第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1.第17期より国際会計基準(以下「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
(注) 1.第17期より連結財務諸表を作成しているため、それ以前については記載しておりません。
2.第17期の諸数値につきましては、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1.第14期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益及び自己資本利益率並びに株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
2.第17期及び第18期において、潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.1株当たり当期純利益金額及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額の算定上の基礎となる普通株式の期中平均株式については、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式を控除対象の自己株式に含めて算出しております。また、1株当たり純資産額の算定においては、期末発行済株式総数から控除する自己株式数に含めて算出しております。
3.従業員数は、就業人数であり、使用人兼務役員は含まれておりません。
4.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
5.2019年9月26日開催の第13期定時株主総会決議により、事業年度の末日を6月30日から12月31日に変更いたしました。従って、第14期は2019年7月1日から2019年12月31日の6ヶ月間となっております。
6.第17期より連結財務諸表を作成しているため、第17期以降の持分法を適用した場合の投資損失、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フロー及び現金及び現金同等物の期末残高は記載しておりません。
2 【沿革】
当社は、2006年7月に国立大学法人東京大学駒場リサーチキャンパス内にある東京大学先端科学技術研究センター(国際・産学共同研究センター)にて設立されました。当社は国立大学法人東京大学よりペプチドの創薬プラットフォームシステムであるPDPS(Peptide Discovery Platform System)を構成するコア特許ポートフォリオの包括的な第三者へのサブライセンス権付き独占的通常実施権を取得し、さらに当社内で技術改良及びノウハウの蓄積を進め、ペプチド創薬のスタンダード技術であるPDPSを確立してまいりました。当社ではこの当社独自のPDPSを活用し、自社あるいはパートナーとの共同研究等を通じて革新的医薬品の研究開発を進めております。また、2022年3月には放射性医薬品事業を実施するPDRファーマ株式会社を子会社化し、創薬開発事業及び放射性医薬品事業の二つのセグメントで事業を実施しております。当社グループでは、「医療のあり方や患者さんの人生に変革をもたらす次世代医薬品の創出」をミッションとして全世界の病気で苦しんでいる方に「ありがとう」と言ってもらえる仕事に取り組んでまいります。
当社設立以後の主な変遷は、以下のとおりです。
3 【事業の内容】
(1) 事業概要
当社グループは、当社独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPSを活用した創薬開発事業、及び当社の100%子会社であるPDRファーマ株式会社による放射性医薬品事業を実施しており、医薬品等の研究・開発・製造・販売等に従事しています。
なお、当社グループの報告セグメント及び事業内容は、次のとおりであります。
<報告セグメントの内容>
事業の系統図は、以下のとおりです。
<事業系統図> ※当社見解に基づく/当社作成

4 【関係会社の状況】
(注) 1.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
2.当連結会計年度における連結財務諸表の売上収益に占める連結子会社の売上収益(連結会社間の売上収益を除く)の割合が100分の10を超える会社はPDRファーマ株式会社のみであり、その主要な損益情報等は、次のとおりです。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2023年12月31日現在
(注) 従業員数は、契約社員を含む就業人員であります。
(2) 提出会社の状況
2023年12月31日現在
(注) 1.従業員数は、契約社員を含む就業人員であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4) 多様性に関する指標
①提出会社
(注)1.パート・有期労働者には男性社員がいないため「-」としています。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
②連結子会社
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1) 経営方針
当社グループでは、「医療のあり方や患者さんの人生に変革をもたらす次世代医薬品の創出」をグループ全体のミッションとして掲げております。当社の独自技術である世界最先端の創薬プラットフォームシステムPDPSを基盤に、革新的医薬品の研究開発を先導するとともに、放射性医薬品領域におけるPDRファーマの有する専門性を融合することで人々の健康と医療の発展に貢献し、全世界の病気で苦しんでいる方に「ありがとう」と言ってもらえる仕事に取り組んでまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、2つの戦略領域である放射性医薬品(RI)領域とNon-RI領域で医薬品等の研究・開発・製造・販売等に従事しています。RI領域では日本国内で放射性医薬品事業を推進する上で必要となる創薬研究・開発から製造、販売に至るまですべての機能を一気通貫で有し、自社プログラムまたは提携プログラムとして革新的な放射性治療薬・診断薬の創製・開発を実施しています。腫瘍の縮小効果をもつ放射性核種をがん細胞に選択的に送達するためのキャリアとして環状ペプチドの有用性が次々と示される中、ペプチドリームとPDRファーマのシナジーを最大限発揮することにより、革新的で高付加価値の放射性医薬品を開発・販売するとともに、海外の製薬企業から有望な放射性医薬品を導入することにより放射性医薬品領域での成長を目指しています。Non-RI領域においてはPDPSを中核とし(1) ペプチド医薬品、(2) 環状ペプチドをキャリアとして他の有効成分と結合させたペプチド-薬物複合体(PDC)、(3) 異なる機能を有する環状ペプチドを結合させて複数の機能を有する多機能ペプチド複合体(MPC)の創薬におけるリーディング・カンパニーとして①グローバルの大手製薬企業や戦略的提携先との共同研究開発、②自社創薬及び戦略的提携先との共同研究開発、③PDPSの非独占的技術ライセンス等を実施しており、ペプチドを用いた次世代の革新的医薬品の創製・開発を目指しています。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、収益性の向上を目指しており、経営指標として売上収益、Core営業利益及びCore営業利益率を重視しております。2024年12月期は売上収益35,000百万円、Core営業利益10,900百万円、売上収益Core営業利益率31.1%を目標としております。
(4) 会社の対処すべき課題
(A) 放射性医薬品(RI)領域
当社グループの放射性医薬品事業においては、①既存製品の価値最大化、②今後成長が期待される中枢神経領域での事業拡大、③がん領域を中心に中長期的な成長を牽引する新たな放射性治療薬の開発、の3つを戦略フォーカスとしています。

当社グループでは、短期的には放射性診断薬を中心とした既存薬の適応拡大・剤形追加、これらの製品に対するデジタル・ソリューションの拡張等を通じて売上収益の拡大を図ってまいります。2023年にはテクネフチン酸キット、ミオMIBG-I123注射液、アミヴィッド静注の適応拡大を進めてまいりました。また、株式会社RYUKYU ISGから医療デジタル・ソリューション関連製品の譲受を行いました。
さらに当社グループは、アルツハイマー病領域のPET診断薬であるアミヴィッド静注と18F-フロルタウシピルの成長にも注力しています。アミヴィッド静注は脳内アミロイドβプラーク、18F-フロルタウシピルは脳内の異常蓄積タウタンパク質による神経原線維変化(NFTs)を可視化するPET診断薬です。日本国内で新たな認知症治療薬が承認され、また今後は18F-フロルタウシピル承認の可能性もある中、当社グループはアルツハイマー病領域のPET診断における2大分野の両製品を提供できるようになる立ち位置を活かし、アルツハイマー型認知症の可能性がある患者さんへの治療方針を決定する上で有用な情報を医療関係者の皆さまに提供することが可能になるものと期待しています。
中長期的には、がん領域を中心とする新たな放射性治療薬の開発が成長を牽引していくものと考えています。当社グループは、日本国内で放射性医薬品を開発・製造・販売するためのインフラや専門性、新規の放射性治療薬を創製・開発する技術や専門性、さらにこれまでに構築してきた強力なグローバルネットワークを活用し、継続的に開発パイプラインや製品ポートフォリオを拡大していくビジネスモデルを構築しています。これまで、放射性医薬品市場では診断薬が市場の多くを占めていましたが、新たな標的型放射性治療薬の時代に入り、革新的な放射性治療薬・診断薬の創製・開発を通じて、当社グループは将来的な成長を加速するとともに、当該分野における医療の進歩に大きく貢献できるものと考えています。2023年には、CA9プログラム・RayzeBio社プログラム・Novartis社プログラムの3つのプログラムにおいて開発候補化合物を特定することができました。これらのプログラムでは早期の臨床入りを期待しています。また、リンクメッドとの提携により新たな臨床プログラムとしてATSMプログラムを追加いたしました。2024年にはさらなる臨床プログラムの追加を期待しています。
(B)Non-RI領域
当社のNon-RI領域は、PDPSを基盤技術として用い、(1) ペプチド医薬品、(2) PDC、(3) MPCの創薬開発において提携先との提携・ライセンス契約に加え、自社プログラムとしての開発も進めており、これらのプログラムを前臨床~臨床~上市へと順次ステージアップさせていくことを目指しています。

上図の通り、ペプチドリームは多くの提携プログラムを実施し、早期の研究/前臨床段階から臨床段階、商業化へとプログラムを推進することに注力しています。これらのプログラムは、当社グループの将来の収益拡大に向けて重要な成長ドライバーになるものと考えています。2023年には、Amolyt社のGhRアンタゴニストプログラムやMSD社との提携プログラムの臨床試験開始など、大きな成果を得ることができました。さらに小野薬品との新たな提携や、アステラス製薬との新たな標的タンパク質分解誘導剤に関する提携を開始し、また複数の提携プログラムでマイルストーンの達成を発表いたしました。今後も継続的に、ペプチドリームが取り組むプログラムの価値最大化に向けて、創薬・早期開発段階から臨床段階へとプログラムを推進していきます。

上図の通り、2022年にPDRファーマ社がグループに加わったことにより、ペプチドリームは、早期の創薬活動に注力する成長ステージ(「プラットフォーム」)から、それに加えて上市製品や臨床段階のパイプラインを保有する成長ステージ(「プラットフォーム+ポートフォリオ」)へと成長モデルをシフトしてきました。当社グループは、放射性医薬品事業の日本国内におけるユニークな立ち位置および数多くの創薬パイプラインを活用し、臨床段階のプログラムを拡充することを計画しています。こうしたハイブリッド・モデルにより、収益の安定性向上とともに成長機会の最大化を実現し、持続的で力強い成長を積み重ねていきます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りです。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティの考え方
当社グループは「医療のあり方や患者さんの人生に変革をもたらす次世代医薬品の創出」というミッションのもと、世界中の人々の健康及び医療・社会の持続的な発展に貢献することを目指しています。革新的な治療を患者さんに届ける事業そのものが、より良い医療・社会を創っていくことに直結していると考えています。
自社と社会の双方にとっての重要度の観点から取り組むべき課題として11のマテリアリティ(重要課題)を特定し、取締役会での議論・承認を経て、当社のサステナビリティの取り組みの指針としています。創薬研究の最前線で革新の波を連続的に創出するためには、健全なガバナンスのもとで、イノベーションを創出し、イノベーション実現のための人材・組織の向上を図ることが当社の価値の源泉です。これらに社会からの要請の高い環境(気候変動対策)の取り組みを加えた、以下の3つのアプローチを通じて、自社の持続的な成長と持続可能な社会の発展に貢献してまいります。

① 革新的医薬品の創出によるアンメットメディカルニーズへの挑戦
当社は、アンメットメディカルニーズに対し、独自の創薬開発プラットフォームを活用し、画期的なペプチド医薬品の研究開発を進めています。また、PDRファーマを通じて放射性医薬品を創出し、患者さんに広く届き渡るよう努めています。創薬基盤技術の拡張・強化、共同研究開発プログラムの進展、自社パイプラインの構築を通じて革新的な医薬品を創出することは、当社の存在意義であるとともに、適切な対応を実施しない場合、新たなモダリティの台頭に伴う既存ビジネスモデルの陳腐化やビジネスチャンスの逸失、優秀な人材の流出を招くリスクがあります。
② イノベーション実現のための組織風土・中核人材の多様性
当社の成長を支えるイノベーションを継続的に生み出すためには、多様な人材の確保・育成、イノベーションを加速させる社内環境の整備が不可欠です。人的資本経営・多様性への取組を怠れば当社の事業の継続性に対して脅威となり得るとともに、人的資本への投資は新たなビジネスチャンスへの対応力の強化など更なる成長の機会に繋がると捉えております。
③ 環境(気候変動対策)
パリ協定採択を機に、世界的に脱炭素社会に向けた動きが広がっています。既に近年では地球温暖化の影響と考えられる自然災害が頻発・激甚化しており、当社は、気候変動に関連する政策・法規制のリスクや洪水などの自然災害の影響を受ける可能性があります。また気候変動は最も緊急性の高い環境問題の一つであるとともに、人類が直面している最大の健康上の脅威となっています。気候変動に取り組むことは患者さんのためになることであり、重要な社会課題だと認識しています。気候変動による事業環境の変化への適応に努めるとともに、2030年までのCO2をはじめとする温室効果ガス(GHG)排出量削減目標と具体的な対応を実行することで企業価値向上に繋げていきます。
(2) サステナビリティ全般に関するガバナンス、リスク管理、戦略及び指標と目標
① ガバナンス
当社では、取締役の諮問委員会としてサステナビリティ関連のリスクと機会を審議・モニタリングする「サステナビリティ・ガバナンス委員会」(四半期に一度開催)、サステナビリティに関連するリスクと機会の特定や評価、対応を推進する専任組織である「サステナビリティ・ガバナンス推進室」、及び環境関連課題に対する現場レベルでの取り組みを推進する「ESGタスクチーム」を設置しています。サステナビリティ・ガバナンス推進室にて検討された結果は、サステナビリティ推進室担当者を通して四半期に一度、取締役会に報告しています。
詳細は当社「サステナビリティレポート 2023」P.4をご参照ください。
② リスク管理
当社のリスク管理を強化するために、「コンプライアンス・リスクマネジメント委員会」(四半期に一度開催)を中心としたリスク管理体制を構築し、 PDCAサイクルによる効果的かつ総合的なリスク管理を実施し、その進捗を適宜取締役会に報告しています。詳細は「3 事業等のリスク」をご参照ください。
気候関連問題の評価にあたっては、IEA等の各種シナリオを参照し、必要に応じて関連する部門及びグループ会社にヒアリングを行い、適宜見直しを実施しています。詳細は当社「サステナビリティレポート 2023」P.20及びウェブサイトをご参照ください。
③ 戦略、指標及び目標
自社と社会の双方にとっての重要度の観点から取り組むべき課題として11のマテリアリティ(重要課題)を特定し、取締役会での議論・承認を経て、当社のサステナビリティの取り組みの指針としています。また、マテリアリティ毎のリスクと機会をそれぞれ分類し、サステナビリティ・ガバナンス委員会で審議するとともに、定期的な見直しを実施してまいります。詳細は「サステナビリティレポート2024」にて開示していきます。
(3) 人的資本経営・多様性に関する戦略及び指標と目標
① 人・組織の目指す姿
ペプチドリームでは、「高い専門性・情熱・誠実」の3つのバリューを柱とする10の行動指針を全役職員で共有し大切にしていくことで、コーポレートカルチャーとしてバリューや行動指針が根付いた人・組織の実現を目指しています。


研究開発型のイノベーションカンパニーを目指す当社にとって、一人ひとりがもつ「高い専門性」が重要な人的資本となるのはもちろんのこと、創薬開発という長い道のりを最後までやり遂げ、また道中にある多くのチャレンジを克服していくためには、自分たちの仕事の先に世界のどこかで患者さんが待っていることを忘れないこと、たとえ困難な課題であっても、粘り強く考え努力すること、同時に失敗を恐れずにクリエイティブなリスクを積極的に歓迎していくマインドセットが重要になるものと考えています。各領域で高い専門性を有する研究者が、次世代医薬品創出に向けた「情熱」を持ち、社内外・国内外を問わず互いの専門性を引き出し合い協働していく先にイノベーションの創出があり、またそうした協働の場を作っていく前提として、互いの専門性や仕事を尊重し合い、直面する課題に対して一人ひとりがオーナーシップをもって取り組む「誠実さ」が重要な基盤になるものと考えています。
当社においてパイプラインの価値は企業価値の中核といえます。パイプラインの価値を高めていくためには、当社が有するプラットフォームの強みを軸に、新規プログラムを継続的に創出し(裾野の広さ)、また各プログラムの付加価値を継続的に向上させていくこと(山頂の高さ)が重要な要素となります。この2つの要素を持続的に回していくためには、ペプチド創薬のグローバルハブとしてのポジションを確立し強化し続けていくことが鍵となり、これを実現していくためには、上記のバリューが根付いた協働の場を環境として整え、また組織全体のコーポレートカルチャー醸成につながる形で人的資本の向上に資する取り組みを進めていくことが重要と考えています。

② 人財育成・社内環境整備の方針及び指標
a. 専門性の獲得と向上
ペプチド創薬のグローバルハブとしてのポジションを確立・強化し、上記のバリューが根付いた協働の場を環境として整えることで高い専門性を獲得し、向上していけると考えています。
具体的には、
・高度専門家・海外勤務経験者の採用強化:
数多くのプログラムに関わり、また国内外の最先端研究チームと協働しグローバル水準の創薬開発に従事する機会を通じて、研究者として質の高い経験を多く積むことができるのは当社の特徴の一つです。創薬開発ではグローバルに競争が行われることが多く、国内はもちろん、海外の有用な情報についてもタイムリーに取得し、最先端のアイデアや技術を取り入れながらイノベーション創出に取り組むことが重要になります。このような環境で能力を発揮する高度専門家(各領域でのPh.D.取得者など)や海外で創薬開発の経験を積んだ人財(博士研究員や海外製薬企業での勤務経験者など)の採用を積極的に進めています。
・エキスパート・キャリアトラックの整備:
各領域での専門性の追求を志向する研究者の育成・登用を積極的に進めています。キャリア開発の考え方や志向が多様化しつつある中、従来型のキャリアトラックの考え方に縛られることなく、一人ひとりのニーズや価値観にフィットした自己実現の機会を整備していくことを目的に、従来のマネジメント・キャリアトラックに加え、チームマネジメントの業務負荷を軽減し、高度な専門性を追求していくことを後押しするとともに、高い専門性を発揮する社員を登用するエキスパート・キャリアトラックの運用を進めています。
・学びあいと能力開発サポート制度の整備:
専門家の集まる組織ではそれぞれの専門領域に閉じてしまいがちな側面もあることから、領域横断的に研究者同士が新しいトピックや研究成果を定期的に発表し、多様な研究者同士が学びあう機会を積極的に設けています。また、自ら能力開発に取り組む社員を支援し、一人ひとりの専門性の確立と向上を支援するための能力開発サポート制度(Self-Development support制度)の運用を進めています。
b. 人財多様性からのイノベーション
創薬開発はチームワークが基本であり、多面的な着想やアイデアの融合がイノベーションの源泉になるものと考えています。国籍・人種・性別・年齢などの属性面のみならず、研究者一人ひとりの専門性やサイエンティフィックな感性の多様性を重視し、その多様性をイノベーションに繋げていくことを重要な価値観とするコーポレートカルチャーの醸成に取り組んでいきます。
具体的には、
・人財の多様性の確保:
国籍・人種・性別・年齢などの属性に捉われず、求める専門性や業務内容に基づくジョブ型の採用や登用を行っています。また、若手研究者ならではのフレッシュな感性や、女性研究者ならではの着眼点を大切にする観点から、中核人財における若手や女性の占める比率を目標指標として策定しています。
・チームワークやロールモデルを重視した人事制度:
多様な人財が協働するコーポレートカルチャーを醸成していくためには、チームワークを大切にし、リーダー自らがロールモデルとして率先垂範を実践していくことが重要と考えています。こうした価値観を組織全体で共有し、それを体現するリーダーの登用を進めていくため、Values & Behaviorsの考え方を中核においた人事評価や報酬制度を策定し、役員から従業員まで一貫した形での運用を進めています。
・組織エンゲージメントの見える化:
定期的なサーベイを実施することで、組織のエンゲージメント状態を可視化し、経営・マネージャー・チームメンバー間のコミュニケーションを促進するツールとして活用しています。チームマネジメントのあり方に唯一解は存在せず、各チームのメンバー構成や特性などの複合的な要素を勘案しながら継続的にエンゲージメント向上に向けた取り組みを積み重ねていくことが重要と考えています。エンゲージメントを単に測定するだけでなく、チームごとのベストプラクティスの抽出や横展開にもつながる形での運用を進めています。
c. サステナブルな働き方
多様な人財が能力を発揮し活躍するためには、一人ひとりのキャリアにおける長期的な成長や成果の最大化が鍵であり、その前提としてサステナブルな仕事環境を整備することが重要と考えています。当社では、メリハリある働き方、ライフイベントのサポートを重視した職場環境作りに取り組んでいます。
具体的には
・メリハリある働き方の促進:
当社では、フレックスタイム制を採用することで、コアタイムを中心にパフォーマンスを発揮しやすい時間帯での勤務を推奨しています。一日の中でも、オン・オフを明確にした働き方を重視し、パソコンの持ち帰りやスマートフォンによる帰宅後の業務対応は原則なし。ラボワークが中心のため、在宅ワーク制度はあえて運用せず、会社ではしっかりと業務に集中し終業後はプライベートな時間を大事にする働き方を推奨しています。また、一年の中でも、年2回の長期休暇を組み入れたカレンダーを運用し、半期毎に一生懸命業務に取り組んだ後はリフレッシュし、またしっかり働くというメリハリあるワークスタイルを目指しています。
・ライフイベントのサポート:
平均年齢が若く、子育て世代の社員が多いこともあり、育休取得を積極的に支援しています。女性はもちろん男性の育休取得率も高く、一般社員から管理職まで様々なポジションでの育休取得実績があります。多様な働き方を支援する短時間正社員制度や、時短勤務による給与減を支援する育児介護短時間サポート手当を独自に設けています。育児や介護など様々なライフイベントの中でも就業を継続し、キャリアを構築できる働き方をサポートしています。
③ 上記方針に関する指標と目標
上述の「目指す人と組織の姿」実現に向けて、指標と目標を以下の通り設定し、進捗をモニタリングしています。
(注)エンゲージメントサーベイスコアは測定方法の変更を予定しているため、指標の開示は2024年12月以降を予定しております。
(4) 環境(気候変動)に関するガバナンス、戦略及び指標と目標
① ガバナンス
当社の気候変動に係るリスクと機会への対応方針やCO2をはじめとするGHG排出量の削減目標・取り組みについては、サステナビリティ関連のリスクと機会の一つとして前述サステナビリティ全般のガバナンスにおいて統合的に管理・監督しております。
② リスク管理
当社の事業に対する財務又は戦略面での重大な影響を及ぼす気候変動関連リスク・機会については、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ・ガバナンス委員会において、財務的な観点を含めて総合的に審議し、定期的に取締役会で見直し、決定しています。
③ 戦略
当社は、気候変動関連のリスクと機会をそれぞれ分類し、サステナビリティ・ガバナンス委員会で審議するとともに、随時見直しを実施しております。
a.気候変動に関する移行リスク(1.5℃から2℃シナリオを使用)
b.気候変動に関する物理的リスク(4℃シナリオを使用)
c.気候変動に関する機会
④ 指標と目標
当社では、CO2をはじめとするGHG排出量の削減・気候変動対策を重要な経営課題の一つとして認識しています。パリ協定に整合した1.5℃目標の達成に向けて、当社では、2022年から2026年までに5年間の中期目標として「カーボンニュートラル」を達成することを2021年に掲げ、CO2排出量の削減に積極的に取り組んでいます。結果として、4年前倒しでペプチドリームにおける事業活動のScope1及び2におけるカーボンニュートラルを実現させており、進捗を確実なものにしています。
また、サプライチェーンでのCO2排出量の削減に向けて、2030年までに2023年対比で20%削減する目標を設定し、サプライヤーをはじめとするステークホルダーとともに取り組みを推進しております。
2023年12月期における当社Scope1、2、3の数値及び第三者保証の詳細につきましては、「サステナビリティレポート 2024」と第三者検証意見書をご参照ください。
<ペプチドリームグループCO2排出量削減目標>
3 【事業等のリスク】
当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしも重要なリスクと考えていない事項及び具体化する可能性が必ずしも高くないと想定される事項についても、投資判断の上で又は当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、リスクの発生をすべて回避できる保証はございません。また、以下の記載内容は当社グループのリスクすべてを網羅するものではございませんのでご留意ください。
なお、本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性もございます。
(1) リスク管理体制
当社のリスク管理体制は以下のとおりです。
<会社の機関・内部統制の関係図>

詳細については、 「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ③企業統治に関するその他の事項 b リスク管理体制」をご参照ください。
(2) 主要な事業等のリスク
経営者が経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している主要な事業等のリスクは以下のとおりです。各リスクについて発生可能性、影響度の観点から評価した結果を一元的に管理するために、同一のリスクマップに掲載しております。
<主要な事業等のリスク一覧> ※当社グループ見解に基づく/当社グループ作成
<主要な事業等のリスクマップ> ※当社グループ見解に基づく/当社グループ作成

(ⅰ)医薬品の研究開発・製造販売事業一般に関するリスク
(1) 医薬品開発・薬事承認の不確実性に関するリスク
当社グループでは、独自のPDPSを活用し、生体内でのタンパク合成に利用される20種類のアミノ酸と、非天然型のアミノ酸から構成される環状ペプチド医薬品の探索・開発を行っております。PDPSでは、短期間に標的タンパク質に対する高い結合性・選択性等、多くの特長を有する環状ペプチドを創製することができ、有望な医薬品候補化合物が取得できることから、多くのパートナーとの契約に至っております。また近年では環状ペプチドを起点にした低分子医薬品や、PDC、MPCといった様々なモダリティの探索・開発にも取り組んでおります。
上記に加えて、当社グループは医薬品の臨床開発、製造、販売を行っております。PDRファーマはRI領域における製造販売業者として半世紀近い歴史・経験を有し、臨床開発、薬事機能など医薬品上市に必要な機能を有しております。
一方で、一般に医薬品の開発には多額の研究開発投資と10年以上の年月を要します。また、研究開発の初期段階において有望とされた化合物であっても、前臨床試験や臨床試験の結果によっては研究開発が予定通りに進行せず、開発の延長や中止の判断を余儀なくされる可能性がございます。さらには、臨床試験を完了しても、当局の定めた有効性と安全性に関する審査によっては、医薬品の上市が承認されない可能性もございます。
これらのことから当社グループの研究開発活動は一定の不確実性を伴っており、この不確実性が当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(2) 副作用・製造物責任に関するリスク
当社グループは、医薬品の臨床開発、製造、販売を行っておりますが、医薬品には予期せぬ副作用が発現するリスクがあります。当社グループでは、発売後の医薬品について製造販売業としての医薬品安全性監視を行うことで患者様の健康被害リスクを最小化する活動を実施する等、医薬品使用に関連するリスクの回避と軽減に努めております。また、医薬品の開発、製造販売を行う製品が、必要な品質及び安全性の基準を満たさない場合、これを原因とした製造物責任を負うリスクがあります。当社グループでは、製品の安全、品質への取り組みをマテリアリティの一つに掲げており、従業員への教育、製造・品質保証体制の整備に努めております。これらの取り組みにも関わらず、副作用等が発現し、製造販売の中止、製品の回収、薬害訴訟の提起等が惹起される場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(3) 安定供給・製造仕入れに関するリスク
当社グループは、放射性医薬品の製造販売を行っており、その社会的責任から安定供給をマテリアリティの一つに掲げております。一方で、放射性医薬品の文字通り核となる放射性核種は、原子炉や加速器といった特殊な設備で、希少な放射性原料から製造されることが多く、海外サプライヤーを中心とする特定の供給元に依存しております。また放射性医薬品の製造・輸送も、多くの規制を受けるため、許認可を受けた工場・業者以外では実施することができません。そのため地震、水害、暴風雨等の自然災害、火災、原子力発電所の事故、長時間の停電等社会インフラの障害、戦争、テロ等の発生により、当社グループの取引先や、当社グループの工場、研究所、事業所等の施設の損壊又は事業活動の停滞等の損害が発生した場合、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(4) 薬価引き下げに関するリスク
当社グループは、医薬品の製造販売を行っております。国内における医療用医薬品の販売価格は、厚生労働大臣が定める薬価基準によって定められますが、医療費高騰等による薬剤費引き下げ政策がすすめられており、2年に一度行われる薬価改定に加え、直近では2021年度に導入された中間年改定が2023年度も実施されております。薬価引き下げ政策が拡大し、当社グループの放射性医薬品の薬価が大きく引き下げられる場合、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(ⅱ)事業内容に関するリスク
(5) PDPS技術の競争優位性に関するリスク
当社グループのPDPSは、非常に高い多様性をもつペプチドライブラリーを構築し、その中から高い結合性と選択性を有するペプチドを取得できる技術が組み込まれており、重要な要素技術全てにおいて、他のペプチド創薬技術に対する優位性を持っていると認識しております。また、当社グループではPDPS技術の改善・向上のための研究開発に積極的に取り組んでおります。
一方で、AIや計算化学といったin silico技術も含め、当社グループの特許技術に抵触しない優れた創薬技術が開発される可能性は否定できません。その場合、当社グループの競争優位性が低下することにつながり、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(6) 知的財産権に関するリスク
当社グループのPDPSを始めとする様々な技術や、医薬品候補化合物・製品は、物質・製法・製剤・用途特許等の複数の特許によって一定期間保護されております。
当社グループでは特許権を含む知的財産権を管理し、当社グループが事業を展開する市場における第三者の知的財産権や、第三者からの侵害状況を継続的にモニタリングし、知的財産権に関するリスクの回避・軽減に努めております。しかしながら、当社の保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合や、無効審判を受ける等して取得した特許を適切に保護できない場合、あるいは当社グループの製品・技術が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(7) 共同研究開発先の研究開発進捗・方針に関するリスク
当社グループの創薬開発事業においては、パートナーとの共同研究開発契約から計上される収益が主であり、事業収益の相当程度が共同研究開発先(パートナー)の研究開発の進展に伴って計上されます。
当該収益は原則的には、(A)契約一時金、(B)研究開発支援金、(C)研究マイルストーンフィー、(D)開発マイルストーンフィー、(E)売上ロイヤルティー、(F)販売マイルストーンフィーで構成されております。
上記の中で(A)(B)(C)は当社グループの事業活動に依拠する部分が大きいものの、(D)(E)(F)はパートナーの研究開発・事業活動に依拠する部分が大きく、当社グループでその進捗を管理・制御することは困難です。加えて、研究開発方針を両社で協議しながらプロジェクトを推進するため、必ずしも当社の意向通りに個々のプロジェクトへのリソース配分や、研究開発方針を決定できない可能性がございます。
また、自社パイプラインについては導出または共同開発契約等を実施し、パートナーが臨床開発・商業化を行うことを想定しております。その際も、パートナーの研究開発・事業活動の進捗と結果に当社グループの収益は大きく依拠致します。
そのため、パートナーにおける研究開発の進捗が遅れた場合やパートナーの研究開発方針に変更等があった場合、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(8) 収益認識に関するリスク
当社グループの事業収益の相当程度は、数多くのパートナーとの共同研究、共同開発に関する契約から計上されます。それらは国際会計基準(IFRS)における収益認識基準に従い、必要に応じて個別に監査法人とも確認を取りながら計上しております。
当社グループではIFRSの収益認識基準の原則や背景にある考え方の理解に努め、適切な収益認識を行ってきておりますが、監査法人との協議の結果等から、当社の想定と異なる収益認識が必要となった場合、例えば一時金として想定していた収益を長期間にわたって分割計上する必要が生じる等して、年間に計上する売上額が大きく変動する可能性がございます。そのため、一定以上の事業収益に対する収益認識の変更や修正を余儀なくされる場合、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(ⅲ)その他のリスク
(9) 保有投資有価証券に関するリスク
当社グループでは、共同研究開発を加速させる目的での戦略的提携先への出資等を通じ、投資有価証券を保有しております。投資有価証券の評価は、株式発行会社の財政状態・経営成績等の状況によって判断されるため、実質価額の低下により減損損失を余儀なくされる場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(10) のれん・無形資産に関するリスク
当社グループは、企業買収等を通じて獲得したのれん及び無形資産を計上しております。これらの資産については計画と実績の乖離等により価値が下落した場合には減損損失の計上等、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(11) 債務保証に関するリスク
当社グループは、一部の投資先に対して、債務保証を行っております。当社グループは投資先の経営状況をモニタリングするとともに、必要な施策を実施し、リスク低減に努めておりますが、将来的にこれら債務保証の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(12) 資金の借入コストに関するリスク
当社グループの事業資金の一部は金融機関からの借入により調達しています。今後、長期金利や短期金利が上昇した場合、借入コストの増加により当社グループの事業戦略及び経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループの借入金には財務制限条項が付されています。業績の悪化等により当該借入金の期限前弁済義務が生じた場合には、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。
(13) 外国為替相場の変動に関するリスク
当社グループのパートナーには海外の製薬企業が含まれていることから、事業収益の一部が外国通貨建て(主に米ドル建て)となっており、為替変動の影響を受けます。当社グループでは短期的な為替変動に対応するため、適宜為替予約を用いて影響の最小化に努めておりますが、為替相場が一定以上変動した場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼすことになります。
(14) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関するリスク
当社グループは、役員及び従業員に対し新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社グループ株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性がございます。
(15) 人的資本に関するリスク
当社グループは、多くの国内外パートナーとの共同研究開発を行っております。そのため、事業を展開し発展させていくために、様々な分野で高い専門性や能力を有しグローバルで活躍できる人材の、採用・育成・確保が必要です。一方で、そのような優秀人材の数は有限であり、社会全般に優秀人材の流動性は高まっている傾向にあります。また、当社グループは海外拠点を保有していないためにグローバル人材の採用に一定の制限があることから、人的資本が充分に確保できないリスクがございます。
当社グループでは、優秀人材の獲得のため、賃金水準の上昇や働き方の多様化といった社会変化への対応に常に先行して取り組み、また従業員エンゲージメント向上に向けた取り組みを開始する等、採用競争力の強化や人材確保に努めております。さらに「高い専門性、情熱、誠実」という3つのバリューと、その体現の為の10の行動指針を「Values & behaviors」として定め、コーポレートカルチャーとして定着させることを目指し、人材育成と社内環境整備を進めております。
こうした取り組みが機能せず、人材活用が充分に実施できない場合や、人材流出、採用の不調、役員や中核ポジションにおける後継者育成・獲得の停滞を招く場合、当社グループの人的リソース・機能が棄損し、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(16) ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク
当社グループは、被検者・患者さん等の社外ステークホルダーの個人情報や、パートナーの技術・知的財産情報を含む、多様かつ重要な秘密情報を取り扱っております。近年、サイバー攻撃は年々高度化・巧妙化しており、それにより秘密情報が漏洩した場合、ステークホルダーが重大な損害を被るリスクや、当社グループの社会的信用が大きく損なわれるリスクや、競争力が低下するリスク等がございます。
当社グループでは、サイバーセキュリティに関するポリシーを制定し、技術・社会環境の変化に合わせた適切な技術・サービスの導入、ネットワーク及び設備の監視を始めとする各種サイバー攻撃対策の実施や、社員を対象としたトレーニング等継続的な対策強化を行っております。
これらの対策にもかかわらず、サイバー攻撃等によるシステム障害や事故等の原因により情報の改ざん、漏えい等が発生した場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(17) 環境(気候変動)に関するリスク
「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 環境(気候変動)に関するガバナンス、戦略及び指標と目標」に記載の通りです。
(18) コンプライアンスに関するリスク
当社グループの事業の推進にあたっては、薬事規制や製造物責任、独占禁止法、個人情報保護法、放射性同位元素等の規制に関する法令等の様々な法的規制や、GMP、GQP、GCP、GLP等のガイドラインの遵守が必要です。また、当社グループの事業活動は、協力関係にある多数のサプライヤー等の第三者による業務遂行によって、大きく影響を受けます。当社グループは、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会を設置してコンプライアンス推進体制を整備し、当社グループおよび関係する第三者の事業活動が法令および社内規定を遵守して実施されるよう努めております。
しかしながら、当社グループの従業員や、関係する第三者がこれらの法令等に違反した場合や、社会的要請に反した行動をとった場合、法令による処罰や制裁、規制当局による処分、訴訟の敵を受ける可能性があり、社会的な信頼を失うとともに金銭的損害を負う可能性があり、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
(19) 重要な契約の解除・終了に関するリスク
当社グループの事業展開上重要な契約が、相手方の経営方針の変更等何らかの理由で、解除・終了する場合、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。なお、原則として、パートナーとの共同研究開発契約に係る受領済みの収益は、当社グループが契約を中途終了する場合でも、当社グループは返還義務を負っておりません。
(20) 法的な紛争に関するリスク
当社グループが事業を展開する上で、第三者の権利若しくは利益を侵害した場合又は侵害が疑われる場合には、損害賠償の請求訴訟を提起される等の法的な紛争が生じる可能性がございます。
本書提出日現在、法的な紛争は生じておりませんが、今後、当社グループと第三者との間に法的な紛争が生じた場合、紛争の解決に多大なリソースと時間を要するほか、法的紛争に伴うレピュテーションリスクにさらされる可能性があり、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性がございます。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当事業年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループのセグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日)において、当社グループは2つの戦略領域である放射性医薬品(RI)領域とNon-RI領域(ペプチド医薬品、PDC医薬品、MPC医薬品等)で着実に進捗を重ねています。
(A)放射性医薬品(RI)領域
当社グループは、日本国内で放射性医薬品事業を推進する上で必要となる創薬研究・開発から製造、販売に至るまですべての機能を一気通貫で有しています。ペプチドリームの100%子会社であるPDRファーマでは、放射性治療薬・診断薬および関連製品の製造や販売等を行っています。また、ペプチドリームではPDRファーマとの連携により、自社プログラムまたは提携プログラムとして革新的な放射性治療薬・診断薬の創製・開発を実施しています。腫瘍の縮小効果をもつ放射性核種をがん細胞に選択的に送達するためのキャリアとして環状ペプチドの有用性が次々と示される中、両社のシナジーを最大限発揮することにより、革新的で高付加価値の放射性医薬品を開発・販売するとともに、海外の製薬企業から有望な放射性医薬品を導入することにより放射性医薬品領域での成長を目指しています。
(A)-1 当社グループが販売している放射性医薬品
PDRファーマを通じて当社グループが日本国内で販売している製品は以下の通りです。(2023年12月末時点)
・ ヨウ化ナトリウムカプセル:甲状腺機能亢進症の治療、甲状腺がん及び転移巣の治療、シンチグラムによる甲状腺がん転移巣の発見。37MBqから1.85GBqまで5種類の製品規格を展開。ヨウ化ナトリウム(131I)カプセル。
・ ライアットMIBG-I131静注:MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ。3-ヨードベンジルグアニジン(131I)。
・ ゼヴァリンインジウム(111In)静注用セット:イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)の集積部位の確認。111In標識抗CD20抗体。製造販売元はムンディファーマ株式会社。
・ ゼヴァリンイットリウム(90Y)静注用セット:CD20陽性の再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫の治療。90Y標識抗CD20抗体。製造販売元はムンディファーマ株式会社。
・ オクトレオスキャン静注用セット:神経内分泌腫瘍の診断におけるソマトスタチン受容体シンチグラフィ。ソマトスタチン受容体を標的とするペンテトレオチドの111In標識注射液。Curium Pharma社からの導入品。
・ テクネDMSAキット:腎シンチグラムによる腎疾患の診断。ジメルカプトコハク酸99mTc注射液 調整用。
・ テクネDTPAキット:腎シンチグラフィによる腎疾患の診断。ジエチレントリアミン五酢酸99mTc注射液 調整用。
・ テクネMAAキット:肺シンチグラムによる肺血流分布異常部位の診断。テクネチウム大凝集人血清アルブミン99mTc注射液 調整用。
・ テクネMAG3注射液/テクネMAG3キット:シンチグラフィ及びレノグラフィによる腎及び尿路疾患の診断。メルカプトアセチルグリシルグリシルグリシン99mTc注射液。
・ テクネMDP注射液/テクネMDPキット:骨シンチグラフィによる骨疾患の診断、脳シンチグラフィによる脳腫瘍及び脳血管障害の診断。メチレンジホスホン酸99mTc注射液。
・ テクネピロリン酸キット:心シンチグラムによる心疾患の診断、骨シンチグラムによる骨疾患の診断。ピロリン酸99mTc注射液 調整用。
・ テクネフチン酸キット:肝脾シンチグラムによる肝脾疾患の診断、乳がん、悪性黒色腫、子宮頸がん、子宮体がん、外陰がん、頭頚部がん(甲状腺がんを除く)におけるセンチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィ。フィチン酸99mTc注射液 調整用。子宮頸癌、子宮体癌、外陰癌及び頭頸部癌(甲状腺癌を除く)におけるセンチネルリンパ節の同定及びリンパシンチグラフィについては2023年3月に適応拡大の承認取得。
・ テクネゾール:脳腫瘍及び脳血管障害の診断、甲状腺疾患の診断、唾液腺疾患の診断、異所性胃粘膜疾患の診断。過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液。
・ ニューロライト注射液第一/ニューロライト第一:局所脳血流シンチグラフィ。[N,N’-エチレンジ-L-システイネート(3-)]オキソ99mTc、ジエチルエステル注射液。Lantheus Holdings社からの導入品。
・ カーディオライト注射液第一/カーディオライト第一:心筋血流シンチグラフィによる心臓疾患の診断、初回循環時法による心機能の診断、副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺機能亢進症における局在診断。ヘキサキス(2-メトキシイソブチルイソニトリル) 99mTc注射液。Lantheus Holdings社からの導入品。
・ ミオMIBG-I123注射液:心シンチグラフィによる心臓疾患の診断、パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ、腫瘍シンチグラフィによる神経芽腫、褐色細胞腫の診断。3-ヨードベンジルグアニジン123I注射液。パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィについては2023年12月に適応拡大の承認取得。
・ 塩化タリウム-Tl201注射液:心筋シンチグラフィによる心臓疾患の診断、腫瘍シンチグラフィによる脳腫瘍、甲状腺腫瘍、肺腫瘍、骨・軟部腫瘍及び縦隔腫瘍の診断、副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺疾患の診断。塩化タリウム(201Tl)注射液。
・ ウルトラテクネカウ:脳腫瘍及び脳血管障害の診断、甲状腺疾患の診断、唾液腺疾患の診断、異所性胃粘膜疾患の診断、医療機器「テクネガス発生装置」との組合せ使用による局所肺換気機能の検査。過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータ。
・ フルデオキシグルコース(18F)静注「FRI」:悪性腫瘍の診断、虚血性心疾患(左室機能が低下している虚血性心疾患による心不全患者で、心筋組織のバイアビリティ診断が必要とされ、かつ、通常の心筋血流シンチグラフィで判定困難な場合)の診断、難治性部分てんかんで外科切除が必要とされる場合の脳グルコース代謝異常領域の診断、大型血管炎の診断における炎症部位の可視化。フルデオキシグルコース(18F)注射液。
・ アドステロール-I131注射液:副腎シンチグラムによる副腎疾患部位の局在診断。ヨウ化メチルノルコレステノール(131I)注射液。
・ イオフェタミン(123I)注射液「第一」:局所脳血流シンチグラフィ。塩酸N-イソプロピル-4-ヨードアンフェタミン(123I)注射液。
・ クエン酸ガリウム-Ga67注射液:悪性腫瘍の診断、腹部腫瘍、肺炎、塵肺、サルコイドーシス、結核、骨隨炎、び漫性汎細気管支炎、肺線維症、胆嚢炎、関節炎などにおける炎症性病変の診断。クエン酸ガリウム(67Ga)注射液。
・ アミヴィッド静注:アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化。フロルベタピル(18F)注射液。アルツハイマー病を疑う軽度認知障害については2023年8月に適応拡大の承認取得。Eli Lilly社からの導入品。
(A)-2 放射性医薬品(RI)領域の開発パイプライン
当社グループにおける放射性医薬品(RI)領域の開発パイプラインは以下の通りです。(2024年2月末時点)

・ 64Cu-ATSMプログラム:
適応症:グリオーマおよび他の悪性脳腫瘍
モダリティ:64Cuで標識したジアセチルビスN4-メチルチオセミカルバゾン
提携先:リンクメッド株式会社(「リンクメッド」)
開発ステータス:64Cu-ATSMは現在、国立がん研究センター(jRCT2091220362)で、すでに標準的な治療を受けている再発悪性脳腫瘍(膠芽腫・神経膠腫・PCNSL、悪性髄膜腫)の患者さんを対象に安全性を確認するための第1相臨床試験(医師主導治験)を実施中です。本試験はオープンラベルの用量漸増試験であり、主要評価項目は用量制限毒性(DLT)発現割合、副次評価項目は奏効割合、無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)、内部被ばく評価による推定実効線量、有害事象の発現割合、ステロイド非増量割合、カルノフスキーの一般全身状態スコア(KPS)非悪化割合となっており、2024年前半の試験完了を予定しています。
プログラム詳細:多くの腫瘍においては、がん細胞の急速な増殖と、新生血管からの不十分な酸素供給により腫瘍内部が酸素の乏しい低酸素状態になっていることが知られています。64Cu-ATSMは低酸素状態の組織に集積する性質を有することから、がん細胞のDNAにダメージを与え細胞死へ導く64Cuを腫瘍に送達することを可能とし、各種腫瘍への治療効果が期待されています。悪性脳腫瘍は、日本国内だけでも、毎年約4,000~5,000例が罹患すると報告されています。5年生存率は約15.5%、生存期間の中央値は約18カ月、再発率が約51%と非常に予後の悪いがんの一つとして知られています。現状、外科手術、放射線治療、化学療法等の既存の治療法で十分な効果が得られず再発した場合には、有効な治療法が確立されていません。2023年12月に発表した通り、当社グループはリンクメッドと戦略的パートナーシップに合意しました。今後の開発・商業化において必要となるコストおよび製品上市後に得られる収益を両社間で分配します。リンクメッドが主体となって64Cu-ATSMの開発を進め、PDRファーマが主体となって国内での承認申請および商業化にむけた準備を進めていきます。
・ 177Lu/68Ga-Integrin(FF58)プログラム:
適応症:進行固形がん(膵管腺癌、胃食道腺癌、多形性膠芽腫)
モダリティ:インテグリンαvβ3/5を標的とし、177Lu(治療用)または68Ga(診断用)で標識した低分子化合物
提携先:Novartis社(Novartis社は海外の開発販売権を保有し、PDRファーマは日本の商業化に関する権利を保有しています。)
開発ステータス:177Lu-Integrinは、進行固形がんの患者さんを対象に安全性・忍容性・線量測定、初期的な効果の確認のための第1相臨床試験を行っています (NCT05977322)。
プログラム詳細:第1相臨床試験の目的は、インテグリンαvβ3とインテグリンαvβ5として知られるタンパク質を発現する進行/転移がんを有する患者さんに対し、放射性リガンド療法である177Lu-Integrinの安全性・用量検討を確認するための試験です。また、イメージング剤である68Ga-Integrinのがん病巣を同定する効果や安全性について同時に確認します。本試験は用量漸増試験と拡大試験の2つのパートから成ります。両パートにおいて、患者さんに対してまず68Ga-Integrinを用いたPET/コンピュータ断層撮影(CT)またはPET/磁気共鳴画像(MRI)スキャンを行い、177Lu-Integrinによる治療の適格性を判断します。用量漸増パートでは、177Lu-Integrinの投与量を漸増させ、推奨量を決定します。拡大試験では、用量漸増試験で決定した推奨量の177Lu-Integrinを投与し、安全性と予備的有効性を検討します。拡大試験パートの患者さんの80%以上のフォローアップが完了したか何らかの理由により中断された場合、全患者さんの治療と36ヵ月の長期フォローアップ期間が終了した場合、またはその他の理由により早期に試験が中止された場合、試験は終了します。
・ 225Ac/68Ga-GPC3(RYZ-801/811)プログラム:
適応症:肝細胞がん(「HCC」)
モダリティ: 225Ac (治療用)または68Ga (診断用)で標識したグリピカン-3(GPC3)を標的とする環状ペプチド
提携先:RayzeBio社(RayzeBio社は225Ac/68Ga-GPC3の全世界での開発販売権を有しており、ペプチドリームは日本の開発販売権に関するオプション権を保有しています。2024年2月にRayzeBio社はBristol-Myers Squibb社(BMS社)に買収されました。)
開発ステータス:68Ga-GPC3は現在第0相臨床試験を米国外の複数の医療機関で実施中です。(2023年9月時点で、47例以上のHCC患者さんに投与され、約90%の患者さんで腫瘍特異的に薬剤が取り込まれたこと、また特段の有害事象(SAE)が観察されていないことが報告されています)。また、225Ac/68Ga-GPC3のIND申請のための試験を並行して実施しています。2024年上半期にIND申請を予定しており、HCC患者における225Ac/68Ga-GPC3の安全性を確認する第1相臨床試験を開始する予定です。
プログラム詳細:肝臓がんは米国におけるがんによる死因の中で6番目に多く、年間死亡者数は29,380人と推定されています。肝臓がんの患者さんにおける5年生存率は約20%であり、特に肝臓がんが進行した患者さんでは生存率が低いことが知られています。GPC3は、75%の肝細胞がんで過剰な発現が認められるがん胎児性タンパク質であり、正常組織では全くまたは僅かしか発現が見られません。225Ac-GPC3は治療薬として開発を進めており、HCCに225Acを送達するためにGPC3を標的とする、新規・独自のペプチドです。HCC異種移植腫瘍モデルの前臨床試験において、GPC3結合ペプチドは特異的な腫瘍取り込みを示し、225Acまたは177Luを送達する単回投与により、退縮を含む有意な腫瘍増殖阻害作用を示しました。68Ga-GPC3は、225Ac-GPC3と同一のペプチドで68Gaを送達するPET診断薬であり、臨床試験や治療の際に、225Ac-GPC3による治療効果が得られる可能性が高いGPC3を発現するHCCの患者さんをスクリーニングし、特定することを目的に開発されています。
・ 225Ac/64Cu-CA9(PD-32766T/PD-32766D)プログラム:
適応症:淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)等のがん
モダリティ: Carbonic Anhydrase IX (「CAIX」)を標的とし、225Ac(治療用PD-32766T)または64Cu(診断用PD-32766D)で標識した環状ペプチド
提携先:ペプチドリームが全世界の商業化権を保有
開発ステータス:225Ac/64Cu-CA9は現在IND申請に向けた試験を実施中であり、2023年11月に発表された通り、国立がん研究センターと協働し、ccRCC患者を対象とした64Cu-CA9の第0相臨床試験を2024年上半期に開始することを予定しています。
プログラム詳細:CA9は炭酸脱水酵素ファミリーの一員であり、RCC、膠芽腫、トリプルネガティブ乳がん、卵巣がん、大腸がん等の様々な固形がんで発現していることが知られています。米国内のがん患者数において9番目に多いことが知られており、全世界でがんと診断されて亡くなられる患者さんの約2%を占めています。また、5年生存率は12%と、予後の悪いがんとしても知られています。2020年には全世界で431,288人の患者さんが腎臓がんと診断され、そのうち約9割が腎細胞がんと推定されています。RCCには主に ccRCC、乳頭状(pRCC-type1およびtype2)、嫌色素性(chRCC)等があり、RCC症例の約70%をccRCCが占めています。CAIXはccRCCに高発現(95%以上)する細胞表面のがん抗原で、正常細胞ではほとんど発現しないことから、ccRCCの診断・治療における重要な標的として注目されています。RCC異種移植腫瘍モデルの前臨床研究において、CA9結合ペプチドは特異的な腫瘍取り込み、および単回投与による退縮を含む有意な腫瘍増殖阻害を示しました。治療薬と同じペプチドを用いたPET診断薬は、臨床試験や治療において、225Ac-CA9治療に良好な反応を示す可能性が最も高いCA9発現がんを有する患者さんを選別、特定することを可能にすると考えています。従来のがん治療薬に対して標的型の放射性医薬品を開発する重要な利点は、治療薬と同じペプチドを用いた診断薬で対象となる患者さんのイメージングデータを早期に取得する (第0相試験)ことで、薬剤の生体内分布・薬物動態・がん組織への集積等に関する情報を得ることができ、診断薬の有用性や治療薬の有益性の可能性について初期的な知見が得られるという点です。さらに、その際に得られる情報を活用しその後の第1相臨床試験および第2相臨床試験をデザインすることで臨床開発を加速することができるという利点もあります。
・ Novartis社プログラム1:
適応症:がん
モダリティ:環状ペプチド(放射性核種・標的は非開示)
提携先:Novartis社(Novartis社は同プログラムの全世界商業化権を保有。)
開発ステータス:2023年10月よりGLP安全性試験を実施中です。
・ 225Ac-Cadherin3(PPMX-T002)プログラム:
適応症:固形がん
モダリティ:カドヘリン3(P-カドヘリン/CDH3)を標的とするモノクローナル抗体。放射性治療薬として開発中であり、90Yで標識しておりましたが225Acまたは177Luに変更する計画です。
提携先:株式会社ペルセウスプロテオミクス(「PPMX」)
開発ステータス:90Y-Cadherin3は、がん患者さんを対象とした第1相臨床試験の拡大パートにおいて、がん組織への特異的な蓄積を示し、標的への送達能力が確認できたことから継続的な取り組みを進めています。
プログラム詳細:抗CDH3抗体はPPMXによって創製され、本プログラムの開発および導出活動はPPMXが主導しています。CDH3は卵巣がん・胆道がん・頭頸部有棘細胞がん等多くのがんで過剰発現し、ほとんどの正常組織で発現が低いことが知られています。
・ RayzeBio社プログラム2:適応症:固形がん
モダリティ: 225Ac (治療用)または68Ga(診断用)で標識した環状ペプチド(標的は非開示)
提携先:Rayzebio社(RayzeBio社は全世界の開発販売権を保持しており、ペプチドリームは日本の開発販売権に関するオプション権を保有しています。2024年2月にRayzeBio社はBristol-Myers Squibb社(BMS社)に買収されました。)
開発ステータス: 2022年12月に臨床候補化合物が同定され、両社で次の開発ステップを検討しています。
プログラム詳細:2024年中に本プログラムに関するさらなる発表を予定しています。
・ 18F-フロルタウシピル(Tauvid)プログラム:
適応症:アルツハイマー型認知症の患者さんの脳内における異常蓄積タウタンパク質による神経原線維変化(NFTs)を可視化
モダリティ:18Fで標識されたフロルタウシピル(PET診断薬)
提携先:Eli Lilly社
開発ステータス:非開示
プログラム詳細:18F-フロルタウシピルは、脳内に蓄積したタウタンパク質のNFT沈着を可視化するPET診断薬としてFDAから承認されています。18F-フロルタウシピルは2020年に米国でアルツハイマー型認知症と診断された成人の患者さんの脳内のタウタンパク質によるNFTの密度と分布を確認するためのPETイメージング剤として承認されました。当社グループは、PDRファーマのすでに承認されているアミヴィッドと共に、18F-フロルタウシピルが承認されることにより、アルツハイマー病の診断および経過観察においてPET診断薬の使用が大きく拡大すると期待しています。
・ 18F-PD-L1(BMS-986229)プログラム:
適応症:がんのイメージング
モダリティ:18Fで標識されたPD-L1(programmed death ligand-1)を標的とする環状ペプチド(PET診断薬)
提携先:BMS社
開発ステータス:18F-PD-L1は現在患者さんの食道癌、胃癌、胃食道接合部癌の状態を診断し病状を継続的に確認するための実用性・安全性を確認するための試験が実施されています(ClinicalTrials.gov Identifier: NCT04161781; 2019年11月に開始; 米Memorial Sloan Kettering Cancer Centerで実施)。18F -PD-L1は、腫瘍細胞に発現されるPD-L1を一般的にPET診断薬として用いられるフルオロデオキシグルコース(FDG)より鮮明に可視化し、医師がPD-L1阻害薬を用いた治療を選択する際に活用できます。
(A)-3 放射性医薬品(RI)領域の前臨床・創薬プログラム:
上記の臨床ステージプログラムに加えて、ペプチドリームは標的型ペプチド-放射性核種複合体(RI-PDC)の創薬パイプラインを広範囲に有しており、Novartis社(2019年)、BMS社(2020年)、Genentech社(2023年)と複数の標的を対象とするRI-PDCに関する創薬分野の提携を行っているほか、自社開発プログラムも拡大しています。これらの取り組みから生まれたプログラムのうち、臨床候補化合物の選定/IND申請のための試験開始等の段階まで進んだものについてパイプライン表/リストに掲載しています。また、ペプチドリームはBMS社およびGenentech社とのすべての提携プログラムについて、日本国内での商業化に関するオプション権を保有しています。
(A)-4 放射性医薬品(RI)領域の臨床段階の導入プログラム:
当社グループは、放射性治療薬や、国内で開発・商業化するための放射性医薬品の導入/提携の機会を積極的に検討しています。PDRファーマが当社グループに加わった2022年にはPET診断薬である18F-フロルタウシピルの日本の開発と商業化のためにEli Lilly社と共同開発契約を締結し、2023年には放射性治療薬64Cu-ATSMの日本での開発と商業化のためにリンクメッドと戦略的パートナーシップに合意しました。標的型放射性医薬品を開発する企業は世界的に急速に増加し続けており、その大半が米国市場に注力していることから、当社グループはそれらの企業が日本での製品化を望む場合の「パートナー・オブ・チョイス」となる、ユニークな立ち位置の構築を進めています。また、高付加価値プログラムの戦略的導入/提携は、当社グループの自社・共同研究による創薬活動との補完的な位置づけとして重要な戦略となっています。
(A)-5 放射性医薬品(RI)領域:その他
PDRファーマは日本で様々な放射性医薬品領域の付随的な製品・支援サービスを提供しています。2023年10月に、医療被ばく線量管理の完全自動化・デジタル化を可能とし、医療機関の業務効率化による医療事故リスクの低減に寄与する4つの商品(「Bridgea GATEWAY」、「Bridgea TIMER」、「onti」、「ankan」)に関連する資産を株式会社RYUKYU ISGから取得しました。PDRファーマは、これらの商品の製造・販売・保守サービス等を行っています。
(B)Non-RI領域
当社グループは、放射性医薬品事業に加え、PDPS(Peptide Discovery Platform System)を中核とし(1) ペプチド医薬品、(2) PDC、(3) MPCの創薬におけるリーディングカンパニーとして各種事業を展開しています。グローバルの大手製薬企業や戦略的提携先との提携・ライセンス契約に加え、自社プログラムも拡大しており、ペプチドを用いた次世代の革新的医薬品の創製・開発を目指しています。
(B)-1 Non-RI領域の開発パイプライン
当社グループにおけるNon-RI領域の開発パイプラインは以下の通りです。(2024年2月末時点)

・ GhRアンタゴニスト(AZP-3813)プログラム:
適応症:先端巨大症
モダリティ:成長ホルモン受容体アンタゴニスト(GHRA)である環状ペプチド
提携先:Amolyt Pharma社 (Amolyt社)
開発ステータス:GhRアンタゴニストは、現在第1相臨床試験を実施 (2023年6月に開始)しており、健常被験者における単回および反復漸増投与後のGhRアンタゴニストの安全性・忍容性・薬物動態・薬力学を検討しています。先端巨大症の治療においてソマトスタチンアナログと併用される可能性を想定しており、第1相臨床試験の結果が2024年の第1四半期に得られることを見込んでいます。
プログラム詳細:ペプチドリームとAmolyt社は2020年12月に戦略的共同研究開発およびライセンスオプション契約を締結し、本契約に基づいてGHRAである環状ペプチドポートフォリオの全世界の権利のライセンスを受けるオプションを2021年9月に行使しました。Amolyt社は、2023年の欧州内分泌学会(ECE)や内分泌学会大会(ENDO)で前臨床試験の結果について発表しました。
・ PD-L1阻害薬プログラム:
適応症:がん
モダリティ: PD-L1阻害環状ペプチド
提携先:BMS社
開発ステータス: PD-L1阻害ペプチドは、現在、健常ボランティア136例を対象に安全性・忍容性・薬物動態を検討する第1相臨床試験 (ISRCTN17572332; 2022年4月開始;英国でQuotient Sciences Limitedにより実施; コードQSC203717)が実施されており、臨床試験の報告書が2024年上半期後半に予定されています。
2023年10月に発表されたとおり、BMS社は現在健常人を対象に実施している第1相臨床試験が完了した後は、第2相試験以降の開発は自社では継続しないことを決定しました。BMS社は、今回の決定はあくまでビジネス判断によるものであり、本薬剤自体の安全性に関する懸念によるものではないと明言しています。ペプチドリームは、第1相臨床試験の結果報告書の内容をBMS社と確認した上で、将来性の高い本プログラムの別の形での開発継続の可能性について検討していきたいと考えています。
・ CD38-ARM(BHV-1100)プログラム:
適応症:多発性骨髄腫
モダリティ:CD38を標的とする環状ペプチドとIgGを標的とする環状ペプチドを結合させたヘテロ二量体のペプチド複合体
提携先:Biohaven, LTD. (「Biohaven社」)
開発ステータス:BHV-1100は、BHV-1100とCIML-NK細胞を投与する第1a/1b相臨床試験(オープンラベル; 単一施設(Dana-Farber Cancer Institute); ClinicalTrials.gov Identifier:NCT04634435; 2021年10月より開始)を実施しています。本試験はサイトカイン誘導性メモリー細胞様(CIML)ナチュラルキラー(NK)細胞とBHV-1100および免疫グロブリン(IVIG)とのex-vivo併用製剤と低用量IL-2を初回または2回目の寛解期の微小残存病変陽性(MRD+)である多発性骨髄腫(MM)の患者さんに投与し、細胞表面にCD38を発現している骨髄腫細胞を標的とする治療において、安全性の確立と有効性の探索を主要目的としています。
プログラム詳細:BHV-1100+自己NK細胞治療は、2020年9月8日にオーファンドラッグ指定を受けています。
・ MSD社プログラム1:
適応症:未公開
モダリティ:環状ペプチド治療薬(標的は非開示)
提携先: Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA (MSD社)
開発ステータス:MSD社が2018年に実施したPDPS技術ライセンス契約に基づきMSD社がペプチドリームのPDPSを用いて見出した環状ペプチドは、現在第1相臨床試験を実施しています(2023年7月開始)。
・ S2-タンパク質阻害薬(PA-001)プログラム:
適応症:新型コロナウイルス感染症
モダリティ:新型コロナウイルス感染症ウイルスの表面に発現するS2タンパク質を阻害する環状ペプチド
提携先:ペプチエイド
開発ステータス:2022年8月に日本の健康成人男子ボランティア30名に対する臨床研究法に基づく特定臨床研究(「臨床研究」、dRCTs031210601)を実施し、探索的単回用量漸増試験において化合物に関連する有害事象もなく、安全で忍容性も良好であり、明確な用量依存性の薬物動態プロファイルが得られました。ペプチエイドは2024年にPA-001のIND申請を米国FDAに提出する準備を進めています。
プログラム詳細:PA-001プログラムは2023年に日本医療研究開発機構(AMED)の研究事業に採択され、補助金の支援を受けています。
・ マイオスタチン阻害薬プログラム:
適応症:肥満、DMD(Duchene muscular dystrophy、デュシェンヌ型筋ジストロフィー)、SMA(Spinal muscular atrophy、脊髄性筋萎縮症)および他の筋疾患
モダリティ:マイオスタチン阻害環状ペプチド
提携先:自社品(ペプチドリームが全世界の商業化権を保有)
開発ステータス:GLP-1デュアルアゴニストとの併用で肥満治療に使用するための前臨床試験を追加で実施し、臨床候補化合物を選定中
プログラム詳細:マイオスタチン(成長分化因子8、またはGDF8としても知られる)は、筋細胞で産生・放出されるタンパク質で、筋細胞に働きかけ筋細胞の増殖を抑制します。多くの前臨床および臨床試験により、マイオスタチン阻害薬によって筋肉量の増強、身体強度の改善、内臓脂肪量の減少、インスリンによる血糖値低下等の代謝機能障害の改善につながることが示唆されており、マイオスタチンが様々なSMA・FSHD(Facioscapulohumeral muscular dystrophy、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー)・DMD等の筋ジストロフィー、他の筋肉消耗を伴う疾患、肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病等の創薬ターゲットとして重要であることを示すエビデンスが蓄積されてきています。ペプチドリームは、2023年10月にWorld Muscle Society(「WMS」)2023でマイオスタチンプログラムの前臨床試験の結果を発表しました。
・ cKIT阻害薬(MOD-B)プログラム:
適応症:マスト細胞により引き起こされる免疫炎症性疾患・アレルギー疾患
モダリティ:KITを阻害する低分子化合物
提携先:アリヴェクシス株式会社(「アリヴェクシス」、旧モジュラス株式会社)
開発ステータス:2023年8月に臨床候補化合物の同定を発表しました。本開発候補化合物は、マスト細胞により引き起こされる炎症経路において重要な役割を果たすキナーゼであるKITに対して選択的阻害活性を示す新規の低分子化合物(MOD-B)であり、マスト細胞により引き起こされるアレルギー疾患を含む様々な免疫炎症性疾患などの治療への活用が期待されます。今後、アリヴェクシスが主導し本化合物の臨床入りに向けたIND申請の準備を進める予定となっています。
プログラム詳細:アリヴェクシスはMOD-Bプログラムの提携・導出活動に積極的に取り組んでいます。
(B)-2 Non-RI領域の前臨床・創薬プログラム:
上記のプログラムに加えて、ペプチドリームは、(1)ペプチド医薬品、(2) PDC」および(3) MPCの3つのモダリティにわたって、提携プログラム・自社プログラムの両方で広範囲にわたる前臨床プログラムのパイプラインを有しています。これらの非常に多様なパイプラインについて臨床候補化合物の同定、臨床試験を進めていくことがペプチドリームの成長および価値創出に貢献するものと考えています。これらの取り組みから生まれたプログラムのうち、臨床候補化合物の選定/IND申請のための試験開始等の段階まで進んだものについてパイプライン表/リストに掲載しています。
ペプチド医薬品領域:ペプチドリームは、ペプチド創薬の分野において世界的なリーディングカンパニーの一社であり、様々な疾病領域・治療メカニズム・投与経路について、多数の提携を通じて、多くの有望なプログラムを実施しています。2023年にはペプチド医薬品の領域についても多くの進展があり、特に経口剤の領域で進展がありました。
PDC領域:細胞を傷害する放射性核種や抗がん剤、組織に作用する核酸医薬など、様々な治療薬ペイロードを目的の標的に送達するために環状ペプチドが理想的であるということが明らかになってきており、ペプチドリームはPDC領域を主導しています。幅広い前臨床段階のプログラムを塩野義製薬株式会社(「塩野義製薬」、2019年、組織を標的としたPDC)、武田薬品工業(2020年/2021年、ペプチドリームがJCRファーマと共同で見出したトランスフェリン受容体結合ペプチドを用いた筋組織・中枢神経を標的としたPDC)、Alnylam Pharmaceuticals, Inc.(Alnylam社、2021年、組織を標的としたPDC)、Eli Lilly社(2022年、組織を標的としたPDC)、MSD社(2022年、がんを標的としたPDC)などの提携先と進めています。
MPC領域:過去10年間のうちに二重特異的抗体が承認され、また最近では複数の抗原に同時に結合することのできる三重・多重特異的抗体が登場してきている中、新たな治療薬としてMPCの可能性が拡大しつつあります。環状ペプチドを複数結合させることで多重特異的抗体と同様な多機能分子を作成することができます。ペプチドリームはすでにBiohaven社や参天製薬とMPCプログラムを実施していることに加え、自社プログラムも実施しており、その数が拡大しています。ペプチドリームは、MPCが二重特異的抗体や他の多機能分子と比べ優れたモダリティであると考えています。ペプチドリームは、T細胞およびNK細胞を標的とする新規のペプチドの同定に注力しており、これらのペプチドを上述のがんを選択的に標的とするペプチドと結合させることにより、新たなクラスのT細胞・NK細胞エンゲージャー分子を創出することが可能となり、非常に有望な治療薬の領域になるものと期待しています。さらにペプチドリームは環状ペプチドの用途を拡大し、標的タンパク質分解誘導剤の領域においてアステラス製薬との提携(2023年7月)を発表しました。
(B)-3 Non-RI領域の主なトピックス(2023年12月期)
1月:参天製薬との包括的創薬共同研究開発プログラムにおいて見出された多機能ペプチド複合体(MPC)がリードクライテリアを達成
3月:小野薬品工業との新たな創薬共同研究契約締結を発表
4月:Bayer社との創薬共同研究開発においてマイルストーンを達成
6月:Amolyt社によるAZP-3813の先端巨大症を対象とした第1相臨床試験の開始
7月:MSD社によるPDPSを用いて見出したペプチド医薬品の第1相臨床試験の開始
7月:アステラス製薬との新規の標的タンパク質分解誘導剤創出に向けた共同研究およびライセンス契約締結を発表
8月:アリヴェクシスとの間で実施している戦略的提携プログラムから1つ目の開発候補化合物選定を発表
8月:ペプチエイドが開発するPA-001がAMEDの事業に採択されたことを発表
12月:Janssen社との創薬共同研究開発プログラムにおいてマイルストーンを達成
12月:ポーラ化学工業との共同研究におけるリードクライテリアを達成
(B)-4 PDPSの技術ライセンス
2023年12月31日現在、11社;BMS社(2013年)、Novartis社(2015年)、Eli Lilly社(2016年)、Genentech社(2016年)、塩野義製薬(2017年)、MSD社(2018年)、ミラバイオロジクス株式会社(2018年)、大鵬薬品工業株式会社(2020年)、Janssen社(2020年)、小野薬品工業株式会社(2021年)、富士レビオ株式会社(2022年)との間で非独占的技術ライセンス契約を締結しています。同事業においては、ペプチドリームは、各ライセンス先企業から技術ライセンスフィーに加えて開発プログラムの進捗に応じてマイルストーンフィー、および上市後の売上高に応じた売上ロイヤルティーを受領する権利を有します。なお、マイルストーンを達成するまでの間は、ライセンス先企業での研究内容や進捗についてペプチドリームに知らされることはありません。また、ペプチドリームはPDPSの技術ライセンス契約に関心をもつ複数の企業との交渉を継続的に進めています。
(C) 当社グループの戦略的投資先・関連会社
当社グループの戦略的投資先・関連会社は以下の通りです(2023年12月末時点)。
ペプチグロース株式会社(「ぺプチグロース」):ペプチドリームの出資比率は39.5%
ペプチグロース(本社:東京都)は、ペプチドリームと三菱商事との間で細胞治療・再生医療等製品や成長市場である培養肉等の製造等に使用される、細胞培養向け培地の重要成分である、成長因子を代替するペプチド(「代替ペプチド」)の開発・製造・販売を行う合弁会社として2020年に設立しました。成長因子は、ヒトを含む動物の体内に広く存在し、細胞の成長・増殖や、またiPS細胞・ES細胞等の幹細胞を神経細胞や血液細胞等へと分化誘導させる際に重要な役割を担うタンパク質です。現在は、動物血清からの抽出物、あるいは組み換え技術によって製造されたものが主に使用されていますが、不純物混入による安全性上のリスク、製造ロット間の品質のばらつき、高額な製造コスト等が、医薬品産業が直面する課題となっています。ペプチドリームがPDPSを用いて、成長因子と同等の機能を有する代替ペプチドを同定し、動物血清や組換え技術を用いず化学合成による新規製造手法を開発します。ペプチグロースが商業ベースでの製造工程・体制を確立することで、品質面においては高純度で製造ロット間のバラつきも無くし、またコスト面の合理化も実現していきます。また、三菱商事が代替ペプチドの販売及び市場拡大を積極的に図っていきます。ペプチグロースは現在、9つの製品を販売しています。2021年に、HGF代替ペプチド(PG-001)とTGFβ1阻害ペプチド(PG-002)の販売を、2022年にBDNF代替ペプチド(PG-003)、BMP4,7阻害ペプチド(PG-004)、BMP7選択的阻害ペプチド(PG-005)、BMP4選択的阻害ペプチド(PG-006)の販売を、2023年にVEGF代替ペプチド(PG-007)、Wnt3a代替ペプチド(PG-008)、合成EGF(PG-009)の販売を開始しました。今後も順次新たな製品の開発・上市を計画しています。
ペプチエイド:ペプチドリームの出資比率は約39.4%
ペプチエイド(本社:神奈川県)は、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発を目的として、2020年にペプチドリーム、富士通株式会社(「富士通」)、株式会社みずほフィナンシャルグループの連結子会社であるみずほキャピタル株式会社(「みずほキャピタル」)、株式会社竹中工務店(「竹中工務店」)、及びキシダ化学株式会社(「キシダ化学」)との間で設立した合弁会社です。ペプチドリームは、PDPSを用いて、コロナウイルスがヒト細胞に侵入する際に必須となるスパイクタンパク質を創薬ターゲットとした、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発候補化合物の同定を実施し、PA-001を見出しました。ペプチエイドは、2021年3月23日に、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発候補化合物の特定を完了し、開発候補品PA-001の非臨床試験を開始したことを発表しました。国立感染症研究所等と共同で化合物の評価を進めてきましたが、PA-001は従来型のSARS-CoV-2だけでなく現在同定されているすべての変異株(アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株、オミクロン株)に対しても同様に高い抗ウイルス活性を有することを確認しています。また、現在緊急使用許可承認を得ている新型コロナウイルス感染症治療薬との併用において、in vitro試験での高い相加効果を確認しています。各種一般毒性、安全性薬理、遺伝毒性試験等から構成されるPA-001の非臨床試験が予定通りのスケジュールで完了し、PA-001の高い安全性が確認されました。2022年2月より臨床研究を実施しました。臨床研究では、健常人に対するPA-001の用量漸増単回投与を静脈内注射により実施し、有害事象の有無・注射部位反応・バイタルサイン等の評価を行いました。2022年8月10日に公表した通り、PA-001の投与による有害事象等は確認されず、良好な安全性プロファイルが確認されました。また、PA-001の用量依存的な血中濃度プロファイルの相関を確認する結果が得られました。2023年5月15日、PA-001の開発はAMEDの事業に採択され、ペプチエイドは第1相試験等の実施に向けた補助金を受領することが決定しました。現在PA-001について、米国FDA(食品医薬品局)へのIND(新薬臨床試験開始届)申請の準備を進めており、2024年にはPA-001の第1相臨床試験開始を予定しています。
ペプチスター株式会社(以下 ぺプチスター):ペプチドリームの出資比率は15%未満
ペプチスター(本社:大阪府)は、ペプチドリーム、塩野義製薬、積水化学工業株式会社と合弁でペプチド原薬の製造プロセスに関する研究開発、製造及び販売を行うCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization:医薬品開発製造受託機関)であるペプチスター株式会社(「ペプチスター」)を2017年9月に設立しました。ペプチスターは国内の様々な会社が有する技術を融合し、高品質、高純度でしかも製造コストを大幅に低減する最先端技術を開発、提供することを目指しています。同社の製造工場は、大阪府摂津市に設立されています。
リンクメッド:ペプチドリームの出資比率は15%未満
リンクメッド(本社:千葉県)は、『革新的な「見える」がん治療』をいち早く社会にお届けすることを目指し、量子科学技術研究開発機構(QST)の研究をもとに2022年に設立された放射性医薬品の開発を行っている研究開発型企業です。ペプチドリームは2023年12月に、リンクメッドによるシリーズA関連資金調達の実施に参画したことを発表しました。
アリヴェクシス(旧モジュラス):ペプチドリームの出資比率は5%未満
アリヴェクシス(本社:東京都、ボストン)は、2016年に設立された最先端の計算科学を駆使した高速かつ効率的な低分子医薬品候補化合物のデザインに関する技術を有する創薬企業です。
以上の結果、当連結会計年度における創薬開発事業の経営成績については、売上収益12,702,965千円(前年同期比2,703,143千円減少)、セグメント利益6,387,902千円(前年同期比2,792,008千円減少)、放射性医薬品事業の経営成績については、売上収益16,009,228千円(前年同四半期比4,562,906千円増加)、セグメント利益475,145千円(前年同四半期比239,237千円増加)となり、当社グループ全体としては売上収益は28,712,194千円(前年同期比1,859,763千円増加)、Core営業利益7,165,554千円(前年同期比2,471,879千円減少)、営業利益6,773,047千円(前年同期比2,207,148千円減少)、税引前利益4,353,469千円(前年同期比2,299,855千円減少)、親会社の所有者に帰属する当期利益3,035,832千円(前年同期比4,518,525千円減少)となりました。
当社グループは、IFRS業績に加えて、会社の経常的な収益性を示す指標として非経常的な項目をNon-Core調整として除外したCoreベースの業績を開示しています。当該Coreベースの業績は、IFRS業績から当社グループが定める非経常的な項目を調整項目として除外したものです。
Core営業利益は営業利益から企業買収に係る会計処理の影響及び買収関連費用、有形固定資産、無形資産及びのれんに係る減損損失、損害賠償や和解等に伴う損益、非経常的かつ多額の損益、個別製品又は開発品導入による無形資産の償却費を控除して算出しております。
なお、Core営業利益から営業利益への調整は以下のとおりです。
(単位:千円)
当社グループは当第3四半期連結累計期間において2,021,149千円の条件付対価に係る金融費用を計上いたしました。当該金融費用の計上は、2022年3月に実施したPDRファーマ株式会社の株式取得に際し、2024年4月30日までに脳内アミロイドβプラーク可視化を行うPET診断薬であるアミヴィッド静注の軽度認知障害への適用拡大が日本国内で承認された場合、4,000,000千円の追加支払いが発生する旨の条件付対価が設定されておりましたが、2023年8月31日に一部変更承認を取得し、「アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化」が新たな効能又は効果として追加されたことに伴い、富士フイルム株式会社に対する4,000,000千円の条件付対価の支払いが確定したことによるものです。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績は以下のとおりです。
(注)金額は販売価格によっております。
② 受注実績
当社グループの創薬開発事業及び放射性医薬品事業は受注形態をとっておりませんので、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注)顧客との共同研究開発契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。
(2) 財政状態
当連結会計年度の総資産は69,464,013千円となり、前連結会計年度末と比べて5,598,812千円増加しました。その主な要因は、営業債権及びその他の債権が11,618,285千円減少したものの、現金及び現金同等物が14,260,196千円増加、その他の金融資産が5,678,991千円増加したこと等によるものです。
負債は29,114,303千円となり、前連結会計年度末と比べて2,709,431千円減少しました。その主な要因は、借入金が1,172,255千円増加したものの、未払法人所得税等が1,321,177千円減少、その他の金融負債が2,092,816千円減少したこと等によるものです。
資本は40,349,709千円となり、前連結会計年度末と比べて8,308,243千円増加しました。その主な要因は、当期利益により利益剰余金が3,956,351千円増加、投資有価証券の評価替えによりその他の資本の構成要素が4,804,168千円増加したこと等によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ14,260,196千円増加し、19,507,861千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人所得税の支払による支出3,667,008千円等があったものの、営業債権及びその他の債権の増減額11,618,285千円等により、12,420,969千円の収入(前年同期は82,929千円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,212,857千円等があったものの、投資有価証券の売却による2,864,600千円収入等により、1,302,539千円の収入(前年同期は27,377,217千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出2,340,000千円等があったものの、長期借入れによる収入4,000,000千円等により、264,191千円の収入(前年同期比20,525,259千円の収入減少)となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
財務政策につきましては、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金は、手許資金を中心としながら必要に応じて借入による資金調達を行っております。
主な資金需要につきましては、運転資金として製造原価、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金として、研究開発のための設備投資等があります。
有価証券報告書提出日現在において支出が予定されている重要な資本的支出はありません。
(5) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 、 3 重要な会計方針 及び 4 重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
(6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおりであります。
当連結会計年度においては、売上収益30,000,000千円、Core営業利益6,700,000千円、売上収益Core営業利益率22.3%を目標としておりましたが、売上収益は28,712,194千円、Core営業利益7,165,554千円、売上収益Core営業利益率25.0%となり、Core営業利益及び売上収益Core営業利益率は目標を上回る結果となったものの、売上収益は目標を下回る結果となりました。引き続きこれらの指標について、向上できるよう努めてまいります。
5 【経営上の重要な契約等】
(1) 基盤技術に関する独占ライセンス契約
(注)1.上記契約の対価として一定料率のロイヤルティーを支払っております。
2.提出日現在において、契約期間が満了しております。
(2)合弁契約
(3)子会社における経営上の重要な契約
6 【研究開発活動】
当社グループの研究開発は、放射性医薬品(RI)領域においてはPDPSを活用することによる自社プログラムまたは提携プログラムとして革新的な放射性治療薬・診断薬の創製・開発を実施しています。また、ペプチドリームの100%子会社であるPDRファーマを通じてこれらのプログラムや海外製品の導入により、国内における放射性医薬品の臨床開発を実施しています。Non-RI領域については、PDPSを活用することによる自社創薬及び世界中の特別な技術を有する創薬企業、バイオベンチャー企業、アカデミア等と戦略的な提携を組むことで、ペプチド医薬品、PDC、MPC等に関する創薬研究開発を実施し、パイプライン拡充を図っています。
自社/戦略的提携プログラムについての主な進捗は下表のとおりです。
(A)放射性医薬品(RI)領域
治療薬・セラノスティクス
診断薬
(B)Non-RI領域
こうした活動の結果、当連結会計年度における研究開発費は3,155,366千円、売上高研究開発費比率は11.0%となりました。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資については、研究開発の充実・強化などを目的として総額1,668,645千円の設備投資を実施いたしました。
2 【主要な設備の状況】
当社グループにおける主要な設備は以下のとおりです。
(1) 提出会社
2023年12月31日現在
(注) 現在休止中の主要な設備はありません。
(2) 国内子会社
①PDRファーマ株式会社
(注) 現在休止中の主要な設備はありません。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1)重要な設備の新設等
該当事項はありません。
(2)重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注)提出日現在発行数には、2024年3月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は、含まれておりません。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
第8回新株予約権(2021年11月18日取締役会決議)
※ 当事業年度の末日(2023年12月31日)における内容を記載しております。なお、提出日の前月末(2024年2月29日)現在において、これらの事項に変更はありません。
(注) 1. 新株予約権1個当たりの目的となる株式の数(以下「付与株式数」という。)は、当社普通株式100株であります。
当社が株式分割又は株式併合を行う場合には、新株予約権の目的たる株式の数は次の算式により調整されるものとします。ただし、この調整は、当該時点で権利行使をしていない本新株予約権の目的たる株数についてのみ行われ、調整の結果1株未満の端数が生じた場合はこれを切り捨てるものとします。
また、当社が株式の無償割当を行う場合、他社と吸収合併若しくは新設合併を行う場合、当社が他社との株式交換若しくは株式移転を行う場合、又は、当社が吸収分割若しくは新設分割を行う場合、当社は未行使の新株予約権の目的たる株式の数について合理的に必要と認める調整を行うことができるものとします。
2. 本新株予約権の割当日後、当社が株式分割又は株式併合を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げるものとします。
また、本新株予約権の割当日後、当社が当社普通株式につき時価を下回る価額で新株の発行又は自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分並びに株式交換による自己株式の移転の場合を除く。)、次の算式により行使価額を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げるものとします。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式に係る発行済株式総数から当社普通株式に係る自己株式数を控除した数とし、また、当社普通株式に係る自己株式の処分を行う場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとします。
さらに、上記のほか、本新株予約権の割当日後、当社が他社と合併する場合、会社分割を行う場合、その他これらの場合に準じて行使価額の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に行使価額の調整を行うことができるものとします。
3. 新株予約権の行使の条件
(1)2022年12月期から2026年12月期までの事業年度において、EBITDAの累計額が、下記(a)又は(b)に定める水準を超過した場合、それぞれに定められている割合(以下、「行使可能割合」という。)を上限として、これ以降本新株予約権を行使することができる。
(a) EBITDAの累計額が450億円を超過した場合:行使可能割合 割り当てられた本新株予約権の50%
(b) EBITDAの累計額が500億円を超過した場合:行使可能割合 割り当てられた本新株予約権の100%
なお、上記におけるEBITDAは当社の損益計算書(連結損益計算書を作成している場合には連結損益計算書)に記載された税引前当期純利益に支払利息及びM&A関連費用を加算し、キャッシュ・フロー計算書(連結キャッシュ・フロー計算書を作成している場合には連結キャッシュ・フロー計算書)に記載された減価償却費、のれん償却費、減損損失を加算した額をいう。加えて、当該損益計算書に本新株予約権に係る株式報酬費用が計上されている場合には、これによる影響を排除した株式報酬費用控除前EBITDAをもって判定するものとする。
(2)本新株予約権1個未満の行使を行うことはできないものとする。
4. 組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下「組織再編行為」という。)を行う場合において、組織再編行為の効力発生日に新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとします。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとします。
(1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
新株予約権者が保有する本新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付します。
(2) 新株予約権の目的となる再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とします。
(3) 新株予約権の目的となる再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件を勘案の上、上記(注)1に準じて決定します。
(4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上、上記(注)2で定められる行使価額を調整して得られる再編後の行使価額に、上記(注)4(3)に従って決定される当該新株予約権の目的となる再編対象会社の株式の数を乗じた額とします。
(5) 新株予約権を行使することができる期間
交付される新株予約権を行使することが出来る期間は、新株予約権の行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から行使期間の末日までとします。
(6) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
上表の「新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額(円)」に準じて決定します。
(7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による取得の制限については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとします。
(8) その他新株予約権の行使の条件
上記(注)3に準じて決定します。
(9) 新株予約権の取得事由及び条件
(a)当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる会社分割についての分割契約若しくは分割計画、又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合には取締役会決議)がなされた場合は、当社は、当社取締役会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権の全部を無償で取得することができます。
(b)新株予約権者が権利行使をする前に、上記(注)3に定める規定により本新株予約権の行使ができなくなった場合は、当社は新株予約権を無償で取得することができます。
(c)新株予約権者が本新株予約権の全部又は一部の放棄を申し出た場合は、当社はこれを無償で取得することができます。
(10) その他の条件については、再編対象会社の条件に準じて決定します。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 新株予約権の行使によるものであります。
(5) 【所有者別状況】
2023年12月31日現在
(注)自己株式247株は、「個人その他」の所有者区分に含まれております。
(6) 【大株主の状況】
2023年12月31日現在
(注)1.上記の所有株式数のうち、信託業務に係る株式数は次のとおりであります。
2.持株比率は自己株式(247株)を控除して計算しております。なお、自己株式の数には、株式給付信託の信託財産として、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が保有する当社株式402,400株は含まれておりません。
2.前事業年度末主要株主であった窪田規一は、当事業年度末では主要株主ではなくなっております。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2023年12月31日現在
(注) 1. 株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式402,400株(議決権の数4,024個)につきましては、「完全議決権株式(その他)」に含めて表示しております。
2.「単元未満株式」欄の普通株式には、当社所有の自己株式47株が含まれております。
② 【自己株式等】
2023年12月31日現在
(注) 株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が所有する当社株式402,400株は、上記自己名義株式数として記載しておりません。
(8) 【役員・従業員株式所有制度の内容】
当社は、2016年8月22日開催の取締役会において役員報酬制度の見直しを行い、新たに業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))」(以下「本制度」といいます。)を導入しております。また、同日開催の取締役会において、当社の株価や業績と従業員の処遇の連動性をより高め、経済的な効果を株主の皆様と共有することにより、株価及び業績向上への従業員の意欲や士気を高めるため、従業員に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」(以下「本制度」といいます。)を導入しております。
(株式給付信託「BBT」)
1.本制度の概要
本制度は、当社が拠出する金銭を原資として当社株式が信託を通じて取得され、当社取締役に対して、取締役会が定める役員株式給付規程に従って、当社株式及び当社株式を時価で換算した金額相当の金銭(以下「当社株式等」といいます。)が信託を通じて給付される業績連動型の株式報酬制度です。なお、取締役が当社株式等の給付を受ける時期は、原則として取締役の退任時といたします。

2.取締役に給付する予定の株式の総数
当事業年度末で、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が186,300株、527,879千円保有しております。
3.当該株式給付信託(BBT)による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
当社取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役は、本制度の対象外といたします。)
(株式給付信託「J-ESOP」)
1.本制度の概要
本制度は、あらかじめ当社が定めた株式給付規程に基づき、一定の要件を満たした当社の従業員に対し当社株式を給付する仕組みです。当社は、従業員に対し個人の貢献度等に応じてポイントを付与し、一定の条件により受給権
の取得をしたときに当該付与ポイントに相当する当社株式を給付します。従業員に対し給付する株式については、あらかじめ信託設定した金銭により将来分も含め取得し、信託財産として分別管理するものとします。
本制度の導入により、当社従業員の株価及び業績向上への関心が高まり、これまで以上に意欲的に業務に取り組むことが期待されます。

2.従業員に給付する予定の株式の総数
当事業年度末で、株式会社日本カストディ銀行(信託E口)が216,100株、556,698千円保有しております。
3.当該株式給付信託(J-ESOP)による受益権その他の権利を受けることができる者の範囲
株式給付規程に定める受益者要件を満たした者
2 【自己株式の取得等の状況】
【株式の種類等】
会社法155条第7号による普通株式の取得
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(注)当期間における取得自己株式には、2024年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株数は含めておりません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注)当期間における保有自己株式数には、2024年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取りによる株式数は含めておりません。
3 【配当政策】
一般には、バイオベンチャー企業の場合は研究開発活動のために剰余金は内部留保に充当すべきとの考え方も存在します。しかしながら、当社においては配当による株主様への利益還元も重要な経営課題だと認識しております。
当社は、将来においても安定的な収益の獲得が可能であり、かつ、研究開発資金を賄うに十分な利益が確保できる場合には、将来の研究開発活動等に備えるための内部留保充実の必要性等を総合的に勘案した上で、利益配当についても検討してまいります。
なお、当社は「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる」旨を定款に定めております。
また、当社は「会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会の決議をもって中間配当を行うことができる」旨定款に定めております。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、経営理念である「独自の創薬開発プラットフォームシステム: PDPSを活用し、特殊環状ペプチドによる創薬を完成させることにより、世界中にいる疾病で苦しむ方々に貢献すること」を目的としております。その実現のため、公正で透明性の高い経営を行い、企業価値を継続的に高め企業の社会的責任を果たし、当社のすべてのステークホルダー(利害関係者)から信頼を得ることが不可欠であると考えます。
今後とも、コンプライアンスの徹底を図るとともに、積極的かつ迅速な情報開示による透明性・健全性の向上と効率経営を実現するための施策並びに組織体制の継続的な改善・強化に努めてまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、取締役会における議決権を有する4名の監査等委員が経営の意思決定に関わることで、取締役会の監査・監督機能を強化することができ、当社のコーポレート・ガバナンスをより一層充実させるとともに経営の効率化を図ることが可能であると判断し、統治体制を監査等委員会設置会社としております。当社のコーポレート・ガバナンス体制は以下のとおりであります。
a. 取締役会
取締役会は、当社経営上の重要事項に関する意思決定を行うとともに、取締役の業務執行についての監督を行っております。有価証券報告書提出日現在、取締役会は取締役3名(監査等委員である取締役を除く。)、監査等委員である取締役4名の計7名で構成されています。監査等委員である取締役4名のうち独立社外取締役は4名おり、役員の過半数を独立社外取締役で構成することにより、取締役会の監視機能を強化しております。取締役会は、毎月1回の定例取締役会に加え、必要に応じて臨時取締役会を開催し、迅速かつ効率的な経営監視体制をとっております。なお、取締役の氏名については、「(2)役員の状況」に記載しております。
取締役会の議長は、常勤監査等委員が務めております。
<取締役会の構成及びスキルマトリックス> ※当社見解に基づく/当社作成
b. 監査等委員会
監査等委員会は、取締役の職務の執行状況等についての監査を行い、会計監査人や内部監査部門とも連携し、有効に監査が行えるように努めております。有価証券報告書提出日現在、社外取締役4名で構成しており、社外取締役4名全員を独立役員に指定しております。なお、監査等委員の氏名については、「(2)役員の状況」に記載しております。
監査等委員会の議長は、常勤監査等委員が務めております。
c. 指名・報酬委員会
指名・報酬委員会は、取締役会の決議により選定された委員により構成され、取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化することを目的とし、取締役会の任意の諮問機関として設置しております。代表取締役CEO及び役付取締役の選解任と取締役候補の指名を行うに当たっての方針と手続及び議案の原案、取締役の報酬等を決定するに当たっての方針及び議案の原案、取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬等の内容に係る方針及び議案の原案等について、諮問に対する審議及び答申を行っております。
有価証券報告書提出日現在、指名・報酬委員会は監査等委員である取締役3名(笹岡 三千雄、長江 敏男、花房 幸範)、取締役2名(リード・パトリック、金城 聖文)で構成されております。
指名・報酬委員会の議長は常勤監査等委員が務めております。
d. サステナビリティ・ガバナンス委員会
サステナビリティ・ガバナンス委員会は、取締役会の決議により選定された委員により構成され、当社のサステナビリティに係る取組みに対する取締役会のモニタリング機能を強化することを目的とし、取締役会の任意の諮問機関として設置しております。サステナビリティ・ガバナンス委員会では、主に、サステナビリティに関する取組みの全体方針、サステナビリティに関する取組みの進捗状況、その他、取締役会が必要と認めた事項等について、諮問に対する審議及び答申を行っております。
有価証券報告書提出日現在、サステナビリティ・ガバナンス委員会は監査等委員である取締役3名(笹岡 三千雄、花房 幸範、宇都宮 純子)、取締役1名(金城 聖文)で構成されております。
サステナビリティ・ガバナンス委員会の議長は宇都宮 純子が務めております。
e. コンプライアンス・リスクマネジメント委員会
コンプライアンス・リスクマネジメント委員会は、経営管理部を所管する取締役等により構成され、会社のコンプライアンス及びリスクマネジメントに関する事項を議論することを目的として設置された委員会であり、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会では、主に、コンプライアンス・リスクマネジメント体制の構築、管理及び維持、並びに、当社において想定されるリスクの洗い出し、評価、及び予防策の策定等を行い、社長に報告を行っております。
有価証券報告書提出日現在、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会は取締役1名(金城 聖文)、監査等委員である取締役2名(長江 敏男、宇都宮 純子)、経営管理部法務・コンプライアンスグループから指名された者1名等で構成されております。
コンプライアンス・リスクマネジメント委員会の議長は取締役1名(金城 聖文)及び監査等委員である取締役1名(長江 敏男)が共同で務めております。
<会社の機関・内部統制の関係図>

③ 企業統治に関するその他の事項
a. 内部統制システム整備の状況
当社は、取締役会において、「内部統制システムの整備に関する基本方針」を決議し、業務の適正を確保するための体制作りと管理体制のより一層の整備を図ることとしております。
取締役会においては、経営の基本方針、法令及び定款、会社諸規程の定めるところにより、経営に関する重要事項等について意思決定を行うとともに、取締役の職務の執行を監督しております。
b. リスク管理体制
当社は、「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき、リスク管理を強化するため、「リスク管理規程」を制定し、リスク情報を早期に把握・共有することでリスクの顕在化を未然に防止する体制の構築に努めております。
また、法律事務所、特許事務所及び会計事務所等の法務・会計専門家並びに社外の研究者等外部の専門家との相談や意見交換を通じて、事業に係るリスクをはじめとする諸情報を得て、最善と考えられる経営判断を行うよう努めております。
c. 責任限定契約について
ア 社外取締役の責任限定契約
当社と社外取締役とは、会社法第427条第1項及び定款の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、金100万円と法令の定める最低責任限度額とのいずれか高い額としています。
イ 会計監査人との間の責任限定契約
当社と会計監査人とは、会社法第427条第1項及び定款の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、金100万円と法令の定める最低責任限度額とのいずれか高い額としています。
d. 取締役の定数及び取締役の選任の決議条件
当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の員数を7名以内、監査等委員である取締役の員数を4名以内とする旨を定款に定めております。また、取締役の選任は、「監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う」ものとし、「累積投票によらないものとする」旨定款に定めております。
e. 株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとした事項
ア 取締役の責任免除
当社は、職務の遂行にあたり期待される役割を十分に発揮できるようにするため、会社法第426条第1項及び定款の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の定める限度額の範囲内において、取締役会の決議によって免除することができる旨、定款に定めております。
イ 中間配当に関する事項
当社は、株主への適切な利益還元を可能とするため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって中間配当をすることができる旨を定款に定めております。
ウ 自己株式の取得
当社は、機動的に自己株式の取得を行うことを目的として、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
f. 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
g. 役員等賠償責任保険契約の内容の概要等
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。被保険者の範囲は、当社及び子会社の取締役(監査等委員である取締役を含む)及び監査役であり、被保険者は保険料を負担しておりません。当該保険契約では、被保険者がその職務の執行に関し責任を負うこと、又は、当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害について補填することとされております。ただし、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置として、法令違反に起因して生じた損害は補填の対象外としております。
④ 取締役会、監査等委員会、指名・報酬委員会、サステナビリティ・ガバナンス委員会及びコンプライアンス・リスクマネジメント委員会の活動状況
a.取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を21回開催しており、個々の取締役の出席状況については以下のとおりです。
取締役会における具体的な検討内容として、以下内容について審議、報告及び討議を行いました。
・法定審議事項
・決算、IR、サステナビリティ、投融資に関する報告
・子会社及び関連会社に関する報告
・コンプライアンス、リスクマネジメント、労働環境に関する報告 等
b.監査等委員会の活動状況
監査等委員会の活動状況については、「(3)監査の状況」に記載しております。
c.指名・報酬委員会の活動状況
当事業年度において当社は指名・報酬委員会を7回開催しており、個々の委員の出席状況については以下のとおりです。
指名・報酬委員会における具体的な検討内容として、以下内容について審議を行いました。
・役員報酬の水準・構成
・業績連動報酬にかかる業績評価指標ならびに算定方法
・次年度以降の役員構成及び取締役の選任
・CEO等のサクセションプラン
d.サステナビリティ・ガバナンス委員会の活動状況
当事業年度において当社はサステナビリティ・ガバナンス委員会を4回開催しており、個々の委員の出席状況については以下のとおりです。
サステナビリティ・ガバナンス委員会における具体的な検討内容として、気候変動への対応、アンケート・インタビューを併用した取締役会実効性評価の実施などのESG、それぞれにおけるサステナビリティ活動状況の確認を行いました。
e.コンプライアンス・リスクマネジメント委員会の活動状況
当事業年度において当社はコンプライアンス・リスクマネジメント委員会を3回開催しており、個々の委員の出席状況については以下のとおりです。
コンプライアンス・リスクマネジメント委員会における具体的な検討内容として、内部通報制度の運用状況を含む全社的なリスク・その管理状況の確認を行いました。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性 6名 女性 1名 (役員のうち女性の比率 14.3%)
(注) 1.取締役 笹岡三千雄氏、長江敏男、花房幸範及び宇都宮純子氏の4名は、社外取締役であります。
2.取締役の任期は、2023年3月29日開催の定時株主総会終結の時から1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。
3.監査等委員である取締役の任期は、2023年3月29日開催の定時株主総会終結の時から2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までであります。
4.監査等委員会の体制は、次のとおりであります。
委員長 笹岡三千雄氏 委員 長江敏男氏 委員 花房幸範氏 委員 宇都宮純子氏
② 社外役員の状況
a 員数
当社の社外取締役は4名であり、うち4名が監査等委員であります。
b 当社との人的関係、資本的関係又は取引関係その他の利害関係
社外取締役(監査等委員)である笹岡三千雄氏は、当社株式200,000株を所有しております。
社外取締役(監査等委員)である長江敏男氏は、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社取締役(監査等委員)を兼務しております。当社とヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社との間には特別な利害関係はありません。また、同氏は、当社株式7,600株を所有しております。
社外取締役(監査等委員)である花房幸範氏は、アカウンティングワークス株式会社代表取締役、アークランドサービスホールディングス株式会社取締役(監査等委員)、株式会社ギフト社外取締役(監査等委員)及びアイザワ証券グループ株式会社取締役(監査等委員)を兼務しております。当社とアカウンティングワークス株式会社、アークランドサービスホールディングス株式会社、株式会社ギフト及びアイザワ証券グループ株式会社との間には特別な利害関係はありません。
社外取締役(監査等委員)である宇都宮純子氏は、株式会社ZOZO社外取締役(監査等委員)、宇都宮・清水・陽来法律事務所(パートナー)、ラクスル株式会社社外取締役(監査等委員)及び平和不動産株式会社社外取締役を兼務しております。当社と株式会社ZOZO、宇都宮・清水・陽来法律事務所、ラクスル株式会社及び平和不動産株式会社との間には特別な利害関係はありません。
c 企業統治において果たす機能及び役割並びに独立性に関する基準又は方針の内容及び選任状況に関する考え方
各監査等委員である社外取締役は、経営、創薬、財務・会計に関する相当程度の知見を有しており、実効性の高い監督・監査機能を果たすことが期待できるものと考えております。
当社は、社外取締役を選任するための独立性に関する基準又は方針として明確に定めたものはありませんが、東京証券取引所の定める独立役員制度を参考にしており、笹岡三千雄氏、長江敏男氏、花房幸範氏及び宇都宮純子氏を同取引所に独立役員として届け出ております。
③ 社外取締役による監督並びに内部統制部門との関係、監査等委員である社外取締役と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携
社外取締役は、取締役会に出席し意見を述べることにより、取締役の業務執行状況を監督し経営の監視機能を果たすとともに、適宜内部統制部門に対する質疑等を行っております。また、監査等委員である社外取締役については、監査等委員会監査基準に基づき監査を実施しております。
内部監査、監査等委員会監査及び会計監査との相互連携については、「(3)監査の状況 ① 監査等委員会の状況」に記載のとおりです。
(3) 【監査の状況】
① 監査等委員会の状況
a. 監査等委員会監査の組織、人員及び手続
監査等委員会の組織、人員及び手続については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)(コーポレート・ガバナンスの概要)②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」並びに「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)(役員の状況)①役員一覧 ②社外役員の状況」をご参照ください。
b. 監査等委員及び監査等委員会の活動状況
当事業年度において当社は監査等委員会を14回開催し、個々の監査等委員の出席状況は次のとおりです。
監査等委員会は、当社における業務の適法、妥当かつ効率的な運営を確保するため、取締役会・その他の重要会議に出席し、意思決定の過程及び内容を確認し、取締役等から職務執行に関する報告を受け、随時質問又は意見を述べ、さらに、経営トップとの積極的な意見交換を行うとともに、主要な決裁並びに業務執行に関する重要書類の閲覧等により業務及び財産状況の調査を行い、取締役等の職務執行の監査・監督を行っています。
常勤監査等委員は監査等委員会が定めた監査の方針、職務の分担等に従い、重要会議への出席、業務執行に関わる報告聴取、会計監査人との連携、取締役との意見交換、重要書類の閲覧等を行っています。
花房幸範は、公認会計士及び税理士の資格を有しており、専門的見地から監査を行っております。
宇都宮純子は、弁護士の資格を有しており、専門的見地から監査を行っております。
内部監査人とは、定期的に内部監査及び財務報告に係る内部統制評価の報告を受け、必要に応じて指示をします。
会計監査人とは、定期的に、また必要に応じて監査の実施経過について報告を受け、積極的な意見及び情報交換を行っています。また、財務報告に係る内部統制評価についても定期的に報告を受けています。
② 内部監査の状況
内部監査については、内部監査人を1名選任しております。計画書に基づいて内部牽制及び法令遵守の状況等の業務全般を監査し、その結果を社長及び被監査部門に報告するとともに、被監査部門に対して改善指示を提示し、改善までのフォローアップ監査を行い、業務改善と従業員の意識向上に繋げております。
内部監査結果は代表取締役社長CEOへの報告を行うとともに、内部監査における業務執行上の問題点・重要事項については、監査等委員会に直接報告を行っております。また、財務報告に係る内部統制の整備・運用に関する監査業務を行い、内部統制機能の向上を図るとともに、適宜監査等委員及び監査等委員会、会計監査人と意見交換を行い、三様監査の体制のもと連携を図り、効率的かつ効果的な監査を実施するように努めております。
③ 会計監査の状況
a. 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b. 継続監査期間
2011年6月期以降
c. 業務を執行した公認会計士
指定有限責任社員 業務執行社員:上野 直樹
指定有限責任社員 業務執行社員:猪俣 雅弘
d. 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士6名、その他16名であります。
e. 監査法人の選定方針と理由
監査等委員会が有限責任 あずさ監査法人を会計監査人とした理由は、同法人の独立性、品質管理体制及びグローバルな監査体制について監査等委員会で定める会計監査人評価・選定基準に基づき検討を行い、適任と判断したためであります。
監査等委員会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合は、監査等委員全員の同意に基づき、会計監査人を解任いたします。この場合、監査等委員会が選定した監査等委員は、解任後最初に招集される株主総会におきまして、会計監査人を解任した旨と解任理由を報告いたします。
また、監査等委員会は、会計監査人の職務の執行状況や当社の監査体制等を勘案して会計監査人の変更が必要であると認められる場合には、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定いたします。
f. 監査等委員及び監査等委員会による監査法人の評価
監査等委員会は、外部会計監査人の監査報告、往査立会などを通じて監査実施内容を把握しており、品質管理システム、監査体制、監査の適切性などの項目を勘案した基準に基づき、毎期監査等委員会審議の中で評価及び再任の決議を行っております。
④ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
(注)上記以外に、前連結会計年度に係る追加報酬の額が10,850千円あります。
b. 監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGグループ)に対する報酬(a.を除く)
該当事項はありません。
c. その他重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
d. 監査報酬の決定方針
監査日数、監査内容及び当社の事業内容・規模等を勘案したうえで決定しております。
e. 監査等委員会が会計監査人の報酬等に同意した理由
取締役会が提案した会計監査人に対する報酬等に対して、当社の監査等委員会が会社法第399条第1項の同意をした理由は、日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況及び報酬見積りの算出根拠等について必要な検証を行った上で、適切であると判断したためであります。
(4) 【役員の報酬等】
① 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針に係る事項
<役員報酬制度の基本方針>
取締役の報酬については、短期業績目標及び中期目標の実現に向けて、優秀な人材の確保と適切な動機づけを可能とし、グローバル企業としてふさわしい水準として決定する方針としております。また市場競争力を担保するため、国内の大手製薬企業をベンチマークとして、国内の大手企業が参加する報酬調査結果等も踏まえて、毎年報酬水準の妥当性を検証しております。
<役員報酬制度の概要>
取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬については、日々の業務執行の対価として、期待される役割・職務を踏まえた固定報酬を支給するとともに、業績目標等の達成状況を踏まえた業績連動報酬を支給しております。業績連動報酬は、固定報酬の0%から120%の範囲で決定され、報酬全体に占める業績連動部分の構成割合が0%から54.5%の範囲となるよう設定しております。また、監査等委員である取締役の報酬については、その職責に鑑み、業績連動報酬制度を採用せず、固定報酬のみとしております。
当社の業績連動報酬については、「株式給付信託(BBT)」と「賞与」の2つを導入しております。「株式給付信託(BBT)」は、業績連動型株式報酬制度として、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)が在任中に付与されたポイントに基づき、退任時に株式と金銭を受け取る仕組みであり、取締役の報酬と当社の業績及び株式価値との連動性をより明確にし、取締役の中長期的な業績の向上と企業価値の増大への貢献意識を高めることを目的としております。一方で「賞与」は、短期的な業績連動報酬として、対象事業年度における業績達成への貢献意識を高めることを目的としております。当社は、取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針を決議しております。
<役員報酬の決定方法>
取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬額については、会社全体の業績等を勘案しつつ、各取締役の評価を行うには代表取締役社長CEOが適しているという理由から取締役会の決議により代表取締役社長CEOリード・パトリックに一任しております。その権限の内容は、取締役の報酬等の決定方針に基づいた個人別の報酬額の決定であります。なお、取締役の報酬額については、独立性及び客観性を担保する観点から、事前に独立社外取締役とその他の取締役で構成される指名・報酬委員会に諮ることとしており、当該委員会からの答申を尊重する形で代表取締役社長CEOが決定していることを取締役会が確認していることから、取締役会はその決定内容が会社の方針に沿うものであると判断しております。
監査等委員である取締役の報酬額の決定については、監査等委員である取締役の協議により決定しております。
② 業績連動報酬に係る指標、その選定理由及び実績
<業績連動報酬の算定方法>
取締役(監査等委員である取締役を除く)の業績連動報酬は、下記の算式により算出しております。
・業績連動報酬=固定報酬×(定量評価係数※1×ウエイト※2 +定性評価係数※1×ウエイト※2)
※1「定量評価係数」及び「定性評価係数」とは、会社の業績指標に対する達成度の評価結果であります。
当社は、取締役の短期的及び中長期的な成果を測るため、業績指標として「定量評価指標」と「定性評価指標」の2つの指標を設定しており、各評価係数は下表に基づいて決定しております。
<定量評価指標/定性評価指標> ※当社見解に基づく/当社作成

「定量評価指標」については、a.連結売上収益成長率(対前年同期間比)、b.連結売上収益業績目標の達成、c.連結Core営業利益業績目標の達成についてあらかじめ達成基準を設定し、それらの達成状況に基づいて達成度(5段階)を決定しております。当連結会計年度においては、連結売上収益成長率(対前年同期間比)は8%以上、連結売上収益業績目標は30,000百万円以上、連結Core営業利益業績目標は6,700百万円以上をそれぞれ基準として設定しておりました。
「定性評価指標」については、以下の8項目をあらかじめ指標として設定し、各項目について指名・報酬委員会の各委員が独立に評価を行った上で、それらに基づく総合評価及び協議により達成度(7段階)を決定しております。
・無形資産の構築に関する項目
a. 研究開発パイプラインの価値向上
b. 新たなアライアンス契約・パートナー先の拡大
c. 新たな基盤技術の構築、知的財産の権利化に関する取り組み
d. ESG(サステイナビリティ・人的資本)に関する取り組み
・資産喪失及びリスク回避に関する項目
e. 法的リスクの回避・解決
f. 事業継続性及びBCPに関する取り組み
g. 企業レピュテーションに関する取り組み
h. コスト最適化に関する取り組み
また、上記に加えて、特筆すべき要素が発生した場合には、協議により達成度(6段階)を決定しております。
※2「定量評価係数」及び「定性評価係数」のウエイトについては、経営環境等から総合的な検討を行った上で、指名・報酬委員会において年度ごとに適切な水準をあらかじめ決定しております。
当事業年度においては、「定量評価係数」のウエイトは70%、「定性評価係数」のウエイトは50%として設定しておりました。
<業績連動報酬に係る各評価指標の達成状況及び実績>
定量評価指標については、当連結会計年度において連結売上収益成長率(対前年同期間比)は6.9%、連結売上収益28,712百万円、連結Core営業利益7,165百万円となり、あらかじめ設定した達成基準のうち、連結Core営業利益については達成したことから定量評価係数は0.5と決定いたしました。
定性評価指標については、各項目について指名・報酬委員会で検討した結果、定性評価係数は0.76と決定いたしました。従いまして、当連結会計年度における業績連動報酬は固定報酬の73%と決定いたしました。
③ 指名・報酬委員会に係る事項
<指名・報酬委員会の役割、活動内容>
指名・報酬委員会は、取締役会の諮問機関として、取締役の報酬等の決定方針、取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬等の決定方針とその原案に関する審議を実施しております。
当事業年度の役員報酬については、以下のとおり審議いたしました。
・2023年2月14日:個人別の役員固定報酬額の原案の決定
・2023年3月23日:当社グループのインセンティブ制度に関する審議
・2023年4月18日:2023年度の業績連動報酬の算出方法の決定
・2023年6月20日:役員報酬のベンチマークについての審議
・2023年12月15日:業績連動報酬算定に向けた定性評価の審議
・2024年1月24日:業績連動報酬金額の原案の決定
<指名・報酬委員会の構成員>
有価証券報告書提出日現在、指名・報酬委員会を構成する委員長及び委員は以下のとおりです。
委員長:独立社外取締役(笹岡三千雄独立社外取締役)
委 員:社内取締役2名(リード・パトリック代表取締役社長CEO、金城聖文取締役副社長CFO)
独立社外取締役3名(笹岡三千雄独立社外取締役、長江敏男独立社外取締役、花房幸範独立社外取締役)
④ 役員の報酬等に関する株主総会の決議
当社の役員報酬については、株主総会決議により取締役及び監査等委員である取締役それぞれの報酬等の限度額を決定しております。取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬については、2015年9月18日開催の第9回定時株主総会において、報酬限度額を年額1,000百万円以内(うち社外取締役分は100百万円以内)と定めております。なお、かかる決議の対象となる取締役(監査等委員である取締役を除く。)は、当該決議時点において5名(うち社外取締役1名)となります。また、これとは別枠で取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く。)の業績連動型株式報酬については、2021年3月25日開催の第15回定時株主総会において、信託に拠出する上限額(3事業年度を対象)を300百万円、かつ付与される1事業年度当たりのポイント数の合計の上限を16,666ポイント(33,332株)と定めております。なお、かかる決議の対象となる取締役(監査等委員である取締役を除く。)は、当該決議時点において3名となります。
監査等委員である取締役の報酬については、2015年9月18日開催の第9回定時株主総会において、報酬限度額を年額200百万円以内と定めております。なお、かかる決議の対象となる監査等委員である取締役は、当該決議時点において3名となります。
⑤ 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
⑥ 役員ごとの報酬等の総額等
(注) 報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しております。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当によって利益を受けることを目的とする銘柄を純投資目的と区分し、それ以外を目的とする銘柄を純投資目的以外の目的として区分しております。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
a.保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、取引先との安定的・中長期的な取引関係の維持・強化等により、当社の中長期的な企業価値の向上に資することを目的として、政策的に必要であると判断する株式について保有していく方針です。世界中の高い技術力を有する創薬企業・バイオベンチャー企業及びアカデミア等の研究機関と戦略的提携を組むことで、自社の医薬品候補化合物の拡充を図ることが狙いです。
個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容につきましては、継続的に保有先企業との共同研究開発状況並びに保有先企業の財政状態及び経営成績の状況についてモニタリングを実施すると共に、計画と実績の乖離状況や、当社との共同研究開発等の進捗からリスクを踏まえて保有の合理性及び必要性を検討し、政策保有の継続の適否について定期的に検討を行っております。
b.銘柄数及び貸借対照表計上額
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
c.特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
(注)1.定量的な保有効果につきましては記載が困難でありますが、当社保有の政策保有株式について、配当及び取引額等に加え、戦略上の重要性や事業上の関係等を総合的に勘案したうえで、取締役会において保有の合理性を検証しております。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第93条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2.監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2023年1月1日から2023年12月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けております。
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っております。その内容は以下のとおりであります。
(1) 会計基準等の内容を適切に把握し、又は会計基準等の変更等について的確に対応できる体制を整備するため、
IFRSに関する十分な知識を有した従業員を配置するとともに、公益財団法人財務会計基準機構に加入し、同機構及
び監査法人等が主催するセミナー等に参加する等を行っております。
(2) IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把
握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方
針及び会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書】
③ 【連結包括利益計算書】
(注) 上記の計算書の項目は税引後で開示しております。
その他の包括利益の各内訳項目に関連する法人所得税は注記「28.その他の包括利益」にて開示しております。
④ 【連結持分変動計算書】
⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
⑥【連結財務諸表注記】
1.報告企業
ペプチドリーム株式会社(以下、「当社」)は日本に所在する企業であります。その登記されている本社及び主要な事業所の住所はホームページで開示しております。当社の連結財務諸表は、2023年12月31日を期末日とし、当社及びその子会社(以下、「当社グループ」)並びに関連会社及び共同支配の取り決めに対する持分により構成されております。
当社グループは、当社独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPSを中核とした創薬開発基盤技術を活用し、国内外の製薬企業との共同研究開発等を通じて、新しい医薬品候補化合物の研究開発を行っております。また、当連結会計年度に富士フイルム富山化学株式会社から取得した放射性医薬品事業により、放射性医薬品領域の経営も進めております。各事業の詳細については、「5.セグメント情報」に記載しております。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2の「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、国際会計基準(以下、IFRS)に準拠して作成しております。
本連結財務諸表は、2024年3月27日に取締役会によって承認されております。
(2) 測定の基礎
当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要な会計方針」に記載のとおり、公正価値で測定されている特定の金融商品及び退職後給付制度に係る資産・負債等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、千円未満を切り捨てして表示しております。
(4) 新基準の早期適用
該当事項はありません。
(5) 適用されていない新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設又は改訂は以下のとおりであり、当連結会計年度末(2023年12月31日)において、当社グループはこれらを早期適用しておりません。
当社グループは上記に示した適用年度において、これらの基準書を適用します。
未適用の基準等については当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすものはないと判断しております。
3.重要な会計方針
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しております。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めております。子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが当該企業に対し、財務及び営業の方針に重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。
関連会社への投資は、取得時には取得原価で認識され、以後は持分法によって会計処理しております。
関連会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社の財務諸表に調整を加えております。
③ 共同支配企業
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が経済活動に対する契約上合意された支配を共有し、その活動に関連する戦略的な財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者すべての合意を必要とする企業をいいます。当社グループが有する共同支配企業については、持分法によって会計処理しております。
④ ストラクチャード・エンティティ(組成された事業体)
ストラクチャード・エンティティとは、支配の決定に際して議決権又は類似の権利が決定的な要因とならないように設計された企業のことです。当社グループが運営を支配し連結しているストラクチャード・エンティティとして、役員及び従業員向け株式交付信託制度に基づき設定された株式給付信託があります。
(2)企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する持分金融商品の取得日の公正価値の合計として測定しております。また、移転された対価には、条件付対価の取決めから生じた資産又は負債の公正価値も含めております。企業結合において取得した識別可能な資産並びに引き受けた負債及び偶発負債は、当初、原則として取得日の公正価値で測定しております。
取得対価が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において差額を純損益として認識しております。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する取引費用は、発生時に費用処理しております。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した連結会計年度末までに完了していない場合は、完了していない項目を暫定的な金額で報告しております。取得日時点に存在していた事実と状況を、取得日当初に把握していたとしたら認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下、測定期間)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しております。測定期間は最長で1年間であります。
(3)外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの各会社はそれぞれの財務諸表をその会社の機能通貨を用いて作成しております。当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としております。
② 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートで当社グループの各社の機能通貨に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。
公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。これらの換算又は決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定する資本性金融商品については、その他の包括利益として認識しております。
(4)金融商品
① 金融資産(デリバティブを除く)
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について契約の当事者となった時点で当初認識し、(a)償却原価で測定する金融資産、(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、(c)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品、(d)純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される金融資産は公正価値で測定しておりますが、それ以外の金融資産は公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。また、重大な金融要素を含まない営業債権は、取引価格で当初測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
以下の要件をともに満たす場合には、負債性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
・当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的とする事業モデルにおいて保有している場合
・契約条件が、特定された日に元本及び元本残高に係る利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる場合
なお、当社グループは、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に該当するものはありません。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
投資先との取引関係の維持又は強化を主な目的として保有する株式などの資本性金融商品については、当初認識時にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定し、当該指定を継続的に適用しております。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
上記(a)、(b)及び(c)以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
なお、当社グループは、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に該当するものはありません。
(ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法を適用した総額の帳簿価額から損失評価引当金を控除して測定しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
当初認識後は公正価値で測定し、事業的な変動のうち、為替差損益、減損利得又は減損損失、実効金利法に基づく受取利息は純損益に認識し、その他の変動は、その他の包括利益に含めて認識しております。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
株式などの資本性金融商品の公正価値の事後的な変動額はその他の包括利益として認識しております。当該金融商品を処分した場合は、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額をその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。
なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益に含めて当期の純損益として認識しております。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額は純損益として認識しております。
(ⅲ) 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産の予想信用損失について、損失評価引当金を計上しております。
損失評価引当金は、期末日ごとに測定する金融資産に係る信用リスクが当初認識時点以降に著しく増大しているかどうかの評価に基づき測定しております。
期末日時点で金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12ヶ月の予想信用損失と同額で測定しております。一方で、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。ただし、重大な金融要素のない営業債権については、常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。
信用リスクの著しい増大の有無は、債務不履行発生のリスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行とは、債務者による契約上のキャッシュ・フローの支払いに重大な問題が生じ、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない状態と定義しております。債務不履行発生のリスクに変化があるかどうかの判断においては、主に外部・内部の信用格付けの変動、期日経過の情報等の入手可能で合理的かつ裏付け可能な情報を考慮しております。
予想信用損失は、契約上のキャッシュ・フローと回収可能なキャッシュ・フローとの差額に基づいており、見積りに際しては、信用情報の変化、過去の貸倒実績、発行者又は債務者の財政状態並びに将来予測に関する入手可能で合理的かつ裏付け可能な情報を含んでおります。
支払遅延の存在、支払期日の延長、外部信用調査機関による否定的評価、債務超過等悪化した財政状況や経営成績の評価を含む、一つ又は複数の事象が発生している場合には、信用減損が生じた金融資産として個別的評価を行い、主に過去の貸倒実績や将来の回収可能額等に基づき予想信用損失を測定しております。信用減損が生じていない金融資産については、主に過去の貸倒実績に必要に応じて現在及び将来の経済状況等を踏まえて調整した引当率等に基づく集合的評価により予想信用損失を測定しております。
金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、当該金額を損失評価引当金と相殺して帳簿価額を直接減額しています。
減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を純損益として戻入れております。
(ⅳ) 金融資産の認識の中止
当社グループの金融資産は、キャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合において、金融資産の認識を中止しております。当社グループが、移転した当該金融資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与を有している範囲において、資産と関連する負債を認識いたします。
② 金融負債(デリバティブを除く)
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、金融負債について契約の当事者となった時点で当初認識し、(a)償却原価で測定する金融負債、(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債、(c)企業結合において認識した条件付対価のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しておりますが、それ以外の金融負債は公正価値で当初測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債については、実効金利法による償却原価で測定しております。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融費用の一部として当期の純損益として認識しております。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債については、公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しております。
(c) 企業結合において認識した条件付対価
企業結合において認識した条件付対価については、公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止いたします。
③ デリバティブ
当社グループでは、為替変動リスクをヘッジするために、為替予約のデリバティブ取引を行っております。デリバティブは公正価値で当初認識し、当初認識後も公正価値で再測定しております。デリバティブの公正価値の変動は純損益として認識しております。
④ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的権利を有し、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6)棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額であります。取得原価は、主として先入先出法に基づいて算定されており、購入原価、加工費及び現在の場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでおります。
(7)有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産については、有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び土地の原状回復費用を含めることとしております。
有形固定資産の重要な構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個(主要構成要素)の有形固定資産項目として会計処理をしております。
取得後コストは、当該項目に関連する将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、かつ、当該項目の取得原価が信頼性をもって測定できる場合には、当該資産の帳簿価額に含めるか、又は適切な場合には個別の資産として認識しております。その他の修繕及び維持費は、発生時に費用として認識しております。
有形固定資産は処分時点、もしくは使用又は処分による将来の経済的便益が期待できなくなった時点で認識を中止しております。有形固定資産の認識の中止から生じる利得又は損失は、正味処分対価と資産の帳簿価額との差額として算定され、認識の中止時点で純損益として認識しております。当社グループは、有形固定資産の認識の中止から生じる利得又は損失は、連結損益計算書の「その他の収益」又は「その他の費用」に計上しております。
② 減価償却費
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、主として定額法で計上されています。土地及び建設仮勘定は償却しておりません。
主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物 2-50年
・構築物 2-45年
・機械装置 2-16年
・車両運搬具 2-6年
・工具器具及び備品 2-20年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)のれん及び無形資産
① のれん
子会社の取得により生じたのれんは、連結財政状態計算書上、取得原価から減損損失累計額を控除した帳簿価額で計上しております。
のれんは、取得対価が取得日時点における識別可能な資産及び負債の正味価額を上回る場合に、その超過額として測定しております。この差額が負の金額である場合には、直ちに純損益として認識しております。
のれんの償却は行わず、毎年同時期又は減損の兆候が存在する場合には、その都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は連結損益計算書において認識され、その後の戻入れは行っておりません。
② 無形資産
(a) 認識及び測定
当社グループは、無形資産の測定において原価モデルを採用し、個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合により認識された無形資産は、取得日の公正価値で当初認識しております。また、当社グループは、個別に取得した仕掛中の研究開発投資を、以下の認識要件を満たした場合に資産として認識しております。
・将来の経済的便益をもたらす蓋然性が高いこと
・取得原価について信頼性をもって測定できること
他社から仕掛中の研究開発投資を取得する際の支出(契約一時金及びマイルストーンフィー)は、無形資産の認識要件を満たす場合には、無形資産として認識しております。
一方、内部発生の研究活動に係る支出は、発生時に純損益として認識しております。内部発生の開発活動に係る支出費用は以下の全ての条件を満たしたことを立証できる場合のみ、資産計上しており、そうでない場合は、発生時に純損益で認識しております。
・使用又は売却に利用できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
・無形資産を完成させて、使用するか又は売却するという意図
・無形資産を使用又は売却できる能力
・無形資産が可能性の高い将来の経済的便益を創出する方法
・開発を完成させて、無形資産を使用するか又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
・開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力
資産計上した開発費用は当初認識後、取得価額から償却累計額及び減損損失累計額を差し引いて測定しております。
(b) 償却
のれん以外の無形資産は、当初認識後、耐用年数を確定できない無形資産を除いて、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却され、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した帳簿価額で計上されます。
主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウェア 3-10年
・商標権 10年
・販売権 8年
・技術関連資産 20年
なお、見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
耐用年数を確定できない無形資産及びいまだ使用可能でない無形資産については償却を行わず、毎年同時期又は減損の兆候が存在する場合には、その都度、減損テストを実施しております。
(9)リース
借手のリース
当社グループは、契約の締結時に契約がリースであるか又はリースを含んでいるかを判定しております。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判断しております。
当社グループは、借手としてのリース取引について、リース開始日にリース負債を未払リース料総額の現在価値で測定しております。未払リース料総額の現在価値の算定にあたって使用する割引率として、リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの追加借入利子率を用いており、一般的に、当社グループは追加借入利子率を割引率として使用しています。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っております。使用権資産は、耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって定額法で減価償却を行っております。リース料支払額は、利息法に基づき金融費用とリース負債の返済額に配分し、金融費用は連結損益計算書において認識しております。
リース期間は、リースの解約不能期間に、行使することが合理的に確実な延長オプション又は行使しないことが合理的に確実な解約オプションの期間を加えて決定しております。
ただし、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料総額をリース期間にわたって定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより認識しております。
(10)非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社の非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数を確定できない、又は未だ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を減損の兆候が存在する都度及び毎年同じ時期に見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いております。減損テストにおいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しております。のれんの減損テストを行う際には、のれんが配分される資金生成単位を、のれんが関連する最小の単位を反映して減損がテストされるように統合しております。企業結合により取得したのれんは、結合のシナジーが得られると期待される資金生成単位に配分しております。
当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成しません。全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を見積もっております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合に純損益として認識します。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額します。
のれんに関連する減損損失は戻入れしません。その他の資産については、過去に認識した減損損失は、毎期末日において損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を評価しております。回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れます。減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費及び償却額を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として戻入れます。
(11)従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定拠出制度と確定給付制度を採用しております。
(a) 確定拠出制度
確定拠出制度に支払うべき拠出額を、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として計上しております。
(b) 確定給付制度
当社グループは、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて算定しております。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、その割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。
確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除して算定しております。
確定給付制度の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。
制度改訂又は縮小により生じた過去勤務費用は、発生時に純損益として認識しております。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として計上しております。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的もしくは推定的な債務を負っており、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づき見積られる額を負債として認識しております。
(12)株式報酬
① ストック・オプション
当社グループは、役員及び従業員に対するインセンティブ制度として、持分決済型のストック・オプション制度を導入しております。ストック・オプションは付与日における公正価値で測定しており、ストック・オプションの公正価値は、ブラック・ショールズモデル等を用いて算定しております。
ストック・オプションの付与日に決定した公正価値は、最終的に権利が確定すると予想されるストック・オプションの数の見積りに基づき、権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
② 株式給付信託(BBT及びJ-ESOP)
当社グループは、業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(BBT(=Board Benefit Trust))」を導入しております。また、当社の株価や業績と従業員の処遇の連動性をより高め、経済的な効果を株主の皆様と共有することにより、株価及び業績向上への従業員の意欲や士気を高めるため、従業員に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」を導入しております。
上記の株式報酬制度は、持分決済型の株式報酬に該当し、受領した役務及び対応する資本の増加を付与日における(資本性金融商品の)公正価値で測定し、権利確定期間にわたって費用として計上したうえで、同額を資本の増加として認識しております。付与日における公正価値は、株式の市場価格に予想配当利回りを考慮に入れて修正し、算定しております。
(13)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識します。引当金は、貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識します。
賃借契約終了時に原状回復義務のある賃借事務所等の原状回復費用見込額について、資産除去債務として引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しております。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しております。
(14)収益
当社グループでは、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除く顧客との契約について、顧客への財又はサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で以下のステップを適用することにより、収益を認識しております。なお、顧客との契約における対価に変動対価が含まれている場合には、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めております。取引価格について、変動対価の額に重要性はありません。
また、取引の対価は履行義務を充足してから主として1年以内に受領しており、重大な金融要素は含んでおりません。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
当社グループは、創薬開発事業として、第三者との間で締結した創薬共同研究開発契約やライセンス契約に基づき収益を得ております。また、放射性医薬品事業として、診断用放射性医薬品(SPECT用診断薬、PET用診断薬)及び治療用放射性医薬品等の製品の販売に基づき収益を得ております。
顧客に移転を約束した製品又はサービスの内容及び収益認識方法は次のとおりです。
① 製品の製造・販売・物流
顧客との契約に基づき、製品の引渡時点において、顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で算定しております。当社グループの製品の販売契約における対価は、顧客との契約に基づき、顧客へ製品を引渡時点から主として1ヶ月~4ヶ月で代金を回収しております。
製品の輸出入手続きや国内での製造、販売、物流等の業務を提供する場合等で、顧客との契約に基づき一定の契約期間にわたってサービスを提供することを履行義務とする取引については、当社グループが顧客との契約における義務を履行するにつれて、顧客が便益を享受すると判断しており、契約期間にわたり一定の期間で収益を認識しております。製品の輸出入手続きや国内での製造、販売、物流等の業務を提供するにおける対価は、顧客との契約に基づき、顧客へ役務提供時点から主として1年内に代金を回収しております。
② 契約一時金、マイルストーンフィー及びロイヤルティーによる収入
当社グループは、当社の独自技術であるPDPSライセンスを活用した事業を行っており、当該ライセンスに係る契約一時金、マイルストーンフィー及び売上高ベースのロイヤルティーに係る収益を認識しております。当該ライセンスは他の財又はサービスと区分され、また、当社グループは顧客が権利を有する知的財産に著しく影響を与える活動を行う予定はないため「使用権」に該当すると判断しております。
契約一時金は、顧客にライセンスを付与した時点で、ライセンスから便益を享受することが可能になり、ライセンスに対する支配が顧客に移転することから、履行義務を充足していると考えており、収益を認識しております。
マイルストーン収入は、事後に重大な戻入れが生じる可能性を考慮し、契約上定められたマイルストーンが達成された時点で収益として認識しております。
また、売上高ベースのロイヤルティーに係る収益は、算定基礎となる売上が発生した時点と売上高ベースのロイヤルティーが配分されている履行義務が充足される時点のいずれか遅い時点で収益を認識しております。
契約一時金は、顧客との契約に基づき、契約時点から主として1ヶ月~3ヶ月で代金を回収しており、マイルストーン収入は、顧客との契約に基づき、マイルストーンが達成された時点から主として1ヶ月~3ヶ月で代金を回収しております。
③ 研究開発支援金
研究開発支援においては、顧客からの依頼に基づき、契約期間にわたって研究開発業務を提供することを履行義務としております。当社グループが当該研究開発に係る業務を履行するにつれて研究成果を創出し、契約期間にわたって支配が移転するため、その期間にわたって履行義務が充足されると判断していることから、一定の期間にわたって定額で収益を認識しております。また、収益の金額は、契約時に事前に顧客との間で取り決めることから、顧客との契約において約束された対価に基づいて算定しております。研究開発支援における対価は、顧客との契約に基づき、研究開発業務の提供前に一括で対価を受領するか、又は研究開発業務の提供時点から主として1ヶ月~3ヶ月で代金を回収しております。
④ 技術アップデートフィー
顧客に対して実施許諾したPDPS技術ライセンスの技術に関するアップデートサービスについては、契約に基づくサービス提供期間にわたってアップデートサービスを提供することを履行義務としております。当該技術アップデートサービスについては、当社グループがサービス提供期間にわたって支配が移転するため、その期間にわたって履行義務が充足されると判断していることから、一定の期間にわたって定額で収益を認識しております。技術アップデートサービスにおける対価は、顧客との契約に基づき、サービス提供前に一括で対価を受領するか、又は技術アップデートサービスの提供時点から主として1ヶ月~3ヶ月で代金を回収しております。
なお、一括で受領した対価について、上記のPDPSライセンスを活用した事業と研究開発支援の事業に係る対価が含まれる場合があります。その場合、PDPSライセンスを活用した事業に係る履行義務と、研究開発支援に係る履行義務に区分し、独立販売価格の比率で各履行義務に配分した上で、それぞれ収益を認識しております。
(15)政府補助金
補助金交付のための条件を満たし、補助金を受領することに合理的な保証がある場合は、補助金収入を公正価値で測定し、認識しております。発生した費用に対する補助金は、費用の発生と同じ連結会計年度に収益として計上しております。
資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。
(16)法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
① 当期税金
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局から還付が予想される金額で測定されます。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、連結会計年度末日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法に従っております。
② 繰延税金
繰延税金は、決算日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、すべての将来減算一時差異について認識されます。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識されます。
繰延税金資産及び負債は、連結会計年度末日において制定されている、又は実質的に制定されている法定税率及び税法に基づいて資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定されます。
繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
当社グループは当連結会計年度中にグループ通算制度の承認申請を行い、翌連結会計年度からグループ通算制度が適用されることとなったため、当連結会計年度よりグループ通算制度の適用を前提とした会計処理を行っております。
(17)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する全ての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(18)セグメント情報
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位であります。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、当社の取締役会が定期的にレビューしております。
(19)株主資本
① 普通株式
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本から控除しております。
② 自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は、資本として認識されます。
(20)借入コスト
適格資産、すなわち意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を要する資産に関して、その資産の取得、建設又は生産に直接起因する借入コストは、当該資産の取得原価の一部として資産化しております。その他の借入コストは全て、発生した期間に費用として認識しております。
4.重要な会計上の見積り及び判断
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は当社グループの会計方針の適用、資産・負債・収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り並びに仮定の設定を行っております。これらの見積り及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、報告日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。また、見積り及び仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの変更は、見積りが変更された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
翌連結会計年度において資産や負債の帳簿価額の重要な修正につながるリスクを伴う見積りを行った項目は以下のとおりであります。
① のれんを含む非金融資産の減損
当社グループは、非金融資産(棚卸資産及び繰延税金資産を除く)について、回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。ただし、のれん及び耐用年数を確定できない又は未だ使用可能ではない無形資産については、毎年同時期及び減損の兆候を識別した時に減損テストを実施しております。減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは見込まれる営業成績に対しての著しい実績の悪化、取得した資産の用途の著しい変更ないし戦略全体の変更、業界トレンドや経済トレンドの著しい悪化等が含まれます。
のれんについては、事業の種類に基づいて識別された資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、毎年同時期及び減損の兆候を識別した時に、減損テストを行っております。減損テストにおける回収可能価額の算定においては、資産の耐用年数、将来キャッシュ・フロー、当該資産の固有のリスクを反映した割引率及び長期成長率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果により影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
回収可能価額の算定方法については、注記「12.有形固定資産」及び「13. のれん及び無形資産」に記載しております。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。繰延税金資産の認識に際しては、課税所得が生じる可能性の判断において、将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、金額を算定しております。
当該見積りの基礎となる課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済条件の変動などにより、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、繰延税金資産の回収可能性の評価が異なる可能性があります。
当社グループは当連結会計年度中にグループ通算制度の承認申請を行い、翌連結会計年度からグループ通算制度が適用されることとなったため、当連結会計年度よりグループ通算制度の適用を前提とした会計処理を行っております
繰延税金資産に関連する内容及び金額については、注記「19.法人所得税」に記載しております。
③ 金融商品の公正価値
当社グループは、非上場株式等金融商品の公正価値を評価する際に市場における観察可能でないインプットを利用する評価技法を使用しております。観察可能でないインプットを含む評価技法によって算定される公正価値は、適切な基礎率及び採用する計算モデルの選択等の仮定を前提としております。観察可能でないインプットは、将来の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある不確実な将来の経済状況の変化により影響を受ける可能性があります。
金融商品の評価に関連する詳細は、注記「32.金融商品の公正価値」に記載しております。
5.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社は、前第1四半期連結累計期間の2022年3月28日において、富士フイルム富山化学株式会社から放射性医薬品事業を吸収分割により承継する新会社であるPDRファーマ株式会社の株式を100%取得したことに伴い、前第2四半期連結会計期間以降において、当社の取締役会は、経営資源の配分の決定及び業績の評価をするために、「創薬開発事業」と「放射性医薬品事業」の2つの報告セグメントを定期的にモニタリングしております。そのため、前第2四半期連結会計期間以降当社グループは、「創薬開発事業」と「放射性医薬品事業」の2つの報告セグメントに区分しております。
(報告セグメントの内容)
(2) セグメント収益及び業績
当社グループの報告セグメントによる収益及び業績は以下のとおりであります。なお、セグメント間の売上収益は、市場実勢価格に基づいております。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注)1.企業結合関連費用には、企業結合による取得関連費用368,122千円及び企業結合により新たに取得した無形資産の償却費67,500千円が含まれております。
2.減価償却費及び償却費には買収無形資産の償却費を含めております。有形固定資産及び無形資産の減価償却費及び償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれております。売上原価として計上されている減価償却費及び償却費は、1,309,140千円、販売費及び一般管理費として計上されている減価償却費及び償却費は、298,716千円、研究開発費として計上されている減価償却費及び償却費は、365,523千円であります。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注)1.企業結合関連費用には、企業結合により取得した無形資産の償却費90,000千円が含まれております。
2.減価償却費及び償却費には買収無形資産の償却費を含めております。有形固定資産及び無形資産の減価償却費及び償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれております。売上原価として計上されている減価償却費及び償却費は、1,689,079千円、販売費及び一般管理費として計上されている減価償却費及び償却費は、356,175千円、研究開発費として計上されている減価償却費及び償却費は、387,927千円であります。
(3) 製品及びサービスに関する情報
製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。
(4) 地域別に関する情報
売上収益及び非流動資産の地域別内訳は以下のとおりであります。
① 外部顧客からの売上収益
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
② 非流動資産
国内所在地に帰属する非流動資産の帳簿価額が、連結財政状態計算書の非流動資産の全てを占めているため、地域別の非流動資産の記載を省略しております。
(5) 主要な顧客に関する情報
前連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)
(注) 1.当社顧客との共同研究開発契約においては秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせて頂きます。
2.乙社について3,846,995千円は創薬開発事業、291,516千円は放射性医薬品事業にかかる売上収益であります。
当連結会計年度(自 2023年1月1日至 2023年12月31日)
6.企業結合
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
富士フイルム富山化学株式会社の放射性医薬品事業の取得
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称及び事業の内容
当社は、富士フイルム富山化学株式会社から放射性医薬品事業を吸収分割により承継する新会社であるPDRファーマ株式会社の株式を100%取得し、当社の子会社としました。
② 企業結合を行った主な理由
当社は、当社独自の創薬開発プラットフォームであるPDPSを活用し、環状ペプチドを用いた創薬に加えて、ヒットペプチドを介して得られるファーマコフォア情報を用いた低分子創薬及びPDCへの展開を進めております。PDCは、放射性核種・核酸(siRNAやDNA等)・抗体・タンパク質・ペプチド・低分子化合物等のペイロードを生体内の特定の部位や臓器に送達するキャリアとして特殊環状ペプチドを活用し、治療が必要な細胞・組織への選択的な薬物の送達を可能とすることで、健康な細胞・組織への影響や副作用を最小限に抑えながら、治療効果の最大化を狙う創薬アプローチであります。当社では、このPDCの活用用途の拡大を積極的に進めてまいりましたが、その中でも、放射性医薬品領域におけるPDCの活用については、次世代放射性核種との組み合わせにより、今後さまざまな疾患に対する診断薬・治療薬としての開発ポテンシャルを有することから、この領域でのPDCの活用を重要戦略の一つと位置付けてまいりました。
他方、PDRファーマ株式会社は放射性医薬品領域においては国内の放射性医薬品リーディングカンパニーの一社としてSPECT用診断薬、PET用診断薬、放射性治療薬を提供しております。PDRファーマ株式会社を当社の子会社とすることで、当社が有するPDC技術と放射性医薬品の研究開発から製造販売までの実績・ノウハウを組み合わせることにより、放射性医薬品の創製、研究開発から製造販売まで一気通貫で最適化された新たなプラットフォームを構築することが可能となります。
放射性医薬品領域は、技術革新が進む次世代放射性核種と選択的なデリバリー技術の組み合わせにより、今後治療と診断の両分野において、ますます臨床応用の範囲が拡大していくものと想定しております。放射性医薬品領域におけるPDC事業のさらなる拡大と開発スピードの加速、並びに当該領域のグローバルネットワークにおける中心的ハブの実現を目指しております。
③ 取得日
2022年3月28日
④ 被取得企業の支配の獲得方法
現金を対価とした株式の取得
(2) 取得対価の公正価値及びその内訳
(注)1.当第2四半期連結会計期間において、運転資本の変動等に応じた価格調整を行っており、157,895千円の追加の支払いを行っております。なお、当該取得対価の金額は確定しております。
2.当企業結合に係る取得関連費用は394,997千円であり、「販売費及び一般管理費」にて費用処理しております。なお、前連結会計年度に費用として認識した取得関連費用は26,875千円、当連結会計年度に費用として認識した取得関連費用は368,122千円です。
3.契約の一部として、最大6,000,000千円の支払いが発生する条件付対価が付されております。当社グループとして、達成可能性等を見積もった結果、取得日時点においては条件付対価を認識しておりません。条件付対価の詳細は、注記「32.金融商品の公正価値」に記載しております。
(3) 取得日現在における支払対価、既保有持分、取得資産及び引受負債の公正価値
(注)1.取得対価は、支配獲得日における公正価値を基礎として、取得した資産及び引き受けた負債に配分しております。取得原価の配分について、当第1四半期連結会計期間においては暫定的な会計処理を行っておりましたが、当第3四半期連結会計期間に確定しています。この暫定的な会計処理の確定に伴い新たな情報を反映させた結果、取得原価の当初配分額を見直し以下のとおり遡及修正しております。
2.取得した債権の公正価値、契約上の未収金額及び、回収不能見込額取得した営業債権及びその他の債権の公正価値4,491,435千円について、契約金額の総額は4,491,435千円であり、回収不能と見込まれるものはありません。
3.取得した無形資産
無形資産に配分された主要な内訳は、技術関連資産1,800,000千円です。技術関連資産は20年で均等償却しております。
4.のれん
のれんは、個別に認識要件を満たさない、取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力です。認識されたのれんのうち、税務上損金算入が見込まれるものはありません。
(4) 取得に伴うキャッシュ・フロー
(5) 業績に与える影響
当社グループの連結損益計算書には、取得日以降に被取得企業から生じた売上収益11,446,321千円、及び当期利益3,543,572千円が含まれております。
(6) 企業結合が期首に完了したと仮定した場合の連結に与える影響(プロフォーマ情報)
企業結合が期首に実施されたと仮定した場合、当連結会計年度における当社グループの売上収益及び当期利益は、それぞれ30,763,721千円、7,664,830千円であったと算定されます。このプロフォーマ情報は概算額であり監査証明を受けておりません。また、当該情報は必ずしも将来起こりうるべき事象を示唆するものではありません。また、実際に出資が期首時点に行われた場合の当社グループの経営成績を示すものではありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財政状態計算書における「現金及び現金同等物」の残高と連結キャッシュ・フロー計算書における「現金及び現金同等物」の期末残高は一致しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、引出制限のある重要な現金及び現金同等物は有しておりません。
現金及び現金同等物は償却原価で測定する金融資産に分類しております。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりであります。
営業債権及びその他の債権は償却原価で測定する金融資産に分類しております。
9.その他の金融資産
(1) その他の金融資産の内訳
その他の金融資産の内訳は以下のとおりであります。
(2) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
株式等は資本性金融商品であり、取引先との関係維持、強化による収益基盤の拡大を目的として保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
当該金融資産の主な銘柄及び公正価値は次のとおりであります。
(注)モジュラス株式会社は、2024年3月11日にアリヴェクシス株式会社へ社名変更しております。
(3) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の認識の中止
当社グループは、資産の効率化や取引関係の見直し等を目的として、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の一部を売却することにより、認識を中止しております。
各連結会計年度における売却時の公正価値及びその他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失は以下のとおりであります。
(4) 利益剰余金への振替
当社グループでは、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定した資本性金融商品に対する投資は、その認識を中止した場合あるいは公正価値が著しく下落し、かつ回復可能性がないと認められる場合にはその他の包括利益として認識されていた累積利得又は損失を利益剰余金に振り替えることとしております。利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得又は損失(税引後)は、前連結会計年度はありません。当連結会計年度は936,989千円です。
10.棚卸資産
棚卸資産の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において12ヶ月より後に回収が見込まれる予定の棚卸資産、負債の担保に差し入れている棚卸資産はありません。
期中に費用として認識された棚卸資産の金額は、前連結会計年度6,965,363千円(うち、売上原価に含まれる原材料及び製品仕入は3,104,446千円)、当連結会計年度が10,014,898千円(うち、売上原価に含まれる原材料及び製品仕入は4,224,206千円)であります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、費用として認識された棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ95,497千円、195,790千円です。
11.その他の資産
その他の資産の内訳は以下のとおりであります。
12.有形固定資産
(1) 帳簿価額の増減表
有形固定資産の取得価額、減価償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額の増減は以下のとおりです。
取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
有形固定資産の帳簿価額の増減は以下のとおりであります。
(注)1.建設仮勘定には、建設中の有形固定資産に関する支出額が含まれております。
2.有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれております。
3.前連結会計年度の企業結合による取得は、富士フイルム富山化学株式会社から放射性医薬品事業を吸収分割により承継する新会社の株式を取得したことによるものです。企業結合の詳細は「6.企業結合」に記載しております。
4.有形固定資産の取得原価に含めた借入コストはありません。
5. リースの解約に伴う減少を含めております。
(2) 使用権資産の帳簿価額の内訳
使用権資産の帳簿価額の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度(2022年12月31日)
(注) 使用権資産の増加は、656,194千円です。
当連結会計年度(2023年12月31日)
(注) 使用権資産の増加は、82,788千円です。
13.のれん及び無形資産
(1) 帳簿価額の調整表
のれん及び無形資産の取得価額、償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額の増減は以下のとおりです。
取得原価、償却累計額及び減損損失累計額
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
帳簿価額
(注) 1.無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれております。
2.前連結会計年度の企業結合による取得は、富士フイルム富山化学株式会社から放射性医薬品事業を吸収分割により承継する新会社の株式を取得したことによるものです。企業結合の詳細は「6.企業結合」に記載しております。
(2) 個別に重要な無形資産
連結財政状態計算書に計上されている無形資産で個別に重要なものは、技術関連資産です。技術関連資産は、富士フイルム富山化学株式会社から放射性医薬品事業を取得した際に発生したもの1,800,000千円です。当連結会計年度末における帳簿価額は1,642,500千円です。当連結会計年度末時点での残存償却年数は18.3年であり、定額法で均等償却をしております。
(3) のれんを含む資金生成単位の減損テスト
資金生成単位へ配分したのれんの帳簿価額は、以下のとおりであります。
当社グループは、のれんについて、毎年同時期又は減損の兆候がある場合には随時、減損テストを実施しております。減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。企業結合で生じたのれんは、取得日に、企業結合から利益がもたらされる資金生成単位に配分しております。
使用価値は、経営者が承認した今後10年度分の事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の税引前加重平均資本コスト(前連結会計年度12.1%、当連結会計年度11.1%)により現在価値に割り引いて算定しております。
事業計画は、業界の将来の趨勢に関する経営者の評価と過去のデータを反映したものであり、外部情報及び内部情報に基づき作成しており、放射性医薬品の開発・製造販売を扱う放射性医薬品事業の製品開発の特性等から、5年を超えた計画期間に基づき使用価値を算定しております。事業計画を超える期間のキャッシュ・フローについては、資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して一定の成長率(前連結会計年度0.3%、当連結会計年度1.8%)により算定しており、市場の長期の平均成長率を超過しておりません。
なお、資金生成単位において、仮に上記の減損判定に用いた主要な仮定が合理的に考えうる範囲で変化した場合でも、重要な減損損失が発生する可能性は低いと判断しております。
14.持分法で会計処理されている投資
(1) 個々には重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額の内訳
(2) 持分法を適用している関連会社及び共同支配企業の包括利益に対する当社グループの持分
① 関連会社
持分法を適用している関連会社に対する当社グループの当期利益、その他の包括利益及び当期包括利益に対する持分は以下のとおりであります。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、関連会社のうち、個々に重要性のある関連会社は該当ありません。
② 共同支配企業
持分法を適用している関連会社に対する当社グループの当期利益、その他の包括利益及び当期包括利益に対する持分は以下のとおりであります。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、共同支配企業のうち、個々に重要性のある共同支配企業は該当ありません。
15.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりであります。
営業債務及びその他の債務は償却原価で測定する金融負債に分類しております。
16.借入金
(1) 借入金の内訳
借入金の内訳は以下のとおりであります。
(注)平均利率については、借入金の期末残高に対する加重平均利率を記載しております。
借入金は償却原価で測定する金融負債に分類しております。
(2) 担保に供している資産
借入金の担保に供している資産はありません。
17.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は以下のとおりです。
18.リース取引
(借手のリース取引)
(1) 概要
当社グループは、主として事務所、駐車場、社宅、車両、倉庫、設備及び事務機器をリースしております。なお、重要な購入選択権、エスカレーション条項及びリース契約によって課された制限(配当、追加借入及び追加リースに関する制限等)はありません。
(2) 純損益で認識された金額
リースに係る損益の内訳は以下のとおりであります。
(3) キャッシュ・アウトフローの合計額
リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は以下のとおりです。
(4) 使用権資産及びリース負債
使用権資産の帳簿価額の内訳及び増加額は、注記「12.有形固定資産」に記載しております。また、リース負債の満期分析については、注記「31.金融商品(2)②流動性リスク管理」に記載しております。
(5) 延長オプション及び解約オプション
当社グループにおいては、各社がリース管理に責任を負っており、リース条件は個々に交渉され、幅広く異なる契約条件となっております。
リース契約の一部については、延長オプション及び解約オプションが付与されております。延長及び解約オプションは、当社グループの事務所及び社宅に係るリースに多く含まれており、これらの条件は、当社グループが事業を活用する上で、必要な場合に使用しております。
19.法人所得税
(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産及び繰延税金負債の主な発生原因別の内訳は以下のとおりであります。
繰延税金資産及び繰延税金負債の増減の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度において、新規に事業取得したPDRファーマ株式会社は、取得される以前において、当該事業の赤字が続いていたこともあり、繰越欠損金が生じていることから、取得日時点では繰延税金資産の回収可能性が低いとして、繰延税金資産を計上しておりませんでした。前連結会計年度末において当該事業が黒字化したこと、また前連結会計年度末においてPDRファーマ株式会社が新たに策定した中長期事業計画に基づいて再評価を行った結果、繰延税金資産の回収可能性が高まったと判断したことから繰延税金資産を計上しております。
当社グループは、当連結会計年度中にグループ通算制度の承認申請を行い、翌連結会計年度から連結納税制度が適用されることとなったため、当連結会計年度より税効果会計についてグループ通算制度の適用を前提とした会計処理を行っております。
(2) 未認識の繰延税金資産及び繰延税金負債
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異は以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、将来の課税所得の発生が見込まれる範囲内で繰延税金資産を認識しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される将来加算一時差異の解消、予測される将来の課税所得及びタックスプランニングを考慮しています。予測される将来の課税所得は経営者が承認した事業計画のもとで想定されたものであり、過去の計画と実績の推移からその実現可能性は高いと考えられるため、回収可能性があると判断しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、それぞれ2,890,636千円及び1,427,324千円であります。これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
(3) 法人所得税費用
法人所得税費用の内訳は以下のとおりであります。
(4) その他の包括利益で認識される法人所得税
その他の包括利益で認識された法人所得税は、注記「28.その他の包括利益」に記載しております。
(5) 実効税率の調整表
法定実効税率と平均実際負担税率との差異要因は以下のとおりです。実際負担税率は全社の年間の税引前当期利益に対する法人所得税の負担割合を表示しております。なお、当社グループは、主に法人税、住民税及び事業税を課されており,これらを基礎として計算した繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、2022年12月期及び2023年12月期いずれも30.6%であります。
20.従業員給付
当社は、確定拠出型制度を設けております。前連結会計年度に富士フイルム富山化学株式会社からPDRファーマ株式会社の株式を取得し、当社の子会社としたことに伴い、確定給付型の制度として確定給付型企業年金制度及び退職一時金制度(非積立型)を採用しております。
(1) 確定給付制度
① 採用している確定給付制度の概要
当社グループでは、退職給付制度にポイント制を採用しており、勤務年数、退職時の給与支給額、及びその他の要素に基づき付与されるポイントの累計数に基づいて、給付額が計算されます。確定給付制度は金融商品に係る投資リスク及び割引率等の数理計算のリスクにさらされております。また、制度設計上の退職給付債務に見合った運用収益を得られない場合、掛金の追加拠出が求められる可能性があります。
当社グループが設けている年金制度は、当社より法的に独立した企業年金基金によって運営されており、基金の理事は、法令、法令に基づき行われる厚生労働大臣又は地方厚生局長の処分、規約及び代議員会の議決を遵守し、基金のために忠実にその職務を遂行する義務を負っています。
当社グループには、企業年金基金に対する掛金の拠出が要求されており、将来にわたって企業年金基金が定める掛金の拠出義務を負っています。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。
現在の市場環境下では、割引率の著しい変動は想定されず負債の著しい変動は見込まれません。したがって、資産・負債マッチング戦略としては、中長期的な運用上の期待リターンが割引率を上回るように設定し、資産・負債のミスマッチを抑制するような投資戦略としております。投資戦略は主に、収益を最大化させるのではなく、下落リスクの管理強化に重点を置いております。この投資政策は、長期契約を履行できる収益を生み出すことができると予想されます。
② 確定給付制度債務及び制度資産の調整表
確定給付制度債務及び制度資産と連結財政状態計算書に計上された確定給付負債及び資産の純額との関係は以下のとおりであります。
③ 確定給付制度債務の現在価値の調整表
確定給付制度債務の現在価値の増減は以下のとおりであります。
確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、当連結会計年度において11.8年であります。
④ 制度資産の公正価値の調整表
制度資産の公正価値の増減は以下のとおりであります。
当社グループは、翌連結会計年度(2024年12月期)に133,200千円の掛金を拠出する予定であります。
⑤ 制度資産の項目ごとの内訳
制度資産の主な項目ごとの内訳は以下のとおりであります。
(注)1.当社グループの投資方針の基本は、分散投資による効率的なリターンの追求及びリスクの低減にあります。当社グループの年金資産運用については、従業員に対する年金給付や一時金給付の支払を将来にわたり確実に行うため、許容されるリスクの下で、必要とされる総合収益を長期的に確保することを目指しております。投資方針については確定給付型制度の財政状況や運用環境を勘案しながら、必要に応じて見直しを行うこととしています。なお、確定給付型の退職給付制度には、投資リスク、数理計算上のリスクが内在しております。制度設計上の退職給付債務に見合った運用収益を得られない場合、掛金の追加拠出が求められる可能性があります。前連結会計年度に富士フイルム株式会社から株式を取得し、当社の子会社になったPDRファーマ株式会社で確定給付制度が発生しております。PDRファーマ株式会社は、富士フイルムグループ確定給付企業年金に加入しており、その制度の下で、退職給付制度による支払いを行っております。
2.富士フイルム株式会社からの報告結果に基づいて、上記資産の内訳を開示しております。
3.「その他」には、不動産、オルタナティブ、現金及び現金同等物が含まれております。
⑥ アセット・シーリングの影響の変動
アセット・シーリングの影響の変動は以下のとおりであります。
⑦ 主な数理計算上の仮定
数理計算に用いた主な仮定は以下のとおりであります。
⑧ 感応度分析
数理計算に用いた割引率が0.5%変動した場合に、確定給付制度債務の現在価値に与える影響は以下のとおりであります。
上記の分析は割引率以外の数理計算上の仮定が一定であることを前提として計算されておりますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が影響する可能性があります。
(2) 確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として認識された金額は、前連結会計年度が431,398千円、当連結会計年度が501,966千円であります。
なお、本邦の厚生年金保険法に基づく厚生年金保険料の事業主負担分を含んでおります。
(3) 複数事業主制度
PDRファーマ株式会社は、富士フイルムグループ確定給付企業年金に加入しております。当該制度は、以下の点で単一事業主制度とは異なります。
① 複数事業主制度への掛金の額は、加入員の標準給与等の額に一定の率を乗ずる方法により算定されます。また、将来にわたって財政の均衡を保つことができるように、法令に定める基準に従って掛金の額がみなおされます。
② 複数事業主制度に拠出した資産は、拠出事業主以外の事業主の従業員への給付に使用される可能性があります。
③ 一部の事業主が掛金拠出を中断した場合、他の事業主に未積立債務の負担が求められる可能性があります。
④ 複数事業主制度が解散した場合又は複数事業主制度から脱退する場合、未積立額を解散時あるいは脱退時特別掛金として拠出することが求められる可能性があります。
当該制度に関しては、自社の拠出に対応する年金資産の額を合理的に算定できることから、確定給付制度の注記に含めて記載しております。
(4) 従業員給付費用
連結損益計算書に含まれている従業員給付費用は、前連結会計年度及び当連結会計年度においてそれぞれ、5,127,893千円及び6,239,941千円です。
従業員給付費用には、給与、賞与、法定福利費及び退職給付費用等が含まれており、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」に含まれております。売上原価として計上されている従業員給付費用は前連結会計年度1,787,117千円、当連結会計年度2,265,299千円、販売費及び一般管理費として計上されている従業員給付費用は前連結会計年度2,347,012千円、当連結会計年度2,840,838千円、研究開発費として計上されている従業員給付費用は前連結会計年度993,763千円、当連結会計年度1,133,804千円であります。
21.その他の負債
その他の負債の内訳は以下のとおりであります。
22.資本及びその他の資本項目
(1) 授権株式数、発行済株式数
授権株式数、発行済株式数の増減は以下のとおりであります。
(注) 当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みとなっております。
(2) 資本剰余金
日本における会社法(以下、「会社法」)では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されております。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
(3) 自己株式
自己株式数及び残高の増減は以下のとおりであります。
(注)期中増減の主な要因は、株式給付信託に係る処分による減少及び株式給付信託の取得による増加によるものであります。
(4) その他の資本の構成要素
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるその他の資本の構成要素の変動は以下のとおりです。
上記は全て税引後の金額です。
① その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値の評価差額であります。
② 確定給付制度の再測定
確定給付制度の再測定は、期首時点の数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額及び数理計算上の仮定の変更による影響額であります。これについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えております。
(5) 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。
23.株式報酬
当社グループは、取締役及び従業員等に対しインセンティブを与えることによって、中長期の業績及び企業価値を向上させることを目的として株式報酬制度を採用しております。
(1) ストック・オプション
① 制度の内容
当社グループは、持分決済型の株式に基づく報酬としてストック・オプション制度を導入しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度に存在するストック・オプション制度は、以下のとおりです。
(注)1.株式数に換算して記載しております。
② ストック・オプションの数及び加重平均行使価格
付与されたストック・オプションの数量及び加重平均行使価格は、以下のとおりです。ストック・オプションの数量については、株式数に換算して記載しております。
③ 付与されたストック・オプションの公正価値及び公正価値の見積方法
前連結会計年度及び当連結会計年度に付与したストック・オプションはありません。
④ 株式報酬費用
当該株式報酬制度に関して計上された費用は、前連結会計年度及び当連結会計年度はありません。
(2) 株式給付信託(BBT)
① 制度の内容
当社は取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除きます。)に対し、中長期にわたる業績向上と企業価値の増大への貢献意識を高めるため、取締役に対する新たな株式報酬制度「株式給付信託(BBT)」を導入しております。
本制度は、あらかじめ当社が定めた役員株式給付規程に基づき、一定の要件を満たした当社の取締役に対し、当社株式を給付する仕組みであります。
当社は取締役に対して、役員株式給付規程に従いポイントを付与し、原則として退任時に当該付与ポイントに相当する当社株式(1ポイント=2株)を給付いたします。取締役に対して給付する株式については、あらかじめ信託設定した金銭により将来分も含めて取得し、信託財産として分別管理しております。
当該株式給付制度は、持分決済型の株式報酬として会計処理しております。
② ポイント数
③ 付与されたポイントの公正価値及び公正価値の見積方法
(注) 1.付与日の公正価値は、付与日の当社株式の株価に近似していると判断されたことから、付与日の株価を使用して算定しております。なお、予想配当を考慮に入れた修正、及びその他の修正は行っておりません。
2.付与日以降、権利確定日まで継続して勤務していることが権利確定条件となっております。
④ 株式報酬費用
当該株式報酬制度に関して計上された費用は、前連結会計年度54,561千円、当連結会計年度41,029千円であります。
(3) 株式給付信託(J-ESOP)
① 制度の内容
当社は従業員の帰属意識を醸成することや株価及び業績向上への意欲を高めることを目的として、従業員に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」を導入しております。
本制度は、あらかじめ当社が定めた株式給付規程に基づき、一定の要件を満たした当社の従業員に対し、当社株式を給付する仕組みであります。
当社は従業員に対して、個人の貢献度等に応じたポイントを付与し、一定の条件により受給権の取得をしたときに当該付与ポイントに相当する当社株式(1ポイント=2株)を給付いたします。従業員に対して給付する株式については、あらかじめ信託設定した金銭により将来分も含めて取得し、信託財産として分別管理しております。
当該株式給付制度は、持分決済型の株式報酬として会計処理しております。
② ポイント数
③ 付与されたポイントの公正価値及び公正価値の見積方法
(注)1.付与日の公正価値は、付与日の当社株式の株価に近似していると判断されたことから、付与日の株価を使用して算定しております。なお、予想配当を考慮に入れた修正、及びその他の修正は行っておりません。
2.付与日以降、権利確定日まで継続して勤務していることが権利確定条件となっております。
④ 株式報酬費用
当該株式報酬制度に関して計上された費用は、前連結会計年度30,832千円、当連結会計年度20,537千円であります。
24.売上収益
(1) 収益の内訳
当社は創薬開発事業として、従来から独自の創薬開発プラットフォームシステムであるPDPSを活用した3つの事業戦略:①創薬共同研究開発、②PDPS技術ライセンス、③戦略的提携/自社創薬の拡充を進めております。この3つの事業戦略はすべてPDPSライセンスを活用しており、創薬開発事業の主要な収益の源泉は、PDPSライセンスに係る契約一時金、マイルストーンフィー及びロイヤルティーによる収益及び研究開発業務提供に係る研究開発支援金であります。また、放射性医薬品事業の当社グループの主要な収益の源泉は診断用放射性医薬品(SPECT用診断薬、PET用診断薬)及び治療用放射性医薬品等の製品の販売であります。なお、当社グループの売上収益は全て顧客との契約から生じたものであります。
以上から、各報告セグメントの売上収益と収益の源泉ごとに分解した売上収益の関連情報として、以下を開示しております。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注) 「その他」には、技術アップデートフィー等が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注) 「その他」には、技術アップデートフィー等が含まれております。
(2) 契約残高
契約残高の内訳は以下のとおりであります。
契約負債は主に、研究開発支援等の役務提供前に顧客から受け取った対価です。顧客からの入金時に契約負債を計上し、顧客への役務の提供等、契約に基づいた履行義務を充足した時点で契約負債を収益へ振り替えております。前連結会計年度及び当連結会計年度に認識した収益のうち、期首時点における契約負債に関連する金額は242,063千円及び667,757千円であります。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の額に重要なものはありません。
(3) 残存履行義務
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引はありません。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(4) 顧客との契約獲得又は履行のためのコストから認識した資産
当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産に重要なものはありません。また、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約の獲得の増分コストを発生時に費用として認識しております。
25.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりであります。
26.その他の収益及び費用
その他の収益の内訳は以下のとおりであります。
(注)政府補助金及び助成金は主として、障害者雇用調整金に係るものであります。
その他の費用の内訳は以下のとおりであります。
27.金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は以下のとおりであります。
金融費用の内訳は以下のとおりであります。
28.その他の包括利益
その他の包括利益の各項目別の当期発生額及び損益への組替調整額、並びに税効果の影響は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
29.1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益は、次の情報にもとづいて算定しております。
(1)基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
(2)希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
30.キャッシュ・フロー情報
(1) 財務活動から生じた負債の変動
財務活動から生じた負債の変動は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(2) 重要な非資金取引
重要な非資金取引の内容は以下のとおりであります。
31.金融商品
(1) 資本管理
当社は、当社の所有者に帰属する持分を自己資本として管理しています。当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指して、事業活動のための適切な資金調達、財務の健全性を確保することを資本管理において重視しております。特に、成長基盤及び事業領域の進化、並びに研究開発資金の確保のため、現金及び現金同等物、営業活動によるキャッシュ・フロー及び有利子負債に注意しており、これらの指標は経営者に定期的に報告され、モニタリングしております。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスクとして信用リスク・流動性リスク・市場リスクとして為替リスク及び金利リスクに晒されており、当該財務上のリスクを軽減するために、リスク管理を行っております。当社は、資金の運用については、投機的な取引は行わない方針であり、安全性の高い金融資産に限定しております。
① 信用リスク管理
信用リスクは、保有する金融資産の相手先が契約上の債務に関して債務不履行になり、当社グループに財務上の損失を発生させるリスクです。信用リスクは、主に当社グループの顧客に対する営業債権及び貸付金から生じます。
(ⅰ)営業債権
当社グループでは、営業債権について、期日が経過している債権がなく、過去に貸倒実績等は生じておらず、信用リスクが当初認識以降著しく増大した営業債権及び信用減損が生じている営業債権は有しておりません。連結財務諸表に表示されている営業債権の帳簿価額は、当社グループの営業債権の信用リスクに対するエクスポージャーの最大値であります。当社グループの営業債権は多数の取引先に対するものであり、特定の取引先に対して一時金等の多額の債権が計上される場合があるものの、単独の相手先又はその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクを有しておりません。
営業債権については、取引先毎に期日及び残高を管理しており、相手先の状況を定期的にモニタリングし、財務状況の悪化等の早期把握によりリスク軽減を図っております。
(ⅱ)貸付金等
当社グループの貸付金については、貸付金の回収が返済日以降に遅延(又は支払延期要請を含む。)した場合に、金融商品の信用リスクが当初認識以降に著しく増大したものと判定しています。ただし、支払遅延及び支払延期要請があった場合でも、その原因が一時的な資金需要によるものであり、債務不履行のリスクが低く、近い将来に契約上のキャッシュ・フローの義務を履行するための強い能力を有していると判断された場合には信用リスクの著しい増大とは判定しておりません。
一方、支払遅延及び支払延期要請の原因が一時的な資金需要によるものではなく、債務者の重大な財政的困難等に起因するものであり延期後債権の回収可能性が特に懸念されるものであると判断された場合には、信用減損が発生しているものと判定しています。
当社グループは、将来予測情報等に基づき、貸付金等の回収に係る全期間の予想信用損失を見積もることにより、損失評価引当金を算定しております。
貸付金の信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示している金融資産の減損後の帳簿価額であります。
貸付金等の信用リスク・エクスポージャーの期日経過ごとの内訳は以下のとおりであります。
損失評価引当金の計上対象となる貸付金の帳簿価額の総額は、次のとおりであります。
(単位:千円)
貸付金等に対する損失評価引当金の増減は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) (単位:千円)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) (単位:千円)
② 流動性リスク管理
流動性リスクは、現金又はその他の金融資産により決済する金融負債に関連する債務を履行する際に困難に直面するリスクです。当社グループは、自己資金及び銀行借入により必要な資金を調達しておりますが、それら負債は財務状況及び資金調達環境の悪化等により支払期日にその支払いを実行できなくなる流動性リスクに晒されております。
当社グループは、各部署からの報告に基づき、適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、不測の事態においても必要支払予定額に不足することのないように手元流動性の維持とともに、借入金の返済のため計画的に資金を確保することで流動性リスクを管理しております。また、当社グループでは資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、かつ、大手金融機関との間で当座借越契約を締結していることで、流動性リスクを軽減しております。
1) 金融負債の期日別内訳
金融負債の期日別内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
満期分析に含まれているキャッシュ・フローが著しく早期に発生すること、又は著しく異なる金額で発生することは見込まれておりません。
2) 当座貸越契約
当座貸越契約に基づく借入未実行残高は下記のとおりであります。
③ 市場リスク管理
(ⅰ)為替リスク管理
為替リスクは、機能通貨と異なる通貨による取引から生じております。当社グループは、外貨取引として、外貨預金及び外貨建ての債権及び債務を有しており、為替の変動リスクに晒されているため、定期的に為替相場を把握し為替変動リスクを管理しております。また、当社グループは、一部の外貨建ての金融資産にかかる為替の変動リスクに対して、必要に応じて先物為替予約等を利用してヘッジしております。そのため、外貨建債権及び債務等は為替レートの変動により、将来キャッシュ・フローが変動するリスクを有しておりますが、このリスクは為替予約等と相殺されるため影響は限定的であります。
為替感応度分析
各報告期間の日本円を機能通貨とする会社において、日本円が米ドル、ユーロに対して1%円高になった場合に、連結損益計算書の純損益に与える影響は以下のとおりであります。ただし、本分析においては、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としております。
デリバティブ(為替予約)
為替変動リスクをヘッジするための為替予約取引の内訳は、以下のとおりです。
1.ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引
(単位:千円)
(ⅱ)金利リスク管理
金利リスクは、市場金利の変動によって金融商品の公正価値又は将来キャッシュ・フローが変動するリスクです。
当社グループは、事業活動の中で様々な金利変動リスクに晒されており、特に、外部への変動金利による貸付及び変動金利による借入を行っているため、金利変動リスクに晒されております。当社グループは、市場金利の動向を常時モニタリングし、損益に与える影響を試算するとともに、年間予算に基づく資金計画を適時に作成・更新し、貸付金の回収及び借入金の返済及び金利の支払のための資金を計画的に確保することで金利リスクを管理しております。
金利感応度分析
各報告期間において、金利が1%上昇した場合に、連結損益計算書の純損益に与える影響は以下のとおりであります。ただし、本分析においては、その他の変動要因(残高、為替レート等)は一定であることを前提としております。
32.金融商品の公正価値
(1) 公正価値で測定される金融商品
公正価値で測定される金融商品について、測定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じた公正価値測定額を、レベル1からレベル3まで分類しております。当該分類において、それぞれの公正価値のヒエラルキーは、以下のように定義しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、観察可能なインプットを直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
(2) 経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正価値
① 公正価値のヒエラルキー
公正価値のヒエラルキーごとに分類された、連結財政状態計算書に公正価値で認識する金融資産及び金融負債は以下のとおりです。
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
レベル間の重要な振替が行われた金融商品の有無は毎報告期間の末日に判断しております。前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1、2の間で重要な振替が行われた金融商品はありません。
② 金融資産及び金融負債の公正価値の測定方法
(a) 非上場株式
活発な市場における公表価格が入手できない非上場株式の公正価値は、合理的に入手可能なインプットにより、主に直近ファイナンス実績に基づく取引事例法及び割引キャッシュ・フロー法を使用して測定しており、公正価値ヒエラルキーのレベル3に分類しております。
前連結会計年度
当連結会計年度
(b)デリバティブ
外国為替先物予約の公正価値は、連結会計年度の期末日現在の先物為替レートを用いて算定した価値を現在価値に割引くことにより算定しております。そのため、為替予約については、公正価値ヒエラルキーレベル2に 区分しております。
(c)条件付対価:
条件付対価は、富士フイルム富山化学株式会社から放射性医薬品事業を取得したことによるものであります。
脳内アミロイドβプラーク可視化を行うPET診断薬であるアミヴィッドが2024年4月30日までに日本において軽度認知障害に対する適用拡大を受けた際に追加で最大4,000,000千円を支払うという条件付対価が設定されており、認知症領域における治療薬の開発状況などを鑑みた結果、条件付対価の達成可能性が高まっていること等から、当社グループは前連結会計年度末において、1,978,850千円の条件付対価を認識しておりました。その条件付対価の公正価値の算定にあたっては、期待キャッシュ・フロー法に基づいて算定しており、その承認が見込まれる時期、見込まれる支払額、その発生可能性並びに貨幣の時間価値を考慮して、公正価値を算定しております。見積りにあたって、発生可能性は開発状況や過去の実績等を勘案し50%とし、割引率は0.8%としております。なお、見積りにあたって、割引率等の観察可能でないインプットを含む評価技法から算出しているため、いずれも公正価値ヒエラルキーレベル3に区分しております。
アミヴィッドが2023年8月31日に一部変更承認を取得し、「アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化」が新たな効能又は効果として追加されたことに伴い、富士フイルム株式会社に対する4,000,000千円の条件付対価の支払いが確定いたしました。
上記により、当社グループは第3四半期連結会計期間において、その他の金融負債に計上しておりました1,986,733千円を営業債務及びその他の債務へ振替えを行い、金融費用を通じて営業債務及びその他の債務に2,013,266千円を追加計上しております。
③ レベル3に分類された金融商品
レベル3に分類された金融商品については、経営管理部門責任者により承認された評価方針及び手続きに従い、外部の評価専門家又は適切な評価担当者が評価及び評価結果の分析を実施しております。評価結果は経営管理部門責任者によりレビューされ承認されております。
④ レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表
レベル3に分類された金融資産の各連結会計年度の期首から期末までの変動は、以下のとおりであります。
(注) 1.純損益に含まれている利得及び損失は、決算日時点の純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債に関するものであります。これらの純損益は連結損益計算書の「金融収益」に含まれております。
2.その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、決算日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであります。これらの利得及び損失は連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれております。
3.投資先が取引所に上場したことによるものです。
レベル3に分類された金融負債の各連結会計年度の期首から期末までの変動は、以下のとおりであります。
(注) 1.当該金融負債は、上記に記載している条件付対価です。
2.連結損益計算書の「金融費用」に含まれております。
3.その他の金融負債に含まれる「条件付対価」については、支払義務が確定したことから「営業債務及びその他の債務」に振り替えております。
⑤ 重要な観察可能でないインプットの変動に係る感応度分析
レベル3に分類した金融資産は非上場株式であり、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の増減は見込まれておりません。
(3) 経常的に公正価値で測定されていないが、公正価値が開示されている金融資産及び金融負債の公正価値
① 公正価値及び帳簿価額
経常的に公正価値で測定されていないが、公正価値が開示されている金融商品の帳簿価額及び公正価値は以下のとおりです。
(注) 1.連結財政状態計算書上の流動資産及び非流動資産の「その他の金融資産」のうち、貸付金を記載しております。
2.1年内のその他の金融資産の残高を含んでおります。
3.1年内返済予定の借入の残高を含んでおります。
② 金融資産及び金融負債の公正価値の算定方法
金融商品の公正価値の算定方法は以下のとおりです。
(a) 貸付金
貸付金の公正価値は、信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値により算定しており、公正価値ヒエラルキーレベル3に分類しております。
(b) 借入金
借入金は変動金利であり、短期間で市場金利を反映し、公正価値が帳簿価額に近似していると考えられるため、当該帳簿価額によっております。借入金の公正価値ヒエラルキーはレベル2に分類しております。
33.重要な子会社
(1) 子会社の状況
当連結会計年度末の主要な子会社の状況は以下のとおりです。特に記載のない限り、子会社の資本金は当社グループに直接所有される普通株式から構成され、持分は当社グループにより所有される議決権と同じです。会社の所在地は主要な事業所と同様です。
(注)1.前連結会計年度において、富士フイルム富山化学株式会社から放射性医薬品事業を吸収分割により承継する新会社の株式を取得したことによるものです。企業結合の詳細は「6.企業結合」に記載しております。
(2) 重要な非支配持分がある子会社
重要性のある非支配持分を有している子会社はありません。
34.関連当事者
(1) 関連当事者との取引
財務諸表提出会社の子会社及び関連会社等
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注)1.当該貸付金に対し、66,593千円の損失評価引当金を計上しております。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注)1.資金の貸付については、市場金利を勘案して利率を合理的に決定しております。なお、当該取引による受取利息は5,507千円であります。
2.当該貸付金に対し、43,263千円の損失評価引当金を計上しております。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
(注)主要な経営幹部に対する報酬は、当社の取締役に対する報酬です。
35.コミットメント
決算日以降の支出に関するコミットメントは以下のとおりであります。
36.偶発事象
保証債務
下記の会社の国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の医療研究開発革新基盤創成事業として締結された環境整備契約に基づく債務残高に対して、次のとおり債務保証を行っております。
37.後発事象
(投資有価証券の売却)
当社は、2024年2月14日開催の取締役会において、当社が保有する以下の投資有価証券について売却することを決議し、2024年2月26日に売却いたしました。
(1)投資有価証券の売却を行う理由
当社は、当社が保有するRayzeBio, Inc.の普通株式1,163,579株の全部について、Bristol Myers Squibb Companyが実施する公開買付の内容について検討の結果、RayzeBio社の取締役会が賛同の意を表明していること、また買付価格等の条件が妥当であると判断できること等から、本公開買付に応じることを決定いたしました。
(2)投資有価証券売却の内容
(2) 【その他】
当連結会計年度における四半期情報等
2 【財務諸表等】
(1)【財務諸表】
①【貸借対照表】
②【損益計算書】
【売上原価明細書】
(注)※ 材料費には主要材料の他、貯蔵品の当期消費分を含んでおります。
③【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1 資産の評価基準及び評価方法
(1)有価証券の評価基準及び評価方法
子会社株式及び関係会社株式
移動平均法による原価法を採用しております。
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)によっております。
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法によっております。
(2)棚卸資産の評価基準及び評価方法
貯蔵品
個別法による原価法を採用しております。
(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
2 固定資産の減価償却の方法
(1)有形固定資産
定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
建物 6年-50年
構築物 10年-30年
工具、器具及び備品 3年-15年
(2)無形固定資産
定額法を採用しております。
なお、主な償却年数は以下のとおりであります。
ソフトウェア(自社利用) 5年 (社内における見込み利用可能期間)
3 引当金の計上基準
貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えて、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
賞与引当金
従業員の賞与の支給に充てるため、将来の支給見込額のうち当事業年度に対応する見積額を計上しております。
役員賞与引当金
役員の賞与の支給に充てるため、将来の支給見込額に基づき見積額を計上しております。
株式給付引当金
株式給付規程に基づく従業員への当社株式の交付に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しております。
役員株式給付引当金
役員株式給付規程に基づく取締役への当社株式の交付に備えるため、当事業年度末における株式給付債務の見込額に基づき計上しております。
4 収益及び費用の計上基準
当社は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号2021年3月26日)を適用しており、顧客との契約から生じる収益について、下記の5ステップアプローチに基づき、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、もしくは、移転するにつれて当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
当社は、創薬開発事業として、第三者との間で締結した創薬共同研究開発契約やライセンス契約に基づき収益を得ております。
顧客に移転を約束した製品又はサービスの内容及び収益認識方法は次のとおりです。
① 契約一時金、マイルストーンフィー及びロイヤルティーによる収益
当社は、当社の独自技術であるPDPSライセンスを活用した事業を行っており、当該ライセンスに係る契約一時金、マイルストーンフィー及び売上高ベースのロイヤルティーによる収益を認識しております。当該ライセンスは他の財又はサービスと区分され、また、当社は顧客が権利を有する知的財産に著しく影響を与える活動を行う予定はないため「使用権」に該当すると判断しております。
契約一時金は、顧客にライセンスを付与した時点で、ライセンスから便益を享受することが可能になり、ライセンスに対する支配が顧客に移転することから、履行義務を充足していると考えており、収益を認識しております。
マイルストーンフィーによる収益は、事後に重大な戻入れが生じる可能性を考慮し、契約上定められたマイルストーンが達成された時点で収益として認識しております。
また、売上高ベースのロイヤルティーによる収益は、算定基礎となる売上が発生した時点と売上高ベースのロイヤルティーが配分されている履行義務が充足される時点のいずれか遅い時点で収益を認識しております。
② 研究開発支援金
研究開発支援においては、顧客からの依頼に基づき、契約期間にわたって研究開発業務を提供することを履行義務としております。当社が当該研究開発に係る業務を履行するにつれて研究成果を創出し、契約期間にわたって支配が移転することから、その期間にわたって履行義務が充足されると判断しており、一定の期間にわたって定額で収益を認識しております。また、収益の金額は、契約時に事前に顧客との間で取り決めることから、顧客との契約において約束された対価に基づいて算定しております。研究開発支援における対価は、顧客との契約に基づき、研究開発業務の提供前に一括で対価を受領するか、又は研究開発業務の提供時点から主として1ヶ月~3ヶ月で代金を回収しております。
③ 技術アップデートフィー
顧客に対して実施許諾したPDPS技術ライセンスの技術に関するアップデートサービスについては、契約に基づくサービス提供期間にわたってアップデートサービスを提供することを履行義務としております。当該技術アップデートサービスについては、当社がサービス提供期間にわたって支配が移転することから、その期間にわたって義務を履行されると判断していることから、一定の期間にわたって定額で収益を認識しております。技術アップデートサービスにおける対価は、顧客との契約に基づき、サービス提供前に一括で対価を受領するか、又は技術アップデートサービスの提供時点から主として1ヶ月~3ヶ月で代金を回収しております。
なお、一括で受領した対価について、上記のPDPSライセンスを活用した事業と研究開発支援の事業に係る対価が含まれる場合があります。その場合、PDPSライセンスを活用した事業に係る履行義務と、研究開発支援に係る履行義務に区分し、独立販売価格の比率で各履行義務に配分した上で、それぞれ収益を認識しております。
(重要な会計上の見積り)
市場価格のない株式等の評価
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額
(単位:千円)
当事業年度の貸借対照表に計上されている関係会社株式29,124,954千円には、非上場の関連会社であるペプチエイド株式会社に対する投資81,062千円が含まれております。この投資について、当事業年度末に実質価額まで減損処理を行っており、同社株式に係る関係会社株式評価損724,937千円を計上しております。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
市場価格のない株式等は、1株当たりの純資産額に所有株式数を乗じた金額を基礎とした実質価額が取得価額と比べて50%以上低下したものについては、回復可能性が十分な証拠により裏付けられる場合を除き減損処理を行っております。また、会社の超過収益力等を反映して、1株当たり純資産額に比べて高い価額で当該会社の株式を取得している場合においては、超過収益力等が見込めなくなったときには、これを反映した実質価額が取得原価の50%以上低下している場合に、減損処理を行っております。
評価にあたっては、投資先の過去の実績や入手した投資先の事業計画等を基礎とし、これには経済環境の仮定等の不確実性が含まれております。経済環境の悪化等が生じた場合、翌事業年度において投資有価証券及び関係会社株式の減損処理が必要となる可能性があり、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
(会計方針の変更)
(時価の算定に関する会計基準の適用指針の適用)
「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2021年6月17日。以下「時価算定会計基準適用指針」という。)を当事業年度の期首から適用し、時価算定会計基準適用指針第27-2項に定める経過的な取扱いに従って、時価算定会計基準適用指針が定める新たな会計方針を将来にわたって適用することとしております。なお、財務諸表に与える影響はありません。
(追加情報)
1.従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引
(1) 株式給付信託(BBT)
当社は取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除きます。)に対し、中長期にわたる業績向上と企業価値の増大への貢献意識を高めるため、取締役に対する新たな株式報酬制度「株式給付信託(BBT)」を導入しております。
当該信託契約に係る会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 2015年3月26日)を適用しております。
a. 取引の概要
本制度は、あらかじめ当社が定めた役員株式給付規程に基づき、一定の要件を満たした当社の取締役に対し、当社株式を給付する仕組みであります。
当社は取締役に対して、役員株式給付規程に従いポイントを付与し、原則として退任時に当該付与ポイントに相当する当社株式を給付いたします。取締役に対して給付する株式については、あらかじめ信託設定した金銭により将来分も含めて取得し、信託財産として分別管理しております。
b. 信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社株式を信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により純資産の部に自己株式として計上しております。当該自己株式の帳簿価額は前事業年度末363,431千円、当事業年度末527,879千円、株式数は前事業年度末111,700株、当事業年度末186,300株であります。
(2) 株式給付信託(J-ESOP)
当社は従業員の帰属意識を醸成することや株価及び業績向上への意欲を高めることを目的として、従業員に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」を導入しております。
当該信託契約に係る会計処理については、「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 2015年3月26日)を適用しております。
a. 取引の概要
本制度は、あらかじめ当社が定めた株式給付規程に基づき、一定の要件を満たした当社の従業員に対し、当社株式を給付する仕組みであります。
当社は従業員に対して、個人の貢献度等に応じたポイントを付与し、一定の条件により受給権の取得をしたときに当該付与ポイントに相当する当社株式を給付いたします。従業員に対して給付する株式については、あらかじめ信託設定した金銭により将来分も含めて取得し、信託財産として分別管理しております。
b. 信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社株式を信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により純資産の部に自己株式として計上しております。当該自己株式の帳簿価額は前事業年度末242,934千円、当事業年度末556,698千円、株式数は前事業年度末67,500株、当事業年度末216,100株であります。
(貸借対照表関係)
※1 圧縮記帳額
国庫補助金等により有形固定資産の取得価額から控除している圧縮記帳額及びその内訳は次のとおりであります。
(単位:千円)
2 保証債務
下記の会社の国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の医療研究開発革新基盤創成事業として締結された環境整備契約に基づく債務残高に対して、次のとおり債務保証を行っております。
(単位:千円)
(注) 塩野義製薬株式会社及び積水化学工業株式会社と連帯保証を行っております。
(損益計算書関係)
※1 販売費及び一般管理費の主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりであります。
※2 研究開発費の総額
前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
一般管理費に含まれる研究開発費は、1,939,793千円であります。なお、売上原価に含まれる研究開発費はありません。
当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
一般管理費に含まれる研究開発費は、1,997,013千円であります。なお、売上原価に含まれる研究開発費はありません。
(有価証券関係)
前事業年度(2022年12月31日)
関連会社株式(貸借対照表計上額は25,849,892千円)は、市場価格のない株式等のため、時価を記載しておりません。
当事業年度(2023年12月31日)
関連会社株式(貸借対照表計上額は29,124,954千円)は、市場価格のない株式等のため、時価を記載しておりません。
(税効果会計関係)
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳
(企業結合等関係)
「連結財務諸表注記.6.企業結合」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための情報は、「1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 ⑥連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 (14) 収益」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。
(重要な後発事象)
(投資有価証券の売却)
当社は、2024年2月14日開催の取締役会において、当社が保有する以下の投資有価証券について売却することを決議し、2024年2月26日に売却いたしました。
(1)投資有価証券の売却を行う理由
当社は、当社が保有するRayzeBio, Inc.の普通株式1,163,579株の全部について、Bristol Myers Squibb Companyが実施する公開買付の内容について検討の結果、RayzeBio社の取締役会が賛同の意を表明していること、また買付価格等の条件が妥当であると判断できること等から、本公開買付に応じることを決定いたしました。
(2)投資有価証券売却の内容
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(注)1.当期増加額のうち主なものは次のとおりであります。
2.長期前払費用は非償却資産であるため、当期償却額の算出には含めておりません。
【引当金明細表】
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
(注) 1.当社の株主は、その有する単元未満株式について、次に掲げる権利以外の権利を行使することができない旨定款に定めております。
(1) 会社法第189条第2項各号に掲げる権利
(2) 会社法第166条第1項の規定による請求をする権利
(3) 株主の有する株式数に応じて募集株式の割当て及び募集新株予約権の割当てを受ける権利
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社には、親会社等はありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
事業年度 第17期(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)2023年3月30日関東財務局長に提出
(2) 内部統制報告書及びその添付書類
2023年3月30日関東財務局長に提出
(3) 四半期報告書及び確認書
第18期第1四半期(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)2023年5月12日関東財務局長に提出
第18期第2四半期(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)2023年8月10日関東財務局長に提出
第18期第3四半期(自 2023年7月1日 至 2023年9月30日)2023年11月10日関東財務局長に提出
(4) 臨時報告書
①2023年3月30日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づく臨時報告書
②2023年6月15日関東財務局長に提出
企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の規定に基づく臨時報告書
(5) 有価証券報告書の訂正報告書及び確認書
事業年度 第17期(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)2023年7月18日関東財務局長に提出
(6) 四半期報告書の訂正報告書及び確認書
第18期第1四半期(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)2023年11月9日関東財務局長に提出
第18期第2四半期(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)2023年11月9日関東財務局長に提出
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。