第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注)1 当社は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成しております。
2 第121期の株価収益率は、基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期損失であるため記載しておりません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 第121期の当期純利益の大幅な増加は、関係会社からの配当金の計上等によるものです。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第122期の期首から適用しており、第121期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
3 株主総利回り及び比較指標の最近5年間の推移は以下のとおりです。
(株主総利回りは、(a)各事業年度末日の株価と、(b)当事業年度の4連結会計年度前から各事業年度末までの1株当たり配当額の累計金額の合計金額(a)+(b)を、当事業年度の5連結会計年度前末日の株価で除した比率を記載しております。)

4 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループは、当連結会計年度末現在、当社及び子会社224社、関連会社18社で構成されております。
当社グループでは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ及びその他において、開発、生産、販売、サービス等の活動を展開しております。
開発については、主として当社が担当しております。また、生産については、当社及び当社の生産体制と一体となっている国内外の生産関係会社が行っております。
また、販売・サービス体制は、国内、米州、欧州・中東・アフリカ、中華圏・アジア等のその他地域にて、世界約200の国と地域で事業を展開しております。
事業区分における主要な製品及び子会社の位置付けは、以下のとおりです。
なお、当連結会計年度より、その他に含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5 事業セグメント」をご参照ください。
また、事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
<デジタルサービス>
当事業セグメントは、全世界に広がる顧客基盤をベースに、世界トップシェアを有するオフィス向け複合機・プリンターなどの画像機器及び消耗品の販売をはじめ、お客様のワークフロー全体の変革や働き方改革を支援するIT関連ソリューション、様々な経営課題や生産性向上をデジタルで解決するサービスを提供する事業を展開しております。
<デジタルプロダクツ>
当事業セグメントは、世界トップシェアを有するオフィス向け複合機をはじめ、プリンターなどの画像機器、さらにデジタルによるコミュニケーションを支えるエッジデバイスの開発・生産(OEM含む)に取り組んでいます。
<グラフィックコミュニケーションズ>
当事業セグメントには、商用印刷事業と産業印刷事業があります。
商用印刷事業:印刷業を営むお客様を中心に、多品種少量印刷に対応可能なデジタル印刷関連の製品・サービスを提供しております。
産業印刷事業:建材・家具・壁紙・サインディスプレイ・服飾品生地など、多種多様な印刷を可能とする産業用インクジェットヘッド・インクジェット用インク・産業用プリンターなどを製造・販売しております。
(上記3事業セグメントにおける主要な子会社)
(生産)
(販売・サービス・サポート・その他)
<インダストリアルソリューションズ>
当事業セグメントには、サーマル事業と産業プロダクツ事業があります。
サーマル事業:食品用のPOSラベル・バーコードラベル・配送ラベルなどに利用されているサーマルペーパー・衣料品の値札・ブランドタグ・チケットなどに使われる熱転写リボンを製造・販売しております。
産業プロダクツ事業:光学技術や画像処理技術を活かした精密機器部品などを提供しております。
(主要な子会社)
(生産)
<その他>
当事業セグメントには、Smart Vision事業などの新規事業やデジタルカメラ関連事業があります。
360度カメラにソフトウエアやクラウドサービスを組みあわせ、不動産・建設・土木など現場のデジタル化に向けたプラットフォーム事業を展開するSmart Vision事業、既存の石油由来プラスチックに替わる植物由来の新素材「PLAiR(プレアー)」事業、iPS分化細胞や細胞チップにより創薬を支援するバイオメディカルなどのヘルスケア事業、社会課題に対応し、路面・トンネル・のり面などの点検作業を効率化する社会インフラ事業、環境技術や環境事業の創出など、新たな事業機会の拡大を行っています。また、コンシューマー市場でお客様から支持をいただいているデジタルカメラ関連事業、関連会社が独自に事業拡大を行っている事業なども含まれています。
(主要な子会社)
(生産)
(販売・サービス・サポート・その他)
<事業系統図>
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。

4 【関係会社の状況】
(連結子会社)
2024年3月31日現在
(関連会社)
2024年3月31日現在
*1 特定子会社に該当しております。
*2 有価証券報告書を提出しております。
*3 リコージャパン㈱及びRICOH USA, INC.は連結売上高に占める売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の割合が10%を超えております。
RICOH USA, INC.は、過年度ののれんの減損損失の計上により債務超過となっております。
*4 議決権の所有割合の( )内の数字は間接所有割合(内数)です。
5 【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は重要性がないので記載を省略しております。
(2)提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員(1日7.5時間換算)であります。
2 臨時従業員には、嘱託(シニアを含む)、パート・アルバイトの従業員を含み、人材派遣社員、業務委託、請負の従業員を除いております。
3 平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3)労働組合の状況
当社及び一部の連結子会社において労働組合が結成されておりますが、労使関係については特に記載すべき事項はありません。
(4)多様性に関する指標
当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。
① 女性活躍推進法及び育児・介護休業法に基づく開示
(注)
1 上記は社員100名以上又は「えるぼし」認定企業を対象としております。
2 正社員に占める女性比率は2024年3月末時点、管理職に占める女性比率は2024年4月1日時点となります。
3 管理職に占める女性比率及び男女の賃金格差については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」
(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもので、出向者は出向元の従業員として集計しております。
但し、(株)PFU、PFU ITサービス(株)、PFUテクノワイズ(株)については、出向者は出向先の従業員として集計しております。
4 男性の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」
(平成3年法律第76号)の規定に基づき「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したもので、出向者は出向元の従業員として集計しております。なお、男性の育児休業取得率算出にあたっての各条件は厚生労働省発行のリーフレット「男性の育児休業取得率等の公表について」の記載に準じております。
5 「-」は対象となる従業員が無いことを示しております。
6 男女の賃金格差について、基本的に処遇は男女同一であり、現在生じている格差は職務、等級、年齢構成の違い
によるものです。
② 連結会社の状況
(注)
1 正社員に占める女性比率は2024年3月末時点、管理職に占める女性比率は2024年4月1日時点となります。
2 管理職に占める女性比率については、出向者を出向元の従業員として集計しております。
但し、(株)PFU、PFU ITサービス(株)、PFUテクノワイズ(株)については、出向者は出向先の従業員として集計しております。
3 当社及び国内連結子会社の男性の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労
働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したもので、出向者は出向元の従業員として集計しております。なお、男性の育児休業取得率算出にあたっての各条件は厚生労働省発行のリーフレット「男性の育児休業取得率等の公表について」の記載に準じております。
4 男性の育児休業取得率については、海外連結会社のデータ収集を実施していないため「-」とし、記載を省略して
おります。
5 男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。なお、賃金は基本給及び賞
与等のインセンティブを含んでおります。基本的に処遇は男女同一であり、現在生じている格差は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。
6 当社における男女間賃金格差は管理職では 95.1%となります。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1)変わることと変わらないこと
当社グループが変わらずに大切にしているものがあります。それは創業の精神である「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」からなる「三愛精神」です。三愛精神を根底とし、お客様の“はたらく”に寄り添い、“はたらく”を歓びに変えるお手伝いをする会社になるという姿勢をより明確にするため、2023年4月1日に企業理念であるリコーウェイを改定しました。「“はたらく”に歓びを」を「使命と目指す姿」と定め、“はたらく”に寄り添い変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくることを目指しています。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。

(2) リコーの中期展望
当社グループは、2023年3月に、同年4月からスタートする第21次中期経営戦略(以下、21次中経)を発表しました。当社グループの使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指しています。
当社グループが注力している領域は、働く人を単純作業から解放するビジネスプロセスオートメーション、創造性を高めるコミュニケーションサービス、ワークプレイスの基盤となる環境を構築するITサービスの3つです。この注力領域において、グローバルの顧客基盤や、顧客の課題把握力・提案力に優れた販売・サービス体制、そして魅力的な自社IP*といった強みを活かしながら、変容するワークプレイスにおいて一貫したサービスをグローバルに提供する「ワークプレイスサービスプロバイダー」を目指します。
*自社IP(Intellectual Property):企業が自らの努力で生み出した知的財産で、ライセンス使用料など収益の源泉となるなどの経済価値を有するもの


◆将来財務(ESG)の視点
ESGの取り組みは、将来の財務を生み出すために不可欠なものと位置づけ、「ESGグローバルトップ企業」を目指し、お客様や株主・投資家の皆様からの高まるESG要求に応えるべくバリューチェーン全体を俯瞰した活動を進めます。
21次中経では、事業を通じた4つの社会課題解決と、それを支える3つの経営基盤強化を合わせた7つのマテリアリティ(重要社会課題)に取り組んでいます。また、これら7つのマテリアリティに対する評価指標として16のESG目標(将来財務目標)を設定しています。マテリアリティとESG目標は、グローバルなESGの潮流への対応と経営戦略の実行力向上の観点で設定しており、16のESG目標は各ビジネスユニット、機能別組織にブレークダウンして展開しています。
「事業を通じた社会課題解決」では、お客様の“はたらく”を変革するデジタルサービスを提供し生産性向上と価値創造を支援しています。また、脱炭素社会、循環型社会の実現にも引き続き注力し、当社グループの強みである技術力と顧客接点力を活かし、地域・社会システムの維持発展、効率化に貢献しています。「経営基盤の強化」では、人権問題への対応の強化、デジタルサービスの会社への変革に向けたデジタル人材の量・質の確保、デジタルサービス関連特許の強化などに取り組んでいます。
また、社会課題解決に貢献する事業とその貢献金額を明確化し、2025年度までの売上高目標を設定しました。今後もESGと事業成長の同軸化の取り組みを加速させていきます。

◆21次中経基本方針
中長期目標を達成するために掲げた「①地域戦略の強化とグループ経営の進化」「②現場・社会の領域における収益の柱を構築」「③グローバル人材の活躍」という3つの基本方針は継続して取り組んでいます。
●21次中期経営戦略 基本方針
① 地域戦略の強化とグループ経営の進化
② 現場・社会の領域における収益の柱を構築
③ グローバル人材の活躍
基本方針① 地域戦略の強化とグループ経営の進化
オフィスプリンティング以外の収益を積み上げ高収益な体質に変革していくために、顧客接点における価値創造能力の向上、当社グループ内でのシナジー発揮、継続した収益改善のために環境変化への対応力をつけていくことを重視し取り組みを進めました。
この収益構造の変革に向けて、特に注力すべき価値提供領域を「ビジネスプロセスオートメーション」「コミュニケーションサービス」「ITサービス」と定めました。地域ごとの特性を重視しながらリソースを集中的に投下し、サービス分野のストック契約・売上を積み上げる戦略を実行しています。
基本方針② 現場・社会の領域における収益の柱を構築
デジタルサービスの領域を拡げ、より幅広いお客様に価値を提供していくため、「現場・社会」領域での収益の柱の構築を21次中経の基本方針として掲げています。商用印刷事業を中心に進捗しており、リコーグラフィックコミュニケーションズの当連結会計年度の業績は前年度比で増収増益となっています。
引き続き「現場・社会」領域での収益の柱の構築に取り組みます。同時に、事業ポートフォリオマネジメントを通じて注力する事業領域を見極め、出口プロセスへの移行を判断した事業については、適切な出口戦略を探索していきます。
基本方針③ グローバル人材の活躍
事業構造を変化させ、グローバルでの提供価値を拡大させるためには、社員の活躍が不可欠です。当社グループでは社員の能力やスキルを資本と捉え、人に対して積極的に投資をしていく人的資本戦略を策定しました。
◆企業価値向上プロジェクト
目指す姿の実現に向けて2023年4月から企業価値向上プロジェクトに取り組んでいます。株主・投資家・アナリストの皆様との対話や資本市場目線での分析など、様々な角度から企業価値向上に向けて当社グループが取り組むべき課題について検討を進めました。PBRが低い最大の要因は収益性の低さにあり、デジタルサービスの会社として成長を実現するためには、各事業のビジネスモデルに適合した収益構造の実現が必要であることから、抜本的な収益構造変革を推し進めています。
具体的には、① 本社改革、② 事業の「選択と集中」の加速、③ オフィスプリンティング事業の構造改革、④ オフィスサービス利益成長の加速 の4つの領域で収益構造の変革に取り組んでいます。

① 本社改革
R&D投資はデジタルサービスの会社と親和性の高いワークプレイス領域によりフォーカスしていきます。また、顧客接点でより多くの価値を創造するデジタルサービス型へリコーグループの経営体制をシフトしていきます。
② 事業の「選択と集中」の加速
デジタルサービスの会社への変革・資源配分の最適化に向けて、従前より進めていた事業ポートフォリオマネジメントの取り組みをさらに加速します。当社グループの強みが生きる「ワークプレイス」を注力領域として、リソースを戦略的に配分するとともに、事業ポートフォリオマネジメントで出口プロセスへの移行を判断した事業については出口戦略の検討を進めます。
③ オフィスプリンティング事業の構造改革
オフィスプリンティング市場は縮小するという認識のもと、売上高が減少したとしても収益を確保するための体質強化を進めます。東芝テック株式会社との合弁会社の組成やSCMの最適化など、バリューチェーン全体を俯瞰した取り組みを実施します。
④ オフィスサービス利益成長の加速
デジタルサービスのコアであるオフィスサービスについては、お客様におけるオフィスサービスの導入率・ストック売上成長率の向上による利益成長のメカニズムを意識しながら、継続的な収益性向上に取り組みます。
また、提供価値最大化のため、販売・サービスや支援業務についてはインサイドセールスなども活用しながら、顧客との関係性を重視した、デジタルサービスの会社として相応しい体制へと見直します。
前述のとおり、当社グループが中長期的に目指す姿はグローバルのワークプレイスサービスプロバイダーであり、収益構造変革の活動はその目指す姿への到達に向けた重要な取り組みです。2024年度はこの収益構造変革に最優先で取り組みます。デジタルサービスの会社としての利益成長を着実に進めるための継続的な収益改善とあわせ、中長期の視点を見据えた成長施策にも取り組むことで、継続的な企業価値向上を実現します。
◆成長を支える資本政策
当社グループは、ステークホルダーの皆様の期待に応えながら、株主価値・企業価値を最大化することを目指しています。専門家の意見も取り入れながら様々な手法・複数の視点で当社グループの資本コストを把握し、株主の皆様からお預かりした資本に対して、資本コストを上回るリターンの創出を目指します。

企業価値最大化の実現に向けて、グループ本部による厳正な事業ポートフォリオマネジメントのもとで、各ビジネスユニットを投下資本利益率(以下、ROIC)や市場性などで評価した上で、合理的な判断・意思決定を行い、経営資源配分の最適化に取り組んでいます。事業ポートフォリオマネジメントでは、収益性と市場性という従来型のポートフォリオの切り口に加えて、「デジタルサービス親和性」という観点からも評価を行っています。この3つの観点において、各ビジネスユニット・事業を客観的に評価し、成長加速、収益最大化、戦略転換、事業再生の4つに分類し、デジタルサービスの会社として必要な経営基盤の強化に努めています。
また、中長期的に目指す株主資本利益率(以下、ROE)10%超を継続できる資本収益性の実現に向け、資本コストを上回る収益性を追求するため、各ビジネスユニット・部門にてROICツリーを用いた施策管理を実施しています。さらに、それらの主要施策を全社のROICツリーに採用し、単純に財務数値化できないグループ本部の施策についてはKPIとして目指す内容を言語化した上で、「リコー版ROICツリー」として定期的にモニタリングし、財務目標と施策の関連、KGI*2とKPIマネジメントを実施しています。
なお、当連結会計年度のROIC*3は、3.3%となりました。
*2 KGI(Key Goal Indicator):重要目標達成指標
*3 ROIC(投下資本利益率) = (営業利益-法人所得税費用+持分法による投資損益) / (親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債)
「リコー版ROICツリー」の概略
損益計算書(P/L)に加えて、貸借対照表(B/S)も意識したKPIを設定し、個々の組織と全社の両視点でKPIマネジメントを実施。

デジタルサービスの会社への変革に向けて、リスク評価に基づき適切な資本構成を目指し、投資の原資に借入れを積極的に活用しながら、負債と資本をバランスよく事業に投資していきます。オフィスプリンティング事業などの成熟し安定した収益を生む事業には負債を積極的に活用し、リスクの比較的高い成長事業には資本を中心に配分する考えです。
なお、2025年度に向けては、経営環境の不確実性が残る想定のもと、格付や資金調達リスクを鑑みた資本構成で、成長のための資本を確保します。2025年度以降は、成長投資領域の安定事業化とあわせ、新たな成長投資戦略に伴う事業構造変化を考慮し、柔軟に最適資本構成を調整していく考えです。
事業投資によって創出した営業キャッシュ・フローは、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的に活用していきます。デジタルサービスの会社への変革に向けた成長投資については、20次中期経営計画発表時に掲げた5年間(2021~2025年度)の成長投資枠5,000億円から変更はありません。当連結会計年度はITサービス強化に向けたアイルランドのPFH Technology Group(以下、PFH)の買収や、オフィスサービス事業成長のための欧米におけるコミュニケーションサービスやアプリケーションサービス領域でのM&A投資など、事業成長のための投資を着実に進めています。翌連結会計年度においても財務規律を考慮しつつ企業価値最大化に向けた成長投資を継続します。投資原資は、営業キャッシュ・フローを中心に有利子負債も活用しながら戦略的に実施します。

株主還元方針については、引き続き総還元性向50%の方針を堅持していきます。総還元性向50%を目安とした上で、配当利回りを意識し毎年利益拡大に沿った継続的な増配を目指します。さらに、自己株式取得などの追加還元策は、経営環境や成長投資の進捗を踏まえながら、最適資本構成の考え方に基づき、機動的かつ適切なタイミングで実施し、TSR*の向上を実現していきます。
この株主還元方針を踏まえ、2024年2月に300億円の自己株式取得を決定し、2024年2月7日から2024年3月31日の期間に75億円の自己株式取得を実施しました。また、翌連結会計年度の配当見通しについては、当連結会計年度から1株当たり 2円増配し年間 38円を予定しています。
* TSR(Total Shareholder Return):株主総利回りは、キャピタルゲインと配当をあわせた、株主にとっての総合投資利回り

(3)翌連結会計年度の見通し
当連結会計年度は、国際情勢の緊迫化の継続、資源価格の高騰やインフレ、円安の進行などにより、グローバルビジネスにおける景気低迷が続き、先行きは依然として不透明な状況となっています。翌連結会計年度においてもこのような厳しい外部環境が続くと想定されますが、企業価値向上プロジェクトの活動を確実に実行し、デジタルサービスの会社として相応しい収益構造へと変革を進めます。
翌連結会計年度の業績見通しについては、連結売上高25,000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は480億円としました。当社グループが成長事業としているオフィスサービス領域において引き続き堅実な成長を見込んでいることに加え、オフィスプリンティング領域の在庫過多の解消、リコーグラフィックコミュニケーションズの成長などを見込んでいます。2024年7月には東芝テック株式会社と開発・生産機能を統合する合弁会社を組成予定であり、両社の統合を確実かつ迅速に実行することなどにより、オフィスプリンティング領域の構造改革を推進していきます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取り組み】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
基本的な考え方-ビジネスの力で持続可能な社会を実現
当社グループは、三愛精神に基づき、経済(Prosperity)・社会(People)・地球環境(Planet)の3つのPのバランスが保たれている目指すべき社会「Three Ps Balance」の実現に向け、「事業を通じた社会課題解決」「経営基盤の強化」と「社会貢献」の3つの活動に取り組み「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献していきます。
(1)ガバナンス
環境・社会・ガバナンス分野における課題を経営レベルで継続的に議論し、グループ全体の経営品質向上につなげる目的でESG委員会を設置しています。ESG委員会はCEOを委員長とし、社内取締役を含むGMC*1メンバーとビジネスユニットプレジデントから構成*2され、四半期に一度開催する意思決定機関です。
ESG委員会では、サステナビリティ領域における事業の将来のリスク・機会や、重要社会課題(マテリアリティ)の特定、ESG目標の設定等について審議しています。重要な審議内容については、取締役会の承認を経て決定しています。
また、ESGの取り組みや目標達成に対する経営責任を明確にするため、取締役や執行役員の報酬にESG指標を組み込んでいます。具体的には、DJSI年次レーティングを取締役・執行役員賞与フォーミュラに組み込んでいます。また、社内取締役及び執行役員が対象となる役員株式報酬制度の算定式の20%は「ESG目標の達成項目数」と連動しており、ESGの取り組みへのインセンティブとしています。役員株式報酬制度の詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」を参照ください。
*1 GMC(グループマネジメントコミッティ):当社グループ全体の経営について全体最適の観点で審議及び意思決定を迅速に行うた
めに、取締役会から権限移譲された社長執行役員が主催する意思決定機関
*2 常勤監査役がオブザーバーとして参加
<当社グループのガバナンス体制>

(2)ESG戦略
当社グループでは、「ESGと事業成長の同軸化」を方針に掲げ、ESGを非財務ではなく、数年後の財務につながる「将来財務」と位置づけています。目指すべき持続可能な社会の姿「Three Ps Balance」の実現に向けて、当社グループは、中期経営戦略において特に重点的に取り組むマテリアリティを特定しました。
マテリアリティの特定及び改定は、社会動向、事業戦略、ステークホルダーの皆様の視点や各種ガイドラインを参照しながら、3年ごとの中期経営戦略単位でStep1からStep4(下図1)のプロセスで実施しています。マテリアリティを改定する場合はCEOを委員長としたESG委員会にて審議の上、中期経営戦略とともに取締役会で承認したうえで開示します。
21次中経では、事業活動を通じた4つの社会課題解決と、それを支える3つの経営基盤の強化をマテリアリティとして特定し、これら7つのマテリアリティに対して戦略的意義を定め(下図2)、評価指標として16のESG目標を設定しました。具体的には、世界共通の課題である気候変動や人権問題に関する目標や、デジタルサービスの会社への変革に必要となるデジタルサービス関連特許や情報セキュリティ、デジタル人材育成等の目標を設定しています。また、社会課題解決が事業成長につながることを示すため、4つのマテリアリティに対して社会課題解決型事業を特定し、2025年度までの売上高目標を設定しました(下図3)。今後もESGと事業成長の同軸化の取り組みを加速させていきます。
<図1 マテリアリティの特定及び改定プロセス>

<図2 7つのマテリアリティと戦略的意義>

<図3 21次中経の事業を通じた社会課題解決型事業売上高目標>

(3)リスク管理
当社グループのリスク管理は、経営に大きな影響を及ぼすリスクを「重点経営リスク」と位置づけその特性によって「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分けて管理しています。
サステナビリティに関するリスクは、企業の中長期的な成長に大きく影響を与えることから「ESG/SDGsへの対応」を戦略リスクの一つとして位置づけ、脱炭素、資源循環、生物多様性や人権に関するリスク管理を全社レベルで行っています。
リスクレベルは、影響度及び緊急度を基に算出し、全社リスクマネジメントの枠組みに則って評価されています。リスクマネジメント詳細については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」における「ESG/SDGsへの対応」を参照ください。
(4)指標と目標
21次中経におけるESG目標の進捗は以下のとおりです。2025年度目標達成に向けて一部進捗に遅れがあるものの概ね順調に推移しています。
<7つのマテリアリティに紐づく16のESG目標と進捗>


社外からの評価
ESGへの取り組みが評価され、国内外のESGインデックスの組み入れ銘柄として採用されています。
*10 CDP:企業の環境分野の情報開示を促し、気候変動、水セキュリティ、フォレスト等の取り組みを評価する国際的な非営利
団体
*11 EcoVadis:企業の環境・社会・ガバナンス側面を評価する国際的な評価機関であり、多くのグローバル企業がサプライヤー
の選定に評価結果を活用
*12 Global 100:カナダのCorporate Knights社による、環境・社会・ガバナンスの側面について企業を評価し、持続可能な企
業
100社を選定する評価機関
*13 GPIF 6指数:MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)、FTSE Blossom Japan
Index、FTSE Blossom Japan Sector Relative Index、S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数、Morningstar
日本株式ジェンダー、ダイバーシティ・ティルト指数
(5)個別テーマへの対応-環境分野の取り組み
①環境分野のガバナンス及びリスク管理
当社グループでは、マテリアリティとして「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」を定め、環境対応を経営課題の1つとして取り組んでいます。2050年を見据えた中長期の環境目標を設定するとともに、中期経営戦略においてもESG目標を設定し、目標達成に向けた具体的な施策を展開しています。ESG目標の進捗状況についてはESG委員会や取締役会を通じ、経営レベルで監督が行われています。また、当社グループの経営上重要なリスクとして設定している7つの重点経営戦略リスクの一つに環境分野への対応を据えてリスク管理を行っております。当社グループが取り組んでいる「脱炭素」「省資源」「生物多様性」における方針・戦略・リスクと機会・目標に対する進捗は以下のとおりです。
②脱炭素分野
<方針>
「脱炭素社会の実現」に向けて、パリ協定やIPCC等科学的知見に基づき2050年バリューチェーン全体の温室効果ガス(以下GHG)排出実質ゼロとすることを定めました。脱炭素方針に沿って中長期の環境目標(図1)や脱炭素ロードマップを策定し、全社で具体的な施策を展開しています。
◆脱炭素方針
1. 徹底的な省エネ・燃料転換の推進
2. 再生可能エネルギーの積極的な利活用
3. サプライチェーンにおけるGHG排出量の可視化と削減
<戦略>
2050年GHGスコープ1,2及び3(*1)のネットゼロ目標達成に向けてマイルストーンごとの野心的な削減目標を定め、2030年目標は気候変動の国際的イニシアチブSBTi(Science Based Targets initiative)から「SBT1.5℃」水準として認定されています。2030年目標達成に向けては、当社グループの事業規模・事業構成の変化や国内外の脱炭素政策に基づくエネルギー・素材のGHG排出原単位の変化見通し等も考慮した脱炭素ロードマップを策定し、具体的な削減施策を定め推進しています。目標については3年ごとに見直しを行いながら取り組んでいます。
また、2024年3月には、スコープ1,2のGHG実質排出ゼロの達成、事業活動における使用電力の100%再生可能エネルギーへの移行(RE100*2達成)を従来の2050年から10年前倒しする新たな2040年度目標を設定しました。スコープ1,2の2040年度目標に対しては、排出量を自助努力で基準年*3比90%削減し、残余排出量については、国際的に認められる方法*4でオフセットすることで実質ゼロを達成します。スコープ3についても対象範囲を従来のカテゴリー1(調達)、4(輸送)、11(使用)から全カテゴリーに拡大し、2040年度までに基準年比削減率65%を新たに設定し、対応を強化します。また、従来から設定している2050年のスコープ1,2及び3のネットゼロ目標についても、排出量を自助努力で基準年比90%削減する数値目標を追加設定しました。
*1 スコープ1:自社の工場・オフィス・車両等から直接排出されるGHG
スコープ2:自社が購入した熱・電力の使用に伴うGHG
スコープ3:企業活動のサプライチェーンの排出量(GHGスコープ1、2を除く)
*2 RE100:事業に必要な電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際イニシアチブ
*3 2015年度
*4 2023年11月発行のISO14068ー1:2023に準ずる
<リコーグループ環境目標(脱炭素分野)>
2050年目標
・ GHGスコープ1,2,3:ネットゼロ(2015年度比90%削減、残余排出は国際的に認められる方法でオフセット)
2040年目標
・ GHGスコープ1,2:実質排出ゼロ(2015年度比90%削減、残余排出は国際的に認められる方法でオフセット)
・ GHGスコープ3:65%削減(2015年度比、全カテゴリー)
・ 再生可能エネルギー比率:100%
2030年目標
・ GHGスコープ1,2:63%削減(2015年度比)
・ GHGスコープ3:40%削減(2015年度比、調達・輸送・使用カテゴリー)
・ 再生可能エネルギー比率:50%
<図1 リコーグループ環境目標(脱炭素分野)>

<リスクと機会>
気候変動におけるリスクに関しては、TCFDフレームワークに沿ったシナリオ分析によりリスクを捉え、各リスクにおける影響度(財務影響)と緊急度(発現時期)について評価を行っています。評価にあたっては各リスクを全社のリスクマネジメントの枠組みに照らして、影響度・緊急度を具体的な金額や発生度合いが本格化する年限で示しています。年々増加する自然災害は、当社グループにとって喫緊の課題であり、特に自社拠点を含むサプライチェーンの寸断は大きな事業インパクトが発生しかねないリスクと捉え、毎年モニタリングしながら適切な対策を進めています。
また、気候変動は、事業リスクのみならず、自社製品・サービスの提供価値及び企業価値を高める機会につながると認識し、長年培ってきた脱炭素分野の活動成果を機会として示しています。
<脱炭素分野のリスク>

*1 2℃/1.5℃シナリオ:2100年までの平均気温上昇が2℃未満に抑えられている世界
*2 4℃シナリオ:2100年までの平均気温が4℃上昇する世界
<脱炭素分野の機会>

*1 スクラムアセット:日本で販売する中堅企業向けの課題適応型ソリューションモデル
*2 LCAW(Leading Change at Work):欧州で販売するパッケージ型ソリューション
<目標に対する進捗>
当連結会計年度は、脱炭素ロードマップに基づき、再エネ率向上につながるVPPA*の運用を開始しました。また、激甚化傾向にある自然災害に対しては、グローバル主要拠点における自然災害リスクの分析、リスク結果を踏まえた拠点改善活動を進めました。2030年目標に対する進捗は以下のとおりです。なお、スコープ3の算定については、見積もりを含むものであり、算定範囲や算定手法を見直しながら精度向上に努めています。
*VPPA(Virtual Power Purchase Agreement):仮想電力購入契約

③省資源分野
<方針>
当社グループは、1994年に循環型社会実現のコンセプトとして「コメットサークル」を制定し、製品のライフサイクル全体での資源の有効活用を推進しています。また、省資源方針やプラスチック方針に基づき、2030年、2050年の目標を設定し、新規資源使用量の削減や資源の循環利用、化石資源由来バージンプラスチックの削減・代替の取り組みを進めています。
◆省資源方針
1. 循環型社会の実現の為に、徹底的な資源の効率利用と循環に取り組む
2. 再生製品の提供を行い、環境負荷が低く、持続可能な資源への切替・積極利用に取り組む
◆プラスチック方針
1. 脱・化石資源由来バージンプラスチックの推進
2. 材料リサイクル可能な設計の推進

<戦略>
省資源分野の中長期目標として新規資源使用量や化石資源由来バージンプラスチックの削減目標を定め、製品の小型・軽量化、長期使用、再生製品の提供、再生材料の採用等の具体的な削減施策についてロードマップを策定し推進しています。また、設計から生産、販売まで一体となったサーキュラーエコノミーワーキンググループを設置し省資源に繋がる製品開発を展開しています。
<リコーグループ環境目標(省資源分野)>
2050年目標
・ 製品の新規資源使用率*1: 12%以下*2
2030年目標
・ 製品の新規資源使用率: 60%以下
プラスチックに関する目標
・ 画像製品におけるプラスチック回収材使用率50%以上(2030年)
・ 製品包装における「化石資源由来バージンプラスチック」使用量の2020年比50%以上削減(2030年)
・ プラスチック部品・包装材の材質表示と単一素材化完了(2025年)
*1 新規資源使用率:総投入資源量に対する新規資源使用量の割合
*2 独立行政法人 物質・材料研究機構発表文献引用「持続可能な資源利用には2000年当時の資源に対して資源使用総量の1/8化
が必要」との考えから設定
<リスクと機会>
当社グループが認識している省資源分野におけるリスク及び機会は以下のとおりです。国際社会でサーキュラーエコノミーへの移行が加速しており、資源循環への取り組みが十分でない場合、自社の企業価値を毀損するリスクとなる一方、取り組みを強化することによって事業活動の持続可能性を高めるとともに、中長期的な機会と競争力の獲得につなげることができます。
<省資源分野のリスク>

<省資源分野の機会>

<目標に対する進捗>
目標に対する進捗は以下のとおりです。

④生物多様性保全分野
<方針>
当社グループは、2009年に「生物多様性方針」を制定し、その方針に基づいて生物多様性保全活動に取り組んでいます。まずは生物多様性リスクを把握し、様々なステークホルダーと連携し事業活動に伴う環境負荷削減や生物多様性リスクを低減することで、生物多様性の損失を止め回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」と「森林破壊ゼロ」社会の実現を目指しています。
◆生物多様性方針(基本方針)
私たちは生き物の営みによる恩恵を得、生物多様性に影響を与えながら事業活動を行っているという事実を踏まえ、生物多様性への影響を削減するとともに生物多様性保全に貢献する活動を積極的に行う。
方針の詳細はこちら:
https://jp.ricoh.com/sustainability/environment/biodiversity#policy
<戦略>
当社グループの事業活動と生態系との関係性を明確にするため、「企業と生物多様性の関係性マップ」を作成し評価しました。評価の結果、紙パルプ等の原材料の調達で生態系への影響・リスクが大きいことがわかりました。
森林破壊の予防と人権等社会面に配慮した原材料調達を行うため、「リコーグループ製品の原材料木材に関する規定」や「用紙調達方針」を定め事業活動を行っています。
また、生物多様性保全のみならず地球温暖化防止、持続可能なコミュニティ発展の観点からも森林保全が重要と考え、森を「守る」「増やす」両面から100万本の森づくりや環境省を含めた産民官17団体を発起人とする「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画し、自然共生サイト*認定取得を推進しています。
* 国が認定する、民間の取り組み等によって生物多様性の保全が図られている区域
<生物多様性保全分野目標>
2030年までに100万本の植林*
* リコージャパン株式会社では、省エネMFP等1台販売について1本をインドネシア、フィリピンに植林
<リスク>
当社グループが認識している生物多様性分野におけるリスクは以下のとおりです。

<目標に対する進捗>
2020年から当連結会計年度までに累計45.3万本を植林
(6)個別テーマへの対応-人的資本・多様性への取り組み
当社グループの人的資本の考え方
当社グループの人的資本において、当社の目指す姿と使命である「“はたらく”に歓びを」につながるものとして、価値創造モデルと3つの柱からなる人的資本の考え方を定めています。
①人的資本の価値創造モデル
リコーらしい人的資本を形成する価値創造モデルを以下のように捉えています。
価値創造の根幹にあるのが、リコーカルチャーです。これは、ケイパビリティ(事業戦略の実行力)とマインドセットの結合によって作られます。そして、ケイパビリティとマインドセットそれぞれに、21次中経の時間軸において中核となるテーマを定義しています。これらのテーマに沿って人事施策が設計され、実行することで、最適化されたリコーカルチャーの醸成につながります。具体的な戦略・施策の実践を進めることで、社員の目標達成の成功体験が積み重ねられ、エンゲージメントがさらに強化されます。これがさらに新たなチェンジを生み出すエネルギーとなり、結果として当社グループが進化や変化をし続けるサイクルを生み出します。この循環の先には、「はたらく歓び」の実現があります。この「はたらく歓び」が、さらに社員一人ひとりの成長や達成、変革を促していきます。この循環を生み出すことが企業活動の成功の源泉になると考えています。
今後の注力テーマを、ケイパビリティについては成長と生産性の観点で5つ、マインドセットについては4つ、下の図に示すとおり定義しました。それぞれのテーマごとに、21次中経の3年間で具体的な人事施策を推進していきます。

②当社グループの人的資本の考え方:3つの柱
当社グループの人的資本施策として、「自律」「成長」「“はたらく”に歓びを」の3つの柱があり、社員が当社グループで働くことを通じて得られる体験を積み重ねることにより、社員の「“はたらく”に歓びを」と、事業成長の同時実現を目指すことを、当社グループの人的資本の考え方としています。

(ⅰ)自律:社員の潜在能力発揮を促す
一人ひとりの社員が、自分を活かすために主導権を握ること、会社が適所適材を実現すること、この2つが人的資本を活かす基本と考えています。この目的の実現のため、前連結会計年度には「リコー式ジョブ型人事制度」を導入し、社内公募制度を拡大しました。日々の働き方においても、リモートワークと出社の双方の良さを取り入れたハイブリッドワークを継続的に推進し、個人やチーム単位でのパフォーマンス最大化を図っています。これら自主自律のための環境整備に加え、当事者である社員とサポート役の上司への継続的な働きかけを積み重ね、個々のポテンシャル発揮につなげていきます。
(ⅱ)成長:個人の成長と事業の成長を同軸にする
当社グループは創業以来、お客様の“はたらく”に寄り添ってきました。私たちの目指すところは、デジタル技術の活用で業務の効率化や生産性向上を図り、働く人がより創造的な仕事に集中できるようなお手伝いをすることです。そのためには、社員自らが必要なデジタル技術を継続的に学び、業務に活用していくことが必須となります。このような社内実践で培った私たちの働き方をお客様に提案・提供することで、新しい明日の働き方につなげていきます。
(ⅲ)“はたらく”に歓びを:社員エクスペリエンスを“はたらく歓び”につなげる
お客様にはたらく歓びを感じていただくためには、まず、私たちがはたらく歓びを感じられるような経験を積むことが重要です。多様性と共創文化の中で能力を開花させ、はたらく歓びを感じること。これこそ、社員に体験してもらいたいことです。このような充実感・充足感のある「歓び」を生む社員エクスペリエンスは、私たちが直面する様々な変化に対応し、デジタルサービスの会社としての強固な文化を形づくるエンジンと言えます。
当社グループの人的資本戦略における主要指標は、前述の3つの柱に紐づいた「IDPに基づく異動率」「デジタル研修履修率」「社員エンゲージメント」「女性管理職比率」と定めています。
「IDPに基づく異動率」向上のために、当連結会計年度は今までの自身のキャリアを可視化する「キャリアシート」と今後の自律的な成長のための育成計画「IDP」の作成のためのシステム導入と展開を進めました。結果、キャリアシートの更新割合は全対象者に対して86%の社員が更新をしており、今後の自律的な成長のためのIDPの更新に関しては73%の社員が更新をしています。
「デジタル研修履修率」に関しましては、当連結会計年度は前述の価値創造モデルにおける戦略要素の一つである、「プロセスDXと高い生産性」に焦点を当て、全社員のプロセスDX人材の社内認定制度*取得を目指し、最終的に99.5%の社員が、プロセスDX人材のブロンズ認定を完了しました。
「社員エンゲージメント」は継続的に従業員の会社に対する信頼を見るのに重要な指標となります。前連結会計年度の結果を踏まえ、各極やBUごとにメッセージングの強化等を実施し、当連結会計年度の結果としては、前連結会計年度から0.06ポイントプラスとなり、2025年度の目標に向けて着実にエンゲージメントが上昇しています。
DEIの観点からも重要な多様性のある組織づくりに関しても、積極的な登用や育成を進めています。重要な指標となる「女性管理職比率」は、当連結会計年度の結果としては、前連結会計年度から0.6%プラスとなり、デジタルサービスへの変革に必要な多様性のある組織への変革を進めています。

* プロセスDX人材の社内制度認定:当社グループでは、デジタル技術を活用し仕事やプロセスのリデザインをする「プロセス
DX」の考え方や手法を学び、社内で認定を受ける制度を策定しています。この認定制度はブロンズ、シルバー、ゴールド、プ
ラチナの4種類のレベルがあり、ブロンズではプロセスDXを実践するための基本的な考え方や手法を理解している状態を認定
条件としています。
ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)とワークライフ·マネジメント(WLM)
イノベーションは、多様な人材が個々の能力を活かし協働することで創出されます。そのためには、多様な社員それぞれが自身のパフォーマンスを最大限発揮して活躍できる環境が必要です。この実現に向け、「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン」と「ワークライフ・マネジメント」を経営戦略の1つと位置づけて取り組みを進めています。社員の多様性を尊重し、生き生きと働けるような環境整備を進めるべく、「リコーグループ企業行動規範」を企業カルチャーの基本として社員コミュニケーションを徹底しています。また、あらゆる多様性や価値観を互いに受け入れ、グローバルの社員が一つのチームとして働く決意を表す「グローバル DEIステートメント」を22言語、明確な行動規範として「グローバル DEI ポリシー」を17言語で定めています。個々人の多様性を認め、すべての人が敬意をもって尊重される環境で働けるよう取り組みを推進していきます。当連結会計年度からは、D&Iを一歩進め、「エクイティ(Equity:公平性)」という概念を加え、DEIとして一層取り組みを強化しており、エクイティの概念におけるトップからのメッセージの展開や国際女性デー(IWD)に合わせたグローバル全社でのイベントの開催等を実施しています。またWLMの観点から、すべての社員が働きやすい環境で勤務できるように、当社グループでは両立支援のための各種制度の整備に加え、ハイブリッドワークを実施しております。これにより、場所にとらわれることのない働き方を実現しつつも、必要に応じてオフィスでコミュニケーションもとれる形をとっており、新しい働き方を率先して実施しています。

(7)個別テーマへの対応-人権への取り組み
当社グループの人権尊重の原点は、創業の精神である三愛精神にある“人を愛し”にあります。グローバルにビジネスを展開している当社グループでは、各国の法令を遵守することはもちろんのこと国際的規範に準拠した人権尊重の実践に取り組んでいます。
2021年4月に国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、「リコーグループ人権方針」を定めました。本方針は、日英含む10言語で国内外の主要グループ会社に周知しており、サプライヤー及びビジネスパートナーにも本方針を支持し実践いただくよう努めています。人権方針の策定後、2021~2022年度には、国内外当社グループ従業員を対象に人権教育を実施し、77,000人以上が受講しました(受講率:95%)。また、2023年には、リコーグループ企業行動規範を改訂し人権尊重に関する内容を拡充しました。新たな企業行動規範の周知を通じ国内当社グループ役員・社員一人ひとりが人権を踏まえた行動の重要性を十分に理解した上で遵守宣言を行いました。
人権デュー・ディリジェンス*1の一環として、当社グループにおける顕著な人権課題を再評価するため、2023年に国内外グループ各社を対象に人権影響評価を実施しました。人権課題の防止、軽減措置として、遵守すべき人権基準を定めた「リコーグループ人権尊重のためのガイド」を2024年に発行しました。また、一部の生産拠点においては、2年ごとに第三者監査(RBA VAP*2)を継続受審し、定期的に是正措置の有効性を評価しています。
今後も継続的な人権デュー・ディリジェンスの取り組みによって、人権リスクの未然防止・低減を図ります。
*1 人権に関する負の影響を認識し、それを防止・対処するために実施すべきプロセス
*2 Validated Assessment Program:RBA行動規範に対する準拠状況を第三者監査機関が確認するプログラム

3 【事業等のリスク】
事業の状況、業績の状況等に関する事項のうち、株主・投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。
(1) 当社グループの経営上重要なリスク(重点経営リスク)
(2) 事業領域固有の重要なリスク(ビジネスユニットリスク)
(3) その他各機能領域のリスク(グループ本部リスク)
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響があると経営者が認識しているリスクを以下で取り上げていますが、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現時点で未知のリスク・重要と見なされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、事業等のリスクは、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
■「重点経営リスク」の決定プロセス
GMCとリスクマネジメント委員会は、経営理念や事業目的等に照らし、利害関係者への影響を含めて、経営に大きな影響を及ぼすリスクを網羅的に識別した上で、重点経営リスクを決定し、その対応活動に積極的に関与しております。(図1:重点経営リスク決定プロセス)
・重点経営リスクは、その特性から「戦略リスク」と「オペレーショナルリスク」に分類し管理しております。戦略リスクについては、短期の事業計画達成に関わるリスクから中長期の新興リスクまで経営に影響を与えるリスクを幅広く網羅しております。
・リスクマネジメント委員会は、GMCの諮問機関として、より精度の高い重点経営リスク候補を提案するため、委員会メンバーそれぞれの専門領域の知見・経験則を活かし、十分な議論のもと、リスクの識別・評価を行っております。
なお、当社グループのリスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会については、「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 (Ⅹ) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会」を参照ください。
図1:重点経営リスク決定プロセス

■事業等のリスク(詳細)
(1) 当社グループの経営上重要なリスク
(2) 事業領域固有の重要なリスク
(3) その他各機能領域のリスク
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、株式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」に記載しております。
(2) 経営成績
経営を取り巻く経済環境
当連結会計年度の世界経済は、欧米の高金利・高インフレの継続、中国の景気減速に加え、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の深刻化等もあり停滞感が強まりました。日本経済は、コロナ禍を乗り越え、企業業績が回復局面にある一方で、物価上昇に伴い消費や投資に力強さを欠く状況も見られます。また、日本を含む先進国においては人口の高齢化に伴って労働力の確保が課題となっており、賃金水準の上昇と価格転嫁による物価上昇が引き続き発生しています。
このような経済情勢の中で、当社グループのメイン市場であるワークプレイスにおいても、リモートワークをはじめとする新しい働き方は定着してきており、ITの進化に伴って業務プロセスも変化し続けています。それによる顧客課題・ニーズも時代とともに変化しており、デジタルサービスの需要はより高まっています。プリンティング需要はフラットな状態を維持しているものの、サービス・ソリューションの提供に不可欠となる人件費の上昇や、局所的な地政学リスクの高まりによる輸送費・部品費の高騰の継続など、事業環境は依然として不透明な状況にあります。
主要通貨の平均為替レートは、対米ドルが 144.53円(前連結会計年度に比べ 9.04円の円安)、対ユーロが 156.74円(同 15.83円の円安)となりました。
当連結会計年度の業績
当社グループは、当連結会計年度より21次中経をスタートしました。
当社グループの使命と目指す姿である「“はたらく”に歓びを」の実現に向けて、中長期目標として「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指しています。また、当連結会計年度は、目指す姿の実現に向けて企業価値向上プロジェクトを開始しました。収益構造の変革を最重要課題とし、当社の強みである顧客基盤及び顧客接点を活かすことができるワークプレイス領域への戦略的な経営資源配分を進めます。
当連結会計年度の連結売上高は、前連結会計年度に比べ 10.1%増加し、23,489億円となりました。(為替影響を除くと 5.0%の増加)。前連結会計年度に影響を受けた商材の供給制約の解消に加え、日本でのスクラムシリーズの好調や欧米での買収効果等によりオフィスサービス事業を中心に売上が増加しました。また、2022年9月に実施した株式会社PFU(以下、PFU)の買収効果や円安の影響等もあり、増加しました。
地域別では、国内は、バックオフィス系DX等顧客課題に合わせたソリューション提供を行うスクラムシリーズが、法改正対応やセキュリティ関連の需要好調を背景に引き続き二桁成長し、オフィスサービス事業の売上が大きく増加しました。また、オフィスプリンティング事業のエッジデバイスの売上も増加しました。加えて、PFUの買収効果等もあり、前連結会計年度に比べ 7.7%の増加となりました。
海外では、米州において、A4複合機を中心とした供給不足の解消に伴いオフィスプリンティング事業のエッジデバイスの販売が増加しました。オフィスサービス事業でも、2022年9月に買収したCenero,LLC.(以下、Cenero)の貢献によるコミュニケーションサービス領域の成長やドキュメント関連業務のアウトソーシングサービスの堅調な伸長により売上が拡大しました。また、プロダクションプリンターの上位機種の市場稼働台数増加に伴う印刷量増加等により、ノンハードを中心に売上が増加しました。加えて、PFUの買収効果や円安の影響もあり、前連結会計年度比 9.8%の増加となりました(為替影響を除くと 3.2%の増加)。欧州・中東・アフリカにおいては買収企業を中心にアプリケーションサービスやITサービスが順調に成長しました。また2023年6月に実施したPFHの買収効果もあり、オフィスサービス事業を中心に売上が増加しました。加えて、円安の影響もあり、前連結会計年度に比べ 14.1%の増加となりました(為替影響を除くと 2.9%の増加)。その他の地域においては、中国でのインクジェットヘッドの販売増加等により売上が増加しました。円安の影響もあり前連結会計年度比 9.2%の増加となりました(為替影響を除くと 5.4%の増加)。
以上の結果、海外売上高全体では前連結会計年度に比べ 11.5%の増加となりました。なお、為替変動による影響を除いた試算では、海外売上高は前連結会計年度に比べ 3.4%の増加となります。
売上総利益は、前連結会計年度に比べ 10.0%増加し 8,200億円となりました。オフィスプリンティング事業の生産調整や複合機の製品ミックスの変動等による影響はあったものの、オフィスサービス事業の成長や継続した体質強化の効果に加えて、PFUの買収効果や円安の影響等により前連結会計年度に比べ利益が増加しました。
販売費及び一般管理費は、PFU等の買収、事業成長やインフレに伴う人件費等の経費の増加、拠点再編に伴う構造改革費用に加え、円安の影響等により前連結会計年度に比べ 11.9%増加し 7,698億円となりました。
その他の収益は、前連結会計年度に日本の土地売却益等の収益を計上しており、前連結会計年度に比べ 91億円減少しました。
営業利益は、売上総利益の増加に対しその他の収益の減少や販売費及び一般管理費の増加が上回り、前連結会計年度に比べて 167億円減少し 620億円となりました。
金融収益及び金融費用は、為替差益の増加等により、前連結会計年度に比べ金融収支が改善しました。持分法による投資損益は、持分法適用会社の利益減少により前連結会計年度に比べ減少しました。
税引前利益は 682億円となり、前連結会計年度に比べて 131億円減少しました。
法人所得税費用は税引前利益が減少したこと等により、前連結会計年度に比べて 17億円減少しました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は 441億円となり、前連結会計年度に比べて 101億円減少しました。
当期包括利益は、在外営業活動体の換算差額の増加等により、1,371億円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。 (単位:百万円)
a. デジタルサービス
当連結会計年度は、国内において、インボイス制度や2024年度に予定される法改正への対応をサポートするソリューションの販売増加等、中小企業を中心にスクラムパッケージが引き続き好調に推移しました。主に中堅企業向けにソリューション提案を行うスクラムアセットも、システム導入後の運用代行サービスやセキュリティ関連の需要好調により、高い伸び率で伸長しました。また、サイボウズ株式会社と共同開発のクラウド型の業務改善プラットフォーム「RICOH kintone plus」の契約数も順調に伸長しました。
米州においては、2022年9月に買収したCeneroによる当社グループ既存顧客へのソリューション導入が進み、ストック収益につながるマネージドAVサービス*の契約数の増加等、コミュニケーションサービスが順調に拡大しています。加えて、ドキュメント関連業務のアウトソーシングサービスも引き続き堅調に推移しています。
欧州・中東・アフリカにおいては、景気弱含みの影響により一部地域でICT商材投資を控える動きがみられるものの、アプリケーションサービスやITサービスが順調に成長を続けています。買収によるオフィスサービス事業の強化を継続しており、2023年6月にはアイルランドのITインフラ、クラウド、マネージドワークプレイスサービスのリーディングプロバイダーであるPFHの買収を完了しました。
デジタルサービスの売上高は、前連結会計年度に比べ 10.0%増加し 18,528億円となりました(為替影響を除くと 4.8%の増加)。
オフィスプリンティング事業では、主にA4複合機の供給不足の解消により、A3複合機を含めた一括商談の納入が進みました。コスト上昇に対する継続的な価格転嫁や付加価値販売等のプライシングコントロールを実施してきた効果もあり、エッジデバイスの売上高が前連結会計年度に比べ増加しました。オフィスサービス事業では、地域に応じた施策の展開により各地で増収となりました。事業成長やインフレ等に伴う経費の増加を吸収し、デジタルサービス全体の営業利益は前連結会計年度から 95億円増加し、408億円となりました。
* マネージドAVサービス: 企業や学校等において、マイク、スピーカー、プロジェクター、ビデオ会議システム等のオーディオ・ビジュアル(AV)機器と運営システムの提供・管理・運用を行うサービス
b. デジタルプロダクツ
当連結会計年度は、複合機の販売台数が計画を下回って推移したことで、上期を中心に当初計画以上の生産調整の影響を受けました。年度末に向けて需要変動に応じた生産・販売体制の連携を立て直し、下期には収益を回復しました。同時に、デジタルサービスを支えるエッジデバイスの製品群を強化しました。
複合機・プリンターでは、高生産性かつサステナビリティに貢献する製品を発売しました。本製品は本体樹脂総重量の約50%に再生プラスチックを使用し、省エネ性能に優れております。特に2024年1月に発売したA3フルカラー複合機「RICOH IM C7010」は、多彩なDX機能、また高速機種でありながら普及クラスに匹敵する省スペース性を兼ね備えた戦略機種となります。
デジタルプロダクツの売上高は、前連結会計年度に比べ 20.5%増加し 959億円となりました。またセグメント間売上高を含む売上高では 1.8%減少の 4,844億円となりました。PFUの買収効果はあったものの、A3複合機の販売在庫の適正化に向けた生産調整等により減収となりました。生産・開発の体質強化の継続による利益改善を進めているものの、前連結会計年度からのA4複合機の生産量回復による製品ミックスの変動や、A3複合機の生産調整により利益率が低下したこと等により、デジタルプロダクツ全体の営業利益は前連結会計年度に比べ 172億円減少し 173億円となりました。
c. グラフィックコミュニケーションズ
商用印刷市場においては、印刷物のデジタル化・ペーパーレス化による小ロットでの発注の増加や、より多様化する印刷物に対し複雑化する作業工程への対応が求められています。また、印刷現場における人手不足から、オペレーションの効率化に対する意識が高まっています。当連結会計年度は、このような多様化するニーズに対応するため、製品ラインアップを一新しました。
2023年8月、カラープロダクションプリンターの新製品として「RICOH Pro C9500」を発売しました。本製品は高画質と安定性に加え、用紙対応力と自動化・効率化機能を強化したフラッグシップモデルです。また、新たに開発した本体の制御システム「RICOH GC OS」により、様々な用紙の設定や調整、機器の利用状況やメンテナンスの管理に特別なスキルが不要となることで、作業工程の効率化・可視化を実現し、印刷オペレーターの負荷軽減や省人化に貢献します。
グラフィックコミュニケーションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 11.6%増加し 2,621億円となりました(為替影響を除くと 4.9%の増加)。商用印刷事業では、米州を中心にプロダクションプリンターの販売が引き続き伸長しました。ノンハードの売上も、上位機種の市場稼働台数増加が印刷量増加に貢献し、伸長しました。産業印刷事業では、サイングラフィック向け等の需要が高まり、インクジェットヘッドの販売が好調で伸長しました。新製品発売による開発資産償却費等の増加に加え、拠点再編に伴う一過性の支出もあり費用が増加しましたが、円安効果もありグラフィックコミュニケーションズ全体の営業利益は前連結会計年度に比べ 9億円増加し 154億円となりました。
d. インダストリアルソリューションズ
当連結会計年度は、サーマル事業では、環境負荷を低減するラベルレスサーマルの事業拡大に向け、当社と中本パックス株式会社(以下、中本パックス)にて機能性包材の企画・開発・販売を行う合弁会社「RNスマートパッケージング株式会社」を2023年4月に設立しました。当社の強みであるサーマル技術と、中本パックスの強みである包材設計・機能性コーティング技術及び顧客基盤を組み合わせ、機能性包材市場に新しいパッケージソリューションを展開します。
産業プロダクツ事業では、2023年12月に、車両塗装外観検査装置「RICOH Visual Inspection System 5000」シリーズを発売しました。高い検査精度と生産性の向上により、自動車業界におけるお客様の現場のDXに貢献します。
インダストリアルソリューションズの売上高は、前連結会計年度に比べ 1.6%減少し 1,117億円となりました(為替影響を除くと 5.3%の減少)。サーマル事業では欧米での顧客の在庫調整や需要の低迷等により売上高が減少しました。産業プロダクツ事業では中国におけるプロジェクターの需要減等により産業用光学部品の売上高が減少しました。プライシングコントロールやコストダウン等で利益確保に努めましたが、インダストリアルソリューションズ全体の営業損益は、前連結会計年度に比べ 34億円減少し 3億円(損失)となりました。
なお、産業プロダクツ事業においては、2023年10月に車載ステレオカメラやプロジェクター用光学レンズモジュール等の開発・製造・販売を行うオプティカル事業を譲渡する株式譲渡契約を締結しております。
e. その他
その他の売上高は、前連結会計年度に比べ 21.0%増加し 263億円となりました(為替影響を除くと 17.2%の増加)。カメラ事業が好調で、増収増益となりました。一方で、新規事業創出のための先行投資により、その他全体の営業損益は 105億円(損失)となりました(前連結会計年度 営業損益 92億円(損失))
(注1)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
(注2)当連結会計年度より、その他に含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
生産、受注及び販売の実績は、以下のとおりです。
① 生産実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。また、サービスに係る生産実績は含まれておらず、製造に係る生産実績としております。
2 当連結会計年度より、その他に含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
② 受注実績
当社グループは見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。
③ 販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%以上の主要な相手先はありませんので、記載を省略しております。
3 当連結会計年度より、その他に含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
(3) 財政状態
資産合計は、前連結会計年度末に比べ 1,362億円増加し 22,861億円となりました。前連結会計年度末と比較して為替レートが円安となったことから海外資産の換算差額が発生し、資産が増加しました。為替影響を除いた試算では 60億円の減少となります。当連結会計年度の主要通貨の期末日レートは、対米ドルが 151.41円(前連結会計年度に比べ 17.88円の円安)、対ユーロが 163.24円(同 17.52円の円安)となりました。
資産の部では、前連結会計年度末に比べ、現金及び現金同等物が 448億円減少しました。また、生産調整等による在庫適正化により、棚卸資産が 137億円減少しました。一方で、当連結会計年度末にかけての売上高の増加や円安等により、営業債権及びその他の債権が 616億円増加しました。加えて、欧州での買収や円安等により、のれん及び無形資産が 460億円増加しました。
なお、2023年10月にオプティカル事業を譲渡する株式譲渡契約を締結したことに伴い、対象事業の資産及び負債を、売却目的で保有する資産及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債に組替えています。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 291億円増加し 12,210億円となりました。負債の部では、社債及び借入金が 133億円減少しました。一方で、買収や円安等によりその他の流動負債が 389億円増加しました。
資本合計は、前連結会計年度末から 1,070億円増加し、10,651億円となりました。資本の部では、当期利益の増加等により利益剰余金が 304億円増加し、また円安により在外営業活動体の換算差額が 836億円増加しました。他方で株主還元策として自己株式取得を行い、これにより 75億円資本が減少しました。
親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末に比べ 1,071億円増加し 10,387億円となりました。親会社所有者帰属持分比率は 45.4%となり、引き続き安全な水準を維持しています。
(4) キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 589億円増加し 1,256億円の収入となりました。在庫適正化による棚卸資産の減少等により現金収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 361億円減少し 978億円の支出となりました。前連結会計年度においては、PFUの買収等により現金支出が増加しておりました。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計となるフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金収入が 950億円増加し 277億円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ現金支出が 1,183億円増加し 829億円の支出となりました。前連結会計年度においては借入債務の増加等により現金収入が増加しておりましたが、当連結会計年度においては借入債務の返済等により現金支出が増加しました。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、株主還元策としてそれぞれ 300億円及び 75億円の自己株式の取得を実施しております。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ 412億円減少し 1,696億円となりました。
当社グループでは、事業投資によって創出した営業キャッシュ・フローは、さらなる成長に向けた投資と株主還元に対して計画的に活用していきます。資本政策の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) リコーの中期展望 ◆成長を支える資本政策」をご覧ください。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
債務償還年数:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/支払利息
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち社債及び借入金を対象としております。
当社グループの流動性と資金源泉は次のとおりです。
事業発展に充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することが当社グループの方針です。この方針に従って、当社グループはここ数年、連結子会社が保有する流動性資金残高の効率的運用に努めてまいりました。その方策のひとつとして実施しているのが、各地域及びグローバルにおけるキャッシュマネジメントシステムの推進です。各地域にキャッシュマネジメントの要として設置している金融子会社を中心に地域内外のグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築、推進しております。この一環として、グローバルキャッシュプーリングシステムを導入し、グローバルベースでの更なる資金効率向上を実現しました。
また、当社グループは資産並びに負債の管理においてデリバティブを締結しております。為替変動が外貨建て資産と負債に与える潜在的な悪影響をヘッジするため、為替予約等を設定しております。当社グループはリスクの低減を目的として、定められた方針に従ってデリバティブを利用しております。自己売買、あるいは投機目的でデリバティブを利用しておらず、またレバレッジを効かせたデリバティブ取引も行っておりません。
当社グループは主に手元資金及び現金同等物、様々な信用枠及び社債の発行を組み合わせて資金を調達しております。流動性と資金源泉の必要額を判断する際、連結キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の残高、並びに営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物の残高は 1,696億円、信用枠は 3,878億円であり、そのうち未使用残高は 3,510億円でありました。当社は 1,500億円(信用枠 3,878億円の一部)のコミットメント・ラインを金融機関との間に設定しております。これらは信用枠の範囲内で、各国市場の金利で金融機関から借入が可能です。
当社及び一部の連結子会社は、銀行借入及び社債の発行により資金を調達しております。また、当社グループはグローバルでキャッシュマネジメントシステムを活用してグループ資金を効率的に管理しております。
当社は大手格付機関(スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービス(以下「S&P」)、及び格付投資情報センター(以下「R&I」))から格付を取得しております。2024年6月21日現在、当社の格付はS&Pが長期BBB及び短期A-2、R&Iが長期A+及び短期a-1となっております。
当社グループは現金及び現金同等物、営業活動により創出が見込まれる資金、並びに借入金・社債等の調達資金で少なくとも翌連結会計年度の必要資金を充分賄えると予想しております。お客様の需要が変動し、営業キャッシュ・フローが減少した場合でも、現在の手元資金、及び当社グループが満足できる信用格付けを持つ金融機関に設定している信用枠で少なくとも翌連結会計年度中は事業用資金を充分賄えると考えております。さらに、足元の業務にとって必要な資金、及び事業拡大並びに新規プロジェクトの開発に関連する投資に対し、充分な資金を金融市場又は資本市場から調達できると考えております。各国の経済動向等による金利の変動は、当社グループの流動性に悪影響を及ぼす可能性がありますが、手元の現金及び現金同等物は充分であり、営業活動からも持続的にキャッシュ・フローが創出されキャッシュマネジメントシステムを活用していることから、こうした影響はあまり大きくないと考えております。
5 【経営上の重要な契約等】
(1) 技術の導入及び供与に関する契約等
(2) 事業統合契約及び吸収分割契約の締結
当社と東芝テック株式会社(以下、東芝テック)は、両社の複合機等の開発・生産に関する事業を統合(以下、本事業統合)するに当たっての諸条件を定めた契約、及び本事業統合に係る株主間契約を2023年5月19日に締結いたしました。
本事業統合を実施するため、当社は2024年2月6日に当社とリコーテクノロジーズ株式会社を母体とした複合機等の開発・生産を担う合弁会社(以下、本合弁会社)の間の吸収分割契約(以下、リコー吸収分割契約)を締結いたしました。また、東芝テックは、2024年2月6日、東芝テックと本合弁会社の間の吸収分割契約(以下、東芝テック吸収分割契約。リコー吸収分割契約とあわせて、以下、本吸収分割契約)を締結いたしました。
1.本事業統合及び本吸収分割の目的
当社は、使命と目指す姿に「“はたらく”に歓びを」を掲げ、持続的な成長とさらなる発展を目指してデジタルサービスの会社への変革に取り組んでいます。お客様に寄り添い、各種エッジデバイスと最適なアプリケーションを組み合わせてお客様の業務プロセスの変革と新たな価値創造に貢献しています。東芝テックは、経営理念である「ともにつくる、つぎをつくる。」を実践し、お客様やパートナーとともに新たな価値と社会課題解決のためのソリューションを共創するプラットフォーマーとして「グローバルトップのソリューションパートナー」になることを目指しております。
両社は、オフィスプリンティング市場の環境変化に対応するために、複合機等の開発・生産を担う合弁会社を組成し、オフィスプリンティング分野のものづくりの競争力・事業基盤の強化及び両社の技術・リソースを活用した新たな現場ソリューションの共同企画・開発を実現していきます。
両社は、共創により生み出した競争力のある高品質・高付加価値な製品を、それぞれのブランドで、それぞれの会社のユニークなユーザーエクスペリエンスを追求した製品として世界市場向けに提供します。それぞれの販売チャネルを通じて、様々なソフトウエアやサービスと組み合わせたソリューションとして提供し、顧客基盤や強みを生かしてお客様の業務ごとのニーズに寄り添ったデジタル化やワークフロー改善による生産性の向上に貢献します。そして、お客様が取り組むオフィスや現場のDX実現を支援することで、社会課題の解決に貢献します。
2.本事業統合及び本吸収分割の要旨
(1) 本事業統合及び本吸収分割の方式
本事業統合の範囲は、両社の国内・海外の複合機等の開発・生産に関する事業です。両社の対象事業を本合弁会社に承継させるため、主として吸収分割の方法により、本事業統合を実施します。当社の吸収分割は、当社を吸収分割会社、本合弁会社を吸収分割承継会社とする吸収分割です。東芝テックの吸収分割は、東芝テックを吸収分割会社、本合弁会社を吸収分割承継会社とする吸収分割です。
(2) 本吸収分割に係る割当の内容
本合弁会社は、当社の吸収分割の効力発生により承継する権利義務の対価として、当社に対して本合弁会社が新たに発行するその普通株式55株を、東芝テックの吸収分割の効力発生により承継する権利義務の対価として、東芝テックに対して本合弁会社が新たに発行するその普通株式45株を、それぞれ割当て交付します。
この結果、本事業統合後の本合弁会社への出資比率は、当社が85%、東芝テックが15%となります。
(3) 本事業統合及び本吸収分割の日程
3.本吸収分割に係る割当ての内容の根拠等
本吸収分割により当社及び東芝テックから分割される対象事業における収益の状況、将来の見通し等を総合的に勘案し、両社間で真摯に協議を重ねた結果、上記の本吸収分割に係る割当てを行うことで合意に至ったものです。
4.分割する事業内容
5.本吸収分割後の吸収分割承継会社(本合弁会社)の概要
(注)2024年3月31日現在の当該承継会社の概要は以下のとおりです。
名称 :リコーテクノロジーズ株式会社
所在地 :神奈川県海老名市泉二丁目7番1号
代表者の役職・氏名:代表取締役 田上亮
事業内容 :事務機器、光学機器、印刷機器等の周辺機器、消耗品等の開発・設計及び販売等
資本金 :10百万円
発行済株式数 :200株
6 【研究開発活動】
当社グループは、使命と目指す姿を「“はたらく”に歓びを」と当連結会計年度に新たに制定しました。“はたらく”に寄り添い 変革を起こし続けることで、人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくります。また、「デジタルサービスの会社」への実現に向けて抜本的な収益構造変革を行う「企業価値向上プロジェクト」をスタートいたしました。研究開発分野においてはデジタルサービスとの親和性が高い領域に選択と集中するとともに、イノベーション探索には上限を決めて進め、適正な投資配分を行います。
体制面では、社内外でのデジタルとデータを活用した基盤及び価値創出の機能を強化しております。お客様のカスタマーサクセスを当社グループの提供価値と定め、既存ビジネスの深化と新たな顧客価値の進化、及びこれらを持続的に可能にする社内外でのデータ活用基盤、機能を強化しております。グローバルに広がる約140万社の顧客基盤を生かし、デジタルサービスの会社としてさらなる拡大を目指しております。また、2021年度より社内カンパニー制を導入し、事業分野ごとに、将来に備えた中長期的な研究から直近の製品開発・設計・生産までを一貫として集約した体制で進めております。
本社での研究領域として、「RICOH Smart Integration(RSI)」 を支えるデジタル基盤技術の研究開発は「デジタル戦略部」にて進めております。AI/ICT技術の開発や”はたらく”をデジタル化する技術の開発、それらに携わるデジタル人材の育成・強化を担い、デジタルサービスの会社としての拡大を支えております。また、当社の中長期的な成長を支える研究開発と当社グループの共通基盤技術開発は「先端技術研究所」で進めております。
研究開発の進め方としては、グローバルに拠点間の連携を深めながらそれぞれの地域特性を活かした市場ニーズの調査・探索、技術開発を行っております。また、世界各地にテクノロジーセンターやカスタマーエクスペリエンスセンターを開設し、お客様のサポートを通じて直接把握したニーズを製品開発へフィードバックする仕組みにより、お客様と一体となった価値共創活動を展開しております。
オープンイノベーションにおいては、スタートアップ企業や社内外の起業家の成長を支援して事業共創を目指すアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」を2019年度より実施しております。5年目を迎えた当連結会計年度においては社外132件、社内52件、社内外の応募の中からコンテストを開催し、そこを通過したスタートアップ企業と社内テーマには当社グループ内に登録されている約300名のサポーターをはじめとした様々なリソースを活用可能とし、チャレンジする人の支援・育成、新規事業の創出を促進する文化のさらなる醸成を目指しております。加えてBtoB領域での最新のデジタルサービスを牽引するスタートアップへの戦略的な投資を実行するCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンド「リコーイノベーションファンド1号投資事業有限責任組合」を設立しました。
社内でのR&Dに加え外部企業との連携や協業を通じて研究開発の加速に取り組みます。
国際会計基準の適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発投資は 109,899百万円です。
(1) デジタルサービス
当社グループは、「企業価値向上プロジェクト」で、お客様の課題解決に対して当社の強みが活きる「ワークプレイス」へ戦略的にリソースを重点配分してまいります。その中でも「ビジネスプロセスオートメーション」、「コミュニケーションサービス」を注力領域と定め、リモートワーク等オフィスでの働き方が変容していくワークプレイスにおいて、一貫したサービスをグローバルで提供することが出来る「ワークプレイスサービスプロバイダー」への成長を加速します。
ビジネスプロセスオートメーション領域においては、これまで培ってきたドキュメントソリューション技術、ワークフロー・オートメーション技術に、当社独自のAI技術を活用することでお客様の定型業務をゼロに近づけるサービスの開発に取り組んでおり、各種サービスを提供しております。
コミュニケーションサービス領域においては、お客様にハイブリッドワークに最適な「働く空間」を提供してお客様の創造性発揮をサポートするサービスの開発に取り組んでおり、「RICOH Spaces」といったサービスを提供しております。
加えて、それらのサービスの提供価値を支えるデジタルサービス基盤「RICOH Smart Integration」の強化・拡張に取り組んでおります。ワークプレイスサービスプロバイダーとして、これらサービス/インフラを発展させ提供価値を強化することでお客様の事業成長・課題解決に貢献し続けます。
また、最新AI技術を活用したDX実現のための価値共創拠点「RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO」をリニューアルオープンしました。RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYOでは、当社の強みである顧客接点力を活かした100以上ある各業種の顧客価値シナリオと、自然言語処理や空間認識分野に強みを持つ当社独自のAI技術を掛け合わせて、フラッグシップとなる価値提供事例をお客様と共創します。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
ビジネスプロセスオートメーション領域における、各種サービス提供
・「DocuWareバージョン 7.8 / 7.9」を提供開始、及びグローバルクラウド顧客1万社を達成。請求書処理プロセスにおける機能強化とユーザビリティの更なる向上と販売地域の拡大
・「Axon Ivyバージョン 11.2」を提供開始。ユーザーエクスペリエンス向上に向けた通知機能の再設計・及びプロセスエディターのUI改善
・「RICOH kintone plus」の新機能の提供、アプリストアの公開、β版モニター募集を開始。パートナーとのエコシステム強化、利用状況の可視化、アプリストアを活用したノウハウ共有によるお客様DX推進を加速
AI活用により、機器の保守サポート業務のプロセスDXを強化
~複合機・プリンターのダウンタイムを最小化するために、カスタマーエンジニアの業務効率を向上~
・お客様先で修復作業を行うCEがサービスマニュアルや過去の修復事例等の膨大なデータから適切な情報を検索する業務を効率化するための情報検索型AIボットを開発し、東日本地区での運用を開始
・当社が独自開発した大規模言語モデル(LLM)をベースに、当社グループに蓄積された修復事例やサービスマニュアルを学習させてカスタムした「保守ドメイン適応モデル」を適用した質問応答型AIチャットボットの検証を開始
「RICOH Spaces」の新機能提供及びユーザーエクスペリエンスの改善を継続的に実施
~働き方の変化やハイブリッドワークに対応し、シームレスな従業員エクスペリエンスを提供~
・スペースの自動キャンセル等、IoTセンサーで収集したデータの利活用強化により、スペースの利用効率を向上
・外出先からのオフィス利用状況の把握、QRコード対応等、モバイルデバイスを用いた利便性を向上
「RICOHスマート予約サービス for フリーアドレス」の提供を開始
~オフィス環境の効率的な活用や継続的な改善に活用できるクラウド型ソリューション~
・2023年8月より会議室予約管理システム「RICOH スマート予約サービス for 会議室」のシリーズ商品である「RICOHスマート予約サービス for フリーアドレス」の提供を開始
「RICOH Print Management Cloud」の新機能の提供を開始
~顧客環境の他社複合機も含めた共通の操作性を維持したスキャンデータの送信機能~
・2023年6月より、マルチベンダースキャン機能を追加したV3.34の提供を開始
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 15,612百万円です。
(2) デジタルプロダクツ
新型コロナウイルス感染症の流行、半導体や電子部品の供給ひっ迫等の物流問題等を経て、我々を取り巻く環境の変化は予測がさらに困難となっております。生成AIのビジネス活用の急速な拡大、地政学的不安による世界情勢の変化も無視できません。この変わりゆく状況の中で新たな開発・生産のあり方を追求しております。2023年5月に発表した東芝テック株式会社との合弁会社エトリア株式会社の設立方針はその大きな転換点であり、私たちは業界の垣根を越えた協業を始めようとしております。
当連結会計年度においては、前連結会計年度に刷新した主力A3カラー複合機のさらに高速モデル「RICOH IM C7010」及び、モノクロ複合機「RICOH IM 460F/370F」を発売し、設置場所を選ばないエッジデバイスとして、はたらく場所が多様化するお客様のDX支援に貢献しております。
オフィスプリンティング分野の生産においては、中期経営戦略で掲げた「レジリエントな生産供給体制の構築」のために重要機種やキーユニットの生産地を分散し、地政学的問題に左右されにくい安定部品調達ルートの構築を進めております。また、トナー生産の拠点統廃合も進め、当連結会計年度末時点で3拠点へ集約を完了しました。
プリンティング以外のエッジデバイスでは、大成建設株式会社との共同開発による「生産プロセスDX」の一環として、プロジェクションマッピングを利用した建設現場向けソリューションの高度化を果たしました。実際の建設現場に導入し、作業の効率化と生産性向上を実現しております。
また、2022年度に連結子会社となったPFUでは、新たな技術を搭載した新商品のリリースを加速しております。自動スキュー補正、ステープル原稿検知、厚みのある原稿にも対応するデュアルパス構造、進化した排紙制御機能等を備えたA3高速スキャナーを発売し、大量の紙原稿を集中スキャンするお客様の業務効率向上への貢献を加速しました。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
リコー初の70枚/分高速出力、高生産性かつ省スペースを実現したA3フルカラー複合機「RICOH IM C7010」を発売
~業務のDXのみならず優れた環境性能でサステナビリティに貢献~
・連続複写速度70枚/分、スリープ復帰11秒、ファーストコピータイムがフルカラー4.2秒の高速出力
・20枚~60枚/分出力機同等の大きさのコンパクトなデザインで、高速出力機ながら電源1口で利用が可能
・名刺や領収書等小サイズ原稿の1パス両面ADF(両面自動読み取り)での読み取りに対応
・世界基準に準拠した最新のセキュリティ機能を搭載
・本体樹脂総重量の約50%(重量比)に再生プラスチックを使用、低融点トナーの採用等、サステナビリティに貢献
モノクロA4複合機「RICOH IM 460F/370F」を発売
~ソリューション対応を強化したクラス最小*のA3対応モデルでお客様の業務効率化に貢献~
・A4複合機サイズのコンパクトな筐体で、デスクサイド設置が可能ながらA3出力に対応
・連続複写速度が前身機から向上し、省スペースかつスピーディーな対応が求められる店舗や窓口業務に貢献
・本体樹脂総重量の約17%に再生プラスチックを使用
*A3対応モノクロ複合機として。2023年7月現在。当社調べ
プロジェクションマッピングを利用した墨出し技術「T-iDigital MARKING」を高度化
~建設現場における墨出し作業を効率化し更なる生産性向上を実現~
・建設工事での「墨出し」作業を支援する大成建設様のソリューションを共同開発で高度化
・4K超単焦点プロジェクターにより投影誤差を2mm以内に抑え、投影面積を従前の3.5倍以上に拡大
[PFU]業務効率化を加速するA3高速イメージスキャナー「RICOH fi-8950」「RICOH fi-8930」「RICOH fi-8820」を発売
~fiシリーズ最速のA3大容量フラッグシップモデル~
・金融、公共、医療、BPO分野等の集中入力業務に最適な高速・大容量モデル
・シリーズ最速である毎分150枚/300面の読み取りスピードと、一度に750枚まで積載可能な大容量原稿トレイ
・傾いた原稿を1枚ずつまっすぐに整えてから給紙する「自動スキュー補正」や「ステープル原稿検知」機能を新搭載
・4.3インチの大型タッチパネルと、ネットワークインターフェイス(有線LAN接続)を搭載
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 41,053百万円です。
(3) グラフィックコミュニケーションズ
当社グループは、高品質で信頼性の高い製品とサービスの投入により、印刷現場のデジタル化を推進します。それにより、自動化・省人化とプロセスの可視化を実現し、お客様の収益力の向上に貢献します。加えて事業成長と社会課題解決の同軸化を図り、SDGsの達成に積極的に取り組みます。
商用印刷分野においては、印刷業のお客様に向けて、生産性向上に寄与する印刷機やゴールド、シルバー等高付加価値を可能にする特色トナー、上流から下流まで工程を統合的に管理するワークフローソリューションを組み合わせた提案を行っており、Offset to Digitalを加速して、お客様の現場プロセスのデジタル化を牽引していきます。
そのため、電子写真技術、サプライ技術、光学設計技術、画像処理技術、インクジェット技術、次世代作像エンジン要素技術、最先端ソフトウエア技術の開発を継続して行っております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
用紙対応力と自動化・効率化機能を強化したカラープロダクションプリンター「RICOH Pro C9500」と「RICOH Pro C7500」を新発売
・幅広い用紙厚(40~470g/㎡)に対応し、エンボス紙やクラフト紙といった凹凸紙・粗面紙への対応も強化
・「RICOH GC OS」により、様々な用紙の設定や調整、機器の利用状況やメンテナンスの管理に特別なスキルが不要
・RICOH Pro C9500では、「IQCT拡張ユニット」により、印刷中の色の調整/安定化やモニタリングに加え、画像品質/表裏見当/色変動の検査を自動で行うことができ、属人的で作業負荷の高かった色調整や検品業務の効率化、省人化が可能
・RICOH Pro C7500では、前身機に引き続き当社独自のスペシャルカラートナー(ホワイト、クリア、インビジブルレッド、ゴールド、シルバー、ネオンイエロー、ネオンピンク)が利用可能で、より豊かで鮮やかな色彩表現を実現
リコー初のB2サイズ対応枚葉インクジェット・プリンティング・システム「RICOH Pro Z75」を発売開始
~新開発の水性顔料インクと乾燥システムにより、低コストでの運用と高品質の両立を実現~
・自動両面印刷機能の搭載とシンプルな操作性により、生産性向上に大きく貢献、かつスキルレスでのオペレーションを実現し、人材不足や技能伝承問題を解決
・新しい水性顔料インクは少ない量で液滴を形成でき、ランニングコストを抑えた運用が可能
・新開発の乾燥システムにより紙の微妙な波うちを低減し、また乾燥待ち時間削減によりトータルでの業務効率化を実現
高速連帳インクジェット・プリンティング・システムの最上位機種「RICOH Pro VC80000」を発売
~印刷中の画質調整等の工程自動化による生産性の最大化を実現~
・最高速度が150m/分(1,200x600dpi)、最高解像度が1,200x1,200dpi(93m/分)となり、前身機に比べ1.5倍に向上
・新開発の水性顔料インクと最新のプリントヘッド、用紙搬送精度向上により、印刷したい位置に正確にインクを着弾
・標準搭載されたスキャナーやセンサーでインクの濃度、均一性をチェックし、リアルタイムに印刷精度を自動補正するため、画質調整でマシンを停止させる必要がなく、高品質かつ安定的な生産とオペレーターの負担軽減を実現
産業印刷分野においては、産業用インクジェットヘッド技術の開発、製品化に注力し、製品ラインナップの拡充に取り組んでおります。MHシリーズヘッドは高耐久性と幅広いインク対応力でお客様よりご好評を頂いており、主にサイングラフィクス分野で使用されております。また、MEMS技術を活用した小型・高精細印刷に対応するTHシリーズヘッドも新規で採用いただけるお客様が増えております。さらに、プリンターとしては衣料印刷市場向けに新たに2つの機種を発表しました。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
ポリエステルへのプリントが可能なDirect-to-Garmentプリンター「RICOH Ri 4000」を発売
・これまでハイエンド領域の機器でしか対応できなかった、ポリエステルへのダイレクトプリントが可能となり、スポーツウェアでもソフトな感触かつ高品質・高耐久のプリントを実現
・必要な部分にのみ前処理剤を塗布する機構を内蔵することで、前処理プロセスが不要となり、作業の効率性を向上
リコーとして初のDirect-to-Filmシステム「RICOH Pro D1600」を発表
・最大1600mm幅のフィルムに対して20㎡/時を超える速度で印刷でき、かつパウダーシェーカーと乾燥ユニットを組み込んでいるため、トータルでの生産性が高く、デジタル印刷による衣類の大量生産が可能
・オーガニックテキスタイルの国際認証である「GOTS」を取得
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 26,528百万円です。
(4)インダストリアルソリューションズ
サーマル事業分野においては、世界で圧倒的なシェアを占める高付加価値サーマルペーパー(感熱紙)をはじめ、高い品質の製品・サービスを提供し、さらなるお客様の信頼獲得を目指しております。
高付加価値サーマルペーパーは、近年の環境意識の高まりから、社会課題解決型商品(発色材料の安全性を高めたフェノールフリーラベル)の販売を欧州市場、日本市場、北米市場で進め、グローバル展開しております。
また、デジタルサービスへのビジネス転換、環境負荷を低減する「ラベルレスサーマル」*をはじめとする機能性包材の企画・開発・販売を積極的に進めていくため、2023年4月に合弁会社「RNスマートパッケージング株式会社」を設立いたしました。当社の強みであるサーマル技術と、中本パックス株式会社の強みである包材設計・機能性コーティング技術、及び顧客基盤を組み合わせ、スマートパッケージングビジネスとして機能性包材市場に事業を展開し、2024年1月に「2023年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞」を受賞いたしました。
今後も新しいパッケージソリューションを幅広いパートナーとともにご提供することでパッケージ業界の変革に貢献します。
*ラベルレスサーマル:ラベルやリボンを利用せずに、印字機能を有する基材へ文字・コードの可変情報を直接印字することで、業務の効率化、コストダウンを可能にする当社の印字プロセス
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
当社と中本パックス株式会社、合弁会社「RNスマートパッケージング株式会社」を設立
~ラベルレスという新しい価値を持ってパッケージング業界へ参入~
・独自の機能性包材・オンデマンド印字ソリューションでお客様の生産性向上、脱炭素社会・循環型社会の実現に貢献
・パッケージの個品ID管理ソリューション等によりパッケージ業界のDXを実現
産業プロダクト事業分野においては、生産技術とIoT、AI、画像認識等の最先端技術を融合し、データ認識処理による 情報変換を通じた情報の見える化により、様々な産業設備のインテグレーション、車体・外装部品等の塗装外観を中心とした検査ラインソリューションを提供しております。成長著しい車載リチウムイオンバッテリー外観検査や車両塗装外観検査における安全・信頼性を高める検査ラインは現場における省人化、自動化に貢献しております。
2023年12月には長年にわたる塗装品の検査実績と独自の画像認識技術を結集し、従来は目視で行っていた自動車塗装の外観検査を、自動車の生産ラインを止めずに高い精度を維持しながら自動化する検査装置として、車両塗装外観検査装置「RICOH Visual Inspection System 5000」シリーズを発売いたしました。今後、これら検査設備等から得られるデータの活用により、お客様への新たな価値提案へと繋げていく予定です。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
車両塗装外観検査装置「RICOH Visual Inspection System 5000」シリーズを発売
~従来目視で行っている検査を自動化 高い検査精度で生産品質の向上に貢献~
・起伏の少ない側面にゲート式、高低差の大きい上面にロボット式を採用したハイブリッド構成とAI活用により
高精度な検査を実現
・標準で170mm/sec(42s/台・85台/h)のスピード、高速コンベアへの対応が可能
・車種変更・追加の際、少量のデータのみで調整できるため、短期間での量産立上げが実現可能
・固定ゲート式の側面ユニット、ロボット式の上面ユニットがそれぞれ分かれているため、部分設置としての導入も可能
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 3,879百万円です。
(5) その他事業
当社グループのもつ技術のさらなる活用と、オープンイノベーションを通じた新規事業創出により社会課題解決に取り組みます。同時に各事業の状況を見極め、メリハリのある経営資源配分と意思決定を行います。
■デジタルカメラ分野
デジタルカメラ分野を担うリコーイメージング株式会社では、PENTAXとGRの2つのブランド価値をより高め、"デジタル"手法を駆使してお客様とダイレクトにつながり、両ブランドの魅力をより一層研ぎ澄ませて深化しております。
当社グループでは、100年に及ぶカメラ開発の歴史で培われた、光学設計、光学部品加工技術を柱に、最先端のデジタル画像処理技術を搭載した画像処理エンジンPRIME VやGR ENGINE6と、高度なノイズ処理を実現するアクセラレーターユニットI, IIのコンビネーションにより、すべての感度域で優れた階調再現や質感描写を実現したデジタルカメラ製品の開発を行っております。また、これらの技術に加え、当社独自のボディ内手振れ補正機構SR(Shake Reduction)を搭載し、優れた手振れ補正性能を有するとともに、この機構を応用したローパスセレクター機能やリアルレゾリューション機能を開発しております。写真に拘りを持つユーザーの皆様へ、これらの技術を搭載したデジタルカメラを以下のシリーズで提供しております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
多様な特徴を持つ新製品を発売
・モノクローム専用イメージセンサーを新たに搭載したデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-3 Mark III Monochrome」
・塗装をメタリックウォームグレーの特別仕様としたハイエンドコンパクトデジタルカメラ「RICOH GR III Diary Edition」
・水深14mでの撮影が可能なコンパクトデジタルカメラ 「PENTAX WG-90」
・Kマウントデジタル一眼レフカメラ用単焦点レンズ「HD PENTAX‐FA 50mmF1.4」「smc PENTAX‐FA 50mmF1.4 Classic」
・大口径タイプのスポッティングスコープ(地上望遠鏡)「PENTAX PF-85EDA」
・本格性能と小型軽量を兼ね備えた双眼鏡「PENTAX A」シリーズの最新モデル2機種
■スマートビジョン分野
ワンショットで360度撮影ができるカメラ「RICOH THETA」を発売以降、360度画像・映像を活用した事業の幅を広げてきました。現在では、クラウドサービスと連携させることでワークフロー全体を効率化するソリューションを提供し、業務効率化と生産性の向上を実現するRICOH360プラットフォーム事業を展開・強化しており、建設業界をはじめとした業界のDX加速と「RICOH360」プラットフォーム事業のさらなる拡大を目的に、様々なパートナー企業と共創を始めております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
RICOH THETA本体及び360度画像をよりビジネスで使いやすく「RICOH360 プレミアムパッケージ」を提供開始
~新たなソリューションを共創するパートナーを募集~
・RICOH THETAの稼働状況を遠隔で把握できるデバイスマネジメント
・360度ビューワーや画像処理技術(メディアマネジメント)の提供
・RICOH THETA本体+専用三脚のセットの物損補償付きレンタルとサポート
■ヘルスケア分野
2022年度にバイオテクノロジーのベンチャー企業であるエリクサジェン・サイエンティフィック(eSci社)を子会社化しました。同社がもつ技術やノウハウと当社の技術や強み、リソースを掛け合わせることで、iPS細胞を活用した創薬支援事業の強化や、日本国内におけるmRNAを用いた治療薬製造基盤の整備·構築を進めております。人々の健康と安心への貢献はもとより、国内の経済安全保障の観点からも、医療用mRNAの製造能力のさらなる強化を目指し、ワクチンをはじめとするmRNA医薬品の創薬を支援していきます。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
リコー、ERS Genomics LimitedとCRISPR/Cas9ゲノム編集技術に関する非独占的ライセンス契約を締結
~CRISPR/Cas9ゲノム編集技術で疾患モデル構築の幅を広げて創薬支援に貢献~
・これまで培ってきたデジタル化技術やAI技術により、eSci社のコア技術の活用領域を拡大し、個別化医療や創薬・再生医療研究を加速
■社会インフラ分野
社会インフラの老朽化や自然災害の頻発化・激甚化が進み、インフラの効率的な維持管理が大きな社会課題となっております。当社は独自のカメラと解析AIによる道路・トンネル・のり面等への高精度かつ低コストなサービスを提供し、インフラ老朽化に対する効率的な維持管理・予防保全による安心安全な社会作りに貢献しております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
のり面モニタリングシステムが国土交通省の「土工構造物点検及び防災点検の支援技術性能カタログ」に掲載
~最適なカメラ・センサー類を搭載した走行型システムにより、点検を省力化~
・高画質な測定システムで広範囲にわたるのり面を一度で測定
・複数のラインセンサーカメラにより、のり面の全景画像を延長無制限で作成可能
・LiDARで、画像と同時にのり面の3次元形状を記録することで、平面画像からだけではわからない断面の形状も記録可能
・AIによって自動的に亀裂やはく離、ひび割れ等の変状を抽出
■環境分野
植物由来でコンポスタブルという特性を持つPLA(ポリ乳酸)を独自技術で発泡させた新素材の発泡PLAシート「PLAiR (プレアー)」で、化石資源由来プラスチックを代替し、新たなエコシステム構築を通じて環境負荷低減に貢献します。まずは、軽量で耐熱性をもつPLAiRの特徴を活かして食品容器に展開し、パートナーとの共創により事業拡大を目指します。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
植物由来の新素材「PLAiR」製食品容器が株式会社イトーヨーカ堂の実証実験に採用
・株式会社イトーヨーカ堂店舗で「PLAiR」の成型加工用シートを使用した容器に入った食品販売の実証実験
・当社独自の発泡制御技術で開発した成型加工用シートにより、自然由来99%の素材でありながら、優れた断熱性・耐熱性を実現
なお、当連結会計年度の当事業分野に係る研究開発投資は 7,392百万円です。
(6) 基礎研究分野
当社グループではこれまで、商品の差別化につながる基礎研究分野として、お客様の業務の効率化や時間、場所に捉われない新しい働き方に貢献するためのデータ収集・解析技術、人工知能を応用したシステムソリューション開発を進めております。また、フォトニクス技術、MEMS、画像認識・画像処理技術を融合した高度なセンシング技術・エッジデバイス技術、分析・シミュレーション等の基盤技術や検証、シミュレーション等の技術、機能性材料、プリンティング技術の応用研究開発を進めております。
デジタル戦略部ではオフィス・現場・社会へと価値提供領域を拡大する中で、各領域においてAI活用が求められております。お客様の高度な業種・業務を支援するサービスを拡充すべく、当社独自開発の大規模言語モデル(LLM)等の技術開発を進めております。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
日本語精度が高い130億パラメータの大規模言語モデル(LLM)を開発
・LLMは巨大な学習データと深層学習(ディープラーニング)を用いて構築された言語モデル。従来の言語モデルよりもデータ量が増大し精度が格段に向上したもの。当社は日本語処理精度が高いLLMを開発
・企業が持つデータを追加学習させることにより業種・業務に合わせたカスタマイズが可能。当社の顧客基盤における信頼を活かすことで企業保有データの活用を進める
・今後、音声認識技術を組み合わせたAIエージェントや、RAG(検索拡張生成:Retrieval Augmented Generation)機能の実装等を行い、活用範囲の拡大を狙う
企業独自のAIモデルを簡単に作成できるノーコード開発ツールのトライアル提供を開始
・業務の効率化や新たな価値の創造を支援する「仕事のAI」の新サービスとして、企業独自のAIモデルを簡単に作成し、学習推論できるノーコードツールを開発
・LLMを業務に活用するためには、企業固有の用語や言い回し等を学習させ、その企業独自のAIモデルを作成する必要があるが、専門の知識が必要で手間と時間がかかる
・本ツールでは、専門の知識が必要なく、企業固有の用語等を含めた分類情報のサンプルデータをExcelで作成、アップロードするだけで独自AIモデルを構築できる
先端技術研究所では、将来に向けてこれらの技術を核として、二つの提供価値領域にフォーカスして開発を行っております。
・HDT(Human Digital Twin at Work):ワークプレイスで働く人のデジタル化技術。行動センシングやバイタルセンシング等の技術と、認識やAI等の技術とを活用し、働く人の創造力発揮を支援する
・IDPS(Industrial Digital Printing System):インクの代わりに機能材料を吐出する産業用インクジェット技術を発展させ、製造・生産プロセスをデジタル化し、飛躍的な改善や廃棄物削減、省エネにつなげる。
分析・シミュレーション等の共通基盤技術は、引き続き当社グループの開発生産現場に展開し、さらなる効率化と品質向上を図っていきます。
協業パートナーとの共創も積極的に推進しており、当連結会計年度は、24%以上の開発テーマで協業パートナーと共同研究・開発を実施致しました。また、研究開発のグローバル化を推進しており、国内の先端技術研究所と東南アジアの企業・スタートアップ、研究機関等とを繋ぐイノベーションハブ拠点として、シンガポールにRICA(Ricoh Innovation Centre in Asia)を設立しました。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。
HDTを実現する技術開発
・“1on1の対話トレーニングシステム”を発表。画像解析技術、言語解析技術、AI技術を活用し、部下役のAIとの1on1シミュレーションを行う中でトレーニーであるリーダーの発話内容や振る舞いを解析。トレーニング終了後の振り返りを通じて、1on1における対話スキル向上を実現
・建物・設備の管理効率化を実現する“空間データ作成・利活用AIソリューション”の実証実験を開始。カメラやレーザースキャナー等光学デバイスから取得した点群と360度画像を自動的に位置合わせしてつなぎ、建物内をバーチャルに見て回ることのできる3次元復元を実現。AI技術の活用により、3次元CADモデルの生成、またデジタル建物の中で計測・計画・シミュレーションを支援する機能等を開発
IDPS ~インクジェット技術の活用領域の拡大により持続可能な社会の実現を目指す技術開発~
・高圧対応の“GELART JETヘッド”を開発。高粘度・大滴サイズの塗料吐出による大面積・厚塗り印刷や、塗料の飛翔距離拡大による曲面・凹凸面への印刷、大粒子含有材料の吐出を実現し壁面や路面、自動車外装等へのデジタル塗装技術を開発中
・従来のシリコン太陽電池に代わる発電技術として注目を集めているペロブスカイト太陽電池の製法開発を含む、国立大学法人東京工業大学とのインクジェット技術の共同研究実施
なお、当連結会計年度の当分野に係る研究開発投資は 15,435百万円です。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度の設備投資金額は 53,267百万円であり、事業の種類別セグメントごとの内訳は以下のとおりです。
(注)1 上記設備投資に伴う所要資金は、自己資金及び借入金により賄っております。
2 当連結会計年度より、その他セグメントに含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及び
デジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
2 【主要な設備の状況】
当社グループ(当社及び連結子会社)における主要な設備は、以下のとおりです。
(1) 提出会社
2024年3月31日現在
(2) 国内子会社
2024年3月31日現在
(3) 在外子会社
2024年3月31日現在
(注) 1 上表には、建設仮勘定は含まれておりません。
2 現在休止中の主要な設備はありません。
3 リコーインダストリー㈱ 東北事業所に記載している設備は、提出会社にて保有しておりますが、製造は連結子会社であるリコーインダストリー㈱へ委託しております。
4 ㈱PFUの数値は各社の連結決算値です。
5 リコーインダストリアルソリューションズ㈱の帳簿価額は当連結会計年度の連結財政状態計算書における「売却目的で保有する資産」に含まれる金額を含めております。
6 RICOH THERMAL MEDIA (WUXI) CO., LTD.、SHANGHAI RICOH DIGITAL EQUIPMENT CO., LTD.及びRICOH MANUFACTURING (CHINA) LTD.の土地は、連結会社以外から賃借しており、賃借している土地の面積については、[ ]内で外書きしております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
当社グループ(当社及び連結子会社)の当連結会計年度後1年間の設備投資計画は 50,000百万円であり、事業の種類別セグメントごとの内訳は以下のとおりです。
(注) 上記設備投資に伴う所要資金は、自己資金及び借入金により賄う予定です。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 2022年2月4日開催の取締役会決議により、2022年2月28日付で自己株式を消却したことによる減少です。
2 2022年10月4日開催の取締役会決議により、2022年10月31日付で自己株式を消却したことによる減少です。
(5) 【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 自己株式6,025,595株は「個人その他」に60,255単元含まれ、「単元未満株式の状況」に95株含まれております。
2 当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託において、当該信託が保有する当社株式314,000株は、「金融機関」に3,140単元含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 2024年3月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディーが2024年3月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
変更報告書の内容は以下のとおりです。
2 2023年4月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、野村證券株式会社及びその共同保有者他3社が2023年4月14日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
変更報告書の内容は以下のとおりです。
3 2022年7月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、三井住友信託銀行株式会社及びその共同保有者である三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社及び日興アセットマネジメント株式会社が2022年7月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
変更報告書の内容は以下のとおりです。
なお、当社は2022年10月31日付で、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却を実施し、発行済株式総数が27,946,200株減少し、609,521,978株となっておりますが、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は、当該消却前の割合で記載しております。
4 2021年7月9日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、株式会社三菱UFJ銀行及びその共同保有者他3社が2021年3月22日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
変更報告書の内容は以下のとおりです。
なお、当社は2022年2月28日付及び2022年10月31日付で、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却をそれぞれ実施し、発行済株式総数が合計で135,390,100株減少し、609,521,978株となっておりますが、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は、当該消却前の割合で記載しております。
5 2021年2月19日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、ブラックロック・ジャパン株式会社及びその共同保有者他10社が2021年2月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
変更報告書の内容は以下のとおりです。
なお、当社は2022年2月28日付及び2022年10月31日付で、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却をそれぞれ実施し、発行済株式総数が合計で135,390,100株減少し、609,521,978株となっておりますが、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は、当該消却前の割合で記載しております。
6 2020年4月22日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、株式会社みずほ銀行及びその共同保有者他3社が2020年4月15日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
変更報告書の内容は以下のとおりです。
なお、当社は2022年2月28日付及び2022年10月31日付で、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却をそれぞれ実施し、発行済株式総数が合計で135,390,100株減少し、609,521,978株となっておりますが、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は、当該消却前の割合で記載しております。
7 2019年5月8日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書に係る変更報告書において、イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッド及びその共同保有者であるM&Gインベストメント・マネジメント・リミテッドが2019年4月30日現在で以下の株式を所有している旨が記載されているものの、
当社として2024年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができませんので、上記大株主の状況には含めておりません。
変更報告書の内容は以下のとおりです。
なお、当社は2022年2月28日付及び2022年10月31日付で、会社法第178条の規定に基づく自己株式の消却をそれぞれ実施し、発行済株式総数が合計で135,390,100株減少し、609,521,978株となっておりますが、発行済株式総数に対する所有株式数の割合は、当該消却前の割合で記載しております。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託において、該当信託が保有する当社株式が314,000株(議決権の数3,140個)含まれております。
2 「単元未満株式」には、当社所有の自己保有株式が95株含まれております。
② 【自己株式等】
2024年3月31日現在
(注) 上記には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託において、当該信託が保有する当社株式は含まれておりません。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社取締役及び執行役員等(社外取締役を除く。)を対象として業績連動型株式報酬制度(以下、本制度)を導入しております。本制度は、2019年に導入した株価条件付株式報酬制度(以下、旧制度)を 一部改定し、2023年9月1日付で導入したものです(旧制度及び本制度を総称して、以下、両制度)。取締役向けの両制度を含む株式報酬制度の内容の詳細については「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」に記載しております。執行役員等向けの両制度を含む株式報酬制度も同様の仕組みです。
両制度では役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託(以下、本信託)を用いております。
① 本信託の概要
(注)旧制度における受益者は、役員向け株式交付信託については、当社取締役のうち受益者要件を満たす者、
執行役員等向け株式交付信託については、当社と雇用契約を締結している執行役員等のうち受益者要件
を満たす者。
② 本信託に取得させる予定の役員向け株式の総数、本信託に保有している執行役員等向けの株式の総数
役員向け株式交付信託:
旧制度は1事業年度当たり100,000株を上限とする。
本制度は1業績評価対象期間当たり200,000株を上限とする。
執行役員等向け株式交付信託:248,900株(有価証券報告書提出日現在の保有株数)
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注)当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日の取得による株式数は含まれておりません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 1 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含まれておりません。
2 上記には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託において、当該信託が保有する当社株式は含まれておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における保有自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取及び買増請求による株式数は含まれておりません。
2 上記には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託において、当該信託が保有する当社株式は含まれておりません。
3 【配当政策】
株主還元方針については、総還元性向 50%を目安とし、配当利回りを意識した継続的な増配と機動的な自己株式取得を行う方針です。配当については、利益拡大に沿った継続的な増配を目指します。自己株式の取得は、経営環境や成長投資の状況を踏まえつつ、機動的に実施し、1株当たり利益(EPS)の向上を図っていきます。
当事業年度の配当につきましては、中間配当といたしまして1株当たり 18円、期末配当につきましては、1株当たり 18円とし、年間 36円を実施いたしました。
当社は、中間と期末の年2回の剰余金の配当を行うこととしており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会です。
当社は、「毎年9月30日を基準日として、取締役会の決議によって、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、多様なステークホルダーの期待に応えられるように、経営者の活動を含む企業活動全体が、企業倫理と遵法の精神に基づく経営の透明性を確保しつつ、競争力の強化を目指したコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでおります。これにより、持続的な成長と株主価値・企業価値の向上を図ってまいります。
また、企業活動の基礎となる理念・価値観を「リコーウェイ」として定めております。「リコーウェイ」は、「創業の精神」及び「使命と目指す姿」「価値観」で構成されております。経営の方針・戦略は「リコーウェイ」に基づき策定される等、「リコーウェイ」は自律的なコーポレート・ガバナンスの根本的な考え方となっております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は監査役制度を採用しております。また、取締役会による経営監督の強化、及び執行役員制度による経営執行の効率化を図っております。さらに、社外取締役を招聘し、当社から独立した客観的な立場での議論を通じた意思決定及び経営監督により、コーポレート・ガバナンスのさらなる強化を図っております。
取締役及び執行役員の指名・報酬については、取締役会の諮問機関であり、委員の過半数を独立社外取締役で構成する「指名委員会」、「報酬委員会」において審議を行い、取締役会へ答申しております。

取締役会は、取締役会並びに取締役が、企業価値向上に資する審議・判断・行動をするにあたっての礎となる考え方や姿勢について、創業の精神に立ち戻って議論し、取締役会が維持・醸成していくべき「ボードカルチャー」として、以下のとおり定めました。
取締役会は、
1.「三愛精神」を尊び、株主、お客様、従業員、協力会社、地域・社会等様々なステークホルダーとの対話を踏まえ、その利益を尊重するとともに、社会課題の解決につながる経営戦略・計画となるよう監督する。
2.議長による中立的な運営のもと、多様性・独立性の高い構成メンバーによって、オープンで自由闊達かつ多面的な視点を尊重した建設的議論を行い、その結果を真摯に経営に反映する。
3.事業成長・資本収益性・ESGを高次元で実現することを通じた中長期的な企業価値の向上に向け、社会的責任を自覚し、将来のための果断な意思決定を行うとともに、その遂行に対する監督を行う。
経営環境や経営体制が変わる中で、取締役会は常にボードカルチャーに立ち返り、審議や意思決定はもとより、取締役の選任や、株主をはじめとするステークホルダーとの対話等における指針としております。

・社内カンパニー制におけるガバナンスの仕組み
当社グループはデジタルサービスの会社への事業構造の転換と資本収益性の向上を進めるため、2021年4月1日より社内カンパニー制に移行しました。各ビジネスユニットと本社機能は以下の機能に重点を置くことで、グループ全体の企業価値向上を目指しております。
各ビジネスユニット:ビジネスユニットプレジデントをトップとする自律的な事業運営
グループ本部 :グループ全体の中長期戦略の立案や各ビジネスユニットへの資本配分
成長性・資本収益性を踏まえた厳格な事業管理
横串・専門性・全社視点の最適化
社内カンパニー制を採用したことを踏まえ、当社は監督・執行・監査の各視点から、以下のようなガバナンス
に関する取り組みを進めております。
①監督の視点
(ア) 各組織のトップに対する監督
取締役会並びに指名委員会による、ビジネスユニットプレジデントや本社機能の経営執行幹部に対するパフォーマンス評価を実施
(イ) 事業のパフォーマンスに対する監督
各ビジネスユニットのパフォーマンス状況について四半期ごとに審議を行い、投下資本や資本収益性等のモニタリングを実施
(ウ) グループガバナンス・リスクマネジメントの強化
各ビジネスユニットへの権限委譲、関連会社管理の見直し等、社内カンパニー制へ移行後の体制・運用に対して、内部統制やリスクマネジメントが適切に機能しているか、取締役会によるモニタリングを強化
②執行の視点
(ア) CEO/グループ本部責任者によるモニタリング
毎月実施している各ビジネスユニットの事業運営会議の中で、各ビジネスユニットの目標値(資本収益性等)の達成状況のモニタリングや適時トピックスの共有、課題・対策について討議
(イ) ポートフォリオマネジメント会議*(年1回)の実施
各ビジネスユニットにおいて獲得した収益はグループ全体で一度集約し、経営会議(グループマネジメントコミッティ:GMC)の一部であるポートフォリオマネジメント会議にて資源の再配分の方針を決定
財務・市場性・デジタルサービス親和性の3つの評価軸で各事業を分析し、資源の優先順位を定める事業ラベルをGMCメンバーで合意
*ポートフォリオマネジメント会議は、取締役が任意で聴講
(ウ) 内部統制/リスクマネジメント
各ビジネスユニット
自律的な内部統制及び各事業領域固有のリスクマネジメントの企画・実行
グループ本部リスク主管部門と連携したリコーグループ重点経営リスクへの対応
グループ本部
各組織のリスクマネジメント推進者を対象とした、リスク感度の向上とリスクマネジメント能力を強化 するための啓発活動
各ビジネスユニットとの定期的な情報交換により確認された内部統制・リスクマネジメントの個別課題
の解決支援
リコーグループ重点経営リスクの特定・リスク管理の推進
③監査の視点
(ア) 取締役によるガバナンス
取締役会、社外役員会議、ガバナンス検討会等を通じ、課題認識等を確認、及び意見交換
(イ) 本社機能
各ビジネスユニットに分散している本社機能(人事、総務、法務)を横断的にレビュー
本社機能部門長との定期的な面談を通じ、社内カンパニー制下での本社機能のガバナンスを注視
(ウ) 内部統制システム
各ビジネスユニットや子会社のレビュー、ビジネスユニット長との面談を通じ、子会社管理体制を含めたビジネスユニットの自律的な内部統制・リスクマネジメントの構築・運用状況を監視、検証
複数のビジネスユニットが関係する子会社や事業所における管理体制を確認
内部統制委員会に出席し、経営陣による内部統制への取り組みを確認
監査役、内部監査部門及び会計監査人との連携(三様監査)による監査強化
(エ) ポートフォリオマネジメント
事業ポートフォリオマネジメント会議及び各ビジネスユニットの事業運営会議へ参加し、各ビジネスユニットの方針・戦略の決定プロセスとその進捗状況を確認
(Ⅰ) 取締役会

取締役会では経営監督及びグループ経営に関わる重要な意思決定を行っております。
取締役会の構成、運営については、当社のボードカルチャーに掲げた考え方や姿勢を念頭に、取締役会に占める独立社外取締役の割合を過半数とし、議長を独立社外取締役とすることにより、経営の透明性の確保と公正な意思決定の一層の向上を図っております。当事業年度は取締役8名のうち、5名を独立社外取締役とする体制です。あわせて、取締役会における社外取締役の役割・機能をより発揮できるよう、筆頭社外取締役を選任しております。筆頭社外取締役は、取締役会議長と協働してガバナンスの整備・高度化を担い、当社における独立社外取締役の職務を主導する役割として、当社の経営状況、議長及び取締役の就任状況等に照らして、取締役会の判断に基づき、必要に応じて選任を行っております。議長と筆頭社外取締役による適切な協働・役割分担のもと、取締役会の円滑な運営と機能発揮を確保しております。
取締役会の審議においては、独立社外取締役を中心とした執行役員を兼務しない取締役、執行を担う取締役がそれぞれの専門性や経験等を活かし、重要案件に対して深い議論を行うことで、企業価値向上に向けた適切な意思決定と、株主をはじめとする多様なステークホルダーの視点で経営の監督が行われる体制を構築しております。
また、すべての取締役に対し、取締役会への出席率が原則80%を下回らないことを求め、経営に対する実効的な監督機能を果たすよう要請しております。
<代表取締役会長について>
当社では、2023年4月に代表取締役会長(以下、会長)を選任しました。会長の選任に際して、CEOとの権限及び責任関係が不明瞭にならないよう、会長の果たすべき役割について、取締役会及び指名委員会において慎重な審議を重ねました。その結果、当社における会長の役割は、主として経営の監督を行い、執行役員を兼務せず、日常の業務執行には関与しない社内取締役とし、その旨を社内規程等に明記しました。上記の役割に基づき、会長の職務の委嘱内容は、監督機能の強化の視点、執行への支援の視点、対外活動の視点を踏まえたものとしております。また、代表権を付与することで、会長による執行への支援及び対外活動の機能を一段と強化し、企業価値向上の実現に向けて、その責務を果たしていく立場を明確にしました。会長の役位・委嘱内容については、経営環境や執行の状況を踏まえ、毎年見直しを行います。2024年度の会長職については、指名委員会並びに取締役会にて2023年12月から2024年2月にかけて審議、決定を行いました。
取締役会議長 横尾 敬介
取締役 山下 良則
取締役 大山 晃
取締役 川口 俊
独立社外取締役(筆頭社外取締役) 石村 和彦
独立社外取締役 谷 定文
独立社外取締役 石黒 成直
独立社外取締役 武田 洋子
なお、当社は石村和彦氏、横尾敬介氏、谷定文氏、石黒成直氏及び武田洋子氏と、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、1,000万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額とのいずれか高い額となります。
当事業年度の取締役会出席状況
(注) 取締役川口俊氏、石黒成直氏、武田洋子氏は2023年6月23日開催の第123回定時株主総会終結の時をもって就任した後の出席回数を記載しております。
(Ⅱ) 監査役会

監査役会では、監査の方針及び業務の分担等を審議、決定し、取締役の職務の執行を監査するほか、当社の会計監査人、及び内部監査部門との連携や、当社各組織・子会社監査を通じて、経営への監督機能を果たしております。監査役は、取締役会及びその諮問委員会に加え、重要な会議に出席し、代表取締役や社外取締役とも定期的な情報交換を行っております。
当社の監査役は5名で、社内の事情に通じた社内監査役2名(常勤)と、当社の定める独立役員の要件を満たす社外監査役3名としており、過半数が独立社外監査役です。また、監査役会として必要な知識・経験・専門能力をバランスよく確保して、監査役会を構成することとしており、各監査役の専門分野における豊富な経験と幅広い見識、及び独立した客観的な視点で深い議論が行える体制を構築しております。
監査役 佐藤 愼二
監査役 西宮 一雄
独立社外監査役 太田 洋
独立社外監査役 鈴木 国正
独立社外監査役 大塚 敏弘
なお、当社は太田洋氏、鈴木国正氏及び大塚敏弘氏と、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の賠償責任を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任限度額は、500万円又は会社法第425条第1項に定める最低責任限度額とのいずれか高い額となります。
(Ⅲ) 指名委員会/報酬委員会
CEOをはじめとした経営幹部の指名・報酬等の決定については、取締役会の経営監督の最重要事項の1つとして、独立社外取締役を委員長、委員の過半数を独立社外取締役とする「指名委員会」並びに「報酬委員会」を設置することで、取締役・執行役員等の選解任や報酬の透明性・客観性を確保しております。また、指名委員会・報酬委員会の審議には、毎回社外監査役1名がオブザーバーとして出席しております。
当事業年度の指名委員会・報酬委員会は、それぞれ独立社外取締役4名、社内取締役1名の体制で構成しております。
指名委員会
委員長(筆頭社外取締役) 石村 和彦
委員(社内非執行取締役) 山下 良則
委員(独立社外取締役) 横尾 敬介
委員(独立社外取締役) 谷 定文
委員(独立社外取締役) 石黒 成直
報酬委員会
委員長(独立社外取締役) 谷 定文
委員(社内非執行取締役) 山下 良則
委員(独立社外取締役) 横尾 敬介
委員(筆頭社外取締役) 石村 和彦
委員(独立社外取締役) 武田 洋子
(Ⅳ) 取締役検討会
取締役会における会社の重要なテーマ(中期経営戦略等)の決議に向けて、取締役及び監査役が事前に十分な議論を尽くすための機会として開催しております。
■当事業年度 開催内容
(Ⅴ) ガバナンス検討会
当社グループのガバナンスの方向性や課題について、取締役、監査役等が包括的な議論を行う場として開催しております。実施した検討会の概要はコーポレート・ガバナンスに関する報告書等で開示しております。
■当事業年度 開催内容
(Ⅵ) 社外役員会議
独立した客観的な立場に基づく情報交換・認識共有を図り、取締役会における議論に積極的に貢献するとの観点から、社外役員間、又は社外取締役と監査役等との間で情報交換・認識共有を図る場として開催しております。
■当事業年度 開催内容
(Ⅶ) グループマネジメントコミッティ
当社グループ全体の経営について全体最適の観点での審議及び意思決定を迅速に行うために、取締役会から権限委譲された社長執行役員が主催する意思決定機関として、一定の資格要件を満たす執行役員で構成される「グループマネジメントコミッティ(以下、GMC)」を設置しております。取締役会での決裁必要項目は取締役会規程にて定めておりますが、その基準に満たない決裁案件や事業執行に関する重要事項はGMCにて意思決定がなされております。また、GMCによる業務執行に関する以下の事項について、3か月に1回以上取締役会に報告を行っております。
● 経営戦略上重要な経営指標及び重要施策の実施状況
● GMCにおける決議事項とその結果
GMCにおける審議対象事項は以下のとおりです。
1.経営戦略の立案
・経営理念
・中長期経営戦略
・短期(年度)経営方針の決裁及び事業計画
・連結資金計画及び借入枠
2.経営戦略の執行
・取締役会議案における審査と上程の決定
・社内規定に基づく金銭決裁
・当社グループ重点経営リスク項目の決定
・当社の人事政策上の重要事項
3.その他重要事項に係る意思決定・報告
また、GMCには執行業務の理解を深める目的で、社外取締役もオブザーブ参加しております。

(Ⅷ) 開示委員会
開示委員会は、投資家の投資判断に影響を与える情報の適切な開示に加え、投資家の投資判断に資する会社情報の主体的な開示を実施することで、株主及び資本市場との対話を促進し、それを通じて株主及び資本市場との信頼関係を構築し、当社に対する適正な評価の獲得を実現することを目的としております。
当委員会は、開示責任者であるCFOを委員長とし、開示統括・経理・法務・経営企画・取締役会運営・広報・内部統制の各組織の代表で構成されております。
当委員会では、年次報告書類や適時開示書類の適切性・正確性の判断、開示手続きにおける情報開示の要否判断に加えて、投資家の投資判断に資する会社情報の積極的な開示に関する審議や開示手続きのモニタリングを実施しております。当事業年度は、これらの審議・モニタリングの実施に加え、審議の実効性向上を目的に前事業年度改善した開示プロセスの運用状況について、レビューを実施しております。
また、開示情報の適時性、開示書面内容の正確性・妥当性、開示判断の合理性等に関して、内部統制部門が定期的に評価を行い、取締役会・内部統制委員会へ報告を行っております。

(Ⅸ) 内部統制委員会
内部統制委員会は、当社グループの内部統制に関する審議及び意思決定を行うために当社の社長執行役員のもとに設置される機関となります。当委員会はCEOを委員長とし、社内取締役を含むGMCメンバーとビジネスユニットプレジデントから構成されております*。四半期ごとの開催を原則としておりますが、状況に応じて臨時あるいは緊急で開催しております。
*常勤監査役がオブザーバーとして参加
当委員会における審議内容は以下のとおりとなります。
1.内部統制の整備・運用評価及び是正
・内部統制全般の整備・運用評価
・財務報告に係る内部統制有効性の評価
・情報開示に係る内部統制有効性の評価
・内部統制の是正
2.内部統制に関する活動方針の決定
・財務報告に係る内部統制の基本方針の決定
・年度内部監査計画の決定
3.内部統制の不備への対応
・重大なインシデントが発生した場合の対応の決定
4.内部統制原則の改定の取締役会への提案
・環境変化を考慮の上、内部統制原則の改定の取締役会への提案
特に当社グループ全体への影響が懸念される重大なインシデントについては、発生の背景・要因、再発防止策等の詳細を確認し、その再発防止策の有効性や当社グループ内での同インシデントの再発に対する懸念が残る場合は、必要な対策を速やかに決定し、トップダウンで確実な実行につなげております。
また、内部監査で報告された内部統制の課題やリスクマネジメント及びコンプライアンス活動等を勘案し、インシデントの未然防止につなげるための議論と対応策の決定をしております。

* SOX経営者評価:金融商品取引法第24条の4の4第1項に基づき行われる、経営者による財務報告に係る
内部統制の整備状況・運用状況の評価のこと

(Ⅹ) リスクマネジメントシステムとリスクマネジメント委員会
当社グループのリスクマネジメントシステムには、図1に示すように大きく2つの層があります。
1. GMCが当社グループの経営において、重要度が高いと考える管理項目を主体的に選択し、管理する重点経営リスク
2. グループ本部またはビジネスユニットの各組織長の責任下で管理される、各々の担当領域における重要度が高いリスク(グループ本部リスク・ビジネスユニットリスク)
この2つの層により管理主体を明確にするとともに、リスクのレベルごとの機動的な意思決定と迅速な活動が可能となり、全体で1つのリスクマネジメントシステムを構成しております。また、環境変化に応じた影響度の変化によって、各層で扱うリスクの入替え等を行っております。


リスクマネジメント委員会は、当社グループ全体のリスクマネジメントプロセス強化のため設置しているGMCの諮問機関です。当委員会は、リスクマネジメント担当役員を委員長とし、各組織の有識者を委員とすることで、リスクの網羅性確保と議論の充実を図り、当社グループの経営において対応・重点化すべきリスクをGMCに提案しております。
また、当社グループのリスクマネジメントの実効性強化のため、必要に応じて図1に示すリスクマネジメントシステムの見直し・再構築を行っております。経営と各組織の連携を取り、より実効性の高い一気通貫のリスクマネジメントシステムとするために、当社の各組織からリスクマネジメント責任者・推進者を選任し、管理監督する関連会社を含め各組織における自律的なリスク管理体制を整備しております。
さらに、各リスクマネジメント推進者を主な対象としたリスクマネジメント連携強化会議において、リスク管理に関連する勉強会や情報共有を行い、リスクに対し対応力のある組織になるための継続的な取り組みを進めております。

(Ⅺ) 投資委員会
投資委員会は、GMCの諮問委員会として、資本コストも踏まえた財務的視点での妥当性、事業戦略視点での収益性や成長性リスク等の観点で投資計画の検証を行っております。多様化する外部への投資や売却案件について、機能別組織のメンバーが事前に確認・協議することにより、経営戦略との整合性や投資効果を高め、投資判断のスピードと的確性を向上させることを狙いとしております。
当委員会は、戦略・財務・リスクを主な審議の視点としており、メンバーは、CEOの指名する委員長、各視点の専門家として経営企画・経理・法務・内部統制の各機能別組織の選抜メンバー、案件に応じた有識者から構成されております。立案部門との関係では、事前協議先として対象案件の投資価値を総合的に審議の上、評価、アドバイスすることを役割としているため、投資案件についての決定権及び拒否権は有しておりません。審議結果は投資委員会委員長より、案件に応じてGMC又は取締役会へ報告し、決裁者の客観的判断をサポートしております。
当社全体の外部投資判断の的確性を向上させるために、GMC決裁基準金額以下の案件も審議の対象とすることが可能で、必要に応じて立案部門の投資判断や検討内容、案件交渉に対する助言を行っております。
<投資の継続モニタリング>
投資実行後は、当委員会の審議プロセスを経てGMC等の決裁機関で承認を得た事業計画・定量指標(KPI)の内容・時期に沿って、半期に一度を目途として定期的に進捗状況を取りまとめ、GMCに対してモニタリング報告を行っております。
<M&A人材育成の取り組み>
2019年度からM&AやPMI*を成功に導くことのできる人材を体系的に育成しております。立案部門のレベルアップにより、投資案件の質を向上させ、当委員会での議論・審議の充実化を図っております。
育成プログラムは、当社の過去事例等を踏まえ、当社独自のプログラム(20講座/6か月間コース)を用意しており、これまでに200名が修了認定を取得しております。
また、本育成プログラムの修了認定後も、企業価値評価や財務分析の講座、人事・環境・IT等機能別の専門講座を開設し、受講者への継続的な支援を行いさらなる能力向上を図っております。これらの取り組みにより、立案部門の投資検討のスピードと的確性が向上しております。
* PMI(Post Merger Integration:ポスト・マージャー・インテグレーション)
当初計画したM&A後の統合効果を最大化するための統合プロセス。統合の対象範囲は、経営・業務・意識等統合に関わるすべてのプロセスに及んでおります。
(Ⅻ) ESG委員会
ESG委員会は、環境・社会・ガバナンス分野における当社グループの課題を経営レベルで継続的に議論し、グループ全体の経営品質の向上につなげていくことで、ステークホルダーの皆様からの期待・要請に迅速かつ適切に応えていくことを目的とする意思決定機関です。
当委員会は、具体的に以下の役割を担っております。
1.グループ全体のESG戦略の策定、重要課題、各事業部門のKPIの進捗状況の監督及び助言
2.グループ全体の中長期的なESGリスク・機会及び重要課題の特定
3.取締役会で審議すべきESG課題の特定と取締役会への上申
当委員会はCEOを委員長とし、社内取締役を含むGMCメンバーとビジネスユニットプレジデントから構成されております*1。四半期に一度開催される委員会では、議論するテーマに応じて該当する事業部門の責任者を招集する等、ESG課題を横断的に検討・議論する体制を整えております。
*1 常勤監査役がオブザーバーとして参加

*2 CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive):EUにおける企業サステナビリティ報告指令
*3 RBA(Responsible Business Alliance):グローバルサプライチェーンにおける企業の社会的責任を果たすことを目的としたグローバルな企業同盟
*4 30by30:2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標
(XIII) セキュリティ委員会
セキュリティ委員会*1は、当社グループのセキュリティに関する審議及び意思決定を行うために当社の社長執行役員のもとに設置される機関です。当委員会はCEOを委員長とし、社内取締役を含むGMCメンバーとビジネスユニットプレジデントから構成されており*2、当事業年度から原則四半期ごとに開催しております。当委員会では、主に、当社グループのセキュリティ戦略、セキュリティガバナンス、セキュリティオペレーション、地政学リスクについて報告と審議を行っております。さらに取締役会で審議すべきセキュリティ課題を特定して、取締役会へ上申します。
昨今、情報セキュリティに対するリスクは急速に高まっております。サイバー攻撃の頻発、不正技術の多様化・高度化(ランサムウェア*3等)、各国規制の強化・多様化、地政学的リスクの顕在化等、企業の対応範囲も拡大しております。また、デジタルサービスの会社への変革を目指す上で、既存事業における収益性をより盤石なものとするため、デジタルサービスにおけるセキュリティリスクの軽減のみならず、事業成長に向けた投資として捉え取り組む必要があります。近年、企業がDX化による企業競争力の向上を狙う一方で、解決すべきセキュリティの課題も生じております。このため、セキュリティ統括担当であるCEOの直轄に、当社グループ全体のセキュリティ戦略及びプライバシー保護戦略の立案・推進を担うセキュリティ推進部門を設置して、セキュリティに対する素早い経営判断や、各国法規制への対応戦略の明確化等、当委員会の運営を支えております。
当事業年度から各ビジネスユニット・各部門に部門セキュリティ委員会を設置し、全社セキュリティのガバナンス体制を強化しております。また、有価証券報告書・情報セキュリティ報告書を通じて当社の情報セキュリティへの取り組みを積極的に発信しました。その結果、企業のベストプラクティスを表彰するCyber Index Awards 2023特別賞(日本経済新聞社主催)を受賞しました。今後は、グローバルにおけるガバナンス強化、サプライチェーンリスク管理強化、教育体系整備によるさらなる人材強化を進めます。
*1 2024年4月1日から「情報セキュリティ委員会」の名称を「セキュリティ委員会」に変更
*2 常勤監査役がオブザーバーとして参加
*3 ランサムウェア:パソコンやスマートフォンをウイルスに感染させ、保存されているファイル等のデータを勝手に暗号化することで使用できない状態にした後、それを元に戻すことと引き換えに「身代金」を要求する不正プログラム

*4 エンドポイントセキュリティ:PCやサーバーのほか、スマートフォンやタブレット等の端末機器やそこに保存している情報をサイバー攻撃から守るためのセキュリティ対策
*5 NIST SP800-171:米国立標準技術研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology)が発行するガイドラインの1つ
③ 企業統治に関するその他の事項
(Ⅰ) 株主との建設的な対話に関する方針
当社は、株主と積極的かつ建設的な対話を行い、その対話を通して得られた意見を企業活動に反映させるサイクルを通じ、相互理解による信頼関係の醸成を行っております。また、そのサイクルに基づく企業活動を通じて、世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、提供し続けることで、人々の生活の質の向上と持続可能な社会づくりに積極的に貢献し、中長期的な企業価値の向上に努めております。
・株主との対話の責任者
社長執行役員・CEO
・対話の主体
IR・SR*専任部署のほか、対話の目的や株式保有数に応じて、社長執行役員・CEO、CFO、各ビジネスユニットプレジデント、CHRO、ESG担当役員、社外を含めた取締役/監査役が行っております。
・主な対話の機会
中長期戦略説明会・決算説明会・事業説明会等のラージミーティング・スモールミーティング、1on1による個別対話を実施しております。また、外部主催のIRイベント・カンファレンスでの説明会も適宜行っております。
・経営層へのフィードバック
① 四半期決算や中長期戦略説明会等のラージミーティング実施後には、株主・投資家の皆様との対話内容やアナリストレポート等を踏まえ、資本市場の反応を報告しております。
② マネジメント及びIR・SR専任部署による対話や、パーセプションスタディ調査等資本市場との対話から得られた当社に対する見解を、経営層及び執行部門と共有し、CEO・CFOが中心となって、より建設的な対話につながる開示の改善に取り組んでおります。
③ 主にマネジメントが対話した際のご意見等は、株主・投資家の皆様の意図を明確に相違なく経営層へフィードバックする観点から、内容について基本的に変更することなく報告しております。
・インサイダー情報について
インサイダー情報取り扱いに関する内規を遵守し、個別株主との対話ではインサイダー情報の開示は行いません。なお、インサイダー情報漏洩を防止し情報開示の公平性を保つため、決算期末日の翌日から決算発表日までを沈黙期間としております。
* SR(Shareholder Relations):株主と信頼関係を構築するための活動
当事業年度の対話実績
当社の当事業年度の情報発信、対話実績は以下のとおりです。
ラージミーティング6回(事業説明会2回/決算説明会4回)
スモールミーティング6回(マネジメント*6回)
1on1ミーティング256件(マネジメント*41件[IR15件/SR26件]/IR・SR専任部署212件/ESG推進部門3件)
* CEO・CFO・社外取締役・ESG担当役員
(Ⅱ) 取締役選任の考え方
当社の取締役選任の考え方は下記のとおりとなります。
取締役の選任基準
[経営能力]
(経営機能の適切な遂行にあたっての高い洞察力及び判断力)
1.事業・機能の広い領域に識見を持ち、全社的・長期的視点に立って適切に思考し、判断する能力を有すること
2.本質を見極め、課題を明らかにする洞察力を有すること
3.グローバルに発想し、グローバルに最適な判断を行うことができること
4. 判断力・洞察力の基点として幅広い経験を有し、企業価値及び競争力の飛躍的向上につながる高い実績をあげていること
5.コーポレート・ガバナンスのあり方をしっかり認識した上で、株主及び顧客をはじめとする多様なステークホルダーの視点に立って、適切に思考し判断を行うことができること
[人格・人間性]
(監督機能の円滑な遂行にあたっての取締役相互及び経営執行との良好な信頼関係)
1.高潔(誠実かつ高い道徳観・倫理観を有する)であり、法令及び社内ルールの厳格な遵守はもとより、高い道徳観、倫理観に基づくフェアで誠実な判断・行動を率先していること
2.人間尊重の精神に立って、他者に対し敬意と信頼を持って接するとともに、多様な価値観や考え方を深く理解・受容し、個々の人格と個性を尊重した判断・言動・行動を率先していること
社外取締役の選任基準
社外取締役の選任基準は、社内取締役と同じ上記の基準に加え、異分野に関する専門性、問題の発見、及び解決能力、洞察力、戦略的思考能力、リスク管理能力、指導力等に優れていること、さらに、当社所定の「社外役員の独立性基準」に照らしあわせ、独立性に問題がないことを付加的な基準としております。
なお、当社が定める独立性基準は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況 ② 社外役員の状況」をご参照ください。
ダイバーシティについて
取締役の選任にあたっては経営能力や人格・人間性等のほかに、多様な視点や経験、さらに多様かつ高度なスキルを持った取締役で構成されることが必要であると考えております。
加えて、人種、民族、性別、国籍等の区別なく、それぞれの人格及び識見に基づいて候補者を選定し、これらの属性に関する多様性を確保することを方針としております。
(Ⅲ) 取締役の選任プロセス・評価プロセス
当社は、持続的な成長と株主価値・企業価値の向上のため、コーポレート・ガバナンスの強化・充実に継続して取り組んでおります。
当社の取締役の選任プロセス・評価プロセスは下記のとおりです。
[指名委員会]
取締役会は、取締役・CEO・経営幹部等の選解任・評価における手続きの客観性・透明性・適時性を確保するため、取締役会の諮問機関である指名委員会を設置しております。
指名委員会は、客観性・独立性を高めるために、独立社外取締役を委員長、過半数を独立社外取締役で構成しております。また、委員会には社外監査役1名が同席し、審議の透明性の確保に努めております。
(有価証券報告書提出日現在、独立社外取締役4名、非執行取締役1名で構成されており、独立社外取締役が過半数、かつ指名委員長も独立社外取締役となっております)
指名委員会は、以下について審議を行い、取締役会へ審議内容及び結果を報告・答申しております。
(取締役会からの諮問事項)
①CEO及び取締役候補者の指名
②CEO及び取締役の交代の可否
③CEO及び執行兼務取締役の実績評価
④CEO後継計画及び将来のCEO候補者の育成状況の確認
⑤執行役員、顧問及びフェロー*1の選解任案及び選解任理由の確認
⑥執行役員等*2の兼職・副業の社長決裁に対する再検討の要請
⑦社内取締役の兼職・副業への該当性、その可否及び許可条件
⑧非執行取締役*3の評価、役位及び委嘱内容の見直し
⑨取締役・執行役員の選解任制度制定・改廃の可否
⑩その他個別に取締役会から諮問のあった事項
*1 フェロー:当社では、世間的に認められた卓越した技術力もしくは知見を有し、その専門性のさらなる
探求や、専門性の活用・発展のための研究活動をリードすることができる人材をフェローと
定義。フェローは、取締役会の決議により選任される
*2 執行取締等:当社の「雇用型執行役員等の兼職・副業規定」で定義される「執行役員等」をいう
*3 非執行取締役:執行役員を兼務せず、日常の業務執行に関与しない社内取締役
(その他の審議事項)
①監査役会からの依頼に基づく監査役候補者の選出理由の確認
②執行役員のパフォーマンス評価の確認
③その他CEOからの相談事項等
[選任プロセス]
①取締役候補者
指名委員会における数回の審議を経て、厳選な審査を行い、指名する根拠を明確にした上で取締役会へ答申しております。

②執行体制
サクセッションプランにおける適切な経営人材の登用・育成を図ることを目的に、CEOが経営人材候補者の選抜や育成方針について指名委員会へ報告しております。

[評価プロセス]
執行兼務取締役の評価は、取締役会から諮問を受けた指名委員会が毎年実施しており、二段階による評価を行っております。指名委員会での取締役の評価に関する審議の内容及び結果は取締役会に答申され、取締役会で取締役の職務継続の妥当性について監督を徹底することとしております。
なお、評価にあたっては、「取締役としての経営監督の遂行状況」、「業績・資本収益性・その他の主要経営指標等財務の視点」、並びに「株主への貢献度や資本市場の評価の視点」等を基準としております。

<取締役評価の主な項目>対象:執行役員を兼務する取締役
なお、執行兼務取締役の評価にあたっては、「株主への貢献度や資本市場の評価の視点」の基準の1つとしてTSRを採用しておりますが、突発的な株価変動の影響を避けるため年度平均株価により算出したTSR(下表参照)を使用しております。
(注) 1 TSRの保有期間は2024年3月末日を基準としております。
2 TSRについては、期初・期末当日の株価の影響を平準化する目的で、年間の日次の配当込み株価の平均を用いて算出しております。
(Ⅳ) CEO評価とサクセッションプラン
当社グループが中長期にわたり、継続的に株主価値・企業価値を高め、社会の構成員としてその社会的責任を果たし永続していくための重要な取り組みとして、CEOサクセッションプランを位置づけております。コーポレート・ガバナンスの強化の観点から、客観性・適時性・透明性の高い手続きによるCEOサクセッションプランの構築を目指しております。
①CEO評価

CEOの評価は取締役会から諮問を受けた指名委員会が毎年実施しており、二段階による評価を行っております。なお、CEOの評価にあたっては、執行役員を兼務する取締役と同様、「取締役としての経営監督の遂行状況」、「業績・資本収益性・その他の主要経営指標等財務の視点」、並びに「株主への貢献度や資本市場の評価の視点」に基づく評価に加え、「将来財務の視点」に基づく評価を組みあわせることで、CEOとしての総合的な経営監督並びに業務執行能力の評価を行っております。
(注) (Ⅲ) 取締役の選任プロセス・評価プロセス [評価プロセス] <取締役評価の主な項目>参照
<CEO評価の主な項目>
なお、2023年4月1日付で就任した大山CEOについては、当事業年度は就任後から二次評価実施日までの約9か月間に対する評価を実施し、その実施内容を指名委員長から取締役会に報告、さらに本人へのフィードバックを実施しました。
②CEO候補者の選定・育成・評価
<指名委員会及び取締役会の位置づけ>
年に1回、CEOは将来のCEO候補者案を作成するとともに、それらのCEO候補者に対する育成計画を策定し、指名委員会でCEO候補者案及び育成計画について説明を行っております。
指名委員会は、CEO候補者案並びに育成計画の妥当性を審議するとともに、CEOに対して育成に関する助言を行い、その結果を取締役会へ報告しております。取締役会は、指名委員会からの報告を受けて候補者選定及び育成計画の妥当性を確認する等、CEO候補者の選定・育成に主体的に関与しております。
<候補者の選定>
CEO候補者の選定にあたっては、交代時期を想定し以下のタームごとの候補者を選定しております。なお、下表の事故あるときの交代候補者1名は、CEOの選定と同時に取締役会の決議により決定しております。
<候補者の育成>
CEOは、将来のCEO候補者の育成計画についての指名委員会での審議・助言を踏まえて、翌年度、CEO候補者それぞれの課題に応じた当人の成長に必要なチャレンジの場を付与し、実績を積ませるとともに、CEO候補者のアセスメントを踏まえ当人の成長に必要な助言等を実施しております。
<候補者の評価>
CEO候補者の評価は毎年実施し、CEOはCEO候補者の育成期間における実績及び育成状況について指名委員会へ報告を行っております。指名委員会は、CEO候補者の継続・交代等について審議を行うとともに、必要に応じて、外部専門家の助言等も活用しながら、CEO候補者の評価を実施し、その結果を取締役会へ報告しております。取締役会は、指名委員会からの報告を受けてCEO候補者の評価及び継続・交代における審議の妥当性を確認する等、CEO候補者の評価プロセスに主体的に関与しております。
(Ⅴ) 2023年度 取締役会の実効性評価結果の概要の開示
当社は、当事業年度(2023年4月から2024年3月まで)に開催された取締役会の実効性評価会を2024年5月7日に実施しました。結果の概要は以下のとおりです。
Ⅰ.2023年度 取締役会の実効性評価にあたって
評価にあたっては、引き続き、取締役会の実効性に留まらず、指名・報酬委員会及び取締役会における執行の対応も対象としました。あわせて、評価の客観性を確保するため、第三者による評価を実施しました。
[評価プロセスについて]
取締役・監査役による記述評価、及び匿名性を確保した第三者によるアンケートの分析結果を共有した上で、すべての取締役と監査役が参加した討議により評価を行いました。討議では、前回の実効性評価で当社取締役会が設定した以下の取締役会運営の基本方針及び3つの対応項目について、当事業年度の取締役会を振り返って評価を実施しました。
<2023年度の基本方針>
1)ステークホルダーの期待に応える企業価値の実現に向けた議論と監督を行う
2)デジタルサービスの会社への変革を伴う質的成長を図るため、定量的・定性的の両面から業績や重要施策のモニタリングと支援を行う
<2023年度の対応項目>
① 企業価値向上に向けた審議を充実し、具体的な施策として実行できるレベルまで議論を深めるとともに、企業価値の観点からより実効的な監督を行う
② 2023年度事業計画の着実な実行を通して、デジタルサービスの会社への変革を伴う質的成長が実現できるよう、監督と支援を行う
③ デジタルサービスの会社への変革を加速するための健全なリスクテイクとリスクコントロールを両立できる、経営体制と連動した統合リスクマネジメントの継続的な改善を行う
Ⅱ.2023年度「取締役会実効性評価」の結果概要
Ⅱ-1.取締役会の運営実績
当事業年度は、新たな経営体制のもと、企業価値向上の実現に向けた審議に多くの時間をかけ、株主視点での議論を深め、確実な施策の実行を促せるよう、取締役会の運営に努めました。また、21次中経の初年度として、デジタルサービスの会社へ事業構造の転換を加速するべく、合弁会社の設立やM&A、事業売却等に関する審議・意思決定を行いました。
さらに、社外取締役・社外監査役による現場視察や現地の社員とのラウンドテーブル、経営会議へのオブザーブ参加等による会社の実態把握を継続的に実施したことに加え、事前説明による取締役・監査役への情報共有の充実化を図ることで、取締役会における議論の質の向上と実効的な監督機能の発揮に努めました。
当社取締役会における審議状況の透明性の確保を目的として、当事業年度 取締役会の議案に関する時間配分を以下のとおり示します。

*1 決議議案:取締役会での決議議案に加え、決議に向けた審議を行う取締役検討会及びガバナンス検討会を含む

*2 その他:会社法上の規定等に則った決議、人事案件、その他個別案件等
*3 企業価値向上プロジェクト:取締役会・検討会の審議時間(上掲グラフ)のほかに、非公式な討議の場を設け、企業価値向上に関する議論を計8回実施
Ⅱ-2.総括
取締役・監査役による記述評価並びに第三者による評価を取締役会のメンバーで討議した結果の総括は以下のとおりです。
●監督・執行ともに新体制において、多様な専門性を有する社外取締役を過半とする当社取締役会の構成は適切であり、社外取締役の議長による適切な議題設定と中立的な議事運営のもと、多面的な視点から自由闊達な議論を通じて監督と意思決定がなされ、また執行も取締役会での議論を真摯に受け止め、課題を曖昧にすることなく経営に反映しており、引き続き取締役会の実効性は確保されている、との結論に至りました。
● 指名委員会では、CEOを含む新執行体制の評価が公正かつ厳格に行われ、報酬委員会では、過去からの論点を整理した上で、企業価値向上に向けた報酬制度に関する審議を重ねました。両委員会ともに、社外取締役が委員長かつ過半数の構成において、株主視点に立った審議が行われ、取締役会の諮問機関として有効に機能している、と評価されました。
●一方で、取締役会で議論を重ねてきた「企業価値向上のための施策の実行と成果創出」が当社の最重要課題であり、株主をはじめとするステークホルダーの観点から厳格に監督する必要があるとの指摘がありました。
●加えて、事業構造・収益構造の転換を実現した会社の将来像と、それを支える経営資本のあり方をより鮮明化し、ステークホルダーからの成長期待に応えるための審議を充実する必要がある、との指摘がありました。
<2023年度の対応項目①②>について
●新たな経営体制のもと企業価値向上プロジェクトを立ち上げるとともに、施策の策定段階から取締役会が積極的に関与し、非公式な討議の場を含めて多くの時間をかけて議論を行い、実行につながる施策の具体化への働きかけを行ったほか、株主をはじめとしたステークホルダーの視点からの提案や指摘を通じて、実効的な監督を行ったとの評価がされました。
●利益成長や資本収益性向上を伴うデジタルサービスの会社への変革に向けて、各ビジネスユニットの主要施策の進捗のモニタリングにつとめたほか、合弁会社の設立やM&A、事業売却等、事業ポートフォリオ変革の実行を後押しした点が評価されました。
●一方で、2023年度の業績結果を真摯に受け止め、2024年度の事業計画のモニタリングを通して、環境変化への対応力やSCMを強化することで、経営の強靭化を図っていくよう促す必要があるとの指摘がありました。
●また、企業価値向上のための施策の実行と成果創出が当社の最重要課題である、との認識が共有されました。加えて、企業価値向上を実現するための会社の将来像として、デジタルサービス事業の成長性や収益構造を可視化・鮮明化するとともに、その実現の源泉となる人財をはじめとした経営資本の充実化を図り、ステークホルダーからの確信を得られるよう、執行と監督が連携して対応を進める必要がある、との指摘がありました。
<2023年度の対応項目③>について
●監査役からの報告と議論の充実化を図り、組織体制等に関する監査役会からの指摘に対して、執行・指名委員会・取締役会での真摯な議論を経て、迅速な改善を図る等、包括的なガバナンス体制の強化を図っている点が評価されました。
●一方で、グローバルに多様化・複合化するリスクへの統合リスクマネジメントや、デジタルサービスの会社に適した本社・組織体制のあり方等の継続的な点検と改善が必要である、との指摘がありました。
Ⅲ.2024年度 取締役会実効性向上にむけた取り組み
上記の評価を踏まえ、当社取締役会は、以下の〈基本方針〉に基づいて運営し、3つの具体的な〈対応項目〉を軸として取締役会の実効性向上に取り組みます。
<2024年度の基本方針>
1)企業価値向上のための施策の実行と成果の創出に向けた監督を行う
2)ステークホルダーの期待に応えうる会社の将来像をより鮮明化するための審議の充実と支援を行う
<2024年度の対応項目>
①2023年度に審議を重ねた企業価値向上に向けた諸施策の執行を重要課題と位置づけ、2024年度事業計画の進捗とあわせてモニタリングと支援を行う
②ステークホルダーからの成長期待を獲得しうる会社の将来像をより鮮明化するための議論を深めるとともに、その実現に向けた施策の策定及び実行を監督・支援する
③事業構造の転換を加速するための、人財をはじめとする経営資本の充実、及び組織体制の最適化、リスク管理体制等に関する点検を行い、継続的な整備・改善を促す
(Ⅵ) 業務の適正を確保するための体制
業務の適正を確保するための体制については、経営環境の変化等に対応して、定期的かつ継続的に見直しを実施し、取締役会で決議しております。
内部統制システム基本方針
当社は、当社グループの事業活動の基礎となる企業理念を「リコーウェイ」として定めております。
「リコーウェイ」は、当社の創業者による「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」という「創業の精神(三愛精神)」と、「使命と目指す姿」「価値観」によって構成され、当社グループにおける事業活動の根本的な考え方として、経営の方針と戦略及び内部統制システムの基礎となっております。
当社は「リコーウェイ」に込められた価値観に立脚して、企業倫理と遵法の精神に基づき、経営の透明性を確保しつつ、競争力の強化を目指した内部統制システムを整備・運用し、その継続的な改善に努めております。
(1)取締役及び従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
当社は、企業風土が企業活動の規律を形成する重要な要素であるという自律的なコーポレート・ガバナンスの考え方に基づき、多様なステークホルダーの期待に応えるという使命感と、社会的良識に適う高い倫理観をともに備えた企業風土の維持・強化に努める。
1) 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
1.社外取締役の招聘により、経営の透明性と公正な意思決定をより強化する。また、取締役会の過半数を社外取締役とし、多様な視点での監督機能を強化する。
2.取締役会を経営の最高意思決定機関として位置づけ、その取締役会議長を社外取締役とし、中立的な立場で取締役会をリードすることで、重要案件に対する深い議論を促し、果断な意思決定につなげる。
3.取締役会の経営監督機能強化の一環として、社外取締役を委員長とする「指名委員会」及び「報酬委員会」を設置し、各委員の過半数を社外取締役とすることで、取締役、執行役員等の候補者選定及び報酬の透明性、客観性を確保する。
4.会社情報開示の正確性、適時性及び網羅性を確保するために開示に関する方針を定めており、開示情報の重要性、開示の要否及び開示内容の妥当性の判定・判断を行うために、情報開示責任者であるCFOを委員長とする「開示委員会」を設置している。
2) 従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
1.コンプライアンスを含めたCSR(Corporate Social Responsibility)について、当社グループ、それらの役員及び従業員の基本的な行動の規範を定めた「リコーグループ企業行動規範」を徹底するために、専門委員会の設置、通報・相談窓口の設置及び各種教育を通じて国内外のコンプライアンスの充実を図る。また、当該窓口に報告を行った事を理由として不利な取り扱いを行うことを禁止する。
2.金融商品取引法及びその他の法令に適合することを含め、「法律、規範、社内ルールの遵守」、「業務の有効性と効率性の向上」、「財務報告の高い信頼性の維持」、「資産の保全」を狙いとして、当社グループ全体で対応する、標準化された内部統制の仕組みを構築し、ビジネスプロセスの改善に努める。
3.上記機能を統合的に強化推進する専門部門(リスクマネジメント・リーガルセンター)を設置する。
4.内部監査については内部監査部門を設け、経営諸活動の遂行状況を、法令等の遵守と合理性の観点から検討・評価し、改善を行うために監査を実施する。
5.当社グループの内部統制システムの構築・改善を実現するため、内部統制の整備・運用状況を評価し、審議、決定する定期開催の「内部統制委員会」を設置する。
(2)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役の業務執行に係る決定に関する記録・稟議書については、法令及び社内規則に基づき作成・保存・管理する。保存されている書類は、取締役及び監査役の要求に応じて出庫、閲覧可能な状態にする。
(3)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
1.リスクマネジメントに関する規定に基づき損失の危険の発生を未然に防止する。
2.万一損失の危険が発生した場合においても、初期対応に関する標準に基づき、被害(損失)の極小化を図る。
3.当社グループ内外の多様化する不確実性に対応するため、「リスクマネジメント委員会」にて重大なリスクの把握とその対応状況を評価し、リスクマネジメントに係る施策を立案する。また、リスクマネジメント推進部門を設置し、諸活動をグローバルに展開する。
(4)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
1.執行役員制度を導入しており、職務分掌を明確にし、また事業執行については各ビジネスユニットへ権限委譲を促進することにより意思決定の迅速化を図る。
2.取締役会から権限委譲された社長執行役員が主催する意思決定機関として、一定の資格要件を満たす執行役員等で構成されるGMCを設置し、委譲された範囲内でビジネスユニットの監督や当社グループ全体に最適な戦略立案等、当社グループ全体の経営に対し全体最適の観点で審議・意思決定を迅速に行う体制をとる。
3.取締役会室を設置し、取締役会をサポートすることで果断な意思決定や透明性の高い経営監督を実現する。
(5)当該株式会社並びにその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社グループは、相互の独立性を尊重しつつ、当社グループの業績向上と繁栄を図るため、以下のとおり適正に業務を行う体制をとる。
1.当社の取締役会及びGMCは、当社グループ全体の経営監督と意思決定を行う。
2.当社は当社グループ各社に関する管理規定を定め、当社グループ各社の取締役の職務の執行に係る事項を当社に報告する体制、及び前述の職務の執行が効率的に行われるための職務権限を規定する。
3.当社グループ各社は自社に関係する損失の危険の管理を行う。万一、インシデントが発生した場合には、被害の極小化と速やかな回復を図り、当社へ速やかに報告する。
4.当社グループの取締役及び従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するために、当社グループとして遵守すべき共通の規則については、グループ共通規則「リコーグループスタンダード」として制定し、当社グループ全体で遵守するよう推進する。
(6)監査役の職務の遂行が実効的に行われることを確保するための体制
1)監査役の職務を補助すべき従業員の取締役からの独立性及び当該従業員に対する指示の実効性の確保に関する事項
1.監査役室を設置し、監査役の指揮命令のもとで監査役の職務遂行を補助する専属の従業員を配置する。
2.上記従業員の人事評価は監査役会が行い、異動は監査役会の同意を得て実施する。
2)当社グループの取締役及び従業員等が監査役に報告をするための体制及びその他監査役への報告に関する体制
1.経営もしくは業績に影響を及ぼすリスクが発生した場合、又は職務の遂行に関連して重大なコンプライアンス違反もしくはそのおそれのある事実を認識した場合、直ちに監査役に報告する。
2.監査役に対し、重要な会議への出席の機会、重要な会議の議事録・資料を提供するとともに、重要な決裁書類等を閲覧可能にする。
3.監査役の求めに応じ、定期的又は随時、事業及び財産の状況等を報告する。
4.監査役に報告を行った当社グループの取締役及び従業員等に対し、当該報告を行った事を理由として不利な取り扱いを行う事を禁止する。
3)その他監査役の職務の遂行が実効的に行われることを確保するための体制
1.監査役は、代表取締役と定期的な意見交換ができる。
2.当社グループの取締役及び従業員等は、監査役が行う当社及び当社グループ各社への監査に際し、実効的な監査を実施できるよう環境を整備する。
3.当社は、監査役が会計監査人及び内部監査部門との相互連携により、効率的な監査が行うことができるよう、環境を整備する。
4.監査役の職務遂行及び必要に応じて外部の専門家の助言を受けることにより生ずる費用等は当社が負担する。
(Ⅶ) 監査役選任の考え方
監査役の選任基準
監査役会は、監査役としての職務の遂行を通じて、当社の健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に貢献できる人材であることに加え、特に、財務・会計に関する十分な知見を有している者が1名以上選任されること等、監査役会としての知識、経験、専門能力のバランスを考慮して、監査役候補者を選定しております。
なお、監査役候補者の選定にあたって、監査役会は以下の基準を定め、これらを総合的に判断しております。
[ 監査能力 ]
1. 適切な経験、能力及び必要な財務・会計・法律に関する知識を有していること
2. 職業的懐疑心を持ち、真摯な態度で事実を正しく調査し、客観的に物事の判断ができること
3. 自らの信念に基づいて使命感と勇気を持って、取締役または従業員に対し能動的・積極的な助言・提言ができること
4. 株主の立場で考え、行動し、現場・現物・現実から学ぶ姿勢に基づいた監査ができること
[ 素養・人間性 ]
1. 心身ともに健康であり、監査役の任期4年を全うできること
2. 常に向上心を持ち、新たな事に対する学習意欲を持っていること
3. 各地域のマネジメントと英語によるコミュニケーションができること
社外監査役の選任基準
社外監査役の選任に際しては、上記の基準に加え、企業経営・財務会計・法律における高い専門的知見及び豊富な経験を有していること、及び当社所定の「社外役員の独立性基準」と照らしあわせ、会社との関係、代表取締役その他の取締役及び主要な従業員との関係等を勘案して、独立性に問題がないことを付加的な基準としております。
なお、当社が定める独立性基準は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2) 役員の状況 ② 社外役員の状況」をご参照ください。
ダイバーシティについて
監査役の選任にあたっては、上記の監査能力や素養・人間性等のほかに、多様な経験や視点を持った監査役で構成されることが必要であると考えております。
加えて、人種、民族、性別、国籍等の区別なく、それぞれの人格及び識見に基づいて候補者を選定することで、これらの属性に関する多様性を確保することを方針としております。
(Ⅷ) 監査役の選任プロセス
監査役候補者の選定にあたっては、監査役の独立性確保を重視し、「候補者の推薦」「候補者の指名・提案」を監査役会主導で行っており、そのプロセスは下図のとおりです。
監査役の選任基準に基づき監査役候補者をリストアップ、必要に応じてCEOと協議し、監査役会で検討の上、候補者の推薦を行い、指名委員会による確認を経て、候補者の指名・提案を行っております。
取締役会では、監査役会の提案を踏まえ、株主総会への監査役選任議案が決議されております。

(Ⅸ) 関連当事者間の取引について
当社は当社役員との取引が生じる場合には、事前に取締役会にて審議・決議を行うことを内規に定めております。また、監査役は全ての取締役から年に一度、利益相反取引に関する報告書の提出を受け、関連取引の監督を行っております。
(Ⅹ) 取締役の定数
当社の取締役は、15名以内とする旨定款に定めております。
(XI) 取締役の選任の決議要件
当社は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
(XII) 自己の株式の取得の決定機関
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、機動的に自己株式の取得を行うことを目的とするものです。
(XIII) 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
(XIV) 中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を目的とするものです。
(XV) 責任限定契約の内容の概要
当社は、2015年6月19日開催の第115回定時株主総会において、責任限定契約に関する定款を変更し、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び監査役の責任限定契約に関する規定を設けております。
当該定款に基づき、当社が責任限定契約を締結したのは社外取締役及び社外監査役のみであり、概要は次のとおりです。
(a)社外取締役の責任限定契約
当該契約に基づく責任限度額は、1,000万円または会社法第425条第1項に定める最低責任限度額とのい
ずれか高い額としております。
(b)社外監査役の責任限定契約
当該契約に基づく責任限度額は、500万円または会社法第425条第1項に定める最低責任限度額とのいず
れか高い額としております。
(XVI) 役員等賠償責任保険(D&O保険)契約の概要
当社は、当社グループの役員等(取締役・監査役・執行役員等)を被保険者として、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険(D&O保険)契約を保険会社と締結しており、保険料は当社が全額を負担しております。当該保険契約では、被保険者である役員が、その地位に基づいて行った行為に起因して、保険期間中に損害賠償請求を受けた場合の損害・争訟費用等を填補するものです。ただし、被保険者である役員が法令違反を認識して行った行為に起因して受けた損害等、一定の損害等については保険の適用対象外となります。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性12名 女性1名 (役員のうち女性の比率7.7%)
(注) 1 取締役横尾敬介氏、谷定文氏、石村和彦氏、石黒成直氏及び武田洋子氏は、社外取締役であります。
2 監査役太田洋氏、鈴木国正氏及び大塚敏弘氏は、社外監査役であります。
3 取締役横尾敬介氏、谷定文氏、石村和彦氏、石黒成直氏及び武田洋子氏、監査役太田洋氏、鈴木国正氏及び大塚敏弘氏は、東京証券取引所有価証券上場規定第436条の2に定める独立役員であります。
4 2024年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から1年以内に終了する事業年度(2025年3月期)に係る定時株主総会の終結の時まで
5 2021年6月24日開催の定時株主総会の終結の時から4年以内に終了する事業年度(2025年3月期)に係る定時株主総会の終結の時まで
6 2024年6月20日開催の定時株主総会の終結の時から4年以内に終了する事業年度(2028年3月期)に係る定時株主総会の終結の時まで
7 当社では執行役員制度を導入しております。執行役員は14名で、構成は以下のとおりとなります。
② 社外役員の状況
当社は社外取締役5名及び社外監査役3名を選任しております。
当該社外取締役及び社外監査役と当社との関係
社外取締役
社外監査役
上記のほか各社外取締役及び各社外監査役と当社の間には、特別の利害関係はございません。
また、取締役横尾敬介氏、谷定文氏、石村和彦氏、石黒成直氏及び武田洋子氏、監査役太田洋氏、鈴木国正氏及び大塚敏弘氏は、東京証券取引所有価証券上場規定第436条の2に定める独立役員として届け出ております。
当該社外取締役及び社外監査役が当社の企業統治において果たす機能及び役割
社外取締役
社外監査役
当社は、社外取締役の選任基準を「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 (Ⅱ)取締役選任の考え方」とし、社外取締役に対して、その見識や経験を活かし、当社から独立した客観的な立場での議論を通じた意思決定及び経営監督によりコーポレート・ガバナンスの強化に寄与することを期待しております。また、監査役の選任基準については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③ 企業統治に関するその他の事項 (Ⅶ)監査役選任の考え方、及び(Ⅷ)監査役の選任プロセス」とし、監査役の独立性確保を重視するとともに、監査役候補者の選任基準に基づきその適格性を客観的に確認するものとしております。社外監査役には、それぞれの専門的知見やバックグラウンドを活かす形で、積極的な発言、監査を行うことを期待しております。各社外取締役、各社外監査役は、これらの期待を踏まえて求められる機能、役割を果たしており、また当社が定める社外役員の独立性基準を満たすこともあり、当社としては社外取締役、社外監査役の選任状況は適切と認識しております。
当社は、社外役員の独立性基準を以下のように定め、社外取締役及び社外監査役の選任にあたっては、これらの事項を確認しております。
1.当社の社外取締役及び社外監査役は、原則として独立性を有するものとし、以下各号のいずれにも該当する者とします。なお、リコーグループとは、当社及び当社の子会社で構成される企業集団をいう。
1)当社の総議決権の10%以上の株式を有する者(以下「主要株主」)または当社の主要株主の取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人またはその他の使用人でないこと。
2)リコーグループが主要株主となっている会社の取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人またはその他の使用人でないこと。
3)現在リコーグループの取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人またはその他の使用人でないこと、または就任の前10年内にリコーグループの取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人またはその他の使用人でなかったこと。
4)直近事業年度においてまたは直近事業年度に先行する3事業年度のいずれかにおいて、リコーグループを主要な取引先としていた者(リコーグループへの売上額がその者の連結売上額の2%以上である者をいう)またはその者(その者の親会社及び子会社を含む)の取締役(独立性を有する社外取締役を除く)、執行役、理事、執行役員、支配人若しくはその他の使用人でないこと。
5)直近事業年度においてまたは直近事業年度に先行する3事業年度のいずれかにおいて、リコーグループの主要な取引先であった者(その者への売上額がリコーグループの連結売上額の2%以上である者をいう)またはその者(その者の親会社及び子会社を含む)の取締役(独立性を有する社外取締役を除く)、執行役、理事、執行役員、支配人若しくはその他の使用人でないこと。
6)リコーグループから役員としての報酬以外で直近事業年度においてまたは過去3事業年度の平均で1事業年度に1,000万円以上の金額の金銭その他の財産を直接または間接に得ているコンサルタント、公認会計士、税理士、弁護士またはその他の専門家でないこと。
7)リコーグループから直近事業年度においてまたは過去3事業年度の平均で1事業年度にその団体の総収入の2%以上の金額の金銭その他の財産を直接または間接に得ている法律事務所、監査法人、税理士法人、コンサルティング・ファームまたはその他の専門的アドバイザリー・ファーム等の団体に所属する者でないこと。
8)第1号から第7号までに該当する者の配偶者、二親等内の親族または生計を一にする親族でないこと。
9)リコーグループから取締役を受け入れている会社またはその会社の親会社若しくは子会社の取締役、監査役、会計参与、執行役、理事、執行役員、支配人またはその他の重要な使用人でないこと。
10)その他、当社との間で実質的に利益相反が生じるおそれのある者でないこと。
2.前項第1号及び第4号から第9号までのいずれかに該当しない者であっても、当社の社外取締役及び社外監査役として適格であると判断される者については、当該人物が社外取締役及び社外監査役として適格であると判断する理由を対外的に説明することを条件として、当該人物を社外取締役及び社外監査役に選任することができます。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
社外取締役は、取締役会において、業務の執行について監督しております。社外監査役は、取締役会における業務執行の監督状況及び意思決定について監査しております。
また、社外監査役は、監査役会において四半期ごとに、内部監査部門である内部監査室より活動状況等の報告を受け、会計監査を担当する監査法人からは、監査計画や監査報告、四半期レビュー結果、及び品質管理体制等について随時説明を受けております。
内部監査室及び監査法人及び常勤監査役が定期的に行う三様監査会議、並びに監査法人及び常勤監査役が定例で行う情報交換会の内容について、監査役会において常勤監査役等から報告を受けております。三様監査会議では、監査方針・計画・方法についての擦り合わせ、監査内容、監査結果の共有及び意見交換等が行われております。
その他、監査法人が実施し、内部監査室、常勤監査役が同席する取締役へのヒアリング及び監査役監査においては、必要に応じて社外監査役も同席する等、緊密な連携を維持しております。
これらの連携及び関係を通して、社外取締役及び社外監査役はそれぞれの専門的見地から適時に意見を述べております。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
a.組織・人員
当社の監査役会は、監査役5名であり、うち社外監査役が3名となります。各監査役の状況は以下のとおりです。
また、監査役室を設置し、専従かつ執行側からの一定の独立性が確保された従業員4名を配置し、グローバルな情報収集・分析や現地調査の支援等、監査役の職務を補助しております。
b.監査役会の運営
監査役会は、監査役の実効的な職務遂行のため、当社の定める監査役会規定に基づき活動しており、監査に関する重要な事項について、決議、審議、報告及び協議を行っております。
当事業年度において、監査役会は次の通り運営しました。
● 開催回数:14回(開催時間:平均2時間39分)
● 出席率:
● 議案と主な内容:
c.監査役会及び監査役の活動状況
監査役会は、(1)取締役、(2)業務執行、(3)子会社、(4)内部監査、(5)会計監査 の5つの領域についてのリスクや課題を検討し年間の活動計画を定めました。各領域に対する監査活動及び職務分担の概要は以下のとおりです。
これらの監査活動については、常勤監査役が主に担い、その内容は監査役会で適時共有しております。社外監査役は、それぞれの専門的知見やバックグラウンドを活かす形で、常勤監査役と共に監査及び提言を行い、独立役員の立場から意見を述べております。
●:職務担当 □:任意/部分的に担当
d.重点監査項目と当該項目に係る活動実績
監査役会では、当事業年度における当社の事業活動に加えて、内外環境の変化を踏まえ想定されるリスクについて検討しました。その結果、下記のように監査方針を定めました。
[監査方針]
CEO交代をはじめとした新たな経営体制による21次中経がスタートした中で、これまでに進めてきたデジタルサービスの会社への変革の実効性や課題への対応状況、企業価値向上に向けた取り組み、及び役割分担や権限委譲等ガバナンス上の変化に着目して、中期経営戦略に沿った執行の状況を監視・検証していく。
期中における往査等の監査活動を通じて発見・認識された課題を、適宜取締役会に報告することにより、経営の迅速且つ実効的な対応を支援する。
当事業年度の重点監査項目、その活動内容及び実績については、以下のとおりです。
重点監査項目(1):デジタルサービスの会社への変革に向けた施策と実行
・各種施策や戦略の決定プロセス、決定後の管理・監督状況の確認
-各ビジネスユニットの事業運営会議や業績審議会等への出席、監査役レビューや各部門長との情報共有会の実施による、デジタルサービスの会社への変革に向けた各種施策や戦略の進捗状況、及び21次中経と各組織の方針・戦略との整合性についての確認
-2024年度に組成予定であるエトリア株式会社の、ガバナンス体制や各種準備状況についての確認及び意見交換
・リコー式ジョブ型人事制度における課題と対応の確認
-グループ本部組織の人事部の他、各ビジネスユニットで有する人事機能組織への監査役レビューの実施による、双方の連携状況、リコー式ジョブ型人事制度の課題や対応状況についての確認
-グループ本部組織(6組織)及び子会社(4社)において、監査役レビューと合わせ従業員とのラウンドテーブルを実施、制度に対する各自の理解度や受け止め方、職場の状況について意見交換
・社内カンパニー制への移行により体制が変化した機能におけるガバナンスの状況の確認
-上記の人事機能へのレビューに加え、総務、法務機能について、グループ本部の統括組織及び各ビジネスユニットの機能部署双方への監査役レビューによる連携状況や役割分担等の確認
重点監査項目(2):新経営体制下でのガバナンス
・新経営体制下でのガバナンスの変化における影響等の確認
-監査役レビューや各部門長との情報共有会を通じた、当該組織の役割・権限・体制整備状況や新経営体制による懸念点等の確認
-社外役員会議等で議論した、新経営体制下におけるCEOの兼務状況や役員の管掌領域等の懸念についてCEO及びCFOとの定例会で共有
・ビジネスユニットの自律的内部統制・リスクマネジメント及び子会社管理体制の確認
-子会社18社及び各ビジネスユニットの監査役レビューにおける、それぞれの内部統制システムの整備状況、主管管理部門による管理や連携の状況についての確認
-海外子会社の監査役レビューにおいて、現地会計監査人との面談実施による、監査状況や課題等の確認
重点監査項目(3):企業価値向上に向けた取り組み
・企業価値向上プロジェクトの進捗の確認
-企業価値向上に向けた取り組みにおけるCEOから社員に向けたメッセージについて、従業員とのラウンドテーブルで理解度や受け止め方等を確認、その結果を経営陣にフィードバック
-企業価値向上の実現に向けては、当該プロジェクトを含む重要会議への出席等で検討状況を確認、また取締役会及び監査役会への事前説明の機会を設けるよう要請、常勤監査役が定期的に進捗報告会へ参加、社外への発表後の反応や施策の進捗状況についてモニタリングを実施
-事業ポートフォリオマネジメント会議への出席による、戦略の内容及び進捗状況についての確認
e.監査役と会計監査人との連携内容
・監査役と会計監査人との連携内容
監査役及び監査役会は、年間を通じて説明や報告、定例会を設定し情報共有・意見交換を行い、緊密な連携を図るとともに、会計監査人が独立の立場を保持し、かつ、適正な監査を実施しているかモニタリングしております。
会計監査人との連携内容は、次のとおりです。
※定例会は常勤監査役が出席、その内容は監査役会にて社外監査役に共有・意見交換
・監査上の主要な検討事項(KAM:Key Audit Matters)
当事業年度の監査上の主要な検討事項については、会計監査人の監査計画説明や四半期レビュー報告等の
際に、検討状況について確認・協議するとともに、執行側の意見も確認しております。
f.監査役による監査実績のセルフレビュー
当事業年度の監査活動実績について、期末に各監査役がアンケート形式でレビューし、その結果を重点監査項目に対する取り組みを中心に監査役会で分析・評価を行い、翌事業年度に向けた監査上の改善点及び重点監査項目を確認することで、監査品質の向上に繋げております。
各種監査活動や運営における実績については、本報告書に記載のとおりです。
② 内部監査の状況
a. 組織・人員・手続き
内部監査については、独立した専任組織である本社の内部監査室(2024年3月末現在25名)と各グローバル拠点の監査担当組織が連携する体制で、「内部監査規程」及び「年間監査計画」に基づき、法令等の遵守、業務の有効性と効率性、報告の信頼性、及び資産の保全の観点からのリスクアプローチにより当社グループの事業執行状況の内部監査を実施し、公正かつ客観的な立場で改善のための助言・勧告を行っております。また、内部監査の結果については、個々の監査が完了したタイミングで監査報告書を書面で被監査組織長と関連区へ共有し、監査結果のサマリーを四半期ごとに内部統制委員会・監査役会へ、さらに半年ごとに取締役会へ報告しております。このように、取締役会・監査役会に対して直接報告を行うデュアル・レポーティング体制を構築・運用しております。加えて、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価及び報告も内部監査室で実施しております。
b. 内部監査・監査役監査・会計監査の相互連携と内部統制部門との関係
内部監査の結果や年間監査計画を含む内部統制委員会への報告内容については、監査役会には四半期ごとに内部監査室から報告の上、意見交換を行っております。
さらに常勤監査役とは毎月情報交換会を実施し、内部監査結果や内部統制の状況を報告しており、日常においても、共通のデータベースを活用し、双方の監査報告書等の情報閲覧を可能としており、緊密な連携の下に監査を実施しております。
また、監査役・内部監査室・会計監査人は、情報交換会(三様監査会議)を四半期ごとに実施しており、お互いの監査結果や会計監査人が把握した内部統制の状況及びリスクの評価等に関する意見交換を行い、緊密な連携を維持しております。
なお、内部監査室と会計監査人は、毎月、内部監査及び内部統制監査の状況について情報交換を行っております。
これらの監査において指摘された事項については、主管管理部門やリスク主管部門にも四半期ごとに報告し、当社グループにおいて改善の検討を行い、必要な改善・対策が講じられているか再確認するフォローアップのサイクルを通して、内部統制の強化及び業務遂行の質の向上を図っております。
③ 会計監査の状況
a. 監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
b. 継続監査期間
5年間
c. 業務を執行した公認会計士
東海林 雅人
池畑 憲二郎
中本 洋介
d. 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士18名、その他77名になります。
e. 監査法人の選定方針と選定した理由
監査役会は会計監査人の選定方針(再任、解任、不再任及び選任の決定の方針)を次の通り定めております。
会計監査人の選定方針
監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項の各号に該当すると判断した場合に、監査役全員の同意によって解任する。この場合、解任及びその理由を解任後最初に招集される株主総会において報告する。
監査役会は、会計監査人評価基準を定め、会計監査人の独立性、専門性、品質管理体制、監査報酬及びグループ監査体制、並びに適正な職務の遂行が困難かどうか等を総合的に勘案し、会計監査人の選定を毎期検討する。
会計監査人の再任に疑義が生じた場合、または監査継続期間が長期となる場合は一定期間ごとに、監査役会は複数の監査法人から提案を受け、再任または株主総会に提出する会計監査人の解任、不再任及び選任に関する議案の内容を決定する。
監査役会は、会計監査人の選定方針(再任、解任、不再任及び選任の決定)に照らし、以下を確認しました。
・会社法第340条第1項の各号に該当する事項の有無
・会計監査人評価基準に基づき実施された、会計監査人の独立性、専門性、品質管理体制、監査報酬及びグループ監査体制、並びに適正な職務遂行に関する阻害要因の有無等を総合的に勘案した会計監査人の評価結果
・会計監査人の監査継続期間及び再任に対する疑義の有無
その結果、2024年4月1日から2025年3月31日までの事業年度における会計監査人として、有限責任監査法人トーマツを再任することが適当であると判断しました。
f.監査役及び監査役会による監査法人の評価
監査役及び監査役会は、監査役会が定める「会計監査人の選定方針(再任、解任及び選任の決定の方針)」に基づき、評価項目を定め、会計監査人の評価を行っております。
・評価プロセス
・評価項目
①監査法人の品質管理・外部レビュー/検査結果と対応状況
②監査チームの独立性・専門的懐疑心・適切なメンバー構成
③監査報酬・非監査報酬の内容・水準
④監査役等とのコミュニケーション
⑤経営者等との関係
⑥グループ監査(海外ネットワークファームの監査状況・連携・情報収集等)
⑦不正リスクの適切な評価や監査計画の適切な実行、不正の兆候に対する対応
④ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
監査公認会計士等の提出会社に対する非監査業務の内容
(前連結会計年度)
当社が監査公認会計士等に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、情報セキュリティ評価制度における調査等の委託業務になります。
(当連結会計年度)
当社が監査公認会計士等に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、情報セキュリティ評価制度における調査等の委託業務になります。
監査公認会計士等の連結子会社に対する非監査業務の内容
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
該当事項はありません。
b. 監査公認会計士等と同一のネットワークに対する報酬 (a. を除く)
監査公認会計士等と同一のネットワークの提出会社に対する非監査業務の内容
(前連結会計年度)
当社が監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイト トウシュ トーマツ リミテッド)に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、組織構造再編に関する助言業務等になります。
(当連結会計年度)
当社が監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイト トウシュ トーマツ リミテッド)に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、組織構造再編に関する助言業務等になります。
監査公認会計士等と同一のネットワークの連結子会社に対する非監査業務の内容
(前連結会計年度)
連結子会社が監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイト トウシュ トーマツ リミテッド)に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、税務コンプライアンス及び企業買収に関する助言業務等になります。
(当連結会計年度)
連結子会社が監査公認会計士等と同一のネットワーク(デロイト トウシュ トーマツ リミテッド)に対して報酬を支払っている非監査業務の内容といたしましては、税務コンプライアンス業務等になります。
c. その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d. 監査報酬の決定方針
当社は、監査報酬の決定に際して、当社の事業規模や業務特性に応じた適正な監査時間について監査公認会計士等と十分な検討を行っております。
e. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況及び報酬見積りの算出根拠等が適切であるかどうか必要な検証を行ったうえで、会計監査人の報酬等の額について合理的な水準であると認め、同意の判断をしました。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
1.役員の報酬等に関する考え方
当社は、当社グループの業績向上と中長期にわたって持続的な株主価値の増大を実現することに対する有効なインセンティブとして、役員報酬を位置づけております。また、コーポレート・ガバナンス強化の視点から、報酬水準の設定や個別報酬の決定について、客観性・透明性・妥当性の確保を図るための取り組みを行っており、以下の基本方針に基づいて報酬を決定しております。
1)報酬構成
・執行役員を兼務する社内取締役の報酬は、「期待される役割・責任を反映する基本報酬」、「会社業績を反映する賞与(業績連動報酬)」、「中長期的な株主価値向上を反映する報酬」の3つの要素で構成する。
・執行役員を兼務しない社内取締役の報酬は、常勤取締役として会社の実情に精通した上で業務執行の監督を担う役割を踏まえて、基本報酬と賞与及び株式報酬で構成する。
・経営の監督を担う社外取締役及び監査を担う監査役の報酬は、公正な監督や監査に専念するため、基本報酬のみとすることで業務執行からの独立性を確保する。
2)ガバナンス
・適切な外部ベンチマーク及び報酬委員会による継続的な審議・モニタリングにより、報酬制度設計、報酬水準設定及び個別報酬決定の客観性・透明性・妥当性を確保する。
・取締役の個別の報酬額は、指名委員会における取締役評価の結果等を踏まえて、報酬委員会及び取締役会で妥当性を審議する。
2.取締役の報酬等
(1)取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針の決定方法
当該方針は、取締役会の諮問機関である報酬委員会において審議を行い、取締役会へ答申し、これを踏まえ取締役会で決定しております。
(2)取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針並びに当事業年度に係る業績連動報酬等及び
非金銭報酬等に関する事項
1)報酬の決定プロセス
当社は、インセンティブ付与を通じた収益拡大と企業価値向上及びコーポレート・ガバナンス強化に向け、より客観的で透明性のある報酬の検討プロセスを構築するために、報酬委員会を設置しております。報酬委員会は、取締役の報酬基準及び業績に基づき、また、指名委員会における取締役の評価結果等を踏まえ、複数回にわたる審議を経た上で、基本報酬・賞与・株式取得目的報酬・業績連動型株式報酬に関する各々の報酬案を決定し、取締役会へ答申しております。
取締役会は、報酬委員会から答申のあった各報酬議案について、審議・決定を行っております。賞与については、取締役賞与フォーミュラに基づく個人別賞与額が適切であることを確認の上、賞与支給総額並びに株主総会への取締役賞与支給議案及び付議の要否を決定しております。株主総会で取締役賞与支給議案が決議された後、取締役会で決定された個人別賞与額が支払われます。
2)報酬水準の決定方針
基本報酬、短期・中長期インセンティブいずれについても、企業業績との適切な連動性確保の観点から、毎期の報酬委員会で当社の業績に対して狙いとする水準を報酬区分ごとに確保できているかを判定しております。その際に、外部専門機関の調査結果に基づくピアグループの役員の報酬水準を目安とし、短期・中長期インセンティブについては、当社の業績に応じて支給率が変動するように設定しております。
3)取締役の報酬

1.基本報酬
取締役に期待される役割・責任を反映する報酬として、在任中に支払う月次金銭報酬です。株主総会で決定された報酬総額の範囲内で支給額を決定し、当事業年度の支給総額は、2億8,168万円になります。
2.業績連動型賞与(短期)
業績連動型賞与は対象事業年度の会社業績と株主価値向上を反映する報酬として、事業年度終了後に支払う金銭報酬となり、当事業年度は以下を評価指標として設定しております。
* DJSI:ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス
米国のダウ・ジョーンズ(Dow Jones)社と、サステナビリティ投資に関する調査専門会社であるS&Pグローバル(S&P Global)社が共同開発した株価指標で、経済・環境・社会の3つの側面から世界各国の大手企業の持続可能性(サステナビリティ)を評価するもの
また、報酬委員会においては、下記取締役賞与フォーミュラにより算出された結果に基づき、指名委員会における取締役評価の結果等も含めて、個別賞与支給額の妥当性を審議の上、取締役会に答申し、取締役会は、これを踏まえ、株主総会への取締役賞与支給議案付議の要否を決定しております。
当事業年度の賞与については、報酬委員会の審議において下記取締役賞与フォーミュラにより算出された結果が適切であると判断され、支給総額は 6,385万円になります。
(ご参考)取締役賞与フォーミュラ

(注) 評価指標における営業利益係数及び資本収益性係数については所定のウエイトで加重平均
各評価指標の目標値と実績値(2023年度)
(注) 目標値は、2023年5月8日公表の、2022年度決算説明における2023年度の見通しの数値
3.株主価値向上を反映する報酬(中長期)
株主価値向上を反映する報酬は、中長期的な当社の企業価値向上へのコミットメントを強化する目的として、以下の「株式取得目的報酬」と「業績連動型株式報酬」で構成されております。
(株式取得目的報酬)
株式取得目的報酬は、取締役の保有株式数を着実に増やし、株価の変動による利益・リスクを株主と共有することを目的とした金銭報酬となります。在任中に定額を毎月支給し、その同額を当社役員持株会を通じて当社株式の取得に充当します。報酬額は、株主総会で決定された報酬総額の範囲内で役位別に設定しており、当事業年度の支給総額は、1,207万円になります。
(業績連動型株式報酬)
業績連動型株式報酬(以下、本制度)は、当社が金銭を拠出することにより設定する株式交付信託(以下、本信託)が取引所市場(立会外取引を含む)から当社の普通株式(以下、当社株式)を取得し、当社が各取締役に付与するポイント数に相当する数の当社株式が本信託を通じて各取締役に対して交付される制度です。なお、取締役が当社株式を受け取る時期は、原則として業績評価対象期間(各年の4月1日を開始日とする連続する3事業年度単位の各期間を指す。)の終了の都度とします。また、当社が各取締役に付与するポイント数は、取締役会決議により定められた株式交付規程に基づく職務グレード別の基準となる金額を元に、業績評価対象期間における当社のTSR成長率とTOPIX(配当込み)のTSR成長率との相対評価、及びピアグループのTSR成長率との相対順位、並びにESG目標達成度合いに応じて(0〜200%の範囲で変動)決定し、1ポイント1株として当社株式を交付します。そして、取締役在任期間中に、会社に影響を及ぼす重大な不適切行為があった場合等には、株式報酬の返還要請を行うべく、マルス・クローバック条項を定めております。
なお、本制度は、2023年6月23日開催の第123回定時株主総会決議により、株価条件付株式報酬制度を一部改定し、2023年9月1日付で導入したものです。変更前の制度については、原則として、2023年9月1日以降の新たなポイント付与を停止し、累積ポイントに対応する数の当社株式は、変更前の制度の規定に従い、退任時に交付します。変更前の制度における当事業年度の付与ポイントに基づく費用計上額は 7,413万円であり、当事業年度退任社内取締役(1名)に対しては、累積ポイントに、当該取締役の在任期間中における当社株価成長率(103.7%)とTOPIX成長率(138.0%)の比較結果(株価の変動による利益・リスクを株主と共有するため、係る指標を選定しております。)に応じた株式(8,400株)を交付しております。
(本制度のポイント)
(ご参考) 本制度における権利付与から株式交付までのイメージ

X年度分の付与ポイントは、X年度とその後2事業年度(X+1年、X+2年)の期間を含めた3事業年度分の業績評価対象期間で評価され、業績評価対象期間(3事業年度分)が終了した3年後(X+3年)にX年度の単年度分の付与ポイント数が確定し、株式交付されます。同様に、X+1年度分の付与ポイントも、X+1年度とその後2事業年度(X+2年、X+3年)の期間を含めた3事業年度分の業績評価対象期間で評価され、業績評価対象期間(3事業年度分)が終了した3年後(X+4年)にX+1年度の単年度分の付与ポイント数が確定し、株式交付されます。
(ご参考)取締役の業績連動型株式報酬のフォーミュラ

(注) 評価指標における各支給率を所定のウエイトで加重平均
(3)取締役の固定報酬と変動報酬の支給割合の決定に関する方針
役割・責任ごとの業績に対する責任を明確にするため、固定報酬(基本報酬)と変動報酬(業績連動型賞与、株式取得目的報酬、業績連動型株式報酬)の支給割合は、経営責任の重い者ほど変動報酬の割合が増える設計としております。最上位の社長執行役員は、当事業年度業績目標の標準達成時(営業利益700億円、ROE5.3%)には、概ね固定・変動の比率が5:5の割合となり、業績目標の最大達成時(営業利益840億円以上、ROE7.95%以上)には固定・変動の比率が3:7の割合となります。
今後も中長期的な株主価値・企業価値の向上を重視し、株主価値や業績に連動した変動報酬の割合を一層高めていく方針で、報酬区分ごとの適切な報酬額の検討を継続審議していきます。

(4)その他取締役の個人別の報酬等についての決定に関する重要な事項
1)株式報酬の返還(マルス・クローバック条項)
業績連動型株式報酬においては、当社取締役会にて決議する株式交付規程のマルス条項及びクローバック条項の定めに従い、当社に影響を及ぼす重大な不適切行為があった場合等には、取締役会の決議により、その該当した時点において、それまでに付与されていたポイントの全部または一部を失効させ、対象となる取締役は、失効したポイントに係る受益権を取得しないものとしております。
また、当社株式の交付、及び当社株式に代わる金銭の交付を既に受けた者においても、ポイントの総数に請求日の東京証券取引所における当社株式の終値を乗じて得た額について、返還を請求することができるものとしております。
2)一定期間の株式売買禁止
業績連動型株式報酬においては、インサイダー取引規制への対応として、当社株式交付後も、退任の翌日から1年間が経過するまでは当該株の売買を行ってはならないものとしております。
3)著しい環境変化等における報酬の取り扱い
著しい環境変化や、急激な業績の悪化、企業価値を毀損するような品質問題・重大事故・不祥事等が発生した場合には、取締役会の決議により、臨時に取締役報酬を減額または不支給とすることがあります。
(5)取締役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると取締役会が判断した理由
当事業年度の取締役の個人別の報酬等の内容の決定にあたっては、報酬委員会が上記決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行い、取締役会は基本的にその答申を尊重した上で審議・決定を行っているため、当事業年度の取締役の個人別の報酬等の内容は、上記決定方針に沿うものであると判断しております。
3.監査役の報酬等
監査役の報酬は、適切に監査を行う役割に対する基本報酬のみで構成されております。報酬水準は、監査役会が外部専門機関の客観的なデータを踏まえて協議し、第84回定時株主総会で決議された監査役報酬枠の範囲内で決定しております。
4.役員の報酬等に関する株主総会の決議に関する事項

② 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
1 取締役の基本報酬の限度額は、2016年6月17日開催の第116回定時株主総会において、月額46百万円以内(うち社外取締役分月額7百万円以内)と決議されております。監査役の基本報酬の限度額は、1984年6月29日開催の第84回定時株主総会において、月額9百万円以内と決議されております。
2 取締役の報酬等の額には、従業員兼務取締役の従業員分給与は含まれておりません。
3 2019年6月21日開催の第119回株主総会において、株価連動給の新規支給の取り止め、株価条件付株式報酬の導入が決議されております。また、2023年6月23日開催の第123回株主総会において、株価条件付株式報酬制度の内容を一部変更したうえで「業績連動型株式報酬制度」として継続することを決議しております。上記は日本基準により当事業年度に費用計上した金額を記載しております。
③ 役員ごとの連結報酬等の総額等
(注) 当事業年度においてCEOの地位にあった者及び連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載をしております。
④従業員兼務役員の従業員分給与について
従業員兼務役員の従業員分給与に重要なものはありません。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする投資を純投資目的である投資株式とし、それ以外を純投資以外の目的である投資株式としております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a. 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、業務提携や、協働ビジネス展開等の円滑化及び強化の観点から、配当等のリターンも勘案しつつ、今後の当社グループの発展に必要かつ有効と認められる場合に限り、関連するパートナーの株式等を保有することができるものとしております。
具体的には、毎年取締役会において個別銘柄ごとに保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を検証し、中長期的に保有の意義が認められなくなったと判断される銘柄については縮減を図るものとしております。
b. 銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
該当事項はありません。
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c. 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 日本電産株式会社は2023年4月1日にニデック株式会社へ社名を変更しております。
みなし保有株式
(注) 1 貸借対照表計上額の上位銘柄を選定する段階で、特定投資株式とみなし保有株式を合算しておりませ
ん。
2 「-」は、当該銘柄を保有していないことを示しております。
3 当該株式の発行者が子会社の経営管理を行うことを主たる業務とする場合に該当すると考えられる者
等については、その者の子会社の保有状況を含めて当社の株式の保有の有無を記載しております。
4 定量的な保有効果は個別の取引条件を開示できないため記載が困難であります。なお、保有の合理性
については、業務提携や、協働ビジネス展開等の円滑化及び強化の観点から、配当等のリターンも勘
案しつつ、今後の当社グループの発展に必要かつ有効と認められるか、保有に伴う便益やリスクが資
本コストに見合っているか等の観点から検証しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
当社は保有目的が純投資目的である投資株式を保有しておりません。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、第93条の規定により、国際会計基準に準拠して作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任監査法人トーマツにより監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及び国際会計基準に基づいて連結財務諸表を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及び国際会計基準に基づいて連結財務諸表を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は以下のとおりです。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、又は会計基準等の変更等について的確に対応するため、公益財団法人財務会計基準機構等から情報の収集を行い、適正性の確保に努めております。
(2) 国際会計基準の適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、国際会計基準に基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、国際会計基準に準拠したグループ会計方針及び会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
(注) その他の収益には固定資産売却益等が含まれております。
【連結包括利益計算書】
③ 【連結持分変動計算書】
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
(注)連結財政状態計算書上の現金及び現金同等物と連結キャッシュ・フロー計算書上の現金及び現金同等物の差異は当座借越であります。
【連結財務諸表注記】
1 報告企業
株式会社リコー(以下、当社)は日本に所在する企業であります。当社の連結財務諸表は、当社及び連結子会社(以下、当社グループ)、並びに当社の関連会社に対する持分により構成されております。当社グループは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ及びその他のセグメントにおいて、開発、生産、販売・サービス等の活動を展開しております。各分野の内容については、注記5 事業セグメント に記載しております。
2 作成の基礎
(1)連結財務諸表が国際会計基準に準拠している旨の記載
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表された国際会計基準に準拠して作成しております。当社は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第93条の規定を適用しております。
(2)測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記3 重要性がある会計方針 に記載のとおり、公正価値で測定されている特定の金融商品、退職後給付に係る資産又は負債等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3)機能通貨及び表示通貨
当社グループ各社の財務諸表に含まれる項目は、当社グループ各社がそれぞれ営業活動を行う主たる経済環境の通貨(以下、「機能通貨」という。)を用いて測定しております。連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示しております。
(4)新基準書の適用
当社グループは、当連結会計年度より以下の基準書を適用しております。
上記基準書の適用が当社グループの連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
なお、上記のうちIAS第12号「法人所得税」の改訂(国際的な税制改革-第2の柱モデルルール)の影響については、注記22 法人所得税 に記載しております。
(5)新基準書の早期適用
早期適用した基準書等はありません。
(6)見積り及び判断の利用
国際会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定をすることが義務付けられております。ただし、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える事項は、有形固定資産、無形資産及びのれんの減損、及び繰延税金資産の認識であります。当社グループは、見積り及びその基礎となる仮定に基づいて将来の事業計画を設定した上で、のれん及び固定資産の減損テストや繰延税金資産の回収可能性の評価を行っております。詳細につきましては、注記13 減損損失(有形固定資産、無形資産及びのれんの減損)及び注記22 法人所得税(繰延税金資産の認識)をそれぞれご参照ください。
なお、上述の事項以外に翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある仮定及び見積りの不確実性に関する事項は以下のとおりです。
注記14 リース(リース期間の見積り)
注記19 引当金(債務を決済するために必要となる支出の見積り)
注記23 従業員給付(確定給付制度債務の現在価値等の見積り)
注記26 金融商品及び関連する開示(貸倒引当金、金融商品の公正価値の見積り)
注記28 売上高(収益の認識における変動対価の見積り)
3 重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
① 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。のれんは、取得日時点で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び段階取得の場合には取得日以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日公正価値の合計額から、取得日時点の識別可能な取得資産及び引受負債の純認識額を控除した額で、測定しております。この差額が負の金額である場合には即時に純損益として認識しております。企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了していない場合には、暫定的な金額で会計処理を行い、取得日から1年以内の測定期間において、暫定的な金額の修正を行います。発生した取得費用は損益として処理しております。
共通支配下における企業結合取引、すなわち、すべての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的なものではない企業結合取引については、帳簿価額に基づき会計処理しております。
② 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合、当社グループはその企業を支配しています。
子会社の財務諸表は、支配を獲得した日から支配を喪失する日までの間、当社の連結財務諸表に含まれております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表の調整を行っております。
連結財務諸表の作成にあたり、連結会社間の債権・債務及び連結会社間の取引は、消去しております。
支配が継続する子会社に対する当社の持分変動は、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益で認識しております。
③ 関連会社
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業をいいます。
関連会社(以下、持分法適用会社)への投資は、持分法を用いて会計処理しており、取得時に取得原価で認識しております。当社グループの投資には、取得時に認識したのれんが含まれております。
連結財務諸表には、重要な影響が開始した日から終了する日までの持分法適用会社の収益・費用及び持分の変動に対する当社持分が含まれております。持分法適用会社の会計方針は、当社グループが適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しております。
(2) 外貨
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における為替レートで当社グループの各機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しております。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に再換算しております。
再換算及び決済により発生した換算差額は、その期間の純損益で認識しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債は、取得により発生したのれん及び公正価値の調整額を含め、期末日の為替レートで換算しております。また、在外営業活動体の収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートで換算しております。為替レートに著しい変動がある場合には、取引日の為替レートが使用されます。
換算差額はその他の包括利益で認識しております。在外営業活動体を処分し、支配、重要な影響力を喪失する場合には、この在外営業活動体に関連する換算差額の累積額は、処分に係る利得又は損失の一部として純損益に振り替えられます。
(3) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に一定の金額に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(4) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い方の金額で測定しております。棚卸資産の取得原価には、購入原価及び加工費が含まれており、主として総平均法に基づいて算定されております。加工費は、固定及び変動製造間接費の適切な配賦額を含んでおります。
正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した金額であります。
(5) 売却目的で保有する資産
継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産(又は処分グループ)は、売却目的保有として分類しております。
非流動資産(又は処分グループ)を売却目的へ分類するためには、現状のままで直ちに売却することが可能であり、かつ、経営者が非流動資産(又は処分グループ)の売却計画の実行を確約し、売却が1年以内に完了する見込みである場合に限っており、その売却の可能性が非常に高いと言えることを条件としております。
売却目的保有へ分類した後には、非流動資産(又は処分グループ)を帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で測定し、減価償却を行っておりません。
非流動資産(又は処分グループ)の測定について、当社グループは、売却コスト控除後の公正価値までの当初又は事後の評価減にかかる減損損失を純損益で認識しており、利得を認識する場合には過去に認識した減損損失累計額を超えない金額を上限としております。
(6) 有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産については、原価モデルを適用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、資産の解体・除去等に係る費用の見積り額が含まれております。
有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しております。
② 取得後の支出
通常の維持及び補修に係る支出については発生時に費用として処理し、主要な取替及び改良に係る支出については、その支出により将来当社グループに経済的便益がもたらされることが見込まれる場合に限り資産計上しております。
③ 減価償却
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産は、主として見積耐用年数にわたる定額法で減価償却を行っております。主な有形固定資産の見積耐用年数は建物及び構築物が2年から60年、機械装置及び運搬具が1年から20年、工具器具及び備品が1年から20年であります。減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、連結会計年度期末日ごとに見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(7) のれん及び無形資産
① のれん
のれんの当初認識時における測定は、「(1) 連結の基礎 ① 企業結合」に記載しております。のれんについては償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しております。
② 無形資産
当社グループは、無形資産の測定において原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
(ⅰ)自社利用ソフトウエア
当社グループは、自社利用ソフトウエアの取得及び開発に際し発生した内部及び外部向けの一定の原価を資産計上しております。これはアプリケーション開発段階及びソフトウエアのアップグレードや機能性を付加する増強の際に発生するもので、概ね2年から10年にわたり定額法で償却しております。
(ⅱ)開発資産
当社グループの開発活動(又は内部プロジェクトの開発局面)で発生した費用は、以下のすべての条件を満たしたことを立証できる場合にのみ、資産計上しております。
・使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
・無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという企業の意図
・無形資産を使用又は売却できる能力
・無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
・無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及び
その他の資源の利用可能性
・開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
これらの開発資産の償却は、当該プロジェクトの終了の後、量産が開始される時点より償却され、当該開発資産が正味のキャッシュ・インフローをもたらすと期待される2年から10年の見積耐用年数にわたって定額法により行っております。なお、上記の資産計上の要件を満たさない開発費用及び研究活動に関する支出は、発生時に費用処理しております。
(ⅲ)その他の無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合の一部として取得し、のれんと区別して認識された無形資産は、当初認識時に取得日時点の公正価値で測定しております。
(ⅳ)償却(開発資産を除く)
耐用年数の確定できる無形資産については、経済的耐用年数にわたって償却し、減損の兆候がある場合には減損の有無を判定しております。耐用年数が確定できる無形資産は、主にソフトウエア、顧客関係及び商標権からなっており、その見積耐用年数にわたり定額法で償却しております。その見積耐用年数は1年から20年です。耐用年数が確定できない無形資産又は未だ使用可能ではない無形資産は償却を行わず、耐用年数が明らかになるまで減損テストを行っております。
(8) 有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産の減損
当社グループは、棚卸資産及び繰延税金資産を除く非金融資産の帳簿価額について、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額に基づく減損テストを実施しております。のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無に関わらず毎年減損テストを実施しております。
減損テスト実施の単位である資金生成単位については、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとして識別される資産グループの最小単位としております。のれんの資金生成単位については、内部管理目的でモニターされている最小の単位で、集約前における事業セグメントの範囲内となっております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値及び将来キャッシュ・フローの見積りにおいて考慮されていない当該資産に固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いております。
全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生成しないため、全社資産に減損の兆候がある場合、当該全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に当該単位内のその他の資産に対し、各資産の帳簿価額の比に基づき配分しております。
過去の期間に減損損失を認識した資産又は資金生成単位については、過去の期間に認識した減損損失の戻し入れの兆候の有無を判断しております。減損損失の戻し入れの兆候が存在する資産又は資金生成単位については、回収可能価額を見積り、回収可能価額が帳簿価額を上回る場合に減損損失の戻し入れを行っております。減損損失の戻し入れ後の帳簿価額は、減損損失を認識しなかった場合に戻し入れが発生した時点まで減価償却又は償却を続けた場合の帳簿価額を上限としております。なお、のれんに関連する減損損失は戻し入れをしておりません。
(9) リース
① 借手としてのリース
当社グループは、リースの契約時に、当該契約がリース又はリースを含んだものであるのか否かを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。
原資産が不動産である場合、契約の対価を、独立価格の比率に応じてリース構成部分と非リース構成部分に配分しております。また、原資産が不動産以外である場合、リース構成部分と非リース構成部分を区別せずに、単一のリース構成部分として会計処理をすることを選択しております。契約がリースであるか又はリースを含んでいる場合、当社グループはリースの開始日において使用権資産及びリース負債を認識しております。
リース負債は、リース料総額の未決済分を開始日における借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しております。使用権資産は、リース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した額で当初の測定を行っております。
使用権資産については、原価モデルを適用し、見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間にわたって定額法により減価償却しております。リース料は、実効金利法に基づき、金利費用とリース負債の返済額とに配分しております。金利費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。ただし、リース期間が12か月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
② 貸手としてのリース
契約により、実質的にすべてのリスク及び経済的便益が借手に移転するリースは、ファイナンス・リースとして分類しております。ファイナンス・リース以外のリースはオペレーティング・リースに分類しております。
製造業者又は販売業者としての貸手となる場合、ファイナンス・リースに係る販売損益は、物品販売と同様の会計方針に従って認識しております。金融収益については、リース期間の起算日以降実効金利法に基づき認識しております。製造業者又は販売業者としての貸手にならない場合、金融収益について、リース期間の起算日以降実効金利法に基づき認識しております。計算利子率は、最低受取リース料総額と無保証残存価値を合計した現在価値を、リース資産の公正価値と貸手の当初直接コストの合計額と等しくする割引率で算定しております。
オペレーティング・リースに係る収益は、リース期間にわたり定額法で認識しております。
(10) 引当金
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響が重要である場合、引当金は当該債務に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。
資産除去債務は、資産の解体・除去費用、原状回復費用、並びに資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しております。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しております。
製品保証引当金は、製品のアフターサービスに対する費用支出に備えるため、保証期間内のサービス費用見積額に基づき計上しております。なお、製品保証引当金繰入額は、連結損益計算書上、売上原価に含めて表示しております。
(11) 政府補助金
政府補助金は、その補助金交付に付帯する諸条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。収益に関する補助金は、補助金により保証される期間にわたって、純損益として認識しています。純損益として認識された補助金については主に関連する費用から控除しております。また、資産の取得に対する補助金は、繰延収益として認識し、補助金の対象設備の耐用年数にわたって、純損益で認識しております。
(12) 従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、確定給付型年金制度及び確定拠出型年金制度を採用しています。
確定給付型年金制度に関連する純債務は、制度ごとに従業員が過年度及び当連結会計年度において獲得した将来給付額の現在価値から制度資産の公正価値を差し引くことにより算定しています。確定給付型年金制度から生じる数理計算上の差異はその他の包括利益で認識し、発生時にその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。また、過去勤務費用は発生時に純損益として認識しています。
確定拠出型年金制度の拠出は、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しています。
② 短期従業員給付
短期従業員給付は、関連するサービスが提供された時点で費用として認識しています。当社グループが従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的及び推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合、支払われると見積られる額を負債として認識しています。
(13) 株式に基づく報酬
当社グループは、持分決済型の株式報酬制度及び現金選択権付きの株式報酬制度を採用しております。
持分決済型の株式報酬制度において、受け取ったサービスの対価は、付与した資本性金融商品の付与日における公正価値を参照して測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。
現金選択権付きの株式報酬制度において、企業に現金または他の資産で決済する負債が発生している場合にはその範囲で現金決済型の取引として、そのような負債が発生していない場合には、その範囲で持分決済型の取引として処理しております。持分決済型の取引に該当する部分については、付与した資本性金融商品の付与日における公正価値を参照して測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。現金決済型の取引に該当する部分については、受け取ったサービス及び発生した負債を、当該負債の公正価値によって見積り、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しております。
(14) 金融商品
当社グループは、非デリバティブ金融資産及び金融負債をそれぞれ、(ⅰ)償却原価で測定する金融資産、(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、(ⅲ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品、(iv)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産、(v)償却原価で測定する金融負債、(vi)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
① 当初認識及び測定
当社グループは、営業債権及びその他の債権を発生日に当初認識しております。通常の方法で売買される金融資産は決済日に当初認識しております。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は公正価値で当初認識しております。償却原価で測定する金融資産、並びに、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品及び資本性金融商品は、取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算した金額で当初認識しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない売上債権は、取引価格で当初測定しております。
② 分類及び事後測定
(ⅰ)償却原価で測定する金融資産
当社グループが保有する金融資産のうち、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後、実効金利法を用いて算定し、必要な場合には減損損失を控除した金額で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失は、当期の純損益で認識しております。
(ⅱ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
当社グループが保有する金融資産のうち、以下の要件をともに満たす場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的とする事業モデルに基づいて保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払いのみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
当初認識後は公正価値で測定し、事後的な変動のうち、為替差損益、減損利得又は減損損失、利息収益は純損益に認識し、その他の変動は、その他の包括利益に含めて認識しております。認識を中止した場合には、その他の包括利益の累積額を純損益に振り替えております。
(ⅲ)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品以外の金融資産のうち、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益で表示するという取消不能な選択をした資本性金融商品については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に分類しております。
当初認識後は公正価値で測定し、その変動額はその他の包括利益として認識しております。当該金融資産の公正価値が著しく下落した場合、又は認識を中止した場合にはその他の包括利益の累積額を利益剰余金に直接振り替えております。
なお、当該金融資産からの配当金については、純損益として認識しております。
(iv)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産、又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品及び資本性金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(v)償却原価で測定する金融負債
当社グループが保有する社債及び借入金、営業債務及びその他の債務については公正価値から金融負債の発行に直接帰属する取引費用を控除して当初認識しております。
当初認識後は、これらの金融負債は償却原価で測定しております。
(vi)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債以外の金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
③ 非デリバティブ金融資産及び非デリバティブ金融負債の認識の中止
金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は、当該金融資産の所有に係るリスク及び便益を実質的にすべて移転する取引において金融資産を譲渡する場合に、当該金融資産の認識を中止しております。
金融負債は、契約上の義務が免責、取消、又は失効となった場合に、認識を中止しております。
④ 非デリバティブ金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産等に係る減損につきましては、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。当社グループは、事業年度の末日ごとに、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。信用リスクが著しく増大しているか否かの判断は、債務不履行が発生するリスクの変化に基づいており、その判断にあたっては、一定の期日経過情報や取引先の財政状態悪化等の客観的情報を考慮しております。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定しております。金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない売上債権等については、単純化したアプローチにより貸倒引当金を測定しております。
金融商品の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積もっております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、連結会計期間の末日時点で過大なコストや
労力をかけずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
当該測定に係る金額は、純損益として認識しております。減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を純損益として戻し入れております。
⑤ 資本
(ⅰ)普通株式
当社が発行した資本性金融商品の発行に直接関連する費用は、資本の控除項目として認識しております。
(ⅱ)自己株式
当初発行後に再取得した自己の資本性金融商品(自己株式)は、支払対価(株式の取得に直接起因する取引コストを含む)を、資本の控除項目として認識しております。自己株式を売却した場合、受取対価を資本の増加として認識しております。
⑥ デリバティブ及びヘッジ活動
当社グループは為替、金利に係る市場リスクを管理するためにデリバティブを利用しております。グループ内規定に基づき、売買目的及び投機目的のデリバティブは保有しておりません。当社グループはすべてのデリバティブを連結財政状態計算書に公正価値で認識しております。当社グループはデリバティブの契約を締結する際に、当該デリバティブがヘッジ関係の一部として適格であるか否かの判定を行っております。当社グループはヘッジ会計が適用されるデリバティブを、(ⅰ) 連結財政状態計算書に計上された資産又は負債の公正価値の変動をヘッジするための公正価値ヘッジ、(ⅱ) 連結財政状態計算書に計上された資産又は負債に付随する受払い及び可能性が非常に高い予定取引に関連するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのキャッシュ・フロー・ヘッジのいずれかとして指定しております。
当社グループはリスク管理の目的や様々なヘッジ取引の戦略とあわせて、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係について正式に文書化しております。このプロセスには、公正価値ヘッジ又はキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるすべてのデリバティブと、連結財政状態計算書の特定の資産及び負債又は特定の確定約定あるいは可能性が非常に高い予定取引との関連付けが含まれております。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
公正価値ヘッジとして指定されるデリバティブについては公正価値評価され、デリバティブの公正価値の変動による純損益と、ヘッジ対象の公正価値の変動による純損益を相殺しております。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブについては、ヘッジが有効である部分の公正価値の変動額をその他の包括利益に含めて表示し、ヘッジされた取引が純損益に影響を与える時点で純損益に組替えております。キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジの有効でない部分については直ちに純損益に計上しております。
(ⅲ)ヘッジ会計が適用されないデリバティブ
ヘッジ会計が適用されないデリバティブは公正価値で計上し、公正価値の変動額は当期の純損益に計上しております。
(15) 収益
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき収益の認識及び測定を行っています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
具体的な収益認識の基準は注記28 売上高 に記載しております。
(16) 金融収益及び金融費用
金融収益は主に受取配当金、受取利息及び為替差益から構成されております。受取配当金は当社グループの受領権が確定した日に認識しております。受取利息は実効金利法を用いて発生時に認識しております。
金融費用は主に支払利息及び為替差損から構成されております。支払利息は実効金利法を用いて発生時に認識しております。
(17) 法人所得税
法人所得税費用は当期税金費用と繰延税金費用から構成されております。これらは、その他の包括利益又は資本で直接認識する項目から生じる場合、及び企業結合から生じる場合を除き、純損益で認識しております。
当期税金は、期末日時点において施行又は実質的に施行される法定税率及び税法を使用して算定する当期の課税所得又は損失に係る納税見込額あるいは還付見込額の見積りに、前連結会計年度までの納税見込額あるいは還付見込額の調整額を加えたものです。
繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。企業結合以外の取引で、かつ取引時に会計上の利益にも課税所得(税務上の欠損金)にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る差異については、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。さらに、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識しておりません。ただし、単一の取引から資産と負債の両方を同額で認識する特定の取引については、認識される資産に係る将来加算一時差異に対し繰延税金負債を、認識される負債に関する将来減算一時差異に対し繰延税金資産を、それぞれ当初認識する方法を採用しています。
子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異について繰延税金負債を認識しております。ただし、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識しておりません。子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異から発生する繰延税金資産は、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な将来に解消される可能性が高い範囲でのみ認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日時点において施行又は実質的に施行される法律に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率を用いて測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、又は、異なる納税主体に課されているものの、これらの納税主体が当期税金資産及び負債を純額で決済することを意図している場合、もしくはこれら税金資産を実現させると同時に負債を決済することを予定している場合に相殺しております。
繰延税金資産は、未使用の税務上の欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎期末日に再査定し、税務便益を実現させるだけの十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲内で、繰延税金資産の帳簿価額を減額しております。
(18) 1株当たり利益
基本的1株当たり利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、各算定期間の自己株式を調整した普通株式の加重平均発行済株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり利益は、加重平均発行済株式数の算定において、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を考慮しております。
(19) セグメント報告
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位の1つです。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、マネジメントが定期的にレビューしております。
4 適用されていない基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、2024年3月31日現在において当社グループが適用していない主なものは、以下のとおりです。IAS第1号「財務諸表の表示」及びIFRS第16号「リース」の改定については、当社グループの連結財務諸表に重要な影響はないと判断しております。それ以外の新設・改訂による当社グループへの影響は検討中であります。
5 事業セグメント
当社グループにおける事業の種類別セグメントは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他で構成されております。
当連結会計年度より、その他セグメントに含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及びデジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
事業の種類別セグメントの主な事業内容は以下のとおりです。
(注)事業セグメントとしてのデジタルサービスはオフィスサービス事業及びオフィスプリンティングの販売を主とした事業に限定した事業セグメントであり、当社グループが目指す「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」への変革、として掲げるデジタルサービスすべてを網羅しているものではありません。当社グループが「デジタルサービスの会社」として掲げる「デジタルサービス」は、事業セグメントではデジタルサービスの他、すべてのセグメントの事業内容に含まれております。
セグメント損益は、営業利益で表示しており、当社の経営者により経営資源の配分の決定や業績の評価の目的に使用されております。セグメント損益に含まれない項目としては、主にセグメント間取引における棚卸資産・固定資産の未実現利益の消去となります。
前連結会計年度及び当連結会計年度における事業の種類別セグメント及び地域別情報は以下のとおりです。セグメント間取引は独立企業間価格で行っております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結売上高の 10%以上を占める重要な単一顧客はありません。
(1) 事業の種類別セグメント情報
セグメント間の売上高は、主にデジタルプロダクツからデジタルサービスに対する売上です。
前連結会計年度及び当連結会計年度のセグメントごとの資産合計、資本的支出、減価償却費及び無形資産償却費は以下のとおりです。
各資産は、その資産から主に利益を享受する事業の種類別セグメントに割り当てられております。
本社又は全社に含まれる資産の主なものは、特定のセグメントに属さない現金及び現金同等物、その他の金融資産、持分法で会計処理されている投資、繰延税金資産です。
(2) 製品別売上高情報
製品別の外部顧客に対する売上高は以下のとおりです。
(3) 地域別情報
顧客の所在地別売上高、地域別非流動資産(有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産)残高は以下のとおりです。
6 企業結合
(前連結会計年度)
(株式会社PFU)
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称及び事業の内容
被取得企業の名称:株式会社PFU
事業の内容 :ドキュメントスキャナ、インダストリーコンピューティング製品等のハードウエア及び、セキュリティ・文書管理等のソフトウエアやサービス、ITインフラ構築や他企業と提携したマルチベンダーサービス等
② 株式の取得の理由
本株式取得は、当社が2025年度までの計画として示している成長投資の一環となるものです。PFUは業務用スキャナで世界No.1のシェアを持ち、国内においてはクラウド構築やマネージドセキュリティサービスを展開しています。PFUを子会社化することで、業務ワークフローの入り口となる業種・業務スキャナの獲得によるデジタルサービスを支えるエッジデバイスの強化を図るほか、マルチクラウド環境の構築運用及びセキュリティサービスといったお客様に近い現場のデジタル人材やエッジデバイス・ソフトウエアの技術人材といった人的資本を強化します。これにより、お客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現することで、当社が事業ポートフォリオマネジメントにおいて成長加速領域と位置づけるオフィスサービス事業を拡大させます。さらに、PFUは、産業用コンピューターボードの国内市場においてNo.1のシェアを持っており、豊富な商品ラインアップを揃えています。当社のエレクトロニクス事業との連携により、生産、購買、開発面でのシナジーを創出し、コスト競争力を高めるとともに、産業用コンピュータ事業を強化し、物流や製造業等の現場のデジタル化を進める新たなエッジデバイスの開発を目指します。
③ 企業結合日
2022年9月1日
④ 取得した議決権比率
80%
(2) 取得対価及びその内訳
現金 90,584百万円
(注)株式取得後における価格調整が完了し、取得対価は確定しております。
(3) 取得関連費用
企業結合に係る取得関連費用として 236百万円が連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されております。
(4) 取得資産及び引受負債の公正価値、非支配持分及びのれん
非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の認識金額に対する非支配株主の持分割合で測定しております。のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映しております。この取得は取得法を適用して会計処理し、取得価額は取得資産及び引受負債の見積公正価値に基づいて配分しております。第3四半期連結会計期間においては、取得価額は取得した資産及び負債への配分が確定しておらず、暫定的な会計処理を行っておりましたが、第4四半期連結会計期間に確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、取得資産及び引受負債の公正価値、非支配持分及びのれんの金額は、上記のとおり変動しております。取得日以降の営業成績は連結財務諸表に含まれております。
被取得企業の非支配株主に対して子会社株式の売建プット・オプションを付与しております。非支配株主に付与された売建プット・オプションを、取得日において、その償還金額の現在価値を金融負債として 22,485百万円認識するとともに、同額を資本剰余金から減額しております。なお、本株式取得における取得対価が確定したことに伴い、当該売建プット・オプションに係る金融負債の金額は 1,656百万円増加しております。
(5) 当社グループの業績に与える影響
取得日以降に生じた売上高及び当期利益はそれぞれ 86,888百万円及び 6,347百万円であります。また、当企業結合が期首に実施されたと仮定した場合、当社グループの前連結会計年度の売上高及び当期利益(プロフォーマ情報)はそれぞれ 2,181,265百万円及び 55,550百万円となります。なお、当該プロフォーマ情報は監査証明を受けておりません。
(その他の企業結合)
株式会社PFUの取得を除く企業結合については、個々には重要性はないものの、全体としては重要性がある企業結合を合算して記載しております。
(1) 取得対価及びその内訳
(2) 取得関連費用
企業結合に係る取得関連費用として 421百万円が連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されております。
(3) 取得資産及び引受負債の公正価値、非支配持分及びのれん
非支配持分は、被取得企業の識別可能な純資産の認識金額に対する非支配株主の持分割合で測定しております。のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映しております。これらの取得は取得法を適用して会計処理し、取得価額は取得資産及び引受負債の見積公正価値に基づいて配分しておりますが、前連結会計年度末では、一部の被取得企業において取得価額の取得した資産及び負債への配分が確定しておりません。そのため、今後無形資産及びのれん等の金額が変更される可能性があります。取得日以降の営業成績は連結財務諸表に含まれております。
(4) 段階取得に係る差益
当社グループが取得日以前に保有していた被取得企業の資本持分を取得日の公正価値で再測定した結果、企業結合による段階取得に係る差益 2,401百万円を連結損益計算書の「その他の収益」に計上しております。
(5) 当社グループの業績に与える影響
取得日以降に生じた損益情報、及び企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の損益情報(プロフォーマ情報)は、連結財務諸表に与える影響額に重要性がないため開示しておりません。
(当連結会計年度)
(PFH Technology Group Unlimited Company)
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称及び事業の内容
被取得企業の名称:PFH Technology Group Unlimited Company(以下、PFH)
事業の内容 :ITインフラストラクチャ、クラウド、マネージドワークプレイスサービス等
② 株式の取得の理由
当社の100%連結子会社であるRICOH EUROPE HOLDINGS PLCは、デジタルサービスの拡大に向けて、アイルランドにおけるITインフラストラクチャ、クラウド、マネージドワークプレイスサービス等の大手プロバイダーであるPFHの全ての株式を取得し、同社を連結子会社としました。本株式取得により、欧州ビジネスのハブかつIT産業の集積地であるアイルランドを拠点にITサービスを展開し、お客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現することで、当社が事業ポートフォリオマネジメントにおいて成長加速領域と位置づけるオフィスサービス事業を汎欧州で拡大させます。
③ 企業結合日
2023年6月1日
④ 取得した議決権比率
100%
(2) 取得対価及びその内訳
(注) 条件付対価は、PFHの業績目標の達成状況に応じて合意された条件に基づいて算定され、23.16百万ユーロを支払う可能性があります。
(3) 取得関連費用
企業結合に係る取得関連費用として 188百万円が連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に計上されております。
(4) 取得資産及び引受負債の公正価値、のれん
のれんは、主に超過収益力及び既存事業とのシナジー効果を反映しております。この取得は取得法を適用して会計処理し、取得価額は取得資産及び引受負債の見積公正価値に基づいて配分しております。第3四半期連結会計期間においては、取得価額の取得した資産及び負債への配分が確定しておらず、暫定的な会計処理を行っておりましたが、当第4四半期連結会計期間に確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、取得資産及び引受負債の公正価値、及びのれんの金額は、上記のとおり変動しております。取得日以降の営業成績は連結財務諸表に含まれております。
(5) 当社グループの業績に与える影響
当企業結合に係る取得日以降の損益情報及び当企業結合が期首に実施されたと仮定した場合の損益情報は、連結損益計算書に与える影響額に重要性が乏しいため、記載を省略しております。
なお、上記以外の企業結合については個別にも全体としても重要性がないため、記載を省略しております。
7 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりです。
8 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりです。
上記のうち、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、12ヶ月を超えて回収される営業債権及びその他の債権の金額に重要性はありません。
9 棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりです。
費用として認識された棚卸資産の評価減の金額は以下のとおりであり、連結損益計算書の「売上原価」に含まれています。
10 売却目的で保有する資産
(前連結会計年度)
該当事項はありません。
(当連結会計年度)
当連結会計年度において、車載ステレオカメラやプロジェクター用光学レンズモジュール等の開発・製造・販売を行うオプティカル事業を譲渡することを決議し、株式譲渡契約を締結しました。この結果、1年以内に売却が見込まれることにより、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に基づき、オプティカル事業に関する資産及び負債を「売却目的で保有する資産」及び「売却目的で保有する資産に直接関連する負債」に組替えています。また、組替え時に帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い方で測定しており、帳簿価額での組替えを実施しています。当該資産及び負債は、セグメント上、インダストリアルソリューションズに含まれております。
売却目的で保有する資産及び直接関連する負債の内訳は、以下のとおりです。
11 有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減、取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりです。
〔帳簿価額〕
〔取得原価〕
〔減価償却累計額及び減損損失累計額〕
12 のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減、取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりです。
〔帳簿価額〕
〔取得原価〕
〔償却累計額及び減損損失累計額〕
開発資産の償却費は連結損益計算書の「売上原価」に、その他の無形資産の償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」にそれぞれ含めております。
13 減損損失
(1) 減損損失を認識した資産のセグメント別及び資金生成単位(グループ)別内訳
減損損失を認識した資産のセグメント別及び資金生成単位(グループ)別内訳は、以下のとおりです。
(2) 減損損失を認識した資産の種類別内訳
減損損失を認識した資産の種類別内訳は、以下のとおりです。
減損損失は、前連結会計年度の連結損益計算書の「売上原価」に 2百万円、「販売費及び一般管理費」に 35百万円、「のれんの減損」に 70百万円、当連結会計年度の「売上原価」に 28百万円、「販売費及び一般管理費」に 1,023百万円、「のれんの減損」に 619百万円、それぞれ含まれております。
(3) 認識した減損損失及び認識に至った事象及び状況
(前連結会計年度)
当社グループは前連結会計年度において、重要な減損損失は計上しておりません。
(当連結会計年度)
当社グループは当連結会計年度において、重要な減損損失は計上しておりません。
(4) のれんの減損テスト
(前連結会計年度)
のれんの減損テストの回収可能価額は、主に使用価値に基づき算定しております。使用価値は、主として経営者が承認した事業計画と事業計画期間後の成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて計算しております。成長率は、資金生成単位又は資金生成単位グループが属する市場の長期期待成長率を参考に決定しております(△4%~2%)。割引率は、各資金生成単位又は資金生成単位グループの税引前の加重平均資本コストを基礎に算定しております(11%~15%)。事業計画は5年を限度としており、市場の長期期待成長率を超過する成長率は用いておりません。
なお、注記2 作成の基礎 (6)見積り及び判断の利用に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う経済活動の停滞及び部材不足や物流の問題に伴う供給の制約による当社グループの業績への影響は、徐々に改善しているものの、資源価格の高騰やインフレ等の影響は、翌連結会計年度以降においても一定程度残るものと仮定しております。
のれんの減損テストにおいては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機にしたオフィスの縮小や在宅勤務の定着によるオフィスへの出社率の低下といった新しい働き方の浸透を鑑み、新型コロナウイルス感染症拡大前の状況には今後も完全には戻らないこと、及び部材等のコスト上昇への対応等による販売価格の変動等による業績への影響を考慮しております。
翌連結会計年度中にのれんの帳簿価額に重要な修正を生じるリスクがある資金生成単位又は資金生成単位グループとしては、オフィスプリンティング(欧州販売グループ)があります。オフィスプリンティング(欧州販売グループ)における回収可能価額は、使用価値により測定しており、帳簿価額を十分に上回っております。使用価値の見積りにおいて、事業計画における複合機等の販売台数やプリント出力量及び販売価格、関連コスト、事業計画期間後の成長率、並びに割引率を重要な仮定と認識しております。
上記含めてのれんが配分されている資金生成単位又は資金生成単位グループは、回収可能価額の基礎となっている主要な仮定(成長率、割引率等)に合理的に起こりうる変化があっても、帳簿価額は回収可能価額を超えることはないと考えております。
(当連結会計年度)
のれんの減損テストの回収可能価額は、主に使用価値に基づき算定しております。使用価値は、主として経営者が承認した事業計画と事業計画期間後の成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて計算しております。成長率は、資金生成単位又は資金生成単位グループが属する市場の長期期待成長率を参考に決定しております(△3%~2%)。割引率は、各資金生成単位又は資金生成単位グループの税引前の加重平均資本コストを基礎に算定しております(12%~18%)。事業計画は5年を限度としており、市場の長期期待成長率を超過する成長率は用いておりません。
なお、注記2 作成の基礎 (6)見積り及び判断の利用に記載のとおり、見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
翌連結会計年度中にのれんの帳簿価額に重要な修正を生じるリスクがある資金生成単位又は資金生成単位グループとしては、オフィスプリンティング(欧州販売グループ)があります。オフィスプリンティング(欧州販売グループ)における回収可能価額は、使用価値により測定しており、帳簿価額を十分に上回っております。使用価値の見積りにおいて、事業計画におけるオフィスプリンティング事業の複合機等の販売台数やプリント出力量及び販売価格、関連コスト、事業計画期間後の成長率、並びに割引率を重要な仮定と認識しております。これらの仮定には、オフィスプリンティング市場が成熟フェーズに移行していることやコスト環境の変化等の影響を踏まえた上で、付加価値販売等のプライシングコントロール等の効果を考慮しております。
上記含めてのれんが配分されている資金生成単位又は資金生成単位グループは、回収可能価額の基礎となっている主要な仮定(成長率、割引率等)に合理的に起こりうる変化があっても、帳簿価額は回収可能価額を超える可能性は低いと考えております。
また、減損損失認識後ののれんの帳簿価額の資金生成単位又は資金生成単位グループごとの内訳は、以下のとおりです。
(注)「デジタルイメージング」はPFUの一部にかかるものであり、前連結会計年度は、「その他の資金生成単位又は資金生成単位グループ」に含まれております。
14 リース
(1) 貸手側
リース債権はその他の金融資産に含まれております。
当社グループは、主に当社グループの製品のリース事業を行っております。これらのリース取引は、そのほとんどがファイナンス・リースに分類されます。
当社グループの製品に関する中古流通市場の存在や、顧客との契約延長等の販売上の手段を有しているため、リース機器の残存価値リスクに重要なものはありません。
①ファイナンス・リース
当社グループが保有するファイナンス・リースに基づく将来の受取額は以下のとおりです。
連結損益計算書に含まれるファイナンス・リースに係る損益及び収益は以下のとおりです。
②オペレーティング・リース
当社グループが保有するオペレーティング・リースに基づく将来の受取額は以下のとおりです。
連結損益計算書に含まれるオペレーティング・リースに係る収益は以下のとおりです。
(2) 借手側
当社グループは、土地、建物、機械装置、器具備品を含む多くの資産をリースしています。当社グループが借手となるリースの情報は以下のとおりです。
①使用権資産
使用権資産の帳簿価額の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における使用権資産の増加額はそれぞれ 27,676百万円及び 34,982百万円です。
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、それぞれ 33,237百万円及び 32,547百万円です。
②使用権資産に関連する損益
使用権資産に関連する損益は以下のとおりです。
サブリース収入及びセール・アンド・リースバック取引から生じた利得又は損益は重要ではありません。
リース負債に係る金利費用については注記31 金融収益及び金融費用、リース負債の満期分析については注記26 金融商品及び関連する開示 (4)流動性リスク管理 に記載しております。
③延長オプション及び解約オプション
当社グループにおいては、各社がリース契約の管理に責任を負っており、リース条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっております。延長オプション及び解約オプションは、主に営業所及び倉庫に係る不動産リースに含まれております。これらのオプションは、リース契約主体が不動産を事業に活用する上で、必要に応じて使用されております。
15 その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は以下のとおりです。
16 その他の投資
その他の投資の内訳は以下のとおりです。
17 営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりです。
18 社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は以下のとおりです。
すべての普通社債は、各々の引受契約に規定されているいくつかの条件により当社グループの任意で償還できます。
普通社債には、引受契約に規定されている追加担保借入制限等いくつかの条件がありますが、当社グループは2024年3月31日現在、それらの条件を遵守しております。
短期借入金の内訳は以下のとおりです。
(注)加重平均年利については、借入金等の期末残高に対する利率を記載しております。
財務活動に係る負債の変動は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (百万円)
(注1)1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。
(注2)連結キャッシュ・フロー計算書に記載している長期借入債務による調達及び長期借入債務の返済には、3か月超1年未満の借入債務の調達及び返済金額を含んでおります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (百万円)
(注1)1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。
(注2)連結キャッシュ・フロー計算書に記載している長期借入債務による調達及び長期借入債務の返済には、3か月超1年未満の借入債務の調達及び返済金額を含んでおります。
19 引当金
当連結会計年度における引当金の増減は以下のとおりです。
資産除去債務は、主に賃借事業所・建物等に対する原状回復義務及び固定資産に関連する有害物質の除去に関するものです。将来において経済的便益の流出が予測される時期は、主に連結会計年度期末日より1年を経過した後の時期であることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
製品保証引当金は、製品が合意された仕様に従っているという保証に対する費用支出に備えるため、保証期間内の費用見積額に基づき計上しております。なお、製品保証引当金繰入額は、連結損益計算書上、「売上原価」に含めて表示しております。
構造改革費用引当金は、さらなる競争力強化のために固定費の削減を進める等、構造改革活動に対する費用支出に備えるために計上しております。支払時期は、主に翌連結会計年度に支払われることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
その他の引当金には、訴訟損失引当金等が含まれております。
20 その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は以下のとおりです。
21 政府補助金
政府補助金は、その補助金交付に付帯する諸条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。収益に関する補助金は、補助金により補償される期間にわたって、純損益として認識しています。純損益として認識された補助金については主に関連する費用から控除しております。また、資産の取得に対する補助金は、繰延収益として認識し、補助金の対象設備の耐用年数にわたって、純損益で認識しております。
収益に関する補助金は、前連結会計年度においては主に新型コロナウイルス感染症の影響に伴う従業員の雇用等に関わる政府補助金であり、当連結会計年度においては主に海外子会社でのエネルギー価格等に係る政府補助金であります。また、資産の取得に対する補助金は、主として、当社開発拠点及び国内製造子会社における生産設備の投資案件に関連して発生したものです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において 4,353百万円及び 2,255百万円を連結損益計算書に純損益として認識しております。内訳としては、前連結会計年度において「売上原価」から 1,924百万円、「販売費及び一般管理費」から 1,619百万円控除するとともに、「その他の収益」に 810百万円含まれております。当連結会計年度において「売上原価」から 937百万円、「販売費及び一般管理費」から 354百万円控除するとともに、「その他の収益」に 964百万円含まれております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における政府補助金の残高は、3,210百万円及び 3,621百万円であり、連結財政状態計算書の「その他の流動負債」「その他の非流動負債」に繰延収益として含まれております。
繰延収益として認識された政府補助金に付随する未履行の条件もしくはその他の偶発事象はありません。
22 法人所得税
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳は以下のとおりです。
(注) 注記2 作成の基礎(4)新基準書の適用に記載のとおり、当連結会計年度よりIAS第12号「法人所得税」の改訂(単一の取引から生じた資産及び負債に係る繰延税金の会計処理の明確化)を適用しております。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度の繰延税金資産及び繰延税金負債の純額の増減内容は以下のとおりです。
当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性が高いかどうかを考慮しております。最終的な繰延税金資産の実現は、一時差異が控除可能な期間及び繰越欠損金が利用できる期間における将来の課税所得の発生に依存します。当社グループは、実現可能性の評価にあたり、繰延税金負債の実現予定時期、予想される将来の課税所得及び税務戦略を考慮しております。過去の課税所得の水準及び一時差異が控除可能な期間及び繰越欠損金が利用できる期間における将来の課税所得見込みに基づき、当社グループは当連結会計年度末現在の認識された繰延税金資産は実現する可能性が高いと考えております。繰延期間における将来の見積課税所得が減少した場合には、実現する可能性が高いと考えられる繰延税金資産は減少することになります。
なお、注記2 作成の基礎(6)見積り及び判断の利用に記載のとおり、見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの改定は、見積りが改定された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。当社グループは、日本国内においてグループ通算制度を適用しており、認識された繰延税金資産の大部分は通算グループに係る繰延税金資産であります。将来の通算グループの課税所得の見積りにおいて、事業計画におけるオフィスサービス事業の売上高、オフィスプリンティング事業の複合機やトナー等の消耗品の販売価格と販売数量、及び関連コスト等を重要な仮定と認識しております。これらの仮定には、オフィスプリンティング市場が成熟フェーズに移行していることを踏まえた上で、オフィスサービス事業の成長に向けた構造改革等の効果を考慮しております。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金及び将来減算一時差異、繰越外国税額控除は以下のとおりです。
繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額と繰越期限は以下のとおりです。
上記にはグループ通算制度の適用外である、地方税(住民税及び事業税)にかかる繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額を含めておりません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の地方税(住民税及び事業税)にかかる繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の金額は、それぞれ住民税分 12,972百万円及び 1,778百万円、事業税分 64,563百万円及び 41,634百万円です。
前連結会計年度又は当連結会計年度において税務上の欠損金が発生しており、かつ繰延税金資産の回収可能性が将来の課税所得の有無に依存している当社又は一部の子会社について、繰延税金負債を超過する繰延税金資産を前連結会計年度及び当連結会計年度において 49,839百万円及び 37,811百万円認識しております。これは当社及び各子会社が繰越欠損金、繰越外国税額控除及び将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得を稼得する可能性が高いとする判断に基づいております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、通算グループにおいて税務上の欠損金が生じているため、通算グループに関する繰延税金資産を含めております。
当期税金費用及び繰延税金費用の内訳は以下のとおりです。
税金費用には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれております。これに伴う前連結会計年度及び当連結会計年度における税金費用の減少額はそれぞれ 5,939百万円及び 2,525百万円であります。
当社及び国内の連結子会社は、所得に対する種々の税金を課せられております。前連結会計年度及び当連結会計年度における法定実効税率は 31%です。
標準法定実効税率と実効税率との差異は以下のとおりです。
当社は、国内子会社で発生した未分配利益については、国内税法により国内子会社からの配当金がほぼ無税であるため、繰延税金負債を計上しておりません。また、海外子会社における前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の投資に係る将来加算一時差異 434,292百万円及び 525,816百万円について、当社が一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いと認められるため、当該一時差異に関連する繰延税金負債を認識しておりません。
2023年3月、当社が所在する日本国の政府は、2024年1月1日から施行される第2の柱の税法を制定しました。この法律の下では、親会社は、実効税率が15%未満である子会社の利益に対して課税されるトップアップ税を、日本国で支払うことが要求されます。当社グループでは、まだこの税法は適用されていませんが、当連結会計年度に適用されたと仮定した場合であっても、当社グループの連結財務諸表に与える影響は軽微と想定しております。なお、当該税法から生じる法人所得税に係る繰延税金資産及び繰延税金負債に関して、認識及び情報開示に対する例外を適用しております。
23 従業員給付
(1)確定給付型制度
当社グループは、確定給付型制度として確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を採用しております。給付額は、従業員の勤続年数や給与水準等に基づき算定されております。上記の年金制度への拠出額は、賃金及び給与の一定の比率により年金数理計算され、将来の年金給付に備えて積み立てられております。
当社及び一部の連結子会社は、年金規約に基づく規約型年金制度を設けております。当社及び一部の連結子会社は、従業員の同意を得て、受給資格、給付内容・方法、掛金負担等年金制度の内容を規定したリコーグループ企業年金規約を定め、年金規約について厚生労働大臣の承認を受けております。掛金の払込み及び積立金の管理等に関して信託銀行や保険会社等と契約を締結し制度を運営しております。契約を締結した信託銀行等は、年金資産の管理・運用を行うとともに、年金数理計算や年金・一時金の支給業務を行います。
当社及び一部の連結子会社は、法令、法令に基づく厚生労働大臣の処分及び規約を遵守し、加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならず、自己又は加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって資産管理運用契約を締結すること及び積立金の運用に関し特定の方法を指図することは禁止されております。
前連結会計年度に、海外の一部の連結子会社の退職給付制度において年金バイアウトを実施しました。これに伴い前連結会計年度において清算損益を認識しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度の確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の変動は以下のとおりです。
(注1)前連結会計年度及び当連結会計年度の数理計算上の差異は主に財務上の仮定の変化により生じた差異です。
(注2)制度資産に係る収益には利息収益を含んでおりません。
(注3)前連結会計年度末及び当連結会計年度末の確定給付負債の純額に含まれる退職給付に係る資産は、それぞれ
12,205百万円及び 26,636百万円であり、連結財政状態計算書の「その他の非流動資産」に含まれております。
確定給付制度債務の現在価値の算定に使用した重要な数理計算上の仮定(加重平均)は以下のとおりです。
他の仮定に変更がないとして、以下に示された割合で割引率が変動した場合、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務は以下のとおり変動します。感応度分析はその他の仮定に変更がないことを前提としておりますが、実際には他の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。なお、給与水準の予想上昇率については変動を見込んでおりません。
前連結会計年度の制度資産の公正価値は以下のとおりです。
(注)海外制度の活発な市場における公表価格があるものは、主に金利変動やインフレ等による確定給付制度債務の現在価値の変動に制度資産を連動させるため、主にLiability Driven Investment(LDI)により運用しております。
当連結会計年度の制度資産の公正価値は以下のとおりです。
(注)海外制度の活発な市場における公表価格があるものは、主に金利変動やインフレ等による確定給付制度債務の現在価値の変動に制度資産を連動させるため、主にLiability Driven Investment(LDI)により運用しております。
当社グループの投資の目標は、特定のリスク管理方針のもとに収益を最大化することにあります。当社グループのリスク管理方針では、投資信託、負債有価証券及び持分有価証券に投資することを認めておりますが、デリバティブ金融商品について投機的に取引することは認めておりません。当社グループは国内外の確定利回り証券や国内外の持分証券に投資する投資信託へ投資することにより、資産の多様性を確保しております。これらの投資信託は支払いが必要となった退職給付債務の支払いに充てるために、随時売却することが可能です。当社グループの国内制度の資産ポートフォリオは、大きく3つの資産区分に分類されます。約40%を持分証券で運用し、約35%を負債証券で運用し、生保一般勘定等のその他の資産で約25%を運用しております。当社グループの海外制度の投資政策は、国ごとに異なっておりますが、長期的な投資の目的及び政策は以下のように一貫しております。約15%を持分証券で運用し、約70%を負債証券で運用し、生保一般勘定等のその他の資産で約15%を運用しております。
翌連結会計年度の制度資産への予想拠出額は 16,000百万円です。
当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーションは 10年です。
(2)確定拠出型制度
当社グループでは、確定拠出年金制度を採用しております。前連結会計年度及び当連結会計年度における確定拠出年金制度にかかる年金費用はそれぞれ 12,470百万円及び 13,838百万円です。
(3)従業員給付費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計額は、それぞれ 674,918百万円及び 746,516百万円です。
24 株式に基づく報酬
当社における役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託を用いた株式報酬制度
(a) 株式報酬制度の内容
当社は、当社取締役及び執行役員等(社外取締役を除く。以下、「取締役等」という。)を対象に、株主の皆様との利益・リスク共有意識を強化するとともに、持続的な成長と適切な株主還元も含めた株主価値の向上へのコミットメントを示すことを目的として、(ア)業績連動型株式報酬制度を導入しております。同制度は、2019年に導入した(イ)株価条件付株式報酬制度を一部変更したものです((ア)及び(イ)を総称して「両制度」という。)。
両制度では役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託を用いております。当社が拠出する金銭を原資として当社株式が本信託を通じて取得され、当社が定める「株式交付規程」に従い、当社が各取締役等に付与するポイント数に相当する数の当社株式が各取締役等に交付されます。なお、両制度の詳細については「第4 提出会社の状況」の「1 株式等の状況 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」及び「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4)役員の報酬等」に記載しております。
両制度は、持分決済型及び現金選択権付きの株式報酬として会計処理しております。
(b) 期中に付与されたポイント数及びポイントの加重平均公正価値
ポイントの付与日における公正価値は、当社株式の市場価値を、予想配当利回りを考慮に入れて修正し算定しております。期中に付与されたポイント数及びポイントの加重平均公正価値は、以下のとおりであります。
(c) 株式に基づく報酬費用
本制度に係る費用計上額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ 123百万円及び 314百万円であり、連結損益計算書上、「販売費及び一般管理費」に計上しております。
25 資本金及びその他の資本項目
(1) 資本金
当社の発行可能株式総数及び発行済株式総数は以下のとおりです。
前連結会計年度の発行済株式総数の減少は、自己株式の消却によるものです。
(2) 剰余金
①資本剰余金
会社法では、株式の発行に対しての払込又は給付に係る額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれる資本準備金に組み入れることが規定されております。資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
②利益剰余金
会社法では、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を、資本準備金及び利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
当社における会社法上の分配可能額は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成された親会社の会計帳簿上の利益剰余金の金額に基づいて算定されております。
また、会社法は分配可能額の算定にあたり一定の制限を設けております。当社の会計帳簿上、その他利益剰余金として記帳されている金額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ 90,869百万円及び 123,720百万円であり、上記の制約を受けておりません。
(3) 自己株式
発行済株式総数に含まれる自己株式数は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ 447,171株及び 6,339,595株です。なお、当社は、役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託を設定しており、当該信託が保有する当社株式(前連結会計年度末 371,400株及び当連結会計年度末 314,000株)を、自己株式に含めております。
(前連結会計年度)
当社は、2022年5月10日開催の取締役会決議に基づき自己株式を取得しております。なお、当該自己株式の取得は2022年9月27日(受渡ベース)をもって終了しております。
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得した株式の総数 27,946,200 株
(3)取得価額の総額 29,999,937,700 円
(4)取得期間 2022年5月11日~2022年9月27日(受渡ベース)
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
(ご参考)
2022年5月10日開催の当社取締役会における決議内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 48,000,000 株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する比率 7.5%)
(3)株式の取得価額の総額 300 億円(上限)
(4)取得期間 2022年5月11日~2022年9月30日
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
また、当社は、2022年10月4日開催の取締役会決議に基づき以下のとおり自己株式を消却しております。
(1)消却した株式の種類 当社普通株式
(2)消却した株式の総数 27,946,200 株
(3)消却実施日 2022年10月31日
(当連結会計年度)
当社は、2024年2月6日開催の取締役会決議に基づき自己株式を取得しております。当連結会計年度に取得した自己株式は、以下のとおりです。
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得した株式の総数 5,941,800 株
(3)取得価額の総額 7,543,089,784 円
(4)取得期間 2024年2月7日~2024年3月31日
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
(ご参考)
2024年2月6日開催の当社取締役会における決議内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 36,000,000 株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する比率 5.9%)
(3)株式の取得価額の総額 300 億円(上限)
(4)取得期間 2024年2月7日~2024年8月30日
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
(4) 配当金
①配当金支払額
(注) 2022年6月24日株主総会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金5百万円が含まれております。
また、2022年11月4日取締役会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金7百万円が含まれております。
また、2023年6月23日株主総会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれております。
また、2023年11月8日取締役会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれております。
②基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるもの
(注) 2024年6月20日株主総会決議による配当金の総額には、当社が設定する役員向け株式交付信託及び執行役員等向け株式交付信託が保有する当社株式に対する配当金6百万円が含まれております。
26 金融商品及び関連する開示
(1) 資本リスク管理
当社グループの資本管理は、当社グループの持続的な成長と企業価値増大を実現するため、事業発展に充分な資金を確保できる堅固な財務体質維持と効率的な資本構成の両立を方針としております。
当社グループは有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債及び親会社の所有者に帰属する持分、D/Eレシオを管理対象としており、各数値は以下のとおりです。また、経営管理上は、販売金融の負債負担を除いたネット有利子負債も対象としております。
(2) 市場リスク管理
① 為替リスク
(a) 為替リスク管理
当社グループは、生産活動及び販売活動の相当部分を日本以外の米国、欧州、並びに中国等その他地域で行っており、外貨建の業績、資産・負債は為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。
当社グループは、外貨建の資産及び負債に対する外国為替レートの変動リスクを軽減することを目的として為替予約等を締結しております。
(b) 為替予約等
為替予約等の詳細は以下のとおりです。
為替予約等
(c) 為替感応度分析
各連結会計年度において、当社グループが保有する金融商品が米ドル、ユーロに対して日本円が1円円高となった場合の連結損益計算書の税引前利益に与える影響は以下のとおりです。計算にあたり残高や金利等は変動しないものと仮定しております。
② 金利リスク
当社グループの有利子負債は、主に固定金利により調達している社債及び借入金であり、現在の金利リスクは当社グループにとって重要なものではないと考えております。
重要性が乏しいため、金利感応度分析の開示は省略しております。
(3) 信用リスク管理
① 企業の有する金融資産の信用リスク
当社グループの営業活動から生じる債権は取引先の信用リスクにさらされております。
信用リスクとは、取引先が契約上の義務を果たすことができなかった場合に当社グループに生じる財務上の損失リスクです。
当該リスクに関して、当社グループは、与信限度額の設定、継続した与信調査及び取引先のモニタリングを行っております。また、信用リスクの集中等の潜在的リスクを最小限に抑える必要があると考えているため、モニタリングの結果によって、信用供与の程度を調整しております。これらの財務情報のほか、将来の経済状況等も考慮して予想信用損失の認識や測定を実施しております。
当社グループでは、支払期限の超過等による回収可能性の変動等が観察できた場合に当該金融資産の信用リスクが著しく増大したものと判断しております。また、概ね180日を超過するような大幅な支払期限の超過に加えて取引先の著しい財務状況の悪化等が観察できた場合に当該金融資産が信用減損しているものと判断しております。また、法的に債権が消滅する場合等、債権の回収が合理的に見込めない場合には、金融資産の帳簿価額を直接償却しております。
デリバティブ取引の利用にあたっては、信用度の高い金融機関に限定しているため、信用リスクは僅少であると認識しております。
金融資産の帳簿価額の合計額は信用リスクの最大エクスポージャーを表しております。
(i) 営業債権及びリース債権の予想信用損失の測定
営業債権及びリース債権には単純化したアプローチを採用しているため、債権が回収されるまでの全期間の予想信用損失を用いて貸倒引当金を算定しております。
(ⅱ) 貸付金及びその他の債権の予想信用損失の測定
期末日時点で、貸付金及びその他の債権に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合、当社グループでは過去の貸倒実績及び経済状況等の将来予測情報に基づき、将来12ヶ月の予想信用損失を見積もることにより当該金融商品に係る貸倒引当金を算出しております。なお、貸付等の取引にあたっては与信調査を実施し、与信限度額の設定及び信用状況を定期的にモニタリングすることにより、取引先の信用状況に応じて適切な管理を行っているため、信用リスクは僅少であると判断しております。
② 予想信用損失から生じた金額に関する定量的・定性的情報
営業債権及びリース債権に係る貸倒引当金は以下のとおりです。
債権残高及び貸倒引当金の期日別分析は以下のとおりです。
(4) 流動性リスク管理
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入金又は社債発行等により調達しております。このため、資金調達環境の悪化等により債務を履行できなくなるリスクにさらされております。
当社及び一部の連結子会社は金融機関と借入枠並びに当座借越についての契約を締結しており、コマーシャルペーパー発行プログラムを保有しております。また当社グループは、各地域に設置している金融子会社を中心にグループ企業間で手元流動性を有効活用するグループ内の資金融通の制度を構築しております。流動性リスクに対しては、資金調達手段の多様化を図り、複数の金融機関との間でコミットメント・ラインを設定しております。
保証債務以外の金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は以下のとおりです。
当社及び一部の連結子会社は金融機関と借入枠及び当座借越についての契約を締結しております。また当社及び一部の連結子会社はコマーシャルペーパーの発行プログラムを保有しております。これらの信用枠の合計及び使用状況は以下のとおりです。
(5) 金融商品の公正価値
金融商品の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりです。
(注)1 現金及び現金同等物、定期預金、営業債務及びその他の債務
これらの勘定は短期間で決済されるので、帳簿価額と公正価値が近似しております。そのため、上記の表中には含めておりません。
2 営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権のうち、短期間で決済される債権については、帳簿価額と公正価値が近似しているため上記の表中には含めておりません。なお、重要性の乏しい債権については上記の表中に含めておりません。
3 リース債権
リース債権については、一定の期間ごとに区分した債権ごとに、債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定しております。観察不能なインプットを含む評価技法に基づき公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
4 デリバティブ
デリバティブには、為替予約等が含まれており、金融機関より入手した見積価格や利用可能な情報に基づく適切な評価方法により公正価値を算定しているため、レベル2に分類しております。
5 株式及び出資持分、社債
株式及び出資持分、社債には、市場性のある株式及び社債、非上場の株式及び出資持分が含まれております。市場性のある株式及び社債は、活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を算定しており、観察可能であるためレベル1に分類しております。非上場の株式及び出資持分は、類似企業の市場価格等の観察可能な指標と観察不能な指標を用いた評価技法に基づき公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
6 社債及び借入金
社債及び借入金のうち、12ヶ月以内に償還及び返済される部分については、帳簿価額と公正価値が近似しているため上記の表中には含めておりません。
社債及び借入金については、契約ごとの将来キャッシュ・フローから、類似の満期日の借入金に対して適用される期末借入金利を用いて割り引いた現在価値に基づいて算定しております。観察可能な市場データを利用して公正価値を算定しているため、レベル2に分類しております。
7 条件付対価
条件付対価については、被取得企業の将来の業績や支払額等を考慮して公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
8 非支配持分に係る売建プット・オプション負債
非支配持分に係る売建プット・オプション負債の公正価値として記載している金額は、将来キャッシュ・フローを行使時点までの期間及び期末日時点の信用リスクを加味した利率で割り引く方法により算定しております。観察可能な市場データを利用して公正価値として記載している金額を算定しているため、レベル2に分類しております。
9 各金融資産及び金融負債の事後測定方法
IFRS第9号「金融商品」に基づく各金融資産及び金融負債の測定方法は、以下のとおりです。
償却原価で測定:営業債権、リース債権、社債(負債)及び借入金、非支配持分に係る売建プット・オプション負債
純損益を通じて公正価値で測定:デリバティブ資産、株式及び出資持分、デリバティブ負債、条件付対価
その他の包括利益を通じて公正価値で測定:株式及び出資持分、社債(資産)
当社グループは、取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融商品に対する投資について、その保有目的に鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に対する投資の主な銘柄ごとの公正価値は次のとおりです。
(注)日本電産株式会社は2023年4月1日にニデック株式会社へ社名を変更しております。
当社グループは、資産の効率的活用や業務上の関係の見直し等により、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の一部を売却により処分し、認識を中止しております。期中で売却した銘柄の売却時における公正価値、売却に係る累積利得又は損失及び受取配当金の合計額は以下のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度における、期末日時点で保有しているその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産より認識された受取配当金はそれぞれ 521百万円及び 907百万円です。
当社グループでは、その他の資本の構成要素として認識していたその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の累積利得又は損失は、当該金融資産の公正価値が著しく下落した場合、又は認識を中止した場合にその他の包括利益の累積額から利益剰余金に振り替えております。前連結会計年度及び当連結会計年度における利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得又は損失はそれぞれ 159百万円及び △1,073百万円です。
(6) 連結財政状態計算書において認識された公正価値の測定
以下は金融商品を当初認識した後、公正価値で測定された金融商品の分析です。分析に使用する公正価値ヒエラルキーは、以下のように定義付けられております。
なお、公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しております。
公正価値により測定された金融商品
(注)1 デリバティブ
デリバティブには、為替予約等が含まれており、金融機関より入手した見積価格や利用可能な情報に基づく適切な評価方法により算定しているため、レベル2に分類しております。
2 株式及び出資持分、社債
株式及び出資持分、社債には、市場性のある株式及び社債、非上場の株式及び出資持分が含まれております。市場性のある株式及び社債は、活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を算定しており、観察可能であるためレベル1に分類しております。非上場の株式及び出資持分は、類似企業の市場価格等の観察可能な指標と観察不能な指標を用いた評価技法に基づき公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
3 条件付対価
条件付対価については、被取得企業の将来の業績や支払額等を考慮して公正価値を算定しているため、レベル3に分類しております。
レベル3に分類されている金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の変動は見込まれておりません。
レベル3に分類された金融資産の期首残高から期末残高への調整表
(注)1 純損益
純損益に含まれている利得及び損失は、報告期間期末時点に保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであります。連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれております。
2 その他の包括利益
その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、報告期間期末時点に保有するその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであります。連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動」(注記32 その他の包括利益 を参照)に含まれております。
レベル3に分類された金融負債の期首残高から期末残高への調整表
(7) デリバティブ及びヘッジ活動
当社グループは為替、金利に係る市場リスクを管理するためにデリバティブを利用しております。グループ内規定に基づき、売買目的及び投機目的のデリバティブは保有しておりません。当社グループはすべてのデリバティブを連結財政状態計算書に公正価値で認識しております。当社グループはデリバティブの契約を締結する際に、当該デリバティブがヘッジ関係の一部として適格であるか否かの判定を行っております。
当社グループはヘッジ会計が適用されるデリバティブを、連結財政状態計算書上に計上された資産又は負債の公正価値の変動をヘッジするための公正価値ヘッジ、連結財政状態計算書上に計上された資産又は負債に付随する受払い及び可能性が非常に高い予定取引に関連するキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのキャッシュ・フロー・ヘッジのいずれかとして指定しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジについて、キャッシュ・フローが発生すると見込まれる期間及び純損益に影響を与えることになると見込まれる期間は1年以内です。
前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれるヘッジ会計が適用されないデリバティブの評価損益は、それぞれ 1,798百万円(評価益)及び 1,921百万円(評価損)です。なお、上記の評価損益は主に為替から生じたものです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末においてキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したヘッジ手段はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金の残高はありません。
27 その他の収益
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他の収益は、以下のとおりです。
28 売上高
(1) 収益の分解
当社グループは、注記5 事業セグメント に記載のとおり、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他の5つを報告セグメントとしております。また、売上高は顧客の所在地を基礎とし、地域別に分解しております。これらの分解した売上高と各報告セグメントの売上高との関係は以下のとおりです。
(注)1 セグメント間の内部売上高を除いた金額を表示しております。
2 当連結会計年度より、その他セグメントに含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及び
デジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
3 その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益等が含まれています。
(注)1 セグメント間の内部売上高を除いた金額を表示しております。
2 その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益等が含まれています。
収益認識の時期は以下のとおりです。
(注)1 上記収益にはIFRS第15号以外のその他の源泉から認識した収益が含まれており、主にIFRS第16号に基づくリース収益等が含まれています。
2 当連結会計年度より、その他セグメントに含まれていたPFUの事業について、デジタルサービス及び
デジタルプロダクツへ事業区分変更を行いました。この変更に関して、前連結会計年度についても遡及適用した数値で表示しております。
当社グループの事業は、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他より構成されており、各事業において製品販売及び役務の提供を行っております。
売上高は顧客との契約において約束された対価から値引き、購入量に応じた割戻し等を控除した金額で測定しております。変動性がある値引き、割戻し等を含む変動対価については、過去、現在及び予想を含む合理的に利用可能なすべての情報を用いて当社グループが権利を得る対価の金額を見積り、重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ収益を認識しております。
デジタルサービスやその他において、当社グループが代理人として商品の販売に関与している場合には、純額で収益を認識しております。
なお、製品保証に関しては、顧客が当該保証を独立して購入するオプションを有しておらず、製品が合意された仕様に従っているという保証に加えて顧客にサービスを提供していないことから、引当金として会計処理しております。返品及び返金の義務並びにその他の類似の義務に重要なものはありません。
デジタルサービス(複合機、プリンター、パソコン、サーバー等の機器)、デジタルプロダクツ(複合機、プリンターのOEM、スキャナ等機器)、グラフィックコミュニケーションズ(プロダクションプリンター、インクジェットヘッド、作像システム、産業プリンター等)の製品は、通常機器が設置され、顧客の受け入れが得られた時点で、また、関連消耗品は、物品の引渡時点において顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転し、履行義務が充足されると判断していることから、それぞれ当該時点で収益を認識しております。
インダストリアルソリューションズ(サーマルペーパーや産業用光学部品等)及びその他の主要な製品の販売の収益は、通常物品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得し、履行義務が充足されると判断していることから、当該物品の引渡時点で収益を認識しております。
デジタルサービスのオフィスプリンティング事業及びグラフィックコミュニケーションズの商用印刷事業においては顧客の機器の使用量に応じた従量料金、固定料金、又は基本料金に加えて使用量に応じた従量料金を請求する製品のメンテナンス契約による収益を認識しております。当社グループは、メンテナンス契約の履行義務を、契約に基づき、機器を常時利用可能な状態を顧客に提供することと判断しており、これらの収益を、関連する履行義務を充足するにつれて一定期間にわたり認識しております。固定料金のメンテナンス契約については顧客との契約に係る取引額を契約期間にわたり均等に収益認識しております。機器の使用量に応じた従量料金及び基本料金に加えて使用量に応じた従量料金を請求するメンテナンス契約については、顧客への請求金額により収益を認識しております。
デジタルサービスのオフィスサービス事業におけるソフトウエアサービス等の販売については、主にライセンス提供型及びその保守サービスとクラウド型サービスの2種類に分かれます。ライセンス提供型については、顧客仕様に応じたソフトウエアが提供され、顧客の受け入れが確認できた時点で履行義務が充足されたと判断して収益を認識しております。他方、保守サービスについては、一定の期間にわたり製品のメンテナンスやサポート業務等を実施するものであり、一定期間にわたって履行義務が充足されるため、時の経過に応じて収益を認識しております。またクラウド型サービスについては顧客仕様に応じたアプリケーションを通じてサービスを一定期間にわたり提供しており、同様に時の経過に応じて収益を認識しております。
割賦販売契約に基づく債権は割賦払い期間にわたって月次で請求されるため、金融要素について調整しております。それ以外の契約では取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含まれておりません。
(2) 契約残高
顧客との契約から生じた債権及び顧客との契約から生じた負債は以下のとおりです。
連結財政状態計算書において、契約負債は、「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に含まれています。契約負債は主に、メンテナンス契約に関する顧客からの前受金に関連するものであります。
認識された収益について、期首時点で契約負債に含まれていた金額は、前連結会計年度と当連結会計年度において、それぞれ 37,805百万円及び 48,072百万円であります。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
個別の契約期間が1年を超える契約における、未充足の履行義務に配分した取引価格は前連結会計年度と当連結会計年度において、それぞれ 222,127百万円及び 231,720百万円であります。当該取引価格は、主に顧客に販売される機器のメンテナンス契約に係るものであり、固定料金契約、また、従量料金契約の基本料金部分が含まれております。なお、従量料金契約の従量料金部分は含まれておりません。当該取引価格が収益として認識されると見込まれる期間は、概ね1年から5年であります。なお、実務上の便法を適用しており、個別の契約期間が1年に満たない契約においては開示を省略しております。
(4) 顧客との契約の獲得のためのコストから認識した資産
当社グループは、顧客との契約獲得のための増分コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産として認識しており、連結財政状態計算書上は「その他の流動資産」及び「その他の非流動資産」に計上しています。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。
当社グループにおいて資産計上されている契約獲得のための増分コストは、主に顧客を獲得するために発生した販売員に対する手数料等です。当該資産については見積契約期間に基づき均等償却を行っております。
顧客との契約の獲得のためのコストから認識した資産から生じた償却費は、前連結会計年度と当連結会計年度において、それぞれ 4,594百万円及び 5,008百万円であります。
29 販売費及び一般管理費
前連結会計年度及び当連結会計年度における販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりです。
30 研究開発費
前連結会計年度及び当連結会計年度における研究開発費は、以下のとおりです。
31 金融収益及び金融費用
金融収益及び金融費用の内訳は以下のとおりです。
32 その他の包括利益
その他の包括利益の構成は以下のとおりです。
非支配持分を含むその他の包括利益に含まれる税効果調整額は以下のとおりです。
33 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益は以下のとおりです。
(1)基本的1株当たり当期利益
(2)希薄化後1株当たり当期利益
(注)役員向け株式交付信託及び執行役員向け株式交付信託が所有する当社株式を自己株式として処理していることから、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定においては、当該信託が所有する当社株式を期中平均普通株式数から控除して算出しております。
34 関連当事者
(1) 関連当事者との取引
(前連結会計年度)
関連当事者との取引(連結財務諸表において消去されたものを除く)については、以下のとおりです。
(注)関連当事者との取引は市場価格等を勘案して価格交渉の上で決定しております。
前連結会計年度において、担保、保証取引はありません。
(当連結会計年度)
関連当事者との取引(連結財務諸表において消去されたものを除く)については、重要な取引等がないため記載を省略しております。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
主要な経営幹部(取締役)に対する報酬は以下のとおりです。
35 資本的支出契約及び偶発事象
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、決算日以降の有形固定資産及びその他の資産の取得に係る既契約額は、それぞれ 13,222百万円及び 16,256百万円です。
また、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、金額的重要性のある債務保証はありません。
36 グループ企業
当社の重要な連結子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況 (連結子会社)」に記載のとおりです。
37 関連会社
(1) 重要な関連会社
当社グループにおける重要な関連会社は、リコーリース株式会社(以下、リコーリース)(報告日3月31日)であります。
リコーリースは、日本国内を中心に総合リース業を営んでおり、当社製品のリース及びレンタル等を行っております。
リコーリースの要約連結財務諸表と当社グループの持分の帳簿価額との調整表は以下のとおりです。
2020年4月のリコーリースの支配喪失時点において、重要な影響力に対するプレミアムを反映して、残余投資を公正価値評価しております。そのため、当社グループの持分の帳簿価額には、重要な影響力に対するプレミアムが反映されております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において当社グループが保有するリコーリースの株式数に同日の株式市場における相場価格を乗じて算定した金額は、それぞれ 39,547百万円及び 55,325百万円です。
(2) 個々に重要性のない関連会社
個々に重要性のない関連会社に対する当社グループの持分の帳簿価額は、以下のとおりです。
個々に重要性のない関連会社における包括利益合計に対する持分は、以下のとおりです。
38 後発事象
(自己株式の取得)
当社は、2024年2月6日開催の取締役会決議に基づき自己株式を取得しております。決算日後に取得した自己株式は、以下のとおりです。
自己株式の取得状況
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得した株式の総数 8,641,200 株
(3)取得価額の総額 11,726,450,547 円
(4)取得期間 2024年4月1日~2024年6月20日
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
(ご参考)
1.2024年2月6日開催の当社取締役会における決議内容
(1)取得対象株式の種類 当社普通株式
(2)取得し得る株式の総数 36,000,000 株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する比率 5.9%)
(3)株式の取得価額の総額 300 億円(上限)
(4)取得期間 2024年2月7日~2024年8月30日
(5)取得方法 東京証券取引所における市場買付
2.上記取締役会決議に基づき取得した自己株式の累計(2024年6月20日現在)
(1)取得した株式の総数 14,583,000 株
(2)株式の取得価額の総額 19,269,540,331 円
39 連結財務諸表の承認
2024年6月21日に、連結財務諸表は当社代表取締役社長執行役員 大山晃及び取締役コーポレート専務執行役員 川口俊によって承認されております。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社及び関連会社株式
移動平均法による原価法により評価しております。
(2) その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの…時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)により評価しております。
市場価格のない株式等…移動平均法による原価法により評価しております。
2 デリバティブの評価基準及び評価方法
時価法により評価しております。
3 棚卸資産の評価基準及び評価方法
総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切り下げの方法)により評価しております。
4 固定資産の減価償却方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
有形固定資産は定額法で行っております。なお、主な耐用年数は以下のとおりです。
建物……………5~50年
機械及び装置…4~12年
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
無形固定資産は定額法で行っております。
ただし、市場販売目的のソフトウエアについては、見込販売収益に基づく償却額と、残存見込販売有効期間に基づく均等償却額との、いずれか大きい金額を計上しております。なお、当初における見込販売有効期間は3年としております。また、自社利用ソフトウエアについては、社内における利用可能期間(3~10年)に基づく定額法によっております。
のれんについては、投資効果の及ぶ期間(16年)にわたり、定額法で償却しております。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
5 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売掛債権・貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 賞与引当金
従業員に対する賞与支給に備えるため、当事業年度に負担すべき支給見込額を計上しております。
(3) 役員賞与引当金
役員賞与の支出に備えるため、当事業年度における支給見込額を計上しております。
(4) 製品保証引当金
製品のアフターサービスに対する費用支出に備えるため、保証期間内のサービス費用見積額に基づき計上しております。
(5) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、事業年度末において発生していると認められる額を計上しております。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(11年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしております。
過去勤務費用は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(11年)による定額法により按分した額を費用処理することとしております。
未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の貸借対照表における取扱いが連結財政状態計算書と異なります。
(6) 株式給付引当金
役員等に対する将来の当社株式の給付に備えるため、株式交付規程に基づき、役員等に割り当てられるポイントの見込数に応じた給付額を基礎として計上しております。
6 収益の計上基準
当社は、顧客との契約に基づき、オフィス向け画像機器、ドキュメント・ITサービス・コミュニケーション関連サービスやソリューション、商用印刷機器、産業印刷機器、各種機器に関連する消耗品及びサービス、サーマルペーパー、サーマルメディア等を提供しております。
当社は、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点、又は移転するにつれて、移転により獲得が見込まれる対価を反映した金額により、収益を認識しております。各種機器等の販売による収益は、機器等の引き渡し時点において顧客が当該機器等に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該機器等が顧客に引き渡された時点で認識しております。また、主としてメンテナンス契約から生じるサービス収益は、関連する履行義務を充足するにつれて、一定期間にわたり認識しております。
なお、収益は顧客との契約において約束された対価から、値引き、購入量に応じた割戻及び返品などを控除した金額で測定しております。
7 グループ通算制度の適用
当社を通算親法人とするグループ通算制度を適用しております。
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより当事業年度に係る財務諸表にその額を計上した項目であって、翌事業年度に係る財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性があるものは、次のとおりであります。
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 (6)見積り及び判断の利用」をご参照ください。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務
2 運転資金の効率的な調達を行うため金融機関と借入枠並びに当座借越についての契約を締結しております。これらの契約に基づく当事業年度末の借入未実行残高等は次のとおりであります。
3 偶発債務
(1) 関係会社のコマーシャルペーパープログラムに対して、債務保証を行っております。なお、保証先は以下のとおりであります。
(2) 金融機関、当社及び関係会社との間で締結しているグローバル・コミットメント・ライン契約に基づき、関係会社が個別借入を実行した場合、その借入残高に対する債務保証が発生いたします。保証先と極度額は以下のとおりであります。なお、借入実行残高は、前事業年度及び当事業年度ともにありません。
(3) 関係会社の本社賃借契約に対して、債務保証を行っております。なお、保証先は以下のとおりであります。
(損益計算書関係)
※1 関係会社との主な取引高は、次のとおりであります。
※2 販売費及び一般管理費の主要な費目及びおおよその割合は、次のとおりであります。
※3 関係会社株式清算益
RICOH COMPONENTS ASIA (HONGKONG) CO., LTD.の清算結了に伴う清算益であります。
※4 固定資産売却益の内容は、次のとおりであります。
(有価証券関係)
1 子会社株式及び関連会社株式
子会社株式及び関連会社株式で時価のあるもの
(注) 市場価格のない株式等
これらについては、市場価格のない株式等のため、「子会社株式及び関連会社株式で時価のあるもの」には含めておりません。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
※ 繰延税金資産は、将来減算一時差異及び繰越欠損金等が将来の通算グループ単位の課税所得との相殺により、税金負担額を軽減する効果を有し回収可能性が認められる範囲内で計上しております。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率の差異の内訳
3 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 28 売上高」 に記載しております。
(重要な後発事象)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 38 後発事象 (自己株式の取得)」をご参照ください。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注) 有形固定資産の当期増加額の主な内容は、複合機等関連生産設備の増設であります。
なお、建設仮勘定の当期減少は当該理由による型・機械装置への振替であります。
(注) 「当期減少額」欄の( )は内数で、当期の減損損失計上額であります。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、単元未満株式を有する株主は、会社法第189条第2項各号に掲げる権利、会社法第166条第1項の規定による請求をする権利、株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利並びに単元未満株式の売渡しを請求する権利以外の権利を有しておりません。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書の提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類、確認書
事業年度 第123期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 2023年6月26日関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2023年6月26日関東財務局長に提出
(3) 四半期報告書及び確認書
第124期第1四半期(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) 2023年8月10日関東財務局長に提出
第124期第2四半期(自 2023年7月1日 至 2023年9月30日) 2023年11月10日関東財務局長に提出
第124期第3四半期(自 2023年10月1日 至 2023年12月31日) 2024年2月9日関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における決議)に基づく臨時報告書
2023年6月26日関東財務局長に提出
(5) 訂正発行登録書(社債)
2023年5月19日関東財務局長に提出
2023年5月23日関東財務局長に提出
2023年6月26日関東財務局長に提出
2024年2月6日関東財務局長に提出
(6) 自己株券買付状況報告書
2024年3月7日、2024年4月5日、2024年5月9日、2024年6月7日関東財務局長に提出
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。