第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1 国際会計基準(以下「IFRS」)により連結財務諸表を作成しています。
2 期中の平均株式数については日割りにより算出しています。
3 株価収益率については、当期損失が計上されているため記載していません。
4 従業員数には、使用人兼務取締役、派遣社員及びアルバイトは含んでいません。
5 IFRS第17号「保険契約」を第27期の期首から適用し、基準移行日である2022年1月1日時点に基準変更による累積的影響額を反映しています。これに伴い、第26期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準を遡って適用した後の指標等となっています。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1 期中の平均株式数については日割りにより算出しています。
2 第26期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載していません。
3 第26期の株価収益率及び配当性向については、1株当たり当期純損失であるため記載していません。また、第27期の配当性向については、無配であるため記載していません。
4 従業員数には、使用人兼務取締役、他社への出向者、派遣社員及びアルバイトは含んでいません。
5 最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものです。
6 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を第26期の期首から適用しており、第26期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び関係会社)は、インターネットサービス、フィンテック及びモバイルという3つの事業を基軸としたグローバル イノベーション カンパニーであることから、「インターネットサービス」、「フィンテック」及び「モバイル」の3つを報告セグメントとしています。
これらのセグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっています。
「インターネットサービス」セグメントは、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』をはじめとする各種ECサイト、オンライン・キャッシュバック・サイト、旅行予約サイト、ポータルサイト、デジタルコンテンツサイト等の運営、メッセージングサービスの提供や、これらのサイトにおける広告等の販売、プロスポーツの運営等を行う事業により構成されています。
「フィンテック」セグメントは、クレジットカード関連サービス、インターネットを介した銀行及び証券サービス、暗号資産(仮想通貨)の媒介、生命保険サービス、損害保険サービス、電子マネーサービスの提供等を行う事業により構成されています。
「モバイル」セグメントは、通信サービス及び通信技術の提供並びに電力供給サービスの運営等を行う事業により構成されています。
また、次のセグメントは、連結財務諸表の注記に掲げる「セグメント情報」の区分と同一です。
当社グループの提供する主なサービス及びサービス主体は次のとおりです。
インターネットサービス
フィンテック
モバイル
[事業系統図]
以上に述べた内容を事業系統図によって示すと次のとおりです。

4 【関係会社の状況】
(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメント情報の名称を記載しています。
2 上記以外の連結子会社数は196社です。
3 上記以外の持分法適用関連会社数は57社です。
4 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。
5 特定子会社です。
6 有価証券報告書の提出会社です。
7 売上収益(連結会社相互間の内部売上収益を除く)の連結売上収益に占める割合が10%を超えている会社です。楽天モバイル株式会社の主要な損益情報等は以下のとおりです。
8 議決権の所有割合は100分の50以下ですが、当社が同社を実質的に支配していると判断し、連結しています。
9 楽天モバイル株式会社が有する通信料債権の流動化による資金調達を行うにあたり、以下の措置を行っています。
楽天モバイル株式会社の株式は全て当社から楽天信託株式会社に信託されています。これは、楽天モバイル株式会社の通信料債権を流動化するにあたり、投資家の保護を企図した仕組みになります。本仕組みにおいて、当社の信用格付が一定以下になる等の要件に該当した場合には、議決権の行使に係る指図権は独立の第三者である一般社団法人アールエムトラストに移転し、楽天モバイル株式会社は信用力の低下した当社からの影響を回避することができます。
なお、現在当社は議決権全てに対する指図権を含めた受益権を有していることから、議決権の所有割合に含めて記載しています。
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2023年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、使用人兼務取締役、派遣社員及びアルバイトを含んでいません。
2 全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない開発部門、管理部門及びシェアードサービス事業に属する従業員数です。
(2) 提出会社の状況
2023年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員であり、使用人兼務取締役、他社への出向者、派遣社員及びアルバイトを含んでいません。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
3 全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない開発部門及び管理部門の従業員数です。
(3) 労働組合の状況
当社に労働組合は結成されていませんが、連結子会社の一部に労働組合が結成されています。
なお、労使関係は良好で、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注) 1 当連結会計年度における実績を記載しています。なお、楽天銀行(株)、楽天生命保険(株)及び楽天損害保険(株)については事業年度が4月1日~翌3月31日のため、男性育児休業等取得率及び男女賃金差異は、同社の直近の事業年度における実績を記載しています。管理職に占める女性労働者の割合は、楽天銀行(株)については同社の直近の事業年度末時点、楽天生命保険(株)及び楽天損害保険(株)については直近の事業年度の3月1日時点における実績を記載しています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した実績を記載しています。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出した実績を記載しています。
4 「(*)」については、育児目的休暇の取得者を分子に含みます。
5 「(**)」について、女性活躍推進法に基づく雇用管理区分別の育児休業等取得率は以下のとおりです。
6 男女賃金差異については、男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を示しています。
7 「(***)」については、対象となる従業員が無いことを示しています。
8 適用する人事処遇制度において性別による差異はありません。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、イノベーションを通じて、人々と社会に力を与えること(エンパワーメント)を経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていくことに寄与していきます。グローバル イノベーション カンパニーであり続けるというビジョンのもと、当社グループの企業価値・株主価値の最大化を目指します。
(2) 目標とする経営指標
主な経営指標として、全社及び各事業の売上収益、Non-GAAP営業利益、流通総額(商品・サービスの取扱高)、会員数及びクロスユース率等のKPIs(Key Performance Indicators)を重視し、成長性や収益性を向上させることを目指します。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
① 経営環境
インターネットをはじめとする情報通信技術(ICT)の発展・普及がもたらした新しい経済、そして社会の姿は「デジタル経済」と呼ばれるようになってきており、政府は、その進化の先にある社会として「Society 5.0」を掲げています。「Society 5.0」においては、IoT、ロボット、人工知能(AI)、ビッグデータといった社会の在り方に影響を及ぼす新たな技術があらゆる産業や社会生活に取り入れられ、経済発展と社会的課題の解決が両立されることが期待されています。当社においても、当社の持つ様々な先端技術を利活用し、社会に貢献したいと考えています。また、近年、AI技術が飛躍的に発展し、社会に大きな変革を生み出す兆しを見せている中、当社としても、AIがビジネスにもたらす影響やその重要性を認識しており、事業運営や価値創造にAIとデータの持つ力を最大限活用しながら、消費者やビジネスパートナーに対し、革新的なサービスを提供していくことを目指しています。
経済産業省の調査(注1)によれば、2022年における日本のBtoC-EC市場規模は22.7兆円に達しました。また、BtoC市場における物販系EC化率は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で市場規模が拡大した後、伸び率は鈍化しつつも増加した結果、9.13%となる等、商取引の電子化が進展し続けています。更に、日本の同比率は諸外国のそれに比して未だ低いことから、当社グループが推進するEC事業の拡大余地は引き続き大きいと考えています。
キャッシュレス決済においては、2018年4月に経済産業省により策定された「キャッシュレス・ビジョン」で、2025年までに我が国におけるキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げることが目標とされています。更に、将来的には同比率を世界最高水準の80%まで引き上げることを目指すとされており、クレジットカード決済、QRコード・バーコード決済等の様々な決済手段によるキャッシュレス決済規模の一層の拡大が見込まれます。当社グループのフィンテック事業各社は当該分野におけるリーディングカンパニーとして、引き続き同市場の拡大に貢献していきます。
移動通信においては、ネットワークの高度化の進展とともに、スマートフォンの普及、それと並行してSNS、ゲーム、動画・音楽配信、地図、検索等のエンドユーザー向けのコンテンツ・アプリケーション市場が拡大する中、モバイル端末の利用シーンが大きく広がっています。総務省の報告(注2)によれば、2023年9月末時点における日本の携帯電話の契約数は2億1,552万件に達する等、国内移動通信市場の拡大が継続しています。当社グループが展開するモバイル事業においても、グループ経済圏の強みを最大限に活かしながら、お客様へのクロスセル等を通じて、利便性の高い様々なサービスを提供していきます。
このように当社グループをとりまく経営環境はデジタル・トランスフォーメーションが加速する社会の中で、絶えず変化を続けており、当社グループにおいては恒常的な技術革新への対応や迅速・柔軟な経営判断等により、これらの変化に対応していく必要があります。
(注1) 出典:「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」(経済産業省)
(注2) 出典:「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表
(令和5年度第2四半期(9月末))」(総務省)
② 経営戦略
当社グループは、楽天グループ会員を中心としたユーザーに対し、様々なサービスを提供するビジネスモデル楽天エコシステムを構築し、拡大することを基本的事業戦略としています。当社グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネス展開による楽天エコシステムの拡大により、国内外の会員がEC、フィンテック、デジタルコンテンツ、携帯キャリア事業等の複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果を創出し、グループ収益の最大化を目指します。
加えて、ステークホルダーとのエンゲージメントを通じて2021年に当社グループのサステナビリティ戦略(優先的に取り組むESG課題)を改訂し、「事業基盤」、「従業員と共に成長」、「持続可能なプラットフォームとサービスの提供」、「グローバルな課題への取り組み」の4つの分野を特定しました。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
特に「事業基盤」である、倫理的な事業慣行、情報セキュリティとプライバシー、製品サービスの品質は、当社グループにとって従来より重要性が高く、強固な管理・取組体制がある課題と捉えています。重点分野である「従業員と共に成長」、「持続可能なプラットフォームとサービスの提供」及び「グローバルな課題への取り組み」には様々なESG課題が含まれます。具体的には、従業員のダイバーシティ・公平性・インクルージョンや持続可能な生産と消費、気候変動等の課題に取り組んでいます。こうした取組を通じ、国内及び進出先国・地域の活性化、日本及び世界経済の発展に貢献し、ステークホルダーの皆様から信頼され続ける企業を目指します。
(4) 優先的に対処すべき課題
「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」企業グループとして、事業環境の変化に柔軟に対応し、持続可能な成長に向けた仕組みを構築することが、当社グループの対処すべき課題です。長期にわたる持続的な成長により、当社グループの企業価値・株主価値の最大化を図るとともに、社会全体に便益をもたらすグローバル イノベーション カンパニーであり続けることを目指します。
① 事業戦略
当社グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを核とする楽天エコシステムにおいて、国内外の会員が複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果の創出及びグループ全体の価値最大化を目指し、また、メンバーシップ及び共通ポイントプログラムを基盤にしたオンライン・オフライン双方のデータ、AI等の先進的技術を活用したサービスの開発及び展開を進めています。
EC及び旅行予約をはじめとしたインターネットサービスにおいては、ロイヤルカスタマーの醸成、新規顧客の獲得、クロスユースの促進、自治体や地域事業者との連携を深化させたサービス開発及び地域経済活性化等に取り組むことで、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指します。
クレジットカード関連サービス、銀行サービス、証券サービス、保険サービス、電子マネーサービス等を提供するフィンテックにおいては、事業間の相乗効果の創出、クロスユースの促進等を通じた一層の成長を目指します。また、政府によるキャッシュレス普及が推進されている中、QRコード・バーコード決済、電子マネー、ポイント等を含む総合的なキャッシュレス決済の推進に向け、決済サービス導入箇所の拡大や、アクティブユーザーを増やすための施策等に取り組んでいます。加えて、決済サービスプラットフォーム構想の実現に向けて引き続き注力し、楽天エコシステム内における送客効果を更に高めていきます。
モバイルにおいては、世界初(注)となるエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを実現しており、柔軟かつセキュアなネットワーク基盤の採用に加え、設備投資・運用コストを従来ネットワーク対比で大幅に削減することに成功しています。自社回線エリアの構築を進めた結果、2023年12月末時点において98.8%の人口カバー率を達成しましたが、パートナー回線を活用することで、より効率的に通信環境の改善を行っていくことができると考え、新ローミング契約を締結しました。加えて、2023年10月に認定を受けた、特定基地局開設計画(700MHz帯域)も活用することにより、今後更に高品質な通信環境の実現と顧客基盤の拡大を目指します。また、通信事業者におけるネットワーク機器の構成を刷新する取組や基地局のオープン化がグローバルで進む中、革新的なモバイルネットワーク技術を用いた通信プラットフォーム等を提供している楽天シンフォニーにおいては、日本国内において最新のインフラを構築した実績に基づき、的確に商機を捉えながらグローバル展開を進めていきます。
こうした個々のビジネスの成長や事業間シナジーの最大限の追求に加え、当社グループが持つメンバーシップやAIの活用による革新的で効率的なマーケティング手法の確立、グループシナジーを生かした広告事業の活用、更に国内外におけるブランド認知度、価値の向上等により、今後も楽天エコシステムを国内のみならずグローバルでも拡大していきたいと考えています。このためにはグローバル経営を一層強化する必要があり、経営資源配分の最適化を図るための事業ポートフォリオの見直しを行うほか、AIを活用した生産性・事業効率の向上等にも力を入れていきます。
(注) 大規模商用モバイルネットワークとして(2019年10月1日時点)/ステラアソシエ調べ
② 経営体制
当社グループは、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」ことを経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていきます。その実践のために、コーポレート・ガバナンスの徹底を最重要課題の一つと位置づけ、様々な施策を講じています。
当社は、経営の透明性を高め、適正性・効率性・公正性・健全性を実現するため、独立性の高い監査役が監査機能を担う監査役会設置会社の形態を採用しており、経営の監査を行う監査役会は、社外監査役が過半数を占める構成となっています。また、当社は、経営の監督と業務執行の分離を図るため執行役員制を導入しており、取締役会は経営の意思決定及び監督機能を担い、執行役員が業務執行機能を担うこととしています。
当社の取締役会においては、独立性が高く多様な分野の専門家である社外取締役を中心として客観的な視点から業務執行の監督を行うとともに、経営に関する多角的な議論を自由闊達に行っています。更に、取締役会とは別にグループ経営戦略等に関する会議を開催し、短期的な課題や取締役会審議事項に捉われない中長期的視野に立った議論も行うことで、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めています。
加えて、業務執行における機動性の確保、アカウンタビリティ(説明責任)の明確化を実現するために社内カンパニー制を導入しています。
当社グループでは、今後もこうした取組を通じて、迅速な経営判断を可能にし、より実効性の高いガバナンス機能を有する経営体制を構築していきます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
1. サステナビリティ全般
当社グループは「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」というミッションを大切にし、これまで歩んできました。サステナビリティ課題に取り組むことは、展開する事業の持続的な発展を支えるだけでなく、当社グループのミッションを体現するものでもあります。
(1) ガバナンス
サステナビリティのガバナンスを強化し、各重点分野に関する取組の実施を統括することを目的に、国内外の経営陣で構成される「楽天グループサステナビリティ委員会」を2021年に設立しました。当社グループにとって重要なESG課題であるマテリアリティ課題に対し、ステークホルダーの期待やベストプラクティスの共有、戦略や目標設定、イニシアチブへの参画等について、経営レベルの意思決定を行います。委員会の活動内容や提案は、取締役会に報告されます。また、環境、人権、ダイバーシティ&インクルージョンは長期的かつ組織横断的な議論が必要な課題であるため、それぞれに特化した分科会を設置しました。

全社的に明確なコミットメントやアクションが必要なESG課題については、グループ方針として、「グループサステナビリティインストラクション」を定めています。取組の進捗状況を、当社ウェブサイト、コーポレートレポート、株主総会等の媒体を通じて定期的に報告しています。
(2) リスク管理
当社グループは急速に変わるリスク環境に適応するため、組織全体に影響するあらゆるリスクを統合的に把握し、管理する全社リスクマネジメント手法である統合的リスク管理(ERM:Enterprise Risk Management、以下「ERM」)に取り組んでいます。サステナビリティに関するリスクもERMに則って、リスクの特定・評価、重要性に応じた対応策の策定と実行、その結果のモニタリングに取り組んでいます。
(3) 戦略
サステナビリティは今後の当社グループの発展を支える柱の一つです。ステークホルダーとのエンゲージメントを通じて2021年に当社グループのサステナビリティ戦略(優先的に取り組むESG課題)を改訂し、「事業基盤」、「従業員と共に成長」、「持続可能なプラットフォームとサービスの提供」、「グローバルな課題への取り組み」の4つの分野を特定しました。今後は各課題ごとに長期的な目標を設定し、また、その進捗状況を社内外のステークホルダーに定期的に報告します。

2. 重要なサステナビリティ項目
マテリアリティの各重点分野と事業基盤より、課題への取組を紹介します。
(1) 従業員と共に成長(人的資本)
当社グループは従業員を大切にし、一人ひとりが自分らしく働ける制度や環境づくりを推進しています。「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」というミッションの実現に向けて、優秀な人材の採用、キャリアアップや成長の後押し、多様な従業員にとって働きやすい職場づくり等、全ての従業員がいきいきと活躍できるよう取り組んでいます。
① ガバナンス
従業員と共に成長する組織基盤作りのため、COO(Chief Operating Officer)を委員長とする「人材開発委員会」を設置し、採用、育成、評価、報酬等の人事課題や具体的な施策について協議しています。また、多様性に関する課題や機会については、「サステナビリティ委員会」のもとにある「ダイバーシティ&インクルージョン分科会」で議論・検討を重ねています。
② リスク管理
人的資本に関するリスクは、「3 [事業等のリスク] 3 事業運営全般リスク (7) 無形資産に関するリスク ③ 人的資源に関するリスク」をご参照ください。
③ 戦略
1) 人材マネジメント
当社グループは「採用」、「育成」、「定着」の3つを柱とした「Back to Basics Project」を2017年より実施し、「勝てる人材、勝てるチームを作る」という人事の基本目標に立ち返ることで、強い組織基盤作りに取り組んでいます。
・採用
求職者との相互理解の促進が優秀な人材の採用への鍵と捉え、オンラインとオフラインを融合したコミュニケーションの機会を大切にしています。当社グループの様々な仕事や企業文化を体感できる「インターンシッププログラム」や、求職中のポジションにマッチする知人や友人を従業員から紹介・推薦する「社員紹介プログラム」を実施しています。また、就活生向けの「Rakuten Career Conference」も毎年開催しており、2023年は約2,800名が参加しました。
・育成
当社グループは、一人ひとりの力が最大限発揮される「学び続ける組織(Learning Organization)」となることを目指しています。技術的なスキルはもちろん、自己啓発サポートや包括的なビジネススキルの習得を通じて、従業員のキャリア開発を後押しします。また、現場でのコミュニケーションを強化し、組織としての成果を最大化するため、チームメンバーとマネージャーが1対1で行う1on1ミーティングも定期的に実施しています。チームメンバーとマネージャー間の信頼関係の強化につながるだけでなく、相互のフィードバックを通じてお互いが学びを得られるため、例年アンケート結果が90%以上の満足度を維持する効果的な仕組みとなっています。
研修制度の一例
・定着
近年、多様なキャリアの選択肢が増えたことや、働き方改革等の社会的変化に伴い、個人の労働観が大きく変化しています。このような中で、従業員が一つの組織で長くキャリアを築きたいと感じるかどうかには、様々な要因が影響しています。当社グループでは、従業員の満足度を高め、キャリアアップを奨励するために、公平で適切な報酬と福利厚生、柔軟なワークスタイル、快適かつ魅力的・健康的な職場を整備しています。様々な取組の結果、当社グループの2023年の離職率は、2017年時から2.4ポイント減少しています。
2) ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(Diversity, Equity and Inclusion、以下「DEI」)
人種・国籍・性別・婚姻歴・子女の有無・宗教や政治思想・年齢・障がいの有無・性的指向・性自認等にかかわらず、全ての人に機会を提供する文化を醸成しています。世界中の従業員一人ひとりの多様な個性と価値観を尊重し、誰もが能力を最大限に発揮できる環境づくりにも努めています。また、グローバル展開を進める中、社内公用語を英語にし、世界中の優秀な人材の採用・登用が更に加速したことで、世界を舞台にしたビジネス展開の原動力となっています。
従業員一人ひとりの違いに配慮し適切な職場環境を整えることも重要です。子育て世代に対しては、キャリアセッションや産休前後セミナー等を実施しています。また、復職後の支援として搾乳室や託児所を設置しています。文化や宗教等異なるニーズを持つ従業員には、ハラルメニューの提供及び祈禱室を設置し、障がいのある従業員に対してはユニバーサルデザインを取り入れたオフィス環境を整備しています。

* 従業員の国籍数のデータ範囲は当社グループ。障がい者雇用率の対象組織は当社(単体)、楽天ソシオビジネス(株)及び楽天コミュニケーションズ(株)。その他は当社(単体)のデータ。当社におけるダイバーシティに関するデータは2024年1月1日時点のもの。
従業員の多様性を最大限に生かすためには、共通言語を持つだけではなく、全ての従業員が企業文化の根底にある価値観を理解し、共有することが必要不可欠です。当社グループの価値観・行動指針である「楽天主義」を理解し実践できるよう、全従業員を対象とする「楽天主義ワークショップ」を開催しています。2023年は、楽天主義ワークショップに全従業員の51.3%、これまでに17,000名以上が参加しました。ワークショップへの参加率は2022年から9.4ポイント改善しました。
3) 健康・ウェルネス
安全で健やかな職場環境を醸成することは、従業員の身を守るだけでなく、仕事に対する満足度を高め、優秀な人材の獲得・定着につながるため、従業員の心身の健康の増進や、健康的に働き続けられる組織風土づくりを目指しています。「ウェルビーイングサーベイ(調査)」を定期的に実施しており、従業員の心身の健康状態や課題を把握した上で、ウェルネス推進活動の効果測定をしています。これまでに実施した調査の結果、当社の従業員における3大健康課題として、運動不足、睡眠の質、体重管理が特定されました。今後は、それぞれの課題を感じている従業員数の低減を図っていきます。
④ 指標及び目標
人的資本に関する戦略を踏まえ、人材マネジメント、DEI、健康・ウェルネス、それぞれの観点から、以下の指標の維持・改善を図っていきます。

*1 当社(単体)
*2 当社を含む当社グループ(国内のみ)。心身の体調不良が原因による遅刻や早退、就労が困難な欠勤・休職等、業務自体が行えない状態。病欠日数をウェルビーイングサーベイ(独自に定めた従業員調査)にて取得。
*3 当社を含む当社グループ(国内のみ)。出勤しているにも関わらず心身の健康上の問題が作用して、パフォーマンスが上がらない状態。病気やけががないときに発揮できる仕事のパフォーマンスを100%として、過去4週間の仕事を1‐100%で評価。ウェルビーイングサーベイにて取得。
*4 当社を含む当社グループ(国内のみ)。従業員の仕事に対する活力・熱意・没頭の度合い。ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度超短縮版3項目をウェルビーイングサーベイに組み込み、取得。
(2) 持続可能なプラットフォームとサービスの提供(持続可能な生産と消費)
持続可能な生産と消費には、サプライヤーとビジネスパートナーとともに取り組む必要があります。そのためには、まず当社グループがサプライチェーンマネジメントを通じて、ネガティブなインパクトを低減させることが重要だと捉えています。以下では、持続可能な社会の実現に向けた、当社グループのサプライチェーンマネジメントについてご紹介いたします。
① ガバナンス
国内外の経営陣で構成されるグループ横断的なサステナビリティ委員会下の「人権分科会」では持続可能な生産と消費に関連するサプライチェーンマネジメント等のテーマについて議論を深め、サステナビリティ委員会で報告をしています。また、重点事業におけるサプライヤーの取組を確認するために、サプライヤー調査とモニタリングを行っています。サプライヤーの相談窓口として「サプライヤーホットライン」を設置し、楽天グループサステナブル調達インストラクションに対する違反又はそのおそれがある行為を把握できる体制を構築しています。
② リスク管理
サプライチェーンに関するリスク管理は、「3 [事業等のリスク] 3 事業運営全般リスク (5) サプライチェーンに係るリスク」をご参照ください。
③ 戦略
当社グループのサービスや商品に携わるサプライヤーは多岐にわたります。当社グループは、楽天ブランドを象徴する製品を取り扱う事業、直販型事業、BtoB事業を重点事業として特定し、段階的にサプライヤーへ働きかけています。
1) サステナブル調達の方針の浸透
サプライヤーとサステナビリティに関する共通の認識を持つため、「楽天グループサステナブル調達インストラクション」、「楽天グループサステナブル調達行動規範」を策定し、サプライヤーに期待する行動を規定しました。サプライヤーにサステナブル調達の方針の周知と理解促進のためオンライン説明会を開催し、これらの方針の遵守並びに誓約書への署名をお願いしています。また、調達側である当社グループの従業員に対してもサステナブル調達に関するEラーニング研修を実施しています。
2) サプライヤー調査とモニタリング
サプライチェーンにおける問題発生の未然防止及び課題の把握と解決を進めるため、定期的にサプライヤーへ質問票を送り、必要に応じて監査を実施する等の調査やモニリングを行っています。更に、調査の結果、期待する改善アクションを含めたフィードバックを提供しています。
④ 指標及び目標
当社グループはサステナブル調達の方針の周知とサプライチェーンにおける課題把握を重要と考え、以下を指標としています。

* 当社及び特定のグループ会社の重要な製品・事業のサプライヤー、一定額の取引実績があるサプライヤー等の基準を設け、説明会及び質問票の対象サプライヤーを特定。
(3) グローバルな課題への取り組み(気候変動)
当社グループのサービスと環境は密接につながっています。『楽天市場』で販売される様々な商品から『楽天トラベル』で予約できる旅行先まで、質の高いサービスや商品を継続的にお客様にお届けするためには、豊かな環境が必要不可欠です。また、当社グループの事業活動は、環境に多大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業活動による環境への負荷の低減はもちろん、テクノロジーとイノベーションを生かして、環境に配慮したサービスをお客様に提供します。
① ガバナンス
サステナビリティ委員会下に「環境分科会」を設置し、月次で社内各組織向けに環境戦略を展開し、具体的な行動へ移行しています。環境問題に対応するための戦略を策定するため、2022年1月に環境経営推進部を設立しました。同部は、環境分科会と共に、関連チームや組織、国際的なイニシアチブと緊密に連携しながら、各事業部門や部署がそれぞれの活動に伴う環境への影響に責任を持つよう取り組んでいます。気候変動に関する課題はCOO(Chief Operating Officer)がマネジメントしています。
② リスク管理
気候変動に関するリスクの識別・評価は、環境経営推進部が行っています。リスク管理は、「1. サステナビリティ全般 (2) リスク管理」をご参照ください。
③ 戦略
当社グループは、シナリオ分析を用いて気候変動が当社に与えるリスクと機会を分析しています。低炭素社会へ移行するに伴い、政策・法規制、技術、市場及びレピュテーションリスクに対応する必要があります。中でも当社グループの事業活動に伴うCO2排出量の90%以上が電力消費によることから、特に政策・法規制リスクを重要なリスクの一つと認識しています。炭素価格が増加することで、電力調達コストが増加し、財務に影響する可能性があります。当社グループは、省エネルギーや再生可能エネルギーへの切り替え、CO2排出量の削減に努めています。
気候変動によってもたらされる災害等は、「3 [事業等のリスク] 3 事業運営全般リスク (10) 自然災害等の危機的な事象発生に関するリスク」をご参照ください。
④ 指標及び目標
当社グループは、グローバル企業としての責任を果たし、企業理念を実現するため、事業活動から排出されるCO2排出量(スコープ1及び2)を2023年までにカーボンニュートラルにすることを目指しています。当社グループのカーボンニュートラル戦略は、エネルギー効率の向上、再生可能エネルギー100%への切り替え、カーボンクレジットの調達の3つの施策から構成されています。2022年の実績は、スコープ1は1,745t-CO2、スコープ2(マーケット基準)は268,476t-CO2、再生可能エネルギーの比率は11.6%でした。各指標の実績は、毎年6月頃にコーポレートページに掲載のESGデータブックにおいて更新する予定です。
(4) 事業基盤(情報セキュリティとプライバシー)
当社グループは、情報セキュリティの確保を、経営上の最重要課題の一つに位置づけています。お客様の個人情報をはじめとする各種情報と、ソフトウエア等の情報システムから成る情報資産を適切に保護・管理し、情報セキュリティの継続的な維持・向上に努めています。
また、プライバシーは、テクノロジーの利用、イノベーションの促進、ステークホルダーの信頼獲得等、持続可能な「楽天エコシステム」の構築に欠かせない重要な要素であり、単なるコンプライアンス上の問題に限りません。全てのお客様に安心してサービスをご利用いただけるよう、当社グループはプライバシー対策の実施、強化、徹底に努めます。
① ガバナンス
CISO(Chief Information Security Officer、以下「CISO」)を委員長とする楽天グループ情報セキュリティ&プライバシー委員会を毎月開催し、情報セキュリティ及びプライバシーの要求事項等に準拠した体制を整えています。本委員会での主な協議事項は、コーポレート経営会議にて経営陣に報告しています。
情報セキュリティに関しては、リージョナルCISO、カンパニーCISO、グループ各社のCISOで構成されるCISOコミュニティを設け、グループ横断での情報セキュリティに関する議論や情報共有を行っています。
また、当社グループ内のプライバシーの状況を監督、モニタリングする専門の職位として、グローバルプライバシーマネージャーを任命しています。グローバルプライバシーマネージャーは、リージョナルプライバシーオフィサーと連携することにより、強固なプライバシーネットワークを構築し、当社グループに適用されるコンプライアンスの遵守状況とリスクの有無をモニタリングしています。
② リスク管理
情報セキュリティとプライバシーのリスク管理は「3 [事業等のリスク] 3 事業運営全般リスク (1) 情報セキュリティに関するリスク」をご参照ください。
③ 戦略
1) 情報セキュリティ
情報セキュリティ確保のため、以下の5つの方針を設け取り組んでいます。
1.情報セキュリティ体制の構築
2.情報資産の適切な管理
3.情報セキュリティ確保のための規定等の策定
4.法令・規範の順守
5.継続的な改善
・国際基準への準拠
情報セキュリティマネジメントの国際規格であるISO/IEC 27001に基づく社内規程を定め、当社グループ会社に適用し、情報セキュリティの維持に努めています。現在、ISO/IEC 27001認証の適用範囲は、当社グループ全体で44社となり、継続的な拡大を目指しています。
・情報セキュリティ教育
当社グループでは、全従業員を対象に情報セキュリティ教育を毎年実施しています。実際に発生したインシデントの事例等を交えて情報セキュリティの重要性への理解を深めることに加えて、受講者は社内規程の遵守を宣誓します。
・サイバーセキュリティの強化
セキュリティオペレーションセンター(SOC:Security Operations Center)やセキュリティ対策専門のチーム(Rakuten-CERT)の体制を整えてインシデントに備えているほか、サービス開発者へのセキュリティ教育、ソフトウエア開発プロセスへのセキュリティレビュー及び脆弱性検査と、開発プロセスの段階ごとにセキュリティに関する確認を組み込むことで、脆弱性を排したサービス開発体制を構築しています。
2) プライバシー
国内外のプライバシー法の遵守に加え、独自の運用基準を設けることで、法令要件を上回るプライバシー保護対策に取り組んでいます。全てのお客様に安心して楽天のサービスをご利用いただけるよう、「教育」、「透明性」、「信頼」に重点を置いています。
・拘束的企業準則(BCR)の導入
当社グループは拘束的企業準則(BCR:Binding Corporate Rules)と呼ばれる世界水準のプライバシー保護基準を導入しています。当社グループのBCRは、GDPRに基づきルクセンブルクにあるEUのデータ保護機関によって承認された拘束的企業準則及び英国一般データ保護規則(UK GDPR)に基づき英国のデータ保護機関によって承認された拘束的企業準則の2つで構成されています。BCRに準じたデータの取り扱いをすることによって、当社グループ全体で個人のプライバシーとデータの保護に取り組んでいます。
・ユーザーへの透明性の向上
当社グループのプライバシーへの取組や、関連情報を紹介する「プライバシーセンター」ページでは、グループ各社の個人情報保護方針、プライバシー保護やテクノロジーの理解に役立つ情報をお届けすることで、お客様自身にプライバシーについて考えていただく機会を提供しています。
・プライバシー教育
プライバシーの重要性を全従業員の共通意識として浸透させるために、プライバシー教育・啓発の専門チームを設け、グループの全従業員を対象とした年次の研修や入社時の研修に加え、国際的なデータ・プライバシーの日に合わせた啓発イベントを開催しています。
④ 指標及び目標
情報セキュリティとプライバシーに関する戦略を踏まえ、お客様が安心してサービスを利用できるような認証取得とサービスを提供する従業員への教育を重要と捉え、以下の指標の維持・改善を図っていきます。

3 【事業等のリスク】
当社グループは、国内外において多岐にわたる事業展開をしており、これらの企業活動の遂行には様々なリスクが伴います。本項では当社グループのリスク管理体制・プロセスとともに、当社グループ事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると認識している主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しています。ただし、当社グループで発生しうる全てのリスクを網羅しているものではありません。当社グループの経営陣は、これらリスクの発生可能性の程度及び時期を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。しかしながら、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に与える影響並びにその対応策を合理的に予見することが困難である事項もあります。したがって、当社の有価証券に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も合わせて、総合的かつ慎重に検討した上で行う必要があると考えています。
なお、以下の記載事項のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
1 当社グループのリスク管理体制と取組
当社グループは、リスクを「経営目標の達成に影響を及ぼしうる不確実性」と定義し、経営目標達成の確度を向上させるために統合的リスク管理(ERM:Enterprise Risk Management)を導入し、リスクを特定、評価し、的確な経営判断や事業運営につながるようリスク管理体制及びプロセスを整備しています。当社グループの各部門ではグループ規程に従い、リスクの適切な把握・特定、グループ共通の基準での評価、重要性に応じた対応計画の策定と実行、その状況のモニタリングというサイクルを確立しています。
また、当社グループ全体でリスクを管理するため、下図のようなグループのリスク管理体制を構築しています。当社グループの経営層が認識するリスクを「トップダウンリスク」、当社グループの各事業又はグループ会社が認識するリスクを「ボトムアップリスク」、当社グループ事業活動に重要な影響を及ぼす可能性があるリスクを「グループトップリスク」等リスクの区分を設け、網羅的なリスクの洗い出し及び管理となるよう取組を進めています。中でもグループトップリスクは、その対策状況を年4回開催されるグループリスク・コンプライアンス委員会にて協議し、本委員会の主な協議事項は取締役会等重要会議体を通じて経営陣に報告し、協議しています。
<グループのリスク管理体制及びリスク管理プロセス>

<グループトップリスクの特定プロセス>

2 経営環境・戦略に関するリスク
(1) マクロ経済環境に関するリスク
当社グループは、国内外において多岐にわたる事業展開をしており、当社グループの業績は国内の景気動向とともに、海外諸国の経済動向、社会情勢、地政学的リスク等に影響されます。マクロ経済環境について注視しながら、事業展開等を進めていく方針ですが、今後の内外経済環境の先行きについては引き続き不透明な状況にあり、世界経済の低迷、社会情勢の混乱、国際社会における国家間の対立、地域紛争や武力行使、国家間の経済制裁等による輸出入・外資規制、諸規制変更や規制動向の変化等により、当社グループの事業活動に支障が生じ、サービス・商品の安定的な供給や経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 競合環境
当社グループが展開するいずれの事業においても多数の競合事業者が存在しており、激しい競争関係にあると考えています。また、他業種の事業者等を含む新規参入者が新たな競合事業者となった場合には、より一層競争が熾烈化する可能性があります。
当社グループは、競合事業者の動向を注視しつつ、引き続き顧客ニーズ等への対応を図り、サービス拡大に結び付けていく方針ですが、これらの取組が期待どおりの効果を上げられず、サービスの競争力を失った場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 業界における技術変化等
当社グループが展開するいずれの事業においても技術分野における進歩及び変化が著しく、新しいサービス及び商品が頻繁に導入されています。
当社グループは、常に最新の技術動向及び市場動向の調査、技術的優位性の高いサービスの導入に向けた実証実験並びに他社との提携等を通して競争力を維持するための施策を講じています。しかしながら、何らかの要因により、当社グループにおいて当該変化等への対応が遅れた場合には、サービスの陳腐化、競争力の低下等が生じる可能性があります。また、対応可能な場合であったとしても、既存システム等の改良、新たなシステム等の開発による費用の増加が発生する可能性があり、これらの動向及び対応の巧拙によっては当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業運営の脅威となりうる技術が開発される可能性もあり、このような技術が広く一般に普及した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 経営体制・事業戦略に関するリスク
① 経営体制(コーポレート・ガバナンス)に関するリスク
当社グループは、イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントすることを経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていきます。その実践のために、コーポレート・ガバナンスの徹底を最重要課題の一つと位置づけ、様々な施策を講じています。
当社は、経営の透明性を高め、適正性・効率性・公正性・健全性を実現するため、独立性の高い監査役が監査機能を担う監査役会設置会社の形態を採用しており、経営の監査を行う監査役会は社外監査役が過半数を占める構成となっています。また、当社は、経営の監督と業務執行の分離を図るため執行役員制を導入しており、取締役会は経営の意思決定及び監督機能を担い、執行役員が業務執行機能を担うこととしています。
当社の取締役会においては、独立性が高く多様な分野の専門家である社外取締役を中心として客観的な視点から業務執行の監督を行うとともに、経営に関する多角的な議論を自由闊達に行っています。更に、取締役会とは別にグループ経営戦略等に関する会議を開催し、短期的な課題や取締役会審議事項に捉われない中長期的視野に立った議論も行うことで、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めています。
加えて、業務執行における機動性の確保及びアカウンタビリティ(説明責任)の明確化を実現するために社内カンパニー制を導入しています。しかしながら、これらの経営体制を含む各施策から期待どおりの効果を得られずに、適時適切な経営の意思決定が行われなかったり、コンプライアンス違反が生じるような場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 上場子会社との関係に関わるリスク
当社グループは、上場子会社を有していますが、上場子会社と経営基本契約を締結し、当社グループの基本理念である「楽天主義」、ガバナンスの基本的事項である「コアポリシー」及び取締役・使用人が遵守すべき基本的事項である「楽天グループ企業倫理憲章」を定め、関連法令上の公益の観点から求められる経営の独立性及び上場子会社として求められる独立性を尊重すること、上場子会社が当社グループ以外からの取締役の登用を積極的に行う等ガバナンスに対する適切なチェックが働く体制を構築してきたことを尊重すること、上場子会社の人事権を尊重することを規定しています。
かかる状況の下、上場子会社の独立的経営及び総株主の利益に資する単独企業としての価値の向上のためには、上場子会社における意思決定は、常に当社グループの意向に沿った、又は、当社グループの利益に資するものになるとは限りません。また、双方の関係性が変容した場合や上場子会社の業況が悪化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 事業戦略に関するリスク
当社グループは、保有するメンバーシップ、サービス利用に係る各種データ、「Rakuten」ブランドを核とする「楽天エコシステム」において、国内外の会員が複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果の創出、ひいては当社グループ利益の最大化を目指すという事業戦略を掲げています。この事業戦略のもと、個々のビジネスの成長及び事業間シナジーの最大限の追求に加え、当社グループが持つメンバーシップ、データ及び「楽天ポイント」を使用したリワードプログラム等の活用を行っています。具体的には、1億以上の会員IDに基づくオンラインとオフライン双方のデータを活用することにより、それぞれの事業におけるサービスの向上を図りつつ、これに加えオンラインとオフラインの垣根を超えるサービスの相互利用を促進しています。しかしながら、それら施策から期待どおりの効果を得られなかった場合、当社グループの展開するサービスの一部あるいは複数が停止し相互利用の促進に障壁が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、デジタルプラットフォーム・メンバーシップデータの利用方法・リワードプログラムに関する法令等が当社グループにとって不利益な内容に改正された場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 事業の拡大・展開に関するリスク
1) 投資及び買収
当社グループは、国外市場への進出、新規ユーザーの獲得、新規サービスの展開、既存サービスの拡充、関連技術の獲得等を目的として、国内外を問わず買収(M&A)や合弁事業、投資活動を行っており、これらを経営の重要戦略の一つとして位置づけています。
買収を行う際には、対象企業の財務内容、契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するように努めていますが、案件の性質、時間的な制約等から十分なデューデリジェンスが実施できない場合もあり、買収後に偶発債務が発生する可能性及び未認識債務が判明する可能性があります。また、新規サービスの展開に当たってはその性質上、当該新規サービスが当社グループの事業、経営成績及び財政状態へ与える影響を正確に予測することは困難であり、事業環境の変化等により計画どおりにサービスが進展せず、投下資本の回収に想定以上の期間を要する又はその回収ができない可能性やのれん等の減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に、被買収企業と情報システムの統合、内部統制システム等の統一、被買収企業の役職員及び顧客の維持・承継等が計画どおりに進まない可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
合弁事業及び業務提携の展開においても、パートナーとなる事業者の経営成績及び財政状態について詳細な調査を行うとともに、将来の事業計画及びシナジー効果について事前に十分に議論することによって極力リスクを回避するように努めていますが、サービス開始後に双方の経営方針に相違が生じ、期待どおりのシナジー効果が得られない可能性もあります。かかる場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性や、投下資本の回収に計画以上の期間を要する又はその回収ができない可能性があります。
その他、ベンチャー企業への投資等、様々な企業に対する投資活動を行っていますが、このような投資活動においても、経営環境の変化、投資先の業績停滞等に伴い期待どおりの収益が上げられず、投下資本の回収可能性が低下する場合には、投資の一部又は全部が損失となり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2) 海外への事業展開
当社グループは、収益機会の拡大に向けてグローバル展開を主要な経営戦略の一つとして掲げ、米州、欧州、アジア等の多くの地域でECを含む各種サービスを展開しています。また、国内外のユーザーが国境を越えて日本又は海外の商品及びサービスを購入するためのクロスボーダーサービス等も順次拡大しています。今後とも在外サービス拠点及び研究開発拠点を拡大していくとともに、各国サービス間の連携強化等に取り組みながら、海外でのサービスの充実を図っていく予定です。
一方、グローバルにサービスを展開していく上では、言語、地理的要因、法令・税制を含む各種規制、自主規制機関を含む当局による監督、経済的・政治的不安定性、通信環境や商慣習の違い等の様々な要因によって種々のリスクが生じる可能性があります。グローバルに事業を展開する競合他社との競争熾烈化のリスク、外国政府及び国際機関により関係する諸規制が予告なく変更されるリスク、当社グループ方針の浸透不足等により各種コンプライアンスに違反するリスクも存在します。更に、サービスの国際展開では、サービス立上げ時に、現地における法人設立、人材の採用、システム開発、現地事業の適切な管理のための体制構築等に係る経費が発生するほか、既存サービスにおいても、法令の改正に対応するための継続的な支出が見込まれ、戦略的にビジネスモデルを変更する場合には、追加的な支出が見込まれることから、これらの費用が一定期間当社グループの収益を圧迫する可能性があります。また、新たなサービスが安定的な収益を生み出すためには、一定の期間が必要なことも予想されます。
これらのリスクに対応するため、当社グループは、各国情勢を注視し、現地法令等へ適正に対応するとともに、各現地グループ会社でコンプライアンス体制を適切に構築し、法令遵守に努めています。また、サービスの展開においては、KPIを用いた常時業績管理、「楽天エコシステム」を活用した収益構造の効率化等による迅速な事業の立ち上げ、柔軟なビジネスモデルの変更を行うとともに、適時適切なコストコントロールを行い、当社グループの収益を圧迫するリスクの低減に努めています。しかしながら、ビジネスモデルに影響を及ぼす法規制・制度の変更、市場競争環境の変化等によりかかるリスクが現実化した場合には、対応に想定外の費用を要する可能性又は事業継続が困難となりサービス停止や事業撤退を余儀なくされる可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3) サービス領域の拡大
当社グループは、技術及びビジネスモデルの移り変わりが速いインターネットを軸とした多岐にわたる事業をサービス領域としています。その中で、新規サービスの創出、時代の流れに即したビジネスモデルの構築等を目的とし、サービス領域を拡大しています。新規サービスを開始するに当たって、相応の先行投資を必要とする場合があるほか、当該サービス固有のリスク要因が加わることとなり、本項に記載されていないリスクでも、当社グループのリスク要因となる可能性があります。
また、新規に参入した市場の拡大スピード及び成長規模によっては、当初想定していた成果を上げることができない可能性があります。加えて、サービスの停止、撤退等においては、当該事業用資産の処分及び償却を行うことにより損失が生じる可能性があります。当社グループは、サービス領域の拡大の場面において適時適切な対応を講じ、リスク低減に努めていますが、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4) 成長目標の達成に係るリスク
当社グループは、2023年5月12日付でVISION2030と題する経営ビジョンを公表しています。しかしながら、当該ビジョンにおける成長戦略の実施や目標の達成は、本「事業等のリスク」に記載された事項を含む様々なリスク要因や不確実性による影響を受けます。また、当該ビジョンは、策定時点における経済・事業環境の認識等様々な前提に基づくものであり、前提が想定どおりとならない場合等には、当該ビジョンにおける成長戦略の実施や目標の達成が困難となり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3 事業運営全般リスク
(1) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは情報セキュリティの確保を経営上の最重要課題の1つに位置づけ、大切なユーザーの個人情報をはじめとする各種情報と、ソフトウエア等の情報システムから成る情報資産を適切に保護・管理し、情報セキュリティの継続的な維持・向上に努めています。グループCISO(Chief Information Security Officer)を委員長とする、楽天グループ情報セキュリティ&プライバシー委員会を毎月開催し、情報セキュリティ及びプライバシーの要求事項等に準拠した体制を整えています。また、本委員会での主な議決事項や報告事案は、経営会議や取締役会等にて経営陣に報告し、協議しています。
① 個人情報に関するリスク
当社グループは、『楽天市場』に代表される、当社グループが提供する全てのサービスの利用にあたり、ユーザーに「楽天ID」を付与し、当社グループがそのデータを保有して、国内外において多岐にわたる事業展開をしています。当社グループは、「楽天ID」をユーザーの氏名及び住所と結びつけられた個人情報として取り扱っており、当社グループの各種ハードウエア、ソフトウエア等の情報システムからなる情報資産とともに、事業展開をする上で不可欠な資産であると認識しています。したがって、当社グループでは、全てのユーザーが安心して当社グループのサービスを利用できることを最優先とし、情報セキュリティ体制及び個人情報の保護の観点から、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を確立するとともに、クレジットカードを含むペイメントカードを取り扱うビジネスにおいては、カード会員データのセキュリティに関する国際標準であるPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)への準拠を徹底しています。
また、当社グループでは、各国で展開するビジネスにおいて、その国の個人情報保護に関する法令に準拠することを徹底しています。特に、GDPR(General Data Protection Regulation)への準拠を図るべく、拘束的企業準則(Binding Corporate Rules:BCR)と呼ばれる世界水準のプライバシー保護基準を導入し、欧州のデータ保護機関の正式な承認を受けています。
国内においては、当連結会計年度に、令和4年改正電気通信事業法への対応を行いました。加えて、一部の当社グループ会社は、日本工業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム―要求事項」に適合し、個人情報について適切な保護措置を講じる体制を整備している事業者として、外部機関から認定され、プライバシーマークの付与を受けています。
しかしながら、各国の個人情報管理に関する法令、グローバルなデータの移管に関する法令、情報セキュリティに関する法令等、プライバシー関連法令等は、ますます高度で複雑になっています。これらに適時適切に対応できず、当該法令等に違反した場合には、行政機関による制裁金・課徴金、業務停止命令等を受ける場合があるほか、レピュテーションリスクの発生、訴訟等を含む紛争に発展する可能性があります。また、プライバシー関連法令及び企業の自主的な規制強化への対応が円滑に行えない場合には、当社グループのデータ活用ビジネス及び収益に影響する可能性があります。
これらのリスク発生回避のため、当社グループでは前述の取組のほか、社内規程の整備、プライバシー関連法令の周知及び社内教育を行っています。また、連絡、相談体制の整備により、違反リスクの早期発見等に努めるとともに、関係部署とプライバシー担当部門との緊密な連携を図ることで法令等の内容を情報システム及び業務に迅速、的確に適用するように努めています。しかしながら、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループに対する社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反、補償費用の発生等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② サイバーセキュリティに関するリスク
当社グループのサービスの多くはコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されています。そのためネットワーク若しくはコンピュータシステム上のハードウエア又はソフトウエアの不具合、欠陥、コンピュータウイルス、フィッシングメール、外部からの不正な手段による当社グループのコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為等により情報システムの可用性又は情報の機密性及び完全性を確保できず、サービスの不正な利用、重要なデータの消失及び不正取得等が発生する可能性もあります。
これらのリスク発生の回避又は低減のため、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的にも各種対応策を講じていますが、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループに対する社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招くのみならず、損害賠償請求等がなされる可能性のほか、監督官庁から行政処分等を受ける可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 営業秘密等の情報漏洩に関するリスク
当社グループは、役職員や業務委託先等の業務遂行上の不備、アクセス権等の悪用等により当社グループにおける営業秘密等の情報が漏洩するリスクがあります。それにより漏洩した営業秘密等が外部の第三者に悪用され又は競合他社に利用された場合には、当社グループの収益機会が喪失する可能性があります。かかるリスク発生の回避又は低減のため、役職員や業務委託先等への教育、啓発活動を行うほか、管理体制を定め、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的にも各種対策を講じています。しかしながら、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループに対する社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招くのみならず、損害賠償請求等がなされる可能性のほか、監督官庁から行政処分等を受ける可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 生成AIの利用に関するリスク
当社グループのサービス全般で生成AIの利用を推進することにより懸念される個人情報漏洩、データ改ざん、知的財産権侵害、誤情報の流布、意図せぬバイアスの助長等のリスクがあります。これらのリスクを回避又は軽減するために、生成AIの利用に関するガイドラインの作成、運用、常時見直し及び技術的な対策の導入を行っています。また同時に、生成AI利用のためのコンプライアンス体制も定めています。全社にわたる教育研修の実施及び対応するアプリケーションの見直しを頻繁に行い、急速に進展を続けている技術及び社会情勢に柔軟に対応しています。考えうる対応を迅速に継続して行うことで、ユーザー及び取引先からの信用、社会的信用棄損の可能性を排除又は軽減に努めています。しかしながら、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループに対する社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招くのみならず、損害賠償請求等がなされる可能性のほか、監督官庁から行政処分等を受ける可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 情報システムに関するリスク
当社グループのサービスの多くは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されています。当社グループは、適用できうる限りの最新の技術と対応を行い通信ネットワークが正常に機能し、サービスの提供に支障がないよう努めています。しかしながら、かかる対応策によっても通信ネットワーク若しくはコンピュータシステム上のハードウエア又はソフトウエアの不具合、欠陥といった当社グループの情報システムに脆弱性又は不備が生じる可能性があります。加えて、人的な業務過誤により正常なサービスの提供に支障が生じる可能性があるほか、当社サービスの不正な利用、重要なデータの消失、機密情報の不正取得、改ざん及び漏洩等が発生する可能性もあります。
これらのリスク発生の回避又は軽減のため、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的にも各種の対応策を講じていますが、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループのシステムが一時的に停止する等の事態が発生し、ユーザー及び取引先の信頼低下及び離反を招くのみならず、システム停止によってユーザー及び取引先が被った損失に対する損害賠償請求等がなされる可能性もあります。また、監督官庁からの行政処分等を受ける可能性もあり、かかる場合、当社グループに対する社会的信用が毀損され、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法規制等に関するリスク
① 法令・コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、国内外において多岐にわたる事業展開をしています。各国、地域において、各種事業活動に関連する法令諸規制等があり、後述のフィンテックセグメント及びモバイルセグメントの各項目に記載した法令諸規制等のほか、電気通信事業、運送業、資金移動業を含む各種業法令はもちろん、個人情報・プライバシー保護、消費者保護、公正競争、汚職禁止、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与並びに拡散金融対策、経済制裁、自然環境、労働環境、犯罪防止、開示、納税の適正、人権、輸出入、投資、為替に関する国内外の各種法令諸規制等が広く適用されます。中でも、デジタルプラットフォーム事業者に対する法規制、各国の個人情報管理に関する法規制、グローバルなデータの移転に関する法規制及び情報セキュリティに関する法規制等は、特に当社グループの事業運営に影響を及ぼす最も重要な法令諸規制等と認識しています。
こうした関連法令諸規制等に違反した場合には、行政機関による制裁金・課徴金、業務改善命令、業務停止命令、許認可取り消し等を受ける場合があるほか、レピュテーションへの影響や訴訟等を含む紛争に発展する可能性があります。また、新たな関連諸法令の制定又は改正、新たなガイドラインや自主的ルールの策定又は改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受けた場合又は既存の規制が強化された場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは法令遵守を重要な企業の責務と位置づけ、COO(Chief Operating Officer)、CCO(Chief Compliance Officer)及び社内カンパニー制に基づくCompany Compliance Officerによりコンプライアンスに対するグループ横断的な取組を進め、グループリスク・コンプライアンス委員会及び取締役会へその取組状況を報告し、適正な職務執行を徹底するとともに、代表取締役社長直轄の独立組織である内部監査部及び子会社の内部監査部門による内部監査を実施しています。また、急激に事業拡大している分野においては、役職員又は業務委託先等による法令違反や、不正行為等のリスクも高まりますが、規程・マニュアル類の整備、教育、その遵守状況のモニタリング等によりコンプライアンス体制を強化し、コンプライアンス遵守を図っています。
しかしながら、コンプライアンスに関するリスク(監督官庁の見解と当社グループの見解が異なるリスクを含む)及びそれに付随して当社グループの社会的信用が毀損されるリスクは完全に排除できるものではなく、当社グループのみならず取引先に起因するものを含め、当社グループがこれらのリスクに対処できない場合には、行政機関からの行政処分や、金銭的な損失及び損害の発生により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 訴訟等に関するリスク
当社グループは、各種サービスの展開を図る上で、販売者、役務提供者、購入者、役務利用者・ユーザー、その他の関係者による違法行為及びトラブルに巻き込まれた場合、システム障害等によってこれらの関係者に対し損害を与えた場合又は、当局による諸規制等に違反した場合には、当社グループに対して訴訟を提起される可能性及びその他の請求や行政処分や高額な課徴金の支払命令を受ける可能性があります。楽天モバイル株式会社、Rakuten Kobo Inc.が販売する携帯端末、電子書籍端末等については、それらグループ会社がメーカーの立場及び第三者に製造を委託している立場として製造物の欠陥等に伴う製造物責任等を負う可能性があります。また、新たに発生した、若しくは今まで現実化しなかったビジネスリスクによって、現時点では予測できない訴訟等が提起され、その結果、高額な損害賠償金の支払義務を負う可能性があります。一方、当社グループが第三者に何らかの権利を侵害される又は第三者の行為により損害を被った場合には、当社グループの権利が保護されない可能性及び当社グループの権利保護のための訴訟等の遂行に多大な費用を要する可能性もあります。
当社グループでは、適宜、弁護士等をはじめとする外部専門家及び当局に事前相談すること等により、適切かつ適法なサービスの提供に努めていますが、全ての訴訟等の可能性を排除することは困難であり、かかるリスクが現実化した場合には、その訴訟等の内容又は請求額によっては特別損害が発生し、また、当社グループの社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があり、ひいては当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) サプライチェーンに関するリスク
当社グループでは、製品調達及び供給を適時に行うことが求められます。製品の調達・供給において、地政学的リスク、自然災害、疫病、戦争、内戦、暴動、テロ、サイバー攻撃、ストライキ、あるいは輸送事故等の理由により生産・物流が停滞する場合、供給不可や配送遅延による売上機会の損失、復旧対応のコスト増加により当社の収益確保に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは顧客の維持・獲得、ネットワークの構築及びメンテナンス等のほか、それらに付随する業務の一部又は全部について、他社に委託しています。そのため、取引先及び業務提携先や委託先に関しては選定時に「楽天グループにおける購買委託管理に関するインストラクション」やそれに基づく各社購買規程にのっとった評価・選定を行うとともに、「楽天グループサステナブル調達インストラクション」に基づく調達調査を通じ、リスクアセスメント、取引先審査及び課題の抽出、ヒアリング実施等PDCAサイクルの構築によって、取引上のリスクの低減に努めています。
また、「サプライヤー様向け楽天グループサステナブル調達行動規範」を制定し、取引先及び業務提携先や委託先に向けては、法令・社会規範の遵守、汚職・賄賂等の禁止、公平・公正な取引の推進、環境への配慮等、具体的な行動指針を定めています。これらをもとに、取引先及び業務提携先や委託先と公平・公正かつ透明性の高い取引に基づく良好な関係の構築と関係強化に取り組んでいます。
しかしながら、これらの対策にも関わらず、業務委託先(役職員や関係者を含む) と当社グループとの業務の中で故意又は過失による法令違反や、不正行為、人権侵害等が発生した場合、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。業務委託先は当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、上述のような事象により当該業務委託先の信頼性や企業イメージが低下した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 有形固定資産に関するリスク
当社グループは、モバイル事業の通信ネットワークの構築に必要な設備等をはじめとする有形固定資産を保有しています。これらの資産については、四半期ごとに減損の兆候の有無を判断し、減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額の見積りを行っています。回収可能価額の見積りは、将来キャッシュ・フロー予測等を使用しており、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識しています。将来の事業環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの低下が見込まれる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 無形資産に関するリスク
① 「Rakuten」ブランドの保全と推進に関するリスク
当社グループは、多様なサービス展開、広告宣伝活動等を通じて「Rakuten」ブランドの確立を図っており、そのユーザー等に対して一定の認知が得られているものと認識しています。事業規模の更なる拡大等に伴い、各サービスブランドの「Rakuten」ブランドへの統合推進、会員データベースの一元化、リワードプログラムの共通化を媒介とした会員IDの統合等を推進しています。ブランドの強化による認知度、又はロイヤリティ向上のための施策及び費用については事前に十分な計画を立てていますが、思うような成果が現れず計画比で費用が超過する可能性もあります。また、これらの施策の過程においてブランド名称やロゴ、会員IDの変更により既存会員のロイヤリティの低下及び会員組織からの離脱を招く可能性もあります。更に、「Rakuten」ブランド傘下のブランド統合により、各サービスブランドの施策が当社グループ全体に影響を与えるため、一つのサービスブランドにおいて、当社グループのブランドの信頼性及びブランド価値を毀損するような事案等が発生した場合には、当社グループ全体に影響を及ぼし、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産権に関するリスク
当社グループが展開するいずれの事業においても技術分野における進歩及び変化が著しいため事業展開を行う各国において自社グループの技術、ブランド、コンテンツ等を保護することが継続的な事業運営に必要不可欠であると考えています。そのため、特許権、商標権、著作権、ドメインネーム及びその他の知的財産権を取得するよう努めるとともに、必要に応じて第三者から知的財産権のライセンスを受けています。
しかしながら、想定どおりに知的財産権を取得できないことで、当社グループが使用する技術、ブランド及びコンテンツ等を保護できない可能性があります。また、第三者から知的財産権等の侵害を主張されることで、当該主張に対する防御又は紛争の解決のための費用又は損失が発生する可能性、知的財産権のライセンスの取得等のために多額の費用が発生する可能性及び当社グループの事業が差し止められ、多額の損害賠償金が課せられる可能性等があります。
これらのリスクの発生を回避するため、当社グループにおいては、特許権、商標権、著作権、ドメインネームその他の知的財産権の積極的な取得及び第三者の権利侵害を回避するための対応策の実施を進めています。しかしながら、かかる対応策にもかかわらず、リスクが現実化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人的資源に関するリスク
当社グループでは、各サービス分野において専門性及び多様性(ダイバーシティ)を有する人材が必要であり、今後とも事業拡大及び国際展開に応じて、継続してグローバルに人材を確保、育成すること及びダイバーシティを実現することが必要です。更に、日本においては少子高齢化や労働人口の減少が進行していることを踏まえ、市場ニーズの変化による採用、生産性の向上や採用した人材の定着(リテンション)及びマネジメント層の育成も継続した課題と認識しています。
当社グループでは、月次の人員計画を確認し、その変動を注視しつつ採用チャネルの多様化、リクルーターの増員等を行い、採用活動を行っています。加えて、採用した人材に対する職階に応じた教育・研修の実施等を通じて、人材育成や当社グループへのエンゲージメントの強化に取り組んでいます。マネジメント層の育成では、当社グループ内で実施するリーダーシップサミット等で当社グループのマネジメント層同士が議論する機会を設け、グループ横断的な連携及びリーダーシップの強化を図っています。しかしながら、かかる施策にもかかわらず、競合他社との人材獲得競争の激化により採用が計画どおりに進まなかった場合、人材の育成及び多種多様な人材が活躍できる就労環境の整備が順調に進まず、在職する人材の社外流出が生じた場合等には、労働力が不足し、労働生産性が低下する恐れがあり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社代表取締役会長兼社長である三木谷浩史氏は、当社グループの創業者であり、創業以来CEOとして当社グループの経営に携わり、重要な役割を果たしているため、同氏の離職又は業務執行が困難となる不測の事態が生じた場合には、当社グループに影響を与える可能性があります。当社グループは社内カンパニー制を敷き、職務権限表に基づき各カンパニーごとにカンパニープレジデントを設置し、また執行役員制度を採用して適切に業務遂行の権限委譲を行っています。更に、グローバルで多岐に渡る当社グループの事業展開を担うことができる人材の育成も行い、同氏が離職又は業務執行が困難となった場合のリスクを低減しています。しかしながら、かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) マーケットに関するリスク
① 金利変動及び有価証券、金銭信託等の価格変動に関するリスク
当社、楽天カード株式会社、楽天銀行株式会社、楽天証券株式会社等では、必要な事業資金について銀行等からの借入等を行っていますが、当該事業資金の調達が金利変動の影響を受ける可能性があります。
また、当社グループは有価証券、金銭信託等の金融商品を多く保有しており、これらの有価証券等は金融商品市場の動向等により価格が変動する可能性があります。一部の有価証券等は、価格変動のリスクを低減するためデリバティブ取引等を活用していますが、完全にリスクを回避及び低減できる保証はなく、金融商品市場における価格変動により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 為替変動に関するリスク
当社グループが行う外貨建投資及び外貨建取引においては、経済動向を注視しつつ、為替変動リスクを極力回避する方針としています。しかしながら、当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債は、現地通貨で発生したものを円換算し、連結財務諸表を作成しているため、為替変動による影響を完全に排除することは困難であり、外国為替相場の変動により当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 財務・資金に関するリスク
① 資金調達等に関するリスク
当社グループが、金融機関等と締結しているローン契約、社債等には、財務制限条項やその他の誓約事項が規定されている場合があります。当社グループの経営成績、財政状態又は信用力が悪化する等により、いずれかの財務制限条項等に違反した場合には、これらの条項に基づき金融機関等から既存借入金や社債の一括返済、金利及び手数料率の引上げ、担保権の設定等を迫られる可能性があるほか、それに伴い、その他の債務についても返済を求められる可能性があります。また、当社グループの信用力の悪化により格付機関による信用格付が引き下げられた場合及び金融市場の状況等に起因して金融機関等における調達環境が悪化し、当社グループに対する貸出条件、社債発行条件等に影響する場合には、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループのサービス展開の制約要因となる可能性があります。また、当社グループでは、楽天カード株式会社のクレジットカード債権、楽天モバイル株式会社の通信料債権等の金銭債権の証券化による資金調達も行っていますが、何らかの要因により、それらの継続が困難となるか、又は取引条件が悪化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは金融機関、格付機関、資本市場等との良好な取引関係の維持、調達先の分散、調達手段の多様化等により、かかるリスクを極力低減するように努めますが、かかるリスクが顕在化した場合及び金融市場が不安定な場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが発行している社債等には、当社グループの裁量で期限前償還可能な初回任意償還日が設定されている場合があります。当社グループは資本市場との良好な関係性維持のため、初回任意償還日での期限前償還を行う方針ですが、何らかの理由により、当社グループが初回任意償還日での期限前償還を見送る場合や、期限前償還がいずれかの財務制限条項等によって制限される場合は、将来の有価証券の発行条件に悪影響を及ぼす等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に、当社が発行している社債の要項には、当社と比較可能な上場企業の配当水準を超える等の一定の条件を満たさない株式の配当及び自己株式の取得を制限する条項が規定されている場合があり、この場合には配当又は自己株式の取得に影響を与える可能性があります。加えて、当社が優先株式の発行を行った場合において、何らかの理由により優先株式の配当が制限された場合は、普通株式の配当に影響を与える可能性があります。当社グループは金融機関、格付機関、資本市場等との良好な取引関係の維持、調達先の分散、調達手段の多様化等により、かかるリスクを極力低減するように努めますが、かかるリスクが顕在化した場合及び金融市場が不安定な場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産に関するリスク
当社及び一部の連結子会社においては、IFRSに基づき、将来における税金負担額の軽減効果を繰延税金資産として計上しています。当社グループは、将来の課税所得と実行可能なタックス・プランニングをし、回収可能な繰延税金資産を計上していますが、将来課税所得の見積りが下方修正されたことに伴い当社及び連結子会社における繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合若しくは税制及び会計基準の変更が行われた場合には、当該繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 自然災害等の危機的な事象発生に関するリスク
地震、台風、津波等の自然災害、パンデミック、大規模事故、テロ・暴動その他予期せぬ危機的な事象が発生した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらの災害及び危機的な事象が発生した場合には、社会全体の経済活動が停滞し、当社グループの提供するサービスへの需要が著しく減少する可能性があります。一方、災害等の態様によっては急激にその需要が増加することも想定され、それが当社グループの業務対応能力を超えた場合には、サービスの提供等が遅延又は一時停止する可能性があります。また、当社グループの営業及び物流拠点、データセンターをはじめとする主要な拠点が、これらの災害及び危機的な事象により直接的又は間接的に被害を受けた場合には、物理的、人的被害による影響により、通信ネットワークや情報システム等が正常に稼働せず、当社グループの事業活動に制約が生じ、やむを得ずサービスの一時停止を余儀なくされる可能性があります。加えて役職員の安全確保のため、役職員の出勤制限又は停止等、業務の運営形態を変更せざるを得ない状況に陥ることにより、業務生産性が低下し、情報セキュリティ及びプライバシー保護に関するリスクが、一時的に上昇する可能性があります。
当社グループにおいては、これらの災害及び危機的な事象が発生した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定し、訓練等を通じ役職員の安全性の確保や情報システムのバックアップシステムの立ち上げを想定する等、かかるリスクによる影響を最小限に留めるよう努めていますが、災害及び危機的な事象の発生規模がその想定を超える場合には、当該リスクが現実化し、事業の継続自体が困難又は不可能となり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 気候変動に関するリスク
気候変動に関するリスクは「2 [サステナビリティに関する考え方及び取組] 2. 重要なサステナビリティ項目 (3) グローバルな課題への取り組み(気候変動)」をご参照ください。
(12) 事務・オペレーショナルリスク
① 財務報告に関するリスク
当社グループは、信頼性の高い財務報告を作成するため、金融商品取引法が定める内部統制報告制度に基づき、財務報告に係る内部統制を整備し、その評価を実施しています。しかしながら、当社グループの内部統制が適切に機能しない又は内部不正を阻止できない等、重要な不備が生じた場合には、当社グループの社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 業務効率に関するリスク
当社グループは、業務の正確性、効率性を高めるために、様々な取組を実施しています。具体的には、全従業員参加型の改善活動の実施、業務遂行過程における各種情報システムの活用、担当者以外の第三者が業務内容を二重に確認する再鑑制度の実施、社内規程及び事務手続きの標準化並びに文書化等に取り組んでいます。しかしながら、一部において専用の情報システムが導入されておらず、人的な対応に委ねられている業務もあり、役職員の誤認識、誤操作等により事務手続きの不備が発生する可能性があります。また当社グループの急速な拡大に伴う事務量の増加、新サービスの展開等により、業務遂行に必要な知識の共有及び継承が不十分になる可能性があります。それらの結果、事務手続きの不備の増加や生産性の低下により安定的なサービスの供給の妨げ、経済的な損失及び個人情報等の流出等に繋がる可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 風評に関するリスク
各種報道機関並びにSNS等を通じ、当社グループの事業及び役職員に関する様々な内容の報道及び情報の流布がされています。これらの報道及び情報の流布は、正確な情報に基づいていないもの及び憶測に基づいたものが含まれている場合があり、それらの内容の正確性や当社グループへの該当の有無に関わらず、当社サービスのユーザーや投資者等の認識又は行動に影響を及ぼす可能性があります。
当社の株価に重大な影響を与える可能性のある不明確な情報が発生した場合、東京証券取引所の注意喚起に応じ、これらの不明確な情報に対する当社グループの見解を直ちに開示する等、投資者が正しい情報に則って当社株式の評価ができるよう資本市場に適切な情報を開示します。また同時に、当社グループのコーポレートサイトを通じて適切な情報発信に努めています。しかしながら、かかる報道及び情報の流布により結果的に当社グループの社会的信用が毀損され、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4 ビジネスセグメント固有の事業運営に関するリスク
(1) インターネットサービスセグメント
① マーケットプレイス型のサービス
『楽天市場』のようなオンライン・ショッピングモール・サービス、『楽天トラベル』のような宿泊予約サービス、『Rakuten Rewards』のようなオンライン・キャッシュバック・サービス等においては、取引の場を提供することをその基本的形態としています。
当社グループは売買契約等の当事者とはならず、規約においても、販売者又は役務提供者と購入者又は役務利用者との間で生じたトラブルについて、当社グループはその責任を負わず、当事者間で解決すべきことを定めていますが、他方で、マーケットプレイス型サービスにおける取引の場の健全性確保のため、偽造品その他の権利侵害品の排除等に自主的に努めています。具体的には、出品商品に関するガイドラインによるルールの明文化や、事前の商材審査、定期モニタリングの実施、社外からの通報窓口設置等を行っています。しかしながら、マーケットプレイス型のサービスにおいて、第三者の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等を侵害する行為、詐欺その他の法令違反行為等が行われた場合には、問題となる行為を行った当事者だけでなく、当社グループも取引の場を提供する者として責任を問われ、更には、当社グループのブランドイメージが毀損される可能性もあります。
また、近時、マーケットプレイス型サービスを含むプラットフォームビジネスについては、ネットワーク効果や規模の利益が働きやすいことから、優越的地位の濫用を含む不公正な取引方法に該当する事例その他の独占禁止法上の問題が生じやすいことが指摘されています。当社グループは、前述のように販売者又は役務提供者と購入者又は役務利用者に健全で信頼される取引の場を提供するとともに、これらの者との健全な関係の維持に努めています。また、当社グループは「3 事業運営全般リスク (4)法規制等に関するリスク ①法令・コンプライアンスに関するリスク」にも記載しているように、法令遵守を重要な企業の責務と位置づけ、コンプライアンス体制を構築し、必要に応じて弁護士その他の専門家への相談、監督官庁との協議等を行い、法令遵守の徹底を図っています。しかしながら、当社グループのかかる施策にも関わらず、公正取引委員会の見解と当社グループの見解が異なること等により、独占禁止法への抵触の問題が発生する可能性は完全には否定できません。公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令等を受けた場合には、企図していた施策が実現できなくなることに加えて、当社グループの社会的信用が毀損され、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、利便性及び信頼性の高いシステムに加え、集客力に優れた取引の場を継続的に提供することに努めていますが、それらの取組が期待どおりの効果を上げられなかった場合には、販売者・役務提供者が減少し、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 直販型のサービス
当社グループが一般消費者に対して商品・役務を直接提供する『Rakuten 24』、『楽天ブックス』、『Rakuten Fashion』等のサービスにおいては、当社グループは売買契約等の当事者となり、商品・役務の品質及び内容に責任を負っています。商品の販売及び役務の提供に際しては、関係法令を遵守し、品質管理に万全を期していますが、欠陥のある商品を販売又は欠陥のあるサービスを提供した場合には、監督官庁による処分を受ける可能性があるとともに、商品回収、損害賠償責任等の費用の発生、顧客からの信用低下による売上高の減少等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、商品については、一部でデータ活用を用いて予測した需要に従って、仕入及び在庫水準の管理等を行っていますが、想定した需要が得られない場合並びに技術革新及び他社商品との競争の結果、商品価格が大きく下落する場合には、棚卸資産として計上されている商品の評価損処理等を行う可能性があり、その結果、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 物流事業
当社グループは、『楽天市場』等におけるユーザー、販売者又は役務提供者である出店企業の利用満足度を一層高めるべく、出店企業の物流業務の受託サービスの拡大等を通じた配送品質の向上に注力しています。
物流事業においては、何らかのシステム障害が発生して物流業務の遂行が不可能になること、物流拠点内の事故、自社物流網における新型コロナウイルス感染症を含む感染症の流行及び自然災害による物流拠点の稼働停止等のリスクがあります。当社グループは、システム障害発生の未然防止、障害発生原因に対する恒久対応策の実施、庫内・配送における安全業務遂行のための安全衛生委員会の設置及び自然災害を想定したリスク管理体制の構築を行っています。しかしながら、これらの施策が不十分であった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、物流拠点の拡大にあたり、設備として賃貸物件等を活用し、倉庫内設備投資等は将来見込まれる受注量を予測して実施していますが、当該設備の構築及び稼動開始までには一定の時間を要するため、かかる支出は先行的な投資負担になる場合があるほか、燃料費、資材、労働力等の調達コスト増加や、当初見込んだ受注量の未達により受託業務での収益が予測を下回る場合には先行費用を補えず、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に、設備の移転、廃止等が決定された場合には、当該資産の処分及び償却を行うことにより、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 広告事業
当社グループでは、デジタル広告等に関する広告事業の売上高がグループ全体の売上に対して一定の比率を占めていますが、広告市場は特に景気動向の影響を受けやすい傾向があり、景気が後退した場合には、広告主による予算減少の影響を受ける可能性があります。また、デジタル広告の分野においては技術の進展によって多様な広告手法が生み出されており、新規の参入者も多いことから、特に激しい競争にさらされています。
更に、広告配信プラットフォーム等の技術的な手法に、各種法令やプライバシーに配慮した制約や変更が生じ、従来可能であった広告手法の変更や更なる技術開発が必要となる可能性があります。かかる事業環境において、当社グループはこれらの競争や環境変化に対応するため、独自プラットフォーム上での広告の拡大やデジタル広告の技術開発を含む様々な施策を講じていますが、これらの施策が十分でない場合には、サービスの競争力を失い、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ コンテンツ関連事業
1) エンターテインメントコンテンツサービス
当社グループでは、電子書籍サービス、ビデオストリーミングサービス、ミュージックストリーミングサービス、オンラインチケット販売等のエンターテインメントコンテンツの提供をインターネットサービスセグメントにおいて行っています。エンターテインメントコンテンツは多彩であるため、映像等の使用許諾やライセンサー等から最低保証料等の費用を求められることがあり、コンテンツ収入が当該費用を下回る場合や、海外コンテンツに関する使用権取得に際し、為替変動により使用権取得費用が上振れしてしまう場合には、当事業の収益に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、ライセンサー等と契約交渉するにあたり、ライセンサーへの費用の支払を最低保証金等ではなく可能な限り売上分配型の形態を採るよう交渉に努めています。また、エンターテインメントコンテンツ事業に関するイベントを従来のオフライン型に加えてオンライン型についても並行して実施することや、海外プロモーター等との連携による大型案件の獲得により、収益源の確保に引き続き努めるとともに、オンラインライブ視聴者数の増加に伴うトラヒックの増加やサーバーへの高負荷によるシステム障害に対する予防及び対策を行います。更に、「楽天エコシステム」を生かし、楽天モバイル株式会社が販売する携帯端末から当社グループが提供するエンターテインメントコンテンツへのアクセスを容易にすることや、販売窓口におけるエンターテインメントコンテンツサービスの紹介及び各種割引サービスを実施することによりモバイル事業とのシナジーを生かした事業展開を行っています。しかしながら、かかる施策を講じても必ずしも期待どおりの効果が生じる保証はなく、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2) メッセージングサービス
当社子会社のViber Media S.a.r.l.及びその子会社が提供するモバイルメッセージング及びVoIPサービス、それらに付随する広告サービス等は、日本及びヨーロッパをはじめとする海外で広く事業展開を行っています。当サービスにおける通信内容等の情報の取扱いは、日本及び各国の個人情報保護に関する法令に則り適切な取扱いを行っています。しかしながら、前述の「3 事業運営全般リスク (1) 情報セキュリティに関するリスク、(3) 情報システムに関するリスク」に記載のとおり、サービスを提供するシステムの不具合やマルウエア等の影響、外部からの不正な手段による侵入等の犯罪行為等により情報システムの可用性又は情報の機密性及び完全性を確保できない可能性があります。また、前述の「2 経営環境・戦略に関するリスク (1) マクロ経済環境に関するリスク」に記載のとおり、地域間の紛争や政治的な衝突等の地政学的リスクが現実化した場合、特定地域での政策変更や規制等により、同社が提供するサービスの利用制限や広告規制等影響が生じ、収益が低下する可能性があります。当社グループではこれらのリスク発生の回避又は低減のため、監視体制を強化するとともに、技術的、物理的にも各種対応策を講じ、政治情勢のフォローに加え、タスクフォースの設置により収益等への影響を引き続き注視いたします。しかしながら、これらの施策が不十分であった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) フィンテックセグメント
① フィンテックセグメント共通リスク
1) 法的規則
楽天カード株式会社、楽天銀行株式会社、楽天証券株式会社、楽天損害保険株式会社、楽天生命保険株式会社、楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社等の金融サービスを提供するグループ会社(以下「当社金融グループ会社」)においては、各種業法、金融関連諸法令、監督官庁の指針(ガイドライン)、金融商品取引所及び業界団体等の自主規制機関による諸規則等の適用を受け、これらを遵守しています。しかしながら、当社金融グループ会社において、サービスを提供するために必要な許認可につき、将来、何らかの事由により免許等の取消等がなされ、又は業務停止が求められた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に、関連法令諸規則の新設、改正等により、他社の新規参入が容易になる場合や提供するサービスに関する規制が強化された場合には、競争の激化、規制強化に対応するための想定外の追加コストの発生及びビジネスモデルの見直し等が必要になる可能性があります。一方、当該関連法令諸規則等の変更や緩和により当該サービスの提供にあたり有利に影響する場合には事業展開に追い風となり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2021年8月には、FATF(金融活動作業部会)による第4次対日相互審査報告書が公表されています。日本当局を含めた各国当局は、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止に関連し、FATF等の要請に基づいた各種施策を強化しており、当社グループは、国内外で業務を行うにあたり、各種規制の適用を受けています。当社グループは、関係法令諸規則等を遵守すべく、当社グループ全体の基本方針としてAML/CFTに関する関連規程を定め、同規程に基づいた運営及び管理を行っています。
しかしながら、当社グループにおいて、関係法令諸規則等を遵守できなかった場合、法規制に対する検討が不十分であった場合には、行政処分や罰則を受けたり、業務に制限を付されたりするおそれがあり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社金融グループ会社は、監督官庁の指針(ガイドライン)に基づき、内部統制基本方針、リスク管理細則等の社内規程に加え、金融商品取引法の財務報告に係る内部統制等を参考にした内部統制の整備によるグループガバナンス体制を構築し、業務の健全性、適切性を確保しています。しかしながら、何らかの理由によりグループガバナンス体制に不備があり監督官庁から行政処分等を受けた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2) マーケット
当社金融グループ会社の各事業は、資産負債の時価変動についてリスクを負っています。当社金融グループ会社は、資産負債管理(ALM)を適切に対応していますが、市場動向等により金利が大幅に変動した場合には当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社金融グループ会社は、個人・法人向けの貸付債権を保有しているほか、国債・社債等の債券を保有しています。経済状況が悪化した場合及び債務者・債券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合には、当該貸付債権・保有債券の信用力が低下し、元利金の支払が不履行となる可能性があるとともに、当該貸付債権への引当金計上及び保有債券の市場価格の下落により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、市場リスクをヘッジするために行っている金利スワップ、通貨スワップ、為替予約、オプション等のデリバティブ取引についても、カウンターパーティーリスク(取引の相手方が破綻して約定どおりの支払が受けられないリスク)があります。当社金融グループ会社は、これらのリスクに対し、当該貸付債権、保有債券及びデリバティブ取引の相手方の信用状況について、適宜精査をしており、早期の対応を図っていますが、当該対応が間に合わず、かかるリスクが現実化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このほか、当社金融グループ会社を含む当社グループ全体に関わるマーケットリスクについては、「3 事業運営全般リスク (8) マーケットに関するリスク」をご参照ください。
② フィンテックセグメント個別リスク
当社金融グループ会社は、各事業において固有のリスクを有しています。特に投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については以下のとおりです。これらのリスクは互いに独立したものではなく、ある事象の発生により複数のリスクが同時に発生する可能性があります。
1) 楽天カード株式会社
楽天カード株式会社は、クレジットカード決済等における加盟店契約業務を提供しており、加盟店からの手数料を収入源としています。加盟店手数料率の低下、競合他社との競争激化等による加盟店流出が生じる可能性がありますが、同社は引き続き、業務改善を通じたコスト削減及び、お客様のニーズに合わせたサービス展開に注力しています。しかしながら、その取組が期待どおりの成果を発揮しなかった場合、加盟店数の減少や手数料ビジネスの利益率の悪化により当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、経済環境の悪化に伴い、自己破産及び多重債務者の増加、消費の落ち込みによるサービス需要の低下並びに求償債権の増加による引受信用保証の収益性の悪化の可能性があります。これらのリスクに対して与信管理を適切に行っていますが、想定を超え経済環境が悪化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
更にクレジットカードをはじめとしたキャッシュレス決済手段の拡充による取扱高の増加に伴い、クレジットカードの不正利用等が年々増加しています。同社においてはカード情報を裏面に記載したカードの発行、SMSを活用した本人認証サービスの実施及び、24時間体制でのモニタリング等にて不正利用の防止体制を強化していますが、想定を超える不正利用が発生した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2) 楽天銀行株式会社
楽天銀行株式会社は、銀行法及び金融商品取引法等に基づく監督を受けています。同社は、法令等により一定の自己資本比率の維持を求められており、財政状態を健全に保ち、最低自己資本比率を下回ることがないように留意していますが、財政状態の悪化により定められた自己資本比率が下回る場合には、金融庁から営業の全部又は一部の停止を含む行政上の措置が課される可能性があります。更に同社は、登録金融機関として外国為替証拠金取引を取り扱っており、金融商品取引法その他の関係法令及び一般社団法人金融先物取引業協会の規則を遵守するとともに、各種禁止行為を行うことがないよう留意し事業を行っています。しかしながら、かかる取組や対応策が不十分であった場合には、同社は行政処分等を受ける可能性、顧客からの信頼を失う可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、同社では、インターネットを活用した銀行サービスを提供しており、ATMでの普通預金の引き出し、定期預金の解約、他の金融機関への送金又は振込等が24時間365日(システムメンテナンス時間を除く)行えます。そのため、経済環境の悪化や同社及び当社グループのレピュテーションに悪影響を及ぼす不測の事態が発生した場合には、他の金融機関と比較して速いペースで想定を超えた資金流出が著しく発生する可能性があります。かかるリスクに対して、インシデント発生の未然防止又は早期発見のための定期的なモニタリング及び内部監査を内部統制の取組として実施しています。しかしながら、それらの取組の結果が期待どおりの効果を得られなかった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
更に、同社においては、適切な収益確保とマーケティングコストの管理を行っていますが、競争環境の激化により、ローン金利の引き下げ、預金調達コストの増加及び多額のマーケティングコストが発生した場合や、日本銀行による想定外の政策金利の変更が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、同社は、独自のATMネットワークを有していないため、ATMの利用に関わる契約を締結している他の金融機関との関係が悪化した場合又はこれらの業務若しくは関連するシステムに障害が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3) 楽天証券株式会社、楽天ウォレット株式会社
楽天証券株式会社は、金融商品取引法に基づく金融商品取引業の登録等を行っており、金融商品取引法及び同法施行令等の関連法令諸規則等の適用を、楽天ウォレット株式会社は、資金決済法に基づく暗号資産交換業者の登録等及び金融商品取引法に基づく金融商品取引業の登録等を行っており、同法及び同法施行令等の関連法令諸規則等の適用を受けています。これに対し各社は、定期的なモニタリング、内部監査等の内部統制の取組を実施しており、法令等を遵守しています。また、法令等により一定の自己資本規制比率を保つよう義務付けられており、一定の財政状態を健全に保つように努めています。しかしながら、同社の取組が期待どおりの成果を発揮しなかった場合及び最低自己資本規制比率を下回る場合には、金融庁から営業の全部又は一部の停止を含む行政上の措置が課される可能性があります。
また、各社は、適切な収益確保のため、競合他社の動向調査を行い、収益の維持に努めています。しかしながら、更に競争環境が激化した場合には、新たな収益源となりうる商品やサービスの拡充が求められます。これらの取組が期待どおりの効果を得られなかった場合には、同社の収益性が悪化し、また、各国の金融政策の変更等がきっかけとなり、金融市場の混乱・低迷による投資家心理の悪化等が生じた場合には、同社の手数料収益が大幅に減少する可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
楽天ウォレット株式会社においては、サイバー攻撃のリスク対策として、二要素認証必須化等の対応を行っていますが、常にサイバー攻撃のリスクにはさらされており、暗号資産の流出が発生する可能性があります。かかるリスクが現実化した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4) 楽天損害保険株式会社、楽天生命保険株式会社
楽天損害保険株式会社、楽天生命保険株式会社は、保険業法その他関連法令諸規則等に基づく金融庁の監督を受けています。主として契約者保護を目的とした保険業法その他関連法令により、業務範囲及び資産運用方法の制限を受け、また、準備金の積み立て、ソルベンシー・マージン比率の維持等に関する規定が定められています。また、各社は、財務の健全性をより正確に把握するための指標として、経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR: Economic Solvency Ratio)を導入しています。各社は、社内規程等を整備し、ソルベンシー・マージン比率及び経済価値ベースのソルベンシー比率についてのリスク許容度の設定やモニタリング管理を行っており、適宜対応できる体制を整備しています。しかしながら、何らかの要因により、業務運営、資産運用上の諸前提に大きな乖離が生じる等して、当該比率を適切に維持できず金融庁からの行政処分等が行われた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
楽天損害保険株式会社は、自動車保険、火災保険等、楽天生命保険株式会社は、定期保険や医療保険等を販売し、保険契約者からの保険料収入及びそれを原資とした資産運用による収益を主な収入源としており、商品の拡販のため各種施策等の実施や保有契約の継続率向上に努めています。しかしながら、経済環境の悪化等の原因により、新規契約の減少、想定を超えた中途解約の増加等により、保有契約の著しい減少が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、資産運用に関しては、リスク許容度に応じたリスクの限度額管理を行うことで適切なリスク管理に努めていますが、保有する国内外の有価証券等について想定を超える価格変動等が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
更に、大規模な自然災害の発生やパンデミックに備え、再保険の活用、異常危険準備金の積み立て等を行っていますが、想定を超える頻度及び規模の保険金支払が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5) 楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社
楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社は、QRコード決済、電子マネー決済、ポイント決済等のキャッシュレス決済サービスを提供しています。また、楽天Edy株式会社は資金決済法に基づく前払式支払手段発行者及び資金移動業者の登録等を行っており、同法及び同法施行令等の関連法令諸規則等の適用を受けています。特に、前払式支払手段に対しては基準日未使用残高の1/2の額以上の発行保証金を、資金移動業においては送金途中にあり滞留している資金の100%以上の履行保証金をそれぞれ保全することが義務付けられており、法令やガイドラインに定められた内容に沿って顧客資産の保全を実施しています。しかしながら、何らかの理由で関連業法等に違反した場合には、金融庁から営業の全部又は一部の停止を含む行政上の措置が課される可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
キャッシュレス決済サービスに関連するシステムに障害や不正アクセス等が発生した場合には、楽天ペイメント株式会社、楽天Edy株式会社ひいては当社グループのセキュリティに対する信頼性及びレピュテーションが低下し、ユーザー及び取引先の離反を招く可能性があります。また、日本国内における、キャッシュレス決済の認知、利用頻度の高まりにより、クレジットカード同様、社会インフラの一つとして認識されていることから、より一層高い信頼性が求められます。各社は、キャッシュレス決済関連システムの障害発生及び不正アクセスを防ぐため、システムの冗長構成(バックアップ体制の構築)、セキュリティの強化等に努めていますが、かかる取組が期待どおりの効果を得られなかった場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) モバイルセグメント
① モバイル事業
1) 法的規制等
楽天モバイル株式会社が提供する通信サービスは、日本及び今後事業展開を予定する各国において、通信事業に関する法令、安全保障に関する制約、事業・投資に係る許認可等、規制の改廃、政策決定等により、直接又は間接の影響を受ける可能性があります。また、同社は、電気通信役務の円滑な提供のために他の電気通信事業者の通信設備と同社の通信設備を相互接続するため相互接続協定を結んでいます。現在、電気通信設備を有する者は他事業者に対して原則として接続義務を有していますが、電気通信事業法等の改正等により、接続義務の撤廃や緩和等の措置が取られ、同社の負担すべき使用料、相互接続料等が増加する等、同社にとって不利な形で条件変更がなされる可能性があります。
同社は当社グループと協働し、日本及び今後事業展開を予定する各国の通信事業に関する法令諸規則等の改廃、政策決定等の動向を注視し、適宜、弁護士等をはじめとする外部専門家及び当局に事前相談すること等により、必要な情報を早期収集するとともに当該動向に適合するようすみやかに運用方法を変える等しかるべき対応策を講じ、またそれら対応策の実施状況をモニタリングしています。このように必要な対応策を講じ、リスクの軽減に努めていますが、これらのリスクが現実化する時期を完全に予測することは困難であり、また完全に回避できる保証はなく、これらの法令等の改廃、政策決定等の動向により、同社のサービスの提供に制約等を受け又は不測の費用が発生する可能性があります。また、同社がこれらの法令等に違反する行為を行った場合には、行政機関から行政処分等を受ける可能性があります。かかる場合、当社グループの信頼性の低下、事業展開の制約等が生じ、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、2022年に判明した、同社の元従業員及び取引先による不正事案をうけ、同社及び当社グループでは社内調査、内部管理体制の強化、調達に関連する社内規程等の整備と周知及びコンプライアンス教育を徹底し、グループ全体でかかる事案を含む重大な法令違反や不正行為等の未然防止及び再発防止に努めています。しかしながら、同社及び当社グループのみならず取引先に起因するものも含むコンプライアンスに関するリスクは完全に排除できるものではなく、同社及び当社グループがこれらのリスクに対処できない場合には、行政機関からの行政処分や金銭的な損失及び損害の発生により、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2) 他事業者との競争、市場及び事業環境
本事業の市場は、強固な顧客基盤を有する他の移動体通信事業者(MNO)及び仮想移動体通信事業者(MVNO)との価格競争等が生じています。また、各社が提供するサービスの同質化が進み、通信事業者が新たな収益の確保に向けて通信以外のサービスへ事業領域を拡大する等、事業環境は大きく変化しています。そのような事業環境の中、同社は独自の革新的な技術を用いた仮想無線ネットワークの実現により、安価で高速な通信環境を生かし通信サービスをユーザーに提供しています。また、当社グループの「楽天エコシステム」を生かし、当社グループのほかの魅力的なサービスへのアクセスを容易にすることにより、競合他社と差別化を図り、ユーザーの獲得を図っています。しかしながら、かかる施策を推進しても、当社グループが提供する優位性を生かせず、逆に競合他社が既存の優位性に加え、安価な通信サービス等を展開することにより、同社において新規ユーザーの獲得及び維持が困難になり、同社及び当社グループが、期待どおりにサービス及び関連商品を提供できない可能性があります。
かかる状況の下、前述の施策によっても他通信事業者との競争に対抗しきれない場合には、想定している契約者数や顧客単価が計画どおりの水準に達しないことにより収益貢献できず、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3) 設備・機器
同社による移動体通信事業者(MNO)サービスの拡大及び品質向上に向けて、基地局及び伝送・交換等を行う通信設備を設置するための地権者との協議、通信ネットワークを構築するための他通信事業者が保有する通信回線設備との連携、通信機器やネットワーク機器、携帯端末の調達等を行っていますが、これらの協議等が計画どおりに進まない場合には、同社及び当社グループにおいて当該サービスを計画どおりに拡大できず、追加費用が発生するほか、通信機器の売上が減少する等、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4) 安定的な通信サービスの提供
同社は、通信という社会インフラを提供する社会的使命を認識し、安定的な通信サービスの提供に努めています。また、危機管理基本方針を定め、それに基づき事業継続計画(BCP)を策定し、危機発生時の初動対応、重要業務の継続及び早期復旧に対応できるよう努めるとともに、地方自治体等と協定を締結し、大規模災害に備えた連携体制を構築しています。同時に、ネットワークの品質とセキュリティ向上に努め、外部からの攻撃への対応策を実施しています。しかしながら、同社の想定を大きく上回るサイバー攻撃等の外部からの攻撃、自然災害・事故等による通信障害等の不測の事態が発生する可能性を否定することはできず、万が一、これらが発生した場合には、サービス提供の制約又は一時的な停止を余儀なくされ、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、同社は2023年10月23日、「プラチナバンド」と呼ばれる700MHz帯における移動通信システム普及のための特定基地局開設計画の認定を総務大臣から受けました。本認定に伴い同社では、700MHz帯を活用したモバイルネットワークの構築を開始し、同社独自のネットワーク技術及び既存の基地局サイトを生かしながら、コストを抑えた効率的な基地局開設を行っていきます。運用開始時期は、開設計画において示されているとおり、各種準備作業日程等を考慮し、できるだけ早期の運用開始を目指して準備を進めてまいりますが、同社の期待どおりに実現できない場合には、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
更に同社は、低軌道衛星を活用したモバイル通信の実現に向け、通信試験・事前検証用の実験試験局予備免許を取得し、実験試験局免許の付与を受け次第、日本国内における低軌道衛星を活用したモバイル通信試験及び事前検証を実施します。今後も、楽天回線エリアの拡大や通信品質の向上に努め、顧客にどこでも快適で利便性の高い通信サービスをご利用いただけるよう取り組んでいますが、事前検証の結果次第では、当初の予定どおりのスケジュールでのサービス提供ができず、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5) 第三者との提携等
同社では、自社の基地局及び伝送・交換等を行う通信設備の拡充を行っていますが、他の電気通信事業者(ローミング事業者)の回線を使用したサービス(ローミングサービス)の提供も行っています。同社は2020年4月のサービス本格開始以降、楽天回線エリアを順次拡大し、4G人口カバー率は98.8%(2023年9月末現在)に到達しています。このエリア拡大の状況等を踏まえ、ローミング事業者と協定内容の見直しを協議し、2023年4月に新たなローミング協定を締結しました。現在はこの新たなローミング協定のもと、安定的なサービス提供に努めています。しかしながら、何らかの理由により、提携するローミング事業者が回線の利用料を引き上げた場合、同提携が終了するに至った場合又は当該ローミング事業者の通信設備が自然災害等により利用が困難になった場合には、同社が提供するサービスの変更を余儀なくされる又はサービス提供に支障をきたす可能性が否定できません。かかる場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
6) グローバル事業
当社グループは、楽天シンフォニー株式会社を通じ、4G及び5G用のインフラ並びにプラットフォームソリューションを世界市場に提供しています。1&1 AG(本社:ドイツ)と締結した長期的なパートナーシップのもと、各社は、革新的なOpen RAN技術に基づく、欧州初となる完全仮想化モバイルネットワークを構築します。しかしながら、同社のビジネスモデルは収益化まで時間を要し、また複数国間の企業を結合した組織となるため、カントリーリスクの発現等予期しえない事象により、同社のサービス展開等が遅延することで、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
楽天シンフォニー株式会社は、政府機関、通信事業者や企業向けにグローバル展開することを目指し、コスト管理を行いつつ期待される製品の性能を満たすよう開発に努めています。しかしながら、技術上又は顧客のニーズの変化等の理由により、同社が開発計画を変更する必要が生じ、開発工数が増加した結果、開発遅延を引き起こす可能性があります。また、顧客に保証したサービス品質を達成できないことで損害賠償請求がなされたり、知的財産等に関する訴訟等の法的紛争が発生する可能性があります。加えて、第三者から知的財産権のライセンス等を取得する必要が生じる可能性もあります。これらの事情により、当初計画より多額の費用が発生した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、同社においては戦略的パートナーとのビジネス上のパートナーシップに加え、資本等の受け入れの検討も進めていますが、事業環境等の変化によりそれらが予定どおり進捗しない場合には、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② エネルギー関連事業
楽天エナジー株式会社が行う電力小売事業は、卸電力取引市場で電力を調達しているため、電力調達価格の価格変動リスクを負っています。
同社は、卸電力取引市場での電力調達価格の変動に備えるため、電力調達の一部を固定価格で契約するとともに、卸電力取引価格に連動した小売料金を導入しています。しかしながら、電力調達価格の価格変動リスクを完全に回避できる保証はなく、卸電力取引市場における電力取引価格の変動により同社の電力仕入価格が高騰する等の事態が発生した場合には、同社及び当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下「Non-GAAP指標」)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しています。
Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益(以下「IFRS営業利益」)から、当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しています。なお、非経常的な項目とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する会計基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用や子会社取得時に認識した無形資産償却費等を指します。
なお、第1四半期連結会計期間の期首よりIFRS第17号「保険契約」を適用しています。これにより、基準移行日である前連結会計年度期首時点に基準変更による累積的影響額を反映し、前連結会計年度のフィンテックセグメントに係る数値を修正再表示しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.重要性がある会計方針」をご参照ください。
(注) Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照していますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
① 当期の経営成績(Non-GAAPベース)
当連結会計年度における世界経済は、一部の地域において弱さがみられるものの、持ち直しており、その先行きについては、世界的な金融引締めに伴う影響等による下振れリスクの高まりに留意する必要があります。日本経済については、このところ一部に足踏みがみられるものの、個人投資や設備投資等が緩やかに持ち直しており、先行きについても、各種政策の効果もあって、景気の緩やかな回復が続くことが期待されています。
「情報通信白書」(注)によると、通信インフラの高度化やデジタルサービスの普及・多様化とともに、日本におけるネットワーク上でのデータ流通量は飛躍的に増大しています。新型コロナウイルス感染症拡大後、非接触・非対面での生活を可能とするデジタル化の進展により、特にモバイル端末経由でのデータ流通量は大幅に増加してきており、今後も更に伸びていくことが予想されています。
このような環境下、当社グループは、メンバーシップ及び共通ポイントプログラムを基盤にしたオンライン・オフライン双方のデータ、AI等の先進的技術を活用したサービスの開発及び展開を積極的に進めています。楽天モバイルにおいては、携帯電話基地局等を含む無線アクセスネットワークのマルチベンダー化を実現するOpen RANや仮想化技術によるvRAN等を、世界に先駆けて商用ネットワーク全体に導入し、また、楽天シンフォニーにおいては、通信事業者におけるネットワーク機器の構成を刷新する取組が進む中、『楽天モバイル』で実装したOpen RAN・vRAN等のアーキテクチャを世界の通信各社に提案しています。今後も楽天エコシステムを更に進化させ、当社グループの競争力を高めていきます。
インターネットサービスにおいては、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』において、コロナ禍における「巣ごもり消費」等が一巡した後も、顧客の利便性や満足度の向上を追求した各種施策や販促活動等の奏功により顧客の更なる定着が進みました。また、国内旅行に対する需要の堅調な回復が継続したこと等により、国内EC取扱高が引き続き伸長しました。フィンテックにおいては、各サービスにおける顧客基盤の拡大が続き、クレジットカード関連サービスや銀行サービス、証券サービス等において増収増益を達成しました。また、モバイルにおいては、通信料金収入の増加等により、前連結会計年度と比較して売上収益が拡大し、これに伴いセグメント損失は着実に縮小しています。
この結果、当社グループの当連結会計年度における売上収益は2,071,315百万円(前連結会計年度比7.8%増)、Non-GAAP営業損失は153,041百万円(前連結会計年度は335,192百万円の損失)となりました。
(注) 出典:「令和5年版情報通信白書」(総務省)
(Non-GAAPベース)
(単位:百万円)
② Non-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整
当連結会計年度において、Non-GAAP営業利益にて控除される無形資産償却費は13,564百万円、株式報酬費用は14,318百万円となりました。なお、前連結会計年度に計上された非経常的な項目には、楽天ポイントの規約等の変更によるポイント引当金の増加に伴う費用、子会社の元従業員及び取引先の共謀による不正行為に関連する費用の見積額が含まれています(なお、後者は連結損益計算書においてその他の費用に含まれています)。また、当連結会計年度に計上された非経常的な項目には、ネットスーパー事業の運営方法の変更に伴う固定資産の減損損失15,922百万円、モバイル事業におけるローミング契約の見直しに基づき設備投資計画を変更したことに伴い一時的に発生した基地局工事等のキャンセルに係る費用等13,598百万円、株式会社西友ホールディングスの全株式を譲渡したことに伴い発生した売却損益、前連結会計年度に発覚した子会社の元従業員及び取引先の共謀による不正行為に係る弁護士費用等、外部の専門家に対する報酬等が含まれています。
(単位:百万円)
③ 当期の経営成績(IFRSベース)
当連結会計年度における売上収益は2,071,315百万円(前連結会計年度比7.8%増)、IFRS営業損失は212,857百万円(前連結会計年度は371,612百万円の損失)、当期損失(親会社の所有者帰属)は繰延税金資産の一部取崩し等の影響により339,473百万円(前連結会計年度は377,217百万円の損失)となりました。
(IFRSベース)
(単位:百万円)
④ セグメントの概況
各セグメントにおける業績は次のとおりです。IFRS上のマネジメントアプローチの観点から、セグメント損益をNon-GAAP営業利益ベースで表示しています。
当社グループは、第1四半期連結会計期間より、従前モバイルセグメントに含まれていたメディア&エンターテインメント部門に属する子会社及び事業について、楽天エコシステムの拡大、シナジー効果を高めること等を目的に、インターネットサービスセグメントに移管しています。この変更により、前連結会計年度のインターネットサービスセグメントに係る売上収益は17,935百万円増加、セグメント利益は13,573百万円減少し、モバイルセグメントに係る売上収益及びセグメント損失は同額減少しています。
(インターネットサービス)
主力サービスである国内ECにおいては、流通総額及び売上収益の更なる成長を目指し、新規顧客の獲得、クロスユースの促進、自治体や地域事業者との連携を深化させたサービス開発及び地域経済活性化等に注力しました。インターネット・ショッピングモール『楽天市場』においては、顧客の利便性や満足度の向上を追求した各種施策や販促活動等の奏功により顧客の更なる定着が促進したことに加え、インターネット旅行予約サービス『楽天トラベル』においては、国内旅行の需要回復に合わせた販促施策等が順調に推移したことにより、前連結会計年度と比較して取扱高が拡大しました。また、国内EC取扱高の伸長を受け、広告事業の売上も引き続き拡大しました。
海外インターネットサービスを含むその他インターネットサービスにおいては、米国のオンライン・キャッシュバック・サービス『Rakuten Rewards』の堅調な売上成長が継続しました。また、投資事業で前連結会計年度と比較して投資損益が改善したことや、メッセージング及びVoIPサービス『Rakuten Viber』における通信料収入や広告収入等の各種売上に回復がみられたことに加え、スポーツ事業においても、『ヴィッセル神戸』のJ1優勝に関連し売上収益が増加する等、前連結会計年度と比較して業績が改善し、セグメント利益の拡大に寄与しました。
この結果、インターネットサービスセグメントにおける売上収益は1,212,314百万円(前連結会計年度比9.8%増)、セグメント利益は76,831百万円(前連結会計年度比18.9%増)となりました。
(単位:百万円)
(フィンテック)
クレジットカード関連サービスにおいては、2023年12月に『楽天カード』の累計発行枚数が3,000万枚を突破しました。オフライン消費の回復が継続していることに加え、コロナ禍での行動様式の変化をきっかけとした非接触需要の高まりによるキャッシュレス化の流れが進む中で、楽天グループサービス内外で取引が増加した結果、当連結会計年度のカードショッピング取扱高が20兆円を突破する等、引き続き力強く成長しています。キャッシュレス決済サービスにおいても、決済可能箇所の拡大や、加盟店・利用者双方にとって満足度の高いサービス提供等を積極的に進めた結果、取扱高が大幅に拡大しました。銀行サービスにおいては、2023年6月に預金口座数が1,400万口座を突破、同年12月末には預金残高が10兆円を突破したほか、証券サービスにおいても、2023年12月に証券総合口座数が1,000万口座を達成する等、顧客基盤の更なる拡大が進みました。
この結果、フィンテックセグメントにおける売上収益は725,165百万円(前連結会計年度比11.2%増)、セグメント利益は122,915百万円(前連結会計年度比36.8%増)となりました。
(単位:百万円)
(モバイル)
モバイルにおいては、2023年12月末までに契約回線数が596万回線(MNOのB2C及びB2B合算、BCP除く。BCPを含めると609万回線)となり、通信料金収入の増加等により前連結会計年度と比較し、売上収益が着実に増加しました。通信料金収入の増加に伴いARPUも上昇傾向にあります。具体的には、B2CのARPUはデータ利用量の継続的な増加に加えて、オプションの拡販及び広告売上の拡大等により、B2BのARPUはソリューションサービスの拡販等により、まだ上昇余地があると考えています。
コスト面については、当初よりコスト適正化のための一つの取組として掲げていた、減価償却費を除くネットワーク費用及び販管費等の月次営業費用を、2022年度最も高かった月間対比で15,000百万円削減するという目標を、2023年12月に達成しました。設備投資については、新たなローミング契約締結を機に、従前計画対比で大幅な抑制を行い約200,000百万円に変更しておりましたが、当連結会計年度の設備投資金額は177,648百万円となりました。
この結果、モバイルセグメントにおける売上収益は364,556百万円(前連結会計年度比3.9%増)、セグメント損失は337,524百万円(前連結会計年度は479,257百万円の損失)となりましたが、前第1四半期連結会計期間をピークに損失は縮小しています。
(単位:百万円)
⑤ 生産、受注及び販売の状況
(生産実績)
当社グループは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしていません。
(受注実績)
モバイルセグメントにおいて、Open RANベースの通信インフラプラットフォーム及びサービスの提供等を行っており、受注実績は次のとおりです。その他のセグメントは、インターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、受注生産を行っていませんので、受注実績に関する記載はしていません。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しています。
(販売実績)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(2) 経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度における売上収益は2,071,315百万円となり、前連結会計年度の1,920,894百万円から150,421百万円(7.8%)増加しました。これは、インターネットサービスにおける、『楽天市場』に代表される国内既存事業の成長が売上収益に貢献したこと、フィンテックにおける、『楽天カード』の会員基盤拡大に伴う手数料収入等の増加及びリボルビング払いやキャッシングニーズの回復傾向が見られたことに伴う各手数料収入の伸長、銀行サービスの運用資産の順調な積み上げによる金利収益の伸長、証券サービスの預り資産の順調な積み上げによる手数料及び金利収益の伸長、モバイルにおける通信料金収入の増加等が売上収益に貢献したこと等によるものです。
(営業費用)
当連結会計年度における営業費用は2,234,959百万円となり、前連結会計年度の2,254,857百万円から19,898百万円(0.9%)減少しました。これは、主にモバイルにおいて基地局設備投資等の見直しやローミング費用を含む各種コスト削減を実施したこと等によるものです。
(その他の収益)
当連結会計年度におけるその他の収益は10,272百万円となり、前連結会計年度の8,372百万円から1,900百万円(22.7%)増加しました。これは、一部子会社の事業清算に伴う損益を1,335百万円計上したこと等によるものです。
(その他の費用)
当連結会計年度におけるその他の費用は59,485百万円となり、前連結会計年度の46,021百万円から13,464百万円(29.3%)増加しました。これは、主にネットスーパー事業の運営方法の変更に伴う固定資産の減損損失を15,922百万円計上したこと等によるものです。
(営業損失)
当連結会計年度における営業損失は212,857百万円となりました(前連結会計年度は、371,612百万円の損失)。これは、インターネットサービス、フィンテック及びモバイルにおいて、事業が堅調に推移し、売上収益が増加したことに加え、モバイルにおいて、コスト削減施策等が奏功した結果、前連結会計年度と比較して損失幅が大きく減少したことによるものです。
(持分法による投資損益)
当連結会計年度における持分法による投資損失は13,731百万円となりました(前連結会計年度は、2,548百万円の損失)。これは、主にRakuten Medical, Inc.に対する投資の減損損失を6,498百万円計上したこと等によるものです。
(税引前当期損失)
当連結会計年度は217,741百万円の税引前当期損失となりました(前連結会計年度は、415,612百万円の損失)。これは、営業損失で説明した要因等により損失が減少したことによるものです。
(法人所得税費用)
当連結会計年度における法人所得税費用は111,794百万円となりました(前連結会計年度は35,368百万円のマイナス)。これは、主に事業環境及び今後の業績動向等を勘案し、繰延税金資産の一部取崩しを実施したこと等によるものです。
(当期損失)
以上の結果、当期損失は329,535百万円となりました(前連結会計年度は、380,244百万円の損失)。
(親会社の所有者に帰属する当期損失)
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期損失は339,473百万円となりました(前連結会計年度は、377,217百万円の損失)。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は22,625,576百万円となり、前連結会計年度末の資産合計20,402,281百万円と比べ、2,223,295百万円増加しました。これは主に、証券事業の金融資産が697,469百万円増加、現金及び現金同等物が433,314百万円増加、銀行事業の貸付金が379,329百万円増加、銀行事業の有価証券が291,876百万円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は21,537,853百万円となり、前連結会計年度末の負債合計19,553,570百万円と比べ、1,984,283百万円増加しました。これは主に、カード事業の社債及び借入金が208,869百万円減少した一方で、銀行事業の預金が1,313,731百万円増加、証券事業の金融負債が742,050百万円増加したことによるものです。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は1,087,723百万円となり、前連結会計年度末の資本合計848,711百万円と比べ、239,012百万円増加しました。これは主に、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期損失を339,473百万円計上したこと等により、利益剰余金が363,906百万円減少した一方で、公募及び第三者割当による新株発行等により資本金が152,708百万円増加、資本剰余金が187,734百万円増加、円安の影響による為替換算調整勘定の変動等によりその他の資本の構成要素が68,685百万円増加、楽天銀行株式会社の株式上場及び同社株式の売却、楽天証券株式会社の株式追加譲渡等により非支配持分が193,791百万円増加したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ433,314百万円増加し、5,127,674百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、724,192百万円の資金流入(前連結会計年度は262,068百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の貸付金の増加による資金流出が403,585百万円、カード事業の貸付金の増加による資金流出が242,487百万円となった一方で、銀行事業の預金の増加による資金流入が1,307,958百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、597,416百万円の資金流出(前連結会計年度は948,289百万円の資金流出)となりました。これは主に、銀行事業の有価証券の取得及び売却等によるネットの資金流出が280,238百万円(取得による資金流出が835,982百万円、売却及び償還による資金流入が555,744百万円)、有形固定資産の取得による資金流出が193,829百万円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、291,956百万円の資金流入(前連結会計年度は1,486,686百万円の資金流入)となりました。これは主に、銀行事業の長期借入金の返済による資金流出が967,200百万円となった一方で、銀行事業の長期借入れによる資金流入が1,223,400百万円となったことによるものです。
④ 収益の認識及び表示方法
収益の認識及び表示方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 36. 売上収益 (1)収益の分解」をご参照ください。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、それらが利用される将来の課税所得を稼得する可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異及び全ての未使用の繰越欠損金及び税額控除について認識しています。当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しています。ただし、これらの見積りは当社グループとしても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化等により回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、将来当社グループが繰延税金資産を減額する可能性もあります。
⑥ 公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する金融資産については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 48. 金融商品の公正価値」をご参照ください。
(3) 資産の財源及び資金の流動性
① 財務運営の基本方針
当社は、グループの持続的成長の実現を可能とするための資金ニーズに対し、安定的かつ多様な資金調達手段の確保を行うこと、また、金融事業に従事する子会社の財務健全性を堅持するため、十分な流動性の確保を図ることを財務運営の基本方針としています。
経営の独立性が求められるフィンテックセグメントに属する子会社及び外部金融機関からのリース調達をしている楽天モバイル株式会社を除く子会社においては、原則として銀行等の外部金融機関からの資金調達を行わず、グループ内のキャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、当社が資金調達、グループ資金効率の向上、流動性の確保等を行っています。
また、成長が続くインターネットサービスセグメントにおける増加運転資金等については、営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金や、コマーシャル・ペーパー等の短期借入金を充当することを基本方針としています。また、投資フェーズにあるモバイルセグメントでの設備投資資金への資金充当については、下記「③ 今後の資金調達のニーズ及び資金調達の見通し」をご参照ください。
なお、投資等の新規に資金投下を要する案件等については、外部有識者を含むメンバーで構成される投融資委員会において、案件の取り進めの可否を事前審議しており、その審議結果については、取締役会に報告することに加え、一定額以上の案件につき当社の取締役会の承認決議を要件とすることとしています。更に、投資後のモニタリングを継続的に実施し、必要に応じて機動的にポートフォリオの見直しを実施しています。これらを通じて、グループ全体でのリスク管理及び最適な経営資源の配分を実現することを目標としています。
以上を踏まえ、具体的な資金調達手法及び資金調達のタイミングに関しては、グループ全体の事業計画に基づくキャッシュ・フロー、手元流動性の状況等を踏まえて判断しています。資金調達に関するリスクについては、「第2 事業の状況 3 [事業等のリスク] 3 事業運営全般リスク (9) 財務・資金に関するリスク ① 資金調達等に関するリスク」をご参照ください。
② 現状
当社グループは、当連結会計年度末時点において、総額4,795,173百万円の社債及び借入金を有しており、前連結会計年度比117,576百万円減となりました。このうち、短期の社債及び借入金は前連結会計年度比496,608百万円減の251,679百万円で、内訳は、短期借入金166,479百万円、コマーシャル・ペーパー85,200百万円となっています。
なお、当連結会計年度末時点の当社の長期及び短期の信用格付けは、日本格付研究所(JCR)でA-/J-1、格付投資情報センター(R&I)でBBB+/a-2、S&Pグローバル・レーティングでBB(長期)となっています。
③ 今後の資金調達のニーズ及び資金調達の見通し
連結子会社の楽天モバイル株式会社は、2018年4月に「第4世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画」、2019年4月に「第5世代移動通信システムの導入のための特定基地局の開設計画」の認定をそれぞれ受け、2020年4月に4Gサービスを本格的に開始し、同年9月には5Gサービスを開始しました。当該認定された計画における設備投資額は2026年3月末までに最大800,000百万円程度となる見通しです。また、2021年4月には「第5世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画」の認定を受け、当該認定された計画における設備投資額は2029年3月末までに約118,600百万円程度となる見通しです。その後、4Gに係る設備投資額については、基地局の高密度化による通信品質の向上、今後見込まれる利用者の増加等に対応するため、基地局数を当初計画より増やして設置を進めており、それに伴い基地局向け設備投資額も増加しています。加えて、2023年10月に「700MHz帯における移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画」の認定を受け、2033年度末までに累計約54,400百万円の設備投資を行う予定です。
モバイル事業における今後の必要資金については、当社から楽天モバイル株式会社への投融資、楽天モバイル株式会社におけるリース、流動化ファイナンス等を活用して調達する予定です。これまでの当該投融資については、当社が2018年12月に発行した利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)により調達した182,000百万円(そのうち、75,000百万円については2021年7月に買入消却を実施)、2020年11月に発行した利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)により調達した120,000百万円、2021年3月に実行した第三者割当による新株の発行及び自己株式の処分により調達した242,347百万円、同年4月に発行した米ドル及びユーロ建永久劣後特約付社債により調達したそれぞれ1,750百万米ドル、1,000百万ユーロ及び同年12月に発行した無担保社債により調達した300,000百万円、2022年6月に発行した無担保社債により調達した150,000百万円、同年11月に発行したドル建無担保社債により調達した500百万米ドル、2023年1月に発行したドル建無担保社債により調達した450百万米ドル及び同年2月に発行した無担保社債により調達した250,000百万円、2023年5月に行った公募増資及び第三者割当による新株発行での調達資金等の全部又は一部を充当しています。なお、2024年12月期の楽天モバイル株式会社における設備投資額は、約100,000百万円を予定しています。
また、今後、5Gサービス等における設備投資の前倒し等により、当社から楽天モバイル株式会社への更なる出資等が求められる可能性もあります。その場合においては、上記の「① 財務運営の基本方針」も踏まえ、最適な資金調達手段を検討していきます。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要な会計上の見積り及び判断」をご参照ください。
5 【経営上の重要な契約等】
当連結会計年度における、経営上の重要な契約等は以下のとおりです。
(1) 社債の発行
当社は、2023年1月20日に、米ドル建社債を発行しました。また、2023年2月10日に、無担保社債を発行しました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 23.社債及び借入金」をご参照ください。
(2) 楽天銀行株式会社の新株発行及び株式売出し
当社の連結子会社である楽天銀行株式会社は、2023年4月21日に、東京証券取引所プライム市場に新規上場しました。株式上場に際し、楽天銀行株式会社は、公募による新株の発行を、当社は、当社が所有する楽天銀行株式会社の普通株式の一部売出しを行いました。
また、楽天銀行株式会社は、オーバーアロットメントによる売出しに関連して、大和証券株式会社を割当先とする第三者割当増資を行いました。
この結果、第2四半期連結会計期間末における当社グループの楽天銀行株式会社に対する議決権比率及び持分比率は100%から63.34%となりました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 52. 主要な子会社」をご参照ください。
(3) 持分法適用関連会社株式の譲渡
当社は、2023年5月12日に開催の取締役会において、当社グループが保有する株式会社西友ホールディングスの全株式をSY Investment L.P.(譲渡先企業)を通じて譲渡先企業の親会社であるKKR & Co.Inc.に譲渡することを決議し、同日株式譲渡契約を締結しました。これにより、株式会社西友ホールディングスを当社グループの持分法適用の範囲から除外しています。
(4) 公募及び第三者割当による新株の発行
当社は、2023年5月16日に開催の取締役会において、公募(国内における一般募集及び海外市場における募集)及び有限会社三木谷興産、有限会社スピリット、株式会社サイバーエージェント及び東急株式会社への第三者割当による新株発行を決議し、2023年5月31日に全ての払込みが完了しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 34. 資本金及びその他の資本項目」をご参照ください。
(5) 楽天銀行株式会社の株式追加売出し
当社は、2023年12月11日に、当社の連結子会社である楽天銀行株式会社の普通株式14.07%について、海外市場における売出しを行いました。
この結果、当連結会計年度末における当社グループの楽天銀行株式会社に対する議決権比率及び持分比率は63.34%から49.27%となりました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 52. 主要な子会社」をご参照ください。
(6) 楽天証券株式会社の株式の追加譲渡
当社は、2023年11月9日に開催の取締役会において、当社の連結子会社である楽天証券ホールディングス株式会社が保有する楽天証券株式会社の普通株式29.01%を株式会社みずほフィナンシャルグループの連結子会社であるみずほ証券株式会社に追加譲渡(以下「本株式譲渡」)することを決議し、同日、株主間契約及び株式譲渡契約を締結しました。
本株式譲渡の概要は、次のとおりです。
① 本株式譲渡の背景と目的
楽天証券ホールディングス株式会社とみずほ証券株式会社は、2022年10月7日より両社が行っている戦略的な資本業務提携(以下「本提携」)を更に強化することに合意しました。
本提携は、2024年1月から「新しいNISA制度」の開始が予定される等、これまで以上に資産形成・資産運用への社会的な関心が高まる中で、個人のお客さま向けのリテール金融サービスについてのオンライン・リアルの垣根を超えた金融取引の提供に加え、優れたUI/UXや付加価値の高いサービス提供を目指した取組を強化するため、本提携を強力に加速していくことがお客さまへの付加価値提供の強化に資すると考え、協議を重ねた結果、今回の合意に至りました。
② 株式を譲渡する子会社の概要
1) 名称 楽天証券株式会社
2) 本店所在地 東京都港区南青山二丁目6番21号
3) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 楠 雄治
4) 事業内容 金融商品取引業
5) 資本金 19,495百万円
6) 設立年月日 1999年3月24日
7) 大株主及び持株比率 楽天証券ホールディングス株式会社80.01%保有
③ 株式を譲渡する相手先の概要
1) 名称 みずほ証券株式会社
2) 本店所在地 東京都千代田区大手町一丁目5番1号
3) 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 浜本 吉郎
4) 事業内容 金融商品取引業
④ 株式の譲渡価額及び株式譲渡前後の保有割合の状況
1) 譲渡価額 870億円
2) 株式譲渡実行日 2023年12月15日
3) 譲渡前の議決権保有割合 80.01%
4) 譲渡後の議決権保有割合 51.00%(注)
(注) 本株式譲渡後も楽天証券は当社及び楽天証券ホールディングス株式会社の連結子会社となります。
本株式譲渡に伴う非支配持分との取引の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 52. 主要な子会社」をご参照ください。
6 【研究開発活動】
当社グループの研究開発活動は、当社及び当社グループの開発業務への貢献を目的とし、個々の事業とは別に研究を行っています。日本の拠点に加え、2014年2月にはフランスのパリ市に、2015年7月にはシンガポールと米国ボストン市に、2018年4月には米国サンマテオ市に、2018年12月にはインドのベンガルール市に研究拠点を設け研究体制の拡大を図っています。研究のテーマとしては、今後のインターネット拡大の方向性についてのビジョンに基づき、AI関連技術、ユーザーインタラクション・AR/VR/MR、移動通信システム関連技術、IoT、ロボット及びドローン関連技術の三つの研究領域を設定しており、その具体的な内容は下記のとおりです。なお、当社グループの研究開発は、主にインターネット関連の基礎技術及び移動通信システム関連技術に関するものであり、特定のセグメントに区分することが困難なため、セグメント別には記載していません。当連結会計年度の研究開発に要した費用の総額は14,312百万円です。
(1) AI関連技術
AI関連技術では、当社グループが所有する豊富なテキストデータ及びマルチメディアデータを高度に自動解析する技術や、顧客データ、商品データを基にしたレコメンデーション、広告、検索の最適化技術に取り組み、コマース、金融、モバイル、医療等の各事業に横展開可能なプラットフォーム開発につなげています。
(2) ユーザーインタラクション・AR/VR/MR
ユーザーの技術環境の変化に伴う様々なデバイスやセンサーに対応した、リッチなコンテンツ体験として実現するためのユーザーインタラクションを開発し、当社及び当社グループのサービスレベルを全体的に向上させています。本研究分野はAR/VR/MR等の最新インタラクションも含みます。
(3) 移動通信システム関連技術、IoT、ロボット及びドローン関連技術
5G関連技術及び次世代の仮想化された無線アクセスネットワークの高度化・ネットワーク運用の自動化に関する技術、IoT技術基盤や、ロボット及びドローン関連技術の研究開発を行っています。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度の設備投資の総額は385,874百万円であり、主に「4G」「5G」に関する基地局、ネットワーク設備の新設を目的とした楽天モバイル株式会社における設備投資及び使用権資産の増加等によるものです。
2 【主要な設備の状況】
(1) 提出会社
2023年12月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数です。
(2) 国内子会社
2023年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数です。
2 帳簿価額のうち「その他」は、主にソフトウエア仮勘定です。
(3) 在外子会社
2023年12月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数です。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
2023年12月31日現在
(注) 設備予定額は、使用権資産及び5G 1.7GHz帯の特定基地局開設料等を除いています。
(2) 重要な設備の除却等
該当事項はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注) 提出日現在の発行数には、2024年3月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれていません。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
会社法に基づき発行した新株予約権は、次のとおりです
1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会
※ 当事業年度の末日(2023年12月31日)における内容を記載している。当事業年度の末日から提出日の前月末現在(2024年2月29日)にかけて変更された事項については提出日の前月末現在における内容を[ ]内に記載、その他の事項については当事業年度の末日における内容から変更はない。
(注) 1 新株予約権の目的たる株式の種類及び数
当社が、株式分割(当社普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)又は株式併合を行う場合、次の算式により上記目的たる株式の数を調整するものとする。なお、かかる調整は新株予約権のうち、当該時点で権利行使又は消却されていない新株予約権の目的たる株式の数についてのみ行われ、調整の結果1株未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする。
調整後発行株式数=調整前発行株式数×分割・併合の比率
また、当社が合併、会社分割、株式交換又は株式移転を行う場合等、株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、合併、会社分割、株式交換又は株式移転の条件等を勘案の上、合理的な範囲で株式数を調整するものとする。
2 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
新株予約権1個当たり1円とする。
3 新株予約権の行使の条件
1) 新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」)は、権利行使時においても、当社、当社子会社又は当社関連会社の取締役、執行役員、監査役又は従業員の地位にあることを要する。ただし、諸般の事情を考慮の上、取締役会が特例として認めた場合はこの限りではない。
2) 新株予約権の相続は認められないものとする。ただし、諸般の事情を考慮の上、取締役会が特例として認めた場合はこの限りではない。
3) 新株予約権の質入その他一切の処分は認められないものとする。
4) 新株予約権者は、新株予約権又は株式に関連する法令で定められる、いかなる税金等(日本国内で定められているか否かを問わず、所得税等の税金、社会保障拠出金、年金、雇用保険料等を含むがこれに限らない。)についてもこれを納める責任を負い、当社、当社子会社又は当社関連会社が税金等の徴収義務を負う場合には、当該徴収義務を負う会社は、次の各号に掲げる方法により、新株予約権者から税金等を徴収することができるものとする。
ⅰ) 現金による受領
ⅱ) 新株予約権者が保有する株式による充当
ⅲ) 新株予約権者の給与、賞与等からの控除
ⅳ) その他当社が定める方法
4 新株予約権の行使により株式を発行(発行に代わる自己株式の移転を含む。以下同じ。)する場合における
増加する資本金及び資本準備金に関する事項
1) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項の規定に従い算出される資本金等増加限度額に2分の1を乗じて得た額とし、計算の結果生じる1円未満の端数は、これを切り上げるものとする。
2) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記1)記載の資本金等増加限度額から上記1)に定める増加する資本金の額を減じて得た額とする。
5 新株予約権の取得事由及び条件
1) 当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる吸収分割契約もしくは新設分割計画、又は当社が完全子会社となる株式交換契約もしくは株式移転計画が株主総会で承認されたときは、当社は、当社取締役会が別途定める日に、新株予約権を無償で取得することができる。
2) 新株予約権者が権利行使をする前に、3 1)に規定する条件に該当しなくなった場合、当社は、当社取締役会が別途定める日に、当該新株予約権を無償で取得することができる。
6 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要するものとする。
7 組織再編行為の際の新株予約権の取扱い
当社が合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以下これらを総称して「組織再編行為」)をする場合において、組織再編行為の効力発生の時点において残存する新株予約権(以下「残存新株予約権」)の新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。この場合においては、残存新株予約権は消滅し、再編対象会社は新株予約権を新たに発行するものとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約又は株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
1) 交付する再編対象会社の新株予約権の数
残存新株予約権の新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付するものとする。
2) 新株予約権の目的たる再編対象会社の株式の種類
再編対象会社の普通株式とする。
3) 新株予約権の目的たる再編対象会社の株式の数
組織再編行為の条件等を勘案の上、前記1及び発行する新株予約権の総数に準じて決定する。
4) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上、前記2に準じて決定する。
5) 新株予約権を行使できる期間
本件新株予約権の行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のいずれか遅い日から、行使期間の末日までとする。
6) 新株予約権の行使により再編対象会社が株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項
前記4に準じて決定する。
7) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、再編対象会社の取締役会(再編対象会社が取締役会設置会社でない場合には取締役の過半数)の承認を要するものとする。
8) 新株予約権の取得事由及び条件
前記5に準じて決定する。
8 新株予約権の行使により生ずる1株に満たない端数の取扱い
新株予約権を行使した新株予約権者に交付する株式の数に1株に満たない端数がある場合には、これを切り捨てるものとする。
3) 4) 2014年3月28日第17回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
5) 6) 2014年3月28日第17回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
7) 2014年3月28日第17回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 新株予約権の行使の条件
1)~3) 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3 1)~3)に同じ。
4) 新株予約権者は、新株予約権の行使期間に記載された区分に従って、新株予約権の全部又は一部を行使することができる。行使期間に記載されたA~Dの内訳は下記のとおり。
A. 割り当てられた新株予約権の15%
B. 割り当てられた新株予約権の20%
C. 割り当てられた新株予約権の30%
D. 割り当てられた新株予約権の35%
5) 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3 4)に同じ。
10) 2015年3月27日第18回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
11) 12) 2015年3月27日第18回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
13) 14) 2015年3月27日第18回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
9 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
15) 16) 2015年3月27日第18回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
9 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
17) 18) 2016年3月30日第19回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
19) 20) 2016年3月30日第19回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
9 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
21) 22) 2016年3月30日第19回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
9 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
23) 24) 2016年3月30日第19回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
9 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
25) 2016年3月30日第19回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
26) 27) 2017年3月30日第20回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
9 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
28) 29) 2017年3月30日第20回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
30) 31) 2017年3月30日第20回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
9 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
32) 33) 2017年3月30日第20回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
34) 35) 2017年3月30日第20回定時株主総会
(注) 1~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1~8に同じ。
9 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
36) 37) 2018年3月29日第21回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
38) 39) 2018年3月29日第21回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
40) 41) 2018年3月29日第21回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ
42) 43) 2019年3月28日第22回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 新株予約権の行使の条件等
1) 新株予約権者は、権利行使時においても、当社、当社子会社又は当社関連会社の取締役、執行役員、監査役又は従業員の地位にあることを要する。ただし、新株予約権者が退職時(退職時までに申込ができない正当な事由が認められる場合は、退職後直近の申込期日)までに、当社所定の手続きに従い新株予約権行使の申込を行った場合、又は諸般の事情を考慮の上、取締役会が特例として認めた場合はこの限りではない。
2)~5) 8) 9) 2015年3月27日第18回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3 2)~5)に同じ。
9 新株予約権の行使の条件等
1) 新株予約権者は、権利行使時において、当社、当社子会社及び当社関連会社の取締役、執行役員、監査役及び従業員の地位のいずれもが終了した日の翌日から、10日以内に限り、新株予約権を行使できるものとする。
2)~4) 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3 2)~4)に同じ。
44) 45) 2019年3月28日第22回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
46) 2019年3月28日第22回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
47) 48) 2019年3月28日第22回定時株主総会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
49) 50) 2020年4月16日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
51) 2020年7月16日取締役会、52) 2020年10月7日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
53) 2021年1月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
54) 55) 2021年2月12日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
56) 57) 2021年4月15日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
58) 2021年7月15日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
59) 2021年9月29日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
60) 2022年1月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
61) 62) 2022年2月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ
63) 64) 2022年4月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
65) 2022年7月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
66) 2022年10月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
67) 2023年1月16日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
68) 69) 2023年2月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
70) 71) 2023年4月13日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
72) 2023年7月13日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
73) 2023年10月16日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
74) 2024年1月16日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3に同じ。
10 新株予約権の割当日(2024年2月1日)における内容を記載している。
75) 76) 2024年2月14日取締役会
(注) 1、2、4~8 1) 2) 2014年3月28日第17回定時株主総会決議による新株予約権の(注)1、2、4~8に同じ。
3、9 43) 44) 2019年3月28日第22回定時株主総会決議による新株予約権の(注)3、9に同じ。
10 新株予約権の割当日(2024年3月1日)における内容を記載している。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 1 新株予約権の権利行使によります。
2 2021年3月29日に払込みが完了した日本郵政株式会社、有限会社三木谷興産及び有限会社スピリットへの第三者割当による新株発行により増加しています。当該募集における発行価格は1,145円、資本組入額は573円です。
3 2023年5月31日に払込みが完了した公募(国内における一般募集及び海外市場における募集)による新株発行により増加しています。当該募集における発行価格は566円、引受価額は542.64円、資本組入額は271.32円です。
4 2023年5月31日払込みが完了した有限会社三木谷興産、有限会社スピリット、株式会社サイバーエージェント及び東急株式会社への第三者割当による新株発行により増加しています。当該募集における発行価格は566円、資本組入額は283円です。
5 2024年1月1日から2024年2月29日までに新株予約権の行使により、発行済株式総数が1,082,400株、資本金が544百万円及び資本準備金が544百万円増加しています。
(5) 【所有者別状況】
2023年12月31日現在
(注) 自己株式384株は、「個人その他」に3単元、「単元未満株式の状況」に84株含めて記載しています。
(6) 【大株主の状況】
2023年12月31日現在
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
2023年12月31日現在
(注) 「単元未満株式」には自己株式84株を含めて記載しています。
② 【自己株式等】
2023年12月31日現在
(注) 当社は、単元未満の自己株式84株を所有しています。
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
会社法第155条第7号による取得
(注) 当期間における取得自己株式には、2024年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含めていません。
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当期間における保有自己株式には、2024年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取による株式数は含めていません。
3 【配当政策】
現下の当社における財務状況等を踏まえ、その財務健全性の確保を目的とし、総有利子負債額を増やさないという方針の下、足もとにおいては、各種の資本性調達を積極的に進め、有利子負債のみに頼ることなく成長事業への投資原資を確保し、また、有利子負債残高の削減にも取組んでまいりました。このため、当期につきましては、配当による資金流出を抑制することが、当社の財務基盤の安定、ひいては株主価値の向上に繋がると考え、2024年2月14日開催の取締役会において、当期の配当を行わないことを決定しました。
配当方針につきましては、中長期的な成長に向けた投資や、財務基盤の安定化のための内部留保の充実を勘案しつつ、安定的・継続的に配当を行うことを基本としており、今後もこの方針に変更はありません。2024年12月期以降の配当再開時期は、現時点では未定ですが、早期の連結業績黒字化及び有利子負債の削減を進めていく中で、適時適切に復配を行えるように努めてまいります。
なお、当社における剰余金配当の決定機関は取締役会であり、剰余金配当は期末配当による原則年1回の配当を基本方針とし、その他会社法第459条第1項各号に定める事項については、経営環境等の状況を勘案の上で判断していきます。
(参考)1株当たり配当額の推移
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① 当社グループのコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントすることを経営の基本理念としています。ユーザー及び取引先企業へ満足度の高いサービスを提供するとともに、多くの人々の成長を後押しすることで、社会を変革し豊かにしていきます。その実践のために、コーポレート・ガバナンスの徹底を最重要課題の一つと位置づけ、様々な施策を講じています。
② 企業統治の体制
1) 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、経営の透明性を高め、適正性・効率性・公正性・健全性を実現するため、独立性の高い監査役が監査機能を担う監査役会設置会社の形態を採用しており、経営の監査を行う監査役会は社外監査役が過半数を占める構成となっています。また、当社は、経営の監督と業務執行の分離を図るため執行役員制を導入しており、取締役会は経営の意思決定及び監督機能を担い、執行役員が業務執行機能を担うこととしています。
当社の取締役会においては、独立性が高く多様な分野の専門家である社外取締役を中心として客観的な視点から業務執行の監督を行うとともに、経営に関する多角的な議論を自由闊達に行っています。更に、取締役会とは別にグループ経営戦略等に関する会議を開催し、短期的な課題や取締役会審議事項に捉われない中長期的視野に立った議論も行うことで、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めています。
2) 会社の機関の内容
(取締役・取締役会・執行役員等)
取締役会については、その員数は定款にて16名以内と定めていますが、現在、社外取締役7名を含む取締役全12名で構成されています。取締役の選任決議については、株主総会において、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行うこととしています。
取締役会は、中長期的な企業価値及び株主価値向上の実現を目的として、定例の取締役会を開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、取締役会の権限である経営上の重要事項についての意思決定及び各執行役員の業務執行の監督をしています。なお、執行役員は、代表取締役から業務執行の命令を受け、会社が定めた職務権限内において業務執行を行うこととしています。現在の取締役会の構成員は、代表取締役会長兼社長三木谷浩史氏、代表取締役副会長穂坂雅之氏、代表取締役副社長百野研太郎氏、取締役副社長武田和徳氏、同廣瀬研二氏、社外取締役安藤隆春氏、同Sarah J. M. Whitley氏、同Tsedal Neeley氏、同Charles B. Baxter氏、同羽深成樹氏、同御立尚資氏、同村井純氏の12名で、代表取締役会長兼社長三木谷浩史氏が議長を務めています。
また、投資等の新規に資金投下を要する案件等については、外部有識者を含むメンバーで構成される投融資委員会において、案件の取り進めの可否を事前審議しており、その審議結果については、取締役会に報告することとしています。
(取締役会の活動状況)
当事業年度において当社は取締役会を15回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりです。
(注) 1 取締役副社長武田和徳氏、同廣瀬研二氏、社外取締役安藤隆春氏、同Tsedal Neeley氏、同羽深成樹氏は、第26回定時株主総会で選任され、同日に就任しましたので、就任以降に開催された取締役会への出席状況を記載しています。
2 社外取締役Charles B. Baxter氏は、2023年3月30日社外取締役就任後の出席状況を記載しています。
3 上記とは別に取締役会決議があったものとみなす書面決議が7回ありました。
当社は、法令上取締役会における決議事項とすることが定められている事項及びこれに準ずる事項として、その経営戦略上の重要性等に鑑み取締役会における決議事項とすることが適当であると認められる事項について、取締役会において判断・決定しています。また、取締役会の決議をもって決定すべき事項を「楽天グループ職務権限表」で定めており、財務、M&A関連取引、資産、経理、年次予算及び経営計画、費用支出等の財務関連項目、人事、知的財産、組織、情報セキュリティ等の財務関連以外の項目について、取締役会の決議をもって決定することとしています。
当事業年度においては、増資、新株予約権の発行、吸収合併、吸収分割、決算関連、予算立案、資金調達、子会社上場、子会社再編、配当関連、費用支出、人事関連、協賛・利益相反取引関連、事業運営において重要な事項等について取締役会で審議を行っています。
(監査役・監査役会)
当社の監査役は4名(うち常勤監査役2名)で、過半数が社外監査役です。
監査役会のもとには監査役室(3名)を設置し、監査役の職務を補助しています。監査役会は、定例監査役会を開催するほか、必要に応じて臨時監査役会を開催しています。
監査役会の目的は、監査に関する重要な事項について報告を受け、協議を行い、又は決議をすることとしています。ただし、各監査役が個別の権限の行使をすることは妨げられません。
各監査役は、監査役会が定めた監査方針、監査計画等に従い、取締役会その他重要な会議への出席、各取締役や使用人からの職務執行状況の聴取、当社及び当社子会社の調査を実施、また、会計監査人からの監査報告を受け、計算書類及び事業報告に関して監査を行うほか、代表取締役との意見交換を行っています。現在の構成員は、監査役(常勤)長沼義人氏、社外監査役(常勤)中村太氏、社外監査役(非常勤)片岡麻紀氏、同山口勝之氏の4名で、議長は監査役(常勤)長沼義人氏が務めています。
<コーポレート・ガバナンス体制>

③ 内部統制システム整備の状況及び提出会社の子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況(リスク管理体制の整備の状況を含む)
当社は、取締役会において、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他業務の適正を確保するための体制につき、次のとおり決議しています。
1) 取締役及び使用人の職務執行が法令・定款に適合することを確保するための体制
楽天グループ株式会社は、「楽天グループ企業倫理憲章」を定め、楽天グループ(楽天グループ株式会社及びその子会社をいいます。)全体として、法令を遵守することはもとより、高い倫理観をもって事業活動に取り組みます。
楽天グループの取締役及び使用人の職務執行については、COO及びCCO(COOの下でグループ全体のコンプライアンスを統括する責任者)並びに社内カンパニー制に基づくCompany Compliance Officerによりグループ横断的なコンプライアンスに対する取組を進め、グループリスク・コンプライアンス委員会及び取締役会へその取組状況を報告し、適正な職務執行を徹底するとともに、代表取締役社長直轄の独立組織である内部監査部及び子会社の内部監査部門による内部監査を実施します。
また、社外取締役及び社外監査役を含む監査役による取締役の職務執行に対する監督及び監査を徹底し、これらに弁護士も起用することにより、専門的・客観的な観点から法令・定款への適合性の検証を行います。
更に、楽天グループの役員・使用人に対して楽天グループの一員として必要な知識及び倫理観の醸成を図るべく、コンプライアンス教育を実施するとともに、楽天グループの役員、使用人、退職者が法令違反その他のコンプライアンスに関する相談・通報を行うことのできる窓口を設置し、相談者、通報者の不利益な取扱いを禁止する内部通報システムを適切に整備します。また、広く社外からの情報を入手する体制についても整備します。
2) 取締役の職務執行に関する情報の保存・管理体制
楽天グループ株式会社における取締役の職務執行に関する文書、電磁的記録等の各種情報は、楽天グループ規程等に則り、適法・適切に保存・管理するものとし、取締役及び監査役は当該情報を常時閲覧することができるものとします。
3) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
楽天グループ株式会社では、リスク管理に関するグループ規程等に従い、リスクの適切な把握、重要性に応じた対応策の策定と実行、その結果をモニタリングする体制(いわゆるPDCAサイクル)を確立し、各組織の業務遂行において発生するリスクに対し必要な措置を行います。
CFO、CISO、COO及びCCOは、財務、情報セキュリティ、コンプライアンス等の担当領域のリスクに関して、各組織で実施したリスク評価結果及び対応状況をモニタリングし、更にリスク管理上の重要事項及びグループ横断的なリスクに対して適切に判断・対処することでグループ全体のリスク低減及び未然防止を図ります。その対応状況をグループリスク・コンプライアンス委員会にて協議し、本委員会の主な協議事項は重要会議体を通じて経営陣に報告します。特に重要なリスクは、その対応状況を楽天グループ株式会社取締役会等にて経営陣に報告します。
重要リスクの一つである情報及びパーソナルデータの管理については、グループ情報セキュリティ&プライバシー委員会を開催し、主要な施策や期間内に発生したインシデント等について報告及び判断をする体制を整えています。また、楽天グループ株式会社の事業投資に伴うリスクは、案件につき、投融資委員会の審議、更に一定額以上の案件につき楽天グループ株式会社取締役会の承認決議を要件とすることにより、リスク管理を適切に行います。子会社の事業投資に伴うリスクについても、案件の内容や規模、当該子会社の上場/非上場の別等を考慮の上あらかじめ定めた基準に基づき、投融資委員会・楽天グループ株式会社取締役会の審議事項としたり、楽天グループ株式会社への報告を求めたりすることで、リスク管理を適切に行います。
更に、内部監査部は、独立した立場で、当社及びグループ会社の法令及び関連規程の遵守状況等の監査を行い、定期的に楽天グループ株式会社取締役会に報告します。
4) 取締役の職務執行が効率的に行われるための体制
楽天グループの取締役の職務執行に関しては、楽天グループ規程等に基づき適切かつ効率的な意思決定体制を構築します。また、各種社内手続の電子化を推進することにより、意思決定の明確化・迅速化を図ります。
意思決定に基づく業務の執行にあたっては、取締役会において選任された執行役員がその管掌業務の執行を行うことにより、機動的な職務執行を促進します。
5) 財務報告の適正な実施のための体制
経営情報、財務情報等の開示事項等に係る財務報告に関しては、業務の適正を確保するための体制の整備を行い、一般に公正妥当と認められた会計処理及び金融商品取引法等に基づいた適時開示並びに有効性評価を実施します。
6) 楽天グループ株式会社及びその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
楽天グループ株式会社は、一体的なグループ経営を実現するため、理念、グループガバナンス、会社経営、リスクマネジメント、コンプライアンス等に関する楽天グループ規程等を定めています。子会社の重要な業務執行については、当該子会社の上場/非上場の別等を考慮の上、「楽天グループ職務権限表」、「楽天グループガイドライン」及び当該子会社との合意に基づき、楽天グループ株式会社による決裁及び楽天グループ株式会社への報告制度を構築する等、楽天グループ全体として、子会社の独立性を確保しつつ、必要な体制を構築しこれを遵守します。
また、代表取締役社長直轄の独立組織である内部監査部において、子会社の内部監査部門との連携を強化し、楽天グループ全体で内部監査を実施することにより業務の適正を確保します。
7) 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項並びにその使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役の職務を補助するために、監査役会のもとに監査役室を設置し、監査役は、監査役室に所属する使用人に必要な事項を指示することができるものとします。また、当該使用人が監査役の補助業務にあたる際には、取締役の指揮命令を受けないものとすることで指示の実効性を確保し、その人事異動や人事考課等は監査役の同意を得るものとします。
8) 取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関する体制、並びにその他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
楽天グループの取締役及び使用人は、監査役に対して法定の報告を行うとともに、監査役からの要請に応じて必要な報告及び情報提供を行うものとします。楽天グループ株式会社は、監査役に報告をした者に対して当該報告をしたことを理由として不利な取扱いをすることを禁止することにより、監査役の監査が実効的に行われることを確保します。
また、楽天グループ株式会社は、監査役からその職務執行に要する費用の前払い又は償還等の請求を受けた場合、当該請求に係る費用又は債務が監査役の職務執行に必要でないことを証明した場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理します。
④ 責任限定契約の概要
当社と当社取締役(業務執行取締役等であるものを除く)及び当社監査役との間で、会社法第427条第1項に規定する契約を締結しており、その概要は以下のとおりです。
会社法第423条第1項に該当する場合において、職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、以下各号に定める金額の合計額を限度として責任を負担する。
ⅰ. 責任の原因となる事実が生じた日を含む事業年度及びその前の各事業年度において、その在職中に報酬、賞与その他の職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益(次号に定めるものを除く)の額の事業年度ごとの合計額のうち最も高い額に2を乗じて得た額。
ⅱ. 退職慰労金の額及びその性質を有する財産上の利益の額の合計額と、その合計額を取締役(業務執行取締役等であるものを除く)又は監査役の職に就いていた年数で除した額に2を乗じて得た額とのいずれか低い額。
ⅲ. 会社法第238条第3項各号に該当する新株予約権(以下「本件新株予約権」という)を、取締役(業務執行取締役等であるものを除く)又は監査役就任後に行使又は譲渡した場合における次の各号に定める額。
1. 行使した場合
本件新株予約権の行使時における1株当たりの時価から、本件新株予約権の発行価額と本件新株予約権の行使時の払込金額との合計額の1株当たりの額を控除した額に、本件新株予約権の行使により交付を受けた株式の数を乗じて得た額。
2. 譲渡した場合
本件新株予約権の譲渡価額から本件新株予約権の発行価額を控除した額に、譲渡した本件新株予約権の数を乗じて得た額。
⑤ 役員等との間で締結している補償契約の内容の概要
当社は、当社と当社取締役及び当社監査役との間で、会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しており、同項第1号の費用及び第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補償することとしています。ただし、当該補償契約によって役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、役員の悪意又は重過失に起因して生じた損失については、補償の対象としないこととしています。
⑥ 役員等を被保険者として締結している役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社及び当社の子会社の取締役、監査役、執行役員及び従業員を被保険者とする会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しています。当該保険契約では、被保険者が会社の役員等の地位に基づき行った行為(不作為を含みます。)に起因して損害賠償請求がなされたことにより、被保険者が被る損害賠償金や訴訟費用等が填補されることとなります。当該保険契約の保険料は全額当社が負担していますが、被保険者の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、法令違反であることを認識して行った行為に起因して生じた損害は填補されない等の免責事由を設けています。
⑦ その他当社の定款規定について
1) 取締役会で決議可能な株主総会決議事項
当社では定款において、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、機動的な配当政策を行うため、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定めるとしています。
2) 株主総会及び種類株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めています。また当社は、会社法第324条第2項に定める種類株主総会の決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨、定款に定めています。これは株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
3) 種類株式の議決権
社債型種類株式の議決権については、全ての事項につき株主総会において議決権を行使することができない旨、定款に定めています。これは、既存普通株主の利益を可能な限り損なわないよう、社債型種類株式につき、剰余金の配当及び残余財産の分配について普通株式に優先する一方で、株主総会において議決権を有しないこととしたものです。
なお、会社法第322条第1項は、株式会社が組織再編や株式の分割・併合等、一定の行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、原則としてその効力を生じないと規定していますが、当社は、社債型種類株式について、法令に別段の定めがある場合を除き、各社債型種類株式を有する株主(以下「社債型種類株主」)を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨、定款に定めています。ただし、当社が、以下に掲げる行為をする場合において、社債型種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当社の株主総会決議又は取締役会決議に加え、社債型種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、原則としてその効力を生じない旨を定款に定めています。
ⅰ. 当社が消滅会社となる合併又は当社が完全子会社となる株式交換若しくは株式移転(当社の単独による株式移転を除く。)
ⅱ. 当社の特別支配株主による当社の他の株主に対する株式売渡請求に係る当社の取締役会による承認
(2)【役員の状況】
① 役員一覧
男性13名 女性3名 (役員のうち女性の比率18.8%)
(注) 1 取締役の安藤隆春、Sarah J. M. Whitley、Tsedal Neeley、Charles B. Baxter、羽深成樹、御立尚資、村井純の7氏は、社外取締役です。
2 監査役の中村太、片岡麻紀、山口勝之の3氏は、社外監査役です。
② 社外取締役及び社外監査役
当社は現在、取締役12名のうち7名が社外取締役であり、監査役4名のうち3名が社外監査役です。
安藤隆春氏は、当社に対して役務提供等の取引関係がありましたが、2023年度におけるその割合は、当社売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額の1%未満です。また、同氏は、株式会社アミューズの社外取締役であり、当社は同社に対して楽曲使用料の支払を行っていますが、2023年度におけるその割合は、当社売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額の1%未満です。
Tsedal Neeley氏は、ハーバード大学経営大学院の教授であり、当社は同大学院に対して研修費の支払を行っていますが、2023年度におけるその割合は、当社売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額の1%未満です。
御立尚資氏は、京都大学経営管理大学院の特別教授であり、当社は同大学に対して同大学が開催するイベントの参加費の支払を行っていますが、2023年度におけるその割合は、当社売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額の1%未満です。
村井純氏は、慶應義塾大学の教授であり、当社は同大学に対して受託研究契約費用等の支払を行っていますが、2023年度におけるその割合は、当社売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額の1%未満です。また、同氏は、World Wide Web Consortium, Inc.の取締役であり、当社は同団体に対して年会費の支払を行っていますが、2023年度におけるその割合は、当社売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額の1%未満です。加えて、同氏は、株式会社ブロードバンドタワー及び株式会社ラックの社外取締役であり、それぞれ当社に対して役務提供等の取引関係がありますが、2023年度におけるその割合は、いずれも当社売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額の1%未満です。
山口勝之氏は、西村あさひニューヨーク事務所の執行パートナーであり、西村あさひ法律事務所・外国法共同事業は当社に対して役務提供等の取引関係がありますが、2023年度におけるその割合は、当社売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額の1%未満です。
なお、社外取締役のCharles B.Baxter氏、村井純氏及び社外監査役の山口勝之氏は、当社の株式を保有しており、その所有株式数は、「(2)[役員の状況] ① 役員一覧」の所有株式数の欄をご参照ください。その他に人的関係、資本的関係又は取引関係その他の重要な利害関係はありません。
当社は、透明性の高い経営と強固な経営監督機能を確立し企業価値の向上を図るため、当社の社外役員の中から、独立役員を選定するに当たり、原則として、以下のいずれにも該当しない者を独立性を有する者と判断しており、社外取締役安藤隆春、Sarah J. M. Whitley、Tsedal Neeley、Charles B.Baxter、羽深成樹、御立尚資、村井純の7氏、社外監査役中村太、片岡麻紀、山口勝之の3氏を、株式会社東京証券取引所の定めに基づく独立役員として届け出ています。当社は、以下の独立性の有無を考慮して社外役員の候補者を選任することとしています。
a. 当社を主要な取引先とする者若しくはその業務執行者(※1)又は当社の主要な取引先(※2)若しくはその業務執行者
b. 当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者をいう。)
c. 当社の総議決権の10%以上を実質的に有する者又はその業務執行者
d. 最近においてaからcまでのいずれかに該当していた(※3)者
e. 以下に掲げる者(重要でない者を除く。)の近親者
① 上記aからdに掲げる者
② 当社子会社の業務執行者
③ 当社子会社の業務執行者でない取締役(社外監査役を独立役員として指定する場合に限る。)
④ 最近において、上記②若しくは③又は当社の業務執行者(社外監査役を独立役員として指定する場合にあっては、業務執行者でない取締役を含む。)に該当していた者
※1:会社法施行規則第2条第3項第6号の業務執行者をいい、業務執行取締役のみならず使用人も含む。
※2:当社との取引額等を基準とし、当社からの支払額が当社売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額の1%以上を占める場合をいう。
※3:当該独立役員を社外取締役又は社外監査役として選任する株主総会の議案の内容が決定された時点において、aからcまでのいずれかに該当していた等、実質的に現在と同視できるような場合をいう。
社外取締役7名のうち、安藤隆春氏には主に警察庁長官等の警察組織の要職を歴任した豊富な経験と幅広い見識を有していることから、Sarah J. M. Whitley氏には主に投資家として当社及び日本企業を長年にわたり見てきた経験から、Tsedal Neeley氏には主にハーバード大学経営大学院教授及びインターネット関連ビジネスを営む米国上場企業の社外取締役等を務めた豊富な経験と幅広い見識を有していることから、Charles B.Baxter氏には主にインターネット業界及び企業経営に関する専門的な知識や幅広い経験から、羽深成樹氏には主に内閣府審議官をはじめとする行政機関の要職を歴任した豊富な経験と金融行政及び渉外に関する幅広い見識を有していることから、御立尚資氏には主に経営コンサルタントとしての専門知識や経験から、村井純氏には主にインターネット技術に関する学識経験者としての専門知識や経験から、当社の企業価値を向上させるための経営に対する助言及び意見をいただくことを期待し、選任しています。
社外監査役3名のうち、中村太氏には主にグローバルに事業を展開する企業での実務経験に基づく財務及び会計に関する専門的な知識並びに常勤監査役を歴任した経験を、片岡麻紀氏には主に公認会計士としての専門知識や警視庁管理官をはじめとした要職を歴任した豊富な経験と財務、会計及び内部統制に関する専門的な知識を、山口勝之氏には主に企業法務に精通した弁護士としての専門知識や幅広い経験を当社の監査体制に生かしていただくことを期待し、選任しています。
社外取締役及び社外監査役へは、取締役会の資料を事前に送付し、各部署から必要に応じて事前説明や協議等を実施しています。また、社外監査役は、「(3)[監査の状況] 」に記載のとおり、内部監査部及び会計監査人と積極的に意見交換を行い、連携を図っています。
(3)【監査の状況】
① 監査役監査の状況
1) 監査役監査の組織、人員及び手続
監査役監査の組織、人員及び手続については、「(1)[コーポレート・ガバナンスの概要] ②企業統治の体制 2) 会社の機関の内容 (監査役・監査役会)」をご参照ください。
2) 監査役及び監査役会の活動状況
当連結会計年度において当社は監査役会を合計9回開催しており、個々の監査役の出席状況については次のとおりです。
(注) 全回数が異なるのは、就任時期の違いによるものです。
監査役会における具体的な検討事項としては、常勤監査役や監査役会議長の選定、監査の方針及び監査計画、会計監査人に対する報酬の同意、監査役選任議案への同意、会計監査人の再任の決定、監査役会の監査報告の作成等、法令、定款の定めに従った決議事項について適切に検討を行っています。また、会社決算に関する事項、監査上の主要な検討事項(Key Audit Matters)に関する当社及び会計監査人の対応状況、内部統制に関する事項、取締役の業務執行状況、監査の状況、会計監査人の非保証業務に関する事項等に関する報告を適時に実施し、これらの事項について意見交換をしています。
監査役は、取締役会に出席し、議事運営、決議内容等を監査し、必要に応じて意見表明を行っています。また、常勤監査役を中心に、経営会議等の重要会議に出席するほか、取締役等からの報告聴取、重要な決裁書類の閲覧・調査等に加え、各部署やグループ会社等を通じた情報収集等により取締役の職務執行状況の監査を実施しています。また、グループ会社監査役から監査の実施状況や結果を報告聴取し、当社グループ全体としての監査の実効性を高めるよう努めています。非常勤監査役は、常勤監査役から監査の状況及び結果について報告を受け、その監査の適正性や妥当性等について意見交換を行い、監査の実効性の向上に努めています。
② 内部監査の状況
1) 組織、人員及び手続
代表取締役社長直轄の独立組織である内部監査部(部長以下49名)を設置し、内部監査を実施しています。当社の内部監査は、当社各部門及び各事業並びにグループ会社を対象とし、取締役会で承認された内部監査計画に基づき、適法性・妥当性・効率性等の観点から実施しています。内部監査の結果、必要な改善事項を指摘するとともに、改善状況のフォローアップを行い、当社各部門等の業務の適正な執行を確保するよう努めています。内部監査の結果については、代表取締役社長及び監査役に報告し、特に重要な内部監査の結果については取締役会に報告しています。
2) 内部監査、監査役監査及び会計監査の相互連携並びに内部統制部門との関係
常勤監査役とは定例会議にて内部監査の結果等を共有し、監査役会には定期的に監査結果等の共有、会計監査人とは定期的に意見交換、内部監査の結果を含む情報共有を行っています。三様監査会議を適宜開催し、三者による意見交換も実施しています。また、グループ会社の内部監査部門との連携を強化し、当社グループ全体で内部監査の実効性を高めるよう努めています。更に、財務報告に係る内部統制の整備状況、運用状況を金融庁ガイドライン及び社内規程に基づいて評価し、適宜内部統制部門に情報共有しています。内部統制部門はそれらに基づき、必要に応じて内部統制システムの改善を図っています。
③ 会計監査の状況
1) 監査法人の名称
EY新日本有限責任監査法人
当社は、EY新日本有限責任監査法人と監査契約を締結し、同監査法人が会社法及び金融商品取引法に基づく会計監査を実施しています。
2) 継続監査期間
26年間
3) 業務を執行した公認会計士の氏名
当期において業務を執行した公認会計士の氏名は以下のとおりです。
4) 監査業務に係る補助者の構成
当期における監査業務に係る補助者の構成は以下のとおりです。
5) 監査法人の選定方針と理由及び評価
監査役会は、会計監査人を適切に選定、評価するための基準を定めています。当該基準に基づいて、監査法人の品質管理体制、独立性、業務執行部門との連携、監査の実施体制や監査報酬等を勘案し、毎期総合的に検討し判断しています。
なお、監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合は、当該会計監査人の解任を検討し、解任が妥当と認められる場合には監査役全員の同意に基づき、監査役会が会計監査人を解任します。また、監査役会は、会計監査人が職務を適切に遂行することが困難と認められる場合、その他必要と判断される場合には、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定します。
また、評価については、当該評価基準に照らし、品質管理の状況、監査チームの独立性、職務遂行体制の適切性、不正リスクへの対応等の観点から会計監査人としての適切性・妥当性の評価を実施しています。
④ 監査報酬の内容等
1) 監査公認会計士等に対する報酬の内容
当社における非監査業務の内容は、前連結会計年度については主に社債発行に伴うコンフォートレター作成業務、当連結会計年度についても主に社債発行に伴うコンフォートレター作成業務です。連結子会社における非監査業務の内容は、前連結会計年度については主に顧客資産の分別管理の法令遵守に関する保証業務及び社債発行に伴うコンフォートレター作成業務、当連結会計年度については主に社債発行に伴うコンフォートレター作成業務です。
2) 監査公認会計士等と同一のネットワーク(Ernst & Youngグループ)に対する報酬の内容(上記1)を除く
当社における非監査業務の内容は、前連結会計年度については主にガバナンス関連のプロジェクト管理支援業務、当連結会計年度については主にツール利用支援業務です。連結子会社における非監査業務の内容は、前連結会計年度については主にDigital Transformation推進助言業務、当連結会計年度については主に基幹システムの更新に伴う助言業務です。
3) その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
4) 監査報酬の決定方針
監査報酬の決定方針は、当社の規模及び事業の特性、監査日数等を勘案し、法令に従い当社監査役会の同意を得て適切に決定しています。
5) 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、会計監査人からの説明を受けた当連結会計年度の会計監査計画の監査日数や人員配置等の内容、前連結会計年度の監査実績の検証と評価、会計監査人の監査の遂行状況の相当性、報酬の前提となる見積りの算定根拠を精査した結果、会計監査人の報酬等の額について同意しています。
(4)【役員の報酬等】
① 提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注) 1 取締役の報酬等の総額については、2023年3月30日開催の第26回定時株主総会において決議された報酬限度額(年額1,900百万円、うち社外取締役分200百万円)以内としています。当該定時株主総会終結時点の取締役の員数は12名であり、うち7名が社外取締役です。
2 監査役の報酬等の総額については、2007年3月29日開催の第10回定時株主総会において決議された報酬限度額(年額120百万円)以内としています。当該定時株主総会終結時点の監査役の員数は4名です。
3 当社は、2020年3月27日開催の第23回定時株主総会において、取締役(社外取締役を除く)報酬として、(注)1の報酬等とは別枠にて、それぞれ下記の内容の在任時行使型ストックオプションとしての新株予約権(各事業年度10,000個を上限)及び退職時報酬型ストックオプションとしての新株予約権(各事業年度10,000個を上限)を取締役(社外取締役を除く)に付与することを決議しており、当該定時株主総会終結時点の取締役(社外取締役を除く)の員数は3名です。当事業年度において、取締役(社外取締役を除く)に対し、在任時行使型ストックオプションとしての新株予約権0個及び退職時報酬型ストックオプションとしての新株予約権5,074個を付与しています。各新株予約権の内容は下記のとおりです。
I. 在任時行使型ストックオプションとしての新株予約権
(1) 新株予約権の割当てを受ける者
当社取締役
(2) 新株予約権の目的たる株式の種類及び数
新株予約権の目的たる株式は当社普通株式とし、各事業年度において1,000,000株を上限とする。
ただし、当社が、株式分割(当社普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)又は株式併合を行う場合、次の算式により新株予約権の目的たる株式の数を調整するものとする。なお、かかる調整は新株予約権のうち、当該株式分割又は株式併合の時点で権利行使又は消却されていない新株予約権の目的たる株式の数についてのみ行われ、調整の結果1株未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする。
調整後株式数=調整前株式数×分割・併合の比率
また、当社が合併、会社分割、株式交換又は株式移転を行う場合等、株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、合併、会社分割、株式交換又は株式移転の条件等を勘案の上、合理的な範囲で株式数を調整するものとする。
(3) 発行する新株予約権の総数
各事業年度において、10,000個を上限とする。
なお、新株予約権1個当たりの目的たる株式の数は100株とする。ただし、(2)に定める株式数の調整を行った場合は、新株予約権1個当たりの目的たる株式の数についても同様の調整を行うものとする。
(4) 新株予約権と引き換えに払い込む金銭
新株予約権と引き換えに金銭の払込みを要しないこととする。
(5) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
新株予約権1個当たり1円とする。
(6) 新株予約権の行使期間
新株予約権発行の日(以下「発行日」)の1年後の応当日から10年後の応当日までとする。ただし、権利行使期間の最終日が当社の休日に当たるときは、その前営業日を最終日とする。
(7) 新株予約権の行使の条件等
① 新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」)は、権利行使時においても、当社、当社子会社又は当社関連会社の取締役、執行役員、監査役又は従業員の地位にあることを要する。ただし、新株予約権者が退職時(退職時までに申込ができない正当な事由が認められる場合は、退職後直近の申込期日)までに、当社所定の手続きに従い新株予約権行使の申込を行った場合、又は諸般の事情を考慮の上、取締役会が特例として認めた場合はこの限りではない。
② 新株予約権の相続は認められないものとする。ただし、諸般の事情を考慮の上、取締役会が特例として認めた場合はこの限りではない。
③ 新株予約権の質入その他一切の処分は認められないものとする。
④ 新株予約権者は、以下の区分に従って、新株予約権の全部又は一部を行使することができる。
ⅰ)発行日からその1年後の応当日の前日までは、割り当てられた新株予約権の全てについて権利行使することができない。
ⅱ)発行日の1年後の応当日から発行日の2年後の応当日の前日までは、割り当てられた新株予約権の15%について権利行使することができる(権利行使可能となる新株予約権の数に1未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする)。
ⅲ)発行日の2年後の応当日から発行日の3年後の応当日の前日までは、割り当てられた新株予約権の35%(ただし、発行日の2年後の応当日の前日までに新株予約権の一部を行使していた場合には、当該行使した新株予約権を合算して、割り当てられた新株予約権の35%までとする。)について権利行使することができる(権利行使可能となる新株予約権の数に1未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする)。
ⅳ)発行日の3年後の応当日から発行日の4年後の応当日の前日までは、割り当てられた新株予約権の65%(ただし、発行日の3年後の応当日の前日までに新株予約権の一部を行使していた場合には、当該行使した新株予約権を合算して、割り当てられた新株予約権の65%までとする。)について権利行使することができる(権利行使可能となる新株予約権の数に1未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする)。
ⅴ)発行日の4年後の応当日から発行日の10年後の応当日までは、割り当てられた新株予約権の全てについて権利行使することができる。
⑤ 新株予約権者は、新株予約権又は株式に関連する法令で定められる、いかなる税金等(日本国内で定められているか否かを問わず、所得税等の税金、社会保障拠出金、年金、雇用保険料等を含むがこれに限らない。)についてもこれを納める責任を負い、当社、当社子会社又は当社関連会社が税金等の徴収義務を負う場合には、当該徴収義務を負う会社は、次の各号に掲げる方法により、新株予約権者から税金等を徴収することができるものとする。
ⅰ)現金による受領
ⅱ)新株予約権者が保有する株式による充当
ⅲ)新株予約権者の給与、賞与等からの控除
ⅳ)その他当社が定める方法
(8) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要するものとする。
(9) 新株予約権のその他の内容
新株予約権に関するその他の内容については、新株予約権の募集事項を決定する当社取締役会において定める。
II. 退職時報酬型ストックオプションとしての新株予約権
(1) 新株予約権の割当てを受ける者
当社取締役で当社執行役員を兼務する者
(2) 新株予約権の目的たる株式の種類及び数
新株予約権の目的たる株式は当社普通株式とし、各事業年度において1,000,000株を上限とする。
ただし、当社が、株式分割(当社普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)又は株式併合を行う場合、次の算式により新株予約権の目的たる株式の数を調整するものとする。なお、かかる調整は新株予約権のうち、当該株式分割又は株式併合の時点で権利行使又は消却されていない新株予約権の目的たる株式の数についてのみ行われ、調整の結果1株未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする。
調整後株式数=調整前株式数×分割・併合の比率
また、当社が合併、会社分割、株式交換又は株式移転を行う場合等、株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、合併、会社分割、株式交換又は株式移転の条件等を勘案の上、合理的な範囲で株式数を調整するものとする。
(3) 発行する新株予約権の総数
各事業年度において、10,000個を上限とする。
なお、新株予約権1個当たりの目的たる株式の数は100株とする。ただし、(2)に定める株式数の調整を行った場合は、新株予約権1個当たりの目的たる株式の数についても同様の調整を行うものとする。
(4) 新株予約権と引き換えに払い込む金銭
新株予約権と引き換えに金銭の払込みを要しないこととする。
(5) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
新株予約権1個当たり1円とする。
(6) 新株予約権の行使期間
新株予約権発行の日(以下「発行日」)から40年後の応当日までとする。ただし、権利行使期間の最終日が当社の休日に当たるときは、その前営業日を最終日とする。
(7) 新株予約権の行使の条件等
① 新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」)は、権利行使時において、当社、当社子会社及び当社関連会社の取締役、執行役員、監査役及び従業員の地位のいずれもが終了した日の翌日から、10日以内に限り、新株予約権を行使できるものとする。
② 新株予約権の相続は認められないものとする。ただし、諸般の事情を考慮の上、取締役会が特例として認めた場合はこの限りではない。
③ 新株予約権の質入その他一切の処分は認められないものとする。
④ 新株予約権者は、新株予約権又は株式に関連する法令で定められる、いかなる税金等(日本国内で定められているか否かを問わず、所得税等の税金、社会保障拠出金、年金、雇用保険料等を含むがこれに限らない。)についてもこれを納める責任を負い、当社、当社子会社又は当社関連会社が税金等の徴収義務を負う場合には、当該徴収義務を負う会社は、次の各号に掲げる方法により、新株予約権者から税金等を徴収することができるものとする。
ⅰ)現金による受領
ⅱ)新株予約権者が保有する株式による充当
ⅲ)新株予約権者の給与、賞与等からの控除
ⅳ)その他当社が定める方法
(8) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要するものとする。
(9) 新株予約権のその他の内容
新株予約権に関するその他の内容については、新株予約権の募集事項を決定する当社取締役会において定める。
4 当社は、2022年3月30日開催の第25回定時株主総会において、社外取締役報酬として、(注)1の報酬等とは別枠にて、それぞれ下記の内容の在任時行使型ストックオプションとしての新株予約権(各事業年度1,000個を上限)を社外取締役に付与することを決議しており、当該定時株主総会終結時点の社外取締役の員数は5名です。当事業年度において、社外取締役に対し、在任時行使型ストックオプションとしての新株予約権400個を付与しています。各新株予約権の内容は下記のとおりです。
I. 在任時行使型ストックオプションとしての新株予約権
(1) 新株予約権の割当てを受ける者
当社社外取締役
(2) 新株予約権の目的たる株式の種類及び数
新株予約権の目的たる株式は当社普通株式とし、各事業年度において100,000株を上限とする。
ただし、当社が、株式分割(当社普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)又は株式併合を行う場合、次の算式により新株予約権の目的たる株式の数を調整するものとする。なお、かかる調整は新株予約権のうち、当該株式分割又は株式併合の時点で権利行使又は消却されていない新株予約権の目的たる株式の数についてのみ行われ、調整の結果1株未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする。
調整後株式数=調整前株式数×分割・併合の比率
また、当社が合併、会社分割、株式交換又は株式移転を行う場合等、株式数の調整を必要とするやむを得ない事由が生じたときは、合併、会社分割、株式交換又は株式移転の条件等を勘案の上、合理的な範囲で株式数を調整するものとする。
(3) 発行する新株予約権の総数
各事業年度において、1,000個を上限とする。
なお、新株予約権1個当たりの目的たる株式の数は100株とする。ただし、(2)に定める株式数の調整を行った場合は、新株予約権1個当たりの目的たる株式の数についても同様の調整を行うものとする。
(4) 新株予約権と引き換えに払い込む金銭
新株予約権と引き換えに金銭の払込みを要しないこととする。
(5) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
新株予約権1個当たり1円とする。
(6) 新株予約権の行使期間
新株予約権発行の日(以下「発行日」)の1年後の応当日から10年後の応当日までとする。ただし、権利行使期間の最終日が当社の休日に当たるときは、その前営業日を最終日とする。
(7) 新株予約権の行使の条件等
① 新株予約権の割当てを受けた者(以下「新株予約権者」)は、権利行使時においても、当社、当社子会社又は当社関連会社の取締役、執行役員、監査役又は従業員の地位にあることを要する。ただし、新株予約権者が退職時(退職時までに申込ができない正当な事由が認められる場合は、退職後直近の申込期日)までに、当社所定の手続きに従い新株予約権行使の申込を行った場合、又は諸般の事情を考慮の上、取締役会が特例として認めた場合はこの限りではない。
② 新株予約権の相続は認められないものとする。ただし、諸般の事情を考慮の上、取締役会が特例として認めた場合はこの限りではない。
③ 新株予約権の質入その他一切の処分は認められないものとする。
④ 新株予約権者は、以下の区分に従って、新株予約権の全部又は一部を行使することができる。
ⅰ)発行日からその1年後の応当日の前日までは、割り当てられた新株予約権の全てについて権利行使することができない。
ⅱ)発行日の1年後の応当日から発行日の2年後の応当日の前日までは、割り当てられた新株予約権の15%について権利行使することができる(権利行使可能となる新株予約権の数に1未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする)。
ⅲ)発行日の2年後の応当日から発行日の3年後の応当日の前日までは、割り当てられた新株予約権の35%(ただし、発行日の2年後の応当日までに新株予約権の一部を行使していた場合には、当該行使した新株予約権を合算して、割り当てられた新株予約権の35%までとする。)について権利行使することができる(権利行使可能となる新株予約権の数に1未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする)。
ⅳ)発行日の3年後の応当日から発行日の4年後の応当日の前日までは、割り当てられた新株予約権の65%(ただし、発行日の3年後の応当日までに新株予約権の一部を行使していた場合には、当該行使した新株予約権を合算して、割り当てられた新株予約権の65%までとする。)について権利行使することができる(権利行使可能となる新株予約権の数に1未満の端数が生じた場合は、これを切り捨てるものとする)。
ⅴ)発行日の4年後の応当日から発行日の10年後の応当日までは、割り当てられた新株予約権の全てについて権利行使することができる。
⑤ 新株予約権者は、新株予約権又は株式に関連する法令で定められる、いかなる税金等(日本国内で定められているか否かを問わず、所得税等の税金、社会保障拠出金、年金、雇用保険料等を含むがこれに限らない。)についてもこれを納める責任を負い、当社、当社子会社又は当社関連会社が税金等の徴収義務を負う場合には、当該徴収義務を負う会社は、次の各号に掲げる方法により、新株予約権者から税金等を徴収することができるものとする。
ⅰ)現金による受領
ⅱ)新株予約権者が保有する株式による充当
ⅲ)新株予約権者の給与、賞与等からの控除
ⅳ)その他当社が定める方法
(8) 新株予約権の取得事由及び条件
① 当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる吸収分割契約若しくは新設分割計画、又は当社が完全子会社となる株式交換契約若しくは株式移転計画が株主総会で承認されたときには、当社は、当社取締役会が別途定める日に、新株予約権を無償で取得することができる。
② 新株予約権者が権利行使をする前に(7)①に規定する条件に該当しなくなった場合、当社は、当社取締役会が別途定める日に、当該新株予約権を無償で取得することができる。
(9) 譲渡による新株予約権の取得の制限
譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要するものとする。
(10) 新株予約権のその他の内容
新株予約権に関するその他の内容については、新株予約権の募集事項を決定する当社取締役会において定める。
5 ストックオプションについては、ストックオプションとして付与した新株予約権に係る当事業年度中の費用計上額を記載しています。当事業年度に付与された新株予約権のほか、以下の取締役会決議に基づき、当事業年度より前の事業年度に付与された新株予約権に関するものも含まれます。
・2022年4月14日開催の取締役会(付与対象は取締役(社外取締役を除く)/社外取締役)
・2023年4月13日開催の取締役会(付与対象は取締役(社外取締役を除く)/社外取締役)
6 当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等については、取締役会は、代表取締役会長兼社長三木谷浩史氏に取締役の個人別の報酬額の具体的内容の決定を委任し、同氏が、下記③で述べる報酬方針に従い、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で決定しています。当社取締役の報酬に係る方針、決定プロセスについては、取締役会で独立社外取締役に対して説明を行い、適切な助言を得ています。同氏に決定権限を委任している理由は、同氏は当社の創業当時から当社の事業を熟知しており、当社全体の業績を俯瞰しつつ各取締役の担当事業の評価を行うのに最も適切であると判断したためです。
② 提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等
③ 役員報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針
1) 基本方針
当社の役員報酬は、以下の基本方針に則り決定しています。
業務執行取締役に関しては、世界各国から優秀な人材を確保・維持できるよう、グローバルに競争力のある報酬水準とし、中長期的な企業価値の向上と経営目標の達成による持続的な成長を促進するため、ストックオプションの占める割合が高い報酬体系とします。非業務執行取締役に関しては、世界各国から当社の経営を支える優秀な人材を確保・維持できるよう、グローバルに競争力のある報酬水準とします。
2) 報酬構成
当社の業務執行取締役の報酬については、
ⅰ)基本報酬(固定・毎月支給)
ⅱ)業績連動報酬(短期インセンティブ報酬としての業績に連動する賞与(毎年1回支給))
ⅲ)非金銭報酬(中長期インセンティブ報酬としての株式報酬型ストックオプション(毎年1回支給))
にて構成しています。
また、基本報酬、業績連動報酬及び非金銭報酬の割合は、各業務執行取締役の役位・役割を踏まえて決定しています。
業務執行から独立した立場である非業務執行取締役の報酬は、
ⅰ)基本報酬(固定・毎月支給)
ⅱ)非金銭報酬(固定・中長期インセンティブ報酬としての株式報酬型ストックオプション・毎年1回支給)
にて構成しています。
また、基本報酬、業績連動報酬及び非金銭報酬の割合は、非業務執行取締役の役割を踏まえて決定しています。
3) 業績連動報酬及び非金銭報酬の指標及び算定方法
業務執行取締役の業績連動報酬及び非金銭報酬に係る指標には、「楽天エコシステム」の構築・拡大への意識の向上のため、各事業年度の連結営業損益等のKPIを複数選定し、成長性や収益性に連動できるよう設定しています。業績連動報酬及び非金銭報酬の額の決定にあたっては、各業務執行取締役の管掌組織ごとに、指標に対する目標を個別に設定し、それぞれの実績を勘案して個人評価を決定しています。指標にはカーボンニュートラル目標等も含まれます。個人評価と会社全体の業績を総合的に勘案し、業績連動報酬及び非金銭報酬の額を決定しています。
非業務執行取締役の非金銭報酬については、各非業務執行取締役報酬の総額のうち、各非業務執行取締役の役割を踏まえて決定した割合を非金銭報酬とすることとしているため、指標はありません。
4) 報酬決定プロセス
当社取締役の報酬方針は、独立社外取締役に対して説明を行い、適切な助言を得た上で、取締役会にて決議しています。その他の決定プロセスについても、取締役会で独立社外取締役に対して必要に応じて説明を行い、適切な助言を得ています。
また、取締役の個別報酬額は、取締役会から一任を受けている代表取締役会長兼社長三木谷浩史氏が、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、報酬方針に従い決定しています。同氏は、当社全体の業績を俯瞰しつつ各取締役の担当事業の評価を行った上で、必要に応じて社外取締役の助言を得て個別の報酬額を決定しているため、取締役会は、個別の報酬等の内容が報酬方針に沿うものであると判断しています。取締役会は、個別の報酬等の内容が報酬方針に沿うものであると判断しています。
(5)【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、投資株式の区分について、専ら株式の価値の変動又は株式に係る配当による利益を目的とする場合を「純投資目的である投資株式」、それ以外を目的とする場合を「純投資目的以外の目的である投資株式」として区分しています。また、当社は「純投資目的以外の目的である投資株式」のうち、政策保有株式については、取引慣行に基づき合理的な理由なく長期保有を継続し、資本効率の向上を妨げている株式と捉えており、そのような株式は原則として保有しない方針です。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
1) 保有方針及び保有の合理性を検証する方法並びに個別銘柄の保有の適否に関する取締役会等における検証の内容
当社は、保有目的が「純投資目的以外の目的である投資株式」については、保有に伴う便益、資本コスト、リスク等を中長期的な観点から総合的に検証し、当社の株主価値向上に資するものと判断された場合について、保有していく方針です。当該方針に則り、社外取締役を含むメンバーで構成される投融資委員会において、案件の取り進めの是非を事前審議しており、その審議結果を取締役会に報告することとしています。また、売却等によりROI(Return on Investment : 投資利益率)が最大化すると判断される場合や、保有の意義が必ずしも十分でないと判断される銘柄については、適宜売却等を行うことで、ポートフォリオの見直し、入れ替えを行っていきます。
2) 銘柄数及び貸借対照表計上額
(注) 日本基準に基づく金額を記載しています。
(当事業年度において株式数が増加した銘柄)
(当事業年度において株式数が減少した銘柄)
該当事項はありません。
3) 特定投資株式及びみなし保有株式の銘柄ごとの株式数、貸借対照表計上額等に関する情報
特定投資株式
(注) 日本基準に基づく金額を記載しています。
みなし保有株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
(注) 日本基準に基づく金額を記載しています。
④ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的から純投資目的以外の目的に変更したもの
該当事項はありません。
⑤ 当事業年度中に投資株式の保有目的を純投資目的以外の目的から純投資目的に変更したもの
該当事項はありません。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、第93条の規定により、国際会計基準(以下「IFRS」)に準拠して作成しています。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下「財務諸表等規則」)に基づいて作成しています。
また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しています。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2023年1月1日から2023年12月31日まで)及び事業年度(2023年1月1日から2023年12月31日まで)に係る連結財務諸表及び財務諸表について、EY新日本有限責任監査法人による監査を受けています。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組を行っています。その内容は以下のとおりです。
会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、会計基準への理解を深め、また、新たな会計基準に対応しています。
4 IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、IFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っています。その内容は以下のとおりです。
IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っています。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っています。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書】
③ 【連結包括利益計算書】
④ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1. 一般的事項
(1) 報告企業
楽天グループ株式会社(以下「当社」)は、日本に所在する企業です。当社及び連結子会社(以下「当社グループ」)は、インターネットサービス、フィンテック及びモバイルという3つの事業を基軸としたグローバル イノベーション カンパニーであることから、「インターネットサービス」、「フィンテック」及び「モバイル」の3つを報告セグメントとしています。
これらのセグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっています。
「インターネットサービス」セグメントは、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』をはじめとする各種ECサイト、オンライン・キャッシュバック・サイト、旅行予約サイト、ポータルサイト、デジタルコンテンツサイト等の運営、メッセージングサービスの提供や、これらのサイトにおける広告等の販売、プロスポーツの運営等を行う事業により構成されています。
「フィンテック」セグメントは、クレジットカード関連サービス、インターネットを介した銀行及び証券サービス、暗号資産(仮想通貨)の媒介、生命保険サービス、損害保険サービス、電子マネーサービスの提供等を行う事業により構成されています。
「モバイル」セグメントは、通信サービス及び通信技術の提供並びに電力供給サービスの運営等を行う事業により構成されています。
(2) 作成の基礎
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しています。当社は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を全て満たしているため、同第93条の規定を適用しています。
本連結財務諸表は、2024年3月28日に取締役会において承認されています。
(3) 連結範囲及び持分法適用範囲の重要な変更
第2四半期連結会計期間において、株式会社西友ホールディングスの全株式を譲渡したことに伴い、持分法適用の範囲から除外しています。
(4) 機能通貨及び表示通貨
当社グループ各社の財務諸表に含まれる項目は、当社グループ各社がそれぞれ営業活動を行う主たる経済環境の通貨(以下「機能通貨」)を用いて測定しています。連結財務諸表は当社の機能通貨であり、また、当社グループの表示通貨である日本円で表示しており、百万円未満を四捨五入して表示しています。
(5) 測定の基礎
連結財務諸表は、公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成されています。
(6) 見積り及び判断の利用
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、一部の重要な事項について会計上の見積りを行う必要があります。また、当社グループの会計方針を適用する過程において、経営者が自ら判断を行うことが求められています。高度の判断を要する項目、非常に複雑な項目、仮定や見積りが連結財務諸表に重要な影響を与える項目並びに翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある仮定及び見積りの不確実性に関する情報は、「注記3. 重要な会計上の見積り及び判断」等において開示しています。
(7) 基準書及び解釈指針の早期適用
該当事項はありません。
(8) 未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設又は改訂は次のとおりであり、2023年12月31日現在において当社グループはこれを適用していません。なお、この適用による重要な影響は検討中です。
2. 重要性がある会計方針
当社グループは会計方針を連結財務諸表に表示されている全ての期間に首尾一貫して適用しています。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業(組成された事業体を含む)をいいます。当社グループが企業への関与による変動リターンにさらされている、又は変動リターンに対する権利を有している場合で、その企業に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合には、当社グループはその企業を支配しています。当社グループがパワーを有しているか否かは、現時点で行使可能な潜在的議決権を考慮して決定しています。
当社グループの子会社に対する所有持分が変動した場合で、かつ、当社グループの当該子会社に対する支配が継続する場合は、資本取引として非支配持分の修正額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額を資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させています。
当社グループ企業間の取引並びにこれに関連する資産及び負債は、連結手続において相殺消去しています。未実現損益は全額、これを消去しています。
② 関連会社の取決め
関連会社とは、当社グループがその経営及び財務の方針に関する経営管理上の意思決定に対して、重要な影響力を有するが、支配的持分は有しない企業をいいます。一般的に、当社グループが議決権の20%から50%を保有する場合には、重要な影響力があると推定されています。当社グループが重要な影響力を有しているか否かの評価にあたり考慮されるその他の要因には、取締役会への役員の派遣等があります。これらの要因が存在する場合には、当該企業に対する当社グループの投資が議決権株式の20%未満であったとしても、当社グループが重要な影響力を有することがあります。
関連会社に対する持分の投資は、持分法により会計処理しています。関連会社の経営成績に対する当社グループの持分は、当社グループの会計方針と整合するように修正され、連結損益計算書において持分法による投資損益として認識しています。取引に係る未実現損益は、投資先に対する当社グループの持分の範囲で消去されています。持分法による会計処理では、関連会社に対する当社グループの投資は、当初、取得原価で計上された後、取得後の純利益(又は損失)に対する当社グループの持分及び当該関連会社の資本(又は純資産)に直接反映されたその他の変動に対する当社グループの持分を反映して、増額(又は減額)されます。
関連会社の持分取得に伴い生じたのれんは、当該投資の帳簿価額に含められており、持分法で会計処理されている投資全体に関して減損テストを行っています。当社グループは、各期末日現在において、関連会社企業に対する投資が減損しているということを示す客観的な証拠があるか否かを評価しています。投資が減損していることを示す客観的証拠がある場合、投資の回収可能価額(使用価値と処分費用控除後の公正価値のいずれか高い方)と帳簿価額を比較することにより、減損テストを行っています。過去の期間に認識された減損損失は、過去の減損損失計上後、投資の回収可能価額の決定に使用された見積りの変更があった場合にのみ、戻入れています。その場合、投資の帳簿価額は、減損損失の戻入れにより、回収可能価額まで増額しています。
(2) 企業結合
当社グループは、企業結合に対して取得法を適用しています。企業結合において移転した対価には、当社グループから被取得企業の従前の所有者に対して移転した資産、発生した負債及び当社グループが発行した持分の公正価値が含まれています。また、移転した対価には、条件付対価の公正価値が含まれています。仲介手数料、弁護士費用、デューデリジェンス費用及びその他の専門家報酬、コンサルティング料等の、企業結合に関連して当社グループに発生する取引費用は、発生時に費用処理しています。
また、当社グループは、被取得企業に対する非支配持分のうち、現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有者に与えているものについて、企業結合取引ごとに、公正価値もしくは識別可能な被取得企業の純資産に対する非支配持分の持分割合相当額のいずれかで測定しています。
移転した対価、被取得企業の非支配持分の金額及び以前に保有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計が、取得した識別可能な純資産の公正価値を超過する場合、その超過額をのれんとして計上しています。一方、移転した対価、被取得企業の非支配持分の金額及び以前に保有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計が、取得した識別可能な純資産の公正価値を下回る場合、割安購入として差額を純損益に直接認識しています。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した連結会計年度末までに完了していない場合には、完了していない項目を暫定的な金額で報告しています。取得日時点に存在していた事実と状況を取得日当初に把握していたとしたら、認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下「測定期間」)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しています。この新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しています。測定期間は、最長で1年間です。
IFRS移行日より前の取得に係るのれんは、従前の会計基準に基づき認識した金額を基礎として報告しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における直物為替レートを適用することにより、機能通貨に換算しています。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しています。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に再換算しています。
これら取引の決済から生じる外国為替差額並びに外貨建貨幣性資産及び負債を期末日の為替レートで換算することによって生じる為替差額は、純損益で認識しています。ただし、非貨幣性項目に係る利益又は損失がその他の包括利益に計上される場合は、為替差額もその他の包括利益に計上しています。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中の平均為替レートを用いて日本円に換算しています。
当該差額は「在外営業活動体の換算差額」として、その他の資本の構成要素に含めています。なお、在外営業活動体の持分全体の処分及び支配、重要な影響力の喪失を伴う持分の一部処分といった事実が発生した場合、当該換算差額を、処分損益の一部として純損益に振替えています。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資です。短期投資については、銀行事業に関するものを含みません。
(5) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
当社グループは、売上債権を、これらの発生日に当初認識しています。売上債権以外の金融資産は全て、当社グループが当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しています。
金融資産の分類及び測定モデルの概要は、以下のとおりです。
償却原価で測定する金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合に償却原価で事後測定する金融資産に分類しています。
・当社グループの事業モデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合
・契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローを生じさせる場合
償却原価で測定する金融資産は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しています。当初認識後、償却原価で測定する金融資産の帳簿価額については、実効金利法に基づき事後測定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で事後測定する負債性金融商品に分類しています。
・当社グループの事業モデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的として保有している場合
・契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローを生じさせる場合
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累計額を損益に振替えています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融商品
資本性金融商品に対する投資を除く金融資産で上記の償却原価で測定する区分及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する区分の要件を満たさないものは、公正価値で測定し、その変動を純損益で認識しています。当該資産には、売買目的で保有する金融資産が含まれています。
資本性金融商品に対する投資は公正価値で測定し、その変動を純損益で認識しています。ただし、当社グループが当初認識時に公正価値の変動をその他の包括利益に計上するという選択(取消不能)を行う場合は、この限りではありません。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で認識し、取引費用は発生時に純損益で認識しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
当社グループは当初認識時に、資本性金融商品に対する投資における公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(取消不能)を行う場合があります。当該選択は、売買目的以外で保有する資本性金融商品に対する投資に対してのみ認められています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しています。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の変動」として、その他の資本の構成要素に含めています。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品からの配当金については、「売上収益」又は「金融収益」として純損益で認識しています。
償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品については、期末日時点で金融商品にかかる信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、期末日後12ヶ月以内の生じうる債務不履行から生じる予想信用損失(12ヶ月の予想信用損失)により貸倒引当金の額を算定しています。この場合、過去の貸倒実績率、その他合理的に利用可能な将来予測情報等をもとに将来12ヶ月の予想信用損失を集合的に見積って当該金融商品にかかる貸倒引当金の額を算定しています。一方で、期末日時点で金融商品にかかる信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品の予想存続期間にわたる全ての生じうる債務不履行から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損失)により貸倒引当金を算定しています。この場合、過去の貸倒実績率、将来の回収可能価額、その他合理的に利用可能な将来予測情報等をもとに当該金融商品の回収にかかる全期間の予想信用損失を個別に見積って当該金融商品にかかる貸倒引当金の額を算定しています。
ただし、重大な金融要素を含んでいない売上債権等の営業債権及び契約資産(以下「営業債権等」)については、上記に関わらず、常に全期間の予想信用損失により貸倒引当金の額を算定しています。原則として、取引先の属性に応じて営業債権等をグルーピングした上で、過去の貸倒実績率、その他合理的に利用可能な将来予測情報等を考慮して集合的に予想信用損失を測定しています。一定の日数が経過した延滞した金融資産のうち債務者の重大な財政的困難等により金融資産の回収可能性が特に懸念されるものであると判断された場合には、信用減損が発生しているものと判定しています。
当社グループは、信用減損した金融資産について、将来の回収が見込めない場合は直接償却を行っています。
直接償却を行った場合でも履行に向けて回収活動を継続し、回収が行われた場合は純損益に回収額を計上します。
金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、又は、当該金融資産の所有にかかるリスク及び便益を実質的に全て移転する取引において、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、当該金融資産の認識を中止しています。移転した金融資産に関して当社グループが創出した、又は当社グループが引き続き保有する権利については、別個の資産・負債として認識しています。
② 非デリバティブ金融負債
当社グループは、当社グループが発行した負債証券を、その発行日に当初認識しています。負債証券以外の金融負債は全て、当社グループが当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しています。
当社グループは、金融負債が消滅した場合、つまり、契約上の義務が免責、取消又は失効となった場合に、金融負債の認識を中止しています。
当社グループは、非デリバティブ金融負債として、仕入債務、銀行事業の預金、証券事業の金融負債、社債及び借入金、証券事業の借入金、カード事業の社債及び借入金、銀行事業の借入金並びにその他の金融負債を有しており、公正価値で当初認識し、実効金利法に基づき償却原価で事後測定しています。
③ デリバティブ
ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブ
当社グループは、公正価値変動リスク、金利変動リスク及び為替変動リスクをヘッジするため、デリバティブを利用しています。これらに用いられるデリバティブは、主に金利スワップ、先渡、オプション、為替予約及び通貨スワップです。
当初のヘッジ指定時点において、当社グループは、ヘッジ手段とヘッジ対象及びその関係、リスク管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略、ヘッジされるリスクの性質、ヘッジ関係の有効性の評価方法、並びにヘッジ非有効部分の測定方法を文書化しています。
当社グループは、ヘッジ手段がヘッジ対象期間において関連するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対して高度に相殺効果を有すると予想することが可能であるか否かについて、ヘッジ指定時点で評価するとともに、その後も毎期継続的に評価しています。
ヘッジ手段であるデリバティブは公正価値で当初認識し、関連する取引費用は発生時に純損益として認識しています。当初認識後は、デリバティブは公正価値で測定し、その変動は以下のように会計処理しています。
・公正価値ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で事後測定することによる利得又は損失は、純損益で認識しています。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象に係る利得又は損失は、純損益で認識するとともにヘッジ対象の帳簿価額を修正しています。ただし、ヘッジ対象が、公正価値の変動をその他の包括利益で測定する資本性金融商品である場合は、ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で事後測定することによる利得又は損失は、その他の包括利益で認識しています。公正価値ヘッジがヘッジ会計の要件を満たさない場合、又はヘッジ手段が失効、売却、終了若しくは行使された場合はヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しています。
・キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債に関連する特定のリスクに起因し、かつ、純損益に影響する可能性があるキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、「キャッシュ・フロー・ヘッジ」として、その他の資本の構成要素に含めています。キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが純損益に影響を及ぼす期間と同一期間に、連結包括利益計算書においてその他の包括利益から控除し、ヘッジ対象と同一の項目で純損益に振替えています。デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ非有効部分は、即時に純損益で認識しています。しかしながら、ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
なお、キャッシュ・フロー・ヘッジがヘッジ会計の要件を満たさない場合、又はヘッジ手段が失効、売却、終了若しくは行使された場合はヘッジ会計の適用を将来に向けて中止し、その他の包括利益として認識した金額をその他の資本の構成要素から純損益に振替えています。
ヘッジ会計の要件を満たさないデリバティブ
当社グループには、ヘッジ目的で保有しているデリバティブのうちヘッジ会計の要件を満たしていないものがあります。また当社グループは、デリバティブをヘッジ目的以外のトレーディング目的でも保有しています。これらのデリバティブの公正価値の変動は全て即時に純損益で認識しています。
組込デリバティブ
金融商品及びその他の契約の中に、デリバティブ及び非デリバティブ金融商品の双方が結合されていることがあります。そのような契約に含まれるデリバティブの部分は、組込デリバティブと呼ばれ、非デリバティブの部分が主契約となります。主契約が金融負債である場合、組込デリバティブの経済的特徴とリスクが主契約と密接に関連せず、組込デリバティブと同一条件の独立の金融商品がデリバティブの定義に該当し、複合契約自体が純損益を通じて公正価値で測定する金融負債として分類されない場合には、組込デリバティブは主契約から分離され、デリバティブとして会計処理しています。主契約の金融負債は、非デリバティブ金融負債に適用される会計方針により会計処理しています。
④ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループがそれらの残高を相殺する法的権利を有し、純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しています。
⑤ 金融保証契約
金融保証契約とは、負債性金融商品の当初又は変更後の条件に従った期日が到来しても、特定の債務者が支払を行わないために保証契約保有者に発生する損失を契約発行者がその保有者に対し補填することを要求する契約です。
これら金融保証契約は当初契約時点において、公正価値により測定しています。当初認識後は、公正価値で測定されるものを除き、貸倒引当金の額と当初認識額から認識した収益の累計額を控除した額のうち、いずれか高い方で測定しています。
(6) 有形固定資産
有形固定資産は、当初認識後の測定モデルとして原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
取得原価には資産の取得に直接関連する費用、資産の解体及び除去費用、並びに原状回復費用の当初見積額が含まれています。また、意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産に関して、その資産の取得、建設又は製造に直接起因する借入コストは、当該資産取得の一部として資産化しています。なお、その他の借入コストは全て、発生した期に費用として認識しています。
土地及び建設仮勘定以外の減価償却費は、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、主に定額法に基づいています。
主要な有形固定資産の前連結会計年度及び当連結会計年度における見積耐用年数は、以下のとおりです。
・建物及び建物附属設備 2-50年
・工具、器具及び備品 2-20年
・機械設備 2-50年
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、期末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(7) 無形資産
① のれん
当初認識
子会社の取得により生じたのれんは、無形資産に計上しています。当初認識時におけるのれんの測定については、(2) 企業結合をご参照ください。
当初認識後の測定
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しています。
② ソフトウエアに係る支出の資産化
当社グループは、主として内部利用目的のソフトウエアを購入又は開発するための特定のコストを支出しています。
新しい科学的又は技術的知識の獲得のために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用計上しています。開発活動による支出については、信頼性をもって測定可能であり、技術的に実現可能であり、将来の経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ、ソフトウエアとして資産計上しています。
資産計上したソフトウエアは、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。
③ 企業結合により取得した無形資産
企業結合により取得し、のれんとは区分して認識した商標権等の無形資産は取得日の公正価値で計上しています。
その後は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。
④ 償却
償却費は、資産の取得原価から残存価額を差し引いた額に基づいています。耐用年数が確定できる無形資産は、定額法により償却しています。
主要な耐用年数が確定できる無形資産の前連結会計年度及び当連結会計年度における見積耐用年数は、以下のとおりです。
・ソフトウエア 主として5年
償却方法、耐用年数及び残存価額は、期末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(8) リース取引
リース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っています。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整した金額で当初測定を行っています。当初認識後は、リース契約の終了までに当社グループが所有権を獲得することが合理的に確実な場合を除き、リース期間又は経済的耐用年数のいずれか短い期間にわたって、主に定額法によって減価償却しています。なお、リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金利費用とリース負債残高の返済部分とに配分しています。
(9) 投資不動産
その他の資産に含まれる投資不動産の測定においては、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した後の金額で表示しています。投資不動産は、主に3~60年の範囲で見積耐用年数に基づき、定額法にて償却を行っています。
(10) 非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、四半期ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っています。のれん及び耐用年数を確定できない、又はまだ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を各連結会計年度における一定時期に見積っています。
資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としています。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値に割り引いています。資金生成単位については、継続的に使用することにより他の資産又は資産グループのキャッシュ・イン・フローから、概ね独立したキャッシュ・イン・フローを生み出す最小単位の資産グループとしています。
資金生成単位については、原則として各社を資金生成単位としています。のれんは、内部報告目的で管理される単位に基づき、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しています。
全社資産は独立したキャッシュ・イン・フローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を算定して判断しています。
減損損失は、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に、純損益で認識しています。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しています。
のれんに関連する減損損失については、戻入れていません。過去に認識したその他の資産の減損損失については、四半期ごとに、損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を判断しています。減損の戻入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れています。減損損失については、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として、戻入れています。
(11) 引当金
当社グループが、過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、当該義務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該義務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。
引当金は、現時点の貨幣の時間的価値の市場評価と当該義務に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用いて、義務の決済に必要とされると見込まれる支出の現在価値として測定しています。
(12) 保険契約
当社グループは、当連結会計年度よりIFRS第17号「保険契約」(以下「IFRS第17号」)を適用しています。
基準移行日である前連結会計年度期首時点にてIFRS第17号を適用し、前連結会計年度の期首時点で修正再表示しています。そのため、比較情報はIFRS第17号に準拠しています。詳細は[会計方針の変更]をご参照ください。
(13) 資本
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しています。
(14) 株式報酬
当社グループは、取締役及び従業員に対するインセンティブ制度としてストック・オプション制度を導入しています。株式報酬の付与日における公正価値は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり、人件費として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しています。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しています。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しています。
(15) 収益の認識
当社グループでは、IFRS第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」)に基づく利息や配当収益等、IFRS第16号「リース」に基づくリース収益及びIFRS第17号に基づく保険料収入を除き、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
また、顧客との契約獲得のための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産(以下「契約コストから認識した資産」)として認識しています。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。契約コストから認識した資産については、顧客の見積契約期間に応じて4年間から10年間の均等償却を行っています。
(16) 金融収益及び金融費用
金融収益は、主として受取利息、受取配当金及び純損益を通じて公正価値で測定する金融商品の公正価値の変動等から構成されています。受取利息は、実効金利法により発生時に認識しています。受取配当金は、当社グループの受領権が確定した日に認識しています。
一方、金融費用は、主として支払利息等から構成されています。支払利息は、実効金利法により発生時に認識しています。
なお、当社グループにおける金融事業を営む子会社から生じた金融収益及び金融費用は、「売上収益」及び「営業費用」に含められています。
(17) 政府補助金
政府補助金は、補助交付のための付帯条件を満たし、補助金が受領されることについて合理的な保証が得られた時に認識しています。収益に関する政府補助金は、補助金により補償される費用が認識される期間にわたって、純損益として認識しています。資産に関する政府補助金は、繰延収益として認識し、関連する資産の耐用年数にわたって規則的に純損益に認識しています。純損益として認識された補助金については、関連する費用から控除する方法を採用しています。
(18) 従業員給付
① 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しています。賞与については、それらを支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつ、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しています。
② 退職給付
当社グループは、退職給付制度として、主に確定給付制度を採用しています。
確定給付制度
確定給付負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値(必要な場合には、確定給付資産の上限、最低積立要件への調整を含む)を控除したものであり、退職給付に係る資産又は負債として連結財政状態計算書で認識しています。確定給付制度債務は、予測単位積増方式に基づいて算定され、その現在価値は、将来の予想支払額に割引率を適用して算定しています。割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の利回りを参照して決定しています。
勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は純損益として認識しています。数理計算上の差異、純利息費用に含まれる部分を除く制度資産に係る収益の変動については、それらが生じた期間において確定給付制度に係る再測定としてその他の包括利益に認識しています。また、過去勤務費用は、制度改訂又は縮小が発生した時、あるいは関連するリストラクチャリング費用又は解雇給付を認識した時の、いずれか早い方の期において純損益として認識しています。
(19) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金及び繰延税金から構成されています。これらは、企業結合から生じた項目、その他の包括利益で認識される項目及び資本に直接認識される項目に関連する税金を除き、純損益で認識しています。
当期税金は、期末日において施行され、又は実質的に施行されている法定税率(及び税法)を使用して、税務当局に納付(又は税務当局から還付)される予想額で算定しています。
当社グループは、資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務上の基準額との間に生じる一時差異、将来の課税所得と相殺可能な繰越欠損金及び将来の税額から控除可能な税額控除に対して、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しています。当該繰延税金資産及び繰延税金負債の算定には、期末日において施行され、又は実質的に施行されている法令に基づき、関連する繰延税金資産が実現する時、又は繰延税金負債が決済される時において適用されると予想される税率を使用しています。繰延税金資産は、将来の課税所得を稼得する可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異及び全ての未使用の繰越欠損金並びに税額控除について認識しています。
子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に係る一時差異について、繰延税金資産又は繰延税金負債を認識しています。ただし、繰延税金負債については、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ、予測可能な期間内での一時差異の解消が期待できない可能性が高い場合には認識していません。また、繰延税金資産については、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な期間内で一時差異の解消される可能性が高いと認められる範囲内で認識しています。
繰延税金資産及び繰延税金負債の相殺が行われるのは、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、繰延税金資産及び繰延税金負債が単一の納税事業体又は純額ベースでの決済を行うことを意図している異なる納税事業体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものに対してです。
当社及び一部子会社は、グループ通算制度及び連結納税制度を適用しています。
(20) 1株当たり利益
基本的1株当たり利益又は損失は、親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。希薄化後1株当たり利益又は損失は、全ての希薄化効果のある潜在的普通株式による影響について、親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失及び自己株式を調整した発行済株式の加重平均株式数を調整することにより算定しています。当社グループの潜在的普通株式は、ストック・オプション制度に係るものです。
(21) セグメント情報
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位です。全ての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ、各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、当社グループの最高経営意思決定者である取締役会において定期的にレビューしています。
[会計方針の変更]
当社グループは、当連結会計年度より以下の基準を適用しています。
保険契約
保険契約に係る会計方針は、以下のとおりです。なお、基準移行日である前連結会計年度期首時点にてIFRS第17号を適用し、前連結会計年度の期首時点で修正再表示しています。
1) 保険契約の分類及び集約
当社グループにおいて、重要な保険リスクを引き受ける契約を保険契約として分類しています。保険契約は測定の目的上、保険契約グループとして集計し、保険契約グループは保険契約のポートフォリオを識別することによって決定しています。各ポートフォリオは、類似したリスクに晒されており一括して管理されている複数の契約で構成され、契約の収益性に基づき3つのグループに分割しています。
– 当初認識時に不利である契約のグループ
– 当初認識時において、その後に不利となる可能性が大きくない契約のグループ
– ポートフォリオの中の残りの契約
2) 保険契約の認識及び測定
当社グループが発行した保険契約は、次のうち最も早い時点から認識しています。
– カバー期間(保険契約の境界線内の保険料に関して、当社グループがサービスを提供する期間)の開始時
– 保険契約者からの初回支払期限が到来した時、又は契約上の支払期限がない場合は、保険契約者から初回支払を受領した時
– 事実及び状況が、契約が不利であることを示唆している時
i) 保険料配分アプローチ(Premium Allocation Approach、以下「PAA」)を適用せずに測定している保険契約の当初測定
PAAを適用せずに測定している保険契約は、一般測定モデルを適用しており、以下の項目から構成されています。
(a) 履行キャッシュ・フロー
保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、見積将来キャッシュ・フロー(貨幣の時間価値及び関連する金融リスクを反映するように調整)及び非金融リスクに係るリスク調整で構成されます。保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、当社グループの不履行リスクを反映していません。保険契約グループの非金融リスクに係るリスク調整は、他の見積りとは別に決定されるものであり、キャッシュ・フローの金額及び時期に関する非金融リスクから生じる不確実性の負担に対して要求する対価です。
(b) 契約上のサービス・マージン(以下「CSM」)
保険契約グループのCSMは、当社グループがその契約に基づきサービスを提供するにつれて認識することとなる未稼得利益を表しています。
保険契約グループの当初認識時に、(a)履行キャッシュ・フロー、(b)その日に生じたキャッシュ・フロー及び当該グループに係るキャッシュ・フローに対して以前認識した資産又は負債の認識の中止から生じた金額(保険獲得キャッシュ・フローに対する資産を含む)の合計が、正味のインフローである場合、当該グループは不利な契約ではありません。この場合、CSMはその正味のインフローと同額で正負が逆の金額として測定します。その結果、当初認識時に発生する損益はありません。
ⅱ) PAAを適用せずに測定している保険契約の事後測定
各報告日現在の保険契約グループの帳簿価額は、残存カバーに係る負債と発生保険金に係る負債の合計です。
発生保険金に係る負債は既発生未報告の保険金を含む、未払の発生保険金及び費用に係る履行キャッシュ・フローで構成されています。
残存カバーに係る負債は、以下の項目から構成されています。
(a) 履行キャッシュ・フロー
保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、報告日時点で、将来キャッシュ・フローに関する現在の見積り、現在の割引率及び非金融リスクに係るリスク調整に関する現在の見積りを用いて測定されます。
(b) CSM
CSMは、報告日時点で、報告期間の期首残高に以下の項目を加減して算定されます。
a) 当連結会計年度に保険グループに加えられた新契約のCSM
b) 当連結会計年度にCSMの帳簿価額に対し発生した利息(基礎となる項目に対するリターンに基づいて変動しない名目キャッシュ・フローに対して、当初認識時に決定した割引率を適用して測定)
c) 将来のサービスに係る履行キャッシュ・フローの変動
1. 将来のサービスに関して当連結会計年度に受け取った保険料及び関連するキャッシュ・フローから生じた実績調整(当初認識時に決定した割引率を適用して測定)
2. 残存カバーに係る負債の将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りの変更(当初認識時に決定した割引率を適用して測定。ただし、貨幣の時間価値、金融リスク及びそれらの変動に伴う影響を除く)
3. 当連結会計年度に支払が見込まれる投資要素と当期に支払が確定した実際の投資要素との差異
4. 将来のサービスに関連する、非金融リスクに係るリスク調整の変動
なお、履行キャッシュ・フローの変動のうち、以下の場合を除きます。
・履行キャッシュ・フローの増加がCSMの帳簿価額を上回る場合。この場合、超過額は損失として純損益で認識し、損失要素が発生します。
・履行キャッシュ・フローの減少が損失要素に配分される場合。これにより、過去に純損益で認識した損失の戻入れが発生します。
d) 当連結会計年度にサービスを提供したことにより、保険収益として認識した金額
当社グループは、その後の期中財務諸表及び年度財務諸表を作成する際、それまでの期中財務諸表作成時のIFRS第17号に関する会計上の見積りはなかったものとして、改めて実績調整若しくは将来のサービスに関する履行キャッシュ・フローの変動なのかを判断しています。
3) 契約の境界線
保険契約者が保険料の支払義務を負う報告期間中、又は当社グループがサービス(保険カバー及び投資サービスを含む)を提供する実質的な義務を有している報告期間中に存在する実質的な権利及び義務から生じるキャッシュ・フローは、契約の境界線内にあります。
保険契約の境界線内のキャッシュ・フローは、契約の履行に直接関連するキャッシュ・フロー(当社グループが金額又は時期に対する裁量を有しているキャッシュ・フローを含む)です。これには、保険契約者に対する(又は保険契約者のための)支払、保険獲得キャッシュ・フロー、保険契約を履行する際に発生するその他のコストが含まれます。
保険獲得キャッシュ・フローは、保険契約グループの販売、引受け及び開始の活動により生じるキャッシュ・フローのうち、当該グループが属する保険契約ポートフォリオに直接起因するものです。保険契約を履行する際に発生するその他のコストには保険金請求処理、維持及び管理のコストが含まれます。
保険獲得キャッシュ・フロー及び保険契約を履行する際に発生するその他のコストは、直接費と固定間接費及び変動間接費の配分額で構成されています。キャッシュ・フローは、保険獲得活動、他の履行活動及びその他の活動に起因するものに分類しています。保険獲得活動及び他の履行活動に起因するキャッシュ・フローは、規則的かつ合理的で、類似の特徴を有する全てのコストに首尾一貫して適用される方法を用いて保険契約グループに配分しています。その他のコストは発生時に純損益に認識しています。
4) PAAの適用
当初認識時に保険契約グループ内の各契約のカバー期間が1年以内である場合、又はPAAを適用して単純化された残存カバーに係る負債の測定が、一般測定モデルを適用した場合の測定と重要性がある差異がないと合理的に予想している場合、PAAを適用して測定しています。
当初認識時の残存カバーに係る負債の帳簿価額は、受取保険料からその他の関連する金額を控除して測定しており、貨幣の時間価値及び金融リスクの影響を反映するような調整はしていません。
当社グループは、保険契約グループ内の各契約のカバー期間が1年以内である場合、保険獲得キャッシュ・フローを発生時に費用処理しています。
カバー期間中のいずれかの時点で、保険契約グループが不利であることを示唆する事実及び状況が生じた場合、残存カバーに係る履行キャッシュ・フローの現在の見積りが残存カバーに係る負債の帳簿価額を上回る範囲で損失を純損益で認識し、残存カバーに係る負債を増額しています。
当社グループは、保険契約グループの発生保険金に係る負債について、発生保険金に関連する履行キャッシュ・フローの金額で認識しています。当該将来キャッシュ・フローは、保険金請求の発生日から1年以内に支払われる見込みがない場合、(現在の割引率で)割引計算をしています。
5) 表示
i) 保険収益
(a) PAAを適用せずに測定している契約
当社グループは、投資要素を除く保険収益を、履行義務が充足するにつれて(すなわち、保険契約に基づいてサービスを提供するにつれて)、認識しています。
各期間において提供したサービスに係る保険収益は、当社グループが対価を受け取ることを見込むサービスに関連する残存カバーに係る負債の変動の合計を表し、以下の項目で構成されています。なお、保険料のうち保険獲得キャッシュ・フローの回収に関連する部分を、時の経過に基づいて規則的な方法で各期間に配分しています。
– 提供したカバー単位を基に測定したCSMの解放
– 現在のサービスに関連する、非金融リスクに係るリスク調整の変動
– 当連結会計年度に生じた保険金請求及びその他の保険サービス費用(当期首に見込んでいた金額で測定)
– 保険グループに対する現在又は過去のサービスについて受け取った保険料の実績調整
(b) PAAを適用して測定する契約
PAAを適用して測定する契約の場合、各期間の保険収益は、当該期間におけるサービス提供の対価として受領することが見込まれる保険料の金額です。当社グループは、主に時間の経過に基づき、予想保険料受取額を各期間に配分しています。
ⅱ) 保険サービス費用
保険契約から生じる保険サービス費用は、通常、発生時に純損益に認識しています。これらの費用は投資要素の返済を除外し、以下の項目から構成されています。
・発生保険金及びその他の保険サービス費用
・保険獲得キャッシュ・フローの償却(上記の保険収益の中で反映された保険獲得キャッシュ・フローの回収と同等の金額が保険サービス費用にも反映されます。)
・発生保険金に係る調整
・不利な契約に係る損失及び損失の戻入れ
ⅲ) 損失要素
当社グループは、不利な保険契約グループの残存カバーに係る負債の損失要素を設定しています。履行キャッシュ・フローの事後的な変動は、この損失要素と、損失要素を除く残存カバーに係る負債とに規則的な方法で配分され、損失要素に配分された変動は、保険サービス費用のマイナスとして純損益に表示され、保険収益から除外されます。
ⅳ) 保険金融収益又は費用
保険金融収益又は費用は、貨幣の時間価値及び金融リスク並びにこれらの変動の影響から生じた、保険契約グループの帳簿価額の変動で構成されています。当社グループは保険金融収益及び費用を純損益とその他の包括利益とに分解することを選択しています。純損益に含める金額は、見込まれる保険金融収益又は費用の合計額を保険契約グループの存続期間にわたり規則的に配分することによって算定しています。この規則的な配分により、保険契約グループの存続期間にわたりその他の包括利益に認識される合計金額はゼロとなります。なお、いずれの時点においてもその他の包括利益に認識される累計金額は、保険契約グループの帳簿価額と規則的配分により測定された当該グループの金額との差額です。
6) 経過措置
当社グループは、損害保険事業にて発行した保険契約グループについては完全遡及アプローチを適用し、IFRS第17号が過去から適用されていたかのように識別し、認識し測定しています。
生命保険事業にて発行した保険契約グループについては完全遡及アプローチを2021年1月1日から2021年12月31日の新規契約分に適用し、2020年12月31日までの期間においては、修正遡及アプローチを適用し移行日(2022年1月1日)現在の契約グループの識別、認識及び測定しています。2020年12月31日までに発生した新規契約分については、必要な情報が収集されず(又は十分な粒度で収集されず)、システム移行、データ保持要件又はその他の理由で入手できなかったこと及び過年度における当社グループの経営者の意図についての仮定又は事後的判断を用いずに重要な会計上の見積りを行う事が不可能であるため、保険契約への完全遡及アプローチの適用は実務上不可能とみなしました。
修正遡及アプローチの目的は、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報を用いて、可能な限り遡及適用に最も近い結果を得ることにあります。当社グループは、IFRS第17号を遡及適用するための合理的かつ裏付けのある情報を有していない範囲でのみ、修正を行っています。
当社グループは、一部の契約グループに対して以下の修正を行っています。
– 2020年12月31日までの間に発行、開始又は取得した契約グループの場合、当初認識時の将来キャッシュ・フローは、移行日以前に発生したことが判明しているキャッシュ・フローを修正することによって見積っています。
– 一部の契約グループの当初認識時の非金融リスクに係るリスク調整は、移行日現在の金額を移行日以前の予想されるリスクの解放額で修正することによって算定しています。予想されるリスクの解放額は、当社グループが移行日に発行した類似の契約についてのリスクの解放を参照することによって算定しています。
– 移行日以前に純損益で認識したCSMの金額は、当初認識時のカバー単位と移行日現在の残存カバー単位とを比較することによって算定しています。
当社グループは、IFRS第17号の経過措置を適用しており、IFRS第17号の適用による各財務諸表項目及び1株当たり利益への影響を開示していません。IFRS第17号の適用による2022年1月1日現在の連結財務諸表への影響は、連結持分変動計算書に表示しています。
法人所得税
当社グループは、当連結会計年度より「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」(IAS第12号「法人所得税」の改訂)を適用しています。本改訂は、OECDによるBEPSの第2の柱GloBE(グローバル・ミニマム課税)ルールを導入するために制定された又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税にIAS第12号が適用されることを明確化しました。しかし、企業に対し、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する繰延税金資産及び負債を認識及び開示しないことを要求する一時的な例外措置を定めています。当社グループは、IAS第12号で定められる例外措置を適用し、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する繰延税金資産及び負債について認識及び開示を行っていません。
第2の柱モデルルールは、当社グループが営業活動を行っている一定の法域にて制定されています。本法律は、2024年1月1日以降に開始する当社グループの会計年度に適用されます。当社グループは、第2の柱モデルルールが制定された又実質的に制定されている法律の範囲内にあるため、第2の柱の法人所得税に対する潜在的影響を評価しました。
当該評価は、当社グループの構成企業の直近の税務申告や国別報告に基づいています。当該評価では、当社グループが営業活動を行っている法域のほとんどで第2の柱の実効税率は15%を上回っており、15%を下回っている法域についても税率及び所得見込額に基づいて判断した結果、法人所得税への重要性のある影響は想定していません。
[表示方法の変更]
(連結包括利益計算書関係)
当連結会計年度において、表示の明瞭性を高める観点から、連結包括利益計算書において表示方法の変更を行っています。
表示方法の変更内容及び当該変更を反映させるため連結財務諸表の組替を行った結果による連結包括利益計算書における影響は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(連結持分変動計算書関係)
当連結会計年度において、表示の明瞭性を高める観点から、連結持分変動計算書において、以下の表示方法の変更を行っています。
「その他の資本の構成要素」の内訳項目の表示を省略し、「その他の資本の構成要素」として総額で表示しています。「所有者との取引額等合計」の内訳として記載していた、「所有者による拠出及び所有者への分配合計」及び「子会社に対する所有持分の変動額合計」の記載は省略しています。
「ストック・オプション行使に伴う新株の発行」及び「ストック・オプション行使に伴う自己株式の処分」を集約して、「新株予約権の行使」として表示しています。
「新株予約権の発行」及び「新株予約権の失効」を集約して、「株式報酬費用」として表示しています。
「子会社に対する所有持分の変動額」の内訳項目として表示していた「新株の発行」、「支配継続子会社に対する持分変動」及び「非支配持分の取得及び処分」を集約して、「非支配株主との資本取引」として表示しています。
「所有者による拠出及び所有者への分配」及び「子会社に対する所有持分の変動額」の内訳項目として各々表示していた「その他」を集約して、「所有者との取引額等」の内訳項目の「その他」として表示しています。
この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替を行っています。この結果による、前連結会計年度の連結持分変動計算書の影響は以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「非支配持分からの払込による収入」及び「利息の支払額」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書の組替を行っています。この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた△12,457百万円は、「非支配持分からの払込による収入」3,361百万円、「利息の支払額」△23,334百万円、「その他」7,518百万円として組み替えています。なお、IFRS第17号の適用により、「利息の支払額」が2百万円減少しています。
3. 重要な会計上の見積り及び判断
(1) 重要な会計上の見積り及び仮定
当社グループは、IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いています。これらの見積り及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいています。しかしながら、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間及び将来の期間において認識しています。
① 非金融資産の減損
1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
注記17. 有形固定資産及び注記18. 無形資産をご参照ください。
2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
a) 見積りの算出方法
注記2. 重要性がある会計方針 (10) 非金融資産の減損をご参照ください。
b) 金額の算出に用いた主要な仮定
注記17. 有形固定資産及び注記18. 無形資産をご参照ください。
c) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
当該判断及び仮定の前提とした状況が変化すれば、回収可能価額の算定結果が著しく異なる結果となる可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
注記32. 繰延税金及び法人所得税費用をご参照ください。
2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
a) 見積りの算出方法
注記2. 重要性がある会計方針 (19) 法人所得税をご参照ください。
b) 金額の算出に用いた主要な仮定
注記32. 繰延税金及び法人所得税費用をご参照ください。
c) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
当該判断及び仮定の前提とした状況の変化や将来の税法の改正等により、繰延税金資産や繰延税金負債の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ デリバティブを含む公正価値で測定する金融商品の公正価値の決定方法
1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
注記48. 金融商品の公正価値をご参照ください。
2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
a) 見積りの算出方法
当社グループが保有するデリバティブを含む公正価値で測定する金融資産及び金融負債は、同一の資産又は負債について、活発な市場における公表価格、当該資産又は負債について直接に又は間接に観察可能な前述の公表価格以外のインプットを使用して算定された公正価値、もしくは観察不能なインプットを含む評価技法によって算定された公正価値を用いて評価しています。
b) 金額の算出に用いた主要な仮定
観察不能なインプットを含む評価技法によって算定される公正価値は、適切な基礎率、仮定及び採用する計算モデルの選択等、当社グループの経営者による判断及び仮定を前提としています。
c) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
当該判断及び仮定の前提とした状況の変化等により、金融商品の公正価値の算定に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④ 償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品の減損
1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
注記15. 貸倒引当金及び注記50. 財務リスク管理をご参照ください。
2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
a) 見積りの算出方法
当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品にかかる予想信用損失は、契約に従って受け取る契約上の将来キャッシュ・フローと、受け取ると見込んでいる将来キャッシュ・フローとの差額の現在価値について認識しています。
b) 金額の算出に用いた主要な仮定
将来キャッシュ・フローの見積りに際しては、債務不履行の可能性、発生損失額に関する過去の傾向、合理的に予想される将来の事象等を考慮しています。
c) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
当該判断及び仮定の前提とした状況が変化すれば、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品の減損損失の金額が著しく異なる可能性があります。
(2) 会社の会計方針を適用する際の重要な判断
当社グループの会計方針を適用する過程において、当社グループの経営者は、連結財務諸表で認識される金額に重要な影響を与えるような判断を行っています。
当社グループは、主として銀行事業やカード事業において支配の決定に際して、議決権又は類似の権利が支配の決定的な要因とならないように設計された事業体(以下「組成された事業体」)への関与を有しており、当社グループの経営者は、当該事業体を支配しているかどうかの判断を行っています。判断においては、組成された事業体への関与に関する全ての関連性のある事実と状況を考慮し、決定を行っています。
4. セグメント情報
(1) 一般情報
当社グループは、インターネットサービス、フィンテック及びモバイルという3つの事業を基軸としたグローバル イノベーション カンパニーであることから、「インターネットサービス」、「フィンテック」及び「モバイル」の3つを報告セグメントとしています。
これらのセグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっています。
「インターネットサービス」セグメントは、インターネット・ショッピングモール『楽天市場』をはじめとする各種ECサイト、オンライン・キャッシュバック・サイト、旅行予約サイト、ポータルサイト、デジタルコンテンツサイト等の運営、メッセージングサービスの提供や、これらのサイトにおける広告等の販売、プロスポーツの運営等を行う事業により構成されています。
「フィンテック」セグメントは、クレジットカード関連サービス、インターネットを介した銀行及び証券サービス、暗号資産(仮想通貨)の媒介、生命保険サービス、損害保険サービス、電子マネーサービスの提供等を行う事業により構成されています。
「モバイル」セグメントは、通信サービス及び通信技術の提供並びに電力供給サービスの運営等を行う事業により構成されています。
なお、第1四半期連結会計期間より、従前モバイルセグメントに含まれていたメディア&エンターテインメント部門に属する子会社及び事業について、楽天エコシステムの拡大、シナジー効果を高めること等を目的に、インターネットサービスセグメントに移管しています。この変更により、前連結会計年度のインターネットサービスセグメント及びモバイルセグメントに係る売上収益及びセグメント損益を修正再表示しています。
また、注記2.重要性がある会計方針に記載のとおり、第1四半期連結会計期間の期首よりIFRS第17号を適用し、基準移行日である前連結会計年度期首時点に基準変更による累積的影響額を反映しています。これにより、前連結会計年度のフィンテックセグメントに係る数値を修正再表示しています。
(2) 事業セグメントの売上収益と損益の測定に関する事項
報告されている事業セグメントの会計処理の方法はIFRSに基づいており、事業セグメントの売上収益及び損益は一部の連結子会社を除き連結修正を考慮していない内部取引消去前の金額です。経営者が意思決定する際に使用する社内指標は、IFRSに基づく営業利益に当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を調整したNon-GAAP営業利益ベースです。
経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しています。なお、非経常的な項目とは、一定のルールに基づき将来見通し作成の観点から除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。その他の調整項目とは、適用する基準等により差異が生じ易く企業間の比較可能性が低い、株式報酬費用や子会社取得時に認識した無形資産償却費等のことです。
また、当社グループは、最高経営意思決定者が使用する事業セグメントへ、資産及び負債を配分していません。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 第1四半期連結会計期間より、従前モバイルセグメントに含まれていたメディア&エンターテインメント部門に属する子会社及び事業をインターネットサービスセグメントに移管しています。この変更により、前連結会計年度のインターネットサービスセグメントに係る売上収益は17,935百万円増加、セグメント利益は13,573百万円減少し、モバイルセグメントに係る売上収益及びセグメント損失は同額減少しています。
セグメントに係る売上収益から連結上の売上収益への調整は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
セグメント損益から税引前当期損失(△)への調整は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 前連結会計年度に計上された非経常的な項目には、楽天ポイントの規約等の変更によるポイント引当金の増加に伴う費用、子会社の元従業員及び取引先の共謀による不正行為に関連する費用の見積額が含まれています(なお、後者は連結損益計算書においてその他の費用に含まれています)。また、当連結会計年度に計上された非経常的な項目には、ネットスーパー事業の運営方法の変更に伴う固定資産の減損損失15,922百万円、モバイル事業におけるローミング契約の見直しに基づき設備投資計画を変更したことに伴い一時的に発生した基地局工事等のキャンセルに係る費用等13,598百万円、株式会社西友ホールディングスの全株式を譲渡したことに伴い発生した売却損益、前連結会計年度に発覚した子会社の元従業員及び取引先の共謀による不正行為に係る弁護士費用等、外部の専門家に対する報酬等が含まれています。
(3) 製品及びサービスに関する情報
当社グループの主要な製品及びサービスから生じる外部顧客に対する売上収益は、以下のとおりです。
(4) 地域に関する情報
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
(5) 主要な顧客に関する情報
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
特定の外部顧客に対する売上収益が、連結損益計算書の売上収益の10%に満たないため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
特定の外部顧客に対する売上収益が、連結損益計算書の売上収益の10%に満たないため、記載を省略しています。
5. 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 当社グループの連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない、取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。なお、短期投資については、銀行事業に関するものを含みません。
6. 売上債権
売上債権の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 売上債権は、主にインターネットサービス事業に関する売上から生じています。売上債権のうち、当社グループの事業モデルにおいて、契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有し、かつ、当該キャッシュ・フローが契約条件による特定の日の元本等の受取に限られる売上債権を、償却原価で測定する売上債権として分類しています。
7. 証券事業の金融資産
証券事業の金融資産の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) トレーディング目的で保有する有価証券は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に含めています。
なお、トレーディング目的で保有するデリバティブ資産は「デリバティブ資産」に含めており、営業投資有価証券は「有価証券」に含めています。
8. カード事業の貸付金
カード事業の貸付金の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) カード事業の貸付金は、主に顧客のクレジットカード利用による割賦契約等に基づく売掛債権で構成されています。
カード事業の貸付金は、当社グループの事業モデルにおいて、契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有する金融資産であり、当該キャッシュ・フローは、契約条件による特定の日の元本及び元本残高に係る利息の受取に限られることから、償却原価で測定しています。
9. 銀行事業の有価証券
銀行事業の有価証券の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に係る貸倒引当金は、前連結会計年度42百万円、当連結会計年度54百万円であり、その他の包括利益に含まれています。
銀行事業の有価証券のうち、契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有し、かつ、当該キャッシュ・フローが契約条件による特定の日の元本及び元本残高に係る利息の受取に限られる有価証券を、償却原価で測定する金融資産として分類しています。また、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的として保有し、かつ、当該キャッシュ・フローが契約条件による特定の日の元本及び元本残高に係る利息の受取に限られる有価証券を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品として分類しています。上記以外の有価証券を、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産として分類しています。ただし、資本性金融商品に対する投資について、公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(取消不能)を行ったものについては、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品として分類しています。
10. 銀行事業の貸付金
銀行事業の貸付金の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 銀行事業の貸付金は、主に個人向けのローン債権で構成されています。
銀行事業の貸付金は、当社グループの事業モデルにおいて、契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有する金融資産であり、当該キャッシュ・フローは、元本及び元本残高に係る利息の受取に限られることから、償却原価で測定しています。
11. 保険事業の有価証券
保険事業の有価証券の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に係る貸倒引当金は、前連結会計年度44百万円、当連結会計年度99百万円であり、その他の包括利益に含まれています。
保険事業の有価証券のうち、契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的として保有し、かつ、当該キャッシュ・フローが契約条件による特定の日の元本及び元本残高に係る利息の受取に限られる有価証券を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品として分類しています。上記以外の有価証券を、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産として分類しています。ただし、資本性金融商品に対する投資について、公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(取消不能)を行ったものについては、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品として分類しています。
12. デリバティブ資産及びデリバティブ負債、ヘッジ会計
ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブ及びヘッジ会計の要件を満たさないデリバティブの公正価値並びに想定元本は、以下のとおりです。
ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブ
(単位:百万円)
(単位:百万円)
ヘッジ会計の要件を満たさないデリバティブ
(単位:百万円)
(注) 過年度において、Lyft, Inc.の株式を使用したLyft, Inc.株式先渡契約に関連しキャップとフロアーの設定さているカラー取引を締結し、株価関連のオプション取引に想定元本196,229百万円(前連結会計年度は182,427百万円)、公正価値84,552百万円をデリバティブ資産(前連結会計年度は88,189百万円をデリバティブ資産)に計上しています。なお、Lyft, Inc.株式先渡売買契約によるデリバティブについては組込デリバティブとして分離して会計処理しています。本件取引の詳細は、注記28. その他の金融負債をご参照ください。
ヘッジ会計の適用状況については、以下のとおりです。
(1) 公正価値ヘッジ
上場有価証券の公正価値変動リスク
当社グループは、当初認識時に公正価値の変動をその他の包括利益で認識することを選択した一部の上場有価証券の公正価値変動リスクを回避するために、先渡取引を締結して、公正価値ヘッジを適用しています。先渡取引に係る公正価値の変動についてもその他の包括利益で認識しています。これにより、ヘッジ対象の上場有価証券に係る公正価値の変動と、ヘッジ手段である先渡取引に係る公正価値の変動を相殺することが可能です。ヘッジ手段である先渡取引の公正価値については、ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブをご参照ください。
ヘッジ対象の上場有価証券とヘッジ手段である先渡取引については、銘柄ごとに同額で実施しているため、ヘッジ比率は1:1になります。当該ヘッジ関係は、2024年までに終了する見込みです。
ヘッジ対象については、以下のとおりです。
前連結会計年度(2022年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
為替変動リスク
当社グループは、為替の変動によるリスクを回避するために、金融機関との間で為替予約取引契約を締結して、公正価値ヘッジを適用しています。これにより、ヘッジ対象の為替に係る公正価値の変動と、ヘッジ手段である為替予約に係る公正価値の変動を相殺することが可能です。ヘッジ手段である為替予約の公正価値は、ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブをご参照ください。
ヘッジ対象の外貨建有価証券と、ヘッジ手段である為替予約については、同額で実施しているため、ヘッジ比率は1:1になります。当該ヘッジ関係は、2024年までに終了する見込みです。
ヘッジ対象については、以下のとおりです。
前連結会計年度(2022年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
(2) キャッシュ・フロー・ヘッジ
金利変動リスク
当社グループは、変動金利借入金の利払いに係るキャッシュ・フローの変動によるリスクを回避するために、金融機関との間で固定金利支払・変動金利受取の金利スワップ契約を締結して、キャッシュ・フロー・ヘッジを適用しています。これにより、借入金の変動金利による利払いのキャッシュ・フローの変動を固定することが可能です。ヘッジ手段である金利スワップの公正価値は、ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブをご参照ください。
ヘッジ対象の変動金利借入金とヘッジ手段である金利スワップについては、同額で実施しているため、ヘッジ比率は1:1になります。当該ヘッジ関係は、2028年までに終了する見込みです。
その他の包括利益で認識される金額の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 純損益に振替えられた金額は、連結損益計算書上「営業費用」に含まれています。
為替変動リスク
当社グループは、為替の変動によるキャッシュ・フロー変動リスクを回避するために、金融機関との間で為替予約取引契約及び通貨スワップ契約を締結して、キャッシュ・フロー・ヘッジを適用しています。これにより、為替の変動によるキャッシュ・フローの変動を固定することが可能です。ヘッジ手段を指定する際は、通貨スワップの通貨ベーシス・スプレッドをヘッジコストとして除外しています。ヘッジ手段である為替予約及び通貨スワップの公正価値は、ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブをご参照ください。
ヘッジ対象の外貨建金銭債権又は外貨建金銭債務と、ヘッジ手段である為替予約及び通貨スワップについては、同額で実施しているため、ヘッジ比率は1:1になります。当該ヘッジ関係は、2026年までに終了する見込みです。
その他の包括利益に認識される金額の増減は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 純損益に振替えられた金額は、連結損益計算書上「売上収益」、「営業費用」、「その他の費用」及び「金融費用」に含まれています。
13. 有価証券
有価証券の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
14. その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
15. 貸倒引当金
償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品の種類ごとの貸倒引当金の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 上表には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に係る貸倒引当金が含まれています。当該貸倒引当金については、純損益で認識しその他の包括利益の損失額を減額しています。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 上表には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に係る貸倒引当金が含まれています。当該貸倒引当金については、純損益で認識しその他の包括利益の損失額を減額しています。
16. 持分法で会計処理されている投資
(1) 関連会社に対する投資
当社グループは、関連会社に対する投資を、一部を除き持分法によって会計処理しています。
また、持分法を適用しているRakuten Medical, Inc.に対する投資について、第2四半期連結会計期間において6,498百万円の減損損失を計上しています。当該減損損失は、連結損益計算書の「持分法による投資損失(△)」に計上しています。
①重要性のある関連会社の要約連結財務情報
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
株式会社西友ホールディングス
1) 一般的情報
株式会社西友ホールディングス(所在地:東京都北区(当時))は、株式会社西友等の持株会社です。
2) 要約連結財務情報
2021年3月1日より持分法で会計処理されていた、株式会社西友ホールディングスの要約連結財務情報は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(注) 前連結会計年度において、株式会社西友ホールディングスから受け取った配当金はありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
第2四半期連結会計期間において、株式会社西友ホールディングスの全株式を譲渡したことに伴い、持分法適用の範囲から除外しています。そのため、個々に重要性のある関連会社に対する投資はありません。
②重要性のない関連会社に対する投資
持分法で会計処理されている、個々に重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
持分法で会計処理されている、個々に重要性のない関連会社に関する財務情報は、以下のとおりです。なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものです。
(単位:百万円)
(2) 共同支配企業に対する投資
当社グループは、一部の会社に対する投資において、他の契約当事者との間で、そのリターンに重要な影響を及ぼす活動に係る意思決定について、契約当事者の一致した合意を必要とする契約上の取り決めを行っています。また、当社グループは、他の契約当事者と共同で支配しており純資産に対する権利を有していることから、共同支配企業とし、当該投資を持分法によって会計処理しています。
個々に重要性のない共同支配企業に対する投資の帳簿価額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
個々に重要性のない共同支配企業に関する財務情報は、以下のとおりです。なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものです。
(単位:百万円)
17. 有形固定資産
(1) 有形固定資産の増減明細
(単位:百万円)
(注) 建設仮勘定の増加には、新規取得による増加額のほか、各固定資産科目への振替額(△)が含まれています。
連結損益計算書上、減価償却費は「営業費用」、減損損失は「その他の費用」に計上しています。
(2) 有形固定資産の減損
当社グループは、有形固定資産について、四半期ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額を見積っています。
当社グループは原則として、個別の資産について回収可能価額を見積っていますが、個別の資産についての回収可能価額の見積りが不可能な場合には、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額の見積りを行っています。なお、資金生成単位とは、他の資産又は資産グループからのキャッシュ・イン・フローとは概ね独立したキャッシュ・イン・フローを生成させるものとして識別される、資産グループの最小単位となっており、当社グループは原則として各社を資金生成単位としています。将来の活用が見込まれていない遊休資産は、個別の資産を資金生成単位としています。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
インターネットサービスセグメントにおいて538百万円、フィンテックセグメントにおいて4百万円、モバイルセグメントにおいて3,473百万円、有形固定資産の減損損失を計上しています。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
インターネットサービスセグメントにおいて15,579百万円、モバイルセグメントにおいて6,568百万円、有形固定資産の減損損失を計上しています。
インターネットサービスセグメントにおける減損損失のうち15,542百万円は、ネットスーパー事業の運営方法の変更により減損の兆候が認識され、減損テストを実施した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回る見込みとなったため認識されたものです。回収可能価額は関連する資金生成単位の使用価値に基づき、無形資産を含めて75,924百万円と評価しています。当該資金生成単位は、ネットスーパー事業の保有する資産を主として構成されています。当該資金生成単位の使用価値の算定に当たり、キャッシュ・イン・フローを割引率1.92%~8.21%(税引前)で割り引いています。
18. 無形資産
(1) 無形資産の増減明細
(単位:百万円)
(注) ソフトウエアは、主に自己創設ソフトウエアです。
連結損益計算書上、償却費は「営業費用」、減損損失は「その他の費用」に計上しています。
費用として認識した研究開発費は、前連結会計年度は14,156百万円、当連結会計年度は14,312百万円です。
(2) のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損
各資金生成単位あるいは資金生成単位グループののれん及び耐用年数を確定できない無形資産の残高は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 耐用年数を確定できない無形資産は、主に特定基地局開設料です。
特定基地局開設料は、周波数の割当てを受けるために当社グループが負担した金額であり、その効果は基地局を維持・運営する限り継続するため、耐用年数を確定できない無形資産と判断しています。
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損損失は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
当社グループでは、のれんは、減損の兆候の有無に関わらず、年に1度減損テストを実施しています。耐用年数を確定できない無形資産においても償却せず、年に1度減損テストを実施しています。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト実施時期は、関連する事業計画の策定時期を勘案して個別に決定しています。また、四半期ごとに減損の兆候の有無を確認し、減損の兆候がある場合は減損テストを実施しています。
減損テストにおいて、原則として各社を資金生成単位としています。なお、資金生成単位とは、他の資産又は資産グループからのキャッシュ・イン・フローとは概ね独立したキャッシュ・イン・フローを生成させるものとして識別される、資産グループの最小単位となっています。企業結合のシナジーから便益を得ることが見込まれる資金生成単位あるいは資金生成単位グループに対して、のれんを配分しています。
その結果、インターネットサービスセグメント及びモバイルセグメントでは、各社間におけるシナジーから便益を得ることが見込まれており、それを考慮してのれんを内部管理目的でモニタリングしていることから、資金生成単位グループで減損テストを実施しています。一方、フィンテックセグメントでは、各社特有の事業環境があること等を考慮して、原則として各社を資金生成単位として減損テストを実施しています。
のれんを配分した資金生成単位あるいは資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としています。当連結会計年度において、のれんを配分した資金生成単位あるいは資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値の算定に基づいて決定しています。
使用価値の算定に当たっては、各資金生成単位あるいは資金生成単位グループにおいて経営者によって承認された事業計画に基づき、主に3~5年間の税引前キャッシュ・フロー予測等を使用しています。この事業計画は、インターネットサービスセグメントでは主に流通総額等、フィンテックセグメントでは、口座数・会員数等、モバイルセグメントでは、ARPU(Average Revenue Per User:顧客一人当たりの平均売上高)・新規契約者数・解約率等を用いて策定しています。事業計画が対象としている期間を超える期間については、継続価値を算定しています。
継続価値の算定には、各資金生成単位あるいは資金生成単位グループの予測成長率を使用しています。また、使用価値の算出に用いた税引前の割引率は、資金生成単位ごとあるいは資金生成単位グループごとに算定しています。
各資金生成単位における事業計画が対象としている期間を超える期間のキャッシュ・フローを予測するために用いられた成長率は、資金生成単位の属する国、産業の状況を勘案して決定した成長率を用いており、資金生成単位が活動する産業の長期平均成長率を超えていません。継続価値の算定に使用した割引率は税引前の数値であり、関連する各資金生成単位事業あるいは資金生成単位グループ特有のリスクを反映しています。割引率は各資金生成単位あるいは資金生成単位グループの類似企業を基に、市場利子率、資金生成単位となる子会社の規模等を勘案して決定しています。
また、当社グループは、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストにおける、回収可能価額の測定の基礎となる事業計画について、各資金生成単位において過去の実績と比較し、当該事業計画が将来のキャッシュ・フロー予測の基礎的な仮定として合理的かどうかを検討しています。
前連結会計年度末日及び当連結会計年度末日において、回収可能価額の算定に利用している重要な仮定は、以下のとおりです。以下の予測値は、各資金生成単位あるいは資金生成単位グループを分析する際に使用しているものです。
(注) モバイルセグメントの割引率には、立ち上げ間もない「楽天シンフォニー」事業の業容拡大を計画していることを織り込んでいます。
感応度分析
当社グループがのれん及び耐用年数を確定できない無形資産を配分した各資金生成単位及び資金生成単位グループにおいては、回収可能価額が帳簿価額を大幅に上回っており、減損テストに用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、当該資金生成単位及び資金生成単位グループにおいて、重要な減損が発生する可能性は低いと判断しています。
(3) 無形資産(のれん及び耐用年数を確定できない無形資産除く)の減損
当社グループは、無形資産(のれん及び耐用年数を確定できない無形資産除く)について、四半期ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額を見積っています。
当社グループは原則として、個別の資産について回収可能価額を見積っていますが、個別の資産についての回収可能価額の見積りが不可能な場合には、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額の見積りを行っています。将来の活用が見込まれていない遊休資産は、個別の資産を資金生成単位としています。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
インターネットサービスセグメントにおいて1,256百万円、フィンテックセグメントにおいて792百万円、モバイルセグメントにおいて4,826百万円、無形資産(のれん及び耐用年数を確定できない無形資産除く)の減損損失を計上しています。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
インターネットサービスセグメントにおいて2,611百万円、フィンテックセグメントにおいて394百万円、モバイルセグメントにおいて5,487百万円、無形資産(のれん及び耐用年数を確定できない無形資産除く)の減損損失を計上しています。
19. リース会計
当社グループは、借手として主にオフィス、倉庫、データセンター及び通信設備をリースしています。
当社グループにおける借手としてのリースに関する情報は、以下のとおりです。
(1) 連結財政状態計算書で認識された金額
(単位:百万円)
(注) 1 オフィス、倉庫、データセンター及び通信設備は、主に建物及び建物附属設備です。
2 リース負債は、連結財政状態計算書上「その他の金融負債」に含まれています。
(2) 連結損益計算書で認識された金額
(単位:百万円)
(注) 1 使用権資産に係る減価償却費は、連結損益計算書上「営業費用」に含まれています。
2 リース負債に係る金利費用は、連結損益計算書上「金融費用」に含まれています。
(3) リースに係るキャッシュ・フロー
(単位:百万円)
(4) 延長オプション及び解約オプション
一部のリース契約には、当社グループが行使可能な延長オプション及び解約オプションが付されているものがあり、事業の必要性に応じてそれらを行使する可能性があります。当社グループは、延長オプションを行使すること、又は解約オプションを行使しないことが合理的に確実かどうかをリース開始日に評価します。リース期間はリースの取引内容ごとに合理的に確実な契約期間を前提に決定されているため、その中には延長オプションを行使すること、又は解約オプションを行使しないことを見越しているものが含まれます。
主な延長オプション、解約オプションは、以下のとおりです。
・オフィス契約:自動延長オプション(定期賃貸借契約を除く)
・一部の倉庫契約:賃貸借開始日から9年経過時点までの申し入れにより、10年経過時点をもって解約可能
(5) 契約しているがまだ開始していないリース
前連結会計年度末において、該当事項はありません。
当連結会計年度末において契約を締結しているものの、まだ開始していないリースにより潜在的に晒されている将来キャッシュ・アウト・フローの金額は、682百万円です。
20. 仕入債務
仕入債務の内訳は、以下のとおりです。
(注) 仕入債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。
21. 銀行事業の預金
銀行事業の預金の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
22. 証券事業の金融負債
証券事業の金融負債の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 証券事業の金融負債は、償却原価で測定しています。
トレーディング目的で保有するデリバティブ負債は、「デリバティブ負債」に含めています。
23. 社債及び借入金
社債の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 社債は、全て償却原価で測定しています。
「利率」欄には、それぞれの社債において前連結会計年度又は当連結会計年度で適用されている表面利率を記載しており、実効金利とは異なります。
当連結会計年度において、当社のドル建無担保社債450百万米ドル(利率10.25%、償還期限2024年11月30日)及び第22回無担保社債250,000百万円(利率3.30%、償還期限2025年2月10日)を発行しています。また、当社の第5回無担保社債10,000百万円(利率0.25%、償還期限2023年6月23日)及び第1回公募劣後特約付社債68,000百万円(利率2.35%、期限前償還日2023年12月13日)を償還しています。
借入金の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 借入金は、全て償却原価で測定しています。
借入金の満期及び利率の内訳は、以下のとおりです。
(注) 短期借入金及びコマーシャル・ペーパーについては、満期が1年以内であるため満期の記載を省略しています。
「利率」欄には、それぞれの借入金において適用されている表面利率を記載しており、実効金利とは異なります。
24. 証券事業の借入金
証券事業の借入金の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 借入金は、全て償却原価で測定しています。
借入金の満期及び利率の内訳は、以下のとおりです。
(注) 短期借入金については、満期が1年以内であるため満期の記載を省略しています。
「利率」欄には、それぞれの借入金において適用されている表面利率を記載しており、実効金利とは異なります。
25. カード事業の社債及び借入金
カード事業の社債の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 社債は、全て償却原価で測定しています。
「利率」欄には、それぞれの社債において前連結会計年度又は当連結会計年度で適用されている表面利率を記載しており、実効金利とは異なります。
カード事業の借入金の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 借入金は、全て償却原価で測定しています。
借入金の満期及び利率の内訳は、以下のとおりです。
(注) 短期借入金及びコマーシャル・ペーパーについては、満期が1年以内であるため満期の記載を省略しています。「利率」欄には、それぞれの借入金において適用されている表面利率を記載しており、実効金利とは異なります。
なお、固定金利借入金には、金利スワップ取引により変動金利を固定金利に交換するキャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ対象が含まれており、「利率」欄にはキャッシュ・フロー・ヘッジの影響を考慮した後の利率を開示しています。
26. 銀行事業の借入金
銀行事業の借入金の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 借入金は、全て償却原価で測定しています。
借入金の満期及び利率の内訳は、以下のとおりです。
(注) 短期借入金については、満期が1年以内であるため満期の記載を省略しています。
「利率」欄には、それぞれの借入金において適用されている表面利率を記載しており、実効金利とは異なります。
27. 財務活動から生じるキャッシュ・フローに係る負債の変動の調整表
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
28. その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) Lyft, Inc.株式先渡売買契約
当社は2020年第3四半期連結会計期間において連結子会社であるLiberty Holdco Ltd.を通じて、当社が保有するLyft, Inc.の株式31,395,679株全てを活用した先渡売買契約につき、金融機関との間で基礎となる契約を締結しました。2020年第4四半期連結会計期間において当該取引を実行した結果、714百万米ドルの資金を調達しました。5年の契約期間満了時には、現金又はLyft, Inc.の株式で決済することをLiberty Holdco Ltd.が選択できます。当社はLyft, Inc.の株式をLiberty Holdco Ltd.に貸与し、これに関する預り金としてLiberty Holdco Ltd.から当該資金の差入れを受けています。なお、上記資金調達に加え、キャップとフロアーの設定されているカラー取引を締結し、Lyft, Inc.に対する株式投資の株価変動によるリスクの低減を行っています。
また、2021年第2四半期連結会計期間において、当初契約時からLyft, Inc.の株価が上昇したため、カラー契約より生じるデリバティブの公正価値変動リスクに備えるために、カラー契約の一部の想定元本に係るキャップとフロアーの上限及び下限の見直しを行い、契約上の条件変更を行っています。

上記一連の取引の結果、当連結会計年度において、Lyft, Inc.の株式を使用した資金調達に係る負債を償却原価で測定する負債として、その他の金融負債に155,069百万円(前連結会計年度は143,210百万円)、Lyft, Inc.の株式のカラー契約に係るデリバティブをデリバティブ資産に84,552百万円(前連結会計年度は88,189百万円)計上しています。
また、当連結会計年度において、金融収益にLyft, Inc.の株式の公正価値測定により生じた公正価値評価差額を21,011百万円(前連結会計年度は金融費用に109,341百万円)計上しています。金融費用には、Lyft, Inc.の株式のカラー契約に係るデリバティブの公正価値評価差額を3,636百万円(前連結会計年度は金融収益に99,949百万円)、Lyft, Inc.の株式を使用した資金調達に係る負債より生じた償却原価費用を1,024百万円(前連結会計年度は953百万円)及び為替による換算差額を10,835百万円(前連結会計年度は17,141百万円)計上しています。
29. 引当金
(1) 引当金増減明細
(単位:百万円)
(2) ポイント引当金
当社グループは、会員による当社グループ内での取引の促進を目的として楽天ポイント等のポイントプログラムを運営しており、楽天市場店舗での商品の購入、楽天トラベル等でのサービスの利用、楽天カードの利用、当社グループでの各種会員への登録、会員の紹介等に応じて会員へポイントを付与しています。会員は、当該ポイントを使って、無償もしくは割引価格により商品・サービスの提供を受けたり、他社ポイントプログラムへ移行することが可能です。会員へ付与されたポイントには有効期限があり、当該有効期限が到来すると、会員は当該ポイントを使用する権利を失うことになります。当社グループでは、会員による将来のポイントの使用に備え、過年度の使用実績等を考慮して、将来使用されると見込まれる金額をポイント引当金として負債計上しています。なお、当該ポイントの会員による使用には不確実性があります。
(3) その他の引当金
その他の引当金には、資産除去債務及び利息返還損失引当金等が含まれています。これらは通常の取引を起因とするものであり、個別にみて重要なものはありません。
30. 保険契約
① 保険サービス別保険契約資産及び保険契約負債の帳簿価額
(注) 保険契約資産は連結財政状態計算書における「その他の金融資産」に計上しています。
再保険契約資産及び再保険契約負債は金額的重要性が低いため記載していません。
② 保険契約残高の増減
残存カバー及び発生保険金別の分析は、連結損益計算書、連結包括利益計算書に認識した金額及びキャッシュ・フローにより、当期にフィンテックセグメントに含まれる『楽天損保』と『楽天生命』の保険契約の帳簿価額の純額の変動を示すものです。当社グループは残存カバーに係る負債の変動及び発生保険金に係る負債の変動を別個に分析し、これらの変動を連結損益計算書及び連結包括利益計算書に調整する表を表示しています。測定要素別の分析は、PAAを適用して測定しない契約に関する調整表を表し、将来キャッシュ・フローの現在価値の見積り、非金融リスクに係るリスク調整及びCSMの変動を別個に分析しています。
残存カバー及び発生保険金別の分析
(注) PAAを適用して測定される保険契約の非金融リスクに係るリスク調整及び将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りは、金額的重要性が低いため発生保険金に係る負債に含めて表示しています。
測定要素別の分析 – PAAを適用して測定しない契約
(楽天損保)
(楽天生命)
③ 投資収益及び保険金融費用
(単位:百万円)
④ 当期に当初認識した契約の影響
以下の表は、当期にPAAを適用して測定していない保険契約の当初認識から生じる測定要素に対する影響を要約したものです。
⑤ 契約上のサービス・マージン
以下の表は、PAAを適用して測定しない保険契約について、当社グループが報告日以降に残存CSMを純損益に認識することを見込む時期を示したものです。
⑥ 損害保険のクレーム・ディベロップメント
以下の表は、当社グループの損害保険サービスの保険金累計額の見積りが期間の経過とともにどのように推移したかを再保険控除前の金額で示したものです。各事故発生年度における当社グループの保険金合計の見積りが期間の経過とともにどのように推移したかを示し、その保険金累計額と連結財政状態計算書に含まれる金額との間の調整を行っています。なお、IFRS第17号適用開始年度の末日よりも5年以上前に発生したクレーム・ディベロップメントについては開示していません。
⑦ 重要な判断及び見積り
ⅰ) 履行キャッシュ・フロー
履行キャッシュ・フローは、以下で構成されています。
– 将来キャッシュ・フローの見積り
– 貨幣の時間価値及び将来キャッシュ・フローに係る金融リスク(当該金融リスクが将来キャッシュ・フローの見積りに反映されていない範囲で)を反映するための調整
– 非金融リスクに係るリスク調整
当社グループの将来キャッシュ・フローの見積りの目的は、生じうる全ての範囲の結果を反映する一定範囲のシナリオの期待値を算定することです。各シナリオから生じるキャッシュ・フローは、期待現在価値を算出するために、割り引いて当該結果の見積り確率で加重平均しています。
将来キャッシュ・フローの見積り
将来キャッシュ・フローを見積る際に、当社グループは報告日現在で過大なコストや労力を掛けずに利用可能な全ての合理的で裏付け可能な情報を偏りのない方法で織り込んでいます。この情報は保険金及びその他の実績に関する内部及び外部の過去データを含み、将来の事象についての現在の予想を反映するように更新されます。将来キャッシュ・フローの見積りは、関連する市場変数の見積りが観察可能な市場価格と整合的であることを条件として、報告日現在の状況に関する当社グループの見解を反映しています。
(楽天損保)
既経過期間は、報告日現在において既発生未払となっている保険金請求の最終損害額、残存物の価値及びその他予想される回収額について、既報告の個々の保険金請求を調査すること並びに既発生未報告の保険金請求に関する引当をすることにより見積っています。保険金請求の最終損害額は、チェインラダー法、ボーンヒュッター・ファーガソン法を用いることにより見積られています。これらの技法は、当社グループ自身の保険金支払実績が将来の保険金のディベロップメント・パターン、ひいては最終損害額を示すものと仮定しています。保険金請求の最終損害額は各保険種目別等で見積っています。使用している仮定(事故頻度等)は、その予測の基礎としている過去のクレーム・ディベロップメントのデータから推計していますが、将来において過去の傾向が適用できない程度及び新たな将来の傾向が出現する程度について判断を適用しています。未経過期間は、報告日現在において未発生未払となっている将来キャッシュ・フローを見積る際に用いる損害率等の仮定について、契約内容、将来キャッシュ・フローの特性等を考慮し、最近の実績値を含む過年度実績の情報を反映しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において将来キャッシュ・フローの見積りに使用している損害率は、以下のとおりです。なお、各連結会計年度の重要性が高い保険契約グループに対する損害率の最大値及び最小値を記載しています。
(楽天生命)
将来キャッシュ・フローを見積る際に用いる保険事故発生率等及び保険契約者の行動に関する仮定は、商品の種類別に策定し、最近の実績及び保険契約グループ内の保険契約者の特性を反映しています。死亡率等の仮定は社内外の実績を定期的な調査を通じて観測しており、その調査の結果は新商品の料率設定と既存の保険契約の測定の両方に反映しています。
保険契約の裁量的なキャッシュ・フローの変動を識別する方法を決定するために、当社グループは原則として、契約に基づくコミットメントを当初認識時の履行キャッシュ・フローの見積りに内在するリターン(現在の金融リスクの仮定を反映するように更新)とみなしています。
前連結会計年度及び当連結会計年度において将来キャッシュ・フローの見積りに使用している保険事故発生率の内、各連結会計年度における重要性が高いアサンプションは以下のとおりです。
将来キャッシュ・フローを見積る際に、当社グループは将来キャッシュ・フローに影響を与える可能性のある将来の事象についての現在の予想を考慮に入れています。ただし、既存の契約における現在の義務を変更又は免除するか、若しくは新たな義務を創出することとなる将来の法制の変更についての予想は、その法制の変更が実質的に制定されるまでは考慮に入れていません。
契約の境界線
契約の測定に含まれる将来のキャッシュ・フローを定義する契約の境界線の評価には、当社グループの契約上の実質的な権利及び義務に関する判断をしています。
楽天損保が発行する保険契約は、主に毎年更新型の1年契約であり、楽天生命が発行する保険契約の一部は、更新型の団体信用生命保険です。これらの契約の将来の更新に係るキャッシュ・フローは、契約の境界線外であると判断しています。これは、毎年請求される保険料が、予想するその年のリスクに対するエクスポージャーを反映しており、更新に伴って保険金請求実績及び各ポートフォリオの予想や前年度の保険収支等に基づき翌年度について再評価したリスクを反映するために、保険料の価格を改定できるためです。契約の更新は、新契約として処理され、認識の要件を満たす場合には、当初の契約とは別に認識されます。
割引率
楽天損保は、流動性のある無リスクのイールド・カーブを、市場で観察される率の基礎となる金融商品の流動性特性と保険契約の流動性特性との相違を反映するように調整することによって、割引率を決定しています。無リスクのイールド・カーブは、国債利回りを用いて算定しています。当該イールド・カーブは、長期の実質金利とインフレ予想を反映して算定していますが、市場データのない期間の補外については、UFR(終局フォワードレート)を用いて算定し、補間についてはスミス・ウィルソン法を用いて算定しています。保険契約の流動性特性を反映するために、European Insurance and Occupational Pensions Authority(以下「EIOPA」)が公表しているVolatility Adjustment(以下「VA」)を非流動性プレミアムとして調整しています。非流動性プレミアムは、資産から参照ポートフォリオを設定して算定しています。
楽天生命は、EIOPAが公表しているスワップレートを割引率として決定しています。また、EIOPAが公表しているVAを非流動性プレミアムとして調整しています。
以下の表は、保険契約のキャッシュ・フローを割り引く際に用いたイールド・カーブを示したものです。
非金融リスクに係るリスク調整
非金融リスクに係るリスク調整は、保険契約から生じる金融リスク以外のリスクに関するものです。金融リスクは、将来キャッシュ・フローの見積り又はキャッシュ・フローを調整するために使用する割引率に含められ、非金融リスクに係るリスク調整の対象となるリスクは、保険リスク及び他の非金融リスクです。
当社グループは、非金融リスクに係るリスク調整の変動を、保険サービス損益と保険金融収益又は費用とに分解していません。非金融リスクに係るリスク調整の変動全体は、保険サービス損益に含めています。
非金融リスクに係るリスク調整は、以下の手法により決定しています。
– 損害保険契約:信頼水準法
– 生命保険契約:信頼水準法
楽天損保、楽天生命は信頼水準法を適用する場合、目標信頼水準に基づいて非金融リスクに係るリスク調整を計算しています。楽天損保、楽天生命のそれぞれの目標信頼水準は65%、85%です。
ⅱ) 契約上のサービス・マージン
カバー単位の決定
保険契約グループについての契約上のサービス・マージンの金額は、各期間に提供されたサービスを反映するために、個々の契約における給付の量とカバーの予想存続期間を考慮して決定したカバー単位の数に基づいて、各期間の純損益に認識しています。給付の量としては既経過保険料等や保険金額等を用いています。カバー単位は、各報告日に見直し、更新しています。
ⅲ) 投資要素の決定
当社グループは、経済実態を伴う全てのシナリオにおいて、保険契約者に返済することが要求される金額と定義することにより、契約の投資要素を識別しています。これらには、保険事故が発生したり、契約が満期を迎えたり、保険事故が発生せずに終了したりする状況も含まれます。投資要素は、保険収益及び保険サービス費用から除外しています。
楽天損保及び楽天生命の保有する一部の保険契約には明示的な解約返戻金等が存在します。保険収益及び保険サービス費用から除外される投資要素は、原則として契約条件で定める解約返戻金等です。
その他の契約における解約返戻金等は、未経過保険料の返戻としての性格を有し、満期により保険会社は支払を免れることができるため、投資要素ではなく保険料の返戻としています。
⑧ リスク管理
健全かつ適切な保険事業を運営するためには、多様化・複雑化するリスクを的確に把握した上で、適切に管理することが重要です。そのため、組織横断的なリスク管理の仕組みを構築して、リスク所管部門の設定、リスク管理体制の整備、リスク状況の把握・分析・評価、業務執行部門への指導等、リスクの統括管理を行っています。
ⅰ) 信用リスク
発行した保険契約から生じる信用リスクは、保険契約者が保険料支払義務を履行できなくなった場合に当社グループが保険契約を終了できる能力により軽減されているため、当社グループに重要な信用リスクのエクスポージャーはありません。
ⅱ) 流動性リスク
流動性リスク管理のために、新契約、解約、満期等の資金移動に関する情報収集・分析に努め、適切な資金繰り管理に努めるとともに、大規模災害発生時の資金確保体制に留意し、資金調達のための資産の流動化が円滑に行えるよう、常時、取引環境等を注視しています。また、日々の資金の出入状況を把握するとともに、流動性の高い資産を一定金額以上確保しています。
満期分析
前連結会計年度(2022年12月31日)
(注) 保険契約について、要求払金額は147,693百万円であり、対応する帳簿価額は156,312百万円です。
当連結会計年度(2023年12月31日)
(注) 保険契約について、要求払金額は130,219百万円であり、対応する帳簿価額は134,307百万円です。
ⅲ) 市場リスク
当社グループの保険事業を営む一部の子会社において、為替変動リスク、金利変動リスク及び価格変動リスクの影響を受ける金融資産及び金融負債は、主として保険事業の有価証券及び保険契約です。保険事業の有価証券については、市場リスク管理のために運用資産の残高・含み損益状況の把握に努めるとともに、ストレステストを実施し、リスク量を計測・管理しています。ストレステストの実施にあたっては、通常の市場変化を超える動きが発生した場合を想定したリスク量を推計しています。保険契約の市場リスク管理は、経済価値ベースのソルベンシー・マージン比率にリスク許容度を設けて管理し、定期的に測定しています。
市場リスクのうち、保険契約に与える影響が大きいのは金利変動リスクであり、金利の上昇が予想される場合には、将来の純損益及び資本が増加することが想定されます。以下の表は、合理的に生じうる金利の変動が報告日に生じた場合に純損益及び資本の増加(減少)を分析したものです。また、当社グループが保有している保険事業の有価証券から生じる純損益及び資本の増加(減少)を記載しています。
なお、割引率以外の全てのリスク変数が一定であると仮定し、指標となる割引率が全て50ベーシス・ポイント(0.5%)上昇又は下落した場合の、現在価値の影響額です。
(単位:百万円)
ⅳ) 保険リスク
当社グループは、保険契約によって、保険リスク、契約者行動リスク及び費用リスクから成る引受リスクに晒されています。当社グループのリスク・エクスポージャーに関する情報、リスクの測定及び管理、並びに資本管理の目的、方針及びプロセスについては下記のとおりです。
損害保険事業においては、保険事故の発生状況、金利動向、経済情勢等を踏まえつつ、保険商品の収支状況の分析、将来収支予測等を実施してリスクの把握に努めています。また、保険引受にあたっては、リスクの特性に応じ設定された引受基準を厳正に運用しています。
生命保険事業においては、定期的に保険事故発生率や解約率等の状況をモニタリングする等、リスクの把握・分析を行い、新商品開発にあたっては、収益性とのバランスに配慮してリスク分析を実施しています。
当社グループは、引受リスクについて、種類及び量の観点から十分な分散の確保及び再保険の手配を通じて引受リスクを管理しています。当社グループの保険契約ポートフォリオは地理的に分散しており、過度に集中した保険リスクを有していません。
損害保険事業においては、主に損害率が重要な前提条件であり、これらの増加が予想される場合には、将来キャッシュ・アウトフローの増加を通じて、将来の純損益及び資本が減少することが想定されます。
生命保険事業においては、主に保険事故発生率が重要な前提条件であり、これらの増加が予想される場合には、将来キャッシュ・アウトフローの増加を通じて、将来の純損益及び資本が減少することが想定されます。
以下の表は、合理的に生じうる引受リスクの変動が報告日に生じた場合に純損益及び資本の増加(減少)を分析したものであり、他の全ての変数が一定であると仮定した場合の感応度分析です。この分析は、再保険によるリスク控除前の感応度を示しています。
1)損害保険
2)生命保険
31. 従業員給付
当社グループは、退職給付制度として、主に確定給付制度を採用しています。当社グループの確定給付制度は、主に退職一時金制度です。退職一時金制度は、退職給付制度債務に対して外部積立を行わず、当社グループが直接受給者への支給義務を負っています。積立に関する法的要請はありません。退職一時金は各社の就業規則等の退職金規程に基づき給与や勤務期間等に基づいた金額が支払われます。
(1) 連結財政状態計算書において認識した金額
連結財政状態計算書で認識した金額は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(2) 確定給付制度債務の現在価値の増減
確定給付制度債務の現在価値の増減内容は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 前連結会計年度の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは9.5年、当連結会計年度の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは8.7年です。
(3) 数理計算上の仮定
重要な数理計算上の仮定(加重平均)は、以下のとおりです。
(4) 感応度分析
重要な数理計算上の仮定についての感応度分析は、以下のとおりです。
感応度分析における確定給付制度債務の算定にあたっては、連結財政状態計算書で認識されている確定給付制度債務の算定方法と同一の方法を適用しています。感応度分析は期末日において合理的に推測しうる仮定の変動に基づき行っています。また、感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外の全ての数理計算上の仮定が一定であることを前提としていますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が影響する可能性があります。
(単位:百万円)
32. 繰延税金及び法人所得税費用
繰延税金資産及び負債の主な発生原因別内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度及び当連結会計年度における繰越欠損金に係る繰延税金資産は、主として当社の子会社である楽天モバイル株式会社により認識されたものです。同社は、自社ネットワークの拡大を前倒しで行ったため、減価償却費等の営業費用の増加により繰越欠損金が生じています。
当社グループは日本国内でグループ通算制度を採用しているため、通算グループ内の各法人の所得が当該繰越欠損金の一部の回収に使用可能であるほか、音声通話・通信サービスから生じる将来における課税所得の獲得が見込まれます。このような前提のもとで、経営者によって承認された事業計画に基づき、将来の課税所得の範囲内で繰延税金資産を計上しています。
通算グループ外の会社における繰越欠損金にかかる繰延税金資産についても、経営者によって承認された事業計画に基づき、将来の課税所得の範囲内で繰延税金資産を計上しています。
なお、繰延税金資産及び負債の増減の内訳は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
連結財政状態計算書上で繰延税金資産が認識されていない、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金の内訳(税額ベース)は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 上表に係る繰延税金資産に関しては、当社グループがその便益を利用するために必要となる将来の課税所得が発生する可能性が高くないため、繰延税金資産を認識していません。
連結財政状態計算書上で繰延税金資産が認識されていない、税務上の繰越欠損金の失効期限別内訳は、以下のとおりです。なお、失効期限のある将来減算一時差異はありません。
(単位:百万円)
上記に加えて、繰延税金資産又は繰延税金負債を認識していない子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に関する一時差異の総額(所得ベース)は、以下のとおりです。なお、子会社及び関連会社の留保利益が将来送金された場合に、当社グループの納税額に与える重要な影響はありません。
(単位:百万円)
純損益を通じて認識された法人所得税費用の内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注) 1 当社は主に、法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計年度及び当連結会計年度における法定実効税率は30.6%です。
2 繰延税金費用には、繰延税金資産の評価減又は過去に計上した評価減の戻入れにより生じた繰延税金費用が含まれています。これに伴う繰延税金費用は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ4,005百万円、75,788百万円です。
我が国の法定実効税率と連結損益計算書上の法人所得税費用の実効税率との関係は、以下のとおりです。
(単位:%)
(注) 当社が所在する日本国内の実効税率と、子会社が所在する地域の実効税率の差から生じる差異です。
33. 流動・非流動の区分
前連結会計年度(2022年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
34. 資本金及びその他の資本項目
(1) 資本金
当社の授権株式数及び発行済株式総数は、以下のとおりです。
(単位:千株)
(注) 発行済株式は、全額払込済みとなっています。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
公募及び第三者割当による新株の発行
当社は、当社の連結子会社である楽天モバイル株式会社への投融資資金及び社債・コマーシャルペーパーの償還資金に充当するため、2023年5月16日に開催の取締役会において、公募(国内における一般募集及び海外市場における募集)及び有限会社三木谷興産、有限会社スピリット、株式会社サイバーエージェント及び東急株式会社への第三者割当による新株発行を決議し、2023年5月31日に542,306,800株の払込みを受けました。
この結果、当連結会計年度において、資本金が148,005百万円増加、資本剰余金が146,780百万円増加し、合計で資本が294,785百万円増加しています。なお、新株の発行に係る直接発行費用1,225百万円(税効果考慮後)を資本剰余金から控除しています。また、有限会社三木谷興産及び有限会社スピリットは、経営幹部・主要株主(個人)及びその近親者が支配していることから、関連当事者に該当します。詳細は、注記54. 関連当事者をご参照ください。
(2) 資本剰余金
日本における会社法(以下「会社法」)では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることとされています。また会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
(3) その他の資本性金融商品
当社は、資金調達手段の多様化、投資家層の拡大、財務基盤の一層の充実化等を目的として、2021年第2四半期連結会計期間において、米ドル建ノンコール5年永久劣後特約付社債(利払繰延条項付)、ユーロ建ノンコール6年永久劣後特約付社債(利払繰延条項付)及び米ドル建ノンコール10年永久劣後特約付社債(利払繰延条項付)(以下あわせて「本社債」)を発行しました。
本社債は、償還期限の定めがなく当社の裁量のみで償還が可能であること、また、利息支払の任意繰延が可能であり、支払義務がないこと等により、IFRSにおいて、資本性金融商品に分類されます。
本社債の利払日である2022年4月22日と2022年10月22日及び2023年4月22日と2023年10月22日において利息の支払が完了しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、「その他の資本性金融商品の所有者に対する分配」として、「利益剰余金」がそれぞれ15,127百万円及び16,058百万円減少しています。
なお、前連結会計年度末日(2022年12月31日)及び当連結会計年度末日(2023年12月31日)において、支払が確定していないため「その他の資本性金融商品の所有者に対する分配」として認識していない経過利息の金額は、6,652百万円及び7,295百万円です。
また、外貨建永久劣後特約付社債の元本及び利息について、米ドル、ユーロと日本円の通貨スワップ契約を締結しています。当該通貨スワップに係るデリバティブ損益は、対象のリスク変数以外の全てのリスク変数が一定であると仮定し、前連結会計年度末日及び当連結会計年度末日において指標とする通貨に対し為替レートが1%円安となった場合、2,019百万円及び2,190百万円増加し、逆に1%円高となった場合、2,019百万円及び2,190百万円減少すると認識しています。一方、指標となる日本円金利が10ベーシスポイント(0.1%)上昇した場合961百万円及び864百万円増加し、逆に0.1%下落した場合は967百万円及び860百万円減少し、外貨金利が0.1%上昇した場合、929百万円及び840百万円減少し、逆に0.1%下落した場合、934百万円及び845百万円増加すると認識しています。当該通貨スワップは、その他の資本性金融商品の所有者に対する分配額及び当社の裁量により将来償還される場合の現金支出額を固定する効果を有しています。
(4) 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金(資本剰余金の一項目)及び利益準備金(利益剰余金の一項目)の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることとされています。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができることとされています。
当社における会社法上の分配可能額は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成された、当社の会計帳簿上の利益剰余金の金額に基づいて算定されています。
(5) 自己株式
自己株式の変動
(単位:千株)
(6) その他の資本の構成要素
その他の資本の構成要素の増減は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
35. 配当金