の組替えを行っている。
この結果、前事業年度において「その他」に表示していた66百万円は、「関係会社株式評価損」として組替えている。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っている。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)」に同一の内容を記載しているので、注記を省略している。
(重要な後発事象)
自己株式の取得
当社は、2024年5月10日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項について決議した。概要については、連結財務諸表「注記事項(重要な後発事象)」に同一の内容を記載しているので、注記を省略している。
④ 【附属明細表】
【有価証券明細表】
【株式】
【債券】
【有形固定資産等明細表】
(注)1 「当期首残高」、「当期減少額」及び「当期末残高」の〔 〕内は内書きで、土地の再評価に関する法律(平成10年3月31日公布法律第34号)及び土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律(平成11年3月31日公布法律第24号)により行った事業用土地の再評価実施前の帳簿価額との差額である。
2 「当期減少額」のうち主なものは次のとおりである。
船舶の売却(建設仮勘定) SEP型多目的起重機船 14,752百万円
3 無形固定資産の金額は資産の総額の1%以下であるため、「当期首残高」、「当期増加額」及び「当期減少額」の記載を省略した。
【引当金明細表】
(注) 貸倒引当金:「当期減少額(その他)」は一般債権分の洗替による戻入額335百万円、回収に伴う個別引当金戻入額2百万円である。
完成工事補償引当金:「当期減少額(その他)」は洗替による戻入額である。
工事損失引当金:「当期減少額(その他)」は工事損益の改善による個別設定額の戻入額である。
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略している。
(3) 【その他】
該当事項なし。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はない。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間において、関東財務局長に提出した金融商品取引法第25条第1項各号に掲げる書類は、次のとおりである。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項なし。