第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 当社は、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して連結財務諸表を作成しています。
2 売上収益には、消費税等は含まれていません。
3 当社は、2023年9月30日を基準日、2023年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益(親会社の所有者に帰属)および希薄化後1株当たり当期利益(親会社の所有者に帰属)については、第96期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出しています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 売上高には、消費税等は含まれていません。
2 第98期より年2回配当を実施しています。
3 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式がないため記載していません。
4 当社は、2023年9月30日を基準日、2023年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合
で株式分割を行っています。1株当たり純資産額および1株当たり当期純利益については、第96期の期首に
当該株式分割が行われたと仮定して算出しています。
5 第100期の中間配当額は株式分割前の87円、期末配当額は株式分割後の39円とし、年間配当額は単純合計で
ある126円と記載しています。
6 第100期より、特別利益および特別損失の一部について表示方法の見直しを行い、それぞれ営業外収益、営
業外費用に変更したため、第99期についても当該表示方法の変更を反映した組替後の数値を記載していま
す。
7 最高株価・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部、2022年4月4日以降は東京証
券取引所プライム市場におけるものです。なお、第100期の株価については株式分割後の最高株価および最
低株価を記載しており、株式分割前の最高株価および最低株価を括弧内に記載しています。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成しており、関係会社の情報についてもIFRSの定義に基づいて開示しています。
当社グループは、当社および国内外360社の関係会社(連結子会社289社、持分法適用会社71社)により構成され、事業別には、二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびパワープロダクツ事業及びその他の事業からなっています。
二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびパワープロダクツ事業及びその他の事業における主要製品およびサービス、所在地別の主な会社は、以下のとおりです。
(注) 主な会社のうち、複数の事業を営んでいる会社については、それぞれの事業区分に記載しています。
事業の系統図は、以下のとおりです。(主な会社のみ記載しています。)

4 【関係会社の状況】
(連結子会社)
(注) 1 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
2 アメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッドは、連結売上収益に占める売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く。)の割合が10%を超えています。同社の売上収益は所在地別北米セグメントの売上収益(セグメント間の内部売上収益または振替高を含む。)の90%を超えているため、主要な損益情報等の記載を省略しています。(その関係会社を含む。)
3 ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドは、債務超過会社であり、2024年3月末時点で債務超過額は 113,836百万円です。
4 その他に含まれる会社のうち特定子会社に該当する会社は、以下のとおりです。
ホンダエアロ・インコーポレーテッド、ホンダエアクラフトカンパニー・エル・エル・シー、ホンダバンク・ゲー・エム・ベー・ハー、ホンダターキー・エー・エス、ピー・ティ・ホンダ・プレシジョン・パーツ・マニュファクチュアリング、ホンダフィリピンズ・インコーポレーテッド、台灣本田股份有限公司、ホンダリーシング(タイランド)カンパニー・リミテッド、ホンダモトール・デ・アルヘンティーナ・エス・エー、バンコホンダ・エス・エー、ホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダ、ホンダコンポーネンツ・ダ・アマゾニア・リミターダ
5 その他に含まれる債務超過会社の債務超過額は、2024年3月末時点で、以下のとおりです。
ホンダエアロ・インコーポレーテッド 45,902百万円(その関係会社の持分相当額を含む。)
ホンダエアクラフトカンパニー・エル・エル・シー 234,807百万円
ホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダ 58,812百万円(その関係会社の持分相当額を含む。)
6 その他267社の内訳は国内の二輪販売会社1社、四輪販売会社14社、その他の国内連結子会社44社およびその他の海外連結子会社208社です。
(持分法適用会社)
(注) 1 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
2 その他61社の内訳は国内の四輪販売会社4社、その他の国内持分法適用会社16社およびその他の海外持分法適用会社41社です。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(注) 従業員数は就業人員です。また、( )内に臨時従業員の平均人数を外数で記載しています。
(2) 提出会社の状況
(注) 1 従業員数は就業人員です。また、( )内に臨時従業員の平均人数を外数で記載しています。
2 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでいます。
(3) 労働組合の状況
提出会社、連結子会社ともに、労使関係は安定しており特記すべき事項はありません。
提出会社の状況
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合については、当事業年度末日を基準日としています。また、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、当事業年度を対象期間としています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年(平成27年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年(平成3年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年(平成3年)労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
4 当社の労働協約適用会社である㈱本田技術研究所、㈱ホンダ・レーシング、学校法人ホンダ学園、㈱ホンダアクセスを含んでいます。
② 主要な連結子会社
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合については、当事業年度末日を基準日としています。また、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、当事業年度を対象期間としています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年(平成27年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年(平成3年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年(平成3年)労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
4 連結子会社のうち主要な連結子会社以外のものについては、「第7 提出会社の参考情報 2 その他の参考情報 (2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」という。)が判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。詳細は「3 事業等のリスク」を参照ください。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、「人間尊重」と「三つの喜び」(買う喜び、売る喜び、創る喜び)を基本理念としています。「人間尊重」とは、自立した個性を尊重しあい、平等な関係に立ち、信頼し、持てる力を尽くすことで、共に喜びをわかちあうという理念であり、「三つの喜び」とは、この「人間尊重」に基づき、お客様の喜びを源として、企業活動に関わりをもつすべての人々と、共に喜びを実現していくという信念であります。
こうした基本理念に基づき、「わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす」という社是を実践し、株主の皆様をはじめとするすべての人々と喜びを分かち合い、企業価値の向上に努めていきます。
当社グループは、モビリティカンパニーとして、「環境負荷ゼロ」「絶対安全」という大きな課題に真摯に向き合い、当社グループのめざす未来のモビリティや魅力的なモビリティ社会を、「環境・安全」という社会的価値を携えて実現することで、企業としての新たな成長軌道を描いていきたいと考えています。
こうした想いのもと、この大きな変革の時代を「第二の創業期」と位置づけてさまざまな取り組みを進めてきましたが、さらにスピードを上げ、Hondaで働くすべての仲間が共通の目的に向かって一丸となって取り組んでいくためには、「我々がめざす方向」、そして「提供価値」をより明確にしていく必要があると考え、グローバルブランドスローガンである「The Power of Dreams」の再定義を行いました。

<グローバルブランドスローガンの再定義>
当社グループがこれからも提供し続けたい価値は、「時間や空間の制約からの解放」と、「人のあらゆる可能性の拡張」です。この2つの価値を徹底的に追求し続けた先に、当社グループが夢見るこれからのモビリティと、魅力的なモビリティ社会があると考え、2つの提供価値を「Transcend」と「Augment」としました。
「Transcend(解放)」
モビリティを通じた「時間的制約」と「空間的制約」からの解放という大きな価値の創出をめざしていきます。
「Augment(拡張)」
さまざまなモビリティによって、「これまでできなかったことができるようになる」という、「人の可能性を拡張する」ことをめざしていきます。
そして、「これらの提供価値を生み出し、実現していくカギとなるのが一人ひとりの創造力」であり、全社一丸となって高い目標を掲げ、変化を恐れず、新しい価値を生み出していくための「Create(創造)」に取り組んでいきます。
モビリティカンパニーとして「物理的にひとを動かす」「ひとの心を動かす」(How we move you.)ことで、「意志を持って動き出そうとしている世界中のすべての人を支えるパワー」となり、世の中から「存在を期待される企業」であり続けることをめざします。
(2) 経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、大きな転換期を迎えています。価値観の多様化や、高齢化の進展、都市化の加速、気候変動の深刻化、さらに電動化、自動運転化、IoTといった技術の進化による産業構造の変化が、グローバルレベルで進んでいます。また、ウクライナおよび中東などにおいて、国際情勢の見通しが不透明な状況が続くなど、地政学的リスクも顕在化しています。さらには、企業活動に関わるすべてのステークホルダーと、長期的な社会課題を解決するための、積極的な関係構築も求められています。将来の成長に向けては、提供価値の質の向上に取り組むことが不可欠です。
四輪事業においては、EV(電気自動車)市場に多種多様な製品が投入され、これまでHondaが強みとしてきたエンジン等のデバイス性能による差別化が難しくなっています。今後は、電動化の加速により、バッテリーに用いられるニッケル、リチウム、コバルトの需要が急拡大するとともに、鉱物など原材料の供給不足によるバッテリー価格の高騰が懸念されます。バッテリーをはじめとする部品調達のあらゆるリスクに備え、リサイクルやリユースなどの再資源化やサステナブルマテリアルの活用を推進することで、リソースサーキュレーションの実現をめざしていきます。
二輪事業は、若年人口が増加する新興国を中心に、今後も市場の拡大が見込まれます。また、先進国だけでなく新興国でも政府による電動化目標が設定されるなど、環境意識の高まりが顕在化しています。対応策としてモビリティの電動化が期待されていますが、その一方で、新興国の電動車需要は、政府のインセンティブによる影響が大きく、かつ電力の安定供給や充電ネットワークの整備など、インフラ面での課題が残ります。電動車へのシフトは、不透明な要素を踏まえ、ICE(内燃機関)車へのニーズが継続する市場、電動化が進む市場を見極めながらリソースを最適配分し、電動新興メーカーに対しては当社グループの強みを活かし差別化をはかっていきます。
パワープロダクツ事業及びその他の事業においては、環境規制の高まりを背景に、小型建機領域やガーデン領域で比較的「小型」で「短時間運転」の商品から電動化が進んでいます。その一方、ICE商品も「高出力・長時間運転」「お求めやすい価格」といった特徴が用途に見合うことから、需要が継続しています。そのため当社グループは電動化に主軸を置きながら、ICE領域についても環境対応を進化させることで、多様化する市場ニーズへ応える必要性を認識しています。
(3) 優先的に対処すべき課題
経営環境を踏まえ、持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を、当社グループがめざす方向性に照らしあわせ、優先的に対処すべき課題を選定しています。従来より経営の重要テーマとして掲げてきた「環境」と「安全」に加え、当社グループの成長の原動力である「人」と「技術」、またすべての企業活動の総和ともいえる「ブランド」の5つの非財務領域を重要テーマとして選定し、財務戦略と連携させることで社会的価値・経済的価値の創出を実現していきます。
<5つの重要テーマ>
① 環境負荷ゼロ社会の実現
当社グループは、環境負荷ゼロ社会の実現をめざします。「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」を中心にして、取り組みます。
1.カーボンニュートラルの取り組み
四輪事業は中長期目標として、2030年にはグローバルで年間200万台を超えるEV生産体制を構築し、2040年までにEV・FCEV(燃料電池自動車)販売比率をグローバルで100%とすることをめざしています。
この実現に向けて、当社グループは、EVラインナップの拡大、複数のバッテリー調達手法の確立、充電サービスの拡大、ソフトウェア開発の加速、グローバルHondaにおける電動車生産体制の構築に取り組んでいきます。
(EVラインナップの展開)
(バッテリー戦略)
バッテリーについては、足元から将来まで複数のバッテリー調達手法を準備し、電動化の加速に対応していきます。新たなバリューチェーンを構築するため、北米ではLGエナジーソリューションとの合弁会社で2025年からバッテリーの量産を開始予定です。重要鉱物の調達については、阪和興業㈱やPOSCOホールディングスと、リサイクル観点ではアセンド・エレメンツやサーバ・ソリューションズとパートナーシップを締結しています。2020年代後半からは、液体リチウムイオン電池の進化に加え、半固体電池・全固体電池などの次世代電池を開発・投入していきます。液体リチウムイオン電池の性能進化に向けては、㈱GSユアサと高容量・高出力なEV用液体リチウムイオン電池の開発に着手し、日本国内における電動化の加速に貢献していきます。また、次世代電池の技術進化に向けて、半固体電池については、SES AI コーポレーションへの出資を通じて、安全で高い耐久性を持つ大容量バッテリーの実現をめざし、共同開発を推進していきます。全固体電池については、2024年に栃木県さくら市での実証ラインを立ち上げ、2020年代後半の市場投入をめざし、取り組みを加速させていきます。
(充電・インフラ戦略)
EVの拡充にあわせた充電サービスの拡大に取り組んでいます。公共充電については、北米でのEVの普及加速をめざし、Hondaの米国現地法人であるアメリカンホンダモーターカンパニー・インコーポレーテッドと、BMWグループ、ゼネラルモーターズ(GM)、ヒョンデ、キア、メルセデス・ベンツグループ、ステランティスN.V.の計7社が、米国とカナダでEV用高出力充電網を新たに構築する合弁会社の設立に合意しました。同社は、2024年夏に米国で初となる充電ステーションの開設を計画しており、大都市圏や主要幹線道路沿いから順次充電網を拡大していきます。家庭充電は、北米ですでに展開しているEV向け充電サービス「Honda Smart Charge」をベースとし、EVの電力供給能力を活用したスマートエネルギーサービスを順次、展開予定です。
(ソフトウェア戦略)
ソフトウェアがハードウェアやサービスの価値を定義する「ソフトウェアデファインドモビリティ」の発想に基づき、ソフトウェアの開発を加速させます。具体的には2025年に北米で投入する中大型EVからの採用をめざして、E&Eアーキテクチャーをさらに進化させるとともに、Honda独自のビークルOSの開発を進めています。このビークルOSを基盤として、車載ソフトウェアを常に進化させることで、車両販売後も機能やサービスを進化させていきます。また、EVと親和性の高いデジタルサービスを、安心・快適・信頼をベースとしつつ、一元管理で分かりやすい充電案内などUX起点の魅力的なサービスとしてスピーディに提供していきます。
(EV生産体制)
世界的な電動化加速に伴い、グローバルHondaにおける電動車生産体制の構築を推進しています。北米では、米国オハイオ州内の3つの既存工場(四輪車を生産するメアリズビル工場とイーストリバティ工場、四輪車用パワートレインを生産するアンナ・エンジン工場)をEV生産のハブ拠点と位置づけ、既存工場を活用しながら、高効率かつフレキシビリティの高いEV生産ラインを構築しています。
なお、上記のようなカーボンニュートラルの取り組みおよび後記「② 交通事故ゼロ社会の実現」に向けた取り組みをさらに加速するためには、環境対応技術・電動化技術・ソフトウェア開発などの領域に関する強化が不可欠となります。そこで、当社は、2024年3月15日に日産自動車株式会社との間で自動車の電動化・知能化に向けて戦略的パートナーシップの検討を開始する覚書を締結しました。これを受け、当社グループでは、同社との間で、自動車車載ソフトウェアプラットフォーム、バッテリーEVに関するコアコンポーネントおよび商品の相互補完を含む幅広いスコープで提携の検討を進めています。
さらに、バッテリー戦略とEV生産体制においては、2024年4月に、北米での将来的なEV需要の増加に向けたEV供給体制の強化をはかるため、EVの包括的バリューチェーンをカナダに構築することをめざし、本格的な検討を開始することを発表しました。このバリューチェーンの内容には、EV専用の完成車工場・EV用バッテリー工場の建設に加え、パートナー企業との合弁会社設立による、セパレーターや正極材といったバッテリーの主要部材のカナダ国内での生産体制の確立を含んでいます。
今後も、共同開発や合弁などの手法を用いながら様々な領域での提携を進めバッテリー戦略、充電・インフラ戦略、ソフトウェア戦略、EV生産体制の構築を進めていきます。
二輪事業においては、当社グループの二輪車は世界中のお客様の「移動のニーズ」に対応し、多くの人々に利用されています。これまでICE車のプラットフォーム展開で培った競争力あるものづくりの技術とノウハウを活かし、各国のお客様のニーズに適応する電動二輪プラットフォームを順次開発していきます。高効率なものづくりにより、電動車においてもICE車同様に「移動の喜び」を適切な価格でお届けすることで、グローバルでの二輪車の電動化を牽引していきます。2026年には電動二輪車をグローバルで合計10モデル以上投入し、販売台数年間100万台をめざします。2030年にはラインナップをさらに拡充し、400万台の販売をめざします。
この実現に向けては、当社グループの強みである、商品のフルラインナップ展開、開発・生産・調達能力、「走る・曲がる・止まる」の基本性能に加えたコネクティビティの進化、3万店の販売網を活用したオフライン・オンライン融合の顧客接点を活かして取り組んでいきます。
(商品のフルラインナップ展開)
当社グループは、2030年までにスーパースポーツ、オフロード、Kids向けバイク、ATVなど合計30機種以上を積極的に投入し、電動二輪車のフルラインナップ化への取り組みを加速させていきます。またお客様がそれぞれの環境にあわせて選択できるよう、バッテリー交換式と固定バッテリーによるプラグイン充電の2つの方式を用意して幅広い需要に応えていきます。
(開発・生産・調達戦略)
電動二輪車の開発においては、モジュールプラットフォームという形で、バッテリー、パワーユニット、車体をそれぞれモジュール化し、これらを組み合わせることで、多様なバリエーション展開が可能になります。これによりグローバルのさまざまな顧客ニーズに対応できる商品を、スピーディに、かつ、効率よく市場に投入していきます。生産については、まずは既存のICE用インフラを活用しますが、2030年の販売台数400万台の実現に向けた盤石な体制構築と一層の競争力を確保すべく、2027年以降をめどに、電動二輪車専用生産工場をグローバルで順次稼働させます。調達については、これまで完成部品で調達していたものを、材料、加工、組み立て、物流などの各工程を見直すことで、より競争力のある体制にしていきます。
(ソフトウェア戦略)
電動二輪車で大きく進化する装備の一つに、コネクティビティがあります。これにより購入後もOTAなどを通じてソフトウェアの機能追加などのアップデートを行うことが可能となります。将来的には、ICE搭載車と電動二輪車の双方から得られるデータを活用し、車両の利用状況から顧客のニーズを理解することで、新しい発見や安全性を高める機能など、当社グループならではの体験を提供していきます。
(オフライン・オンライン融合の顧客接点)
電動二輪事業では、店舗に行くことなく二輪車を購入できるオンライン販売を行い、お客様の利便性を向上させていくとともに、グローバルで3万店を超える当社グループの既存の販売網のサービスによる安心感も提供していきます。既存の販売店の強みに加え、オンラインサービスの強化で、これまで以上に、お客様により便利で安心感のあるオンオフ融合の顧客接点を提供していきます。
また、電動化に限ることなくICE領域での燃費向上、バイオエタノール燃料の対応技術など、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを、地域特性に合わせながら一層加速させていきます。
パワープロダクツ事業の電動商品の展開においては、小型建機領域とガーデン領域の電動化に注力し進めていきます。また、二輪事業で発売した交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」をパワープロダクツ事業へも拡大していきます。小型建機領域では、基幹事業で培ったBtoBの顧客基盤を活かした電動化を推進していきます。電動パワーユニット「eGX」の販売と搭載支援を通じ、完成機メーカーの電動化を後押しします。また、既存顧客のみならず、今後電動化が期待される領域での製品搭載の拡大を推進していきます。ガーデン領域では、歩行芝刈機の「きれいに刈れる」「耐久性」といった強みを武器に培った高いプレゼンスがあります。今後は、外部協業先とのパートナーシップも視野に、効率の良い開発・生産スキームで電動化を加速させていきます。マリン領域でも、今後、湖沼等でのICE製品の使用に関する規制が想定されるため、小型船舶用の電動推進機の実証実験を開始するなど、電動化に向けた取り組みを行っていきます。
国や地域によって多様化するニーズに柔軟に対応しながら、ICE製品の投入市場を見極め、二輪事業とのシナジーを活かし、部品の共用化や生産・調達体制の最適化など開発・生産領域における効率的なオペレーションを追求していきます。これを通じて、生産領域においても、商品魅力を向上させて、電動化に向けた事業体質の強化をはかります。同時に燃費改善、カーボンニュートラル燃料対応技術といった環境性能を高めることで、さらなる競争力の高い商品・サービスの展開をめざしていきます。
2.「クリーンエネルギー」3.「リソースサーキュレーション」の詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
② 交通事故ゼロ社会の実現
当社グループは、2050年に全世界で、当社グループの二輪車、四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざしています。また、そのマイルストーンとして2030年に全世界で当社グループの二輪車、四輪車が関与する交通事故死者の半減をめざしています。これらは、新車だけでなく、市場に現存するすべての二輪車、四輪車が対象となります。

詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
③ 人的資本経営の進化
当社グループの人的資本経営の取り組みとして、事業戦略と人材戦略の連動をはかるため、人領域において集中的に取り組むべき課題を「人材マテリアリティ」として定義しています。人材マテリアリティの定義にあたっては、全社重要テーマである「人的資本経営の進化」において中長期的に取り組むべき観点と、事業戦略に資するための短中期的観点の両面で、集中的に取り組むべき方向性を全社での議論を経て定めています。
そして、人材マテリアリティが達成された状態を測る指標として経営管理指標(KGI)とその目標値を定め、この目標値を達成するための人材戦略・施策・施策KPIを一連のストーリーとして定義しています。KGIおよび関連する施策KPIは経営管理の枠組みで定期的にモニタリングされ、必要に応じて指標・目標値の見直しや施策の修正・追加などを行い、PDCAサイクルを実行していきます。

詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) 人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標」を参照ください。
④ 独創的な技術の創出
めざす提供価値として定めた「Transcend」・「Augment」の実現に向け、「コア技術の創出こそが将来にわたるサステナブルな事業基盤や競争力を生む源泉になる」という考え方に立脚し、イノベーションマネジメントの強化に取り組んでいます。研究子会社である㈱本田技術研究所は、2019年から2020年にかけて二輪・四輪・パワープロダクツ事業における商品開発機能を本田技研工業㈱へ移管し、より長期的な視点での価値創造に向けた基礎技術の研究に専念できる体制へと再編しました。モビリティの価値のさらなる拡張に向けて、先進技術研究、パワーユニット研究、材料研究などの領域への資源投入を強化するとともに、新たなモビリティやロボット、水素活用をはじめとする次世代エネルギー、バッテリー、知能化/AI、サステナブルマテリアルなどのさまざまな技術ドメインを定め、各領域のエキスパートが新価値の創出に向けた技術開発をリードしています。また国内だけでなく、世界中のさまざまな研究機関と共同研究を行うことで、グローバルでの知の探究と結集をはかっています。
このような体制のもと、それぞれの技術ドメインにおいて生み出された新たな技術を応用し、空、海洋、宇宙など、さまざまなフィールドにおいて新しい価値をお届けできる魅力的な次世代モビリティの開発を進めています。具体的には「eVTOL」、「アバターロボット」、さらには宇宙領域へのチャレンジといった幅広い領域で新価値の創出に取り組んでおり、燃焼・電動・制御・ロボティクス技術などの当社グループが培ってきたコア技術を活用することで、「人々の生活の可能性を拡げる喜び」の実現をめざしています。
⑤ ブランド価値の向上
Hondaのブランドは、創業時から現在に至るまで、お客様とともに歩み続けたあらゆる企業活動の積み重ねによって形作られてきました。75年の歴史によって紡がれたHondaブランドをさらに輝かせ、将来に亘ってその価値を高めていくことは、当社グループにとって極めて重要な課題の一つであると認識しています。
この大きな変革期において、当社グループが創造する価値を世界中のお客様に明確に示すとともに、全ての従業員が共通の目的に向かって一丸となって取り組むことをめざし、グローバルブランドスローガンである「The Power of Dreams」の再定義を行いました。これを単なる「言葉」に留めることなく、商品・サービスを含めた全ての企業活動へ反映し、一貫性のある「実践」へと繋げていくことが、さらに進化したHondaブランドを創り上げていくと考えています。このような考え方を踏まえ、再定義したグローバルブランドスローガンを当社グループのブランドマネジメントの起点と位置づけ、その根底に流れる信念をさまざまなブランドアセットへと投影することで、一貫したブランディングの支柱を形成していきます。社内外において、揺らぐことのない共通の基軸に基づくブランディングを展開することで、当社グループで働くすべての仲間の「夢」を原動力とした創造性の発揮を後押しするとともに、ステークホルダーの皆様から共感いただける魅力的なブランドの確立をめざしてまいります。
<財務戦略>
⑥ 経済的価値の向上
当社グループを取り巻く環境が大きく変化するとともに、地政学的リスクをはじめとした事業リスクが多様化する中、企業価値の向上に向けては、財務・非財務資本を活用し、キャッシュ・フローの持続的な成長と資本効率の向上を実現する必要があります。この実現に向けては、「事業変革のフェーズごとにめざす目標を明確に定め、戦略的な資源配分を実行すること」「資本コストを意識した経営の強化などガバナンスの強化とリスクマネジメントを適切に行うこと」「ステークホルダーと積極的な対話を行いながら、経営の質と透明性を高めること」が重要なミッションであると考えています。

1.事業変革フェーズに応じた戦略的な資源配分
~2025年:「ICE製品事業の体質強化とEV事業への資源投入」フェーズ
事業ポートフォリオの変革に必要なEV事業への資源投入を行うとともに、ICE製品事業の体質強化とEV事業への資源投入に注力し全社ROS(売上高営業利益率)7%以上をめざします。また、これまで取り組んできた四輪事業体質の強化により強固な財務基盤を築いた上で、EV事業への資源投入を着実に実行していきます。
~2030年:「ICE製品からEVへの事業転換」フェーズ
EV事業の成長につながる戦略的な投資を加速させるとともに、EVのラインナップを二輪と四輪を中心に拡充し、市場での競争力を強化していきます。一時的な先行投資の影響はありますが、さらにICE事業のキャッシュ創出力を高め、変革に向けた資源投入を支えると同時に、資本コストを上回るROIC(投下資本利益率)(注1)を維持し、2030年度には、全社ROICは10%以上をめざします。
(注) 1 (親会社の所有者に帰属する当期利益+支払利息(金融事業を除く事業会社))÷投下資本(注2)
2 親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債(金融事業を除く事業会社)、期首期末平均により算出しています。
なお、市場動向を見極めながら投資タイミングは柔軟に変更するものの、2030年にEV200万台生産体制の構築に向けて、2021年度からの10年間で、設備投資と研究開発費などで合わせて10兆円の資源投入を計画しています。
2030年代:「EV事業の成長と新たな価値の創造」フェーズ
2040年にEV・FCEVの販売比率100%をめざし、キャッシュ・フローの持続的な成長を実現します。新たな価値創造の実現に向けては、カーボンニュートラル技術を中心とした基礎研究領域に、年間1,000億円レベルの研究予算を今後も安定的に資源配分していきます。
なお、成果の配分については、株主の皆様に対する利益還元を、経営の最重要課題の一つとして位置づけており、長期的な視点に立ち将来成長に向けた内部留保資金や連結業績などを考慮しながら決定していきます。配当は、連結配当性向30%を目安に、変革に向けた資源投入を加速させながらも、当社グループの強みを活かしたキャッシュ創出力を原資に安定的・継続的な配当に努めます。また、資本効率の向上および機動的な資本政策の実施などを目的として、自己株式の取得も適宜実施していきます。

2.ガバナンスの強化とリスクマネジメント
大きな変革の時代において、環境変化に柔軟かつ適切に対応し企業価値の向上を実現するために、資本コストを意識した経営の浸透をはかりガバナンスを強化していきます。具体的にはROICツリーを活用し、現場のアクションと全社目標を有機的に結び付け、ROICの分子である利益を最大化するとともに、保有する資産の効率的な活用や必要投資の見極めを通じて分母の投下資本を最適化することで資本効率を向上させます。金融サービス事業については、負債による資金調達を基本とするため、ROE(自己資本利益率)を活用することで収益性と健全性のバランスをはかりながら、資本効率を最大化し、変革を支えていきます。

3.ステークホルダーとの積極的な対話
企業価値の向上には、キャッシュ・フローの持続的成長と資本効率の向上に向けたロードマップを発信するとともに、当社グループの将来性が資本市場に浸透することが重要と考えています。そのためには、株主や投資家をはじめとしたステークホルダーに、経営の方向性が正しく理解され評価いただけるよう、経営陣が主体となり、イベントや個別面談等を通じて、これまで以上に対話を積極的に行っていきます。また、対話を通じて資本市場が求めていることや関心のあることを経営陣が直接把握し、これをステークホルダーからの貴重なフィードバックとして経営に活かしながら、さらなる企業価値の向上へつなげていきます。
以上のような企業活動全体を通した取り組みを行い、株主、投資家、お客様をはじめ、広く社会から「存在を期待される企業」となることをめざしていく所存でございます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。詳細は「3 事業等のリスク」を参照ください。
(1) ガバナンス及びリスク管理
① ガバナンス
当社グループは、「基本理念」、「社是」および「運営方針」の3つから構成されている「Hondaフィロソフィー」に根ざした企業活動を推進しています。
当社グループでは、長期経営方針や中期経営計画は経営会議(議長:取締役 代表執行役社長 最高経営責任者)や取締役会で承認・決議しています。気候変動問題への対応を含む最終的な監督機関は取締役会であり、経営会議では取締役会の決議事項等について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議しています。
また、事業活動に伴う様々なリスクへ対応し、社会と当社グループの永続的な発展に向けた事業運営の監督を行う必要性から、気候変動問題への対応を含む「ESG・サステナビリティ」を必要スキルの一つとして定め、取締役を選任しています。
各本部・統括部や各子会社では、全社の長期経営方針や中期経営計画に基づき、実行計画・施策を企画・推進し、重要事項については経営会議で適宜、報告・承認されています。「環境」「安全」「人材」「人権」「労働安全衛生」「品質」「サプライチェーン(購買・物流)」などの各領域では、会議体を設け、情報共有や議論などを通じてグローバルマネジメントを推進しています。また、気候変動問題への対応など、部門をまたぐ重要課題については経営メンバーが直接指揮を執る「部門横断タスクフォース」を組成し、実行計画・施策の検討提案を適宜行い、重要事項については経営会議で報告・承認されています。また、各領域に関するコンプライアンスやリスク管理については、当社の内部統制システム整備の基本方針に基づいて運用されています。
これまでは、内外環境認識を踏まえた全社の方向性と、コーポレートとして取り組むべき重要課題を合意することを目的として設定された「コーポレート統合戦略会議」にて、サステナビリティ課題への方針や取り組みの議論・検討を行ってきました。また、環境安全領域の推進強化として、「世界環境安全戦略会議」を設定していました。
2023年度には、全社目標であるKGI(監督側指標)およびKPI(執行側指標)を明確にし、スピーディに提供価値へと結び付けることのできる企業運営をめざして、経営オペレーションの高度化を行いました。各本部・統括部、各子会社および「部門横断タスクフォース」にて、実行計画・施策の検討提案を適宜行い、重要事項については経営会議で報告・承認する体制としました。これに伴い、年1回を基本に開催していた「コーポレート統合戦略会議」および「世界環境安全戦略会議」は発展的解消をしました。
取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPIは、取締役会や経営会議が進捗を定期的にモニタリングすることで、経営ガバナンスの強化をはかっています。財務指標および非財務指標に連動した役員報酬制度については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」を参照ください。

② リスク管理
「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」を制定し、リスクを能動的にコントロールすることで、「持続的成長」や「経営の安定化」につながる活動を行っています。
リスクマネジメントオフィサー監視、監督のもと、当社グループの有形・無形の資産、企業活動、ステークホルダーに重大な被害・損失を与え、企業経営に影響をもたらす可能性があるものと定義したリスクを分類・管理・対応しています。各組織でリスクの特定・評価を実施し、その評価結果をもとに各本部のリスクマネジメントオフィサーが「本部重点リスク」を特定しています。
また、社内のリスク認識に加え社外のリスクトレンドも反映し、コーポレートとして重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論を行っています。リスクマネジメントに関する重要事項については、リスクマネジメント委員会で審議しており、実施内容については経営会議で適宜報告されています。
(2) 重要な戦略並びに指標及び目標
① 戦略
当社グループは、我々のめざす未来のモビリティや魅力的なモビリティ社会を、「環境・安全」という社会的価値を携えて実現することで、企業としての新たな成長軌道を描いていきたいと考えています。
<環境戦略>
当社グループは、環境負荷ゼロ社会の実現をめざします。「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」を中心にして、取り組みます。また、この3つは密接に関連しており、単独で推進するのではなくそれぞれの連鎖を考慮しシナジー効果の最大化をめざしています。
カーボンニュートラル(二酸化炭素排出量実質ゼロ)
「気候変動問題」への対応として、産業革命以前と比較した地球の平均気温上昇を1.5℃に抑えるため、企業活動および製品ライフサイクルから排出されるCO2の排出量実質ゼロをめざします。
企業活動のCO2排出総量削減に向けて、生産効率向上、省エネルギー施策の導入、低炭素エネルギーへの転換、再生可能エネルギーの活用を推進していきます。製品領域のCO2排出量削減に向けては、電動化をはじめとするカーボンニュートラルに向けた環境革新技術の投入やエネルギーの多様化対応、トータルエネルギーマネジメントの取り組みを推進していきます。
クリーンエネルギー(カーボンフリーエネルギー活用率 100%)
「エネルギー問題」への対応として、企業活動および製品使用において使用されるエネルギーをすべてクリーンなエネルギーにすることをめざします。
四輪車の主要生産拠点である埼玉製作所完成車工場では、CO2削減技術の構築と、再生可能エネルギー等を活用したクリーンエネルギー化を実施し、2025年度にカーボンニュートラル工場の実現をめざしています。またこれらをグローバルに展開するにあたり、事業所間、地域間での情報共有を促進する仕組みを構築しています。
リソースサーキュレーション(サステナブルマテリアル使用率 100%)
「資源の効率利用」への対応として、環境負荷のない持続可能な資源(サステナブルマテリアル)を使用した製品開発や仕組みづくりに挑戦します。企業活動領域においては、2050年に工業用取水と工業系廃棄物ゼロをめざします。
積極的にリサイクル資源を活用しながら、重要鉱物などを含む材料調達の安定化をはかるとともに、先進リサイクル技術の研究や循環バリューチェーン構築の働きかけを通じて、CO2の削減とエネルギー消費の抑制にも貢献し、循環型経済につながるような取り組みを続けていきます。
<安全戦略>
当社グループは、交通事故死者ゼロの実現に向けて、人の能力(啓発活動)、モビリティの性能(技術開発)、交通エコシステム(他者との協働やシステム/サービス開発)の3つの要素を個別に進化させるとともにそれぞれを組み合わせることで、様々な要因により引き起こされる事故に対応します。
今後、2030年に向けた大きな課題は、新興国で二輪車が関与する死亡事故です。当社グループは、幅広い方々を対象とした啓発活動とともに二輪車へ「ABS」(注1)「CBS」(注2)などの先進ブレーキ、視認性および被視認性の高い灯火器などの装備を搭載しています。また四輪車については、新興国、先進国での事故低減に有効な先進運転支援システム(ADAS)の機能進化と普及を積極的に推し進めています。
そして、その先にある2050年に向けた大きな課題は、全世界における、歩行者や自転車に乗る人、ライダーなどの交通弱者の死亡事故です。この課題対応にあたっては、すべての交通参加者である人とモビリティが通信でつながることで、事故が起きる手前でリスクの予兆・回避をサポートする「安全・安心ネットワーク技術」の研究開発などを推し進め、当社グループの二輪車、四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします。
(注) 1 アンチロックブレーキシステム
2 コンバインドブレーキシステム
② 指標及び目標
<環境戦略>
当社グループは、「環境負荷ゼロ」社会の実現に向けて、「Triple Action to ZERO」を実行していきます。指標目標については、以下のとおりです。
(注) 2030年生産計画を基に、削減に向けた対策・施策を行なわないと仮定した場合の推計値(Business as Usual)
<安全戦略>
当社グループは、2050年に全世界で、当社グループの二輪車、四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします。また、そのマイルストーンとして2030年に全世界で当社グループの二輪車、四輪車が関与する交通事故死者の半減(注1)をめざします。これらは新車だけでなく市場に現存するすべての二輪車、四輪車が対象となります。
2030年のマイルストーンの実現に向けて、四輪車の先進運転支援システム(ADAS)の機能進化と普及が重要となります。事故の回避、または被害軽減をさらに拡大する全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360」は、2030年までに先進国の全機種展開をめざします。二輪車の交通事故死者削減に向けては、四輪車の二輪検知機能を備えた「Honda SENSING」、二輪車の先進ブレーキ(ABS/CBS)を新興国含め順次展開を進めています。
(注) 1 2020年比で2030年に全世界で当社グループの二輪車、四輪車が関与する1万台当たりの交通事故死者数を半減。
2 日本、米国、中国、欧州
3 代表測定国:インド、インドネシア、マレーシア、タイ、ブラジル
4 代表測定国:インド、インドネシア、ベトナム、タイ、ブラジル
(3) 人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標
① 戦略
<当社グループの人的資本経営をストーリーで定義>
当社グループの人的資本経営の取り組みとして、事業戦略と人材戦略の連動をはかるため、人領域において集中的に取り組むべき課題を「人材マテリアリティ」として定義しています。人材マテリアリティの定義にあたっては、全社重要テーマである「人的資本経営の進化」において中長期的に取り組むべき観点と、事業戦略に資するための短中期的観点の両面で、集中的に取り組むべき方向性を全社での議論を経て定めています。
そして、人材マテリアリティが達成された状態を測る指標として経営管理指標(KGI)とその目標値を定め、この目標値を達成するための人材戦略・施策・施策KPIを一連のストーリーとして定義しています。経営管理指標(KGI)および関連する施策KPIは経営管理の枠組みで定期的にモニタリングされ、必要に応じて指標・目標値の見直しや施策の修正・追加などを行い、PDCAサイクルを実行していきます。

<当社グループの人材戦略>
「人的資本の最大有効活用による企業競争力向上と事業構造改革」をめざした人材戦略を展開しています。
1.(中長期的観点)従業員の内発的動機の喚起と多様な個の融合
企業競争力の根源となる当社グループの価値観を大切にしながら、プロ人材育成・実践を促す場・仕組みの整備、キャリア・働き方の多様化を実施します。そして、「夢」へ挑戦するヒト・組織を強化していきます。
2.(短中期的観点)事業上の重点領域の人材の量的・質的充足
事業の構造改革を人の領域から推進するために、特に重点領域における量的・質的な充足を目標とした人材獲得・リソースシフトに向けた取り組みを進めていきます。さらにリソースシフト実現のため、重点領域へのリスキル・アドスキルを目的とした積極的な人材投資を実行していきます。
② 指標及び目標
<人材戦略達成のための経営管理指標(KGI)および目標の設定>
1.(中長期的観点)従業員の内発的動機の喚起と多様な個の融合
(高い意欲・目標(夢への挑戦)をもって臨み、上位者が挑戦を支援する)
「当社グループで働く一人ひとりの夢」を原動力としてお客様に価値を提供するために、共通思想としてのグローバルブランドスローガンを深く認知、理解し、行動として実践することを改めて重要取り組みとして徹底していきます。高い意欲・夢への挑戦の実践度を測るために、エンゲージメントサーベイの設問を新設し、エンゲージメントスコアの算出についても、達成したい状況をより明確に表せる方法に変更しています。あわせて、一人ひとりの夢への挑戦には、組織の上位者が積極的に支援することが不可欠だと考え、エンゲージメントサーベイの設問に反映しています。
(多様な知の融合によるシナジーの発揮)
多様性の取り組みにおける最終ゴールは多様性を活かし新たなビジネスを生み出すことだと考えています。特に女性活躍の推進は待ったなしの課題であると認識し、ビジネス環境の変化の時こそ女性活躍の場が広がるチャンスだと捉え、継続したアプローチを行っていきます。グローバルで俯瞰すると女性の活躍機会に課題があるのは日本と捉えています。課題と捉えている日本の女性管理職比率を指標としています。また、グローバルでのダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの取り組みもあわせて展開していきます。

(注) 実績としては目標へ向けて推進中
対象範囲は国内労働協約適用会社
2.(短中期的観点)事業上の重点領域の人材の量的・質的充足
(重点領域の人材充足を実現する人材獲得・リソースシフト)
事業の成功に資するため、事業ポートフォリオと連動した量的・質的な人材充足を推進し、事業計画の見直しを含めた充足提案を行います。
(重点領域への積極的な人材投資)
重点領域であるソフトウェアのスキル獲得のために、これまで以上に人材投資を推し進めていきます。全社共通のリスキルプログラムに加えて、本領域での新価値を生み出すため、専門能力を強化するプログラムを大幅に拡大します。

(注) 対象範囲は国内労働協約適用会社
(4) 気候変動対応 (TCFDに基づく気候関連財務情報開示)
当社グループは「気候変動・エネルギー問題への対応」を環境分野における最重要課題の一つと考え、2021年4月に「2050年に、当社グループの関わるすべての製品と企業活動を通じ、カーボンニュートラルをめざすこと」を表明しました。当社グループは金融安定理事会(FSB:Financial Stability Board)により設置されたTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同しており、TCFDが提言する情報開示フレームワークに沿った開示を行っています。
① ガバナンス
当社グループは、ライフサイクルでの「環境負荷ゼロ社会の実現」に向けた取り組みをグループ全体で推進しています。
当社グループは、長期経営方針や中期経営計画は経営会議(議長:取締役 代表執行役社長 最高経営責任者)や取締役会で承認・決議しています。気候変動問題への対応を含む最終的な監督機関は取締役会であり、経営会議では取締役会の決議事項等について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議しています。
また、事業活動に伴う様々なリスクへ対応し、社会と当社グループの永続的な発展に向けた事業運営の監督を行う必要性から、気候変動問題への対応を含む「ESG・サステナビリティ」を必要スキルの一つとして定め、取締役を選任しています。
各本部・統括部や各子会社は、全社の長期経営方針や中期経営計画に基づき、実行計画・施策を企画・推進し、重要事項については経営会議で適宜、報告・承認されています。各事業本部や各地域本部では、「グローバル環境事務局会合(事務局:コーポレート戦略本部)」で共有される情報をもとに、グローバルの中長期環境方針を踏まえ、実行計画を策定し、施策を推進しています。各地域本部では、「地域環境会議」を開催し、地域本部内でのPDCAを推進しています。各事業本部では、地域の進捗状況をモニタリングし、事業本部内でのPDCAを推進しています。コーポレート戦略本部では各事業本部や各地域本部での進捗状況をモニタリングし、必要に応じて中長期環境方針や目標の見直しを検討します。なお、重要事項は経営会議にて報告・承認され、取締役会にて報告・決議されています。また、気候変動問題への対応など、部門をまたぐ重要課題については「部門横断タスクフォース」を組成し、実行計画・施策の検討提案を適宜行い、重要事項については経営会議で報告・承認されています。
気候変動を含む環境に関するコンプライアンスやリスク管理については、当社の内部統制システム整備の基本方針に基づいて運用されています。
当社グループでは「環境負荷ゼロ社会の実現」に向けて、取締役会が監督責任を有するKGIや経営会議が執行責任を有するKPIは、取締役会や経営会議が進捗を定期的にモニタリングすることで、経営ガバナンスの強化をはかっています。財務指標および非財務指標に連動した役員報酬制度については「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」を参照ください。

② リスク管理
当社グループでは、「リスクマネジメント委員会」において事業運営上重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論などを行っています。
気候変動関連リスクである、気候変動に起因する環境規制に関わるリスクや自然災害等リスクについてもこの管理・監視項目の中で把握し、組織特性を踏まえたより効果的なリスクマネジメント活動の展開をはかっています。
コーポレート戦略本部では、全社重点リスク等の社内のリスク認識に加え、社外のリスクトレンドも反映のうえ、TCFD提言に基づいたシナリオ分析を行い、気候変動関連リスクを評価・特定しています。気候変動関連リスクに関するシナリオ分析の結果は、リスクマネジメント委員会へ共有しています。
気候変動関連リスクへの対応は、コーポレート戦略本部、事業本部、地域本部を中心に、各本部・統括部、各子会社および「部門横断タスクフォース」で推進しています。
気候変動関連リスクへの対応を含むリスクマネジメントに関する重要事項については、リスクマネジメント委員会で審議しており、実施内容については経営会議で適宜報告されています。
リスクマネジメント活動におけるリスク評価・管理プロセスについては「(1) ガバナンス及びリスク管理」を参照ください。
③ 戦略
当社グループでは、より持続可能な企業経営実現のために、気候変動に対するリスク・機会を特定し、当社グループの全社戦略へ反映するとともに、技術・製品・サービスの進化により、新たな事業機会を創出することができるよう対応することで、企業としてのレジリエンスを高める取り組みを進めていきます。
<シナリオ分析の概要>
当社グループでは、気候変動が事業に与える影響を評価・考察するにあたり、パリ協定の目標である「産業革命前からの気温上昇を1.5℃未満に抑える」ことを想定した政策移行の影響が大きいシナリオ(1.5℃シナリオ)および環境規制が強化されず物理リスクが高まるシナリオ(4℃シナリオ)を含む複数のシナリオを設定し、TCFD提言にも推奨されるシナリオ分析を実施しています。
シナリオ分析では、TCFD提言の分類に沿って、気候変動関連リスクと機会を検討し、シナリオ下における2030年時点の財務影響度を可能な限り定量化し、評価・考察しました。なお、シナリオ分析は二輪・四輪・パワープロダクツ事業を対象としています。
TCFD提言に基づくシナリオ分析では、以下のシナリオを主に使用し、想定する世界観を整理しました。
(1.5℃シナリオ)
1.5℃シナリオでは、IEA(国際エネルギー機関)のNZE(Net Zero Emmissions Scenario)、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のAR6SSP1-1.9の報告内容を参考にしました。
1.5℃シナリオでは、世界全体で2050年カーボンニュートラルに向けた施策が推進され、新技術の開発や利用の促進により脱炭素製品が広く普及することや、再生可能エネルギーの利用が拡大することが想定されます。また、循環型経済への移行が加速することが想定されます。
自動車業界では、燃費・ZEV規制がさらに強化され、先進国を中心にEV(電気自動車)やFCEV(燃料電池自動車)の需要が増加する見込みです。さらに、二輪・四輪・パワープロダクツ事業において、脱炭素製品やサービスを好むお客様が増加するなど顧客価値観の変化が想定されます。
(4℃シナリオ)
4℃シナリオはIPCCのAR6SSP3-7.0を参考にしました。4℃シナリオでは不可逆的な環境の変化が想定され、自然災害が頻発化・激甚化することが想定されます。
<主なリスクと機会およびその対応(注)>
(注) 記載されているリスクと機会ならびに対応は、すべてを網羅するものではありません。
④ 指標及び目標
当社グループは、2050年にすべての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルをめざしています。
2050年CO2排出実質ゼロにむけた指標目標については「(2) 重要な戦略並びに指標及び目標」を参照ください。
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社グループでは、リスクマネジメント委員会において事業運営上重要なリスクを「全社重点リスク」として特定し、対応状況の確認・議論などを行っています。以下のリスクも同委員会で審議のうえ特定されたものです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
(1) 地政学的リスク
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、それらの国や近隣地域での関税、輸出入規制、租税を含む現地法令・制度・協定・商習慣の変化、戦争・テロ・政情不安・治安の悪化、政治体制の変化、ストライキなど様々なリスクにさらされています。これら予期せぬ事象が発生し、政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりに伴いサプライチェーンが寸断されるなど、事業活動の遅延・停止が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
その中でも、主に①経済安全保障、②国家間・地域紛争、③人権に関する法規の3つの地政学的リスクを認識しています。これらの地政学的リスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、人的資本経営の進化、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。これらの地政学的リスクが将来及ぼしうる各地域の事業規模については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」を参照ください。
① 経済安全保障
<リスク>
各国において重要資源・部品、先端技術などに対する輸出入規制、ブロック化を促進する政策の強化の動きが活発化しています。2024年は米国をはじめとする各国で選挙が相次ぐため、これらの結果で政策などの変更が発生する可能性があります。各国において輸出入などに関する政策が変更された場合、生産活動の停滞や遅延、開発・購買・営業などの事業活動にかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、国内および海外の各部門が連携し各国の政策動向などの情報収集・モニタリングするインテリジェンス機能を強化するとともに、当社グループの事業に影響を与える可能性がある案件が確認された場合は、リスクマネジメント委員会が先行的に検討を行うことで、早期にリスクヘッジできる体制を構築しています。
② 国家間・地域紛争
<リスク>
ウクライナおよび中東などにおいて、国際情勢の見通しが不透明な状況が続いています。新たな紛争が発生した場合、発生した国や地域のみならず、それ以外の国や地域でも、人的および物的被害、サプライチェーンの寸断などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、国家間・地域紛争の動向などの情報収集・モニタリングするインテリジェンス機能を強化するとともに、当社グループの事業に影響を与える可能性がある事象が確認された場合は、「人命・安全の確保」および「社会からの信頼の維持」を前提としたうえで、当社グループの会社資産・体制の保全、事業継続をはかるための対応を迅速に行っています。
③ 人権に関する法規
<リスク>
各国において、企業に人権の取り組みを求める法規の制定が進んでおり、サプライチェーン全体での人権リスク対応の必要性が急速に高まっています。これらの法規に対して適時適切な対応が出来なかった場合、ブランドイメージや社会的信用の低下に加え、当社グループの生産活動の停滞や遅延、開発・購買・営業などの事業活動にかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、「Hondaフィロソフィー」に掲げる人間尊重の基本理念のもと、事業活動において影響を受けるステークホルダーの人権を尊重する責任を果たすため、「Honda人権方針」を定めています。本方針に基づき、人権デューデリジェンス、適切な教育・啓発活動の実施など、各国法規を踏まえ自社およびサプライチェーンにおける取り組みを行っています。
(2) 購買・調達リスク
<リスク>
当社グループは、良い物を、適正な価格で、タイムリーにかつ永続的に調達することをめざして、多数の外部の取引先から原材料および部品を購入していますが、製品の製造において使用するいくつかの原材料および部品については、特定の取引先に依存しています。効率的かつ適正なコストで継続的に供給を受けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。それらの要因のなかには、取引先が継続的に原材料および部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって、当社グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。
取引先から原材料および部品が継続的に供給を受けられなかった場合、原材料および部品の価格が上昇した場合、もしくは主要な取引先を失った場合、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。また、取引先から供給された部品に起因する当社グループ製品の品質不具合が発生した場合、お客様の安心、安全を脅かすとともに当社グループのブランドイメージが毀損され、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
これらの購買・調達リスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
<対応策>
当社グループにおいては、事業、業績への影響を最小化するため、サプライチェーンの見直しおよび強化を継続的に行っています。また、部品の供給状況についてモニタリングを行い、当社グループの生産などの事業活動に悪影響を与える可能性がある事象が発生した場合には、取引先と連携し速やかに対応を実施しています。
新型コロナウイルス感染症が拡大した後の経済回復などに起因する半導体需要の高まりを受け、半導体の調達不足が顕在化しました。当社グループにおいて、国内外の一部の生産拠点における四輪車および二輪車の生産停止、減産といった影響が発生したものの、有価証券報告書提出日現在、半導体の調達不足は解消しています。
なお、一部の原材料および部品において価格上昇が発生している、もしくは今後見込まれています。当社グループにおいては、取引先と連携し事業継続の観点から事業、業績への影響を最小化するための対応を行っています。
(3) 情報セキュリティリスク
<リスク>
当社グループは、委託先によって管理されているものを含め、事業活動および当社製品において様々な情報システムやネットワークを利用しています。特にAI技術の活用を含む自動運転や安全運転支援システム、デジタルサービスに代表されるソフトウェア領域のニーズが高まっています。サイバー攻撃は攻撃手法の高度化、複雑化が進んでおり、その攻撃対象は世界各国に渡っています。「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している 当社グループの5つの重要テーマのうち、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
また、近年世界各国で個人情報保護規則が急速に整備されています。新たな価値創造への取り組みにおいては、従来の事業と比べ取り扱う個人情報の量と質が異なる可能性があるため、個人情報保護に向けた対策の重要性は高まっています。当社グループ、取引先および委託先におけるサイバーセキュリティリスクのほか、機器の不具合、管理上の不備や人為的な過失、さらには自然災害やインフラ障害等の不測の事態により、当社グループの重要な業務やサービスの停止、機密情報・個人情報等の漏洩、不適切な事務処理、あるいは重要データの破壊、改ざん等が発生する可能性があります。
このような事象が起きた場合、ブランドイメージや社会的信用の低下、影響を受けた顧客やその他の関係者への損害責任、制裁金の支払い、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、事業、業績への悪影響を最小化するため、情報システムのセキュリティに関する管理体制および基準を定めています。本基準に基づき、ハード面およびソフト面でのセキュリティ対策を実施し、情報システムのセキュリティ強化をはかっています。
なお、サイバーセキュリティリスクに対しては、上記に加え以下の対応を行っています。
品質改革本部ならびにコーポレート管理本部内にそれぞれ設置している主管部門を中心に、業務・生産システム、ソフトウェア、品質などの領域を横断する対応体制を構築しています。法規を踏まえた規程・手順書などの整備、対応フロー策定、サイバーセキュリティに関する演習を通じた改善点の検証・対策、人材育成などを行っています。
セキュリティ情報およびイベント情報の管理、悪意のあるアクティビティの監視のためのソリューションを活用し、サイバー攻撃の脅威および脆弱性の監視・分析を行っています。なお、サードパーティのパッケージ製品やクラウドサービスの導入に際しては、定められたセキュリティ基準を基にリスクを評価し、導入判断および導入後の年次確認を行っています。
生産設備やサプライヤーのサイバー攻撃に対しては、国内外の各拠点の生産設備やサプライヤーのセキュリティ対策状況についての検証を行うとともに、検証結果を踏まえ、セキュリティ情報およびイベント情報の管理、悪意のあるアクティビティの監視のためのソリューション導入支援等のセキュリティ強化に向けた対策を行っています。このようなセキュリティ強化のための活動については、セキュリティに関するコンサルティング会社や外部スペシャリストと業務委託契約を締結し、支援を受けています。
また、各国における個人情報保護規則やサイバーセキュリティ関連法規に対しては、現行の規制のほか、今後施行が見込まれている規則の動向などの情報収集・モニタリングを実施したうえで対応を行っています。
なお、当社グループに重大な影響を与えるサイバー攻撃に関するセキュリティインシデントが発生した場合には、リスクマネジメントオフィサーの監視、監督のもとグローバル危機対策本部を設置し、サイバーセキュリティリスクに対する主管部門が中心となり迅速に実態把握を行ったうえで、影響を最小化するための対応を全社横断的な観点で実施します。
(4) 他社との業務提携・合弁リスク
<リスク>
当社グループは、相乗効果や効率化などを期待、もしくは事業展開している国の要件に従う場合に、他社と業務提携・合弁による事業運営を行っています。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みを進めるにあたっては、業務提携・合弁の活用の重要性は高まっており、今後も業務提携・合弁を進めていきます。
業務提携・合弁において、当事者間における利害の不一致、利益や技術の流出、意思決定の遅れ、業務提携・合弁先の業績不振が生じた場合、あるいは業務提携・合弁の内容に関する変更や解消が生じた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、中長期の事業戦略に基づき業務提携・合弁の戦略を議論・策定したうえで、デューデリジェンスを通じた情報収集・リスク検証を行っています。契約締結後においても業務提携・合弁に関する運営状況のモニタリングを行い、当社グループの事業、業績への影響が発生する可能性がある場合には、業務提携・合弁先と連携し影響を最小化するための対応を行っています。
(5) 環境に関わるリスク
<リスク>
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、気候変動、資源枯渇、大気汚染、水質汚染、生物多様性などをはじめとする環境に関する様々なリスクの可能性を認識しています。また、これらに関する様々な政策および規制の適用を受けています。
その中でも気候変動および燃費・排出ガスに関する政策および規制について、世界各国で見直しが実施もしくは今後予定されています。見直しの動向によっては、二輪事業、四輪事業、パワープロダクツ事業及びその他の事業において、生産・開発・購買・営業などにかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
これらの環境に関わるリスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
なお、気候変動に関するリスクと機会については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 気候変動対応(TCFDに基づく気候関連財務情報開示)」を参照ください。
<対応策>
当社グループにおいては、製品だけでなく企業活動を含めたライフサイクルでの「環境負荷ゼロ」の実現に向け、カーボンニュートラル、クリーンエネルギー、リソースサーキュレーション、この3つを1つのコンセプトにまとめた「Triple Action to ZERO」に関する取り組みを行っています。
また、上記の政策および規制に対しては、国内および海外の各部門が連携し情報収集・モニタリングを実施するとともに、それらの状況に基づく最適な生産・開発体制の構築などの対応を行っています。
(6) 知的財産リスク
<リスク>
当社グループは、長年にわたり、自社が製造する製品に関連する多数の特許および商標を保有し、もしくはその権利を取得しています。当社グループにおいては、「新たな成長・価値創造を可能とする企業への変革」を支えるため、パワーユニットのカーボンニュートラル化、エネルギーマネジメントシステム、リソースサーキュレーション、自動運転・安全運転支援システム、IoT・コネクテッドを注力領域として選定しています。これらの特許および商標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、環境負荷ゼロ社会の実現、交通事故ゼロ社会の実現、独創的な技術の創出への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
当社グループの知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは、広範囲にわたり当社グループの知的財産権が違法に侵害されることによる競争力の低下、さらには特許権侵害訴訟による製造・販売の差し止めや高額の損害賠償金、ライセンス料の請求によって、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、外部の専門家、取引先と連携し、特許保有者からの特許権侵害訴訟を想定した対策を実施しています。また、関連法規の動向を注視・分析し、将来の法的手続で不利な判断がなされた場合など当社グループの事業、業績への悪影響が発生する可能性がある場合には、影響を最小化するための対応を行っています。
(7) 自然災害等リスク
<リスク>
地震、風水害、感染症などの発生時に当社グループの拠点や従業員が被害を受け、生産・開発・購買・営業などの事業活動の停止・遅延が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。また、これらの事象によって取引先が被害を受けた場合、あるいはインフラの停止が発生した場合にも、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
加えて、世界各国において、気候変動の影響などにより気象災害が激甚化・頻発化しており、この傾向は今後も継続すると予想されます。その結果、これらの災害が当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、事業、業績への影響を最小化するため、これらの事象のリスク評価や事業継続計画(BCP)の策定および定期的な見直しを行っています。また、各国で顕在化した事象に基づき、対応体制および規程・手順書の見直し、訓練実施による改善点の検証・対策などを行っています。
なお、当社グループに重大な影響を与える事象が発生した場合には、グローバル危機対策本部を設置し、各地域の情報収集および影響の最小化に向けた対応を全社横断的な観点で実施します。
2024年1月に発生した能登半島地震においては、取引先の被災により国内の一部生産拠点において四輪車の減産といった影響が発生しました。当社グループにおいては、グローバル危機対策本部を設置し、取引先と連携のうえ、在庫活用や代替開発も含め、事業、業績への影響を最小化するための対応を行いました。
(8) 金融・経済リスク
<リスク>
① 経済動向、景気変動
当社グループは、世界各国で事業を展開しており、様々な地域、国で生産活動を行い、製品を販売しています。これらの事業活動は経済低迷、景気変動などの影響を受けることで、市場の縮小による販売台数の減少、部品調達価格および製品の販売価格の上昇、信用リスクの上昇、資金調達金利の上昇などに繋がる可能性があります。その結果として当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
② 為替変動
当社グループは、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品の多くを複数の国に輸出しています。各国における生産および販売では、外貨建てで購入する原材料および部品や、販売する製品および部品があります。したがって、為替変動は、購入価格や販売価格の設定に影響し、その結果、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
<対応策>
当社グループにおいては、金融・経済などの動向をモニタリングし当社グループに対する事業影響を把握するとともに、事業計画に反映し、対応を実施しています。
(9) 市場環境変化リスク
当社グループは、世界各国で事業を展開しており、市場の長期にわたる経済低迷、消費者の価値観、ニーズの変化や、燃料価格の上昇および金融危機、原材料の高騰・供給量低下による製品価格上昇などによる購買意欲の低下、他社との競争激化は、当社グループの製品の需要低下につながり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(10) 金融事業特有のリスク
当社グループの金融サービス事業は、お客様に様々な資金調達プログラムを提供しており、それらは、製品の販売をサポートしています。しかしながら、お客様は当社グループの金融サービス事業からではなく、競合する他の銀行およびリース会社等を通して、製品の購入またはリースの資金を調達することができます。当社グループが提供する金融サービスは、残存価額および資本コストに関するリスク、信用リスク、資金調達リスクなどを伴います。お客様獲得に関する競合および上記金融事業特有のリスクは、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(11) 法務リスク
当社グループは、訴訟、関連法規に基づく様々な調査、法的手続を受ける可能性があります。係争中、または将来の法的手続で不利な判断がなされた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(12) 退職後給付に関わるリスク
当社グループは、各種退職給付および年金制度を有しています。これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。確定給付制度債務および確定給付費用は、割引率や昇給率などの様々な仮定に基づいて算出されています。仮定の変更は将来の確定給付費用、確定給付制度債務および制度への必要拠出額に影響を与えることにより、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(13) ブランドイメージに関連するリスク
当社グループのブランドに対するお客様や当社グループを取り巻く社会からの信頼・支持が、企業の永続性において重要な要素の一つとなっています。このブランドイメージを支えるため、製品の品質や法規制への対応、リスク管理の実施、内部統制の充実などあらゆる企業活動において常に社会からの信頼に応えられるように努めています。しかしながら予測できない事象により、当社グループのブランドイメージを毀損した場合や迅速で適切な情報発信などの対応が実施出来なかった場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
これらのブランドイメージに関連するリスクは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 優先的に対処すべき課題」に記載している当社グループの5つの重要テーマのうち、ブランド価値の向上への取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
なお、当社が過去に販売した四輪車について、型式指定申請時の認証試験に関する不適切な事案があったことを確認し、2024年5月31日に国土交通省に報告しました。今後もコンプライアンスおよびガバナンスの強化をはかり企業活動を行っていきますが、この事案により、または類似した事案が発生した場合には、当社グループのブランドイメージを毀損し、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。なお、これらの事案による法務リスクについては、「(11) 法務リスク」を参照ください。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度の当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」 という。)を取り巻く経済環境は、ウクライナおよび中東における国際情勢やインフレ影響など、先行きの不透明な状況が続きましたが、新型コロナウイルス感染症の収束や半導体不足の解消などにより、持ち直しの動きがみられました。米国では、金融引締めが進んだものの、個人消費の増加などにより、景気は拡大しました。欧州では、個人消費や生産が低迷し、景気は弱含みがみられました。アジアの景気においては、インドでは回復、インドネシアでは緩やかに回復、タイでは持ち直しており、中国では持ち直しの動きに足踏みがみられました。日本では、足踏みもみられたものの、景気は緩やかに回復しました。
主な市場のうち、二輪車市場は前年度にくらべ、インド、ブラジル、インドネシアでは拡大しましたが、タイではおおむね横ばい、ベトナムでは縮小となりました。四輪車市場は前年度にくらべ、中国、米国、欧州、ブラジル、日本、インドでは拡大しましたが、インドネシア、タイでは縮小となりました。
このような中で、当社グループは、「意志を持って動き出そうとしている世界中のすべての人を支えるパワー」となることで、世の中から「存在を期待される企業」であり続けるため、従来より経営の重要テーマとして掲げてきた「環境」と「安全」に加え、当社グループの成長の原動力である「人」と「技術」、またすべての企業活動の総和ともいえる「ブランド」の5つの非財務領域を重要テーマとして選定し、財務戦略と連携させることで社会的価値・経済的価値の創出に努めてまいりました。研究開発面では、安全・環境技術や商品の魅力向上、モビリティの変革にむけた先進技術開発に、外部とのオープンイノベーションも活用し、積極的に取り組みました。生産面では、生産体質の強化や、グローバルでの需要の変化に対応した生産配置を行いました。販売面では、新価値商品の積極的な投入や、グローバルでの商品の供給などにより、商品ラインアップの充実に取り組みました。
当連結会計年度の連結売上収益は、四輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、20兆4,288億円と前連結会計年度にくらべ20.8%の増収となりました。
営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響や販売影響による利益増などにより、1兆3,819億円と前連結会計年度にくらべ77.0%の増益となりました。税引前利益は、1兆6,423億円と前連結会計年度にくらべ86.7%の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、1兆1,071億円と前連結会計年度にくらべ70.0%の増益となりました。
事業の種類別セグメントの状況
(二輪事業)
二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加や為替換算による増加影響などにより、3兆2,201億円と前連結会計年度にくらべ10.7%の増収となりました。営業利益は、品質関連費用を含む諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響による利益増などにより、5,562億円と前連結会計年度にくらべ13.8%の増益となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車(二輪車・ATV・Side-by-Side)販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。
(四輪事業)
四輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加などにより、13兆5,675億円と前連結会計年度にくらべ28.1%の増収となりました。営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響や販売影響による利益増などにより、5,606億円と前連結会計年度にくらべ5,772億円の増益となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。また、当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジット等が、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して提供された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていませんが、Hondaグループ販売台数には含めています。
(金融サービス事業)
金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、ローン収益の増加や為替換算による増加影響などにより、3兆2,488億円と前連結会計年度にくらべ10.0%の増収となりました。営業利益は、為替影響などはあったものの、諸経費の増加などにより、2,739億円と前連結会計年度にくらべ4.2%の減益となりました。
(パワープロダクツ事業及びその他の事業)
パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、パワープロダクツ事業の連結売上台数の減少などにより、3,922億円と前連結会計年度にくらべ13.0%の減収となりました。営業損失は、パワープロダクツ事業の販売影響による利益減などにより、88億円と前連結会計年度にくらべ317億円の減益となりました。なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、329億円と前連結会計年度にくらべ71億円の悪化となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社のパワープロダクツ販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社のパワープロダクツ販売台数です。なお、当社は、パワープロダクツを販売している持分法適用会社を有しないため、パワープロダクツ事業においては、Hondaグループ販売台数と連結売上台数に差異はありません。
所在地別セグメントの状況
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 国又は地域の区分の方法および各区分に属する主な国
(1) 国又は地域の区分の方法……………地理的近接度によっています。
(2) 各区分に属する主な国………………北米:米国、カナダ、メキシコ
欧州:英国、ドイツ、ベルギー、イタリア、フランス
アジア:タイ、中国、インド、ベトナム、インドネシア
その他の地域:ブラジル、オーストラリア
2 各セグメントの営業利益(△損失)の算出方法は、連結損益計算書における営業利益の算出方法と一致しており、持分法による投資利益、金融収益及び金融費用および法人所得税費用を含んでいません。
3 消去の金額は、セグメント間取引消去によるものです。
(日本)
売上収益は、四輪事業における増加などにより、5兆3,927億円と前連結会計年度にくらべ18.6%の増収となりました。営業利益は、品質関連費用を含む諸経費の増加などはあったものの、販売影響による利益増や為替影響などにより、1,510億円と前連結会計年度にくらべ485.1%の増益となりました。
(北米)
売上収益は、四輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、12兆737億円と前連結会計年度にくらべ28.2%の増収となりました。営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、販売影響や売価およびコスト影響による利益増などにより、6,949億円と前連結会計年度にくらべ168.5%の増益となりました。
(欧州)
売上収益は、二輪事業や四輪事業における増加などにより、9,663億円と前連結会計年度にくらべ37.3%の増収となりました。営業利益は、売価およびコスト影響による利益増などにより、603億円と前連結会計年度にくらべ628億円の増益となりました。
(アジア)
売上収益は、二輪事業やパワープロダクツ事業における減少などはあったものの、為替換算による増加影響などにより、5兆99億円と前連結会計年度にくらべ3.1%の増収となりました。営業利益は、売価およびコスト影響による利益増などはあったものの、販売影響による利益減や諸経費の増加などにより、3,978億円と前連結会計年度にくらべ2.7%の減益となりました。
(その他の地域)
売上収益は、二輪事業や四輪事業における増加などにより、1兆819億円と前連結会計年度にくらべ32.0%の増収となりました。営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響や販売影響による利益増などにより、1,539億円と前連結会計年度にくらべ161.2%の増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4兆9,545億円と前連結会計年度末にくらべ1兆1,515億円の増加となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対する各キャッシュ・フローの増減状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、7,472億円となりました。この営業活動によるキャッシュ・インフローは、顧客からの現金回収の増加などはあったものの、部品や原材料の支払いや金融サービスに係る債権の増加などにより、前連結会計年度にくらべ1兆3,817億円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、8,672億円となりました。この投資活動によるキャッシュ・アウトフローは、持分法で会計処理されている投資の取得による支出の増加などにより、前連結会計年度にくらべ1,892億円の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果増加した資金は、9,186億円となりました。この財務活動によるキャッシュ・インフローは、資金調達による収入の増加などにより、前連結会計年度にくらべ2兆3,870億円の増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
(生産実績)
(注) 1 生産台数は、当社および連結子会社の完成車の生産台数の合計です。
2 二輪事業には二輪車、ATVおよびSide-by-Sideが含まれています。
3 パワープロダクツ事業及びその他の事業にはパワープロダクツの生産台数を記載しています。
4 当連結会計年度において、パワープロダクツ事業の生産実績が著しく減少しました。この生産実績の変動については、OEM向けエンジン(注5)や芝刈機の減少といった影響があったためです。
5 相手先ブランドで販売される商品に搭載されるエンジン(OEM:Original Equipment Manufacturer)
(受注実績)
見込生産のため、大口需要等の特別仕様のものを除いては、受注生産はしていません。
(販売実績)
仕向地別(外部顧客の所在地別)売上収益は、以下のとおりです。
(注) 各事業の主要製品およびサービス、事業形態につきましては、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報」を参照ください。
(2) 経営成績等の状況の分析
当社グループは2050年に、製品だけでなく企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロ、全世界で当社グループの二輪車・四輪車が関与する交通事故死者ゼロをめざします。詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」と「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
これらの目標の実現に向けて、適切なタイミングでの戦略的な投資が必要不可欠であると考えています。当社グループは、二輪事業および四輪事業のICE/ハイブリッドモデルの安定した収益基盤を活用し、2030年200万台のEV生産を見据えて、Hondaならではの魅力的なEVの投入、バッテリーを中心としたEVの包括的バリューチェーンの構築、生産技術・工場の進化など電動化・ソフトウェア領域へ、EVの市場への浸透度を見定めながら、リソースシフトをさらに進めていきます。
当社グループが展開する事業は厳しい経済・社会環境下に置かれており、その収益性は様々な要因により左右されます。その中でも、当社グループは気候変動をはじめとした様々な社会課題の解決、リスクへの対処に積極的に取り組んでおり、認識している課題、リスク事象の詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」「3 事業等のリスク」を参照ください。それらへの対処の過程、結果により販売台数の増減や追加費用などが生じ、将来の収益性に重要な影響を及ぼす可能性があると考えます。
以降の経営成績等の状況の分析は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えた事象や要因を経営者の立場から分析し、説明したものです。
なお、この経営成績等の状況の分析に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、リスクと不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
① 経営成績の分析
当社グループの業績
当連結会計年度の連結売上収益は、四輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、前連結会計年度にくらべ増収となりました。
営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響や販売影響による利益増などにより、増益となりました。
二輪事業の概要
当連結会計年度の連結売上台数は、ベトナムやタイなどで販売が減少したものの、インドやブラジル、トルコなどで増加したことにより、1,221万9千台と前連結会計年度にくらべ0.5%の増加となりました。
四輪事業の概要
当連結会計年度の連結売上台数は、米国などで販売が増加したことにより、285万6千台と前連結会計年度にくらべ19.9%の増加となりました。
パワープロダクツ事業及びその他の事業の概要
当連結会計年度のパワープロダクツ事業の連結売上台数は、米国などで販売が減少したことにより、381万2千台と前連結会計年度にくらべ32.5%の大幅な減少となりました。
(当連結会計年度の連結業績の概況)
売上収益
当連結会計年度の連結売上収益は、四輪事業における増加や為替換算による増加影響などにより、20兆4,288億円と前連結会計年度にくらべ3兆5,210億円、20.8%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約2兆5,842億円、約15.3%の増収と試算されます。
営業費用
営業費用は、19兆468億円と前連結会計年度にくらべ2兆9,198億円、18.1%の増加となりました。売上原価は、四輪事業における連結売上収益の増加に伴う費用の増加や為替影響などにより、16兆166億円と前連結会計年度にくらべ2兆4,405億円、18.0%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、諸経費の増加などにより、2兆1,065億円と前連結会計年度にくらべ4,366億円、26.1%の増加となりました。研究開発費は、9,236億円と前連結会計年度にくらべ427億円、4.8%の増加となりました。
営業利益
営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響や販売影響による利益増などにより、1兆3,819億円と前連結会計年度にくらべ6,012億円、77.0%の増益となりました。なお、為替影響約1,511億円の増益要因を除くと、約4,500億円の増益と試算されます。
ここで記載されている変動要因の各項目については、当社が現在合理的であると判断する分類および分析方法に基づいています。なお、一部の分析項目において、当社および主要な連結子会社を対象に分析しています。
・「為替影響」については、海外連結子会社の財務諸表の円換算時に生じる「為替換算差」と外貨建取引から生じる「実質為替影響」について分析しています。「実質為替影響」については、米ドルなどの取引通貨の、対円および各通貨間における為替影響について分析しています。
・「売価およびコスト影響」については、販売価格の変動影響、コストダウン効果および原材料価格の変動影響などを対象に分析し、当該項目に影響する「為替影響」は除いています。
・「販売影響」については、連結売上台数や機種構成の変化に伴う利益の変動、金融サービス事業の売上収益の変化に伴う利益の変動に加え、その他の売上総利益の変化要因を対象に分析し、当該項目に影響する「為替影響」は除いています。
・「諸経費」については、販売費及び一般管理費の前連結会計年度との差から、当該科目に影響する「為替換算差」を除いて表示しています。
・「研究開発費」については、研究開発費の前連結会計年度との差から、当該科目に影響する「為替換算差」を除いて表示しています。
また、為替影響を除いた試算数値は、当社の連結財務諸表の金額とは異なっており、IFRSに基づくものではなく、IFRSで要求される開示に代わるものではありません。しかしながら、これらの為替影響を除いた試算数値は当社の業績をご理解いただくために有用な追加情報と考えています。
税引前利益
税引前利益は、1兆6,423億円と前連結会計年度にくらべ7,628億円、86.7%の増益となりました。営業利益の増加を除く要因は、以下のとおりです。
持分法による投資利益は、日本の持分法適用会社における利益の増加はあったものの、アジア地域の持分法適用会社における利益の減少などにより、66億円の減益要因となりました。
金融収益及び金融費用は、受取利息の増加やデリバティブから生じる損益の影響などにより、1,682億円の増益要因となりました。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「22 金融収益及び金融費用」を参照ください。
法人所得税費用
法人所得税費用は、4,597億円と前連結会計年度にくらべ2,975億円、183.4%の増加となりました。また、当連結会計年度の平均実際負担税率は、前連結会計年度において、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益を認識した影響などにより、前連結会計年度より9.6ポイント高い28.0%となりました。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「23 法人所得税 (1) 法人所得税費用」を参照ください。
当期利益
当期利益は、1兆1,825億円と前連結会計年度にくらべ4,652億円、64.9%の増益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、1兆1,071億円と前連結会計年度にくらべ4,557億円、70.0%の増益となりました。
非支配持分に帰属する当期利益
非支配持分に帰属する当期利益は、754億円と前連結会計年度にくらべ95億円、14.5%の増益となりました。
(二輪事業)
連結売上台数は、欧州地域で増加したことなどにより、1,221万9千台と前連結会計年度にくらべ0.5%の増加となりました。二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加や為替換算による増加影響などにより、3兆2,201億円と前連結会計年度にくらべ3,111億円、10.7%の増収となりました。なお、販売価格の変動はあったものの、売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約2,046億円、約7.0%の増収と試算されます。
営業費用は、2兆6,639億円と前連結会計年度にくらべ2,436億円、10.1%の増加となりました。売上原価は、連結売上台数の増加に伴う費用の増加や為替影響などにより、2兆2,257億円と前連結会計年度にくらべ1,258億円、6.0%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、品質関連費用を含む諸経費の増加などにより、3,564億円と前連結会計年度にくらべ1,080億円、43.5%の増加となりました。研究開発費は、816億円と前連結会計年度にくらべ97億円、13.6%の増加となりました。
営業利益は、品質関連費用を含む諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響による利益増などにより、5,562億円と前連結会計年度にくらべ675億円、13.8%の増益となりました。
日本
2023年度二輪車総需要(注)は、約39万台と前年度にくらべ約3%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、新型「CL250」の投入効果などはあったものの、「PCX」や「ジョルノ」の減少などにより、24万1千台と前連結会計年度にくらべ2.0%の減少となりました。
(注) 出典:JAMA(日本自動車工業会)
北米
主要市場である米国の2023年(暦年)二輪車・ATV総需要(注)は、約73万台と前年にくらべ約1%の増加となりました。
当連結会計年度の北米地域の連結売上台数は、主にメキシコにおいて、「Navi」の増加などにより、49万8千台と前連結会計年度にくらべ8.5%の増加となりました。
(注) 出典:MIC(米国二輪車工業会)
二輪車・ATVの合計であり、Side-by-Side(S×S)は含まない。
欧州
欧州地域の2023年(暦年)二輪車総需要(注1)は、約118万台と前年にくらべ約10%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「XL750 TRANSALP」や「CB750 HORNET」の増加などにより、44万台と前連結会計年度にくらべ26.8%の大幅な増加となりました。
(注) 1 英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、ポルトガル、オランダ、ベルギー、オーストリアの10ヵ国の合計、当社調べ(ICE車の合計であり、EV/EM/EB(注2)は含まない。)
2 EM:Electric Moped(電動モペッド)、最高速度25km/h~50km/hのカテゴリー。
EB:Electric Bicycle(電動自転車)、最高速度25km/h以下のカテゴリー。
電動アシスト自転車は含まない。
アジア
最大市場のインドの2023年(暦年)二輪車総需要(注1)は、約1,661万台と前年にくらべ約8%の増加となりました。その他アジア地域主要国の2023年(暦年)二輪車総需要(注2)は、インドネシアなどで販売が増加したものの、パキスタンなどで減少したことにより、約1,847万台と前年にくらべ約4%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、ベトナムにおける「Air Blade」シリーズや「Wave」シリーズの減少などにより、941万6千台と前連結会計年度にくらべ1.0%の減少となりました。
なお、持分法適用会社であるインドネシアのピー・ティ・アストラホンダモーターの販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、「BeAT」シリーズや「PCX」の増加などにより、約477万台と前連結会計年度にくらべ約7%の増加となりました。
(注) 1 当社調べ(ICE車の合計であり、EV/EM/EBは含まない。)
2 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、パキスタン、中国の7ヵ国の合計、当社調べ(ICE車の合計であり、EV/EM/EBは含まない。)
その他の地域
主要市場であるブラジルの2023年(暦年)二輪車総需要(注)は、約153万台と前年にくらべ約13%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける「Biz」シリーズや「PCX」シリーズの増加などにより、162万4千台と前連結会計年度にくらべ1.7%の増加となりました。
(注) 出典:ABRACICLO(ブラジル二輪車製造者協会)
(四輪事業)
連結売上台数は、北米地域で増加したことなどにより、285万6千台と前連結会計年度にくらべ19.9%の増加となりました。四輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の増加などにより、13兆5,675億円と前連結会計年度にくらべ2兆9,740億円、28.1%の増収となりました。なお、販売価格の変動はあったものの、売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約2兆3,305億円、約22.0%の増収と試算されます。セグメント間取引を含む四輪事業の売上収益は、13兆7,915億円と前連結会計年度にくらべ3兆97億円、27.9%の増収となりました。
営業費用は、13兆2,308億円と前連結会計年度にくらべ2兆4,325億円、22.5%の増加となりました。売上原価は、連結売上台数の増加に伴う費用の増加などにより、10兆9,099億円と前連結会計年度にくらべ2兆1,317億円、24.3%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、諸経費の増加などにより、1兆5,065億円と前連結会計年度にくらべ2,683億円、21.7%の増加となりました。研究開発費は、8,142億円と前連結会計年度にくらべ324億円、4.1%の増加となりました。
営業利益は、諸経費の増加などはあったものの、売価およびコスト影響や販売影響による利益増などにより、5,606億円と前連結会計年度にくらべ5,772億円の増益となりました。
各カテゴリ別の販売台数構成比は概ね以下のとおりです。(小売販売台数ベース)
パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):前連結会計年度42%、当連結会計年度39%
ライトトラック(SUV・ミニバン等):前連結会計年度50%、当連結会計年度54%
軽自動車:前連結会計年度8%、当連結会計年度7%
四輪事業における主要な製品は以下のとおりです。
パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):
「ACCORD」 、「CITY」 、「CIVIC」 、「FIT」 、
「INTEGRA」、「JAZZ」
ライトトラック(SUV・ミニバン等):
「BREEZE」 、「CR-V」 、「FREED」 、「HR-V」 、「ODYSSEY」 、
「PILOT」 、「VEZEL」 、「ZR-V」
軽自動車:
「N-BOX」
カテゴリ別の収益性を決定する要因はさまざまですが、販売価格は重要な要素の一つと考えています。上記カテゴリごとの販売価格については、各モデルによって異なるものの、全体的には、ライトトラックは比較的高く、軽自動車は比較的低い傾向があります。
車両の貢献利益も各モデルによって異なりますが、一般的にライトトラックは販売価格が高いことから貢献利益も高く、軽自動車は販売価格が低いことから貢献利益も低い傾向があります。例えば、当社グループの主要な販売地域である日本市場と米国市場における、当連結会計年度のカテゴリ別の貢献利益は、ライトトラックは全カテゴリ平均と比較して約20%高く、パッセンジャーカーは同水準、軽自動車は約65%低いと試算されます。上記の貢献利益は売上収益から販売量に比例して発生すると考えられる材料費を控除した金額の台当たり金額と定義して算定したものです。
日本
2023年度四輪車総需要(注1)は、約452万台と前年度にくらべ、約3%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数(注2)は、新型車「ZR-V」の投入効果や「VEZEL」の増加などにより、52万5千台と前連結会計年度にくらべ8.5%の増加となりました。
当連結会計年度の生産台数は、70万7千台と前連結会計年度にくらべ9.9%の増加となりました。
(注) 1 出典:JAMA(日本自動車工業会:登録車+軽自動車)
2 当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジット等が、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して提供された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていません。
北米
主要市場である米国の2023年(暦年)四輪車総需要(注)は、約1,560万台と前年にくらべ約12%の増加となりました。
当連結会計年度の北米地域での連結売上台数は、「CR-V」や「CIVIC」が増加したことなどにより、162万8千台と前連結会計年度にくらべ36.2%の大幅な増加となりました。
当連結会計年度の北米地域での生産台数は、160万台と前連結会計年度にくらべ28.1%の大幅な増加となりました。
(注) 出典:Autodata
欧州
欧州地域の2023年(暦年)四輪車総需要(注)は、約1,284万台と前年にくらべ約14%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、新型車「ZR-V」の投入効果や「HR-V」の増加などにより、10万3千台と前連結会計年度にくらべ22.6%の大幅な増加となりました。
(注) 出典:ACEA(欧州自動車工業会)乗用車部門(EU27ヵ国、EFTA3ヵ国、英国)
アジア
アジア地域主要国の2023年(暦年)四輪車総需要(注1)は、インドやマレーシアなどで増加したことにより、約885万台と前年にくらべ約6%の増加となりました。
中国の2023年(暦年)四輪車総需要(注2)は、約3,009万台と前年にくらべ約12%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数の合計は、インドネシアにおける「BRIO」や「BR-V」の減少などにより、46万8千台と前連結会計年度にくらべ7.3%の減少となりました。
なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、「ACCORD」や「VEZEL」の減少などにより、118万5千台と前連結会計年度にくらべ4.4%の減少となりました。
アジア地域の連結子会社の当連結会計年度の生産台数(注3)は、55万9千台と前連結会計年度にくらべ0.5%の増加となりました。
なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の当連結会計年度の生産台数は116万3千台と前連結会計年度にくらべ11.0%の減少となりました。
(注) 1 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、台湾、インド、パキスタンの8ヵ国の合計、当社調べ
2 出典:中国汽車工業協会
3 タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、台湾、インド、パキスタンの7ヵ国の合計
その他の地域
主要市場であるブラジルの2023年(暦年)の四輪車総需要(注)は、約218万台と前年にくらべ約11%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける「HR-V」の増加などにより、13万2千台と前連結会計年度にくらべ15.8%の増加となりました。
当連結会計年度のブラジル工場での生産台数は、7万7千台と前連結会計年度にくらべ17.4%の増加となりました。
(注) 出典:ANFAVEA(ブラジル自動車製造業者協会:乗用車+軽商用車)
(金融サービス事業)
当社グループは、製品販売のサポートを主な目的として、日本・米国・カナダ・英国・ドイツ・ブラジル・タイにある金融子会社を通じて、顧客に対する金融サービス(小売金融、オペレーティング・リースおよびファイナンス・リース)および販売店に対する金融サービス(卸売金融)を提供しています。
金融サービスに係る債権およびオペレーティング・リース資産残高の合計は、13兆3,780億円と前連結会計年度末にくらべ2兆7,569億円、26.0%の増加となりました。また、前連結会計年度末の為替レートで換算した場合、前連結会計年度末にくらべ約1兆3,439億円、約12.7%の増加と試算されます。
金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、ローン収益の増加や為替換算による増加影響などにより、3兆2,488億円と前連結会計年度にくらべ2,947億円、10.0%の増収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約1,239億円、約4.2%の増収と試算されます。セグメント間取引を含む金融サービス事業の売上収益は、3兆2,517億円と前連結会計年度にくらべ2,956億円、10.0%の増収となりました。
営業費用は、2兆9,778億円と前連結会計年度にくらべ3,075億円、11.5%の増加となりました。売上原価は、ローン収益の増加に伴う費用の増加や為替影響などにより、2兆8,053億円と前連結会計年度にくらべ2,611億円、10.3%の増加となりました。販売費及び一般管理費は、諸経費の増加などにより、1,724億円と前連結会計年度にくらべ463億円、36.8%の増加となりました。
営業利益は、為替影響などはあったものの、諸経費の増加などにより、2,739億円と前連結会計年度にくらべ118億円、4.2%の減益となりました。
(パワープロダクツ事業及びその他の事業)
パワープロダクツ事業の連結売上台数は、北米地域で減少したことなどにより、381万2千台と前連結会計年度にくらべ32.5%の減少となりました。パワープロダクツ事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、パワープロダクツ事業の連結売上台数の減少などにより、3,922億円と前連結会計年度にくらべ588億円、13.0%の減収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約748億円、約16.6%の減収と試算されます。セグメント間取引を含むパワープロダクツ事業及びその他の事業の売上収益は、4,223億円と前連結会計年度にくらべ541億円、11.4%の減収となりました。
営業費用は、4,312億円と前連結会計年度にくらべ223億円、4.9%の減少となりました。売上原価は、パワープロダクツ事業の連結売上台数の減少に伴う費用の減少などにより、3,325億円と前連結会計年度にくらべ367億円、9.9%の減少となりました。販売費及び一般管理費は、諸経費の増加などにより、710億円と前連結会計年度にくらべ138億円、24.2%の増加となりました。研究開発費は、276億円と前連結会計年度にくらべ5億円、1.9%の増加となりました。
営業損失は、パワープロダクツ事業の販売影響による利益減などにより、88億円と前連結会計年度にくらべ317億円の減益となりました。なお、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、329億円と前連結会計年度にくらべ71億円の悪化となりました。
日本
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、30万2千台と前連結会計年度にくらべ19.7%の減少となりました。
北米
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、108万3千台と前連結会計年度にくらべ52.4%の大幅な減少となりました。
欧州
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、79万4千台と前連結会計年度にくらべ32.0%の大幅な減少となりました。
アジア
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、129万4千台と前連結会計年度にくらべ8.1%の減少となりました。
その他の地域
当連結会計年度の連結売上台数は、芝刈機やOEM向けエンジンが減少したことなどにより、33万9千台と前連結会計年度にくらべ19.1%の減少となりました。
② 重要な会計上の見積り
当社および連結子会社は、IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債および収益・費用の報告額ならびに偶発資産・偶発債務の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した報告期間およびその影響を受ける将来の報告期間において認識されます。
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りおよび仮定に関する情報は、連結財務諸表注記の「2 作成の基礎 (5) 見積りおよび判断の利用」を参照ください。
③ 流動性と資金の源泉
(資金需要、源泉、使途に関する概要)
当社および連結子会社は、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持および健全なバランスシートの維持を財務方針としています。当社および連結子会社は、主に二輪車、四輪車およびパワープロダクツの製造販売を行うとともに、製品の販売をサポートするために、顧客および販売店に対する金融サービスを提供しています。生産販売事業における主な運転資金需要は、製品を生産するために必要となる部品および原材料や完成品の在庫資金のほか、販売店向けの売掛金資金です。また設備投資資金需要のうち主なものは、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充のための必要資金です。また、当社グループは、モビリティカンパニーとして、「環境負荷ゼロ」「絶対安全」という大きな課題に真摯に向き合い、当社グループのめざす未来のモビリティや魅力的なモビリティ社会を、「環境・安全」という社会的価値を携えて実現することで、企業としての新たな成長軌道を描いていきたいと考えています。こうした「環境・安全」の実現に向けて事業変革フェーズに応じた戦略的な資源配分を実施していきます。なお、市場動向を見極めながら投資タイミングは柔軟に変更するものの、2030年にEV200万台生産体制の構築に向けて、2021年度からの10年間で、設備投資と研究開発費などで合わせて10兆円の資源投入を計画しています。上記取り組みに関する資源配分の計画に関しては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ⑥ 経済的価値の向上 1.事業変革フェーズに応じた戦略的な資源配分」を参照ください。
生産販売事業における必要資金については、主に営業活動から得られる資金、銀行借入金および社債の発行などによりまかなっております。なお、当社は、2021年度において、「環境」と「安全」への取り組みに対する支出の一部を社債発行により調達するためのサステナブル・ファイナンス・フレームワークを設定し、資金使途をそのフレームワークに準じた環境事業に限定する米ドル建てグリーンボンドを、総額27.5億米ドル発行しました。これらを踏まえ、現在必要とされる資金水準を十分確保していると考えています。これら生産販売事業の資金調達に伴う当連結会計年度末の債務残高は8,630億円となっています。また、顧客および販売店に対する金融サービスでの必要資金については、主にミディアムタームノート、銀行借入金、金融債権の証券化、オペレーティング・リース資産の証券化、コマーシャルペーパーの発行および社債の発行などによりまかなっています。これら金融子会社の資金調達に伴う当連結会計年度末での債務残高は9兆3,085億円となっています。
当社および連結子会社の借入必要額に、重要な季節的変動はありません。
今後も必要資金と手元資金の状況を鑑みながら、必要に応じて資金調達を検討していきます。
(流動性)
当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物4兆9,545億円は、主に米ドル建てと円建てを中心としていますが、その他の外貨建てでも保有しています。
当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、売上収益の約2.9ヵ月相当の水準となっており、当社および連結子会社の事業運営上、十分な流動性を確保していると考えています。
しかしながら、景気後退による市場の縮小や金融市場・為替市場の混乱などにより、流動性に一部支障をきたす場合も考えられます。このため、特に1兆1,923億円の短期債務を負う金融子会社では、継続的に債務を借り換えしているコマーシャルペーパーについて、代替流動性として合計1兆4,615億円相当の契約信用供与枠(コミットメントライン)を保有しています。さらに、有価証券報告書提出日現在、当社および連結子会社は世界的に有力な銀行と契約に基づかない信用供与限度額を十分に設定しています。
当社および連結子会社の当連結会計年度末の資金調達に係る債務は、主に米ドル建てを中心としていますが、円建てやその他の外貨建てでも保有しています。
資金調達に係る債務の追加情報については、連結財務諸表注記の「15 資金調達に係る債務」および「25 金融リスク管理」を参照ください。
また、当社および連結子会社が発行する短期および長期債券は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード・アンド・プアーズおよび格付投資情報センターなどから、2024年3月31日現在、以下の信用格付を受けています。
なお、これらの信用格付は、当社および連結子会社が格付機関に提供する情報または格付機関が信頼できると考える他の情報に基づいて行われるとともに、当社および連結子会社の発行する特定の債券に係る信用リスクに対する評価に基づいています。各格付機関は当社および連結子会社の信用格付の評価において異なった基準を採用することがあり、かつ各格付機関が独自に評価を行っています。これらの信用格付はいつでも格付機関により改訂または取り消しされることがあります。また、これらの格付は債券の売買・保有を推奨するものではありません。
④ 簿外取引
(貸出コミットメント)
当社および連結子会社は、販売店に対する貸出コミットメント契約に基づき、貸付金の未実行残高を有しています。当連結会計年度末において、販売店への保証に対する割引前の将来最大支払額は、923億円です。これらの貸出コミットメント契約には、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれているため、必ずしも貸出実行されるものではありません。
(従業員の債務に対する保証)
当社および連結子会社は、当連結会計年度末において、従業員のための銀行住宅ローン50億円を保証しています。従業員が債務不履行に陥った場合、当社および連結子会社は、保証を履行することを要求されます。債務不履行が生じた場合に、当社および連結子会社が負う支払義務の割引前の金額は、当連結会計年度末において、上記の金額です。2024年3月31日現在、従業員は予定された返済を行えると考えられるため、当該支払義務により見積られた損失はありません。
⑤ 契約上の債務
当連結会計年度末における契約上の債務は、以下のとおりです。
(注) 1 当社および連結子会社の発注残高は、設備投資に関するものです。
2 2025年度以降の拠出額は未確定であるため、確定給付制度への拠出は、次連結会計年度に拠出するもののみ記載しています。
⑥ 市場リスクに関する定量および定性情報の開示
連結財務諸表注記の「25 金融リスク管理 (2) 市場リスク」を参照ください。
5 【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
当社および連結子会社の研究開発は、先進の技術によって、個性的で国際競争力のある商品群を生み出すことを目的としています。製品に関する研究開発につきましては、当社のほか、㈱本田技術研究所、ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シーを中心に、また、生産技術に関する研究開発につきましては、当社のほか、ホンダディベロップメントアンドマニュファクチュアリングオブアメリカ・エル・エル・シーを中心に、それぞれ現地に密着した研究開発を行っています。
当社は電動事業のさらなる強化、加速をはかるため、電動事業の強化に向けて2022年4月に発足した事業開発本部をベースとし、電動事業開発本部を発足しました。この本部に、四輪事業に関わる事業戦略機能と電気自動車(EV)の商品開発機能、ならびに二輪・パワープロダクツ事業に関わる電動領域の戦略および開発機能を集約し、「電動事業のさらなる加速」とモビリティの拡がりによる「新たな価値創造」の実現をめざしていきます。
当連結会計年度に発生した研究開発支出は、9,763億円となりました。
また、当社および連結子会社では研究開発支出の一部について、無形資産に計上しています。連結損益計算書に計上されている研究開発費の詳細については、連結財務諸表注記の「21 研究開発費」を参照ください。
セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。詳細は「3 事業等のリスク」を参照ください。
(二輪事業)
二輪事業では、「チャレンジする組織風土を最大化し、今後の環境変化を乗り越え、手の届く価格で、お客様に喜んでもらえる商品を創造し続けられるものづくり集団となる」を方針として、研究開発活動に取り組んでまいりました。
主な成果として、2023年4月にインドにて、競合他社が高いマーケットシェアを占める地区での攻略を見据えて開発したモーターサイクルである「Shine 100」を発売しました。新エンジン、新フレーム設計によるコスト低減活動を反映し競争力のある価格を実現しています。
さらに、モダンなデザインと実用的な仕様装備、お買い得感のある価格でATシェア拡大をめざす、「GIORNO+」をタイにて発売し、インドネシアにおいては「Stylo 160」を発売しました。
加えて、二輪車用有段式マニュアルトランスミッションのクラッチコントロールを自動制御することで、ライダーの手動によるクラッチレバー操作を不要とした、「Honda E-Clutch」を世界で初めて(注1)開発しました。「Honda E-Clutch」は、発進、変速、停止など、駆動力が変化するシーンで、ライダーのクラッチレバー操作を必要とせず、最適なクラッチコントロールを自動制御することで違和感のないスムーズなライディングを実現する電子制御技術です。また、ライダーの要求に幅広く対応するため、電子制御によるクラッチコントロール中でも、ライダーがクラッチレバー操作を行えば、通常のマニュアルトランスミッション車と同様、手動によるクラッチコントロールを行えるようにしています。この「Honda E-Clutch」は、軽量コンパクトなシステムで構成されており、既存のエンジンレイアウトを大きく変更することなく車体に搭載できるため、既に発売した「CB650R」や「CBR650R」を皮切りに、趣味性の高いFUNモーターサイクルへ順次適用していきます。
また、サウジアラビアで開催されたFIM(注2)世界ラリーレイド選手権の開幕戦で「世界一過酷なモータースポーツ競技」と言われている「ダカールラリー2024」に、「Monster Energy Honda Team」として、ワークスマシン「CRF450 RALLY」で参戦し、2021年以来3年ぶりとなる総合優勝を果たしました。
「環境負荷ゼロ」へ向けた取り組みとして、2040年代にすべての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することをめざし、2030年における当社グループのグローバルでの電動二輪車の年間販売台数目標を、2022年9月に公表した数値から50万台引き上げた400万台とし、さらに、2030年までに、グローバルで電動モデルを合計約30機種投入していきます。2023年は、「EM1 e:」を、欧州、日本、インドネシアにて発売しました。
「EM1 e:」は、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を動力用電源に採用した、原付一種(第一種原動機付自転車)の電動二輪パーソナルコミューターで、Honda国内二輪ラインアップで初めてとなる一般向けの電動二輪車となります。
さらに、2024年には「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」に出展した「SC e: Concept」をベースとしたモデルを、2025年にはFUN用途に使えるモデルや、プラグイン充電式の電動二輪車をそれぞれ世界各国に投入します。これらのモデルに加えスーパースポーツ、オフロード、Kids向けバイク、ATVなど、電動二輪車のフルラインアップ化への取り組みを加速させていきます。
また、モータースポーツでも、電動オフロードバイクの世界戦であるFIM E-Xplorer World Cupに、㈱ホンダ・レーシングが運営するワークスチーム(注3)「Team HRC」として、電動モトクロスバイク「CR ELECTRIC PROTO」で参戦するなど、新たな電動二輪車レースに挑戦することで、技術の強化を進めていきます。
二輪事業に係る研究開発支出は、799億円となりました。
(注) 1 当社調べ(2023年10月時点)
2 Fédération Internationale de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)の略称
3 マシンを製造しているメーカーが運営しているチーム
(四輪事業)
四輪事業では、「魅力ある強い商品のために総合力を発揮し、ものづくりプロセスの深化により、四輪事業を永続的に成長させる」を方針として研究開発に取り組んでまいりました。
主な成果として、2023年10月に3代目となる新型「N-BOX」を発売しました。新型「N-BOX」は上質さが感じられるデザインに磨き上げるとともに、広い室内空間はそのままに、開放感のあるすっきりとした視界にすることで運転がしやすく、居心地の良い空間を実現しました。また、お客様がより安心・快適なカーライフを楽しむために新世代コネクテッド技術を搭載した車載通信モジュール「Honda CONNECT」をHondaの軽自動車として初めて採用しました。さらに、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備しました。従来機能のほか、近距離衝突軽減ブレーキ、急アクセル抑制機能を新たに追加しました。
また、インド生産の新型SUV「WR-V」をインド、日本および南アフリカで発売しました。「WR-V」は、安心と信頼を感じられる力強いデザインとするとともに、クラストップレベル(注1)の荷室空間を実現し、また、すべての人が安心して運転できるダイナミック性能の提供をめざしました。
「環境負荷ゼロ」へ向けた取り組みとして、当社グループは2040年までにEV・FCEV販売比率をグローバルで100%とする目標を掲げ、各地域の市場特性にあわせたEVの投入を進めています。
北米においては、新型EV「PROLOGUE」とAcura「ZDX」を2024年に発売しました。「PROLOGUE」と「ZDX」はともに、ゼネラルモーターズ(GM)の「Ultium」バッテリーを搭載したGMとの共同開発モデルであり、カーボンニュートラル実現に向けた北米の電動化戦略を力強く加速させるモデルとなります。
2024年1月には、米国ネバダ州ラスベガス市で開催されたCES 2024において、2026年よりグローバル市場への投入を開始する新たなEV「Honda 0シリーズ」を発表しました。「Honda 0シリーズ」は、グローバルブランドスローガンや電動化方針のもと、大きく変革するHondaを象徴するEVシリーズです。新たなEVシリーズの開発にあたり、「Hondaのクルマづくりの出発点に立ち返り、ゼロから全く新しいEVを創造していく」という決意が込められています。HondaのEV戦略を担う「Honda 0シリーズ」は、“Thin, Light, and Wise.(薄く、軽く、賢く)”という新たなEV開発アプローチにより、ゼロからの発想で創り出す、全く新しいEVシリーズです。「Honda 0シリーズ」は、2026年に北米での上市を皮切りに、2030年までに小型から中大型モデルまで、グローバルで7モデルの投入を予定しています。
中国においては、2027年までにEVを10機種投入し、2035年までにEV販売比率100%の達成をめざしています。現在展開している「e:N」シリーズに加えて、新型EV「イエ」シリーズを発表し、引き続きEVラインアップを拡充していきます。
「イエ」シリーズは、次世代EVとしての価値をより高めることを追求しました。当社グループのクルマづくりの理念である「M・M思想(注2)」に基づく人を中心としたパッケージングに加え、走行性能においては、中国で新開発したEV専用プラットフォームの適用と、長年培った電動化技術の融合により、「操る喜び」をさらに突き詰めました。また、智能化技術においては、先進のAIによるサポートなど、全ての乗員が快適に移動できる空間をめざしています。
小型EVについては、2024年秋に日本で発売を予定する軽商用EV「N-VAN e:」を皮切りに、2025年には軽乗用EVモデル、2026年には操る楽しさを際立たせた小型EVなど、小型EVのニーズがある地域に対して順次製品を投入していきます。さらに、「Honda Mobile Power Pack e:」を活用した電動化展開として、2025年度中に「Honda Mobile Power Pack e:」を4個搭載する超小型モビリティを日本へ投入するなど拡充をはかっていきます。
また、当社グループは、水素を電気とともに有望なエネルギーキャリアと位置づけており、2024年2月には、2024年夏に日本で発売予定の新型燃料電池車、「CR-V e:FCEV」を世界初公開しました。「CR-V e:FCEV」は、日本の自動車メーカーが発売するモデルとして初めて(注3)、外部から充電可能なプラグイン機能を持つ燃料電池車です。燃料電池車が持つ長い航続距離と水素の充填時間の短さといった特長はそのままに、家庭や外出先で充電できるプラグイン機能を加えることで利便性をさらに高めています。
「交通事故死者ゼロ」へ向けた取り組みとしては、2023年11月に、車両周辺の死角をカバーし、交通事故の回避やドライバーの運転負荷の軽減をサポートする全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360+」を発表しました。「Honda SENSING 360+」は、従来の「Honda SENSING 360」の機能に加え、新たにドライバーモニタリングカメラ、高精度地図を採用することでドライバーの状態確認や、車両の制御機能が向上し、ドライバーの運転負荷を軽減させます。これにより、健康起因やヒューマンエラーで発生する事故を抑制し、全ての人が心から安心して自由に移動できることに加え、「積極的に出かけたい」「もっと遠くまで行きたい」と思えるようなクルマの提供をめざします。「Honda SENSING 360+」は、2024年に中国で、「ACCORD」から適用を開始します。その後、グローバルでの展開を予定しています。
四輪事業に係る研究開発支出は、8,699億円となりました。
(注) 1 コンパクトSUVクラスにおいて。当社調べ(2023年12月時点)
2 マン・マキシマム/メカ・ミニマム思想。人間のためのスペースは最大に、機械のためのスペースは最小限にして、クルマのスペース効率を高めようとする、当社グループのクルマづくりの基本的な考え方
3 当社調べ(2024年2月時点)
(パワープロダクツ事業及びその他の事業)
パワープロダクツ事業では、「暮らしの“未来”を創造し「役立ち」と「喜び」を更なる高みへ」を方針として、研究開発活動に取り組んでまいりました。
主な成果として、高い動力性能や優れた経済性でご好評をいただいている4ストローク船外機「BFシリーズ」において最大出力となる350馬力を発揮する、新型船外機「BF350」を、2024年2月に発売しました。「BF350」は、新たに専用設計で開発したV型8気筒エンジンを搭載し、排気量4,952cm3、最大出力350馬力の力強い推進力を発揮するHonda船外機のフラッグシップモデルです。豊かなトルクからもたらされる高い走破性に加え、新設計のクランクシャフトを採用することで、高い静粛性・低振動を実現しています。また、環境にやさしく経済的な船外機をめざし、クラストップレベルの燃費性能(注1)を達成しました。2024年1月には、米国BOATING誌より、最先端技術によりボートオーナーの体験に良い影響を与えた船外機に贈られる「Marine Power Innovation Awards 2023」を受賞しました。
「環境負荷ゼロ」へ向けた取り組みとしては、島根県松江市にて、2023年8月から小型船舶用の4kW電動推進機プロトタイプを用いた実証実験を開始しています。今回の実証実験で使用する電動推進機プロトタイプは、当社グループとトーハツ㈱が共同で開発しました。当社グループが出力4kWの電動パワーユニット、トーハツ㈱はギアケースやロアーユニットなどのフレーム領域をそれぞれ担当しており、バッテリーには当社グループの二輪車で使用している交換可能な着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を採用しています。なお、2024年1月からは一般の方の乗船を対象とした実証実験も開始しています。
「新たな価値創造」へ向けた取り組みとして、船外機においては、船一艇でのシステム開発に取り組んでいます。2024年2月に米国・マイアミで開催された「Miami International Boat Show 2024」にて、操船者の死角をカバーする「マルチビューカメラシステム」や、操船者が停船スペースを選択し、自動で停船スペースまで移動・停船する「自動着桟システム」、船の陸揚げする牽引トレーラーまで自動で操船し、トレーラーのレールに積載させる「自動トレーラーローディングシステム」など、知能化による技術進化を発表しました。
また、船外機以外については、当社グループ初となるバッテリー駆動の自律型電動ゼロターン乗用芝刈り機のプロトタイプ「Honda Autonomous Work Mower(以下「Honda AWM」という。)」を、2023年10月に米国・ケンタッキー州ルイビル市で開催された「Equip Exposition 2023」へ出展しました。「Honda AWM」は、ティーチング&プレイバック機能により、事前に学習したルートに沿って自動で芝刈り作業行います。2024年初めには、米国の大手造園会社との実証実験を終え、今後も企業との実証を重ねる中で、「Honda AWM」の更なる改良をめざします。
当社グループはこれからも、「新たな価値創造」へ向けた取り組みを加速していきます。
航空機においては、Honda独自の最先端技術を開発して、空の世界においても新しい価値を創造し、長期的な観点から航空機ビジネスを成長させていくためのビジネス基盤の構築をしてまいりました。
2023年10月に米国ネバダ州ラスベガスにて開催された世界最大のビジネス航空機ショー、2023 ビジネス アビエーション コンベンション アンド エキシビション(2023 NBAA-BACE)にて、開発中の新型小型ビジネスジェット機の名称「HondaJet Echelon」を発表しました。「HondaJet Echelon」は、あらゆる面で移動効率を高め、ライトジェット機より上位の機体カテゴリーと同等レベルの飛行体験を提供します。Honda独自の技術である主翼上面エンジン配置、自然層流翼型・ノーズ、コンポジット胴体をさらに進化させたことで、乗員・乗客合わせて最大11名が搭乗できます。
また、2015年後半から「HondaJet」のデリバリーを開始して以来、2023年度には250機目となるデリバリーを達成しました。「HondaJet」は14カ国・地域で型式証明を取得しており、総飛行時間は21万時間以上を記録し、航空機の信頼指数であるDispatch Reliability(出発信頼度)(注2)において、高い信頼性で業界をリードしています。
パワープロダクツ事業及びその他の事業に係る研究開発支出は、264億円となりました。
(注) 1 当社調べ(2024年1月時点)
2 運行予定時刻から15分以内に出発した割合のこと。航空業界において、飛行機の信頼性の指数として用いられている。
次世代技術分野においては、2023年10月に開催された「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」にて、人と分かり合える独自のAIである協調人工知能「Honda CI(Cooperative Intelligence)」を搭載し、自動走行技術により、ラストワンマイルを誰でも手軽に自由に移動できる二人乗りの四輪電動モビリティの実証車である「Honda CI-MEV」を出展しました。公共交通機関が無い場所での移動や長距離の歩行が困難な場合など、移動範囲が狭くなりがちな人の生活圏の拡張を実現することをめざしています。
また、2024年2月には、「Honda CI」を搭載した「Honda CIマイクロモビリティ」の技術実証実験の一環として、一般向け自動走行技術実証実験を茨城県常総市で開始しました。CIマイクロモビリティを一般のお客様に体験いただき、フィードバックを得ることで、CIの進化、モビリティとしての使い勝手の向上をめざすとともに、2030年頃の実用化を見据えた社会受容性の醸成をはかっていきます。
当社グループは、いつでも、どこでも、どこへでも、人とモノの移動を「交通事故ゼロ」・「ストレスフリー」で可能とし、「自由な移動の喜び」を一人ひとりが実感できる社会の実現をめざし、CIマイクロモビリティの技術開発に取り組んでいます。
2023年10月には、カナダのトロント・ピアソン空港にて、プラットフォーム型自律移動モビリティ「Honda Autonomous Work Vehicle(以下「Honda AWV」という。)」を活用した実証実験を実施しました。「Honda AWV」は、マッピングと障害物検知機能を活用し、オペレーターによって独自に設定されたルートの自律的な走行や、障害物との衝突を回避するための自動減速・自動停止などを行います。
さらに、2024年2月に開催された「WIND EXPO 春 ~第13回 国際 風力発電展~」にて、洋上風力発電のメンテナンスなど水中作業に活用可能な遠隔操作型の無人潜水機「作業用ROV(Remotely Operated Vehicle)コンセプトモデル」を世界初公開しました。2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、クリーンエネルギーの創出は重要であり、その中でも洋上風力発電の発電量が今後大きく伸びることが予測されています。当社グループは洋上風力発電施設の施工・メンテナンスに貢献することをめざして、ASIMOをはじめとするロボティクス研究で培った技術を活用した作業用ROVの研究開発を行っています。
なお、これらの取り組みに係る研究開発支出は各事業に配分されています。
当連結会計年度末時点において、当社および連結子会社は、国内で13,100件以上、海外で26,600件以上の特許権を保有しています。また、出願中の特許が国内で4,800件以上、海外で11,900件以上あります。当社および連結子会社は、特許の重要性を認識していますが、特許のうちのいくつか、または、関連する一連の特許が終了または失効したとしても、当社および連結子会社の経営に重要な影響を及ぼすことはないと考えています。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度は、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などを行いました。
なお、当連結会計年度の設備投資実施額は387,986百万円となり、前連結会計年度にくらべ105,922百万円減少しました。
セグメントごとの設備投資は、以下のとおりです。
(注) 上記の表には、無形資産を含めていません。
二輪事業では、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などにより57,244百万円の設備投資を実施しました。
四輪事業では、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などにより315,524百万円の設備投資を実施しました。
金融サービス事業では、561百万円、パワープロダクツ事業及びその他の事業では、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに研究開発施設の拡充などにより14,657百万円の設備投資を実施しました。
オペレーティング・リース資産については、金融サービス事業におけるリース車両の取得により、2,448,469百万円の設備投資を実施しました。
なお、設備の除却、売却等については、重要なものはありません。
2 【主要な設備の状況】
当連結会計年度末における当社および連結子会社の主要な設備は、以下のとおりです。
(1) 提出会社
(2) 国内子会社
(3) 在外子会社
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定は含まれていません。
2 提出会社には、㈱本田技術研究所などの連結子会社に対する土地、建物などの賃貸物件が含まれています。
3 連結会社以外の者から賃借している主な設備には、店舗、社宅および駐車場などがあります。
なお、提出会社および子会社が連結会社以外の者から賃借している土地面積については、上記の表の( )内に記載しており、外数です。
4 連結会社以外の者に賃貸している重要な設備はありません。
5 国内子会社および在外子会社の帳簿価額については、IFRSに基づく数値を記載しています。
3 【設備の新設、除却等の計画】
次連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)の設備投資は670,000百万円を計画しています。
新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などを計画しています。
セグメントごとの設備投資計画は、以下のとおりです。
(注) 1 経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
2 所要資金については主に自己資金および借入金などで充当する予定です。
3 オペレーティング・リースに係る設備投資は、上記の金融サービス事業における設備投資計画に含まれていません。
4 上記の表には、無形資産を含めていません。
二輪事業では、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などに、68,000百万円の設備投資を計画しています。
四輪事業では、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充などに、593,200百万円の設備投資を計画しています。
金融サービス事業では、1,500百万円、パワープロダクツ事業及びその他の事業では、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに研究開発施設の拡充などに、7,300百万円の設備投資を計画しています。
当連結会計年度において、新たに確定した重要な設備の新設、除却等にかかる計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注) ADR(米国預託証券)をニューヨーク証券取引所に上場しています。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 株式分割(1:3)によるものです。
2 自己株式の消却によるものです。
(5) 【所有者別状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 証券保管振替機構名義の株式7,500株は、「その他の法人」の欄に75単元含めて表示しています。
2 自己株式448,749,157株は、「個人その他」の欄に4,487,491単元、「単元未満株式の状況」の欄に57株をそれぞれ含めて表示しています。
(6) 【大株主の状況】
2024年3月31日現在
(注) 1 モックスレイ・アンド・カンパニー・エルエルシーは、ADR(米国預託証券)の預託機関であるジェーピー モルガン チェース バンクの株式名義人です。
2 2023年10月16日付で公衆の縦覧に供されている、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループから提出された大量保有報告書において、株式会社三菱UFJ銀行他3名の共同保有者が2023年10月9日現在で以下のとおり当社株式を保有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末における実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主の状況には含めていません。
3 2024年3月5日付で公衆の縦覧に供されている、ブラックロック・ジャパン株式会社から提出された大量保有報告書において、ブラックロック・ジャパン株式会社他10名の共同保有者が2024年2月29日現在で以下のとおり当社株式を保有している旨が記載されているものの、当社として当事業年度末における実質所有株式数の確認ができていないため、上記大株主の状況には含めていません。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2024年3月31日現在
(注) 1 「完全議決権株式(その他)」欄の普通株式には、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託が所有する当社株式2,343,400株(議決権の数23,434個)および証券保管振替機構名義の株式7,500株(議決権の数75個)が含まれています。
2 「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式57株およびBIP信託が所有する当社株式67株が含まれています。
② 【自己株式等】
2024年3月31日現在
(注) 1 ㈱スチールセンター他3社の他人名義所有株式数は企業持株会加入によるもので、その名称は「ホンダ取引先企業持株会」、住所は「東京都港区南青山二丁目1番1号」です。
2 各社の自己名義所有株式数および他人名義所有株式数は、100株未満を切捨て表示しています。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
① 執行役等に対する株式報酬制度(役員報酬BIP信託)
当社は、国内居住の執行役等を対象に、中長期での企業価値の持続的な向上に対する貢献意識をより高めるとともに、株主の皆様との利益共有をはかることを目的とした株式報酬制度(以下1において「本制度」という。)を2018年度から導入し、2021年度および2024年度に本制度の継続を決議しています。
本制度の対象は国内居住の執行役および一部の執行職です。(以下、本制度の執行役および執行職を総称して「執行役等」という。)
1 本制度の概要
本制度は、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」という。)を用いた株式報酬制度です。BIP信託は、米国の業績連動型株式報酬(Performance Share)および譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)と同様に、役位および当社の業績や企業価値等の経営上の指標の達成度または成長度に応じて、執行役等に対し当社株式および金銭の交付および給付を行う仕組みです。
2 信託契約の内容
3 執行役等に取得させる予定の株式の総数
2,603千株(2024年度からの3事業年度を対象とする予定総数)
4 本株式報酬制度による受益権及びその他の権利を受けることができる者の範囲
執行役等のうち受益者要件を満たす者
② 従業員に対する株式交付制度(株式付与ESOP信託)
当社は、当社の従業員である執行職を対象に、役員と執行職が一体となり重要テーマの取り組みを加速させ、社会的価値・経済的価値の創出をより一層後押しすることを目的とした株式交付制度(以下1において「本制度」という。)を2024年度から導入しています。
1 本制度の概要
本制度は、株式付与ESOP(Employee Stock Ownership Plan)信託(以下「ESOP信託」という。)を用いた株式交付制度です。ESOP信託は、米国のESOP制度を参考にした従業員インセンティブ・プランであり、ESOP信託が取得した当社株式を、株式交付規程に基づき執行職に交付する仕組みです。
2 信託契約の内容
3 従業員に取得させる予定の株式の総数
1,615千株(2024年度からの3事業年度を対象とする予定総数)
4 本株式交付制度による受益権及びその他の権利を受けることができる者の範囲
執行職のうち受益者要件を満たす者
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
(注) 1 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの当該決議に基づく取得による株式は含まれていません。
2 取得自己株式には、BIP信託が取得した当社株式は含まれていません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注) 1 当期間における取得自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の 買取りによる株式は含まれていません。
2 取得自己株式には、BIP信託が取得した当社株式は含まれていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 1 当期間における処理自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の
売渡しによる株式は含まれていません。
2 当期間における保有自己株式には、2024年6月1日からこの有価証券報告書提出日までの単元未満株式の
買取りおよび売渡しによる株式は含まれていません。
3 処理自己株式数および保有自己株式数には、BIP信託が保有する当社株式数は含まれていません。
当社は、2023年9月30日を基準日、2023年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。そのため、上記の株式数については株式分割後の株数を記載しています。
3 【配当政策】
当社は、グローバルな視野に立って世界各国で事業を展開し、企業価値の向上に努めています。成果の配分にあたりましては、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題の一つとして位置づけており、長期的な視点に立ち将来成長にむけた内部留保資金や連結業績などを考慮しながら決定していきます。配当は、連結配当性向30%を目安に安定的・継続的に行うよう努めていきます。
当社の剰余金の配当は、中間配当と期末配当の年2回の配当を基本的な方針としています。配当の決定機関は、取締役会としています。
また、資本効率の向上および機動的な資本政策の実施などを目的として自己株式の取得も適宜実施していきます。
内部留保資金につきましては、将来の成長に不可欠な研究開発や事業拡大のための投資および出資と健全な財務体質の維持に充てていきます。
当事業年度の1株当たりの配当金は、中間配当金87円、期末配当金39円となりました。
(注) 1 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、上記のとおりです。
2 当社は、2023年9月30日を基準日、2023年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合
で株式分割を行っています。2024年3月期の1株当たり期末配当金については、当該株式分割の影響を考慮
した金額を記載しています。株式分割を考慮しない場合の2024年3月期の期末配当金は117円、年間配当金は
204円となります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、基本理念に立脚し、株主・投資家の皆様をはじめ、お客様、社会からの信頼をより高めるとともに、会社の迅速・果断かつリスクを勘案した意思決定を促し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をはかることで、「存在を期待される企業」となるために、経営の最重要課題の一つとして、コーポレートガバナンスの充実に取り組んでいます。
当社は、経営の監督機能と執行機能を明確に分離し、監督機能の強化と迅速かつ機動的な意思決定を行うため、過半数の社外取締役で構成される「指名委員会」、「監査委員会」、「報酬委員会」を有し、かつ取締役会から執行役に対して大幅に業務執行権限を委譲可能な指名委員会等設置会社を採用しています。
株主・投資家の皆様やお客様、社会からの信頼と共感をより一層高めるため、四半期ごとの決算や経営政策の迅速かつ正確な公表など、企業情報の適切な開示を行っており、今後も透明性の確保に努めていきます。
② 会社の機関の内容

<取締役会>
取締役会は、6名の社外取締役を含む12名の取締役によって構成されています。
取締役会は、株主からの負託に応えるべく、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、経営の基本方針その他経営上の重要事項の決定を行うとともに、取締役および執行役の職務執行の監督を行います。また、法令・定款に定められた事項のほか、取締役会規則で定めた事項を審議・決定し、それ以外の事項は代表執行役または執行役に委任しています。
上記の役割を果たすため、取締役候補者は、性別・国籍等の個人の属性に関わらず、会社経営や法律、行政、会計、教育等の分野または当社の業務に精通するとともに、人格・見識に優れた人物とし、その指名にあたり指名委員会はジェンダーや国際性、各分野の経験や専門性のバランスを考慮しています。
構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
(注) 2024年6月19日をもって取締役を退任した倉石誠司は、1回欠席しました。なお、他の取締役の出席
率は100%です。
なお、当社は取締役会の機能の現状を確認し、さらなる「取締役会の実効性の向上」と「株主・ステークホルダーの理解促進」につなげることを目的に、毎年度、取締役会全体の実効性の評価を実施しています。当事業年度の取締役会の実効性評価の方法および結果の概要は以下のとおりです。
当事業年度は、評価にあたり、前回同様、取締役の自己評価を行いました。自己評価は、取締役に対して実施したアンケートとヒアリングの結果をもとに、取締役会で審議・決定しました。アンケートの質問項目は、外部の弁護士の監修のもとで設定し、またヒアリングおよび結果の集計は外部の弁護士により実施しました。
取締役会の実効性評価の結果、審議項目・開催頻度の適切な設定、事業所視察を含む社外取締役への情報提供や意見交換機会の充実、三委員会の適切な運営などにより、取締役会の実効性が適切に確保されていることを確認しました。
今後は、取締役会内外の議論をより活性化させるとともに、取締役会と三委員会の連携を一層強化することにより、モニタリング型取締役会としての実効性をさらに高めていきます。
<指名委員会>
指名委員会は、株主総会に提案する取締役の選任および解任に関する議案の内容の決定、その他法令または定款に定められた職務を行っています。指名委員会は、社外取締役4名を含む5名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。
構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
<監査委員会>
監査委員会は、株主からの負託に応えるべく、会社の健全で持続的な成長を確保するため、取締役および執行役の職務執行の監査その他法令または定款に定められた職務を行っています。監査委員会は、社外取締役3名を含む5名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。なお、当社は、監査の実効性を確保するため、取締役会の決議により常勤の監査委員を選定しています。
構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
取締役 小川陽一郎氏は公認会計士として豊かな知識と経験を有しており、また、取締役 森澤治郎氏は、当社および当社の子会社における財務・経理部門において十分な業務経験を有しており、両氏は会社法施行規則第121条第9号において規定される「財務及び会計に関する相当程度の知見を有しているもの」に該当します。また、当社の監査委員会は、小川陽一郎および森澤治郎の両氏を、米国企業改革法第407条に基づく米国証券取引委員会規則において規定される「監査委員会における財務専門家」に認定しています。なお、現在の監査委員5名全員は、米国証券取引委員会規則において規定される独立性を確保しています。
その他、監査委員会の活動状況の詳細については、「(3) 監査の状況」を参照ください。
<報酬委員会>
報酬委員会は、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容の決定、その他法令または定款に定められた職務を行っています。報酬委員会は、社外取締役3名を含む4名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。
構成員ならびに当事業年度の開催回数/出席率および具体的な検討内容は以下のとおりです。
<組織運営体制>
「電動事業の更なる加速」とモビリティの拡がりによる「新たな価値創造」の実現をめざした運営体制を構築しています。二輪・四輪・パワープロダクツの電動領域の事業戦略機能および商品開発機能を集約した電動事業開発本部を設置するとともに、製品別の中長期展開を企画する四輪事業本部および二輪・パワープロダクツ事業本部を設置しています。各事業本部がグローバルでのリソースコントロールを行い、各地域における新たな成長・価値創造と事業運営の効率化をリードしています。
機能軸では、コーポレート戦略本部、コーポレート管理本部、品質改革本部、四輪生産本部およびサプライチェーン購買本部を設置し、各事業で直面する課題を横串で捉え、最適な対応を即断即決できる体制を構築しています。
各本部が連携しながら、電動化時代においても「存在を期待される企業」をめざしています。
なお、新技術の基礎応用研究と技術開発、新価値商品の研究開発は、主に独立した子会社である㈱本田技術研究所およびその子会社が担っており、世の中をリードする技術を創出することによって個性的で国際競争力のある新価値の創造をめざしています。
<執行体制>
当社は、地域や現場での業務執行を強化し、迅速かつ適切な経営判断を行うため、地域・事業・機能別の各本部や主要な組織に、代表執行役からの権限委譲を受け、担当分野の業務を執行する責任者として、執行役その他業務執行責任者を配置しています。
<経営会議>
当社は、原則として代表執行役および執行役から構成される経営会議を設置し、取締役会の決議事項等について事前審議を行うとともに、取締役会から委譲された権限の範囲内で、経営の重要事項について審議しています。
構成員については以下のとおりです。
なお、各事業を強化し、世界での最適な事業運営を円滑に遂行するため、各領域におかれた事業執行会議等が、経営会議から委譲された権限の範囲内で、各領域における経営の重要事項について審議しています。
<現状の体制を採用している理由>
当社は、経営の監督機能と執行機能を明確に分離し、監督機能の強化と迅速かつ機動的な意思決定を行うため、過半数の社外取締役で構成される「指名委員会」、「監査委員会」、「報酬委員会」を有し、かつ取締役会から執行役に対して大幅に業務執行権限を委譲可能な指名委員会等設置会社を採用しています。
<責任限定契約の内容の概要>
当社は、全ての社外取締役との間で、会社法第427条第1項および当社定款第27条第2項に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任について、同法第425条第1項に定める最低責任限度額を限度とする旨の責任限定契約を締結しています。
<補償契約の内容の概要>
当社は、全ての取締役および執行役との間で会社法第430条の2第1項に基づく補償契約を締結しており、同項第1号に定める費用を法定の範囲内において当社が補償することとしています。
<役員等賠償責任保険契約の内容の概要>
当社は、会社法第430条の3第1項に基づき、全ての取締役および執行役が被保険者に含まれる役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結し、被保険者が負担することとなる法律上の損害賠償金・争訟費用を当該保険契約により補填することとしています。
③ 内部統制システムに関する基本的な考え方およびその整備状況
当社の取締役会は、内部統制システム整備の基本方針について、以下のとおり決議しています。
1 執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
法令や社内規則の遵守等の当社役員および従業員が守るべき行動の規範を定め、周知徹底をはかる。
コンプライアンスに係る内部通報体制を整備する。
コンプライアンスに関する事項を統括する執行役を設置し、コンプライアンスに関する体制を整備する。
2 執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
執行役の職務の執行に係る情報については、管理方針を定め、適切に保存および管理を行う。
3 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
経営上の重要事項に関しては、会議体においてリスクを評価、検討した上で決定する体制を整備する。
リスク管理に関する事項を統括する執行役を設置するとともに、リスク管理に関する規程を定め、リスク管理体制を整備する。
4 執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
地域・事業・機能別の各本部や主要な組織に、代表執行役からの権限委譲を受け、担当分野の業務を執行する責任者として、執行役その他業務執行責任者を配置するとともに、当該責任者に授権される権限の範囲と意思決定のプロセスを明確にして、迅速かつ適切な経営判断を行える体制を整備する。
また、効率的かつ効果的な経営を行うため、中期経営計画および年度毎の事業計画などを定め、その共有をはかるとともに、その進捗状況を監督する。
5 当社および当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社の役員および従業員の行動の規範ならびに内部統制システム整備の基本方針を子会社と共有するとともに、子会社を監督する体制を整備し、当社グループとしてのコーポレートガバナンスの充実に努める。
子会社における経営の重要事項などを当社に報告する体制を整備する。
当社の定めるリスク管理方針を子会社と共有するとともに、子会社からの重要リスクの報告に関する規程を定めるなど、当社グループとしてのリスク管理体制を整備する。
当社グループにおける法令違反などの問題を早期に発見し、対応するため、当社グループとしての内部通報体制を整備する。
当社グループとしての内部監査体制の充実をはかる。
(注) 上記において、「当社グループ」とは、当社および当社子会社から成る企業集団を意味しています。
6 監査委員会の職務を補助すべき取締役および使用人に関する事項、当該取締役および使用人の執行役からの独立性に関する事項ならびに当該取締役および使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
取締役会直属のスタッフ組織を設置し、監査委員会へのサポートを実施する。
7 取締役、執行役および使用人が監査委員会に報告をするための体制ならびに当該報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
監査委員会に対して、当社や子会社の役員および従業員が報告を実施するための体制を整備する。また、当該報告を行ったことを理由に不利な取り扱いを行わない。
8 監査委員の職務執行について生ずる費用の処理に係る方針、その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員の職務執行に必要な費用は、法令に則って会社が負担する。
その他、監査委員会の監査が実効的に行われるために、必要な体制を整備する。
上記内部統制システム整備の基本方針に基づく、当社の体制整備および運用状況の概要は以下のとおりです。
1 執行役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
「Honda行動規範」を制定して、法令遵守などに関する当社の方針と役員および従業員が実践するべき誠実な行動を明確にし、役員研修、入社時研修および階層別の従業員研修の機会を通じて、周知徹底をはかっています。
また、当社は、法令遵守その他コンプライアンス(贈収賄防止、インサイダー取引禁止など)に関する規則などを定め、関連する研修を実施しています。
内部通報窓口として、企業倫理改善提案窓口を設置しています。窓口は、社内に加え、弁護士事務所による社外窓口も設けており、提案者保護などを含む運用規程を定めて運営しています。
取締役会決議に基づき、取締役 代表執行役副社長をコンプライアンス&プライバシーオフィサーに任命しています。
コンプライアンス&プライバシーオフィサーを委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンスに関する重要事項の審議を行っています。
コンプライアンス委員会の構成員については以下のとおりです。
当事業年度において、コンプライアンス委員会を4回(定期委員会4回)開催し、内部統制システムの整備・運用状況、企業倫理改善提案窓口の運用状況、コンプライアンス向上に係る施策などを審議しました。
各部門は、法令遵守について、コントロールセルフアセスメント(CSA)の手法を用いた検証を行い、その 結果について、業務監査部による内部監査を実施しました。
2 執行役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
当社における情報管理の方針は、「文書管理規程」により定められており、執行役の職務の執行に係る情報の管理方針も規定されています。
取締役会および経営会議の議事録は、上記規程に従い、開催毎に作成され、担当部門により永年保存されています。
また、指名委員会、監査委員会および報酬委員会の議事録についても、上記規程に従い、開催毎に作成され、担当部門により10年間保存されています。
なお、会社情報の不正な使用・開示・漏洩を防止し、機密情報および個人情報を適切に取り扱うための「グローバル・コンフィデンシャリティ・ポリシー」や「グローバル・プライバシー・ポリシー」などを整備し、社内研修などを通じて、従業員などへの周知徹底をはかっています。
これらの情報管理に関する責任者として、コンプライアンス&プライバシーオフィサーを設置しています。
3 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
経営上の重要事項は、取締役会、経営会議、事業執行会議、地域執行会議などで各審議基準に従って審議され、リスクを評価、検討した上で決定されています。
取締役会決議に基づき、リスクマネジメントオフィサーとして、取締役 代表執行役副社長を任命しています。
リスクマネジメントオフィサーを委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、リスクマネジメントに関する重要事項の審議を行っています。
リスクマネジメント委員会の構成員については以下のとおりです。
当事業年度において、リスクマネジメント委員会を12回開催し、当社グループの重要なリスクの特定、対応、対応状況の確認などを実施しました。
「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」を制定し、ビジネスリスク、災害リスクなど、当社におけるリスク管理の基本方針、リスク情報の収集および発生時の対応体制などを規定しています。
各部門は上記規程に従い、定期的にリスクアセスメントなどを行っています。
重大なリスクについては、リスクマネジメントオフィサーにより、その対応状況が監視、監督されており、必要に応じてグローバル危機対策本部を設置します。2024年1月に発生した能登半島地震においては、取引先の被災により国内の一部生産拠点において四輪車の減産といった影響が発生しました。当社グループにおいては、グローバル危機対策本部を設置し、取引先と連携のうえ、在庫活用や代替開発も含め、事業、業績への影響を最小化するための対応を行いました。
(注) 上記において、「当社グループ」とは、当社および当社子会社から成る企業集団を意味しています。
4 執行役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
地域や現場での業務執行を強化し、迅速かつ適切な経営判断を行うため、地域・事業・機能別の各本部や主要な組織に、代表執行役からの権限委譲を受け、担当分野の業務を執行する責任者として、執行役その他業務執行責任者を配置しています。
経営の重要事項を決定する機関として、取締役会のほか、経営会議や事業執行会議などが設置されており、各審議基準により執行役その他業務執行責任者に授権される権限の範囲と意思決定のプロセスが明確になっています。また、指名委員会等設置会社を採用し、取締役会の監督機能を強化するとともに、意思決定のさらなる迅速化のため取締役会から経営会議への権限委譲の拡大をはかっています。
取締役会が経営ビジョンおよび全社中長期経営計画を決定し、各本部長をはじめとする業務執行責任者を通じて全社で共有しています。
取締役会は、全社中長期経営計画および年次の事業計画について、定期的にそれぞれ進捗の報告を受け、その執行状況を監督しています。
5 当社および当社子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社の内部統制の担当部門が、直接または地域統括会社を通じて「Honda行動規範」および内部統制システム整備の基本方針の子会社への周知をはかっています。
また、当社は、法令遵守その他コンプライアンス(贈収賄防止、インサイダー取引禁止など)に関するグローバルポリシーなどを定め、そのポリシーに基づいた各子会社の規程を定めるよう求めています。また、各社においては、それらの規程に関する研修を実施しています。
上記の取り組みも含め、各子会社は、各国の法令や各社の業態に合わせた内部統制体制を整備、運用し、当社にその状況を定期的に報告しています。
子会社の監督責任を担う責任者は、各子会社の事業に関連する領域を管轄する執行役その他業務執行責任者の中から選定しています。当該責任者は、担当する子会社から、事業計画や経営状況などに関して定期的に報告を受け、事業管理関連部門やその他の関連部門と連携して、担当する各子会社を監督しています。
当社は、子会社の経営の重要事項に関して、当社の審議基準に従った当社の事前承認または当社への報告を求めており、子会社は当社の要請を含めた自社の決裁ルールの整備を行っています。
子会社は、当社の「Hondaグローバルリスクマネジメント規程」に基づき、規模や業態に応じたリスク管理体制を整備しており、重大なリスクについては当社に報告しています。なお、当社のリスク管理の担当部門が、子会社のリスク管理体制の整備、運用状況を確認しています。
当社の企業倫理改善提案窓口が、当社および子会社からの内部通報を受け付けるとともに、地域統括会社やその他の主要な子会社は、自社の内部通報窓口を設置しています。
社長直轄の業務監査部が、当社各部門の内部監査を行うほか、主要な子会社に設置された内部監査部門を監視、指導するとともに、必要に応じて子会社に対する直接監査を実施しています。
6 監査委員会の職務を補助すべき取締役および使用人に関する事項、当該取締役および使用人の執行役からの独立性に関する事項ならびに当該取締役および使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
取締役会および指名・監査・報酬の各委員会の職務を補助する専任の組織として取締役会室を設置しています。
取締役会室に所属する従業員は、取締役会および各委員会の指揮命令下で職務を遂行しています。またその人事評価および人事異動等については、監査委員会の同意を必要としており、執行役からの独立性および監査委員会からの指示の実効性を確保しています。
7 取締役、執行役および使用人が監査委員会に報告をするための体制ならびに当該報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
監査委員会への報告基準として「監査委員会報告基準」を定め、監査委員会に対して、当社の各担当部門が、当社や子会社などの事業の状況、コンプライアンスやリスク管理などの内部統制システムの整備および運用の状況などを定期的に報告するほか、会社に重大な影響を及ぼす事項がある場合には、これを報告しています。
監査委員会に報告を行った者に対して、当該報告を行ったことを理由に不利な取り扱いは行っていません。
8 監査委員の職務執行について生ずる費用の処理に係る方針、その他監査委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査委員の職務執行に必要な費用を会社として負担するため、年度毎に、監査委員会からの提案に基づいて必要な予算を確保しています。
監査委員会は、内部監査部門である業務監査部と緊密に連携して、当社や子会社などの監査を実施するほか、常勤の監査委員2名を設置し、必要に応じ、経営会議その他の重要な会議に出席しています。
<反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方およびその体制整備状況>
当社は、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して毅然とした姿勢を貫くことを基本方針とし、対応総括部署を定め、警察等の関連する外部機関と連携して対応しています。
④ 定款の定め
<取締役会にて決議できる株主総会決議事項>
機動的な資本政策および配当政策が遂行できるようにするため、剰余金の配当等について、取締役会の決議によって決定することができる旨を定款で定めています。
また、取締役および執行役が期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項に基づき、取締役会の決議によって、同法第423条第1項の取締役および執行役(取締役および執行役であった者を含む。)の損害賠償責任を会社法で定める範囲内で免除することができる旨を定款に定めています。
<株主総会の特別決議要件>
定足数の確保をより確実にするため、株主総会における特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めています。
<取締役選任の決議要件>
取締役の選任の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款で定めています。(取締役の選任の決議は、累積投票によらないこととしています。)
<取締役の定数>
当社の取締役は、15名以内とする旨を定款で定めています。
⑤ 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況
<株主総会の活性化および議決権行使の円滑化に向けての取り組み状況>
株主総会の活性化をはかるため、スライドやプレゼンテーション等を用いてわかりやすく事業報告や議案に関する説明を行うなど、情報提供の充実に努めています。また、バーチャル出席型ハイブリッド株主総会を導入し、会場へ来場できない株主もオンラインで出席できるよう環境整備しています。
議決権行使の円滑化に向けては、株主総会の招集通知および参考書類を法定の期限より早い時期に発送するとともに、発送に先行して当社ウェブサイトで日本語および英語の招集通知および参考書類を掲載しています。また、パソコンやスマートフォンなどを用いたインターネットによる議決権行使手段を提供しているほか、機関投資家が議案検討に十分な期間を確保できるよう、議決権行使プラットフォームに参加しています。
<IRに関する活動状況>
国内外の株主ならびに投資家に向け、当社グループの事業内容等に対する理解を深めていただくために、同時通訳を活用した決算説明会を年4回実施しており、本決算においては、取締役 代表執行役社長も登壇しています。なお、会見に参加できない方に向けては、説明会の議事録を日本語と英語にて公開しています。また、取締役 代表執行役社長による会見や、事業説明会などを開催しています。
個人投資家に向けては、証券会社と共同で個人投資家向け説明会を開催しています。国内外の機関投資家向けには、適宜、当社グループの事業戦略等の説明を実施しています。また、証券会社主催のカンファレンスやESG説明会に参加するなど、積極的な発信に努めています。
情報開示については、当社ウェブサイト(日本語版 https://global.honda/jp/investors/、英語版 https://global.honda/en/investors/)において、当社の株主との対話に関する取り組み方針<ディスクロージャー・ポリシー>を開示するとともに、株主ならびに投資家向けに適時開示および各種会社情報を公開しています。
<ステークホルダーの立場の尊重に係る取り組み状況>
当社では「ステークホルダーとの対話」が、当社の取り組みに対するより正しい理解につながるとともに、社会環境の変化やリスクを把握できる有益な手段でもあると考えています。こうした認識のもと、当社の事業活動により影響を受ける、もしくはその行動が事業活動に影響を与える主要なステークホルダーと社内各部門がグローバルでさまざまな機会を通じて対話を実施しています。その一環として、当社のめざす姿や価値創造の取り組みをステークホルダーの皆様にご理解いただくために統合報告書「Honda Report」を、そしてサステナビリティに関する基本的な考え方、ESG各領域の取り組みや関連データといった実績報告を主体としてまとめた「Honda ESG Data Book」を発行し、それぞれ当社ウェブサイトにて公開しています。
<企業情報の開示>
決算発表や財務報告書による企業情報の開示にあたっては、取締役 代表執行役社長および取締役 執行役常務最高財務責任者による開示内容の正確性・的確性の確認を補佐するために、「ディスクロージャー委員会」を設置し、開示内容について審議しています。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性21名 女性3名 (役員のうち女性の比率13%)
a. 取締役の状況
(注) 1 取締役 酒井邦彦、國分文也、小川陽一郎、東和浩、永田亮子および我妻三佳の各氏は、社外取締役です。
2 取締役の任期は、2023年度に係る定時株主総会の終結の時から2024年度に係る定時株主総会の終結の時までです。
b. 執行役の状況
(注) 1 執行役の任期は、選任後、2024年度に係る定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までです。
2 当社は、環境変化に柔軟かつスピーディに対応する役員体制への進化を目的に、2020年4月より執行職制度を導入しています。執行職は、経営の指示・監督のもと、各担当する領域の業務執行の責任者として会社の運営に携わっています。
② 社外取締役の状況
<社外取締役>
当社では、豊富な経験と高い見識を有し、社外の独立した立場に基づき、客観的かつ高度な視点から、広い視野に立って、当社の経営全般を監督いただける方を社外取締役に選任しています。社外取締役は2名以上とし、かつ取締役会の3分の1以上は、当社の「独立性判断基準」を満たす独立社外取締役で構成することとしています。
なお、現在の社外取締役6名全員は、当社の「社外取締役の独立性判断基準」を満たしており、いずれも当社との間に特別な利害関係はなく、一般株主との利益相反が生じるおそれはないと考えています。これを踏まえ、当社は、この6名全員を東京証券取引所の規程に定める独立役員として、同取引所に届け出ています。
また、社外取締役は、当社以外の上場会社の役員を兼務する場合、当社の職務に必要な時間を確保するため、当社の他に4社までに限るものとしています。
各社外取締役の選任の理由は以下のとおりです。
監査委員である社外取締役は、下記「(3) 監査の状況」の「① 内部監査、会計監査および監査委員会の監査の状況」に記載のとおり、会計監査人、内部監査部門および統制部門と連携をはかっています。
<社外取締役のサポート体制>
当社では、社外取締役に対して、取締役会室が中心となり、社外取締役の機能発揮のため、以下のようなサポートを行っています。
<社外取締役の独立性判断基準>
当社取締役会は、社外取締役が、東京証券取引所の定める独立性基準に加え、以下に定める要件を満たすと判断される場合に、当社に対し十分な独立性を有していると判断します。
1 本人が、現在または過去1年間において、以下に掲げる者に該当しないこと。
(1)当社の大株主(注1)の業務執行者(注2)
(2)当社の主要な取引先(注3)の業務執行者、または当社を主要な取引先とする会社の業務執行者
(3)当社グループの主要な借入先(注4)の業務執行者
(4)当社の法定監査を行う監査法人の業務執行者または当社の監査業務の担当者
(5)当社から役員報酬以外に多額(注5)の金銭等を得ているコンサルタント、会計専門家または法律専門家
(法人、団体等である場合はその業務執行者)
2 本人の近親者(注6)が、現在または過去1年間において、1(1)ないし(5)に該当しないこと。
(注)1 大株主とは、事業年度末において、総議決権の10%以上の株式を直接または間接的に保有する株主をい
う。
2 業務執行者とは、業務執行取締役および執行役ならびに執行役員等の重要な使用人をいう。
3 主要な取引先とは、当社の取引先であって、その年間取引金額が当社の連結売上収益または相手方の連
結売上収益の2%を超えるものをいう。
4 主要な借入先とは、当社グループが借入れを行っている金融機関であって、その総借入金残高が事業年
度末において当社または当該金融機関の連結総資産の2%を超える金融機関をいう。
5 多額とは、当社から収受している対価が年間1千万円を超えるときをいう。
6 近親者とは、本人の配偶者または二親等内の親族をいう。
(3) 【監査の状況】
① 内部監査、会計監査および監査委員会の監査の状況
<内部監査>
社長直轄の独立した内部監査部門である業務監査部は52名で構成され、当社各部門の内部監査を行うほか、主要な子会社に設置された内部監査部門を監視・指導するとともに、適宜、子会社の直接監査を実施するなどして、グループとしての内部監査体制の充実に努めています。業務監査部は、内部監査規程や各事業年度の年間監査計画について、監査委員会の意見を聴取し、経営会議および取締役会で承認を受けています。また、監査の実施結果や部門運営の基本事項について、経営会議、監査委員会および取締役会に定期的に報告を行っています。
<監査委員会監査>
a. 監査委員会の組織、人員および手続
監査委員会の組織、人員および手続については、「(1) コーポレート・ガバナンスの概要」を参照ください。
b. 当事業年度における監査委員会の活動状況
その他、当事業年度において、監査委員会は、監査委員会が定めた監査委員会監査基準、監査の方針、業務の分担などに従い、以下の主な活動を通じて取締役および執行役の職務執行の監査を行いました。
<会計監査>
当社は、有限責任 あずさ監査法人による会社法、金融商品取引法および米国証券取引法に基づく会計監査を受けています。
有限責任 あずさ監査法人による継続監査期間は19年です。
継続監査期間は、現任監査人である有限責任 あずさ監査法人が当社の有価証券報告書に含まれる連結財務諸表及び財務諸表の監査を継続実施した期間について記載したものです。なお、同監査法人が所属するネットワークであるKPMGは当社の米国SEC登録目的の監査を1962年より継続実施しています。
有限責任 あずさ監査法人においては、会計監査業務を執行した公認会計士3名(神塚勲、鎌田健志および菊地良祐)とその補助者112名(公認会計士27名、その他85名)の計115名が監査業務に従事しました。
<相互連携>
監査委員会は、会計監査人、内部監査部門および統制部門との間で、以下の主な活動を通じて連携をはかっています。
<監査法人の選定方針と選定した理由>
a. 会計監査人を選定した理由
当社グループは、複数の事業をグローバルに展開しており、財務情報の国際的比較可能性の向上および均質化、財務報告の効率性向上の観点から、国際会計基準を採用しています。また、当社株式は東京証券取引所に加え、ADR(米国預託証券)によりニューヨーク証券取引所に上場しています。
これらに対応できる監査体制、独立性および専門性を有し、監査の品質管理状況、監査報酬水準等を考慮し、適切な監査の実施が可能な監査法人と判断したことから、有限責任 あずさ監査法人を会計監査人に選定しています。
当社監査委員会は、以下の「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」に基づき、当事業年度における会計監査人の監査職務遂行状況等を確認しました。その結果、会計監査人には、当該方針に該当する事象は認められないことから、有限責任 あずさ監査法人を2024年度の会計監査人として、解任もしくは不再任しないこととしました。
b. 「会計監査人の解任又は不再任の決定の方針」の内容
当社監査委員会は、会計監査人に、重大な法令違反や監査品質の著しい低下などの、会計監査人としてふさわしくないと判断される事象が認められた場合、会社法に定められた手続きに従って会計監査人の解任をする、または株主総会に提出する会計監査人の解任もしくは不再任に関する議案の内容を決定します。
<監査委員会による監査法人の評価>
当事業年度において、当社監査委員会は、会計監査人の再任の適否について、日本監査役協会の定める実務指針に基づき会計監査人の評価項目を定め、執行役、社内関係部署および会計監査人から必要な資料を入手しかつ報告を受け、会計監査人の職務遂行状況、監査体制、独立性および専門性などが適切であるかに関し、評価を行いました。
② 監査報酬の内容等
a.監査公認会計士等に対する報酬の内容
b.監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMG)に属する組織に対する報酬の内容(a.を除く)
上記a.およびb.の報酬に関する前連結会計年度および当連結会計年度における非監査業務の内容は、会計事項や情報開示に関する助言および指導などです。
③ その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
④ 監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士等に対する監査報酬の決定にあたっては、会計監査人と協議のうえ、当社の規模・特性、監査日程等の諸要素を勘案しています。また、当社は、会計監査人の独立性を保つため、監査報酬については、監査委員会による事前同意を得ることとしています。
⑤ 監査委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当事業年度において、当社監査委員会は、執行役、社内関係部署および会計監査人からの必要な資料の入手や報告の聴取を通じた前事業年度の監査実績の検証と評価を基準に、当事業年度の会計監査人の監査計画の内容、報酬の前提となる見積りの算出根拠を検討した結果、会計監査人の報酬等につき会社法第399条第1項および第4項の同意を行いました。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の個人別の報酬等の決定方針の決定方法
当社は、コーポレートガバナンスの要諦である役員報酬を当社の基本理念、経営方針およびめざす姿の実現に向けた重要な原動力と捉えています。取り巻く環境が大きく変化する中で、全社ビジョンの達成に向け、スピード感を持って変革を推し進めていくための適切なリスクテイクを促し、かつ経営責任を的確に反映する制度内容とするため、以下の決定方針を報酬委員会にて定めています。
1 当社の役員報酬制度は、企業価値の継続的な向上を可能とするよう、短期のみでなく中長期的な業績向上への貢献意欲を高める目的で設計され、職務執行の対価として毎月固定額を支給する月度報酬と、当該事業年度の業績に連動したSTI(Short Term Incentive)および中長期の業績と連動したLTI(Long Term Incentive)によって構成されます。
2 月度報酬は、報酬委員会で決議された報酬基準に基づいて毎月固定額を支給します。
3 STIは、各事業年度の業績を勘案して、報酬委員会の決議によって決定し、支給します。
4 LTIは、持続的な成長に向けた健全なインセンティブとして機能するよう、報酬委員会で決議された基準および手続に基づいて中長期の業績と連動して自社株式および金銭を支給します。
5 執行役を兼務する取締役および執行役の報酬は、月度報酬、STIおよびLTIによって構成され、報酬委員会によって決議された報酬基準に基づいて構成比率を定めています。構成比率は、役位ごとの経営責任の重さに応じて変動報酬の比率を高めています。
6 社外取締役その他執行役を兼務しない取締役の報酬は、月度報酬のみで構成されます。
7 LTIの対象とならない取締役および執行役においても、自社株式の保有を通じて株主目線に立った経営を実現し、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促進するため、報酬のうち一定程度を役員持株会に拠出し、自社株式を取得することとします。
8 取締役および執行役は、LTIとして取得した自社株式および役員持株会を通じて取得した自社株式を、在任期間に加えて退任後1年間は継続して保有することとします。
② 報酬水準の考え方
当社の取締役および執行役の報酬水準は、外部調査機関の客観的な報酬データおよび外部コンサルタントからの情報提供等を活用し、同規模の日系グローバル企業20~30社程度をピアグループとした調査・分析を行い、多様で優秀な人材を確保するための競争力のある水準を設定します。また経営環境の変化に対応し、適宜見直しを行うものとします。
③ 報酬構成
当社の執行役の報酬は、月度報酬、STIおよびLTIによって構成され、企業価値の継続的な向上に向けたインセンティブとしての観点から、役位ごとの経営責任の重さに応じたSTIおよびLTIの比率を設定します。
1 執行役報酬制度の概要
2 月度報酬
月度報酬は、職務執行の対価として役位に応じた固定額を金銭にて毎月支給します。
3 STI
STIは、各事業年度の会社業績および各執行役の個人業績を勘案し、金銭にて年1回支給する業績連動報酬です。
具体的な計算方式としてはSTI標準額に対して会社業績係数を用いて支給水準を定めた上で、個人業績係数を掛け合わせ最終的な支給金額を決定します。
会社業績係数は、各事業年度における企業価値に対する貢献度合いをはかる重要指標である連結決算の営業利益率および親会社の所有者に帰属する当期利益をKPIとし、KPIの達成度に応じて0~150%の範囲で変動します。
個人業績係数は、各執行役の役割に応じ設定した個別目標の達成度に応じて80~120%の範囲で変動します。社長の評価は報酬委員会が決定し、社長を除く執行役については社長が評価を行った上で、報酬委員会で決定します。
会社業績係数(変動幅・・・0~150%)
個人業績係数(変動幅・・・80~120%)
4 LTI
LTIは、中長期での企業価値の持続的な向上に対する貢献意識をより高めるとともに、株主の皆様との利益共有をはかることを目的として、財務および非財務の業績に連動した株式を信託の仕組みを通じて支給する非金銭の業績連動報酬です。
毎年4月に、役位別の基準額に応じたポイントを付与し、ポイント付与から3年後に業績に連動したポイント相当分の株式を支給します。また、交付された株式には譲渡制限期間を設け、原則として当社の取締役および執行役のいずれの地位からも退任する時点で譲渡制限を解除します。また、LTIとして取得した自社株式は、在任期間に加えて退任後1年間は継続して保有することとします。
業績評価は、中長期での企業価値向上に対する貢献度合いをはかる重要指標により行います。財務指標は、連結営業利益率および連結税引前利益をKPIとし、3事業年度における成長度に応じて50~150%で変動します。非財務指標は、ブランド価値、SRI指標および従業員活性度をKPIとし、評価対象年度の目標値に対する達成度に応じて50~150%で変動します。
(注) 非財務指標については以下の指標を基に評価を行っております。
・ブランド価値:第三者の調査会社による二輪、四輪、パワープロダクツ事業に対する調査
・SRI指標:Dow Jones Sustainability World Index
・従業員活性度:第三者の調査会社による各地域の従業員活性度調査
<2024年度以降のLTI>
当社は2023年度に「自由な移動の喜び」の創造をめざし、当社全体で今後特に注力していく重要テーマとマテリアリティ、それに紐付く目標を改めて整理しました。
重要テーマは、持続可能性の観点から網羅的に抽出した社会課題を当社のめざす方向性に照らし、優先順位を付けた上で選定しています。具体的には、従来より経営の重要テーマとして掲げてきた「環境」と「安全」に加え、当社の成長の原動力である「人」と「技術」、またすべての企業活動の総和ともいえる「ブランド」の5つの非財務領域を重要テーマとして選定し、財務戦略と連携させることで社会的価値・経済的価値の創出を実現していきます。
2024年度以降を評価対象とするLTIについては、株主をはじめとしたステークホルダーの皆様の目線に立ち、重要テーマの取り組みを加速させ、社会的価値・経済的価値の創出をより一層後押しする制度とすることを目的として、業績評価方法を以下のとおり変更し、業績に連動したポイント相当分の株式を、原則として当社の取締役および執行役のいずれの地位からも退任するまでの譲渡制限を設定したうえで、ポイント付与から1年後に支給します。
なお、各KPIについて、財務指標は2030年度に掲げるROIC目標の達成に向けて取り組むべき重要指標として、非財務指標は5つの重要テーマに直結する指標として、株価指標は社会的価値・経済的価値の創出に対する市場評価を反映する指標として、それぞれ年度ごとに客観的に評価できる指標を選定しています。
(注) 非財務指標については以下の指標を基に評価を行います。
・ブランド価値:第三者の調査会社による当社のブランド価値調査
・CO2総量:日本(世界)共通のCO2排出量算定方法に基づく企業活動および製品CO2排出量
・従業員エンゲージメント:第三者の調査会社による従業員活性度調査
また、LTIの対象とならない国内非居住の執行役についても、LTIで用いる業績評価に基づき、同等の報酬額の加減算を行うこととしています。
なお、当事業年度における評価結果は、STIについては基準額に対して30%の増額、LTIについては業績連動係数134%での支給としています。
④ クローバック
当社は、米国証券取引委員会規則およびニューヨーク証券取引所規則に準拠したクローバックポリシーを有しています。
当社は、その財務諸表の訂正が必要となった場合、当社の執行役に対して給付または交付されたSTIおよびLTIのうち、当該訂正後の財務諸表を前提とすれば給付または交付されたSTIおよびLTIを超える部分すべてについて、原則として、これを合理的に迅速に返還させるものとしています。また、当社は、当社の執行役に一定の非違行為、任務懈怠、法令違反等があった場合、報酬委員会の決定により、当該執行役に給付または交付されたSTIおよびLTIの一部または全部を合理的に迅速に返還させるものとしています。
返還の対象となる報酬は、当該財務諸表の訂正が必要となったまたはその他の返還事由の発生した事業年度および直前の3事業年度に給付または交付されたSTIおよびLTIとし、当該期間中に執行役に就任していた者に対しては、退任後であっても報酬の返還を求めるものとしています。また、返還を求めるLTIには、株式交付前のポイントおよび譲渡制限期間中の株式を含めるものとしています。
⑤ 非金銭報酬等に関する事項
持続的な成長に向けた健全なインセンティブとして機能するよう、報酬委員会で承認された基準および手続に基づき、中長期の業績と連動して当社株式と当社株式に生じる配当を交付および給付しています。
⑥ 報酬委員会の概要および活動内容
報酬委員会は、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容の決定、その他法令または定款に定められた職務を行っています。報酬委員会は、社外取締役3名を含む4名の取締役で構成されています。また、委員長は、独立社外取締役の中から選定しています。
2023年度は合計9回の報酬委員会を開催し、全委員とも出席率は100%でした。
2023年度に議論された主な事項は以下のとおりです。
・基本方針・年間活動計画
・役員実績評価
・LTIおよび株式交付規程
・クローバックポリシー
⑦ 当事業年度に係る取締役および執行役の個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものであると報酬委員会が判断した理由
当社は、報酬水準、報酬構成および業績連動報酬の目標設定等と役員の報酬の決定に関する基本方針との整合性について、外部環境との比較や外部コンサルタントからの情報提供も踏まえて多角的に検証・審議しております。
このことから、報酬委員会は当事業年度に係る取締役および執行役の個人の報酬の内容が決定方針に沿うものであると判断しています。
⑧ 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別総額および対象となる役員の員数
(注) 1 上記の取締役には執行役を兼務する取締役3名は含まれていません。
2 上記については、当事業年度において、当社が当社役員に対して支給した報酬等の金額を記載しており、2023年6月21日開催の第99回定時株主総会終結の時をもって退任した取締役1名に対する支給額を含んでいます。
3 執行役のSTIは、2024年5月7日開催の報酬委員会にて決議された支給金額を記載しています。
4 LTIの総額は、BIP信託に関して当事業年度中に付与した株式交付ポイントに係る費用計上額であり、非金銭報酬等に該当します。
⑨ 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額および種類別の額
(注) 1 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
2 上記の固定報酬については、当該役員に対する当事業年度の支給額であり、STIについては、2024年5月7日開催の報酬委員会にて決議された支給金額、LTIについては、BIP信託に関して当事業年度中に当該役員に付与した株式交付ポイントに係る費用計上額を記載しています。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、専ら株式の価値の変動または株式に係る配当によって利益を得ることを目的とする株式を純投資目的である投資株式として区分し、それ以外の株式を保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式として区分しています。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式については、中長期的な観点で、取引の性質や規模等に加え、保有に伴う便益やリスクなどを定性、定量両面から検証し、株式保有の必要性を判断しています。また、取締役会において、その保有の必要性を検証しています。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 1 定量的な保有効果については記載が困難です。保有の合理性は各銘柄について、中長期的な観点で取引の性質や規模等に加え、保有に伴う便益やリスク等を検証し判断しています。
2 大同特殊鋼㈱は、2024年1月1日付で普通株式1株を5株とする株式分割を行っています。
3 ㈱リケンは、2023年10月2日付で日本ピストンリング㈱と共同株式移転の方法により両社の完全親会社となるリケンNPR㈱を設立し経営統合しています。これに伴い、保有していた㈱リケンの普通株式1株に対してリケンNPR㈱の普通株式2株を割当交付されています。
4 凸版印刷㈱は、2023年10月1日付でTOPPANホールディングス㈱に商号変更しています。
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年(昭和51年)大蔵省令第28号、以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年(昭和38年)大蔵省令第59号、以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の連結財務諸表および事業年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けています。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。その内容は、以下のとおりです。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等について的確に対応するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入するなど、情報収集に努めています。
(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会(以下「IASB」という。)が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っています。また、IFRSに基づいて連結財務諸表を適正に作成するため、IFRSに準拠したグループ会計方針および関連する会計指針を作成し、これらに基づいてグループで統一した会計処理を行っています。
(3) 取締役 代表執行役社長および取締役 執行役常務 最高財務責任者による開示内容の正確性・的確性の確認を補佐するために、「ディスクロージャー委員会」を設置し、開示内容について審議しています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書及び連結包括利益計算書】
【連結損益計算書】
(単位:百万円)
【連結包括利益計算書】
(単位:百万円)
③ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
④ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
(単位:百万円)
【連結財務諸表注記】
1 報告企業
本田技研工業株式会社(以下「当社」という。)は日本に所在する企業です。当社および連結子会社は、二輪車、四輪車、パワープロダクツなどの開発、製造、販売を世界各国で行っています。また、これらの事業における販売活動をサポートするために、顧客および販売店に対して金融サービス事業を営んでいます。主な生産拠点は、日本、米国、カナダ、メキシコ、中国、インド、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、ブラジルにあります。
2 作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たしているため、同第93条の規定により、連結財務諸表をIFRSに準拠して作成しています。
(2) 測定の基礎
当社の連結財務諸表は、連結財務諸表注記の「3 重要性がある会計方針」に別途記載している一部の資産および負債を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3) 機能通貨および表示通貨
当社の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈のない限り、百万円未満を四捨五入して表示しています。
(4) 未適用の新たな基準書および解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書および解釈指針のうち、適用が強制されないため当連結会計年度末において適用していない基準書および解釈指針は、以下のとおりです。
当社および連結子会社は、当該基準書の適用が当社の連結財務諸表に与える影響について、現在検討中です。
(5) 見積りおよび判断の利用
当社および連結子会社は、IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債および収益・費用の報告額ならびに偶発資産・偶発債務の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した報告期間およびその影響を受ける将来の報告期間において認識されます。
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針の適用に際して行った判断に関する情報は、以下のとおりです。
・連結子会社、関連会社および共同支配企業の範囲 (注記3(1),3(2))
・開発から生じた無形資産の認識 (注記3(8))
・リースを含む契約の会計処理 (注記3(9))
当社の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りおよび仮定に関する情報は、以下のとおりです。
・オペレーティング・リース資産の残存価額 (注記3(6))
・償却原価で測定する金融資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類した負債性証券の評価 (注記6,7,8)
・金融商品の公正価値 (注記26)
・棚卸資産の正味実現可能価額 (注記9)
・非金融資産の回収可能価額 (注記11,12,13)
・引当金の測定 (注記17)
・確定給付負債(資産)の測定 (注記18)
・繰延税金資産の回収可能性 (注記23)
・偶発債務により経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性および規模 (注記28)
3 重要性がある会計方針
(1) 連結の基礎
当社の連結財務諸表は、当社および当社が直接または間接に支配する連結子会社、ならびに当社および連結子会社が支配するストラクチャード・エンティティの勘定を全て含んでいます。全ての重要な連結会社間の債権・債務残高および取引高は、当社の連結財務諸表作成にあたり消去しています。
支配とは、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、その投資先に対するパワー(関連性のある活動を指図する能力)を通じてそれらのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。当社および連結子会社は、支配の有無を、議決権または類似の権利の状況や投資先に関する契約内容などに基づき、総合的に判断しています。
ストラクチャード・エンティティとは、議決権または類似の権利が支配の有無の判定において決定的な要因とならないように設計された事業体をいいます。当社および連結子会社は、ストラクチャード・エンティティに対する支配の有無を、議決権または類似の権利の保有割合に加え、投資先に対する契約上の取決めなどを勘案して総合的に判定し、支配を有するストラクチャード・エンティティを連結しています。
連結子会社の財務諸表は、支配を獲得した日から支配を喪失した日までの間、当社の連結財務諸表に含めています。連結子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該連結子会社の財務諸表を調整しています。
支配の喪失に至らない連結子会社に対する当社の所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。また、連結子会社に対する支配を喪失した場合には、残存する持分を支配を喪失した時点の公正価値で測定したうえで、支配の喪失から生じた利得および損失を純損益として認識しています。
(2) 関連会社および共同支配企業に対する投資(持分法で会計処理されている投資)
関連会社とは、当社および連結子会社が財務および営業の方針決定に対して重要な影響力を有しているものの、支配または共同支配を有していない企業をいいます。
共同支配企業とは、当社および連結子会社を含む複数の当事者が共同支配の取決めに基づき、それぞれの当事者が投資先の純資産に対する権利を有している場合の当該投資先をいいます。共同支配は、契約上合意された支配の共有であり、関連性のある活動に関する意思決定に、支配を共有している当事者全員の一致した合意を必要とする場合にのみ存在します。
関連会社および共同支配企業に対する投資は、投資先が関連会社または共同支配企業に該当すると判定された日から該当しないと判定された日まで、持分法で会計処理しています。持分法では、投資を当初認識時に取得原価で認識し、それ以降に投資先が認識した純損益およびその他の包括利益に対する当社および連結子会社の持分に応じて投資額を変動させています。持分法の適用に際し、持分法適用会社となる関連会社または共同支配企業が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社または共同支配企業の財務諸表を調整しています。
関連会社または共同支配企業に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、残存する持分を公正価値で測定したうえで、持分法の適用を中止したことから生じた利得または損失を純損益として認識しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引が発生した時点の為替レートで当社および連結子会社の各機能通貨に換算しています。外貨建債権債務は、報告期間の期末日の為替レートで当社および連結子会社の各機能通貨に換算しています。この結果生じる損益および決済時の為替換算による損益は、純損益として認識し、連結損益計算書の金融収益及び金融費用のその他(純額)に含めています。
② 在外営業活動体
在外の連結子会社、関連会社および共同支配企業(以下「在外営業活動体」という。)の財務諸表項目の換算については、資産および負債は報告期間の期末日の為替レートにより、また、収益および費用は機能通貨が超インフレ経済国の通貨である場合を除き、対応する期間の平均為替レートにより円貨に換算しています。この結果生じる換算差額はその他の包括利益に認識し、連結財政状態計算書のその他の資本の構成要素に含めています。在外営業活動体を処分し、支配、重要な影響力または共同支配企業の取決めを喪失した場合は、この在外営業活動体に関連する換算差額の累積額を純損益に振り替えています。
(4) 金融商品
金融商品とは、一方の企業にとっての金融資産と、他の企業にとっての金融負債または資本性証券の双方を生じさせる契約をいいます。当社および連結子会社は、契約の当事者となった時点で、金融商品を金融資産または金融負債として認識しています。なお、金融資産の売買は、取引日において認識または認識の中止を行っています。
① デリバティブ以外の金融資産
当社および連結子会社は、当初認識時に、デリバティブ以外の金融資産を償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産および純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
当社および連結子会社は、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した時点、または、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、リスクと経済的便益を実質的にすべて移転した時点で、金融資産の認識を中止しています。
(償却原価で測定する金融資産)
当社および連結子会社は、契約上のキャッシュ・フローを回収することを事業上の目的として保有する金融資産で、かつ金融資産の契約条件により特定の日に元本および元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しています。償却原価で測定する金融資産は、顧客との契約から生じる営業債権を除き当初認識時に公正価値で測定し、顧客との契約から生じる営業債権は当初認識時に取引価額で測定しています。償却原価で測定する金融資産は、当初認識後は実効金利法による償却原価により測定しています。
(公正価値で測定する金融資産)
当社および連結子会社は、償却原価で測定する金融資産以外の金融資産を、公正価値で測定する金融資産に分類しています。公正価値で測定する金融資産は、さらに以下の区分に分類または指定しています。
(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産)
負債性証券のうち、契約上のキャッシュ・フローを回収することと売却の両方を事業上の目的として保有する金融資産で、かつ金融資産の契約条件により特定の日に元本および元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該負債性証券は、当初認識時に公正価値で測定し、当初認識後の公正価値の変動を、減損利得または減損損失および為替差損益を除き、その他の包括利益として認識しています。当該負債性証券の認識の中止が行われる場合、過去にその他の包括利益に認識した利得または損失の累計額を資本から純損益に振り替えています。
また、投資先との取引関係の維持または強化を主な目的として保有する株式などの資本性証券について、当初認識時に、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定した資本性証券は、当初認識時に公正価値で測定し、当初認識後の公正価値の変動をその他の包括利益として認識しています。ただし、当該資本性証券から生じる配当金については、原則として、純損益として認識しています。当該資本性証券の認識の中止が行われる場合、過去にその他の包括利益に認識した利得または損失の累計額を直接利益剰余金に振り替えています。
(純損益を通じて公正価値で測定する金融資産)
当社および連結子会社は、公正価値で測定する金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類または指定しなかった金融資産を、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で測定し、当初認識後の公正価値の変動を純損益として認識しています。
(現金及び現金同等物)
現金及び現金同等物は、現金、随時引き出し可能な預金、および容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない流動性の高い短期投資により構成されています。当社および連結子会社は、取得日から3ヵ月以内に満期の到来する極めて流動性の高い債券および類似金融商品を現金同等物としています。
② デリバティブ以外の金融負債
当社および連結子会社は、デリバティブ以外の金融負債を、当初認識時に公正価値で測定し、当初認識後は、実効金利法による償却原価により測定しています。
当社および連結子会社は、契約上の義務が免責、取消しまたは失効した時点で、金融負債の認識を中止しています。
③ デリバティブ
当社および連結子会社は、為替リスクおよび金利リスクを管理する目的で、種々の外国為替契約および金利契約を締結しています。これらの契約には、為替予約、通貨オプション契約、通貨スワップ契約および金利スワップ契約が含まれています。
当社および連結子会社は、これらのすべてのデリバティブについて、デリバティブの契約の当事者となった時点で資産または負債として当初認識し、公正価値により測定しています。当初認識後における公正価値の変動は、直ちに純損益として認識しています。
なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、当社および連結子会社がヘッジ手段として指定しているデリバティブはありません。
④ 金融資産および金融負債の相殺
当社および連結子会社は、金融資産および金融負債について、資産および負債として認識された金額を相殺するため法的に強制力のある権利を有し、かつ、純額で決済するか、もしくは資産の実現と債務の決済を同時に実行する意思を有している場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で表示しています。
(5) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうち、いずれか低い額により測定しています。棚卸資産の取得原価には購入原価、加工費が含まれており、原価の算定に当たっては原則として先入先出法を使用しています。加工費には通常操業度に基づく製造間接費の配賦額を含めています。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想販売価額から、完成までに要する見積原価および販売に要する見積費用を控除して算定しています。
(6) オペレーティング・リース資産
当社および連結子会社は、原価モデルを採用し、オペレーティング・リース資産を取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で表示しています。
当社および連結子会社は、オペレーティング・リースとして貸与している車両について、当初認識時に取得原価で測定し、リース契約で定められている期間にわたり、残存価額まで定額法によって減価償却しています。
米国に所在する当社の最も重要な金融子会社においては、オペレーティング・リース開始時に、将来の中古車価格の見積りに基づいて、リース車両の契約上の残存価額を設定しています。リース車両については、契約上の残存価額と見積残存価額のいずれか低い価額までリース期間にわたり均等償却をし、少なくとも四半期に一度、見積残存価額を見直しています。なお、見積残存価額の修正については、オペレーティング・リース資産の減価償却費として、残存リース期間にわたり均等償却しています。車両をリースしている顧客は、リース期間満了時において、そのリース車両を契約上の残存価額で買い取るか、もしくは販売店に返却する選択権を持っています(リース期間満了前にリース車両を買い取る場合は、契約上の未払残高で買い取ります)。リース車両を返却された販売店は、リース期間満了時に顧客から返却されたリース車両を契約上の残存価額で買い取るか、市場価格で買い取る選択権を持っています(リース期間満了前にリース車両を買い取る場合は、契約上の未払残高で買い取ります)。リース車両を返却された販売店がリース車両を買い取らなかった場合は、市場のオークションによってリース車両を売却します。
見積残存価額は以下の2つの重要な構成要素に基づいています。
① 予測リース車両返却率、すなわちリース期間満了時に、顧客から金融子会社に返却されると予測されるリース車両の割合
② リース期間満了時における予測市場価額
これらの見積りにあたっては、一般的な経済指標、新車および中古車の外部市場情報並びに過去の実績等のさまざまな要素も勘案しています。
(7) 有形固定資産
当社および連結子会社は、原価モデルを採用し、有形固定資産を取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で表示しています。
当社および連結子会社は、有形固定資産を当初認識時に取得原価で測定しています。有形固定資産の取得後に発生した支出については、その支出により将来当社および連結子会社に経済的便益がもたらされることが見込まれる場合に限り、有形固定資産の取得原価に含めています。
当社および連結子会社は、土地等の減価償却を行わない資産を除き、各資産について、それぞれの見積耐用年数にわたり、見積残存価額まで定額法によって減価償却しています。
有形固定資産の減価償却費を算定するために使用した主な見積耐用年数は、以下のとおりです。
有形固定資産の減価償却方法、耐用年数および残存価額は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更が必要な場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって調整しています。
連結財政状態計算書上の有形固定資産には、リース取引による使用権資産が含まれています。
使用権資産の会計処理については、「3 重要性がある会計方針 (9) リース」を参照ください。
(8) 無形資産
当社および連結子会社は、原価モデルを採用し、無形資産を取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で表示しています。
(研究開発費)
製品の開発に関する支出は、当社および連結子会社がその開発を完成させる技術上および事業上の実現可能性を有しており、その成果を使用する意図、能力およびそのための十分な資源を有し、将来経済的便益を得られる可能性が高く、信頼性をもってその原価を測定可能な場合にのみ、無形資産として認識しています。
資産計上した開発費(以下「開発資産」という。)の取得原価は、上記の無形資産に関する認識要件を最初に満たした時点から開発が完了した時点までの期間に発生した費用の合計額で、製品の開発に直接起因する全ての費用が含まれます。開発資産は、開発した製品の見積モデルライフサイクル期間(主に2年~6年)にわたり定額法で償却しています。
研究に関する支出および上記の認識要件を満たさない開発に関する支出は、発生時に費用として認識しています。
(その他の無形資産)
当社および連結子会社は、その他の無形資産を当初認識時に取得原価で測定し、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で償却しています。その他の無形資産は、主に自社利用目的のソフトウェアであり、その見積耐用年数は概ね3年~5年です。
無形資産の償却方法および耐用年数は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更が必要な場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって調整しています。
(9) リース
当社および連結子会社は、契約の開始時に、契約がリースであるまたはリースを含んだものであるか判定します。特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約は、リースであるかまたはリースを含んでいます。使用期間全体を通じて特定された資産の使用からの経済的便益のほとんどすべてを得る権利と、特定された資産の使用を指図する権利を借手が有している場合に、資産の使用を支配する権利が移転すると判定されます。
① 借手としてのリース
当社および連結子会社は、使用権資産およびリース負債をリース開始日に認識しています。
当社および連結子会社は、使用権資産を当初認識時に取得原価で測定しており、当該取得原価は、主にリース開始日以前に支払ったリース料を調整したリース負債の当初認識の金額、借手に発生した当初直接コスト、原資産の解体および除去費用や原状回復費用の見積りの合計で構成されています。当社および連結子会社は、リース構成部分と非リース構成部分を含んだ契約について、非リース構成部分を区別せずに、リース構成部分と非リース構成部分を単一のリース構成部分として会計処理しています。
当社および連結子会社は、原価モデルを採用し、使用権資産を取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で表示しています。当初認識後、リース開始日から原資産の耐用年数の終了時またはリース期間の終了時のいずれか早い方まで定額法を用いて減価償却しています。原資産の見積耐用年数は、「3 重要性がある会計方針 (7) 有形固定資産」を参照ください。
リース負債はリース開始日現在で支払われていないリース料の現在価値で当初認識しています。当該リース料は、リースの計算利子率が容易に算定できる場合には、当該利子率を用いて割引いていますが、そうでない場合には、当社および連結子会社の追加借入利子率を使用しています。リース負債の測定に含まれているリース料は、主に固定リース料(延長オプションの行使が合理的に確実である場合の延長期間のリース料を含む)、解約しないことが合理的に確実である場合を除いたリースの解約に対するペナルティの支払額で構成されています。
当初認識後、リース負債の残高に対して一定の利子率となるように算定された金融費用を増額し、支払われたリース料を減額しています。リース負債は、延長オプションや解約オプションの行使可能性の評価に変更が生じた場合に再測定しています。
リース負債が再測定された場合には、リース負債の再測定の金額を使用権資産の修正として認識しています。ただし、使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額され、さらにリース負債を減額する場合は、当該再測定の残額を純損益に認識しています。
② 貸手としてのリース
当社および連結子会社は、リースを含む契約について、原資産の所有に伴うリスクと経済的価値のほとんどすべてを借手に移転するリースをファイナンス・リースに分類し、その他のリースをオペレーティング・リースとして分類しています。サブリースは、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して分類しています。
当社の金融子会社は、車両のリースを行っています。ファイナンス・リースに係る顧客からの受取債権は、リース投資未回収総額をリースの計算利子率で割引いた現在価値で当初認識し、連結財政状態計算書上の金融サービスに係る債権に含めています。オペレーティング・リースとして貸与している車両は、オペレーティング・リース資産として連結財政状態計算書に表示しています。
契約がリース構成部分と非リース構成部分を含んでいる場合には、契約における対価をIFRS第15号に従い配分しています。
(10) 減損
① 償却原価で測定する金融資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類された負債性証券
当社および連結子会社は、営業債権以外の償却原価で測定する金融資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類された負債性証券の減損に係る引当金については次の3つのステージからなる予想損失モデルにより測定しています。
ステージ1 当初認識以降に信用リスクが著しく増大していない金融資産に対する12ヵ月の予想信用損失
ステージ2 当初認識以降に信用リスクが著しく増大したが、信用減損はしていない金融資産に対する全期間の予想信用損失
ステージ3 信用減損金融資産に対する全期間の予想信用損失
営業債権の減損に係る引当金については常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。
全期間の予想信用損失は金融資産の予想存続期間にわたるすべての生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失であり、12ヵ月の予想信用損失は全期間の予想信用損失のうち報告日後12ヵ月以内に生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失です。予想信用損失は契約上のキャッシュ・フローと回収が見込まれるキャッシュ・フローの差額を当初の実効金利で割引き、確率加重した見積りです。
(金融サービスに係る債権 - クレジット損失引当金)
当社の金融子会社は、金融サービスに係る債権の予想信用損失をクレジット損失引当金として計上しています。
信用リスクが著しく増大しているかの判定にあたり、顧客に対する金融債権については、個別的にも集合的にも評価しています。個別的な評価は延滞状況に基づいています。過去の実績では30日以上支払いを延滞した顧客に対する金融債権は貸倒れの可能性が高くなっているため、30日以上期日を超過している場合に信用リスクが著しく増大しているとみなしています。集合的な評価は当初認識した会計期間、担保の形態、契約期間、クレジットスコア等のリスク特性が共通するグループごとに当初認識時からの予想債務不履行率の相対的な変化に基づき行っています。販売店に対する金融債権については、信用リスクが著しく増大しているかの判定は販売店ごとに行われており、支払状況のほか、財政状態の変化や財務制限条項の順守状況等の要素を考慮しています。
金融サービスに係る債権に関する債務不履行の定義は、各金融子会社の内部リスク管理の実務によって定められています。米国に所在する当社の最も重要な金融子会社においては、60日の期日超過を債務不履行とみなしています。60日以上期日を超過している顧客に対する金融債権については、担保車両の差押えを含む回収活動を強化しており、債務不履行の顧客に対する金融債権を信用減損しているとみなしています。販売店に対する金融債権は販売店の重大な財政的困難、債務不履行や延滞等の契約違反、破産等、当初の契約条件に従ってすべての金額を回収できないという証拠が存在する場合に、信用減損しているとみなしています。
当社の米国の金融子会社は、顧客に対する金融債権のうち回収不能と見込まれる部分について、期日を120日超過した時点または担保車両を差し押さえた時点で直接償却しています。履行強制活動が行われる期間や方法は、様々な法的規制により制限されますが、未回収残高は通常、直接償却後も数年間は履行強制活動の対象となります。回収不能額の見積りには、履行強制活動による回収見込額が反映されています。販売店に対する金融債権は回収するという合理的な予想を有していない場合に直接償却しています。
当社の米国の金融子会社において、顧客に対する金融債権に係る予想信用損失の測定は、リスク特性が共通するグループごとに行われ、過去の実績、現在の状況、失業率、中古車価格、消費者の債務返済負担などの将来予測に基づく要素を反映しています。
② 非金融資産および持分法で会計処理されている投資
当社および連結子会社は、棚卸資産および繰延税金資産以外の非金融資産(主に、オペレーティング・リース資産、有形固定資産および無形資産)について、各報告期間の期末日において、資産が減損している可能性を示す兆候の有無を評価しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を算定し、当該資産の帳簿価額との比較を行うことにより、減損テストを行っています。
持分法で会計処理されている投資は、減損の客観的な証拠が存在する場合に、投資全体の帳簿価額を単一の資産として減損テストを行っています。
資産または資金生成単位の回収可能価額は、売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としています。使用価値は、資産または資金生成単位から生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値として算定しています。資金生成単位は、他の資産または資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の識別可能な資産グループであり、個別の資産について回収可能価額の見積りが不可能な場合に、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額を算定しています。
資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合に、当該帳簿価額を回収可能価額まで減額するとともに、当該減額を減損損失として純損益に認識しています。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、当該単位内の各資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しています。
過去に減損損失を認識した資産または資金生成単位について減損損失が既に存在しないか、あるいは減少している可能性を示す兆候がある場合で、当該資産または資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を上回るときは、減損損失を戻入れています。この場合、減損損失を認識しなかった場合の減価償却または償却控除後の帳簿価額を上限として、資産の帳簿価額を回収可能価額まで増額しています。
(11) 引当金
当社および連結子会社は、過去の事象の結果として現在の法的または推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を認識しています。
引当金は、報告期間の期末日における現在の債務を決済するために要する最善の見積りで測定しています。なお、貨幣の時間的価値に重要性がある場合には、債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で引当金を測定しています。現在価値の算定に当たっては、貨幣の時間的価値および当該債務に特有のリスクを反映した税引前の利率を割引率として使用しています。
(12) 従業員給付
① 短期従業員給付
給与、賞与および年次有給休暇などの短期従業員給付については、勤務の対価として支払うと見込まれる金額を、従業員が勤務を提供した時に費用として認識しています。
② 退職後給付
当社および連結子会社は、確定給付制度および確定拠出制度を含む各種退職給付制度を有しています。
(確定給付制度)
確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額を、負債または資産として認識しています。確定給付制度が積立超過である場合は、制度からの返還または制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値を資産上限額としています。
確定給付制度債務の現在価値および勤務費用は、予測単位積増方式を用いて制度ごとに算定しています。割引率は、確定給付制度債務と概ね同じ支払期日を有し、かつ、給付の支払見込みと同じ通貨建ての優良社債の報告期間の期末日における市場利回りに基づいて決定しています。確定給付負債(資産)の純額に係る純利息費用は、確定給付負債(資産)の純額に割引率を乗じて算定しています。
制度改定や制度縮小により生じた確定給付制度債務の現在価値の変動として算定される過去勤務費用は、制度の改定や縮小が発生した時に、純損益として認識しています。
確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値の再測定に伴う調整額は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
(確定拠出制度)
確定拠出制度については、確定拠出制度に支払うべき拠出額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
(13) 資本
① 普通株式
当社が発行した普通株式は資本として分類し、発行価額を資本金および資本剰余金に含めています。
② 自己株式
当社および連結子会社が取得した自己株式は、取得原価で認識し、資本の控除項目としています。自己株式を売却した場合は、受取対価を資本の増加として認識し、帳簿価額と受取対価の差額は資本剰余金に含めています。
(14) 収益認識
① 製品の販売
製品の販売は、二輪事業、四輪事業、パワープロダクツ事業及びその他の事業に区分されます。各事業におけるより詳細な情報については、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報」を参照ください。
当社および連結子会社は、製品に対する支配が顧客に移転した時点で収益を認識しています。この移転は、通常、顧客に製品を引渡した時点で行われます。収益は、顧客との契約で明確にされている対価に基づき測定し、第三者のために回収する金額を除いています。契約の対価の総額は、すべての製品およびサービスにそれらの独立販売価格に基づき配分され、独立販売価格は、類似する製品またはサービスの販売価格やその他の合理的に利用可能な情報を参照して算定しています。
当社および連結子会社は、販売店に対して奨励金を支給していますが、これは一般的に当社および連結子会社から販売店への値引きに該当します。また、当社および連結子会社は、販売店の販売活動をサポートするため、顧客に対して主として市場金利以下の利率によるローンやリースを提示する形式の販売奨励プログラムを提供しています。このプログラムの提供に要する金額は、顧客に提示した利率と市場金利の差に基づいて算定しています。これらの奨励金は、取引価格の算定における変動対価として考慮されることとなり、製品が販売店に売却された時点で認識する売上収益の金額から控除しています。売上収益は、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しています。
製品の販売に係る対価の支払は、通常、製品に対する支配が顧客に移転してから30日以内に行われます。
なお、製品の販売における顧客との契約には製品が合意された仕様に従っていることを保証する条項が含まれており、当社および連結子会社は、この保証に関連する費用に対して製品保証引当金を認識しています。当該引当金に関するより詳細な情報については、連結財務諸表注記の「17 引当金」を参照ください。
② 金融サービスの提供
金融サービスに係る債権の利息収益は、実効金利法によって認識しています。金融サービスに係る債権の初期手数料および初期直接費用は、実効金利の計算に含めて、金融債権の契約期間にわたって認識しています。
当社の金融子会社が提供する金融サービスにはリースが含まれています。ファイナンス・リースに係る受取債権の利息収益は、実効金利法によって認識しています。なお、当社および連結子会社が、製造業者または販売業者としての貸手となる場合、製品の販売とみなされる部分について、売上収益と対応する原価を製品の販売と同様の会計方針に従って認識しています。オペレーティング・リースから生じる収益は、リース期間にわたり定額法によって認識しています。
(15) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金と繰延税金から構成されています。当期税金と繰延税金は、直接資本またはその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益で認識しています。
当期税金は、当期の課税所得について納付すべき税額、または税務上の欠損金について還付されると見込まれる税額で測定しています。これらの税額は、報告期間の期末日において制定または実質的に制定されている税率および税法に基づいて算定しています。
繰延税金資産および負債は、報告期間の期末日における資産および負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との差額である一時差異ならびに税務上の繰越欠損金および繰越税額控除に関する将来の税務上の影響に基づいて認識しています。なお、繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金および繰越税額控除について、将来それらを利用できる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識しています。
連結子会社および関連会社に対する投資ならびに共同支配企業に対する持分に関する将来加算一時差異については、当該一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合は、繰延税金負債を認識していません。また、連結子会社および関連会社に対する投資ならびに共同支配企業に対する持分に関する将来減算一時差異については、当該一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な将来において実現する可能性が高い範囲でのみ繰延税金資産を認識しています。
繰延税金資産および負債は、報告期間の期末日に制定または実質的に制定されている税率および税法に基づいて、資産が実現する期間または負債が決済される期間に適用されると予測される税率で測定しています。繰延税金資産および負債の測定に当たっては、報告期間の期末日において当社および連結子会社が意図する資産および負債の帳簿価額の回収または決済の方法から生じる税務上の影響を反映しています。
繰延税金資産の回収可能性は、各報告期間の期末日において見直し、繰延税金資産の一部または全部の税務便益を実現させるのに十分な課税所得の稼得が見込めないと判断される部分について、繰延税金資産の帳簿価額を減額しています。
繰延税金資産および繰延税金負債は、当期税金に対する資産と負債を相殺する法律上の強制力のある権利を有しており、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、または異なる納税主体に課されている場合でこれらの納税主体が当期税金に対する資産と負債を純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しています。
当社および連結子会社の税務処理を税務当局が認める可能性が高くないと判断した場合に、不確実性の影響を財務諸表に反映しています。
当社および連結子会社は、2023年5月23日に公表された、「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号の改訂)」を適用し、経済協力開発機構(OECD)が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定または実質的に制定された税法から生じる法人所得税(適格国内最低トップアップ税を含む)に関する繰延税金資産および繰延税金負債について認識および開示を行っていません。
(16) 1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を対応する期間の加重平均発行済普通株式数で除して算定しています。
4 セグメント情報
当社のセグメント情報は、経営組織の形態と製品およびサービスの特性に基づいて4つに区分されています。二輪事業・四輪事業・金融サービス事業の報告セグメントに加え、それ以外の事業セグメントをパワープロダクツ事業及びその他の事業として結合表示しています。
以下のセグメント情報は、独立した財務情報が入手可能な構成単位で区分され、定期的に当社の最高経営意思決定機関により経営資源の配分の決定および業績の評価に使用されているものに基づいています。また、セグメント情報における会計方針は、当社の連結財務諸表における会計方針と一致しています。
各事業の主要製品およびサービス、事業形態は以下のとおりです。
(1) 事業の種類別セグメント情報
前連結会計年度および当連結会計年度における当社および連結子会社の事業の種類別セグメント情報は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 各セグメントの営業利益(△損失)の算出方法は、連結損益計算書における営業利益の算出方法と一致しており、持分法による投資利益、金融収益及び金融費用および法人所得税費用を含んでいません。また、各セグメントに直接賦課できない営業費用は、最も合理的な配賦基準に基づいて、各セグメントに配賦しています。
2 各セグメントおよび消去又は全社の資産の合計は、連結財政状態計算書の総資産と一致しており、持分法で会計処理されている投資、デリバティブ資産および繰延税金資産などを含んでいます。また、消去又は全社に含まれる金額を除く、各セグメントに直接賦課できない資産については、最も合理的な配賦基準に基づいて、各セグメントに配賦しています。
3 セグメント間取引は、独立企業間価格で行っています。
4 資産の消去又は全社の項目には、セグメント間取引の消去の金額および全社資産の金額が含まれています。全社資産の金額は、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、それぞれ1,462,656百万円、
1,573,834百万円であり、その主な内容は、当社の現金及び現金同等物、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産です。
5 製品保証引当金繰入額は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ289,850百万円、536,590百万円であり、主に四輪事業に含まれています。
6 費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ8,400百万円、12,220百万円であり、四輪事業や、パワープロダクツ事業及びその他の事業に含まれている航空機および航空機エンジンに関連するものです。
7 資本的支出には、使用権資産は含まれていません。
(2) 製品およびサービスに関する情報
前連結会計年度および当連結会計年度における当社および連結子会社の製品およびサービス別に区分した売上収益の金額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(3) 地域に関する情報
前連結会計年度および当連結会計年度における当社および連結子会社の所在地別に区分した売上収益および非流動資産(金融商品、繰延税金資産および確定給付資産の純額を除く)の金額は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
5 現金及び現金同等物
前連結会計年度末および当連結会計年度末における現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
当社および連結子会社が保有する現金同等物は、主にマネー・マーケット・ファンドおよび譲渡性預金です。
6 営業債権
営業債権は償却原価で測定する金融資産に分類しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における営業債権の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度における営業債権に係る貸倒引当金の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
7 金融サービスに係る債権
当社の金融子会社は、製品の販売をサポートするために、顧客および販売店に対して様々な金融サービスを提供しており、これらの金融サービスに係る債権を以下のように区分しています。
顧客に対する金融債権
小売金融:主に、顧客との割賦契約に係る債権から構成されます。
ファイナンス・リース:主に、顧客との解約不能な車両のリース契約に係る債権から構成されます。
販売店に対する金融債権
卸売金融:主に、販売店の在庫購入のための融資に係る債権および販売店への貸付金から構成されます。
金融サービスに係る債権は主に償却原価で測定する金融資産に分類しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における金融サービスに係る債権の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(ファイナンス・リースに係る債権)
前連結会計年度末および当連結会計年度末におけるファイナンス・リースに基づくリース料債権の期日別の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
貸手のリース活動の性質およびリスク管理戦略については、「3 重要性がある会計方針 (9) リースおよび(10) 減損」を参照ください。
(クレジット損失引当金)
前連結会計年度および当連結会計年度におけるクレジット損失引当金の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
クレジット損失引当金の詳細は、連結財務諸表注記の「25 金融リスク管理 (3) 信用リスク」を参照ください。
8 その他の金融資産
前連結会計年度末および当連結会計年度末におけるその他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の金融資産に係る貸倒引当金の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度のその他の金融資産に係る貸倒引当金は、主に信用減損金融資産に対するものです。
前連結会計年度末および当連結会計年度末におけるその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定した資本性証券の主な銘柄は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
9 棚卸資産
前連結会計年度末および当連結会計年度末における棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度において、費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ8,400百万円、12,220百万円です。
10 持分法で会計処理されている投資
前連結会計年度末および当連結会計年度末における関連会社および共同支配企業に対する当社および連結子会社の持分相当額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
当社は、前連結会計年度において、一部の活発な市場における公表価格のある持分法で会計処理されている投資について、市場価格の下落により減損の客観的な証拠が存在すると判断したため、公正価値に基づき回収可能価額を測定し、減損損失を計上しました。
また、活発な市場における公表価格のない持分法で会計処理されている投資のうち、前連結会計年度中に締結した株式譲渡契約での取引価格が取得価額を下回った投資先について、減損の客観的な証拠が存在すると判断したため、使用価値に基づき回収可能価額を測定し、前連結会計年度において、減損損失を計上しました。
以上の結果、前連結会計年度において、持分法で会計処理されている投資の減損損失68,545百万円を計上しています。当該減損損失は、持分法による投資利益に含まれており、主に四輪事業に含まれています。
なお、当連結会計年度において、重要な減損損失はありません。
前連結会計年度および当連結会計年度における関連会社および共同支配企業の当期包括利益に対する当社および連結子会社の持分は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
持分法で会計処理されている投資、未分配利益に対する持分相当額、当期利益、その他の包括利益、当期包括利益の共同支配企業の項目には、当社にとって重要性がある共同支配企業の金額が含まれています。
(重要性がある共同支配企業)
当社にとって重要性がある共同支配企業は、東風本田汽車有限公司です。当社および連結子会社と東風汽車集団有限公司がそれぞれ50%の持分を保有しており、中国武漢市で四輪製品の製造および販売をしています。
前連結会計年度および当連結会計年度における東風本田汽車有限公司に関する要約連結財務情報は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度における関連会社に関する合算財務情報は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度における共同支配企業に関する合算財務情報は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
上記には、当社にとって重要性がある共同支配企業の金額が含まれています。
11 オペレーティング・リース資産
当社および連結子会社は、主に車両を貸与しています。
前連結会計年度および当連結会計年度におけるオペレーティング・リース資産の取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額は、以下のとおりです。
(取得原価)
(単位:百万円)
(減価償却累計額および減損損失累計額)
(単位:百万円)
(帳簿価額)
(単位:百万円)
(将来受取リース料)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における、オペレーティング・リースに係る将来受取リース料の受取期間別の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
上記に記載されている将来受取リース料の金額は、必ずしも将来の現金回収額を示すものではありません。
(リース収益)
前連結会計年度および当連結会計年度におけるオペレーティング・リースのリース収益はそれぞれ1,152,964百万円、1,141,819百万円です。
12 有形固定資産
前連結会計年度および当連結会計年度における有形固定資産の取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額は、以下のとおりです。
(取得原価)
(単位:百万円)
(減価償却累計額および減損損失累計額)
(単位:百万円)
(帳簿価額)
(単位:百万円)
有形固定資産の購入に関する発注契約については、連結財務諸表注記の「28 契約残高および偶発債務」を参照ください。
(使用権資産)
連結財政状態計算書上の有形固定資産には、リース取引による使用権資産が含まれており、主に四輪事業に関連するものです。
当社および連結子会社は主に延長および解約オプションを含む店舗、社宅、駐車場に対するリース契約を締結しています。リース契約は各社で管理されており、その条件は個別交渉されるため、多様な契約条件を含んでいます。延長および解約オプションは、各社のマネジメントが事業上の柔軟性を高めるために設けたものです。
前連結会計年度および当連結会計年度における使用権資産の帳簿価額の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
13 無形資産
前連結会計年度および当連結会計年度における無形資産の取得原価、償却累計額および減損損失累計額の増減ならびに帳簿価額は、以下のとおりです。
(取得原価)
(単位:百万円)
(償却累計額および減損損失累計額)
(単位:百万円)
(帳簿価額)
(単位:百万円)
開発資産の償却費は連結損益計算書の研究開発費に、開発資産以外の無形資産の償却費は連結損益計算書の売上原価、販売費及び一般管理費ならびに研究開発費にそれぞれ含まれています。
無形資産の購入に関する発注契約については、連結財務諸表注記の「28 契約残高および偶発債務」を参照ください。
14 営業債務
営業債務は償却原価で測定する金融負債に分類しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における営業債務の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
15 資金調達に係る債務
資金調達に係る債務は償却原価で測定する金融負債に分類しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における流動負債に区分される資金調達に係る債務の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における流動負債に区分される資金調達に係る債務(非流動負債からの振替を除く)の加重平均利率は、以下のとおりです。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における非流動負債に区分される資金調達に係る債務の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における非流動負債に区分される資金調達に係る債務(流動負債への振替を含む)の利率および返済期限の要約は、以下のとおりです。
(担保差入資産)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における資金調達に係る債務に対する担保差入資産は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
金融サービスに係る債権およびオペレーティング・リース資産は資産担保証券の担保として供されています。その他の項目は主に銀行等借入金の担保として供されています。
日本における慣行として、銀行借入金については一般的な契約に基づき行われており、現在および将来に発生する債務について、銀行の請求に基づき担保の設定または保証の差入れの義務があります。また、当社および連結子会社が支払遅延あるいは債務不履行に陥った場合、銀行は、全ての債務について、銀行預金と相殺する権利を有しています。
(財務活動から生じた負債の調整表)
前連結会計年度および当連結会計年度における財務活動から生じた負債の内訳および増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) デリバティブ金融負債(△資産)は、当社および当社の金融子会社が長期資金調達に係る債務の元本および利息の支払いの為替変動リスクをヘッジするために保有しており、元本および利息の支払いに対応するキャッシュ・フローは、それぞれ財務活動によるキャッシュ・フローおよび営業活動によるキャッシュ・フローに含めています。
16 その他の金融負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末におけるその他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
17 引当金
当連結会計年度における引当金の内訳および増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における引当金の流動負債、非流動負債の残高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 当社および連結子会社は、将来の製品保証に関連する費用に対して製品保証引当金を認識しています。製品保証に関連する費用には、(i)保証書に基づく無償の補修費用、(ii)主務官庁への届出等に基づく無償の補修費用が含まれています。(i)保証書に基づく無償の補修費用は、製品を販売した時点で認識しており、(ii)主務官庁への届出等に基づく新規の保証項目に関連する費用については、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を認識しています。これらの引当金の金額は、過去の補修実績、過去の売上実績、予測発生台数および予測台当たり補修費用等を含む将来の見込みに基づいて見積っており、顧客および販売店からの請求等に応じて取崩されるものです。製品保証引当金については、その金額の一部が取引先との合意により補填される見込みです。当連結会計年度末において、製品保証引当金に関連して補填されると見込まれている金額は167,920百万円です。
18 従業員給付
(1) 退職後給付
当社および連結子会社は、各種退職給付および年金制度を有しており、ほぼ全ての日本における従業員および一部の海外の従業員を対象としています。当社および日本の連結子会社は、日本の確定給付企業年金法に基づくキャッシュバランスプラン類似制度またはその他の確定給付型年金制度を設けています。また、当社および一部の連結子会社は、退職年金制度に加え退職一時金制度を設けており、これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。これらの制度に加え、一部の北米の連結子会社は、健康保険や生命保険等の制度を退職後の従業員に提供しています。
当社が設けている年金制度は、当社より法的に独立したホンダ企業年金基金によって運営されており、基金の理事は、法令、法令に基づき行われる厚生労働大臣または地方厚生局長の処分、規約および代議員会の議決を遵守し、基金のために忠実にその職務を遂行する義務を負っています。当社には、ホンダ企業年金基金に対する掛金の拠出が要求されており、将来にわたってホンダ企業年金基金が定める掛金の拠出義務を負っています。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。
① 確定給付制度債務と制度資産
前連結会計年度および当連結会計年度における当社および一部の連結子会社の確定給付制度債務の現在価値および制度資産の公正価値の変動は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末の確定給付負債(資産)の純額に含まれる退職給付に係る資産は、それぞれ180,700百万円、148,296百万円であり、連結財政状態計算書において、その他の非流動資産に含まれています。
② 制度資産の公正価値
当社および連結子会社の国内制度および海外制度に係る資産運用方針は、従業員の将来の給付を確保するため許容されるリスクのもとで中長期的に総運用収益の最適化をはかるべく策定されています。制度資産は、資産配分目標に基づいて主に国内外の株式および債券に幅広く分散投資されており、リスクの低減を図っています。資産配分については、長期的なリスク、リターンの予想および各資産の運用実績の相関に基づき、中長期的に維持すべき配分の目標を設定しています。この資産配分目標は、制度資産の運用環境等に重要な変化が生じた場合には、適宜見直しを行っています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における国内制度および海外制度の制度資産の公正価値の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
③ 数理計算上の仮定
前連結会計年度末および当連結会計年度末における確定給付制度債務の現在価値の算定に用いた重要な数理計算上の仮定は、以下のとおりです。
④ 感応度分析
前連結会計年度末および当連結会計年度末における割引率が±0.5%変動した場合の確定給付制度債務に与える影響は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
感応度分析は、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、当社が合理的に考えうる数理計算上の仮定の変化による確定給付制度債務の変動を示したものです。これらの分析は、あくまで試算ベースであり、実際の結果はこれらの分析と異なる可能性があります。また、昇給率については変動を見込んでいません。
⑤ キャッシュ・フロー
当社および一部の連結子会社の制度資産への拠出額は、従業員の給与水準や勤続年数、制度資産の積立状態、数理計算等様々な要因により決定されます。また、確定給付企業年金法の規定により、ホンダ企業年金基金では、将来にわたって財政の均衡を保つことができるよう、5年毎に報告期間の期末日を基準日として掛金の額の再計算を行っています。当社および一部の連結子会社は、積立金の額が最低積立基準額を下回る場合には、必要な額の掛金を拠出する場合があります。
当社および一部の連結子会社は、次連結会計年度において国内制度に拠出する金額を19,970百万円、海外制度に拠出する金額を18,282百万円と見積っています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、以下のとおりです。
(2) 人件費
前連結会計年度および当連結会計年度における連結損益計算書に含まれる人件費は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
人件費には、給与、賞与、法定福利費および退職後給付に係る費用などを含めています。
19 資本
(1) 資本の管理
当社および連結子会社は、グローバル規模での成長を通じた企業価値向上のために、設備投資および研究開発投資等を行っています。これらの資金需要に対応するために、資金調達に係る債務および資本の適切なバランスを考慮した資本管理を行っています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における資金調達に係る債務および資本の残高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(2) 資本金
前連結会計年度および当連結会計年度における当社の発行可能株式総数および発行済株式総数は、以下のとおりです。
(単位:株)
(注) 1 当社は、2023年9月30日を基準日、2023年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。
2 当社は、2024年2月8日の取締役会の決議に基づき、2024年2月29日付で自己株式154,285,290株を消却しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における発行済株式は、すべて払込済です。
(3) 資本剰余金および利益剰余金
資本剰余金は、資本取引から生じた金額のうち資本金に含まれない金額で構成され、主な内訳は資本準備金です。日本の会社法は、株式の発行に対する払込みまたは給付に係る金額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りを資本準備金に組み入れることを規定しています。資本準備金は、株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
利益剰余金は、利益準備金とその他の剰余金により構成されます。日本の会社法は、利益剰余金を原資とする配当を行う日において、配当額の10分の1を、資本準備金および利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金または利益準備金として積み立てることを規定しています。利益準備金は、株主総会の決議により、取り崩すことができます。なお、一部の海外の連結子会社についても、各国の法律に基づき、同様の利益準備金を積み立てることが定められています。
(4) 自己株式
前連結会計年度末および当連結会計年度末における当社および連結子会社が保有する当社株式の総数は、以下のとおりです。
(単位:株)
日本の会社法では、株主総会の決議により分配可能額の範囲内で、取得する株式の数、取得価額の総額などを決定し、自己株式を取得することができます。また、市場取引または公開買付による場合には、定款の定めにより会社法上定められた条件の範囲内で、取締役会の決議により自己株式を取得することができます。
(5) その他の資本の構成要素
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の資本の構成要素の内訳ごとの増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(6) その他の包括利益
前連結会計年度および当連結会計年度におけるその他の包括利益の内訳と対応する税効果額(非支配持分を含む)は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度における非支配持分に含まれるその他の包括利益の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(7) 剰余金の配当
当社は、剰余金の配当について、日本の会社法の規定に基づいて算定される分配可能額の範囲内で行っています。分配可能額は、日本において一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠して作成された当社の会計帳簿における利益剰余金の金額に基づいて算定されます。
前連結会計年度および当連結会計年度における利益剰余金を原資とする配当の金額は、以下のとおりです。
① 配当金支払額
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
② 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が当連結会計年度末後となるもの
(注) 当社は、2023年9月30日を基準日、2023年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。2024年5月10日取締役会決議に基づく1株当たり配当額については、当該株式分割の影響を考慮した金額を記載しています。
20 売上収益
(1) 収益の分解
当社のセグメント情報は、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報」に記載のとおり、4つに区分されています。
前連結会計年度および当連結会計年度における仕向地別(外部顧客の所在地別)に分解された売上収益および分解された売上収益と各セグメントの売上収益の関係は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(2) 契約残高
前連結会計年度末および当連結会計年度末における顧客との契約から生じた債権および契約負債は、以下のとおりです。
前連結会計年度および当連結会計年度に認識した収益のうち、期首時点の契約負債残高に含まれていたものはそれぞれ219,873百万円、273,224百万円です。なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、過去の期間に充足(または部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額に重要性はありません。また、当社および連結子会社における契約資産の残高に重要性はありません。
(3) 残存履行義務に配分した取引価格
前連結会計年度末および当連結会計年度末における未充足(または部分的に未充足)の履行義務に配分した取引価格の総額および収益の認識が見込まれる期間別の内訳は、以下のとおりです。
上記の表には、当初の予想期間が1年以内の残存履行義務に関する情報および収益認識が制限されている変動対価の金額の見積りは含めていません。
(4) 顧客との契約の獲得または履行のためのコストから認識した資産
前連結会計年度末および当連結会計年度末における顧客との契約の獲得のためのコストから認識した資産は、以下のとおりです。
当社および連結子会社は、顧客との契約を獲得するための増分コストおよび契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分を資産として認識しています。顧客との契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。契約の獲得のためのコストから認識した資産については、連結財政状態計算書上は主にその他の非流動資産に計上し、契約に基づくサービスが提供される期間にわたって償却しています。なお、契約の履行のために発生したコストから認識した資産の額に重要性はありません。
前連結会計年度および当連結会計年度における当該資産の償却額はそれぞれ52,193百万円、60,391百万円です。
21 研究開発費
前連結会計年度および当連結会計年度の研究開発費の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
22 金融収益及び金融費用
前連結会計年度および当連結会計年度における金融収益及び金融費用の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
23 法人所得税
(1) 法人所得税費用
前連結会計年度および当連結会計年度における税引前利益および法人所得税費用の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度の国内の法人所得税費用(繰延分)の減少額には、従前は未認識であった税務上の欠損金、税額控除または過去の期間の一時差異から生じた便益の額96,195百万円が含まれています。これは、当社および一部の国内の連結子会社により構成される通算グループにおいて、将来課税所得が稼得される可能性が高いと判断したことによるものです。
当社および国内の連結子会社の法定実効税率は前連結会計年度および当連結会計年度において30.2%です。海外の連結子会社の所得に対しては、16.0%から34.0%の範囲の税率が適用されています。
日本の法定実効税率と平均実際負担税率との差異は、以下のとおりです。
(2) 繰延税金資産および繰延税金負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 当社および連結子会社は、当連結会計年度より「単一の取引から生じた資産及び負債に係る繰延税金(IAS第12号の改訂)」を適用し、比較情報については遡及適用後の金額となっています。
前連結会計年度および当連結会計年度における繰延税金資産および繰延税金負債の増減のうち、連結損益計算書で法人所得税費用として認識された金額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 当社および連結子会社は、当連結会計年度より「単一の取引から生じた資産及び負債に係る繰延税金(IAS第12号の改訂)」を適用し、比較情報については遡及適用後の金額となっています。
繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しています。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得およびタックス・プランニングを考慮しています。当社および連結子会社は、過去の課税所得水準および繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産は、回収される可能性が高いものと考えていますが、当社および連結子会社を取り巻く市場の動向や為替変動などの経済情勢により、将来課税所得の予測の不確実性は増大します。なお、前連結会計年度末および当連結会計年度末の繰延税金資産のうち、それぞれの前連結会計年度または当該連結会計年度に損失が生じている納税主体に帰属しているものは、それぞれ19,414百万円、629百万円です。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の失効期限別の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産を認識していない繰越税額控除の失効期限別の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末の連結子会社に対する投資および共同支配企業に対する持分に係る繰延税金負債を認識していない一時差異の合計は、それぞれ6,956,545百万円、8,112,152百万円です。
(3) グローバル・ミニマム課税
経済協力開発機構(OECD)により公表された第2の柱モデルルールに関する法制が、当社グループが事業活動を行っている一定の国・地域において制定、または実質的に制定されています。日本においては、令和5年度税制改正により、グローバル・ミニマム課税に対応する法人税が創設され、それに係る規定を含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(2023年(令和5年)法律3号))が成立しました。それに伴い、日本に所在する親会社等の子会社等が所在する国・地域での税負担が最低税率(15%)に至るまで、親会社等に対して追加で上乗せ課税されることになります。当該法律は、日本において2024年4月1日以降開始する連結会計年度から適用されるため、当連結会計年度の法人所得税への影響はありません。また、当連結会計年度より上乗せ課税が適用されるとした場合、当社の連結財務諸表に与える影響は軽微であると合理的に見積っています。
24 1株当たり当期利益
前連結会計年度および当連結会計年度における基本的および希薄化後1株当たり当期利益(親会社の所有者に帰属)は、以下の情報に基づいて算定しています。なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、希薄化効果のある重要な潜在的普通株式はありません。
(注) 当社は、2023年9月30日を基準日、2023年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。基本的および希薄化後1株当たり当期利益(親会社の所有者に帰属)については、前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しています。
25 金融リスク管理
(1) リスク管理に関する事項
当社および連結子会社は、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品を複数の国で販売しています。その過程において、当社および連結子会社は、事業活動から生じる営業債権、金融サービスに係る債権、営業債務および資金調達に係る債務等を保有し、当該金融商品を保有することで市場リスク、信用リスクおよび流動性リスクにさらされています。
当社および連結子会社は、定期的なモニタリングを通じてこれらのリスクを評価しています。
(2) 市場リスク
当社および連結子会社は、為替または金利の変動により金融商品の公正価値または将来キャッシュ・フローが変動するリスクを有しています。
当社および連結子会社は、主に、為替または金利の変動により将来キャッシュ・フローが変動するリスクを低減するために、為替予約、通貨オプション契約、通貨スワップ契約および金利スワップ契約などのデリバティブ取引を行っています。
デリバティブ取引については、リスク管理方針に従い、実需の範囲で行っています。また、当社および連結子会社は、売買目的でデリバティブを保有していません。
① 為替リスク
当社および連結子会社は、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品の多くを複数の国に輸出しています。各国における生産および販売では、外貨建てで購入する原材料および部品や、販売する製品および部品があります。したがって、為替変動は、当社および連結子会社の収益またはその保有する金融商品の価値に影響を及ぼす可能性があります。
為替予約および通貨オプション契約は、外貨建取引(主に米ドル建)の為替レートの変動リスクを管理するために行っています。
(為替感応度分析)
当社および連結子会社が前連結会計年度末および当連結会計年度末において保有する金融商品の為替リスクに対する感応度分析は、以下のとおりです。なお、感応度分析は、為替以外のその他の全ての変数が一定であることを前提として、米ドルに対して日本円が1%円高(上昇)となった場合における税引前利益への影響を示しています。
(単位:百万円)
② 金利リスク
当社および連結子会社は、主に債務契約および金融サービスに係る債権に関連する金利変動リスクを有しています。当社および連結子会社は、コマーシャルペーパーのような短期調達資金に加え、固定または変動金利の長期債務を保有しています。通常、金融サービスに係る債権は、固定金利です。金利スワップ契約については、主に金融サービスに係る債権の金利変動に対するリスクを管理し、金融収益と金融費用を対応させることを目的としています。通貨スワップ契約は、上記の金利スワップ契約を他通貨間で行う際のもので、為替変動リスクのヘッジ機能を併せもつものです。
(金利感応度分析)
当社および連結子会社が前連結会計年度末および当連結会計年度末において保有する金融商品の金利リスクに対する感応度分析は、以下のとおりです。なお、感応度分析は、金利以外のその他の全ての変数が一定であることを前提として、金利が100ベーシス・ポイント上昇した場合における税引前利益への影響を示しています。
(単位:百万円)
③ 株価リスク
当社および連結子会社は、市場性のある資本性証券を保有していることから価格変動リスクを有しています。市場性のある資本性証券は、売買以外の目的で保有しており、主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
(3) 信用リスク
当社および連結子会社は、相手方が債務を履行できなくなることにより、財務的損失を被るリスクを有しています。デリバティブ以外の金融資産については、与信管理規程に従ってリスクの低減を図っています。また、デリバティブについては、契約相手を既定の信用基準に該当する国際的な有力銀行や金融機関に限定することでリスクの低減を図っています。
当社および連結子会社の信用リスクは、主に、金融サービスに係る債権に関して発生しています。顧客に対する金融債権に係る信用リスクは、一般的な経済動向によって影響を受けることがあります。失業率の上昇などの経済情勢悪化は貸倒れのリスクを高め、中古車価格の下落は、担保の回収による補填金額を減少させる可能性があります。当社の金融子会社は、信用リスクに影響を与えると考えられる審査基準のモニタリングおよび見直し、見積損失を考慮した契約金利の設定、損失を最小化する回収努力を通じ、顧客に対する金融債権に係る信用リスクに対処しています。販売店に対する金融債権に係る信用リスクは、販売店の財務体質、担保の価値、販売店の信用力に影響を与える可能性のある経済要因などにより影響を受けます。当社の金融子会社は、融資前に実施する販売店の財務体質の包括的な審査、支払実績と既存の融資に対する弁済能力の継続的なモニタリングなどを通じ、直面する信用リスクに対処しています。
また、当社および連結子会社は、さまざまな保証契約を結んでいます。これらの契約には販売店に対する貸出コミットメントおよび従業員の銀行住宅ローンに対する保証が含まれます。当社の金融子会社は、販売店に対する貸出コミットメント契約に基づき、貸付金の未実行残高を有しています。これらの貸出コミットメント契約には、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれるため、必ずしも貸出実行されるものではありませんが、貸出実行後に販売店が債務を履行できなくなることにより、財務的損失を被るリスクを有しています。また、従業員が銀行住宅ローンについて債務不履行に陥った場合、当社および連結子会社は、保証を履行することが要求されます。当連結会計年度末において、従業員は予定された返済を行えると考えられるため、当該支払義務により見積られた損失はありません。
① 信用リスク・エクスポージャー
前連結会計年度末および当連結会計年度末における支払期日を過ぎた金融サービスに係る債権の年齢分析は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における顧客に対する金融債権のうち小売金融の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 当社の金融子会社は小売金融に係る債権の予想信用損失を集合的に測定しており、当該債権の残高を信用リスクごとの等級に直接配分していないことから、小売金融に係る債権について予想信用損失モデルのステージ毎の総額を表示しています。
当社の金融子会社は、販売店毎に各社の財政状態などを踏まえて等級を設定しています。等級については、少なくとも年に一度見直しを行い、リスクの高い販売店については、より高い頻度で見直しを行っています。
以下の表は、販売店に対する金融債権および貸出コミットメントの残高を、等級を基にグループA、グループB、2つのグループに分類して表示しています。リスクの低い販売店に対する残高をグループAに分類し、残りの残高をグループBに分類しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における、販売店に対する金融債権の残高および貸出コミットメントに対する割引前の将来最大支払額の等級別の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(単位:百万円)
前連結会計年度末における、従業員の銀行住宅ローンに対する割引前の将来最大支払額は、5,988百万円です。
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末における、従業員の銀行住宅ローンに対する割引前の将来最大支払額は、5,034百万円です。
② 保証として保有している担保
当社の金融子会社は顧客に対する金融債権については、通常、販売した製品を担保として保有しています。販売店に対する金融債権については、販売した製品に加えて、販売店のその他の資産を担保として保有しています。担保が信用リスクをどの程度軽減しているかは、担保回収時の未回収債権残高に対する、担保の価値に影響されます。帳簿価額を上回る部分を除くと、前連結会計年度末および当連結会計年度末における信用減損した顧客に対する金融債権に対する担保の見積公正価値は、それぞれ概ね帳簿価額の80%、80%であり、信用減損した販売店に対する金融債権に対する担保の見積公正価値は、それぞれ概ね帳簿価額の100%、100%です。担保が信用リスクをどの程度軽減しているかは、担保を回収できるか否かにも影響されます。
(4) 流動性リスク
当社および連結子会社は、コマーシャルペーパーの発行、銀行借入金、ミディアムタームノート、社債の発行、金融債権の証券化およびオペレーティング・リース資産の証券化等により資金を調達しており、資金調達環境の悪化などにより支払期日にその支払を実行できなくなるリスクを有しています。
当社および連結子会社は、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持および健全なバランスシートの維持により、流動性リスクに対処しています。
生産販売事業における必要資金については、主に営業活動から得られる資金、銀行借入金、社債の発行およびコマーシャルペーパーの発行などによりまかなっています。また、顧客および販売店に対する金融サービスにおける必要資金については、主にミディアムタームノート、銀行借入金、金融債権の証券化、オペレーティング・リース資産の証券化、コマーシャルペーパーの発行および社債の発行などによりまかなっています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における当社および連結子会社のコマーシャルペーパープログラムおよびミディアムタームノートプログラムに関する発行限度額のうち、未使用の金額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
これらのプログラムにより、当社および連結子会社は市中金利で資金調達を行うことが出来ます。
当社および連結子会社は、景気後退による市場の縮小や金融市場・為替市場の混乱などにより、流動性に一部支障をきたす場合に備え、継続的に債務を借り換えているコマーシャルペーパーについて、代替流動性として十分な契約信用供与枠(コミットメントライン)を有しています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における当社および連結子会社の金融機関からの契約信用供与枠(コミットメントライン)のうち、未使用の金額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
通常、この契約信用供与に基づく借入は、プライムレート(最優遇貸出金利)で行われます。
(金融負債の満期分析)
① デリバティブ以外の金融負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末における非デリバティブ金融負債の期日別の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
その他の金融負債には、リース負債が含まれています。前連結会計年度末および当連結会計年度末のリース負債の期日別の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
② デリバティブ金融負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末におけるデリバティブ金融負債の期日別の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
26 公正価値
(1) 公正価値ヒエラルキーの定義
当社および連結子会社は、公正価値の測定に使われる評価手法における基礎条件を次の3つのレベルに順位付けしています。
レベル1 測定日現在において入手しうる同一の資産または負債の活発な市場における公表価格
レベル2 レベル1に分類される公表価格以外で、当該資産または負債について、直接または間接的に市場で
観察可能な基礎条件
レベル3 当該資産または負債について、市場で観察不能な基礎条件
これらの基礎条件に基づき測定された資産および負債の公正価値は、重要な基礎条件のうち、最も低いレベルの基礎条件に基づき分類しています。なお、当社および連結子会社は、資産および負債のレベル間の振替を、振替のあった報告期間の期末日に認識しています。
(2) 公正価値の測定方法
資産および負債の公正価値は、関連市場情報および適切な評価方法を使用して決定しています。
資産および負債の公正価値の測定方法および前提条件は、以下のとおりです。
(現金及び現金同等物、営業債権、営業債務)
これらの公正価値は、短期間で決済されるため、帳簿価額と近似しています。
(金融サービスに係る債権)
金融サービスに係る債権の公正価値は、主に類似の残存契約期間の債権に対し適用される直近の利率を使用し、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引くことによって測定しています。したがって、金融サービスに係る債権の公正価値の測定は、レベル3に分類しています。
(負債性証券)
負債性証券は、主に投資信託、社債、地方債およびオークション・レート・セキュリティで構成されています。
活発な市場のある投資信託の公正価値は、市場における公表価格に基づいて測定しています。したがって、活発な市場のある投資信託の公正価値の測定は、レベル1に分類しています。
社債や地方債の公正価値は、金融機関等の独自の価格決定モデルに基づき、信用格付けや割引率などの市場で観察可能な基礎条件を用いて測定しています。したがって、社債および地方債の公正価値の測定は、レベル2に分類しています。
当社の連結子会社が保有するオークション・レート・セキュリティはA格からAAA格で、保証機関による保険および教育省や米国政府による再保険がかけられており、約95%は米国政府によって保証されています。オークション・レート・セキュリティの公正価値は、市場で観察可能な基礎条件に加えて、各オークションの成立確率のような市場で観察不能な基礎条件を用いる、第三者機関の評価を使用しています。したがって、オークション・レート・セキュリティの公正価値の測定は、レベル3に分類しています。
(資本性証券)
活発な市場のある資本性証券の公正価値は、市場における公表価格に基づいて測定しています。したがって、活発な市場のある資本性証券の公正価値の測定は、レベル1に分類しています。
活発な市場のない資本性証券の公正価値は、主に割引キャッシュ・フロー法、類似企業比較法またはその他の適切な評価方法を用いて測定しています。したがって、活発な市場のない資本性証券の公正価値の測定は、レベル3に分類しています。なお、活発な市場のない資本性証券について、取得原価が公正価値の最善の見積りを表す場合には、取得原価をもって公正価値としています。
レベル3に区分された資本性証券の公正価値の測定に関する重要な観測不能な基礎条件は、割引キャッシュ・フロー法においては将来キャッシュ・フローの見積りおよび割引率、類似企業比較法においては類似企業の株価純資産倍率です。公正価値は将来キャッシュ・フローの増加(減少)、割引率の低下(上昇)および類似企業の株価純資産倍率の上昇(低下)により増加(減少)します。当該公正価値測定は、適切な権限者に承認された連結決算方針書に従い、当社および連結子会社の経理部門担当者等が評価方法を決定し、公正価値を測定しています。
(デリバティブ)
デリバティブは、主に為替予約、通貨オプション契約、通貨スワップ契約および金利スワップ契約で構成されています。
為替予約および通貨オプション契約の公正価値は、為替レートや割引率、ボラティリティなどの市場で観察可能な基礎条件に基づいて測定しています。通貨スワップ契約および金利スワップ契約の公正価値は、金利や為替レートなどの市場で観察可能な基礎条件を使用し、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引くことによって測定しています。したがって、デリバティブの公正価値の測定は、レベル2に分類しています。
デリバティブの評価については、契約相手先の信用リスクを考慮しています。
(資金調達に係る債務)
資金調達に係る債務の公正価値は、条件および残存期間の類似する債務に対し適用される現在入手可能な利率を使用し、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引くことによって測定しています。したがって、資金調達に係る債務の公正価値の測定は、主にレベル2に分類しています。
(3) 経常的に公正価値で測定する資産および負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末における経常的に公正価値で測定する資産および負債の測定値の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(単位:百万円)
前連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間の振替はありません。
前連結会計年度および当連結会計年度における経常的に公正価値により測定するレベル3の資産および負債の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 前連結会計年度および当連結会計年度の純損益に含まれる利得または損失は、連結損益計算書の金融収益及び金融費用 その他(純額)に含まれています。
2 前連結会計年度および当連結会計年度の資本性証券のその他の包括利益に含まれる利得または損失は、連結包括利益計算書の純損益に振り替えられることのない項目のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の純変動に含まれています。
(4) 償却原価で測定する金融資産および金融負債
前連結会計年度末および当連結会計年度末における償却原価で測定する金融資産および金融負債の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
上記の表には、償却原価で測定する金融資産および金融負債のうち、帳簿価額が公正価値と近似するものを含めていません。
27 金融資産および金融負債の相殺
前連結会計年度末および当連結会計年度末における金融資産および金融負債の相殺に関する情報は、以下のとおりです。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度末(2024年3月31日)
(単位:百万円)
金融資産および金融負債の相殺の要件を満たさないため相殺していない金融商品に関する相殺の権利は、通常、倒産その他の事由により取引先が債務を履行できなくなるなどの特定の状況が発生した場合にのみ強制力が生じるものです。
28 契約残高および偶発債務
(1) 契約
(発注契約)
前連結会計年度末および当連結会計年度末における設備投資の発注残高およびその他契約残高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(2) 損害請求および訴訟
当社および連結子会社は、さまざまな訴訟および損害賠償請求の潜在的な義務を負っています。当社および連結子会社は、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を計上しています。当社および連結子会社は、定期的に当該引当金を見直し、訴訟および損害賠償請求の性格や訴訟の進行状況、弁護士の意見などを考慮して、当該引当金を修正しています。
製造物責任(PL)または個人傷害に関する損害賠償請求または訴訟に関して、当社および連結子会社は、一般的な損害や特別な損害について原告側が勝訴した判決による債務および裁判のための費用は、保険および引当金で十分に賄えるものと考えています。いくつかの訴訟では懲罰的な損害賠償が申し立てられています。
弁護士と相談し、現存する訴訟および損害賠償請求に関連する知る限りの全ての要素を考慮した結果、これらの訴訟および損害賠償請求は当社および連結子会社の財政状態および経営成績へ重要な影響を与えるものではないと考えています。
(エアバッグインフレーターに関連する損失)
当社および連結子会社は、エアバッグインフレーターに関連した市場措置を実施しています。当該案件に関連し、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、かつ、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる製品保証費用について、引当金を計上しています。新たな事象の発生等により追加的な引当金の計上が必要となる可能性がありますが、現時点では、将来の引当金の金額、発生時期を合理的に見積ることができません。
29 ストラクチャード・エンティティ
当社および連結子会社は、IFRS第10号「連結財務諸表」に基づき、ストラクチャード・エンティティに対する支配についての検討を行っています。当社および連結子会社は、ストラクチャード・エンティティに対する支配の有無を、議決権または類似の権利の保有割合に加え、投資先に対する契約上の取決めなどを勘案して総合的に判定し、支配を有するストラクチャード・エンティティを連結しています。
当社の金融子会社は、流動性の確保および資金調達の目的で、定期的に金融債権およびオペレーティング・リース資産の証券化を行っています。証券化された資産は、資産担保証券を発行することを目的に設立したストラクチャード・エンティティに譲渡されます。当社の金融子会社は、金融債権およびオペレーティング・リース資産の受益権に対する支払いの延滞や不履行を含むサービス業務の権利を保持することにより、当該ストラクチャード・エンティティの経済実績にもっとも重要な影響を与える活動を指揮する能力を有していると判断しています。また、当社の金融子会社は、当該ストラクチャード・エンティティの劣後持分の一部を保有することにより、当該ストラクチャード・エンティティの潜在的に重要な損失を負担する義務および様々な便益を享受する権利を有していると判断しています。したがって、当社は当該ストラクチャード・エンティティを実質的に支配しているとみなし、当社が支配を有するストラクチャード・エンティティとして連結しています。
なお、当該資産担保証券の所有者は、業界の慣行において、当社の金融子会社が当該ストラクチャード・エンティティに提供する表明事項および保証事項を除き、当社の金融子会社の債権一般に対して遡及権を有しません。
前連結会計年度末および当連結会計年度末において、重要な連結対象外のストラクチャード・エンティティはありません。
30 関連当事者
(1) 関連当事者との取引
当社および連結子会社は、関連会社および共同支配企業から、原材料、部品およびサービスなどについて仕入れており、また、製品、生産用部品、設備およびサービスなどを売上げています。関連会社および共同支配企業との取引は、独立企業間価格を基礎として行っています。
前連結会計年度末および当連結会計年度末における関連会社および共同支配企業に対する債権債務の残高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度および当連結会計年度における関連会社および共同支配企業との取引高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(未認識のコミットメント)
当社は、2022年8月29日付けでLGエナジーソリューションとの間で合弁契約を締結し、新たに設立されたL-Hバッテリーカンパニー・インコーポレーテッド(当社の関連会社)に対する1,730百万米ドルの出資に合意しました。当社は、前連結会計年度末および当連結会計年度末において、当該合弁契約に基づく出資のコミットメントを、それぞれ1,627百万米ドル、891百万米ドル有しています。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
前連結会計年度および当連結会計年度における当社の取締役および執行役に対する報酬は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(3) 主要な連結子会社
2024年3月31日現在、主要な連結子会社は、以下のとおりです。
(注) 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
31 重要な後発事象
自己株式取得
当社は、2024年5月10日開催の取締役会において、以下のとおり、会社法第459条第1項および当社定款第36条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項について決議しました。
(1) 自己株式の取得を行う理由
資本効率の向上および機動的な資本政策の実施など
(2) 取得に係る事項の内容
① 取得対象株式の種類 普通株式
② 取得し得る株式の総数 180,000千株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 3.7%)
③ 株式の取得価額の総額 300,000百万円(上限)
④ 取得期間 2024年5月13日から2025年3月31日まで
⑤ 取得方法 東京証券取引所における市場買付
1 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付け
2 自己株式取得に係る取引一任契約に基づく市場買付け
32 連結財務諸表の発行の承認
連結財務諸表の発行は、2024年6月19日に当社の取締役 代表執行役社長である三部敏宏および取締役 執行役常務 最高財務責任者である藤村英司によって承認されています。
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
(注) 当社は、2023年9月30日を基準日、2023年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。基本的1株当たり四半期(当期)利益(親会社の所有者に帰属)については、当連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算出しています。
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
当事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(単位:百万円)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券の評価基準及び評価方法については、以下のとおりです。
① 満期保有目的の債券は、償却原価法(定額法)により評価しています。
② 子会社株式および関連会社株式は、移動平均法による原価法により評価しています。
③ その他有価証券のうち市場価格のない株式等以外のものは、時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)により評価しています。
④ その他有価証券のうち市場価格のない株式等は、移動平均法による原価法により評価しています。
(2) デリバティブは、時価法により評価しています。
(3) 棚卸資産は、先入先出法に基づく原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)により評価しています。
2 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法は、定額法を採用しています。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法は、定額法を採用しています。
(3) 所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産の減価償却方法は、リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しています。
3 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金は、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。
(2) 製品保証引当金は、製品の無償補修費用の支出に備えるため、以下の金額の合計額を計上しています。
① 保証書に基づく無償の補修費用として、過去の補修実績に将来の見込みを加味して算出した保証対象期間内の費用見積額
② 主務官庁への届出等に基づく無償の補修費用として、見積算出した額
(3) 賞与引当金は、従業員に対して支給する賞与に充てるため、賞与支払予定額のうち当事業年度に属する支給対象期間に見合う金額を計上しています。
(4) 役員賞与引当金は、役員賞与の支出に備えるため、支給見込額に基づき計上しています。
(5) 移転価格調整引当金は、移転価格税制に伴う今後の当社から海外子会社に対する支出見込額に基づき計上しています。
(6) 退職給付引当金は、従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しています。
過去勤務費用については、その発生時の従業員の平均残存勤務期間による按分額を費用処理しています。数理計算上の差異については、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間による按分額をそれぞれ発生の翌事業年度より費用処理しています。
(7) 役員株式給付引当金は、役員に対する当社株式および金銭の交付および給付に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
(8) 執行役員株式給付引当金は、執行役員であった者および一部の執行職に対する当社株式および金銭の交付および給付に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しています。
4 収益及び費用の計上基準
製品の販売は、二輪事業、四輪事業、パワープロダクツ事業及びその他の事業に区分されます。
当社は、製品に対する支配が顧客に移転した時点で収益を認識しています。この移転は、通常、顧客に製品を引渡
した時点で行われます。
(重要な会計上の見積り)
当社は、財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債および収益・費用の金額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、これらの見積りや仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した事業年度およびその影響を受ける将来の事業年度において認識されます。
財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りおよび仮定に関する情報は、以下のとおりです。
1 棚卸資産の評価
会計上の見積りおよび仮定に関する情報については、注記事項の「(重要な会計方針) 1 資産の評価基準及び評価方法」を参照ください。
2 製品保証引当金の算出
会計上の見積りおよび仮定に関する情報については、連結財務諸表注記の「17 引当金」を参照ください。
3 退職給付引当金の算出
会計上の見積りおよび仮定に関する情報については、連結財務諸表注記の「18 従業員給付」を参照ください。
4 繰延税金資産の回収可能性
会計上の見積りおよび仮定に関する情報については、連結財務諸表注記の「23 法人所得税」を参照ください。
(表示方法の変更)
(損益計算書関係)
1 損益計算書の一覧性および明瞭性を高める観点から表示方法の見直しを行い、前事業年度において、一括掲記していた営業外収益の「受取利息及び受取配当金」については、当事業年度より営業外収益の「受取利息」および「受取配当金」として区分掲記し、前事業年度において特別利益に表示していた「固定資産売却益」、「関係会社整理益」、「関係会社株式売却益」および「その他」については、当事業年度より営業外収益の「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前事業年度の営業外収益に表示していた「受取利息及び受取配当金」651,522百万円は、「受取利息」5,320百万円および「受取配当金」646,201百万円とし、前事業年度の営業外収益に表示していた「その他」29,046百万円、特別利益に表示していた「固定資産売却益」2,308百万円、「関係会社整理益」16,141百万円、「関係会社株式売却益」7,147百万円および「その他」90百万円は、営業外収益の「その他」54,734百万円として組替えています。
2 損益計算書の一覧性および明瞭性を高める観点から表示方法の見直しを行い、前事業年度において、区分掲記していた営業外費用の「支払利息」および「社債利息」については、当事業年度より営業外費用の「支払利息」として一括掲記し、営業外費用に表示していた「減価償却費」、「固定資産賃貸費用」、「デリバティブ損失」および「支払補償費」、特別損失に表示していた「固定資産処分損」、「投資有価証券評価損」、「退職特別加算金」および「その他」は、当事業年度より営業外費用の「その他」に含めて表示しています。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っています。
この結果、前事業年度の営業外費用に表示していた「支払利息」247百万円および「社債利息」9,941百万円は、「支払利息」10,188百万円とし、前事業年度の営業外費用に表示していた「減価償却費」3,454百万円、「固定資産賃貸費用」2,435百万円、「デリバティブ損失」12,305百万円、「支払補償費」1,741百万円および「その他」2,321百万円、特別損失に表示していた「固定資産処分損」6,288百万円、「投資有価証券評価損」6,971百万円、「退職特別加算金」6,825百万円および「その他」946百万円は、営業外費用の「その他」43,290百万円として組替えています。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権および金銭債務は、以下のとおりです。
2 保証債務等は、以下のとおりです。
(1) 保証債務
以下の関係会社等の銀行借入金等に対して債務保証を行っています。
前事業年度(2023年3月31日)
当事業年度(2024年3月31日)
(2) 保証類似行為
当社は、連結子会社の資金調達に係る信用を補完することを目的に連結子会社との間で合意書(キープウェル・アグリーメント)を締結しています。当該連結子会社の対象債務残高は、以下のとおりです。
前事業年度(2023年3月31日)
当事業年度(2024年3月31日)
(損益計算書関係)
※1 関係会社との取引に係るものは、以下のとおりです。
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目および金額ならびにおおよその割合は、以下のとおりです。
おおよその割合
※3 当事業年度の移転価格税制調整金は、移転価格税制に伴い当社が北米地域子会社に支払う見込みの調整額を
特別損失に計上しています。
(株主資本等変動計算書関係)
自己株式数は、以下のとおりです。
(注) 1 当社は、2023年9月30日を基準日、2023年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。
2 当社は、2024年2月8日の取締役会の決議に基づき、2024年2月29日付で自己株式154,285,290株を消却しています。
3 当社は、当事業年度において、取締役会の決議に基づき、自己株式164,537,600株を市場買付により取得しています。なお、当該取得株式数は、株式分割考慮後の株式数を記載しています。
4 期末自己株式数には、BIP信託が保有する当社株式が含まれています。前事業年度および当事業年度の期末自己株式数に含まれるBIP信託が保有する当社株式数はそれぞれ924,117株、2,343,467株です。また、当事業年度において売却または交付により減少したBIP信託が保有する当社株式数は428,884株です。なお、当該減少株式数は、株式分割考慮後の株式数を記載しています。
(有価証券関係)
前事業年度(2023年3月31日)
子会社株式および関連会社株式
(注) 上表に含まれない市場価格のない株式等
当事業年度(2024年3月31日)
子会社株式および関連会社株式
(注) 上表に含まれない市場価格のない株式等
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳は、以下のとおりです。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳は、以下のとおりです。
3 法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年(令和3年)8月12日)に従って、法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理ならびに開示を行っています。
(1株当たり情報)
(注) 1株当たり当期純利益は、期中平均発行済株式数に基づき算出しています。
また、当社は、2023年9月30日を基準日、2023年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。1株当たり純資産額および1株当たり当期純利益については、前事業年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しています。
1株当たり情報の算定において、BIP信託が保有する当社株式を自己株式として処理していることから、期末株式数および期中平均株式数から当該株式数を控除しています。前事業年度および当事業年度のBIP信託が保有する当社株式の期末株式数はそれぞれ2,772,351株、2,343,467株、期中平均株式数はそれぞれ2,907,951株、2,460,992株です。
前事業年度および当事業年度の期中平均発行済株式数はそれぞれ5,088,921,345株、4,901,560,332株です。
なお、前事業年度および当事業年度に、希薄化効果のある潜在的普通株式はありません。
(重要な後発事象)
自己株式取得
当社は、2024年5月10日開催の取締役会において、以下のとおり、会社法第459条第1項および当社定款第36条の規定に基づき、自己株式取得に係る事項について決議しました。
1 自己株式の取得を行う理由
資本効率の向上および機動的な資本政策の実施など
2 取得に係る事項の内容
(1) 取得対象株式の種類 普通株式
(2) 取得し得る株式の総数 180,000千株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 3.7%)
(3) 株式の取得価額の総額 300,000百万円(上限)
(4) 取得期間 2024年5月13日から2025年3月31日まで
(5) 取得方法 東京証券取引所における市場買付
① 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買付け
② 自己株式取得に係る取引一任契約に基づく市場買付け
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注) 当期首残高および当期末残高については、取得価額により記載しています。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しています。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、金融商品取引法第24条の7第1項に規定する親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
(1) 当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に提出した書類
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、以下の書類を提出しています。
① 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 第99期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 2023年6月23日関東財務局長に提出
② 内部統制報告書及びその添付書類
2023年6月23日関東財務局長に提出
③ 四半期報告書及び確認書
第100期第1四半期(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日) 2023年8月10日関東財務局長に提出
第100期第2四半期(自 2023年7月1日 至 2023年9月30日) 2023年11月10日関東財務局長に提出
第100期第3四半期(自 2023年10月1日 至 2023年12月31日) 2024年2月13日関東財務局長に提出
④ 臨時報告書
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)の規定に基
づく臨時報告書
2023年6月26日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号(代表執行役の異動)の規定に基づく臨時報告書
2024年1月22日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象)の規定に基づく臨時報告書
2024年5月10日関東財務局長に提出
⑤ 自己株券買付状況報告書
2023年7月14日関東財務局長に提出
2023年8月10日関東財務局長に提出
2023年9月14日関東財務局長に提出
2023年10月13日関東財務局長に提出
2023年11月15日関東財務局長に提出
2023年12月15日関東財務局長に提出
2024年1月12日関東財務局長に提出
2024年3月15日関東財務局長に提出
2024年4月15日関東財務局長に提出
2024年5月15日関東財務局長に提出
2024年6月14日関東財務局長に提出
(2) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
連結子会社のうち、主要な連結子会社以外のものに係る管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、以下のとおりです。
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合については、当事業年度末日を基準日としています。また、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、当事業年度を対象期間としています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年(平成27年)法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年(平成3年)法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年(平成3年)労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。