第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 国際会計基準に基づいて連結財務諸表を作成しています。
2 百万円未満を四捨五入して記載しています。
3 第200期における当社とRoivant Sciences Ltd.との間の戦略的提携に伴い取得したSumitovant Biopharma Ltd.(現Sumitomo Pharma UK Holdings, Ltd.)に係る企業結合の会計処理について、第200期末において暫定的な会計処理を行っていましたが、第201期において確定したため、第200期の関連する主要な経営指標等について遡及修正しています。
4 第200期、第201期、第202期および第203期の希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式は存在するものの逆希薄化効果を有するため記載していません。また、第204期における希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
5 第203期および第204期の株価収益率については、基本的1株当たり当期損失であるため記載していません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 百万円未満を四捨五入して記載しています。
2 第200期、第201期および第202期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため記載していません。第203期および第204期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため記載していません。
3 第203期および第204期の自己資本利益率、株価収益率および配当性向については、当期純損失が計上されているため、記載していません。
4 最高株価および最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所(市場第一部)におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所(プライム市場)におけるものです。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、2024年3月31日現在、当社、親会社、子会社26社および関連会社4社で構成されています。
当社グループが営んでいる主な事業内容と当社グループを構成している各会社の当該事業に係る位置付けの概要およびセグメントとの関連は次のとおりです。
なお、当連結会計年度において、報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.事業セグメント (2) 報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
(1) 日本
当社が医療用医薬品の製造、仕入および販売、医療機器等の仕入および販売を行っています。
住友ファーマプロモ株式会社が、医療用医薬品(オーソライズド・ジェネリック品(AG品))の製造および販売を行っています。
S-RACMO株式会社は、当社と親会社である住友化学株式会社が設立した合弁会社であり、再生・細胞医薬分野の開発受託および製造受託を行っています。
株式会社サイレジェンは、当社と株式会社ヘリオスが設立した合弁会社であり、両社による再生医療に関する共同開発により製品化された医薬品、医療機器および再生医療等製品の製造を実施します。
上記の他に子会社4社および関連会社3社があり、医薬品等の保管・配送等の各種サービス業務を行っています。
(2) 北米
当連結会計年度において、北米グループ会社(欧州を含む)について再編および商号変更を行いました。これにより、Sumitomo Pharma UK Holdings, Ltd.が持株会社として北米グループ会社の事業戦略、販売戦略の策定推進を行い、北米に所在するSumitomo Pharma America, Inc.他3社が、同地域において医療用医薬品の製造、仕入および販売等を行っています。また、欧州に所在するSumitomo Pharma Switzerland GmbH他8社が、医療用医薬品の製造および販売等を行っています。
(3) アジア
持株会社である住友制葯投資(中国)有限公司が中国現地法人の管理統括等を行っています。また、住友制葯(蘇州)有限公司が、医療用医薬品の製造(小分包装)および販売を行っています。
Sumitomo Pharma Asia Pacific Pte. Ltd.他3社が、東南アジア、台湾において、医療用医薬品の輸入、仕入、販売および当社製品の情報提供・収集活動を行っています。
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりです。

※1:Sumitomo Pharma America, Inc.およびSumitomo Pharma Switzerland GmbHは、Sumitomo Pharma UK Holdings, Ltd.の子会社です。
※2:住友制葯(蘇州)有限公司は、住友制葯投資(中国)有限公司の子会社です。
4 【関係会社の状況】
(注) 1 上記の親会社は有価証券報告書を提出しています。
2 上記の連結子会社の主要な事業の内容の[ ]内は、セグメント情報の名称を記載しています。
3 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合を内数で示しています。
4 特定子会社に該当しています。なお、その他に含まれる会社のうち、特定子会社に該当する会社は次のとおりです。
Urovant Sciences GmbH、Onspira Therapeutics, Inc.
5 Sumitomo Pharma America, Inc.については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。
6 住友制葯(蘇州)有限公司については、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えています。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数です。
2 全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門、研究開発部門等に所属している人員です。
3 前連結会計年度末に比べ従業員数が1,270人減少しています。主な理由は、日本セグメントにおいて、2023年5月31日付で三井物産株式会社に住友ファーマアニマルヘルス株式会社の全株式を譲渡したことに伴い、同社が当社グループ傘下でなくなったこと、また、北米セグメントにおいて、2023年7月に米国グループ会社を再編したことに伴う人員削減、および2024年3月にSumitomo Pharma America, Inc.における人員削減等の合理化を実施したことによるものです。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数です。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。
3 平均勤続年数および平均年間給与は出向受入者を除いて算出しています。
4 全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門、研究開発部門等に所属している人員です。
(3) 労働組合の状況
当社および子会社の労働組合は、ユニオンショップ制をとっており、組合員数は当連結会計年度末現在1,810人です。
なお、会社と労働組合は、円満な関係を持続しています。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
(補足説明)
・管理職に占める女性労働者の割合については、2024年4月1日時点の数値です。
・男性の育児休業取得率については、2023年度中に育児休業を取得した男性従業員数÷2023年度中に配偶者が出産した男性従業員数として算出しています。
・男女の賃金差につき、当社の賃金制度は従事する役割(職務)グレードにもとづく制度としており、同一グレードの男女の基準賃金の差はありませんが、平均年間賃金の差異が生じている要因は、以下のとおりです。なお、欠勤、休業、休職により賃金支給がない者は算出対象から除いています。
<正規雇用労働者>
女性は男性と比較して一般職の割合が高いことが男女賃金差異の主な要因となっています。
<パートタイマー・有期労働者>
パートタイマー・有期労働者の大半をパートタイマーが占めていますが、パートタイマーはジョブサイズや勤務時間の違い等により定年退職後再雇用者や契約社員よりも賃金水準が低くなっています。このパートタイマーが全員女性であることが、男女賃金差異の要因となっています。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
当社は、「人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献する」を企業理念として掲げ、事業活動を進めています。
少子高齢化社会の進展、パンデミックなどの社会課題を背景に、精神神経領域およびがん領域の医療ニーズは拡大していくことが予想されます。また、医療ニーズはますます高度化しており、多様なモダリティを駆使し、デジタルとリアルが融合した生活と人々の価値観に寄り添うヘルスケア課題の解決が社会から期待されています。
かかる環境において、当社グループは、変わりゆくヘルスケア課題の解決に貢献するため、2019年4月に策定したビジョン「もっと、ずっと、健やかに。最先端の技術と英知で、未来を切り拓く企業」に基づき、精神神経領域およびがん領域を重点疾患領域とし、医薬品、再生・細胞医薬、非医薬等による多様なアプローチで人々の健康で豊かな生活に貢献してまいります。また、その他領域においても、保有アセットを生かし、確かな価値を患者さんに届けてまいります。これにより、2033年に「グローバル・スペシャライズド・プレーヤー」の地位を確立することを目指します。
当社は、このビジョンのもと、2023年度を起点とする5か年の「中期経営計画2027」を2023年4月に策定しましたが、当社グループが目標として掲げる、2033年における「グローバル・スペシャライズド・プレーヤー」の地位確立の方針に変更はないものの、当社グループが直面する経営環境を受け、「中期経営計画2027」については、見直しの必要があると考えています。新たな中期経営計画については、可能な限り早期に公表できるよう取り組んでまいります。

なお、当社は、グループ一体経営を推進するため、米国グループ会社の再編を契機に、2023年7月1日付けで理念体系を再構成し、理念、バリューおよび行動宣言をグループ全体で共有するフィロソフィとして、グループ内への浸透を進めています。
併せて、当社の理念の実践により、持続可能な社会実現に貢献し持続的な企業価値向上につなげることを「サステナビリティ経営」と定義しています。
理念(当社の存在意義、社会に対する約束・使命)
人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献する
バリュー(全役員・従業員が共有すべき価値観)
Patient First
Always with Integrity
One Diverse Team
行動宣言(日々の業務において守るべき行動規範)
1."Innovation today, healthier tomorrows" の実現に取り組みます
2.誠実な企業活動を行います
3.積極的な情報開示と適正な情報管理を行います
4.自らの能力を高め、協働します
5.人権を尊重します
6.地球環境問題に積極的に取り組みます
7.社会との調和を図ります
活動方針
2023年4月における「中期経営計画2027」の発表以降、重要マイルストンの未達により厳しい事業環境が続いています。2023年7月には、「中期経営計画2027」に基づいて米国グループ会社の再編を行い、大幅な人員削減を実施しました。しかしながら、進行性前立腺がん治療剤「オルゴビクス」、子宮筋腫・子宮内膜症治療剤「マイフェンブリー」および過活動膀胱治療剤「ジェムテサ」(以下「基幹3製品」)の2023年度の売上収益は、前期比で大きく伸長したものの、「中期経営計画2027」の目標を大幅に下回る結果となり、2024年度以降の売上収益の計画達成も遅れる見込みです。そのため、今後予想される収益規模に即した事業運営を行うべく、2024年3月に米国グループ会社において、再度人員削減を行いました。研究開発活動においては、現在の財務状況を踏まえ、「中期経営計画2027」の期間での上市が期待できるがん領域の2つの開発プログラムおよび中長期の成長ドライバーとなることが期待できる精神神経領域の再生・細胞医薬開発プログラムに注力することとしました。
また、フロンティア事業については、新設子会社であるFrontAct株式会社が承継し、新たな体制の下で、自己資本だけではなく、他社資本も取り込む可能性も追求し、当該事業分野における確固たる地位を築くことを目指してまいります。
2024年度を当社グループの再成長への転換点とすべく、コア営業利益の黒字化を必達目標とし、以下の方針に従い、事業を運営してまいります。
① 売上収益の拡大
北米において基幹3製品の早期価値最大化に最注力してまいります。「オルゴビクス」については、がん標準治療ガイドラインの改訂やインフレ抑制法による患者負担軽減策等が事業の追い風となることを期待しており、本剤の前立腺がん治療におけるアンドロゲン除去療法の標準治療薬としての位置付け獲得を目指し、さらなるシェアの拡大に努めてまいります。「マイフェンブリー」については、患者さんおよび医療関係者への認知浸透を通じて、経口GnRH市場の拡大および市場内での製品シェア拡大に注力してまいります。Pfizer Inc.との共同販促活動により、引き続き両剤の市場浸透および販売拡大を図ってまいります。「ジェムテサ」については、2024年度中に前立腺肥大症を伴う過活動膀胱に対する適応追加承認を見込むほか、営業体制の刷新等の施策を通して、さらなる販売拡大に取り組んでまいります。
② コスト削減
2023年度に実施した米国グループ会社の構造改革に加え、グループをあげて、効率的な組織運営および徹底的なコスト削減による合理化を加速してまいります。研究開発活動においても、北米での人員削減とともに、徹底したコスト管理のもと、各領域におけるパイプラインの選択と集中に取り組み、当社グループの将来を担うパイプラインに経営資源を投下してまいります。
③ 将来の成長シーズの確保
がん領域のDSP-5336およびTP-3654に資源を集中させ、承認の早期取得と価値最大化を目指し、引き続き開発を推進してまいります。DSP-5336については、急性白血病を対象としたフェーズ1/2試験において単剤療法の承認申請に向けたデータ収集を開始し、併用療法に関する試験についても実施を検討してまいります。TP-3654については、骨髄線維症を対象としたフェーズ1/2試験においてJAK阻害剤との併用療法に関するデータ収集を開始します。両剤のうち少なくとも1剤は「中期経営計画2027」の期間での承認取得・上市を目指します。
精神神経領域では、世界初のiPS細胞の実用化とゲームチェンジャーとなる治療の実現に向け、他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞のパーキンソン病を適応症とした日本での承認申請対応および米国でのフェーズ1/2試験を着実に推進してまいります。また、他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞について、網膜色素上皮裂孔を対象とした日本でのフェーズ1/2試験を着実に推進してまいります。特長ある低分子の初期臨床開発品目群については、2030年代のグループ収益を支える優先品目を選抜し、次のフェーズへの移行に向けた取組を推進してまいります。
その他領域では、「ジェムテサ」について、中国での過活動膀胱を対象としたフェーズ3試験の推進および承認申請に向けた対応を着実に推進してまいります。また、ユニバーサルインフルエンザワクチンのベルギーでのフェーズ1試験およびKSP-1007のアジア地域への展開を見据えた日本でのフェーズ1試験を着実に推進してまいります。なお、ユニバーサルインフルエンザワクチンおよびKSP-1007の研究開発は、日本医療研究開発機構(AMED)からの委託研究開発費を活用しています。
今後とも患者さん、ご家族および介護者の皆さんへ貢献できる新しい価値を一日も早く提供するために、私たちはスピード感をもって全力を尽くします。
株主還元
当社は、業績に裏付けられた成果を適切に配分することを重視しており、安定的な配当に加えて、業績向上に連動した増配を行うことを配当の基本方針としています。
「中期経営計画2027」において、「コア営業損失を見込む2024年3月期は無配の方針、コア営業利益を見込む2025年3月期は復配の方針とし、その後は安定配当を目指す」としています。こうした中、2025年3月期の連結業績見通しでは、コア営業利益10億円を見込んでいますが、「中期経営計画2027」で想定したコア営業利益を大きく下回っていることから、2025年3月期の配当については、誠に遺憾ながら無配を予定しています。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
1.サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
(1) ガバナンス
当社グループは、「人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献する」という理念の実践により、持続可能な社会実現に貢献し持続的な企業価値向上につなげることを、サステナビリティ経営と定義しています。このサステナビリティ経営を推進するにあたっては、多様かつ変容する社会からの期待・要請に対して当社グループの持つ資本(強み)を活用し、当社グループならではの価値を創出することが不可欠であり、そのために取り組む重要課題を「マテリアルイシュー」として、2023年3月に取締役会で承認を受けました。
マテリアルイシュー特定のプロセスは、以下のとおりです。
STEP1 社会課題/ニーズおよび住友ファーマグループの資本(強み)のリストアップ
SDGs、グローバルリスクレポート、各種フレームワーク(GRIスタンダード、SASBスタンダード、ISO26000、国連グローバル・コンパクト10原則)、ESG調査の評価項目(DJSI、FTSE、MSCI)などを参考に、社会課題/ニーズのリストアップを行いました。
また、当社グループの資本(強み)については社内ヒアリングをベースに、機関投資家から提供された情報も加味した上でリストアップを行いました。
STEP2 イシューの評価
リストアップした社会課題/ニーズの中から、当社グループの資本(強み)に関連するものをイシューとして抽出しました。これらのイシューに対して、「社会からの期待」と「企業価値向上への影響度」の2軸を設定し、それぞれ3段階で評価することで、優先的に取り組むべきイシューをマテリアルイシューとして特定しました。
STEP3 マテリアルイシュー最終化
マテリアルイシューは、代表取締役社長の意思決定のための諮問機関である経営会議にて審議の上、取締役会による承認を受けました。

それぞれのマテリアルイシューの目標およびKPIについては、次のリンク先をご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/assets/pdf/material_issues_kpi_ja.pdf
また、当社グループでは上記のマテリアルイシューへの取組状況を定期的に取締役会へ報告し、中長期的な企業価値の向上の観点から、積極的な議論を行なっています。
(2) リスク管理
当社グループとしての基本的な考え方を定めた「SMP Group Risk Management Policy」を制定し、当社が当社グループのリスクマネジメントを適切に推進する体制を構築しています。(※1)この推進体制では、リスクごとの特性に応じて、グループ横断的に取り組むリスク(グループ横断リスク)とグループ各社が自らの責任において取り組むリスク(業務活動リスク(※2))に分類しています。それぞれのリスクについて、当社がグループ各社から報告を受けることによって、グループ全体のリスクマネジメントを当社が把握し、必要に応じて、指導・助言等の対応を行っています。
当社では、事業活動に影響を及ぼすリスクに対応するため「リスクマネジメント規則」を制定し、代表取締役社長がリスクマネジメントを統括することを明確にするとともに、リスクごとにリスクマネジメントを推進する体制を整備しています。各推進体制の運用状況については、定期的に取締役会に報告しています。具体的な取組の一つとして、年度ごとに国内外のグループ会社を含めた全部門にリスクアセスメントを実施し、その結果を踏まえた対策の策定・実施・評価を行い、全社各部門が課題解決に向け計画的に取り組んでいます。
※1 次のリンク先をご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/corporate_governance/risk_management.html
※2 地震、台風・豪雨、伝染病・感染症などの災害や、調達・生産・在庫管理、人材管理などグループ各社が自らの責任において取り組む業務活動上のリスク
2.重要なサステナビリティ項目
上記のとおり、当社グループでは「社会からの期待」と「企業価値向上への影響度」の観点から「革新的な医薬品と医療ソリューションの創出」をはじめとするマテリアルイシューを特定していますが、当社グループがこれらのマテリアルイシューに取り組み、社会の持続可能性への貢献と当社グループの持続的成長の実現を目指すにあたって重要なサステナビリティ項目となる「人的資本と多様性」、「環境への取組」についての考え方および取組は、以下のとおりです。
(1) 人的資本と多様性
ア.戦略
当社は人材の多様性の確保を含む人材育成や社内環境整備の方針について、取締役(社外取締役を除く)と執行役員が参加する人材戦略会議にて議論を行っています。各方針は、以下のとおりです。
(人材育成方針)
当社は、個人の成長と事業の成長は車の両輪であるとの考え方の下、経営戦略と連動した人材戦略により、個人と事業の成長を実現し、社会に対して継続的に価値を提供することを目指しています。
そのため当社では、「住友ファーマが求める社員像」(※3)を設定し、各種研修やジョブローテーションなどを通じて、社員の成長をサポートしています。各種研修に関しては、2016年度に人材育成体系(※4)を再構築し、専門性に加え、経営の知識を兼ね備えた人材も積極的に育成しています。
今後は、2023年7月に実施した北米事業体制の再編を契機に、グループが緊密に連携、一体となって目標を達成するための当社グループ(日本、北米、アジアなど)全体における人材ポートフォリオの構築およびより効果的・効率的な採用・育成・配置を行っていきます。
※3 住友ファーマが求める社員像

※4 詳細は、次のリンク先をご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/social/education.html
当社の主な取り組みについて
(ア)選抜型研修SMP Academyの実施
未来のリーダーや経営者を育成するため、選抜型教育研修プログラムSMP Academyを2016年7月に設立しました。若手から中堅、管理職の各層において、向上心があり潜在的能力の高い社員を毎年80人を目安に選抜し、2016~2022年度の7年間で570人が受講しました。約1年にわたる研修プログラムにおいては、外部講師に加えて経営陣自らも講師を務めることにより、高い視点から事業全体を俯瞰し、新たな価値を創造する構想力を養成しています。現在では、部門長以上の約半数がSMP Academyの修了者です。今後は当社グループ全体における人材ポートフォリオを意識し、従来の内容にグローバルマネジメント要素を加えたSMP Academyを活用して、2024年度以降順次実施していく予定です。
(イ)グローバル人材の育成
当社では、海外子会社や海外アカデミア・研究機関に人材を派遣するなど、経験を通じたグローバル人材の育成に取り組んでいます。
さらにグローバル人材を増やすために、グローバルマネジメント要素を加えたSMP Academyを活用して、グローバルで通用するリーダーシップや異文化コミュニケーション力、マネジメント力の強化を図っていきます。
また、グローバルコミュニケーションの土台となる英語力については、選抜型の英語力強化研修に加え、2020年度以降、全社員を対象としたe-learningやマンツーマンプログラム等を導入し、スピーキング力やライティング力についても底上げを行っています。
(ウ)新たな価値創造とオペレーション改革をDXで実践する人材の育成
当社は、2021年8月から新たな価値創造とオペレーション改革をDXで実践する人材を育成するため、DX研修をスタートしました。全社員向け、管理職向けのe-learningをはじめ、さらにハイレベルなデータサイエンスの実践知識習得を目指すコースを設定し、各種のデータやデジタルツールを積極的に活用し、さまざまな課題を解決できるデジタル人材の早期育成を目指しています。育成数の目標は、シチズン・データサイエンティスト(※5)を2024年度までに100人、シチズン・デベロッパー(※6)を2027年度までに150人としています。2023年度までの実績として、約90名のシチズン・データサイエンティストと約25名のシチズン・デベロッパーが誕生しました。
※5 データ利活用による価値創出の起点となる人材
※6 デジタルツールを用いて職場での業務効率化を自律推進できる人材
(エ)タレントマネジメントによる戦略的人員配置と採用
当社は、タレントマネジメントシステムを導入・運用し、人材(タレント)が、どのようなスキルや能力を持っているのかを一元的に把握・管理しています。将来の事業を見据え、求められる能力を特定し、タレントマネジメントシステムのデータを利用することで、計画的な人材育成と最適な人材配置を行い、経営目標を達成します。
また、蓄積した情報を基にピープルアナリティクスを実践し、人事領域における施策の意思決定を加速化し、社員の成長を促す因子やエンゲージメントに寄与する因子の探索を行っています。
今後は、解析したデータを活用することで社員の持つ才能をスピーディに開花させ成長を加速し、組織成果を最大化する人事施策の実現を目指した取組を進めていきます。
(オ)研究プロジェクト制導入による人材育成
当社は、革新的新薬の創出を加速するために研究プロジェクト制を導入しています。これは研究テーマを発案した熱意ある研究者を研究プロジェクトリーダーとして任命し、研究プロジェクトリーダーがチームメンバーとともに研究の前期から後期まで一貫して研究プロジェクトを中心的に推進するというものです。研究プロジェクトリーダーには年齢や経験を問わず、予算執行や人事評価の権限を与え、裁量権を持って研究プロジェクトをマネジメントすることで成果創出、人材育成に繋げています。これまでに研究プロジェクト制のもとで創出された10剤の臨床移行を達成し、現在も15以上の研究プロジェクトが進行中です。2017年10月以降、38人の研究プロジェクトリーダーを輩出しています。
(カ)セルフ・キャリアドックの推進
当社では、社員のキャリア自律を支援するため、2021年1月からセルフ・キャリアドックの運用を開始しました。セルフ・キャリアドックでは、キャリアに関する情報提供のほか、自己の経験の棚卸やキャリアを考えるためのキャリアデザイン研修を実施しています。また、社員がいつでも自身のキャリアについて相談できるよう、人事部のキャリアコンサルタント(国家資格保有者)がキャリア面談に対応しており、2023年度は約200件のキャリア相談がありました。
今後もセルフ・キャリアドックを通じて、キャリアを学び、考え、相談できる環境を社員に提供し続けるため、2024年度は、様々な部署に所属しているキャリアコンサルタント有資格者(約30名)とも連携し、社員のキャリア自律をさらに後押しするための環境を充実させる予定です。
(社内環境整備方針)
当社では、社員一人ひとりが持てる能力を十分に発揮することが理念の実現に不可欠であると捉えています。そのため、性別や国籍などの属性にとらわれることなく、能力を発揮したいと望むすべての人に活躍の機会を提供していくことが重要と考え、多様な人材の活躍を推進し、多様な働き方を選択できる制度を整えています。
当社での主な取り組みについて
(ア)挑戦する風土づくり
当社では、社員の主体性に基づいた仕事への挑戦を促すため、自己申告制度と公募による異動を導入しています。自己申告制度では、自己申告書に基づき、上司は部下一人ひとりとキャリア面談を実施し、社員の個別の状況やキャリア志向を把握することにより、長期的な育成計画を立案し、能力の向上を図っています。また、公募による異動については、自らの希望が公募で叶うことにより仕事への高いモチベーションの維持や意欲ある社員の異動による組織の活性化などの成果があがっています。
(イ)多様な人材の活躍の推進
(女性活躍推進)
当社では、性別に関わらず活躍できる環境の整備を推進しています。女性のキャリアアップのための研修等を実施するとともに、女性の就労継続や育児休業からの早期復職を目的に育児短時間制度や認可外保育所利用補助、MR地域選択制度などを導入し、仕事と育児の両立支援をサポートしています。また、「女性は育児、男性は仕事」といった無意識の固定観念や無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)を解消し、性別に関わらず仕事と育児を両立させ、互いに助け合う風土を醸成することを目的に男性の育児休業の取得や男性の育児への参画を推進しています。育児休業の10日間有給化や男性社員に向けた育児休業説明会を開催するなどの取組を実施し、2023年度の男性の育児休業取得率は104.4%と昨年に続き100%を達成しました。引き続き男女ともに育児休業取得率100%の継続を目指します。
また、2027年度までに女性管理職比率を20%以上(2024年4月1日時点:女性管理職比率13.7%)にすることを目標とし、女性リーダーの育成にも注力してまいります。将来的には、社員構成に占める男女割合と管理職に占める男女割合が同程度になることを一つの目標として考えています。
(性の多様性に関連する理解促進)
当社は、性的指向、性自認に関する差別的言動を行わないことをコンプライアンス行動基準に明記し、LGBTQなどの性の多様性に関連する理解促進に取り組んでいます。全社員を対象とした研修やセミナーを開催するとともに、多様なセクシュアリティに関する相談窓口の設置や2020年4月からは社宅や慶弔などの各種制度で同性パートナーを配偶者と同等に扱う同性パートナーシップ制度を導入しています。
(障がい者の活躍推進)
当社では、障がいの特性に配慮しつつ、個人の能力を活かす人員配置を行うことを基本としており、様々な部門で障がいのある社員が活躍しています。また、精神障がい者の自立を支援するために設立した特例子会社「ココワーク」では、葉物野菜の太陽光型水耕栽培に取り組んでいます。2024年4月1日時点の障がい者雇用率は2.70%となっています。
(治療と仕事の両立支援制度を整備)
当社では、社員が病気やけがなどで就業が困難な際には病気休職制度を利用し、安心して治療に専念できるよう支援してまいりました。一方で、医療の進歩や在宅勤務制度の充実等により、病気やけがとうまく付き合いながら治療と仕事を両立させていくことが可能なケースも増えてきました。そこで2024年4月から、病気やけがと向き合いながらも意欲・能力がある社員が適切な治療を受けながらイキイキと働き続けられたり、不妊治療などにおいて治療の機会を逃したり、治療の必要性を理由として働くことを諦めたりすることがないように、治療と仕事の両立を支援するための制度を整備いたしました。また、治療と仕事の両立に関する相談窓口を設置し、個別の悩みについてもサポートしています。
2023年度導入制度 事例;
・通院休暇:病気やけが、不妊の治療計画にそって、あらかじめ計画された入院や検査、治療に伴う副作用に対応するために5日/月(50日/年を上限)まで10分単位で取得可能な休暇制度を導入しました。
・短時間勤務・業務量軽減措置:病気やけがの治療状況や体調に合わせて、1日につき2時間を限度とした労働時間短縮、または業務量を10%または20%軽減できる制度を導入しました。
・在宅勤務制度の柔軟な対応:病気や治療等により、出社は難しくても在宅勤務であれば働くことができる場合に、在宅勤務の上限日数(12日/月)を超える在宅勤務を一時的に認める制度を導入しました。
(ウ)健康経営
当社が理念を達成するためには、社員一人ひとりが心身ともに健康で、いきいきと仕事に取り組める職場づくりが大切です。また、社員自らが、自身とその家族の健康維持・増進に努めることで、仕事と仕事以外の生活の充実を図ることが重要であると考えています。
当社は、2017年10月に健康宣言“Health Innovation”を策定し、2021年から健康経営施策の内容と取組状況およびその成果を掲載した「健康白書」を毎年作成し、2022年から公表しています。当社は、すべての社員とその家族の健康で豊かな生活の実現に組織一丸となって取り組んでおり、2024年3月には8年連続となる「健康経営優良法人2024(大規模法人部門(ホワイト500))」の認定を受けています。
詳細は、次のリンク先をご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/social/workplace_environment.html
イ.指標と目標
「ア.戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いています。当該指標に関する目標と実績は、次のとおりです。
人的資本と多様性に関する目標及びKPI
※ 住友ファーマ単体としてのKPI目標
(2) 環境への取組
当社は、2021年11月にTCFD提言への賛同を表明し(※1)、気候変動に関するリスクと機会について、TCFD提言に沿った取り組みを進め、2022年4月に情報開示を行いました。情報開示以降、継続的に取組の深化を図り、気候変動への備えを確かなものとすべく、開示情報に基づくステークホルダーとの対話を推進しています。今後もステークホルダーとの対話を大切にし、様々な視点から気候変動によるリスクと機会を見つめなおし、「緩和」と「適応」の両面から考えることで、より一層のリスク低減を図るとともに、的確に機会を捉えていきます。当社のマテリアルイシューの一つである「環境への取組の推進」には、気候変動対応の推進も含みます。当社は気候変動が当社事業に与える財務インパクトを意識し、リスク・機会への対応を経営戦略に反映します。
※1 次のリンク先をご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/news/20211102.html
ア.ガバナンス
上記、「1.サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理」に記載した内容に加え、GHG(温室効果ガス)排出量削減のような当社グループまたは部門横断的な取組が必要な気候変動に関連する課題については、環境管理体制(※2)のもと、環境安全委員会において議論を行い、中長期環境目標(※3)に落とし込んでいます。また、中期経営計画に基づいて、GHG排出量削減に資する設備投資(カーボンニュートラル投資)等を計画的に実施しています。環境管理体制における気候変動への取組は、サステナビリティに関する取組の一つとして取締役会に報告され(年1回以上)、必要な場合、社内外専門家による説明機会を設けます。
※2 次のリンク先をご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/environment.html
※3 次のリンク先をご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/goals_performance.html
図1 気候変動リスク/機会の「ガバナンス」体制図

イ.戦略
当社は、気候変動によるリスクと機会について一次評価として影響度(※4)と可能性(※5)の2つの側面から評価し、その組み合わせによって、重要度のランクをⅠからⅤの5段階に分類しています(図2)。その際、「影響度」については対策の進捗度合いを考慮して評価しています。一次評価によってランクが「Ⅲ」以上となったリスクと機会については、1.5℃シナリオ(※6)および4℃シナリオ(※6)を参考に作成した当社の評価用シナリオ(1.5℃および4℃)(※7)を用いて、より詳細な二次評価を行い、二次評価によって特定された重要なリスクと機会については、できるだけ具体的な内容を想定して財務インパクトを推定し、対策を推進しています。
※4 影響度は、経済的影響、人身への影響、風評信用等、事業への影響のいずれかの観点で評価。
※5 可能性は、1年(短期)、3年(中期)、10年(長期)を時間軸として発生頻度で評価。
※6 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)AR6<RCP2.6およびRCP8.5>、
IEA(International Energy Agency) World Energy Outlook 2021<APSおよびSTEPS>、
環境省等による各種予測値および周辺情報
※7 1.5℃シナリオは、「サステナビリティが重視され、脱化石燃料化に向けた法規制や技術開発が進んだ世界」を、4℃シナリオは、「利便性や効率性が重視され、水害などの気候関連リスクがより高まった世界」を想定。
図2 リスクマップ

表 <気候変動によるリスクと機会>
※8 災害規模および影響を受ける品目により異なる。
※9 IEAによる2030年の先進国炭素価格仮定値約135USD/t-CO2(以下「炭素価格仮定値」)を採用し、2022年度のCO2排出量約54,000t(連結子会社を含むScope1+2の排出量)(*1)に乗じて算出。なお、為替レートを145円/USDと仮定。
*1 集計対象は、次のリンク先をご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/goals_performance.html
(「環境目標およびパフォーマンス」)
※10 炭素価格仮定値を採用し、2022年度のScope3カテゴリ1「購入した製品・サービス」およびカテゴリ4「輸送、配送(上流)」のCO2排出量約312,000t(*2)に乗じて算出。
*2 集計対象は、次のリンク先をご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/global_warming.html
(「低炭素社会構築への貢献」)
※11 間接的な寄与についての試算が困難なため、定性的に記載。
ウ.リスクと機会の管理
(ア)気候変動リスクと機会を識別、評価するプロセスおよび総合的リスク管理への統合
当社は、気候変動によるリスクと機会を識別・評価するプロセスをリスクマネジメント推進体制による総合的リスク管理に統合しています。リスクマネジメント推進体制では、年度ごとに国内外のグループ会社を含めた全部門にリスクアセスメントを実施、その結果を集約して重要なリスクを特定しています。気候変動についても、このアセスメントでリスクと機会の抽出および評価を行い、中長期的に当社に影響を与え得るリスクの一つと捉えています。
(イ)気候変動リスクと機会を管理するプロセス
気候変動リスクと機会については、リスクマネジメント推進体制と環境管理体制が連携して対策を立案、年度計画を立てて取り組み、進捗を毎年評価しています。例えば、物理的リスク「急性」に該当する自然災害(台風・豪雨・洪水)についてはリスクマネジメント推進体制が中心となってBCP(事業継続計画)の策定などを推進し、移行リスク「政策・法規制」に該当する炭素税の導入に備えたGHG排出量削減については環境管理体制が中心となって中長期環境目標を立案、目標管理を行っています。
エ.指標と目標
当社は、個々のリスクと機会について、上記の表<気候変動によるリスクと機会>に示したとおり、「緩和」と「適応」の両面から考え、適切に対策を講じることを目指しています。移行リスク「政策・法規制」に該当する炭素税のリスクについては「緩和」の面から、定量目標を設定してGHG排出量の削減に取り組んでいます。Scope1+2については2022年度に目標を引き上げ、「2030年度までにGHG排出量(Scope1+2)を、2020年度比で42%削減する」としました(※12)。また、当社のGHG排出量の約90%を占めるScope3についても「2030年度までにGHG排出量(Scope3カテゴリ1(原材料調達))を、2020年度比で25%削減する」目標を設定しました(※13)。なお、2023年1月にSBTi(Science Based Targets initiative)にコミットし、これらのGHG排出削減目標がパリ協定の求める水準と整合する科学的に妥当な目標となるよう、鋭意取り組んでいます。一方、物理的リスク「急性」に該当する自然災害(台風・豪雨・洪水)については「適応」の側面から、BCPの策定(※14)、製品在庫の適正化、調達先の複数化を推進し、一部は完了しています。また、BCPについては年1回の訓練を通じて課題抽出・改善を行って、実効性を高める取組を実施しています。機会については、中長期目標に沿った水使用量の削減(※15)に継続して取り組むとともに、当社の研究領域の一つである感染症領域への気候変動による影響を引き続き注視していきます。
※12,13 GHG削減目標の進捗およびScope3排出量については、次のリンク先をご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/global_warming.html
(「低炭素社会構築への貢献」)
※14 BCPの策定等については、次のリンク先をご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/corporate_governance/risk_management.html
(「リスクマネジメント」)
※15 水使用量削減目標の進捗については、次のリンク先をご覧ください。
https://www.sumitomo-pharma.co.jp/sustainability/environment/resource_saving.html
(「省資源の取組」)
図3 GHG削減のロードマップ

3 【事業等のリスク】
当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあります。当社は、これらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の防止または最小化に努めるとともに、発生した場合の的確な対応に努めていく方針です。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。また、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
(1) 新製品の研究開発に関わるリスク
当社グループは、独創性の高い国際的に通用する有用な新製品の開発に取り組んでいます。しかしながら、新薬開発の難度が高まる中、開発が必ずしも計画どおりに進み承認・発売に至るとは限らず、有効性や安全性の観点から開発が遅延し、または開発を中止しなければならない事態も起こり得ます。大型化を期待している研究開発品目においてそのような事態が発生した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは研究開発リスクも踏まえつつ、医薬品、再生医療等製品、医療ソリューション等の研究開発に注力し、精神神経領域、がん領域およびその他領域(感染症領域等)における選択と集中を進めています。また、戦略的な計画の策定、効率的な研究開発をグローバルで連携して推進しています。当社では、開発ステージの移行時期にあわせて計画修正の是非等を確認する会議体などを通じて適宜研究開発方針を見直し、適切にポートフォリオを管理しています。
(2) 知的財産権に関わるリスク
当社グループは研究開発において種々の知的財産権を保有していますが、当社グループの技術を十分な範囲で権利化できない場合、競合他社が当社グループの知的財産権を回避した場合、または当社が厳格に管理しているノウハウなどの営業秘密が予期せぬ事態により外部に流出した場合には、競争上の優位性を確保できない可能性があります。また、当社グループの事業は多くの知的財産権によって保護されていますが、保有する知的財産権が第三者に侵害された場合のほか、知的財産権の有効性や帰属を巡る係争が発生した場合には、競争上の優位性を十分に保持できない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。他方、当社グループは、事業活動に必要な知的財産権について適法に使用する権限を有していると認識していますが、当該認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。
当社グループでは、主となる物質特許のみならず、用途、製法、製剤などの関連特許を含めたパテントポートフォリオを構築し、製品および開発品の総合的な保護を図っています。また、再生・細胞医薬分野の事業化を推進するため、同分野における当社グループの技術を権利化するにあたっての課題を検討し、権利化のための方策を講じています。
(3) 医療制度改革について
国内においては、少子高齢化の急速な進展等により国家財政が悪化する中、先発医薬品の価格抑制や毎年の薬価改定などの薬剤費抑制策が図られ、あわせて医療制度改革の論議も続けられています。また、米国においては、インフレーションが進む中でブランド薬の適正な価格の維持、負担について議論が進められています。さらに、中国においては国家医薬品償還リスト収載による価格引き下げや集中購買制度による安価な後発医薬品の使用が推進されています。これら各国の医療制度改革の方向性によっては当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 副作用に関わるリスク
医薬品は開発段階において試験を実施し、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を受けて承認されていますが、市販後に新たな副作用が見つかることも少なくありません。当社グループが販売する医薬品について市販後に予期せぬ副作用が発生した場合は、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、国内外で収集された安全性情報をデータベースで一元管理して評価し、医薬品の安全性確保および適正使用のために必要な対策を立案し、タイムリーな安全対策の実施につなげています。このような活動は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」や「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令」を遵守した医薬品安全性監視活動として実践しています。
(5) 品質に関わるリスク
当社グループは、自社もしくは委託先の製造所において、厳格な品質保証の下で製品の製造を行っていますが、重大な品質問題が発生した場合には、製品回収、行政処分、社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社製品のグローバルな製造および流通については、関係各国の薬事法、医薬品等の製造管理及び品質管理の基準(GMP)等の薬事関連法規や、医薬品規制調和国際会議(ICH)ガイドライン等に準拠すると共に、厚生労働省所管の独立行政法人である独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)、米国食品医薬品局(FDA)等の所管当局の厳しい査察を受け、許可を得ています。また、これら製造所に対しては当社グループにて定期的な品質監査を行い、重大な品質問題や法令違反がないことを確認しています。さらにグローバル品の製造所に対しては、海外提携企業からの品質監査も受けており、グローバルレベルの厳しい品質基準もクリアする、高い品質保証体制や構造設備基準を整えています。
(6) 主要な事業活動の前提となる事項について
当社グループの主な事業は医療用医薬品事業であり、国内においては、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の薬事に関する法令に基づき、その研究開発および製造販売等を行うにあたり、「第一種医薬品製造販売業」、「第二種医薬品製造販売業」(いずれも有効期間5年)等の許可等を取得しています。また、海外においても医療用医薬品事業を行うにあたっては、当該国の薬事関連法規等の規制を受け、必要に応じて許可等を取得しています。これらの許可等については、各法令で定める手続きを適切に実施しなければ効力を失います。また各法令に違反した場合、許可等の取消し、または期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止等を命ぜられることがある旨が定められています。当社グループは、現時点において、許可等の取消し等の事由となる事実はないものと認識していますが、将来、当該許可等の取消し等を命ぜられた場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、コンプライアンスの推進を全ての事業活動の土台と位置付け、「行動宣言」において誠実な企業活動を行うことを宣言し、法令および企業倫理の遵守に努めています。当社では、「コンプライアンス行動基準」を制定し、事業活動における具体的な行動の規範としています。また、当社および国内外におけるグループ会社のコンプライアンスに関する事項を統括するコンプライアンス担当執行役員を設置しています。コンプライアンス担当執行役員は、当社のコンプライアンス委員会に加えて、国内グループ会社コンプライアンス委員会および海外グループ会社コンプライアンス委員会の委員長を務めるとともに、各委員会の活動状況を取締役会に報告しています。
(7) 訴訟に関わるリスク
当社グループの事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、公正取引等に関連し、訴訟を提起される可能性があります。これらの訴訟およびその他の訴訟には性質上不確実性があり、その動向によっては、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(8) サプライチェーンマネジメントに関するリスク
当社グループの工場や原材料調達先、外部製造委託先などのサプライヤーが、品質や技術上の問題、火災、地震、その他の災害、サイバー攻撃、感染症拡大等により閉鎖または操業停止となり、製品の供給が遅滞もしくは休止した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、予測を超える急激な需要変動が生じた場合、製品の安定供給に支障をきたす可能性があります。当社では、事業継続計画(BCP)の定期的な見直しおよび教育訓練の実施、製品在庫の適正化、原材料調達先の複数化、サプライヤーとの連携強化、製品別リスクアセスメントの推進など、医薬品の安定供給体制を整備し、サプライチェーン全体でリスクの低減を図っています。また、サプライヤーにも「住友ファーマ ビジネスパートナーのためのサステナブル行動指針」の遵守をお願いすることで、当社グループと同様のサステナビリティへの取組を求めています。
(9) 非金融資産の減損損失リスク
当社グループは、持続的成長のために、企業買収や開発品の導入等を行っていますが、これに伴い、のれんおよび特許権や仕掛研究開発等の無形資産を計上しています。当連結会計年度において、北米事業の事業予想を見直したことにより、「マイフェンブリー」に係る特許権(無形資産)の一部およびのれんの一部について、それぞれ1,335億円および359億円を減損したことに加え、一部の開発品目の開発を中止したことにより、当該開発品に係る仕掛研究開発(無形資産)について106億円を減損するなど、総額1,809億円の減損損失を計上しました。今後も、開発の中止や当初想定した利益の実現が見込めないこと等による期待する将来利益の低下、金利動向による割引率の上昇等により、買収および導入等から見込まれる回収可能価額が、のれんや無形資産の帳簿価額を下回ると想定される場合、減損損失が発生し、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、定期的にこれらののれんや無形資産の減損テストを通じて評価額を把握し、適切に処理しています。
(10) 金融資産に関わるリスク
当社グループは、他社株式等の金融資産を保有しています。これら保有する金融資産の市場価額または公正価値が帳簿価額を下回った場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社は、企業提携、重要な取引先との取引関係の構築・維持その他事業上の必要性のある場合を除き、新たに他社の株式を保有しないこととしています。また、定期的にこれらの金融資産の評価額変動の把握および必要な処理を行っています。
(11) 金融市況および為替変動による影響について
金利や株価などの金融市況の変動によっては、借入金等の支払利息が増加するほか、確定給付制度債務の増加や制度資産の減少など、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、為替相場の変動によっては、外貨建て金融資産および連結子会社業績等の円換算において、重要な影響を受ける可能性があります。
(12) 資金調達に関するリスク
当社は、過去の企業買収などに関連して、金融機関からの借り入れや社債などにより資金を調達しています。これらの債務の中には、制限条項が付されているものもあり、当該制限条項に抵触した場合には、期限の利益の喪失等により当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社の現在の状況につきましては(17) 継続企業の前提に関する重要事象等に記載しています。
また、将来、当社の財務状況の悪化や親会社による債務保証の終了などによる信用格付けの引き下げや、世界的な経済状況の変化により、資金調達が計画どおりに実施できない場合、支払利息の増加や、返済期限を迎える有利子負債の借換えに必要な資金を当社が希望する条件で調達することが困難になり、当社グループの経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(13) 親会社との取引について
当社と親会社である住友化学株式会社との間で、研究所および工場の土地賃借、これらの事業所等で使用する用役や主に原薬を製造する際に使用する原料の購入契約を締結しています。当該契約等は、一般的な市場価格を参考に双方協議のうえ合理的に価格が決定され、当事者からの申し出がない限り1年ごとに自動更新されるものです。また、当社グループの金融機関からの借入金等について、親会社による債務保証を受けています。このほか、親会社から出向者の受入を行っています。今後も当該取引等を継続していく方針ですが、同社との契約・取引内容等に変化が生じた場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社が親会社と行う重要な取引等については、当社の企業価値の向上の観点からその公正性および合理性を確保するために、グループ会社間取引利益相反監督委員会の諮問を経て取締役会において承認を得ることとするなど、重要性に応じて適切に監督しています。
(14) 海外事業展開、大規模災害・感染症等に関するリスク
当社グループは、北米、中国、東南アジアを中心にグローバルな事業活動を展開していますが、各国の規制・制度変更や外交関係の悪化、政情不安、紛争等のリスクが内在しており、このようなリスクに直面した場合、当社グループの事業計画が達成できず、経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、大規模災害や感染症の大流行に直面した場合、当社グループの事業計画が達成できず、経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社では、事業活動に影響を及ぼすリスクに対応するため「リスクマネジメント規則」を制定し、社長がリスクマネジメントを統括することを明確にするとともに、リスクごとにマネジメントを推進する体制を整備しています。大規模災害発生・感染症の大流行に際しては、直ちに対策本部を設置して全社的な対応体制を構築するとともに、医薬品企業の使命として製品供給を第一に考え、生産・供給体制を整備いたします。
(15) 情報管理に関するリスク
当社グループは、各種情報システムを使用しているため、システムの障害やコンピューターウィルス等により、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの機密情報を保有していますが、これらが社外に漏洩した場合には、損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。さらに、サイバー攻撃により、当社グループまたはビジネスパートナーのシステムやネットワークに障害が発生し、または当社グループの機密情報が漏洩した場合は、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、記録・情報の取扱いおよびITセキュリティに関するルールを定め、継続的に社員教育を実施し、適切な運用に努めています。また、サイバー攻撃への対策として、Computer Security Incident Response Team(CSIRT)を設置し、外部からの不正アクセスを常時監視するとともに、有事の際に迅速かつ適切に対処する体制を整備しています。
(16) 環境保全に関するリスク
当社グループは、研究開発および製品製造のために種々の化学物質を使用しており、重大な環境問題が発生した場合には、操業停止、行政処分、社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、将来の環境関連法規制等の強化、環境負荷低減の追加的な義務等による環境保全に関連する費用が増加した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。更には、地球規模の課題である気候変動およびそれに関連する水リスクに関して、大型台風や集中豪雨等の自然災害の増加が国内外事業所および調達先での操業に影響した場合や炭素税導入などの規制強化によって原材料・用役コストが増加した場合にも、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
気候変動に関するリスクと機会については、TCFD(Task Force on Climate Related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った取り組みを進め情報開示を行っています。今後もステークホルダーとの対話を大切にし、様々な視点から気候変動によるリスクと機会を見つめなおし、「緩和」と「適応」の両面から考えることで、より一層のリスク低減を図るとともに、的確に機会をとらえていきます。
(17) 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、北米事業で非定型抗精神病薬「ラツーダ」の独占販売期間が終了した一方で、基幹3製品の売上が想定を下回ったことによる売上収益の減少、またこれに伴い事業予想等を見直した結果、特許権などの無形資産やのれんにおいて多額の減損損失を計上したこと等により、当連結会計年度において、営業損失3,549億円、親会社の所有者に帰属する当期損失3,150億円を計上しました。また、営業キャッシュ・フローについては2,419億円の支出となりました。これらにより、当連結会計年度末において、シンジケートローン契約に付されている財務制限条項に抵触し、期限の利益等の喪失事由に該当しています。
このような状況に対し、当社グループは、基幹3製品の早期価値最大化およびグループをあげた構造改革により、2024年度を将来の再成長に向けた転換点とすべく、コア営業利益黒字化を目指してまいります。
さらに、財務面では、当社が保有するRoivant Sciences Ltd.の全株式の売却に加え、政策保有株式等の資産の売却を進め、必要な資金の確保に向けた施策も進めています。また、当社グループの金融機関からの借入金等について、親会社である住友化学株式会社による債務保証を受けています。これらの施策を踏まえ、取引先金融機関と期限の利益喪失の請求権放棄に関し協議した結果、主要な取引先金融機関から同請求権を行使しないことについて承諾を得ていることから、引き続き取引先金融機関の支援を得られる見通しです。
以上より、当社グループでは、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在していますが、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しています。
なお、上記以外にもさまざまなリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準(以下「IFRS」)に準拠して作成しています。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記3.重要性がある会計方針」に記載しています。
連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの財政状態又は経営成績等に重要な影響を及ぼす会計上の見積りおよび判断は、以下のとおりです。
・のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の減損テストにおける処分コスト控除後の公正価値は、将来キャッシュ・フローの見積額を資金生成単位ごとに設定した加重平均資本コスト等を割引率として用いて現在価値に割り引いて算定しています。
上市後の無形資産の将来キャッシュ・フローの見積りには、対象となる製品の販売価格、関連する疾患領域における患者数及び当該製品のシェア等に基づく製品の収益予測及び固定費の予測等の多くの前提条件が含まれています。また、のれんを含む資金生成単位の将来キャッシュ・フローの見積りは、上述の前提条件に加え、開発品に係る研究開発活動の成功確率等を勘案した開発品の収益予測等の前提条件が含まれています。これらの前提条件や割引率は、将来発生する事象によっては影響を受ける可能性があり、翌連結会計年度の連結財務諸表において、のれん及び無形資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
・引当金
引当金は、期末日における将来の債務の決済時期及び決済に必要と予想されるキャッシュ・フロー等に関する最善の見積りに基づいて算定しています。特に、米国で販売している製品に適用される売上割戻引当金の見積りに用いられる将来の販売数量や割戻率等は、将来発生する事象によっては影響を受ける可能性があり、翌連結会計年度の連結財務諸表において、引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。
・繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来減算一時差異等を利用できる将来課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しています。当該回収可能性の判断は、当社グループの事業計画に基づいて見積もった将来の各事業年度の課税所得を前提としています。当該将来の課税所得の見積りは、将来発生する事象によっては影響を受ける可能性があり、翌連結会計年度の連結財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を生じさせる可能性があります。
(2) 経営成績
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症が収束し、経済活動の正常化が進むなか、米国では堅調な個人消費を背景に景気の回復が継続するなど、総じて持ち直しの動きが見られました。一方、地政学的リスクの高まりや、世界的な物価上昇、不安定な為替変動など、先行きが不透明な状況が続きました。わが国経済についても、景気は緩やかな回復基調を取り戻しましたが、物価上昇の影響により内需は力強さを欠く状況が続きました。
医薬品業界では、各国において薬剤費抑制策が一段と進むなか、新薬開発の難度の高まり、研究開発費の高騰、競争の激化などにより、事業の予見性が低下しています。
このような状況のもと、当社グループは、2023年度を起点とした2027年度までの5か年の「中期経営計画2027」を2023年4月に発表し、これに基づき事業活動を進めてまいりました。しかしながら、北米事業における基幹3製品の売上収益の伸びが想定を下回ったことにより、事業予想を見直した結果、特許権などの無形資産やのれんにおいて多額の減損損失を計上することとなりました。
日本においては、精神神経領域では、パーキンソン病治療剤「トレリーフ」ならびに非定型抗精神病薬「ラツーダ」および「ロナセンテープ」を中心に情報提供活動に注力しました。糖尿病領域では、2型糖尿病治療剤「エクア」および「エクメット」の販売拡大に努めました。2型糖尿病治療剤「ツイミーグ」については、想定以上の需要の増加に伴い在庫が逼迫したため、2023年4月から限定出荷としましたが、生産体制の強化等の対応を行ったことにより、2023年12月に通常出荷を再開しました。また、住友ファーマアニマルヘルス株式会社の全株式を三井物産株式会社に譲渡する手続が2023年5月に完了しました。
北米においては、基幹3製品および他家培養胸腺組織「リサイミック」の販売に注力しました。また、分散していた機能と人材を集約し、より強固な事業基盤を構築する目的で2023年7月に米国グループ会社を再編し、人員削減を行いました。しかしながら、基幹3製品の売上収益の伸びが想定を下回る見込みとなったことから、組織運営の更なる効率化を図るため、2024年3月にSumitomo Pharma America, Inc.において追加の人員削減等の合理化を行いました。
アジアにおいては、主力製品であるカルバペネム系抗生物質製剤「メロペン」の販売に引き続き注力しました。また、中国では2023年11月に市中肺炎治療剤「ゼンレタ」の承認を取得しました。
(業績管理指標として「コア営業利益」を採用)
当社グループでは、IFRSの適用にあたり、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を設定し、これを当社独自の業績管理指標として採用しています。
「コア営業利益」は、営業利益から当社グループが定める非経常的な要因による損益(以下「非経常項目」)を除外したものとなります。非経常項目として除かれる主なものは、減損損失、事業構造改善費用、企業買収に係る条件付対価公正価値の変動額などです。
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、以下のとおりです。
(単位:億円)
■ 売上収益は、3,146億円(前連結会計年度比43.4%減)となりました。
基幹3製品の売上は増加しましたが、主力製品であった「ラツーダ」の米国での独占販売期間終了による売上減少の影響が大きく、また、連結子会社であった住友ファーマフード&ケミカル株式会社および住友ファーマアニマルヘルス株式会社の全株式を譲渡したことに伴い、当該2社が当社グループ傘下でなくなったことなどから、大幅な減収となりました。
■ コア営業損益は、1,330億円の損失(前連結会計年度は164億円の利益)となりました。
北米グループ会社の再編等により販売費及び一般管理費および研究開発費は減少しましたが、減収による売上総利益の減少の影響が大きく、コア営業損失となりました。
■ 営業損益は、3,549億円の損失(前連結会計年度は770億円の損失)となりました。
北米事業の事業予想を見直したことにより、「マイフェンブリー」に係る特許権(無形資産)の一部およびのれんの一部について、それぞれ1,335億円および359億円を減損したことに加え、一部の開発品目の開発を中止したことにより、当該開発品に係る仕掛研究開発(無形資産)について106億円を減損するなど、総額1,809億円の減損損失を計上しました。また、北米グループ会社の再編および追加の合理化に伴う事業構造改善費用を計上しました。これらの非経常項目に加え、コア営業損失となったことにより、営業損失が大幅に増加しました。
■ 税引前当期損益は、3,231億円の損失(前連結会計年度は479億円の損失)となりました。
円安の進行による為替差益の計上等により、金融収益は増加しましたが、営業損失の増加の影響が大きく、税引前当期損失が増加しました。
■ 当期損益は、3,149億円の損失(前連結会計年度は967億円の損失)となりました。
税引前当期損失が増加したことにより、当期損失が増加しました。
■ 親会社の所有者に帰属する当期損益は、3,150億円の損失(前連結会計年度は745億円の損失)となりました。
当期損失の増加の影響が大きく、非支配持分に帰属する利益を控除した親会社の所有者に帰属する当期損失が増加しました。
(セグメント業績指標として「コアセグメント利益」を採用)
セグメント別の業績では、各セグメントの経常的な収益性を示す利益指標として、「コアセグメント利益」を設定し、当社独自のセグメント業績指標として採用しています。
「コアセグメント利益」は、「コア営業利益」から、グローバルに管理しているため各セグメントに配分できない研究開発費、事業譲渡損益などを除外したセグメント別の利益となります。
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分方法を変更したことに伴い、前連結会計年度についても変更後の報告セグメント区分に組み替えて比較を行っています。当該報告セグメントの変更の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記4.事業セグメント (2) 報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
<日本>
■ 売上収益は、1,147億円(前連結会計年度比37.6%減)となりました。
「ラツーダ」や「ツイミーグ」などの売上が伸長しましたが、2022年12月に2型糖尿病治療剤「トルリシティ」の販売提携が終了したことや、前期にはライセンス契約の契約一時金の売上収益計上があったことに加え、国内連結子会社2社について、それぞれの全株式を譲渡したことに伴い、当該2社が当社グループ傘下でなくなったことなどから、減収となりました。
■ コアセグメント利益は、134億円(前連結会計年度比31.6%減)となりました。
販売費及び一般管理費は減少しましたが、減収による売上総利益の減少の影響が大きく、減益となりました。
<北米>
■ 売上収益は、1,590億円(前連結会計年度比51.6%減)となりました。
基幹3製品や「リサイミック」の売上は増加しましたが、主力製品であった「ラツーダ」の米国での独占販売期間が2023年2月に終了したことによる売上減少の影響が大きく、減収となりました。
■ コアセグメント損益は、802億円の損失(前連結会計年度は322億円の利益)となりました。
「ラツーダ」の独占販売期間終了および北米グループ会社の再編等に伴い販売費及び一般管理費は減少しましたが、減収による売上総利益の減少の影響が大きく、コアセグメント損失となりました。
<アジア>
■ 売上収益は、409億円(前連結会計年度比6.0%減)となりました。
東南アジアにおいて売上収益が増加しましたが、中国において薬剤費抑制策の対象となった「メロペン」の売上減少の影響が大きく、減収となりました。
■ コアセグメント利益は、184億円(前連結会計年度比14.2%減)となりました。
減収による売上総利益の減少により、減益となりました。
(3) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 金額は販売価格により換算したものです。
2 セグメント間取引については相殺消去しています。
3 当連結会計年度において、北米セグメントにおける生産実績が著しく減少しました。これは、「ラツーダ」の米国での独占販売期間終了によるものです。
② 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 金額は仕入価格によっています。
2 当連結会計年度において、日本セグメントにおける仕入実績が著しく減少しました。これは、住友ファーマフード&ケミカル株式会社の全株式を譲渡したことに伴い、同社が当社グループ傘下でなくなったことに加え、当社において「トルリシティ」の販売提携が終了したことによるものです。
③ 受注状況
当社グループの生産は見込生産で、受注生産は行っていません。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しています。
2 当連結会計年度において、日本セグメントにおける販売実績が著しく減少しました。これは、住友ファーマフード&ケミカル株式会社の全株式を譲渡したことに伴い、同社が当社グループ傘下でなくなったことに加え、当社において「トルリシティ」の販売提携が終了したことによるものです。また、北米セグメントにおいても販売実績が著しく減少しました。これは、「ラツーダ」の米国での独占販売期間終了によるものです。
3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
(注) 当連結会計年度においてAmerisourceBergen Corporationから社名変更しています。
(4) 財政状態
資産については、前連結会計年度末に比べ2,272億円減少し、9,075億円となりました。
非流動資産では、当社が保有する投資有価証券の公正価値評価の変動等により、その他の金融資産が増加しましたが、減損損失の計上により無形資産やのれんが減少した結果、前連結会計年度末に比べ1,149億円減少しました。
流動資産では、現金及び現金同等物が減少したことに加え、営業債権及びその他の債権やその他の金融資産が減少した結果、前連結会計年度末に比べ1,123億円減少しました。
負債については、北米での売上割戻金にかかる引当金や未払法人所得税に加えて、その他の非流動負債やその他の流動負債等が減少しましたが、金融機関からの借入金等が増加した結果、前連結会計年度末に比べ234億円増加し、7,514億円となりました。なお、社債及び借入金は合計で4,189億円となり、前連結会計年度末に比べ842億円増加しました。
親会社の所有者に帰属する持分は、保有投資有価証券の公正価値変動および円安の影響によりその他の資本の構成要素が増加しましたが、利益剰余金が親会社の所有者に帰属する当期損失の計上により大きく減少した結果、前連結会計年度末に比べ2,507億円減少し、1,561億円となりました。
この結果、資本合計は前連結会計年度末に比べ2,506億円減少し、1,561億円となり、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は17.2%となりました。
また、当社大分工場の一部を親会社である住友化学株式会社に2024年4月に譲渡することに伴い、関連する資産については売却目的で保有する資産に分類しています。
なお、前連結会計年度に株式譲渡契約が締結されていた連結子会社住友ファーマアニマルヘルスの株式譲渡については、2023年5月31日付けで手続きが完了しました。
(5) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、減損損失などの非資金損益項目を除いた当期損失の増加に加え、引当金の減少や法人所得税の支払額の増加などにより、前連結会計年度に比べ2,538億円収入が減少し、2,419億円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却や住友ファーマアニマルヘルス株式会社の株式譲渡に伴う子会社の支配喪失による増加、短期貸付金の減少等により、330億円の収入となりました。なお、前連結会計年度は当連結会計年度を上回る子会社の支配喪失による収入や無形資産の売却による収入などがあったため、前連結会計年度に比べ194億円収入が減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、金融機関からの短期借入等により、779億円の収入となりました。なお、前連結会計年度はMyovant Sciences Ltd.の完全子会社化による非支配持分からの子会社持分取得による支出などがあったため、前連結会計年度に比べ2,247億円収入が増加しました。
上記のキャッシュ・フローに、現金及び現金同等物に係る換算差額および売却目的で保有する資産への振替額を加えた結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は290億円となり、前連結会計年度末に比べ1,144億円減少しました。
5 【経営上の重要な契約等】
(1) 技術導入
(2) 技術導出
(3) 販売契約等
(注) 当連結会計年度において、マイランEPD合同会社はヴィアトリス・ヘルスケア合同会社に社名変更しています。
(4) 借入契約
当連結会計年度において、前連結会計年度に実施したMyovant Sciences Ltd.の完全子会社化に係る資金の一部の追加借入として、短期資金借入契約を締結しており、また、これらに関連する借入契約の契約期限を2024年9月末まで延長しています。また、これらの借入契約は、当社親会社である住友化学株式会社による債務保証を受けています。
以下の契約については、契約終了の合意もしくは契約期間満了に伴い、当連結会計年度において終了しました。
技術導入
販売契約等
以下の契約については、契約変更の合意に伴い、当連結会計年度において(2)技術導出に移行しました。
販売契約等
6 【研究開発活動】
当社グループは、「中期経営計画2027」のもと、精神神経領域およびがん領域ならびにその他領域において、医薬品、再生・細胞医薬、非医薬等による多様なアプローチで人々の健康で豊かな生活に貢献するため、自社研究に加え、技術導入、ベンチャー企業やアカデミアとの共同研究など、あらゆる方法で先端の技術を取り入れて研究開発活動に取り組みました。
一方で、複数の後期開発品目で期待したマイルストンを達成することができなかったことから、開発優先品目の見直しを行いました。
当連結会計年度における主な開発の進捗状況は、次のとおりです。
(1) 精神神経領域
① 他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞(開発コード:CT1-DAP001/DSP-1083)
日本において、京都大学医学部附属病院が実施していたパーキンソン病治療に関するフェーズ1/2試験(医師主導治験)について、2023年12月に2年間の観察期間が終了しました。
米国において、カリフォルニア大学サンディエゴ校が非凍結細胞(CT1-DAP001)を用いたパーキンソン病治療に関するフェーズ1/2試験(医師主導治験)を開始しました。
米国において、凍結細胞(DSP-1083)を用いたパーキンソン病治療に関するフェーズ1/2試験(企業治験)を開始しました。
② 他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞(開発コード:HLCR011)
日本において、網膜色素上皮裂孔を対象としたフェーズ1/2試験を開始しました。
③ ウロタロント(開発コード:SEP-363856)
米国において、統合失調症を対象として実施していた2本のフェーズ3試験について、2023年7月に解析結果を得ましたが、いずれの試験においても主要評価項目を達成することができませんでした。その後、本剤の開発方針を検討した結果、当社における開発を中止し、大塚製薬株式会社に開発を委ねることとしました。
④ SEP-4199
米国および日本において、双極Ⅰ型障害うつを対象としたフェーズ3試験を実施していましたが、被験者登録の進捗の大幅な遅れにより、試験を中止しました。その後、本剤の開発方針を検討した結果、当社における開発を中止しました。
⑤ EPI-589
米国におけるパーキンソン病を対象としたフェーズ2試験ならびに米国および日本における筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象としたフェーズ2試験の結果を踏まえ、本剤の開発方針を検討した結果、当社における開発を中止しました。
(2) がん領域
① TP-3654
米国および日本において、骨髄線維症を対象としたフェーズ1/2試験を推進しました。
② DSP-5336
米国および日本において、急性白血病を対象としたフェーズ1/2試験を推進しました。
(3) その他の領域
①「ジェムテサ」(一般名:ビベグロン)
米国において、2024年2月に前立腺肥大症を伴う過活動膀胱に対する適応追加申請を行いました。
②「オブジェムサ」(一般名:ビベグロン)
欧州において、2023年5月に提携先が過活動膀胱に対する承認申請を行いました。
③「ライエクオ」(一般名:レルゴリクス・エストラジオール・酢酸ノルエチンドロン配合剤)(レルゴリクス配合剤)
欧州において、提携先が子宮内膜症に対する適応追加承認を2023年11月に取得しました。
④ rodatristat ethyl
米国において、肺動脈性肺高血圧症(PAH)を対象としたフェーズ2試験を実施していましたが、期待した有効性および安全性が認められなかったことから、すべての試験を中止しました。その後、本剤の開発方針を検討した結果、当社における開発を中止しました。
⑤「ゼンレタ」(一般名:lefamulin acetate)
中国において、市中肺炎を適応症とした承認を2023年11月に取得しました。
⑥ ユニバーサルインフルエンザワクチン
ベルギーにおいて、TLR7アジュバント(開発コード:DSP-0546LP)を添加して作製した新規のユニバーサルインフルエンザワクチン製剤のフェーズ1試験の開始申請を2024年3月に提出しました。
このような研究開発活動の結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,126億円(前連結会計年度比14.6%減)となりました。なお、当該金額は、当連結会計年度に計上した事業構造改善費用および減損損失等217億円を含んでいることから、これを除いたコアベースの研究開発費は、909億円(前連結会計年度比14.3%減)となりました。また、当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分していません。
当社グループにおける開発状況は、以下のとおりです。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループは、医薬品事業を中心に生産、研究開発および営業活動において積極的な投資を進めています。
当連結会計年度のソフトウエアを含む設備投資の総額は141億円であり、その主なものは、米国における細胞製品製造施設建設への投資等です。
なお、当連結会計年度において生産能力に重大な影響を与えるような固定資産の除却、売却などはありません。
また、当社グループでは資産をセグメントに配分していないため、セグメント別の記載を省略しています。
2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は、以下のとおりです。
(1) 提出会社
2024年3月31日現在
(注)大分工場の一部を親会社である住友化学株式会社に2024年4月1日付けで譲渡しました。
(2) 国内子会社
該当事項はありません。
(3) 在外子会社
2024年3月31日現在
(注) 帳簿価額のうち「その他」には、使用権資産を含んでいます。また建設仮勘定は含まれていません。
3 【設備の新設、除却等の計画】
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 2005年10月1日の住友製薬株式会社との合併(合併比率1:1,290)によるものです。
なお、これによる資本準備金の増減はありません。
(5) 【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 自己株式610,393株は「個人その他」に6,103単元および「単元未満株式の状況」に93株含まれています。なお、自己株式610,393株は、株主名簿記載上の株式数であり、2024年3月31日現在の実保有残高609,393株です。
2 「その他の法人」および「単元未満株式の状況」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が、それぞれ2単元および50株含まれています。
(6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(注) 株式会社SMBC信託銀行(株式会社三井住友銀行退職給付信託口)7,000千株は、株式会社三井住友銀行が保有していた当社株式を退職給付信託に拠出したものです。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(自己株式等)」の欄は、すべて当社保有の自己株式です。
2 「完全議決権株式(その他)」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が200株および株主名簿上は当社名義となっていますが、実質的に所有していない株式が1,000株含まれています。但し、「議決権の数」欄には、株主名簿上は当社名義となっていますが、実質的に所有していない株式に係る議決権の数10個は含まれていません。
3 「単元未満株式」の欄には、株式会社証券保管振替機構名義の株式が50株、当社所有の自己株式が93株含まれています。
② 【自己株式等】
2024年3月31日現在
(注) 株主名簿上は当社名義となっていますが、実質的に所有していない株式が1,000株あります。なお当該株式数は上記「①発行済株式」の「完全議決権株式(その他)」の中に含まれています。
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含めていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における取得自己株式の処理状況には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買増請求による株式数は含めていません。
2 当期間末の保有自己株式数は、2024年5月31日現在のものです。
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様へ常に適切な利益還元を行うことを最も重要な経営方針の一つとして位置付けています。
当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当をすることができる旨を定款に定めているため、当社の剰余金の配当は、中間配当および期末配当の年2回を基本的な方針としています。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会です。
配当方針につきましては、業績に裏付けられた成果を適切に配分することを重視しており、安定的な配当に加えて、業績向上に連動した増配を行うこととしています。また、企業価値のさらなる向上に向け、将来の成長のための積極的な投資を行いつつ、強固な経営基盤の確保と財務内容の充実を図っています。
配当方針に基づき、2024年3月期から2028年3月期までの5か年の「中期経営計画2027」では、2024年3月期はコア営業利益の赤字を見込むことから無配の方針、2025年3月期はコア営業利益の黒字化に伴い復配の方針とし、その後は安定配当を目指すこととしていました。
前連結会計年度は、1株につき21円の配当を行いましたが、当連結会計年度の業績は、コア営業損益は1,330億円の損失、また多額の減損損失を計上したことに伴い、親会社の所有者に帰属する当期損益が3,150億円の損失となったことにより、当連結会計年度については、配当方針および当連結会計年度の業績を踏まえ、無配とさせていただきます。
また、2025年3月期はコア営業利益10億円を見込んでいますが、「中期経営計画2027」で想定したコア営業利益400億円を大きく下回っていることから、2025年3月期の配当についても、誠に遺憾ながら無配を予定しています。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「コーポレートガバナンスに関する基本方針」を制定し、理念のより良い実現を目指して、実効性の高いコーポレートガバナンス体制の構築を継続して追求することを重要な経営課題として位置づけています。
② 企業統治の体制の概要および当該企業統治の体制を採用する理由
当社は、取締役会と独立した立場で取締役の職務執行を監査する目的で監査役会設置会社を選択しています。また、執行役員制度を採用し、経営の監督と業務執行を分離しています。
取締役会は、独立社外取締役4名を含む8名で構成しており(議長:社長)、原則月1回開催し、経営に関する重要な事項について決議および報告を行っています。
監査役会は、社外監査役3名を含む5名で構成しており、原則月1回開催し、監査に関する重要な事項について協議と決議を行うとともに、取締役会付議事項の事前確認等も行っています。
取締役および監査役の候補者の指名、取締役の報酬の決定などにかかる取締役会の機能の客観性・独立性を強化する観点から、取締役会の諮問機関として指名報酬委員会を設置し、必要に応じて開催しています。同委員会は、次の6名の委員で構成し、その過半数である4名を独立社外取締役とし、委員長は独立社外取締役から選定しています。
(指名報酬委員会の構成)
当社の親会社またはその子会社(当社およびその子会社を除く。)(以下「親会社グループ」)との重要な取引等について、その公正性および合理性を確保し、当社の少数株主の利益保護に資するため、取締役会の諮問機関としてグループ会社間取引利益相反監督委員会を設置し、必要に応じて開催しています。同委員会は、すべての独立社外取締役で構成し、委員長は委員の互選により選定しています。第204期定時株主総会終結後における同委員会の委員長は、2024年7月以降に開催する同委員会において選定する予定です。
(グループ会社間取引利益相反監督委員会の構成)
また、社長の意思決定のための諮問機関として経営会議を原則月2回開催し、取締役会の決定した基本方針に基づき、経営上の重要な事項を審議しています。さらに、業務執行状況および業務執行にかかわる重要事項について社外役員を含む取締役および監査役ならびに執行役員等の間で適切に共有することを目的として経営連絡会を原則月1回開催しています。

③ 企業統治に関するその他の事項
(ア)内部統制システムおよびリスク管理体制の整備の状況
当社は、業務の適正を確保するための体制の整備の基本方針について、取締役会において次のとおり決議し、運用しています。
(a)当社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・「行動宣言」に基づくコンプライアンスの実践をより確実なものとするため、「コンプライアンス行動基準」を制定し、企業倫理の浸透を図ります。
・コンプライアンスを推進する体制として、コンプライアンス担当執行役員を委員長とするコンプライアンス委員会及びコンプライアンス委員会事務局を設置し、各部門長をコンプライアンス推進者に任命します。
・コンプライアンス委員会を定期的に開催し、コンプライアンス推進状況を把握し、その概要を取締役会に適切に報告します。
・コンプライアンス委員会は、取締役及び使用人に対する教育研修の年度方針を策定し、実施します。
・コンプライアンスに関する通報・相談をするための窓口として社内外にコンプライアンス・ホットラインを設置します。当該通報・相談をした者に対して、当該通報・相談をしたことを理由として不利な取扱いをしません。
・内部監査を担当する部門を設置して、コンプライアンスの状況の監査を行い、社長及びコンプライアンス担当執行役員に適切に報告します。
(b)当社の取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
・記録・情報の取扱いに関する社則を制定し、取締役の職務の執行に係る情報の適切な保存・管理を行います。
(c)当社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・リスクマネジメントに関する当社グループとしての基本的な考え方を定めた「SMP Group Risk Management Policy」を制定し、適切にリスクマネジメントを実施します。
・「リスクマネジメント規則」を制定し、社長がリスクマネジメントを統括することを明確にするとともに、特性に応じて分類されたリスクごとにリスクマネジメントを推進する体制を整備します。各推進体制の運用状況については、定期的に取締役会に報告します。
・当社の経営又は事業活動に重大な支障を与えるおそれのある緊急事態が発生した際の影響を最小限にとどめるため、「緊急時対応規程」を制定し、経営及び事業の継続性を確保します。
(d)当社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・「取締役会規則」、「職務権限規則」、「組織規則」、「業務分掌規程」等を制定し、職務権限、業務分掌及び意思決定のルールを明確にします。
・執行役員制度を導入し、迅速で効率性の高い経営の実現を図ります。
・電子決裁システムを導入し、意思決定の迅速化及び効率化を図ります。
(e)当社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(ⅰ)子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
子会社は、職務権限、業務分掌及び意思決定のルールを明確にします。
(ⅱ)子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
当社は、適正なグループ運営を推進するための基本事項を定めた社則を制定し、その遵守を子会社が誓約することにより、子会社から経営上の重要事項の報告を受けます。
(ⅲ)子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・子会社は、その業態やリスクの特性に応じてリスクマネジメントを推進する体制を整備し、適切にリスクマネジメントを実施します。
・当社は、子会社のリスクマネジメント全般を把握し、助言、指導等の必要な対応を行います。
・当社は、当社グループがグループ横断的に取り組むべきリスクについて、必要な推進体制を整備し、当社グループにおけるリスクマネジメントを強化します。
(ⅳ)子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・子会社は、適切なコンプライアンス推進体制を整備します。
・当社は、子会社が参加するコンプライアンスに関する委員会等を定期的に開催し、子会社のコンプライアンスの強化を図ります。
・当社の内部監査を担当する部門は、子会社のコンプライアンスの状況の監査を行い、当社の社長及びコンプライアンス担当執行役員に適切に報告します。
(ⅴ)その他当社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
・親会社である住友化学株式会社のグループ運営の方針を尊重しつつ、当社の独立性を確保し、自律的な内部統制システムを整備します。
・当社と親会社との取引については、取引の公正性及び合理性を確保し、適切に行います。
(f)監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(ⅰ)監査役の職務を補助すべき使用人に関する事項、当該使用人の当社の取締役からの独立性に関する事項及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査役の職務を補助し、監査役会事務局を担当するため、業務執行部門の指揮・命令に服さない使用人を配置します。当該使用人の異動及び人事考課は、監査役と協議の上、監査役の意見を尊重して行います。
(ⅱ)取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制
当社の取締役及び使用人から監査役への報告に関する手続等を定め、監査役が必要とする情報を適時適切に提供します。
(ⅲ)子会社の取締役、監査役、業務を執行する社員及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査役に報告をするための体制
子会社の取締役等から監査役への報告に関する手続等を定め、監査役が必要とする情報を適時適切に提供します。
(ⅳ)前2号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
前2号の報告をした者に対して当該報告をしたことを理由として不利な取扱いをしません。
(ⅴ)監査役の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役の職務の執行について生ずる費用又は債務の処理は、監査役の意見を尊重して、適時適切に行います。
(ⅵ)その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・監査役と代表取締役との会合、監査役と内部監査を担当する部門との会合、並びに監査役、内部監査を担当する部門及び会計監査人による三者の会合を定期的に開催します。
・監査役から監査役の職務に関する要望があれば、これを尊重し、適時適切に対応します。
(g)反社会的勢力の排除
反社会的勢力に対しては断固たる行動をとることを周知徹底し、一切の関係遮断に向けた取組を推進します。
(イ)責任限定契約
当社は、会社法第427条第1項の規定により、賠償責任について、社外取締役4名および社外監査役3名との間で、その職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときの損害賠償責任を限定する契約(責任限定契約)を締結しています。当該契約に基づく責任の限度額は、1,000万円または法令が規定する額のいずれか高い額としています。
(ウ)役員等賠償責任保険契約
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約の被保険者は、当社および国内子会社(以下「当社等」)のすべての役員および執行役員等の重要な使用人(以下「役員等」)です。当該保険契約の保険料は当社が全額負担し、被保険者が当社等の役員等としての業務につき行った行為(不作為を含む。)に起因して保険期間中に被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が責任を負う損害賠償金および争訟費用の損害が填補されます。ただし、法令に違反することを被保険者が認識しながら行った行為に起因する場合等一定の免責事由があります。
(エ)取締役の定数および選任の決議要件
当社は、取締役の定数を3名以上とする旨を定款に定めています。
また、当社の取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨および取締役の選任決議は累積投票によらないものとする旨を定款に定めています。
(オ)株主総会決議事項を取締役会で決議することができる事項
当社は、資本施策の機動的な対応を可能とすることを目的として、会社法第165条第2項に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めています。
また、当社は、株主へより安定的で適切な配当を実施することを目的として、会社法第454条第5項に基づき、取締役会の決議によって中間配当をすることができる旨を定款に定めています。
(カ)株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。
(キ)会社と株主間取引での利益相反の防止
住友化学株式会社は、当社の議決権の51.78%を有する親会社です。親会社と当社の取引に関しては、市場金利や一般的な取引条件をもとに合理的な条件を決定しています。また、親会社と当社間における重要な取引につきましては、その決定に際して、取締役会決議を必要としています。さらに、親会社との年間取引金額について、取締役会に報告することによって、株主の利益を害するものでないことを確認しています。また、親会社グループとの重要な取引等については、取締役会の諮問機関として設置した、すべての独立社外取締役によって構成されるグループ会社間取引利益相反監督委員会において、少数株主の利益保護の観点から審議を行うこととしています。
④ 取締役会の活動状況
当事業年度において、取締役会を16回開催しており、個々の取締役および監査役の出席状況については次のとおりです。
(注) 1 大江善則氏についての取締役会出席状況は、当事業年度に開催された取締役会のうち、2023年6月27日の退任前に開催されたもののみを対象としています。
2 加島久宜氏についての取締役会出席状況は、当事業年度に開催された取締役会のうち、2023年6月27日の就任後に開催されたもののみを対象としています。
取締役会においては、当事業年度は、欧米子会社の再編、中期経営計画2027の策定、取締役報酬制度の改定、生産組織の再編、政策保有株式の売却、精神神経領域の開発品目にかかる提携契約の改定、フロンティア事業に関する事業譲受に関する決議、ならびに、サクセッションプランの検討状況、精神神経領域の開発品目の状況、政策保有株式の保有状況およびその議決権の行使状況、関連当事者との取引状況、内部統制システムの整備状況および運用状況、リスクマネジメント(品質・安全性、コンプライアンス、情報管理および業務活動リスクの各領域)に関する取組状況、内部監査の状況、取締役および監査役に対するトレーニングの実施状況、取締役会の実効性に関する分析および評価の結果、株主・投資家等との対話の状況、サステナビリティ(環境、人権および従業員の健康の各領域)に関する取組状況、指名報酬委員会の活動状況、全社意識調査の分析結果等に関する報告を行いました。
⑤ 指名報酬委員会の活動状況
当事業年度において、指名報酬委員会を8回開催しており、個々の委員の出席状況については次のとおりです。
指名報酬委員会においては、当事業年度は、代表取締役および役付取締役の選定、取締役の候補者、執行役員の候補者、社長等の後継者の選定方針等、取締役の報酬の決定に関する方針、各取締役の個別報酬等に関する審議を行いました。
⑥ グループ会社間取引利益相反監督委員会の活動状況
当事業年度において、グループ会社間取引利益相反監督委員会を4回開催しており、個々の委員の出席状況については次のとおりです。
グループ会社間取引利益相反監督委員会においては、当事業年度は、当社の大分工場と住友化学株式会社の大分工場の一部統合および住友化学株式会社からの債務被保証に関する審議を行いました。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性11名 女性2名 (役員のうち女性の比率15.4%)
(注) 1 取締役 新井佐恵子、遠藤信博、碓井稔および藤本康二は、社外取締役です。
2 監査役 射手矢好雄、望月眞弓および道盛大志郎は、社外監査役です。
3 所有株式数は、2024年5月31日現在の保有状況です。
4 取締役8名の任期は、2024年6月25日選任後、1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。
5 監査役 望月眞弓の任期は、2021年6月24日選任後、4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。
6 監査役 沓内敬、射手矢好雄および道盛大志郎の任期は、2022年6月23日選任後、4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。
7 監査役 加島久宜の任期は、2023年6月27日選任後、4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。
8 当社では、取締役会の活性化および意思決定の迅速化ならびに業務執行の責任体制の明確化を目的として執行役員制度を導入しています。
執行役員(取締役による兼任を除く)は、以下の12名です。
② 社外役員の状況
当社は社外取締役4名、社外監査役3名を選任しています。
<社外取締役>
<社外監査役>
当社では、次のとおり社外役員の独立性判断基準を定めており、当該基準を充足する社外取締役および社外監査役を独立性があるものと判断しています。
(社外役員の独立性判断基準)
当社は、次のいずれの事項にも該当しない者について、独立性が認められる者と判断します。ただし、この独立性判断基準を形式的に充足している場合においても、具体的な状況に鑑み、実質的に独立性がないと判断することは妨げられないものとします。
(ア)当社を主要な取引先とする者(当社に対して製品またはサービスを提供している者であって、その取引額がその者の直前3事業年度のいずれかの年度における年間連結売上収益または年間連結売上高の2%を超える者をいう。)またはその業務執行者(会社法施行規則第2条第3項第6号に定める業務執行者と同義とする。以下この独立性判断基準において同じ。)
(イ)当社の主要な取引先(当社が製品またはサービスを提供している取引先であって、当社の直前3事業年度のいずれかの年度における取引額が年間連結売上収益の2%を超える者をいう。)またはその業務執行者
(ウ)当社から役員報酬以外に、その者の直前3事業年度のいずれかの年度において1,000万円以上の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家または法律専門家(金銭その他の財産を得ている者が法人、組合その他の団体である場合は、当社から1億円以上を得ている団体に所属する者をいう。)
(エ)当社からその者の直前3事業年度のいずれかの年度において1,000万円以上の寄付または助成を受けている者(寄付または助成を受けた者が法人、組合その他の団体である場合は、当社から1億円以上の寄付または助成を受けている団体に所属する者をいう。)
(オ)過去10年間において次の(a)または(b)に該当していた者
(a)当社の親会社の業務執行者(業務執行者でない取締役を含み、社外監査役を独立性の判断の対象とする場合にあっては、監査役を含む。)
(b)当社の親会社の子会社(当社およびその子会社を除く。以下同じ。)の業務執行者
(カ)次の(a)から(c)までのいずれかに掲げる者(重要な地位にある者(注1)以外を除く。)の近親者(注2)
(a)上記(ア)から(オ)までに掲げる者
(b)当社の子会社の業務執行者(社外監査役を独立性の判断の対象とする場合にあっては、業務執行者でない取締役を含む。)、当社の親会社の業務執行者(業務執行者でない取締役を含み、社外監査役を独立性の判断の対象とする場合にあっては、監査役を含む。)または当該親会社の子会社の業務執行者
(c)過去3年間において当社またはその子会社の業務執行者(社外監査役を独立性の判断の対象とする場合にあっては、業務執行者でない取締役を含む。)であった者
(注)1 重要な地位にある者とは、取締役(社外取締役を除く。)、執行役員および部門長ならびに監査法人または会計事務所に所属する公認会計士、法律事務所に所属する弁護士その他同等の重要性を持つと客観的・合理的に判断される者をいう。
2 近親者とは、配偶者および二親等内の親族をいう。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査および会計監査との相互連携並びに内部監査部との関係
社外取締役は、取締役会等において、監査役監査および内部監査の結果について報告を受けるとともに、財務報告に係る内部統制の評価結果や業務の適正を確保するための体制の運用状況についても報告を受けており、また、定期的に会合をもつことにより、社外監査役、常勤監査役、会計監査人および内部監査部と相互に連携を図っています。
社外監査役を含む監査役は、内部監査部と定期的に会合を持ち、その監査方針および監査実施状況の聴取、意見交換等により緊密な連携を図っています。会計監査人とは、監査計画や四半期・期末決算に対応した定期的会合を持つほか、監査上の主要な検討事項(KAM)に関する意見交換や、必要に応じて、往査・実査への立会い、資料・情報等の提供やその他の事項に関する意見交換等により緊密な連携を図っています。
また、監査役、会計監査人および内部監査部は、定期的に三様監査連絡会を開催し、情報および意見の交換を行っています。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
監査役については、3名の社外監査役を含めた5名の監査役を選任しています。監査役 加島久宜は、長年にわたり当社の経理部門の要職を務めるなど、財務および会計に関する相当程度の知見を有するものです。また、監査役 道盛大志郎は、財務省の要職および東京国税局長を歴任するなど、財務および会計に関する相当程度の知見を有するものです。
当事業年度において、監査役会を13回開催しており、1回当たりの平均所要時間は約100分でした。各監査役の出席状況については次のとおりです。
(注) 1 大江善則氏についての監査役会出席状況は、当事業年度に開催された監査役会のうち、2023年6月27日の退任前に開催されたもののみを対象としています。
2 加島久宜氏についての監査役会出席状況は、当事業年度に開催された監査役会のうち、2023年6月27日の就任後に開催されたもののみを対象としています。
監査役会においては、監査方針、監査計画、監査役の職務の分担を決定し、重点監査項目、監査環境の整備状況、内部統制システムの整備・運用状況(リスク管理体制、ガバナンス体制、海外を含む企業集団内部統制等)、会計監査人の監査の相当性および再任適否、競業取引・利益相反取引の状況、不祥事等への対応状況等についての検討または監視・検証を行っています。
監査役会は、当事業年度は、1)財務報告の適正を確保するための内部統制を含めた、当社単体および企業集団の内部統制システムの整備・運用状況について、2)中期経営計画2027の実施状況について、3)地域別事業の推進状況について、4)外部環境変化、社会課題への対応について、を重点監査項目として取り組みました。
当事業年度の監査方針、監査計画、監査役の職務の分担等に従い、各監査役は取締役会、経営連絡会および各種報告会に出席し、また、常勤監査役は経営会議その他重要な会議に出席して、取締役による経営判断の適法性・妥当性を確認するとともに、代表取締役と定期的に会合を持ち、取締役および使用人から職務の執行状況について報告を受け、必要に応じて説明を求め、また、主要事業所への往査や重要な決裁書類等を閲覧すること等により、内部統制システムの運用状況を監査しています。また、会計監査人との連携、内部監査部門との連携、更に三様監査の連携の機会を定期的に持つなど、監査の実効性を高めるための環境整備に努めています。子会社については、国内外子会社の代表取締役等との面談を行うほか、子会社の監査役とも適宜会合を持ち、情報入手に努めることにより、内部統制システムの運用状況を監査しています。
なお、監査役監査の実効性を高め、かつ、監査職務を円滑に遂行するため、監査役の専従スタッフを配置しています。
② 内部監査の状況
内部監査については、代表取締役社長直轄の内部監査部(2024年3月31日現在12名)を設置しています。
内部監査部では、内部統制の目的を達成するための基本的な要素を、子会社を含めて、公正かつ独立の立場で監査しています。また、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制についての整備状況および運用状況の評価を行っています。
内部監査部は、代表取締役社長に対する業務報告のみならず、取締役会規則に基づき、毎年1回、前年度の内部監査結果および当年度の監査計画について取締役会に直接報告を行っています。また、毎月、内部監査部の活動状況について常勤監査役に情報共有し、意見交換を行っています。さらに、毎年2回、内部監査の状況について監査役会に直接報告を行っています。
その他、毎年1回、内部監査部長と社外取締役および社外監査役との会合を開催し、内部監査に関連するトピック等について情報共有し、意見交換を行っています。また、毎年3回、三様監査において、会計監査人から監査計画、重点監査項目と会計監査結果及び監査上の主要な検討事項等の説明を受け、意見交換を行っています。
このような取組により、内部監査の実効性を確保しています。
③ 会計監査の状況
(ア)監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
(イ)継続監査期間
18年間
(ウ)業務を執行した公認会計士
(エ)監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士9名、その他27名が監査業務に携わっています。
(オ)監査法人の選定方針と理由
当社の監査役会による会計監査人の選定につきましては、当社の監査に必要な規模・人的組織・国際的ネットワークを有すること、当社の事業内容および国内外の事業展開を熟知していること、品質管理体制・コンプライアンス体制が整備され重大な監査上の品質問題を発生させていないこと、独立性に疑義を生じさせるような利害関係がないこと等を選定・評価基準としています。
当社は、有限責任 あずさ監査法人が当該基準を満たしており、職務遂行状況等を総合的に勘案した結果、同監査法人を適任と判断し、再任しました。
当社監査役会は、会社法第340条に従い会計監査人を解任するほか、別途定める会計監査人の解任または不再任の決定の方針に従い、会計監査人が継続して職務を遂行することに関し、重大な疑義が生じた場合には、会計監査人の解任または不再任に関する議案を決定し、当社取締役会は、当社監査役会の当該決定に基づき、当該議案を株主総会に提出します。
(カ)監査役及び監査役会による監査法人の評価
当社の監査役会は会計監査人の選定・評価基準を策定しており、当該基準に基づき会計監査人に対する評価を行っています。また、独立性に関する事項、その他監査に関する法令および規定の遵守に関する事項、会計監査人の職務の遂行が適正に行われていることを確保するための体制に関するその他の事項等を確認することにより、会計監査人に求められる独立性および専門性についても確認を行うこととしています。
④ 監査報酬の内容等
(ア)監査公認会計士等に対する報酬
当社における前連結会計年度の非監査業務の内容は、ESG関連報告書等の内容に対する助言業務です。
(イ)監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGグループ)に対する報酬((ア)を除く)
当社における非監査業務は、前連結会計年度は、クラウド型購買システム導入支援業務に基づくもの等で、当連結会計年度は、ESGデータの保証業務に基づくもの等です。
連結子会社における非監査業務は、前連結会計年度は、税務アドバイザリー契約に基づくものおよび事業譲渡に係るアドバイザリー契約に基づくもの等で、当連結会計年度は、税務アドバイザリー契約に基づくもの等です。
(ウ)その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
当社のグループでは、当連結会計年度中に北米グループ会社(欧州を含む)の再編を行いました。再編前の連結子会社であったSumitovant Biopharma Ltd.(現:Sumitomo Pharma UK Holdings, Ltd.)は、Ernst & Youngの監査を受けており、前連結会計年度における当該監査証明業務に基づく報酬額は196百万円でした。再編後のSumitomo Pharma UK Holdings, Ltd.は、当社監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGグループ)による監査証明業務を受けています。
また、Sumitovant Biopharma Ltd.傘下の一部の子会社においてもErnst & Youngの監査を受けており、前連結会計年度における当該監査証明に基づく報酬額は372百万円でしたが、前連結会計年度末において当社グループによる完全子会社化が完了したことなどにより、当連結会計年度において、Ernst & Youngへの監査証明業務に係る報酬に重要なものはありません。
(エ)監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士等に対する監査報酬につきましては、会計監査人から監査計画の内容、監査業務の実施方法の説明を受け、当社の事業規模、業務の特性、監査時間等を総合的に勘案し、監査役会の同意を得て決定することとしています。
(オ)監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社の監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、職務遂行状況および報酬見積りの算出根拠を検証・確認し、監査報酬の妥当性を総合的に検討した結果、会計監査人の報酬等について合理的な水準であると判断し、会社法第399条第1項に基づき同意を行っています。
(4) 【役員の報酬等】
① 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注) 1 2021年6月24日開催の第201期定時株主総会の決議による取締役の報酬等の額は、年額7億円以内であり、当該決議における取締役の員数は9名です。
2 2005年6月29日開催の第185期定時株主総会の決議による監査役の報酬等の額は、年額1億円以内であり、当該決議における監査役の員数は4名です。
3 取締役9名の報酬等の総額は215百万円、監査役6名の報酬等の総額は91百万円です。
4 監査役(社外監査役を除く。)には、2023年6月27日開催の第203期定時株主総会終結の時をもって退任した監査役1名を含んでいます。
5 当事業年度に係る業績連動型報酬(賞与)の支給はありません。業績連動型報酬(賞与)の額は、前事業年度の支給予定額と確定額の差額です。
② 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載していません。
③ 役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針等
(ア)取締役の報酬等の決定に関する方針等
当社は、取締役および監査役の候補者の指名、取締役の報酬の決定などにかかる取締役会の機能の客観性・独立性を強化する観点から、取締役会の諮問機関として指名報酬委員会を設置しています。また、取締役報酬制度として、取締役の個人別の報酬等の内容についての決定の方針を次のとおり定めており、当該方針は、指名報酬委員会が取締役会の諮問に基づき審議を行い、その答申を得たうえ、取締役会が決定しています。
(a)報酬等の体系
取締役(社外取締役を除く。)の報酬は、基本報酬と業績連動型報酬(賞与)で構成し、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上に向けたインセンティブとなるよう設定しています。また、基本報酬の一部は、当社株式の取得を目的に当社役員持株会へ拠出するべき報酬であり、当社役員持株会を通じて取得した株式は、在任期間中および退任後1年間は継続して保有することで、中長期的な企業価値の向上への貢献意欲を高めるとともに株主との価値共有を進めています。
社外取締役の報酬は、基本報酬と業績非連動型報酬(賞与)で構成し、監督機能および独立性確保の観点から業績と連動しない設定としています。
基本報酬、業績連動型報酬(賞与)および業績非連動型報酬(賞与)は、代表取締役等の役位に応じた基準額を定めており、取締役(社外取締役を除く。)の基本報酬と業績連動型報酬(賞与)の基準額の割合は、報酬の総額(下記bの業績連動要素および個人業績がすべて標準となった場合)に対し、基本報酬が7割、業績連動型報酬(賞与)が3割となる設定としています。なお、報酬等の総額は、株主総会で承認されている年額7億円を超えないものとしています。
(b)業績連動型報酬(賞与)の支給額の算定方法
取締役(社外取締役を除く。)の業績連動型報酬(賞与)の支給額は、基準額に対し、業績連動要素および個人業績に基づき、基準額の0~200%の範囲で算定しています。
業績連動要素は、当社グループにおける会社の経常的な収益性を示す利益指標として設定し当社独自の業績管理指標としている「コア営業利益」、当社グループの事業活動の基盤であり持続的成長にとって重要な「研究開発業績」および研究開発等への投資資金となる「営業キャッシュ・フロー」を指標とし、目標の達成度合いに基づき、指名報酬委員会において評価を行っています。また、個人業績は、各取締役(社外取締役を除く。)の業績目標の達成度合いに基づき、指名報酬委員会において評価を行っています。
(c)報酬等の決定方法
取締役の個人別の報酬等の内容は、指名報酬委員会が取締役会の諮問に基づき審議を行い、その答申を得たうえ、取締役会が決定しています。また、取締役会が当該報酬等の内容の決定を代表取締役社長に委任することを決定した場合、代表取締役社長は、指名報酬委員会の取締役会への答申を尊重し、これに沿って決定することとしています。
なお、2023年7月1日以降、取締役報酬制度を改め、取締役の個人別の報酬等の内容についての決定の方針を次のとおり変更しました。当該変更については、指名報酬委員会の答申を得たうえ、2023年6月27日開催の取締役会において決定しています。
(a)報酬等の体系
取締役(社外取締役を除く。)の報酬は、基本報酬と業績連動型報酬(賞与)で構成し、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上に向けたインセンティブとなるよう設定しています。また、基本報酬の一部は、当社株式の取得を目的に当社役員持株会へ拠出するべき報酬であり、当社役員持株会を通じて取得した株式は、在任期間中および退任後1年間は継続して保有することで、中長期的な企業価値の向上への貢献意欲を高めるとともに株主との価値共有を進めています。
社外取締役の報酬は、基本報酬のみで構成し、監督機能および独立性確保の観点から業績と連動しない設定としています。
基本報酬および業績連動型報酬(賞与)は、代表取締役等の役位に応じた基準額を定めており、取締役(社外取締役を除く。)の基本報酬と業績連動型報酬(賞与)の基準額の割合は、報酬の総額(下記bの業績連動要素および個人業績がすべて標準となった場合)に対し、基本報酬が7割、業績連動型報酬(賞与)が3割となる設定としています。なお、報酬等の総額は、株主総会で承認されている年額7億円を超えないものとしています。
(b)業績連動型報酬(賞与)の支給額の算定方法
取締役(社外取締役を除く。)の業績連動型報酬(賞与)の支給額は、基準額に対し、業績連動要素および個人業績に基づき、基準額の0~200%の範囲で算定しています。
業績連動要素は、当社グループにおける会社の経常的な収益性を示す利益指標として設定し当社独自の業績管理指標としている「コア営業利益」、当社グループの事業活動の基盤であり持続的成長にとって重要な「研究開発業績」および研究開発等への投資資金となる「営業キャッシュ・フロー」を指標とし、目標の達成度合いに基づき、指名報酬委員会において評価を行っています。また、個人業績は、各取締役(社外取締役を除く。)の業績目標の達成度合いに基づき、指名報酬委員会において評価を行っています。なお、業績連動要素のうち、当連結会計年度の「コア営業利益」は、目標を164億円とし実績は1,330億円の損失となりました。
(c)報酬等の決定方法
取締役の個人別の報酬等の内容は、指名報酬委員会が取締役会の諮問に基づき審議を行い、その答申を得たうえ、取締役会が決定しています。また、取締役会が当該報酬等の内容の決定を代表取締役社長に委任することを決定した場合、代表取締役社長は、指名報酬委員会の取締役会への答申を尊重し、これに沿って決定することとしています。
当事業年度に係る当該報酬等の内容については、業務全体を統括し取締役(社外取締役を除く。)全員の職務執行を把握している代表取締役社長 野村博が、取締役会から委任を受けて決定しており、指名報酬委員会は、当該報酬等の内容が取締役報酬制度に従ったものであることを確認しています。このことから、取締役会は、当該報酬等の内容の決定が上記の方針に沿うものであると判断しています。
(イ)監査役の報酬等
監査役の報酬は基本報酬のみとし、個人別の報酬等の内容は、監査役会の協議により定めています。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式の区分について、主として株式の価値変動または配当による利益を受けることを目的とみなしているものを純投資目的である投資株式としており、投資先企業との円滑な取引関係の維持・強化などを通じ中長期的な視点で企業価値向上や持続的な成長に資すると判断されるものを純投資目的以外の目的である投資株式として区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
(ア)保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社が定めた「コーポレートガバナンスに関する基本方針」において、政策保有株式に関する方針について、次のとおり定めています。この方針に基づき、毎年取締役会において、当社が保有する個別の政策保有株式について、保有目的、取引状況、含み損益等を評価軸として、保有継続の合理性を確認しています。
・当社は、持続的な成長に向けて、企業提携、重要な取引先との取引関係の構築・維持その他事業上の必要性のある場合を除き、他社の株式を保有しません。
・当社は、個別の政策保有株式について、その保有目的の合理性および経済的な合理性を取締役会において毎年確認し、保有の合理性が認められない場合は縮減または売却を進めます。
(イ)銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
該当事項はありません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(ウ)特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 定量的な保有効果については相手先との機密情報に当たるとの判断から記載しませんが、各銘柄について十分な定量的効果があると判断しています。なお、Roivant Sciences Ltd.株式については、2024年4月2日に全株式を売却しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記36.後発事象」をご覧ください。また、保有株式の売却は継続して行っており、2024年5月末時点において、小野薬品工業株式会社については、全保有株式の売却が完了、株式会社メディパルホールディングスについては保有株式数が1,124,800株、株式会社バイタルケーエスケー・ホールディングスについては保有株式数が399,900株となっています。
みなし保有株式
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」)第93条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」)に基づいて作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。その内容は以下のとおりです。
(1) 会計基準の変更等に的確に対応することができる体制を整備するために、IFRSに関する十分な知識を有した従業
員を配置するとともに、公益財団法人財務会計基準機構等の組織に加入し、セミナー等に参加することによって、
専門知識の蓄積に努めています。
(2) IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計処理指針を作成し、これに基づいて会計処理を行っています。グループ会計処理指針は、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握及び当社への影響の検討を行った上で、適時に内容の更新を行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
② 【連結財政状態計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
住友ファーマ株式会社(以下「当社」)は日本に所在する企業です。当社の連結財務諸表は2024年3月31日を期末日とし、当社及び子会社(以下「当社グループ」)並びに関連会社に対する持分により構成されます。当社グループは、医薬品事業を行っており、事業の内容は、事業セグメント(注記4)に記載しています。当社の登記している本社及び主要な事業所の住所は、ウェブサイト(https://www.sumitomo-pharma.co.jp)で開示しています。
2.作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、連結財務諸表規則第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。
なお、当社グループの連結財務諸表は、2024年6月25日開催の取締役会において承認されています。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、重要性がある会計方針(注記3)に記載している金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満の端数を四捨五入して表示しています。
(4) 重要な会計上の見積り、判断及び仮定
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り、判断及び仮定の設定を行っています。しかし、これらの見積り及び仮定に関する不確実性により、翌連結会計年度において資産又は負債の帳簿価額に重要な修正が求められる結果となる可能性があります。
主な会計上の見積り、判断及び仮定のうち、連結財務諸表に報告された金額に重要な影響を及ぼす可能性がある情報は、以下のとおりです。
・ のれん及び無形資産の減損(注記14,15)
・ 引当金(注記25)
・ 繰延税金資産の回収可能性(注記10)
(5) 会計方針の変更
当社グループは、当連結会計年度より「単一の取引から生じた資産及び負債に係る繰延税金(IAS第12号の改訂)」を適用しています。当該基準書の適用による本連結財務諸表への重要な影響はありません。
(6) 表示方法の変更
(連結キャッシュ・フロー計算書)
前連結会計年度において区分掲記していた「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「有形固定資産売却損益(△は益)」は、金額的重要性が低下したため、当連結会計年度においては「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行なっています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「有形固定資産売却損益(△は益)」に表示していた△338百万円は、「その他」として組み替えています。
(7) 未適用の公表済み新基準及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている基準書及び新解釈指針の新設または改訂のうち、当連結会計年度において当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりです。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積ることはできません。
(8) 新基準の早期適用
早期適用した基準書等はありません。
3.重要性がある会計方針
当社グループが適用する重要性がある会計方針は、連結財務諸表に記載されているすべての期間において継続的に適用しています。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。
支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動にさらされ、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。
当社グループは、子会社に対する支配を獲得した日から当該子会社を連結し、支配を喪失した日に連結の範囲から除外しています。また、決算日が異なる子会社の財務諸表は、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しています。
連結財務諸表の作成にあたり、当社グループ間の債権債務残高及び取引高並びに当社グループ内取引により生じた未実現損益は相殺消去しています。
支配の喪失を伴わない子会社に対する持分の変動があった場合には、資本取引として会計処理しています。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得または損失は純損益として認識しています。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配はしていない企業をいいます。重要な影響力とは、投資先の財務及び営業の方針に対する支配はないが、それらの方針の決定に関与する力をいいます。
当社グループは、関連会社への投資について、持分法を用いて会計処理しています。
なお、決算日が異なる持分法適用会社の財務諸表は、連結決算日現在で実施した仮決算に基づく財務諸表を使用しています。
③ 企業結合
企業結合は、取得法を用いて会計処理しています。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は取得日の公正価値で測定しています。
なお、移転された対価には、条件付対価契約から発生したすべての資産又は負債の公正価値が含まれます。
のれんは、移転した対価の公正価値と被取得企業の非支配持分の金額の合計が、取得時における識別可能な資産及び負債の正味価額を上回った場合に、その超過額として測定しています。下回る場合には、直ちに純損益として認識しています。また、取得関連費用は発生時に純損益で認識しています。
なお、共通支配下における企業結合取引、すなわち、すべての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的ではない企業結合取引については、帳簿価額に基づき会計処理しています。
④ 共同支配
共同支配とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有をいい、関連性のある活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。共同支配の取決めへの投資は、当該取決めの当事者の権利及び義務に応じて、ジョイント・オペレーション(共同支配事業)かジョイント・ベンチャー(共同支配企業)に分類されます。ジョイント・オペレーションとは、取決めに対する共同支配を有する当事者が当該取決めに関する資産に対する権利及び負債に対する義務を有している場合の共同支配の取決めをいい、ジョイント・ベンチャーとは、取決めに対して共同支配を有する当事者が当該取決めの純資産に対する権利を有している場合の共同支配の取決めをいいます。
ジョイント・オペレーションに対する持分を有する場合は、当該ジョイント・オペレーションの資産、負債、収益及び費用の持分をそれぞれの類似する科目に合算しています。
(2) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートで機能通貨に換算しています。
決算日における外貨建貨幣性項目は決算日の直物為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は当該公正価値の測定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に換算しています。
当該換算及び決済により生じる換算差額は、純損益として認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて測定する金融資産及びヘッジが有効な範囲におけるキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しています。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)は期末日の直物為替レートで、収益及び費用は、為替レートに著しい変動がある場合を除き、期中の平均為替レートで日本円に換算しています。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識し、その累積額は、連結財政状態計算書において、その他の資本の構成要素に計上しています。
在外営業活動体が処分された場合には、当該営業活動体に関連した換算差額の累計額を処分損益の一部として認識しています。
(3) 収益
当社グループは、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約の識別
ステップ2:契約における履行義務の識別
ステップ3:取引価格の算定
ステップ4:履行義務への取引価格の配分
ステップ5:企業の履行義務の充足による収益の認識
当社グループは、医療用医薬品等の製商品の販売による収益(製商品の販売)並びに技術導出契約等の締結に伴う契約一時金、マイルストン収入及びロイヤルティ収入による収益(知的財産権収入)を主な収益としており、それぞれの収益認識基準は、以下のとおりです。
① 製商品の販売
製商品の販売は、製商品を引渡した時点において顧客が当該製商品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製商品の引渡時点で収益を認識しています。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、返品、値引き及び割戻し等を控除した収益に重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲内の金額で算定しています。
② 知的財産権収入
契約一時金は、技術導出契約等を締結し、開発権及び販売権等を第三者に付与した時点で収益を認識しています。
マイルストン収入は、契約上定められたマイルストンが達成された時点で収益を認識しています。
ロイヤルティ収入は、契約相手先の売上収益等を基礎に算定された技術導出契約等における対価であり、契約相手先の売上収益等の発生と履行義務の充足のいずれか遅い時点で収益を認識しています。
なお、当社グループは、履行義務の充足により売上収益を認識した後、通常、1カ月~4カ月で売上債権を回収しています。また、顧客との契約に重大な金融要素は含まれていません。
(4) 共同開発及び共同販売
当社グループは、当社グループの開発品及び製品について、提携企業との間で共同開発及び共同販売契約を締結しています。
この場合、当社グループは医薬品販売(物品の販売)による収益を売上収益として計上し、関連する当社グループの費用を売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費として計上し、総額で表示しています。また、利益の折半のために当社グループが提携企業に支払う費用は、その性質に応じて、売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費に計上します。
なお、これらの契約のうち主要なものに関しては、共同開発及び共同販売(注記35)に詳細を記載しています。
(5) 法人所得税
法人所得税は、当期法人所得税と繰延法人所得税の合計として表示しており、企業結合に関連するもの及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目に関係する税金を除き、純損益で認識しています。
当期法人所得税は、期末日時点において施行又は実質的に施行されている法定税率及び税法を適用して、税務当局に納付又は税務当局から還付されると予想される金額で算定しています。
繰延税金資産及び負債は、期末日における資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務基準額との間に生じた一時差異、未使用の繰越欠損金及び繰越税額控除について認識しています。ただし、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産又は負債を認識していません。
・ のれんの当初認識から生じる場合
・ 企業結合でない取引で、取引時に会計上の純損益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・ 子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異については、予測し得る期間内に当該一時差異が解消する可能性が高くない場合又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が獲得される可能性が高くない場合
・ 子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、一時差異を解消する時期をコントロールでき、予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の繰越欠損金及び繰越税額控除について、将来それらを使用できる課税所得が獲得される可能性が高い範囲内で認識しています。また、繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識しています。
繰延税金資産及び負債は、期末日における法定税率又は実質的法定税率及び税法に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予測される税率を用いて算定しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しています。
(6) 1株当たり情報
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を控除した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しています。
また、逆希薄化効果を有する潜在株式が存在する場合、当該潜在株式は希薄化後1株当たり当期利益の計算に含めていません。
(7) 有形固定資産
有形固定資産の認識後の測定方法として、原価モデルを採用しています。有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用並びに資産計上の要件を満たす借入費用が含まれています。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産の減価償却は、各資産の見積耐用年数にわたり、定額法に基づいて計上しています。これらの資産の減価償却は、使用可能となった時点から開始しています。
主な資産の種類別の耐用年数は、以下のとおりです。
・ 建物及び構築物 3~60年
・ 機械装置及び運搬具 2~17年
・ 工具、器具及び備品 2~20年
・ 使用権資産 見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い年数
なお、減価償却方法、残存価額及び見積耐用年数は、期末日ごとに見直しを行い必要に応じて改定しています。
(8) リース
当社グループは、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転しているか否かに基づき、契約がリースであるか、又はリースを含んでいるかを判定しています。
契約がリース又はリースを含んでいると判定した場合、リース開始日において、使用権資産及びリース負債を認識しています。
① 使用権資産
使用権資産は取得原価で当初測定しており、取得原価はリース開始日時点におけるリース負債の当初測定額に取得時直接コスト等を調整した金額で認識しています。
使用権資産の認識後の測定方法として、原価モデルを採用しています。当初認識後は、原資産のリース期間又は見積耐用年数のいずれか短い期間にわたり、定額法に基づいて減価償却を行っています。
また、連結財政状態計算書において、使用権資産は取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で、有形固定資産に含めて表示しています。
② リース負債
リース負債は、リース開始日現在で支払われていないリース料の割引現在価値で当初認識しています。通常、当社グループは、追加借入利子率を割引率として用いています。当初認識後は、リース負債に係る金利及び支払われたリース料を反映するよう、実効金利法に基づき帳簿価額を増減しています。また、連結財政状態計算書において、リース負債はその他の金融負債に含めて表示しています。
リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるよう金融費用とリース負債の返済部分とに配分しています。金融費用は、連結損益計算書において、使用権資産の減価償却費と区別して表示しています。
なお、短期リース及び少額資産のリースについて、当社グループは基本的に使用権資産及びリース負債として認識せず、リース料総額をリース期間にわたり、定額法に基づいて純損益に計上しています。
(9) のれん
当初認識時におけるのれんの測定については、「(1) 連結の基礎 ③ 企業結合」に記載しています。
のれんは、当初認識額から減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
のれんは、償却を行わず、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、年次又は減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しています。なお、のれんの減損損失は純損益として認識され、その後の戻入は行っていません。
(10) 無形資産
無形資産は、のれん以外の物理的実体のない非貨幣性資産であり、個別に取得した、又は企業結合により取得した特許権、技術、販売権及び仕掛中の研究開発等により構成されています。
個別に取得した無形資産は、当初認識時の取得原価で測定しており、企業結合により取得した無形資産は、取得日の公正価値で測定しています。
無形資産の認識後の測定方法として、原価モデルを採用しています。無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
内部発生の研究費用は発生時に費用として認識しています。内部発生の開発費用は、資産として認識するための基準がすべて満たされた場合に限り無形資産として認識していますが、臨床試験の費用等、製造販売承認の取得までに発生する内部発生の開発費は、期間の長さや開発に関連する不確実性の要素を伴い資産計上基準を満たさないと考えられるため、発生時に費用として認識しています。
内部利用を目的としたソフトウェアの取得及び開発費用は、将来の経済的便益の流入が期待される場合には無形資産に計上しています。
仕掛中の研究開発として計上された無形資産以外の無形資産は、各資産の見積耐用年数にわたり、定額法に基づいて計上しています。これらの資産の償却は、使用可能となった時点から開始しています。
主な無形資産の種類別の耐用年数は、以下のとおりです。
・ 製品に係る無形資産 3~20年
・ ソフトウェア 3~5年
なお、償却方法、残存価額及び見積耐用年数は、期末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しています。
また、仕掛中の研究開発として計上された無形資産は、未だ使用可能な状態にないため、償却をせず、年次又は減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しています。
仕掛中の研究開発は、規制当局の販売承認が得られた時点で製品に係る無形資産に振り替えており、製品の製造販売承認日から見積耐用年数にわたって償却しています。
(11) 非金融資産の減損
当社グループでは、棚卸資産、退職給付に係る資産及び繰延税金資産を除く、非金融資産の減損の兆候の有無を評価しています。
減損の兆候が存在する場合又は年次で減損テストが要求されている場合は、各資産の回収可能価額の算定を行っています。のれん及び耐用年数を確定できない、又は未だ使用可能ではない無形資産については、年次又は減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しています。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値と使用価値とのうち、いずれか高い方の金額で測定しています。見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した割引率を用いて、現在価値に割り引いています。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額より低い場合にのみ、当該資産の帳簿価額をその回収可能価額まで減額し、純損益として認識しています。
資金生成単位については、他の資産又は資産グループからのキャッシュ・イン・フローから概ね独立したキャッシュ・イン・フローを生成するものとして識別する資産グループの最小単位としています。
資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額します。
のれんに関連する減損損失は戻入れていません。
のれん以外の資産については、過去に認識した減損損失は、期末日ごとに、過年度に計上した減損損失の戻入の兆候の有無を評価しています。回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れています。
減損損失は、過年度において減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費及び償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻入れています。
(12) 金融商品
① 金融資産
(ア) 当初認識及び測定
当社グループは、金融資産を取引日基準にて当初認識し、当初認識時に償却原価で測定する金融資産と公正価値で測定する金融資産に分類しています。金融資産は、次の条件がともに満たされる場合は、償却原価で測定する金融資産に分類し、それ以外は、公正価値で測定する金融資産に分類しています。
・ 企業のビジネスモデルの目的が契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することであること
・ 金融資産の契約条件が、特定された日に元本及び利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせること
(イ) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、以下のとおりです。
(a)償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産は、実効金利法により測定しています。
(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しています。
(c)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品は、当初認識後は公正価値で測定し、実効金利法により算定された利息収益、為替差損益及び減損損失は純損益として認識しています。
公正価値の変動から生じるその他の損益は、その他の包括利益として認識し、金融資産の認識の中止が行われるときにその他の包括利益に計上された累計額を純損益に組替調整しています。
(d)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品は、公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、もしくは公正価値が著しく減少した場合にその累計額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えていません。なお、配当については純損益として認識しています。
なお、売買目的ではない資本性金融資産への投資は、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、当社グループでは金融商品ごとに当該指定を行っています。
(ウ) 認識の中止
金融資産は、以下のいずれかの要件を満たす場合に認識を中止しています。
・ 当該金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合
・ 当該資産を譲渡し、当該資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転している場合
(エ) 減損
償却原価で測定する金融資産については、将来発生すると見込まれる予想信用損失に対して貸倒引当金を認識し、その金額を控除して表示しています。当社グループは当該金融資産について、当初認識以降、信用リスクが著しく増加しているか否かを評価しており、この評価には、期日経過情報のほか、当社グループが合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報を考慮しています。
当初認識以降、信用リスクが著しく増加していると評価された償却原価で測定する金融資産については、個々に全期間の予想信用損失を見積っています。そうでないものについては、報告日後12カ月の予想信用損失を見積っています。
また、償却原価で測定する金融資産のうち、営業債権等については、類似する債権ごとに全期間の予想信用損失を見積っています。
② 金融負債
(ア) 当初認識及び測定
当社グループは、金融負債については、契約の当事者となった時点で当初認識し、以下のとおり分類しています。
(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定することを指定した金融負債
(b)償却原価で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債以外のもの
金融負債は、当初認識時点において公正価値で測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、直接取引費用を控除した金額で測定しています。
(イ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、以下のとおりです。
(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しています。
(b)償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、実効金利法により測定しています。
(ウ) 認識の中止
金融負債は、契約中に特定された債務が履行、免責、取消又は失効となった時にのみ、金融負債の認識の中止を行っています。
③ デリバティブ
当社グループは、外貨のリスク・エクスポージャーをヘッジする目的でデリバティブを保有しています。これらに用いられるデリバティブは為替予約です。なお、当社グループでは、投機を目的としたデリバティブは保有していません。デリバティブは公正価値で当初認識し、関連する取引費用は発生時の費用として認識しています。ヘッジ会計が適用されないデリバティブについては、当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動額は純損益に認識しています。
④ ヘッジ会計
一部のデリバティブをキャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段として指定し、かつその要件を満たすデリバティブの公正価値の変動の有効部分はその他の包括利益で認識し、その他の包括利益累計額に累積しています。
当初のヘッジ指定時点において、当社グループは、リスク管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略及びヘッジ関係の有効性の評価方法を含む、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係を正式に文書化しています。当社グループは、ヘッジ手段がヘッジ対象期間において関連するヘッジ対象の公正価値やキャッシュ・フローの変動に対して相殺効果を有すると予想することが可能であるか否かについて、ヘッジ関係の開始時とともに、その後も継続的に評価を実施しています。
その他の資本の構成要素は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが純損益に影響を与えるのと同じ期間に、ヘッジ対象に関連する連結損益計算書の項目で純損益に振り替えています。ヘッジ対象である予定取引が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、以前にその他の資本の構成要素で認識したその他の包括利益累計額を振り替え、非金融資産又は非金融負債の当初認識時の取得原価の測定に含めています。また、デリバティブの公正価値の変動のうち、非有効部分は即時に純損益で認識しています。
当社グループがヘッジ指定を取消した場合、ヘッジ手段が失効、売却、終結又は行使された場合並びにヘッジがヘッジの有効性の要件を満たさなくなった場合には、ヘッジ会計を中止しています。
(13) 棚卸資産
棚卸資産は主として、商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品から構成されています。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうち、いずれか低い金額で測定しています。取得原価は総平均法に基づいて算定しており、購入原価、加工費及びその他関連する製造費用が含まれています。製品及び仕掛品については、予定操業度に基づく製造間接費の適切な配賦額を含めています。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額です。
(14) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3カ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
(15) 従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、従業員の退職後給付制度として、確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。
(ア) 確定給付制度
確定給付制度の退職給付に係る債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて制度ごとに算定しています。割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間をもとに割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日の優良社債の市場利回りを参照して決定しています。確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定しています。確定給付制度が積立超過である場合は、制度からの返還または将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を資産上限額としています。勤務費用及び確定給付負債又は資産の純額に係る利息純額は、純損益の退職給付費用として認識しています。確定給付負債又は資産の純額の再測定は、発生した期間においてその他の包括利益に計上しており、ただちに利益剰余金に振り替えています。
(イ) 確定拠出制度
確定拠出制度の退職後給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期間において、純損益の退職給付費用として認識しています。
② その他の長期従業員給付
退職後給付以外の長期従業員給付に対する債務は、従業員が当連結会計年度までに提供した役務の対価として獲得した将来給付額を現在価値に割り引くことによって算定しています。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、従業員から関連する役務が提供された時点において費用として計上しています。
なお、賞与については、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、負債として認識しています。
(16) 株式報酬
当社グループは、一部の子会社において持分決済型の株式報酬制度を導入しています。
持分決済型の株式報酬は、受領するサービスを付与日における資本性金融資産の公正価値で測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
(17) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有し、その債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出の可能性が高く、その資源の流出の金額について信頼できる見積りができる場合に認識しています。
貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、当該引当金は負債の決済に必要と予想される支出額の現在価値で測定しています。なお、現在価値は、原則として貨幣の時間的価値とその債務に特有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて計算しています。
(18) 政府補助金
政府補助金は、当社グループが補助金を受領し、その補助金に付帯する諸条件を遵守することが合理的に確かである場合に、公正価値で測定し、認識しています。
資産に関する補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除し、償却資産の耐用年数にわたって、減価償却費の減額として純損益に認識しています。また、収益に関する補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益に認識しています。
(19) 株主資本
① 普通株式
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用は、税効果控除後の金額を資本剰余金から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、取得原価で認識し、資本から控除して表示しています。また、その取得に直接起因する取引費用は、資本剰余金から控除しています。自己株式を売却した場合には、帳簿価額と売却価額の差額を資本剰余金に計上しています。
4.事業セグメント
当社グループでは、会社の経常的な収益性を示す利益指標として、「コア営業利益」を設定し、これを当社独自の業績管理指標として採用しています。
「コア営業利益」は、営業利益から当社グループが定める非経常的な要因による損益(以下「非経常項目」)を除外したものとなります。非経常項目として除かれる主なものは、減損損失、事業構造改善費用、企業買収に係る条件付対価公正価値の変動額等です。
(1) 報告セグメント
当社グループは、主として医療用医薬品の製造、仕入及び販売を行っており、日本、北米、アジアのマーケットごとに業績管理を行っているため、日本、北米、アジアの3つを報告セグメントとしています。
なお、当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成要素のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
(2) 報告セグメントの変更等に関する事項
従来、報告セグメントを日本、北米、中国、海外その他の4つとしていましたが、中期経営計画2027の策定に伴い、当社グループの経営状況をより適切に示すため、当連結会計年度より、日本、北米、アジアの3つの報告セグメントに変更しました。
なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の区分方法に基づき作成しています。
(3) セグメント収益及び業績
当社グループの報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失及びその他の項目は、以下のとおりです。
報告セグメントの会計方針は、重要性がある会計方針(注記3)における記載と同じです。
なお、当社グループでは、各セグメントの経常的な収益性を示す利益指標として、「コアセグメント利益」を設定し、当社独自のセグメント業績指標として採用しています。
「コアセグメント利益」は、「コア営業利益」から、グローバルに管理しているため各セグメントに配分できない研究開発費、事業譲渡損益等を除外したセグメント別の利益となります。
① 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 減損損失については、有形固定資産(注記13)、のれん(注記14)及び無形資産(注記15)に記載しています。
② 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 減損損失については、有形固定資産(注記13)、のれん(注記14)及び無形資産(注記15)に記載しています。
(4) 報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)
調整額に関する事項は、以下のとおりです。
(注) 1 当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分していません。なお、連結損益計算書における研究開発費との差額は、コア営業利益の算定から除外される研究開発関連費用です。
2 事業構造改善費用は、北米グループ会社等の再編および合理化に関連する退職金等の費用です。
(5) 売上収益の内訳
外部顧客への売上収益等の内訳は、以下のとおりです。
(6) 製品及びサービスごとの情報
製品及びサービスごとの外部顧客への売上収益等の内訳は、以下のとおりです。
(注) その他は食品素材・食品添加物及び化学製品材料、動物用医薬品等の製品です。当連結会計年度における減少は、連結子会社であった住友ファーマフード&ケミカル株式会社および住友ファーマアニマルヘルス株式会社の全株式を譲渡したことによるものです。
(7) 地域別情報
当社グループの地域別収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しています。
当社グループの所在地域別に分析した非流動資産(金融資産、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を除く)の帳簿価額の内訳は、以下のとおりです。
(8) 主要な顧客に関する情報
売上収益が当社グループの全体の売上収益の10%以上の相手先は、以下のとおりです。
(注) 当連結会計年度においてAmerisourceBergen Corporationから社名変更しています。
5.売上収益
(1) 収益の分解と報告セグメントの関連
当社グループは、売上収益を財又はサービスの種類別に分解しています。分解した売上収益と報告セグメントとの関連は、以下のとおりです。
① 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) その他の源泉から認識した収益は、相手先が顧客とはみなされない場合の共同パートナーとの契約等から生じる売上収益です。詳細は、共同開発及び共同販売(注記35)に記載しています。
② 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) その他の源泉から認識した収益は、相手先が顧客とはみなされない場合の共同パートナーとの契約等から生じる売上収益です。詳細は、共同開発及び共同販売(注記35)に記載しています。
(2) 契約残高
顧客との契約から生じた契約残高は、以下のとおりです。
顧客との契約から生じた債権及び契約資産は、営業債権及びその他の債権に含まれており、契約負債は、その他の非流動負債に含まれています。
契約負債は、履行義務が充足されていない一部の導出契約に係る契約一時金の対価です。当該対価は、導出契約における履行義務を充足した時点で収益として認識しています。
当連結会計年度において認識した収益のうち、期首現在の契約負債残高に含まれていたものはありません。前連結会計年度において認識した収益のうち、期首現在の契約負債残高に含まれていたものはありません。また、当連結会計年度及び前連結会計年度において過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した重要な収益の額はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、収益認識の予想期間が1年を超える取引がないため、残存履行義務に関する情報の記載を省略しています。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(4) 顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
当社グループにおいては、資産として認識しなければならない契約を獲得するための増分コスト及び履行にかかるコストはありません。
6.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 減損損失については、のれん(注記14)及び無形資産(注記15)に記載しています。
2 条件付対価は、企業買収時に取り決められた特定のマイルストン達成に応じて発生する旧株主に対する将来の支出です。詳細は、金融商品(注記30)に記載しています。
7.その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 前連結会計年度における無形資産売却益は、優先審査バウチャーの売却により計上した収益です。
2 前連結会計年度における事業譲渡益は、北米における「ブロバナ」および「ゾペネックスHFA」、「ルネスタ」に係る事業を譲渡したことにより計上した収益です。
3 前連結会計年度における関係会社株式売却益は、当社が保有していた住友ファーマフード&ケミカル株式会社の株式を株式会社メディパルホールディングスにすべて譲渡したことにより計上した収益です。また、当連結会計年度における関係会社株式売却益は、当社が保有していた住友ファーマアニマルヘルス株式会社の株式を三井物産株式会社にすべて譲渡したことにより計上した収益です。
8.その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりです。
(注) 当連結会計年度における関係会社持分譲渡損は、当社グループが保有していたSpirovant Sciences LLCの持分をRuagen Bio, Inc.にすべて譲渡したことにより計上した損失です。
9.金融収益及び金融費用
(1) 金融収益
金融収益の内訳は、以下のとおりです。
(2) 金融費用
金融費用の内訳は、以下のとおりです。
10.繰延税金及び法人所得税
(1) 繰延税金
① 連結財政状態計算書に計上されている繰延税金資産及び繰延税金負債
連結財政状態計算書に計上されている繰延税金資産及び繰延税金負債は、以下のとおりです。
② 繰延税金資産及び繰延税金負債の内訳及び増減内容
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別内訳及び増減内容は、以下のとおりです。
(ア)前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) その他は、主に在外営業活動体の換算差額です。また、子会社の支配喪失に伴う変動、及び売却目的で保有する資産グループへの振替えによる変動を含んでいます。
(イ)当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) その他は、主に在外営業活動体の換算差額です。
「注記2.作成の基礎 (5) 会計方針の変更」に記載のとおり、改訂IAS第12号を遡及的に適用し、前連結会計年度を修正再表示しています。
③ 未認識の繰延税金資産
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金、繰越税額控除及び将来減算一時差異は、以下のとおりです。
④ 未認識の繰延税金資産と繰越期限
(ア)繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限は、以下のとおりです。
(イ)繰延税金資産を認識していない繰越税額控除の金額と繰越期限
繰延税金資産を認識していない繰越税額控除の金額と繰越期限は、以下のとおりです。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性
当連結会計年度末の繰延税金資産の金額は、24,867百万円です。この繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得と将来加算一時差異に依存しており、その範囲内で繰延税金資産を認識しています。
⑥ 未認識の繰延税金負債
前連結会計年度及び当連結会計年度において、繰延税金負債を認識していない子会社等の投資に係る将来加算一時差異はありません。
(2) 法人所得税
① 法人所得税
法人所得税の内訳は、以下のとおりです。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却、および公正価値の著しい下落により認識された法人所得税は、前連結会計年度において491百万円(損)、当連結会計年度において4,784百万円(損)です。
② 適用税率の調整
法定実効税率と実際負担税率との差異について、原因となった主要な項目の内訳は、以下のとおりです。
当社グループは、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は、前連結会計年度、当連結会計年度ともに30.6%です。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。
③ グローバル・ミニマム税制
日本では、2023年3月28日に第2の柱モデルルールに基づくグローバル・ミニマム課税制度を導入した改正法人税法が成立しています。本改正法人税法は、2024年4月1日以降開始する事業年度から適用されます。当社グループが事業を行う一部の国において、当該税制の適用による法人所得税が発生する可能性がありますが、影響は軽微です。
11.1株当たり情報
基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎及び基本的1株当たり当期利益は、以下のとおりです。
(注) 前連結会計年度における希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が逆希薄化効果を持つため記載していません。当該潜在株式は、一部の子会社が発行するストック・オプション等です。詳細は、株式報酬(注記28)に記載しています。また、当連結会計年度における希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
12.その他の包括利益
その他の包括利益の増減は、以下のとおりです。
13.有形固定資産
(1) 取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりです。
① 取得原価
② 減価償却累計額及び減損損失累計額
③ 帳簿価額
(注) 1 有形固定資産として資産化した借入費用はありません。
2 有形固定資産の取得に関するコミットメントについては、資本的支出コミットメント(注記31)に記載しています。
3 建設中の有形固定資産は、建設仮勘定として表示しています。
(2) 減損損失
当社グループは、前連結会計年度425百万円、当連結会計年度931百万円の減損損失を認識しています。前連結会計年度に認識した減損損失は連結損益計算書の売上原価に425百万円、当連結会計年度に認識した減損損失は連結損益計算書の売上原価に49百万円、販売費及び一般管理費に882百万円計上しています。
当社グループでは回収可能価額を使用価値により測定していますが、前連結会計年度に認識した減損損失425百万円の主なものは、医薬品事業の北米セグメントにおいて、機械装置及び運搬具について、収益性が見込めなくなったため、帳簿価額全額を減損したものです。
当連結会計年度に認識した減損損失931百万円の主なものは、北米セグメントにおいて建物及び構築物を、日本セグメントにおいて機械装置及び運搬具を、それぞれ収益性が見込めなくなったため、帳簿価額全額を減損したものです。
14.のれん
(1) 取得原価、減損損失累計額の増減及び帳簿価額
のれんの取得原価、減損損失累計額の増減及び帳簿価額は、以下のとおりです。
① 取得原価
② 減損損失累計額
③ 帳簿価額
(2) のれんの減損テスト
当社グループでは、前連結会計年度まで、医薬品事業の北米セグメントにおいて「北米(がん領域以外)」と「北米(がん領域)」の2つの独立した資金生成単位を識別しており、前連結会計年度末においては、医薬品事業の北米セグメントに帰属するのれんを以下のとおり配分しています。
当連結会計年度において、北米のグループ会社を再編し、1つの事業会社に統合したことにより、「北米(がん領域以外)」の製品群と「北米(がん領域)」の製品群の成果を一体としてモニタリングすることとなったため、前連結会計年度まで認識していた上記2つの独立した資金生成単位を「北米」に統合することにしました。そのため、当連結会計年度より、北米セグメントに帰属するのれんの減損テストは、以下のとおり、統合された資金生成単位である「北米」にて実施しています。
北米セグメントに帰属するのれんの帳簿価額は、以下のとおりです。
のれんの減損損失は、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に認識され、その場合には、当該のれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。
回収可能価額は、承認された事業計画を基礎として測定された、当該のれんを含む資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値に基づき算定しています。
処分コスト控除後の公正価値の測定には、資金生成単位に含まれる、既に上市されている製品については、それらの製品の販売価格、当該製品が関連する疾患領域の市場規模及び当該製品のシェア等に基づく収益および固定費等の予測、また、主要な開発品については、研究開発活動の成功確率等を勘案した当該開発品の収益および固定費等の予測等が含まれており、過去の経験及び外部からの情報を基にした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて測定しています。
当社グループが認識しているのれんの減損テストにおける処分コスト控除後の公正価値について、前連結会計年度においては、「北米(がん領域以外)」に属するものについては、15年間の将来予測を基礎としたキャッシュ・フローに永久成長率2.2%を考慮した見積額を、「北米(がん領域)」に帰属するものについては、18年間の将来予測を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、それぞれ現在価値に割り引いた上で処分コスト見積額を控除して算定しました。当連結会計年度においては、当連結会計年度より統合された資金生成単位である「北米」について、15年間の将来予測を基礎としたキャッシュ・フローに永久成長率2.1%を考慮した見積額を現在価値に割り引いた上で処分コスト見積額を控除して算定しています。この評価技法は観察可能な市場データでないインプットを使用しているため、この処分コスト控除後の公正価値は公正価値ヒエラルキーのレべル3に分類されます。
のれんの減損テストには、加重平均資本コスト等を基礎とした割引率を用いており、減損テストに使用した税引前の割引率は、前連結会計年度においてはのれんを配分した資金生成単位ごとに14.8%~20.5%を設定し、当連結会計年度は14.5%を設定しています。
減損テストの結果、北米セグメントの資金生成単位につき、回収可能価額は307,627百万円であり、のれんを含む資金生成単位の帳簿価額を下回ったことから、当該のれんについて減損損失35,858百万円を連結損益計算書の販売費及び一般管理費に認識しています。
15.無形資産
(1) 取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額
無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりです。
① 取得原価
② 償却累計額及び減損損失累計額
③ 帳簿価額
(注) 1 無形資産の償却費は、連結損益計算書において、売上原価、販売費及び一般管理費並びに研究開発費に計上しています。
2 自己創設無形資産はありません。
3 無形資産として資産化した借入費用はありません。
4 製品に係る無形資産のうち、研究開発の段階にあり、未だ規制当局の販売承認が得られていないものは、使用可能な状態にないため、償却が開始されていない無形資産に分類しています。当該無形資産の帳簿価額は、前連結会計年度末11,743百万円及び当連結会計年度末3,249百万円です。
(2) 重要な無形資産
連結財政状態計算書に計上されている重要な無形資産は、以下のとおりです。
主に当社グループによるMyovant Sciences Ltd.(現:Sumitomo Pharma UK Holdings, Ltd.、以下「Myovant社」)、Urovant Sciences Ltd.(現:Sumitomo Pharma UK Holdings, Ltd.)の買収により取得した製品に係る無形資産です。研究開発の状況は、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載しています。
なお、進行中の研究開発資産である仕掛研究開発は、未だ規制当局の販売承認が得られておらず、使用可能な状態にないため、償却が開始されていない無形資産に分類しています。また、研究開発プロセスに内在する不確実性のため、製品化に至らず減損損失が発生するリスクや、市場環境の変動等に伴う収益性の低下により減損損失が発生するリスクがあります。
(3) 減損損失
無形資産は、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っています。なお、製品に係る無形資産については、製品及び開発品ごとの個別資産を資金生成単位としています。
無形資産の減損損失は、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に認識され、当該無形資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。回収可能価額は、処分コスト控除後の公正価値に基づき算定しています。処分コスト控除後の公正価値は、過去の経験及び外部からの情報に基づいた将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しています。この評価技法は観察可能な市場データでないインプットを使用しているため、この処分コスト控除後の公正価値は公正価値ヒエラルキーのレべル3に分類されます。
無形資産の減損テストには、個別の資産ごとに設定した加重平均資本コスト等を基礎とした割引率を用いており、減損テストに使用した税引前の割引率は、前連結会計年度は7.0%~13.8%、当連結会計年度は13.0%~15.8%です。
減損テストの結果、前連結会計年度において認識した減損損失80,066百万円は、連結損益計算書の販売費及び一般管理費並びに研究開発費にそれぞれ58,926百万円、21,140百万円計上しています。
当該減損損失は、主として医薬品事業の北米セグメントにおける、パーキンソン病に伴うオフ症状治療剤「キンモビ」に係る特許権の減損損失55,369百万円、及びソフトウェアの減損損失63百万円、COPD治療剤「ロンハラ マグネア」に係る特許権の減損損失3,494百万円、急性骨髄性白血病(AML)を対象としたTP-0903に係る仕掛研究開発の減損損失20,598百万円です。
「キンモビ」に係る特許権、及びソフトウェア、「ロンハラ マグネア」に係る特許権については収益性が見込めなくなったため、TP-0903に係る仕掛研究開発については開発中止により収益性が見込めなくなったため、帳簿価額全額を減額しています。
当連結会計年度において認識した減損損失144,107百万円は、連結損益計算書の販売費及び一般管理費並びに研究開発費にそれぞれ133,530百万円、10,577百万円計上しています。
当該減損損失は、主として北米セグメントにおける、子宮筋腫・子宮内膜症治療剤「マイフェンブリー」に係る特許権の減損損失133,457百万円、及び肺動脈性肺高血圧症(PAH)を対象としたrodatristat ethylに係る仕掛研究開発の減損損失5,205百万円です。
「マイフェンブリー」に係る特許権については、事業予想を見直した結果、想定されていた収益が見込めなくなったため、帳簿価額を回収可能価額10,640百万円まで減損しています。rodatristat ethylに係る仕掛研究開発については、開発中止により収益性が見込めなくなったため、帳簿価額全額を減額しています。
16.リース
当社グループは主に、事務所及び倉庫等をリース契約により使用しています。一部の契約には、満期後もリースを更新する選択権が付されています。また、エスカレーション条項及びリース契約によって課される重要な制限はありません。
借手としてのリース
(1) 純損益に認識された金額
(2) 使用権資産
有形固定資産に含まれる使用権資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりです。
① 取得原価
(注) 主に中途解約による使用権資産の変動が含まれています。
② 減価償却累計額及び減損損失累計額
③ 帳簿価額
(3) リース負債
リース負債の契約上の満期は、以下のとおりです。
(4) 連結キャッシュ・フロー計算書で認識された金額
リースに係るキャッシュ・アウトフローは、以下のとおりです。
17.その他の金融資産
(1) 内訳
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
① 公正価値の内訳
主要な銘柄の公正価値は、以下のとおりです。
(注) Roivant Sciences Ltd.については、2024年4月2日に全株式を売却しています。詳細は、後発事象(注記36)に記載しています。保有株式の売却は継続して行っており、2024年5月末時点において、小野薬品工業株式会社については、全保有株式の売却が完了しています。その他の銘柄の状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況 (5)株式の保有状況 ② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式 (ウ)特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報 の脚注に記載しています。
② その他
連結会計年度末に保有しているその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の受取配当金は、前連結会計年度750百万円、当連結会計年度682百万円です。
期中に処分したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産であるその他の金融資産は、以下のとおりです。
これらは事業戦略の見直し等により売却したものであり、売却時点において税引後の累積利得をその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えており、その金額は前連結会計年度2,378百万円、当連結会計年度11,410百万円です。
また、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産のうち、取得原価に比べ公正価値の著しい下落が一時的でないものについて、税引後の累積損失をその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えており、その金額は前連結会計年度△1,049百万円、当連結会計年度△172百万円です。
18.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。
なお、原材料及び貯蔵品には、連結会計年度末から12カ月を超えて使用されるものを含んでいますが、正常営業循環期間内で保有しているものであるため、棚卸資産に含めています。
また、売上原価として純損益に計上された棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年度1,317百万円、当連結会計年度3,962百万円です。
19.営業債権及びその他の債権
(1) 内訳
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりです。
(2) 信用リスク及び市場リスク並びに減損損失
当社グループの信用リスク及び為替リスクに対するエクスポージャー並びに営業債権及びその他の債権に関連する減損損失は、金融商品(注記30)に記載しています。
20.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。
21.売却目的で保有する資産
継続的な使用ではなく、主に売却により回収が見込まれる非流動資産又は処分グループのうち、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ、売却の可能性が非常に高いものを売却目的保有に分類しています。売却目的保有に分類した非流動資産又は処分グループは、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しています。
売却目的で保有する資産とそれに直接関連する負債の内訳は、以下のとおりです。
当社は、2022年12月26日において、当社が保有する住友ファーマアニマルヘルス株式会社の株式を三井物産株式会社にすべて譲渡する契約を締結しました。これにより、住友ファーマアニマルヘルス株式会社が当社の子会社ではなくなる可能性が非常に高まったため、前連結会計年度末において同社に関連する資産およびそれに直接関連する負債を売却目的で保有する処分グループに分類しました。
なお、住友ファーマアニマルヘルス株式会社の株式譲渡については、2023年5月31日付けで手続きが完了しました。
また、当連結会計年度末において、当社大分工場の一部を親会社である住友化学株式会社に2024年4月1日付けで譲渡することに伴い、関連する資産については売却目的で保有する資産に分類しています。
22.社債及び借入金
(1) 内訳
社債及び借入金の内訳は、以下のとおりです。
(注) 1 平均利率については、当連結会計年度末残高に対する加重平均利率を記載しています。
2 当連結会計年度末において財務制限条項に抵触した長期借入金は、連結財政状態計算書上、流動負債として表示しています。
(2) 社債の発行条件
社債の発行条件の要約は、下記のとおりです。
(注) 1 2020年9月10日の翌日から2027年9月10日までは固定利率、2027年9月10日の翌日以降は変動利率です(2027年9月10日の翌日に金利のステップアップが発生)。
2 2020年9月10日の翌日から2030年9月10日までは固定利率、2030年9月10日の翌日以降は変動利率です(2030年9月10日の翌日に金利のステップアップが発生)。
3 2027年9月10日および2027年9月10日以降の各利払日に、または払込期日以降に税制事由もしくは資本性変更事由が生じ、かつ継続している場合に、当社の裁量で期限前償還が可能な特約条項が付されています。
4 2030年9月10日および2030年9月10日以降の各利払日に、または払込期日以降に税制事由もしくは資本性変更事由が生じ、かつ継続している場合に、当社の裁量で期限前償還が可能な特約条項が付されています。
なお、上記の社債は償却原価で測定する金融負債に分類しており、直接取引費用を控除した金額で測定しています。
(3) 財務制限条項
当社を借入人とするシンジケートローン契約については財務制限条項が付されており、当該契約の概要及び当該契約に係る主な財務制限条項は以下のとおりです。
シンジケートローン
借入金額:51,000百万円、返済期限:2025年12月26日
・各事業年度末時点の決算短信におけるコア営業利益を2回連続して赤字としないこと。
・各事業年度末時点の報告書等の連結財政状態計算書における資本合計の金額を、2,000億円以上に維持す
ること。
上記の契約については、当連結会計年度末において、財務制限条項に抵触しましたが、取引先金融機関と期限の利益喪失の請求権放棄に関し協議した結果、主要な取引先金融機関から同請求権を行使しないことについて承諾を得ていることから、引き続き取引先金融機関の支援を得られる見通しです。
(4) 財務活動から生じるキャッシュ・フローの変動を伴う負債の変動
財務活動から生じるキャッシュ・フローの変動を伴う負債の増減は、以下のとおりです。
(注) 上記金額は、未払利息を含んで記載しています。
23.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりです。
24.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。
25.引当金
(1) 増減明細
引当金の増減明細は、以下のとおりです。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(2) 引当金の内容
引当金は、決算日における将来の債務の決済時期および決済に必要と予測されるキャッシュ・フロー等に関する最善の見積りに基づいて算定しています。見積りに使用した仮定と異なる結果が生じることにより、翌年度以降の連結財務諸表において引当金の金額に重要な修正を行う可能性があります。
① 返品調整引当金
返品による損失に備えるため、全製品及び商品の返品予測高を計上しており、期末残高のうち、Sumitomo Pharma America, Inc.(以下「SMPA社」)で販売している製品に適用される返品調整引当金は 26,193百万円です。将来において経済的便益の流出が予測される時期は、連結会計年度末日より正常営業循環期間内であると見込んでいます。
② 売上割戻引当金
公的なプログラムや卸店、その他の契約等に対する売上割戻金の支出に備えて、その見込額を計上しており、期末残高のうち、SMPA社で販売している製品に適用される売上割戻引当金は52,953百万円です。米国で販売されている主要品目に適用される様々な保険制度に係る売上割戻金は、その決済までの期間が確定までに時間を要するものもあります。また、売上割戻金の算定の基礎となる売上割戻率は、商流(卸売業者、薬局、病院等)及び適用される保険制度によって異なることから、売上割戻引当金の見積りに当たっては、最終的な商流と適用される保険制度を見積もる必要があり、これらの経営者による判断が売上割戻引当金の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。将来において経済的便益の流出が予測される時期は、連結会計年度末日より正常営業循環期間内であると見込んでいます。
26.その他の負債
その他の非流動負債及びその他の流動負債の内訳は、以下のとおりです。
(注) 前受収益は、Pfizer Inc.(以下「Pfizer社」)とのがん領域及び婦人科領域における北米でのレルゴリクスの共同開発及び共同販売に関する契約に基づき受領した一時金です。詳細は、共同開発及び共同販売(注記35)に記載しています。
27.従業員給付
(1) 退職後給付制度の概要
当社及び一部の連結子会社は、従業員の退職後給付に充てるため、積立型、非積立型の確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。
積立型制度である確定給付企業年金制度では、職務等級と勤務期間に基づいた一時金又は年金を支給しています。また、一部の確定給付企業年金制度には、退職給付信託が設定されています。
退職一時金制度では、退職後給付として、職務等級と勤務期間に基づいた一時金を支給しています。
(2) 確定給付制度
① 退職給付に係る負債及び資産の内訳
連結財政状態計算書における確定給付制度に係る負債及び資産は、以下のとおりです。
② 確定給付制度債務
確定給付制度債務の現在価値の増減は、以下のとおりです。
(注) 確定給付制度債務の加重平均支払年数は、前連結会計年度末13.8年、当連結会計年度末13.3年です。
③ 制度資産
制度資産の公正価値の増減は、以下のとおりです。
(注) 当社グループは、翌連結会計年度に1,668百万円の掛金を拠出する予定です。
④ 制度資産の構成
制度資産の主な分類ごとの内訳は、以下のとおりです。
(注) 制度資産合計には、確定給付企業年金制度に対して設定した退職給付信託が前連結会計年度末において9.1%、当連結会計年度末において12.4%含まれています。また、生命保険の一般勘定は、生命保険会社により一定の予定利率と元本が保証されています。
⑤ 資産上限額の影響
資産上限額の影響の増減は、以下のとおりです。
(注) 当連結会計年度において、将来掛金が減額されない又は将来掛金が返還されないために経済的便益が利用できないことから、当社グループの年金制度の一部に未認識の積立超過額が発生しています。
⑥ 重要な数理計算上の仮定
確定給付制度債務の現在価値の計算に用いた重要な数理計算上の仮定は、以下のとおりです。
⑦ 感応度分析
連結会計年度末時点で重要な数理計算上の仮定(割引率)が変動した場合の確定給付制度債務に与える影響は、以下のとおりです。当該分析は、他のすべての変数が一定であると仮定しています。当該分析は、連結財政状態計算書において認識されている確定給付制度債務の計算方法と同一の方法に基づいて実施しています。
⑧ 制度資産の投資戦略・運用方針
当社の制度資産運用に関する基本方針は、退職金規程及び企業年金基金規約に規定された年金給付及び一時金等の支払いを将来にわたり確実に行うために、許容されるリスクの範囲内で、必要とされる総合収益を長期的に確保することを目的としています。
目標とする収益率は、将来にわたって健全な確定給付制度を運営・維持するために必要な収益率、具体的には中長期的な運用上の期待リターンが割引率を上回ることを目標としています。その運用目標を達成するため、資産運用の基本方針を定めており、当社グループの状況、当社グループを取り巻く制度や環境変更に応じて変更することができるものとしています。
⑨ 確定給付制度の将来キャッシュ・フローに与える影響
確定給付型企業年金制度において、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、5年ごとに掛金の額の再計算を行うこととしています。また、企業年金基金の毎事業年度の決算において積立金の額が責任準備金の額から許容繰越不足金を控除した額を下回る場合、掛金の額を再計算することとしています。
(3) 確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として認識した金額は、前連結会計年度4,128百万円、当連結会計年度3,808百万円です。
(4) 従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度に発生した従業員給付に係る費用は、以下のとおりです。
(注) 事業構造改善費用については、事業セグメント(注記4)に記載しています。
28.株式報酬
当社の連結子会社であるMyovant社は株式報酬制度を採用しており、当該子会社役員又は従業員等に対し、ストック・オプション等を付与していました。
なお、Myovant社は、前連結会計年度中に完全子会社化を完了しており、当連結会計年度においてストック・オプション等は存在していません。
(1) ストック・オプション制度
Myovant社が発行するストック・オプションは持分決済型株式報酬であり、主に勤務期間を確定条件としていました。
Myovant社のストック・オプションに関連する情報は、以下のとおりです。
① 前連結会計年度
(注) 権利行使時における加重平均株価は、17.49米ドルです。
なお、ストック・オプションの公正価値を評価する目的で、ブラック・ショールズ・モデルが使用されています。期中に付与されたストック・オプションについて、ブラック・ショールズ・モデルに使用された仮定は、以下のとおりです。
(注) 1 予想ボラティリティの見積りは、ストック・オプションの予想残存期間に対応するMyovant社及び同社と類似する上場企業である参照企業の過去のボラティリティに基づいています。
2 Myovant社の取得日以降に付与したストック・オプションの公正価値測定において使用された仮定を記載しています。
(2) 株式報酬費用
連結損益計算書において認識した株式報酬費用は、以下のとおりです。
29.払込資本及びその他の資本
(1) 資本金
授権株式数及び発行済株式数の増減は、以下のとおりです。
(注) 当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら制限のない無額面の普通株式であり、全額払込済です。
(2) 自己株式
自己株式数の増減は、以下のとおりです。
(注) 保有している自己株式は、すべて普通株式です。なお、期中における増減は、主に単元未満株式の買取請求による増加又は単元未満株式の買増請求による減少によるものです。
(3) 剰余金
① 資本剰余金
資本剰余金は、資本取引から発生した金額のうち、資本金に含まれない金額から構成されています。なお、子会社株式の追加取得持分と追加投資額との間に生じた差額により資本剰余金が負の値になる場合には、資本剰余金をゼロとし、残額は利益剰余金から減額しています。
② 利益剰余金
利益剰余金は、当連結会計年度及び過年度に純損益として認識されたもの並びにその他の資本の構成要素から振り替えられたものから構成されています。
(4) その他の資本の構成要素
① その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の変動
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の累積的な純変動額です。
② 確定給付負債(資産)の純額の再測定
期首の数理計算上の仮定と実際の結果との差異の影響額、数理計算上の仮定の変更による影響額、利息収益を除く制度資産の公正価値に係る収益等から構成されています。
③ 在外営業活動体の換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した累積的な換算差額です。
④ キャッシュ・フロー・ヘッジ
未認識のヘッジ取引に関連するキャッシュ・フロー・ヘッジ手段の公正価値の累積的な純変動額のうち、ヘッジが有効と認められる部分です。
(5) 配当
① 配当の総額及び1株当たり配当額
配当の総額及び1株当たり配当額は、以下のとおりです。
(ア)前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(イ)当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
② 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、以下のとおりです。
(ア)前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(イ)当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
該当事項はありません。
30.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、企業価値と株主価値の持続的かつ一体的な向上を図るため、製品及び開発品の導入並びに国内事業、北米事業、新規事業等への投資を行うとともに、有利子負債の返済を進め、復配を早期に実現することが重要な経営課題であると認識しています。
この方針のもと、当社グループは特定の営業債権について、金融機関に対してノンリコースで売却を行うプログラムを利用しています。当該プログラムにおいて、売却された営業債権は所有に係るリスク及び経済価値が移転した時点で認識を中止しています。売却の対象である債権のうち、連結会計年度末時点で未売却の金額はありません。なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2) 金融リスク管理の概要
リスク管理方針
当社グループは、経営活動を行う過程において、信用リスク、流動性リスク、市場リスク等の財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っています。デリバティブは、これらのリスクを一部回避するために利用していますが、投機目的では行っていません。
(3) 信用リスク
① 概要
信用リスクとは、顧客又は金融商品の取引相手が契約上の義務を果たすことができなかった場合に当社グループが負う財務上の損失リスクであり、主に当社グループの顧客に対する売掛金等の債権から生じます。
売掛金等に係る顧客の信用リスクに関しては、社内で定めた債権管理に関する基準に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主要な取引先の信用状況を定期的に把握する体制をとることにより、リスク低減を図っています。
② 信用リスクの最大エクスポージャー
当社グループが保有する金融資産の信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている帳簿価額です。
なお、連結会計年度末において、重要な信用リスクが当初認識後に著しく増加した金融資産及び信用減損金融資産はないため、金融商品の信用リスクの区分ごとの帳簿価額の記載は省略しています。
③ 貸倒引当金の増減
当社グループでは、営業債権及びその他の債権等に関する予想信用損失について貸倒引当金を計上しています。
(ア)営業債権
重大な金融要素を含んでいない営業債権については、類似する債権ごとに全期間の予想信用損失に等しい金額で、貸倒引当金を計上しています。
(イ)その他の債権
信用リスクが著しく増加していると判定されていない資産については、原則として12カ月の予想信用損失と同額を貸倒引当金として計上しており、同種の資産の過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を帳簿価額に乗じて算定しています。信用リスクが著しく増大していると判定された資産及び信用減損金融資産については、全期間の予想信用損失と同額を貸倒引当金として計上しており、取引相手先の財務状況に将来の経済状況の予測を加味した上で個別に算定した回収可能価額と、帳簿価額との間の差額をもって算定しています。
いずれの金融資産についても、債務者からの弁済条件の見直しの要請、債務者の深刻な財政難、債務者の破産等の法的整理の手続の開始等の場合には、信用減損金融資産として取り扱っています。また、金融資産が減損した場合、減損損失を資産の帳簿価額から直接減額せず、貸倒引当金勘定により処理しています。
なお、当社グループが計上する貸倒引当金について、重要性が乏しいため、増減分析は省略しています。
(4) 流動性リスク
① 概要
流動性リスクとは、当社グループが現金又はその他の金融資産により決済する金融負債に関連する債務を履行する際に、困難に直面するリスクのことです。
当社グループでは、各社が月次に資金繰計画を作成するなどの方法により、流動性リスクを管理しています。
当社は、当連結会計年度末において、シンジケートローン契約に付されている財務制限条項に抵触し、期限の利益等の喪失事由に該当したため、当該シンジケートローン契約に係る借入金残高を流動負債として表示しています。なお、期末日後において、取引先金融機関と期限の利益喪失の請求権放棄に関し協議した結果、主要な取引先金融機関から同請求権を行使しないことについて承諾を得ていることから、引き続き取引先金融機関の支援を得られる見通しです。
② 満期分析
金融負債の契約上の期日別残高は、以下のとおりです。なお、利息については将来支払いが見込まれる金額で記載しています。
(ア)前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) 公募ハイブリッド社債(公募劣後特約付社債)のうち、第1回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)の元本は、元本全額2027年9月10日以降の各利払日において早期償還する可能性があるため、「4年超5年以内」に含んでいます。また、第2回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)は、契約上の償還期限に基づき「5年超」に含んでいますが、特約条項により早期に償還する可能性があります。詳細は、社債及び借入金(注記22)に記載しています。
(イ)当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 公募ハイブリッド社債(公募劣後特約付社債)のうち、第1回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)の元本は、元本全額2027年9月10日以降の各利払日において早期償還する可能性があるため、「3年超4年以内」に含んでいます。また、第2回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)は、契約上の償還期限に基づき「5年超」に含んでいますが、特約条項により早期に償還する可能性があります。さらに、1年超2年以内に含まれる財務制限条項に抵触した借入金は、連結財政状態計算書上、流動負債として表示しています。詳細は、社債及び借入金(注記22)に記載しています。
(5) 市場リスク
① 概要
市場リスクとは、外国為替レート、利子率及び株価等の市場価格の変動に関するリスクであり、当社グループの収益又はその保有する金融商品の価値に影響を及ぼすものです。当社グループはそれぞれのリスクの内容に応じた軽減策を実施しています。
② 為替リスク
(ア)為替リスクに対するエクスポージャー
リスク管理方針に基づいて当社グループの経営陣に提供されている当社グループの為替リスクに対するエクスポージャーに関する定量的データの要約は、以下のとおりです。
債権の主な内容は、外貨預金、売掛金及び貸付金です。また、債務の主な内容は、買掛金及び未払金です。
(イ)為替感応度分析
当社グループは主に米ドルの為替リスクに晒されています。
当社グループが決算日現在において保有する金融商品について、円が米ドルに対して5%円安となった場合に、当期利益に与える影響は、前連結会計年度7,513百万円、当連結会計年度△1,257百万円です。
なお、機能通貨建ての金融商品や在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでいません。また、その他の変動要因は一定であることを前提としています。
③ 金利リスク
当社グループが保有する有利子負債の一部は変動金利により調達されていますが、その変動金利部分は当連結会計年度末現在で0.1%に満たず、金利リスクが当社グループの純損益に与える影響は軽微です。従って、金利感応度分析は、重要性が乏しいため、省略しています。
(6) 金融商品の公正価値
① 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類
公正価値で測定する金融商品について、測定に用いた評価技法へのインプットの観察可能性に応じて算定した公正価値を以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格
レベル2:レベル1に含まれる市場価格以外の、直接又は間接的に観察可能なインプットにより測定した公正価値
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットにより測定した公正価値
② 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する主な金融商品の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりです。なお、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品及び重要性の乏しい金融商品は、以下の表に含めていません。
償却原価で測定される主な金融商品に係る公正価値の測定方法は、以下のとおりです。
(ア) 社債
これらの公正価値は、報告日の活発でない市場における同一負債の市場価格に基づき評価しており、公正価値ヒエラルキーはレベル2です。
(イ) 借入金
これらの公正価値は、元利金の合計額を、同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定しており、公正価値ヒエラルキーはレベル3です。
③ 連結財政状態計算書において公正価値で測定する金融商品
連結財政状態計算書において公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりです。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、連結会計年度末において認識しています。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の振替が行われた重要な金融資産及び負債はありません。
(ア)前連結会計年度(2023年3月31日)
(イ)当連結会計年度(2024年3月31日)
公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類された金融商品の期首から期末までの変動は、以下のとおりです。
(ア)金融資産
(イ)金融負債
(注) 条件付対価公正価値の変動額は、連結損益計算書において販売費及び一般管理費として認識しています。
公正価値ヒエラルキーレベル3に区分された金融資産は、主に非上場株式で構成されています。純資産価値に近似していると考えられる非上場株式等については、主に純資産価値に基づく評価技法により公正価値を算定しています。
公正価値ヒエラルキーレベル3に区分された金融負債は、企業結合により生じた条件付対価です。条件付対価は、特定の開発品の開発進捗に応じて支払う開発マイルストンや販売後の売上収益に応じて支払う販売マイルストン等であり、その公正価値は、それらが達成される可能性や貨幣の時間的価値を考慮して算定しています。
これらの公正価値測定は、当社グループの評価方針及び手続に従って行われており、金融商品の資産性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定しています。また、公正価値の変動に影響を与え得る重要な指標の推移を継続的に検証しています。
なお、レベル3に区分された金融商品について、それぞれ合理的と考えられる代替的な仮定に変更した場合に、公正価値の金額に重要な変動はないと考えています。
④ 条件付対価
Tolero Pharmaceuticals, Inc.(現:Sumitomo Pharma America, Inc.、以下「Tolero社」)の買収においては、旧株主に対して、企業結合後の特定のマイルストン達成に応じて、条件付対価を追加で支払うことになっています。
本買収においては、取得の対価として、当連結会計年度末までに205百万米ドル(23,272百万円)を支払うとともに、将来、Tolero社が開発中の化合物の開発マイルストンとして時間的価値考慮前の金額にて最大210百万米ドル(31,779百万円)を支払う可能性があります。さらに、販売後は売上収益に応じた販売マイルストンとして、時間的価値考慮前の金額にて最大150百万米ドル(22,700百万円)を支払う可能性があります。
当社グループは、この条件付対価については、時間的価値を考慮し、連結財政状態計算書におけるその他の金融負債として認識しています。
条件付対価の公正価値のヒエラルキーのレベルはレベル3です。条件付対価の公正価値は、特定の開発品の開発進捗や販売後の売上収益が達成される可能性や時間的価値を考慮して算定しています。特定の開発進捗や将来の売上収益の予測等及び割引率等は、将来発生する事象によっては影響を受ける可能性があります。
条件付対価の公正価値の変動額は連結損益計算書において販売費及び一般管理費として認識しています。
当社グループが条件付対価を支払う可能性があるものの総額は、前連結会計年度末48,074百万円(割引前)、当連結会計年度末54,479百万円(割引前)です。なお、条件付対価に関する期日別支払予定額は、その不確実性により記載していません。
条件付対価の公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合に、条件付対価の公正価値に与える影響は、以下のとおりです。
31.資本的支出コミットメント
資産の取得に関するコミットメントは、以下のとおりです。
無形資産の取得に関するコミットメントは、主として第三者と締結した技術導入契約等に関する権利の購入によるものです。これらの契約は、契約締結時に支払う一時金に加え、開発の進捗に応じて開発マイルストンを支払う場合があります。上記金額は、割引前のものであり、また成功確率の調整は行わず、現在開発中であるすべての品目が成功すると仮定した場合に生じる潜在的なマイルストン支払額をすべて含んでいます。マイルストンの達成は不確実性が非常に高いため、実際の支払額と大幅に異なる可能性があります。
なお、これらの契約のうち、主要なものに関しては、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に詳細を記載しています。
32.子会社及び関連会社等
(1) 主要な子会社及び関連会社
当社の主要な子会社及び関連会社は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」において同様の内容を記載しているため、記載を省略しています。
(2) 子会社の譲渡による減少
① 住友ファーマフード&ケミカル株式会社
譲渡により子会社でなくなった会社に関する支配喪失時の資産及び負債の主な内訳並びに譲渡対価と支配喪失による収支の関係は以下のとおりです。
② 住友ファーマアニマルヘルス株式会社
譲渡により子会社でなくなった会社に関する支配喪失時の資産及び負債の主な内訳並びに譲渡対価と支配喪失による収支の関係は以下のとおりです。
③ Spirovant Sciences LLC
譲渡により子会社でなくなった会社に関する支配喪失時の資産及び負債の主な内訳並びに譲渡対価と支配喪失による収支の関係は以下のとおりです。
33.関連当事者
(1) 親会社
住友化学株式会社は、当社グループの親会社です。
(2) 関連当事者との取引
当社グループと親会社との取引金額及び未決済残高は、以下のとおりです。
(注) 1 当該取引は、独立第三者間取引と同様の一般的な取引条件で行っています。未決済残高は担保が設定されておらず、現金で決済されています。なお、未決済残高に関する貸倒引当金はありません。
2 当社の金融機関からの借入債務および売掛債権売却に係る債務につき、債務保証を受けています。なお、取引金額には、債務被保証の期末残高を記載しています。
(3) 主要な経営幹部に対する報酬
当社グループの主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりです。
34.非支配持分の取得
(非支配持分の取得に伴う親会社の所有持分の変動)
前連結会計年度において、当社グループは、Myovant社に対して、当社グループとして最適なサポートを提供し、同社の進行性前立腺がん治療剤「オルゴビクス」、子宮筋腫・子宮内膜症治療剤「マイフェンブリー」の価値最大化を実現するために、同社を完全子会社化しました。この結果、資本剰余金が161,086百万円減少しています。なお、同社の完全子会社化に伴い発生した取引コストは9,618百万円であり、資本剰余金から控除しています。
35.共同開発及び共同販売
当社グループは、当社グループの開発品及び製品について、提携企業との間で共同開発及び共同販売契約を締結しています。
(1) Pfizer社との共同開発・共同販売
2020年12月26日、Myovant社はPfizer社と、米国及びカナダにおけるがん領域及び婦人科領域におけるレルゴリクスの共同開発及び共同販売に関する契約を締結しました。
本契約に基づき、レルゴリクス単剤及びレルゴリクス配合剤(以下「配合剤」)の売上収益はMyovant社が計上し、利益及び開発・販売に要する特定の費用を両社で折半します。
本契約締結の対価として、Myovant社はPfizer社より、契約一時金として650百万米ドル(67,353百万円)及び配合剤の米国承認時マイルストン200百万米ドル(24,179百万円)を受領しました。さらに、今後、レルゴリクスの前立腺がんに係る売上収益と子宮筋腫及び子宮内膜症に係る売上収益のそれぞれが2,500百万ドルに達するまで段階的に支払われる販売マイルストンを加え、総額で最大4,200百万米ドル(621,187百万円)を受け取る可能性があります。
本提携以降、当社グループは、レルゴリクスの販売に係る売上収益及び売上原価を計上しています。また、当社グループで発生したレルゴリクスの販売費及び一般管理費、研究開発費に加え、利益の折半のために当社グループがPfizer社に支払う費用は、その性質に応じて、売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費に計上しています。
前連結会計年度において配合剤の子宮内膜症を適応症とした米国承認時マイルストン達成により100百万米ドル(13,304百万円)を受領しており、その他の負債に計上し、共同開発活動に対する対価として上記契約一時金に含めて収益を認識しています。
(2) 大塚製薬株式会社との共同開発・共同販売
2021年9月30日、当社及びSunovion Pharmaceuticals Inc.(現:Sumitomo Pharma America, Inc.、以下「Sunovion社」)は大塚製薬株式会社(以下「大塚製薬」)と、当社とSunovion社が精神神経領域で開発中の4 つの新規化合物(SEP-363856(ウロタロント)、SEP-4199、SEP-378614、SEP-380135、以下「4化合物」)について全世界を対象とした共同開発及び販売に関するライセンス契約を締結し、大塚製薬より、契約一時金として270百万米ドル(30,227百万円)を受領しました。
その後、開発優先品目の見直しを図り、がん領域及び再生・細胞医薬事業の開発プログラムを最優先に注力することを目的として、2024年3月15日、当社及びSMPA社(「Sunovion社」から商号変更)は、大塚製薬との間で本契約を改定しました。
契約改定の主な内容は、以下のとおりです。
・当社グループは、対象としていた4化合物のうちSEP-4199及びSEP-378614をライセンス契約の許諾対象から外し、SMPA社は大塚製薬に対し、ウロタロント及びSEP-380135の全適応症について、全世界における開発、製造および販売を独占的に行う権利を許諾しました。
・SMPA社は、ウロタロント及びSEP-380135の開発に応じたマイルストンとして最大30百万米ドル(4,540百万円)及び売上に応じたロイヤルティを大塚製薬から受け取る可能性があります。
・契約改定に係る契約一時金は発生せず、一部試験を除き、当社グループ及び大塚製薬が実施している試験の2024年1月以降の費用は大塚製薬が全額負担します。
36.後発事象
(投資有価証券の売却)
当社は、政策保有株式の見直しによる資産効率の向上を図るため、当社が保有するRoivant Sciences Ltd.の全ての株式(71,251,083株)を同社に売却する契約を2024年4月2日付けで締結し、98,146百万円で売却しました。
なお、本株式における公正価値の変動はその他の包括利益で認識しているため、連結損益への影響はありません。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
(ア)前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(イ)当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
(2) その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
決算期末日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しています。)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2 棚卸資産の評価基準及び評価方法
通常の販売目的で保有する棚卸資産
総平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しています。)
3 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産
定額法により償却しています。なお、耐用年数は、以下のとおりです。
(2) 無形固定資産
定額法により償却しています。なお、償却期間は利用可能期間に基づいています。
4 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売掛金、受取手形等債権の貸倒れによる損失に備えて、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 賞与引当金
従業員賞与の支給に備えて、その支給見込額を計上しています。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しています。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(13年)による定額法により費用処理しています。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(13年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しています。
5 収益及び費用の計上基準
医療用医薬品等の製商品の販売による収益(製商品の販売)並びに技術導出契約等の締結に伴う契約一時金、マイルストン収入及びロイヤルティ収入による収益(知的財産権収入)を主な収益としています。
(1) 製商品の販売
製商品の販売は、製商品を引渡した時点において顧客が当該製商品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製商品の引渡時点で収益を認識しています。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、返品、値引き及び割戻し等を控除した収益に重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲内の金額で算定しています。
(2) 知的財産権収入
契約一時金は、技術導出契約等を締結し、開発権及び販売権等を第三者に付与した時点で収益を認識しています。
マイルストン収入は、契約上定められたマイルストンが達成された時点で収益を認識しています。
ロイヤルティ収入は、契約相手先の売上収益等を基礎に算定された技術導出契約等における対価であり、契約相手先の売上収益等の発生と履行義務の充足のいずれか遅い時点で収益を認識しています。
(3) その他
主にコ・プロモーション契約に係る報酬が含まれており、契約相手先の売上収益等を基礎に算定されたプロモーション活動における対価であり、契約相手先の売上収益等の発生と履行義務の充足のいずれか遅い時点で収益を認識しています。
6 ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
原則として繰延ヘッジ処理によっています。なお、振当処理の要件を満たしている為替予約については振当処理によっています。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段
為替予約取引
ヘッジ対象
外貨建金銭債権債務及び外貨建予定取引
(3) ヘッジ方針
社内管理規程に基づき為替リスクを回避する目的で為替予約取引を行っています。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ対象の時価の変動の累計とヘッジ手段の時価の変動の累計を比較することにより、有効性を評価しています。また為替予約取引については、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が同一であるため有効性の評価を省略しています。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りは、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて合理的な金額を算出しています。当事業年度の財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目は、以下のとおりです。
(1) 関係会社貸倒引当金(投資その他の資産)
①財務諸表に計上した金額
②識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社では、関係会社に対する債権の評価は、関係会社の財政状態及び経営成績の状況を勘案し、回収不能見込みを見積り、貸倒引当金を計上しています。当事業年度末において、子会社であるSumitomo Pharma UK Holdings, Ltd.(以下「SMPUK社」)が債務超過となったことにより、SMPUK社への貸付金に対し、個別に回収不能額を見積もり、関係会社貸倒引当金を計上しています。当該見積りは、将来の予測不能な事業環境の変化などによってSMPUK社の将来計画の達成が見込めなくなった場合、翌期以降において計上される関係会社貸倒引当金計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 繰延税金資産の回収可能性
①財務諸表に計上した金額
②識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
「連結財務諸表注記3.重要性がある会計方針 (5) 法人所得税」に同一の内容を記載しているため、省略しています。
(会計上の見積りの変更)
退職給付に係る会計処理における、数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理年数について、従来、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(14年)で費用処理していましたが、平均残存勤務期間がこれを下回ったため、当期より費用処理年数を13年に変更しています。
なお、当該費用処理年数の変更が当期の損益に及ぼす影響は軽微です。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
2 保証債務
※3 財務制限条項
一部の借入金に財務制限条項が付されており、当事業年度末に当該条項に抵触しましたが、期限の利益喪失の請求権を行使しないことについて、主要な金融機関の承諾を得ています。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額
※3 関係会社株式評価損及び関係会社貸倒引当金繰入額
当社では、関係会社に対する投資について評価損の要否を検討するに当たり、当該関係会社が属する各セグメントに帰属する超過収益力等を反映した価額で実質価額を算定しています。
前事業年度において、当社は、Sumitomo Pharma America Holdings, Inc.(現:Sumitomo Pharma America, Inc.)が発行する株式の実質価額に著しい低下があると判断し、関係会社株式評価損275,519百万円を認識し、損益計算書の特別損失に含めています。
また、同社に対する債権について、当該実質価額を踏まえ、回収可能性を検討した結果、関係会社貸倒引当金繰入額8,785百万円を認識し、損益計算書の特別損失に含めています。
当事業年度において、当社は、SMPUK社が発行する株式の実質価額に著しい低下があると判断し、関係会社株式評価損556,823百万円を認識し、損益計算書の特別損失に含めています。
また、同社に対する貸付金について、当該実質価額を踏まえ、回収可能性を検討した結果、関係会社貸倒引当金繰入額37,771百万円を認識し、損益計算書の特別損失に含めています。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載していません。
なお、市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額は次のとおりです。
(単位:百万円)
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「連結財務諸表注記3.重要性がある会計方針 (3) 収益」に同一の内容を記載しているため、記載を省略しています。
(重要な後発事象)
当社は、政策保有株式の見直しによる資産効率の向上を図るため、当社が保有するRoivant Sciences Ltd.の全ての株式(71,251,083株)を同社に売却する契約を2024年4月2日付けで締結し、98,146百万円で売却しました。当該事象により、2025年3月期の個別財務諸表において、投資有価証券売却益55,060百万円を特別利益として計上する予定です。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1 「減価償却累計額」欄には、減損損失累計額が含まれています。
2 当期増加額のうち主なものは次のとおりです。
ゼンレタ 特許権 1,762百万円
イズカーゴ 販売権 1,200百万円
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社は当社定款第9条において、単元未満株主の権利について、以下のとおり制限する旨を定めています。
当会社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない。
1.会社法第189条第2項各号に掲げる権利
2.会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
3.株主の有する株式数に応じて募集株式の割当ておよび募集新株予約権の割当てを受ける権利
4.単元未満株式の買増請求をする権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。