第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
(注) 1.国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。
2.希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.当社株式は、2026年1月29日付で上場廃止となったため第138期における株価収益率は記載しておりません。
4.金額の表示は、表示単位未満の端数を四捨五入して記載しております。
また、第一部第1、第2、第3及び第5の連結財務諸表及びその他の事項の金額表示についても、表示単位未満の端数を四捨五入して記載しております。
(2) 提出会社の経営指標等
(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、第135期、第136期、第137期及び第138期は潜在株式が存在しないため、第134期は1株当たり当期純損失金額であり、また、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
2.株価収益率及び配当性向については、第134期は1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。
3.当社株式は、2026年1月29日付で上場廃止となったため、株主総利回り及び比較指標、第138期における株価収益率は記載しておりません。
4.金額の表示は、表示単位未満の端数を四捨五入して記載しております。
また、第一部第4、第5の財務諸表及びその他の事項の金額表示についても表示単位未満の端数を四捨五入して記載しております。
5.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。なお、当社株式は2026年1月29日に上場廃止となったため、最終取引日である2026年1月28日までの株価について記載しております。
2 【沿革】
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、親会社、子会社73社及び関連会社7社により構成されており、自動車用品及び一般産業用品の製造販売を主な事業とし、その製品は多岐にわたっております。
当社グループの事業に係わる位置付け等は以下のとおりであります。
なお、「事業区分」は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(注) 住理工胶管(合肥)有限公司については、2025年4月9日付で東海橡塑(合肥)有限公司から商号変更しております。
事業系統図
主要な関係会社等を事業系統図に示すと次のとおりであります。

4 【関係会社の状況】
(注) 1.連結子会社の「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。
2.「議決権の所有又は被所有の割合」欄の(内書)は間接所有割合であります。
3.当社と国内連結子会社は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を通じて当社グループ企業相互間で余剰・不足資金を融通し、資金の効率化を図っております。
4.特定子会社であります。
5.有価証券報告書提出会社であります。
6.SumiRiko Tennessee, Inc.については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (単位:百万円)
7.住理工胶管(合肥)有限公司については、2025年4月9日付で東海橡塑(合肥)有限公司から商号変更しております。
8.住理工汽車技術研究(中国)有限公司については、2025年10月10日付で東海橡塑技術中心(中国)有限公司から商号変更しております。
第2 【事業の状況】
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは2029年に創立100周年を迎えます。次の100年も社会から選ばれ続ける企業であるために、「2029年 住友理工グループVision」(2029V)及び、3ヶ年の事業計画として「2025年 住友理工グループ中期経営計画」(2025P)を策定し、2023年5月30日に公表しました。
2029Vで定めているとおり、当社グループは住友事業精神を根幹として、「素材の力を引き出し、社会の快適をモノづくりで支える」というパーパスのもと、コアコンピタンスである「高分子材料技術」「総合評価技術」を磨き続け、グループ内だけではなく、外部との共創による既存事業領域の深化と融合分野の事業探索によって、2029年のありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」への変革を目指します。
2029年 住友理工グループVision
(注)1. 投下資本事業利益率(ROIC)=事業利益/(純資産+有利子負債)
2. 親会社所有者帰属持分利益率(ROE)=親会社の所有者に帰属する当期利益/自己資本
2025Pについては、2029Vからのバックキャストによって、「未来を開拓する人・仲間づくり」「柔軟かつ強固な組織づくり」「持続可能な社会に向けた価値づくり」という、ありたい姿実現に向けた3つの方向性への取り組みを強化してきました。
また、「さらなる収益力向上と持続的成長に向けた経営基盤強化」のテーマとして事業を推進する中、コロナ禍からの自動車生産台数の回復に伴う生産性改善に加え、構造改革及び原価低減活動等が当初想定を上回るペースで進展いたしました。これらの状況を踏まえ、2024年3月期の業績及び2025年3月期の業績予想を勘案し、「事業利益」「ROIC」「ROE」の数値目標を修正いたしました。
なお、2025Pにおける、上記以外の企業価値(財務目標)・公益価値(非財務目標)、及び「2029年 住友理工グループVision」(2029V)の目標については、2023年5月の発表内容から変更はありません。
2025年 住友理工グループ中期経営計画(2025P) ※2024年5月末に修正し公表
(注)3. DXコア人材:自部門でIoT・AI活用の企画から実用導入に主導的に取り組む人材
4. DXデータ分析人材:自部門でIoT・AI など専門的ITツールを業務に使用する人材
(2) 経営環境及び対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループを取り巻く環境は、サステナブルな社会実現に向けた世界的な潮流や「CASE」といった自動車業界の大変革の中にあります。足元では、米国の関税政策や欧米・中東地域における地政学的リスクの顕在化により、資源の価格上昇や調達懸念、為替変動等が複合的に作用し、先行きに対する不確実性は一段と高まっている状況にあります。
このような中、当社グループでは3ヶ年の事業計画である2025Pに基づき事業活動を推進してまいりました。引き続き当社グループの強みであるコアコンピタンス「高分子材料技術」「総合評価技術」を駆使した製品開発と、グローバルでの生産体制を生かした受注の拡大、原価低減活動及び間接費抑制を継続して推進することで、収益性を高め、経営基盤を強化していきます。
親会社である住友電気工業㈱との連携においては、2026年2月に実施された完全子会社化を契機に、双方の経営資源のより一体的な運用を行ってまいります。あわせて、研究開発・営業・生産の各機能における連携体制の強化、人材交流の拡大並びに業務プロセスのデジタル化等を通じて、業務の効率化・高度化を進め、競争力の向上と事業基盤の強化に資するシナジー創出を図ってまいります。
加えて、サステナビリティを意識した経営の推進により、幅広いステークホルダーの皆様と共に持続的な成長とグリーンで快適な社会の実現を目指してまいります。
〔自動車用品部門〕
自動車業界においては急速に技術革新が進むなか、企業はこれらへの迅速な対応にとどまらず、カーボンニュートラルに象徴されるような社会課題への積極的な関与が求められています。
当社グループにおいては、創業以来培ってきたコアコンピタンスをもとに、CASEにおける「E:Electric(電動化)」を中心に、これからの自動車(モビリティ)に新たな価値を提供する製品の創出と開発を進めています。
特に、当社のコア技術を活用して開発した薄膜高断熱材「ファインシュライト」及び放熱機能を有する吸音材「MIF」は、電気自動車(EV)における電費や航続距離といった課題の解決に寄与すると考えております。また、2025年度より受託生産を開始した車載用輻射ヒーターは、安全性を確保しつつ、EVの航続距離と乗員の快適性の両立に資する製品として、今後の需要拡大が見込まれます。
防振ゴム事業については、EV時代にあわせ、エンジンマウントから振動制御をより高度化させたモーターマウントやeAxleマウントといった製品へ進化させ、グローバルへの拡販を進めています。
自動車用ホース事業については、EV用の電池やモーターをはじめとする、熱マネジメントのニーズに対応した開発を進め、2025年度においてはトヨタ自動車㈱の新型bZ4Xに、当社の冷却配管用樹脂チューブが採用されました。また、各国の環境規制やバイオ燃料に適合する燃料ホースなどの拡販を継続するとともに、他の製品で培った流体搬送技術を生かした冷却系ホースや、バッテリー冷却プレート「クールフィットプレート」などの開発にも注力しています。
水素社会の実現に向けては、当社の燃料電池自動車(FCEV)向けの基幹部品がトヨタ自動車㈱のMIRAIに採用されているほか、燃料電池トラック向け等にも水素タンクマウントや水素ホース、FCセル用ガスケットなどの部品を供給しています。
当社グループにおける欧州の業績低迷については、重要な経営課題として認識しています。欧州においては、市場動向や顧客の方針を見極めつつ、売価改善や受注活動、生産性向上やロス低減等による原価改善に継続して取り組むことで、収益性の改善を進めていきます。
今後も課題拠点の構造改革の完遂、売上拡大と原価低減の三本柱を軸に、さらなる収益力向上と持続的成長に向けた経営基盤強化を推進してまいります。加えて、他社との協業も通じて付加価値の高い製品や技術の開発により、企業価値の向上と持続的な成長を目指していきます。
〔一般産業用品部門・新規事業部門〕
当社グループは、主力事業の「自動車(モビリティ)」分野に加えて、「インフラ・住環境」「エレクトロニクス」「ヘルスケア」といった、社会環境基盤の構築に不可欠な分野へも事業を展開しています。
2025年度においては、小牧製作所内における「インフラ・住環境」関連製品の生産体制の見直しを行い、新工場の稼働を開始しました。生産の最適化だけでなく、環境や周辺住民への配慮にも取り組み、持続可能な生産拠点としての機能強化を図っています。
インフラ分野における高圧ホースについては、原価低減とともに補修品市場への積極的な参入や未進出エリアを中心にグローバル拡販を進め、収益性向上を目指します。エレクトロニクス分野では、事務機器市場の成熟や働き方の変化による需要変動に対して、柔軟に対応できる体制への転換を目的とした構造改革を実施したことで、収益性が改善してきました。
ヘルスケア分野では、当社独自開発のSRセンサ技術を基にした、睡眠解析などへの応用が可能なバイタルセンサー「モニライフシリーズ」と、噛む力を可視化する歯科用咬合力計「Oramoシリーズ」の活用が広がりました。特に「Oramoシリーズ」は、研究機関や医療機関のみならず、プロ野球球団の口腔機能検査にも採用されました。当社の製品を通じて人々の暮らしと健康だけでなく、アスリートのパフォーマンス向上にも貢献してまいります。
新規事業部門では、社会からの要請に応えるべく、「2029V」に基づき、当社グループの技術領域の融合や外部との共創を通じて、新領域への挑戦や事業基盤の強化、将来の収益柱となる事業の創出を進めています。2025年度においては、インテグリカルチャー㈱と共同開発を進めてきた細胞農業向け細胞培養バッグについて、新たに戦略的パートナーシップを締結し、社会実装と事業化に向けた取り組みを加速させています。
これら以外にも、ランザテック社及び住友ゴム工業㈱・住友電気工業㈱とサーキュラーエコノミーに関する協業を進めているほか、2025年度には環境省、経済産業省、日本経済団体連合会が創設した官民一体の循環経済パートナーシップ「J4CE」へ参画しました。製品を供給するだけではなく、廃棄物の回収・再利用といった循環型社会の実現を目指して、業界の垣根を超えた価値共創を推進しています。
私たちはこれまで、モノづくり企業として90年以上にわたって培ってきたコアコンピタンスを軸に、住友事業精神が謳う「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」を忠実に守りながら、「安全・環境・コンプライアンス・品質(S.E.C.Q.)」の取り組みを積み重ねてきました。これからも世界中で必要とされる“Global Excellent Manufacturing Company”への成長を目指して、創立100周年に向けて着実な歩みを続けていきます。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。
(1)気候変動への取り組みとTCFDへの対応
当社グループは、住友理工グループ経営理念の一つ「地球環境に配慮し、よりよい社会環境づくりに貢献します。」に基づき、気候変動対応を重要な経営課題として位置付けております。創業100周年となる2029年に向けて公表した長期ビジョン「2029V」(2023年5月)では、マテリアリティとして「気候変動・自然資本に配慮した事業活動」を掲げ、気候変動対応を事業戦略に統合しています。また、親会社である住友電工グループとの協業により、技術・調達・標準化のシナジーを活かして脱炭素の取り組みを加速しています。加えて、脱炭素対応をはじめとする環境課題解決にフォーカスした行動指針として、環境長期ビジョン2050及びそのバックキャストである環境2029Vision(環境2029V)を策定し、その達成に向けて全社一丸となって取り組んでいます。
また、ステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを促進する観点から、TCFD提言に沿った分析を行っており、下記のとおり開示いたします。今後も、TNFD提言、ISSB基準や企業サステナビリティ報告指令(CSRD)等の国際的なサステナビリティ開示基準の動向等も踏まえ、分析をより深化してまいります。
①ガバナンス
気候変動を含むサステナビリティ関連の事項については、社長が委員長、役付執行役員らが委員を務めるCSR・サステナビリティ委員会にて活動方針の承認や、活動推進状況のチェック及びフォローを行います。
CSR・サステナビリティ委員会で検討した内容等は、年2回以上取締役会で報告し指示を受けるなど、適切な監督体制を整えています。
(CSR・サステナビリティ委員会の概要)
また環境テーマに関する活動推進のため、環境分野所管の役付執行役員が協議会長を務める全社環境活動協議会をCSR・サステナビリティ委員会の下部組織として設置しています。加えて、当社の各製作所、グループ子会社の環境関連業務の代表者で地域環境部会を組織し、法令・条例改正情報・環境事故情報等を相互に共有することで、グループ一体での環境マネジメントの強化に取り組んでいます。
(全社環境活動協議会)
(地域環境部会)
(GMM(Global Management Meeting) 環境・カーボンニュートラル分科会)
②戦略
a. シナリオ分析
当社グループでは、気候変動が事業にもたらすさまざまなリスクと機会について具体的に把握するために、シナリオ分析を実施しました。シナリオ分析は、2030年の時間軸を中心に、移行面で影響が顕在化する「カーボンニュートラルな世界」に向かうシナリオ(1.5℃シナリオ)と、物理面で影響が顕在化する「悲劇の世界」に向かうシナリオ(4℃シナリオ)の2つにより、実施しています。
(参考)参照した主なシナリオ
b. リスク・機会の特定、分析
上記シナリオを前提に、下表のとおり当社グループが想定するリスク・機会の整理を行いました。
特定したリスク・機会については、当社財務数値への影響度も評価した上で、各項目への対応の方向性を設定いたしました。
(移行リスクと機会)
(物理リスク)
※顕在時期 …短期:2025年度(中期経営計画の最終年度)、中期:2029年度(2029Vの最終年度)、
長期:2050年
※影響度 …小:売上50億円/費用5億円未満、中:売上50億円~300億円未満/費用5億円~50億円未満、
大:売上300億円/費用50億円以上
(2029年度時点の想定。移行リスクは1.5℃シナリオ、物理リスクは4℃シナリオを想定。)
c. 戦略のレジリエンス
2030年の世界では、世界平均気温の上昇1.5℃以下を目指して脱炭素に移行させる「カーボンニュートラルな世界」への動きが更に進むと考えました。その際に顕在化するリスクは主として移行リスクであると考えており、GHG規制強化への対応コスト増加や天然ゴムをはじめとする原材料の調達コスト増加、EVシフトに伴う内燃機関向け製品の売上減少といった影響が生じる可能性があります。中でも、自動車市場を主戦場とする当社グループにとって、EVシフトは事業への影響が特に大きい項目であると認識しています。
しかしながら、EVシフトにおいて当社の主力製品の防振ゴムは、現状の「エンジンマウント」用製品から、従来以上の静粛性を有する「モーターマウント」用製品等への置き換えが進むとともに、ウレタン製品はEV 駆動ユニットから発生する特有の音等を抑える「制遮音製品」等製品の更なる付加価値化が可能になります。
また、EV においては不必要となる「燃料用ホース製品」に代わり、EVのサーマルマネジメントに必要不可欠である「ホース製品(冷却系ホース)・バッテリー冷却プレート」や、EVの心臓部である電池の安全性を確保する「電池セル間断熱材」等、電費の向上に資する製品の需要増加が見込まれます。
このような市場ニーズの変化を捉え、素材の配合・合成・改質により高機能な製品を生み出す「高分子材料技術」や、製品の信頼性を精緻に評価・検証する「総合評価技術」をはじめとする当社技術を活かした新製品開発を行うことで、EVシフトを含む社会変化に柔軟に対応できると考えています。
なお、住友電工グループとの連携を強化し、素材・要素技術やグローバル顧客基盤を活かした共創により、製品開発の高度化と市場展開の加速を図ってまいります。
また、非自動車の事業分野では、建設機械や鉄道車輛のクリーン動力源への移行、防災・減災のための社会インフラの強靭化、熱対策が必要な電子機器、住宅・構造物等幅広い用途での断熱対策等、脱炭素社会への移行に伴って生じる市場ニーズの変化を捉え、自動車向け先端技術のノウハウと産業用の独自技術を活かし、対応商品の開発を進めてまいります。
なお、「悲劇の世界」に向かう場合(4℃シナリオ)は、主として物理的リスクが顕在化し、異常気象の激甚化等により、操業停止等の影響が生じる可能性があります。当社グループは、このようなリスクも認識した上で、リスク評価を継続するとともに、各拠点における災害発生後の「初動対応」と「復旧対応」の毎年の見直し等、BCPの運用管理のしくみを継続的に更新することで、着実に対応の高度化を進めています。
今後も、社会や市場環境の変化を注視しながら分析をアップデートしつつ、各種対応策の推進をより効果的なものとしていくことで、気候変動の影響に対する更なるレジリエンスの強化を図ってまいります。
③リスク管理
a. 体制
当社グループは、リスク管理の実効性を確保するため、社長を委員長とするリスク管理委員会を設置し、同委員会の事務局機能を担うリスク管理室を併せて設置しています。同委員会は「リスク管理基本規程」及び「グループ危機ガイドライン」に基づき、グループ全体のリスクマネジメントを統括しています。
リスク管理室は同委員会の実務執行部門として、平時には以下の取組みを推進します。
・地震等の自然災害や工場爆発等の事故に対する防災・被害軽減対策
・事業継続計画(BCP)の策定・維持・運用
・グループのリスク調査・評価、リスクの監視及び注意喚起
・危機発生時のガイドライン・マニュアルの整備
・リスクの未然防止及び減災の推進
緊急時には、初動対応の指揮及び所管部門への役割分担の指示、危機情報の収集・影響把握を行い、必要に応じて緊急対策本部を設置します。また、24時間365日体制でグループの危機情報連絡窓口を担っています。
b. リスク及び機会の識別・評価・管理プロセス
当社グループの事業は世界20か国以上に広がっており、企業を取り巻くすべてのリスクに対処するため、以下のプロセスで運用しています。
(識別)
リスク管理室が、内外環境の変化を踏まえ、大分類14・中分類56のリスク項目の妥当性を毎年度見直すとともに、各所管部署・国内外グループ会社へのヒアリング及びリスク調査を通じて、各拠点が認識するリスクと対策状況をグローバルに把握し、新たなリスク項目等を抽出します。
(評価)
各リスクに対して、「発生の可能性」(3段階)と「影響度〔人命・被害額・信用・報道・操業〕」(各3~4段階)の掛け合わせによる定量評価(最低1点~最高39点)を実施し、リスクマップ化することで経営における影響度の見える化を図っています。評価が12点以上の項目については、対策実施状況及び今後の対応計画の記入を求め、対応の実効性と各所管部署が十分に機能しているかを確認しています。識別された事業機会については、関連するリスクとあわせて評価し、対応の優先度を判断しています。
(管理)
評価結果はリスク管理委員会に報告し、重要リスクについてはリスク管理責任者に対策の立案・実行を指示します。対策の進捗はリスク管理室が定期的にモニタリングし、同委員会へ報告します。主要なリスクはグループ全体で共有し、リスクの顕在化を防ぐ施策を講じることでグローバルでの危機管理強化に努めています。事業機会として認識された事項は、関連する事業部門で検討し経営会議等での報告をしています。
以上の一連のプロセスを、リスク管理委員会を中心にPDCAサイクルとして継続的に運用し、リスクマネジメントの高度化を図っています。
④指標と目標
当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し温室効果ガス削減目標を定め、燃料の燃焼などによるCO2の直接排出(Scope1)、購入した電力等の使用に伴う間接排出(Scope2)といった当社グループ自身の事業活動による排出量だけでなく、原材料の製造・調達や販売した製品の使用・廃棄による排出などサプライチェーン全体で発生する間接排出 (Scope3)をGHG プロトコルに従って把握し、CO2排出削減活動に取り組むことが重要と認識し、目標を明確にして活動しています。
自社排出量削減については、再生可能エネルギーへの転換だけでなく生産エネルギー削減の両面からアプローチし、当社のコア技術であるモノづくりや材料、製品開発力をいかんなく発揮し気候変動の緩和と適応を進めています。サプライチェーンについては、原材料や部品など購入や輸送、廃棄に関わるCO2の削減に向けた企画や実行も進めています。
a. 2025年住友理工グループ中期経営計画
当社グループでは、2025年度を最終年度とする2025年住友理工グループ中期経営計画にてCO2の排出量の削減目標を設定しています。2024年度温室効果ガス排出量 は2018年度に比べ29.3%削減しました。
b. 2029年住友理工グループVision
2050年カーボンニュートラルを見据えた中間目標として、2029年度を最終年度とする長期ビジョン(2029年住友理工グループVision)においてもCO2排出削減目標を設定し、長期的な視点での取り組みを実施しております。
2029年度の目標の内、自社排出の削減(Scope1+2)に対しては、(1)省・少エネ活動、生産性向上、(2)新技術開発(革新製法、新商品)、(3)事業構造改革、(4)再エネ・創エネ活用を四本柱とし、CO2排出削減推進人材の育成とともに取り組んでおります。
上記取組の推進により、Scope1+2削減の実績は既に2029年度の目標並みの進捗である一方、今後の売上成長による生産量増加に伴い、成り行きでは排出量の増加が見込まれますが、取り組みの更なる進展により、目標達成を目指します。
また、当社グループではサプライチェーン全体のCO2排出に占めるScope3が91.4%を占めることから、環境配慮型製品の提供や技術革新・新製品開発等を通じた削減に取り組みます。あわせて、住友電工グループと連携し、グリーン調達方針の策定・運用、調達・物流の最適化、LCA/排出データの共通化、リサイクル材・再生材の活用拡大、サプライヤーエンゲージメントの強化等の施策により、取引先との協働によるScope3削減の加速を図ります。
(2)人的資本
当社では、「住友事業精神」のもとに定めた「人的資本向上の方程式」を人材戦略の中心に位置付けています。
「人的資本向上の方程式」においては、「住友事業精神」「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)」「人材育成」「エンゲージメント」の4つを重点分野とし、事業成長と2029V達成を人的資本の面から支えるため、事業部門と連携しながらグループ・グローバルに施策を実行してまいりました。
2025年度は「中期経営計画2025P」の最終年度となりましたが、各分野における施策・活動が実を結び、次の時代における人的資本向上の土壌も着実に育まれています。本項では、これまでの取り組みの成果について報告します。
(「企業戦略と関連付けた人事戦略」「人的資本向上の方程式」等については55頁 参照)
①取組
a. 住友事業精神
住友事業精神は、当社グループの従業員にとって、すべての事業活動における拠り所であり、判断基準です。
当社グループでは、人材育成の根幹に住友事業精神を据え、新入社員をはじめとする全従業員に対して、動画「私たちの住友事業精神」を用いた定期的な研修を行い、理念の浸透を図っています。
事業環境が目まぐるしく変化する中においても、「萬事入精(ばんじにっせい)」「信用確実」「不趨浮利(ふすうふり)」という理念を行動指針として、社会から信頼され、持続的な成長を実現する企業としての発展を目指します。従業員は、何事にも心を込めて一生懸命向き合うことの大切さを胸に刻み、日々の活動に邁進してまいります。
2025年度は、住友事業精神のさらなる認知度・理解度向上を目的として、「住友事業精神一斉教育」を実施いたしました。対象を国内関係会社及び海外関係会社へ大きく拡大し、2024年度に制作した住友事業精神の学習動画視聴と理解度アンケートを展開いたしました。加えて、GMM(Global Management Meeting:グローバル責任者会議)での周知も奏功し、動画視聴及び理解度アンケート回答者数は合計6,313名に達しました。これにより、国内外の多くの従業員にとって、住友事業精神を学ぶ機会となりました。
また、国内関係会社においては、認知度・理解度のさらなる向上を目的に、入社時教育や年1~2回の全社教育、幹部層による教宣活動の定期開催など、各社独自の取り組みが一層活発化しております。
(2025年度住友事業精神一斉教育受講者人数)
なお、2025年度エンゲージメントサーベイにおいては、「基本思想と事業戦略」項目のうち、住友事業精神に関連するスコアが94となり、グローバル製造業の基準値を上回る結果となりました。
今後は、当社グループの強みである住友事業精神の認知度・理解度を更に強化し、持続可能なものとするため、2026年度以降、住友事業精神一斉教育の対象者拡大に加え、理解度アンケートの分析結果から抽出した課題に対する具体的施策を推進してまいります。そして、従業員一人ひとりが住友事業精神を自ら体現し続けることで、その行動が習慣として定着する状態、すなわち住友事業精神に基づく行動変容の実現を目指してまいります。
(エンゲージメントサーベイについては25頁 参照)
b. ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)
人を尊重することは企業活動の根幹です。人権尊重とDE&Iの重要性の理解を深め、日々の行動に活かすことができるよう、Eラーニングを用いてアンコンシャスバイアスやLGBTQについて従業員への教育を行いました。10月には「治療と仕事の両立支援措置の導入」も開始しました。がん治療や不妊治療を受けながら、キャリアを継続し、長く安心して働くことができる環境整備を進めています。2025年度は当社初の女性アスリート社員を採用しました。また、シニア世代の従業員が、今後の人生設計やこれからのキャリアについて考えるセミナーも定期的に開催しています。多様な人材の活躍、幅広い働き方、多様な価値観が共存する現代において、違いを認め合い、誰もが能力を発揮できる職場づくりを目指してまいります。
○ 女性活躍推進
CSR・サステナビリティ委員会では、女性活躍をはじめとするダイバーシティ推進を全社的に強化するため、各部門の上位管理者が参加する「ダイバーシティ分科会」を設置しています。従来は年4回の開催で意見交換が中心でしたが、課題の主体的な把握と施策の検討・実行につなげる体制強化のため、開催頻度を毎月1回へと増やしました。分科会では、各事業部が自組織の状況を踏まえて施策を検討し、自発的にPDCAサイクルを回す取り組みを行っています。また、女性が働きやすい職場づくりを進めるため、女性従業員がプロジェクトリーダーとして参画し、工場内の休憩所等の刷新を行いました。さらに、女性寮の拡充、事業所内託児所「コアラぽっけ」の活用など、女性が安心して就業を続け、キャリア形成に取り組める環境整備を多面的に推進しています。
注) 育児・介護に限定されていた許可要件を撤廃し、より柔軟な働き方に対応できるよう2020年度より対象を拡大しています。
「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (2)従業員の状況 ④多様性に関する指標」も併せてご参照ください。
○ 障がい者雇用の推進
当社グループでは、受入れ職場との対話を通じて、障がいを持つ従業員の適性や障がいの種別(身体、知的、精神)に応じた配置と職務の割り当てを行っています。また、2013年11月に障がい者雇用促進と社会貢献を目的として、特例子会社「住理工ジョイフル」を設立し、障がい者の積極的な雇用確保と適性を活かした就労支援に努めた結果、10年を超える長期就業も実現しています。
これまで当社は、受入体制の基盤整備や管理監督者向け研修、事業所間の情報共有を継続し、障がいへの理解促進と安定的な就労環境の醸成に取り組んできました。こうした継続的施策を基盤として、2025年度は受入前支援相談会や講演会・勉強会の実施、障がい理解資料・動画の活用などを通じて、職場理解の一層の浸透を図りました。また、採用経路の新規開拓に加えて特別支援学校との相互理解の促進を進め、より適性に応じた受入強化を図りました。さらに、職務選択肢の多様化に向けて、農福連携の観点から新たな業務領域を開拓するため、社内での園芸作業(いちご栽培)を試験的に開始しました。こうした継続的な取り組みの結果、2025年度における当社の障がい者雇用率は、法定雇用率を上回る2.70%となりました。
今後は、採用競争の激化などの外部環境の変化を踏まえ、採用エリア拡大や業務領域の拡大、多様な働き方の整備、職場支援員育成などの施策を進め、2029Vで掲げる目標(2029年度3.00%)の達成に向けて取り組みを継続します。
(障がい者雇用率の推移と今後の目標)
厚生労働省「高年齢者雇用状況等報告及び障害者雇用状況報告」の算出条件に基づく数値
○ グローバル人材の活躍促進
当社グループの全従業員の約8割は海外地域で働いており、多種多様なバックグラウンドを持つ従業員がそれぞれの強みを発揮することで、共創による新たな価値創造を目指しています。
当社では、グローバル人材の活躍を象徴するイベントとしてGMM(Global Management Meeting:グローバル責任者会議)を毎年開催しています。2025年度は7月に愛知県名古屋市で実施し、海外拠点長やローカル幹部従業員ら100名以上が来日しました。会議では2025P及び2029Vの進捗共有に加え、「環境」「人事」「品質」「情報セキュリティ」「コンプライアンス」をテーマとした分科会を通じ、現地実態に根差した議論を行いました。また、日本からは世界11か国で約180名の社員が活躍しており、海外からは技能実習生を受け入れることで、技能伝承と相互理解の深化を図っています。
<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/inclusion/
・働きやすい環境に向けた制度や仕組み
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html
c. 人材育成
当社グループでは「人材育成にまさる事業戦略なし」との考え方のもと、当社グループの従業員として相応しい人格と知識を持ち、グローバルに活躍できる人材の育成を目指しています。その実現に向け、従業員の各キャリアステージで求められる知識やスキルを習得できる教育コンテンツを拡充し、様々な学習機会を提供しています。
2025年度は、「必要な人が、必要な時に、必要なことを学ぶことができる風土づくり」に向けた第一歩として、「全社横断教育」を実施いたしました。
本施策では、コミュニケーション、問題解決、プレゼンテーション、キャリア形成など、当社で働くすべての従業員の日常業務の質の向上に寄与する、9つのテーマ別研修を企画・展開いたしました。住友理工単体のみならず国内関係会社の従業員も参加可能な形式とすることで、より広範な学習機会を創出いたしました。
その結果、全研修の受講者数は累計約3,000名、新たに創出された研修受講時間は約6,000時間にのぼりました。また、録画アーカイブを公開し、時間や場所にとらわれず学習できる環境を整備いたしました。
本施策を通じて、従業員の学習意欲が高まりつつある傾向が見られます。今後はその流れをさらに加速させるべく、研修コンテンツの一層の拡充を図り、従業員ニーズに沿った学習機会を提供できる仕組みの整備を進めてまいります。
○ 住友理工の全社教育体系
「次世代幹部候補者の選抜型教育」「グローバル人材育成」「各部門の専門教育」「全社共通教育」の4領域からなる全社教育体系を整備し、幅広く従業員に教育を実施しています。2025年度は、2022年から行ってきた教育体系の見直しと最適化、また、次世代教育環境整備に向けた現状分析と洗い出された課題に対する教育機会の提供に注力しました。
<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>
・人材育成
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/upbringing.html
2023年度以降の3カ年における幹部研修受講者数は累計99名となり、幹部候補者の育成を着実に推進しております。2025年度は33名が受講し、各プログラムのさらなる高度化を図りながら、将来の経営を担う人材の継続的な育成に取り組んでおります。選抜型教育として実施している「経営塾MCP」は、13年にわたり活動を継続している中、直近の修了生を対象に「経営塾アルムナイ」イベントを開催し、卒業生同士の縦・横のネットワーク強化を図っております。また、基幹職昇格者研修のフィードバック会には社長が参加し、経営層との直接的な接点を通じて、縦のつながりのさらなる強化を進めております。
「EMP re-co」においては、3年前より社長をはじめとする経営幹部との対話プログラムを実施しております。現経営幹部が、当社の現状や課題認識、将来ビジョン、そして経営幹部として求められる人材像について繰り返し対話を行うことで、未来の経営幹部へ想いを継承しております。これにより、現経営幹部と未来の経営幹部とのつながりを強化するとともに、未来の経営幹部が託された想いに主体的にコミットすることを目的としております。
今後も、多くの役員・関係者が参画する体制を継続し、持続可能な経営基盤を支える幹部人材の育成を一層強化してまいります。
(幹部研修(EMP re-co/経営塾MCP/若手人材育成プログラム)受講者人数)
海外赴任予定者に対する育成施策として実施している海外赴任前教育について、2025年度もプログラムの拡充を進めてまいりました。赴任後は拠点の経営・運営に関わる幅広い知識が求められることから、赴任前の段階で必要な知識を着実に習得できるよう、内容の一層の充実を図っております。
具体的には、実際に海外赴任中の従業員が直面している課題を踏まえ、新たに経理財務研修動画(全5本)、会計不正防止研修、貿易取引の基礎研修、安全・環境研修を公開いたしました。これにより、実務に直結する知識の体系的な習得を可能としています。また、「働く場所を問わず、国内外で活躍できる人材」の育成を目的に、海外赴任前教育プログラムの体系化を実施いたしました。
2026年度以降は、対象を海外赴任予定者にとどめず、海外赴任中の従業員や、将来的に海外でのキャリア形成を志向する国内従業員へと拡大し、それぞれのフェーズに応じたプログラムを展開することで、本教育のさらなる活用促進と高度化を図ってまいります。
○ DX人材の育成
住友理工グループでは、2029Vの実現に向け、DXを単なるIT活用にとどまらず、価値創出及び組織変革を推進するための中核的な経営基盤と位置付けています。その中でも、DX人材の育成は、2025Pにおける重点施策の一つとして継続的に取り組んでいます。
2025年度は、これまでの「教育機会の提供フェーズ」から次の段階として「可視化・学習・実践・変革」を一体的に機能させる人材育成の高度化を推進しました。まず、経済産業省・IPAが定めるデジタルスキル標準に準拠したDX人材アセスメントをグループ全体で実施し、延べ1000人以上が受審しました。これにより、DXコア人材及びDXデータ分析人材のスキルレベルを客観的に可視化し、2025年度の目標として掲げていた「DXコア人材200名」「DXデータ分析人材700名」を達成しました。
あわせて、アセスメント結果を踏まえた個別最適な学習環境の整備を進めました。DXリテラシー向上のためのEラーニング、データ分析並びに生成AI活用に関する専門教育に加え、事務職向けのMicrosoft Office活用講座など、職種・役割に応じた多層的な教育プログラムを展開することで、DX推進を担う中核人材の育成と全社的なデジタル基礎力の底上げを両立させています。
さらに、2025年度は、学習で得た知識を実務につなげる基盤の強化にも注力しました。DX推進企画プロジェクトを中心に、毎週開催している定例連絡会や各種勉強会、イントラサイト及び社内SNSを通じた成功事例の整理・共有を進め、部門横断のネットワーク形成と相互学習を促進しました。これにより、取り組み内容の可視化及び実践事例の共有を進め、DX活動に対する理解の促進と社内浸透を図りました。
また、各部門から選抜されたDX推進人材に対しては、変革マインドセットの醸成や行動変容を促すプログラムを継続的に実施し、事業及び業務の変革を自律的に牽引できる人材の育成を進めました。
今後は、2029Vの実現に向け、育成したDX人材が各部門及び各事業においてDXの実践者・推進者として機能し、データに基づく意思決定や価値共創が日常的に行われる組織風土の定着を図ります。
住友理工グループは、DX人材育成を通じ、社会課題の解決と持続的な企業価値向上を実現していきます。
d. エンゲージメント
2029Vありたい姿「理工のチカラを起点に社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続けるリーディングカンパニー」の実現に向けてエンゲージメントを定量的に測定し、会社と各組織における自律的な組織改善に活用するため、2024年度より実施のエンゲージメントサーベイは、2025年度は、住友理工と、国内関係会社13社、海外拠点28拠点で対象者を拡大し、調査を行いました。
当社では総合指標となる「持続可能なエンゲージメント」の項目をKPIとして設定していますが、同項目のスコアは2024年度「63」に対し、2025年度は「83」と改善され、日本基準値よりもやや高い結果となりました。当社が事業運営の基本としている「安全」や「コンプライアンス・誠実性」においては、それぞれ「92」や「87」と強みといえる高いスコアになっており、また、2024年度と比較しサーベイの全項目が改善傾向となっており、なかでもモノづくりを支える技能職のスコアが全体的に高い結果となりました。その一方、直属の部下を持たない管理職においては、「業務体制」や「顧客志向」は他項目と比較して低いスコアとなっており、今後の課題項目であることが明らかになりました。
○ 健康経営
当社グループは、2017年に制定した「住友理工グループ健康経営宣言」に基づき、経営トップを健康経営責任者として、全社一体となって健康経営を推進しています。従業員の健康を重要な経営資源と位置づけ、「従業員及び家族の健康増進活動への支援」「メンタルヘルス対策」「生活習慣病対策」の3点を重点方針としています。2025年度は、高年齢者を対象とした「転倒リスク測定会」や、女性従業員を対象とした「椅子ヨガ」を新たに実施するなど、従業員の年齢・属性及び健康課題に応じた健康増進施策を展開しました。
健康経営で解決したい経営課題は二つあり、一つ目は「従業員の心身両面における健康状態の向上」です。健康経営をグループ共通の取組みとして推進するため、定期的に「国内グループ産業保健連絡会」を開催し、健康経営方針及び健康KPIの共有を行っています。また、2025年度には、グローバルにおける健康経営推進を目的として、7月開催のGMM(Global Management Meeting:グローバル責任者会議)において方針説明を行い、地域ごとに海外拠点との情報交換を開始しました。さらに、2026年4月からの敷地内全面禁煙に向け、段階的な禁煙施策を推進しています。2025年度は、専門家を招いた健康セミナーを開催し、肺年齢測定を実施しました。また、住友理工健康保険組合と連携し、禁煙補助薬やオンライン禁煙プログラムに係る費用補助を行うなど、禁煙支援施策の拡充に取り組んでいます。
二つ目は「従業員の生産性とエンゲージメントの向上」です。毎年4月に実施しているストレスチェックにおいて、高ストレスと判定された職場に対しては、深堀アンケートや個別面談等による人事部門の支援を行っています。あわせて、労務管理講習会の開催や好事例の共有を実施しています。これらの取組みにより、2025年度における高ストレス職場数は2年前と比較して半減し、ワークエンゲージメント指標は0.1ポイント向上しました。また、2025年10月には、当社就業規則に会社と従業員が共に取り組むべき義務として、「エンゲージメント向上」「心身の健康保持増進」を明記し、同年11月には、管理職を対象としてエンゲージメントを高める職場づくりの実践ヒントを学ぶ全社講演会を開催しました。
<参考リンク:当社ホームページ特設サイト>
・健康経営
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/health/
○ 働き方改革
当社では2017年度より働き方改革を推進する活動として「活き生き5活動」を推進してきました。2017年度からの「活き生き5活動」Ver1.0では働きやすさを整える基盤づくり、2023年度からは「活き生き5活動」Ver1.5としてエンゲージメントサーベイを開始する等の活動を行ってきました。そして、2025年においては働きがい溢れる企業風土の醸成を目指して「活き生き5活動」をVer2.0へとシフトさせました。この一環として「SMARTプロジェクト」(当社版イクボス施策)を展開し、SMARTマネージャーの育成やエンゲージメントサーベイ結果を用いた組織改善活動を実施する等、エンゲージメント向上に向けた活動を推し進め、職場ごとに課題を改善する活動を手上げ制で実施しました。2026年度は全社へ横展開しグループ会社も含めて活動を実施し、エンゲージメントと心理的安全性向上のキーパーソンであるリーダー層への継続的なアプローチによる改善に取り組んでおります。
エンゲージメントの高い組織の実現のために、誰もが自分の能力を十分に発揮できるよう、各々の心身の安定を図り、互いにコミュニケーションをとりながら事業を進められる環境づくりとそれらをけん引できる人材の育成を積極的に推進していきます。
(「SMARTプロジェクト」活動概要図)
○ 仕事と介護の両立支援
これまでも仕事と介護の両立ができるよう講演会を実施する等の環境整備を推し進めてまいりました。2025年度は社内アンケートを実施し従業員の介護状況・課題を把握し、より実態に即した両立支援施策として仕事と介護の両立における制度の啓蒙活動の徹底を行いました。また社内アンケートや周知等を通して介護に直面する前の早期の情報提供や、人事部門と相談できる体制も構築致しました。仕事と介護の両立に関するガイドブックの周知の徹底と介護事由による離職ゼロを目標としています。
2025年10月よりがん治療や不妊治療などの治療を続けながら働き続けられるようにするための支援制度の導入を行いました。がん治療では働き方の選択肢の拡大としてフレックスタイム制度、短時間勤務、短時間フレックスタイム制度の導入、治療休暇5日/年付与を導入致しました。また不妊治療も同様に治療休暇として5日/年付与しキャリアを止めることなく当社で長く安心して働くことが出来る環境の整備と健康経営の実現に繋げた取り組みを行っています。
○ 労働時間/長時間労働の是正
当社では適正な労働時間管理と過重労働の防止、安心して健康に働ける職場環境を維持するため、「労働時間管理に関するガイドブック」を作成しました。特に管理職に対しては、部下の労働時間管理を含めた適切なマネジメントを求め、長時間労働の是正に継続的に取り組んでいます。
<長時間労働是正の取り組み>
a.経営層が関与したモニタリング体制の構築
高負荷状態にある管理職につき、人事部門から対象者の上司へ要因や対策のヒアリングを実施し、毎月の経営会議で長時間労働者数とあわせて報告しています。
b.「活き生き5活動」Ver2.0に基づく継続的な施策推進
長時間労働の対策を継続し、総合職の月60時間超の時間外労働ゼロを目標に設定いたしました。年次有給休暇の平均取得日数は13日/年以上、かつ総合職は前年比1.5日/年増、技能職・事務職は0.5日/年増を目指して啓発を進めました。総合職の月60時間超の時間外労働ゼロは未達となりましたが、年間総労働時間は前年度と同等に収めることができました。年次有給休暇の平均取得日数は15.9日/年、技能職・事務職は0.5日/年増と目標を達成し、総合職も0.3日/年増と着実に前進しています。2026年度は月60時間超の時間外労働ゼロの達成に向けて、さらに一歩踏み込んだ施策を労使にて検討を進めてまいります。
<参考リンク:当社ホームページ抜粋サイト>
・働きやすい環境に向けた制度や仕組み
https://www.sumitomoriko.co.jp/sustainability/society/improvement/work.html
今後もエンゲージメント向上に向けた取組を推進し、2029年度のありたい姿である「住友理工グループ全組織のエンゲージメントが高まり、従業員全員が活躍できる会社」を目指します。
(総労働時間の推移及び年次有給休暇の平均取得日数)
(「活き生き5活動Ver.2.0」活動概要図)
○ 柔軟で強い製造現場づくり
当社で起きている課題に対して、年齢・性別・国籍・障がい者の有無に関わらず、全ての人材が現場で実力を発揮し、安全・環境・コンプライアンス・品質・生産性を支え続ける人づくりを目指しています。主な活動といたしましては、人材確保のために「教員・保護者・生徒向けの工場見学会」「OB/OGによる学校訪問企業説明会」「定着支援パルスサーベイシステムの導入」「海外実習生など外国籍人材へのアプローチ」を実施しています。また、自ら気付き、考え、行動して現場を良くする製造現場の実現を目指すため、①現場を見る力 ②多様性観点から問題を考える力 ③役割に応じた行動成長と定着 ④多様な人材を活かす組織力が必要であり、「内部/外部講師の問題定義によるグループワーク、実技研修の拡充、必要に応じた各階層別研修の実施」を進めています。
②目標及び進捗状況
(注)1.特に記載がない限り、当社グループの数値を示しております。
2.実績値については、住友理工単体となります。2024年度・2025年度の実施率が100%を超えているのは対象者への教育が一巡し2回目の受講者もいるためです。
3.経営幹部プログラム(Executive Management Program)、選抜型教育経営塾(Mirai Create Program)、若手人材育成プログラムなど幹部選抜研修の受講者数を集計しています。
4.2024年度はコア人材とデータ分析人材の分け隔てなく、広く教育機会を提供し、DX人材候補者の発掘と育成に注力しました。
3 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のものがあります。本項における将来に関する記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(政治経済情勢・需要変動等に係るリスク)
部品メーカーである当社グループの経営成績は、顧客である完成品メーカーの生産動向の影響を受けますが、特に売上高の9割以上を占める顧客である自動車メーカーの国内外での生産動向の影響を大きく受けます。中長期的には自動車メーカーを取り巻く環境の変化が当社製品の需要に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、顧客ニーズの多様化、製品ライフサイクルの短期化、グローバル化の進展による競争構造の変化等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、海外売上高が連結売上高の約7割を占めており、海外の政治経済や社会情勢が経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(法律・規制の変更等によるリスク)
当社グループの事業は、国内外の法律・規制の変更等があった場合、その影響を完全に回避することができないため、経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。これらの要因としては、輸出入規制や関税率の引き上げ、各国の国内及び国際間取引に係る租税制度の変更、外貨規制等に加え、事業環境の変化に伴う環境規制や経済安全保障に関連する規制等が含まれます。
(訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに係るリスク)
当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループが損害賠償請求を受け、罰金その他の制裁金を賦課され、又は事業の遂行に制約が課される可能性があります。当社グループは、これらの法的リスクを未然に防止し、また顕在化したリスクに適切に対応する体制の整備を進めていますが、かかる対応にもかかわらず、法的リスクが顕在化した場合には経営成績等への影響が及ぶ可能性があります。
また、当社は海外での事業展開や新事業への進出を積極的に進めており、一方、消費者等の権利意識の高まりや国内外における競争政策、贈賄防止、移転価格、消費者保護等の分野での規制当局の法執行が積極化していることから、国内外における集団訴訟や当局の調査に対し適切に対応するために要する費用により財務負担が増加する可能性があります。
(災害等のリスク)
当社グループは、地震、火災、落雷、破裂・爆発、風・雪・水災、航空機の墜落、伝染病の流行、テロその他の犯罪、戦争等で被災することにより直接・間接の損失を被る可能性があります。特に、当社グループの主要な生産・営業拠点が、東海及び東南海・南海地震の防災対策強化地域や首都直下型地震の地域に所在しているため、地震発生も想定した事業継続計画を策定するなどの対策を進めていますが、顧客、原材料等の供給元の被災、電力・情報通信・物流網等の復旧の状況等により、影響が長期化する可能性があります。
(資金調達に係るリスク)
当社グループは、資金需要、金融市場環境及び調達手段のバランスを考慮し資金調達を行っています。当社グループの資金調達は、設備投資資金として長期固定金利の社債発行や長期借入による調達を中心としています。そのため、金利の短期的な変動による影響は比較的受けにくいものの、金利が中長期的に上昇した場合は、社債等による資金調達コストを上昇させ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの借入金に係る金融機関との契約には、財務制限条項が付されているものがあります。当該財務制限条項に抵触した場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(為替レートの変動によるリスク)
当社グループは、在外連結子会社及び在外持分法適用関連会社の個別財務諸表を主に現地通貨ベースで作成し、連結財務諸表の作成時に円換算しています。従って、現地通貨ベースでの業績に大きな変動がない場合でも、円換算時の米国ドル、ユーロ等の為替レート変動が経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、中長期にわたる大幅な為替変動は、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(原材料等の調達に係るリスク)
当社グループの製品は、天然ゴム、合成ゴムや鋼材等を原材料として使用しています。これら原材料や副資材、燃料等の市況価格の急激な上昇等があった場合は、製品価格に適切に反映させることができず、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、原材料等の供給元の倒産や被災により、必要量の調達が困難になる可能性があります。
(知的財産に係るリスク)
当社グループは、特許権、意匠権、その他の知的財産権の取得により自社技術の保護を図るとともに、他社の知的財産権に対しても注意を払っています。
しかしながら、新事業分野における製品開発の増加や海外での事業活動の拡大に伴う流通経路の複雑化等により、当社グループの製品が意図せず他社の知的財産権を侵害した場合に、販売中止、設計変更等の処置をとらざるを得ない可能性があり、その場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(保有資産の価値変動に伴うリスク)
当社グループは、様々な有形固定資産や無形資産を保有しております。こうした資産は、価値の下落や、期待通りのキャッシュフローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合があり、減損処理した場合、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性に伴うリスク)
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得が予測と異なり回収可能性に疑義が生じた場合、若しくは税率の変更等を含む各国の税制の変更があった場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要となります。その結果として、繰延税金資産の取崩が必要となった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(情報の流出によるリスク)
当社グループは、事業遂行に関連して多くの個人情報や機密情報を保有しています。これらの情報の秘密保持については必要な対策を講じていますが、不測の事態により、情報が漏洩する可能性があります。このような事態が生じた場合、事業戦略の遂行に支障が生じたり、損害拡大防止費用や損害賠償責任の負担が生じたりすることにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(情報システム・セキュリティに係るリスク)
当社グループが事業活動を行う上で、情報システム及び情報ネットワークは欠くことのできない基盤であり、構築・運用に当たっては十分なセキュリティの確保に努めていますが、ハッカーやコンピュータウイルスによる攻撃、不正使用やインフラ障害等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(製品の欠陥によるリスク)
当社グループは、全社的な品質管理の体制を構築・運用することにより、製品の品質保持に万全の注意を払っていますが、予期せぬ事態により、大規模な市場回収や製造物責任による賠償費用等の負担が生じる可能性があります。
また、顧客との間での品質問題に関する交渉等のために要する費用の負担により、経営成績等に影響を与える可能性があります。
(人事・労務に係るリスク)
当社グループは、事業領域の拡大やグローバル化に対応するため、人材確保・人材育成に努めていますが、事業領域・規模の拡大や新規事業への投資等に伴いグループの人員が増加していることから、人材不足や人事・労務問題が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(新事業展開によるリスク)
当社グループは、「2029年 住友理工グループVision」で定めたありたい姿「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続ける、リーディングカンパニー」に向けて、コアコンピタンスである「高分子材料技術」「総合評価技術」を軸に既存事業の強化と新規事業の展開を進めております。特に新規事業には既存事業と異なる事業リスクが存在するため、事業化の検討の各段階において必要に応じて外部専門家の意見も取り入れ、十分な調査に基づき慎重に判断することとしています。
しかしながら、当社グループは新規事業分野での十分な事業経験を有していないことから、事業化の遅延やマーケティング手法の不備などの原因により投資回収の遅延や不能が生じ、経営成績等に影響を与える可能性があります。また、同様の理由から、既存事業と比べ、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続きに係るリスクが高まる可能性があります。
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
(2) 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、全体として緩やかな成長基調が見られた一方で、米国の関税政策や欧米・中東地域における地政学的リスクが顕在化しました。
これらの影響により、資源の価格上昇や調達懸念、為替変動等が複合的に作用し、先行きに対する不確実性は一段と高まりました。
このような環境下であったものの、当社グループの主力事業である自動車業界では、全体としての生産台数は一定の水準で推移いたしました。
当社グループは、「2029年 住友理工グループVision」(2029V)で掲げた「理工のチカラを起点に、社会課題の解決に向けてソリューションを提供し続けるリーディングカンパニー」への変革に向けて、2023年度より3ヶ年の事業計画である「2025年 住友理工グループ中期経営計画」(2025P)に基づき事業活動を推進してまいりました。
今後も2029Vの達成と、収益力と企業価値の向上及び持続的な成長に向け、事業を推進してまいります。
当連結会計年度における連結業績については、売上高は653,248百万円(前期比3.1%増)、事業利益は45,786百万円(前期比5.5%増)、営業利益は38,111百万円(前期比8.3%減)、税引前当期利益は36,535百万円(前期比5.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は23,485百万円(前期比14.3%減)となりました。
※事業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益を含めて算出しております。
各セグメントの業績は、次のとおりです。
<自動車用品>
外部顧客への売上高は、一部地域において主要顧客の減産があったものの、全体では昨年度比で回復しているほか、米国追加関税の価格転嫁や為替換算等の影響により、594,311百万円(前期比3.5%増)となりました。
事業利益は、関税の影響を受けつつも、取引条件の適正化や売上増加、生産効率の向上により、42,158百万円(前期比9.1%増)となりました。
<一般産業用品>
外部顧客への売上高は、高圧ホースの売上増加があったものの、プリンター向け機能部品及び橋梁用ゴム支承の売上減少により、58,937百万円(前期比0.1%減)となりました。
事業利益は、主にプリンター向け機能部品及び橋梁用ゴム支承の売上減少により、3,628百万円(前期比23.8%減)となりました。
事業セグメント別実績
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注の状況については、セグメントの業績に関連付けて示しております。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引20,799百万円については相殺消去しております。
2.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(3) 財政状態
<資産>
資産合計は、464,794百万円(前連結会計年度末比14,362百万円増)となりました。
流動資産は261,285百万円(前連結会計年度末比12,814百万円増)となりました。これは主に、その他の金融資産が10,418百万円増加したことによるものです。
非流動資産は203,509百万円(前連結会計年度末比1,547百万円増)となりました。これは主に、有形固定資産が8,225百万円増加した一方で、退職給付に係る資産が3,957百万円減少したこと、無形資産が1,729百万円減少したことによるものです。
<負債>
負債合計は、190,752百万円(前連結会計年度末比16,871百万円減)となりました。これは主に、借入金の返済により、社債及び借入金が18,761百万円減少したことによるものです。
<資本>
資本合計は、274,042百万円(前連結会計年度末比31,232百万円増)となりました。これは主に、利益剰余金が12,799百万円増加したこと、為替換算等の影響によりその他の資本の構成要素が14,691百万円増加したことによるものです。親会社所有者帰属持分比率は52.1%(前連結会計年度末は47.7%)となりました。
(4) キャッシュ・フロー
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動により59,745百万円の増加、投資活動により41,665百万円の減少、財務活動により32,588百万円の減少、現金及び現金同等物に係る換算差額により3,001百万円の増加の結果、当連結会計年度末には43,510百万円となり、前連結会計年度末(55,015百万円)に比べ11,505百万円(20.9%)の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度(66,051百万円)に比べ6,306百万円減少し、59,745百万円となりました。これは、減損損失が3,872百万円増加した一方で、営業債務及びその他の債務の増減額が9,553百万円減少したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度(31,777百万円)に比べ9,888百万円増加し、41,665百万円となりました。これは、短期貸付金の純増減額が8,992百万円増加したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、前連結会計年度(23,639百万円)に比べ8,948百万円増加し、32,588百万円となりました。これは、短期借入金の純増減額が5,308百万円減少した一方で、長期借入金の返済及び社債の償還による支出が11,747百万円増加したこと、配当金の支払額が2,492百万円増加したことなどによるものです。
② 資本の財源及び資金の流動性
(財務政策)
当社グループは、「2029年 住友理工グループVision」で設定したROIC、ROE等の目標達成のため、成長投資管理の強化に加え、運転資金を継続的に効率運用することにより資産回転率の向上を目指します。また、財務規律の観点から、親会社株主に帰属する資本の健全性及び効率性の維持・向上を基本方針とし、安定した財務基盤を確保します。これにより、営業キャッシュ・フローの拡大を伴う成長投資を着実に推進しつつ、財務の安定性との両立を図り、中長期的な企業価値の向上を目指します。
(資金需要)
当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営に必要な設備資金や運転資金です。また、企業価値向上の源泉となる営業活動によるキャッシュ・フローの増加を支える成長投資管理は、住友理工グループ投資採算基準と、投資後の事業環境変化への迅速な対応の仕組みにより実施しています。
(資金調達)
当社グループの必要資金については、自己資金の充当及び金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーや社債発行等により、調達しております。なお、突発的な資金需要の発生や市場の流動性が著しく低下したときなどの緊急的な事態に備えてコミットメントラインを設定しております。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因や当該事項への対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「売上高」、「事業利益」、「ROIC」、「ROE」、「配当性向」を重要な指標として位置付けております。2024年5月31日に更新した中期経営計画「2025年 住友理工グループ中期経営計画」においては、2025年度の目標として、売上高620,000百万円、事業利益32,000百万円、ROIC10%以上、ROE9%以上、配当性向30%以上をそれぞれ掲げておりました。
当連結会計年度は、円安の進行による為替換算の影響や原価低減活動、生産効率の向上等により、売上高653,248百万円、事業利益45,786百万円、営業利益38,111百万円となりました。
5 【重要な契約等】
該当事項はありません。
6 【研究開発活動】
当社グループは、事業を取り巻く環境がダイナミックに変化する中、持続的に成長・発展するために、当社グループのコア技術である高分子材料技術と総合評価技術をベースに、技術領域の融合・協業を推進し、スピーディーな新技術の創出とタイムリーな商品開発を目指しています。また「2029年 住友理工グループVision」に基づき、パーパスである「素材の力を引き出し、社会の快適をモノづくりで支える」に沿って、社会に価値を提供し続けてまいります。
研究開発に当たっては、新機能・高品質の材料開発や当社グループのコア技術の深化、新たな事業領域の開拓と新製品の開発に向け、活動を展開しております。
他社や異業種との交流・連携については、2024年に入居したSTATION Ai(ステーション・エーアイ)をはじめとするオープンイノベーション拠点を活用し、事業会社、ベンチャー企業等との共創により、新たな価値創出に取り組んでいます。2025年度においては、国立研究開発法人 理化学研究所と共同研究を進めていた「自己修復性を有するゴム」について、研究開発の進展がありました。これは、損傷が生じても自ら修復する、あるいは簡単な処理で修復される特性をゴムに付与したものです。ゴム製品の耐久性や寿命の向上、さらにはそれに伴う廃棄物の削減に寄与する技術として、環境とコストの両面での効果が期待されます。今後もこうした研究開発を加速させることで、グリーンで快適な社会の実現に貢献してまいります。
親会社である住友電気工業㈱及びグループ企業とは、同社の主力製品であるワイヤーハーネスと、当社のホースやバイタルセンサー等を組み合わせたシステムや製品の共同開発を推進し、さらなる協業体制の強化に取り組んでいます。また両社の材料技術、評価・解析技術の知見の共有を進め、材料開発分野におけるシナジーの創出に着手しています。
今後も社内外との連携を一層強化することで、既存事業領域の深化に加え、事業部門の枠を超えた新事業・新商品の創出を目指します。また、当社グループだけでは取り組みが難しい社会課題などにも「共創」による挑戦を進め、サステナブルな社会の実現にも貢献してまいります。
なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は19,174百万円であります。
セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
① 自動車用品
自動車用品事業においては、振動や騒音の低減、流体制御性能の高度化による製品の高付加価値化を図るとともに、当社のコア技術の深化を目的とした研究開発を進めています。
EVの普及に伴い注目される熱マネジメント分野では、当社のコア技術から生まれ、優れた断熱効果を持つ薄膜高断熱材「ファインシュライト」の技術を基に、電池用断熱材の開発を進めています。さらに、冷却系ホースやバッテリー冷却プレート「クールフィットプレート」の開発及び拡販を強化しており、社会や顧客ニーズへの迅速な対応を図っています。
また、独自の加硫シミュレーション技術の確立による、設計から量産工程まで一貫したDXを推進しております。これを活用することで、より高精度な製品設計と、量産における高い競争力の実現を目指しています。
当連結会計年度における自動車用品に係る研究開発費は、16,766百万円であります。
② 一般産業用品
一般産業用品事業では、コアコンピタンスを軸に、高機能・高精度部品の材料開発に加えて、コア技術の強化と再構築による事業体質の強化・新規事業の創出を図っています。
住環境分野においては、業界トップクラスとなる「壁倍率5.0倍」※を実現した地震対策の新製品を開発し、国土交通大臣の認定を取得しました。こうした製品がより広く普及することにより、地震が多い国・地域における防災・減災への貢献が期待されます。
ヘルスケア分野では、圧力の検知により、生体情報の推定が可能な当社独自開発のSRセンサを応用した、口腔機能モニター「Oramoシリーズ」の開発を進め、2025年度においては小児から高齢者まで、幅広い層への対応が可能となる「Oramo2」を発売しました。口腔機能の低下が健康に影響を及ぼす「オーラルフレイル」が社会的な課題となるなか、当社の製品を通じて人々の生涯にわたる口腔機能の維持と、健康増進への寄与を目指してまいります。
このほか、インテグリカルチャー㈱と共同で開発を進めていた細胞農業向けの細胞培養バッグは、研究開発から生産体制の構築を見据えた実装フェーズへと歩みを進めています。また㈱イノカとは、自然共生社会の実現を目指した協業を開始しており、海洋領域における当社の技術や素材の可能性を模索しつつ、新規事業の創出に取り組んでいます。
当連結会計年度における一般産業用品に係る研究開発費は、2,408百万円であります。
※「壁倍率5.0倍」とは、建物が水平方向の力に耐える「耐力壁」の強度を表す数値のこと。数値が高いほど、地震や台風などの力に強いと評価される。
第3 【設備の状況】
1 【設備投資等の概要】
当連結会計年度における設備投資は、全体で34,414百万円(有形固定資産及び無形資産受入ベースの数値)でありました。
自動車用品事業では、当社及び海外子会社の自動車用防振ゴム、ホースの生産設備を中心に29,876百万円の投資を行いました。一般産業用品事業では、当社及び国内外子会社の高圧ホース・搬送用ホース製品生産設備を中心に4,538百万円の投資を行いました。
なお、当連結会計年度において、重要な設備の除却、売却等はありません。
2 【主要な設備の状況】
当社及び連結子会社における主要な設備は、以下のとおりであります。
なお、IFRSに基づく帳簿価額にて記載しております。
(1) 提出会社
(2026年3月31日現在)
(注) 本社及び小牧製作所の土地には、㈱住理工九州に賃貸している土地710百万円(57千㎡)が含まれております。
(2) 国内子会社
(2026年3月31日現在)
(3) 在外子会社
(2026年3月31日現在)
(注) 1.帳簿価額のうち「その他」は、工具、器具及び備品、建設仮勘定の合計であります。
なお、金額には消費税等は含まれておりません。
2.現在休止中の主要な設備はありません。
3.従業員数は、就業人員であります。また、( )は、臨時雇用者数を外書しております。
4.住理工胶管(合肥)有限公司については、2025年4月9日付で東海橡塑(合肥)有限公司から商号変更しております。
3 【設備の新設、除却等の計画】
(1) 重要な設備の新設等
重要な設備の新設等の計画はありません。
(2) 重要な設備の除却等
経常的な設備の更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
第4 【提出会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
② 【発行済株式】
(注)1.普通株式は東京証券取引所プライム市場、名古屋証券取引所プレミア市場に上場しておりましたが、2026年
1月29日付で上場廃止となっております。
2.当社の発行する全部の株式について、単元株制度は採用しておりません。
3.株式の譲渡制限に関する規定は次のとおりです。
当社の発行する全部の株式について、会社法第107条第1項第1号に定める内容(いわゆる譲渡制限)を
定めており、当該株式の譲渡又は取得について取締役会の承認を必要とする旨を定款第10条において定め
ております。
(2) 【新株予約権等の状況】
① 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
② 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
(注) 自己株式の消却による減少であります。
(5) 【所有者別状況】
(2026年3月31日現在)
(注) 1.2026年3月18日開催の取締役会決議により、2026年3月31日付で自己株式を消却し、発行済株式総数が
104,042,806株から221,300株減少し、103,821,506株となりました。
2.2026年3月18日開催の取締役会決議により、2026年3月24日付で当社株式の単元株式数の定めを廃止しております。
(6) 【大株主の状況】
(2026年3月31日現在)
(注) 住友電気工業株式会社による当社の普通株式に対する公開買付けの結果及び当社による売渡請求の承認に
より、当社株式は株式会社東京証券取引所、株式会社名古屋証券取引所の上場廃止基準に該当することと
なりました。その結果、当社株式は2026年1月29日付で上場廃止となり、住友電気工業株式会社が本売渡
株式の全部を取得しております。
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
② 【自己株式等】
該当事項はありません。
2 【自己株式の取得等の状況】
(1) 【株主総会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(2) 【取締役会決議による取得の状況】
該当事項はありません。
(3) 【株主総会決議又は取締役会決議に基づかないものの内容】
(4) 【取得自己株式の処理状況及び保有状況】
(注) 当社は、2026年3月18日開催の取締役会決議により、2026年3月31日付で当社保有の自己株式すべて消却しております。
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要施策の一つとして位置づけ、業績等を勘案した上で、長期にわたり安定的な配当を維持することを基本方針としております。また「2025年 住友理工グループ中期経営計画」においても、業績の見通しや財務状況、キャッシュフロー、投資計画等を総合的に勘案しながら、利益還元に努めてまいりました。
当事業年度の期末配当金は、連結財務状況や通期の連結業績等を勘案した結果、1株当たり34円とし、中間配当金の34円と合わせて、年間配当金は1株当たり68円といたしました。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
4 【コーポレート・ガバナンスの状況等】
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
住友の事業は、今から約400年前に住友家初代住友政友が遺した商いの心得「文殊院旨意書(もんじゅいんしいがき)」を礎とし住友の先人により何代にもわたって深化・発展させてきた「住友事業精神」を精神的基盤として営まれてきました。
萬事入精:まず一人の人間として、何事に対しても誠心誠意を尽くす人であれ
信用確実:何よりも信用を重んじること、すなわち常に相手の信頼に応えること
不趨浮利:常に公共の利益との一致を求め、浮利を追い、軽率、粗略に行動してはならない
当社は、自動車用品分野において新たな地域及び顧客への事業展開並びにCASEに代表されるモビリティの進化に対応した製品・技術の創出に取り組むとともに、一般産業用品分野においても、社会・産業構造の変化を捉えた新領域への事業展開を積極的に推進しております。これらの取組みは、住友電工グループ一体となった事業運営のもとで推進されており、当社においても、健全なリスクテイクを支える体制を整備し、取締役会の監督機能及び意思決定機能の実効性向上を中心としたコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。
また、当社は、住友事業精神に基づき、従業員、お客様、取引先及び地域社会との信頼関係を重視し、これらのステークホルダーとの協働のもとで事業活動を展開しております。こうした取組みを通じて、企業価値及び公益価値の向上を図るとともに、社会的課題の解決に資する価値の創造に取り組み、持続的な成長を実現してまいります。
① 企業統治の体制
イ.企業統治の体制の概要と採用の理由
当社は、監査役設置会社の機構を採用し、取締役会の監督と監査役の監視により業務執行の適法性及び妥当性を確保するものとしています。
取締役会の構成は、当社の事業分野、事業環境や規模を前提として、適切な経営の監視監督機能を果たすことができるかという視点で決定するものとしています。
専門性の観点からは、当社の経営戦略、経営計画等を踏まえて、経営、技術・開発、製造・モノづくり、財務・会計、法務・リスク管理、人材・ダイバーシティ&インクルージョン等の分野において、豊富な経験と高い見識を有する人材を選任しています。
ジェンダーや国際性の観点からは、女性の取締役を1名選任しています。現時点で外国人の取締役は選任していませんが、将来、社内からの登用の基盤として幹部社員の多様性を進めるためCSR・サステナビリティ委員会において様々な施策を講じています。
現在の取締役会は、取締役6名と、監査役2名からなる体制であり、事業分野を網羅し必要な専門性を確保するとともに、実質的な討議を行うことができる適切な規模となっています。
当社のコーポレート・ガバナンス体制の概要図

ロ.企業統治に関するその他の事項
内部統制システムの整備の状況
・コンプライアンス体制の整備の状況
当社グループにおける取締役その他の役員及び使用人(以下、役職員)の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(以下、コンプライアンス体制)は、親会社の方針並びに萬事入精、信用確実及び不趨浮利を旨とする住友事業精神に基づき取締役会が決定する経営理念、事業運営の基本(「安全・環境・コンプライアンス・品質(S.E.C.Q.)」、住友理工グループ企業行動憲章、CSR・サステナビリティ基本方針及びグローバルコンプライアンス行動指針(以下、行動指針等)に準拠して整備しております。当該体制は、当社各部門及び子会社において整備し、すべての役職員により運用されるものとしております。
子会社におけるコンプライアンス体制は、当社が定めるグループ規程により、その整備、運用がなされることを確保しております。グループ規程では、子会社の規模や事業内容に応じて整備すべきコンプライアンス体制の基準を定めております。また、当社グループにおけるコンプライアンスは、「単に法令遵守にとどまらず、社会の期待に応えること」という共通理解に基づき、社内規程及びその運用等は、定期的に見直し、これを整備しております。
法令違反の早期発見及び迅速かつ適切な対応を行うために、当社グループの違反報告・処理体制を整備するとともに、法令及び社内規程に違反した役職員へは、当社又は子会社の規程に基づく懲戒を含め厳正に対処しております。また、当社グループは、贈収賄・腐敗行為防止をコンプライアンスにおける最重要課題のひとつとして位置付けており、贈収賄・腐敗行為防止に対する取り組み及び社内体制の整備を強化しております。これらの仕組みや体制が適正に運用されるように、法令遵守(贈収賄規制、競争法、取適法及び労働法等)に対する取り組み及び研修を実施しております。
当社グループは、グループのコンプライアンス体制の整備、運用を主導、統括する組織としてコンプライアンス委員会(以下、委員会)を当社に設けております。委員長は、取締役会決議により選任し、その活動状況は取締役会に報告しております。委員会は定期に開催し、監査役が出席して意見を述べられるものとしております。委員会の委員又は事務局には、弁護士その他の企業法務の専門知識を有する役職員を配置しております。委員会には独立した予算を設けております。
委員会は、コンプライアンス問題に関する内部通報窓口を社内及び社外に設け、その存在及び利用方法について広く周知しております。通報事案に対しては客観的かつ専門的な調査を行い、個別問題の是正及びコンプライアンス体制の改善を図っております。当社グループは、通報者に対する通報を理由とする不利な取扱いを禁止し、通報者の保護に万全を期しております。また、通報に関連して取得した個人情報その他の秘密は、法令並びに当社の規程及び当社グループ規程に基づき適切に管理しております。さらに、公益通報者保護法及び関連法令に基づき、公益通報対応業務の従事者(以下、単に従事者という。)を指定・管理し、従事者に法令上の守秘義務及び情報取扱基準を遵守させております。また、従事者には、適切な通報対応能力を確保するため、定期的に教育・研修を実施しております。
委員会は、全世界の子会社の役職員から直接、内部通報を受付ける制度を整備・運用しております。一定の事業規模を有する子会社は、公益通報者保護法及び関連法令並びにグループ規程に基づき、社内の内部通報制度を整備し、従事者の指定・管理及び研修を適切に実施しております。当社は、子会社に対し必要な指導・支援を行い、当社グループ全体で適切な内部通報体制を構築・運用しております。
委員会は、定期的に当社各部門及び各子会社におけるコンプライアンス問題の状況の調査を実施しております。委員会は、この調査結果、リスクの識別・評価及び内部通報の状況等に基づき、定期的に当社グループのコンプライアンス体制を検証し、その整備計画に反映させております。
当社グループにおける全社品質方針を定め、社長直下の品質所管役員を品質統括責任者とする品質マネジメント体制(監査、モニタリング等を含む)を構築・運用し、グループグローバルで、顧客視点での継続的な品質改善を推進する体制を整備しております。特に当社グループに著しい影響を与え得る重要な品質コンプライアンスリスクについては、経営会議等においてリスクの特定・分析・評価・対策等について機動的かつ多面的・多角的に審議することとし、とりわけ、重要リスクが発現した際には、速やかに取締役会に報告するとともに、社長の指揮下で全社的に速やかな初動対応をとる体制としております。また、品質不正防止規程及びガイドラインを定め、当社グループの役職員及び各部門が担うべき役割と責任、品質不正防止のための具体的な取組み、品質不正発生時の初動対応を明確化し、これを当社グループ全体に周知しております。
当社グループ全体で人権尊重の責任を果たすため、住友理工グループ人権方針を定め、必要な施策を講じることとしております。
・リスク管理体制の整備の状況
当社グループにおけるリスク管理に関する体制は、取締役会が、当社グループのリスク選好、リスク許容度、経営に重大な影響を及ぼすすべてのリスクの規模及びそれらへの対応状況の認識を共有することで、当社グループ全体の戦略を最適化し、経営リスクを極小化するため適時に適切な判断を行えるものとしております。これらの体制は、取締役会が制定する当社の規程及びグループ規程に基づき以下のとおりに整備しております。
当社グループは、リスク管理委員会を当社に設置し、当社グループのリスク管理体制の整備及び運用を統括しております。リスク管理委員会の委員長は、取締役会決議により選任し、そのリスク管理の状況は取締役会に報告しています。リスク管理委員会は定期に開催し、監査役が出席して意見を述べられるものとします。委員会には委員又は事務局に企業のリスク管理の専門知識を有する役職員を置き、又は社外専門家の助言を受けられる体制とします。
リスク管理委員会は、定期的に当社グループのリスクの識別、評価を実施し、各部門・子会社が策定するリスクへの対応計画の妥当性を確認し、その遂行状況をモニタリングします。また、当社グループにおける重要なリスクを選定し、当該リスク、その対応計画及び対応の状況を取締役会に報告します。リスクを識別するに当たっては、経済安全保障環境の変化、自然災害、事業の国際化、情報及びサイバーセキュリティリスクの高まり、新規事業分野への進出、国内外の法令改正やその運用動向など内外の事業環境の変化を幅広く考慮しております。また、人材やサプライチェーン、財務、レピュテーションに関するリスクも総合的に検討しております。
また、リスク管理委員会は、震災、火災、感染症等急激かつ外来の災害によるリスクに対して、当社各部門及び子会社における災害対策計画及び不測事態対応計画の策定及び定期的な訓練・検証の状況を統括しております。
・子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社グループにおける子会社の業務の適正を確保するための体制は、「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づく体制の運用の状況の確認を行うとともに、内外の環境の変化等に対応し、その見直しを行うこととしております。主な整備及び運用の状況は以下のとおりです。
①親会社の方針に準拠した内部統制システムを整備するとともに、親会社との重要な取引・行為については、取引の実施及び取引条件の決定等に関する適正性を確保し、客観的かつ合理的な内容で行うものとしております。
②公益通報者保護法及び関連法令に基づき、公益通報対応業務の従事者を指定・管理し、従事者に法令上の守秘義務及び情報取扱基準を遵守させるため、定期的に教育・研修を実施しております。
・役員報酬の内容
2025年度にかかる報酬の総額は次のとおりです。
(基本報酬)
取締役9名 227百万円(内、社外取締役4名45百万円)
監査役5名 90百万円(内、社外監査役3名45百万円)
(賞与)
取締役5名 145百万円
2025年6月19日開催の第137期定時株主総会終結の時をもって退任した社外取締役1名を含んでおります。
② 取締役の定数
当社は取締役の員数を3名以上とする旨定款に定めております。
③ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
④ 取締役会にて決議できる株主総会決議事項
当社は、以下について株主総会の決議によらず、取締役会で決議することができる旨定款に定めております。
イ.自己株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議をもって、自己株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とすることを目的とするものであります。
ロ.中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
⑤ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。
⑥ 取締役会等の活動状況
イ.取締役会等の開催状況等
・取締役会
(注)1.役職名は、2026年3月末時点のものを記載しております。
2.取締役花形滋氏は、2025年6月19日開催の定時株主総会終結時をもって取締役を退任しておりますので、退任までの期間に開催された取締役会の出席状況を記載しております。
3.取締役伊勢清貴氏は、2025年6月19日開催の定時株主総会において取締役に就任しておりますので、就任後に開催された取締役会の出席状況を記載しております。
4.社外取締役入谷正章氏、宮城まり子氏及び伊勢清貴氏、並びに社外監査役百嶋計氏、小池達子氏及び松田玲子氏は2026年4月1日付で辞任しております。また、2026年3月24日の臨時株主総会決議により、同年4月1日付で取締役國井美和氏及び堀内隆司氏が就任しております。
5.取締役和久伸一氏、山根英雄氏及び安田日出吉氏は、2026年6月18日の定時株主総会終結時をもって取締役を退任しており、また、同日付で加藤和彦氏及び増田弘和氏が取締役に就任しております。
6.監査役前田裕久氏は、2026年6月18日の定時株主総会終結時をもって監査役を退任し、同日付で監査役南野高伸氏が辞任しております。また、山根英雄氏及び和久伸一氏が、2026年6月18日の定時株主総会において、監査役に就任しております。
取締役会における具体的な検討内容は、以下のとおりです。
・財務目標・非財務目標に基づく企業価値・社会的価値の向上施策
・グループ全体における品質・コンプライアンスリスクの管理
・ステークホルダーへの情報開示と対話の方針
・内部統制・リスク管理体制の高度化
・人的資本経営(DE&I、人権、人材育成等)の推進
・政策保有株式の検証
・その他、取締役会規程に定める重要事項
・ガバナンス委員会
「ガバナンス委員会」は、取締役会の任意の諮問機関であり、社外取締役を委員長とし、代表取締役、社外取締役及び監査役で構成しております。
ガバナンス委員会における具体的な検討内容は、以下のとおりです。
・グループの中長期的成長・企業価値・公益価値の向上施策
・グループガバナンス体制に関する重要課題
・親会社と少数株主間に利益相反のおそれがある取引の審議
・取締役会の実効性評価
・その他、取締役会からの諮問事項
なお、ガバナンス委員会は、2026年1月29日付の上場廃止を受け、同年3月31日付で廃止しております。
・指名・報酬委員会
(注)1.花形滋氏は、2025年6月19日開催の取締役会において委員を退任しておりますので、退任までの期間に開催された指名・報酬委員会の出席状況を記載しております。
2.伊勢清貴氏は、2025年6月19日開催の取締役会において委員に就任しておりますので、就任後に開催された指名・報酬委員会の出席状況を記載しております。
指名・報酬委員会における具体的な検討内容は、以下のとおりです。
・取締役報酬等の決定方針の策定
・報酬・賞与等の個別内容に関する審議
・取締役の選解任に関する事項
・社長の選任基準(あるべき社長像)に関する検討
・その他、取締役会からの諮問事項
なお、指名・報酬委員会は、2026年1月29日付の上場廃止を受け、同年3月31日付で廃止しております。
(2) 【役員の状況】
① 役員一覧
男性7名 女性1名(役員のうち女性の比率13%)
(注1) 2026年6月18日開催の定時株主総会の終結から、選任後1年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時まで
(注2) 2026年6月18日開催の定時株主総会の終結から、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時まで
(注3) 当社は、取締役会の意思決定の迅速化と監督機能の強化並びに権限及び責任の明確化による機動的な業務執行体制の確立を目的として、執行役員制度を導入しております。
執行役員は20名で、執行役員社長 清水和志の1名、専務執行役員 矢野勝久の1名、常務執行役員 加藤和彦、増田弘和、流郷健二、麻植和男、中澤俊夫、宮本彰、後藤慎吾の7名、執行役員 山田純一、有賀雄一、加地明彦、酒井洋和、草木宏、杉浦博樹、林幸男、能祖裕司、Jeffrey G. Nunn、片岡孝二、坂崎一茂の11名で構成されております。
② 社外役員の状況
該当事項はありません。
③ 内部監査、監査役監査及び会計監査との相互連携並びに内部統制部門との関係
a.監査役と会計監査人の連携状況
監査役は、会計監査人と定期的に会合を保つなど、緊密な連携を保ち、積極的に意見・情報を交換しております。
監査役は、会計監査人から監査計画を受領し、会計監査人が把握した内部統制システムの状況等について意見・情報を交換しております。
監査役は、必要に応じて、会計監査人の往査や監査講評に立会い、適宜報告を求めております。
会計監査人から、取締役の職務遂行に関して不正行為がある等の報告を受けた場合には、監査役は審議・調査のうえ、取締役に助言、勧告を行うこととなっています。
b.監査役と内部監査部門の連携状況
当社では、内部監査部門である経営監査部を設けております。
監査役は、経営監査部から内部監査の結果等について報告を受けるとともに、必要に応じて調査、報告を求めています。
監査計画等の作成に当たっては、有効かつ効率的な監査を実施するため、経営監査部と協議、意見交換を行っております。
(3) 【監査の状況】
① 監査役監査の状況
当事業年度は、常勤監査役2名及び社外監査役3名となっておりましたが、2026年3月24日付で、監査役会設置会社から監査役設置会社に移行し、2026年4月1日付で、社外監査役は辞任しました。
監査役会は、当事業年度においては14回開催し、1回当たりの所要時間は約1時間半でした。また、決議事項は9件、審議・協議事項は6件、報告事項は31件でした。その主な内容は、次のとおりです。
(決議事項):監査の方針及び監査計画、監査の方法、監査業務の分担、会計監査人の選任、会計監査人の
監査報酬の決定等
(審議・協議事項):監査役会の監査報告書、会計監査人の監査計画等
(報告事項):監査役月次活動状況報告等
個々の監査役の出席状況については次のとおりです。
常勤監査役前田裕久氏は、当社の親会社である住友電気工業㈱及び当社の経理・財務部門における長年の経験があり、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
社外監査役松田玲子氏は、公認会計士の資格を有しており、財務及び会計に関する相当程度の知識を有しております。
社外監査役百嶋計氏は、財務省等における長年の行政実務経験を有しており、財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。
監査役の監査が実効的に行われることを確保する体制に関しては、取締役会で決定した「内部統制システムの整備に関する基本方針」に基づき以下のような活動をしています。
1) 重要会議への出席
監査役は取締役会その他の重要な会議に出席し、「ガバナンス委員会」にもオブザーバーとして出席しました。社外監査役の内、1名は、取締役会の諮問機関である「指名・報酬委員会」にオブザーバーとして出席しました。さらに常勤監査役は、経営会議やCSR・サステナビリティ委員会・コンプライアンス委員会等の重要な会議にも出席しています。
2) 取締役、執行役員、部門責任者との対話
監査役は代表取締役との意見交換会を年2回開催して意見を交換し、また、常勤監査役は社長と毎月の意見交換会で対話しております。さらに常勤監査役は、経営監査部、経理財務本部、人事総務本部、法務部の各部門長とも定期的な連絡会で業務状況を確認し(計32回)、その他、本部長ヒアリング、事業部門、製造管理部門等からも定期的な課題確認の場を設けており(計39回)、全体で2025年度は71回の聞き取りを実施しています。
3) 往査
監査役は、子会社のガバナンスや会社運営状況の確認等のために、国内外の子会社の往査を充実させました。2025年度は、常勤監査役は海外9か国17社、国内2社の往査を実施し、その結果を対象子会社の責任者、社長、所管役員等へ報告しています。なお、社外監査役は海外5か国12社の往査に参加しました。
4) 会計監査人及び内部監査部門との連携
監査役は、会計監査人と定期的に会合をもつ等、緊密な連携を保ち、積極的に意見・情報交換を行っております。また、常勤監査役は、必要に応じて会計監査人の監査講評に出席し、適宜報告を求めています。監査役は、経営監査部から内部監査の結果等について報告を受けるとともに、必要に応じて個別に調査、報告を求めています。監査計画等の作成に当たっては、有効かつ効率的な監査を実施するため、経営監査部と協議、意見交換を行っております。
5) 子会社のガバナンス
常勤監査役は、多くの子会社の監査役等を兼務しており、子会社の取締役会等を通じ、積極的に意見・情報交換を行っております。
6) 社外役員間の連携強化
社外監査役は社外取締役との間で、独立役員としての客観的な立場から情報交換・認識共有等を図る目的で、独立社外役員意見交換会に出席しました。
7) 監査役監査を補助する体制
執行部門から独立した監査役室を設け、専任担当者3名が監査役の職務を補助しています。
② 内部監査の状況
当社は、内部監査統括責任者のもとに業務執行部門から独立した内部監査部門として経営監査部(2026年3月末現在:18名)を設置しております。経営監査部は、当社及び企業集団の内部監査及び財務報告に係る内部統制の評価を行っております。内部監査は、年間の監査計画を策定、監査先を選定の上、実施しております。監査結果は、監査案件毎の監査報告会等において代表取締役、被監査部門の所管役員、常勤監査役に報告されるとともに、定期的に取締役会に報告され、実効性の確保に努めております。また、経営監査部は、常勤監査役との定期的な連絡に加え、会計監査人とも適宜連携して業務を遂行しております。
③ 会計監査の状況
a. 監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
b. 継続監査期間
51年間
1975年度以前の調査が著しく困難なため、継続監査期間は上記年数を超えている可能性があります。
c. 業務を執行した公認会計士
松木 豊氏
馬場 淳也氏
d. 監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士9名、会計士試験合格者8名、その他31名であります。
e. 監査法人の選定方針と理由
当社の監査役は、監査関係業務について当該監査法人の対応状況等は妥当と認められること、当該監査法人からの監査品質等に関する説明の内容は妥当であること、及び執行部からも当該監査法人の再任について推薦があったことを踏まえ、会計監査人の解任又は不再任の決定の方針(*)に該当する事情の有無のほか、当該監査法人の内部管理体制、監査報酬の水準、独立性、知識・経験・能力、海外対応力、会社とのコミュニケーションの各項目について評価した結果、当該監査法人を再任することは妥当と判断し、会計監査人として選定しております。
(*)会計監査人の解任又は不再任の決定の方針
当社では、会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当したと判断した場合には、監査役全員の同意に基づき会計監査人を解任します。また、会計監査人の職務状況等を勘案し、会計監査人が継続してその職務を全うする上で重要な疑義を抱く事象があったと判断した場合には、会計監査人の解任若しくは不再任を株主総会の目的とします。
f. 監査役による監査法人の評価
監査役は、当該監査法人の内部管理体制、監査報酬の水準、独立性、知識・経験・能力、海外対応力、会社とのコミュニケーションの各項目について評価した結果、それぞれ再任することが妥当な水準にあると判断しております。
④ 監査報酬の内容等
a. 監査公認会計士等に対する報酬
b. 監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGグループ)に属する組織に対する報酬(a.を除く)
当連結会計年度における当社の非監査業務の内容は、APA申請に関するサポート業務等です。
連結子会社における非監査業務の内容は、会計・税務等に関するアドバイザリー業務です。
c. 監査報酬の決定方針
当社の監査公認会計士等に対する監査報酬の決定方針は、当社の事業規模、監査日数及び業務の特性等を勘案して決定しております。
d. 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
当社監査役会は、監査項目別監査時間及び監査報酬の推移並びに過年度の監査計画と実績の状況を確認し、当事業年度の監査時間及び報酬額の見積りの妥当性を検討した結果、会計監査人の報酬につき、会社法第399条第1項の同意を行っております。
(4) 【役員の報酬等】
当社は非上場会社であるため、記載すべき事項はありません。
(5) 【株式の保有状況】
当社は非上場会社であるため、記載すべき事項はありません。
5 【従業員の状況等】
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
①企業戦略と関連付けた人事戦略
当社では、事業成長と2029V達成のため、「モビリティ」・「インフラ」・「ライフ&エレクトロニクス」の3つの事業領域において、コアコンピタンスで高機能かつ高付加価値製品を生み出す「高分子材料技術」と最適なソリューションを生み出す「総合評価技術」を軸に、事業内の連携、事業間の協働、外部との協業を通じた価値共創、既存事業領域の深化と融合分野の事業探索を推進しています。
こうした事業部門の取り組みを人的資本の面から支えるため、「住友事業精神」のもと、独自に定めた「人的資本向上の方程式」(図1参照)を人材戦略の中心に位置付け、多様性と自律性を備えた従業員が成長し意欲高く働くこと、価値共創を生み出して推進することができる会社・組織を目指して人的資本経営を推進しています。
(図1:人的資本の考え方)

直近では、中期経営計画2025Pにおいて「人的資本向上の方程式」に沿った施策を推進しており、人事部長を中心に定期的に進捗等をモニタリングする体制を構築しています。また、2024年度から開始したエンゲージメントサーベイ結果に基づきウィークポイントを的確に改善する活動も開始しており、更なる会社・組織・人材の質の向上を図っています。
(エンゲージメントサーベイについては25頁 参照)
戦術面では、「部門に入り込んでの事業支援」と「グローバル連携」に重点を置き、事業担当人事、公募制、タレントマネジメント、グローバル人事スタッフ育成、エリア連絡会議など多岐に亘る手段を用いて、国内外連結グループ全体での人的資本の質・量の充足、人材育成やキャリア支援、エンゲージメントの向上に注力しています。
エリア・国毎に制度・文化・風土の違いはありますが、これからも国内外グループ会社の人事担当者が手を取り合いながら、「一人ひとりの人材を尊重し、会社と従業員が共に成長していく」という考えを胸に取り組みを推進してまいります。
(図2:方針及び施策)

②従業員給与等の決定方針
かつては「人件費=コスト」という考え方が主流でしたが、近年は「人件費=人的投資」という考え方にシフトしてきました。当社においても、持続的な成長とパーパス実現のための重要な投資分野と位置付けて給与等に係る制度を運用し、優秀な人材の確保と定着、従業員一人ひとりの自律的な挑戦と成長の動機づけ、従業員への適正な収益還元等に取り組んでおり、これが業績の向上にも寄与していると認識しています。
a.給与水準
人材市場の状況、外部ベンチマーク調査結果や物価水準、競争力の維持・向上、「インフレ率+α」の賃金引上げ を念頭に置いて、住友理工労働組合とも協議しながら給与水準の見直しを図っています。
b.給与等の体系及び決定方法
従業員の給与等は、月次給与、賞与、その他のインセンティブ・福利厚生で構成されます。
○月次給与
従業員の役割、責任、能力、及び人事考課結果(職務遂行能力)に基づいて決定されます。また、従業員が従事する勤務や家族の状況等に応じて多様な手当を支給しています。近年では、様々な地域で従業員に活躍してもらうことを促進するため、転勤に係る支援について継続的に見直しを図っています。
○賞与
会社業績、世間水準、人事考課結果(目標達成度)を踏まえ支給額を決定しています。従業員の計画的な生活設計を鑑み、住友理工労働組合との春季交渉において次年度の標準的な賞与支給水準を決定のうえ従業員に開示しています。
○インセンティブ・福利厚生
法定の福利厚生に加え、カフェテリアプランや健康支援プログラム、キャリア開発支援制度などを提供しています。
③公正性・透明性の確保に向けた取り組み
人事考課制度や給与等の基本的な考え方や決定プロセスについて、文書を以って従業員に周知しています。人事考課結果については丁寧な面談によるフィードバックを行って従業員の理解・納得を得るようにしており、人事部門に相談窓口を設けています。
男女間の賃金格差についても定期的に分析し、中長期視点で対策を立案・実行しています。
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社における状況
(2026年3月31日現在)
(注) 従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
② 提出会社の状況
(2026年3月31日現在)
(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(季節工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除く。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
③ 労働組合の状況
労働組合は、全日本ゴム産業労働組合総連合等に所属しており、労使関係は安定しております。
④ 多様性に関する指標
当連結会計年度の多様性に関する指標について、女性活躍推進法及び育児・介護休業法の規定に基づき以下のとおり算出しています。
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業及び育児目的休暇(「出生時休暇※1・育児奨励休暇※2」:当社独自の特別休暇)を算出したものです。
出生時育児休業(産後パパ育休)を含んで集計しております。
※1 配偶者出産時に稼働日連続2日間の特別休暇を付与
※2 1歳未満の子を養育する社員に1回に限り稼働日連続5日間の特別休暇を付与
3.「労働者の男女の賃金の差異」について、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。
なお、賃金制度において性別による差はなく、前年度と同様に次の3点が主な差異の要因と分析しています。
a.勤続年数(男性:平均16年、女性:平均11年)
b.職掌 (女性社員の約4割が事務職)
c.勤務状況(短時間勤務、深夜勤務、時間外手当の平均的な受給状況で男女間の差異がある)
4.表中の「―」は、当該会社が、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定により、当事業年度における当該指標の公表を選択していないこと又は当該会社が「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定により、当事業年度における当該指標の公表を要しないことを示しております。
<改善に向けた取組事例>
a.仕事(ワーク)と家庭(ライフ)の両立支援施策及び女性活躍推進
住友理工グループでは、経営理念に「従業員の多様性、人格、個人を尊重し、活力溢れる企業風土の醸成」を掲げており、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進を経営の根幹と認識し、「誰もが力を発揮できる職場づくり」を目指しています。女性活躍推進やエクイティの必要性・重要性の理解を深めるダイバーシティ講演会を継続的に開催し、多様な人材が安心して働くことができる環境整備と風土づくりに取り組んでいます。2025年度のキャリア研修には基幹職候補の女性9名(総合職3名、事務職6名)が参加しました。昨年に引き続き役員とのメンタリングを実施するなど、女性管理職比率が向上するための取組みを推進しています。また、ライフステージの変化も考慮したキャリア形成(例:事務職・技能職から総合職への職掌転換等)の働きかけなどにより、賃金格差を改善してまいります。
(図1:管理職、グループリーダー、現場監督者に占める女性人数と割合の推移)

b. 男性育児休業取得率向上
当社は男性が当たり前に育児休業を取得できる企業風土の実現を目的として、これまで、啓発活動や手続きのシステム化、人事部門による相談体制の整備など、環境づくりを段階的に進めてまいりました。
こうした基盤を踏まえ、2025年度は、働きがい向上として「活き生き5活動」(当社の働き方改革プロジェクト)を通じ、男性育児休業取得促進に資する取り組みを一層強化しました。経営層に対してはエンゲージメント向上をテーマに役員研修を実施し、行動宣言を通じてトップ自らが「SMARTマネージャー」(当社版イクボス施策)の重要性を明確に示しました。制度面では、就業規則にエンゲージメント向上を会社及び従業員双方の義務として明記し、育児と仕事が両立しやすい制度的基盤を整備しております。また、育児関連制度の再周知を行うことで取得しやすい心理的環境の強化も図ってきました。これらの取り組みの結果、2025年度の男性育児休業取得率は80%を達成いたしました。
また、2025年度においては、男性育児休業取得者のうち28日以上取得した者の割合が73.2%(昨年度比+6%)となり、育児休業を一定期間取得する動きが着実に広がっています。今後はさらなる長期取得の促進に加え、育児休業期間中に十分な育児参画を促す啓発を進めることで、育児休業取得の質的向上に取り組んでまいります。
(「活き生き5活動」、「SMARTプロジェクト」の全体像については26頁 参照)
(注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)第2条第1号に規定する育児休業(出生時育児休業(産後パパ育休を含む))
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業及び育児目的休暇(「出生時休暇・育児奨励休暇」:当社独自の特別休暇)取得率を算出したものです。出生時育児休業(産後パパ育休)を含んで集計しております。
第5 【経理の状況】
1 連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
(1) 当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて作成しております。
(2) 当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成しております。
また、当社は特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。
2 監査証明について
当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けております。
3 連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、以下のとおり連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成するための体制の整備を行っております。 (1) 会計基準等の内容を適切に把握し、会計基準等の変更等に適時かつ的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構並びに一般財団法人会計教育研修機構へ加入し、研修等へ参加しております。 (2) IFRSの適用においては、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っております。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針を作成し、それに基づいて会計処理を行っております。
1 【連結財務諸表等】
(1) 【連結財務諸表】
① 【連結財政状態計算書】
② 【連結損益計算書】
③ 【連結包括利益計算書】
④ 【連結持分変動計算書】
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
⑤ 【連結キャッシュ・フロー計算書】
【連結財務諸表注記】
1.報告企業
住友理工㈱(以下、「当社」という。)は、日本に所在する株式会社であります。当社の連結財務諸表は2026年3月31日を期末日とし、当社及び子会社(以下、「当社グループ」という。)並びに当社の関連会社により構成されております。当社グループの主な事業内容は、注記「6.セグメント情報」に記載しております。
なお、当社の親会社は住友電気工業㈱であります。
2.作成の基礎
(1) 連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に定める「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、同第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
本連結財務諸表は、2026年6月18日に取締役会によって承認されております。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」に記載のとおり、公正価値で測定されている特定の金融商品、及びトルコの子会社における超インフレ会計の適用等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 表示通貨及び単位
連結財務諸表の表示通貨は、当社の機能通貨である日本円であり、百万円未満を四捨五入しております。
(4) 表示方法の変更
(連結キャッシュ・フロー計算書)
前連結会計年度において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「短期貸付金の純増減額」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度から区分掲記しております。この表示方法を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表を組み替えております。
この結果、前連結会計年度において、「投資活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた0百万円は、「短期貸付金の純増減額」△11百万円、「その他」11百万円として組み替えております。
3.重要性がある会計方針
以下に記載されている会計方針は、他の記載がない限り、連結財務諸表に記載されているすべての期間において、継続的に適用されております。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。支配とは、当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有していることをいいます。子会社は当社グループが支配を獲得した日から連結を開始し、支配を喪失した日以降は連結を中止しております。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引から生じた未実現損益は、連結財務諸表の作成にあたり消去しております。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
連結財務諸表には、決算日を親会社の決算日に統一することが、子会社の所在する現地法制度上不可能である等の理由により、親会社の決算日と異なる日を決算日とする子会社の財務諸表が含まれております。当該子会社の決算日と親会社の決算日の差異は3ヶ月を超えることはありません。
連結財務諸表の作成に用いる子会社の財務諸表を親会社と異なる決算日で作成する場合、その子会社の決算日と親会社の決算日との間に生じた重要な取引又は事象については調整を行っております。
支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動については、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが当該企業の財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配は有していない企業をいいます。関連会社については、当社グループが重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日まで、持分法によって会計処理しております。
連結財務諸表には、決算日を親会社の決算日に統一することが、関連会社の所在する現地法制度上不可能である等の理由により、親会社の決算日と異なる日を決算日とする関連会社への投資が含まれております。決算日の差異により生じる期間の重要な取引又は事象については調整を行っております。
(2) 企業結合及びのれん
当社グループは、企業結合の会計処理として取得法を適用しております。企業結合において取得した識別可能資産及び引き受けた識別可能負債と偶発負債は、取得日における公正価値で測定しております。取得に関連して発生した費用は、発生時に費用として認識しております。非支配持分は、当社グループの持分とは別個に識別されます。被取得企業に対する非支配持分の測定については、非支配持分を公正価値で測定するか、被取得企業の識別可能な資産及び負債の純額に対する非支配持分の比例割合で測定するか、個々の企業結合取引ごとに選択しております。
のれんは、移転された企業結合の対価、被取得企業の非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計額が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にその超過額として測定しております。
割安購入により、当該金額が取得した識別可能資産及び負債の正味価額を下回る場合、差額は純損益として認識しております。
のれんは償却を行わず、毎年又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの帳簿価額は取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しております。のれんの減損損失は純損益として認識し、戻し入れは行っておりません。
のれんは、減損テスト実施のために、企業結合からの便益を得ることが期待される個々の資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
当社グループ各社の財務諸表は、その企業が事業活動を行う主たる経済環境の通貨である機能通貨で作成しております。連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。
外貨建取引は、取引日における為替レートで当社グループ各社の機能通貨に換算しております。期末日における外貨建の貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算し、換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定される金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債については期末日の為替レート、収益及び費用については、連結会計年度中の為替レートが著しく変動している場合あるいは超インフレ経済国の通貨である場合を除き、期中平均レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益として認識しております。当該差額は「在外営業活動体の為替換算差額」として、その他の資本の構成要素に含めております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動が処分された期間に純損益として認識しております。超インフレ経済下にある子会社の財務諸表は、決算日の直物為替相場により換算し、当社グループの連結財務諸表に反映しております。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から概ね3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(5) 金融商品
① デリバティブ以外の金融資産
(ⅰ)分類
当社グループは、デリバティブ以外の金融資産を、償却原価で測定される金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産、又は純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
償却原価で測定される金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合に償却原価で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
(a) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルに基づいて保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産
償却原価で測定される金融資産、又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産以外の金融資産のうち、当初認識時に事後の公正価値の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択をした資本性金融資産については、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。
ただし、純損益を通じて公正価値で測定しない金融資産に対し、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産として指定することにより、会計上のミスマッチを除去又は大幅に低減する場合には、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産として指定する取消不能な選択をする場合があります。
(ⅱ)当初認識及び測定
当社グループは、営業債権及びその他の債権を、これらの発生日に当初認識しております。その他のすべての金融資産は、当社グループが当該金融資産の契約当事者となった取引日に当初認識しております。すべての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類される場合を除き、公正価値に取引コストを加算した金額で当初測定しております。
(ⅲ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
償却原価で測定される金融資産
償却原価で測定される金融資産については、実効金利法による償却原価で測定しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
(a) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産に係る公正価値の変動額は、減損利得又は減損損失及び為替差損益を除き、当該金融資産の認識の中止が行われるまで、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、過去に認識したその他の包括利益は純損益に振り替えております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産に係る公正価値の変動額は、その他の包括利益として認識しております。当該金融資産の認識の中止が行われる場合、又は公正価値が著しく下落した場合、過去に認識したその他の包括利益は利益剰余金に直接振り替えております。なお、当該金融資産からの配当金については純損益として認識しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(ⅳ)認識の中止
金融資産は、キャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅したか、譲渡されたか、又は実質的に所有に伴うすべてのリスクと経済価値が移転した場合に認識を中止しております。
また当社グループは、金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
(ⅴ)減損
当社グループは償却原価で測定される金融資産に係る予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
信用リスクの著しい増大の判定
当社グループは、期末日ごとに、金融資産の債務不履行発生のリスクを期末日現在と当初認識日現在で比較し、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているかどうかを評価しております。
なお、当社グループは、信用リスクが著しく増大しているかどうかを当初認識以降の債務不履行の発生リスクの変化に基づいて判断しており、債務不履行の発生リスクに変化があるかどうかを評価するのにあたっては、主に期日経過の情報を考慮し、以下も考慮しております。
・金融資産の外部信用格付の著しい変化
・内部信用格付の格下げ
・借手の経営成績の悪化
予想信用損失アプローチ
予想信用損失は、契約に基づいて当社グループが受け取るべき契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいるキャッシュ・フローとの差額の現在価値であります。金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定し、著しく増加していない場合には、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
なお、上記にかかわらず、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で集合的に測定しております。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が発生した場合は、貸倒引当金の戻入額を純損益で認識しております。
② デリバティブ以外の金融負債
(ⅰ)分類
当社グループは、デリバティブ以外の金融負債を、償却原価で測定される金融負債に分類しております。ただし、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債として指定する取消不能な選択をする場合、当該金融負債は純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に分類しております。
(ⅱ)当初認識及び測定
当社グループは、当社グループが発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。その他のすべての金融負債は、当社グループが当該金融負債の契約当事者になる取引日に当初認識しております。すべての金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債に分類される場合を除き、公正価値に取引コストを加算した金額で当初測定しております。
(ⅲ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、償却原価で測定される金融負債については、実効金利法による償却原価で測定し、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債については、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しております。
(ⅳ)認識の中止
金融負債は消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に認識を中止しております。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスクや金利リスクをヘッジするために、為替予約及び金利スワップ等のデリバティブを利用しております。当該デリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定し、その後も公正価値で事後測定しております。
デリバティブの公正価値の変動額は、純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しております。
(ⅰ)ヘッジ会計の適格要件
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計の適格要件を満たすかどうかを評価するために、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、並びに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化しております。また、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値、又はキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し、ヘッジ有効性の要求をすべて満たしているかどうかについても、ヘッジ開始時に及び継続的に評価し文書化しております。なお、ヘッジ有効性の継続的な評価は、各期末日又はヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった時のいずれか早い方において行っております。
(ⅱ)適格なヘッジ関係の会計処理
ヘッジ会計の適格要件を満たすヘッジ関係については、以下のように会計処理しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額のうち、ヘッジ有効部分であるキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金はその他の包括利益として認識し、ヘッジ有効部分以外は純損益として認識しております。
ヘッジされた予定取引がその後に非金融資産若しくは非金融負債の認識を生じる場合、又は、非金融資産若しくは非金融負債に係るヘッジされた予定取引が公正価値ヘッジが適用される確定約定となった場合、キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金を直接、当該資産又は負債の当初原価又はその他の帳簿価額に振り替えております。
上記以外のキャッシュ・フロー・ヘッジに係るキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金は、ヘッジされた予想将来キャッシュ・フローが純損益に影響を与えるのと同じ期間に、純損益に振り替えております。
ただし、当該金額が損失であり、当該損失の全部又は一部が将来の期間において回収されないと予想する場合には、回収が見込まれない金額を、直ちに純損益に振り替えております。
ヘッジ会計を中止する場合、キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金は、ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生が依然見込まれる場合には、当該キャッシュ・フローが発生するまでキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金に残し、ヘッジされた将来キャッシュ・フローの発生がもはや見込まれない場合には、純損益に直ちに振り替えております。
④ 金融資産及び金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ純額ベースで決済するか又は資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ、相殺し、連結財政状態計算書において純額で表示しております。
⑤ 金融商品の公正価値
各報告日現在で活発な市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表価格又はディーラー価格を参照しております。活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法を使用して算定しております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産の取得原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のすべての原価を含めております。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で計上しております。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想売価から関連する販売直接費を控除した額であります。取得原価は主として総平均法を用いて算定しております。
(7) 有形固定資産
有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、撤去及び原状回復費用並びに借入費用で資産計上の要件を満たすものが含まれております。
取得後に追加的に発生した支出については、その支出により将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、金額を信頼性をもって測定することができる場合にのみ、当該取得資産の帳簿価額に算入するか個別の資産として認識するかのいずれかにより会計処理しております。他のすべての修繕及び維持に係る費用は、発生時に純損益として認識しております。
土地及び建設仮勘定以外の有形固定資産は、取得原価から残存価額を控除した償却可能価額について、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、定額法で償却しております。
主な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 : 3~50年
・機械装置及び運搬具 : 4~12年
・工具、器具及び備品 : 2~15年
有形固定資産の減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、期末日ごとに見直しを行っております。
(8) リース
2020年3月期よりIFRS第16号の適用に伴い、当社グループは、契約の開始時に、特定された資産の使用を支配する権利が一定期間にわたって対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しております。リース期間が12ヶ月以内のリース及び原資産が少額であるリース以外の全てのリースについて、原資産を使用する権利を表す使用権資産とリース料を支払う義務を表すリース負債を認識しております。リース開始日時点において、使用権資産はリース料総額の割引現在価値に取得時直接コスト等を調整した額で認識しており、リース負債はリース料総額の割引現在価値で認識しております。通常、当社グループは割引率として追加借入利子率を使用しており、使用権資産はリース期間にわたり定額法にて償却しています。リース料は、リース負債に係る金利を控除した金額をリース負債の減少として処理しております。金融費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
(9) 無形資産
無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識に際し取得原価で測定し、企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。なお、自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として計上しております。
無形資産は、資産の取得原価から残存価額を控除した額について、見積耐用年数にわたり、定額法で償却しております。主な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウエア : 5年
・開発資産 : 5年
無形資産の償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、期末日ごとに見直しを行っております。
(10) 非金融資産の減損
当社グループは四半期ごとに、各資産についての減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候が存在する場合、又は、毎年減損テストが要求されている場合には、その資産の回収可能価額を見積っております。回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値とその使用価値のうち高い方の金額で算定しております。処分コスト控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用しております。また、使用価値の評価における将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間価値に関する現在の市場評価及び当該資産に固有のリスク等を反映した割引率を使用して、現在価値まで割り引いております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超える場合に、純損益として認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しております。
のれん以外の資産に関しては、過年度に認識された減損損失について、四半期ごとに損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかどうかを評価しております。そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を超える場合、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として、減損損失を戻し入れております。
(11) 従業員給付
① 退職後給付
(a) 確定給付制度
当社及び一部の子会社では確定給付制度を採用しております。確定給付制度に関連して連結財政状態計算書で認識される資産又は負債は、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を差し引いた額であります。確定給付制度債務は、予測単位積増方式を用いて毎年算定しております。割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。
確定給付制度から生じる確定給付資産又は負債の純額の再測定は、発生した期間のその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。再測定は、確定給付制度債務に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(制度資産に係る利息収益の金額を除く)等で構成されております。過去勤務費用は、発生した期間に純損益として認識しております。
(b) 確定拠出制度
当社及び一部の子会社では確定拠出制度を採用しております。確定拠出制度の退職給付に係る費用は、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。
② その他の長期従業員給付
退職後給付以外の長期従業員給付に対する債務は、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を現在価値に割り引いて算定しております。
③ 短期従業員給付
短期従業員給付は、割引計算を行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。当社グループが、従業員から過去に提供された労働の結果として支払うべき現在の法的及び推定的債務を負っており、かつ、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合、支払われると見積られる額を負債として認識しております。
(12) 引当金及び偶発負債
引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために資源の流出が必要となる可能性が高く、その金額について信頼性をもって見積ることができる場合に認識しております。
引当金は、貨幣の時間価値が重要である場合には、債務の決済に必要とされると見込まれる支出に、貨幣の時間価値の現在の市場評価と当該債務に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値で測定しております。時間の経過による引当金の増加は純損益として認識しております。
製品保証引当金については、販売した製品の品質保証費用の支出に備えるため、過去の発生実績に基づいて見積もった支出のほか、個々の案件について合理的に算定した見込額を加えて計上しております。
環境引当金は、当社グループに法的義務又は推定的債務が存在する場合に、環境対策の支出に備えるため、必要と認められる額を計上しております。将来において経済的便益の流出が予測される時期は、将来の事業計画等により影響を受けます。
資産除去債務は、当社グループが使用する賃貸事業所・土地建物に対する原状回復義務に備え、将来支払うと見込まれる金額を計上しております。これらの費用は、事務所等の耐用年数を考慮して決定した使用見込期間経過後に支払われると見込んでおりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
期末日現在において発生可能性のある債務を有しているが、それが期末日現在の債務であるか否か確認ができないもの、又は引当金の認識基準を満たさないものについては、偶発負債として注記しております。
(13) 自己株式
自己株式は取得原価で評価し、資本から控除しております。当初の自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しております。
(14) 収益認識
① 物品の販売
当社グループは顧客との契約について以下の5ステップを適用することにより収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
当社グループは、自動車用品セグメントにおいては、防振ゴム、ホース、内装品、制遮音品、燃料電池(FC)部材、ゴムシール材などを国内外の顧客に提供しており、一般産業用品セグメントにおいては、精密樹脂ブレード・ロール、鉄道車両用・住宅用・橋梁用防振ゴム、高圧ホース・搬送用ホースなどを国内外の顧客に提供しております。これらの製品については、顧客に製品を引き渡した時点で、履行義務を充足したと判断し、同時点で収益を認識しております。
また、収益は、顧客との契約において約束された対価から値引等の見積りを控除した金額で算定しております。
② 役務の提供
役務の提供による収益は、通常の事業活動における役務の提供により受け取った対価又は債権の公正価値で測定しております。また、役務の提供に関する取引の成果を信頼性をもって見積ることができる場合には、その取引に関する収益は、期末日現在のその取引の進捗度に応じて認識しております。
③ 配当収益
配当に係る収益は、配当を受け取る権利が確定した時点で、対価又は債権の公正価値で認識しております。
(15) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ、補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。政府補助金が費用項目に関連する場合は、当該補助金で補償することが意図されている関連費用を認識する期間にわたって、規則的に純損益として認識しております。資産に関連する補助金の場合は、資産の耐用年数にわたって規則的に純損益として認識し、未経過の補助金収入を繰延収益として負債に計上しております。
(16) 金融収益及び金融費用
金融収益は、受取利息、受取配当金及びデリバティブ利益(その他の包括利益として認識されるヘッジ手段に係る利益を除く)等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。
金融費用は、支払利息及びデリバティブ損失(その他の包括利益として認識されるヘッジ手段に係る損失を除く)等から構成されております。
(17) 法人所得税
法人所得税費用は当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、その他の包括利益として認識される項目あるいは資本に直接認識される項目に関係する場合を除いて、純損益として認識しております。
当期税金は、当社グループが事業を行い、課税所得を生成している国において、期末日まで施行又は実質的に施行されている税率に基づき算定しております。
繰延税金資産及び負債は、資産負債法により、資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間に生じる一時差異に対して認識しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金や繰越税額控除のような、将来の税務申告において税負担を軽減させるものについて、それらを回収できる課税所得が生じる可能性の高い範囲内で認識しております。一方、繰延税金負債は、将来加算一時差異に対して認識しております。ただし、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合ではない取引で、かつ、取引時に会計上の純損益及び課税所得(欠損金)に影響を与えない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合
・子会社、関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期見直され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日において制定されている、又は実質的に制定されている税法及び税率に基づいて資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税法及び税率によって測定しております。
繰延税金資産及び負債の相殺が行われるのは、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、同一の納税主体又は純額ベースでの決済を行うことを意図している異なる納税主体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものである場合であります。
IAS第12号「法人所得税」に準拠した第2の柱の法人所得税にかかる繰延税金資産と繰延税金負債に関する認識及び情報開示について、例外処理を適用しております。
(18) 1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。
(19) セグメント情報
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を獲得し費用を発生させる事業活動の構成単位であります。すべての事業セグメントの事業の成果は、個別に財務情報が入手可能なものであり、かつ、各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、マネジメントが定期的にレビューしております。
4.重要な会計上の見積り及び判断
当社グループの連結財務諸表は、経営者の見積り及び仮定を含んでおります。これらの見積り及び仮定は、過去の実績及び期末日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づきますが、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直しております。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りを変更した会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識しております。
見積り及び仮定のうち、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある、主な見積り及び仮定は以下のとおりであります。
(1) 非金融資産の減損
当社グループは、有形固定資産、無形資産、使用権資産及びのれんについて、注記「3.重要性がある会計方針」に従って、使用価値及び処分コスト控除後の公正価値による回収可能価額に基づき、減損テストを実施しております。また使用価値の評価においては、将来のキャッシュ・フロー、割引率等について仮定を設定しております。これらの仮定については、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。また、処分コスト控除後の公正価値の評価については、評価手法モデルの選択等に当たり、評価に関する高度な専門知識を必要としております。
有形固定資産、無形資産、使用権資産及びのれんの当連結会計年度末の残高は連結財務諸表を、非金融資産の減損に関しては注記「12.のれん及び無形資産」、「13.非金融資産の減損」をご参照ください。
(2) 法人所得税
当社グループは、複数の租税区域の法人所得税の影響を受けます。世界各地における法人所得税の見積額を決定する際には、重要な判断が必要であります。取引及び計算方法によっては、最終的な税額に不確実性を含むものも多くあります。当社グループは追加徴収が求められるかどうかの見積りに基づいて、予想される税務調査上の問題について負債を認識しております。これらの問題に係る最終税額が当初に認識した金額と異なる場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
また、繰延税金資産は、将来減算一時差異を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しております。繰延税金資産の認識に際しては、課税所得が生じる可能性の判断において、将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、金額を算定しております。
課税所得が生じる時期及び金額は、事業計画を基礎としております。当該事業計画に含まれる将来売上高の予測やコスト削減施策による収益改善等の計画は、将来の経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、不確実性を伴うものであります。よって、実際に生じた課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
法人所得税に関連する内容及び金額に関しては、注記「18.法人所得税」をご参照ください。
(3) 製品保証引当金
当社グループは、販売した製品の品質保証費用の支出に備えるため、将来発生しうる見込額を製品保証引当金として計上しております。製品保証引当金には、過去の発生実績に基づいて見積もった支出のほか、個々の案件については対象製品の数量、対象製品あたりの対応諸費用、負担割合等から合理的に見込まれる金額を算定しております。当該見積りは、不確実性を有しており、状況の変化等により、実際の発生額とは異なる可能性があります。
製品保証引当金に関連する金額に関しては、注記「16.引当金」をご参照ください。
5.未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の公表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、2026年3月31日現在において当社グループが適用していない主なものは、以下のとおりです。適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積もることはできません。
6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、製品・サービス別の管理体制を置き、取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。
したがって、当社グループは、管理体制を基礎とした製品・サービス別のセグメントから構成されており、「自動車用品」、「一般産業用品」の2つを報告セグメントとしております。
各報告セグメント区分の主な製品・サービス又は事業内容は、以下のとおりであります。
(2) 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産及びその他の項目
報告セグメントの会計方針は、注記「3.重要性がある会計方針」で記載している当社グループの会計方針と同じであります。
報告セグメント間の内部売上高及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
当社グループの報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産及びその他の項目は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 1.セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益を含めた金額である事業利益を使用しております。
2.セグメント資産の調整額4,190百万円には各報告セグメントに配分していない全社資産22,762百万円及びセグメント間債権債務の相殺消去△18,572百万円が含まれております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 1.セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除し、持分法による投資損益を含めた金額である事業利益を使用しております。
2.セグメント資産の調整額△13,363百万円には各報告セグメントに配分していない全社資産8,813百万円及びセグメント間債権債務の相殺消去△22,176百万円が含まれております。
(3) 主要な製品及び役務からの収益
「(1) 報告セグメントの概要」及び「(2) 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産及びその他の項目」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(4) 地域別情報
外部顧客への売上高
(注) 売上高は販売先が所在している国ごとに分類しております。
非流動資産
(注) 非流動資産は資産の所在地によっております。また、金融商品、繰延税金資産、退職給付に係る資産を含んでおりません。
(5) 主要な顧客に関する情報
当社グループは、トヨタ自動車㈱とそのグループ会社及び本田技研工業㈱とそのグループ会社に対し製品の販売等を継続的に行っており、同グループに対する売上収益は連結全体売上収益の10%以上であります。
同グループに対する売上収益は、前連結会計年度は371,323百万円(自動車用品セグメント)であり、当連結会計年度は377,294百万円(自動車用品セグメント)であります。
7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。
(注) 前連結会計年度末及び当連結会計年度末の連結財政状態計算書上における「現金及び現金同等物」の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上における「現金及び現金同等物」の残高は一致しております。
8.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりであります。
9.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下のとおりであります。
(注) 当連結会計年度において売上原価に計上された棚卸資産の評価減の金額(△は戻し入れ金額)は、1,016百万円(前連結会計年度は918百万円)であります。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要な評価減の戻し入れはありません。
10.有形固定資産
有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりであります。なお、負債の担保として抵当権が設定された有形固定資産はありません。
(注) 取得原価に含めた借入費用はありません。
(注) 有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書上の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」、
減損損失は、連結損益計算書上の「その他の費用」に含まれております。
11.リース
(1) 使用権資産の増加額、減価償却費及び帳簿価額
使用権資産の増加額、減価償却費及び帳簿価額は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(2) リースに係る費用等
リースに係る費用等の内訳は以下のとおりであります。
リース負債の満期分析については、注記「21.金融商品 (3)財務リスク管理 ②流動性リスク」に記載しております。
12.のれん及び無形資産
(1) 取得原価、償却累計額及び減損損失累計額並びに帳簿価額
のれん及び無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりであります。
なお、耐用年数を確定できない重要な無形資産はありません。
(注) 無形資産の償却費は、連結損益計算書上の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」、減損損失は、連結損益計算書上の「その他の費用」に含まれております。
(2) 減損テスト
各資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額は以下のとおりであります。
のれんの減損テストの回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営陣によって承認された、最長5年間の事業計画を基礎としたキャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位の加重平均資本コスト(13.2%)により現在価値に割り引いて算定しております。事業計画の期間を超えるキャッシュ・フローは、資金生成単位が属する市場の長期平均成長率等(0%)をもとに推定しております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、のれんの減損損失は認識しておりません。減損テストに用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
13.非金融資産の減損
当社グループは、会社別・事業別に、キャッシュ・フローを生み出す最小単位をグルーピングしております。減損損失は、連結損益計算書の「その他の費用」に含まれております。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
自動車用品を製造する会社の生産設備等について、当初想定していた収益性が見込めなくなったことから減損処理を行っております。回収可能価額は、不動産鑑定評価額等に基づく処分コスト控除後の公正価値により算定されております。なお、公正価値ヒエラルキーはレベル3であります。
自動車用品セグメントにおいて、1,460百万円減損損失を計上しており、主な内容は以下の通りであります。
欧州の一部地域において、事業環境等の変化による収益性の低下が認められたため減損テストを実施した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったため1,155百万円の減損損失を計上しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
自動車用品を製造する会社の生産設備等について、当初想定していた収益性が見込めなくなったことから減損処理を行っております。回収可能価額は、使用価値により測定しており、将来キャッシュ・フローを税引前の加重平均資本コストを基礎とした割引率10.5%で割り引いて算定しております。なお、将来キャッシュ・フローの見込めないものは使用価値をゼロとして算定しております。
自動車用品セグメントにおいて、5,331百万円減損損失を計上しており、内容は以下の通りであります。
当社が保有する欧州自動車事業の無形資産に含まれる量産開始前の開発資産について、電気自動車の需要低迷等に伴う顧客の事業戦略の転換により収益性の低下が見られたこと、また国内自動車用品の生産設備等について、事業環境等の変化による収益性の低下が認められたことから、減損テストを実施した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、それぞれ2,976百万円、2,355百万円の減損損失を計上しております。
14.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりであります。
15.社債及び借入金
社債及び借入金の内訳は、以下のとおりであります。
(1) 社債
社債の発行条件の要約は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(2) 借入金
当連結会計年度における「短期借入金」、「1年内返済予定の長期借入金」、「長期借入金」の平均利率は、それぞれ6.52%、0.34%、0.58%であります。「長期借入金」の返済期限は2031年であります。
(3) 担保
担保に供している資産及び担保付債務はありません。
16.引当金
引当金の増減は、以下のとおりであります。
(注1) 各引当金の説明については、「3.重要性がある会計方針(12) 引当金及び偶発負債」に記載しております。
(注2) その他には、訴訟等関連費用の引当金が含まれておりますが、当社グループの立場が著しく不利になる可能性があるため、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」の92項に従い個別に記載しておりません。
17.従業員給付
(1) 採用している退職給付制度の概要
当社グループは、確定給付制度として、企業年金基金制度及び退職一時金制度等を設けております。また、当社グループは、確定拠出年金制度及び退職金前払制度を設けております。この他、従業員の退職等に関して、IAS第19号「従業員給付」に準拠した数理計算による確定給付制度債務の対象とされない特別退職金を支払う場合があります。
(2) 確定給付制度
当社グループでは、確定給付制度を設けております。給付額は勤続年数、職能・職務等級、役職等の評価要素に基づき決定されます。
① 確定給付制度に関するリスク
当社グループは、確定給付制度について様々なリスクに晒されております。主なリスクは、以下のとおりです。なお、当社グループは、制度資産に関して重大な集中リスクには晒されておりません。
② 連結財政状態計算書上の認識額
連結財政状態計算書上の確定給付に係る負債(資産)の純額は、以下のとおりであります。
③ 連結損益計算書上の認識額
連結損益計算書上の費用として認識した金額は、以下のとおりであります。
(注) 当社は、2025年4月1日より退職一時金制度の一部を確定拠出年金制度に移行いたしました。
④ 確定給付制度債務
確定給付制度債務の増減は、以下のとおりであります。
(注1) 数理計算上の差異は主に財務上の仮定の変化により生じた差異であります。
(注2) 当社は、2025年4月1日より退職一時金制度の一部を確定拠出年金制度に移行いたしました。
(注3) 確定給付制度債務の加重平均デュレーションは10.0年(前連結会計年度は9.8年)であります。
⑤ 制度資産
制度資産の投資方針としては、資本性金融資産、負債性金融資産及び保険契約等に分散したポートフォリオを構成し、将来の給付義務を全うできる水準の収益を長期的・安定的に目指しております。
なお、投資方針については、企業年金基金制度の財政状況や運用環境を勘案しながら、必要に応じて見直しを行うこととしております。
また、各資産の運用を実行する際にも、リスク分散に留意し、継続的なモニタリングを通じて運用面の効率性を追求することとしております。
制度資産の公正価値の増減は、以下のとおりであります。
(注) 翌年度の予想拠出額は748百万円であります。
制度資産の公正価値の内訳は、以下のとおりであります。
⑥ 資産の上限額の影響の変動
⑦ 数理計算上の仮定
数理計算のために使用した主要な仮定は、以下のとおりであります。
⑧ 感応度分析
数理計算上の仮定が変動した場合の確定給付制度債務への影響は、以下のとおりであります。本分析においては、その他すべての変数は一定のものと仮定しております。また、本分析は報告期間の末日において合理的と見込まれる変数の変動幅に基づいております。
(3) 確定拠出制度
確定拠出制度に係る退職給付費用は、従業員がサービスを提供した期間に費用として認識し、未払拠出額を負債として認識しております。
確定拠出制度に係る退職給付費用は、以下のとおりであります。
18.法人所得税
(1) 繰延税金
① 繰延税金資産及び負債の変動内訳
繰延税金資産及び負債の変動の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 純損益で認識した額と繰延税金費用の合計との差額は、為替の変動によるものであります。
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 純損益で認識した額と繰延税金費用の合計との差額は、為替の変動によるものであります。
当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異又は繰越欠損金の一部又は全部が将来の課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来の課税所得及びタックスプランニングを考慮しております。当社グループは、認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が認識できる期間における将来の課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性は高いと判断しております。ただし、認識可能と考えられる繰延税金資産の金額は、控除可能期間における将来の課税所得見込が減少すれば、同様に減少することとなります。
② 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効予定は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
③ 繰延税金負債が認識されていない子会社に対する持分に関する将来加算一時差異
当連結会計年度において繰延税金負債として認識されていない子会社の留保利益に関連する一時差異の総額は13,024百万円(前連結会計年度は10,711百万円)であります。
上記の一時差異は、当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高いため、当該一時差異に係る繰延税金負債を認識しておりません。
(2) 法人所得税費用
① 税金費用
法人所得税費用の主要な内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(注) 一時差異等の発生及び解消には、繰延税金資産の評価減又は以前に計上した評価減の戻入(繰延税金資産の回収可能性の評価)により生じた費用の額が含まれております。これに伴う、前連結会計年度及び当連結会計年度における繰延税金費用の増減額は、それぞれ4,739百万円(増加)及び1,389百万円(減少)であります。
② 法定実効税率と実際負担税率の調整表
当社グループの法定実効税率と実際負担税率との調整は、以下のとおりであります。実際負担税率は税引前当期利益に対する法人所得税費用の負担割合を表示しております。
(注) 当社グループは、主に法人税、住民税及び損金算入される事業税を課されており、これらを基礎として計算した当連結会計年度の法定実効税率は30.6%(前連結会計年度は30.6%)であります。なお、日本の「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立したことに伴い、前連結会計年度より繰延税金資産及び繰延税金負債の計算(2026年4月1日以降解消されるものに限る)に使用する法定実効税率は、31.5%に変更されております。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
(グローバル・ミニマム課税制度)
日本においては令和5年度税制改正において、グローバル・ミニマム課税に対応する法人税が創設され、それに係る規定を含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号))が2023年3月28日に成立しております。同法では、BEPSのグローバル・ ミニマム課税ルールのうち所得合算ルール(IIR)が導入されており、2024年4月1日以後開始連結会計年度より適用となっております。
当社グループでは前連結会計年度より、一部子会社の所在する軽課税国での税負担率が最低税率の15%に至るまで日本に所在する親会社に対して追加で上乗せ課税される金額を見積もり、前連結会計年度に71百万円の税金費用を計上しております。当連結会計年度において、確定申告結果を踏まえて金額を見積もった結果、前連結会計年度に計上した引当額の一部を取り崩しております。これにより、当連結会計年度の税金費用が70百万円減少しております。
なお、当社グループは、IAS第12号で定められる例外措置を適用し、上記税金費用に関する繰延税金資産及び負債について認識及び開示を行っておりません。
19.収益
(1)収益の分解
当社グループは、自動車用品セグメントにおいては、防振ゴム、ホース、内装品、制遮音品、燃料電池(FC)部材、ゴムシール材などを国内外の顧客に提供しており、一般産業用品セグメントにおいては、精密樹脂ブレード・ロール、鉄道車両用・住宅用・橋梁用防振ゴム、高圧ホース・搬送用ホースなどを国内外の顧客に提供しております。これらの製品については、顧客に製品を引き渡した時点で、履行義務を充足したと判断し、同時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から値引等の見積りを控除した金額で算定しております。
地域別の収益とセグメント売上の収益の関連は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注) 金額は、外部顧客への売上高で表示しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(注) 金額は、外部顧客への売上高で表示しております。
(2)契約残高
顧客との契約から生じた債権及び契約負債の残高は以下のとおりです。
連結財政状態計算書において、顧客との契約から生じた債権は、営業債権及びその他の債権に含まれております。
当連結会計年度の期首現在の契約負債残高はすべて、当連結会計年度の収益として認識しております。
(3)残存履行義務に配分した取引価格
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
(4)顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産
当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。また、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、契約獲得の増分コストを発生時に費用として認識しております。
20.売却目的で保有する資産
売却目的で保有する資産の内訳は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
自動車用品事業セグメントに属する海外子会社が保有する建物等について、売却目的で保有する資産に分類しております。これらの資産は、翌連結会計年度に売却する事を予定しております。
当連結会計年度(2026年3月31日)
自動車用品事業セグメントに属する海外子会社が保有する建物等について、売却目的で保有する資産に分類しております。これらの資産は、翌連結会計年度に売却する事を予定しております。
21.金融商品
(1) 資本管理
当社グループの資本管理における目的は、株主へのリターンの提供、他の利害関係者への便益の供与、並びに資本コスト削減に向けた最適な資本構成の維持のために、継続企業として存続するためのグループの能力を維持することにあります。
資本構成を維持又は調整するために、当社グループは、株主に対して支払う配当の金額を調整したり、株主に対して資本を償還したり、新株を発行したり、又は資産の売却による債務の削減を行う場合があります。
当社グループは有利子負債から現金及び現金同等物を控除した正味有利子負債及び親会社の所有者に帰属する持分、資本負債比率を管理対象としており、各数値は以下のとおりであります。
当社グループは、中期経営計画の策定及び見直しの都度、収益及び投資計画に加え、これらの指標についてもマネジメントがモニターし、確認しております。
なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
(2) 金融商品の分類
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産は、連結財政状態計算書における「その他の金融資産」に含まれております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債及びヘッジ手段として指定された金融負債は、連結財政状態計算書における「その他の金融負債」に含まれております。
なお、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産及び金融負債として指定する取消不能な選択を行った金融資産及び金融負債は保有しておりません。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
当社グループは、投資先との取引関係の維持、強化による収益基盤の拡大を目的とする長期保有の株式について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に指定しております。
報告期間末に「その他の金融資産」に計上されている、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値及び受取配当金は以下のとおりであります。
期中に処分したその他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産は、以下のとおりであります。
資本性金融資産は、保有資産の効率化及び有効活用を図るため、定期的に公正価値や発行体の財務状況を把握し、保有の是非について見直しております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えた累積利得(税引後)は、それぞれ721百万円、13百万円であります。
(3) 財務リスク管理
当社グループは、信用リスク、流動性リスク、市場リスク(為替リスク、金利リスク及び株価変動リスク)等の様々なリスクに晒されております。また、当社グループは市場リスクをヘッジするために、先物為替予約、金利スワップ等のデリバティブ金融商品を利用しております。デリバティブ取引の執行・管理については、取引権限を定めた社内規程に従っており、デリバティブ金融商品を利用した投機的な取引は行わない方針であります。
また、当社グループは設備投資計画に照らして、必要な資金(主に銀行借入や社債発行)を調達しております。一時的な余剰資金は安全性の高い金融資産で運用し、短期的な運転資金を銀行借入により調達しております。資金調達に係る流動性リスクについては、各社が月次で資金繰り計画を作成するなどの方法により管理しております。
① 信用リスク
当社グループは、保有する金融資産の相手先の債務が不履行になることにより、金融資産が回収不能になるリスク、すなわち信用リスクに晒されております。当該リスクに対応するために、当社グループの与信管理規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を定期的に把握する体制としております。さらに、必要に応じて担保設定・ファクタリング等を利用することによって保全措置を図っております。
また、当社グループでは、為替相場の変動に係るリスクを軽減するために、金融機関等とデリバティブ金融商品の取引を行っておりますが、デリバティブ金融商品の取引については、信用力の高い金融機関を相手方として行うことが基本となっており、信用リスクに及ぼす影響は限定的であります。
当社グループは、取引先が締結しているリース契約に係る支払債務について金融保証契約を締結しております。当該契約に基づき、取引先が支払期日に債務を履行しない場合には、当社グループが当該債務を履行する義務を負っております。当該金融保証契約に係る信用リスクについては、取引先の財務状況及び事業の継続状況等を把握し、継続的にモニタリングすることにより管理しており、現時点において重要な信用リスクの増大は認識しておりません。
なお、特定の取引先について重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。
金融資産については、連結財務諸表に表示されている減損後の帳簿価額が、当社グループの信用リスクに係る最大エクスポージャーとなります。
これらの信用リスクに係るエクスポージャーに関し、担保として保有する物件及びその他の信用補完するものはありません。
(ⅰ)信用リスク・エクスポージャー
営業債権、その他の債権及びその他の金融資産に係る当社グループの信用リスク・エクスポージャーは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(ⅱ)貸倒引当金の増減分析
当社グループは、取引先の信用状態に応じて営業債権等の回収可能性を検討し、貸倒引当金を計上しております。貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(単位:百万円)
② 流動性リスク
当社グループは、金融機関からの借入や社債を発行することにより、運転資金や設備投資資金の調達を行っておりますが、これらの債務の履行が困難となるリスク、すなわち流動性リスクに晒されております。当社グループは、事業を遂行するにあたって必要最小限の手元資金を確保するために、適宜金融機関からの借入、社債の発行を行っており、また突発的な資金需要の発生や市場の流動性が著しく低下した時等の緊急的な事態に備えてコミットメントラインを設定しております。
また、当社は、グループ各社の資金需要を適宜把握した上で、月次ベースの資金計画を作成し、流動性リスクを管理しております。
当社グループの非デリバティブ金融負債及びデリバティブ金融負債の残存契約満期期間ごとの金額は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2026年3月31日)
(単位:百万円)
(注)1年内返済予定の長期借入金を含んでおります。
③ 市場リスク
(ⅰ)為替リスク
当社グループは、グローバルに事業展開を行っており、一部の原材料の調達及び製品の販売を外貨建取引で実施していることから、当該取引より発生する外貨建の債権債務について、為替リスクに晒されております。当社グループの為替リスクは、主に米ドル、人民元及びユーロの為替変動により発生しております。当社グループは、外貨建の債権債務について、それらから発生する為替リスクが将来的に相殺されることも考慮の上、先物為替予約等を付すことにより、当該為替リスクをヘッジしております。
為替感応度分析
以下の表は、当社グループの為替リスクエクスポージャー(純額)に対する感応度分析であります。
(単位:百万円)
感応度分析は、期末に保有している外貨建の金融商品を対象に、1%円高となった場合に税引前当期利益に与える影響額を示しております。本分析においては、その他すべての変数は一定のものと仮定しております。
(ⅱ)金利リスク
当社グループは、事業活動を進める上で、運転資金及び設備投資等に必要となる資金を調達することに伴い発生する利息を支払っておりますが、変動金利での借入を行っている場合には、利息の金額は市場金利の変動に影響を受けることから、利息の将来キャッシュ・フローが変動する金利リスクに晒されております。当社グループは、原則として、資金使途を設備投資等の目的としている長期借入金のうち、変動金利の借入については、金利の上昇による利息の支払額の増加を抑えるために、利息の受取額を変動金利、利息の支払額を固定金利としてその差額を授受する金利スワップ契約を金融機関と締結しております。
その結果、利息の支払いが当社グループに与える影響は小さく、金利リスクは当社グループにとって重要なものではないと考えているため、金利感応度分析は行っておりません。
(ⅲ)株価変動リスク
当社グループは、事業活動の円滑な推進を目的として、主に業務上の関係を有する会社の株式を保有していることから、株価変動リスクに晒されております。当社グループは、定期的に公正価値や取引先企業の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。
株式は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しており、株価変動に対する損益への影響はなく、また、その他の包括利益への影響も軽微です。
(4) 金融商品の公正価値
① 公正価値の測定方法
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)
これらは短期間で決済されるものであるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
その他の金融資産のうち、3ヶ月超の定期預金等については、短期間で決済されるものであるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産のうち、上場株式については取引所の市場価格、非上場株式については簿価純資産法を用いて算定しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融資産及び金融負債並びにヘッジ手段として指定された金融資産及び金融負債であるデリバティブについては、取引先金融機関から提示された価格に基づいて算定しております。
(社債、借入金)
短期借入金については短期間で決済されるものであるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。社債及び長期借入金(1年内返済予定を含む)については、将来キャッシュ・フローを、同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
② 金融商品の区分ごとの公正価値
償却原価で測定される金融商品の公正価値は以下のとおりであります。帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品は、下表に含めておりません。なお、公正価値で測定される金融商品については、「(2) 金融商品の分類」において開示しております。
(注)1年内返済予定の長期借入金を含んでおります。
償却原価で測定される金融商品の公正価値ヒエラルキーはすべてレベル2であります。
③ 公正価値ヒエラルキー
以下の表は、金融資産及び金融負債に関する経常的な公正価値測定を分析したものであります。これらの公正価値測定は、用いられる評価技法へのインプットに基づいて、3つの公正価値ヒエラルキーのレベルに区分されております。それぞれのレベルは、以下のように定義付けられております。
レベル1:当社グループが測定日にアクセスできる、同一の資産又は負債に関する活発な市場における相場価格(無調整)
レベル2:レベル1に含まれる相場価格以外のインプットのうち、資産又は負債について直接的又は間接的に観察可能なもの
レベル3:資産又は負債に関する観察可能でないインプット
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しております。
前連結会計年度(2025年3月31日)
当連結会計年度(2026年3月31日)
前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1と2間の振替はありませんでした。
④ レベル2、3に区分される公正価値測定に関する情報
(a) 評価技法及びインプット
レベル2の金融資産及び金融負債は、デリバティブ金融資産及びデリバティブ金融負債であります。これらの公正価値は、取引先金融機関から提示された価格に基づき算定しております。
レベル3の金融資産は、主として非上場株式であります。非上場株式の公正価値は、簿価純資産法を用いて算定しております。非上場株式の公正価値測定にあたっては、公正価値が簿価純資産に近似していると考えられるため、取引先から入手した決算数値等に基づき算定しております。
(b) 評価プロセス
レベル3の金融商品に係る公正価値の測定は、関連する社内規程に従い実施しております。公正価値の測定に際しては、対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価技法及びインプットを用いております。また公正価値の測定結果については上位役職者のレビューを受けております。
(c) レベル3に区分される経常的な公正価値測定
経常的に公正価値で測定されるレベル3に分類される金融商品の公正価値の測定に関する重要な観察可能でないインプットは、純資産価値であります。公正価値は純資産の簿価の上昇(低下)等により増加(減少)します。
レベル3に分類される金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の公正価値の増減は重要ではありません。
⑤ レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表
(単位:百万円)
(注) その他の包括利益に含まれている利得及び損失は報告期間末時点に保有する市場で取引されていない株式等に関するものであります。これらは「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産」に含まれております。
(5) デリバティブ金融商品
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループは、変動金利の借入に関するキャッシュ・フローの変動をヘッジするために金利スワップを利用しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動は、その他の包括利益として認識し、その他の資本の構成要素に含まれており、ヘッジ対象が純損益に認識された時点で純損益へ振り替えております。
当連結会計年度末において、キャッシュ・フローが発生すると見込まれる期間及びそれらが純損益に影響を与えることになると見込まれる期間は1年です。
ヘッジ会計を適用していないデリバティブ
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計を適用する要件を満たさない場合も含め、デリバティブを利用することが経済的に合理的である場合に、デリバティブを利用しております。
当社グループは、外貨建資産・負債に係る為替変動リスクを回避するために為替予約を利用しております。当該デリバティブ取引にはヘッジ会計を適用せずに、公正価値の変動はすべて純損益に認識しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、ヘッジ手段として指定されたデリバティブは以下のとおりであります。
前連結会計年度(2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(2026年3月31日)
該当事項はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、ヘッジ対象として指定された資産又は負債は以下のとおりであります。
前連結会計年度 (2025年3月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度 (2026年3月31日)
該当事項はありません。
前連結会計年度及び当連結会計年度における、ヘッジ会計の適用による連結損益計算書への影響は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(単位:百万円)
(注) 税効果調整前の金額であります。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
該当事項はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、ヘッジ会計を適用していないデリバティブの公正価値は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値全額は、ヘッジ対象の満期までの期間が12ヶ月を超える場合には非流動資産又は負債に、また12ヶ月を超えない場合には流動資産又は負債に分類しております。
22.キャッシュ・フロー情報
財務活動に係る負債の変動
財務活動に係る負債の変動は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
23.資本及びその他の資本項目
(1) 資本金及び資本剰余金
授権株式数、発行済株式総数及び資本金等の残高の増減は以下のとおりであります。
(注1) 当社の発行する株式は、無額面普通株式であります。
(注2) 発行済株式は、全額払込済であります。
(注3)2026年3月18日開催の取締役会決議により、2026年3月31日付で自己株式を消却し、発行済株式総数が104,042,806株から221,300株減少し、103,821,506株となりました。
(2) 自己株式
自己株式数及び自己株式残高の増減は、以下のとおりであります。
(注1) 自己株式数及び自己株式残高の期中増加は、単元未満株式の買取等によるものであります。2026年3月18日開催の取締役会決議により、2026年3月31日付で当社保有の自己株式すべて消却しております。
(注2) 関連会社が保有する自己株式は、前連結会計年度末において17百万円であります。
(3) その他の資本の構成要素
① その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の公正価値の変動額であります。
② キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループは将来キャッシュ・フローの変動リスクを回避するためのヘッジを行っており、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブ取引の公正価値の変動額のうち有効と認められる部分であります。
③ 在外営業活動体の為替換算差額
外貨建で作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額であります。
④ 確定給付制度の再測定
確定給付制度債務に係る数理計算上の差異、制度資産に係る収益(制度資産に係る利息収益の金額を除く)等で構成されております。
(4) 配当金
各年度における配当金支払額は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
また、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
24.費用の性質別内訳
売上原価、販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
25.金融収益及び金融費用
(1) 金融収益
金融収益の内訳は、以下のとおりであります。
(2) 金融費用
金融費用の内訳は、以下のとおりであります。
(注1) 金利デリバティブの評価損益は、支払利息に含めております。
(注2) 通貨デリバティブの評価損益は、為替差損に含めております。
26.その他の収益及びその他の費用(金融収益及び金融費用を除く)
(1) その他の収益
その他の収益の内訳は、以下のとおりであります。
(2) その他の費用
その他の費用の内訳は、以下のとおりであります。
27.その他の包括利益
その他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額は、以下のとおりであります。
28.1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりであります。
29.偶発負債
自動車用品事業において、同分野の競争法違反行為により被害を被ったとして、一部の自動車メーカーと損害賠償に関する交渉を行っております。
また、当社グループの欧州子会社に対し、元取引先より、取引関係の終了等に関連して損害賠償を請求する書面が送付されております。本件については現在対応中であり、現時点で本件が連結財務諸表に与える影響を合理的に見積もることは困難であります。
なお、当社グループの立場が著しく不利になる可能性があるため、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」の92項に従い、本訴訟等に係る詳細な開示は行っておりません。
30.関連当事者との取引
(1) 親会社
当社グループは、当社株式の100%を保有する住友電気工業㈱(日本で設立)によって支配されております。
(2) 関連当事者との取引
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
当社グループと関連当事者との間の取引及び債権債務の残高は以下のとおりであります。
取引条件及び取引条件の決定方針等
(注)余剰資金の短期運用のための貸付金であります。受取利息の金利については、市場の実績金利を考慮の上、決定しております。
(3) 経営幹部に対する報酬
当社グループの経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
31.子会社
(1) 主要な子会社の状況
当社グループの主要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりであります。
(2) 当社グループにとって重要な非支配持分がある子会社の要約財務情報等
SumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd.
なお、SumiRiko Eastern Rubber (Thailand) Ltd.の前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の資産合計は、それぞれ48,436百万円及び54,487百万円、負債合計は、それぞれ6,369百万円及び6,662百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度の当期利益のうち非支配持分に配分された金額は、それぞれ1,038百万円、963百万円、非支配持分に支払われた配当金は、それぞれ667百万円、518百万円です。
32.持分法で会計処理されている投資
持分法で会計処理されている、個々に重要性のない関連会社に対する当社グループに帰属する持分の帳簿価額は、以下のとおりであります。
持分法で会計処理されている、個々に重要性のない関連会社の要約財務情報は、以下のとおりであります。なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものであります。
(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社グループの持分の認識を停止している関連会社に対する重要な累積投資損失は該当ありません。
33.超インフレの調整
2023年3月期において、トルコにおける3年間の累積インフレ率が100%を超えたため、当社グループはトルコ・リラを機能通貨とするトルコの子会社について、超インフレ経済下で営業活動を行っていると判断いたしました。このため当社グループは、トルコの子会社の財務諸表について、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に定められる要件に従い、報告期間の末日現在の測定単位に修正した上で、当社グループの連結財務諸表に含めております。
当社グループは、トルコにおける子会社の財務諸表の修正のため、Turkish Statistical Institute が公表するトルコの消費者物価指数から算出する変換係数を用いております。
各財政状態計算書日に対応するトルコの消費者物価指数及び変換係数は次のとおりであります。
超インフレ経済下にある子会社は、取得原価で表示されている有形固定資産等の非貨幣性項目について、取得日を基準に変換係数を用いて修正しております。現在原価で表示されている貨幣性項目及び非貨幣性項目については、報告期間の末日現在の測定単位で表示されていると考えられるため、修正しておりません。
超インフレ経済下にある子会社の財務諸表は、決算日の直物為替相場により換算し、当社グループの連結財務諸表に反映しております。
この結果、当連結会計年度における当社グループの事業利益は25百万円減少、親会社の所有者に帰属する当期利益は202百万円減少し、当連結会計年度末における資産合計は570百万円増加しております。
34.後発事象
当社は、2026年6月18日開催の取締役会において、2026年7月31日を効力発生日(予定)として、吸収分割により、住友電気工業株式会社(以下「住友電気工業」)の完全子会社である当社の社債に係る債務(これに関連する契約その他の権利義務を含む。)並びに当該社債の元本及び未払利息に相当する額の金銭その他の財産(以下「本承継権利義務等」)を住友電気工業に承継させること(以下「本吸収分割」)に関し、住友電気工業との間で吸収分割契約(以下「本吸収分割契約」)を締結することを決議し、2026年6月26日付で住友電気工業との間で本吸収分割契約を締結いたしました。
(1)本吸収分割の概要
① 本吸収分割の相手会社の商号
住友電気工業株式会社
② 本吸収分割の目的
本吸収分割は、当社において社債を保有することで生じる実務負担を軽減することを企図しております。
③ 本吸収分割の方式
当社を分割会社とし、住友電気工業株式会社を承継会社とする吸収分割です。
④ 本吸収分割に係る割当ての内容
本吸収分割に際しては、住友電気工業は当社に対し、対価を交付しません。
⑤ 本吸収分割の日程
本吸収分割契約締結に係る取締役会決議日 2026年6月18日
本吸収分割契約締結日 2026年6月26日
本吸収分割の効力発生日(予定) 2026年7月31日
※本吸収分割は、分割会社である当社においては会社法第784条第1項に定める略式吸収分割に該当するため、当社は本吸収分割契約承認に係る株主総会を開催しません。
⑥ 承継会社が承継する資産、負債の項目及び金額
なお、上記資産及び負債のほか、本吸収分割により住友電気工業が当社から承継する社債の元本債務について効力発生日までに発生する未払利息債務及びそれに相当する金銭も含まれます。
(2)当該事象の財務上の影響額
本吸収分割により、当社は、資産及び負債が減少することとなりますが、当該減少額に相当する金額・条件の借入を行うことから、当社の連結財務諸表に与える影響は軽微であります。
(2) 【その他】
当連結会計年度における半期情報等
2 【財務諸表等】
(1) 【財務諸表】
① 【貸借対照表】
② 【損益計算書】
③ 【株主資本等変動計算書】
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
【注記事項】
(重要な会計方針)
1.資産の評価基準及び評価方法
(1) 有価証券
満期保有目的の債券………………償却原価法
子会社株式及び関連会社株式……移動平均法による原価法
その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの……………時価法
(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定しております。)
市場価格のない株式等……………移動平均法による原価法
(2)デリバティブ等の評価基準及び評価方法
デリバティブ…………………時価法
(3)棚卸資産の評価基準及び評価方法
主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しております。)
2.固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法を採用しております。
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づき定額法を採用しております。また、営業権については、見込存続期間を償却年数(5年)とする定額法によっております。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リースに係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しております。
3.引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
① 退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
② 数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用については、その発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(15年)による定額法により費用処理しております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間内の一定の年数(15年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
(3) 関係会社事業損失引当金
関係会社の事業に係る損失に備えるため、当該会社の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しております。
(4) 製品保証引当金
販売した製品の品質保証費用の支出に備えるため、過去の発生実績に基づいて見積もった支出のほか、個々の案件について合理的に算定した見込額を加えて計上しております。
(5) 役員賞与引当金
役員に対して支給する賞与の支出に備えるため、当事業年度に見合う支給見込額に基づき計上しております。
(6) 事業構造改善引当金
事業構造改善に伴い発生する費用の支出に備えるため、その発生見込額を計上しております。
(7) 債務保証損失引当金
関係会社への債務保証等に係る損失に備えるため、当該会社の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しております。
4.収益及び費用の計上基準
自動車用品セグメントにおいては、防振ゴム、ホース、内装品、制遮音品、燃料電池(FC)部材、ゴムシール材などを国内外の顧客に提供しており、一般産業用品セグメントにおいては、精密樹脂ブレード・ロール、鉄道車両用・住宅用・橋梁用防振ゴム、高圧ホース・搬送用ホースなどを国内外の顧客に提供しております。これらの製品については、顧客に製品を引き渡した時点で、履行義務を充足したと判断し、同時点で収益を認識しております。
5.外貨建の資産又は負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、事業年度末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。
6.重要なヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用しております。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段…金利スワップ
ヘッジ対象…借入金利息
(3) ヘッジ方針
デリバティブ取引は、内規に基づき、為替変動リスク及び金利変動リスクを回避するために行っております。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジの有効性の評価は、ヘッジ対象とヘッジ手段を明らかにした上で、ヘッジ対象の相場変動又はキャッシュ・フロー変動とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー変動を比較し、両者の変動額を基礎として継続的(原則3ヶ月毎)に行っております。
ただし、名目金額、満期、基礎数値等、ヘッジ手段とヘッジ対象の重要な条件が完全に若しくはほぼ一致しており、両者の経済的な相殺効果が明らかである場合には、事前判定をもって有効性の判定に代えることとしております。
7.その他財務諸表作成のための重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の未処理額の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(2) グループ通算制度の適用
当社では、グループ通算制度を適用しております。
(重要な会計上の見積り)
1.固定資産の減損
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
(百万円)
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する事項
当社は、各事業を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として、減損の兆候判定を行っております。判定においては、営業活動から生じる損益や、使用範囲又は方法について回収可能価額を著しく低下させる変化の有無等を検討しております。そのうえで、減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がそれらの帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。また、使用価値の評価においては、将来のキャッシュ・フロー、割引率等について仮定を設定しております。これらの仮定については、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
2.繰延税金資産
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
繰延税金資産の金額は、財務諸表「注記事項(税効果会計関係)」の1.に記載の金額と同一であります。
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する事項
連結財務諸表「連結財務諸表注記(4.重要な会計上の見積り及び判断)(2)法人所得税」に同一の内容を記載しているため記載を省略しております。
3.製品保証引当金
(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額
(百万円)
(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する事項
連結財務諸表「連結財務諸表注記(4.重要な会計上の見積り及び判断)(3)製品保証引当金」に同一の内容を記載しているため記載を省略しております。
(表示方法の変更)
(損益計算書)
前事業年度において「営業外費用」に独立掲記しておりました「子会社管理費用」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「その他」へ含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事 業年度の財務諸表の組替えを行っております。この結果、前事業年度の損益計算書において、「営業外費用」の「子会社管理費用」151百万円、「その他」545百万円は、「その他」696百万円として組み替えております。
前事業年度において「特別損失」に独立掲記しておりました「関係会社事業損失引当金繰入額」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「その他」へ含めて表示しております。また、前事業年度において「特別損失」の「その他」に含めておりました「減損損失」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っております。この結果、前事業年度の損益計算書において、「特別損失」の「関係会社事業損失引当金繰入額」273百万円は、「その他」273百万円として組み替えており、「その他」247百万円は、「減損損失」247百万円として組み替えております。
(貸借対照表関係)
※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分掲記したものを除く)
※2 保証債務
下記の関係会社の金融機関借入金等に対し、次のとおり債務保証を行っております。
上記のうち外貨建保証債務は、事業年度末日の為替相場により円換算しております。
(損益計算書関係)
※1 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度20%、当事業年度18%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度80%、当事業年度82%であります。
販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。
※2 関係会社との取引に係るものが次のとおり含まれております。
※3 減損損失
当社は、減損損失の測定に当たり、各事業を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位としてグルーピングを行っており、遊休資産については個別資産ごとにグルーピングを行っております。
当社は以下の資産グループについて最近の業績動向及び今後の見通しを踏まえた結果、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しました。
前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
なお、回収可能価額は、不動産鑑定評価額等に基づく正味売却価額により算定されております。
上記の事業用資産については、当該減少額を減損損失として「特別損失」の「減損損失」に計上しております。遊休資産及び社員寮については、当該減少額を「営業外費用」の「その他」に計上しております。
当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
なお、回収可能価額は、使用価値により算定しておりますが、将来キャッシュ・フローの見込めないものは使用価値をゼロとして算定しております。
上記の事業用資産については、当該減少額を減損損失として「特別損失」の「減損損失」に計上しております。長期前払費用は、投資その他の資産「その他」で計上している欧州自動車事業の開発費用になります。遊休資産については、当該減少額を「営業外費用」の「その他」に計上しております。
(有価証券関係)
子会社株式及び関連会社株式(当事業年度の貸借対照表計上額は子会社株式48,700百万円、関連会社株式1,593百万円、前事業年度の貸借対照表計上額は子会社株式37,741百万円、関連会社株式1,593百万円)は、市場価格のない株式等のため、時価を記載しておりません。
(税効果会計関係)
1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主要な項目別の内訳
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、連結財務諸表「連結財務諸表注記(3.重要性がある会計方針(14)収益認識」に同一の内容を記載しているため記載を省略しております。
(重要な後発事象)
「連結財務諸表注記 34.後発事象」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。
④ 【附属明細表】
【有形固定資産等明細表】
(単位:百万円)
(注) 1.当期増加額のうち主なもの(建設仮勘定の増加額の多くは本勘定に振替られているため、記載を省略しております。)
2.「当期減少額」欄の( )は内数で、当期の減損損失計上額であります。
【引当金明細表】
(単位:百万円)
(注)関係会社事業損失引当金の当期減少額のうち17,020百万円は、関係会社株式・出資金評価損との相殺に
よるものです。
(2) 【主な資産及び負債の内容】
連結財務諸表を作成しているため、記載を省略しております。
(3) 【その他】
該当する事項はありません。
第6 【提出会社の株式事務の概要】
第7 【提出会社の参考情報】
1 【提出会社の親会社等の情報】
当社は、上場会社でないため金融商品取引法第24条の7第1項の適用がありません。
2 【その他の参考情報】
当事業年度の開始日から有価証券報告書提出日までの間に、次の書類を提出しております。
(1) 有価証券報告書及びその添付書類並びに確認書
(2) 内部統制報告書及びその添付書類 2025年6月20日 関東財務局長に提出
(3) 半期報告書及び確認書
(4) 臨時報告書 2025年5月9日 関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象)の規定に基づく臨時報告書であります。
2025年6月26日 関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2(株主総会における議決権行使の結果)の規定に基づく臨時報告書であります。
2025年12月23日 関東財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2(取締役会における株式売渡請求の承認)の規定に基づく臨時報告書であります。
2026年5月12日 東海財務局長に提出
金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第12号(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象)の規定に基づく臨時報告書であります。
(5) 訂正発行登録書(普通社債) 2025年5月9日 関東財務局長に提出
2025年6月26日 関東財務局長に提出
2025年11月26日 関東財務局長に提出
2025年12月23日 関東財務局長に提出
2026年5月13日 東海財務局長に提出
(6)半期報告書の訂正報告書及び確認書
第二部 【提出会社の保証会社等の情報】
該当事項はありません。