第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第86期の期首から適用しており、第85期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等を記載しています。
2 取締役等に対する業績連動型株式報酬制度および経営幹部社員に対するインセンティブプランに係る信託が保有する当社株式は、連結貸借対照表において自己株式に含めて計上しており、その株式数は、1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式数から控除する自己株式数に含めています。また、1株当たり当期純利益および潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式数に含めています。
3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在していないため記載していません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 取締役等に対する業績連動型株式報酬制度および経営幹部社員に対するインセンティブプランに係る信託が保有する当社株式は、貸借対照表において自己株式に含めて計上しており、その株式数は1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式数から控除する自己株式数に含めています。また、1株当たり当期純利益および潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数の計算において控除する自己株式数に含めています。
2 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在していないため記載していません。
3 株主総利回り(TSR)については、2019年3月末の株価 2,235円を基準として算出しています。
4 最高株価および最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
2 【沿革】
当社は、1931年2月17日に、青井忠治が「丸二商会」からのれん分けを受け東京都中野区において割賦販売業を創業、1937年3月30日に法人組織に改組(株式会社丸井、資本金5万円、社長青井忠治)しました。
当社設立後、現在までの当社および主要な関係会社の沿革は次のとおりです。
3 【事業の内容】
当社グループは、小売とフィンテックを一体運営する企業グループであり、持株会社である当社と子会社22社および関連会社5社により構成されています。
当社グループの、各事業における業務内容および主要なグループ会社は次のとおりです。なお、事業区分については、セグメントと同一の区分です。
(小売)
以下の連結子会社5社および持分法非適用非連結子会社・関連会社において、商業施設の賃貸および運営管理、衣料品・装飾雑貨等の仕入販売、空間プロデュース、広告宣伝、トータルファッション物流、総合ビルマネジメント等を行っています。
<連結子会社>
㈱丸井、㈱エイムクリエイツ、㈱ムービング、㈱エムアンドシーシステム、㈱マルイファシリティーズ
<持分法非適用 非連結子会社・関連会社>
㈱マルイキットセンター、みぞのくち新都市㈱ 他
(フィンテック)
以下の連結子会社7社および持分法非適用非連結子会社・関連会社において、クレジットカード業務、カードキャッシングおよび家賃保証、情報システムサービス、不動産賃貸、投資信託の販売、少額短期保険業等を行っています。
<連結子会社>
㈱エポスカード、㈱エムアールアイ債権回収、㈱エムアンドシーシステム、㈱マルイホームサービス、㈱マルイホームサービス管理、tsumiki証券㈱、㈱エポス少額短期保険
<持分法非適用 非連結子会社・関連会社>
D2C&Co.㈱、㈱okos 他
なお、上記のほか当社の関係会社は、中野㈱他1社の関係会社以外の関連当事者から不動産物件を賃借しています。
当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
[事業の系統図]
当社グループの事業を系統図によって示すと、次のとおりです。

4 【関係会社の状況】
(注) 1 議決権の所有割合欄の(内書)は、間接所有割合です。
2 上記関係内容のほか、グループ内の資金を一元管理するキャッシュマネジメントシステムにより、当社との間で資金の貸付けおよび借入れを行っています。
3 特定子会社です。
4 ㈱丸井は、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。)の連結売上収益に占める割合が100分の10を超えています。
主要な損益情報等 売上収益 60,141百万円 経常利益 792百万円 当期純損失 1,560百万円
純資産額 205,123百万円 総資産額 245,861百万円
5 ㈱エポスカードは、売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。)の連結売上収益に占める割合が100分の10を超えていますが、セグメント情報の「フィンテック」の売上収益に占める割合が100分の90を超えているため、主要な損益情報等の記載を省略しています。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、従業員数欄の[外書]は、臨時従業員の期中平均雇用者数(月間所定労働時間を基準に算出)です。
2 全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない純粋持株会社である提出会社の従業員数です。主に管理部門および投資部門などに所属しています。
(2) 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、従業員数欄の[外書]は、臨時従業員の期中平均雇用者数(月間所定労働時間を基準に算出)です。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。
(3) 労働組合の状況
当社グループには、全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟に加盟するマルイグループユニオンがあります。労使関係は円滑に推移しており、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。なお、管理職に占める女性労働者の割合は2024年4月1日現在の数値となっています。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
3 社員の人員数については、労働時間をもとに換算したものを加味して算出しています。
4 当社グループでは提出会社である㈱丸井グループにおいて臨時従業員等を除き、一括採用、一括配置および育成を実施しています。グループ各社への配置は出向となるため、提出会社の数値には子会社への出向者を含めて算出しています。したがって、算出のもととなる社員数については「(2)提出会社の状況」に記載している従業員数と異なります。
5 ㈱エポスカードは「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき開示の対象となる連結子会社です。各社は直接採用の社員のみを集計しており、その社員に管理職および育児休業対象者はいません。
<各数値に関する補足説明>
当社グループの人材に関する指標は「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 2.会社の考える人的資本経営」に記載しています。「人的資本経営」の詳細なパフォーマンスデータについては、「2024年3月期ESGデータブック」の「社会(Social)」のカテゴリーをご覧ください。
ESGデータブック(https://www.0101maruigroup.co.jp/sustainability/lib/databook.html)
<男女の賃金の差異の要因と当社の考え方について>
男女の賃金の差異の推移は下記のとおり、前年と比べて改善しています。

当社グループの賃金制度においては性別による処遇の差はなく、賃金差異が生じる最も大きな要因は、管理職など賃金の高い上位職に占める女性社員の割合が低いためです。職位別でみると差異は85.8~95.8%となります。同一の職位でも差異が生じる主な要因は、短時間勤務制度の影響によるものです。2024年3月時点の短時間勤務制度利用者のうち99.2%が女性であり、短時間勤務者の時間補正を行った場合の職位別の賃金差異は91.4~96.0%となります。
このような状況のもと、当社グループでは、イノベーションを創出しやすい組織をつくる取り組みの一環として、意思決定層(取締役・執行役員を含む管理職以上)の多様化をめざしています。この取り組みを可視化する独自の指標として「女性イキイキ指数」を設定し、女性活躍を推進しています。
女性活躍を推進する上で「男性は仕事、女性は家事育児といった『男女の性別役割分担意識』」の改善と「女性の上位職志向」の向上をめざして、男女の性別役割分担意識の見直しに取り組む「ジェンダーイクオリティプロジェクト」や、ライフイベントを迎える26歳の男女を対象に「キャリアデザイン研修」、管理職による「管理職の働き方」の改善に向けたプロジェクト活動などを実施しています。
今後もこれらの取り組みを続け、家事や育児などの負担が女性に偏ることなく、女性も男性も「仕事」と「家庭」を当たり前に両立できる組織をめざすことで、男女の賃金の差異の解消に努めていきます。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
■ 会社の経営の基本方針
当社グループのミッションは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブな社会をステークホルダーの皆さまと共に創ることにあります。
当社グループがめざすのは、お客さまをはじめ、株主・投資家の皆さま、地域・社会、お取引先さま、社員、将来世代すべてのステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和と拡大です。そのために、すべてをステークホルダーの視点で考え、行動することにより共有できる価値づくりに取り組み、結果として企業価値の向上を図る「共創経営」を進めていきます。
当社グループの「共創経営」の詳細については、「共創経営レポート2023」「VISION BOOK 2050」をご覧ください。
共創経営レポート(https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/lib/i-report.html)
VISION BOOK 2050(https://www.0101maruigroup.co.jp/sustainability/lib/s-report.html)

■ 中期経営計画について
急速な事業環境の変化が予測される中、さらなる企業価値の向上をめざして、2026年3月期を最終年度とする5カ年の中期経営計画を策定しています。
1)事業環境の変化
2030年に向け「現役世代から将来世代へ」、「デジタル技術は導入期から展開期へ」、「有形資産から無形資産へ」という3つの大きな転換が起き、社会の世代交代により、デジタル、サステナビリティ、Well-beingといった将来世代の常識に対応できない企業は急速に支持を失うリスクがあります。
2)今後の方向性
・将来世代との共創を通じて、社会課題解決と企業価値向上を両立
・店舗とフィンテックを通じて、「オンラインとオフラインを融合するプラットフォーマー」をめざす
・人材、ソフトウェアに加え、新規事業、共創投資への無形投資を拡大、社会課題解決企業へと進化
・ステークホルダーをボードメンバーに迎え、「利益としあわせの調和」に向けたステークホルダー経営を推進
3)具体的な取り組み
<事業戦略>
(グループ事業の全体像)
・小売、フィンテックに「未来投資」を加えた三位一体のビジネスモデルを創出します。未来投資には、共創投資と新規事業投資が含まれます。

(小売)
・これまで取り組んできた百貨店業態のトランスフォーメーションをさらに推進し、新たな成長を実現します。店舗を「オンラインとオフラインの融合」のプラットフォームと位置づけ、ECを中心に展開する新規事業がさまざまなイベントを開催し、このイベントが来店動機となる店づくりを進めます。また、これらのイベントをフィンテックと連携し、丸井の店舗だけでなく全国の商業施設で展開することを視野に、事業化をめざします。
(フィンテック)
・2021年4月からスタートした新カード、新アプリを通じて、UXを飛躍的に高め、LTVのさらなる向上をめざします。また、ゴールドカードに次ぐ第二の柱に成長してきた、アニメに代表されるコンテンツカードなど、一人ひとりの「好き」を応援するカードを拡大します。
・リアル店舗中心の会員募集を見直し、ネット入会の比率を高めるほか、拡大が見込まれるEC・ネット関連サービス、家賃などを中心に家計シェア最大化の取り組みを強化することで、2026年3月期の取扱高は2021年3月期の2倍以上の5.3兆円をめざします。
・また、再生可能エネルギーをエポスカード払いで50万人のお客さまにご利用いただき、CO2削減とLTV向上の両立に挑戦します。
(未来投資)
・未来投資は、サステナビリティ、Well-beingなどのインパクトと利益の両立をめざしてイノベーションを創出します。新規事業投資は社内からのイノベーション創出、共創投資は社外からのイノベーション導入をめざします。
・新規事業は、ECを中心にメディア、店舗、フィンテックを掛け合わせた独自のビジネスモデルを構築します。
・共創投資は、共創の理念に基づき、共に成長し価値をつくる取り組みを進め、小売・フィンテックへの貢献利益と、ファイナンシャルリターンの両方を追求します。
<資本政策>
・小売は、店舗の定借化による業態転換にともない収益改善および利益の安定化は進んだものの、自己資本比率は依然として高い水準にあるため、余剰資本を再配分し、連結自己資本比率25%前後を目標にバランスシートの見直しを進めます。
・5年間の基礎営業キャッシュ・フローを2,300億円と見込み、未来投資を含めた成長投資に800億円、資本最適化のための自己株式取得に500億円、株主還元に1,000億円(うち配当800億円、自己株式取得200億円)を配分する計画です。
□ 資本配分計画(22年3月期~26年3月期)

※資本最適化のための自己株式取得は2023年3月期で完了しました。また、株主還元については2024年3月期より方針を変更しています。
<株主還元>
(基本方針)
株主還元については、適正な利益配分を継続的に実施することを基本方針とします。
・配当については、EPSの長期的な成長に基づく継続的な配当水準の向上に努め、「高成長」と「高還元」の両立を図ります。株主資本配当率(DOE)8%程度を目安とし、長期安定的な増配の実現をめざします。
・自己株式の取得については、財務状況や株価水準等を総合的に勘案し、資本効率と株主利益の向上に向けて、機動的に実施します。なお、取得した自己株式は原則として消却します。
・配当の基準および自己株式取得の方針については、定期的に検証し適宜見直しを行います。
(基本方針策定の背景)
当社グループでは、事業構造の転換に合わせ資本最適化を推進しています。フィンテック中心の事業構造への転換時には、フィンテックセグメントの自己資本比率を業界平均並みの10%程度まで引き下げる方針のもと2021年3月期までに約1,000億円の自己株式の取得を行い、これを実現しました。2026年3月期を最終年度とする5カ年の現中期経営計画においては、店舗の定借化により余剰となった小売セグメントの資本再配分のため、2年間で500億円の自己株式の取得を行いました。これにより、高い水準にあった自己資本比率が、2023年3月期には目標としていた25%程度となりました。
資本構成が最適化され、めざすべきバランスシートの目標を達成したことから、2024年3月期より配当については株主資本配当率(DOE)を新たな指標とし、引き続き「高成長」と「高還元」の両立を図ることとしています。また、自己株式の取得については、これまでの計画的な取得から、資本効率と株主利益の向上に向けて財務状況や株価水準等を総合的に勘案しながら機動的に実施することとしています。
<インパクト>
・2019年に策定した「丸井グループビジョン2050」に基づき、サステナビリティとWell-beingに関わる目標を「インパクト」として定義しました。2030年に向けた取り組みの一環として、「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『しあわせ』を共に創る」「共創のエコシステムをつくる」の3つの目標の構成項目を一部変更し、主要な取り組み項目を中期経営計画の主要KPIとして設定しています。今後はKPI達成に向け、具体的な取り組みを進めます。
・また、ステークホルダーの求める利益としあわせを共に実現する共創経営に向けて、ステークホルダーをボードメンバーに迎え、ガバナンス体制を進化させていきます。

4)主要KPI
2031年3月期のインパクトKPIは以下のとおりです。これらのインパクトの実現に向けて、2026年3月期はEPS200円以上、ROE13%以上、ROIC4%以上をめざします。

■ 今後のめざすべき企業価値
今後は、人的資本投資をさらに拡大することで、企業価値を高めていきます。企業価値に占める無形資産の割合は、米国の90%に対して、日本企業は32%と低い水準にとどまっています。2023年3月時点の当社グループの無形資産比率は44%ですが、今後は人的資本投資を通じて、2030年を目処に米国並みの80%まで高めることで、企業価値の向上をめざします。

今後のめざすべき企業価値としては、ROEを25%程度まで高め、PBR5倍を将来的にめざします。

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
1.会社の考えるサステナビリティ
Ⅰ. サステナビリティ全般
当社グループでは、2016年から環境への配慮、社会的課題の解決、ガバナンスへの取り組みがビジネスと一体となった未来志向のサステナビリティ経営への第一歩を踏み出しました。それまで取り組んできた「すべての人」に向けたビジネスを「インクルージョン(包摂)」というテーマでとらえ直し、重点テーマを整理し、取り組みを進めてきました。これらは、国連の持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」の実現にも寄与するものです。
そして、2019年には本格的なサステナビリティ経営に向け、2050年を見据えた長期ビジョン「丸井グループビジョン2050」を策定し、「ビジネスを通じてあらゆる二項対立を乗り越える世界を創る」ことを宣言しました。
前述の「中期経営計画について」に記載のとおり、2021年には「ビジョン2050」に基づき、サステナビリティとWell-beingに関わる目標を「インパクト」として定義しました。インパクトは、「ビジョン2050」に定める取り組みをアップデートし、「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『しあわせ』を共に創る」「共創のエコシステムをつくる」という共創をベースとする3つの目標を定めています。
ビジネスを通じて社会課題の解決と利益の両立をめざし、「インパクト」と「利益」の主要な取り組み項目を、中期経営計画の主要KPIとして設定しています。具体的な指標は「(4)指標と目標」に記載しています。
(1)ガバナンス
すべてのステークホルダーの「利益」と「しあわせ」の調和と拡大に向け、ステークホルダーをインクルードした経営の仕組みづくりに着手します。
(2)戦略
当社グループは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブな社会を共に創る」ことをミッションとしています。金融と小売の融合を通じて、経済的な豊かさだけでなく精神的な豊かさとしての「しあわせ」を提供すること、一部の人たちだけでなく、すべての人が「しあわせ」になれる社会の実現をめざします。
2050年を見据えた長期ビジョン「ビジョン2050」の策定に合わせ、当社グループが優先的に取り組むべき社会課題を定義し、2050年のめざすべき世界を「国・人種・自然すべてがつながり合う世界」としました。
共創を基盤とした三位一体のビジネスモデル「小売」「フィンテック」「未来投資(共創投資 + 新規事業投資)」の推進により、「インパクト」と「利益」の両立をめざしています。
当社グループが取り組むべきことを3テーマ9つの重点項目として設定し、「ビジョン2050」の実現に向け取り組むことで、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会をめざしていきます。
■ 将来世代の未来を共に創る
「脱炭素社会の実現」や「サステナブルな選択肢の提供」、「将来世代の事業創出の応援」などにより、地球と共存する持続可能な未来を将来世代につなげます。
■ 一人ひとりの「しあわせ」を共に創る
一人ひとりの「好き」「個性」「健康」「お金の活かし方」を応援し、個がエンパワーできる社会の実現を加速させます。
■ 共創のエコシステムをつくる
当社グループが持つアセットを通じて、ステークホルダーの皆さまと共創のエコシステムをつくり、イノベーションの創出をめざします。
(3)リスク管理
当社グループは、サステナビリティに関する課題を把握し評価するため、リスク・機会を特定しています。特定したリスク・機会はサステナビリティ推進体制のもと、戦略策定・個別事業運営の両面で管理しています。グループ会社(クレジットカード業務・小売業・施設運営・物流・総合ビルマネジメント等)の役員で構成されるESG委員会で議論された内容は、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議や、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会において定期的に報告し協議を行い、案件に応じて、取締役会への報告・提言を行っています。企業戦略に影響する世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、グループ各社の施策の進捗状況や今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。
(4)指標と目標
当社グループは2031年3月期インパクトKPIとして共創をベースとする3つの目標「将来世代の未来を共に創る」「一人ひとりの『しあわせ』を共に創る」「共創のエコシステムをつくる」を設定し、具体的な取り組みを進めています。
早期のインパクト実現に向け、グループ各社・各部が中期経営計画を策定し、経営層へ進捗を報告する会議にて、年1回モニタリングを実施しています。

Ⅱ.気候変動への取り組みとTCFDへの対応
気候変動は、もはや気候危機としてとらえるべきことであり、当社グループは、重要な経営課題のーつと認識し、パリ協定が示す「平均気温上昇を1.5℃に抑えた世界」の実現をめざしています。「丸井グループ環境方針(2022年3月改定)」に基づき、パリ協定の長期目標を踏まえた脱炭素社会へ積極的に対応すべく、ガバナンス体制を強化するとともに、事業への影響分析や気候変動による成長機会の取り込みおよびリスクへの適切な対応への取り組みを推進しています。当社グループはFSB(金融安定理事会)により設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同し、有価証券報告書(2019年3月期)にて、提言を踏まえ情報を開示しました。さらに分析を重ね、有価証券報告書(2020年3月期)にて、気候変動による機会および物理的リスク等の内容を拡充しました。今後も情報開示の充実を図るとともに、TCFD提言を当社グループの気候変動対応の適切さを検証するベンチマークとして活用し、サステナビリティ経営を進めていきます。
(1)ガバナンス
気候変動に関わる基本方針や重要事項等を検討・審議する組織として、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会を設置しています。また、関連リスクの管理水準の向上を図る機関としてESG委員会を設置し、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議を通じて、当社グループ全体のリスク管理を行っています。事業戦略の策定や投融資等に際しては、こうした体制をもとに「丸井グループ環境方針」や気候変動に係る重要事項を踏まえ総合的に審議し決定することで、気候変動に関するガバナンスの強化を進めていきます。
(2)戦略
(事業のリスクと機会)
気候変動による世界的な平均気温の4℃上昇が社会に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5℃以下に抑制することをめざす取り組みへの貢献が重要であると考えています。2℃以下シナリオ(1.5℃目標)への対応力を強化すべく、気候関連のリスクと機会がもたらす事業への影響を把握し、戦略の策定を進めています。
当社グループは、小売・フィンテックに共創投資と新規事業投資からなる「未来投資」を加えた、三位一体のビジネスモデルを推進しています。気候変動は、台風・豪雨等の水害による店舗・施設等への被害や規制強化にともなう炭素税の導入による費用の増加等のリスクが考えられます。一方、消費者の環境意識の向上に対応した商品・サービスの提供や環境配慮に取り組む企業への投資は当社グループのビジネスの機会であるととらえています。
(財務影響の分析・算定)
事業への財務的影響については、気候変動シナリオ等に基づき分析し2050年までの期間内に想定される利益への影響額として項目別に算定しています。リスクについては、物理的リスクとして、気温上昇が1.5℃以下に抑制されたとしても急性的に台風・豪雨等での水害が発生しうると予測しています。店舗の営業休止による不動産賃貸収入等への影響(約19億円)および建物被害(約30億円)を算定。移行リスクとしては、将来のエネルギー関連費用の増加を予測し、再生可能エネルギーの調達コストの増加(約8億円)および炭素税導入による増税(約22億円)を算定しています。機会については、環境意識が高い消費者へのライフスタイル提案による店舗収益への影響(約19億円)およびカード会員の増加による長期的収益(約26億円)、環境配慮に取り組む企業への投資によるリターン(約9億円)を算定。カード会員の再生可能エネルギー電力の利用によりリカーリングが増加しゴールドカード会員化につながることでの長期的収益(約20億円)、電力小売事業への参入による調達コストの削減(約3億円)および炭素税の非課税(約22億円)を算定しています。今後もさまざまな動向を踏まえ定期的に分析し、評価の見直しと情報開示の充実を進めていきます。
(前提要件)
(気候変動によるリスクおよび機会)
※ 1 ハザードマップに基づき影響が最も大きい河川(荒川)の氾濫を想定(流域の2店舗に3カ月の影響)
※ 2 バックアップセンター設置済みのため利益影響は無いと想定
※ 3 不動産賃貸収入の増加およびクレジットカード利用の増加
※ 4 クレジットカードの新規入会や利用による収益を算定
※ 5 リカーリング等でのゴールドカード会員の増加による収益を算定
(3)リスク管理
当社グループは、グループの事業が気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、シナリオの分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しています。特定したリスク・機会はサステナビリティ推進体制のもと、戦略策定・個別事業運営の両面で管理しています。グループ会社(クレジットカード業務・小売業・施設運営・物流・総合ビルマネジメント等)の役員で構成されるESG委員会で議論された内容は、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議や、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会において定期的に報告し協議を行い、案件に応じて、取締役会への報告・提言を行っています。企業戦略に影響する気候変動を含めた世の中の動向や法制度・規制変更等の外部要因の共有や、グループ各社の施策の進捗状況や今後のリスク・機会等の内部要因を踏まえて、戦略・施策等の検討を実施していきます。
(4)指標と目標
・温室効果ガスの削減については、グループ全体の温室効果ガス削減目標「2030年までに2017年3月期比Scope1+Scope2を80%削減、Scope3を35%削減(2050年までに2017年3月期比Scope1+Scope2の合計およびScope3を90%削減)」が、2019年9月にSBTイニシアティブにより「1.5℃目標」として認定されています。
・2030年までにグループの事業活動で消費する電力の100%(中間目標:2025年までに70%)を再生可能エネルギーから調達することを目標として、2018年7月にRE100に加盟しています。
2.会社の考える人的資本経営
当社グループでは「人の成長=企業の成長」という理念のもと、継続的な企業価値向上をめざし、2005年より企業文化の変革に取り組んできました。企業文化の変革に向けて、「企業理念」「対話の文化」「働き方改革」「多様性の推進」「手挙げの文化」「グループ会社間職種変更異動」「パフォーマンスとバリューの二軸評価」「Well-being」等の施策を同時進行で進めてきました。
当社グループの「人的資本経営」のパフォーマンスデータについては、「2024年3月期ESGデータブック」の「社会(Social)」のカテゴリーをご覧ください。
ESGデータブック(https://www.0101maruigroup.co.jp/sustainability/lib/databook.html)
<企業文化変革のための取り組み>
1)企業理念
当社グループの人的資本経営は「人の成長=企業の成長」という経営理念が根本となっています。この理念について、働く理由や会社に入って成し遂げたいことなどを対話の場を設けて話し合うことで、会社のパーパスと個人のパーパスのすり合わせを行い、10年以上で4,500名以上の社員が参加しました。その結果、理念を共有できない人が退職したことで一時的に退職率は上がりましたが、その後、退職率(定年退職者を除く)は約3%前後の低水準で定着しています。また、入社3年以内の離職率は約13%と世の中の平均を大きく下回る水準で推移しており、会社と個人との「選び選ばれる関係」の基盤が構築されています。
2)対話の文化
かつての一方通行から、双方向のコミュニケーションを通じた「対話の文化」が醸成されてきました。「1.安全な場宣言から始める」「2.特に目的を定めない」「3.結論を求めない」「4.傾聴する」「5.人の発言を受けて発言する」「6.人の意見を否定しない」「7.間隔を置いて熟成させる」の7つの目安に沿って、会議やミーティングは必ず対話を交えて行われています。
3)働き方改革
働きやすい環境の実現のみならず、仕事の本質を「時間の提供」から「価値の創出」と考える企業文化の転換をめざしています。社員によるプロジェクト活動の結果、2008年3月期には月間11時間だった1人当たり残業時間は、2024年3月期では約5.3時間まで大幅に減少しました。
4)多様性の推進
2014年から「男女」「年代」「個人」の3つの多様性を掲げ、組織改革を推進しています。「男女」の多様性については、2014年3月期から女性活躍推進のプロジェクトをスタートし、「女性イキイキ指数」という独自のKPIを掲げて取り組みを進めた結果、2024年3月期では男性社員の育休取得率が6年連続で100%を達成し、さらに女性の上位職志向も58%まで向上しました。2022年3月期からは新たに「男性の産休取得」と「男女の性別役割分担の見直し」を目標に掲げ、より本質的な取り組みにも着手しています。

5)手挙げの文化
10年以上にわたり、社員が自ら手を挙げて参画する「手挙げの文化」づくりを進めてきました。手挙げの文化の目的は、社員一人ひとりの自主性を促し、自律的な組織をつくり、イノベーションを創出する企業になることです。「公認プロジェクト・イニシアティブ」「中期経営推進会議」など、幅広い手挙げの機会を設け、2024年3月期では自ら手を挙げて参画した社員の割合は約9割に達しました。

6)グループ会社間職種変更異動
社員の手挙げに基づいて、当社グループ内のさまざまな事業を跨ぐ「グループ会社間職種変更異動」を2013年から本格的に推進し、2024年3月期までに、全グループ社員の約85%が職種変更を経験しています。2016年実施のアンケートでは、約86%が「異動後に成長を実感した」と回答しており、個人の中の多様性とレジリエンス力が育まれています。今後は、共創投資先を中心に他企業への出向にも拡げ、より変化に強い人材の育成を進めます。

7)パフォーマンスとバリューの二軸評価
人事評価制度においては、業績に基づく評価だけでなく、バリューに関わる上司、同僚、部下からの360度評価を実施することで、「人の成長」という企業理念の実現をめざします。
8)Well-being
当社グループでは、一人ひとりがやりがいを持ってイキイキと仕事に取り組める活力のある組織をめざして、2016年からWell-beingに取り組んでいます。CWO(チーフウェルビーイングオフィサー)で取締役上席執行役員の小島玲子氏が中心となり、「幹部向けのレジリエンスプログラム」や社員の手挙げによる「Well-being推進プロジェクト」を通して、組織の中での一人ひとりのしあわせをめざしています。
<企業文化変革を通じた社員エンゲージメントの向上>
当社独自の取り組みを含む8つの施策を通じて、経営のOSである企業文化を新しいOSへと更新してきました。また、これらの施策の結果、社員のエンゲージメントが高まりました。当社が独自に計測しているエンゲージメント指標を2012年と2023年で比較すると、仕事での「期待」は46%から80%へ、職場での「尊重」は28%から64%へ、自分の「強みを活かす」は38%から51%へと、それぞれ大幅に改善しました。


(1)戦略
当社グループは、2019年に策定したビジョン2050で「インパクトと利益の二項対立を乗り越える」というビジョンを掲げています。企業文化の変革によって、このビジョンの実現に向けたイノベーションが創出できるようになりましたが、これらはまだ小さな「芽」にすぎません。インパクトと利益という「双葉」をつけたこれらの「芽」を増やし、成長させることで、大きな樹に育て上げ、たくさんの果実を実らせることで、「社会課題解決企業」へと進化していきます。

「利益追求」と「社会課題解決」の2つを両立するための高いハードルをクリアするためには、一人ひとりの「創造力」を全開にすることが不可欠であり、そのために「仕事を通じてフロー体験できる」組織づくりに取り組みます。
「フロー」は心理学者のチクセント・ミハイが提唱する概念で、人が能力と挑戦のレベルが釣り合っている時にしばしば体験する、「時を忘れ、我を忘れて」没頭する状態のことを指します。人はフローを体験することで、想像力をフルに発揮することができ、それによって高いハードルを乗り越え、成長することができます。また、フローはその体験自体が「しあわせ」をもたらします。「仕事を通じてフローを体験できる組織」を創ることで、めざす姿の実現と働く一人ひとりの幸せの両立をめざします。そのために「働き方と組織のイノベーション」と「DXの推進」の2つの取り組みを進めます。

■ 働き方と組織のイノベーション
働き方と組織のイノベーションでは、プロジェクト型の働き方と組織づくりを促進します。インパクトを実現したいという思いを持った社員が自ら手を挙げ、グループ会社の枠を超えて集まり、プロジェクト的に働くことでイノベーションを進めてきましたが、このような働き方はこれまで例外的でした。今後は、プロジェクト型を例外ではなく、当たり前の働き方として広げていきます。

ⅰ.公認イニシアティブの拡大
インパクトと利益を両立させ、さまざまなテーマを設定した「公認イニシアティブ」を前年から3チーム追加し、12チームに拡大します。各テーマについて自ら手を挙げて集まったメンバーが、社内外の枠を超えてプロジェクト的に活動することでイノベーションを創出します。

ⅱ.課長のいない組織
人と組織の管理を担う課長が、組織の長ではなく、チームのサポーターとして、上から横に回ることで、一人ひとりのメンバーが自立自走するフラットな組織を創り、チームとしての創造力を促します。

ⅲ.早期管理職登用
人事制度を改定し、「企業価値向上への貢献が期待できる人材」には、「人的資本投資」として早期昇進を後押しすることで、最短で29歳であった管理職への登用を26歳に早めています。若手の優秀な人材が早期に活躍できる舞台を用意することで、イノベーションの創出を加速します。

■ DXの推進
DXにおいて、現状とめざす姿のギャップを埋めるためには、デジタルの力を活かすことが欠かせません。デジタルのレバレッジとスピードを活用し、高速に仮説検証を繰り返すことが不可欠です。

ⅰ.Mutureによる専門人材の採用
2022年4月、UXデザインの先進企業であるグッドパッチ社との合弁会社Mutureを設立し、当社グループのブランドでは採用できなかった高度な専門人材の採用を開始しました。業界でも有数の人材が続々と参画しており、ライフスタイルアプリやOMEMIEの開発に貢献しています。
ⅱ.テック系組織の開発
Mutureを通じた専門人材の活躍で、プロダクトを開発することはできるようになりましたが、プロダクト開発を全社的に広げ、継続的に進化させるためには、関連する組織全体をアジャイルな組織へと変革しなければならないという課題に直面しています。当社はこれまで、いわゆる基幹系システムを得意としてきましたが、社会課題の解決に向け、これとは全く異なるテック系の組織開発を推進していきます。

ⅲ.CDXOの招聘
アジャイルな組織開発を推進するため、組織開発に関しても高度な知見を持ち、デジタルの専門家と経営者の両方の視点を持つ株式会社グッドパッチ社の土屋尚史氏を2023年6月より執行役員CDXO(チーフデジタルトランスフォーメーションオフィサー)に迎えました。
また、これまで人材投資としていた教育・研修費に加え、単年度の損益項目の中で中長期的に企業価値向上につながる項目として、研究開発費に含めていた新規事業に係る人件費や共創チームの人件費、さらにグループ会社間職種変更異動した社員の1年目の人件費などを「人的資本投資」として再定義しています。この再定義による2024年3月期の人的資本投資は93億円です。

(2)ガバナンス
経営戦略と人材戦略の連動を図るため、2022年4月から取締役会の諮問機関として、人材戦略委員会を新設しました。委員長にはCHRO(チーフヒューマンリソースオフィサー)で専務執行役員の石井友夫氏が就任し、委員には社外取締役の岡島悦子氏が就任しました。人材戦略委員会は戦略検討委員会と連携し、人材戦略を取締役会に提言する役割を果たします。
(3)リスク管理
当社グループの成長は、社員一人ひとりの成長や活躍により実現できると考えています。今後、人材獲得競争の激化や既存社員の流出、それにともなう将来の経営人材の不足等が顕在化した場合、事業の進化や継続性に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、すべての社員が自ら手を挙げてチャレンジできる風土をベースとした、将来の企業価値の源泉となる無形資産としての人的資本投資を重視しています。公募型の教育・研修プログラムはもとより、対話を通じてグループ経営にとって重要なテーマを考える「グループ公認プロジェクト」や一人ひとりが創造性を発揮し、価値を創出することを目的とした「グループ公認イニシアティブ」、経営に革新を起こせる人材を育成する「次世代経営者育成プログラム(共創経営塾:CMA)」の実施、さらにスタートアップ企業への出向など、計画的な人材投資により、さまざまな視点から、成長とやりがいを実感できる環境づくりを進めています
人材獲得に向けて、新卒採用においては長期インターンシップ等の新たな手法を積極的に活用することで、優秀な学生と早期に接点を設け、当社とのエンゲージメント向上につなげています。中途採用については、フィンテックやEC事業のさらなる拡大に向け、これまで社内育成を行ってきた基幹系システム人材に加え、UI/UXにスピーディに対応すべくWeb系システム人材の採用を推進しています。採用確保に向けては、丸井グループの独自のビジネスモデルや成長戦略を採用市場にて明示するとともに、2022年に立ち上げたUI/UXデザインの先進的企業であるグッドパッチ社との合弁会社Mutureを通じた、UI/UXデザインの専門性を持つ人材の採用を行っています。
(4)指標及び目標
更なる企業文化の変革に向け、自ら「社会実験企業」を宣言することで、「失敗を許容し、挑戦を奨励する」文化を育みます。そのために、行動KPIとして、チャレンジに向けた「打席数」や「試行回数」などを設けています。「たくさん実験して、早く失敗することで、成功のためのノウハウを蓄積する」fail fast,fail forwardを奨励し、イノベーションを創出し続ける企業をめざします。

当社グループの2017年3月期から2021年3月期までの5年間の人的資本投資は320億円です。一方で、同期間に創出された、アニメ事業や家賃保証、共創投資などの新たな事業による限界利益をリターンとみなすと、2017年3月期から2026年3月期までの10年間に生み出される限界利益は560億円です。投資採算、資本効率に関しては、IRRによるリターンを算出する測定モデルを用いており、2026年3月期までを投資回収期間とするとIRRは12.7%となり、株主資本コストを上回る見込みです。この測定モデルをもとに効果検証を継続しながら、企業価値向上につながる人的資本投資をさらに推進していきます。


また、人的資本投資のIRR12.7%は、店舗などを中心とした有形投資のハードルレートである10%を上回っています。したがいまして、今後は実効性を高めつつ人的資本投資を5年間で650億円以上に拡大することで、高効率な経営を実現します。

◇人的資本経営に関する指標


※「女性の上位職志向」の割合は、24年3月期の開示より算出対象を54歳までに変更(過年度も変更済み)
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
1.主要なリスク
(1)事業戦略上のリスク
(影響)
当社グループは小売とフィンテックを一体運営しており、首都圏を中心とした営業店舗および全国各地の営業拠点で事業を展開しています。景気変動、経済状況の変化、人口減少等、個人消費の低迷をもたらす市場の変化をはじめ、競合の発生、EC市場の拡大、シェアリングエコノミーの台頭等により、店舗の入店客数や取扱高が減少することが予想されます。また、キャッシュレス化の推進にともなう決済手段の多様化などテクノロジーの進化や消費者行動の変化等によりクレジットカードの市場シェアが縮小することが予想されます。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの財務状況および業績が影響を受ける可能性があります。
店舗運営においてはSC・定借化を進め安定的な収益構造を築いてきましたが、コロナ禍を契機とした不動産市況の悪化により、テナントの撤退による空室率の上昇や賃料収入の減少が発生する可能性があります。また、地価の変動による減損損失計上や関連税制の改正による税負担の増加等、売上収益や利益、財務状況が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループの総資産のうち大きな構成を占めるカードの営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)については、遅延債権の発生状況や過去の貸倒実績率等に基づき貸倒引当金を計上していますが、経済状況の悪化や関連法律の変更等により支払遅延や未回収債権が増加する恐れがあり、貸倒損失や引当金の急激な増加等により、当社グループの財務状況および業績が影響を受ける可能性があります。カードキャッシング利息の返還に対しては、これまでの返還実績をもとに将来の返還額を予測し利息返還損失引当金を計上していますが、引当額が将来の返還請求額に対して不十分である場合には追加費用が発生する可能性があります。
(対応策)
小売は新型コロナ発生前から取り組んできた百貨店業態の転換をさらに進めていきます。マルイ・モディ店舗では、SC・定借化や飲食・サービス関連の拡大に取り組むとともに、社会においてデジタル技術が展開期に移行していることを踏まえ、店舗をオンラインとオフラインの融合のプラットフォーム「売らない店」と位置づけ、オフラインに出店するオンライン発の企業をサポートしていきます。さらに、一人ひとりの好きを応援するさまざまなイベントを継続的に開催する「イベントフルな店」に取り組み、フィンテックと連動した成長をさらに推進し、収益の拡大を図っていきます。
フィンテックではキャッシュレス化の推進を大きな機会としてとらえ、エポスカードのゴールド・プラチナ会員の拡大や家賃保証事業をはじめとする家計シェア最大化戦略によるメインカード化を推進することで、決済手段の多様化に対応しています。また、収入や世代を問わず、すべての人が必要な時に必要なサービスを受けることができるファイナンシャル・インクルージョンの実現をめざし、創業から培ってきた与信ノウハウに基づいたビッグデータを活用し初期与信を行うとともに、「信用はお客さまと共につくるもの」という考えのもと途上与信を行っています。ご利用頻度・ご利用額、ご入金実績に基づきご利用限度額を拡大することにより低水準の貸倒率を実現しています。
(影響)
当社グループでは、無形資産への投資を加速している中で、社外からのイノベーション導入を目的に「共創投資」を推進しています。共創投資と新規事業投資を合わせて「未来投資」とし、「小売」「フィンテック」との三位一体のビジネスモデルにより、個々の事業の総和を超えた価値の創出をめざします。
共創投資の実行には、対象企業の財務内容や契約関係等の確認、経営陣との面談を通して詳細な事前審査を行い、十分なリスク検討をしていますが、対象企業における偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前の調査によっても把握できなかった問題が生じた場合や、投資先の今後の事業成績や事業方針の変更、国際紛争や金融危機などによる株式市場の冷え込みなどによっては、期待する成果を得られないことや減損損失計上等の可能性があります。また、当社グループが保有する上場株式については、株式市場の動向により価格変動の影響を受ける可能性があります。
(対応策)
共創投資先の選定時は、投資先より入手した事業計画をもとに当社独自の計画を作成し、ファイナンシャルリターンだけではなく、当社グループとの協業によって発生する協業リターンも含めた収益性を確認したうえで投資判断を行っています。何より「共創投資」においては、当社グループのクレジットカード事業、小売事業、またそれに係る人材等のリソースを、投資先企業のノウハウやスキル等の無形資産と掛け合わせることによって「共創」を実現し、事業計画の達成や企業としての成長に大きく貢献することで投資リスクの低減とリターンの向上に貢献できるものと考えています。
企業価値向上に向けて、戦略上重要な協業および取引関係の維持発展が認められる場合を除き、原則として政策保有株式を保有しない方針です。2016年2月開催の取締役会において、当社が株式を保有する企業とは、すでに一定の取引関係が構築されていることを確認し、資産効率や株価変動リスクの観点から段階的に保有金額を削減することとしました。
また、投資判断をする際には、反社会的勢力調査等の外部機関の評価を参照するとともに、起業家の社会課題解決に向けた想いや人間性、当社グループの方針やビジョンとの重なり合い等についてのデューデリジェンスを実施しています。さらに、投資後の事業成長の過程においては、サステナビリティの観点でも株主として定期的なモニタリングを行っています。
(2)自然災害・感染症等に関するリスク
(影響)
当社グループは首都圏を中心とした営業店舗および全国各地の営業拠点で事業を展開しています。各営業拠点のある地域において大規模な地震・風水害などの自然災害、テロ行為等が発生した場合、社会インフラ等の寸断により事業活動の停止を余儀なくされ、当社グループの財務状況および業績が影響を受ける可能性があります。
(対応策)
当社グループでは、社員の安否確認システムの導入、災害対策マニュアルの策定、建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む。)、火災・防災・水防訓練、必要物資の備蓄などの対策を講じ、各種災害・事故に備えています。震災等発生時には、グループ震災対策本部を設置し、当社グループ各社が連携して事業継続が可能な体制を整えています。
(影響)
台風・豪雨等の水害発生による店舗の被害および炭素税の導入等による費用の増加等、当社グループの財務状況および業績が影響を受ける可能性があります。
(対応策)
当社グループは気候変動によるリスクへの適切な対応および成長機会の取り込みが重要であると考えています。気候変動への取り組みとTCFDへの対応の詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 1.会社の考えるサステナビリティ Ⅱ.気候変動への取り組みとTCFDへの対応」において記載しています。
(影響)
当社グループは首都圏を中心とした営業店舗および全国各地の営業拠点で事業を展開しています。各営業拠点のある地域において感染症が流行した場合や、感染拡大防止策として外出自粛等の措置がとられた場合、店舗の営業休止等、営業活動の制約により、当社グループの財務状況および業績が影響を受ける可能性があります。また、社員の感染者拡大により事業継続が困難になる可能性があります。
(対応策)
感染症の拡大リスクに対応するため、オフィスでの勤務を主としている社員については可能な限りテレワークを活用し、コールセンターや物流センターなど出社が不可欠な部門においては、交替制での運営や事務所の分散化、飛沫感染防止の徹底等の対応ができる体制を整えています。また、各営業拠点において、アルコール消毒液の設置やマスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保等、状況に応じてお客さま・社員の感染予防対策を行っています。
(3)企業運営に関するリスク
(影響)
当社グループでは、ショッピングクレジットの取扱高の伸長や家賃保証をはじめとしたサービス事業の拡大など、フィンテックの成長が見込まれる中で、営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)の増加により、資金需要が拡大していくと予想しています。したがって、これまでに調達した資金の返済・償還への対応に加えて新たな資金が必要となるため、今後徐々に調達額が拡大し、資金調達に関するリスクが高まると考えています。
金融市場に混乱が発生した際には資金調達に制約を受ける可能性があります。また、当社グループの業績が著しく悪化したり信用力が急激に低下した場合には、金融機関からの借入が困難となり社債発行にも支障をきたすなどの状況が想定されます。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの資金繰りに重大な影響が生じる可能性があります。
また、調達金利は市場環境その他の要因により変動するため、その動向によっては調達コストが大きく上昇する可能性があり、当社グループの財務状況および業績が影響を受ける可能性があります。
(対応策)
当社グループは、負債増加によるリスクを抑制するため、有利子負債は営業債権の9割程度を維持することとしています。
営業活動に必要な資金の調達は、金融機関からの借入などの間接調達、社債やコマーシャル・ペーパーの発行などの直接調達のほか、営業債権の流動化にも取り組み、調達手段の多様化を進めるとともに各調達メニューのバランスを図っています。
毎年の返済・償還額は、その借換時のリスクに対応するため調達年限をコントロールすることにより平準化を図り、その金額に対しては金融機関とのコミットメントライン契約の締結や当座貸越枠の設定などにより流動性を確保し、資金調達の制約を受けた場合においても確実に調達ができる体制を整えています。
また、調達資金の金利については、固定金利の構成を一定割合に保つことにより、市場金利の変動による調達コストの急激な増加を抑制します。
(影響)
i. システム関連
当社グループでは、コンピューターシステムおよび通信ネットワークを多岐にわたり使用しており、ハードウェアやソフトウェアの欠陥等によるシステムエラーやネットワーク障害、外部からの不正アクセス等によるシステム遅延・サービス停止やウェブサイトの改ざん等が引き起こされた場合、当社グループの財務状況および業績が影響を受ける可能性があります。
ⅱ. 個人情報関連
当社グループでは、エポスカードの会員情報をはじめとする多数のお客さまやステークホルダーの皆さまの個人情報を保有しており、万一、顧客情報の漏洩や不正利用等の事態が生じた場合においては、当社グループの社会的な信用の失墜や損害賠償責任が発生するリスクが考えられ、その際は当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
(対応策)
i. システム関連
当社グループでは、コンピューターシステムの冗長化や、システムの定期的なリプレイス、修正プログラムの適用、コンピューターウイルスや不正侵入の防御など、安定的に稼働できるよう対策を講じるとともに、外部コンサルティングによるリスクアセスメントや定期的な脆弱性検査の実施など、より一層の情報セキュリティ強化に向け取り組んでいます。また、クラウドサービスなど他社のサービス活用時には、事前のセキュリティチェックを実施するなど、安全性を確認しています。
ⅱ. 個人情報関連
当社グループが保有するお客さま情報をはじめとした情報資産を、不正アクセスやサイバー攻撃などのさまざまな脅威から保護し、グループ全体の情報セキュリティを強化していくことが、経営上の最重要課題と認識し、「グループ情報セキュリティ方針」を定めるとともに、「グループプライバシーポリシー」を設定し、お預かりしたすべての個人情報の適切な管理・保護に努めています。
具体的には、個人情報保護法をはじめとした法令や関連する指針・規範等に基づいて、個人情報に関する安全管理措置を講ずるとともに、特に多数の個人情報を取扱う当社グループ各社においては「プライバシーマーク」の取得を行い、適切な個人情報の取扱いを実践しています。
(影響)
当社グループの成長は、社員一人ひとりの成長や活躍により実現できると考えています。今後、人材獲得競争の激化や既存社員の流出、それにともなう将来の経営人材の不足等が顕在化した場合、事業の進化や継続性に影響を及ぼす可能性があります。
(対応策)
当社グループは、すべての社員が自ら手を挙げてチャレンジできる風土をベースとした、将来の企業価値の源泉となる無形資産としての人的資本投資を重視しています。公募型の教育・研修プログラムはもとより、対話を通じてグループ経営にとって重要なテーマを考える「グループ公認プロジェクト」や一人ひとりが創造性を発揮し、価値を創出することを目的とした「グループ公認イニシアティブ」、経営に革新を起こせる人材を育成する「次世代経営者育成プログラム(共創経営塾:CMA)」の実施、さらにスタートアップ企業への出向など、計画的な人材投資により、さまざまな視点から、成長とやりがいを実感できる環境づくりを進めています。
人材獲得に向けて、新卒採用においては長期インターンシップ等の新たな手法を積極的に活用することで、優秀な学生と早期に接点を設け、当社とのエンゲージメント向上につなげています。中途採用については、フィンテックやEC事業のさらなる拡大に向け、これまで社内育成を行ってきた基幹系システム人材に加え、UI/UXにスピーディに対応すべくWeb系システム人材の採用を推進しています。採用確保に向けては、丸井グループの独自のビジネスモデルや成長戦略を採用市場にて明示するとともに、2022年に立ち上げたUI/UXデザインの先進的企業であるグッドパッチ社との合弁会社Mutureを通じた、UI/UXデザインの専門性を持つ人材の採用を行っています。
2.リスク管理体制
当社グループは経営上の高リスク分野を管理するために、広報IR委員会、内部統制委員会、ESG委員会、情報セキュリティ委員会、安全管理委員会、インサイダー取引防止委員会の6委員会を設置し、スピーディな業務の改善と事故の未然防止を図るとともに、各委員会の統括機能として代表取締役を議長とするコンプライアンス推進会議を設置しています。
これらの各委員会の設置・開催のほか、執行役員が参加する定期的なミーティングの開催などを通じて密に連携をとり、リスク情報を共有し、スピーディな意思決定と対応策を実施することで、リスク管理の実効性を高めています。
また、情報資産のセキュリティを確保するための体制・対応方針を含めた「丸井グループ情報セキュリティ方針」、税法の順守、税務リスクの最小化に向けた取り組みなどを明記した「丸井グループ税務方針」、および権力や立場を利用した不正や非倫理的な行為などのあらゆる腐敗行為のない誠実な企業活動を実行していくための「丸井グループ腐敗行為防止方針」を制定しています。規範・各種方針は実効性を年1回検証するとともに、研修等を通じてグループ社員へ周知を図っています。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
(連結業績)
・EPSは130.7円(前年比+20%、前年差+21.3円)、利益増加により前年を上回り、過去最高となりました。ROEは9.9%(前年差+1.4%)と株主資本コスト(7.8%)を上回り、ROICは3.6%(前年差+0.1%)と資本コスト(WACC 3.5%)を上回りました。

※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。
・グループ総取扱高は4兆4,872億円(前年比+13%、前年差+5,299億円)、フィンテックのカードクレジット取扱高が全体をけん引したことにより、初めて4兆円を上回り過去最高となりました。
・売上収益は2,352億円(前年比+8%)、営業利益は410億円(前年比+6%)、当期利益は247億円(前年比+15%)と3期連続の増収増益となりました。
※「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において、億円単位で記載している金額は億円未満を四捨五入しています。

※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。
営業利益増減の内訳
・債権流動化による債権譲渡益(74億円)が前年に比べ10億円増加し、償却額・費用等(73億円)が13億円増加したため、営業利益は3億円減少しました。
・上記の債権流動化影響を除いた実質的な営業利益は26億円の増益(小売+33億円、フィンテック+2億円)となりました。
□ 営業利益増減の内訳

(セグメント別の状況)
・小売セグメントの営業利益は前年を33億円上回る70億円(前年比+93%)、ROICは2.6%(前年差+1.2%)となりました。
・フィンテックセグメントの営業利益は前年を1億円下回る424億円(前年比△0%)、ROICは4.9%(前年差△0.1%)となりました。
□ セグメント別の売上収益・営業利益

※ 企業会計基準第29号(収益認識に関する会計基準)等適用後の数値を記載しています。
<小売セグメント>
・新型コロナウイルス感染症の5類移行などにともない社会経済活動が正常化に向かうなか、マルイ・モディ店舗において客数が前年を上回ったことや購買単価が上昇したことから取扱高が増加しました。また、自主PB売場の撤退によって一時的に増加していた店舗の未稼働区画の面積は、新規テナントの導入が進んだことにより大きく減少しました。新たなテナントの導入が進んだことによる施設のバリューアップが収益増加につながり、営業利益は3期連続の増益となりました。
・リアル店舗ならではの価値創出をめざし、「売ること」を目的としない体験型テナントやスクール、飲食・サービスなどの導入を進めています。その結果、非物販テナントの面積構成は61%(前年差+5%)となり、カテゴリー転換が着実に進みました。
□ 非物販テナント構成の推移

・お客さまがいつご来店されても楽しんでいただける店舗をめざし、イベントフルな店づくりを進めています。中でも、2022年からスタートしたマルイの出店サービス「OMEMIE(おめみえ)」は、全国のマルイ・モディの出店スペースの検索から契約までをオンラインで完結することができるサービスで、D2Cブランドや個人事業主の方などに幅広くご活用いただいており、これまでマルイに出店したことのないテナントの導入につながっています。その結果、新たなテナントが提供するサービスの体験会やワークショップなど、イベントのバリエーションが広がっています。
・ECについては、店舗と連動したイベント型のECの拡大に加え、Web系の専門人材を拡充しECサイトのUI/UX改善に取り組みました。その結果、ECサイトの取扱高が9四半期連続で前年を上回り、EC取扱高は230億円(前年比+12%)となりました。
□ EC取扱高前年比

<フィンテックセグメント>
・当期の営業利益は減益となりましたが、上半期の一時的な費用増加の要因となったポイント費用やクレジット取扱手数料などへの対応策が功を奏したことなどにより、下半期の債権流動化影響を除く営業利益は15億円の増益となりました。
□ フィンテックセグメント 営業利益増減の内訳

・コロナ禍の収束などによる社会経済活動の活性化により、トラベル&エンターテインメントが高伸長したことに加え、戦略的に進めている「家計シェア最大化」の取り組みにより家賃払いやECでのご利用、公共料金などの定期払いが伸長したことで、第4四半期のカードクレジット取扱高は1兆495億円(前年比+12%)、累計では4兆1,172億円(前年比+14%)と過去最高となりました。
□ カードクレジット取引扱高の内訳

・分割・リボ取扱高は3,925億円(前年比+15%)と拡大し、流動化債権を含む分割・リボ払い残高は過去最高の4,365億円(前年比+9%)となりました。
□ 分割・リボ払い残高推移(流動化債権を含む)

・エポスカードの新規会員数は、ネット入会が伸長したことにより81万人(前年差+7万人)となりました。期末会員数は過去最高の759万人(前年差+27万人)となりました。
・これまで事業の成長をけん引してきたゴールドカードに加えて、アニメを代表とする一人ひとりの「好き」を応援するカードの取り組みを強化しています。「好き」を応援するカードは、一般カードに比べて若者の保有比率が高く、LTV(生涯利益)が2~7倍高いカードとなっています。アニメ・ゲームやエンターテインメントとコラボレーションしたカードは、熱量の高いファンが多く、SNSなどを通じて認知が広まりやすい特性もあり、ネット入会との親和性が高いことが特徴です。この「好き」を応援するカードは、フィンテックだけでなく、小売や共創投資に携わる社員からも提案が生まれており、数多くの企画が誕生しています。店舗では「好き」を応援するカードと連動したイベントなど、リアルでの体験の場を提供したり、ECではコラボグッズを開発・販売するなど、カード・店舗・ECを持つ当社ならではの取り組みを行うことで、独自の体験価値を提供しています。今後もグループ一体となって取り組みを強化することで、ロイヤリティの高い会員を拡大し、取扱高や新規入会数のさらなる成長につなげていきます。「好き」を応援するカードの新規会員は35万人(前年差+7万人)となり、新規会員数に占める構成は43%(前年差+6%)まで拡大しました。
□ 新規入会の状況

□ カード会員数の推移

(LTVの安定性を表す指標)
当社グループの収益構造はこれまでのビジネスモデルの転換にともない、店舗の不動産賃貸収入やカード手数料をはじめとする「リカーリングレベニュー(継続的収入)」が拡大し、売上・利益に占める構成が大きくなりました。お客さま・お取引先さまとの契約に基づく継続的収入であるリカーリングレベニューからは、翌期以降の将来収益を「成約済み繰延収益」としてとらえることが可能であり、収益の安定性を測る指標として使用できます。これらは、LTVを重視した当社グループの長期視点の経営において重要な要素であると考えています。
・当期のリカーリングレベニュー(売上総利益ベース)は1,409億円(前年比+7%)となり、売上総利益に占める割合は67.0%(前年差±0%)となりました。
・当期末の成約済み繰延収益は3,795億円(前年比+6%)となり、当期の売上総利益の約1.8倍の将来収益が見込まれています。なお、成約済み繰延収益の算出は、不動産賃貸収入は契約残年数、分割・リボ手数料やカードキャッシング利息は返済期間、加盟店手数料(リカーリング分)はカード有効期間、家賃保証は保証期間をもとに行っています。
□ LTV経営の指標

(注)売上総利益ベースのリカーリングレベニュー、およびその構成を算出する際の売上総利益には、販管費戻り(お取引先さまから継続的にいただく経費)を含めています。
(財政状態)
・営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)は、カードクレジット取扱高の拡大により5,902億円(前年差+84億円)となりました。総資産は1兆35億円(前年差+416億円)となりました。
・有利子負債(リース債務を除く)は5,944億円(前年差+113億円)となりました。
・自己資本は2,533億円(前年差+71億円)となり、自己資本比率は25.2%(前年差△0.4%)となりました。
□ バランスシートの状況

(キャッシュ・フローの状況)
・営業キャッシュ・フローは、380億円の収入(前期は167億円の収入)となりました。営業キャッシュ・フローから営業債権等の増減を除いた基礎営業キャッシュ・フローは、法人税等の支払額の増加などにより、前期より2億円減少し、391億円の収入となりました。
・投資キャッシュ・フローは、有形および無形固定資産の取得148億円、投資有価証券の取得36億円などにより183億円の支出(前期は224億円の支出)となりました。
・財務キャッシュ・フローは、有利子負債の増加による111億円の収入や自己株式の取得による支出34億円、配当金の支払152億円などにより79億円の支出(前期は183億円の収入)となりました。
□ キャッシュ・フローの状況

(注) 当社グループでは営業キャッシュ・フローから営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)等の増減を控除した「基礎営業キャッシュ・フロー」を収益性・健全性の指標としています。
(生産、受注及び販売の状況)
① 生産の状況
連結財務諸表提出会社および関係会社において、該当事項はありません。
② 受注の状況
小売およびフィンテックの一部において受注による営業を行っており、当連結会計年度の受注額は11,302百万円(前年同期比139.3%)、当連結会計年度末の受注残高は4,561百万円(同203.6%)です。
③ 販売の状況
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 上記の金額は、外部顧客に対する売上収益を示しています。
2 小売の販売実績は、2016年3月期より「消化仕入売上高」、2021年3月期より「受託販売売上高」の利益相当額を売上収益に計上する方法に変更しています。従来基準(2015年3月期以前)での売上収益に付随する販売実績(取扱高)は、298,331百万円(前年比109.4%)です。
④ 仕入の状況
当連結会計年度における商品仕入実績は次のとおりです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いていますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
② 経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの状況の分析
「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しています。
資本の財源および資金の流動性については「3 事業等のリスク」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 金融商品関係」に記載しています。
■ 非財務情報と財務情報のコネクティビティ
当社グループは、企業価値向上のため、ステークホルダーとの建設的な対話に資すると考えられる有益な情報については、財務情報・非財務情報にかかわらず、積極的に開示を行うことをポリシーとしています。有価証券報告書においては、リカーリングレベニュー(継続的収入)といった当社グループが経営上重要と考えているLTV(生涯利益)に関する指標やサステナビリティなどの非財務情報を開示しています。
これらの非財務情報は、当社グループの企業価値の向上や毀損等をステークホルダーが評価するために有益な情報であり、非財務情報の基礎となるデータおよび仮定は連結財務諸表をはじめとした財務情報の作成において、関連する会計上の見積り等に影響を及ぼすため、当社グループは上記の情報間のコネクティビティを重視しています。
具体的には、非財務情報の基礎データおよび仮定については、関連する財務情報の基礎データおよび仮定と同一のものを用いることで、非財務情報と監査証明の対象である財務情報のコネクティビティを確保しています。
5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
該当事項はありません。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資は、店舗の売場改装やシステム投資など総額15,520百万円を実施しました。
なお、セグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 上記の金額には、有形固定資産のほか、無形固定資産を含んでいます。
2 【主要な設備の状況】
主要な設備は、次のとおりです。
(1) 提出会社
2024年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額の内「その他」には、有形固定資産のほか、無形固定資産を含んでいます。
2 従業員数は就業人員であり、従業員数欄の[外書]は、臨時従業員の期中平均雇用者数(月間所定労働時間を基準に算出)です。
(2) 国内子会社
2024年3月31日現在
(注) 1 帳簿価額の内「その他」には、有形固定資産のほか、無形固定資産および差入保証金を含んでいます。
2 従業員数は就業人員であり、従業員数欄の[外書]は、臨時従業員の期中平均雇用者数(月間所定労働時間を基準に算出)です。
3 上記の店舗等のうち、連結会社以外からの建物の賃借面積は377,521㎡です。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
当連結会計年度末現在における設備計画の主なものは次のとおりです。
(注) 設備計画のうち取得完了もしくは完成したものは、順次固定資産勘定への振替を行っています。
(2) 重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注)2021年11月30日に自己株式15,000千株を消却したため、発行済株式総数残高は減少しています。
(5) 【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 自己株式20,040,231株は、「個人その他」に200,402単元、「単元未満株式の状況」に31株含まれています。
2 上記「金融機関」には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する株式が、7,665単元含まれています。
(6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 当社は自己株式20,040千株を保有していますが、上記大株主からは除外しています。なお、当該自己株式には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式は含めていません。
2 野村證券(株)およびその共同保有者から2021年5月11日付けで公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)により、2021年4月30日現在で以下のとおり、株式を保有している旨の報告を受けましたが、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主の状況は株主名簿によっています。
3 みずほ証券(株)およびその共同保有者から2021年10月22日付けで公衆の縦覧に供されている大量保有報告書により、2021年10月15日現在で以下のとおり、株式を保有している旨の報告を受けましたが、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主の状況は株主名簿によっています。
4 (株)三菱UFJ銀行およびその共同保有者から2023年10月16日付けで公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)により、2023年10月9日現在で以下のとおり、株式を保有している旨の報告を受けましたが、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主の状況は株主名簿によっています。
5 三井住友トラスト・アセットマネジメント(株)およびその共同保有者から2024年2月6日付けで公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)により、2024年1月31日現在で以下のとおり、株式を保有している旨の報告を受けましたが、当社として当事業年度末時点における実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主の状況は株主名簿によっています。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注) 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式766,500株(議決権7,665個)を含めています。
② 【自己株式等】
2024年3月31日現在
(注) 役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式766,500株は、上記自己株式に含めていません。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
(役員報酬BIP信託制度)
1 制度の概要
当社および当社のグループ子会社等14社(株式会社丸井、株式会社エポスカード等。以下「対象子会社」という。)は、当社の取締役および執行役員(社外取締役および国内非居住者を除く。)並びに対象子会社の取締役(社外取締役および国内非居住者を除く。当社の取締役および執行役員とあわせて、以下「対象取締役等」という。)を対象に、当社グループの中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、2017年3月期よりインセンティブプラン「役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)」を導入しています。
本制度における信託契約の内容は以下のとおりです。
(BIP信託契約の内容)
(注)1 本制度について、当社の共創サステナビリティ経営を推進することを目的に、信託期間を延長して継続することを、2024年5月14日開催の取締役会で決議しました。上記の信託期間および株式の取得時期以外の変更内容については、4 コーポレート・ガバナンスの状況等(4)役員の報酬等 に記載しています。
2 本信託の延長後の信託期間の満了時において、信託契約の変更および追加信託を行うことにより、本信託
を継続することがあります。
2 対象取締役等に取得させる予定の株式の総数
上限400,000株
3 当該役員株式所有制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
対象取締役等のうち受益者要件を充足する者
(株式付与ESOP信託制度)
1 制度の概要
当社は、当社グループ経営幹部社員(以下「経営幹部社員」という。)を対象に、これまで以上に当社の中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、2017年3月期よりインセンティブプラン「株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下「ESOP信託」という。)」を導入しています。
本制度の導入により、経営幹部社員は当社株式の株価上昇による経済的な利益を収受することができるため、株価を意識した経営幹部社員の業務遂行を促すとともに、経営幹部社員の勤労意欲を高める効果が期待できます。また、ESOP信託の信託財産に属する当社株式に係る議決権行使は、受益者候補である経営幹部社員の意思が反映される仕組みです。
本制度における信託契約の内容は以下のとおりです。
(ESOP信託契約の内容)
(注)1 本制度について、当社の共創サステナビリティ経営を推進することを目的に、信託期間を延長して継続することを、2024年5月14日開催の取締役会で決議しました。
2 本信託の延長後の信託期間の満了時において、信託契約の変更および追加信託を行うことにより、本信託
を継続することがあります。
2 経営幹部社員に取得させる予定の株式の総数
上限250,000株
3 当該従業員株式所有制度による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
経営幹部社員のうち受益者要件を充足する者
2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】会社法第155条第3号に該当する普通株式の取得、会社法第155条第7号に該当する普通株
式の取得及び会社法第155条第13号に該当する普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの取得による株式は含まれていません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 1 当事業年度における取得自己株式は、単元未満株式の買取り1,047株および譲渡制限付株式付制度に関する
株式の無償取得20,590株によるものです。
2 当期間における取得自己株式は、単元未満株式の買取り87株および譲渡制限付株式付制度に関する株式の
無償取得8,318株によるものです。
3 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの取得による
株式は含まれていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における保有自己株式数には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの取得および単元未満株式の売渡による株式は含まれていません。
2 当事業年度における保有自己株式数には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式766,567株は含めていません。
3 当期間における保有自己株式数には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式766,567株は含めていません。
3 【配当政策】
当社グループでは、これまで事業構造の転換に合わせ資本最適化を推進してきました。はじめに、フィンテック中心の事業構造への転換に合わせ、フィンテックセグメントの自己資本比率を業界平均並みの10%程度まで引き下げる方針のもと約1,000億円の自己株式の取得を行い、2021年3月期までにこれを実現しました。次に2026年3月期を最終年度とする5ヵ年の現中期経営計画において、小売セグメントの余剰資本を解消するため、2023年3月期までに500億円の自己株式の取得を行いました。これにより、資本構成が最適化され、めざすべきバランスシートにおいて目標としていた自己資本比率25%程度を達成したことから、2024年3月期より資本政策を変更し、株主資本配当率(DOE)を新たな指標としています。
株主資本配当率(DOE)は、8%程度を目安とし、配当については高成長と高還元の両立を図ります。
上記の方針に基づき、当期の期末配当金については、1株当たり51円とし、中間配当金50円と合わせた年間配当金は前期に比べ42円増配の101円とすることを決定しました。
なお、当社は中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行う方針であり、定款に「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定めています。期末配当の決定機関は株主総会です。
当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」という経営理念に基づき、社員一人ひとりの「お客さまのお役に立ちたい」という想いを支援し、人の成長が企業の成長につながる好循環を生み出すことにより、中長期的な企業価値の向上に取り組んでいます。そのために、コーポレートガバナンスの強化を経営の最重要課題の1つとして位置づけ、健全で透明性が高く、収益力のある効率的な経営を推進することを目的として、2015年11月6日開催の当社取締役会において、「丸井グループ コーポレートガバナンス・ガイドライン」(以下、「本ガイドライン」といいます。)を策定し、継続的に本ガイドラインの内容を精査し、進化させていくことでコーポレートガバナンスの充実に努めています。
本ガイドラインの詳細については、当社ホームページに掲載の「丸井グループ コーポレートガバナンス・ガイドライン」をご参照ください。(https://www.0101maruigroup.co.jp/ci/governance/)
② 企業統治の体制の概要および当該体制を採用する理由
・当社は6名の取締役により構成される取締役会と4名の監査役により構成される監査役会からなる監査役会設置会社としています。
・6名の取締役のうち3名は社外取締役であり、独立社外取締役を中心とした議論を活性化し取締役会の監督機能強化を図る体制としています。また、任期を1年とし執行の透明性と経営責任の明確化を図っています。取締役会は原則として年10回開催され、充実した審議と取締役の職務執行に関する監督が実行されています。
・4名の監査役のうち2名は社外監査役となっています。
・当社グループ決裁規程により、当社グループの取締役および執行役員としての職務権限を明確にするとともに、効率的かつ迅速に職務を執行しています。
・取締役会が選任した執行役員で構成する経営会議を設置し、当社グループ決裁規程に定められた範囲内で業務執行に関する重要な意思決定を行うことで、経営判断の迅速化を図っています。
・取締役会の諮問機関として、以下のとおり4委員会を設置しています。
ⅰ)取締役・役付執行役員の指名および取締役・執行役員の報酬の決定に係る透明性と客観性を高めることを目的とした、指名・報酬委員会(委員3名以上、そのうち社外取締役2名以上で構成)
ⅱ)共創サステナビリティ経営を推進することを目的とした、サステナビリティ委員会
ⅲ)企業価値の持続的な向上に向け、グループ全体および各事業の戦略課題について検討・提言することを目的とした、戦略検討委員会
ⅳ)企業価値の持続的な向上に向け、グループ全体の人材戦略課題について検討・提言することを目的とした、人材戦略委員会
・広報IR委員会、内部統制委員会、ESG委員会、情報セキュリティ委員会、安全管理委員会、インサイダー取引防止委員会により、経営上の高リスク分野の管理水準の向上を図るとともに、各委員会の統括機能として、代表取締役を長とするコンプライアンス推進会議を設置し、当社グループ全体のリスク管理を行っています。
・機関ごとの構成員は次のとおりです。(◎は議長、委員長、リーダーを表す。)
・当社の業務執行・経営の監視の仕組み、内部統制システムとリスク管理体制の整備の状況の模式図は次のとおりです。

③ 企業統治に関するその他の事項
(内部統制システムおよびリスク管理体制の整備状況)
・当社グループは、グループ経営という視点で内部統制システムの整備を進め、健全で透明性が高い、効率的な経営を推進しています。
・「グループ行動規範」の周知徹底を図り、当社グループとして高い倫理観に基づく健全な企業活動を推進しています。
・当社グループ全体で法令およびグループ内規程の順守を徹底するため、各種マニュアルの整備を行い、教育を推進しています。
・情報資産のセキュリティを確保するための体制、対応方針を含めた「丸井グループ情報セキュリティ方針」、税法の順守、税務リスクの最小化に向けた取り組みなどを明記した「丸井グループ税務方針」、および権力や立場を利用した不正や非倫理的な行為などのあらゆる腐敗行為のない誠実な企業活動を実行していくための「丸井グループ腐敗行為防止方針」を制定し、当社グループのリスク管理を行っています。
・内部統制の推進を総務部と監査部が連携して行い、グループ各社の業務内容、想定されるリスクとその対応策の文書化・モニタリングなどを通じて、経営上のリスクの最小化を推進しています。
・社外の弁護士にも直接通報できる丸井グループホットライン(内部通報制度)を設け、問題発生の未然防止と早期発見を図っています。
・社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力などからの不当な要求には一切応じることなく、関係遮断を行うとともに、警察・弁護士などの外部専門機関との連携を強化し、反社会的勢力排除のための体制整備を進めています。
(子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況)
当社グループ決裁規程により、子会社における重要な決議事項の当社への報告体制を定め、純粋持株会社として、子会社の適正な事業執行を統治しています。
(D&O保険の概要)
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険(以下「D&O保険」という。)契約を保険会社との間で締結しており、これにより取締役・監査役等が業務に起因して損害賠償責任を負った場合における損害(ただし、保険契約上で定められた免責事項に該当するものを除く。)等を補填することとしています。ただし、被保険者の職務の遂行が損なわれないようにするために免責金額を定めており、当該免責額にいたらない損額については補填の対象外としています。なお、D&O保険の保険料は、全額を当社が負担しています。また、当社は、当該保険契約を任期途中に同様の内容で更新することを予定しています。
(責任限定契約の概要)
当社は、社外取締役および社外監査役との間で、会社法第427条第1項の規定により、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく責任の限度額は、1,000万円以上であらかじめ定めた金額または法令の定める金額のいずれか高い額としています。
(取締役の定数)
当社は、取締役を15名以内、監査役を5名以内とする旨を定款に定めています。
(取締役の選任の決議要件)
当社は、取締役の選任決議については、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨および、取締役の選任決議は累積投票によらない旨を定款に定めています。
(取締役会で決議できる株主総会決議事項)
a.自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めています。これは、機動的な資本政策の遂行を可能とすることを目的とするものです。
b.中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、毎年9月30日を基準日として、取締役会の決議によって、株主又は登録株式質権者に対し、中間配当金として剰余金の配当を行うことができる旨を定款に定めています。これは、株主への機動的な利益還元を可能とすることを目的とするものです。
(株主総会の特別決議要件)
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、株主総会の円滑な運営を行うため議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めています。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
④ 取締役会および4諮問委員会の活動状況
当社は、取締役会に報告・提言を行う諮問委員会を設置しています。取締役会および4諮問委員会の活動状況は、次のとおりです。
(具体的な検討内容)
1.取締役会
取締役会における具体的な検討内容として、決裁規程に基づく重要事項の審議のみならず、小売・フィンテック等主要事業の状況確認や各諮問員会の報告に加え、「次世代経営者育成」「人的資本経営」「サクセッションプラン」「役員報酬制度」といった特定の経営課題をテーマとして取り上げ、活発な議論を行いました。
2.指名・報酬委員会
指名・報酬委員会における具体的な検討内容として、株式報酬制度の検討、および格付・報酬などの決定を行いました。
3.サステナビリティ委員会
サステナビリティ委員会における具体的な検討内容として、2026年3月を最終年度とした中期経営計画の策定に際して、サステナビリティとウェルビーイングに関わる目標を定めた「インパクト」の課題整理や、「企業理念の実践の明確化」を目的とした定款の一部変更について取締役会への提言を行いました。
4.戦略検討委員会
戦略検討委員会における具体的な検討内容として、各事業課題と今後の方向性についての議論、また社会課題解決企業への進化に向けためざすべきビジネスモデルの具体化などについて活発な議論がなされ、取締役会へ提言を行いました。
5.人材戦略委員会
人材戦略委員会における具体的な検討内容として、戦略検討委員会と連動し、社会課題解決企業への進化を実現するために求める人材の採用・育成や組織・働き方のイノベーションについて議論しました。
(出席状況)
当事業年度における個々の出席状況については次のとおりです。
(出席回数 / 開催回数)
(注)役職名は、提出日現在です。
(2) 【役員の状況】
①役員一覧
男性 7名 女性 3名 (役員のうち女性の比率 30%)
(注) 1 取締役岡島悦子、中神康議、ピーター D.ピーダーセンは、社外取締役です。
岡島悦子氏はランサーズ㈱社外取締役を2024年6月28日で退任予定です。
2 監査役鈴木洋子、松本洋明は、社外監査役です。
3 2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2025年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
4 2024年3月期に係る定時株主総会終結の時から2028年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
5 2022年3月期に係る定時株主総会終結の時から2026年3月期に係る定時株主総会終結の時までです。
6 当社は、法令に定める監査役の員数を欠くことになる場合に備え、会社法第329条第3項に定める補欠監査役1名を選任しています。補欠監査役の略歴は次のとおりです。
なお、グループ全体の経営・執行体制の強化を図るため、執行役員制度を導入しています。
取締役を兼務していない執行役員は次の17名です。
CDO:チーフデジタルオフィサー
CWO:チーフウェルビーイングオフィサー
CSO:チーフセキュリティオフィサー
CHRO:チーフヒューマンリソースオフィサー
CIO:チーフインフォメーションオフィサー
CDXO:チーフデジタルトランスフォーメーションオフィサー
② 社外役員の状況
当社の社外取締役は3名、社外監査役は2名です。
岡島悦子氏は、会社経営に加え、人材育成やスタートアップに関する豊富な経験・知識を有しており、このような視点および独立した客観的な立場から質問・助言およびご意見をいただくなど、当社社外取締役として適切に職務を遂行していただいています。このため、今後も当社の経営の監督機能の強化等に貢献していただけると判断したことから、社外取締役として選任しています。また同氏は㈱ユーグレナの取締役であり、当社は同社との間で資本業務提携契約を結んでおり、2024年3月31日時点で同社の発行済株式総数の約1.6%を保有しています。同社は当社丸井店舗において、イベントの出店をしていますが、直近事業年度において同社が当社に対して支払った出店に係る費用は100万円未満であり、当社の「社外役員独立性基準」を満たしています。また、同氏はランサーズ㈱の社外取締役であり、当社は同社との間で資本業務提携契約を結んでおり、当社は2024年3月31日時点で同社の発行済株式総数の約2.4%を保有しています。直近事業年度において当社は同社との間に具体的な取引はなく、当社の「社外役員独立性基準」を満たしています。なお同氏は、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断される客観的な立場にあり、独立役員として届け出ています。
中神康議氏は、経営コンサルティング会社および投資運用会社における豊富な経験で培った資本市場を意識した企業経営に関する高い知見を有しており、このような視点および独立した客観的な立場から質問・助言およびご意見をいただくなど、当社社外取締役として適切に職務を遂行していただいています。このため、今後も当社の経営の監督機能の強化等に貢献していただけると判断したことから、社外取締役として選任しています。また、同氏が代表取締役社長を務めるみさき投資株式会社は、当社の株主であるMISAKI ENGAGEMENT MASTER FUND等の当社株式を保有する投資ファンドを運用していますが、同社が保有する当社株式の議決権は当社の「社外役員独立性基準」である10%未満であり当該基準を満たしています。なお同氏は、一般株主と利益相反の生ずるおそれがないと判断される客観的な立場にあり、独立役員として届け出ています。
ピーター D.ピーダーセン氏は、環境・CSRコンサルティング会社等での豊富な経験で培ったグローバルレベルのサステナビリティ経営に関する高い知見を有しており、このような視点および独立した客観的な立場から質問・助言およびご意見をいただくなど、当社社外取締役として適切に職務を遂行していただいています。このため、今後も当社の経営の監督機能の強化等に貢献していただけると判断したことから、社外取締役として選任しています。また、同氏は2021年6月まで当社のアドバイザーとして、サステナビリティ経営への提言を行っていました。直近の事業年度における特定非営利活動法人ネリスの活動への参加費の当社の支払額は100万円であり、当社の「社外役員独立性基準」を満たしています。なお同氏は、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断される客観的な立場にあり、独立役員として届け出ています。
鈴木洋子氏は、弁護士としての高い専門性に加え、他企業での社外取締役監査委員等としての豊富な経験と高い見識を有し、企業法務および適法性監査に精通しているため、当社社外監査役として公正な監査に貢献できると判断したため、社外監査役として選任しています。なお同氏は、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断される客観的な立場にあり、独立役員として届け出ています。
松本洋明氏は、税理士の資格を有しており、会計分野に関する専門知識と経験に加え、他企業での社外監査役としての経験と高い見識を有していることから、当社社外監査役として公正な監査に貢献できると判断したため、社外監査役として選任しています。なお同氏は、一般株主と利益相反の生じるおそれがないと判断される客観的な立場にあり、独立役員として届け出ています。
当事業年度は取締役会を10回開催しましたが、岡島悦子氏、鈴木洋子氏、松本洋明氏は10回すべてに、中神康議氏、ピーター D.ピーダーセン氏は10回中9回に出席しており、適宜、適切な意見を述べています。
当社が定める社外役員の独立性基準については、次に記載のとおりです。
<社外役員独立性基準>
株式会社丸井グループ(以下「当社」という)は、当社の適正なガバナンスにとって必要な客観性と透明性を確保するために、当社における社外役員(社外取締役および社外監査役をいい、その候補者を含む。)の独立性基準を以下のとおり定め、社外役員が次の項目をすべて満たす場合、当社にとって十分な独立性を有しているものとみなします。
1.現に当社および当社の関係会社(以下、あわせて「当社グループ」という。)の業務執行者(注1)ではなく、かつ就任前10年以内に業務執行者であったことがないこと。
2.当社グループを主要な取引先としている者(注2)、またはその業務執行者でないこと。
3.当社グループの主要な取引先(注3)、またはその業務執行者でないこと。
4.当社の議決権の10%以上の議決権を直接または間接的に保有している当社の大株主、またはその業務執行者でないこと。
5.当社グループが総議決権の10%以上の議決権を直接または間接的に保有している者の業務執行者でないこと。
6.当社グループから役員報酬以外に多額の金銭その他の財産(注4)を得ているコンサルタント、公認会計士等の会計専門家および弁護士等の法律専門家でないこと。なお、これらの者が法人・組合等の団体である場合は当該団体に所属する者を含む。
7.当社グループから多額の金銭その他の財産(注4)による寄付を受けている者でないこと。なお、これらの者が法人・組合等の団体である場合は当該団体に所属する者を含む。
8.当社の会計監査人でないこと。なお、会計監査人が法人・組合等の団体である場合は当該団体に所属する者を含む。
9.過去5年間において、上記2~8までに該当していた者でないこと。
10.近親者(注5)が上記の2から8までのいずれか(6号および8号を除き、重要な業務執行者(注6)に限る。)に該当する者でないこと。
11.社外役員の相互就任関係(注7)となる他の会社の業務執行者でないこと。
(注) 1 「業務執行者」とは、株式会社の業務執行取締役、執行役、執行役員、業務を執行する社員、会社以外の法人・団体の理事、その他これらに類する役職の者および会社を含む法人・団体の使用人等をいう。
2 「当社グループを主要な取引先としている者」とは、次のいずれかに該当する者をいう。
・当社グループに対して商品またはサービスを提供している取引先グループ(直接の取引先が属する連結グループに属する者をいう、以下 同様とする。)であって、直前事業年度における当社グループの当該取引先グループへの支払額が1億円以上でかつ当該取引先グループの連結売上高(連結売上収益)または総収入金額の2%を超える者。
・当社グループが負債を負っている取引先グループであって、直前事業年度末における当社グループの当該取引先グループへの負債総額が1億円以上でかつ当該取引先グループの当該事業年度末における連結総資産の2%を超える者。
3 「当社グループの主要な取引先」とは、次のいずれかに該当する者をいう。
・当社グループが商品またはサービスを提供している取引先グループであって、直前事業年度における当該取引先グループの当社グループへの支払額が1億円以上でかつ当社グループの連結売上収益の2%を超える者。
・当社グループに対して負債を負っている取引先グループであって、直前事業年度末における当該取引先グループの当社グループへの負債総額が1億円以上でかつ当社グループの当該事業年度末における連結総資産の2%を超える者。
・当社グループが借入れをしている金融機関グループ(直接の借入先が属する連結グループに属する者をいう。)であって、直前事業年度末における当社グループの当該金融機関グループからの借入金総額が当社グループの当該事業年度末における連結総資産の2%を超える者。
4 「多額の金銭その他の財産」とは、その価額の総額が直前事業年度において1,000万円以上のものをいう。
5 「近親者」とは、配偶者および二親等内の親族をいう。
6 「重要な業務執行者」とは、取締役、執行役、執行役員及び部長格以上の業務執行者またはそれらに準ずる権限を有する業務執行者をいう。
7 「社外役員の相互就任関係」とは、当社グループの業務執行者が他の会社の社外役員であり、かつ、当該他の会社の業務執行者が当社の社外役員である関係をいう。
③ 社外取締役または社外監査役による監督または監査と内部監査、監査役監査および会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役、社外監査役へのサポート体制は経営企画部および監査部が担っており、取締役会の資料を事前に配布しその内容を説明するなど情報伝達体制の強化に努めています。
社外監査役と会計監査人との連携については、「(3)監査の状況」に記載のとおりです。
④ 役員スキルマトリックス
丸井グループでは、企業経営や中期経営計画実現による、インパクト創出のために、「共通スキル」と「独自スキル」からなる計14*1のスキルが必要であると設定しました。各役員の経験・知識・能力等を踏まえて、それぞれのスキルを明確化するとともに、米国GALLUP社が開発したクリフトンストレングス® *1を用いて、各役員が持つ特徴的な資質について記載しています。
● 共通スキル:取締役会の役割を適切に果たすために共通的に求められるスキル
● 独自スキル:中期経営計画実現のために必要な当社独自のスキル
クリフトンストレングス:性格特性を表す34の資質と4つの領域項目
*1 各役員が持つスキルの設定根拠と、クリフトンストレングスについての詳細は、弊社ホームページにて、別途掲載しています。著作権© 2021 Gallup, Inc. 無断複写・転載を禁ず。
Gallup®、StrengthsFinder®、Clifton StrengthsFinder®、Clifton StrengthsFinderの34の資質名は、Gallup, Inc.の商標です。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
a.監査役監査の組織および人員
・当社の監査役会は、常勤監査役2名、非常勤監査役2名で構成されており、うち2名が社外監査役です。
・監査役の職務執行を補助するために、必要な知識・能力を有した監査役スタッフ2名(うち1名は兼任)を配置しています。
b.監査役会の開催頻度・個々の監査役の出席状況
監査役会は当事業年度において計15回開催しており、各監査役の出席状況は以下のとおりです。
c.監査役会の主な検討事項
(内部統制システムの整備・運用状況)
監査計画、監査活動報告、コンプライアンス推進会議・内部統制委員会でのリスク管理体制の確認、店舗等重要な事業拠点の視察
(事業計画の確認)
四半期・期末決算を通じての事業計画の進捗確認
(監査環境の整備)
監査役会関連経費の確認、監査役スタッフの選任
(会計監査人の監査の相当性)
会計監査人の選任、監査人の監査計画概要の確認、監査人の評価
d.常勤および非常勤監査役の活動状況について
(重点監査項目)
・ガバナンス体制の整備と運用状況の確認(常勤および非常勤監査役)
ステークホルダー経営を推進する取締役会の運営状況の確認
-取締役会の各諮問機関の運営状況の確認
内部統制システムの整備・運用状況の確認および実効性の検証
-スリーラインモデルをはじめとしたリスク管理体制の整備・運用状況の確認
・中期経営計画の進捗確認(常勤および非常勤監査役)
小売・フィンテック・未来投資の三位一体のビジネスモデル進捗・課題の確認
-小売セグメント:ビジネスモデル転換に係る施策の進捗・課題の確認
-フィンテックセグメント:家計シェア最大化、エンベデッドファイナンス等施策の進捗・課題の確認
-未来投資:インパクトと収益の両立に向けた取り組みの進捗・課題の確認
ビジョン2050の実現に向けたインパクト2.0の進捗・課題の確認
-インパクトKPIと財務KPIの進捗・課題の確認
社会課題解決企業への進化に向けた取り組みの進捗・課題の確認
-組織と働き方のイノベーション(プロジェクト型組織、公認イニシアティブ等)の進捗・課題の確認
-DX推進の進捗・課題の確認
非財務情報開示に関する取り組みの進捗・課題の確認
-サステナビリティ、人的資本投資等の進捗・課題の確認
(通常監査項目)
・取締役の職務執行状況の監査(常勤および非常勤監査役)
取締役会・経営会議の意思決定の監査
内部統制システムの整備・運用状況の監査
競業取引、利益相反取引、無償の利益供与、通例的でない取引の監査
取締役および使用人からの報告受領
・代表取締役との定期的会合(常勤および非常勤監査役)
・取締役会・経営会議等重要な会議への出席(常勤および非常勤監査役)
・取締役、執行役員、グループマネジメント職からの業務内容についての聴取(常勤監査役)
・事業所、業務委託先などへの往査(常勤および非常勤監査役)
・社外取締役との定期的会合(常勤および非常勤監査役)
・監査法人との連携(常勤および非常勤監査役)
・グループ各社監査役との連携(常勤監査役)
・監査部、グループ各社内部監査担当部署との連携(常勤監査役)
・会社法の体制決議に基づく内部統制システムにおける監査(常勤監査役)
・内部統制報告制度(金融商品取引法)における監査(常勤監査役)
・重要文書の閲覧と文書・情報管理の監査(常勤監査役)
・会社財産の調査、商品在庫の確認(常勤監査役)
・四半期決算レビュー(常勤監査役)
・剰余金の配当に関する監査(常勤および非常勤監査役)
・期末監査および株主総会対応(常勤および非常勤監査役)
② 内部監査の状況
・内部監査は、社内規定に基づき監査部(2024年3月末時点の人員 20名)が実施しています。
・業務監査は業務の有効性、妥当性および法令順守状況を調査し、会計監査は会計基準・社内規程の順守状況を調査することにより、子会社を含めたコンプライアンスの徹底と業務の改善につなげています。
・監査役および監査法人と定期的に情報・意見交換を行い、それぞれの監査の実効性向上につなげています。
・内部監査の計画および結果については、取締役会ならびに監査役会への報告を実施しています。
③ 会計監査の状況
a.監査法人の名称
PwC Japan有限責任監査法人
b.継続監査期間
5年間
c.業務を執行した公認会計士
小林 尚明
千葉 達哉
d.監査業務に係る補助者の構成
公認会計士 13名、その他 26名
e.監査法人の選定方針と理由
当社の監査役会は、会計監査人の独立性、監査体制、監査の実施状況や品質等の確認を行っています。その結果、独立性、専門性および妥当性等の評価を総合的に勘案し、PwC Japan有限責任監査法人を選任することが適当であると判断しています。
f.監査役および監査役会による監査法人の評価
監査役および監査役会は、監査法人に対して評価を行い、有効なコミュニケーションをとっており、適時かつ適切に意見交換や監査状況を把握しています。その結果、監査法人による会計監査は有効に機能し、適正に行われていることを確認しています。
④ 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬の内容
提出会社の非監査業務の内容は、社債発行に係るコンフォートレター作成業務などです。
また、連結子会社の非監査業務の内容は、マイナポイント事業に関する合意された手続業務などです。
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(プライスウォーターハウスクーパース)に属する組織に対する報酬(a.を除く)
提出会社の非監査業務の主な内容は、税務に係る調査・助言業務などです。
c.その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d.監査報酬の決定方針
監査時間、会社の規模・業務の特性等の要素を勘案し、適切に決定しています。
e.監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社の監査役会は、日本監査役協会が公表する「会計監査人の評価及び選定基準策定に関する監査役等の実務指針」を踏まえ、取締役会が提案した会計監査人に対する報酬に対して、監査時間や報酬単価等の算出根拠を確認した結果、監査品質の維持向上のために相当であると判断し、会社法第399条第1項の同意を行っています。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
(役員に対する報酬制度について)
1.基本方針
当社の取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして十分に機能するよう株主利益と連動した報酬体系とします。
具体的には、当社の取締役(社外取締役および国内非居住者を除く。)の報酬は、定額の基本報酬のほかに、短期インセンティブとしての事業年度ごとの会社業績に基づく業績連動型の賞与制度と、中長期インセンティブとしての中長期的な会社業績に基づく業績連動型の株式報酬制度で構成します。
報酬水準およびその報酬構成比率については、外部調査機関の役員報酬調査データより、同規模程度の企業の役員報酬水準および報酬構成比率をベンチマークとして設定し、毎年報酬水準および報酬構成比率の確認を行います。
社外取締役については、その役割と独立性の観点から基本報酬のみとします。
2.個人別報酬の固定報酬(基本報酬)の額の決定方針(報酬付与の時期・条件の決定方針を含む。)
当社の取締役の基本報酬は、月例の固定報酬とし、上記1記載の基本方針に照らし、指名・報酬委員会が定めた役位等に基づく支給条件に応じて支給します。
3.個人別報酬の変動報酬(賞与および株式報酬)の内容および額又は数の算定方法の決定方針(業績指標の内容および当該業績指標の額又は数の算定方法の決定方針、並びに報酬付与の時期・条件の決定方針を含む。)
・業績連動賞与
各取締役の職責に基づき、事業年度ごとの会社業績向上に対する意識を高めるため、単年度の業績指標の目標に対する達成度合いに応じて業績連動係数を決定し、これを役位別の基準額に乗じて業績連動賞与支給額を決定します。
・業績連動型株式報酬
役員報酬BIP信託の仕組みを活用し、当社が金銭を拠出した信託(以下「本信託」という。)を用いて、各取締役に当社の株式等を交付します。
具体的には、中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意欲を高めるため、中期経営計画と整合するよう複数年の事業年度を定め、その最終事業年度の会社業績指数の目標達成度等の業績指標に応じて業績連動係数を決定し、これを各取締役の役位に応じて事業年度ごとに付与したポイントの累計ポイント数を乗じて、各取締役に交付する株式等を決定します。
なお、各取締役は当該ポイントの一定割合に相当する当社株式の交付を受け、残りの当社株式については本信託で換価したうえで、換価処分相当額の金銭の給付を受けることとします。ただし、当初の対象期間である2020年3月31日で終了する事業年度および2021年3月31日で終了する事業年度について交付する株式には、交付時から1年間の譲渡制限期間を設けます。
また、対象期間を延長し本信託を継続させる場合においては、その時点の中期的な計画に対応する年数とし、新たな対象期間を2年間とする時は、当該対象期間について交付する株式にも、同様の株式交付時から1年間の譲渡制限期間を設けます。
・業績指標
業績連動賞与および業績連動型株式報酬の業績指標は、中期経営計画と整合するよう計画策定時に設定し、適宜、環境の変化に応じて取締役会で決定します。
・業績連動賞与の交付時期
毎事業年度終了後、翌事業年度中の一定の時期に支給します。
・業績連動型株式報酬の交付時期
受益者要件を充足する取締役には、原則として対象期間の最終事業年度の直後の6月以降に、算出された累計ポイント数に応じた株式等の交付を行います。
4.個人別報酬の報酬割合の決定方針
報酬構成比率については、 上記1記載の基本方針に照らし、指名・報酬委員会の審議を経て、取締役会にて決定します。
5.個人別報酬の内容の決定方法
取締役の個人別の報酬については、報酬に関する審議プロセスの透明性と客観性を高めることを目的として取締役会の委任に基づき指名・報酬委員会で決定します。
指名・報酬委員会は委員3名以上で組織し、原則として2名以上を社外取締役で構成し、委員は取締役会の決議により選任します。
また、指名・報酬委員会では、株主総会で決議された報酬制度および報酬限度額の範囲内で、グループ経営に対する責任度合い、中期経営計画の進捗度合い等を総合的に考慮したうえ、次の事項を審議・決定します。
・取締役の個別報酬に関する事項
・取締役の報酬制度の変更に関する事項
・上記のほか、取締役会からの諮問・委任があった事項
2024年3月期においては指名・報酬委員会は4回開催し、取締役の報酬制度等について審議しました。
6.個人別報酬のその他の重要な事項
業績連動型株式報酬については、対象取締役等に重大な不正・違反行為が発生した場合、当該対象取締役等に対し、交付予定株式の受益権の没収(マルス)、交付した株式等相当の金銭の返還請求(クローバック)ができる制度を設けています。
7.取締役の個人別の報酬等の内容が当該方針に沿うものであると判断した理由
取締役会は、取締役の個人別の報酬等を決定する権限が指名・報酬委員会によって適切に行使されるよう、上記のとおり同委員会の構成員の過半数を社外取締役とする措置を講じており、また、当期における取締役の個人別の報酬等の決定に際しては、同委員会において上記の決定方針と同様の観点から多角的検討を行っているため、取締役会としても、当該報酬等の内容は上記の決定方針に沿うものであると判断しています。
(報酬の決定に関する取締役会の活動内容)
2021年3月の取締役会で「役員報酬の決定方針」について審議・決定しました。また2023年12月から2024年3月にかけて役員報酬の見直しについて議論し、2024年5月に業績連動型株式報酬の制度延長を審議・決定しました。
(業績連動報酬について)
報酬水準と報酬構成比率については、中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高め、株主との利害関係の一致と株主視点での経営強化を図ることを目的として、基本報酬以外の業績連動報酬の割合を高めるため見直しています。
2019年3月期以前 基本報酬:業績連動賞与:業績連動型株式報酬 = 8:1:1
2020年3月期以降 基本報酬:業績連動賞与:業績連動型株式報酬 = 6:1:3
(ⅰ)業績連動賞与
各取締役の職責に基づき、事業年度ごとの会社業績向上に対する意識を高めるため、単年度の業績指標の目標に対する達成度合いに応じて業績連動係数を決定し、これを役位別の基準額に乗じて業績連動賞与の支給額を決定します。株主との一層の価値共有を図り会社業績に連動させるため業績指標をEPS(公表計画)とし、目標達成度合いに応じて業績連動係数の変動幅を0~200%の範囲とします。
□ 業績連動賞与の算定式
業績連動賞与 = 役位別の基準額 × 業績連動係数
・目標とする業績指標と業績連動係数
□ 業績連動賞与の報酬限度額
・取締役(社外取締役を除く。)に支給する業績連動賞与の報酬限度額は年額100百万円(使用人兼務取締役に対する使用人賞与を除く。)(株主総会決議の日 2016年6月29日)。
(ⅱ)業績連動型株式報酬
当社グループの中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意欲を高めることを目的として、2017年3月期より業績連動型株式報酬制度(BIP信託)を導入しています。本制度は、当社が金銭を拠出することにより設定した信託(以下「本信託」という。)を用いて、取締役に当社株式の交付等を行う制度です。
・2022年3月末日で終了する事業年度から2024年3月末日で終了する事業年度の3事業年度は、各取締役の役位に応じて毎年一定の時期にポイントを付与します。最終事業年度の会社業績指数の目標達成度等の業績指標(会社業績指数EPS、ROE、ROICに加え、当社グループの共創サステナビリティ経営を推進するためのESG評価指標等を使用)に応じて0~110%の範囲で業績連動係数を決定し、これを累積ポイント数に乗じて各取締役に交付する株式数を算出します。
・2025年3月末日で終了する事業年度から2026年3月末日で終了する事業年度の2事業年度は、各取締役の役位に応じて毎年一定の時期にポイントを付与します。最終事業年度の会社業績指数の目標達成度等の業績指標(会社業績指数EPS、ROE、ROICに加え、当社グループの共創サステナビリティ経営を推進するためのESG評価指標等を使用)に応じて0~110%の範囲で業績連動係数を決定し、これを累積ポイント数に乗じて各取締役に交付する株式数を算出します。
□ 交付する株式報酬の算定式
交付する株式数 = 役位別の累積ポイント数 ×(財務指標の業績連動係数 + 非財務指標の業績連動係数)
・目標とする業績指標と業績連動係数
(注)1 Dow Jones Sustainability World Index:長期的な株主価値向上への観点から、企業を経済・環境・社会の3つの側面で統合的に評価・選定するESGインデックス
2 2017年3月期対比の削減量
3 2024年3月期の業績連動係数は、財務指標の達成度96%に非財務指標の達成による10%を加算して106%となりました。
□ 業績連動型株式の限度額
当社が拠出する金員の上限
・2020年3月末日で終了する事業年度以降は、1事業年度当たり200百万円に対象期間の年数を乗じた金額とし、2025年3月末日で終了する事業年度から2026年3月末日で終了する事業年度の2事業年度に対しては400百万円(株主総会決議の日 2019年6月20日)。
取締役が取得する当社株式等の数の上限
・2020年3月末日で終了する事業年度以降は、1事業年度当たり10万ポイント(10万株相当)に対象期間の年数を乗じたポイント数とし、2025年3月末日で終了する事業年度から2026年3月末日で終了する事業年度の2事業年度に対しては20万ポイント(株主総会決議の日 2019年6月20日)。
□ 取締役に対する株式等の交付等
・受益者要件を充足する取締役には、原則として対象期間の最終事業年度の直後の6月以降に、算出されたポイント数に応じた当社株式等の交付等を受けるものとします。この時、当該取締役は、当該ポイントの一定の割合に相当する当社株式の交付を受け、残りの当社株式については本信託で換価したうえで、換価処分金相当額の金銭の給付を受けるものとします。ただし、当初の対象期間について交付する株式には、交付時から1年間の譲渡制限期間(譲渡、担保権設定その他の処分をしてはならない期間)を設けることとしています。
・対象期間を延長し本信託を継続させる場合においては、その時点で当社経営の中期的な計画に対応する年数とします。また、中長期のインセンティブとしての効果を発揮するため、新たな対象期間を2年間とする時は、当該対象期間について交付する株式にも、同様の株式交付時から1年間の譲渡制限期間を設けることとしています。
□ その他報酬の限度額
・取締役の基本報酬の限度額については年額300百万円(使用人兼務取締役に対する使用人分給与を除く。)(株主総会決議の日 2012年6月27日)。
・監査役の報酬限度額については年額100百万円(株主総会決議の日 2024年6月24日)。監査役個々の報酬は、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で監査役会での協議により決定しています。
② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数(2024年3月期)
(注)1 当期末時点における在籍人員は、取締役(社外取締役を除く。)3名、監査役(社外監査役を除く。)2名、社外役員5名です。
2 業績連動賞与および業績連動型株式報酬は、当事業年度に係る費用計上額を記載しています。
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等(2024年3月期)
(注) 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、純投資目的である投資株式と純投資目的以外の目的である投資株式を下記のように区分します。
・「純投資目的である投資株式」とは、株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的に保有する株式です。
・「純投資目的以外の目的である投資株式」とは、当社グループの企業価値向上に向けて、戦略上重要な協業および取引関係の維持発展を目的に保有する株式です。
当社グループでは現中期経営計画において「共創投資」の取り組みを強化しています。コアバリューである「信用の共創」を活かした小売×フィンテックに、「未来投資」(新規事業投資+共創投資)を加えた三位一体のビジネスモデルによってシナジーを追求することで、個々の事業の総和を超えた価値の創出をめざします。
<未来投資>
中期経営計画において未来投資では、サステナビリティ、Well-beingなどのインパクトと利益の両立をめざしてイノベーションを創出します。「新規事業投資」は社内からのイノベーション創出、「共創投資」は社外からのイノベーション導入をめざします。

<共創投資>
「共創投資」は、共創の理念に基づき当社グループに共感いただけるスタートアップ企業等への投資を通じ、未来を共創するパートナーとの協業を進め、小売・フィンテックへの貢献利益と、ファイナンシャルリターンの両方を追求します。中期経営計画最終年度の2026年3月期までに合計で430億円の投資を進めていきます。
今後、「共創投資」を進めていくうえで株式銘柄数および貸借対照表計上額の増加が見込まれます。また「共創投資」にはベンチャーやスタートアップ企業等の非上場株式が多く含まれており、その後上場した場合は大幅な株価の上昇等に伴い貸借対照表計上額に大きく影響する可能性があります。
「共創投資」の目的として、当社グループと投資先との協業によって中長期的に投資先の企業価値向上をはかり、株式の値上がり益を期待する(IRR20%以上を計画)という純投資の要素を持ちます。よってスタートアップ企業等への投資を開始した2017年3月期以降、新たに保有した特定投資株式については「共創投資」として区分し記載しています。
2024年3月期の共創投資先のシナジーによる貢献利益は28億円となり、2026年3月期には55億円をめざします。また、IRRは13%でハードルレートの10%を上回って推移しています。

② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は原則として政策保有株式を保有しません。保有する株式については、企業価値向上に向けて、戦略上重要な協業および取引関係の維持発展が認められるものであり、保有の合理性について定期的に検証を行い、毎年取締役会で確認を行うものとし、その検証内容の概要を開示します。保有意義の薄れた株式については、当該企業の状況を勘案した上で、段階的に売却を進めます。
なお、当社は2016年2月開催の取締役会において、株式を保有する企業とは、既に一定の取引関係が構築されていることを確認し、資産効率や株価変動リスクの観点から段階的に保有金額を削減することとしました。以降、毎年7月または8月開催の取締役会にて、個別の保有株式についての収益状況などを検証するとともに、保有金額の削減状況を確認しています。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
(注) 株式数が増加および減少した銘柄には、株式の新規公開等による変動は含みません。
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
<共創投資>
(注)1 定量的な保有効果については、保有先企業との取引の守秘性等から記載していません。
上記銘柄については、2022年8月および2023年11月開催の取締役会において、配当利回り等の収益状況、協業および取引関係を検証するとともに、保有金額全体の削減状況を確認しています。
2 当社の株式の保有の有無については、2024年3月31日現在の株主名簿によっています。
3 保有先企業は当社の株式を保有していませんが、同社子会社が当社の株式を保有しています。
□ 純投資目的以外の目的で保有する上場株式の銘柄数および貸借対照表計上額の推移
・2015年12月以降、段階的に銘柄数および保有金額を削減しています。

第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)に基づいて作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、PwC Japan有限責任監査法人により監査を受けています。
なお、PwCあらた有限責任監査法人は2023年12月1日付でPwC京都監査法人と合併し、名称をPwC Japan有限責任監査法人に変更しています。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組みについて
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取り組みを行っています。具体的には、会計基準等の内容を適切に把握し、変更等にも的確に対応できる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、会計基準等に関する最新情報等を取得するとともに、同機構等が主催するセミナーへの参加、監査法人や専門誌等からの情報収集などを行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
①【連結貸借対照表】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
【連結包括利益計算書】
③【連結株主資本等変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
④【連結キャッシュ・フロー計算書】
【注記事項】
(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)
1.連結の範囲に関する事項
(1) 連結子会社の数 11社
主要な連結子会社名
「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載しているため省略しています。
なお、株式会社エポス少額短期保険は重要性が増したため、当連結会計年度より連結の範囲に含めています。
(2) 主要な非連結子会社の名称
D2C&Co.㈱、㈱okos、㈱マルイキットセンター 他
連結の範囲から除いた理由
非連結子会社(11社)の合計の総資産、売上収益、当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等は、いずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないため、連結の範囲から除外しています。
2.持分法の適用に関する事項
(1) 持分法適用の非連結子会社の数 該当なし
(2) 持分法適用の関連会社の数 該当なし
(3)上記の非連結子会社11社及び関連会社5社(みぞのくち新都市㈱ 他)の当期純損益(持分に見合う額)及び利益剰余金(持分に見合う額)等は、いずれも連結財務諸表に重要な影響を及ぼしていないため、持分法を適用していません。
3.連結子会社の事業年度等に関する事項
連結子会社の決算日は、連結決算日と同一です。
4.会計方針に関する事項
(1) 重要な資産の評価基準及び評価方法
① 有価証券
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)によっています。
市場価格のない株式等
主として移動平均法による原価法によっています。
なお、組合出資金等については、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっています。
② 棚卸資産
商品については、月次総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)によっています。
(2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法
① 有形固定資産(リース資産を除く。)
定額法を採用しています。
② 無形固定資産(リース資産を除く。)
定額法を採用しています。ただし、自社利用のソフトウェアについては社内における利用可能期間(5年以内)に基づく定額法によっています。
③ リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産については、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しています。
(3) 重要な引当金の計上基準
① 貸倒引当金
債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
② 賞与引当金
従業員の賞与支給に備えるため、支給見込額のうち当連結会計年度負担額を計上しています。
③ ポイント引当金
将来のポイント利用による費用負担に備えるため、カード会員に付与したポイントのうち、当連結会計年度末のポイント残高に対する利用見込額を計上しています。
④ 商品券等引換損失引当金
一定期間経過後に収益に計上した商品券等の引換に備えるため、過去の実績に基づく将来の引換見込額を計上しています。
⑤ 利息返還損失引当金
カードキャッシング利息の返還損失に備えるため、当連結会計年度末における利息の返還見込額を計上しています。
⑥ 債務保証損失引当金
金融機関が行っている個人向けローンに対する保証債務の履行による損失に備えるため、当連結会計年度末における損失発生見込額を計上しています。
⑦ 株式給付引当金
株式交付規程に基づく役員および従業員への当社株式の給付に備えるため、当連結会計年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
(4) 重要な収益及び費用の計上基準
当社グループは、小売セグメントとして商業施設の賃貸および運営管理、衣料品・装飾雑貨等の仕入販売、空間プロデュース、広告宣伝、トータルファッション物流、総合ビルマネジメント等を、フィンテックセグメントとしてクレジットカード業務、カードキャッシングおよび家賃保証、情報システムサービス、不動産賃貸、投資信託の販売、少額短期保険業等を行っています。
小売セグメントについて、商業施設の賃貸および運営管理業務に係る定期借家テナント賃料収入の計上は「リース取引に関する会計基準」(企業会計基準13号 2007年3月30日)に基づき、収益を認識しています。
商品販売およびサービス提供については、商品または作成した制作物の引渡時点において顧客が当該商品または制作物に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断しているため、主として当該商品または制作物の引渡時点で収益を認識しています。なお、ECでの商品販売について、商品の出荷時点で収益を認識しています。また、当社が代理人として商品の販売に関与している場合には、純額で収益を認識しています。
フィンテックセグメントについて、クレジットカード業務、カードキャッシング業務に係る割賦手数料および消費者ローン利息収入の計上は、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号 2019年7月4日)に基づき、残債方式による発生基準によっています。
クレジットカード業務に係る加盟店手数料の計上は、顧客である加盟店との契約に基づき、役務の提供が完了し、履行義務が充足されるクレジットカード利用時に収益を認識しています。また、エポスカードの年会費については、顧客であるカード会員に対して会員特典サービスの提供という履行義務が充足される1年間にわたり収益を認識しています。
(5) 連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は、手許資金、要求払預金および取得日から3カ月以内に満期日の到来する流動性の高い、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期的な投資としています。
(6) 消費税等の処理方法
消費税及び地方消費税の会計処理は、税抜方式によっています。ただし、資産にかかわる控除対象外消費税等は、発生した連結会計年度の期間費用としています。
(7) グループ通算制度の適用
当社および一部の連結子会社は、グループ通算制度を適用しています。
(重要な会計上の見積り)
当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目は以下のとおりです。
1.非上場株式の評価
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(2) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
当社グループはビジネスモデルの転換を図る中で、将来的に協業の可能性があるスタートアップ企業への投資を行っています。当該投資のうち、非上場株式は連結貸借対照表の「投資有価証券」に計上しています。なお、非上場株式については、企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」における市場価格のない株式等であり、取得原価をもって貸借対照表価額としています。
財政状態の悪化により1株当たりの純資産額に基づく実質価額が取得原価に比べ50%超低下したもの、超過収益力を加味して取得した非上場株式については、減損処理を行うにあたり、投資先の過去の財務情報の実績や入手した投資先の事業計画等をもとに実質価額を算出し、当該実質価額と取得原価の差額を投資有価証券評価損として計上しています。なお、投資先が関連会社に該当する際は、一定期間内での回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合に、減損処理を実施しています。
(3) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
超過収益力を加味して取得した非上場株式については、減損処理を行うにあたり、投資先の過去の財務情報の実績や入手した投資先の事業計画等をもとに実質価額を算出し、当該実質価額と取得原価の差額を投資有価証券評価損として計上しています。
(4) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
上記のうち、19銘柄3,041百万円については、実績が取得時点の計画を下回っており、投資先の翌年度の事業実績が計画を下回る場合には、翌連結会計年度において投資有価証券評価損または関係会社株式評価損が計上される可能性があります。
2.店舗固定資産の減損
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(a) 減損の兆候が識別され当連結会計年度に減損損失を計上した店舗
(b) 減損の兆候が識別されたものの、当連結会計年度に減損損失を計上していない店舗
(c) 当連結会計年度のみ営業活動から生ずる損益がマイナスとなっている店舗
(2) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
固定資産の減損に係る会計上の見積りにあたり、固定資産のグルーピングについて、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として主に店舗を基本単位とし、各店舗の資産または資産グループ(以下「店舗固定資産」という。)が使用されている「営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなっているかまたは、継続してマイナスとなる見込みである」、もしくは「使用範囲または方法について回収可能価額を著しく低下させる変化がある」等の場合に、減損が生じている可能性を示す事象(以下「減損の兆候」という。)を識別しています。
なお、各店舗の営業活動には、小売の損益だけではなく、フィンテックの損益を生み出す源泉となるエポスカードの発行も含まれると捉えており、減損の兆候の有無の判定にあたり、店舗固定資産が使用されている営業活動から生ずる損益について、各店舗における小売の営業損益に各店舗がカード発行を通じてフィンテックにもたらした損益として、各店舗において過去に発行したエポスカードから生じるフィンテックの営業損益に過去に閉店した店舗の実績に基づく、閉店後に利用されなくなるエポスカードの割合を乗じた金額を加算した金額を用いています。
減損の兆候があると判定された店舗については、店舗固定資産から得られる割引前将来キャッシュ・フロー見積りの総額が帳簿価額を下回った場合に、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。
(3) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
各店舗の店舗固定資産から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額を見積るにあたっての主要な仮定は、店舗別の販売戦略に基づく将来の商品売上高、店舗賃貸収入、各店舗がカード発行を通じてフィンテックにもたらす将来キャッシュ・フローです。
店舗別の販売戦略に基づく将来の商品売上高および店舗賃貸収入については、過年度の実績をもとに、会計上の見積りを行っています。また、各店舗がカード発行を通じてフィンテックにもたらす将来キャッシュ・フローについては、安定的な成長を見込み、見積もっています。
なお、将来キャッシュ・フローの算定等に用いた仮定に大幅な変更が生じた場合には、翌連結会計年度の財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
減損の兆候が識別されている店舗については、上記の主要な仮定と将来の実績とが乖離し、翌連結会計年度の各店舗の損益が悪化した場合、また、当連結会計年度のみ営業活動から生ずる損益がマイナスとなっている店舗については、翌連結会計年度についても営業活動から生ずる損益がマイナスとなる場合には、減損の兆候があると判定され、翌連結会計年度において減損損失を計上する可能性があります。
3.営業貸付金および割賦売掛金等に係る貸倒引当金の見積り
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(2) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
営業貸付金および割賦売掛金等の債権の貸倒れによる損失に備えるため、過去の貸倒実績率を基礎とし、これに将来見込み等の必要な補正を加味した貸倒引当率によって、今後の回収不能見込額を見積っています。債権は、延滞日数や弁護士介入の有無等に基づき区分し、区分ごとに貸倒引当率を算出しています。
(3) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
当連結会計年度末において、過去の一定期間における債権区分ごとの貸倒実績の趨勢が今後も継続するとの仮定を置いています。こうした仮定のもと、当該影響により生じる可能性がある損失に備えるため、今後発生が見込まれる貸倒費用を最も反映していると想定される直近の貸倒実績率を基礎として算出した貸倒引当率によって、今後の回収不能見込額を見積っています。
(4) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
当連結会計年度末の貸倒引当金は現時点における最善の見積りであるものの、見積りに用いた仮定には不確実性があり、経済環境等の変動により債務者の信用リスクが変化した場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する貸倒引当金および貸倒引当金繰入額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
4.利息返還損失引当金の見積り
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(2) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
利息返還損失引当金の算出にあたり、日本公認会計士協会(業種別委員会)が公表している「消費者金融会社等の利息返還請求による損失に係る引当金の計上に関する監査上の取扱い」(業種別委員会実務指針第37号)の設例を参考に計算しています。
計算に用いる基礎データは、(a)顧客からの返還請求が発生する予想確率、(b)予想請求額、(c)将来的に返還請求が発生する可能性のある母集団(顧客数)であり、これらを掛け合わせることで利息返還損失引当金を算定しています。(a)(b)(c)については、過去の実績を分析した上、一定の仮定のもとで将来の予測をしています。
(3) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
利息返還損失引当金の見積りにあたって用いた主要な仮定は、顧客からの返還請求が発生する予想確率(上記(2)に記載の(a))です。当連結会計年度においては、当該発生率が今後継続的に逓減していくことを想定しています。
(4) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
利息返還損失引当金は将来の返還見込額を一括して計上するという性質上、長期にわたる期間について予測を行うこととなり、見積りの不確実性をともないます。また、社会環境の変化から将来の返還額の見積りが増減する可能性を否定できないため、翌連結会計年度以降の利息返還の発生状況によっては、引当金の追加計上、もしくは取崩が生じる可能性があります。
(未適用の会計基準等)
・「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日)
・「包括利益の表示に関する会計基準」(企業会計基準第25号 2022年10月28日)
・「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日)
(1) 概要
その他の包括利益に対して課税される場合の法人税等の計上区分およびグループ法人税制が適用される場合の子会社株式等の売却に係る税効果の取扱いを定めるもの。
(2) 適用予定日
2025年3月期の期首より適用予定です。
(3) 当該会計基準等の適用による影響
「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用による重要な影響はありません。
(表示方法の変更)
(連結貸借対照表関係)
前連結会計年度において、「流動負債」の「その他」に含めていた「未払金」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとしています。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。この結果、「その他」に含めていた44,624百万円は、「未払金」として組み替えています。
(連結損益計算書関係)
前連結会計年度において、「営業外収益」の「その他」に含めていた「投資有価証券売却益」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記することとしています。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っています。この結果、「その他」に含めていた27百万円は、「投資有価証券売却益」として組み替えています。
(追加情報)
(役員報酬BIP信託制度)
当社は、当社グループの中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、当社の取締役および執行役員(社外取締役および国内非居住者を除く。)、並びに当社のグループ子会社等14社(株式会社丸井、株式会社エポスカード等。)の取締役(社外取締役および国内非居住者を除く。当社の取締役および執行役員とあわせて、以下「対象取締役等」という。)にインセンティブプラン「役員報酬BIP信託」を導入しています。
(1)制度の概要
当社が対象取締役等のうち一定の要件を充足する者を受益者として、当社株式の取得資金を拠出することにより信託を設定します。当該信託はあらかじめ定める株式交付規程に基づき対象取締役等に交付すると見込まれる数の当社株式を、株式市場から取得します。
その後、株式交付規程に従い、対象取締役等の役位および業績目標の達成度に応じて、当社株式および当社株式の換価処分相当額の金銭を交付および給付します。
本制度に係る会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号2015年3月26日)を適用しています。
(2)信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により純資産の部に自己株式として計上しています。当連結会計年度末における当該自己株式の帳簿価額および株式数は、975百万円、491,831株です。
(株式付与ESOP信託制度)
当社は、当社グループ経営幹部社員(以下「経営幹部社員」という。)を対象に、これまで以上に当社の中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的として、インセンティブプラン「株式付与ESOP信託」を導入しています。
(1)制度の概要
当社が経営幹部社員のうち一定の要件を充足する者を受益者として、当社株式の取得資金を拠出することにより信託を設定します。当該信託はあらかじめ定める株式交付規程に基づき経営幹部社員に交付すると見込まれる数の当社株式を、株式市場から取得します。
その後、株式交付規程に従い、経営幹部社員の役位および業績目標の達成度等に応じて、当社株式および当社株式の換価処分相当額の金銭を交付および給付します。
本制度に係る会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号2015年3月26日)を適用しています。
(2)信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により純資産の部に自己株式として計上しています。当連結会計年度末における当該自己株式の帳簿価額および株式数は、503百万円、274,736株です。
(連結貸借対照表関係)
※1 受取手形及び売掛金のうち、顧客との契約から生じた債権の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)3.当期および翌期以降の収益の金額を理解するための情報」に記載しています。
※2 流動化により、残高には含めない債権は次のとおりです。
※3 カード事業を営む連結子会社において、カードキャッシングの取扱いを行っており、顧客に付与した、貸出コミットメントに準ずる利用限度額等は、次のとおりです。
なお、上記には、流動化の対象とした債権に係る金額を含んでいます。
また、上記利用限度額については、顧客の信用状況の変化、その他相当の事由があるときは、貸出の停止または利用限度額を減額することができる定めがあるため、必ずしも貸出未実行残高のすべてが実行されるものではありません。
※4 有形固定資産の取得価額から国庫補助金等により控除した圧縮記帳累計額は、次のとおりです。
※5 このうちに含まれる非連結子会社および関連会社に対するものは、次のとおりです。
※6 このうちに含まれる関係会社出資金は、次のとおりです。
※7 その他のうち、契約負債の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)3.当期および翌期以降の収益の金額を理解するための情報」に記載しています。
8 偶発債務
(1)金融機関が行っている個人向けローンに対する保証債務残高は、次のとおりです。
(2)取引先の仕入債務に対する保証債務の極度額は、次のとおりです。
(連結損益計算書関係)
※1 売上収益については、顧客との契約から生じた収益およびそれ以外の収益を区分して記載していません。顧客との契約から生じる収益の金額は、連結財務諸表「注記事項(収益認識関係)1.収益の分解情報」に記載しています。
※2 期末商品棚卸高は収益性の低下にともなう簿価切下後の金額であり、売上原価に含まれる当該切下額は、次のとおりです。
※3 固定資産売却益の内容は次のとおりです。
※4 固定資産除却損の内容は次のとおりです。
※5 減損損失
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当社グループは、以下の資産グループについて減損損失を計上しています。
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当社グループは、以下の資産グループについて減損損失を計上しています。
(単位:百万円)
当社グループは、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として主に店舗を基本単位としていますが、EC事業は事業単位、賃貸不動産等は物件単位、その他事業用資産は会社単位でグルーピングしています。
上記の資産グループでは、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなる等の減損の兆候が認識され、将来キャッシュ・フローを算定した結果、帳簿価額を下回っているため、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上しています。なお、資産グループごとの回収可能価額は正味売却価額または使用価値により測定しています。
(連結包括利益計算書関係)
※ その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額
(連結株主資本等変動計算書関係)
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注)1 普通株式の自己株式の増加株式数のうち、11,479,600株は自己株式の買付による増加、825株は単元未満株式の買取りによる増加です。
2 普通株式の自己株式の減少株式数669,600株は、当社グループ社員への譲渡制限付株式付与制度導入による減少です。
3 普通株式の当期首および当期末株式数には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式766,567株を含めています。
2.新株予約権等に関する事項
該当事項はありません。
3.配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注)1 2022年6月28日定時株主総会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社の株式に対する配当金19百万円を含めています。
2 2022年11月11日取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社の株式に対する配当金22百万円を含めています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注)2023年6月27日定時株主総会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社の株式に対する配当金22百万円を含めています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.発行済株式の種類及び総数並びに自己株式の種類及び株式数に関する事項
(注)1 普通株式の自己株式の増加株式数のうち、1,482,600株は自己株式の買付による増加、1,047株は単元未満株式の買取りによる増加、20,590株は譲渡制限付株式付与制度に関する株式の無償取得による増加です。
2 普通株式の自己株式の減少株式数11,400株は、譲渡制限付株式付与制度に関する株式の付与による減少です。
3 普通株式の当期首および当期末株式数には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式766,567株を含めています。
2.新株予約権等に関する事項
該当事項はありません。
3.配当に関する事項
(1) 配当金支払額
(注)1 2023年6月27日定時株主総会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社の株式に対する配当金22百万円を含めています。
2 2023年11月14日取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社の株式に対する配当金38百万円を含めています。
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
(注)2024年6月24日定時株主総会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社の株式に対する配当金39百万円を含めています。
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
※ 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
(リース取引関係)
1.ファイナンス・リース取引
(借主側)
所有権移転外ファイナンス・リース取引
① リース資産の内容
有形固定資産
主として小売事業における賃借物件(建物)です。
② リース資産の減価償却の方法
連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項「4. 会計方針に関する事項 (2) 重要な減価償却資産の減価償却の方法」に記載のとおりです。
2.オペレーティング・リース取引
(借主側)
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(貸主側)
オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料
(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取り組み方針
・当社グループは、1931年の創業以来、小売と金融が一体となった独自のビジネスモデルを進化させ続けることで、他社にはない強みと地位を確立してきました。近年では、共創投資や新規事業投資からなる未来投資を加え、小売、フィンテック、未来投資の三位一体のビジネスモデルで、さらなる企業価値の拡大をめざしています。フィンテックにおいては、カードクレジットの伸長やカードキャッシングの安定的な取扱いにより営業債権(割賦売掛金・営業貸付金)が増加してきましたが、創業から培ってきた「信用はお客さまと共につくるもの」という考えのもと適切な与信管理に努めています。
・フィンテックの成長にともない資金需要の増加が続き、資金調達額が拡大しています。その資金調達については「財務の安全性」を最優先に考えて取り組みを進めています。
デリバティブ取引は借入金の金利変動などのリスクを回避する目的に限定して利用することとし、投機的な目的の取引は行わない方針です。
・成長投資については、「小売」「フィンテック」に「未来投資」を加えた三位一体のビジネスモデルを創出します。当社グループの事業や人材と投資先企業のノウハウやスキル等の無形資産と掛け合わせ「共創」を実現することで投資リスクの低減とリターンの向上を図ります。また、企業価値向上に向けて、戦略上重要な協業および取引関係の維持発展が認められる場合を除き、原則として政策保有株式を保有しない方針です。すでに一定の取引関係が構築されている取引先企業の株式は、資産効率や株価変動リスクの観点から段階的に保有金額を削減することとしています。
(2) 金融商品の内容およびそのリスク並びにリスク管理体制
・当社グループの主要な営業債権である割賦売掛金、営業貸付金は、カードクレジットおよびカードキャッシング等エポスカードのご利用により発生しています。これらの債権は顧客により契約に従った債務履行がなされない場合には、支払遅延や貸倒などの信用リスクがあります。当該リスクに関しては、与信管理規定に従い外部の個人信用情報機関の信用情報および当社グループ独自の与信システムを用いて個別案件ごとに与信審査、信用管理を実施することによりリスクの低減を図っています。
・投資有価証券は、主に営業上の取引関係を有する企業の株式および、「未来投資」のうち成長企業への投資を行う「共創投資」により取得した株式であり、発行体の信用リスクおよび市場価格の変動による市場リスクがあります。「共創投資」に関しては、ファイナンシャルリターンだけではなく当社グループとの協業によって発生する協業リターンも含めた収益性を確認したうえで投資判断を行っています。また、定期的に時価や保有先企業の財務状況等の把握を行うとともに、保有先企業との取引関係を勘案して保有意義の薄れた株式については段階的に売却を進めリスク低減に努めています。
・資金調達については、金融市場の混乱や当社グループの業績が著しく悪化したり信用力が急激に低下した場合には、資金調達に制約を受ける可能性があります。充分な資金調達ができず、各事業の必要資金が不足したり借入金や社債等の返済・償還期日にその実行ができなくなる流動性リスクがあります。また、調達金利は市場環境その他の要因により変動し調達コストが大きく上昇するなど、金利の変動リスクがあります。
フィンテックの成長が見込まれる中で、今後も資金需要の拡大が続き資金調達に関するリスクが高まるため、当社グループでは「安全性」および「コスト」の観点から以下の対応を行っています。
・有利子負債については、負債増加による安全性の低下を考慮し、営業債権の9割程度を維持することとしています。
・金融機関からの間接調達、社債やコマーシャル・ペーパーの発行などの直接調達のほか、営業債権の流動化にも取り組み、資金調達手段の多様化を進めるとともに、各調達メニューのバランスを図っています。
・毎年の返済・償還額は、その資金の借換え時のリスクに対応するため、調達年限をコントロールすることにより平準化を図り、その金額に対しては金融機関とのコミットメントライン契約の締結や当座貸越枠の設定などによりバックアップ体制を整えています。
・調達資金の金利については、固定金利の構成を一定割合に保つことにより、市場金利の変動による調達コストの急激な増加を抑制します。
(3) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては変動要因を織り込んでいるため、異なる前提条件等を採用することにより、当該価額が変動することもあります。
2.金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価およびこれらの差額については、次のとおりです。
なお、「現金及び預金」「受取手形及び売掛金」「買掛金」「短期借入金」「1年内償還予定の社債」「コマーシャル・ペーパー」「未払法人税等」については、現金であること、および短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似するものであることから、記載を省略しています。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(※1) 割賦売掛金に対応する一般貸倒引当金および個別貸倒引当金を控除しています。
(※2) 営業貸付金に対応する一般貸倒引当金および個別貸倒引当金を控除しています。
(注)市場価格のない株式等および組合出資金等は、「(3)投資有価証券」には含まれていません。当該金融商品の連結貸借対照表額は以下のとおりです。
※1 市場価格のない株式等には非上場株式等が含まれ、「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第19号 2020年3月31日)第5項に基づき、時価開示の対象とはしていません。
※2 組合出資金等は主に投資事業有限責任組合です。これらは「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2021年6月17日)第24-16項に基づき、時価開示の対象とはしていません。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(※1) 割賦売掛金に対応する一般貸倒引当金および個別貸倒引当金を控除しています。
(※2) 営業貸付金に対応する一般貸倒引当金および個別貸倒引当金を控除しています。
(注)市場価格のない株式等および組合出資金等は、「(3)投資有価証券」には含まれていません。当該金融商品の連結貸借対照表額は以下のとおりです。
※1 市場価格のない株式等には非上場株式等が含まれ、「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第19号 2020年3月31日)第5項に基づき、時価開示の対象とはしていません。
※2 組合出資金等は主に投資事業有限責任組合です。これらは「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2021年6月17日)第24-16項に基づき、時価開示の対象とはしていません。
3.満期のある金銭債権の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
※償還期日が確定していないものについては、償還予定額に含めておりません。
当連結会計年度(2024年3月31日)
※償還期日が確定していないものについては、償還予定額に含めておりません。
4.社債、長期借入金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
5.金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項
金融商品の時価を、時価の算定に用いたインプットの観察可能性および重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1の時価:同一の資産または負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した時価
レベル2の時価:レベル1のインプット以外の直接または間接的に観察可能なインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:重要な観察できないインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しています。
(1)時価をもって連結貸借対照表価額とする金融資産および金融負債
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(2)時価をもって連結貸借対照表価額としない金融資産および金融負債
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注)時価の算定に用いた評価技法およびインプットの説明
資産
投資有価証券
上場株式は取引所の価格によっており、レベル1の時価に分類しています。非上場投資信託については、公表されている基準価額等をもって時価としており、レベル2の時価に分類しています。私募債については相場価格がないため、元利金の合計額を当該社債の残存期間及び信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値によって算定しており、レベル2の時価に分類しています。新株予約権付社債の時価については、将来キャッシュ・フローの割引現在価値および株価ボラティリティ等を用いて算定しており、レベル3の時価に分類しています。
割賦売掛金、営業貸付金
これらの時価については、与信管理上の信用リスクを考慮した将来キャッシュ・フローをリスクフリーレートで割り引いた現在価値により算定しており、レベル3の時価に分類しています。また、貸倒懸念債権等については、見積将来キャッシュ・フローの現在価値に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は当連結会計年度末における連結貸借対照表上の債権等計上額から貸倒見積高を控除した金額に近似しており、当該価額をもってレベル3の時価としています。
差入保証金
時価については、将来キャッシュ・フローをリスクフリーレートで割り引いた現在価値により算定しており、レベル2の時価に分類しています。なお、1年内返済予定の差入保証金を含めています。
負債
社債
時価については、元利金の合計額を当該社債の残存期間および信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、レベル2の時価に分類しています。
長期借入金
変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映するため、時価は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額を時価としています。固定金利によるものは、元利金の合計額を新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定しており、レベル2の時価に分類しています。
(有価証券関係)
1.その他有価証券
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) 非上場株式(連結貸借対照表計上額 5,316百万円)および投資事業有限責任組合等への出資金(連結貸借対照表計上額 6,056百万円)については、市場価格のない株式等のため、上記の「その他有価証券」には含めていません。
当連結会計年度(2024年3月31日)
(注) 非上場株式(連結貸借対照表計上額 4,573百万円)および投資事業有限責任組合等への出資金(連結貸借対照表計上額 5,801百万円)については、市場価格のない株式等のため、上記の「その他有価証券」には含めていません。
2.連結会計年度中に売却したその他有価証券
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
3.減損処理を行った有価証券
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
有価証券について 2,471百万円(その他有価証券で、非上場株式 2,371百万円及び転換社債型新株予約権付社債 99百万円)減損処理を行っています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
有価証券について 1,804百万円(その他有価証券で、非上場株式 1,034百万円、関係会社有価証券で、非連結子会社株式 286百万円及びその他関係会社有価証券 483百万円)減損処理を行っています。
なお、期末日において、取得価格に対する時価の下落率が30%以上50%以下の銘柄については、株価の回復可能性を総合的に判断して減損処理の判定を行っています。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社および一部の連結子会社は、グループ通算制度を適用しています。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
4.法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
税法の改正に伴い、一部の連結子会社において法人事業税の外形標準課税の適用を見込んでいます。
これに伴い、新たに外形標準課税の適用対象となる連結子会社について、2026年4月1日以後に開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産及び繰延税金負債は、法定実効税率を変更して計算しています。
この税率変更による当連結会計年度の連結財務諸表へ与える影響は軽微です。
(資産除去債務関係)
1.資産除去債務のうち連結貸借対照表に計上しているもの
(1)当該資産除去債務の概要
店舗等の不動産賃貸借契約にともなう原状回復義務等です。
(2)当該資産除去債務の金額の算定方法
使用見込期間を当該契約の契約期間と見積り、割引率は0.02%から0.31%を使用して資産除去債務の金額を計算しています。
(3)当該資産除去債務の総額の増減
資産除去債務の残高の推移は次のとおりです。
(賃貸等不動産関係)
当社子会社では、東京都その他の地域において、賃貸用の商業施設等(土地を含む。)を有しています。
前連結会計年度における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は15,420百万円(賃貸収益は「売上収益」に、主な賃貸費用は「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に計上)です。当連結会計年度における当該賃貸等不動産に関する賃貸損益は16,633百万円(賃貸収益は「売上収益」に、主な賃貸費用は「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に計上)、固定資産売却益は2,500百万円(特別利益に計上)です。
また、当該賃貸等不動産の連結貸借対照表計上額、期中増減額および時価は以下のとおりです。
(注) 1 連結貸借対照表計上額は、取得原価から減価償却累計額を控除した金額です。
2 期中増減額のうち、前連結会計年度の主な増加は資産増加846百万円であり、当連結会計年度の主な増加は資産増加2,129百万円です。
3 期末時価は、主として社外の不動産鑑定士による不動産鑑定評価に基づく金額(指標等を用いて調整したものを含む)によっています。
(収益認識関係)
1.収益の分解情報
顧客との契約から生じる収益を分解した情報は以下のとおりです。
Ⅰ 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) その他の収益は、「リース取引に関する会計基準」(企業会計基準第13号 2007年3月30日)に基づく定期借家テナント賃料等や、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号 2019年7月4日)に基づく分割・リボ手数料、カードキャッシング利息等です。
Ⅱ 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) その他の収益は、「リース取引に関する会計基準」(企業会計基準第13号 2007年3月30日)に基づく定期借家テナント賃料等や、「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号 2019年7月4日)に基づく分割・リボ手数料、カードキャッシング利息、保険法の定義を満たす保険料収入等です。
2.収益を理解するための基礎となる情報
顧客との契約から生じる収益のうち、主な収益は以下のとおりです。
小売セグメント
受託販売手数料(純額)
㈱丸井が委託を受け販売を行う受託販売については、商品の所有権は委託先にあり、当社グループの役割は委託された商品が顧客に提供されるように手配するというサービスの提供であるため、代理人取引として収益を認識しており、委託販売契約に基づく店舗やECでの商品の販売によって得られる対価から当該商品の原価分を相殺して純額処理した金額を収益として認識しています。
消化仕入売上高(純額)
㈱丸井がマルイ店舗の賃貸スペース等を外部事業者に提供し、商品を陳列・販売することを許諾する消化仕入契約に基づく売上については、当社グループの役割は消化仕入先の商品が顧客に提供されるように手配することであるため、代理人取引として収益を認識しており、商品の販売によって得られる対価から当該商品の原価と相殺して純額処理した金額を収益として認識しています。
商品売上高
㈱丸井が衣料品・服飾雑貨・食料品等の商品を店舗やECで顧客に販売することによって得られる対価を収益として認識しています。店舗で商品を販売した場合、商品の引渡時に顧客が商品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断し、当該物品の引渡時点で収益を認識しています。ECで商品を販売した場合、商品の出荷日に顧客が商品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断し、当該物品の出荷時点で収益を認識しています。
関連事業収入
関連事業収入については、賃貸借契約により生じる収益を除く店舗・Web以外の小売関連事業(商業施設設計・施工、プロパティマネジメント、総合ビルマネジメント等)の一連のサービスの対価を、役務の提供が完了する時点または作成した制作物の引渡時点で収益を認識しています。
フィンテックセグメント
加盟店手数料
㈱エポスカードが発行するクレジットカードである「エポスカード」をカード会員が利用する施設やサービス等を運営する加盟店を顧客とし、顧客との契約に基づいて得られる手数料収入を、クレジットカード決済サービスの提供という履行義務の充足時点であるクレジットカード利用時に収益を認識しています。
サービス収入
㈱エポスカードが発行するクレジットカードである「エポスカード」の年会費について、顧客であるカード会員に対して会員特典サービスの提供という履行義務が充足される1年間にわたり収益を認識しています。なお、年会費以外のサービス収入については、サービスの対価を役務の提供が完了する時点で収益を認識しています。
3.当期および翌期以降の収益の金額を理解するための情報
(1)契約負債の残高等
顧客との契約から生じた債権と契約負債の期首および期末残高は以下のとおりです。なお、連結貸借対照表上、契約負債は「その他」に含めています。
Ⅰ 前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
契約負債は、年会費収入のうち、期末時点における期限未到来残高です。契約負債は、収益の認識にともない取り崩されます。
前連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は、852百万円です。また、前連結会計年度において契約負債が141百万円増加した主な理由は、年会費収入の対象となるカード会員の増加です。過去の期間に充足(または部分的に充足)した履行義務から、前連結会計年度に認識した収益はありません。
Ⅱ 当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
契約負債は、年会費収入のうち、期末時点における期限未到来残高です。契約負債は、収益の認識にともない取り崩されます。
当連結会計年度に認識された収益の額のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた額は、993百万円です。また、当連結会計年度において契約負債が173百万円増加した主な理由は、年会費収入の対象となるカード会員の増加です。過去の期間に充足(または部分的に充足)した履行義務から、当連結会計年度に認識した収益はありません。
(2)残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、個別の契約期間が1年を超える重要な契約がないため、記載を省略しています。
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1.報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、提供する商品、サービス等により「小売」「フィンテック」の2つを報告セグメントとしています。
「小売」は、商業施設の賃貸・運営管理、衣料品・装飾雑貨等の仕入販売、空間プロデュース、広告宣伝、トータルファッション物流、総合ビルマネジメント等を行っています。「フィンテック」は、クレジットカード業務、カードキャッシング、家賃保証、情報システムサービス、不動産賃貸、投資信託の販売、少額短期保険業等を行っています。
2.報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、資産、その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一です。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。セグメント間の内部収益および振替高は市場実勢価格に基づいています。
3.報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、資産、その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1 調整額は以下のとおりです。
(1) セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去2,307百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△9,634百万円です。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない連結財務諸表提出会社の費用です。
(2) セグメント資産の調整額は、セグメント間債権の相殺消去△595,518百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産622,772百万円などです。全社資産は主にグループ内の資金を一元管理するキャッシュマネジメントシステムに係る連結財務諸表提出会社の貸付金等です。
2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
3 店舗の固定資産は小売セグメント資産に含まれていますが、当社グループの「店舗・カード・Web」が相乗効果を発揮するビジネスモデルに基づき、店舗は新しい顧客獲得の重要なタッチポイントであり、エポスカードの発行拠点としてフィンテックセグメント利益にも貢献しています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1 調整額は以下のとおりです。
(1) セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去1,877百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△10,176百万円です。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない連結財務諸表提出会社の費用です。
(2) セグメント資産の調整額は、セグメント間債権の相殺消去△609,066百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産650,526百万円などです。全社資産は主にグループ内の資金を一元管理するキャッシュマネジメントシステムに係る連結財務諸表提出会社の貸付金等です。
2 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
3 店舗の固定資産は小売セグメント資産に含まれていますが、当社グループの「店舗・カード・Web」が相乗効果を発揮するビジネスモデルに基づき、店舗は新しい顧客獲得の重要なタッチポイントであり、エポスカードの発行拠点としてフィンテックセグメント利益にも貢献しています。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(1) 売上収益
本邦の外部顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益の90%を超えるため、記載を省略しています。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
2.地域ごとの情報
(1) 売上収益
本邦の外部顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益の90%を超えるため、記載を省略しています。
(2) 有形固定資産
本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載事項はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。
【関連当事者情報】
連結財務諸表提出会社と関連当事者との取引
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
連結財務諸表提出会社の役員及び主要株主(個人の場合に限る)等
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
賃借料等については、近隣の家賃等を参考に一般取引と同様に決定しています。
連結財務諸表提出会社の非連結子会社
非連結子会社への貸倒懸念債権に対し、689百万円の貸倒引当金を計上しています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
連結財務諸表提出会社の役員及び主要株主(個人の場合に限る)等
(注) 取引条件及び取引条件の決定方針等
賃借料等については、近隣の家賃等を参考に一般取引と同様に決定しています。
連結財務諸表提出会社の非連結子会社
非連結子会社への貸倒懸念債権に対し、865百万円の貸倒引当金を計上しています。
また、当連結会計年度において175百万円の貸倒引当金繰入額を計上しています。
(1株当たり情報)
(注)1 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載していません。
2 1株当たり当期純利益の算定上、期中平均株式数から控除する自己株式には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式を含めています。(前連結会計年度766千株、当連結会計年度766千株)
3 1株当たり純資産額の算定上、期末発行済株式数から控除する自己株式には、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託が保有する当社株式を含めています。(前連結会計年度766千株、当連結会計年度766千株)
4 1株当たり当期純利益の算定上の基礎は、次のとおりです。
(重要な後発事象)
自己株式の取得枠設定
当社は、2024年5月14日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式の取得枠を設定することを決議しました。
1.自己株式の取得を行う理由
当社グループでは、これまで事業構造の転換に合わせ資本最適化を推進してきました。はじめに、フィンテック中心の事業構造への転換に合わせ、フィンテックセグメントの自己資本比率を業界平均並みの10%程度まで引き下げる方針のもと約1,000億円の自己株式の取得を行い、2021年3月期までにこれを実現しました。次に2026年3月期を最終年度とする5ヵ年の現中期経営計画において、小売セグメントの余剰資本を解消するため、2023年3月期までに500億円の自己株式の取得を行いました。これにより、資本構成が最適化され、めざすべきバランスシートにおいて目標としていた自己資本比率25%程度を達成したことから、2024年3月期より資本政策を変更しています。自己株式の取得については、財務状況や株価水準等を総合的に勘案しながら機動的に実施することとしており、今期においては、将来の収益性が株価に十分に織り込まれない場合に対応するため、200億円の取得枠を設定します。
下記内容は、以上の考え方のもと決議したものです。
2.自己株式の取得に係る事項の内容
(1)取得対象株式の種類 普通株式
(2)取得し得る株式の総数 1,100万株を上限とする
(自己株式を除く発行済株式総数に対する割合 5.86%)
(3)株式の取得価額の総額 200億円を上限とする
(4)株式の取得期間 2024年6月1日より2024年9月30日まで
⑤【連結附属明細表】
【社債明細表】
(注) 1 当期末残高の(内書)は1年内償還予定額です。
2 連結決算日後5年内における1年ごとの償還予定額は次のとおりです。
【借入金等明細表】
(注) 1 平均利率については、借入金等の期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
2 リース債務の平均利率は、リース料総額に含まれる利息相当額を定額法により各連結会計年度に配分しているため記載していません。
3 長期借入金およびリース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)の連結決算日後5年内における1年ごとの返済予定額は次のとおりです。
【資産除去債務明細表】
「資産除去債務関係」注記において記載していますので、省略しています。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
有価証券
① 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法によっています。
② その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)によっています。
市場価格のない株式等
主として移動平均法による原価法によっています。
なお、組合出資金等ついては、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書を基礎とし、持分相当額を純額で取り込む方法によっています。
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産
定額法を採用しています。
(2) 無形固定資産
定額法を採用しています。ただし、自社利用のソフトウェアについては社内における利用可能期間(5年以内)に基づく定額法によっています。
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒損失に備えるため、貸倒懸念債権等特定の債権について個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 賞与引当金
従業員の賞与支給に備えるため、支給見込額のうち当事業年度負担額を計上しています。
(3) 株式給付引当金
株式交付規程に基づく役員および従業員への当社株式の給付に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
4.収益及び費用の計上基準
当社の収益は、主にグループ会社からの受取配当金および経営管理料等です。受取配当金については、配当金の効力発生日をもって収益を認識しています。経営管理料等においては、グループ会社への契約内容に応じた受託業務を提供することが履行義務であり、業務が実施された時点で当社の履行義務が充足されることから、当該時点で収益及び費用を認識しています。
5.消費税等の処理方法
消費税及び地方消費税の会計処理は、税抜方法によっています。
6.グループ通算制度の適用
当社は、グループ通算制度を適用しています。
(重要な会計上の見積り)
非上場株式の評価
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2)当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出方法
金額の算出方法については、連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)1.非上場株式の評価」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
(3)当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出に用いた主要な仮定
金額の算出に用いた主要な仮定については、連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)1.非上場株式の評価」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
(4)翌事業年度の財務諸表に与える影響
上記のうち、19銘柄3,041百万円については、実績が取得時点の計画を下回っており、投資先の翌年度の事業実績が計画を下回る場合には、翌事業年度において投資有価証券評価損または関係会社株式評価損が計上される可能性があります。
(表示方法の変更)
(損益計算書関係)
前事業年度において、「営業外収益」の「その他」に含めていた「受取配当金」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記することとしています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前事業年度の損益計算書において、「営業外収益」の「その他」に表示していた349百万円は、「受取配当金」263百万円、「その他」85百万円として組み替えています。
(追加情報)
(役員報酬BIP信託制度)
役員報酬BIP信託制度については、連結財務諸表「注記事項(追加情報)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
(株式付与ESOP信託制度)
株式付与ESOP信託制度については、連結財務諸表「注記事項(追加情報)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権および金銭債務は、次のとおりです。
偶発債務
連結子会社である㈱エポスカードの取引先への未精算金に対して、次のとおり保証を行っています。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引高は、次のとおりです。
※2 営業費用のうち主要な費目および金額は、次のとおりです。また、当社は持株会社のため一般管理費として全額を計上しています。
(有価証券関係)
子会社株式および関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式および関連会社株式の時価を記載していません。
なお、市場価格のない株式等の貸借対照表計上額は次のとおりです。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しています。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、財務諸表「注記事項(重要な会計方針)4.収益及び費用の計上基準」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
(重要な後発事象)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」に記載しているため、省略しています。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 当期首残高および当期末残高は、取得価額により記載しています。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができません。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
(4) 株主の有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を売渡すことを請求する権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しています。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。