第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1.国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2.希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.金額の表示は、表示単位未満の端数を四捨五入して記載しております。
また、第一部第1、第2、第3及び第5の連結財務諸表及びその他の事項の金額表示についても、表示単位未満の端数を四捨五入して記載しております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、第132期、第135期及び第136期は潜在株式が存在しないため、第133期及び第134期は1株当たり当期純損失金額であり、また、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.株価収益率及び配当性向については、第133期及び第134期は1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。
3.金額の表示は、表示単位未満の端数を四捨五入して記載しております。
また、第一部第4、第5の財務諸表及びその他の事項の金額表示についても表示単位未満の端数を四捨五入して記載しております。
4.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、親会社、子会社75社及び関連会社8社により構成されており、自動車用品及び一般産業用品の製造販売を主な事業とし、その製品は多岐にわたっております。
当社グループの事業に係わる位置付け等は以下のとおりであります。
なお、「事業区分」は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
事業系統図
主要な関係会社等を事業系統図に示すと次のとおりであります。

4 【関係会社の状況】
(注) 1.連結子会社の「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.「議決権の所有又は被所有の割合」欄の(内書)は間接所有割合であります。
3.当社と国内連結子会社は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を通じて当社グループ企業相互間で余剰・不足資金を融通し、資金の効率化を図っております。
4.特定子会社であります。
5.有価証券報告書提出会社であります。
6.SumiRiko Tennessee, Inc.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (単位:百万円)
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社における状況
(2024年3月31日現在)
(注) 従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
(2024年3月31日現在)
(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
労働組合は、全日本ゴム産業労働組合総連合等に所属しており、労使関係は安定しております。
(4) 多様性に関する指標
当連結会計年度の多様性に関する指標について、女性活躍推進及び育児・介護休業法の規定に基づき以下のとおり算出しています。
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
女性管理職比率の向上に向けて、採用の強化、研修の実施、制度整備等の施策を行っております。
2023年度に女性総合職を対象に実施したアンケート調査(回答率:75% 回答者数:98名)では、56%が管理職を望まないキャリア志向を持っていました。その大きな要因は、社内でのロールモデル不足と認識しています。女性がキャリアアップを目指せる環境づくりを進めるべく、基幹職の働き方改革の実行、女性管理職と幹部候補女性との交流、女性管理職候補者向け研修等の取組を推進します。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業及び育児目的休暇(「出生時休暇※1・育児奨励休暇※2」:当社独自の特別休暇)を算出したものです。
出生時育児休業(産後パパ育休)を含んで集計しております。
※1 配偶者出産時に稼働日連続2日間の特別休暇を付与
※2 1歳未満の子を養育する社員に1回に限り稼働日連続5日間の特別休暇を付与
3.「労働者の男女の賃金の差異」について、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。
なお、賃金制度において性別による差はなく、次の3点が主な差異の要因であると分析しております。
a.勤続年数(男性:平均17年、女性:平均10年)
b.職掌(女性社員の約半数が事務職)
c.勤務状況(短時間勤務、深夜勤務、時間外手当の平均的な受給状況で男女間の差異がある)
4.東海化成工業㈱については、(注)2と異なり、集計に育児目的休暇は含まれておりません。
5.表中の「-」は、当該会社が、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定により、当事業年度における当該指標の公表を選択していないこと、又は当該会社が「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定により、当事業年度における当該指標の公表を要しないことを示しております。
<改善に向けた取組事例>
a.仕事(ワーク)と家庭(ライフ)の両立支援施策及び女性活躍推進
2007年以降、女性の新卒採用や、契約社員・派遣社員からの社員登用を積極的に進めてきたことから、管理職候補であるグループリーダーや現場監督者として活躍する女性人数は徐々に増加しています。(図1参照)
合わせて、「在宅勤務の導入」「フレックスタイムのコアタイム廃止」「育児時短勤務制度の対象を小学校3年生までから小学校卒業前までに延長」等、従業員が仕事(ワーク)と家庭(ライフ)を両立しながらキャリアを継続できるよう様々な施策を実施してきました。
2023年度には、職場や会社全体で、これらの取組の意義を浸透し風土醸成すべく、階層別研修において、ダイバーシティ&インクルージョンについて研修を行い、中でも「女性活躍」の必要性について教育を実施しました。(167名が受講)
加えて、女性管理職比率引き上げは経営課題として経営層が中長期的な視点で議論し、2024年度より以下について重点を置いて活動していくことを確認しました。
① 各部門において女性管理職候補の個別育成計画を作成し、人事部門にて進捗をフォローする
② 女性管理職候補者向けキャリアアップ研修を開始する
③ 管理職の長時間労働削減に向けた働き方改革を推進する
上記の活動を確実に実行することで、女性管理職比率を2025年度には2.5%まで引き上げます。
(図1.管理職、グループリーダー、現場監督者に占める女性人数と割合の推移)

b. 男性育児休業取得率向上
男性が当たり前に育児休業を取得できるよう、2022年の法改正時に社長自ら積極的な取得を呼びかける全社メッセージを発信しました。また取得手続きをシステム化することでスムーズに従業員の意向をキャッチし、人事と相談できる体制を構築するなど社内の職場環境整備を行ってきました。
2023年度には、男性育休取得促進に向けた社内風土醸成のため、現場監督者以上の管理職を対象にした「男性育児休業取得促進」の講演会を開催し、250名が参加しました。現場の管理監督を担う参加者により自分事として受け止めてもらえるよう、外部講師による講演会の後には、社内の男性育休取得者とその上司及び社長が登壇し、パネルディスカッションを実施しました。登壇者の対話を通じて、男性育休のリアルな事例や必要性を発信することができたと考えます。講演会後のアンケートでは、84%の管理職が「積極的に取得させる」と回答し、一昨年の調査結果30%を大幅に上回る結果となりました。これらの活動により2023年度の男性育児休業取得率は50.0%(前期比28.7%増)となりました。
2024年度は、育児休業取得者と取得希望者を交えたワークショップを開催し、誰もが取得できる環境整備をさらに進め、2025年度までに男性育休取得率70%の実現を目指します。
(注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)第2条第1号に規定する育児休業(出生時育児休業(産後パパ育休を含む))
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業及び育児目的休暇(「出生時休暇・育児奨励休暇」:当社独自の特別休暇)取得率を算出したものです。出生時育児休業(産後パパ育休)を含んで集計しております。
「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 人的資本」も併せてご参照ください。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは2029年に創立100周年を迎えます。次の100年も社会から選ばれ続ける企業であるために、「2029年 住友理工グループVision」(2029V)及び、3ヶ年の事業計画として「2025年 住友理工グループ中期経営計画」(2025P)を策定し、2023年5月30日に公表しました。
2029Vで定めている通り、当社グループは住友事業精神を根幹として、「素材の力を引き出し、社会の快適をモノづくりで支える」というパーパスのもと、コアコンピタンスである「高分子材料技術」「総合評価技術」を磨き続け、グループ内だけではなく、外部との共創による既存事業領域の深化と融合分野の事業探索によって、2029年のありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」への変革を目指します。
2029年 住友理工グループVision
(注)1. 投下資本事業利益率(ROIC)=事業利益/(純資産+有利子負債)
2. 親会社所有者帰属持分利益率(ROE)=親会社の所有者に帰属する当期利益/自己資本
2025Pについては、2029Vからのバックキャストによって、「未来を開拓する人・仲間づくり」「柔軟かつ強固な組織づくり」「持続可能な社会に向けた価値づくり」という、ありたい姿実現に向けた3つの方向性への取り組みを強化していきます。
また、「さらなる収益力向上と持続的成長に向けた経営基盤強化」のテーマのもと、事業を推進している中、コロナ禍からの自動車生産台数の回復に伴う生産性改善に加え、構造改革や原価低減活動等が当初想定を上回るペースで進んだことを踏まえ、「事業利益」「ROIC」「ROE」の数値目標を上方修正することとしました。配当については、当初計画通り継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針とし、25年度末での配当性向30%以上を目指してまいります。
なお、2025Pにおける、上記以外の企業価値(財務目標)・公益価値(非財務目標)、及び「2029年 住友理工グループVision」(2029V)の目標については、2023年5月の発表内容から変更はありません。
2025年 住友理工グループ中期経営計画(2025P) ※2024年5月公表
(注)3. DXコア人材:自部門でIoT・AI活用の企画から実用導入に主導的に取り組む人材
4. DXデータ分析人材:自部門でIoT・AI 等専門的ITツールを業務に使用する人材
(2) 経営環境及び対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループを取り巻く環境は、サステナブルな社会実現に向けた世界的な潮流や「CASE」といった自動車業界の大変革に加え、足元では緊迫したウクライナ情勢の長期化や中東地域における地政学的リスク、原燃料価格の変動や人件費等の高騰といった影響によって先行きの不透明さはあるものの、経済活動の回復は緩やかに継続することが期待されます。
このような中、当社グループでは3ヶ年の事業計画である2025Pに基づき事業活動を推進しています。
当社グループの強みであるコアコンピタンス「高分子材料技術」「総合評価技術」を駆使した製品開発と、グローバルでの生産体制を生かした受注の拡大、原価低減活動及び間接費抑制を継続して推進することで、収益性を高め、経営基盤を強化していきます。また財務目標の達成と、ESG経営や資本コスト・株価を意識した経営の推進により、幅広いステークホルダーの皆様と共に持続的な成長と豊かな社会実現を目指していきます。
新製品の開発については、親会社である住友電気工業㈱との連携を強化し、これまで以上にシナジーを創出できるように進めていきます。
〔自動車用品部門〕
自動車業界においては、技術革新の波が進行し、企業はこれらへの迅速な対応にとどまらず、カーボンニュートラルに象徴されるような社会課題解決への積極的な関与が求められています。
当社グループにおいては、創業以来培ってきたコアコンピタンスをもとに、これからの自動車(モビリティ)に新たな価値を提供する製品の創出と開発を進めています。
現在、新商品開発センターが主体となって、CASEにおける「A:Autonomous(自動運転)」「E:Electric(電動化)」2領域の新製品開発に注力しています。
当社のコア技術より生まれた薄膜高断熱材「ファインシュライト®」は、電気自動車(EV)のネックとされる電費・航続距離問題・電池の安全性向上などといった、様々な課題解決に寄与すると考えています。
防振ゴム事業については、EV時代にあわせ、エンジンマウントから振動制御をより高度化させたモーターマウントやeAxleマウントといった製品へ進化させ、日系自動車メーカーのみならず、海外自動車メーカーへの拡販を進めています。自動車用ホース事業については、EV用の電池やモーターをはじめとする部品の熱マネジメントのニーズの高まりに合わせ、他の製品で培った流体搬送技術を生かした冷却系ホースやバッテリー冷却板等の開発にも注力しています。また、各国の環境規制に対応した燃料ホースやバイオ燃料用の燃料ホース等の拡販を継続しています。
水素社会の実現に向けては、燃料電池自動車(FCV)向けの基幹部品を供給しており、トヨタ自動車株式会社のMIRAIにも当社製品が継続採用されています。
さらに、一般産業用品部門の事業である「リフレシャイン」は、高透明遮熱・断熱窓用フィルムで、主に建物用としての展開を行ってきましたが、当社グループが2029Vで目指す、技術・事業領域の深化・融合を進めるなかで、車載用フィルムとしての用途を拡大させました。2023年度ではマレーシアを中心に採用が進みましたが、継続して東南アジア各国・インド等への拡販活動の強化や、用途の拡大に向けた共創やシナジーを拡大していく計画です。
当社グループにおける欧州の業績低迷については、先行で構造改革を実施した米州と同様に、早急に対処すべき経営課題として認識しています。EVをはじめとする市場の動向の見極めと、事業再建に向けた構造改革の着手に加え、売価改善活動や工程改善等によるロス低減にも継続して取り組むことで、収益性の改善を進めていきます。
今後も課題拠点の構造改革の完遂と、売上拡大・原価低減の三本柱によって、さらなる収益力向上と筋肉質な企業体質への転換を進めていきます。また最適なグローバル生産体制のもと、生まれの良いモノづくり基盤を確立し、他社との協業も通じて全方位での持続的な成長を目指していきます。
〔一般産業用品部門・新規事業部門〕
当社グループは、主力事業の「自動車(モビリティ)」分野に加えて、「インフラ・住環境」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」といった、社会環境基盤の構築に不可欠な分野へも事業展開しています。
一般産業用品部門のうち、住環境分野においては、ビル用制震システム・TRCダンパーが新規開業した中日ビル(愛知県名古屋市)に採用されました。制震システムのさらなる採用の広がりによって、地震が多い我が国を中心に防災・減災への貢献が期待されます。インフラ分野における高圧ホースについては、原価低減とともに補修品市場への積極的な参入や未進出エリアを中心にグローバル拡販を進め、収益性向上を目指します。エレクトロニクス分野では、事務機器市場の成熟や働き方の変化による需要変動に対して、柔軟に対応できる体制への転換を目的とした構造改革を進めています。ヘルスケア分野では、SRセンサを応用した「モニライフシリーズ」が令和5年度中部地方発明表彰において「文部科学大臣賞」と、令和5年度愛知発明表彰「発明奨励賞」を受賞しました。本製品を用いて、宿泊業界では宿泊者への睡眠解析サービスや質の高い睡眠環境の提供への活用が検討され、当社グループの技術・製品開発を通じて、人々の暮らしと健康への貢献を目指していきます。
新規事業部門では、社会の要請に応えられるよう投資すべき重点事業分野を見極め、事業基盤の強化を図っていきます。特に、2029Vに沿って、当社グループの技術領域の融合を進め、他社との共創や新領域への挑戦をより一層強化し、新たな収益の柱となる事業を見いだしていきます。すでに、培養肉や再生医療といった分野への挑戦を、積極的に進めています。
「ファインシュライト」は、その高いレベルでの保温・保冷機能から、食品や医薬品等の定温輸送に活用されてきたほか、アウトドア用品にも採用されました。また、工場設備に取り付けることで、熱効率が向上し省エネにつながったという実証結果も得られており、カーボンニュートラルを目指す社会ニーズにマッチし、採用が進んでいます。引き続きファインシュライトの応用性を模索し、新事業展開や更なる用途拡大に向けた協業先探索を行っていきます。
これら以外にも、サーキュラーエコノミーへの取り組みとして、ランザテック社及び住友ゴム工業㈱・住友電気工業㈱との協業が進んでいます。製品を供給するだけではなく、廃棄物の回収・再利用といった循環型社会の実現を目指して、長期的な目線をもった取り組みを進めています。
私たちはこれまで、モノづくり企業として90年以上にわたって培ってきたコアコンピタンスを軸に、住友事業精神が謳う「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」を忠実に守りながら、「安全・環境・コンプライアンス・品質(S.E.C.Q.)」の取り組みを積み重ねてきました。これからも世界中で必要とされる“Global Excellent Manufacturing Company”への成長を目指して、創立100周年に向け、着実な歩みを続けていきます。
株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申しあげます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。
(1)気候変動への取り組みとTCFDへの対応
当社グループは、住友理工グループ経営理念の一つとして「地球環境に配慮し、よりよい社会環境作りに貢献します。」を掲げ、気候変動を重要な経営課題として位置づけています。また、2023年5月に公表した、創業100周年となる2029年に向けた長期ビジョン(2029V)では、「気候変動・自然資本に配慮した事業活動」をマテリアリティの一つとして掲げ、気候変動への対応を事業戦略に織り込んでいます。加えて、脱炭素対応をはじめとする環境課題解決にフォーカスした行動指針として、環境長期ビジョン2050及びそのバックキャストである環境2029Vision(環境2029V)を策定し、その達成に向けて全社一丸で取り組んでいます。
また、ステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを促進する観点から、TCFD提言に沿った分析を行っており、下記の通り開示いたします。今後も、ISSB基準や企業サステナビリティ報告指令(CSRD)等の国際的なサステナビリティ開示基準の動向等も踏まえ、分析をより深化してまいります。
①ガバナンス
気候変動を含むサステナビリティ関連の事項については、社長が委員長、役付執行役員らが委員を務めるCSR・サステナビリティ委員会にて活動方針の承認や、活動推進状況のチェック及びフォローを行います。
CSR・サステナビリティ委員会で検討した内容等は、年2回以上取締役会で報告し指示を受けるなど、適切な監督体制を整えています。
(CSR・サステナビリティ委員会の概要)
また環境テーマに関する活動推進のため、環境分野所管の役付執行役員が協議会長を務める全社環境活動協議会をCSR・サステナビリティ委員会の下部組織として設置しています。加えて、当社の各製作所、グループ子会社の環境関連業務の代表者で地域環境部会を組織し、法令・条例改正情報・環境事故情報等を相互に共有することで、グループ一体での環境マネジメントの強化に取り組んでいます。
(全社環境活動協議会)
(地域環境部会)
②戦略
a. シナリオ分析
当社グループでは、気候変動が事業にもたらすさまざまなリスクと機会について具体的に把握するために、シナリオ分析を実施しました。シナリオ分析は、2030年の時間軸を中心に、移行面で影響が顕在化する「カーボンニュートラルな世界」に向かうシナリオ(1.5℃シナリオ)と、物理面で影響が顕在化する「悲劇の世界」に向かうシナリオ(4℃シナリオ)の2つにより、実施しています。
(参考)参照した主なシナリオ
b. リスク・機会の特定、分析
上記シナリオを前提に、下表の通り当社グループが想定するリスク・機会の整理を行いました。
特定したリスク・機会については、当社財務数値への影響度も評価の上、各項目について対応の方向性を設定いたしました。
(移行リスク・機会)
(物理的リスク)
※顕在期間 …短期:2025年度(中期経営計画の最終年度)、中期:2029年度(2029Vの最終年度)、
長期:2050年
※影響度 …小:売上50億円/費用5億円未満、中:売上50億円~300億円未満/費用5億円~50億円未満、
大:売上300億円/費用50億円以上
(2029年度時点の想定。移行リスクは1.5℃シナリオ、物理リスクは4℃シナリオを想定。)
c. 戦略のレジリエンス
2030年の世界では、世界平均気温の上昇1.5℃以下を目指して脱炭素に移行させる「カーボンニュートラルな世界」への動きがさらに進むと考えました。その際に顕現化するリスクは主として移行リスクであると考えており、GHG規制強化への対応コスト増加や天然ゴムをはじめとする原材料の調達コスト増加、EVシフトに伴う内燃機関向け製品の売上減少といった影響が生じる可能性があります。中でも、自動車市場を主戦場とする当社グループにとって、EVシフトは事業への影響が特に大きい項目であると認識しています。
しかしながら、EVシフトにおいて当社の主力製品の防振ゴムは、現状の「エンジンマウント」用製品から、従来以上の静粛性を有する「モーターマウント」用製品等への置き換えが進むとともに、ウレタン製品はEV 駆動ユニットから発生する特有の音等を抑える「制遮音製品」等製品の更なる付加価値化が可能になります。
また、EV においては不必要となる「燃料用ホース製品」に代わり、EVのサーマルマネジメントに必要不可欠である「ホース製品(冷却系ホース)」や、EVの心臓部であるリチウムイオン電池の安全性を確保する「電池セル間断熱材」等、電費の向上に資する製品の需要増加が見込まれます。
このような市場ニーズの変化を捉え、素材の配合・合成・改質により高機能な製品を生み出す「高分子材料技術」や、製品の信頼性を精緻に評価・検証する「総合評価技術」をはじめとする当社技術を活かした新製品開発を行うことで、EVシフトへ柔軟に対応することが可能と考えています。
また、非自動車の事業分野では、建設機械や鉄道車輛のクリーン動力源への移行や、防災・減災のための社会インフラの強靭化、熱対策が必要な電子機器、住宅・構造物等幅広い用途での断熱対策等、脱炭素社会への移行に伴って生じる市場ニーズの変化を捉え、自動車向け先端技術のノウハウと産業用の独自技術を活かし、対応商品の開発を進めてまいります。
なお、「悲劇の世界」に向かう場合(4℃シナリオ)は、主として物理的リスクが顕現化し、異常気象の激甚化等により、操業停止等の影響が生じる可能性があります。当社グループは、このようなリスクも認識の上、リスク評価を継続するとともに、各拠点における災害発生後の「初動対応」と「復旧対応」の毎年の見直し等、BCPの運用管理のしくみを継続的に更新することで、着実に対応の高度化を進めています。
今後も、社会や市場環境の変化を注視しながら分析をアップデートしつつ、各種対応策の推進をより効果的なものとしていくことで、気候変動の影響に対する更なるレジリエンスの強化を図ってまいります。
③リスク管理
当社グループは、グループ全体のリスクを横断的に管理する体制として、社長を委員長とするリスク管理委員会を設置するとともに、同委員会の事務局機能を務めるリスク管理専任組織であるリスク管理センターを設置しています。
同委員会は事務局のリスク管理センターを通じて「リスク管理規定」及び「グループ危機ガイドライン」に基づき、国内外のグループ会社において毎年リスク調査を実施しています。「重要なリスク」として認識・特定されたリスクを同委員会で共有し、グループ全体でのリスクの把握に努め、その分析・評価に基づき、対応すべき選別・対応方法を選択し、事業運営への影響の極小化に取り組んでいます。
④指標と目標
当社グループでは、燃料の燃焼等によるCO2の直接排出「Scope1」、購入した電力等の使用に伴う間接排出「Scope2」といった当社グループ自身の事業活動による排出量だけでなく、原材料の製造・調達や販売した製品の使用・廃棄による排出等サプライチェーン全体で発生する間接排出 「Scope3」をGHG プロトコルに従って把握し、CO2排出削減活動に取り組むことが重要と認識し、目標を明確にして活動しています。
a. 2022年度目標と実績
当社グループでは、2022年度を最終年度とする中期経営Vision(2022V)にてCO2の排出量の削減目標を設定していました。
太陽光発電設備の導入等、各種の削減活動により、2022年度原単位削減目標(Scope1+2 2017年度比)-8%に対して、実績は-32.4%、総量削減の社内目標(Scope1+2 2017年度比)-5%に対して-21.1%と大幅に目標を達成いたしました。
※社内目標値
b. 2025年度目標、2029年度目標
2050年カーボンニュートラルを見据えた中間目標として、2029年度を最終年度とする長期ビジョン(2029年住友理工グループVision)及び2025年度を最終年度とする中期経営計画(2025年住友理工グループ中期経営計画)においてもCO2排出削減目標を設定し、取り組みを実施しております。
目標のうち、自社排出の削減(Scope1+2)に対しては、(1)省・少エネ活動、生産性向上、(2)新技術開発(革新製法、新商品)、(3)事業構造改革、(4)再エネ・創エネ活用を四本柱とし、CO2排出削減推進人材の育成とともに取り組んでおります。
上記取組の推進により、削減率実績は既に2025年度の目標並みの進捗である一方、今後の売上成長による生産量増加に伴い、成行では排出量の増加が見込まれますが、取組の更なる進展により、目標達成を目指します。
また、当社グループではサプライチェーン全体でのCO2排出量のうちScope3が90.3%を占めることから、環境配慮型製品の提供や技術進化・新製品開発等を通じた排出量削減の取り組みを行っていきます。

(2)人的資本
①考え方
当社グループは創立100周年を迎える2029年に向けて「2029年 住友理工グループVision」(以下2029V)を策定しました。(詳細は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題」を参照ください。)
長年に亘り「人材育成に優る事業戦略なし」の考えのもと、人材を単なる経営資源ではなく価値創造の主体と位置付け、社会環境や経済状況といった幾多の時代変化に対応してまいりました。環境変化が常態化し、将来予測が困難な現代においても、素材と製品の両方を扱うことができる当社グループの特徴を発揮しながら、社会課題の解決に貢献し、そして持続的な成長を達成するという想いが2029Vには込められています。
経営戦略である2029Vの実現に向けて、これからの100年も当社グループの総合力を支える重要な経営基盤の一つである人的資本を持続的・総合的に向上していくために、4つのテーマの掛け合わせからなる「人的資本向上の方程式」を人材戦略の中心に位置づけ活動を推進しております。(図1参照)
(図1:人的資本の考え方)

②方針
③取組
a. 住友事業精神
当社グループの従業員にとって住友事業精神は、全ての事業活動における拠り所であり判断基準です。
事業環境が目まぐるしく変化する中においても、「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」という理念のもと、社会から信頼され、持続的な成長を実現する企業として発展を目指します。
従業員は、何事にも心を込めて一生懸命向き合うことの大切さを胸に刻み、日々の活動に邁進してまいります。
(図2:住友事業精神に関する教育受講者累計人数)

b. ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)
当社グループでは、経営理念に「従業員の多様性、人格、個性を尊重し、活力溢れる企業風土を醸成します」と掲げ、多様な人材がいきいきと働ける環境づくりに向けてD&Iを深化させる取組を推進しています。
○ 女性活躍推進
採用の強化、研修、制度整備等の施策を行い、女性が安心して継続就業し、キャリアアップを目指せるよう取組を推進しております。
※1 育児・介護理由に限定した許可要件を撤廃し、政府の提唱する「新しい生活様式」で示される「働き方の新しいスタイル」に対応しました。
「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4)多様性に関する指標」も併せてご参照ください。

(事業所内託児所「コアラぽっけ」外観)
○ 障がい者雇用の推進
当社グループでは、各部門で障がい者の雇用及び就労を支援しており、受入れ職場との対話を通じて、それぞれの適性に合った職務を割り当てています。2013年11月に障がい者雇用促進と社会貢献を目的として、特例子会社「住理工ジョイフル」を設立し、障がい者の積極的な雇用確保と個性を活かした就労支援に努めています。
今年度は2029Vの策定を受け、国内グループ全体での雇用率向上を目指して目標を立てました。2025年度には2.70%、2029年度には3.00%の雇用を目指し取組を進めてまいります。
(図3:障がい者雇用率の推移と今後の目標)
厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告及び障害者雇用状況報告」の算出条件に基づく数値

○ グローバル人材の活躍促進
当社グループの全従業員の約8割は海外地域で働いており、もとより外国人と日本人をとりわけ区別して取り扱うことはありません。多種多様なバックグラウンドを持つ従業員がそれぞれの強みを発揮することで、共創による新たな価値創造を目指しています。
2023年7月にはGMM(Global Management Meeting)を開催し、14ヶ国から84名が来日し対話や交流を行いました。
また「リーダーシップ開発」「住友事業精神の理解促進」「ネットワーク形成」を目的に、親会社である住友電気工業㈱が主催するグローバル・リーダーシップ開発プログラムに参加しております。世界各地から集まった海外事業会社の幹部がワークショップやディスカッションを行い、また、400年を超える歴史を体感するため住友ゆかりの地を視察します。このプログラムを通じてグループ全体で人材育成と人材交流を進めています。

<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>
・ダイバーシティ&インクルージョン
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/inclusion/
・働きやすい環境に向けた制度や仕組み
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html
c. 人材育成
当社グループでは「人材育成に優る事業戦略なし」との考え方のもと、当社グループの従業員として相応しい人格と知識を持ち、グローバルに活躍できる人材の育成を目指しています。その実現に向け、従業員の各キャリアステージで求められる知識やスキルを習得できる教育コンテンツを拡充し、様々な学習機会を提供しています。
○ 全社教育体系の整備
「次世代幹部候補者の選抜型教育」「グローバル人材育成」「各部門の専門教育」「全社共通教育」の4領域からなる全社教育体系を整備し、幅広く社員に教育研修を実施しています。(図4参照)
2023年度は、次世代経営幹部候補者の育成に注力しました。これまでに100人以上の卒業生を輩出している「経営塾」を全面刷新し、学習範囲はリベラルアーツを含む経営リテラシー全般に広げました。変化の激しい時代においても、当社の将来像を描き、牽引していく人材づくりを目指しています。
また、近い未来の役員候補者を育成するプログラム「Executive Management Program(略称:EMP)」に加え、2023年度は経営の次代を担う社員を対象とした「若手人材育成プログラム」を新たにスタートしました。抜擢された15名のメンバーが、経営戦略やマーケティング等の研修を受講しました。
今後もこれらの選抜型教育プログラムによる経営幹部候補者育成をはじめとする、全社教育体系をベースとした人材教育の継続的な実践を通じて「未来を開拓する人づくり」を推進してまいります。
(図4:全社教育体系図)

<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>
・人材育成
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/upbringing.html
○ DX人材の育成
デジタル化による変革を牽引するDX人材の確保及び育成は当社グループにとって重要な課題の一つと位置付けており、2023年度はDX人材の定義と教育体系の構築に注力しています。
DX人材を「DXコア人材」と「DXデータ人材」に層別し、それぞれに求められるスキルを設定しました。
次に座学と実践を組み合わせた当社独自の教育体系を構築し、2024年度から選抜メンバーを対象にDX人材の育成を本格始動し、2025年度までに当社グループ全体で「DXコア人材200名」「DXデータ分析人材700名」の育成を目標に活動を推進してまいります。
また、全社のDX推進を目的に、選抜社員と有志社員で構成される「DX推進プロジェクト」が主催する勉強会を定期的に開催しています。2022年5月に始まった勉強会はこれまでに87回開催され、延べ約8,000人が参加しました。勉強会では、DX推進に求められる思考法や知識を学ぶほか、デジタル活用の成功事例の共有や、これからの会社の在り方についての討論を行っています。
加えて、ITリテラシーの底上げをすべく、約80個の動画コンテンツを全社公開しております。(例:Office操作、DX基礎理解、機械学習概論、AI学習、データサイエンス講座等)
さらに、モノづくりとITの融合についても、情報システム部門による支援サービスとして16個のコンテンツを用意しており、画像処理を利用した外観検査システムの導入支援等、生産現場においてもIT基礎教育とDX推進が実際の改善に繋がるように取組を推進しております。
d. エンゲージメント
エンゲージメントが高い組織やチームでは、従業員やメンバーが意欲的に仕事に取り組むことができ、生産性や創造性が促進されると当社グループでは考えています。そのため、誰もが自分の能力を十分に発揮できるよう、各々の心身の安定を図り、互いにコミュニケーションをとりながら事業を進められる環境づくりを推進しています。
○ ビジョン浸透の取組
GMM(Global Management Meeting)の中で、2029V策定において中心的な役割を担った中堅メンバーが、国内外のグループ会社の幹部層に対してビジョン策定に込めた想い等を直接説明しました。その後も、社長やビジョン策定メンバーが、国内外の事業所やグループ会社を個別に訪問し、各地で2029Vに関する説明と対話を積み重ね、ビジョン浸透の取組を推進しております。
○ 健康経営
当社グループは、2017年に制定した住友理工グループ健康経営宣言に基づき、経営トップを健康経営責任者として全社一体で健康経営を推進しています。
健康経営で解決したい経営課題は主に二つで、一つ目は「従業員の心身両面における健康状態の向上」です。当社グループ従業員のプレゼンティーズム※1やアブセンティーズム※2の数値を最小限に抑えるため、国内グループ各社の産業保健窓口と健康経営方針・健康KPIを共有し、メンタル不調対応に関するグループ共通のガイドラインづくり、動画ツールを活用した健康教育の展開等、グループ一体となった取り組みを強化しています。
二つ目は「従業員の生産性、エンゲージメントの向上」です。毎年4月に実施するストレスチェックで測定する「活き生き度※3」の改善に向けて役員と共に改善策を検討し、定期的に経営レベルで活動をモニタリングする等会社全体でPDCAのサイクルをまわすべく、健康投資の戦略マップや健康KPIを策定しました。
現在、健康経営優良法人に8年連続で認定を受けていますが、2025年度までにホワイト500に選出されることを目標に活動を推進しています。
※1 プレゼンティーズム:何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し業務遂行能力や労働生産性が低下している状態
※2 アブセンティーズム:病欠、病気休業している状態
※3 活き生き度:ストレスチェックで測定している職場の活性度を示す当社独自の指標
<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>
・健康経営
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/health/
○ 働き方改革
従業員が「活き生き※1」と働くことが組織の活性化につながり、ひいては業績の向上に繋がるという考え方のもと、当社では2017年度より「活き生き5(ファイブ)活動」を実施しています。
「活き生き5活動」では、従業員一人ひとりの状況に合わせ、柔軟な働き方が可能な環境の整備に努め、「働きやすさ」の制度を拡充してきました。2023年度からは次のステージに進むべく、従業員の「働きがい」に関する情報収集や高負荷者の負荷軽減にターゲットを絞り、「活き生き5 Ver1.5」を展開しています。(図5参照)
※1 「活き生き」とは、活力あふれる「活き活き」と健康的な「生き生き」を重ねた当社独自の造語
(図5:活き生き5活動のロードマップ)

「活き生き5活動」の結果について、総労働時間は一定の効果が出ています。2023年度は経済活動がコロナ禍から正常化し、一部生産現場において高稼働な状況が続いたことから、平均総労働時間は微増の見込みですが、活動を始めた2017年度と比較し、6%の総労働時間低減を達成することができました。また有給休暇の平均取得日数についても年々取得日数が増加しております。(図6参照)
(図6:総労働時間の推移及び年次有給休暇の平均取得日数)

<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>
働きやすい環境に向けた制度や仕組み
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html
○ 柔軟で強い製造現場づくり
モノづくりの会社である当社グループにとって製造現場の人材力・組織力は生命線です。様々な事業領域を抱える当社では、現場の課題も多種多様であるため、人事勤労部門を中心に、個々の現場課題に寄り添った活動を推進しています。
これらの取組の結果、インライン率※2が57%改善、活き生き度が24%改善する等の効果が出始めております。
※1 はじめる行動:コミュニケーション改善に向けた具体的な行動を監督者がメンバーに宣言し、実行に移すことで活気のあふれる組織を目指す活動
※2 インライン率:監督者が製造ラインに入る割合を示す当社独自の指標
③目標及び進捗状況
(注)特に記載がない限り、当社グループの数値を示しております。
3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のものがあります。本項における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(政治経済情勢・需要変動等に係るリスク)
部品メーカーである当社グループの経営成績は、顧客である完成品メーカーの生産動向の影響を受けますが、特に売上高の9割以上を占める顧客である自動車メーカーの国内外での生産動向の影響を大きく受けます。中長期的には自動車メーカーを取り巻く環境の変化が当社製品の需要に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、顧客ニーズの多様化、製品ライフサイクルの短期化、グローバル化の進展による競争構造の変化等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、海外売上高が連結売上高の約7割を占めており、海外の政治経済や社会情勢が経営成績等に影響を与える可能性があります。
(法律・規制の変更等によるリスク)
当社グループの事業は、国内外の法律・規制の変更等があった場合、その影響を完全に回避することができないため、経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。これらの要因としては、輸出入規制や関税率の引き上げ、各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の変更、外貨規制等があります。
(訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに係るリスク)
当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、訴訟規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループが損害賠償請求を受け、罰金その他の制裁金を賦課され、又は事業の遂行に制約が課される可能性があります。当社グループは、これらの法的リスクを未然に防止し、また顕在化したリスクに適切に対応する体制の整備を進めていますが、かかる対応にもかかわらず、法的リスクが顕在化した場合には経営成績等への影響が及ぶ可能性があります。
また、当社は海外での事業展開や新事業への進出を積極的に進めており、一方、消費者等の権利意識の高まりや国内外における競争政策、贈賄防止、移転価格、消費者保護等の分野での規制当局の法執行が積極化していることから、国内外における集団訴訟や当局の調査に対し適切に対応するために要する費用により財務負担が増加する可能性があります。
(災害等のリスク)
当社グループは、地震、火災、落雷、破裂・爆発、風・雪・水災、航空機の墜落、伝染病の流行、テロその他の犯罪、内戦等により被災することにより直接・間接の損失を被る可能性があります。特に、当社グループの主要な生産・営業拠点が、東海及び東南海・南海地震の防災対策強化地域や首都直下型地震の地域に所在しているため、地震発生も想定した事業継続計画を策定するなどの対策を進めていますが、顧客、原材料等の供給元の被災、電力・情報通信・物流網等の復旧の状況等により、影響が長期化する可能性があります。
(資金調達に係るリスク)
当社グループは、資金需要、金融市場環境及び調達手段のバランスを考慮し資金調達を行っています。当社グループの資金調達は、設備投資資金として長期固定金利の社債発行や長期借入による調達を中心としています。そのため、金利の短期的な変動による影響は比較的受けにくいものの、金利が中長期的に上昇した場合は、社債等による資金調達コストを上昇させ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの借入金に係る金融機関との契約には、財務制限条項が付されているものがあります。当該財務制限条項に抵触した場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(為替レートの変動によるリスク)
当社グループは、在外連結子会社及び在外持分法適用関連会社の個別財務諸表を主に現地通貨ベースで作成し、連結財務諸表の作成時に円換算しています。従って、現地通貨ベースでの業績に大きな変動がない場合でも、円換算時の米国ドル、ユーロ等の為替レート変動が経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、中長期にわたる大幅な為替変動は、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(原材料等の調達に係るリスク)
当社グループの製品は、天然ゴム、合成ゴムや鋼材等を原材料として使用しています。これら原材料や副資材、燃料等の市況価格の急激な上昇等があった場合は、製品価格に適切に反映させることができず、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、原材料等の供給元の倒産や罹災により、必要量の調達が困難になる可能性があります。
(知的財産に係るリスク)
当社グループは、特許権、意匠権、その他の知的財産権の取得により自社技術の保護を図るとともに、他社の知的財産権に対しても注意を払っています。
しかしながら、新事業分野における製品開発の増加や海外での事業活動の拡大に伴う流通経路の複雑化等により、当社グループの製品が意図せず他社の知的財産権を侵害した場合に、販売中止、設計変更等の処置をとらざるを得ない可能性があり、その場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(保有資産の価値変動に伴うリスク)
当社グループは、様々な有形固定資産や無形資産を保有しております。こうした資産は、価値の下落や、期待通りのキャッシュフローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合があり、減損処理した場合、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性に伴うリスク)
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得が予測と異なり回収可能性に疑義が生じた場合、若しくは税率の変更等を含む各国の税制の変更があった場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要となります。その結果として、繰延税金資産の取崩が必要となった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(情報の流出によるリスク)
当社グループは、事業遂行に関連して多くの個人情報や機密情報を有しています。これらの情報の秘密保持については必要な対策を講じていますが、不測の事態により、情報が漏洩する可能性があります。このような事態が生じた場合、事業戦略の遂行に支障が生じたり、損害拡大防止費用や損害賠償責任の負担が生じたりすることにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(情報システム・セキュリティに係るリスク)
当社グループが事業活動を行う上で、情報システム及び情報ネットワークは欠くことのできない基盤であり、構築・運用に当たっては十分なセキュリティの確保に努めていますが、ハッカーやコンピュータウイルスによる攻撃、不正使用やインフラ障害等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(製品の欠陥によるリスク)
当社グループは、全社的な品質管理の体制を構築・運用することにより、製品の品質保持に万全の注意を払っていますが、予期せぬ事態により、大規模な市場回収や製造物責任による賠償費用等の負担が生じる可能性があります。
また、顧客との間での品質問題に関する交渉等のために要する費用の負担により、経営成績等に影響を与える可能性があります。
(人事・労務に係るリスク)
当社グループは、事業領域の拡大やグローバル化に対応するため、人材確保・人材育成に努めていますが、事業領域・規模の拡大や新規事業への投資等に伴いグループの人員が増加していることから、人材不足や人事・労務問題が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(新事業展開によるリスク)
当社グループは、「2029年 住友理工グループVision」で定めたありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」に向けて、コアコンピタンスである「高分子材料技術」「総合評価技術」を軸に既存事業の強化と新規事業の展開を進めております。特に新規事業には既存事業と異なる事業リスクが存在するため、事業化の検討の各段階において必要に応じて外部専門家の意見も取り入れ、十分な調査に基づく慎重な判断を行うものとしています。
しかしながら、当社グループは新規事業分野での十分な事業経験を有していないことから、事業化の遅延やマーケティング手法の不備等の原因で投資回収の遅延や不能が生じ、経営成績等に影響を与える可能性があります。また、同様の理由から、既存事業と比べ、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに係るリスクが高まる可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
(2) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、経済活動の正常化が進みました。一方で、長期化する世界的な物価の高止まりや金融引き締めに伴う為替変動に加え、中国をはじめとする景気の減速、ウクライナや中東地域における地政学的リスクにより、依然として先行き不透明な状況が続いています。
当社グループの事業に関する業界について、主に自動車市場においては原燃料価格や人件費等の高騰影響を受けながらも、供給制約の緩和と堅調な需要により、主要顧客の生産台数は高水準で推移しました。
このような中、当社グループでは「2029年住友理工グループVision」(2029V)で定めた、ありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」への変革に向けて、3ヶ年の事業計画である「2025年住友理工グループ中期経営計画」(2025P)に基づき、事業活動を推進しております。
当連結会計年度における連結業績については、売上高は615,449百万円(前期比13.8%増)、事業利益は37,033百万円(前期比107.2%増)、営業利益は33,977百万円(前期比105.2%増)、税引前当期利益は30,805百万円(前期比106.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は18,641百万円(前期比178.9%増)となりました。
※事業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益を含めて算出しております。
各セグメントの業績は、次のとおりです。
<自動車用品>
外部顧客への売上高は、前年同期における顧客の減産からの回復や、円安の進行による為替換算の影響もあり、559,516百万円(前期比16.5%増)となりました。
事業利益は、販売数量増加や原燃料価格高騰分の一部価格転嫁などにより、34,383百万円(前期比132.7%増)となりました。
<一般産業用品>
外部顧客への売上高は、55,933百万円(前期比7.9%減)となりました。高圧ホース及びプリンター向け機能部品は主要顧客の生産台数減少により、減収となりました。
事業利益については、原燃料価格高騰分の価格転嫁が進んでいるものの、売上減少により、2,650百万円(前期比14.4%減)となりました。
事業セグメント別実績
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注の状況については、セグメントの業績に関連付けて示しております。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引19,625百万円については相殺消去しております。
2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(3) 財政状態
<資産>
資産合計は、441,764百万円(前連結会計年度末比21,756百万円増)となりました。
流動資産は239,169百万円(前連結会計年度末比14,053百万円増)となりました。これは、現金及び同等物が12,514百万円増加したこと、営業債権及びその他の債権が1,358百万円増加したことによるものです。
非流動資産は202,595百万円(前連結会計年度末比7,703百万円増)となりました。これは、退職給付に係る
資産が2,580百万円増加したことによるものです。
<負債>
負債合計は、219,307百万円(前連結会計年度末比11,035百万円減)となりました。これは主に、社債及び借入金が21,863百万円減少したことによるものです。
<資本>
資本合計は、222,457百万円(前連結会計年度末比32,791百万円増)となりました。これは主に、利益剰余金が
18,893百万円増加したことによるものです。親会社所有者帰属持分比率は44.4%(前連結会計年度末は39.8%)となりました。
(4) キャッシュ・フロー
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動により68,547百万円の増加、投資活動により24,145百万円の減少、財務活動により32,407百万円の減少、現金及び現金同等物に係る換算差額により519百万円の増加の結果、当連結会計年度末には42,008百万円となり、前連結会計年度末(29,494百万円)に比べ12,514百万円(42.4%)の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度(33,339百万円)に比べ35,208百万円増加し、68,547百万円となりました。これは、税引前当期利益が15,897百万円増加したことや、営業債権及びその他の債権の増減が9,183百万円増加したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度(25,512百万円)に比べ1,367百万円減少し、24,145百万円となりました。これは、有形固定資産及び無形資産の売却による収入が3,303百万円増加したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度(8,906百万円)に比べ23,501百万円増加し、32,407百万円となりました。これは、短期借入金及びコマーシャル・ペーパー純増減額が23,340百万円減少したことなどによるものです。
② 資本の財源及び資金の流動性
(財務政策)
当社グループは、「2029年 住友理工グループVision」で設定したROIC、ROE等の目標達成のため、成長投資管理の強化に加え、運転資金を継続的に効率運用することにより資産回転率の向上を目指します。また、親会社所有者帰属持分比率50%以上を中長期的に維持することを財務規律のガイドラインとしています。これにより、営業キャッシュ・フロー増加のため成長投資を推進する局面でも財務安定性を確保しています。なお、当連結会計年度末において、㈱日本格付研究所より「A(長期)、J-1(短期)」の信用格付を取得しております。
(資金需要)
当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営に必要な設備資金や運転資金です。また、企業価値向上の源泉となる営業活動によるキャッシュ・フローの増加を支える成長投資管理は、住友理工グループ投資採算基準と、投資後の事業環境変化への迅速な対応の仕組み及び財務規律ガイドラインにより実施しています。
(資金調達)
当社グループの必要資金については、自己資金の充当及び金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーや社債発行等により、調達しております。なお、突発的な資金需要の発生や市場の流動性が著しく低下したときなどの緊急的な事態に備えてコミットメントラインを設定しております。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該事項への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「売上高」、「事業利益」、「ROIC」、「ROE」、「配当性向」を重要な指標として位置付けております。2024年5月31日に更新した中期経営計画「2025年 住友理工グループ中期経営計画」においては、2025年度の目標として、売上高620,000百万円、事業利益32,000百万円、ROIC10%以上、ROE9%以上、配当性向30%以上をそれぞれ掲げております。
当連結会計年度は、販売数量増加や原燃料価格高騰分の一部価格転嫁等により、売上高615,449百万円、事業利益37,033百万円、営業利益33,977百万円となりました。
中期経営計画における目標達成に向けて、「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針・経営戦略等」に記載の施策に取り組んでいきます。
5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
当社グループは、事業を取り巻く環境がダイナミックに変化する中、将来に向けて持続的に成長・発展するために新事業の創出が不可欠であることから、当社グループのコア技術である高分子材料技術と総合評価技術をベースに技術領域の融合・協業を推進し、スピーディーな新技術の創出とタイムリーな商品開発を目指しています。
2023年5月末に発表した、「2029年 住友理工グループVision」に基づき、パーパスである「素材の力を引き出し、社会の快適をモノづくりで支える」に沿って、社会に価値を提供し続けてまいります。
研究開発にあたっては、主に、新機能・高品質の材料設計開発を担う材料技術統括部と、当社グループのコア技術の深化、シミュレーション等を活用したデータ駆動型開発の体制構築を担う基盤材料開発研究所で進めています。
研究テーマとしては、環境対応、新事業創出、既存製品性能向上、コア技術等を掲げており、その中でも、CE(サーキュラーエコノミー)への取り組みとしては、2022年からランザテック社と廃棄物の回収・再利用といった循環型社会の実現を目指した協業を進めています。また2023年からは同活動に対して、住友ゴム工業㈱・住友電気工業㈱にも協業の輪が広がり、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを加速させています。
各事業部門では、「自動車(モビリティ)」「エレクトロニクス」「インフラ・住環境」「ヘルスケア」に該当する新製品の研究開発を実施しているほか、2020年4月には品種別に分かれていた開発センター等を統合した「新商品開発センター」を設置しました。開発領域の選択と集中を実施しつつ、開発のスピードアップと早期事業化を図っています。
さらに、親会社である住友電気工業㈱との連携をより一層強化し、グループ全体での製品開発を進めていきます。
なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は16,758百万円であります。
セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
① 自動車用品
自動車(モビリティ)分野においては、CASEといった技術革新への迅速な対応にとどまらず、サステナブル社会の実現に向けて、環境問題をはじめとする社会課題解決への積極的な関与が求められています。「防振」「自動車用ホース」「ウレタン」の3事業本部とファインエラストマー事業部では、NVH(騒音、細かい振動、衝撃音)を中心としたOEMメーカーの要求スペックやエンドユーザーのニーズに適合する製品やCASEに関する技術等について、研究開発・技術確立を進めています。
また、設計から量産工程まで一貫したDXを推進しており、そのひとつとして、長年にわたり蓄積したデータをもとにした独自の加硫シミュレーション技術確立に取り組んでいます。この技術を用いることで、設計段階において量産時のばらつきを考慮した高品質な製品を設計する事ができるため、製造工程ではより競争力の高い生産が可能となります。さらに、グローバルでの水平展開によって、グループ全体でのスマート工場の実現を目指します。
新商品開発センターでは、圧力の検知により、生体情報(心拍成分や呼吸成分等によるバイタルデータ)を推定することが可能な当社独自開発の「スマートラバー(SR)センサ」を応用し、SRセンサを座席に設置する「モニライフ・モビリティ(ドライバーモニタリングシステム)」を開発中です。上市を見据え、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)と「住友理工-産総研 先進高分子デバイス連携研究室」を2020年10月に設立し、テストコース(茨城県つくば市)を活用した実証実験を通し、両社の知見を生かしながら、新たな技術・製品の開発を加速させています。また、電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)向けの基幹部品についても、次世代車種を見据えた研究開発を継続実施しております。EVで注目される熱マネジメントへの対応製品においては、車室内の断熱効果を高める薄膜高断熱材「ファインシュライト®」を2020年9月に発売しました。省エネや環境負荷低減に貢献できる製品で、さらなる技術開発を進めています。他にも、EV用の電池をはじめとする部品の熱マネジメントへの対応として、冷却系ホースや電池用断熱材、バッテリー冷却板等を開発し、受注に向けた取り組みを進めています。
親会社の住友電気工業㈱とは、同社の主力製品であるワイヤーハーネスと、当社の制遮音品や内装品、ホース等の製品とを組み合わせたシステムの提案等をはじめとして、さらなる協業体制の構築を目指していきます。
当連結会計年度における自動車用品に係る研究開発費は、15,003百万円であります。
② 一般産業用品
エレクトロニクス分野においては、環境面で注目される水現像フレキソ版材や、高機能、高精度部品の材料開発を進めています。インフラ・住環境分野では、鉄道車両用防振ゴム・高圧ホース等のコア技術の強化・再構築を図るとともに、住宅市場でのさらなる事業展開を継続し、事業体質の強化・新規事業の創出を図っています。ヘルスケア分野では、SRセンサを応用した「モニライフシリーズ」が令和5年度中部地方発明表彰「文部科学大臣賞」と、令和5年度愛知発明表彰「発明奨励賞」を受賞しました。本製品を用いて、宿泊業界では宿泊者の睡眠状態を「見える化」するサービスの導入や、ルームマネジメントシステムと連携させて、照明や空調の自動制御を行うことで、質の高い睡眠環境の提供が検討されています。
また、2015年12月に九州大学及び糸島市(福岡県)との間で3者協定を締結し、フレイル*予防に関する研究を進めてきました。この成果をもとに、小牧本社・製作所がある愛知県小牧市においても、2021年1月に小牧市と協定を締結のうえ、フレイル予防を推進しています。医療機関や研究開発機関、介護施設や企業等への当社製品・サービスの提供を通じて、ヘルスケア分野での新たな製品開発につなげ、人々の暮らしへのさらなる貢献を目指していきます。一方、「ファインシュライト®」は、その断熱性能が認められ、令和4年度愛知発明表彰「愛知発明賞」を受賞しました。自動車に先んじてフードデリバリー専用の温熱シートやコロナワクチンの定温輸送用ボックス、アウトドア用品にも当社製品が採用されました。今後も継続して新たな製品用途の拡大と協業パートナーの探索を目指し、展開・拡販を取り組んでいます。
このほか、インテグリカルチャー㈱が主宰する細胞農業オープンイノベーションプラットホームへの参画や、㈱ギンレイラボと共同開発を行っている動物実験代替ツール「生体模倣システム」については、基本技術の確立が進んだことで順調に試作品受注を獲得するなど、新たな事業共創に向けて積極的に取り組みを進めています。
当連結会計年度における一般産業用品に係る研究開発費は、1,755百万円であります。
※「フレイル」とは、加齢とともに身体機能や認知機能が低下して虚弱となった状態のこと。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度における設備投資は、全体で29,093百万円(有形固定資産及び無形資産受入ベースの数値)でありました。
自動車用品事業では、当社及び海外子会社の自動車用防振ゴム、ホースの生産設備を中心に25,291百万円の投資を行いました。一般産業用品事業では、当社及び国内子会社の精密樹脂製品生産設備を中心に3,802百万円の投資を行いました。
なお、当連結会計年度において、重要な設備の除却、売却等はありません。
2 【主要な設備の状況】
当社及び連結子会社における主要な設備は、以下のとおりであります。
なお、IFRSに基づく帳簿価額にて記載しております。
(1) 提出会社
(2024年3月31日現在)
(注) 本社及び小牧製作所の土地には、㈱住理工九州に賃貸している土地710百万円(57千㎡)が含まれております。
(2) 国内子会社
(2024年3月31日現在)
(3) 在外子会社
(2024年3月31日現在)
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定の合計であります。
なお、金額には消費税等は含まれておりません。
2.現在休止中の主要な設備はありません。
3.従業員数は、就業人員であります。また、( )は、臨時雇用者数を外書しております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
重要な設備の新設等の計画はありません。
(2) 重要な設備の除却等
経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 転換社債の株式転換による増加であります。
(5) 【所有者別状況】
(2024年3月31日現在)
(注) 1.自己株式218,161株は、「個人その他」に2,181単元及び「単元未満株式の状況」に61株含まれております。
なお、自己株式218,161株は株主名簿記載上の株式数であり、期末日現在の実質的な所有株式数と一致しております。
2.「その他の法人」欄には、証券保管振替機構名義の株式が2単元含まれております。
(6) 【大株主の状況】
(2024年3月31日現在)
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
(注) 1.「完全議決権株式(その他)」欄には、証券保管振替機構名義の株式200株(議決権2個)が含まれております。
2.「単元未満株式」欄には、当社所有の自己株式61株が含まれております。
② 【自己株式等】
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からのこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式は含まれておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当期間における保有自己株式には、2024年6月1日からのこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式及び単元未満株主の売渡請求に基づく売渡しによる株式数は含まれておりません。
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要施策の一つとして位置づけ、業績等を勘案した上で、長期にわたり安定的な配当を維持することを基本方針としております。また、内部留保については、財務体質の向上と国際競争力のある商品開発やコスト競争力を高めることに有効投資し、企業体質の強化等に活用していきます。
「2025年 住友理工グループ中期経営計画」においては、2026年3月期における連結配当性向30%以上を目標とし、当期及び中期業績の見通しや財務状況、キャッシュフロー、投資計画等を総合的に勘案しながら、継続的かつ安定的な利益還元に努めてまいります。
配当の実施については、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。また、当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
当事業年度の期末配当金は、連結財務状況や通期の連結業績等を勘案した結果、1株当たり28円とし、中間配当金の8円と合わせて、年間配当金は前期比21円増配の1株当たり36円といたしました。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
住友の事業は、今から約400年前に住友家初代住友政友が遺した商いの心得「文殊院旨意書(もんじゅいんしいがき)」を礎とし住友の先人により何代にもわたって深化・発展させてきた「住友事業精神」を精神的基盤として営まれてきました。
萬事入精:まず一人の人間として、何事に対しても誠心誠意を尽くす人であれ
信用確実:何よりも信用を重んじること、すなわち常に相手の信頼に応えること
不趨浮利:常に公共の利益との一致を求め、浮利を追い、軽率、粗略に行動してはならない
当社は、自動車用品分野では新たな地域と顧客への事業展開及びCASEに代表される新領域に対する製品の創出と開発を進め、一般産業用品分野では新領域の事業への進出を積極化させています。事業環境の変化に対応した健全なリスクテイクを支えるために、取締役会機能の充実を中心としたガバナンス機能の強化を図ってまいります。
また、当社と成長の機会とリスクを共有する株主やその他のステークホルダーに対し経営戦略・経営課題を踏まえた財務情報や非財務情報の適時適切な開示を行い、また経営陣が株主との建設的な対話を行うための体制を整えてまいります。
当社は、住友電気工業㈱を親会社としています。事業上の意思決定は親会社から独立して行っていますが、多数の海外拠点や多様な技術・顧客基盤を持つ親会社を有することで、当社の海外事業や新事業展開において支援を受けることができます。当社のガバナンスにおいては、親会社と少数株主との利益が相反するおそれのある重要な取引・行為については、社外取締役及び社外監査役のみで構成される特別委員会を設置し、当該委員会にて審議・検討するなど、株主共同の利益に配慮し親会社との健全な関係を維持してまいります。
当社は、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役を委員長とし、代表取締役、社外取締役及び監査役で構成される「ガバナンス委員会」を設置しています。ガバナンス委員会は、取締役会の任意の諮問機関として、社外取締役の視点を交えて、当社グループのコーポレート及びグループガバナンス体制等の中長期的に重要な課題を取締役会に答申するための審議を行うとともに、代表取締役、社外取締役及び監査役の連携を強化し、当社グループの持続的な成長と社会的価値(企業価値及び公益価値)の向上を図ることを目的として開催することとしております。
当社は、取締役の選解任及び報酬等に関する手続きの透明性・公正性を確保することを目的に、取締役会の任意の諮問機関として、「指名・報酬委員会」を設置しています。指名・報酬委員会は、取締役会の諮問により、取締役の基本報酬及び業績連動報酬である賞与に関する事項並びに株主総会に提出する取締役の選解任に関する議案の内容等について審議・答申するものとしています。また、指名・報酬委員会は、その過半数を独立社外取締役としており、また、筆頭独立社外取締役が委員長を務めることで、独立制を確保しています。
さらに、当社は「住友事業精神」に基づき、SDGs等に代表される社会的課題に対し、技術革新を通じて解決を図ります。そして、企業価値と公益価値を同時に向上させることで、社会的価値を創造し、社会と共に持続的に成長することを目指してまいります。
① 企業統治の体制
イ.企業統治の体制の概要と採用の理由
当社は、監査役設置会社の機構を採用し、取締役会の監督と監査役会の監視により業務執行の適法性及び妥当性を確保するものとしています。
取締役会の構成は、当社の事業分野、事業環境や規模を前提として、適切な経営の監視監督機能を果たすことができるかという視点で決定するものとしています。
専門性の観点からは、当社の経営戦略、経営計画等を踏まえて、経営、技術・開発、製造・モノづくり、財務・会計、法務・リスク管理、人材・ダイバーシティ&インクルージョン等の分野において、豊富な経験と高い見識を有する人材を選任しています。
独立性の観点からは、独立役員の要件を満たし、かつ高い専門性と見識を有する社外取締役及び社外監査役をそれぞれ複数選任しています。また、社外取締役が経営陣との対話や株主等のステークホルダーとの対話を円滑に行うために、社外取締役の中から、筆頭独立社外取締役を選定しています。
ジェンダーや国際性の観点からは、女性の社外役員を3名選任しています。現時点で外国人の取締役は選任していませんが、将来、社内からの登用の基盤として幹部社員の多様性を進めるためCSR・サステナビリティ委員会において様々な施策を講じています。なお、執行役員としては1名の外国人を選任しています。
現在の取締役会は、取締役8名(うち社外取締役3名)と、監査役5名(うち社外監査役3名)からなる体制であり、事業分野を網羅し必要な専門性と社内外の役員数のバランスを確保しつつ実質的な討議を行うことができる適切な規模となっています。
当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要図

ロ.企業統治に関するその他の事項
内部統制システムの整備の状況
・コンプライアンス体制の整備の状況
当社グループにおける取締役その他の役員及び使用人(以下、役職員)の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(以下、コンプライアンス体制)は、萬事入精、信用確実及び不趨浮利を旨とする住友事業精神に基づき取締役会が決定する経営理念、事業運営の基本(「安全・環境・コンプライアンス・品質(S.E.C.Q.)」、住友理工グループ企業行動憲章、CSR・サステナビリティ基本方針、住友理工グループガバナンス・コード及びグローバルコンプライアンス行動指針(以下、行動指針等)に準拠して整備しております。当該体制は、当社各部門及び子会社において整備し、すべての役職員により運用されるものとしております。
子会社におけるコンプライアンス体制は、住友理工グループガバナンス・コード及びこのもとで当社が定めるグループ規程により、その整備、運用がなされることを確保しております。グループ規程では、子会社の規模や事業内容に応じて整備すべきコンプライアンス体制の基準を定めております。また、当社グループにおけるコンプライアンスは、「単に法令遵守にとどまらず、社会の期待に応えること」という共通理解に基づき、社内規程及びその運用等は、定期的に見直し、これを整備しております。
法令違反の早期発見及び迅速かつ適切な対応を行うために、当社グループの違反報告・処理体制を整備するとともに、法令及び社内規程に違反した役職員へは、当社又は子会社の規程に基づく懲戒を含め厳正に対処しております。また、当社グループは、贈収賄・腐敗行為防止をコンプライアンスにおける最重要課題のひとつとして位置付けており、贈収賄・腐敗行為防止に対する取り組み及び社内体制の整備を強化しております。これらの仕組みや体制が適正に運用されるように、法令遵守(贈収賄規制、競争法、下請法及び労働法等)に対する取り組み及び研修を実施しております。
当社グループは、グループのコンプライアンス体制の整備、運用を主導、統括する組織としてコンプライアンス委員会(以下、委員会)を当社に設けております。委員長は、取締役会決議により選任し、その活動状況は取締役会に報告しております。委員会は定期に開催し、監査役及び社外取締役が出席して意見を述べられるものとしております。委員会の委員又は事務局には、弁護士その他の企業法務の専門知識を有する役職員を配置しております。委員会には独立した予算を設けております。
委員会は、定期に当社グループのコンプライアンスリスクを識別・評価し、対応計画を定め、委員会、当社各部門及び子会社における対応を把握し検証しております。委員会は、当社グループの役職員に対し行動指針やリスク評価に基づくコンプライアンス教育等を定期的に実施しております。また、役職員のコンプライアンス対応を支援するため、法務部門及び各分野のコンプライアンス対応を分掌する部門にコンプライアンス相談窓口を設けております。反社会的勢力に対しては、人事総務部門を中心として、当社グループがこれとの一切の関係を遮断する体制を整備しております。
委員会は、コンプライアンス問題の内部通報窓口を社内及び社外に設け、周知しております。通報事案に対しては客観的かつ専門的な調査を行い、個別問題の是正及びコンプライアンス体制の改善を図っています。当社グループは、通報者に対し、通報を理由として不利な取扱いは行わないものとし、通報者の保護に万全を期しております。委員会は、全世界の子会社の役職員から直接、内部通報を受付ける制度を整備・運用しております。一定の事業規模を有する子会社は、内部通報にかかる関係法令及びグループ規程に基づき、社内の内部通報制度を整備するものとしております。
委員会は、定期的に当社各部門及び各子会社におけるコンプライアンス問題の状況の調査を実施しております。委員会は、この調査結果、リスクの識別・評価及び内部通報の状況等に基づき、定期的に当社グループのコンプライアンス体制を検証し、その整備計画に反映させております。
当社グループにおける全社品質方針を定め、社長直下の品質所管役員を品質統括責任者とする品質マネジメント体制(監査、モニタリング等を含む)を構築・運用し、グループグローバルで、顧客視点での継続的な品質改善を推進する体制を整備しております。特に当社グループに著しい影響を与え得る重要な品質コンプライアンスリスクについては、経営会議等においてリスクの特定・分析・評価・対策等について機動的かつ多面的・多角的に審議することとし、とりわけ、重要リスクが発現した際には、速やかに取締役会に報告するとともに、社長の指揮下で全社的に速やかな初動対応をとる体制としております。
当社グループ全体で人権尊重の責任を果たすため、住友理工グループ人権方針を定め、必要な施策を講じることとしております。
・リスク管理体制の整備の状況
当社グループにおけるリスク管理に関する体制は、取締役会が、当社グループのリスク選好、リスク許容度、経営に重大な影響を及ぼすすべてのリスクの規模及びそれらへの対応状況の認識を共有することで、当社グループ全体の戦略を最適化し、経営リスクを極小化するため適時に適切な判断を行えるものとしております。これらの体制は、取締役会が制定する当社の規程及びグループ規程に基づき以下のとおりに整備しております。
当社グループは、リスク管理委員会を当社に設置し、当社グループのリスク管理体制の整備及び運用を統括しております。リスク管理委員会の委員長は、取締役会決議により選任し、そのリスク管理の状況は取締役会に報告しています。リスク管理委員会は定期に開催し、監査役及び社外取締役が出席して意見を述べられるものとします。委員会には委員又は事務局に企業のリスク管理の専門知識を有する役職員を置き、又は社外専門家の助言を受けられる体制とします。
リスク管理委員会は、定期的に当社グループのリスクの識別、評価を実施し、各部門・子会社が策定するリスクへの対応計画の妥当性を確認し、その遂行状況をモニタリングします。また、当社グループにおける重要なリスクを選定し、当該リスク、その対応計画及び対応の状況を取締役会に報告します。なお、リスクの識別にあたっては、事業の国際化、新規事業分野への進出や外国法令の運用動向等内外の事業環境の変化を考慮しております。
また、リスク管理委員会は、震災、火災、感染症等急激かつ外来の災害によるリスクに対して、当社各部門及び子会社における災害対策計画及び不測事態対応計画の策定及び定期的な訓練・検証の状況を統括しております。
・子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社グループにおける子会社の業務の適正を確保するための体制は、「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づく体制の運用の状況の確認を行うとともに、内外の環境の変化等に対応し、その見直しを行うこととしております。主な整備の状況は以下のとおりです。
「当社及び子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制」に関して、次の事項を実施しています。
①住友理工グループ人権方針に基づき、当社グループにおける人権デューデリジェンスを実施し、国内外における人権への負の影響の特定・評価を進めるとともに、ビジネスパートナーに対して、当社人権方針の遵守を求め、かつ実態調査を進めることで、当社グループにおける人権尊重に向けた取り組みをより一層推進しています。
②当社及び国内子会社を対象とした下請法研修及び自己点検を実施することで、下請先との取引の適正化の促進及び法令遵守の徹底を図っています。
「当社及び子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制」に関して、当社及び国内子会社の従業員に対し、情報セキュリティ関連の教育を定期的に実施し、当社グループにおける情報管理及び情報セキュリティ体制の維持向上を進めています。
ハ.責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役及び社外監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役又は社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られます。
② 取締役の定数
当社は取締役の員数を3名以上とする旨定款に定めております。
③ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
④ 取締役会にて決議できる株主総会決議事項
当社は、以下について株主総会の決議によらず、取締役会で決議することができる旨定款に定めております。
イ.自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって、自己株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己株式を取得することを目的とするものであります。
ロ.中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
⑤ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。
⑥ 取締役会等の活動状況
イ.取締役会の開催状況等
・取締役会
監査役大橋武弘氏及び関根愛子氏は、2024年6月20日で退任し、2024年6月20日の定時株主総会決議により、監査役南野高伸氏及び松田玲子氏が就任しており、以降、取締役会は、取締役8名及び監査役5名で構成されています。なお、取締役和久伸一氏、山根英雄氏及び安田日出吉氏は、2024年6月20日付で専務執行役員に昇格しております。
・ガバナンス委員会
・指名・報酬委員会
ロ.取締役会の実効性評価
当社取締役会は、少なくとも毎年1回、取締役会等において、取締役会の実効性に関する分析及び評価を行うこととしています。取締役会の実効性に関する質問票に全取締役及び監査役が回答し、その回答内容に基づき、ガバナンス委員会及び2024年3月度取締役会の2回において、当該評価を行った結果は次の通りであります。
当社取締役会の規模、構成、独立社外取締役比率、構成員の資質及び運営状況は適切であり、この点において、経営への監督機能を発揮するための体制が確保されていることを確認しました。
また、当社取締役会において、自由闊達で真摯な議論及び意見交換が行われる企業文化が形成されており、かつ、そのもとで取締役及び監査役による積極的な議論が実際に行われていることを確認しました。
その上でさらに、当社取締役会は、住友事業精神が謳う「萬事入精」「信用確実」「不趨浮利」を忠実に守りながら、2023年5月に策定・公表した、当社の中期経営計画「2029年住友理工グループVision(2029V)」及び「2025年住友理工グループ中期経営計画」を達成し、かつ、その健全な企業の成長を支えるため、現行の当社取締役会の機関設計(監査役会設置会社)の妥当性、また、取締役の選解任手続きについては、取締役会の諮問機関である指名・報酬委員会が、社長の選任基準(あるべき社長像)及び取締役選解任基準の下、当社の固有の事情、すなわち、当社が上場子会社であることを踏まえ、当社にとって最適な経営トップ及び経営陣についての答申、及びそれに向けての後継者計画の策定・運用等の監督を行うこと、さらに、取締役会は、指名・報酬決定のプロセスにおける客観性と透明性を一層高めるため、指名・報酬委員会による議論を積極的に把握するとともに、その答申を尊重して、取締役会として適切な判断を行うこと、また、経営トップ等の後継者計画の一環である、経営幹部の育成等を目的とした次世代経営者育成プログラムの策定・運用に主体的に関与するとともに、住友事業精神や中期経営ビジョンを踏まえた監督を適切に行うこと等を含めた、コーポレート・ガバナンス機能の実効的な強化を引き続き図っていくことを確認し、特に、(1)当社の長期的な企業価値(財務目標で示される企業価値、非財務目標に表される公益価値それぞれの向上による「社会的価値の創造」)の向上のための中長期的な経営課題や経営戦略、(2)株主をはじめとする当社のステークホルダーすべてに対する適時適切な情報開示と、丁寧な対話の実践の在り方、(3)グループガバナンス、内部統制及びリスク管理の高度化、及び(4)ダイバーシティ&インクルージョン、人権、人材育成等を含めた人的資本経営について、取締役会で従来以上に議論するとともに、取締役会以外の議論の場や機会をさらに設ける等の対策・対応を進めていくことを確認しました。
また、当社取締役会では、取締役会の議論を活性化させるために、社外役員に対し議案資料の早期提供や事前説明を充実させることにより、事実確認等は事前の段階で済ませ、取締役会当日の議案説明等にかかる時間を削減し、取締役会当日は議論を中心に運営するよう努めています。加えて、取締役会における議論の質を向上させるために、経営会議等の社内会議における議論内容(特に、そこでの意見・質疑等の概要や結論に至った理由)等、社内での検討経緯について説明することを、社内役員に課しています。さらに、社内取締役が当社グループ経営全体の観点からより活発に発言し、従来にも増して積極的に議論に参加する姿勢を促すための施策、社内取締役と社外取締役との情報格差をさらに小さくするための施策や、中期経営ビジョン等との連動性を強く意識した上で、より掘り下げた議論をおこなうための施策等の導入を進めてまいります。当社取締役会は、今後も本評価結果における課題について継続的に取り組み、取締役会の実効性のさらなる向上を図ってまいります。
(2)【役員の状況】
① 役員一覧
男性10名 女性3名(役員のうち女性の比率23%)
(注1) 取締役 入谷正章、花形滋及び宮城まり子は、社外取締役であります。
(注2) 監査役 百嶋計、小池達子及び松田玲子は、社外監査役であります。
(注3) 2024年6月20日開催の定時株主総会の終結から、選任後1年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時まで
(注4) 2022年6月16日開催の定時株主総会の終結から、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
(注5) 2024年6月20日開催の定時株主総会の終結から、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
(注6) 当社は、取締役会の意思決定の迅速化と監督機能の強化並びに権限及び責任の明確化による機動的な業務執行体制の確立を目的として、執行役員制度を導入しております。
執行役員は20名で、執行役員社長 清水和志の1名、専務執行役員 和久伸一、山根英雄、安田日出吉の3名、常務執行役員 矢野勝久、鶴見典和、流郷健二、上宮崇文、加藤和彦、増田弘和の6名、執行役員 山田純一、有賀雄一、Giovanni Boe、関陽一、加地明彦、中澤俊夫、草木宏、酒井洋和、橘高淳、後藤慎吾の10名で構成されております。
② 社外役員の状況
当社の社外取締役は3名、社外監査役は3名であります。
社外取締役 入谷正章氏は、企業法務の専門家であるとともに愛知県弁護士会会長、愛知県公安委員会委員長を歴任し、また、現在は愛知県人事委員会委員長を務めるなど幅広い分野で実績をあげております。また、当社指名・報酬委員会委員長として客観的かつ透明性ある手続きの確保に貢献しております。法律家として豊富な経験と高い見識を有する同氏は、当社取締役として適任であると考えております。また、同氏は、入谷法律事務所の所長、㈱中央製作所の社外取締役監査等委員、アイホン㈱の社外取締役及び東陽倉庫㈱の社外監査役でありますが、これらの会社と当社との間には特別な利害関係はありません。同氏は、過去及び現在において一般株主との利益相反が生じるおそれがないことから独立役員に選任しています。
社外取締役 花形滋氏は、世界規模で事業を展開する上場企業の執行役員として長年活躍するなど国内外の企業経営と事業運営で実績をあげてきました。また、当社ガバナンス委員会委員長として、当社グループのコーポレート及びグループガバナンス体制等の整備及び向上に貢献しております。豊富な経験と高い見識を有する同氏は、当社取締役として適任であると考えております。同氏は、過去及び現在において一般株主との利益相反が生じるおそれがないことから独立役員に選任しています。
社外取締役 宮城まり子氏は、法政大学キャリアデザイン学部教授、同大学院キャリアデザイン学研究科長などを歴任し、心理学やキャリアデザイン論の分野で顕著な業績をあげております。臨床心理実務、教育研究及び組織運営において豊富な経験と高い見識を有する同氏は、従業員の就業環境向上やダイバーシティ経営を推進する当社取締役として適任であると考えております。また、同氏はキャリア心理学研究所の代表及び公益財団法人オリックス宮内財団の理事でありますが、これらの会社等と当社との間には特別な利害関係はありません。同氏は、過去及び現在において一般株主との利益相反が生じるおそれがないことから独立役員に選任しています。
社外監査役 百嶋計氏は、東京国税局査察部長、名古屋国税局長、独立行政法人造幣局理事長、財務省大臣官房審議官等を歴任し、財務及び税務の分野で豊富な経験を有しております。財務及び税務の専門家として豊富な経験と高い見識を有する同氏は、当社監査役として適任であると考えております。また、同氏は㈱大阪ソーダの社外取締役及び扶桑化学工業㈱の社外取締役でありますが、これらの会社と当社との間には特別な利害関係はありません。同氏は、過去及び現在において一般株主との利益相反が生じるおそれがないことから独立役員に選任しています。
社外監査役 小池達子氏は、弁護士として広い領域で豊富な経験を有しております。法律家としての豊富な経験と高い見識に加え、アナウンサーとして培われた経験や幅広い見識等を有する同氏は、当社社外監査役として適任であると考えております。また、同氏は、㈱オリジンの社外取締役、三浦工業㈱の社外取締役監査等委員及びアゼアス㈱の補欠社外監査役でありますが、これらの会社と当社との間には特別な利害関係はありません。同氏は、過去及び現在において一般株主との利益相反が生じるおそれがないことから独立役員に選任しています。
社外監査役 松田玲子氏は、長年にわたり公認会計士として、大手監査法人のパートナーや日本公認会計士協会自主規制本部品質管理委員会の主席レビューアーを歴任するなど、財務会計に精通しております。会計監査、内部統制等の専門的な分野において豊富な経験と高い見識を有する同氏は、当社監査役として適任であると考えております。また、同氏は、㈱筑波銀行の社外監査役に就任予定でありますが、当該会社と当社との間には特別な利害関係はありません。同氏は、当社の会計監査人である有限責任あずさ監査法人での勤務経験がありますが、2004年12月に同法人を退職しており一般株主との利益相反が生じるおそれがないことから独立役員に選任しています。
なお、当社は社外取締役及び社外監査役の独立性について金融商品取引所が定める独立性基準を満たすことを前提としつつ、企業経営や法務、会計等の専門領域における豊富な経験や知識と高い見識を有することにより、当社の経営課題に対し積極的かつ建設的な提言・提案を期待できることを要件としており、会社及び少数株主を害する事のない体制を構築しております。当社の社外取締役及び社外監査役は、専門分野における広範な知識及び経験に基づき、取締役会及び監査役会において指摘を行っております。
③ 社外取締役又は社外監査役による監督又は監査と内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
a.監査役と会計監査人の連携状況
監査役は、会計監査人と定期的に会合を保つなど、緊密な連携を保ち、積極的に意見・情報を交換しております。
監査役は、会計監査人から監査計画を受領し、会計監査人が把握した内部統制システムの状況等について意見・情報を交換しております。
監査役は、必要に応じて、会計監査人の往査や監査講評に立会い、適宜報告を求めております。
会計監査人から、取締役の職務遂行に関して不正行為がある等の報告を受けた場合には、監査役は審議・調査のうえ、取締役に助言、勧告を行うこととなっています。
b.監査役と内部監査部門の連携状況
当社では、内部監査部門である経営監査部を設けております。
監査役は、経営監査部から内部監査の結果等について報告を受けるとともに、必要に応じて調査、報告を求めています。
監査計画等の作成にあたっては、有効かつ効率的な監査を実施するため、経営監査部と協議、意見交換を行っております。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
当事業年度末は、常勤監査役2名及び社外監査役3名となっております。
監査役会は、当事業年度においては15回開催し、1回あたりの所要時間は約1時間半でした。また、決議事項は9件、審議・協議事項は4件、報告事項は32件でした。その主な内容は、次の通りです。
(決議事項):監査の方針、監査計画、監査の方法、監査業務の分担、会計監査人の選任、
会計監査人の監査報酬の決定等
(審議・協議事項):監査役会の監査報告書、監査役会の実効性評価、会計監査人の監査計画等
(報告事項):監査役月次活動状況報告等
個々の監査役の出席状況については次のとおりです。
常勤監査役前田裕久氏は、当社の親会社である住友電気工業㈱及び当社の経理・財務部門における長年の経験があり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
社外監査役関根愛子氏は、公認会計士の資格を有しており、財務及び会計に関する相当程度の知識を有しております。
社外監査役百嶋計氏は、財務省等における長年の行政実務経験を有しており、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
監査役の監査が実効的に行われることを確保する体制に関しては、取締役会で決定した「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき以下のような活動をしています。
1) 重要会議への出席
監査役は取締役会その他の重要な会議に出席し、「ガバナンス委員会」にもオブザーバーとして出席することとしています。社外監査役の内、1名は、取締役会の諮問機関である「指名・報酬委員会」にオブザーバーとして出席しております。さらに常勤監査役は、経営会議やCSR・サステナビリティ委員会等の重要な会議にも出席しています。
2) 取締役、執行役員、部門責任者との対話
監査役は代表取締役との意見交換会を年2回開催して意見を交換し、また、常勤監査役は社長と毎月の意見交換会で対話しております。さらに常勤監査役は、経営監査部、経理財務本部、人事総務本部、法務部の各部門長とも毎月の連絡会で業務状況を確認し(計48回)、その他、事業部門、製造管理部門等からも定期的な課題確認の場を設けており(計33回)、全体で2023年度は81回の聞き取りを実施しています。
3) 往査・視察
監査役は、子会社のガバナンスや会社運営状況の確認等のために、国内外の子会社の往査・視察を充実させました。2023年度は、常勤監査役は海外4か国11社、国内7社の往査・視察を実施し、その結果を対象子会社の責任者、社長、所管役員等へ報告しています。なお、社外監査役は海外2か国6社、国内4社の往査・視察に参加しています。
4) 会計監査人及び内部監査部門との連携
監査役は、会計監査人と定期的に会合をもつ等、緊密な連携を保ち、積極的に意見・情報交換を行っております。また、常勤監査役は、必要に応じて会計監査人の監査講評に出席し、適宜報告を求めています。監査役は、経営監査部から内部監査の結果等について報告を受けるとともに、必要に応じて個別に調査、報告を求めています。監査計画等の作成にあたっては、有効かつ効率的な監査を実施するため、経営監査部と協議、意見交換を行っております。
5) 子会社のガバナンス
常勤監査役は、多くの子会社の監査役等を兼務しており、子会社の取締役会等を通じ、積極的に意見・情報交換を行っております。
6) 社外役員間の連携強化
社外監査役は社外取締役との間で、独立役員としての客観的な立場から情報交換・認識共有等を図る目的で、独立社外役員意見交換会を年2回開催し、当該意見交換会の場で議論された内容を取締役会にフィードバックしています。
7) 監査役・監査役会活動の実効性向上に向けた取組
監査役会の実効性評価を、各監査役による自己評価アンケートの実施結果を基に、全監査役間で実効性に関し議論・検証することにより行いました。その結果、監査役会の実効性は確保されていると評価しており、今後も更なる実効性の向上に努めてまいります。
8) 監査役監査を補助する体制
執行部門から独立した監査役室(3名)を設け、専任担当者が監査役の職務を補助しています。
② 内部監査の状況
当社は、内部監査統括責任者のもとに業務執行部門から独立した内部監査部門として経営監査部(2024年3月末
現在:17名)を設置しております。経営監査部は、当社及び企業集団全体の内部監査及び財務報告に係る内部
統制の評価を行っております。内部監査は、年間の監査計画を策定、監査先を選定の上、実施しております。監
査結果は、監査案件毎の監査報告会等において代表取締役、被監査部門の所管役員、常勤監査役に報告されると
ともに、定期的に取締役会及び監査役会に報告され、実効性の確保に努めております。また、経営監査部は、常
勤監査役との定期的な連絡に加え、会計監査人とも適宜連携して業務を遂行しております。
③ 会計監査の状況
a. 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b. 継続監査期間
49年間
1975年度以前の調査が著しく困難なため、継続監査期間は上記年数を超えている可能性があります。
c. 業務を執行した公認会計士
森本 泰行氏
金原 正英氏
d. 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士7名、会計士試験合格者等3名、その他16名であります。
e. 監査法人の選定方針と理由
当社の監査役及び監査役会は、監査関係業務について当該監査法人の対応状況等は妥当と認められること、当該監査法人からの監査品質等に関する説明の内容は妥当であること、及び執行部からも当該監査法人の再任について推薦があったことを踏まえ、会計監査人の解任又は不再任の決定の方針(*)に該当する事情の有無のほか、当該監査法人の内部管理体制、監査報酬の水準、独立性、知識・経験・能力、海外対応力、会社とのコミュニケーションの各項目について評価した結果、当該監査法人を再任することは妥当と判断し、会計監査人として選定しております。
(*)会計監査人の解任又は不再任の決定の方針
当社では、会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当したと判断した場合には、監査役会は、監査役全員の同意に基づき会計監査人を解任します。また、会計監査人の職務状況等を勘案し、会計監査人が継続してその職務を全うする上で重要な疑義を抱く事象があったと判断した場合には、会計監査人の解任若しくは不再任を株主総会の目的とします。
f. 監査役及び監査役会による監査法人の評価
監査役及び監査役会は、当該監査法人の内部管理体制、監査報酬の水準、独立性、知識・経験・能力、海外対応力、会社とのコミュニケーションの各項目について評価した結果、それぞれ再任することが妥当な水準にあると判断しております。
④ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
前連結会計年度における当社の非監査業務の内容は、社債発行に係るコンフォートレター作成業務です。
b. 監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGグループ)に属する組織に対する報酬(a.を除く)
連結子会社における非監査業務の内容は、会計・税務等に関するアドバイザリー業務です。
c. 監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士等に対する監査報酬の決定方針は、当社の事業規模、監査日数及び業務の特性等を勘案して決定しております。
d. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社監査役会は、監査項目別監査時間及び監査報酬の推移並びに過年度の監査計画と実績の状況を確認し、当事業年度の監査時間及び報酬額の見積りの妥当性を検討した結果、会計監査人の報酬につき、会社法第399条第1項の同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額の決定に関する方針
取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして十分に機能するよう株主利益と連動した報酬体系とし、個々の取締役の報酬の決定に際しては各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本方針としています。具体的には、取締役(社外取締役を除く)の報酬は、固定報酬としての基本報酬及び業績連動報酬等としての賞与により構成し、社外取締役については、独立性を確保する観点から、固定報酬としての基本報酬のみを支払うこととしています。
取締役の基本報酬は、月例の固定報酬とし、それぞれの役位、職責、業績、在任年数等に応じて、他社水準、当社の業績、従業員給与等の水準をも考慮しながら報酬テーブルを設定し、総合的に勘案して決定するものとしています。なお、現在、取締役(社外取締役含む)の基本報酬の限度額は、2007年6月25日開催の株主総会の決議に基づき1事業年度につき総額350百万円としており、当該株主総会終結時点の取締役の員数は7名です。
業績連動報酬等は、事業年度ごとの業績向上に対する意識を高めるため、業績指標を反映した現金報酬である賞与としています。賞与支給総額については、各事業年度の売上高、営業利益、税引前利益、純利益等の業績指標やそれらの増減率等を総合的に勘案して算出し、その限度額を毎年株主総会で決議しています。賞与の各取締役(社外取締役を除く)への個人別の配分額は、賞与支給総額の枠内で、中長期的な観点も踏まえ、職位や責任度合い、所管部門における主要目標の達成度等を考慮して決定しています。賞与は、各事業年度において株主総会決議後、一定の時期に支給しています。
賞与支給総額を算出するための具体的な指標とその値は、環境の変化に応じて、定期的に指名・報酬委員会の答申を踏まえた見直しを行うものとしています。
取締役(社外取締役を除く)の種類別の報酬割合については、過度なインセンティブとならないように配慮し、基本報酬(固定報酬)に多くの比重を置くこととし、具体的には、当社と同程度の事業規模や関連する業種・業態に属する企業をベンチマークとする報酬水準を踏まえ、指名・報酬委員会において検討を行っています。
報酬等の種類ごとの比率の目安は、基本報酬:業績連動報酬等=3:1としています(賞与支給総額を算出するための業績指標及び賞与の各取締役(社外取締役を除く)への個人別の配分額を算出するための主要目標等をいずれも100%達成する場合)。
なお、取締役(社外取締役を除く)の報酬は、基本報酬及び業績連動報酬等から構成され、非金銭報酬等を含まず、また、社外取締役の報酬は、基本報酬のみとしています。
決定方針の決定方法は、取締役会の諮問機関である指名・報酬委員会が取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を答申し、取締役会がこれを尊重して決定しております。
取締役の個人別の報酬等の内容の決定にあたっては、指名・報酬委員会が原案について決定方針との整合性を含めた多角的な検討を行っているため、取締役会は、その答申を尊重した上で十分な検討を行った結果、決定方針に沿うものであると判断しています。
監査役の報酬は、監査役の協議により決定しており、経営に対する独立性を確保するため全額を基本報酬(固定報酬)としています。なお、監査役の報酬限度額は、2008年6月23日開催の株主総会の決議に基づき、1事業年度につき総額100百万円としており、当該株主総会終結時点の監査役の員数は5名です。
② 役員報酬等
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、政策保有目的で上場株式を保有する場合は、保有の目的が当社の中長期的な企業価値向上の観点から合理性があり、かつその株式数、リターン及び当該株式発行会社との関係が、当該保有目的に照らして妥当なものであることを要するものとしています。
政策保有株式を取得又は処分する場合は、一定規模以上のものについて常務執行役員以上で構成される経営会議又は取締役会に付議又は報告するものとしています。その場合においては、保有のねらい・合理性について具体的な説明を行います。
保有中の個別の政策保有株式については、保有目的に鑑み、毎年定期的にリターンとリスク、資本コスト等を踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しの検証を行い、その結果を取締役会に報告するものとしています。2023年度においても、個別の政策保有株式につき、上記の目的・観点及び取引状況を踏まえて精査し、取締役会にて保有の適否を検証しました。
保有中の政策保有株式に対する議決権行使は、その保有目的の達成に資するかという観点により判断します。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注1)定量的な保有効果については記載が困難であります。保有の合理性は、2024年3月31日を基準として、リスクとリターン、資本コスト等を踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しについて検証しております。
(注2)東海旅客鉄道㈱は、2023年10月1日付で、普通株式1株につき5株の割合で株式分割しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、以下のとおり連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成するための体制の整備を行っております。 (1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等に適時かつ的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、研修等へ参加しております。また、IFRSの内容に関する社内勉強会を定期的に実施し、実務担当者へのIFRSに関する知識の習得を推進しております。 (2) IFRSの適用においては、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針を作成し、それに基づいて会計処理を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書】
③ 【連結包括利益計算書】
④ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
住友理工㈱(以下、「当社」という。)は、日本に所在する株式会社であります。当社の連結財務諸表は2024年3月31日を期末日とし、当社及び子会社(以下、「当社グループ」という。)並びに当社の関連会社により構成されております。当社グループの主な事業内容は、注記「6.セグメント情報」に記載しております。
なお、当社の親会社は住友電気工業㈱であります。
2.作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に定める「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、同第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
本連結財務諸表は、2024年6月20日に取締役会によって承認されております。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」に記載のとおり、公正価値で測定されている特定の金融商品、及びトルコの子会社における超インフレ会計の適用等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 表示通貨及び単位
連結財務諸表の表示通貨は、当社の機能通貨である日本円であり、百万円未満を四捨五入しております。
(4) 会計方針の変更
(IAS第12号「法人所得税」の改訂の適用)
当社グループは、2023年5月に公表された、IAS第12号「法人所得税」の改訂を当連結会計年度より適用しております。当該改訂は、OECDによるBEPSの第2の柱GloBE(グローバル・ミニマム課税)ルールを導入するために制定された又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に、IAS第12号が適用されることを明確化した上で、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する繰延税金資産及び負債を認識及び開示しないことを要求する一時的な例外措置を定めております。また、当該改訂は公表後直ちに遡及適用するよう定められており、当社グループは当該例外措置を当連結会計年度より遡及適用し、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する繰延税金資産及び負債を認識及び開示しておりません。
また、当連結会計年度より、IAS第12号「法人所得税」の改訂(単一の取引から生じた資産及び負債に係る繰延税金)を適用しております。
当該基準書の適用による当社グループの連結財務諸表への重要な影響はありません。
3.重要性がある会計方針
以下に記載されている会計方針は、他の記載がない限り、連結財務諸表に記載されているすべての期間において、継続的に適用されております。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。支配とは、当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有していることをいいます。子会社は当社グループが支配を獲得した日から連結を開始し、支配を喪失した日以降は連結を中止しております。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引から生じた未実現損益は、連結財務諸表の作成にあたり消去しております。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
連結財務諸表には、決算日を親会社の決算日に統一することが、子会社の所在する現地法制度上不可能である等の理由により、親会社の決算日と異なる日を決算日とする子会社の財務諸表が含まれております。当該子会社の決算日と親会社の決算日の差異は3ヶ月を超えることはありません。
連結財務諸表の作成に用いる子会社の財務諸表を親会社と異なる決算日で作成する場合、その子会社の決算日と親会社の決算日との間に生じた重要な取引又は事象については調整を行っております。
支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動については、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが当該企業の財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配は有していない企業をいいます。関連会社については、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって会計処理しております。
連結財務諸表には、決算日を親会社の決算日に統一することが、関連会社の所在する現地法制度上不可能である等の理由により、親会社の決算日と異なる日を決算日とする関連会社への投資が含まれております。決算日の差異により生じる期間の重要な取引又は事象については調整を行っております。
(2) 企業結合及びのれん
当社グループは、企業結合の会計処理として取得法を適用しております。企業結合において取得した識別可能資産及び引き受けた識別可能負債と偶発負債は、取得日における公正価値で測定しております。取得に関連して発生した費用は、発生時に費用として認識しております。非支配持分は、当社グループの持分とは別個に識別されます。被取得企業に対する非支配持分の測定については、非支配持分を公正価値で測定するか、被取得企業の識別可能な資産及び負債の純額に対する非支配持分の比例割合で測定するか、個々の企業結合取引ごとに選択しております。
のれんは、移転された企業結合の対価、被取得企業の非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計額が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定しております。
割安購入により、当該金額が取得した識別可能資産及び負債の正味価額を下回る場合、差額は純損益として認識しております。
のれんは償却を行わず、毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの帳簿価額は取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しております。のれんの減損損失は純損益として認識し、戻し入れは行っておりません。
のれんは、減損テスト実施のために、企業結合からの便益を得ることが期待される個々の資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
当社グループ各社の財務諸表は、その企業が事業活動を行う主たる経済環境の通貨である機能通貨で作成しております。連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。
外貨建取引は、取引日における為替レートで当社グループ各社の機能通貨に換算しております。期末日における外貨建の貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算し、換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定される金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債については期末日の為替レート、収益及び費用については、連結会計期間中の為替レートが著しく変動している場合あるいは超インフレ経済国の通貨である場合を除き、期中平均レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識しております。当該差額は「在外営業活動体の為替換算差額」として、その他の資本の構成要素に含めております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動が処分された期間に純損益として認識しております。超インフレ経済下にある子会社の財務諸表は、決算日の直物為替相場により換算し、当社グループの連結財務諸表に反映しております。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から概ね3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(5) 金融商品
① デリバティブ以外の金融資産
(ⅰ)分類
当社グループは、デリバティブ以外の金融資産を、償却原価で測定される金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産、又は純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
償却原価で測定される金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合に償却原価で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
(a) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産
償却原価で測定される金融資産、又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産以外の金融資産のうち、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をした資本性金融資産については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
ただし、純損益を通じて公正価値で測定しない金融資産に対し、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産として指定することにより、会計上のミスマッチを除去又は大幅に低減する場合には、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産として指定する取消不能な選択をする場合があります。
(ⅱ)当初認識及び測定
当社グループは、営業債権及びその他の債権を、これらの発生日に当初認識しております。その他のすべての金融資産は、当社グループが当該金融資産の契約当事者となった取引日に当初認識しております。すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類される場合を除き、公正価値に取引コストを加算した金額で当初測定しております。
(ⅲ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
償却原価で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産については、実効金利法による償却原価で測定しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
(a) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産に係る公正価値の変動額は、減損利得又は減損損失及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止が行われるまで、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、過去に認識したその他の包括利益は純損益に振り替えております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産に係る公正価値の変動額は、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、又は公正価値が著しく下落した場合、過去に認識したその他の包括利益は利益剰余金に直接振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については純損益として認識しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(ⅳ)認識の中止
金融資産は、キャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅したか、譲渡されたか、又は実質的に所有に伴うすべてのリスクと経済価値が移転した場合に認識を中止しております。
また当社グループは、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
(ⅴ)減損
当社グループは償却原価で測定される金融資産に係る予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
信用リスクの著しい増大の判定
当社グループは、期末日ごとに、金融資産の債務不履行発生のリスクを期末日現在と当初認識日現在で比較し、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかを評価しております。
なお、当社グループは、信用リスクが著しく増加しているかどうかを当初認識以降の債務不履行の発生リスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行の発生リスクに変化があるかどうかを評価するのにあたっては、主に期日経過の情報を考慮し、以下も考慮しております。
・金融資産の外部信用格付の著しい変化
・内部信用格付の格下げ
・借手の経営成績の悪化
予想信用損失アプローチ
予想信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値であります。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増加していない場合には、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
なお、上記にかかわらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が発生した場合は、貸倒引当金の戻入額を純損益で認識しております。
② デリバティブ以外の金融負債
(ⅰ)分類
当社グループは、デリバティブ以外の金融負債を、償却原価で測定される金融負債に分類しております。ただし、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債として指定する取消不能な選択をする場合、当該金融負債は純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に分類しております。
(ⅱ)当初認識及び測定
当社グループは、当社グループが発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。その他のすべての金融負債は、当社グループが当該金融負債の契約当事者になる取引日に当初認識しております。すべての金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に分類される場合を除き、公正価値に取引コストを加算した金額で当初測定しております。
(ⅲ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、償却原価で測定される金融負債については、実効金利法による償却原価で測定し、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(ⅳ)認識の中止
金融負債は消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に認識を中止しております。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスクや金利リスクをヘッジするために、為替予約及び金利スワップ等のデリバティブを利用しております。当該デリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定し、その後も公正価値で事後測定しております。
デリバティブの公正価値の変動額は、純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しております。
(ⅰ)ヘッジ会計の適格要件
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計の適格要件を満たすかどうかを評価するために、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、並びに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化しております。また、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値、又はキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し、ヘッジ有効性の要求をすべて満たしているかどうかについても、ヘッジ開始時に及び継続的に評価し文書化しております。なお、ヘッジ有効性の継続的な評価は、各期末日又はヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった時のいずれか早い方において行っております。
(ⅱ)適格なヘッジ関係の会計処理
ヘッジ会計の適格要件を満たすヘッジ関係については、以下のように会計処理しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額のうち、ヘッジ有効部分であるキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金はその他の包括利益として認識し、ヘッジ有効部分以外は純損益として認識しております。
ヘッジされた予定取引がその後に非金融資産若しくは非金融負債の認識を生じる場合、又は、非金融資産若しくは非金融負債に係るヘッジされた予定取引が公正価値ヘッジが適用される確定約定となった場合、キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金を直接、当該資産又は負債の当初原価又はその他の帳簿価額に振り替えております。
上記以外のキャッシュ・フロー・ヘッジに係るキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金は、ヘッジされた予想将来キャッシュ・フローが純損益に影響を与えるのと同じ期間に、純損益に振り替えております。
ただし、当該金額が損失であり、当該損失の全部又は一部が将来の期間において回収されないと予想する場合には、回収が見込まれない金額を、直ちに純損益に振り替えております。
ヘッジ会計を中止する場合、キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金は、ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生が依然見込まれる場合には、当該キャッシュ・フローが発生するまでキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金に残し、ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生がもはや見込まれない場合には、純損益に直ちに振り替えております。
④ 金融資産及び金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ純額ベースで決済するか又は資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ、相殺し、連結財政状態計算書において純額で表示しております。
⑤ 金融商品の公正価値
各報告日現在で活発な市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表価格又はディーラー価格を参照しております。活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を使用して算定しております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のすべての原価を含めております。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で計上しております。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想売価から関連する販売直接費を控除した額であります。取得原価は主として総平均法を用いて算定しております。
(7) 有形固定資産
有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、撤去及び原状回復費用並びに借入費用で資産計上の要件を満たすものが含まれております。
取得後に追加的に発生した支出については、その支出により将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、金額を信頼性をもって測定することができる場合にのみ、当該取得資産の帳簿価額に算入するか個別の資産として認識するかのいずれかにより会計処理しております。他のすべての修繕及び維持に係る費用は、発生時に純損益として認識しております。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産は、取得原価から残存価額を控除した償却可能価額について、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、定額法で償却しております。
主な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 : 3~50年
・機械装置及び運搬具 : 4~12年
・工具、器具及び備品 : 2~15年
有形固定資産の減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、期末日ごとに見直しを行っております。
(8) リース
2020年3月期よりIFRS第16号の適用に伴い、当社グループは、契約の開始時に、特定された資産の使用を支配する権利が一定期間にわたって対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。リース期間が12ヶ月以内のリース及び原資産が少額であるリース以外の全てのリースについて、原資産を使用する権利を表す使用権資産とリース料を支払う義務を表すリース負債を認識しております。リース開始日時点において、使用権資産はリース料総額の割引現在価値に取得時直接コスト等を調整した額で認識しており、リース負債はリース料総額の割引現在価値で認識しております。通常、当社グループは割引率として追加借入利子率を使用しており、使用権資産はリース期間にわたり定額法にて償却しています。リース料は、リース負債に係る金利を控除した金額をリース負債の減少として処理しております。金融費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
(9) 無形資産
無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識に際し取得原価で測定し、企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。なお、自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として計上しております。
無形資産は、資産の取得原価から残存価額を控除した額について、見積耐用年数にわたり、定額法で償却しております。主な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウエア : 5年
・開発資産 : 5年
無形資産の償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、期末日ごとに見直しを行っております。
(10) 非金融資産の減損
当社グループは四半期ごとに、各資産についての減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候が存在する場合、又は、毎年減損テストが要求されている場合には、その資産の回収可能価額を見積っております。回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定しております。処分コスト控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用しております。また、使用価値の評価における将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した割引率を使用して、現在価値まで割り引いております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合に、純損益として認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しております。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、四半期ごとに損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかを評価しております。そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として、減損損失を戻し入れております。
(11) 従業員給付
① 退職後給付
(a) 確定給付制度
当社及び一部の子会社では確定給付制度を採用しております。確定給付制度に関連して連結財政状態計算書で認識される資産又は負債は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を差し引いた額であります。確定給付制度債務は、予測単位積増方式を用いて毎年算定しております。割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。
確定給付制度から生じる確定給付資産又は負債の純額の再測定は、発生した期間のその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。再測定は、確定給付制度債務に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(制度資産に係る利息収益の金額を除く)等で構成されております。過去勤務費用は、発生した期間に純損益として認識しております。
(b) 確定拠出制度
当社及び一部の子会社では確定拠出制度を採用しております。確定拠出制度の退職給付に係る費用は、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。
② その他の長期従業員給付
退職後給付以外の長期従業員給付に対する債務は、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を現在価値に割り引いて算定しております。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付は、割引計算を行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。当社グループが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的及び推定的債務を負っており、かつ、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合、支払われると見積られる額を負債として認識しております。
(12) 引当金及び偶発負債
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために資源の流出が必要となる可能性が高く、その金額について信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。
引当金は、貨幣の時間価値が重要である場合には、債務の決済に必要とされると見込まれる支出に、貨幣の時間価値の現在の市場評価と当該債務に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値で測定しております。時間の経過による引当金の増加は純損益として認識しております。
製品保証引当金については、販売した製品の品質保証費用の支出に備えるため、過去の発生実績に基づいて見積もった支出のほか、個々の案件について合理的に算定した見込額を加えて計上しております。
環境引当金は、当社グループに法的義務又は推定的債務が存在する場合に、環境対策の支出に備えるため、必要と認められる額を計上しております。将来において経済的便益の流出が予測される時期は、将来の事業計画等により影響を受けます。
資産除去債務は、当社グループが使用する賃貸事業所・土地建物に対する原状回復義務に備え、将来支払うと見込まれる金額を計上しております。これらの費用は、事務所等の耐用年数を考慮して決定した使用見込期間経過後に支払われると見込んでおりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
期末日現在において発生可能性のある債務を有しているが、それが期末日現在の債務であるか否か確認ができないもの、又は引当金の認識基準を満たさないものについては、偶発負債として注記しております。
(13) 自己株式
自己株式は取得原価で評価し、資本から控除しております。当初の自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しております。
(14) 収益認識
① 物品の販売
当社グループは顧客との契約について以下の5ステップを適用することにより収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
当社グループは、自動車用品セグメントにおいては、防振ゴム、ホース、内装品、制遮音品、燃料電池(FC)部材、ゴムシール材などを国内外の顧客に提供しており、一般産業用品セグメントにおいては、精密樹脂ブレード・ロール、車両用・住宅用・橋梁用防振ゴム、高圧ホース・搬送用ホースなどを国内外の顧客に提供しております。これらの製品については、顧客に製品を引き渡した時点で、履行義務を充足したと判断し、同時点で収益を認識しております。
また、収益は、顧客との契約において約束された対価から値引等の見積りを控除した金額で算定しております。
② 役務の提供
役務の提供による収益は、通常の事業活動における役務の提供により受け取った対価又は債権の公正価値で測定しております。また、役務の提供に関する取引の成果を信頼性をもって見積ることができる場合には、その取引に関する収益は、期末日現在のその取引の進捗度に応じて認識しております。
③ 配当収益
配当に係る収益は、配当を受け取る権利が確定した時点で、対価又は債権の公正価値で認識しております。
(15) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ、補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。政府補助金が費用項目に関連する場合は、当該補助金で補償することが意図されている関連費用を認識する期間にわたって、規則的に純損益として認識しております。資産に関連する補助金の場合は、資産の耐用年数にわたって規則的に純損益として認識し、未経過の補助金収入を繰延収益として負債に計上しております。
(16) 金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金及びデリバティブ利益(その他の包括利益として認識されるヘッジ手段に係る利益を除く)等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。
金融費用は、支払利息及びデリバティブ損失(その他の包括利益として認識されるヘッジ手段に係る損失を除く)等から構成されております。
(17) 法人所得税
法人所得税費用は当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、その他の包括利益として認識される項目あるいは資本に直接認識される項目に関係する場合を除いて、純損益として認識しております。
当期税金は、当社グループが事業を行い、課税所得を生成している国において、期末日まで施行又は実質的に施行されている税率に基づき算定しております。
繰延税金資産及び負債は、資産負債法により、資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間に生じる一時差異に対して認識しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金や繰越税額控除のような、将来の税務申告において税負担を軽減させるものについて、それらを回収できる課税所得が生じる可能性の高い範囲内で認識しております。一方、繰延税金負債は、将来加算一時差異に対して認識しております。ただし、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合ではない取引で、かつ、取引時に会計上の純損益及び課税所得(欠損金)に影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期見直され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日において制定されている、又は実質的に制定されている税法及び税率に基づいて資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税法及び税率によって測定しております。
繰延税金資産及び負債の相殺が行われるのは、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、同一の納税主体又は純額ベースでの決済を行うことを意図している異なる納税主体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものである場合であります。
IAS第12号「法人所得税」に準拠した第2の柱の法人所得税にかかる繰延税金資産と繰延税金負債に関する認識及び情報開示について、例外処理を適用しております。
(18) 1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。
(19) セグメント情報
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を獲得し費用を発生させる事業活動の構成単位であります。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別に財務情報が入手可能なものであり、かつ、各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、マネジメントが定期的にレビューしております。
4.重要な会計上の見積り及び判断
当社グループの連結財務諸表は、経営者の見積り及び仮定を含んでおります。これらの見積り及び仮定は、過去の実績及び期末日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づきますが、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直しております。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識しております。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある、主な見積り及び仮定は以下のとおりであります。
(1) 非金融資産の減損
当社グループは、有形固定資産、無形資産、使用権資産及びのれんについて、注記「3.重要性がある会計方針」に従って、使用価値及び処分コスト控除後の公正価値による回収可能価額に基づき、減損テストを実施しております。また使用価値の評価においては、将来のキャッシュ・フロー、割引率等について仮定を設定しております。これらの仮定については、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。また、処分コスト控除後の公正価値の評価については、評価手法モデルの選択等に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要としております。
有形固定資産、無形資産、使用権資産及びのれんの当連結会計年度末の残高は連結財務諸表を、非金融資産の減損に関しては注記「12.のれん及び無形資産」、「13.非金融資産の減損」をご参照ください。
(2) 法人所得税
当社グループは、複数の租税区域の法人所得税の影響を受けます。世界各地における法人所得税の見積額を決定する際には、重要な判断が必要であります。取引及び計算方法によっては、最終的な税額に不確実性を含むものも多くあります。当社グループは追加徴収が求められるかどうかの見積りに基づいて、予想される税務調査上の問題について負債を認識しております。これらの問題に係る最終税額が当初に認識した金額と異なる場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
また、繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。繰延税金資産の認識に際しては、課税所得が生じる可能性の判断において、将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、金額を算定しております。
課税所得が生じる時期及び金額は、事業計画を基礎としております。当該事業計画に含まれる将来売上高の予測やコスト削減施策による収益改善等の計画は、将来の経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、不確実性を伴うものであります。よって、実際に生じた課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
法人所得税に関連する内容及び金額に関しては、注記「18.法人所得税」をご参照ください。
(3) 製品保証引当金
当社グループは、販売した製品の品質保証費用の支出に備えるため、将来発生しうる見込額を製品保証引当金として計上しております。製品保証引当金には、過去の発生実績に基づいて見積もった支出のほか、個々の案件については対象製品の数量、対象製品あたりの対応諸費用、負担割合等から合理的に見込まれる金額を算定しております。当該見積りは、不確実性を有しており、状況の変化等により、実際の発生額とは異なる可能性があります。
製品保証引当金に関連する金額に関しては、注記「16.引当金」をご参照ください。
5.未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の公表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、2024年3月31日現在において当社グループが適用していない主なものは、以下のとおりです。適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積もることはできません。
6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別の管理体制を置き、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは、管理体制を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「自動車用品」、「一般産業用品」の2つを報告セグメントとしております。
各報告セグメント区分の主な製品・サービス又は事業内容は、以下のとおりであります。
(2) 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産及びその他の項目
報告セグメントの会計方針は、注記「3.重要性がある会計方針」で記載している当社グループの会計方針と同じであります。
報告セグメント間の内部売上高及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
当社グループの報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産及びその他の項目は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 1.セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益を含めた金額である事業利益を使用しております。
2.セグメント資産の調整額△1,490百万円には各報告セグメントに配分していない全社資産11,443百万円及びセグメント間債権債務の相殺消去△12,933百万円が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 1.セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益を含めた金額である事業利益を使用しております。
2.セグメント資産の調整額1,462百万円には各報告セグメントに配分していない全社資産20,476百万円及びセグメント間債権債務の相殺消去△19,014百万円が含まれております。
(3) 主要な製品及び役務からの収益
「(1) 報告セグメントの概要」及び「(2) 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産及びその他の項目」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(4) 地域別情報
外部顧客への売上高
(注) 売上高は販売先が所在している国ごとに分類しております。
非流動資産
(注) 非流動資産は資産の所在地によっております。また、金融商品、繰延税金資産、退職給付に係る資産を含んでおりません。
(5) 主要な顧客に関する情報
当社グループは、トヨタ自動車㈱とそのグループ会社及び本田技研工業㈱とそのグループ会社に対し製品の販売等を継続的に行っており、同グループに対する売上収益は連結全体売上収益の10%以上であります。
同グループに対する売上収益は日本、米州、中国、アジアの外部顧客への売上収益に含まれており、前連結会計年度は296,729百万円であり、当連結会計年度は353,450百万円であります。
7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。
(注) 前連結会計年度末及び当連結会計年度末の連結財政状態計算書上における「現金及び現金同等物」の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上における「現金及び現金同等物」の残高は一致しております。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりであります。
9.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりであります。
(注) 当連結会計年度において売上原価に計上された棚卸資産の評価減の金額(△は戻し入れ金額)は、1,362百万円(前連結会計年度は941百万円)であります。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要な評価減の戻し入れはありません。
10.有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりであります。なお、負債の担保として抵当権が設定された有形固定資産はありません。
(注) 取得原価に含めた借入費用はありません。
(注) 有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書上の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」、
減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に含まれております。
11.リース
(1) 使用権資産の増加額、減価償却費及び帳簿価額
使用権資産の増加額、減価償却費及び帳簿価額は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(2) リースに係る費用等
リースに係る費用等の内訳は以下のとおりであります。
リース負債の満期分析については、注記「21.金融商品 (3)財務リスク管理 ②流動性リスク」に記載しております。
12.のれん及び無形資産
(1) 取得原価、償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりであります。
なお、耐用年数を確定できない重要な無形資産はありません。
(注) 無形資産の償却費は、連結損益計算書上の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。
(2) 減損テスト
各資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額は以下のとおりであります。
のれんの減損テストの回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された、最長5年間の事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の加重平均資本コスト(13.7%)により現在価値に割り引いて算定しております。事業計画の期間を超えるキャッシュ・フローは、資金生成単位が属する市場の長期平均成長率等(0%)をもとに推定しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、のれんの減損損失は認識しておりません。減損テストに用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
13.非金融資産の減損
当社グループは、会社別・事業別に、キャッシュ・フローを生み出す最小単位をグルーピングしております。減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に含まれております。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
自動車用品及び一般産業用品を製造する会社の建物、生産設備等について、当初想定していた収益性が見込めなくなったことから減損処理を行っております。回収可能価額は、不動産鑑定評価額等に基づく処分コスト控除後の公正価値により算定されております。なお、公正価値ヒエラルキーはレベル3であります。
一般産業用品セグメントにおいて、698百万円減損損失を計上しており、これは当社化成品事業における生産・供給体制再編により、同事業の資産の譲渡や最適配置の結果、主要生産拠点である富士裾野製作所の建物等の資産において今後使用見込みが無く廃却が決定している資産の減損処理を行っております。
今後使用見込みの無い建物等資産の回収可能額は零として算定されております。
14.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりであります。
15.社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は、以下のとおりであります。
(1) 社債
社債の発行条件の要約は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(2) 借入金
当連結会計年度における「短期借入金」、「1年内返済予定の長期借入金」、「長期借入金」の平均利率は、それぞれ3.91%、0.85%、0.44%であります。「長期借入金」の返済期限は 2025年~2031年であります。
(3) 担保
担保に供している資産及び担保付債務はありません。
16.引当金
引当金の増減は、以下のとおりであります。
(注1) 各引当金の説明については、「3.重要性がある会計方針(12) 引当金及び偶発負債」に記載しております。
(注2) その他には、訴訟等関連費用の引当金が含まれておりますが、当社グループの立場が著しく不利になる可能性があるため、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」の92項に従い個別に記載しておりません。
(注3) 前連結会計年度においてその他に含めていた資産除去債務について、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、比較情報についても組替えて表示しております。
17.従業員給付
(1) 採用している退職給付制度の概要
当社及び一部の連結子会社は、確定給付制度として、企業年金基金制度及び退職一時金制度等を設けております。また、当社及び一部の連結子会社は、確定拠出年金制度及び退職金前払制度を設けております。この他、従業員の退職等に関して、IAS第19号「従業員給付」に準拠した数理計算による確定給付制度債務の対象とされない特別退職金を支払う場合があります。
(2) 確定給付制度
当社グループでは、確定給付制度を設けております。給付額は勤続年数、職能・職務等級、役職等の評価要素に基づき決定されます。
① 確定給付制度に関するリスク
当社グループは、確定給付制度について様々なリスクに晒されております。主なリスクは、以下のとおりです。なお、当社グループは、制度資産に関して重大な集中リスクには晒されておりません。
② 連結財政状態計算書上の認識額
連結財政状態計算書上の確定給付に係る負債(資産)の純額は、以下のとおりであります。
③ 連結損益計算書上の認識額
連結損益計算書上の費用として認識した金額は、以下のとおりであります。
④ 確定給付制度債務
確定給付制度債務の増減は、以下のとおりであります。
(注1) 数理計算上の差異は主に財務上の仮定の変化により生じた差異であります。
(注2) 確定給付制度債務の加重平均デュレーションは10.0年(前連結会計年度は9.8年)であります。
⑤ 制度資産
制度資産の投資方針としては、資本性金融資産、負債性金融資産及び保険契約等に分散したポートフォリオを構成し、将来の給付義務を全うできる水準の収益を長期的・安定的に目指しております。
なお、投資方針については、企業年金基金制度の財政状況や運用環境を勘案しながら、必要に応じて見直しを行うこととしております。
また、各資産の運用を実行する際にも、リスク分散に留意し、継続的なモニタリングを通じて運用面の効率性を追求することとしております。
制度資産の公正価値の増減は、以下のとおりであります。
(注) 翌年度の予想拠出額は744百万円であります。
制度資産の公正価値の内訳は、以下のとおりであります。
⑥ 数理計算上の仮定
数理計算のために使用した主要な仮定は、以下のとおりであります。
⑦ 感応度分析
数理計算上の仮定が変動した場合の確定給付制度債務への影響は、以下のとおりであります。本分析においては、その他すべての変数は一定のものと仮定しております。また、本分析は報告期間の末日において合理的と見込まれる変数の変動幅に基づいております。
(3) 確定拠出制度
確定拠出制度に係る退職給付費用は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識し、未払拠出額を負債として認識しております。
確定拠出制度に係る退職給付費用は、以下のとおりであります。
18.法人所得税
(1) 繰延税金
① 繰延税金資産及び負債の変動内訳
繰延税金資産及び負債の変動の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注1) 純損益で認識した額と繰延税金費用の合計との差額は、為替の変動によるものであります。
(注2) 当社を含む日本の通算グループに係る繰延税金資産5,150百万円を計上しております。
当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注1) 純損益で認識した額と繰延税金費用の合計との差額は、為替の変動によるものであります。
(注2) 当社グループは、当連結会計年度よりIAS第12号「法人所得税」の改訂(単一の取引から生じた資産及び負債
に係る繰延税金の会計処理の明確化)を適用しております。この適用に伴い、前連結会計年度及び当連結会
計年度の繰延税金資産において「リース負債」、及び繰延税金負債において「使用権資産」を別掲しており
ます。
なお、この適用に伴う前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財務諸表への重要な影響はありません。
当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異又は繰越欠損金の一部又は全部が将来の課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来の課税所得及びタックスプランニングを考慮しております。当社グループは、認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が認識できる期間における将来の課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性は高いと判断しております。ただし、認識可能と考えられる繰延税金資産の金額は、控除可能期間における将来の課税所得見込が減少すれば、同様に減少することとなります。
② 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
③ 繰延税金負債が認識されていない子会社に対する持分に関する将来加算一時差異
当連結会計年度において繰延税金負債として認識されていない子会社の留保利益に関連する一時差異の総額は8,568百万円(前連結会計年度は9,094百万円)であります。
上記の一時差異は、当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いため、当該一時差異に係る繰延税金負債を認識しておりません。
(2) 法人所得税費用
① 税金費用
法人所得税費用の主要な内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 繰延税金費用には、繰延税金資産の評価減又は以前に計上した評価減の戻入(繰延税金資産の回収可能性の評価)により生じた費用の額が含まれております。これに伴う、前連結会計年度及び当連結会計年度における繰延税金費用の増減額は、それぞれ4,294百万円(増加)及び2,395百万円(減少)であります。
② 法定実効税率と実際負担税率の調整表
当社グループの法定実効税率と実際負担税率との調整は、以下のとおりであります。実際負担税率は税引前当期利益に対する法人所得税費用の負担割合を表示しております。
(注) 当社グループは、主に法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した当連結会計年度の法定実効税率は30.6%(前連結会計年度は30.6%)であります。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
日本においては令和5年度税制改正において、グローバル・ミニマム課税に対応する法人税が創設され、それに係る規定を含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号))(以下、「改正法人税法」という。)が2023年3月28日に成立しております。改正法人税法では、BEPSのグローバル・ミニマム課税ルールのうち、所得合算ルール(IIR)が導入されており、2024年4月1日以後開始事業年度より、日本に所在する親会社の子会社等の税負担が最低税率(15%)に至るまで、日本に所在する親会社に対して追加で上乗せ課税されることになります。
当社グループでは一部子会社の所在する軽課税国での税負担率が最低税率の15%に至るまで課税されることになりますが、連結財務諸表に与える影響は軽微であると判断しております。
19.収益
(1)収益の分解
当社グループは、自動車用品セグメントにおいては、防振ゴム、ホース、内装品、制遮音品、燃料電池(FC)部材、ゴムシール材などを国内外の顧客に提供しており、一般産業用品セグメントにおいては、精密樹脂ブレード・ロール、車両用・住宅用・橋梁用防振ゴム、高圧ホース・搬送用ホースなどを国内外の顧客に提供しております。これらの製品については、顧客に製品を引き渡した時点で、履行義務を充足したと判断し、同時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から値引等の見積りを控除した金額で算定しております。
地域別の収益とセグメント売上の収益の関連は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(注) 金額は、外部顧客への売上高で表示しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(注) 金額は、外部顧客への売上高で表示しております。
(2)契約残高
顧客との契約から生じた債権及び契約負債の残高は以下のとおりです。
連結財政状態計算書において、顧客との契約から生じた債権は、営業債権及びその他の債権に含まれております。
当連結会計年度の期首現在の契約負債残高はすべて、当連結会計年度の収益として認識しております。
(3)残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(4)顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。また、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約獲得の増分コストを発生時に費用として認識しております。
20.売却目的で保有する資産
売却目的で保有する資産の内訳は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度に売却を決定した、自動車用品事業セグメントに属する海外子会社が保有する建物等について、売却目的で保有する資産に分類しております。これらの資産は、翌連結会計年度に売却する事を予定しております。
当連結会計年度(2024年3月31日)
当連結会計年度に売却を決定した、自動車用品事業セグメントに属する海外子会社が保有する建物等について、売却目的で保有する資産に分類しております。これらの資産は、翌連結会計年度に売却する事を予定しております。
21.金融商品
(1) 資本管理
当社グループの資本管理における目的は、株主へのリターンの提供、他の利害関係者への便益の供与、並びに資本コスト削減に向けた最適な資本構成の維持のために、継続企業として存続するためのグループの能力を維持することにあります。
資本構成を維持又は調整するために、当社グループは、株主に対して支払う配当の金額を調整したり、株主に対して資本を償還したり、新株を発行したり、又は資産の売却による債務の削減を行う場合があります。
当社グループは有利子負債から現金及び現金同等物を控除した正味有利子負債及び親会社の所有者に帰属する持分、資本負債比率を管理対象としており、各数値は以下のとおりであります。
当社グループは、中期経営計画の策定及び見直しの都度、収益及び投資計画に加え、これらの指標についてもマネジメントがモニターし、確認しております。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
(2) 金融商品の分類
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産は、連結財政状態計算書における「その他の金融資産」に含まれております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債及びヘッジ手段として指定された金融負債は、連結財政状態計算書における「その他の金融負債」に含まれております。
なお、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産及び金融負債として指定する取消不能な選択を行った金融資産及び金融負債は保有しておりません。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
当社グループは、投資先との取引関係の維持、強化による収益基盤の拡大を目的とする長期保有の株式について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に指定しております。
報告期間末に「その他の金融資産」に計上されている、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値及び受取配当金は以下のとおりであります。
期中に処分したその他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産はありません。
資本性金融資産は、保有資産の効率化及び有効活用を図るため、定期的に公正価値や発行体の財務状況を把握し、保有の是非について見直しております。
(3) 財務リスク管理
当社グループは、信用リスク、流動性リスク、市場リスク(為替リスク、金利リスク及び株価変動リスク)等の様々なリスクに晒されております。また、当社グループは市場リスクをヘッジするために、先物為替予約、金利スワップ等のデリバティブ金融商品を利用しております。デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限を定めた社内規程に従っており、デリバティブ金融商品を利用した投機的な取引は行わない方針であります。
また、当社グループは設備投資計画に照らして、必要な資金(主に銀行借入や社債発行)を調達しております。一時的な余剰資金は安全性の高い金融資産で運用し、短期的な運転資金を銀行借入により調達しております。資金調達に係る流動性リスクについては、各社が月次で資金繰り計画を作成するなどの方法により管理しております。
① 信用リスク
当社グループは、保有する金融資産の相手先の債務が不履行になることにより、金融資産が回収不能になるリスク、すなわち信用リスクに晒されております。当該リスクに対応するために、当社グループの与信管理規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を定期的に把握する体制としております。さらに、必要に応じて担保設定・ファクタリング等を利用することによって保全措置を図っております。
また、当社グループでは、為替相場の変動に係るリスクを軽減するために、金融機関等とデリバティブ金融商品の取引を行っておりますが、デリバティブ金融商品の取引については、信用力の高い金融機関を相手方として行うことが基本となっており、信用リスクに及ぼす影響は限定的であります。
なお、特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。
金融資産については、連結財務諸表に表示されている減損後の帳簿価額が、当社グループの信用リスクに係る最大エクスポージャーとなります。
これらの信用リスクに係るエクスポージャーに関し、担保として保有する物件及びその他の信用補完するものはありません。
(ⅰ)信用リスク・エクスポージャー
営業債権、その他の債権及びその他の金融資産に係る当社グループの信用リスク・エクスポージャーは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(ⅱ)貸倒引当金の増減分析
当社グループは、取引先の信用状態に応じて営業債権等の回収可能性を検討し、貸倒引当金を計上しております。貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
② 流動性リスク
当社グループは、金融機関からの借入や社債を発行することにより、運転資金や設備投資資金の調達を行っておりますが、これらの債務の履行が困難となるリスク、すなわち流動性リスクに晒されております。当社グループは、事業を遂行するにあたって必要最小限の手元資金を確保するために、適宜金融機関からの借入、社債の発行を行っており、また突発的な資金需要の発生や市場の流動性が著しく低下した時等の緊急的な事態に備えてコミットメントラインを設定しております。
また、当社は、グループ各社の資金需要を適宜把握した上で、月次ベースの資金計画を作成し、流動性リスクを管理しております。
当社グループの非デリバティブ金融負債及びデリバティブ金融負債の残存契約満期期間ごとの金額は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1年内返済予定の長期借入金を含んでおります。
③ 市場リスク
(ⅰ)為替リスク
当社グループは、グローバルに事業展開を行っており、一部の原材料の調達及び製品の販売を外貨建取引で実施していることから、当該取引より発生する外貨建の債権債務について、為替リスクに晒されております。当社グループの為替リスクは、主に米ドル、人民元及びユーロの為替変動により発生しております。当社グループは、外貨建の債権債務について、それらから発生する為替リスクが将来的に相殺されることも考慮の上、先物為替予約等を付すことにより、当該為替リスクをヘッジしております。
為替感応度分析
以下の表は、当社グループの為替リスクエクスポージャー(純額)に対する感応度分析であります。
(単位:百万円)
感応度分析は、期末に保有している外貨建の金融商品を対象に、1%円高となった場合に税引前当期利益に与える影響額を示しております。本分析においては、その他すべての変数は一定のものと仮定しております。
(ⅱ)金利リスク
当社グループは、事業活動を進める上で、運転資金及び設備投資等に必要となる資金を調達することに伴い発生する利息を支払っておりますが、変動金利での借入を行っている場合には、利息の金額は市場金利の変動に影響を受けることから、利息の将来キャッシュ・フローが変動する金利リスクに晒されております。当社グループは、原則として、資金使途を設備投資等の目的としている長期借入金のうち、変動金利の借入については、金利の上昇による利息の支払額の増加を抑えるために、利息の受取額を変動金利、利息の支払額を固定金利としてその差額を授受する金利スワップ契約を金融機関と締結しております。
その結果、利息の支払いが当社グループに与える影響は小さく、金利リスクは当社グループにとって重要なものではないと考えているため、金利感応度分析は行っておりません。
(ⅲ)株価変動リスク
当社グループは、事業活動の円滑な推進を目的として、主に業務上の関係を有する会社の株式を保有していることから、株価変動リスクに晒されております。当社グループは、定期的に公正価値や取引先企業の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。
株式は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しており、株価変動に対する損益への影響はなく、また、その他の包括利益への影響も軽微です。
(4) 金融商品の公正価値
① 公正価値の測定方法
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)
これらは短期間で決済されるものであるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
その他の金融資産のうち、3ヶ月超の定期預金等については、短期間で決済されるものであるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産のうち、上場株式については取引所の市場価格、非上場株式については類似会社の市場価格に基づく評価技法等を用いて算定しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産及び金融負債並びにヘッジ手段として指定された金融資産及び金融負債であるデリバティブについては、取引先金融機関から提示された価格に基づいて算定しております。
(社債、借入金)
短期借入金については短期間で決済されるものであるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。社債及び長期借入金(1年内返済予定を含む)については、将来キャッシュ・フローを、同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
② 金融商品の区分ごとの公正価値
償却原価で測定される金融商品の公正価値は以下のとおりであります。帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品は、下表に含めておりません。なお、公正価値で測定される金融商品については、「(2) 金融商品の分類」において開示しております。
(注)1年内返済予定の長期借入金を含んでおります。
償却原価で測定される金融商品の公正価値ヒエラルキーはすべてレベル2であります。
③ 公正価値ヒエラルキー
以下の表は、金融資産及び金融負債に関する経常的な公正価値測定を分析したものであります。これらの公正価値測定は、用いられる評価技法へのインプットに基づいて、3つの公正価値ヒエラルキーのレベルに区分されております。それぞれのレベルは、以下のように定義付けられております。
レベル1:当社グループが測定日にアクセスできる、同一の資産又は負債に関する活発な市場における相場価格(無調整)
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外のインプットのうち、資産又は負債について直接的又は間接的に観察可能なもの
レベル3:資産又は負債に関する観察可能でないインプット
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しております。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当連結会計年度(2024年3月31日)
前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1と2間の振替はありませんでした。
④ レベル2、3に区分される公正価値測定に関する情報
(a) 評価技法及びインプット
レベル2の金融資産及び金融負債は、デリバティブ金融資産及びデリバティブ金融負債であります。これらの公正価値は、取引先金融機関から提示された価格に基づき算定しております。
レベル3の金融資産は、主として非上場株式であります。非上場株式の公正価値は、類似会社の市場価格に基づく評価技法等を用いて算定しております。非上場株式の公正価値測定にあたっては、評価倍率等の観察可能でないインプットを用いております。
(b) 評価プロセス
レベル3の金融商品に係る公正価値の測定は、関連する社内規程に従い実施しております。公正価値の測定に際しては、対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価技法及びインプットを用いております。また公正価値の測定結果については上位役職者のレビューを受けております。
(c) レベル3に区分される経常的な公正価値測定
経常的に公正価値で測定されるレベル3に分類される金融商品の公正価値の測定に関する重要な観察可能でないインプットは、EBIT倍率及び非流動性ディスカウントであります。公正価値はEBIT倍率の上昇(低下)により増加(減少)し、非流動性ディスカウントの上昇(低下)により減少(増加)します。
レベル3に分類される金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の公正価値の増減は重要ではありません。
⑤ レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表
(単位:百万円)
(注) その他の包括利益に含まれている利得及び損失は報告期間末時点に保有する市場で取引されていない株式等に関するものであります。これらは「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」に含まれております。
(5) デリバティブ金融商品
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループは、変動金利の借入に関するキャッシュ・フローの変動をヘッジするために金利スワップを利用しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動は、その他の包括利益として認識し、その他の資本の構成要素に含まれており、ヘッジ対象が純損益に認識された時点で純損益へ振り替えております。
当連結会計年度末において、キャッシュ・フローが発生すると見込まれる期間及びそれらが純損益に影響を与えることになると見込まれる期間は1年です。
ヘッジ会計を適用していないデリバティブ
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計を適用する要件を満たさない場合も含め、デリバティブを利用することが経済的に合理的である場合に、デリバティブを利用しております。
当社グループは、外貨建資産・負債に係る為替変動リスクを回避するために為替予約を利用しております。当該デリバティブ取引にはヘッジ会計を適用せずに、公正価値の変動はすべて純損益に認識しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、ヘッジ手段として指定されたデリバティブは以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年3月31日)
(単位:百万円)
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、ヘッジ対象として指定された資産又は負債は以下のとおりであります。
前連結会計年度 (2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度 (2024年3月31日)
(単位:百万円)
前連結会計年度及び当連結会計年度における、ヘッジ会計の適用による連結損益計算書への影響は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 税効果調整前の金額であります。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 税効果調整前の金額であります。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、ヘッジ会計を適用していないデリバティブの公正価値は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値全額は、ヘッジ対象の満期までの期間が12ヶ月を超える場合には非流動資産又は負債に、また12ヶ月を超えない場合には流動資産又は負債に分類しております。
22.キャッシュ・フロー情報
財務活動に係る負債の変動
財務活動に係る負債の変動は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
23.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び資本剰余金
授権株式数、発行済株式総数及び資本金等の残高の増減は以下のとおりであります。
(注1) 当社の発行する株式は、無額面普通株式であります。
(注2) 発行済株式は、全額払込済であります。
(2) 自己株式
自己株式数及び自己株式残高の増減は、以下のとおりであります。
(注1) 自己株式数及び自己株式残高の期中増加は、単元未満株式の買取等によるものであります。
(注2) 関連会社が保有する自己株式は、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ44百万円、46百万円であります。
(3) その他の資本の構成要素
① その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の公正価値の変動額であります。
② キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループは将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジを行っており、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動額のうち有効と認められる部分であります。
③ 在外営業活動体の為替換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額であります。
④ 確定給付制度の再測定
確定給付制度債務に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(制度資産に係る利息収益の金額を除く)等で構成されております。
(4) 配当金
各年度における配当金支払額は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
また、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
24.費用の性質別内訳
売上原価、販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
25.金融収益及び金融費用
(1) 金融収益
金融収益の内訳は、以下のとおりであります。
(2) 金融費用
金融費用の内訳は、以下のとおりであります。
(注1) 金利デリバティブの評価損益は、支払利息に含めております。
(注2) 通貨デリバティブの評価損益は、為替差損に含めております。
26.その他の収益及びその他の費用(金融収益及び金融費用を除く)
(1) その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりであります。
(2) その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりであります。
27.その他の包括利益
その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額は、以下のとおりであります。
28.1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
29.偶発負債
自動車用品事業において、同分野の競争法違反行為により被害を被ったとして、一部の自動車メーカーと損害賠償に関する交渉を行っております。
なお、当社グループの立場が著しく不利になる可能性があるため、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」の92項に従い、訴訟等に係る詳細な開示は行っておりません。
30.関連当事者との取引
(1) 親会社
当社グループは、当社株式の50.8%を保有する住友電気工業㈱(日本で設立)によって支配されております。残り49.2%の株式は分散して保有されております。
(2) 関連当事者との取引
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
取引条件及び取引条件の決定方針等
(注) 不動産の売却価額については、不動産鑑定士の鑑定評価額に基づき決定しております。
(3) 経営幹部に対する報酬
当社グループの経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
31.子会社
(1) 主要な子会社の状況
当社グループの主要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。
(2) 当社グループにとって重要な非支配持分がある子会社の要約財務情報等
SumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd.
なお、SumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd.の前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の資産合計は、それぞれ39,910百万円及び44,184百万円、負債合計は、それぞれ5,247百万円及び5,504百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度の当期利益のうち非支配持分に配分された金額は、それぞれ981百万円、1,348百万円、非支配持分に支払われた配当金は、それぞれ414百万円、635百万円です。
32.持分法で会計処理されている投資
持分法で会計処理されている、個々に重要性のない関連会社に対する当社グループに帰属する持分の帳簿価額は、以下のとおりであります。
持分法で会計処理されている、個々に重要性のない関連会社の要約財務情報は、以下のとおりであります。なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものであります。
(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社グループの持分の認識を停止している関連会社に対する重要な累積投資損失は該当ありません。
33.超インフレの調整
前連結会計年度において、トルコにおける3年間の累積インフレ率が100%を超えたため、当社グループはトルコ・リラを機能通貨とするトルコの子会社について、超インフレ経済下で営業活動を行っていると判断いたしました。このため当社グループは、トルコの子会社の財務諸表について、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に定められる要件に従い、報告期間の末日現在の測定単位に修正した上で、当社グループの連結財務諸表に含めております。
当社グループは、トルコにおける子会社の財務諸表の修正のため、Turkish Statistical Institute が公表するトルコの消費者物価指数から算出する変換係数を用いております。
各財政状態計算書日に対応するトルコの消費者物価指数及び変換係数は次のとおりであります。
超インフレ経済下にある子会社は、取得原価で表示されている有形固定資産等の非貨幣性項目について、取得日を基準に変換係数を用いて修正しております。現在原価で表示されている貨幣性項目及び非貨幣性項目については、報告期間の末日現在の測定単位で表示されていると考えられるため、修正しておりません。
超インフレ経済下にある子会社の財務諸表は、決算日の直物為替相場により換算し、当社グループの連結財務諸表に反映しております。
この結果、当連結会計年度における当社グループの事業利益は減価償却費等の増加により109百万円減少、親会社の所有者に帰属する当期利益は正味貨幣持高に係る損失の影響等により301百万円減少し、当連結会計年度末における資産合計は397百万円増加しております。
34.後発事象
該当事項はありません。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券
満期保有目的の債券………………償却原価法
子会社株式及び関連会社株式……移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの……………時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しております。)
市場価格のない株式等……………移動平均法による原価法
(2)デリバティブ等の評価基準及び評価方法
デリバティブ…………………時価法
(3)棚卸資産の評価基準及び評価方法
主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。)
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づき定額法を採用しております。また、営業権については、見込存続期間を償却年数(5年)とする定額法によっております。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リースに係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用については、その発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法により費用処理しております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間内の一定の年数(15年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
(3) 関係会社事業損失引当金
関係会社の事業に係る損失に備えるため、当該会社の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しております。
(4) 製品保証引当金
販売した製品の品質保証費用の支出に備えるため、過去の発生実績に基づいて見積もった支出のほか、個々の案件について合理的に算定した見込額を加えて計上しております。
(5) 役員賞与引当金
役員に対して支給する賞与の支出に備えるため、当事業年度に見合う支給見込額に基づき計上しております。
(6) 事業構造改善引当金
事業構造改善に伴い発生する費用の支出に備えるため、その発生見込額を計上しております。
(7) 債務保証損失引当金
関係会社への債務保証等に係る損失に備えるため、当該会社の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しております。
4.収益及び費用の計上基準
自動車用品セグメントにおいては、防振ゴム、ホース、内装品、制遮音品、燃料電池(FC)部材、ゴムシール材などを国内外の顧客に提供しており、一般産業用品セグメントにおいては、精密樹脂ブレード・ロール、車両用・住宅用・橋梁用防振ゴム、高圧ホース・搬送用ホースなどを国内外の顧客に提供しております。これらの製品については、顧客に製品を引き渡した時点で、履行義務を充足したと判断し、同時点で収益を認識しております。
5.外貨建の資産又は負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、事業年度末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。
6.重要なヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しております。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段…金利スワップ
ヘッジ対象…借入金利息
(3) ヘッジ方針
デリバティブ取引は、内規に基づき、為替変動リスク及び金利変動リスクを回避するために行っております。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジの有効性の評価は、ヘッジ対象とヘッジ手段を明らかにした上で、ヘッジ対象の相場変動又はキャッシュ・フロー変動とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー変動を比較し、両者の変動額を基礎として継続的(原則3ヶ月毎)に行っております。
ただし、名目金額、満期、基礎数値等、ヘッジ手段とヘッジ対象の重要な条件が完全に若しくはほぼ一致しており、両者の経済的な相殺効果が明らかである場合には、事前判定をもって有効性の判定に代えることとしております。
7.その他財務諸表作成のための重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(2) グループ通算制度の適用
当社では、グループ通算制度を適用しております。
(重要な会計上の見積り)
1.固定資産の減損
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
(百万円)
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する事項
当社は、各事業を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として、減損の兆候判定を行っております。判定においては、営業活動から生じる損益や、使用範囲又は方法について回収可能価額を著しく低下させる変化の有無等を検討しております。そのうえで、減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がそれらの帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。また、使用価値の評価においては、将来のキャッシュ・フロー、割引率等について仮定を設定しております。これらの仮定については、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
2.繰延税金資産
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
(百万円)
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する事項
連結財務諸表「連結財務諸表注記(4.重要な会計上の見積り及び判断)(2)法人所得税」に同一の内容を記載しているため記載を省略しております。
また金額の内訳を単体財務諸表「注記事項(税効果会計関係)」に記載しております。
3.製品保証引当金
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
(百万円)
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する事項
連結財務諸表「連結財務諸表注記(4.重要な会計上の見積り及び判断)(3)製品保証引当金」に同一の内容を記載しているため記載を省略しております。
(表示方法の変更)
(損益計算書)
前事業年度において「営業外費用」に独立掲記しておりました「減損損失」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「その他」へ含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っております。この結果、前事業年度の損益計算書において「営業外費用」に表示しておりました「減損損失」93百万円は、「その他」として組み替えております。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分掲記したものを除く)
※2 保証債務
下記の関係会社の金融機関借入金等に対し、次のとおり債務保証を行っております。
上記のうち外貨建保証債務は、事業年度末日の為替相場により円換算しております。
※3 期末日満期手形及び電子記録債権
期末日満期手形及び電子記録債権の会計処理については、手形交換日又は決済日をもって決済処理しておりま
す。なお、当期末日が金融機関の休日であったため、次の期末日満期手形及び電子記録債権が期末残高に含まれて
おります。
(損益計算書関係)
※1 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度22%、当事業年度21%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度78%、当事業年度79%であります。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。
※2 関係会社との取引に係るものが次のとおり含まれております。
※3 事業構造改善費用
当社の事業構造改善計画の実行に伴い発生した費用であり、希望退職者募集に伴う特別退職割増金及び再就職支援費用等 667百万円、社員寮の減損損失 717百万円、その他58百万円であります。
※4 減損損失
当社は、減損損失の測定に当たり、各事業を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位としてグルーピングを行っており、遊休資産については個別資産ごとにグルーピングを行っております。
当事業年度において、当社は以下の資産グループについて最近の業績動向及び今後の見通しを踏まえた結果、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しました。
なお、回収可能価額は不動産鑑定評価額等に基づく正味売却価額により算定されております。
上記の事業用資産については、当該減少額を減損損失として「特別損失」の「その他」に計上しております。遊休資産については当該減少額を「営業外費用」の「その他」に計上しております。社員寮については当該減少額を「特別損失」の「事業構造改善費用」に計上しております。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式(当事業年度の貸借対照表計上額は子会社株式48,660百万円、関連会社株式1,593百万円、前事業年度の貸借対照表計上額は子会社株式49,004百万円、関連会社株式1,593百万円)は、市場価格のない株式等のため、時価を記載しておりません。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主要な項目別の内訳
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「連結財務諸表注記(3.重要性がある会計方針(14)収益認識」に同一の内容を記載しているため記載を省略しております。
(重要な後発事象)
該当する事項はありません。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1.当期増加額のうち主なもの(建設仮勘定の増加額の多くは本勘定に振替られているため、記載を省略しております。)
2.「当期減少額」欄の( )は内数で、当期の減損損失計上額であります。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当する事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 当社定款の定めにより、単元未満株主は、法令により定款をもってしても制限することができない権利、株主 割当による募集株式及び募集新株予約権の割当てを受ける権利並びに単元未満株式の買増請求をする権利以外の権利を有しておりません。
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
(2) 内部統制報告書及びその添付書類 2023年6月16日 関東財務局長に提出
(3) 四半期報告書及び確認書
(4) 臨時報告書 2023年6月21日 関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)の規定に基づく臨時報告書であります。
2024年5月9日 関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象)の規定に基づく臨時報告書であります。
(5) 訂正発行登録書(普通社債) 2023年5月10日 関東財務局長に提出
2023年6月21日 関東財務局長に提出
2023年7月28日 関東財務局長に提出
2024年5月9日 関東財務局長に提出
(6) 有価証券報告書の訂正報告書及びその添付書類並びに確認書
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。



