第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 第120期より国際会計基準(以下、「IFRS」という。)により連結財務諸表を作成しています。
2 希薄化後1株当たり当期利益は、潜在株式が存在しないため記載していません。
3 従業員数は就業人員を記載しています。
4 当社は、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託を導入しており、当該信託が保有する当社株式については、連結財務諸表において自己株式として計上しています。また、1株当たり親会社の所有者に帰属する持分及び基本的1株当たり当期利益の算定上、当該株式数を期末自己株式数及び期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めています。
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、潜在株式が存在しないため記載していません。
2 従業員数は就業人員を記載しています。
3 当社は、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託を導入しており、当該信託が保有する当社株式については、連結財務諸表において自己株式として計上しています。また、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益の算定上、当該株式数を期末自己株式数及び期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めています。
4 第120期の日本基準に基づく連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、潜在株式が存在しないため記載していません。
2 従業員数は就業人員を記載しています。
3 当社は、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託を導入しており、当該信託が保有する当社株式については、財務諸表において自己株式として計上しています。また、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益の算定上、当該株式数を期末自己株式数及び期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めています。
4 最高株価及び最低株価は2022年4月4日より東京証券取引所(プライム市場)におけるものであり、それ以前は東京証券取引所(市場第一部)におけるものです。
5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第122期の期首から適用しています。なお、収益認識に関する会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従い、第121期以前に対し、新たな会計方針を遡及適用していません。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当企業集団は日本特殊陶業㈱(以下「当社」)、子会社70社、関連会社9社で構成され、自動車関連製品、セラミック製品、新規事業に関する製品の製造販売等を主な事業内容としています。当社グループの事業に係る位置付けの概要は次のとおりです。
<自動車関連>
当事業は、スパークプラグ、グロープラグ、自動車用各種センサをはじめとした自動車部品の製造販売を行っています。
国内では当社が製造販売を行っています。また、当社から㈱日特スパークテックWKS・セラミックセンサ㈱をはじめとした国内子会社へ原材料・部品を支給して製造委託を行うなどして、完成品及び半製品・組立部品として購入した上で販売しています。
海外ではNiterraブラジル㈲でスパークプラグの一貫生産と販売を行っている他、Niterra North America㈱をはじめとする北米、中国・韓国及び東南アジア、欧州の海外製造販売子会社・関連会社において当社から部品及び原材料を購入して完成品を組立、各地域で販売を行っています。また、Wells Vehicle Electronics, L.P.では自動車関連品の一貫生産と販売を行っています。更には、各海外工場で製造した半製品・部品の一部を、当社をはじめ各製造拠点で組立部品としても活用しています。
一方、上記の海外製造販売子会社及びNiterra EMEA㈲をはじめとした海外販売子会社は、当社及び上記海外製造子会社から完成品を仕入れ、各地域において顧客への販売を行っています。
<セラミック>
当事業は、工作機械用の切削工具、産業用セラミック製品、半導体製造装置用製品、ICパッケージをはじめとした半導体部品、医療用酸素濃縮装置等の製造販売を行っています。
国内では当社、㈱NTKセラテック、NTKメディカル㈱が製造販売を行っています。また、当社からNTKセラミック㈱をはじめとした国内子会社・関連会社へ原材料・部品を支給して製造委託を行うなどして、完成品及び半製品・部品として購入した上で販売しています。
海外ではCAIRE Inc.が一貫生産と販売を行っている一方、米国テクノロジー㈱をはじめとした海外販売子会社は、当社及び上記製造子会社から完成品を仕入れ、各地域において顧客へ販売を行っています。
<新規事業>
当事業は、燃料電池等の環境エネルギー分野に関する製品をはじめとした、新規事業に関する製品の製造販売を行っています。
国内では当社が製造販売を行っています。また、森村SOFCテクノロジー㈱において、固体酸化物形燃料電池(SOFC)の製造販売を行っています。
海外ではNiterra North America㈱をはじめとした海外販売子会社で、当社から新規事業に関する製品を仕入れ、各地域において顧客への販売を行っています。
<その他>
日特アルファサービス㈱にて福利厚生サービスを行っています。
上記事項の概略は、次のとおりです。

4 【関係会社の状況】
(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。
2 特定子会社に該当する子会社は次のとおりです。
Niterra米国ホールディング㈱、Niterra North America㈱、Wells Vehicle Electronics Holdings Corp.、CAIRE Inc.、Niterra EMEA㈲、Niterraアジア㈱、セラミックセンサ㈱、㈱日特スパークテックWKS
3 議決権に対する所有割合の( )内は間接所有割合であり、内数です。なお、Niterra North America㈱及び米国テクノロジー㈱の議決権に対する所有割合100%は、Niterra米国ホールディング㈱を通じて間接所有しているものであり、Wells Vehicle Electronics, L.P.の議決権に対する所有割合100%は、Wells Vehicle Electronics Holdings Corp.を通じて間接所有しているものです。また、㈲NGKスパークプラグユーラシアの議決権に対する所有割合10%は、Niterra EMEA㈲を通じて間接所有しているものであり、Niterraフィリピン㈱及びNiterraベトナム㈲の議決権に対する所有割合100%は、Niterraタイ㈱を通じて間接所有しているものです。また、Niterraインドネシア㈱の議決権に対する所有割合0%は、Niterra IBC アジア㈱を通じて間接所有しているものです。
4 2023年4月1日付で、当社の英文商号を「Niterra Co., Ltd.」に変更したことに伴い、当社の連結子会社についても「Niterra」を冠した商号に変更しました。
5 Niterra North America㈱、Niterra EMEA㈲については、売上収益(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上収益に占める割合が10%を超えており、主要な損益情報等は次のとおりです。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員を記載しています。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員を記載しています。
2 平均年間給与の対象者は、正社員のうち、地域限定社員、短時間勤務者、休職者を除き、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
(3) 労働組合の状況
当社従業員が加入する労働組合は、日本特殊陶業労働組合と称し、1946年1月結成以来労使一体となって生産性向上に協力し、争議の経験はなく、現在全日本自動車産業労働組合総連合会(自動車総連)及び日本自動車部品産業労働組合連合会(部品労連)に加盟しています。
同労働組合には、現在当社従業員の他、国内連結子会社である㈱日特スパークテックWKS、セラミックセンサ㈱、㈱NTKセラテック、NTKセラミック㈱、㈱南勢セラミック等の従業員が加入しています。
(4) 多様性に関する指標
①提出会社
(注) 1 非正規雇用労働者は、定年後再雇用者、パートタイマー、契約従業員、嘱託を含み、派遣社員を除いています。
2 賃金は、労働の対償として支払う全てのものを含み、退職手当、通勤手当は除いています。男女の賃金の差異は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人員構成の差によるものです。
②主要な連結子会社
(注) 1 対象会社は、常時雇用する労働者が101名以上の国内連結子会社としています。
2 「*」は、男性の育児休業取得の対象となる労働者がいないことを示しています。
3 非正規雇用労働者は、定年後再雇用者、パートタイマー、契約従業員、嘱託を含み、派遣社員を除いています。
4 賃金は、労働の対償として支払う全てのものを含み、退職手当、通勤手当は除いています。男女の賃金の差異は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人員構成の差によるものです。
5 「-」は、女性の非正規雇用労働者がいないことを示しています。
詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本」を参照ください。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、技術立脚の提案型企業として、時代が要請する新たな価値と優れた品質の提供により、顧客や社会から高い信頼を得られるリーディングカンパニーを目指すとともに、社員の個性と能力を十分発揮できる環境を整え、絶えず前進する積極的な姿勢とスピーディな行動で企業価値を高め、株主の期待に応えることを基本としています。
(2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
①『2030 長期経営計画 日特BX』及び中期経営計画(2021年度~2024年度)
当社グループは、セラミックスをコアとしながらもセラミックスを超えた事業を展開し、自動車関連事業を中心とした事業ポートフォリオからの転換を大きな戦略テーマに、当社グループの「2040年に目指す姿」として、「これまでの延長線上にない変化」、そのビジョンとして「Beyond ceramics, eXceeding imagination セラミックスのその先へ、想像のその先へ。」を掲げ、そのマイルストーンとなる2030年をターゲットにした長期経営計画『2030 長期経営計画 日特BX』を2020年度に策定しました。『2030 長期経営計画 日特BX』では、行動指針“Change with Will”のもと、「経営革新」「権限・責任の厳格化」「『志』『共生』の意識醸成」を具体的な施策として推進することで、自動車関連事業で得た収益を源泉として成長事業及び新規事業への投資を加速させ、事業ポートフォリオの転換を図ってまいりました。
また、『2030 長期経営計画 日特BX』で目指す姿を見据え、2021年度から2024年度までの4年間を「変えるために、壊す。」「変わるために、創る。」として、組織を変革する期間に位置付けた中期経営計画を策定し、本中期経営計画においては、次の基本方針及び重点課題を掲げ、各種取組みを実行してまいりました。
(基本方針)
「既存事業」と「新規事業」が独立しながら、両輪で走る
(重点課題と進捗状況)
■成長事業及び新規事業への投資・人財ポートフォリオ転換の促進
・成長事業については、売上収益の規模が2020年度より21%向上しました。半導体製造装置用部品事業においてはセラミック素材技術により高まる要求性能に応え、旺盛な半導体需要を着実に捉えています。また、メディカル事業においては、企業買収によって獲得した販路を活用して更なる売上拡大を目指しています。一方で、不採算事業や不採算製品からの撤退も実行しています。
・2021年4月には社内カンパニー制への移行と一部事業部門の分社化を実施しました。事業部門、事業サポート部門、コーポレート部門の各組織において権限と責任を明確にし、独立自営の体制のもと、機動的な意思決定の実現と収益性の可視化による更なる成長を推進します。
・事業ポートフォリオの転換に不可欠な人財ポートフォリオの転換を実現するため、成長事業・新規事業への人財の積極的な転換に取り組むとともに、「自律創造人財」の育成・創出を推進します。
■ROIC経営による稼ぐ力のさらなる強化
・ROICを用いた事業別の目標管理・事業ポートフォリオマネジメントの仕組みの構築・運用に加え、グローバル戦略本部を中心に監理対象銘柄入りの決定や格付の基準を定める等、財務規律を明確化することで、経営資源の最適配分を実現し、投資対効果の最大化を図ってまいります。
<資本効率向上に向けた取組み>
各々の事業において実行すべき課題・責務を細分化し、KPIを管理することで、ROIC10%以上を達成していきます。高付加価値製品でのシェア向上や設備・労働生産性の向上、内燃機関事業の固定資産の圧縮については中長期で継続して取り組んでいますが、特に間接部門におけるコスト削減やサプライチェーンの最適化による棚卸資産の削減には課題が残っています。

<事業ポートフォリオ管理>
事業セグメントごとにハードルレートを設定し、事業ポートフォリオマネジメントを強化します。成長性と投資効率の2軸で事業を評価し、今後の方向性を決定の上、ポジショニングによる格付を行い、それに応じた期待役割を定義し、各カンパニーのKPI・KGIを設定します。

(業績目標)
2024年度:売上収益6,000億円、営業利益1,000億円
中期経営計画の経営目標は為替円安の影響もあり、最終年度より1年早く、2023年度に目標とする売上収益及び営業利益指標を達成しました。一方で、新規事業は、2022年度に実績が出始めたものの、創出は遅れています。既に開発テーマの絞り込みに着手していますが、今後は当社技術を活かせる領域への投資を重点的に行っていく方針です。

(キャッシュフロー計画)
適正な自己資本比率の水準を維持することで、財務健全性を維持しながら、事業ポートフォリオ転換に向け、内燃機関事業で創出したキャッシュで成長事業・新規事業へ投資を行ってまいります。

(事業別の取組み)
事業ポートフォリオ転換の達成に向けて、自動車関連事業では、キャッシュ創出を最大化し、成長事業・新規事業へ積極的な経営資源の再配分を図ってまいります。
(ⅰ)自動車関連事業
自動車関連事業においては、超効率化によりキャッシュ創出の最大化を図ります。具体的には、高付加価値製品におけるシェアの向上、生産性の向上による投資の抑制、在庫圧縮による資本効率の向上により、利益及びフリーキャッシュフローの最大化に取り組みます。特にプラグ事業については、継続的な成長維持のため、外部環境の変化による影響を受けにくい体制の確立、グローバルガバナンスの強化、価格転嫁と原価低減等を進めます。センサ事業については、現存リソースの有効活用、価格転嫁と供給安定性の向上、長期コストの抑制等に取り組みます。
(ⅱ)セラミック事業
セラミック事業においては、各事業において市場成長率を超える事業成長を目指します。半導体製造装置用部品事業では、今後も独自技術で競合との差別化を図り、市況の変化に素早く対応し顧客からの最先端のニーズに応える仕組みを構築します。加えて、市場の成長に伴う需要増加並びに増産に向けた足固めを行ってまいります。
呼吸器事業では、新型コロナウイルス感染症による定置型酸素濃縮装置の需要増加が落ち着く中、顧客での流通在庫が過多になり受注が低迷するものの、今後グローバルで高成長が見込まれる携帯型酸素濃縮装置の拡販などに取り組んでいます。また、2022年末には心肺機能の診断機器メーカーであるMGC Diagnostics Holdings, Inc.の買収を通じて、同社の保有する診断・モニター用の機器・サービスと病院・クリニックへの販売チャネルを獲得しました。同社を当社グループの「医療」分野での新たなプラットフォームとして活用することで、従来の酸素療法ビジネスや喘息診断機器に加えて、製品ポートフォリオ及び販売チャネルの一層の拡大を実現し、グローバルでの患者さまのQOL改善に貢献してまいります。
(ⅲ)新規事業
新規事業においては、新たな柱となる事業の実現、及び、事業創出サイクルの短縮化を目指します。燃料電池事業では、燃料をリサイクルできる平板型構造SOFC(固体酸化物形燃料電池)用スタックの開発を推進しています。超高効率、コンパクト、低コストの特長を有し、更に、シール性能も優れることから水素製造・SOEC(固体酸化物形電解セル)等への展開も期待されています。今後も競争力の向上と事業規模の拡大に取り組み、生産コストの低減を進めるとともに、燃料電池の技術を応用した水素製造技術の確立により、カーボンニュートラル社会に貢献することを目指します。
また、今後の成長が期待されている、窒化ケイ素を利用したセラミック製軸受け部品「ベアリングボール」については、軽量で発熱量減少、高剛性、絶縁性、耐腐食性などの特性を持つ高機能性製品で、電気自動車の高電圧への対応として近年需要が増加しています。引き続き材料や製造手法で差別化を図り、当社グループを支える事業の一つに育ててまいります。
その他、足元では、環境・エネルギー分野において、空気中の菌やウイルス、においを抑える「澄風」、一次産業が抱える課題に対し、当社のセンシング技術を基軸とした「水質センシングシステム」を用いたエビの陸上養殖、モビリティ分野では、自動車整備工場とユーザーをつなぐ予防保全サービスの「ドクターリンク」、医療分野では、女性が抱える身体的な悩みを技術力で解決する「フェムテック」など、さまざまな取組みを進めています。
②持続的成長に向けた取組み
企業の持続的成長を図っていく上では、重要な社会的課題に正面から向き合い、その解決に挑んでいくという基本姿勢が求められます。当社グループは、グローバル企業として持続可能な社会作りに寄与するため、ESG(環境・社会・ガバナンス)各分野の社会的課題のうち、「ステークホルダーにとっての重要性」と「当社にとっての重要性」の2軸からサステナビリティにおける重要課題を特定しました。「相互信頼を深め、未来を見つめた新たな価値を提案し、世界の人々に貢献します」という企業理念のもと、今後も「社会のよき一員」として企業活動を推進し、社会全体に貢献できるよう努めてまいります。
<環境(E)>
当社グループは、製品・サービスの使用時や廃棄時なども含めたライフサイクル全体を俯瞰し、環境負荷がより小さい製品・サービスを提供することで、社会の持続的な発展に貢献することを目指しています。特に、自動車部品においては製品使用時のCO2排出量が大きいため、省燃費タイプのスパークプラグや排ガス用酸素センサによるCO2削減量を増やすべく、これら製品の販売を促進するとともに、2040年に向けて事業ポートフォリオ転換(売上収益構成比率:内燃機関事業40%、非内燃機関事業60%)を進めてまいります。
<社会(S)>
当社グループは、社会的課題の解決に資する新たな価値を共創・提供することを目指し、社会の要請を捉えて、技術・製品・事業の開発に挑んでいます。
また、人財は企業活動の将来を左右する重要な位置づけであり、最重要の経営資源との認識のもと、自律創造人財が育ち、活躍する各種施策を立案し、展開しています。従業員一人ひとりの個性を活かし、能力を存分に発揮できることが企業の成長と個人の幸福に繋がると考え、今後もダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンに取り組んでまいります。
<ガバナンス(G)>
当社グループは、ステークホルダーに対して、公正で透明性の高い経営を行いながら信頼関係を築くとともに、効率的で健全な経営により持続的な成長を果たすため、経営体制及び内部統制システムの充実に取り組んでいます。取締役会については、多様性及び独立性を確保した構成とし、意思決定の透明性及び客観性の向上に努めてまいります。また、経営目標の達成を阻害するリスクを低減・回避するとともに、社会からの信頼を得ながら当社グループの事業活動を行っていくため、リスクマネジメント及びコンプライアンスの推進に取り組んでまいります。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) サステナビリティ共通
当社は、森村グループの礎である森村組創立時から大切にしてきた考え方を整理し直し、2017年4月「日特ウェイ」を制定しました。日特ウェイは、全従業員の間で共有され次の時代に継承されるべきグループの共有価値観を含めた理念体系であり、その体系は企業理念、CSR・サステナビリティ憲章、企業行動規範、CSR基本方針、基本方針などから構成しています。
当社の企業理念、CSR・サステナビリティ憲章には、世界の人々に「新たな価値を提案」、「貢献」といった言葉があり、事業を通して社会的課題の解決に貢献したい、というサステナビリティにつながる思いが込められています。その思いに基づき、さまざまな社会的課題解決に資する製品、サービスを生み出していくことが、我々の使命であり、存在意義であると認識しています。
持続可能な社会の実現に向けて、推進体制を構築し、事業を通じた社会的課題の解決での貢献を基軸に、国連グローバル・コンパクト、ISO26000、SDGs、TCFDなどの国際的な規範や目標、ガイドラインに賛同する意思表明を行うとともに、長期経営計画の中でESG(環境、社会、ガバナンス)に関する「優先的に取り組む課題」を特定するなど取り組みを進めています。

① ガバナンス
当社は、社会とともに持続的に成長していくため、取締役会の諮問機関としてCSR・サステナビリティ委員会を設置し、社外取締役を委員長に据えて外部視点を重視し、ESGの各分野で優先的に取り組む課題を特定して、その課題解決に向けた活動を推進しています。また、経営側のCSR・サステナビリティ委員会の他に、業務執行側にも6つの専門委員会を設置し、CSR基本方針の実現に向けて、ESGの各分野での活動を実践・推進する体制を執っています。
CSR・サステナビリティ委員会は、取締役会の諮問機関として、取締役会からの諮問に対して答申・提言する機能と、各専門委員会を監督する機能を担います。答申・提言においては、ゲスト委員として外部有識者を招いて知見・視座を高め、長期を見据えたサステナビリティ経営の推進を図るべく多角的に議論をしていきます。また、各専門委員会に対しては、業務執行側に位置付ける各専門委員会が有効に機能しているかを注視し、必要に応じてそれらを監督する役割を担っています。
優先的に取り組む課題に特定されている「気候変動への対応」や「リスクマネジメント」などの進捗に関わる重要な情報は、CSR・サステナビリティ委員会にも共有され、各専門委員会での重要決定事項は、業務執行における重要事項を審議・決定・監督する経営会議を通じて取締役会に報告されています。

② 戦略
当社は、持続可能な社会の実現に寄与することで、企業価値の向上を目指しています。そのためには、社会的課題を的確に捉えたうえで、当社グループとしてESGの各分野で優先的に取り組むべき課題(マテリアリティ)を特定し、中長期的な視点で目標を設定して取り組んでいくことが重要だと考えています。
現在進めている長期経営計画「2030 長期経営計画 日特BX」においては、マテリアリティとして8項目を特定しており、事業を通して社会的課題を解決するというサステナビリティ共通の考え方の下、「環境に配慮して設計した製品の提供や社会的課題の解決に寄与する技術・製品・事業の開発」を中心テーマに据えています。
優先的に取り組む課題の特定プロセス


(環境に配慮して設計した製品の提供)
当社グループは、製品・サービスの使用時や廃棄時なども含めたライフサイクル全体を俯瞰し、環境負荷がより小さい製品・サービスを提供することで、社会の持続的な発展に貢献したいと考えています。特に、自動車部品では、製品使用時でのCO2排出量が大きいため、省燃費タイプのスパークプラグ・酸素センサのCO2削減貢献量を増やすべく、それら製品の販売を促進します。(それぞれ目標は2030年3月期で販売比率50%以上)

(社会的課題の解決に寄与する技術・製品・事業の開発)
当社グループは、世界が抱える課題に向き合い、その解決に資する新たな価値を共創・提供することで、よりよい社会の実現に寄与していきたいと考えています。
気候変動や食料不足など、世界が直面する課題はさまざまですが、当社グループの技術と蓄積した経験を活かして、世界の人々に新たな価値を提案します。CO2フリー水素利用を視野に入れた高効率分散型電源となる燃料電池の普及、有鉛圧電材から無鉛圧電材への代替促進、陸上養殖用の水質管理システムなどのセンシングIoTソリューション、セラミック技術を応用したCO2回収、水素製造からの合成燃料(メタン)製造システム、そのソリューションの提供などを推進します。
③ リスク管理
当社グループは、サステナビリティ戦略、ESGテーマを含めて、事業の目標達成や存続を阻害する可能性を低減もしくは回避するため、リスクマネジメントの最高責任者が任命した執行役員を委員長とするリスクマネジメント委員会を専門委員会の一つとして設置し、CSR・サステナビリティ委員会の監督の下、全社的なリスクマネジメントの実践、維持、改善を推進しています。
リスクマネジメント委員会では、リスクについて、全社的見地で事業存続や目標達成に大きな影響を及ぼすか否かを、影響度と発生可能性、及びその対策状況を分析して評価しています。重点的な対応が必要と評価されたリスクは「優先リスク」として主管部門を定め、リスクマネジメント委員会で低減活動の状況を確認しています。気候変動や人権をはじめとするESGに関するリスクについても併せて評価しています。一方、重要な機会については、CSR・サステナビリティ委員会で確認し、必要に応じて経営戦略や優先的に取り組む課題に反映しています。
なお、当社グループはグローバルかつ多くの分野で事業を展開しており、事業毎にさまざまなリスクと機会があることから、事業毎にリスクと機会を把握して、それぞれに対応しています。気候変動に関するリスクと機会についても、規制動向等を注視して事業への影響をそれぞれに評価し、対応しています。
④ 指標と目標
当社グループは、2030年長期経営計画の実現に向け、環境・社会・ガバナンスにおいてそれぞれ具体的な指標・目標を設定しています。

(2) 気候変動:TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示
気候変動の緩和のため温室効果ガスの排出量を削減することは、地球規模で緊急かつ重要であり、当社グループにとっても優先的な課題です。特に、ものづくり企業である当社グループにとって、CO2排出量を削減することは、当社グループが果たすべき責任と考えています。
当社グループは、『エコビジョン2030』において、2050年カーボンニュートラルを目指すことを前提として、CO2排出量の削減目標「2030年度:2018年度比30%削減」(スコープ1・2)を宣言しています。また、サプライチェーンや製品ライフサイクルにおいてもCO2排出量削減を推進し、「2030年度:2018年度比30%削減」(スコープ3)を目指します。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ戦略のガバナンスに組み込まれています。詳細については「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」を参照ください。
② 戦略
気候関連のリスク・機会について、川上から川下までのサプライチェーン全体を見渡して、短期・中期・長期における社会動向や規制動向などを予測し、TCFD提言の例示を参考にしながら、幅広くリスク・機会の項目を選定しています。
選定したリスク項目について、主に2℃シナリオの途上に起こる「低炭素経済への移行に関するリスク」と、世界のCO2排出量削減未達により4℃シナリオに至った場合に発生する「気候変動による物理的変化に関するリスク」を想定し、TCFDの分類に沿って整理した上で事業インパクトを評価しました。
<検討に用いた主なシナリオや予測>
2℃シナリオ:IPCC RCP2.6、IEA ETP 2DS 等
4℃シナリオ:IPCC RCP8.5、IHS Markit Automotiveの“Mobility and Energy Future” サービスデータ 等
なお、ここでいう短期・中期・長期は、次の通りです。
短期:中期経営計画の目標年度に合わせた2025年頃まで
中期:長期経営計画の目標年度に合わせた2030年頃まで
長期:長期経営計画の目指す姿に合わせた2040年頃まで
<気候関連のリスク>
また、主要な事業拠点を対象に、現状の洪水・渇水・高潮等のリスクポテンシャル調査を行い、想定される被害の程度や頻度を勘案した結果、深刻な被害が発生する可能性は低いことが分かりました。
一方、将来の洪水・渇水・高潮等のリスクポテンシャル調査も行い、降水量の増加が見込まれる地域があることが分かりました。しかし、洪水や土砂崩れなどのリスク増に直結するか否かは、各事業拠点の立地(地盤、標高、河川との距離など)や治水対策の状況によるため、引き続き調査を行います。
<気候関連の機会>
気候変動のリスクと機会をより具体的にするため、各事業について、2℃及び4℃シナリオ下における事業環境とその対応について検討した結果、物理的リスクについての致命的な影響は見受けられませんでした。
事業については、現在、売上収益の8割を占める内燃機関に関連する事業が大きな変革を迫られており、一方で、脱炭素社会の実現に向けて、水素関連をはじめとして新たなニーズや市場が期待されることから、「2030 長期経営計画 日特BX」において、今後注力する事業分野の一つに「環境・エネルギー」を掲げ、2040年に向けて事業ポートフォリオ転換(売上収益構成比率:内燃機関事業40%、非内燃機関事業60%)を推進しています。2024年3月期において事業ポートフォリオ転換進捗は(売上収益構成比率:内燃機関事業82%、非内燃機関事業18%)です。
自動車関連事業では2℃シナリオ下において、規制強化により将来的に売上減少が見込まれるため、事業ポートフォリオ転換が必要です。その他の事業については、2℃及び4℃いずれのシナリオ下においても、市場の動向を注視し、柔軟かつ戦略的に事業を展開しており、中・長期の観点からも高いレジリエンス性を有しています。
※1 内燃機関事業の財務面の影響額について
IHS Markit Automotiveの分析に基づく当社予測では、各国の気候変動対策によって内燃機関への規制が進むことで、内燃機関を有する自動車は2030年代半ば以降減少すると見込んでいます。
一方、当社の内燃機関事業の中核であるスパークプラグは、新車用だけでなく補修用の需要もあり、当社予測では、引き続き内燃機関を有する自動車が保有されていると考えられることから、2040年以降に売上がピークを迎え、徐々に下降していくことを見込んでいます。こうした状況を踏まえて、内燃機関事業の売上収益が2040年度以降に2020年度から10%減少すると仮定して試算すると、売上収益の減少額は350億円程度になります。
③ リスク管理
気候変動に関する主なリスクは、サステナビリティ戦略に含めて管理しています。詳細については「(1)サステナビリティ共通 ③リスク管理」を参照ください。
④ 指標と目標
当社グループは、2020年5月に発表した長期経営計画「2030 長期経営計画 日特BX」において、「CO2排出量:30%削減 [2018年度比](2030年度)」という目標を掲げています。また、長期的な視野で環境保全活動を進めるため、2021年4月に「エコビジョン2030」を策定し、その中で2050年に向けてカーボンニュートラルを目指すという長期目標を掲げました。
エコビジョン2030では、重要4課題として、気候変動への対応、環境配慮製品の拡充、水資源の保全、廃棄物管理を挙げています。環境配慮製品の拡充は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)やカーボンニュートラル・アズ・ア・サービスなど、気候変動対応やCO2削減をはじめとする環境配慮製品・サービスの提供を目指すものです。また、水資源の保全のために節水することや、資源投入量や廃棄物排出量を削減することは、CO2排出量の削減に繋がります。そのため、これらを重要4課題と設定し、個別の課題として取り組むのではなく、相互に関係する課題として取り組んでいくことで、よりシナジーのある対応を目指しています。
目標の達成に向けて取り組みをより一層推進するため、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)及び執行役員(雇用型執行役員を除く)を対象とする業績連動型株式報酬制度の中で、評価指標の一つに「CO2排出量削減率」を設けています。また、グループが一丸となってCO2削減の取り組みを進めていくため、ICP(インターナルカーボンプライシング)を導入しています。CO2排出量1トンあたり10,000円を排出部門から徴収し、徴収した金額は、社内環境ファンドとして脱炭素のための投資支援やインフラ整備に充当しています。
同時に、サプライチェーンも含めたスコープ3の削減も推進しています。スコープ3においては、まずはカテゴリ1「購入した製品・サービス」、カテゴリ4「輸送、配送(上流)」の一部、カテゴリ11「販売した製品の使用」の各カテゴリで2030年度 30%削減(2018年度比)を目指します。また、取引先(サプライヤー)に対してはCO2の削減目標を設定して取り組むよう求めており、適宜支援を行っています。
(3) 人的資本
当社グループは、2040年の目指す姿である「これまでの延長線上にない変化」の実現に向け、「志を持った多様な人財とともに共生する企業になる」ことを人財方針における基本的な考え方としています。「セラミックスで何ができるか」にこだわらず、セラミックスの領域を越え、世の中や私たちの想像を超えた挑戦のため、自律した人財の獲得と育成、多様な知と知の組み合わせ、エンゲージメントの向上を通じ、人的資本の最大化を目指すことで、企業価値向上を実現します。
① ガバナンス
人財戦略および経営上重要な人事施策、また、経営戦略上、重要なグループ全体のコアポジションの人事については、人的資本管理責任者である人事戦略室管掌役員のもと、人事戦略室にて立案し、経営会議に諮ります。
② 戦略
( i ) グローバル人財マネジメント(人財育成・獲得戦略)
長期経営計画で謳われている事業ポートフォリオ転換のためには、延長線上にない変化のためのイノベーションをおこしていく必要があります。そのためには、多様な知と知の組み合わせという思想を根幹に置いた人財ポートフォリオ転換が必要であり、「グローバル人財マネジメント」と称する人財育成・獲得戦略を推進しています。大きな2つの柱があり、ひとつが適所適財の人財配置とスキル向上による現人財の一層の活躍、もうひとつが外部専門人財の戦略的な獲得です。その人財の目指す姿が「自律創造人財」です。またこれらの戦略の基盤としてダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進します。

<ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進>
グローバル人財マネジメントを推進するためには、志を持った多様な人財が必要です。従業員一人ひとりが個性を活かし、能力を存分に発揮し続けることが、企業の成長と個人の幸福に繋がると考え、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを重要な経営戦略の一つとして位置づけています。性差や年次等の各種属性を問わず、多様な人財を認めて受け入れ、多様な知と知を組み合わせるために、それぞれに最適なサポートや機会を公平に提供するよう努めています。
<自律創造人財の創出>
全従業員に求める人財像を、自ら主体的に働き、新しく創造することができる「自律創造人財」と定め、人財ポートフォリオ転換の実現に向けて人財の強化を図っています。大きな2つの柱があり、ひとつが適所適財の人財配置とスキル向上による現人財の一層の活躍です。
人財配置については、まずは基幹職レベルでしくみの構築を行っています。次世代経営層を対象とした選抜の育成施策を実行し、姿勢や思考、知識の習得を進めています。さらに、サクセッションプランとして、重要ポジションの後継者候補を、 「今すぐ」「1~3年後」「5年後」の各時間軸で明確化しています。コアなポジションに最適な人財を配置して、組織パフォーマンスの最大化を計画的に推進します。
また、現人財の活躍推進について、まずは、「自律創造人財」に必要なスキルを定義しました。コアスキルと、当社グループのコアコンピタンスに基づき注力する事業領域において必要となるテクニカルスキルのふたつの軸で、現従業員の保有スキルを可視化し、全社共通のスキルマップの整備をしています。現状と目指すスキルとのギャップも明らかにし、従業員自らがギャップを埋めるためスキルアップしていける環境を整え、個々のスキル向上を推進します。実施例としてDX教育については、全従業員の底上げ教育と一部業務に必要な専門教育の両面で2022年度より育成施策を積極的に展開しています。国内全グループ会社の全従業員を対象としたデジタルリテラシー教育を皮切りに、2023年度は、デジタル活用による業務改善を推進するため、ノーコードツール開発者育成を展開し、デジタルで業務改善を推進できるノーコードツール開発者が年間100名以上輩出できる教育体制を構築しました。今後は、業務改善から業務変革への拡大と、事業変革を目指し、教育施策を展開していきます。もうひとつが外部専門人財の戦略的な獲得です。急激な環境の変化に対応する技術や新規事業の創出のため、内部人財の一層の活躍のみならず、尖った専門性をもつ外部人財を「自律創造人財」として戦略的に獲得していくことにも注力しています。

(ⅱ)環境整備戦略
<多様な働き方>
多様な人財が活き活きと働くために、働き方の選択肢の多様化を進めています。リモートワークについても、既に2018年から始動し、在宅勤務を働き方の選択肢として制度整備を行い、コロナ感染症拡大の際にも、リモートワークへスムーズに移行することができました。さらに新たな価値創出、自律した人財の育成を目的に、より良い働く環境を整備すべく、2021年1月には、第2弾として働き方改革を本格的に展開しています。働き方改革宣言のもと、改革に踏み出す為の意識改革活動、インフラの再整備等、多様かつ柔軟に、働く環境整備を進めています。
「働く時間」の多様化としては、勤務時間の選択肢を広げることで、仕事とプライベートの調和を可能にし、自律した人財への成長を促す環境を整えています。また、「働く場所」の多様化として、2024年2月には遠隔地勤務制度を導入し、場所に制約される働き方から脱却することで、遠地に住む人財の確保や離職防止に繋げています。

<健康経営>
従業員一人ひとりの健康は、当社を支える重要な経営資源のひとつであり、「健康経営」を推進しています。2017年12月には「健康経営宣言」を掲げ、「生活習慣病対策」「メンタルヘルス対策」「受動喫煙対策」の観点から各種施策を推進しています。特に、従業員の健康管理の基礎となる、健康診断の受診率は100%に達しています。また、受動喫煙防止の観点から、2023年4月より敷地内全面禁煙を実施しています。従業員のみならず、その家族も含めた健康増進活動を、長期的な視点に立って積極的に推進していきます。

<従業員エンゲージメント>
多様な人財が能力を最大限に発揮できる環境を整備するために、従業員エンゲージメントの向上を図っています。エンゲージメントサーベイを年に1度実施しており、モチベーションや負担感の把握、各種施策の検討や効果検証を行っています。サーベイの結果は、各担当役員及び部門長へフィードバックし、部門を超えた取り組みの共有会を実施することで、環境改善のアクションに繋げています。また、従業員エンゲージメントの向上を目指し、2022年度よりエンゲージメント指標を役員賞与算定に用いる指標の一つとして採用しました。
他にも、毎月のエンゲージメントを測定し、組織の現状把握とアクションの効果の確認を行うパルスサーベイツールの導入、また日々の心身の調子を色で表現して可視化するGOOD MORNING COLORというツールも一部の部門で導入し、適時エンゲージメントを測定できる環境整備を推進しています。ツールの導入とともに、上司と部下の1on1ミーティングを実施しており、対話の機会を通じて心理的安全性を醸成しています。
③ リスク管理
当社グループは、持続的な成長を担う多様な人財の確保・育成に努めていますが、各分野で必要とする専門性を持つ人財や組織を先導する多様な個性を持った人財を獲得し適切に配置できない場合は、事業活動が停滞し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、専門性を持つ多様な外部人財の戦略的な獲得を進めるとともに、人財戦略及び経営上重要な人事施策や、グループ全体のコアポジションの人事については、代表取締役及び一部の上席執行役員で構成される経営会議において議論し、計画的に進めています。
④ 指標と目標
当社グループは、人財の多様性を重要な経営戦略の一つとして位置づけており、数値目標として2030年までに、取締役の女性・外国籍比率を30%以上、管理職の女性・外国籍・キャリア採用比率を25%、と定めています。これらの指標は、性別や国籍だけに拘る意図で設定されているものではなく、彩り豊かな個性と特性を受け入れ、活かす組織に繋がると確信し、経営としてコミットし取り組んでいるものです。

(注) 1 取締役の女性・外国籍比率は、取締役のうち、女性・外国籍の者が占める比率です。
2 管理職の女性・外国籍・キャリア採用比率は、管理職のうち、女性・外国籍・中途入社者が占める比率です。なお管理職とは、職務の内容及び責任の程度が「課長級」又はそれより上位に相当する者です。当社には、管理職級の専門職がいますが、上記には含んでいません。
取締役の女性・外国籍比率については、経営の意思決定に大きな影響力を持つことから先んじて推進し、2023年度末時点で目標を達成(5/11名、45%、外国籍の社外取締役含む)しています。なお、取締役の女性の比率は36%(4/11名)となります。
管理職の女性・外国籍・キャリア採用比率については、目標値の25%に向けて進捗しており、2023年度末時点で23%を超えています。また、母数に占める管理職クラスの比率が男性と比べて女性が低いことが、男女の賃金の差異を生む主要因のため、新たに女性管理職比率についても、2030年までに10%とすることを目標に掲げて、向上のための人事施策を推進しています。具体的には、女性の管理職登用促進の研修プログラム(Raise Up)を実施し、複数のメンターから支援を受けながら、管理職に必要な知識・スキル・マインドを学ぶ場を作り、各自の成長を促進しています。多様性を受け入れ、適財を登用していることから、比率は年々逓増傾向にあります。比率の向上を促進することに加え、質も定量的にモニタリングしていく必要があると考えています。導入している各種サーベイツールを活用し組織分析を行い、改善施策に取り組むことで、環境整備も並行して推進していきます。
新卒採用においても、性別という属性を超え、ポテンシャル人財の獲得を促進し、今年度新卒入社者は、技術系女性を含め半数以上が女性となっています。外国籍労働者の採用については、継続的に積極的な新卒採用選考を行っています。入社以降、文化の異なる日本で働くという精神的負担を軽減すべくフォロー施策(交流会等)も実施しています。
キャリア採用についても、ダイレクトリクルーティング等活用し、戦略的な獲得を進めています。常に市場を見張り、タレントをモニタリングし、高度な専門性を持ったタレントの採用を増やしています。昨年度40名の採用であったのに対し、今年度は53名の採用となっています。特に女性は管理職だけでなく、係長級もターゲットに積極的にスカウトを行っています。
多様な知と知を組み合わせ、これまでの延長線上にない未来を目指すため、当社グループは今後もダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを重要な経営戦略として取り組んでいきます。
3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績は、今後起こり得る様々な要因に影響を受ける可能性があり、事業展開上のリスク要因と考えられる主な事項は以下のとおりですが、これらを認識した上で、発生の予防及び発生した場合の対応に努める方針です。
なお、文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 世界情勢・為替変動に関するリスク
当社グループは、売上の約80%が海外市場であり、海外生産の展開も合わせて国際的な事業運営を行っているため、経営成績は世界的な政治・経済情勢の変化の影響を大きく受けます。ロシア・ウクライナ情勢の長期化、米中関係及びこれらに起因する物流の混乱や燃料価格の高止まりの影響、中国等の諸外国の景気減速懸念、世界各国の法令・規制の変更、労働環境の変化等、予想外の環境変化が当社グループ又はその顧客の需給に影響を与える可能性があります。当社グループでは、国際情勢や重要な法規制の改正等の動向をモニタリングし、当社グループへの影響を把握しています。
さらに、米ドル、ユーロ等主要通貨に対する日本円の変動は、当社グループの製品の価格面での競争力に影響を及ぼす他、連結海外子会社の財務諸表の円貨換算額にも影響を及ぼします。当社グループでは、短期的な為替変動に対して機動的な為替予約等によりリスクヘッジを図る一方、主要通貨の変動及び事業への影響についてはモニタリングを行い、必要に応じて事業への影響を軽減する対策を検討しています。
(2) 事業環境に関するリスク
自動車関連事業の新車組付用製品の販売量は、自動車メーカーの生産計画による影響を受けます。また、補修用スパークプラグの販売に関しては、潜在的成長性を有する発展途上の国々における需要が期待できる反面、先進国では長寿命プラグの採用を指向する傾向にあり、販売量の拡大が継続しない可能性があります。また、世界各国のエネルギー政策や環境配慮型規制の進展により、設計・試験・製造バランスの変化に対応するための費用が営業成績に影響を与える可能性があります。特に、電気自動車への移行に伴う内燃機関車の減少に繋がる変化に対応するため、次世代製品の開発が急速に求められています。
セラミック事業における半導体部品や半導体製造装置用製品は、移動体通信機器や半導体製造装置をはじめとする情報通信産業・機械等設備産業の事業環境により影響を受けます。
当社グループは、事業活動の進捗状況を執行役員・カンパニープレジデント会でモニタリングし、必要に応じて事業への影響を軽減する対策を検討しています。
(3) 製品品質に関するリスク
当社グループは調達先を含めて各生産拠点において世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造していますが、全ての製品について欠陥が無く、将来においてリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。特定の製品に直接的・間接的に起因する市場クレームが発生した場合、当該製品を回収し、顧客とともに当該製品に変更を施し、又は対策費用の支出による場合も含め、財政的な負担を負わなければならないだけでなく、社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、品質保証体制の強化に常に取り組むとともに、品質問題の予防に向け、製品品質のみならず、すべての業務において品質の向上を意識した取り組みを進めてまいります。
(4) 技術開発に関するリスク
当社グループが提供する製品市場は、技術の急速な進展及びニーズの変化や新興勢力との差別化をその特徴とし、新技術及び新製品の開発においては、短期間での開発、安定した量産に対応する製法の構築のために、市場への導入に先立って設備投資を行うことが必要とされます。このような新製品は、開発資源の増大や競合他社による新技術の開発の結果、想定していた新規性やコスト面での優位性を有しなくなったり、既存の製品の市場性を低下させたりすることで、経営成績に影響を与えることがあります。当社グループでは、開発速度を上げるようオープンイノベーションを推進し、外部技術との連携を図る仕組みも整備しています。
(5) 知的財産に関するリスク
当社グループは新商品を保護するために知的財産権の取得等の方策を講じていますが、不正利用の防止・類似技術の取得の抑制に対して完全とは言い切れない可能性があり、特許侵害で係争となることやライセンス費用又は和解費用を負担することで、経営成績に影響を与える可能性があります。それらのリスクを抑えるため、開発段階から量産段階における第三者の知的財産権調査と、各種契約の知財条項の適否確認に注力します。合わせて、知的財産の社員教育も推進し、「ものづくり企業」として知的財産の管理を強化していきます。一方で、当社製品の模倣品が新興国を中心に出回っています。こうした模倣品は購入された方の安全を脅かす可能性もありますので、世界各国の税関・行政機関等とも連携して摘発・排除活動を実施しています。
(6) 原材料・部品の調達に関するリスク
当社グループは、適時・適量の原材料・部品の確保を前提とした生産体制をとっていますが、主要原材料・重要な工程委託の中には代替品あるいは代替ルートの確保が困難なものが存在しており、仕入先における事故、廃業、あるいは海外調達品の場合は当事国間の規制変更等により、安定調達に支障をきたすリスクがあります。当社グループでは、複数購買を推進し、サプライヤーとの連携を密にしながら、リスク低減に努めています。
また、主要製品に使用する貴金属が世界的な需給逼迫により価格高騰が続く場合、経営成績に影響を与えることがあります。当社グループでは、原価低減や価格転嫁等の施策を行い、その影響を軽減する対策を都度検討しています。
(7) 自然災害に関するリスク
当社グループは、日本における生産拠点及び研究開発拠点を東海地方に集中して配置しており、大地震や風水害等の自然災害が東海地方に発生した場合は、操業停止やサプライチェーン寸断等が発生し、生産や出荷活動の低下を招き、当社グループの経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、自然災害を想定した設備対応と定期訓練を実施して緊急事態に備えるとともに、災害発生時には社長を本部長とする緊急対策本部を立上げ、初動対応と復旧対応を行う事業継続計画(BCP)を実行できる体制の整備を推進しています。
(8) 環境に関するリスク
当社グループは、環境リスクの中でも特に気候変動への対応に世界的な関心が高まる中、気候変動リスクへの対応を重要な経営課題であると認識しています。気候変動リスクには、自然災害の深刻化や慢性化等の物理的リスクのほか、炭素税導入や環境規制強化等の移行リスクがあり、いずれも当社グループの経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、こうしたリスク認識を踏まえて、2030年を見据えた「エコビジョン2030」を策定しました。その中で「気候変動への対応」を重要課題とし、2050年に向けてカーボンニュートラルを目指すことを表明するとともに、社内炭素税と社内環境ファンドの導入等によりCO2削減の取り組みを強化しています。
(9) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業の円滑かつ効率的な遂行のため、ITシステムを利用していますが、システムの高度化・複雑化によって利便性が向上する一方で、ITインフラのシステムダウン、不正アクセス、コンピュータウイルス感染等により、生産や販売等の基幹システムの不具合、故障・停止が発生した場合、又は経営及び事業に関する重要情報及び個人データ等の機密情報が漏えいした場合には、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、こうしたリスクに対し、ITシステムのセキュリティ水準を向上させるとともに、コンピュータセキュリティに関する事故対応チーム(CSIRT)や全社横断的なITセキュリティ委員会を運営し、万が一の発生時の早期収拾、未然防止に向けた活動を推進しています。また、機密管理を含めた情報セキュリティの社員教育も推進しています。
(10) 人財確保に関するリスク
当社グループは、持続的な成長を担う人財の確保・育成に努めていますが、各分野で必要とする専門性を持つ人財や組織を先導する人財を適切に配置できない場合や人財の獲得競争の激化や従業員の退職等によって十分な人財の確保ができなかった場合は事業活動が停滞し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、キャリア採用により専門性を持つ人財の確保を進めるとともに、スキルマップを活用した従業員の保有スキルの可視化や社内公募による社内人財の流動性確保、また、リーダー育成・配置にあたっては、経営層をメンバーとする経営会議で育成プログラムやコアポジションの人財配置を計画的に進めています。
(11) 法令・規制・訴訟に関するリスク
当社グループは、事業を遂行する上で各種の法令・規制等の適用を受けていますが、これらが変更された場合や見解の相違があった場合、また予見できない新たな法令・規制等が設けられた場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは継続的なコンプライアンスの実践に努めていますが、独占禁止法違反、環境その他に関する諸外国を含めた法令違反の可能性に関連して、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続の当事者となる可能性があり、その場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、役員、従業員に対して教育プログラムを設定し、コンプライアンス意識の醸成に努めるとともに、コンプライアンス違反行為又はそのおそれのある行為の通報や相談の窓口として社内外に内部通報窓口を設置し、早期対応、未然防止に向けた活動を推進しています。
(12) 事業投資に関するリスク
当社グループは、事業戦略の一環として、既存事業の拡大や新たな事業への進出等を目的として他社との事業提携・資本提携及び企業買収等を行うことがあります。これらの意思決定に際しては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な調査及び検討を行っていますが、期待した収益や成果を充分に得られず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは、重要な投資に対してはモニタリングを行い、必要に応じて投資計画改善の対策を検討しています。
(13) 感染症に関するリスク
新たな感染症の大流行により、世界的な移動制限や地域によっては防疫強化のための経済活動抑制が行われ、当社グループの主要な顧客において生産調整を余儀なくされる場合は、当社グループもその影響を受ける可能性があります。また、当社グループの製造拠点やサプライヤーが所在する国・地域において、集団感染の発生やロックダウン等の規制強化により、当社グループの製品提供や当社グループへの原材料・部品の供給に影響を受ける可能性があります。
当社グループは、顧客・サプライヤーとの連携を密にして製品の安定供給及び原材料・部品の安定調達を行ってまいります。さらに、社内感染予防策及び感染症に対する事業継続計画(BCP)を策定し、感染症の発生段階に応じた対応体制、事業継続方針等を定め、新たな感染症の発生に備えています。
(14) 人権侵害に関するリスク
当社グループ又はサプライチェーン上の人権侵害又はその兆候・課題に対して、適切な対応が取られていない場合顧客との取引停止や行政罰等のペナルティ、またブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。
当社グループは、強制労働・児童労働、差別・ハラスメント等、あらゆる形態の非人道的・搾取的労働慣行や行為を当社の事業及びサプライチェーンから排除するため、人権方針を従業員に周知し、人権尊重の取り組みを推進しています。また、当社グループ及び取引先に対する人権デューデリジェンスの実施、役員・従業員に対する人権教育、取引先への人権啓発などの取り組みを進めています。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の状況
① 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米国及び欧州においては、年度前半では高インフレや金融引き締めが景気を下押ししたものの、年度後半ではインフレの緩和に加え、底堅い雇用・所得環境が個人消費の下支えとなり、景気は緩やかに持ち直しの動きを見せました。
中国においては、年度前半より個人消費の軟調、内外需要や不動産市場の低迷が継続したため、年度後半では政府による消費喚起策や金融緩和等の景気浮揚策が打ち出されましたが、景気は引き続き低迷しています。
わが国経済においては、年度前半より好調な企業収益を起点に、内需主導で持ち直しの動きを見せる一方、年度後半においては、一部自動車メーカーの出荷停止の影響等により、個人消費や輸出が弱含みを見せました。しかしながら、雇用・所得環境の改善や株高による資産効果等を背景に、引き続き内需主導で緩やかな回復を見せています。
当社グループの主要な事業基盤である自動車業界における新車生産は、コロナ禍からのリバウンド需要や半導体不足の解消等により、前年同期比で増加する結果となりました。中国においては、電気自動車の伸長による増加の一方で、政府補助金の打ち切りや価格競争力での課題を背景に、一部で内燃機関搭載車への回帰の動きも見られています。
半導体製造装置業界においては、半導体需要の軟化や米中対立を起点とする規制強化懸念の高まり等を背景とし、市況は一時的に低迷していたものの、生成AI関連の需要拡大や堅調な関連設備投資の継続等により、徐々に回復方向に向かっています。
その結果、当社グループの当連結会計年度における売上収益は6,144億86百万円(前連結会計年度比9.2%増)、営業利益は1,075億91百万円(前連結会計年度比20.6%増)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は826億46百万円(前連結会計年度比24.7%増)となりました。
売上収益営業利益率(営業利益/売上収益)は前連結会計年度15.9%に対して1.6ポイント上昇し17.5%となりました。親会社所有者帰属持分利益率(親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分)は前連結会計年度末の12.3%から13.8%と1.5ポイント上昇し、基本的1株当たり当期利益は、前連結会計年度の326円09銭から409円47銭と83円38銭増加しました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
<自動車関連>
当事業は、売上収益では、中国市場が弱含むも、コロナ禍の収束と半導体供給不足の緩和により、自動車生産が回復傾向にあることから、前期並みの販売数量となりました。加えて、インフレに伴う価格転嫁の実施が、売上収益を押し上げる結果となりました。
また、利益面では、価格転嫁の実施に加え、為替レートが円安に推移したことも当社利益を押し上げる要因となりました。
この結果、当事業の売上収益は5,053億55百万円(前連結会計年度比13.8%増)、営業利益は1,212億45百万円(前連結会計年度比30.0%増)となりました。
<セラミック>
当事業は、売上収益では、半導体関連の事業については半導体の生産調整や半導体製造装置向けの投資抑制等の市況の低迷による影響を受けました。
また、利益面では、半導体関連の販売数量減少に加え、呼吸器事業において酸素濃縮器のコロナ特需の一巡や中国メーカーが米国市場に参入した影響を受け、セラミック事業全体では前年度と比べ落ち込む結果となりました。
この結果、当事業の売上収益は965億48百万円(前連結会計年度比12.8%減)、営業損失は5億91百万円(前連結会計年度は110億5百万円の営業利益)となりました。
<新規事業>
新規事業については、売上収益は51億43百万円(前連結会計年度比14.6%増)、営業損失は132億47百万円(前連結会計年度は170億92百万円の営業損失)となりました。
<その他>
その他の事業については、売上収益は81億77百万円(前連結会計年度比54.2%増)、営業利益は1億84百万円(前連結会計年度比91.0%減)となりました。
② 財政状態
資産合計は、9,757億19百万円であり、前連結会計年度末比726億17百万円(8.0%)増加しました。これは主に現金及び現金同等物並びに売却目的で保有する資産が減少した一方、投資有価証券並びに営業債権及びその他の債権、持分法で会計処理されている投資が増加したことによるものです。
負債合計は、3,374億19百万円であり、前連結会計年度末比19億43百万円(0.6%)減少しました。これは主に未払法人所得税が増加した一方、社債及び借入金が減少したことによるものです。
資本合計は、6,383億円であり、前連結会計年度末比745億61百万円(13.2%)増加しました。これは主に当期利益の計上による利益剰余金の増加及び為替換算調整の影響によりその他の資本の構成要素が増加したことによるものです。
これらにより1株当たり親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末の2,772円61銭から3,181円33銭となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して為替相場の変動による換算差額80億42百万円を加算し、売却目的で保有する資産への振替に伴う現金及び現金同等物の増減額24億42百万円を加算した純額で209億43百万円減少し、1,806億84百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入は、前連結会計年度から488億73百万円増加の1,181億79百万円となりました。これは、主に営業債権及びその他の債権の増加により資金が減少した一方、税引前利益の増加並びに棚卸資産の減少により資金が増加したことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローにより支出した資金は、前連結会計年度から547億81百万円増加の921億57百万円となりました。これは、主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が減少した一方、投資有価証券の取得による支出並びに有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローにより支出した資金は、前連結会計年度から556億77百万円増加の574億50百万円となりました。これは、主に長期借入れによる収入が減少し、自己株式の取得による支出並びに社債の償還による支出が増加したことによるものです。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
④ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 金額は売価換算により計算されています。
2 生産高には委託生産高を含んでいます。
⑤ 受注実績
自動車関連の製品のうち、新車組付用は自動車メーカーの生産計画を基準とし、また、補修用は自動車の稼動台数、その他市場の動向、過去の販売実績、代理店の意向等を勘案してそれぞれほぼ確実な見込み生産を行っています。セラミックの製品の大部分及び新規事業の製品は注文生産品であり、その受注状況は次のとおりです。
⑥ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 金額は外部顧客への売上収益を示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。
この連結財務諸表の作成に当たり、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。当社グループは、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。当社グループが採用した重要な会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (7) 見積り及び判断の利用」に記載しています。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析、検討内容
経営成績等の状況に関する分析、検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況」に記載しています。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは円滑な事業運営を支えるための運転資金の確保、及び持続的な成長の実現を目的とした他社との連携やM&A、設備投資等、将来の機動的な投資活動を可能にするための中長期的資金への計画的準備を図ることにより、安定的経営と変化への対応に備えることを財務方針としています。そのため、資金計画に基づく当座資金の維持管理をはじめ、債権債務・棚卸資産の効率性を上げるための継続的取り組みを行うとともに、投資リスク軽減のための決裁規程等の整備、経営会議等の各種組織運営に注力しています。
資金調達の方法としては、内部留保資金の他、短期資金需要に対しては銀行借入、コマーシャルペーパー発行等による調達を行っています。また中長期的資金需要に対しては銀行借入やシンジケートローン等を通じた間接金融及び社債発行等の直接金融による調達に加え、必要に応じてエクイティファイナンスも検討します。
5 【経営上の重要な契約等】
6 【研究開発活動】
当社グループにおける研究開発活動は、企業理念に立脚し、最善の技術と蓄積した経験を活かした新たな価値の創造に向けて行われています。その活動の主体は、本社機構である科学研究所及び各事業の技術部門で行っており、国内外の学会・協会への積極的な参画、大学・公的研究機関との共同研究等により最新技術を入手・導入することでレベルアップを図っています。
なお、当連結会計年度における研究開発に係る費用は総額27,848百万円であり、セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。
<自動車関連>
自動車エンジンの開発は、環境への配慮とそれに伴う低燃費・低エミッションの規制に対応すべく加速的に進化しており、自動車メーカー各社は、エンジンの小排気量化・直噴化・過給化・希薄燃焼化・バイオエタノールやe-fuel等の多種燃料対応化等燃費向上に向けた技術開発を積極的に進めています。当社はそれに応えるべく、スパークプラグの分野では耐熱性・耐電圧性・着火性を高めるとともに、より一層の小径・長尺化を推し進め、材料開発から製品設計、製造方法まで一貫して開発を行っています。当連結会計年度においては、エンジンの燃焼速度を高速化し燃費向上に貢献することを目的としたプレチャンバープラグについて、様々な運転条件での有効性検証を進めています。また、カーボンニュートラル社会に貢献するために、内燃機関から排出される温室効果ガスを実質ゼロにする水素エンジンやe-fuel用のスパークプラグの開発を進めています。また、製造工程でのCO2排出削減に向け、排熱利用や加熱方法の変更など、効率的にエネルギーを利用する工程開発を進めています。
センサの分野では、環境保全の見地から益々厳しくなる排気ガス規制に対応すべく、検知精度の向上、及び、高温、熱衝撃、振動、被水等の環境耐久性を向上するとともに、環境に配慮した省資源タイプのセンサ開発を行っています。当連結会計年度においては、今後の環境規制の厳格化を見据え、4輪向け酸素センサとNOxセンサの最新製品の開発を進めています。また、新規センサの分野では、自動車業界で培ったコア技術を応用し、非自動車への事業領域の拡大を進めています。
なお、当セグメントの研究開発に係る費用の金額は、11,814百万円です。
<セラミック>
産業用セラミックの分野では、超音波振動子等の開発・製品化を行っています。当連結会計年度においては、環境に配慮した無鉛圧電セラミック製品の超音波振動子やアクチュエーターの開発と製品化を進めています。
半導体分野では、半導体製造装置用部品の開発・製品化を行っています。当連結会計年度においては、半導体製造装置用部品の要求仕様の高度化に対し、製品の性能向上や新規製品の開発に取り組みました。また、半導体パッケージの分野では、産業用デバイス向けや通信関連、LED,LD用セラミックパッケージ、半導体検査装置に使用される大型プローブカード用基板等、幅広い製品の開発を行っています。当連結会計年度においては、セラミックの特徴を生かした高放熱用基板など要求仕様にあった製品開発、量産化を進めています。
医療分野では、酸素濃縮装置を製造し複数のプロバイダーに販売しています。当連結会計年度においては、NTKメディカル社ではコストダウン及び安定供給のため製品開発・改良に取り組んでいます。また、CAIRE社では、小型化や軽量化と言った次世代の携帯型の酸素濃縮装置やテレメトリーによるサポートの拡充などユーザー視点でのニーズに合わせた酸素濃縮装置の開発を進めています。
なお、当セグメントの研究開発に係る費用の金額は、7,849百万円です。
<新規事業>
新規事業関連では、エネルギークリーン化への対応として期待の大きなテーマである燃料電池関連の開発に取り組んでいます。現在、独自の機能性セラミックスの材料技術とプロセス技術を活かし、高効率でクリーンな発電システムとして期待される固体酸化物形燃料電池(SOFC)の開発と事業の立ち上げを進めています。当連結会計年度においては、森村グループ各社による合弁会社「森村SOFCテクノロジー株式会社」にて、従来他社より小型・軽量・高効率のスタックを展開し、高効率分散電源への適用や脱炭素社会に向けた新規用途への採用に向け活動を進めています。また、業務・産業用のSOFCセルスタックの今後の量産拡大や家庭用の採用を視野にいれ、生産拠点の集約を完了し生産に向けた準備を進めています。円筒形セルスタックは三菱重工業株式会社との合弁会社「CECYLLS株式会社」にてセルスタックの量産を開始しました。しかし脱炭素化の加速の流れを受け、円筒形SOFC事業は当初の計画を見直しています。今後は構築した量産技術を生かし、水素製造で脱炭素社会に貢献できる円筒型SOECセル事業の検討を進めて参ります。また、平板形の固体酸化物形燃料電池(SOFC)を応用した固体酸化物形電解セル(SOEC)の事業化を目指し、開発を推進しています。その他新規事業関連の分野では、セラミック技術とセンシング技術を利用したオゾン発生器(澄風)、アフターマーケット商流に繋がる独立系修理工場と車両ユーザーをデジタル技術で繋いだプラットフォームサービス、「ドクターリンク」の機能性・信頼性向上と認知度向上に努めています。また、EVパワートレインの高い動力性能・効率と熱ロスの課題を両立するアイテムとして、窒化珪素セラミック基板、積層型ネオジム磁石の開発を進めています。その他にも環境・エネルギー・モビリティ・メディカル分野を中心に様々な新規事業の開発に国内外で取り組んでいます。
なお、当セグメントの研究開発に係る費用の金額は、8,184百万円です。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資金額は41,173百万円です。主な内訳は自動車関連32,331百万円、セラミック7,439百万円、新規事業1,402百万円です。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
(注) 1 帳簿価額のうち、「その他」は工具、器具及び備品です。
2 貸与中のものは、主としてセラミックセンサ㈱(愛知県小牧市)、㈱日特スパークテックWKS(愛知県小牧市)に貸与中です。
(2) 国内子会社
(注) 帳簿価額のうち、「その他」は工具、器具及び備品です。
(3) 在外子会社
(注) 帳簿価額のうち、「その他」は主に工具、器具及び備品です。
3 【設備の新設、除却等の計画】
翌連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)における設備投資は448億円を計画しており、その資金は自己資金等で充当する予定です。内訳は以下のとおりです。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 発行済株式総数の減少は、自己株式の消却によるものです。
(5) 【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注)1 自己株式3,200,700株(32,007単元)は「個人その他」の欄に、22株は「単元未満株式の状況」の欄に含まれています。
2 「金融機関」の欄には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式530,600株(5,306単元)が含まれています。
(6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 日特協力会持株会所有株式数には、会社法施行規則第67条第1項の規定により議決権を有していない株式数123,900株が含まれています。
2 野村證券株式会社及びその共同保有者2社から、2023年1月10日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、2022年12月30日現在当社株式を8,144千株(3.99%)保有している旨が記載されているものの、そのうち野村アセットマネジメント株式会社が保有している旨の報告を受けている7,549千株(3.70%)については、当社として2024年3月31日現在における実質所有状況の確認ができないため上記大株主の状況には含めていません。
3 株式会社三菱UFJ銀行及びその共同保有者3社から、2023年6月5日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、2023年5月29日現在当社株式を8,856千株(4.34%)保有している旨が記載されているものの、そのうち三菱UFJ信託銀行株式会社が保有している旨の報告を受けている5,304千株(2.60%)については、当社として2024年3月31日現在における実質所有状況の確認ができないため上記大株主の状況には含めていません。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注) 1 単元未満株式には、自己株式22株と相互保有株式早川精機工業株式会社保有分81株が含まれています。
2 完全議決権株式(その他)には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託保有の当社株式530,600株(議決権5,306個)が含まれています。
② 【自己株式等】
2024年3月31日現在
(注) 1 他人名義で所有している株式数は、日特協力会持株会(当社取引先を会員とする持株会、名古屋市東区
東桜一丁目1番1号)名義で保有している株式です。
2 役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式は、上記自己株式等に含めていません。
3 2023年7月31日開催の取締役会決議に基づき、当連結会計年度において自己株式を2,873,600株取得しています。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
(役員報酬BIP信託)
当社は、2017年6月29日開催の第117回定時株主総会決議に基づき、当社の取締役及び執行役員(社外取締役及び当社との雇用契約を継続する執行役員を除く。また、第122回定時株主総会決議に基づき監査等委員会設置会社へ移行した後は、監査等委員である取締役を除く。以下、「取締役等」という。)を対象に、当社の中長期的な業績の向上と企業価値増大への貢献意識を一層高めることを目的として、会社の業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性の高い役員報酬制度として、業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」という。)を導入しています。なお、本制度の導入当初の信託の期間は2017年8月3日から2021年8月31日まででしたが、2021年6月25日開催の第121回定時株主総会決議に基づき、本制度は一部改定の上継続施行されています。
①本制度の概要
本制度では、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託と称される仕組みを採用しており、役位や中期経営計画等の目標達成度等に応じて、当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を取締役等に交付又は給付します。
②本制度の内容
③改定施行後の取締役等に取得させる予定の株式の総数
667,000株(上限)
④本制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
取締役等のうち受益者要件を満たす者
(株式付与ESOP信託)
当社は、当社との雇用契約を継続する執行役員(以下、「対象者」という。)を対象に、対象者への帰属意識の醸成と経営参画意識を持たせ、対象者への長期的な業績向上や株価上昇に対する意欲や士気の高揚を図ることを目的として、インセンティブ・プラン(以下、「本制度」という。)を導入しています。導入当初、本制度は2021年8月31日に終了予定でしたが、対象者に対し継続的に株式を交付するため、信託期間を4年間延長するとともに、株式取得資金を追加拠出することが決議されています。
①本制度の概要
本制度では、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託と称される仕組みを採用しています。株式付与ESOP信託とは、米国のESOP制度を参考にした従業員向けインセンティブ・プランであり、一定の要件を充足する対象者に、当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を交付又は給付します。
②本制度の内容
③本制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
対象者のうち受益者要件を満たす者
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの取得株式数は含めていません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 1 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含めていません。
2 当事業年度及び当期間における取得自己株式には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が取得した当社株式は含めていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における会社法第194条による単元未満株式の売渡には、2024年6月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の売渡株式数を、保有自己株式数には同期間の単元未満株式の買取株式数及び売渡株式数を含んでいません。
2 役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式は、上記保有自己株式数に含めていません。
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様への利益還元重視の姿勢を明確にするため、配当政策は完全業績連動型で通期の連結配当性向40%を基本方針としています。また、配当金額は通常の事業活動とは別に生じた一時期的な損益を除く親会社の所有者に帰属する当期利益に対して連動するものとしています。
なお、当社の課題である事業ポートフォリオの改革、将来の成長に必要な研究開発、事業拡大・合理化のための設備投資及び出資に充てる内部留保を中長期経営計画の達成度合い等、総合的に考慮した上、適正資本水準を超える部分については、自己株式取得を含む株主還元の対象とします。適正資本水準とは、有利子負債での調達という前提で、安定的に調達できるよう現在の格付けを維持できる水準と現中期経営計画の中で定義しています。
上記方針のもと、2024年3月期の1株当たり配当金については、中間配当を80円、期末配当を84円とし、年間164円としました。
2025年3月期の株主還元方針については、2022年3月期~2025年3月期の中期経営計画期間の目標利益の早期達成を受けて、配当は従来の配当性向40%の業績連動型から変更し、親会社所有者帰属持分配当率(DOE)4%程度を下限とする安定配当部分と配当性向10%程度を目標とする業績連動部分を組み合わせて、安定的な配当を目指す方針とします。
当社の課題である事業ポ-トフォリオの改革、人的資本への投資、将来の成長に必要な研究開発、事業拡大・合理化のための設備投資及び出資への資本配分についても総合的に考慮した上、適正資本水準を超える部分については自己株式の取得を含む株主還元の対象とします。
株主還元方針及び適正資本水準については有利子負債の有効的な活用を行うための格付けの維持も考慮しつつ、持続的な企業価値向上に向け、中期の経営戦略を踏まえて継続的に見直しを図ります。
なお、こうした利益還元をより機動的に行うために、剰余金の配当等に関しては定款の定めるところにより、取締役会の決議事項としています。
(注) 基準日が当事業年度に属する取締役会決議による剰余金の配当は、以下のとおりです。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「相互信頼を深め、未来を見つめた新たな価値を提供し、世界の人々に貢献します」をスローガンとする企業理念のもと、中長期的な企業価値の向上を目指す経営を推進するため、コーポレート・ガバナンス体制を構築し、その充実に取り組んでいます。そして、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会等の各ステークホルダーに対して、公正で透明性の高い経営を行いながら信頼関係を築くとともに、効率的で健全な経営により持続的な成長を果たすため、経営体制及び内部統制システムを整備・運用していくことを、当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方としています。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
イ 当社は、取締役会における経営方針・経営戦略に関する議論の一層の充実と監督機能の強化、経営の意思決定及び執行の更なる迅速化を目的として、2022年6月24日開催の第122回定時株主総会の決議により監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行し、取締役会、監査等委員会及び会計監査人を設置しています。
ロ 取締役会は、11名(うち7名が社外取締役)の取締役で構成し、原則として月1回の定例の他必要に応じて随時開催されます。取締役会では、法令・定款に定める事項及び取締役会規程に定める重要事項の審議・決定を行うとともに、一定の事項については代表取締役社長に委任し、代表取締役社長その他の業務執行取締役からの報告を受けて業務執行状況の監督を行います。
また、取締役会の監督機能を強化し、経営の透明性を確保するため、取締役会の過半数を独立社外取締役とすることとしています。
ハ 当社は、取締役会の諮問機関として、全ての社外取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び代表取締役で構成する指名委員会及び報酬委員会を設置し、取締役及び執行役員の指名及び報酬決定についての合理性並びに透明性の確保を図っています。指名委員会は株主総会へ付議する取締役選任議案、代表取締役及び役付取締役の選定及び解職、執行役員の選解任等に関して、報酬委員会は取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び執行役員(雇用型執行役員を除く。)の報酬に関する方針、手続き及び制度内容の妥当性並びに各取締役(監査等委員である取締役を除く。)及び各執行役員(雇用型執行役員を除く。)の報酬案の妥当性等に関して、各々審議を行い、取締役会に答申します。なお、監査等委員である取締役も両委員会に陪席します。
ニ 監査等委員会は、4名(うち3名が社外監査等委員)の監査等委員で構成し、株主から負託を受けた独立の機関として取締役の職務執行を監査・監督しています。なお、監査等の環境の整備、社内からの情報収集、及び内部統制システムの構築・運用状況の日常的な監視・検証の観点より常勤監査等委員を選定し、他の監査等委員にそれらの情報を共有し、組織監査の実効性確保に努めます。
また、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の指名及び報酬等について、監査等委員による指名委員会及び報酬委員会への陪席並びに代表取締役からの説明等を通じてその妥当性・適切性を確認し、意見形成を行います。
ホ 当社は会計監査人には有限責任 あずさ監査法人を選任しています。
有限責任 あずさ監査法人及びその業務執行社員と当社との間には特別な利害関係が無く、また有限責任 あずさ監査法人は自主的に業務執行社員について一定期間を超えて関与することがないよう措置をとっています。
監査等委員会・会計監査人・内部監査部門の連携においても、会計監査人監査への監査等委員の立会いや、三者による定期あるいは随時の会合によって、監査方針・監査計画・監査実施状況及び会計制度の改正等の情報交換を相互に行い、緊密な連携を図ることで、監査の実効性向上に努めます。
ヘ 当社は、取締役会が決定する諸方針に基づく業務執行を迅速に行い、その成果責任を明確にすることを目的として、執行役員制度を採用しています。執行役員26名(うち取締役兼務は2名)は取締役会により選任され、月1回開催する執行役員・カンパニープレジデント会において、業務執行に係る状況報告を行い、横断的に情報共有や意見交換を行っています。なお、執行役員・カンパニープレジデント会には、執行役員でない取締役も随時出席し、業務執行に対する監督・助言を行います。
また、当社は代表取締役及び一部の上席執行役員で構成する経営会議を設置し、取締役会で決定された経営の基本方針に基づく業務執行に関する重要事項について決定・監督を行うとともに、対処すべき経営課題や当社グループを取り巻くリスクに対して議論や事前把握を行い、経営環境の変化に迅速に対応します。経営会議は、経営戦略やその他経営全般に関する重要事項に加え、人財配置・育成に関する重要な人財戦略及び施策、並びに設備投資や出資・買収・資本提携を含む重要な投資についても重点的に審議を行います。
ト 各業務執行部門は、取締役会で策定された中期経営計画に従って執行役員による指揮のもと、年度予算を立案し、行動計画に落とし込んで目標達成に向けた組織運営を行っています。
また、当社は社内カンパニー制を採用しており、事業部門・事業サポート部門・コーポレート部門の組織ごとに「カンパニー」(一部組織については「本部」)を設置し、業務執行に関する一定の権限を委譲することで、権限と責任を明確にし、機動的な意思決定と収益性の可視化を図っています。
チ 当社は、企業理念のもとに、持続可能な社会の実現に寄与することを謳う「CSR・サステナビリティ憲章」を制定して社内浸透を図るとともに、取締役及び上席執行役員で構成するCSR・サステナビリティ委員会を設置し、その傘下にはリスクマネジメント委員会、コンプライアンス委員会等、内部統制に関する機能を持つ専門委員会を設けて、部門横断的な全社体制を整えています。
リ 当社は、経営の透明性・健全性・効率性を確保するため、監査等委員会設置会社の枠組みの中で各機関を設置し、監督・監査機能の強化、意思決定機能の強化、迅速な業務執行を図る体制として、本体制を採用しています。
コーポレート・ガバナンス体制(2024年6月25日現在)

各会議体の議長又は委員長、及び出席メンバーは以下のとおりです。
③ 企業統治に関するその他の事項
イ 当社は、取締役会において、業務の適正を確保するための体制に関する基本方針を決議しており、その内容は 以下のとおりです。
(1) 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
① 当社は、「企業行動規範」及びコンプライアンス方針をはじめとする「CSR基本方針」を制定し、取締役がそれらを遵守し、自らが模範を示すことで、コーポレート・ガバナンスを確立します。
② 当社は、法令・定款に定める事項の決定及び監督を行うために、取締役会を定例の他必要に応じて随時開催すると共に、経営会議及びその他組織を横断した各種会議体・委員会を設けます。
③ 当社は、取締役会の業務執行監督機能を強化すると共に意思決定の透明性確保のため、取締役会の過半数を社外取締役で構成します。
(2) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
① 当社は、その職務の執行に係る情報については、取締役会等の重要な会議の議事録及び社内決裁の記録を社内諸規程に従い適切に保存・管理を行い、全ての取締役はこれらの情報を常時閲覧できるものとします。
(3) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
① 当社は、当社グループ全体における自然災害リスク、地政学リスク、情報セキュリティリスクその他様々なリスクに対処するため、リスクマネジメント規程を制定すると共に、代表取締役社長をリスクマネジメントの最高責任者とし、リスクマネジメントを推進します。
② 当社は、定期的に平常時のリスク評価の実施及びその対応計画の実施状況をモニタリングすることで損失発生の未然防止に努めます。また、損失の危険性が現実化した場合には、直ちに全社横断的な対応をとり、損害を最小限にとどめ、事態の早期収拾を図り、解決した危機については再発防止に努めます。
③ リスクマネジメント委員会は、CSR・サステナビリティ委員会の監督のもと、定期的にリスクマネジメント体制の整備及び運用の監視を行います。
(4) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
① 当社は、取締役会の決議によって選任された執行役員に会社の業務執行の責任者として職務に当たらせます。また、執行役員及び使用人の権限及び担当業務を、執行役員職務権限規程、業務分掌規程、組織管理規程、決裁規程等の規程により明確にすると共に、中期経営計画の策定や予算制度の運営により、目標を明確化して経営効率の向上を図ります。
② 当社は、取締役会を原則として月1回定例的に開催するほか、随時開催します。このほか、当社グループに影響を及ぼす重要事項について審議・報告するため、経営会議及びその他組織を横断した各種会議体・委員会を開催し、速やかな意思決定と情報共有に努めます。
(5) 使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
① 当社は、当社グループの全使用人の法令・国際ルール・社会規範及び社内諸規程等の遵守及び倫理意識の高揚を促すため、推進体制及び規程を整備し、手引書の配布、社内研修等を通じて「企業行動規範」及びコンプライアンス方針をはじめとする「CSR基本方針」の浸透を図ります。
② 当社は、コンプライアンス規程を制定し、代表取締役を委員長とするコンプライアンス委員会を設置します。コンプライアンス委員会は、CSR・サステナビリティ委員会の監督のもと、コンプライアンス違反の未然防止活動や違反行為があった場合の対応等について指導、監視します。また、当社は、コンプライアンス違反行為が発見された場合には、是正・再発防止策を講ずると共に社内諸規程により懲戒を行います。
③ 当社は、社内及び社外を受付窓口とする内部通報制度としての企業倫理ヘルプラインを設置し、コンプライアンス違反行為又はその恐れのある事項、並びに従業者自身に及ぶ危険・脅威や心配事等の情報を受け付けて、これらを早期に発見、あるいは不祥事を未然に防ぎ、企業活動の透明性を確保します。また、企業倫理ヘルプラインの利用者に対して、通報・相談したことを理由に不利益な取扱いはしません。
(6) 当社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
① 当社は、当社グループの方針並びに諸法令に基づきグループ会社全般の適切で円滑な運営が実施されるよう、グループ会社に関する管理方針と管理組織について社内規程で定め指導、管理すると共に、関連制度の一体的な整備・運用に努めます。また、グループ会社の重要な事項については当社に報告させることとし、一定の基準を満たす事項は当社の承認を必要とすることとします。
② 当社は、当社グループを横断する各種会議体・委員会を開催するなど、グループ会社との報告・情報交換の機会を設けることで、グループ会社との効率的な連携体制の確立を図ります。また、グループ会社への監査役の派遣並びに当社の内部監査部門による内部監査の実施等により、グループ会社の適正な業務執行を監視し、必要に応じて助言・勧告を行います。なお、企業倫理ヘルプラインについてはグループ会社の役員及び使用人も利用できるものとします。
(7) 監査等委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項並びに当該使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
① 当社は、監査等委員会の要求に基づき、その職務を補助すべき専任の使用人(以下、「補助使用人」とい う。)を置きます。
② 当社は、補助使用人に対する指揮命令に関して取締役(監査等委員である取締役を除く。)、執行役員及び使用人からの独立性を確保し、その異動、評価等を行う場合には事前に監査等委員会の同意を要することとします。
(8) 当社及び子会社の取締役及び使用人等が監査等委員会に報告をするための体制
① 当社の取締役、執行役員及び使用人は、監査等委員会に対して重要な決裁書類を閲覧に供し、業務及び財産の状況並びに監査等委員会の要求事項について適切に報告すると共に、当社グループに著しい損害を及ぼす恐れのある事実については直ちに監査等委員会に報告します。子会社の取締役、監査役、執行役員及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者も、同様に監査等委員会に対して適切に報告するものとします。また、監査等委員は、取締役会や重要な会議体・委員会への出席及びその他会議体・委員会に出席した補助使用人からの報告を通じて、重要な意思決定及びその過程並びに執行状況を把握し、その他必要に応じて各種会議体・委員会の運営状況の説明を受けます。
② 当社は、企業倫理ヘルプラインの運用状況について、定期的に監査等委員会に対して報告します。
③ 当社は、監査等委員会に対して報告したことを理由に、その者に不利益な取扱いはしません。
(9) その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
① 当社は、監査等委員会が内部監査部門による監査結果等の報告を定期的に受ける機会を確保すると共に、必要に応じて監査等委員会が内部監査部門に対して指示等を行うことができることとします。
② 当社は、監査等委員会が取締役(監査等委員である取締役を除く。)、内部監査部門及び会計監査人と情報交換を図る機会を確保します。
③ 当社は、監査等委員からその職務の執行について必要となる費用の請求があるときは、請求に応じてその費用を負担します。
ロ リスクマネジメント体制に関しては、リスクマネジメント最高責任者である代表取締役社長のもと、リスクマネジメント担当部門を推進部署、同部門の管掌執行役員を推進責任者として整備と運用を図っています。また、リスクマネジメント委員会を定期的に開催し、重点的な対応が必要なリスクについて主管部門を定めてリスク低減活動を立案・実施させ、その活動状況を確認しているほか、リスクマネジメント体制の有効性のレビューを行っています。
ハ コンプライアンス推進体制に関しては、代表取締役を委員長とするコンプライアンス委員会が、コンプライアンス推進活動の進捗確認、内部通報等の受付及び対応の状況の確認を実施しているほか、会社や社会におけるルールをまとめたコンプライアンスガイドブックや身近に起こり得る事例を集めたコンプライアンス通信などを用いた、従業者に対する継続的な教育・啓発活動を推進しています。また、内部通報制度については、コンプライアンス委員会事務局による社内窓口のほか、社外の民間専門業者による社外窓口も設置し、従業者及び取引先に対して制度の周知を図っています。
④ 取締役会、指名委員会及び報酬委員会の活動状況
イ 取締役会の活動状況
当事業年度において、取締役会は計13回開催され、各取締役の出席状況は下記のとおりです。
(注)1 社外取締役大瀧守彦氏は、2023年6月27日開催の定時株主総会の終結をもって退任したため、出席状況は退任以前に開催された取締役会2回を対象としています。
2 社外取締役三村孝仁氏は、2023年6月27日開催の定時株主総会において就任したため、出席状況は就任以降に開催された取締役会11回を対象としています。
また、当事業年度においては、法令・定款に定める決議事項等の定例的な事項のほか、中期経営計画の進捗状況、重要な投資案件、個別事業の事業戦略・成長戦略、サステナビリティ課題への取組み、グループガバナンス、リスクマネジメント、株主・投資家との対話及び取締役会の実効性等について、審議を行いました。
ロ 指名委員会の活動状況
当事業年度において、指名委員会は計4回開催され、各委員の出席状況は下記のとおりです。
(注)1 社外取締役大瀧守彦氏は、2023年6月27日開催の定時株主総会の終結をもって退任したため、出席状況は退任以前に開催された指名委員会1回を対象としています。
2 社外取締役三村孝仁氏は、2023年6月27日開催の定時株主総会において就任したため、出席状況は就任以降に開催された指名委員会3回を対象としています。
また、当事業年度においては取締役会からの諮問に基づき、主に、取締役会の構成、株主総会に提出する取締役の選任に関する議案の内容、代表取締役及び役付取締役の選定並びに、執行役員の選任について、審議・答申を行いました。
ハ 報酬委員会の活動状況
当事業年度において、報酬委員会は1回開催され、各委員の出席状況は下記のとおりです。
(注)社外取締役三村孝仁氏については、2023年6月27日開催の定時株主総会における取締役就任後に委員に就任しましたが、委員就任以降に開催された報酬委員会がないため、出席状況を記載していません。
また、当事業年度においては取締役会からの諮問に基づき、主に、会社業績・個人業績の評価及びそれらに基づく取締役(監査等委員である取締役を除く。)・執行役員(雇用型執行役員を除く。)の個人別の報酬内容、並びに取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等の内容の決定方針の改正について、審議・答申を行いました。
⑤ 取締役に関する事項
当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)を13名以内、監査等委員である取締役を5名以内とする旨を定款に定めています。また、取締役の選任方法について、議決権を行使することができる株主の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨を定款に定めています。
⑥ 責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項及び定款に基づき、社外取締役との間において、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しています。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度としています。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がない時に限られます。
⑦ 役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社及び当社の国内子会社の取締役及び執行役員その他会社法上の重要な使用人を被保険者として、役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うこと、又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害賠償金・争訟費用等の損害を当該保険契約により填補することとしています。なお、当該保険契約の保険料は全額会社が負担しています。
⑧ 剰余金の配当等の決定機関
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定める旨を定款に定めています。
⑨ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うため、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性7名 女性4名 (役員のうち女性の比率36.4%)
(注) 1 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
2 監査等委員である取締役の任期は、2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
3 取締役(監査等委員である取締役を除く。)土井美和子氏、髙倉千春氏、三村孝仁氏、真茅久則氏並びに監査等委員である取締役、永冨史子氏、Christina L Ahmadjian氏、内山英世氏は、社外取締役です。
4 当社は執行役員制度を導入しています。取締役を兼務しない執行役員は以下の24名です。
② 社外役員の状況
当社の社外取締役は7名、うち監査等委員である社外取締役は3名です。社外取締役土井美和子氏、髙倉千春氏、三村孝仁氏、真茅久則氏、監査等委員である社外取締役永冨史子氏、Christina L Ahmadjian氏、内山英世氏と当社との間には特に記載すべき利害関係はありません。社外取締役の土井美和子氏には情報通信分野における研究者としての豊富な経験及び卓越した実績を、髙倉千春氏には幾多のグローバル企業において人事部門での要職を歴任した豊富な経験及び組織開発・人財開発における知識を、三村孝仁氏には長年にわたり執行と監督の両面から事業会社の経営に携わり培われた企業経営やコーポレートガバナンスに関する高い見識並びに医療機器分野やグローバル事業に関する豊富な経験を、真茅久則氏にはグループ経営やグローバルな事業運営に関する豊富な経験と高い知見を、監査等委員である社外取締役の永冨史子氏には長年にわたり弁護士として培われた専門的な知識及び経験を、Christina L Ahmadjian氏には企業経営、コーポレートガバナンス及び組織文化の研究者としての豊富な経験と高い見識並びに数多くの企業において社外取締役として経営に関与した経験を、内山英世氏には長年にわたり公認会計士として培われた専門的な知識並びに監査法人及びグローバルコンサルティングファームの経営者としての豊富な経験を当社経営陣による業務執行の監督及び経営陣への助言に活かしていただけることを期待し選任しました。監査等委員である社外取締役は取締役会に出席し、法令・定款に定める事項その他経営上の重要事項の審議・決定において各取締役からの報告を受けて職務執行状況の監査を行っています。
当社は、会社法で定められた社外役員の要件及び金融商品取引所が定める独立役員の独立性基準に加えて、当社独自の「独立役員選任基準」を策定し、これらすべての基準を満たす者として、上記社外取締役4名、監査等委員である社外取締役3名を独立役員に指定しています。
③ 社外取締役による監督又は監査と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
監査等委員会・会計監査人・内部監査部門による定期あるいは随時の会合によって、監査方針・監査計画・監査実施状況及び会計制度の改正等の情報交換を行う他、社外役員の情報交換・認識共有の場として、監査等委員会と社外取締役が定期的に面談を行う機会を設けています。
(3) 【監査の状況】
① 監査等委員会監査の状況
イ 監査等委員会監査の組織、人員及び手続
監査等委員会は4名(うち3名が独立役員届出済の監査等委員である社外取締役)の監査等委員で構成され、監査等委員会が定めた監査の方針、監査計画、職務の分担等に従い取締役の職務執行を監査します。
また、常勤監査等委員磯部謙二氏は、長年当社経理部門、経営企画部門及び広報部門に携わった経験から、監査等委員内山英世氏は長年にわたり公認会計士として培われた専門的な知識及び経験を有するものです。
なお、監査等委員会の職務執行を補助するため、監査等委員会室を設置し、専任スタッフを5名配置し、監査等委員会の円滑な職務執行を支援しています。
ロ 監査等委員会の活動状況
監査等委員会は、原則として月1回開催するほか、必要に応じて随時開催することとしています。当事業年度は、計12回開催され、平均所要時間は約1時間30分でした。各監査等委員の出席状況は以下のとおりです。
監査等委員会における主な決議、協議、報告事項は下記のとおりです。
また、各監査等委員の主な活動状況は下記のとおりです。
・全監査等委員が取締役会に出席し、決議・報告内容を監査し、意見表明を行いました。また、取締役、執行役員、事業部門長及び内部統制部門の責任者等との面談を通じて、業務運営の実態把握に努めるとともに、内部監査部門との定期連絡会を開催し、情報共有を図ると共に、共同して監査活動を行いました。
また、会計監査人との定期連絡会を開催し、監査計画、監査重点項目の説明や監査結果の報告及び監査上の主要な検討事項(KAM)について、情報交換や意見交換など連携を図っています。
・常勤監査等委員は、CSR・サステナビリティ委員会、コンプライアンス委員会、リスクマネジメント委員会等の専門委員会に出席し、サステナビリティ推進活動の聴取やコンプライアンス・リスク管理を含む内部統制の有効性確認を行いました。また、経営会議、執行役員・カンパニープレジデント会、予算・投資に関する審議会等重要会議への出席、決裁書類の閲覧、グループ会社監査役との定期連絡会を通じて、業務執行状況及び提案内容の確認、及びガバナンス状況の確認を行いました。
② 内部監査の状況
内部監査部門であるグローバルグループガバナンス本部には21名所属しており、独立した専任組織として「内部監査規程」に基づき、当社及び関係会社を含めた内部監査を実施しています。これらの内部監査の結果は、代表取締役のみならず、取締役会並びに監査等委員会に対しても直接報告するとともに、代表取締役や執行役員に対しては、必要に応じて問題点の改善・是正を提言しています。また、会計監査人及び監査等委員会との定期的あるいは随時の会合を開催し、監査方針・監査計画・監査実施状況等の情報交換を行い、緊密な連携を図っています。とりわけ常勤監査等委員並びに監査等委員会室とは月次の会合を開催し、相互の連携を強化しています。必要な場合には、グローバルグループガバナンス本部による監査に監査等委員あるいは監査等委員会室員が立会い、更にグローバルグループガバナンス本部は監査等委員会の求めに応じて調査・報告等を行う等、お互いの監査の品質向上に努めています。
③ 会計監査の状況
イ 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
ロ 継続監査期間
17年間
ハ 業務を執行した公認会計士及び監査業務に係る補助者の構成
当期における有限責任 あずさ監査法人の業務執行社員等の構成は以下のとおりです。
指定有限責任社員 業務執行社員 公認会計士 松木豊、樋口幹根
補助者 公認会計士 9名、その他 24名
ニ 監査法人の選定方針と理由
当社は、監査法人の選定方針として、会社法の欠格事由及び解任事由が存しないことはもとより、以下の基準と報酬の妥当性により総合的に判断しています。
・ガバナンス体制、品質管理体制、独立性、情報セキュリティ、グローバル監査体制の適格性
・リスクアプローチに基づく監査計画、実証手続の網羅性・効率性、グループ監査対応の妥当性
・経営者及び監査等委員、内部監査組織とのコミュニケーションの有効性
・先進的技術に基づく高度なデータ分析、国際的監査基準への対応力
当連結会計年度において、上記基準をもとに会計監査人の監査活動の適切性、妥当性について協議、確認した結果、監査の方法及び結果が相当であると認められること、監査法人としての品質管理体制についての外部機関による検査においても限定事項の無い結果報告を得ていることから、当該監査法人を引き続き会計監査人として選任しています。
ホ 監査等委員会による監査法人の評価
監査等委員会は、日本監査役協会が公表する「会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針」を踏まえ、監査計画及び監査報告内容が適切であることの確認に加え、監査法人としてのガバナンス・品質管理体制、監査活動におけるリスクアプローチ、独立性、効率性、関係各部門との連携、情報提供等に関して検証した結果、会計監査人として適格であると評価しています。
④ 監査報酬の内容等
イ 監査公認会計士等に対する報酬の内容
(注)上記以外に、当連結会計年度において、前連結会計年度の監査に係る追加報酬として1百万円を支払っています。
(監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容)
前連結会計年度
当社が監査公認会計士等に対して報酬を支払っている非監査業務の内容は、財務デューデリジェンス業務です。
当連結会計年度
該当事項はありません。
ロ 監査公認会計士等と同一のネットワークに属する組織に対する報酬(イを除く。)
(監査公認会計士等と同一のネットワークに属する組織に対する非監査業務の内容)
前連結会計年度
連結子会社が監査公認会計士等と同一のネットワークに属する組織に対して報酬を支払っている非監査業務の内容は、主に財務税務顧問業務です。
当連結会計年度
連結子会社が監査公認会計士等と同一のネットワークに属する組織に対して報酬を支払っている非監査業務の内容は、主に財務税務顧問業務です。
ハ 監査報酬の決定方針
監査報酬については、当社の規模、業務の特性、監査日数等を勘案し、監査人と協議の上、決定することとしており、監査契約の締結に際し報酬等の額につき監査等委員会の同意を得ています。
ニ 監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査等委員会は、日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、会計監査人の監査計画における監査項目と体制、監査の実施状況及び報酬見積の算出根拠等を確認し、妥当性を検討した結果、適切であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行っています。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員報酬等
イ 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注) 1 2022年6月24日開催の第122回定時株主総会の決議により次のとおり取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬の限度額が定められています。当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役を除く。)の員数は7名(うち社外取締役は4名)です。
また別枠で、2022年6月24日開催の第122回定時株主総会の決議により当社取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)及び執行役員(雇用型執行役員を除く。)を対象として2022年3月31日に終了する事業年度から2025年3月31日に終了する事業年度までの4事業年度に対して限度額1,000百万円の業績連動型株式報酬を設定しています。当該定時株主総会終結時点の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の員数は3名、執行役員(取締役及び雇用型執行役員を除く。)の員数は17名です。
2 2022年6月24日開催の第122回定時株主総会の決議により次のとおり監査等委員である取締役の報酬の限度額が定められています。当該定時株主総会終結時点の監査等委員である取締役の員数は4名(うち社外取締役は3名)です。
3 「賞与」は「業績連動報酬等」に、「業績連動型株式報酬」は「業績連動報酬等」及び「非金銭報酬等」に、それぞれ該当します。また、上記「賞与」及び「業績連動型株式報酬」の総額は、それぞれ当事業年度中に費用計上した額です。
4 上記には第123回定時株主総会終結の時をもって退任した社外取締役1名に対する報酬を含んでいます。
ロ 報酬等の総額が1億円以上である者の報酬等の総額等
ハ 使用人兼務役員の使用人分給与のうち重要なもの
該当事項はありません。
② 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
イ 基本方針
取締役(監査等委員である取締役を除く。)に対する報酬等は、中長期的な業績の向上と企業価値増大への貢献意識を高め、株式保有を通じた株主との利害を共有することを基本方針とし、金銭で支給される「固定報酬」及び単年度の会社業績達成度等に連動する「賞与」並びに役位及び中期経営計画等で掲げる業績目標の達成度等に応じて当社株式を交付する「業績連動型株式報酬」から構成されています。但し、社外取締役(監査等委員である取締役を除く。)に対する報酬等は「固定報酬」のみとしています。
また、当社は取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を、取締役会の決議により定めています。なお、当社は取締役会の諮問機関として「報酬委員会」を設置しており、取締役の報酬等に関する方針や手続、制度内容及び各取締役への報酬案の妥当性を審議し、取締役会へ答申することで、取締役の報酬等の決定に対する合理性及び透明性を確保しています。当事業年度においては、「報酬委員会」を1回開催しています。取締役会は、報酬等の内容が、報酬委員会によって本方針との整合性含め多角的に検討された上で、その答申を尊重して決定されていることを確認しており、当該内容が本方針に沿うものと判断しています。
取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個人別の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の決定権限を有する者は、業績目標の達成度や施策の実施状況等について、当社の事業全体を俯瞰して判断することに最も適しているという考えの下、取締役会より委任された代表取締役会長尾堂真一及び代表取締役社長川合尊であり、経営環境や会社の業績の下、個々の職責及び実績等を勘案し株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で決定する権限を有しています。ただし、委任された権限が適切に行使されるよう、報酬委員会において、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬等に関する方針や手続、制度内容及び取締役個人別の報酬案の妥当性を審議のうえ、その答申を尊重して決定しています。また、業績連動型株式報酬については、あらかじめ取締役会で決定した株式交付規程に定める算定方法に従って、取締役個人別の付与ポイント数を決定しています。なお、監査等委員である取締役の報酬は監査等委員である取締役の協議により決定しています。
なお、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)の報酬割合は、役位及び職責を踏まえて、報酬委員会において他社の報酬構成等を参考にしながら、妥当性を検証した上で設定しています。報酬等の種類ごとの比率の目安は、固定報酬:賞与:業績連動型株式報酬=60:25:15としています(KPI(重要業績評価指数)を100%達成の場合)。
ロ 固定報酬の決定方針
固定報酬は、役位、職責に応じて他社水準、当社の業績、従業員給与の水準も考慮しながら、総合的に勘案した上で決定し、毎月、現金で支給します。
ハ 賞与の決定方針
賞与は、役職別の基準額に、営業活動の成果を反映する連結売上収益等の会社業績達成度の定量目標や、従業員エンゲージメントの向上を反映する指標である従業員満足度、個人業績に係る定性的な評価を加味し、総合的に勘案した上で決定し、毎年、一定の時期に現金で支給します。また、目標となる業績指標とその値は、中期経営計画と整合するよう計画策定時に報酬委員会の答申を尊重して設定し、適宜、環境の変化に応じて見直しを行います。
賞与の額の算定に用いる会社業績に関する指標は、会社業績との連動性の確保及び業績向上への貢献意識を高めることを目的として、営業活動の成果を反映する連結営業利益としており、過去事業年度に対する当事業年度の連結営業利益の増減率及び個人業績に係る定性的な評価に応じて賞与の額を算出します。なお、当事業年度における連結営業利益の実績値は1,075億円です。
ニ 業績連動型株式報酬の決定方針
当社は2017年6月29日開催の第117回定時株主総会において、当社の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)及び上席執行役員(以下、「取締役等」という。)を対象に、当社の非金銭報酬は、中長期的な業績の向上と企業価値増大への貢献意識を一層高めることを目的として、会社の業績との連動性が高く、かつ透明性・客観性の高い役員報酬制度として、業績連動型株式報酬制度とすることを決議しました。なお、本制度は2021年6月25日開催の第121回定時株主総会において、一部改定のうえ継続施行されることが決議されています。
主な改定として、長期経営計画及び中期経営計画で掲げる事業ポートフォリオ転換並びにサステナビリティへの取り組みを一層推進するため、業績達成度等を評価する指標に非財務指標目標を追加しています。改定後の本制度の対象期間は2022年3月31日に終了する事業年度から2025年3月31日に終了する事業年度までの4事業年度です。
本制度では、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託と称される仕組みを採用しており、役位や中期経営計画等の目標達成度等に応じて、あらかじめ報酬委員会の審議を経て取締役会で決定する株式交付規程に定める算定方法に従ってポイントを付与し、本制度の対象期間終了後に、付与された合計ポイント数に応じて当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を取締役等に交付又は給付します。目標達成度を評価する指標は、単年度業績目標、中期業績目標及び非財務指標目標に基づき、中期経営計画と整合するよう報酬委員会の答申を尊重して設定するものとします。
単年度業績については、営業活動の成果を反映する連結売上収益及び連結営業利益を指標としており、目標値はそれぞれ6,000億円及び965億円であり、実績値はそれぞれ6,144億円及び1,075億円です。
中期業績目標については、中期経営計画の目標として掲げている連結売上収益、連結営業利益及び投下資本に対して効率的に利益を獲得したかを図る指標であるROICを採用しています。中期経営計画の最終年度である2025年3月期における目標値は、連結売上収益6,000億円、連結営業利益1,000億円、ROIC13.0%以上としています。中期業績目標における実績値は中期経営計画期間(2021年4月1日から2025年3月31日まで)終了後に確定します。
非財務指標目標については、持続的な成長及び企業価値向上への取組みの成果を反映し、事業ポートフォリオ転換を促進するため、非内燃機関事業売上比率及びCO2排出量削減率(2018年度比)を指標とし、当事業年度における目標値はそれぞれ23.0%及び7.5%であり、実績値はそれぞれ16.4%及び30.3%です。
③ 2021年度からの業績連動型株式報酬の算定方法
イ ポイント算定方法
当社は、毎年3月末日時点で制度対象者として在任する者(同日付で退任する者を含む。)について、同日で終了する事業年度の直後に到来する6月1日(初回は2022年6月1日)に本制度によるポイント計算を行います。なお、当該ポイント計算は、取締役については、ポイント付与日の属する事業年度の前事業年度の7月1日から翌年6月末日まで(以下「取締役のポイント計算対象期間」という。)、取締役を兼務しない上席執行役員についてはポイント付与日の属する事業年度の前事業年度の4月1日から翌年3月末日まで(以下「上席執行役員のポイント計算対象期間」という。以下、取締役のポイント計算対象期間とあわせて「取締役等のポイント計算対象期間」という。)の職務執行の対価として行います。
ポイントの計算は、以下に定める固定ポイント、年次業績ポイント、中計業績暫定ポイント、中計業績確定ポイント及び非財務指標ポイントを累積加算(以下「累積ポイント」という。)することによって行います。なお、中計業績確定ポイントの計算は対象期間の最終事業年度の2025年6月1日、又は取締役等の退任時に行います。
制度対象者が退任する場合には、ポイント計算対象期間の職務執行の対価として、退任日の属する月の1日時点における役位に応じて、下式により計算される月割ポイントを付与します。なお、毎月第1営業日時点において制度対象者である場合は、当該月の月割ポイントを付与するものとします。
月割りポイントの算定式
=役位ポイント(※1) × 退任日の属する事業年度の直前の事業年度における業績連動係数(年次)(※2)× 在任月数
(注) 在任月数について、取締役は退任日の属する事業年度の7月1日から退任日までの在任月数に応じて決定するものとし、上席執行役員は退任日の属する事業年度の4月1日から退任日までの在任月数に応じて決定するものとします。
(※1)一月当たりの役位ポイント
(注) 1 複数の役位を兼任する場合は、ポイント数の高い役位を適用します。
2 役位ポイントの付与対象で、役付取締役である制度対象者(上席執行役員を兼務しない者に限る。)が、取締役を退任する事業年度において、降格により、役付取締役でない取締役に就任した場合、その退任日の属する事業年度に適用される役位ポイントは、当該事業年度の直前の事業年度の3月1日時点の役位ポイントを適用します。
3 役位ポイントは2021年4月1日の当社株価の終値1,890円を基準に設定しています。
4 上席執行役員Ⅰに外国籍の委任型執行役員を含むものとします。
(※2)業績連動係数(年次)
ポイント付与日の属する事業年度の直前の事業年度における決算短信の業績予想値に対する達成度に応じて、下式及び下表の通りに決定します。
業績連動係数(年次) = 係数(連結売上収益) + 係数(連結営業利益)
(※3)業績連動係数(中計)
対象期間を対象とする中期経営計画の目標値に対する達成度等に応じ、下式及び下表の通りに決定します。
業績連動係数(中計) = 係数(連結売上収益) + 係数(連結営業利益) + 係数(ROIC)
(注) 取締役等が退任する場合については、その退任日の属する事業年度の直前の事業年度における中期経営計画の目標値及び実績値に基づいて計算を行います。なお、ポイント計算時において、当該事業年度の業績が未確定の場合は、業績が確定している事業年度まで遡って計算します。
(※4)業績連動係数(非財務)
対象期間を対象とする中期経営計画の目標値に対する達成度等に応じ、下式及び下表の通りに決定します。
業績連動係数(非財務) = 係数(事業ポートフォリオ転換目標) + 係数(CO2排出量削減目標)
(注) 取締役等が退任する場合については、その退任日の属する事業年度の直前の事業年度における中期経営計画の目標値及び実績値に基づいて計算を行う。なお、ポイント計算時において、当該事業年度の達成度が未確定の場合は、達成度が確定している事業年度まで遡って計算する。
各事業年度における目標値
①事業ポートフォリオ転換達成率
②CO2排出量削減率
(注) 1 事業ポートフォリオ転換達成率は、事業ポートフォリオ転換を定量的に評価する指標として、以下の算定式に基づき算出します。(数値は連結ベース)
事業ポートフォリオ転換達成率(%)=(成長事業・新規事業売上収益)÷(連結売上収益)×100
2 CO2排出量削減率は2018年度比とします。
ロ 交付株式数・現金支給株式数の計算方法
前述の方法に基づき算定した累積ポイントを1株あたりのポイントで除して、得られる株式の数(以下「算定基礎株式数」という。)を算定します。また、算定した算定基礎株式数のうち、1に満たない部分は切り捨てるものとします。
本制度においては、各制度対象者について算定した算定基礎株式数に納税資金確保の観点から合理的な割合として0.5を乗じた数(当社の単元株式数に満たない部分は切り上げるものとする。)(以下「交付株式数」という。)の会社株式を当該制度対象者に交付し、算定基礎株式数から交付株式数を減じた数(「現金支給株式数」という。)の会社株式を株式市場において売却の上、納税資金の支払いを目的として、その売却代金を当該制度対象者に給付するものとします。ただし、制度対象者が死亡した場合の相続人に対しては、算定基礎株式数の会社株式全てを株式市場において売却の上、その売却代金を給付するものとします。なお、当社は対象期間である4事業年度に対して1,000百万円を上限に信託金を拠出しており、この上限額を踏まえて取締役等に交付する株式数の上限を、対象期間である4事業年度で667千株としています。
(注) 1 1株あたり1ポイントで計算しています。
2 本制度の規定に従いポイントの付与を受けている制度対象者は、以下のいずれかの条件を充足している場合、所定の手続きを経ることを条件として、会社株式等の交付等を受ける権利が確定したものとします。
(1)対象期間満了日において当社の取締役等として在任
(2)任期満了により退任すること
(3)上記(2)以外の事由により退任すること
(4)死亡すること
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、投資株式について、専ら株式の価値の変動又は配当の受領によって利益を得ることを目的として保有する株式を純投資目的である投資株式、それ以外の株式を純投資目的以外の目的である投資株式(政策保有株式)に区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
イ 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、取引先等との継続的かつ安定的な取引関係の維持・強化を基本にしつつ、中長期的な経済合理性を検証の上、当社の企業価値向上に繋がると判断する株式を保有することとしています。
個別銘柄の保有の適否に関する検証については、毎年、取締役会において個別銘柄について資本コストと中長期的なリスク・リターンとの比較等を踏まえた保有の合理性及び企業価値向上の観点から効果の検証を行い、継続保有に該当しないとの判断に至る場合は、適宜市場動向を見ながら売却します。
ロ 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(注)銘柄数に株式分割で増加した銘柄は含めていません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
ハ 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注)1 特定投資株式における定量的な保有効果については記載が困難です。個別銘柄毎に資本コストと中長期的なリスク・リターンとの比較を踏まえた保有の合理性及び企業価値向上の観点から効果の検証を行っています。
2 竹田印刷㈱は、2023年4月1日に竹田iPホールディングス㈱に社名変更しています。
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、次のとおり、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、セミナー
へ参加しています。
(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把
握及び当社への影響分析を行っています。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRSに準拠
したグループ会計方針書を作成し、これに基づいて会計処理を行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
日本特殊陶業株式会社は、日本に所在する企業です。登記されている本店及び主要な事業所の住所は、ホームページ(https://www.ngkntk.co.jp/)で開示しています。
当社の連結財務諸表は、2024年3月31日を期末日とし、当社及びその子会社(以下、「当社グループ」という。)並びに関連会社に対する持分により構成されています。
当社グループは、自動車関連製品、セラミック製品及び新規事業に関する製品の製造販売を主な事業としています。
2.作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、連結財務諸表を同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。
当社グループの2024年3月31日に終了する年度の連結財務諸表は、2024年6月25日に代表取締役社長 川合 尊によって承認されています。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、「注記3. 重要性がある会計方針」に記載している公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しています。日本円で表示しているすべての財務情報は、百万円未満を切り捨てて記載しています。
(4) 新基準書の早期適用
該当事項はありません。
(5) 新IFRSの適用の影響
当社グループは、当連結会計年度より以下の基準を採用しています。
上記の基準書については、当連結会計年度において重要な影響はありません。
(6) 未適用の公表済み基準書及び解釈指針
IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」
2024年4月に公表されたIFRS第18号は、2027年1月1日以降に開始する事業年度から適用されます。IFRS第18号は、IAS第1号「財務諸表の表示」と置き換わり、IAS第1号は廃止されます。IFRS第18号においては、主として純損益計算書の財務業績に関する表示及び開示に関する新たな規定が設けられています。また、IFRS第18号の公表と併せてIAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」の改訂等が行われています。これらの適用による連結財務諸表への影響については検討中です。
(7) 見積り及び判断の利用
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成では、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。ただし、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
翌連結会計年度において資産や負債の帳簿価額に重要な修正をもたらす要因となるリスクを伴う将来に関して行った仮定及び見積りの不確実性に関する事項は以下の注記に含まれています。
・非金融資産の減損-「注記3. 重要性がある会計方針(10)非金融資産の減損」及び「注記12. 非金融資産の減損」
3.重要性がある会計方針
当社グループの重要性がある会計方針は次のとおりであり、他の記載がない限り、連結財務諸表が表示されているすべての期間について継続的に適用しています。
(1) 連結の基礎
当社グループの連結財務諸表は、当社及び子会社の財務諸表並びに関連会社の持分相当額を含めています。
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業です。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を与える能力を有する場合をいいます。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結財務諸表に含まれています。子会社に対する当社グループ持分の一部を処分した後も支配が継続する場合には、当社グループの持分の変動を資本取引として会計処理しており、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しています。
連結財務諸表には、子会社の所在する現地法制度上、親会社と異なる決算日が要請されていることにより決算日を当社の決算日と同じ日とすることが実務上不可能であるために決算日が異なる子会社に対する投資が含まれています。当該子会社については連結決算日における仮決算に基づく財務諸表を使用しています。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えています。当社グループ内の債権債務残高及び取引並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配をしていない企業です。関連会社に対する投資は持分法によって会計処理しています。
関連会社に対する投資は当初取得原価で認識されています。当社の投資には、取得時に認識したのれんが含まれています。また、重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日までの関連会社の純損益及びその他の包括利益に対する当社グループの持分は、関連会社に対する投資額の変動として認識しています。
連結財務諸表には、他の株主との関係等により決算日を当社の決算日と同じ日とすることが実務上不可能であるために決算日が異なる関連会社に対する投資が含まれています。当該関連会社については連結決算日における仮決算に基づく財務諸表を使用しています。
損失に対する当社グループの持分が関連会社に対する投資を上回った場合には、その投資の帳簿価額をゼロまで減額し、当社グループが被投資企業に代わって債務を負担し又は支払いを行う場合を除き、それ以上の損失は認識していません。
関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社の財務諸表に調整を加えています。
(2) 企業結合
当社グループは、取得法に基づき企業結合の会計処理をしています。非支配持分は、被取得企業の識別可能資産及び負債の公正価値に対する持分割合相当額で測定しています。
支払対価の公正価値、被取得企業の非支配持分の金額及び段階取得の場合には取得企業が以前から保有していた被取得企業の資本持分の支配獲得日の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び引受負債の正味価額を上回る場合に、その超過額をのれんとして認識しています。一方、この対価の総額が、識別可能資産及び引受負債の正味価額を下回る場合、その差額を利得として純損益に認識しています。
企業結合に関連して発生した取得費用は、負債性証券及び持分証券の発行費用を除き、発生時に費用として処理しています。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した連結会計年度末までに完了していない場合には、完了していない項目を暫定的な金額で計上しています。取得日時点で存在し、なおかつそれを知っていたならば取得日で認識した金額の測定に影響したであろう事実及び状況に関する情報を、認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下、「測定期間」という。)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しています。この新たに得た情報により資産と負債の追加での認識が発生する場合があります。測定期間は最長で1年間です。
なお、共通支配下における企業結合、すなわち、企業結合当事企業又は事業のすべてが、企業結合の前後で同一の企業により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的でない場合の企業結合については、継続的に帳簿価額に基づき会計処理しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引、すなわち各企業の機能通貨以外の通貨での取引は、取引日における為替レートにより機能通貨に換算しています。外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートにより機能通貨に換算し、また、公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算し、換算差額は、純損益に認識しています。
また、取得原価により測定されている外貨建非貨幣性項目は、取引日の為替レートを使用して換算しています。
② 在外営業活動体
在外営業活動体(子会社、支店)の資産及び負債は、期末日時点の為替レートで、損益及びキャッシュ・フローは、取引日の為替レート又はそれに近似する期中平均為替レートで表示通貨に換算しています。この結果生じる換算差額はその他の包括利益で認識しています。
なお、在外営業活動体の持分全体の処分や支配の喪失を伴う持分の一部の処分といった事実が発生した場合、処分した期に当該累積換算差額をその他の包括利益から純損益に振り替えています。
(4) 金融商品
① 金融資産(デリバティブを除く。)
(ⅰ)当初認識及び測定
金融資産のうち、株式及び債券は約定日に当初認識し、その他のすべての金融資産は当社グループが契約の当事者となった時点で当初認識しています。
金融資産は、当初認識時に、以下のように償却原価で測定する金融資産と公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
以下の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(b) 公正価値で測定する金融資産
上記の償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
負債性金融商品については、以下の要件を満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しています。
・当該金融資産が、契約上のキャッシュ・フローを回収又は売却するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
売買目的ではない資本性金融商品への投資については、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、当社グループでは金融商品ごとに当該指定を行っています。
金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される場合を除き、個々の金融商品ごとに、公正価値に、当該金融資産に直接帰属する取引費用を加算した金額で測定しています。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権は取引価格で測定しています。
また、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、その取引費用は発生時に純損益に認識しています。
(ⅱ)事後測定
(a) 償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定し、利息は「金融収益」として純損益に認識しています。
(b) 公正価値で測定する金融資産
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、公正価値の変動額は純損益に認識しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産については、公正価値の変動額は減損利得又は減損損失及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止又は分類変更が行われるまで、その他の包括利益として認識しています。当該金融資産の認識の中止を行う際には、過去に認識したその他の包括利益を純損益に振り替えています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定することを選択した資本性金融商品については、公正価値の変動額はその他の包括利益に認識し、累積利得又は損失は、認識を中止した場合又は公正価値が著しく下落した場合に利益剰余金に振り替えています。ただし、配当金は純損益として「金融収益」に認識しています。
(ⅲ)金融資産の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産について、金融資産の信用リスクが当初認識以後に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を12か月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かに関する評価は「注記21. 金融商品 (2)財務上のリスク管理 ④信用リスク」に記載しています。
ただし、営業債権については、常に、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
金融商品の予想信用損失は、次のものを反映する方法で見積っています。
(a) 一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
(b) 貨幣の時間価値
(c) 過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
当該測定に係る金額は、純損益に認識しています。
(ⅳ)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅するか、又は金融資産を譲渡し、かつ、当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において、金融資産の認識を中止しています。
② 金融負債(デリバティブを除く。)
(ⅰ)当初認識及び測定
金融負債は償却原価で測定する金融負債に分類しています。当社グループでは、償却原価で測定する金融負債について、当社グループが契約の当事者となった時点で当初認識しています。
償却原価で測定する金融負債は、当初認識時に公正価値からその発行に直接起因する取引コストを減算して測定しています。
(ⅱ)事後測定
実効金利法による償却原価で測定し、利息は「金融費用」として純損益に認識しています。
(ⅲ)金融負債の認識の中止
金融負債は、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し又は失効となった時に認識を中止しています。
③ デリバティブ
当社グループでは、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジするために、先物為替予約取引、金利通貨スワップ取引、通貨オプション取引等のデリバティブ取引を行うこととしています。
デリバティブは公正価値で当初認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動は純損益に認識しています。
④ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識した金額を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、純額で決済する又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合に、相殺して純額で表示しています。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、要求払預金及び取得日から3か月以内に満期日の到来する流動性の高い、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期的な投資からなっています。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しています。取得原価には、購入原価、加工費並びに棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のコストのすべてを含んでおり、原価の算定に当たっては、主として移動平均法によっています。正味実現可能価額は、通常の営業過程における見積売価から、完成までの見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額です。
(7) 有形固定資産
有形固定資産については、原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しています。
取得原価には資産の取得に直接関連する費用、資産の解体及び除去費用、原状回復費用の当初見積額並びに資産計上の要件を満たす借入コストが含まれています。有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しています。
土地、建設仮勘定以外の有形固定資産は、使用が可能となった時点から、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で減価償却しています。主要な有形固定資産の見積耐用年数は次のとおりです。
建物及び構築物 :8~50年
機械装置及び運搬具 :4~10年
なお、減価償却方法、残存価額及び耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しています。
有形固定資産は、処分時又は継続的な使用若しくは処分から将来の経済的便益が期待されなくなった時に認識を中止しています。有形固定資産の認識の中止から生じる利得又は損失は、当該資産の認識の中止時に純損益に認識しています。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは償却を行わず、事業を行う地域及び事業の種類に基づいて識別された資産、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、毎年同時期及び減損の兆候を識別した時はその都度、減損テストを実施しています。のれんの減損損失は純損益に認識されますが、戻入れは行っていません。
当初認識後、のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しています。
② 開発費の資産化
新しい科学的又は技術的知識の獲得のために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用計上しています。開発活動による支出については、以下のすべての条件を満たしたことを立証できる場合にのみ、資産計上しています。
(a) 使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
(b) 無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという企業の意図
(c) 無形資産を使用又は売却できる能力
(d) 無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創設する方法
(e) 無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上、その他の資源の利用可能性
(f) 開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力
自己創設無形資産の当初認識額は、無形資産が上記の認識条件のすべてを満たした日から開発完了までに発生したコストの合計額です。償却は、それぞれの見積耐用年数にわたり定額法により行い、当該償却累計額及び減損損失累計額を当初認識額より控除した額で連結財政状態計算書に計上しています。
なお、上記の資産計上の要件を満たさない開発コストは、発生時に費用処理しています。
③ その他の無形資産
無形資産については、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しています。
個別に取得した無形資産は当初認識時に取得原価で測定しており、企業結合により取得した無形資産は企業結合日の公正価値で測定しています。
内部利用を目的としたソフトウエアの取得及び開発費用は、将来の経済的便益の流入が期待される場合には無形資産に計上しています。
耐用年数を確定できる無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で償却しています。主要な無形資産の見積耐用年数は次のとおりです。
ソフトウエア :5年
開発資産 :5~10年
顧客関係資産 :5~16年
なお、償却方法、残存価額及び残余耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しています。
無形資産は、処分時又は継続的な使用若しくは処分から将来の経済的便益が期待されなくなった時に認識を中止しています。無形資産の認識の中止から生じる利得又は損失は、当該資産の認識の中止時に純損益に認識しています。
耐用年数を確定できない無形資産は以下のとおりです。
・商標権
商標権は、事業が継続する限りは法的に継続的に使用可能であり、かつ、予見可能な将来にわたってサービスを提供することを経営陣が計画しているため、耐用年数を確定できないと判断しています。
また、耐用年数を確定できない無形資産は、取得原価から減損損失累計額を控除した額で測定しています。
耐用年数を確定できない無形資産については、償却を行わず、毎期及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、個別に又は資金生成単位又は資金生成単位グループで減損テストを実施しています。
(9) リース
① 借手
リース契約開始時、当社グループは、その契約がリースであるか否か、又はその契約にリースが含まれているか否かを判断しています。
リース取引におけるリース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っています。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っています。使用権資産は、リース期間にわたり規則的に、減価償却を行っています。リース期間には、対象資産を使用してきた期間に関しての過去の慣行及びその経済的理由から、行使することが合理的に確実な延長オプション及び行使しないことが合理的に確実な解約オプションの対象期間を含めています。
リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しています。金融費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しています。
なお、リース期間が12か月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについて、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しています。
② 貸手
当社グループは、資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを借手に移転するリース契約をファイナンス・リースに分類し、それ以外のリース契約をオペレーティング・リースとして分類しています。
オペレーティング・リース取引では、受取リース料は、リース期間にわたって定額法により収益として認識しています。
(10) 非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産については、期末日ごとに各資産又は資産が属する資金生成単位に対して、減損の兆候の有無を判定しています。減損の兆候が存在する場合は、減損テストを実施しています。
減損テストの実施単位である個別の資産又は資金生成単位については、管理会計上の区分を基礎に独立したキャッシュ・フローを生成する最小単位(又はそのグループ)としています。全社資産につきましては、合理的で一貫性のある配分方法が識別できる場合、個々の資金生成単位に配分されています。なお、遊休資産につきましては、個別資産ごとにグループ化を行っています。
個別の資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額としています。使用価値の算定では、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いています。処分コスト控除後の公正価値の算定については、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用しています。
個別の資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合には純損益に減損損失を認識し、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しています。
回収可能額の算定においては、見積将来キャッシュ・フロー、割引率等について一定の仮定を設定していますが、これらの仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
のれんに係る減損損失は、戻入れを行っていません。のれん以外の非金融資産に係る減損損失は、減損損失がもはや存在しないか又は減少している可能性を示す兆候が存在する場合に当該資産の回収可能価額を見積もっており、回収可能価額が減損処理後の帳簿価額を上回った場合には減損損失の戻入れを行っています。なお、減損損失の戻入れは過去の期間において当該資産に認識した減損損失がなかった場合の帳簿価額を超えない範囲内で純損益に認識しています。
(11) 売却目的で保有する非流動資産
継続的な使用ではなく、売却により帳簿価額の回収が見込まれる資産(又は資産グループ)のうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却を確約している場合には、売却目的保有に分類しています。売却目的保有に分類された非流動資産は減価償却を行わず、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い金額で測定しています。
(12) 従業員給付
① 退職後給付
当社及び一部の連結子会社では、確定給付型の企業年金制度及び退職一時金制度を設けている他、一部の海外連結子会社では確定拠出型制度を設けています。
1) 確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値並びに関連する当期勤務費用及び過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて算定しています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しています。
退職後給付制度に係る資産又は退職後給付制度に係る負債は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した額を認識しています。勤務費用及び確定給付負債の純額に係る利息純額は、純損益に認識しています。
確定給付制度の再測定により発生した増減額は、発生した期においてその他の包括利益に一括認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。また過去勤務費用は発生時に全額純損益に認識しています。
2) 確定拠出制度
確定拠出制度については、確定拠出制度に支払うべき拠出額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しています。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的又は推定的な債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積もられる額を負債として認識しています。
③ その他の長期従業員給付
退職後給付以外の長期従業員給付に対する債務は、従業員が過年度及び当年度において提供した労働の対価として獲得した将来給付の見積額を現在価値に割り引くことによって算定しています。
(13) 株式に基づく報酬
当社は、当社の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)及び執行役員に対する持分決済型の株式報酬制度として、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託制度及び株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託制度を採用し、同信託が有する当社株式は自己株式として認識しています。受領したサービスの対価は、付与日における当社株式の公正価値で測定し、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
(14) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的債務又は推定的債務を有し、その債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出の可能性が高く、かつその資源の流出の金額について信頼できる見積りができる場合に認識しています。
貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、当該引当金は負債の決済に必要と予想される支出額の現在価値で測定しています。現在価値は、貨幣の時間的価値とその負債に特有なリスクを反映した税引前割引率を用いて計算しています。時間の経過による影響を反映した引当金の増加額は、金融費用として認識しています。
(15) 株主資本
① 普通株式
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しています。
② 自己株式
自己株式は取得原価で測定し、資本から控除しています。自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識していません。帳簿価額と処分時の対価との差額は資本剰余金として認識しています。
(16) 売上収益
当社グループは、次の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、主にスパークプラグ、グロープラグ、自動車用各種センサをはじめとした自動車部品や、産業用セラミック製品、半導体製造装置用製品、酸素濃縮装置をはじめとした医療用製品、ICパッケージ等の半導体部品の販売を行っています。このような物品の販売からの収益は、製品に対する支配が顧客に移転し、履行義務を充足した時点で認識しています。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、返品、値引き、リベート等を控除した額で測定しています。
(17) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領することに合理的な保証が得られた場合に公正価値で認識しています。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益に認識しています。
また、資産に関する政府補助金は、資産の取得原価から補助金の額を控除して、資産の帳簿価額を算定しています。
(18) 金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金、為替差益等から構成されています。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しています。受取配当金は、当社グループの受領権が確定した時点で認識しています。
金融費用は、支払利息、為替差損等から構成されています。支払利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しています。
(19) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金と繰延税金の合計として表示しています。
当期税金は、期末日において制定され又は実質的に制定されている税率を用いて、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で算定しています。これらは、企業結合に関連するもの及びその他の包括利益に又は資本に直接に認識される項目を除き、当期の純損益に認識しています。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、期末日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しています。繰延税金資産及び繰延税金負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額の差額である一時差異並びに税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に基づいて算定しています。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識しています。
なお、将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、翌期以降における課税所得の稼得状況に重要な影響を与える要因が発生した場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響しない取引における当初認識から生じる一時差異については、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識していません。さらにのれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識していません。
子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識しています。ただし、一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識していません。また、子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異については、一時差異が予測し得る期間内に解消し、かつ課税所得を稼得する可能性が高い範囲でのみ繰延税金資産を認識しています。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課される法人所得税に関するものである場合に相殺しています。
当社グループは、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しています。
(20) 1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。
4.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっている事業セグメントを基礎に決定しています。
当社グループは、社内カンパニー制を導入しており、各事業カンパニーは、取り扱う製品について国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しています。
したがって、当社グループは、社内カンパニーを基礎とした製品別のセグメントから構成されています。
その上で、セグメント情報では製品の内容、市場等の類似性を勘案して、複数の事業セグメントを集約し、「自動車関連」、「セラミック」及び「新規事業」を報告セグメントとしています。
「自動車関連」は、スパークプラグや排気ガスセンサ等、主として自動車に組み付けられる部品の製造販売を行っています。「セラミック」では、切削工具、産業機器部品、半導体製造装置用部品、半導体パッケージ及び医療用酸素濃縮器等の製造販売を行っています。「新規事業」では、環境エネルギー分野等の新規事業に関する製品の製造販売を行っています。
(2) セグメント収益及び業績
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、材料売上及び福利厚生サービス業等を含んでいます。
2 セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整しています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、材料売上及び福利厚生サービス業等を含んでいます。
2 セグメント利益又は損失(△)は、連結財務諸表の営業利益と調整しています。
(3) 製品及びサービスに関する情報
「(1) 報告セグメントの概要」及び「(2) セグメント収益及び業績」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
(4) 地域別に関する情報
① 外部顧客への売上収益
(単位:百万円)
(注) 売上収益は当社及び連結子会社の所在地を基礎に分類しています。
② 非流動資産
(単位:百万円)
(5) 主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
5.企業結合
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(取得による企業結合)
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称及び事業の内容
② 企業結合を行った主な理由
当社は、被取得企業が有する診断・モニター用の機器・サービスと病院・クリニックへの販売チャネルを当社グループ内に取り込むことにより、当社グループが手掛ける従来の酸素療法ビジネスや喘息診断機器に加えて、製品ポートフォリオ及び販売チャネルの一層の拡大を目指し、当該企業結合を実施しました。
③ 取得日
2022年12月28日
④ 取得した議決権付資本持分の割合
100%
⑤ 被取得企業の支配を獲得した方法
当社の連結子会社による現金を対価とした「逆三角合併」による株式取得
(2) 取得日における取得資産、引受負債及び移転対価の公正価値の内訳
(注)1 企業結合に係る取得関連費用418百万円は「販売費及び一般管理費」に計上しています。
2 当該企業結合により生じたのれんは、今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力に関連して発生したものであり、税務上損金算入可能な金額はありません。
3 取得対価の配分について、第123期連結会計年度においては暫定的な会計処理を行っていましたが、第124期連結会計年度に確定しています。上表の各項目は当該取得対価の配分の確定を反映した金額です。
4 取得した営業債権及びその他の債権の公正価値1,734百万円について、契約上の未収金額は1,873百万円であり、回収不能と見込まれる契約上のキャッシュ・フローの取得日現在の見積りは138百万円です。
(3) 取得に伴うキャッシュ・フロー
(4) 業績に与える影響
取得日以降に被取得企業に生じた売上収益及び当期利益は影響が軽微のため記載を省略しています。また、企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の結合後企業の売上収益及び当期利益については、連結財務諸表に与える影響が軽微であるため記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(取得による企業結合)
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称及び事業の内容
② 企業結合を行った主な理由
当社は、被取得企業が手掛ける自動車メンテナンス及び修理に係るオンライン予約サービス等を当社グループ内に取り込むことにより、当社グループの自動車関連事業におけるビジネスポートフォリオの拡大を目指し、当該企業結合を実施しました。
③ 取得日
2023年5月10日
④ 取得した議決権付資本持分の割合
100%
⑤ 被取得企業の支配を獲得した方法
当社の連結子会社による現金を対価とした株式取得
(2) 取得日における取得資産、引受負債及び移転対価の公正価値の内訳
(注)1 企業結合に係る取得関連費用136百万円は「販売費及び一般管理費」に計上しています。
2 当該企業結合により生じたのれんは、今後の事業展開によって期待される将来の超過収益力に関連して発生したものであり、税務上損金算入可能な金額はありません。
(3) 取得に伴うキャッシュ・フロー
(4) 業績に与える影響
取得日以降に被取得企業に生じた売上収益及び当期利益は影響が軽微のため記載を省略しています。また、企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の結合後企業の当報告期間における売上収益及び当期利益については、連結財務諸表に与える影響が軽微であるため記載を省略しています。
6.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、次のとおりです。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財政状態計算書上における「現金及び現金同等物」の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上における「現金及び現金同等物」の残高は一致しています。
(注) 現金及び現金同等物は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
7.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は次のとおりです。
(注) 営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
8.棚卸資産
棚卸資産の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において費用として認識され、売上原価に含まれている棚卸資産は、連結損益計算書の「売上原価」とほぼ同額です。
また、期中に売上原価に含めて費用として認識された棚卸資産の評価減の金額は、次のとおりです。
9. 売却目的で保有する資産及び直接関連する負債
売却目的で保有する資産及び直接関連する負債の内訳は、次のとおりです。
(注) 前連結会計年度において、売却目的で保有する資産及び直接関連する負債に分類したものは、当社の連結子会社において工場再編の意思決定を行ったことから分類した自動車関連セグメントに係る資産です。
また、当社とIMC International Metalworking Companies B.V(以下、「IMC」という。)との間で2023年4月3日から開始した当社連結子会社の合弁会社化による合弁事業を開始するに当たり、当社の機械工具事業を連結子会社であるNTKカッティングツールズ株式会社に承継するセラミックセグメントに係る資産及び負債です。なお、当連結会計年度において、当社が保有するNTKカッティングツールズ株式会社の株式の一部をIMCへ譲渡しています。この結果、所有持分は100%から49.0%に減少し、同社に対する支配を喪失したことから、同社は当社グループの持分法適用会社となっています。
当連結会計年度において、売却目的で保有する資産及び直接関連する負債に分類したものは、当社の連結子会社における事務所移転のために売却を予定している自動車関連セグメントに係る資産、並びに当社の連結子会社において一部の製品に関連する資産及び負債を売却する意思決定を行ったことから分類した新規事業セグメントに係る資産及び負債です。自動車関連セグメントに係る資産については、売却は翌連結会計年度中に完了する予定です。新規事業セグメントに係る資産及び負債については、2024年4月に売却が完了しています。また、減損損失を327百万円計上しており、連結損益計算書の「売上原価」に含まれています。詳細は「注記12. 非金融資産の減損」をご参照ください。
10.有形固定資産
(1) 増減表
有形固定資産の帳簿価額の増減は次のとおりです。
(注) 1 有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
2 建設仮勘定から各科目への振替は、「その他」に含まれています。
3 有形固定資産の減損損失は、連結損益計算書の「売上原価」に含まれています。
4 有形固定資産の帳簿価額を算定する際に控除した政府補助金の額は、前連結会計年度において355百万円、当連結会計年度において369百万円です。
(2) 期首及び期末の取得価額及び減価償却累計額(減損損失累計額と合算)
(3) コミットメント
有形固定資産の取得に関する契約上のコミットメントは次のとおりです。
11.のれん及び無形資産
(1) 増減表
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減は次のとおりです。
(注) 1 無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
2 のれん及び無形資産の減損損失は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
3 その他には、顧客関係資産等が含まれています。
4 当社グループの前連結会計年度及び当連結会計年度における期中に費用として認識された研究開発活動による支出は27,887百万円及び27,848百万円であり、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
(2) 期首及び期末の取得価額及び償却累計額(減損損失累計額と合算)
12.非金融資産の減損
(1) 資金生成単位
当社グループは、事業用資産については管理会計上の区分を基礎に資産のグループ化を行っており、遊休資産については個別資産ごとにグループ化を行っています。
(2) 減損損失
減損損失を認識した資産の種類別内訳は、次のとおりです。
減損損失は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に計上しています。
前連結会計年度において、自動車関連セグメントの一部の資金生成単位について収益見込みの低下等に伴い、割引後将来キャッシュ・フローの見積額が、資産グループの帳簿価額を下回ったため、2,506百万円の減損損失を計上しました。なお、当該資産グループの回収可能価額は主として使用価値により測定しており、使用価値の見積りに用いた割引率は、税引前加重平均資本コスト(18.5%)を使用しています。
また、新規事業セグメントにおける円筒形SOFC燃料電池事業の資金生成単位について事業環境の変化等により想定していた将来キャッシュ・フローが見込めなくなったことから、3,701百万円の減損損失を計上しました。なお、回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値で測定しています。公正価値のヒエラルキーはレベル3です。
当連結会計年度において、セラミック関連セグメントの一部ののれんを含む資金生成単位について減損テストを実施した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、1,732百万円の減損損失を計上しました。なお、当該資金生成単位の回収可能価額は使用価値により測定しており、使用価値の見積りに使用した成長率は2.4%及び1.0%、割引率は税引前加重平均資本コスト16.4%及び10.1%です。
また、セラミック関連セグメントの一部の資金生成単位について収益見込みの低下等に伴い、割引後将来キャッシュ・フローの見積額が、資産グループの帳簿価額を下回ったため、598百万円の減損損失を計上しました。なお、当該資産グループの回収可能価額は主として使用価値により測定しており、使用価値の見積りに用いた割引率は、税引前加重平均資本コスト(9.3%)を使用しています。
また、自動車関連セグメントの一部の資金生成単位について収益見込みの低下等に伴い、割引後将来キャッシュ・フローの見積額が、資産グループの帳簿価額を下回ったため、919百万円の減損損失を計上しました。なお、当該資産グループの回収可能価額は主として使用価値により測定しており、使用価値の見積りに用いた割引率は、税引前加重平均資本コスト(19.7%)を使用しています。
また、新規事業セグメントの一部製品に関連する資産及び負債を売却目的で保有する資産及び直接関連する負債へ分類するにあたり、処分グループを売却コスト控除後の公正価値により測定したことにより327百万円の減損損失を計上しました。なお、公正価値は売却価額を基礎としており、公正価値ヒエラルキーはレベル3です。
(3) のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト
当社グループは、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、毎期及び減損の兆候がある場合には随時、減損テストを実施しています。
企業結合で生じたのれん及び耐用年数を確定できない無形資産は、取得日に、企業結合から利益がもたらされる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しています。
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の帳簿価額の資金生成単位別内訳は次のとおりです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における耐用年数を確定できない無形資産の帳簿価額は、それぞれ5,150百万円及び5,840百万円であり、MGC Diagnostics Holdings, Inc.に含まれています。
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産のうち、重要なものは、当社がCAIRE Inc.、CAIRE Medical Limited及びCAIRE Medical Technology(Chengdu) Co., Ltd.(以下、「CAIRE社」という。)の全株式を取得し、CAIRE社及びその子会社5社を子会社化した際に発生したのれん、当社の連結子会社がAMSR, LLC及びMGC Diagnostics Holdings, Inc.の全株式を取得し、子会社化した際に発生したのれん及び耐用年数を確定できない無形資産です。
減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しています。使用価値は、取締役会において承認された4~5年間の事業計画等と成長率を基礎とした見積将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定しています。承認された事業計画を超える期間の見積りに用いた成長率は、資金生成単位が属する市場の長期平均成長率を基礎として決定しています。使用価値の見積りに使用した成長率は前連結会計年度において1.0%~2.1%、当連結会計年度において2.4%~2.5%であり、税引前割引率は前連結会計年度において14.3%~14.4%、当連結会計年度において12.9%~16.4%です。減損テストを実施した結果、CAIRE社の酸素濃縮器事業における事業環境の変化等による収益見込みの低下に伴い、1,076百万円の減損損失を計上しました。
なお、減損損失を計上していないのれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、前連結会計年度においては、仮に成長率が1.8%下落した場合、又は割引率が0.8%上昇した場合に減損損失が発生するものと推定しています。また、当連結会計年度においては、MGC Diagnostics Holdings, Inc.ののれん及び耐用年数を確定できない無形資産について、仮に成長率が0.1%下落した場合、又は割引率が0.1%上昇した場合に減損損失が発生するものと推定しています。
なお、上記の減損損失計上の余裕度に関する推定は、成長率の下落及び割引率の上昇がそれぞれ単独で発生するとの仮定に基づき記載しています。使用価値の測定に用いる見積将来キャッシュ・フローは、主要製品の売上が市場の成長及び新製品の投入により増加することを前提としています。また、将来キャッシュ・フローの金額、成長率及び割引率の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動等によって影響を受ける可能性があり、実際に発生した金額及び実績率が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
13.リース
借手側
当社グループでは、特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するものについては、リースである又はリースを含んだものであると判断し、リースの開始日において使用権資産及びリース負債を認識しています。主なリース取引は、オフィスビル、倉庫、車両、金型等のリース取引です。
上記の取引には、当社グループの事業拠点の柔軟性を確保すること等を目的として、借手がリースを延長するオプション又は解約するオプションが付されている契約が含まれています。
リースを延長するオプションは、契約対象資産の事業遂行上の必要性、代替資産の取得の難易度やオプションの行使条件等を総合的に勘案し、行使する必要があると判断した場合にはこれを行使することとしていますが、リース開始日において、将来これを行使するか否かを判断することは極めて困難であるため、行使されることが合理的に確実であるとはいえないと判断しています。したがって、その対象期間はリース期間に含めておらず、当該期間におけるリース料はリース負債の測定に含めていません。なお、リースを延長するオプションを行使して延長可能な期間及び当該延長可能期間におけるリース料は、通常、当初の契約期間及びリース料と同一又は近似しています。
リースを解約するオプションは、主に、リース期間終了日より一定期間前までに相手方に通知すれば、早期解約が認められるものです。
当社グループは、延長オプションを行使すること又は解約オプションを行使しないことが合理的に確実であるかどうかを、必要に応じて見直しています。この見直しによる財務上の影響は、当連結会計年度において軽微です。
なお、当社グループでは、変動リース料、残価保証を含む契約及び契約しているにもかかわらず、まだ開始していないリースに重要性はありません。
使用権資産の帳簿価額の内訳は、次のとおりです。
使用権資産の増加額並びにリースに関連する費用及びキャッシュ・アウトフローは、次のとおりです。
(注) 1 リース負債の満期分析は「注記21. 金融商品」に記載のとおりです。
2 使用権資産に係る減損損失は「注記12. 非金融資産の減損」に記載のとおりです。
14.持分法で会計処理されている投資
持分法で会計処理されている投資はすべて、個々には重要性のない関連会社に対するものです。
15.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、次のとおりです。
16.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は次のとおりです。
(注) 営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
17.社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は次のとおりです。
(注) 1 社債及び借入金は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
2 平均利率については、借入金の期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
3 社債の発行条件の要約は次のとおりです。
18.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、次のとおりです。
19.その他の負債
その他の流動負債及びその他の非流動負債の内訳は、次のとおりです。
(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度における「その他」には、競争法関連費用の引当金が含まれています。詳細は「注記35. 偶発事象 訴訟等」をご参照ください。
20.従業員給付
当社及び一部の連結子会社では、確定給付型の企業年金制度及び退職一時金制度を設けている他、一部の海外連結子会社では確定拠出型制度を設けています。確定給付型制度における給付額は、勤続した各年に稼得したポイント、勤務年数、その他の条件に基づき設定されています。
当社及び一部の連結子会社は、年金規約に基づく規約型年金制度を設けています。当社及び一部の連結子会社は、従業員の同意を得て、受給資格、給付内容・方法、掛金負担等年金制度の内容を規定した企業年金規約を定め、年金規約について厚生労働大臣の承認を受けています。掛金の払込み、積立金の管理等に関して保険会社や信託銀行等と契約を締結し制度を運営しています。契約を締結した保険会社等は、年金資産の管理・運用を行うとともに、年金数理計算や年金・一時金の支給業務を行います。
当社及び一部の連結子会社は、法令、法令に基づく厚生労働大臣の処分及び規約を遵守し、加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならず、自己又は加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって資産管理運用契約を締結すること及び積立金の運用に関し特定の方法を指図することは禁止されています。
また、非積立型制度であった当社の退職一時金制度に対して、2023年3月期に退職給付信託を設定し、前連結会計年度より、積立型の制度として区分しています。
(1) 確定給付制度
① 確定給付制度債務及び制度資産の調整表
確定給付制度債務及び制度資産と連結財政状態計算書に計上された確定給付負債及び資産の純額との関係は次のとおりです。
② 確定給付制度債務の現在価値の調整表
確定給付制度債務の現在価値の増減は次のとおりです。
(注) 1 確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、前連結会計年度において13.4年、当連結会計年度において12.7年です。
2 「その他」には海外連結子会社の確定給付制度債務の換算差額が含まれています。
③ 制度資産の公正価値の調整表
制度資産の公正価値の増減は次のとおりです。
(注) 「その他」には海外連結子会社の制度資産の換算差額が含まれています。
当社グループは、翌連結会計年度(2025年3月期)に2,089百万円の掛金を拠出する予定です。
④ 資産上限額の影響
資産上限額の影響の増減は次のとおりです。
⑤ 制度資産の項目ごとの内訳
制度資産の主な項目ごとの公正価値は次のとおりです。
(注) オルタナティブは、主にプライベートデット及びインフラファンドへの投資です。
制度資産の運用は、年金給付、一時金等の支払いを将来にわたり確実に行うため、許容されるリスクのもとで必要とされる総合収益を長期的に確保することを目的としています。
この目的を踏まえ、投資対象資産の期待収益率、リスク等を考慮した上で、将来にわたる最適な資産の組み合わせである資産構成割合を維持するよう努めています。
⑥ 重要な数理計算上の仮定
数理計算に用いた主な仮定は次のとおりです。
数理計算上の仮定には、上記以外に、予想昇給率、死亡率、予想退職率等が含まれます。
⑦ 感応度分析
数理計算に用いた割引率が0.5%変動した場合に、確定給付制度債務の現在価値に与える影響は次のとおりです。感応度分析はその他の仮定に変更がないことを前提としていますが、実際には他の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。
(2) 確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として認識された金額は、前連結会計年度が852百万円、当連結会計年度が939百万円です。
(3) 従業員給付費用
連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計額は、前連結会計年度が119,024百万円、当連結会計年度が126,419百万円です。
21.金融商品
(1) 資本リスク管理方針
当社グループの資本管理は、財務の安全性及び資本の効率性のバランスを取りながら、持続的な成長及び企業価値の増大を達成することを目的としています。
財務の安全性については、強い財務体質を維持し、高い信用格付けを得ることにより、低コストでの有利子調達が可能になるよう努めています。
資本の効率性については、財務の安全性とバランスを取りながらも、有利子調達した資金を有効活用し、全体の資本コストの低減を図っています。
当社グループが受ける重要な資本規制はありません。
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、事業活動を行う過程において、財務上のリスクに晒されていますが、当該リスクを軽減するために、リスク管理を行っています。
リスクには、主に為替変動リスク、金利変動リスク、市場価格変動リスク、信用リスク、流動性リスクが含まれます。
① 為替変動リスク
当社グループは、グローバルに事業展開をしていることから、機能通貨以外で実施する取引から発生する為替変動リスクに晒されています。当社グループでは為替変動のリスクを回避するために、外貨建の営業債権については為替予約及び通貨オプション取引を、外貨建借入金については金利通貨スワップ取引を内部管理規程に従い実需の範囲で行うこととしています。
為替感応度分析
以下の表は、関連する外国為替に対して日本円が1%増減した場合に純損益及び資本に与える影響を示す当社グループの感応度分析です。なお、機能通貨建の金融商品並びに在外営業活動体の資産及び負債、収益及び費用を円貨に換算する際の影響は含んでいません。また、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としています。
② 金利変動リスク
当社グループは、外貨建借入金を変動金利により借入れているため、金利変動リスクに晒されています。当社グループでは金利変動のリスクを回避するために、変動金利性借入金については金利通貨スワップを内部管理規程に従い実需の範囲で行うこととしています。
これにより、当社グループにおける金利変動リスクに対するエクスポージャーは限定的であり、金利変動に対する影響は軽微であると判断しています。
③ 市場価格変動リスク
当社グループは、資本性金融商品(株式)から生じる株価の変動リスクに晒されています。当社グループは、トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、取引先等との継続的かつ安定的な取引関係の維持・強化のために保有しています。資本性金融商品については、定期的に公正価値や発行体の財務状況を把握しています。
価格感応度分析
以下の表は、期末日現在において保有する資本性金融商品の市場価格が1%変動した場合に、資本に与える影響を示す当社グループの感応度分析です。本分析は、その他の変動要因は一定であることを前提としています。
④ 信用リスク
信用リスクは、顧客や取引先(金融機関等を含む。)が契約上の債務に関して信用悪化や経営破綻等により債務不履行になり、当社グループに財務上の損失を発生させるリスクです。当社グループでは、与信管理規程等に従い、取引先に対して与信限度額を設定し、与信管理しています。
また、デリバティブ取引では、カウンターパーティリスクを軽減するため、信用度の高い金融機関等とのみ取引を行っており、信用リスクに及ぼす影響は限定的です。
なお、特定の取引先について、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。
連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額は、獲得した担保の評価額を考慮に入れない、当社グループの金融資産の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値です。
(ⅰ)信用リスク管理実務
信用リスクの著しい増大の有無は、内部格付、外部格付等の情報を考慮して判定しています。信用リスクの著しい増加を示す客観的証拠としては、債務者による支払不履行又は滞納、債務者が破産する兆候等が挙げられます。
当社グループでは、債務の弁済に重大な問題が生じているか又は生じる可能性が高いと判断された場合には債務不履行とみなしており、債務不履行と判断される場合や債務者の破産等による法的整理手続の開始があった場合には、当該金融資産は信用減損したものと判断しています。
営業債権については、常に全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しています。予想信用損失の金額は、過去の信用損失の実績率を基礎とした引当率を乗じて算定しています。営業債権以外の債権等については、原則として12か月の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定していますが、信用リスクが当初認識時点より著しく増加した場合には、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を測定しています。予想信用損失の金額は、信用リスクが著しく増加していると判断されていない債権等については、過去の信用損失の実績率を基礎とした引当率を乗じて算定しています。信用リスクが著しく増加していると判定された資産及び信用減損金融資産に該当する債権等については、債務者の財政状態、担保の処分見積額、預り保証金による補填額、返済計画等を考慮し算定しています。
金融資産の全部又は一部を回収する合理的な見込みがない場合には、金融資産の帳簿価額を直接償却しています。
(ⅱ)貸倒引当金及び対象金融資産の増減
貸倒引当金の増減は次のとおりです。
保有する金融資産の総額での帳簿価額は次のとおりです。
(ⅲ)リスク・プロファイル
回収期日を基礎とした信用リスク・プロファイルの内訳は、次のとおりです。
営業債権
その他の債権、その他の金融資産
(注) 償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産のうち、大手金融機関に預入れている定期預金等、明らかに信用リスクが低く予想信用損失を計上していない金融商品は、上記の表に含めていません。
⑤ 流動性リスク
流動性リスクとは、当社グループが期限の到来した金融負債の返済義務を履行するに当たり、支払期日にその支払を実行できなくなるリスクです。
営業債務及びその他の債務、借入金及びその他の金融負債は流動性リスクに晒されていますが、当社グループでは、適時資金計画を作成・更新するとともに、金融機関との間にコミットメント・ライン契約を締結すること等により、当該リスクを管理しています。
満期分析
主な金融負債(デリバティブを含む。)の期日別残高は次のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(3) 公正価値
(ⅰ)公正価値測定方法
金融商品の公正価値は、次のとおり算定しています。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、その他の金融資産、営業債務及びその他の債務、その他の金融負債)
短期間で決済されるものについては、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっています。その他については、将来キャッシュ・フローを期日までの期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値等により算定しています。公正価値の測定ではレベル2に分類しています。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
上場株式の公正価値については、期末日の市場価格によって算定し、公正価値の測定ではレベル1に分類しています。公社債等の公正価値については、取引金融機関から提示された価格等により、利用可能な情報に基づく合理的な評価方法により算定し、公正価値の測定ではレベル2又はレベル3に分類しています。非上場株式等の公正価値については、主として時価純資産法により算定し、公正価値の測定ではレベル3に分類しています。レベル3の金融商品に係る公正価値の測定は、関連する社内規程に従い実施しています。公正価値の測定に際しては、対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価技法及びインプットを用いています。また、公正価値の測定結果については、上位役職者のレビューを受けています。
レベル3に分類される金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の公正価値の増減は重要ではありません。
デリバティブ等は、取引先金融機関等から提示された金利、為替等の観察可能な市場データに基づいて算定しています。観察可能な市場データを利用して公正価値を算出しているため、公正価値の測定ではレベル2に分類しています。
(社債及び借入金)
社債は、取引先金融機関から提示された価格によっています。
短期借入金は、短期間で決済されるものであり、公正価値が帳簿価額と近似しているため、公正価値は帳簿価額と同額とみなしています。
長期借入金は、元利金の合計額を同様の新規借入れを行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっています。なお、いずれも観察可能な市場データを利用して公正価値を算出しているため、公正価値の測定ではレベル2に分類しています。
(ⅱ)公正価値のヒエラルキー
金融商品の公正価値のヒエラルキーは、次のとおり分類しています。
レベル1:活発な市場において相場価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外で、直接又は間接的に観察可能な価格により測定された公正価値
レベル3:観察可能でないインプットを含む、評価技法を用いて測定された公正価値
償却原価で測定する主な金融商品
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) 1 社債、借入金については、1年以内に償還又は返済予定の残高を含んでいます。
2 短期の金融資産及び短期の金融負債は、帳簿価額と公正価値が近似しているため、上表には含めていません。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 1 社債、借入金については、1年以内に償還又は返済予定の残高を含んでいます。
2 短期の金融資産及び短期の金融負債は、帳簿価額と公正価値が近似しているため、上表には含めていません。
経常的に公正価値で測定する金融商品
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への増減は次のとおりです。
(注) 1 純損益に含まれている利得及び損失は、決算日時点の純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものです。これらの利得及び損失は、連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。
2 その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、決算日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものです。これらの利得及び損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれています。
(4) 資本性金融商品
当社グループでは、取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融商品に対する投資について、その保有目的を鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。
活発な市場のある金融資産の主な銘柄ごとの公正価値は、次のとおりです。
(注) 1 活発な市場のない金融資産は、主に環境・エネルギー、医療、次世代自動車等の新規事業への投資であり、前連結会計年度及び当連結会計年度における新規事業への投資の公正価値は、それぞれ6,761百万円及び9,137百万円です。
2 竹田印刷㈱は、2023年4月1日に竹田iPホールディングス㈱に社名変更しています。
資本性金融商品は、資本コストと中長期的なリスク・リターンとの比較等を踏まえた保有の合理性及び企業価値向上の観点から効果の検証を行い、継続保有に該当しないとの判断に至る場合は、適宜市場動向を見ながら売却します。期中に売却した銘柄の売却日時点の公正価値、その他の資本の構成要素で認識していた累積利得又は損失(税効果考慮前)は、次のとおりです。
(5) 金融資産と金融負債の相殺
当社グループでは、一部の金融資産及び金融負債について、認識された金額を相殺する法的強制力のある権利を有し、純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有していることから、金融資産と金融負債を相殺し連結財政状態計算書に純額で表示しています。
同一の取引先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、連結財政状態計算書で相殺した金額及び連結財政状態計算書に計上した金額の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(6) ヘッジ会計
当社グループは、外貨建営業債権並びに外貨建借入金の返済及び金利支払に伴う為替変動リスクに晒されています。当該為替変動リスクをヘッジするために、為替予約、通貨オプション取引及び金利通貨スワップ取引を行うこととしていますが、ヘッジ会計は適用していません。
22.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び資本剰余金
日本の会社法(以下、「会社法」という。)では、株式の発行に対しての払込又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることができると規定されています。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
授権株式数、発行済株式数及び資本金等の残高の増減は次のとおりです。
(注) 当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みとなっています。
(2) 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損補填に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができることとされています。
(3) 自己株式
会社法では、株主総会の決議により分配可能額の範囲内で、取得する株式数、取得価格の総額等を決定し、自己株式を取得することができると規定されています。また、市場取引又は公開買付による場合には、定款の定めにより、会社法上定められた要件の範囲内で、取締役会の決議により自己株式を取得することができます。
自己株式数及び残高の増減は次のとおりです。
(注) 自己株式の株式数には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式が前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ、547,819株、530,641株含まれています。
(4) その他の資本の構成要素
在外営業活動体の換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額です。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の公正価値の評価差額です。これについては、認識を中止し、又は公正価値が著しく下落した期において、その他の包括利益で認識されていた累積利益又は損失を利益剰余金に振り替えています。
確定給付制度の再測定
確定給付制度の再測定は、数理計算上の差異及び確定給付負債の純額に係る利息純額を除いた制度資産に係る収益で構成されています。これについては、発生した期においてその他の包括利益に一括認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
23.配当金
当社は、剰余金の配当について、会社法の規定に基づいて算定される分配可能額の範囲内で行っています。分配可能額は、日本基準に準拠して作成された当社の会計帳簿において利益剰余金の金額に基づいて算定されています。
配当金の支払額は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 2022年4月28日取締役会決議に基づく配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金30百万円が含まれています。
2 2022年9月26日取締役会決議に基づく配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金45百万円が含まれています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 2023年4月28日取締役会決議に基づく配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金45百万円が含まれています。
2 2023年10月30日取締役会決議に基づく配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金42百万円が含まれています。
配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金45百万円が含まれています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式に対する配当金44百万円が含まれています。
24.株式報酬
当社は、当社の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)及び執行役員(以下、「取締役等」という。)を対象に持分決済型の株式報酬制度を採用しています。株式報酬制度に関して計上された費用は、前連結会計年度において200百万円、当連結会計年度において163百万円です。
(1) 役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託制度
当社は取締役等を対象に、当社の中長期的な業績の向上と企業価値増大への貢献意識を一層高めることを目的として、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下、「BIP信託」という。)と称される仕組みを採用しています。
BIP信託は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が信託を通じて取得され、当社の株式交付規程に従って付与されるポイント(1ポイント=1株)に基づき、当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を取締役等に交付又は給付する業績連動型の株式報酬制度です。
権利確定条件は、付与日以降、原則として権利確定日まで取締役等として勤続していることとなっています。
なお、本制度では当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭が信託を通じて交付又は給付されるため、権利行使価格はありません。
期中において付与されたポイントの付与日における加重平均公正価値は、前連結会計年度1,551円、当連結会計年度2,444円です。当該公正価値は、ブラック・ショールズ・モデルで算定した公正価値を参照して測定されています。
同モデルで使用された仮定は次のとおりです。
(注) 予想ボラティリティは、予想残存期間に対応する期間の過去の株価実績を基にして算定しています。
(2) 株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託制度
当社は雇用契約を継続する執行役員(以下、「対象者」という。)を対象に、対象者への帰属意識の醸成と経営参画意識を持たせ、対象者への長期的な業績向上や株価上昇に対する意欲や士気の高揚を図ることを目的として、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下、「ESOP信託」という。)と称される仕組みを採用しています。
ESOP信託は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が信託を通じて取得され、当社の株式交付規程に従って付与されるポイント(1ポイント=1株)に基づき、当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭を対象者に交付又は給付する業績連動型の株式報酬制度です。
権利確定条件は、付与日以降、原則として権利確定日まで対象者として勤続していることとなっています。
なお、本制度では当社株式及び当社株式の換価処分金相当額の金銭が信託を通じて交付又は給付されるため、権利行使価格はありません。
期中において付与されたポイントの付与日における加重平均公正価値は、前連結会計年度1,551円、当連結会計年度2,444円です。当該公正価値は、ブラック・ショールズ・モデルで算定した公正価値を参照して測定されています。
同モデルで使用された仮定は次のとおりです。
(注) 予想ボラティリティは、予想残存期間に対応する期間の過去の株価実績を基にして算定しています。
25.売上収益
(1) 顧客との契約から認識した収益
連結損益計算書の「売上収益」の内訳は次のとおりです。
(注) その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収入等が含まれています。
(2) 売上収益の分解
顧客との契約から生じる収益を顧客との契約に基づき、セグメント別に分解しています。当社グループのセグメントは、社内カンパニーを基礎とした製品別のセグメントから構成されており、当社の構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。分解した収益とセグメント売上収益との関連は、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 上記には「顧客との契約から認識した収益」の他、「その他の源泉から認識した収益」を含めています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
「自動車関連」は、主として自動車に組み付けられる部品の製造販売を行っており、「プラグ」では主にスパークプラグを、「センサ」では自動車用各種センサ(排気ガスセンサ等)の製造販売を行っています。「セラミック」では、産業機器部品、半導体製造装置用部品、半導体パッケージ及び医療用酸素濃縮器等の製造販売を行っています。「新規事業」では、環境エネルギー分野等の新規事業に関する製品の製造販売を行っています。
これらの販売については、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち、製品を顧客の指定した場所へ配送し、引渡し、検収を受けた時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転するため、その時点で収益を認識しています。収益の認識後、1年以内に支払いを受けているため、約束した対価の金額に重要な金融要素は含まれていません。
「自動車関連」における製品は、販売数量や販売金額等の一定の目標の達成を条件としたリベート(以下、「達成リベート」という。)等を付けて販売される場合があります。その場合の取引価格は、顧客との契約において約束された対価から達成リベート等の見積りを控除した額で算定しています。達成リベート等の見積りは過去の実績等に基づく、最頻値法を用いており、収益は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しています。
(3) 契約負債
契約負債は、主として顧客からの前受金に関連するものです。契約負債の残高は次のとおりです。
前連結会計年度の期首現在の契約負債残高はすべて、前連結会計年度の収益として認識しています。また、当連結会計年度の期首現在の契約負債残高はすべて、当連結会計年度の収益として認識しています。
26.販売費及び一般管理費
連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」の内訳は次のとおりです。
27.その他収益及び費用
その他収益の内訳は次のとおりです。
その他費用の内訳は次のとおりです。
28.金融収益及び金融費用
(1) 金融収益
金融収益の内訳は次のとおりです。
(注) 受取配当金には、各報告期間において、認識の中止を行ったその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産からの収益が含まれていますが、当該金額には重要性がないため区分していません。
(2) 金融費用
金融費用の内訳は次のとおりです。
(注) リース負債に係る支払利息は「注記13. リース」に記載のとおりです。
29.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 為替換算差額及び企業結合による影響は「その他」に含めて表示しています。
2 IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)の適用により、当該将来加算一時差異と将来減算一時差異について繰延税金負債及び繰延税金資産を連結財政状態計算書にそれぞれ認識する方法に変更したことに伴い、遡及修正しています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 為替換算差額及び企業結合による影響は「その他」に含めて表示しています。
2 IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)の適用により、当該将来加算一時差異と将来減算一時差異について繰延税金負債及び繰延税金資産を連結財政状態計算書にそれぞれ認識する方法に変更したことに伴い、遡及修正しています。
連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び繰延税金負債は次のとおりです。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額は次のとおりです。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の失効予定は次のとおりです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、繰延税金負債を認識していない子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異に重要性はありません。
(2) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は、次のとおりです。
(注) 繰延税金費用には、従前は未認識であった過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれています。前連結会計年度において、繰延税金費用は減少していません。当連結会計年度において、496百万円の繰延税金費用が減少しています。
(3) 法定実効税率の調整
法定実効税率と平均実際負担税率との差異要因は次のとおりです。
(注) 当社は日本における法人税、住民税及び事業税に基づき、前連結会計年度の実効税率30.6%、当連結会計年度の実効税率30.6%として算出しています。ただし、海外連結子会社については、その所在地における法人税等が課されています。
(4) グローバル・ミニマム課税
日本においては令和5年度税制改正において、グローバル・ミニマム課税に対応する法人税が創設され、それに係る規定を含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号))(以下「改正法人税法」という。)が2023年3月28日に成立しています。改正法人税法では、BEPSのグローバル・ミニマム課税ルールのうち、所得合算ルール(IIR)が導入されており、2024年4月1日以降開始事業年度より、日本に所在する親会社の子会社等の税負担が最低税率(15%)に至るまで、日本に所在する親会社に対して追加で上乗せ課税されることになりますが、当社グループの連結財務諸表へ与える影響は軽微であると判断しています。
30.1株当たり当期利益
(1) 1株当たり情報
(注) 希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載していません。
(2) 基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎は、次のとおりです。
(注) 基本的1株当たり当期利益の算定において、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式を期中平均株式数から控除しています。
31.その他の包括利益
各連結会計年度におけるその他の包括利益の内訳と対応する税効果額(非支配持分を含む。)は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
32.財務活動に係る負債の変動
財務活動に係る負債の変動は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
33.主要な子会社
(1) 主要な子会社
当社の主要な子会社は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。
(2) 子会社に対する支配の喪失に伴う損益
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
①支配の喪失の概要
当社とIMC International Metalworking Companies B.V(以下、「IMC」という。)との間で2023年4月3日から当社連結子会社の合弁会社化による合弁事業を開始しました。当社の機械工具事業を当社連結子会社であるNTKカッティングツールズ株式会社(以下、「NTKカッティングツールズ」という。)に承継することで集約した上で、当社が保有するNTKカッティングツールズ株式の一部をIMCに譲渡することで、持株比率をIMC51.0%、当社49.0%とし、NTKカッティングツールズを両社の合弁会社として運営します。本合弁事業開始により、NTKカッティングツールズは当社の連結対象外となり、持分法適用会社となりました。
②支配の喪失に伴うキャッシュ・フロー及び損益
当該支配喪失に伴うキャッシュ・フロー及び支配喪失時の資産及び負債の主な内訳は、以下のとおりです。なお、関係会社株式売却益503百万円のうち、旧子会社に対して保持している残余投資を支配喪失日現在の公正価値で測定することに起因する部分は201百万円です。これらは連結損益計算書の「その他収益」に含まれています。
34.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
関連当事者との取引及び債権債務の残高について、重要性がないため記載を省略しています。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
主要な経営幹部に対する報酬は次のとおりです。
(注) 1 主要な経営幹部は、各連結会計年度における当社の取締役及び執行役員です。
2 賞与及び株式報酬は、前連結会計年度及び当連結会計年度に費用計上した金額を記載しています。
35.偶発事象
訴訟等
当社グループは、自動車関連事業における過去の一部の取引において競争法違反の疑いがあるとして海外の当局による調査を受けています。これに関連し、顧客からの損害賠償の交渉、民事訴訟も提起されています。当社はこれらについて国及び競争法当局の調査の状況、和解交渉の進展状況及び担当弁護士からの意見聴取等を踏まえて個別にリスクを検討し、将来発生する可能性がある損失見込額を費用計上しています。競争法関連費用引当金の残高は、前連結会計年度末において0百万円、当連結会計年度末において2百万円です。損失見込額は現時点において入手可能な情報に基づいていますが、今後新たな事実が判明した場合は追加の損失が発生する可能性があります。なお、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」に従い、当社の立場が不利になる可能性があるため、訴訟等に係る詳細な内容を開示していません。
36.後発事象
該当事項はありません。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
(注) 基本的1株当たり四半期(当期)利益の算定上、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託が保有する当社株式を期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めています。
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
①子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
②満期保有目的の債券
償却原価法(利息法)
③その他有価証券
・市場価格のない株式等以外のもの
時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法によっています。)
・市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2 棚卸資産の評価基準及び評価方法
製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品
移動平均法による原価法 (収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しています。)
3 デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法
4 固定資産の減価償却の方法
①有形固定資産(リース資産を除く。)
定額法を採用しています。
なお、主な耐用年数は次のとおりです。
建物 8年~50年
機械及び装置 4年~10年
②無形固定資産(リース資産を除く。)
定額法を採用しています。
なお、自社利用のソフトウエアについては社内における利用可能期間(5年以内)に基づく定額法を採用しています。
③リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しています。
5 引当金の計上基準
①貸倒引当金
債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
②退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しています。
(1) 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定に当たり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。
(2) 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により費用処理しています。また、数理計算上の差異については、各期の発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度より費用処理しています。
③株式給付引当金
株式交付規程に基づく取締役及び執行役員への当社株式等の交付等に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
④競争法関連費用引当金
自動車関連事業において競争法違反の疑いがあるとされた過去の一部の取引に関する和解金等の支出に備えるため、将来発生する可能性がある損失見込額を計上しています。
⑤ 債務保証損失引当金
関係会社の借入金に対する債務保証に係る損失に備えるため、関係会社の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しています。
⑥ 関係会社事業損失引当金
関係会社の事業に伴う損失に備えるため、関係会社の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しています。
6 ヘッジ会計の方法
一体処理(特例処理、振当処理)の要件を満たす金利通貨スワップについては、一体処理を採用しています。
7 収益及び費用の計上基準
当社は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を適用しており、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。
主要な事業における主な履行義務の内容及び収益を認識する通常の時点については、「連結財務諸表注記 25.売上収益」に記載のとおりです。
8 その他財務諸表作成のための重要な事項
①退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっています。
②グループ通算制度の適用
グループ通算制度を適用しています。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより当事業年度に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があるものは、次のとおりです。
関係会社株式の評価
「重要な会計方針 1.有価証券の評価基準及び評価方法」に記載のとおり、関係会社株式のうち、非上場の子会社に対する投資等、市場価格のない株式等については取得原価をもって貸借対照表価額としていますが、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した時には、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除いて、その株式について評価損を認識しています。
当事業年度において平板形燃料電池事業を営む子会社で実質価額が著しく低下しているものの、将来の事業計画に基づいて実質価額の回復が十分可能であると判断しました。
同事業は新規事業であり、市場の成長には一定の期間を要するとともに、設備投資、製品開発コストや量産体制の確立に向けて生産コストが先行していることから設立以降継続的に営業損失を計上しています。実質価額の回復可能性の見積りは、当該子会社の長期の事業計画を基礎として行っており、将来における燃料電池市場の成長による売上の増加や量産効果を含むコスト低減等、一定の仮定を設定していますが、これらの仮定は将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌事業年度に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
2 偶発債務
当社グループは、自動車関連事業における過去の一部の取引において競争法違反の疑いがあるとして海外の当局による調査を受けています。これに関連し、顧客からの損害賠償の交渉、民事訴訟も提起されています。当社はこれらについて国及び競争法当局の調査の状況、和解交渉の進展状況及び担当弁護士からの意見聴取等を踏まえて個別にリスクを検討し、将来発生する可能性がある和解金等の損失見込額を費用計上しています。損失見込額は現時点において入手可能な情報に基づいていますが、見積り特有の不確実性があるため、今後新たな事実が判明した場合等には追加の損失が発生する可能性があります。
(損益計算書関係)
※1 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は次のとおりです。
※2 関係会社との取引高
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式
子会社株式及び関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載していません。
なお、市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額は次のとおりです。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、法人税及び地方法人税並びに税効果会計の会計処理及び開示については、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従っています。
(企業結合等関係)
(共通支配下の取引)
当社は、2022年11月28日開催の取締役会決議に基づき、2023年4月1日付で下記のグループ内組織再編行為を実施しました。
1.取引の概要
(1) 対象となった事業の名称及びその事業内容
当社の機械工具事業
(2) 企業結合日
2023年4月1日
(3) 企業結合の法的形式
当社を分割会社、当社の100%子会社であるNTKカッティングツールズ株式会社を承継会社とする吸収分割
(4) 結合後企業の名称
いずれも変更ありません。
(5) その他取引の概要に関する事項
当社はIMC International Metalworking Companies B.V(以下、「IMC」という。)との間で、当社連結子会社の合弁会社化による資本業務提携(以下、「本提携」という。)に関する合弁契約を2022年10月28日に 締結しました。本会社分割は、本提携に向けた手続きの一環に位置付けられます。合弁契約に基づき、当社の機械工具事業を本会社分割によりNTKカッティングツールズ株式会社(以下、「NTKカッティングツールズ」という。)に承継させることで集約した上で、当社が保有するNTKカッティングツールズ株式の一部をIMCに譲渡し、持株比率をIMC51.0%、当社49.0%とすることでNTKカッティングツールズを合弁会社化しました。
2.実施した会計処理の概要
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号)及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第10号)に基づき、共通支配下の取引として会計処理しています。
(収益認識関係)
連結財務諸表注記に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。詳細は「連結財務諸表注記 25.売上収益」をご参照ください。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注)1 当期減少額の()内は内書きで、減損損失の計上額です。
2 「機械及び装置」、「車両運搬具」、「工具、器具及び備品」並びに「ソフトウエア」 の当期減少額には、会社分割によりNTKカッティングツールズ(株)に承継した資産が含まれています。
3 当期増加額のうち、主なものは次のとおりです。
※ 機械及び装置の増加額
(生産設備)プラグ生産設備 3,583百万円
センサ生産設備 1,227百万円
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 1 上記に記載した基準日のほか、別途基準日を定めて剰余金の配当をすることができる旨定款に定めています。
2 当社定款の定めにより単元未満株主は、次に掲げる権利以外の権利は行使することができません。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割り当て及び募集新株予約権の割り当てを受ける権利
(4) その有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売り渡すことを請求する権利
3 電子公告を行うホームページアドレスは https://www.ngkntk.co.jp/ir/public_notice/ です。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。